商工委員会 第9号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1986/05/08
会議録
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨七日、岩本政光君、沖外夫君、守住有信君が委員を辞任され、その補欠として杉山令肇君、吉川博君、添田増太郎君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(下条進一郎君) 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○市川正一君 まず冒頭に、渡辺通産大臣も参加なさった今回のサミットについて伺いたいのであります。 円高問題なんですが、サミットでは大方の期待に反して、円高の是正どころか、逆につり上げる結果になり、マスコミも厳しい批判を展開しており、自民党内にも不満が続出しております。 そこで、伺いたいんですけれども、第一に、中曽根総理は円高による苦境をよく説明し、実情は認識された、こう言っておられるんですが、今のレートをもっと引き下げるべきであるということを主張されたのかどうか。されたとするならば、各国はどう対応したのか。大臣も御出席なすったんで、まずこのあたりから伺いたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう主張をしたということは聞いておりません。私などは立場が立場ですから、個別的には大体円高もいいところへ来たんじゃないかと思う。そういうようなことで、お話はいたしましたが、大体賛否両論ですな、これは。ヨーロッパ勢などは、もっと円高でないと我々とのバランスがとれないという主張が多かったです、個人的には、公の会議では出ませんから。アメリカの方も一部そういう人と、まあほぼいいじゃないかというようなところと、いろいろありますよ。しかし現実には、何人といえどもこれを自由にできるという状況にはありません。みんなが共同で介入して、これ以上円高にするのはやめようというような空気もありません。やはり円ドルレートというのは、その国の経済の基礎的条件の反映した結果であるから、やはり市場にそれは任せるべきだということでございます。
○市川正一君 日本がその主張をしなければそういう空気が出ないのは当たり前で、これは中曽根総理が円高による苦境をよく説明し、実情は認識されたとかいうようなことではなかったということに相なるわけです。 続いてお伺いしますけれども、それではアメリカの責任についてはきちんと言及されたのかどうかということなんですが、例えば自分の方の、軍拡・財政赤字あるいは多国籍企業の、これはアメリカのことですよ、野方図な海外進出による産業の空洞化を放置して、そして日本ばかり責めてくる、そういうことは不公正ではないかというようなことを総理は主張をなすったのかどうか。そしてアメリカはそれに対してどう答えたのか。もし通産大臣、御承知ならば承りたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 首脳会談はだれも入っておりませんから、首脳だけですから、そこでどういう応答があったか委細は承知いたしておりません。 しかし、かねがね日本としては言うべきことはちゃんと言っておるわけであります。言うべきことはちゃんと言っておる。それ世界じゅうみんなやり合っておるわけですから、我々大蔵大臣のときなどは、アメリカの高金利というものが一番問題なんだよ、だから財政赤字を縮減して高金利をもっとなくせ、当然じゃないかと。これは私ばかりじゃない、ドイツの大蔵大臣も同じことを言っておりました、フランスも言っていました。当時アメリカとしては、いやそんなことない、要するにドルが強いというのは、その国の国力を反映しているからドルが強いんだということを彼らが言っておったんです。ずっとこれまではそういう主張だった。我々としてはそうじゃないよと、これは余りにもドルが強過ぎるというのは見かけ倒しなところがある。去年になって、世界じゅうがそういうふうな強がりを言わずに、やはり経済の諸条件が適正に反映するのは当然だという空気になってからずっと変わってきたというのも事実なんです。 したがって円が弱過ぎる。私は、ともかく昭和五十六、七年ですか、当時としては三百円近いところまで円安になりましたから、これはとても適正な反映ではないということで、逆に円を強める介入等も一緒になってやりましたが、余り効果がなかった。世界じゅうがそういうふうな空気になって、基軸通貨のアメリカまでがそういう空気になってきたものですから、円が非常に強くなってきた。私は円が強くなること自体悪いとは思っておりません。それは、自国通貨が強くなるということは、お金の値打ちが出るということですから、そのこと自体は決して悪いことではない。ただ問題は、そのスピードが速過ぎて、二百四十五、六円というものから百七十円を切って百六十五円とかというところまで、たった七カ月ぐらいの間で切り上がった。スピードが非常に速過ぎて、それでは対応しかねるというところでショックがあり、非常に困った問題が起きている。 輸入の方は、また逆に、思いがけない今度は財宝が転がってきたような話になっているわけですね、これは実際は。もう石油の値段が半値近くになっちまうという話ですから、値下がりと円高と両方で。ですから、買うのは、石炭は安い、石油は安い、鉄鉱石は安い、何は安いと、買うものはもう日本国民にとっちゃうんと安くなるわけですから、だから相半ばするわけですよ、これは輸出と輸入と。ですから、円高が全部だめなんだということじゃなくて、ただスピードが速過ぎてその対応に非常に苦しんでいるということは、当然にそれはああいう会議でも我々言っているんです。
○市川正一君 私が聞いたのはアメリカに言うべきことを言っておるのかということなんです。 ところが、例えば今私が聞いたようなことを、言いかえれば、今の円高というのはアメリカのいろんな経済的危機を日本に全部しわ寄せするというところに事の本質があるわけで、宮澤総務会長でも、先日の訪米に対して中曽根総理に、あなたは一体何の話をしてきたんやて詰め寄る一幕もあったじゃないですか。それはもう今や与党含めた全体のいわば世論ですよ。 そこで三つ目に伺いたいのは、相互監視機構の問題です。これが主として日本をターゲットにするものであるということは今や明白です。ある新聞は対日包囲網とさえ論じているではありませんか。 ところが、竹下大蔵大臣は六日の記者会見で、サーべーランス、監視はあった方がよい、こういう場がないと為替安定のための政策協調は機能しない、こう述べております。 それでは、三つ伺いたいんですが、一つは、為替安定という名で一層の円高を認めるということにはなりませんでしょうか。二つ、今後黒字が減らない場合、日本がますます責め立てられることを日本自身が望んでいることになるんではないでしょうか。三つ、それに対して各国がいろいろと具体的注文をつけてくる、それこそ内政干渉の公認になりはしないでしょうか。この三つについて、通産大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、世界の経済というのはどうしても相つながっておる。したがって、一国だけが非常によくなり通して、そのままずっといくということはあり得ないんです、こういうことは。その反面、片っ方がえらい犠牲になるということもあり得ない。かつてOPEC諸国が石油の倍々ゲームをやりまして、そして二ドル五十セント、三ドルというものが十五ドルになり、三十二ドル、スポット四十ドルという時代があったことは御承知のとおりで、そのためにOPEC諸国に一千億ドル近い金が一年に舞い込む。サウジだけで七百七十億ドルという金が一年に貿易黒字で入ってきた。その反面、世界じゅうがみんな出費が多くなって、貿易が赤字になって、それで不況のどん底、インフレ、失業と、こうなったという経験があったことはあなたも御承知のとおりです。ところが、彼らの言っているのは、今日本が、要するに輸出が千八百億ドル、輸入が千三百億ドルというようなことで、一年に五百億ドルも黒字を出している。何か、ともかく推測によれば、ことしなどは七百七十億ドルとかあるいは八百億ドルに日本の貿易黒字がなるではないか。そういうようなことがもし続けば、同じような問題が起きてくる。日本にだけ富が集まってきちゃってほかが貧乏する。あなたは首を振っているけれども、そうじゃないですか、現実が、彼らから見れば。だから……
○市川正一君 そんな陰口おまへんがな。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いやいや、貿易の数字がそうなっているという話を私がしているんですよ。だから、そういうことは不公正貿易だと。だから、日本はもっと貿易のバランスをとらせるように努力をしろ、それが世界経済全体のために役立つことだと彼らは主張している。立場が違えばそうでしょう、それは当然に。
○市川正一君 日本の話を聞いているんです、向こうの言い分やなしに。
○国務大臣(渡辺美智雄君) だから、私が今その話をしているんですよ。 そこで、円高の問題についても、一層の円高を容認するとかしないとかという話でなくて、円ドルレートというものは、要するにその国の経済の基礎的な経済のいろんな条件を総合的に反映したのが円の価値なんですから。だから、そこで行き過ぎがあったりなんかしてはそれは困りますと。だから、みんなで世界の経済をよくするためには、ここに書いてあるようなことはお互いがよく見ながら協調しましょうと。ここに書いてあるのは、例えばGNPの成長率はあなたのところは何ぼになるのかね、インフレ率はどうなのか、金利はどうだ、失業はどうだ、財政赤字がどうだ、経常収支はどうだ、貿易数字がどうだ、外貨準備の程度はどうなんだと。全部を十二月に我々発表するわけですよ。ことしのGNPは四%、物価は二・何%とかなんとか。失業率はこの程度の見込み、雇用者所得は何ほどか、みんな発表し合って、大体いいとこだねと。 ところが、その発表し合ったものと全く違う数字が出てくるというようなときには、そういうようなものについてひとつあんまりかけ離れたようなことは困るんじゃないのと。だから、みんなが了解できる程度のものにするように努力しましょうやという話であって、何も日本だけが縛っておるわけでも何でもない。世界じゅうで、そういうようなことについてよく政策協調していこうということでありますから、日本だけをとりあえず円高のためにそういうことをやっているということでもありませんし、貿易黒字がふえたら責められるだろうと。それは責められるかもしれませんよ、これ以上ふえていけば。それは輸出だけして輸入しないということになれば貿易黒字がふえるかもしらぬ。 しかし、日本の貿易黒字がふえるのには理由があってふえるんですよと。例えば輸入は確かにここ一、二カ月ふえていますよ。ふえていますが、石油の輸入も、数量的には横ばいでも、値段が四割も三割五分も下がっちゃえばその分輸入が減っちゃうから、黒字は百億ドル以上余計に、石油の輸入減、数量では同じでも値段が安いのだから、そういうところで輸入が減退ということになるから幅は大きくなりますよ、それは日本のせいじゃありませんよということは、我々はちゃんと言っておるんです。 それから、内政干渉の問題については、内政干渉というのじゃなくて、みんながどうやったらばやっていけるかということについて話し合いをしてやっていこう、日本については、これだけたくさんのお金をともかく世界じゅうから集め込んできているのならば、それは海外経済協力も結構で、やってもらわなきゃならぬ、海外投資もやってもらわなきゃならぬが、内需拡大についてもその金をもっと利用してもらいたいという希望はあったことは事実ですよ、それは。ですから、別に内政干渉じゃない、我々だって外国にもちゃんと言うわけですから、もっと金利を下げたらどうですか、もっと財政赤字を少くしてくださいよとアメリカに対して我々は言ってきているのだから。そんなことを一々言ったら、内政干渉だどうだと言われても困る、お互いさまだから。
○市川正一君 さっきの話から言うと、言うべきことは言わぬと、向こうから言われることばっかりやっているじゃないですか。私、この点では通産省の方の感覚がむしろ健全やと思うんです。これはある新聞の報道によると、「通産省はいち早くその危険を察知した。「ベーカー提案は毒入りのリンゴ。日本に対する内政干渉に手がかりを与えかねないプランを通貨マフィアたちに勝手に進められては大変だ」」といって、これは名前は出ておりませんけれども、通産省の首脳が語ったと、こう報ぜられているんです。私は、これはまさに一つの見識ある、健全な通産省の一つの認識を表明をしていると思うんです。 大臣は、今そういうことは言っていないじゃないですか。私は、この問題は例の前川レポートで、輸入大国になるということをレーガンに公約したことなどと相まって、日本の主権にかかわる今後重大な問題になるだろうということをとりあえず指摘しておきます。 私が質問する五倍ぐらい大臣が答弁なさるので、私の時間はもうまことに不経済なんです。 そこで、最後に伺いますけれども、こういうしわ寄せが特に中小企業に集中的に押し寄せてくると私思うんです。一層深刻な打撃を受けることは火を見るよりも明らかでありますが、大臣はこの段階において、中小企業への対策にどういう構想をお持ちなのか、それを最後に、これはたっぷり聞かせてください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 中小企業、特に輸出関連ですね、輸出関連の中小企業について非常に大きな問題が出ておることはよく承知をいたしております。また、北洋漁業等の問題で、要するにソビエトの漁獲制限、こういうような点から、北海道等の多くの漁業関係者に大きな被害が出ている、これも事実でございます。 したがいまして、こういうような問題につきましては、まず我々としては、要するに当面の金繰りというものが大事でございますから、この前者さんにお願いして成立をいたしました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法、これによって低利の長期の融資をする、そういうことをした。それから減税のこともいたしましたし、さらに円高によって影響を受ける中小企業については、現在も、その後どういうふうなことをやらなければならぬかというようなことで続いて検討中で、とりあえず予算の成立したものを使って、それで後追加措置については状況を見ながらだんだん考えてまいりたい、そう思っております。
○市川正一君 今までのあの措置ではもう追っつかなくなってきているんですよ、事態がどんどん進行して。例えば利子の幅の問題についても、大臣は再検討する余地を含む答弁を前になさっていましたから、そういうことを含めて、ぜひ積極的措置を至急に立てていただきたいということを強く望みたいと思います。 さて、法案でありますけれども、まず伺いたいのは、第二条の第一項第一号で、工業技術に関する研究開発及び企業化を行うための「一部の施設」としてイ、ロ、ハ、ニということを挙げられております。 そこで、この「一部の施設」というからには、このイ、ロ、ハ、ニで示されている施設が全部そろっておって、それが有機的に結合しているものでなければならないと理解されるんですが、そうなんでしょうか。
○政府委員(黒田明雄君) 研究開発とその成果の企業化を効果的に推進するための基盤施設を建設させたいという考えから発しているわけでございまして、そういうことから考えてまいりますと、この四つの施設を欠かさず備えることがぜひとも必要であるというふうに考えております。 その理由でございますけれども、やはりこの四種の施設が、機能としては相互に補完し合う関係に立つわけでございまして、この施設を一部として整備するということによって、初めて効果的な基盤施設、研究開発及び企業化の効果的な基盤施設たり得るというふうに考えているわけでございます。それぞれ一つずつでありましてもそれなりの効果はもちろんあるわけでございますけれども、立法措置を講じ、一定の助成措置を講ずるからには、ぜひとも効率的なものであるべきであるというような観点から、このようにいたしておる次第でございます。
○市川正一君 そうしますと、この一部の施設という場合には、面的な広がりといいますか、地域的な広がりという問題がかかわってまいります。その際に、同一敷地内に四つの施設を置く場合もありましょうし、あるいは敷地としては別々であるけれども、例えば同一の都道府県内とか市町村内という場合もあると思うんですが、その点はどういうふうに考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(黒田明雄君) その点につきましては、先ほども申し上げましたように、機能が相互に補完し合えるということを求めているわけでございますので、一定の地域内に設置されていることが必要でございます。特に、利用する側から考えまして、一体として利用できるかどうかという点がポイントでございます。しかしながら、その利用の面から見て一体的に利用が可能であれば、特別の建物に集中して入る必要もございませんし、また市町村といった行政区画にとらわれることも必要ではないというふうに考えておりまして、全体として実物に即してみました場合に、その効果的な研究開発が一体として確保されている、そういう機能が確保されているということが認められます限りにおいて、それでいいのではないかというふうに考えております。
○市川正一君 そうすると、かなり広域的なものとして考えられるんですが、その際に本法の助成の対象となる特定施設というのはどういう範囲なのか。 具体的に言いますと、四つの施設の建物、附属設備、直接研究に使用する装置、機械器具、駐車場、花壇、塀、建物の建っている土地、用地など、どこまでの範囲が対象になるのか。また、施設ごとに助成の内容が異なるのかどうか。後でお伺いすることと関連してまず確かめたいと思います。
○政府委員(黒田明雄君) 対象施設ごとにそれぞれの税制措置が決められるわけでございますけれども、税制の観点から申し上げますと、まず建物及びその附属施設が対象になるわけでございまして、これには特別償却が認められる。それから地方税の点では、対象施設用の家屋または土地等に対して特例措置が講ぜられるわけでございまして、その対象は不動産取得税、固定資産税、特別土地保有税、事業所税といったものでございますので、これらの対象になるものがそれぞれ軽減措置の対象になります。 それから、開銀での出資及び融資、それから北海道東北開発公庫の出資及び融資が行われますので、これの対象になり得るものについて特利が講ぜられるということでございます。
○市川正一君 それでは、ここにテクノポリスの配置図がありますんですが、テクノポリス地域に指定されていも地域のうち、本法の助成対象となり得る構想を持った施設を予定しているのは何カ所ぐらいあるのか、またそれは全体の中でどれくらいのウエートを占めているのか聞かしていただきたい。
○政府委員(黒田明雄君) テクノポリス地域が既に承認されておりますのは十八地域あるわけでございますが、今回の法律の対象になりますリサーチコアと私どもが呼んでおります。そういう施設の検討状況を調査いたしましたところ、それぞれ検討にはいろいろな進展、進捗の段階があるわけでございますけれども、比較的検討が進んでいるものというものを集計いたしますと、二十八プロジェクトございます。このうち十四プロジェクトが既にテクノポリス地域として承認された地域に置かれるものでございます。
○市川正一君 同様の見地から、通産省の考えていらっしゃるニューメディアコミュニティー、それから郵政省の考えておられるテレトピアについても実情わかれば聞かしていただきたい。
○政府委員(杉山弘君) ニューメディアコミュニティー対象地域、御案内のように現在まで十五地域ございます。この中で対象施設についての検討の熟度がまちまちでございますが、私どもとりあえず、山形県の酒田と、それから熊本県の熊本市、この二つのプロジェクトが対象としてまず挙がってくるのではないかというふうに考えております。それ以外でも、旭川とか広島とかでも計画が進んでいる、このように承知をいたしております。
○政府委員(奥山雄材君) このテレトピア地域におきまして本法の対象となる郵政施設、具体的には四号施設になりますが、四号施設として今後支援措置を講ずる予定のものといたしまして、現在八地域がございます。なお、二号施設でございますいわゆる国際電気通信基礎技術研究所の点につきましても、当該地域一帯はテレトピアの指定地域になっております。
○市川正一君 今お答えいただきましたことからも明らかなように、本法案も、またテクノポリス法も、ニューメディァコミュニティーも、テレトピア構想も、みんな先端技術なんですね。その情報化を目指したものでありますから、多くの地域が幾重にもオーバーラップというか、重なって助成措置を受けることになることになりかねぬと思うんですが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(奥山雄材君) 私どもの所管のテレトピアに対する支援措置と、それから本法の支援措置との関連で申し上げたいと思いますが、テレトピア地域につきましても、一定の財政上あるいは税制上の優遇措置がございますけれども、これはあくまでも当該地域において設置されますシステムにつきまして、財政投融資あるいは一定の税制上の支援措置が講ぜられることになっております。 ところが、当該地域において地域の高度化を図るための拠点施設としての中核施設、これが今回の対象となる特定施設と言っていいと思いますが、このようないわゆる箱物につきましての優遇措置、税制上あるいは財政上の措置はないわけでございます。今回初めでそのような地域全般を発展、開発するための中核的な施設についての一定の支援措置が講ぜられるわけでございますので、テレトピアに対する措置とあわせまして、両々相まって地域の電気通信の高度化が図られるものというふうに考えております。
○政府委員(黒田明雄君) テクノポリスとの関係でございますが、テクノポリスの事業を進めるに当たりまして、私どもとしては当該研究開発あるいは企業化を製造事業者が行うということも、もちろん極めて重要であるというふうに考えているわけでございますが、こういった研究開発を志す企業を支援するための機能というものが、やはりその地域に一つの拠点として整備されることが重要ではないかというふうに考えているわけでございます。 この点は、テクノポリスにおける母都市機能ということで、高次な機能の整備ということを当初から考えていたわけでございますが、この母都市機能のうち、特に研究開発及びその企業化につきましては、特段の措置をもって整備しなければテクノポリスの将来にかけた発展が期待しにくいということで、実はこの母都市機能の中におきます研究開発機能の強化を推進しているわけでございます。今回この法案で提案しておりますリサーチコアは、まさにテクノポリス地域におきましてはこれに相当するわけでございます。 従来テクノポリスにつきまして促進税制があるのでございますが、これはそこの地におきます製造業者の研究開発を中心に税制措置を用意しているわけでございます。今回はこの母都市機能の強化という観点から新たな支援措置、助成措置を講ずるものということでございまして、全体としてテクノポリスの建設に役立つというふうに考えておりますが、相互に重複するものではないというふうに理解いたしております。
○市川正一君 それぞれ何かアリバイのような御発言があったんですが、実際の問題として、一定地域がこれらの指定地域になった場合には、当然ほかの地域に優先して、道路、上下水道などの公共施設を整備することが求められる。今日、地方自治体の財政事情などから見ましても、指定を受けない地域の公共施設の整備が結果として後回しになる、地域格差が増大することになることが現実に懸念されるんでありますが、その点はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のように、これは建設省の方の立場から見ますと、特定都市開発地区においてその地域の再開発をする一つの拠点施設というふうなとらえ方をしておられます。私どもは、それぞれ施設の整備ということの国民経済的な意義を強調いたしておるわけで、そういう意味では、これの施設をうまく実施するために周辺の公共事業の整備をしていく。こういうことは総合的に行われるというふうに期待をいたしております。 しかし、これは地域の経済の活性化ということに非常に重きを置いておりまして、またその波及効果も期待されるわけでございまして、それぞれ地方公共団体が全体の地域経済の活性化に導くように、そこは総合的な御計画を立てて進めていただけるものと期待をいたしております。
○市川正一君 だとしますと、特定施設の設置者が作成する整備計画の認定は主務大臣が行うことになっております。しかし、こういう施設の設置は地方自治体が行うまちづくりと密接不可分のものであります。したがって、私は都道府県知事もこの認定に加わる必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のように、これは地域の経済の問題と非常に密接に関係をいたすわけでございます。ここのそれぞれの整備計画を、ここで特定都市開発地区の整備計画をつくって、またそれを認定をする、こういう認定の基準に入ると、こういうことに相なっておるわけでございます。 実際このプログラムをつくりますのは、地方公共団体が関与することになると思っておりますし、またこれを進める上で地方公共団体も第三セクターという格好で出資をしてくる。こういうことでございまして、実際上、地方公共団体がかむような仕組みでこれが展開されるものでございます。したがいまして、もちろん私どもも、地方の御意見は十分事前にも、そのときどきにも相談しながらやってまいりますが、地方公共団体の考え方というのは十分ここに反映させるようなことになっておると思っております。事務の簡素化という観点もあって、主務大臣での認定、こういうことにいたしましたが、地方との連絡は十分密にして進めてまいるつもりであります。
○市川正一君 この第三セクターを防護壁に今福川さん出されましたけれども、それと都道府県知事とは全く別人格でありますから、知事の権限を認めないということの合理的理由にならぬということを私は指摘しておきたいと思います。 前へ進みますが、郵政省に伺いたいんであります。京阪奈、京都、大阪、奈良、この地域に置かれる関西文化学術研究都市内に立地を予定している株式会社国際電気通信基礎技術研究所、略称ATRと言われておりますが、その研究法人は本法の助成対象になると思いますが、確認いたしたいと思います。
○政府委員(奥山雄材君) ただいま御指摘ございました株式会社国際電気通信基礎技術研究所は、去る三月二十二日に設立登記を終えて発足いたしております。現在、それらの具体的な中身につきまして、発足した会社におきまして着々と進捗しているようでございますが、私どもの考える、判断し得る材料から申し上げますと、本法の適用対象になる公算が非常に強いというふうに考えております。
○市川正一君 次に、通産省に伺いますが、アメリカ側が武器技術供与と関連して関心を示している技術分野と、その技術を持っている企業名を伺いたいんでありますが。
○政府委員(杉山弘君) お尋ねの件について、正確に当方としては承知をいたしているわけではございませんが、一つの手がかりといたしましては、一昨年の夏に国防省から参りましたマッカラム調査団というのがございまして、この調査団は日本の企業八社の調査をいたしてまいりましたが、その際に、これらの企業の持っておりますミリ波、マイクロ波技術、さらにはオプトエレクトロニクス技術、こういったものについて調査をしていったということでございまして、その結果を報告書として公表をいたしておるというふうに承知をいたしておりますので、この辺から一つの手がかりが得られるんではないかというふうに考えます。
○市川正一君 私、今、通産省及びその前に郵政省から伺ったんですが、問題は、このATRグループに参加している企業の上位十社とその研究テーマをここに一覧表いただきました。それとアメリカ側が関心を示している技術分野と、その技術を持っている企業名とはほぼいわば合致するんです。 ここに持ってまいりましたのは、八五年七月二十九日号のアメリカのエレクトロニクスという雑誌であります。去年の五月末の第七回日米装備技術定期協議で、光通信などの技術に関心を示したと言われるアメリカの国防省の関心を持っている技術とその関係企業のリストをここで紹介しておりますけれども、この中にはATRに参加しているNTTやNEC、日立、富士通、東芝など、こういう主な通信機メーカーが含まれております。 ということは、日米武器技術供与協定によって、京阪奈の学術都市に立地しているATRで開発した技術が、アメリカの武器技術として利用される可能性が不可避だと思うんでありますが、郵政省はこの点どうお考えでしょうか。
○政府委員(奥山雄材君) ATRは、電電改革の電気通信自由化体制が実現いたしました後、さらに民間の活力を最大限に活用して、今後の二十一世紀に予想される高度情報社会に向けて電気通信の基礎的な技術を中心に発展を図っていくために、民間の発意によって、その結集によって設立されたものでございます。したがいまして、当該研究所は、社会経済全般の発展、向上あるいは国民生活、福祉の向上といったようなものの観点から電気通信技術の開発を行うわけでございまして、またあるいはそのような観点から外国の研究者との技術協力協定といったようなことをも将来は行うことで発足をいたしております。 したがいまして、それぞれのR&D会社の中には光電波通信研究所といったような、先ほどお話が出ておりましたミリ波の研究を行うような会社もあることは事実でございますけれども、これらの技術は高度な移動通信を将来実現するためには必要不可欠の電気通信にかかわる技術でございまして、電気通信の将来像としてだれもが欲しておりますところの、いつでも、だれでも、どこへでも通信ができるといったような移動型の通信の極限、こうしたものを民生用として開発するための研究所でございまして、御指摘のございましたようなアメリカの国防省の関心云々とは関係のない形で発足をしております。
