決算委員会 第10号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1986/05/16
会議録
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る五月十二日、添田増太郎君及び吉村真事君が委員を辞任され、その補欠として後藤正夫君及び福田宏一君が選任されました。 また、去る五月十三日、伊江朝雄君、宮島滉君及び稲村稔夫君が委員を辞任され、その補欠として夏目忠雄君、平井卓忠君及び本岡昭次君が選任されました。 また、昨十五日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。 また、本日、本岡昭次君及び八百板正君が委員を辞任され、その補欠として佐藤三吾君及び中村哲君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十八年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に参考人として財団法人日本体育協会専務理事鈴木祐一着及び同協会理事廣堅太郎君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) 次に、昭和五十八年度決算外二件を議題といたします。 本日は、前回に引き続き総括的質疑第二回、内閣総理大臣及び各省大臣に対する質疑を行います。 質疑時間等につきましては、理事会において協議し、各質疑者に御通知申し上げましたとおりでございます。 それでは、これより質疑に入りますが、まず私が、各会派のお許しを得て、決算委員長として若干の質疑をいたします。 それでは総理に御質問申し上げます。 参議院における決算審査の充実の必要性につきましては、参議院改革協議会から徳永前議長あてに提出された報告書に明記され、また、昨年十一月にも各派代表者会議で了承されました参政協の木村議長に対する答申でも明らかになっております。決算審査を充実させるのは政府の協力が必要であります。すなわち政府が答弁をはぐらかしたり、あるいは資料要求に応じなければ決算審査を深めることはできません。 実はこの点について具体的な問題を、昨年一年の中でしばしば遭遇いたしました。例えば六十年の十月二十三日の目黒議員が要求した撚糸工連の決算書類については、政府の対応が悪く受け取るまでに随分てこずりました。また六十一年一月二十三日の梶原議員が事前通告までした原子力船「むつ」の係船料の積算に関する資料は、ついに現在まで提出されておりません。決算委員会における決算審査について総理は従前も協力をするという態度をしておりますが、実態がこういうことでございますので、これに対しての御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま委員長から御指摘をいただきましたが、政府といたしましても、でき得る限り参議院の決算審査につきましては努力を申し上げまして御協力申し上げる考え方でおります。いろいろ具体的な問題について御指摘をいただきまして、我々も恐縮しておるのでございますけれども、その事案、その事案によりましては政府としても最大限の努力をいたしまして、今後とも御協力申し上げたいと思う次第でございます。
○委員長(丸谷金保君) それで総理、実は昨年の目黒議員に対する政府側の答弁では、四十六年以降の今日までの連合会の資料について、できるだけ御容赦願えればと思っておりますが、国会の御意向として提出するようにということでございましたら私どもといたしましても検討する、こういう政府側の答弁なんです。これは、この決算書というのは公にされているものなんです。それで私は、こんなものが出せないことがあるかということで、実は本日ようやくこれが出てきたんですが、こういうものまでここでいういわゆる国会の御意向としてということになると、これは委員会で議決をして国政調査権に基づいて提出をせいと言わなければならないのかどうか、私はそこまで一々こんな公になっている決算書、通産省の手元にあるんですから、それを出してくれというのでさえ、御容赦願いたいけど国会の御意向があるというふうなことでは、今の総理の考え方というものが全く届かないと思うんです。総理いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 具体的な問題に関しまして、今の撚糸工連の問題というものについて私は詳細を知悉しておりませんですけれども、少なくとも決算審査の重要性にかんがみまして、政府としては最大限努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
○委員長(丸谷金保君) ひとつ頼みます。 次に、昨年度いろいろ問題になりました平和相互銀行の関係について、昨年の九月に私が特に発言を求めて、平和相互銀行問題についての心配と、預金者の保護については万全を期してほしいという強い要望をいたしました。大蔵大臣はそのときに、預金者保護については私が責任を持って善処すると、こういうふうにお答えになりましたが、その後住友との合併ということが具体的に進んでおるようでございますけれども、それらで預金者保護はまず心配ないというふうに、昨年九月の決算委員会の質問について、御確認いただけますか。
○国務大臣(竹下登君) 住友銀行と平和相互銀行は、二月の十五日、住友銀行は平和相互銀行の預金者を保護し、従業員の雇用安定を図るという立場から、合併の準備に入ることとするという合意に達した旨の声明が発表されており、大蔵省といたしましても、そのような立場を子として、さらに必要に応じ指導を行っていく考えであります。 声明文もここにございますが、委員長の御指摘のとおりであります。
○委員長(丸谷金保君) 合併とそれまでに至る大蔵検査とかいろいろな問題はほかにもございますけど、預金者保護ということについて大道が貫けられれば、問題はむしろこれからは法務省の方の管轄に入っていくんじゃないか、かように思います。というのは、一応の預金者保護はそれで達せられたとしても、じゃ千七百億と巷間言われているような回収不能の不良債権を抱えるに至った乱雑な銀行運営の当事者たちが、全くこれで預金者保護ができたんだから一件落着かということについては、やはり社会通念上からいってもどうもおかしいんじゃないかと。しばしばそういう観点からの決算委員会での追及あるいは予算委員会での追及等が行われております。 それらの記録を振り返って見てまいりますと、例えば二月七日に目黒議員が質問書を提出いたしましたが、この答弁では、いわゆる「びょうぶ事件」というのに対して、「法務当局は」「事実関係を承知していない。」と、こういうふうに言っております。ところが、その後三月十四日の予算委員会では、「いろいろな問題が報道されておるところでございますし、また国会におきましても御議論されておるところでございます。こういったことにつまましては検察当局といたしましても関心を持っておる」と、こういうふうに変わってまいりました。それから、四月二日の大蔵委員会における私の質問に対しましても、この点に関しては検察当局といたしても関心を持っているというふうに承知しておりますと、こうだんだんと微妙に変わってまいっております。 特に先日行われました決算委員会におきましては、さらに踏み込みまして、同僚の橋本委員の質問に対して、刑事局長から最終的に「平和相互銀行をめぐりますいろいろな問題につきましては、検察当局も関心を持っているものと承知いたしておるところでございます。」「また、一般論でございますが、」とこう言いまして、「検察当局といたしましては、刑罰法令に触れる事実がある場合にはこれに対しまして厳正に対処するものと思っております。」ということですね。「一般論でございますが、」と言いながらも、橋本質問は商法上の背任罪の成否を含めて検討すべきじゃないかというのに対して、だんだんと踏み込んだ法務当局の答弁がございます。これらを子細に比べてみますと、相当程度法務省としても、この問題は、当初から見ると、事実関係を調べて踏み込んでいるというふうに受けとめられるんですが、法務大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木省吾君) お尋ねの平和相互銀行の関係は、報道機関でも何回か報道され、また国会においてもお尋ねがございました。その件につきましてただいま委員長からお話がございましたように、私は一般論として御答弁を申し上げたわけでございますが、一般論としては、繰り返しになりますけれども、刑罰法令に触れる事案がありますれば、検察当局は厳正に調査をいたし、適正に処理をする、こういうふうに考えております。 具体的なことについては、私はまだ報告も受けておりませんから、さようなことでございまして、もし補足して政府委員から説明することがあれば説明をさせますが、私のあれではさようなことでございます。
○政府委員(岡村泰孝君) ただいま委員長から御指摘のありましたように、検察当局といたしましては、平和相互銀行をめぐりますいろいろな問題につきまして関心を持っているところであると承知いたしておるところでございます。
○委員長(丸谷金保君) それで、実は私の手元に、総武通商、いわゆる平和相互銀行の商事部といわれるほどの関係の深い、これの「破産宣告の申立書」というのが手元に来ております。これはその後裁判所が破産を決定しております。したがって、一応この申し立てを認めて破産申請を決定をしたのだというふうになるわけですが、この中でこういうのがあるんです。「債務者は、その必要資金をほぼすべて平和相互に依存しており、平和相互の指示に従い、債務者の有する不良債権資産を相互銀行法違反を回避し、また対大蔵省対策上、後述するペーパーカンパニー一四社に順次移転し、表面上の平和相互に対する借入金を減少させてきた。更に昭和五八年七月に、実質的に債務者の一〇〇パーセント子会社である総武ランバー株式会社」以下云々とございまして、この申し立て書をこれは当然刑事局の方としても承知しておりますか。
○政府委員(岡村泰孝君) 私自身は具体的に承知いたしておりませんけれども、検察当局といたしましては、いろいろ報道されておりますこと、その他の資料は、必要なものは入手しているところであると思います。
○委員長(丸谷金保君) 岡村刑事局長ね、これだけはっきり本人たちが、もういろいろなまさに背任と言われるような事実関係を認めているんですね。裁判所はその申し立てを認めて決定している。ここまではっきりしていることが全然何らの社会的責任を負うようなことになっていないというのは、ちょっと手ぬるいんじゃないかという気がいたしますが、いかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 一般論でございますが、捜査というものは非常に手間のかかるものであるわけでございまして、右から左にさっといかない場合もあるものと思います。ただ、本件の平和相互銀行に関連いたします問題につきましては、先ほど来から述べておりますように、検察当局といたしましても関心を持って対処いたしておるところでございます。
○委員長(丸谷金保君) 総理にお伺いいたします。 今お聞きのように、もう裁判所で決定した破産の申し立ての中なんかで明確に本人たちが申し立てているような事実関係が、平和相互銀行との間にあるわけです。これが非常に何か時間がかかるというふうなことでこのままになってしまうということは、私は大変、社会通念上も一般国民はおかしいじゃないかと。特に、これは四月二日に本院の大蔵委員会で自治省の方から、総理の後援会の団体である山王経済研究会から提出された五十九年分によりますと、平和相銀から百二十万、大洋から百二十万、武蔵野開発、これはいずれも関連企業です。百二十万の寄附があったと。これは総理の最大の後援会組織と言われている山王経済研究会にこういう寄附があった、これは氷山の一角じゃないかというようなうわさが出てくるんです。 ですから、いいですか、まあ「李下に冠、瓜田のくつ」と言いますけれども、ここらはやはり政府としてしっかりしませんと、一千七百億のうちの相当程度のものがいろいろな形で政界に流れたんじゃないかという、いわゆる政治不信につながる、そういうことになりかねなくなってきております。したがって、これはやっぱり総理がきちってして徹底的な捜査をして、明らかにすることは明らかにし、そのことによって、いささかもこういうことが氷山の一角でないのかと言われるようなうわさが流れないようにひとつしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私の後援団体の問題で大変恐縮でございましたが、赤字会社から政治資金が来ているという御指摘を受けまして、調べまして、三件御指摘をいただいたんですが、そのうちの一つは確かに赤字会社でありました。赤字会社であるかどうか、いただく方はよくわからないものですから、そういう間違いを犯したようであります。それはお金を全部お返しいたしました。もう一件につきましてもそういうお話でありまして調べましたら、赤字、黒字というのは工作しておったときもあったようであります。しかしこれも赤字のときのものはお返しいたしました。その場合でもおたくは赤字会社じゃないんでしょうねと聞いたら、赤字会社じゃございませんという話だったそうです。しかし、赤字と黒字が入りまじったときがあったということであります。もう一つは、これは黒字会社であったという報告を受けております。 いずれにせよ、そういう手落ちがありましたことはまことに遺憾なことでございまして、将来そういうことがないように戒めてまいりたいと思っております。 平和相互に関しまする刑事事件としての問題等につきましては、司法当局において厳正な調査あるいは捜査が行われておるものと確信いたしております。
○委員長(丸谷金保君) それでは総理にちょっと院法改正と海外援助の問題についてもう一問。総理の手元に写真をたくさんお上げしているんです。これは私たち社会党の調査団が行って、いわゆる日比道路、ずっと歩きました。ごらんいただくとよくわかるんですが、一カ所でなくたくさん非常にひどいんです。これはお手元にお上げしてあるんでよくごらんいただきたいと思うんですがね。こういう状況について、実はまず会計検査院にお伺いいたしたいんですが、会計検査院は日本の出資した、あるいは日本のお金が海外援助に使われたところの検査をやっておりますね。ところが、審査のほかに評価もできるんです、院法でね。そうすると、こういうところを調査に行った場合に、現場に入って現状を、在外公館の車その他で見にいくということは差し支えないことだと思うんです。そうすれば私のこの写真に撮ってきたようなこういうふうなこともこれはいかぬということで、帰ってきて日本政府に対して注意をすることもできるはずですが、今までそういうことをやったことはありますか、
○会計検査院長(大久保孟君) お答え申し上げます。 会計検査院が外国に参りまして日本の援助といいますか、でき上がったプロジェクトその他を調査をするということは、あくまで所在している日本政府関係機関から話を聞き、またあるいは相手国の了承を得て見てくる。要するにこの道路ができ上がっているか、これはどうなっているか、そういうことを見まして、そうしてそれについての意見を帰って申し上げると、そういう評価の観点から調査したと、そういうことでありまして、現実に向こうの現地に入って検査するということはできません。
○委員長(丸谷金保君) 総理にお伺いしますが、今行革審の小委員会で、海外援助の効率的な援助のために会計検査院がもう少し権限強化して、そういうことが相手国の内政干渉にわならないような立場でもう少し評価なり審査なりができるようなことが望ましいというのが出ておりますね。こういう行革審の答申というのに対しては総理は尊重すると常々言っていますが、間違いございませんね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行革審の意見は尊重するという基本的立場を持っております。ただ、国際関係の問題になりますと、相手の独立主権国家としての立場もまた尊重しなければなりませんので、その間の調整をいかに行うか、これも外交交渉等を通じて行わなければならぬ、そういう場面が非常に多いと思うのであります。
○委員長(丸谷金保君) そこで国際関係、内政干渉にならぬようにという配慮はもちろんしなきゃならないんですが、日本の大体海外援助というのは賠償から始まったということで、新しい制度に切りかわったにもかかわらず、何かそのしっぽがついていて必要以上に遠慮しがちでないかという気を私どもは現場を見てきていたしました。現地でもそういう点については、例えばフィリピンで多くの人に会いましたが、日本人には戦争で多くの迷惑をかけたことの痛みを持って非常に遠慮がちなタイプと、戦争のときの災害を忘れて傍若無人なタイプと二つあると。しかし我々はやっぱり戦争の痛みを忘れないでほしいし、しかし現況は、率直にそれぞれ注意することは注意してもらうような人こそ本当の友人なんだと、こういうふうな話をしばしば聞いております。その点では何か非常に遠慮がち過ぎるんでないかという気がいたすんですが、特にこの点についてはフィリピンの会計検査院長のギンゴーナ氏と会見したときにも、一時間以上にわたって論議を交わしました。しかしその結果、日本の政府から申し入れがあれば共同して監査する、あるいは審査することにやぶさかでないと。うちの方からひとつ日本の会計検査に協力してくれということはなかなか言えない、こういう意見です。と申しますのは、これを見まして、最初はそれはマルコスのときの道路だからひどいんだというのです。このたくさんあるやつをですね。ところがアキノ氏になってからの改良工事も全然だめなんです。最後の方にBの三、四、五というふうに、私はその現場写真を撮ってきたんで、ごらんをぜひ総理いただきたいと思うんです。日本の援助資金がこんな使われ方をしていたんじゃ、これは日比友好道路が日比不友好道路になってしまいます。改良したのでさえもまず厚みが足りない、セメントの量が足りないことはもう一日見れば歴然なんです。こういう状態でありますと、これはアキノさんにかわったから、マルコスがセメントを食ったからこうなったんだなんというふうな次元の問題でなく、もっと親切にきちんとした道路をつくることに我が国としてはやっぱり手をかしてあげなきゃならぬではないかと。外交問題だ内政干渉だなんというふうなことだけで遠慮しないで、痛みは痛みとしてきちんと持ちながら、なおかつそういう点については積極的にやってあげなきゃならぬ。特に現場を見ますと、それから向こうの、この仕様書というのを、これロドリゲスという次官からもらってきて、その中をざっと読んでもらったんですが、英語のわかる人に。例えば土厚一つとってみても、水田の中に土盛りをして道路ができているんです。下にくい打ちがしてないんです。そしてこれはロドリゲス氏に聞きますと、いや、やったときは乾季でばんばんのいい地盤ができたんだと。しかし道路をつくったら雨が降ってきて、雨季になったらどろどろと流れちゃったと、こういう実は答弁なんです。これは日本のようにくい打ちをやればいいんですが、その話をしましたら、それは大きな機械を持ってきたんじゃだめだというんです。だから昔のよいとまけのような技術でもってやってやることから注意をしていけばいいと。そしてそれを最終的にやっぱり今の会計検査院じゃできない面を行革審の答申のように、ひとつ会計検査院がもっと踏み込んでやれるように努力していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) やる以上はやはり住民の皆さんにいつまでも喜ばれる立派なものをやるべきでありまして、その規格やそのほかにおいてもし不十分だと思われる面があれば、その不十分さというものをやはり指摘して、助言して、そしていいものを残すようにやはりやるべきであると思います。今回のいろいろな経験等にもかんがみまして、そういうような改良について、必要あらばこれらの問題のすべてが調査が終わった時点において、フィリピン政府といろいろ政府間で協議してより改善する道を考えてもいい、そういうふうに思っております。
