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104回国会参議院1986/05/10

決算委員会 第8号

発言数
180
登壇者
22
会派数
7
開催日
1986/05/10

会議録

丸谷金保日本社会党

○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る五月六日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。     —————————————

丸谷金保日本社会党

○委員長(丸谷金保君) 昭和五十八年度決算外二件を議題といたします。  本日は、皇室費、国会、会計検査院、大蔵省、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算について審査を行います。     —————————————

丸谷金保日本社会党

○委員長(丸谷金保君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸谷金保日本社会党

○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

丸谷金保日本社会党

○委員長(丸谷金保君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 きょうは土曜日ということでありますし、また第二土曜日で金融機関は休みと、こういう中で大蔵省、検査院関係の決算の審査ということで、出席委員も本当に御苦労さんでございますけれども、また関係者の方も本当に御苦労さんでございます。それだけに効率よく進めたいものだというふうに念願をしておるわけであります。  昨年の六月十五日、五十七年度決算の議決の際に、佐藤前決算委員長は委員会を代表いたしまして特に質疑を行いました。それは、「藤森通達が有効かつ確実に運用されるよう政府関係の積極的な協力体制をとり、検査対象機関においていやしくも検査の拒否などの事態の発生しないよう強力な措置を講ずべきである。本決算委員会は、向こう一カ年間、右の要請に対する政府の対応を注視し、院法改正について改めて発議することもあり得ることをここに明言して、大蔵大臣において政府全体を代表して答弁を求め」ましたところ、竹下大蔵大臣は、「今後藤森通達等を実効あらしめるよう、本通達に従って必要な場合には関係機関を指導する等、御質問の趣旨をも踏まえ、会計検査に対する一層の協力に努めてまいる所存であります。」との答弁が行われました。  以来、約一年間が経過したわけでありますが、六十年度中に検査院が肩越し検査を行った政府関係金融機関名と回数を示していただきたいと思います。

大久保孟会計検査院院長

○会計検査院長(大久保孟君) 政府系の金融機関の融資先に対する調査の協力につきましては、従来その協力の度合いが十分でなかった北海道東北開発公庫、日本開発銀行等におきましても、たび重なる国会の御決議、御論議、官房副長官通達、その励行に関する内閣あるいは大蔵省の御指導がありまして、検査の目的を達するのに支障のないような協力が得られますようになったとの報告を事務当局から受けております。  金融機関ごとの状況につきましては、事務当局から答弁さしていただきます。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) 昨年中の検査の際、十二金融機関の融資先で実地に調査をいたしました融資先は千二百九十一でございまして、このほかにも現場の状況だけを調査いたしたものが三百七十ございました。  これらのうち、北東公庫等三団体の分は北東公庫と開銀で実地に調査いたしましたものが十、現場の状況だけのものが三十四となっております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 従来から肩越し検査に協力的でなかった輸出入銀行、開発銀行、北東公庫のうち、輸出入銀行のみは検査はできなかったのかしなかったのか、その理由はどのようになっておりますでしょうか。

秋本勝彦会計検査院第五局長

○説明員(秋本勝彦君) お答えいたします。  輸出入銀行につきましては、まあ輸入につきましてはインボイスの確認というようなことも可能でございます。それからまた、輸出につきましては、これは外国における現地法人に対する輸出融資というようなこともございまして、従来から融資先の検査は特別の場合以外は原則としてやってきておりませんのでございます。本店の検査で一応済んでいるということでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 本店の検査で終わっているということでありますが、六十年は本店の検査もこれは必要がないと認めてしなかったのか、それとも、何かの理由があってしなかったのか、その辺はいかがですか。

秋本勝彦会計検査院第五局長

○説明員(秋本勝彦君) 特に必要がなかったのでやらなかった、融資先の検査はやらなかったということでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 藤森通達によりまして肩越し検査に何かかえって厳しい枠がはめられて、輸・開銀以外の従来から肩越し検査に協力してきた政府関係金融機関に対する肩越し検査がやりにくくなったというようなことはございませんか。

大久保孟会計検査院院長

○会計検査院長(大久保孟君) お答えいたします。  従来から協力的であった機関が検査の趣旨を十分理解して協力していただいたものでありまして、その姿勢が後退したというようなことは全くないと承知しております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 藤森通達によって幾つかの条件的なものがきちっと出てきてますね。そのことによってやりにくくなったということはないという今のお答えでありますが、それではちなみに過去三年間の肩越し検査の実施回数を、金融機関名を年度ごとにひとつ示していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) 金融機関名一つ一つ申し上げましょうか。ちょっと長くなりますが、まず、国民金融公庫でございますが、五十八、五十九、六十の順序に件数だけ続けて申し上げますと、十一、三十二、二十六。住・宅金融公庫、四十二、二十六、三百五十七。農林漁業金融公庫、百七十四、五百八十二、六百三。中小企業金融公庫、十八、八十九、四十七。北東公庫、六十年に七。公営企業金融公庫、三十二、四十四、五十九。中小企業信用保険金融公庫、十九、五、四。医療金融公庫、百七十七、七十七、九十五。環境衛生金融公庫、百三十四、八十六、三十五。沖縄振興開発金融公庫、三十八、百一、五十五。日本開発銀行、六十年が三。日本輸出入銀行はございません。  以上でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 今各年度ごとに三年間数字を出していただきましたが、若干のでこぼこはありますけれども、それは必要によってということで、総件数でいきますと、五十八年度が六百四十五件、それから五十九年度が千四十二件、六十年は千二百九十一件、こういうことでそれぞれ年度ごとにだんだん件数が多くなってきているということは、藤森通達が出されて、あの通達の中にいろんな要件があるけれども、それでもなおかつそのことは障害にならずに、いわば順調に検査院としての検査が進められているというふうに理解してよろしゅうございますね。

大久保孟会計検査院院長

○会計検査院長(大久保孟君) 先ほども申しましたように、藤森通達が出て、かえっていろんな条件があるのに、我々はそれほどしなくてもいいんじゃないかというような御質問だと思いますが、実際は今までの協力を得ていただいた金融機関につきましては、検査の趣旨を十分理解してやられておりますので、藤森通達が出たことによってその姿勢が後退したということはありませんです。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 じゃ、藤森通達が出されて以来、一年以上が経過いたしました。通達が出されたのは六十年の二月十三日ですね。藤森通達に対する検査院の評価とか、あるいは通達が出されたことによる効果、こういったようなものをどのように考えられておりますか、お伺いをいたします。

大久保孟会計検査院院長

○会計検査院長(大久保孟君) ただいまの藤森通達が出てから、それを検査院としてはどう評価しているかというお尋ねだと思います。  この点につきましては、先ほど申しましたが、藤森通達によりまして融資先の調査ができ、現実の検査執行の上で当局側の非協力によって解明ができなくなったというような好ましくない事態はありませんでした。したがいまして、こういう事態を見ますと、従来からの国会の御論議、御決議を初め、官房副長官通達、総理大臣、大蔵大臣の御指導の成果が上がっているんじゃないかと、そういうようにむしろ評価しているものでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 今までたび重なる衆参両院での決議だとか、あるいは論議、そうした中で翁通達、そして今度の藤森通達ということで前進をしてきているということは言えると思うんですね。  そこで、昨年出されましたこの藤森通達と、検査院が出されておりました院法改正要綱、この内容とでは基本的にどこが違っているのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) 我々の検査執行上の要請という点においては、基本的に変わっているところはないと思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 通達と院法改正要綱との間に基本的に違っているところはないということですね。今のお答えでその点ははっきりいたしました。しかし、まだ日本では院法改正がなされていないわけですね。一九七六年にフランスでは会計検査院法の改正で、国が出資している法人の貸付先まで検査できる権限が法定されているというふうに聞いておりますが、その点はいかがでしょうか。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) 私どもも諸外国の会計検査制度につきましては、日ごろ調査研究いたしておりますが、お尋ねのフランスの件でございますが、最近フランスの法令の改正があったというように聞いておりまして、まだ最近の情勢を十分つかんでいない段階でございますので、もう少し勉強させていただきたいと思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 最近と今お答えになりましたけれども、私どもがちょっと聞いたのは一九七六年ということですから、もう十年も前になるわけなんですよ。その辺はどのようにお考えですか。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) 十分詰めたお話にならないかと思いますが、私の承知している限りでは、フランスの法律の中には、今先生が御指摘になった、検査ができるような条項があるようでございます。  その具体的な内容についていろいろ今までやりとりが、フランスとの間で照会があったのでございますが、その結果によりますと、どうも法律に書いてあるとおりやっていないというような返事が返ってきておりまして、そこら辺のところまで調査しております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 昭和五十五年、衆議院の決算制度及び歳入歳出実情調査議員団、団長が衆議院議員の國場代議士でございますけれども、この調査団が衆議院議長にあてた報告書の中で、そのことが出ているわけなんです。十年前ですね。こういったような諸外国の動向などについても検査院としては十分把握をしながら、我が国の検査制度をいかに確立していくかということでこれはやっていかなきゃならないことだというふうに思うんですが、今のお答えではまだ十分にその状況について何か把握していないように思うんですけれども、もう一度ひとつお答えいただきたいと思います。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) ちょっと先ほどの話を補足させていただきますが、一九八二年に先生御指摘の法律の条項はなくなったというふうに承知しております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 一九七六年にはこれが法定されて、一九八二年にはこの法律がなくなった。その理由はどのようにお聞きしておりますか。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) 今おっしゃったのは、たしか一九七六年の法律に、会計検査院は政令の定めるところにより公共企業またはその子会社から財政援助を受けている機関の検査を行うという条項がございまして、それが一九八二年に削除になったということを申し上げたわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 削除になった理由ということについては、まだはっきりはつかんでおらないということですね。しかし、いずれにしろ、国がいろいろ出資をしている法人が行う貸し付けの相手方に対する検査権限、こういったようなものがそこのところは法定されていて、あと、何というんですか、子会社なんかに対するところについてはちょっと八二年から何かなくなったようだと。こういうことだというように思うんですね。  しかし、諸外国でもやはり国民の税金だとか、あるいは零細な預貯金、そういったようなものがどのように使われているかということを検査することは、これはどこの国でも非常に重要な仕事、重要な任務だというふうに考えているわけであります。  そのようなことを考えていった場合に、先ほど藤森通達によってということと、それから院法改正要綱とは基本的に変わるところがないということですね。そうであれば、大蔵大臣、どうでしょうか。こういう重大な権限、そういうものを通達というような形でやるのではなくて、基本的に同じものが現実的に行われているのであれば、やはりきちっと院法改正という、これは国民的なやはり要望だというふうに思うんですね。そういう方向に踏み切るというようなお考えを持たれませんか。お伺いいたします。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) これは大変古くて新しい問題とでも申しましょうか、本院で五十二年の会計検査院の権限拡大あるいは検査機能の拡充強化について決議がございます。このときは、今も思い出してみますと、いわゆるロッキード事件等の根絶というような見地から、そういう社会的環境と申しましょうか、そういうものも十分にあったと思っております。それで、結局五十三年に当時の福田総理大臣が、どんな結論が出るか検査院から出してもらうのを見て対処するほかないなとこういうようなお答えがあって、それから五十三年の十月に検査院の方で改正案をまとめて関係各省に提示された、ここからチャンバラ——チャンバラではございません、いろんな議論が行われてきたわけであります。  要は事務当局、いわゆる行政府においては、自由な企業活動に対する公権力の過剰介入になるおそれがある、あるいは融資先に対してある種の畏怖心とでも申しましょうか、恐怖心とちょっと質的な違いはありますけれども、そういうものを与えて政策金融が有効に機能しなくなるおそれがあるというようなことから、これはやっぱり院法改正によってやるよりも、いわば各金融機関の協力体制というのが一番望ましいではないか、こういう一種の反対でございますね、そういう意見が吐かれた。  それで、検査院の方としてはいろいろ当時の議論を集約されて、この先は内閣がどうするかということだということで、そこへげたを預けられたという感じでございます。何回も総理がそのことについてお呼び出しを受けたりして、何とか検討してみるということでずっと時間が経過をいたしました。  したがって、今度は五十五年のときには伊東官房長官が会計検査院それから各省幹部を個別に招いて事情聴取したが依然として意見は対立しておった、そういう歴史的経過がございまして、話が長くなって申しわけありませんが、やっと五十五年の二月、当時私も大蔵大臣でございましたが、大平さんができるだけ結論を急いで今国会中にめどをつける、こういうようなお答えがございましたが、その後関係者間の調整、これは内閣官房で一生懸命でやったけれども結局平行線のままにまいりました。そこへもってきて、今度は中小企業団体とか農業団体、これからは今度逆に院法改正反対の要望というようなものが出てきた。そういうようなことから、院法改正にはしからば慎重であるべきだが、実行上の制度で検査機能を充実すべきだということがおおよその意見の大勢になりまして、したがって翁さんがまだ官房副長官でございましたが、この方からの各事務次官あての通達が出て、ところが五十七年の本院の決算委員会、本会議決議においてやっぱり法改正は慎重でなければならないとの方針を貫いた結果、法改正を明示するような実現というようなことは結局できなかったと。したがって五十九年、また今度は藤波官房長官が、困難であるが実行上の措置としてかくかくしかじかなことをやりますというようなことになって、それで今日に至っておる、少し長くなりましたがこういう歴史的経過がございます。  私も最初この五十五年の際、本院で質問を受けたときなど、本当は素人でございますから、大蔵大臣になったばかりでございましたから、法改正をせっかく会計検査院で用意されたのならやってもいいなという感じがしたことがございますが、今度いろいろ関係者を呼んでみますと、なるほど自由主義経済の活発な経済活動の中で、公権力とかあるいは脅威を感ずるとか、そうすると政策金融をできるだけ利用しないようになるとか、いろんな議論がございまして、やはりそうすると現実に即した姿としてはみんながきちんと構えて検査院さんからの肩越し検査に対して協力していくのが現実の状態では一番これがベターだなと、こういう結論で、今もなおそういう感じで見ております。ただ、先般来、多少私もこういう歴史の中におりましただけに、いわば海外協力とか援助とか、そういう問題でまた新たなるいろんな議論が出てきたので、やっぱり院法改正問題というのは、一遍やや実行面で対応するという方向に来たものが、もう一遍今の先生の御議論のようないろんな議論が出てくるような別の環境が存在するな、こんな問題意識は持っております。  あえてお答えにならぬようなお答えをいたしましたのは、そういう歴史の中で、やっぱり私の考え方が揺れながら現状これが一番いいということに到達したことが、この問題を御説明するのに何か一番、自分にわかりやすいのか質問者にわかりやすいのかは別といたしまして、それが一番素直なお答えじゃないかと思って本当はお答えしたわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 まさに、大臣今お答えの冒頭にチャンバラが始まったという率直なお答えがございましたけれども、私どもも経過の中で、各省庁からそういったようないろんな意見が出てなかなか院法改正に至らなかったことはよく承知をしておりまして、そのことを的確にチャンバラが始まったという言葉で表現されたんだというふうに思います。そういう意味で、ある程度仮定的なというようなお答えもあったわけでありますが、今のお話にありましたように、政府はこの院法改正は公権力の過剰介入になるとか、あるいは政策融資に対して支障を与えるのではないかというような心配が非常にあるというふうに言われましたが、政府関係の金融機関であります住宅金融公庫法の第三十条には、住宅金融公庫から委託を受けた金融機関に対して検査院の検査権限が付与されております。住宅金融公庫法が昭和二十五年にできて三十六年も経過したわけでありますが、その間検査院は何回ぐらい住宅金融公庫の受託金融機関を検査したか、できてかるずっと集計できないんであれば最近でも結構でございますが、ちょっとお答えいただきたいと思います。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) 私どもの検査の実際の執行上の形といたしましては、金融機関をさらに先まで行きまして、実績で申しますと実際の現場まで見に行っているケースが相当多数ございます。例えば五十八年は最終の現場まで行きました件数が三百四件、それから五十九年は、これはちょっと検査報告にも載せてございますが、住宅金融公庫の融資対象の利用状況の調査を集中的に行って、その成果として、検査報告に貸付対象の第三者賃貸の防止に関する改善処置要求をまとめたものがございますが、この関係で、五十九年は六千七十九現場を見ております。それから、六十年は三百三十六現場まで見ております。要するに、金融機関にとどまらず、現場の状況まで把握して十分検査を行っているというのが現状でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 これらの検査で、今日まで何か検査をすることによって公権力の過剰介入だとか、あるいは政策融資に支障を与えたと、そのようなことをお感じになったようなことがございますでしょうか。