○市川正一君 ここに私が持ってきましたのは、外務省のSDI調査団の報告書でありますが、この調査に参加した企業の中には、今問題にしていますATRの企業も入っているわけですね。したがって、これがSDIに利用されるおそれが多分にあるということを私は指摘せざるを得ぬのであります。 さらに、このエレクトロニクス誌は、この中に企業と技術のリストとともに、こういうふうに述べております。「日本のイクゼキューティブは、確実に軍事システムにつかえるコンポーネントを多数販売している。われわれは、それが何につかわれるかを決して聞かないことにしている」というふうに指摘するとともに、「通産省は(武器輸出の)ガイドラインの管理は弾力的であり、軍民両用のものについては無条件で輸出を認めている」というふうにも述べております。 私は、さきに基盤技術研究円滑化法の審議の際に、センターを通じて研究する技術が軍事的利用される危険性を指摘したのでありますが、そのときに福川局長は、軍事利用を目的にするものではないというふうに、明確に答弁をなさいました。しかし、現時点に立って、こういう一連の諸問題についての危険性、これについて再度明確な見解を承りたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 昨年基盤技術研究円滑化法の御審議の際に御指摘がございましたが、私どもといたしましても、今御指摘のATRは、基盤技術研究促進センターからの資金を活用するという一環にもなっておるわけでありますが、私どもとしては、これはいわゆる民生用の技術あるいは汎用というようなものも入るであろうかと思いますが、あくまでも軍事目的に利用する、こういうものの技術開発ではないと理解をいたしております。
○市川正一君 時間が参りましたので、最後に一問だけお伺いして結びたいと思います。 今の問題と関連します学研都市の問題です。学研都市の大阪府の区域のうち、エントランスゾーンが計画されている四條畷市の部分は、金剛山、生駒山、あの国定公園の区域内でもあります。この区域は一九六〇年代からの土砂採取によって無残な山肌をさらして、固定公園の美しさは今や減殺されております。 一九七〇年代からは、住民、自治体を初め、我が党も加わって、自然環境を守るための運動を進めてまいりました。政府もこれにこたえて、一九七九年から八〇年にかけて、北生駒地域保全整備計画調査を行って、これに基づいて同地域の保全整備について基本方針、基本計画を立てられました。この中で基本的な考え方として、国は、一つ、自然環境の保全を図ること、二つ、災害の防止を図ること、三つ、土砂採取は極力抑制すること、四つ、採取跡地等地域の整備に当たっては、緑化回復を基本としつつ適正な利用を図ることの四点を確認しているところであります。 そこで、先日、私、四ツ谷光子前衆議院議員の協力も得て現地を調査いたしましたが、依然として緑化回復には至っておりません。学研都市に組み入れられて、さらに自然破壊が進行される危険すらあります。 そこで、国土庁あるいは環境庁、どちらでも結構でありますが、この緑化回復にいかなる対策をとっていらっしゃるのか、その具体的な進行状態、計画などを最後に承りたいと思います。
○説明員(荒木寛君) お答えいたします。 北生駒地域の保全整備計画につきましては、先生おっしゃるとおり、昭和四十年ごろから土砂採取が行われまして、自然環境の破壊等が問題になっております。これを受けまして、国土庁を初め環境庁、林野庁、さらには建設省等協力いたしまして、当地域の総合的な開発保全に関する調査をしたわけでございます。 その結果でございますが、先ほど先生御指摘のように、自然環境の保全を図ること。それから第二点として災害の防止を図ること。第三点として土砂採取は極力抑制する。第四点でございますが、採取跡地等地域の整備に当たっては緑地回復を基本といたしまして、跡地の適正な土地利用を図るということとしたわけでございます。 このうち、関西学研都市のエントランスゾーンとして位置づけております北生駒地域の清滝、それから室池地区につきましては、本調査の中で緑化を基本といたしまして、適正な土地利用を行う整備区域といたしておりまして、主として緑化回復を図りながら野外レクリエーション施設の整備を図るべきこととしているわけでございます。現在、大阪府で、この調査の方向に沿ってこれらの施設の整備を行うための事業手法等につきまして、鋭意検討を進めているわけでございます。 国土庁といたしましては、今後とも必要に応じまして、関係行政機関と連携をとりながら、地元関係公共団体の保全整備に必要な支援をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○井上計君 最初に、大臣にお伺いするわけでありますが、昨日の連合審査においても、また先ほど市川議員からも質問がありました、今度の東京サミットにおいての円高問題でありますけれども、簡略にお伺いをしたい、こう考えておりますが、その前に、今回の法案、民活法については、私どもとしてはこの程度でも現状はまあ仕方がない、そういうふうな意味での賛成であります。もっと積極的にやはり民間活力を促進するようなことを考えていかなくちゃいけない、こういうふうな認識は持っておりますけれども、ただ、私は、幾らどのような法律をつくり、どのような制度をつくっても、民間の企業がやる気を起こさなければ何もできない、こう考えるんですね。 二十数年前、もう三十年近くなりますが、中小企業近代化促進法にしても、当時から企業の自助努力を促進し云々ということであったわけですね。名前は違っていますけれども、やはりこれも民間活力、要するに中小企業に対する民活法であった、私は当時からこういう理解を持っているわけです。 そういう意味では、やはり中小企業を含めて民間企業が、こういうふうな財政状態の中で、あるいは国際経済情勢の中で、まず自分たちがやらなくてはというやる気を起こすためにどうするかということが大前提にならないと、どのようないい法律ができ、いい制度ができても、なかなか促進をされないんではなかろうか、このようなことを実は強く感じておるわけであります。 そこで、円高問題について簡単にお伺いしますけれども、先ほど来、また昨日もいろいろと大臣に対する質問が行われ、答弁がありましたから、十分私どもとしては大臣のお考えわかっておりますけれども、やはり繰り返し念のためにお伺いしたいのは、何といってもやはり異常な急激な円高、このように言わざるを得ないわけですね。 おととい、私は地元で、二、三の輸出を重点に置いている中小企業と会いました。率直に言いますと、もうどうにもなりません。この状態で今後レートの見通しが立たなければ何を考えてももう意味がありません、むだです。なるようにしかなりません。だからもうどうなっても仕方がないと、実は大変悲痛な叫びを聞いておるわけであります。 なぜかといいますと、先ほど大臣は、現在の百六十五円程度の為替相場が必ずしも悪いとは思わぬ、ただ急激に来たことが困るんだ、こういうお話がありました。もちろんそうでありますけれども、しかし実態は、私は急激であってもなくっても、百六十円台の為替相場であって果たして日本の輸出企業がやっていけるのかどうか。これは、これからさらに労働時間も長くしましょう、あるいは賃金ベースも下げましょうというふうな、言えば、そのような過酷な条件をさらに加えればあるいはもっとコスト低減できるかもしれませんけれども、労働時間は短縮をしていこう、さらに働き過ぎたという批判にこたえるために、年間労働日数を大いに短縮をしていこうというふうな状態の中で、他のコストアップ要因が幾つもあるわけですね。 そういう中で、百六十円台では絶対やっていけないというふうな、私はいろんな人と会ってそういう認識をしておるわけですね。だから、これが今さら百八十円が好ましいとか、あるいは百九十円でなくてはやっていけぬとかということを今私は言うつもりは全くありませんし、またそのような考え方では困るんですけれども、百六十円台にほぼ今後定着した形でいくとするならば、あるいはもっと、言われているように百五十円台になる可能性もあるということであるなら、私は格段のこれについての緊急対策はぜひやっていかなくてはいかぬ、こういうふうに考えておるんですが、大臣どうお考えでありましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは何円になるか、どこがいいかということは、輸入する人と輸出をする人では正反対でありますから、輸入する人は高い方がいいと思っておるし、輸出をする人は安い方がいいと思っていますから、幾らがいいということはなかなか政府は言いづらいわけであります。しかしながら、輸出がそういうことで非常にブレーキがかかって鈍るということになれば、日本経済が先行きが少し暗くなるということですから、当然円の値打ちは安くなるということで反作用が来るわけでございます。 我々といたしましては、ともかく為替レートが輸出にブレーキになっておるということは事実でございます。そのうち、どれぐらいのものがその間輸出から離れていくか、離れた人をどういうように国内でその人たちを面倒を見るか、そこが問題なわけでございまして、やはりどうしても値上げもできない、採算も合わない、だから輸出はやめる。私は必ず出てくると思うんですね、当面。そういう人たちに対する対応策というものは考えていかなきゃなりませんので、我々は当面予算で決められたこと等は着実にまずこれを実行する、そして公共事業等も前半で七七%、恐らく執行できないんじゃないかと私は思いますが、このたくさんのものは。 なかなか言うべくしてそう簡単に、執行の段階になりますと、ただ金が入ったからすぐ設計図があしたできるというわけでもございませんし、土地取得がすぐできるというわけでもありませんかの区域は一九六〇年代からの土砂採取によって無残な山肌をさらして、固定公園の美しさは今や減殺されております。 一九七〇年代からは、住民、自治体を初め、我が党も加わって、自然環境を守るための運動を進めてまいりました。政府もこれにこたえて、一九七九年から八〇年にかけて、北生駒地域保全整備計画調査を行って、これに基づいて同地域の保全整備について基本方針、基本計画を立てられました。この中で基本的な考え方として、国は、一つ、自然環境の保全を図ること、二つ、災害の防止を図ること、三つ、土砂採取は極力抑制すること、四つ、採取跡地等地域の整備に当たっては、緑化回復を基本としつつ適正な利用を図ることの四点を確認しているところであります。 そこで、先日、私、四ツ谷光子前衆議院議員の協力も得て現地を調査いたしましたが、依然として緑化回復には至っておりません。学研都市に組み入れられて、さらに自然破壊が進行される危険すらあります。 そこで、国土庁あるいは環境庁、どちらでも結構でありますが、この緑化回復にいかなる対策をとっていらっしゃるのか、その具体的な進行状態、計画などを最後に承りたいと思います。
○説明員(荒木寛君) お答えいたします。 北生駒地域の保全整備計画につきましては、先生おっしゃるとおり、昭和四十年ごろから土砂採取が行われまして、自然環境の破壊等が問題になっております。これを受けまして、国土庁を初め環境庁、林野庁、さらには建設省等協力いたしまして、当地域の総合的な開発保全に関する調査をしたわけでございます。 その結果でございますが、先ほど先生御指摘のように、自然環境の保全を図ること。それから第二点として災害の防止を図ること。第三点として土砂採取は極力抑制する。第四点でございますが、採取跡地等地域の整備に当たっては緑地回復を基本といたしまして、跡地の適正な土地利用を図るということとしたわけでございます。 このうち、関西学研都市のエントランスゾーンとして位置づけております北生駒地域の清滝、それから室池地区につきましては、本調査の中で緑化を基本といたしまして、適正な土地利用を行う整備区域といたしておりまして、主として緑化回復を図りながら野外レクリエーション施設の整備を図るべきこととしているわけでございます。現在、大阪府で、この調査の方向に沿ってこれらの施設の整備を行うための事業手法等につきまして、鋭意検討を進めているわけでございます。 国土庁といたしましては、今後とも必要に応じまして、関係行政機関と連携をとりながら、地元関係公共団体の保全整備に必要な支援をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○井上計君 最初に、大臣にお伺いするわけでありますが、昨日の連合審査においても、また先ほど市川議員からも質問がありました、今度の東京サミットにおいての円高問題でありますけれども、簡略にお伺いをしたい、こう考えておりますか、その前に、今回の法案、民活法については、私どもとしてはこの程度でも現状はまあ仕方がない、そういうふうな意味での賛成であります。もっと積極的にやはり民間活力を促進するようなことを考えていかなくちゃいけない、こういうふうな認識は持っておりますけれども、ただ、私は、幾らどのような法律をつくり、どのような制度をつくっても、民間の企業がやる気を起こさなければ何もできない、こう考えるんですね。 二十数年前、もう三十年近くなりますが、中小企業近代化促進法にしても、当時から企業の自助努力を促進し云々ということであったわけですね。名前は違っていますけれども、やはりこれも民間活力、要するに中小企業に対する民活法であった、私は当時からこういう理解を持っているわけです。 そういう意味では、やはり中小企業を含めて民間企業が、こういうふうな財政状態の中で、あるいは国際経済情勢の中で、まず自分たちがやらなくてはというやる気を起こすためにどうするかということが大前提にならないと、どのようないい法律ができ、いい制度ができても、なかなか促進をされないんではなかろうか、このようなことを実は強く感じておるわけであります。 そこで、円高問題について簡単にお伺いしますけれども、先ほど来、また昨日もいろいろと大臣に対する質問が行われ、答弁がありましたから、十分私どもとしては大臣のお考えわかっておりますけれども、やはり繰り返し念のためにお伺いしたいのは、何といってもやはり異常な急激な円高、このように言わざるを得ないわけですね。 おととい、私は地元で、二、三の輸出を重点に置いている中小企業と会いました。率直に言いますと、もうどうにもなりません。この状態で今後レートの見通しが立たなければ何を考えてももう意味がありません、むだです。なるようにしかなりません。だからもうどうなっても仕方がないと、実は大変悲痛な叫びを聞いておるわけであります。 なぜかといいますと、先ほど大臣は、現在の百六十五円程度の為替相場が必ずしも悪いとは思わぬ、ただ急激に来たことが困るんだ、こういうお話がありました。もちろんそうでありますけれども、しかし実態は、私は急激であってもなくっても、百六十円台の為替相場であって果たして日本の輸出企業がやっていけるのかどうか。これは、これからさらに労働時間も長くしましょう、あるいは賃金ベースも下げましょうというふうな、言えば、そのような過酷な条件をさらに加えればあるいはもっとコスト低減できるかもしれませんけれども、労働時間は短縮をしていこう、さらに働き過ぎたという批判にこたえるために、年間労働日数を大いに短縮をしていこうというふうな状態の中で、他のコストアップ要因が幾つもあるわけですね。 そういう中で、百六十円台では絶対やっていけないというふうな、私はいろんな人と会ってそういう認識をしておるわけですね。だから、これが今さら百八十円が好ましいとか、あるいは百九十円でなくてはやっていけぬとかということを今私は言うつもりは全くありませんし、またそのような考え方では困るんですけれども、百六十円台にほぼ今後定着した形でいくとするならば、あるいはもっと、言われているように百五十円台になる可能性もあるということであるなら、私は格段のこれについての緊急対策はぜひやっていかなくてはいかぬ、こういうふうに考えておるんですが、大臣どうお考えでありましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは何円になるか、どこがいいかということは、輸入する人と輸出をする人では正反対でありますから、輸入する人は高い方がいいと思っておるし、輸出をする人は安い方がいいと思っていますから、幾らがいいということはなかなか政府は言いづらいわけであります。しかしながら、輸出がそういうことで非常にブレーキがかかって鈍るということになれば、日本経済が先行きが少し暗くなるということですから、当然円の値打ちは安くなるということで反作用が来るわけでございます。 我々といたしましては、ともかく為替レートが輸出にブレーキになっておるということは事実でございます。そのうち、どれぐらいのものがその間輸出から離れていくか、離れた人をどういうように国内でその人たちを面倒を見るか、そこが問題なわけでございまして、やはりどうしても値上げもできない、採算も合わない、だから輸出はやめる。私は必ず出てくると思うんですね、当面。そういう人たちに対する対応策というものは考えていかなきゃなりませんので、我々は当面予算で決められたこと等は着実にまずこれを実行する、そして公共事業等も前半で七七%、恐らく執行できないんじゃないかと私は思いますが、このたくさんのものは。 なかなか言うべくしてそう簡単に、執行の段階になりますと、ただ金が入ったからすぐ設計図があしたできるというわけでもございませんし、土地取得がすぐできるというわけでもありませんか考え方は、石油が下がることは結構ですと、できるだけ下がってもらっていい。いいけれども、それによってばたばた石油の生産がストップしちって、そして今度は、二年もたたないうちにまた景気が出てきて、石油の需要が多くなって大暴騰と、これは一番日本にとっては困るわけですね、乱高下というのは。ですから、何とか必要最小限のものは供給してもらわなきゃならぬ、どれくらいの値段がいいものかと、そこらの探りですね、行って話を聞いてきたんですよ。 イギリスなどは、なるほど新聞に伝えるように強気でしてね、これは市場に任せるべきだ、うちの方はもう二ドルまで下がったってやると。それは多少のはったりも私はあると思いますが、ほかのシェルの会長なんかに間いても、五ドルぐらいまではやってできないことはない、サウジの出方一つだと。お互いに突っ張っているわけですな、これは。しかし、実際は大蔵大臣は逆でしてね、それは石油上がってもらわないと国庫収入が足りなくなってしまうわけですから、上がってもらった方がいいんだが、腹の中は、そうは言っても、イギリスの政策が市場にとにかく任せるというサッチャーさんの政策ですから、腹の中とはまあ別なことを言うわけですよ。だから、いろいろそういうことよくわかりました。 しかし、いずれも余り極端に下がり過ぎちゃったんでも困るという気持ちはあるが、しかしながら、やはり反動が来ないためにはどうするか。省エネ政策、代替エネ政策は続けてやりましょうと。それは、イギリスはアメリカと違って備蓄については、していません、金かかるし、何もあわててそんな掘り上げておかなくたって、地下には地下タンクあるんだから、いざというときにうんと掘ればいいわけですからね。備蓄については賛成しませんが、アメリカなどは備蓄は好きだと。したがって、これ見ますと、やっぱりもめごと出るわけです、これつくるときに。必要な量を備蓄する、必要とする国が備蓄するというのと、いや、希望する国が備蓄すると。これサミットの中でも論争が随分あって、二十分ぐらいかかったんですよ、これ、文案つくるのに。本会議になってから最終まとめて、結局「希望する国が」というふうに直ったわけですがね。それはやはりアメリカなんかはもっと備蓄させよと、戦略備蓄と。日本もどっちかというとそっちの方です、戦略じゃなくても、備蓄させよということなんですが、そういうふうなことで、いろいろ違いはあるが、余り暴騰は困るということはみんなそう思っておりますから。 それからもう一つは、そのためにはやはり代替エネルギーはやめない。したがって日本の政策も備蓄はやります、しかも積み増しもやりますよ、五十万トンことし積み増ししますと。それから原子力やなんかの事故やなんかがあったとしても、日本はあれと全く違うタイプだし、もっと一層研究してこれも進めましょう、省エネ政策もやりましょう、それからもうほかに利用が相互に交換できるようなエネルギーの研究開発もやりましょうと、こういうことは進めてまいりたい、そういうことはサミットの場でも言っております。
○井上計君 ありがとうございました。よくわかりました。 やはり石油の価格の乱高下、これはまたやっぱり民間企業が一番困ることでありますし、同時にまた、今大臣おっしゃっていただきました、私さっき申し上げたように、引き続いてこれからもさらに積極的な代替エネルギー対策、省エネ対策が必要であろう、このように考えており、それはまたコストを低減さすためにも民間の省エネ対策が必要であろう、こう考えますので、今後とも一層の御努力をひとつお願いをいたしたい、こう思います。 さて、本法案の中で、対象施設のうち、特に地方に研究開発の拠点施設を整備する、リサーチコアと言うのですか、これは中小企業にとっては具体的にどうなのか、また中小企業に対するメリットが期待できるのかどうか、これらについてひとつお伺いをしたいと思います。
○政府委員(黒田明雄君) 研究開発とその企業化につきましては、大企業の方はそれなりの能力を有しているわけでございますが、これに比べまして、中小企業はこの点について相当なおくれをとっているというのが実情でございまして、中小企業白書などでも指摘されているところであります。 それで、このリサーチコアを建設いたします場合に、特に地方展開をするわけでございますが、地域の中小企業にとりまして、研究開発を進め、成果を企業化する上で種々困難に遭遇している、そういった点を補完しあるいは支援するという機能を持つことができるのではないかというふうに考えております。技術開発の能力でございますとか、あるいはこれに必要な人材の確保、育成の面、さらには技術の交流、成果の交流、こういった面で中小企業が非常に困難を来しているわけでございますが、リサーチコアは、開放研究室でございますとか、人材養成機関でございますとか、あるいは技術、成果の交流のための施設を整備する、それからベンチャービジネス等中小企業特有のこういう企業形態で、特に創業時におきます種種の負担を感じているものについて施設を整備しようということでございますので、大企業に比して、とりわけ中小企業にとってメリットの大きいものになるというふうに確信いたしております。 現に、この開放型試験研究施設が整備されておりますケースがあるわけでございますが、先進的な事例といたしましては、例えば熊本県におきます電子応用機械技術研究所というのがございますが、ここでは開放研究室を利用しているのが、これは最近オペレーションを始めたわけでございますが、三社が利用いたしておりますけれども、すべて中小企業であるということが実態でございますし、また、ベンチャービジネスのインキュベーターに相当いたしますマイコンテクノハウス京都というのがございますが、これも入居企業が十八社ございますけれども、すべて中小企業が入っているという実情にございます。したがいまして、考え方もそのとおりでございますが、実績においても中小企業にとってメリットの大きいものになっているというふうに私ども考えております。
○井上計君 何といっても地方では、中小企業が利用しやすいというよりも、むしろ中小企業を主体にした施設ができないと、せっかくできた施設の利用価値がない、こう思うのですね。大体地方では、大企業と言ってもほとんどありません。大企業と言っているのは、東京あるいは大阪等々に本社のある大企業の地方工場ということでありますから、やはり何といっても地方においては、中小企業主体の、中小企業を重点にしたいろんな施設が好ましい、必要である、こう考えますので、さらにその点についても一層御配慮をいただきたい、こう思います。 そこで、それに関連するわけでありますけれども、見本市会場であるとか、あるいは国際会議場というふうなものが若干の計画がある、これは通産だけじゃありませんけれども、そのようなものを今後促進をされるわけでありますが、私の経験からまいりますと、工作機等の重量物を展示するような見本市会場というのは、現在日本に三カ所しかないんですね、かなり重いもの。地方に参りますと、重量物はほとんど展示できない。だから、地方の中小企業の製品は、東京、大阪、名古屋の三カ所しかありませんから、なかなか出品ができないんですね。輸送その他に大変費用がかかりますから、中小企業では耐えられませんのでね。だから、地方で製造しておる、製作しておる、そのような重量物等についての展示する場所がなかなかない。それからまた、輸入機械等にしても、地方ではなかなか展示されない、一つはそういうふうな建造の仕方の問題がある、こう思います。 それから、もう一つは配線設備だとか電気工事、そのようなものが全く不備な設備が多いので、そういうものに大変な金がかかって、コストが高くなって、実は展示を見合わそう、そういう企業も相当あるんですね。それらの点も十分お考えをいただきたいと、こう思いますし、それから、東京、大阪あるいは名古屋、名古屋は実は交通不便で余り利用価値がないんです。大阪の、今度昨年できた新しい見本市会場は、大臣あるいは局長ごらんになったかどうか知りませんけれども、すばらしいものです。これはヨーロッパ、アメリカ、どこへ出しても恥ずかしくない、むしろ世界で一流だと言われておりますが、非常によく整備をされておるすばらしいものです。同時に、これがただ単なる見本市だとかなんかでなしに、イベント会場をつくったり、多目的使用できるような会場になっていますから、非常にいいです。それで交通機関もいいです。 ところが、東京は、ごらんのように晴海は非常に古くなりまして、今、幕張に計画されておるようでありますが、幕張に行った場合に、果たしてどの程度利用されるかという私は疑問を持っているんですね。交通機関、あるいは海外からの出品等々については、東京と千葉県というと大変な実はイメージが違いますから、そういう面でいかがであろうかというふうな懸念もします。できればやはり東京、大阪あるいは名古屋というふうな大都市、海外に名前が知れ渡っている大都市では、やはり文字どおり国際的な見本市会場、国際会議場が必要でありますが、その他のローカルなところでは、むしろ国際会議場的なあるいは国際見本市というふうな大々的に銘打ったものでなくて、ローカルに適したそのようなものを建設することがいいんではなかろうかなと、こういう感じが一つします。 それから、もう一つ、これは意見になりますが、意見を申し上げますと、小売商あるいは小売流通業界の今後を考えるときに、商店街で現在のような位置している小売商というのは、いろんな意味で問題があるわけですね。だから、通産省も、中小企業庁を中心として小売商店街のコミュニティマート構想等々いろいろとお考えいただいていますけれども、今後のやはり方向を考えると、どこか、ある程度交通便利なところがいいんですけれども、地方都市の郊外なら郊外にそのような見本市会場をつくる。その周辺に小売商が、その見本市会場を使っておるところと一体になった形で、仮店舗のような、バザールというものができる、そのようなものがまた地方の民活促進ということで大いに役立つんではなかろうか。私の経験からすると、そんなふうなことを強く今まで感じております。 したがって、国際会議場あるいは国際見本市会場、いろいろありますけれども、まず多目的使用ができることが一つ、それからあわせて、ただ単に見本市だとか国際会議だけでなくて、国際、あるいは国内会議もありますが、それと並行して周辺を活用できるような、周辺に中小の小売商あたりがバザール的なものができるような、そのような広場といいますか、イベント会場、それから屋内の設備等についても、地方へ行きますと非常に音響効果の悪いところがありますね。工作機械なんか回っておりますと、もう全くうるさくて商談もできないというふうなところもあります。 それから、音響効果、あるいは電気工事等の配線設備、あるいは重量物が簡単に置けるような、そのような何といいますか、基礎といいますか、そのようなものを全部総合した、地域に合ったような施設というものが私はこれから必要であるし、またそうでなければなかなか利用されない、こんなふうに思いますので、この点についてもぜひひとつ御配慮をいただきたい、こう思います。特にお答えがいただければ結構ですけれども、要望を申し上げておきます。
