商工委員会 第3号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1986/03/20
会議録
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に福間知之君を指名いたします。 —————————————
○委員長(下条進一郎君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 前回の委員会において聴取いたしました所信等に対し、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福間知之君 最近の円高の問題あるいは貿易摩擦をめぐる環境、さらには、けさの新聞でも円高差益の取り扱いについて通産当局の見解が報道されておりました。それらについて所信表明のさきの大臣演説に締めまして若干の質疑をいたします。 まず最初に、アメリカにおきましては、特にここ数年、なかんずく昨年初頭からいわゆる大幅な貿易のインバランスを背景にいたしまして、かつてない保護主義というものの高まりが見られます。戦後世界経済の発展を支えてきた自由貿易体制というものを維持することに大変困難な様相があらわれてきております。大臣の所信表明演説の中でも、第二次大戦後の世界の発展の基礎をなしてきた自由貿易体制を含めて国際的なシステムが大きく変容しつつある。我が国の繁栄というもの は世界の平和と繁栄なくしてあり得ない、そのような基本的認識に立って国際経済社会の健全な発展と国際システムの円滑な運営に積極的貢献を果たしていきたい、こういう趣旨のことが述べられております。 全く私も同感でございまして、とするならば、これから我が国は昨年七月のあのアクションプログラムによる内需拡大という政策あるいは一層の市場開放という努力、これを続けてきているわけですけれども、にもかかわりませず輸入の増大なり、あるいはまたアメリカを初め各国が期待するほどの市場の開放という実効が上がっていないというようなことから、なお今これらに対する海外の非難が絶えないのでありますが、まずその一番大事なアメリカの今日日本に対するそれらの姿勢というもの、これについて大臣はどのように今感じておられますか。まだこれからの対処策等をも含めてお考えをまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) レーガン政権というのは共和党なんです。共和党というのは農民が非常に支持をしている。アメリカで最大の自由貿易主義者というのは農民なんですね、農家。世界一の農産物輸出国はアメリカですから。そういうような背景もありまして、レーガンさんはもう就任当時から非常に強い自由貿易論者、そして哲学を持っている方であります。 ところが、このアメリカの産業というものがいろいろあるのですよ、いろんな原因があるのですが、結果的に非常に国際競争力が鈍ってしまった、そういうようなことで、自動車などもデトロイトなどは四、五年前に大変な失業に見舞われて、一時失業者が非常に多く出た。景気が悪い、まあテレビ関係なども、アメリカの純粋の資本、経営者によるテレビの生産は本年からは一社しかなくなる、あと五年たったらそれも全部純粋なアメリカ資本のアメリカ経営というものは、カラーテレビはもう全部なくなるだろうと言われております。 自転車の生産も非常にもうなくなったと同じだし、オートバイも席巻されてしまった。自動車も外国からどんどん入る、鉄も弱い、こういうふうな状態になったものですから、国会議員とか、その地方等には大変なショックを与えておって、とんでもない、このままではアメリカはもうだめになってしまうという焦りがあって、それで議員などが非常に地場産業を守るといいますか、そういう観点からいろいろな動きが出ておって、失業や不景気、その他は自分たちの政策が悪かったとは言わないのですね。反省もしておりますが、主として日本等がどんどん売り込んでおって、そのためにこういうことになっているんだから、しかも日本などは、政府とそれから民間と一緒になって日本列島輸出株式会社ぐらいでやっているのではないかという認識を持っておったことも事実なんです。 したがって、日本に対する市場開放の一層の要求というものが大変強くなって、それがいろんな保護立法の提案という形であらわれてきておるわけであります。市場開放の要求と、自分たちはとてもそれだけではもうだめだから保護立法をいろいろやろう、それが現在の米国の姿であろうと、そういうように私は思っております。 しかしながら、アメリカ政府としては、やはり日米関係というものは非常に大切であって、これをいい関係を持続していかなきゃならぬ。したがって、日本政府に対してはより一層の市場開放を要求してきた。日本政府としても反省すべきところは反省をして、それで去年いわゆるアクションプログラムをこしらえて世間に発表し、去年いっぱいかかって皆さんの御協力を得て関税の引き下げを初め、認証基準の引き下げとか撤廃とか緩和とか、そういうことをやってきたわけであります。関税の引き下げも当然のことであります。 そういうようなことをやってはみたのですが、すぐにこれは効果が出るというわけにはなかなかいかない。いわゆるJカーブ現象というのが起きて、むしろここ一、二カ月対米の日本の輸出はふえているということで、彼らもいら立ちを持っておることも事実でございます。ですから、我々はやるべきものはちゃんと先進国家並みのことはやらなければならぬ。それはやりましょうと。しかしながら、誤解に基づくところの摩擦がありますから、それは誤解をなくしてもらわなければ困るわけでありまして、それは極力説明をして誤解のないように我々は努力をしておる。 もう一つは、文化の差によるところの摩擦が私はあると思います。これは私はかなり長期間にわたって尾を引くんじゃないかと、なかなか理解しにくいわけですから。だけど、これは忍耐強くやはり説明をして説得をする。それから、彼らが日本に輸出をしやすいように我々はお手伝いをしておるわけですから、もっと日本の勉強をしてもらって、彼らにも輸出努力というものを大いにやってもらう。いろんなあの手この手、考えられることは者やって、要するに我々は貿易で食っていかなければならぬわけですから、縮小均衡というのでなくて拡大均衡で貿易というものを持っていくというようなのが基本的な物の考え方でございます。 以上、お答えになったかどうかわかりませんが、そういうような考え方で今後も進めてまいりたいと思っております。
○福間知之君 考え方はそんなに変わらないんですけれども、問題は今具体的に、より鮮明に効果が上がるような、そういう措置をアメリカ側は日本に求めている、期待をしていると思うんです。 これは後ほどまた一、二お聞きもしたいし、所見も申し述べたいんですけど、今大臣がおっしゃったように、私も昨年の秋の臨時国会の予算委員会で、実は今大臣が触れられた中身に関連して、総理にもあるいは当時の村田通産大臣にもただしたことがあるんです。今大臣がおっしゃったでしょう、半導体にしても自動車にしても自転車にしてもオートバイにしても、あるいは鉄鋼にしても、競争力をなくしちゃってアメリカはあせっているとおっしゃったですね。私はその現象をアメリカの産業経済の一種の空洞化現象ではないのかと。そして空洞化したテレビの生産を、日本のメーカーが行って現地で生産している自動車もしかりであります。あるいは半導体もこれから現地生産が始まるという可能性を持っている。何のことはない、日本の企業がアメリカへ行って、主要な業種の生産のお手伝いをする。アメリカの企業家、経営者というのは逆に海外にさらに生産拠点を移す。メキシコにフォードが自動車会社をつくったり、あるいはIBMが半導体工場をつくったりする傾向が出ているというんです。 これは一体どういうふうに我々は理解をし、将来に向けて判断をすることが必要なのかと。翻れば、その姿がさらに拡大していくとするならば、日本の側においてもこれは職場の輸出であり雇用の輸出である。日本の中における仕事量と雇用を確保する上でゆゆしき現象、事態が起こる可能性がある。こんな話も実は予算委員会でしたことがあるんです。結局、まあ後ほどお聞きしたいんですけれども、国際的な協調のための産業の構造調整というようなものまで総理の私的諮問機関を通じて検討をさせているというふうな状況ですから、これからのアメリカと我が方との産業なり経済の関係というものは、よほど政治的にも留意をしていかないとならない、そういう段階に至ったんじゃないかと思っているんです。 それは後ほどにまた譲るといたしまして、次にお聞きしたいのは、そういうふうにアメリカ側からの輸入をふやすという努力を我々はしてきましたけれども、どういうふうに具体的な効果を上げてきたかということについて、概略をお聞きをしたいわけです。
○政府委員(村岡茂生君) 先生御案内のとおり、昨年来輸入促進策につきまして金融、税制策を初めといたしまして、主な日本の企業に対して輸入促進を呼びかけたり、あるいはジェトロその他の機関を通じまして輸入促進のキャンペーンあるいはバザール等を開催する等、各般の輸入促進のための努力をしてまいったところでございます。 その効果につきましては、私どもといたしまし ては、それはそれなりのかなり大きな効果があったものと一面では自負しておるわけでございます。例えば輸銀が創設いたしました製品輸入金融におきましては、昨年来ことしの三月までに約三千七百億円にも及びます製品類につきまして融資をいたしましたり、あるいは内談進行中のものがあったりするわけでございます。あるいは百三十四社に対します輸入促進努力におきましても、まだ集計はいたしておりませんが、前年度に比べて数十億ドルに達する輸入の増額があろうかと思っております。 しかし、他面ではいろいろ私どもも輸入拡大について努力はいたしておりますが、しょせんお釈迦様のたなごころの中で踊っているような感が否めないのでございまして、やはり大きな国際面、国内面におきます経済、特にマクロ経済のうねり、変化というものの中での一こまと認識しております。 と申しますのは、輸入総額という点に関しまして、当今の非常に大きな原油の価格値下がりというものによりまして、我々の輸入努力、特に製品面での輸入努力にもかかわらず、総額といたしましては輸入額は減少している、こういう現実があるということをあわせて申し上げたいと思います。
○福間知之君 具体的に、時系列でおととしに比べて去年とれだけ金額でふえたとかというようなことをあえてお聞きはいたしません。さほどアメリカ側が喜ぶほどの推移にはなっていない、こう思うからです。 問題はだからこれからなんですね。今のお話の中にも原油の話が出ましたけれども、確かに大幅な値下がりが続いておりまして、量的に拡大しても金額面ではさほどふえないということもさることながら、去年の段階で私も指摘をしたのはアラスカ石油です。対日輸出、アメリカ側の態度は緩和しているんですか。
○政府委員(野々内隆君) アラスカ石油の中でクックインレットの油につきましては輸出を解禁するという方向で手続がされておりまして、現地筋の予測では五月ごろにも入札を行い、八月ごろにも出荷が行われるのじゃないかというふうに言われております。ただ、アラスカ原油の大宗を占めますノーススロープにつきましては、議会筋はむしろ輸出を認めない方向というふうに伺っておりますので、これはちょっとめどがついておりません。
○福間知之君 経企庁長官にお伺いいしたいんですけれども、最近のアメリカの経済状況、向こう側のいろいろな経済紙だとか関係雑誌にちょっと目を通すと、いろんな見方が書いてあるんですけれども、このところ金利の値下がり、あるいはまた原油の値下がり、これがかなりいい影響を与えているというふうにも言われているんですが、現状と、少なくともことしこれからの見通しはいかがですか。
○政府委員(丸茂明則君) アメリカの経済は、ことしで景気回復拡大に入りましてから四年目を迎えております。この過去三年間を見ますと、前半一年半ぐらいは非常に急速な回復をいたしました。けれども、八四年の半ばぐらいから最近昨年末までの一年半ぐらいを見ますと、年率二%をちょっと超えるというような程度の緩やかな成長に鈍化をしております。 その鈍化をいたしました大きな原因を二つだけ挙げますと、一つは慎重な在庫政策を企業がとったわけでございますけれども、その中でもやや在庫が積み上がり過ぎてこれの調整が必要になったということが一つと、もう一つは、御承知のドル高によりまして輸出が減少し輸入がふえたという、いわゆる外需がマイナスになったということでございまして、国内の最終需要そのものは三%ないし四%という比較的堅調な伸びを続けていたわけでございます。 それで、今後の状況でございますが、今年につきましては昨年と違いまして、今申し上げました二つのマイナスの要因が少なくとも小さくなるというふうに考えられます。一つは御承知のドル高の是正によりまして、ある程度の時間はかかると思いますが、輸出入関係のマイナスの要因が小さくなる。それから、在庫投資につきましてはなかなか見通し困難でございますけれども、昨年末までに工業、製造業の在庫調整がなり進んでおりますので、これも去年に比べますとマイナス幅が小さくなる、場合によってはプラスになるということが考えられると思います。それに、今先生御指摘の金利が下がっているという状況、さらに最近では原油の値下がりということも加味いたしますと、ことしのアメリカの経済は緩やかな拡大を続けるというふうに私どもも考えておりますし、成長率にしましても昨年をかなり上回るのではないかというふうに考えております。 物価は、ドルは下がっておりますが、安定をしております。ただ、経常収支、貿易収支につきましては、Jカーブ効果もございまして、なかなか急速に改善するということは期待できないという状況と考えております。
○福間知之君 最近のニューズウィーク誌のある一部の記事によりますと、不動産抵当貸し付けの金利が九・五%、あるいはまたガソリンは一ガロン九十セント、約一リットル四十二円、こういう状況で、物価すなわちインフレも収束しつつあるんじゃないのか。住宅建設というものに非常にはずみがついてきて、ことしは二百万戸ほどの建設が見込まれる、こういうふうにも指摘されておりまして、そうだとすればそれは七〇年代の住宅ブームのときと同じ水準だということで大変好ましい状況に転換しつつある。しかし、失業率は六・七から七・三ぐらいに若干の上昇傾向をとっている、こういうことで、明暗取りまぜて、だが今おっしゃるように徐々に回復しつつあるんではないだろうか、こういう予測がされているんですけれども。 だとすると、実はそうでなくてもJカーブ効果というものがまだ続いておって、一月も二月もかなりの大幅黒字ということになっておるようですから、心配なのはさらに輸出ドライブがかかっていくんじゃないか、そうするとまた貿易摩擦で頭へ血が上るということを懸念するわけです。それだけに私はアメリカの経済回復はこれは好ましいことだし結構なことだけれども、貿易面で考えた場合により一層の注意が必要だと、こういうことを申し上げざるを得ないんです。 これに対して政府当局もやはり本当に輸入の拡大ということをきめ細かく対応をしていただく必要があるんじゃないかと。先ほどの貿易局長の話じゃないですけれども、昨年予算委員会で私も赤澤理事長を呼んで、ジェトロの仕事は今や昔と違って輸入拡大促進業務に集中する時代が来ていると。これは時代の要請ですから、あちらこちらで見本市をやりまして成果も上げておられるようだけれども、こちらの輸出額に比べれば大きな格差があるものですから、これはなかなか困ったことだなということで私どもも頭を痛めているわけでございます。あらゆる政策を集合させて、ことしはさらに一層のインバランスの緩和のために努力をしていかなきゃならぬ、そういうふうに思います。 そこで、所信表明の中におきまして、国際分業の推進あるいは積極的な産業調整政策、国際的な視野での産業政策の重要性ということを示しておられるわけですけれども、それらについて具体的にはどう取り組もうとされているのか御所見を伺いたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的には特定産業構造改善臨時措置法というものがございまして、それの適切な運用を図り、また技術面においては技術革新を促進しなきゃならぬ。ですから、昨年の十月に基盤技術研究促進センターというのが発足をいたしました。そういうようなところで今後の技術開発というようなことについてさらに進めてまいりたい、そう思っております。
○福間知之君 余り具体的なまだ中身はないようですけれども、産業構造審議会でもう少し具体的な何か検討をされているんじゃないか、そういうふうに思うんですがね。 それからもう一点、もう時間がありませんので、ついでにいわゆる総理の私的諮問機関の経構研ですね、けさの新聞によると、総理が若干注文をつけた、最近の物すごい円高というもののピッチが速いものですから、少し経構研の方の考え方を練り直せという指示をしたということがあります。 これは通産の所管じゃありませんが、きょうは内閣審議室呼んでいませんし、知っている範囲で。産構審と経構研と似ているんですけれども、同じようなものが同じようなことをやって一体どうなのかと、私たちは少し気にしているんですけれども、そちらの方も希望的なものあればそれも含めて何か御所見ありますか。
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のように、日本の経済は世界の中で調和をとりながら発展していかなければならないわけでございますが、そういう意味で言えば、日本の蓄積してまいりました技術力あるいは資本というものを世界の経済の成長にも役立てて、あわせ対外不均衡を是正していくということが必要でございまして、そういう意味では海外直接投資をもう少しふやすということも一つの検討の課題であろうと思っております。 先ほど御指摘になりましたように、しからば国内の産業が空洞化するという懸念が一方でございますが、その点については今後の新しい発展分野、特にニューフロンティアあるいはハイテクノロジーというような表現がよく使われますが、そういった新しい発展分野を探求していく。そのためには、今大臣が御答弁申し上げましたように、基礎的なものも含めました技術開発ということを大いに進めて、そして日本の雇用の機会を拡大をしていくということが一つ重要になろうかと思っております。 あわせ、内需を拡大をするということが非常に重要でございまして、日本のございます貯蓄を国内の投資に結びつけていく、あるいはまた社会資本の充実に結びつけていくというような改革も必要であろうと思いますし、さらにまたこれだけ価値感が多様化してまいりますと、サービスに関する需要というものがふえてまいりますが、そういった第三次産業あるいはサービス産業、内需を中心にいたしました三次産業をふやしていく、消費をふやしていくという形につながる形での三次産業というものをふやしていく、こういうことによって日本全体のバランスをとっていくということが一つの方向であろうと思っております。 もとより雇用の問題は、トータルとしてバランスがとれましても、職種別あるいは機能別、年齢別、いろいろにミスマッチが生ずるわけでございまして、これは大変大きな問題になるわけで、そういう意味では、これは長期構造的なものとして取り組んでいく必要があろうということで、産業構造審議会では二十一世紀をにらんだ一つの方向を示されたわけでございまして、私どもとしてはそのラインに沿って、今後さらに新しい政策に結ぶつけていく研究に取り組むつもりでございます。 総理の私的諮問機関についての研究会のお尋ねでございますが、私どもも、私的諮問機関の中で委員で御検討中でございまして、詳細は承知をいたしておりませんが、聞きますところによれば、恐らく四月の上旬にもお取りまとめになられる予定と聞いております。内容につきましては、私どもは貿易あるいは産業という立場で構造的な問題、あるいはその面からかかわりますマクロの経済運営という視点で取り組んでおるわけでございますが、総理の私的諮問機関はさらに通貨の問題、国際貢献の問題等非常に広い視野で大きな方向をまとめていかれるというふうに承っております。 私どもも、私どもの立場から、この総理の研究会には、二度にわたってこの研究会で私どもの研究の成果あるいは産業構造審議会の報告の内容を御説明申し上げておるわけでございますが、私どもこの総理の研究会の御報告が出ました暁には、それの中で私どもとしてやり得べき問題についてはそれを消化し、今後の実践に移していく、こういうつもりでその御報告を待っている次第でございます。
○福間知之君 政策局長ね、私、総理にも尋ねたんですが、いわゆるこの総理の私的諮問機関、経構研ですか、略称ね。経済構造の調整の研究会、これに関連してこういうことをお聞きしたんですよ。産構審もしたがってそうなんですけれども、戦後我が国の産業政策というのは、いわば私流の表現をさせていただけるならば、総花主義でやってきた、総花主義で。エネルギー、原材料がほとんどない国ですから、これを海外から買いつけて、それですべては自給自足の経済にしていくと。 かつて、一万田尚登日銀の総裁が、自動車なんか日本でつくらぬでも海外から買えばいいじゃないかとか、鉄鋼も余りそんなにつくる必要ないじゃないか、こういう発言をされたことがありましたけれども、そのときは私ら、とんでもないことを言っているなというような気でおったんですが、要するに原材料を買いつけて、それに我々が付加価値をつける努力をして、そして自給自足、余分なものは海外に売って、外貨をまた稼いで原材料の購入に充てる。この循環をすべての業種において行うという総花主義的な産業政策というものが我が国通産当局の基本ではなかったのかと思うんです。 今、産構審にしろ経構研にしろ、そういうことを一度見直してみなきゃならぬというふうに考えているのかということを総理に聞いたところが、否定しなかったんですよね、昨年の予算委員会では。ということは、水平分業というものを拡大する上で、どうしても日本の国内での生産、調達をする分野にまで手をつけないと、国際競争力で余りにも弱い分野もたくさんあるという前提で、そういうものはやはりいわゆる業種転換などを促進して、今までの生産はもう打ちどめにするという、そこまでの腹を決めなきゃいかぬのじゃないのかということをただしたんですが、これは否定はされなかったです。具体的には話は別ですけれども、抽象的には否定されなかった。だとすれば、私は通産省の産構審もそこまで踏み込んで、より具体的にやっていく必要があるんじゃないのか、その点はそういうふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(福川伸次君) 望ましい国際分業を形成していくという原動力は、私どもはやはりプライスメカニズム、市場原理であろうというふうに考えております。いろいろ資源、技術、あるいは資本の力でこれを組み立てていくわけで、日本は今先生御指摘のように、原材料をとにかく入れて、その付加価値を高めて経済発展を図る、こういうことでやってまいっておるわけでございますが、今後もこの国際分業を進めていくに当たりましては、この市場原理、機能を通じまして、世界的に望ましい形での合理的な生産ということになっていくものと思っております。 もとより、日本も大変黒字を抱えておるわけでございまして、そういう意味では、あるいは現地での生産ということもさらに進めていくということになろうと思っておるわけでございます。反面、今御指摘のように、そういった輸出で、あるいは円高になっていく、競争条件が変わっていくという過程の中で、競争力が衰えていった産業、こういうものについてけ、その産業をあるいは新しい発展分野に転換をさせていく、あるいは規模を縮小させていくという形で分業を形成していくという必要があると思っておるわけでございます。 今まで、御指摘のように、総花主義という御表現を使われましたが、あるいはワンセット主義というようなことを言う人もありますが、いろいろそういう意味では非常に日本は幅広い産業を形成をいたしておりますが、これからそういった新しい国際分業を形成していく過程でこの産業構造は徐々に変わっていく。今お話しのように、競争力が減退したものについては、ある程度規模を縮小して、他へ新しい転換をしていく、そしてまた日本は新しい発展分野を見つけ出していく、こういう形で世界にも貢献し、調和ある産業構造へ持っ ていく、こういうことが産業構造審議会においても考えられておるわけでございます。 その意味で今、大臣からも先ほど特定産業構造改善臨時措置法のことを御答弁申し上げましたが、あれは御承知のように、石油の価格が上がった場合の構造改善ということの引き金でございましたが、今後はこういった、あるいは円高とか、新しく黒字解消とかいう意味で、これから産業構造が徐々に変わっていく必要があるわけで、そういう意味では産業構造審議会の中間報告の中でも、そういった新しい状況に照らしての産業構造の転換策をいかに構築すべきかということの重要性が指摘されておるわけでございまして、その点は我々も、これからよく鋭意取り組んでまいらねばならない重要な課題であると認識いたしております。
○福間知之君 この問題はこの程度にきょうのところはとどめたいと思うんですけれども、今おっしゃる産業構造の転換という部類に属するのかどうかは別にしまして、先日の新聞報道でも、新日鉄さんがヨーロッパ最大の電機メーカー、フィリップス、これと日本ケミコンと、この三社でいわば新しい業種分野、ファインセラミックスを手がけるということのようですけれども、最大マンモス企業の新日鉄が鉄鋼からそちらの方へ、既に今までもシリコンウエハーの素材をつくったりしているわけです。 産業構造の転換というのは、私流に言えば、そういう一部の大手の企業の路線変更だけじゃなくて、やっぱり、より圧倒的に量的にも多い中小企業群のさまざまな業種、これをたくさん日本の構造の中には抱えていますから、それの中には大手の協力会社、下請会社もあれば、そうでない中小の独自の独立的な地場産業もあれば、いろいろなのがあると思いますが、そういうところに、むしろ、これからの政策をどう展開していくのかということも重要ですわね。そういうことで、私も非常に関心を持っているということで、具体的には産構審、経構研等の答申も出れば、また議論をする機会があるだろうと思います。 そこで、今度はちょっと円高についてお伺いをしたいわけですけれども、昨日は、夕刊によりますと、日銀が逆介入をしたんじゃないか、こういうことで、百七十四円という一昨日の水準が一転反落をいたしまして、百七十七円台まで一時は寄り戻しましたね。こんな報道があります。 基本的に通産省あるいは経企庁は、この円高の現況と今後の推移について、どういう展望を持っていられるかということをお聞きしたいことと、それからアメリカのブルッキングス研究所のクラウス主任研究員という人の発表によると、一ドルは百円になってもおかしくはないんじゃないか、こういうふうに述べていますが、仮にそういう事態になった場合には、我が国の産業に大変な影響があると思うんだが、どういうふうに見ておられるか。 それから通産大臣は、先般の新聞報道によりますと、現在よりも若干円安のレベルで価格安定帯、目標相場圏とも申しますか、ひとつそういうターゲットを設定して、国際協調による通貨安定を図るべきではないのかという意見を持っておられるようですけれども、だとすれば、大臣のその考え方の根拠はどういうところにあるのか。以上、三つの点でまとめてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、基本的には円高はいいことである、そう思っておるんです。それはお金の値打ちが出ることでございますから、まして原材料を外国に仰がなければならないという日本の立場からいたしますと、日本のお金の値打ちが出まして、二百四十円で買った物が百十円なり百八十円で買えるということは、私は大変いいことだと。したがって、中長期的には円高ということは実質的な消費の拡大につながるし、私は結構なことだと思っております。 ただ問題は、だれも予想しなかったように、だった半年で三十数%というような極端なスピードで円高が展開をした、このことが問題なわけでありまして、円高になれば輸入業者はいいんですが、輸出業者の方はそれだけ手取りが減るわけでございますから、同じ数量であれば。同じ数量、同じ値段ということになれば手取りが減ることになりますから、それに対応して自分の方の生産性向上のためのいろいろ方策を講じていかなければならぬ。ところが余りに、数カ月というようなことでは、三〇%の生産性向上なんといっても、言うべくしてできるわけがない。そこでいろんな悲劇が、特に中小企業の地場産業に起きているというのが現実の姿であります。 そこで、どれぐらいがそれじゃ円相場はいいんだねと、これは需給の関係で決まるというのが結論でございますが、私は今まで強くなったやつを二百円に逆介入して戻すとか言ってみたところで、これもなかなかそう言うべくしてできる相談ではないということになれば、この辺で一服と、しばらく一服をすることの方が世界経済のためにもいいことじゃないのかな。円高ということは、裏返しに言えばドル安ということですから、向こうは急速に半年で三〇%ドルの値打ちが下落したということになって、それは輸入品の物価に影響することは当然なことであります。 さらに、もっと急速に進むことが果たしてアメリカ経済にとっていいかどうか、私は疑問のあるところじゃないか。ということになれば、G5等の会議において幾らということを表に出すわけにはいかないが、おおよそこの辺のところでしばらくお互いに安定をさしていった方がいいのじゃないでしょうかという協議をやってしかるべきものである、そう思っておるわけであります。それを、そんなふうな意味のことを言ったので、それが新聞か何かに載ったということではないかと思います。
