建設委員会 第11号
- 発言数
- 248 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1986/04/24
会議録
○委員長(小山一平君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十三日、添田増太郎君、青木薪次君及び安孫子藤吉君が委員を辞任され、その補欠として井上吉夫君、浜本万三君及び鈴木省吾君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(小山一平君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に松本英一君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(小山一平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案の審査のため、本日、参考人として財団法人高速道路調査会常務理事武田文夫君、神奈川労災職業病センター所長田尻宗昭君、東京湾横断道路海上交通安全調査委員会委員長谷初蔵君及び元木更津市金田地区区長連合会会長桐谷新三君の出席を求めて、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(小山一平君) 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案を議題とし、参考人から意見を聴取いたします。 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙のところ、本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。 皆様から忌憚のない御意見を承りまして、今後の本案審査の参考にいたしたいと存じます。 これより参考人の方々に順次御意見をお述べ願うわけでございますが、議事の進行上、最初に参考人の方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。 それでは、まず武田参考人にお願いいたします。
○参考人(武田文夫君) 武田でございます。では簡単に申し上げます。 私は、道路あるいは地域のエコノミストという立場から東京湾横断道路の役割というような問題につきましてしばらくの間研究する機会を得ましたので、そういう視点から、きょう、その役割、経済効果などについて一言申し上げたいと思います。 東京湾横断道路というものの役割を考えますときに極めて大事なことは、首都圏というものが非常に特異な位置にあり、かつそれが異常なまでの発展をしつつあるという事実に着目する必要があると思っております。大方の予想に反しまして、首都圏だけは、他の大都市圏が停滞しているのをしり目にどんどん成長しまして、毎年三十万ほどの人口増加を示し、非常に経済的にも大きくなっております。それは、日本の国際的位置が高くなったために、東京が世界の金融センターであり、情報センターであり、文化センターであるということと深い関係があってそのような発展を遂げていると思います。これはしばらくの間続きまして、首都圏が日本の成長のリーダーシップをとるというようなことは避けられない事実であろう。しかも人口構成が若いものですから、人口が相当にこれからもふえるであろう。そうしますと、恐らくあと二十一世紀の初めまで、まず少なくとも三百万あるいは四百万人の人口がふえるであろう。そうなりますと、一体どこにそのような新しい人口、そして大きくなる経済活動をおさめ込むか、首都圏の中でどうしてそれを効率よく、また快適におさめ込むかという問題があります。 そのときに、房総空間という広大な空間をどう生かすかということが、恐らくこの東京湾横断道路と深いかかわり合いを持つだろうというふうに認識しております。そういう目から、この東京湾横断道路を幾つか具体的に考えてみたいと思います。 まず第一に、東京湾横断道路は、これは横断と言っていますが、よく地図をごらんになりますと、ある意味では東京と房総半島を最短距離で直結するという、そういう役割を持ち得るロケーションになっております。現在、東京まで木更津から二時間というような時間がかかりますけれども、これが横断道路ができますと、高速バスその他で恐らく一時間で東京都心まで行けるという、そういう状態になります。そうしますと、この四十キロ圏あるいは五十キロ圏にあります房総半島というものの意味合いが非常に変わってくると思います。言ってみますと、東京への通勤圏になる。あるいは横浜とか川崎という点から見ますと、もちろんもっともっと近い通勤の住宅地が展開し得る場所になります。やはり房総の発展ということのためには、木更津あるいは富津、袖ケ浦、君津というようなところが一体となって、通勤人口の増加ということを一つのばねにして大きな都市に発展する、新しい木更津圏域の新都市圏というようなものが人口百万で成立するというようなことも考え得るわけで、そうしますと、房総に対して、それが一つの大きな核となっていろいろなサービスを提供し得る、そういうふうにも思います。 もう一つは、この東京との直結の意味は、あるいは京浜地帯との直結の意味は、京浜二千万人口に対するレクリエーションの機会というものがこの房総半島において提供されるということであります。 房総半島は、東京に地理的には非常に近く、かつ広大な面積を有し、海岸線を有しておりますが、どういうわけですか、伊豆半島のような東京から遠くてより小さい半島に六千万の人口が行き、それに対して房総半島にはその半分しか行っておりません。これはやはり交通が不便であるということ、それからまた、せっかくの自然をうまく生かして魅力あるレクリエーション地帯にしていないということであります。しかしながら、地図をよく見ますと、房総半島はその先端から南の方に向かって伊豆諸島それから小笠原諸島というようなものが直線でつながっておりまして、これからの首都圏の市民の海洋レクリエーションの基地としてもすばらしいところになる可能性があるところだと思います。もちろん若者だけでなしに、気候が温暖で、東京に非常に近くて、しかも自然があるということで、日本には余りありません高齢者の定住地、特に社会的に引退をしたけれどもまだ力のある賢い高齢者たちというものの定住地というようなことにも可能性ができてくると思います。そこには羽田空港あるいは成田空港が近いということも、一つの要件になると思います。これが第一点でございます。 第二点は、東京直結というような役割を果たすと同時に、これはある意味では東京の南回りのバイパスの一環をなすという性格を持ち得るというふうに思っております。 それは、厚木から横浜に向けて将来首都圏横断道路というようなものが参るでしょうが、それと川崎、木更津を経て茂原、市原、成田、そして常磐自動車道までつながって、東京を南回りするバイパスという役割があり得るわけであります。これが、今までの房総がどん詰まりであって発展できないという袋小路性を打破しまして、やがて全国幹線への重要な一環になる、新しい交通軸を形成するというふうに思います。 都市でも産業でも、どん詰まりのところにはなかなか発展しませんで、幹線交通軸に沿って展開するというのが歴史の教えるところでございます。例えばハイテク産業ですが、京浜地区は世界に冠たるハイテク産業の中の頭脳部分の存在、あるいは高度加工の存在しているところでございますが、これがある程度の空間的制約に悩んでいるという状況を考えますと、そして部品工場などを次第に遠い地域へ出して不便をしているということを考えますと、京浜地域のハイテク産業がさらに世界をリードしていくためには、それがもう少し地域的に伸び伸びと展開できる必要がある。それは、この横断道路を介しまして木更津、茂原、成田そして筑波という横のライン、そして片方は厚木へ向かったライン、こういう交通軸に沿ってそれが展開されるということが非常に望ましいと存じます。既に木更津には上総新研究開発都市というような頭脳集団ができようという計画がございますし、そういったものを核としてそのようなものが広がっていくということが望まれるわけであります。 その次に、これは交通的には最後の役割になりますが、これは外郭環状なり首都圏中央連絡道路というものが南の底辺部分において完結していない、その部分をこれが補うというそういう環状道路の一環という意味がございます。この環状道路はそもそも、このような首都圏の三千万の人口の中で周辺の核都市を成長させるというためにつくられるという意味が強いわけでございますけれども、東京に依存しないでできるだけ核都市相互が提携し機能分担して成長していくというその役割というものも非常に大きいと存じます。これによって、川崎なり木更津なり千葉あるいは八王子、横浜というような核都市がさらに相互に助け合って成長するであろう。それによって住民もまた助かるということになると存じます。 このような形で房総空間が活用されてまいりますとそこに新しい機能が展開するわけで、それが東京なり横浜なり川崎と結びつくわけですから、そこで新しい交通量が生ずる。この交通量というのは天からわいてきた交通量ではなくて、もしも横断道路がなかったとすればやむを得ず首都圏の中のより高密度の地域に展開せざるを得なかった機能が房総に展開するということでありますから、その分だけ首都圏の高密度地域の交通を、そうでなかったらば生じたであろう交通を助けることになるということで、長期的に見て、首都圏での大きな交通緩和という役割を果たすと存じます。そういうようなものの直接の時間の節約とか走行費の節約ということだけを考えましても、投資の二倍や三倍の経済価値を生むということは一応の計算でわかっております。 以上で終わります。
○委員長(小山一平君) ありがとうございました。 次に、田尻参考人にお願いいたします。
○参考人(田尻宗昭君) 海上保安庁二十二年間の経験をもとにいたしまして、若干の御説明をさせていただきます。 東京湾の現状は、御存じのとおり京葉、京浜二大コンビナートが立地いたしまして、日本の工業出荷額の約三割、日本の原油輸入量の四割という大きなシェアを示しております。当然のことながら、こういうような工業地帯に入ってくる船が大変過密になってまいりました。我が国最高の過密と言っても過言ではないと思います。例えば昭和五十七年、浦賀水道の出入港船舶は、一日に七百四十八隻であります。特にその中で巨大タンカーが圧倒的に多いということが特徴であります。年間で二千三百九十四隻通航しております。例えば、東京湾に入ってきた巨大船が、横浜の沖にいかりを入れようとしてうろうろしながら錨地を探して、結局はどこにもいかりを入れられずに千葉の沖に停泊せざるを得なかったという例も、そうレアケースではありません。それからまた、東京湾には湾岸に各港が造成されていますので、航路が東西南北に錯綜しているというのが現状であります。そういうところから、東京湾の海上交通は大変過密である。 特に、巨大タンカーが問題であります。ちなみに二十万トンのタンカーは長さ三百六十メーター、デッキの広さは野球場と同じぐらい。しかもこの船は、航行中にエンジンをとめてブレーキをかけましても四千五百メーターはとまらない、とまるのに二十分もかかるというような大変腰の重い代物であります。これがかつて英仏海峡で座礁しまして、二十万トンの油が四百キロの海岸に致命的な打撃を与え真っ黒に汚染したわけであります。ところが、東京湾は一番長い縦の距離が五十キロでありますから、こういうような事故が起こりますと東京湾はどういう状況になるかというのは、想像にかたくありません。 もう一つの危険は、爆発であります。東京湾でも昭和三十七年に宗像丸というタンカーが川崎港内で衝突爆発しまして、四十一人が死亡しております。昭和四十九年には、LPGタンカー第十雄洋丸が浦賀水道を入ってきた直後に衝突をいたしまして、二十日間燃え続けて、最後に東京湾外に引っ張り出して自衛隊で爆沈したのであります。もしこれを放置したならば七カ月間燃え続けたであろうと言われています。 そして、そういうような油の火災が発生しましたときに最も私たちが憂慮するのは、コンビナートの岸壁近くに並んでいる各タンクであります。タンクに延焼した場合にどうなるかということは、昭和五十四年の海上保安庁の海上保安白書が非常に明快に書いております。著しくふくそうした東京湾などに入出港をする巨大タンカーは増加の一途をたどり、衝突による危険を増大させている。そして、世界有数の巨大都市を有するこの過密地帯でもし大型タンカーなどの事故が発生し海上火災が陸上に及んだ場合や油が港湾全域を覆い尽くしたときの被害ははかり知れないものとなった、と書いております。 そういうような状況にさらに大きな危険を生んでいるものは、LNGタンカーであります。湾内に四カ所の基地がございます。このLNGタンカーというのは海上保安庁でも、私たちの経験からも非常に対策がとりにくい。なぜかなれば、マイナス百六十二度という超低温の液化天然ガスを十二万五千立米搭載しております。これがもし五ノット以上のスピードで一万五千トンの船と衝突をした場合に、条件によってはタンクに穴があいて、二分から六分の間に全量のLNGが流出する。そして、その爆発ガスは五千メーターから八千メーターに及ぶということが日本やアメリカの文献でも明らかにされている。そうすると、場合によってはコンビナート、そして住宅にまでその爆発ガスが及ぶことは当然であります。一九四〇年、アメリカのクリーブランドでもしNGタンクが爆発しまして、百三十名が死亡、七十二戸の住宅が全壊、百台の車が破損したのであります。アメリカのエーモリー・ロビンスという学者の説によりますと、この爆発力は広島原爆に相当するということも言っております。 さて、こういうような過密の中で東京湾横断橋というものが当初計画をされました。 四十九年の関東地建から出されました建設省の報告書の中に、非常に明快にこの影響が書いてあります。私はこの報告書を大変評価しているんです。それにはどう書いてあるかといいますと、まず一番大きな問題は、台風のときに船が東京湾に避難をする。そのためにいかりを入れる。そのいかりを入れる場所が何カ所あるかといいますと、現在は二百三十五隻分必要であるけれども、百二十六隻分しかそれがない。もう満杯で、はるかにその受け入れ能力を超えているということであります。ところが、横断橋という橋をかけるとこれが七十三隻分に減るということが図面入りで明快に書いてあります。そうしますと、必要な隻数の三分の一しかないということであります。そして、はみ出した船はどこに行けばいいのか。大型船については東京湾の外で台風と闘いながら外洋で頑張るという手もなきにしもあらずでありますが、中型船などはその方法は極めて危険である。とするならば、この横断橋の及ぼす影響は非常に大きい。そのことを関東地建の報告書も、湾の奥や中央部は全面的に船舶の避難水面として利用されているが、横断道路の設置はこの避難水面を減少させ、船舶相互や橋への衝突を引き起こし、緊急避難に障害を与えるなど影響は極めて大きい、ということで結んでいるのであります。私たちも大変心配をいたしました。 ところが、幸いなことに昨年これは、川崎から木更津に至る、川崎側から三分の二の十キロは海底トンネルにするということで、計画の大きな変更がなされました。私はこのことはやはり改善だと思います。しかしながら、これで全面的に海上交通の危険性がなくなったかといいますと、――なくなるわけはないんですが、もともと東京湾は過密でありますから。その危険の増加が解決されたかといいますと、私はそう思いません。なぜかなれば、人工島、川崎側から五キロのところ、そして木更津側から五キロのところにそれぞれ、海底トンネルの排ガスを抜くために換気塔を設置するための人工島ができるということであります。 この人工島というのは、やはり船舶にとっては航路障害であります。しかも、この関東地建の報告書でも、船舶がいかりを入れて、台風や暴風のときにそのいかりが滑るという現象、これを走錨といいますが、これが大変危険であります。一たん船舶が走錨を始めますと、もう破局的でありまして、打つ手がありません。そのために、それぞれ沿岸やこういうような障害物とは二マイル、約三・六キロの距離をあけなさいというのが大体公知の事実になっています。そうしますと、この人工島からそれだけの距離をとらなきゃいけない。余り近くにいかりを入れると、走錨したときにこれに衝突をするということになります。そうすると、その分だけでもやっぱり避泊錨地は減るということであります。しかも航行の乱れがあります。霧がかかったときなんかなかなかこういう障害物は発見されませんので、これを大幅によけて通らなくちゃいけないというようなことになりますと、やはりただでさえもともと避泊錨地の足りない過密なところにこういうようなものが影響を与えるということは軽視できない。 だとするならば、私はこの際百歩譲って、この横断道路の建設というものについては原則的には私は好ましくないと思いますけれども、百歩譲ってもしこれが実現する場合には、この際、その裏打ちとして、東京湾の総合的な海上交通の安全対策が確立されるべきである、そう思います。そのために若干の提案をいたします。 錨地が足りないのでありますから、やはり錨地にちゃんと適正に合わせるように、とにかく入れ物、容量を考えて船舶の総量規制をすべきである。そのためには、各港に受け入れる能力の適正受け入れ隻数というものをはじき出して、それを目安にすべきである。 二番目に、巨大タンカーなどのごとき大型船は特に危険でありますから、台風の情報が入ったならばもっと広域的に気象情報を把握して、そして東京湾に入ることをはるか以前に断念をして、そしてほかの錨地に早目に避泊するというような広域避難システムを確立すべきである。 三番目に、LNGの基地やあるいは大型船のシーバース、これは湾内に十一もありますけれども、これはこれ以上湾内に増加させてはならない。もちろん港湾造成も埋め立てもこれ以上ふやすことは私は極めて好ましくないと思いますが、現在のものについても徐々に、できるならば湾外の適地に移転することを抜本的には考えるべきではないだろうか。 それから四番目に、現在東京湾は各港湾管理者がばらばらに港をつくっています。ですから、東京湾を一つとして考える総合的な安全システムが行政的には確立していない。だから、東京湾は一つの港であるという考え方で、そうして各港湾造成に当たってはそれを総合的に安全審査をする制度が必要である。現在は、港湾審議会に海上保安庁も出席をし、若干の意見は言えるようになっていますけれども、それを歩を進めて海上保安庁に海上交通の安全審査制度というのをつくって、それに港湾造成の際は協議、その勧告を受けるというような制度をつくるべきではないだろうか、こう思います。 最後に、いろいろなこういう安全対策を考えますときに、東京湾は国民の大変な財産である、そういう東京湾は、瀬戸内海に環境保全措置法ができた以上、東京湾にも東京湾環境保全基本法というものを制定して、その中でこういうような海の安全の問題、海洋汚染そして災害の問題、こういうものをすべて総合的に規制するような立法措置が望ましいのではないか。 そういうぐあいに切望する次第であります。
○委員長(小山一平君) ありがとうございました。 次に、谷参考人にお願いいたします。
○参考人(谷初蔵君) 東京商船大学の名誉教授の谷でございます。 東京湾の船舶の航行安全を確保するという観点から、東京湾横断道路の建設につきまして私の意見を申し上げたいと思います。 東京湾には御承知のように、古くから我が国の重要な港でありました横浜港を初めといたしまして、現在では商業港が六つあるわけでございます。そのうちの四つが湾の西側にございます。二つが東側にございます。東京湾は湾の西側が地形的に水深が深くて東側は浅いために、西側が天然の良港といたしまして早くから発達したわけでありますが、これには冬の北西の季節風が陸地で遮られるといった好条件も加えられます。東側は港といたしましては比較的歴史が浅くて、港湾土木の技術の発達によりまして千葉、木更津ともにいわば新興の港湾都市として近年目覚ましい発展をしたわけでございます。 こうした自然条件と歴史的な背景の相違からと申しますか、今日におきましても東京湾の船舶の交通量というのは西側の各港に偏っておると言ってよろしいかと思います。しかし、その偏りはこれから先は千葉、木更津の発展によりまして相当変化するであろう、このように私は予想しております。 そこで、東京湾の船舶交通を考える上で今後特に必要とされる基本的な考え方といたしまして、私は六つの港あるいは東京湾の西側と東側、これをそれぞれ独立に一つ一つ考えるということではなくて、今田尻さんのお話にありましたように、東京湾全体を一つの統合されたシステムとして考える、こういう態度が極めて必要であろうかと思います。 なぜかと申しますと、申し上げるまでもないことでございますが、西側が天然の良港であった時代にはそれだけを考えればよかったのでありますけれども、先ほど来話のありますように交通量が非常にふえる、鉛そのものが著しく巨大化する、東側の港の開発が進む、そうなりますと、局所的な考えだけではもはや済まされなくなったわけであります。 事実、現在行われております東京湾の船舶の交通整理、例えば海上交通安全法による航路航行の指導、規制、それから海上交通センターによります交通情報の提供、そのほかさまざまな航行安全の対策が講じられておるのでありますが、それは、まさに東京湾を一つのシステムとして、そして各港、それぞれの港へ出入する航路、それらはこのシステムの一つのサブシステムとして、みんな親システムに密接に関連をしている、またそれぞれのサブシステムがサブシステム同士非常に密接に関係しているんだ、こういう考え方でとられているものと見ております。また、それだからこそ海上交通安全法が生まれたのだということも言えますし、海上の交通情報システムが行き届くに至った。そしてその結果として、御承知かと思いますが、これらの制度、施設ができましてから東京湾の海難、特に陸上で申しますような交通事故的な海難、衝突であるとか乗り上げといった交通事故的海難が著しく減少をいたしたわけであります。そういう海難の減少を我々は獲得できた、かように。考えております。 そこで、東京湾に横断道路を建設することによりまして船舶の航行に重大な影響を及ぼさないかという問題について考えることにしたいと思います。 東京湾は、先ほども話がありましたように、橋がない現在でも交通ふくそう海域といたしまして有名であります。そこへ、横断道路をつくるために、現在提示されている案によりますと主として人工島が問題になりますが、人工島が出現いたします。木更津側は幸いに交通量が現在でも比較的少なくてしかも漁船あるいは小型船が主でございますからその影響は比較的少ないだろうと思いますが、浦賀水道それから中ノ瀬の航路、こういった幹線航路や、あるいは川崎側のこれは非常に小型船が密集するところでございますが、そういうところに人工島ができるのでありますから、これは船から見ますと確かに障害である、邪魔であるということになります。したがってその人工島の出現が航行安全上非常に心配である、これはもう極めて自然であろうと私は考えます。 ただ、横断道路をなぜつくるかという問題につきましては、これは私はそちらの方の担当ではございませんのでわかりませんが、私としては、恐らく我々市民が、あるいは日本の国民と言ってもいいと思いますが、市民が得る利益がそれによって非常に大きくなる、そういう見通しから計画されたプロジェクトと、こう考えるわけであります。我々の受けるメリットが非常に大きいということを考えてのプロジェクトだと思います。 そうであるならば、我々といたしましては市民の利益のために、当然この横断道路建設によって先ほどお話ししましたようなデメリットも出てまいりますが、そういうデメリットを解決する努力をしなければならぬ。 私が専門分野としまして分担しなければいけないのは航行安全でございますから、航行安全対策をいろいろ考えてみなければならない。横断道路を建設しても航行安全を確保できるような対策、少なくとも現状に比べて航行安全性が低下しないような対策、それを工夫しなければならないわけでございます。しからば、そういう安全対策は可能であるか、こういう問題になりますが、結論として私は、これまでいろいろとられてまいりました安全対策の進展、安全対策は決して固定したものではございませんで、どんどんどんどんステップ・バイ・ステップに改良されてまいります、進展してまいります、その進展をずっと見てまいりまして、この方法でいけば横断道路の架設、建設に対して安全対策は可能だな、できるな、こう考えております。 先ほど申しましたように、東京湾の交通安全を一つのシステムとして考えるということになりますと、これは東京湾全体としての交通の場としての機能をいろいろ考えて、その機能を果たすために必要な対策を立てるということになります。その機能なり、そのための安全対策等につきましては、これは具体的には非常にたくさんの項目がございます。東京湾を一つの大きな港と考えましても、これは中に六つもそれぞれの商業港があるわけでございますから、これに対する安全な交通路を提供しなければならないという重大な機能もあります。また、先ほども出ましたように、安全な泊地を提供しなければならないという機能もある等々、さまざまの機能があるわけですが、これに対する安全対策を一つ一つつぶしていかなければならない、こう考えております。 その場合に特に必要なのは、横断道路が東京湾の交通システムの一つのサブシステムとして加わるのだという考え方に立つ必要があろうかと思います。横断道路の建設は、航行安全の立場から申しますと、主として人工島の存在という形でシステムに加えていくべきである。この人工島を、障害である、邪魔物であるということには違いありませんが、障害だ、邪魔だという否定的な側面だけを強調いたしまして進めていったのでは、安全対策というものがどうしてもいじけたものになってしまう。ぜひこの際、これをむしろ交通整理に役立つような存在、つまり具体的に言えば、航行援助施設の一つとして生き返らせるといったような考え方を私はとりたいと思います。 横断道路の計画が川崎側がトンネル化したということは大変大きな進歩でございまして、これが一つにはこの横断道路につきまして私が安全対策が可能だ、できるという見通しを立てる根拠になったと言ってもよろしいと思います。 最後にちょっと申し上げますが、安全対策というのは、私は基本的にはトライアル・アンド・エラーでいかなければならない、こういう態度でいくべきものだと思います。したがって、さまざまな具体的対策もステップ・バイ・ステップにいってほしい。しばしば抜本的対策、抜本的見直しといったようなことがよく言われるのでありますけれども、それは私は安全対策に関する限り、取り扱いによってはむしろ危険であるという感じを持っております。つまり、横断道路に関して申しますならば、道路ができたからとって東京湾の交通体系を今とはまるで別なものにしてしまうんだといったようなことでは、これはむしろ危険である。現在の交通、先ほど申しました安全対策というのが非常に進展してまいりますから、その延長線上において考えていくべきである、一つ一つ対策を考えていくべきである。これが一番現実的であり、また正しい行き方ではないかと私は考えております。これが、先ほど来申しました東京湾全体を総合されたシステムとして考えるという考え方とも非常に関係がございます。 大変抽象的になりましたが、以上、私の意見として申し上げます。
○委員長(小山一平君) ありがとうございました。 次に、桐谷参考人にお願いいたします。
○参考人(桐谷新三君) 東京湾横断道路の接岸地に当たります金田から来た桐谷と申します。 実は私は金田で生まれまして金田で育った者でございますが、金田は御承知のように海の状況が昔は非常によかったわけて、たくさんの東京湾の魚が繁殖する場でもあったわけでございます。しかし、四十年代になりまして京葉工業地帯ができましてから海の状況は変わりまして、魚が汚染をされて、水銀公害のハゼが出たり、また季節季節になると東京湾に回遊してきますコウナゴとか、それからタコ類ではイイダコ、そして貝類ではハマグリとか、サルボウとか、そういうものが汚染をされまして絶滅をしたわけでございます。 そして一方、内陸の方では牛込海岸にございました数百年もたつ松が煙の公害によって全部枯れてしまったということで、これは昭和十五年ごろに日本の爆撃機が松につかえて落ちたということで、私たちも見に行ったのでございますけれども、それだけ高さも高い松であったわけでございます。 数日前に、この問題をもう少し研究してみょうと思って牛込海岸、車で五分ぐらいの場所ですから行ってみましたけれども、わずか二キロの場所に現在でもイヌイの木というのが約百本生えています。それをメーターではかりますと、大きいものは根元が二メートル三十、これを見てももう二百年以上のイヌイが、百本も生えている。その間に松が植わっていたわけですから、まず松の数も百数十本あったろうと思う。それが現在では根元も何にもありません。 それで、私が五十六年に金田の区長連合会会長になりまして、横断道の問題を一生懸命やっていこうということで対策協議会をつくったわけでございますが、六十年九月、昨年の九月に金田公民館で、県の道路課によって横断道路の地図が初めて発表されたわけでございます。以前から、横断道の図面というのは東京湾をこういうふうに丸く通っている図面であったから、我々もそうであろうというふうに考えていましたけれども、発表されてびっくりしたことは、湾岸道路の中へ入っているということで、ちょうど金田の地区が四つに分かれてしまうということで、その四つに割られるのも、一つは横断道が入ってくる場所が、前浦と言いますけれども、これはアサリが、稚貝がいっぱいわくところで、毎年毎年、何もまかなくたって自然発生する、これは金田のドル箱でございます。そのドル箱を通過する。 一方の木更津航空隊の方へ行く干潟道路というのは、御承知のように小櫃川河口の希少な底生植物の真上を通ってしまう。それで、もう一方の犬成のインターチェンジへ向かう道路は、これは学校のそばを通ってしまう。そして、もう一方の湾岸道路と言われている市原の方へ向く道路は、これは住宅が十軒そこに並んでいます。ここに図面も持ってきましたけれども、ちょうどその住宅の上を、図面の上では乗る格好になっている。 きのう全部私が回って、様子をもう一遍、きょう来るからということで聞きましたけれども、曽田さんという方は、家を建てたばかりで、先月せがれさんが三十六で亡くなっちゃった。八十のおばあさんがいまして、もう涙を流していて、まあ桐谷さん助けてくれと、こういうふうに私は言われまして、その隣に成田山新勝寺の分院がございますけれども、山口さんという方ですけれども、そのおばあさんも、とにかく私の家は昔からこういうふうに成田の新勝寺の分院で、こういうふうにいわゆる信仰者もたくさん来る。木を一本切るのにもとてもこれは問題があるんだから、とにかくあした行ったら助けてくれるように話をしてくれと、こういうふうに十軒あるうちからみんな、もう涙を流さんばかりにしているというところへ図面を引いたわけで、地元住民でも非常に感情を害しているということでございます。 そしてまた、昨年のやはり九月ですけれども、漁業の中間発表がございました。ここにもございますけれども、私たち漁民が一番関心を持っているのは、中間発表の中でも海洋の問題でございます。御承知のように、みんなが海で生活をしているわけで、海がどういうふうになっちゃうんだろうかということで心配をしているんですけれども、そこで、去年説明されたのがここにございますけれども、いわゆる「人工島の周辺で流れが若干変化するが、湾全体として見ればほとんど変化は見られない」、こういうふうに発表されております。 しかし、私が非常に、私じゃなくて村でもみんな憤慨しているのは、ここに「スチールデザイン」という新日鉄から出した本がございます。これは五十七年の四月一日に出したものです。そこで道路公団の案として省がここで発表していますけれども、やはり同じ文句が出ている。読んでみますと、「人工島付近でやや変化はあるが、湾全体には大きな変化はない」、こういうことです。いわゆるこのスピード化の時代に、四年も前に書き上げた文章をまた今度、漁民はばかが余計いるというふうに考えたのかもわからないけれども、同じものを四年もたってこういうふうに出しているというわけで、道路公団や建設省は我々をどういう考えで思っているかわからないということです。 それから、もう一つ大きな問題は、まず漁業補償の問題が何にも出ていない。それから、どこのうちへ、千二百戸あるから来て聞いてもらってもわかるけれども、どこのうちへ行ったって、横断道路というのは何のためにできるのか、何にも説明がない。だから、道路の問題、地図の問題、何を聞いたって実際何にもわからないということで、これは賛成とか反対とかという論のまず前に、住民が何にも知らないということです。 そしてまた、お母さんたちとか年寄りたちが非常に心配しているのは、もし工事が始まってダンプなんかがたくさん来た場合には子供がどういうふうになるか。いわゆる通学道路といっても、地図を見てもわかるけれども、昔の元禄時代の図面がうちの方にございますけれども、元禄の図面と道路はぴったりです。ただ、耕地整理をしたから新しい道路が少しできたけれども、市街地の道路は元禄の地図と比べればぴったりです。そういうところへダンプがこれから入ってきて仕事をした場合には、恐らくかわいい子供さんが交通事故で亡くなるというようなことも考えられるわけで、これは交通対策も何にも現在のところはできていないというわけです。 非常に私たちは心配をしているというような、以上のような問題がございます。
○委員長(小山一平君) ありがとうございました。 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○浜本万三君 まず最初に、武田参考人にお尋ねをいたしたいと思います。 武田参考人の御意見によりますと、横断道路ができると利便性がよくなるとか、あるいはまた関係地域の経済的発展に大きな寄与をするだろう、あるいはまた首都圏の南側の交通網の確立に役立つであろうというようなお話がございましたので、もう少しその経済効果というものを、数字があれば具体的にお示しをいただきたいということが一つです。 第二は、それによって受けるデメリットもたくさんあると思うのでございますが、当然、工事をやっていくということになりますと、関係地域住民の皆さんに対する対策とかあるいはその他のいろんな施策が必要だと思いますが、進める立場から、どういうことを中心にやったらよろしいか、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。 それから第三は、今回の計画を見ますと、管理をする会社が今度は公団と別にできるわけでございます。政府側の説明によりますと、当面利用料が三千円、十年後完成した時点で四千九百円というふうに伺っておるわけです。そして、三万台の車が走るというお話なんでございますが、果たして採算がとれるのだろうかということと、あわせて、採算がとれないということになってまいりますと、最終的な責任はやっぱりだれかが負わなければいけませんが、果たして最終的な責任は、道路所有者は公団、管理が民間ということになりますからね、その点の問題の解決が果たしてできるのだろうかという疑問がありますが、いかがでしょうか。 以上三点、とりあえずお尋ねいたしたいと思います。
