商工委員会 第2号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1986/02/14
会議録
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一月二十二日、鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として守住有信君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(下条進一郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 まず、通商産業行政の基本施策に関し、通商産業大臣から所信を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 第百四国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し上げます。 第二次世界大戦後、我が国は国民の英知とたゆまざる努力により歴史的にもまれに見る経済成長をなし遂げ、現在では先進国の主要な一員となるに至りました。一億の人口を有する巨大な市場と経済力を持つ我が国は、世界経済に対し、今まで経験したことのない影響力を持つに至ったのであります。他方、このような我が国の経済成長を初めとする第二次世界大戦後の世界の発展の基礎をなしてきた国際システムは大きく変容しつつあります。今後二十一世紀に向けて、我が国としては、我が国の繁栄は世界の平和と繁栄なくしてあり得ないとの基本的認識に立って、国際経済社会の健全な発展と国際システムの円滑な運営に積極的貢献を果たしていかなければなりません。 このような国際的貢献を果たしつつ、我が国経済の活力を維持発展させ、豊かな社会を我々の子孫へと受け継いていくためには、長寿社会の到来、技術革新と情報化の飛躍的な進展等の変化を先取りし、積極果敢な取り組みを行っていく必要があります。そのような意味において、通商産業行政に課せられた課題は広範多岐にわたっており、私はこれらの政策課題の遂行に全力を挙げて取り組んでまいります。 このような認識のもとに、私が展開しようとしております通商産業政策について以下申し述べたいと存じます。 米国、ヨーロッパ等の主要先進国においては、景気の拡大にもかかわらず、大幅な貿易インバランスの存在もあり、かつてないほど保護主義の高まりが見られ、戦後世界経済の発展を支えてきた自由貿易体制が根底から揺らぐ事態となっております。仮にこのような事態が深刻なものとなれば、我が国の存立がかかっている世界経済の発展基盤を根底から掘り崩すことになりかねません。 私は、次のような点を中心に国際経済摩擦への建設的な対応を図りつつ、さらに国際社会への積極的な貢献を図ってまいります。 第一が、現下の国際経済上の諸課題に対応した適切な通商政策の展開であります。 特に、本年は自由貿易体制を強化し、新たな貿易秩序を形成しようとする新ラウンドの推進にとって重要な年であります。サービス貿易のような新分野の扱いを初め、調整を要する問題もありますが、我が国としては、新ラウンドの準備進展と円滑な交渉開始に向け、積極的なリーダーシップを発揮してまいりたいと考えます。 また、米国、EC等との間の貿易上の諸懸案事項についても、相互の協調を基本としつつ、円滑な解決を図ってまいる所存であります。 第二は、世界経済の拡大均衡を通じて貿易摩擦の解決を図るために、内需の振興により我が国の外需依存体質からの脱却を図ることであります。政府といたしましては、昨年十月と十二月に決定した「内需拡大に関する対策」の着実な実施を図るとともに、円レートの動向をも注視しつつ、機動的な経済運営を行うこととしております。通商産業省といたしましても、内需拡大を図るとともに、二十一世紀に向けて我が国産業社会の活力ある発展を確保するとの観点から、技術革新、国際化、情報化に対応した新産業基盤施設の整備を民間活力を活用しつつ推進していく考えであります。このため、昭和六十一年度からこれら施設に対し特別償却制度等の税制を新たに創設するとともに、事業主体の資金調達を円滑化するための債務保証制度の創設等の諸施策を講じる考えであります。このため所要の法案を今国会に提出します。 また、拡大均衡を通じて貿易摩擦の解消を目指すためには、輸入の抜本的拡大を図らなければなりません。輸入あっての輸出であり、輸入あっての我が国経済の繁栄であります。国民も、また、企業もこのような認識のもとに輸入の拡大に取り組む必要があります。政府としては、これまで輸入品バザールの全国的展開、主要百三十四社に対する輸入拡大要請等各般にわたる施策を講じてきたところでありますが、昭和六十一年度においては、輸入促進のための機械輸入促進税制の創設を初め輸入の拡大に一段と力を入れて取り組む考えてあります。これと同時に、諸外国に対し一層の輸出努力を呼びかけたいと考えます。 第三は、国際的視野に立った産業政策の展開であります。経済大国となった我が国が、国際社会の中で繁栄を求めていくためには、国際分業の一層の推進、積極的な産業調整政策を初めとして、国際的視野に立った産業政策を進めていくことが肝要であります。 このような産業調整の過程で生じる国内産業への過渡的影響に対しては、これを緩和するため必要な措置を講じることが不可欠であります。 第四に、我が国の技術力、経済力を最大限に活用して世界経済に積極的な貢献を果たすことであります。このため通商産業省としては、発展途上国に対する技術・研究協力を強化するため、昭和六十一年度から新たに発展途上国との間で大型研究協力プロジェクト等を実施するための基本調査を行うこととしております。さらに、先進諸国との間の共同技術開発についても一層その推進を図ってまいります。 今後、我が国が中長期的な活力を維持発展させ、未踏社会に挑戦し国際経済社会への創造的貢献を行っていくためには、発展の基盤をなす技術力の不断の向上を図るとともに、高度情報化社会の実現に向けて情報化の急速な展開を図る必要があります。 私は、技術開発促進のため、昭和六十一年度においては、次の諸点に力を入れたいと考えております。 第一は、昨年十月に発足した基盤技術研究促進センターの運営基盤の強化と事業内容の充実を図り、民間活力の活用による基礎的研究を拡充することであります。このため、昭和六十一年度においては、産業投資特別会計から同センターに対し、二百五億円の出融資を行いたいと考えます。 第二は、将来の成長可能性と波及効果が極めて大きい航空機・宇宙分野での技術開発を促進することであります。航空機の開発は極めて大きなリスクを伴うものであり、従来から国際共同開発を進めてきたところであります。今般、航空機用ジェットエンジンV二五〇〇、民間輸送機YXXの開発の本格化に当たり、必要な資金額が大幅に増加することに対応するため、民間活力を一層活用する方向で開発体制の整備を図ることとし、そのため航空機工業振興法の一部を改正する法律案を提出します。宇宙の分野においては昭和六十一年度から、無重力のような宇宙の特性を利用した無人宇宙実験システムの研究開発に着手いたします。 第三に、エレクトロニクス・情報、新素材、バイオテクノロジー等の諸分野において技術開発を促進してまいります。 第四に、技術開発を側面から支持するため、ペーパーレス計画の着実な推進を中心に工業所有権行政を強化してまいります。 また、昭和六十一年度においても情報化促進のための総合的な施策を引き続き講じる考えであります。高度情報化社会を実現するためには、各分野で情報化を支える人材の育成、ソフトウエアの安定的供給が極めて重要であります。このため情報化促進の中核機関である情報処理振興事業協会におけるソフトウエアの開発と普及を強力に推進することとし、そのため情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案を提出します。 中小企業は、機動性、創造性等その特色を生かして多様な需要分野において活躍しており、国民の価値観の多様化、ニーズの多角化の中でますますその活動の領域を広げております。我が国経済の活力の源泉は意欲ある中小企業にあるのであり、また我が国社会の安定は中小企業によって支えられていると申しても過言ではありません。現在、中小企業には国際化、情報化、技術革新等の厳しい環境変化の波が打ち寄せておりますが、私は中小企業がこのような変化に積極的に対応していけるよう、各般の施策の充実を図ってまいります。 第一は、国際的な環境変化への対応であります。最近の急激な円高は産地中小企業を中心に深刻な影響を及ぼしており、政府としては昨年末、金融措置を主体とする中小企業特別調整対策を実施し、経営危機回避のための緊急措置を講じているところであります。これに加え、既に今国会に特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案を提出いたしました。同法案は、近年の構造的環境変化に対応して中小企業者が行う事業転換を円滑化するための措置を講じ、あわせて、最近の国際経済事情の急激な変化により事業活動に支障を生じている中小企業者の経営安定を図るための措置を講じようとするものであります。事態の緊急性に照らし、何とぞ同法案の速やかな御審議をお願いするものであります。 第二に、情報化、技術革新の進展への対応であります。中小企業が我が国経済社会の情報化の進展に円滑に対応できるよう、中小企業に対する診断・指導の充実、中小企業設備近代化資金の貸付事業の拡充等総合的な施策を講じてまいることとしており、このため中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案を提出します。技術開発に関しては、六十年度に例定された中小企業技術開発促進臨時措置法の活用を図るとともに、昭和六十一年度においては、技術パイオニア養成事業を創設し、また、中小企業新技術体化投資促進税制を拡充・延長する方針であります。 第三は、中小企業の経営基盤の安定であります。中小企業の信用力や取引条件面等での不利を是正するため、金融税制面での対策や倒産防止対策、下請企業対策、官公需対策、組織化対策等を積極的に推進してまいります。 第四は、小規模企業対策の拡充、中小商業・サービス業対策の推進、地域とともに歩む中小企業の育成であります。具体的には、経営改善普及事業を充実するとともに、コミュニティ・マート構想の一層の推進を図り、また、中小小売業と消費者とのつながりを強めるため、いろいろな催し事の開催を初めとする消費者関連事業を昭和六十一年度から始めます。さらに、地場産業の振興を図ってまいります。 最近のエネルギー情勢を見ますと、国際石油価格は、石油需要の減少とOPEC及び非OPEC諸国の増産圧力という需給緩和状況に、ヨーロッパ諸国の暖冬という一時的要因も加わって、スポットものを中心に相当の値下がりをしております。このような石油情勢の緩和は、第一次石油危機以降の石油消費国の官民挙げての努力のたまものであり、基本的には歓迎すべきものであると考えます。しかしながら、石油資源は有限であり、需給緩和のゆえに仮にここでエネルギー構造変革への努力を後退させるようなことがあれば、遠くない将来に再びエネルギー危機を招く可能性がないとは申せません。そのような認識に立って、安定供給の確保を基本として、経済性の観点にも配慮しつつ、総合的な資源エネルギー政策を着実に推進していくこととしております。 そのため、具体的には、まず第一に石油の安定供給基盤の整備を図ってまいります。昭和六十三年度三千万キロリットル達成に向けて国家備蓄の積み増しを行う等、石油備蓄政策を推進するとともに、石油の自主開発を推進してまいります。現在、石油の安定供給の担い手である石油産業においては、石油需要低迷の中で設備の過剰が深刻化しており、さらに、本年一月からガソリンの輸入が開始されたことに見られるように、国際化への積極的な対応が必要となっております。このため、過剰設備処理を初めとする石油産業の構造改善努力に対し必要な支援を行い、揮発池販売業の近代化の推進を図ってまいります。 第二に、石油代替エネルギーの開発・導入を引き続き強力に推進してまいります。安全性の確保に万全を期しつつ、原子力発電を推進するとともに、青森県における核燃料サイクル三施設の建設を着実に進めます。石炭につきましては、現在石炭鉱業審議会において本年夏ごろを目途に第八次石炭政策のあり方について検討が行われておりますが、これを踏まえ内外炭価格差の拡大等新たな情勢に応じた石炭政策を樹立したいと考えます。 第三に、省エネルギーの推進であります。省エネルギーはいわば最も安定的な純国産エネルギーであり、エネルギー需給緩和の中にあってもそれへの努力を怠ってはならないと考えます。 なお、エネルギー構造の改善を進めるため、昭和六十一年度からエネルギー基盤高度化設備投資促進税制を創設する方針であります。 第四に、最近の急激な環境変化に対処し、国内鉱業の経営安定を図るための対策を講ずるとともに、レアメタルについて備蓄を初めとする総合対策を着実に推進してまいります。 技術革新、情報化の進展を中心とする現代社会の変革に対応した新たな産業立地政策の展開を図るため、本年秋に策定が予想される第四次全国総合開発計画との関係を十分とりつつ、昭和七十五年を目標とした新工業再配置計画及び新工業用水長期需給計画を策定することとしております。技術を中核とした地域経済の振興を図るため、テクノポリス母都市機能の強化等によりテクノポリス建設の促進を図ってまいります。さらに、工業の健全な発展と地盤沈下の防止を図るため、引き続き工業用水道の建設を促進してまいります。 消費者保護に関しては、割賦販売法、訪問販売法の厳正な運用、きめ細かな消費者相談及び情報提供、業界の取引適正化努力への支援を引き続き行ってまいります。特に、豊田商事に代表されるいわゆる現物まがい商法の被害の防止策については、法制度の整備も含め、現在鋭意検討中であり、適切な対応をしてまいります。 また、昭和四十八年にPCB及びPCB類似の化学物質による環境の汚染を未然に防止することを目的として制定された化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律を、その後の内外環境の変化に対応して安全確保対策の一層の充実を図り、国際的に調和のとれたものとすべく見直しを行うこととしており、同法の一部改正案を提出します。 さらに、より豊かで快適な生活環境を実現するため、集合住宅の耐久性、居住性の向上をねらいとする二十一世紀マンション計画など住宅施策の推進、繊維産業の構造改善を初め生活産業の新たな展開を図ってまいります。 行政改革は、国の基本にかかわる重大な仕事であります。昭和五十八年の臨時行政調査会最終答申で、製品安全協会、高圧ガス保安協会、日本電気計器検定所及び中小企業投資育成株式会社の民間法人化を行うべきことがうたわれておりますが、これを実行に移すため、今国会に消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案を提出します。同法案においては、電源開発株式会社の活性化のための諸方策等についても措置することとしております。 我が国は、いろいろな意味において、今や大きな転換点に差しかかっております。資源に乏しいという弱点を国民の知恵と努力により逆に利点と化し、二度にわたる石油危機をも見事に乗り越え、今日ではたぐいまれな活力にあふれる経済大国となりました。しかし、経済規模の拡大が余りにも急激であったこともあってか、我々は我々がこの世界においてどのような位置に置かれているのか、必ずしも十分に理解していない嫌いがあります。資源の乏しい我が国は、その繁栄を世界の中に求めていく以外にはないのであります。 これまで、我が国は経済繁栄をてことして、世界に冠たる長寿社会を築いてまいりましたが、さらに密度の高い二十一世紀の長寿社会を迎えようとしております。しかし、長寿社会は、一般的に維持にコストのかかる、しかも経済的活力の低い社会になりがちであります。 したがって、この長寿社会を豊かに維持し、さらに発展させていくことは、決して容易なものではありません。栄枯盛衰はこの世の習いで、国家の繁栄も永久に続くことは過去の人類の歴史にありませんでした。人間の寿命が、栄養、運動、休養のバランスによってその長短が定められるごとく、国家の繁栄も創意工夫と努力によって新陳代謝が活発になり、相当程度長い年月の持続が可能であると思います。 それこそは、まさに今、前述した主要項目を一つ一つ着実に実行していく以外にはありません。それこそ二十一世紀にこの繁栄を引き継いで行かなければならない我々の義務であります。 本日、このような基本的な認識のもとに私の所信の一端を申し述べました。 私は、国民各位の御理解と御協力のもとに通商産業行政の遂行に全力を挙げて取り組んでまいります。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。 以上であります。
○委員長(下条進一郎君) 次に、経済計画等の基本施策に関し経済企画庁長官から所信を聴取いたします。平泉経済企画庁長官。
○国務大臣(平泉渉君) 先般、私、経済企画庁長官に就任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。 我が国経済は、戦後の復興、高度成長を実現した後、石油危機とインフレの十年という調整過程を経て、今、新しい情報・通信技術の進展、消費のサービス化、国境を越えた経済活動の展開に代表される新しい成長の時代を迎えつつあります。 内外経済の現状を見ますと、世界経済は、アメリカ経済の拡大速度が一昨年半ば以降鈍化したものの、総じて緩やかな成長を続けております。 こうした中で、我が国経済も、物価の安定が続く中で、昭和五十八年春以降、景気は上昇を続けてきました。最近は、景気動向にはばらつきが見られるものの、全体として緩やかな拡大を続けております。 しかし、現在の世界経済には、アメリカの財政赤字と経常収支の赤字の拡大、EC諸国等における高失業の継続、我が国の多年にわたる財政赤字と経常収支の大幅な黒字、発展途上国の累積債務問題、一次産品価格の低迷等、種々の困難な問題が存在しております。 このような内外経済情勢のもと、政府は、特に次の諸点を基本として、今後の経済運営に努めてまいりたいと考えております。 まず、第一の柱は、内需を中心とした経済の持続的成長を図るとともに、雇用の改善を図ることであります。 政府は、昨年十月の「内需拡大に関する対策」の決定に引き続いて、昨年末、予算・税制に係る「内需拡大に関する対策」を決定したところであります。すなわち、財政投融資等の活用により、一般公共事業の事業費につき前年度を上回る四・三%増を確保することとしたほか、住宅減税を行い、設備投資促進のための税制上の措置を講ずるとともに、いわゆる大規模プロジェクトの着手等、民間活力の活用を図ることとし、所要の措置を講ずる等を中心として諸施策を行うこととしました。また、本年一月末には、内外の経済情勢を総合勘案し、日本銀行により、公定歩合が〇・五%引き下げられたところであります。 今後、内需振興を図るに当たっては、機動的な経済運営に努める一方、民間活力が最大限発揮されるよう環境整備を行い、設備投資等積極的な民間投資の喚起を促すとともに、特に、国民の住生活及び住環境の整備・改善について、その促進に努めてまいりたいと考えます。 また、金融政策についても、内外経済動向及び国際通貨情勢を注視しつつ、その機動的な運営を図る必要があります。 最近の急速な円高傾向については、その我が国経済に及ぼす効果には、プラスとマイナスとの両面があり、円高の進行の過程で生じる国内経済への影響を十分考慮しつつ、円高のプラスの面が国民全体に及ぶよう適切な経済運営を行ってまいる所存であります。 このような政府の諸施策と民間経済の活力とが相まって、昭和六十一年度の我が国経済は、実質で四・〇パーセント程度の成長を達成するものと見込まれます。 第二の柱は、世界経済の成長と安定への積極的な貢献と、経済摩擦の解消に向けての調和ある対外経済関係の形成であります。 我が国経済の国際的責任の重大化に呼応して、我が国は、世界経済の成長と安定に対して主要な責任を分担すべきであり、また、各国間において経済上の摩擦が激化している現状を深刻に受けとめ、各国と協力し、効果的な対策をとっていく決意であります。 次回の東京での主要国首脳会議においては、世界経済のインフレなき持続的成長を共通の目標とした国際協調が増進されるよう、最大限の努力を払っていく考えであります。 特に、我が国の経常収支の大幅な不均衡については、政府は、昨年四月の「対外経済対策」の決定、七月の「市場アクセス改善のためのアクション・プログラムの骨格」の策定、九月の五カ国蔵相会議における為替レート適正化のための合意、十月及び十二月末の「内需拡大に関する対策」の決定と、切れ目なくあらゆる努力を傾注し、その推進に努めてまいりました。 今後とも、我が国市場の一層の開放、適切な円レートの維持に努めるとともに、内需振興に努めてまいりたいと考えております。 加えて、新たな多角的貿易交渉の開始に向け、率先して着実な準備進展に貢献するとともに、政府開発援助の第三次中期目標に沿い、今後とも、経済協力の一層の拡充と効果的な推進を図ってまいる所存であります。 第三の柱は、国民生活の安定と向上を図ることであります。 最近の我が国の物価動向を見ますと、極めて安定しており、最近の急速な円高傾向が一層の安定に寄与するものと考えております。 政府としては、今後とも物価の動向に細心の注意を払いながら、機動的な政策運営に努めるとともに、公共料金についても、物価及び国民生活への影響と、最近の円高傾向の及ぼす影響をも十分考慮して、厳正に取り扱ってまいりたいと考えております。 さらに、今後、特に、人生八十年時代にふさわしい豊かな長寿社会を築いていくことが重要課題であり、そのための総合的方策を明らかにし、その推進に努めてまいる所存であります。 また、消費者の安全と合理的な選択を確保しつつ、悪質な商取引への対応など消費者取引の適正化に努め、経済社会の変化に適切に対応した消費者保護施策の充実を図ってまいりたいと考えます。 次に、中長期の経済運営については、昨年暮れに、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」についての第二回目の見直し作業を行い、その結果を、「経済審議会報告」として公表いたしました。同報告は、対外経済摩擦への対応を初めとする一九八〇年代後半の重要な政策課題を、新しい成長の中で解決していくことが必要であるとして、拡大均衡の下での新しい成長をうたっております。 こうした新しい成長の動きを一層促進するためには、規制緩和を初め民間活力を最大限発揮させるための環境を整備するとともに、基礎的・先端的分野での創造的技術開発の推進、高度情報社会の建設等を図ることが必要であります。 このようにして新しい成長の成果を、豊かで余裕のある国民生活の形成に結びつけるとともに、さらに、大都市だけでなく地域社会全般にも均てんさせることが肝要であると考えます。 以上、我が国経済の当面する課題と経済運営の基本方向について所信を申し述べました。 現在、技術革新等を牽引力として日本経済の新たな成長と発展を求める期待が高まっており、この過程において、国民生活の一層の充実・向上を図っていくことが、経済運営の基本目標であると考えます。 我が国経済が、その潜在力を最大限発揮させることにより、世界経済の成長と安定に大きく貢献していくことは十分に可能であると確信するものであります。 本委員会の皆様の御支援と御協力を切にお願いする次第であります。
○委員会(下条進一郎君) 平泉長官、退席されて結構でございます。 ―――――――――――――
○委員長(下条進一郎君) この際、通商産業政務次官、経済企画政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。通商産業政務次官田原隆君。
○政府委員(田原隆君) このたび、通商産業政務次官を拝命いたしました田原隆でございます。 渡辺大臣を補佐いたしまして、微力ではございますが、大坪政務次官と力を合わせまして通商産業行政の遂行に全力を挙げてまいる決意でございます。 委員長初め、委員各位の格別の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○委員長(下条進一郎君) 同じく通商産業政務次官大坪健一郎君。
○政府委員(大坪健一郎君) このたび、通商産業政務次官を拝命いたしました大坪健一郎でございます。 田原政務次官ともども、渡辺大臣のもとで通商産業行政に全力を傾注してまいりますので、委員長並びに委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
○委員長(下条進一郎君) 次に、経済企画政務次官熊谷弘君。
○政府委員(熊谷弘君) このたび経済企画政務次官を拝命いたしました熊谷弘でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 私は、平泉長官を補佐し、我が国経済の安定と国民生活の一層の充実向上のため、全力を挙げて努力する所存であります。委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻を切にお願い申し上げます。ありがとうございました。
○委員長(下条進一郎君) 田原政務次官、熊谷政務次官、退席されて結構でございます。 ―――――――――――――
○委員長(下条進一郎君) 次に、昭和六十年における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。高橋公正取引委員会委員長。
○政府委員(高橋元君) 昭和六十年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。 昨年の我が国経済は、世界景気の緩やかな拡大、物価の安定等を背景として、全体としては、昭和五十九年に引き続いて拡大を見ることができました。また、技術革新を背景に情報化が進展し、経済のソフト化、サービス化も進行するなど、経済社会の構造変化には著しいものがあります。 このような中で、民間活力が十分に発揮されるような経済環境の整備を行うことがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争の維持、促進により我が国経済の活性化、効率化を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。 特に昨年は、独占禁止法違反事件の迅速な処理に努めるとともに、広報活動等により予防行政を推進いたしました。また、経済社会の構造変化の過程にあって生じる独占禁止政策上の諸問題に積極的に取り組んだほか、下請取引を初めとする中小企業関係の取引の公正化に努めたところであります。 まず、独占禁止法の運用状況について申し上げます。 昭和六十年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は二百七十七件であり、同年中に審査を終了した事件は百八十一件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為の排除等を勧告いたしましたものは九件、法的措置をとるには至りませんでしたが警告を行いましたものは八十九件であります。また、六件四十二事業者に対し、七億六千三十五万円の課徴金の納付を命じました。 次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和六十年中に千九百二十九件の届け出があり、所要の審査を行いました。 事業者団体につきましては、昭和六十年中に成立居等千二百二十四件の届け出がありました。また、事業者団体の活動に関する事前の相談に対しましては適切に回答を行うよう努めるとともに、相談事例を取りまとめて公表することにより違反行為の未然防止を図りました。 国際契約等につきましては、昭和六十年中に四千五百九十三件の届け出があり、不公正な取引方法に該当するおそれのある改良技術に関する制限、競争品の取り扱いの制限等を含むものについてはこれを是正するよう指導いたしました。 独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載の十五業種について実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。 価格の同調的引き上げに関する報告徴収の業務につきましては、昭和六十年中に価格引き上げ理由の報告を求めたものは、インスタントコーヒー及びマヨネーズ・ドレッシング類の計二品目でありました。 次に、経済実態の調査といたしましては、生産・出荷集中度調査、電気通信産業分野に関する調査、メーカーによる輸入総代理店に関する調査等を行いました。また、流通分野においては、訪問販売化粧品、無店舗販売、灯油等についての実態調査に基づき、独占禁止法及び景品表示法上問題のある行為につきまして、所要の改善指導を行いました。 政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、我が国経済における民間の活力を生かし、経済の効率性を高める見地から、引き続きその見直しのための検討を行いました。 独占禁止法上の不況カルテルは、昭和六十年に実施されたものはありませんでした。なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の数は、昭和六十年末現在で四百二十七件となっておりますが、その大半は、中小企業関係のものであります。 国際関係の業務といたしましては、OECD等の国際機関における会議に積極的に参加するとともに、アメリカ、EC等の独占禁止当局との間で意見交換を行うなど、国際的な連携の強化に努めました。 次に、下請法の運用状況について申し上げます。 下請事業者の保護を図るため、違反の事実が認められた二千八十二件について、下請代金の支払い改善等の措置を指導いたしました。特に下請代金の減額につきましては、減額分を下請事業者に返還するよう指導するなど、重点的に取り組みました。また、親事業者及び親事業者団体に対して下請取引の適正化の要請を行うなど法の周知徹底を図り、違反行為の未然防止に努めました。 最後に、景品表示法の運用状況について申し上げます。 まず、同法第三条の規定に基づき、アイスクリーム類及び氷菓業における景品類の提供を制限する告示を制定いたしました。 また、事業者が自主的に規制するための公正競争規約につきましては、愛媛県及び群馬県における食肉の表示に関する規約二件を認定し、昭和六十年末現在における公正競争規約の総数は石二十四件となっております。 昭和六十年中に景品表示法違反の疑いで調査した事件は三千百二十六件であり、このうち、排除命令を行いましたものは十三件、警告により是正させましたものは七百九十九件であります。都道府県の行いました違反事件の処理件数は、昭和六十年一月から九月末までで四千二百十二件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。 以上簡単でございますが、業務の概略につき御説明申し上げました。 今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。
