決算委員会 第9号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1986/05/12
会議録
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る五月十日、後藤正夫君及び福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として添田増太郎君及び吉村輿小郡が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) 昭和五十八年度決算外二件並びに昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)及び昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)を一括して議題といたします。 まず、予備費関係六件の説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件及び昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十八年度一般会計予備費予算額二千百億円のうち、昭和五十八年四月二十日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は、七百二十一億九千百二十八万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の七件、その他の経費として、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の二十二件であります。 次に、昭和五十八年度各特別会計予備費予算総額三兆九千百三十四億六百九十九万円余のうち、昭和五十八年十月七日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は、十七億一千二十四万円余であります。 その内訳は、農業共済再保険特別会計農業勘定における再保険金の不足を補うために必要な経費等三特別会計の三件であります。 次に、昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和五十八年七月二十九日から同年十二月二十三日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、八十八億二千六百九十六万円余であります。 その内訳は、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業の調整に必要な経費の増額等六特別会計の十件であります。 次に、昭和五十八年度一般会計予備費予算額二千百億円のうち、昭和五十九年一月十日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千百二十五億二千四十九万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、災害救助等に必要な経費等の五件、その他の経費として、雇用保険の求職者給付に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等の二十一件であります。 次に、昭和五十八年度各特別会計予備費予算総額三兆九千百三十四億六百九十九万円余のうち、昭和五十九年二月四日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千七百十五億五千五百四十二万円余であります。 その内訳は、食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における調整勘定へ繰り入れに必要な経費等四特別会計の六件であります。 次に、昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和五十九年三月十三日から同年三月三十日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、九百六十八億三千三百二十四万円余であります。 その内訳は、郵便貯金特別会計における支払い利子に必要な経費の増額及び道路整備特別会計における豪雪に伴う道路事業に必要な経費の増額の二件であります。 以上が、昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件及び昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(丸谷金保君) 以上をもちまして説明の聴取は終わりました。 それでは、これより昭和五十八年度決算外二件の総括的質疑第一回及びただいま説明を聴取いたしました予備費関係六件の質疑を便宜一括して行います。 質疑に先立ち、まず昭和五十七年度決算における警告決議に対し、その後内閣のとった措置につきまして、大蔵大臣から説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) 昭和五十七年度決算に関する参議院の審議・議決について講じました措置の概要を申し上げます。 政府は、従来から決算に関する国会の審議・議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務・事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等に特に留意してまいったところでありますが、昭和五十七年度決算に関する参議院の審議・議決について、各省各庁において講じております措置を取りまとめ、その概要を御説明申し上げます。(1) 財政改革の推進につきましては、昭和六十五年度までの間に特例公債依存体質からの脱却と公債依存度の引き下げに努めるという努力目標を示し、それに向けて懸命の努力を重ねてきたところであり、今後とも、行財政のより一層の合理化・効率化に努め、財政改革を強力に推進してまいる所存であります。 なお、政府経済見通しにつきましては、可能な限り内外の経済情勢を十分織り込んで適切に作成するよう努めているところであります。 (2) 消費者金融の健全化につきましては、貸金業者に対する立入検査、行政処分等を実施し、貸金業規制二法の厳正な運用を通じ過剰貸し付けの防止等に努めているところであります。 今後とも、貸金業規制二法の厳正な運用等により消費者金融の健全化に努めてまいる所存であります。 (3) 義務教育費国庫負担金の交付につきましては、児童・生徒数の過大報告により義務教育費国庫負担金が過大交付となった都道県に対し、厳重に注意するとともに、過大交付になつた額について返還の措置を講じたところであります。 また、本件事例の再発を防止するため、各都道府県教育委員会に対し、管下の各市町村教育委員会及び学校を十分指導し、関係事務処理の適正化に努めるよう強く指導を行ったところであります。 今後とも、このような事態の再発を防止するため、関係者の会議等あらゆる機会をとらえて、引き続き指導してまいる所存であります。 (4) 水田利用再編対策事業につきましては、昭和五十九年度から発足した第三期対策において、指摘の趣旨も踏まえ、転作の促進とその定着化を図るため、加算制度の改善を図るとともに、水田預託及び飼料用青刈り稲について奨励補助金の単価を引き下げる等の措置を講じてきたところであります。 今後とも、機会あるごとに都道府県等関係者に対し、事業の趣旨の徹底を図り、事業効果の向上と補助目的の達成に努めてまいる所存であります。 (5) 炭鉱事故再発防止につきましては、事故発生後、直ちに保安総点検を指示するとともに、ガス管理の強化の徹底等について指導等を打つだほか、事故調査委員会により原因の究明と対策の検討を行い、その報告の周知徹底を図り、所要の措置を講じたところであります。 さらに、有識者から成る保安問題懇談会を設置し、近時の重大災害の反省も踏まえ、災害発生の未然防止、被害の拡大防止、保安管理体制の整備、保安教育・訓練の充実等各般の重大災害防止対策のあり方について検討を行い、現在、その結論を踏まえ、所要の対策を講じているところであります。 (6) 組合施行の市街地再開発専業につきましては、事業実施に伴う補償、工事発注方法に関し、市街地再開発組合に対する適切な指導・監督に万全を期し、事業の適正な施行に努めるよう都道府県知事に対して通達を発するとともに、各種会議においてその周知徹底を図ったところであります。 今後とも、市街地再開発小薬が適正に行われるよう都道府県を指導・監督してまいる所存であります。 (7) 決算審査または国政調査権の行使の協力につきましては、十分留意してきたところでありますが、今後とも最大限の努力をしてまいる所存であります。
○委員長(丸谷金保君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 それでは私はきょう、平和相互銀行と住友銀行の合併問題及び平和相互銀行が購入した金まき絵びょうぶ「時代行列」の経緯について質問をいたします。後藤田官房長官が質問の後半どうしても退席されなければならぬという状態のようでございますので、質問の順序を変えまして、後半の部分から質問をさしていただきたいと思います。 まず、金まき絵びょうぶの「時代行列」問題から伺ってまいります。法務省に伺います。社会党の安恒氏が三月十二、十四の両日にわたって予算委員会で質問されたこの「時代行列」購入の件ですが、この「時代行列」購入のためにコンサルティング・フォーラム社へ四十一億円、平和相互銀行が問題融資をしております。法務当局はこの件について挑在調査を進めておりますか。
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましては、平和相互銀行をめぐりますいろいろの事柄につきまして報道がなされ、あるいは国会で御論議がなされておりますことを承知いたしておりますし、関心を持っているところでございます。しかしながら、捜査をいたしておるかどうかという具体的な事柄につきましてはお答えいたしがたいのでございます。
○本岡昭次君 まあ、関心を持っておるというふうに言われたわけですが、捜査を進めているかどうかは言えない、そういう答弁の中から、まあ私は捜査を進めておられるというふうに推察をするんですが、いかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど申し上げましたとおり、捜査いたしているかどうかにつきましてはお答えいたしがたいのでございます。
○本岡昭次君 それでは、これから私がずっと質問する作柄をよく聞いて、また改めてお伺いをいたします。聞いておいてください。 目黒議員の質問主意書、二月七日付でありますが、「法務当局は、」このびょうぶ疑惑を「承知していない。」というふうにここの目黒今朝次郎氏あての返事で答えています、「承知していない。」と。しかしながらその前の一月三十一日の共同通信配信では、共同通信社に東京地検特捜部はこういう記中を流したことについて取材制限の制裁を加えております。特捜部のこの態度は、国会の審議そのものをある意味では妨害しているあるいは国会を軽視しているというふうに私は見ていますし、またある意味では言論弾圧をしたことになるんではないか、このように考えるんであります。 後藤田官房長官にお答えをいただきたいんでありますが、このように東京地検特捜部が取材制限の制裁を加えていくというふうな形がこのびょうぶ疑惑のところに出てくる、このこと自身私はその奥にあるものは何であるかということをいろいろ考えたくなるんでありますが、それは別にいたしまして、要するに東京地検特捜部がこのような取材制限の制裁を加えるという事柄について、中曽根内閣としてこれをどういうふうにお考えになるか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 捜査機関というのは犯罪ありと思料すれば捜査を行う、これが役割であろうと思うわけでございますが、捜査そのものは大体がこれ密行性が建前でしょうし、同時にまた何よりもやはり正確な証拠に基づいて調べが行われるわけで、そして同時にそのことは人権というものを最大限に私はやはり犯罪捜査の上においても考えなきゃならぬと思います。そういうようなことを考えますと、捜査当局がいろいろの事柄についてお答えもできないし、新聞記者等の取材等に当たってもそれにお答えできないというのは私はやむを得ない、場合によればやむを得ないというより当然のことでもあろうと、こう考えるわけでございます。したがって捜査当局が、そういった立場からの対応が直ちに取材の制限とでも言いますか、先ほどおっしゃった取材の何とおっしゃいましたかね。
○本岡昭次君 取材制限という制裁のことです。
○国務大臣(後藤田正晴君) 取材制限ですか。そういったことで言論を抑圧するなんということは、これは私はあり得べからざることで、正しい職務遂行のあり方としてそうならざるを得ない面があるんだということは御理解をしていただかなければならぬと、かように考えるわけでございます。
○本岡昭次君 今も長官は取材制限の制裁というのはあり得べからざることだと。しかし現にそれが行われているという事実があるんですよね。だからそれは言論弾圧じゃないかというふうにお聞きしているんです。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は具体的にどういうことがあったのか承知はしておりませんが、検察当局が取材の弾圧をやっておるなんということは私自身ないと確信をいたしておるわけでございます。
○本岡昭次君 それはまた今の大臣の答弁をもとにして明らかにさしていただきます。 それから法務大臣にお聞きしますが、住友銀行内部の話によると、伊藤検事総長は堀田庄三住友銀行の前会長とじっこんだったそうでありますが、そういう事情があって特定利益を擁護するために今回かかる行動に出たのではないかという話を私は聞きますが、いかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましては、常に厳正、公平に事に対処するという方針でやってきておるところでございまして、何らかの影響なり圧力等によって不公正な取り扱いをするというようなことはやっていないものと思っております。
○本岡昭次君 この「時代行列」に登場してくる中心人物であり、平和相互銀行株式を住友銀行のダミー会社である稲波山実業より資金提供をしてもらって現在の名義人になっている佐藤茂氏と住友銀行及び稲波山実業の関係に、竹下大蔵大臣はどのような役割を果たしてこられたのかお聞きしたいのであります。 また、竹下大蔵大臣は、この佐藤氏とはいつからのおつき合いで、同氏の人柄に対してどのような評価を持っているのか、参考のために聞かしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 佐藤氏と住友銀行でございますとかそれらの関係については、私は何も関与もしておりませんし、どういう関係にあるかも知っておりません。 それで、佐藤さん自身は、今から二十年ぐらい前であったと思います。ある首長選挙の、私が党を代表して、決起大会でございましたか、何せ応援に参りました。その際、佐藤氏がその首長になられた――そのときはまだなっていらっしゃらぬわけですが、候補者の熱心な支持者というふうなことから知り合いました。それから今日、ここのところ数年はお会いしておりませんが、よくお会いしたという事実はございます。
○本岡昭次君 この佐藤茂氏をよく知る人に言わせますと、同氏は誇大な言動を非常に好まれて信頼性が薄いと。それで今回の詐欺まがいの話であるこの「時代行列」騒ぎの責任をとらされて、川崎定徳社長をやめさせられるといううわさがありますが、竹下大臣は佐藤氏の社長辞任の問題についてお聞きになったことがありますか。
○国務大臣(竹下登君) それは今初めて聞かしていただきました。
○本岡昭次君 この時価五千万円そこそこの「時代行列」を四十一億円で平和相互銀行に買い取らせたこの事件には、大蔵省特別金融課長を経験した磯江重泰氏と田代一五班社長が中心的役割を果たしております。この田代氏も大蔵省。OB、そして防衛事務次官を歴任されておりますが、竹下大蔵大臣はこのお二人とはどういう御関係にありますか。
○国務大臣(竹下登君) 磯江さんでございますか、これは残念ながら我が省の先輩でございますがお会いしたことはございません。 それから田代さんは、これは防衛庁の事務次官さんでございましたから、私も官房長官をしたりいろんなことをしておりましたので存じております。ただ、平和相互銀行へいらっしゃいまして小らは、最終的にこの住友さんとの合併の話し合いができたという御報告を顧問さんと一緒に大蔵大臣室へいらしたということが、最近のお会いした一つの出来事でございます。
○本岡昭次君 それでは、もう一人の方についてお伺いいたします。 自主運営を平和相互銀行は目指していましたが、この伊坂重昭監査役等に佐藤茂氏の保有する平和相互銀行の株式二千百六十三万株は絶対的な必要条件であったのであります。そこに時価五千万円の「時代行列」を四十億円で買えば株は渡してもよいとする絵をかいていける素地があったと見ます。ここにその学歴や経歴を詐称している真部俊生氏が登場してくるのであります。竹下大蔵大臣はこの真部俊生氏という方を知っておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 週刊誌なんかで書かれてありますので記憶をたどってみましたが、どうも私の記憶に全くございません。したがって、顔を合わせても恐らくわからぬじゃなかろうか。まあ、向こうはよく近ごろテレビに出ますから私の顔はわかるかもしれませんが、私はちょっとどう思ってもその記憶の中にございませんし、お会いしたことも恐らくないだろう、話をしたこともないだろうというふうに思っております。
○本岡昭次君 そこで、本論に入っていきます。 我が党の調査で十分承知していたことでありますが、三月の予算委員会で安恒氏が指摘したところのこの「時代行列」金まき絵びょうぶの購入代金ですね、これが八月十七日に二十億円、九月十七日に二十一億円支払われております。その支払いに充てられた平和相互振り出しの小切手のコピーがこの雑誌に掲載されております。私は自分のところにコピーのものを二枚、二十億、二十一億の分をここに持っております。そして、この小切手は本物であるということが断定できる内部証言を得ております。銀行局は検査でこの小切手を見たはずでございます。見たのか見ていないのか、ここでひとつ責任ある答弁をいただきたい。
○政府委員(吉田正輝君) お尋ねの件でございますけれども、特定の金融機関と特定の企業との具体的な取引にかかわる事柄でございますので、答弁を恐縮ながら差し控えさせていただきたいと思います。
○本岡昭次君 予算委員会の安恒質問に対する答弁も今の答弁で終始逃げているんであります。今問題にしているこの小切手そのものを見たか見ないかということ自身も、企業秘密だから、あるいは金融機関と企業の信頼関係を損なうことになるからというふうな理由で国会の決算委員会ですら答弁できない。そういうことになるならば、この決算委員会はどのようにして事柄の真実を追求していけばいいのかということになります。 官房長官に内閣の責任としてお答えいただきたいんでありますが、予算委員会でもそうであった、この決算委員会でも同じような答弁でもって核心に迫る問題については逃げを打つわけであります。今御存じないならないでいい。しかし、現にこの小切手はあるわけでありますから、これは内閣の責任において資料としてこれと同じものを私に提出をさせていただきたい。でなければ、この決算委員会として疑惑の問題の追及がもう絶対にできないということに私はなると、こう思うんです。官房長官の内閣の責任としての答弁をいただきたい。 私は官房長官に答弁を求めるんです。あなたはもう今の答弁以上出ないでしょう。
○委員長(丸谷金保君) ここは決算委員会の総括ですから、大臣に答弁を求めるのが原則なんです。したがって、大臣ができないとき、補足として補助的に答弁をするのはやむを得ないと思いますが、一応指名された、質問を受けた大臣から御答弁を求めます。
○国務大臣(後藤田正晴君) 政府といたしましては、決算委員会といわず、国会の御審議すべてのことについて最大限御協力を申し上げなければならぬということは当然のことであるという心構えでおるわけでございます。ただ、物によってはこういった公開の席でお答えいたしかねるといったようなこともあり得ることはひとつ御理解を願いたいと思いますが、本件につきましては、従来から大蔵当局としてはもともとこういった銀行の検査といいますか、監査といいますか、これはお互いの信頼関係の上で任意の協力を得て監査を実施をして、その監査結果で、監督がうまくいくように行政指導等を十分にやるといったような立場で行われているように承知をいたしております。そういったことから考えまして、検査の具体的な内容をお答えをするということは差し控えさせていただきたい、こういうことをしばしば当局として答弁をしておるようでございまするので、これはまたこれなりにひとつぜひ国会でも御理解を賜りたい、かように思うわけでございます。 なお、私の答弁で足らざるところは、お答えできない具体的な理由については大蔵当局から答弁をさせたい、かように思うわけでございます。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま恐縮ながら答弁を差し控えさせていただきたいと申し上げた理由でございますけれども、特定の金融機関と特定の企業との具体的な取引にかかわる事柄についてその検査内容を開示いたしますれば、金融機関とその取引先との信頼関係が崩れ、円滑な金融取引に支障を来すおそれがあるとともに、検査への金融機関の協力を得ることが困難となり、検査の円滑に支障を来すこととなるということでございます。 なお、検査に御する銀行法の中には、検査は犯罪の捜査の目的のために行うと解されてはならないということが付記されております。全体といたしましては、結局そのようなことが預金者保護、信用秩序の維持に悪影響を及ぼすこととなるという法律の目的というふうに私どもは考えておるわけでございます。
○本岡昭次君 それでは刑事局長、国税庁長官にお伺いしますが、この四十億円の流れが今のように非常に問題があるわけです。しかし、銀行局長の方ではこれは調べてわかっていても言わない。犯罪にかかわることであっても言わないというふうな今の答弁であります。だとすれば、これは別の側面から調べてもらわなければならぬということであります。しかも、それが犯罪に関係するとわかったときは、今のように銀行局長はわかっていても答弁できないということになれば、銀行局の監査とは一体何なのかということに私はなってくると思います。それはまだその時点で追及さしていただきますが、刑事局長、国税庁の方、この四十億円の流れの問題について、現在調べていますか調べていませんか。
○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど来申し上げておりますように、捜査をいたしておるかどうか、また捜査をいたしておるといたしましてもどのような捜査をいたしておるのかというような事柄につきましては、お答えいたしかねるのでございます。
○政府委員(日向隆君) 私どもといたしましては、日ごろから課税上有効な資料、情報の収集、管理には全力を挙げているところでございます。かようにして収集した資料、情報等と申告書を対比いたしまして課税上問題があるという場合には、随時、調査を実施いたしまして適正な処理に努めているところでございます。
○本岡昭次君 それではもう一つ質問をして小切手問題をもう一度聞きますが、私の入手しているこの資料、この雑誌に出ております内容にこういうことがあります。これはテープを起こしたものでありまして、これによりますと伊坂氏は、大蔵省の「検査官より本件に関する資金について、」というのは、この「時代行列」のびょうぶを購入した四十億円の問題であります。「田代さんは新社長の立場でこの資金の処理を指摘をされています。」つまり、大蔵省より真部側へ買い戻しをさせて取引の痕跡を消すことを指示されたということであります。それはそうでしょう、国会で問題になり始めてきた。だから、四十一億円で買ったものを今度は、びょうぶは今平和相互銀行側にあるんですから、それを真部氏に渡して融資した四十億円を戻せ、こういうことであります。「田代さんの立場としては、本件は別な方法でいま一度やることにして、この四十億については、真部社長に一たん、買い戻して貰いたい」という、そういうことを述べているんです。そのことがテープに記録され、そして私の手元に、コピーにあります。大蔵省は田代氏と共謀して証拠隠滅を図ったのではないかということがあるから、ひとつこの問題をはっきりさしてもらいたい、こう言っているんです。
○政府委員(吉田正輝君) ただいまの御質問でございますけれども、個々の答弁、差し控えさせていただくということではございますけれども、少なくとも私は承知していないわけでございます。
○本岡昭次君 あなたは承知していなくとも、この雑誌の中に私の今言ったことが正式に記事になってここに出ているんです。そういう状況の中であるからこそ法務当局の方は目黒今朝次郎氏の質問主意書に対して、「法務当局は、「時代行列」問題の経緯及び背景等の事情について、関心を持っているか。」ということについて、「法務当局は、御指摘の「時代行列」の件についてその事実関係を承知していない。」といってここで打ち消して、そして裏で証拠隠滅を真部氏を通して平和相互銀行がそのびょうぶ問題について証拠を消すために今懸命に工作をやっているという、そのことがこの雑誌にも載り、私の手元にもその証拠として入ってきているのであります。刑事局長先ほどから知らない、知らないと言っているんですが、実際そういう関連の中であなたたちはこれを知らないというふうに答弁しているんじゃありませんか。
○政府委員(岡村泰孝君) ただいま御質問の件でございますが、平和相互銀行をめぐりますいろいろな事柄につきまして検察当局が関心を持っておるということにつきましては、私も本日も御説明いたしたところでございまして、検察当局といたしましては常に厳正、公平な処理を図ることを方針といたしておるわけでございまして、刑罰法令に触れるような事実関係があるならばこれに対しまして厳正に対処する方針で事柄をやっておるということが、一般として申し上げることができるわけでございます。