○福間知之君 これは質問というよりも私の見解でもあるんですけれども、確かにどれぐらいのレートが妥当だと、適切だということはなかなか言い切れるものじゃないと思うんですね。 ただ問題は、大臣の今のお話にもありましたように、基本的に円高は結構だけれども、やはり輸出の面で非常に厳しくなるし、輸出に依存してきた度合いが非常に高い日本の産業、経済でございますので、やはり輸出競争力がなくなるということは、単にもうけが少なくなるというにとどまらず、仕事がやれなくなってしまう、こういうところまで発展する危険があるわけですね。だから、どれくらいのレートで大体安定することが望ましいのかということは、それなりに判断をせなきゃならぬ時期が来ると思うんですね。現にきのうあたりは余りにも急ピッチなものだし、ドルのまた急落ということは好ましいとも思えないという判断からでしょう、逆介入を一応試してみているわけですね、本格的じゃないらしいがやってみている。そのことにすらアメリカ側の反発もあるようですから、非常にこれは扱いが難しいということは言えると思います。 しかし、ちなみに中小企業の輸出分野が困難に陥っているだけではなくて、既に日本の代表的な電機や自動車、あるいは鉄鋼、精密機械、製造業者五百九十六社の六十年度経常利益が前年度比二二・六%減少するとか、あるいはまた——そういうことですね。そういう日経新聞等の予測もあるほどでございまして、いわんや中小の企業あるいは業種においてをや、こういうことが言えるわけでございます。 問題は、この円高というのがさらに引き続いて進行をしていくだろうというふうに想定した場合に必要なことは、内需の拡大をどう図るかということ、本当に真剣になってこれをやっていくことが国際的、さらには国内的な両面からする最大の今我が国に対する要請である、重要課題である、こういうふうに思うわけであります。その内需の拡大を具体的にどう政策として推し進めていくのかということについて、これをお聞きしておきたいと思うんです。 それから、その前提として日本の各業界のやはり力量、こういうものがこれ以上円が進展していく場合にかなり問題があるよという問題認識を持 っているんですが、そこらはそういうふうに見ておられるのかどうか。今の大臣のお話にちらっとありましたけれども、生産性を向上してどうのこうのという、それは一層の効率化、合理化がもちろん進められなきゃならぬにしても、それはおのずから限界があるわけですよ。それはやはり物が売れて、スケールメリットがあればその合理化、効率化も一層効果的に進み易いですけれども、その道がふさがれている中で合理化、効率化と言ったって、おのずからこれは限界が出てくるわけですから、やはり円レートの状況、輸出の状況というものが今大体胸突き八丁には来ている、こういうふうに私は見ているんですがね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全くそのとおりだと私も思います。しかし、現実の問題として円高が百八十円と、あるいは百九十円に戻るかどうか知りませんが、百八十円前後で推移をしているという現実があるわけです。これはしかし私は長期的に見た場合は、必ず日本人の英知と努力で乗り切れるという自信を持っておるのは、かつて三百六十円レートのときに、これを切り上げて三百円近くした場合は、日本の中小企業はおろか、主要産業も壊滅するであろうというぐらいの大騒ぎをあのときやったわけですよ。ところが、三百六十円からまだ日本がそんなに強くならないうちに三百八円に切り上げました。それは確かに騒ぎが起きました。起きましたけれども、それをちゃんと乗り越えてきたと。昭和五十三年ですか、あのときも非常に円高になりましたが、これが石油の値上がりで対抗ができまして、逆にこいつを災いを転じて福となしてきたという幾つかの経験がございます。 したがいまして、今回の円高も非常に打撃を与えていることは事実であります。それによって立ち直せる人も、あるいは残念ながら立ち直せないと、立ち直れないという業種あるいは企業、これはまことに残念ではあるけれども出てくるかもしれない。我々はその対策を考えなぎゃならぬ。そのために特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法をつくり、金融的措置を暫定的にそこで支えると、手助けをするということをやっておるわけであります。 それでは足らぬと、もっとやれという御意見もございます。私は速やかに今の予算を御承認いただいて、まずやれるものを先にやらしておいて、足りなければまた追加の措置というものは幾らでもできるわけですから、本体がまだ上がりもしないうちに追加の話ばかりしたって、いつまでたったってこれは本体上がらぬということになっちゃいますので、とりあえず現在の予算を年度内に御承認をいただいて、それをまず執行すると。それで公共事業等も前倒しを行う、あるいは住宅減税、投資減税等の法律が出ておりますから、これも御承認をいただいて直ちに適用すると、そういうことをまずやってみることですね。 その上で、さらに公共事業がもっと必要であると、あるいはどういうふうなことをやれば内需拡大に現実的につながっていくかと。一遍にこれは、現場の仕事というものは、言ったからといってすぐ実行されるわけじゃありませんでして、例えば、農業関係の一兆円以上の公共事業などをやれと言われても、田んぼに水が張っている間はできっこないわけですからね。だから土地改良をやるといったって結局田んぼを休ませた部分だけしかできない。だから、これ幾ら予算つけてみたって執行できないわけですよ、現実の問題が。そういう部分もたくさんございますので、執行できるものをまずやる。 しかし、それは八割近いものを前倒しということになったら、到底それは九月までにそいつが消化できるかどうかわからぬ。急いでやりなさいと、設計が間に合うかどうかわからぬ、しかし急いでやりなさいと。できるだけのものは与えて、後半それによって仕事がなくなるという場合は、景気の動向とも合わせ、それはもう何でもやるんですよ、何でも。できる限りのことを何でもやる、私はもうそういう意見なんだ。 具体的に何だと言われても、それは今ここで言うと当たりさわりがあるから申し上げませんが、それはもういろいろまだまだ金融の面から何からあるわけですから、こういう異常事態ですから、異常事態には異常な対応をするほかないわけでありますから。ですから私は、日本がもう一回この円高を乗り切っていくための方策は、これはもう何でもやるということが大切であると思っております。
○福間知之君 大臣の日常の持論をとうとうと述べられたわけで、これは私、特に反論しませんけれども、同感の面もありますが、より私たちはもっと積極的、具体的な措置を要求をしておりますし、現に公共事業費の予算が前年、昨年に比べて二・三%減っているんですよ。中曽根さんが四年前に政権をとって、最初に手がけた予算に比べても絶対額で四千三百二十一億円減っているんですよ、公共事業費。まだ日本の社会的な基盤整備、インフラストラクチャーが随分おくれている国で、なぜ公共事業費を減らさなきゃいかぬのかというふうな素朴な疑問があります。 それは東京湾に横断道路を今度かけるとか、明石に橋をかけるというのは、これは一点豪華主義的な大きなプロジェクトです。それも結構です。悪いとは言いません。しかし、それで期待できる経済的な波及効果というのは、それは三百兆という大きな世界の一割経済を引っ張っていくには余りにも弱過ぎる。もっと広く浅く、やっぱり公共的な事業を喚起すべきである。その上に民間の資金がオンして景気が上昇していく、こういう図式になるんじゃないかと私も思うんですけれども、その議論はここで余りやりたくありませんがね。 そこで平泉経企庁長官に、今の議論をお聞きいただいておって、先般大分御苦労されて、ボルドリッジ商務長官ほかアメリカの議員なんかとテレビ会議やっておられた放映を私見たんですけれども、なかなか流暢な英語でしっかりやっておられて私も感心したんですが、今の議論を聞かれて、あのテレビ会議の話などを含めてどういう御感想をお持ちですか。
○国務大臣(平泉渉君) 今段々のお話をよく承っておりまして、もちろん政府側の意見よく尽くしておると思いますが、先生のおっしゃるとおり、やはり日米両国の間には非常に国情の差がある。アメリカの経済政策というのは、相当ある意味では思い切った経済政策をとってきたわけでございますね。その結果、やはり一番大きく無理がかかったのは金融の面で無理がかかってきているわけですね。ですから、ああいう高金利の状況というものがやはり日本の経済、資金が向こうへ流れるということがありますから、我が国も高金利をとらざるを得ない。こういうふうな世界全体に一つの高金利状況が生ずるというような中で非常な無理が起こったと。貿易の大変なインバランスというのもそういう経済のファンダメンタルズと関係がありますので、そういう点がやはりだんだん是正されてくるという中でないとなかなか一国だけでは調整がとれない、こういう問題があろうかと存じます。 そういう意味では、現状、今、去年の秋ぐらいから行われています為替調整と、さらには為替だけでない金利の調整ということも段々お話しのとおり非常に大きなこれはいい進歩ではあるまいか、かように考えておるわけでございます。 我が国もこれだけ金利が下がってまいりますれば内需振興には大きなメリットが出てくると、かように考えますので、ことしはなかなか難しい経済運営の年ではございますが、諸般のそういう要素を十分考慮に入れながら大いに頑張っていかなきゃならぬ年であると、かように考えておる次第でございます。 先生の段々のお話は大変参考にさしていただく次第でございます。
○福間知之君 時間がございませんので、円高差益の問題にちょっと触れたいと思うんですけれども、円高差益の還元については百家争鳴のような観を呈していますが、けさの通産省の考え方の発表というのが大臣の写真入りで載っていますけれども、公式にこういうことで当局としての見解を 決定されるのかどうか。今いろんなことを言われていますわね、藤尾政務調査会長のような発言もありますしね。これについて政府の統一的な見解というのはいつ明らかになるのか、国民は強くこれを期待して待っていると思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私の方で統一したことを話してないものですからね、抽象的なこと以外は。だから、各社みんな違うわけですよ、これね。各社みんな違った数字を出しているということは、通産省が流したということじゃないということはおわかりいただけると思います。 私の方は、要するに円の行方を今こうずっと見ているわけですよ。どこらのところで——それは二百円なら二百円で決めちゃうというなら簡単なんですよ、二百十円ぐらいで決めちゃえば簡単です。円がどこまで強くなっていくのか、できることだったらどこで安定するのか、これを見ているわけです。何ぼでそれじゃ、一年なら一年間を予測するわけですから、これから。でも予測間違ったら下げた円がまたすぐ値上げたと、下げるのは簡単だけれども上げるときは容易なことじゃない。だからそこを一つ見ている。 しかも、次は石油ですよ。石油も、まあ二月半ばまで入ってきているやつは二十七ドルで、今、二月ごろまで入ってきているのは二十七ドル。十五ドルだ、十一ドルだという、スポット買いとしてぽつりぽつりそういうのはあるかもしらぬけれども、大宗として来ているのは、高いのが今どんどん入っているわけですから。ですから、これはそんな高いままだったら余り下げられない。もう少し実際は下がるはずなんだ、だけれどもOPECの会議も今やっておる、これもどういうふうな落ちつき方になるのか、そこが決まらぬというと、基準点が決まらぬわけですから、要するに還元幅が決まらないわけですね。少しやるんならできますよ。安全係数見て少しやるんだったらできますが、どうせやるんなら、年に何回もちびちび、そんな何回も動かすということはしたくない。 ですから、多少おくれても、安定した、安全な方法でなるべく多く還元できるような見通しがつけられることがいいのではなかろうかと考えておりまして、そうしますというと、やはり五月中にははっきりした結論を出すというのが一番早い方ではないかなと。そうすれば、この四月がありますから、四月いっぱい見れば落ちつく先が大体わかると思うんです。そういうことで、仮定の計算はいろいろございます。ございますが、そういう考えでやっていきたいと思っております。
○福間知之君 きょうの新聞の発表は、一つのこれは仮定の計算だ、こういうことなんでしょうかね、これ。しかし、かなり具体的に記事としては書かれていますよね。昨年の、六十年度の分は別にしてという前提で、六十一年度で電力の九社で一兆二千億円ぐらいの差益に達するんじゃないかとか、あるいはガスの東京、大阪等三社で一千億円ぐらいに達するんじゃないかとか、そのうちの六、七〇%程度は還元すべきだ、各需要家あるいは家庭に還元すべきだという還元の方法論についても基本的な考え方を持っておられるようでございます。その実施の時期は五、六月以降ぐらいになるかしりませんが、かなり明確な仮定計算というような、考え方というものをここで出しています。これはうそだとは私は言わせませんよ、これだけ具体的に載っているんですからね。しかも、四月上旬の先ほどの総合経済対策の柱に盛り込むんだ、こういうところまで書いているんですけれども、これ、うそじゃないでしょうね。
○政府委員(野々内隆君) 実は私、きのう定例のプレス会見をいたしまして、その席上しゃべったことであろうかと思いますが、実は決まってないものですから明確なことを申し上げられなかったので、各社それぞれ推測をなすったんだろうと思いますが、例えば電力につきましては、月三百円と書いた会社、それから四百円と書いた会社、それからガスが二百円、三百円、それから数字が書けなくて五割以上七、八割とか、まあいろいろございました。実は、私もその記者会見のときに、いろんな意見がある、したがって、どうもどの意見にするかということについては今決められないんだということを申し上げました。 それから実施時期につきましては、実は大臣からできるだけ早くできないかというお下問がございまして、私ども今一生懸命、最も早くすればいつできるかという検討をしているということはプレスで申し上げました。五月一日というのはちょっと無理ではないかなというようなことを申し上げております。 そういう、私がどうも明確なことを申し上げられませんでしたので、各社それぞれお持ちの知識によって推測をなすったということではないかというふうに思っておりますが、基本的には、今大臣が答弁を申し上げたようでございます。
○福間知之君 時間が参りましたから終わります。
○梶原敬義君 通産大臣と経済企画庁長官の所信表明、施政方針につきましては何回か読ましていただきましたが、私は内容は別としましても、非常によくできていると思うんです。ぜひその実現方を最初にお願いをしたいと思います。 経済企画庁に最初にお伺いしますが、経済成長率等の見通しと実績が、昭和五十五年ぐらいから、私は若干の数字を持っておるんですが、その数字が大変見通しと実績の差が狂っているんですが、ひとつそこを、一体実績と見通しはどうなっておるのか、内需、外需別で、一体経済成長をこう持っていく、こういう見通しが狂っておりますが、その辺の数字と、一応経済企画庁についてそこら辺の状況についてお伺いをいたします。 あと、次々あるものですから、できるだけ私は質問を簡単にしますので、要点まとめて答弁をお願いいたします。
○政府委員(赤羽隆夫君) この経済見通しのパフォーマンスにつきましては、先生からは従来からもいろいろ御指摘を……
○梶原敬義君 日本語でやってください、私は英語はよくわからぬから。パフォーマンスとか言ったってわからぬ。
○政府委員(赤羽隆夫君) はい。成績につきましては、従来から先生からいろいろ御指摘と御指導をいただいておるところでございますけれども、確かに過去数年間の経済見通し、当初見通しと実績を比べますと、必ずしも成績はいいものではないと言えると思います。 それでは、五十五年度から申し上げたいと思います。五十九年度までの確定実績が出ております五年間について申し上げます。 まず、五十五年度につきましては、当初見通しにおきまして四・八%と見ておりましたのが四・〇%、これは五十五年基準、新基準でございます。その当時の基準でございました五十年度基準でございますと五・〇%。内需、外需の内訳でございますけれども、内需が三・〇%、外需が一・八%と見通しておりましたのが、五十五年基準で申しますと内需一・〇%、外需三・〇%ということになります。 五十六年度につきましては、五・三%の見通しが三・三%。以下、新基準で申し上げます。内需、外需の組み合わせは四・〇、一・三が二・一と一・二。 それから五十七年度、五・二の当初見通しが実績では三・二。内需、外需は四・一、一・一が二・七と〇・五。 五十八年度、三・四の当初見通しに対しまして三・七。内需、外需が二・八と〇・六。これが実績では二・二と一・五。 五十九年度、四・一の見通しに対しまして実績では五・〇。内需、外需では三・六、〇・五が実績では三・七と一・三ということになっております。 それぞれにおきまして見通しが違った要因を事後的に分析ができるわけでございますけれども、全体として内需の寄与度が当初見通しを下回っている例が多いように思います。これは、我が国経 済が第二次石油危機の影響を直接受けたことに加えまして、対外面で申しましてもこの米国経済を中心といたします世界経済の変動が非常に大きかったこと、また高金利の影響を受けたといったようなことがあろうかと思っております。こうい父ことがございまして、当初見通しを下回るケースが多かったわけでございます。 ただし、五十九年度につきましては、実績が当初見通しを上回る結果になっております。
○梶原敬義君 そうすると、六十年度の大体見込みと六十一年度の経済見通し四・〇%の内需、外需のその内訳をお願いをいたします。
○政府委員(赤羽隆夫君) 六十年度につきましてはまだ実績が出ておりません。実績見込みの段階でございますけれども、当初の見通し、これは五十年基準、旧基準によるものでございました当初見通し、実質成長率四・六%でございましたのに対しまして、実績見込みは四・二%ということになります。それから内需、外需の寄与度でございますが、四・六に対しまして内需が四・一、外需が〇・五。これに対しまして実績見込みでは内需が三・四、外需が〇・八、こういうことになっております。 それから、六十一年度につきましては、実質成長率四・〇、これに対します内需の寄与が四・一。それから外需の寄与度がマイナス〇・二、四捨五入の関係で両方合計をいたしまして四・〇となります。
○梶原敬義君 そこで経済企画庁長官に聞きますが、今言われましたように、経済見通しの中で特に内需を見込んだ分が全部昭和五十五年、特に中曽根総理大臣になってからずうっと見通しと大きな狂いが出ております。しかし、五十九年度だけは例外だと、こう言っておりますが、これはレーガンの選挙を前にアメリカの景気対策をやった、その影響が日本にずっと流れ込んできて、その分が内需に結びついた。結局実質的には非常に可処分所得が落ちて内需が冷え込んだ、そういう状況がずうっと出ていると思うんです。しかし、一年や二年内需の見通しと実績が狂ったという、一年や二年ならそれは別ですが、ずうっと狂っているんです。これは明らかにやはり経済政策の失敗ではないでしょうか。したがって、その点について一体どうお考えになるのか。 それから、六十一年度の見込みは四・〇一%の経済成長に対して内需が四・一、外需がマイナス〇・二。これはこういうことで六十一年度自信があるのかどうなのか、今のこの円高不況の状況の中で。この点について大臣からひとつ答弁をお願いします。
○政府委員(赤羽隆夫君) 大臣からお答えをいただきます前に、私から事前に申し上げたいと思います。 先生からはいつも見通しと実績の成績につきまして御指摘をいただいております。その都度私どもも大変適切な、また耳に痛い御指摘ということで、今後とも一層経済分析の能力を高めるとともに、実績見込み、それから予測、こういう段階につきましての予測能力の向上に研さんをしていきたいということを申し上げている次第でございます。今後ともそのようにしていきたいと思います。 それから、六十一年度につきまして、もっぱら内需によって四%成長が実現する、外需はむしろマイナスの寄与度になるという点でございますけれども、これは従来も円高の時期をとってみますとこういったような姿になっております。五十二年から五十三年度にかけましての経済成長率の内訳を示してみますと、同じように内需中心、もっぱら内需による成長ということになっておりまして、我々の六十年度から六十一年度にかけましての状況認識からいきまして、もっぱら内需による四%の成長というのは十分に達成可能だと考えております。 ただ、現時点におきまして若干考慮しなければいけませんのは、原油安の影響ということがあろうと思います。伝えられておりますように、原油が十ドルあるいはそれ以上も安くなる、こういうことになりますと、その面から外需の面でプラスの効果があらわれてくる、こういったような点はあろうかと思いますけれども、昨年末において六十一年度の見通しを立てる場合に前提といたしました二十七ドル程度の石油価格、こういう前提のもとでは、外需の六十一年度経済に対する寄与はマイナスになるものと、このように理解をしております。
○梶原敬義君 ちょっと、大臣に答弁をいただく前に今局長からお話がありました。 ただ、局長は担当者として見通し、予測能力の問題でその点について今お話がありましたが、しかし、これは閣議でこの「見通し」というのは確認をして、そして予算も編成するわけですから、それは一応出して閣議で予算を組む以上は、これはあなたたちの責任じゃなくて結局内閣にあるわけでしょう、この見通しについては。その点をひっくるめてひとつ大臣から答弁をお願いします。
○国務大臣(平泉渉君) おっしゃるとおり、このいわゆる「経済見通しと経済運営の基本的態度」というのは閣議で決定をいたしまして、そういったことの上で予算案を立てるということで、やっぱり予算案を立てる前には、一体経済がどうなっていくのかということが見通しが立たなきゃいかぬと、こういうことでございますから、政府としては全力を挙げて正確な見通しを立てると、こういう努力をいたしておることは御理解を賜りたいと思うわけでございます。 その意味ではもちろんいろいろ予測が違うということは決して望ましいことではございませんが、ただ御承知のとおり、先ほど福間先生とも段々お話がございましたが、現在の世界経済というのは非常にお互いが込み入っておる経済でございまして、我が国の政策運営というものとやはり世界の主要な国家、殊に我が国の経済のような世界の主要経済と相なれば、アメリカ経済の動向というものはもう切り離すことができないお互いの関係がある。そういう中でやはりアメリカ経済の動向というものが我が国の経済の見通しに大きな影響を与える。アメリカの経済政策が我が国の例えば外需を非常に引っ張る効果をもたらす、通常の経済運営というものが大きな引力に引っ張られると、こういうことはやはりあるわけでございます。 私はすべてがそうと申すわけではございませんが、例えば今申し上げておりますような対外経常収支、主としてそれは貿易収支のインバランスというものはどこから起こってきているのか。それがやはり内需、外需の全体の総体におけるパーセンテージを変えていくわけでありますから、そういう点につきましては、先ほど私が申し上げたような問題もあるということをひとつ御理解をいただきたいということでございます。
○梶原敬義君 そう言われますと、私もちょっと引き下がれないんですがね。 結局国際環境が複雑だから政府の計画と実績が違うと、こういうことを今言われましたけれども、しかし、今言われましたように、昭和五十五年からずうっと見まして、政府が立てました見通しよりも内需の落ち込みが大きい。一年や二年なら別ですよ、ずうっとですからね、毎年毎年。これは社長ならこんな見通し立てたら、社長は幾ら状況が変わったからおれはもうしようがないんだなどと発表したって、これは株主総会で何年も社長続けられないですよ。中曽根内閣、これは結局内需の見通しが、内需をこれだけやるというのは、これだけ政府が方針を立ててやったのががたがたがたがた落ち込んでいるというのは、これはアメリカの国際環境が悪かったからしようがないというような話ではこれは常識では通りませんよ、大臣。 その点については、私は時間がありませんから、ぜひ六十一年度においてはそういう意味では一体内需の拡大をどのようにどうやっていくのか。先ほど福間議員の方からもありましたがね、どうもわからないんです。その点について内需の拡大をやる具体的な、こうやるから内需が四・一%ですか、こうなるんだと、さっき言われました 数字四・一%になるんだと。この辺のことをもうちょっとわかりやすく……。私も帰って選挙民に言いますよ。政府は内需拡大四・一%と、それは厳しい環境の中ですると、具体的にこことここと、こうするからこうなるんだと、こう言うのですが、ちょっとわかりやすくひとつ言ってくれませんか。
○政府委員(赤羽隆夫君) 四%の経済成長率を立てるに当たりまして、私どもとしては「経済運営の基本的態度」、これにおきまして内需拡大というものをその中心に置いているわけでございます。 具体的な施策といたしましては、昨年の十月の十五日に、「内需拡大に関する対策」というのをまとめました。この場合十月の半ばという時点もございまして、税制改正にかかわるものというのは年末の六十一年度予算編成の過程に譲られたわけでございまして、これが年末、十二月二十八日に発表いたしましたいわゆる内需拡大策の第二弾ということになります。この第一弾、第二弾を踏まえましてその見通しを立てているということでございます。 具体的な点で申し上げますと、例えば公共事業費でございますが、一般会計の公共事業費は二・三%でマイナスということでありますが、財投等を中心といたしましていろいろな工夫をして、事業量としては四・三%の増加ということで公共事業の拡大を図るということがございます。さらに加えまして、住宅減税につきましての新方式の導入でございますとか、民活を中心といたしましての法的な制度の整備を含めた環境整備、こういったようなものを含めて考えているわけでございます。さらに加えまして、その当時公定歩合を幾ら下げるといったような具体的な想定をしたわけではありませんけれども、当然六十年度から六十一年度にかけましては金利は低下傾向、金融は一層の緩和傾向ということで、金融、金利の低下傾向の効果も織り込んである、こういうことでございます。 先ほど申し上げましたように、専ら内需を中心とした四%成長という形になっておりますのは、これは円高の効果というものも考慮に入れて、外需の成長に対する寄与を若干ながらマイナスに見込んでおるということでございます。こうした経済運営の基本的態度において期せられております内需拡大の対策というものを前提として内需主導型の経済見通しを作成したということでございます。
○梶原敬義君 どうも前からずっと見通しを立てちゃ全部ほとんど狂っている、例外はアメリカの大統領選挙の前後だけですか。ですから、よっぽどこれは本当に真剣になってやらなきゃ、日本のやっぱり特に中小企業、そこで働く労働者、これはもう大変ですからね。特に地域的に東京とか東海とか、有効求人倍率の非常に高いそういう地域はまあまあいいかもしれないけれども、私の出身の九州とか北海道なんというのはこれは大変なんですよ。 そこで、民活とかあるいは公共事業で今お話がありましたが、東京と千葉の間に橋をかけたり、あるいは明石大橋をやったり、あるいは新大阪空港をやったり、そういう大型プロジェクトに金がずっと集まるような計画を組まれておりますが、有効求人倍率が〇・三%前後、そういう地域もいっぱいあるわけなんです。そういう地域と、こういう黙っていてもまあまあ経済が舞うような地域と、こう二つあるんですが、そのいいところに、どっちかというと内需拡大の民活の力、その民活だって政府は相当政府資金も出すでしょうが、そういう方向に集中をしているように最近の政府の方針というのはなっておるわけでありますが、この点について、甚だ何といいますか、地域の不均衡助長につながるわけですから、一方では過疎がどんどん進む、過密にどんどんなる、こういう状況ですから、この点については一体どう考えておられるかお尋ねをいたします。
○政府委員(赤羽隆夫君) 政府といたしましては、地域経済の動向等を見守りながら引き続き機動的な経済運営に努めていく、これが基本的な考え方でございます。 具体的に申しますと、公共事業費の地域配分に当たりましては、従来からそれぞれの地域の社会資本の整備状況、事業の優先度等を勘案することを基本としつつ、経済事情等地域の実情をも念頭に置いて適切に配分する、こういうことになっておりまして、今後とも適切に対処してまいる所存であるというのが私どもの理解でございます。