○委員長(下条進一郎君) 以上で政府の所信及び説明は終了いたしました。公取委員長、退席なさって結構です。 なお、昭和六十一年度通商産業省関係予算及び経済企画庁関係予算の説明につきましては、お手元の配付資料で御了承願います。 両大臣の所信等に対する質疑は、後日行うことにいたします。 ―――――――――――――
○委員長(下条進一郎君) 特定中小企業者小業転換対策等臨時措置法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 特定中小企業者小業転換対策等臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年の中小企業を取り巻く環境は、国際面におきましては、新興工業国等における国際競争力の向上、論外国の保護主義の高まり等によりその厳しさを増しており、また、国内面においても急速な技術革新、情報化の進展等著しく変化してきております。これらに加えまして、近時の円相場の高騰は、輸出型産地中小企業を中心に極めて大きな影響を与えるとともに、外国製品に関する市場開放の促進とも相まって競合品の輸入を増大させ、中小企業に大きな影響を与えることが予想されます。 政府といたしましては、中小企業が持ち前の活力を発揮し、このような環境変化に積極的に対応していけるよう所要の対策を講ずることにより、我が国経済の国際経済環境と調和のある健全な発展を図っていくことが重要であると認識しております。このような観点から、昨年十二月二日以来、とりあえず、円相場の高騰により大きな影響を受ける中小企業の経営を緊急に安定させるため、特別融資制度を柱とする中小企業特別調整対策を実施し、また、本年に入り特別融資制度の貸付金利を五・五%とする等その充実を図ってまいりました。 しかしながら、さらに、この中小企業の緊急経営安定対策を一層拡充強化して、中小企業の環境変化への対応に時間的余裕を与えるとともに、かかる厳しい環境変化への適応を円滑にするため、中小企業に対する人材の養成等の近代化施策の推進に加え、特に中小企業の事業転換への自主的努力を強力に支援する必要があると判断し、本法案を提案申し上げた次第であります。 次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。 まず、貿易構造その他の経済的事情の著しい変化によって影響を受けている中小企業者を「特定中小企業者」として定義し、かかる「特定中小企業者」に対して事業転換、緊急経営安定等のための対策を講ずることとしております。 第一に事業転換対策であります。特定中小企業者が事業の転換を行おうとする場合または特定中小企業者を構成員とする組合等が構成員の事業転換を円滑化するための事業を行おうとする場合には、それぞれ事業転換計画、事業転換円滑化計画を作成し、都道府県知事の承認を受けることができることとし、かかる承認を受けた特定中小企業者及び組合等に対して金融上及び税制上の措置を講じます。措置の具体的内容は、付保限度額の別枠設定等中小企業信用保険の特例措置、組合等及びその構成員に対する試験研究関連税制の特例措置並びに特定中小企業者に対する事業所税等の特例措置であります。 第二に緊急経営安定対策であります。特定中小企業者が円相場の高騰等最近の貿易事情その他の国際経済に係る事情の急激な変化によって影響を受けている場合には、都道府県知事の認定を受けることができることとし、かかる認定を受けた特定中小企業者に対して、経営を緊急に安定させるため金融上及び税制上の措置を講じます。措置の具体的内容は、中小企業設備近代化資金の償還期間の延長措置、付保限度額の別枠設定等中小企業信用保険の特例措置及び法人税の繰り戻し還付についての特別の措置であります。 このほか、特定中小企業者が国際経済環境等の変化に円滑に適応できるよう、近代化施策の推進、資金の確保、雇用の安定、事業転換等の実施に関する指導及び助言について規定するとともに、特に影響の大きい産地について施策面での配慮を行うこととしております。 なお、現下の国際経済情勢にかんがみ、この法律に基づく措置を実施するに当たっては、国際経済環境等に対し十分配慮することとしております。 以上が、本法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(下条進一郎君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。 暫時休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 ―――――・――――― 午後六時七分開会
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、福間知之君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(下条進一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案審査のため、本日の委員会に日本銀行理事廣田雄一石及び中小企業事業団理事長森口八郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(下条進一郎君) 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜本万三君 きょう大臣から含蓄のある所信表明を伺ったのですが、それは後日に譲らしていただきまして、直ちに提案されております法案について質疑をいたしたいと思います。 まず貿易摩擦と内需拡大の問題についてお尋ねいたしますが、政府とされましても、自由貿易を守り、かつまた貿易摩擦を緩和するために努力をされておることは私どもよく承知をしておるわけでございます。しかし依然として摩擦が解消しない空気があるわけでございますが、この貿易摩擦の背景というものについてどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(黒田真君) 貿易摩擦の背景というものはいろいろ考えられるわけでございまして、これをすべてを尽くすことはなかなか難しいと思いますが、当面幾つかの個別の問題のほか、特に我が国の貿易収支と申しましょうか、それが大変黒字である。特にこれはアメリカとの関係で生じている面が大きいわけでありますが、その他の地域を含めて、日本の輸出超過という状態を背景にして、いろいろな点について諸外国から問題が提起されている、これらを全部ひっくるめたものがどうも貿易摩擦というような形で今日我々が直面しているものではないだろうか。したがって、一言でいえば、やはり貿易のインバランスが非常に大きいというそのことが今日のいろいろな問題をつくり出す背景の一番大きな要素になっているのではないか、かように考える次第でございます。
○浜本万三君 昨年の九月からアクションプログラムの発表をなさいましたり、また十月、十二月と内需拡大の政策をとっておいでになったわけでございますが、一月三十一日の大蔵省の経常収支の見通しが発表されたのを見ますと、黒字が五百億ドル以上になるのではないかということでございます。そうなってまいりますと、今のお話のように、摩擦解消ということは非常に暗い見通してはないか、かように思うのでございますが、大臣、大丈夫解消できるという確信がおありでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは確かになかなか難しいですね。しかし、最大の努力をしなきゃならない。少なくとも摩擦の鎮静化はしなきゃならぬ、解消に向かって努力をするということで、かなり続くことはある程度続くかもしれません。
○浜本万三君 問題は、どうも本質をすりかえているんじゃないかという気が私するわけですよ。例えば政府、財界の方のまとまった発言を伺いますと、摩擦の原因はアメリカの構造的な財政赤字、そこから醸し出す高金利、さらにドル高というところに原因があるんだと言われるし、アメリカの議会筋の方では、日本の構造的な黒字が米国の赤字を生んでおるんだと、今お話しのようなことを言っておるわけです。そこで保護貿易ということを世論に訴えておる、こう思うんですが、私はこれはやっぱりどうも見方として誤りではないかというふうに思っております。 つまり今の話を聞けば二国間の問題のようにとれるんでございますが、二国間の問題としては、業界の問題は確かにあると思うんでございますが、本質的には、アメリカの場合には軍事費が非常に増大をいたしまして、その力が構造的な赤字になっておる。日本の場合でいえば、個人消費がずっとこのところ抑制をされておりまするし、依然として輸出偏重の経済運営をなさっておられる。そこに問題があるので、要約すれば、それぞれの国の内政の失敗が同時に起きて貿易摩擦の原因になっておるんではないかと、かように思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 内政の失敗ということも言えないかもわかりませんが、それは原因があって結果があるわけですから、いろいろな要因が重なってアメリカの貿易赤字になっておると私は思います。 私はもともと国際会議やなんかでも言っておるんですが、この貿易の問題というものは、赤字だ黒字だというのは二国間だけでやるのはおかしいじゃないかと、グローバルで全世界的に見ればいいんであって、二国間だけの赤字だ黒字だはおかしい。 例えば日本はインドネシアに対しては貿易は赤字ですよ。それからサウジアラビアに対しても赤字です。それから、つい最近まではカナダに対しても日本は赤字です。オーストラリアに対しても日本は赤字ですよ。しかし、特にそういうふうなところに、非常に赤字だからといって文句を言っているわけじゃない。全体としてそれはバランスがとれればいいんだ、こう言ってはおるんですが、それにもかかわらず、それにしたって五百億ドルという数字は大き過ぎるじゃないか、それから貿易収支全体としても似たような数字が出ておって、これはOPECが、あるとき世界じゅうから集めた金ぐらいのものを一国が黒字として持つということについては、理屈はそうあっても一方的である、だからもっと輸入をふやせという議論にすぐなってくるわけです。 したがいまして、立場を変えて見れば、物は程度問題ということもございますので、我々としては、この貿易のインバランスというものをグローバルでまず解消するため、そして日米間、特にひどい日米間でもこれを縮小するために、いろんな努力を目下やっておるということでございます。
○浜本万三君 いずれにしましても、国際世論といたしましては、市場の開放でありますとか、日本の内需をもう少し拡大しろ、これは多数派の世論のように私は思うわけでございます。そこで、どうしても日本政府としては内需拡大政策を積極的に展開をしなければ摩擦の解消を図ることはできない、かように思っております。 しかし、発表されました政府の内需拡大方針を見ますと、必ずしもどうも実効が上がらないんじゃないかという気がしてなりません。あの政策では不十分ではないか、かように思いますが、いかがですか。
○政府委員(福川伸次君) 昨年の十月、それからまた十二月、内需拡大策を政府として決めたわけでございます。そのためには、規制緩和あるいは公共事業費の前年度並み以上の伸び、さらに住宅減税あるいは投資減税という厳しい財政状況の中で、できるだけの努力をいたしたつもりでおります。さらにまた、公共的事業分野への民間活力の活用ということを考え、またそのためのいろいろ仕組みを努力いたしておるわけでございます。 内需の拡大は、さらにまた金利の引き下げといったようなことでも、これからの内需拡大のきっかけにもなろうかと思います。今後も経済の推移に応じまして機動的な経済運営を図るべきものと考えております。
○浜本万三君 私たちは非常に不十分だというので、昨年の暮れに、社会党といたしましても内需拡大の五カ年計画というものを発表さしていただいたわけでございますが、きょう私は、その内容を申し上げて大臣の見解等も承りたいと思っておりましたが、時間を節約しろというお話もございますのでこれは申しません。ただ、私どもの考えでおる内容につきましては、十八日か十九日に、六十一年度の政府案に対しまして予算修正を提案するということになっておりますから、ぜひひとつ大臣、御検討いただきまして、内需拡大の方途を探っていただくように希望をいたしたいと思います。 そこで、内需問題について言えば、これに関連することなんですが、日本の経済運営を改めるべきだという趣旨の産構審の小委員会の中間報告がなされておるのを拝見いたしました。これを見ますと、私どもと同じような意見が述べられておるわけでございまして、そんなに日本の世論は内需拡大については変わっていないということを私痛感したわけでございます。 そこで大臣にお尋ねするんですが、この中間報告をどのように受けとめておられるかということが一つと、さらに、この提案を受けられて、今後どのような手順で何から手をつけていかれるおつもりか、以上二点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 産業構造審議会の企画小委員会におきまして、「二十一世紀産業社会の基本構想」という作業を昨年の七月から始めておりまして、国際対外不均衡の是正の問題のほかに、情報化あるいはハイテク化と産業構造のかかわり合い、それからまたライフスタイルの変化と産業構造のかかわり合い、これを検討いたしまして、最終的には四月に取りまとめていただくという順序で今作業をいたしております。 その中には、もちろん国際分業を進めるということと同時に、国内の内需をむしろ中心にした形の経済運営に持っていこうという提案がございますが、私どもといたしましては、その四月の本答申をもちまして、さらに関係の産業界等にも呼びかけ、あるいはまた必要なものについては、来年度の予算要求といったような形に順次組み込んでまいり、この産業構造審議会の答申のラインをできる限り実践に移していく方途を講じたいと考えております。
○浜本万三君 次は、円高緊急対策についてお尋ねしたいと思います。 大蔵省にまずお尋ねするんですが、政府は今年度の経済成長率四%、経常収支十兆四千億、約五百十億ドルになるかわかりませんが、そういう発表をなさったわけであります。これは六十一年度の為替相場を二百四円というふうに見込んでおられる計画だと、かように伺っております。ところが、現在の円相場の状況というのは百九十円台から百八十円台になり、さらにこれから百八十円を割るような高値になるんではないかという予想がされておるわけでございます。このような円高の状況というのは、五カ国の大蔵大臣が集まりまして、円高・ドル安の誘導政策を決定した当時の予想をはるかにと言っては悪いんですが、相当これは上回るものではないかと、かように思いますが、いかがですか。
○説明員(畠山蕃君) 御指摘の、お話のまず来年度の経済見通しとの関係でございますが、御指摘のとおり、この中では円レートを一ドル二百四円としているところでございます。 ただ、経済見通しといいますのは、御承知のとおり将来にわたります経済の状況を見通すわけでございますので、勢いもろもろの不確定要素の中で、一定の前提条件を置いて策定せざるを得ないということでございまして、円レートにつきましても、従来同様直近の実勢相場を踏まえて算出する、機械的にそういう計算をせざるを得ないということでございます。したがいまして、現在の為替レートが百八十円台ということではございますが、これにつきまして、政府として将来四月から始まります向こう一年間についてどういうレートでずっと推移していくかということを予測しがたいことと、それからそういうことについて予測をすること自体が市場に対して悪影響を及ぼすということから、一定の機械的前提計算をせざるを得ないという状況であることを御理解賜りたいと思います。 なお、G5との関係については、担当課長から御説明いたします。
○説明員(金子義昭君) G5と現在の円相場の関係につきましての御質問でございますが、御承知のとおり、昨年九月の五カ国蔵相会議におきましては、為替相場が各国のファンダメンタルズをよりよく反映すべきであるということ、それからそのために各国が経済政策の協調を行いつつ為替レート適正化のために密接に協力するということが合意されました。 本年一月に、ロンドンで同じく五カ国蔵相会議が開かれましたが、そのときに、もちろん過去の為替相場の動きにつきましてもレビューいたしまして、一応それまでの進展について満足している、それまでの成果を無にしないようにということが合意されたわけでございます。ただ、G5におきましては、あくまでも為替相場が各国のファンダメンタルズをよりよく反映するようにという形での合意でございまして、その合意の中で特定の水準を年頭に置くということではございません。したがいまして、現在の相場が当時のG5で予想されていたかどうかということにつきましては、ちょっとそういう合意がございませんので、それで御了解いただければと思います。
○浜本万三君 さっきの答弁で、多少不透明にしておくことがいいんだというような印象にとれる発言があったわけですが、しかし、今の被害をこうむっておる中小企業の実態は、円相場の安定の見通しがつかない中で、倒産はしてはいないけれども、契約の見合わせがありましたり、それから変更があったり、受注や生産の減少を来しておるわけでございます。そういう方々の意見を聞いてみますと、一体この円相場はどうなるのだろうか、もう少し先行きはっきりしてもらいたいという希望が多いわけなんですよ。 そこで、どういう条件になったら円相場が安定したというふうな印象を国民がとれるようになるのか、また日本の中小企業の体質から見てどの程度の円相場に落ちつけば妥当と考えておるのか、その辺非常に重要なところですから、ひとつしっかり答えてください。
○説明員(金子義昭君) 為替相場は、もちろん最近の為替相場の動きを見てみますと、基本的にはある程度実需を背景といたしまして市場の自律的な動きを反映しているわけでございます。ただ、ここのところやや一段とドル高が進展しておりまして、これがどういうことかなということでございますが、現在市場にはやや相場の先行き不透明感がございまして、その中で市場が妥当な相場を模索しているというような動きとも言えるのではないかと思われます。相場につきましてはいろいろな要因が働いておりまして、例えばもちろん貿易とか資本の輸出のほかに、心理的な要因もいろいろとありますので、なかなか相場がいつ落ちつくのか、そういうことを見通すのは非常に困難でございます。 それから、どの程度の水準で相場が安定するのが望ましいかという御覧用もあわせてあったわけでございますが、これは実は通貨当局者が今後の為替相場の見通し、あるいはどのような水準が望ましいか、あるいはどのような水準で落ちつくのかというようなことにつきまして御説明をいたしますと、為替市場におきましてはいろいろな思惑とか憶測を呼びますので、そういう為替市場への影響もありますのでお答えを差し控えたいと思います。お許しいただければと思います。
○浜本万三君 そう言っているうちにだんだん中小企業の皆さん困っているんですよ。 そこで、今、中小企業が大きな被害を受けておると思うんだが、その認識は、大蔵省と通産省に伺いますが、どうされておりますか。
○政府委員(見学信敬君) 円高によります中小企業への影響でございますが、九月の末にG5がございまして、それ以降急激な円高が生じてきたわけでございますが、中小企業庁といたしましては、特に輸出型の産地につきまして集中的に三度ほど調査してきております。 最近時点での調査は、十二月から一月中旬に向けた調査結果が出ておりますが、これによりますと、新規成約がストップした企業が出ている産地が、例えば三十六産地に及んでいる。さらには輸出向けの受注残がだんだんと先細りになってまいりまして、適正水準を割っているという産地は八〇%に及んでいるということでございます。さらに資金繰りにつきましても、七割に近いところが既に困っておるというような状況下にございまして、非常に事態は深刻かつひどくなってきているというふうに認識しております。
○浜本万三君 そういうふうに深刻になっておることを認識されておるわけでございますが、いずれにしても円高の誘導政策をとられたのは政府でございますから、その結果、中小企業に大きな痛手が出ておるということは、これは政府の責任であろうと思います。 したがって、その責任を全うするためには、円高緊急対策というものを積極的にかつ大胆に、効果が上がる方法で実施をすべきであると思うんでございますが、今回の緊急対策を拝見いたしますと、多少手ぬるいのではないか、不十分ではないか、かように思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(木下博生君) 中小企業庁といたしましては、先ほど次長から御説明申し上げましたように、まず実態を把握した上で対応策を講ずる必要があると考えまして、十二月の初めから関係閣僚会議における決定に基づいて低利融資を開始したわけでございます。ただ、融資の条件が六・八%という条件でございましたので、それだけでは不十分だという感じも持ちましたし、それから担保力のない企業がたくさんございますので、融資条件だけ改善しても融資を受けられない企業も出ておるというようなこともございまして、年末の予算折衝においてその金利水準を下げる、それから税制措置等も考えるというようなことで対応策を考え、そのためにはどうしても立法措置が要るということもございまして、今回この立法をさせていただいたわけでございます。 内容的には、緊急的な対応策を講ずるという意味では、一応の対応策をそろえたと私どもは考えております。
○浜本万三君 確かに若干の努力をされておられることは認めますが、なお次のような努力ができないだろうか。二、三まとめて提案をしてみたいと思います。 その第一は、融資の適用条件の緩和、弾力的な運用、そして迅速に対応するように指導してもらいたいということ。 それから第二は、融資の利率、これは特別融資五・五%ということになっておりますが、さらに引き下げるような努力もしてもらいたいということです。 ある地方自治体におきましては、緊急対策として四・五%ないし五%の利率で対応されておるところもあると伺っております。なお、できれば、私どもといたしましては、今後高度化資金並みの利率で対応することができないだろうか、さらに設備投資は非常に必要だと、かように思いますので、設備投資の資金は特に利率を安く貸し付けることができないだろうか、そういう点についてもお話を賜りたいと思います。 また、地方におきましては、政府の今まで実施しておりました六・八%というものを目安に置きながら、現に六十一年度の予算措置の中で六・八%の金利で貸し付けておるところもあるようでございますので、それは五・五%に引き下げたいという政府の考え方をもとにして、さらに安く引き下げるように指導できないか。 以上、二つの点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(広海正光君) まず、第一点目の特別融資につきまして、適用対象基準の緩和、運用の弾力化、手続の迅速化を行うようにという御指摘でございますけれども、昨年十二月の初めに特別融資制度を発足いたしたわけでございますが、その際、政府系中小企業三機関に対しまして、各企業の実情を十分考慮の上、貸し出し手続の迅速化等適宜適切な対応を行うとともに、担保の徴収等につきましても配慮するよう指示したところでございます。 この特別融資制度につきましては、本法案の成立を待ちまして、対象業種の拡充あるいは適用対象基準の見直し等を行いまして、この制度の内容の拡充を図っていきたいと、このように考えております。 それから、金利の問題でございますが、政府が行っております中小企業向けのいろんな特別の貸付制度があるわけでございますが、一部の例外を除きまして、一番安いのが財投金利並みの六・八ということになっているわけでございますけれども、今回は特にそれよりも一・三%下回る五・五%の金利ということに決めさしていただいたわけでございまして、現下の厳しい財政事情のもとでは最大限の努力を払った、このように考えている次第でございます。 それから、地方公共団体の制度融資の金利を下げられないかという御指摘でございますが、確かに地方公共団体の制度融資の中で、一部六・八%というのもございますけれども、この地方公共団体の制度融資と申しますのは、基本的には個々の地域の実情に応じまして各地方公共団体の自主的な判断によって創設されております関係上、国がその金利を引き下げるよう指導するということは適当ではないのではないか、このように思っております。 いずれにいたしましても、国の制度、それから地方の制度がそれぞれの特色を生かしながら相補完しまして、円高等の事態に対応しまして中小企業者のニーズに応じるようにしていきたい、このように考えております。