○委員長(丸谷金保君) それじゃもうこれで終わりますが、実は年々海外援助費がふえて、一兆三千億というふうになってきております。しかし、海外で評価するのに、院法の中に現行でもできることがいろいろあるにもかかわらず、外国へ行って調査するのがたった四百万程度の予算で何ができるか。一方、外務省が持っている評価委員会は三億からの旅費を使っているんです。自分たちのやったことを自分たちで評価しているけれども、会計検査院には評価するような実際に機能なり予算がない。こういう点はぜひ検討して、国民のせっかくの税金を、海外にもっと出していかなければならない時代がこれ以上来るんですから、国民の税金がむだ遣いにならないように努力していただきたいと思います。これに対する総理の御所見を伺って、私の質問を終わりといたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府といたしましても今回の事案にかんがみまして、よく反省、検討もいたしまして、改善すべきものは改善していく考えでおります。
○委員長(丸谷金保君) 以上で私の質疑は終わります。 それでは、質疑を続けていきます。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○梶原敬義君 私は総理大臣に最初にお尋ねをします。 本決算委員会の審議は五十八年度の決算の審査をやっておるわけでありますが、五十八年度は振り返ってみますと、五十四年秋の第二次石油ショックに伴う経済の停滞がようやく回復に向かい、我が国といたしましては経済財政運営は内需拡大型の政策で進むのか、あるいは外需依存型で進むのか、その岐路を迫られた年だったと思うわけであります。 振り返ってみますと、総理は行革方針をとりながら、外需依存の結果的には経済運営をとったことになったわけであります。その結果、五十八年度の貿易黒字は当初見通しを六一%上回る八兆二千億円、経常収支にいたしましても見通しを二・五倍も上回る五兆七千億円に達しました。それから順次今日まで大幅な貿易黒字がたまり、そしてこれが経済摩擦の原因になり、そしてひいては急激な円高の状況になってきたわけであります。 中曽根総理大臣は、そういう状況の中で民間活力を導入することによって内需拡大をしようという希望を持って、夢を追ってこれまでやってこられましたが、結果的には実ってこなかったというのは私は否定することができないと思います。 なぜ一体こうなったかということでありますが、GNPの六〇%を占める個人消費がどうしても可処分所得の伸び悩みで伸び悩んだ。特に全国約六百万、そこで働いている従業員の数あるいは労働者の数は約四千万とも言われておりますが、ここが赤字法人が非常にこの間ふえまして、さらにそこで働く従業員の所得と大企業の所得の格差も非常に開いてきた、したがって税収の伸びもそこで非常に落ち込んだ、こういう状態がずっと中曽根総理、竹下大蔵大臣を中心とする財政経済運営のもとでなされたわけであります。この結果、総理は口先では国民に向けて辛抱を呼びかけまして、何とか総理流の国民向けのアピールで一定程度支持は得たのではないか、こういう気はしておりますが、結果としては外国はそれは許してくれなかった。厳然とたまるこの貿易の大幅な黒字のもとでそういうわけにはいかない、こういう形で貿易摩擦あるいは円高の問題というのが急激に迫ってきたわけです。総理のバランスを欠いた経済運営のやり方について、ここで私は決算を通じながらつくづくそう感じたわけでありますが、率直な反省を求めたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 五十八年という年は、アメリカの景気がぐっと回復してまいりまして、アメリカの景気の回復上昇率が非常に速い、それで日本の経済のそういう上昇とのタイムラグがありまして、そのために日本の輸出がぐっと伸び始めた、そういう年で、思いのほか以上に輸出が伸び始めたということであります。もう一つは、アメリカのドル高といいますか、それが依然としてずっと続いてきておる、そういうような面からも輸出が伸びる。そういう二つの面から日本の輸出が思いがけないぐらいに伸びてきた、そういう年であったように思います。そのころは何としても行政改革を一生懸命やらなきゃいけない、そういう意味で五十六、七、八、九というふうにゼロシーリングあるいはマイナスシーリングということで、ともかく行政をスリムにするということで日本としては一生懸命努力をいたした、そういう時代であったように思います。
○梶原敬義君 時間がありませんから先に移りますが、いろいろやられた結果は、国内的には何とか国民世論を抑えつけたが、貿易黒字のこの累増する状況の中で結局海外から火を噴いた、こういう点について私は、総理答弁ありませんでしたが、率直にやはりバランスを欠いた経済財政運営についての反省を再び求めたいと思います。答弁は要りません。 次に、財政問題についてお伺いをいたします。 五十八年度決算は、政府が公約しました五十九年度赤字国債脱却の目標が崩壊した年度の決算であります。そのために中曽根総理は「一九八〇年代経済社会の展望と指針」を閣議決定し、これに基づいて財政再建期間を七年間延長して六十五年度脱却の公約を国民の前に示しました。そのため毎年度一兆円の赤字国債発行減額を計画をされました。しかし、初年度の五十九年度は五千二百五十億円、六十年度は七千二百五十億円、六十一年度は四千八百四十億円と、いずれも一兆円の減額を下回ったために、後年度へしわ寄せされまして、これから後四年間は一兆三千億円ずつ減額する羽目に追い込まれております。六十年度及び六十一年度は急激な円高で大幅な歳入欠陥が予想されます。六十五年度の赤字国債脱却を信ずる国民は私はいないと思っております。できないものをできるとする総理の姿勢につきまして、これは国民をだます姿勢ではないか、総理に対する国民の信頼を裏切るものであると考えます。総理は六十五年度までの赤字国債脱却は不可能になったことは率直に認めて、次の手を打つべきではないか。総理の見解をお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 六十五年赤字公債依存体質からの脱却ということは、懸命に努力をしてきたつもりでございますが、結果的に見ますと必ずしもそれが一〇〇%軌道に乗って推進されているという状態でないということは認めざるを得ません。また、財政環境というものは非常に厳しい状況にあると思っております。しかし、やはり臨調答申を踏まえてできるだけ行政体質をスリムにしていく、冗費を省いて小さな政府へ持っていくということは引き続いてやらなければいかぬ内外の情勢にあると思っております。そういう意味におきまして、この六十五年赤字国債依存体質脱却という旗はおろすべきでない、あくまで最後までこれは努力していくべきものであり、その値打ちがある、そういうふうに考えておる次第でございます。
○梶原敬義君 答弁は要りませんが、できないことを最後まで――これは日本が第二次世界大戦で、大本営が国民に対しましていつまでたってもまだ神風が吹くということを宣伝しながら、負けていっても負けた現状を国民に知らせなかったその姿勢と非常に似ておるんです。これは私は危険だと思います。ぜひ私はこういう状態を率直に国民に打ち明けて、そしてではどうするか、これがとるべき姿勢だと考えております。ぜひ、私もちょっと口が悪いですから、心は総理の気持ちはよくわかりますから、ひとつ本当にそういうフランクな気持ちで国民に相対していただきたいと思います。 時間がありませんから次へ行きますが、会計検査報告についてお尋ねをいたします。 五十八年度の会計報告書もいただきましたし、また検討してまいりましたし、会計検査院が五十八年度決算検査報告というのも出しておりますが、「会計検査のあらまし -五十九年度決算-」、会計検査院が出した資料、多分総理の手元に行っておると思いますが、この資料の三、四枚目に総理大臣が会計検査院の院長からこの報告をとっている写真が、非常に柔和な顔で写っております。これを見てみますと、決算報告の中で検査院が指摘した事件、事項というのが非常にたくさん出ております。もう時間がありませんから省略をさせていただきます。たくさん出ております。総理ぜひ読んでいただきたいと思います。また、補助金の関係のことについてもたくさん出てきているわけであります。 それから、今度の五十八年度の本委員会の決算を通じまして撚糸工連の問題が出ました。また、これはマルコスが倒れた後フィリピンの海外援助の問題に対する疑惑の問題が出ました。それから、平和相互の問題、あるいは補助金をめぐって幾つか出ております。その他、建設省の通産省の建物に対する疑惑の問題、幾つか次々に出てまいりました。前の労働大臣にも私は質問したんですが、厚生省の監督する美容協会に行きまして二百幾つかの労働大臣賞を似せた印鑑をつくって発行した、この裏にはまたこれはお金も動いた。こういう、要するに会計検査院の指摘事項、さらに本決算委員会を通じていろんな疑惑やあるいは利権絡みの問題、こういう問題が次々に出たわけであります。 総理にお伺いしますが、こういう状況に対しまして総理は一体心を痛めておるのかいないのか、国民に対しまして申しわけないと思うのか、いやこのくらいのことは当たり前だと、こう言うのか、ひとつその辺のお考えを最初にお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 五十八年度の報告におきましても、違法あるいは不当事項等が指摘されておりまして、それが例年と比べてそう減ってもいない、似たようなものもある、そういう点を見ますと、非常に申しわけないと、遺憾の意を表する次第でございます。できるだけ各省庁を引き締めておりまして努力はしておるのでございますが、まだ十分にそれが徹底し切れないで、似たような過失を犯したりしているケースもあります。それらはいずれも綱紀の粛正あるいはモラルの低下という面もございますし、監督の不十分という点もございます。それらの点につきましては、さらに引き締めて、そういうことを繰り返さないように努力してまいりたいと思っております。
○梶原敬義君 そこで、ちょっと具体的な問題についてお伺いします。 一つは、先ほど私が申し上げました建設省が通産省の新しい本館を建てた工事におきまして指摘がなされております。要するに、これは本決算委員会の十一月二十七日に、同僚の本岡委員が建設省に対しまして質問した内容であります。 その内容の中身というのは、通産省の本館の空調工事を高砂熱学に工事を随契でやらせまして、そのときに空調の中央監視設備等の、誤って加算した分が一億一千二百八万円、それからこれは会計検査院で逆に積算が少し少なかった、こういう形で修正したのが三千五百七万、差し引き七千七百万円を高砂熱学がその工事をやらせたところか、ちょっとそれは建設省から答えていただきたいんですが、余分に払っていたわけですね。払っていたのを会計検査院から指摘をされまして、そして払い戻した、こういう事実が明らかになって、会計検査院の五十九年度の指摘の中でなされております。この辺についての事実について、建設大臣いかがですか。
○国務大臣(江藤隆美君) 手元にありますのは昭和五十九年度決算検査報告抜粋でありますが、仰せのとおり、過大に見積もったものと少ないものとがあって、差し引きますと七千七百万余計に払った、こういうものでありまして、その金額については間違いがありません。ただこれは省エネルギーシステムというソーラーシステムを初めてやったことであって、高度の技術を要したというんで、単純な間違いであったということでありますが、まことにお恥じい話でありまして、遺憾を通り越してお恥ずかしいことだと、こういうふうに思っておるところでございます。
○梶原敬義君 そうしますと、機材を余分に、倍払ったという形なんですが、これは私も、建設省の専門家がそんなミスをするということは単純なミスではないと、私はそうにらんでおります。しかし大臣そう答えられましたが。したがって建設省お聞きしますが、じゃあ契約をする契約書はどっちの金額で契約書をやったのか。その契約書に基づいて支払ったのかどうなのか。それで相手側はなぜ機材を倍も払ってもらったのにもかかわらず、そのお金を黙ってもらったのか。そして過小見積もりがまた逆に三千五百万円もあるということは、どこをどう突いても考えられない。一たんしかし相手は受け取った金ですからね。そんな間違いがこの世の中で考えられますか、プロ同士がやりまして。
○国務大臣(江藤隆美君) 契約にかかわることでございますから、官庁営繕部長をして答弁をいたさせます。
○説明員(川上格君) お答えいたします。 先ほど建設大臣がお答え申し上げましたように、これは非常に恥ずかしい間違いでございまして、私どもの方は……
○梶原敬義君 そんなことは聞いてない、恥ずかしいとかなんとか。
○説明員(川上格君) 自動制御設備というものでございまして、これは機器類とそれから計装工事ということから成り立っておりまして、その中の機器類をダブルカウントしたというものでございまして、そういった間違いでございます。そういったことに基づきまして契約がなされたというものでございます。
○梶原敬義君 じゃ、契約は高いやって契約を、ダブル計算したやつでしたということは今わかりました。そうすると、相手側はそんな七千七百万か、あるいはもうちょっとたくさんもらっているにもかかわらず、機材は一つしか入れてないのに、それ黙って受け取ったんですかね。
○説明員(川上格君) 非常にこの辺のところは、高度な設備でございまして、これまでにもいろんな例はあるとは思いますけれども、これだけの高度の例というのは、通商産業省の五万平米に及ぶ庁舎でございまして、しかもソーラーシステムといいますか、そういったものを入れました自動制御設備ということでございまして、それぞれのメーカーがつくります機器類、この単価も非常なばらつきがございます。そういったものから、なかなかこれが最も妥当というその認定には相当の高度の努力が必要ということになろうかと思います。
○梶原敬義君 時間ないですから聞いていることを答えてください。 私が今聞いたのは、相手は機材が、いいですか、本来のこの取りつけ費というのは六千九百六十三万円ですね。ところが、これが一億一千二百八万円になっているんですよ。そして、そっくり金を払った相手先はどこですか。そして、それがわかって、相手はそのお金を受け取ったんですか、どうなんですか。
○説明員(川上格君) 契約の相手は高砂熱学工業でございます。 それで、それぞれの方で積算をいたしまして、そしてこの場合は随意契約という形をとっております。これは第四回空気調和設備工事でございまして、それまでの第三回の工事と一体となってこれは施工しないといけないというものでございます。それで、先ほど申し上げましたように、ここの中に入っております機器類、これの単価は各メーカーによって相当の幅がございます。そういったもので我々の積算は妥当と思っておりますし、またそれを請け負いましてはじきました高砂熱学工業、それも妥当というふうに思って契約がなされたというふうに考えております。
○梶原敬義君 妥当かどうかは、じゃ、これからもう一度やり直さないかぬです。やります、それじゃ。いいですか。 委員長、総理大臣立ち会いですから、建設大臣もおりますから、この問題について後ほどぴしゃっと全部私調べさせていただきますから、全部言うとおり資料を出してください。間違いない、単純ミスだということですから。いいですね。確認してください。
○委員長(丸谷金保君) この資料は後ほど要求者に提出してください。
○説明員(川上格君) 会計検査院の方へお出ししておりますので、それと同じ資料を出させていただきたいと思います。
○梶原敬義君 それ以外のことも要求するかもわかりませんですからね。 法務大臣、我々は市民生活の中で、一たん金を受け取って、そして、いや何か悪かったから金返した、これはしかし今そんなことしたって法律違反で処罰されますよね。これはほとんどプロがやったことですから、これは疑惑が晴れないと、絶対にこの問題は。十一億ぐらいの工事の中で、そこで一億円ちょっと超える金額がダブル計算がわからないなんてプロがやってあるわけがない。これは法務省、この実態の調査を、相手側もその金を受け取っておるんですから、これはグルなんです、建設省と相手の業者は。調査をしていただくように要請したいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木省吾君) 法務当局としては、毎度申し上げておりますように、刑罰法令に触れる事案があれば厳正に調査をし対処していくと思います。
○梶原敬義君 本件について特段関心を持ちましたぐらいのやっぱり答弁は、出てもいいんじゃないですか。