○政府委員(福川伸次君) 今御指摘のように、ここで考えております諸施設がやっぱり地域の経済の活性化に役立つ、それはまさに地域の中でどういう形で進めることが効果があるかということが非常に重要であるという点で、御指摘の点私どもも十分意を用いていかなければならない御指摘であると考えております。 例えば、熊本などに例をとりますと、あそこは体育館を使ってよく展示をやっておりまして、御指摘のように重量物の展示はできないし、体育館でございますから、いろんな商談室等もないということでございます。しかしまた、地方の都市でも、むしろ国際的に結んで発展しようというようなハイテク機能を持った都市もございます。したがいまして、もちろんそれぞれ町のイメージあるいは町の将来の方向ということとマッチしたものをつくっていかなければならないわけでございますが、私どもとしてもそういう地方のいろいろな多角的な展開をしていくということでの施設の整備ということが非常に重要であり、これはその施設そのものの内需拡大だけでなくて、地域経済そのものが伸びていくという意味での所得水準の上昇、需要の拡大につながっていくというふうに思っております。 また、多目的であること、あるいは周辺とうまく一体となっていくということ、これまた非常に重要でございまして、もとより住宅街あるいは商店街、そのほかの諸施設等も、これまた一体としてやっていけるような形、これが非常にまた需要開拓にもつながるという点で、御指摘の点十分私どもとしても留意さしていただきたいと思います。
○井上計君 建設省お越しいただいていますか。——建設省に最後にお伺いしますけれども、中部圏の民活のプロジェクトとしては、先般名古屋へ建設大臣お越しになったときに発言をしていただきまして、地元においては大変実は期待を深めておりますが、例の伊勢湾岸道路があるわけですが、あしたまた建設大臣名古屋へ来ていただいて現地を何か視察をされる、このような御予定のようでありますけれども、現在この計画の概要、それから建設省はこの計画をどのように評価をされておるのか、それから今後の具体的なスケジュール、事業主体、それから資金調達方法等々についてお聞かせをいただき、また建設省はこの伊勢湾岸道路についてどのような支援をお考えいただいているのか、ひとつお伺いをしたいと思います。
○説明員(藤井治芳君) 伊勢湾岸道路は、東名高速道路から東名阪高速道路の間を結びます道路でございまして、東海環状道、いわゆる名古屋を中心とする四、五十キロ圏の東海環状道路あるいは名古屋の周辺を回る名古屋二環とともに、非常に重要な広域的な幹線道路網の一部を形成するものでございます。約五十キロという計画でございまして、事業費は約六千億円というかなり大きなプロジェクトでございます。 特にこのうち、名古屋二環との重複でございます海上部、これが約千二キロございますが、これにつきましては地元からも従来から強く御要望がございまして、そのうち名港西大橋につきましては、昨年、六十年三月に既に道路公団により供用を一部しております。残りの名港中央大橋及び名港東大橋を含むいわゆる海上部の事業費は約千三百四十億円ほどでございますが、これらにつきましては今後段階的に整備を行うということで、特にこの事業費の大きい海上部の橋梁を対象といたしまして、民間活力の積極的な導入とか、地元協力を前提といたしましていろいろと検討を進めてきたところでございます。 先般三月三十一日に、建設省案というような建設省側の考え方を、愛知県、名古屋市に御提示いたしまして、去る五月一日に県、市より正式に御回答をいただいております用地元の御意向といたしましては、非常に技術的な問題、それから広域的な幹線道路網としての一体化の問題等から、日本道路公団方式を希望したい、それから低利資金の調達につきましては、地元財界と話し合って十分フォローしていく考えである。それから道路用地確保等々地元協力につきましても、愛知県、名古屋市及びこの道路が通ります名古屋港の管理組合というのがございますが、ここと三者が緊密に連絡をとりながら対応したいというような、非常に積極的な意向が提示されましたので、建設省といたしましては、これを高く評価いたしまして、このような地元の意向を踏まえまして、早急に具体案を検討の上、まず海上部間につきまして日本道路公団の一般有料道路方式を基本といたしまして、昭和六十二年度事業化に向けて準備に入りたいというふうに考えております。 その資金計画につきましては、当然有料道路事業ということを中心に考えますので、全体事業費千三百四十億円のうち千百五十億円につきまして、これを有料道路事業ということで、出資金をおよそ百八十億円、それから低利の縁故債ということで借入金の約半分の五百億円、それから一般の借入金を四百七十億円というような考え方で現時点で考えております。残りの百九十億円につきまして、地元協力あるいはその他の公共事業による補完ということで、この全体の事業を成り立たせたいというふうに考えております。 さらに、この海上部以外につきましても、今後この海上部の進捗とあわせて段階的に整備をして、全線が早急に完成されるようということで、私ども、第三の民活という言い方は言い過ぎかとは思いますが、新しい地元協力、民間協力とあわせて、このような大プロを積極的に進めてまいる考えでございます。
○井上計君 今お聞きしまして、今まで私どもが承知をしていることと大体同じでありますが、ぜひ促進をしていただきたい、こう思います。 今、六十二年度事業化というお話がありましたが、竣工の予定は大体いつごろの計画になりますか。
○説明員(藤井治芳君) 着工して約十年と考えております。ただ、十年といいましても、九号埋立地というのがございますが、ここには幾つかの企業が現在事業を経営しております。工場がございます。この移転をしませんとどうにもなりません。この移転は、経営をしながら工場を移転いたします関係上、これに数年を要するものと考えておりまして、これが短縮できれば、あと技術的な問題につきましてはできるだけさらに短縮する方向で検討していくつもりでございます。
○井上計君 終わります。ありがとうございました。
○梶原敬義君 私も本法案に入る前に、通産大臣に少し円高とサミットの問題についてお尋ねします。 先ほどからも聞いておりましたが、サミットの成果につきましては、きのう本会議におきましても総理大臣は評価され、大臣も今ある程度評価をされましたが、これは評価は分かれるところでありまして、ただ申し上げたいのは、私が知っている中小企業や何かで、もう本当に円高で泣いている連中のところに行って、そういう評価を掲げてまともに歩けるかどうか。それはやっぱり身の危険を感ずるような状況で、ああいうことを本当に言えるかどうか、それだけはひとつ、評価はあなた方は結構でありますが、冒頭にやはり心に受けとめていただきたいと思います。 そこで、私はずっと総理大臣の一連の行動を調べてみますと、奇妙な行動があるんです。それは必ずサミットの前には何かアクションを起こすんです、あるいはレーガン大統領と会う前には何かを仕掛けていく。それをちょっと今調べてみましたら、去年の一月一日から二日に、中曽根総理大臣は、日米首脳会談で、まあ外務省は余り行くのを好んでおらなかったようですが、行きました。そして、そこで四つの分野の品目にわたりまして関税の引き下げのある程度の約束をしてまいりました。帰ってみますと、紙パ産業なんというのは、フォーレストプロジェクトということで、林産物だということで受けとめて帰っておりましたら、一カ月ぐらいしたらその中に紙パルプも入る、どだい——英語ができるのかどうかわかりませんが、そういうことをやってきた。大変混乱をいたしました。 そしてサミットが五月二日から四日、ボンサミットでしたから、四月九日にはもう、思い出すと思いますが、何か後ろに黒板みたいなのを置いて、作戦参謀みたいな形で棒を差し出して、そして、国民一人が百ドル買えば貿易黒字が解消するんだ。全然これはどうにもならなかったじゃないですか。一体何ですか、あれは。それが一つ。 それから今度は、七月三十日に、アクションプログラムの骨格を出してきました。そうこうしているうちに、十月十五日に内需拡大策、どうもうまくいかぬから、これは拡大策をまたやった。そして十月二十五日に、その後また中曽根・レーガン会談を奇妙にやっているんです。 そしてことしに入りまして、さらに五百億ドルを貿易黒字が超えるというような段階になりまして、ことしの四月四日には経構研ですね、国際協調のための経済構造研究会というものの報告書をサミットの前に急にまとめました。そして、それを持って四月十二日から十五日に訪米し、中曽根・レーガンの首脳会談をやっている。ここでまあ根回しというのか何かわかりませんが、やっている。そして、ここでもある程度もう仕込まれてきて、そして五月四日からの東京サミット、その前に経構研そのものが問題になりましたので、閣議で何かいろいろ経済構造調整推進会議を設置したり、内需拡大など経済構造調整推進要綱を決定したりやっておりますが、全部レーガンと会う前には何か形だけつくっている。 だから、私が読みました、週刊誌か何かに書いておりましたが、レーガンと中曽根さんはそうかもしれないけれども、これはテレビで見ましたね、NHKか何かの。アメリカの多くの世論は、中曽根はもうライヤーだと、うそつきだと、こういうことを言ってるんだということも随分強調されておりましたが、その結果、今度のサミットは一体何だったのか、本当に一番国民の多くが期待したのは、円高は一体どうなるんだろうかと。もう少しその辺のことを本当に考えるなら、この一連の奇妙な総理大臣のとった行動というのは、それから来る今度のサミットというのは、私は国民に対して申しわけない、力不足だったと。本来ならもう去年の暮れぐらいから彼の経済政策はまさに失敗してるんですから、内需拡大、拡大と言ったって何にもないんだから。本当はやっぱりやめて、結局は政権でもかえて、そして新たな方法で内需拡大に着手するしかなかった。 これは結果的にはいろいろやって引っ張って、表だけの、背が高いかあるいは演説がうまいか、とにかくテレビに出るチャンスをうまく利用して、世論の支持率だけは一定程度高めております。御婦人の支持率が高いというのは我々も歩いてつかんでいる。しかし中身は何にもないんですよ。格好だけで、英語がしゃべれるかフランス語がしゃべれるか、こういうことなんです。中身は何にもないじゃないですか、中曽根総理大臣のやっていることは。だからこういう点で、評価は別といたしまして、一番こういうことはわかっている通産大臣でありますから、そこのところは一体どう考えるのか、これからどうするのか、この点についてひとつ決意を最初にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは世界情勢の認識の差から私は出てくるんだと思います。どういうふうに世界情勢を見るか。非常に厳しく見るか緩やかに見るか。例えば、今度なども結局アメリカ議会が始まっておって、次々と保護立法が計画をされ、現に議会を通過しそうなものが幾つかございます。大統領府といたしましても、議会で成立した法案をただ自分の力で全部拒否権発動してしまうといってもおのずから限界がございます。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 三分の二の人で大統領の拒否権をひっくり返すことができるわけですから、そうなりますと本当に大変な事態になる。ならないと見るのか、なると見るのか、まず分かれ日がそこに一つございます。 我々といたしましては、議会が今考えている保護主義法案、日本差別いじめ法案、そういうものが出てきた場合は、大変な深刻な事態になるという認識に立っておりますから、そういう法案を、仮に通過しても執行させない。そのためには、やはり大統領が抑えられるだけのことは必要最小限度やらせなければならぬという認識に立っておるわけであります。 したがいまして、どんどん法案通したいものは通せと言うんなら簡単明快なんですね、これは。その結果、日本国民がどういうふうな苦しみを浴びるようになるかということを考えれば、大統領が議会と同じ考えでなくて、やはり大所高所から日本との友好を持続していかなきゃならないんだと、だからもう少しひとつ待ってくれと、そのかわり日本も、市場も開放し、いろんなことを今やっているようだから、約束したことは必ず守っていくんだと思うよと言ってなだめられるだけのことをしなけりゃならぬ。そういう点において、今回のサミットというものは決裂状態にしないで、とにかく議会が何と言おうとも日本に一応むちゃくちゃなことはさせまいという気を持って帰したということは、私は成功であると、そういうふうに見ておるわけであります。
○梶原敬義君 もう大臣、答弁は要りませんけれども、できないことをアメリカへ行って約束したり、あるいは経構研で、前川さんが新聞で言っておりましたように、日本に反発する勢力が強いから、アメリカの外圧によって農畜産物の輸入とか何かそんなものは、あるいは関税の引き下げとかはもうやっちまわにゃいかぬと、こういうようなやり方とか、できないことを約束をするとか、だから結局内需の拡大をやりましょうと、こう言ってきて、内需の拡大は実質上はやらない。実質所得、国民所得が伸び悩む。要するにGNPの六〇%を占める国民消費が伸び悩んでいる。実質マイナスかもわからない。プラス、マイナスそんなにない。こういうような状況の中で、何を小手先でやったってうまくいかなかったわけですよ、これまで。いろいろ約束したけれどもうまくいっていないんでしょう。 幾ら中曽根とレーガンがやったって、それはアメリカに国民たくさんおるのだから、それはやっぱりアメリカの全体の国民との関係で考えなきゃいかぬ。そういう点では、中曽根さんはもうあれやる、これやる、あれやるといろいろやってきて、最後には結局中小企業と農家の皆さんがいじめられるような形にやっぱりなってくるんだ。そのような形じゃなくて、一体内需を拡大すると言うんなら、どのように具体的にどうするか、この問題は全然手を触れなくて、小手先でいろいろやってきたわけですから、ここではやはり通産大臣がかばえばもうそれは結構です、通産大臣もそれはそれでまた後日評価を受けるでしょう。我々もそのようにこれから対応さしていただきたいと思います。答弁要りません。 次に、この民活法案につきまして、私はどうもきのうの連合審査を聞いておりましてもまだすっきりしませんから、きょうは頭をすっきりさしていただこう、そう思って幾つか質問をいたします。 本法案が出てきました背景と、通産、郵政、建設、運輸の各省にかかわるものを一つにまとめた理由、そしてその利点、これについて簡単にひとつ、わかりいいように御説明をお願いします。
○政府委員(福川伸次君) まず私どもの関連で申しますと、一つは民間活力の発揮をして内需の拡大を図りたい、それをまずねらったわけであります。もとより何をやってもいいというわけではございませんので、二十一世紀、長期的な観点に立って将来に役に立つもの、こういうもので需要効果のあるものを選びたいということでございまして、内需の拡大、民間活力の発揮、将来に有効に役立つ施設の整備、これをねらったわけでございます。その意味で、私どもとしては、いわゆる研究施設あるいは情報化のための施設、あるいは国際交流の施設、これを取り上げた次第でございます。それから第二点目で、四省庁一本化した経緯ということでございますが、これは他の三省庁もほぼ同じ考え方でそれぞれの税制の改正を準備をされましたが、税制改正の税務当局との折衝等におきまして、この助成のスキームがほぼ同様の形で出てきました。それから施設の中が、かなり対象の施設が重複が見られます。それから、また同じ施設を、都市の開発の面、施設の整備の面、両方から見る、こういうことがございました。そういうことになりますと、もし別々でつくりますと、民間の事業者はそれぞれの省庁へ個別に行ってやらなければならぬ、こういうことになるわけでございまして、そういう点で民間活力で特定の施設を整備する、こういう観点で共通するものがあるということで、一つの法律に仕組んだ方がいいと、こういうことが経緯でございます。 しからば、第三点目のお尋ねの、いかなるメリットがあるかということでございますが、これは一つの法律にいたしまして、関係省庁でダブっております場合には政府部内で調整をいたします。もしこれが別々であれば、民間の事業者がそれぞれの省庁へ行って、別々に申請を出して、そして政府の間の意見、省庁の間の意見の相違は民間の人たちが走り回ってそれをまとめなきゃいかぬと、こういうことになりますが、今回四省庁で共同でやるものということについては、政府の部内で調整をいたしますから、民間の人たちが。政府の間の意見の相違を駆けずり回って調整するということにはならないというふうに、まず民間の便利という点がメリットとしてあると思います。 もう一点は、これが施設の整備と都市あるいは港湾の開発ということと一体として行われることになるわけでございますので、その施設が有効に機能するように他の関連施設との整備が整合的に行われる、こういう実際面の効果がある、この二つがメリットであると考えております。
○梶原敬義君 そうしますと、法案ができまして、例えば市町村が通産省と話をすれば、あとはうまく通産省が窓口になって、郵政省あるいは建設省、運輸省、こういうところと話をしなくても、運輸省にも建設省にも、場合場合にあっちこっちへもう行かぬで、通産省を窓口としてやればいいという、それでうまくいけるということですね。郵政省、それでいいですか。
○政府委員(福川伸次君) あるいは私の申し上げ方が悪かったかと思いますが、私が申し上げたのは、申請書はそれぞれ関係のまたがる省庁に出すことになります。私が申し上げましたのは、政府部内で意見が違う場合、例えばあるAという省は、おれはこっち、右だと、Bという省庁は、おれは左だと、こういうことがないという実際面のことを申し上げたわけでございまして、私どもは、手続はそれぞれ主務大臣が二つにあれば二つに出していただきますが、処理は一体として行うということでございますので、そこがそごを来すことがないような調整が行われると、こういうことを申し上げた次第でございますし、またこの中には、通産省の関係のない、郵政省だけの施設もございますから、これは郵政省、それから都市の場合は郵政省と建設省と、こういう形になります。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
○梶原敬義君 もう答弁要りませんが、それぐらいならもう別々に、各省庁ごとに今までのようにやったって、そしてあと通産省の福川局長のところを窓口にして調整すると。しかし、各法案を審議する過程においては、これはやっぱり強力に、今後は今までの縦割り行政のややこしいのを改めて、そうするんだというやつを、全部審議の過程でぴしゃっとやって、窓口を通産省なら通産省にやってやれば、何もそうないような気がするんですが、まあもし答弁が要るようだったら、後でつけ加えてください。 次に、続けて、時間がありませんから、二点一緒に聞きます。 各省庁ごとのプロジェクト候補の一覧表というのをいただいております。当面、大体実施がここ一、二年あるいは三年以内ぐらいに確実に予定をされている見通しのついているもの、大体これこれじゃないだろうかというのはいただいておりますが、それを簡単に、もう一回念を入れる意味で、当面予定されている分だけについて各省庁ごと、ばっと、総数幾つのうちにこれとこれとこれと、これちょっと述べてくださいませんか。
○政府委員(福川伸次君) 私どもでは、今挙がっておりますのが大体二十八プロジェクトで、直接の事業規模が一兆円。それに、これは推算になりますが、間接的な効果を入れると二兆五千億あるいは三兆円と言ったりいたしておりますが、二兆ないし三兆、二兆五千億ぐらいな間接効果があると思っております。 その中には、研究開発の点で言えば、例えば宮城県の二十一世紀プラザあるいは山口県の宇部新都市テクノセンターあるいは熊本のテクノ・クリエイティブ・エリア等々がございます。それから見本市の関係で言えば、これは他の省庁と重複いたします、共同で行うことになりますが、幕張メッセあるいはみなとみらい21国際交流ゾーン、こういったようなものがございまして、私どもとしては二十八プロジェクト、直接事業費でおおむね一兆円、推算をいたしますと二兆五千億程度と、このようになっております。
○梶原敬義君 当面大分の分は消えましたか。
○政府委員(福川伸次君) 特に消えているわけではございませんで、地元も鋭意努力をしておられますので、私どもとしても支援してまいりたい。ちょっと例に入れませんでした点、申しわけありません。
○政府委員(奥山雄材君) 郵政省関係の所管プロジェクトについて申し上げたいと思いますが、この法律施行後予想されるものを含めまして、約二十のプロジェクトが具体化していくだろうというふうに踏んでおりますけれども、現時点で申し上げますと、二号施設として既に発足しております株式会社国際電気通信基礎技術研究所、これにつきましては六十一年度中に着工の見込みとなっております。また、四号施設でございますところの電気通信高度化基盤施設につきましては、現在構想が具体化しつつあるものとして九カ所を把握しております。しかしながら、この九カ所につきましては、いずれも六十一年度中の着工はございません。 なお、事業規模でございますが、直接の事業規模が合わせまして約九百億円、関連事業を含めると約二千七百億円に達すると推進しております。ただ、そのうち六十一年度について申し上げますと、先ほど申し上げました関西文化学術研究都市に置かれますいわゆるATRの分といたしまして約八十億円が想定されております。
○政府委員(佐藤和男君) 建設省関係は、特定施設を都市開発と一体的に整備する場合でございまして、現時点でいわば基盤整備、都市開発について調査なり事業に着手しているものとして具体化しているものを十一と申し上げてあると思います。これの事業費は、施設分、上物が約二千六首億、それから関連します基盤整備が四千五百億、で七千百億程度というふうに見込んでおります。
○梶原敬義君 それは六十一年ですか。
○政府委員(佐藤和男君) 当面の十一プロジェクトの全体の事業費でございます。
○説明員(奥山文雄君) 運輸省関係のプロジェクトにつきましては、現在全国で構想されているものを集めますと、約三十プロジェクトほどになるわけでございますが、そのうち当面の事業化が図られるものとして考えておりますのは、東京都の竹芝地区再開発計画とか、北海道の釧路港の再開発計画とか、愛媛県の八幡浜港の再開発計画、横浜港のMM21計画に関連するもの等のプロジェクトが当面の対象と考えておるところでございます。 三十プロジェクト全体の構想につきましては、まだ全体の事業費は大変ラフな推定でございますけれども、港湾の場合は特に土地造成等も含まれるというようなこともございまして、関連事業につきまして総額が五兆ないし六兆円程度ではなかろうかと見込んでおるところでございます。なお、当面の今申し上げました四プロジェクトにつきましての事業費の詳細につきましては、なお詳細に詰めておる段階でございますが、ここで申し上げる数字としましては、非常にラフな数字でございますが、一千億前後ではなかろうか、まだ詰めておる段階でございます。 —————————————
○委員長(下条進一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、杉山令肇君及び大木浩君が委員を辞任され、その補欠として石井道子君及び宮島滉君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○梶原敬義君 私は先ほど、今から質問しようというところまでも答えていただきまして、ありがとうございました。大体このプロジェクトを十年間の臨時措置でやった場合の当面する内需拡大効果、それから波及効果、これを私は今から聞く予定でしたがね。大体答えていただきまして、それを総合いたしますと、通産省でまとめて答えていただきたいんですが、先般お聞きしました一兆四千億が、要するに直接これらの四つの各省のプロジェクトをやった場合に、内需拡大効果それからその波及効果を入れますと八兆から九兆と、今言われたやつを合計しますと、大体そういうことでいいわけですね。
○政府委員(福川伸次君) 今私の方は、大体直接で一兆円、それから他省庁がそれぞれ数千億ございますが、重複する部分がございますからそれは調整をいたしますと、大体直接の事業費で一兆四千億、さらに間接を含めました、関連事業を含めた総事業費的なもので見ますと大体八兆から九兆円ぐらいの事業になるのではないか。現段階での推察でございます。
○梶原敬義君 そこで内需拡大効果でありますが、当面、今緊急課題となっております貿易摩擦を解消する上で、目玉としてこういうことを考えた、しかもそれは将来に通ずるものを考えたということで、じゃ当面、貿易摩擦というのは今問題になっているんですよ。今問題になっているのに、今この問題をやったって、大体の数字聞きましたが、そうそれが当面する日米の貿易摩擦の解消に役立つような形、まだそこまでいっていない。どうもこれはちょっとおかしいんではないかと思うんです。それが一つ。 それからもう一つは、中曽根総理大臣がこの前アメリカに行きまして、レーガンとの話し合いの中で、内需拡大効果が例えば十一兆ぐらい何か出てくると、こういうような話をして、経済企画庁はそれは逆にげだが一けた違っているんじゃないかという新聞記事も載っておりまして、私はこの委員会でもその点を指摘をしました。要するにこの十年間の波及効果といいましても、これをやったから八兆から九兆効果が出るということには私はならない。ほうっておいても民間でやるかもわからぬし、既に出るかもわからぬ。これが呼び水で出る効果というのは八兆から九兆に、何もかにもほうっておいて出るやつまで入れて八兆から九兆だと、こう私はこの前も質問しました。そう思えてならない部分があるんです。 ですから、これが中曽根さんがアメリカで話をするときに、この民活法をやれば十年間で八兆から九兆内需拡大しますよなんというのが頭に入ると、あの人はようわからぬから思い込んで、アメリカへ行って、これをやれば内需拡大効果出ると、またうそを言うような形になるんじゃないかと思うんですが、一体総理大臣にはこの辺のことはどこまで話が行っているんですか。
○政府委員(福川伸次君) 今申し上げましたのは、これから大体現在つかんでいる範囲での十年間の事業規模でありまして、年間幾らということではございませんが、私どももこの法律を出すに当たりまして、関係省庁で推進いたして把握しております大体のプロジェクトの概要、一兆の問題、それから間接の効果の問題は、総理には御報告をいたしてございます。 ただ、内需の拡大と申しますのは、これだけでできるというものではない点は御指摘のとおりであろうと思っております。これは私どもとしては、民間活力を発揮する、従来で言えば公共的な事業として公共企業体等が行うのがふさわしいようなものであるかもしれませんが、これだけ経済集積が高まってくれば、あるいは民間でやらせることもビジネスとして可能、それでその民間の資金力あるいは経営力をこういうものに結びつけていくそのきっかけにしたい、したがってこれは呼び水でございます。まあほうっておいてもできるじゃないかという御指摘もございましたが、私どもとしては、ほうっておくとそれは何がしかはできるかもしれませんが、これを呼び水を多くすることによって民間のビジネスチャンスとして定着させていくことを加速することができると、かように考えておるわけでございます。 もとより内需拡大策というのはこれだけでなくて、ほかにもやるべきことが多々ある点は御指摘のとおりでございますが、そのうちの一つの分野として、私どもとしてはこういう手法をひとつ定着させていきたいということで御審議を煩わしている次第でございます。
○梶原敬義君 通産大臣に聞きますが、今話ししておりましたからちょっと聞き漏らしているんじゃないかと思うんですが、今求められている内需拡大の速効性は、そう、言われているようには私はないと思いますよ。そんなに急に、これ法案通りましたから、もうことし、今ごろからどんどん内需が拡大して、そして八兆か九兆というようなことにはならない。だから、内需拡大の速効性があるとすれば、若干東京周辺、東京、大阪それから千葉、神奈川、この辺は一部大体早く出てくると思いますが、全体から見まして、そうそれが言われているように内需拡大効果がない、速効性がない、こう思うんですが、その点については大臣の認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これ、前川報告にいたしましても、非常に彼らは、本当にそれはやってくれるのかねと、本当にやってくれるとレーガンさんは信じていますから、だからそれでは議会も押さえましょうということを言っているんですね。しかし、これとても速効性というのはすぐにはないんですよ。構造改革をするわけですから、なかなか急に為替レートのように右から左というわけにはいかない、現実は。時間がかかりますよと、しかしながらこういうような目標で最大の努力をしますということをあれは言っているわけです。 その一環としてこのプロジェクトの問題があるんですが、これとても、それは半年、一年でぞろぞろとみんな仕事が一遍に始まるわけじゃありません。ありませんが、やはりそういうことで日本政府としては最大限のあの手この手を使って拡大の努力をしていますと、またそれが国内においても必要であるということでございますから、これをやったからもう一遍に貿易が、うんと黒字が見る見る減っちゃうということにならぬでしょう。そのことはちゃんと我々も話はいたしております。