○浜本万三君 それから、下請の中小企業の防衛対策をしっかりやってもらいたいということなんですが、この円高によりまして親会社が被害をこうむっておる部分を、ほとんど下請に転嫁しておるという姿が若干見られます。 例えば、ある製菓会社におきましては、その下請の運送業の運賃を三割ばっさり切り捨てるとか、あるいは大手の繊維メーカーに至っては、加工業者に円高になった二割の単価を切り下げるとか、あるいは原材料が一〇%、加工業が一〇%、それぞれ二〇%を負担させるとかいうような、中小企業を犠牲にした円高リスクを切り抜けるという対策が散見されるようでございますので、そういう点は厳しくひとつ、ないように指導していただくと同時に、厳正な法の適用を期待いたしたいと思います。 また、不幸にして転廃業をする企業があるんではないかと思いますが、この際には特定不況産業としての法の適用、さらに失業対策、職業訓練、再就職のあっせん等積極的にやってもらいたい、かように思いますが、通産省と、最後の方は労働省にもお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) まず下請中小企業の問題でございますが、昨年十一月に、下請取引の適正化に関しまして親事業所等に対しまして通産大臣と公取委員長から通達を出した次第でございますけれども、さらに念を入れようということで、昨年の十二月に、現下の厳しい環境を踏まえまして、今までやったことがないわけでございますけれども、通産大臣から直接各親事業者の団体の代表者に対しましてお集まりいただきまして、要請を行った次第でございます。 それからまた、毎年約六万五千の親事業者すべてにつきまして、公取と手分けいたしまして調査をしているわけでございますが、これも今までにやったことのないことでございますけれども、特別に値引き、買いただき等の行為を中心といたしました円高影響特別調査を今実施しているところでございます。こうした結果も踏まえながら、引き続き下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用を図っていきたいと考えております。 それから雇用の問題でございますけれども、具体的には主として労働省の方にお願いすることになるわけでございますが、当省といたしましても、雇用の安定、離職者の早期再就職のための対策等につきまして、労働省の方ともよく相談しまして万全を期していきたいと考えております。
○説明員(井上文彦君) 労働省といたしましては、特定不況業種及び不況地域の指定に当たりましては、業界団体とか地方公共団体等と密接な連絡をとりながら、機動的な指定に努めてきたところでございます。現在、特定不況業種は三十三、関係労働者数約七十六万人、特定不況地域は三十五地域、関係被保険者数は九十九万人を対象としてきておりまして、構造不況業種である造船、繊維業等を中心とした約一万五千人の離職者に対しまして、各種再就職援助措置の適用、雇用調整助成金制度の適用等の施策を講じてきたところでございます。今後とも関係業界、地方公共団体等と密接な連携をとりながら、さらに迅速に対処してまいりたいと考えております。
○浜本万三君 次は、事業転換対策についてお尋ねをするわけですが、たくさんの質問通告をしておりましたが、時間がないので、絞って二、三の点についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一は、現行の法律が施行されましてから約十年になるわけでございますが、その間の事業転換企業はどの程度になっておるか。また雇用の異動ですね、転換以前はどのくらいで、転換後は何人ぐらいに減少しておるか、これが第一。 それから、その次は、私は企業転換というのはなかなか難しいと思っておるものですから、本法が施行されまして、事業転換の企業数が果たしてふえるだろうかという疑問を実は持っておるような次第です。したがってその見通しなどについてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(広海正光君) 現行の転換法が実施されましてから、事業転換計画の認定件数は、今まで合計で二百九十二ということになっております。二百九十二につきまして、転換前の従業員の数は六千三百三十人でございましたが、この認定計画全体で申し上げますと六千九百十一人ということで、五百八十一名ふえる計画になっております。 それから、今度の法律によりまして転換計画の承認件数がどうなるかというお尋ねでございますが、本法におきましては、事業転換の円滑化をより強力に図りていこうという考えのもとに、各種のいろんな工夫を実は凝らしているわけでございます。 第一点は、主要なものを申し上げますと、組合が各構成員の事業転換を円滑にするための支援事業といたしましての円滑化計画制度を導入したというのが一つでございます。 それからまた、余力あるうちの転換というようなことで、承認の基準を相当弾力化していこうというのが第二点でございます。 それから第三番目に、事業転換に関しまして技術面あるいは経営面におきます県等の指導あるいは情報提供という点が非常に大事でございますけれども、そうした面の充実強化を図っていきたいと、このようないろいろな工夫を凝らしておりますし、かつまたこれからの環境を考えてみますと、今までの十年間以上に厳しいものがあるのではないか、そういう事情も考慮いたしますと、この法案のもとにおける転換計画の承認件数は現行のものより相当増加するものではないかと、このように考えております。
○浜本万三君 できるだけ適用範囲を拡大するというような趣旨の御答弁もございましたんですが、例えばこういうものは入るわけでしょうか。 私は広島出身なものですから、今一番困っているのは造船業の下請企業でございます。実情は、五十五年を一〇〇といたしまして、五十九年度の実績というのは企業数が七五%に減少し、従業員も七八%に減少し、売り上げに至っては約五七%になっております。そして六十一年一月三十一日現在の離職者の数が親企業と下請企業含めまして千八百六十人、非常に多くなっておるわけであります。それに加えて、因島日立造船所の営業政策の転換が発表されて、これが実施されますると、親企業の従業員が約二千名、下請が四千名というふうに膨大な人たちが転出もしくは離職しなければならない、こういう現状にあります。したがって、そういう企業もこの法律の趣旨からいえば当然救済されるのではないか、適用されるのではないかというふうに理解をしておるのでございますが、いかがでしょうか。
○政府委員(広海正光君) 造船の下請を対象にするかどうかという点でございますが、今いろいろ数字を挙げて御質問なさいましたが、さらによく実態を、データに即して調べてみる必要もある。 それからまた、この法案にも書いておりますとおり、業種指定をする際には都道府県の知事あるいは審議会の意見を聞かなければならないという手続の点もございまして、ただいまここで明確に対象になる、あるいはならないということを申し上げることはできないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、円高等によりまして困っている中小企業者を助けていこうというのが本法の趣旨でございますので、その趣旨が生かされるように運用してまいりたいと思います。
○浜本万三君 本法の手続によって政令で基準を定めて、そして審議会の意見を聞いた上で決定をするのでという、手続上の問題で今のような御回答があった。しかし前向きに対処するというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(広海正光君) ただいま申し上げましたように、円高等により困っている中小企業者を助けていこうというのが本法の趣旨でございますから、そういう趣旨を生かしてやっていきたいと思います。
○浜本万三君 最後に、円高差益の還元問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 十二日だったと思いますが、衆議院の商工委員会で、円高差益の還元問題について大臣の考え方が示されました。私の理解では、一つは将来に備えて積み立てをする、それから第二は料金制度の手直しをして直接還元をいたします、第三は設備投資、特に送配電線の地中化工事等によって間接的な還元をいたします、こういうふうに御答弁をされたと思うんですが、間違いございませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) さようでございます。
○浜本万三君 そこで、私の意見を述べながらさらに内容を明らかにしていただくようにお尋ねをいたしたいと思います。 まず、料金制度の見直しでございますが、確かに今の制度は、電灯料金などはたくさん使用すればたくさん電灯料金を払わなきゃならぬというような制度になっております。これは今電力が比較的余裕があるという時期でございますので、当然これは見直しをする必要があるというふうに思います。 また、小口電力と大口電力との格差が余りにも大きいのではないか、こういう世論もございますが、そういう点についても手直しをする必要があるのではないかと考えます。しかし、五十三年にちょっと失敗をいたしておられるようでございますので、この決定をされる場合にはどういう手続でひとつ考え方をまとめられるのか、あるいはいつごろ実施をされるのか、この二つの点についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つの考え方だと思いますね、私も似たような考え方を持っております。 どういう手続でやるかどうかということについては、学識経験者の意見を聞くとか、皆さん方の意見を全部そういうところへかけまして、そこでそいつをまとめてもらうとか、いずれにしても、まあもっともだというような形で、またこれが内需振興にも一番役立つというような形でまとめていきたい。 幾ら石油が下がるのか、まだ一月になってから下がったという話であって、十二月まではほとんど平均価格は下がっておりませんから。そうすると、石油の実際の買い入れ、大多数の買い入れの値段がわからぬと、幾ら下がるかはじきようがないわけですな。円レートの方は、大体これも落ちついてくるのかどうか、多少時間がかかる。したがって、会社の決算等も三月締め切り、五月ぐらいになればまとまるということもあるし、世界の様子も大体落ちつきがわかってくるだろう。したがって、まあ五月末当たりをめどに一応今のところ考えております。
○浜本万三君 もう一つは、設備投資、特に送配電線の地中化工事ということを例示として示されておったと思うんでございますが、これは電力会社だけに責任を持たせるということではまずいんではないか。 例えば、地中化工事といえば町の美観という問題もございまするし、行政の都市計画の問題にもかかわります。当然地中工事をやるということになりますと、通信線の地中化というものもあわせてやらなきゃならぬじゃないか、こういう考え方も出ると思います。そうすれば、ついでにガスも水道もという話になるかもわからないと思います。そうすると、相当大きい共同溝の建設という問題に発展をするんではないかと思います。また、そういう工事をやれば、当然地先の営業しておる方々は、どうも営業の妨害になるというので、補償とかなんとかそういう御要求をなさる場合もある、かように考えます。 したがって、簡単なようだけれども、これは総合的な判断をいたしまして、別途適切に実施いたしませんと問題ができる。ですから、費用の負担も責任も、関係団体、行政を含めて公平に持つ、こういう考え方に立脚をする必要があると思います。そうすれば、当然これは、あるいは特別立法のようなものをつくってそういう事業を促進する、そういう設備投資をやりたいという考え方に私はなるわけなんですが、これは特に関係者の皆さんの御意見も聞かにゃいけませんが、大臣のお話を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かに複雑な問題がいろいろございますので、専門家の方から答弁をしてもらいますから。
○政府委員(山本幸助君) 地中化につきましては、先生御指摘のように、NTTの電話線も一緒にやるとか、あるいは特に建設省の関係と密接な連絡をとってやることが非常に重要でございまして、現在、大体年間二十キロメートルぐらいやっているんですけれども、これを今後五倍ぐらいのペースにしようということで、十年間一千キロメートルの地中化をやるということで進んでおりまして、これにつきましては御指摘のように、建設省あるいはその他の関係官庁とも密接な連携をとってやっているところでございます。 特に電気事業法の関係、あるいは道路法との関係が一番重要でございますけれども、これにつきましては、従来ともそういう法律の施行を通じまして進めております。今後とも、私どもとしましては、現行法のもとで十分に進めることができる、こういうふうに考えております。
○梶原敬義君 法案の中身に入る前に、最初に中小企業団体法に基づく通産省の認可団体、日本撚糸工業組合連合会の不正事件についてお尋ねをいたします。 私は決算委員会にも所属をしておりまして、昨年の九月の二十日と十月の二十三日に、我が党の目黒議員が、本件につきまして並み並みならぬ調査をいたしまして、通産省浜岡局長に対して質問を粘り強くいたしました。その決算委員会を聞いておりまして、どうも特に二十三日の答弁内容というのは、ある程度、通産省としては三谷課長だけの問題で済むという自信を持ったのかどうかわかりませんが、非常に人ごとのような答弁をしておったのを私は感じ取っておった。それで私は、目黒議員の質問がきっかけで今回東京地検の捜査、理事長以下の逮捕になっただろう、一つのきっかけをつくっただろうと見ております。 その後、目黒議員が十月の二十二日に最後に質問した以降、通産省としては、この問題につきまして、一体どれだけ事実を調査し、東京地検が入る前にこの事実についてキャッチをしておったのか、どれだけ努力をしたのか、その点について最初にお伺いします。
○政府委員(浜岡平一君) もし前回の決算委員会での私の御説明の仕方が、先生御指摘のような感じがあったといたしましたら大変申しわけないことでございまして、お許しをいただければと思っております。決して他人事だというぐあいには思っていなかったつもりでございます。 御指摘の委員会以降、私どもといたしましても、この連合会に対しまして、一つは経理面あるいは事業運営面の改善につきまして、かなり厳しい注文を出し、また、これに対する対応を引き出してきたつもりでございます。 また、御指摘の事実関係につきましても、前回御指摘のございましたような余裕金の運用の状況などにつきましては、実態を幾つかトレースをいたしておったわけでございます。ただ、同時に警察当局によります捜査も行われておりまして、なかなか関係者らを十分に時間をとることが難しかったというような状況もあったことは御理解をいただければと思うわけでございます。 私どもとしましては、かなり努力したつもりでございますが、今回検察当局によって問題にされました五十七年度の設備共同廃棄事業につきまして、あのような事実があったということは大変残念でございますが、私どもの聞き取りでは捕捉するに至っておらなかったというのが事実でございます。
○梶原敬義君 私は、もうここで言ってもそれ以上突っ込んだ答弁は出てこないと思いますが、ある程度は皆さんが監督責任の義務があるわけですから、東京地検が入らなくても、調べていけば不正融資の問題とかあるいは機械を破砕したような形に、そういうでっち上げの資料をつくったと、そういうことは本気で調べればこれは既にわかるはずなんですが、それがわかっていなかったということにつきましては、これはだれがどう言っても、やはりその点についての手落ちというのは、本当に真剣に反省をしてもらわなきゃならないと思います。 目黒議員が質問をしたのが九月二十日と十月二十三日ですが、十月八日に約百二十三億円の融資を撚工連に出したというのは、これは事実ですか。
○政府委員(浜岡平一君) 事実でございます。
○梶原敬義君 こういう問題が起きておるときに、しかも私が先ほど言いますように、余り調べないまま、これは次々にそういう状況の中で融資をしていく、そういう姿勢に私はやっぱり問題があるんではないかと思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のような見方もあろうかと思います。あの融資の実行につきましては、私どもの方が関係方面にいろいろとお願いをいたしまして実行いたしたわけでございますので、あの融資につきましては、私どもの考え方を御説明申し上げますと、現在、設備共同廃棄に伴います融資につきましては、廃棄する設備をリストアップいたしまして、まずそれを破砕するという事実を先行させることにいたしております。 六十年度の事業につきましては、千二百五十六の企業が、六千八百三十四台の設備をあの時点で既に廃棄をいたしまして、融資手続が進行をしておったわけでございます。 先生御指摘のような判断の仕方もあろうかと思うわけでございますが、現在の廃棄事業のやり方は、自分の持っております設備を全部廃棄する、いわば転業というのを条件にいたしておるわけでございまして、融資をとめますと、千二百五十六の企業の経営に重大な影響を与えるというぐあいに判断せざるを得なかったわけでございまして、その辺の状況を考えまして融資をやるように、関係方面に非常に強くお願いを申し上げたというような経緯があるわけでございます。
○梶原敬義君 そうしますと、約百二十三億円の融資をした分については、これにはもう不正はないと、そういうことは言い切れますか。
○政府委員(浜岡平一君) ああいう問題が存在、発生しているという厳しい認識のもとに行われたものでございますので、私といたしましては、六十年度の事業について問題はないはずだというぐあいに思っております。 ただし、私どもとしまして、一台ずつ全部丹念に、設備の持っております状況、あるいはそれをめぐる経緯をことごとくチェックしたというわけではございませんので、絶対に断言するというぐあいに申し上げることも不可能かと思いますが、ああいう状況下でございますので、非常に厳しい空気の中で行われたと、不正はないはずだというぐあいに思っております。
○梶原敬義君 できればこの点についても後ほど、皆さんがそういうお金を出すようにという決定に至った指導会議、そういう会議の議事録なり、あるいは百二十三億については全然問題がない、調べた結果、調べた後で結構ですが、そういう資料をいただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(浜岡平一君) 指導会議につきましては、かなり早い段階で行われておりまして、むしろこの融資につきましては、私どもの方で個別に関係方面にお願いを申し上げたというような経緯をたどっておりますので、指導会議の議事録に、今申し上げましたような私どもの考え方が多分盛り込まれてはおらないと思いますが、よくチェックをいたします。 また、事業の内容につきましては、当然のことでございますが、よくアフターケアをいたしまして、結果を先生の方に御報告をさしていただきたいと思います。
○梶原敬義君 時間がありませんから次々移りますが、設備廃棄事業におけるスクラップ単価の決定のやり方そのものに不明朗な点があったのではないかという気がするんです。 小田理事長のやり方というのは、例えば百万円の価値しかない機械を、撚工連の中で相談をして、例えば二百万円の評価にする、そして末端の業者には、六〇%以上を詐取しその残りを渡す、こういうようなやり方をとってきただろうと見ております。業者の中には不満を持つ者もいたようですが、もとの価値からすれば八〇%程度の補償が来るわけでありますから、小田理事長からいたしますと、自分の政治力でまあゼロがそれだけになったじゃないか、文句を言うな、こういうことで押し通してきたんではないか。この点に、もし私の推測に誤りがあれば指摘をしていただきたいんですが、そういうようなやり方がまかり通るような長年の悪い慣行、これが結局今度の詐欺事件といいますか、大変な巨悪につながってきたと私は見ておるんですが、この点はいかがでしょう。
○政府委員(浜岡平一君) 買い上げ価格の決定につきましては、もちろん関係事業者の意見等も参考にいたすわけでございますが、残存簿価、あるいは当該設備を新しく取得するとした場合に、現在どれぐらいかかるかといったようなファクターを総合的に勘案をしながら、ケース・バイ・ケース、事業ごとに買い上げ価格というものを広く関係者の意見を勘案をして決定をいたしておるわけでございます。組合サイドで一方的に決定するというような仕組みにはなっておらないわけでございます。
○梶原敬義君 そこのところに問題が私は生ずるだろうと思っております。 この数字合っているかどうかまたお聞きいたしますが、撚工連その他スクラップするためのいろいろな業界の二十九団体ありますね、時間ありませんから全部言いませんが、その二十九団体に、昭和四十七年から五十九年までに約二千百十一億円、無利息、四年据え置き、十二年払いの条件で貸している。そのうちの撚工連分は五百六十億と、こう見ていいんですか。
○政府委員(浜岡平一君) 細かいけたでの数字は別にいたしまして、基本的な数字といたしましては先生御指摘のような状況だと思います。
○梶原敬義君 私は中小企業の出身でありまして、厳しくやることによってまじめにやっている中小企業の皆さんを泣かせということを言っているんではありませんが、私はこの二千百十億、撚工連の五百六十億がこのうちへ入っておりますが、このほかにもこの二千百十億の中にはそういうような問題が出てくる可能性があると、こうにらんでおるんですよ。今のようなやり方の中には、そういう問題が派生してくる可能性が、いつでもやれる可能性がやっぱりあるわけですから。 通産大臣、この点について、やはり今までの分、二千百十億というのは大変大きいわけです、事業団を通じて出しておる金ですね。ですから、そういうような問題についてはいいことと悪いことはやっぱり区分けをしなきゃいかぬわけですから、ひとつ最初からずっとその点については通産省としても見直すと、そういう方向を出していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現物の取り扱いの問題でありますから、過去の古いものはどの程度把握できるか、難しい問題もあろうかと思いますが、二度とこういう事件を起こしては困る。したがって、できるだけのことはやはりしてみる必要がある。スクラップをするといって金を取って、実際は別なものを買ってきて出したということになれば、じゃ、今までの機械はどうなったんだと。機械が足りなくなるわけですね、スクラップすれば。ですから、機械が今までよりも減ったかふえたかの検査はできるはずだね、この程度のことは。 ですから、どこまでできるか、私、よく具体的なことわかりませんが、御趣旨を踏まえまして厳重に点検をさせるようにしたいと思っております。
○梶原敬義君 まあ優秀な通産省のメンバーが本気になってやれば、これは朝飯前ということはないですが、やれると思います。ひとつぜひお願いをします。 次に、私、ここに当時の経理課長の三谷氏があちこちに金を貸している、その領収証の写し等を持っておるわけであります。名刺の裏に借用書を書いてみたり、非常にずさんなやり方をしているんですよね。例えば株式会社ランド企画 ワールドランド株式会社というところに対しましては金一千五百万円を貸して、まさに受け取りました。あるいは六千万円の借用書があります。それから片山良一という人の領収証が一千八百万円、あるいは三百八十万円。それから株式会社ダイショウ代表取締役小金勝男さんという人には七十七万四千円、同じく片山さんには二百万円。 それから、非常に問題なのは、手形をたくさん三谷氏が振り出しておるわけですね。これは撚工連の手形も御承知ですよね、中小企業事業団の皆さんも。これは野本孝次さんに二千万円、二千万円。あるいは二百二十万、二百十五万、二百二十万。まあその他ずうっとあるわけでありますが、これらの扱い。それから今度逮捕されました、これはもう少し捜査で突き詰めていかなきゃ、あるいは通産省の皆さん方の調査が進まないとはっきり金額わからないんですが、小田さんやあるいは井上さんたちが詐取した金額、こういうものに対して、一体あなた方は、これはもうやむを得ないと、しようがないと、こう言うのか。あるいは民事か何かで返還せよと、こういう形で取り組むのか。金が移った人は、もう相手わかっているわけですからね、さっき百いましたように。領収証もあるんです。この点についてはいかがですか。
○政府委員(浜岡平一君) 実はこの問題のきっかけは、連合会がみずから告訴したということでございまして、私どももそういう非常に大きな金額が、大体集中的に問題が起きている期間は半年くらいと聞いておりますので、とても使い切れるものではないと、どっかに隠されている可能性もあるんじゃないかというような気持ちもございまして、告訴するように私どもも勧めたぐらいでございます。 まず、検察当局の捜査によりまして、残っているものは是が非でも見つけ出していただきたいということを心から願っておりますし、また刑事問題が一段落つきました際には、民事上の対応というようなことも、これは当然考えなければならないことだというぐあいに思っております。 それから、組合の執行部、関係者につきましては、現在逮捕という段階でございまして、今後起訴というような段階に進んでいくのかいかないのか、この辺さらに検察サイドでの御捜査の結果を見守りたいと思っておりますけれども、状況によりましては、もちろん刑事的対応のほかに民事的対応が必要になるだろうというぐあいには思っております。
○梶原敬義君 最後になりますが、きのうNHKちょうど見ておりましたらね、NHKのニュースのときに、通産省の幹部ですか、声を変えて放送記者との間でやりとりをしておりましたが、飲み食いをしたとか、あるいは高価な物を贈ったとか、こういうものを見ているような話がありましたが、こういう事実については、今通産省としてはつかんでおりますか、その点について。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のような報道等があるわけでございますので、私どもといたしましても、さかのぼって調査をすべきものは調査をしなければいけないだろうというぐあいに思っておりますが、現段階で私はそういう事実は承知はいたしておりません。
○梶原敬義君 それはもうちょっと、事実はないと言いましてもね、私がここで言う以上は――もう言いませんがね、ある程度確証に近いものは持っておりますよ。ですから、困るのはね、いやそんなものはないと、こう言っておいて、後から出たら逃げ場ないでしょう。だから、それはそれで、皆さんのところでやっぱりそれなりに、外からいろいろ言われなくて、うちでちゃんと始末をつける、そのくらいのことはやってもいいんじゃないですか。 大臣、最後にこの問題について、きょう参議院の予算委員会の方でも大臣の答弁を聞いておりましたが、大臣、早々でありますが、これは大変な問題で、一生懸命法律つくって、しりが抜けていりゃ何のことかわからぬ、国民に対しても申しわけない、こう私は思うんですが、大臣として一応どう責任を感じておられるのかお聞きをして、この問題を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 事件の解明が私は先だろうと思います。それから、再発をさせないということが非常にまた大切でございます。事件の解明を待ちまして、気のつかなかったような点も発見できるかと思いますから、そういうことが二度と起きないように最善の策を講じてまいりたいと思います。 こういう問題が起きたことは、所管官庁といたしましてまことに遺憾に存じます。
○梶原敬義君 大臣、遺憾という表現をされましたが、大臣は、今なられましたけれども、結局通産省のトップに立つのは大臣ですから、やっぱり結局監督不行き届きの責任というのは大臣にあるわけですからね。遺憾というより申しわけないと、こういう気持ちを私は本当は率直に聞きたかったわけです。その点をお聞きして、この問題については終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、全く同じ意味で申し上げたわけでございまして、本当に国民に申しわけないと思っております。
○梶原敬義君 次に、この法案の問題に返りますが、円高の問題につきまして、日銀、大蔵省にちょっと先にお尋ねしたいと思うんです。 私は、いろいろと中小企業の皆さん寺とも話をしておるし、いろいろ資料を読んでも、大体望ましい円高の水準というのは二百十円ぐらいではないか、二百十円ぐらいが相場じゃないか、こう見ておるんですが、日本銀行、大蔵省、一体その点についてはどうお考えかお尋ねをいたします。
○説明員(金子義昭君) 為替相場の望ましい水準は何かという御質問でございますが、これはなかなか難しい問題であります。それはいろんな見方があるかと思います。何をもって適正な相場と言うかというのは、それぞれ各国間でもあるいは学者の間でもいろんなところで議論されておりますが、なかなかこれがそうだというものはないんではないか。 それでは、政府としてはどう考えているかという御質問かと思いますが、これは仮に通貨関係者がこういう相場が望ましいと思っているということを申しますと、それ自体が為替相場、為替市場の思惑、憶測を呼びますので、その点につきましてはお答えをお許しいただきたいと思います。