○本岡昭次君 さらに、このテープでは次のようなことがあります。「この絵を処理した事で株の動きに大きな歯どめをかけている事は、間違いのない事実であり、佐藤社長もこれを認識でた上で、伊坂さんの功績だといつも言っている」というふうに真部氏が述べております。そしてまた、「買戻すといっても」「佐藤社長は五千万単位であちこちの回収にあてているようですから、問題があると思います。」と続けているんです。これは文章としてはわかりにくい面がありますが、これの意味するところはびょうぶ代金を佐藤氏が、この雑誌にもそういうことを書いてありますが、有力政治家を中心に五千万単位であちこちへ金を配ってしまった。それで、今さらそれを回収できない、それで手元に金が残っていないので買い戻すことができないということを意味していると私は見ます。このびょうぶの問題にかかわってはこのような重大な問題があるのではないかという疑義がここに一つの証拠として出てきているのでありますが、竹下大臣はこの点についてお心当たりはありませんか。
○国務大臣(竹下登君) 心当たりは全くございません。それから、常識的に考えて、いわば検査しておる者のところへそんなことがあり得るだろうかという気が一つはいたします。しかし、いろんな雑誌というのはなかなか名誉棄損でやってみましても、今までの長い経験で、という疑いがあるとかいうことになっておればそれでおしまいにもなりますし、したがって、これは静かにしておるしかない、みずから何の関係もないということを聞かれれば言う、積極的に自分から言う必要もない。長年の体験でそのように心得ております。
○本岡昭次君 官房長官の方はちょっと時間がないようでありますから、ちょっと小切手問題で最後にお伺いしようと思ったのですが、今申し上げておきます。先ほど銀行局長がいろいろとこれについての発言をすることについて、発言できない理由を申しました。しかし、私は決算委員でありますから、決算委員会の中で今言いましたように、竹下大蔵大臣も否定されましたけれども、しかしどんなことでも初めからそうだと言う人もないし、最後まで私は潔白だ、何もなかったと言って結局何かがあるわけであります。だから、やはり事の真実というのはやっぱり隠さずに徹底的に明らかにしていくことの中でしかわからないと思います。だから、要するにこの小切手そのもののコピーが本真物であるのかどうか、決算委員の私に本物であるのかどうかということを、そのことぐらい、どうですか、内閣の責任で明らかにしていただきたい。官房長官にそのことをお伺いして、ちょっとよいお返事をいただいてひとつ退席していただいて結構です。
○国務大臣(後藤田正晴君) その件につきましては、大蔵当局から答弁をいたさせます。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど申し上げましたとおり、金融機関等を検査いたします場合には、金融機関から提出される資料をもとにいたしまして私ども検査官が検査するわけでございます。その場合に提出される資料がいろいろございますけれども、一般論として私、今申し上げているわけでございますけれども、その中でそのものにつきまして外部に公表することは先ほど申し上げました理由から差し控えさせていただいておりますので、その点御理解をいただきたいと思います。
○本岡昭次君 ここの水かけ論ですね、またほかに質問したいことがありますから、それは後円引き続いてこれは決算委員会の責任において、また理事会でも考えていただくということにしまして、次、質問行きます。 それで、この雑誌では真部氏と平和相互銀行秘書役A氏とのTEL取り次ぎメモというものも記載されております。A氏は本名Y氏でありますが、平和相互銀行内部方針として横の連絡のつながりを防ぐため佐藤茂氏よりの取り次ぎはM氏が担当している。それぞれは真部氏、佐藤氏の声を何十回も伊坂氏へ取り次いでいるという立場のようであります。 ところで、竹下大蔵大臣の信頼する有名な青木伊平氏は秘書としてどういう役割を果たしたのか、ここの中でも出てまいりますので、ひとつお答えをいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) 青木伊平君というのは、私が昭和三十三年当選して以来の私の第一秘書でございました。しかし、現在は私の後援団体等の世話をしておりますので、国会からの給与は、ほかの人に第一秘書はかわってきておりますが、今日までも私の関係事務所に仕事をしております。
○本岡昭次君 この雑誌なり私の資料によりますと、この「信頼筋によれば、青木伊平氏は少なくとも一億円を」この問題に絡んで「受けとっているはず」ということが書かれているんであります。これは大変なことです。この佐藤茂氏は、先ほども言いましたように、非常に誇大な言動をする人であり、真部俊生氏はかなり際どい商売をやる人、それぞれ定評がありますので、この二人が青木氏や竹下大臣の名前を勝手に使って磯江氏、田代氏と共謀して「時代行列」の詐欺話を実行した、こう考えられるんでありますが、今の大臣の答弁等を聞きますと、青木氏は既に東京地検特捜部で事情を聞かれているのではないかと言われておりますが、この点いかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど来申し上げておりますように、捜査いたしておるかどうかについても申し上げかねるところでございますし、また一般的に申し上げまして捜査の中身にわたります個々的なことについても申し上げかねるところでございます。
○本岡昭次君 先ほど竹下大臣は、雑誌等がこういうことを書いても名誉棄損で訴えても余り効果がないので、時間とともに問題が消えていくのを待つんだという意味のようなことをおっしゃいました。しかし、どうですか、ここまであなたの名前やあるいはまた秘書が一億円もらったとかというふうなことがあるし、ここにも「疑獄の臭いがする平和相銀屏風購入事件」「屏風に映る竹下大蔵大臣の影」というふうな表題まで書かれているのであります。雑誌に載ることを全部一々国会で取り上げるということを私は好みませんけれども、しかし事柄の性格上非常に重大だと思っております。もしここに掲げてあることが全く事実でないということであるならば、当然身の潔白を証明していくために名誉棄損ということで雑誌を告訴していくというふうな事柄も当然考えられるのではないか、こういうように思うんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 青木伊平氏が真部さんを知っておるということは、恐らくこれもないことだろうと思っております。従来、○○機関というなのが国会の周辺にいろいろございまして、そしてその機関等からいろんな資料が出されたりというようなことは、これは政界の中に、いいことではないと思いますけれども、間々あることでございます。したがって、仮に週刊誌等に書かれた問題で、名誉棄損で今までたくさんございます、そのいろんなものを見ましても、まあせいぜい、断定的にはなかなかお書きになりませんから、まあ巨大な記事が一行の訂正記事ぐらいで済むというのが常識でございますので、やっぱりみずからを信じておることが一番大事であって、したがってそれを一々名誉棄損で告訴するというようなことはあんまり好ましいことじゃないなというふうに、常日ごろ長い体験の中で、何回もいろんな問題で書かれたことがございますので、やっぱり平静にしておるのが一番まともじゃないかなと。それで悪かったら選挙で結局征伐されてしまうわけでございますから、その辺が政治家としては一番いいところじゃないかなというふうに常日ごろ考えております。
○本岡昭次君 マスコミや政界で言われていることであるんですが、地検特捜部は、兵庫の神戸市北区八多町西畑字市太郎の土地ですが、五十九万四千六百五十五坪の土地売買をめぐる不正融資百十六億円というものがあって、これに関連する伊坂重昭氏を近々逮捕して、平和相互銀行の本質問題に登場してくる有力政治家、官僚及びこの「時代行列」に出てくる佐藤、田代、磯江、真部、青木氏等を見逃してしまう方針であるというふうなことも私は聞いております。こういうことを尋ねてもお答えにならぬと思いますけれども、この事実関係について、刑事局長答弁していただきたい。
○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど来たびたび申し上げているところでございますが、一般論として申し上げましても、捜査の中身につきましては申し上げかねるところでございます。ただ、ただいま委員から御指摘のありましたように、何か検察当局が一部の者を見逃す方針であるとかという点でございますが、そういうようなあらかじめ方針を立てるということも、これは捜査の実情といたしまして、一般論としてでございますが無理な話でございまして、そういうような方針を立てたというような点は事実に反するのではないかと思っております。ただ、具体的な事柄につきましては答弁をいたしかねるのでございます。
○本岡昭次君 この委員会でやりとりをしておっても一向にらちがあかぬのであります。これではどうしようもないわけでありますので、ひとつ先ほども私がいろいろな人の名前を挙げました。また、三月十二日、三月十四日の予算委員会でも出ております。四月二日の大蔵委員会でも取り上げているんですが、やはりこの種の問題は決算委員会で徹底的に解明をしていく、そしてある意味では竹下大蔵大臣の名誉を回復するということにもなると思うのでありますが、どうでしょう委員長にお願いしたいのでありますが、佐藤茂氏、磯江重泰氏、田代一正氏、伊坂重昭氏、あるいは鶴岡隆二氏、青木伊平氏、真部俊生氏、こうした皆さん方を参考人としておいでいただいて、そして事柄の真実をひとつ決算委員会の責任において明らかにしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○委員長(丸谷金保君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(丸谷金保君) 速記を起こして。 ただいまの本岡君の申し入れについては理事会で検討させていただくことにいたします。
○本岡昭次君 それでは次の質問に入ります。 三月十四日の安恒氏質問で、平和相互銀行融資内容の中で第三分類、第四分類は合計八百十三億円であるということを大蔵大臣は追認をされております。しかし、事実は要注意融資の第二分類は三千五百三億円であり、第三分類は千六百九十六億円、第四分類は百三十二億円、合計五千三百二十一億円が問題融資であって、早目に償却しなければならない焦げつき債権が八百十三億円と言われているというふうに私どもはつかんでおるのですが、一そのとおりですか。
○政府委員(吉田正輝君) 平和相銀の融資内容、資産内容等につきましては、いろいろの報道がなされておるわけでございます。一部に今先生が御指摘のような報道がなされていることは承知しておりますけれども、従来より個別検査の結果については答弁を差し控えさせていただいているところでありますので、御了承いただきたいと思います。 大蔵大臣の引用された御答弁でございますけれども、大蔵大臣はその安恒委員の御指摘の数字に対しまして、御指摘の数字と「検査結果とを対比することは差し控えさしていただきたいと存じますが、平和相互銀行の資産内容が相当悪化していたという事実の認識は御指摘と異なるものでは」ないというふうに申し上げたと記憶しておるわけでございまして、「事実の認識」というのは、相当悪化しているという事実でございまして、数字が一致しているというようなことで申し上げたわけではないというふうに理解しておるわけでございます。
○本岡昭次君 それでは、私の手元へこのような資料が届いておるのでありますが、昭和五十四年三月末現在から昭和六十年二月末現在の間の平和相互銀行の問題融資の一覧表であります。この中で四月二日の大蔵委員会で我が党の久保亘氏が富士ビル開発の問題について質問をいたしております。そのときに、一企業に対する融資額限度は、相互銀行法上自己資本の二〇%以下、そしてこの不相の場合は八十二億円と吉田局長は答弁しております。また通達上の限度額は十五億円であるという局長の答弁があるのでありますが、しかし、この問題融資のこれを見てみますと、総額として五千九百九十六億円という額に上り、幾つか取り上げてみますと、太平洋クラブというところは九百二十三億円、それから正和恒産というところは三百九十二億円、旅友開発二百八十一億円、大洋百九十六億円、日誠総業三百七十七億円というふうに、全体が八十二億円というふうな枠があっても、それを数多くのところが突破して融資をしているという事実があるんですが、なぜこのような融資が認められるんですか。
○政府委員(吉田正輝君) いろいろのところでも御答弁申し上げておりますけれども、平和相銀につきましていわゆる大口融資規制、本岡委員の御指摘の点は大口融資規制に抵触するか否かの問題でございますけれども、そのいわゆる大口融資規制に関しまして実質的に問題となるような事例が認められたことは事実でございます。しかし、その一つ一つの事実につきまして具体的な内容については答弁を差し控えさしていただきたいと存じます。
○本岡昭次君 本当にどうしようもないね。 それで、五十四年から六十年二月までに大蔵省は一回検査をしているんでしょう、五十四年、五十 年、五十八年と、そして延べ八十六日、四百九十二人の人が入ってそして検査をしている。にもかかわらず、六十年の二月末にはこうした問題融資がきちっとあるということは、一体何のためにこれだけ大勢の人が入って検査をやっているんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 金融機関検査でございますけれども、先ほど申し上げましたように、金融機関との信頼関係のもとでその協力を得まして、先方が提出します。そのときどきに利用可能な数字なり情報等を活用して最善を尽くす、先方が提出いたします数字を活用してやるわけでございます。平和相銀についても他の金融機関と同様のやり方で検査を行ってきたわけでございます。平和相銀に対しましては御指摘のとおりこれまで二年程度の間隔を置いて検査を実施してきておりまして、その都度、検査結果において発見された問題点等に基づきまして、平和相銀に対しましてはただいまの大口融資規制も含めまして経営姿勢、融資体制、信用供与の構造等の各種の問題点につき改善を求めてきたところでございます。ただ、それらの指導に基づく平和相銀の対応は遺憾ながら十分であったとは言いがたいと言わざるを得ないと思っております。
○本岡昭次君 それから、もう一つ具体的にこの表の中に出てくるところがあります。新興製作所というところが出てくるんでありますが、ここでは百二十億というふうになっております。これは東北地方の中で超優良企業である、こう言われているんですが、きょうじゅうにも倒産するかもしれぬという状況をここの労働組合の人から通報がありまして、大変な状態になっているようであります。このかつての名門企業は、結局、平和相互の先ほどからいろいろ私が言っているような経営者たちに食い物にされたのではないかと考えます。そして、本来今日まで累積赤字は五十億円ぐらいなのに決算上は百五十億円以上県なっている、こういうことですね。一体百億円というものがどういうふうになっているんだというふうに、働いている人たちから見れば倒産する状況が全然わからぬというふうな形になっていくわけであります。このように平和相互銀行に関係している各企業が何かわけのわからぬ融資の関係の中で次々と倒産をさせられていく、そして身をきれいにして住友銀行に吸収合併させていく。何か非常に、金融自由化という名をかりた裏側にうごめいている黒いものを、雑誌に書いている疑惑を私もいろんな面で感ぜざるを得ぬのでございますが、新興製作所のこの問題について、刑事局長、国税庁、ひとつ調査をしていただけませんか。
○政府委員(岡村泰孝君) たびたび申し上げているところで恐縮でございますが、検察当帰といたしまして、平和相互銀行をめぐります問題につきまして関心は持っておるところでございますが、具体的な事柄については申し上げかねるのでございます。
○本岡昭次君 最後に、法務大臣ちょっとお答えいただきたい。 私はかなりきょうは幾つか具体的な例を挙げて言いましたけれども、銀行局長の話、あるいは大蔵大臣、後藤田官房長官の答弁に見られるように、企業秘密という厚い壁、ある意味ではこうなれば、それはあなた方は怒るかしらぬけれども、大蔵省、銀行と何か癒着をして事実を隠ぺいしているのではないかとすら思うのであります。法務省の方で徹底的に法務省の権威にかけてでもこの平和相互銀行の真実は何なのかという問題を国民の前に公正、厳正に捜査をやってみましょうということを、法務大臣としてこれは約束してもらわなければ、日本の秩序というのは保たれぬと私は思うんです。法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木省吾君) 先ほど来刑事局長から答弁を申し上げておりますけれども、検察当局といたしましては刑罰法令に触れる事案があれば厳正に対処していくものと信じております。
○本岡昭次君 私の持ち時間はこれでなくなりましたので、これできょうは終わりますけれども、引き続きこの平和相互銀行問題を我が党の重大な問題としてやっていきますが、特にこの決算委員会での答弁という問題について、理事会の方でもう少し考えていただきたいというふうなことも思うわけであります。 以上、終わります。
○菅野久光君 ただいまの平和相互銀行の問題について同僚の本岡委員からいろいろ質問がございましたが、私もまた若干この問題について引き続いて質問を申し上げたいと思います。 時間が余りございませんので、簡単に簡潔に核心を突く答弁をいただきたいというふうに思いますが、巨額の不良債権を抱えて平和相互銀行は事実上倒産をした、そして住友銀行に吸収合併をする、こういうような状況になっているわけでありますが、これに対する大蔵省の監査、監督責任について私はただしたいと思います。 先ほども同僚議員と幾つかのやりとりがありましたが、我が党の安恒議員の質問で、平和相互銀行の不良債権、これは八百十三億円ということが私は確認されたというふうに思っております。確認をしたのではなくて暗黙のうちに何かうんうんということになったようなことを先ほどは銀行局長の方から答弁がありましたが、しかし、このことについては大方のところ間違いがないだろうと思います。その原因は金融機関という社会的な責任を忘れたいわば乱脈経営が行われていたというところにあると思います。銀行法二十五条では、銀行業務の健全かつ適切な運営を確保するため、業務または財産状況を報告させたり、立ち入り検査を行うことになっております。平和相互銀行に対して大蔵省は過去どのような監督を行ってきたのか、事実上倒産に追い込まれているというような状況を踏まえて、ひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 平和相互銀行に対しましてはこれまで二年程度の間隔を置いて検査を実施しておりまして、その都度、そのときに利用可能な資料及び情報を活用しまして最善を尽くして検査を行っており、その際平和相互銀行に対しては、その都度経営姿勢、融資体制、与信構造、大口信用集中等の問題点につき改善を求めてきたところでございます。
○菅野久光君 今局長がそのように答弁されましたが、今も過去の検査の状況を見るとそういうことに本当になっているのかどうか、この点についてお聞きをしたいと思います。 昭和五十五年の四月九日、参議院の物価等対策特別委員会で、当時の銀行局小田原中小金融課長は、「私ども検査した内容における限りにおいては健全な担保も徴しておりますし、平和相互銀行がいささかも経営上問題があるというふうには感じておりません。」と断言をしております。 さらに五十五年十月二十二日、当決算委員会においても、当時の大蔵省米里銀行局長は五十四年検査結果の一部を報告し、「五十四年の三月期末で、未計上の債務保証を行っていたということの事実も、その段階でわかった」としております。しかし、経営内容について銀行の資産内容が著しく悪化しているという意味での問題はないと答弁している。これらの発言は平和相互銀行の経営が悪いという事実を知りながら国会や国民をごまかした答弁で、私は許すことができない。大臣、責任をどのように感じ、いかに対処するつもりか明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 昭和五十五年四月九日、これは私当時も大蔵大臣でございます。したがって私が一番あるいは直接の関係があったかもしれません。 そもそものことが、いわゆる金融検査というのは捜査令状をもってやるものではございません。あくまでも銀行側の協力を得て検査を行うわけでございます。しかしながら、いろいろな情報とか風聞とかそういうものが皆無であるとは私も思っておりません。これはたくさんの事例があるわけでございますが、しかし、少なくとも当時の検査からいたしまして、いわば担保とかそういうことから検査の限界におきましてはまず経営上問題はないということが当時の総括した私は結論であったであろうというふうに考えております。当時の認識はそれ以上のものでなかったということを申し上げるべきではなかろうかというふうに思います。 しかし、その後二年間間隔の検査の際、検査結果において発見された問題点についてはその都度いわゆる銀行側に対して経営姿勢でございますとか融資体制でございますとか信用供与の構造、大口信用集中等の問題についての改善を求めてきたということでございます。したがって、今回の検査においては、まさに同行の経営困難に対してやっぱり資金繰りもしなきゃならぬというようなことで体制を整備して、預金者保護に欠けるようなことがあってはならないというので対処したと。当時の認識は預金者保護に欠けるというような認識ではなかったというふうに私は区別して行うべきであろうというふうに考えております。 ただ、一般論として、検査を何回もやるならば、もっともっと精密な検査をやるべきだという御指摘はそのままちょうだいすべき私は御意見だと思っております。
○菅野久光君 この調査は、私の調べたところでは七人が約一カ月かけて調査をしているんですね。七人行って一カ月かけて調査をしてわからないような検査官なんでしょうか。そういう検査官を大蔵省は雇っているんですか、使っているんですか。私はそんなばかなことはないと思うんですよ。 この中で、先ほども言いましたように、「私ども検査した内容における限りにおいては健全な担保も徴しておりますし、平和相互銀行がいささかも経営上問題があるというふうには感じておりません。」と言い切っているんですね。小田原中小金融課長あるいは米里銀行局長の答弁は、公務員法で言えばこれは守秘義務の範囲を越えて明白に私は虚偽の内容ではないかというふうに思わざるを得ません。国会の会議録に残るような明白な虚偽の答弁をしたことに対してどのように考えておられますか、大臣。
○国務大臣(竹下登君) ちょっとその詳しい内容わかりませんので、銀行局長からお答えすることをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど御指摘の四月九日参議院物価等対策特別委員会で、経営上問題ない旨の答弁が行われたことは事実でございますが、これは当時におきまして同行には預金者保護に欠けるほど資産内容が悪化しているというような経営上の問題はないという趣旨で申し上げたものでございます。この点は五十五年五月十四日付の目黒議員の質問主意書に対する答弁書及び五十五年十月二十二日参議院決算委員会における銀行局長答弁において申し上げてあるところでありまして、少なくとも当時における認識は以上のようなものであったと承知しております。 そこで、当時の検査の結果でございますけれども、先ほどるる申し上げているとおり、平和相互銀行においてもそのときどきに得られた検査結果に応じましてその都度問題点につき責任が明らかにされてきているわけでございます。すなわち昭和五十四年の検査結果の際には、先ほど簿外保証の問題等の御指摘がございましたが、そのような検査結果を含めまして小宮山精一社長が会長に、鶴岡常務が非常勤取締役になったわけでございます。それから、昭和五十六年やはり種々の問題点、先ほど指摘したような問題点がございましたので、専務が常務になるとともに常務が代表権を返上したというような、その都度その都度の対応は精いっぱいとってきており、とってもらっているところでございます。
○菅野久光君 それじゃ、ちょっと具体的に聞きますが、四十九年の十二月猪熊検査官が平和相互銀行を検査をしたとき、小宮山ファミリーへの集中融資を発見して、がんは第一期症状と判断して、決算承認銀行となったんです。ところが、五十二年の六月に検査を行った中検査官は、融資状況はおおむね良好でがんではないと結論づけ、決算承認銀行から除外をした、こういう事態があったようですが、これは事実でしょうか。また、一度決算承認銀行となったものがたった二年で決算承認銀行を除外されるほど経営がよくなるということが実際あるのかどうか、今まであったかどうか、それも含めて簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 一つ一つの検査の御指摘でございますけれども、私先ほどから申し上げておりますとおり、検査につきましては金融機関との信頼関係並びにそれに提出される資料に基づき私どもできる限り精いっぱいの検査を行っているところでございます。個々の検査のその都度の内容、検査官の報告、その他について個別の問題でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○菅野久光君 平和相互銀行が住友銀行と合併をするという方向がまだないんであれば、これからまだずっと続けていくわけですね。しかし、もう破算状態になって実質的には住友銀行と合併することが決まったわけですよ。ですから、平和相互銀行に対する信頼関係というものはもうこの段階では存在をしないと言っていいんじゃないですか。なぜはっきりそれができないんですか。それで、今度は五十四年の十一月に検査に入った矢津検査官は、がんは第三期症状、このままほうっておいたら取り返しのつかないことになるとの結論を下したようであります。同じ平和相互銀行という一金融機関に対して検査結果がこうも大きく違うということが常識的にあり得るのか。これは大蔵省の検査のずさんさ、権威は失墜した、そのように国民が思っても仕方がないのではないかというふうに思うんですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 銀行検査というのは、先ほども申し上げましたように、おのずから捜査令状を持っていくわけでもございませんし限界がございます。その都度示達書というものでいろいろ検査結果をまとめまして、それに基づいて銀行が今度は自主的にその改善策を対応していかれる、こういうことでございます。恐らく私の方にもちょっと、箱に十杯ぐらい今までいろんな匿名の投書が実は最近も参りまして、今先生のおっしゃったようなものも皆入っておりました。やっぱりあれだけ内紛があると、両側から投書があるわけでございますから、容易じゃないなと思って、これは迷惑がかかっちゃいかぬからと思って私、廃棄してしまったわけでございますが、やっぱり長い間のそういう何といいますか、内部対立みたいなものは好ましくなかったと、それをもっと是正を強く勧告すべきでなかったかと、こうおっしゃるそのことは十分私どもも素直にいただかなきゃならぬ御意見だというふうに思っておるところであります。