磯田晋会計検査院事務総局次長

○説明員(磯田晋君) もちろん、実際に建物が建っている現場まで伺って、見せていただくわけでございますから、私どももそれなりに協力者に対する気配りはしているつもりでございます。そういうこともございましてか、特にトラブルがあったというようなことは聞いておりません。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 住宅金融公庫の関係については、今日までこのようなことをしても、公権力が介入しただとか、政策金融に支障を与えたとかというようなことを感じたことはないということですね。  それで、先ほどにまたちょっと戻りますけれども、政府は藤森通達で幾つかの条件つきで肩越し検査を認めて、これに積極的に協力するということで、余り北東公庫あるいは日本開発銀行、七件に三件ということでありますから、ほかの金融機関から見ると数的には多くはないけれども、初めて六十年度に入ったわけですね。こういったようなこと等を考えてみますと、先ほど大蔵大臣のお話の中に、初めはやっぱり認めていいじゃないかと。しかし、いろいろ聞いてみるといろんな問題があるということで、いろいろ心が揺れ動いている、そういうことを率直に話されたわけでありますが、今まで院法改正という声が強くあると。しかし、政府部内のいろいろなそういったような動き等を考えて、院法改正までは踏み切ることができないが、とりあえず翁通達、そして翁通達でもまだ不十分だということから藤森通達に行って、それで藤森通達が出て、この一年間で今まで入らなかったところにも入ってきた。言えば経過的に前進をしてきたということはこういう中で言えると思うんですね。そして、実際それぞれの金融機関もそれなりに協力を認めて、まあ検査院の検査を認めてきている、そういうような状況が出てきているわけでありますから、またそのことによって大きな支障がないというようなことであれば、検査院が院法改正要綱と藤森通達の内容的なものについて基本的に同じだということであれば、ここで検査院の権限として法定するということに踏み切ってもいいのではないかというふうに思うんですが、この辺はどのようにお考えでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 私の立場から申しますと、本当は少し正直なお答えをし過ぎた感がございますけれども、確かにいろいろな経過の中で私も、一つの支えになりましたのは、去年の六月十五日の参議院決算委員会、当委員会におきまして会計検査院法改正問題が警告決議に盛られるかどうかというのは私にとっては大変な関心事でありました。しかし、せっかく藤森通達を出したのだから、これの実効を見ようという配慮があったと推察いたしておりますが、その警告決議はそのことは盛られないで、それで一年間今実績を客観的に評価していただいておるんじゃないかというふうに考えるわけでございますので、いま少しこの藤森通達というのは、あれは藤森さんが一生懸命になってまとめた最大公約数でございまして、それに対して各省が行政指導の範囲で最大限の、かゆいところへ手の届くような協力をしましょうというようなコンセンサスができたものでございますから、今の段階で藤森通達というのは私は実効を上げているんじゃないかという考え方に立っております。したがって、政府並びに検査院に対する政府側の協力体制と言った方がよろしいかと思いますが、これについては万全を期してやっておるということでお見守りを賜りたいというふうに考えるところであります。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 当面はこの藤森通達ということで対処していきたいということが、今の政府の態度だというふうに思うわけでありますけれども、先ほど直言いましたように、基本的に院法改正要綱と変わるところがないということでありますから、この通達の内容と院法改正要綱との間にそう基本的に変わるところがないというのであれば、むしろすっきりと一日でも早く踏み切るということが国民に対する政府の態度ではないかというふうに思うんですよ。藤森通達でやれることが、それと同じことを院法改正でやろうということがどうしてできないのかという疑問は、これ率直に起きてまいります。したがいましてこの藤森通達、去年から一年たったわけでありますが、さらにもうちょっとここで実効を上げてといいますか、そういう中で院法改正なら院法改正に踏み切るべきだというふうにお考えになるかどうかですね、そこのところをお伺いいたしたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 私は、いわゆる政策金融等々におきましても、可能な限りいわゆる自由な企業活動に対して何らかの畏怖心とかいうものはないほど、競争原理に立ちます自由主義経済というものの立場から言えば、可能な限り法制的な公権力の介入のような気持ちを抱かすものはないほどいいと。しかし、これは大事な政策金融でございますから、これがでたらめなことになってはもちろんいけないわけでございますので、最大限行政指導の範囲の中で御協力して、可能な限り法制はされない方がいいという基本的な立場には立っておるわけでございます。しかし、どうしてもそれではやっぱり十分な成果を上げないということになれば、もとより考え直さなきゃいけませんが、可能な限り法的な規制の外において、いわば行政指導の範囲内において実効が上がるということが、やっぱり企業の活力というようなことからすれば、そうあってほしいものだと。ただ、企業側で、もうこれは一々行政指導の中で対応するよりも、法制化してそれが当たり前になった方がむしろ我々にとって自然ですというような雰囲気になるまでは、私はかなり時間がかかるのじゃないかなと、こんな感じがしております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 金融の問題については随分いろいろ問題があちこちで起こっているわけでありますが、特に政府関係の金融機関というのは、先ほども申し上げましたけれども、国民の税金だとかあるいは零細な預貯金、こういったようなものがどのように使われるか、そういうことについてやはり検査院がしっかり検査をしていく、そういう性格のものでありますから、それだけに公権力が介入することによって畏怖心のようなものが起きる、あるいは自由な経済活動が妨げられるということは、どうも私には納得ができないんです。やっぱり貸し出しには一定の貸し出しのきちっとした規定のようなものがあり、どこからどうされても、やはり法なり条例なり、あるいはそういう規則、規定、いろいろそういう決まりに従った形でやられるものであれば、どのような形でどのように検査をされたとしても問題がないというふうに思うんですが、どうもこういったようなことで論議をしていきますと、公権力の介入だとか、あるいは政策金融という性格からというようなことでお答えが返ってくる。そのことにまた逆に国民がいろんな疑惑を持っていくということになっていくのではないかというふうに思うんです。  政府が政府関係金融機関の融資先まで検査院に検査の権限、または調査権を与える院法改正に踏み切るというところまでなかなかいかれないのは、結局融資先の団体なり、あるいは金融機関側で都合が悪いことが起きたときに検査を拒否できる余地を残しておこうとする民間側の意図を政府は酌んでいるんじゃないか、そういう政府の姿勢ではないかというふうに国民の側には映るわけであります。こんなことで果たしてロッキードのような大事件を検査院はみずからの力で事前に発見できるようなことになるんだろうか。これは検査院側に改めてお答えをいただきたいというふうに思います。