○参考人(武田文夫君) 三つ御質問がありました。 まず、効果がどのくらいかということでございますが、先ほどちょっと申し上げたように、横断道路がなかった場合にもやはり首都圏はそれなりの大きな活動をするわけですからどこかで交通があるわけですが、それを房総半島に機能をかなり展開させ、それと京浜をつなげる、その形で交通を処理するということがありますので、なかった場合の交通の混雑度よりも全体としてはるかに交通の混雑度が減りまして、その時間節約、それから走行経費の節約という全く直接の効果、その中でも事故減少とかその他の快適性の増加とかいうそういうものは考慮しないで、大体において大ざっぱに、建設費を一兆円としますと、三十年、四十年間の間に生じます。そういう直接な利用者の利益というものを時間評価などもしまして計算しますと、大体二兆、三兆円、これは三十年間の次々に出てまいります経済効果を現在価値に引き直して合計したものですけれども、道路をやりますときに普通そういった検討をすることが多いのですが、それでもってコストよりも効果の方が大きければ投資の価値があるということですが、この二倍、三倍という数値は相当大きな数値で、現在そういう効果のある道路はたくさんはまだ残っていない、プロジェクトは余り残っていないというふうに思います。それから、かなりマクロ経済、地域的な地域経済モデルに基づきまして相当詳しい検討もいたしましたが、それによりますと、フルに効果が出たような、横断道路の効果がフルに出て、首都圏における機能の再配置が大体ほぼ完全にできたような状態を想定いたしますと、そのときに日本のGNPを一・三兆円ほど年間で押し上げるという計算が出ております。 それから次に、環境問題でございますが、私、それをまともから勉強もいたしませんし、かつその専門家でもございませんが、やはり経済効果が上がると同時に、地域にはいろいろなインパクトを与える、それを何とかして最小にしよう、そういうことについては私も非常に関心を持っておりまして、そもそも幹線道路をうまく整備するということが、住宅とか市民の生活の中に通過交通、大型車交通が入らないで済むという、道路そのものが環境対策だという面も強うございますので、横断道路とその関連する幹線道路を、環境対策を十分施した上できちんと整備して、それを高速道路体系につなげてしまって、通過交通はそういう自動車専用道路の中に収容されて市民の生活に侵入しないようにする、これが一つあると思います。 それから、道路をつくるときに周辺の土地利用というものをあわせて、都市再開発なりその他いろいろなことをやりまして、自動車交通があっても大丈夫なような機能をそこに設けて、市民の生活と遮断するという方法もありましょうし、それからまたこの房総開発におきましては、房総の立派な自然があるということが房総が首都圏にとって非常に貴重なものでありますので、そもそもそれを壊すような開発は結局全体の目的を壊してしまう。したがいまして、積極的に開発すべきところ、それから利用させながら自然を守るところ、そして自然を絶対に守って利用もさせないところというふうに区分けをしまして、地方自治体、中央官庁、そして市民、そういうものが協力して首都圏の房総半島を立派に生かしながら守るという、そういう難しいけれども非常にやりがいのある課題をやるべきだと思っております。 管理する会社の問題につきましては、私、実は責任あるお答えができず、既に役所と、そもそも国会において十分御審議になっていると聞いております。 私は、大体採算は、開発の適切な誘導さえあれば合うとは思っておりますが、お答えはその辺にさせていただきます。
○浜本万三君 もう二つお尋ねするんですが、一つは、これだけの大きなプロジェクトが進みますと、またもや首都圏の土地の高騰と同じような現象が周辺地域に発生するんじゃないかという心配がございます。そういう予想があるとするならば、当然これを抑える政策をとらなきゃならぬ。大体公団が買う土地は高いんですよ。それで周辺に大変な地価高騰を呼び起こしておる原因にもなっておるんですが、その対策はどう考えられておるかということが一つ。 もう一つは、さっき通勤圏ということで房総地区を結ばれたわけなんでございますが、今申したように、料金が三千円、完成時約五千円ということになって、果たして通勤に利用できるだろうかという疑問もあるんですが、あわせて承りたいと思います。
○参考人(武田文夫君) まず地価についてでございますが、確かにおっしゃるように、こういう房総半島の価値が非常に上がってくるというと、自然にそれが地価に反映されるということもございますし、それをもとにして投機的なことをやる人もいるとは思います。しかし、今まで首都圏が非常に土地が不足しておって、そこに少なくとも人口増加に対応する新しい十万ヘクタールの土地が最低限必要だというときに、もしも房総半島が使えなかったら、それのそういう新しい需要というものが地価にどういう影響を与えるかということを考えますと、エコノミストとしては、これは非常に大きな地価の上昇がある。それに対して房総空間というものが、使い得る空間として首都圏の土地に加わるというふうに考えますと、供給がふえるわけですから、地価を抑制する要素はもちろんある。ただ、おっしゃるような投機その他によるいろいろな思惑による適切でない高騰があるということはあると思いますので、国土利用法に基づくいろいろな権限も知事なり役所にございますし、これについてはぜひとも地域自治体その他において、地価の適正な対策をおとりくださるということを私も希望しております。 もう一つは、通勤にはとても三千円払って行けないだろうとおっしゃる、そのとおりだと思います。私はむしろ、やはりさしあたり高速バスというものがよろしいのじゃないかと思います。高速バスは高速道路の上ではもう十分な速度を保てるわけで、あとのアプローチをしっかりした道路、アクセスさえつけておけば、非常に効果のあるものであるし、収容力も多うございますから、現在の公団の持っているような料金体系から考えましても、それが一車当たり四十人、五十人の頭にかぶせられれば十分やり得るという計算はしております。
○浜本万三君 ありがとうございました。 次は田尻参考人に伺うわけでございますが、私はあなたの御意見を伺いまして大変参考になりました。特に、五つなさいました御提言などは、今後の行政に大いに活用すべき課題だと、かように思っております。したがって、全く賛成の気持ちが非常に強いので特にないんですが、二、三、状況の問題についてお尋ねをしたいわけです。 その一つは、先ほど東京湾の現状についてお話がございました。私、伺いまして、大変危険だなという印象を持ったわけです。特に、東京湾における総合的な交通安全システムがないということはもう決定的だというように思います。お説にありましたように、瀬戸内海でも大型タンカーの規制につきましては、相当厳しく規制をいたしまして、大型タンカーについては特に出入りの規制時間というものを設けておるわけですね。だから、東京湾にそういう規制がないということは、これは大変危険だというように思います。 そこで、事故の問題はこれははっきりあらわれますからわかるんですが、もう少ししたらあるいは事故が起こるのではないかという、航空におけるニアミスのような状態になっておることも多いんじゃないかと思いますが、そういう危険性の度合いについてまずお尋ねをしたいというのが一つです。 それから、総合的な交通システムをつくるためには、行政としては今直ちに何をやるべきかということについてお尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(田尻宗昭君) 東京湾の危険の状況についてまずお尋ねですが、例えば日本海難防止協会という大変権威のある海の専門機関がございます。ここの報告書の中に、浦賀水道は幅が七百メーターである、しかしながら年々タンカーが大型化してきまして、その七百メーターの幅に現在のタンカーの操船能力は超えていると。 例えば二十万トンタンカーでは、かじをいっぱい切りましても一千メーターの旋回幅が要ります。例えば、ラッシュ時には前後にもう船がひしめいて走っておりますけれども、前の船が突然エンジン故障を起こした、あるいはかじが故障して横を走っている船が前路に出てきたというような場合に、エンジンをとめていたんじゃ間に合わないんですね、とまるのに四千五百メーターもかかりますから。そうすると、それよりはかじをいっぱい切るという方が有効であります。ところが、ぎりぎりとっても千メーターの幅が要るのに航路幅は七百メーターしかございませんから、当然これはもう避難、いわゆる衝突を避けることはできないはずであります。ですから、日本海難防止協会の報告書ではこのことについて非常にはっきりしたことを言っておりまして、浦賀水道の幅は二千八百メーター必要である、しかしながら七百メーターしかないので巨大船通航はほとんど不可能か大きな困難性がある、こう言っている。 これは、かつて昭和四十五年に衆議院で橋本運輸大臣が、東京湾には十万トン以上のタンカーは入れたくない、入れませんとおっしゃっておる。私たちは、この七百メーターという旋回幅に見合うトン数は五万トンがぎりぎりだと思う。そういう状況の中で入ってくる巨大タンカーは、横須賀パイロットの大須賀さんあたりに聞きますと、おっしゃったようなニアミスが再三ある、よくもあそこで衝突が避けられたものだというようなことが随分あるとおっしゃっております。しかし、浦賀水道でも現に毎年八件ぐらいは海難が起こっております。東京湾全体でも、例えば昭和五十八年に九十五件の海難が起こっております。ですから非常に危ない状況であることは現実だと私は思っております。 それから、湾内ではとにかくぐるっと港がありますから、今までにない例えば自動車航送船とか、非常にあれば操縦性能が悪いです、あるいは漁船、タンカー、貨物船、あるいはいろんなものが入り乱れて、船のオンパレードです。ところが、防波堤を一歩出ますと東京湾内の大半の水面ではどういう交通規制があるかというと、ただ一つ海上衝突予防法であります。それは二隻の船がこういうぐあいに横切った場合にどちらが相手をよけなくちゃいかぬかという世界共通の法律であります。これは相手を右に見る方がよけるのであります。相手を左に見る方は真っすぐ走るんです。これしかありません。ところが、これもパイロットが証言しておられますけれども、東京湾では三隻が向かい合うということはしばしばであると。そうすると、一隻の船から相手を右に見る場合と左に見る場合が同時に起こる。そうすると、自船にとって一体相手を避けていいのか真っすぐ走っていいのか、もうそこでは国際ルールは役に立たない。したがって、東京湾の大半の水面ではこれを処理する有効な交通規則はないということであります。これははっきりした話です。 ですから、今東京湾内の船舶が非常に困りますのは、自動車と違って、いろんな操船性能がばらばらであります。例えば自動車航送船なんかはごらんのように全く大きな箱型でありますから、スピードも旋回性能も違う。小型船は小回りがきく。大型船はもうほとんど小回りがきかない。そういう船がばらばらに入り乱れているので、相手をどういうぐあいに避けたらいいかというのはほとんど現場の船長の勘に頼っている。これが現実であります。したがって、今申し上げたことは具体的にそのことを申し上げたつもりであります。 それから、ではとりあえず何をしたらいいかということでありますけれども、正直に言いまして、東京湾で最大の問題である避難錨地が足りないという話はもう名案がございません。二百三十五隻分要るのに百二十六隻分しかないということは、これはもうだれが考えても名案がございません。ですから、例えば局所的な治療ではもう何ともならない。よほど発想を転換して根本的な対策をしなければならぬ。そのためには、思い切って東京湾に入ってくる大型船のトン数に歯どめをかけるか、あるいは入ってくる隻数に歯どめをかけるか、かつてない対策をやらなければこれは無理だと思います。 しかしながら、これをやるには相当な海洋政策の転換を行わなければそう簡単にできないと私は思っておりますので、事実はこれについては正直に言えとおっしゃるならば展望は暗いと思うんです。しかし、それをやらないでこういうような航路障害物をつくり、その限界を超えているのにさらに避難錨地を減らすということについては、私はこの裏打ちがよほど根本的な発想の転換がなされない限り危険を増加させるだけだ、そう思います。 それから、かつて運輸省が環状航路というのを提案したことがございます。東京湾の中を何といいますか、ぐるぐるぐるぐる一方交通で船がいわゆる環状型に航行する。これは私は一つの案だと思います。業界の反対もあって実現をしなかったと聞いておりますけれども、そういうようなこともできないことはないわけでありますが、しかし私は、これはさっき言いました最大の問題である避難対策には役に立たないと思います。 それから、一つ、お尋ねを外れますけれども追加させていただきますのは、人工島の航路障害物に対して私たちが現場で一番困るのは、地図の上ではいろんなことができると思いますが現場で一番困るのは、現場とその決められたルールとが非常に乖離することが多いんです。例えば、東京湾に入ってきますと、三マイル以内のレーダーの範囲では映像の分離能力が極めて悪くなる。つまり、映像がくっついちゃってそして識別ができなくなるんですね。ですから、霧がかかったようなときにこの人工島のそばに来ますと、場合によってはっきりレーダーに人工島がほかの船と入りまじって映らなくなる場合がある。こういうときに私たちは一番心配します。 それから、大型船なんかはそういうような非常に腰の重い船でありますから、一つのものを避けるためにははるか何キロも前から航路を変針してこなくちゃいけない。ところが、浦賀水道へ入った途端に大型船はもうエンジンをとめなくちゃいけません。惰力で走っているわけです。そういうときに前方の航路障害物をよけるためにはかなり大幅な変針をしてこなくちゃいけない。そうなると、今でも湾内の交通が入り乱れている中で、この航路障害物が意外に大きな影響を与える。これは現場サイドの体験に基づくお話であります。 ですから、もう一度繰り返しますが、すぐできるような安易な対策は残念ながらない。だから、東京湾を根本から見直すような発想の転換をするチャンスでもあるけれども、それをしないで単に局所的な治療だけでこういう障害物が実現すると、我々が恐れている海難が発生した場合に、これは海上では済まない、陸上災害にまで及ぶ危険性がある。それは海上保安庁みずからが白書で明快に語っている、そういうことでございます。
○浜本万三君 ありがとうございました。 桐谷参考人にも伺いたいと思っておったんですが、私ちょうど十五分まで時間をいただいておりますので、他の方が伺うと思いますので、私からはこれで終わります。
○井上孝君 自民党の井上でございます。きょうは貴重な時間をお割きいただきまして貴重な御意見を承り、まことにありがとうございます。 初めに、武田先生に御質問というよりも御見解に対して私はまことに賛成でございますし、特に東京を中心とする交通を見ますと、私は一番足りないのは環状道路である、放射道路はある程度ありますが、環状道路がない。したがって、都心をバイパスする交通が都心を通らざるを得ないというのが東京の交通の最大の欠陥だと私は思っておりますが、この東京湾横断道路に武田さんは南回りバイパスという表現でバイパス機能がある、環状機能があるということをおっしゃいましたが、まことに私は卓見であると思いますし、東京湾横断道路に一つの大きな意味を与えるものだと、こう思います。その点は質問はいたしません。 ただ、先生がおっしゃいました、房総空間を住宅とかあるいはレクリエーション、そういったものに役立てるのにこの東京湾横断道路が大変意味を持っておるという御意見でございましたが、それにしては何となく、私の知識不足かもしれませんが房総半島の土地利用計画というものが余りはっきりしたものが立っていないんじゃないか。不明にして私が知らないのかもしれませんが、それを早急に立てる必要があるんじゃないか、東京湾横断道路を前提として。そういう点について武田さんの御見解を承りたいと思います。
○参考人(武田文夫君) ただいま井上先生からの御質問ですけれども、私も実は房総について首都圏全体の立場あるいは日本の全体の立場から見て、この房総が非常に貴重な空間でありそれをどう生かしながら保全していくかということについて、地方自治体においてその意義を十分把握されているかどうかについてまだ私も若干疑問を持っていることもございます。恐らくは着工がこのような運びになっている段階でその点を非常に厳しく今勉強されているんじゃないかと思いますが、現在までのところ、一体どこが本当に最終的保全なのか、どこが利用しながら利用させながら保全なのか、どこが積極的開発なのか。例えば私などは木更津周辺の新都市というものを、すばらしい都市をつくるということを望んでおります。 例えば私、サンフランシスコに若干いたことがありますが、あそこに橋ができまして、ゴールデンゲートブリッジからオークランドその他のベイブリッジができまして、この対岸のオークランドですとかサウサリートというところでいろいろな開発が行われておりますが、例えばサウサリートなんというところはちょうどすばらしい芸術家とか高齢者の金のあるような人たちが住む別荘であり、同時にしゃれたショッピングセンターがあってレクリエーション地帯でありますが、実に美しい都市ができております。 例えば、木更津のどこかにそういう種類の美しい都市をつくるとか、あるいは対岸の勝浦、その裏の高原地帯にどのような新都市をつくるかとか、あるいはここはもう自然をそのまま探勝地帯に残すとか、そういうことが早いこと非常に立派なイメージづくりに基づいて地域計画が立てられ、そうしてそれが厳密に守られるということが横断道路というものを生かす道でもあるし、それ以上に房総空間という非常に貴重なものを生かしていくという本当の道だと思いますので、これはぜひ先生方にそういう点をひとつお願いしたいと存じております。
○井上孝君 後ろの方にきょうは建設省や国土庁が来ていますから、今の武田さんの御意見のように、横断道路の計画だけ立てるんじゃなくて、やはり千葉県とか国土庁とも相談して房総のはっきりした将来計画をつくるように努力をしていただきたい。後ろの人に言っておきます。 それから、次に田尻先生に伺います。 田尻先生の御意見、非常によくわかるんです。確かに東京湾は大変危険な湾で、私はそれは否定いたしません。いろんなタンカーなどが来て非常な航行混雑をしておるということはよくわかるんです。それで、横断道路、ああいうものをつくれば邪魔にこそなれプラスにはならないんだというような御見解のように私は承った。それに対して谷先生は、むしろこの東京湾横断道路を契機として東京湾全体の錯綜状況、交通状況を見直して、そしてむしろデメリットもあるだろうけれどもメリットをひとつふやしていこう、こういうようにお二人の見解はベースは同じなんだ、東京湾が危険だということで。しかし、この横断道路に対するお考えはまるっきり反対みたいに私は受け取りました。 そこで、田尻先生に具体的にひとつイエスかノーかで伺いたいんですが、あなたは東京湾横断道路、十キロをトンネルにしたことは評価なさいましたが、人工島が邪魔だ、危険だとおっしゃいますが、それならば今羽田沖にどんどん埋め立てをやっております、十三号埋立地の前にもどんどん埋め立てをやっておる。あそこは東京港に入る船がいっぱい錯綜している。ああいう埋め立てにも御反対なんですか、どうですか。
○参考人(田尻宗昭君) 私は、基本的には、もうこれ以上東京湾の水面を減少させるような計画には原則的には賛成できません。しかしながら、比重が全然違います。といいますのは、東京湾の中で、さっき谷先生もおっしゃいましたけれども、川崎、横浜の沖合が最も過密でございます。これはもう圧倒的にあそこに集中している。なぜかなれば、川崎港は日本でも恐らく最高に油の受け入れの多いところでございます。横浜港は日本で神戸と並んで最も国際的にも大きな港、つまり京浜港というのは我が国最大の港でございます。したがって、このちょうど横断橋のかかる川崎側の水域が航空写真等によっても最も過密である。その過密な川崎の五キロ沖というのがしかも船舶の最も集中海域でございます。 例えば東京、千葉から出てまいる船があそこを通ります。あるいは北行する船、川崎に入る船、そういう集中海域に人工島ができるということが、例えば東京港の入口にできるよりもはるかに危険度は大きいということでございますので、私は実態的に申し上げてその人工島に対する対策というものがよほど明らかにならなければ現在の危険性をさらに増加させる、これについては具体的な対策が裏打ちされなければ私たち現場で、海上保安庁で本当にこの事故に悩み、その事故を自分の手で処理し、そうして同じ仲間を事故で失ってきた立場からしますと、何ともこれは切実な要求であって、私個人の意見と言うよりはこれは私たち船舶に携わってきた人間の共通の意識であるということを感じております。
○井上孝君 そうしますと、人工島の場所が悪いということですね、川崎沖という一番航路上ふくそうしているところにある、こういうことでございますね。 そこで、もう一つ田尻先生に伺いたいんですが、あなたがおっしゃった四十九年の建設省の調査、これはたしか四十六年の運輸省の東京湾安全対策調査報告というものをベースにしていると思いますが、その後、昭和五十八年の台風五、六号のときにさらに詳細な調査をして、避泊のできた船が三百三十二隻だと。それに対して横断道路は、前の橋のままの場合の計画ですが、どのくらいの影響がある、避泊能力をこのあれでは二海里幅として一六%減少させる。その前の四十六年のやつは、先生おっしゃったように三分の一に減ってしまう。そういう新しい調査の結果は御承知でございますか。
○参考人(田尻宗昭君) 大体承知しております。 しかしながら、四十九年の報告書は、一部修正はされたものの基本的には非常に正しいと思っております。なぜかなれば、それぞれに使われたデータは建設局の報告書が独自に打ち出したものではなくて、その前から日本海難防止協会がつくったようなデータ、例えば船が走錨して乗り上げることを防ぐためには、いかりを入れる場所はそういうような湾岸や橋から二マイル、つまり三・六キロ離しなさいというようなデータ、あるいは大型船は二千五百メーターのスペースが要りますよ、中型船は千六百五十メーターのスペースが要りますよ、そういう基礎的なデータは私は疑問を持っておりません。そういうものをベースにしてつくられた昭和四十九年の建設局の報告書は、私、非常に正しいと思っております。 しかしながら、先生のおっしゃるように、その後若干のデータを補足して若干の修正をいたしたとしましても、やはり現在東京湾の錨地が足りない、それを減少させるということには何ら根本的には変わらないと思っておりますので、これは我我海運関係あるいは海洋関係の人間も一致した受け取り方をしておりますので、その点はあの報告書を根本的に否定するものではない、その後の報告書は一部修正があっても根本的には否定していないというぐあいに受け取っております。
○井上孝君 その点は、そうすると五十八年の調査は余り評価をなさらないというふうに受け取っていいんですか。
○参考人(田尻宗昭君) 評価はしておりますけれども、根本的なことは変わっていない。つまり、東京湾の避難錨地が現在でも足りない、それを減少させるという点は変わっていないということを申し上げております。
○井上孝君 ただ、結果として四十九年のやつは避泊能力が三分の一に減ってしまうということなんですね。五十八年の方は一六%減る。これを一海里にすれば四%しか減らないというようなことですから、結論は相当大きく違うと思うんです。ここは水かけ論みたいになりますからこの程度にとどめておきますが、何かの機会にまた御意見を承らせていただきたいと思います。 それで先ほどの人工島に戻りますけれども、谷先生、先ほど田尻先生のおっしゃったことも含めながら、むしろ横断道路をつくることによって東京湾の航行問題の一つの解決の、解決といいますかプラスに、東京湾の航行だけじゃなくて交通全体に大きなメリットがある以上、この人工島のデメリットを減らす工夫をすべきだというような御意見がございましたが、もう少しそこのところを、人工島を航行整理に役立つようにするというようなお言葉もあったように思いますが、具体的にどういうことを意味しておられるのかお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(谷初蔵君) 具体的に申しますと、例えば人工島をつぶすのではなくて、もちろん人工島を使わないでああいう横断道ができればそれは一番いいことでございます、現在の技術ではそれができないということになりますと、なるべくならば人工島の障害になる幅を小さくするというような技術的な問題が一つありますと同時に、航路標識の一つとして使うということでございます。航行援助施設と言ってもよろしいと思います。その航路標識の内容につきましては、使い方によりましてはこれはさまざまございます。光、音響、情報等々できるだけ伝達できるような施設にすればよろしいかと思います。
○井上孝君 わかりました。ありがとうございました。 最後に、桐谷さんに申し上げますが、こういう大きなプロジェクトが建設されますと、環境が大きく変わるというのはこれはもう当然のことでございます。何も相談なしに、皆さん方の御意見もなしに、ある日いきなり行ってダンプトラックが走り回るというようなことはないと思いますし、これからこのプロジェクトが軌道に乗れば、十分に皆様方の御理解を得ながら、地元が反対すればなかなか仕事はできませんから、代替施設とかそういうものを十分御説明をし、御理解を得ながら仕事をやる。これは、道路公団がやる場合も建設省がやる場合も全部そうでございます。 したがいまして、今の段階ではまだ十分な御説明がいっていないと思いますけれども、どうかひとつ地元の方をおまとめいただいて、積極的にそういうものを説明を受け、そして住民の皆さんに御説明なさる。元ですか現ですか知りませんが連合会長もおやりになっておられるようですから、そういうようにお願いを申し上げたいと思います。 ただ、今の段階でノリがなくなるからとかそういうことで反対反対というお立場ばかりを主張なさるということには私どうも賛成いたしかねます。質問じゃなくて意見だけ申し上げておきます。 私の質問を終わります。
○馬場富君 参考人の皆さん、大変御苦労様でございます。 最初に、谷先生と田尻先生に、両方とも共通点でございますのでお伺いいたします。 先ほど両先生から、東京湾のいわゆる航行安全あるいは海上の安全確保のための御意見が出されました。特に、横断道路をつくるに当たりまして当面、お二方の意見を聞いておりましても、私たちは今まで審議をしてまいりまして、問題点となるのはやはり東京湾の航行の問題になってくると思うんです。特に、先ほども意見が出ておりましたが、東京湾の西側と東側を比べてみまして、どうしても中央から川崎寄りが深くて航行が、航路がそこに集中しておる。そこにどうしても危険性の問題が出てくる。そこで、やはり横断道路をつくることによって問題となるのは、二つの人工島が私は航路障害の問題になると思うんですね。お二方の意見を聞いておりますと、谷先生の場合は、人工島は確かに海上航行上問題がある、だがしかしこれは、これをつくることによって航路の一つの援助施設としてまた転換できる方法もあるのではないかという御意見でございましたが、その点谷先生の方から、その問題につきましてもう一つ突っ込んだ御意見を賜りたいと思います。 それから、田尻先生の方は、これが投錨等にも非常に大きい影響を与えておるからこれは非常に大きい損失であるという御意見でしたが、やはり人工島の二つを、航路安全上の立場から、何をかできた場合に安全性を確保するためにも避けていく方法として何かよき方法があるかどうか、御意見を賜りたいと思います。最初に谷先生から。
○参考人(谷初蔵君) 人工島の安全対策上の具体的な対策という御質問だと思いますが、人工島そのものを、先ほど井上議員から御質問がありましたときに、航路標識として使うということでありましたが、もう一つの考え方は、人工島が二つあることによりまして。船舶の交通路はそこでちょっと絞られる格好になるわけでございますが、それが逆に私は船の交通の整流作用に非常に役に立つのではないか、交通量を整流するということに非常に役に立つのではないかと思っております。 これは、私としましては、例えば瀬戸内にかかっている橋の問題なんかにも共通して言えることでございまして、あれも整流作用になる、逆に整流作用としてメリットが出てくるかもわからない、そういうふうに私は見通しております。
○参考人(田尻宗昭君) 私の感想としましては、ただいまの谷先生の御意見は、それはそれとして一般的には私は同感できる部分がございます。しかしながら、それには条件があると思うんです。例えば非常に制約されていないかなり余裕のある水面で航路障害物に逆に交通の流れを、例えば中央分離帯と言えば非常によくわかると思いますけれども、道路の中央分離帯のような役目をさせて、そうして北へ行く船と南へ行く船を右側通行させるというようなことはあり得ると思うんですね。そういう意味では、一般的には航行援助施設としてそれを役立てるということは私は否定いたしません。 しかしながら、そのためには、もともとその付近の交通の流れというのがその航行援助施設によってきちんと整理される、非常に流れがそういうぐあいに守られるという前提がなくてはいけないだろう。それからもう一つは、その付近にちゃんとした交通ルールが設定できるという保証がなければいけないだろう、こう思うわけです。ところが、現在は東京湾はもう私が今申し上げたように、既に非常にルールのない、まあ言葉は悪いんですけれども無法状態というような形で運航されている。そういう点では、台風のときの錨地も限界状況を超えているし、それから現在、再三申し上げますが、二百三十五隻分が百二十六隻分しかないということをとらえましても限界を超えている。それから交通の流れももうまさに限界を超えて、非常にニアミスを繰り返しているというような状況の中で、航行援助施設として使うからには、よほど全体の交通に対する整理あるいは基本的な見直し、そして船舶の総量規制、避難地対策等の前提を整理しませんと、それはむしろ航路障害としての危険な側面の方がはるかに大きいだろうと思うわけです。 今、谷先生のおっしゃったことは、ですから学問的な立場、あるいは基本的な一般論としては私は否定いたしませんが、私たち現場でじかに船舶を運航してきた立場からしますと、えてしてそういうような対策というものは現地では裏目に出ることが多いですね。 例えて言いますと、今レーダーが普及したための海難増加という面が、これは信じられないような面が起こっている。それは何かと言いますと、これはやっぱり現地特有の問題でありまして、レーダーをつけていればつけていないよりは安全ではないかと思うのが普通なんです。ところが、レーダーを過信する余り、今度は見張りを怠るんですね。ところがレーダーは、さっき言いましたように、東京湾のようなところに入ってきますと今度は、船の映像がくっついちゃう、あるいはゴーストと言って全然ないところに虚像が出るというようなことで、三マイル以内のレーダーの範囲では、まず私たちは信用すべきではないと思っているわけです。ですから、本来あるところにある障害物が映らなかったり、あるいはほかの船と誤認したりして、レーダーを過信した海難というのが逆にふえている。 そういうことを考えましても、この人工島を航行援助施設として使うためには、東京湾全体の総量規制の問題、あるいは交通対策の整理統合の問題、あるいは東京湾を一つとして考えた安全体制の問題、そういうものがすべて完備されないとそうはならないだろうというのが現場の私たちの実感でございます。
○馬場富君 そこで田尻参考人につけ加えましてお尋ね申し上げますが、何というか、東京湾が船舶の投錨の箇所で限界が来ておるという点が何点か指摘されました。特にこの横断道路の場合、台風の待避地としての東京湾ということを考えてくると、そういう点では大変一つは心配な面があるんですが、この点田尻先生と、谷先生からも投錨の問題と台風等の避難地としての東京湾、いいかという問題をお尋ねいたします。
○参考人(田尻宗昭君) 東京湾というところは船舶の避難錨地としては、数を減らしてそしてそこに入ってくる船舶の大型船舶に一つの歯どめをかけるならば、東京湾は非常に静かなところでございます。したがって、錨地としては必ずしも悪いとは申しません。 しかしながら、非常に大事なことは、東京湾は南風が非常に強く吹くという特性を持っておりますから、船舶はともすればいかりだけで台風や暴風雨には頑張っているわけですけれども、そのいかりというのは現在必ずしも決定的な力を持ちません。例えば海底に落としたときに必ずしもつめが海底をかいてくれるとは限りません。あるいは底がヘドロですといかりがそれをがっちりと把握する力が弱い。特に岩盤ですともうつめなんていうのは意味をなさないわけです。そしていかりが滑り始めると、これはいかりを切断して船体だけで逃げなくちゃいかぬということになります。 そうしますと、東京湾特有の、南の強い風に対する走錨ということを私たちは非常に心配するわけであります。ですから、川崎、横浜あたりの沖合に、現在でも空から見ますと相当な船がいかりを打っていますけれども、それがそういう風にあおられて走錨を始めたときには船舶同士が衝突するということがありますから、そういう意味では避難錨地としては、海面が静かであるという点だけは評価できますけれども、混雑している点ではもはや錨地としての役をなさなくなっている。特に巨大船は今錨地を探すのに大変でございます。それこそ何時間も錨地を探して歩くというような状況であります。したがって、特に東京湾の西側というのは錨地としては極めて適性を欠いておる、こう思います。 それから、一つ申し忘れましたが、人工島に対する避難錨地の問題でございます。一つつけ加えますと、こういうようなものが一つありますと、とにかく船というのは風に対してその近辺にいかりを打つことはかなり避けなくちゃいけません。これは走錨でなくても、船舶はいかりを入れた途端に非常に操船の安全性を失いますから、他船が衝突をするという危険性も出てきますのでいかりを打ちかえたりしなきゃならない、その間に船が流されるということもありますので、こういうような人工島からは今までの公知の事実としては三・六キロと言っていますが、その周辺はいかりを入れないというのが常識でございます。そうしますと、さっき言いました東京湾の避難錨地としての価値がますます少なくなるだろうという点では、私はさりきお尋ねの避難錨地としてどうかということについては、現状では適性を欠いておる、こういうぐあに申し上げます。
○参考人(谷初蔵君) 避難錨地が人工島を設けることによりまして若干減少すること、これは否定できないことでございます。しかし、その問題はむしろ、東京湾全体の避難錨地が現在でも既に満杯以上でどうにもならぬという問題をまず考えるべき問題だと思います。 その点では、先ほど田尻さんがおっしゃったように、総量規制の問題がこれはもう前からあって、私も総量規制について一時ちょっとある会合で関係したことがございますが、総量規制といったような、とにかく出入する船の数を減らすという以外には打つ手はない、こう私は考えております。