○菅野久光君 昭和四十九年からこれは始まってもう十年余を過ぎて、その間に何回もこういったようなことが指摘されながら、やっとことしですね、住友銀行との吸収合併をするということで、一応の平和相互銀行に対する何といいますか、預金者の不安というものを解消するという方向に至ったわけでありますが、先ほども言いましたように検査に入って二年か三年ごとにくるくると変わってくる、当然検査をして次に検査に入るときには、前の検査の状況がどうだったかということをいろいろ調べた上で私は入ると思うんです。しかも優秀な検査官が入っていって、こんなにくるくると変わるということは、そこに何らかの問題があった、問題があるんだということを担当者、これは銀行局長なんでしょうか、そして最終的には大蔵大臣の責任ということになると思うんですけれども、こんなでたらめなことが国の機関の中でなされているのかということを不思議に思わざるを得ないわけですよ。その責任は私はまことに大きい、そのように思います。メスを入れるチャンスは幾らでもあった、こんな末期症状になる前にこれは何ぼでもやれたわけであります。しかし、不祥事のたびに何か形式的なことだけでお茶を濁そうとする、水質的な病根の処理を怠ってきた、それが結果的に不良債権を膨張させるもとになったのではないかというふうに思います。 そしてまたこの平和相互銀行の役員の問題でありますけれども、ここもやはり天下り人事を黙認をしている。しかもこの中には五十二年の六月に平和相互銀行を検査した中源三検査官、これが五十七年に天下っているわけですよ。自分が検査をした銀行にたとえ二年の猶予期間を置いたとしてもそこに行くということ、こういう前例が今までもあったのでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(吉田正輝君) そのような例はほとんど皆無に近いと思っております。
○菅野久光君 そうですよね。あってはならないことなんです。皆無に近いというよりも皆無だったというふうに私は思うんですけれども、それがこういったような形でなされていったところに、私はこの平和相互銀行の問題を不明朗にし、そして最終的にいろいろ国民の中に疑惑を巻き起こした大きな原因ではなかったか、言えば国家公務員法の第百三条の脱法行為ではなかったのか、そのように思わざるを得ないわけであります。したがって、今後こういったような平和相互銀行事件の反省から、大蔵大臣、大蔵省の職員だとかあるいは国税庁の職員だとかあるいは日銀職員、これは金融機閥とは一定の距離を置いて、このような癒着が発生しないためにもこういうところには天下りは行わない、こういう英断を下すべきではないかと思いますけれども、大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 御趣旨は私も十分理解をいたします。ただ、私の経験で、今ちょっと渡辺大臣と話しておりましたが、二人でここのところ八年大蔵大臣をやっております。そして平和相互銀行もしたがって二年に一遍ということになると、二人で恐らく四回になるかなと、こういうふうに話しておりましたが、何か私が記憶している例でありますのは、銀行側から検査に来た人を私のところへ下さいと、そして見事に立ち直らしたいと、こういう要請があったことがあったなというふうに、これはこの問題じゃございませんけれども、記憶を今呼び戻しておりますが、しかしおっしゃるとおり癒着とか疑惑とかいうようなものを生むようなことは、これは避けるべきは当然のことであると思います。
○菅野久光君 避けるべきというよりも、この事件のように自分が検査官で行った銀行に、たとえ二年の猶予期間を置いたとしても、そういうところに天下るということは、これはもう何というんですかね、常識を超えることではないかというふうに思うんですよ。その点についてもう一度ひとつ大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 法制上の問題は別としまして、そういう癒着、疑惑を生むようなことはしない、するべきでないというふうに思っております。
○菅野久光君 今後十分そういう点についてはひとつ留意をした取り扱いをぜひやるべきだ、それが今度の私は平和相銀の問題の一つの大きな教訓ではないかというふうに思います。一次、撚糸工連の問題でありますが、今年度は随分大きな問題がたくさんありまして、きょうは締めくくり総括ということでございますので、この問題にも触れざるを得ません。 端的にお聞きいたしますが、撚糸工連事件の捜査はこれで終了したのかどうか、横手、稻村両代議士の起訴ということで何か一段落したのか、それともこれで捜査が終結したのか、その点についてお伺いをいたします。
○政府委員(岡村泰孝君) 撚糸工連の事件でございますが、捜査は大筋におきまして山を越えたと申しますか、終結の方向に向かっているというふうに聞いております。
○菅野久光君 それじゃまだ終結はしていない、終結の方向に向かっているということでございますね。 それで、まだ捜査が継続、そういう意味では継続されているということでありますが、そうした中で、「検事 その素顔」というパンフレット、検事になる人が少ないということで何かすばらしいパンフレットをつくられたようでありますが、このパンフがつくられたのはいつでございましょうか。
○政府委員(岡村泰孝君) でき上がりましたのが本年の三月末でございます。ただ、こういったパンフレットをつくろうという計画はかなり前からございまして、いろいろ作業を進めておったところでございます。
○菅野久光君 私はこういうパンフをつくるなというんじゃなくて、このパンフの中に、今まさにまだ捜査が継続中の撚糸工連の事件について、「撚糸工連事件強制捜査着手の朝」ということで東京地検特捜部中井憲治検事の文が載っているんですね。まだ捜査は終わってない、そうした中で、検察官勧誘のパンフで撚糸工連事件を何か自画自賛した文章を掲載しておられるわけですけれども、この時期にこの事件のことを掲載することが適当だと考えられますか。大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木省吾君) 今刑事局長御説明申し上げましたように、できたのは三月でございます。中身を拝見いたしますと、二月の事実の状態を述べておるわけでございますが、今先生御指摘のように検事が大変最近希望者が少ないので、ひとつ検事もこういった社会的な仕事をしておるのでというようなPRの、たくさん応募等していただくそういうPRの件でございましたから、決して私は二月の事実を述べただけでございますので、できたのがもう三月、その後いろいろの進展を見たのがその後でございます。その着手の当時のことをPRで申し上げたので、別に私は差し支えなかったと、こういうふうに考えております。
○政府委員(岡村泰孝君) 補足して申し上げさしていただきたいと思います。 一般的に捜査いたしておるかどうかにつきましては、また捜査の中身につきましては、具体的には申し上げられないのでございまして、これは捜査の秘密という性格上やむを得ないところであると思っておるわけでございます。しかしながら、例えば捜索に着手したとか、あるいは逮捕したとかいうような強制捜査に着手いたしました場合は、事柄の性格上、これが公になるわけでございまして、そういったときには各検察庁におきまして必要な限度で強制捜査に着手したことや、その内容について公表いたしておるところでございます。 この「検事 その素顔」というパンフレットの中に記載されておりました撚糸工連事件に関する記述もそういった意味の、既に検察当局におきまして発表いたしましたその限度での事柄を例にとりながら、検事の仕事ぶりといいますか、そういったものを説明している、こういうものでございまして、捜査の秘密という面から見まして矛盾するものではない、かように思っておるところでございます。
○菅野久光君 私が言っているのは、まだ捜査が終結していない、あくまでも疑いを持って捜査に着手をしたわけですね。まだこの段階では起訴もしていないし、それからもちろん公判にもかけられていない。そういう段階で、このような事件を三月の段階で出されるということが適当なのかどうか、そういうことを私はお聞きをしているわけです。この時期に適当なのかどうかということをお聞きしているんです。その点はいかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 記事の内容等につきまして特に問題がないということは、先ほど申し上げたところでございまして、ただいま御指摘のありましたような時期でありましても、特に本件につきましては問題はないものと思っておるところでございます。
○菅野久光君 捜査ではこわもてで情報を収集し、国会の追及ではただいま捜査中でございますので答弁は差し控えさせていただきます。四月七日の当決算委員会でも、私もこの問題についてお尋ねいたしましたら、法務省の刑事局刑事課長は「お尋ねの件に関しまして種々の報道がなされていることにつきましては、警察当局におきましても承知しているものと思いますが、捜査の内容に関するお尋ねでございますので、お答えは差し控えさして」いただきます。私どもが聞くことについては全部とにかく答弁をしない。しかし自分たちが宣伝するためには、このいわば事件の中身そのものは別にしても、華やかに宣伝をする。非常に私はおかしいんじゃないか。こんなことが果たして許されていいのだろうかというふうに思わざるを得ません。 実は、この当決算委員会で建設省の審査をしているときに、建設省の北陸地方建設局で例の流水占用料の問題、これがまだ法案もかけられていないその段階で、「流水占用料等占用制度の改正の概要」ということで、ここのところに出ているわけです、すばらしいパンフレットをつくって。結果的には、このことは法制化されなかった、提案されなかったわけですね。そうすると、これは北陸地方建設局で金を出して、これだけ立派なパンフレットをつくったわけなんですよ。何かどうも政府の広報について非常に適切さを欠くものがあるのではないか。 私は、そういう意味ではこれもあくまでも、これは事件としてはあったとしても、これは疑いの段階ですよ。そうですね。疑いの段階なんです。まだ裁判に、起訴はしたけれども公判には至っていないわけですから。それからこの流水占用料のこういったような問題も、これからいろいろ論議をして、法律で出すかどうしようかという、全く建設省の内部だけでこれは検討したものです。こういったようなものが間々出される。これは政府の広報のあり方としては私は適切ではないというふうに思うんですが、内閣の番頭であります官房長官の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 政府の広報としましては、申し上げるまでもありませんが、政府の施策についての正しい情報を国民に提供して、そして国民の理解と協力を求める、こういうことを目的として実施をせらるべきものでございます。 したがいまして、政府広報の実施に当たりましては、従来から施策の背景、あるいは必要性、あるいは内容等にわたって、正確な情報というものを国民にお示しをするということが基本でなければならぬと、こう思うわけでございます。 そういう指導はしておるつもりでございますが、御質問の流水使用料、これはまさにその後、だめになったわけでございますね。そういったことについて建設省としては建設省なりの、自分たちの施策はこういうことを考えておるんだということを国民に伝えよう、こういう意図でやられたわけでございますから、その建設省のお考えそのものについては、私はそう非難をせらるべき筋合いのものではなかろうと思いますが、結果としてああいうことになりますと、ただいま御批判のようなことも、これまた批判を受けることもやむを得ないと、これは率直に認めざるを得ないと私は思います。 それからまた、法務省の検察官に優秀な人材を集めたいということで、検事がこの厳しい生活環境の中で社会正義実現のために挺身しておる姿、生活、仕事の内容等を国民に広く知ってもらうという、この意図は、これは私はやはり正しいあり方であると思いますが、何といいましても検察、警察の仕事といったような、一番強い権力行政を担当しておる者としては、これはやはり私は、班は人権にも関係するわけでございます。したがって、御質問のような誤解を受けるようなことは私はでき得れば避けて、判決等の確定した事件でもう少し適切なものがなかったかなといううらみは私は持ちますけれども、ただ、あの内容を実は公式な抗議ではございませんでしたけれども、既に私のところに数名の方から、これは行き過ぎであるという申し入れを受けましたので、内容を見ましたけれども、ただ検察当局としては、やはり今までに公表しておる事柄についてだけを述べておりますから、そこはひとつ理解をしていただきたいと思いますが、建設省の広報のあり方といい、あるいは検察の広報のあり方といい、私は国民の皆さん方の率直な御批判というものは謙虚に受けとめていかなければならないと、かように考えているわけでございます。この点はひとつ意図は了としていただきたいけれども、今後の政府広報のあり方として、政府全体として適切に対応をしたい、かように考えているわけでございます。
○菅野久光君 適切に今後対応したいということでございますから、そういう方向でぜひ取り組んでいただきたいと思います。 検察庁の問題でありますけれども、先ほども言いましたけれども、我々が聞くと、ただいま捜査中でございますのでお答えはできかねますと言っておりますが、しかし国会でないところでは、かなりいろんなことを言われているようですね。例えば稻村代議士の事情聴取直前には、我が党の関係者に報道陣から、横手代議士で終われば七十点、稻村代議士までやれば九十五点と特捜部検事が語っているがというような話が頻繁に入ってきたということを私は聞いております。何か事件をもてあそんでいるのではないかというふうにさえ思われてなりません。終結していないこういったような事件についての検察のあり方、そういうものが私は問われるのではないかというふうに思うんですね。今後十分にこういったようなことについて慎重にひとつ対処してもらいたいというふうに思います。また、今回のこの撚糸工連の問題でいろいろな人の名前が挙がりました。例えば、元局長のS氏と言っておきましょうか、あるいは理職の不審議官等は、なぜこれは強制捜査の対象とならないのか一般の国民にはわかりにくい。理由を公表せよと言っても、その理由は捜査の秘密に属することだから言えませんということで恐らく答弁されるんだろうと思います。もしもこの点について答弁ができれば、後から答弁をしていただきたいと思います。 いずれにしましても、今回のこの撚糸工連の事件にかかわってかなりな政治資金が動いた、そういうことはいろいろ言われておるわけでありますが、言えば政治資金規正法はざる法という認識が強いせいか、どうもやみ献金を受けた政治家が多数いながら、この点については捜査当局は解山する意思を持っているのかいないのか、何か持っていないやに、もうあの二人の代議士を起訴したから、それでいいんだと。そういうことになれば、やみ政治献金はもらい得ということになってしまいます。そういったようなことについて私は、ロッキード事件以来十年目にしてこの事件を手がけた、検察当局も、悪いやつは眠らせないという検事総長の発言にもあるわけでありますが、そういったような点で、こういったような政治にかかわる汚職問題が起きないように、汚職の再発を防ぐということがこの種事件を手がける私は法務省、検察当局の本当のねらいでなければならない。もちろん、法に照らして違法なことをやっている、やった者に対して摘発をしていくということでありますが、それも本当でありますが、さらに大きなねらいは、この汚職というものをなくしていく、そこに大きなねらいがあると思うんですが、もうあといろいろ世相の中では言われているこの献金をもらったという政治家に対する捜査、これはもうやらないということなのか。また、時間がございませんので、国税庁にもちょっとお尋ねをいたしたいというふうに思うんですけれども、このもらったと言われている方々について、言えば税務調査的なものを追求していく、あるいはこれは刑事的な責任はないとしても、税金の関係では幾らかかかってくるのではないかというふうに思うんですが、そういう中で国民の前にやっぱり明らかにしていく、そしてこういったような汚職事件を再発させない、そういう方向で取り組むべきだというふうに思うんですが、法務省並びに国税庁の御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(塚越則男君) お尋ねの件でございますが、個別にわたる事柄については答弁を差し控えさしていただかねばならないことを御理解いただきたいわけでございますが、一般論として申し上げますと、国税当局としましては国会で御論議をいただいたような事柄、あるいは新聞、雑誌等で報道されたような事柄を含めまして、広く資料の収集に努めております。いろいろな申告書等も総合的にチェックをいたしまして、課税上問題があるというふうに認められる場合には税務調査を行うなどして、適正な課税に努めていきたいというふうに考えております。
○政府委員(岡村泰孝君) 東京地検におきましては、撚糸工連の事件につきましていろいろの角度で捜査をいたしたところでございます。既に通産省担当者あるいは国会議員各二名につきまして、収賄罪で起訴いたしておるところでございます。それ以外に、証拠等の面から見まして、起訴するに足る犯罪の具体的な容疑のある者がほかにもあるということは聞いていないところでございます。
○菅野久光君 公正な捜査ということを国民が期待をしているわけでありますけれども、何かほかにはいないということですね、起訴に足る者はほかにはいないと。しかし、起訴に足る者はいないとしても、先ほども言いましたように、あの撚糸工連の問題にかかわって政治献金を受けた、そういう人がたくさんいるというようなことがいろんな場で明らかにされてきているというふうに私は思うんですよ。そういったようなことについて、もらい得になるようなことになれば、それこそ悪いやつほどよく眠るというようなことになってしまうのではないか。この汚職事件の再発防止ということにはなっていかないのではないか。言えばスケープゴートにされた者だけが、何といいますか、損をしたというようなことになってしまうのではないかというふうに思わざるを得ないわけです。この辺はまた我々自身の政倫協の問題であるかもしれませんが、そういう感じを持っているのは私だけではなくて、やはり多くの国民もそのように感じているのではないかというふうに思います。 時間がございませんので、最後に、設備廃棄事業の存廃を含めて、抜本的な見直しということでしばしば答弁をしておりますし、私の質問にも通産大臣が答弁をいたしましたが、本当にこのように悪質な団体はもう廃止すべきではないかと、思い切ってですね。そうすれば、もうほか、この種のものについては、ああいうことをやれば一切もう補助金も何ももらえなくなってしまうんだという、そのぐらいのことがなければ私はだめじゃないかなというふうに思うんですが、その抜本的な見直しとは具体的に何を指しているのか、余り時間もございませんので、ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つは、今あんたが言ったように、廃止をすると、廃止すれば何も起きないんだから。それが一つ考えられます。しかしながら、不況下やなんかでやっぱりどうしても中小企業の面倒を見てくれという政治圧力が大変強いこともいろいろございます。そのときには、こういうことが二回起きないようにしなければなりませんから、やはり抜本的な改正という場合に、対象設備、それ現物ですからね。それはあっちこっちに散らばっているわけですから、そいつの確認の方法というのは相当多数の人間がいないとできません、実際は。それを撚糸工連の役員に任したから、こういうふうにいいかげん、でたらめにされちゃったわけなんで、そこのところをどういうふうに監視方法をするか、ここのところの工夫がまず一つだと思います。それから、買い上げするような場合、どこからどこまでを買い上げするのか。ただ、一律に基準を決めると悪乗りしちゃって、買い上げなくたっていいやつまでみんな一緒に持ってくる、もらい得みたいな話になっちゃうわけですから、そういうのを切っていかなきゃならぬ。いずれにいたしましても、これはそこらのところがしっかり固まらなければ私は継続できないと。そこのところをうまくみんなが相互監視できるような方法をとるか。仲間も入れまして、残った組合ですね、悪いことをしたら残った組合も損するよと。連中は、連中と言うとしかられるけれども、仲間同士でよくわかっているわけですからね、彼らは。だからよくわかっている人をやはり仲間に入れて、連帯責任を持たせるというようなことを考えていったらどうかと思う。いずれにしても今目下、これ国会が終わらないと勉強する暇がないものですから、同会が終わり次第勉強いたします。
○菅野久光君 国会は間もなく終わるようでありますから、早急にひとつ抜本的な、具体的な対策を立てていただぎたいと思います。 あと時間もわずかになりましたので、外務大臣にちょっとお伺いいたしたいと思いますが、フィリピンのネグロス島飢餓救済のための緊急援助についてでありますが、三月に十万米ドルの緊急援助資金を供与したそうでありますが、この物資が用いたのかどうか、またネグロス島の飢餓の実態をどのように把握しておられるか、その点をまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ネグロス島に対する緊急援助は、本年の三月、フィリピン政府及び国連児童基金、これはユニセフからの要請を受けまして、ネグロス島でユニセフが実施をしております砂糖労働者の児童に対する栄養食料及び保健事業についての緊急行動計画のために十万ドルの現金をユニセフに供与をしたわけでございまして、我が国のこうしたユニセフを通じました援助十万ドル、このうち八万ドルが五万人の児童に対する一カ月分の補助食の供給のために、また二万ドルが母親に対する栄養教育のための巡回バス三台の十カ月間の運行のために、それぞれ使用される予定というふうに承っておるわけでございます。これは確実に届く、こういうことでございます。 なおネグロス島につきましては、日本の新聞等でもいろいろと書かれておりますし、非常に我々もフィリピンの現状から見て心配をしておりまして、いろいろと政府としましても大使館等を通じまして調査は行っておる次第でございます。
○菅野久光君 時間もございませんので、私の方からちょっと申し上げたいと思いますが、何か三月にそういうことでやったけれども、何か四月の初めにはまだ着いていないということでございますので、これは着いたか着かないか早急にひとつ調査をしていただきたいと思いますが、ここの飢餓の実態というのは何かつくられた飢餓だというふうに私どもの党の調査団の人たちから話を聞いております。数名の大地主がおって、ここではサトウキビを栽培している。この工場でつくった粗糖は政府が買い上げする。精製糖は外国へ一六%、国内へ八四%売っている。ところが、値段が下がって、政府のもうけがなくなってきたので、地主に政府は金を払わない、地主は小作者に金を払わない、したがってつくれば損をするから土地を遊ばせている。何もつくらない。したがって、労働者の賃金は払えない、いわばつくられた飢餓だというわけです。ここで陸稲でもつくればいいんですけれども、地主はそこでつくらせれば、できたものは小作人が持っていってしまうといってつくらせないというんですね。だから、もちろんそこにいる五万人ですか、何万人がわかりませんが、そこの人たちの飢餓を救うということもありますけれども、一面、地主のそういったような問題的なこともあるわけなんですよ。ですから、ユニセフからいろんなこういったような要請が来るというふうに思うんですけれども、果たして実態がどのようなことになっているのか、それの基本的なところをきちっとしなければ、全く一時的なことだけで私はこのことは解決しないのではないか。そういうことを考えて実ちょっと質問したわけなんです。ですから、現地の大使館においても、こういった要請があったときには、そのことがどんな状況になっているのかということについてひとつよく調査をして、その上でやはり我が国の意見は意見として申し述べて、当面の飢餓救済というような形にならなければ本物ではないのではないか。あるいはそういうふうにされているのかもしれませんけれども、私どもの調査団の結果からそのようなことを感じたわけであります。 以上、質問を終わります。
○政府委員(後藤利雄君) まず最初に、ちょっと大臣が先ほど御説明いたしました点で、実際に日本が拠出しました十万ドルが実際にはどの程度今使われているかどうかという御質問、ちょっと補足的にさせていただきますと、理時点におきまして栄養失調の子供に対する栄養強化のビスケットの割り当てでございますが、これは既に八万ドルを割り当てる予定でございます。そのうちの五万ドルは既に支出されまして、その購入されました補助食につきましては、ユニセフの責任において二千カ所のそういう給食所がありますが、そこを通じまして児童に実際に配付されているというように承知しております。それから、残りの三万ドルにつきましては、今月ないし来月中にはこれが支出されるであろうと。それから、あと二万ドルのこれは、むしろ母親に対する栄養教育のための巡回バスのあれでございますが、これは多分来月からこれを支出されるであろうということでございます。 それから、御質問の第二点のつくられた飢餓ではないかという御質問、いろいろな点がありますが、これはアキノ政権におきましてこの砂糖の産業というのは基本的にこれ徹底して考え直さなくちゃいけないという点で、今後のフィリピン政府の一つの施策にまつところが大でありますが、ただ一つ、現在つくられたということよりも、むしろ砂糖の国際価格が非常に急落いたしまして、生産コストよりももっと低いという点が一つ問題になっているという点を補足させていただきたいと思います。