○政府委員(岡村泰孝君) ただいま御指摘の件でございますが、御指摘の点だけから直ちに何らかの具体的犯罪の容疑があるとまで言えるかどうかにつきましては、私も直ちにお答えいたしがたいところでございますが、検察当局といたしましてはいろいろな情報、資料を参考にいたしまして調査検討を加えまして、具体的な犯罪の容疑が認められるものにつきましては所要の捜査を行うということで対処するものと思っております。
○梶原敬義君 次に移ります。 私は「むつ」の問題でもう二つ問題があるんです、総理大臣。 一つは、当初百二十億円で「むつ」はもう試験まで全部やってデータも集めて、そして終わりにするということでスタートをしたんでありますが、結局もうそれは大変当初の見通しどおりにはいっておりません。既に六十年度の「むつ」に突っ込んだ金まで入れますと七百五十七億円、六十一年度はまた入れますからもっとふえますが、投入をしているんです。これは私は財投資金金利ぐらい、これは全部こういうお金というのは資金コストがかかるわけですから、我が国は金がないから国債を発行して高い金利を払って今財政運用をやっておるわけですから、中曽根総理大臣の言う日本の財政を立て直すためにやるというんなら、私はこれは金利まで本当を言うと考えてみなければならない問題。そうしますと、五十九年度まで私は六・八%の財投資金金利ぐらいで計算して一千百億円ぐらいを超える計算になる。これはこれからさらに約四百五十億ぐらい投入するというわけですから、目的を果たすためには。それまでの金利をずっと加算してみますと、これは民間ではそういう計算をしますよね。二千億ぐらいになるでしょう、恐らく。そしてやっていることは何ですか。海洋国家とかなんとか言ったってもう何にもならないですよ、こんなことは。私はやっぱり早く決断をして、本会議でも質問いたしましたが、やっぱり引くところは早く引くように、だらだらだらだらこういう金を、これは一千億というお金は人口約五十万ぐらいの都市の年間一般予算、これに相当するような金額です。たくさんの人がそれで潤い、また生活をし、サービスを受けている。これがまだどんどん膨らんでいくというんです。これは私は早く反省を求め、もうやめる対応をしていただきたい。何回も会計検査院の中でもこの問題については指摘をされてきた事項でありますから、総理大臣のお考えをお伺いをしたいと思います。それが一点。 それから第二点は、佐世保重工に、私も九州ですからよく知っておるんですが、「むつ」を係船をいたしました。佐世保重工の「むつ」の係船料が昭和五十三年の十月から五十七年の八月までに何と係船をするだけで二十三億円かかっているんですよ。それでよく聞いてみますと、これはネゴシエーションで交渉事だから、いろいろと甲岸壁を使って、さらにはまた保安費が要るとか、あるいはバックグラウンドの佐世保重工の用地の関係とか、そんな関係もあって科学技術庁ではそのぐらいかかったんだと、こういうことなんです。しからばその内訳を出してください、一体どれくらいの原価になっているか出してくださいと。これは出ないんです。言っている部分につきましては運輸省の計算によりますと、この「むつ」ぐらいの八千トンぐらいの船を一カ月間岸壁に係留するいわゆる普通の場合のコストは約百万円なんです。ところが一番高い月は六千万円かかっているんです、月に。四千万円の月がずっと行って、月々五千万円の月があって、そして最後には六千万円かかっている。どんなに計算をしても運輸省の計算では大体百万円。それに保安費とかあるいは倉庫をちょっと使う倉庫費用とか、幾ら入れても五百万を超えることはないんです、これは。SSKが、短期間に佐世保重工が経営が立ち直った。もちろん坪内さん流の経営、やり方もあったかもわからぬ。しかし常識で、あのくらいの大きな会社があの短期間に立ち直るというのは考えられなかった。よく私はこの問題をずっと調べてみますと、二十三億円、この中の月々に五百万とすれば、それをずっと引いた分の残りというのはもうわずかなものです。これはやったのかどうなのか、なぜそういうこの財政の厳しいときにいいかげんな物の処理がなされてきたのか、これはもうどうしても納得できませんから、その二点についてお尋ねします。
○国務大臣(河野洋平君) 「むつ」についてかねてから先生いろいろと御指導いただいておりますが、もう十分御案内のことで答弁が重複して恐縮でございますが、海洋国家として我々はどうしても船舶用原子炉の研究をやることが重要だ、こう考えておるわけでございまして、陸上試験では得がたい貴重なデータをこの「むつ」によって得るために全力を挙げてきたところでございます。この間さまざまな事情、ふぐあい等がございまして大変期間が延びて、その結果当初考えておりました資金を大幅に上回るという状況に相なりましたことはまことに残念なことでございますし、申しわけなくも思っておるわけでございます。しかし一方で、舶用炉の研究は我々にとりまして極めて重要と考え、この「むつ」によって貴重なデータを得るべく全力を挙げたいと思っております。御承知のとおり、昨年の三月に策定をいたしました基本計画に沿いまして、極力今後は経費の節減を図りつつ、将来の舶用炉開発に必要なデータ、知見を取得するために努力をいたしたい、こう考えているわけでございます。 もう一点先生お尋ねの二十三億円についてお答えを申し上げたいと思いますが、これも十分事情を御承知のことでございますが、あの時点におきまして極めて困難な状況の中で、長崎県知事等の仲介もございましてあそこに係船することができたという事情がございます。そして今先生お話がございましたように、ただ単なる係船ということではございませんで、「むつ」の係船という極めて特殊な事情があった。ただ単に八千トンクラスの船を一隻つなぐということとは大分事情が違うわけでございまして、その間他の船をつなぐことが非常に難しい、あるいは後背地の利用あるいは保安その他さまざまな難しい状況を含めた係船料ということで、知事のあっせん等もあって決めた金額でございます。こうした事情を私ども考えまして、この金額はやむを得ざる金額と考えた次第でございます。
○梶原敬義君 大蔵大臣、それは金があれば別かもわかりませんが、国民生活も非常に厳しい状況の中で、やはり老人保健を引き上げるとか、あるいは医療費の引き上げとか、そんな、国民生活にとりましては大変厳しいことを政府は方針を出して国会で法律をつくりやっているわけです。 そういう状況の中で、昭和五十三年十月から五十五年三月までは月に四千万円、五十五年四月から五十六年三月までは月に五千万円、五十六年四月から五十六年十月までは六千万円、五十六年十一月から五十七年三月まで六千万円、そして五十七年八月まで六千万円、毎月あそこにつないでいるだけで金を出しているんですよ。それは幾ら「むつ」がああいうような状況であろうがどうだろうが、やっぱり節度あるお金の出し方はあるはずですよ。恐らく今言っている数字の一割も経費はかからないですよ。今、大臣の答弁がありましたようなことを入れても一割もかからない、あとは政治決着というわけですか、これは。どうなんですか、大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) 直接には科学技術庁の問題でございますが、いずれにせよ、総合的な調和点に達して予算というものはつくるわけでございますので、いわゆる長崎県知事のあっせん等私はその時点において総合的な見地から妥当なものである、このように考えたからそのような予算づけがなされたであろうというふうに考えております。
○梶原敬義君 総理大臣、この問題は造船業界や、あるいはこの問題はまだ国民にはっきりわかっておりませんが、こんなことは常識で通るような問題ではないんですよ。いかがですか、総理大臣。
○国務大臣(中曽根康弘君) 「むつ」の場合はいろいろないきさつがありまして、住民の御協力を得ることがかなり難しかったようです。それで、岸壁を探すにしても随分佐世保の市長さんや長崎県知事にもごあっせんを願ったり、地元の御協力をいただいたりして、苦心の末できたということもあり、岸壁の使用につきましてもその背後地、倉庫、あるいは万一の放射能汚染という場合の危険性、そういうすべてを考えてああいう数字が割り出されたんだろうと思っております。そういう点におきまして、膨張した面がなきにしもあらずでありますが、やむを得ない事態ではないかと思うのでございます。
○梶原敬義君 何ぼ何でも一割ぐらいしかかからないものを、幾ら「むつ」にそういう事情があろうがどうだろうが、「むつ」そのものに私は問題があると思うんだけれども、百歩譲ってやろうとしても、今、日本の財政が国債を発行して金利を払っていかなければならぬような状況の中で、幾ら相手がどう言おうが、譲ってはいけない国のお金の使い方等けじめがある。これをやっぱり肯定をされるというのはこれは常識では考えられないんです。 この問題については私どもももう少し広く社会にこの問題が行き渡るように宣伝をしながら、さらに科学技術庁長官はたくさん金を「むつ」にかけるような話を、経費は絞ってもやろうと言うんです。結果的にはうまくいきません。いかないと思いますが、まだやると言うんです。いつまでたっても敗戦処理ができない。こういう状況というのは本当に、日本の大戦締めくくりのときにいつまでも引きどきが悪いから、原子爆弾を長崎や広島に撃ち込まれたのと同じですよ、こういう状況とも全く同じ。だれも責任をとろうとしない。この点について私はさらに反省を求めたいと思います。 それから、もう時間がありませんから政府にお願いをしますが、私的諮問機関の数、これは各行政単位というのは無理でしょうから、総理大臣以下大臣の関係する私的諮問機関の数、そしてそれに要しました費用、これを後日でいいですからお出しを願いたいと思います。 委員長、お願いをします。 それから次に、大韓航空機に関しまして、国会決議で、真相を究明し、さらに亡くなりました方の家族の補償問題について決議がされましたが、この問題についても、私は、総理以下努力が足らない、こう思っておりますが、この点について、後日でいいですから経過について報告をしていただきたいと思います。 最後に、国鉄が分割・民営化に、なるというわけではないが、そういう政府の方針、動きによりまして今不動産業界でこういうことがつぶやかれております、総理大臣、知っておられるかどうか。国鉄用地の丸の内側の土地売却をするとすればこれは三菱地所、それから品川の方はこれは住友系の不動産、新宿は三井不動産、こういうことがささやかれておりますが、私はそういうことにならないように願っておるんですが、総理、そういうようなうわさがもう不動産業界の中で話が出ているということを聞かれておるかどうか、御承知かどうか、最後にお伺いをして終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) そういううわさは聞いておりません。
○梶原敬義君 終わります。
○服部信吾君 まず初めに、今回ソ連のゴルバチョフ提案による核実験停止会議、こういう要望があったようでありますけれども、アメリカはこれを拒否したと、このように伝えておりますけれども、総理の所感をお伺いしておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 核実験の問題につきましては、まず広島という名前が出ましたが、これはしかし、アメリカ及びソ連の書記長、ゴルバチョフ・レーガン会談で次はワシントンでやろうと、そういう約束ができておって、ワシントンへ行くというのがことしの筋であったと私は考えておったわけです。それが、今度は急に場所が変わってヨーロッパとか広島という名前が出てくるのはちょっと変だなという気がいたします。 我々といたしましては、これは米ソの首脳部が話し合って決めることでございまして、突如として広島の名前が出たということに非常に当惑を感じて、ノーコメントと私は言っておるところでございます。米ソの間でできるだけ早期に第二回会談をやってもらって、核兵器を根絶する方向へたくましく一歩前進していただきたいと念願をいたしており、先般の東京サミットにおきましても、第二回米ソ首脳会談をぜひ開くように私もレーガン大統領に対して強い要望を申し上げた次第なのであります。
○服部信吾君 ちょっと筋違いと、こういうようなことですけれども、今回の東京サミットにおきましてチェルノブイリ原子力事故の諸影響に関する声明等、こういう四項目の声明が出ているわけですよ。私、これを一つずつ読む時間がありませんからね。この声明にゴルバチョフ書記長の提案というものがこたえておると、私はこう思うんですけれども、これだけ西側諸国がこの声明を行った、これに対してゴルバチョフ書記長が今回のこういう要求をしてきたのじゃないか、私はこう思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) IAEAを中心にしまして、今のIAEA条約の欠陥等を関係各国の協力によって速やかに是正する措置がとられるように、我々も努力してまいりたいと思っております。
○服部信吾君 いや、だからこの東京サミット声明、やっぱりこの声明を受けてゴルバチョフさんがこのような要望をして、要するに核実験停止のあれをしようじゃないかと。特にこれは東京サミットですから、だから総理が言うようにワシントンと言うんではなくて、やはり広島、こう言った意味というのはそんな簡単に私は聞き流しちゃいけない、こう思うんですけれどもどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) チェルノブイリの共同声明を東京サミットで行いましたのは、やはり緊急通報とかあるいは相互協力とか、あるいはそれらのいろんな問題をIAEA等を中心にして積極的に早くやろう、そういう趣旨があったのでありまして、核実験停止というものと直接はあのソ連原子炉事故の問題というものは関係はしておらないんです。ただ、ゴルバチョフさんの方でそれとひっ絡めて核実験停止をやろうじゃないかと言ってきたことをもう一回蒸し返してきた、そういうことであります。核実験の停止については、やはりできるだけ早期にそこへ持っていく方が望ましいと思っております。ただ、持っていくについてお互いが安心して持っていけるような体制をつくらぬとこれは現実問題として進まない。今まで進まなかった理由というのはそこにあるわけです。 アメリカ側は、そこで新しい実験のデータを集める方法を研究した。つまり、適当な場所に深い井戸を掘って、そこへいろいろテレメーターみたいなものを入れるとか、そのほかいろんなものを。あるいはアメリカがそういう新しく発明したやり方についてネバダかどこかで見せますから、ソ連の方へ来て見てくださいと言っておるとか、あるいは現場査察をやりましょうとか、そういうような具体的なお互いが確かめ合って安心できるという方法をやはり確立しないと、幾ら口で停止しましょう、停止しましょうと言ったって、これは進むものじゃありません、いろいろな因縁があってここまで来ておる問題でありますから。そういう意味においてより具体的に、より確実に、より一歩前進する方向へ前進するように私たちは努力もし、期待もしてまいりたいと思っておるのであります。
○服部信吾君 言いたいことは、東京サミットでやはりこの四項目のこういうような声明を行っておいて、そうしてなおかつこれに対してゴルバチョフ書記長がこれに応ずるような要するに提案があったわけですから、それを簡単にそういうようなことで過ごしていいのかどうかということを言っているんですけれども、総理はどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ですから、あのチェルノブイリ原子力発電所事故に関する声明の主力であるところの、お互いに協力して今の緊急通報、そのほかの欠陥を直そうじゃないかという点は全く同感でありまして、ソ連も相互協力の意思もあるようでありますし、欠陥を是正したいという希望もあるようでございますから、国際原子力機関を中心にしてその条約なり協定をできるだけ早く直す、それまでといえども、お互いの約束でもし万一起きた場合には通報し合うとか協力し合うとか、現実的に進めたらいいと思っております。
○服部信吾君 そこで、五月の二十九日ですか、外務大臣が訪ソするようでありますね、日ソ外相会談。私は、当然このこともやはりある程度会談の内容として入れていただいて、そしてやはりアメリカが言うような全くデマだというような感じで、デマと言っちゃ大変失礼ですけれども、新聞報道によりますとそのようなことになっているわけでありますけれども、その辺のところのやはり米ソ間の仲介と言っちゃおかしいですけれども、そういうようなことも今回の日ソの外相会談では私は討議すべきと思いますけれども、総理どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は議長国の議長としまして、ソ連に対してこういう決議をやった、お互いに協力し合いましょうと、そういうことを既にもう通知させておると思っておる、たしか私もサインした記憶がありますから。そういうことはやっております。ソ連側がそれに応じてきてくれたということは大いに歓迎いたしまして、サミットの構成国とともに連絡し合いながら、早く今のような国境を越えるような核事故というものについて緊急協力体制あるいは通報体制というものを速やかに実現できるように努力していきたい、ソ連側の態度を歓迎するものであります。
○服部信吾君 要するに日ソ外相会談でやっぱりこの話をすべきだ、こういうことです。
○国務大臣(中曽根康弘君) もちろん日本の外務大臣が行く場合には、このサミットで決定いたしました決議を先方にも説明するし、その協力の方法についてもいろいろ具体的に話し合ってくると確信しております。
○服部信吾君 次に、SDI問題について若干お伺いしたいんですけれども、このSDIについて総理は大変積極的ということで四省庁が大変努力をしておる。一次、二次、三次、こういうことで大変積極的に理解を示すための調査も行っておる。第三次調査団においては民間企業もかなり入っておる。こういうことでありますけれども、実は総理ね、これは党内でこのSDIについてコンセンサスがとれておるのか。何か大変失礼ですけれども、ロン・ヤス関係が先行して先走っている、こういうような批判もあるようですけれども、この点についてはどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、SDIについては調査団も派遣して目下検討中でありまして、態度を決めるには検討が終わってからの話であります。いろんな面で注意深く慎重に検討を加えておるものでありますから、政府として党にまだ相談する段階でない。政府自体が今研究し検討を加えている、こういう状況でありますので、まだ若干時間がかかるのではないかと思っておるわけであります。