○参考人(廣田雄一君) 私どもとしましては、為替相場が我が国のファンダメンタルズを十分に反映するものであるということが望ましいと考えているわけでございますが、しかし、適正な水準ということにつきましては、特定の水準を頭に置いているわけではございません。いわゆる適正な水準と申しましても、企業の採算あるいは収益の立場からいえば、企業ごとにあるいは産業ごとにさまざまな水準があり得るわけでございましょうし、また我が国の巨額の経常収支の黒字をどの程度速やかに是正していくかということにつきましてはまたいろんな論議もあり得るのではないかと思います。したがいまして、この問題、適正水準の問題につきましては、一概に結論は出せないのではないかというふうに思います。
○梶原敬義君 浜本議員が先ほどからこの問題についてはもう繰り返しやりまして、これはまた同じ問答になると思いますが、今非常に困っているのは産地の輸出業者ですね、それから、電機、自動車、精密機械等の下請あるいは部品納入メーカー、こういう人は、単価は下がり、そして売り上げは伸びないからコストは上がる、コストは上がり資金繰りは苦しいと、こんな相談を私も大分受けております。だからこの法案は、やはり与野党一致してどんなことがあっても早く上げようじゃないかということになったわけであります。その点について、非常にそこら辺が厳しいということについては、日本銀行、本当に親企業のことでなくて、その辺が苦しいということについてはどれだけ認識をされているのかお尋ねをいたします。
○参考人(廣田雄一君) 昨年の秋以来の為替相場の円高によりまして産業界に、特に輸出関連産業界に採算の悪化でありますとか、あるいは成約が減少するとか、いろいろ影響が出てきていることは私どもも承知しております。特に中小企業関係につきましては、こうした影響が厳しいという事実は支店にもございますし、そうした調査を通じまして十分承知しております。 先般の、私ども支店長会議におきましても、各地の支店長からそういう中小企業の実情につきまして詳細な報告がございました。私どもとしては、そうした中小企業の苦しい実情につきましては十分承知しているつもりでございます。
○梶原敬義君 労働時間の問題でありますが、ちょっと通産省にその前にお尋ねいたしますが、産業構造審議会がことしの二月六日に「二十一世紀産業社会の基本構想」というのをまとめられております。これをちょっと読んだら、本当にもっともなことを書いておるわけです。 一つは、「可処分所得の増大」、「自由時間の増大」、それから「住宅投資の抜本的強化」、「社会資本の整備の積極的推進」、私はこれに尽きるだろうと思っておるんですが、今、御承知のように中小企業、特に下請とかあるいは大手の企業の関連会社、そういうところの労働条件や何かというのは、かつてずっと、狂乱インフレの前までというのはどんどんよくなっておりました。 それが、例えば賃金にしても、相対的に賃金はもう大企業との格差は開く。それから労働時間にいたしますと、一九七五年、これはさっき言いました報告で見ますと、日本が二千四十三時間でありましたものが、一九八四年二千百八十時間に逆にふえているのですよ、フランスはどうかといいますと千六百四十九、西ドイツが千六百五十二、アメリカが千九百三十四で、イギリスが千九百四十一時間。日本の労働時間は、アメリカ、イギリスと比較しても、日本は一カ月分余計に働いておるわけですよね。そういう非常に厳しい状況になっておる。 今度とういうことになるかといいますと、また二割切り下げられた分の一割ぐらいは下が持てと。そこにしわ寄せが来るわけですから、これはまた労働時間あるいは賃金に全部来る。ぬれたタオルじゃなくて、乾いたタオルを絞ってもやっぱり水が出ると、こう言うんですね。人間は、探れば搾るほどまだ搾りがいがあるんだ、そういう考えに立ては、あなたの言うようなそういう考え方で済むんじゃないか。やれば何ぼでもやれるじゃないか。例えばそういう下請関連とかあるいは部品納入メーカーとか、ここが競争力の主体を占めていると私は思うんだが、ここの労働者の賃金も大手並みに上げる、大手並みに上げぬでもその八割なら八割ぐらいに近づける、あるいは労働時間ももう少しよくする、週休二日制もやる、こういうような形になりますと、自然に競争力が落ちてくると思う。円高の効果以上に私は国内でやはりそういう状況が出てくると思うんですよ。だから、内需拡大の問題全体は大臣が帰ってきて少し質問したいと思うんですが、この点についてどうお考えですか。
○政府委員(福川伸次君) 産業の国際競争力の問題については、レート、あるいは技術革新の程度、設備の近代化、いろんな要因が積み重なっておりますが、今先生の御指摘のように、特に労働時間の問題というのは、国際的に見ても諸外国からの批判も浴びておりますし、現実に日本は長いというのは統計が示しているわけでございます。もちろん賃金の問題も、労働時間、雇用条件の問題も労使の間で決めるべき問題でございますが、今この労働時間の短縮というのはそれなりに消費の拡大効果がありますし、またその自由時間の活動を通じて人間の創造的な能力を培養するという効果もございます。そういう意味で、これはもちろんもとより労使で決めるべき問題、賃金も何様労使で決めるべき問題でございますが、産業構造審議会からはこういった点についてもっと労使の間でいろいろ議論をすべきだ、こういうことで御意見をちょうだいをいたしたと思います。 もとより中小企業に関しましても、なかなかこの週休二日制が導入しにくい中小企業もまたそれなりの苦しい状況がございますが、それにつきましても、そういうことの事情を踏まえながら企業の体質強化といったようなことをしながら、中小企業についても大企業等の関係等からその導入が阻害されることのないようにというような御指摘もいただいておるわけでございまして、そういうことが労使間でいろいろな角度から議論されることを期待しているという御報告だと受けとめております。
○梶原敬義君 通産省、さすがに局長よく私はおわかりだと思うんです、状況は。しかし、日銀や大蔵省は、この状況というのは本当に現場に行っていないからわからぬ。私はもう歩き回っているから全部わかる。ですから私は、円高の問題はどこが妥当かどうかというのを議論するときに、一体日本の競争力を支えている下請あるいは部品等の納入メーカー、こういうところの労働条件がもうぎりぎり、最低賃金ぎりぎりで非常に厳しいところへ来ている。さらにそれを搾ろうというわけですよ。 そうじゃなくて、そこの条件がもっと上がったときに、一体果たして円高がそんなに日本が強い状況がどうか、その点について私はもう少し理解を賜って、そして円高の問題については、これはやっぱり本当に真剣になって判断をしてもらわなければいけない。場合によっては、ここでは一時的に逆介入することだってあり得るかもわからない。その点についてどうもあなたたちは冷たいんだな。お考えをもう一回聞きたいと思うんです。
○説明員(金子義昭君) 私どもも、最近の円高によりまして輸出産業あるいは海外の輸入産品と競合する輸入産業等に深刻な事態が出てきているということは十分理解していることでございます。私たちは、基本的にはもちろん為替相場の安定というものは重要だと考えておりますし、それから変化が起こるんであればなだらかな方が望ましいということも重々わきまえておるわけでございますが、円相場を考えます場合に、もちろん我が国産業のことも考えなければいけませんが、同時に輸入原材料等の低下に伴うメリットや、それから我が国が現在持っております対外不均衡というような問題もあわせ考慮する必要がありますもので、その辺も十分考えていく必要がある。 いずれにしましても、為替相場というのは基本的には為替市場が決める問題でございまして、ただ、最近の状況から見ますと、かなりの円高が進んでいることでもございますので、今後とも為替市場の動向には十分注意してまいりたいと考えております。
○梶原敬義君 答弁にならぬ。
○参考人(廣田雄一君) 中小企業の実情をどのぐらい知っているかという御指摘がございました。私、名古屋の支店長もしておりますし、大阪支店の支店長もしておりましたけれども、私ども日本銀行としましては、そうした地域内の中小企業につきましては、私もいろいろの中小企業の方々のところへ実際に出向きましていろいろお話を伺いました。中小企業の実情につきましてはかなり努力して調べ、かつ実情も承知しているつもりでございます。 それから、為替相場の問題につきましては、今大蔵省の方から御説明ございましたけれども、非常に相場がデリケートなところに来ておりまして、私どもも当事者の一人でございますので、逆介入等の問題につきましてはここでコメントすることを差し控えさしていただきたいと思います。
○梶原敬義君 あのね、円相場は為替市場が決めるという――しかし、その前にもし日本の輸出競争力が非常に弱かったら、そこが結局為替市場決めてくるんだ、長期的に見ると。やっぱり今は日本はドルがどんどんたまって円が強い、そういう状況だから、結局そこが基本になるんでしょう。答弁にならぬですよ。だからね、今見せかけなんですよ。大企業のいいところと中小企業の非常に困ったところと、二つ今一緒に走っているんだ、二重構造で。その下の悪いところの条件がもしよくなったら、人間らしい生活ができるようになったら、これは日本は競争力落ちるじゃないか。 しかし、やっぱり今のような時期だから、どんどんドルもたまるような時期なら、その悪いところを一体どう引き上げていくかという政策をした後、そこを考えた場合に、果たして円の相場というのがそんなに強いものかどうなのかですね。一方をいじめ過ぎていますよ。その実態をやっぱりよく理解をしてもらいたいというのが先ほど言っていることなんです。 もう時間ありませんから、最後にずっと言いますから、まとめてひとつ答弁をしていただきたいと思います。 この本法が、一つは六十二年の三月の三十一日までの二年間の時限立法になっておりますが、この根拠、見通し、それが一つ。 それから担保問題でありますが、中小企業事業団が昭和五十七年の三月に中小企業金融実態調査を行った資料があるんですが、そのときに、都銀、地銀、政府系の銀行ごとの担保と保証をとっているそのパーセントの数字をちょっと言いますと、担保と保証を合計しまして、都銀が四四・〇、地銀が五五・〇、政府系機関が七〇・二です。非常にたくさん担保あるいは保証をとっているんですよ、中小企業の皆さんからね。だから、この法律をつくって、結局担保があれば金はどこからでも借りられるわけですよね。だから、そこのところはこの法律ができて、またぎちぎちぎちぎち枠ではめて運用をしないようにひとつその点を配慮をお願いをしたい。 それから範囲の問題ですが、例えば紙パで、秋田に十條パルプというのがあるんです。これは十條製紙から切り離してDPをつくっておるんですが、これが社員と下請入れますと約五百名ちょっと超している。これがもう会社やめたというわけです、今度の円高でですね。それまでにやっぱり弱い面もあったわけですが、もうそれが結局最後の足を引っ張った形になってやめている。 こういうところは、若干資本金等からいきますとこの法律の適用にはなりませんが、これもやっぱり円高が足を引っ張っておりますから、通産省としてはぜひ今後、非常に秋田の地域経済との結びつきも強い、雇用の面からも。経過は、十條製紙はその子会社を分離するときにはつぶさない、こういう覚書もとっておるんですが、結局つぶれてしまったわけです。そういう例もある。幾つか企業の実態ごとにやはり合った対応、指導をぜひしていただきたいと思います。 それから、最後ですが、総理の経済問題の諮問機関は、海外援助の問題等ずっとやったらどうかという問題と、渡辺大臣ちょっと度外しておりますが、例えば電線を地下に埋めたらどうかという円高差益の問題のお話がありますが、その問題で今一番だれが厳しい被害を受けているか。中小企業あるいは中小企業で働いている労働者が今一番厳しい被害を受けておりますから、そこのところを間違いなくひとつ通産省としてはしっかり対応していただきたいことをお願いを申し上げ、時間が来ておりますから、幾つか簡単に答弁をお願いします。
○政府委員(広海正光君) 幾つが御指摘ございましたが、まず第一点の緊急経営安定対策の期間を二年としたのはなぜかという点でございますが、この緊急経営安定対策は、円高等急激な環境の変化に対します応急の対策である。それで、このような対策を必要とする中小企業の困難な状況というのは、この環境を踏まえて考えますと比較的短期間のうちに集中して出てくるのではないか、そういう考えのもとに、法律の構えといたしましては対策を講ずる期間を二年ということにした次第でございます。 それから、第二番目の担保の問題でございますが、私どもも、御指摘いただきました中小企業事業団のこの調査を調べてみますと、中小公庫が七三・九%だと。つまり融資のうちの担保及び保証つきの融資の比率でございますが、それが中小公庫の場合は七三・九、国民公庫は三四・二、商工中金は五七・三、こういう数字になっております。他方、都銀はどうかといいますと四一・九、地銀はどうかといいますと五二・五ということで、まあこの数字を見ますと、特に比率が高いのは中小公庫と、こういうことになっているわけでございます。 この原因を考えてみますと、都銀の場合は手形割引も含めました短期融資資金の比率が高いという問題もございますし、それからまた債務者の預金を見合いとした貸し付けもあるというような点もあるわけでございます。他方、中小公庫の場合は、これは長期の事業資金の貸し付けをやっているという問題もございますし、それから都銀のような預金はない。それから新規顧客、まあ都銀の場合には長年の取引先ということでの融資比率も相当多いわけでございますが、中小公庫の場合には新規の顧客が多いという事情もございますし、また同じ担保でもどり方が違うという、いろんな事情があるわけでございまして、一概に比率だけで比較はできないんじゃないか、このように考えられるわけでございます。 同時に、この調査でも指摘がございますけれども、都銀、地銀につきまして担保、保証の面で不満を持っている人が一二、三%あるわけでございますが、中小公庫の場合には、約その半分の七%くらいということで、まあこれから考えてみましても、実質的には地銀、都銀と比較いたしまして、中小公庫の担保、保証のとり方が厳しいとは必ずしも言えないのではないか、このように考える次第でございますけれども、いずれにいたしましても、当省といたしましては、従来から政府系中小企業金融三機関に対しまして、個別中小企業者の実情に応じて担保の徴収等について配慮するようにという指導をしてきておりまして、今後もこうした指導は続けていきたい、このように考えております。 それから、最後の、本法の対象となる特定中小企業者の範囲でございますが、この点につきましては、本法の趣旨が、先ほども申し上げましたように、最近の円高あるいは新興工業国の追い上げ尊厳しい環境に直面している中小企業者に対しまして、緊急に経営の安定が必要な場合やあるいは事業転換を行う場合にこれを助成するというのが本法の趣旨でございまして、したがいまして、本法におきます特定中小企業者とは、こうした厳しい構造的な環境変化に直面している、そしてまたこのような対策を必要とする中小企業者であればその対象になるということでございます。
○政府委員(木下博生君) 一番最後の御質問の点でございますが、円高差益云々ということとは全く別に、私どもとしては、円高によって影響を受ける中小企業対策については、予算上、法制上の面で最大限の努力をしていきたいと考えております。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘の十條パルプ解散問題につきましては、溶解パルプの現在の需給状況あるいは円高下での国際競争力の喪失というような状況にかんがみますと、やむを得ない状況なのではなかろうかと思っております。 しかし、雇用問題というのは大変大きな問題であると考えております。十條パルプ自体も、跡地に新設いたします会社あるいは既存の関連会社、さらには十條グループ企業への採用あっせん等努力を続けていくというような考え方を示しております。私どもも、十條パルプはもちろん、十條製紙に対しましても、雇用対策には万全を期するよう絶えず要請を行っておるところでございまして、この状況を注意深く見守っていかなければならないと思っております。
○大木浩君 本日は、我が商工委員会にとりましては久しぶりのこれナイターでございまして、関係の諸先生方もまた行政府側も大変に御苦労でありますけれども、夜を使って大いに促進しようというのは、やはり現在我が国の中小企業をめぐる情勢というのは非常に厳しいということで、早く何か結論を出して必要な措置をとらなきゃいかぬという皆様方の御認識があるものと、そういうふうに理解をしております。 そういうことですから、本来であれば、中小企業に対するサービスは、余り質問などせずにどんどんと法案を通しまして、通産省が早くその措置をとれるようにということが一番いいんだろうと思います。とは申しましても、特定の業種ないしは企業というものに対して特別の優遇措置を与えるということでございますから、やはりこれについては国民の十分なる御理解を得なきゃいかぬ、こういうふうに思います。しかし、そういう意味で、できるだけ時間は短縮しながら、ひとつ実質的な議論をさせていただきたいと思うわけでございます。 この特定中小企業者事業転換対策等――非常に名前は長いんですけれども、この臨時措置法自体について御質問をする前に、先ほどからもいろいろとお話がございます、現在の世界経済が大変に激動といいますか、変動と申しますか、動いておるということについて、若干通産省なり関係各省のお考え方をお聞きしたいわけでございます。 まず、先ほどから円高問題で一体どういう見通しを持っているんだというようなことを再三各先生方から御質問があるけれども、これはなかなか、神ならぬ身で見通しも難しいと思うんですが、私たまたま先ほど、こちらへ参ります前に夕刊を見ておりましたら、こういう記事がございました。 恐らくいろいろな新聞に書いてあるんでしょうけれども、ワシントンからの情報として、「米通貨当局者は十三日、米ドル急落という新事態に対し「日本が公定歩合の再引き下げを実施してもらえばありがたい」と述べ、日本が金融政策面から急速な円高ドル安に対応することへ期待を表明した。 この発言は、同日ニューヨークの外国為替市場で一ドル=一八〇円近くにまでドルが売られたことを受けたもの。同当局者はその際「日本の通貨当局が一ドル=一九〇円近くが適正値と受け取れる発言をしながら、ドルがそれを割り込んだ時に何もしなかったことが、ドル売りを誘った」と述べ、今回の急落が日本側の不手際にあるとの不快感を表明した。」こういうことを言っております。 この記事が正確かどうかわかりませんけれども、一応こういうことを言っておるということについて、財政当局あるいは通産の立場からどういうふうにこれを受け取っておられるか、ちょっとコメントを願いたいと思います。
○説明員(金子義昭君) ただいま先生のお話のありました新聞記事については、私まだ見ておりませんで、少なくとも現在までにアメリカ当局からそのような話があったということは聞いておりません。 アメリカ当局の中に――当局といいましてもいろんな方がおりますし、確かにアメリカの米ドルの急落、暴落というものを恐れているという意見もあることは事実でございます。 ただ、一般的にはやはりG5で合意されましたように、なだらかな秩序あるドル安が望ましいということでございまして、ただ先ほどから申しておりますように、どのような水準が望ましいかということを合意しているわけではございませんで、私たちも先ほどから申しておりますように、現在の相場水準が正しいかどうかということを特に言っているわけではないわけでございます。 逆に、現在の水準がいいとか悪いとかということ自体がその為替市場に影響があるものですから、私たちはそういうことはできるだけ避けたい、発言を避けたいという趣旨でございます。 今先生のお話に、日本通貨当局が、どんどんドルが弱くなる、円高がどんどん進むことを歓迎しているということで円高が進んでいるんじゃないかという御指摘がございましたが、私たちは基本的には相場の安定ということは望ましいと考えておりますし、介入につきましても、基本的には市場が無秩序になる、あるいは各国が有用と合意する場合には適時適切に介入するという方針は変わらないわけでございます。 ただ、どういう場面で介入するか、あるいは現在の水準をどう考えているかというようなことを申し上げること自体が、ある意味で市場に悪影響を与えるということでございますので、その点について発言を差し控えさせていただきたいとお願いをしておるわけでございます。
○大木浩君 なかなかお答えにくい問題でございますので、これ以上、今の百九十円がどうかとか、その辺のことについては申し上げませんけれども、少し前は、とにかくドル高・円安で何とかしろというふうな話が非常に中心でやっておった。今度はえらい円高になってしまって、また行き過ぎだから何とかしろ、それも日本が何とかしろというような話でございます。こういうのをずっと見ておりますと、雨が降っても日本が悪い、天気がよくても月本が悪いというような感じで、なかなかつらい状況ではないかと思うわけでございます。 しかしいろいろ言われておる状況を踏まえながら、これから我が政府当局としての御努力を願わなければならないというわけでありますし、特に来る五月には、東京でサミットが行われるというわけでございますから、これはそういうものを控えて政府当局、特に通産省当局としていろいろと御苦労なさっておると思いますけれども、今回のサミットは、例えば前回日本で行われましたサミットに比べますと、今度は非常に日本が、言うなれば金持ちと思われておっていろいろと注文を受ける側にある。前回は、たしか油がない、何とかしてくれということを、あれはたしか大平内閣のときであったと思いますけれども、頼み込む方の話であったわけですけれども、今回はそういうことでいろいろと注文を受けるであろうということが第一点。 そして、しかもアジアで行われますし、最近の世界じゅうの経済の中で、やっぱりアジアの地位というものが非常に大きくなっておるというわけでございますけれども、そういったような背景の中で、これから東京サミットへ向けて、これはせっかく新大臣、渡辺大臣が、聞くところによりますと、図らずもではなくて、みずから大いに希望して通産大臣になられたと、こういうことでございますから、大臣としての御所見、御識見もあると思いますが、ひとつ東京サミットへ向けての通産大臣として、どういう構想で今後の通商産業政策を進められるか、ひとつまずごく概論を伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 日本の経済が世界のGNPの一割を占めるというような大きな経済になって、その裏には世界じゅうからいろいろな恩恵を受けておるわけでありますから、国際的な責任を分担しなければならない立場になった、これは国民もわかっておることであります。 また、今自由貿易体制下にあって、世界の経済というものは鎖のように相互依存関係が非常に強い。したがって、一国だけが栄えていくということは不可能だと私は思います。みんながお互いに助け合っていかなければならぬ。殊に貿易の問題等においては、日本だけが大幅な黒字をいつまでも持続するというようなことは許されないわけであります。したがって政府としても、貿易の不均衡というものを是正をするという政府の方針を出しておるわけでありますから、東京サミット前に、できるだけ日本と特にアメリカとの巨大な貿易の不均衡というものについて是正をしていくんだと、スタートもしたというはっきりしたことを、口先だけでなくて実際に実行をしていかなければならぬ。そのためには、政府が発表したアクションプログラム、市場開放のもろもろの施策というものを着実に実行をしていくということがまず第一だと思います。 その次は、やはりこの自由貿易というものを日本は旗に掲げておるわけでございますから、これが保護貿易的傾向に世界じゅうがなれば、世界の経済にとっても困るだろうが、日本にとっても一層困るということになるので、やはり保護貿易に陥らないために、先進国ばかりでなくて全体の開発途上国も含めて、新しい貿易体制の土台になる新ラウンドをスタートさせるということで合意をしていく、そのための下ごしらえという準備をやっていくということも私は非常に大切なことだろうと思います。 さらに、中長期的に考えれば、内需拡大といいましても、おのずからこれも限界があることでございますから、製品輸入をふやすためには今後海外に対する投資というものも奨励をしていく。当然国内ではそれと矛盾する産業が出てくるということも考えられますので、それについてはやはりある程度の産業調整措置というものはこれは避けられない、ある程度の国際分業、合理的な国際分業というものは避けられないと私は思っておるわけであります。 しかし、外国に対する投資を非常に極端に速めてやれば、やはりそれは国内の雇用の問題に今度は関係をしてまいりますから、それは急速にやるわけではありませんが、そいつに対する対策も準備をしていく。そのためには新技術を開発をしたり、いろいろな新しい研究開発を進めて、そしてやはり先進国、特に日本でなければできないというようなものを我々は生み出していく、そういうような努力をしなければならぬし、そうやりますという姿勢をやはり私はサミットなどで世界に日本がこれは公言するといいますか、そういうことを言って、当面の貿易用題だけの騒ぎでなくて、将来のために向かってみんなが助け合っていくことが一番いいんだということの認識をしてもらうということが基本ではないか、そう思っております。
○大木浩君 今サミットに向けての大臣の御所信を伺わせていただいたわけでございます。 現在我が国の中小企業をめぐるいろんな環境が非常に厳しくなっている二つの要因、一つはよそとの競争、それともう一つ、これももちろん関連があるわけですけれども円高、この二つが日本の貿易の関係を非常に難しくしておるというわけでございますけれども、ただ難しくしておると申しましても、どうもいろいろと地域とか相手国によって事情がかなり違うんじゃないかという感じを持つわけでございます。 最近はアメリカとの問題が非常に前面に押し出されておりますので、アメリカのことが非常に中心になって議論がされておりますけれども、例えば相手が中進国であったり、あいは開発途上国であるという場合には一体どういうことになっておるのか。それから、近隣のアジア諸国と日本との状況はどうなっておるのかというようなことを多少取りまとめて御解説をいただきたいわけであります。 私、先般韓国から参りました議員団といろいろ話をしておりまして、どうも円高でいろいろと日本の方は調子が悪いんだが、そのすきをと言っては言葉が悪いんですけれども、どうだ、韓国さんの方はなかなかうまくやっているのかと申しましたら、いやいや、そうでもないと。韓国から輸出する物の中にも、例えば原材料は日本から買ってきて、それをまた加工して出す物もあるというようなことで、出し入れいろいろとあるわけです。そういうことで、今の状況が、日本自身も困っておりますけれども、よそもいろいろな影響を受けているだろうということでございますが、どういうふうに分けていただくか、あるいは先進国、中進国、LDCぐらいに分けていただくのか、どういう形になっているか、ちょっとわかりやすく御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) もちろん日本はアメリカとばかり貿易をしているわけじゃございませんから、東南アジア、アメリカ、ヨーロッパ等、全世界を大体大きく分ければ四ブロックになりますわな。 そこで、東南アジアのようなところにつきましても、極力やはり市場開放をする。そのためには関税を下げるものは下げる。例えば大騒ぎになっておったタイの骨なし鶏の肉とか、バナナの関税も下げるとか、そういうようなLDC諸国が日本に売りたがっておる物の関税を下げたり、門戸を開放するというようなことはもちろんやっていかなければなりません。 それと同時に、やはり先ほど言ったように、韓国にもあるいはシンガポールにもタイにも、たくさんの日本企業が今進出をしておりますし、これからももっと出ていく、政府も奨励しなきゃならぬ。そこでつくられた製品は、当然日本の資本と日本の技術によってつくられる製品ですから、いい物ができるに決まっているわけですよ。したがって、そういう物を今度は日本が買わないということになると、また別の貿易摩擦が起きてくる。現に化学繊維というようなものについては、かなりのものを日本でもつくっておるが、それらの国からも日本は現在仕入れているわけですね。そういう動きが大きくなってきますから、当然に国内産業の調整というものは、好むと好まざるとにかかわらずこれは避けられない問題がある、私はそう思っておるわけであります。 したがいまして、石油の問題等になりましても、やはりこれがもう急激にうんと下がるということは、必ずしもそれは世界の経済全体にとってよいとは私は思っていない。やはりいい面もございますが、円安が急激に起きたためにいろいろ被害が出ると同じように、石油の場合だってそれは出てきますよ。ですから、それに対する対応策をどうするのか。 特に産油国の中で、それだけで食っておる、ほかに資源がないという国は、かなり設備投資をして借金しているわけですから、それの金を払えない、金融パニックが起きるということになるとまた別な問題が起きてくる。したがって、これらはやはりIMFなどを中心にして、どういうふうにして助けていくか、金融不安を起こさないようにするか、いずれにせよ、今は世界の経済がつながっておるわけですから、みんなで、先進国が集まって相談をしながら抱き合って世界の経済を守っていくと、自由貿易を守っていくということでやっていくのが一番いいだろう、それ以外にはないんじゃないか、そう思っております。