○梶原敬義君 それで、速効性を持たせるためには、それじゃ一体何があるのかというのを聞きたいんです。これ速効性がないというのは大臣も認めておられるから、今、当面問題になっている貿易黒字、やはりこれを減らす、あるいは対外貿易摩擦の問題を減らし、円高をもうちょっと落ちつけるために何か速効性があるんならあるものを聞きたいわけです。 私は、前からいつも言っておりますが、GNPの六〇%を占める個人消費を一体どう実質的に引き上げていくのかという問題、それから住宅やあるいは生活に密着した公共事業、こういうものは国民の将来資産になるわけですが、これ一体どうするのか。そういう社会資本のおくれとか、あるいはもう少し、日本の全体の労働者が働いているウエートの高い中小企業六百万、そして四千万近い労働者が働いている中小企業が全体にどう浮上するのか。それから、地域間格差が生まれております、特に九州なんかは有効求人倍率なんか〇・三三ぐらいできています、北海道も〇・四ぐらいですか、非常に厳しいんですが、こういうようなところを一体どうするのか。 そういう地域的にいいところと悪いところも、総合的にやっぱり打つ手をぴしっぴしっと打たないで、ああ努力をしています、こういう法律もつくってそして努力をします、努力をしますで、もう幾ら来ましたか、中曽根総理大臣になりまして。何にも変わらぬじゃないですか。その結果どういうことになっているか。今円高になって、円高になってどうなるかといったら、これはもうどうしようもない、泣く者は泣けと、こういうことです。労働時間だって、もう高度経済成長のときには、労働時間非常にずっと短縮されて、大手の企業と中小企業は労働時間短縮されてきたんです。ところが、昭和五十四年以降、また労働時間も賃金もずっと開いてきた。これはこの状態で、円高が進む状況の中ではまた中小零細は泣けと。ここで労働時間も全然縮まらない、あるいは賃金格差もどんどん開く、こういうような状況が、農家もそうなんですよ。そういう非常に二つの線で開いていきますよ、はさみ開いたように。こういう状況になるのは目に見えているじゃないですか。 こういう状況に対して、何を適当にぴしゃっと手を打つかということを言ってくれなきゃ、何ぼ前川さんかどうか、経構研がどうか言ったってもう信用できぬでしょう、国民は。どうして納得できますか。もう時間ですから、その点について。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 即効性のうまい決め手があれば、皆で知恵を絞って教えてもらってすぐにやればいいんですよ。なかなかそれがないんです、実際は。政府が関与するって、日本は社会主義経済じゃありませんから、自由主義経済の国ですから、みんな各人が自由にやっているわけです。政府がそれにてこ入れできるものというのは、一つは減税ですよ、減税。減税をするのには、結局歳出をそれと同じだけカットしなきゃならぬ。どこをカットするか。別に財源を求めなきゃならない。何から財源をつくるか。財源づくる話はないんですから。私はありますよ、みんな賛成してもらえないだけであって。賛成してくれない、みんな。 だから、その次は何かといったら、やっぱり融資ですよ。融資の金融枠引き締めをやめて緩めなさい。だぶだぶ緩んじゃって、もう借り手がなくて困っているんですから、今金が余り過ぎちゃって。これも手はないですね。緩めると言っても、もう緩めようがないんです、緩めっ放しですから。その次は金利ですよ。世界で一番安い。しかし、これはもうちょっとあるかなという気がひとつします。その次は公共事業ですよ、公共事業。財源をどうするんだと。要するに、建設国債を出すか出さぬか。ここのところが大論争に今一つなっている、事実です、それは。 だけれども、どこの国も、このサミットの宣言見ればわかるように、みんなで公共事業抑制しょうと、政府支出を抑制して、書いてあります、みんな、新聞に載っていますから。それは合意ですね。大蔵省は、世界じゅう公共事業抑制して財政赤字を少なくしようというときに、日本だけ何でそれじゃ財政赤字をふやすんだねなんということを言うんですね、これ。だけれども、これは中長期的な話で、ことしだけの話ならまた別よという解釈もあるのかもしれませんよ。だから、そこらのところがこれからの問題点が一つあります。 ありますが、やはりいろいろの手、あの手この手を全部集めていく以外には、一つだけで直らないんですね。風邪引きを直すときに、せきどめだとか熱冷ましたとか、それから胃の薬とかみんな入っているわけですから、それ。だから、一週間のかぜを二日で直すと言って、そいつを一遍に全部飲んじゃったらまた肝臓悪くなっちゃうという話も出ますので、経済問題というのはそういう問題なんです、実際は。だから、非常にそこで難しい問題があることは事実なんですが、知恵があれば一緒に教えてもらう。私は、決して事実を固執いたしませんから。
○梶原敬義君 だから、まあ人をかえなきゃだめでしょう、総理大臣の。それはもうやって、企業の社長でも、やってやってうまくいかなきゃ、それは野球だって投手交代しますよ。国民はそれを待っているんじゃないの。いいですか。それで具体的に肝臓を傷めなくても、やっぱり考えなきゃいけないのは、大臣ね、労働時間の問題は、アメリカやイギリスよりも一カ月間、年間で平均して余計日本の労働者働いておりますよ、部品なんかつくっておる労働者、そうでしょう。それから、西ドイツやフランスに比べますと二カ月間、六十日余計働いているんですよ。これなんて全然伏せて、こんなものどうして通るんですか。 それから、公共事業は、サミットでみんな余りここら辺に金使うまいやと、こう言っている。だから、日本も、総理大臣もきのう本会議でそんなこと言っておりました。しかし、冗談じゃないですよ。日本の公共下水道の普及率は、あれは欧米諸国に比べてどのくらいですか。私ども田舎へ参りますよ。見かけはいいけれども、トイレへ入ります。ちゃぽんと下から滴が上がってきますよ。そんなところいっぱいあるじゃないですか。それは大臣の栃木県でも、ちょっと田舎へ行ったら、公共下水道なんというのは全然、まあいいところは簡易水洗やっているかもわからない。ほとんどそれはやってないところ多いでしょう、そんなところですよ。そういうところは、日本は日本で一体何するのか、肝臓悪くなりませんよ、それは。そういうことで、もう一度大臣、やっぱり熱い気持ちで真剣に考えてもらいたいと思うんですよ、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) だから、そこのところは一つ議論が少し残っていると私言ったでしょうりしかしながら、お薬ですから、一遍やったらいい薬だけれども、それが惰性になっちゃって、結局広がるとか、あるいはそこのところだけやるなら別なことをやれという議論がすぐくっついてくるわけですね。何で福祉カットするんだと、公共事業、建設業ばかり予算をふやして、福祉の予算をふやせ、何の予算をふやせと、こうなってくるのが怖いんです、大蔵省は。だからこれは議員が、これはもう本当に景気対策だけですよと、ほかはやりませんということで、一年こっきりです、来年は来年でまた一遍考え直すという歯どめができれば、私はつつつっとすぐ話がいくんじゃないかと。 労働時間の問題は、確かにこれは政府が採用しているわけじゃありませんが、私としては労働時間は短縮することは結構でしょう、やってくださいと。しかし、現実には生産性上げなきゃならぬというようなことで、労働強化になっているという現実がある。これも私は事実だと、そう思っております。しかし、方向としては、やはりできるところは労働時間をなるべく少なくするようにしてもらいたい。 それからもう一つ、議論がかみ合わないのは、国内の景気とか、インフレ、失業、通貨全体を比べて日本が悪いというのか、いいというのかということなんですようちのが一〇%まだ失業者持っているんだ、七%持っているんだと。アメリカが七、イギリスが一〇、ドイツも、フランスも九、そういう大量の失業者を持っているんだと。それと比べますから、幾ら日本が苦しいんです、困っています、苦しいんですよと言ったって、我我から見たら楽じゃないかという議論が一つ出てくるんですよ。そこのところがわからぬと全然がみ合わないんです、議論が。でありますから、いずれにいたしましても、我々も努力をいたしますから、ひとつ御協力を願います。
○梶原敬義君 もう時間ですが、大臣は本当に僕はわかっているのか、わかってないのかわからぬ。 日本は外国に比べて、ある程度指数は何もかもいいかもわからぬ。しかし一たんそこの家の主人あるいは共稼ぎしている奥さん、どっちかでも転びましたら、今なんじゃないですか、坂道を重たい荷物引っ張って上っている状況じゃないですか。それはどんどん上っているかわからぬ。一たんそこで肝臓でも悪くして倒れたら、それは家は悲惨なものでしょう。後どうしますか、子供のことや将来のこと。そんな状況が一つですよ。そこはよそからいろいろ言われるからじゃなくて、日本のことはあなた方、一番大臣がよく知っているじゃないですか。そこが一つ。 それから、結局呼び水をいろいろやって、本法案は呼び水をやったと、こういうことなんですが、もし私は呼び水とすれば、公共下水道とか、家庭に公共下水道を取り入れなくても、簡易処理するとか、あるいはそういう生活環境にかかわるような問題に対しての呼び水をやっぱり考えなきゃいかぬ。そこで金が要っても、これは国民の資産になってみんな残るんですから、これは資産になって。国が借金していることとみんなが借金していることとは一体なんだ、残るんですから。 あの狂乱インフレの前にみんな土地買って、高い家建てた、みんな借金したけれども、結果的に、また振り返ったらみんな残っているじゃないですか、今でも。資産になって残るでしょう、借金だって。だからそういうような資産になるようなものについては、やっぱり物はもっと考えようじゃないだろうかと。ここのところを考え違いのないようにひとつして、大臣、通産大臣ですから、もうちょっと本当に暴れるようなつもりでやってもらわなきゃ、大変だと思います。 この民活法案、私は法案ずっと審議してみて、即効性はないし、まあ将来八兆から九兆で私も飛びついてみましたが、これをやったから八兆、九兆出てくるんではないわけでありまして、そこのところが非常に私は矛盾を感じました。そういう意味で、反対法案でありますが、これをもし法案が通過しましたら、やはり我々が審議をしました中身を生かすようにこれから運用していただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(下条進一郎君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○市川正一君 私は日本共産党を代表して、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案に対し、反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本法案による特定施設の整備が、市民参加による市町村主体のまちづくりを阻害することになるからであります。民間業者の作成する整備計画の認定は主務大臣のみで、地方自治体との協議はおろか、意見聴取の規定さえありません。しかも、地方自治体は、特定施設周辺地域の公共施設整備を他の地域に優先してやらざるを得ない立場に立たされるばかりでなく、特定施設それ自体の整備促進のため、地方税の軽減や非課税の財政的支援をとっていることから、地方財政をゆがんだものにする危険性があります。 反対理由の第二は、本法案は、技術革新、情報化、国際化への対応など、大企業が進める二十一世紀戦略支援が主要な目的となっているからであります。例えば三菱グループが推進する「横浜みなとみらい21」、新日鉄、JAPICが指導的役割を果たす千葉県の「幕張メッセ」などの実態を見ても明らかであります。 同時に、本法案の対象プロジェクトを見ると、国際展示場が七地域、国際会議場が七地域と乱立する一方、東京を中心に大規模な都市再開発プロジェクトが乱立しております。本法案がこれを一層あおり立て、結果的に乱脈な再開発を促進して、住民に地価高騰、環境破壊などをもたらすとともに、地域間格差を広げることになるのであります。 反対理由の第三は、本法案が、さきに制定されている高度技術工業集積地域開発促進法、基盤技術研究円滑化法、現在審議中の研究交流促進法あるいはテレトピア構想、ニューメディアコミュニティー構想など、さまざまな法律と施策と相まって、先端技術産業の技術開発と立地促進を大きく助成する大企業奉仕の構築物となっているからであります。同時に、これらの対策が京阪奈地域にまたがる関西文化学術研究都市に建設が予定されている国際電気通信基礎技術研究所に見られるように、軍事研究に事実上手をかすおそれさえあることであります。 反対理由の第四は、大企業奉仕のプロジェクトを優先する結果、著しくおくれている住宅、公共下水道等々の地域の生活基盤整備がさらにおくれることになるからであります。 以上で反対討論を終わります。
○委員長(下条進一郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時十四分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜本万三君 法案の質問に入ります前に、皆さん円高の話をしておられますから、私も一問大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 きのうは円の相場が百六十五円前後、きょうはさらに高くなったという報道がございます。その根拠につきまして、報道関係の報道によりますと、サミットで為替の協調介入がなかったので円買いが非常に多くなった、そのためだ、これには日本商社も加わっておるのだというような報道がございます。大臣がいつも答弁されますように、日本の円が高くなるということは、確かに日本の価値が上がることに通ずるとは思いますが、同時にまたメリットのあるところはいいんだけれども、デメリットをまともに受けておるものもあるわけなんでございます。 先般、サミット終了直後、総理大臣は記者会見をいたしまして、円高の対策を急ぐ必要がある、こういう発言をなさいましたし、昨日の参議院本会議におきましては、補正予算を含む円高対策を実現したい、こういうお話もございました。私は全体のことを皆さんのように言うつもりはございません。通産大臣の所感に関することだけを大臣に率直にお聞きをしたいと思います。 つまり、円高で犠牲を受けておる輸出産業及び関連の中小企業は非常に困っておると思うのです、これは皆さんのお話のとおり。これに対してどうするのかというお尋ねをいたしますと、目下検討中であるという答えが相対的に返っておるわけなんです。しかし、円高に対する緊急対策は、つい一、二カ月前に本委員会において可決をし、決定をしたところでございます。その当時、各委員の質問は、おおむねこれ以上に円高が進むのではないか、この対策では手ぬるいのではないか、こういう御注意を申し上げる発言が多かったと思います。だから、その当時、既に大臣は、胸のうちでは、さらに円が高くなった場合にはこうしなきゃならぬという心づもりがあったと思うのですよ。なけりゃ大臣の職責を遂行することはできないと思います。 今までのような、これから考えるのだという答弁でなしに、具体的にどうするのか。例えば、先般決定いたしましたあの法案の延長線上で物を考えるのか、抜本的な救済措置を考えておるのか、そこら辺をずばりお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 円レートの問題というのは、なかなか予測がつきがたいところでございます。今回のサミットにおきましても、決して円レートで協調介入しないということは言っておりません。有益であれば為替市場に介入するという一九八三年のウィリアムズバーグ・サミットにおける約束を再確認しますということを言っておるわけですから、だから円ばかりでなくて、急激な変化が今後起きる場合においては、それが投機的なものであるという場合には、一九八三年のサミットのときに取り決めた約束は、これはお互いにちゃんと認め合いましょうということを言っておるわけです。 問題は、百七十円が百六十円に上がったということが、過激な投機的なものであるかどうかという判断にかかわるものでありまして、これが非常に投機的なもので、日本経済が悪いのにかかわらず円高が進行しておるというような場合においては、当然に協議はそれはいたしましょうということになっておるわけであります。ところが、日本経済が悪くなっている、そういう方向に進んでいるとはなかなか見ておらないというのが実際でしょう。 殊に、石油の問題があって、石油の値段というものが非常に下がっておりますが、これが原子力の発電所の事故等があって、一時的にスポット価格がぼんと上がったけれども、次から次に石油が上がっていくというような傾向にもないということになれば、日本の貿易は当然そこで百億ドル以上また黒字がふえるというように市場は見ているのではないか。日本の輸出企業がためになってしまって、日本経済が悪くなると思えばだれも円を買う人はいないわけですから、したがって、日本の経済というものは、ほかの国と比べの問題でまだ力がある、こういうように見ておるから、円が買われているというように見るのが普通でございます。したがって、今後も私は円安になる、急激な円安になるとは思わない。 したがって、輸出という関連業者、特に輸出ですよ、輸出関係者が非常に苦しいという状態に遭い込まれておる。だから、それを当面どうするかという問題がございます。したがいまして、輸出に関連したもの、非鉄金属等は海外市場に左右されておりますから、これらが急激に、非常に事業をやれないというようなことに対しまして、我々は一つはとりあえず融資でつなぐということをここでやっておるわけですが、その他は減税とか、住宅減税とか投資減税とか、これは四月から発足したばかりでございますからね、まだその動きというものは目に見えておりませんが、今後ともこれらに絡みまして公共事業を前倒しさせると、これもまた法案が通って二週間もたたないというような状況です。 一括補助率カット法が通らなければ公共事業はできませんから、事実上。四分の三ぐらいあれに該当します。したがって、それらの発注もないというような状況でございますので、これらが発注をされてお金が三割ずつ全部渡るというようなことになってまいりますとどうなってくるのか。いずれにせよ、輸出企業においては体質の改善あるいは転業、こういうことは必至だと私は思っております。ただ、それを受け入れる受け皿を他の部門においてつくっていくということが重要でございますので、そういう点に配慮しながら今後とも適時適切な施策を講じてまいりたい。とりあえず今発表したものを実行する、まだ実行しておりませんからそれを実行するということが先だと、そう思っております。
○浜本万三君 いずれにしましても、今のお話では、先般決定いたしました法案の線上で必要ならばこれをさらに強化して行うんだということのように読み取れるわけです。ですから、早く方針を、さらに立派な政策を決定していただきまして、安心するような情勢をつくってもらいたいと思うのですよ。 例えば、きょうでも、こういうことも考えておるんだ、こういうことも考えておるんだ、こういうこともやりたいんだというようなあなたの発言があれば、窮屈で困っておる中小企業の皆さんも、大臣がそういうことを考えておるのならば、もうちょっと我慢してひとつ頑張ろう、そういうお気持ちになるんじゃないかと思うのですよ。ところが、もう少し円の落ちつき先を見ながらひとつこれから検討をするんだということでは、もう待ち切れぬという人も出てくるんじゃないかと思いますから、早く具体的な案を発表して、そして頑張ってもらえる人は頑張ってもらう、また早く政策を実行できるようにしてもらいたいということを希望しておきましてこの問題は終わりたいと思います。 それから、提案されております法案の質疑なんですが、私は主として電源開発株式会社にかかわる問題を中心にいたしまして質問をいたしたいと思います。 私の認識なんでございますが、九分断されまして電源開発株式会社ができて、電力十社が時代の状況に、要請に応じてそれぞれ任務を完全に遂行をされておる。そして、豊富、低廉とまではいかないでしょうけれども、まあ豊富な電力を円滑に国民に送っておられる、そして時代の要請にこたえておられるということにつきましては評価をしておる一人でございます。そういう立場に立って以下質問をしてみたいと思います。 まず第一は、電発の存在意義というようなことについてお尋ねするんですが、電源開発株式会社は、昭和二十七年に電源開発促進法が成立をいたしまして、これをもとに発足いたしましたいわば国策会社であろうと思います。その設立の目的及び会社の性格というものは、当時どういうものであったんだろうか、また、今回の法律改正によってその目的や会社の性格が変わるんであろうか、変わるとすれば端的にどういう方向に変わるんであろうかというような問題について第一にお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) お答え申し上げます。 ただいまお尋ねの電源開発株式会社でございますが、この設立の趣旨、目的というのは、やはり基本的には九電力会社の地域性、あるいはそれが私企業であるということの限界を補完しながら、国のエネルギー政策を展開していこうということにあったというふうに考えております。この会社の個々の事業の具体的な内容につきましては、時代の要請に応じましていろいろ変化をいたしております。しかし、この会社が日本国の電力供給に果たすべき基本的な機能、役割というものは一貫しているというふうに考えております。 それを簡単に申し上げますと、第一は、九電力の地域性の限界を補完するという意味で広域的な電源開発を行い、またそれを運営を円滑に行わせるようにするということでございます。第二番目は、国の電力エネルギー政策上必要でありましても、リスクが非常に大きいとか、あるいは値段が高いというようなことで、直ちには私企業のベースに乗らないというようなプロジェクトにつきまして、これを積極的に取り組むというのでございます。こうした二つの役割というものを通じまして、私企業でありかつ地域独占形態をとっている九電力とうまく補完し合いながら、日本の電力事業全体の活性化あるいは効率化に努めてきたということであろうかと思うわけでございます。 今回の法改正と申しますのは、こうした電源開発株式会社の基本的な機能とか役割というものは維持しながら、しかしその経営組織とかあるいは事業遂行に当たっての規制の緩和ということによりまして経営の自主性あるいは弾力性を向上させよう、それによってさらに今後電源開発株式会社の事業のより一層の効率的な展開を図ろうということでございます。
○浜本万三君 電源開発株式会社は、かつて、佐久間、只見発電所等の大規模の電源開発が一応終了したというので、昭和四十五年ごろだったと思いますが、行政監察委員会によって廃止論が出されたことがございます。その後、電力の広域運営の中核となり、またお話のような石炭火力あるいはまた地熱の利用、ATR等の新技術の利用を推進してこられております。このように、電発は設立当初の性格から若干軌道修正が行われて今日に至っておると思うわけでございます。 一方、電力会社の方を見ますと、九電力の体制というのは、人の面におきましても技術の面におきましても、完全に確立しつつある、かように思います。すなわちその地方における第一級の人物も入社をしておりまするし、各社とも独自に研究所を持ちまして質の高い研究も行っておりまするし、また一方では九電力全体を所管しておる資源エネルギー庁がしっかり首根っこを押えておりまして、広域運営の機能も十分果たせるようになっておると思うわけでございます。そういうような状況を勘案してみますと、改めて電発の意義というものはどこにあるんだろうかということを本質的にやっぱり問いたださなきゃならぬ、かように思います。したがって、電発の現時点における存在意義とは何であろうかということについて、簡単でいいですからお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) ただいま先生御指摘のように、電源開発株式会社につきましては、そのときどきに応じましていろんな役割を果たしたというふうに考えております。特に、この会社が設立以来三十年代前半までは電力不足という状況でございまして、そういう意味では新たな電源をつくるということに非常に力点が置かれた。その後、三十年代の後半におきましては、特に広域運営ということで、広域的な連携ということに力点が置かれたというふうに考えております。その後、三十年代末から四十年代にかけましては、新たな国内石炭の対策あるいは海外炭のいかにこれを燃やすかというようなこと、さらには大規模な揚水発電というようなことで、その時々の時代の要請に応じまして最も必要な政策を展開してきているというふうに考えております。 今後、この電発の果たす役割ということで考えますときに、私ども大きく分けて五つの方向があるというふうに考えております。 第一には、やはり九電力の地域性の限界というものとの補完ということでございまして、各地域にまたがる広域的な石油代替電源を開発するということでございまして、現在でも大規模な石炭火力あるいは大規模な揚水発電等を建設中でございます。 第二番目は、電力関連の実証技術の開発あるいは実用化ということで、例えばATRとかさらにはFBR、さらには石炭火力技術につきまして、大型な流動床ボイラーとか、あるいは超高圧のタービンの開発というようなことで実証技術の開発も行っております。 それから第三番目には、そうした新しい技術の導入によりまして電源を多様化するということで、新しい石炭利用技術ということで、CWMと申しておりますが、石炭と水というものをスラリー化して開発する技術、あるいは国産の水力エネルギーについてさらに新たな開発を行うというようなことがございます。 第四番目といたしましては、海外技術協力でございます。これにつきましては、電発に対していろんな方面からの技術協力の要請がございまして、大変活発に行っております。 第五番目が、エネルギー資源開発の国際的展開ということで、御存じのように、アメリカあるいは豪州その他におきまして電発の中心になって、そうした資源開発に現在さまざまな面で貢献をいたしているわけでございます。 以上、今後の電発の役割として五つの方向を私どもは考えているわけでございます。
○浜本万三君 先ほどお話しになりました事業内容の問題につきましては、後でまた重ねて質問をさせていただきたいと思うんですが、方向を変えまして質問をいたします。 この法律案を見ますと、電発だけについて活性化ということがうたわれておりますので、本法の効果の問題について質問をしてみたいと思います。 今回の法案は、昭和五十八年の臨調答申に基づいて、製品安全協会等の六特殊法人の民間法人化とあわせて電発の活性化を目的としております。電発だけに活性化という言葉を使われておるわけなんでございますが、これは政府出資分が残るためであろうかとも考えられるわけでございます。今回の改正点を見ますと、役員の任免と事業範囲の規制が緩和されておる程度でございまして、これでもって活性化と言われるんであろうかという疑問が第一に起きます。 それから第二は、活性化という限りにおいては、社内的に何か活性化のための構想があるんではないかと、かように思います。あればその内容をお示しいただきたい。また、事業範囲の見直しということがありますが、これは具体的に何をどうしようとされておるのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 第一の御質問でございますが、これで活性化ができるかという御質問でございます。 この法律の内容としましては、役員の任免あるいはその他料金の決め方等についての規制の緩和をいたしておりますが、これだけで活性化が十分かという点につきましては、私ども、実はこうした法律面での規制の緩和と並行いたしまして、一つは株式につきまして、現在の政府の保有株式を、もう少し民間に持つ分をふやすということを考えております。それから、さらには配当を行うようにするということで、これは直ちには難しゅうございますが、順次配当をし得る態勢に持っていくということで、こうした幾つかの方策を総合しまして、私どもはこの活性化の成果を上げたいというふうに考えているわけでございます。 第二番目に、現在社内的にそうした活性化の動きがあるかということでございますが、電発は社内業務活性化方策というのを昨年六月から実施いたしております。その内容は、一つは組織面での簡素化、軽量化、合理化。それからもう一つは、業務の運営面での効率化というようなことをうたっておりまして、こうした活性化方策に従いまして、現在電発ではその業務内容についての具体的な効率化、コスト低減等を努力いたしておりまして、着実な成果を上げているものというふうに評価をいたしております。 最後に、第三番目の御質問でございますが、事業の範囲の緩和ということでございます。これにつきましては、現在は業務範囲につきましては、いわゆる本来の事業以外の事業につきましては、すべて言うところの目的達成事業ということで、通産大臣、大蔵大臣の認可、協議の対象になっております。これに対して、やはり電発の本来事業に密接的に関連するもの、直接的な関連が明白なものということにつきましては、会社がその事業を営む妥当性が容易に認められるということで、こうしたいわゆる本来事業と密接なものにつきましては、これを附帯事業として実施していくようにしてはどうかということで、例えば例を挙げますと、発電用の海外炭の開発とか、あるいはその輸入、販売、あるいはダムをつくった場合のその発電所の付近の緑化工事等々につきましては、これは附帯事業としてやり得るようにしたいということで考えております。 以上三点でございます。