○服部信吾君 大体いつごろまでに結論を出すつもりですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 必要な時間はやっぱりとらにゃいかぬので、一体いつまでという期限はつけておりません。
○服部信吾君 そこで若干、まあ核軍縮を求める二十二人委員会というものがあるわけですね。総理、知っておりますか。なぜ私は党内のコンセンサスがとれているかどうかということを聞いたのは、この核軍縮を求める二十二人委員会、その中には自民党の元総理が二人入っているんですね、三木武夫元総理、そうして鈴木善幸元総理。まあ鯨岡さん。いろいろ超党派でできておるこの核軍縮を求める二十二人委員会というものがあって、自民党の元総理が二名入っておる。この委員会が各閣僚に要望書を出しておるわけです。そうして、SDIは非常にまだまだ問題点がある、三点の問題点を挙げておるわけでありますけれども、そう簡単にこの研究に参加すべきじゃない、こういう要望書になっておりますけれども、総理はこの点について、特に元総理が二名、SDIに対してそんなに推進すべきじゃないという態度をとっておるわけですけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 慎重に検討をし続けていきたいと思っております。
○服部信吾君 その中で、防衛庁長官ね、おたくの長である鈴木善幸さんもここに入っているわけですね。ですけれども、先般の第三次調査団の結果ですね、その報告を見て、アメリカが要するにこれは防衛兵器だと、こういうことで前向きの姿勢で取り組んでいくというようなことがあるわけですけれども、おたくの長の鈴木善幸さんは非常に慎重な態度をとっておりますけれども、この点については、大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(加藤紘一君) SDIにつきましては、本当にこれが実現可能なものであるのかどうかも含めまして私たちは慎重に検討をしております。 人類の歴史というのは盾と矛の相関関係でずっと来たわけで、その両方が満足できるものがないから矛盾と言うんだろうと思うんですけれども、何としてでも、もし仮にいかなる矛をもやっつけられるような盾ができる、それが非核で、ということであるならば、私たちはそれは非常に我が国の専守防衛の精神にも合致するものではないだろうかなと思います。しかし、それが本当にできるのかどうか、そして、それによって過渡期にどういう影響を戦略バランスに及ぼすのか、それは多くの多くの論点をこれから論じなければならないし、また、ヨーロッパ諸国が言っておりますポイントディフェンス、エリアディフェンスの問題を過渡期においてどう考えるのかということ、いろいろあると思います。したがって私は、これいわゆるハト派とかタカ派とかという問題で単純に断定すべきではなく、みんなで慎重にこれは検討すべきものであって、まず政府が十分に検討して、その議論の素材を、また判断の素材を提供することも必要ではないか、そういう意味で私たちは時間をかけて検討すべきことだと思っております。
○服部信吾君 要するに、元総理二名ということなら、これは非常に重みがあると思いますよ。大体、だっておたくの方もいろいろな懸案事項があって一番最後は元総理が出てくる、そして最終的に物事を決定するわけでしょう、これはおたくの問題ですけれどもね。そういう元総理が非常に慎重だという態度をとっているので聞いているわけです。 防衛庁さん、もう一つだけお伺いしますけれども、おたくの元官房長の竹岡勝美さん、これはSDIはICBMすら一〇〇%捕捉できない、なおかつ潜水艦発射SLBMなんかどこから出るかわからない、こんなのは全く無理だと、あるいは中距離、これもしょっちゅう動いているからわからないというようなあれで、こんなのは全く無力だというようなことも言っておりますし、おたくの四十六年度の技術研究本部顧問、また防衛大学校名誉教授の久山多美男さん、これもSDIはSLBM、要するに潜水艦発射ミサイルについては全く役に立たぬ、こういうことを言っているわけですからね。大臣、そんなに余り早急にこの問題について言うべきじゃないと思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(加藤紘一君) ですから、そういう点も含めまして議論を、官房長官を中心に外務大臣、科技庁長官、私たち、それからその他通産大臣等も含めてやっておることだと思います。 確かに、今おっしゃったような現在の技術から見たならばそれは不可能であるという御議論があって、そしてそれはまた、中途半端な防御兵器をつくるならばそれは攻撃兵器の競争をもたらすものだという御議論も十分に私たち聞いておりますし、また一方、科学技術の進歩で仮にそういうことが可能であるならば、それはいいことではないかという議論もございます。 それで、今SDIでねらっております精度というものをこの間の調査団に聞きますと、一千キロ先の五センチのものに到達させるレーザーの精度というものが必要だということでありますから、それは言うなれば、東京タワーから姫路城の上の五円玉を撃つような話だそうでございますけれども、そういったことが現在はできないでしょう、しかし人類の英知というものがそれができるのであるか、研究に値するかどうかを今研究しているということであって、そのプラスの面マイナスの面から慎重に検討すべきことなんではないだろうかなと思っております。
○服部信吾君 時間がないので次に移りますけれども、きょうは日本体育協会の役員の方をお呼びしておりまして、大変御苦労さまでございます。 今回、日本体育協会がスポーツ憲章を新しく変えた、こういうことでありますけれども、まず総理にお伺いしたいんですけれども、最近アマチュアスポーツ界において大変プロの波が押し寄せてきておる、アマかプロか判定するのが大変難しい、こういうようなことでございますけれども、ざっくばらんに言って、競技参加選手が金品、賞品を受け取るかどうか、こういうことにかかっておると思うんです。まず総理にお伺いしたいことは、このアマチュア精神あるいはアマチュアリズム、これはやはり私は後世に残すべきものだと、このように思いますけれども、総理のお考えをお伺いしておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私もその点は同感でございます。アマチュア精神というものは非常にとうとい純潔性を保っておる。そういうものがスポーツに出てきているものがやはりアマチュア精神というものであると思うんです。ただ最近、世界的なスポーツ界の動向にかんがみまして、世界の水準と同じようなレベルで競技というものが行われるべきであるという観点から、恐らく体協でもそういうような新しい体制を認めたというものだろうとは思います。 それはそれといたしまして、やはり青年なりあるいは学生なり、あるいは一般の社会人がアマチュアリズムというものを尊重して、そしてあくまでもそういう純潔性といいますか、ピューリタニズムを守っていくということは非常にとうといのでございまして、それを尊重していくということは大事であると思いますし、またスポイルされないように、体協等のいろいろなやり方についても我々は相談も受け、あるいは監督もしていきたいと思っておるところであります。
○服部信吾君 再度総理にお伺いしたいんですけれども、アマチュア精神というんですかね、これは何もスポーツ選手だけに当てはまるものじゃない。有名なオリンピックのクーベルタン男爵、勝敗はともかくとして参加することに意義があるんだと、こういう言葉があります。これはやはりアマチュアの人たちが、素人、我々日本人がいろいろ何か日常行動、活動なんかするときに大変大きな規範になっておる。勝敗はともかくとしてとにかく参加するんだという、そういう一つの価値的要素である、こういうふうにも思うわけですし、我が国のやはり今までのスポーツの発展過程を見ますと、学校教育、こういうものと連動して発展してきておる。そうしますと、今回、これから議論するわけですけれども、アマチュアの中に金を受け取るというようなそういう物質面、こういうものも入ってくる。そうなりますと、大変私は教育に対する影響は大きいと思うんですけれども、特に教育に対する影響、こういうことについて総理のお考えをお伺いしておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今申し上げましたように、アマチュアリズムというものは非常に貴重である。特に学校とかいう教育系統につきましても、また社会人としての存在につきましても私はとうといと思うんです。例えば青梅マラソンというようなものを見ますと、近ごろは何千という人が出てくる。各地でマラソンがある場合においてもアマチュアは何千と出てきておる。あの参加の精神、あるいは自己を試そうとする精神、あれは非常に貴重ですね。あれこそまさにアマチュアリズムだろうと私は思うのであります。ああいうものが片方ではどんどん出てきているというのは、アマチュア精神が普及して普遍化しつつあるという、また別のいい面でもあるわけです。 しかし、一方においては今度はスポーツがプロ化してきて、そして非常に商業主義に災いされてきている。商店の、会社のPRの道具になってくるとか、あるいは賞金目当ての競争がまた行われるとか、そういうような面で、また堕落した面が出てこないとも限らぬ。それらをどの限界でとどめて、そしてその場所にふさわしい競技として純潔性を保ちながらやっていくかということが体協やそのほかの仕事だろうと思いまして、我々はそれについては大いに純潔性を維持していくためにも、教育という効果の面から見ましても協力していきたい、そう考えておる次第であります。
○服部信吾君 体協の方にお伺いしたいんですけれども、簡単で結構ですけれども、体協の今回制定したスポーツ憲章の制定理由と経過について簡単に御説明願いたい。
○参考人(廣堅太郎君) 日本体育協会は、一昨年の五月に体協の理事会におきまして、国際情勢に対応できるようなアマチュア規定の改定を図るように、研究するようにという命題をもらいました。一方、日本オリンピック委員会、これは日本体育協会の中の機構でございますが、オリンピックに関してはオリンピックのIOCに直結する組織でございます。そこからも、既にアイスホッケー、サッカー、テニスがオリンピックにプロとして認められているというような、こういう情勢に対してどうこれから対応するかという命題をもらいました。 これを私たちはアマチュア委員会として作業に入ったわけでございますが、その作業に入りますときの基本方針としては、日本体育協会というのはあくまでアマチュアの団体である、アマチュア精神をあくまで信奉していなければいかぬ、これを基調にいたしました。と同時に、国内におきましては四十の競技団体、四十七の都道府県体育協会、ここの意向を十分に伺う、それから国際的にはオリンピック並びに各競技団体別に統括する国際競技連盟というのにも対応できるようなルールにする、この三点、非常に難しい問題でありますが、これを基調にして進めまして、二年間に約二十数回の議を経て、ことしの四月に成案を得まして、五月七日に理事会決定で施行したわけでございます。 制定理由の中で、ごく簡単に申しますと、アマチュアリズムというものは、イギリスのスポーツが貴族のスポーツと言われ、働かなきゃいかぬような人にはやらせないと、こういうようなイギリスのスポーツ、これが非常にとうといものとして考えられて日本には輸入されたわけですが、我々日本のスポーツ界はこれをずっと長い間純粋培養してまいりました。戦前としては、これにショッキングな出来事としては職業野球団が生まれたぐらいのことだろうと思います。戦後は御存じのような今の状態でありまして、国民英誉賞の第一号を三選手がもらうというようなことになりましたが、一方で甲子園におけるアマチュア野球というものがこれは非常に全盛をきわめて、両者が共存しているということも実態でございます。 ところが、東京オリンピック以後いろいろコマーシャリズム等がありまして、これと競技団体あるいはIOC等がいろいろタイアップする事態になりまして、いろんな問題が出てきました。これはもう近年いろんなところに事象があり、そういうような問題をこの際全部表に出しまして公明正大に処理していく、そして、これをいかに見事に運用していくかということを考えたのが今回の基本的な考え方でございます。
○服部信吾君 まあ今回のこの日本体育協会スポーツ憲章、これを読ましていただきまして、大変この一条、二条においては、もうアマチュアスポーツのすばらしいよさ、これが全部うたわれているわけでありますがね。今回、その後にほとんど、要するに体協の加盟団体にすべて任せるということですから、その加盟団体が、ある賞金、スポンサーがついたりいろいろ出てきた。とにかく全部金を、ある面から言えば懸賞だとかあるいは広告だとか、すべて競技団体に任じておる。そういうことを思いますと、やはりアマチュア精神が失われていくんじゃないか、汗と派と、とにかくいろいろやって、皆さん方一生懸命やっている。その裏にはいわゆる金の問題とか物質の問題がないというそこの純粋さに国民がやはり拍手を送り、そして共感をするんですね。 ところが、今回のあれを見てみますと、ほとんど全部競技団体に任じてしまっておる。こういうことでその競技団体が国際競技機関との、その国際競技機関は何でもやってもいいというようなことになっているわけですね。そういうことを非常に恐れるわけですけれども、この点についてお伺いしておきます。
○参考人(廣堅太郎君) まあ何でも任せる、そういうとり方もできると思いますけれども、これは本来、競技者というものは各競技団体が登録し、競技団体に所属しているものでありまして、日本体育協会というのは直接選手は持っていないわけでございます。 それで、その競技団体は今のお話のように、おのおの国際的には世界連盟とつながっております。ところが国内的には体協のアマチュアリズムを信奉する、これを共有しておりまして、その点ではみんな足並みをそろえております。これが具現されるのが例えば国民体育大会であります。しかしながら、国際交流の中では、やはり各世界機構が考えている中の日本の風土に合う範囲内であってはこれを採用していくという必要があろうと。ところが、これが非常に千差万別、多岐にわたりまして、しかも体協加盟の四十団体のうち数団体は国際連盟というものがない競技があるわけです、日本古来のスポーツが。そういうようなことを一つのものでまとめるよりか、ともかくお互いに財団法人、競技団体は社団法人もございますが、この関係の信頼関係においてこれをまとめていって、だから、任すといいましても競技団体のまず国際機構の枠内、それから日本の競技団体の姿勢、それから日本のスポーツをはぐくんできた土壌、風土の中でいかに受け入れられるかということを慎重に考えるということは十分前提としております。 そこで、それに対してチェック機能があるかないかということにつきましては、基本的にその競技団体がアマチュアという性格を失えば体協から出て行かなきゃいかぬわけです。その大きなチェック機能というのは残っております。そこで我々としては、今後運用のために競技団体と、前よりも非常に問題が多岐にわたりましたので、話し合いの場をできるだけつくってこれを進めていきたいと、そういう覚悟でおります。
○服部信吾君 まあ国際化の波といいますかね、これはわかります、確かにね、もう今どんどんそういう賞金をやってどんどんやっておる。しかし、そういうことはわかりますけれども、それに連動することによって、やはり本来持っているアマチュア精神、これがなくなっていくんじゃないか、こういうことを非常に心配するわけですね。 そこで文部省にちょっとお伺いしたいんですけれども、もう本来体協の目的というのは、当然これはスポーツの振興、こういうことが非常に大きな目的です。と同時に、まあアマがプロ化する、こういうものを非常にチェックする機能があったんじゃないかと、私はそう思うんですけれども、今回のこの新しい憲章について文部省としてはどのようにお考えですか。
○政府委員(古村澄一君) ただいま体協の方からお話がありましたように、アマチュアリズムと国際的な動向とのはざまのぎりぎりの接点をどこに求めるかということになったのだと思います。したがいまして、文部省といたしましてもこういった状況に対処しながらアマチュアリズムを失わないで、なおかつ国際的な動向の波にのまれないということでやっていくにはこういった定め方しかないんではないかということで、今後は具体的に各競技団体が自主的にいろんな行き方を定めるわけでございますが、それにつきましては世論の動向とかあるいは諸外国の動向というものを十分踏まえた上で適切に対処するように期待をし、また御指導申し上げたいというふうに思っているわけでございます。
○服部信吾君 まあ、時間ありませんので、若干例を出して一つだけ御質問しますけれども、例えば日本陸上競技連盟、こういう連盟があるわけでありますけれども、その中で例えばいろいろやってはいけないことが随分出ているわけですね。 その3の(11)の中で、「直接でも間接でも出費あるいは所得の損失のために、金銭やその他の謝礼を受取った者」は、これはもう出しちゃいけませんよと、こういうふうになっているわけです。ところが、国際陸上競技連盟憲章第十四条、第十五条、第十六条、第十七条、これを見ますと、もう幾ら何やってもいいというような、とにかく競技団体に何か賞金なんか渡して、そしてその選手がやめれば年金みたいにもらえるとか、そういうことが全部出ている、こういうことなんですね、これね。こうなったときには本当にアマチュアリズムというのはなくなっちゃうんじゃないかと。私は、例えば日の丸一本上げるために、そうしてこのアマチュア精神を失う、これはもっと、何というんですか青少年に対する影響とかそういうものを思ったときに私非常に厳しいものがあるんじゃないかと思うんですよ。 ですから、今いろいろとこれから体協との話し合いもして指導していくと、こういうことでございますけれども、どういう観点について指導していくのか、この点についてお伺いして質問終わります。