大久保孟会計検査院院長

○会計検査院長(大久保孟君) ただいまの御質問でございますが、確かに通達の場合には法律と違いまして強制力がございません。したがいまして、私はたびたびここで申し上げますが、実行上は確かに藤森通達が出ましたから具体的に検査上も支障はございません。ただ、最終的に申しますと、あくまで通達であって法律ではございませんから、検査院の立場といいますか、私の気持ちといたしましては、院法改正につきましては、法律上の権限の行使ということで検査の徹底を図りたい、こういう気持ちは院法改正要綱を出したときと変わっておりません。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 検査院側は改正要綱を出した時点と気持ちは変わっていない、一日も早く院法改正をしてほしい、そういうお気持ちだということを改めて確認をいたします。  この院法改正、一日も早く私は国民の期待にこたえるためにもやっぱり改正すべきだ。藤森通達はそのための一つの経過的な措置なんだというふうに理解をしたいというふうに思うんですが、大蔵大臣いかがでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) やっぱりもう一つ議論にいつもなりますのが、いわゆる金融機関と相手さんとの間は私法上の契約であって、政府関係金融機関が会計検査院の検査を受け、そして直接検査と肩越し検査で貸した責任者が、一緒になってそれを検査するというのが一番妥当じゃないかなという結論に倒達したからこそ、藤森通達ということで今やらしていただいておるわけでございますので、いわばそこへ到達するための経過的措置という理解の仕方は私どものサイドではしていない、これで十分の対応ができるであろう、そしてそれが金融上の問題は私法上の問題でございますから、その辺とのいわばバランスと申しましょうか、そういうことではこの辺が妥当なのかな、こういう結論でございますので、私もいろんな経過の中に迷いと申しましょうか、いろんな考えが交錯したことは事実でありますが、言ってみれば院法改正に至るまでの経過措置というふうには今のところ位置づけはいたしておりません。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 会計検査院の方は一日も早く院法改正をしてほしい、政府まあ担当の大蔵大臣の方は必ずしも今の藤森通達は経過的な措置だというふうには考えていないということでありまして、これは先ほどからの論議から言えば全く院法改正要綱、これと藤森通達と内容的にはほとんど基本的に変わっていない、基本的に同じだというものが、なお通達で切り抜けていこうという、そういう政府の姿勢については私は納得しがたい、納得できないということをぜひこの機会に申し上げておきたいというふうに思います。  院法改正の問題についてはこの程度にいたします。  次に、警告の問題でございますけれども、参議院の警告につきましては、これは各省各庁が講じた措置を大蔵省において取りまとめて、次の常会の決算委員会の年度決算審査の終わりの総括第一日目に政府を代表して大蔵大臣が報告をされております。一方、衆議院の警告については、内閣から文書で衆議院議長あてに報告しておりますね。なぜ、警告について両院に対する取り扱いが異なるのか、理由がわかれば明らかにしていただきたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 私も詳しく知りませんでしたが、多分と思っておりましたが、やはりずうっとの慣例がそうなっておるということだそうでございますので、意図的なものではなく、長い慣例がそうなっているというだけの問題だそうでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 慣例でそうなっているということで格段の理由はないということでありますが、参議院の決算委員会に対する何か内閣の報告だけでは私は片手落ちではないかというふうに思うんです。なぜなら、警告は決算委員会ばかりでなくて、本会議においても行われております。したがって、参議院全体に対しても報告すべきものというふうに考えますが、改善の必要性を認められるかどうか承りたいというふうに思います。

角谷正彦大蔵省主計局次長

○政府委員(角谷正彦君) 決算の性格でございますけれども、予算と違いまして決算につきましては国の行いました予算執行の結果について審査をいただくということでございます。したがいまして、過去の事実につきまして、何といいますか法律的な意味で議決するとか、例えば予算の場合ですと特定の歳出権を国会の議決によって付与していただくという性格を持つわけでございますが、決算の場合におきましてはその執行の結果についていろいろ審査していただいて、それを事実上いわば議決していただく、こういう格好になる。そういう意味では、ある意味では決算の議決あるいは警告決議といったものにつきましては、決算の結果につきましての事実上の何といいますか、法律的な意味ではなくて、事実上の御批判、あるいは何といいますか事実上の批判であり、あるいは国に対する警告である、こういう性格でございます。したがいまして、そういった性格につきまして、それを事後的に国がとった措置といったものをどのような形で報告するかということは、いわば法律上どういうふうにしなければならないか、こういうふうに決められているわけではございませんので、それぞれその院の慣例に従いましてこれを処理しているということでございまして、こういった問題につきましては、むしろ院の中で御議論いただくべき問題ではないかというふうに考えているわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 本会議で行われたものだから、やはり本会議に対して報告をするべきものではないかということについては、これは院の中で相談をしてくれということでありますから、それはまたこれは理事会等でも取り扱っていただきたいものだというふうに思いますが、最後に警告に対する事後措置について、内容の改善方についてお伺いをいたしたいと思います。  参議院の決算委員会における大蔵大臣の警告に対する報告は、詳細で丁寧なんですが、まだ抽象的で私は不満であります。  例えば昨年六月、本決算委員会で行われました五十六年度決算に関する警告についての大蔵大臣の説明を見ましても、発出した指導通達の内容はどんなものか、職員の不正防止のためにとった具体的な改善措置は何か、新薬製造承認に係る不祥事件について、審議会資料の管理体制を強化したとありますけれども、具体的にはどのような管理体制を組んだのかなとが不明であります。これらの具体的なものは報告の本文にはなじまないことは私も十分承知をしております。したがいまして、今後報告の附属資料として添付して提出してもらいたいものだというふうに思いますが、いかがでしょうか。あさっての総括質疑には添付資料は間に合わないでしょうけれども、来年からぜひ実施してほしいと思いますが、ぜひ大臣の前向きの御答弁をお願いいたしたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 添付資料というもので整理して言葉にする場合、難しい問題もあるような感じがいたします。確かにおっしゃいますように、かくかくしかじかの措置を行ったと、一体具体的にはどうか、そういう問題はうちの方で勉強してみますが、可能なことならば我が方を呼んで、具体的に口頭で説明したりした方があるいは具体性があっていいのかな、そういういつもお呼びいただきますならば走ってまいる体制だけは十分に整えておりますので、問題によってはあるいはそのようなことの方が、なお我々として御審議賜るための協力姿勢としては、時にいいのではないかなという感じを常日ごろ私も持っております。いろんなことで資料を整理した場合に、なかなか文章でかゆいところへ手の届くようなものが非常に書きにくいことが間々ございますので、それらも総合して、今おっしゃいました前向きにというお言葉でございますが、そういう姿勢で勉強させていただきたいと思います。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 私は政府の開発援助に対するチェック体制の問題について質問をいたします。時間が非常に短いわけでありまして、私もできるだけ本質に触れて端的に質問をしていきたいと思いますので、核心に触れた答弁を最初にお願いを申し上げたいと思います。  六十一年度の経済協力費は、一般会計で六千二百三十二億円を超しておりますし、前年度に比べまして六・三%の伸び、国債費の一〇・七%、防衛費の六・五%に次ぐ高い伸長率を示しました。その他、借款分寺含めまして、ODAの総額は既に一兆三千六百億円余りに上っております。  政府開発援助につきましては、我が党もその拡充強化については賛同をしてきております。しかし問題は、開発援助の原資が国民の税金及び零細な資金であったり、我が国の財政が非常に厳しい状況の中で、あるいは国民の中に非常に困っておるところも多いし、福祉を切り捨てたり、あるいは教育予算を切り捨てる、そういう中から援助を続けているわけでありますから、これが適正かつ効果的あるいは有効に使われているかどうか、これが非常に問題であるわけであります。  今回の開発援助に関連したマルコス疑惑や円借款事業の一部に欠陥工事が見受けられたことにつきまして、これはもう異論はないと思いますが、大蔵大臣の見解を承りたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) これは私もどのようにしてお答えすべきか、言葉を選ぶに苦労をしておりますが、実は先般、アジア開発銀行の総会がございましたので、私は二十九日に出発いたしまして、二日の夜帰ってまいりまして、フィリピンのマニラに滞在をいたしておりました。私がお会いするのは、大統領とそれから大蔵大臣、仕事柄限られてまいりまして、中央銀行総裁と、こういうことに限られてまいるわけでございますが、その際もいろいろなお話があろうかと思って、私なりに話を引き出そう引き出そうと思いながらお会いしておりましたが、実態問題として、国内問題としていわゆるマルコス問題というのはどういうふうにとらまえられておるかということについて、私も確たる方向を実はよう見定めないで帰ってまいりました、それが目的じゃなかったからいいといたしまして。ただ総理からもそして外務大臣からも申しておりますように、やはり現在、相手国を信用するわけでございますから、この場合。したがって、全体として所期の目的を果たしておるという認識の上に立っておるわけでございます。したがって、いろんな報道等による疑惑の問題ということになりますと、実情把握のためにできる限りの努力を行っておると。主として外務省、基金等が中心でございますが、おやりをいただいておるところでございます。なお、総理、外務大臣も申しておりますように、改めるべき問題点があったらこれは改めようと、こういうことだけはお互いが最大公約数として認識をしておるところでございます。  それからいま一つは、ことしの二月、総理大臣の諮問機関であります対外経済協力審議会に対して経済協力を進めるに当たって留意すべき基本的事項、こういう打ち出し方で目下諮問をしておるということも一つ存在しておることも事実でございます。ただ私なりに、前の総理大臣兼大蔵大臣でございましたから、非常に仲よくしておりましたが、現大蔵大臣のところへ行きましても、前の大蔵大臣も来てお話しになっておりまして、ただ一年間公職追放みたいなものだというので、極めてその辺は和やかにお話しになっておるし、一体どうしたものかなという感じも持っておりますので、個人として申し上げますならば、報道等でいろんな疑惑等が言われておりますが、実態というのはフィリピンの国内問題としてどう取り上げていらっしゃるかということに、定かな私なりの確信が持てないで帰ったというのが実情でございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 いつか近いうちに総理大臣になろうかという人が、長々と答弁をされまして、中身は何もないんです、今の。だから、それでは困りますから、これからは少し、言葉を選ぶのと核心に触れるのとは違いますから、しっかりした答弁をお願いをしたいと思います。  外務省にお尋ねしますが、昭和五十六年一月に経済協力評価委員会を設置をいたしまして以来、何回か評価をされた報告書を出しておりますし、私もきょうは持っております。五十八年十一月の評価報告書というのをこれは当該決算ですからつぶさに読みました。あとずっと読んでみましたが、一体この評価委員会が、マルコスの疑惑の問題やあるいはそういう本当にここは問題だと、こういうものはフィリピンの関係についてはやっぱり見抜いてない。私はもうそう思われてしようがないんですが、一体どうして評価委員会をつくって肝心なところを見抜けないのか。評価の仕方に私は問題があると思うし、一体それで今後さらにそういう問題を、疑惑の問題やあるいは本当に有効、効果的な援助がやられておるか、こういうものを見抜けるのかどうか、この評価委員会で。この点について外務省にお尋ねいたします。

太田博外務省大臣官房審議官

○説明員(太田博君) お答えいたします。  ただいま先生御指摘のように、外務省では昭和五十六年以来、我が国の経済協力の評価というのを実施いたしてきております。この評価と申しますのは、我が国が行いました経済援助が所期の目的を達成しているかどうか、事業が所期の計画どおりに実施されて期待されていた被援助国に対する経済効果、社会的な開発上の効果が発揮されているかどうか、これを見定めるというのが評価活動のそもそもの目的でございます。そのような観点に立ちまして五十八年度までに約三百件の案件について評価を行いまして、その中にはフィリピン関連の案件も十六件入っております。  それで、フィリピン関連の評価について申しますと、ただいま申し上げましたような所期の目的を達しているかどうかという観点から、この十六のプロジェクトについて現地調査をいたしたわけでございますけれども、その過程で幾つかの問題点が指摘されているという面もございまして、そういうような問題点につきましては評価の結果に照らしまして必要な措置をとるように努めているということでございます。ただいま先生御指摘のいわゆるマルコス疑惑絡み、いわゆるリベートあるいはコミッションと称するものが不正に払われたかどうかということにつきましては、これは今までも国会の場でいろいろと御説明を申しておりますとおり、被援助国、この場合はフィリピン政府でございますけれども、フィリピン政府とそれから事業を実際に実施いたします企業との間の問題ということでございまして、本来の評価の対象とはちょっとずれているという点を御指摘申し上げたいと思います。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 それでは、結局大きな援助の目的というのはその国の、被援助国の民生の安定あるいは国の経済社会の将来にわたっての貢献、これが大きな前提になるだろうと思うんですね。  ところが、マルコスが自分の独裁権力を維持をするために、これはもう非常に利用されたというのはもう公の見るところである。それはまあ議論があるとしても横に置いておくとしましても、彼が余り大きな国でない大統領をやって、あの短期間の間に何兆というんですか、もうこれは外務省もつかんでおるから、たくさんの財を残しておる。これは、まともな仕事をしてそんな金残るわけじゃないんですから、あるいは財が残るわけじゃないんだから、評価の対象に、被援助国との間の企業との関係だから後は知らない、こういう姿勢でいいのかね、外務省。

太田博外務省大臣官房審議官

○説明員(太田博君) お答えいたします。  評価につきましては、先ほど申しましたように、日本の行いました援助が果たして所期の目的を達成しているかどうかという点を調べるということでございまして、例えば具体的に申しますと、フィリピンの案件で道路交通訓練センターに対する技術協力というのを……

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 聞いていることに答えなさいよ、さっきの。僕が今聞いたことに対して。だから、それは僕が聞いた内容については、いやそれは、おれが今聞いたことはだめだというのかどうなのか。