○馬場富君 今先生方の御意見を聞いておりまして、東京湾横断道路ができる、田尻先生は百歩下がって考えて、できたならばという案もありましたが、そういうことから言ってやはり横断道路も問題ではあるけれども、それはできる以上障害になるわけです、やっぱり東京湾全体が一つは限界に来ているという意見を先生方の意見から私はうかがいとれるわけです。 だから私はそういう点で、先回もこの委員会で、横断道路そのものができることは全然ゼロではない、やはり環境に及ぼす影響は大きいという点を指摘しました。しからば、これをつくることによって、一つは東京湾が首都圏の最大の環境である、ここが悪くなれば東京全体も悪くなってしまうという立場から、これを契機として、重要な海上航路あるいは漁業資源あるいは貴重な自然空間のこの東京湾をより多く守るために、私は今の、ところどころの開発プロジェクトのそういう対策ではなくて、やはりこれを一つとした、大きい一つの環境としてこれを守るための立法措置を、総合環境整備というか、そういう立場から東京湾を守るという立法措置を講じていく必要が今出てきておるのではないか、こういうふうに痛切に感ずるわけです。 だから、横断道路の問題も一つあるけれども、やはりそれ以上に東京湾は危機に瀕してきておる。私もかつて田尻先生と一緒に伊勢湾の汚染問題に取り組みまして、狭い伊勢湾の師崎水道あたりをLNGタンカー等が通った場合に非常に危険性があるということを主張してきた一人として、それ以上に危険性を持つこの東京湾について総合対策がこの横断道路を契機としてつくり上げられなければならぬ、そういうふうに思いますが、両先生の御意見を賜りたいと思います。
○参考人(田尻宗昭君) 同感でございます。ただ、一言申し上げるならば、そういう東京湾の海の安全対策の総合化、総合対策の確立ということは、言うべくして非常に私は難しいと思います。私は海洋人の一人として、残念ながら日本は海洋国家としては恥ずかしいほど海洋政策はおくれておると思います。 これはもう時間がありませんから一々申し上げませんけれども、私たちは現場でそれを痛感し続けてまいりました。その意味では、この東京湾の海上の総合安全対策を確立するということは、よほど我が国が性根を据えて取り組まなければおざなりに終わってしまうということを、私たち海の人間は痛感し続けてまいりました。今、日本全国の沿岸で起こっている海難は二千隻を減りません。大体二千隻、横ばいであります。その海難が皆私たちの仲間であります。そういうことを考えましたときに、これは本当に道が遠い、その意味ではお説のとおりでありますが、ぜひひとつ御理解をいただいて、東京湾の海上の安全対策の総合的確立ということを心からお願いをしましてやまないということをつけ加えて、とにかくその点では同感でございます。
○参考人(谷初蔵君) 私も全く同感でございます。
○上田耕一郎君 参考人の皆さん、どうも御苦労さまです。 桐谷参考人にお伺いしますが、木更津の人工島は長さ六百メートル、幅百メートルといって、かなり大きなものになりますね。そこから橋がかかって橋脚がずっと立つわけですね。この間私ども委員会も船に乗って近くまで行ったのですが、桐谷参考人のお話では、橋がつくところの前浦というところは稚貝がわく大変大事なところだと言われた。それからもう一つ、船の上から見ても、ノリ養殖をずっとあそこはやっているわけですね。 稚貝に対する被害、それからノリ養殖に対する被害状況、もしできた場合の。 それからもう一つ、金田地区のすぐ隣の袖ケ浦に今水銀ヘドロ、これは有名なあれがあるわけで、橋の建設工事で潮流が変わって水銀ヘドロが流れ込むおそれがああのではないかということも現地では心配していると聞いておりますけれども、稚貝の問題、それからノリ養殖への被害、それから水銀ヘドロ問題、この三つについてお考えをお聞きしたいと思います。
○参考人(桐谷新三君) それでは稚貝の問題の方からお話ししますけれども、これは工事になれば当然現在沈んでいるヘドロがわき上がるということで、海洋生物学者のお話によりますと、このヘドロは十年ぐらいはまず鎮静化しないだろうということで、非常にヘドロの心配をしております。御承知のように現在でも非常に漁場がヘドロになっております。海へ行ってみればわかりますけれども、アサリとりをこうやっていても、アサリをとる、かなどと言いますけれども、その道具を動かしただけでもわあっとヘドロがわき上がっちゃうということで、これは工事になればそのヘドロでまず稚貝は窒息するだろうということは漁民の間でもみんな心配しております。 それから、水銀ヘドロでございますけれども、これは御承知のように五十万平方メートルにも、ここに新聞がございますけれども、七十万平方メートルにも広がっております。一部は千葉市の生浜というところに揚げたという新聞の報道もございますけれども、まだまだとても相当あるというふうに見ております。東京湾の海流は時計回りでございますので、袖ケ浦から金田の方へ海流は回っております。したがって、人工島でせきとめられるということになると、当然この海流が集中化するということで、さらに水銀ヘドロが流れ込む可能性があるということで、現在でも漁業組合で水銀とPCBの検査をしております。御承知のように、現在では潮干狩りの場所は金田だけになっておりますので、もしそういう問題ができると、漁民だけでなしに、せっかく潮干狩りを楽しんでいるいわゆる近郊の、現在では大宮、栃木の方からも来ますけれども、そういう人たちも非常に健康の面でも危険であるということも考えております。 それからノリは、人工島がどういうふうにできるかということでまだはっきり、現在では七ヘクタール、それよりも大きいというふうには伺っておりますけれども、さらにそれが現在新聞とか週刊誌で騒がれているように大型化するということになると、まずノリの養殖はほとんどだめになるだろうということです。それは前回にもお話ししましたけれども、まず海のうねりがなくなってしまうということで、現在でもノリ網を張って、そのノリ網を今度、揚げたときに見てもらえばわかりますけれども、ちょうど秋口にノリの種をつけて張った網を冷凍庫に入れるために一たんおかへ揚げます。そうすると、もうそれがどろどろになってしまって、本当に泥っ田の中からノリ網を揚げたような格好になっている。ヘドロをノリ網がかぶってしまって、ノリをとるには本当にもうみんな大変な苦労をしています。毎日薬を持っていって、ノリ網を洗ってはまた張り直す。何遍も何遍もやってもまだヘドロで追いかけられちゃうというような関係で、まずノリ網、ノリと種、それから稚貝、これはもう本当に想像できないような被害が私は出る。私だけでなしに、金田に来て聞いていただけばわかりますけれども、どの漁民に聞いてもまずだめだろうと言う人が一〇〇%でございます。
○上田耕一郎君 報告書を読むと、ノリの生育についてはいろいろまだまだ生態上不明なところがかなり多いというふうに書いてあるんですね。温度だとか、それから波浪、波だとかいろいろ影響があるんだけれどもなかなか、これは中間報告に詳しく書いてあるが、わからぬところが多いということですね。 ノリは何かさざ波が非常に影響があるということで、ヘドロだけでなくて、今度橋脚ができてまた人工島ができて、さざ波などにも影響があるとノリ養殖に影響があるのではないかと聞いておるんですけれども、その点はいかがですか。
○参考人(桐谷新三君) これは、先ほども申し上げましたように、さざ波があるとノリ網のヘドロは自然に落ちるわけです、波にもまれまして。水面に網を張ってありますので。ですから、五キロの場所へ島をつくられますと、どうしてもこれは、さざ波が完全にとまるということはないけれども、恐らくとまる率が多いというわけで、その年々の気象の変化によって違いますけれども、年によるとなぎの多い日がございます。なぎといって風がほとんどない日が秋口は随分続くわけです。そうするともうノリは腐ります。そして気象条件によって風の多い年というのは比較的ノリが当たるわけです。というのは、酸素も吸収するし、ノリ網についているヘドロがどうしても波で洗われるときれいになるということでノリが当たりになりますけれども、波の効果というのはノリ養殖にすればまず八〇%ぐらいは私は影響がある、こういうふうに思います。
○上田耕一郎君 先ほど井上委員は希望を表明されましたが、私は反対の希望表明で、桐谷参考人、その地域の住民、漁民の方々の意見、要望をこれ本当におまとめになって、道路公団あるいは建設省の説明会その他あるでしょうけれども、どんどん率直に述べていっていただきたいというふうに思います。 谷参考人にお伺いいたします。 谷さんは、先ほどの最初の意見陳述の中で川崎方の人工島ができるとこれは航行、運航に障害であることは当然で、安全上心配するのは極めて当然だと言われました。しかしそのデメリットをメリットにできないかということを言われました。先ほど田尻参考人が引用された昭和四十九年の建設局の報告書の中に、もし横断橋、当時は橋ですかね、橋ができるとどういう現象が起きるかというので五つ挙がっている。そのうち第一は、航路の入り口付近で水流の乱れが生まれる。二番目は、強い風が発生して針路変更になる。三番目は、局地的な霧、フォッグバンク、これが発生して視界が悪化する。四番目は、道路通行車両の照明で視覚障害、トンネルですからこれはなくなると思うんですけれども。五番目は、レーダーのゴーストが生まれる、と挙げているんですね。 五つ挙げてあるんだが、照明はなくなりますよね、トンネルになれば。しかし横断橋、橋脚のときにこれだけ生まれるわけだから、人工島が生まれるとこの四つは人工島の航路安全上の障害としてやはり同じじゃないかと思うんですけれども、谷参考人いかがでしょうか。
○参考人(谷初蔵君) 照明の問題は除いて水流、風、フォッグそれからゴーストでございますが、水流、風、フォッグにつきましては余り大きな影響はないと私は見ております。それは若干は影響が出てくると思いますけれども、そう大きな影響はない。一番心配されますのはゴースト、レーダーの偽像の問題ですが、これは瀬戸内海の大きな橋あるいはほかの橋梁等についてもいつも問題になっていることで、この偽像対策をどうするか目下研究されつつあるところで、余り目ぼしい対策は出ていないんです。ある程度金をかければ、例えば橋に偽像を消すような技術的な方法はできないことはないんですけれども、非常に金がかかるといったようなこともあって、余りいい方法は考えられておりません。これはしかし将来の発展にまつよりしようがない、研究していくよりしょうがない、こう思っております。
○上田耕一郎君 そうすると、先ほど避難錨地が足りなくなることはやっぱり問題だと言われたので、ゴーストと避難錨地の減少ですな。 田尻参考人は、今の点はどうお考えでしょう。
○参考人(田尻宗昭君) 大体そのようだと思います。 もう一つつけ加えますと、今まではようやく船舶同士はかわしていたんですが、そこへ一つの航路障害物ができることによってその流れがどこかにやっぱり圧迫をされます。そこで心配するのは、大型船と小型船が同行、並行して走る場合に、吸引作用と言いまして小さい船の方がぐっと引きつけられるということがあります。ですから、そういう現象が起こらないような配慮をしなければいけない。恐らくそういうことは危険性が増加するだろうと思います。今まで何にもないところよりはそういう現象が心配である。これは船舶特有の現象です。ですからその点についてはつけ加えたいと思います。
○上田耕一郎君 谷参考人にお伺いしますが、海事七団体はトンネルで十キロになっても危ないといって反対表明をされているわけですね。谷さんの横断道路海上交通安全調査委員会としては、この海事七団体の反対表明、反対意見、これとの意見調整はどういうふうにお進めになっておられるんですか。
○参考人(谷初蔵君) 委員会の方に、その七団体の意見表明があるということは特に取り上げるという形にはなっておりません、提案されてもおりませんし。私は聞いてはおりますけれども。
○上田耕一郎君 武田参考人にお伺いいたします。 交通量問題なんですが、武田さんは天からわいてきた交通量の増加ではなくて、都内の高密度交通が振りかえられて横断道の交通量が予測される、こう述べておられたんですね。振りかえという点では、今例えば木更津-川崎のフェリー、これは一日約四千台自動車が乗っているということですけれども、振りかえるといっても千葉に行く用事がなければ振りかえられませんからね。 その点で、武田さんの高速道路調査会としては、その交通量をどう予測しておられるのか。発表されておるものでは一日三万台というんですけれども、どうもデータがはっきりしていないんですね。基本交通量、観光交通量、内航船からの転換交通量。これは以前のデータでは、昭和四十八年の古いものでは基本交通量四万六千四百台、観光交通量二万一千四百台、内航船の転換交通量二千二百台、七万台という数字が一度出たことがあるんですよね。今度は三万台ですけれども、武田さんとしてはこういう問題について数字の根拠でどういうお見込みを船持ちなのか、お伺いします。
○参考人(武田文夫君) 私は、道路交通専門家としてある程度研究はしてまいりましたが、別に交通量について特に私自身が計算をして予測を立てたことはございませんので詳細なお答えはできないのですけれども、ただ、上田先生が私の発言をおとりになったような意味で申し上げたのではなくて、現在ある交通がここへすぐ移ってきたというのではなくて、将来四百万人の人口がふえ、経済活動がもっとふえて首都圏が非常に大きくなって、それがどこにそういう機能が展開あるいは活動が展開するかというと、横断道路がなければ房総半島というところは不便ですから余りそこへは行かないで、結局今の首都圏のそれ以外の高密度地域でどこかに立地せざるを得ない。 そうすると、そこで交通が起きてきますから、そこは非常な混雑を起こすだろう。それがもしも横断道路で房総半島が非常に便利になり、東京とも近く京浜とも近いということになってそこにいろいろな機能が展開すれば、例えばそれと川崎、それと東京、それと横浜というような形での交通に出てくるわけで、これは普通の言葉で言えば開発交通でありますけれども、長期で見ますとしょせんそれは首都圏がしょわなきゃいけない交通が高密度地域から低密度地域へ移転したということであるから、そういう点で、もしそれだけの交通が横断道路がなくて動かなきゃいけないとしたら非常な混雑が起きる。そういう状態と比べて、できたときにはそのような交通も生ずるし、高密度地域の交通緩和が生じて、いろいろな便益が生ずる、そういう説明を申し上げたわけなんです。
○委員長(小山一平君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、御多忙中のところ御出席をいただき、貴重な御意見をお聞かせくださいまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。 ありがとうございました。 午後一時再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 ―――――・――――― 午後一時二分開会
○委員長(小山一平君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、井上吉夫君が委員を辞任され、その補欠として出口廣光君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(小山一平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案の審査のため、本日、日本道路公団及び本州四国連絡橋公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(小山一平君) 休憩前に引き続き、東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案を議題といたします。 質疑を続けます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○上田耕一郎君 それでは、東京湾横断道路について質問をいたします。 まず、昭和四十一年に建設省が調査して以来の経過を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(萩原浩君) 昭和四十一年度から建設省において調査をいたしまして、五十年八月には、さらに調査を必要といたしますけれども技術的には建設可能であるという趣旨の結論を得ることになりました。そして五十一年八月から日本道路公団において調査を引き継ぐということになりまして、自来調査をやってまいったわけでございます。これらの調査を集大成いたしまして、昨年、六十年の九月に一応中間報告という形でその概略を皆様方にお示しをいたした次第でございます。 なお、この調査は大きく分けますと経済調査、環境調査、それから船舶航行調査、技術調査、漁業調査というふうに相なっております。その後、調査の取りまとめを行いまして、六十一年三月までに調査をほぼ完了いたしました。現在、その取りまとめ中のところでございます。
○上田耕一郎君 財界関係ですね、JAPICだとか、東京湾横断道路研究会だとか、民間のこの問題についての動きも経過としてあったと思いますが、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(萩原浩君) 昭和四十七年七月に東京湾横断道路研究会が設立をされました。これは純粋の民間の任意団体でございますが、この東京湾横断道路研究会がその後独自の立場でいろいろな調査をされておるということはお聞きをいたしております。 なお、その研究会におきまして、さまざまなパンフレットなどを折に触れて発行されておることは先生も御存じのとおりでございます。 なお、JAPICでございますが、これは東京湾横断道路だけではなくて、いわゆる大きなプロジェクト、ビッグプロジェクトにつきまして、いろいろ独自に御提言をされるという組織とお聞きをいたしておりまして、これは私どもの省の事業だけでなく、いろいろな各省の大規模なプロジェクトについて、いろいろな御提言をされる組織というふうにお聞きをいたしておる。いつそれが設立されたかにつきましては、ただいまちょっとデータを持ち合わせておりません。
○上田耕一郎君 私、まず最初に経過をお聞きしましたのは、昭和四十一年に建設省が調査を始めて、道路公団が昭和五十一年からと、約二十年にわたる調査経過があるんですね。非常に問題点も多いし、二十年にわたるこのプロジェクトが急遽浮上してきたということについてはやっぱり非常に大きな問題点がありますので、よく審議が必要だと思っているからです。 今、局長から答弁がありましたように、昭和四十七年に東京湾横断道路研究会というのができました。最高顧問は当時の経団連会長の土光さんです。今は稲山さんが最高顧問になっております。これは経団連会長がなっているわけですね。それから、会長は永野重雄さん。永野重雄さんは新日鉄の名誉会長であります。稲山嘉寛さんもそういう関係の方であることは御承知のとおり。今、理事長は徳永久次新日本製鉄副社長であります。ですから、この東京湾横断道路研究会というのは専ら新日鉄。経団連、新日鉄、特に新日鉄、稲山さん、永野さん、徳永さん、新日鉄の会長、副社長が中心になって東京湾横断道路研究会、四十七年からやっている。君津の製鉄所もありますし、橋そのものも鉄鋼を大いに使いますから、そういう点で、新日鉄が自分の企業利益という点で非常に大きな関心を持って東京湾横断道路研究会を続けてきたことは、これはもうメンバーや経過から見ても明らかです。 それからJAPIC、これは鉄鋼、建設業中心で二十一団体、百六十一社が参加しております。昭和五十四年に発足しましたけれども、JAPICが一番の目玉として提起したのが東京湾横断道路でございます。五十四年にできたJAPICが、五十六年に東京湾横断道路のカラーパンフをつくりまして、一万部印刷して各方面に配布しました。このJAPICも会長は新日鉄の斎藤英四郎会長であります。だから、斎藤さんがJAPICでJAPICの会長になり、まずやはり東京湾横断道路を目玉にして、すぐ一万部のパンフレットをつくるということで一生懸命やってきたわけです。ちなみにJAPICの副会長は石川六郎鹿島建設会長です。 きょうの日経新聞を見ていてなるほどとおもしろく思ったんですが、今経団連の会長人事がいろいろ問題になっておりまして、五月二十八日の経団連総会で稲山嘉寛氏が勇退して、同じ新日鉄出身の斎藤英四郎氏が第六代の会長に就任すると。就任理由について、こう書いてあります。「斎藤氏に内定した理由は次のように言われている。日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)会長として東京湾横断道路プロジェクトをスタートにこぎつけるなどその行動力、各業界をまとめる調整能力が産業界で高く評価された」ということがあります。だから経団連の会長人事、斎藤英四郎氏が就任するのも、今我々が審議している東京湾横断道路、これをとうとうスタートまでこぎつけたということが産業界から高く評価されたという日経の、これは学習院大教授の河合さんの論文であります。河合さんの論文で書かなくたって周知のことで、ですからこの東京湾横断道路というのは、建設省も道路公団も二十年やってきましたけれども、新日鉄を中心にした鉄の大企業、またセメント企業、建設企業がやっぱりみずからの企業の事業化のために、もちろん利益をつくるわけですけれども、非常に執念を持って昭和四十七年以来わざわざ研究会もつくり、JAPICで後押しもし、業界の総意で推し進めてきたというものであるということは、以上の経過から見ても明らかだと思いますね。 私は今までこの問題で三回質問をしております。五十六年五月二十八日、斉藤滋与史建設大臣のときに一回、五十八年三月二十四日、内海英男建設大臣のときに一回、五十九年四月十七日に水野満建設大臣のときに一回質問をいたしました。 水野建設大臣のとき、このときは主に東京湾の航路運航の安全問題について質問をしまして、きょうの午前中の参考人質疑でも田尻参考人その他が引用いたしました建設省の出した資料その他に基づいて、この運航問題、特に避難錨地がこのままでは非常に減ってしまう、橋ができますと南北二海里、三・六キロ、つまり七・二キロは避難錨地にすることができないというのが経験則でほぼ明らかになっていて、それを運輸省、建設省も採用して、避難錨地というのは橋ができるととれないということになっているわけですね。それで、今でさえ避難錨地は必要錨地の半分しかないのに、これで七・二キロ海をとられてしまったら本当にこれは東京湾は使えなくなる。私は当時議事録で運輸省の課長さんが、これでは東京湾は使えなくなるじゃないかということを述べている議事録まで引用して問題を詰めたことがある。 水野建設大臣は御存じのように千葉二区の方で、大変これには熱心だったそうです。ところが水野さんは私の質問に対して、マイナス面について検討するにやぶさかではありませんと、少し冷めた目で私はこれを考えているという答弁をしました。委員会が終わってからですけれども、終わってから私のところに見えられて、やっぱり運輸関係、船舶交通問題がなかなかこれは大変だということが、私も大臣になって積極的に取り組んでみたらそういうことがわかった、だから上田さん御心配なく、私は余りもう熱心にこれをやりませんよということを水野建設大臣は言われておりました。委員会の答弁でも、冷めた目で私はこれを考えているというふうに言われておりました。 ですから、二十年近く百億円以上の調査費をつけて橋でかけるという計画については、もう水野大臣のときに運輸省、海上保安庁も恐らくそうだったんでしょうね、それから海事七団体も、これは東京湾は大変なことになるという反対が強くて、デッドロックに乗り上げていたのだろうと私は思うんですね。これは五十九年四月十七日ですからちょうど二年前です。二年前には橋のプラン、二十年、百億円以上かけて橋という計画で皆さん方はこれを詰めてきた。それが安全というところでデッドロックにぶつかっていたんですね。 ところが、それが急速トンネルということになって、第九次道路五カ年計画で予算もつけられて頭を出してくる。そのときに私も質問をいたしましたけれども、急遽浮上してきた。それで東京湾横断道路それから明石大橋、これは今の大規模プロジェクトの代表のように言われておりますが、ちょうど一九七二年に田中角榮氏が日本列島改造論を発表して、田中内閣ができて以来日本列島改造論、大規模プロジェクトを推し進めていって大問題になったわけですね。それが今また日本列島改造論のちょうど中曽根版みたいに、一兆一千五百億円のこういう東京湾横断道路、明石大橋、こういうのが次々出始めたんです。 これは私は非常に危険だと思う。大体、田中内閣の日本列島改造論なるものはまことに荒唐無稽な計画なんです。当時田中角榮氏は、今後十年間に日本の工業生産量は四倍になる、それから旅客量も貨物輸送量も四倍になるということを言いまして、それであれだけの大ぶろしきを広げたんです。ところがこれが全く現実と違っていたし、世界と日本の経済情勢に全く外れた極めてこっけいなものであったことはその後の経過で明らかなんです。 なぜなら、彼が日本列島改造論を出したのは七二年ですけれども、一九七一年はニクソン・ショックで金とドルの交換停止が決まって、七三年の末は石油ショックで世界の資本主義の景気もわあっと落ち込む。日本そのものも大変な経済矛盾が深化する段階に入るわけです。七一年というのはもう世界資本主義の景気の曲がり角なんですよ。高度成長が終わって、それから新しい危機的な様相がいろいろ生まれる状況に世界の景気も踏み込んでいった時期なんです。もう高度成長は終わっている、それなのに七二年に高度成長以上の大ぶろしきを勝手に吹いて、それをしかも首相になってから実行していってさまざまな矛盾を引き起こした。地価高騰や大変な物価狂騰で国民も苦しんだことは、皆さんよく覚えていらっしゃると思うんです。 国鉄の赤字も、彼があのときに三兆七千億の十年間の長期投資をいきなり三倍にして十兆五千億に膨らましたということが国鉄の赤字の一番大きな原因であることはもう事実なんですが、そういうことをやって破綻がもう明白になった日本列島改造論に似たようなものを、今、日米貿易摩擦を解決するための民間活力導入だということで、中曽根内閣がまた大ぶろしきを広げ始めた。 その大ぶろしきがどういう結果をもたらすかは、例えば最近の急激な円高、ついに百六十六円にまでなっているんです。自民党内部からも、こんなことをやっていたら日本の輸出産業、中小企業は壊滅だというような声さえ生まれるような、急激な円高となって日本経済を直撃しつつあるわけですね。円高だけじゃない。私は、こういう日本列島改造論型の全く無責任な大規模プロジェクトを広げ始めたということは、これはやっぱり前車の覆ったわだちから我々は教訓を引き出さなきゃならない。七〇年代初めに日本列島改造論の田中角榮の大ぶろしきからどれだけ被害を受けたかということを知っている以上、今また無責任に広がりつつあるこの大ぶろしきがどういうものをもたらすのかという問題は、本当に我々国会としては、建設委員会にこの法案がかかっている以上、真剣に深くいろんな面から討議していかなければならないと思う。 これまでにも政府が行ったいろんなプロジェクトで、千葉ニュータウンしかり、それから青函トンネルしかりです。それから数年前私が取り上げたんだが、今また問題になっている中海干拓だってそうです。あれは八郎潟に続いて、中海干拓で水田を広げるというので始めたわけだ。ところがその後経済情報が変わって米は減反になるという状況なのに、行ってみると平気で続けているわけですね。おかしいじゃないか、こういう情勢が変わったら変えたらどうだということを私はこの建設委員会でも取り上げたことがあります。しかし一度滑り出すと、本当にもうタンクがばく進するみたいに進んでいってしまうわけです、どれだけ赤字が出ても。 今この東京湾横断道路問題では、これは我々革新政党側だけでなく、また学者だけでなく、例えば日本開発銀行の、後で述べますけれども、参事の方からもいろんな疑念、これは大変な大赤字、第二の国鉄になるんじゃないかということが、真剣に検討した上で論文で書かれたりシンポジウムで発言されたりしているわけですね。各界からさまざまな問題が出ているのになぜこれをこういう形で強行するのかという点で、私は疑問が非常に多いと思うんです。取り返しかつかない、法案が通って滑り出しが始まれば。予算がついて、もう国家権力の力ではく進してしまうわけだから、それで大赤字になったら若干反省をして、そのツケがまた国民に回って税金からというようなことでは、国民は救われないと思うんです。 だから、いろんな点をまず総論としてお伺いするんだが、この東京湾横断道路というのは、全国開発幹線自動車道のネットワーク、これに入っていたのかどうか。それから、三全総の中で位置づけがはっきり行われていたのかどうか。まず、この二つをお伺いします。
○政府委員(萩原浩君) この東京湾横断道路は、今先生おっしゃいました国土開発幹線自動車道、いわゆる七千六百キロと称されております国土開発幹線自動車道の中には入っておりません。 それからもう一つ、いわゆる三全総、これは一万キロ余の高速自動車国道がいずれは必要になるのではないかというふうに述べられておりますが、これは一つの構想でございまして、個々具体の路線についてこういうものというようなイメージは持たれていなかったということでございますので、それに入っていたかいないかということは判然といたしておりません。しかしそもそも三全総のその一万キロ構想というものがなかなかうまく動き出しません、いわゆるオイルショックその他の問題で動き出しませんで、現在国土庁におかれて四全総の作成中であるということを承っておりますが、その中で、この三全総で言う一万キロ構想がどういう形になってくるかということについては、今御検討中というふうに承っておる次第でございます。
○上田耕一郎君 今局長の答弁で明らかなように、全国開発幹線自動車道のネットワーク七千六百キロの中に入っていないんですね。入っていない。三全総の中にも確たる位置づけはないんです。で、五十九年の四月の私の質問に対して水野建設大臣は、一時熱意を持ったけれどもこれは困難だということがわかったと。冷めた目で見ているということになっているわけですね。だから、政府が責任を持ってこれまで国会に、また国民に明らかにしてきた自動車道の計画の中にも、国土計画の中にもなかったものなんです。しかし、もちろん東京都、千葉県などが以前から、東京湾に道路をという希望はありましたね。その後建設省も研究はしていた、道路公団も研究はしていたと。一番熱意を持っていたのは、ですから財界なんです、新日鉄を中心にした。新日鉄を中心にした財界が物すごい熱意を持っていたんです。それがなぜ急速こういうふうに出てきたのか。 これは、事実が明らかです。昭和五十九年十月、中曽根首相の私的勉強会、経済政策研究会――まことに中曽根首相は私的研究会とが私的諮問機関が好きで、これは国会でも何度も問題になっている。今度も国際協調のための経済構造調整研究会という長い名前の、前日銀総裁前川さんをキャップにした経構研のレポート、前川レポートができて、それを国会にも、自民党の党議にも、閣議にも正式に了承を得ないで十三、十四日の日米首脳会談に持っていって、レーガンに見せてほめさせて、それを実行するということを約束して帰ってきて大問題になって、急速多少手直しを始めているということももう皆さん御承知のとおりです。 〔委員長退席、理事松本英一君着席〕 これも私的勉強会、経済政策研究会、これが五十九年の十月に東京湾横断道路建設を含む民活導入を提言した、民間活力導入をね。ここから浮上し始めた。ここからですよ。 朝日新聞は、「検証中曽根民活いまなぜ「東京湾横断道路」か」というのを一面で七回連載した。この中で、JAPICと首相周辺の連絡プレーがあったことは明らかだと。朝日には、取材の上そう書いてあります。大体、「首相の私的研究会のメンバーの一人、中川幸次野村総合研究所社長は、JAPIC副会長の石川六郎鹿島建設会長と親しい」、「建設実現に向けて、JAPICと首相周辺が連係プレーを演じたことは間違いない」、こう書かれてある。もう一々経過は述べませんけれどもね。こうして中曽根首相の私的勉強会の提言で、民活導入で浮かび上がってきたんです。 それで、この民活導入というのは一体何かといいますと、それは日米貿易摩擦が非常に激しくなって、何とか内需拡大をしなきゃいけなくなった。おととし、日本の資本で国外流出したのは十五兆円あります。去年は十九兆円資本流出している。物もいっぱい出たり金も流れ出ていて、これが日米貿易摩擦等々の大問題になっているわけだ。外へ利益を求めて流出し、このうち七割は財テクですよ。アメリカの社債とか国債とかをみんな買って財テクをやっているわけだ。それを日本の国内に還流させなきゃいけなくなって、還流させるのにはもうけ場所を提供しなきゃならぬ、もうけ場所、投資場所を。それで民活導入が始まったわけだ。 国鉄の分割・民営化もそうです。国鉄を払い下げてもうけ場所を、安く国鉄用地まで払い下げてやる。去年十九兆円、おととし十五兆円流れ出た日本の民間資本にもうけ場所を見つけてやる。もうけ場所も、うんともうけなければ来てくれないから、公共事業をやらせてやろうと。しかも、公共事業にプラスをつけてやればやってくれる。それで、東京湾横断道路一兆一千五百億円に免税債を中曽根首相がどれだけ猛烈にやったか。それだけもうけ場所をつけてやれば来るということになって始まった仕事だと思うんですね。 こういう経過を見ても、大体国のプランに載っていなかったものを中曽根首相になって私的勉強会で言い出して、民活導入で、建設大臣も二代中曽根派がついて、それで江藤さんになって、江藤さんは持ち前の馬力で猛烈に始められたわけですね。これはこういう理由で、何でこういうことになったのか。私はこれはもう許せないと思いますよ。本当に国民的観点でこれは審議しないと、一党一派の、自民党の一派閥の利益などでこういう大問題を、権力をとっているからといって一兆一千五百億円、それもしかも大企業の言いなりになって、そこに事業場所、もうけ場所をつくってやろうというようなことで取り上げることが一体許せるのかと思いますね。大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) 財界のためにこういうことを計画しておるのでもありませんし、私どもは財界にもうける場所を提供しようという考え方も持っておりません。首相及びその周辺がJAPICとよく連絡してと言いますが、私も首相の側近の一人だと自認しておりますけれども、JAPICから私どもにそういう話があったこともありませんし、総理からそういう話があったこともありません。その点はひとつ誤解のないようにお願いをしたいと思うんです。 例えば国鉄の民営化の問題にしても、これは時間がないからあれしませんが、もうける場所を提供するというふうな見方でもって最初から眺めるとそういうふうになっていきますが、国鉄の今日の置かれておる状況、あるいは国から六千億の援助をしなかったら年間三兆円の赤字を出す企業ですから、そんなものがこの世の中に存在するはずがない、防衛予算が三兆三千億というときに防衛予算に匹敵するような赤字を毎年垂れ流ししているような、そういう企業体というのは存在できないというから国鉄の分割・民営化というものが始まっておるわけであって、それとこういう東京湾横断道路の話とをごちゃまぜにしないでいただきたいと思うんです。 私は、繰り返して言いますが、財界のためにこういうことをやったのではありません。私ごとき者が国会議員にしていただいて、そして建設大臣に就任させていただいた。四十年も前から明石海峡大橋をかけよう、東京湾横断道路をやろうという先人がたくさんおって、それぞれの立場でいろいろと考え、いろいろと運動し、苦労してこられた。図らずも私の時代になってそれを手がけるという光栄に私は浴した、こう思っておりますから、みずからを戒めて厳粛な気持ちでこの事業には立ち向かわなければならない、そういうつもりでおります。したがいまして、特定の者に奉仕しようとか、もうけさせようとか、そんなさもしい考え方は持ちません。ましてや、こういうもので自分たちの選挙資金をどうしようとかあるいは政治資金を稼いでやろうなどという、そういう根性はいささかも持っておらないつもりであります。今日までそれで三十年近くやってきたんですから、これからもそんなことはやらなくても生きていけると私は自分で思っております。 したがいまして、いろんな問題点はあると思います、見方によっては。しかし、私はずっとやっぱり世界じゅうを眺めておって、あんなシベリアに何千キロという鉄道を引いてソ連が一体何になるんだろうか、とてもじゃないが私はもうからぬと思うんです。あのシベリアの荒野に膨大な投資をする。あるいはまた、よく言われておるように、揚子江の上の三峡ダムをつくって十万人の人口を移動させてしまうという計画がある。その規模たるや関西電力に匹敵するとも言われるそういう大プロジェクトがおのおのの国に、それは資本主義の国、社会主義の国を問わず、民族が永遠に生きていくためにはそういう大きな時代に合ったプロジェクトというものが、先を見越して行われなきゃならないものだと私は思っておるんです。 特にこの首都圏というのは、御承知のように、いつも申し上げますが、今九千回近く交通が高速道路で渋滞をしておる。ですから何としても将来にわたって、これは十年かかるわけですから、十年ほっておいたらもっとひどくなるわけで、ですから、湾岸道路、それから東京外郭環状道路、首都圏中央連絡道路と相まって、東京湾横断道路をつくって南関東のバイパスにしようという考え方であるわけです。 これは国民の皆さんに、どこへ行っても聞いてごらんなさい。今、高速道路をつくってくれ、バイパスをつくってくれというのは、その地域の住民のこれは願いですよ。その中でこの東京湾横断道路だけが目のかたきにされるというのは、私はいささか腑に落ちないと思うんです。今七千六百キロのうちの三千七百二十一キロを供用開始して、あと早くつくってくれというのは、どこへ行ったってこれはもう人々の声です、北海道へ行っても、九州へ行っても。しかも、その中には明らかに採算に合わないものがあります。北海道へ行ってみました。旭川から稚内までといったら、そんなものはとてもじゃないが、通行料を一万円取ったって私は採算に合わないだろうと思う。しかし、国土の総合的な均衡ある発展ということを考えたら、我々の時代にやはり高速自動車網の整備をし、さらにまた来年はいわゆる高規格幹線自動車道路の指定をして、我々の子や孫の代に日本の国というものをしっかりした社会資本の充実した国にして残してやりたい。 そういうひたむきな熱意がなせるわざでありますから、御忠告の趣は私どもは素直に承りますし、また謙虚にそれらの御忠告に対しては耳を傾け、私どもは対応してまいろう、こう思っておりますけれども、この計画については、やはりそういう気持ちでありますから、ぜひとも御賛成をいただきたいというのが私の真情でございます。