○大木浩君 大臣から大変に詳しい御説明いただきましたんで、余り事務方に御質問するネタが少なくなってくるわけでありますが、本論に移りまして、中小企業に対する現在の円高なり、あるいはよその国との競合との関係から来る影響というものについて、私も部分的には、例えば私の地元の方の名古屋通産局でいろいろとどういう企業が大変影響を受けておるとか、企業倒産が何件ありそうだとかいうような話は聞いているんですけれども、一応取りまとめまして、現在一体どういう影響が中小企業に対して、輸出入それぞれですけれども、起こっておるのか、特に下請企業などが大変に影響を受けておるんじゃないかというようなのが先ほど同僚の議員からのお話もありましたけれども、そういった点も含めてひとつ現状をごく簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(広海正光君) ごく概略だけ申し上げたいと思いますが、まず輸出産地につきましては、私どもの最近の調査によりますと、新規受注あるいは受注残、資金繰りというような面で非常に悪化してきている、一部の産地では休廃業も発生している、こういう深刻な状況にございます。また下請中小企業者につきましても、受注量の減少あるいは単価の切り下げという形でかなりの影響が出てきているというふうに承知しております。さらに今後、輸入品の増加による中小企業への影響も懸念される状況にあるということでございます。
○大木浩君 今度のその臨時措置法でございますけれども、聞くところによりますと、アメリカあたりから緊急経営安定対策あるいは今度の新しいいろんな法案全体に対して、これは輸出補助政策じゃないかというような意味での、何と申しますか、反論というか、批判というものも出ておるやに伺っておるんですけれども、これに対して通産省としてはどういうふうに御説明しておられるのか、あるいは客観的に見まして、例えばガットの規定等と照らし合わしてどういうふうに解釈できるのか、その辺をひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(木下博生君) アメリカ等から、先生御指摘のような懸念が表明されておるのは確かでございますが、私どもが実施しようとしております緊急経営安定対策による低利融資というものは、私どもとしては全く輸出補助というようなものに当たらないというふうに考えております。 といいますのは、新規受注がとまる、あるいは円高によって大幅な損を受けるというような中小企業の場合には、直ちに資金繰りに困ってくるわけでございまして、本来そういうものがなかったら借りる必要がない金を借りざるを得ないということで、そういう融資をやるわけでございますので、それがそのまま低利であるから輸出補助に回るというようなものでは全くないという考え方でおります。 それから今回の法律にもありますように、今回のような円高の状態というのは、今後も十分続き得るということでございますと、中小企業といたしましては、そのような新しい経済環境に適応して経営を考え直していかなくてはいけないということでございます。その一環として事業転換等も行われるわけでございますから、そういう意味で広義の産業調整政策の中の一環の政策でございますし、そういうことがスムーズにいくように、産業調整がうまくいく前に倒産等が起こらないように措置をするというだけのものでございますので、私どもとしては、国際的に見ても問題がない措置だと考えております。
○大木浩君 客観的にもそういうことであるというお話でございますから、余り心配しなくてもいいのかと思いますけれども、なかなか最近のアメリカとの折衝というのを見ておりますと、理屈があろうがなかろうが、いろんなことを言ってくるというようなことでございますので、ぜひともこれはひとつ対米折衝というものは十分にやっていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、急激な円高等による我が国中小企業の救済措置は、これはもうぜひとも行うんだということ、そして、これはやっぱり国際化、国際化ということが言われますけれども、国際化のためにもそういったようなものは必要な措置を進めていくんだということがぜひとも必要であろうかと思うわけでございます。この点はひとつ大臣から、そういうものはもうちゃんとやっていくんだということについての御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 中小企業があって大企業もあるわけですから、ですから中小企業が非常に倒産がふえたり、やっていけなくなれば、日本の全体の国際競争力が鈍る、かえって悪い結果になるというようなこともございますので、これは大企業に対しても、中小企業をいじめればいいというような考えは、これは絶対いけませんと。したがって、先ほど中小企業庁長官からも答弁がありましたが、親会社というか親事業者の方も、もっと温かくできるだけのことをやってやれということを通達をしておるわけであります。 今後、この法律が通りますと、特に円高等によって打撃を受けておる業種等についても、まあいろいろ余り、非常に条件がうんと厳し過ぎて利用者が少ないということでも困るわけですから、皆さんからの御要望もこれあり、できるだけ条件緩和等も考えて、中小企業対策には万全を尽くしていきたいと、そう思っております。
○大木浩君 大分夜も更けてまいりましたし、余り長い質問しない方が、世のため国のためのようでもございますので、あと一つだけ。 先ほどから、同僚議員からもお話がございましたが、例の電力等の円高差益還元問題でございます。 一昨日も衆議院の商工の方でもいろいろと御質問があったようでございまして、大臣からもお答えがあった。それから、先ほどこれは梶原委員もお触れになったと思いますけれども、きょうの新聞にも、例の総理の私的諮問機関でございます国際協調のための経済構造調整研究会ですか、ここでもいろんな案が出ておるというわけでございまして、まあこの研究会の方の案を見ますと、電力とは直接関係のない国際協力税や国際協力債等を導入して何かほかのことをやれということがかなり書いてあるようでございます。これまた十分に御検討なさる時間はないと思いますけれども、一応こういうことが出てきておりますので、現段階でどういうふうにお受け取りになっておりますか、ひとつ何らかのコメントをいただければありがたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは新聞、夕刊で私も今見たばかりでございましてね、総理の私的諮問機関の、まあ学者の方がそういうことを言い出したんだと思いますが、これも十分に検討はさしてもらいます。
○大木浩君 これは新しく出てきた話でございますので、余りまたこれ以上議論にならないと思うんですが、一昨日の大臣と佐藤信二議員でしたかとのいろんな質疑、やりとりの中では、今のその電力差益につきまして、電力を中心にしてどういうことが考え得るんだというようなことで、料金のひずみの是正とかあるいはいろいろと新しい設備投資の積み増しと、いろいろの御答弁があったと思います。 私考えますのに、その電力についての問題というのは、私は日本の電力というのはまだ割高なような気がするんですが、そういうことから言えば、やっぱり安定した電力というものを安く国民に、家庭にもあるいは産業にも供給できる体制ということをきちっとしておくことが必要じゃないかと思う。まあ多少円高差益が出たって、神風が吹いてもうかったというんだから、すぐそこから取れというような考え方ではなくて、もう少しやっぱり中長期的に安定した電力の供給というところにポイントを置いてお考えいただいた方がいいと思います。既に一昨日の御答弁もございますけれども、重ねてそういったようなことについて何らかの御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 基本的には私も同じ考え方であります。特に石油の問題が幾らに落ちつくのかということがもうさっぱり見当が実際つかない。十五ドルになるという人もあれば、いや二十ドルでとまるという人もあれば、いろいろ。ですから、ある程度時間の経過を見ながら国際情勢をにらんだ上で、しょっちゅう電力の料金が上がったり下がったりというようなこともこれも困る、特に計画が立たない産業は。したがって、安定供給というような点で、なおかつその円高の利益については国民の納得のいく最も合理的な、内需に役立つ当面の景気支えといいますかね、そういうものに役立つような方法を中心に料金を決めていきたいと。それから、いろんな今までのひずみ等があったり、時代と逆行するような措置がいつまでも置かれたのでは、これも困りますから、そういうようなものを柱にして、皆さんの意見も十分謙虚に承った上で決めていきたいと思っております。
○大木浩君 先ほどから申し上げましたように、余り長い質問は避けた方がいいと思いますので、最後に、先ほどから申し上げておりますように、やはりこの中小企業をめぐる環境というのは大変に厳しいんだと、もう本当に何カ月も待てないよというような企業も幾つかあると思いますので、幸いにこの臨時措置法が通りましたら、ぜひとも通産当局といたしましてもこれを迅速に実施していただきたいということを心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。
○田代富士男君 きょうの委員会は、同僚議員がただいまお話しになりましたとおりに、夜分に入ってからの委員会になっております。つきまして、私もまとめて質問をしてまいりたいと思います。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 法案の質問に入る前に、今日的な問題をお尋ねしたいと思います。 最初に、政府は乗用車の対米輸出自主規制を六十一年度も現状のまま継続するようでございますけれども、この車の輸出自主規制というものは、もともとアメリカの不況から自動車産業に従事していた労働者が多数レイオフされたことに端を発しまして、緊急避難的な処置としてとられたものでございますけれども、渡辺大臣も御存じのように、アメリカの景況の回復、また労働者の職場復帰、メーカーの業績も上がっております。にもかかわらず自主規制の継続となった理由は何なのか。特にレーガン大統領からはこの自主規制の延長について特段の要請があったわけでもないのでありますけれども、今回措置となったのは何であるのかというのが第一点。 第二点は、アメリカの自動車メーカーの世界戦略とも言える動きについて、政府はどの程度これを察知し対応しようとしているのか。日本の今回の措置が将来の日本にとって悪い結果を招かないように期待をしておりますけれども、通産大臣の所信を伺いたい。 第三番目には、対米黒字五百億ドルというのは日本の金で約十兆円ではないかと思いますけれども、この大きな黒字幅をたとえ半分の二百五十億ドル、すなわち五兆円に減らすと、その半分の二兆五千億円の輸出減、同じく二兆五千億円の輸入増がなければならない、単純計算いたしますとこういうことになるわけなんですが、日米貿易の現状ではそのようなことは難しいのではないかと思いますし、通商摩擦解消に取り組む通産大臣の所見を伺いたいと思うのでございます。まとめてお願いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) なぜ自主規制をやったかと、自動車業界だけのことを考えますと、田代委員のおっしゃるとおりでありまして、規制をする理由はないじゃないかと。私も全くそう思うんであります。 しかしながら、問題は今一番大きな騒ぎになっているのは、五百億ドルという非常に巨額な日米の貿易不均衡があるわけでして、それじゃ、ここで自主規制を取り払ってしまうかと私は考えてみたんです、実際のところ。どういうことになるだろうかといって、いろんな情報をとってみると、やはり五、六十億ドルはもう駆け込み的に輸出が、自動車だけがばっと急激にふえる可能性がある。サミットを控えまして、それでまたアメリカの方は、議会が非常に五百億ドルそのものを問題にしておって、それが秋のアメリカ選挙を控えて、議会をうんと刺激しちゃって、次から次から対日報復法案が成立していくという事態になると、大統領の拒否権発動といいましても、しょせんは議会全部を敵に回してやるというわけにはなかなかいかなくなってくるんじゃないか。 そういうことも考えると、一つの理屈で買っても、全体として非常に日本が不利な立場に置かれるというような事態になれば、これは大変なことになると。この際は、経済的な貿易の理論だけからいえば規制は存続すべきものではないが、それら全体のことを考えた場合においては、この際業界にも少し我慢をしてもらって、そしてやはり国全体のことも考えてひとつ規制をのんでくれというようなことで、自主規制を発表したということであります。 アメリカの自動車戦略については、これは機械情報産業局長から答弁をさせます。 それから、この五百億ドルの日米貿易不均衡がそう簡単に直るかと、これは全く私も頭が痛いんです、実際のところ。じゃ自主規制をやったから、自動車はドルベースでことしより売り上げがふえないかといえば、これはふえるかもしらないと、正直な話が。しかし、それ以上に輸入をどうしたらうんとふやせるかと、極力これは例えばコンピューターの関税にしても、アメリカにはあるんですから、四・三%、関税が、日本から売る場合には。コンピューターの部品を除き、本体、周辺機器。しかし、日本は一月二十日から全部ゼロだから、アメリカはどんどん売りなさいというようなこともやっておるわけです。 機械類にしても、非常にゼロ関税のものをふやしたということで、あとはもうあなた方の方も輸出努力してくださいよと。自分たち努力もしないで売れない、売れない言われても困るわけですから。ですから、努力をすれば売れるよと、努力がなければだめですよと。ですから、日本がいじわるしているとか、不公平だとか、そういうことを言われることだけは全部なくそうということを最大の主眼にしてやっておるわけであります。
○政府委員(杉山弘君) 先生お尋ねの米国自動車産業の世界戦略をどうつかまえ、どう対応しようとしているかという点でございますが、御案内のように、アメリカの自動車産業は、新しい小型車開発計画を今積極的に推し進めております。GMのサターン計画等がその代表的な例でございます。また、アメリカの自動車産業は、日本及び韓国の自動車産業と提携等を進め、グローバルなベースで新しい戦略を練っているように思われます。 さらに、もっと先のことを考えまして、いわゆるエレクトロニクス産業を初めとしたハイテク産業との提携なんかも進めているように我々承知をいたしております。私どもといたしましても、日本の自動車産業の将来を考えます場合には、こういったアメリカ自動車産業の世界的な経営戦略というものも十分頭に置いて対処すべきだということを承知をしているところでございます。 お尋ねの、今回のような措置が、こういった観点から見ますと、日本の自動車産業の将来にとって悪い影響を与えるんじゃないかという御懸念かと思いますが、ただいま大臣から申し上げましたように、むしろこれは保護主義的な風潮にこれ以上火をつけないようにという趣旨でございまして、もしこれが実施されないということでアメリカの保護主義的な動きが一層高まるというようなことになりますと、かえって日本の自動車産業の将来の長期的発展にとっては悪いことになる、こういう考えから、いわば緊急避難的な措置ということで導入をしたものでございます。 私ども先ほど大臣が申し上げましたようないろいろな面での努力を通じまして、こういう措置が一日も早く解消されるようなことを考えているわけでございますので、そういう点について私どもも特に問題はないのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
○田代富士男君 次に、同僚議員も御質問されましたが、この撚糸工連事件の問題ですけれども、一番最初は元経理課長の資金使い込みに端を発しましたこの日本撚糸工連の不正は、私も新聞とかそういうものを全部目を通させていただきましたけれども、まさに組織ぐるみの悪質な事件であることは明らかでございます。 今検察の手にかかったところでございますから、いずれ明らかになるかと思いますが、この撚糸工連は、昭和五十三年度、それから五十四年度には会計検査院から不正融資の疑いを指摘されました前歴があります。これは御承知のとおりだと思います。そういうような前歴がありまして、通産省といたしましてその審査、それから管理、指導にどのように取り組んだのか、ここに重大な欠陥があったのではないかと私は思われてなりません。 今さっき同僚議員の質問に対する渡辺大臣のお答えは、まず第一番目に事件解明が最初であると、そして二度と起こさないように最善の措置をとる。二番目には再発をさせないと、こういうお答えであったと思うんです。恐らくこの会計検査院からの指摘があったときにも、当時の通産省の首脳はこういうお答えをなさっていらっしゃる。にもかかわらずこういうことになった。私は本当に今大臣がおっしゃったようなことを、審査、管理、指導をやっていたならば起こっていないのではなかろうか。 そういう立場から、本当に再びこういうことを起こさないために、今回の通産大臣は今までの通産大臣と違いまして力もありますし、こういうことを未然に防いでいかなくちゃならない、そういう立場から、大臣の反省と今後の指導のあり方についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は仕組みを必ずしもつまびらかに知っておりませんので、的確な具体的な答えはしにくいと思いますが、いずれにしてもやりやすいといいますか、相手が機械やなんか、現物ですから、だからなかなか管理が相手からすればやりやすい、こっちからすればお金やなんかと違ってすぐに見つけにくいというようなところの盲点をつかれたのじゃないかと、そう思っております。 ぜひとも現物の管理というようなことについては今まで以上に、本当に、スクラップだと言って金をもらって、機械がスクラップになっているのか、あるいはその後スクラップだと言いながらどんどん新しいのを買って入れられたんでは、幾ら機械の買い上げ、廃棄をやったってまた膨れてきちゃうわけですから、どぶの中に金を捨てるようなもので、そんなのは認めるわけにはいかない。ですから、その原点に返って、それが厳正に、少なくとも国民の税金で人の織機を、個人の営業品を買い上げてやるんですから、これは。だからそれは本当にむだにならぬように、やっぱり厳重にやる必要がある、そう思います。 ですから、その手続その他につきましてはいろいろ専門家に勉強させて、今融資を受けている中にも本当にそういうのがあるかもわからぬし、ないかもわからぬし、だから他山の石として一遍点検をさせる必要が私はあるのじゃないか、そう思っております。
○田代富士男君 きょうは法案の審議でございますから、この問題についてはまだ次回の商工委員会等に移したいと思います。 まず、法案の質問に入りますが、御承知のとおりに大企業、中小企業を問わず、急激な円高で現在悩んでおります。同僚議員の質問のとおりでございますが。御承知のとおりに、この円高は原材料、エネルギーコストが下がるというプラス面と、輸出量が減るというマイナス面の両面がありますけれども、今我が国が大変な輸出超過になっていることを考えますと、企業に対する影響はマイナス面が大きいと見なくてはならないのではないかと思います。過日、日銀総裁が、円高は望ましいが、進みぐあいが急である、定着することが望ましいと発言されておりますけれども、今後の円高動向をどう見るのか、まず第一点の質問です。 最初申し上げたとおり時間が遅いですからまとめて質問いたします。 第二番目は、産業界においてもこの円高基調の中で相場に対応できる商品開発を急いでおりますけれども、その成否というものも為替レートの安定こそが不可欠ではないかと思います。国の施策に望みをつないでいるのが現状ではないかと思います。この為替レートの安定をいかに努力されるのか。これも今いろいろ御答弁が出ていたところでございますが、これもお伺いをしたいと思います。 三番目に、このような急激な円高の中で、経済界では円高デフレへの強い懸念が表明されておりまして、一部では公定歩合の耳下げを望む声も出ております。これについては今大木委員もちょっと触れましたけれども、私もきょうの夕刊を見ましたときに、「日本の公定歩合再引下げ望む」という米通貨当局者のこういう報道も出ております。これらについてどうお考えであるのか、三点まとめてお答えをいただきたいと思います。
○説明員(金子義昭君) 今後の円高動向はどうかということでございますが、一般的には、従来私たちが申しておりましたのは、現在の我が国の対外不均衝ということを考えますと、基本的には円高基調の定着が望ましいということは申しておったわけです。昨年の九月以降為替相場はかなり円高・ドル安となっておりまして、その意味では各国の経済ファンダメンタルズがよりよく相場に反映されるようになったということではないかと思います。ただ、先ほどから何度も申しておりますように、私たちは現在の相場がいいとか悪いとかという、そういうふうな考え方をその水準について持っているわけではございません。 今後円相場がどうなるかということでございますが、これも相場といいますのはなかなかいろんな要因がございますので、先行きを的確に申し上げるというのは難しいということでもありますし、また為替市場への影響を考えますと、そういうことを申し上げること自体適当ではないんではないかと思っております。 それから為替相場の安定という問題ですが、私たちももちろん基本的には為替相場はできるだけ安定していた方が望ましいということはそのように考えておるわけでありまして、ただ為替相場の安定と一概に申しましても、なかなかこれは現実には難しいところでございます。 昨年の六月ごろ、東京で十カ国蔵相会議というのが開かれましたけれども、そのときの結論でも、為替相場の安定のためには中長期的には経済政策の協調が必要である。それから短期的には為替市場に対して介入するというようなことが言われておりまして、ただ、その中長期的な経済政策の協調と申しましてもこれはなかなか抽象的で、現実にそれを実現していくというのは難しいわけでございます。ただ、いずれにしましても為替相場というのは各国のいろいろな経済活動の結果でございますので、やはり基本的にはそういう経済政策を適切に運用すると言わざるを得ないのではないか。では短期約に介入ということでどういうふうにやっていくのかという問題がもちろんあるわけでございます。介入につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、市場が無秩序な状態あるいは各国が有用と合意される場合、そのような場合には当然適時適切に介入していくという基本方針は全く変わらないわけでありまして、ただ、いつどういうような状況で介入するかどうかというようなことを言うこと自体がいろいろな思惑を呼びまして、かえって為替市場の混乱を招くということでもございますので、その辺はちょっとお答えを差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、私どもは最近の市場の状況にかんがみまして、為替市場の動向には十分注視していく考えでございます。
○説明員(杉井孝君) 金融政策についてお答え申し上げます。 先生御案内のように、先般日本銀行は公定歩合を〇・五%引き下げまして、また預金金利あるいは短期プライムレートにつきましても、今月の二十四日から同じく〇・五%引き下げることとなっております。 私どもとしましては、これによりまして金利水準全般の低下が促進されまして景気の維持拡大に資することを期待しておりまして、現在私どもとしましてはこれらの措置の経済全般への影響を見守っていく考えでございます。いずれにいたしましても、金融政策につきましては、今後とも内外経済動向でありますとかあるいは国際通貨情勢、あるいは各国の金融政策等といったものを注視しながら、適切かつ機動的に運営してまいりたいと考えているところでございます。
○田代富士男君 通産大臣は前に大蔵大臣もなさいました。そういう立場で今の答弁も買って出ようとしておられたので、本当は渡辺大臣の答弁を聞きたかったわけでございますけれども、なかなか時間がありませんから…… 公定歩合の問題について夕刊の記事を私も取り上げて、これは大木先生も取り上げましたけれども、「「百九十円突破を傍観」と不満」を持っている、こういうことで「再引き下げ望む」という記事でございます。これについて、今さっきはアメリカの立場を理解されて自主規制をこういうふうにやったという、そういうあらゆる立場から配慮しているわけでございますけれども、まあこの記事が本当であるかどうかわからぬと言われればそれまでですけれども、間違いなくここに出ている証事でございますから、この公定歩合の問題について、日銀総裁がいらっしゃったら聞くんですけれども、大蔵大臣も経験された通産大臣ですから、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この金融とかドルレートの問題は、G5で集まって、余り極端なドルの暴落も困りますし、極端なものは、特に投機筋によるものは困るわけですから、日銀が見ていればある程度わかるわけですから、それが投機筋のものなのかそうでないのか、そこらはよく見てやっていただけるだろう。 金利の問題も、これは政府は、適時機動的に金融は運用すると言っているのですから、それは機動的に運用をしてもらうことを期待をいたします。
○田代富士男君 そこはいろいろ配慮された御答弁だと思いますので、それ以上は質問をいたしません。頑張ってください。 次に、最近の傾向では、輸出関連企業の設備投資が大きく減少をしております。こういうことから考えますと、来年度の景況、特に中小企業を取り巻く状況は極めて見通しは暗いのではないか、私はこのように思っておりますけれども、そのことは中小企業庁発表の中小企業景況調査や商工中金などの調査にもあらわれておりますけれども、今後の景況についてどう考えるのか。また、この傾向というものは、輸出依存型企業だけでなくして、内需拡大、内需拡大と政府が指導していらっしゃいますけれども、内需中心の企業の業績にも出ております。そういう立場から、この厳しい現況に対しまして中小企業対策をどのように考えていらっしゃるのか。これをまずお尋ねしたい。 あわせて、昭和五十三年度当時の円高による倒産件数を見てみますと、円高が始まりました五十二年六月ごろから倒産が発生し始めまして、五十二年七月から十二月の間には六十九件、五十三年二百七十二件、五十四年一月から十月まで百四十六件。今回の円高における倒産は、六十年の十月から六十一年一月までが二十六件、その中で一月だけで十二件、これは私調べた数字でございます。今後円高倒産件数はますますふえていくと思われますけれども、どのような見通しを持っていらっしゃるのか。また、倒産防止のためにどのように考えて臨んでいらっしゃるか。あわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 中小企業の景況につきましては、日本経済全体がこのような状況の中で弱含みで推移しているというふうに考えております。 それから、先行きにつきましても、輸出関連中小企業を中心に円高の影響がさらに加わってくることから、厳しさを増すだろうという感じでおりまして、設備投資の動向も今後弱含みで推移していくのではないかというふうに考えております。 そのような状況下で私ども中小企業施策を進めておるわけでございますが、財政状況が非常に厳しい中、やはり長期的に見て中小企業が健全な発展を図っていくことは必要だという見地から、この三、四年予算が全体減ってきておったわけでございますけれども、今年度は、産投会計等を合わせますと前年度比横ばいというところで、予算の下降傾向に歯どめを打つことができたというふうに考えておりますし、最近の円高動向に対処いたしましては、御提案申し上げておりますこのような法律に基づいて十分の施策を進めてまいりたいというふうに考えております。 それから倒産動向につきましては、一昨年に比べて昨年の倒産件数は減っております。金額はふえておりますが、これは三光汽船等の大きな倒産があったためでございますので、去年は一応倒産状況は小康を保ったんではないかというふうに考えております。 円高に関連する倒産につきましては、民間の調査機関の調査によりますと、円高が始まって以降二十六件ぐらいというところでございまして、五十二、三年のころに比べますとまだそれほど件数的には大きくなっておりません。ただ、二月から三月にかけて相当資金繰りが苦しくなる企業も多くなるというふうに聞いておりますので、今後倒産の数がふえてくることを私どもは非常に懸念しておりますので、それに対する対応策は十分に講じていきたいと思っております。