○委員長(丸谷金保君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十八年度決算外二件及び予備費関係六件を一括議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○刈田貞子君 大臣方にはいろいろお忙しい中を御出席いただいて大変ありがたく思っております。 まず、一番お忙しい外務大臣から先にお伺いをいたしますので、恐れ入りますが、要領よく伺いますので要領よく答えてください。 私は、これはもう本会議の質疑でも出ましたし、それから衆議院の外務委員会でも論議があったところでございますけれども、東京サミットで採択されました国際テロに関する声明の中でリビアの名指しをしたということに関して、私ども日本国民は今後の日本の中東外交に何らかの禍根を残すのではないかということが大変心配をされるわけでございますが、その後の報道等によりますと、日本政府に対してリビアがいろいろな反応を示しているということで、これは私は新聞の報道によるものでございますけれども、七日の日には、リビア政府が日本を含む参加四カ国を外務省に呼んで、そしてリビアを名指しでテロ支援国と非難したことに抗議するとともに各国の説明を求めたと。その中で、とりわけ日本の田中大使に向かっては、東洋に位置する日本がリビア非難で米国や西欧諸国に同調したことは非常に驚きであると、不快の表川をしておるということでございます。それからまた、バーレーンあたりからのニュースによりますと、リビアが日本人向けのビザ発給を停止したというようなことも報道されておるわけでございますけれども、まず大臣から、このサミット宣言以降にリビアがどんな反応を示してきておるのか、そのことからまずお伺いいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) サミットが行われて後、去る七日にハムーダ対外連絡書記局委員、これはこういう名前で言っていますが、外務省の幹部ですが、この幹部から在リビア田中大使に対しまして次のとおり申し越しがあったわけです。 第一に、東京サミットにおける国際テロに関する声明をリビアは拒否する。第二に、リビアを名指ししたかかる声明を米国の圧力により日本が受諾したことを遺憾とする。第三番目は、米国は他の六カ国に圧力をかけ、この共同声明に同調させた。第四として、リビアはテロ活動には過去においても関係がなく、あくまでも反対の立場をとっている。こういう趣旨で田中大使にリビアの考え方を明らかにしたわけでございます。 なお、ビザにつきましては、その後の大使館との連絡では、今ビザの発給は順調に行われておる、こういうふうに承知をいたしております。
○刈田貞子君 日本の政府がリビアを名指しした、つまり名指しに同意をしたということによって、リビアを含めた中東の諸国がいろいろな形の反応を今後も示すであろうということを思うわけでございますけれども、つまり、その反応に米欧諸国だけでなく我が国もテロの脅威に巻き込まれるのではなかろうかというようなことが、国民の中にもいろいろと危惧されているわけでございますけれども、そうしたテロの脅威に我が国が巻き込まれるというような可能性について、大臣はどんな御認識をお持ちですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 最近の棚発する国際テロに対しては、これと断固として戦ってこうしたテロを防止するというのは、これはもう国際的な国家としての日本の大きな役割の一つであろうと思います。そういう立場から、各国で和協力をしてテロ防止というためのあの声明にも賛意を表し、さらにまた協力行為も行うことにしたわけでございますし、これはやはり日本だけがそういうことは関係ないんだという立場では済まされない。やはりテロというものに対しては、これはやはり無差別なああした行為というものは憎むべきものであって、これに対してはやはり防止のために国際協力に積極的に参加していくというのは当然のことじゃないかと思うわけです。 残念ながら、そういう中でリビアがベルリンのディスコの爆破事件に国として関与しておったということが、実はアメリカやあるいはEC等で明らかにされまして、日本もその実情を具体的に詳細にお聞きをいたしまして、これはリビアが関与したという認識を深めたわけでございます。当然サミットにおきましてはリビア問題が俎上に上るということは予測もしておったわけでございます。その場合においては日本もそういう認識のもとにこれに対応していかなければならぬし、またテロ防止についてはこれまでのサミットでも日本は協力してまいりましたし、今後も協力姿勢を打ち出していかなければならぬ、こういうことで対応をして、最終的にはあのテロ声明ということになったわけでございます。 しかし、こうしたテロに対する日本の姿勢あるいはまた協力というものは、何もただ中東とかアラブ国家とかそういうものに限られているわけでなく、世界じゅうどんなところで起こるかもわからないテロ全般に対する日本の決意、協力を述べたわけでございます。したがって、これはたまたまリビアがそうしたテロに関与したということでいわば俎上に上ってメンションされたわけですが、しかしテロという世界の中どこで起こるかわからない問題に対して決意を新たにするということでございます。したがって、リビアをメンションしたからといって、これでもって日本の中東政策、これまでの中東和平に対する日本の積極的な方針であるとか、あるいはまたパレスチナに対する日本の基本的な姿勢というものはこれは変化するものではありませんし、この政策は不動であるということを私も明らかにいたしました。日本政府としては中東政策は変わらない、テロに対してはしかし相協力してともに防止活動を行う、こういうことでございます。ですから、こうした日本の基本的な中東に対する考え方というものは、中東諸国も十分理解をしていただいておる、こういうふうに承知をいたしております。
○刈田貞子君 米及び欧州諸国のそうしたテロに対する抗議に対して、例えばアラブ諸国とは大変関係のよかった我が国であり、特に安倍外務大臣は昨年七月にはアラブ諸国を歴訪されてこられて、大変あちらでいい関係を持ってこられておるわけでございますから、サミット以前においてはむしろ他国の状況、つまりアメリカや欧州の出方いかんによってはむしろその仲立ちをしていくというような積極的なお立場もあったと思うんですね。そういう協力の仕方もあったと思うんですけれども、そのことをなさらずにサミットに入ったということはどういうことでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは先ほどから申し上げますように、中東政策に対する日本の考え方は変わらないわけでありまして、これはむしろ日本の独自の政策とも言える立場をとっております。そしてこれは貫いていかなきゃならぬ、こういうふうに考えておりますし、そしてまた中東諸国の日本に対する期待はやっぱり依然として非常に強いものがある、こういうふうに考えております。状況は基本的には何も変わっておらない、日本に対する期待も非常に強いものがある、私はこういうふうに思っておりますし、その後のいろいろの中東の動き等を我々は注意深く見守っておりますし、また我々は大使館を通じまして日本の中東政策に関する基本的な考え方を十分説明もいたしております。そういう中で私は、まだまだ日本が今後とも中東和平の中で果たす役割というものは非常に大きいものがある、この期待にこたえて我々は独自のやはり立場に立って中東和平、あるいはイラン・イラクの和平のために積極的に取り組んでいかなければならない、情勢は変わってない、そういうふうに判断をしております。
○刈田貞子君 サミット宣言が出る前にその意欲をやはりアラブの諸国にも、それからアメリカやら英国やらにも説明をして、そして私はその仲介の役をとるのがよりよかったのではないかというふうに思うので今の質問をしたわけであります。 先に進めますが、我が国の立場を中東諸国も理解をしてくれているというふうにおっしゃられております。これは衆議院の外務委員会でも大臣そのようにお答えになっていらして、リビアを名指ししたからといって米国のリビア攻撃を支持したわけではない、したがって今後は中東政策に変わりがないことを理解を求めていくつもりだとおっしゃいましたね。その後、具体的に中東諸国との接触をなさいましたか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 中東諸国等に対しましては、サミット以後も大使館等の外交ルートを通じまして日本の中東政策についての基本的な立場は変わってない、同時に、サミットにおいてリビアをメンションした日本の立場についても説明をいたしておるわけでございますし、私はまたサミットの中におきましても、これは総理大臣も私もそうですが、日本の中東政策については関係参加国に対しまして説明もいたしておりますし、そしてその政策は今後とも継続をしていく、続けていくということは言っておるわけでございます。全体的には中東諸国がこうした日本の姿勢というもの、テロを憎むというのは、そうしてテロに対して反撃を加え、これを防止するために協力していくというのは文明国家としての日本の責任だ、私はこういうふうに思っておりますし、この点は譲れないところでございますが、しかし中東に対するやはり基本政策というものは変わってないということで十分理解ができておる、こういうふうに思っております。
○刈田貞子君 それで理解の求め方でございますけれども、私は在外公館等を通じて我が国の状況を説明するというのではなくて、一番迫力のある、外務大臣がじかにお出ましになりましてそしてそういうことをやはり説明をしてくるべきであるというふうに思うんでございますけれども、サミットが終わった後、また終盤国会もいろいろ忙しい中で物理的には無理であろうというふうに思いますが、その後大臣が御自分で出向かれてこのことを、日本の意思を説明したいというお気持ちはおありになりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろん時間の問題もありますが、私はイラン・イラクの和平実現のためにはいわば執念を持って取り組んできております。なかなか思うどおりいってないんですけれども、しかし非常に強い、大きなパイプができたと思っておりますし、また中東和平においてもいろいろと各国との間に話をして、いわゆる汚れてない、傷のない日本が出てもらうのが一番いいという強い要請もあるわけでございますし、そうした中で何か日本が中東和平のために大きな役割といいますか、そういうことが可能性があるということならば、これはもうどこへでも行ってやらなきゃならない、こういうふうな決意は持っておるわけであります。
○刈田貞子君 まさにそのとおりでありまして、やはり外交というのは一朝一夕にならないわけですよね。それで、これまで日本が積み上げてきた中東外交、特に外務大臣が本当に努力をされてきたこと、これをやはり崩していくというのは私は大変不本意でございますので、ぜひ大臣のお立場で御努力をなさっていただきたいというふうに思います。そして、その時期が遅くなりますと、また私どもが憂慮いたします国際テロ等に我が国在外邦人等が巻き込まれないとも言われないわけでございますから、どうぞそういう事実が出てくる前に、やはり大臣みずから出向かれてそういう御説明をしっかりしていただきたいというふうに思うわけでございます。 時間の関係がございますので次へ進めますが、サミットのニュースで比較的陰に隠れてしまった五月三日のスリランカ、コロンボ郊外にありますカトナヤケ国際空港、モルジブに向かう予定のスリランカの国営航空エアランカの旅客機が爆破されましたね。この問題なんかも私は、ここであわせて持ってきたのは、こういう国際テロに何のかかわりもない日本の国民がやはりこうして巻き込まれてしまっているということがあるわけでございます。これは大臣お忙しいのですぐ大臣にお伺いいたしますけれども、私はこういうスリランカの実情、こういうのをやはり外務省は把握しておられたのではないかというふうに思うんですね。これはモルジブ・8ですか、というツアーが地中海クラブという旅行社によって組まれて、そしてこういうところへ新婚旅行の四組のカップルが乗って出かけるということ。お伺いいたします。スリランカのこうした実情について大臣はどのように認識を持っておられましたか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) スリランカだけではありません、もう世界じゅうにいろいろと紛争等が起こっておりますが、スリランカにおいては多数民族たるシンハリ人と少数民族であるタミル人との間で歴史的な対立がありますが、八三年夏以来両民族間の衝突が顕在化し、その後同国北部及び東部地域の分離独立を求める一部タミル人過激派によるテロ行為が激化してきております。特に最近に至りまして、無差別テロ行為がスリランカの北部及び東部地域のみならず、これら以外の地域にも飛び火する様相を呈しておりまして、シンハリ、タミル両民族間の対立抗争はさらに過激なものとなってきており、同国の治安情勢が懸念をされておるところであります。 こうした状況については外務省も、現地に大使館もありますし、十分把握をしておりますし、さらに新聞等でもいろいろと報道もされておるわけで、スリランカだけではなくて、世界じゅうでいろんな地域でそういう少数民族、多数民族間の対立抗争というのが行われておる状況については、これはもう外務省として当然の責任として承知をいたしておるわけでございます。
○刈田貞子君 その後すぐ七日にも十一人の死亡者を出す、百十四人のけが人が出るという爆破事故がまた同じスリランカ市内で起きているわけですね。ですから、実は大変なところであるわけで、これは若い人たちに伺いますと、このモルジブ共和国が大変夢の楽土だということで、ここが今流行になっているんだそうでございますけれども、この種のツアーが組まれることについてやはり私は、この後運輸省と論議をいたしますけれども、十分この種の旅行業界あたりにニュースを、あるいはそういう実情を流してやってほしい、これは私は外務省の仕事だと思うんですけれども、このことを伺って、大臣どうぞお出かけになってください。恐縮でございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは旅行業者も十分そういう点は、実情というものは承知して、やはりいろいろとお世話するわけですから、もし巻き込まれたらそれだけ責任が会社としてもあるわけでしょうから、慎重にやっているんじゃないかと思いますが、外務省等に連絡といいますか、問い合わせがあれば積極的に状況は説明をしておるというふうに思っておりますし、その他、外務省関係のいろいろな情報、広報機関を通じまして、このような問題についてはできるだけ一般に知っていただくように努力をしたいと思っています。何といいましても、円が高くなっているものですから、旅行者がどんどんふえているという状況にあるわけですし、今のお話については十分外務省としてもやっぱり積極的な立場で広報というようなことを考えてまいりたい、こういうふうに思います。
○刈田貞子君 どうもありがとうございました。どうぞ。 そこで、運輸大臣にお伺いをいたしますけれども、先ほど来お話を伺っておりますと、テロは世界の各地で多発しておる、こういう話がございますね。そして、私なんかがあっちこっち今調べて歩いておりますと、今の外務大臣のお話のように、円高を使って夏には海外に行こうと、こういうキャッチフレーズが実は大変なわけです。これはやはり私は十分に今の外務大臣の答弁等も勘案しながら、こうした旅行者に対して御指導といいますか、情報提供と、情報をとって出してやるということですね、そういうことをしていかなければならないのではないかというふうに思うんです。 これは直接的にはテロとは関係がないかもしれないけれども、けさもまたグアム島でバスの転落事故が起きたでしょう。これも十四組の新婚旅行の人たちですね。死亡事故がなかったからよかったというだけでは済まされない、やはりこういう海外において起きる事故というのが私は大変多発していると思うんでございますけれども、運輸大臣のお立場からこういうことをどのようにお考えになられますか。
○国務大臣(三塚博君) 大変世界が多様化し、旅行が国際的なスケールに棚なりまして、アラブやアフリカのこんなところに日本人がいるのかというところにまで日本の旅行者がおるんだという昨今であります。そういう中で、観光政策をあずかる運輸省といたしますれば。やはり旅行者の安全第一主義ということも重要な行政指導の基本に据えておるところでございまして、ただいま御指摘のスリランカの事故は大変痛ましい事故でございます。そういう点で今後さらに外務省と積極的に連携をとらさしていただき、外務大臣は、外務省はしっかりとまたおやりをいただくと、こういうことでありますから、情報を待っておるというのではなく積極的にそういう情報を入手をいたしまして、それぞれの旅行業の協会を通じ、個々の業者への指導を図らなければならぬなと思います。 また、これを機会にそれぞれの機関に観光局長をしまして既に伝達をし、よくその辺の状況を見きわめ、旅行業のフィーバーというようなことで、要すればごあっせんを申し上げればよろしいということのありませんように、特に世界的にそれぞれ独立運動や紛争、抗争が起きておる地域は今特定できるわけでございますから、特にそういう地区の旅行については万全を期してまいらなければならぬ、御説をお伺いいたしまして改めて痛感いたしたところであります。
○刈田貞子君 大蔵大臣の言い分なんかを伺いますと、何しろその円高の差益が一番顕著に国民がつかめるのは海外旅行だって、これはもう大蔵大臣一言におっしゃるわけです。そうですね、大臣。だから、みんな円高差益を使って海外旅行というのはことしの夏のひとつの、何というのでしょうか、旅行業者が組む商品、この商品のキャッチフレーズですから、ぜひそういうのを十分当たって指導していただきたいわけです。 さっき外務大臣が言われましたスリランカで二つの部族、シンハリ、タミル両民族の対立抗争というのがこんなに激化していたというようなことを、旅行業者は知っていたんでしょうか、これをちょっと伺います。
○政府委員(仲田豊一郎君) 一般的に申し上げまして海外の治安状況につきましては外務省の方から詳しい情報をいただいておりまして、それを旅行業界を通じて個々の旅行業に流すと、旅行業の方々はそれを、商品を売るに当たってお客様にもそれをよく御注意申し上げる、システムとしてはそういうようなものができ上がっているわけでございますが、スリランカの場合にも北部、東部におきましてはまず治安状況が悪くなりまして、その段階からその都度外務省の方から情報をいただきまして、ただいま申し上げましたようなルートで周知徹底を図っております。
○刈田貞子君 五十九年海外旅行者、史上最高四百六十六万人、六十年は私はデータを持っていないからわかりませんけれども、円高が秋から始まっておりますからこれもさらに更新しているんじゃないでしょうか。そして六十一年はさらにふえていくのではないでしょうか。だから、やはりこうした海外に行かれる方たちのための治安を確保するためにも、ぜひそういう御指導をしていっていただきたいというふうに思うわけでございます。長期滞在者はいいというわけじゃございませんけれども、つまり、楽しんで、短期に旅行という形で海外に出ていく人が、たまたまそういうものに巻き込まれていくということは本当に不幸だというふうに思います。その点をよろしくお願いいたします。 それで、運輸省がお出しになっておられます日本人観光客の海外旅行を促進するためのアウトバウンド政策の展開を図っていると、こういうことですが、この中で旅行客の安全を確保するということについて一行も書かれていない。残念です。一つも書かれていない。日本人の旅行者のニーズを把握してというのは書いてあるわけです。だけれども、その日本人旅行者のニーズの中に、安全確保というのは私は最大のものであろうというふうに思うんだけれども、残念ながら安全情報システムを確立していこうというようなことは一つも書いてないわけです。これはいかがでしょうか、このアウトバウンド政策。
○政府委員(仲田豊一郎君) 旅行者のニーズに応じて海外旅行を今後とも促進していくという言葉を私どもも使っております。 その今先生が御指摘の旅行者のニーズという中には、もちろん外国に行っていろいろ買い物とか観光とか、そういう楽しい面もありますでしょうが、私どもの意識といたしましては、それと同時に安全の問題、それから衛生の問題、こういう問題にも十分気をつける、気をつけなくちゃいけないような体制、必要があればそれなりの情報を運輸省のルートからも業界を通じて提供する、そういうふうなことも含まれているということを前提にしてこの海外旅行の促進を図っていきたい、そういうふうに考えている次第でございます。
○刈田貞子君 ぜひその点よろしくお願いいたします。 問題を次に進めます。通産大臣、お忙しいところ、お疲れのところ済みません。通産大臣も四十分にお出かけになられたいということなので急いでお伺いをいたします。 まず、予算委員会のときに、大臣、例の電気代、ガス代の円高差益の問題で私御質問申し上げましたね。あのとき大臣は大変積極的に返すわねとおっしゃっていましたんですが、それで私が時期とそれから規模と方法ということで御質問したはずでございます。その結果、一兆円規模でガス、電気、六月一日をめどに各家庭に戻されるのではないかということで私どもは大変楽しみにいたしておるわけでございますし、皆様からもそういう声を聞きます。 問題は、あのときの時点がドル百八十円、それから原油がたしかバレル当たり二十二ドルぐらいで計算していたと思います。今百六十円台に入った。三月の到着した原油が二十二・二とおっしゃっていらっしゃいましたが、四月はもっと安いのが入っていると思うんですね。 そこでお伺いいたしますが、さらに割り増しをなさいますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) だから、私があのときも、まあ六月ごろをめどと、余り皆さん早くやれ早くやれと言うけれども、早くやると高い油でやるほかないよと。だから、余りおくらしてもなにだが、まあ落ちつくところまで少しおくらした方がいいと言ったのはそれなんですよ。だから、直近三カ月ぐらいのものを見ますから、これは自動、機械的に計算しますから、だから一番新しい四月の通関の速報値がきょう発表になるそうです、四月はね、これうんと新しいやつね。ですから、向こうからなにが出てくれば、新しいやつできちっと直さして、認可するときはそういうふうにいたします。
○刈田貞子君 そういたしますと、大体百八十円、二十二ドルで一兆円規模を見込んだということでございますから、見込みとしてそれを各家庭一世帯当たりに配分すると千二百円程度割り戻しということが書かれてあります。この百六十円、そして今の四月の一番新しい原油の価格で計算を今言ったように書き直しをするということになりますと、一兆円にどのくらい上乗せになる予定ですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはまだ計算しないからわかりませんが、少し上乗せになるはずです。
○刈田貞子君 少し。
○国務大臣(渡辺美智雄君) はい。それは計算をしなきゃわからないですからね。そう何割なんということはもちろんありませんから、ですから三カ月の平均で、安いところだけというわけにはいかぬから、これ上がるかもわからぬから。過去三カ月の平均をとりますから、だから、数百億円ぐらいでしょう、それ計算してみにゃわからぬ。だけれどもふえます。
○刈田貞子君 なるべくたくさんふやしてください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) はい。
○刈田貞子君 国民が喜びます。円高差益の還元の、この間総合経済対策も出ましたけれども、あの中でやっぱり国民が、ああ、割り戻しが返ってきたなという実感ね、これつかめるのはやっぱり電気料、ガス料だと思うんですよ。大蔵大臣そうですよね、私そう思う。だから、できるだけ国民が、ペイがあった、こういう実感を持つような額で戻していただきたいというふうに希望いたします。 それから大臣、もうちょっと。 中小企業対策、これもう大変問題でございます。サミット終了後、総理は通産省それから大蔵省そして経済企画庁でしょうか、新たにこの円高の状況を受けて、不況にある業界に対する新たな手ということで御指示があったように伺っておりますけれども、この中小企業に対する新たな手というようなことは、どんなことを考えておられますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ともかく我々は今言ったしうに、円高差益等は、これはもう極力戻してやると。ガソリンからプロパンガスまで、プロパンガスだって今度下げるように今指導をしていますから、そういうようなことで、農水省関係で言えばえさとか食料品とかね、そういうメリットもあるんですよ。そいつをなるべく早く戻すようにしなきゃならぬと。それから、電気料なんというのは、中小企業でも事業やっている人はやっぱりかなり影響が大きいですからね。だから、これはやはり不況業種というようなところなどは、これはかなりのメリットになると。それから、金融面ではこの間特定事業転換対策等をやって、その貸付枠を広げるとか金利を下げるとかそういうふうなことをやっております。 その後何かないかというふうなことでありまして、これはもうずっとサミットと国会で勉強の暇がない、実際の話が。だけれども、もうともかくしかし、役所にはやってくれと。きょう私、午後からまたやるんだよ、これ。だから、もうちゃんと午後からまた調べをやりますから、なるべく早い時期にこれはまとめたいと思っております。
○刈田貞子君 大臣、結構です、どうもありがとうございました。 あと局長の方に伺いますが、この中小企業の経営悪化ということの影響は大変大きいというふうに思いますし、その中で帝国データバンクの資料なんかを見ますと大変に倒産数がふえているということですね。三月には一カ月三十二件にもなったというようなこと、こういうことを通して今後円高は長期化、定着化していくというようなことになりますと、百六十円台なんかが長期化していったような場合に、今後の倒産数はどんなふうに見込まれますか。