○上田耕一郎君 大臣がいろんなことを言われたので、一つ一つまた、じゃ、お伺いしたいんですが、JAPICからは働きかけがなかったと言われた。これは私どもも資料を持っておりません。しかしJAPICの刊行物に、建設省の局長さんその他がJAPICに賛成しその事業を評価するものを書かれていることは、私ここでも取り上げたことがあります。だから、建設省とJAPICとはかなり密接な関係があるということは事実であります。この問題で直接大臣に話があったかどうかは私も資料を今持っておりません。 中曽根首相から話がなかったと言われましたけれども、朝日の記事にはこう書かれてあります。一月十七日、首相官邸でのこと。これはこの委員会でもちょっと問題になりましたよね。「道路公団が、工事を東京湾横断道路の建設事業会社に委託する、という表現は認められない。できるだけ、この会社を公団から切り離さなければ、本当の民活政策にならない」と「中曽根首相は、東京湾横断道路建設特別措置法案の説明に来た江藤建設相に、強い口調で指示した。事務当局と綿密に詰めた案だったが、建設相はそのまま持ち帰らざるを得なかった」。こうして「二月十四日、閣議決定した法案では、事業会社が公団と「協定」を結んで建設・管理を行うとの内容に変わった」。それで、我々は今その変わった内容の法案を審議しているんですよね。 この朝日に書かれたことは、どうですか。建設省の案は最初は、建設事業会社に委託するという案だった。ところが、中曽根首相があなたに強い口調で、これじゃだめだ、切り離せというふうに言った。この朝日の記事に関する事実をお伺いしたい。
○国務大臣(江藤隆美君) どこの新聞が何を書いたか知りませんが、それは表現の自由、思想の自由であります。中にはなるほどなと思うものもありますし、随分と見当が外れておるなというのもありますし、それについて一々論評することは避けたいと思います。 ただ、私どもが二十年来その情熱を燃やしてやってきたことに対して、やっぱり一つの組織をつくって自分たちが金を出して一生懸命応援して山分たちも勉強してやろうというのがあれば、これは私どもはありがたくそういうものはお知恵を拝借するというのも一つの方法でありまして、これと癒着とは私はおのずから別個のものであると思っています。そういうところに行って建設省のその衝にある者が建設省の考え方をお話しするということもあるでしょう。しかし、いやしくも長い歴史と伝統を持ってきた建設省でありますから、財界のために一生懸命汗を流すようなあほうは建設省にはいないと私は確信をいたしております。 それから、ただいまのお話でありますが、あのときには実は委託ということになっておりまして……
○上田耕一郎君 委託ですね。
○国務大臣(江藤隆美君) はい。委託となっておった。委託などというあいまいもことしたそういうことではだめではないか、協定ということに協定書できちっとして、そしてその責任の所在それから仕事の分野というものを明らかにする必要がある。単なる委託などというのではそれは弱いから協定にしなさいと。私も就任早々でありまして余り詳しくはなかったわけでありますが、帰りまして幹部の者と検討してみましたら、そう言われればやっぱり、いろんな経過はあるにしても、協定の方がよりよく明らかになるでしょうと。こういうことでありますからそういうふうに改めたということでありまして、いたし方なくすごすごと総理のもとを引き下がってくるほど弱虫でもありませんし、そんな素直でもありません。
○上田耕一郎君 弱虫でも素直でもないことは私もよくわかるわけでありますけれども、しかし建設省が用意する法案を一々首相に相談に行くわけじゃないでしょう。これはやはり特別なんですよ。首相が特別に関心を持っているから江藤さんも、東京湾横断道路の特別措置法については首相官邸まで行って首相の了承を得たんでしょう。すべての法案をやっているわけじゃないでしょう。やはり、首相が特別の関心を持っていることは明らかじゃありませんか。
○国務大臣(江藤隆美君) 民活元年という言葉で表現をされたのが年が明けてでありまして、その民活第一号が東京湾横断道路でありますから、その骨子ができましたら、こういう方向で建設省はやっていきますよということを一言お話しするのは当たり前のことでありますから、ただ事務的な御報告を申し上げた、こういうふうに御理解いただけば結構でございます。
○上田耕一郎君 なかなかそれは、御理解できない。民活第一号は西戸山だったんです。それも中曽根首相のお声がかりで、我々は追及しました、大問題があるので何度もやりました。 それからもう一つ、江藤さんは政治資金づくりなんということはしないと言われた。これも朝日にこう書かれている。「政界の資金パイプづくりにも、つながっている。今月初め」、これは二月の記事ですから二月初めですね、「東京都港区にある大手建設会社の社長室に自民党中曽根派の幹部二人が訪れた」。そして「四月に開くわが派のパーティー券をよろしく」、これは先日やりましたね、五億円集まったと新聞に出た。「民活で東京湾横断道路も来年度の着工が決まったことだし」。相手が「この資金集めは衆院解散・総選挙に備えたものですか」、「そう考えていただいて結構です」、これは朝日の記事です。中曽根派の幹部二人が大手建設会社の社長室を訪ねて、パーティー券を売り歩いて、その際、パーティー券を買ってもらうために横断道路、これもちゃんと着工が決まったと、まだ法案も通っていないのにもう決まったということを言って、それで金を集めて歩いた。 どうです、財界があれだけ要求した東京湾横断道路、これは実際請託したかどうか知りませんよ。しかし、彼らが、財界が要求していることはもう公然と明らかです。いろんな文書を出し、中曽根内閣になって、中曽根派の建設大臣になってこれを取り上げていよいよ決める、着工する、だからひとつパーティー券を買ってくれ、これは選挙の、同時選挙の資金だと、衆議院解散の。どういうことですか、これは。
○国務大臣(江藤隆美君) 私もそれを読みまして、まるでその場に立ち会っておったような記事の書き方をするなと。第一、どなたがどこでそういう話をされたか知りませんが、一番影響力があるとうぬぼれております現職の建設大臣には一言もなくて、全く別の人が行ってそういう話をされるということを聞いて、妙な話だなと私思っておりました。 それから、着工ということは、もう先生も御承知のように、これからまず第一番には、法案を通していただきましたら環境アセスメントをやらなきゃなりませんし、それから漁業補償ですとかあるいはまた用地の交渉ですとか、あるいはまた各方面の御理解をいただかなきゃなりません。きょうもお話がありました海事七団体からいろんな御意見もいただいておりますし、あるいはまた地元の自治団体からもいろんな御要請もいただいている。それらの物事がやっぱり全部解決しませんと、みんなそういうものを置いてきぼりにして着工できるということではないわけでありまして、そうするのにはどうしても私は後二年ぐらいは準備にかかるのではないかと思うんです。それからが着工でありまして、そのときに中曽根内閣がありますか、ないか、それは神様もまだわからぬことだろうと私は思いますから、そんなことを聞いて、はいはい、そうですかというふうに喜んで金を出す方もないだろうし、そんなことを言う人も私は余りいないんじゃないかなと、そういう気がするんですが、見ておりませんから、それはわかりません。わかりませんけれども、おかしな話だとちょっと思っておるんです、二年先ですから。二年先に中曽根内閣があったら私ども万歳ですけれども、どうも形勢からするとなかなかなさそうな気もしまして心配をしているんです。
○上田耕一郎君 着工という言葉にあなたはこだわって言われたけれども、恐らく建設関係でない方で、法案が出ると、これは通る前だけれども、大体通るであろうということでこういう言葉を使われたのだと思うんですね。 着工を言われたので、じゃ関連して聞きます。 今、江藤さんは、東京湾横断道路は二年先が着工だと言われたけれども、もう一つ明石大橋はどうですか。明石大橘と東京湾横断道路は大規模プロジェクトで大問題になっていますね。この二十六日に起工式をやるという。環境庁との協議も済んでいないということですね。江藤さんは、予算審議も始まっていない一月段階で、早くも四月の起工式をもう早々と打ち上げておられる。環境庁との協議も完了していないのに、起工式をやると。これはやっぱりサミット前にとにかく明石大橋は起工式、それからこの東京湾横断道路もなるべく早くサミット前に通そうということと関連があるのではないかと私には感ぜられるんですがね。なぜ明石大橋は、環境庁とも協議をしないままで起工式をおやりになるんですか。
○政府委員(萩原浩君) 明石海峡大橋につきましては、既に四十八年に着手をしようとした経過は先生御存じだと存じます。ただし、あいにくそのときに例のオイルショックの問題がございまして、これから我が国の経済がどうなるかわからぬということの事情のために一時凍結をされました。それから、いわゆる児島-坂出ルート、それから大鳴門橋、大三島橋、もう一つ因島大橋、いわゆる一ルート三橋に限って着手するという経過をたどりました。したがいまして、今回、財界、地元皆様方の御協力でこれもかなりの民活方式で事業化するということが予算で決まりましたので、また前車の轍で起工式直前にもいろいろな状況がということに対する地元各位の非常に熱烈な御要望がございました。ぜひこの際起工式をやらせていただいて、そして地元の態勢その他も整えて、それで今先生御指摘の環境庁とのいろいろな協議であるとか地元との協議であるとかということは、おっしゃるとおりこれからでございますが、これのいろいろな問題について皆様方のコンセンサスを得たいという、昔の経緯でこういうような経過になったというふうに私どもは理解をしております。本州四国連絡橋公団でもぜひひとつ出発をさせていただきたいといったっての願いで、このような日程になったというふうに私どもは理解をいたしております。
○上田耕一郎君 東京サミットというのは円高問題、それからリビアの問題等々等々、大きな問題になり、日本に対して国際的な要求が集まる会議になりそうなんですね。どうも中曽根首相の考えるような展開にならないで、やはり円高問題で僕は日本の経済情勢は非常に大きな、新しい重大局面に入りつつあるように思うんです。しかし、そのサミット前に明石大橋や東京湾横断道路を民活の目玉にしておきたい、こういうことのスタンドプレーに使われては、本当に国民はたまったものではないと思うんです。 先ほど建設大臣は、シベリア鉄道などの話をされて、当面すぐ効果が上がらないものでも長期的ないろんな建設はやらなきゃならないという例えを言われました。そういう面があることはいろいろあります。長期的な考え方で検討し、長期的ないろんなプロジェクトに手をつけなければならないことはありますよね。しかし、長期的に手をつけたつもりで、長期的に大赤字で破綻するというのでは困るわけですよね。その点で、今の日本の財政難、来年度末には国債残高百三十三兆円ということになるような大変な財政難で、だからこそ政府も臨調、行政改革をやられているわけでしょう。となると、プロジェクトに着手する場合も、そういう非常に窮屈な財源の中で、何にどういう順位で取り組んでいくかという優先順位の問題が出てくるわけですね。 その点で私、聞くべき意見だと思いますのは、先ほども申し上げましたが、日本開発銀行参事役の橋山礼治郎氏、この方が日本経済新聞の去年の七月二十五日号に「公共投資実需に沿った優先順位を」という論文を書かれている。この中で、「東京湾横断道は採算無視」と言われているんですね。橋山さんは、東京湾横断道路問題のシンポジウムにも御出席になって意見を述べておられますし、とにかく開発銀行の参事役の方ですからね。私はこの方は今度論文で名前も写真も初めて拝見した方で、もちろんお会いしたことはありませんけれども、橋山さんはこの中で、原子力船「むつ」の五百億円以上のむだ遣いとか青函トンネルのむだ遣いなどを挙げながら、プロジェクトの国民経済的意義、その優先度を検証する基準の試案として五つの問題を出されている。一番目、目的の明確さ、二番目は計画の自主性、三番目は受益者負担の原則、四番目は事業の効率性、五番目は需要の確実性。この五つの基準で橋山さんが見たところ、最近一部の関係者から民活の代表的プロジェクトとして提唱されている東京湾横断道路の優先度はかなり低い、むしろ下水道整備、首都圏中央連絡道路、関西国際空港、羽田沖空港移転の方が優先度が高い。表もつけていますね。とにかく優先度は非常に低いというのがこの方の意見です。 ですから、建設相の言われた、一見迂遠なようでも取り組まなきゃならぬというお考えは、優先度の問題を考えますと、今度のこの東京湾横断道路の一つの問題点は、やはり具体的に審議して、本当に優先度が高いのか、国民的意義があるのかどうか、こういうことを検討していかなければならないだろうと思うんです。 それで、私は少し具体的な問題点に入っていきたいと思うんです。 私は、質疑通告の中で、約二十項目、問題点を書いてあります。一、経済効果と優先度の問題、二、交通量の予測問題、三、採算問題、四、自然環境への影響、水質、潮流、海洋生物、大気などを中心に、五、地域計画との関係、川崎、木更津を中心に、六、地方財政への影響、地方負担と地方への便益効果、七、船舶航行への影響、八、漁業への影響、九、技術調査について、十、会社の性格と事業内容、十一、工事発注の方式と癒着談合、十二、中曽根民活と政治資金集めの疑惑、これは今取り上げました。十三、新日鉄による房総半島の土地買い占め、十四、三菱、三井など独占のプラン、十五、三井不動産による湾岸プロジェクト、十六、運輸省案の人工島海上都市計画、十七、郵政省の湾岸ベルト通信網計画、十八、環境アセスメントの実施、十九、東京への一点集中問題と首都改造計画、四全総との関係、二十、東京湾掘削における安全性確保、以上私はこの東京湾横断道路の問題について約二十項目問題を追及していって、本当に国民的意義があるのかどうか、大きなマイナスではないかと私ども思いますけれども、質問を続けていきたいと思っております。 まず第一にお聞きしたいのは、経済効果と優先度問題にかかわる中心問題としての交通量の予測問題。これまで建設省、道路公団あるいは民間の研究会などのいろんな資料を見ますと、交通量予測はいろいろ変わっております。 まず、資料配付をお願いいたします。 〔資料配付〕
○上田耕一郎君 今お配りした資料の一番目、建設省道路局四十八年八月発表の「東京湾横断道路計画の概要」、これは一日七万台という数字が出ています。この中身がかなり詳しく出ていましてね、基本交通量が四万六千四百台、誘発される観光交通量が二万一千四百台、内航転換の交通量、フェリーなどからの転換でしょうね、二千二百台、合わせて一日七万台という数字であります。 その次に、民間の東京湾横断道路研究会、昭和四十九年のパンフ、「東京湾横断道路」、お配りした資料の二番目。これは、中を見ますと、「建設省の調査によりますと」と書いてあって、七万台という数字は同じですけれども、横断道路予想交通量の推計の考え方の台数は若干建設省のと違いがあります。なぜこうなっているかわかりませんが、若干の違いがあります。 それから、五十五年四月、日本道路公団の地域計画の研究資料、三番目、③にあります。これは有料制を前提として昭和六十五年に四万台という数字になっています。 その次に、五十六年十一月、道路公団「東京湾横断道路の調査概要」、これを見ますと、今度は一日当たり四万五千台、資料の④です、ということになります。 それから五番目が、今回の「東京湾横断道路調査(中間報告)」、去年の九月道路公団、これは一日三万台、三十年後六万台ということになっています。 この交通量予測というのは非常な大問題で、先ほど申し上げた橋山礼治郎という日本開発銀行参事の方は、東京湾横断道路のシンポジウムにおいでになって、私は出ておりませんけれども、聞いたところによりますと、三万台なんてとんでもない数字だというふうに発言されたそうです。三万台というのは大体関門トンネルの数字だと。関門トンネルというのは九州がありますからね、九州があるから橋とトンネルで約三万台ちょっとのようですが、しかし江藤さん、シベリアは鉄道を敷いても大変ないろんな資源があるんですよね。非常に寒いツンドラ地帯や氷の張ったところだけれども、物すごい資源があるし、シベリア開発はソ連も非常に力を入れているところなんですね。日本の資本、技術も入れようとしているんだが、シベリアと違って、東京湾横断道路で渡る相手は房総半島一つでしょう。その向こうは太平洋ですからね。太平洋の海の底の開発をおやりになるつもりもないんだろうから、あそこにかけての三万台というのはだれが考えてもちょっとどういう根拠だろうという感じがします。 最初のうち、七万台とかいろいろありますわな。これはやっぱり、東京湾横断道路をつくると少し景気づけに書かないといかぬというので、いろいろ七万台ぐらいの数字をおやりになったんだろうと思うんです。だんだんだんだん数字が減ってくるんです。五十六年七月に道路公団企画調査部東京湾横断道路調査室の中間報告が何冊も出ている。何冊もあるんですけれども、この中の一冊に「経済社会波及効果について」というものがあります。これもいろいろコンピューターを使ってうんと数字が出ています、経済効果はかなりどうも綿密にコンピューターでやったようです。しかし、この中に、肝心の交通量予測については全く記述がないんです。一言もないんです、この「経済社会波及効果」にね。 それで、この中間報告「地域計画に関する研究」というのがある。ところがこれも、調べてみると、二十五ページにたった一カ所書いてある。それも、「ある試算結果によれば」と書いてあるだけだ。「ある試算結果によれば横断道路利用可能な対象OD交通量は昭和四十九年で一万数千台であったものが昭和六十五年では約十四万台程度となり、そのうち横断道路を利用すると考えられる交通量は有料制を前提としても約四万台程度と予想される」ということがこの道路公団の調査、中間報告の中で一カ所書いてあるだけですよ。それも「ある試算結果によれば」で、計算根拠は書いてない、これにも。昭和五十五年当時四万台というんだが、この試算結果は何も書いてない。 今度の中間報告は三万台ということになっているんだが、どこを調べても、レクチャーを受けても根拠を言ってくれない。しかしこれは一番の問題ですよ。東京湾横断道路が国鉄の二の舞になるのか。先ほど大臣は国鉄の赤字問題を言われたけれども、そういう国鉄の赤字の二の舞になるのかどうか。先ほど申し上げましたように国鉄の赤字も田中角榮ですよ。十二年間に大体貨物輸送量が四倍になると言ったんですから。実際は一・二倍にしかならなかった。全国九千キロの新幹線網を言って長期投資を三倍にしたんだから。そういうことをやって大赤字をつくったのが国鉄赤字ですよ。あなたとは見解が違うんだが、事実が示している。 今度も、もしこの三万台が三万台にならなくてそれこそ三千台ぐらいになったら、これは大変でしょう、大赤字ですよ。これはまさに国鉄の赤字の二の舞で、中曽根内閣の、また江藤建設大臣の、建設省の、道路公団、JAPICの、そういう人たちの責任で大赤字になり、二の舞になるのだと思うんですね。だから私は採算、また優先度問題ではこの交通量予測というのは一番中心、かなめだと思う。ところが、幾ら聞いても根拠が出てこない。根拠を示してください。根拠を出さないでこんな審議はできないですよ、中心問題だから。
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のとおり、いわゆる有料道路の採算性の問題については、当然のことながら交通量が一番基本でございます。それと同時にその料金の額。この料金の額と交通量というものは直接関係がございまして、そこら辺は相関関係にございます。その意味で大変重要なエレメントといいますか、要素であるということは十分認識しているつもりでございます。 さて、東京湾横断道路の利用交通量の予測方法でございますけれども、なかなか一概に、言葉で言いますと難しく、細かく申し上げられませんけれども、第一番に昭和五十五年OD調査、これの……
○上田耕一郎君 資料を出してください、資料を。 ちょっと委員長、定足数が足りないな。質疑を続けられないな。やめてください。
○理事(松本英一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(松本英一君) 速記を起こして。
○政府委員(萩原浩君) まず、昭和五十五年OD調査結果による現在の地域間相互の自動車交通量の流動状況をもとにいたしまして、関東地域の人口等の将来予測を踏まえまして、将来の地域間相互の自動車交通量を推定いたしました。 例えて言いますと、千葉、市原、あそこら辺の一応の領域を定めます。それと、東京都との間の相互間の交通量を出しまして、その交通量のうちどのくらいがこの横断道路に転換するかというのを出します。それから次に、埼玉県からはどうか、あるいは神奈川県、神奈川県域でございますね、からはどうか、それからそれ以外の域外からはどうかというようなものを出しまして、そのおのおのを足し合わせるということで推計をいたしたものでございます。そして、それに各地の交通量の伸び、これはずっと経年的に人口あるいは工業生産額がふえてまいりますから、年々変わってまいります。その結果供用後二十年後には約六万台になるだろう、供用当初では約三万台の交通量が見込めるだろうというような前提のもとに、それの各年の伸びをずっとフォローいたしまして、それに料金を掛けて収入を計算していく、こういうやり方をとっているものでございます。
○上田耕一郎君 じゃ、その数字を出してほしいと思うんです。 お配りした資料の二ページ、四十八年の建設省道路局の資料には基本交通量、誘発観光交通量、内航転換交通量、それぞれ出して七万台となっている。三万台の場合はこれがどういう台数かをひとつ出してほしい。 それから二番目に、横断道路研究会のパンフレット、このお配りした資料の四枚目です、「東京湾周辺幹線道路網における断面交通量の変化図」というのがあります。これに基づいて当時やっぱり七万台という数字を出しておりまして、こういう作業をやらないで三万台という数字が出るはずはありません。ぜひ根拠を示していただきたいと思います。
○政府委員(萩原浩君) ただいま申し上げました三万台という数字は、開発効果を見込まない場合の数字でございます。そして、二十年後に、だんだんと開発効果が出てまいりました後に六万台になるということでございますから、ただいま先生御指摘の基本交通量、誘発観光交通量、内航転換交通量、こういう分け方にいたしました場合には、いわゆる誘発交通量というものはこの中に見込まれてございません。それで基本交通量と内航転換交通量の両方に分かれますけれども、内航転換交通量につきましては、この数字でもごらんいただけますように余り現在でも大きな交通量はないわけでございます。したがいまして、大体この基本交通量だけで現在は一応積算をいたしましたものが三万台であるというふうに御理解をいただきたいと存じます。
○上田耕一郎君 時間が来ましたので、後に続けます。
○山田勇君 まず、東京湾横断道路をなぜ現在緊急に整備しなければならないのか、その必要性についてお伺いするわけですが、これは首都圏全体についての改造計画というものがあって、その中で東京湾についてはどうするのか、全体のビジョンの中にいろいろな事業があって、東京湾横断道路もその中の一つということになりますが、本来首都圏の道路整備の優先順位からいえば、まず東京外郭環状道、次に首都圏中央連絡道などと言われておりますが、東京湾横断道路が民活、内需振興といった内閣の御都合で浮上してきたと言う向きもありますが、横断道路を現在緊急に整備しなければならない必要性についてお尋ねをいたします。
○政府委員(萩原浩君) 東京湾横断道路は、首都圏の南回りをバイパスいたします道路でございまして、走行費用等の節約、国民総生産増大等の効果で非常に大きなものがあると存じます。今先生御指摘のように、首都圏中央連絡道路あるいは東京湾岸道路等と連絡をいたしまして、東京都内を通らない南回りのバイパス、それから都心部の交通混雑の緩和、所要時間の短縮等に大きな効果のあるものでございます。ちなみに横断道路建設によります走行費用の節約額を積算いたしてみますと、直接走行費用の節約だけで一日当たり六億八千万円、経済効果を国民総生産で見ますと一年間で一兆三千億の増大があるものというふうに予測をいたしております。 なお、先生御指摘のように、この東京湾横断道路は、これは当然のことながら首都圏のいろいろな整備計画に基づいて実施すべきものではないかという御指摘でございますが、この計画は昭和五十六年に首都圏整備法に基づき策定されました首都圏整備計画に掲上をされております。このようなことで、首都圏の道路整備の位置づけは非常に大きなものがあるだろうというふうに考えておりまして、ぜひ整備に着手をいたしたいと従来から考えておったところでございますが、今回いろいろな財政上の理由を排除するために民間活力を活用いたしまして事業化をいたしたいというふうに考えた次第でございます。
○山田勇君 さきに述べましたように、現在整備の急を要するものは、都心部に入る通過交通を処理するための環状道路の整備ではないかと考えるのですが、そこで、現在整備中の環状八号線、外郭環状道、それから首都圏中央連絡道、さらに都心部の高速の中央環状線の整備が計画あるいは進行中ということですが、これらの道路の供用についての見通しについてはどうなっているのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(萩原浩君) お答えを申し上げます。 まず環状八号線でございますが、環状八号線は大田区羽田から北区赤羽に至ります延長四十四・三キロメートルの幹線道路でございますが、昭和六十年度末整備延長は三十・二キロ、整備率で六八%となっております。事業中の延長は二・六キロメートルでございまして、残る未着手区間の十一・五キロメーターについては、事業中区間の進捗を勘案しながら逐次整備を図ってまいりたいというふうに考えているものでございます。 外郭環状線でございますが、東京の中心から半径約十六キロメートル、延長約八十五キロメートルの幹線道路でございまして、このうち一般部十三・四キロメートルは既に供用中でございます。また、昭和六十一年度から関越自動車道から常磐自動車道間の専用部約三十キロメートルを高速自動車国道として事業に着手をいたしまして、六十年代後半にはこの区間の供用を図りたいというふうに考えております。残る区間につきましても順次整備の進捗を図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。 〔理事松本英一君退席、理事増田盛君着席〕 次に、圏央道と俗称されております首都圏中央連絡道路でございますが、東京都心より半径四十ないし五十キロメートルの位置に計画されております延長約二百七十キロメートルの幹線道路でございます。六十年度から事業に着手をいたしまして、とりあえず中央道、これは八王子付近でございますが、中央道から埼玉県の鶴ケ島町、これは関越自動車道のところでございますが、この間約四十キロメートルにつきまして事業を推進しはうということを考えておりまして、何とか七十年ごろにはこの供用を図るとともに、残る区間につきましても、緊急に整備を要する区間から逐次整備を進めていきたいというふうに考えております。 次に、首都高速の中央環状線でございますけれども、都心から半径七ないし八キロメートル、かなり都心に近い位置でございますけれども、延長約四十六キロメートルの環状道路でございます。都心部の渋滞緩和のためにはぜひこれが必要であるというふうに考えております。現在までのところ東側部分の二つの区間五・四キロについて供用しておりまして、引き続きそれらに隣接する二つの区間十五・四キロについて昭和六十二年度供用を目途に鋭意工事を実施いたしております。また、事業中区間の西側に接続する王子線六・ニキロにつきましては、今年度から事業に着手することといたしておりまして、できるだけ早期に供用を図りたいというふうに考えております。なお、残りの区間につきましても、早期に都市計画決定を行いまして事業化を図るべく現在鋭意調査を進めているところでございます。
○山田勇君 そこで、法案についての質問になりますが、東京湾横断道路の建設及び管理を行わせるために特に会社を設立するものとしているわけですが、さらに政府は会社に対する特別措置等を設けることといたしておりますが、これらについてお伺いをいたします。 法案によりますと、日本道路公団は事業会社と協定を締結し、会社に建設並びに管理を行わせるとしていますが、協定についての考え方について建設省並びに公団はどのようにお考えになっておられますか。
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のとおり、今回御審議いただいております法案によりますと、公団と会社が協定を締結いたしまして、それに基づきまして建設並びに管理を行うというふうになっておりますが、その協定の大まかな内容は、本協定では、東京湾横断道路の建設のうち、用地買収等その一部を公団が実施いたしまして、会社は建設工事全般を担当する。二番目に、公団は代金を供用開始後長期間に分割して会社に支払う。三番目に、管理は、会社と公団とが別途協定を締結いたしまして、その定めるところに従い会社が行う。四番目といたしまして、施設の引き渡しの方法等に関する事項その他建設を行う上で必要な事項につきまして、この協定の中で定めることにいたしております。
○山田勇君 事業会社が行うものは、建設工事及び管理だけということになるんでしょうか。また、この事業前の道路周辺環境影響調査についての環境影響評価は公団がやるんですか、それとも事業会社がやるんですか、これはどちらでしょうか。
○政府委員(萩原浩君) 会社はこの東京湾横断道路の建設及び管理を主たる目的といたします会社でございますから、それ以外にも関連の事業を行うことを排除はいたしておりません。しかし、主たる目的はこの建設と管理でございます。 また、御指摘の環境影響評価の手続でございますが、現在御審議いただいております法案がお認めいただければ、直ちに日本道路公団が、昭和五十九年八月の閣議決定に基づきます環境影響評価の手続によりまして環境影響評価を開始いたしたいというふうに考えておりまして、これは日本道路公団の責任において行うということでございます。
○山田勇君 供用開始後この建設費については公団が会社に長期間にわたって分割して支払うこととしていますが、公団は会社にどのくらいの金額を支払うことになるんでしょうか。また、この金額は東京湾横断道路の営業収入でこれを賄うこととしているんですが、その点いかがでしょう。
○政府委員(萩原浩君) 今先生御指摘のとおり、供用開始後公団が会社に、年賦といいますか年割りで支払っていくということで返済をするものでございます。これは料金収入でこれを賄うということで考えております。供用後三十年間でこれを大体返却できるだろうというふうに考えておりまして、この三十年間で上げます料金収入は約三兆円余になるであろう、その三兆円余のうち一・九兆円ぐらいが会社に支払われることになるだろうというふうに考えております。