○田代富士男君 円高によりまして為替差損を受けた親企業が、その損害を下請企業に押しつけるようなことはないか心配であると今同僚議員からも質問がございましたけれども、全国下請企業振興協会の一月調査によりますと、生産、受注減が七割、コストダウン、値引き要請の強化が四割五分と、影響は大きく出ておりまして、この影響の実態の把握を通産省としてしているのかどうか、これをお尋ねしたいと思います。 また、こういう調査では下請いじめというものが明らかになっておりますしまた、公明党独自の調査を今回の予算委員会の前に全国的に行いました。きょうは時間がないから全部をここで申し上げませんけれども、その一つを申し上げますと、愛知県の瀬戸の陶磁器業者が、昨年末に工賃の一〇%カットを一方的に言い渡されております。それ以来労働時間の延長でカバーせざるを得ない、それで日曜日もないというような実態を掌握しております。これ以外に、これに類したいろいろな実態を掌握しております。早急に具体的な調査をして実施すべきではないかと思いますけれども、これいかがでございますか。
○政府委員(広海正光君) 下請企業への影響の調査につきましては、十一月に中小企業庁で調査をしたところでございますが、ただいま先生が御指摘になりました全国下請企業振興協会の一月の調査も、実は私どもがお願いしてやっていただいた次第でございまして、二月にもまたこの協会を通じまして実態の把握に努めているところでございます。 それから、この影響は御指摘のとおり非常に深刻かつ広範囲に広がってきているということで、先ほど来申し上げておりますように、通産大臣から直接親事業者団体に対しまして協力の要請をしておりますし、さらには下請代金支払遅延等防止法に基づきます特別の円高影響特別調査をやっておりまして、実態の把握に努めるとともに、引き続きこうした調査に基づきまして必要な対策を講じていく次第でございます。
○田代富士男君 今も具体的な例を一つ申し上げました下請いじめを防止するためには、独禁法及び下請代金支払遅延等防止法の適用を厳正にいたしまして、通産省、公取の指導あるいは監督を厳格に行っていかなくちゃならないと思いますが、より効率的な手段はないものか、円高による影響というものは今後大きいわけでございまして、そういう意味で私は渡辺通産大臣が誕生したということはこれを乗り切っていけるのではないかと期待をしておりますけれども、大臣、これどのように取り組んでいく決意でしょうか、お答えいただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは先ほども答弁をさせていただきましたが、下請を余りいじめ過ぎて、下請がそれで倒産をする、あるいは機能を失うということになれば、結局はその親事業者もやっていけなくなるわけですから、円高そのものは親事業者も下請もどうしようもないことですので、それに対応できるようによく話し合いをしながら、両方で合理化するものは両方で合理化するとか、何かそういうふうにやってもらうように今後も指導はいたしてまいりたいと、そう思っております。
○田代富士男君 この為替相場の緊急対策につきましては、私が申し述べるまでもなく、昭和四十六年のニクソンショック、四十八年のスミソニアン後の円高に際しての国際経済上の調整措置に関する法律等ドル対策の法律ができたわけでございまして、そしてその後一部改正された。これが第二次的な対策であったかと思うわけでございますが、さらに五十三年度の円相場高騰時の円高対策法、これが言うなれば第三次の対策であったかと思われますけれども、このように立法化をいたしまして対処をしてきたけれども、それぞれの法律の実績並びに評価についてどのように通産省として考えていらっしゃるのか、まずお尋ねしたい。 それと同時に、今回の法案は、今の順番で言いますと、第四次ドル対策といって間違いないのではないかと思うのでございますが、今回の円高と前回までの円高とは、私が申すまでもなく、国際経済に占める我が国の影響力も違うし、またアメリカの我が国に対する相対的力も大きくさま変わりをしている。これは認めざるを得ない。このような環境の違いというものは、当然法案のスキームにも変化を与えると思いますけれども、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) まず実績でございますが、四十六年のニクソンショック後の円高の際の国際経済上の調整措置に関する法律に基づく認定企業数でございますが、一万三千四百二件でございます。それから四十八年の変動相場制移行の際の同法の一部改正法に基づきます認定企業数は一万八百七十五でございます。 それから、五十三年の円高の際の円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法に基づきます認定企業数は三万八千四百六十四となっております。 これらの法律に基づく措置は、いずれも中小企業の経営安定のための緊急措置といたしまして、大きな効果を上げたものと考えております。 今回の法案でございますが、御指摘のとおり、国際経済環境それから我が国の国際経済環境における地位も変わってきたというのは御指摘のとおりでございまして、その点も踏まえまして、本法案におきましても国際経済環境への十分な配慮を行って運用していくということが規定されております。
○田代富士男君 この法案の緊急経営安定対策により、国も中小企業への緊急融資に乗り出すことになりましたけれども、自治体の中には、緊急性にかんがみまして既に緊急融資を実施し、中には国よりも融資の貸し出し条件を緩和しているところもありますけれども、これを承知していらっしゃるのかどうか。 また、国が地方よりもおくれているということに対して、これちょっとまずいのではないかと思いますけれども、この点率直にどうでございましょうか。
○政府委員(広海正光君) 各自治体が円高に対応する中小企業者に対しまして各地域の実情に応じた融資制度を実施している、その中には、御指摘のとおりな金利で融資している地方公共団体もあるということは承知しております。 国といたしましても、既に昨年の十二月二日から特利の特別融資制度を実施したわけでございますけれども、この厳しい財政事情のもとで金利をさらに五・五%に下げたところでございます。 自治体の融資制度のうち、貸付金利に関しましては、国の五・五%を先ほどの御指摘のとおり下回るものも一部にはございますけれども、貸し付けの限度額あるいは貸付期間あるいは融資規模等も含めまして総合的に勘案いたしますと、国の融資は自治体の融資に比べ決して遜色があるというふうには考えておりません。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
○田代富士男君 通産大臣、今私、これ時間がないからもう短く言っておりますけれども、これは自治体にもそういう自治体がある。おくれていたというこの事実は認めなくちゃならぬ。だから、このおくれた分だけでもこれ何とかしなくてはならぬ。 新通産大臣として、いかがでしょうか、この問題に対しては。
○政府委員(木下博生君) 確かにおっしゃるような点ございますが、地方自治体の場合には、地方自治体の持っております財政資金を預託いたしまして、預託しました金融機関からの融資をするという形でございますので、特別の予算措置を講じなくてもすぐに実行できるということが可能であったわけでございます。 今回の低利融資の場合には、最終的には大蔵省との予算折衝を経た上で初めて五・五%の金利に下げるということが可能になったわけでございまして、そういう意味で機動的に運営できたという面は確かに地方自治体の方はございますが、ただ、融資規模等は国の対策として十分なものをとったというふうに御理解いただきたいと思います。
○田代富士男君 五十三年の円高対策融資は、御承知のとおりに為替変動対策緊急融資といたしまして、法律上規定されまして実施されたわけでございますが、今回は御承知のとおりにそうなっておりません。予算措置にとどまっているわけなんです。その違いはどこから生じたのか。まあいろいろ事情もあるかと思いますけれども、こういうところはやはり取り組む姿勢としてちょっと何か理解できない面が残っております。 またこの法案の第二条及び第九条の業種指定は、具体的にどのような業種を考えていらっしゃるのか、前回の円高対策法と同様に考えてよいのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(広海正光君) 政府系中小企業金融三機関によります融資でございますが、そもそも法律の根拠を要せずに実施できるものでございまして、前回の場合も確かに法律に規定はございますが、あくまでも宣言的な意味でその規定があったということでございます。 今回の融資に際しましては、中小企業のニーズに応じましてきめ細かく制度を機動的、弾力的に運用したい、こういうことから、他の政策融資と同様に、通達によりまして実施することにしているわけでございます。 次に、第二条及び第九条の業種指定でございますけれども、業種の指定につきましては、業種の実態に応じまして行う必要がございまして、ただいま現在各種データを取りそろえまして検討中でありますし、また、本法案の手続上も、ただいまどのような業種が具体的に対象になるか、それからまたどのくらいの業種が対象になるかということは確定的には申し上げかねるわけでございますけれども、おおよその見通しとしまして、極めてラフな話ではございますけれども、第二条の業種は現行転換法よりも多くなるだろう、それからまた第九条の業種でございますけれども、前回円高法の制定の際に指定しました業種の数程度になるのではないか、そういうようなおおよその見通しを持っております。
○田代富士男君 高度成長期にありましては、新規需要の拡大も比較的楽に見込めたわけでございますけれども、中小企業の事業転換もそういう立場から容易であったわけであります。ところが、現在のような低成長期にあっては条件は極めて厳しいのではないか、このように認識しなくてはならないのではないかと思います。 そこで、今回の法律の大きな柱であります事業転換を順調に推進するためには、法律とともに転換しやすい経済環境をつくり出すことも重要ではないか、この事業転換政策の推進についての基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 先生御指摘のように、低成長下にありまして、一つの業種から新たな分野に仕事をかえていくということは非常に難しいという点は私どもも十分認識しておるわけでございます。したがいまして、その企業が属しております組合ぐるみでいろいろ技術開発等をやり、それから組合自身が、その加盟しております業者の事業転換が円滑にやっていけるような事業をいろいろやってやるというようなことで、やはりお互いに助け合いながら新たな道を探っていくということが重要であろうかと考えまして、前回の事業転換臨時措置法に入っておりませんような措置を今度法律の中に入れたわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、新しい分野に出ていくには、そこの分野で既存の企業との競争もあるということでございますので、やはり全体のパイを大きくしていただくような施策は国全体としてどうしても進めていく必要があろうかと考えております。
○田代富士男君 現行の事業転換法は、昭和五十一年に制定されまして約十年を経ておりますけれども、その間に承認された計画はどのくらいあるのか、その進歩状況、成果はどうであるのかお聞かせいただきたいと思います。 一部には、現行法の適用条件、運用条件が厳し過ぎるという、こういう声もあります。これが非常に多いわけでございまして、そういうことから考えれば、今回の新法には、現行法と比べてどのように改善されたのか、どのような運用方針で臨むのかお答えをいただきたいと存じます。
○政府委員(広海正光君) 現行転換法の計画の承認実績でございますが、今までに二百九十二の計画を承認しております。 その成果でございますが、五十八年に、サンプル調査でございますけれども、調査したところによりますと、失敗したというのはわずか二・三%でございまして、大部分は成功したという結果になっております。 それから、現行転換法に比較いたしまして本法案でどういう点を改善したかという点でございますけれども、主な点申し上げますと三つございます。一つは、組合の円滑化事業制度を導入して各構成員の事業転換を円滑にするようにしたというのが第一点でございます。それから第二番目には、余力あるうちの転換もこの本法の対象にのせていこうということで、そのような承認基準の弾力化を図っていくというのが第二点でございます。それから第三点といたしまして、経営技術等の指導あるいは情報提供等の面で拡充強化を図っていきたい、このように考えております。
○田代富士男君 これは数字的な問題ですが、時間がありませんから、私が調べたのでは二百九十二のうちの半分ぐらいが達成されたというような私の調査になっておりますけれども、ちょっとここらあたり私の考え方と食い違いがあります。きょうは夜の時間の質問ですから、これは後でまた詰めたいと思います。ちょっとここ私の感覚と合いません。 次に質問移りますが、昨年アクションプログラムが発表されまして、関税の引き下げ、輸入拡大という国の方針が示されましたけれども、それに対応しまして約三割の中小企業が事業転換を考えているということを聞いております。国際分業という見地からも、ある分野は途上国に譲り、その公事業転換を進めねばならないのもある意味ではやむを得ないと思うのでございますけれども、そうなりますと単に国内の需給状況のみならず、国際的視野での事業転換計画を考えねばなりません。中小企業にとっての負担は大きいと思うんですが、国としていかに支援していかれるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 現在におきましても、中小企業施策の中で内外面にわたる中小企業をめぐる経済情勢についての情報提供、それから技術開発に関する支援、経営面での指導というようなことを行ってきておるわけでございますが、事業転換につきましては、先生御指摘のとおり、なかなか難しいところがございますので、国及び都道府県協力いたしまして十分な指導助言を行っていきたいと考えております。したがいまして、今回御提案申し上げております十六条におきまして、そのような規定を置かせていただいたわけでございます。
○田代富士男君 最近、信用保証協会の代位弁済が多くなっているようでありますけれども、その実績はどうなっているのか教えていただきたいと思います。 それと同時に、政府は六十一年度予算で信用保証協会基金補助金を三十一億円、中小企業信用保険公庫出資金を二百九十億円計上しているようでございますけれども、そのうち特別貸付制度などにより必要となる金額はどのくらいと見ているのか。ざっとこういう数字だけを見ましても、これで十分であるかどうかということを心配する一面もありますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(広海正光君) 最近の代位弁済の実績でございますが、五十九年度は二千百五十億、五十八年度が二千百四十七億ということで、ほぼ横ばいになっております。 それから、第二番目の予算でございますが、中小企業信用保険公庫に対します保険準備基金は、本法に基づく特例保証にかかわるものとして四十億、それから信用保証協会基金補助金の方は四億円を計上しております。私どもとしましては、中小企業の保証ニーズに、現在の環境下でのニーズに十分対応できると、そのように考えております。
○田代富士男君 最後の質問に移ります。夜の質問ですから協力いたしまして、時間の前に終わるように協力いたします。だから、そちらの方は私語を慎んでください。協力しているのを与党がそういうことを言っていたらあかん。こちらは協力しているんだから、静かにしておいてください。 最後の質問ですが、五十三年の円高対策法の審議経過を見ますと、一月二十四日国会提出、それから二月十四日に同法の関係省令を公布、施行いたしております。同僚議員も言われたとおりに、これは緊急な大事な法案でございますから、今回の場合、本法案が国会通過後の日程はどう考えているのか。 それと、このような為替相場急騰の際によく言われるのは、相場に左右されない製品の開発、あるいは業界の特殊化を図ることなどでございますけれども、しかしそのネックとなるのが中小企業の経営基盤の弱体さ、経営者の意識の低さ、こういうことではないかと思いますけれども、これらを変革し、ノーハウを蓄積し、将来への展望を切り開いていくために、研究開発型企業の育成など、政府はいかに取り組んでいかれるのか。最後の質問をいたしまして終わりとします。これは大臣からもお答えいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 五十三年の円高法のときには、施行までに二週間かかっておるわけでございますが、この法律を御提案申し上げてから以降も円が高くなるという非常な緊急事態でございますので、私どもはそれよりも短い時間で実施に移したいというふうに最大限の努力をやっております。 それから、研究開発型企業の育成、まさにおっしゃるとおりでございまして、今後の中小企業が伸びていきますためには、技術開発、人材の養成ということが極めて大事でございます。そういう意味で、昨年成立いたしました中小企業技術開発促進臨時措置法等の活用によりまして、また中小企業大学校によります各種の人材養成の事業、そういうものを通じまして、新しい生きのいい中小企業をどんどん育成していきたいというふうに考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは法案の重要性を各党とも御認識をいただきまして、衆議院におきましても一昨夜各党満場一致で通過をさせていただきました。恐らく今晩もそうしていただけるんだろうと御期待を申し上げておりますが、成立の暁には、今長官が言いましたように、できるだけ早く、そして適用範囲も柔軟に多くの方が恩恵を受けられるように十分考慮してまいりたいと考えております。
○市川正一君 渡辺大臣とは、大蔵大臣当時からいろいろやりとりをいたしてまいった間柄でございますが、今度は通産大臣としてまた大いに議論を交わすことを心から歓迎いたしておるところであります。 きょう、限られたテーマで、限られた時間でありますので、最初に緊急の問題として、先ほど同僚議員も触れました日本撚糸工連の不正事件についてお聞きしたいんでありますが、この事件は、繊維産地の不況対策として実施された有利な融資制度の運用を組合に任されていることを悪用して私腹を肥やし、監督官庁への接待、政治家への政治献金までしたとして、政官界、業界、その癒着も伝えられているところであります。特に政治献金に至っては、撚糸工連は中小企業団体法に基づく法人でありまして、同法の七条で定める「基準及び原則」で言う「組合は、特定の政党のために利用してはならない。」に反していることは明らかであります。 お伺いしますが、もしそのことが事実ならば、監督官庁である通産省としては、それは望ましいことと考えられるのか、それとも望ましくないと考えられるのか、まず認識を伺いたいんであります。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘の第七条三項の趣旨にもとるような行為があるとすれば、もちろん望ましくないことだと考えます。
○市川正一君 実は、我が党も従来からこの繊維業界の設備共同廃棄事業については、その運用について厳正に行うように主張してまいりました。 御記憶かと思いますが、例えば一九七五年十二月九日の本委員会で、我が党の須藤五郎議員が北陸産地で起こった織機登録をめぐる不正問題を追及した際に、再発防止のために厳しい指導を要求しております。ここにその会議録がございますが、その際に当時の野口一郎生活産業局長は、「今後はこういうことがないように」 「厳格に各組合を指導してまいりたい」、また「立入検査あるいはサンプル調査等でその調査をやっていく」、こう述べられておりますが、間違いございませんか。
○政府委員(浜岡平一君) 私も御指摘の議事録を今手元に持っておりまして、御指摘のような答弁が行われておることは事実でございます。
○市川正一君 つまり、十年前に、我が党は今日のような事態が起こり得ることを指摘して、また通産省も具体的に対策を約束なさいました。としますと、一体この十年間何が指導されてきたのかとあえて私は問いたいんであります。特に、政府から二千百億円という巨額の融資を受けている公的な性格を持つ組織で、政治献金までやっているというふうに伝えられることはまことに重大であります。 ある新聞は、同紙の記者に対して逮捕前に、小田理事長が二、三十人の政治家に献金してきた事実、また通産省の局長や課長の異動のたびに祝いの席を設けてきたことなどを認めていると、こう報じておりますが、これは事実なのかどうか、またそういうことは事実無根だとおっしゃるのかどうか、この点お聞きしたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 十年前に、御指摘のような考え方を御説明申し上げ、また、この答弁に沿いまして、当時立入検査等も行ったと承知いたしております。また、引き続きその後も業務の厳正な運営には努めてきたわけでございますけれども、こういう不詳事が起きておりますことは紛れもない事実でございまして、私といたしましても、本当に全身から汗が出る思いでございまして、監督責任の重さを痛感いたしておる次第でございます。 なお、第二の御質問に関しましては、政治献金等につきましては、今回関係者がすべて逮捕されるに至りますまでの間、状況の把握等に努めたわけでございますけれども、当事者も説明を回避いたしておりましたものですから、私どもといたしましては実態を把握するに至っておりません。 なお、局長、課長の交代の際の話につきましては、顔合わせのための会合というようなものはあったんではないかと思うわけでございますけれども、いわゆる社交の範囲を超えたものはないんではなかろうかと私は思っておる次第でございます。
○市川正一君 本日は主題ではありませんのですが、既に国会のいわゆる繊維族としての名前が浮上している向きもあります。 そこで、最後に大臣に要請いたしたいのでありますが、今回の事件について、撚工連の官界あるいは政界との癒着の実態を含めて、指導官庁である通産省みずからもその全客を調査し、再発防止も含めて本委員会に御報告を賜りますように要求いたしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) どの程度把握することができるかやってみないとわかりませんが、また時間もかかるでしょう。それは御本尊様みんな打っちゃって、いないわけですからね。書類もないわけですから。多少時間はかかりますが、趣旨はよくわかっておりますので、極力御趣旨に沿うように努力をしたいと思います。
○市川正一君 大臣在任中に必ず明らかになるであろうということを確信いたしております。 さて、今回の法案でありますが、この法案は、私、中小企業者の事業転換対策と円高による緊急安定対策の二本を一体にしたものであると承知しております。そして、それぞれに対象となるには、影響を受ける度合いや要求を満たさなければならないことになっておるのでありますが、その際対象を定めるのではなしに、多少とも影響を受けている場合においては対象要件も弾力的に運用して、中小業者ができるだけ広くこの制度を利用できるようにする必要があると思うのですがいかがでしょうか。
○政府委員(木下博生君) このような事態にこうやって緊急に御提案申し上げた法律でございますし、この法律の要件に沿うものであれば、できるだけ私どもとしては弾力的に運用していきたいと考えております。
○市川正一君 よくその趣旨承りました。そのように運営をしていただきたい。 次に、法文の中に、「相当数」という文言が幾つか出てまいります。これについても、例えば、例えばの話ですが、五割とか三割だとかいうような画一的線を引くんじゃなしに、例え一社あるいは二社であっても、場合によって、ケースによってこの制度対象にする。そういう積極的運用を図るべきだと思うんですが、この点もいかがですか。
○政府委員(広海正光君) 御指摘のとおり、この「相当数」というのは、二分の一だとか三分の一だとか、確定的な比率じゃなくて、その規定の趣旨に沿って考えていくと、こういうことでございます。
○市川正一君 ちょっとその意味がわからぬのですが、要するに単純な画一的な線引きはしない、実態に即してやると、そう理解していいですね。
○政府委員(広海正光君) おおむねそのとおりでございます。
○市川正一君 非常によくわかりました。 次は事業転換計画の認定基準なんですが、事業転換率は三分の一以上をお考えのように承っております。しかし、三分の一以上となると、本来の事業への影響、事業本体への影響が懸念されます。そのためになかなか踏み出しにくいという点を私懸念するんでありますが、これを例えば、例えばですよ、五分の一にすると転換がしやすくなるという声が広く強く出ております。したがって、これにこたえて基準を五分の一にするというのは、検討の必要はございませんでしょうか、いかがでしょう。
○政府委員(広海正光君) あくまでも事業の転換を支援していくという趣旨からいきまして、ある程度やはり事業を切りかえていただかないといかぬ。現行の事業転換法でも、三分の一ぐらいは転換していただくというのを一つの目安にしておりますが、これはすぐに三分の一に切りかえるというのじゃなくて、三年なら三年あるいは五年なら五年という転換計画の期間内に変えていくと、こういう考えでございます。したがいまして、この事業転換という趣旨からいきますと、おおむねこの三分の一ぐらいは転換していただくというのは妥当なところではないかと、このように考えております。
○市川正一君 本当にやろうと思えば、僕は五分の一あたりをスタートにして、事業本体にもろにかぶらない段階で進めていくということをこれはぜひ検討してほしい。もう時間がありませんからやりとりいたしませんけれども、ひとつ検討をしていただきたいと思います。 次に、国際経済調整対策等特別貸付制度の金利問題であります。これは当初六・八%でスタートしたわけでありますが、このときに産地の業者からは、率直に言いますと、政府は高利貸しか、こういう声があちこちで聞かれました。これも私、むべなるかなと思うのです。当時、政府が六・八%の緊急融資をスタートさしたころには、既に先ほど来も何人かの同僚議員が申しましたが、産地のある地方自治体では五・〇%の緊急融資をつくっていたのですから当然だと思うのです。その後、政府も五・五%に下げたわけですが、私は、これでもなお高い、そう言わざるを得ぬのです。もともと今回の円高は、政府が主導的につくり出したものでありますから、中小企業者にとってはまさに寝耳に水の話なんです。言うならば、何の責任もない中小業者がもろに被害をこうむっております。そういう性格の問題であります。 したがって、私は、大臣よくお聞き願いたいのですが、考え方として、例えば、あの二百海里漁業水域関連融資の際と同様の対策をとるということは、事柄の性格からいってもこれは決して不当とは言えぬと思うんです。私はやはり一つの筋だと思うんです。ですから、そういうことに照らして、金利を三%にするということもいささかも異常でないと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(木下博生君) 五・五%の金利で融資いたします機関は、御承知のように中小公庫、国民公庫等の政府関係金融機関でございますが、このように財政投融資、特に郵便貯金や厚生年金の資金を使って融資しております。そういう機関におきます融資といたしましては、五・五%というのは異例に低い金利の融資でございます。激甚災害の場合でも、特定の場合には非常に低い融資がございますが、一般的には六%以上の融資ということになっているわけでございまして、五・五%の融資というのは、住宅金融公庫が国から大幅な補給金を受けながら一般に融資する金利と同じ水準だということでございまして、私どもとしては、このような異例に低い金利で融資をすることで、現在の財政状況のもとでは最大限の努力をしているというふうにお考えいただきたいと思います。