○梶原敬義君 それは口では、公共事業をそういう過疎地域、あるいは非常に雇用率、中小企業の倒産も多い、あるいは有効求人倍率などでも非常に低い地域には重点配分すると言うけれども、聞いておる範囲においては、それは何かちょこっと継ぎ足したぐらいなもので、大してそれが私が今言っているような地域の均衡ある発展に寄与するような内容にはなっていないということを強く強調して、きょう両大臣おられますからひとつ、答弁要りませんから、真剣に閣議でもうちょっと物を言っていただきたい。 さて、内需拡大のところで、いろいろ四・一%の問題で公共事業とかあるいは財投資金をつぎ込むとか、住宅、民活、公定歩合、こういう話をずっとされましたけれども、私はやっぱり肝心な国民消費の六〇%を占める国民の所得の実質所得、可処分所得になりますと社会保険料とかあるいは健康保険とか、そんなもの、税金をどんどん引かれていったら、可処分所得というのは御承知のように余り伸びていない。ここを一体どう伸ばすかということを抜きでやってきた。それが結局ずうっと内需の、先ほど政府が言っている見通しとの間の狂いにも私はなったと思うんですよ。 だから、所得税の減税については、やっぱり経済閣僚であります両大臣が閣議でもっと積極的に物を言う。どうも新聞を見てもそんな発言全然してないんだな、ほかのことばかりやっていて。ですから、そこをひとつ強く、この所信表明の演説の中にはそういう国民所得を一体どう上げていくか、あるいは春闘前ですから、もう少し賃金の払えるところはたくさん賃金を払え、払ってもいいじゃないかと、こういうような物の言い方をやっぱりしていただきたい。 先般の、前の国会における金子経済企画庁長官は、私も住宅問題で大分議論しました。激しい議論もいたしましたけれども、その後私が新聞を見ておりましたが、閣議あるいは総理大臣に対しましてやっぱり住宅政策には力を入れろと、こういう話をずっとされたのを記憶しておりますが、今まさに問題は、国民の勤労者の所得を一体どう引き上げていくか、そして中小企業非常に厳しいですが、それを一体この円高の中で、もう少し明るさを取り戻すようにどう手を打つか、これが課題だろうと思うんですが、この点について通産大臣と企画庁長官にお尋ねをいたしまして、次に移ります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はもうかっているところは適正な配分が行われて大変結構なことであろう。それは労使間で決めてもらって、ことしから変わったんじゃないんですか。去年までは鉄主導とかなんとか言っておったが、ことしは別なようなことをやるような話ですが……
○梶原敬義君 後で数字をまた持っていきますよ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そうですか。ですから、それはまあ労使間でやってもらう、政府は干渉はしない。私は労働者連帯とかばかり言わぬで、そういうところは差があったってもう仕方がないんじゃないか、私は個人的にそう思っております。特に賞与なんかの問題のときは差が出ても、好況不況の場合は仕方がないんじゃないか。ですから、皆不況の方へ右へ倣えしなくたっていい話でありますから、それはほどほどにひとつ生産性の範囲内で行われることであるならば結構なことである。 中小企業の問題につきましては、これは中小企業といっても千差万別でありまして、一概に中小企業向け景気対策というのはなかなか言うべくして難しい。国全体の景気が上向けば中小企業もそ の中に入るということしかないのではないか。景気対策というのは各国どこでもこう言っているんですよ。我々の国際会議でも、もっと景気をよくしなさいと言うから、それじゃあなた方の方も自分でおやりになったらどうですかと、失業者の一〇%も出していないで。日本にそういうことをおっしゃるならば、あなた方の国でもちゃんと内需拡大をやって、ちゃんと失業者を救って、景気をよくしておやりになったらいかがですか、できますかと。なかなかできないんです、これは、どこの国でも。世界の経済はつながっておりますから、なかなか一国だけで今自分の経済を自由に寝せ起こすということは、中国、ソ連のような社会主義経済ですら今世界の景気に左右されるというような状態なんですね。 だから、その中で、限られた幅の中で最大限何をやろうかというのが今回の予算なんです。しかし、それでもやってみて足りない部分は、また限られた範囲ではあるが、何でもできて効果のあるものはやるということが私は必要だということを申し上げているんです。
○梶原敬義君 御発言中ですが、僕が聞いているのは減税の問題と賃上げの問題に絞って。閣議で言っていただくのはもう答弁要らぬと、こう言ったんですから。時間ないんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 減税の問題につきましては、政府としての統一見解があるんです。これはもういろいろ話をしました結果、税金の抜本改正、大幅所得税減税を含めた税制の抜本改正をやろうと。それが今、大がかりなものですから、もうつまみ食いでなくて、それはもう税制調査会にも諮問を総理がやっておるわけでありますので、それが一つ。 それから賃上げの問題については、今言ったように、閣議で我々がいっぱい賃金出せというようなことなどはなかなか言いづらい問題でございます。
○国務大臣(平泉渉君) 大体通産大臣が言ったところで尽きておりますが、税金の問題は通産大臣の答弁したとおり、大蔵省において今慎重に審議をいたしておると、こういう段階と承知をいたしております。 それから、我が国における賃金の最近の情勢という問題でございますが、御承知のとおり第一次オイルショック以後非常に賃上げが激しいということがありまして、それが企業の体質を弱めたという問題も一つあるわけですね。それ以後企業の態度というものも非常にそれを何とかまた取り返して投資をしていかなきゃならぬと、こういう問題もありまして、その辺の労働分配率の動きがいろいろに変わっておる、最近の状況はですね。そういう点を我々非常に注意して見ておりまして、まあひとつ妥当な分配をやっていただくことは可能であるだろう、こういうことを我々も経済審議会の中で御報告をいたしておる。今そういう点で労使間の交渉がそういう合理的な線で行われるということを我々は期待をしておるわけでございます。
○梶原敬義君 その点はわかります。要するに、減税問題につきましても、私が言いたいのは、内需が非常に落ち込んでおりますね、ずっと落ち込んでいる。しかも国民生活は非常に厳しい。だから減税についても二人の閣僚の大臣は、私が言ってもらいたいというのは、確かにそういう減税は、この前予算委員会の応酬もああいう形で手を打ちましたが、それはそれとしても、勤労国民の実質所得が、国民の実質所得が伸びるような形の減税でなきゃこれは意味ないと思うんです。 だから、そういう観点で私は賃金の引き上げについても、これは経営者の皆さんに向かっても、通産省が所管している各企業に対しても、出せるところは出せぐらいの話はそう遠慮をすることは私はないと思うんです。減税についても私はもう答弁要りませんから、そういう方向でひとつ皆さん方としては強く、とにかく国民の実質可処分所得というのは伸びていないんですから、伸びるようにひとつ強く経済閣僚として頑張っていただきたいと思います。 それから円高の問題でありますが、私は六十一年の二月の十四日の特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の法律を審議するときちょっと申しましたが、円高の状況というのは、日本の経済の競争力が非常に強いのがこのもとにある。それで結局はそれが一番基盤になっていると思うんですが、果たして日本の状況を見ますと、労働時間でいきますと、一九八四年で見ますと、日本の労働時間が二千百八十時間、フランスは千六百四十九時間、西ドイツが千六百五十二時間、アメリカが千九百三十四時間、イギリスが千九百四十一時間、こういうところと経済競争をやっているわけで、日本は勝つわけです。アメリカやイギリスに比べまして、一年のうちに一カ月間、三十日間ぐらい余分に日本は働いている計算になっているんですよ。 しかも、まあ輸出競争力の強い先端産業の中の部品納入業者や資材納入業者は全部下請をたくさん抱え込んでいる。ここの労働条件はもっと悪い、もっと悪いですよ。労働時間も賃金も非常に親会社と比べて悪い。これが結局今日本の経済競争力を強めている基盤になっている。経済白書を見てもここのところを一体どう直していくかとか、あるいは政府の中でも、特に下請関連の劣悪な条件なんかについては全然分析がなされていない。だから、労働時間を短縮していけば、円高、G5で介入したりなんやらせぬでも、もう少し日本の商品の輸出競争力落ちますよ。 労働時間をやる場合には、個々の企業に任せるんじゃなくて、やっぱり中小企業はどこかが休んでおると。どこかが飛び抜けて、出し抜いてほっと働くと利益はそっちが持っていくから、それは地方では競争しているんですから、一社だけ休めと言ったって休まない。やっぱり何らかの形で法律をつくって労働時間の問題やなんかは短くしていくような形にしないと、結局それは今のようなやり方でやっていてはそうならない。だからここのところが問題なんです、ここのところが。ここのところを一体どう考えておるのか、ちょっとお考えを承って次に移ります。
○政府委員(福川伸次君) 今労働時間の点御指摘ございました。国際比較は先生お話のとおりでございます。 むしろ、今後日本も創造的な部門にその能力を振り向けていかないとすれば、自由時間の増大というのはそういう意味でも重要でございます。あるいはまた消費の拡大という効果も期待できるわけでございます。 したがいまして、今後いろいろこの労働時間の短縮について、例えば週休二日制の推進といったようなことについて国民的な合意を目指していくということが重要であろうと思っております。もとより、これも労働条件の一つでございますから、労使間で適切なる対応をとるということでございますが、我々としては、現在置かれている諸条件を情報提供という形で労使に投げかけ、そういった労働時間短縮への合意ができるような形にしてまいる必要があろうかと存じております。
○梶原敬義君 答弁要りませんが、私は、今の状況というのは、いわば太平洋戦争前のソーシャルダンピングという指摘をされましたその状況と非常に似ている、等しいというか似ていると思う。今そういう労働時間一つ見ても、あるいは下請や関連企業のことを見てもまさにソーシャルダンピングですよ、よそから、海外から見たら、客観的に見ましたら。 ここのところを一体どう直すかという問題については、私はやっぱり真剣に、企画庁長官横を向いておりますが、真っ正面向いて、真っ正面からこれはひとつ考えていただきたいと思います。 次に移ります。 円高で、とにかく円高でプラスもあるしマイナスもあるとよく政府も言われますが、石油とかあるいはガスとか石炭とか、そんな問題わかっております。 きょうちょっと農林省においでいただいておりますが、小麦の関係と、それから食肉、それからエビ、この関係で、一体円高でどのくらいもうか っておるのか、プラスになっておるのか、その数字をちょっと教えてください。
○説明員(日出英輔君) 初めに小麦につきましてお答えしたいと思っております。 小麦につきましては、先生御案内のとおり、政府の管理物資でございます。そこで、為替レートの影響というのは、予算で用います支出官レートと、私ども政府が買いますときの契約レートとの差でお話をいたしますと、実は六十年度は円高差益は発生をしない見込みでございます。これは年度前半の円安が響いております。 それから、六十一年度でございますが、今後の為替レートの推移とか、穀物相場とか、その他いろいろ不確定要素がございますが、念のため平均の為替レートを六十一年の場合、仮に百八十円ということで仮定をいたしまして、支出官レートを二百九円で計算をいたしますと、百九十億円程度の一応差益が出るということに計算はなるわけでございますが、何といいましても穀物相場等が動きますと、これがどんどん変わってまいります。 ちょっと二日つけ加えさせていただきますと、結果的には麦の政府売り渡し価格の問題になろうかと思いますが、麦の政府売り渡し価格につきましては、今申し上げました外麦のコスト価格のほかに、国内麦の価格でございますとか、それから消費者米価などのそういった経済事情を総合的に勘案して、参酌して計算をすることになっておりまして、為替レートの変動による輸入小麦の価格変動が直ちに政府売り渡し価格に反映するという仕組みになっていないということは御存じのとおりでございます。
○梶原敬義君 あとのことはいいですから、その差だけちょっと。
○説明員(渡辺好明君) 牛肉でございますが、これから原産地の価格がどうなるか、またオファーがどうなってくるか等、なかなか予測は難しいわけでございますけれども、いろいろな前提を置きまして、仮に一ドル百八十円という水準がこれから先も続くという仮定で計算をいたしますと、牛肉全体一年間で二百億円強になるものというふうに推定いたしております。
○説明員(竹中美晴君) 次に、エビの関係でございますが、これらにつきましては、国家貿易品目でございます小麦とか、あるいは畜産振興事業団がその大部分を扱っております牛肉とは多少性格の異なる面がございます。 エビの場合は、需給の実勢に応じまして、市場メカニズムの中で価格が決定されるという面がございまして、価格決定要因にも非常に大きな不確定要素がございます。したがいまして、どの程度の円高差益が生ずるか、この算出は極めて困難でございますが、あえて試算を行いますと、いろいろ前提条件を置きまして円高水準が百八十円程度で本年中推移しますとか、あるいは輸入数量は前年並み、円高分の半分程度は現地価格の上昇に食われる、そういうような仮定を置きまして、あえて大胆な試算を行いますと、年間四百億円程度というような数字が出てまいります。
○梶原敬義君 どうも農林省ありがとうございました。 いろいろ言うつもりはないんですが、ちょっとその前に、小麦の関係は二百九円と百八十円の差ですかね、今。これはちょっと少ないと思うんですよ。常識で言いますと、この前小麦の値段を上げたのは五十八年二月ですから、その当時の大体二百四十円かそこらとの差でいくとどのくらいになりますかね、二百四十円との差で。
○説明員(日出英輔君) ただいま手持ちの数字持っておりませんが、実は先ほど申し上げましたように、政府の管理物資でございますから、計算は予算で使います支出官レートとの関係を使いまして計算をするわけでございます。私は、先ほど申し上げましたように、例えば六十年でございますと、契約のレートが二百四十円ぐらいになってしまいます。そういう意味で、先ほど六十年度は円高差益が出ないというふうに申し上げたわけでございます。六十一年度は、また予算で二百九円という支出官レートを用いておりますので、その二百九円と今百八十円との差で計算をしたのが百九十億円だというふうに申し上げたわけでございます。
○梶原敬義君 だから、それは普通電力なんか計算するときは、二百四十円と百八十円ぐらいの差で計算しますから、これ二百九円じゃなくて二百四十円でした場合に、これは単純計算すればすぐ出ると思うんですが、どのくらいになるんですかね、これでプラスがあったとかどうこう言うんじゃないですよ、参考までに。
○説明員(日出英輔君) ざっと計算をしますと、十円違いますと食管の小麦の関係でいきますと六十五億円ほど数字が動いてまいります。
○梶原敬義君 わかりました。 実は私は、もう少し時間があれば、こういう問題について基礎の数字かなんかも一緒に今ここで議論をしたいんですが、確かに小麦もそういう食管会計の中ではプラス面が出る、牛肉も出る。しかし、なかなかそれが国民生活にプラスにははね返ってこないような仕組みになっております、エビを除いてね。 ですから、この点について一体どうするのか、将来特に経済企画庁あたりが中心になるのでしょうが、ひとつ考えていただきたい。また日を変えまして、少し私も資料を集めて質問させていただきたいと思います。農林省ありがとうございました。 それから、フィリピンに対する対外援助の問題につきまして、私は最近新聞やテレビを見ておりまして、どうも不可解でなりませんが、通産省の関係で六十年度あるいは六十一年度、特にここ数年一体どのくらいの予算を組んで、どのようにそれが消化をされているのか、ひとつわかれば。 それから、外務省もおいでいただいておりますから、全体のフィリピン経済協力には有償資金協力と無償資金協力と技術協力と、三つありますが、それ別に、そして合計が一体どうなっているのか、その点について最初にお尋ねをいたします。
○政府委員(黒田真君) 私ども独自で固有の予算の中からフィリピン向けに供与されているものといたしましては、研究開発の協力補助金というようなものがございますし、また資源開発の基礎調査というようなものがございまして、それらの合計は約二億円程度のものがフィリピンに向けて出されている。このほかに技術協力の関係で私どもの予算の一部が流用されておりますが、そのうち私どもの方からフィリピンに幾ら行ったかという計算はちょっと間に合っておりませんので、まことに申しわけありませんが、一応私どもの国有の予算は以上のような項目になろうかと思っております。
○説明員(林暘君) 先生御指摘の有償、無償及び技術協力についての数字を申し上げます。 有償資金協力、これは円借款でございますが、六十年度までの累計は約四千六百六十七億円でございます。無償資金協力につきましても六十年度までの累計で五百四十六・九億円程度でございます。技術協力につきましてはJICAが行っておりますが、六十年度の実績値がまだ出ておりませんので、五十九年度までの累計ということでお願いを申し上げたいんですが、三百八十一億円程度でございます。
○梶原敬義君 合計をいたしますと、有償資金協力が約四千六百六十七億、それから無償資金協力が、これはやりっ放しですが、約五百四十六億、それから技術協力が三百八十一億、こういうことですね。その合計は幾らになりますか。
○説明員(林暘君) 今足し算をちょっといたしましたが、五千五百九十五億円程度になろうかと思います。
○梶原敬義君 通産省もしわかれば、外務省でも結構ですが、フィリピンにこういう援助をしますが、援助をした場合に、結局プロジェクトを組むとかいろんな仕事をするわけですが、必ず日本の企業がほとんどその仕事を注文をとって、受注をして仕事をすると思うんですが、その辺のやり方についてなかなかわかりにくいので、ひとつ教えていただきたい。そして、フィリピンにどのくらいの日本の企業が進出しているのか、その二つを お尋ねいたします。
○説明員(林暘君) 援助のやり方の方を御答弁申し上げます。 援助の場合に、先ほど申し上げましたように、無償資金協力と円借款の有償資金協力とがございますが、無償資金協力につきましては特別なものを除きまして日本の業者に発注することになりまして、日本の業者間で入札をしております。円借款の方につきましては、フィリピンは一般アンタイドの対象国でございますので、原則として一般の国際入札によって契約が決められております。
○梶原敬義君 企業数。
○政府委員(黒田真君) ただいま御答弁がございましたように、この援助関係は、先方に資金が供与されて、それに基づいて一般国際入札に付せられるということでございまして、その中には我が国の企業も多数参加しておるはずでございますが、同時にその他の各国の企業も参加していると思います。現在そういったものにどのくらいの企業が参加しているかということについては、実はこれは先方のフィリピン側が行っている入札でございますので、私どもはその辺については承知していないわけでございます。 現在フィリピンに事務所等を有する日本企業についてはあるいはデータはあるかと思いますが、まことに申しわけありませんが、現在手元には有してはおりません。
○梶原敬義君 私は、昭和六十一年二月十四日発行の「週刊東洋経済」、これは外務省からいただいたんですが、「海外進出企業総覧」というのが、これは臨時増刊号ですが、「世界百二十カ国で活躍する日系企業一万社の最新データ」、こういうことで、この中でフィリピンの関係をちょっと見ますと、大変、フィリピンの日本側の企業、現地で企業をつくっている場合と日本が直接やっている場合、そんな数を見ますと九ページあるんです。一つに大体二十ぐらい、約二百社ぐらいあるんです。名前が全部載っておるんですよね。 結局これが、今新聞や何かでいろいろ報道されておりますように、私はちょっと今、朝日と日経しか持っておりませんが、きのうの朝日、日経の夕刊見ますと、「フィリピンのマルコス前大統領夫妻の資産調査のため米国を訪れているサロンガ氏(行政規律委員会委員長)は十八日、国務省から二千三百ページにわたる資料を受け取ったあとワシントン市内で記者会見した。」云々、こう載っております。その中で、再三テレビで言っておられますが、日本の企業がマルコスに大きいところは約七千万円、少なくて五百万ですか、何かリベートを渡したと、こういうふうな報道がどんどん流れておりますし、新聞に載っておりますが、その事実については外務省ですか、どう認識されておりますか。
○説明員(林暘君) 昨日の夕刊その他でそういう報道がなされておりますことは承知しておりますが、詳細な事実関係についてはまだ承知しておりません。
○梶原敬義君 経済企画庁が担当しております無償資金協力、こういうものも大変な額になっておりますが、経済企画庁はこの辺は、今そういう状況についてはどう把握されておりますか。
○政府委員(赤羽隆夫君) 経済企画庁が所管しております経済協力基金、これは円借、いわゆる円借款、有償の資金協力をやっておりますけれども、この場合基金がお金を貸しますのは、相手国政府に対しまして特定のプロジェクトに必要な資金を貸す、こういうことになっております。 具体的にその事業をどのような企業に注文を発するのか、これは相手国政府と企業との間の契約、これは国際契約によって落札したものが契約をするわけでございまして、これは両者の、両者と申しますのは相手国政府と企業との関係でございまして、私ども経済企画庁、また実際にお金を貸します基金として具体的にそうしたキックバックがあったか、リベートがあったかどうかといったようなことを知り得る立場にはございません。
○梶原敬義君 知り得る立場であるとかないとかいったって、これはそれならいいことですか、悪いことですか。その点ちょっと先にお尋ねします。 それから、通産省は、このような問題、国際的な問題になっておりまして、そういう時期に、特に通産省は業界の指導やなんかやっておるわけですが、そんな企業がどんどんやっておるんですが、一体どう把握をされておるのか、いかがですか。 ちょっと先に経済企画庁。
○政府委員(赤羽隆夫君) リベートというのは商慣習上いろいろ認められるものもあるわけでありますし、その範囲を超えたものもあるわけでございまして、それは私どもとして、きのうの新聞などに書かれておりますのが、そうした範囲を超えたものであるかどうか、あるいは事実としてそういうものがあったかどうか知り得ない立場にありますので、特にコメントできる立場にはないと思っております。
○政府委員(黒田真君) 従来から総合商社等はみずからの行動基準というものを決めておりまして、いやしくも非常に好ましくない行為を行うというようなことは十分注意を払って、取引の公正に努めるというふうにみずからを律しておりまして、我々もそういった考え方は結構なことだというふうに考えておりますが、個別の取引についてなかなかこれを我々が承知する立場にはない、残念ながらないということもつけ加えさせていただきたいわけでございます。
○梶原敬義君 外務省、通産省、経済企画庁、大蔵省、農林省は、今新しいアキノ政権になって、経済協力のあり方等に対する調査を兼ねて、ミッションを出していると思うんですが、その状況はどうなっておりますか。
○説明員(林暘君) 先生御案内のとおり、外務省の藤田経済協力局長を団長といたしまして、関係の省庁の課長をメンバーといたしますミッションが本日フィリピンの方に参っております。 目的は大きく分けて二つございまして、一つは、フィリピン側が今後経済再建をやっていく上に当たってどういう考え方でどういう計画を持ってやるかというフィリピン側の考え方を聴取すること。二つ目は、我が方の経済協力のやり方、仕組み、それから我が方の考え方をフィリピン側に説明して、今後の具体的なフィリピン側の要請につなげていただくという二つの目的を持って、本日マニラの方に行っております。
○梶原敬義君 それはきのうからの報道との関係の絡みもあって行かれたのかどうか。
○説明員(林暘君) 先生の御発言はサロンガ委員会の関係かと存じますが、その関係はございません。
○梶原敬義君 これは、私ども決算委員会に所属しておりますから、後日現地にも調査に行って、そして詳しく、あなた方今きれいなことばかり言っておりますが、私は全部調べ上げて問題を浮き彫りにする必要があると思う。これは貴重な海外援助で、こういうあり方についてはマルコス政権の延命のために手をかして、しかも反国民的なマルコス政権に手をかすようなやり方に一枚加わったことになるわけですから、これは全く政府も関係ないというわけにはいかぬです。この援助金が関係しているのですから。 大体私の漏れ聞いた話によりますと、これはアメリカの下院の筋からの話によりますと、丸紅がマルコスの故郷のバギオというところのサンロケダムをめぐって、これは円借款の関係ですが、鹿島とペアを組んで、そして優先順位が一位になっているのですよ。この丸紅がやっぱり名前が挙がっているということは聞いておりませんか。さっきのサロンガさんの資料の中に丸紅が挙がっているというのは聞いておりませんか。聞いておったら正直に言ってくださいよ。 それから、東陽が、やはりリベートの問題で東洋建設の名前が既にある程度出ているというのは聞いておりませんか。いかがです。
○政府委員(黒田真君) サロンガ委員会に今御指摘のようなことに関連のある資料が手渡されたという記事は承知しておりますが、その内容等につ いては、それを公表している、あるいは発表しているものとは承知しておりません。したがいまして、私どもも固有名詞については特別承知はしていないということでございます。
○梶原敬義君 ちょっといいですか。 外務省の経済協力局長藤田局長以下ミッションを組んで行ったという話、これはきょう立ったのですか。きのう立ったのですか。 ちょっと話ができ過ぎております。これは、計画はいつからあって、何てきよう行ったのですか、これは。
○説明員(林暘君) 日本から対フィリピン経済協力に関するミッションを出す件につきましては、三月の初めに外務省の梁井外務審議官がフィリピンに参りまして、アキノ大統領等とお会いした際に、日本としてその用意があるということを向こう側に提案し、先方からもそれを歓迎するとともに、その後早期に派遣をしていただきたいという要請があったことを受けて派遣したものでございまして、今先生御指摘のサロンガ委員会との関係で急遽派遣することになったものではございません。
○委員長(下条進一郎君) 時間が参っております。手短に願います。
○梶原敬義君 最後になりますが、この問題については、大蔵省も通産省も経済企画庁も関係が大ありでありまして、知らぬ存ぜぬじゃなくて、やっぱり事実かどうかすぐ飛んで行って、アメリカにも行くし、それからフィリピンにも行って、事実サロンガさんの持ついる内容や何かもチェックをして、いや今言われているようなことはないんだと、日本にも逆にそういう金が流れて今度来ているかもわからぬ、後から出るかもわからぬ、そんなことはないならないというものを早くやるべきじゃないの。対応が遅いと思うのだ。私はでき過ぎておると言うのは、やっぱり動きが早かったなと、こう見たんだが、そうでないというのなら。そこのところについて一体大臣どういうように対応するのか答弁をお願いして終わります。
○国務大臣(平泉渉君) 今、お話はまだ極めて情報が不足をいたしておりますから、すべてその問題は情報をよく十分収集をいたしまして、そしてそれを十分に検討した上で対処すべきものであると考えております。
○梶原敬義君 最後。情報をとるのが遅いと言っているのですよ。その情報を早くとるために一体どういう努力をするかというのです。最後に。
○国務大臣(平泉渉君) 特に遅いとも思いません。
○梶原敬義君 それなら何か出してください、持っているものを。
○国務大臣(平泉渉君) いやいや、そういう意味じゃなくて、今のフィリピンの情勢というのは、まだ政権が交代をして非常に忽忙のときでありますから、何も日本政府はそこで特別な行動をとることはできませんから、十分その中で、妥当なプロセスの中で得られる情報を集めるべきである、こういうふうに考えておるわけであります。
○委員長(下条進一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時四分開会