○浜本万三君 非常に丁寧な御答弁があるんですが、もうちょっと要約して答えていただきたいというように思います。 次は、そうすると、配当の問題が出ましたので、株の問題をお尋ねするんですが、今回の法改正と並行いたしまして、電発は経営活性化のための措置として、政府保有株式比率の低減と、それから今お話しの利益配当の実現という二点、措置を講じられておるようであります。したがって、まず、現在の出資金の状況と官民の比率はどうなっておるかということ。それから第二番目は、政府の保有株式の比率低減でありますが、これはどのような形で、期間はどのくらいで行われようとしておられるのか。それから三つ目は、その払い下げ価格はどの程度になるのかあわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) まず第一の現在の株式についての官民の割合でございますが、現在政府が七二・三六%、民間が二七・六四%を持っております。総額は七百六億円でございます。第二番目には、これを民間に譲渡する場合どのくらいの期間をかけてということでございますが、現在、今年度から四、五年をかけて政府分の株式の一部を民間に移したいというふうに考えております。その際の価格でございますが、これにつきましては、市場での適正な価格ということでございまして、今後国有財産中央審議会の審議等を仰ぎながら決めていきたいというふうに考えております。
○浜本万三君 そういたしますと、いずれにしても政府にお金が入るということなんですが、会計処理の問題についてお尋ねいたします。 政府保有株式の売却益は、結局国庫に入ることになると思うんでありますが、その時期は、先ほどの話では四、五年かけてということでありますが、時期並びにどの会計に繰り入れて、将来何に使おうとされておるのか、会計処理全般の問題についてお尋ねいたします。
○政府委員(山本幸助君) 電源開発株式会社の株式が売却された場合につきましては、それは産投会計に入るというふうに考えております。 その使途でございますが、これにつきましては現時点ではその使途を特定することはできませんけれども、予算編成時に産投会計全体の中で決まっていく。時期につきましては、先ほど申し上げましたように、大体四、五年で売却いたしますので、その都度入っていくということでございます。
○浜本万三君 そうすると、株の問題でお尋ねするのは、政府の保有株式の比率がどうなるんだろうかという将来の見込みなんでございますが、最終的には完全民営化もしくはそれに近い線になるのか、それとも今考えられておるような政府保有株数が大体三分の二程度でおさまるようにしようとされるのか、その辺大筋でいいですからお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 先生の今御指摘になった後者でございまして、三分の二程度におさまるようにしたいと考えております。その理由は、やはりこの会社の国策遂行機関としての性格を十分に合うさせたいということでございます。
○浜本万三君 大臣、そこで一つお尋ねするんですが、今回の電発の政府保有株の一部を譲渡することにした本当の目的といいましょうか、本音について多少疑いを持つわけなんです。私は政府の本音としては、株式の売却収入や残りの株の配当金を歳入に繰り入れて、苦しい政府財政の運営の一助にしたいというふうに考えておられるんじゃないだろうかと、こう思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 公式答弁では、御指摘のような財政運営の一助とすることを目的とするものではないと書いてあります。書いてありますが、あなたの言うのが本当ですよ。
○浜本万三君 正直でよろしいです。多分そうだろうと思うんです。 それで、結局電発の株式は、現在政府と九電力会社によって一〇〇%保有されておるわけですね。もし今回の政府保有株式の比率の低減措置が行われましても、九電力以外に株がわたることはないと思うわけですね。結局政府が主導権を持ちまして運営されることになると思うんでございますが、運営というのはおかしいんですが、政府が主導権を持つ形の実態は残ると思うんであります。それで活性化と言えるんだろうかという疑問がそこでまた起きるわけでございます。私はむしろ電発の活性化というならば、九電力以外へ株を放出をして、そして民間からさらに有能な人材をどんどん送り込んで、立派な運営をするような度胸があるかどうかという点についてお尋ねしたいと思うんです。
○政府委員(山本幸助君) この電源開発株式会社の株式を売却する場合の売り先でございますが、これにつきましては今後慎重に検討したいということでございますが、先生御指摘のように、基本的にはやはり九電力会社が持つことになろうというふうに考えております。 その理由は、今後電源開発株式会社が活動する場といたしましては、従来のようにいわゆる電源開発の量的な面が重要であった時期から、これが質的な面が非常に重要になったということで、むしろ九電力会社との非常なハーモニーといいますか、協調的な運営が必要であるというふうに考えておりまして、そういう面から、三分の二は国策会社として国が持つ、その残りの三分の一は九電力会社が持つという態様が一番適当であろうと考えておりますが、実際の具体的内容につきましては今後検討していきたいというふうに考えております。
○浜本万三君 さっきの答弁で、活性化の一つの方法として配当するんだというお話がございましたので、その点に今度ひとつ入ってみたいと思います。 従来、株式会社ということで配当を行える状態にあったと思いますね。しかし配当を実際行わなかったのです、今日まで。それは、なぜ配当を行われなかったのかということが一つと、そしてこの時期に配当を行う意義はどこにあるのか。大臣の正直な答弁では、政府の財政に役立つようにしたいんだというお答えがあったわけなんですが、そのとおりかどうか。 また、電力会社には公共事業としての配当の制限があるわけであります。電発の予想される配当はどのぐらいになるのだろうかという疑問がございます。考え方としては、九電力会社並みの配当、六ないし八分ですね、にされるのか、もしくはそれじゃおかしいので、利子程度の配当にされるのか、そういう点についてひとつ端的にお答えいただきたい。
○政府委員(山本幸助君) この会社につきまして配当を行わなかった理由でございます。これは当初は配当を考えておったわけでございますが、その後実際の配当の段階になりまして、我が国の電気事業は非常に困難な状況に至ったわけでございます。各会社とも非常にコストが上がって、電気料金の引き上げを行わざるを得ないというような状況になりまして、当時の判断といたしまして、むしろ電発につきましてはこれを配当しないで、その分卸売の電力料金を引き下げ、よってもって九電力の電気料金のコストの引き下げに資する方がよいということで、配当をしないで今日まで至っているわけでございます。 しかし、最近では我が国の電気事業全体も非常に経営が安定してきておるということでございます。さらには、現状を考えますと、やはり電発につきましても会社の経営努力がその会社の利益の増大につながるという形に持っていく、逆に申しますれば、現在では経営努力をしましても、それは卸売電気料金の引き下げということで社外に全部出るわけでございますが、それに対して社内にある程度利益がたまっていくということによって、その会社の経営活動が活発化、効率化するだろうというふうに考えているわけでございます。 お尋ねの配当率でございますが、現在九電力は全部一〇%配当をいたしておりますが、私ども現在念頭に置いてございますのは六%ぐらいでどうかというふうに考えております。ほかのいわゆる政府系の特殊会社の配当を見ましても大体そんなところが多いかということで、現在では六%程度を念頭に置いているわけでございます。
○浜本万三君 活性化という名のもとに今のようなことをやられますと、電気料金の値上げにはね返らないかというこれ心配がありますので、その点二、三お尋ねをいたしたいと思います。 株主が、先ほどお話があったように、政府と九電力に限定されておる状態では活性化はなかなか難しいんではないだろうか、電力料金の高騰を招くことにならないだろうか、こういう懸念が私には依然としてあるわけでございます。すなわち配当を行うということになりますと、それ相当のやっぱり利益を上げていかなきゃなりませんし、当然その利益を上げたことは電気料金の原価に加算をされるということになると思います。そして、卸売料金の値上げを招き、最終的には電力料金の値上げの形で一般消費者にツケが回ってくるのではないか、こう思われるわけでございます。 また、電力会社について考えてみますと、原価主義の建前となっておりますが、保有株式も少ないので余りメリットは考えられないわけでありますが、政府にとっては株式配当とそれか法人税という二重のメリットが期待できるわけでございます。結局株式の配当の実現をするということは、電発の活性化に名をかりた事実上の政府の増税対策あるいはまた増収政策のように思われて仕方がないんですが、これに対する見解を承りたいと思うわけでございます。 また、さらに大臣に特にこれはお聞きしたいと思うのでありますが、配当を実現するためには営利性の追求が必要となってくることは、これは必然であろうと思います。これは電発が現在行っておる国内炭火力とか脱硫装置の研究でありますとか、あるいはまた新しいエネルギーの研究開発のような、まあいわば国策的な事業の遂行に支障を来すことにはならないだろうか、こういう心配もあるわけでございます。あわせて、前半は政府委員から、後段はひとつ大臣からお答えいただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 配当を実施することによって、結局はその分が国民のツケに回るのではないかという点でございますが、私どもそういうふうになってはまずいというふうに考えております。 今回、電源開発株式会社につきましては活性化ということでいろいろな改革をお願いいたしておるのでございますが、今回の電発の配当も、会社の自己努力が、それによって利益を創出する、それに従って配当ができるという形に持っていきたいと考えておりまして、そういう意味では、こうしたシステムをとることによって、電源開発株式会社の中でもって今後とも経営の改善あるいはコストの低減ということに努力をされて、その結果利益が生み出され、配当されるというふうにぜひ持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 配当するからといって、直ちに収益性だけに重点を置くというようには考えられません。また、国が大部分を持っておって、三分の一だけが電力会社が持つというんですから、これは電力会社に奉仕する電源開発みたいなものであって、そう高い配当の必要も実際はないということになりましょう。まあ、株式の放出にしても、民間に放出すれば高く売れるんですよ、これは。売れるんですが、やはり電力会社等からすれば、余り高い株式は買いたくないし、どうせ買うなら安い方がいいし、だからといって一遍に大量に発行されたのでは、とてもお金がなくて買い切れない。だから、三分の一を何年間かけてというのが本音でしょうね、実際の話が。私はお役所じゃありませんから、そんな形式的なことは申しません。 したがいまして、もっと将来は、活性化するためには、あなたが言っているように、この電源開発も抜本的な改革を一遍やらなきゃならぬ時期が必ず私は来ると。何十年も続いているやつですから、一挙にするということはできませんが、もう少し独立的なものにするという時代が来てもいい。そのかわり、九電力もただ単に公益事業というだけで、公益事業ということでいろいろ枠をはめておるということは、裏返しにすればこれはいっぱい保護しているということですから。ですから、非常な干渉も取り除く、そのかわり保護も余りしない、もう少し独立独歩でやってもらうというように将来はしていく必要がある、私はそう思っておって、電力会社に第二の事業を考える、やらせるように、ともかく法の見直し等について勉強するようにということは言っておるんです。もちろん、まだ結論は何も出ておりません。
○浜本万三君 次の問題についてお尋ねするんですが、今度の法改正では、卸電力料金の決定に際しまして、従来は電調審に付議する規定があったわけですが、これを削除いたしております。これは、まあ法律の性格は規制の緩和を目的にされておるのではないかと思いますが、電力料金決定の公正性の見地からも、この削除については若干問題があるのではないかという気持ちを持っております。 したがってお尋ねをするわけなんですが、従来の方法で何か不都合があったのかどうかということ。また、今後電調審という第三者機関抜きで卸電力料金が決められることになるとして、料金決定の公正を期すことができるのかということ。その結果、配当分の加算等もあって卸電力料金が高くなるのではないかという懸念があるが、これはどうかという、三つの点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 電源開発株式会社の料金につきましては、従来すべて個別的に電調審に付議をいたしたわけでございます。これは会社発足当初、料金につきまして非常に公正さを保つということで行われたわけでございますが、その後この料金制度につきましては、原価主義と政策的要請というものを反映した料金制度が現在確立いたしておりますので、今後は個々にこの認可を電調審に付議することは必要なかろうというふうに考えているわけでございます。 不都合があるかという点でございますが、これにつきましては、やはり電発としては、一番重要な営業のアイテムでございます料金について、これが電調審にかかるということで、弾力的にいかないということで種々問題は起こっております。 例を挙げますと、例えば三月に電調審を開くということで、二月初めに各社との交渉をまとめにゃいかぬということで、海外の山元との新しい年度の価格、料金が決まらない、まだ交渉中というときでも、やはり各社と決めざるを得ないということで、見込みの値段で料金算入をしなきゃいかぬということで、これが後で非常に狂ってくるというふうな場合に問題が起こる。あるいは、新しくつくった設備なんかにつきましては、直ちにはできませんので、そうした電調審の認可を受けるまでの間はいわゆる仮料金ということでやっているというふうなことで、二重の手続を踏むというようなこともございます。こうしたことで、できれば電調審に個別に付議するということについては、機動性に欠けるということで改正をしたいということでございました。 こうしたことによって、これが公正な結果にならないのではないかという御指摘でございますが、この点につきましては、過去の二十数年の運用の実績に基づきまして大体そのルールも確立しているということでございます。また、個別の認可についての電調審付議はいたしませんが、その具体的な認可のルールにつきましては、これを電調審にあらかじめ付議して決めておくということでございますので、公正さは保ち得るというふうに考えておりまして、第三の御質問でございます、その結果高くなるのではないかということにつきましても、そうした事態は防ぎ得るというふうに考えております。
○浜本万三君 次は、附帯事業の範囲の問題についてお尋ねいたしたいと思います。 今回の改正で事業に附帯する業務が追加されましたが、これは従前からの目的達成業務とどういう違いがあるのかということです。それからまた、これは目的達成業務と異なり、個別認可が必要となるのか。あるいは認可の必要はないのか。あわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) お尋ねの附帯事業でございますが、これは本来事業との関連が直接的かつ明白であって、会社がその事業を営む妥当性が容易に認められるものというふうに定義いたされておりまして、経営の自主性とかあるいは機動性の観点からは、これを附帯事業として位置づける、従来のように通産大臣の認可あるいは大蔵大臣の協議というものを不要とするということでございます。こうした事業の例としましては、例えばダムの近辺の緑化とかあるいは石炭火力の発生する灰の処理、あるいは電力関連技術開発の受託等々がございます。こうした附帯事業でないものにつきましては、従来どおり目的達成事業として通産大臣の個別認可を受ける必要があるというふうに考えております。 お尋ねの第二番目でございます、こうした附帯事業につきましては個別的な認可が必要であるかどうかということにつきましては、必要はないということでございます。
○浜本万三君 いろいろ質問をしてまいりましたのですが、結局この電発の活性化ということは、ある意味では電発の利益拡大政策になる可能性を潜めておるのではないかと思います。 そこで心配することは、卸電力料金が上昇し、最終的には電力料金の上昇につながる心配があるわけでございます。私はそういうことがあっては絶対にならない。大臣もさせないというお話でございます。したがいまして今後運営に当たりましては、電発が利益第一主義に走らないように適切な歯どめをする必要がある、かように思います。したがって放漫経営にならないように、内部の合理化の徹底を図りながげ適切な運営をしてもらいたい、かように希望するものでございますが、大臣の所見ないしはひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 仰せのとおりであります。
○浜本万三君 次は、周辺問題について若干お尋ねするんですが、電力需給の見通しについてまずお尋ねをいたしたいと思います。先ほどまで、活性化とかあるいは規制緩和の問題について若干質問をしてまいりましたが、それ以外の問題について二、三質問をいたしたいと思います。 結局、最近における我が国の電力需要は、経済成長に対して高い弾性値を有し、順調に増大をしてまいったと思います。しかし現在では、弾性値は大きく一を下回っておりまして、需要の頭打ち傾向というものが顕著になっておると思います。さらに今後、我が国の産業構造が、電力を多く消費する産業型から省エネの産業型に変わってくるのではないかと思います。また、都市部の業務用電灯を中心に、分散型の電源システムが普及するのではないかとも思うわけであります。多大の電力需要が期待できない状況であります。一般に電力過剰時代というふうにを言われておるわけなんでございますが、今後の電力需要の見通しにつきまして簡単にお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) お答え申し上げます。 電力需要につきましては、電力一般の電力需要と、それからいわゆるピーク時の電力需要と両方ございます。ならした電力需要につきましては、今後七十年度までの間大体年平均二・八%程度の伸びであるというふうに考えております。これに対しまして、いわゆるピークの電力需要につきましては、今後とも冷房需要が伸びるということでございまして、今後七十年度まで考えますと、三・二%ぐらいで伸びるというふうに予想いたしております。したがいまして、こうした状況を踏まえまして、電力の設備につきましては大体年平均三%程度の伸びで今後考えていきたいというふうに思っております。
○浜本万三君 電源開発株式会社が現在大型の石炭火力発電所を建設されておるわけでございますが、電発といたしましては、経営活性化のためにフル運転をするということも当然考えられるわけでございます。各電力会社も、電力が余っておる中で電発さんがフル運転をされるということになりますと、当然九電力との合理的調整という問題が大きな問題になってくると思います。そういう調整の問題について心配はないのか。今でもいろいろな協議会を開いてやられておるようでありますが、心配はないのかということについてお尋ねをいたしたいと思うわけです。 それからまた、そういう大型の発電所をたくさん建設をされてきたわけなんですが、今後は、過剰時代における建設方針はどういうふうにされるのか、少しは手控えられるような形をとられるのかということですね。その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 先生御指摘の電源開発株式会社と九電力との間の電源開発につきましての調整といいますか、緊密な連携というのは非常に重要でございます。この点につきましては、私どもも大変意を配っておりまして、実際の九電力の電源開発計画というものにつきましては、この電発の株式会社から受けるいわゆる買電でございますが、そこから供給を受ける電力も踏まえまして毎年それを見直しているという状況でございまして、中期的にもあるいは長期的にも、九電力と電源開発株式会社との間の調整を図りながら需給を考えているわけでございます。 第二番目の、今後非常に電力が過剰になってくるのではないかという点でございますが、この点につきましては、電力につきましてはそのいわゆる予備率というのがございまして、最大電力需要に対してどのくらいあればいいのかというのは、一般的には八%から一〇%程度の供給予備力が必要であるというふうに考えておりますが、現在の電源開発計画を進めますと、大体十年後におきましてもほぼこの供給予備率が一〇%程度ということで、現在の電源開発は適正なものであるというふうに考えております。 今後、電源開発株式会社につきましては、特にコスト面でもって有利な大型開発、あるいは地域的な制約を受ける各電力会社の間の広域開発というようなことに重点を置きながら進めていきたいというふうに考えております。
○浜本万三君 電発と九電力との関係からいえば、コストの安い水力はどんどん売ってください、コストの高い国内炭を使用する発電所の電力はできるだけ遠慮させてくださいというような気持ちもあるんじゃないかと思うんですが、しかし、いずれにしましても、国内炭を使うというのは国策上重要な政策の一つでございますから、そこらあたりは十分調整をしていただきまして、円滑な広域運営ができるようにひとつ善処をしていただきたいと思います。 それから、通告では技術協力の問題であるとか技術開発の現状であるとかいうことについて質問をする予定でございましたが、時間がほんの少ししかございませんので、それは省略をいたしまして、次の質問に移りたいと思います。 ATRの安全性についてお尋ねをいたしたいと思います。 電発さんは、福井県の敦賀の動燃のATRに協力をされておるように聞いております。そして青森県に建設を行っておるATRの準備を行っておられるとも聞いております。この新型転換炉は我が国独自の技術であるということを伺っておるわけでございますが、何しろ燃料はウランと一緒に毒性の極めて高いプルトニウムを燃やす形式であるために、事故が起きますと重大な結果を招くおそれがあると思います。今回のソ連の原発事故も軍事用のプルトニウムをつくる炉であったという情報もあるわけでございます。ATRの安全性は本当に大丈夫なのかという心配を持つわけなんでございますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(逢坂国一君) 先生お尋ねのATR、すなわち新型転換炉の実証炉につきましての件でございます。この件につきましては、昨年、昭和六十年五月のATR実証炉建設推進委員会におきまして、通産省、科学技術庁、動燃事業団、それに電気事業連合会及び電源開発株式会社の五者で結成いたしましたその委員会でもって計画を決定してございます。これは具体的には、六十一年着手、六十四年四月着工、七十年三月の運開と、こういう内容でございまして、現在、青森県におきまして、電源開発株式会社はこの計画に基づいて立地の調整を進めているところでございます。今後の進み方につきましては地元の状況いかんということでございますが、電源開発の努力を期待しているところでございます。 先生がお尋ねのATRの安全の問題につきましては、これはATRにかかわらず、原子力発電所全般に通ずることでございますが、安全第一といいますか、安全を最優先に開発を進めるという方針でございます。 先ほど来問題になっておりますソ連の原子力発電所の事故との関連でございますが、これはまだ情報もはっきりしておりません。それで、プルトニウムの生産の関係があるのかどうかということも含めまして情報がまだはっきりしておりませんが、いずれにいたしましても、このATRの実証炉の基本的なところは、現在既に敦賀において開発、また良好な運転実績を達成しております原型炉の技術を使うものでございますし、また、これから具体的に着手、着工という段取りになりますと安全審査がございまして、逐一検討されることになります。 特に先生お尋ねのプルトニウムを使うという問題につきましては、プルトニウムとウランとの混合燃料でございまして、これにつきましてはFBR、ATRの実績もございますし、また、海外の例も含めまして、軽水炉においてプルトニウムとウランの混合燃料を使うという実績もございますので、この辺につきましては、十分実証のデータも得られているところだと私どもは思っております。
○浜本万三君 三十四分までですから、あと二つぐらい質問をして終わりたいと思います。 例のATRの建設の準備を進めておられる傍ら、カナダのCANDU炉の導入の検討も行っておられるということでございます。通産省は、最終的に二つ並行して建設の準備を進められようとしておるのか。カナダの方はどうなるのかということをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) CANDU炉につきましては、昭和五十四年の八月の原子力委員会におきまして、現段階において積極的利用を見出しがたいということで、導入について待ったがかかっております。その後、このCANDU炉につきまして内容を調査、検討しようということで、電発が中心になりまして、カナダ側とも協力しましてこのCANDU炉の技術的な調査を行っております。その調査報告が昨年九月末に提出されまして、現在、通産省においてその内容を評価、検討をいたしているわけでございます。 今後は、先ほどの原子力委員会の五十四年の八月の決定もございますので、このCANDU炉につきまして、商業炉として導入することについて技術的にどうかということの検討をお願いしたいということでございます。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 そういう段階でございますので、現状で、このCANDU炉自体をどういうタイミング、あるいはどういうふうに導入するかということは、ただいま申しました原子力委員会の検討を経て考えたい、こういうふうに考えております。
○浜本万三君 最後の質問になりますが、ATRとかそれからCANDU炉のような原子炉は、重水炉と言うんですか、あれは。我が国では動燃の十六万キロだけですね。したがって、これはまた本格的な商業ベースに乗っていないと思うんであります。それで、九電力の方はこれは軽水炉であります。それで、重水炉は軽水炉に比較いたしまして発電コストが高いんではないかという情報があるわけでありますが、具体的にどういうような状態なのか、また建設資金はどのぐらいかかるのかという点についてお尋ねをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) まず、ATRでございますが、これは実証炉を現在、大間の原子力発電所というところで電発が建設準備を進めております。それで、このときの発電原価は一キロワットアワー十五円ぐらいであろうというふうに考えておりまして、軽水炉が十三円でございますのでちょっと高こうございます。ただ、これは実はまだ実証炉であるということで、実際には国からも相当お金が入っている、電力会社も三〇%を出しているということで、いわゆる補助をいたしておりますので、そういう意味では、これが直ちに実証炉としての値段の比較にはなりません。 したがいまして、今回つくりますATRの実証炉をつくりまして、この十五円、キロワットアワー、国の助成入りでもってでございますが、この成果を踏まえて今後実際の実用炉のコストを図っていくということでございます。 一方、CANDU炉でございますが、これは現在カナダでもって既に広く実用に供されております。先般、電発で行いました調査によりましても、大体軽水炉と同程度の経済性ではないかと言われておりますが、これにつきましても今後一層検討したいというふうに考えております。
○浜本万三君 大臣、ありがとうございました。委員長、ありがとうございました。