○政府委員(木下博生君) 帝国データバンク調べによりますと、御指摘のように三月には三十二件ということになっておりますが、四月はその数がふえまして四十二件になっておるわけでございます。昨年の十月からことしの四月までの間、合計しますと百十四件でございますが、同じ円高の影響を受けました五十二年から五十三年にかけてやはり同じような時期、七カ月をとりました場合には八十三件だったわけで、もう今回の方が件数が多いということになっておるわけでございます。それだけ円高による影響が中小企業に対して非常に大きいというようなことでございますが、ただ、この円高による倒産の百十四件というような数字は、全体の倒産の件数から比べれば非常に少ない数字でございまして、大体月に千五百件ぐらいのものが倒産が行われておるわけでございまして、おととしに比べると去年は倒産の数が減ったという状況で、全体としての倒産の数が非常にふえているということでは必ずしもないわけでございます。ただ、円高によって影響を受ける倒産の数がふえてきているということでございまして、そういう点で今後も私どもは、決して喜ばしいことではありませんが、ふえていくだろうというふうに心配をいたしております。したがいまして、そういうことにならないよう、また、一つの企業が倒産したためにほかの企業がまた連鎖倒産に陥るというようなことがないよう、対策をいろいろ講じていかなくちゃいけないと思います。 それで、現在のような百六十円台、七十円台の円高がもしずっと続くというようなことになりますと、輸出関連中小企業は相当の企業が赤字になってしまうということが言えるんではないかと思います。
○刈田貞子君 私ども公明党といたしましても、この深刻な円高による不況というものに対して緊急な対策を要望しているはずでございます。 それで、政府系中小企業金融三機関による円高対策等、特別貸付制度の貸付規模の拡大とそれから金利の一層の引き下げを図る、それから既往貸付金の返済条件の緩和を図ること。それから二番目が、円高差損を理由として親企業から不当な圧迫を受けている中小企業を守るため、親企業に対する監視、指導を徹底すること。それから三番目が、本年二月に成立いたしました例の転換法でございますけれども、この運用を中小企業者の実情に照らして強化していくこと。それから四番目が、円高問題等の相談窓口を地方通産局あるいは自治体に設けて個々の相談に応じること。 こういった四つの緊急の政策をお願いし、打ち出しております。 私はその中でこの親企業に対する監視ということで、下請代金の支払い遅延や値切りですね、こんなふうなことが出ているというふうに思うんでございますけれども、そうした実情についてどんなふうに把握しておられるか、あるいはまたそういう実態を今後どのように指導していかれるかお伺いします。
○政府委員(木下博生君) 円高によって影響を受けております中小企業の方々に対して、政府関係金融機関からの融資というのは非常に重要な手段でございますので、その枠の確保それから融資条件の改善等は現在までもいろいろと努力してきておるわけでございます。 それからまた相談窓口等につきましても、通産局あるいは商工会議所、商工会等においてそういう窓口を設置して、それから県にも設置して中小企業の方々の御相談に応じているというような形でございます。 下請対策につきましては、昨年の十二月以来再三にわたって親企業に対しまして、下請企業にしわ寄せをしないようにというような通達を出しておりますし、また実情の調査も行っております。 それから下請代金支払遅延等防止法という法律がございまして、その法律に基づいて立入検査というようなこともやれるわけでございますので、六十年度の下期の対象となった企業で、実際に調査した結果おかしそうな企業があればそれに対して立入検査を行うということで、その時期がちょうど四月から六月にかけて来ているわけでございますので、現在そういう検査を実施中でございまして、そういう不当なしわ寄せが中小企業に起こらないよう今後とも最大限の努力をいたしていきたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 公正取引委員会も調査に入っているようです。ですから連携をとりながら、この種のことがあってはいけません。ぜひ公正取引委員会等とも連絡をとりながらやっていっていただきたいというふうに思います。 非常に親会社の身勝手で値切りとそれから遅延というのが一番多いようでございます。いろいろな業界聞いてみました。不況なところほどそういう傾向が強いと、こういうような状況がありますので、時間がございません、一々申し上げられませんけれども、聞き込みをしてみましたところそういう状況でございますので、よろしくお願いします。 それで、このおたくがなさった下請中小企業に係る円高影響特別調査結果、これなんですけれども、これを今後どのように使っていかれるかわかりませんけれども、親企業はこれに対してそういう単価の引き下げあるいは値引き等の要請、そうしたものはやったというようなのはたった四%くらいしかないのね。ところが今度は、下請企業の方がそういう行為を受けたというふうに答えているのが三四とか二六とかいうパーセンテージであるわけですね。かなりギャップがあるわけで、この辺のところもいろいろ言いたいわけですけれども、せっかくこの種の調査をなさるんですからね、やはり結果を使って政策に生かしていかれる調査にしていかなければならないわけでありますので、一言申し上げておきます。もっと言えば、まずは回収率が非常にまずくて、これではデータとして使えるかどうかということもありますので、この辺お願いしておきたい。それで中小企業対策については、この円高不況による出てきた最大の私は打っていただかなければならない対策であり手だと思いますよ。だから中小企業庁さんに頑張ってもらわなきゃいけない、よろしくお願いいたします。 時間がございません。科学技術庁の方にお伺いをいたします。 河野大臣、お忙しいところ済みませんでした。大変恐縮でございます。チェルノブイリ原子力発電所の事故について、これは既に本会議の質疑、あるいはまた科技特、あるいは衆議院の科学技術委員会等で盛んに論議がございますので、私はあえて重複を避けまして伺わしていただきたいというふうに思うわけですけれども、当初、事故が発生して以来なかなか非公開主義をとっているソ連の立場であって、情報がつかめなかった。それが、サミット宣言とかあるいはまた国際原子力機構の動き等が出てきて、かなり情報が公開されてきたというふうに思うんでございますよね。 そこで伺うわけですが、一体事故というのはどんな形の状況であったか。もっと強いて言えば、当初の論議としてはメルトダウンが起きたのか起きなかったのかということの論議がありましたね。その辺のところからまず伺います。
○国務大臣(河野洋平君) 先生御指摘のとおり、なかなか情報の得られにくい場所でございます。大変情報をつかむのに苦労もいたしておりますが、お話のようにIAEAの事務局長などが訪ソいたしまして若干事情がわかってきた部分もございます。そうしたことをまとめて事故の概要について、今わかっておりますところだけ局長からざっと御報告をさせていただきたい。
○政府委員(辻栄一君) ただいま大臣から御紹介ございましたように、主としてIAEAのブリックス事務局長の報告の線に沿いましてちょっと御説明させていただきます。 事故の発生が四月二十六日の午前一時である。発電所に幾つかあるうちの四号機で原子炉の停止操作をやっているときに、原子炉とは別の場所で複数の爆発が起きて火災が発生した。この結果二人が死亡した。最近の新聞情報ではもう一人ふえておるようでございますが。原子炉の建物と設備、それから原子炉とその中心部が大きく損傷を受けまして、発電所の区域外に放射能が漏れた。事故に至った原因は不明でございますが、爆発・火災により原子炉の炉心が部分的に溶融を起こしたと考えられる。 被害状況といたしましては、発電所職員と消防士を含む二百四人が被曝ややけどを負っている。モスクワで入院治療を受けており、うち十八名が重体であると、こんなような状況でございます。 外部に漏れた放射能は半減期の短い沃素が大半でございまして、北欧諸国を中心にソ連の国境を越えて拡散いたしました。各地で環境放射能に異常値が観測されておるというような状況でございます。 現在、事故の炉では鎮火作業が続けられておりまして、依然として少量の放射性物質を放出していると一部で伝えられておりますけれども、事故の影響の局限化とそれから拡大防止のための措置が行われておりまして、同発電所周辺の放射能レベルは漸次低下しつつあると、事態は収束に向かっているというふうに考えられるのではないかと思います。
○刈田貞子君 アカデミーの報告でも事故は鎮火しているという発表がありましたから、恐らく我が国もそういう立場をとられるんだというふうに思うんですけれども、そこで我が国への影響のことで二、三お伺いをしますが、まず問題は、四月三十日は到達のおそれが出たんです、おそれが、まず。それで、五月二日に日本土空到達の可能性なし、低いというふうにお出しになったわけ。それで五月四日、やっぱりやってきた放射能って、こういうふうに出たわけよ。それで、この種の見通しが科学の粋を持っている我が国でなぜできないのかなというのは、私ども素朴に思いました。この辺のところが、気流の読みができなかったとかどうとかこうとかという話が載っていますけれども、その辺のところはどうだったのかということが一つでございますね。それからもう一つは、事故現場から八千キロ離れた我が国でそうした放射能物質の影響をどう受けるかということについて、私どもを含めた国民はわからなかったわけですよね。ところが、新聞にいろいろと発表されてきたわけね。そして、飲み水は木炭でろ過しなさいとか、それから野菜は洗って食べなさいとか、それから洗濯物は大丈夫ですとか、牛乳は大丈夫ですとか、こういうことが出てきたわけよね。それで、そういうことを何にも知らなかった国民の方がびっくりして、あれ洗濯物も気をつけなきゃいけないし、野菜も洗わなきゃいけないし、牛乳にも危険が及ぶかもしれないんだなあということをそういう新聞の活字でみんながびっくりした、逆に。ということで、私は、この五里一百、四日を中心にしてマスコミがこの種のことを発表し始めたんですが、それは科学技術庁は正式な場合を踏んでそういう発表をマスコミに向かってなさったのか、それともこれはあくまで憶測で書かれたのか。実はこういう事態になったときの情報というのは一番大事なんですから、下手するとパニックになりますから、それで私はこういう情報の出し方についてどういう節度を持たれたのかということをひとつ聞きたい。
○国務大臣(河野洋平君) まず前段の放射能が日本国土の上空に達するか達しないかという見通しについては、正直見通しが甘かったということを率直に申し上げなければならないと思います。 多少言い分はございまして、いつごろこの事故が起こったか、あるいはどの程度の規模、つまりどの程度の勢いでちりが上空に上がるかというようなことが明確につかめていなかったという点は多少情状酌量をお願いをしたい。何せ上空一万メートルのところを吹いているジェット気流に乗るか乗らないかという判断が一つございまして、そのジェット気流が何月何日ごろはどの辺を吹いていたかということから突き詰めていったわけでございまして、事故がいつ起きたか、しかもその事故がどのくらいの勢いで起きたかということなどが明確でなかった、事故の全貌がはっきりしない時点におきます時期の想定でございますので少し違いがあったと。結果として甘かったことはおわびを申し上げなければならぬと思いますが、そういう状況があったということをまず前段で申し上げなければならぬと思います。 後段のお尋ねで、国民の皆さんに対する情報提供についてでございますが、五月の四日に放射能対策本部の会合を開きまして、そこでそれまでに得られたデータを専門家の方々に提供をして御判断をいただいたわけでございます。そこで出た御判断が、今先生からお話がございましたのはやっぱり少し違って伝わっているなと思ったわけですが、飲み水について云々というような発表はいたしておりません。雨水の中に放射能が含まれている、これは非常に微量でございますけれども含まれておりましたので、雨水をそのままお飲みになるときには木炭でこしていただくことが望ましいと、こう申し上げました。これは正式の発表として申し上げた次第でございます。そのときにも今雨水を直接飲んでいる人がいるかということで大分議論がございましたが、一部離島でございますとか灯台守の方でございますとか、一部そういう方がある。しかしそれにつきましても、実態は天水おけにためて天水を飲むのであって、雨水を、例えばきょう降ってきた雨水を直接飲むということでないのだから、それもいいのではないかという御議論がございましたが、事実関係にできるだけ即して言った方がいいということで、雨水を直接お飲みになるときには木炭などでこしていただいた方がいいと、こういうことを申し上げた次第でございます。 それから洗濯物等につきましては、実はその前日あたりから洗濯物を干してもいいかという質問の電話が殺到いたしまして、それにお答えをした方がいいということで、洗濯物等については全く心配はございませんということを申し上げました。 それから、野菜につきましても一部御質問がございましたので、これは全く心配はございませんが、どうしても気になるとおっしゃる方はよくお洗いになればこれは全く問題はございませんということを申し上げた次第でございます。 これらは、政府の放射能対策本部の会合で確認をして、科学技術庁から発表させていただいたわけでございます。
○刈田貞子君 時間ですので、もっと実は伺いたいことがあるんですが、先に進めます。 私はこの後二点だけ申し上げたいんですが、一つは原子力発電所等周辺の防災対策についてということで、我が国は例のスリーマイル島の事故以降一つの防災対策というようなガイドラインを持っておるわけですね。それについて私は伺いたいんですが、これは当面の対策ということになればそういうことにもなるかなと思いますけれども、この災害対策が原子炉を中心とした半径八キロから十キロを目安にしてできているということがいかがなものであろうかということ。それで、今八千キロというふうに我が国の立場のことを言っているわけですが、八千キロの先までを考えるということではなくて、原子炉を中心とした八キロ、十キロを目安にということではなく、もっとパニック状況が起きてくるような対策等も含めて考えた場合に、今私も三十キロ範囲の話とか七十キロ範囲の話をいろいろ持っているので言いたいんですが、時間がないので言えませんから、この八キロ、十キロにだけこだわって言いますけれども、そういう対策はいかがなものであろうかなということが一つあります。 それから、原子炉を持っている当該企業などでは、その職員等の災害時における訓練等はやっているようでございますね。だけど、それに地域住民が入っていないというようなことについてどういうふうに考えていけばいいのか、こういう災害時における地方自治体なんか、特に原子炉を抱えているところの地方自治体というようなところは全く無策であったというようなことについては、どのように考えればいいのでしょうかということが一つありますので、そのことを伺いたいのと、引き続き言ってしまいますが、このチェルノブイリの原発事故の発生する前の四月初めの、例の有沢発言のことで実はお伺いをしたいんですが、日本原子力産業会議の年次大会の席上、有沢会長が原子力発電所施設について安全確保に役立っていない過重な附属設備は除去すべきであるというふうに語られて、その中に例の緊急炉心冷却装置を挙げられたんですね。私はこれが過重装備であるのかどうなのか、このことについても伺いたいんですが、基本的にたださなければならないことは、安全性をほごにして経済性だけを追求していくことはいかぬのであるということが申し上げたいわけでございますけれども、その点の答弁、これを伺って終わります。
○政府委員(辻栄一君) 前段の防災対策については私がお答えいたしまして、後段につきましては長官から御答弁させていただきます。 防災対策の問題でございます。我が国の原子力防災対策につきましては、例のスリーマイルアイランドの事故、あれ以降急速に充実してきたものと理解しておりまして、そのとき初めて原子力安全委員会においても専門の部会を開いていろいろ検討して防災についてのいろいろな実施基準を定めております。 一方、政府におきましても中央防災対策会議におきまして、原子力防災対策の当面の施策というのを取りまとめまして、一たん事故が起こった場合に関係機関の協力体制、そういったもの、例えば海上保安庁なり自衛隊なりの出動態勢とかいろいろな資機材の輸送体制等の取り決めを行ったものがあります。この両方でやっていくという格好で進められてきておるわけでございまして、その後相当いろいろ予算もつけまして、いろいろな医療用の資材であるとかあるいは地元との連絡通信用の専用の連絡回線とか、こういったようなものの整備を図ってきております。 ただいま御質問の八キロ、十キロの問題は、その原子力委員会が決めました防災対策を重点的に対策を講じておくべき範囲として、八キロないし十キロという一応の目安をつくったわけでございまして、現在はそれを目安といたしまして、原発周辺の各府県におきましてそれぞれ防災計画が定められて、いろいろな地域別に、県によって事情は違いますけれども、地元住民も含めた防災訓練等も行っておりますし、また別途防災の日と相前後いたしまして、いろいろな関係職員の連絡体制その他についての訓練は毎年行ってきておるわけでございます。一たん事故が起こりますと、原子力研究所であるとかあるいは動燃事業団の職員あるいは近隣の原子力発電所の職員等、既に防災対策要員としてのノミネートされた人がおりまして、そういう者が、そういったモニタリング装置その他の資機材を持って駆けつけるというような体制が一応とられておるわけでございます。それで、八キロ、十キロもそういうようなことで、それな中心としてまず対策をやっておけば、あとその周辺については時間的影響、余裕等も考えられるところから、それの応用で対応できるのではないかというのが現段階の考え方でございます。しかし、この辺につきましては、今度のソ連の事故の概要がきちっとわかってきた段階において、これは防災対策だけでなくて諸般の安全指針につきましても、教訓とすべきところがあれば、それは日本の原子力施設にも反映させていくというポジションでございますので、そういった方向で今後検討してまいりたいと、かように考えておるところでございます。 あとは長官の方からお願いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 有沢発言についてお尋ねがございました。 有沢発言は御承知のとおり原産会議の年次大会におきますごあいさつの中で、先生御指摘のような発言があったわけでございます。御案内のとおり原産会議は原発の経済人の人たちの集まりということもございまして、経済性について議論が出るということも全くいけないというわけではないと思いますけれども、私ども原子力安全規制行政の立場から考えますと、安全問題というものをゆるがせにした議論、発言というものには十分注意を喚起したいと考えておるわけでございます。あくまでも有沢発言も安全の確保ということを前段おっしゃっておられるようではございますけれども、私どもは今先生が御指摘になりましたECCS、こういったものは極めて重要な安全防護設備の一つでございまして、その基準緩和なんということは全く毛頭考えていないということをこの際はっきり申し上げておいた方がいいと思います。このような安全な設計が十分に機能するために施設の維持、管理にもっともっと努力が払われる必要があるというふうに思いますし、また機械の設計だけではなくて、それをコントロールする人間のつまり人為的なミスというのもあるわけでございますので、正しい運転が確実に実施されるための方法についてもさらに研究をする必要があるというふうに考えておりまして、経済性のために安全性をゆるがせにするというようなことがかりそめにもあってはならないというふうに考えている次第でございます。今後ともチェルノブイリの事故などの原因究明がきちっとなされますれば、そうした原因等も十分我々も研究をして、教訓とすべきところは教訓として安全行政を進めたいと、こう考えておる次第でございます。
○委員長(丸谷金保君) この際、午後三時十五分まで休憩いたします。 午後二時五分休憩 ―――――・――――― 午後三時二十一分開会
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十八年度決算外二件及び予備費関係六件を一括議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○橋本敦君 まず円高問題から質問に入りたいと思うのでありますが、きょうも円高がさらに進むという気配で、大蔵大臣も一日当委員会にお座りになっておる間もいろいろと御心痛ではないかと思うのでありますが、現時点で円はどれだけの値になっておりますか、情報が入っておりますか。
○国務大臣(竹下登君) 今十三時三十分の分が百六十円八十銭でございます。その後ちょっと出ておったものですからまだ入っておりません。三十分ごとに入れております。
○橋本敦君 そういう状況で、ついに本日は百六十円を突き抜けて百五十円台になるのではないかということが憂慮されておりますが、大蔵大臣もその点は心配されておりますか。
○国務大臣(竹下登君) もうちょっと、もうあと八分ほどしたら終わり値が出ますが、それに対する評価は、まだ八分の間はやっぱり控えたいと思っております。
○橋本敦君 それでは私の質問は八分以上続きますから、八分になりましたら情報をひとつ入れていただきたいと、こう思います。 それはそれとして伺いますけれども、サミット終わって円高残るではなくて、サミット終わって円ますます高しという状況になっていると思うのであります。こういった急激な円高が中小企業に与える影響の重大さについてはっとに国会でも論議をされておるところでありますが、私は、何よりもまず第一にこの急激な円高を是正するということに向けて今政府は責任を持って対処しなくてはならぬ、こういう時期に、あと八分の話はありますけれども、構えとしてはそういう時期に来ているという認識はあって当然だと思うのですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもも、特定の相場圏を設定するわけではございませんが、今日のドル安の動きとでも申しましょうか、これは急激に過ぎるという認識は十分持っております。
○橋本敦君 もしも百五十円台に突き上がっていくという事態になった場合には、政府としてはっきりした態度をアメリカ初め諸外国にも示す、円高是正の方向を打ち出す、サミットで合意された有益かつ必要な場合の協調介入を含めて、その方向に向かってはっきりと外国に対してもそういった動きについて協力を求めるなら求めるという姿勢を明らかにすべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 通貨当局者、すなわち大蔵省と日本銀行、これは各国の通貨当局とそれぞれ密接な連絡をとっておるところでございます。
○橋本敦君 今大臣がおっしゃった密接な連絡というのは、今私が指摘をした協調介入を始動させることも含めて、連絡協調をとりながら検討しておるというように伺ってよろしいわけですか。
○国務大臣(竹下登君) あらゆることが含まれておるという御理解で結構だと思います。
○橋本敦君 もはや今日の急激な円高は、大蔵大臣を含めて政府自身の政治責任になりつつあるのではないかという重大な事態だと私は認識しておりますが、そういった認識はお持ちでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 通貨当局者として私自身責任を感じておることは事実でございます。 ただ結論的に申しますと、市場自身で決まるという性格のものでございますので、いわば内閣全体の政治責任というとらまえ方ができるものか、私自身の責任というとらまえ方の方が今日の時点では正しくはないかというふうに私は思っております。
○橋本敦君 私は大蔵大臣を含む政府全体の、当面の円高対策に対する明確な態度をなおざりにしている面も含めて政治責任があるのではないか、こう思っておりますが、あと八分と言いましたが、もう五、六分先の事態によって改めてまた伺いたいと思います。 そこで、今日のこの円高が進んで、一つは緊急対策を中小企業を含めてやらなくてはならぬ、それからもう一つは、総合経済対策の一つとして差益の還元をきちっとやらなくてはならぬということはこれは国民の世論でありますが、先ほども刈田委員の質問にもあった問題でありますけれども、政府は円高差益還元一兆円という規模を検討しておったようでありますが、これは今日の異常な急激な円高、それによる差益の増大を検討すればふやさなくてはならぬということで、新聞の報道によりますとこれは総額一兆七百億円程度、こういうように検討しているという報道がありますが、資源エネルギー庁、あるいは通産省でもいいですが、おわかりになりますか。
○政府委員(山本幸助君) お答え申し上げます。 電力、ガスについての円高及び油の低下に原因します差益問題でございますが、これにつきましては六月一日実施というラインで現在手続を進めております。 お尋ねの、先般一兆円ということで経済対策閣僚会議で内容を決定いたしたわけでございますが、その後の状況によって変わっているのではないかという点でございますが、現在、為替レート、石油価格につきまして極力近い時点の数字を入れて計算しようということでございます。先生今御指摘の新聞の数字でございますが、これにつきましてはコメントを差し控えますけれども、私ども一兆円よりは多少上回るというふうに考えております。
○橋本敦君 経企庁長官は総合経済対策の座長でもいらっしゃるわけですが、通産大臣も一兆円プラスアルファの円高差益還元をやらなくてはならぬというお話がございましたが、長官としてはお考えはいかがですか。
○国務大臣(平泉渉君) 今通産省の方から答弁もございましたけれども、差益還元の問題については通産省及び電力、ガス大手各社において最終的な詰めを行っておる、こういう段階でございまして、五月中旬までに値下げの申請認可の手続を行う予定であると、かように聞いておるわけでございまして、十分差益還元の本旨というものは、先回にも先生に御答弁申し上げましたけれども、できる限りこれは貫徹するようにと、こういう趣旨で指導いたしておるつもりでございます。