○山田勇君 横断道路は供用開始されてから後の維持管理、修繕等を会社に行わせることとしておりますが、これもなぜ公団がみずから行わず会社にやらせるのか。 それから、国からの無利子貸し付けを行うことになっておりますが、なぜなのか。また、このような例はほかにもありますか。無利子貸し付けということは民間資金の活用を図るという趣旨からすると矛盾すると思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(萩原浩君) 供用開始後の維持、修繕を会社に行わせるということでございますが、これは日本道路公団と協定を結んで会社に行わせることになります。それで、これは先ほども申し上げましたように、供用開始後三十年間で料金収入をその引き当てといたしまして日本道路公団が建設費を払っていくわけでございますから、当然この会社は、その所有を日本道路公団に渡したとはいえ、この横断道路にかかずらわっているわけでございます。それで建設のときのノーハウというものを活用していただきましてひとつ維持管理をやっていただこう、こういうものでございます。 なお、資金構成につきまして、無利子貸し付けを行うということでございますが、一兆一千五百億円の資金のうち六百億円は出資金、残りにつきましては借入金などで賄うことになりますが、借入金の中にはいわゆる割引債というような、特別公共事業債のように利率の少ないものもございますけれども、それだけではなかなか六%の資金コストを構成することができません。したがいまして、一千二百五十億円と予定をいたしております道路開発資金を無利子で貸し付けて六%の資金コストを確保しようというものでございます。 なお、無利子の貸し付けにつきましては、これは野方図にすることはできませんので、今回の法案の中に「貸し付けることができる。」、無利子融資をすることができるという一文を入れていただきまして、法の根拠に基づいて貸し付けるものでございます。
○山田勇君 この会社に対する地方公共団体の出資について次にお尋ねをいたしますが、出資の割り当ての予定はどうなっておりますか。また、それは地方の受ける便益と比例をしておりますか。さらに、地元の調査についてはどうなっているのかお尋ねをいたします。
○政府委員(萩原浩君) この法案の中で、地方公共団体は自治大臣の承認を得てこの会社に出資をすることができるという一条が入ってございます。これに基づきまして私どもは地方公共団体から出資をしていただきたいというふうに考えてはおりますが、まだ法案を御了解いただいてない時点でございますので、正式の御協議といいますか、出資の御依頼を申し上げている段階ではございません。ただ、いろいろ事前に、このようなことを考えているということにつきましてお話しをいたしまして、今後法案を御承認いただいた後に各地域と御協議を申し上げて、この出資金の額を自治省の御調整も得ながら決めてまいりたいというふうに考えておりまして、現在はまだ白紙の状況でございます。
○山田勇君 最後の質問になりますが、明石大橋については東京湾横断道路のような特別の措置が予定されていないのですが、その事業の採算性は確保できるのでしょうか。 それから、本四架橋全体の採算の見通しはどうなっているのか。 東京湾横断道路の料金算定の根拠はどういうことを考えておりますか。また、料金は実際とのぐらいになるか。 この三点をお尋ねいたしまして、私の質疑を終わります。
○政府委員(萩原浩君) 明石海峡大橋は非常に長大な橋梁でございます。しかし、本州四国連絡橋公団が既に大鳴門橋を完成した実績がございまして、つり橋についての高度なノーハウを持っております。そういうことと、それから明石海峡大橋は、今も申し上げました大鳴門橋と一貫となって供用をするものでございますので、その大きな二つの理由から本州四国連絡橋公団においてやっていただこうというふうに考えたわけでございまして、東京湾横断道路のような別会社をつくるということはかえって得策ではないというふうに判断をいたしました。そういう公団方式によりますが、また一方で、国費の削減を目指して、地元の経済界の御協力を得て、いわゆる低利縁故債でこの資金コスト六%を確保いたしたいというふうに考えております。 明石海峡大橋の採算性については、十分採算がとれるというふうに考えております。 三ルート全体の問題でございますけれども、最後の尾道-今治ルートにつきましてはまだ着工という御了解が得られておりませんので、三ルートの全体の採算性の問題を確定的に議論するわけにはまいりません。一応採算可能であろうというふうに考えております。 東京湾横断道路の採算の根拠でございますけれども、供用当初約一日三万台。それから二十年後には開発の効果が出てまいりまして、一日六万台の交通量になるだろうということで、三十年間で採算がとれる。その際の料金といたしましては、五十七年価格で普通乗用車が三千円。一兆一千五百億円の総事業費には三%の物価上昇を見込んでございますから、そういたしますとこの三千円は供用時には四千九百円になるであろうというふうに考えております。これで採算性を計算して三十年間で十分償還可能というふうに私どもは考えております。 ―――――――――――――
○理事(増田盛君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木省吾君及び福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として浦田勝君及び竹山裕君が選任されました。 ―――――――――――――
○松本英一君 今回提案をされております東京湾横断橋の建設問題の歴史は古く、昭和三十年代の初め、電力の鬼と呼ばれた実業家、一八七五年十二月一日生まれ、一九七一年六月十六日没、即ち明治八年生まれ、昭和四十六年九十六歳の天寿を全うされた松永安左衛門翁の主宰する産業計画会議が昭和三十二年ごろ提唱をした東京湾の大規模埋め立て構想から出発したのであります。 松永翁は長崎県壱岐島の出身で、慶応義塾在学中に福沢諭吉先生の薫陶を受け、その娘婿福沢桃介氏と知友になり、生涯をかけて二人組んで実業界で活躍をされました。 松永翁は明治四十二年、一九〇九年桃介氏を社長に、みずからは専務となって福博電気軌道会社、すなわち現在の西日本鉄道の前身とも言うべきものを創設、日本一の安い運賃で有名となり、その後合併して九州電灯鉄道会社に発展をされました。このほか翌明治四十三年には日本瓦斯会社、すなわち西部瓦斯の前身を設立するなど、九州における公共、公益事業の重鎮としての存在を確立されたのであります。福沢桃介氏の経営する名古屋電灯会社が経営危機に陥ると、みずからの九州電灯と合併させ、大正十一年東邦電力を創設、五大電力の首位を争うようになりました。 その後、子会社として東京電力を設立し、東京に進出をされました。その後三井資本をバックとする東京電灯と合併して松永翁は東京電灯の重役になり、東京での活動地盤を確立されたのであります。昭和十一年、戦争への軍靴の響きが高まる中で、政府が電力国管論を打ち出すと反対運動の先頭に立ち、三年後の昭和十四年国管が実現すると、七十余りの会社からすべて引退をするという九州男子の面目躍如たる態度を天下に表明したのであります。敗戦後、電力再編問題が起こると電気事業再編成審議会会長として復活し、強引にみずからの案を通し、現在の九電力体制を発足させ、電力業界の中心的存在となられたのであります。(写真を示す) この写真は今から三十三年前の一九五三年一月一日、羽田空港において左側に松永のじいちゃん、右側に父治一郎、そして当時の通産大臣の池田勇人先生、後の総理であります。ここには若き九州電力の会長が写っております。一月一日に、初めてこの写真を手に入れました。 翁は茶道をたしなみ、収集品を中心に一九五九年小田原市に松永記念館を開設、一九七九年福岡市美術館が開設されるや御遺族によって美術コレクションを寄贈され、同館に松永記念館室が設けられたのであります。 その松永翁の産業計画会議は、昭和三十四年七月に、東京湾を埋め立て湾口と湾中央に東西を結ぶ交通路を設置して東京の住宅問題、流通問題を一挙に解決しようとする東京湾埋め立て構想を発表し、さらにそれを発展させた東京湾横断堤建設案を三十六年に発表し、横断堤上を東西の幹線交通路として提案しておりますが、これが今日の東京湾横断道路の原型となっているのであります。建設省は産業計画の提案を受けて、昭和三十七年度から直轄で調査を開始しているのでありますが、五十一年度からは、有料道路として建設することを前提に日本道路公団が建設省の調査を引き継いで、今日に至っているのであります。 そこでまずお伺いしたいのは、東京湾横断橋建設問題のこれまでの経緯と、長い構想の歴史がある東京湾横断道の建設主体を何ゆえに道路公団、地方公共団体並びに民間の出資する株式会社としなければならなかったのか。単に資本の導入という観点だけならば、道路公団が民間資本を借り入れて建設に当たれば十分であると考えますが、株式会社方式をとらなければならなかった理由について御説明を願いたいと存じます。
○政府委員(萩原浩君) 東京湾横断道路の建設に至ります経緯につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、建設省の調査を踏まえて昭和五十一年度から日本道路公団において調査を続行していたものでございます。 この道路の意義につきましてはもう既に先生御指摘のとおりでございまして、首都圏の広域的幹線道路の一環といたしましてぜひ早期の着工が望まれていたわけでございます。いろいろな要因がございまして、とりあえずは昨年の八月末政府としては、日本道路公団において事業に着手させていただきたいという予算要求をいたしました。 しかし、そのときに大きな二つの障害がございました。それは、現在非常に財政が厳しい中で、従来の日本道路公団で実施をする場合には多額の国費が必要であるということと、それからもう一点、日本道路公団は現在七千六百キロの国土開発幹線自動車道の完成を目指して鋭意事業を実施中でございますけれども、この事業をさらに取り込むといたしますと日本道路公団のいわゆる機構その他に何らかの手当てをしなければならないという問題、この二つの問題が非常に大きな障害として当時から残っておりました。したがいまして、八月の末の要求の段階では、事業主体あるいは資金の構成については今後予算原案の策定時までに詰めるものとするということのもとに、日本道路公団で要求をさせていただきました。 その後いろいろ議論を進めさせていただきましたところ、この二つの大きな障壁、国費をたくさん使わなければならないということ、それからもう一つは日本道路公団の現在の事業量というものを勘案いたしまして、民間の資金あるいは経営能力、技術的能力を十分活用できるような会社による建設並びに管理の方式を採用させていただきたいというふうに考えている次第でございます。先生御指摘のように、資金面だったらば、例えば同じようなやり方を公団でやればできるではないかという御指摘もあろうと存じますが、やはり技術的な問題あるいは公団の機構の問題その他を勘案いたしまして、さらに民間資金を活用しやすい会社方式をとらせていただきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○松本英一君 本四架橋に入る前に、今質問の中で松永のじいちゃんを「電力の鬼」と申しました。委員長、これはきょうの読売の朝刊に載っております書籍の広告文であります。(資料を示す)九鬼文書と読みます。鬼を神様と呼ぶこれがあかしでありますし、これを出しております八幡書店の武田崇元君は私の十年来の友人でもあります。 それでは、本四連絡橋のうち神戸-鳴門ルートについて、十六年前から質問を続け、昨年の六月十八日にも本建設委員会で質問をいたしましたが、公団発足以前から、明石海峡大橋の安全性に疑問を持ち、昭和四十五年四月二十四日本会議において、佐藤総理に当時から、道路単独橋とすべきであると主張してまいりました。 政府は今回、明石海峡大橋の建設凍結を解くに当たって、六十年八月二十七日、建設、運輸、国土の三大臣の合意として道路単独橋とする方針を決定し、さらに昨年末の十二月二十七日には、三大臣の協議決定事項として、六十一年度から道路単独橋として建設に着手することを決定しているのでありますが、私に言わせれば、道路単独橋にするまでの期間が非常に長かったという気持ちであります。 私は、否、だれが考えても、道路鉄道併用橋にすれば、その積載荷重、そのために起こる根入れ工事が非常に深いところになることは自明の理であります。道路単独橋の根入れ工事は、併用橋より根入れ工事の深さが違ってくるのも当然のことであります。 本四公団の発足一カ月前ごろ、自民党首脳部から同時着工の案が飛び出すに至りました。私はそれに触発され、本会議並びに建設委員会で同時着工論を主張し続けてまいりました。私が触発されたこの同時着工論は、明石-鳴門の鉄道併用橋の鉄道部門を外して道路単独橋にしなさい、そして真ん中の児島-坂出は一本しか通らない道路鉄道併用橋、あるいは尾道-今治に鉄道分の費用を回せば同時着工ができるではないかという主張なのです。いかにも長過ぎた感じがする。 ここに改めて、明石海峡大橋を鉄道併用橋から道路単独橋に切りかえた経緯を説明されたい。
○政府委員(萩原浩君) 明石海峡大橋につきましては、昭和四十八年に工事実施計画によりまして、道路鉄道併用橋として計画をされました。今、先生御指摘のとおりでございます。その後、例のオイルショックの問題がございまして、とりあえずこの三ルートの着工は凍結をされました。それで、新たに児島―坂出ルートの一ルート、それと大鳴門橋、大三島大橋、それから因島大橋、いわゆる一ルート三橋の着工が認められたわけでございます。それに基づきまして大鳴門橋は計画どおり着工することができましたが、その後、この凍結によりまして明石海峡大橋の着工がずっと延び延びになっておりました。その間におきまして、国鉄の財政が非常に悪化をいたしまして、併用橋の建設はもう困難となってしまいました。 一方で大鳴門橋が完成をいたし、大鳴門橋だけではなかなかその橋の効用が出てこない。明石海峡大橋が一日も早い完成を待たれるということの理由のために、今回道路単独橋として明石海峡大橋を建設する必要があるのではないかといういろいろな御議論が出ました。また、それに伴ういろいろな協議が行われまして、先ほど先生御指摘のとおり、昨年の八月に、道路単独橋として一応建設をしようではないかというふうに決まった次第でございます。
○参考人(吉田巌君) ただいま先生からお話がございましたが、私ども公団といたしましては、当初道路鉄道併用橋としての御命令をいただいておりまして、今回の六十一年度予算の中で明石海峡大橋を道路単独橋で事業化するという予算を確定していただきました。したがいまして、私どもとしては、わかりやすく言いますと、身軽になりましたので、元気いっぱい仕事をさせていただきたいと思っております。
○松本英一君 本四公団が六十年四月に発表している明石海峡大橋道路単独橋の可能性調査報告書によりますと、鉄道併用橋から道路単独橋とすることにより、一つ、列車荷重等を考慮する必要がなくなる。二つ、路線線形条件が緩和され、縦断勾配を大きくすることができる。三、橋床構造が道路部のみの構造となり、耐風安定上、有利な構造となるとの点を指摘し、道路単独橋とすることで、上部工で鋼重で約二二%、下部工のコンクリート量で約三五%減少させることができると述べているが、道路単独橋とすることによって橋の安全性がどの程度向上したことになるか、御説明を願います。
○参考人(吉田巌君) 道路鉄道併用橋が道路単独橋に変わったわけでございますので、鉄道を載せる部分、レールばかりではございません、レールを受けます部分を含めて鉄道部分の構造が不必要になりましたので、全体として鋼重を減らすことができるわけでございます。 また、一般に長大つり橋、二千メーターになんなんとするつり橋でございますが、長大つり橋を設計する場合には、特に風の問題が大きいわけでございますけれども、この鋼重が減った道路単独橋の場合には、鉄道橋の場合と同じように風洞実験その他によって構造の細目を検討して、十分な安全性を確保して、詳細設計をするわけでございますけれども、今先生の御質問の安全性がどの程度向上するかというものにつきましては、数字で表現することは実は非常に難しゅうございまして、私どもとしては、結果として工費、建設をするための金が安くなるということでその評価をいたしておりまして、御承知のように道路単独橋にすることによりまして、全体の工事費が二六%減っておるわけでございますけれども、そういう結果で道路単独橋の方が有利であるというふうに理解をしております。
○松本英一君 吉田理事さん、今度よく聞いてください。 調査報告書が、道路単独橋とすることで耐風安定上有利な構造となると述べておられる点を注目いたしたいと思います。 明石海峡大橋は三千五百六十メートル、アバットからアバットです。そうすると、仮に新幹線の海上部設計速度百六十キロで走れば八十秒かかります。陸上設計速度二百六十キロメートルで四十九秒です。鉄道併用橋から道路単独橋とすることにより、建設費は五千八十億円から三千七百億円となり、千三百四十億円の約二六%の減となります。 一方、大鳴門橋は千六百二十九メートルです。新幹線の海上部設計速度は百六十キロでありますから三十六秒かかります。二百六十キロで走ると二十二秒であります。そもそも昨年の六月も、吉田理事さんはこの委員会へ御出席を願いました。昨年の五月十五日、六月八日の開通式の前に私は徳島に入りまして、大鳴門橋を、当時の武市知事をしのびながら質問をいたしました。また、大鳴門橋も半分まで渡って歩きました。御案内も受けて、ヘルメットをかぶり、突然吹く風に畏れを感じました。これは危ないなという気がしました。そして、下にもう新幹線の線路が敷かれております。私は数字は弱いんですけれども、方程式は強うございます。千六百二十九メートルですから、仮に基本設計の、基本計画の百エッチであるところを八十キロで走ったとする。それよりもまだ遠慮して六十キロで走ると一分三十七秒であります。そこを新幹線が通ったら何秒ですか。あっと言う間もないわけでしょう。そういうことを考えてまいりましたが、あの下を走る、この問題について、もう走らないようになるんですね、どうですか。大鳴門の方です。
○参考人(吉田巌君) 大鳴門橋の方につきましては、私どものいただいております御命令は、将来新幹線を通すことができるような荷重を見込んでつり橋を設計しておきなさいということでございまして、レールその他の直接新幹線が乗る構造につきましては現在建設しておりません。
○松本英一君 では、鉄道併用橋として現在までに鉄道関係に投じてきた経費は約二百五十六億円であります。自動車道で、八十キロで走れば二分四十秒、明石であります。大鳴門は一分十二秒。 狭い日本をそんなに急いでなぜ走るかという標語もありますけれども、新幹線の十六両編成のひかり型では、一編成の長さは約四百メートルとなり、こだま型では十二両で三百メートルであります。すなわち、新幹線車両は、――調査室で計算をしてもらいました、長さ二十五メートル、高さ三・九七五メートル、側面積九十九・三七五平方メートル。したがって、これを畳の面積一・八掛ける〇・九にしますと、六十一・三畳になります。ひかりが十六両編成で、これが六十一・三掛けるの十六で九百八十・八畳になりますね。吉田理事さんが起工式のときにおられたかどうか知りませんけれども、これが、起工式が行われたところが大鳴門側の鳴門の千畳敷というところでありますね。不思議な計算が合ったのにびっくりしました。したがって、こだま型の十三両編成にいたしますと、七百九十六畳の畳のブロックになるわけです。 これはもう御承知だから言いませんけれども、アメリカのタコマ橋、これは大臣に聞いていただきたいので申しますけれども、これはアメリカのワシントン州タコマ海峡にかけられた道路単独橋であります。一九四〇年七月に完成したこの橋は、当時世界第三位を誇り、中央スパンは八百五十三メートル。今度二百六十メートルを延ばした明石海峡のこれは半分にも、三分の一ぐらいになりますかね。そういうつり橋を今度かけるようになるわけですが、しかし、このタコマ橋はわずか完成後四カ月にして、鋼鉄のつり橋が紙細工があめ細工のように中央部分があっと言う間に引きちぎられ、ばらばらと崩れ落ちていったものです。 しかも、この橋は当時最先端の長大つり橋理論に基づいて設計をされ、設計風速も毎秒四十メートルであったにかかわらず、毎秒十九メートルの風にあおられてしまったのであります。風速の半分以下で切れてしまったこのタコマ橋、最近テレビでよく出されております、私も見ました、こういうことを踏まえて、この千九百九十メートルのつり橋の安全性、それから地覆の厚さ、橋の厚みですね、そういうものの中から、しかも瀬戸内は風圧が相当以上に強いのです、私も十六年前から重ねてこの風圧の危険性を指摘していたのでありますが、道路単独橋とすることで風圧安定性についてどの程度安全性の向上が図れることになったのか、御説明を願います。
○参考人(吉田巌君) つり橋の風に対する安定性は、今先生からお話がございましたように、タコマ橋の落橋というのが非常に大きな出来事でございまして、それを契機にいたしまして、風に対する安定性の勉強が非常に進みました。 御承知のように、タコマ橋というのはいわゆる専門の方の言葉でいきますと箱げた断面といいまして、鉄板で閉鎖されたけた橋でございます。一方、私ども現在計画しております明石海峡大橋は、トラス断面という、要するに風の通りをよくした断面になっております。基本的にはそこが違うわけでございまして、そのトラス断面を採用いたしました。道路鉄道併用橋の話が先ほど先生から御指摘がございまして、私の御説明の中で、道路単独橋にすると台風安定性上有利になるということも申し上げましたが、それを数字で申し上げますと、トラスの高さを併用橋の場合よりも道路単独橋の方は低くすることができまして、トラスの高さを十四メーターにすることによって十分風に対する安定性を確保することができる。 それではどの程度の風を考えておるかと申し上げますと、既往の台風を全部カバーできるように、八十メートル毎秒という非常に大きな風に対してもトラスが安定であるということを検証いたしまして現在の設計をまとめております。
○松本英一君 本四公団は今月、四月の八日、今回、道路単独橋としての明石海峡の詳細設計を発表しておりますが、その概要について説明を願い、橋の総延長も従来の三千五百六十メートルから三千九百十メートルと長くなっており、中央スパンも先ほどの質問のように千九百九十メートルと大きくなっておるこのことの事情について、さらに中央スパンを千九百九十メートルとすることで橋の安全上問題が生ずることはないか、安全性について説明をされたい。 というのは、十六年前はこの地覆の厚さを大体三メートルか六メートルぐらいとしておる。大鳴門を見たら、これはトラス、いわゆる橋梁技術のトラスの進歩、技術の向上によって、今は二十センチぐらいの大鳴門をそれを見てまいりました。だからそれはわかっておるんですけれども、その安全性について御説明ください。
○参考人(吉田巌君) 道路単独橋として明石海峡大橋を取り上げるという御決定をいただきまして、私ども公団といたしましては、より経済的である橋梁計画、あるいは工事の施行がより容易であるように、あるいは全体の工事期間、工期が短くなるようにということで、改めて全体の計画を見直してまいりました。 その結果、私どもといたしましては、現在まとめております橋梁計画は、つり橋のセンタースパン、塔と塔との間の距離を千九百九十メートルとする計画を取りまとめたわけでございます。これは先ほど前段で先生が御指摘ございましたように、塔と塔の間を広げることによりまして、橋脚の施工箇所の水深を浅くできる。それから岸に向かって基礎の岩盤が浅くなっておりますので、橋脚の根入れ深さも浅くできる。いろんな面でセンタースパンを大きくすることが有利に働いてまいります。それからつり橋のケーブルをとめますアンカレジというものをほぼ陸上部に近いところに設けることができますので、海中の工事を軽減することができます。 それから、全体の今の橋脚のスパンを広げますと、今の航路の幅が千五百メーターございますので、それに対する余裕も十分とれる。いろんな面から有利な面が出てまいりまして、当初考えておりました千七百八十メートルの計画とほぼ同じぐらいの経費で、より工期が短く、より安全な橋梁計画をまとめることができたわけでございます。 それから、今お話しございました風に対する問題につきましては、同じように風洞実験その他をいたしまして、十分安全性はチェックしております。自信を持っております。
○松本英一君 僕も十六年前に東大の風洞実験室に参りました。あの机のあれを地覆としますと、風洞の煙はぶつかったら向こうに抜けていかないんです。真ん中に来るんです。そうでしょう。そうなってくると、鉄道部門でやられるから僕は鉄道を外していけというのがその体験の中から出てきた問題です。 明石海峡大橋を道路単独橋とすることにより、鉄道併用橋として建設してきた大鳴門大橋の鉄道関係の既存投資分がむだとなるが、その額はどの程度になるか。資料によれば、大鳴門関連分で、四十五年度が二億、四十六年度九億、四十七年度は二十二億、四十八年度は三十億、四十九年二十七億、五十年二十二億、五十一年四十億、五十二年五十一億、五十三年五十三億、以上で大体二百五十六億円が鉄道関係投資額となっており、国鉄の分割・民営化に当たって旧国鉄に債務として引き継がれることになっていると聞いておりますが、鉄道分の投資額の処理はどうなるのか御説明願いますか。
○説明員(福島義章君) まず、大鳴門橋の鉄道分の投資額について御説明いたしますが、先生お述べになりましたように、大鳴門橋につきましては道路鉄道併用橋として計画されておったわけでございますが、鉄道分につきましては諸般の事情から、将来、鉄道敷設を可能とする構造とするための必要最小限の範囲で投資を行うということでやってまいっておりまして、したがいまして五十四年度以降は新規の投資は行っておりません。 五十三年度までの投資額といたしましては、建設費で百五十億、そのほか先生いろいろおっしゃいましたように、調査費あるいは一般管理費といったようなものが関係してまいりますものですから、鉄道分の債務残高といたしましては二百五十六億円ということになっております。 それから、この鉄道分の投資にかかわります債務あるいは資本費というものをどう処理するかということでございますが、今回の再建監理委員会の意見を受けました国鉄の分割・民営化に当たりましてこういった鉄道分の投資にかかわる資本費をどうするかということが問題になってくるわけでございますが、これにつきましては再建監理委員会の意見で神戸-鳴門ルートにかかわる資本費につきましては旧国鉄で処理する、こういう提言をされております。したがいまして、政府におきましてはこの意見に沿いまして、現在国会に提出させていただいております国鉄改革関係法案の中におきまして、国鉄の清算法人である国鉄清算事業団というものが本四公団の債務に相当する債務というものを負担することによってこれを処理する、こういう考え方によって法律上措置をいたしておるというところでございます。
○松本英一君 大臣は大鳴門大橋に見学に行かれましたか。あの下に通っております新幹線の施設は何に使えるとお思いですか。何にも使えないでしょう。ということは、国民の税金の二百五十六億円というその金がむだになったということです。十六年前から私の主張のようにやめておれば何でもないんです。だから私は、明石海峡は一〇〇%切れる、大鳴門は五〇%だ。それは私のために質問しておるわけです。業界とか、あるいは郷土のためとか、そういうことではないのです。私のひ孫が、そのまたひ孫がその切れたときに遭遇するかもわからぬということで質問を展開しておるところであります。 それでは、現在鉄道建設公団で、明石海峡大橋が道路単独橋となったのに伴う鉄道ルートとして紀淡海峡及び明石海峡の海底トンネルの調査が行われていますが、いつごろに終わり、明石大橋にかわる鉄道のルートが紀淡か明石のいずれになるか、決定されるのはいつごろか御説明を願います。
○説明員(福島義章君) 本州と淡路島間の鉄道トンネルにつきましては、四国新幹線計画の関係の調査の一環といたしまして、鉄建公団が五十八年度より明石、紀淡の両海峡を対象といたしまして、海底鉄道トンネルの技術的可能性について調査を行っております。 現在、調査の状況としましては、現在の調査の重点は主として紀淡海峡の方に移っておりますが、明石海峡につきましてもなお追加調査の必要がございます。 さらに、海底トンネル調査の特異性と諸般の事情から、調査があとどれだけ時間を要するかということにつきましては、現在の段階でまだ明確な見通しを持っておりませんけれども、まだかなりの期間を要するというふうに私どもとしては聞いております。
○松本英一君 鉄建公団は、四国を経由して大阪と大分を結ぶ四国新幹線構想の一環として豊予海峡トンネルの調査を数年にわたって実施し、一応の調査が終わり、技術的には可能であるとの結論を出しているが、今日の国鉄の現状では目途が立たない。九州出身の建設大臣としては、これを道路トンネルまたはカートレーン方式によるトンネルに切りかえる御意向はないのかどうか。 実は、七年前に五十代の若さでこの世を去りました岩切宮崎交通社長が私に、大分でも結構です、豊予海峡トンネルをぜひ実現させてもらいたいというお話があったことを、今なお忘れることはできません。大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(江藤隆美君) きょうは私は大変感銘深い話を承ったと思っておるんです。松永安立衛門、福沢桃介、そうした大先輩が、池田さんやら松本治一郎先生やらいろいろ相談されて、そして両翁が西日本鉄道あるいはまた九州電力、西部瓦斯までつくられたという話を私は実は初めて聞きまして、先輩のそういう偉業に対して改めて認識をさせられまして、これは初めて私聞かせていただいてありがとうございました。 それから、先生が十六年前からこの超大橋、明石海峡・鳴門大橋のこうしたつり橋の安全性についていろいろ議論をされておったということを言われまして、私大変内心じくじたるものがありまして聞いておったんです。といいますのは、昭和四十八年か九年でしょうか、宮崎にリニアモーターカーの実は試験地をつくりまして、あのときには東九州新幹線をつくりまして、それから今おっしゃいました豊予海峡を、青函のトンネルが開通しましたら、あれほどの技術陣を持つわけですからあそこに投入して、豊予海峡トンネルを新幹線で渡って四国に上がる。それで四国から今度は本四架橋を通って、本州の中央部を真っすぐに抜ける。そして東京から宮崎までの間を三時間半で結ぼうという構想が、あれは中央新幹線構想でありまして、それを昭和四十八、九年ぐらいだったかと思いますが、宮崎のいわゆる日本海軍発祥の地、美々津、神武天皇御東征のいわゆる美々津で国鉄百一年記念事業としてあれはやってもらいまして、そして考えたのがそのころであります。 ですから、私はもうそれよりかは何年か前に先生がそんな橋をかけたって危ないよという議論をしておられたという話を今聞きまして大変恥ずかしい思いがしたんですが、こっちは素人なものですから、とにかく通せばいいと、こう思っておったわけです。しかし、先ほど来お話がありましたように、松永安左衛門さんが昭和三十二年ごろにこの東京湾横断道路を提唱されたという話も私初めて承りました。しかし、そういうことから考えてみますと、そういう大先輩が三十年も四十年も昔提唱したことがやっと今物になりつつある、我々の時代に。であるならば、もう残されたものは私はやっぱり、四国と九州を結ぶ豊予海峡のトンネルが何としても一つの大事業として残るであろう、そう思います。それから大陸との交流、朝鮮半島の政情、政治的な安定というものができるならば、私は対馬海峡というのも一つのやっぱり大陸を結ぶ将来の、何十年先かしれませんけれども考慮の中にあっていいのではないかというようなことを実は考えております。 したがいまして、東九州新幹線ができるということについては私もちょっと自信がありませんで、やっぱり新幹線は人を運ぶものでありまして空気を運んだのでは採算に乗りませんから、それがだめならば、せっかくあれほど調査をしたものですから、私は需要というのは必ず出てくるであろうと思っているんです。関門トンネルあるいは関門橋がもう四万台を超えたと思いますが、当初はそんなにあるとは思っておりませんでした。ですから、やっぱり四国、九州一体という考え方から考えますならば、豊予海峡のトンネルというのはぜひこれは道路でもって将来実現をしたいものだというのは、もう私のこれは子や孫の時代にかけてもひとつ実現をしたいものだという感じを持っておるところでございます。
○松本英一君 去年の六月の建設委員会で、もう一分しかなかった時間で弘法大師のことに触れました。空海和上は、一昨年が御遠忌千百五十年祭であります。私は、一昨年の十二月四日に当時の森座主猊下、当時の阿部野宗務総長、お二人から、福岡の篠栗の南蔵院御住職が権野大僧正の位の親授式に後見人を命ぜられて、高野南山に登りました。そうして、四国八十八カ所の第一番霊場は和上が讃岐出身でありながらなぜ鳴門にあるのかということに疑問を提起して、短い時間を終わりました。 一番霊場霊山寺、二番札所極楽寺、三番札所金泉寺、そしてこの次は允恭帝の時代における日本書紀に基づいて、あるいは紀貫之時代の土佐日記を通じながら質問を展開するということを申し述べてまいりました。 今はしかし、よくわかりました。高野山からなぜここに、鳴門に一番札所を持ってきたかということは、その方角が一直線上に讃岐の山に到達する線を見つけました。今、神武天皇の美々津の話が出ました。美々津のトンネルも、私は羽田野委員長と一緒に保線の人にあいさつに回った記憶もございます、大臣出身の大淀川の右岸の曽井遺跡から出ました、中国の紀元前後に成立をした始皇帝の秦ではなくして、王莽が建国した新です、十六年の短命であります、侵略者は必ず短命に終わるんですが、この王莽の貨泉が宮崎歴史博物館に保存してあります。私は昨年六月一日にこの手で持ってみました。そして、七千人集会の実行委員長として出たのでありますけれども、水上勉先生が講演で来られました。そのときに、西暦七一三年、和銅六年、風土記の編さんを命じ、続いて二字によって好字となす。したがって、和歌山の木国は紀伊になるんです。一字名前の梅さんは梅野になります。助詞としてツをつければ梅津さんになるわけです。しかも、おたくから出た貨泉、曽井遺跡から出たやつは、私の福岡の糸島郡の御床松原というところからも同じものが出ております。それから、串間の玉碧も同じく宮崎博物館にありますけれども、これも糸島郡の三雲平原遺跡から玉碧が出ております。 そういうことを考えると、紀元前から日本に渡来した人たちがおったことはお認めになりますかどうですか。 以上をもって私の質問を終わります。
○国務大臣(江藤隆美君) きょうは歴史の話を聞かせていただきまして、改めてまた承らせていただきたいと思いますが、しかし、人間この世に生まれてきて一人で生きておるんじゃない、やっぱりそういう古い古いものがあって我々の時代にこうして引き継いでこられたものだということをいみじくも感じますし、同時に私どもは、後生恐るべしと言いますが、これからは、先生が子や孫の代にとさっきおっしゃいましたけれども、私どもは子や孫の代に恥ずかしくないものを残していかなきゃいけないなということをきょうは教えられた感じがいたします。 ありがとうございました。 〔理事増田盛君退席、理事松本英一君着席〕