○田代富士男君 法案の審議に入ります前に、今日的な問題を一、二点お尋ねをしたいと思います。 最初に、渡辺通産大臣は、先ごろ中東を訪問されましたけれども、この中東情勢、特に石油事情をどのように把握されておいでになられたのか。中でもこのエネルギーの一つでございます石油価格について、どのような見通しを持ってお帰りになられたのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 中東に行く前に、私はヤマニ石油相とかアメリカの資源エネルギー大臣とか、インドネシアのやはり資源エネルギー大臣等にお会いをしたり、また民間の大手のメジャーの会長さんなどにお会いをしたりしていろいろ聞いてみました。大体、大差はない発言でございました。このように石油価格が下がって、そのままいくとすれば、ある時期に必ず石油不足になる、その結果は一九〇〇年代に第三の石油ショックが起きる危険性がある、したがって何とかそういうようにならないことが大切だという意味のことを言っておりました。 私も実は同感でありまして、石油の下がることは大変結構なことでありますが、それが仮に一バレル十ドルとかというようなことになっても、一年もたたないうちにまた大暴騰というのでは日本が困るわけですから、したがって石油価格は需給の調整との関係で決まることではありますが、やはり必要にして十分な程度の供給が何とか辛うじてできる程度の値段に安定をしてもらえれば一番私はいい、それが十二ドルであるか十八ドルであるか、あるいは十五ドルであるか、それはわかりません。わかりませんが、安定をしてもらう、下がったところで安定を長期にしてもらう、これがいいということで、そういう考えで実は歩いてきたわけでございます。 イギリスは、だからといって我々は、生産国のそういうようなカルテルには協力をいたしません、市場価格で決まることです。イギリスの大臣は、ともかく北海油田はもう二ドルまでやれると言いましたが、ほかのシェルの会長に聞いたら、いや二ドルはとてもできないが、五、六ドルならば、今のやつは減価償却もある程度進んでいるから、新規投資さえなければできると。向こうの大臣はもっと強がりを言って、将来暴騰するんじゃありませんかと、アメリカなどでもかなりみんな、石油もうやめということになっていますからということを聞いたら、それは彼らは、我々が省エネルギー、代替エネルギー、そういうものをどんどん進めているということを計算に入っていない、昔と違うんだということを言って、強い姿勢でありました。 サウジの方でも、これは値段をある程度ともかく上げてもらいたいというよりも、むしろ量を買ってもらいたいということの要請の方が強かったわけです。日本はサウジの石油で随分今まで恩恵を受けてきたはずだ、しかし、だんだんサウジの石油のシェアが小さくなって量が減ってきた、それは困るということですから、それはあなたの方が値段がほかより高い、ネットバック方式に変えるのが遅かった、しかし、値段を改定してからは、サウジの石油がだんだん日本でもたくさん買えるようになりましたよ。一月、二月、三月、だんだんふえて、三十何万バーレルが七十数万バーレルぐらいにまでふえてきましたよと。だから値段を国際価格にしてさえくれば決してサウジを粗末にするものではないし、今までもお世話になったこともよく知っていますということを言ってきたわけであります。 そこで、問題はなかなか見通しとしては、夏まではネゴシエーションで生産制限の話はつくまいというのが大体の見方だったんですよ。ところが、ロシアの原子力発電所に事故が起きたものだから、急に数ドル、三ドルか四ドルか知りませんが、ぽんと、ここで石油が値上がりしたというのが事実であって、一番OPECが喜んでいるんじゃないかなという気も、これは本当に、自分たちが一生懸命会合何回やってもまとまらないやつが、ちょっとした発電所の事故で石油が上がっちゃったわけですから、だからこれがどこまで続くのか、先はわかりませんが、安定供給ができる程度で落ちついてもらうということが一番いい。そのこともサミットでも出ているんです、これ、話の中で随分出ているんですが、そのためには代替エネルギーの開発は、それはやろうと、これはみんな一致しているんです。 備蓄については、アメリカや日本は備蓄しよう、イギリスは余りしたくないんです。備蓄しなくたってあるんだから。だから、このサミットの宣言の中でも、必要な国は備蓄ということを直せという議論と、希望する国は備蓄と、こう議論が、がたがた二十分ぐらいやっていました、私がよく聞いたら、首脳会談の中で。日本はどちらかというと、必要など、こういうふうに直した方がいいということを言ったのですが、最終的には原案どおりにみんなまとまるように、「希望する国が」ということに直った。したがって、この石油問題については、各国とも多少利害がみんなあるものですから、一致した意見というものはなかなか出づらいけれども、やはり価格の安定という点ではほぼ一致をしておるわけであります。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
○田代富士男君 次に、東京サミットも終わりまして、主催国の閣僚の一人といたしまして、通産大臣は大変御苦労されたことと思います。そこで、東京サミットを終わりまして、いろいろマスコミでもとらえられておりますけれども、また同僚議員からも質問が出ておりますけれども、期待に反しまして高騰を続ける円ドルレートに輸出関連中小企業の悲鳴というものは、大臣も通産大臣といたしましてそれを痛切に感じていらっしゃると思います。特に円ドルレートの安定にサミットが何ら寄与することができなかったというようなことを言えば極端かもしれませんけれども、こういう種々の意見というものが、サミットの成果につきましても与党・自民党の中にも厳しい声が上がっております。これに対しまして、通産大臣といたしまして、こういう問題をどのように受けとめられていらっしゃるのか。 また、報道によりますと、総理の補正予算発言は、その後関係者によりまして否定されたようなことも言われております。関係の中小企業にとってはその期待も大きかったと思いますけれども、通産大臣は、円高、この問題における中小企業対策をどのようにサミット後においてお考えになっていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 為替相場につきまして、サミットで日本は幾らにしてくれとかそういうことは言ってはいないんです。個別的に聞かれれば、もう円高はこれだけ非常に強く、急激になって日本は苦しいと、実際のところ、これ以上門が急激に上がることは困るというようなニュアンスの発言は私もしていますし、当然のことですから。しかし、それは余り会議の席で言って、恥かくようなことは言いたくないですわね、みんな、さま見ろと思っている人だってあるわけですから。さま見ろとは言わないけれども、さんざんもうけたんじゃないかという、今まで三年間も普通より円が安過ぎて、三年間ですから、日本が貿易が浮いたというのは、だあっと浮いたのは。四年も五年も前は大したことないんですから。黒字がたまったのはここ過去三年間。したがって、それは余りにも安過ぎたというように彼らは思っているし、私も思っているんですから。だから、円を強くしてくれと頼んだんだから、随分。頼んだけれども、アメリカなんかが絶対その気にならなかったということで結局ここまで来てしまった。 それが一遍に結局見直しということになって、円が強くなり過ぎたというか、非常にスピードが速過ぎるということのために、いろんな悲劇が部分部分出ておるということも事実なんです。何とかしかしこの程度で、しかも安定をしてもらわなければ何より困ると思っておるわけです。これについては、やはりファンダメンタルズを適正に反映しないで、いろんな思惑等によってドル相場が上下するという場合には、介入が有意義であればやりましょう、それはお互いに認めていきましょう、しかしながら、その背後にあるいろいろな貿易のアンバランスその他、そういうものの調整をやりましょう、こう言っておるわけでありますので、やはり連中は、日本は五百億ドルも、ことしは七百億ドル以上黒字になると見込まれているんだから、日本にだけ銭が集まってきちゃうんだから、だからそいつは吐き出せという話ですよ、簡単に言えば。 売れるものは売ったら、それと同じぐらい買えと、売るなとは言わぬと。しかし、実際は、売るなと言わないけれども、腹の中はまたこれもいろいろあるんですから、実際は。少し反映の措置も講じてもらいたいという気持ちもあるんですよ、お互い立場がありますからね。それは飯食うとき一杯やりながら言う話と、会議の話とは全く一致じゃありませんからね、実際は。だから、そういうことで、我々としても日本のことを認識してもらうと同時に、彼らにも協力はする、そういう姿勢はこれは崩すわけにいきません。 そうでないと、アメリカでどんどん実際問題として、議会が現に保護法案を通過さしているわけですから。大統領が知らぬふりしていれば法律がどんどんできて、日本いじめ法案ができちゃうわけである、二つも三つも。そのことの方が重大問題なわけですから、だから、大統領がやはり体張って抑えてもらうのには、三分の一以上の議会の支持がなきゃできないわけですよ。その程度のことは我々はやらなきゃならぬ、そこの認識なんですね、一つの違いは。だけれども、そういうことをやるのは、一方困る問題が発生するから、これについてはできるだけの国内対策もやろう、しかし、それは輸出振興じゃありませんよ、日本は輸出振興立て直して、官民連合艦隊でまた押しかげてくるんじゃないかと思って心配しているわけですからね、向こうは。だから、その三千億の話だって、ヨーロッパいまだくすぶっているんだから、そうじゃないと、この間も口酸っぱくなるほど言ってやったからだんだんわかったろうと思うけれども、だから我々としては、やはり輸出振興ではないが、ともかく倒産したりなんかするのを政府が手をこまねいて見ていられない、そんなことをしたら選挙にならないしね、第一そんなことをしたらもう政府なくたっていいなんて言われちゃう、それは。だからやっているんだと言っておるわけです。 しかし、国内から見ればそれでも足らないという議論ですね、これみんな。私もできるだけのことをやって差し上げたい。しかし、予算で決まったことをまず実行しなきゃいかぬのです、まだ実行していないわけですから。実行すると同時に、それでもなおかつ国内でどんどん失業者がふえてくる、景気が悪くなる。政府が四%と言ったのが、それがきょうの新聞じゃないが、二%台にしかならぬということになれば、またこれやられますよ、本当だと。四%やると言ったじゃないか、二・三%の見通しなら乖離がいっぱいなんだから見直せ、こう言われるに決まっているんだ。だから、そういう場合においては、いろいろ理屈はあっても、現実的には何か別なことも考えなきゃならぬ。そのはしりを総理がちょろっと本音を漏らして今騒がれているというのが——騒がれていると言っちゃちょっとなんですが、本音を漏らして問題にされているということが実相であろう。何かやらなきゃならぬ、そう思っておるんです。 具体的に何やるかと言われましても、それは今すぐここで公式に発表できるようなものは実際は持っていない、ですから、皆さんのお話も聞いてできるだけ取り入れてまいりたいと思います。
○田代富士男君 法案の質問に入ります。消費生活用製品安全法につきましてお尋ねをいたします。 最初に、民間法人化の問題について尋ねたいと思いますが、この法案の説明によりますと、これまでは特別認可法人でありました製品安全協会、また特殊法人でありました高圧ガス保安協会、日本電気計器検定所、中小企業投資育成株式会社を民間法人化する、こういうことでありますが、この場合、民間法人化とはどういう意味であるのか、また特殊法人や民法、商法上の法人との相違点や、あるいはその概念について、私も説明をお聞きいたしましたけれども、もうちょっとわかりやすく説明を承りたいと思います。それと同時に、この新しい法人制度の導入が民間化の実効に疑義を生じさせてはならない、この点についても明確に御説明をあわせてお願いしたいと思います。
○政府委員(鎌田吉郎君) ただいま先生からお話しございましたように、今回お願いいたしております法案におきましては、通産省所管の特殊法人等につきまして民間法人化をねらっておるわけでございます。 今回のこういった措置は、臨時行政調査会の最終答申の線に沿うものでございますが、同答申におきましては、特殊法人等につきまして自立化の原則というのがうたわれておるわけでございます。これは特殊法人等が政府資金等に依存する体質から脱却いたしまして、自立的に経営を行えるよう努力をしなくちゃならぬ。もし自立できることになった場合には、可及的速やかに民間法人化すべきだ、こういうことになっているわけでございます。 さてそこで、民間法人化の意味でございますが、これにつきましても同じ臨調答申の中に明記されております。具体的に申し上げますと、四つ要件が書いてございまして、一つは、その実施いたします事業が制度的に独占されていないこと、二つ目が、国からの出資が制度上あるいはまた実態上ないこと、三番目に、役員の選任が自主的に行われること、四番目が、さらに経常的な経費につきまして国からの補助がないこと、こういった基準に該当するものということになっておるわけでございます。今回、こういう考え方に沿いまして、民間法人にすることといたしております特殊法人等につきまして改正規定を盛り込んだ次第でございます。 なお、先生から、民法上の法人あるいは商法上の法人との違いいかんというお話でございます。民法法人につきましては、民法第三十四条に基づくものでございますが、公益に関する業務を実施する法人ということでございまして、国の監督は設立に当たりまして許可制が採用されておりますのと、法人の骨格を形成いたします定款につきまして、変更につきまして認可制がしかれているといった程度の監督でございまして、基本的に大幅に裁量が与えられているわけでございます。今回、製品安全協会等につきまして民間法人化が行われるわけでございますが、こういった法人は、従来から、そしてまた今後とも国民の安全の確保あるいは保安の維持等々大変公共性の高い業務を行うことになっているわけでございまして、そういった業務との関連におきまして、定款変更の認可はもちろんでございますけれども、役員の選解任、業務方法書、事業計画等いわば業務遂行との関連において今後とも国の監督が残る、こういう形になるわけでございます。 また商法法人との関係でございますが、これは今回対象とされます法人といたしましては、中小企業投資育成株式会社があるわけでございます。同会社は、商法に基づき設立された会社でございますけれども、今回民間法人化するに当たりましても、公共性の高い業務を遂行するということで、通常の商法法人に比べまして定款変更、代表取締役の選任の認可等、若干の監督規制が加重されているということでございます。 なお、最後に先生から御質問ございました、民間法人化した場合に、業務遂行上実効が確保できるのかどうかということでございますが、この点につきましてはただいま申し上げましたように、業務自体は大変に公共性の高い業務でございますので、業務との関連におきまして今後とも引き続き必要な監督規制は残すわけでございますが、今回の民間法人化のねらいは、経営を自立化させまして、組織の活性化、業務運営の効率化を図ろうということでございまして、そういった観点から経理面あるいは組織運営面におきましては大幅な規制緩和が行われているわけでございまして、このことを通じまして民間法人化の名前にふさわしい実態ができ上がるというふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 そこでお尋ねいたしますけれども、この製品安全協会や高圧ガス保安協会等の上に冠する名称につきましては、特に考えていないということでありますけれども、この点はどうなのか。ちょっとこれだけで、今も答弁の最後で、ふさわしい名前だというような意味のことをおっしゃったけれども、それはどういうことなのか。これと関連しまして、製品安全協会、高圧ガス保安協会、日本電気計器検定所に対する出資の引き揚げ等には見返りはあるのかどうか。また安全経営に支障は、今も御答弁の中にそういうことはないということでございますけれども、本当にないのかということ、こういうようなことを危惧しているんですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(鎌田吉郎君) 今回民間法人化されます法人につきまして、どういう名称で呼ぶかということでございます。 実は正直申し上げまして、今回特殊法人等の民間法人化は、当省以外の省庁においても行われているわけでございますが、全体を総括いたします総務庁を含めまして、その呼び方につきまして公式に決められたものはないというような状況でございます。いろんな意見がございまして、例えば機能に着目した法人であるから機能法人と呼んだらどうかというような意見もございますけれども、これも十分オーソライズされたものになっていないわけでございまして、大変申しわけないんでございますけれども、現段階における呼び方としましては、特殊法人あるいはまた特別認可法人が民間法人化された法人であるということしか言えないということで御理解賜りたいと思います。 それから製品安全協会等に対する政府出資が引き揚げられることになるわけでございます。これは先ほど申し上げましたように、民間法人化の一つの要件ということでございまして、その見返りといたしまして、経理面あるいは組織運営面におきまして大幅な規制緩和が図られるということでございます。 そこで問題は、先生御指摘になりましたように、そういうふうに政府出資を返還いたしまして経営上大丈夫なのかという懸念でございます。これにつきましては、私どもといたしましては、これらの法人につきましては、長年にわたりまして積立金等相当な額の内部留保を蓄積してまいっております。それからまた、実施しております事業が検査、検定等の事業でございまして、比較的安定した収入源がそこにあるわけでございます。そういったこともございまして、財政基盤が脆弱化するということはないというふうに考えているわけでございます。 さらにまた、今回民間法人化に伴いまして、一方で規制が緩和されるわけでございますが、逆にまた企業の経営責任が強まるわけでございますので、各法人におきまして従来業務につきまして一層の充実を図る、あるいはまた今回の法律改正でお願いいたしております新たに追加されます業務につきまして、これを積極的に展開する、こういった形で経営基盤の確保は十分図られるというふうに考えている次第でございます。
○田代富士男君 次に、指定検定機関設立の見通しについてお尋ねをしたいと思いますが、今回の改正で、第一種特定製品につきまして指定検定機関が定められることになっております。御説明のとおりでございますが。そこでこの指定の見通しを立てるようになっているけれども、まだ立ってないというような説明も私聞いております。その点どうなのか。 それと同時に、既存の法人が名のり出てこない場合は、これはどうしていくのかという、ここらあたりも説明の段階で納得をちょっとできない点であります。同時に、改正法による指定検定機関が法人として活動を維持していくためには、新規の指定検定機関にも一定の業務量が確保されなければならない、こういうふうに思うんですけれども、この点はいかがでございましょうか。
○政府委員(鎌田吉郎君) 先生お話してございますように、今回の法律改正におきまして、指定検査機関制度の導入についてお願いをいたしているわけでございます。 ただいまお話ございましたように、具体的に検査機関としてどういうものが想定されているのかということでございますが、実は具体的には、この法律が成立しました後、民間からの申請を待って、この法律において定められております要件に該当するかどうかを検討する、こういう構えになるわけでございまして、正直申し上げまして、現段階においては具体的にどういう機関を指定検査機関として指定するかということについて、確たる判断を持っていないというのが実情でございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、今回この指定検査機関制度の導入によりまして、今回民間法人化されます法人の実施しております事業の大部分につきまして他の民間法人も行える、こういう制度的な枠組みが開かれるわけでございます。こういうことによりまして、それぞれの法人におきまして競争意識と申しますか、経営努力が、これは窓口のサービスの改善等々も含めまして一層の経営努力を喚起する契機になるんじゃないかというふうに期待しておる次第でございます。
○田代富士男君 関連いたしましてお尋ねいたしますけれども、昨年十二月の法改正で規定されました第一種及び第二種特定製品を定める政令の公布は、その後五カ月経過をしております。本改正案の施行にも関係すると思いますけれども、これはどのようになっているのか、お尋ねしたい第一点でございます。 それと同時に、前回の法改正、これは事故認証制の導入の問題でございますけれども、これは昨年九月のアクションプログラムから始まっている作業でありまして、御存じのとおりに、いまだに政令ができない理由は何でなのか、未解決の問題点とは一体何なのか、この問題をあわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(松尾邦彦君) ただいま先生御指摘の消費生活用製品安全法につきまして、昨年の臨時国会で自己認証制度の導入につきまして御改正をいただいたわけでございますけれども、あの改正法につきましては、昨年十二月二十四日に公布されまして、それから六カ月以内、つまり本年の六月二十三日までに施行されることになっているわけでございます。現行の特定製品を、それでは第一種と第二種とにどう区分けするかという政令の改正をこの法施行までの間にしなければならないわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、製品安全法の規定に基づきまして、製品安全及び家庭用品品質表示審議会に諮問いたしまして、本年三月から審議会で御審議を賜っているところでございまして、その御審議の中で、第一種、第二種をどのように振り分けるか、その基準としてはどういう基準で振り分けたらよいのかという御議論から御審議をいただき始めたところでございまして、現在のところ、近日中には最終的な答申を得られるところまで参ってきておるわけでございますが、ちなみにこのような認証制度に関しましては、ガットヘの通報といった対外的な手続も必要でございます。これにつきましても、審議会の審議と並行してただいま行っているところでございます。 そういうわけで、私どもといたしましては、今後審議会の作業、御審議、それからガットの手続等の手順を早急に進めまして、この法律の、改正法律の施行日たる六月二十三日に十分間に合いますよう作業を急ぎたいと考えているわけでございます。 さようなわけでございますので、本件はアクションプログラムから問題が提起された事柄でございますけれども、法律の公布以降六カ月以内に施行するような政令が定められているところからいたしまして、その政令の規定に十分間に合うよう作業を進めて施行さしていただきたいと考えております。
○田代富士男君 じゃ今の御答弁のとおりに受けとっておいてよろしゅうございましょうね。一応確認だけしておきます。 続いて、高圧ガス取締法に移りたいと思いますが、第一番目に、指定講習機関の指定の見通しといいますか、そういう面からお尋ねをしたいと思います。 法案の第三十一条第三項の指定講習機関の指定の見通しはどうか。また、その数は単数なのか、複数か、乱立することはないのか、乱立の防止はどうするのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(黒田明雄君) 田代委員御指摘の高圧ガス取締法におきます指定講習機関制度でございますが、制度上は申請を受けてこれを審査し、法律の基準に適合するものであれば指定をしていくという制度でございます。現在までのところ、この指定がなされておらないわけでございますけれども、法律上申請があれば、今申したような手続をもって指定していくということになるわけです。 考え方といたしましては、数につきましては特に一つに限るということでもございませんので、適正に判断されたところに従って、複数の場合も認めていくことがあり得るということでございます。乱立の点でございますけれども、実際上はそういったことは起こらないかというふうに思っておりますけれども、これは実際の指定の段階で考慮していきたいというふうに考えます。
○田代富士男君 現行のこの高圧ガス取締法第五十六条の三第一項の指定検査機関制度は、御承知のとおりに昭和五十年の法改正で導入されましたが、現在までの指定の状況はどうなっておるのかお答えいただきたいと思いますし、また低温平底貯槽などの大型の検査を実施しております通商産業検査所を除きまして、現在の検査実績はどうなっているのか。そのことから考えて、新しい指定というものはあり得るのか。あわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(黒田明雄君) ただいま御質問の特定設備にかかわる検査についての指定検査機関制度の現在までの実施状況でございますが、これまでのところこのような指定検査機関として指定を受けたいという申請が行われておらないところでございまして、したがって指定の実績はございません。現在行われておりますこの特定設備検査の検査実績でございますが、今田代委員御指摘のとおり、通商産業大臣の行うものと高圧ガス保安協会の行うものと二つに分けてやっておりまして、通産大臣の行うものは通商産業検査所において具体的には実施しているところでございます。 実績でございますが、六十年で申し上げますと、通産検査所で行っておりますものは四百七十六基、手数料収入にいたしますと千八百八十八万四千円の規模でございます。高圧ガス保安協会の方は、同じ年度でございますが、九千九百四基ございまして、手数料収入で事業規模を推しはかりますと、一億六千九百五十六万八千円というふうになってございます。 見通してございますが、これは実際に新たに指定を受けたいというものが出てくるかどうかについては現在のところ不明の状況でございまして、出てきたところで私どもとしては指定の是非を決していくというふうに考えているところでございます。
○田代富士男君 ただいまも御答弁の中にありましたとおりに、この指定機関に名乗り出るものがないままに、今日まで約十年ぐらい経過をしようとしているわけでございますけれども、そこで、この法律上の独占さえ排除をされればよいというのではなくして、事実上の競争がなければ、当初例説明がありましたとおりに、民間化、そして活性化という、こういうことには通じないと思う。まあ二の次になりかねない。そういう意味から、広く指定機関制度のあり方についてどのように考えていくのか、今のままでよいのか、それともどう考えていくのか、改める必要があるのではないかと私は指摘したいんですが、その点いかがでございますか。
○政府委員(黒田明雄君) 高圧ガス取締法に関します限りで私の考えを申し上げさしていただきますと、やはり従来は高圧ガス保安協会というものが特殊法人として厳然と存在いたしておりまして、この高圧ガス保安協会は、いろいろと物の見方はあろうかと思いますけれども、私どもとしては検査機関として十分な実績をおさめてきたというふうに考えるわけでございます。これが新たな指定を受けるものが出てこないというようなことにつながっていった面もあろうかと思うのでございますが、このたび民間法人化するということで、制度的な独占を排除いたしますれば、この制度的な独占がない組織体であるという高圧ガス保安協会側におきます自覚が、より効率的な検査制度の実施ということにつながっていくという意味で、実質的な活性化につながるものというふうに考えます。また、今後長期に見通してみますと、この検査というものはこれまでなかなか事業としてはペイしないという側面があったというふうに思います。 高圧ガスに関します工場は全国にたくさんあるわけでございますが、この全国に散らばる、高圧ガスを利用するあるいは製造する工場を対象に、検査業務を事業として成り立たしめるためには、民間企業といえどもなかなかの経営努力を必要とするわけでございますが、今後とも検査の重要性あるいは件数などは広がっていくというふうに思いますので、そういった情勢の変化を受けて、指定機関として手を挙げてくるものというものが出てくる可能性はあるものというふうに考えております。
○田代富士男君 次に、電源開発促進法についてお尋ねをいたします。この問題につきましては、ただいまも同僚議員から質問がありまして、一部重複する面があるかと思いますけれども、改めてお尋ねをしてまいりたいと思います。 今回のこの法改正では、同じく臨調における指摘があったとはいえ、その規模あるいは資産の大きさ、また改正内容など、他の改正案とは大きく異なる電源開発促進法改正案が含まれております。これは御承知のとおりでございますけれども。それが消費生活用製品安全法の一部改正法のように、代表の法律名一つを挙げまして、あとは御存じのとおりに「等」でくくるのでは、国民にひとつわかりづらい面がある。 よく我々が世間で耳にする言葉の一つに、「名は体をあらわす」という言葉があります。やはりそれを聞いただけで大体どういうことだなと、細かくはわからなくても、そういうものでなくてはならない、そういうことからよく耳にする言葉でありますし、またアメリカの州憲法においては、題名でおおよその見当がつくように求めている例もあるように、今回のようなこの一括法で法案を提出する場合ですね、これは非常に難しい面もあることも理解できますけれども、全体を通じるような名にした方がわかりやすいのではないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。非常に答えにくい面もあるかと思いますけれども、それを承知の上で質問しておりますが、どうでしょうか。
○政府委員(鎌田吉郎君) 今回のお願いいたしております法案につきましての題名の問題でございます。この問題につきましては、先生御指摘のような問題もあるいはあるのかという感じもいたしますが、実は名称を決めるに当たりましては、法制技術的な問題ということで、法制局において御審議を賜ってきたわけでございます。 実は、今回特殊法人等の民間法人化でございますが、私どもだけではなくて、ほかの省庁にも同じようなケースがございまして、同じように法案を提出させていただいているわけでございます。そういうことで、一括ほかの省庁のケースも含めまして、名称について法制局に御審議を賜ったわけでございますが、その結果、これは法律改正の場合の通例だそうでございますが、法律改正が二本の場合には、A法及びB法の一部を改正する法律、三本以上の場合には、A法等の一部を改正する法律、こういう形にすべきだと、こういう結論になったわけでございます。 通産省のケースにつきましては、合わせて九本の法律改正をお願いいたしておるわけでございますが、通産省における所管局の官制の順序ということで、消費生活用製品安全法が一番最初の条文で立ちますので、こういった名称にさせていただいたわけでございます。 なお、先生御指摘のような問題もあるいはあるのかもしれませんが、同時に一部改正法でございますので、今回の法律改正によりまして、中身は直ちに本体の法律に溶け込むわけでございまして、その結果その使命を終える、こういう性格のものでございます。この辺の事情もひとつ御賢察賜りたいというふうに考える次第でございます。