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○斎藤栄三郎君 通産大臣並びに企画庁長官のこの演説の要旨は熟読玩味いたしました。大変よくできていると考えます。その中で二、三の問題を御質問いたします。 第一は円高の問題です。去年の九月二十二日に二百四十二円だった為替相場が、現在平均して百八十円として計算をすると、去年一年間に我が国の輸入は一千二百九十五億ドルです。一千二百九十五億ドル。それで計算いたしますと、約八兆五千億、円高の利益が日本にもたらされるわけです。これはまさに神風であって、四億二千万トンの原料がそれだけ安く入るということは、日本経済発展の大きな基礎になるだろうと私は確信します。どうぞそういう方向で物を考えることが大事ではないかと思います。午前中の質疑応答で、けさの新聞に載っておる電力並びにガスの引き下げについてはまだ確定ではないということでしたから、希望を申し上げ、両大臣の御回答をお願いいたします。 私は、こういう神風的な利益があったときにこそ電線の地中化を進めるべきではないだろうかと思います。一キロメーターつくるのに五億円かかる。だから、大変手数もかかるし、簡単な方法としては電力料金の引き下げに走りがちでありますけれども、私はこういう機会にこそ、ふだんやれないことをおやりになるべきだと考えますが、この利益還元について両大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほども答弁をさしていただきましたが、結論はまだ決まっていない。しかし、電力というのはコスト主義で、法律がそうなっておりますから、やはりその需要者の問題を忘れることはできない。ただ、幅を幾らに見るかということによりまして、やはり日本経済に役立つような電力料金については値下げの仕方、それがいいだろうということで、各方面の意見を聞いておる最中でございます。 電線の地中化問題につきましては、現在でも、ことしから例年の五倍ぐらいにして、年間百キロメーター、一キロ大体四億円程度かかるそうでございますが、それを三年間でやろうということになっております。百キロでは四百億ということですね。それ以上にふやすというやり方がまた技術的な問題で、日本国じゅう一遍に道路をひっくり返すわけにもなかなかこれ現実問題としていかないでしょう。そういうような技術の問題ももちろんあるでしょうが、やはり非常に貴重な御意見でありますので、今後とも十分頭の中に入れておきたい。そういうようなことで、今後どうするかは電力会社と相談をして、やれる限界というものがございますから、そういう問題も見ながら参考にさしていただきたいと思います。
○国務大臣(平泉渉君) 月高の問題は斎藤博士のおっしゃるとおりでございまして、まさにこういう交易条件の改善による我が国の経済の非常な利益といいますか、その部分を十分に活用しなきゃならぬ。どうも世上、円高というのは非常な不況である、不景気であると、こういう議論がございますが、お説のとおり、もっとそのメリット面を十分理解して、この交易条件の改善による部分というものが実際の経済活動の活発化に結びつかなきゃならぬ、かように考えておる次第でございます。
○斎藤栄三郎君 きのう前川委員会の会があって、石炭第八次計画で二千万トンを半分に減らすという案が盛られたと承っております。今まで石炭に使った金が二兆二千億、大変重要なお金を使っているわけです。この石炭産業をどういう方向へ持っていくかということは、私なんかよりむしろ梶原先生の方が御専門なんでありますけれども、私のような門外漢でも非常な関心を払わざるを得ない。一体石炭産業をどういう方向へ持っていくおつもりなのか、通産大臣の御意見を承りたいと思います。 もし油がこのように下がりまして、ヤマニさんの言うように一バレル八ドルまで下がろうものなら、もう石炭なんか要らないよなんという議論になっちゃうんじゃないだろうか。一体日本の産業の中で石炭をどう位置づけるかということをはっきりしておくことがこの際大事だろうと思いますので、お伺いいたします。
○政府委員(野々内隆君) 石炭そのものは、石油代替エネルギーとして非常に重要なエネルギー源でございますので、今後とも利用の促進に努めていきたいと考えております。 石油が何ドルに下がったら石炭からまた石油に 戻るかという点は、なかなか難しゅうございますが、一般的に言いまして、電力等設備投資の大きなものにつきましては、長期的な観点から投資の意思決定が行われますので、また石油に戻るという例は少なかろうと思いますが、一部のセメント等、簡単に転換可能なものにつきましてはかわる可能性があろうかと思っておりますが、長期的には、石炭というのはエネルギーの中で非常に重要な位置を占めると思います。 それから、今御指摘の、国内石炭産業であろうかと思いますが、国内石炭産業につきましては、現在千六百三十万トンの生産規模でございますが、現在の第七次策が内外炭格差が余り開かないという前提で組み立てられておりますので、来年度から始まります新しい第八次策の検討が現在始まっておりまして、夏ごろまでに結論を出したいと思っておりますが、これは内外炭格差がこのように開いたような状態で経済性という点も配慮して、もう一度石炭政策というものを見直す必要があるという観点で、現在石炭鉱業審議会におきまして御議論をいただいている段階でございます。
○斎藤栄三郎君 今、特定産業構造改善臨時措置法に基づいて二十六の業種が指定されています。この六月で期限が切れる繊維四つは外される。そのほかに洋紙なども問題になっているようですが、一番今財界で心配しておられるのは、セメントがどうなるか。韓国、台湾などから相当、四十七万トンも入ってきている。これが外されるかどうかということが非常な関心の的のようでありますが、通産当局はどういうおつもりでいらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、再検討が行われておりまして、セメント産業につきましても、最近の状況に照らしましていかに扱うべきか検討をいたしております。ただ、セメント産業につきましては、最近時の状況を見ますと、計画策定時よりもより厳しい状況が出現をしているんではないかというぐあいに思っております。 一つは、計画策定時よりもより一層といいますか、予想以上に需要が減っているということが一つでございます。また第二に、そのことと関連いたすわけでございますけれども、いわゆる高炉セメントのウエートがかなり上がってきておりまして、その結果クリンカー需要そのものは減っている。セメントの需要の減り方以上にクリンカーの需要が減るというような状況が発生をいたしております。 さらに、先生御指摘のとおり、六十暦年で五万トン近いセメントの輸入が行われております。現在最も大きな問題になっておりますのは韓国でございまして、いわゆるオリンピック需要に向けまして設備の大増設を行っております。オリンピック需要が峠を越えますと、この能力が輸出圧力として動き始めるということでございまして、多分六十年度では七万トン、内需の約一%というレベルに達しまして、さらに急激に輸入のウエートが上がってくるんではないかというようなことが懸念されるような状況になっております。 こんな状況下で、ことしの三月で一応設備処理は終わるわけでございますけれども、一部ではさらに処理量の上積みが必要ではないかというような声も出てきておるようでございまして、なお関係方面との意見調整が必要でございますが、私ども担当原局といたしましては、現段階ではもう少し様子を見た方がいいのではないかという気持ちを強く持っているわけでございます。
○斎藤栄三郎君 お言葉の端をとらえるようですが、そのトン数間違いありませんか。五万トン、七万トンと言いましたが。
○政府委員(浜岡平一君) 大変失礼しました。五十万トン、七十万トンの間違いでございます。
○斎藤栄三郎君 わかりました。 次に、どうも残念ながら、明治以来日本政府が一生懸命に育成してきた重要産業がみんなだめなんです。造船、海運、セメント。そして今これから伸びようとしているものは、大体戦後の産業、特にベンチャービジネスに顕著な例が見られる。 そこで私は、公取の委員長並びに通産大臣にお伺いしたいのでありますが、ベンチャービジネスの悩みはホールディングカンパニー、持ち株会社がつくれないことだと言われております。日本の独禁法の独特なところかもわかりませんが、アメリカではちゃんとホールディングカンパニーが認められている。日本ではそれは認められていない。このベンチャービジネスの発展のためにはホールディングカンパニーが必要だという財界の要望が強いんですが、この点を独禁御当局はどうお考えになるか。そしてまた、今アメリカの議会でアメリカの独占禁止法の改正案が出ていることはもう御高承のとおりであります。非常な緩和の方向に向かっている。その点についての御所見をあわせて例えれば幸いです。
○政府委員(高橋元君) ベンチャービジネスというものは資本の調達、資金の調達について非常に困難があるわけでございますから、その成長を支援するためにどうしても株式形態で、つまりリスクキャピタルとしてベンチャーキャピタルから資金の供給を受けなければならぬということになります。 昭和四十七、八年と昭和五十年の後半に、いずれもベンチャーキャピタルがたくさんできたわけでございますけれども、そういう場合にベンチャービジネスに対する金融を株式取得の形態でやるということについて、斎藤委員のお話ですと、それが持ち株会社の禁止に当たるかというような御懸念がございましたけれども、私どもはベンチャービジネスに対する資本の供給という意味でベンチャーキャピタルが株を持つことは独禁法の九条に、いわゆる持ち株会社の禁止の規定には抵触しないという考え方をとっておりまして、このことはたしか昭和四十七年だったかと思いますが、公正取引委員会のガイドラインとして外に出しておるわけであります。 ただし、事業支配の目的で他の会社の株を持つことだけを目的とするいわゆる持ち株会社の禁止というものは今後とも継続することが必要だというふうに思っておりますが、ベンチャーキャピタルが動くために必要な程度の条件が三つ、四つございまして、例えば過半数を超えてベンチャービジネスの株をベンチイーキャピタルが取得するとか、株式取得とあわせて役員派遣をしてベンチャービジネスの仕事を人的、金融的両方の面から統制をするとか、そのほか新株でなければ取得してはいけないとか、そういう若干の制限があるわけでございますけれども、こういう制限があるためにベンチャーキャピタルがうまく動かなくては困るということで、通産省でもベンチャービジネス研究会というのをおつくりになって、そこの研究会の中間報告というのを私ども承知しておるわけであります。 話が長くなって恐縮でございますけれども、先ほど申しました役員の派遣という点について弾力的な運用をしてもらえばいいんじゃないかという御意見が中心のようであります。 それからベンチャーキャピタル、資本を供給するキャピタルの方からの今の私どものガイドラインに対する問題点というものの意見をとっておりますけれども、それにつきましては大体の大筋はいいわけでありますけれども、役員派遣とか兼任の禁止ということについて、また資金の供給を新株の取得によってやると、そういうところはリジッドに過ぎるという面がないわけじゃないんじゃないかという御意見もいただいております。 いずれにしても、ベンチャービジネス及びそれに対して資金を供給するベンチャーキャピタルというものの経済的な意義というものが十分認められるわけでございますから、そういう機能の発揮に支障のないような方法というのを今後とも考えていきたいと思っております。
○斎藤栄三郎君 よくわかりました。 次に、全国を私歩いてみて、商店街の凋落が非常に目につきます。その理由は、大型店ができると人口の流れが変わっちゃうということ、それから後継者難から、もう老夫婦だけになっちゃって気迫がなくなっているということだと思います。通産省の統計でも、五十七年と六十年の調査によ ると、約五%商店が減っているということです。このままでいけばもっと減っちゃうだろうという懸念があります。 そこで私は、通産省が五十九年からやっているコミュニティーマートをもっと大々的に拡大していくことが対商店街対策として必要じゃないかと考えます。通産大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(木下博生君) 中小小売商業の問題については、ただいま先生御指摘のように、売り上げが大変伸び悩んでおります。その関係で商店数も減り、働いている人の数も減っているという状況がこの二、三年顕著になってきておるわけでございます。そのような中小小売商が今後発展していくためには、単に従来のように商店街にアーケードをつくって明るくするというようなことだけではなく、もう少し住民の暮らしと直結したような形での商店街の振興開発をやっていく必要があるんではないかということを考えまして、中小企業庁といたしましては五十九年度からコミュニティーマート構想というのを実施しておるわけでございます。非常に全国各地からぜひやってみたいというような声が出てきておりまして、今年度も十五カ所について予算をとっておるわけでございます。 ちょうど横浜の伊勢佐木町みたいな形で、住民の人たちが楽しみながらショッピングできるというような場所をつくっていこうというようなものでございますけれども、今後とも全国各地それぞれの特色を生かしたコミュニティーマートが実現できるように、私どもの方としては構想段階から補助金でお手伝いし、これを実現するときには中小企業事業団の高度化資金を使っていただくというようなことで、中小小売商の発展を図っていきたいというふうに考えております。
○斎藤栄三郎君 次に、これは商業だけに限らず工業の場合でもそうですけれども、ちょうど世代交代の時期になっておって、一番困っておるのは相続税の問題です。そこで承継税制を、私はこれをもう一回見直すべきだと思います。現在は二百平方メートルまでの土地にだけ適用される。営業用に使っている場合は四割評価を少なくする、住居用の場合は二割少なくする、そのいずれかはっきりしない場合には平均三割の評価を少なくすると、こういうやり方ですけれども、いかにも規模が小さ過ぎると思うんです。もう少しこれを拡大する方向で考えないと、この中小企業対策としては画竜点睛を欠くんじゃなかろうかと思いますが、その点、通産大臣の御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今度の税制改正が大改正をやるということでございますから、その折に十分にそれは主張してまいりたいと思っております。
○斎藤栄三郎君 私はカルタゴの例をちょっと申し上げたいと思うんですが、釈迦に説法かもわかりません。 二千百年の前に地中海貿易で大いにもうけたカルタゴです。当時の世界では一番金持ちであった。その金持ちをねらって襲撃したのがローマです。三回にわたる戦争をやって、カルタゴは七十万の人口が五万に減っちゃった。最後は全滅するのであります。 どうも今の日本を見ていますと、カルタゴの轍を踏むんじゃないだろうか。貿易で大いに稼ぐけれども、このままで一体いいんだろうかということをしみじみと感ずるんです。そのときに私は、ぜひとも日本が世界から尊敬されるようにならなきゃうそだと思う。それがためには研究投資をふやしていくということが非常に大事であって、最近の統計によると大体八兆円、しかしアメリカの二十兆に比べるとまだまだ半分以下であります。そういうときに大事なことは、もっと研究投資をして人類共通の利益が守られるような手を打つということがこの際大事ではないんでしょうか。 渡辺さんは農林大臣、大蔵大臣、通産大臣と、枢要閣僚を者やっておられるわけですから、視野も広いし実行力もあるわけですから、ぜひそういう方向に御努力してくださることを切望したいと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全く御調のとおりでございまして、我が省におきましても、ヒューマンフロンティアでございましたか、というようなことで、工業技術院を中心にいたしまして、新素材とかバイオとかマイクロエレクトロニクスとか、そういう新しい分野に非常に積極的に民間と一緒になりまして、産官学で一緒になってやろうということでスタートをいたしております。 また、税制改正の折も、やはり研究開発費が税の恩典を受けられるようにして、民間においても積極的な新しい時代に向かっての新しい技術を求めていかなければ日本は生きていけない。やはり在来のものはどうしても発展途上国にある程度お渡しをする以外にないわけでございますから、そして我々は別なものをつくっていく。全く私は先生の御趣旨のとおりで、そのように通産省も挙げて頑張っていくつもりであります。
○斎藤栄三郎君 大臣の御意見を聞いて安心いたしましたが、ぜひひとつそういう方向で強力に推し進めていただくことを重ねて要望いたします。今度の国会に研究交流促進法が出されておりますが、ぜひその成立を図って、そして日本が世界から尊敬されるような技術国家になることを要望しておきたいと存じます。 私はきょうの質問四十分いただいておりましたが、三十分に短縮いたします。 結論を申し上げますと、私は円高を、先ほど午前中大臣がおっしゃったようにうまく利用して、再発展のモメントに、動機にすべきだろうと考えております。過去において四十六年、四十七年のときの円高、それから五十二年、五十三年の円高、いずれもうまくこれを乗り切ることができたのでありますから、ひとつ英知を絞って、官民協力してこの難局を乗り切ることを要望して私の質問を終えます。
○伏見康治君 通産大臣お忙しいところを、余り通産大臣に適当でない問題で御質問申し上げるのは恐縮の至りなんですけれども、私はSDIに関して日本政府の対応がどういうことになるか心配しておりますので、その点について大臣の御意見を伺っておきたいと思っているわけです。 SDIを現段階で議論するのは、恐らくそのSDIに理解を示されたと称される総理大臣があるいはその窓口である外務大臣にお伺いするのがいい段階であろうかとも思うんですが、幸いにして、昨日の新聞を拝見いたしますというと、政府は第三次のSDI調査団を組織して、近いうちにアメリカを訪問されるそうでございます。それには新聞の記事によりますというと、二十一の企業が参加するそうでございまして、この企業は通産省がその面倒を見ておられる企業であるから、多分通産大臣の意識もそちらの方へそろそろ移っているころであろうと思って御質問申し上げるわけです。 伺うためには、SDIを大体どういうものであるというふうに理解するかという点が肝心であると思うんでございますが、私の見るところ、SDIというものの、これはイニシアチブという言葉がございますが、これはレーガン大統領のイニシアチブだと思うんですが、要するにレーガン大統領の人間的発想であろう、こう考えます。 レーガン大統領が日本へ参りましたときに写真を拝見しますというと、黒いかばんを持った秘書さんがくっついて歩いている。その黒いかばんの中には、いざというときにレーガンが押さなければならないボタンが入っているはずであります。核戦争のきっかけをつくるボタンをしょっちゅう担いで歩いているわけです。これは、なれてしまえば何でもなくなるのかもしれませんけれども、本当にそれを使うというときには何億という人間の生命を奪うか奪わないかという決断をすることでございますから、まじめに考えれば大統領個人としてはその精神的緊張の負担に耐えられないはずだと思うんですね。それをできるだけ避けたいという気持ちになるのはこれは当然のことで、私も中曽根さんではありませんけれども、レーガン 大統領のイニシアチブには理解を示したいと思うんです。 しかし、大統領がそういうふうに考えておられるということと、それを受けてアメリカのお役人やアメリカの科学技術者たちがそれを世間で言うスターウォーズの形で大統領の希望に沿うようにしようとしている、実際上しようとしていることとの間には、私は相当のギャップがあるというふうに考えます。つまりレーガン大統領の良心といったようなものだけを信用して対応しているのは間違いだと思います。現実にどういうことが行われつつあるかということをよく分析する必要があると思うのでございますが、それの具体的なあらわれを幾つか申し上げてみたいと思うのです。 まずSDIOというお役所ができまして、そこにいろんな方が入っておりますが、ヘッドになっておられる方は、これは軍関係の方ですが、その下に入って科学技術方面を担当しておられる方は、結局従来はほかの科学技術の研究を担当していたロスアラモス科学研究所の方が入っておられる。この方は私がしばらく関心を持っておりました核融合の仕事をしていた方で、核融合が思わしく進展しないものですから余り予算がふえない、それで予算のふえそうなところに立場をお変えになったんだというふうに私には理解できる人であります。そういう方々が集まってSDI予算というものを構成されていると思うのです。 そのお話は、非常にジャーナリストが言うスターウォーズ的なものを現実化するためのいろいろな計画をお立てになっているわけですが、そこで考えられている数字というものは、現実とSDIとして本当に働くものとの間には非常に大きなギャップがございます。これは核融合研究のときの初期の段階と、それから現在まで至っている段階との数字といったようなものを考えてみますと私にはよくわかるのでございますが、初期の時代に核融合研究で高い温度をつくるというのは、初期の段階では数十万度程度の温度しか得られていなかったわけです。しかし、目標は数億度であったわけです。したがって千倍からの差というものを克服しなければならないわけでありまして、それと同じような数字の差というものが、役に立つSDIと今それに相当する技術との間には三けたぐらいの差がたくさんあるわけです。これを実現するためには大変な努力が要るわけでありまして、核融合の研究から申しますというと、もう始めてから二十何年、アメリカやソビエトの方で申しますというと三十年はたっているわけですが、三十年たっても究極の目標に達成しておりませんでして、恐らくことしか来年あたりに最初の理学的段階での成績が得られるだろうという見通しになっているわけですが、この理学的段階で話が済むわけではございませんでして、それから工学的段階があり、それが済んだ後で経済的な段階があり、核融合というものが本当に現実化するのは非常に遠い将来だと私は見ているわけでございます。 恐らくSDIもそれと非常に近い状態であろうと私は想像いたします。相当の力をお入れになってもこのSDIが本当に現実に兵器として役に立つようになるのは二十年とか三十年ぐらい先のお話ではないかと私は思います。当事者の科学者たちは少しでも早く現実化するためには余計に予算を投入したいと考えているのは当然でございまして、SDI、大統領府が立てた予算というものは相当大きな額でございますが、それはコングレスで絞りに絞られまして、そういう予算の削減をされますというと、科学技術者が考えている二十年という目標は恐らくまたさらに四十年とか五十年先になるのではないかとさえ思われるようなものでございます。 それで、私はSDIというものは全く研究段階のものである、現実に役に立つ兵器としては非常に遠い将来で初めて物になるものである、その認識が極めて大切だと思うのでございますが、大臣はどういうふうに見ておられますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 科学のことで、それは先生は大専門家で、私はずぶの素人でありますから、どれくらいのスピードで開発が行われるものやら何やらさっぱりわからないのであります。しかしながら、SDIの研究をどういうふうな研究をやるかということで各方面において将来の宇宙の関係あるいはレーザー光線あるいはその他いろんなコンピューターの関係等で、いろんな分野で興味のある企業が一緒に参加をするかどうかのための調査をやりたいということで、現在のところその程度までしかわかっておりませんので、それ以上のことについては残念ながらお答えできない状況にございます。
○伏見康治君 今、日本の企業が、このSDIで大変大きな研究費がばらまかれて、それに関心を持つということは当然のことだと思うのですが、しかし具体的な例として考えられますことを考えますと、例えばレーザーで考えますと、日本の強力なレーザーの研究家としては大阪大学の山中千代衛先生のところが非常に大きなレーザーをつくっておられますが、その山中さんが開発されまして、HOYAがつくっている特別なレーザー用のガラスがございます。このガラスは極めて性質がいいものですから、アメリカの同じような仕事をしている人たちがHOYAからたくさんガラスを買いまして、山中先生と同じようなレーザーによる核融合の研究に使っておられます。 ですから、例えばレーザーということを何か開発するということになりますと、すぐそのHOYAのことを念頭に私たちは思い浮かべるわけですが、こういうのは全く商業ベースで既に生産されていて、アメリカにどんどん売られているものでございまして、それをアメリカさんが何にお使いになろうと、そこから先の話は日本としては関知しなくて済む話でございまして、日本は優秀なる素材をつくって、それを売ってもうければそれでいいんだろうと私は思うのでございます。 もう一つ、例えば自由電子レーザーというのがございまして、それは電子を高速に加速いたしまして、磁石をたくさん並べて電子をぎざぎざの軌道を通らせるということによって電子の持っておりますエネルギーを光に変える、レーザーのもとにするというような自由電子レーザーという構想がございますが、そのときに電子のぎざぎざの道をつくらせるための磁石といったようなものは、これも日本の会社、日立金属が大変優秀なものをつくっております。こういうものが自由電子レーザーの研究ないしそれの完成のために大いに役立つであろうということは十分技術的に予想されるわけですが、これも全く商業ベースのものでございまして、それを日本の会社がどうぞお売りになって、それがどう使われるか先のことまで御心配になる必要は私はなかろうと思うのです。 日本の企業というものは、そういう形で間接にSDIにコントリビュートすることはあるかと思うのですけれども、そのSDIに使われるか使われないかといったようなことを余り御心配になる必要はない。今までどおり平和利用、民生用の道具をおつくりになるというつもりでおつくりになっていれば、それが本当に役立つものなら大いに売れるであろうということで、それでよかろうと私は考えるわけで、それ以上立ち入ってSDIの何か組織の中に入り込んでいく必要はないのではないかと思うのですが、大臣としてはどういうふうにその点をお考えでしょうか。
○政府委員(杉山弘君) ただいまお尋ねの件につきましては、つい最近日本から二十一の民間企業が政府の関係者と同時に一緒に渡米をするという、いわゆる第三次SDI調査団に参加をするという件に関連してのお尋ねかと存じますけれども、これにつきましては先生御案内のように、これまで二回にわたりまして政府の関係者が渡米をいたしまして調査をいたしたわけでございますが、今回は高度先端技術の各分野について広い知識を有します民間企業からの参加も得まして、より広い観点からこの問題についてさらに一段と調査を深めたい、こういう趣旨からでございまして、まだ日本政府といたしましてこのSDI研究に参加するかどうかということを決めているわけではございませんで、その判断をする際のいろん な材料を集めるための第三次調査団というふうに私ども理解をしているわけでございます。
○伏見康治君 先ほどSDIはまだ研究段階でしかないということを申し上げたのですが、その点についてはレーガン大統領自身もそれと受け取れるお話をされておりまして、場合によってはソビエトと一緒に研究してもいいではないかということを言っておられます。それには核兵器の均衡状態を破らないようにSDIを持ち込むということは、実は大変国際政治的に甚だ難しいお話でございまして、つまりアメリカが現在の核兵器で均衡しているときにSDIをつけ加えたものといたしますというと、ソビエト側といたしましては、自分の方の核兵器が無力化されるということでございますから、要するに今までの平衡が打ち破られることになるわけです。ですから、ソビエトとしてはその打ち破られる仕方が決定的になる前に戦争を起こしてしまおうという誘惑に駆られるということは非常に明らかでございまして、したがって、SDIを今の核兵器の均衡の状態の中に持ち込むという仕方は実は非常に難しいわけです。ですから、レーガンが例えばSDIの研究をソビエトと一緒にやってもいいではないかというようなことを何かで言っていたのを私は記憶しているんですが、それももっともな考え方ではあるいはなかろうかと思うわけです。 そういう意味で、SDIは研究段階であるということは、同時にSDIに関する研究というものが軍事的秘密のとばりの中には余りまた入っていない段階である。つまり、いわゆる基礎研究の段階であって、グラシファイされているような研究科目にはまだなっていない段階だと私は思うわけですし、それから、今申しましたように、国際政治的に考えても、むしろグラシファイしない方が安定的にSDIを今の核兵器体系の中に入れていくことができるのではなかろうかと私は考えるわけですが、このSDIを、秘密をどういうふうに考えて守っていくかということは、取り扱っていくかということはSDIに対する対応を決める非常に大事な要素だと思うのですが、今度は防衛庁関係の方も行かれると思うのですが、防衛庁としてはその点をどういうふうにお考えになっているのか伺いたいと思います。
○説明員(小野栄一君) SDIにつきましては、先ほど通産省の方から御答弁ございましたように、現在これへの参加を検討中の段階でございますので、防衛庁もそのメンバーの一人としてこの検討に参加をしている状況でございまして、具体的にまだお答えできる状況にないわけでございます。