太田博外務省大臣官房審議官

○説明員(太田博君) だめだということではなくて、いわゆる先生が御指摘になりました外務省の行っております評価活動、これの対象にはなってないということでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 評価活動の対象になってないと言うんなら、ちょっと具体的に言いますと、今回我が党の第三次フィリピン海外援助調査団が、ここにおります委員長を中心にして三名でフィリピンに行ってきたわけでありますが、そこでちょっとあなた、そういう答弁しますと、かあっとなるんですね、私。興奮するような答弁をしなさんなよ、いいですか。日比道路の、マニラ南方約二百キロのルセナからグマ間での道路を実地調査した。これは何回か新聞に載っておりますね。そのときの状況の写真を持っておりますが、これはアキノさんになって以降工事した内容なんですがね。これ見ますと、コンクリートの厚さが、これ写真がありますが、フィリピンの基準が非常に薄いが、その基準よりもまた薄いような内容になっている。それから非常にセメントが足らないからこれは恐らくセメントを抜いてるんでしょう、基準よりも。だからちょっと重たい車が走ればこれはもう道路が痛む、こういうような状況がずっとこれ写真がありますよ。要するに、そういう具体的な問題の調査について、いややっている、やっていると言うんなら、本当に問題がないように具体的に、今あなたが言われましたようにこの評価の対象にし、その評価の中で本当にそういう問題が十分指摘できたのか、過去ずっとこれまで、この点はいかがですか。

太田博外務省大臣官房審議官

○説明員(太田博君) お答えいたします。  日比友好道路の建設につきましては、我が国も円借款を供与いたしておりますけれども、それは道路の建設用の機械、それから資材の供与ということでございまして、そういうことを内容とする円借款の供与につきましては適正に調達されているというふうに承知しております。ただ、今、先生御指摘のような建設工事の面でございますけれども、これにつきましては我が国から供与した機材、資材等を使いましてフィリピン側が資金の手当てをいたした上で実施してきているというふうに承知しております。  それで、本件日比友好道路はフィリピンにとりまして事実上初めての大規模道路整備事業、特に山岳道路の建設の初めての経験ということで、いろいろ工事上難しい点もあったというふうに聞いておりまして、それでいろいろな問題が生じているということにつきましては、我が国もそれを承知いたしましてフィリピン側に指摘をいたし、それからフィリピン側と相談いたしましてその改善策等を現在まで必要に応じて講ずるように努力してきているということでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 これは幾ら言っても、何かやっているやっていると、こういうことなんだが、実際は貴重な海外援助資金がトータルで本当に有効に役立っておるのか、この点については問題があるところなんですよ。  大蔵大臣、その点についてはもっと高い次元で、一体そういうような問題について大蔵大臣として、評価をやっている、全部やっていると。やっているなら問題は出ないはずだ。ところが次々に問題が出ているんです。時間がないからもう言いませんが、その点について大蔵大臣としては問題を一体どうとらえておられるのか、高い次元で答えていただきたいと思います。一つ一つのこれの評価はこうこうじゃなくて。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 問題意識、私なりに整理してみますと、いわば援助というのはその国の国民の民生の安定、福祉の向上に貢献するために行われるが、それの対象、交換公文を結ぶのは、それは承認しておるそのときの政権である。そしてそれから先は言ってみれば今度は被援助国のいわば国内問題であるという一つの整理の仕方はできると思うんでありますが、しかしながらその国内問題といたしましても我々が意図しておった民生の安定、福祉の向上に本当に役立っているのかどうなのか、こういうことになりますと、今梶原さんおっしゃったような問題意識はだれも持ってくる。さあそうすると、それを今度はどこでどういうふうに改むべきは改めるかということについて、これは結局外務大臣、総理も御相談なすって審議会等で今勉強をひとつしてもらおうということにはなっておるわけでありますが、そこで一方国会に特別委員会ができたというのは、そういう問題のあり方を国民的次元からやっぱり掘り下げてやろう。私宅国会議員でございますが、今政府の立場でありますから国会のことに口出しするわけではございませんが、そういう問題を国民次元でいろいろ検討してみてやろうというのが、あの委員会ができた一つの理由ではなかろうかというふうに思って、問題意識はそうかけ離れておるとは思っておりません。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 私はそうだと思います。  それで外務省は、もう一回その点については本当に将来海外援助をずっと続けてさらにいく、そして評価の仕方については今あるような評価のやり方で本当に当初の目的が果たせるのかどうなのか、この点についてもう一度聞きます。

太田博外務省大臣官房審議官

○説明員(太田博君) お答えいたします。  援助の適正かつ効果的な使用の確保というのは、援助を実施する上で極めて重要な点でございまして、この点につきまして改善すべき点があれば今後とも引き続き改善していきたい。評価につきましても、現在まで行っておりますけれども、なお改善する余地がないかどうか、現在外務大臣のもとにODA研究会というのがございまして、そのもとに援助評価検討部会というのが実は設けられて、有識者の見解を聴取しているところでございます。この見解も踏まえまして改善すべき点があれば改善して一層努力をしていきたいというふうに考えております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 そうすると、今まではなかったということですね、あればやると言うんですからね。今までもし問題があった場合は外務省はきちっと、あなたもここで答弁した以上は責任とるということですね。いいですか。あればと言うんだから。

太田博外務省大臣官房審議官

○説明員(太田博君) お答えいたします。  評価につきましては、現在までも外務省として最大限の努力をいたしてまいりましたが、まだ改善すべき点があるかないかということで、今申しましたように援助評価検討部会、これに検討をお願いしているところでございます。その有識者の検討を踏まえまして、さらに改善すべき点があればこれはぜひ実施していきたいというふうに考えております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 でたらめじゃないですか、フィリピンの援助問題は。でたらめがあったじゃない。それで、あればというのは句がね、今から。どう責任を感じているの、今の答弁は。納得できぬですよ、委員長。  会計検査院は、お尋ねしますが、五十三年と五十五年の二回、フィリピンの海外援助に対して検査をちょっとやっておりますが、ここで実効ある本当に核心に触れてない。どうしてそれができなかったのか、どうすれば所期の目的が達成されるのか、会計検査院としての本当にそういう高い次元でのお考えを、院長にお伺いをしたいと思います。

大久保孟会計検査院院長

○会計検査院長(大久保孟君) お答えいたします。  フィリピンに対する海外経済援助につきましては、先生御承知のとおり、五十三年及び五十五年の二回にわたって海外の調査を実施いたしました。現地におきましては相手国所在の我が国関係機関の説明を受けるなどして、援助の効果が発揮されているかどうかという観点から、援助にかかわる施設等が計画どおり完成しているか、また有効に使われているかどうかということを調査してまいりました。現地におきます我々の調査はそういうようなものでありまして、もともと私どもの検査は直接には外務省あるいは海外経済協力基金などを対象にしておりまして、相手国政府を対象としているわけではございませんので、先生今御質問ありましたが、今回のような問題を指摘するまでに至らなかったということでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 大蔵大臣、五十九年度の経済協力評価関係の予算を見ますと、外務省に関係する関係ですが、二億八千万円。ところが会計検査院がさっき言いましたように、会計検査院の予算は多分四百何十万円かで問題にならぬのですよ。今言われましたようなネックもあるわけであります。私は、評価委員会がこれまでやったようなやり方をさらに幾ら改善しても本当に問題はなかなか把握する能力もないんではないか。ないと私は見ております。  日本の会計検査院というのは、私はやっぱり決算委員会でいろいろ勉強してみまして非常に優秀だなと思った。これはちょっと話が横にそれますが、昨年の本院の決算委員会で、建設省が通産省の今できました建物をつくるときに、高砂熱学に空調工事をやらせたんですね。総額は約十一億、ちょっと数字に狂いがあるかもわかりませんが。そのうち約一億一千万近く工事をダブル計算をして払い過ぎているんですよ。その払い過ぎているのを会計検査院が指摘をしているんですよ。そして一方、今度は逆に二千六百万円払い足らぬ分がまだあったという、差し引きして多分七千何百万円を高砂熱学から戻させたんだろうと思うんですが、これは新聞にも載りましたけれども、こういうのをやっぱり見つけてくる。わずか九%ぐらいの調査、率で言いますと九%ぐらいの調査の中でもやっぱりそれを指摘しているんです。  この前私は、農林水産の関係の決算委員会で言いましたように、青森のどっかの農協が転作ということで大豆を植えまして、そしてその大豆を植えたやつに対する奨励金を出す。ところが、植えた農家の皆さんにその奨励金を出したんじゃなくて、穀物商から大豆を買って、そして九百万円ぐらいは農協の組合長とだれかが穀物商から買ったやつを、農家の皆さんが本当に植えてそれを農協に納めて、それに助成金を九百万円ぐらい出したような形のものがありまして、これは会計検査院が入って指摘をしているんです、五十九年度にね。これは検察庁に告発されておりますが、そういうのもちゃんと、全数のうちの九%ぐらいの調査でも会計検査院はやっぱり指摘をしてくるわけなんです。  そういう意味で、海外援助で幾ら評価委員会をつくってやっても、これまでもやれなかった。本当の所期の目的は達成されなかった。民生の安定あるいは福祉の向上、これはもうトータルで言うと問題があっちこっちに出ているんですよ。もういろいろ時間ありませんから具体的には申し上げませんが出ておる、そういう大きな問題の指摘ができてないんだ。だから、これはやはり会計検査院にもっと海外援助についても現地に行ってやれるように、これは院法の改正なりそういう方向を政府としては早くやっぱりとるべきではないですか、これはどんどん膨らんでいきますから。この点については、あの丸谷委員長以下、党の調査団をフィリピンに派遣をいたしまして、これは新聞にも載っておりますが、これは外務省立ち会いで話をして、外務省の皆さんが訳した文章ですがね。これを見ますと、フィリピンの会計検査院の院長のギンゴーナという人は、いわゆるマルコス問題にかかわる会計検査について日本の会計検査院に協力を申し入れてもらえれば、共同して調査をやってもよいと。これは具体的なマルコス問題。だからそのように、要するにこの交換公文をつくる段階において、やはり我が国の会計検査院とその被援助国の会計検査院が共同して調査することもあると、こういうようなことを一つ入れておけば、これはただ九%ぐらいの調査だから大したことないでしょう、もっとそれ以下になるかもわかりませんが。しかし、それが一つあるかどうかだけでも、もう相当事前にこの変な問題というのは防げてくる。ここはまあ問題なんですよ、もうぜひ考えていただきたい。また、あの公共事業道路省の次官のロドリゲスとの会見の中でもこう言っているんです。ロドリゲスは、いわゆるマルコス問題の調査について、日本政府とフィリピン政府の合同すなわち第三者機関をつくって調査するという考えはよいと思う、こう言っているんですね。なかなか我々がぼっと行っていろいろ見ても、この検査というのは能力の関係もある。それは先ほど言いましたように、日本の会計検査院というのは非常にやっぱりすぐれておりますからね。そういう意味では、私はやっぱり会計検査院に一歩踏み込むような制度、これはアメリカでもイギリスでもそのような形でまあ共同でやるという形になっているじゃないですか。なぜ日本がそれができないのかですね、ここのところをひとつお考えなり、大蔵大臣の、まあ先ほど菅野同僚議員のお話で一歩前に出られたような私は感触を得ましたので、もう一つ前に出て、この点については何もそれで騒ぎ立てるというんじゃないんだから、そうすることが将来お互いのためにいい、また国の貴重なわずかな皆さんのお金を集めたそのお金をどう有効に使うか、こういうことになるわけですから、大蔵大臣からひとつ前向きな所見を賜りたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) まず一つ申し上げますのは、一番最初にお話がありましたように、予算全体ということになりますとそれは反対賛成ございますが、少なくともこの海外援助の関係、出資増資も含めて、共産党を除きいつでも賛成をしていただいておりますから、賛成しておられるから余計恐らくそれの使途に対して責任をお感じになっておると、私とてそれは同じ気持ちであります。  ただ、一つだけどうしてもそこのところの壁が難しい問題提起でございますから十分勉強さしていただきますが、いわゆる被援助国に対してまあ援助なりあるいは円借なりを行う、それから先はその国の主権の及ぶところの国内問題であると。したがって、それを共同検査とかいうようなことがどちらかの要請でできるものかどうかと、こういうことにつきましては私の法律の知識が乏しゅうございますので勉強さしていただきたいというふうに、その点はお話を聞きながらそういう感じを持った次第であります。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 最後に外務省に聞きますが、交換公文をつくるときに、やはり一番問題は、被援助国と業者の間でそういう問題が発生するわけでありますから、交換公文の沖で共同検査方式をとろうじゃないかと、そういうことをフィージビリティーというんですか、可能性調査、最初のスタートの段階からやはり日本は誠心誠意やるんだと、しかし、それが国内にも変な疑惑を招いてもいけないし、民生の本当のおたくの風の安定や福祉の向上に役立たないとこれはいけないと、だからそういう意味で事前にそういうことのないようにするんだと。そういう意味から日本の会計検査院と向こうの、おたくの検査院との間で、場合によっては共同で検査をしようじゃないかと、いかがでしょうかと、こういう話をひとつやっていただきたい。これはいかがですかね。