○政府委員(古村澄一君) 具体的に瀬古選手が最近ロンドン・マラソンで優勝して賞金を得た。その賞金の使い道につきましては、現在陸上競技連盟の方においてそれをどういうふうに使っていくかということを検討いたしているわけでございまして、その検討の過程で、やはりそういったアマチュアリズムがいかにして失われないように、いわゆるお金だけの目的のために走っていくようなことがないようにということの観点で検討がなされるものというふうに期待をいたしているわけでございます。
○委員長(丸谷金保君) 鈴木、廣両参考人には、お忙しい中を本委員会に御出席くださいましてありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。
○橋本敦君 私は、相次いだロッキード事件判決に関連をして、まず質問をしたいと思います。 言うまでもありませんが、ロッキード事件は我が国の民主政治の根幹にかかわる重大な事件として、国会でもその徹底的解明が決議をされたところであります。そして先日は佐藤孝行被告に対し、本日は橋本被告に対していずれもそれぞれの主張を全面的に排斥をして、控訴を棄却するという重大な判決が行われたわけであります。 我が国の裁判制度が三審制をとっているといっても、事実調べが事実上控訴審の段階で終結をされる、あとは法律判断が上告審で残されるという構造から見ても、裁判所が真摯に行ったこの判決の重みというものはこれはまことに重大なものであると言わねばなりません。あの二人の被告がいかに金を受け取っていない、あるいはわいろ性の認識がない、請託の事実はないと、こう言っても、こうして一審、二審と全面的にその主張が排斥されたという事実は、これは政治腐敗を究明する上からも極めて重大な事態であります。総理はこの判決をどういう認識で受けとめていらっしゃるか、まずこの点お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 両判決とも厳粛にこれを受けとめております。そして今後裁判の推移をまた見守ってまいりたいと思いますが、いずれにせよこういうようなことが再び起こらないように戒めていかなければならぬと思っております。
○橋本敦君 佐藤被告に対する判決でも裁判所は、まさにこの事件は「国政にたずさわる公務員の廉潔性に対する国民の信頼を著しく傷つけ、ひいては国政一般への国民の不信をも惹起した、およそ一般公務員による収賄とは同列には論じえない重大事犯といわざるをえない」と、こう言っております。まさにそのとおりでありまして、佐藤孝行被告が現に国会議員の地位にとどまっておりますけれども、みずから議員を辞職するのが当然である、そういう重大な政治的道義的責任をもあわせ持っていると私は思うのでありますが、総理の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国会議員の進退というものはやはり国会議員がみずから決める、国会議員の存在は選挙民というものを離れては存在しない、そういうようなことを考えますと、やはり国会議員みずからが決めるのが正しいと、そう思います。
○橋本敦君 私はそういう総理のお考えについてはもちろん異論があります。 我が党は事態の重大さにかんがみて。佐藤孝行議員に対する辞職勧告の決議案を衆議院に提出をしたのでありますが、佐藤被告に対する裁判所の判決の中で裁判所が言っていること自体は、今総理がおっしゃった見解とは異にして、政治腐敗を正し、国民の政治信頼を回復する上でも重大なことを言っておるのであります。すなわち、この判決では、佐藤被告人の罪責は取り調べられた関係各証拠によって明らかであるのに、被告人が事実関係を全面的に否認しているのみならず、多数の関係者を巻き込んでのアリバイ工作が行われており、その次に、被告人が今なおおのれが潔白であるとして国会議員の地位に執着していることをあわせ考えるときは被告人の犯情はまことに芳しくない、したがって本件は実刑も優に考えられる事案だと、ここまで言っているのであります。つまり、裁判所もこの佐藤被告に対し、真に反省するならみずから議員の職を辞する、これが国民に対して信を回復する道であるとはっきり言っているのであります。 そういう点で、私は、総理の今お述べになった認識は本当に政治家がみずから政治的道義的責任をはっきりけじめをつけてとるという立場をあいまいにする御意見だと思わざるを得ないのでありますが、重ねて御意見を聞かしていただきたいのであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、国会議員の進退に関する重大な問題については、これと同じことを前も答えておるのでありまして、私は、やはり代表者、あるいは選挙、選挙民と、そういうものとの関係というものを国会議員の場合はやはり無視してはならない。したがってそれは本人が決めるべき問題であると、そう思っておるのであります。
○橋本敦君 そうすると、撚糸工連事件で起訴された稻村、横手議員、さらにはこの佐藤議員が次の選挙でそのまま立候補することも、本人の自由意思の問題であるとして、これは総理としては是認されるという立場でございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 憲法上の基本的人権あるいは選挙法その他によってやはり合憲あるいは合法とされること、こういうことをやはり制限したり阻害する理由はないと思うのであります。
○橋本敦君 私は、政治家として責任のとり方という問題も含めて総理の御発言は納得できません。そしてそういう姿勢が本当に政治腐敗を根絶していくことになるのかどうかという点についても、問題があると言わざるを得ないのでありますが、検察庁にお伺いいたしますが、検察庁の控訴も棄却されたということでありますが、この判決はどう受けとめておられますか。
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましては、量刑につきましての主張は認められなかったわけでございますが、受託収賄の事実につきましては一審以来の検察官の主張、立証が一審におきましても、また二審におきましてもそのとおり採用されたという点で満足のできる判決であると受けとめておるというふうに聞いております。
○橋本敦君 この控訴審の判断は、ロッキード事件の核心である丸紅ルートの事件の判断にもかかわる嘱託尋問調書の適法性の問題あるいは証人、証拠の信用性の問題も含めて重要な事案を持っていたわけでありますが、今おっしゃったように検察庁の主張が全面的に認められたというそういうことは、これから行われる核心の丸紅ルートの事件の判決の動向についても、検察官としては一層検察官の主張が維持されるという方向で確信を深めるものになったと私は思いますが、いかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 丸紅ルートの控訴審は現在公判が審理中でございます。検察官といたしましては一審判決が正しいものとして公訴の維持に当たっているところでございます。
○橋本敦君 公訴の維持に当たっているのはもちろんですが、一審判決が正しいものとして判決がなされるという方向への期待は持っておられるわけでしょう。
○政府委員(岡村泰孝君) 一審判決の事実認定が正しいということで公訴の維持に当たっておりますので、当然にそういうことでございます。
○橋本敦君 撚糸工連事件に話題を移しますが、この事件もまた政治腐敗を国民の前に露呈した重大な事件でありまして、稻村及び横手両代議士が起訴されたわけでありますが、この撚糸工連の官界・政界工作に関しては数多くの政治家に数多くの全員がばらまかれたということが、撚糸工連の前理事長を初めとして幾多の証言あるいは報道から言われてきたことであります。そしてその使途不明金もかなりの額に上る。したがってこういう件については金の流れ、とりわけ政界工作については徹底的に究明すべきことを私も要求し、国民も期待したわけでありますが、この点についてはどういう状況でありますか。
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましては、撚糸工連の事件に関しましていろいろの角度から捜査を尽くしたところでございまして、その結果訴追するに足る確証の認められる事案につきましてはそれぞれ起訴いたしたところでございます。現在の段階におきましては、本件撚糸工連関係の捜査は大筋におきまして山を越したと申しますか、終結の方向に向かっておる、こういうところでございます。
○橋本敦君 この二人の被告以外に政界への金の流れについては、捜査自体は一応遂げられたということでありますか。
○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど申しましたように、いろいろの角度から捜査をいたしましたが、捜査の具体的中身にわたることにつきましては答弁をいたしかねるのでございます。
○橋本敦君 将来この事件は公判で行われるわけでありますが、この二人の被告となった議員もロッキードと同じように事実を全面的に否認をしている、金を受け取った事実も、請託を受けた事実も、あるいは質問をするように依頼をした事実も、仲介をした事実もないと全面否認であります。検察庁としては、正当に収集した証拠によってこの撚糸工連事件についても当然有罪立証、公判維持の確信がおありでしょうね。
○政府委員(岡村泰孝君) 検察官といたしましては、有罪の確証がある場合に公訴を提起するという方針で臨んでいるところでございまして、今回の点につきましても同じでございます。
○橋本敦君 この件が将来公判で、国民の前に公開の法廷で審議されることになりますが、その際、撚糸工連が政界工作を行った背景的事情として、その当時の事業をめぐる問題、何が撚糸工連の目的であったかという問題、そしてどういった方法で、どういうような状況で官界及び政界に要求実現のために工作をしたかといった問題は、背景事実として政治家への金の流れの関係も含めて公判で証拠によって証明すべき事実として冒頭陳述で明らかにされる可能性がある事案だと私は思っておるのですが、いかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 現在まだ公判が開かれておりませんので、冒頭陳述もいたしておりませんので、具体的な事柄につきましては答弁いたしかねるのでございますが、検察官といたしましては公訴事実の立証に必要な範囲においては、証拠によって証明すべき事実を冒頭陳述で明らかにし、また立証するものと思っております。
○橋本敦君 その次に、総理にお伺いしたいのでありますが、ロッキードは航空族といわゆる言われていた議員に対するロッキード、丸紅の工作でありまして、この撚糸工連は繊維族と言われている議員に対する、その主要な幹部と言われていた稻村議員を含めて、そこに向けた政界工作でありました。私はこういう状況を考えてみますと、いわゆる何々族と言われるそういった議員集団が特定の行政分野に深く長くかかわって、政府への圧力をかけやすい、あるいは業界との癒着関係を長年の間に形成しやすい、こういったことがまさに政治腐敗の、そしてまた汚職の温床になっているという状況が明るみに出ているのが特徴だと思うのであります。したがって、こういったことを正していくという立場から、この何々族という、こういういわゆる議員集団の活動について、清潔を貫き、あるいは不当な介入工作に乗ぜられないようにしていく上で、襟を正して、正すべきものは正すことが必要だと思いますが、総理のお考えはいかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政治倫理が高揚されなければならぬし、政治倫理の規程も国会として、議員としてお互い認め合った状況下におきまして、我々は国会の審議に携わる者といたしましては、やはり政治倫理を守って、いやしくも関係業界と癒着するとか悪い関係が生ずるようなことは絶対に避けなければならぬと思います。
○橋本敦君 ロッキード事件判決の問題に戻りたいのでありますが、今度の佐藤被告に対する判決でもう一つ重大な事実が改めて指摘をされたのであります。それはいわゆる灰色高官と言われていた二階堂氏や亡くなられた福永氏あるいは現有力政治家である加藤氏、こういった皆さんに対する金銭の授受が第一審判決以上に踏み込んで明確に認められたことであります。二階堂氏には五百万、加藤氏らには二百万ということでありますが、判決はこう言っているのであります。「また、原審で取り調べられた関係各証拠によれば、橋本についてはもとより、二階堂、福永、加藤らについても、」、この「橋本」というのは私ではありません、「全日空は国際線進出問題、運賃問題等航空政策に関する種々の陳情、働きかけを従前に行っていることがうかがわれるのであるから、これらの者に対し供与された全員も過去の行為に対する謝礼の趣旨を含んだものであったと認められる」とはっきり言っているのであります。つまり、単なる政治献金あるいはその以外の金というのではなくして、国際線進出問題、運賃問題等で全日空がいろいろと陳情や働きかけを行った、それに対する謝礼の趣旨だと裁判所ははっきり認定しているわけであります。だからしたがって、灰色と言うけれども、本来ならば時効の壁さえなければ起訴されてしかるべきそういう立場であったということが改めてはっきりしたわけでありまして、その意味では私はこの二階堂氏や加藤氏の政治責任は極めて重いと思うのであります。しかし、この二階堂氏は総理の、総裁であるあなたの任命によって現在日本の政権与党である自民党の副総裁という重要な地位についておられる。私はこの問題を考えますと、本当に日本の政治を徹底的に腐敗とは関係のない清潔なものにしていく上で、総理が総裁として、この判決で再び灰色高官あるいは限りなくクロに近い政治家と断定せられざるを得なかった二階堂氏を副総裁に任命をされたことは、あなた自身にも責任がおありではないかと思うのですが、御見解はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その後国会議員として何回も選挙民の支持を受けて当選されてまいりまして、国政のために尽瘁しておるわけでございます。そういう志を持っておる方々を、その選挙民の意思に沿って国政のために十分働いていただくということは、国会議員である以上我々も考えなければならぬ、そういう立場にあると考えております。
○橋本敦君 それでは、政治的、道義的に非難される重大な理由があるそういう政治家についても、選挙民から選ばれて政治活動を誠実にやっておれば、過去の行為は免罪をされてその道義的、政治的責任は問わなくてもいいというようなことになるのでしょうか。私は、それはまさにロッキードの徹底的な解明でかかわった政治家の道義的責任をあるいは政治的責任を、国会自身が解明すべきだという国会決議の精神から見ても、今の総理の御答弁は納得できないのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま申し上げたとおりであります。
○橋本敦君 私は、そういうことでは許されないと思います。国会決議を正しく踏まえるという立場を貫く上からも、さらにまたこのロッキード事件というまさに重大な政治腐敗構造を徹底的に改めて今後根絶をしていく、そしてまたかかわった二階堂氏等の政治責任を引き続いて明確にしていくために、ロッキード特別委員会はなくなりましたが、国会はあるのでありますから、我々は証人喚問、資料提供要求を含めて、改めて国会の任務として、裁判所は真剣にやっているんですから、国会の任務として政治的、道義的責任の究明はやるべきだと思います。私は、その意味でこの重要な決算委員会に二階堂進氏の証人喚問を求めたいのでありますが、委員長、理事会で御協議をお願いしたいと思います。
○委員長(丸谷金保君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(丸谷金保君) 速記を起こして。 ただいまの橋本君の発言については、後刻理事会で協議をいたします。
○橋本敦君 次の問題に移りたいのでありますが、円高問題は本当に重要でありまして、総理自身も非常事態だとおっしゃっております。時間がありませんので一点お伺いをするのでありますが、政府が今度決めました差益の還元はその計算基礎が私どもから見ても甘いし、それからこれまでにもかなりの積み立てを企業内留保で認めている上に差益の三割近くをまた積み立てを許すというような面から見ても、それ自体もっともっと還元すべきだという声が多いのは当然でありまして、そしてまた、差益の計算自体今甘いと申しましたが、我々の計算したところによってもはるかに少ない金額になっております。 そこで、近く料金の全面的改定も含めて通産省はこの問題について抜本的な改定を電気事業審議会や総合エネルギー調査会に諮問するということでありますが、国民に対してもっともっと還元をするという方向で政府の姿勢を明らかにしていただく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 円高による利益の還元ということは政府は積極的に努力をしておるところでございます。四月八日の総合経済対策でそれを決め、由来いろいろ計算をさせまして、先般は電気、ガスにつきましては六月一日から約一兆八百億円に及ぶものを、及びプロパンガス等については約一千億円に及ぶ料金還元を行うことを、業者の申請を認めたということでございます。今後とも事態の推移に応じまして料金還元、そういうような考え方をもとにいろいろ検討してまいるつもりであり、そのほかの一般消費物資等につきましても、輸入金額を低落させてきておるわけでありますから、やはり消費者に対する金額もそれに応じて引くようにいろんな面で努力してまいるつもりでおります。
○橋本敦君 時間がありませんので最後になりました。 まさに倒産が急増するという事態であり、総理も非常事態だとおっしゃらざるを得ない事態ですから、私は、伝えられているような解散ということで政治空白はつくるべきでない、円高対策に政治課題として全力を挙げるべきだ、こう思いますが、総理のお考えはいかがでしょう。 そしてさらに、定数法によってつくられたあの周知期間は事実上解散権を制約するものだと官房長官もおっしゃっておられましたが、これについても総理の御見解はいかがでしょうか。 これを伺って、質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 与野党の協議によりましてそういう政治的環境をつくったものであると思っております。しかし、憲法上、解散権というものは厳然として不可侵であると考えております。 それから、解散は考えてないと前から申し上げているとおりであります。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として吉村真事君が選任されました。 ―――――――――――――