○橋本敦君 資源エネルギー庁に伺いますが、できるだけ近い時点でのレートをとってというお話でございました。新聞で十一日、きのうですが報道されておるところによりますと、一兆七百億円という数字が出ておりまして、その積算の基礎としては、円レートを一ドル百七十八円程度と見、原油価格を一バレル十九ドル程度と見るというように報道されているわけであります。ところが、今問題になっておりますように、円レートはまさに百七十八円ところか百六十円という一番近い値になっておる。それから原油価格も一バレル十九ドルどころか十六ドル、こういうところまで来ておるというのはこれは間違いない事実です。 そこで、どういうように計算するかということが問題ですが、私どもの計算によりますと、電力九社で差益が、現在一ドル百六十円といたしますと、二百四十二円のときと比べて九千八百四十億円も出る。油益が三十二ドルから一バレル十六ドルですから一兆六千億円、合計二兆五千八百四十億円出る。ガス三社で円高差益が千百四十八億円、油益が同じような計算で二千七百四億円、合計で三千八百五十二億円、ざっと三兆円近い差益、油益が出るということが現在の時点で推計できるわけですが、大体百六十円、あるいは一バレル十六ドルと、こうしますと、これくらいの差益が推定されることは間違いありませんか。
○政府委員(山本幸助君) 差益につきましては、電力の場合については十円で千二百億円ぐらい。それからガスの場合には十円で百四十億円ぐらい。それから油につきましては一ドルで電力の場合には七百億円ぐらい。ガスの場合には九十億円ぐらいということで私ども大体算定をいたしております。
○橋本敦君 大した大きな違いは出てこないと思うんでありますが、そういたしますと、経企庁長官がおっしゃるできるだけの差益還元、あるいは今検討中だと資源エネルギー庁がおっしゃった差益還元も、一兆七百億円程度どころかもっともっと差益は国民に還元すべきだというのが当然になってくると思いますが、この点について積極的に、最も近い時点での計算に基づいて国民に還元をするという姿勢で資源エネルギー庁は取り組むという姿勢、貫いていただけますか。
○政府委員(山本幸助君) 差益につきましては、今年度、すなわち昭和六十一年度約一年分を見込むわけでございますので、どのくらいの円のレートで一年間推移するのか、あるいは油につきましても一年間どのくらいになるか、非常に難しい問題でございます。従来、そういう不確定な将来を見通してやる場合のほぼとっておりますルールとしましては、円につきましては直近三カ月間の平均をとるということでやっております。私ども直近ということでございますが、できるだけ一番近いぎりぎりまで合わせた直近三カ月をとろうということで現在計算をいたしております。また油につきましても、四月の通関統計は速報値がきょう出るという状況でございますので、きょう出る速報値を見ながら、これについても一年間分の油のほぼ想定されるレベルというものを算定いたしたいというふうに考えております。
○橋本敦君 そういう姿勢で算定した場合に、もう一度尋ねますが、見込みとしてどれくらいの差益還元額が見込まれるのですか。概算で結構です。
○政府委員(山本幸助君) これは、実は今までは電力九社あるいはガス三社合わせた数字を推計をいたしておりましたけれども、現在段階ではむしろ、電力でございましたら九社ございますが、九社のおのおのについて実際の差益額をはじいて算定をする、これを全体的に合計して出てくるわけでございますが、その合計数字につきましては、現在まだその全貌をつかんでおりませんし、ちょっと現在の段階ではコメントできない状況でございます。
○橋本敦君 数字はおっしゃらないわけですが、私が指摘したような大きな差益が見込まれておるわけですから、積極的な姿勢でやっていただきたいということを要望しておきます。経企庁長官もできるだけ還元するという姿勢は変わらないとおっしゃっているわけですから、この点はこの程度において次の質問に移ります。 外務大臣お越しいただきましたのでお伺いしたいんですが、外務大臣もサミットの重要な一員として活躍なさった方でありますが、経済は直接の担当ではないとしても、経済問題がサミットの大きな問題になったわけで、今の急激な円高、きょうはもう百六十円ぎりぎりまでいっておりますね。外務大臣は今の急激な円高をどう認識されておられますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) やはり余り急激だと思いますね。少し行き過ぎている、こういうふうに思いますけれども、やはりいろいろな国際経済情勢を反映しておることでしょうから、それはそれなりに深刻にとらえてこれに対して考えていかなきゃならぬと。
○橋本敦君 私は、この円高の大きな原因がいろんなところにあるにしても、一つはアメリカの経済の大きな貿易赤字、財政赤字、ここから来るドルの急激な暴落を防ぐということでのドル安誘導、円高傾向誘導という政策的なものがありますから、そういう意味ではやっぱり政府の責任は重大だと思うんですね。それだけに日本としてははっきりした姿勢をとらなくちゃならぬ問題であります。 そこで次の問題で 外交姿勢の一つとして、例の国際テロに対する宣言に関連をして、リビアが名指しでサミットの宣言の中に入ってきたという問題でありますが、新聞等の報道によりますと、もともとリビアを名指しで入れるということは、五日の首脳会談直前まで事務レベルでは入れないという方向で根回しが進んでいた、まず外務大臣もそういう認識でいらっしゃったんじゃないんですか。事実はどうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) テロの声明の中ヘリビアが入ったという経緯については、これは会議の内容ですから詳しく申し上げられる立場にないわけでございますが、いずれにいたしましても、日本としましてもサミット直前の参加国等のいろいろと意見等も聞いてみますと、何らかの形でリビアに触れざるを得ないんじゃないだろうか、そういうふうになっていくんじゃないだろうか、こういうふうな予測は持っておったわけでございます。そしてその結果、サミットの中で議論されまして、各国の首脳の意見が一致をして入れるということになった、こういうふうに我々は存じております。
○橋本敦君 レーガン大統領はサミットの後の記者会見で、今度のサミットは過去六回のサミットの中でも最も成功したと胸を張って自賛をしているわけですね。そしてその重要な一つとして、このサミットの成功の柱にいわゆる国際テロに対する対策があり、これは単にテロを非難をするという宣言だけじゃなくて、サミット諸国が協力して対処するという行動をはっきりと合意した。これが非常に重大な問題だということで評価をしているようであります。 そこで問題は、リビアに対する追加的制裁を含めて、この宣言に縛られて日本もリビアに対する制裁に参加させられるのではないかということに対して、どういう見解あるいは態度を今政府は持っているか。これが問題でありますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) サミットはこれまでもテロ問題を随分議論してきましたし、事実また、ボンのサミット等では共通してお互いに協力してテロに対する対策を打ち出しておるわけでございますし、そういう意味では今日テロ対策を出したといっても不思議ではないわけで、サミット参加国が特に国際テロというものに対して非常な憤りを持ち、これを防止しなきゃならぬという非常に熱意に燃えておった。最近の連発するテロ事情から見てそうでありますし、また日本も国際的に責任を持つ国家としてテロ防止のために協力していかなきゃならぬ。これは当然のことであろうと思うわけでございます。 そして今度のテロ声明は、これはいわゆる制裁措置を決めておるということじゃなくて、国際テロに対する防止措置、防止対策というものを打ち出しておるわけでございます。そういう中でこれから日本としてもどういう措置がとられるか、防止対策がとれるかということは検討しなきゃならぬ、こういうふうに思います。
○橋本敦君 具体的に私が聞いたのはリビアに対する制裁措置について今後も協力して日本も参加するということまで合意したものではない、こうはっきりおっしゃることができる、こういう意味ですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) このテロ声明自体の措置はお互いに協力して行う措置になっておりますが、これはいわゆる制裁措置という立場じゃないわけですね。ですから防止措置ということでございますし、日本は日本でそれではこの共同声明に基づいてどういう措置をとるかどうかということが、日本でこのテロ声明というものにもちろん参加しているわけですから、そういう責任も踏まえて日本で検討していけばいいことであろう。同時にまたこれはこの声明の中にもはっきり書いてありますようにその国のやっぱり国際法的な立場あるいは国内法的な立場というものもやはりそういう中であるわけでございます。そういう主権に基づいたやっぱり独自の行為というのは当然これはあり得るわけでございます。
○橋本敦君 ですから独自の行為というのは自主的な判断ということですからそれはいいんですが、要するにサミットに縛られてリビアに対するですよ、テロ一般に対する対策じゃない、リビアに対するアメリカ主導の制裁に当然加わらなくちゃならぬという義務はこれは負っていないということは明言できるということですか、そこをはっきり聞きたいんです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ですからこれはいわゆる抑止措置ですね、防止措置、これにいわゆる声明に参加しているわけですから、この枠内においてはこれは我が国の管轄権の範囲内あるいは国際法の範囲内においてこれはやらなきゃならぬわけでございますから、それじゃ今リビアに対して日本がどういう措置をとるかということについては、このテロ声明というものを踏まえて我が国自身で今検討しておる、こういうことであります。
○橋本敦君 どうもはっきりしないんですが、私どもはアメリカのリビアに対する軍事行動はまさにテロ対策を口実にした宣戦布告なき戦争行為である、明らかな民族主権の行き過ぎの侵害である、国際法上も許されないというふうに認識しておりまして、リビアに対する制裁措置をレーガンは今後は軍事行動をまだ行う可能性があるんだなどと言っておりますが、決してアメリカの行動を是認してはならぬ、こう思っておるわけであります。そういう意味で政府の姿勢をただしたのでありますが、この問題は長くなりますのでこの程度においておきまして、安倍外務大臣は創造的外交ということをしきりに主張なさっておられるわけですが、あなたのおっしゃる創造的外交というのは具体的に言えばどういうことなんでしょうか、簡単に言えば。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 最近日本の国際的な地位というものが非常に重くなったわけでございます。そういう中で日本はやはり責任を積極的に果たしていかなきゃならぬというのが基本にあるわけでございます。同時にまたこれまでの日本の外交の基本政策というものは、これはしっかり踏まえた上に立った平和外交政策というものを展開していく、同時に非常に国際的な責任が重くなったということを踏まえて、日本は例えばアメリカやあるいはソ連にもできないようないわゆる日本独自の積極的な世界への貢献、そういう役割が私はあるんじゃないかと思う。それをやっていくことが今の日本の国際的に与えられた一つの役割ではないかということを主張いたしておるわけでございます。
○橋本敦君 それならばこのテロ問題でも、もちろん私どももテロは絶対反対でありますが、アメリカに追随すると見られるようなそういう立場をとるのではなくて、むしろ批判的なアラブ諸国や多数の非同盟諸国がアメリカのリビア軍事攻撃を非難していることも十分検討に入れて、自主的な立場を貫かれるべきであると思うんですね。 外務大臣は一つ気になることですが、先日の講演の中でこうおっしゃっていますね。サミットの主役はやはり首相だと、総理として出席しなければ意味がない、こうおっしゃっている講演がある。これは来年のサミットは私は総理として出るんだという意欲のあらわれのように私は受け取れるんですが、総理でなかったら意味がないというのはどういう意味なんでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは演説ですからまともにとられますとあれですが、やっぱり総理が主役で、我々わき役だと、非常に大きな役割をしているけれども、わき役だったということを言っているわけで、それは当然のことなんですよ、サミットですから、それこそ首脳会談ですから。当然のことを言ったまでですね。
○橋本敦君 当然のことが今の政局から言えば、あなたの重大な決意を表明したと受け取られているんですが、やっぱりそういう決意はニューリーダーとしておありなんでしょう。人ごとみたいにおっしゃると話がこんがらかってくる。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 大変そういうことで今まで何回もサミットで努力しましてきたと、それは政治家ですからやっぱり大いに頑張りたいと、日本のために。そういうふうに思うのはこれはもう当然だと思いますね。
○橋本敦君 隣に竹下大蔵大臣もいらっしゃいますし、来年のサミットはどなたが主宰されるかそれは私わかりませんけれども、あなたのおっしゃる創造的外交というのもいずれまた議論させていただくことにします。 時間がありませんので、次は平和相銀問題に移りますので外務大臣、経企庁長官結構でございます。 平和相銀問題はかねてから国会の論議にもなり当決算委員会でも論議になったわけでございますが、この問題でまず私は大蔵省に伺いたいのでありますが、大蔵省としてもたび重なる検査でこの平和相銀が資産内容が相当悪化しておったという事実認識は、大臣も含めてお持ちであるということは伺いました。その経営悪化の具体的内容としては、これはもうたびたび新聞でも報道されておるんでありますけれども、不良貸し付けが一千五百億に上るのではないかというようなことも言われ、かつ小宮山同族会社への集中的融資、これが焦げついていくという事態もあるし、大口規制を逸脱しているというそういった問題もあるし、いろいろとあるわけですね。そこでこれまでの大蔵省の指導に対して平和相互銀行がきちっと十分対応しなかったということで、ずるずると経営悪化状態が続いたということについては、これは平和相銀の対応がまずかったということだけでなくて、大蔵省の指導と監督にも責任があったと私は言わざるを得ないと思うんですが、大蔵省どう考えていますか。
○政府委員(吉田正輝君) けさほどの御質問にもお答えしたところでございますけれども、金融機関検査はこれは犯罪捜査とかそういうものとは違いまして、金融機関から協力を得ましてそのときどきに利用可能な情報と資料なども銀行から提供させまして、これを活用して預金者保護、信用秩序維持のために最善を尽くしてこの検査をするということでございます。比喩的な言葉で必ずしも全部が適用できるかとも思いませんけれども、いわば金融機関に対する健康診断でございます。でございますから、その得られる資料というのはやはり健康診断を受けるものからも提出されたものももとになるということも事実でございます。平和相銀に対しましてはこれまで二年程度の間隔を置いて検査を実施してきておりまして、その都度検査結果に基づきまして平和相銀に対してはそのときどきの問題点をつかまえまして指摘しております。その問題点と申しますのは経営姿勢、融資体制、与信構造、大口信用集中等の問題点でございまして、それにつきましては精いっぱい改善を求めてきたわけでございまして、そのときどきにおきまして判明した問題につきましては役員の責任も平和相銀において明らかにしてきたところでございます。しかしながら先ほど申しました検査の関係におきまして、平和相互銀行においてその対応において十分でなかったことも遺憾ながら事実でございます。
○橋本敦君 それについて平和相互もけしからぬけれども、大蔵省も指導、監督上もっとやらなきゃならぬという意味において、私はこれだけの不良貸し付けがあって国民に信用不安とまではいかないが大問題を起こしたということについては、責任はもっと痛感しておられなくちゃならぬのじゃないかと思うんですよ。大蔵大臣はいかがですか。この点、簡単で結構です。
○国務大臣(竹下登君) 検査というのは御案内のとおりどっちかといえば定期検査をやってまいります。健康診断という意味もあるいはそうでございましょう。それで仮にそれが定期でなく特別検査のような形になりますと、よっぽど注意しませんとそれこそ取りつけ騒ぎとか金融パニックが起こる。したがって今度の場合も、期間を早めましたが、定期検査という形でやったわけでございます。 やっぱり捜査令状を持っていくわけじゃございませんから、信頼閥係で検査するわけですから、確かにその限界というものは私も素人なりにあるような気がいたします。 しかし、いろいろな改善の指示を示達しておるわけですが、それにもっと早くもっと深みのある示達ができたら、もっと早く健全化しておったかもしらぬという意味においては、私は責任を逃れようという考えはございません。
○橋本敦君 そこで、四十億円びょうぶ問題というのが、これは大問題になっておるわけですが、これは大蔵省が平和相互銀行に対して、今大臣がおっしゃった定期検査の時期を早めて検査にお入りになった、昨年の八月ですね。八月のまさにその最中に、この四十億円のびょうぶ売買ということが行われておるという異例な事態が起こっておるわけですね。このびょうぶがどんなものか、大臣は直接もちろんごらんになっていないと思いますが、ごらんになってないでしょうね。御存じですか。
○国務大臣(竹下登君) 実は、「時代行列」という言葉も、私は最初ちょうちん行列かと思っておりましたが、見たことございません。
○橋本敦君 私どもの方ではこのびょうぶの写真を手に入れておりますので、大臣が今おっしゃった「時代行列」もちゃんと写っておりますが、果たしてこれが四十億円もするものかどうか写真だけでわからないわけですけれども、一応こういうようなものであるという写真がここにありますから、参考のためにまずちょっとごらんいただいても結構でございます。(資料を示す) 問題は、四十億円というこの金を大蔵省の検査を受けておる最中に支払っているわけですね。二通の小切手、私はここに小切手の写しもあるんですが、この写しは間違いないという話も得ておるんですけれども、一通は八月十七月に振り出されて八月十九日に支払い、九月十七日にあとの一通が振り出されて九月十九日に支払い、合計四十一億円。まさに資産状態が悪化しているということが大蔵省から指摘されているその銀行が、銀行業務に必要ならともかくですが、八重洲画廊からこういう美術品を四十一億円も金かけて負うということはまさに異常なことだと。これが事実だとしたら、全く銀行として本来の業務から見てもう異常である、本当にけしからぬ話だと私は思うんですが、これが事実四十一億円払われてそのときに買われたとしたら、私の言うとおりじゃありませんか、大蔵大臣。会社としてこんなものを当時買うという必要とまた正当理由がありますか、どうですか。簡単に答えてください。
○政府委員(吉田正輝君) お尋ねの件は個別の件でございますので具体的にお答えはできないわけでございますけれども、一般論として申し上げますと、銀行は私企業でございまして、個々の取引については自主的判断のもとに取引を行うことは当然でありますけれども、一般論として申し上げれば銀行は公共性の高い企業でございますから、それぞれ、その御質問の点は融資にかかわる問題かと思っておりますけれども、銀行の業務の公共性という観点を踏まえた上で適正に行われることが期待されるというふうに一般的に考えておるわけでございます。
○橋本敦君 だから、これを買うのに仮に四十一億円融資したか直接四十一億円で買ったかはともかくとして、資産内容が極めて悪化している銀行が、大蔵省からその再建のために全面的な支援を受けなくちゃならぬという、そういう状況になっておるにもかかわらずこんなものを買うということは、公共性の点から見ても問題があるということは言えるじゃありませんか。今あなたがおっしゃった意味は、そういうように私は受けとるべきだと思うんですね。 そこでもう一つ聞きますが、この平和相互銀行については、これは吉田銀行局長は昨年の十一月二十六日に記者会見をされて、平和相銀に対しては支援システムをつくっていくということも昨年十一月に打ち出されておった。これは間違いありませんか。事実だけで結構です。
○政府委員(吉田正輝君) 資金繰りについて支援態勢を大蔵省の指導と要請のもとにつくってまいりたいということを申したと記憶しております。
○橋本敦君 そういう状態ですから、大蔵省が支援システムをつくってやらなければならぬという状態になっている。そこのところでこういう四十一億円もの金をびょうぶに絡んで出す、こうなりますと、このびょうぶは八千万円あるいは一億円程度の値打ちしかないとも言われでいろいろ問題があるんですが、こういうことをよく審査もしないで四十一億円の金を融資あるいは資金として渡した、売買代金として支払ったということになりますと、その状況から見て私は商法上の背任罪、つまり会社にそれなりの不当な損害を与えたという疑いが濃くなってくると思うんですが、刑事局長、いかがお考えですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 具体的事実に即しましてのお答えはいたしかねるのでございますが、委員御指摘のありましたように、商法では特別背任という規定が設けられておるわけでございまして、これは取締役等一定の者が自己または第三者の利益を図り、あるいは会社に損害を加えることを図りまして任務に背いた行為を行い、会社に財産上の損害を加えたときは、七年以下の懲役等に処するという規定があるわけでございます。 ただいま申し上げましたようないろいろな要件を満たすならば、この商法に言う特別背任罪が成立すると、こういうことになるわけでございます。
○橋本敦君 この平和相銀の問題について、法務省当局としても重大な関心を持って推移を見ておるということは御答弁にあったとおりでありますが、その重大な関心ということの一つの中身としては、私は商法上のこういった背任罪が成立するかどうかということも含まれて検討さるべきだと、こう思っておりますが、いかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 具体的問題につきましてはお答えいたしかねるのでございますが、検察当局といたしましては、一般論といたしまして刑罰法令に触れる事実があるならば厳正に対処するものと思っておるところでございます。
○橋本敦君 その大きな問題が今言った特別背任。 それからもう一つ、売り込んだ側から見ますと、これを貰ってもらう、あるいはこれを担保に四十一億融資を受ける。そうすれば平和相銀のもとのオーナーであった小宮山ファミリーが持っていた株式を、これはそれを所有している川崎定徳の佐藤茂社長から買い戻すことが可能になる、こういう話を仕向けてこれを売り込んだ、それを信用して四十一億の金を出したと、こうなりますと、それが頭から全然そういう事情がないのにもかかわらずそう言って金を引き出したとすれば、これは八重洲画廊を中心とする、あるいは川崎定徳も入っているかもしれませんが、詐欺ということの可能性だって出てくるわけですね。 だから、重大な関心を持ってこの経緯をごらんになるという当局から見れば、これをめぐって一方は商法上の特別背任が平和相銀の役員に、片一方では詐欺に類する刑事法上の違法行為が成立するかどうかということもかかわってくると思うんですが、いかがですか。
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局は犯罪の捜査を行うわけでございまして、具体的刑罰法令に触れる事実があるかどうか、そういう角度から関心を持っていると、こういうことでございます。
○橋本敦君 いずれにしても、この平和相銀をめぐる不明朗な融資、そしてこの使途については、四十一億円の金の行方については、これは重大な関心を持っておられるようですから、私は問題を指摘したわけですね。 そこで、大蔵当局にもう一遍聞きますが、先ほど支援システムを検討するというお話が平和相銀にありまして、基本的にはこの平和相銀は自主再建を目指すことが望ましいと、大蔵当局はこう考えていたのではありませんか。
○政府委員(吉田正輝君) 平和相銀を検査いたしましてそれが経営困難になっているという事実を把握いたしましたときに、私ども並びに平和相銀の経営者を含みまして、自主的に再建の策を模索するという認識であったということでございます。
○橋本敦君 それが住友銀行との合併という方向に大きく転回していくわけです。ここにやっぱり重大な問題があるのではないか。つまり、この自主再建を強力に進めていたのが平和相互銀行の伊坂重昭監査役を中心とする四人組だと言われていた。その自主再建を進めるためにはどうしても小宮山氏所有の株を川崎定徳から買い戻して自主再建の基盤をつくっていかなくちゃならぬ。ところが、片や住友との合併を考えるグループは、自主再建じゃなくて合併を進めるために、住友との合併を実りあるものとするために、大蔵省が持っていた自主再建という方式を合併を承認するという方向に転換をしていくことに一つは手をかしていかなくちゃならぬ、そういうことでこの金が使われたのではないか、そういう疑惑が言われているわけですね。その証拠にここに私は会社の登記謄本も持っておりますけれども、川崎定徳の社長の佐藤茂氏は稲波山実薬という会社の社長もしておりますが、この稲波山実薬の取締役に長野イワンという人があった。これは問題が出てきた途中で辞任しておりますが、長野十ワンという人があった。この長野イワンという人は伊藤萬の取締役なんです。この伊藤萬というのは御存じのように住友の系列会社です。そこのところで小宮山の株を川崎定徳が買い取る上でも援助をしたわけですが、そういうことで住友のプレッシャーで買い戻しは許さぬというようなことで動いた。そういうことに絡んで金が政治家にも流れたのではないかという疑惑が指摘されている。だから、こういう構造があるということを観点に置いて、検察は重大な関心を持って事態を見ていただきたい。つまり、大蔵は自主再建を初めは進めようとしていた。それが今度は住友との合併という大きな転換になっていった。そこのところでこの四十億のびょうぶがどのような役割を果たし、どのように使われたか、これはぜひ重大な関心を持って見きわめるべき一つの中心課題であると私は思っておる。そういう点で、大蔵大臣もそれから法務省も重大な関心を持ってこの疑惑を解明するという立場で検討してもらいたいと思いますが、最後に大蔵大臣と刑事局長の御意見を聞いて終わります。