太田博外務省大臣官房審議官

○説明員(太田博君) お答えいたします。  援助の適正、効果的な使用につきましては、既に現在交換公文に入っておりまして、相手国政府が日本政府の供与する援助、これを適正かつ効果的に使用することということが入っております。  ただいま御指摘の会計検査の共同検査、これを交換公文に入れたらどうかという御提案でございますけれども、我が国の経済協力に関します基本的な考え方というのは、あくまでも援助というのは被援助国の自助努力に対して行われるものであって、事業自体の実施主体は相手国政府であると。援助資金の使用というのは基本的には相手国自身の責任において行われるべきであるという考えでございますので、交換公文によりまして、共同という形ではあるにせよ、相手国政府に対してこのような義務を課するというのは、ただいま申しました我が国の援助についての基本的な考えから申しますといかがなものかというふうに考えている次第でございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 大蔵大臣、最後にお尋ねしますが、これは我々も海外援助に対しては非常に積極的にやろうじゃないかということできましたけれども、今外務省が言われるような、あくまでこの問題をどこかを隠そう隠そうと、こうしているような姿勢がやっぱりうかがえてしようがないんです。  これは海外予算のあり方そのもの、予算審議そのものを決算委員会を通じて明らかになったものを、これからやっぱり反映をしていかなきゃならない、こう強く感じました。私もそういうように全党的にもっと、取り組みをやっぱり甘くやっちゃいけないと、こういう形で反映をしていきたいと思っておりますが、やっぱり大蔵大臣、これから本当に、日本の国内でも先ほど言いましたようにお金がないわけですから、日本の財政もないわけですから、そのお金を使うときにそれが本当に国民がたれが見てもああよくやっていると、あるいは向こうの国から見てもよくやってくれていると、ここをひとつやっぱりするためには、私は先ほど言いましたように、会計検査院にもう一歩踏み込んでもらうような方向で、最後にもう一度大臣の、神様になったようなつもりでひとつ答弁をお願いしたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 我が国の会計検査院のその能力は私も高く評価いたしております。  再三申し上げるようですが、いわば円借等が渡ったその先の問題がその被援助国の主権の問題になるわけでございますので、どちらかが共同検査を希望するとか、そういうような環境づくり等も私は必要だろうと思いますので……

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 外務省はそれをしないと言うんです。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) それは相手国が、むしろ被援助国の方が共同検査をこの点はというような申し出等が仮にもしあるとすれば、それは私はそれなりの対応はできると思いますが、主権同士の信頼関係に立っておるものを、おれの方が検査してやるというようなことは、これは主権の問題のおのずから制限がありはしないか、こういう問題は恐らくこれからもこの特別委員会等で御議論があろうかと思っておるところでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 私は、きょうは宮内庁に対して、質問というよりは、最近感じていることの一端を申し上げてみたいと思います。  国民統合の象徴であられます天皇陛下が、本年御在位六十年をお迎えになって、加えて八十五歳の御長寿で現在なおお元気であられますことは、これは国民にとって最大の喜びでもありますし、また国としてもまことにおめでたい限りだと思います。また、最近はいろんな人から天皇陛下のお人柄等もだんだんと紹介をされまして、国民の天皇として、国民からひとしお敬仰と親愛の情が寄せられ、これが国民の意識の中に幅広く定着をしておりますことは、日本の将来にとって非常に幸せなことだと思っておるわけでございます。  私は、このような現状を心から喜びますとともに、この間陛下のそば近くで立派にお仕えをされてこられた宮内庁の皆さんに対して、この際改めて感謝を申し上げたいと思います。  さて、私は、過去何回か内閣委員会のメンバーとして、また本年二月には当決算委員会の一員として皇居に参って、陛下の生物学の研究所を拝見させていただきましたが、その際感じましたことを以下率直に申し上げたいと思います。  その第一は、特別のことがない限り、月曜、木曜、土曜日と一週間のうち三日間もお好きな御研究に没頭されていると伺っておりますあの研究所が、最近標本室はごく一部拡張されたようでございます、また、顕微鏡等も新しいものが整備をされておるというふうに拝しておりますけれども、何分にも建物が寒々として、余りにも古色蒼然としておるわけですね。その上に、お使いになっております机あるいはいす、さらに物差しやそのほかの文房具を拝見しましても、お見受けしましたところ、昭和の初めごろから同じものを六十年間も大切にずっとお使いになっておる、このことを私ども拝見しまして一様に大変びっくりもし、また心から恐縮もしたというのが本当の気持ちでございます。このことは国民だれもが想像もしておらないし、想像もできないことじゃないか、余りにも御質素に過ぎるじゃないかということなのでございます。  恐らくは、ありがたい陛下のおぼしめしによるものと存ずるわけでございますけれども、それにしても、現在の国民の生活から見ましても、国民の一人として、ありがたい、とうといという思いとともに、果たしてこんなことで本当によいのだろうかという思いに駆られざるを得ないわけでございます。あるいは陛下はこのような雰囲気にかえって落ちつきをお感じになっておる、あるいは御愛着さえお持ちであろうかとも御想像申し上げるわけでございますけれども、何分にも八十五歳の御高齢でもあります。その上に週のうち相当の時間をここでお過ごしになっておるわけであります。私どもとしては、もっとよい雰囲気、もっとよい環境の中で御研究に親しんでいただけたらばなと、このように思うわけであります。これは決して私一人の思いじゃない、国民の素直な願いではないかと、このように思われてならないわけでございまして、これがきょう特に申し上げたい第一点でございます。  第二点は、先般、両陛下の皇太子殿下に対しますお手紙を、かつておそばにあった者が漏らされた事件がございましたですね。このことは、その意図は別として、おそばに仕える者の心構えとしては十分に慎むべきことじゃないかと、このように私には思われてならないわけであります。  それは別といたしまして、とにもかくにも、最近、陛下を初め皇室の御様子等がいろいろと国民に報道されておりますことは、大変によいことだと思っておる一人でございまして、このことについては、もちろん宮内庁当局が十分な配慮をもって施策を推進しておられるところでございますけれども、この際、私はより一層開かれた皇室の実を上げる、陛下と国民との一体感を進めるためにも、さきに申し上げました生物学研究所の御様子等も含めて、宮内庁は陛下のお考え等がより一層国民に正しく深く理解されるように、もっと計画的に、もっと積極的に国民に知らせることを考えられてしかるべきではないかと、このように考えるわけでございます。  私は、以上二点だけを率直に申し上げまして質問とするわけでございますが、お答えいただけるようでしたら承りたい、このように思います。