○関嘉彦君 本日は、総理に三点ほど質問をしたいと思っておりますけれども、まず最初に一番簡単な問題から取り上げていきます。 現在、経済の問題についていろいろな国際的な摩擦が生じておりますけれども、私は、こういったふうな問題の底にあるのは、日本人の心が十分に国際的に開かれていないのが一つの大きな原因ではないかというふうに思っております。つまり、文化的な国際主義を徹底しなくちゃいけないと思うんですけれども、その文化的な国際主義というのが単なるコスモポリタニズムではなしに、本当の国際主義になるためには、日本の固有の文化の長所を維持発展させると同時に、外国の異なった物の考え方あるいは文化、生き方、それを尊重し理解するという態度が必要だろうと思うんであります。この外国の文化を尊重し理解する一つの方法は、外国人の固有名詞、人名あるいは国名、地名、そういった固有名詞をできるだけ正確に発言し、またできるだけ正確に日本語で表記することを心がけるべきではないかというふうに考えております。既に日本語化されている普通名詞の場合、これはあえて問いませんし、また日本語では表現できないような、また日本人として発言できないようなLとRの区別、こういったふうなものはいたし方ないんですけれども、日本人でも発言できるし、また表記の方法がある、そういう固有名詞についてはできるだけそれに即してそれに近い片仮名で表記すべきであるというふうに考えておりますけれども、総理の御見解いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は全く同感でございます。
○関嘉彦君 ところが、政府が、各省がいろいろ発表しております白書でございますね。白書の名前はそれぞれ違っておりますけれども、この中の固有名詞、国名、人名の表記が実にばらばらであります。私、国会議員になってから一つの職務だと思って各省の白書をできるだけ読むことにしています、余りおもしろくはないですけれども。職務と思って読んでおりますけれども、その固有名詞の表記が実にばらばらであります。外務省及び通産省、このグループの書き方は、例えば「ヴィエトナム」あるいは「ヴァンクーバー」、「ティモール」つまりヴァ行ですね、それから「タ、ティ、ツ、ディエ、トゥ」、これをできるだけ正確にあらわしております。ところが、防衛庁、運輸省まだこのほかにもあるんですけれども、きょうこの二冊だけ持ってまいりましたけれども、これは「ベトナム」のたぐいであります。運輸省も同じであります。これ私ずっとおかしいところだけ附せんを張ってまいりましたけれども。これは政府の出している白書がばらばらであるということ自体がおかしいと思うのですけれども、これはやはり外務省なんかの方式に統一すべきではないかというふうに考えておりますけれども、総理の御見解お伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり政府としては統一すべきであると思いますし、統一する方向というものはできるだけ言語に忠実な表現にもっていくことが望ましい。昔ロサンゼルスなんかを羅府と書いてありましたですね。あれはまさに明治流の表現であると、そう思っております。
○関嘉彦君 日本の新聞はスペースを節約するためかどうか知りませんけれども、頑固に「ベトナム」式を固執しております。私はあえて新聞にまで政府が干渉すべきではないというふうに考えておりますけれども、私、新聞社にも反省を促したいというふうに考えております。 第二の問題に移ります。地方自治法で定めておりますいわゆるリコール制の問題についてであります。現在三宅島で飛行場誘致問題をめぐりまして、それに賛成派の村会議員二名のリコール運動が進められているようでございますが、きょうはその問題を考えておりますうちに、私は地方自治法自体に欠点があるんではないかということを考えつきましたので、一般論として総理の見解をお伺いしたいと思います。 すなわち、地方自治法は第七十六条から八十八条にわたって議会の解散あるいは首長の解任と並んで個々の議員の解職について規定しております。リコール要求。つまり、一定の手続に従って議会の解散あるいは首長を解職する、それから個々の議員をやめさせる。私は、首長の場合と議会全部の解散の場合はこれは一向差し支えないと思います。しかし、議員の中の特定の人を政治的な意見が異なるからといってこれを解職することは、私は日本の憲法の規定しておりますところの代表制民主主義の原理に反するんではないかというふうに考えております。つまり、政治的な意見が違うことを理由に選挙区の三分の一の有権者が署名を集めて、それが適法に行われた場合においては、過半数の人の投票によって解職することができるわけですけれども、こういうことは私は大都市では不可能だと思いますけれども、非常に保守的な、例えば田舎、村会議員の例をとりまして、例えば田舎の村会議員で一選挙区から四人の議員を選ぶとしまして、そのうちの三人は甘民党であって一人は共産党であると仮定いたします。その共産党の議員の意見が村の多数派の意見と違うという理由によって、その一人の共産党議員をリコールすることは現在の自治法ではできるわけであります。しかし、もしそれが行われるとしますならば、少数意見を排除してしまう。私はデモクラシーの一番の根本は、少数意見を認めていく、賛成するんじゃなしに反対ではあるけれども、おまえの反対する意見はあくまで守ってやろうというボルテールの言葉が、私は言論の自由の根本をなしていると思うわけです。言論の自由がなければ代議政治は成り立っていかないと思うんですけれども、どうも今の自治法ではそれが可能になっている。この問題について、私はこの決算委員会でも取り上げました。それから衆議院の方では地方行政委員会でも取り上げられまして、自治大臣は、これは本来ひんしゅくを買うような人であるとか、あるいは公約違反であるとか、あるいは議員としてあるまじき行為をした場合に本来適用さるべきものであって、意見が異なるからリコールするというのは制度の乱用であるというふうにお答えになっておりますけれども、現存のままの法律をそのままにしておくことは、これは非常に危険なことじゃないかというふうに感ずるんですけれども、総理、どんなふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 確かに関先生のおっしゃるように、議員という場合については思想や言論の自由を保障しておくということは、これは大事である。憲法上もちろんそれは認められていることでもあり、特にまた議員という職責を考えますと、少数派の擁護という面もありますし、いろんな面から見てもこれが乱用されることは好ましくないと、そういうふうに私も同感でございます。しかし、これをどういうふうに措置して乱用を防止するかという点については、ひとつ研究してみたいと思います。
○関嘉彦君 私は、こういった個々の議員のリコールというのは、自治法には適法、合致しているわけで、しかし憲法の精神に反するんで、いわゆる違憲合法じゃないかというふうに思っているんですけれども、こういったつまり違憲合法というふうな状態があらわれてまいりましたのは、もともとこの制度はアメリカの制度なんですね。アメリカの場合は、村会議員の場合でも小選挙区で、一地区から、一ディストリクトから一人選ぶわけです。だからそういう場合には首長の解任の場合と同じで一向差し支えないんですけれども、日本の場合は中選挙区で、一選挙区から、一ディストリクトから数人の人が選ばれるわけですね。そうすると、選ばれた人は、例えば十分の一の支持者であっても選ばれているわけで、それを多数の力でやめさせることができるわけであって、これはつまり、本来選挙区制度が違う日本にアメリカの制度を無反省に輸入してきている点に問題があるんじゃないかと思う。その点から、中曽根首相は戦後政治の総決算ということを言われておるんですけれども、やはり総決算の立場から、こういう違憲合法の現象が起こってくるような法律は改正すべきであるというふうに私は考えるんですけれども、重ねて総理の御意見をお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 筋としてはおっしゃるとおりであると思います。今の筋で考えてみますと、三分の一とか二分の一じゃなくて、四分の三以上が賛成しなければリコール発動してはいかぬと、選挙区の定数によってはそういうこともあり得ますですね、そういうやり方がいいかどうかは別として。ともかく乱用してはならぬと、乱用を防止するためにどういうことが研究されるか、ひとつ研究してみたいと思うのであります。
○関嘉彦君 大いに研究していただきたいと思います。私も、この問題いろいろ専門家の意見なんか聞いて研究をしておりますけれども、どうも私の今までの印象では、少し憲法の精神に反するんではないかというふうな考え方を持っております。 第三の問題、補助金の問題についてお伺いいたします。 補助金、その中でも特に大部分を占めるところの地方自治体に対する補助金。これ、私決算委員になってから、いろいろこれも余りおもしろくもない予算書であるとか決算書を引きずり回して読んでいるうちに気がついたんですけれども、補助金が非常に数が多く、細分化されてますですね。特に農水省関係であるとか建設省関係。これは確かに最近だんだん減ってきていることは事実です。臨調の答申なんかがありまして、それを受けて多少整理されてきているのは事実だと思いますけれども、それでもまだ非常に多い。私は、農水省の補助金について農水省のお役人に、水産とかそういった人たちが知らないのは当然ですけれども、農業なら農業の補助金についてその担当のお役人を呼んで聞いたんですけれども、自分の課ぐらいの補助金のことは説明できるんですけれども、それ以外になってくると私にもわかりません。大臣ももちろん、私もわかりませんと言っておりましたが、これは非常に数が多い。これをもっと統合化して、もっと地方自治体が自分の裁量で自由に使わせるようにした方が地方自治の精神にも合致するし、また行革という点からいってもむだが省けるんではないか。 これは単に私がそう言うだけではございません。宮澤弘さん、広島県知事を長くしておられまして、現在参議院、我々の同僚議員でございますけれども、この方が「チョッピリ本音」という本を書いておられます。本音をちょっぴり出しておられるんですけれども、この本の中にやはり補助金の問題を取り上げられておりまして、補助金というのは功も罪もあろうが、少しオーバーな表現が許されるならば、補助金こそは諸悪の根源だと考えられる。これはちょっぴりの本音ですから、本音を全部出されたらもっとひどい言葉で言われるんじゃないかと思いますけれども。例えば社会的側面としては、たかり根性であるとか物取り主義を助長するし、そういう日本人の精神構造をゆがめるし、地方自治体の自主性を阻害するし、またこれは別な県知事ですけれども、座談会の中の長洲神奈川県知事ですけれども、誇張した言い方をすれば、百万円の補助金をもらうのに人件費が五十万円、足代が二十万円、書類代が十万円、結局実質二十万円しか残らないということを述べられております。そしてそういった方々の提案として、地方自治体の仕事として定着しているもの、初めに何か一点政策的な目的を持って誘導するための補助金は、これは私は必要な補助金もあると思いますけれども、既に地方自治体の仕事として定着しているようなものは、地方交付税に振りかえるとか、あるいはそれができないにしても、困難であるならばせめて局単位、局の単位ぐらいにまとめて、例えば畜産の補助金でもある県では豚、ある県では牛に重点を置いてそれが使えるように、そういったふうに局単位に統合化してはどうかというふうな提案をされています。私は地方自治の経験はございませんけれども、まことに同感するんですけれども、総理大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 賛成であります。やはり補助金につきましては、長い間いろいろ検討もされ、特に統合化であるとかサンセット化であるとか、いろいろ言われておりまして、できるだけ簡素にして効率的な方法に変えていきたいと思います。
○関嘉彦君 それに関連しまして、行政改革推進審議会ですか、これが今度六月で任期が切れますですね。私は、五十六年に臨調ができて以来、大変いい提案をしてきて、必ずしも全部じゃございませんけれどもかなりのものが実行されてきて、かなりの成果を上げていると思いますけれども、私が今述べましたような問題でまだまだ改革すべき点がたくさん残っているように思うんです。これをやはり推進していくためには、本来は国会自身が私はやるべきだと思うんですけれども、それがなかなか難しい事情がある以上は、やはりそういった政府のもとに審議会みたいな専門家の審議会を設けてやるのが一番実行しやすいんではないかというふうに思っておりますけれども、今後の考え方として、満期になった後の、期限切れになった後のそういった機関をおつくりになるお考えがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり行革につきまして、あるいは財政もこれに多少加わってまいりますか、献策あるいは監視、推進、こういう機関は必要であると私は思います。ただ、今の行革審の皆さんが今まで経験されてどういうふうにお考えになっているか、それは、いずれ答申にもあるいは出てくるかもしれません。それらもよく見守って処理していきたいと考えております。
○関嘉彦君 これは質問通告には載せておかなかった問題ですけれども、今国会では私が総理に質問するのは恐らくこれが最後の機会ではないか、あるいは来国会でまた総理をおやりになるかどうか、そういうことは私は全然わかりませんけれども、余り質問する機会は少ないんではないかと思いますので、私の希望を申し述べておきたいと思いますけれども、最近、総理に対する批判として、いわゆる臨調なんかの公的な審議会あるいは私的な総理の諮問委員会なんかを使って世論づくりをして、それでそれを実行するというのは議会政治を空洞化するんではないか、そういう批判がございます。これは生産性本部の外郭団体ではないかと思いますけれども、社会経済国民会議というところから出している「議会政治の基本に関する提言」の中でも、これはもともとは国会の改革を提言しているんですけれども、その中の一つの草として、今申しましたような私的な諮問委員会あるいは公的な審議会をつくることは、ただでさえ形骸化しつつある国会をますます形骸化することになるんではないかというふうな批判がなされております。私は、そういう委員会によって総理が自分の考え方をまとめられてそれを提案される、それにどう対処するかというのは国会の任務であって、国会がそれ以上に識見を持っていれば、それを批判的に摂取していけば別に空洞化するはずはない、形骸化するはずはないので、そういう点の批判は私はいたしませんけれども、ただし、やはり先般レーガン大統領と総理が会われたときの後の報告のときに、私本会議で批判いたしましたように、例えば前川ミッション、前川委員会なんかのレポート、それはやはり十分国会の内で討議して、そうしてその意見を背景にしてレーガン大統領とお会いになって、そして自分はこれを参考にしてやるつもりだということを言われた方がはるかに説得力が大きいし、効果的ではないかというふうに考える。そういう点で、国会の方に十分に語らずに、討議をせずに持っていかれたということは私は非常に残念に思っております。 それからもう一つは、二、三日前の安全保障会議についての質問の御答弁で、国家というのはやはり国民の間にいかめしい感じを持っている人がいるから、政治学的には別の意見があるかもしれないけれども、国民の間にそういう意見を持っている人があるから、国家という字を除いたんだということを言われました。しかし、私はやはりあなたが国家というのは決してそんないかめしいものじゃないんだというふうにお考えであるならば、自分はこう考えると言って国民にそれを説得するのが本当の政治家の任務じゃないか。あなた大変リーダーシップのある人だと思うんですけれども、国民の方に対しては何か非常に、悪い言葉で言えば迎合するような点があるように思うんですが、私はやはり国民に対しても、場合によっては国民のいやがることでもあえて主張してそれを説得する。それで国民がそれに反対して多数の人が反対すれば、そのときにはやめるというのが本当のデモクラシーではないか。私がかねがね学生に言ってきた言葉ですけれども、デモクラシーなきリーダーシップは独裁政治であるけれども、リーダーシップなきデモクラシーというのはアナーキーである。この言葉を十分かみしめていただきたい。これは私の希望でございます。何か御意見があれば承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は戦後民主主義の形成に若干携わってきた人間ですが、やはり今の日本の議院内閣制は戦前あるいはイギリスのやっておるものと比べてアメリカ型と両方のコンビネーションでできていると。そういう意味において昔と多少変わってきているし、今のはうに高度情報社会、高密激動社会、これだけテンポの速い時代になると、むしろ議員さんよりもテレビを毎日見ている国民の方が知恵が進み知識も進むという可能性もある。そういう時代のリズムとテンポに合うような政治の手法が必要である。そう考えて今のようないろんなことも考え、やってきたつもりなのであります。その点について多少違和感がおありかもしれませんが、私は総理大臣になりましたときに、中曽根流の政治をやりたいと、非常に不遜な言葉でありますが、そういうことも申し上げたのはそういう心情があったから申し上げたのであります。そのやっている過程でいろいろ欠陥もあるし、足りないところも多々あったと思いますが、そういう点は大いに反省していきたいと思います。 今の先生の御提言はそれなりに私も傾聴いたしたわけで、まことにありがとうございましたとお礼申し上げる次第でございます。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、星長治君が委員を辞任され、その補欠として大河原太一郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○木本平八郎君 私はまず総理に、政治のあり方あるいは行政のあり方という点からお考えをお聞きしたいわけなんですが、例えば国民の知る権利というのがございますね。そういうことよりも以前に真実を知らすこと、知らされること、あるいはそういうことについて総理がどういうふうにお考えになっているかということをまずお聞きしたいんです。 それで、多少比喩的になって申しわけないんですけれども、例えば総理ががんになられますね。そしてもう手おくれで手術も間に合わないということになった場合、自分ががんであることを知らされたいか、あるいはもう知らされないまま極楽に送っていただきたいか、どういうふうにお考えになるかという点をまずお伺いしたいわけです。