○馬場富君 午前中も参考人の御意見を承りまして、この東京湾横断道路の問題とあわせまして参考人の意見を総合しましても、横断道路が東京湾の環境的に与える影響は非常に大きいと。特に、横断道路をつくるつくらぬは別としても、東京湾が交通やいろんな機能からも結局非常に大きくもうピンチに来ておる状況にあるというのが、東京湾の実は持つ環境だというふうに私たちはとることができました。 だからそういう意味で、国におきましても国土庁、きょうは環境庁は来てみえませんが、建設省におきましても、この横断道路が地域住民のプラスになり後世に残るものだとしたら、前回の質問でも私言いましたが、東京湾というのはやっぱり首都圏を守る最大の環境でもあるわけです。そういうわけで、この重要な海上交通路あるいは漁業資源や自然の空間の場を持つこの東京湾というものを、横断道路ができたればこそなお私は守らなければならぬ。 それがためにも、ぜひこれを契機にこの東京湾の環境を整備する。そしてまた、海上交通や、それを受ける首都圏の住民を守るためにも、よりよき東京湾の環境を守らなければならないということが私は前提だと思うんです。それは完全にできておるということがこの前質問にございましたが、どうか国土庁と、建設省の大臣におかれましても、でき得れば、午前中も皆さん、同感ですとおっしゃっていましたが、総合整備を考えた法律等も考え、東京湾を守る、横断道路はつくるけれどもやはり東京湾を守ろうという、そういう考え方にこれを転機に立って考えられる必要がある。 私は、法制化されても将来考えられる必要がある、こう思いますが、国土庁と建設大臣の御見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(江藤隆美君) 先般予算委員会で船橋の漁協の組合長さん、大野さんという方でしたかが見えまして、漁業問題についてという質問に対しまして、橋ができたら魚がとれ出した、そういうふうにあってほしい、補償問題は後だ、こう言われまして、私は大変感動したわけであります。 ただ補償すればいいという考えのものではないと私は思うんです。まさに橘ができたらかえって魚がとれた、とにかく湾内には、ここは島がないわけですから、瀬つきの魚というやつがいないわけですから、いわゆる大型魚礁に類するものを人工島付近その他に設置して漁業をやるというのも一つの方法だ。ましてや海上交通の安全についでこれが守れなかったら、私はこれはもう建設省は信を問われると思っております。 たくさんの指摘がありますし、また海事七団体からもいろんな御意見が出ております。六団体の代表は海上交通安全調査委員会の委員に御加入をいただいて、ひとつ専門的御議論を今後のことについて賜ろう、こうしておるわけです。これはもう衆知を集めて総力を挙げて海上の安全は守らなければいけない、そういうことで私どもは真剣に取り組んでいこう、こういうふうに思っております。
○政府委員(山本重三君) 先生御指摘のように、東京湾及びその臨海部は、過去の高度成長期に形成されました工業、港湾機能を中心に、物流とか産業とか生活等各方面にわたり、東京圏はもとより我が国経済社会に大きく貢献してきたと考えております。しかし、最近の産業の変化、あるいは物流の変化、あるいは工業あるいは港湾機能の変化、こういった情勢とともに、我が国の国際化、情報化に伴っていろいろな事務所需要が出てくるとか、あるいは水面を活用した文化、レクリエーション需要が増大しておるとか、こういったいろいろな要請が東京湾及びその臨海部に求められてきているわけです。 今回の東京湾横断道路の建設あるいはただいま進んでおります羽田空港の沖合展開、こういった交通条件の改善も進んでおりますこの時点で、今後湾全体の重要性は非常に高まってくるだろうと思います。そういう意味で、東京湾につきましては、御指摘のありましたように、限られた貴重な公共の空間であって、内湾としてもすぐれた価値を有しているということを認識しつつ、その利用を図り、さらに国際化、情報化、こういった新しい要請に対応して、やはり日本の玄関口としてふさわしい機能及び環境を整備していく。それからまた、国内外の交通ネットワークを形成する湾岸としての諸機能を効率的に発揮させるための、交通機能の整備を図る。 それと同時に、市民の高度かつ多様化するレクリエーション需要にもこたえるための臨海部における生活環境の質を高める、こういった各種の要請に対応して東京湾の総合的な利用、保全の問題を考えていかなければならないというふうに考えております。
○馬場富君 大臣に要望ですけれども、今はっきりと御返答は無理がと思いますが、いわゆる環境庁や国土庁や各省庁とも連絡をとっていただきまして、将来の方向性として、東京湾を守る環境整備の法制化というものにひとつぜひ、この橋をつくる限りは力を入れてもらいたいということを強く要望しておきます。 次に、三全総の中でいわゆる高規格の幹線道路網一万キロの構想が示されておりますが、第九次道路整備五カ年計画でも高規格の道路計画を策定することとされておりますが、東京湾山声道路もその一環に位置づけられているというふうに私も聞いておりますが、この検討はどのように進んでおりますか、お尋ねいたします。
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘の高規格幹線道路網の問題でございますが、ただいま御指摘のとおり、第九次道路整備五カ年計画中にこれを策定しようというふうに考えております。それで現在いろいろ調査を進めておりますけれども、一方、国土庁におかれまして第四次全国総合開発計画を策定中とお聞きしております。その中でも総枠的なこの高規格幹線道路網のあり方について御提言が出るというふうに承っておりますので、その国土庁の構想と調整をとりながら、できますれば来年の夏ごろまで、六十三年度の予算要求時点までにこの高規格幹線道路網の構想を定めたい、こういうふうに考えておりまして、現在鋭意検討中のところでございます。
○馬場富君 それでこの高規格幹線道路綱の定義でございますが、一万キロメートルのうち七千六百キロメートルについては国土幹線自動車道路ということに大要は進められておるようでございますが、その他の道路につきましても、やはりこの中に組み入れられて、法律的な位置づけというものがなされると思うんです。 この中で、ちょうど関連でございますが、前回の委員会でも質問いたしました東海環状道路網が将来に向かって今大きく前進しておりますが、その一つとして伊勢湾岸道路に非常に前向きで取り組んでいただいておりますが、これもやはり東海環状道路を高規格幹線道路綱一万キロの中の位置づけにぜひひとつ考えてほしいと思いますが、いかがでございましょう。
○政府委員(萩原浩君) 伊勢湾岸道路並びに東海環状道路、これが現在私どもが作業を急いでおります高規格幹線道路網の中に入るかどうかという確たる御返事は現在ではちょっといたしかねますけれども、この構想がこの高規格幹線道路網の構想にかなり合致するものであろうというふうには私どもは考えております。 ただ、それの整備手法その他を含めまして今鋭意調査を進めているところでございまして、間違いなくこの道路網の中に入るということまではちょっとまだ断言いたしかねます。今後の調査検討の中でいろいろな面から詰めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○馬場富君 大臣からも一言、この東海環状道路が高規格道路綱の中の一角に位置づけされるように最大の努力をしてもらいたいと思いますが。
○国務大臣(江藤隆美君) 国土庁のいわゆる四全総の全容がまだ出てこないうちで確約をするということは適切でないと思いますが、東海環状道路については、多くの要望の中で一つの有力な路線であることは間違いがない、こう思っております。建設省としても三地域はもう既に調査にかかっておりますわけで、高規格幹線道路に指定しようがすまいがもう既に手をつけておるところでございますから、その必要性についてはこれは十分認識しておりますので、今後私ども前向きに取り組ませていただきたい、こう思っております。
○馬場富君 次に、これは東京湾横断道路との関係では別件でございますが、以前に大臣が名古屋に見えまして、伊勢湾岸道路と並行しまして、いわゆる尾張地方の水害対策、あわせて名古屋市内の堀川の浄化のために、木曽川導水に対して民活を交えた推進方を打ち出されましたが、この点につきまして、建設省の概要と進捗状況について御説明願いたいと思います。
○政府委員(廣瀬利雄君) お答え申し上げます、 木曽川導水事業は、木曽川と庄内川を導水路で連結する建設省直轄施行の流況調整河川事業でございますが、その目的といたしましては三点ございます。第一点は新川の洪水防御及び内水排除、第二点は新川及び堀川の河川浄化、第三点は都市用水の開発とその導水ということになっております。特に、河川浄化につきましては、堀川等の河川に浄化用水を導入し河川環境を改善しょう、こういう計画でございます。
○馬場富君 これを二つに分けまして、一つは木曽川導水事業、一つは堀川の総合的な整備の問題、二つあると思いますが、特に木曽川導水につきましてまず最初にお尋ねいたしますが、これは御存じのように、今趣旨説明されたように、かつて十七号台風が愛知県地方を襲ったことがあります。そのときに尾張のゼロメートル地帯というのはほとんど水につかってしまったわけです。そのときに結局海から高潮で押し寄せてくる水と、それから雨水によって増水する水との板挟みになって、あの新川下流やあるいは木曽川中心の小河川がほとんど決壊したわけです。 それで、その後の対策として、一つはポンプによる伊勢湾への排水。これは今百トン、二百トンと計画が農水省の方で進められておりますが、このゼロメートル地帯の河川をやはり護岸だけで守るということは非常に難しいということが実は一つの考え方になりまして、そして、上流で一つは排水路をつくった方がいいんじゃないのかということから、いわゆる木曽川の水路を利用して洪水専用と都市用水専用の二つにして、そして上流での雨水のはんらんを庄内川に集める、一つはその余った水を堀川に導入するという二点で考えられたわけですが、これは非常にもっともな対策でありますし、これらを推進することによってあのゼロメートル地帯の多くの住民が守られる結果になるわけですね。そういう重要な事業でございますので、ぜひこれは、導水事業に関しては今予算も組まれて調査の段階にあるようですけれども、早急に調査を終えて、事業実施の方向に強く進めてもらいたいと思いますが、この点いかがでございましょうか。
○政府委員(廣瀬利雄君) 本事業は、先生ただいま御説明いただきましたように、昭和四十七年度に実施計画に着手いたしまして、昭和五十八年度からは建設事業に入っている事業でございます。現在までに導水路工事区間につきましては、必要な地形測量、関連する河川の水位、流量、水質等の観測、構造物の検討等を実施いたしております。
○馬場富君 大臣の方についてもお聞きしたい。 この導水事業は、かつて大臣もおっしゃいましたが、堀川の方は後からお尋ねいたしますけれども、木曽川を庄内川に導くという、これによってやはり雨水の排水を上流部でコントロールして災害時の決壊を防止するという対策でございますが、非常に緊急を要するものですから、これについても積極的にひとつ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) けさも実は幹部の間でいろいろ、これは早くできないかという話をしたわけですが、関係の町村が十二市町村にまたがっていることでありまして、用地買収その他その権利の問題が早く片づけば事業は一潟千里にいきますということですから、ひとつ努力をして、そういう用地交渉その他漁業権の問題等もあるでしょうから、早くそういうものが片づくといいなという話をしたところでして、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○馬場富君 続きまして、この導水に並行しまして、名古屋市が発展をしました母なる川、堀川です。 これは、名古屋城をつくるために福島正則が伊勢湾から名古屋城にまで通ずる川を掘ったわけです。これが一つのきっかけとなって名古屋の水路の中で重要な、交通から、あるいは市民の環境を守るための使命を今まで果たしてきた大事な川です。ところが、これは町の真ん中でございますので、近年はいわゆるヘドロ等で、公害の川になってしまったわけです。だから、木曽川導水を庄内川まで持ってくるなら、もう少し延ばせば堀川に通ずる、堀川の浄化にもなるということから、この木曽川導水がいわゆる堀川まで延長された経緯がございます。これは非常にすばらしい達見である、こう考えておりますし、私たちもぜひ進めていきたい。 かつてこの川は、非常に点もすみ、そして名古屋市の環境の上に非常に大きい役割を果たしてきたし、それから四季それぞれにここは結局市民の憩いの場所でもあったわけです。それでぜひこの際木曽川の導入とあわせて、やはりどうしてもこれを還元したいという希望が強く住民の中にもありますし、名古屋市も百年を契機といたしまして、六十四年が百年祭、百周年になります、それを一つの目標にいたしまして、今建設省が進めておられます都市の小河川改修事業の中に一つは入れていただきまして調査をされておる段階でございますが、地元からこの計画が出されましたならば早急に予算化をひとつお願いしたいという点がございますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(廣瀬利雄君) 堀川は名古屋市の市街の中心部を流れておる河川でございまして、流下能力が不足あるいは護岸老朽化等のために治水上から見ましても改修の必要性が非常に高いところでございますし、そのほかにも、先生が今御指摘のように河川浄化上も非常に重要度の高い河川でございます。建設省では、愛知県並びに名古屋市の熱い御要望を受けまして、昭和六十一年度から堀川の事業を都市小河川改修事業ということで、今までの調査よりも一段階上の事業にしようということで現在考えているところでございます。 なお、先ほどちょっと先生が触れられましたけれども、民間活力等によりましてこの周辺を整備する構想というものが名古屋市を中心にしてございます。私どもも、木曽川導水によりまして水質浄化の効果が上がるわけでございますので、その改修に合わせまして治川の市街地を一体的に整備をして、良好な水辺環境を総合的に整備するということは望ましいことでございますので、その構想が現在名古屋市でいろいろ検討されておりますので、その検討結果を聞きながらその計画に十分マッチするような、そういうような河川改修をやっていきたい、このように心がけております。
○馬場富君 そこで、その河川の改修がいわゆる都市の小河川の改修事業として取り入れられるということは大変感謝しておりますが、それにあわせまして、従来から、今あなたがおっしゃいました、名古屋市の中では、百年を目指して「マイタウン・マイリバー堀川」といういわゆる民活の活用を考えたそういう総合開発、川の改修だけじゃなくて、川の付近の緑地化、公園化や、あるいはスポーツ施設とか各種イベントの施設をつくるとか、あわせて災害の空間にもしていこうということで、問題が進められておりますし、計画が立てられております。だが、何せ大きな事業ですから、名古屋市だけでこれはできるものじゃありません。 だから、河川改修とあわせまして、建設省のあらゆる補助対策を総合していただきまして、そして民活もあわせた上で、先般大臣もこのことを名古屋で話してみえましたが、どうかそういう総合補助対策事業として大きく名古屋市を抱えて建設省が取り組んでもらいたい、こう思いますが、局長と大臣の御答弁をお願いいたします。
○政府委員(廣瀬利雄君) 当地域は「マイタウン・マイリバー堀川」ということで、建設省で現在進めております民間活力工事の主要プロジェクトの一つでございまして、この構想は先生御指摘のように大構想でございますので、河川局だけでどうこうする、あるいはどうこうすることができる事業ではございません。しかしながら河川局といたしましては、河川局の権限内でできる限りの協力、支援をいたしまして、立派な「マイタウン・マイリバー堀川」が実現するように努力をしていきたい、かように考えております。
○馬場富君 そこで大臣に、今の局長のは河川ですから、今の河川改修のこととあわせてやはり建設省として、大臣も名古屋でお話ししてみえました、いわゆる五土地域の民間プロジェクト事業の全国的なプロジェクトがございます。その中の一つの位置づけとして、建設省の持ついわゆる公園だとかあるいは各種施設とかあるいは災害時の退避地とか、いろんな補助事業を総合的に兼ね合わせたそういう対策というものに、市とあわせて建設省が前向きで取り組み、その位置づけをはっきりとやっていただきたい、こう思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(江藤隆美君) かねがね、木曽川導水事業、堀川の再開発については私非常に興味を持っておりまして、事業としては約一千億円かかると言っておりますが、計画それから用地買収をやって早くかかりたいなと、こう言っておるわけであります。市長さんから承りましたら、この構想が実現するとやはり、今おっしゃいましたように、公園、住宅あるいはその他の施設を入れると数千億に上る民間投資が行われも、こういうことでありますから、私どもは、建設省としてこの地域を民間の対象地域として、市御当局の、県と御相談をいただいてよりよい計画ができてきましたならば、いわゆる都市再開発事業として、河川のみならず住宅の建設、都市公園、下水道あるいはまたその他もろもろの私どもがなし得る施設について、新しい町づくりについて、積極的にひとつ御協力を申し上げていきたい、こういうつもりでおります。 したがいまして、一刻も早くそういう計画が上がってくることを私どもは待望しておるところでございます。
○馬場富君 ありがとうございました。 それで、次に質問は移りますが、もう一点は、建設省の方にも陳情が来ておると思いますが、愛知県と静岡県と長野県の県境を結ぶ非常に交通不便な地域に、三遠南信道路建設促進が三県下ではなされております。これは、地元の強い要望で、豊橋から飯山、その中間から浜松、こういう三つを結ぶ僻地の交通対策を考えた構想でございますが、これはまだ政策論議の段階でございますけれども、建設省の道路綱の建設計画の中にぜひ取り上げをいただきたい、こう思いますが、いかがでございましょう。
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘の三遠南信道路の構想でございますけれども、これは豊橋から佐久間まで四十五キロ、それから浜松から佐久間まで四十五キロ、それからさらに佐久間から北進をいたしまして飯田まで五十キロ、合計百四十キロの構想で、地元からかなり強い御要望がございます。 現在、この沿線につきましては一般国道の一次改築を進めておりまして、一次改築でございますからまだ交通が必ずしも円滑にいかない、そういう地域でございます。したがって、現在の交通量は非常に少のうございますけれども、今申し上げましたように、三十二万都市の豊橋市、それから五十万を超えます浜松市、それと約十万弱の飯田市、ここら辺のかなり大きな都市を結ぶ道路というふうな理解も当然できるわけでございまして、現在の交通量は、それを通れるだけの手段がないということで、交通量が少ないということもあろうと存じます。ここら辺の将来の構想、あるいはどのような形でこれを整備していくかという問題につきましては、今後真剣に検討していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○馬場富君 最後に大臣に、この道路はかつて武田信玄が行き来した有名な道路でございますので、いわゆる都市の中心部の交通網も大切でございますが、そういう日の目を見ない、大変不便を感じておる山間僻地にも道路網というのは必要ではないか。そういうことによって、国土庁や建設省が考えてみえます都市集中化から守る対策としてぜひ必要な道路になってくるんじゃないか、そういう点で、今すぐというわけにいきませんでしょうけれども、そういう強い要望がございますので、今後の計画の中でぜひ考えてほしいと思いますが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(江藤隆美君) この道路につきましては、地図を見まして、それなりにやっぱり重要な道路であると認識をいたします。したがいまして、先送りするわけにはまいりませんから、当面は国道として精力的に整備を進めるような方向でひとつ努力させていただきたい、こういうふうに考えております。
○上田耕一郎君 交通量の予測について質問を続けたいと思います。 公団にお伺いしますけれども、公団の今度発表された中間報告によりますと、三万台という数字が出ておりまして、先ほど道路局長からこれについての根拠をお伺いしました。私要望いたしました資料が今手元に届きまして、まだ私も検討しておりませんけれども、公団としてのこの三万台の予測の根拠ですね。これは公団の数字ですか。基本交通量、誘開発交通量――これはまた奇妙な。私が聞きたいのは誘発観光交通量、それから内航転換交通量、これについて公団の方の根拠をお伺いします。
○参考人(戸谷是公君) 先ほど建設省の方から御説明がありましたように、これは昭和五十五年の交通センサス、これをもとにしまして推定いたしました利用交通量でございまして、供用当初におきましては、この表にございますように、誘発開発、そういうような交通量は計上しておりません。ほかの道路から転換してくるというようなものが約三万台あるというように考えております。
○上田耕一郎君 今数字をいただいたんですが、まことに奇妙な数字が出てきたわけで、東京湾横断道路利用交通量、供用当初としまして、基本交通量約三万台、一日ですよ、誘開発交通量ゼロ、内航転換交通量ゼロ。それで約三万台というのですね。供用後おおむね二十年後、基本交通量三万台。変わらないというわけですな、基本交通量は、二十年たって。誘開発交通量が二万七千台、それから内航転換交通量が三千台、それで約六万台という数字の表を今いただきました。 まず第一に奇妙なのは、私が先ほど質問いたしましたのは、お渡しした資料の①ですけれども、四十八年の建設省道路局の「概要」には、基本交通量と誘発観光交通量、観光です、それと内航転換交通量、つまりカーフェリーからかわるんですね。この三つが書いてある。この数字は基本交通量四万六千四百台、誘発観光交通量二万一千四百台、内航転換交通量二千二百台、こういう分類があるので、私は先ほどこの分類に即して三万台の内訳を聞いたのです。そうしたら萩原さんはまことに奇妙な答えをされて、内航転換交通量というのは、カーフェリーはそう多くないから余り大したことはない。それから誘発観光交通量というのは、まだ房総半島が開発してないわけだから、これはゼロだというんです。 しかし、この誘発観光交通量というのは、橘ができた場合に房総に観光ポテンシャルが高まるから、まだ向こうに市や何か、人口が集まっていなくても房総を見に行きたいという人が観光で行くであろうという数字であって、あなたの答弁はこれと全く違うんですよね。だから、これは二万一千四百台、橋ができたから房総にひとつ観光に行こう、あそこは花もきれいたし海もいろいろありますしと、それで行くわけだ。まだそう人口、産業その他が集中していなくても、房総に行こうという車が約二万台。片方が四万六千四百台。それからカーフェリーで二千二百台、それから転換するのが。そういう数字なんですよ。ところが、あなたの先ほどのお答えは、基本交通量だけで三万台だ、あとはほとんどゼロとみなすと。 これは極めて奇妙な数字で、どうもあなたの答弁に合わせてこの表が出てきておりますけれども、私が聞いたのは、ここに書いてある建設省道路局が言った基本交通量。観光で急にふえたのじゃないんですよ。産業、交通、生活の方で基本交通量というのは何だ、ここに書いてある。「東京湾横断道路を利用する交通は、地域間経済距離が短縮することにより交通の分布パターンが変化して横断道路を通行することとなる交通」、これが基本交通量なんですよ。こういう概念でしょう。それと、「関連地域のうち特に房総地域の観光ポテンシャルが高まることにより新たに誘発されることとなる交通」、これが誘発観光交通量で、それから「東京湾の内航海運から転換する交通」、これが内航転換交通量、この三つなんですよ。これに基づいてこの研究会のパンフレット、お渡しした資料の②、これもそれにのっとって、若干数字が違うけれども四万六千台、二万二千台、二千台と書いてある。観光のところを見てごらんなさい。「横断道路が出来ることによって誘発される観光のための交通量」、これは当たり前の分類でしょう。 今出てきたのはこれは何ですか。基本交通量約三万台、誘開発交通量ゼロ、内航転換交通量ゼロ。カーフェリーから一台の転換もないというんですか。どうも僕、こんなのはおかしいですね。これはやり直してください。
○政府委員(萩原浩君) 御説明を申し上げます。 先生御指摘の、あるいは先生がお配りになりました資料の二枚目でございますか、「東京湾横断道路計画の概要」、昭和四十八年八月の分類でございますけれども、ここで基本交通量というところをごらんいただきますとおわかりいただけますように、この基本交通量は私ども別名転換交通量とも呼んでいるものでございます。それは、道路ができることによりまして交通パターンが変わって、従来ほかを回っていた交通量が転換してくるということで転換交通量とも称しておりますが、これを基本交通量と位置づけてというか、そういうジャンルをつくっているわけでございます。 それで、私が先ほど申し上げましたように、供用当初はまだ開発が起きておりませんので、基本交通量は三万台でございます。これは三万台というのは、従来の交通網の中から転換してくる交通量ということでございます。 そして、この四十八年八月に誘発観光交通量という数字が二万一千四百台というふうに計上してございますけれども、このときのデータをごらんいただきますと、まだ観光というものが今後爆発的に伸びるのではないだろうかということを予想していた時期でございまして、いわゆる開発というものがほとんど観光開発であろうという物の見方を当時はしていたわけでございます。それで誘発観光交通量という概念にしておった。ところが、現在では私どもは、当初はもう全然開発はない、しかし東京湾横断道路が与件といいますか、与えられれば、二十年間にわたりいろいろな開発が起こるであろう、その開発に基づいて交通量が増加するであろう、その交通量が二十年後には二万七千台というふうにここに記しているわけでございます。 それから、内航転換交通量でございますが、当初は、四十八年ごろは、六十年になりますとかなりこの内航転換交通量が多くなるであろうというふうに考えておりましたけれども、私どもは現在の内航転換交通量は、そう開発がございませんから、そう大きなものではないであろうということで、数百台のオーダーであろうということでゼロとしているわけでございます。しかし、それが開発が進めば、大体三千台ぐらいのいわゆる船の需要というものがだんだん出てきておりまして、そしてそれが橋梁に転換していくという要素のものが出てくるであろう、こういう解釈でございます。 したがいまして、この四十八年の概念とぴったり一致しないところは確かに真ん中の誘発観光交通量のところでございますけれども、これは当時やはり観光開発というものにかなり重きを置いていた一つの予測でございます。したがって、予測が変わったではないかという御指摘を受ければ、そのとおりでございます。四十八年のいわゆるオイルショック以前の時代から見ますと非常に状況が変わっておるということで、現在に即した交通量のこの予測をつくっているというふうに御理解をいただきたいと存じます。
○上田耕一郎君 そうしますと、例えば今カーフェリーで一日数百台ぐらい行っているわけですね。それも、転換するからというので、カーフェリーを使っているものも基本交通量に今度入れてしまったわけですか。
○政府委員(萩原浩君) 三万台の中にまとめてございます。
○上田耕一郎君 そうするとますますおかしいですね。内航転換交通量というのは、今まで内航だったのが転換するんでしょう。こういう項目は、じゃ要らないことになりませんか、転換を全部入れたということは。
○政府委員(萩原浩君) 確かに厳密に申し上げますとそういうことになると存じます。しかし、先生の大体の三つの分け方でひとつ示してみる、こういうことでございますので、私は先ほどのときにはネグリジブルスモールといいますか、開通当初は六百台ぐらいしか能力が現在ございませんので、そこら辺の数字しかないので、基本交通量の中にまとめて入れてしまったというものでございます。
○上田耕一郎君 それでは、先ほど要望したんだけれども、私の提出した資料の四枚目に、「東京湾周辺幹線道路綱における断面交通量の変化図」というのがありますね。こういうものを調べなければ交通量は出てこないと思いますが、道路公団、こういう断面交通量の変化図、これの資料、提出を要求します。
○政府委員(萩原浩君) ちょっと御質問を聞き漏らしたのですが……。
○上田耕一郎君 これです。(資料を示す)
○政府委員(萩原浩君) 失礼いたしました。 これは、東京湾横断道路研究会がつくられました資料であると存じます。これは、ここの年次にもございますように、昭和四十九年でございますから、先ほど先生が御指摘になりました四十八年八月、この数字と大体……
○上田耕一郎君 ですから、今のこういう数字。
○政府委員(萩原浩君) はい。今のこういう交通のパターンを模式化しましたのが、ただいまお配りをいたしました二枚目の図にるなわけでございます。これがいわゆる断面交通量をかなりまとめたものというふうに御理解を賜りたい。先ほども御答弁申し上げましたように、東京圏と千葉県、それから千葉県と埼玉県、それから東京圏と神奈川県、その断面交通量にまとめまして図式化したものがこれである。そして、これで括弧書きのところが交通量でございます。その交通量のうち、下に書いてある台数が転換するであろう。これが供用当初は、先ほど申し上げましたように転換交通量だけしかございません。こういうものが転換するだろう、それが誘開発効果が加わった場合には下のような図になって、そういう分布になるであろうというものでございます。 これをさらに細かく断面でやるべきだという御指摘であれば、その数字ももちろんございます。これはOD調査の結果でやりましたから、OD調査ではかなり細かい地域分断になっておりますが、それをサムアップしたものがこのような図式で一応示されるというふうに御理解賜りたいと存じます。
○上田耕一郎君 今いただいたこの数字を見ると、神奈川と千葉市、市原市以北、木更津市、君津市以南の間で一万五千台、これが横断道路を通るだろうという予測なんですね。東京との間で一万一千台、埼玉との間で三千台、域外一千台、合わせて約三万台ということになっておりますね。 じゃ、湾岸道路はどのくらいに計算してあるんですか。これは湾岸道路はもちろん含まない、横断道路だけでこういう数字になるだろうということになるわけですね。
○政府委員(萩原浩君) 当然のことながら、湾岸道路はその分だけ減るような結果になります。ただし、現状より減るということではございませんで、十年たちますと、どんどん湾岸道路の交通量はふえていくわけです。そして十年後にこれが供用を開始いたしますと、従来湾岸道路を通っていたものがこちらに転換をする。その転換のものがこの東京とあれでは一万一千台ということでございまして、そこに三十九万台という非常に膨大な数字がございますが、これらは湾岸道路その他を利用した交通量である。そのうちのこのものが転換をする、こういうふうに御理解賜りたいと思います。
○上田耕一郎君 交通量予測問題というのは、この横断道路が黒字になるか赤字になるかということの中心問題なんです。五十七年度価格で三千円、供用開始時で四千九百円。往復約一万円ということになります。 衆議院で共産党の中島議員がこの問題をかなりやって、試算を提示していろいろ議論をしたわけです。その議事録を見ますと、中島議員が、関門橋と関門トンネルで三万三千五百台ということを述べましたら、大臣は、数字を訂正したいと。関門橋が一万六千台、関門トンネルが二万四千台、大体四万台だということを答弁されて、関門トンネルは二車線だから通ろうにも通れないと。「それと御存じかと思いますが、九州と山口は余り経済交流というのはないのですね。ですから、この東京湾横断道路というものとの比較にはならないと私は思っておる」と。どうも九州男児らしくない、千葉男児みたいな御発言になっている。関門トンネルは比較にならない、今度の東京湾横断道路の方が関門トンネルよりもっと通るだろうという、これは私は大変なこじつけだと思うんです。往復一万円を使って房総まで、十年後ということだけれども、三万台が一体行くかどうか。 先ほどもちょっと申し上げましたが、ある専門家は到底そんなことはあり得ない、オーダーが一けた違う、三千台ぐらいじゃないかという説さえあるんですね。私も専門家じゃないからわかりませんけれども、ある専門家が三千台というオーダーを出すような、これは少し少な過ぎるかもしれないけれども、果たして本当に三万台通るのかどうか。これは大変大きな問題で、もしこれが赤字になったら道路公団が全部引き受けるわけでしょう、そういうことになりますね。 そういう点で、私はこの交通量の予測問題は、本当に慎重な根拠をぜひほしいと思うんです。きょう要求してようやくこういう数字が出てきたけれども、今私も拝見したばかりですが、これまでの、先ほども言いましたけれども、道路公団のこういう中間報告、非常に詳しい調査があるのだけれども、一番肝心かなめの交通量については、五十五年、五十六年段階の中間報告でも、先ほど申しましたように数行しかない。これでは、本当に黒字になるか赤字になるかという一番がなめの問題についてデータ不足で、ですから私はこの交通量問題については、今資料を若干いただいたけれども、質問を保留して次に進みたいと思います。 次に、経済効果問題なんです。もう時間がありませんので、道路公団に一つだけちょっとお伺いしておきたい。 中間報告を見ますと、GNPで年間一兆三千億円の増大をもたらす、そう書いてありまして、この中間報告の七ページに、二十一世紀初期、GNPの年平均成長率が、横断道路がある場合は年平均成長率が四・三八%、ない場合は四・三六%、これはどういう計算をしたんですか。二十一世紀初頭のこういう小数点二けたまでのGNPの予測をするというのはこれはもう神わざじゃないとできないだろうと思うんだが、一応コンピューターでやったんでしょう。この程度のことはもう誤差の範囲で、これを論ずることは無理だという説もありますけれども、一応コンピューターの計算結果を信用するとして、ある場合とない場合とで〇・〇二%差がつくと。橋をつくるとそれだけ二十一世紀初頭で日本のGNPが、〇・〇二%橋のおかげでふえるんだということを中間報告は述べているわけですね。 ところが、今度の中間報告はそうなんだが、五十六年七月に道路公団が出された東京湾横断道路の「経済社会波及効果について」、これの四十ページに、五十年と昭和六十五年のGNP予測結果というのがあるんです。横断道路ありとなしの場合、なしの場合四・一八九%、ある場合四・一九五%、あり、なしの差は〇・〇〇六%、これまたオーダーが違うんですよ。年数の取り方は若干違うにしても、パーセンテージで考えて、あり、なしの場合〇・〇〇六%という計算を当時はしておりながら今度は〇・〇二%、つまり三倍ふえるという計算結果になっているんですね。 何でこれは三倍もふえるんですか。急にこういうことになったんですか。そのことだけお伺いしておきます。
○参考人(戸谷是公君) 先生ただいまパーセンテージでおっしゃられましたけれども、これは当時の一兆円と今のこの新しい報告書の一兆円は中身が違うわけでございまして、前の中間報告は四十五年のお金で言っているわけです、貨幣価値。それから新しい中間報告は五十七年の価格で言っておりますので、そこにどうしても差が出てくるということでございます。それから予測時期が若干違っておるということもありますけれども、インプットデータも当時と若干変わっておりますので違ってまいりますが、大きく変わっているというのはやはり価格時点が違うということだと判断しております。