○田代富士男君 電源開発会社では、石油火力ではなく、主に海外炭を利用した火力発電でなされておるわけでございます。これは相当大規模なものがなされておるわけでございますけれども、同社は九電力に対する電気の卸をその主たる事業としております。その料金は卸電気料金と呼ばれておりますけれども、この卸電気料金体系なるものをまず御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 先生御指摘のように、電源開発株式会社におきましては、その起こした電気はすべて九電力、いわゆる電力を消費者に供給する会社に卸していくわけでございます。その卸売の料金でございますが、これにつきましては各電源ごと、すなわち発電所ごとにそのコストを計算いたしまして、そのコストによって、各そのコストをもとにした計算をいたしまして料金を定めて、それを各電力会社に卸売電気として料金を決めて卸しておるわけでございます。
○田代富士男君 そこでお尋ねをいたしますけれども、この海外炭によりまして生ずるところの円高差益につきまして、これは今説明をお聞きいたしました料金体系になっておりますけれども、これが最終消費者にどのように還元されるのか。これは非常に難しい面もありますけれども、通産省としての考え方はどのようにお持ちでしょうか、難しい面もあるかと思いますけれども。
○政府委員(山本幸助君) 電源開発株式会社の海外炭火力についての卸売契約でございますが、この契約の内容につきましては、その契約の前提となった為替レートを決めますが、それが実際の相場から乖離した場合には、電気料金につきまして四半期ごとにこれを実績で精算いたしまして調整を行うということでございます。したがいまして、為替による損益はすべて九電力会社に帰属するという形になっております。そういうわけで、結果的にはこの差益も含めて今回の差益還元措置ということで、九電力会社から消費者に返るという形になっております。
○田代富士男君 今回はそういう措置がとられましたけれども、今申されるようなそういう措置になっていたならば、今回でない、平時のときにはどのようになされているんですか。今回は特に顕著に目立ちますけれども、平時は。
○政府委員(山本幸助君) 常に為替レートが変わった場合には、それによって四半期ごとに料金を精算するということでございます。したがいまして、仮に為替レートが、円が下がった場合、この場合には当然差損が出るわけでございますが、その差損も九電力の会社の方に行く、あるいは今度のように差益が生じた場合にも九電力に行くということで、いわば電源開発株式会社の方はそうした為替についてはニュートラルということでございます。
○田代富士男君 この利益の配当につきまして、今同僚議員からも質問がございましたが、今回の改正を機に、電発は利益配当を実現するようでございますけれども、これまで利益配当をしなかった理由は、当初困難であったという事情の説明等がありましたし、また今回実施することになった理由は、通産大臣から建前と本音の御答弁等がございましたけれども、もう一度、これはやはり大事なことでございますし、同僚議員の質問がありましたけれども、重ねて今度は本音の部分だけでも結構でございますからお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、今までは国に余裕もありましたし、それから電源開発で、まだ一般がやらないようなところに立地をして発電事業を行ったということを電源開発でやってまいりました。しかし、やはり行政改革の一環としてこれを民営化して、民営化といいますか、民間活力を入れさせて、もっと活性化をさせるという反面、やはり株価の一部は放出するということになりますと、当然これは今のところでは九電力に行くんじゃないか、そう思われるわけですよ。そいつは無配当というわけにはいかぬでしょう。やはりそうすれば、民間だけ配当して国には配当しない、これもおかしな話。でありますから国にも配当してもらいます。そうすればこれは行革にも役立つし、収入もふえる。これを売れば代金も入るということで、これは大蔵省喜ぶ話なんです、実際は。 ですから、本音の話があったって少しもおかしくないことでありまして、やはりそういう面でも、国家財政にも役立たせるという面が全くなかったと言えば私はうそになるんじゃないか、むしろ。やはりそういうこともあるということで、行革の一環ですから、もともと行革でこれは言い出した話ですから。ですからそういうようなねらいというものは私はあったろうと。本来はもっと放出するということだってあり得る話だったんですよ、これは。しかし、それは三分の一にとどめたということだと思います。
○田代富士男君 今お話をお聞きしておりますと、今ごろでなく、もう少し早い時期にこういうことを実施していたならばもっと合理的な、何といいますか、経営努力といいますか、そういうものが期待できたのではないかと、私はこのように考えておりますけれども、渡辺通産大臣はどのようにお考えであるのか、この点も再度お尋ねしたいと思います。 それと、今回の改正では役員の数等への規制が緩和されることになっておりますね。そこで、役員の数等の規制が緩和されるその理由は何であるのか、まずこれもお尋ねしたいし、それと同時に、極めて公共性が高い電発におきまして、今回の規制緩和による役員数の増加や、今質問いたしました配当が行われたとしても、それが卸料金や一般電気料金にはね返りまして国民生活に影響を与えてはならないと思うわけなんです。通産大臣はこの点どのようにお考えになっていらっしゃるのか。そのためには電発の内部合理化を進める上におきましてもこういうことを観点に置いて進めていかねばならないと思いますけれども、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、電源開発は送電線も持っていますから、途中でほかのところでも何でもじかに電気を売る気になれば売れるんですよ、実際は。そうすると、九電力とそこがぶつかりますからけんかになるわけね。一応ブロック別に分けてあるから、そこまではしたくないと、だから九電力には売りましょうと。民間にじかに売ればもっと高く売れますよ。政府の会社ですからもっと収入も上がります。しかし、やっていないでしょう、九電力に卸しているわけですから。ですから、私はそういう意味で、今まではそれでよかったと、今までは。だから、今すぐに民間に売るということはもちろん言ってはおりませんよ。私どもとしては今すぐやらせようという気持ちもありませんが、やはり会社の企業努力その他によってその程度の利益は出るはずだということが私は言えると思います。 この会社は石油を余り使っておりませんから、石油のメリットというのはありません。石炭は半分ぐらいは海外炭で、オーストラリアあたりで自分で開発しまして海外炭を大量に輸入していますよ。ですから、これはやっぱり石油が下がれば自然と石炭の値段も下がるということになりますから、その点のメリット、円高のメリットというものが出てきますので、私は余裕が、石炭の輸入代金それ自体が下がれば原料が安くなるわけですから、メリット出ますからね。ですから、そういう点での配当というものは、電気料金を、卸料金を値上げしなくとも、私はその程度の配当は出るんじゃないかなという気がするわけであります。 それから、役員の問題は、非常にここは少ない。ほかの電力会社が二十人とか三十人とかたくさんいますが、ここは十一人。実際は余り営業活動やっていないから、そんなに、ほかが三十人いるからここも三十人必要だと、私はそう思いませんよ。ほかの電気会社は、末端家庭まで配給して、それで営業活動やって、そこから集金したり、電線を埋めたり、いろんな事業がある。これは電気会社に卸すだけですから、余り手数はかからないわけですね。だから、一般の会社が三十人いるからここも三十人必要だというふうには結びつかないと私は思います。 しかし、十一人よりも多少幾らかぐらいふえても、これは全体の電気料金に影響するわけでもない、微々たる話ですから、必要があれば適正な役員が多少ふえるということについても、それによってなお一層業務が円満にいく、それから、勤めている人たちが役員のポストがふえて、それで月給は上がらなくても楽しみが出るというんなら、これも一つの考え方かもしれませんから。ですから、やはりそういう意味でも余りふやすのもいかがかと思いますよ、私は。だけれども、多少ふえたからといって目くじらを立てるほどのこともないと。そこはどれぐらいがいいのかは、どういう仕事をするためにどういう役員が必要なんですかという話にかかわってくることではないかと、そう思っております。
○田代富士男君 それから、これまでは役員の兼職というものが禁止されておりましたが、今回これが解禁とされるわけでございますけれども、その理由は何のために解禁されるのか。今渡辺通産大臣も、役員をふやすについてもどういう仕事をするのかといろいろ申されましたけれども、こういう兼職を解くということは、これまたどういうことでございましょうか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) 電発の設立当初は、電発の事業は大部分が水力開発関係が中心でございまして、特に新規の電源開発の緊要性ということでその会社に専念すべしということで、兼職は原則禁止で、個別的に大臣の認可となっております。しかし、その後電発の仕事は非常に多様化いたしまして、現在では石炭火力、原子力等々、あるいはそれに伴う原料の調達、燃料の調達、あるいは技術開発等々非常に広がっております。そういうことで、現在、九電力会社と共同の会社もたくさんございます。そういった多様化した状況にかんがみまして、やはり必要に応じましてそうした関連企業あるいは関連事業についての兼職をする必要がふえているんではないかというふうに考えております。 現在、NTT、あるいはたばこ、関西空港等を見ましても、やはり電発ほどそうした兼職を非常に厳しくしている会社はございません。そういうことで、従来に比べて非常に事業が多様化しているということの実態を踏まえまして兼職について緩めたということでございます。
○田代富士男君 これは、今さっき渡辺通産大臣が、将来のこととして何か事業を考えるべきであるというような示唆をなさっていらっしゃいましたけれども、そういうことにも関係あることでこういうことになったんですか、それとも関係なしでこういうことになったんですか、そこらあたりどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 関係ありません。私が来る前にこれ決まっていたやつですから。
○田代富士男君 わかりました。 次に、中小企業投資育成株式会社法へ質問を移します。 第一番目に、この中小企業投資育成会社は、中小企業の自己資本の充実を促進するための政策実施機関でありますし、その大きな目標の一つには投資対象企業の上場があり、全国に三社置かれております。東京、名古屋、大阪でございますけれども。この三社のこれまでの実績について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) お答え申し上げます。 投資育成会社三社の昭和六十年度末までの投資累積でございますけれども、千四百七十八社、金額で六百一億円に達しております。
○田代富士男君 上場されている会社はどのくらいですか。
○政府委員(広海正光君) 十七社でございます。
○田代富士男君 今お答えいただきましたとおりに、これまでに十七社であるという、この数字をどう見るかということは意見の分かれるところではないかと思います。あと一歩で当然上場できる力を有しながら踏み切れない、そういう企業も多いのではないかと思うんです。そういう意味におきまして、この上場を阻害している要因は何であるのか、第二番目は、まだそういうものに対する対策はないのか、そこらあたりあわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) この投資育成会社の目的は、先生の御指摘にございましたとおりに、中小企業の自己資本の充実を促進いたしまして、その健全な成長と発展を図るというところにあるわけでございます。 それで、この証券市場への上場ということでございますが、これは自己資本の調達基盤を確保するという観点からいいまして最も進んだ形でございまして、その意味から申しましても、そこまで持っていくことがこの投資育成会社のいわば最上の目標であるというふうに言うことができるかと思います。しかし、この十七社の上場にいきましたときの平均の資本金の規模が約六億円ということで、非常にこのハードルが高いわけでございまして、現実にはそこに到達することはなかなか難しい問題であるわけでございます。 しかし、証券市場へ上場するところまで持っていくということは一番ベストなことでございますので、極力その方向で頑張ってはいるわけでございますが、しかしそこまで至らなくても、ある程度育ってきますと、例えば従業員持ち株会だとか、あるいは取引金融機関などが、それじゃ株を持ちましょうというような、いわば次善の策でございますけれども、自己資本調達の道が開けてくるという場合が相当ございまして、そういう形での自己資本調達の環境整備も投資育成会社の目的に照らしまして大切な仕事ではないかということでございまして、今後とも投資先企業の実情に即した形で育成事業等の充実を図っていきたい、かように考えております。
○田代富士男君 次に、出資規定の削除の問題についてお尋ねをしたいと思いますけれども、今回の改正は御承知のとおりに中小企業投資育成株式会社の自立化を促進するためでありますけれども、中小企業金融公庫の三社に対する出資の法律上の規定がなくなるわけです。また、この三社の自主化の促進のためにとられる規制緩和に伴う三社の経営の安定性の確保策といいますか、それと同時に、収益性重視の投資が、ひいては投資を期待する中小企業の不利益につながることはないのかという心配される一面もあるんですけれども、この点は大丈夫なんでしょうか。
○政府委員(広海正光君) まず、国からの出資の規定の削除でございますが、実はこの法律が制定されましたのは昭和三十八年でございますが、その当時から、いずれ国からの出資は償却するんだと、こういう方針できているわけでございます。それで、実際にもほぼ予定どおりやはり国からの出資の償却が進みまして、実は五十九年七月には全額既に償却を終わっているわけでございます。今回はこうした実態の上に五十八年の臨調答申を踏まえまして出資規定を形式的にも削除をしたという経緯でございます。 現実の経営基盤でございますが、国からの出資金は合計で十億五千万あったわけでございますけれども、民間からの出資も相当進んでまいりまして、今では合計で百七十八億円ということになっております。それから、上場会社が出ますとかなり利益は出るわけでございまして、そうしたようなことから内部留保も最近は非常にふえておりまして、合計で百八十九億ということになっておりまして、国からの出資があった時代と比較しましても格段に経営基盤は強化されてきているというのが実態でございます。 ということでございまして、御心配の、今後こういう出資規定が削除される、あるいは監督等の規制の緩和によりまして不利益になるんじゃないかというお尋ねでございますが、以上申し上げましたとおり、経営の基盤は強化されておりますし、さらに必要があれば中小企業金融公庫からの中立的な資金の供給の道は残しておりますので、必要があればここから資金調達はできますし、それからまた、こういう形で規制を緩和いたしましても、やはり中小企業基本法に基づきます自己資本充実のための政策の実施機関であるという性格は何ら変わっておりませんで、そういう意味で、事業計画等につきましては緩和をしておりますけれども、基本的な骨格を決めます定款だとかあるいは事業規程等につきましては認可制を残しておりますし、また一般的な監督命令の規定も残しているということでございまして、そういう意味で中立公正な事業活動を今後とも積極的にやっていくことが期待できる、このように考えております。
○田代富士男君 今御答弁になりました中立性の維持という問題ですが、この問題についてちょっとお尋ねいたしますけれども、この中小企業投資育成株式会社は、ただいまも御答弁ありましたとおりに、中小企業の株式保有を行うものでありまして、対象会社の経営権を支配しやすい立場にあるわけです。 そこで、今回の改正は、この三社の民間法人化を進めるものでありますけれども、関係中小企業にとってもこの点が最も関心のあるところではないかと思いますが、この民間化を促進する今回の機会に、中小企業投資育成株式会社の中立性の維持について、今もこれは保てるという答弁でありましたけれども、そういう支配する立場にありますから、果たして大丈夫だろうかという心配がありますけれども、もう一度、簡単で結構ですから、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) 御指摘のとおりに、投資育成会社の事業は株式の保有という中小企業者の経営権に直結するものでございますだけに、その中立性を維持するということが極めて重要なことだというふうに考えております。 このため、今回の改正におきましても、会社の事業の基本的ルールを定めます事業規程の認可等事業の基本的枠組みにかかるものに関しましては、必要最小限の規制を残すとともに、要すれば一般的監督命令、この規定を残してございますので、それによりまして業務の是正を図るという構えで臨んでまいる次第であります。
○田代富士男君 次に、業種の政令指定の廃止についてお尋ねをしたいと思います。 現在二十八の業種が政令指定されておりまして、今回の改正によりましてこれが各社の事業規程にゆだねられることになるわけでございます。対象業種の選定が投資育成会社の今後の死命を制するとともに、中小企業にとってもまた関心の深いところであると思います。どのような業種が対象となり、削除されるべきものとしてはどのようなものが考えられるのか、通産省の基本方針を伺いたいと思います。
○政府委員(広海正光君) 投資対象業種の政令指定を削除したわけでございますが、この趣旨は、御指摘のとおり二十八業種を政令指定したわけでございますが、この政令指定の趣旨は、業種をむしろ制限をする、この業種だけに投資をしなさい、それ以外には投資してはいけない、こういう趣旨での規定であったわけでございます。本来は、実は中小企業の自己資本の充実という目的からいたしますと、業種のいかんを問わず推進すべき重要な課題ではあったわけでございますが、当時は投資財源がかなり限られていた、それから、国からも出資がございまして、財政資金の効率的活用が強く要請されたということもございまして、特に国民経済的見地から緊急に自己資本の充実を図る必要があると思われる業種に限りましてその活動を認めていたというのがこれまでの経緯でございます。 ところが、先ほど申し上げましたとおりに、国からの出資もなくなりましたし、財政的な基盤も相当充実してきたということでございまして、この際、業種制限を外しまして幅広く必要な場合には投資をしていこう、こういうことにしたわけでございます。しかしながら、業種制限を撤廃をしたと言いましても、例えば公序良俗に反するおそれのあるような風俗営業だとか、そういうものに投資をするということはおのずと政策実施機関としての節度があってしかるべきものと考えられておりまして、これは会社が自主的に決めることではございますけれども、しかし、こういったどこのどういう業種について、あるいはどういうものには投資をしないというのは、事業規程に決めることになっておりまして、事業規程は、これは大臣の認可制ということになっておりますので、自主的におのずから制限はされると期待されますけれども、認可制という形でまた監督もできるということになっております。 繰り返しますが、あくまでもこれは今まで対象業種を制限していたのを外した、それで原則的にはすべてやる、ただ常識的にも問題のあるようなものについてはおのずからしない、こういう形になっているということでございます。
○田代富士男君 全国に三社ありますけれども、そのうちの名古屋社のことについてちょっとお尋ねをしたいと思います。 資料を私も見さしていただきましたが、その中で名古屋社は、流動比率が高くまた経常利益が少ない、こういう数字が出ておりますし、利益率が低いが同時に営業利益に対する当期利益の比率が高いという、これ東京や大阪社に比べましてその経営内容に特色が数字の上に出ております。これらの特徴から、名古屋社の経営状況をどのように評価し、今後のあり方をどのように考えていられるのか、これは数字の上から見た名古屋社の問題でありますけれども、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) 名古屋社につきましては、近年上場企業が余り出ていないということがございまして、その間投資先企業の上場が続いておりました東京社あるいは大阪社と比べますと、内部留保が少ないだとか、あるいは先生が御指摘になったような財務面での格差がついているわけでございますが、しかし、この内部留保でございますが、これは増加の傾向にはございますし、また近々投資先企業の中から上場が見込まれるものもございますので、今後とも中小企業者の期待に名古屋社も十分にこたえていくことができるものと考えております。なおまた、もし資金的に自己資本、資本金あるいは内部留保で対応ができない場合には、先ほどちょっと申し述べましたとおりに、中小企業金融公庫から借り入れをして投資する道があるということでございますので、必要があれば、その方面の活用にもよりまして十分に任務を遂行していくことができるだろうというふうに判断しております。
○田代富士男君 これは、今さっきも大臣が御答弁の中で申されておりましたけれども、東京、大阪、名古屋、三社はいずれも三十名から四十名程度でありますけれども、今後プロパーの職員にも昇進の道を開くようにいたしまして、民間化と言っておりますから、それを促進すべきであると思いますけれども、この点はどうでしょうか。
○政府委員(広海正光君) 投資育成会社の役員の構成でございますが、この設立の経緯が商工会議所を中心とします地元財界及び地方公共団体からの強い要望により設立されたという経緯も踏まえまして、現在のところ、主として商工会議所、地方公共団体、それから金融機関、それから投資育成会社プロパーという構成になっているわけですが、プロパー職員の役員への登用でございますが、現在も、今申し上げましたように若干名既に役員になっている方がいらっしゃるわけでございますが、設立されたのが昭和三十八年であるということで、設立されて日が浅いために、プロパー職員の多数はまだ余り年がとっていないということで、登用の時期に至らないという事情も実はあるわけでございます。 いずれにしましても、役員の選任は、これは株主総会で行われるわけでございますけれども、今後とも適材適所の方針によりまして人事配置が行われることが望ましいというふうに考えております。
○田代富士男君 私の質問時間が参りましたから、最後に渡辺通産大臣に締めくくりとして質問をいたしますけれども、今回改正法の対象となります各機関は、ともに高い公共性の上に厳しい義務を課せられまして、その反面、相当の保護が加えられていたのでありますけれども、今回の法改正によりましていかに民間化を進められようともその公共性はいささかもゆるがせにはできないと私は思います。 今回の関係法案のうち、時間の関係で私は四つの関係法案を取り上げましたけれども、そういう意味において同じことか言えるのではないかと思います。この改正法の運用に取り組む渡辺通産大臣の決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 中には民間に試験を委託したり、それからいろいろな計器等の問題とか、非常に公共性の高いものがございます。したがいまして、そういうものが民間になったからといって、営利本位でいいかげんなことをやられちゃこれはたまったものじゃありませんから、そういう点は今までと同じように、きちっとした尺度をつくりながら監督も厳重にして、民間になったからでたらめになった、そういうことは絶対言われないようにやらしたい、そう思っております。 いずれにいたしましても、ある程度自由を持たせるところもございますが、公共的使命はこれは忘れないようにやっていただく、そのかわり政府も応援するところは応援する、そういうようなことで、めり張りがついたように運営をさしていただくよう指導をいたします。
○市川正一君 私、午前中はサミットの円高問題に触れたんでありますが、もう一つ、同じくサミットで取り上げられましたソ連のチェルノブイリ原発の事故について、通産行政にもかかわってまず伺いたいんであります。 この事故は、一九七九年三月のアメリカのスリーマイル島原発事故以来の大事故であり、ようやくその実態について明らかにされつつあるんでありますが、原子炉内での化学爆発と燃料棒の破損による大量の放射能漏れと見られております。政府は、今回のソ連の原発事故から、いかなる教訓をくみ取っていらっしゃるのか、まず伺いたい。
○政府委員(野々内隆君) ソ連政府がまだ詳細な事故に関する内容を発表いたしておりませんので、何とも申し上げられませんが、いずれにいたしましても、原子力の建設あるいは運転につきましては、安全が非常に大事であるということを改めて痛感をした次第でございます。 早速、私どもとしましても資源エネルギー庁の中に調査委員会をつくり、調査をし情報の収集に努めると同時に、直ちに関連の電力会社に対しまして従来以上より一層安全に留意するように指示をいたしたわけでございます。 〔委員長退席、理事松岡満寿男君着席〕
○市川正一君 ところで、今回のサミットでは、ソ連が安全管理と迅速な情報提供を行わなかったことを指摘いたしております。我が党も事故直後の声明において、ソ連政府が一刻も早く事故の真相を公表し、各国に通報すべきであるということを要求いたしました。それぞれの時点でわかる範囲の情報を公開することの重要性については、これは全く同感でありますが、しからばサミット参加国が情報公開において声明で指摘しているにふさわしい措置をとっているかどうかについては疑問を抱かざるを得ないんであります。 そこで外務省に伺いたいんでありますが、原発については、国際原子力機関、IAEA、また核不拡散条約、NPTで査察を受けることになっておりますが、核兵器を所有しているサミット参加国すなわちアメリカ、イギリス、フランス、この三国及びソ連を加えた四カ国について、国全体で原発が何基あり、原子力発電所ですね、そのうち査察の対象は幾つあるのか、現実に査察をしているのは何基なのか、それぞれの国についてお伺いいたしたい。
○説明員(山田広君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、核兵器保有国の場合は、義務的な形で原子力関連施設をいわゆるIAEAの査察の対象にしなくてもいいという協定上の形にはなってございますが、現実にはアメリカ及びイギリス、フランス、それとソ連でございますね、自主的な形で一定の原子力関連施設を現在IAEAの対象に付しております。 私、手元に遺憾ながら今全体の施設数が幾つあるかという資料は持ち合わせないんでございますが、IAEAの査察の対象を受けている数をそれぞれの国について述べますと、アメリカにつきましては、原子力発電所二基、それから核燃料加工工場、濃縮工場、以上の四つでございます。それからイギリスにつきましては、濃縮工場、プルトニウム貯蔵施設及び核物質貯蔵ポンドという三施設がこの査察対象施設となってございます。フランスにつきましては、核物質貯蔵ポンド一施設、それからソ連の場合は出力百万キロワットの軽水炉が一つとそれから研究炉が一つ、合計二つが現在のところ査察の対象として自主的にIAEAに提供されていると、以上に理解しております。
○市川正一君 外務省は、あえてかどうか知らぬけれども、分母をおっしゃらなかった。もう時間がないから進めます。 通産省は御存じだと思うんですが、アメリカの場合は分母、すなわち九十基あってそのうち四基なんですね。それから英仏は省きますが、ソ連は四十三基あって二基なんですね。ですから、私は言いたいのは、声明では、この情報提供について、我々の国のいずれもがかかる責任を受け入れるというふうに言っておりますけれども、しかし、米ソを初め核保有国はあくまでも自発的な受け入れであって、国家の安全保障にかかわる施設は公開しなくてもよいことになっている。その結果、今外務省も述べましたように、核保有国は、米ソを初め、いずれも数%程度です。大体四%前後がいわばこの対象になっているにすぎぬ。言うならば核大国のエゴがその意味ではまかり通っているのが現状であります。 私はこういう状況で打ち出した情報交換のための国際協定の構想というものは本気でまとまる見通しがあるのかどうか、そういう点の議論の内容をひとつ伺いたいんでありますが、いかがでしょうか。外務省はお引き取りいただいて結構であります。 〔理事松岡満寿男君退席、委員長着席〕