○国務大臣(中曽根康弘君) それはなってみないとわかりませんね。
○木本平八郎君 いや、なってからでは、それもうちょっと、自分がなっているというのはがんだとということわかっているわけですから、それはなる前に今どういうふうな人生観をお持ちになっているかという点をお聞きしたいわけです。
○国務大臣(中曽根康弘君) よく考えてみます。
○木本平八郎君 私はこれを政治とか行政とかいうことに振りかえてみて、そして国民の立場になってみた場合、やはり国民としては真実を知りたい、知らされたいと思っているんじゃないかと思うんですね。日本というのはずっと古来官僚国家だったものですから、者お上の言うとおりにやってきたと。知らしむべからずよらしむべしというふうな考え方がありまして、国民の方は仮に知っててもあるいは見透かしてても、知ってだまされている、だまされていくというふうな処世でやってきたわけです。しかしながら、ここまで来ますと、日本の社会がレベルアップしてきますと、やはりそういうやり方ではもう行き詰まるんじゃないかと思うわけですね。 したがって、具体的に申し上げますと、例えば今現在の日本が抱えている大きな問題としていろいろあるわけです。それで政府は常に否定されているわけですけれども、例えば六十五年度赤字国債依存体質から脱却ということをおっしゃっていますけれども、国民としてはいやもうそれは到底だめだと思っているわけです。それから、例えば増税なき財政再建ということを言われてますけれども、それはもう無理だと国民は信じているわけです。それから、百四十三兆円に上る国債の償還ですね、これももう難しいんじゃないかというふうに思っております。それから、大型間接税の導入というのも、これももうやっぱりやらざるを得ないんじゃないかと皆覚悟しているわけですね。私はしてませんけれども、私は困りますけれども。それから、先ほど来問題になっていましたSDIの参加も、これは日米の問題、それから米国側のニーズその他を考えてみたら、もうこれ参加せざるを得ないんじゃないかというふうに、国民としてはもう感づいているというか思っていると。それから、例えば防衛費のGNPの一%枠突破も、これはもう時間の問題だというふうに皆国民の方は見透かしていると思うんですね。それを政府はずっと否定し続けて政治をやってこられたと。 今まではそういうこともある程度は必要だったかもしれません。しかしながら、もうこの段階ではそういうふうにだまし続けるというのは、だまし続けるつもりはないでしょうけれども、情報遮断をしてやっていくというのはもうちょっと事態が余りにも深刻になり過ぎているんじゃないかというふうに考えるわけですね。したがって、私の感覚ではそういう情報操作というか政治のやり方というのは戦時中から全然変わっていない。先ほども同僚議員からちょっとありましたけれども、大本営発表の時代からもう戦後四十年、今まで全然変わってないという感じがするわけですけれども、やはり今後は相当思い切って国民に真実を知らせるということも必要じゃないかと思うんですが、総理のお考えをお聞きしたいわけです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国民に真実を知らせることはもとより当然のことでございますが、しかし、いい選手は最後の瞬間まであきらめない、それがいい選手で、古い話で笑われるかもしれませんが、木口小平という人は最後までラッパを放さなかったですね。
○木本平八郎君 総理、この前の五月七日の参議院本会議で、後世の史家が評価するということをおっしゃったわけですね。私は非常にいい言葉をお聞きしたと思うんですね。まあこれはげすい出世観ですけれども、今現在の日本で総理大臣というのはやはり功成り名を遂げたというか、位大臣をきわめたと皆一応受けとめているわけですね。そういう方は、もうそこまで行かれたんだから余りおたおたしてもらいたくない、堂々と立派に胸を張ってリーダーシップをとっていただきたいし、最後の責任もとっていただきたい。これはもう国民の一つの何というのですかおやじに対する期待みたいなものがあると思うんですね。そういう点で、総理自身も大統領的首相を目指したいというふうなこともおっしゃっています。そういう点で、私はやはりあるステージにおいては政局の安定とか政権の維持だとか、あるいはあんまり無用の混乱を起こさないというふうなことでやらなきゃいけない、方便として情報公開できないというときもあると思うんです。しかしながら、あるステージになれば毀誉褒貶を恐れずに、あるいは自分の保身ということから離れて、本当に国民のため、国のため、将来のためということになった場合には、真実をおっしゃっていただくということが一番政治の基本になるんじゃないかと思うんですがね。その込もう一度お聞きしたいわけです。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は全く同感でございます。必要なときには真実を誠実に述べて国民の御協力をいただかなければ、政治は動くことはできない、そういうことも十分あり得ると思いますが、しかし必要でないときに余分な心配をさせたり、あるいは雑音を起こしたりするということは、これまた政治としてはまずいやり方だと思います。
○木本平八郎君 私、国会議員になりまして三年になるわけですね。国会議員になって一番驚いていることの一つは、議員に対して情報が政府とか国会から積極的に全然与えられないということなんですね。これは民間でも相当のスペシャルの情報あるいは社外秘の情報というのがあって仕事をしているわけですね。私は国会議員というのは、ちょっと皮肉っぽい言い方をしますと、物すごく優秀な方だなと思うんですね。情報なくして仕事ができるというのは大変なことだと思うんですよ。 それで、けさほども問題がありましたけれども、不必要に何か情報を隠しておられるというか、ガードされているという感じがするわけですね。私どもが現実にこうして委員会いろいろやっていまして、ほとんどが新聞情報なんです。新聞にこう書いてあるけれどもどうだと。これでは私はやっぱり国会の存在を云々しなきゃいけないんじゃないかと思うわけですね。 そういう姿勢で今までずっときているわけですけれども、私は国会議員ところか、もうこれからは国民も全部真実を知っていく、国民が全部でスクラムを組んで立ち向かっていかなきゃいかぬ時代じゃないかと感じるわけです。 そういう点で、これはかって、例えば一国の政治というのはその国民のレベルを超えられないということがありますけれども、先ほど総理も言われたように、日本の国民というのは相当高いレベルになっているわけですね。政治も毎日のテレビで知っていて、あるいは国会議員よりももっとレベルが高いかもしれない。そうしますと、それに比べて日本の政治の現状というのは国民のレベルに比べて非常に低いんじゃないか。したがって、政治のレベルを国民のレベルまで上げていく必要があるんじゃないかと私は感じるわけですね。 そういう意味で、ちょっと時間がなくなりましたので、私の結論だけ申し上げたいんですけれども、今までのそういうふうな知らしむべからず、よらしむべしというふうな政治のやり方、必ずしもこれが全部とは思いませんけれども、その結果がやはり先ほどの国債残高になってどんどん累積してきている。それから、現在大問題になっております円高、これはまあショックといいますか、ノックアウトパンチを食らったようなものなんですけれども、これだけ急激なダメージを受けるというのも、問題をどんどん先延ばしにしてきた結果じゃないかと私は受けとめているわけです。その貿易摩擦の問題も、今まで国内問題もいろいろありましたけれども、少しずつ先送りにしてきたということが欧米の非常に感情的な問題までエスカレートして、非常に日本は今苦しい立場に立っていると私は解釈しているわけです。 したがいまして、そういう意味で、やはり国民総動員じゃないですけれども、国民に本当のことを知らして、国民が一致協力して一緒に政治に参加していくというふうな体制が必要じゃないかと思うんですが、最後にもう一度御意見を承りまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は私も同感でございます。 円高の問題にいたしましても、一挙になかなか急には解決ができない点もあります。そこで構造調整ということが必要なんで、早くから構造調整を確実に着実にやっていく必要もあったと思うんです。その間、我々は市場アクセスの改善であるとか、あるいは関税率を下げるとか、さまざまな努力はしてきたつもりですが、しかし、こういうふうな状況になってみますと、やはり構造調整というものは急を要する。そういう意味におきまして、先般、国際経済に調和する日本の産業構造その他の改革案をつくりまして、今推進して、これをやっぱり着実に一歩一歩やっていきませんと、この病気は治らないし、国際的不信感は消えないだろう。そういう意味で一つ一つ着実に前進させていきたいと思っている次第です。
○委員長(丸谷金保君) 他に御発言もなければ、昭和五十八年度決算外二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認めます。 中曽根内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。 これより昭和五十八年度決算外二件について討論に入ります。 昭和五十八年度決算の議決案はお手元に配付のとおりでございます。 なお、内閣に対する警告案文につきましては、理事会において協議の結果、意見が一致したものでございます。 案文を朗読いたします。 内閣に対し、次のとおり警告する。 (1) 最近、日本道路公団横浜管理事務所及び海洋科学技術センターにおいて、収賄事件あるいは背任事件が発生し、また公務員等が、いわゆる国鉄ゲリラ事件に見られるような破壊行為に参加して逮捕されるなど、公務に携わる者として、厳しく非難されなければならない行為が発生していることは極めて遺憾である。 政府は、公務員等に対する国民の信頼を損なうこのような事件の再発を防止するため、厳正な綱紀の粛正を図るとともに、関係機関に対しても指導を強化すべきである。 (2) わが国の政府開発援助は、年々増加し、その額は膨大なものとなっているが、援助の目的が十分に達せられていないとの指摘が決算審査の過程において行われたことは遺憾である。 政府は、政府開発援助の原資が国民の税金等であることにかんがみ、同援助が相手国国民の生活向上と民生安定に資するため、適正かつ有効に使用されるように援助の実施手続及び評価体制の改善を図るべきである。 (3) 一部の精神病院において、同意入院患者の保護義務者の選定に必要な手続きを踏んでいないまま入院させていた事例、あるいは病院内における調査請求制度の周知方が十分になされていないため、患者が同制度を活用し難い事例などがあったことは、精神病院における入院患者の人権擁護の見地から遺憾である。 政府は、同意入院制度の見直しをはじめとして精神衛生法を整備し、精神病院に対しては、各都道府県を通じ入院患者に調査請求制度を周知徹底するなど一層指導監督に努め、もって精神障害者の人権の確保を図るべきである。 (4) 農林水産省の国営かんがい排水事業の中には、設定された工期をたびたび変更し、着工以来長期間を経過しているにもかかわらず未だ完了に至らないため、これに要した国の財政資金及び事業の完了後受益農家が負担する総償還額が増嵩している事業も見受けられる。 政府は、同事業が相当の年月を要するものであるとはいえ、所期の工期を大幅に超過することは、その間に農業を取りまく社会経済情勢に著しい変化を生じること、受益者が高齢化すること等にかんがみ、また投下された巨額な財政資金の効果の速やかな発現を図る観点から、継続中の事業を一層促進し、その早期完了に努め、受益農家に事業の遅延による過大な負担を及ぼさないよう格段の努力をすべきである。 (5) 中小企業事業団が行っている撚糸機械の設備共同廃棄事業に係る資金貸付けを受けている日本撚糸工業組合連合会の不正経理に端を発し、同連合会の監督官庁である通商産業省の職員が収賄容疑で逮捕されたことは、極めて遺憾である。 政府は、この種事態の再発防止のため、実効ある綱紀粛正策を一層推進し、行政に対する国民の不信を招くことのないよう厳正を期すとともに、設備共同廃棄事業については見直しを含め、指導の適正化を図るべきである。 (6) 建設省が、通商産業省総合庁舎建設に伴う空気調和設備工事の施行に当たり、自動制御設備の機器材料費を重複して積算したため、契約額が過大になり国損を招く事態が発生したことは遺憾である。 政府は、このような単純な積算誤りを防止するため、積算体制の全面的見直しのほか、職員の教育、訓練の充実等を図り、官庁営繕工事の予算執行に厳正を期すべきである。 以上であります。 それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○梶原敬義君 私は、日本社会党を代表して、昭和五十八年度決算外二件に対しまして、是認しないとともに、委員長提案の警告案に対しましては、賛成の意を表するものであります。 以下、決算外二件に対する反対の理由について申し上げます。 その第一は、防衛費の突出であります。 昭和五十八年度一般歳出予算は実質マイナスという厳しい中で、防衛関係費の伸び率は六・五%、増加額千六百八十一億円は、社会保障関係費の伸び率〇・六%、増加額五百四十九億円を大きく上回り、このことは防衛費の特別扱いを意味し、すべての歳出に聖域を設けることなく切り込むという予算編成方針を、財政当局みずからがほごにした結果であります。防衛関係費の特質である後年度負担額もさらに増加し、防衛関係費本体の七二%に上る一兆五千七百五十億円の巨額に達しております。防衛力増強型の予算執行がなされたのであります。 その第二は、財政経済運営の失敗であります。 当初の目標は、国内民間需要を中心とした景気の着実な拡大と雇用の安定、調和ある対外経済関係の形成、我が国経済社会の均衡のとれた発展などでありましたが、今日まで何らの改善がなされなかったばかりか、むしろ事態を一層悪化させたのであります。その結果、諸外国からは我が国の産業構造の転換を求められるという屈辱的な事態に中曽根内閣はなすすべもなく、総理は多額な予備費を使ってアメリカに渡り、レーガン大統領と国際通貨問題に事前に話をつけたつもりの東京サミットでは、思惑は見事に外れ、それ以後は孤立無援の円独歩高となり、我が国の中小企業を瀕死の重傷に陥れたため、あすをも知れない状態にあえいでいるのであります。まさに円高に対する中曽根政府の政治責任は重大であります。 第三は、対フィリピン経済援助をめぐる疑惑であります。 発展途上国の国民の生活の向上と民生の安定のために行われているはずのものが、日本国内に還流をして日本の政治家の懐に入っているといううわさが従来から指摘をされておりました。ところが、今回マルコス独裁政権の失脚によって、その一端を裏づけるものが出てまいりましたが、この疑惑を糾明すべき国会への政府側の非協力は、疑惑を隠ぺいしようとする態度であり、言語道断であります。 本委員会では、昭和四十六年度決算に際して、経済協力に関する警告を発しているにもかかわらず、このように相手国の政変によって明らかになるまで事態の改善がなされないまま漫然と援助を続けてきた政府の責任も極めて重大であると言わなければなりません。 第四は、政界、官界を渦巻く汚職のオンパレードであります。 住・都公団、道路公団、海洋科学技術センター、国鉄、建設省近畿地建などにおいて収賄事件が続々と発生しておりましたが、それに加えて本年三月、通産省高級官僚が逮捕をされました。ところが通産省では、あの程度で逮捕されるのなら通産省の職員はほとんど逮捕されるという内部告発があると聞くが、産業界との癒着は著しく、その体質は依然として改まっていないのではないかと危惧するのであります。その後、一気に政界に波及をして、今月一日、衆議院議員二名が収賄罪で起訴をされました。この撚糸工連については、五十三年、五十四年両年度において既にその貸し付けの不当性について会計検査院から指摘をされていた団体でありますが、中小繊維産業を救済する目的で設けられた国の施策が、悪用をされ、食い物にされ、汚職にも発展するということは、国民の信頼を裏切る事態であり、まことに憤りを感ぜざるを得ません。 第五は、相も変わらぬむだ遣いであります。 まず原子力船「むつ」は、佐世保の修理に当たって、係船料を支払う際に相手の言いなりに支払い、その額は、運輸省の所管する公共港湾の係船料の何と六十六倍にも上り、一方、放送衛星ゆり二号aについては、宇宙開発事業団、通信・放送衛星機構、日本放送協会で故障の責任をなすり合い、最終的に受信料支払い者に転嫁をして事足れりとしているのであります。まことに無責任体制と言わざるを得ません。さらに通産省の庁舎建設に当たって建設省が重複積算を行った事例も、国費の厳正な執行の観点から問題であります。 以上述べてまいりましたように、五十八年度の政府の財政執行と、本委員会の審査で取り上げられました改善を要する数々の問題を考えますときに、本五十八年度決算外二件を到底容認するわけにはまいりません。 委員長提案の警告に対しては、政府は十分に反省し、改善に努め、速やかに警告の趣旨の実現を強く要望して、反対討論を終わります。