○市川正一君 私は、考え方、事柄の性格を前提にしてお聞きしているんです。私の方からは激甚災害のことは言ってないんだけれども、木下さん、どこからかまた連想をしておっしゃったのだけれども、僕が言っているのは二百海里のことを言っているのですよ。二百海里のときには、これはいわば経済水域の問題は国際関係の中で生じてきた問題です。そして、政府の政策選択によって決められた問題です。ですから、三%というああいう金利で決してだれも文句を言わなかったのです。 今度だってそうですよ。中小業者は好きこのんでこういう円高に飛び込んだのじゃないのですよ。天から降ったか、地からわいたか、政府の主導のもとにこれはやられているのですよ。事柄の性格はそういう性質のものだから、だから例えば二百海里のときとそれを合わせたっておかしくないじゃないかということを言っておりますのや。お考え方はどうですか。
○政府委員(木下博生君) 為替レートがフロートしている状況下におきましては、昨年、一昨年の大幅な貿易黒字が続きますと、本来であれば為替レートは徐々にどんどん高くなっていくという状況であっただろうと考えられます。 現に、過去におきましても、昭和五十三年には百七十六円まで行ったこともあったわけでございます。今回のは、資本収支の面で大幅に金がアメリカに出ていったというような事情から、本来ならば上がるべき方向に行っていた為替レートが非常に円安の状況でずっと続いていたというような状況がございまして、それがある時点におきまして、ファンダメンタルズを反映して上がっていったというようなことであろうと思います。 私どもとしては、そのような急激な円高によって突然影響を受ける中小企業者の方々に対しては、十分な配慮は必要だろうということでこれだけの措置をとっておるわけでございますが、そのような状況下における対策としては、五・五%の融資で私どもとしては今の財政状況のもとでは十分というか、まあやむを得ない水準ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○市川正一君 この点は納得できません。 次に、返済猶予の問題です。 これは近代化資金だけに限らずに、私は国金など政府系の四金融機関、また事業団の高度化資金についても適用の対象として、その期間も原則三年として柔軟に対応する必要があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(広海正光君) 政府系三機関につきましては、既に既往債務の返済猶予につきまして配慮するように指示しております。また、中小企業事業団の高度化融資につきましても、既往債務の返済猶予につき弾力的に措置するよう指示しております。 設備近代化資金の方は、これは資金等助成法によりまして返済期限が最大限五年と法律で決められているために、その法律を改正する必要がある。その規定を改正する必要があるということで本法にその規定を置いたということでございまして、実態的にはこの三機関、中小企業事業団につきましても返済の猶予を行っている、こういうことでございます。
○市川正一君 そうすると、その弾力的とおっしゃったことは、今最後におっしゃったように、政府系四金融機関のものもやっぱり返済猶予の期間を適用していくという考え方だと理解していいんですか。
○政府委員(広海正光君) それぞれの中小企業者の実情に応じまして返済猶予をするようにと、こういうことでございます。
○市川正一君 この点、私なぜ申し上げるかというと、中小企業庁が出されている資料が一月二十七日付であります。この中に、「資金繰りの動向」、二ページにあるんですが、既に一月中旬までに七割以上の産地で資金繰りに影響が出ており、今年度じゅうには大体九割になるというふうに言われているんですね、あなた方の資料でも。だから、これに対する対応としては、やはりそういう特に返済猶予の問題についての弾力的、積極的適用をぜひ要望いたしたいというふうに思います。 次に、私は、政府案では、円高によって被害を受けた中小企業について事業転換を推進させようとしておりますが、事業転換といっても一体何に転換せよというのかというのが、業者の声として私どもに伝わってまいります。消費が冷え込んでいる中で転換しても、既存の内需産業との新たな矛盾を広げるだけになってしまうおそれもあります。ということは、事業転換だけではなしに、産地法のような産地育成策がどうしても必要であるということを私物語っていると思うんです。 そこで、政府は今度産地法を消滅させる方向をおとりになっているようでありますが、私は、これはむしろ延長すべきである、こう力説いたしたいんですが、いかがですか。
○政府委員(広海正光君) この産地法は、五十二年、五十四年当時の円相場の高騰等経済的事情の著しい変化に対処しまして、産地中小企業の事業の合理化を促進するため制定されたものでございますけれども、去年、この産地法の一つの目玉でございます技術開発につきましては立法措置を講じて、その面の一層の充実を図った。それから事業の転換につきましては、本法案によりましてその拡充を図りたい。それから、かつまたその他の産地の振興のいろんな問題がございますけれども、そうした面につきましては、予算のいろんな制度がございまして、これの拡充強化によって対処していきたい。こういうようなことで、今の産地法はことしの七月に切れますけれども、その後もこの産地対策は、従前どおりあるいはそれ以上に拡充強化してやっていけるものと、このように考えております。
○市川正一君 今の答弁は、いわば産地法の息の根をとめてしまう何ら積極的、具体的理由にならぬですよ。例えば予算がどないこない言うけれども、地場産業振興の予算額は減っているじゃないですか。ことし一億減っているじゃないですか。ですから、結局技術開発促進臨時措置法が産地法にかわるものじゃないですよ。私は、この振興計画をつくって制度的に産地を育成する法律は、今こそ、こういうときにこそ必要だし、生かさぬといかぬ。私ども現地いろいろ回りました先々で、この産地法を延長してくれという要望がずっと大臣、強いんです。どこでもそれは共通の声です。 我が党はこの本法案に基本的に賛成です。さっき大臣おっしゃったように、恐らくああなるでしょう。しかし同時にね、よりよく充実させる立場から私どもは修正案を提出いたします。 渡辺通産大臣は、衆議院での審議の際に、この産地法の延長を含む我が党の修正案にただ一言、反対というだけ述べられたんですが、まあ時間もなかったんでしょうけれども、私、本日の各委員の御質問を拝聴しておって、大体その方向は我が党の修正案を正当づけるものだというふうに確信づけられました。大臣も、本心は私どものこの修正案に同意ないしは理解を示されるんだろうと思うんですが、もう政府の予算案が提出されている段階ではいかんともしがたいというのが真意であろうと私推察するんでありますが、その辺の真意も、今の産地法などとあわせてお聞かせ願えればまことに幸いであります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) あなたの言うことは半分以上当たっていると思うんですね。それは財政事情が許せばもっと手厚いことをやってやる、やりたいという気持ちは私もございます。しかしながら、財政事情もございますし、それから円安になったから、それじゃ特別に金利を高くするかというと、そういうわけでもありませんから、今度は円高になったということで、しかもこれが急激になったということに我々は着目をいたしまして、激変緩和、緊急避難、こういうような点を考慮して今度の法案をお願いをしたわけであります。 また産地法の問題については、私の聞いた範囲では、そう今の時代になりますと大変な、なくてはならぬというほどのものでもないように承っております。大体これは七年間という時限立法で来たものですから、原則的に時限立法は時限が来ればやめるというのが原則なわけですね。そこでそれらの点も考えて、法律だけ出すばかりが能じゃありませんし、今度こういうような法案も出し、余りメリットもないならば時限が来たものはやめ、そしてまた必要なものがあれば別にまた時限立法を何か出すというようなことが行革の精神にも合うし、そういう点全部を考えまして実は法案を出しました。 それで、なぜ共産党の修正案に賛成しなかったかと。私だけが賛成しなかったわけじゃなくて、それはやっぱり全体の時間的な問題もあるし、中身にもちょっとなかなかついていけないところもございますので、一々それを理屈を言って反対するというのもいかがなものであるか。慣例に従って、ただ政府としては結論だけを申し上げたわけでございますから、まあ気を悪くしないようにどうぞお願いします。
○市川正一君 別に気を悪くしているわけじゃありませんけれども、余り愛想がなかったので。 もう時間も迫ってまいりましたので、私最後に、一つの問題だけなんですが、円高の影響から中小企業の経営を守るためには、金融、税制による本法案による対策だけでなしに、それぞれの産地や地域の具体的な問題点も解決するきめ細かい対策が必要だと思うんです。 具体的な問題として、その一つでありますが、新潟県の燕の金属洋食器、ハウスウエアの業界の問題でありますが、燕で問題の一つになっているのは金属洋食器などの原材料であるステンレス鋼材の価格問題があるんです。産地の話では、鋼材メーカーの輸出価格と産地が購入する価格を比較しますと、例えば一八-八ステンレスは二五%から三五%、一三クロムは一五%から一八%程度産地価格の方が高いんです。産地では、今まで合理化だとか技術開発だとか製品転換など、さまざまな必死の努力をしてきましたが、今回のような急激な円高では、もう対応し切れなくなった。そこで、コストの大きな部分を占める鋼材価格を、同じメーカーから出荷されるものであるから輸出価格並みにしてほしいという切実な要求が出ております。同じステンレス鋼材を同じ鋼材メーカーから出荷するのに、国内産地には高い価格で出荷する価格政策を改める必要があると思うんですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(岩崎八男君) まず、政府として、この基本的に複雑な取引の中における価格その他の取引条件あるいはそれに対する介入、そういうことをなし得る立場にはない、これはまず御理解いただきたいと思うんです。 ただ、今の燕の洋食器産業というのは、ステンレス業界にとりましても長い伝統を持つ重要な顧客先であります。したがって、その事情というのは供給者側においても十分常に理解されており、これまでもいわば共存といいますか、そういう立場においてそういった取引条件の具体的な確定もなされてきたというふうに考えております。今後ともそのようになされるでありましょうし、またなされるべきであると考えております。 一方翻って、先生も御承知のとおり、ステンレス業界自体が昨年から実質的にみんな赤字でございまして、特に今御指摘の急激な円高の中で輸出の円手取りというものが急速に減ってまいりました。そこで、現在そういうもののいわば是正といいますか、そういうことをやっておりますんですけれども、なかなか思うに任せないということで、いわば共存、お互いに立場はわかりながら両方苦しんでおるので、その余裕がなかなかないであろう、こういうことでございます。
○市川正一君 時間が参りましたので、最後に、こう理解していいですか。おっしゃったように、鋼材メーカーの経営が非常に苦しい状態だというのも私十分承知しております。一方、産地の方では、鋼材の発注についてロットをまとめるとか、あるいは支払い方法を検討するなど相応の対応を考えているようであります。したがって、産地振興に責任を持つ通産省としては、産地とそれから鋼材メーカー、及び産地の鋼材店も含めて現状打開のために当事者間でよく話し合うということを歓迎する、またその促進を図る、そういう対応であるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(岩崎八男君) そのような努力が現実になされておる、あるいはなされることを期待しておる、こういうことでございます。
○市川正一君 よくわかりました。
○井上計君 先ほど来同僚議員からこの法案の内容等についてはいろいろと具体的に質疑が行われました。また明快に大臣初め長官、政府側から御答弁がありましたから、私も十二分に理解をしております。 そこで、具体的な質問等々については、もう竹さんお疲れでありますから省略をいたしたいと思いますが、ただ昨年のG5による急激な円高、これに対して、私ども、十月以降でありますけれども、いち早く我が党としては円高救済対策、さらには今後の転換等についての新しい立法化等について、通産省あるいは中小企業庁長官に強く申し入れをし、また要請をしてまいりました。 そういう見地からまいりますと、今回のこの法律案は、率直に申し上げまして私もベストだとは思っておりません。しかし、現状、先ほどからお話がありますけれども、財政上の問題あるいはその他諸般の情勢、特にアメリカあるいはEC等においては、従来、日本の通産省は、幼稚産業の保護育成から衰退産業の安楽死まで面倒を見ておる、いわば揺りかごから墓場まで面倒を見ておる日本株式会社だ、こういうふうな非難がありましたが、現在、特にまた円高救済対策によって、依然として輸出振興を考えておる、こういう非難が既に来ておりますから、そういうふうな状況の中で今回この法律案を提案されたということは、大変実は評価を私はしておるわけであります。 特に金利の問題等についても、非常に財政上告しい中での五・五%、十分ではありませんけれども、これを実施をされるということ、あるいはまた、法案とは関係ありませんけれども、信用保証に対する保証基金の六十一年度予算等については満額、むしろ満額以上の予算を獲得されたということ等についても、実は評価をし、改めて通産省中小企業庁皆さん方にひとつ敬意を表するわけであります。同時にまた、異例中の異例と言われるこのようないわば深夜委員会でありますけれども、委員長初め各委員の皆さん方、さらには政府関係の皆さん方あるいはきょうは報道陣も大分お見えでありますが、それらの方々に対してもひとつ敬意を表するわけであります。 円高によって非常に窮地に立っておる中小企業は、この法律の一日も早い公布を実は待ち望んでおるわけでありますから、そういう意味で、きょうこの委員会の果たす役割は、私は大変多くの中小企業者から喜ばれるであろう、このように考えまして、非常に喜んでおるわけであります。 さてそこで、私もできるだけ質問時間を短縮したいと思っておりますが、特にこれはもうお答えを特別にいただかぬでも結構であります。 先ほど来お話が出ておりますけれども、事業転換計画の作成あるいは承認等に対する手続、これも既に同僚議員から質問が行われておりますから承知いたしておりますが、さらに一点、私からつけ加えてお願いをしたいと思いますのは、従来、私自身の経験からまいりまして、といいますのは、中小企業近代化政策あるいは構造改善、特定構造改善計画等々の作成のときに、地方の都道府県の担当窓口と出先の通産局との間に十分意思の疎通がなされておりませんで、非常に時間的に手間取る。通産局ではいいというのが、実はなかなか都道府県ではオーケーをもらえないというふうなことで、非常にその承認まで時間がかかったというふうな例がしばしばあったわけですね。せっかくのこの法律ができても、そういうふうな面で、これは都道府県知事の承認事項になっておるわけでありますから、そういう面については特にひとつ指導を、また連絡を十分にしていただいて、せっかくの法律がタイミングを失するということのないようにさらに御配慮をいただきたい。これが第一点。 それから、下請に対する問題等についても先ほどからいろいろと質疑が行われました。十分今後とも御配慮いただけるものだと思いますが、私どもが直接この輸出製品大企業の下請の人たちに会って調査をしたときに感じたんでありますけれども、中には親企業に遠慮をして、正確なといいますか、真実をなかなか言わない、中小企業庁の調査に対して真実を、正確に調査に答えていないというふうな企業が実はあるように強く感じたことがあるんですね。したがって、それらの点についてもさらに今後とも調査をひとつ続けていただいて、下請企業がやはり親企業からのしわ寄せを受けないように、さらに一層の御配慮をひとつお願いをいたしたいと、こう思います。 以上二点、特に長官からいただかぬでも、あるいは計画部長から特にいただかぬでもわかっておりますが、何かお答えいただければひとつお願いをします。
○政府委員(木下博生君) 法律の運用に当たりましては、都道府県の各担当部署の方々と十分協調をしてやっていきたいと考えております。 都道府県の担当の方々はそれぞれの産地の事情をよく知っておるわけでございますし、国際的な情勢についてはむしろ中央官庁の方が知っているということですから、お互いに十分に意思疎通を図りながら、今先生御指摘になりましたようなことにならないようにやっていきたいと考えております。 それから、下請の問題につきましては、確かに下請企業の方が密告をしたような感じになって、かえって後で仕事をもらえなくなるというような事態が過去においてたくさんあったわけでございます。したがいまして中小企業庁といたしまして、下請代金支払遅延等防止法の運用に当たりましては、調査をいたしましても、そのことによって下請企業の方々に迷惑がかかることのないような形で、十分注意しながら運用をやっていきたいと考えております。
○井上計君 特に今後とも十二分の配慮をひとつお願いをしておきます。 次に、つい二、三日前のある新聞の記事でありますけれども、財投の使い残しが二年連続して大幅であるというふうな大きな見出しで出ております。確かにこの新聞記事を見ますと大変消化率が悪い、特にその中でも国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫の消化率は大体半分程度である。この財投、政府系金融機関の全体の数字が五十九年度一兆五千億円の使い残しがある。さらにまた、六十年度もこのままでは一兆円程度の使い残しが起きる見通したと、こういうふうな記事であります。 いささか私、実は奇異に感じておるのは、果たしてそうであろうかと、こういう疑念が一つありますけれども、これはもし事実だとすると、果たしてその理由は何であるか。事実でなければ、実はこれが調査時点の取り方によって、あるいはこれと違うということであれば大変結構でありますが、しかし、いずれにしても現在、先ほど同僚議員からもお話がありましたけれども、民間の金融機関の金利が非常に下がっております。そこで政府系金融機関よりも民間で借りた方が安いんだという声が昨年あるいは一昨年あたりからあったことは事実なんですね。それらのものが、財投の政府系金融機関の使い残しが起きておるもし原因だとすると、やはりこれは今後またこれについての対策をお考えいただかなくちゃいかぬと、こう思います。 特に公定歩合が先般〇・五引き下げられました。さらにまた民間の金利が安くなる傾向にありますし、それからさらに先ほど来お話に出ておりますけれども、公定歩合の再引き下げが行われるとすると、さらにまた民間と政府系金融機関との金利格差が広がっていく可能性もあるということになってまいりますと、やはりこれらが一般から見ると政府がいろんな施策を講じ、また救済策といいますか、そのような助成策を考えておっても、それが温かい法律ではないと、温かくないというふうなまたそういう不満が起きてくるおそれもあると、こう考えますが、これらのことについて財投の使い残し等についてどういうふうに受け取っておられますか。また今後の金利という問題等についての十分ひとつ対応もお考えいただいておるか、この点ちょっとお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(広海正光君) 今御指摘の財投の問題につきまして申し上げたいと思いますが、中小公庫、国民公庫につきましては、既存の財投借入金の返済が毎年九月及び三月に多額になるということのために新規の財投借り入れもこれに合わせまして九月と三月に集中しているわけでございます。この新聞の報道でございますが、これは十二月末時点での財投の借り入れ状況を言っているわけでございまして、六十年度におきましても、三月に行う借り入れによりまして当初の財投計画はほぼ達成される見通してございます。商工中金につきましては、六十年度におきまして既に財投計画の九割強を達成しているところでございまして、年度末には計画は達成されることとなる見通してございます。 以上のとおり、六十年度に巨額の使い残しが出る、こういう新聞報道につきましては、その指摘は全く当たっていない、このように考えております。
○井上計君 そのように伺って安心というか、大変結構だと思いますが、とすると、やはりこういうふうな新聞記事が、よく見ると必ずしも使い残しがあったというふうなことではないんですけれども、見出しだけ見ておると、これは大変な使い残しがある、ということは政府のやはり施策が的確でない、こういう印象を与える記事なんですね。十分ひとつPRをしていただきたいというふうに思います。 そこで、大臣にひとつこれは御所見をお伺いしたいんでありますけれども、先ほど市川議員の質疑の中にもありましたけれども、今回のいわば円高というのは、漁業二百海里問題と匹敵するというふうなお説がありました。ある意味ではそう受け取れる、こう思います。いずれにしても、政策的な誘導の結果であることについてはもう今さら言うまでもないわけであります。そこで、中小企業の人たちの中には、中小企業の輸出というのは全体のまあ大体一三、四%程度である、にもかかわらず大幅な貿易黒字は自動車であるとか、あるいは電気製品等々によって発生をしておるのだから、その黒字のツケをいわば全体の一三%あるいは一五%程度しか受け持っていない中小企業にしわ寄せを、ツケを回されるのはたまったものではないという不満があることは事実なんですね。しかし私は、実はそれは当を得ていない、こう感じております。 自動車の輸出規制については、先ほど大臣の御説明がありました、アメリカ事情についても御説明がありました。また、私どもが聞いておりますのは、もし自主規制をしなかったらもっともっとふえる。そうすると、実は困るのはアメリカである。じゃ、逆に今度はアメリカが低い規制をすることは、もちろん保護貿易上の問題からできませんけれども、しかしアメリカに我が国の自動車需要がもっとあるんだと、だから日本に自主規制をしてもらうことによって、逆にアメリカ政府がアメリカのユーザー、日本車を欲しがっている多くのユーザーの不満を実は日本の自主規制を防波堤にして使っておるんだと、こんなふうなことも聞いておりますから、確かに自動車が大幅な黒字を生み出しておることも事実でありますけれども、必ずしも先ほど申し上げた中小企業の不満は、これは自動車がけしからぬとか、あるいは自動車を輸出している大企業がけしからぬとかということとは実は事実は違うという、私はそういう理解をしておるんですがね。 いずれにしても、こういう問題等についてはこういうふうに不満を持っておる中小企業がいることは事実でありますから、現在の国際経済の中における日本がとらざるを得ない政策等々について、やはり事あるごとに啓蒙してやる、そうして不満がないようにしてやるということが特に必要であろう、こう考えますが、これは大臣どうお考えでありましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) よく自動車といいますと大手企業と、こう言う方があるんですがね。私の近くに自動車工場大きなのが栃木県にもあるんです。大半は中小企業なんですよ。中小企業で部品を全部つくらせまして、それを集めて大きな会社がアッセンブリーをする、組み立てをやっている。あるいはでかいシャシーですか、ああいう大きなものは自分でプレスやなんかやっていますが、一つ一つのものはほとんど全部中小企業ですね、集まってくるのは。したがって、結局私が先ほど言ったのは、親会社が全部かけちゃいませんよと言っておるわけですが、しかしながらこれだけの円高になりますと、これも多少のしわ寄せは必ず来る、それでなければやっていけないということで、みんなで痛み分けということになることは間違いないだろう、私はそう思っております。したがって、自分がじかに直接やっているという中小企業は、商社を通しても全体としては枠は少ないということになっています。 しかしながら一番問題は、円高の問題よりも、なぜ成約がとまっておるかということは、もっと円高になるんじゃないだろうかという思惑が働いて安定しませんから、そういうことで安定をしないから、そこに買う方も売る方もなかなか踏み切れないという問題が私は働いているんじゃないかと。ですから、ある程度のところで安定をすれば、やれるものはそこで創意工夫が凝らされるし、そのときにこの法案が役立つことになるし、どうしてもやれないものは他に転業せざるを得ないとか、いろんなそういう問題で区分けをされてくるというように思っております。しかし、できるだけ柔軟な、弾力的な適用については御趣旨の線に沿ってやらしたいと思っております。
○井上計君 私の質問の仕方がちょっと悪かったと思います。大臣の今のお答え、私はよくわかっていることですから、それで結構であります。 私も愛知県の選出でありますから、自動車産業がいかに多くの中小企業の下請を持ち、またそれが中小企業の発展に大きく役立っておるかは十分承知しておりますから。ただ、自動車産業が、自動車の輸出が多いから、したがって黒字が発生する、そのしわ寄せが中小企業にくるんだという不満は誤解である、私もこう思っておるんですよ。だから、そういうことについて今お話しのこと、あるいはその他いろんなことから、そういう不満は誤解であるというふうなことも十分理解をしてもらえるようなそういう啓蒙をまたこれもお考えをいただきたい、こういう要望であります。 時間がまだ若干あるんですが、もう皆さんお疲れでありますから質問はこの程度にして、むしろこれは教えていただきたいということがあります。というのは、先ほど来これもお話がありましたけれども、内需に転換といってもこれは容易なことではありません。私自身もいろいろな輸出産業、あるいは国内産業等々、中小企業特によく承知をしておりますけれども、端的に言って中小企業の中には二百十円なら十分やっていける、しかし百九十円ならもうだめだという企業が大体多いですね。じゃ百九十円でやっていける企業体質をつくるということ、これはもちろん容易なことじゃありません。 しかし、現在の国内の各市場等から見て、内需に転換をして国内市場に参入するための体質あるいは切りかえ等々の努力は、百九十円の輸出に対応できる企業体質をつくるよりももっと困難だ、こういう実態にある、こう思うんです。といって、だから輸出にすべて、百九十円でもあるいは百八十五円でも対応できるような企業体質をつくり上げて、依然として輸出をふやすというわけにもこれはもちろんまいりません。文字どおり忠ならんと欲すれば孝ならずというふうな、そういう状況にあろう、こう思いますが、しかしいずれにしても、転換にしても、あるいは企業体質をさらに強化をして円高に対応できる、そのような指導、また企業の努力も、これは容易なことではない、こう思います。 そこで、やはり特に内需の新しい需要を開発する、開拓する必要にもうさらに迫られておりますし、それについて通産省中小企業庁はもっと積極的なそのような指導をひとつお願いをいたしたい、これは要望です。 そこで、福川局長がある本にお書きになっている論文を――論文と申し上げていいと思いますが、拝見をして、まことに同感であると意を独ういたしておりますが、その中で福川局長は、長厚重大の産業界から軽薄短小の産業界へ移行をしておる、今後の市場の構造の変化、あるいはまた国民のニーズの変化、多様化等々を考えるときに、今後は美感遊創の産業界、あるいは美感遊創の産業がもっと発展をしなくちゃいかぬ、あるいはそれが中心になるであろう、こういう意味の論文をお書きになっていることを拝見をしたわけですけれども、せっかくの機会でありますから、福川教授の御高説をぜひ拝聴をして私の質問を終わりたいと思いますので、ひとつお願いをいたします。