○上田耕一郎君 全くいただけない答弁ですよ。 私は、だからパーセンテージを言っているんで、価格の絶対額を言っているんじゃない。パーセンテージで片方が十五年間で〇・〇〇六%成長率が違うということを言っている。それは〇・〇〇六でしょう。今度は西暦二〇〇〇年、今から十五年後のGNP予測が〇・〇二%違う。三倍になっているじゃないですか。絶対額を言っているのじゃないんです。今、主なものは価格だと。私は価格で比較しているんじゃなくて、GNPのパーセント。日本のGNP全体について、橋がある場合とない場合とで、この前の調査では〇・〇〇六%違うと言って、今度は〇・〇二%、三倍も違う予測結果がぴしゃっと出ているけれども、インチキ計算をしているじゃないかということを言っている。
○参考人(戸谷是公君) 申し上げましたように、インプットデータの設定の相違がございますから、やはり地域の話ですから国全体とその地域が必ずしもパラレルな関係にあるかどうか、その辺も影響しているのではないかと判断いたしております。
○上田耕一郎君 私は交通量予測とGNPの影響についての予測を今簡単に取り上げましたけれども、もう今までの答弁でも明らかなように非常にずさんだと思うんです。GNPの予測だって西暦二〇〇〇年にどういうことに日本経済がなるか、世界経済がなるか。カーター政権が膨大な報告書を出して、世界経済、環境等々、大問題が起きるというのが西暦二〇〇〇年なんですから。今の日本経済についてもそうで、そういう変動要因を捨象しても、この橋ができた場合とできない場合の予測が昭和五十六年の計算と昭和六十一年のわずか五年後に三倍も違いが出てくる。非常に過大評価だと思うんだな。この報告があったときに新聞でも大きく、一兆三千億ふえるというのが記事になりましたよ。橋をつくるとGNPがふえる、一兆三千億もふえるという。とにかく橋をつくらせようというキャンペーン効果のために、まことにいいかげんな計算をしているとしか思えない。 交通量問題にこだわりましたのも、交通量問題というのは採算に非常にかかわるだけでなく、環境アセスメントの問題についてもかかわるわけです。交通量が少なければ環境に対する影響が減ってくる。ところが交通量が減ってくると採算については今度は困るということで、だから交通量問題というのは環境影響の問題にもかかわってくるし、採算問題にもかかわってきますし、そこの点で厳密さが必要だと思うんです。ところが今の答弁を見ましても、肝心の根拠についても私どもに十分な納得させるあれが来ない。九州と本州の関門トンネルよりも房総と神奈川県の方が比較にならないほど交通量が多いなどという大臣の答弁は、全く納得がいきませんよ。 大臣はここで山口県と九州なんということを言っているけれども、やっぱり本州と九州とのこれは日本の動脈でしょう。日本の動脈だからあれだけ急いで関門橋も関門トンネルもつくったんで、先ほど申し上げましたが、房総、千葉県しかないんですから、向こうは太平洋なんですから。人口からいっても産業からいっても、ここに橋を通して、九州と山口というものは東京湾横断道路というものと比較にはならないということは、私はこれは考え間違いだと思うんです。これを今度六車線にすると、関門トンネルよりももっと多くなるということにもなるんですか。
○国務大臣(江藤隆美君) 衆議院でも議論がありまして、中島さんたちも二十年後六万台六万台ということで一応の共通認識は私はできたと思っておりますが、関門トンネルは関門橋と関門トンネルを合わせて現在四万台、これは二十年後には六万台に達するであろうという見込みを立ててやろうとしておるわけでありまして、私はしばしば言っておりますように、これは単なる木更津と川崎を結ぶものではありません。やはり日本列島は北から南まで長いわけですが、そのちょうど真ん中で日本列島の南関東における大きなバイパスの役を果たす。 それは、先生が言われるように、渡っていったら向こうはもう海でどんぶりこじゃないかと言われればそのままですが、道路というのは曲がっていきますので、東北から北海道までつながっていくわけです。私も、宮崎のトラックなんかもここを通れと言おうと思っているんです。これからあの道路ができたらあそこを通って北海道まで行けよと、こういうふうに。必ずそうなるであろうと私は思っているんです。ですから、これは見方の違いだろうと私は思いますが、できてみたらすばらしい道路になって利用者は必ずふえる、私はこう思っております。 ちなみに、大鳴門橋が六千台ぐらいだったと思いますが、今は多分九千台ぐらいだろうと思うんです。やっぱり人が人を呼ぶ、車が車を呼ぶという状況は私は出てくる、こういうふうに思っておりまして、決してそういう御心配になあようなものではない、こう思っております。
○上田耕一郎君 これは事実が示すであろうと思いますけれども、私はやっぱり三万台という数字に疑問を持ちます。これは本当に第二の国鉄、大赤字になる危険が大きいのではないかと思います。 次に、二番目の、影響についての問題に移りたいと思います。 まず、午前中の参考人の御意見でも問題になった船舶航行問題、これをお聞きしたいんです。船舶航行問題は橋梁形式のときには大問題になっていたわけですが、今度トンネルになったことでほぼ解決したというお考えのようですけれども、なぜトンネルにしたのか。やっぱり航行問題が一番大きな理由ですか。
○政府委員(萩原浩君) 先生ただいま御指摘になりましたように、川崎側の五キロ、これが従来橋梁でございましたものをトンネルにした。しかも、真ん中の五キロは昔もトンネルでございましたけれども、それは沈埋工法という工法でございました。その沈埋工法をシールド工法に変えます。それで十キロ全部シールドで築造するという計画に変えましたが、その根拠は何か、こういう御指摘でございます。 これはもちろん航行安全も考えました。既にもう御承知だと存じますけれども、今東京湾を南北進する船のうち九六%が川崎側十キロに偏っている。それであとの四%は木更津側に残りますが、これは非常に小さな船でございます。大きな船は水深が浅いためにあちらは通れないということになっておりまして、大体漁船その他の小さな船。したがいまして、十キロ側をトンネルにすることによりまして船舶交通流に与えます影響は大幅に改善されたというふうに認識をいたしております。ただし、これですべてが解決したというふうには一切思っておりませんで、これらの対策については、今後関係者の御意見を十分聞いて対策を立てていきたいということでございます。 さて、それならば何で最初からそういう計画でなかったのだという御疑問もあるかと存じますけれども、これはやはり技術の開発でございます。現在直径が約十三メーターになる大口径のシールドでございますが、これが実際にできるかどうかということについて十分調査をしてまいりました。そしてその調査の結果、実際にできるという自信のもとでこの十キロをシールドトンネルにするという案を御提示したわけでございまして、従来の技術ではやはりこれは没埋トンネルで続ける以外になかった。そういたしますと、その工事中にも船舶航行に非常に大きな影響を与える。これは大体築造に全体では十年でございますけれども、その沈埋トンネルをやるだけでも数年の年月がかかります。そういたしますと、その間に船舶航行に与える影響というのは非常に大きいわけでございますから、その懸念のお声がありましたけれども、これも大幅に改善することができるというふうに考えております。
○上田耕一郎君 ちょっと私、技的は余り詳しくないんだが、沈埋工法というのはセメントで箱をつくってやるやつでしょう。シールド工法というのはどういうものですか。
○政府委員(萩原浩君) 沈埋トンネルは、陸地で箱をつくりまして、それを海上に曳航いたしまして、それを沈めるわけです。そしてつないでいく工法でございますが、そのときに、つないでいくわけですから下も平らにしておきませんとつなげないわけでございます。したがって、下を平らにする技術もなかなか大変なものでございます。そういうことで、そこはたとえば仕切って、船が通れないようにしてそして静かに沈めていく。それをずっと続けていくものでございますから、非常に工期もかかりますし、それから船舶航行に非常に影響を与える。 一方、シールドトンネルといいますのは、圧力をかけながら水を防ぎながらずっと掘り進んでいく工法でございまして、これは下水道事業の実施によりましてかなり技術開発が進んでおります。現在では直径十一メーターぐらいまで実用化されております。このシールド工法でございますが、これはやはり合う土質がございまして、余りがたい岩なんかが出てきますとこれはできないわけでございます。ちょうど現在の川崎側が泥の層が厚いものでございますからそこにうまく入り込める。木更津側になってまいりますと非常に泥の層が薄くなってまいりますので、むしろ今のシールド工法よりは橋梁の方が施工もしやすいし、あるいは経費的にもかなり違うということで、木更津側はまた船も通らない問題もございましてそこは橋そのまま、こちら十キロをシールド工法に変更させていただいたというものでございます。
○上田耕一郎君 東京湾横断道路の推進者の一番主力だった新日鉄は、橋からトンネルにかわるので大分がっかりしたというわけですね。しかし船の航行問題でやむを得ないと思ってあきらめたようですけれども。トンネルにも少しは鉄は使うでしょうからね。 さて、この船舶航行問題で、先ほど午前中の参考人質疑でも、一番大きい問題は人工島が二つできることだ。その人工島の周囲三・六キロのところは避難錨地にできない。走錨という、いかりが走るということらしいんだが、それができることと、それから人工島でレーダーのゴーストとか船の運航上いろいろ問題が生まれるということが、ほぼ一致して谷参考人と田尻参考人からありました。 仮泊地問題は相当大きいわけですね。田尻参考人も引用しておりましたけれども、運輸省第二港湾建設局の調査報告によると、東京湾での避泊を必要とする隻数は二百三十五隻。ところが実際に錨泊できる可能隻数は百二十六隻分しかない。それだけでも半分ぐらいだ。ところが、もとの橋だと約五十三隻分減ってしまって七十三隻分しか錨地がなくなるということが、関東地方建設局の報告書に七十三隻という数字が出ていますね。私、前に質問で使ったんですけれども、運輸省の染谷企画課長が、「七十二隻といいますと、これは驚くべき小さな数字でして、これじゃ東京湾が使えないということとまず同じことになっちゃう」ということを当時言っていたわけですね。計算すると約五十二隻分錨地がなくなるわけだけれども、人工島二つてきて三・六キロの円というか周りのところの錨地が減るとこれは何隻分ぐらいになりますか、計算してありますか。
○政府委員(萩原浩君) ただいま先生が御指摘になりました数字は、先ほど申し上げました、川崎側をすべて橋でやるということを仮定したうちでの錨地といいますか、避泊地の減少結果ではないだろうか、こう思います。しからば先生今御指摘のように現在の計画ではいかがかということでございますが、それは、何といいますか、これを全部物理的にここはだめだということで計算すれば簡単でございますけれども、必ずしもそういうふうにいくかどうか、機械的にその面積だけ減るかどうかということについては非常に問題があろうと存じます。 それで、この錨泊地の問題の中で一番やはり問題が大きいと思われるのは台風時の避泊の問題だというふうに言われております、避泊地の問題であります。通常の錨泊の問題は大体、全体交通量の問題でございまして、むしろ台風時の避泊の問題が大変だろうというような結果が出ておりまして、台風時のいろいろな実態を調べてみますと、そのときによりまして、東京湾横断道路が通るその路線からさらに二マイルずつ離れたときにどうだかというような数字も、今先生から御指摘がありました数字と、台風によってかなり違っているようでございます。したがいまして、私どもはこれらの数字を踏まえまして、今後関係者と十分協議を重ねて、できるだけの安全対策と解決策を模索したい、こういうふうに考えておるものでございます。
○上田耕一郎君 この中間報告は、今の問題についても、従来の計画素案よりも大幅に改善されるとか、航行安全がより一層図れるという程度のことが書いてあるだけで、前の橋よりはよくなると言っているだけで、東京湾の航行問題についてきちんとしたことを述べていないんですね。今後検討を行って具体化を図っていくということになっているんです。そういう点でも私は非常に疑問を感ずるんです。 海事七団体の要望書があるんです。日本船主協会、日本内航海運組合総連合会、日本旅客船協会、全日本海員組合、日本パイロット協会、日本船長協会、日本航海士会、七つの海事団体が去年の七月、「東京湾横断道路建設計画に関する要望について」というのを出している。これはトンネル案が発表された後出されたものなんですね。つまり海運関係、船主、それから海員組合、パイロット協会、船長協会、航海士会、日本の海事関係の全団体がこぞって反対しているんです。「われわれは、東京湾をこれ以上狭めるような計画には基本的に反対であり、東京湾横断道路計画案については、これまで指摘してきた問題点が依然として内在していることから、これら諸問題に関し、解決策が講じられない限り、本計画は推進すべきでないと考え、ここに連名にて要請いたします」ということになっていますね。私はこれは非常に大きな問題だと思うんです。 ここに横須賀の水先区の水先人坂元比氏の論文がございますが、「東京湾に出入する航行船舶が一日平均九百隻に達する世界最大のふくそう水域である」と。横須賀、横浜、川崎、東京、千葉、木更津の六大港を擁し、十数万トンの超大型船、大型コンテナ船等々、それから小さなカーフェリー、小型船舶、雑貨船がひしめき合っている。それから、巨大なLNGタンカー等々も書いてあるんですね。それで、人工島をつくると、その周辺は避泊不能になる。万一本船の走錨事故が起こったら、人工島、換気塔に激突すると大変なことになるということが書いてある。そして、東京湾にそういう人工の島をつくるというのは、これまでにも例えば国防上の見地から第一海堡、第二海堡、第三海堡、こういうものが東京湾につくられたことがある。巨額な費用と人力をもって、二十年の月日をかけてつくった。ところが、つくってから四、五年のうちに、襲来した台風の前にこれは壊れてしまった。今では灯台の基盤にされたけれども、これは船舶航行の障害となって、海難発生の危険区域になって、幾たびか撤去の声が起きている。ところが、漁業関係者の反対で立ち消えになっているということがあるわけですね。だから、東京湾につくったこれまでの海堡の経験からいっても、今度二つ人工島をつくるというようなことは大問題なんだ。「当時の為政者達は今日の結果を予測だにしなかったであろう」、こう書いてあるんです。だから「東京湾内に、人工島のごとき障害物を構築し、東京湾を狭めるような愚を、再びくり返してはならない」と。だから、できればドーバー海峡のように全部海底トンネルにできないかということも書かれております。それから、避泊地としては川崎から木更津に至るここはやっぱり一番使われるいいところだということで、避泊の状況図も、台風六号、台風十四号の影響を受けた当時の図まで、また避泊の隻数まで書いて出してあるわけですね。 そういう点を考えると、七海事団体が計画に対するこれほど強い反対表明をしているわけですが、この海事関係者の理解と了解もなしにこの事業を進めようというのは、私は安全無視だとしか思えないんですが、これは大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(江藤隆美君) 海事七団体から今御指摘のような意見書が出ましたのは昨年の七月でございまして、それから、木更津側五キロを橋梁にして川崎側十キロについては先ほど局長が申しましたようにシールド工法によるいわゆるトンネルにしますという計画を発表したのが実は九月でありますから、その十キロトンネルの以前にこの要望書が出た、こういうふうに御理解をいただいたらいいと思います。 それから、海事七団体のうちの六団体につきましては、海上交通安全調査委員会、このメンバーにその後御加入をいただきまして、同時に、お話のありました横須賀の水先案内人であります坂元さんという方も第一専門委員会、第二専門委員会ともに入っていただきまして、これからの海上交通の安全等について十分に御議論をいただこう、こういうことであります。ですから、坂元さんがやっぱり論文を発表されておるんですが、その後にこの委員会に正式に実はお入りになったわけであります。 したがいまして、これらの海上交通安全についての委員会を設けて私どもは航行の安全を図ろう、こういうことをしておるわけですから、ここの議が調わずに全く不安であるという中でこの事業に着工することはとてもできないわけでありますから、専門家の、あるいは関係者の皆さん方の御意向を十分拝聴しながら、御心配のないような万全の措置を講じていく。それがためには、運輸省、海上保安庁、あるいはまたその他関係先ともよく御相談をしなきゃならぬと思っておりますが、心してそれらのことは取り組んでまいろうと思っております。
○上田耕一郎君 今大臣が言われたトンネル案の前だというのは、それは違うんですよ。トンネル案が正式に発表される前ではあるけれども、新聞報道で出ましたのでね。だからこの要望書も「最近仄聞するところによりますと、当初計画の一部変更により、昭和六十二年度までに事業化に着手する方針が固められつつある由であります」ということです。人工島問題に関しても坂元論文は触れておりますしね。だから、橋梁時代のプランに対する要望じゃないんですよ。やっぱりトンネルになる。しかし、トンネルでも、一部変わっても、計画そのものに基本的に反対だという要望書であることは、大臣もちょっと誤解を正していただきたいと思うんです。 けさ参考人のときに、この調査委員会の委員長の谷さんが御出席になったんですね。谷さんに私この海事団体のことを聞いたら、その要望書があることは知っているという程度で、海事七団体とちゃんと意見調整をしたかということについては、ただ知っているというだけで、はっきりしたお答えがなかったわけです。大臣の今のお答えによりますと、海事七団体のすべてかどうか知りませんけれども、幾つかの団体の代表が――六つですか、六つ入られているということです。しかし、その結果がどういうことだったかというのは、私はけさの谷委員長のここでの意見陳述で非常によく示されていると思うんです。 私けさ、ノートをとりました。交通ふくそうの海域だ。そこに人工島をつくる。特に川崎側というのは小型船が非常に密集する地域だ。だから、ここに人工島ができると障害であって、交通、航行安全上心配なことは極めて自然なことだ、そう最初に述べられた。後の質問に対しても、仮泊地が減ること、それからレーダーのゴーストが出ること等々についてはやはり障害だと。しかし、障害だけれども、谷委員長が言われたのは、国民経済上どうしても横断道路をつくるということがメリットだ、国民的プラスなんで、だからひとつ我慢しようというお考えだと。周民経済上必要ならこのデメリットを何とかメリットに転換できないかというのが谷委員長のお考えで、例えばそのメリットについては他の委員からもいろいろ御質問が出ました。そうしたら人工島に標識をつけるということなどを若干おっしゃっておられましたけれども、しかしあの程度では私聞いておる限りこの航行安全上のマイナス点をデメリットからメリットに転換できるようなものではないとしか思えなかった。恐らくこの交通安全の調査委員会での審議も、交通安全上の問題はいっぱいあるけれども、国民経済上どうしても必要だということでやむを得ず賛成の方は賛成と、調査委員会としても賛成という結論が出たのかもしれませんけれども、委員長のお考えを聞いていますと、交通安全上やはり大きな問題が残っていると思います。 きょう田尻さんが御出席になって、田尻さんは海上保安庁の方で公害Gメンで有名な方ですけれども、田尻さんは、海運関係者としてこういう人工島ができることについては非常な大問題だ、やっぱり反対という見地を非常に明確にお述べになりました。ですから、私どもはこれはなかなか大変だと思う。田尻さんは、百歩を譲ってこの人工島をつくるとしても、安全を確保するという上では、例えば東京湾の船の隻数あるいはトン数の総量規制をするとか、本当に安全確保の抜本的な対策をとらない限り、という言い方なんですね。だから、この人工島を二つつくる、それで安全確保をするためには本当に今までの東京湾の安全航行上のすべての問題、年間五十八年度で九十何件海難事故が起きているということを言われておりましたけれども、解決するためにはこの機会に抜本的な対策を立てなきゃいかぬ、それができなければやっぱり人工島をつくるということは非常に危険だという答弁というか、御意見ですね。 これは運航上の問題というのはトンネルによって基本的に解決されたという局長のお考えのようにはなかなか実態はいかないだろうとしか私どもは考えることができなかったんですが、自信はありますか、専門家のそういう意見に対して。
○政府委員(萩原浩君) 私は、先ほどからも申し上げておりますように、川崎側十キロがシールドトンネルを採用したことによりまして、船舶航行の問題は大幅に改善されたというふうに認識をいたしております。しかし、完全に全部解決したというふうには決して思っておりません。特に台風時の避泊地の問題などは非常に今後多くの検討を必要とするであろう、また、その対策も必要となるであろうというふうに考えております。したがいまして、これらにつきましては、関係者の御意見を十分お聞きしながらできる限りの対策を講じていきたいというふうに考えておる次第でございます。これによりまして、また別の意味でのいろいろな技術開発というものが進められる余地もあろうと存じますし、私どもといたしましては今後この対策に十分なでき得る限りの努力をしたいというふうに考えている次第でございます。
○上田耕一郎君 次の問題に進みます。 一兆一千五百億円の大規模工事で、工事そのものも非常に巨大なものになると思うんですね。衆議院の議事録を見ますと、人工島をつくるために必要な土砂ですか、千三百万立方メートルという答弁がございます。あそこに千三百万立方メートルの土砂を持っていってつくるわけですな。大工事になります。それからトンネルを三本、当初二本ですね、掘るわけですね。これは一本百四十万立方メーターという数字をちょっと聞いたんですが、そうすると三本で四百二十万立方メートルを掘って、それで残土がそのくらいになるのかと思いますが、ちょっとこの数字を、わかりましたら教えてください。
○政府委員(萩原浩君) 東京湾横断道路の建設にかかります使用資材といたしましては、先生御指摘のように、盛り土材一千三百万立米でございます。その一千三百万立米のうち三百万立米ほどは石でございますから、これは全国各地から集めてこざるを得ないだろうと思います。残りの一千万立米余はなるべく近くから採取してくるということを考えております。 それから掘削土量でございますけれども、これはトンネルを掘削しましたときの掘削量と、それから人工島をつくります際には下のヘドロはこれを一回除去しましていい土と置きかえませんとまずいわけでございます。そういう土量を全部入れまして、両方足しまして六百二十万立米と予定をいたしております。ただし、これは二本の場合でございます。三本目はもうかなり長期的な課題だろうというように考えておりまして、二本で六百二十万立米、そのうちトンネルが二百七十万立米でございます。六百二十万立米のうち二百七十万立米がトンネルの残土といいますか、あと残りは人工島のしゅんせつ、そんなものを考えております。
○上田耕一郎君 盛り土千三百万立米のうち一千万立米が近くの山砂だというんですが、これは有名な君津地域の山砂掘りが非常な大問題になっていて、飛行機の上からも見えますが、山が崩れていましてね、ダンプがあそこを通り、交通事故その他大問題になっておりまして、佐久間さんという方が、あそこの山砂採取の山の破壊とダンプ公害問題について岩波新書に一冊書いておられます。三月二十六日に東京湾横断道路問題のシンポジウムを私どもの党の主催で開きまして、学者の方々などにいらしていただいたんです。そのときも、その本を書かれた佐久間さんという学者の方が、この山砂問題が大問題だと言われております。この一千万立米ね、また君津地域のあそこから採取するということになりますとこれは非常に大問題になるだろうと思うんです。 そこら辺の問題は道路公団はよく御存じですか。あるいは、建設省でもいいですよ。
○参考人(戸谷是公君) 東京湾横断道路の盛り土材料のうち山土ですね、これが一千万立米ほど採取されるわけでございますが、事業を実施するときに詳細な検討を行うことは当然でございますが、ただいま考えておりますことを若干申し上げますと、例えば環境対策にこれはかかわるわけでございますが、陸上部の要するに輸送ですが、これにはベルトコンベヤーをなるべく用いるとか、あるいは一般道路でなくて仮設の専用道路を設けるとか、そういうようなことで万全の対策を講じるよう配慮したいと思っております。
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のいわゆる房総からの土砂の運搬で非常に地域的な問題が起きているということは、私どもも十分承知をいたしております。これの土砂のかなりの部分は、京浜地区の埋め立てに使われたというふうに私どもは聞いております。その埋め立て土量とそれから今回のこの一千万立米の土量とを比較いたしますと、少しくけたの違うようなものではあろうと思います。しかし、今道路公団が御説明申し上げましたように、その対策については十分な対策を事前に地元の方々と御協議の上その土の採取を行ってまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○上田耕一郎君 やはり場所はあれですか、ここに地図もあるんだけれども、小櫃川の近く、それから小糸川の近く、鹿野山、やっぱり問題になっているあそこの君津の山砂を続けてとるつもりですか。
○参考人(戸谷是公君) 現在のところまだ特定しておりません。ただ、房総半島からとるということは避けられないと思います。
○上田耕一郎君 こういう問題があることを建設省は御存じですか。 東京湾に第二次大戦で米軍が投下した機雷がいまだに残っているのではないかという問題、御存じでしょうか。
○政府委員(萩原浩君) そのような、今先生が御指摘のような、不発弾の問題があるということは承知をいたしております。 それで、既に日本道路公団におきましてはこの調査をいたしております。海底面下に位置する不発弾につきましては、船舶を用いた磁気探査によりまして、海底面下四メートルまでの位置のものまでを検知するという能力のあるものでやっております。そして、その後潜水調査により現場を確認することにより事前に把握することが可能であろうというふうな考えのもとに、現在予定路線については調査を行っております。さらに、くいの打ち込みなどについては四メートル以下に入ってしまうわけでございますから、それ以上の深さの工事を行う場合には、四メートルごとに磁気探査をして確認作業をしていくというようなことも考慮いたしております。調査時点におきましても、現在までいろいろなボーリング調査をやってまいりました。その時点におきましても、不発弾による危険を避けるために、計画線の幅百メートルにわたって磁気探査の調査をいたしております。 なお、現在までのところ、この不発弾が確認されたという情報は入っておりません、今の予定路線の中で。
○上田耕一郎君 一九四六年十一月一日のアメリカ合衆国の戦略爆撃調査として「対日機雷戦に関する報告」というのがあります。この七十二ページから七十三ページには、テニアン島から出撃したB29により、東京から横浜に対し合計三十三発の機雷が投下された、こういう記録がある。これはアメリカの戦略爆撃調査の発表です。 それから、財団法人水交会の中の海軍水雷史刊行会発行の「海軍水雷史」、これは五十四年三月二十日です。これには、米軍の資料によればB29の投下した機雷数は東京湾二十六個となっている、掃海部隊の処分した機雷数は資料なく不明と、そう述べてあります。 防衛庁、この問題について把握している点をお答えください。
○説明員(大森敬治君) お答えいたします。 防衛庁といたしましては、具体的な資料を持ち合わせておりませんので、大戦時に米軍がどのくらいの機雷を東京湾にまいたかということについては承知しておりません。
○上田耕一郎君 これまで処理した数はありますか。
○説明員(大森敬治君) 東京湾の機雷の処理でございますけれども、海上自衛隊といたしまして四十一年十二月に、その米国製のものを処理したというケースが一件ございます。
○上田耕一郎君 場所はどこら辺ですか。
○説明員(大森敬治君) お答えいたします。 大井埠頭の沖合の地点でございます。
○上田耕一郎君 先ほどの戦略爆撃調査の「対日機雷戦に関する報告」で三十三発という数字があり、海軍水雷史刊行会は二十六個ということを言っておりまして、今までに処理したのが防衛庁の知っているのは一発だということになると、その他にもやはり東京湾にまだこういう不発弾、機雷があるという可能性があると思いますけれども、防衛庁の見解はいかがでしょうか。
○説明員(大森敬治君) 防衛庁といたしまして、機雷その他の危険物の処理に対します任務でございますが、自衛隊法九十九条に規定がございまして、機雷その他爆発性の危険物を除去及び処理するということになっております。具体的なその処理の手続でございますけれども、関係地方団体ですとか海上保安庁から要請がありまして、それを受けまして、危険海域の掃海ですとか、発見されました機雷その他の危険物の処理に当たっている。したがいまして、現在の業務処理につきましては、あくまでも関係団体からの要請を受けまして、また、海上自衛隊としてのその技術、能力を活用した方が適当であるというふうな場合におきまして、危険物の除去及び処理に当たっているという状況でございます。
○上田耕一郎君 建設省としては、これから大工事をやって、海底に千三百万立米の盛り土からトンネルまで掘るというわけでしょう、ヘドロも取ろうというんでしょうから、やっぱりこういう問題の処理をきちんとして、調査もして、慎重にやらなきゃならない。そういうことも調べないで、ただトンネルだけ掘って、自動車を通せばいいというものじゃないと私は思うんです。いかがですか。
○政府委員(萩原浩君) 先ほどお答え申し上げましたように、この不発弾の問題につきましては十分認識をいたしておりまして、これの実際の工事に当たりましては、いろいろな調査手段を用いて、そういう事故の起こらないように対策を講じていく所存でございます。
○上田耕一郎君 影響についての問題が今の一つの問題なんですけれども、東京湾という海の水質、潮流、これについての影響というのは、できたトンネルあるいは橋梁がどういう影響を与えるかということと同時に、今の巨大な規模を持つ建設工事が一体どういう影響を与えるかということが非常に大事だと思うんですね。そういう面で、私が拝見した限り最も詳しいと思われたこの五十五年、五十六年の何冊かの道路公団の中間報告を見ても、それから去年出たこの中間報告を見ても、環境問題として一番大事な海が一体どうなっていくか、潮流とか、それから水の交換、ここら辺がまことに私はずさんだとしか思えないんですね。 この中間報告の十四ページに、「海水の流れに及ぼす影響」ということで、「日本道路公団による計画線周辺の十五昼夜連続観測における平均流速」なんていうのが出ているんです。何か、十五昼夜連続観測したから相当な調査をしたのかなという感じもちょっとします。 ところが、「東京湾横断道路水質影響調査について」というのがあるんですね。この三ページを見ますと、「十五昼夜」というのがやっぱりありますよ、昭和五十二年一月二十四日から二月九日まで。ところが、対象地点はAとBということになっていて、あの広い海の中で二地点なんですね。それで、二地点とこかというので図を見ますと、東京湾の入り口のところですよ。東京湾の入り口で二カ所を選んで、そこの潮流の調査を冬やったというんですな。その程度のことで十五昼夜やって、潮流の影響は小さいものと考えられる、「流れのパターンに及ぼす影響は小さいものと考えられる」、人工島の周辺に若干変化が生まれるだけだというふうに言うんだが、そんな調査で一体、巨大な東京湾の生き物について、東京湾周辺の都民、県民にとって一番大事なんだが、もしその程度のことで結論を出すとしたらまことに非科学的だと思うんですね。 それで、「十五昼夜連続観測」なんて書いてあるんだが、一体いつ何カ所の地点で本当に調査を行ったのか。道路公団きちんと答えてほしい。
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘の五十六年四月の中間報告でございますが、確かにこれはA、B、Cの三点でやりました。その結果、諸先生方からもうちょっとやってみる必要があるという御指摘を受けまして、五十九年の七月から八月、六十年の一月から二月、先ほどの七月から八月は夏でございます、それから一月から二月、これは冬でございますが、六調査地点において上層と下層の二層にベルゲン流速計を設置いたしまして十五昼夜連続観測を行っております。この結果を踏まえましてこの中間報告の数字が出ているわけでございます。
○上田耕一郎君 二十二分までなので、時間をいただきましたけれども余り詳しくできないんですが、この問題では衆議院で柴田議員が潮流モデルについても質問をいたしましたし、あなた方が使ったこのシミュレーションモデルの組み立ては現況を示すモデルとしては不適当だと、局長は十分有効だと答えたけれどもこれが現況に十分合っていないという問題を指摘しました。 学者の東京湾の水質の研究会があって、私もそのかなり詳細な論文も読んだんですが、時間がないので余り取り上げることはできませんけれども、ただ一つ取り上げたいのは海水交換の問題なんです。これは私、東京湾問題を最初に取り上げた質問で一度取り上げた記憶があるんです。東京湾の水というのは外洋の水と交換しているわけですね。その交換というのは東京湾の生物に対して非常に大きな影響があるわけです。東京湾の生物もやっぱりいろいろ動いていますからね。東京湾の生物、それから東京湾の水質問題では、この間のシンポジウムでもいろんな学者の方々が専門的な観点から報告をされました。 例えば東邦大学の風呂田さんという助手の方は、御自分でアクアラングをつけて東京湾に潜りまして、どういう生物がどこの地域に生きているかというのを全部撮影して、スライドで見せていただきました。東京湾の浅いところにはいろいろな生物が意外にいる、アメリカ産のものもいろいろいるそうですね、あっちから来るのですね、やっぱり。しかし深いところはほとんど生物はいない、これは酸素がなくなっちゃっているからなんですね。もう本当にヘドロで酸素がなくなって、全く生物のいない死の海だ、東京湾の深いところはそういうふうになっている。その東京湾で、赤潮だけじゃなくて青潮と言って、酸素のない水が時々風に吹かれて上へ上がってきて、青潮となっていろいろな被害を与えるのだということなども聞きました。 それで、東京湾の生物というのはあの中でいろいろ動き回っている。すると海水が一体どう交換されるかということです。これは生物の分布、並びに酸素を消費して生物は生きているわけなんで、東京湾の生物環境に非常に大きな影響がある。そうすると、工事でヘドロを巻き上げる、千三百万立米の盛り土を人工島をつくるので要るということでかなり巨大な作業をやると、それこそ東京湾の海の底にいる生物に非常に重大な影響が起きるであろうというのがその風呂田さんという東邦大の先生の非常な危惧として表明されたのです。 それで、この海水交換問題というのは、東京湾研究会の論文によりますと、かなり研究しています。夏の東京湾では、下の層から外海の水がほぼ一秒間に一センチのオーダーで湧昇、わいて上ってくる。それらがほぼ十のマイナス四乗センチパーセコンドのオーダーで湧昇し、河川水と相まって上層から二センチパーセコンド余りで流出するという結論なんです。それで結局、冬は約三カ月に一回、夏は一カ月に一回、年間平均で約二カ月、この海水交換というのが東京湾で行われるというのがこの方々の研究結果なんですね。 道路公団は、こういう海水交換問題については調査しましたか、この中間報告には一つもないけれども。