○国務大臣(竹下登君) 私どもの限界というのがどこまでなのか、私も定かに理解をいたしておりませんが、例えて申しますならば、税務上の問題ということになるとまさに私どもの方の問題になろうかと思いますが、これも個別案件は別として、国会で取り上げられたり、週刊誌、報道等に出ましたものについては、当局としては当然のこととして重大な関心を持っておるであろうというふうに私は考えております。
○政府委員(岡村泰孝君) 平和相互銀行をめぐりますいろいろな問題につきましては、検察当局も関心を持っているものと承知いたしておるところでございます。 また、一般論でございますが、検察当局といたしましては、刑罰法令に触れる事実がある場合にはこれに対しまして厳正に対処するものと思っております。
○橋本敦君 時間が来ましたので終わります。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、太田淳夫君が委員を辞任され、その補欠として田代富士男君が選任されました。 ―――――――――――――
○関嘉彦君 まず総務庁長官にお伺いいたします。 昭和五十六年、臨時行政調査会が発足し、またそれを受けまして昭和五十八年から臨時行政改革推進審議会がいろいろ勉強されまして各種の報告書を提出され、それが今日まで多くの点で実績を上げてきたこと、これは私率直に評価いたします。しかし、これで行革の仕事はもう大体終わりだというふうに総務庁長官お考えでございましょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 御承知のように大変臨調メンバーの皆さん方、行革審の委員の皆さん、旺盛に努力をしていただきました。また国会でもそれを尊重し、御協力をいただきましたことは非常に感銘深いことでありまして、大変なそれなりの成果が上がってまいったところでございます。しかし、何といいましてもこの行政改革というのは、放置しますとこれはどうしても民主主義の時代というものはサービス優先というか、そういう傾向が強うございまして、行政機構の肥大化を招く、これはどこの国でも通有性を持っておると思います。したがいまして、行政改革の必要性というものはお話しのように常にいつもこれは配意、十分留意をしていかなければならない問題だというふうに考えております。 行革審におきましては、期限の問題もございます。今最終的な討議の総まとめ、いわゆる総集編の段階でございまして、その点で私どもその篠山を待っておるところでございますが、間もなく、今月の終わりごろを目途にそれが出されるであうというふうに予測をいたしておると。ころであります。したがって後を一体どうするのかということについては、先ほど来申し上げますようにやはり絶えざる行政改革、これは行革癖が六月二十七日で終末を告げようとそのいかんにかかわらず、やはり十分留意をし、行政府としてはまた特に総務庁として、その責任の衝にある責任庁としては配慮していかなければならない。後をどうするかという点につきましてはいずれ総理とも、あるいは内閣官房長官なども交えまして十分相談をする予定を持っておりますが、今まだその段階ではない。それは総論をおまとめいただいておる最中であるという経緯にかんがみましてその様子を見守りながら、いかにも総論をおまとめいただいておる、結論をおまとめいただいておるときに、今後こうするああするということを言い過ぎることもいかがであろうかと。しかし、心得としては当然将来に向かって行政改革を継続的に進めていくことは大切である、御意見の存するところはよくわかりますし、同感の気持ちを持つものであります。
○関嘉彦君 私も同じ考え方でございます。しかし、どうも何か行政改革はこれで終わりにしよう、幕を引こうというふうな考え方が出てきているのではないかということを心配していたんですが、たまたま五月十一日の朝日新聞を読んでおりましたら、まだ今の行革審で報告にまとめているところの特殊法人の統廃合とか市町村合併なんかの具体策について、自民党及び官僚の方で抵抗があってなかなか色あせたものになりつつある、また中曽根首相の自民党総裁としての任期切れの問題なんかもあるので、だんだん臨調行革というにしきの御旗はこれまでのようには通らなくなりつつあるというふうなことが書いてありますけれども、総務庁長官も同じようなことを感じておられますか。
○国務大臣(江崎真澄君) これは全く新聞の予測記事でありまして、さようなことは私は考えておりません。ただ、この六月二十七日に一応期限が切れた後をどうするか、これはさっきもお答え申し上げましたようにまだ相談をしておりません。それは、現在総集論文をおまとめになっておるときに、いかにも失礼な話である。 しかし、その予測記事のようなことにしたら、一体今後の問題はどうなるか。今もう実施済みのは御承知のとおりでございますし、推進中のものでも、一般歳出の厳しい抑制であるとか補助金の総額抑制とか国家公務員の減員であるとか、これ推進中ですね。それから当面の課題は、御存じのように国鉄改革の問題、ようやく衆議院でその趣旨説明を終わったばかりで、これから審議をお願いしようというところであります。それから、内閣の調整機能の強化の問題、地方の自主性、自律性の問題、今後の課題としても、今御指摘のありました特殊法人の経営の活性化、地方みずからの行革の推進、公的年金制度の一元化、これはすぐというわけにはいきませんが、昭和七十年ぐらいを目途に何らかの結論を得なければならない。情報公開の問題、データそれからプライバシーの保護をどうするかとか、これはなかなか難問山積という形でありまして、お世辞を言っていただいても行革審のフォローアップ成果は半ばであろうという批評があるくらいでございまするので、まだまだやらなければならないことは後を絶たない、たくさん残っておるというふうに認識をいたしておるのであります。
○関嘉彦君 私もこういった予測記事のようなことはあってはならないと思いますけれども、極めてありそうなことだということを心胆しているわけです。やはりこういう問題は、本来ならば国会がみずからの手でやれば一番いいんですけれども、なかなかそれは実際問題としてできそうにもないので、第三者機関と申しますか、そういったふうなものを入れて、審議会形式のものがレポートを出す、それを国会で議論していくというのがやはり一番実行可能な方法ではないか。したがいまして、今度六月でこの任期が切れますけれども、これは新しい構想のもとにやはりこういった調査会みたいなものを続けていただきたいということを希望しておきます。 その問題に関連しまして、やはりこの行政改革の問題は総務庁が一番関心がなくちゃならない問題だと思うんであります。私、各省から出しておりますところの白書と申しますか、毎年、毎年あるいは二年に一遍ぐらい出しております白書、これは余りおもしろいものじゃないんですけれども仕事だと思って読んでおりますが、各省に共通していますことは、これこれのことをした、あるいはこれこれのことをやる決意であるということは書かれておりますけれども、今までやったことに対する自己評価と申しますか、そういうのはほとんどどの白書を見ましても書いてないわけであります。私は白書というのは、お役所の実態を国民にあるがままに知らせて、国民の支援を得るという意味で非常に重要な役割を果たすものだと思うんですけれども、そのためには、単によくやっているという点だけではなしに、こういう点に問題があるんだ、こういう点をもっと追及する必要があるんだというふうなことも率直に書くべきではないかということを感じております。 それとの関連におきまして、総務庁の年次報告書、この一番最初のところに行政改革の問題が取り上げられております。これはいろいろどういうふうにやった、あるいはどういうふうにやるつもりだということが書かれております。まだスタートして間もなくでありますので、この六十年度の中にそれを希望することはあるいは無理かと思いますけれども、今後出される報告書の中で、これは初めはこういう目的で取り組んだけれども、実際にやってみたらこういう点に問題が起こってきた、そういった評価を含めた報告書を書かれるべきじゃないかということを感じております。 一つの例を申し上げますけれども、これは文教委員会のときに私ちょっと感じた問題ですけれども、いわゆる臨調答申に従って国立競技場と日本学校健康会の統合がございましたですね。民社党はそれに賛成いたしましたけれども、文教委員会での質疑を聞いておりましたときに、社会党の人が質問されたんですけれども、私、なるほどなと思って聞いていたことは、本来性質の違うものを統合して、確かに形の上においては理事が何人か節約されるかもしれないけれども、果たしてこれうまくいくんだろうかということを心配しながら質問を聞いておりました。例えば、これは一つの例ですが、こういうふうに統合したけれども、それによって理事は何人か節約したけれども、果たして後の仕事がうまくいっているかどうか、そういうふうなこともやはりフォローアップしていくということが総務庁の仕事じゃないかというふうに考えるんですけれども、そういうふうなことも白書の中に書いていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 政府としましては、昭和六十一年の行革大綱、これは六十年十二月二十八日に閣議決定をしまして、各省庁に対する行政の監視、それから救済制度などについても引き続いて既存諸機能の活性化を推進していくとともに、我が国の実階に適合したそのあり方について行政の苦情の事例、行政監視、救済にかかわる既存諸機能等を踏まえつつ、結論を得るよう具体的な検討を進める、こういうところを決めておるわけです。これはオンブズマンですね。 それからもう一つ、白書に書いたらどうだという点につきましては、これは臨調及び行体癖の答申を踏まえて、毎年度の予算編成時において、その時点での行革の推進状況を踏まえて、改革を必要とするものについては実施をしていくべく行革大綱を決定しております。それについて計画的また着実に行政改革を推進してきたというのが帆状でございます。そんなわけでございますから、総務庁が毎年作成する総務庁の年次報告書、これは通称行革白書と言っておりますが、これは具体的に行政改革について国民の理解と協力を得られるように努めておるわけでありまして、あえて今御指摘のような書き方はしないものの、十分現状を点検しながら、御指摘のように改革の具体化を進めていくことが重要であるというふうに私は考えております。 今後におきましても、行政改革の具体化方策を立案していくとともに、当面の最大の課題である国鉄改革の推進を初めとして残された、先ほどお答えいたしましたような諸問題にやはり活発に取り組んで実績を上げていく。同時選挙の雰囲気がありましたために、これは政府・与党の中においてもいろんな議論がなされておることは御存じのとおりでありまして、そういうものが新聞の予測を呼んだり、いろいろ思うに任せないような傾向が出ておるやに報じられておるわけでありますが、やはりこれは粘り強く所期の目的達成のために努力をしていきたいというふうに考えます。
○関嘉彦君 総務長官は千里眼あるいは心理分析が非常にうまいと見えまして、私の質問しようと思っていることを先回りして答えておられますけれども、どうも耳の方は余り正確じゃないように思うんですが、私が言いましたのは、行政改革を今後進めていく上において、やはり何といっても国民の支持が必要であり、国民の支持を得るためにはやはり各役所で出しているところの行革の報俗書、総務庁なんかの年次報告書ですね、その中に単にこれからこういうことをするといういい点だけを書くのではなしに、こうやってみたけれどもこういう点に問題があったということを率直に、あるいはよくなかった点を率直に書くことが国民の支持を受ける道じゃないか。そういう意味で、もっと率直にフォローアップしたものを書かれたらどうかということを質問したわけなんです。
○国務大臣(江崎真澄君) どうも失礼しました。よくわかりました。ちょっと私が意味を取り違えておりましたが、白書も閣議の決定を経ておりますので、それを今すぐ改めることはできないという意味を含めながらお答えしておったわけでございますが、当然行政改革を進めていく上には問題も多うございますし、これはやはりいい面ばかりでなしに、結構ずくめでいいはずありません。だから、こういうことはやはり国民の御協力を得たいとか理解を求めて進めていきたいというふうに具体的に説明することは、お示しのように私大切なことだと思います。この点は御意見として尊重して承っておきます。
○関嘉彦君 そこで、千里眼を持って見通されたいわゆるオンブズマン制度の問題について質問申し上げたいと思います。 私政治家になる前、スウェーデンでオンブズマン制度があるというふうな話を十年ほど前に聞きまして、理論的には非常におもしろい問題だというので多少関心を持っておりましたけれども、実際的な問題として関心を持つようになったのは政治家になってからでございます。直接のきっかけになりましたのはいわゆる非関税障壁の問題で外国からいろんな苦情が出てきているわけです。それを処理する窓口として経済企画庁にOTOTというんですか、オフィス・オブ・トレード・オンブズマンという頭文字をとったものらしいんですけれども、そういう窓口が三年ほど前から設けられて、そしていろんな苦情をそこで受けつけて各省に取り次いでいる。その話を聞いたんですけれども、これは法令に基づいてつくられたものではないわけなんで、したがってほかの省に対する勧告権というふうなものも持たない、ただ苦情を取り次ぐというところに終わっているんじゃないかと思いますけれども、私はやはりこういう外国からの不平に限らず国内においても、国内の業者あたりなんかについても認可制度なんかについていろんな不満がある、苦情がある、そういった外国との摩擦の問題も今後も続くでしょうし、国内の民間でも今いろんな行政のやり方に対する不満、苦情というのは今後その行政の機能が拡大するに従ってますますふえてくるんじゃないかと思う。現在でも例えば行政不服審査でありますとか、審判による救済でありますとか、あるいは行政相談制度というふうなものはありますけれども、やはりそういった行政の内部につくられたものじゃなしに、行政から独立した中立的な、しかも権威のある苦情処理制度といいますか、救済制度としてオンブズマン制度が必要ではないかということを考えております。 行政管理庁でも、これは行政管理庁の時代ですけれども、昭和五十六年七月、オンブズマン制度研究会中間報告、そういう報告を出されて、いわゆる日本の実情に合ったようなこういう制度が必要であるというふうな報告を受けておられるわけですけれども、総務庁として、あるいは総務庁長官として、この問題に対してどういうふうに考えておられますか。あるいは、もう既に報告が出てから随分たっているんですけれども、それをもし実施するとした場合にどこに障害があるというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 非常に重要な御質問だと思います。 OTO、オフィス・オブ・トレード・オンブズマンですね、これは名称も、貿易インバランスがだんだんアメリカとの間にやかましくなりましてから、アメリカの経済公使の、今転任しましたが、バラクロフという人と話し合いをしましてね、これを取り入れましょうと言って、私も党の国際経済問題調査特別委員長という立場で相談して、あれをつくり上げたんです。そしてまた、政府は政府で閣議でこれを了承して、そして各省庁に強くその指示をしたわけですね。ただ問題なのは、みんな各省庁とも責任の衝にある局長クラスですとね、まあ課長クラスでもこの問題の重要性というものは非常に認識しておってくれますが、経企庁がこのOTOの窓口になって取りまとめをやるわけなんです。ところが、ごく初期の間には仕返しがあるという甚だどうも意外な苦情がまた私どものところにもはね返ってきたわけです。このオンブズマン機構は経企庁が直接その衝に当たっておりますが、在外の大使館、それからジェトロ、それからまた政府・与党で言うならば国際経済問題の調査特別委員会、この全員がオンブズマンで行こう、そういう心がけでやっておるのですが、まあ係長というか、課長代行というか、そのあたりへ問題を持ってくればいいものを、なぜオンブズマンに持ち込んだんだというので、後から大変な異議がもたらされる。これはね、私は日本の縦割行政の悪いところですし、せっかくオンブズマンをつくって、これ随分、二、三年前、これをアメリカに向けても、ECに向けても、しばらくこういう新しい制度を設けたんだということを宣伝した時期がありますよね。それが機能しないということは、これはもってのほかというわけで、私はそのときは党の立場でございましたが、やかましく各省庁にもそういうことのないように言うたわけです。法制化はしておりませんが、閣議決定事項ですから、当然権威づけられておるものです。それから、オンブズマンの民間の経験者、あるいは元大使というようなメンバーで、貿易に関するオンブズマン制度の委員もこれは正式に任命をして、忙しい人たちが努力をしておってくれるわけです。そういう人の間からもオンブズマン制度そのものを法制化してもらいたい。それくらいにしないとなかなか各省の思うような抵抗を排除することができないんだという声もありますので、これは今後の検討課題として取り上げていくことが総務庁としてはやはり必要である。これは経企庁ともよく話し合ってみたいと思います。 それから、行政そのものに対するオンブズマン制度については、さっき私ちょっと勘違いして申し上げておったんですが、これは学識経験者、元内閣法制局長官の林修三さんなどを座長にして、そして行政の苦情救済、こういった面については今鋭意研究を進めておるところであります。そして、政府としてはこの研究会の成果を踏まえた上で結論を得るべく具体的な検討を行ってまいりたい。これは行政監察救済制度の問題ですね。このメンバーは、御存じかと思いますが、林修三座長、それから佐藤功東海大学法学研究所長、市原一橋大学名誉教授、それから大森東京大学教授、片岡早稲田大学教授、葉山地方自治総合研究所顧問、小島中央大学教授、佐藤成蹊大学教授、相当な人が集まっております。トレードの方もソニーの盛田さんを初め相当な実業家のメンバー、それから大使もたしか大河原君でしたかな、入っておるはずでございまして、これらの成果を踏まえてやはりもっと機能するように、せっかくオンブズマン制度をつくりながら、なぜ自分の省に相談に来ないんだと、そんなオンブズマンに持ち込むということはけしからぬなんというような話は、本当に私は日本のこれは縦割り行政の悪いところだと思います。やっぱりこれを改めていく必要性を痛感いたします。
○関嘉彦君 これオフィス・オブ・トレード・オンブズマンという名前がちょっとよ過ぎましたですね。オンブズマンと名前が書いてあるものだから、外国の人たちは、これはスウェーデンとかフィンランドとかあるいはフランスなんかにあるオンブズマンと同じように考えて、ここに持っていけば公平に審査してもらえると思って持ち込んだところが、実際には単なる取次機関にすぎなかったというふうなことがあって、名前負けしているんじゃないかと思うんですけれども、とりあえず外国からの苦情の処理のオンブズマン制度だけにするか、あるいは国内の問題もすべて含めて一般的な形でのオンブズマン制度にするか、これはよく研究していただきたいと思いますけれども、私はおっしゃったように日本のように縦割り行政のところであればあるほど、まさにこういう制度が必要ではないかということを感じております。今すぐどうしてくださいということは言いませんけれども、早急に結論を出していただきたいということをお願いしておきます。
○国務大臣(江崎真澄君) これは本当に重要な御賞用をいただいておると思っておるんです。 今効果が上がっていないなんというようなことは、私ども言えませんね、外に向かって。相当な成果がそれは上がってはおるんです。経企庁でも努力しておってくれます。これは資料も、もし御必要であればぜひお渡しいたしますが、相当な成果は上がっておりますが、いま一歩やっぱり足りないところがあるですね。隔靴掻痒の感があるですよ。そういうことをアメリカの在京、東京の商工会議所の会頭などから聞くにつけても、これはいけない、もっと強化しなければならぬ、これが御質問の法制化したらどうだとおっしゃる意味にも通じるわけでありまして、特にこれオフィス・オブ・トレード・オンブズマンの方にこれやっぱり重点があると思います。 行政改革やなんかのオンブズマン制度の問題については、これは総務庁として十分責任を持って、これはもともと総務庁の本務でございますから、責任を持って今のそれぞれの学識経験者の研究と相まって、我が総務庁としても努力をして、いい結論を得たい、そしてまた、皆さんの前にその結果を御説明できるようにいたしたいと、かように考えております。
○関嘉彦君 総務庁長官結構でございます。 次に、郵政省見えておりますか。 私、去る三月の二十日、文教委員会で取り上げた問題ですけれども、いじめの問題なんかに関連しまして中野の富士見中学校のいじめ問題、かわいそうに子供が自殺しましたけれども、あれは何か葬式ごっこをやっていじめて、しかもその葬式ごっこというのは民放のテレビの番組からヒントを得てああいう遊びを始めだということを聞いて、これは大変なことじゃないか。かねがね民放なんかの番組については非常に低級なものが多いということを聞いておりましたので、それで文教委員会で取り上げたわけです。そのときに政府委員の方から説明いただきました放送法四十四条の三以下に放送番組籍議会があって、その番組審議会が番組について会社の社長さんなりに意見具審することになっているけれども、必ずしもそれは十分なチェック機能を果たしてないように思われるというふうな答弁を得まして、私そのときに、やはりこういう問題はもっと真剣に取り組んでもらいたい。行政が直接に番組の内容に介入することは、これは慎まなくちゃいけませんけれども、やはりテレビジョン、民放自体が自粛していく、そういうことはやはり監督官庁の責任じゃないかと思う。その後、こういうふうな問題について郵政省はテレビ会社に対して何か指導されましたでしょうか。
○政府委員(森島展一君) 先生御案内のとおり、放送法におきましては番組編集の自由ということを保障しておりますが、その一方において放送番組の自主的なチェック機関として放送番組審議会を義務づけておるわけでございます。しかしながら、どうも放送番組審議会の機能が十分果たされていないんではないか、形骸化しているんではないか、こういう指摘が最近されておりまして、この点は私どももしそういうことがあれば、この番組審議会というものは放送番組の適正化を図る上で極めて重大な責務を負っておる機関でございますから、その機能が形骸化しておるというようなことではまことに遺憾だということでございまして、この放送番組審議会の機能の活性化ということにつきましては、機会あるごとに放送事業者に要望してまいったわけでございますが、最近の内外の御指摘にかんがみまして、先般放送事業者に対しまして具体的なガイドラインを示しまして、放送番組審議会の活性化を図っていただきたい、こういう要望をしたところでございます。
○関嘉彦君 その活性化の方法の一つの手段としてひとつ提案があるんで検討していただきたいと思いますけれども、放送番組審議会とは一体どういう人たちが、この放送局ではどういう人たちがその委員になっているんだ、そして、今までその会合を開いて番組についてどういう意見の具申をしたんだということを、各テレビ会社に毎月一遍なら一遍それをテレビを通じて国民に報告する、そういうふうなことをやったらどうかというふうに考えているんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(森島展一君) この放送番組審議会の委員は、これは学識経験者ということで選ばれるわけでございますが、この委員にどういう方が選ばれているかというようなことが、その地域の放送を視聴しておる方にもわかるようなことが望ましいんではないかということで、私ども先ほど申し上げました放送番組審議会の活性化に関する要望の中では、どういう方が審議会の委員になっておるかということもいろいろな方法で放送事業者が外に示す、公表する、そういうことも考えてもらいたいというふうに要望したところでございます。 それから、放送番組審議会でいろいろ議題を設定するに当たりましても視聴者からの不平、不満があったようなものは積極的に取り上げる、こういったことも要望しておりますし、開催の方法等につきましても具体的に毎月一回は原則としてやってもらいたいというようなこと、それからそういったことが実際にうまく機能しておるかどうかということにつきましては、番組審議会の議事の概要につきましてその都度報告を受けることになっております。
○関嘉彦君 郵政省に報告するだけではなしに国民に報告する意味で、各会社がテレビで、うちの委員はこういう人たちがなっているんだ、それでこういう審議会を何日に開いてこういう意見があったんだということを指導されたらどうかということを言ったわけであります。ちょっと時間がありませんから、そのことはあわせて御考慮願いたいというふうに考えます。 いつも私、時間の配分を誤っちゃって、あと四分になってしまって、実はこれが一番大きな問題としてきょうとっておいたんですけれども、大蔵大臣にお伺いしたい。つまり、決算の問題についてお伺いしたいと思っているんです。 決算というのは、私はやはり一番犬班な、ある意味では予算以上に大事な問題ではないかと。どうも決算というのが軽視されがちな点があるように思うんです。今度初めて決算委員になりまして、できるだけ決算を重視してやりたいというんでいろいろ勉強したんですが、例えば補助金が具体的にそれぞれの箇所においてどういうふうな使われ方をしているかということを知るために、各省庁の会計課長あたりに電話して、個々の事業について具体的にこれはどういうふうに使われてきたのかと、それを聞くんですけれども、各省の会計課長の方では、大蔵省に対して報告するときには、農水省さんなら農水省の中の各課ごとに使ったものをまとめて、それを大蔵省に報告し、大蔵省が国会に報告すると。したがって個々の問題についてのそれぞれの箇所づけしたやつについて、幾ら使った、幾ら使った、どういうふうに使ったと、その資料はありませんという話なんです。 我々が関心を持っているのは、そのトータル、合計した金額ではなしに、それぞれ個々の事業場なり補助金を受けてやっているところにおいてそれが実際に効果的に使われているかどうか、それをやっぱり調査するのが決算委員会の任務じゃないかと思うんですけれども、今のような報告の仕方では調べる方法がないわけですね。これは、確かにそういうことを要求すれば専務が非常に複雑になってくる、したがって、それはどこかで折り合わなくちゃいけないと思いますけれども、やはり特定の問題について聞いたときに、各農水省なら農水省の会計課長の方から個々について報告ができるようにしておくべきではないかというふうに私は感ずるんですけれども、私の要求というのは素人の要求でピント外れの要求でしょうか。大蔵大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 率直に申しまして、目単位よりさらに詳しくこれを集計、整理するということは、実際問題、膨大な事務量になる。したがって、私どもはあらかじめそういうのを用意するというのは非常に、国会へ提出する書類としては、それは難しいことだと思いますが、個別具体的な御要請は、やっぱり各省庁においてその部分について先生のところへ出かけて御説明をするというような配慮はすべきだと。私どもの方も、資料として出しにくいのは先生方の御要請によって可能な限り専門家を説明に行かすようにしておる、こういうことで取り扱っていかざるを得ぬじゃないか、こういう感じでございます、私も素人でございますので。