○堀江正夫君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、昭和五十八年度決算外二件に対して、これを是認するとともに、委員長提案の警告案に対しても賛成するものであります。 昭和五十八年度の我が国の経済は、五十八年二月を底に戦後最大の不況と言われた第二次石油ショックの後遺症から回復に向かった結果、同年度の政府経済見通しの実質成長率は、当初三・四%と見込まれていたのが、三・九%と見通しを上回りました。これは五十六年度の五・三%が三・三%に、五十七年度の五・二%が三・三%というように実績が見込みを大きく下回ったことと比較して大きなさま変わりであります。 このような背景から昭和五十八年度の決算における歳入歳出の状況を見ますと、第一に、税収の伸びによって剰余金が出たことが挙げられます。当年度の税収は法人税を中心に大きく伸び、その結果、剰余金が二千五百六億円に達し、過去五カ年間のうちで最高の額になっております。 第二は、国債依存度が低くなったことであります。当年度の国債依存度は二六・六%となりましたが、これについてもそれまでの五カ年間と比較すると、五十六年度の二七・五%を除いたいずれの年度も三〇%台を推移していたことから見ても、相当の低下となっております。 第三に、特例公債の発行は、当初予算では六兆九千八百億円を予定していたのが、決算ベースで六兆六千七百六十四億円にとどまり、差し引き三千三十六億円の発行減額となりました。このことは、景気の変動と税収の見積もりの誤りが大きな要因となって税収不足が生じ、五十六年度に三千七百五十億円、五十七年度に三兆三千八百三十億円の特例公債の追加発行を余儀なくされた経過と比較しますと、政府の財政運営はまことに時宜に適したものであると同時に、適正な税収見積もりとそれを実行した結果のあらわれであり、高く評価をするところであります。 なお、財政執行において政府が全般にわたって格段の努力をしている点は評価できますが、その一部については、本委員会の審査の過程で明らかになった事項や会計検査院から指摘を受けた事項のように、政府が反省し、あるいは留意しなければならない点があったことも否めません。 政府は、この際、警告の趣旨も体して、今後一層財政の効率化と行政の適正化に努め、国民の信託にこたえるよう要望して、賛成討論を終わります。
○服部信吾君 私は、公明党・国民会議を代表して、昭和五十八年度決算外二件に対し、これを是認できないことを表明し、委員長提案の内閣に対する警告については賛成の意を表明するものであります。 以下、その理由について申し述べます。 第一は、財政再建に失敗したことであります。 財政再建を目指す政府の目標は、一つは赤字国債脱却であり、もう一つは財政の対応力の強化にありました。ところが、赤字国債脱却は、目標年次とされた五十五、五十七年度とも赤字国債発行をゼロにできず、巨額の赤字国債に依存してきたばかりか、赤字国債脱却の最後の目標年度とすべき五十九年度も、政府は早々とあきらめ、五十八年八月には「一九八〇年代経済社会の展望と指針」を出し、再建年度を六十五年度までの七年間の延長を行わざるを得なくなったのであります。 このため、五十八年度赤字国債発行額六兆九千八百億円をスタートに毎年度一兆円の発行減額を予定したものの、この一兆円減額も計画どおりにはいかず、赤字国債発行減額は、五十九年度五千二百五十億円、六十年度七千二百五十億円、六十一年度四千八百四十億円と、いずれも一兆円の減額を下回っているのが実態で、今後四年間は一兆三千億円ずつ減額するはめに追い込まれたのであります。 ところが、六十、六十一年度とも急激な円高の影響で大幅な歳入欠陥が予想され、今また六十五年度赤字国債脱却すら不可能と言わざるを得ないのであります。 このように赤字国債脱却に失敗する一方、財政の対応力は、国債残高が四十九年度にはわずか九兆六千億円、対GNP比七・〇%であったものが五十八年度には百十一兆円、対GNP比三九・二%、そして六十一年の今日、国債残高百四十六兆円、対GNP比四三・二%と、ここ十年間で金額にして十三倍、対GNP比で六倍という急増ぶりから、政策経費である一般歳出の伸びを圧迫し、その力は弱体化しているというのが実態であります。 第二は、円高対策の失敗であります。 円高の被害はまず中小企業に集中し、今や瀕死の状態にあると言っても過言ではありませんが、その原因は、まさに五十八年度の大幅な経常収支の黒字に何ら有効適切な対策を打たなかった政府の責任によるものであります。 五十八年度経常収支の黒字額は、十一月までで百七十七億九百万ドルとなっており、それまで最高だった五十三年一年間の百六十五億三千四百万ドルを既に超えてしまっていたのであります。その後政府は内需喚起政策を行わなかったため、五十八年度以降経常収支累増の一途をたどり、アメリカ、ヨーロッパを中心とした貿易摩擦となってあらわれ、ひいてはこれら諸国から貿易摩擦解消策の一つとして円高が我が国に押しつけられたという政府の責任は断じて許すことができません。 第三の理由は、政府の対米一辺倒のタカ派的外交政策についてであります。 昭和五十八年度には、レーガン米大統領、コール西独首相、胡耀邦中国共産党総書記が来日し、日本を舞台にした中曽根外交が行われました。しかし、この成果は、その期待に反してこれといったものはありませんでした。中でも五十八年一月に訪米し、レーガン米大統領と会談した中曽根総理は、日米両国関係を日米運命共同体とし、両国関係には軍事的な側面は含まないとしていた従来の我が国の防衛政策の枠をいとも簡単に変更してしまったのであります。 加えて、日本列島不沈空母発言や集団自衛権行使の疑いすらある宗谷、津軽、対馬の三海峡封鎖発言に見られるタカ派的外交は目に余るものがあり、強く反省を求めるものであります。 最後は、相も変わらず血税、国費のむだ遣いが改められていない点であります。 会計検査院から国費のむだ遣いとして指摘された金額は、五十五年度五百十億円を初めとして、五十六年度、五十七年度、五十八年度、そして五十九年度五カ年間で、何と一千四百一億円となっており、改善されるどころか、相も変わらず多額に上っております。こうした国費のむだ遣いは、予算の源が国民の血税であるという意識の欠如にほかなりません。血税、国費のむだ遣いの絶滅を期すため、予算の効率化、適正化に政府は総力を挙げて努力すべきであります。 なお、委員長提案の警告に対しては、政府は十分に反省し、改善を行い、速やかに警告の趣旨の実現を図ることを要望して、反対討論を終わります。
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十八年度決算について、是認できない旨の反対討論を行います。 五十八年度予算は、財政危機の一層の深刻化、消費不況の長期化という状況のもとで、国民の間からは、平和と軍縮、国民生活の向上と景気回復を基調に民主的財政再建を求める声が大きく強まる中で編成されました。 しかし、五十八年度予算とその執行の結果は、この国民の願いを真っ向から踏みにじるものとなりました。 第一に、防衛費は三年連続で異常突出をし、正面装備の伸びは二一・二%、後年度負担は約二兆円にも達するという大軍拡が行われ一ウィリアムズバーグ・サミットでは、日・米・欧軍事一体化の方向に踏み込み、中曽根総理は、アメリカの核ミサイルの欧州配備問題でもレーガンの核戦略構想への加担を一層積極的に推し進めたのであります。 第二に、臨調行革の名のもとに、軍拡優先、国民生活犠牲の予算が執行された結果、戦後最長の不況を一層深刻化させました。すなわち、五十八年春の賃上げは春闘史上最低を記録し、加えて、大幅減税の見送り、人勧の抑制、年金、恩給のスライド停止などで勤労者の実質消費支出の伸びは前年比わずか〇・四%にとどまりました。他方、 完全失業者は年間で百五十六万人、労働者人口比率二・六%と労働力調査開始以来の最悪の事態となり、企業倒産も負債額一千万円以上が一万九千百五十五件とこれまた過去最高を記録するなど、深刻な国民生活の危機を到来させたのであります。 一方では、引き続き大企業補助金や優遇税制は温存され、公共事業は全体の伸び率はゼロに抑えられる中でも、高速道路予算は二・三倍、本四架橋は三倍というように大企業向けの大型プロジェクトは大きく伸ばされ、大企業、財界奉仕の予算執行が貫かれたのであります。 第三に、財政再建の公約が事実上投げ捨てられました。赤字国債七兆円を含む十三兆三千億円もの国債が発行された結果、発行残高は初めて百兆円を突破するという重大な事態を招いたのであります。 第四に、財政執行面においても、公共事業発注の際に、不正な談合の存在を疑わしめる積算ミスなどが会計検査院報告で指摘されるなど、不正、不当な執行が克服されてはおりません。 以上の理由で、五十八年度決算はこれを是認することはできないものであります。 次に、国有財産増減及び現在額調書については、五十八年度予算の執行に伴う国有財産集計の内容に、急増した防衛庁の艦船や航空機も含まれていることなどからも是認できません。 また、国有財産無償貸付状況総計算書は、無償貸付制度の管理、運用の一部に重大な疑義がある事態が残されており、これを是認することはできません。 最後に、委員長提案の警告決議案につきましては賛成を表明し、討論を終わります。
○関嘉彦君 私は、民社党・国民連合を代表して、昭和五十八年度決算外二件に対し是認できないとの立場を明らかにし、委員長提案の警告決議に賛成の立場から討論を行うものであります。 昭和五十八年度における重大な政治課題は、大型減税の実施による内需拡大と行財政改革の断行でありました。このため我が党は、一兆四千億円の所得税減税と五千億円の住民税減税の実施、公共事業費の前年度当初比五%増額などの内需振興策の実行を求めるとともに、補助金の整理合理化や第二交付税の創設、公務員の定員削減による総人件費抑制などの行財政改革の推進を強く政府に迫ったのであります。 しかるに政府は、所得税減税を行わず、内需の不振をさらに長引かせたのであります。そればかりか、課税最低限の据え置きは、給与所得の伸びを上回る所得税の伸びとなってあらわれ、国民の間の税の不公平感を一層助長しました。 また、緊急の国民的課題である行財政改革についても、公務員の定員削減や補助金の大幅整理などの我が党の主張を無視し続けたのであります。 さらには、社会保障の理念や将来計画を明確にすることなく、単に数字のつじつま合わせのために年金や恩給の物価スライドの見送りを行い、福祉をないがしろにした措置は、極めて遺憾であります。 以上の理由で昭和五十八年度決算外二件に是認することは到底できません。 最後に、税金が厳正かつ効果的に使われているかについての国民の関心は極めて高く、それにこたえるべき政治の責務はますます重くなっております。したがって、委員長提案の内閣に対する警告決議につきまして賛成の意を表しつつ、政府に対して効率的予算執行と決算の一層の充実を要望し、私の討論を終わります。
○木本平八郎君 私はサラリーマン新党を代表して、昭和五十八年度決算外二件に対して、これを是認しないことを表明し、委員長提案の警告案に対しましては賛成の意を表明するものであります。 是認できない理由の第一は、政府の財政経済運営の失敗であります。五十八年度予算は、行政改革の方策を着実に実施するため、経費の徹底的節減、合理化を図るということで、歳出を厳しく抑制して編成されました。しかも、五十六年度の財政運営の失敗から生じた歳入欠陥の補てんとして、二兆二千五百二十五億円を国債整理基金に戻さねばならなかったほか、国債費は定率繰り入れを停止したにもかかわらず八兆一千六百七十五億円とその負担は一層重く、一般歳出は厳しく抑制されたのであります。 決算の結果を見ますと、防衛費が七・六%の伸び率で突出しているのに引きかえ、社会保障費でさえ一・四%の伸び率で過去最低に抑えられ、国民の生活基盤に直接かかわる文教関係、公共事業、中小企業対策などの経費は伸び率ゼロかあるいはマイナスに圧縮されております。これはまさに国民生活を犠牲にした財政運営であったと断ぜざるを得ず、このような財政運営の結果である決算を認めることはできません。 経済成長率は、政府の当初見通しは名目で五・六%でありましたが、実績は四・二%にとどまり、達成できませんでした。しかし、物価の安定に支えられて実質成長率では見通しの三・四%を上回る三・九%上昇の実績となりましたが、民間住宅投資額は五十七年度を下回り、消費支出は一向に伸びず、政府の目指した内需中心の景気の拡大は果たされなかったのであります。 反対の第二の理由は減税についてであります。五十八年度当時は、六年にわたって所得税減税が見送られていたため、国民の各層に減税を求める強い要求と不満が広がっておりました。五十八年度の減税についての与野党の合意は、年内に景気浮揚に役立つ一兆四千億円規模の減税を実施するということであったはずであります。ところが、政府が行った年内減税は課税最低限を引き上げるという特例措置だけで、総額で千五百億円、年収五百万円の標準家庭ではたった六千四百円の減税という小規模なもので、本格的減税は事実上五十九年度に先送りしてしまい、国民の期待を裏切ったのであります。 これまでの数年の税収の推移を見ますと、自然増収の大半はサラリーマンなどの源泉徴収税収の増加で占められており、いわば財政再建のしわ寄せが専ら給与所得者に向けられていることは許しがたいことであります。税の負担は公平であることが最も肝要なことは、私も当委員会でたびたび指摘したところであります。税の不公平是正こそが国民が強く求めているものでありますが、政府はこれまではっきりした形で税負担の増加を求めることなく、最も摩擦の少なそうなやり方で事実上の増税を図ってきており、強く反省を求めるものであります。 さらに、五十八年度においても、会計検査院から八十三億八千四百八十万円に上る国費のむだ遣いが指摘されております。政府は、予算が国民の血税であることを肝に銘じ、補助金等について毎年度同じような指摘を繰り返し受けることのないよう厳正な執行に努めるべきであります。 以上、反対の理由を申し述べました。委員長提案の警告に対しては賛成であります。 政府は、警告の趣旨を体して、速やかにその実現を図ることを要望して私の反対討論を終わります。
○委員長(丸谷金保君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、昭和五十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十八年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十八年度政府関係機関決算書の採決を行います。 第一に、本件決算は、これを是認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸谷金保君) 多数と認めます。 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸谷金保君) 全会一致と認めます。よって、昭和五十八年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたしました。 次に、昭和五十八年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸谷金保君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決いたしました。 次に、昭和五十八年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸谷金保君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決いたしました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、内閣に対する警告について関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。江崎総務庁長官。
○国務大臣(江崎真澄君) ただいま警告決議のありましたうち公務員等の綱紀の粛正につきましては、従来から取り組んできたところでありますが、いやしくもこれらの職員が国民の信頼を損なうことのないよう、今後一層綱紀の粛正に努めてまいる所存であります。
○委員長(丸谷金保君) 次に、安倍外務大臣。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいま御決議のありました我が国の政府開発援助につきましては、御決議の趣旨に沿うよう今後とも努力してまいる所存であります。
○委員長(丸谷金保君) 次に、今井厚生大臣。
○国務大臣(今井勇君) ただいま御決議のありました精神障害者の人権の確保につきましては、御趣旨を体して、六十二年春を目途に精神衛生法改正案を提出すべく鋭意検討を進めるとともに、精神病院に対する一層の指導監督に努めてまいる所存であります。
○委員長(丸谷金保君) 次に、羽田農林水産大臣。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御決議のありました国営かんがい排水事業につきましては、御決議の趣旨に沿うよう努力してまいる所存でございます。
○委員長(丸谷金保君) 次に、渡辺通商産業大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました日本撚糸工業組合連合会事件に関する件につきましては、当省職員が逮捕、起訴された事態を極めて厳粛に受けとめ、改めて職員の綱紀粛正に全省を挙げて取り組んでいるところであります。また、設備共同廃棄事業につきましても、制度そのものの見直しを含め総点検を行っているところであります。 今後とも御指摘の点を踏まえ、このような事態が発生しないよう適切な対応を図ってまいる所存であります。
○委員長(丸谷金保君) 次に、江藤建設大臣。
○国務大臣(江藤隆美君) ただいま御決議のありました通商産業省総合庁舎建設に関する事項につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、今後かかる事態が再発することのないよう厳正な執行に努めてまいる所存でございます。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成及び提出時期につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十六分散会