○参考人(戸谷是公君) 海水交換の何カ月に一遍というようなデータは詳細なものは持っておりませんが、潮流の流れ方、それから満潮と干潮の差で、先生先ほど申されましたような、若干動くという、これ交流と申し上げておりますが、その辺につきましては十分検討したつもりでございます。
○上田耕一郎君 今言われたように、海水交換、これは生物に対する影響としては非常に重要な因子なんだけれども、調査はしていないんですね、中間報告でも、今度のことでも。 それで、先ほど局長は湾口の調査、A、B二点というのは少な過ぎるというので、ふやしてやったというのが冬と夏六カ所というのでしょう。六地点でやった程度では東京湾の複雑な流れはわかりませんよ。湾口は、浦賀水道で深さ五十メートルから六十メートルです。それから平均深度は十五メートルというわけでしょう。だから非常に深いところと、大体もとは遠浅だったというのですからね、ほとんど掘られちゃって遠浅地点はなくなって、今問題の盤洲のところだけに州が残っているんだけれども、そういう複雑な形のところの潮流や海水交換や、そこに橋をつくり人工島をつくってどういうふうに潮流が変わり水質が変わり生物に影響を与えるかというのは、私はこの程度の報告ではわからないと思いますね。 しかも今までやったのは全部橋の調査ですからね、百億円以上かけて、橋のときの調査なんです。それで、今度トンネルになってから、人工島二つについてのこういう調査を改めてやっていますか。
○参考人(戸谷是公君) この中間報告に出ております潮流の変化、その他いろいろな、終わりの方にもございますが、これは、橋でなくて川崎側十キロをトンネルに直したというような前提のものでございます。
○上田耕一郎君 そんな。この中間報告は六十年九月なわけでしょう。先ほど大臣に言ったように、これがはっきりしたのは六十年七月の海事団体要望書の前だったなんと言っているんだから、そんな発表されたばかりで――大体、橋の調査を二十年かけてやっている、道路公団は十年やった。十年かけていろいろこういう報告にいっぱい出ているんだから、わずか一、二カ月で人工島になってからの調査なんかできるわけがないですよ。本当にしたんですか、トンネルになってからのを。
○参考人(戸谷是公君) これは今までのシミュレーションのモデルがございますので、そういう計算で出てきているものでございますので、比較的短時間にできるわけでございます。
○上田耕一郎君 何を言っているんですか。橋で、橋脚をどうつけるかというので十年もかけて調査をしておいて、それで川崎側を今度はトンネルにして人工島に計画が変わったわけでしょう。それを結局、シミュレーションでやったと。机上の計算をやっただけじゃないですか。実測調査も何もしていないでしょう、シミュレーションでやった、机上計算でね。それで、大して影響はない、余り影響はない、こんなことばかりしか書いていないじゃないですか。何か実地の調査はやりましたか。
○参考人(戸谷是公君) 計画線上で現況の潮の流れ、こういうものは、先ほど申し上げましたように五十九年度とか六十年度にやっております。
○上田耕一郎君 六カ所じゃないですか。
○参考人(戸谷是公君) それで、これは比較的、潮流の変化、それがひいては水質等に影響を及ぼすわけでございますが、これはルートの近辺だけであろうという予測がございますので、東京湾全域につきまして数土地点で潮流をはかるというようなことはしておらないわけでございます。 それから、あくまでも、橋梁ができたらどうなる、トンネルだったらどうなるというのはこれは予測でございますので、現況ははかっておりますが、これは計算によって、シミュレーションモデルによって算出せざるを得ないというのが現在の技術であろうかと思います。
○上田耕一郎君 今の苦しい答弁を見ても、橋梁計画で続いていて――私が水野建設大臣に質問したのは五十九年ですからね。そのときに、運航は難しいからと言って、彼は「少し冷めた目で」と言って、一時これはストップしていたんだ。それが中曽根内閣になって、きょう冒頭に申し述べましたけれども、急遽浮上してきたんですよ。それで運航問題を突破するために、さっき言ったように、新日鉄は困ったんだけれどもトンネルにした、トンネルで運輸関係者の反対を抑えたんですよ、それで始まった。 結局、環境影響調査その他何にもしていないんですよ。今までの橋のをただ計算しただけなんです。全く僕は、本当に政治的にねじ曲げて、国民を欺き、私ども建設委員、議会をもいいかげんな答弁ですり抜けて、それでこの橋とトンネルをあくまでやろうということだと思うんですね。 交通量調査だって、根拠なんか何も出さないで、私が質問したら何か妙なものを出してくる、今までの計算とも違うようなものをいきなり出してくる。今度の一番大事な環境問題だって、環境問題というのは一番大事なんですよ、それを紙の上のシミュレーションか何かの計算でやって、「横断道路の建設工事が周辺海域の水質に及ぼす影響は小さいものと考えられる」、「横断道路の工事に伴う水質・底質等の生息環境の変化は、工事区域周辺に限られ、その程度も比較的小さいことから、生物に及ぼす影響は小さいものと考えられる」。 しかし、きょうも桐谷さんが言われたでしょう、あそこに橋をつくり人工島をつくるのだとヘドロをさらう、ヘドロをさらうと隣の袖ケ浦の水銀の入っているヘドロが金田地区に流れ込んでくる可能性があるというんですよ。こんな、しゅんせつ工事をやっても大した影響はない、そんなことはないですよ、これだけ巨大な工事を東京湾でやろうというんだから。それで、桐谷さんが先ほど漁業関係者として言っていたけれども、あそこの前浦という盤洲のところはアサリの稚貝がどんどんわいてくる宝のようなところだと。ところが工事をやられるとそのヘドロがおさまるのは十年かかると言われていも、それで稚貝は全滅ですよ、ノリも恐らく全滅するだろうと言われている。 それでまた、袖ケ浦の水銀のヘドロが流れ込んでこようというのですね。袖ケ浦のところの底の水質ですね、底土。あなた方のこの調査を見ても、調査地点が「水質影響調査」の十五ページにこうありますけれども、袖ケ浦のヘドロ水銀のところはどうもとっていない。それから、桐谷さんも地点を言っていましたけれども、私にも見せてくれましたけれども、袖ヶ浦の水銀のヘドロのところの水質調査はやっぱりやっていない、しかも上は非常に薄く、何センチぐらいしか調査もしていないようなんだが、どうですか、袖ヶ浦の水銀ヘドロ問題で水質調査をしましたか、泥土の。
○政府委員(萩原浩君) 袖ケ浦の水銀の問題につきましては、昭和四十七、八年ごろ、袖ケ浦町地先において発見されたというふうに聞いております。汚染源はある工場と類推をされましたけれども、その直後にヘドロのしゅんせつを実施されたようでございます。そして国、これは担当部局だったと存じますが、県、町による追跡調査を実施していただきまして、一応除去されたものというふうに判断をいたしております。 なお、当工場は現在は水銀は使用していないというような実態でございます。なお、PCBについては、製造、使用の実績はないという報告を受けております。 それともう一つ、先生おっしゃいましたように、工事中におきますヘドロの舞い上がりとか流出、この問題につきましては、既に本四架橋におきまして、瀬戸内の潮流のかなり激しいところでも十分な効果が出るような、被膜といいますか、膜でその工事現場を囲いましてそこの土砂がほかに流出しないような、そういう工法も十分検討をいたしておりまして、この被害は、ゼロということは物理的に、定性的にはないかもしれませんけれども、少なくとも影響ができるだけ少なくなるような対策は講ずるつもりでございます。
○参考人(戸谷是公君) 実際の工事に当たりましては、ただいま建設省の方から御説明がありましたように、十二分にも留意して実施いたしたいと思います。
○上田耕一郎君 もっともっといろいろ問題があるのですけれども、もう時間が余りなくなったので質問を全部することができませんが、今ちょっと資料もお配りいたしますが、この一兆一千五百億円の工事そのものによって新日鉄などの鉄鋼業者あるいはセメント業者、それから建設業者、これに莫大な仕事が行くということがあるだけでなく、赤字が生まれればそれは道路公団が背負う、これは国民の税金ということになるのですね。 同時に、この橋の計画が固まってきたことによって地価、土地の値上がり、これが千葉で生まれているわけなんです。それから買い占めも生まれております。衆議院の予算委員会で松本善明議員が取り上げましたけれども、例えば新日鉄とその子会社のジャパンデベロプメント、これは木更津市の地域でジャパンデベロプメントで千九百十ヘクタール既に買い占めが行われておる。 〔資料配付〕
○上田耕一郎君 今お配りをいたしました資料は、私どもが初めてお知らせする資料で、三井不動産が湾岸ベルト・プロジェクトということでどれだけの土地を買い占めているかという、三井不動産の内部資料です。 大川端開発、東京ディズニーランド、ららぽーと、千葉中央地区、市原、葉山、金沢八景、本牧、新川崎と「当社保有面積約二百万坪」と書かれています。これは、文字のところは私どもワープロで打ったものですが、この図は三井不動産の内部資料そのものです。これを調べてみますと、三井不動産のものだっていうように、例えばディズニーランド三十万坪、ららぽーと十万坪、千葉中央地区なんて書いてあるんだけれども、どうも実際にはダミーの所有になっているところがいろいろあるようですね。しかし、これは三井不動産ですが、これは私どもの手に入った一例ですけれども、やはり今度の湾岸道路並びに東京湾横断道路問題で大不動産企業が競って土地買い占めを行っているという事態も黙視できないと思うんですね。こういう東京湾横断道路による大企業の土地買い占めは、これはちょうど日本列島改造論の時期と同じようですね。 建設大臣、横断道路そのものについては別として、それにこうやって乗って土地を買い占め、地価の値上がりをねらい、莫大なもうけをしようとしているこういう大企業の動きについて、大臣としてどうお考えですか。
○国務大臣(江藤隆美君) 一つの企業が将来の宅地開発やら必要な事業について土地を確保するということはあり得ることでありまして、それを一概に不当であると決めつけるのは私はいささか同意しかねると思っております。ただ、こういうことで巨大な利益をほしいままにしたという社会的な指弾を受けるようなことであればともかくとして、私は当たり前のいわゆるそういう開発行為であるならばそれは正当に評価していいのではないかと思います。ちなみに、今までこれらのいわゆる不動産会社が開発をしたところでも、我々が見てもそれはやっぱりすばらしいものがあります。一概に悪いと言って決めつけるのはいかがなものでしょうか。しかし、御指摘のようなことがないように我々が気をつけるのはこれは至極当たり前のことだと思っております。
○上田耕一郎君 もう時間が参りましたので、なお幾つもの問題点を質問したかったんですけれども、これで終わります。ただ私は、きょうの審議を通じて、また午前中の参考人の意見陳述、またその質疑を通じて、やっぱり現在の東京湾横断道路の計画というのは非常に重大な問題を持っているし、これは当然中止すべきだということを指摘して、質問を終わります。 ―――――――――――――
○理事(松本英一君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。 ―――――――――――――
○山田勇君 東京湾はかつて危険物積載船による重大な海難事故が発生したこともあり、この東京湾横断道路計画は東京湾全域における海上交通の環境を変化させ、海上交通に重大な影響を及ぼすことが懸念されております。また、この横断道路の建設によって湾内運航企業の経営と船員の雇用に深刻な問題が生じることも明らかであります。 そこで、それらを踏んまえ若干の質問をいたします。 まず、海上保安庁にお尋ねをいたします。 東京湾における海難事故の発生状況はどうなっているでしょうか。昭和六十年十一月八日、九日の濃霧注意報発令中、中ノ瀬航路内において旅客船と貨物船が衝突、貨物船が沈没するという事故を初め湾内で合わせて五件の事故が発生をいたしておりますが、東京湾における船舶の安全確保についてどうお考えになっておるでしょうか。
○説明員(酒田武昌君) お答えいたします。 昭和六十年におきましては、東京湾内で救助を必要とする海難に遭遇した船舶の隻数は百三十二隻となっており、前年に比較いたしまして、特にプレジャーボートや台船、曳船はしけ等の船舶の海難が増加しております。また、先生御指摘のように濃霧が発生いたしました昨年十一月には、中ノ瀬航路内で旅客船と貨物船が衝突するなどの海難が発生いたしております。 東京湾は御承知のように船舶交通の錯綜する海域でございまして、海上保安庁といたしましては、従来から、海上交通安全法を制定いたしまして、浦賀水道航路、中ノ瀬航路を設けまして湾内の船舶交通の整流化を図る等の措置を講ずるとともに、湾口の観音崎に東京湾海上交通センターを設置いたしまして、巨大船や危険物積載船に対しまして航行管制や情報提供を一元的に実施してきているところでございます。さらに、最近の海難の発生状況等にかんがみまして、海難防止講習会や訪船指導等を強化いたしますとともに、荒天時や視界不良時には無理な運航をしないようにということで、そういうことを呼びかけますポスターを作成、配布するといったこともやっておりまして、東京湾内の海難防止に鋭意努めているところでございまして、今後とも湾内の安全確保のために万全を尽くしてまいりたい、かように考えております。
○山田勇君 続いて道路公団にお尋ねをいたします。 六十年度、海上交通安全調査委員会は三月二十日の委員会で、調査結果をまとめております。この中で船舶航行安全上指摘している問題点は何かをお尋ねいたします。 また、先ほど来論議をされております特に台風時の避泊問題、走錨事例などを加味した総合的な検討はどうなっているのか、あわせてお尋ねをいたしておきます。
○参考人(戸谷是公君) 東京湾横断道路の建設に当たりましては、東京湾内の海上交通の安全に関する問題が特に重要であると認識しております。 そのため、従来いろいろと調査実施をしてまいっております。これらの調査結果におきまして海上交通安全につきまして検討を行っている事項は、船舶交通流の変化はどうか、構造物による死角の発生、レーダー偽像の発生等の操船に及ぼす影響はどうか、利用可能水域が減少することによる錨泊、避泊に及ぼす影響がどうか、海難発生に及ぼす影響、最後に建設工事が船舶航行に及ぼす影響、このような問題が生じております。今後も、委員会の審議を踏まえつつ、工事中、完成後の海上交通安全を確保するため、航行管制のシステムであるとか、あるいは標識、緩衝航路等の航行援助施設等の具体的な安全対策を検討してまいりたいと思っております。 それから、後段の台風時の避泊につきましては、特に重要な問題と認識しており、これも委員会におきまして過去の台風時の避泊事例を踏まえ慎重に検討しておるところでございます。今後は、御指摘のとおり海事関係者、関係官庁の協力を得ながら、台風時の情報提供システム等の総合的、具体的な安全対策を検討してまいりたいと考えております。
○山田勇君 続いて、運輸省と建設省にお尋ねをいたします。 運輸省の沖合人工島について担当官が海事団体に説明をした資料によりますと、東京湾横断道路建設事業との関連を次のように説明いたしております。まず、木更津個人工島を包含させることにより建設費の軽減を図る。また発生交通量を誘発させ、道路事業の採算性の向上を図るなどによって道路建設事業を支援するとなっておりますが、建設省及び道路公団では、別の構想であって横断道路建設とは無関係であると言い続けておりますが、海事団体などは政治に対する不信感を深めております。 この際、沖合人工島構想の扱いについて、運輸、建設両省で調節をし、明確にすべきであると思いますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) このことにつきましては、かねがね運輸大臣とも私、意見の調整をしておるわけでありますが、運輸大臣の説明によりますと、こうした沖合人工島の構想は、昭和五十五年ごろから実は全国で六カ所ほどあって、そして進めてきたという話であります。私も、国土の狭いところですから、埋め立てができて領土がそれだけ広がればまた二百海里水域も広がるわけですから、大変結構なことだと思いますが、今回の運輸省の計画につきましては、私どもの考え方は百メーターの六百メーターですから約六・五ヘクタール、そうすると運輸省の考え方は百八十ヘクタールというわけですから、三十倍からのものでありまして、けさほどから種々先生方から御議論をいただいております、人工島をつくることは航行上大変危ないではないか、こういう御指摘があるのですが、肝心かなめの海上保安庁を有する運輸省が三十倍の島をつくっても大丈夫だと言うんだから、これはどういうことかいなと思っておりますが、特に正式に御協議があったわけではありません。 したがって、一つの考えだということでありまして、これから検討するということだそうですから、いよいよということになれば、また環境影響調査、その他漁業あるいは航行に対する影響等さまざまの面から今度は検討しなきゃならぬことでありましょうから、すぐきょうあすに私はスタートができるようなものではないであろう、こういうふうに思っておるところでございます。
○山田勇君 道路公団にお尋ねをいたしますが、海事団体は、これまでの日本海難防止協会における調査では航行安全上不十分な部分もあり引き続き十分な実態調査と安全対策の検討が必要であると強調をしておりますが、この点についてはどのようにお考えになっておられますか。
○参考人(戸谷是公君) 東京湾横断道路の建設に当たっては、東京湾内の海上交通の安全に関する問題が特に重要であると認識しております。そのため過去、委員会を設置いたしまして、いろいろな調査を実施してきたところでございますが、六十年度までに調査といたしましてはほぼ完了しておりまして、六月ごろには取りまとめ公表する予定でございます。しかし、この委員会には海事関係者も積極的に参加し、御協力いただいておるところでございますので、今後とも事業の進捗に合わせまして、海事関係者の御理解、関係官庁との連絡調整を図りつつ、安全対策の具体化に万全を期したいと思っております。
○山田勇君 最後に、雇用問題について運輸省並びに日本道路公団にお尋ねをいたしておきます。 横断道路建設に伴い、東京湾を職場とする船員の雇用問題は大変深刻であります。今回のような国策による離職者に対しましては、本四架橋、国際漁業協定と同様に臨時措置法で対処すべきではないかと考えますが、その点第一点。 それから、漁業補償交渉も大切ではありますが、雇用問題はさらに重要な問題であると認識をしておりますが、これは日本道路公団が交渉当事者であることを明確にして、関係者と十分に協議し、対策に万全を期すべきだと考えます。誠意ある御答弁をお願いします。 最後に、東京湾横断道路は、中曽根民活で急浮上し、建設が急がれておりますが、これまでの審議を見ますと、どうも関係者間の話し合いが不足しているのではないかと思われる節がたくさんございます。特に、過密化している東京湾の海事関係者など十分に話し合って、航行安全対策、雇用問題対策について万全を期するよう強くこの点について希望を述べまして、私の質問を終わります。
○政府委員(萩原浩君) 東京湾横断道路の建設が東京湾の一般旅客定期航路事業等の海運事業の企業経営や従業員の雇用に与えます影響については、非常に重要であるというふうに考えております。今後慎重に検討を進めていくこととし、関係機関及び関係者とも十分調整を図って適切に対処してまいりたいと考えております。 なお、いわゆる航行安全の問題につきましては、先ほどから日本道路公団からるる御説明申し上げましたように、その対策につきまして今後万全を期していきたいというふうに考えております。
○参考人(戸谷是公君) 先生ただいま御指摘の点につきましては、全く道路公団も同様でございます。誠意を持って対処いたします。
○理事(松本英一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(松本英一君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○浜本万三君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となっております東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案に対し、反対の意見を述べるものであります。 御承知のように、東京湾横断道路の建設問題は中曽根内閣の民活のモデル事業として急浮上してきたものでありますが、本来国の責任で行うべき道路建設を公団、地方公共団体、民間が出資する株式会社に行わせようとするもので、国民の期待に反するものであります。 以下、反対の主な理由について述べます。 反対の第一の理由は、本法案に直接関連するところのいわゆる新会社の事業形態が極めて非合理なもので、事業のリスクはすべて公団が背負い込み、新会社はリスクを負わないという恵まれた環境の中で事業を行うわけであります。このような環境では健全な企業家精神が失われ、民間活力という言葉のイメージからほど遠い状態になってしまうことは確実であります。また、新会社による事業の発注は随意契約で行われるわけでありますから、新会社に出資する民間企業は、自社もしくは関連会社に事業を発注するよう便宜を図ることも可能であります。危険は冒さない、しかしうまい汁は吸うという無責任な体制は認められないものであります。始める前から、金権腐敗と停滞のイメージしかもたらさないようなやり方であります。事業形態の見直しと民間の活力という概念の問い直しを強く求めるものであります。 反対の第二の理由は、東京湾横断道路そのものの価値に疑いがあることであります。 確かに、関係地域の経済の活性化と、首都圏を中心とする交通改善に一定の貢献は認めるといたしましても、大きなリスクも忘れることはできません。特に、千葉県木更津沖の盤洲干潟におけるノリ、アサリを初めとする水産業への重大な影響、人工島、橋脚などによる航行安全への影響、潮流の変化による水質への影響、そして川崎-木更津間のカーフェリーが縮小もしくは廃止されることに伴う雇用不安や港の活力の低下を考えるとき、果たしてこれだけの犠牲を出してまでやるだけの価値があるのかどうか、大いに疑問であります。 さらに、建設省と道路公団による二十年来の調査の最終結果がいまだに十分公表されず、判断材料が不足しておる状態の中で着工に踏み切ることはどうしても納得できません。 以上が反対の主な理由であります。 最後に私は、政府が立ちおくれておる生活関連の社会資本の充実に向けて一層努力されるよう強く要望し、反対の討論を終わります。
○工藤万砂美君 私は、自由民主党・自南国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となっております東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案につきまして、賛成の意見を表明するものであります。 御承知のとおり、東京湾横断道路は、東京湾岸道路、東京外郭環状道路、首都圏中央連絡道路、東関東自動車道等と一体となって首都圏における広域的幹線道路綱を形成し、東京湾の周辺の地域における交通の円滑化を図るとともに、首都圏の諸機能の再編成、産業活力向上等に大きく寄与する道路として、早くからその着工が期待されていたところであります。 既に、本道路につきましては、昭和四十一年に調査が開始されて以来二十年を経過し、この間、環境調査、船舶航行調査、技術調査等の諸調査が積み重ねられた結果、着工に何らの支障のないことが明らかになっており、横断道路の建設がもたらす経済効果についても、一年間で一兆三千億円のGNPの増大をもたらすとの試算も出されており、その波及効果が期待されているのであります。 また、近年、我が国の貿易収支の大幅黒字等を背景とする対外貿易摩擦の解消等の観点からも内需の拡大が極めて重要な課題となっておりますが、東京湾横断道路の建設は、一兆円を超える大規模かつ集中的な投資を行うプロジェクトであり、内需拡大の面からも本事業の早期着工が期待されているところであります。 本法案は、民間経営の長所を生かし、民間技術の活用を図るとともに、民間の熱意と資金を主軸とするいわゆる民間活力の活用を図る新しい方式で、東京湾横断道路の建設という大きなプロジェクトの実施を促進しようとするものであり、今日の厳しい財政事情及び国際経済環境のもとにおいて、国家的要請に応じたまことに時宜に適した措置であると考えるのであります。 さらに、今後、二十一世紀に向けて、我が国の経済社会は国際化、高齢化、成熟化等が本格化すると予想されていますが、我が国が真に活力ある経済社会の発展と安定した国際関係の樹立を目指すためには、各種の社会資本の整備を促進していくことが何よりも重要であり、民間の資金と能力を活用した東京湾横断道路の建設は、新たに地域の開発、新しい産業の創造、生活空間の造成等将来の我が国の活力ある経済社会の発展を約束するもので、極めて大きな意義を有するものであります。 以上、本案に対する賛成の理由を申し述べて、賛成討論を終わります。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、東京湾横断道路建設特別措置法案に対して反対の討論を行います。 本法案によって事業化が進められることになっている東京湾横断道路は、日本の総人口の約四分の一、一都三県の約三千万人の住民に共有の貴重な財産である東京湾の将来に重大な影響を及ぼす計画であります。もとより事業化と言うからには、慎重かつ広範囲にわたる国民的な検討が必要なものであるにもかかわらず、中曽根内閣のもとで、建設省はこうした当たり前の前提を飛び越して事業着手だけを急いできました。こうしたやり方は、国民の名において断じて認められるものではありません。 中曽根内閣が民間活力の活用と称して次々と進めてきた民活プロジェクトは、ことごとく大企業奉仕となっているのが最大の特徴と言わなければなりません。本法案による東京湾横断道路建設はその代表的プロジェクトであって、新日鉄を初めとした大企業・独占の熱望にこたえたもの以外の何物でもありません。私は、本計画は現段階において国民にとっては不要、無益なプロジェクトであり、事業化の中止を求めるものであります。 以下、その理由を述べます。 第一は、東京湾の船舶航行の安全が脅かされ、極めて重大な事故を招きかねない問題であります。本日の参考人質疑でも明らかになったように、混雑をきわめる東京湾の船舶航行は、トンネル化の計画変更にもかかわらず、人工島や排気塔への衝突の危険性、避泊地不足などを助長し、ますます危険な海にするものとなります。 第二は、東京湾の水質、潮流、大気など自然環境に対して与える悪影響の問題であります。現在でも極めて汚濁が進行している湾であり、その中心部に大規模な構造物を建設することによる影響は並み大抵のものではなく、一層の汚濁をもたらす危険があります。 第三は、経済効果及び地域開発効果の予測そのものが疑問であると同時に、デメリットの方が大きいという予測にかかわる問題であります。経済効果全体としては決してプラスになるとは思えず、しかも交通量予測が極めてあいまいで根拠に乏しく、したがって事業採算性の見通しが立っていません。予測交通量も三万台という数字が示されておりますが、日本開発銀行参事役も指摘しているとおり極めて過大な数字であって、事業採算性がとれる見通しはないと言われており、しかも赤字は道路公団に押しつけられ、ひいては国民の負担とならざるを得ません。 第四は、千葉県木更津市沖を中心とした漁業に対し甚大な被害を与え、ひいては壊滅的打撃を与えかねないという問題であります。参考人質疑でも木更津市から来られた桐谷参考人が言われたように、アサリ、ノリを初めとする木更津の漁民には重大な被害が与えられることになります。 第五は、中曽根民活路線による大企業本位の大型プロジェクトの代表的計画であり、これをきっかけの一つとして大企業からの政治献金など政財の癒着が取りざたされるなどの疑惑も指摘されております。 第六は、大企業による開発利益を見込んだ土地買い占めによる大もうけに手をかすという問題であります。君津市での新日鉄の土地買い占めや三井不動産による湾岸プロジェクトの例に見られる大企業の大もうけに手をかすことになりかねません。 第七は、東京圏への一点集中をもたらすという首都改造計画をより推進することになり、調和と均衡のとれた国土計画の理念に真っ向から反する計画であります。 第八は、川崎市や木更津市を初めとした関係自治体の自主的な地域計画との整合性をどのようにつくっていくのか、都市計画づくりにとっても大きな問題であります。しかも、補助金カットなどでますます地方財政が苦しくなっているにもかかわらず、出資金を初め地方への負担を半ば強制しており、今後ますます地方財政の圧迫をもたらすことになるだろうと思われます。 第九は、会社の性格が大企業・独占主導型となることが明らかであり、一兆一千五百億円の事業費は談合による分け取りとなって大企業の受注会社に直接利益をもたらすことになる可能性が大きいと指摘せざるを得ません。 以上の理由により、本法案に対しては強い反対の態度を述べて、討論を終わります。
○理事(松本英一君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(松本英一君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(松本英一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、工藤君から発言を求められておりますので、これを許します。工藤君。
○工藤万砂美君 私は、ただいま可決されました東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、東京湾横断道路の建設に当たっては、関連道路網の整備との整合性を保ち、関係地域の交通の安全と円滑が図られるよう配慮するとともに、十分な環境影響評価を行う等環境の保全に留意すること。 二、東京湾横断道路の建設が東京湾周辺の地域開発に与える影響を考慮し、関係地方公共団体との連絡・協調体制の確保に十分配慮するとともに、地方公共団体の出資については、東京湾横断道路の建設による受益の程度及び財政力等に留意すること。 三、東京湾横断道路の建設等に関する協定に基づいて会社が行う建設及び管理の業務については、その公共的性格にかんがみ、その公正適確な実施が確保されるよう公団及び会社に対する指導監督に努めるとともに、資金調達の機動的、弾力的運用等会社の自主的、効率的運営が図られるよう配慮すること。なお、地元中小企業の育成についても配慮すること。 四、人工島及び橋梁の建設については、東京湾における船舶航行の安全確保及び環境保全に万全を期すること。 五、漁業補償等建設事業の実施に伴って生ずる損失については、関係者との誠意ある補償交歩を通じて、適切に対処するとともに、船員の雇用についても配慮すること。 六、東京湾横断道路特にトンネル内での道路交通の安全確保に万全を期すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ各委員の御賛同をお願いいたします。
○理事(松本英一君) ただいま工藤君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(松本英一君) 多数と認めます。よって、工藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、江藤建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江藤建設大臣。
○国務大臣(江藤隆美君) 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力してまいる所存でございます。 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
○理事(松本英一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(松本英一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○理事(松本英一君) 次に、新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。江藤建設大臣。
○国務大臣(江藤隆美君) ただいま議題となりました新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 新住宅市街地開発法は、昭和三十八年に、健全な住宅市街地の開発及び住宅に困窮する国民のための居住環境の良好な住宅地の大規模な供給を図り、もって国民生活の安定に寄与することを目的として制定され、同法に基づく新住宅市街地開発事業は、健全な住宅市街地の形成と国民の居住水準の向上に大きく貢献してまいりました。 しかしながら、近年、地域整備上の要請に即した魅力的な街づくりを行うことが求められているほか、住宅の近くに居住者の雇用の場を確保する必要性が高まっているなどさまざまな状況の変化が見られております。 この法律案は、このような状況に対処し、健全な住宅市街地の開発を図るため、施設立地の多様化、住区の規模要件の緩和、建築義務期間の延長等新住宅市街地開発法について所要の改正を行おうとするものであります。 次にその要旨を御説明申し上げます。 第一に、施設立地の多様化を図るため、良好な居住環境と調和する事務所、事業所等の特定業務施設を新たに事業地内に立地できることとするとともに、準工業地域が定められている区域を含む区域について新住宅市街地開発事業を施行することができることといたしております。 第二に、住区の人口密度の下限を一ヘクタール当たり八十人とするとともに、住区をおおむね六千人からおおむね一万人までが居住することができる地区とし、住区の規模要件を緩和することといたしております。 第三に、宅地の譲り受け人の建築物の建築義務期間を二年以内から原則として三年以内に延長することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○理事(松本英一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十七分散会 ―――――・―――――