山本悟宮内庁次長

○政府委員(山本悟君) ただいま大変よく御察しをいただきました御質問を賜りまして大変感謝をいたす次第でございます。  第一点の御精研の点、確かに陛下は、常々質素ということはお若いときから言っていらっしゃることでございまして、ただいまの御質問にございましたような状況下でずっと御研究を続けていらっしゃる、事実そのとおりでございます。  ただ、先生も御質問の中でもお述べになりましたように、これは昭和三年にできまして以来ずっと同じ建物で、まさに一生をかけてそこで御研究になったというようなものであろうと存じます。それだけに、私ども、そばで拝察をいたしておりましても、大変に御愛着をお持ちになっているんではないか、こういうような気持ちを非常に深くいたしておるところでございます。  御質問の中でも御指摘がございましたように、必要なときには、標本室というようなのはこれは戦後も相当規模のものを二度ばかり増築させていただいておりますし、本当に日進月歩であります顕微鏡というようなものの場合には、これはやはり新しいものも逐次御要望に応じまして入れていっているというような範囲では当然させていただいているわけでございまして、また、そういうものにつきましては、陛下もいろいろとお考えもお持ちになり得るわけでございます。それはそれなりに対応させていただいているわけでございますが、本当にお机、いすあるいはその他の文房具というようなものになりますと、これはもうやはり陛下御自身のお感じということを一番尊重申し上げるのが、御研究をあれだけお続けいただきました陛下のお考えに沿うんじゃなかろうかというような気持ちもいたしておりまして、それはそれなりに必要なものはやらさせていただいておりますけれども、基本的にはただいま申し上げましたような陛下としての御関心、御愛着というようなものを考慮いたしまして、特別な予算要求というようなものをいたさないようなことできているわけでございます。いろいろのこと、そういうような状況であること、そのこと自体がなかなか世にも知られていないというような点があるわけでございまして、この間も御視察いただきましたような際にもよくごらんいただきまして、おのずとそういったようなことが世の中にわかっていくというようなことになっていくのが、一番うれしいことじゃなかろうかというように存じている次第でございます。  それと関連いたしまして、第二点の御質問も同様なことがあろうと存じます。私どもといたしましては、陛下のお人柄や御日常というのが自然な格好で世の中に伝わっていくということを一番基本に置いてはいかがかというようなつもりで対処をいたしているわけでございます。  御案内のとおり、陛下は毎年一回は宮内記者会とも公式にお会いになっておりますし、いろいろな場でもってそういうような意味での伝わり方というのがあっていっているであろうと思います。  ただ、先般新聞に出ましたような、ただいまちょっと御指摘になりましたああいったようなお手紙が外に出るというようなことは、私どもとしては本当にいいことだと、いいやり方だというぐあいにはちょっと思いかねる。その点は記事が出たときに、新聞記者諸君等にもそういうことを申したわけでございますが、それは別といたしましても、自然な格好で陛下あるいは皇族のことが伝わって世の中に出ていくというようなことを基本にいたしまして対処いたしてまいっておりますし、これからもそういうような点を基本にしながら対処いたしたいと思いますが、ただいま先生御指摘ございましたように、やはりこういった世の中でございますから、より広く国民の方々にも理解してもらえるように、わかってもらえるようにというようなことは頭に置きながら、これからも対処をさせていただきたい、かように存じます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 終わります。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それでは最初に円高の問題についてお尋ねしたいと思うんですが、最初に大蔵大臣、昨年のG5以降急激な円高ということでございますが、竹下大蔵大臣という職名のほかに何か国民の間には円高大臣なんという職名もつけられているかに聞きますけれども、それに対して率直な御意見を最初にお伺いしたいと思うんです。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 確かにストロングエンミニスター、こういうようなことが外国の新聞にも書いてございました。それは本当は、私が一番最初大蔵大臣に就任しましたとき二百四十二円、やめるときは二百十九円六十銭で、本当はそのとき大変うれしく感じてやめました。そのときに人が言った話でございまして、ところが今そういう際の話ではなく、この間のG5以来からそんなことを言われておるわけでございます。が、決して私がどうこうして決まるものでもございませんが、率直に言ってG5、昨年の九月二十二日でございます、以来の急激な円高というものに我が国経済が、業種別によってもちろん異なりますものの、なかんずく中小零細の輸出産業がこれに対していわば先の見通しが非常につきにくくなったということで苦悩していらっしゃる点につきましては私もよく承知をいたしております。事実、この間のサミットでもそのことが一番気になったわけでございますけれども、ただサミットというところは、一つだけあえて申し上げさしていただくといたしますならば、あそこは為替相場を決める場所にはなりません。    〔委員長退席、理事堀江正夫君着席〕 率直に言って中央銀行というものが、日本においては何だか非常に政府と中央銀行はそれぞれツーカーみたいな感じでございますが、ほかの国は政権も時々かわりますので、言ってみれば中央銀行の持つ金融の中立性というものが物すごく強うございますので、したがって中央銀行なしに本当は具体的なお話はできないわけであります。しかし基本的にこれから相互監視を強めていって、そして有用と認める場合は共同した行動もあるべしというウィリアムズバーグで決めました原則を確認したと、こういうことでございます。  いつも感じます。率直に言ってメリットを感じていらっしゃるのは成田へお着きになる外国旅行者の方だけは、確かにいささかのメリットを感じていらっしゃいますが、国民全体にそのメリットが出てくるというのは六カ月あるいは十五カ月かかるのじゃないかと、こういう感じもいたしますだけに、当面はやっぱりデメリットの方で苦悩していらっしゃる方々に対するきめ細かい配慮をしていかなきゃならぬというふうに思っておるところでございます。  言われますように、あえて円高大臣と言われますならば、別の意味において私の名前は登でございますけれども、私の人気は下がるだということを友人からも言われております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今いろいろとるるお話がありましたが、やはりこのサミットで、その後一段と円高が進んでいるという状況を迎えておりますのですが、それについてはどのように背景的にはお考えになっていますか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○政府委員(行天豊雄君) 最近の円高ドル安の背景といたしましては、私ども大きな原因は二つあろうかと思っております。一つはやはり米国の経済が昨年来いつ反転上昇するかということを期待されておりながら、なかなかいい数字が出てこないということと、それから、それとも関係がございますけれども、米国の対外収支というものが依然として赤字が大きゅうございますし、それに対しまして日本あるいは西独の黒字が非常に大きいということで、どうも市場関係者の中にはドルというものがまだ下がる要因があるんではないかという気持ちが底流としてあると。また、御承知のとおりこういった底流としての気持ちがございますと、往々にして市場には思惑的な動きも出る可能性がございますが、最近のマーケットを見ておりますと、時々そういう思惑的な動きで不必要に相場が動いておるということもなきにしもあらずという感を持っております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 サミットを開催される際には、総理も協調介入への実施等について予算委員会や本会議等で我々に期待を持たせるような御発言をまれながら臨まれたわけですけれども、やはりそれがうまく合意が得られなかった。それも一つの基本的な原因と考えるわけですけれども、こうした協調介入の実施あるいは円高防止策に対する合意が得られなかったことに対する日本の産業界の失望というのは、非常に大きいのじゃないかと思うんですが、この点についてはそのサミットというものは失敗であったと、このように評価されても仕方がないんじゃないかと思いますが、その点についてはどのようにお考えですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○政府委員(行天豊雄君) 先ほど大臣からも御答弁ございましたように、率直に申しましてサミットの場というのは為替相場というようなことを具体的に御論議を賜る場所ではないと思っております。確かに最近のようにこの国際通貨情勢というのは各国の大きな関心事でございますから、もちろんそういった広い意味で御議論もあったように伺っておりますけれども、そのサミットでこの相場の問題が具体的に取り上げられなかったから、そのサミット全体の評価がそれによって傷つけられるということは非常に不幸なことではなかろうかと思います。  私どもといたしましては、この通貨の問題につきましても御高承のとおり最終の経済宣言にも非常にはっきりと明記されておりますように、    〔理事堀江正夫君退席、委員長着席〕 この通貨問題というものに対する非常に幅広い関心というものが再確認をされ、主要国の間におけるこれからの政策協調のためのいわゆるサーベイランスという手法であるとか、あるいは市場への協調介入という問題について、それぞれ新しく展開も見られ、再確認もされたということで、少なくともこの通貨問題についての観点から見ましても、今回のサミットは大きな成果を上げたのではないかというふうに感じておる次第でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 そうしますと、当面の円高、これは市場筋では、単独介入では非常に無理じゃないか、来週明けには百六十円を切るんじゃないかという為替市場の見方もいろいろとございますし、あるいは日銀だけの介入では無理じゃないか。今も協調介入というお話がありましたけれども、それも実際に成功するかどうかわからない。そういう点を考えますと、やはり思い切ったいろんな手段というものが考えられるんじゃないかと思うんですが、その点についてどうか。あるいはこのまま手をこまねいているようですと、産業界の政府に対する不信の念が一段と強まることも考えられるんじゃないかと思うんです。その点についてはどのようにお考えですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○政府委員(行天豊雄君) 確かに昨年の秋以降の急速なドル高是正、円高という過程を振り返ってみますと、そのスピードが非常に速かった、そのことによっていろいろと我が国の国内におきまして問題が起こっておるということも事実でございます。ただ、先ほども申しましたように、このドル安、円高の背景にはいろいろとアメリカ経済の問題であるとか、あるいは世界経済全体の問題もございまして、この現在の相場水準というものについての評価は国際的にも必ずしもそれは一致はしてないだろうと思います。私どもといたしますと、このドル高の是正というのはもう相当十分な程度に達しておるというふうに考えてはおりますけれども、そういった考え方というのは必ずしも全世界全体の一致した認識であるというふうに自信を持って申し上げられないということも事実でございます。その背景には、やはり何と申しましても非常に大きな国際収支の不均衡という問題がございますものですから、その点につきましては、やはり現実の問題として我々もそれを認識しなきゃならないんであろうかと思います。  当面の相場対策につきましては、大蔵大臣かねがね御答弁いただいておりますように、我々といたしますと、できるだけ相場水準というものは経済の実態を反映したようなものであり、かつ安定的に推移することが望ましいと思っておりますので、先ほども申し上げましたように、当面主要国の間の経済政策調整といったような努力を続けながら、かつ短期的には必要に応じまして市場への介入ということも適時適切に行ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 現在百六十円を切ろうか切らないかというような状態でございますし、どうでしょうか、このような状態の中で日本の産業というのはどこまでこれが耐えることができるだろうかという問題があろうかと思いますし、先ほどもお話ありましたけれども、デメリットの点につきましてはきめ細かい対策をということでお話がありました。確かに各地へ参りましても、輸出産業あるいはそれに関連をしますところの中小零細企業等の大きな痛手というものは、いろいろと法律的に転換法をつくってやっておりますけれども、まだまだそれは十分な救済ということは考えられておりません。そういうところで、やはり一段と高い救済策を講じていかなければならない、金利の面とかあるいは融資条件とかあるいは事業転換のためのいろんなあっせんについても、これは力を尽くしていかなきゃならない、このように思うんですが、その点はどうでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 円高が各企業に及ぼしますところの影響につきましては、これは確かに企業ごとにそれぞれ違っております。したがって、一概にこれを申し上げることは非常に困難でございますが、円高は輸出抑制的に働く、こういうことは確かであります。今のところJカーブがきいておりまして値上げしたものがありますから、ドルベースでは減らないが、端的に数量ベースでは減ってきておるわけでございます。したがって、これはまさに輸出抑制的に働くことは確かでございます。そして、やっと二月の原油が、これは円高とは若干の関係はありますが、直接は値段の下落そのものでございますけれども、二月の末の原油が二十七ドル台でございまして、三月が二十二ドル台になっております、到着するまでに時間がかかるわけでございますから。したがって、私は、そういういわゆる円高と原油価格低落に伴う輸入原燃料コストの低減というようなものが、これから経済全般にメリットの面が出ていくならば、輸出企業にもそれなりのメリットは出てくるだろう。そして、何としても物価安定につながりますから、個人消費等の拡大は期待されるではないか、こんな感じで見ております。  まあいつも自分の気持ちを慰める意味において、私もこの円高というもの、一番最初はドルショック、昭和四十六年、それから第一次石油ショック、第二次石油ショック、円高、そういう問題に我が国の労使というものは柔軟に対応できる世界一の質的な面は持っておるということを自分なりに言い聞かしておりますが、しかしながら、今御指摘なさいましたような輸出関連中小企業、きのうも関係六の方にお会いしました。先日は多治見の陶磁器の方の大人数の会合に出ました。それは言葉は優しくおっしゃっておりましたけれども、怨嗟の眼をもって眺められておるような気がしないわけでもございませんでした、率直に言って。自分らは別に経済摩擦を起こしたわけじゃない、アメリカのつくらないものをつくったんですから、経済摩擦は別の面で起こって、我々だけは完全に韓国、台湾のいわゆるNICSカントリーの方へ仕事をとられてしまって、事業転換しろとおっしゃっても、あなたに歌うたいになれと言ってもすぐ歌うたいになれぬでしょうと、こういうようなお話もございまして、確かにそうだと思って、したがって通商産業省に対して非常に信頼をしていらっしゃいました。だから、質的転換とかそうした問題をも含め通産省に現実問題として指導をしていただかなきゃいかぬなということで通産省にもお願いをしております。そうして、四月四日に決定したものをきめ細かにやりますと同時に、八日付で経営調整資金の五・三%、事業転換資金は五・〇%、こういうような金利というものでも対応していって、今また御主張がございましたように借りやすいようにしてあげなきゃいけません。そういうことも含めて対応しておるところでありますが、先般総理から経済企画庁長官、通産大臣そして私に対して指示がございまして、何らかの措置を講じ得るかどうかを含めてもう一ひねり考えてみろということで、通産省を中心に今鋭意検討をさしていただいておるというのが実態でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 そうしますと、今いろいろとお話を聞いておりますと、かつては円安是正ということで一年ぐらい前のときはいろいろ議論をしていた、今度は今円高になってきたけれども、これはある程度日本の経済の力の実態を反映したものである、あるいは国際協調のいろんな面から現在のこの相場の水準というものは容認をしていく必要があるんじゃないかというようなお気持ちがそこにはあろうかというように私たち感じ取れるわけですが、その点はどのようにお考えですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) これはやっぱり為替相場というのは基本的には各国の経済のファンダメンタルズで決まっていくべきものだと思っております。だから、介入というようなものも考えようによれば邪道かもしれません。だが、乱高下が著しいときはこれをやっていかなきゃならぬという問題も我々は合意しておるところでございますが、何しろどの企業はどれぐらいかというようなことは個々によって違いますが、いわゆるスピードでございますね、急激さ、それから、きのう、おとといとごらんいただきましても、途中で二円ぐらいぶれたりします、同じ日に。ああいう問題について、もう少し私は個人的にも掘り下げてみなきゃいかぬなと。恐らく我が園の輸出が全体で三千億ドルぐらいとして、大ざっぱに五十兆円何ぼぐらいの輸出があるのに、年間、恐らく動いております為替市場、きのうだけ見ても四十五億ドルでございますから、そうなると恐らく百何兆、相場としては、これは東京市場だけでございますから、そういうことに対してのこともよっぽど慎重に構えなきゃいかぬ。それだから、本当のところは各国のそれ者が、それ者という表現はおかしいんですが、金に関係ある者が物を言わなきゃいいと思っておるんでございますが、私は物を言いませんけれども。ところがよく調べてみると、金に関係のある人でなく、産業関係の人の発言が余計やっぱりあるようでございますが、そういうのが一々投機を呼んで、毎日の間に大変な百額なものが動いていくというようなことが一体どうしたものだろうかな。いずれにせよ今度は、サーベイランスというのはG5でこそこそとやっておりましたが、今度はそれがオーソライズされて、これから五カ国、七カ国で相互監視をやれ、こういうことになったわけでございますから、これでもってやっぱり基本的には各国の政策協調がきちんとできるという方向にリードしていかなきゃならぬというふうに思っておるところでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 相互監視か日本監視かわからぬということがいろいろと論議をされておったところで、本会議でも論議をされておりましたけれども、最近の、やはり今お話がありましたように、いろんなところの発言によって相場というものが今動かされているということは感ずるわけですね。こういった急激な相場変動を見てみますと、やはり変動相場制には欠陥があるんじゃないか、だから金に関係のないところの欧米の高官の発言によっても、為替相場というものがいろいろな面で誘導をされているような印象も受けるわけですけれども、変動相場制はこうした一連の政治的な圧力によって今一段と不安定な制度になりつつあるんじゃないか、こういうような印象をぬぐえないんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○政府委員(行天豊雄君) 委員御指摘のとおり、通貨制度問題、特に変動相場制度の功罪につきましては、最近国際的にも非常に活発な議論が行われておるわけでございます。一九七三年以来既に十数年を経ておるわけでございますが、率直に申しまして、二度にわたるオイルショックを経ました世界経済にとりまして、この変動相場制度、つまり為替相場というのは市場の需給に応じて自由に動くような制度というものが、非常に弾力的な一つのショックの吸収材という役割を果たしたという点についての評価はあるわけでございますけれども、半面、まさに御指摘のとおり、この制度のもとで、相場水準というのは時によって非常に経済の実態を反映しないことがあったじゃないか、あるいはまた短期的な変動が非常に大きかったじゃないかという批判もあることは全く御指摘のとおりでございます。特にこういった批判にこたえるために、昨年来国際的にいろいろ真剣な勉強が行われておりまして、御承知のとおり、昨年の六月には、竹下大蔵大臣が議長を務められました十カ国蔵相会議におきましても、そういったまじめな勉強の成果が報告として公表をされておるわけでございます。結局、どうも今までのこういった幅広い議論の中から生まれております大方のコンセンサスというのは、その制度そのものを何か抜本的に昔の固定相場に戻すというようなことは、これはちょっと現実的ではなかろうけれども、何しろ変動相場制というものがデメリットのサイドを出さないように、まさに各国の経済というものが調和のとれた姿でできるだけ動いていくようにする必要があるということで、先般のサミットにおきましても合意がなされました主要国の間の政策協調、そのための相互監視という方向への努力が行われているわけでございます。したがいまして、変動相場制につきましては、なかなかこれは、評価は確かにいろいろございますけれども、当面の国際的な動きというのは、制度根本をいじるということじゃなくて、その実際の運用を各国間の協力によって改善をしていこうというふうに動いておるんではないかなという感じを持っておる次第でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 確かに、変動相場制に移りましてもう十年ぐらいになりますし、石油ショックの後のいろいろな国際経済情勢というものもそれで乗り切ってきたわけでございますから、やはり固定相場制に戻るということももう意味が失われてきているような感じがしますし、今局長がおっしゃったように、変動相場制そのものを基本としながら、各国のいろいろな協調のもとに乱高下を防いでいく、これが具体的、現実的だろうと私も思いますけれども、大臣もこの前予算委員会でそのように御答弁いただいておろうかと思いますけれども、しかし、乱高下というものがこれからもあり得る状況のもとでは、やはりいろいろな手だても考えていかなきゃならないんじゃないかと思うんですが、最近のアメリカの経済雑誌のビジネスウイークに、四月二十八日号ですか、これを見てみますと、ベーカー米財務長官は、今夏までに国際通貨改革案をつくり、大統領の承認を得れば九月の国際通貨基金年次総会に提示をする意向である、こういうような報道がされておりましたけれども、このベーカー米財務長官の国際通貨改革案というのは、固定相場制の考え方に近い、いわゆる目標相場圏構想、こういうものではないかと言われておりますけれども、この報道が事実としますと、アメリカは、円相場をかなり高い水準に押し上げておいて目標相場圏として固定させる、あるいは安定させる意図を持っているんじゃないかと懸念されるわけですね。よくアメリカの議員の方の論議を聞いておりましても、円が幾らになったということじゃなくて、通貨を安定させることが必要なんだということをかなり強く強調される方が多いわけでございますが、それは、そういうことも含めた今申し上げたような高い水準に押し上げておいて、目標とする相場圏を固定させようという意図がかなりあるんじゃないかなという感じがするんですが、その点についての大臣のお考えはどうでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) レーガン大統領の年頭教書におきまして、ベーカーさんにレーガンさんが、通貨問題についてことしの終わりまでにひとつ勉強せい、こういう指示があった。四月八日でございましたか、私とベーカーさんとの会談で、ところが一方、G10の報告というのをこれからIMFの暫定委員会へ報告して、それで通貨制度は議論してやっていくという方向になっておるから、それを横目で眺めながらこれからいろいろ考えていこうということではないかなあ、というようなやりとりをいたしたところでございます。  結局、ターゲットゾーンという問題意識は、私は、今日の議論の中では、いろんな問題点を議論しましたが、そのターゲットそのものの定め方がまず大変な問題でございますので、主要国間で合意に達するというのは非常に難しい問題だということが我々の今のところ合意になっておりますので、ベーカーさんがいきなりいわゆるターゲットゾーン構想というものに着目されるとは私は思っておりません。しかし、ヨーロッパにおいてもどちらかといえばフランスがターゲットゾーン構想で、他の三カ国はそれに批判的と。これはやっぱり非常に難しい問題でございますので、今後のやっぱり議論の進展に任せなきゃいけない議論だと思います。ただ、太田さんおっしゃった、我々通貨当局者の話し合いというのは、いわゆる安定ということは一番大事なことだということを念頭に置いて話し合いをしておるということは事実でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 次に、やはりこれもいろいろと円高の影響なんでございますけれども、六十一年予算で政府は税収見積額は四十兆五千六百億円、名目経済成長率は五・一%、実質経済成長率は四・〇%、このように見込みを立てて編成されておったわけでございますが、その予算が成立しましてからわずか一カ月の間に百八十円台から百六十円台と、このように円高が進んで、もう百五十円台も目前だという状態でございますが、そうなりますと、この円高あるいは石油の価格の下落等の影響は先ほどお話がありましたように、半年あるいは十五カ月先だとなりますと、今当面あらわれておりますのは円高デフレの問題、それから物価が引き続き安定をしている、そういうことに伴いまして法人税とか、あるいは所得税などの伸び悩みが予測されるわけですけれども、このままでまいりますと大幅な税収不足が懸念されてくるわけですが、その点どのようにお考えでしょうか。