○伏見康治君 恐らく、正直なところまだそういうことを余り考えていないという段階であろうと思うのですが、SDIをこれ以上もし対応を強めるということになった場合に、第一義的に考えることは、もっぱら秘密の問題であると私は考えるわけです。 アメリカのいろいろな学界の動きというものを眺めておりますというと、まず第一に、近ごろ科学研究費の出どころが国防省から出る部分が非常にふえてまいりまして、ある意味では我々日本人から見ますとそら恐ろしくなるようなふえ方でございます。これは、「サイエンス」という雑誌の二月号に出ていた曲線でございますが、この指数線的に上がっているのが国防省関係のRアンドD、研究開発費用です。それに対して、その中にも基礎研究が含まれておりますが、それをほかの省庁とも合わせてやった基礎研究の数字というのがこういうものです。それで、一九八〇年ぐらいまでは国防省の研究開発費というものとほかの省庁の全研究費というものが大体拮抗していたんですが、レーガン政権になってから急速にふえまして、現段階では国防省関係の研究開発費の方が大きくなっているわけです。非常に大きくなっている。 そういうことを考えますと、アメリカの現在の状態というものは非常に危険な状態だと私は考えます。特に基礎の科学研究といったようなものは、秘密のとばりの中に置かないで、オープンな形で研究討論をやらせるということが進歩を促す一番大事な条件であるということは、学界全体の信念だと思うのでございますが、そういう意味で、例えばいろんな学会がアメリカで開かれたといたします。そうすると、ある学会のセッションの中に、そこで講演なさる方が国防関係の予算を使ってある基礎研究をなさったという方がおられますというと、そのセッションに突然国防省のお役人が入ってこられて、このセッションは公開にできないから秘密にするということになって突然その学会がいわばよその方には閉鎖されてしまうといったようなことが起こっているということが雑誌を拝見いたしますとしばしば出てまいります。 それから、やはりある大学の先生が研究費をもらわれて——従来からのアメリカのやり方をお話ししないと話が通じなくなるおそれがありますが、国防省が出すお金だからといって、いつも直接に軍備に関する研究であるとは限らないわけでして、遠い将来には国防関係に役立つかもしれないという基礎の基礎の学問に対しても国防省がお金を出すことができるわけですから、国防省の出すお金は全部兵器に直結しているとお考えになるのは間違いなんですけれども、ですから割合に大学の先生方は気楽に国防省のお金をおもらいになる。それは日本の状況と非常に違うわけです。ですが、近ごろは、国防省のお金をもらわれますというと、そしてその研究成果が少しでも評価すべき段階に到達いたしますと、突然それがグラシファイされるということが頻々と起こっております。つまり、大学の先生としては初期は要するに自由なる研究をするつもりでお仕事をお始めになったんだと思うんですが、それがいつの間にか秘密の枠の中に閉じ込められてしまうといったようなことがアメリカの国内で頻々と起こっております。 私はそれと同じようなことがSDIに関与した日本の企業や日本の先生方の間にも起こるのではないかということを非常に心配するわけです。つまり、初めは別に秘密協定なんか結ばなくてもいいよということでSDI関係の予算をおもらいになって何かしたといたしますというと、それがある段階に到達したときに突然グラシファイされるということは十分あり得ることだと思うんですが、そういう意味で私はSDIの当初のアメリカ側の言い方がそれほど秘密なことを考えていない、守秘義務のようなことは余り考えていないと言われたといたしましても、それが将来までそうであるという保証は一つもないように思うものですから、そういう点をひとつ十分お考えに入れてアメリカとの折衝をやっていただきたいと思うわけです。 それで、私は日本とアメリカとの関係の中で武器関係の秘密の問題が起こり得る例としてほかのことを考えてみたいと思うんですが、対米武器技術供与の取り決めというのが三年ほど前に成立いたしました。そういうときのいろいろないきさつといったようなものが今後のSDIを考える上において非常に大事だと思いますので、この武器技術供与の取り決めの中で、秘密保持に関することはどういうふうに取り扱われているかということを伺いたいと思います。
○政府委員(村岡茂生君) 対米武器技術供与の枠組みのもとにおきまして、我が国が米国に供与いたします技術につきまして、アメリカ側が我が国に対して秘密保護を要請するあるいは規制を課する、こういう根拠はないわけでございます。 御高承のとおり日本側が技術を供与するわけでございまして、その供与国側の方が秘密保持を米側に要請をいたしました場合に、米側はそれに応じてそれ相応の秘密を保持する義務がある、こういう規定は存在いたすわけでございますが、米側の要請においてこの武器技術供与の枠組みのもとで日本側が秘密を保持するというのは原則としてございません。また、そのような規定はMDA協定あるいは対米武器技術供与に関する交換公文、同じく細目取り決め等に一切根拠を見出さないところでございます。
○伏見康治君 今言われたとおりに、日本側のいわば持っている技術をアメリカに伝えるんだから、日本側にこそ何かアメリカに秘密を守る義務を課してもいいが、日本側にはその必要がないはずだと言われましたが、私は必ずしもそう考えないんですね。というのは、アメリカの要するに兵器体系の中に日本が入り込んでいくということですから、日本がその取引の最中にアメリカ側のいろいろな技術面に触れるということはもう当然あり得るわけです。 アメリカの兵器体系の中に日本の兵器体系を組み入れたときに、こちら側の知識だけが向こうに行くということでなくて、向こう側の知識もこっちへ入ってくるはずだと思うんですが、そういうわけで、決して私は生易しい問題ではないと考えます。 そして、この取り決めをなさるときに、新聞記事によりますと、通産省と外務省の間で意見の対立があったといったようなことが書いてあるんですが、それはどういうことであったんでしょうか。
○政府委員(村岡茂生君) 当時の五十七、八年ごろの新聞記事には、確かに委員御指摘のように、やや各省間に意見の相違があるというような記事が散見されるわけでございますが、私の知る限りにおきましては、まさに官房長官談話にありますように、対米武器技術供与について、防衛分野におきますアメリカとの技術の相互交流を図ることが日米安保体制の効果的運用を確保する上で非常に重要であると、こういう観点から、アメリカ側の要請に応じまして対米武器技術供与をし得る道を開くということが決定されたわけでございますが、そのような点に関しまして、私ども通産省としていささかの異論があったわけではない、このように理解しております。
○伏見康治君 大臣もうよろしいですよ。 昨年の暮れになって武器技術供与の取り決めの細目取り決めが行われたと伺っておりますが、そのときにSDIというものは全然考慮になかったんですか、それともそこまで考えてやっていたんですか、どうですか。
○政府委員(村岡茂生君) 私どもはSDIまで念頭に置いて細目取り決めの署名をしたわけではございませんでした。
○伏見康治君 将来のことになりますが、SDIに日本が参加するといったような場合には、この武器技術供与の取り決めといったようなことが一種のお手本的なものになるかとも思うんですが、そういう関係はあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○政府委員(杉山弘君) 先ほども御答弁いたしましたように、まだ我が国としてはSDI研究開発に参加するかどうかということ自身も決めていないわけでございますので、そういうことを前提とした御質問ということになりますと、お答えに窮するわけでございますが、いずれにいたしましても、我が国がSDIの研究開発に参加するかどうかを検討する過程におきましては、今先生御指摘のような点についても一つの検討課題になるということにはなろうかと思うわけでございます。
○伏見康治君 SDIのことを考える際に、もう一ついろいろな参考になることと考えますので、ココム、対共産圏輸出統制委員会と訳すんですか、ココムのことについて幾つかお話をしたいと思うのでございます。 ココムの具体的な取り決めがどういうことであるのかといったようなことは余り公表されていないようなので、私は一向に何が何だからっともわからないんですが、しかし具体的な事例として日本の商社が何か売ったものが後でココム違反であるといってとがめられているといったようなお話をときどき伺っておるわけです。一体ココムというのはそもそもどういうものなのでございますか。
○政府委員(村岡茂生君) ココムは戦略物資の自由主義諸国から共産圏への流出を規制することによりまして、共産圏諸国の戦力の増大を抑制するということを目的といたしまして設立されたものでございます。私ども日本政府も一九五二年に本件に参加をいたしました。 このココムの具体的な規制の内容あるいはその運用基準などにつきましては、ココムの申し合わせによりまして公表できない部分もあるわけでございます。しかしながら、ココムの存在あるいはその運用というものを通じまして、民間側で、例えば商機を逸するとか、そういう弊害が生じないように極力私どもこのココムの申し合わせの範囲内におきまして可能な限り透明かつ明確な運用をしたい、かように努力をしておるわけでございます。 ココムの内容、どのような品目が規制されるのかということに関しましては、外国為替及び外国貿易管理法という法律に基づきます輸出貿易管理令の別表第一に事細かに規定されております。ココム関連では百六十四項目にわたります規制品目を規定されておるわけでございます。このような貨物を輸出する場合におきましては、通商産業大臣の承認を要するということになっておるわけでございます。 また同時に、このような品目におきまして若干例外が設けられているわけでございます。この例外には二種類ございまして、一般例外ということで、ココムの全会一致の承認を得る、こういう手続を経まして例外的に輸出が認められる場合と、行政例外と申しまして各国にその判断を任せて、規制品目ではあるけれども、これは軽微なものであるので各国の政府の判断に任せる、こういう二つのやり方がございます。 最近の事例といたしましては、中国に対するココム規制の緩和ということを昨年の十二月でございましたか、実施したところでございまして、その際かなり詳細な新聞発表をいたしたわけでございます。御記憶もあろうかと思います。このような形で極力透明かつ明確な運用をするように私どもとしては努めておるつもりでございます。
○伏見康治君 百四十何項目といったようなことで、こういうものは出してはいけないということが書いてある。にもかかわらず、ときどき売ってしまってから、それはいけないという、後追いの何かお話があるように新聞には書いてあるんですが、それはどうして起こったわけでしょうか。要するに、輸出に関する規制を初めから商社がバイオレートしたということなんでしょうか。
○政府委員(村岡茂生君) 最近、二件続けましてココム規制違反の輸出が行われたわけでございます。新聞記事等を通じて御案内の方も多いかと思うわけでございますが、私どもの調査をした範囲内におきましては、両件とも意図的に、あるいはココムの規制が存在することを意識してそれを適脱するための工夫をしながら輸出をされたものでございます。まことに私どもも残念であると思っておるわけでございます。 いずれの事件も、したがいまして輸出者に対しまして一カ月の輸出禁止ということを内容といたしますところの制裁措置を講じたところでございます。
○伏見康治君 私の伺いたいのは、つまりこういうものはいかぬ、こういうものはいいというそのけじめが十分民間の人にわかるように書かれていないためにエラーを起こしているんではないかという点を懸念するわけです。つまり基準がはっきりしているのか、していないのか、僕はその百四十何品目というのを調べたわけじゃないのでわからないんですが、そこに疑問を持っているということを申し上げておきたいと思うんです。 このココムの規制というのは、要するに共産圏にいろんな先端技術の秘密が漏れないための措置だと思うんでございますが、SDIといったようなものが出てまいりますというと、そのSDIに関連するいろいろなまた秘密というものが恐らく出てくるんだろうと思うんですが、そういうようなものが共産圏に漏れないための措置といったようなものはまた考えられるわけなんでしょうか、これは全然関係ないんですか。 例えば先ほど申し上げた具体的な例で、HOYAのレーザー用ガラスとかいよようなものが先端 技術であると考えて、共産圏には売れなくなるというようなことがあるんでしょうか、どうなんでしょうか。
○説明員(岡本行夫君) 先ほど来通産省の方からも御答弁しておりますとおり、SDIへの我が国のかかわり方、我が国の参加問題といったことにつきましては、現在あらゆる角度から慎重に検討中でございます。したがいまして、今先生御指摘のような点が起こってくるのかどうか、そのようなこともまだ私どもとしては申し上げられる立場にないわけで、今後あらゆる角度から検討を続けていくということでございます。
○政府委員(村岡茂生君) 先ほどココムに関する御質問でございましたが、百六十四品目輸出貿易管理令に記載してあると、こう申し上げました。これはかなり明確に百数十品目について記載をしております。それに加えて、その解釈をめぐりまして解釈通達、これも公表されております。相当分厚いものであります。 さらにそれに加えて、疑義がございました場合に、こういうものを輸出したいのであるがココムに該当するか否か、こういう該当照合、照会をするような制度を私どもはつくっておりまして、輸出に着手する、あるいは契約交渉をなさる前にそういうことで照会をしていただきますと敏速にお答えする制度もつくっておりまして、いろいろな対策によりまして規制されている貨物が何かということは関係者には迅速にわかる、こういう仕掛けをつくっておるつもりでございます。
○伏見康治君 それについてさらに伺いますが、しばしばヨーロッパの国々から共産圏に売られていて日本では禁止されているという例があるというふうに伺っておるんですが、つまりヨーロッパ諸国の方は適当にいわば融通をきかしているのに、日本の通産省は非常におかたいということなんでしょうか、どうなんでしょうか。
○政府委員(村岡茂生君) ココム規制というのは、御存じのとおり、国際協調のもとで各国がそれぞれの輸出管理を行っておるわけでございまして、その内容が統一されるように常時議論は行っているわけでございます。かつまた、現実の輸出管理において各国の間に差異があると私どもは思っておりません。 我が国の場合にやや私自身若干問題があるかなと思うのは、ココムの処理に要する期間が比較的長うございました。三カ月、四カ月といったような日時を要するということがございました。これにつきましては、私どもまことに遺憾とするところでございまして、昨年の暮れにおきまして相当無理をいたしましてこの滞貨の一掃ということに努めまして、現在ではそのような長期間の滞貨はないと、こういう状況になってございます。
○伏見康治君 ココムの項目に書いてあることは、これは年代とともに変化するものなんだと思いますね、科学技術がどんどん進歩しておりまして。つまり、しばらく前までには非常に先端的だと思われたものが、ちっとも先端的でなくなるでしょうし、今まで考えたこともない新しい技術が出てくるでしょうし、これはどの程度の頻繁さで改定されているのですか。
○政府委員(村岡茂生君) リストレビューというのがございまして、ココムリストにつきまして各国が寄り集いましてリストを見直すという作業をやっております。従来はこれは三年に一回ということでございましたが、先生御指摘のとおり、大変技術の進歩も激しい状況にかんがみまして、毎年レビューをしていくというような体制になりつつあるところでございます。
○伏見康治君 ちょっと足を出しまして済みませんが、お願いいたします。 今度SDIの調査に官民合同で行かれるというお話なんですが、そのときの民の方はお役所がいわば命令して連れていくのですか、それとも対等な立場で一緒に行くということなんでしょうか。調査団の性格はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(杉山弘君) 今回の調査団の派遣に際しまして、民間から二十一企業御参加をいただくことになったわけでございますが、これは役所の方から呼びかけるとか、特定の団体を通じて希望を募るとかということをいたしたわけではございませんで、むしろこれまで新聞紙上等にSDI問題について報道をされるというようなことから、これに興味、関心を持つ向きが個別に、私どもその他防衛庁等々の役所の方にコンタクトをしてまいりました。そういう企業を中心として今回もメンバーを構成をしたと、こういうことでございますので、役所が強制するとか命令をするとかいうことをやったわけではございませんし、当然のことながらこの調査団においては役所も民間もそれこそ対等の立場で御参加をいただき、広い観点からSDI研究参加についての前提となるいろいろな問題について検討をしてくる、こういうことでございます。
○伏見康治君 つまらないことですが、その民間の方の旅費は各人が自分で自弁するわけですか。それから、帰ってきた後で調査団として何か結論を出されるときには、その民間の方とお役人とは対等の立場で議論してその報告書をおつくりになるのでしょうか、どういうことになるのですか。
○説明員(岡本行夫君) 先生の御質問の最初の部分につきましては、参加する民間企業はそれぞれ自弁でございます。第二の点、報告の取りまとめでございますが、これは調査団が戻りまして、しかるべき検討期間を経て当然調査結果を取りまとめることになるわけでございますが、これはあくまでも官民合同調査団という名前からもお察しいただけますとおり、官と民とは対等の立場で、そして団長の責任のもとにおいて取りまとめられることになります。
○伏見康治君 ありがとうございました。
○田代富士男君 時間に制限がございますからまとめて御質問をしたいと思いますが、最初に円高の問題で質問をいたします。 円高は、昨年の九月の二十二日のG5での協調介入を第一段階と、このようにみなした場合、十月二十四日から短期金利の高目誘導策を第二段階、このようにしていきますと、本年一月下旬から一ドル百九十円から百八十円、そして御承知のとおりに現在百七十円台へと進む、円高の言うならば第三段階を迎えているのではないかと思います。特に御承知のとおりに、三月の十七日、これは百七十四円八十銭であったかと思いますが、五十三年十月の百七十五円五十銭、これが史上最高、これに比べますと、七年半ぶりに最高を更新したことになるわけなんですが、この急激な円高傾向というのは今後どのように展開すると考えていらっしゃるのかという点がまず第一点でございます。 それから澄田日銀総裁が、一ドル百九十円を突破した際には、円高傾向は望ましいがテンポが急ぎ過ぎると、これはもう御承知のとおりでございます、述べていらっしゃいます。三月十七日には、大蔵大臣は、変化は急激過ぎると、このように述べて、政府といたしまして円高はまだ進んでよいけれども、ただしテンポをもっとゆっくりと、こういうような考えであるのか、望ましい為替レートの限界というものをどの程度にお考えになっていらっしゃるのか、まず最初にお尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(金子義昭君) 第一点の最初の、今後の為替相場、円相場の動向でございますが、最近まで円高ドル安が進展してきておりまして、その背景としては一般的にはアメリカ経済が予想されたほど好調でないこととか、あるいは石油価格が下落しているというようなことを挙げることができるかと思いますが、ただ為替相場は各国の経済情勢だけではなくして、いろいろなさまざまな要因に影響されるわけでございます。したがいまして、今後どうなるかというのは非常に難しいわけでもありますし、また通貨当局が今後どうなるだろうというような見通しを述べることは、為替相場に、為替市場に対する影響もございますので差し控えさせていただきたいと思います。 それから第二点の円高のテンポと、それから限界といいますか、相場の水準についてでございますが、まず為替相場は、基本的には当然のことながら各国の経済ファンダメンタルズを正しく反映すべきであるということは、これは一般論として言えるわけでございます。しかしながら、具体的にどういう水準が適正なのか、どういう水準が限界なのかというようなことは、これは先ほどの見通しの問題と同じように非常に難しい問題でもありますし、またやはり発言するのは適当ではないんではないかと思っております。 ただ、基本的に為替相場の安定が望ましい、あるいは重要であるということは、これは疑いのないことでございまして、ここへ来ての円高はやや急過ぎるという感じは持っておるわけでございます。私たちも今後とも為替市場の動向には十分留意してまいりたいと思います。
○田代富士男君 今後の展開は非常に難しいし、通貨当局者として発言は慎重にならざるを得ない、これは今予算委員会をやっている最中でも、同じことを何回も聞いてまいったことでございますけれども、この急激な円高の動きについては政府も国際的な円投機の動きであるという、そういう危機感を強めているようでありますけれども、市場専門家筋では円高はなお進んで、一ドル百六十円台を目指すという、こういう見方も出ております。御承知のとおりだと思いますが。 一部報道によりますと、そういう立場から日銀がニューヨークの為替市場で円売りドル買いの市場介入を実施したというようなことが二部に伝えられておりますけれども、これが事実であるのか、ここらあたりは明確にお答えをいただきたいと思います。 それと、我が国の一方的介入というのは政治的に逆効果であるというアメリカの国務省の高官の声もありまして、タイミングとしてこれはよかったのかどうかという、こういう点でございますね、これもちょっとお聞かせいただきたいと思います。 一方では、膨大な対日赤字を抱えて知りますアメリカの国内におけるもう一段の円高を求める声の強いのもこれは事実でございます。先日、ここに御出席の経企庁長官とのテレビ対談等においてもいろいろ私も見さしていただきまして、向こうのアメリカの国内の声というものをある程度画面にも出ておりましたけれども、このような状況下でG5参加国の協調体制と我が国単独の円急騰防止策との間の認識のずれが心配されると思うんですけれども、ここらあたりどうでしょうか、あわせてお答えいただきたいと思います。
○説明員(金子義昭君) ただいま確かに新聞報道で、我が国がニューヨーク市場に介入したという話が流れておりますが、先ほど申しましたように、基本的に為替相場の安定は望ましいということは言うまでもないわけでありまして、一般論としては相場の動きが余りにも急に過ぎて、乱高下と判断されれば適時適切に介入するという方針は変わりがないわけでございますが、これは通貨当局がいつどこで介入するのかあるいはしたのか、今のニューヨーク市場の話を含めまして申し上げますことは、やはり為替市場、為替相場に対する影響がございますので、答弁をお許し願えればと思います。したがいまして、今のタイミングという話も、なかなかやったかやらないかを申し上げられないわけでございまして、お許しいただきたいと思います。 ただ、最後に御質問のありましたアメリカやなんかと我が国との間で認識のずれがあるんじゃないかというお話でございますが、これは本当にアメリカがどういうふうに考えているか、これを私がここで申し上げるような立場にはないと思いますが、これはアメリカだけではなくて、通貨当局間では非常に密接な協議、意見交換を行っているところでございます。これは本当に機会あるごとに連絡を取り合っているわけでありまして、今後とも意見交換、協議を通じてしかるべく適切に対処していきたいと考えておるところでございます。
○田代富士男君 こちらがお尋ねしたい一番の問題点は、当局者として慎んでいきたいと、こういうことを言われたら、これ以上また聞きましても時間がちょっとたってしまうかと思います。これはどなたにお尋ねしてもこれ以上は出ないのではないかと思いますけれども、やっぱりここらあたりは、委員会である以上、ある程度は明確に答えるのが筋論ではないかと思いますが、いつお聞きいたしましてもそれ一本で通っていたらあかぬと思います。ここで一言申し上げておきます。 そこで、アメリカの商務省が、第四・四半期のアメリカのGNPの伸び率の確定値といたしまして、御承知のとおりに〇・七%に下方修正して発表をいたしました。これは二回にわたります大幅な下方修正でありますし、また年間伸び率では一九八二年以来の低い水準であると言えるんじゃないかと思います。 この理由といたしまして、御承知のとおりに貿易収支の赤字が予想以上に悪化したことも挙げているわけでございますが、こういうことから円高への外圧がさらに増すことが心配されますけれども、これに対しましてはどのように考えていらっしゃるんですか。これは大蔵省から答えてください。
○説明員(金子義昭君) アメリカの経済成長率、第四・四半期の数字が昨日発表になりましたことはお話にあったとおりでございます。ただ、今市場は必ずしもそういう米国の経済指標だけに反応しているわけではございませんで、その数字そのものが為替相場にすぐ影響が出てくるという状況にはなっておりません。他方、今先生のお話にもありますように、我が国はかなり大きな対外不均衡を持っておるわけでありまして、確かにアメリカの中の一部には、さらに円高を求める声もあるかと思います。ただ、現在Jカーブ効果が働いておりまして、なかなか国際収支の黒字は縮小しておりませんが、やはり時間がたてば、いずれこのドル安円高相場というのは次第に効果を持ってくるんじゃないかと思っておりますし、またそうなることを期待しているところであります。そういう意味におきまして、日米間の貿易に関連しました問題も自然と緩和されていくことを期待しているところでございます。
○田代富士男君 この為替市場への介入というのは、日銀が単独でやっておりますけれども、その効果というものはある程度、そう大した効果ということはみなされないではないかということを私も理解しております。 しかし、このG5合意によります協調逆介入を各国に働きかける可能性につきましてはどうであるのか。アメリカでは、現在円の見方は独歩高であり、ドル暴落の懸念はないという、こういう立場であるんじゃないかと私は見ておりますし、そういうところの認識から見ますと、消極的な立場ではないかと思うわけなんです。ところが、現に三月の十七日にはマルクに対して激しく円高が進んできまして、この円の独歩高の様相を深めているようでありますけれども、この点についてどのように考えるのか、お答えをいただきたいと思います。
○説明員(金子義昭君) まず、協調介入でございますが、各国が有用であると合意ができますれば協調して市場に介入するということになっております。私たちは、米国を含めます通貨当局間で密接な協議をしておりますが、具体的にどういう話をしているか、あるいは働きかけるべきか、働きかけるべきでないかという話につきましては、これは先ほどから申し上げておりますように、市場へ対する影響もありますのでお許し願いたいと思います。 ただ、後の方の円の独歩高という問題でございますが、確かにここのところ、円の上昇が目立っていることは事実でございます。 しかし、例えばドイツマルクと円の上昇率を比較してみますと、ドル安が始まりました昨年の二月以降で見ますと、これはドイツマルクの方が円よりも上昇しておるわけでございます。それか ら、昨年の十一月の中旬ごろから比べましても、円とドイツマルクの上昇率は大体同じになっておるわけでございまして、確かに、ここへきて円の上昇がちょっと目立ってはおりますが、基本的には現在の相場は円高というよりもドル安ということではないかというふうに理解しているところであります。円の問題というよりは、ドル、円、それから欧州通貨の関係がどうあるべきかというようなことを含めまして、通貨当局間で密接な協議を続けているところでございます。
○田代富士男君 今回の円高が過去最高の状態を続けておることは御承知のとおりでございまして、これは円高といたしまして初めてのことではないか、こういうことで、円高デフレ懸念が一層強まっておることは御承知のとおりだと思います。 そういう意味から、産業界では当然のことといたしまして、次の円高対策として公定歩合の第三次の引き下げを期待する声が強いんですが、それに対してどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(杉井孝君) 公定歩合につきましては、御案内のように、先般、去る一月三十日に引き続きましてその引き下げが決定されまして、この十日から実施されているところでございます。これら一連の措置によりまして、市中金利全般の低下が一層促進されまして、景気の維持拡大に資することが期待されているところでございます。 今後とも、金融政策の運営につきましては、引き続き物価あるいは景気、為替相場の動向、あるいは内外の金融情勢といったいろいろなことを総合的に勘案いたしまして、適切かつ機動的に対処していくという従来の方針は変わりがないことは言うまでもないところでございますが、前回及び今回の措置の経済全般への影響をいましばらく見守っていく必要があると考えているところでございます。