○関嘉彦君 もう時間がございませんのでこれ以上は質問をいたしませんけれども、各省の会計課長の方に今おっしゃったようなことを言いましても、資料がございませんというふうに言う。予算のときに積算してやっているわけですから、そういう使ったやつの資料はあるに違いない。それをつくる手間は確かにかかるでしょうけれども、全部について要求しているわけじゃなしに個々の問題について要求しているわけですから、そういうことについてやはり具体的に資料が提出できるように大蔵省としても指導していただきたいということをひとつ最後に。
○国務大臣(竹下登君) 適切な指導を行います。
○委員長(丸谷金保君) この際、先刻の橋本委員の質問に対し、大蔵大臣より発青を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) 今月きましたので正確に申し上げます。 本日の寄りつきは百六十二円でございます。そして終わり値は百六十円二十銭でございます。瞬間風速の中に百五十九円九十九銭というものがございます。したがって、中心相場は百六十円三十五銭。それで、出来高が五十九億三千万ドルでございますから、平素から見ますとかなり出来高としては多いというふうに言わざるを得ないと思っております。 なお、絶えず我々としては世界経済全体についても関心を狩っていなければならない課題でございますが、今週はアメリカの方の諸指標が、あしたぐらいでございますか、もろもろ出てまいります。例えば小売売り上げ、企業在庫、鉱工業生産、稼働率、こういうような指標も出てくる週でございますので、十分注目して対応すべきであるというふうに考えております。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として稲村稔夫君が選任されました。 ―――――――――――――
○木本平八郎君 私は、今の決算の審査をずっと聞いておりまして、日本の財政のあり方がやっぱり大分変わってきているんじゃないかという気がするわけです。したがって、そういう点から一つだけ例を挙げて質回したいわけです。 先般、商工委員会を中心にして通りました民活法案の中に、都市再開発の問題があるわけですけれども、その都市再開発を進めるとすれば、やっぱり一番大事なのは、いかにして土地を入手するかという問題だと思うわけです。 私、今、麹町の宿舎におりまして、毎朝あの辺を走っておるわけですけれども、あの辺にも相当再開発に適した土地があるんですけれども、みんな小さく、普通の個人が持っているわけですね。これを収用するのにどういう方法があるだろうかと走りながらも考えたわけですけれども、そのアイデア的なものをひとつ披露して、意見を伺いたいわけです。 私のアイデアというのは、まず土地の所有と使用を分けるということなんです。それで、あるところに千平米の土地、そして大分老朽の家を持っている地主さんがおる。今現在の固定資産税に対する評価基準額を仮に平米当たり一万円とするわけですね。そうすると、一万円でそれを政府に提供する。そして政府は、それに対して一万円とかなんとか金額じゃなくて、麹町何丁目何番地の土地千平米というものを証明する土地証券を逆にその地主に交付する。したがって、その地主は今後とも固定資産税はその平米一万円に対して払っていけばいい。そういうことで、政府は、その預かった土地を今度一定の条件をつけて、ほかの土地と合筆するなりして、例えばその土地に何を建てる、用途ですね。それからどういう条件だと、あるいは緑地化率だとか建ぺい率を指定してデベロッパーに払い下げる。入札でも何でもいいんですが、払い下げる。デベロッパーが買った値段が仮に平米十万円になるとしま身ね。そうすると、政府は、千平米分で十万円ですから一億円入るわけですね。ところが、地主は、この証券はいつでも公示価格で換金できるということにしておくわけです。したがって、しかしもう今のところ金が要らないとなればその証券だけ持っている、そうすると換金要求がないから政府はその一億円を預かって自分で運用できるわけですね。例えば資金運用部の金利でずっと回転しているというふうなシステムをとるわけです。それで例えば五年後にその地主が一千万ぐらいの金が欲しい、入手したいということになると、その証券の百平米分を十万円で政府に公示価格で興ってもらう。まあ多分上がっているでしょうから仮に十二万円なら十二万円で買ってもらったら千二百万円になる。千二百万円で譲渡所得税その他二百万円ぐらい払えば一千万円手に入るということですね。その後は残った土地の九百平米はそのままもとの平米一万円の簿価でずっと何年でも持っていればよろしいと。その間政府は預かった金を換金して、まあ相当もうかると思いますけれども、もうけていくというふうなことをやってみたらどうかということなんです。 それで、私のこのアイデアにはいろいろ根拠があるんですけれども、まず、今のそういう地主さんがなぜ土地を手放さないかということを考えますと、それはもう日照権という、周りにいろいろビルディングが建ってきてあんまり生活環境がよくない、しかしながら今この土地を放したらもう再び返ってこないとか、あるいは今のところお金は要らないから、金もらったって税金取られるだけだから、おいておくとか、あるいは先祖元来の土地だからじっと持っておきたいとか。あるいはさっきのように、千平米あってそれを百平米分割で売るわけにいかないんですね、だれもそんなもの買い手ないわけですから。といって千平米全部売っても鐘が要らないと。それから、土地は何といったってインフレヘッジになるし、将来の値上がりも楽しめるというふうなことがあるわけですね。そういったところでなかなか手から放さないと。しかしながら今のような証券制度をとると、割合にそれじゃもう政府に預けてちょっと郊外の方に行こうとか、ほかのマンションに移ろうとかいうことが比較的できやすいんじゃないかと。地主さんの財産の保全という面にも非常にメリットがあって、これに応じてくれる人が多く出てくるんじゃないかという思惑なんですがね。その辺、建設省の方ではどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(宮本泰治君) 先生御提言の土地証券制でございますが、御指摘のように、今お話にもございましたように、都市再開発におきまして土地を確保するということは非常に重要な問題であることはよく承知しております。それから、今の先生のお話の中にございましたように、地主が一般的に土地の保有志向、土地を持っていたいという考えが非常に強いと。そのために、よほど有利な条件あるいはせっぱ詰まった条件がなければ土地を手放さないということも、非常に都市再開発上の大きなネックになっていることも、御指摘のとおりでございますが、土地証券制について考えてみますときに、そういった土地を手放さないという地主の傾向とマッチするのかどうかというのが一つございます。それからもう一つは、地価上昇が非 に大きい場合には政府に損失が生ずるんではなしかと、この辺基本的にちょっと問題がございますので、十分に機能する制度といたしまして成り立ち得るかどうかはなお慎重に検討さしていただきたいと、このように考えております。
○木本平八郎君 今確かに土地の値上がりの問題があると思うんですね。しかし東京の現在の土地の値上がりというのは、これは異常ですね、六〇%とかなんとかというのは。しかしこれは私は大体平均して二、三%だと。そうすると大蔵省の資金運用部の利回りの範囲でいけるんじゃないかということが一つあるわけですね。それから、もしもそれは大蔵省の資金運用部の利回り以上に土地が高騰したら、これは政府全体の責任だと思うんですよ、そういうインフレに持っていったら。国民の側からいけば、そういうことになると、それがまた歯どめになって一生懸命インフレ抑制をやっていただけるんじゃないかという期待も持てると思うんですね。 それからもう一つ、開発利益の問題があると思うんですよ。東京じゃあんまりないかもしれませんけれども、例えば多摩の山林みたいなところをやると、坪というか平米が一万円ぐらいのところが一遍に三十万円ぐらいになっちゃうわけですね、開発して水道ができていろいろな道ができますと。そういう開発利益みたいなものは、私は二十年で五%ずつスライドするか二十五年で四%、ずっとスライドして、それで一挙に不労所得を得られないような仕組みもあると思うんですね。そういう点をひとついろいろつぶしていただいて、これは私はひとつ考えていただく価値があるんじゃないかという気がするわけですね。 それで、これは現在住んでいる宅地の問題なんですけれども、このほかに東京都内というか、市街地の中に農地が、これは三大都市ですけど、三大都市で四万平米あるわけですね。それで全国では二十万平米あるわけです。これをうまく動員すれば住宅問題も相当解決できるし、それからこれを核にして都市開発も進むと思うんですね。内需拡大が非常にやかましく言われていますし、こういう都市再開発なんというのは非常にそういう内需刺激の問題にもいいと思いますし、その辺でぜひ前向きに検討していただきたいと思うんですが、もう一度御意見を承りたい。
○説明員(宮本泰治君) 先生御指摘の点は十分理解いたしておりますが、御承知のように土地所有者がなかなか土地を手放さないと。しかしながら都市再開発ないし適切な宅地の開発というのは緊急課題でございますので、所有と利用というものを切り離しまして、例えば利用できる、しかも民間の活力を利用して仕事ができるということで、例えば土地信託の方式とか、それから法務省で御検討いただいておりますが借地法の改正とか、そういうようなことからできるだけ地主さんが土地を手放さないで、しかも有効活用できるような方策を検討しているところでございます。
○木本平八郎君 土地を動員するというか、引っ張り出すためには、やはり地主に相当のメリットを与えるべきだと思うんですね。一般的に考えますと不労所得みたいなものでただもうけしやがったという感じはあるんですけれども、まあそういうひがみ根性もやむを得ないと思いますけどね、やっぱり地主さんにすれば一遍のチャンスしかないわけですよね。したがって地主にはまあできるだけもうけるんならもうけさしてもいいと。しかし国民経済全体としたら、そういうものを動員して再開発することによって国民全体としてはメリットがうんと大きくなるわけですから、その辺で地主さんにもできるだけプラスになるようにしてそれで土地を出してもらうというふうなやり方が、これからはやっぱり必要なんじゃないかという気がするわけです。 それで次に、実は財政の問題で質問したいわけなんですけれども、私これほかの委員会でも言っているんですけれども、現在はっきり言って日本の政府には金がないわけですね。何をやるにしてもまず先立つものは金なんですけれども、全然お金がない。しかしながら政府にはもう絶大なる信用があるわけです。私はこの信用を担保にしてそして財政運営を考えていくときじゃないかと思うんですね。したがって補助金を出すとかなんとかもうできない。逆に信用を担保にして、民活というか民間の資金を動員する、あるいは民間活力を動員するという方向に転換していくべきだろうと思いますし、まあ徐々にそういう方向に向かいつつあると私は考えるわけですね。今の土地証券の場合も政府が預かってくれるということだから地主は出すわけですね。これが信託会社とかなんとかだったらもうどうなるかわからないという心配があるから出さないわけです。しかし政府ならまずつぶれることないだろうし、まずおかしなことにならないだろうということで、これは政府なら出してくれるわけですね。それで。私が前に大蔵委員会でもちょっと言ったことあるんですけれども、トンチン年金という制度があるわけですね。これは説明すれば長くなりますけれども、まあ大蔵省はおわかりになっていると思いますけどね、要するに百万円ずつ一万人の人間が出して百億円の7アンドをつくって、仮に年間十億円ずつ配当がある。それを初めは出資者が、一万人が分けますから十万円ずつ、年十万の配当しかないわけですね。ところが、どんどん死んでいけば配当がふえていく。生きている人だけがもらうということですね。最後の人は。一人で年間に十億円の配当をもらえるわけですね。その人が死ねば、その旧億円のファンドは全部国庫へ行くという年金の考え方ですね。私は、これは長生きし過ぎる危険というか、リスクをカバーするためにこういうものも一方では考えていただきたいということを言っているわけですけれども、こういうものも運営の主体が政府であるからこれは信用できるわけです。まあ、政府でなくても地方公共団体でもいいんですけれども、これを普通の信託会社とか生命保険会社がやるとなれば、とてもじゃないがどうなるかわからないという心配があるわけですね。 したがって、私は国債の今百四十兆ですか、残高を償還するファンドとしても、これは将来百億円といったってずっと将来の問題ですから、まあマッチングが問題があるかもしれませんけれども、そういうものでやっていってもいいし、それからそのファンドを相当使えるし、それから少なくとも借換国債には使えるんじゃないかと思うんですね。こういうことですね。私は、やはりこういう信用を利用すると言ったらおかしいですけれども、それで民間の言い方で言えばもうけることももう相当積極的にお考えになっていただく時期じゃないかと思うんですが、その辺はいかがでございますか。
○政府委員(角谷正彦君) 今、先生御指摘のいわゆるトンチン公債の問題につきましては、昨年の大蔵委員会でもその御意見をいただきまして、その際にいろいろ御議論さしていただいた経緯があるわけでございますが、そのときも申し上げたわけでございますけれども、今お話しのようにトンチン公債というのは元本の償還を伴わないとは言いますけれども、最終の生存省が存在する限りにおきましては毎年度一定の利払いが必要になってくる。したがって、金利水準とかあるいは最後の生存者の寿命がどうなるかによりまして、必ずしも財政負担として現在の国債よりも有利であるかどうか、そこは保証はできないという問題がございます。 それから、トンチン公債の性格そのものにつきましては、今御指摘のように何といいますか極めて射幸性が強いといいますか、他の人が亡くなりますともうかるという一種の道徳上の問題等もございます。そういったふうな基本的仕組みといたしまして、むしろ国の信用力ということをおっしゃいましたけれども、国といたしましてそういったやや射幸的なあるいは道徳性に問題のあるようなものを発行すること自身が、国民感情から見てどうであろうかといったふうないろんな問題がございますし、あるいはさらには生存者が極めて少なくなった場合には、最終的には一人に全部利払いが行くというようなことになりますので、それが公債の保有者の間で一つの不均衡、不公平をもたらすことにならないかといったふうな問題があろうかと思うわけでございます。 今、先生、国債の償還財源というようなことをおっしゃいましたけれども、この問題につきましてはやはり現在のように資本市場が非常に発達し、公社債の、特に国債の発行流通市場が発達している現在の状況におきましては、こういった射幸性のあるような、ややいろいろ技術的に検討すべき問題の多いようなトンチン公債というよりは、むしろそういった広く国債の発行市場あるいは流通市場の中でこういった借換債の問題等を考えていくことが現段階においては極めて適切ではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
○木本平八郎君 おっしゃるとおりで、それに対しては私も一つ一つ反発できるんですけれども、こんなところで議論していてもしようがないものですから。ただ平和な時代というか、普通の平常な状態ならこういうギャンブル性があるとかなんとかいう問題はそう取り上げる必要もないと思いますけれども、こういうふうな国債残高だけじゃなくて、財政的にも非常にいろいろ逼迫してきているときは、余り先入主とか固定観念にとらわれずに、頭をフレキシブルにしていろいろあらゆる角度からあれもないかこれもないかと、やっぱり検討してみる必要はあるんじゃないか。そうでないと、これは最後の総理に対する質問のときに質問するつもりですけれども、そんなにばっさりうまく快刀乱麻を断つような方式というのは、私はこの国債の償還に対してはあり得ないと思うんですね。したがって、これはそのときに、先取りしてもしようがないですけれども、みんなでいろいろ考えて知恵を出してやっていかなきゃいけないときじゃないかという気がするわけです。 それで、例えば政府の信用ということになりますと、これは政府じゃないんですけれども、武蔵野市で今やっております居宅を担保にして年金ということありますね。こういうのも相手が政府とか、これは公共団体でないとちょっと信用できないんですね。これは民間の信託会社とかいろいろありますけれども、信託会社だと、私なんかもよく民間のビヘービアというのはわかりますけれども、すぐそろばん勘定が先にいっちゃうんですね。そういうのは何かしてやられるという感覚があるんで、これはやはり武蔵野市のような公共団体でなきゃだめだと。そういうことを考えますと、先ほど申し上げましたように、政府というのは絶大な信用があるんだから、その信用をうまく利用すればまだまだいろいろチャンスがあるんじゃないかという感じがするわけです。 余り時間がないものですから、もう一つ申し上げたいのは、土地の再評価をこの際やったらどうかということなんですね。先ほどのように、もうその辺の土地なんかでも本当に簿価は安いわけですね。これを再評価すると、再評価益が出たら特別勘定、資本の部に置くと、それはいいんですけれども、それと同時に再評価益の半分ぐらいを永久国債で二、三十年からあるいは五十年ぐらいの永久国債で買ってもらうと。企業がそれを買うためには銀行から借り入れしなきゃいかぬわけですね。金利がかかると、その金利は国債の利払いでうまくいくようにしておけば企業としてはそれを持てるんですね。しかも企業としては財務内容が非常によくなるわけです。これから円高デフレに向かっていきますね、大企業といえども大変なわけですね。そういうときにやっぱり貸借対照表の財務内容がいいということは、よくしておくということは非常に重要な問題ですね。それから土地がそれだけ高くなりますと、今度担保価値が上がるわけですね、そういう面で非常にいいということ。 それから、ちょっと余り時間がないものですから簡単になにしますけれども、赤字が出ていると所得税払わないですね。ところが内部留保で赤字を消していけば、それはまずもうけに対して法人税を払うということにもなってくるわけですね。それから企業としては国債をうんと持ってますと、これを二十年ぐらいに分けて五%ぐらいずつこれ法人税に払ってよろしいということを講じていただければありがたいということ。 それからもう一つは、この国債を処分できなくても、政府入札なんかの担保とか、保証金がわりには積めるわけですね。こういうことをやりますと、現在ざっとやっても日本で大体二百兆円ぐらいの再評価益が出てくるはずなんですね。そうすると、半分国債で持ってもらったって百兆円ぐらいあるわけですね。そうすると、また先ほどの国債の償還じゃないけれども、大分に大蔵省としては楽になるんじゃないかということを私なんか素人は考えるわけです。でもちょっと時間がありませんので、今の話をまとめて大臣の御所見を承って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず第一の、昨年いわゆる木本提案の不活用農地を活用するという構想で、税制上の観点、国有財産管理上の観点、税外収入対策上の観点と、こういうことでそれこそ主税局、理財局等々で一応検討させまして、それについては先ほど来答弁もあっておりましたが、先生の手元へ検討の経過を御報告してよかろうと思っております。 それからトンチン公債につきましては、どちらかと言えば私が非常に興味を持って本当は勉強さしていただいたわけでございます。結果から申し上げますと、やっぱりいろいろなまだ議論のあるところでございますが、どうも十八世紀に行われてそれが廃止されたところの状態を考えてみますと、いよいよあと二人になったと、そうすると自分一人占めにしたいためにその人を殺したと。それでやっぱり投機性が高いじゃないかと、こういうようなことからなくなったというふうな歴史の事実を考えますと、やっぱり先ほど来言っております射幸性というような問題はなかなか払拭できないなと。しかし、一面あの制度があって生命保険制度がうんと進んでいったわけでございますから、そういう功もあったということも歴史的な観察の中では言えると思いますが、御提言はいつでも勉強していくにはやぶさかでございません。 それから最後の問題につきましては、一時これは日本社会党の案の中で土地再評価税というものがございまして、これは土地再評価税にして法人だけに限った場合にそれが償還財源になりやしないか、こういうことでございましたが、考えようによれば法人税の先取りということにもなりますので議論倒れに終わっております。先生の部分は、それを税ではなく半分ぐらいはまた国債に抱かせると、こういうことでございますが、国会というのは元来こんな問答をするところでございますから、けしかる、けしからぬばかりじゃないと思いますので、勉強さしていただきたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、夏目忠雄君及び平井卓志君が委員を辞任され、その補欠として伊江朝雄君及び宮島滉君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(丸谷金保君) 他に御発言もないようですから、昭和五十八年度決算外二件に対する本日の質疑はこの程度といたします。 予備費関係六件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより予備費関係六件を一括して討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書など六件の承諾を求める件について、諾否の態度を明らかにいたします。 これらのうち、昭和五十八年度特別会計予備費使用総調審及び各省各庁所管使用調書(その1)並びに(その2)、五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件については承諾、その他三件については不承諾の意見を表則するものであります。 先の三件は、災害復旧事業費、退職手当等の予算不足を補うためのものであり、国民にとっての必要性、また予見の困難性が認められるものと判断して承諾いたします。 後の三件を不承諾とする理由は、その中に容認することができない政策経費が計上されているからであります。 例えば、昭和五十八年四月から五月にかけての中曽根総理のASEAN諸国歴訪及びウィリアムズバーグ・サミットへの出席について言えは、ASEAN訪問では、レーガン戦略に沿った我が国の軍備増強、軍事分担拡大に対するASEAN諸国への了解の取りつけを行い、総理が軍艦マーチで迎えられたサミットでは、中距離核ミサイル、パーシングⅡの年内配備断行を各国首脳にも迫るなど、レーガンのいわば副官としての役割を果たす、こういった西側同盟の一員として政治的、経済的、軍事的分担を積極的に果たしていく新たな誓約を行ったものであります。 また、五十九年三月の総理の中国訪問についても、中国を西側陣営に引き込む日・中・米の提携強化を図るとともに、総選挙必至の情勢のもとでみずからのイメージアップをも図る、こういったためにも行われたものであり、このような内容を持った政策経費への予備費支出は認めることはできないのであります。 港湾事業調整経費を初めとする各調整経費増額について言えば、当初予算で国土庁の国土総合開発事業調整費として一括計上されたものを年度途中で配分され、受け入れた各特別会計が相当分の経費増額を行ったもので、この点は財政民主主義の上で疑義がある上、これら事業のうちには大規模開発推進の不要不急の経費も含まれており承諾することはできません。 また、皇族が事実上の外交的役割を果たし、政治的利用にもなりかねない皇太子同妃の外国訪問費、また国民の生活実態と著しく格差がある皇族費及び一時金の支給についても認めることができません。 以上、予備費関係六件に対する諾否の理由を申し述べて、討論を終わります。
○委員長(丸谷金保君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)並びに昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上二件を一括して採決を行います。 これらの二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸谷金保君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)の採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸谷金保君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)の採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸谷金保君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)並びに昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上二作を一括して採決を行います。 これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸谷金保君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十八分散会