尾崎護大蔵省大臣官房審議官

○政府委員(尾崎護君) 御質問、六十一年度の税収についてのことでございましたが、六十年度、今現状がどうなっているかということを最初に御報告申し上げますと、現在判明しておりますのは三月末税収まででございます。三月末税収までの実績は三十兆四百四十七億円となっておりまして、六十年度の補正後予算三十八兆一千四百五十億円に対しまして進捗割合が七八・八%ということになっております。去年の、五十九年度の場合、決算に対しまして三月末税収の進捗割合は七九・〇%でございましたから、それを若干下回っているという状況にございますが、先生御承知のとおり、六十年度からたばこ消費税というのができておりまして、その影響を除きますために、たばこ消費税を除いて進捗割合を出してみますと、現状の進捗割合は七九・四%でございまして、これは先ほど申しました前年同月七九・〇%を若干上回るという状況に現在なっております。そういう状況で六十年度の税収がどういうことになるかということでございますが、御承知のとおり、法人税の三月期決算分というのが残っておりまして、これが大変大きなウエートを占めておりますので、現在の状況ではまだ何とも申し上げかねるというように存じます。  それを受けまして六十一年度の税収でございますけれども、これは先生の御質問の中にもございましたように、予算編成の段階におきまして、それまでの課税実績でございますとか、六十一年度に想定されている経済の姿を示します政府経済見通しの諸指標を基礎といたしまして、個別税目ごとに適正に見積りを行ったものであります。その後いろいろ情勢の変化はございますが、何分にも本格的な税の収納というのが六十一年度につきましてはまだ始まっていない段階でございますので、現状におきまして六十一年度の税収について申し上げられる、そういう段階にないことを御了承いただきたいと存じます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 そういう答弁をされるだろうとは思っておりましたけれども、あるいは実質経済成長率につきましても、民間の研究機関の試算によりますと一〇%の円高で一・五%程度下がるという試算も出ておりますけれども、そうなりますと実質の経済成長率というのは二・五%と見通しを大きく下回ることになるんじゃないかと思いますが、大蔵省ではどのようにお考えになりますか。

北村恭二大蔵省大臣官房総務審議官

○政府委員(北村恭二君) 最近の経済動向を見ますと、先ほど来お話に出ておりますように、非常に円高の進展に伴いまして輸出等に影響が出てきておるということもございますし、また企業の景況感にもそのような影響が出てきております。実際のいろいろな指数等を見ましても、鉱工業生産指数などやや一進一退ながら弱含み傾向ということで推移しているように思われます。ただ全体として見ました場合に、非常に物価が極めて安定しておりまして、現在出ている指標で見ますと、個人消費とか設備投資といったような内需面では着実に増加傾向というものがまだ続いておりまして、まだ全体として見ますと内需中心の拡大局面というものが続いておるというふうに見ているわけでございます。  先ほど来お話しございます円高につきましては、当面輸出数量の減少といったようなことでのデフレ効果というものが出ているわけでございますけれども、ただ一方、よく価格効果と申しますか、交易条件の改善効果ということが言われておりまして、これが内需拡大面ではプラスに働くという効果が期待されているわけでございまして、若干時間がかかるかと思いますけれども、こういったメリットが徐々にあらわれてくるということも期待されているわけでございます。いずれにいたしましてもそういった経済状況の中で、政府といたしまして三度にわたりまして内需の拡大策といったようなことも講じておりますし、また公定歩合の引き下げも再三行われているところでございます。さらに原油価格の低下というメリットも考えられるということでございますので、こういった効果があらわれてくるということを考えますと、政府としてつくりました経済見通しというもので想定いたしましたような、内外需のバランスのとれた安定成長という路線の上を現在も進むことになるんではないかというふうに考えておりまして、六十一年度の実質成長率につきましても、現在のところやはり四%程度になるというふうに見込んでいるところでございます。

大塚功経済企画庁調整局財政金融課長

○説明員(大塚功君) 昨年末に政府経済見通しを作成したわけでございますが、それ以降円高の一層の進展でありますとか、原油価格の値下がりといった状況の変化があることは事実でございます。それにつきましては私どもは次のように考えておるわけでございます。  まず円高でございますけれども、円高には二つの側面があるわけでございまして、一方ではいわゆる貿易数量効果と言っておりますけれども、輸出数量が減少いたしますし、一方で輸入数量が増加するということでGNPを押し下げる、外需の減少という形で押し下げるということがございます。ただ他方では、いわゆる交易条件改善効果というのが働くわけでございまして、これは若干御説明いたしますと、円高になりますと確かに輸出代金の手取りの減少ということがございますが、一方におきましてこれを上回る輸入代金の節約効果というのが起こるわけでございまして、差し引きでプラスになる。言ってみれば海外から所得が日本に移転されるというようなことでございますが、こういった交易条件改善効果が働くわけでございます。これによりまして物価が安定をいたしますし、また実質所得が増大をするということになります。そういたしますと、実質所得増大に伴いまして個人消費の増大がもたらされる。また物価が安定し、原材料コストが安定するわけでございますので、企業収益にもこの面からはいい影響を与えるということでございます。また物価が安定いたしますから、予算が名目で同じ金額でありましても実質で見れば政府部門の寄与も成長に対して高まると、こういったようなことでございます。このように考えますと、円高の交易条件効果というのは全体として内需を拡大するという方向に働くわけでございます。  それからもう一つ、原油価格の低下傾向が出てきているという状況の変化でございますが、これにつきましては先ほどもお話がありましたように、三月実績で見ますと一バレル当たり二十二・四ドルとなっておりまして、二月に比べまして五・二ドル既に低下したわけでございます。三月以降もこのような傾向が続いているものと思われるわけでございますが、これは原油代金支払いの減少ということで円高と同じように交易条件改善効果が働くわけでございます。  こういったことで見通し作成後に起こりました円高とか原油価格の低下といった変化は、一般的に申しますと、外需を減少させ内需を増大させるという方向に働くと考えられますので、見通し作成時点で考えておりました内外需のバランスが、内需の方にさらにバランスをシフトさせるということで、GNPの構成項目の間では変化をもたらすと思われますけれども、GNP全体といたしましては政府見通しの基本線の動き、基本線で考えておりましたところが変わらないんではないかというふうに考えておるわけでございます。  また、政策面におきましても、三度にわたります内需拡大対策でありますとか、年初来の三次にわたりますところの公定歩合の引き下げ、こういったものが内需拡大の方向に働くというふうに考えるわけでございます。そういったことで、今後、円高とか原油価格低下の交易条件改善効果が本格的に働いていくということになりますれば、我が国経済は引き続き着実な拡大を続けまして、当初見通しておりますところの四%成長というのが実現できるんではないかというふうに考えておる次第でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今、大蔵省、経企庁それぞれお答えいただきましたけれども、非常に楽観的な見方をされているわけですが、これは民間の研究機関等のいろんな提言もございますけれども、円高のいろんな差益の問題が経済に浸透していくためには、あなた方がおっしゃっているような半年後ということじゃなくて、これは二年後になるんじゃないかという予想もされているわけです。そのために、これは本格的な内需拡大策を実施しませんと円高不況というものはさらに深刻化をして、本年度の実質経済成長率というのは二%台にとどまり、経常収支は八百億ドルを超える、こういう警告も出されていることでございまして、私たちは今のような経企庁あるいは大蔵省さんのおっしゃっているような見通しのとおりにいかないんじゃないか、それぞれの地域でいろんなお話を聞いてみますと、そういうこともひしひしと今感じているわけです。ですから先ほどもいろいろと話は聞きましたけれども、円高そして石油価格の下落、そして余り効果的ではなくなってしまったような公定歩合の引き下げ、これに頼るような経済対策だけであってはこれは本格的な内需拡大策にはならないんじゃないか、六十一年度の景気対策にはならないんじゃないかと私たちは考えますが、その点やはりもう一度円・ドルレートの、百八十円だ百六十円だ、あるいは百五十円になろうというときでございますから、さらに経企庁としてもう一段突っ込んだ対策というものを考えるべきじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。