○田代富士男君 それでは、今の答弁ではこの対策にはならぬと思います。しかし、これ以上深くお聞きいたしましても無理だと思いますから、とどめておきますけれども、それではこの対策にはならないということだけは申し上げておきたいと思います。 そこで、経企庁にお尋ねをいたしますけれども、大蔵省の貿易統計によりますと、本年二月の輸出超過額は史上最高の黒字を記録しておるわけでありますけれども、このままいきますと、六十年度累計でも史上初の五百億ドルを突破することは間違いないのではないかと、私はそういう見方をしておりますが、これにつきまして、政府はJカーブ効果のせいであると説明されておりますけれども、通常六カ月ないし一年と言われるこのJカーブ効果はいつ終了するのか。またその後、今回の円高による貿易収支の改善をどの程度に考えていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(赤羽隆夫君) 最近の円高の効果でございますけれども、過去一年間の円レートの推移を見てみますと、昨年の二月、これは二百六十円ぐらいでございました。これが、最近時点におきます円安のピークと申しますか、円のボトムと申しますか、一番安いときでございました。それ以後若干上がり下がりを遂げながら、九月の二十二日、G5が行われます前に二百四十円まで円が高くなってまいりましたけれども、それ以後、半年近い間の円の急騰ぶりということがあるわけでございます。 このいわゆるJカーブ効果と言われますのは、この二百六十円から始まりまして、最近の百七十円台というところ、それぞれについて起こるわけでございまして、最初のころの二百六十円から、円が高くなりましたそのあたりのJカーブ効果というのは、そろそろ一巡をしているのではないかと思われます。しかし、円が急速に高まりましたのは、過去半年足らずの間のことでございますから、これから先、なお半年余りないし一年近くこの効果が続くものと思われます。経済企画庁の数年前の検討によりましても、大体一年ぐらい、あるいは国際機関などの研究では十五カ月ぐらいと言われております。これぐらいたってやっと一巡するということではなかろうかと思います。 貿易収支の改善に対してどの程度になるのかという点でございますが、昨年末に作業いたしました昭和六十一年度の経済見通しにおきましては、六十一年度の貿易収支、これは十一・四兆円の黒字と見込んでおります。これに対しまして六十年度は十三・一兆円ということでございますから、貿易収支の黒字は、六十一年度は六十年度に比し二兆冊足らずの縮小になる、こういうふうに見込んでおります。ただ、政府見通しの前提になりました為替レートが二百四円ということでございますので、最近の百八十円、その程度のことを考えますと、この貿易黒字の縮小幅はもう少し大きくなるもの、こういうふうに考えます。 ただ、その後また、この見通し作業後に起こってまいりました重要なファクターといたしましては、石油の値段が急速にかつ大幅に下がりそうだという事情がございます。石油の値段が一バレル当たり一ドル下がりますと、石油代金の支払いは約十二・五億ドル節約になります。そちらの面で申しますと、黒字がふえる要因がございます。そういったようなことでいろいろな要因が重なるわけでございますので、正確な数字を見通すことは無理ということではないかと思いますが、六十一年度の経済見通しを試算する場合につきましては、この為替レートあるいは石油の価格、さらには世界貿易の伸びあるいはその中におきます対中国輸出と。いろいろな要素を勘案をいたしまして、先ほど申しましたように十三・一兆円の六十年度の黒字が六十一年度には十一・四兆円の黒字と、二兆円程度黒字が縮小するものと、このような予測を立てたわけでございます。
○田代富士男君 今後、この輸出の面からデフレ効果が顕在化してくるんではないかと、このように思われるわけでございますけれども、五十三年の円高につきまして、御承知のとおりに、五十四年の経済白書によりますと、デフレ効果の顕在化に対しまして、「国内需要の盛上りがあったため、経済は着実な拡大を続けることができた」とありますけれども、今回このような国内需要の盛り上がりが期待できると見ていらっしゃるかどうか、これも経企庁からお答えいただきたいと思います。
○政府委員(丸茂明則君) 円高のテンポに関しましては、過去、最近半年を見ますと、この前の五十二年から三年にかけましての、これもかなり急速な円高でございましたが、それよりもかなりテンポが高まっていることは御承知のとおりでございます。 前回の五十二、三年の円高の局面のときと、それから今回と比較してみますと、前回も、五十二年から三年にかけまして円高の影響もございまして、輸出はかなり鈍化をしております。五十二年度では九%ぐらい、これは国民所得統計ベースの輸出でございますが、ふえておりましたのが、五十三年には若干のマイナスになったわけでございます。しかし、当時は国内需要がかなり堅調な伸びをいたしまして、民間、いわゆる個人消費がむしろ伸びを高めた、あるいは公共投資も拡大されたというようなこともございまして、経済成長率は五十二年、三年度ともに五%をちょっと上回るという着実な拡大成長が実現したわけでございます。この中で、いわゆる外需は、五十三年度には若干のマイナス要因になっておりました。 今回はどうかという御質問でございますが、最近の円高に伴いまして、御承知のように輸出産業ではかなりの影響が一部に出ておりますし、また日銀の短期経済観測等を見ましても、企業の景況感というものが主として製造業を中心としてかなり悪化をしているわけでございます。しかし、一方では、同じ調査によりましても非製造業の方はかなり調子がいい、景況感がいいという状態が続いているわけでございます。 最近の国内需要の動きを見ますと、全体として緩やかな拡大が続いております。特に民間住宅建設につきましては、昨年の秋ぐらいからかなりふ えておりまして、着工戸数で申しまして、それまでの百二十万戸をちょっと切る水準から、去年の十−十二月には百三十万戸近くなり、一月には、これにはやや一次的な要因もあろうかと思いますが、百三十八万戸という非常に高い水準になっております。また、個人消費の方も緩やかな拡大が続いておりまして、ことしに入りましてから、一月、二月の百貨店売り上げ等を見ましても、二月の数字はまだ完全に出ておりませんが、一月などは前年に比べて八%ふえるということで、比較的堅調でございます。また民間設備投資も増加傾向を続けておりまして、先ほどの目録の短観でも、主要企業では一〇%近い今年度の伸びが予定されております。こういうように、現在のところも国内需要は堅調な拡大傾向というものをたどっているというふうに考えております。
○田代富士男君 大蔵省の六十年十月から十二月期の法人企業統計や日本経済新聞の大手製造業の三月決算等の調査によりますと、輸出関連企業の業績というのは急激に悪化をしております。これらの数字の基礎となります円レートは少なくとも二百円以上のときのものであったはずでありますから、今後円が続騰し、百七十円台を割ることにでもなったならば、これは企業収益は一層悪化することになりますけれども、この影響をどのように見ていらっしゃるのか。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 また、マスコミの調査によっても、円高による企業収益の減少、輸出の先行き不安などによりまして、当然ながら企業の設備投資意欲も減退しているようでございますが、このような状態のもとで果たして内需拡大というのは可能であるかどうか、これは通産省、経企庁と両方にお尋ねしたいんですが、時間がありませんから、長官にひとつお答えをいただきたいと思います。いかがでしょう。
○政府委員(赤羽隆夫君) 確かに、御指摘のように製造業の部門におきましては利益が減少する、こういう傾向が見えておると思います。これは、最近の輸出に伴いますところの円建てての輸出収入が減少しているという点がその原因だと思われます。 一昨日、経済企画庁から発表いたしました国民所得統計の数字で申し上げますと、昨年の七−九月期、このときの輸出収入の伸びは、これは経済全体でございますけれども、輸出収入は五十一兆四千九百十四億円、これは年率計算でございます。五十一兆四千九百億円でございましたのに対しまして、十−十二月期には四十八兆四千九百九十五億円、こういうことになっておりまして、大体三兆円程度減少すると、こういう状態になっております。売上高が減少するわけでございますから、利益の減少はさらに大きいと、こういうことだろうと思います。 しかし、その反面におきまして、輸入面におきましては、輸入代金の支払いの節約が顕著でございます。同じ時期の数字を申し上げますと、三十九兆四千二百七億円が三十五兆四千五百八十四億円ということになっております。差し引きをいたしますと、日本経済全体としては、輸出入、つまり外国との通商取引によりまして稼ぎ出した所得というのは、七−九月期の十二兆七百七億円から十三兆四百十一億円、一兆円近い収入の増加がある、こういうことになっております。 けさほどからもいろいろ円高のメリットというお話がございましたけれども、昨年の十−十二月期につきまして経済全体として見るならば、日本経済として一兆円近い収入の増加がある、こういうことで、これはむしろ経済の景気という面にとりましてはプラスの効果がまさっておる、こういうことになろうかと思います。それにもかかわらず、円高デフレということが強く言われておりますのは、先ほども数字で申し上げましたように、輸出収入が急速に減少している、こういう点にあらわれているということでございます。 他方、輸入支払い額の減少ということは多いわけでありますけれども、輸入関連企業のこうした所得増加といったようなもの、これが輸出と輸入というところで両者それぞれ偏在をしている。収入の減ったところにとりましては、これは企業の存亡にかかわる、こういうことで大変にデフレ効果が強くなっている、こういうことではないかと思われます。したがいまして、こうした状態、経済全体としては利益を出しているにもかかわらず、経済を構成しております重要な産業部門、特に輸出産業部門におきまして収益が悪化している、こういう状態に対しましてとるべき政策ということは、できるだけ輸入面でのメリットというのを輸出産業まで含めまして経済全体に対して均てんをせしむる、そのプロセスをできるだけ早くすることではないか、こう考えている次第でございます。
○田代富士男君 渡辺大臣がお戻りになりましたから、私の与えられた時間がもうほとんどありませんから、大臣、申しわけないけれどもまとめてお尋ねをします。まとめてお答えをいただきたいと思いますが、これはもうやむを得ません、物理的に。 まず第一点でございますが、今回の円高による差益の還元を急ぐために、当面電力とガスの差益還元の方向を決定したということでございますけれども、具体的には電力・ガス差益問題懇談会で詰めていくと思われますけれども、差益はどのくらいになるのか、また実施時期はいつごろをめどにするのか、実施方法なとどのような方法を考えていらっしゃるのかお尋ねしたい。また差益還元については、あくまでも原価主義に従いまして料金の一律下げを実施すべきという声があるけれども、どうであるかということ、これが第一点でございます。 第二点は、このような急激な円高によって、ただでさえ基盤の弱い中小企業への影響というもの、特に心配でありますけれども、最近の中小企業、下請への円高影響調査の実施結果がありましたならば、これも時間があれば細かくお聞きしたいんですが、概要だけでも聞かしていただきたいと思います。 それから、政府が予算成立後の来月上旬にも総合経済対策を打ち出すという考えでありますけれども、このところの一層の円高の動きに逼迫する中小企業の円高対策を盛り込んだ方針を固められたようでございます。特に渡辺通産大臣が力を入れていらっしゃるということでございますが、具体的にどのようにお考えになっていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。 それから四番目には、円高はマイナス効果ばかりでなくて、長期的にはプラスの効果もあることを承知をいたしております。例えば食糧その他の原材料合わせて約九百億ドル程度を海外に支払っているのが日本の現状ではないかと思いますが、レートが四十円上がっただけでも約四兆円弱の購買力の移転が減少するわけでございます。これは我が国のGNPの一%以上という多くの節約になるわけでございまして、このような円高メリットを内需拡大にどう生かすかということが大きな問題じゃないかと思うんです。そういう面から、この点を含めまして、今後の流動的な世界環境の中でいかに経済運営を図っていくか御決意をお聞かせいただきたいと思います。 まとめた質問で、私の時間がちょっとないものですから、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まず基本的なことを私がお話しいたしまして、あと数字その他、必要があれば担当局長または長官からお答えをいたします。 けさの新聞に出ている電力、ガスの差益還元の記事でございますが、これはお読みになっておわかりのように、各社告ばらばら、まちまちに出ておるわけでございます。ということは、通産省の中で決まったものがほかにないということで、それは憶測を入れて、仮定を、前提を入れて書いておるのでみんな違いが出ておると。そのいずれが正しいかもまだ決まっておりませんから、どうこうということは申し上げられないわけでございます。もちろん我々は、電力料金についてはもう原価主義ということが法律でも決まっておりますの で、やはり需要者というものは頭の中に入れなければならぬわけでございます。しかしながら、今までのひずみ是正で電力を余分に使ったものは罰則的に料金高くしますというのをそのままでおいていいかどうか、新しくビルや工場をつくれば電気料は高くなる、一方では内需拡大をやれ、こう相矛盾した話になっておりますから、ここらのところも多少の手直しは必要ではないかな、こういうふうに考えておるわけであります。 それから、どの程度をどの部分にするかは、円レートを幾らに見るか、それから石油の値下がりを幾らに見通しをつけるか、これが決まらないと実は大きさが決まらぬわけでございますので、そこで決めかねておると。仮定としては幾らでもできるんです。実際には円レートは幾らで見込んだらいいのか、まさか百八十円とか百七十四円とかと見込むわけにはいかぬわけですからね。ですから、大体どこらで一年を通して落ちつくんだろうかということを慎重に見ております。 それから、石油の問題も今OPECで会議をやっておりますから、これがスポット買いが、ある人が言うように十ドル台と、十ドルというようなものが出るからといって、そんなのは全体の量からすればごくわずかの話であって、最近までの油の代金は二十七ドルぐらいでございまして、それが三月に入ってからまたさらに安くなる。これがまた安くなりましょうが、OPECの会議次第でこれもどこらになるのか、全く今のところ見当がつかない。ですから、局部的な余った油だけの投げ売りのものを基準には全く考えることはできません、それは。 それから、もう一つは天然ガス。これは電気会社あるいはガス会社等で使っておりますが、石油価格と連動いたしておりません。これは別々な数量と年限の契約がありますから、契約を改定しなければならない。それがなかなか難航している。ガス会社等は七割はもう既に石油に連動しない天然ガスを使っておるわけですから、これはそういう点では物価が高いときはいいけれども、安いときには必ずしも有利にならない、そういうような問題もございます。したがって、それらの点を見きわめながら、また皆さんの意見も聞いて、非常に内需拡大に役立つような形で、しかも原価主義も離れないようにしながら何かするしかないんであろうということで、実施の時期は今のところ六月一日を考えておるわけですが、もう少し早まらないかなということもあわせて検討もいたしております。 それから二番目は、中小企業への影響、これには中小企業も随分電気を使っておりますので、それをやはり今言ったような方針の中に含めてメリットがあるようにしていきたい、そう思っております。 四月の初めの総合内需対策につきましては、これは各省庁みんな持ち寄りまして、さらに四月の上旬に一段と内需拡大策の取りまとめを行っていきたいと。それで、やはりこの円高というのは、確かに輸出企業に対しては非常な打撃を与えておりますが、一部の企業は値上げによってある程度失地回復、半分ぐらい失地回復しているのもあるし、三分の一ぐらいの失地回復のところもありますし、それは全くもうお手上げというのも私はなきにしもあらずと、そう思っておるわけであります。 しかしながら、やはり国民全部輸出しているわけじゃありませんから、輸入したものの大半はやはり国内消費に当てられておるのであって、その方は、やはり二十ドルまで下がるということになれば、それは非常に大変な影響が出てくるわけでありますし、それから、円レートも幾らに落ちつくのか。本当に百九十円で落ちつくのか、百八十円で落ちつくのか、これによって数兆円という話、六兆ないし八兆あるいはもう少しあるいはなるかもしらぬ、全体としての輸入のメリットですね。ですから、それは私は原材料が安く入ってくるということで、食糧、えさなどは現に非常に安く入って、入荷を値上げしなくとも利益が出るということになってくると農業面等では非常にいい面も実はあるわけでございますから、これを上手に生かしていきたいと思うわけでございます。 なお、先ほど六月一日実施ということを言いましたが、これはまだそういうふうにしたいなということであって、決まっておるわけではないわけでございまして、その点は訂正をさせていただきます。 以上をもちましてお答えとさせていただきます。
○田代富士男君 もう私時間が来ているんです。 通産大臣ね、私は本当に思い切ったことを言っていただいた、さすが通産大臣だなと期待した一分もたたないうちに訂正とは何事ですか、これ。私は思い切ったことを言ってくださったなと思ったら、一分もたちませんよ。六月一日でよろしいな。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは何か、審議会とか手続があるんだそうでございまして、大臣だけで決めちゃうわけにいかないようであります。しかし、なるべく早めたいという気持ちでおることは事実であります。
○田代富士男君 わかりました。
○市川正一君 本日は大臣の所信表明、すなわち基本的な政治理念あるいは政治姿勢に対する質疑の場であります。したがって、それに関連して渡辺通産大臣が先般、有権者やお年寄りを愚弄するような発言を行ったことは重大な問題として私も黙過できないということをまず明確にしておかなければなりません。 私も改めてテープを聞かしていただきました。大臣はいわゆる毛針発言については一応陳謝なすったとはいうものの、例えば働かない老人がいつまでも生きておって云々という発言を初め、これまでもたびたび繰り返してこられた一連の福祉を敵視するような発言を含めて、お年寄りの基本的人格、言うならば生存権そのものを冒涜するような発言については何ら反省されておりません。私はこうした大臣の政治理念あるいは政治姿勢に対しては本委員会においても今後随時糾明するものであるということを冒頭明らかにして具体的質問に入っていきたいと思います。 さて、まず対フィリピン援助の問題であります。腐敗と独裁のマルコス政権の崩壊とアキノ新政権の成立を契機にして、日本の対フィリピン援助に改めて重大な疑惑が生じてきております。 そこで、若干の質問をいたしたいんでありますが、第一は日本の援助がマルコス政権へのてこ入れに使われていたのではないかという濃厚な疑惑についてであります。日本政府は、これまで十三次にわたって借款を供与してまいりましたが、本日ここで取り上げたいのは、特に最近の第十二次と第十三次の商品借款であります。 周知のように、商品借款は発展途上国向けということで、フィリピンについては一九七八年の第七次借款以来商品借款は打ち切ってまいりました。ところが、それから六年たった八四年の第十二次借款で突如この商品借款が浮上してまいりました。この時期はどういう時期であるか、これは八四年五月のフィリピンの国会議員選挙の直前であります。そして、この選挙の後、当時のマルコス大統領は中曽根首相に電話をして直接謝意を表したとも伝えられております。 さらに不可解なのは第十三次借款であります。今中した第十二次の商品借款、総額三百五十二億円でありますが、その消化率が昨年十一月現在で三七・二%です。つまりその大半の二百二十億円が未消化の段階で、新たに百六十五億円の商品借款を追加していること。さらに、第十三次借款の事業の大半がマルコスの地盤であるルソン島北部に集中していること等々であります。この第十三次借款の時期はと申しますと、まさに今回の大統領選挙の直前であります。 商品借款というのは、援助を受けた政権にとってその国の内貨を中央銀行に蓄積することによって現ナマが手に入ると同じいわばメリットを持ちます。こうして見ますと、マルコス政権への露骨なてこ入れとしか言いようがないんでありますが、しかもそれが不正選挙の資金に流用されたと いう疑いが今次第に濃厚になってきております。 伺いますが、なぜこういう疑惑いっぱいの商品借款をあえてしたのか、また、国民の血税を使ったこの借款について、外務省を呼んでおりますが、外務省としてもその使途を厳格に究明するが当然であると思いますが、この点いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の言葉の一部をとらえられまして御叱正を受けておるわけでございますが、私はどうもイとエができませんでして、イとエ、カとケとかというのがうまくできないんですよ。働かないとか働けないとか、一緒になっちゃうんです。ですから、働けないというのは、その人がいつまでも生きておられたということについて、もっと丁寧な言葉を使えばよかったんですが、老人をどうこうする気持ちは全くない。私はと敬老の精神に旺盛で、しかも親孝行の者はない、私はだれにも引けはとらないと、そういうつもりでやっておる次第でございますから、ひとつ御了解を願います。 なお、借款問題につきましては、私は大蔵大臣になりましてから、以前はややもするとつかみ金で総額幾らという借款の方式だったものを、それでは非常にむだ遣いになることが多い、したがってプロジェクトごとに積み上げて物を審査しろというようにして、かなり厳しく実はやるようにして、最近はつかみ金方式でなくて、プロジェクトごとの方式に変えさせるということをやっているはずでございます。 いずれにいたしましても、国民の税金でやるわけでございますから、やはり借款については相手の国民からも喜ばれ、日本国民からも理解されるというようなことでなけりゃならぬ。今後の援助というのはますますふやしていかなければならない状況なので、余計一層そういう点については気を使っていく必要があると、そう考えております。
○市川正一君 外務省。
○説明員(榎泰邦君) 先生御指摘の点はいろんな点を含んでいると思います。 まず、一般論のところでございますが、我が国のフィリピン援助が特定政権支援ではなくて、フィリピンの国民、民生の安定と経済発展のために供与していると、これをもう外務省としてもかたい確信を持っているということは、たびたび外務大臣からも答弁をしているところでございます。 また、特に商品借款に御言及でございましたんですが、商品借款につきましても疑惑を持たれませんように政府としましてもさまざまな歯どめをかけてございます。 大まかに申し上げますと、まず、商品借款は対象品目何にでも使っていいということではございませんで、あらかじめ相手国政府との間でどういう品目に使うのかということにつきましてこれは合意しておきます。次に、個別契約に基づきましてあらかじめ合意した対象品目に合っているかどうか、これをOECFのチェックの方でまたチェックしております。同時に、商品借款の場合には見返り資金というものを設けますが、これについても円借款のプロジェクト等経済開発に使うようにこれを義務づけておりまして、報告を受けると。また最近では、交換公文でも円借款の使用について適正使用条項というものを入れて、相手国に対して適正に使用するよう義務づけております。 二番目に、なぜ十二次円借款でそれまで出していなかった商品借款を急に出し始めたかという御指摘でございますが、商品借款は相手国の経済状況の悪化、特に国際収支状況の悪化というものに対応して相手国の経済開発に少しでも役に立つという趣旨でございます。第十二次を出す前の年の八三年、この年になりましてフィリピンの外貨事情が急激に悪化をいたしました。具体的には、八二年までは大体外貨が二十五億ドルぐらいございましたが、八三年にはこれは九億ドルということに急減をいたしました。 私どもよく輸入カバレージということで、外貨準備高が月額輸入額の何カ月分に相当するのかという数字を使いますが、それまで、八二年で大体輸入カバレージで四カ月であった外貨準備が二カ月を割るという状況になっている。こういうフィリピン側の急速な経済状況悪化、特に国際収支の悪化というものに対応いたしまして、商品借款という形でフィリピン経済の発展に協力をしようと、そういう趣旨で十二次に至りまして商品借款を出した次第でございます。
○市川正一君 まず、大臣にはそういう御答弁を私はあえて求めなかったんですが、飛んで灯に入るじゃないけれども、そうおっしゃるならば私も言わざるを得ません。あなたはイとエと、こうおっしゃるけども、そういうたぐいの問題じゃないんですよ。 御紹介しましょう。「お金をかけたくなければ、さっさと死んでください。そうすればお金はかかりませんから」、これは八三年十一月二十三日、福井でやっているじゃないですか。「乳牛は乳が出なくなったら、と殺場へ送る。ブタは八カ月たったら殺す。人間も働けなくなったら、死んでいただくと、大蔵省は大変助かる。経済的にいえば、一番効率がいい」、八三年十一月二十四日、これは東京です。「長生き社会にはお金がかかるんです。お金をかけたくなければ早く死ぬほかない。本当のことだもの。だって、ウソはいえないもの僕は」、八三年十二月三日、地元です、これは。「長生きにはコストがかかる。出したかない人は早く死んだ方がいい」、八五年一月二十四日、秋田です。「老人医療無料は親不孝奨励金だ」、これは八五年の六月、東京です。 ですから、単なるイとエじゃないですよ。私はイチカワであってエチカワじゃないんですけどね。それは別として、しかし、きょうこれやっておったら——そのつもりじゃないんで、ただけじめだけはつけておこうということで申したんです。 そこで外務省、私じっと我慢して聞いておったけれども、私の持ち時間は限られているんですから、できるだけ簡潔にやってほしいんです。 今のお答えを聞いた上でも、なお二つの選挙直前にという商品借款というものの解明にはならぬのです。それから、まだ六割以上の未消化を残しておりながら追加するということについても疑惑は解消されていません。 そこで聞きますが、援助にかかわった日本企業によるマルコスへのリベート、わいろ問題であります。 フィリピン援助の場合は、商品借款にしろ何にしろ、実際の価格に大体五%から一五%の上積み、いわゆる水増しです。それをやって、それがマルコスへのリベートに流れるというのが常識だとさえ言われております。事実、今回マルコスがアメリカに持ち出し、フィリピンのサロンガ行政規律委員会委員長に手渡された資料の中には、リベートを贈った日本企業の名前が書かれている、そういうふうにサロンガ委員長自身が明言しているじゃありませんか。サロンガ氏によると、その企業は約五十社であり、リベート、わいろの証拠があるというふうに述べています。 まことに事は重大でありますが、政府の援助がわいろになったというふうなことだとすれば、これは私、渡辺通産大臣並びに外務省に伺いたいんですけれども、アメリカでも下院外交委員会のアジア・太平洋小委員会、俗にソラーズ委員会と言っておりますが、ここでこの資料の分析作業に入ったと伝えられております。今まで多額の援助をし、これからもやっていくと言っております日本にとって、無関心であっていいはずはありません。政府あるいは外務省として、アメリカ、フィリピン両政府に対してこの資料の提供を求め、そしてそれを国会に提供なさることを私は要求したいと思いますが、いかがですか。
○説明員(小林秀明君) お答えいたします。 政府といたしましては、サロンガフィリピン政府綱紀改善委員長が言及した、日本企業の活動が我が国の法律等の見地から問題があり得るものか否かについても今のところ承知していないわけでございますが、念のため外務省といたしましても関連情報の把握には努めております。 在米国我が方大使館に対しましても、可能な限り情報収集方指示しておる次第でございます。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕 しかしながら、我が方在米大使館と米国側とのやりとりの内容につきましては、先方側との関係もございますので詳しく説明することは差し控えたいと存じます。 フィリピン側との関係でございますが、フィリピン側との関係で、情報集収等のために外務省として何らかの措置をとるか否かにつきましては、今後アメリカでの情報収集の状況をも見つつ検討していきたいというふうに、考えております。
○市川正一君 じゃこの資料の請求をアメリカとフィリピン両政府に外務省としては手続をとったと、こう理解していいんですか。
○説明員(小林秀明君) その点も、我が方在米大使館とアメリカ側との間のやりとりにかかわる問題でございますので、現段階では先方側との関係もございますので説明することは差し控えたいと存じます。
○市川正一君 先方側じゃなしに日本側ですよ。先ほどもやりとりの中で情報入手の手が遅いと言ったら、そうじゃないと経企庁長官が言いましたよ、あなたそのときおられなかったが。 私は委員長にお願いしたいんですが、本商工委員会としても、これ重大なんで、この資料を正式に要求することを後刻理事会においてお諮りをいただきたいということをお願いいたします。
○委員長(下条進一郎君) 後刻理事会で検討さしていただきます。