○政府委員(福川伸次君) 私の駄文がどこでえ目にとまったか存じませんが、これは全く、私がさる新聞に随筆というか、感想文を書いたもので、決してそんな権威のある立派なものでもございません。 今御指摘のように、ただ供給サイドでは軽薄短小という時代にだんだんなりつつあるわけでございますけれども、一方マーケットの方を考えてみますと、かなり価値観の多様化あるいは女性の社会進出、高齢化、生活水準の向上、いろんな変化が出てまいっておりまして、市場もかなり変わってきているというふうに私は感じておるわけでございます。 技術水準が上がってまいりましたから、商品の機能というのは徐々に平準化してまいりますが、したがって商品のマーケットでの受け入れ方というのはむしろ、例えばデザインのよさとかファッション性とか、そういった美しさというものが好まれるようになってきておると思いまして、そういう意味では美しさということが商品の中にも出てまいります。また、サービスの中でも、その美しさを求めるサービスというのがむしろはやる、こういう感じがいたしております。 また価値観が多様化いたしておりますから、今までのように、三種の神器とか三Cとか言われた物から順次感性的な物、フィーリングに訴えるような物というのが受け入れられるという特色があるかと思っております。 また従来のように、刻苦勉励型から徐々に遊び的な要素ということをまた仕事の中にも求めるし、またそういった商品が出るという要素もあろうかと考えております。また、もとより新しさ、創造性ということが必要でございまして、ほかにない物をつくる、こういうことがこのマーケットの中で出てきて、これがまた価値観の多様化の中でいろいろと受け入れられる商品となってくる、かように考えているわけでございます。 最近のアメリカでもニュービジネスというのが大変輩出いたしております。日本でもいろいろと業際産業とかすき間産業とか言われますように、いろいろとニュービジネスが出てまいるわけでございます。そういったマーケットが非常に多様化いたしておりますし、また技術面でも情報化技術が進む、それからまたハイテク関係の技術がそれを支えるというようなことで、ハード、ソフトのテクノロジーがかなり進歩してまいっておりますから、こういったこれからの経済を、産業を見てまいりますと、そういったことでこのビジネスチャンスというのが非常に豊かになってきているのではないか、また多様化をいたしておりますから、こういう小回りのきく企業というのはそこに非常に大きな力を発揮するのではないか、こういうわけでございまして、中小企業というのは、これからのそういった市場の動向等についていろいろと企業努力をしていけば非常に新しいマーケットが開けるのではないか、こういう感想でございまして、決してそんな立派なものでもございません。
○井上計君 どうもありがとうございました。
○木本平八郎君 きょうは二割ずつ質問時間を返上するということですから、また私も要領よくやりたいと思います。 それで、まずこの法案については、もう先ほどから同僚議員の審議で全部尽くされていると思いますんで、私は円高の問題及び中小企業の置かれている位置というものについて、通産省あるいは大臣がどういうふうにお考えかという点で、二、三の質問をさしていただきたいと思います。 まず広海部長にお聞きしたいんですが、今中小企業と称されているのは六百五十万だと言われていますね。その中でいわゆる生業とか零細企業ですね、町の家族でやっている商店とかそういったものがどのぐらいあって、そしていわゆるこの法案の対象になるような中小企業というのは大体どのぐらいあるのか、感触程度で結構なんですが。そういう中で、しかもこれは私の独断なんですけれども、タイプを二つに分けまして――ありますか、それじゃちょっとその数字を教えてください。
○政府委員(広海正光君) まず中小企業の事業所の数でございますけれども、昭和五十六年の事業所統計で約六百三十万ございます。そのうちのいわゆる小規模事業の数でございますが、四百九十六万ということで、大体全体の約八割弱ということになっております。
○木本平八郎君 それで、こと法案の対象になるのはあと残りの百四十万ぐらいということでいいですか。
○政府委員(広海正光君) この法案の対象となります特定中小企業者でございますが、この全体の約六百三十万、その中でどのくらい占めるかという点につきましては、明確にはお答えできませんけれども、大体が製造業が多いのではないか。製造業ということになりますと、この六百三十万のうち約九十万弱が製造業でございまして、この製造業のうちのかなりの部分がこの対象になるんじゃないか。その場合は小規模事業、小規模の中小企業者、これも当然含まれるということでございます。
○木本平八郎君 それで、その今の九十万――百万でもいいんですけれども、そこでちょっと感触的にお伺いしたいんですよね。 これは木下さんでも結構なんですが、要するに先ほどのような非常にハイテク、テクノロジーを持っていて、例えば自動車部品とか電子部品とかでもう世界のレベルに達している、技術でもって売れるというタイプの企業と、それからいわゆる労働賃金が安いということで下請で生きている企業ですね。それを二つに分けますと、大体何対何ぼぐらいの割合になるんでしょうね。これは感触的で結構ですがね。
○政府委員(木下博生君) 製造中小企業のうち約三分の二が何らかの形で下請の事業をやっているというふうにお考えいただいたらよろしいかと思います。それで、下請企業だといっても決して技術的に劣っているわけじゃありませんで、それぞれの専門分野で非常に高い技術水準を誇っているものもたくさんあるわけでございます。
○木本平八郎君 それで、私、実はそういう細かいことをいろいろお聞きしたのは、この法案自体は、これは緊急避難、先ほど大臣もおっしゃったように、緊急避難で、応急処置みたいなものですね。これはとりあえずやらなきゃもうえらいことだからやると。しかしながら、やっぱり何回も私この委員会でも申し上げていますように、やはりこういうひとつの、もうすさまじい円高が起こって、しかもそれが定着する可能性があるとなると、これはやっぱり将来的に考えて、私、二十一世紀なんという言葉嫌いなんですけれども、十年なり十五年なりの日本の産業構造を一体どういうふうにしていくか、その中における中小企業はどういう性格づけに持っていくかと。だから、先ほど福川さんがおっしゃったああいうふうな福川理論があるわけですから、美だ、美しさとかなんとかね。そっちの方に転換できればいいけれども、転換できなければ、やはりこれはひとつの神の意思みたいなもので、もう淘汰されざるを得ないという、これは自然の摂理みたいなものがあると思うんですね、先ほど栄枯盛衰か何か出ていましたけれどもね。 そういうふうに、それならそれやっぱり踏まえた上で、トータルの犠牲を、この今六百五十万か――百万でもいいんですけれども、その中小企業の転換の日本全体としてのトータルのコストというか、犠牲をできるだけ少ないようにしなきゃいかぬ。それを総花的にどれもこれも全部救済しようと思うと、結局アブハチ取らずになってしまうということがあるんじゃないか。したがって、私はまず将来のビジョンを考えて、そこに合わしてこの緊急避難からステップ・バイ・ステップで近づけていくということが必要なんだと思うんですね。 そこで大臣、実はこういう施策になりますと、やはり失礼ですけれども、役人の皆さん方じゃちょっと無理だと思うんですね。やっぱり政治家が、あるいは内閣が先頭に立ってやっていただかなきゃいかぬ。そして、後追いでは、これもう傷が大きくなるばかりだから、やっぱり未来の先取りやっていかなきゃならぬ。そういうことになると、これはやはりそのために大物大臣を持ってこられたんだと思いますけれどもね、その辺をどういうふうに今後お考えになっているか、この全体像をまずお聞かせいただきたいんですがね。
○政府委員(木下博生君) 大臣からお答え申し上げます前に、一言中小企業全体のピクチャーについて申し上げたいと思いますが、六百二十三万あります中小企業の事業者というのは、これは五十六年の統計でございますが、過去からずっとさかのぼってまいりますと、ずっと数はふえてきておるわけでございます。それで、もちろん個々の企業にとってみれば、栄枯盛衰世の習いで、それは幾ら倒産を防止しようと思っても倒産したり廃業したりする企業があるわけでございまして、経済の動きに応じて世の中全体としてはそういう企業の数がふえてきているということでございます。特に最近は、歴史の古い企業に倒産等が非常に起こっておるわけでございまして、それはやはり最近の経済事情の変化が、そういうふうに過去にだけ頼っている企業の生存というのは非常に難しいということになってきているだろうと思います。 そのような時期にこのような大きな経済の変動が起こっておるわけでございますから、当然のことながら今までと同じようなことをやっていただいては無理なわけでございまして、そのために中小企業庁としては、技術開発や新製品の開発等で、新しい分野、今後伸びゆく分野に企業の方々の努力が進むようにお手伝いしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、木本先生のおっしゃられたことは、中小企業だけでなくて、日本の全産業に当てはまることではないかと、そう思っております。 やはり問題は、時代が変われば事情が変わるわけですから、やはり昔ながらの物を、自分はなれているから、それ以外つくったことがないのでそれをつくるんだといっても、お客がなければそれは淘汰されるということになります。自然淘汰はこれ仕方がないことです。ただ、今回は非常に急激な円高に、もうしばらくぶりに見舞われたというようなことがありまして、それはどうしても政府としても緊急にそいつには対処してやらなきゃならぬ、そういうことでこの法案を出したわけです。 やはり問題は、日本の産業が生き延びていくためには、隆昌産業をつくっていく。それてどうしても衰退産業というのはあるんですね。問題は、そこで失業者が出なければいいわけですから、仮に企業が入れかわりになっても、一つの企業がだめになっても別な企業が栄えて、そこへ労働者が新しい繁栄の産業を求めて全体として失業がふえない、全体として。むしろ減っていくというのであるならば、私はむしろ日本全体から見ればその方が望ましいというように思っております。大きなマクロ政策では、通産省はなかなか我々がついていけないぐらいよく先のことを考えておりまして、私は頼もしく思っていますから大丈夫です、これは。
○木本平八郎君 確かに通産省の方というのは、私もつき合いが長いので、非常に先を考えておられるんですけれども、やはり実行する、あるいはそれをリードしていただくのはやっぱり政治家じゃなきゃいかぬと思いますし、大臣じゃなきゃいけないと思いますので、今後ひとつよろしくお願いします。 それで、実はこの円高の問題に関連しまして私ここで申し上げたいのは、要するに円高自身もこれ非常に困るんですけれども、混乱が起こるというのが一番大変だと思うんですね。それで今後混乱が起こってくるわけです。倒産が起こりますし、それからあるいは上下動が来るかもしれませんしね。 それで、これちょっと余談になりますけれども、私これだけ急激に一本調子の円高になりますと、どうもまた外国為替銀行で為替の思惑だとか相場の失敗だとか、そういうもの、あるいは最近どうなっているか知りません、これは大蔵省に聞かなきやいかぬですけれども、債券投資なんかが非常に多いですね、アメリカやなんかに対して。これだけ円高になりますと、ドル安になってくると、そういったところからも混乱が来るんじゃないかと思うんですね。 私の経験でもこれだけ、昭和五十二年、三年ですか、ああいうふうになりますと、一つ為替予約をミスったというだけで、もう次から次へこんなに雪だるまになっちゃうんですね。それで、もう初めはほんのちょっとしたミスが大きな問題になってしまうということで、これは各企業とも緊張してやっていると思いますけれども、今後こういう問題もやっぱり出てくるだろうと思うんですよ。 それから、やはり私自身が大企業におったから余り、口幅ったいことになるかもしれませんけれども、今までこういう混乱がありましても、割合に親事業者というか、大企業が下請とか子会社とかを救済したんですね。それで、例えば投融資をやり、役員を派遣し、はっきり言ってもう切りたいのを、これは混乱を起こしちゃいかぬと思って抱えたんですね。ところが、これだけやられますと、もうちょっと親企業といえども相当苦しいんじゃないかと思うんですね。 それで、実は対米輸出だけ考えましても五百億ドルの黒字になっているわけですよね。この五百億ドルで、二百四十円が百八十円とすれば、ざっと言って六十円ですね、そうするともう三兆円損しているわけですね。そういうものがあるから、もう親企業といえども簡単には救済できない。そうすると、ますますもって事態は深刻になっていくわけですね。政府が面倒見なきゃいかぬというふうなことにもなってくると思うんです。 それで、それからもう一つ、その混乱の問題について私が非常に恐れますのは、混乱の輸出が起こるんじゃないかということなんですよ。混乱そのものを輸出するということですね。要するに、これは大臣が先ほどおっしゃいましたように、世界のGNPの一〇%日本がやっているわけですね。それで、日本の輸出品の中には、先ほどのようなハイテクで、自動車部品その他がありまして、どんなに値段が高くなっても、例えば韓国だとかほかの中進国が、日本から買わざるを得ない部品があるわけですね。それがないと自動車はアメリカに輸出できない。したがって、これだけ、六十円、約二五%ぐらい高くなってもやっぱり買わざるを得ないわけですね。そうすると、逆に言えば、向こうの方でそれだけ物価が上がるわけですね。インフレの輸出になっちゃうわけですね。そういう、日本の部品というのは昔と違って非常に高くなったからもう買わないとか、数量を少なくするというわけにいかないんですね。もう高くても泣く泣く買わざるを得ないというふうな性格になってきているわけですね。 そうしますと、やはりこういうインフレの輸出あるいは混乱そのものの輸出ということになりまして、今でもそういう問題があるんですが、今後日本の中で倒産だとか何かいろいろ起こりますと、そのまま混乱そのものが世界の市場に輸出されちゃうと、そうすると世界を混乱させちゃう。世界の経済は日本ほど強くないですから、混乱をもろに受けて、今後スタグフレーションだとか失業の問題とか、そういったものが非常に出てくるだろうと思うんですね。そうなると、今のアメリカから受けている非難どころじゃなくなってしまって、言いわけもできるかもしれませんけれども、大変な事態が起こるんじゃないかと思うんですね。その辺は通産省はどういうふうにお考えになっていますか。どなたでも結構なんですが。
○政府委員(福川伸次君) 今御指摘のように、為智の乱高下あるいはまた日本の国内の急激な変動ということが、いろいろ世界経済に悪影響を及ぼすんではないかという御指摘でございました。 私どもも、レートの急激な変動ということが日本の企業努力を損ねるという側面がございます。コストを幾ら削減してもレートが動いてしまえば何にもならないと、こういうことにもなります。それからまた、非常にこのレートが急激に動きますと、例えば外に押し出し的な輸出があるいは起こるかもしらぬと、こういう混乱があると思います。したがって、このレートの問題あるいはマクロの経済政策の問題、さらにまた産業構造上の問題というのは、私どもはやっぱり三つをそろえて手を打っていかなければいかぬというふうに思うわけでございます。 どれか一つでも欠けますと、なかなかうまくいかない面がありますし、現在の急激な円高が非常にデフレ的な効果をもたらすということが転換もしにくくなると、こういう要素がございます。また、産業政策もうまくワークしないという面がございますので、私どもとしては、やはりこの混乱を今おっしゃったようなことのないようにするためには、マクロの政策と為替レートの安定化、適正化と、それから構造的な側面の改善ということを三つそれぞれに努力して、効果ある組み合わせで政策を展開すべきものと考えております。
○木本平八郎君 大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も同じ考えなんです。むしろこれは百八十円という数字になるとどうかわかりませんが、日本人というのは、もうけが少なくなりますと、今度は量で稼ごうという気持ちが働いて、物によっては余計輸出されるんじゃないかということを言う商社の方々もかなりいます。なるほどな、我々の知らないようなことがやっぱりあるんだなという気がいたしております。 ですから、この円高もやっぱり程度問題で、幾らがいいということをここでなかなか言えないんですね。私が言うと、これまた新聞に載るしね。また何か誤解を受けても困ることでございますが。いずれにしても、これは適当なところで安定をしてもらわなきゃならぬ、そういうことは当然にサミットの私は議題になってしかるべきものだと、そう思っております。
○木本平八郎君 今、大臣からお話がありましたね。私はこれ今度のサミットで取り上げてもらわなきゃいかぬと思うんですね。 私は二百円台を割って百九十円に近づいていったときに、あるいは戻るかもしれないなと思ったんですけれども、きょうの夕刊なんかのように百八十円まで打っちゃいますと、こんなもうめちゃくちゃなことをやると、これは世界的に大混乱を起こしちゃうと。これは日本の問題あるいはアメリカの問題じゃなくて、世界経済全体の問題になっちゃうと思うんですね。 したがって、私はやはり理想的には、例えば二百円なら二百円でフィックスして、半年なり一年なりを持たせると。それで日本経済もアメリカ経済も、世界経済がなれたときにまた十円下げて半年なりやっていくと、段階的にやる必要があるんじゃないかと思うんですね。ただ単に、何か円が高くなればいいという、そういう発想だともうえらいことになってしまう。したがって、もうここまで来ればこれは日本が提唱して、やはり段階的な円高、日本から言えば円高ですね、それでコントロールしなければいかぬのじゃないか。 現在の世界の経済というのは、為替だって通貨だってそうですよね、日本の円だってあんなの金の裏づけも何にもないペーパーですよね。信用で管理通貨になっているわけです。それで為替もそうで、ファンダメンタルズなんて全然関係ないわけですね、これ。G5で五人の大蔵大臣がやって、うん円高にしようじゃないかと、うんそれをやろうということでやっているわけですね。 したがって、私これはぜひ御検討いただきたいと思うし、できれば今度のサミットで提案していただきたいのは、私この際もう固定相場に戻すべきじゃないかと思うんです。固定相場というか、管理固定相場に。したがって、これは百八十円というのは私はちょっとめちゃくちゃだと思いますけれども、百九十円なら百九十円にフィックスして、それでもって各国が、通貨当局が介入してそれに維持していくと、そして安定してみんなが体制を整え、順応できるようにして、それからやっていくというふうな、世界経済全体を管理して運営するということをやらざるを得ないんじゃないかと思うんですね。 そういうことをひとつ渡辺大臣から中曽根総理に言っていただいて、これはサミットで私はそういうふうにやっていただく必要があるんじゃないかという気がするんですが、大臣いかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 固定相場にしろという議論はないんですが、私もサミットに二回参加をいたしておりまして、そして今までの慣例から言えば、公然の秘密だから構わぬと思いますが、必ずG5があるんですよ、夜十二時ごろまで。いろんな話をそこでし合うのですが、フランスなどはややもするとミッテランさんの意向もあって、一つのターゲットゾーンをつくって、そこで三極ぐらいに分けて、それを管理したらどうかという提案があるんですが、アメリカとイギリスがそれには絶対反対と、日本も余り賛成できないという立場でした。それから、日本が円安を政策的にやっているという非難も随分ありました。これは絶対うそなんです。むしろ、円を強くするために介入したことは私のときも何遍もあります。あるけれども、日本とドイツぐらいやったって全然これはきかない。これも事実だったわけです。 ところが、アメリカの政策転換といったら、また――言わない方がいいかな、要するにアメリカの方も一応共同介入については余りひどいときはいいということになりまして、そこで投機筋もかなり手を引いたということもあるんでしょう、それから物価、金利の問題もありましょう、いろんな問題で、急激な我々の予想外の円高になったと。 ところで問題は、それじゃ幾らが固定相場でいいんだねということになりますと、これはなかなか言いづらいわけですよ。例えば日本でも、円安がいいというのは、輸出業者はいいと言うけれども、輸入する人は円高がいいと言っているわけですから、責任ある者が幾ら幾らがいいと言うのは、利害が相反した人が一緒に住んでいるわけですから、とても政府は言えないですね。それと同じようなことで、各国の蔵相も言えないわけですよ。したがって、幾らに固定すればいいのかわからぬわけですよね、みんな。したがって、何円かで長期にわたって落ちついてくればそれが一番いいんじゃないか。半年なり一年なり落ちついて、それで世界経済がうまく機能していくならば、それを守っていこうということはその次の段階で私は出てきてしかるべきものであると。 ですから、そういうことはおのずから時間がたてば、今度のサミットではそこまで話がいくかどうかわかりませんが、そういう議論は当然あってよいと、そう思っております。
○木本平八郎君 この円高の問題は、ここまで来ますと日本のエゴとかなんとかじゃなくて、日本の都合じゃなくて、世界全体のためにもやっぱりやらなきゃいかぬという大義名分が出てきたと思うんです。そういう点をひとつ御検討いただきまして、この問題を前向きに御検討いただけたらということをお願いいたしまして私の質問を終わります。
○委員長(下条進一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。 本案の修正について市川君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。市川君。
○市川正一君 私は、本法案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございますが、その趣旨について御説明申し上げます。 今回の円高は、昨年九月のいわゆるG5合意に基づき政府の政策として行われているものであり、被害を受けているすべての中小企業者に対し、政府はその救済の責任を負うべきであります。しかし、法案の緊急経営安定対策は、産地中小企業者等の要望と実情に十分こたえるものとはなっていません。 円高や貿易構造その他の経済的事情の変化に直面し、困難に陥っている中小企業者への対策として、法案は、事業転換対策を大きな柱としておりますが、中小企業の基盤強化、振興対策を抜きにした転換策だけでは、中小企業の今日の困難は打開できません。 これとの関連で、政府が本年七月一日で期限切れとなる産地中小企業対策臨時措置法を自然消滅させようとしていることは重大であります。このいわゆる産地法は、前回円高時の円高対策法を継承発展させて制定されたものであり、これまでに、百九十八産地を指定し、各都道府県による振興ビジョンの策定とその実施などによって少なくない成果を上げているものであります。本法の継続・拡充を求める声は、切実かつ圧倒的であります。 以上の理由により、本法案の内容を補強するための修正案を提出する次第であります。 次に、修正案の主な内容について御説明申し上げます。 第一は、緊急経営安定対策の拡充であります。 前回の円高対策法案同様、政府の特別貸付制度を法律に明記し、かつ、その金利は現在実施されている年五・五部を三部以内とするものであります。これは、二百海里漁業水域関連融資や激甚災害特別被害者融資など当事者の責任に属さない事情によって被害を受けた場合に実施されたものと同様の措置をとることとしたものであります。 また、既往貸し付けの返済猶予については、政府案の近代化資金に加えて、国民金融公庫など政府系四金融機関の貸付金、中小企業事業団の高度化資金等についても三年以上猶予するものとし、これらを法律に明記して徹底を図ろうとするものであります。さらに、保険料率を現行の二分の一以下に引き下げ、信用保険の特例措置の拡充を図るものです。特定中小企業者にとって保証料の負担は大きいものがあり、既に一部地方自治体が保証料を肩がわりしている例からすれば当然であります。 第二は、産地中小企業等の振興対策であります。 国及び都道府県は、産地中小企業者等の特定中小企業者に対し、その事業の転換対策のみではなく、振興対策と事業基盤の強化対策を積極的に図らなければならないこととし、あわせて、産地中小企業対策臨時措置法を七年間延長するものであります。 最後に、本法案の実施に当たって、国及び都道府県は、小規模事業者の経営及びその雇用する労働者の生活の安定に特に配慮するものとしております。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(下条進一郎君) ただいまの市川君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取します。渡辺通商産業大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまの修正案につきましては、政府としては反対であります。
○委員長(下条進一郎君) それでは、修正案について質疑のある方は御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を則らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、市川君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 少数と認めます。よって、市川君提出の修正案は否決されました。 次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、梶原君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。
○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、サラリーマン新党各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、近年における経済的事情の著しい変化によって深刻な影響を受けている中小企業者に対する振興・助成施策の一層の拡充、推進を図ること。 二、本法第二条及び第九条による業種の指定にあたっては、弾力的、機動的に対処すること。 三、政府系中小企業金融機関等による国際経済調整対策等特別貸付が行われるにあたっては、その担保条件等について弾力的運用がなされるとともに、融資手続等の迅速化が図られるよう指導すること。 四、今後とも国際経済調整対策等特別貸付制度の貸付条件の緩和に努めるとともに、政府系中小企業金融機関等の貸付金の返済猶予についても中小企業者の実情に応じ弾力的に措置するよう検討を加えること。 五、特定中小企業者が事業の転換を行いあるいは事業活動の縮小を余儀なくされた場合に必要な雇用安定対策については万全の努力を傾けるとともに、事業転換計画の承認にあたっては、できる限り労働者の意見が反映されるよう都道府県を指導すること。 六、事業の転換の実施について必要な指導及び助言を行うにあたっては、関係機関の協力を得て総合的に実施するよう都道府県を指導するとともに、これに対する国の助成を充実するよう努めること。 右決議する。 以上です。
○委員長(下条進一郎君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 全会一致と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、渡辺通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺通商産業大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
○委員長(下条進一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後十時三十五分散会 ―――――・―――――