○政府委員(野々内隆君) 査察の問題は、原子力発電所にできましたプルトニウムを平和目的以外に使われるかどうかという点からの査察でございますが、今回サミットで問題になりましたのは、むしろ情報問題、事故の情報を迅速に関係国に伝えることによって、これに対して関係国、特に国境を越えて影響のある事故、こういうものについての対応を速やかにできるようにするということに非常に大きなポイントがあります。 もう一つは、原子力発電所そのものの安全運転ということが必要でございますので、安全運転に関する情報交換ということになろうかと思っております。したがいまして、確かに各国それぞれの事情があろうとは思いますが、事故に関する情報の公開、これにつきましては何とか国際的な合意に達するように努力をいたしたいと考えておりますし、またこれは軍事面ではございませんので、ある程度可能性もあるんじゃないかというふうに思っております。
○市川正一君 今度のサミットの声明は、安全管理の面とそれから情報提供と二つあるんですね。長官は今、後者の面について主としておっしゃったんだけれども、やはり当然これは、前者の面はNPTなどとかかわってくるんで、この問題はやっぱり避けて通れないと思うんですね。 そこで、私は情報公開という面で進めたいと思うんですが、その面では私も、日本もまた秘密主義の一典型という状況にあるというふうに率直に言わざるを得ぬのです。例えば七九年の四月に、福井県にある関西電力の大飯原発の一号機で放射性ガスが外部に漏れた事故、八〇年十二月の敦賀原発において放射性の廃液の流出事故などは、我が党が指摘するまで電力会社によって事故隠しが行われていた。こういう例は幾つも挙げることができるんでありますが、私自身、中部電力の浜岡原発の安全性に関連して、敷地地盤の液状化の危険性を指摘した上で、関連する資料の提供を求めているんでありますが、原子炉設置に関する一般的といいますか、ごく常識的な資料であるにもかかわらず、いまだに出されておりません。私は、これは例でありますが、こういう点を政府は改善すべきであるというふうに思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(逢坂国一君) 先生御指摘の情報の提供の問題でございますが、我が国の場合は、安全性に関する情報につきましては極力公開するということでやってきております。 例えば設置許可の段階での資料でございますが、原子力発電所の設置許可の申請書、同添付書類、安全審査報告書など公開しております。これは国会図書館、それから原子力発電所が設置される都道府県などの場で公開されているところでございます。また公開ヒアリングがございますが、この場合には、公開ヒアリングの前に各市町村の場に必要部数を公開をして、住民の方の供覧に供しているところでございます。 それから、運転のいろいろな事故その他につきましても、その都度そのケースに応じて、例えば被曝状態とか運転状況などにつきましては、これは定期的に公開しておりますが、事故の状況につきましては、その事故の起こったときに公開しているところでございます。 ところで、先生が御指摘の二、三の例でございますが、例えば浜岡につきましては、これは工認の資料というわけにはいかないわけでございますが、許可の資料をもとに御説明しているところでございますし、また今後必要がございましたら、先生の方には引き続き御説明に伺いたいと思っております。
○市川正一君 浜岡原発についてはたださなければならないいろいろな問題があるんですが、きょうはそれは本論ではありませんので、今御答弁があったように資料をいただけるそうですから、それに基づいて機会を改めてじっくりやらさせていただきたいと思います。 渡辺通産大臣は、サウジアラビアからお帰りになった四月三十日に成田空港で記者会見されて、今回のソ連原発の事故に関連して、日本の原発は、ソ連の原発とは炉型が異なるので安全であるというふうに述べたと報道されております。 私が言いたいのは、日本の軽水炉であっても、爆発が起これば圧力容器も格納容器も破壊される、つまり深刻な事故が起これば炉型には関係がないということは、アメリカのスリーマイル島の事故を見ても明らかであります。また、アメリカの議会会計検査院GAOがその報告書の中で、「原子力発電炉の安全問題の国際動向」、これは一九八五年九月に作成されたものでありますが、社会主義国を除く十四カ国で、一九七一年から八四年までの間に百五十一件もの重大な事故が発生しているというふうに報告をいたしております。当時の原発の総数は幾らかといいますと、三百六基でした。八五年十二月末現在では、世界で稼働中の原発は二十六カ国、三百五十一基あります。したがって、事故の件数がふえるおそれは多分にあります。私は、こういうことは社会体制の違いとか炉型の違いにかかわりなしに、原発が技術的にもまだ未成熟であるということを裏づけるものだと思うんです。 私は、政府に望みたいのは、原発の安全神話に固執するのでなしに、長官、冒頭おっしゃいましたけれども、またそれが未完成の技術であり、安全を第一にした基礎的研究を本格的に今こそ進めるべきであるという、そういう認識と立場に立つべきだと思うんですが、重ねてお伺いしたいと思います。
○政府委員(野々内隆君) 私どもは、物事には絶対というものはない、また神話というものもないと考えておりまして、常に技術の向上を目指して努力をするという態度でまいりたいと思っております。 炉型が違うということだけで事故が起こらないということはもちろん考えておりませんが、炉型が違うということにつきましては、当然安全システムも違うでしょうし、それから科学的な反応が起こる可能性というものも違ってくると思いますので、炉型が違うということは、もちろん事故が起こる形において違うというふうに考えておりますが、炉型だけではございません、もちろん安全システム、それから職員の訓練、いろんな面が重なり合って安全性というものが確保されるんであろうと考えております。我々は常に、設計段階から運転段階に至るあらゆる面において安全というものを考えて、今後とも進めていきたいというふうに考えております。
○市川正一君 我が国の原発立地は、御承知のように福井とか福島とかいうふうに、人口が密集している大都市の近くに集中的に立地されております。そして、一たん事故が発生すれば大惨事になることは明白であります。 我が党は、原子力の平和利用そのものを認める立場に立つものでありますが、同時に、現在の実態からして、原発の新増設は炉本体、放射性廃棄物の処理、処分、核燃料の再処理、避難体制などについて安全性が確立されるまで中止し、自主、民主、公開の原子力平和利用三原則の厳守、安全優先の立場から、これまでの原子力開発研究政策を転換するとともに、責任ある安全審査体制の確立が重要であるということを強く主張しておきたいと思いますが、大臣がもし何か御所見がございましたらお伺いし、なければ先へ進みますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) どうぞお先に。
○市川正一君 では、強くただいまのことを大臣も胸に刻み込まれて、今後の行政指導に当たっていただきたいと思います。 さて、法案でありますけれども、最初に製品安全協会や高圧ガス保安協会を今の特殊法人から民間法人にどうしても変更しなければならぬという積極的な理由がどうしでもわからぬのです。先ほどの同僚議員のやりとりもその一つでありましたが、政府の法改正の必要性についての説明では、結局臨調の指摘が金科玉条になっておるんです。しかし体制の変更は、協会の目的であるこれらの安全性の確保が民営化しなければ保てないときに限られると思うのでありますが、その点確認をいたしたいと思います。
○政府委員(鎌田吉郎君) 先ほど申し上げましたように、臨調答申の線に沿いまして今回法案をお願いしているわけでございますが、特殊法人等の自立化の原則という考え方があるわけでございます。政府資金に依存することなく、経営的に自立できるよう特殊法人等は努力する、かつ自立が達成できるものについては民間法人化していくと、こういう考え方に沿ってやっているわけでございます。したがいまして、今回の民間法人化というのは、経営面の自立化を達成するためのものでございまして、経理面あるいは組織運営面におきましては大幅な規制緩和が図られるわけでございますが、他方先生御指摘のように、大変公共性の高い業務をやるわけでございますので、業務面の監督につきましては従来どおり存続させると、こういうことで公共性と企業性との調和をそこに図っているということでございます。
○市川正一君 それでは民間法人化することの必然性の説明になっておらぬのですよ。要するに経営的に自立するためやということだけじゃないですか。そうすることは結局、臨調のおっしゃるとおりにということで、線に沿ってとおっしゃったが、協会は利益を上げるために、検定料の値上げなどで関係者の負担がふえるか、あるいは安全性の確保には有用な仕事でも、もうけにならぬことは消極的になったりする、そういうおそれがあるわけですね。また、会計検査院や総務庁の監督、監査ができなくなり、国の監督も弱まり、中立性や公正さに危惧が生じるというのは、これはもうだれでもまず思うことですが、そういうことはどうお考えですか。
○政府委員(鎌田吉郎君) 政府関係の機関におきましても、政府資金にいたずらに依存することなく、効率的な運営を行う、あるいはそういう方向に向かって努力するということが基本的に大切なことだろうと思います。今回の特殊法人等の民間法人化というのはそういった考え方あるいはその流れに沿うものでございます。
○市川正一君 そうすると、今の例えば製品安全協会や高圧ガス保安協会というのは効率的な運営をしていないということになりますよな。あなた方監督しておって、そういうことを自認するというのは自殺行為ですよ。 私、先ほど黒田局長と同僚の田代委員とのやりとりを聞いておりました。黒田局長の言葉をかりれば、十分立派な業績を上げているという高圧ガス保安協会をなぜ民営、民間法人化しなければならぬのか、何でそれが活性化になるのか、局長の苦しい胸の内はわかりますけれども、おっしゃっていることはさっぱりわからぬのです。それで、その話を今繰り返してお聞きしても、それ以上は大体まあ、ね、田代さん、そういうことなんでしょうか。だとすれば、私本当のことを聞きたいんです。 具体的な問題でお伺いしたい。去年の五月二十三日に、この本委員会で私は、半導体工場で使用される特殊材料ガスの対策を質問した際に、当時の平河立地公害局長は、高圧ガス保安協会で技術基準を作成しているところであるというふうに答弁なさいました。そうした経過の上に立って、昨年八月に公表した「特殊材料ガス災害防止自主基準」がここにございますが、この内容について私は、より充実させる立場から伺いたいんです。 まず五ページの5に、「本自主基準の適用について」という項目がございます。そこには、「本自主基準は特殊材料ガスの製造・移動・貯蔵・消費等に関することを示したものであるが、既存設備の適用にあたっては事業所の状況、特殊材料ガスの諸特性、技術的な可能性、経済的な可能性等を勘案した弾力的な運用も必要である。」というふうにいろんな条件をつけて、結局弾力的運用ということに落ちついているんでありますが、私の問題提起に対処された通産省や協会の御努力を多とするものではありますが、これをもって安全性が確保できるというふうにお考えなのかどうかまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(黒田明雄君) 市川委員御指摘の、最初の民間法人化の積極的理由という点でございますが、行政改革という発想の中で考えられたという側面が当然あるわけでございますけれども、高圧ガス保安協会について申し上げますと、これは委員御承知のように、高圧ガスの生産施設あるいはこれを消費する施設が、産業の高度化、高圧ガスの利用の高度化あるいはその普及によりまして非常に多角的なものになる、使われる場所も多い、関係する人も多い。したがってこれはいわゆる官僚統制一本やりでは十分な保安が確保できないのではないかということで、自主保安体制の強化ということが当時議論されまして、この高圧ガス取り締まりにおきます自主保安体制の中核体として高圧ガス保安協会が設立されたわけでございます。 そのために、例えば通産大臣に対しまして高圧ガス保安基準についての意見具申を行うというような業務もございますし、多岐にわたります民間の利用あるいは使用の実態に即しまして、自主保安の実を上げるためにここを中心に実質的な活動を行う、こういう中核体という立場にございます。したがいまして、今回の民間法人化によりまして、この自主保安体制の強化の中核体としての意識がより一層強まると思いますし、また、運営におきましてもそういった側面が強く出てくるものというふうに期待いたしておりまして、これが一つの積極的でかつ重要な理由であるというふうに考えております。 そういった点で、今第二の御質問の点に関係が及ぶわけでございますが、そういう自主保安体制の強化ということから、えてして保安を犠牲にしたあるいは経済重視の体制に移行するおそれはないのかという御質問の趣旨というふうに了解するわけでございますが、この点は自主保安体制をとるというこの前提といたしまして、実は高圧ガス取締法及びその省令の基準がございまして、この保安基準の上乗せといたしまして自主保安基準が特殊ガスについても定められたというわけでございまして、省令基準による必要な保安の担保というものはなされた上で、さらに一層これを強化するための基準であるということを御理解いただきたいと思います。 その上で、ここに書いてございます「経済的な可能性等を勘案した弾力的な運用」とは何ぞやという点でございますが、これは若干読みようによっては誤解を招くおそれがあるわけでございますが、趣旨は、経済性を重んじて保安を犠牲にするという意味合いは毛頭ございませんで、「経済的な可能性」と言っております点については、具体的な事例で御説明申し上げた方がおわかりいただきやすいかと思いますので、ちょっと具体的に申し上げさしていただきたいと思います。 例えば、高圧ガスでございますと、いわゆる保安物件に対しまして設備距離という保安のために必要な間隔を置くという規定がございますが、これを省令の基準の当然の前提といたしまして、この自主基準では、当該事業所の敷地内でその保安距離を確保しろというようなことを定めているわけでございます。その方が理想的であることは事実でございますが、既存の工場で、この自主的に自分の事業所内で距離をとるということを要求いたしました場合にとれないというケースが起こってまいります。 そのために工場を引っ越しするということは、経済的に可能かどうかというような問題が生じてまいりますので、この点につきましては、保安距離は当然省令で定めておりますのでとりますが、自分の敷地内に確保できない場合には、例えば途中に障壁を設ける、毒性がございますから、その毒性を除外するための施設を設ける、こういったことによりまして保安距離はとった上で、自分の敷地内ではございませんが、その点の補強を自主的に行っていく、こういった意味合いで、この「経済的な可能性等を勘案した弾力的な運用も必要である。」というふうに定められているわけでございます。
○市川正一君 今、読み方によっては誤解を生ずるということで、詳しくお時間をとって御説明をいただいたんですが、それでは困るんですね。 私、続けて七ページに行きますが、七ページから「各論」になっております。この記載も極めて抽象的なんですね。読んでみますと、例えば製造部門では、保安距離について今おっしゃったけれども「適切な保安距離を事業所敷地内で確保する」ということになっております。ですから、どういうガスにはどのくらいの距離をというふうに具体的に書かれていないんですよ。それから、貯蔵部門では、除害の措置として「材料ガスの性状に応じ、適切な除害のための措置を講ずること。」。消費部分ではどうですか。防護具について「消費施設内の安全な場所であって、緊急時に即座に対応できる場所に、除害及び修理等の作業に必要な空気呼吸器等の個人用防護具を保管し、かつ、適切な状態に維持すること。この場合、防護具の数量は、作業の態様に応じ、適切な数量であること。」など、どれをとっても具体的にどうすればよいかということは長い説明を聞かぬとわからぬということに相なっておるんですよ。 こういう点については、実際の特殊材料ガスを使っている業界からも批判が出ております。これはULSIという、御存じだと思いますが半導体関係の雑誌の記事でありますが、この中で「実際の運用面を考えますとほとんど具体性のない内容です」、「具体的なものでなければ使いものになりません。今のやり方で良いのか悪いのかを判断出来るような基準であって欲しい」というふうに、そういう要望を出しておるんです。 私は、結論的に言いたいのは、特殊法人として通産省の直接の指導下にある現在の状況でもいろいろまだ行き足らない面があるわけですから、やっぱりそれが今度民間法人化されれば一段と大きな懸念を感ずるのであります。いずれにしても私は、通産省として特殊ガスの使用実態を的確に把握して、今指摘いたしましたような点についてより具体的で、より効果的な基準をつくるように指導をしていただきたい。やられるのかやられないのか、その簡潔なお答えだけをちょうだいしたいと思います。
○政府委員(黒田明雄君) 保安距離は省令に定められております。それから、抽象的という点については、どうしても千差万別の事業所を相手にいたします基準になりますので、ある程度抽象的になるんでございますが、市川委員問題であるという点については私もそのように思います。 この点については、手当てをするために、実は六十一年、本年二月でございますが、高圧ガス保安協会の中の技術委員会の中に特殊材料ガス部会というのを設置いたしておりまして、現在の基準をもっと運用段階で明確にするように作業をいたしておりまして、一部既に完成をしてございます。そういったことで、具体的で実効性のある運用ができるように確保いたしたいと思います。また民間法人化は、業務面においては依然として強い監督規定を残しておりまして、こういったものを使いまして、民間法人化後におきましても、保安の点については手抜かりのないようにやってまいりたいと思います。
○市川正一君 大いに注目、期待を寄せております。 次に、電源開発株式会社の活性化でありますが、電源開発促進法の内容は、役員の選任方法、附帯事業の明定、料金改定の際に審議会の意見を聞くのをやめたというのが結局主な内容のようでありますが、これがどのように活性化の源泉になるんですか。実際は余り変わらぬのと違いますか、どうですか。
○政府委員(山本幸助君) 電源開発株式会社の活性化につきましては、今先生のおっしゃったような点を法律的には改正をしまして規制を緩和したいと考えております。 そのほかに、これと並行いたしまして政府の保有株式の割合を減らすとか、あるいは配当をするような体制に持っていくとかいうことを一体的に行いまして、電源開発株式会社の業務運営について一層の活性化を図ろうということでございます。現に電発自身も、社内業務活性化方策というのを五十九年六月につくりまして、それを実施に移しておりますが、そうした全体的なムードと一体化しまして、私ども活性化が進むことを期待いたしているわけでございます。
○市川正一君 その電発のムードを最後の結びになすったんですが、結局電発を配当できるようにするということに相なっていくわけでしょう、さっき質問がありました。それは利益を上げるということ、利益が上がらぬことには配当できませんから。そうしますと、電発は今電力会社に電気を卸売しているんですから、その価格が上がるということに相なる。そうすると、電気料金の計算が今総括原価主義をとっておりますから、その現状では、家庭用の電気料金の値上がりにつながらざるを得ないんであります。 そうすると、国民生活を犠牲にして電発を活性化させるということに、ロジックとしては、また現実にもそうならざるを得ぬのでありますが、私はそういう道はとるべきでないと思います。これはもうそこでとめておきましょうか、もうちょっと何かおっしゃいますか。
○政府委員(山本幸助君) 市川先生の御指摘のとおりでございまして、私どもも、そういうふうに電力料金が最終的には上がるという形でもって活性化を進めるのではなくて、配当をするという電発自体の経営の内容を変えていきながら、いわばその新しい経営努力あるいはコスト低減の努力というものによって配当できる体制に持っていきたいというふうに考えております。
○市川正一君 やってください。 それで、最後に、法案そのものではありませんが、若干この機会にお伺いいたしたいのであります。 通産省は、撚糸工連の不正事件との関連で、繊維関係設備の共同廃棄事業について、六十年度分の未実施分は不正がないかどうかを確認した上で実施するということで、私、浜岡局長からもたしか直接お話を伺ったところでありますが、現在の進行状況はいかがになっておりましょうか、お伺いいたします。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、撚糸以外に六業種におきまして、六十年度から六十二年度までにまたがります設備共同廃棄事業が行われております。六十年度につきましては、計画ベースでは三百二十四億ばかりの金額が予定をされておりまして、そのうち約百四十七億円ばかりがいわゆる下期分の融資ということで見込まれていたわけでございます。 御指摘のような状況でございますので、私どもといたしましても、まさにこの事業の今後のあり方につきまして非常に大きな影響を及ぼす問題であるというぐあいに考えておりまして、各団体には念には念を入れまして対象施設の適法性をチェックするように求めておりますし、私ども自身もかなりの数のサンプル調査を行っているわけでございます。 現段階におきましてなおチェックが続いているわけでございますけども、一応問題がないと見込まれますものにつきましては、融資の実行の手続を進めていきたいというぐあいに思っているわけでございます。若干の除外あるいは留保というようなものが残ろうかと思いますが、大部分のものにつきましては、五月中には資金交付というところまで持っていくことができるのではなかろうかというぐあいには思っているわけでございます。
○市川正一君 この設備共同廃棄事業に参加している中小企業者の圧倒的多数はまさに善意の業者の方々であります。本来であれば、三月末日までには破砕した機械、織機などの代金を受け取っていたはずでありますが、今局長のお話では五月末までには大部分支払われるというふうにおっしゃいました。 実は、私のところに繊維産地の各地から悲鳴にも近い業者の声が寄せられているんです。そちらにも届いていると思いますが、例えば、京都の西陣では四百九十六業者、千百七十台、参加業者への支払い分が約四億円であります。また、丹後では千二百六十九業者、三千二十台、参加業者への支払い公約十一億四千五百万円、これが凍結状態になっております。参加業者のうち、西陣では四五%、丹後では三七%が廃業することになっており、支払われる予定の資金をもって、生活資金あるいは債務の返済に充てる予定になっている業者もございまして、事態は深刻であります。 大臣にぜひお聞き願いたいのでありますが、この制度そのもののあり方については大臣も見直すということを言っていらっしゃいました。確かに繊維機械の登録制と共同廃棄事業について申せば、生業としている零細な繊維業者を切り捨てていくことになるので、実は、我が党はこの制度の発足当時に賛成いたしませんでした。しかし同時に、長期間にわたってこの制度が続けられ、これを活用して活路を開く中小業者がおられるという現状のもとにおいては、これらの業者の善意の業者が一部の悪徳業者あるいは一部のああいう悪徳幹部の不正行為のために逆に苦しめられているという状況をやっぱり放置するわけにはいかぬと思うんです。 中長期的には、登録制や共同廃棄事業のあり方、これを進める体制の問題、不正を許さない組合運営の民主的改善等々、検討すべき課題はこれは課題としてきちっと検討し、対処していく。しかし、当面、苦しんでいる多くの業者への対策は迅速に処理していくという点で、五月末には不正のない業者には代金が支払われるということを大臣が確認して対応していただくことを心から期待いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 問題なのは、不正があるかないかがすぐわからないのですよ。それがさっとわかればすぐにでもできるんですが、そういう点で慎重を期しておりますが、我々としてはやはり今まで決まっておる制度でありますから、それは後でしまったというようなことのないように見直しながら、慎重に早くやりたいと思っています。
○市川正一君 最後でありますが、大体そういう善意の、不正のない方々については五月末をめどに大部分は支払われるであろうと、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。
○政府委員(浜岡平一君) 私どものチェックもかなり時間の経過がございますので、先ほど先生御指摘になりました数字は、若干時点がさかのぼったものではなかろうかというぐあいに思っております。その後、問題がないということが判明したものもございますので、先生おっしゃったほどたくさん除外するあるいは当面留保するというものが出るという結果にはならないんではないかと思いますけれども、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、まさに念には念を入れ、慎重の上にも慎重を期しまして対応していきたいと思いますけれども、御指摘のような実態というものは十分心にとどめているつもりでございまして、今大臣から御答弁ございましたような方向で対処してまいりたいと思っております。
○市川正一君 終わります。
○委員長(下条進一郎君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(下条進一郎君) 次に、特定商品等の預託等取引契約に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 豊田商事に端を発したいわゆる現物まがい商法による消費者の被害が昨年来大きな社会問題となり、同種の被害の再発防止対策の必要性が指摘されてまいりました。 これにつきましては、関係六省庁間の検討結果を踏まえ、産業構造審議会に諮問し、三月十一日に答申を得たところであります。答申では、悪質な取引については実質的に禁止の効果を持ち、消費者被害の再発防止が図れるような立法措置を講ずるべきであると指摘しております。 この法律案は、この答申の趣旨に沿って、特定商品等の預託等取引契約の締結及びその履行を公正にし、当該契約に係る預託者が受けることのある損害の防止を図ることを内容とするものであります。 本法律案の概要は、次のとおりであります。 まず、本法律案においては、 一 一定の期間、政令で指定する「特定商品」の預託を受け、財産上の利益を供与することを約する契約 二 一定の期間経過後その買い取りを条件として特定商品の預託を受けることを約する契約 三 これらと同様の契約で、特定商品にかえて政令で指定する「施設利用権」を用いる契約 を「預託等取引契約」として定義しております。この預託等取引契約に基づいて事業を行う者に対し、規制を行うことといたします。 次に、規制の具体的内容について説明いたします。 第一に、勧誘に際し、契約及び事業者の概要について書面を交付しなければならないこととしております。 第二に、契約を締結した場合には、契約内容を書面で明確にしなければならないこととしております。 第三に、不当な勧誘行為その他顧客または預託者の保護に欠ける行為を禁止することとしております。 第四に、預託者は、事業者の業務及び財産の状況を記載した書類の閲覧を求めることができることとしております。 第五に、預託者に対し、契約締結後十四日以内のクーリングオフによる契約の解除を認めるとともに、同期間経過後いつでも契約を解除する権利を与えることとし、事業者の預託者に対する損害賠償または違約金の請求額についても制限することとしております。 その他、規制の実効性を担保するため、業務停止命令、罰則等所要の規定を整備しております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 なお、衆議院において、本法律案につき一部修正がなされておりますので、御報告いたします。
○委員長(下条進一郎君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院商工委員長代理理事奥田幹生君から説明を聴取いたします。
○衆議院議員(奥田幹生君) 先生方、御苦労さまでございます。衆議院の商工委員会から参りました奥田でございます。 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案の衆議院における修正について御説明申し上げます。 修正点は、いずれも預託者等の利益保護の一層の徹底を図るためのものであります。 修正点の第一は、預託等取引業者が預託等取引契約の締結時に交付する書面に、商品の返還等を担保するための措置の有無及びその措置が講ぜられている場合はその内容を記載することとすることであります。 修正点の第二は、主務大臣は、預託等取引業者に対して、業務停止命令のほか、預託者等の利益保護のために必要な措置をとるべきことを命ずることができることとすることであります。 修正点の第三は、預託等取引契約がクーリングオフ期間経過後解除された場合における損害賠償または違約金の請求額について、その割合の上限を百分の十五から百分の十に引き下げることであります。 以上であります。
○委員長(下条進一郎君) 以上で説明聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うことといたします。 —————————————
○委員長(下条進一郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十六分散会 —————・—————