○市川正一君 さらに引き続き重大な問題は、十八日付のフィリピンの経済紙のビジネスデーによりますと、アメリカに在住する銀行家グループ、マグディワン83というのが、マルコスがレーガンとともに自民党にも七二年から七三年にかけて多額の政治資金を提供した疑いがあるというふうに発表していることであります。もしこれが事実だとするならば、これは賄賂の還流ということになるわけですね。ロッキードですよ。 私はこの機会に、閣僚であり、また自民党の最高幹部の一員でもあらせられる渡辺通産大臣のこの問題についての見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は別にあらせられるわけではありませんが、これは単なる情報だけでありまして、真贋のほどは全くわからない、わかりません。ちょうどあなたが先ほど言ったように、私の言ったことについて全文を言わないで、その部分だけを言って——私は選挙運動で言ったわけですから、老人をそんなけなすようなトーンで言ったら票が全部なくなっちゃうんですよ。だけれども、それはそういうことはできないんですよと言ったその真ん中だけをとって言うんで、あなたのこれも、そこの真ん中だけとって言っておるのかどうかわかりませんが、よく実情を調べさしていただきます。
○市川正一君 やはり、これは自民党としてもこういう疑惑は解明すべきだと思いますんで、ぜひ早く実態を聞かしてください。 円高問題に入りますが、先ほど来も論議されておりますように、急激な今度の円高による輸出関連中小企業初め、経営危機はますます深刻になっております。私は、本委員会においてもこの問題を取り上げましたが、本日は円高対策の重要な一環である差益の環元をめぐって具体的な産地やあるいは現地の実態に触れながらお聞きしたいんであります。 外務省帰っていただいて結構です。
○委員長(下条進一郎君) どうぞお帰りください。
○市川正一君 兵庫県に西脇市というところがありますが、播州織の産地であります。ここの賃織り業者の場合に、労働基準局の定めた最低工賃はギンガムの生地を一ヤール織って四十円になっております。ところが、円高の影響で、今では二十円程度になっております。ところが、そのうち電気代が三分の一以上の七円も含まれているんですね。したがって、二十台をフル稼働しますと、電気代は月十五万円以上もかかる。もしここで差益還元で電気代が月三万でも四万でも安くなれば、業者としては非常に助かるという声が広く高まっております。つまり、中小業者は円高ということで単価がたたかれ、工賃が大幅に引き下げられる、しかし電気代は下がらぬ。これではまさに踏んだりけったりであります。 電力、ガス、石油などの円高差益は、こういう中小業者やあるいは漁民、農民、一般消費者などにこそ手厚く還元されるような対策を実施すべきだと思いますが、基本的な認識をまず承りたいと思います。
○政府委員(野々内隆君) 電力、ガス業界の差益の還元につきましては、今のところまだ為替レートあるいは原油価格の動向というものがわかりませんし、また決算の動向というものもわかっておりませんので、そういうものの推移を見きわめ、他方で有識者あるいは関係審議会等の御意見を伺いながら、六十年度決算などが明らかになります五月ごろを目途に具体的な方策について検討を進めてまいりたいと考えております。 具体的な検討に当たりましては、やはり電気、ガス料金は原価主義の原則に基づいて設定されるということたなっておりますので、差益は使用者の利益のために用いられるのが基本とは考えておりますが、今後この点を踏まえまして、国民経済的に最も望ましい筋の通った差益への対応というものを考えてまいりたいというふうに思います。
○市川正一君 五月ごろとかおっしゃっているんだけれども、そんな悠長なことじゃないんで、私は今の最低工賃がもう今や四十円という規定にもかかわらず二十円で、そのうち電気料金が七円以上かかっているという、そういう実態について、私が言っているのが誇張がどうか、これは一遍、中小企業庁の木下さんもあるけれども、現地の西脇へ行って見てきてください。そしてわしが言っているのがうそかまことか一遍報告してください。一遍児できてください。
○政府委員(木下博生君) 中小企業庁といたしましても先日幹部を各産地に派遣いたしまして実情の調査をし、現地の声を聞いてきております。 確かに、輸出関連中小企業の方々大変に苦労されている状況は私どもよくつかんでおります。その中で、今もお話ありましたように、織物の場合に、工賃の中に三割ぐらい電気代が占めるということで、できるだけ下げてほしいという要望があったということも聞いております。 そういうことで、私どもはその要望を資源エネルギー庁にも伝えまして、今後の資源エネルギー庁の施策に反映さしてほしいというふうに考えておるわけでございます。
○市川正一君 西脇へ行かぬでもええけれども、そんなら実態つかんでくれますか。
○政府委員(木下博生君) 西脇にも行っております。そこで聞いてきた話でございます。
○市川正一君 それは私の今の話と大体合うてますか。
○政府委員(木下博生君) 具体的に幾らとかというところまでは私は報告を受けておりませんが、同じような要望を受けたんではないかと聞いております。
○市川正一君 そやから、うそかまことかちゃんと確かめてくれ言っている。確かめてくれますな。
○政府委員(木下博生君) 生活産業局の方とも相談しまして、原価がどういうふうになっているかは十分調べたいと思います。
○市川正一君 じゃ、また後で調べて聞かしてください。 この電気料金の問題は農民にとってもまた深刻であります。農林省にお聞きしたいんですが、全国各地でハウス栽培の熱源や動力源として使用されている電気の料金を、その使用の実態に即して割引制度を適用してほしいという要求が広く出ているんですが、御存じでしょうか。
○説明員(遠藤竹次郎君) 山梨県などの農家、すなわちハウス農家でございますが、その方々から意見が出ているものということを承知しております。
○市川正一君 国民のいろんなニーズといいますか、そういう多様性の中でこれにこたえるハウス栽培というのが可能な限り好条件で運営できるように、そしてまたこれに必要な電気料金について適切な割引制度が導入されるということは望ましいと農林省としては考えていらっしゃるか、この点どうでしょうか。
○説明員(遠藤竹次郎君) 従来からも電気料金の改定の場合には、通商産業省にお願いいたしまして、種々措置をとっていただいているわけでございます。 ただいまの御質問に対しましても、できるだけそのように今後とも努力してまいりたい、かように考えております。
○市川正一君 そこで、通産省にお伺いしたいんでありますが、円高差益の還元問題と直接リンクするつもりはございませんが、しかしながら、今農林省からも御紹介のありましたような、ハウス栽培農家から起きております電気料金の割引制度の導入についてであります。 これは東京電力管内の今お話もございました山梨から出ている具体的な要望でありますが、同時にそれは全国的な課題でもあると私考えます。山梨県は御存じのようにブドウの名産地であります。このブドウを初め野菜、花井などのハウス栽培が盛んでありまして、このハウス栽培の熱源や動力源に電気を使用しておるんでありますが、その需要は当然のこととして冬季の、冬場の十二月から三月の大体四カ月程度になっております。ところが、電気料金は通年の契約でありますために、全く電気を使用しない八カ月についても基本料金の半額は支払わなければならないということになってまいります。こうした事態に対して何とかならぬかという農家の強い要望があることを通産省としてはつかんでいらっしゃるでしょうか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○政府委員(野々内隆君) そういう御希望があるということは承っております。
○市川正一君 これは私、党派を超えて、今ここで与党の松尾官平先生も賛成だと、こうおっしゃっていただいたんですが、まさに県下農民共同、共通の要求になっているんですね。山梨県の農業会議の会長であり、また全国農業会議所の理事でもある溝口一栄さん、名刺をちょうだいいたしましたが、この問題に熱心に取り組んでいらっしゃるなど、全県的な要求になっております。 一般的に申しまして、年間の電力需要の季節別のウエートを見ますと、冷房装置が普及してきた最近の傾向として、夏場に電力需要のピークがあり、そして相対的に冬場は低い需要になっている傾向が生じていることはへ資料その他で御存じのとおりです。地域的な特殊性があることも当然でありますが、東京、関西それから中部など、大都市圏を抱えるところではこの傾向が一層顕著であります。 そこで、電力設備の効率的運用を図るため、オフピーク時の需要対策として、冬季の需要の少ない時期にしか使用されないハウス栽培用の熱源や動力源としての需要については、負荷の平準化という観点からも、料金の割引制度や未使用期間の料金を徴収しない制度などを設けることを検討すべきだと私は思うんですが、これは電力会社にとっても、また農家にとっても、双方望ましいことだと私考えるんですが、との点、いかがでしょうか。
○政府委員(野々内隆君) 二点問題の提起があったかと思っておりますが、まず一点は、特定の分野に料金を安くするという問題でございますが、実は電気料金を安くしてほしいという御希望は大変多くございます。 例えば、先生先ほどおっしゃいましたように、輸出中小企業は大変お困りになっているのでぜひ安くしろ、あるいは福祉家庭を安くしろ、いろんな御希望がございます。そのすべての御希望に応じておれば結局全部安くなってしまうわけで、だれかがコストを負担しなきゃならない、こういうことになりますので、特定の用途、特定の目的のために安くするというのはなかなか難しい。したがって、現在の電気料金制度では、原価主義、公平というようなことが原則になっているわけでございます。 それから第二のポイントでございますが、負荷平準化対策。これは私はなかなか考えるべき問題であろうかと思っておりまして、既に臨調等からも季節別、時間帯別の料金制度を導入してはどうかというような御提言もございます。これが、ハウス栽培が原価的にそういうメリットがあるかどうか、これは今後検討する必要がああと思っておりますが、今、当面は円高差益問題の検討をいたしておりますが、いずれ基本的な制度につきましての議論が必要であろうと考えておりますので、時間帯別、季節別料金制度につきまして、今後負荷を平準化し、全体としての電気料金コストを下げるという観点から検討してまいりたいというふうに考えております。
○市川正一君 積極的な立場での回答と承りました。 確かに、季節的要因を考慮に入れた割引制度が第一次オイルショックの時期までは存在しておりました。エネ庁の野々内さんとは長いつき合いで、その当時のことは繰り返しません。 そこで、細かいことは申しませんが、そういう季節的要因を配慮した制度をつくっていたことは事実なんで、これの復活なども含めて、ハウス栽培をも含むそういう割引制度について検討もされ、また電力会社に指導もしていただく、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(野々内隆君) 従来ございました季節電力契約と申しますのは、実は水力発電が中心であり、かつ冷房需要がない時期にいかにして夏場にお客さんを集めるか。夏は豊水でございまして、かつ冷房需要がないわけですから電気が余っておりまして、何とかそういう時期に電気の需要をふやそうという観点から置かれた制度でございますが、完全に供給事情も需要事情も変わってまいりましたので、既に十年前にもう廃止されておりますので、この問題を今ここで取り上げるのはちはっと無理がと思います。 私ども考えておりますのは、現在、負荷が大体底とピークでは三倍ぐらいの髪もございますので、何とかこれを平準化するということを将来考えてみたいということでございまして、実はハウス栽培そのものがこの負荷調整の役に立つのかどうか、これにつきましては私どもも十分資料もございませんので、ハウス栽培についてどうするということをここでお約束することはできませんが、負荷調整については今後考えていきたいという基本的な方向として申し上げたいと思っております。
○市川正一君 直接ハウス栽培という意味じゃなしに、したがってそれはハウス栽培も含めて検討の対象にするという意味なんでしょう。
○政府委員(野々内隆君) まず私どもとしては、負荷調整のための制度というものについて今後検討してまいりたいと思っておりますが、この負荷調整のための制度の案ができました段階で、ハウス栽培がそれに適用になるかどうか、これは電力の使用形態をチェックして判断をするということではないかと思います。
○市川正一君 渡辺大臣、お聞きのようにハウス栽培の農家にとって非常に切実な願いであります。 時あたかも円高差益が社会的問題になっておる折から、それに直接連動するということを私必ずしも前提にしておりませんけれども、大臣としても今の事務当局の答弁を踏まえて大いに具体化し、推進を図っていただきたいと考えるんでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 電力料金の平準化の件は、ただいまエネ庁長官が言ったとおりであります。
○市川正一君 では、ひとつ大いに頑張ってください。また、東電その他の方にも、しかるべく行政指導の上からもやっていただくことを期待いたします。 そこで私、この季節的要因を考慮するという点 からいたしますと、例えば積雪地帯の消雪パイプあるいは流雪溝、こういうところの動力源、あるいは冬季だけ稼働するスキー場のリフトの電気料金なども考慮の対象になると思うんでありますが、積雪地帯の消雪パイプや流雪溝用の電力料金については、幸い関係者の努力で一定の配慮がなされたところだと聞いておりますが、スキー場のリフトの電力はまだ対象になっていないようであります。 我が国のスキー人口は千五百万とも言われており、国有林野内に設置されているスキー場に限ってみても、その数は去年の四月一日現在で百四十五カ所あります。そのうち四〇%は地方公共団体が実施主体になっており、公益法人とかあるいは第三セクターなどを含めますと、約六割がいわば公的な主体によって運営されております。スキー場の設置の目的も、その地域の体育施設としての位置づけを行ったもの、あるいは積雪地域の冬場の地場産業、また出稼ぎ対策などとして位置づけている場合も多いのであります。 そこで、こうした施設に対して、積雪地帯における地域振興という観点からも、スキーリフトなどの電気料金に一定の優遇措置をとることは、政策的課題の一つとして検討の対象になるかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(野々内隆君) 先ほども申し上げましたように、特定の目的の部分について電気料金を割り引くということをいたしますと公平を期しかねるわけでございまして、例えばリフトは安くするけれどもほかは高くするというようなことにしますと、これは原価をだれがカバーをするかという問題が起こります。したがいまして、私どもは常に原価構成からいって、安いところについては安い料金でお使いいただくということであろうかと思っております。 一般論としまして、夏はピークがあり、冬はピークが低いわけでございますが、冬の場合であっても、昼間は電力の需要量が多くて夜は少ない。いろんな利用形態がございます。したがいまして、そのおのおのの利用形態が、原価からいって安いかどうかという観点から判断をするということが必要ではないかと思って泊りますので、その用途が公的であるか、社会的に有意義であるかどうかというような観点から判断をするというのは無理があろうかと思っておりますので、御希望の点につきましては、むしろその利用、用途が原価的にどういう意味を持っているかということを分析をしてから判断をさせていただきたいと思います。
○市川正一君 この点については、先ほどの負荷の平準化の一連の研究作業と相まって、今後なお煮詰めていきたいと思っています。 私の持ち時間が迫ってまいりましたので、最後に撚糸工連の問題について伺います。 二月十四日の本委員会において、私ここに会議録を持ってまいりましたが、この問題についてただしました。その後の事態は、予算委員会の論議も含めて御承知のような展開をいたしておりますが、この際明らかにしておきたいのは、撚糸工連の幹部が融資金を悪用して政治家への政治献金をしていたという事件は、これは明らかに政治資金規正法の第二十二条の三に定めてある、国から補助金等を受けている関係に該当するものと考えるのでありますが、通産省はこれをどう見ていらっしゃいますか。
○政府委員(浜岡平一君) ただいま御指摘いただきました条文の解釈につきましては、先生御承知のように幾つもの委員会で今まで論議が行われておりまして、自治省の方からは現行法の解釈論としては該当をしないと。ただ、官房長官の方から、その問題は今後政治資金規正法等の取り扱いが議論される際に、立法論として取り上げるべき問題ではないかというぐあいに考えていると御答弁になったと記憶しておるわけでございますが、これが現在の段階での政府の考え方であると承知いたしております。
○市川正一君 撚糸工連は、補助金という名目じゃなしに融資という名目で、いわば十六年間無利子の融資を受けているわけですね。一九七四年から八五年までの十一年間に合計約五百六十億円です。時間がありませんので、私の方の計算した結論を申し上げますと、この五百六十億円の資金を十六年間運用しますとどの程度の運用益が出てくるのか。答えは、五百六十億円が元金で、それとほぼ同額の五百三十七億円の運用益が残ります。これは、四年据え置きの後十二年均等に返済していく、こういう規定どおりの運用です。 これは補助金並みの、あるいはやり方によってはそれ以上のうまみのある資金ということになるんです。しかもこれは国民の血税です。国の予算として、毎年一般会計に繊維対策として予算化されたものを事業団を通過させるだけの手続——手続的にはですね、そういう性質の金なんですね。ですから、これはこの資金から政治献金を行う、あるいはそれを受け取るということは明らかに政治資金規正法に反するものです。今の政治資金規正法の精神から言っても、本質的にそういう性格のものじゃありませんか。 そこで大臣に伺いたいんですが、前回の本委員会で、私はその全容を調査し、再発防止も含めて本委員会に報告することを要求いたしましたら、大臣も極力御趣旨に沿うよう努力する、時間はかかるかもしらぬがと、こうおっしゃった。私は、大臣が在任中に必ずこれはできるのやと言って裏打ちをしたんです。きのう行われた繊維業界との懇談会で、大臣はこの問題に触れて、不正をなくすために制度の洗いかえが必要と述べた、こう報せられております。多額の融資資金が業界に流れ込む設備廃棄事業が不正の温床になるという認識に立っていらっしゃると理解するのでありますが、この真意は那辺にあるんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは非常に、お金を貸すこと、回収することはできるんですが、設備を買い上げるというときに何万台というものが無理があるわけですから、無理というか、その機械の管理というものが、お役所の人数だけじゃ足りない。現場に全部行ってそいつを照合しなきゃならぬ、これが登録機械であるか、そうでないか。したがって、そこまで目が通らないということであれば、信用した人がごまかすんですから、とても不正事件を抑える方法がありません、これは。だから、何とかそれがインチキがないということを確認がきちっとできる方法があるかどうか、それが見つからなければ制度そのものが私はできないと思います。したがって、そういうような点を含めて、制度の改廃も含めて、またやり方でやれれば、もっと残していける方法もあるでしょうが、そういうものも含めて抜本的に一遍国会でも終わってから検討する必要があるということを申し上げたわけであります。
○市川正一君 これで最後です。 そうしますと、そういういろんな不正の温床という場合に、政界へその金が還流するという可能性もあり得るという危険性、そういう認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の言ったのはそういう認識で言ったのじゃないんですよ。現物の確認です。何十万という現物の確認で、今調べられたところによると、実際は新しい機械をつぶすはずのものを、新しい機械をどこかに運んじゃって、別な機械を持ってきて、それでこれをレッテル張りかえてつぶしたというようなことが出ているんです、一部分。 だから、そういうことを根絶しなきゃならぬわけですから、それにはたくさんの人手を要する、お役所がやれば。できないので組合とかなんかの人に任せてやらしたわけでしょうね、これは。 ですから、そこのところをきちっと歯どめがかからないと、そういう悪い人が出た場合に、人を見たら泥棒と思えと思っちゃいけないんですよ、それは、悪いことなんですよ。だけれども、現実にそういう人がたまに出ちゃった、現実は。だから、そういうことが二回絶対出ないようにするためにどうするかということを私言ったのであって、ですから、ごまかした人が政治献金するかしないかとか、そんなふうな話をくっつけて私言っ たのじゃないんです。
○市川正一君 まあ政治絡みのことは引き続きやりましょう。終わります。
○木本平八郎君 けさほど来円高に関する問題がいろいろ議論されておるわけですが、私は円高の問題も差し当たっては大変なんですけれども、これに続いてくる次のデフレといいますか、非常に景気が悪くなるということの方が大問題じゃないかというふうに受けとめておるわけです。 この経過につきましては、ちょっとこれは後回しにして、それで一応前提としてそういう非常な不況になってくるというマクロ的な前提に立った場合に、どういう影響があるだろうかということを取り上げてみたいわけです。 それで、もちろんこれはそういう不況になってくると中小企業に一番大きな打撃が来るということは確かなんですけれども、やはり大企業にも大きな影響が来るんじゃないかというふうに受けとめているわけです。この点について通産省としては、現在既にそういうことがもう大企業に影響がどの程度及んでいるのか、将来どういうふうに影響が加速されていくかという点、ちょっと大企業に限ってまず認識をお伺いしたいわけです。
○政府委員(福川伸次君) 最近の円高でございますけれども、既に円の手取りでいきますと、前年同期に比べて一〇%以上マイナス、こういう状態になっております。業種で申しますと、自動車とかあるいは電子関係、こういった部分は競争力、特に非価格競争力が強いので、比較的ドル価格を引き上げましてもある程度値段は通っていくということで、量は若干は減ってまいりますが、それほど大きな深刻なことにはならないのが現在でございますが、反面、基礎素材産業などはもちろん円高のメリットはあるんでございますけれども、市況が下がる、あるいはまた輸入がふえてくる、こういうことから、かなりこれは影響が出つつございます。 例えばセメントあるいは紙パルプ、場合によっては小棒、こういったようなものはかなり深刻な影響になると思っております。さらに非鉄金属あるいはアルミ、こういったものも深刻になろうかと思っております。それから労働集約型と申しましょうか、あるいは繊維、こういったものについてもかなりの影響が出てまいると思っております。したがいまして、大企業におきましてもこれは私どもとしては、業種によって差がございますけれども。深刻な影響が出てくる可能性があるものと深刻に受けとめております。
○木本平八郎君 確かに今の御見解どおりだと思うんです。 ところが、今現在やはり問題になっておりますのは、輸出とか輸入とかに直接関連のある企業といいますか、部門というか、業種なわけですね。これは中小企業も全部同じなんですけれども、これがあるところまで時間がたってきますと、日本経済全体にそのデフレ的な非常に影響が大きくなってくる。今全然輸出入に関係のない——全然ないかどうかはわかりませんけれども、例えば百貨店だとかそういったところだって、もう半年もたったらそういう景気の停滞というか、そういうものの影響を受けてくるわけですね。そういうことを考えますと、今直接輸出入に関係のあるところは、これはお役所も何もみんな必死になって対策を考えているわけですけれども、今やはり考えておかなきゃいけないのはこの次の段階、半年後にどういう影響を及ぼしてくるだろうかという点なんですね。 その辺で、私実はここで取り上げたいのは、やはり今中小企業問題も大事なんですけれども、大企業といいますのは、今は割合に底力があるんで、すぐダメージは受けない、中小企業は底が浅いからすぐ影響を受けるということで目立っているわけですけれども、大企業が倒産するとなると非常に影響が大きいわけですね、下請から雇用の問題あるいは経済の混乱の問題とか。そういうことがありますので、私はやはり半年後を考えて打つべき手は打っておかなきゃいかぬのじゃないかという気がするんですね。 こういう円高になりまして不況が来ると、これはある意味では神の脚本みたいなもので、ちょっとどうしょうもない面があるわけです。しかし普通に、例えば円が上がったから輸出の場合国際競争力がなくなった、あるいは経営環境が非常に厳しくなったから経営が困難になってきたとか、だれが考えても通常そういう理由がはっきり理解できるというふうな、ちょっと不謹慎かもしれませんけれども、仮に倒産が起こってもこれはある程度やむを得ないと、日本経済全体として、はしかじゃないですけれども乗り越えていかなきゃいかぬ、私は必ずそういう問題は起こると思うんですよ。起こると思うんですけれども、私が今ここで問題にしたいのは、経営のあり方あるいは経営者の不注意なんかによってやらずもがなの倒産が起こるということはやっぱり避けなきゃないかぬのじゃないかという気がするわけですね。 そこで、この例を挙げるのはいいかどうか知りませんけれども、例えばかつて三越の岡田社長問題がありましたね。ああいうふうな経営体質だった場合には、今度のようなこういう深刻な不況が来ると割合にその経営体質は非常にもろいんじゃないかという気がするんですね。そういうことは、事前にわかっていればやはり指導して経営の姿勢をきちっと正させる、内容をびしっとやらせるということも必要なんじゃないかという気がするわけです。したがいまして私は、先ほどもほかの件でありましたけれども、企業マルコスというか、企業の中にマルコス体制が非常に浸透してきている企業があるわけですね。そういう企業はひとつ非常に危ないんじゃないかという気がするわけです。 したがいまして、これから一つの提案なんですけれども、これは商法自体本当は変えるべきだと私は思っているんです。商法をいじるのは大変ですけれども、例えばワンマンになり得る可能性、創業者企業とか完全な同族企業なんかはこれはちょっと別ですが、社長が一人、一部上場の相当大きな会社で代表取締役一人しかいないというところがあるわけですね、前には二人おったのをもう今度一人にしちゃったとか。そうすると、そういう社長がワンマンで代表取締役が一人というふうなことになると、非常に独裁的なものが強くなり得るわけですね。 したがって私は、商法を変えるわけにはいかないでしょうけれども、例えば資本金五十億円以上とか一部上場の会社とか、そういうふうな非常に影響力の大きい企業については代表取締役を複数にするのが望ましいというふうな、行政指導じゃないんですけれども、何かアドバイスのようなものを考えられないかということなんですがね。まずその辺について御意見を承りたいと思いますが。
○政府委員(福川伸次君) 自由経済体制のもとでは、企業の経営につきましては経営の自主性を最大限に尊重するというのがこれが私は基本であろうと思っております。 今御指摘のように、経営者のあるいは判断の間違いによって倒産に陥るというようなことについては、これはまさに企業の企業経営者としての社会的責任の問題であると思うわけでございます。それがワンマン体制というようなことであることが、往々にして情報が偏るというようなことから、経営の判断を間違うというケースがあろうかと思いますが、企業自身としては、これはいろいろ経営関係の研究も行われておりますけれども、例えば意思決定に当たっての上下の関係をどういうふうにしていくか、あるいは研究開発等をどう見るか、あるいは市場の将来をどう見るか、いろいろなことをその経営全体の中でどうやって判断するかという組織運営の問題としてとらえることになるのかと思っております。 その場合に、複数の代表取締役の方がいいかどうかという問題は、私は確かに一つの検討課題だとは存じますが、一概に複数だと安定で、単数だと不安定ということにもあるいはならない。それは代表取締役、代表権のある取締役だけじゃなくて、経営全体の組織の問題だということではなか ろうかというふうに思うわけでございます。 大企業の場合は、御指摘のように、従業員も多うございますしあるいは取引先も多いわけでありますし、あるいはよくしばしば問題になります企業城下町というようなことで、周辺の地域との関連も非常に多いわけで、そういう意味では私どもは大企業なればこそ将来を見通して我が経営、会社はいかにあるべきかということを絶えず考えて、従業員はもとより周辺取引先との関係も安定して十分将来見込みのある経営をしていくべきものは当然でございまして、その意味では企業経営者の責任の自覚ということに重要なポイントがあるのではなかろうかと考えます。
○木本平八郎君 私もその意見には大賛成で、私も企業経営というのはやはり自由でなきゃいかぬと。下手に行政が介入したりするともう迷惑な話で、かえってゆがめるし、今、中曽根さんの好きな民活というのも自由な経営ということのもとにおいて活力が出ているわけで、余り政府が干渉するとその活力がなくなってしまうんで、私はその点はまさに福川さんの意見どおりなんですけれども、ただこういう非常事態みたいなことになってきますと、それはおまえさんの自主責任だと言っても、現実問題として倒れられるとこれ困るんで、国民経済的な立場から少しウォッチするということも、短期間臨時措置と、暫定的には必要なんじゃないかという気がするわけです。 そこでもう一つ、私のアイディアなんですけれども、先ほど代表取締役を複数にしたらどうだということと、もう一つは、やはり社長の年限が非常に長いところの方がそういう問題が起こりやすいという感じがするわけですね。したがって、社長も普通常識的には、大会社というのは大体三期六年というふうに一応なっているわけですね、時には八年とか十年とかありますけれども。それが余り長いとどうしてもそういう一つの派閥的な、内部が硬直化してしまうということがありがちなんで、私は、それは企業によってどうしても余人をもってかえがたしということで、八年でも十年でもおやりになるのは結構なんですけれども、やはりこういうふうになってきますと、そういう独裁経営というのを排除するという意味でも、一応三期六年が望ましいと。 しかしながら、もしも四期、五期というふうになるんなら、一応取締役会でそういう長期独裁権というのは弊害が非常に伴う、危いと。しかし、それをちゃんと検討して見直した上で、それを承知して、だれそれさんの社長継続を認めるというふうな、少しこれは、何というんですか、大臣談話じゃないけれども、アドバイスというか、業界で取締役の皆さんは非常にちゃんとやっておられると思いますけれども、社長の任期については、こういう際ですから、そういうふうに偏らないように見直したらどうですかというふうなアドバイスをやるというふうな、これについてはどういうふうに思われますか。
○政府委員(福川伸次君) 代表取締役あるいは社長の選任というのは、株主総会で選ばれた取締役会が選任をいたすわけで、恐らく人事の問題というのは、これはやっぱり一番企業の中心の課題であるというふうに思うわけでございます。 いろいろ経営関係の分析によると、例えば社員の年齢が高くなると経営の活力が落ちるとか、あるいは社長が長くなるとその経営は伸びをとどめるとか、いろいろな見解はございますけれども、また長くいてもうまく伸びている会社も確かにございます。したがって、これは経営者、企業というのは株主あるいは債権者、従業員、いろいろあるわけでございますが、やはりそういう中で最良の選択を株主あるいは関係取引先が選んでいく、こういうことでございまして、一概に長いから悪いということはございませんが、少なくとも経営は人なりと申すわけでありまして、経営者をだれを選任するかという、これはまさに企業の消長を決する重要なポイントでございますので、それぞれそういう選任権のある機関というものは、最も適切なる代表取締役を選任をするということに留意すべき大きな責任があるのではないかと考えます。
○木本平八郎君 本来なら社長のビヘービアをチェックするというのは株主総会のはずなんですね。アメリカの場合は、社長に対しては会長がチェックしているというシステムになっているんですけれども、日本の場合には株主総会というのは完全に形骸化してしまって、ほとんど何の力もなければ発言権もないというふうなことで、どうしても社長というのがもう絶対権を持っているわけですね。そういうことが非常に過去よかった面もいっぱいあるわけです。ところが、ちょっと一歩間違えると、これはもろ刃のやいばで、あるいはえらい会社の死命を制することになるかもしれないということがあるわけですね。 それからもう一つ、例えば、こういう非常に不況になってきて売れにくくなってきますと、あるいは業績が上がらなくなってくると、いろいろなあの手この手をやるわけです。粉飾決算もありますけれども。そのうちの一つに、例えばある社長の、まあ三越の例を挙げていいかどうか知りませんけれども、竹久ミチさんですか、あの人の企業を通じてでなければ納入させないとか、それから、あるいは取引先に対する押しつけ販売、押し込み販売、そういうふうなこと。 あるいは仮にこういうコップならコップを売っている。ところが値段が安くて、どうしても赤字になってしまう。これは自分が社長の間に赤字を起こしては困るんで、子会社をつくって、子会社に例えば十円なら十円でやって、一円利益が出るような形にしておいて、その会社は十円で買ったものを三円とかなんかで売っちゃって、その赤字は子会社に全部しわ寄せしてしまうというふうなことがあって、私の承知している範囲でも、もう二十数社つくって、それが片っ端から全部赤字だ、本社の方は表面上黒字だけれども、というふうなケースもあるわけですね。それが今後は不況になってくる、売れなくなってくる、利益が上がらなくなってくると、どんどんふえていくんじゃないかという気がするんですね。これも、その会社の自由だからということはそうなんですけれども、社会的にはやっぱりこれは責任、相当大きな問題があると思うのですね。 したがって、そういうことをどういうふうにして国民経済的に防いでいくか。個々の会社は自主責任でやっているんだからいいということですけれども、政府としてというか、通産の指導される立場として、こういう問題を国民経済的にどういうふうに処理すればいいか、御意見があれば承りたいと思いますし、なければ、後日検討していただいていいと思うんですがね。いかがですか。
○政府委員(福川伸次君) まさに企業の経営の問題でございまして、私どももある特定の政策目的、あるいは国とのかかわりがあるような公益事業的な関係というのは、それぞれ法の定められたところに従って監督をする責任を果たすべきことは当然でございますが、一般的には、その企業の経営というのは会社側がこれは十分責任を果たしていくべき問題で、そのために商法上は取締役ということについては重い責任が課されておるわけでございまして、そのためにはいろいろ取締役の不法行為責任とか、そのほかいろいろな加重された責任を持っているわけでございます。 そういう意味で、確かに、赤字を隠すためにいろいろな手を用いるということは、それは過去にもあったことでございますが、これはあくまでもそういった商法上の問題として私は解決すべきものであると思いますし、またそのためにこそ、企業の社会的な責任、自覚ということについては、これは絶えず政府はもとより、一般世論も十分な監視の目を向けていくべきことは当然であろうと存じます。今御指摘のその問題については、私どもも絶えず念頭に置いて勉強させていただきます。
○木本平八郎君 普通のときならいいんですけれどもね。私個人の感覚ですけれども、私は昭和初期の大恐慌のようなものが、下手なことをしたら来るんじゃないかという気がするわけです。したがって、そうなりますと、鈴木商店がつぶれただ けで台湾銀行がつぶれて、あれだけの大恐慌を起こしたわけですね。あのときと日本の経済の力が違うといえばそうなんですけれども、やはり不必要な倒産なんかは起こらない方がいいだろうという気がするわけです。 そういうふうな会社の経営体質の中において、実は私、今これから申し上げたいのは、サラリーマンが非常にしわ寄せを受けるケースがふえてきているというふうに私は感じるわけですね。現在、小中学校におけるいじめの問題というのが大変な話題になっているわけですけれども、私は企業の中におけるサラリーマンのいじめの問題というのがもう相当出てきているという感じなんですね。 これは私の感じだけですけれども、中小企業の場合には、割合に労働の移動性というか、モビリティーがあるわけですね。こっちのトラックの輸送の運転手をやっていたけれども、けんかして、しゃくにさわるからやめて、こっちの運送会社にいくとか、割合にそういうのがあるんですが、大企業ほど非常に閉鎖的で、逃げ場がないわけですね。逃げ場がないところでは、いじめというのが割合に起こりやすいわけですね。いじめようと思ったけれども相手がさっと逃げちゃったらいじめにならないわけですから。これは猿の世界なんかでもそうらしいですけれどもね。 そこで、例えばサラリーマンの場合に、今現在、例えば窓際族の問題がありますね。窓際族の問題というのも、ある意味のいじめだと思うんです。そういうことで企業の業績がだんだん悪くなっていく、それで商売が伸びないということになってきますと、例えばスケープゴートをつくらなきゃいかぬ。だれかが、あいつだというふうになると、みんな自分の方に来ちゃ困るので、ああそうだ、あいつだ、あいつだということになって、それがいじめになってしまう。非常に高度成長とか景気のいいときには余りそれが起こらないんですが、ちょっと悪くなってくるとすぐそれがあるんですね。そうしてどんどんいじめられる、あるいはそういうことでノイローゼになる、病気になる。すると、あいつは病気だからだめだとか、結局排除される方向にどうしてもいきがちなわけですね。 それから例えば、これは労働省にお聞きしたいんですけれども、定年延長という問題があります。これはサラリーマンにとって非常にいいと一見思われるわけです。ところが、定年延長になったために、結局会社としてはそれだけ人件費がかかるし、それから、もちろんポジションの問題、これはないんですけれども、仕事が大体ないわけですよね。そこへ定年延長されるということになると会社としては困るわけですね。したがって、労働条件を切り下げるということがあるわけです。 普通五十五歳定年だったのが六十歳までになると、これはその間の賃金を半分なら半分にするというだけじゃ済まないんで、その半分をカバーするために五十二歳からもうAコース、Bコースに分けるとか、そういうふうに非常にしわ寄せが来るわけです。その辺は労働省どういうふうに受けとめておられますか。
○説明員(七瀬時雄君) 本格的な高齢化社会を迎えまして、高齢者の能力の活用をいかにやっていくかということは、国民的な課題であると同時に、各企業においても抱えている重要な問題だろうと認識しております。 そういった観点から、私どもかねてより六十年六十歳定年一般化を初めとして、定年延長のために行政指導を進めてまいりましたし、また、こういう本格的な高齢化社会を迎えまして、今国会に中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部改正法を御提案申し上げまして御審議をお願いしているところでございますが、いずれにいたしましても、こういった高齢者の雇用を定年延長という形、あるいは継続雇用という形で延ばしていく場合には、それに伴いまして労働条件をどうするかとか、あるいは高齢者の能力をどういう形で発揮させていくかという、各企業レベルにおける条件整備の問題が重要になってまいろうかと思います。 ただ、私どもといたしましては、具体的に賃金をどうするかとか、退職金の仕組みをどうするか、こういった問題については、各企業で高齢者雇用の重要性を御認識いただいて、労使間でよく話し合って解決していただくべき問題ではないか、かように認識いたしております。
○木本平八郎君 役所の立場としてはそうだと思うんです。しかし、実際はその企業の人事担当あるいは社長、経営者になってみたら、そういうふうに、それはまあ天下国家のためには高齢者雇用をやってください、その条件については労使でうまく話してください、こういうことなんですが、私が申し上げているのは、要するに普通の平穏なときならそういったことである程度いけるし、日本はいわゆる企業ファミリーですから、それはみんな人情的にその辺はやっていくわけですけれども、これだけやっぱり厳しくなってきますと、そうそう企業もそういうことを言っていられない。 したがって、私が今ここで労働省に申し上げたいのは、定年延長の問題、それから、これはまた不謹慎かもしれませんけれども、男女雇用平等法の問題ですね。これは確かにいいことなんです。いいことなんだけれども、現場ではそれが逆手に、強制されますから、法律で。強制されるともういや応なしにやらざるを得ない。そうすると今度、必ず経営の方としては逃げ場を考えるわけです。 そうしますと、やはり個々のサラリーマンに対して、いじめとか意地悪とかいうことで組織からははじき出そうという方向にいくし、例えば男女雇用平等法で本当に平等にやらなきゃいかぬということがあっても、何となく採用のときに能力が劣るとかなんとか理屈をつけて採用を控えるとか、あるいは意地悪——管理職に何人かはしなきゃいかぬ、ところが、管理職になったけれども、非常に厳しく周りから締めつけて、もうその人がいたたまれなくなってやめざるを得ないようにしむけるとか、そういうことというのは現実の企業なり組織の中ではもう当然起こるわけですね。その辺は、十分に起こるということを考慮されて、労働省としてはこういうことを進めておられるんだろうと思いますけれども、どの辺まで考慮されているか、ちょっと説明していただけませんか。
○説明員(七瀬時雄君) やはり定年延長を初めとする形で高齢者の雇用を伸ばしていくためには、労働条件の問題なり、あるいは職務内容あるいは高齢者の能力を生かす方途について十分企業で話し合ってやっていただかなければならない、かように認識いたしております。
○木本平八郎君 ちょっと議論にならないようなんで、その議論やめますけれども、要するに、形だけそういうふうにしても、実際上活力がなくなってくると、企業として結局競争力がなくなって、そして業界の中で企業間競争に負ける。それで倒産とか失業とかいう問題になっていくわけですね。したがって、私はこういうふうな厳しい状況になってきますと、労働省としてはただ単に目先のことだけじゃなくて、全体の雇用の問題、日本全体の活力の問題、そういったことをやっぱり踏まえた上で施策をとっていただかないと、目の前のことだけは、定年は延長したけれども、かえって個々のサラリーマンにとっては非常に厳しい状況に置かれてくるということだってあると思うんですね。 これは普通のサラリーマンじゃないですけれども、例えばこういうやり方があるんですね、現実の問題として。これはあるメーカーですけれども、福岡支店長だったわけですな。ところが、それをやめさせるために、ワンマン社長はわざわざ本店の営業部長にしたんですね。本店の営業部長の方が大分格が上なんですね。それで、二カ月で今度大阪支店の次長に転勤さしたわけですね。そうしますと、大阪支店の次長と福岡支店長というのは同格なわけです。同格なんだからまあちょっと人事の都合でということあるんですけれども、世間的にはもう抹殺されちゃうわけですね、取引 先全部から。ああ、あいつはもう二カ月間で営業部長首になったと、それで次長に左遷されちゃったとしか見ないわけですね。それで、もう彼はいたたまれなくなってやめざるを得なかったというケースがあるんですね。 こういうふうなのが、やっぱりいろいろやり口、手口というのはいっぱいあるわけですけれども、そういうふうなのがこういう時代になってくるとどんどんどんどん出てくるということになってきて、それでしかもホワイトカラーというか、そういうようなのは、特に管理職とか中高年層になりますと組合の庇護というのはないわけですね。もう経営者からやられたらしようがない、そういうことで、非常に派閥だとか、そういう内部の硬直化とか、特にそういう独裁的な社長のいる会社ではそういうことが非常に起こってくるんですね。創業者社長なんかのところではそういう問題というのは起こらない。それはもう会社は自分のものだし、つぶしたらもう自分がつぶれるのと同じだから、これは絶対やらないですね。 ところが普通の、何というんですか、サラリーマン社長のところに、しかも長期政権で独裁色が非常に強いところにそういうことが起こってくるんで、そういう企業はつぶれりゃつぶれたで自業自得じゃないかという見方もありますけれども、影響力が非常に大きいということ。それから、そういうところに限って下請に押し込み販売とかノルマで強制引き取りとか、そういうことが起こってくるんで、余分なあつれきというか、しわ寄せが中小企業なんかにも出てくるというふうな点をぜひ理解していただいて、今後業界の指導をお願いしたいと思うわけです。 そこで、あと少しで、ちょっと初めの問題に戻りまして、けさほど来いろいろ円高の問題その他があるわけです。私は、どうも第一次オイルショック、第二次オイルショックとは比較にならないんじゃないかという気がするんですね。今度は。しかも、政府としては打つ手がふさがれているんですね。前回は、今残っている百三十兆の赤字国債とかああいうことで財政投融資をやって、それで景気を刺激するという手があったわけですね。ところが、もう今の財政事情ではとてもじゃないが財投でもって景気刺激なんかできない。民活民活といったって、これだけのになってきたらちょっと簡単にはできないということがあるわけですね。 したがって、私は結論的には今度の円高に伴ういずれやってくる不況というのは、国民というか、国を挙げてみんなで必死になってスクラムを組んでやらないと、政府任せではちょっとどうしようもないんじゃないかという気がするんですが、その辺、福川さん、どういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(福川伸次君) 確かにこの円高と申しますのは、委員会でも御論議がございますように、デメリットとメリットと両方ありまして、ただ、例えば相場が下がるとか輸出が難しくなるというデメリットが相当最初にきつく来て、メリットの方は時間を置いて後からしか来ない。しかも日本の場合は輸出が多いわけですから全体として見るとデフレ効果が大きい、こういうことであろうと思います。したがって、特に中小企業などでは急激な円高というのが大変きつくなってきて、しかも体力が弱いわけですからそこにいろいろ問題が生ずる、こういうことになると思うわけでございます。 確かに、これからデフレがどのくらいにどういう形で来るかということでございますけれども、石油の値段が安くなったという意味で世界経済の明るさをもたらし、アメリカ経済がある程度明るくなってきているのもその辺のかかわり合いがあるように思うわけでございます。今後、アメリカの経済の動きによるところもかなり大きいと存じますけれども、為替がある程度安定方向に向かってまいりますればメリットが徐々に出てきて、企業としてもまたそれなりの対応をしていくと、こういうことでございます。 もちろん、全体として見てのデフレ効果ということは十分気をつけて見ていかなければならないと思っておりますけれども、より極端な大きなデフレになることは私は余り考えにくいのではないかと思いますが、ただ、いずれにいたしましても、レートがうまく安定していく、また企業が努力してこの苦しい中を克服していき得るような条件ができてくるということが非常に重要な問題ではなかろうかと考えます。
○木本平八郎君 それでは、何か大蔵省でやっておられるらしいんですけれども、例えば円高がずっと進んでいきますね。これに対して、産業連関的に日本経済に、どういう影響を及ぼしていくか。ついこの間のハレーすい星じゃないですけれども、時間とともにこう色が変わっていったりなんかして、あれと同じようなシミュレーションをやっておられるということなんですけれども、どの辺までシミュレーションをやっておられて、どういう角度からそれをやっておられるか、その辺ちょっとお伺いしたいんですが。——失礼しました。それじゃ経企庁にお願いします。
○説明員(大塚功君) 御案内のとおり、円高にはメリット、デメリット両面あるわけでございまして、最初は輸出数量の減少とか輸入数量の増加ということでGNPが押し下げられる効果がまず出てまいります。しかしながら、その後、物価の低下ということを通じまして実質所得がふえ、これによって投資とか消費が押し上げられるというプラスの効果、交易条件改善効果と言っておりますが、の両面がございます。これを総合して見なければいけないわけでございますが、実際に定量的に一定の数値で出すというのは非常に難しゅうございます。 例えば輸出数量の減少でございますけれども、これは単にレートの問題だけでなしに、その時点での貿易相手国の経済の動向、GNPの動向ですとかあるいは物価水準、こういったものにも左右されるわけでございますし、片っ方でその交易条件効果がどの程度あらわれるかでございますけれども、水際の輸入価格が下がるという効果がどの程度のタイミングで、どういう経路で、どの程度のタイムラグをもって効いてくるか、これも非常に難しいわけでして、それぞれの財とかサービスのその時点の需給動向なんかにも左右されるわけでございます。 そういうことで、民間機関もいろいろやっておられますし、私どもも内部的にやっておるわけでございますが、なかなか一義的にお示しできるような数字がないという現状でございます。民間機関の計算などを見てみますと、今後一年間ぐらいで考えた場合に、やはりデメリット面がまずあると、GNPが引き下がるというような結果が多いようでございます。ただし、その程度につきましては、私どもからちょっと申し上げるような自信のある数字というのはないという状況でございます。
○木本平八郎君 GNPは当然私はもうマイナスになると思うんですがね。それで、相当影響が大きいし、例えば今、世界的に非常に株価が高くなっていますね。それから土地なんかも、一九二九年の十月現在、かつてのフロリダの土地が物すごい暴騰したですね。それと同じように、何か鴨居堂の前がどうか知りませんけれども、都心の土地が物すごい暴騰をしていると。こういう状況なんか見てみますと、やっぱり相当深刻な兆候に入っているんじゃないかという気がするんですね。したがって、今のコンピューターも、これは経企庁のコンピューターだけじゃもう足らないかもしれぬけれども、フルに動かしてシミュレーションをやって、そして国民にも発表していただかなきゃいかぬと思うけれども、それに基づいて政府としてはぜひ強力な施策をとっていただかなきゃいかぬじゃないかと思う。 最後に、結論的に私の意見を申し上げて、大臣の所見を承って私の質問を終わりたいと思うんですけれども、けさほど斎藤先生から話がありましたように、電力なんかで相当差益が出てくると、それを還元するというのも一つの方法だと思うんです。しかし、斎藤先生がおっしゃったように、 地中に埋めて、それで景気を刺激して内需を振興するというふうなことも必要だろうと思うんですね。食糧の問題もありましたけれども、食糧なんかが下がってくると国民にも還元されるわけですけれども、私は今回のこのショック、私はあえてショックだと言うんですけれども、オイルショックのときと違うのは、先ほど言いましたように、政府が金で景気を刺激するということはできないから、これは国民全部でやらなきゃいかぬと。そのためには、電力料金を下げてもらいたいという我々の切実な要望もあるんですけれども、ここは我慢して、そっちの方に、地中に埋めて景気を刺激するとか、食糧でそれだけの利益出たものをやはりそういうショックの方に穴埋めするとか、そういうことをやらなきゃいかぬ。 そのためには政府が先頭に立ってやらなきゃいかぬと思うんですよ。それが後追いじゃ私はいかぬと思うんですね、先の見通しを立てて。この先の見通しを誤ったらこれはやっぱり責任とってもらわなきゃいかぬですね。しかし、といって責任とるのいやだから後追いで済むという問題じゃないと思うんですね。その辺で、ここはもう政府が出動して、先頭に立ってこういう対策に取り組んでいただかなきゃいかぬじゃないかというふうに感じるわけなんですね。その辺、大臣、どういうふうにお考えになっているか、最後に承りたいと思うわけです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) その円レートの方は、確かにこれ切り上がって百八十何円というところに来ているんですが、これがどこに落ちつくのか、なかなか見きわめがつきがたい。百九十円で落ちつくのか、二百円まで戻っちゃうのか、もっと強まるのか。 それから、油の方は下がった、下がった、下がったと今大騒ぎなんですけれども、実際は一月に入った油の平均が二十七ドル七十七セントなんですよ。それから、二月に入った油が二十七ドル五十七セントなんです。ほとんど下がってないんですよ、これは、実際は。ですから、スポット物がぽっちぽっちと安くても、入ってきているものが下がっていないんですから、これは下げた値段で、二十ドルで計算をするなんてことはできないわけですよね、実際のところ。だから、サウジのやり方でどこらまで下げてどういうふうに調整するかということを今会議をやっているので、そういうのを見ないというと、スポットでごく一部が下がったからといって全体の流れは変わっていないわけですから、だからその全体の流れが変わるにはある程度時間がかかってくる。 たしか三月あたりから今度は安い油が使えるようになってくるのだろう、そう思っておりますが、これらの見きわめもした上で、油まで入れて、為替だけでなく油の値下がりも見込めるということになればある程度金目になるんですよ。為替レートだけでは、それはまたそんなにでっかい金目にはなかなかならない、動くことも仮定しなきゃなりませんから。それを見きわめながらその風によってどうするか。 コスト主義ですから、ばらまくというのは簡単なんでしょうが、そのことが本当に内需拡大になるか、一軒の家に二百円とか百五十円とかやってみても。まとめれば数千億の金になりますから、公共事業、政府が出動できないというふうなこと等もありまして、そういうのを全部計算した上で決めようと思っておるので、うまくその答えが出ない、こういうことなんです。ですからそれは十分に念頭に入れて考えさせていただきます。
○委員長(下条進一郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(下条進一郎君) 次に、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 戦後における我が国化学工業の発展には目覚ましいものがあり、その量的拡大はもちろん、技術開発の進展に伴い、毎年数多くの新たな化学物質が開発されてきております。今や化学物質は、我々の身の回りのほとんどの家庭用品に使用され、国民が文化的な社会生活を営んでいくためには必要不可欠なものとなっており、また、化学物質の有効利用は、今後の我が国産業の発展を支える上で極めて重要な役割を果たしていくものと期待されます。 しかしながら、化学工業の発展は、必ずしも順調なものであったとは言えません。昭和四十年代半ばに発生したPCB(ポリ塩化ビフェニル)による環境汚染問題は、広く産業活動あるいは国民生活に有用なものとして使用される化学物質の中に、その使用を通じて環境を汚染し、ひいては人の健康を損なうおそれがあるものがあり得ることを示すとともに、我々に化学物質の安全性確保対策の確立の必要性を痛感させるものでありました。 こうした背景のもとに、昭和四十八年、世界に先駆けて化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、いわゆる化審法が制定され、自来、PCB類似の難分解性と蓄積性を有し、かつ、有害性がある化学物質による環境汚染を未然に防止するため、同法による化学物質の安全確保対策に万全を期してまいりました。 このように化審法は、化学物質の安全確保に関する国民的要請のもとに、当時の人知を結集して制定されたものでありますが、制定後十二年の間に、化学物質安全確保対策をめぐる内外の状況には、大きな変化が見られるに至っております。 すなわち、各国間の化学物質規制の態様の相違が円滑な化学品貿易の障害となることがないよう、OECDの場でも検討が進められ、化学物質規制の国際的調和に関する勧告が取りまとめられるに至っております。 他の主要先進諸国においては、この勧告に基づく法制度を採用してきており、我が国としても、化学品貿易の一層の円滑化を図る観点から、他の先進諸国と同様、こうした化学物質規制の国際的潮流に対応することが求められております。 また、国内においても、近年、PCBとは異なり、生物体内に蓄積する性質は有さないものの、難分解性及び有害性があるため、その製造、輸入、使用等の状況によっては、環境に残留し人の健康に係る被害を生ずるおそれがある化学物質による環境の汚染が問題となっており、こうした問題に早急に対応する必要が生じているところであります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、新規化学物質の事前審査の充実であります。新規に開発された化学物質について、これまでのPCB類似の性状の有無の判定に加え、蓄積性は有さないものの、難分解性及び有害性を有するかどうかの判定も行うこととし、このような性状を有する疑いのある化学物質を指定化学物質として指定することといたします。 なお、事前審査における試験項目の決定など技術的事項については、国際的動向に十分配慮して決めることとしております。 第二は、事後管理制度の導入であります。指定化学物質については、製造、輸入数量の届出を義務づけ、その使用状況等から見て必要があると認めるに至ったときは、その製造事業者等に有害性の調査を指示することができることといたします。 さらにその調査の結果、有害性が確定した化学物質で相当程度の汚染が生じていると認められるものを第二種特定化学物質として政令指定し、製造及び輸入の予定数量等の事前届出を義務づけ、環境汚染防止のための技術上の指針の公表、表示の義務づけ等の措置を講ずるとともに、環境汚染の状況によっては、製造予定数量等の変更も命令し得るようにすることといたしております。 以上が、本法律案の提案理由及び要旨でありま す。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(下条進一郎君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。 本法案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十七分散会 —————・—————