吉川淳経済企画庁調整局調整課長

○説明員(吉川淳君) お答えいたします。  私どもの見通しとそれから民間機関等の見通しのお話がありましたので、その辺とちょっと関連させて申し上げさせていただきたいと思いますけれども、年初来、いわゆる景気論争の中で一つのポイントといたしましては、やはり民間部門における先行きに対する不確実性ということがございまして、その辺がやや景況感という格好で最近停滞感が出ておるということだと思われます。この辺が、例えば今後の設備投資なり何なりに影響を与え得るかどうかという点が一つのポイントかと思っております。そういう点につきましていわゆる景況感ということから考えますと、先ほどの議論にもございましたように、何よりやはり為替相場の安定が必要であるということで、今回の東京サミットにおきましても今後の世界経済の運営の中で一つの問題点として、為替相場に関する不確実性というのがあるわけでございます。  したがいまして、やや議論を変えるようなことになって申しわけございませんけれども、やはりここのところで為替相場の安定感が出てくることが必要である。そのために東京サミットの今回の経済宣言も大きな役割を果たすだろうと思っておるわけでございます。  なお、そういう枠組みの中で考えましたときに、私どもの経済運営につきましてもその枠組みを前提といたしましたときに、対応としては短期の対応と中期的な対応があると思われます。日本経済につきましては、そういう短期の対応と中期的な対応が迫られているわけでございますけれども、中期的な対応といたしましては、この間の五月一日に経済構造の推進に関して一種のガイドラインと申しますか、そういう方向で決まっておりまして、これはその方向で進んでいくだろうと思っておるわけでございます。これは長い目で見まして、構造改善という形で先ほどの相場の安定にも寄与していくだろうというふうに考えております。  他方、恐らく御関心の点は短期の対応であろうと思われますが、これにつきましては先ほど大蔵大臣初めお話しになりましたように、これまで状況の変化に応じて短期的な対応を積み重ねてきたという点は重々御説明申し上げたとおりでございますが、現在の状況におきましてそういう短期的な対応がなおあり得るかどうかにつきまして総理から三大臣の方に御指示がございまして、検討に入っておるところでございます。したがいまして、それにつきまして今この段階におきまして私の方から残念ながら申し上げる立場にございませんので御勘弁願いたいと思いますけれども、政策の方向としてはそういうことで何らか短期的なさらに対応がないかということで検討を続けておる段階でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 最後に大蔵大臣にお尋ねしますけれども、やはり日本経済の進め方につきましては、これは世界経済に大きな影響も与えますし、世界各国はサミットでもわかりますように日本に対して内需拡大の大合唱を繰り返している、これが実態だと思いますが、やはり今経企庁から話がありましたけれども、短期的には積極的な財政出動を伴った内需振興策をやはり考えるべきじゃないかと思うんですね。  私どももその点につきましては、財政再建計画、これもございますけれども、この期間を繰り延べをして、国債による公共投資を積極的に進めながら、あるいは一面では所得税減税を断行するなど、そういう思い切った内需拡大を図ることが今必要じゃないかと思うんです。そういう意味で、今総理からもいろいろと検討をせよと、本会議でも話が確かにありましたが、やはり公共事業を取り上げても上期には七四・四%ですか前倒しをされる、建設省関係でも八〇%ということでございますが、下期には必ず、毎回議論になりますけれども、息切れをしてくる状況になるわけでございますから、やはり早期に補正予算等を編成をして国会に提出をして、やはり短期的なそういう景気の回復ということに対する政府の積極的な姿勢というものを示さなければならない、このように思っております。  さらに私たちは、やはり日本の産業構造というものを確かにおっしゃるように内需主導型に転換していかなければならない。急激な転換ということはなかなかこれは難しいと思いますが、やはり三年程度日本経済を五%安定成長路線に乗せるために、緊急政策として生活関連社会資本の整備を主体にしますところの財政政策の発動を行っていくべきじゃないか、あるいは民間活力の活用も図っていくべきじゃないか、これは積極的に行っていく。そして、日本が五%安定成長路線に乗ったときには、そのときには今度は緩やかな成長ができるようにやっていくということも私たち考えておるわけでございますが、やはり大蔵大臣もその点短期的な景気回復をどのように積極的に起こされる所存か、これからいろいろな協議もされるようでございますけれども、大蔵大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 一つは、今御意見を交えての御質問の中にございました補正予算を組んでどんとやったらどうだ、こういう御趣旨の御発言でございますが、まだ今財確法がこの間本会議で初めて趣旨説明をさせていただいたばかりでございますので、そこで補正予算を出すと言えば財源確保の法律の中身を変えてこいと、こういうことにもなりますし、通ったばかりの今日、補正予算を大蔵大臣が言の葉に上せるのはこれはいかがかと、こういうことになりますが、総理が申しておりますように下期の経済情勢を見ていろんな手だてをやっていかなきゃならぬ。確かに今おっしゃいました、きのう決めましたのが七七・四でございます。七七・四というのは相当なものではございますが、私も建設大臣をしておりましたけれども、そう玄人じゃございませんが、その上にいわば原燃料それから原材料が下がりますから、したがって例えば百メートルのものが百十メートル実質できた場合、そうすればその工期というのが、契約が上期に七七・四やられたとしましても、工期から言えば下期にかなりのものがまた押し出されて残っていく、こういうことも出てくるのかな、そんなことも考えながら、その時点の経済情勢を見ながらこれは対応していかなきゃならぬ課題だというふうに思っております。  ただ、ここのところ建設国債の増発ということになりますと、毎年補正予算で災害のときお願いしておりますが、あとはいわゆる債務負担行為等によってこれを行わしていただいてきておるわけであります。建設国債は善玉で赤字国債は悪玉だ、ただこれが残高になった場合は同じものになってしまうわけでございますから、そこに財政を担当しておる者として後世代へそれだけのツケ回しをすることは、やっぱり生きとし生けるものとして非常なちゅうちょを感ずることは事実でございます。したがって、狭い財政の政策選択の幅の中でやっぱりいわゆるインフレのない持続的成長というものを心がけて、今後も対応していかなきゃならぬというふうに思っております。  減税問題につきましては、これはこの秋までに結論を出して六十二年度税制でやらしていただこう。しかし一方、幹事長・書記長さんの申し合わせがございます。これは今年中に成案を得る、こういうことをおっしゃっていただいておりますので、それらを相互に勘案しながら対応さしていただく課題ではなかろうかというふうに思っておるところであります。  それから、緊急対策としての建設国債なりあるいは財政再建期間を恣意的に延ばす、こういう問題でございますが、これになりますと大政策転換に実はなるわけでございます。これを延ばせばそれだけは若干楽になりますが、しかしそれだげまた金利負担を後世代へツケ回すことにほかならないわけでございますし、建設国債といえども、確かに一兆円出せば四千数百億、三年ぐらいで税収で返ってくるという理屈にはなりますけれども、一兆そのものはそのまま残って三兆七千億と、こういうことを六十年間にわたってツケ回しする、その辺の兼ね合いをどうしてやるべきものかということが狭い狭い選択の幅の中の選択肢ではなかろうかというふうに思っております。したがって、六十五年度赤字公債脱却というこの旗をおろすわけにはいかぬ。それから、一遍おろしますと今まで抑えてきたものが、一挙に歳出圧力というものが噴き出してまいりますと何のために今までやっておったか、こういうことも実際問題として出てまいります。  太田さん、いつもおっしゃいますように、それは金利も世界で一番安い国でございますから、したがってインフレを起こす可能性はほかの国よりは少ないと思います、仮に公債が増発されたとしても。しかし、やっぱり財政の節度というのは昭和二十一年でございますか、先輩諸君がつくってくれた、要するに赤字財政は出しなさんなよ、こういう趣旨から今日きて、昭和三十九年まで頑張ったのに四十年から公債発行し、五十年から赤字公債発行し、その惰性の中で何だか公債を抱えた財政が当たり前だというような安易な気持ちになってはならぬということを、みずからの心に直言い聞かせながら、ますます人気を下げておる、こういうことでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 ますます人気を下げているんじゃ困るわけでございまして、ますます人気が上がるようにひとつ積極的に取り組んでいただきたい。  終わります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 当面の政治課題、円高問題も含めて幾つかの問題で大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、まず定数是正に絡んでの解散問題についての大臣の御見解であります。  議長の調停案というのが出て周知期間が一カ月設けられる、こういうことになったということにも対応して、金丸幹事長も官房長官も、記者会見のお話を伺ってますと事実上解散は不可能になった、同時選挙はあり得ないということをおっしゃっている状況に見受けられますが、竹下大蔵大臣の、新聞で拝見した記者との話によりますと、理論的にはまだ解散、同時選挙の可能性がある、一人踏ん張っていらっしゃる感じも見受けられないわけでもないんですが、この問題についてどういうような認識をお持ちでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) いろんなことを前提にすれば理論的にはあり得るかとも思います。しかし実質的に、その理論的な問題を横に置きますならば、二十二日で会期が終了した場合、法律が成立したといたしましても、恐らく国会を、衆議院を解散することによって参議院の通常選挙と合わすということは、これは私は難しいことであろうというふうに思っております。  若干ニュアンスは、これは政治家としてどうかということについて考えた場合に、もちろん周知期間も何も認めてのことでございますけれども、本当は考えようによれば我々は違憲代議士がもしらぬと、そういうことになれば、法律が成立をすれば一定の期間が過ぎたらやめて、本当はもう一遍審判をし直すというのも論理としてはあり得るな。政治的な思惑は全然別といたしまして、表現はちょっと悪うございますが、やみ入学をしておった、仮にそんなことであったら、やっぱりもう一遍試験を受けるということも理論的にはあり得るなと、政治の思惑全然別の次元でございます。しかし、それが同時選挙に結びつくとかいう問題も別の次元でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣のおっしゃる趣旨、私もわかります。しかし、最高裁はやみ入学ではあるけれども執行猶予につき、情状酌量と現状こうなっているわけです。したがって、一刻も早く定数是正、合憲にすることが必要だと。共産党は一対二未満の抜本是正を要求しておるわけですが、それはともかくとして、憲法に適合する方向で定数是正がやられるということで新しい選挙法制が決まりますと、私は大臣がおっしゃるように、それによって早く選挙の洗礼を受けるのが、違憲状況を根本的に直す上でも考えられる問題があるというふうにおっしゃったという意味はそういう意味だと思うんです。しかし一面、理論的にはそういうことですが、そうなりますと、大臣がおっしゃるその洗礼を受けるというのは、これはつまり次の総選挙ということになるわけですが、それはできるだけ早い方がいいというお考えですか、法案が成立すれば。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 法案が成立して、すべての条件は申し合わせどおりに行われたとして、本当はできるだけ早いというのが理論的にはあり得るのかなと。しかし、受け皿ができる、土俵ができるわけでございますから、今の場合、執行猶予されておれば別に先へ行ってもどうってことはないじゃないかという政治的な問題も私はわからぬわけではございませんが、理屈から言うと、せっかく違憲状態が画されたとすれば可能な限り早い機会に、これは各党とかいうことではなく、みんながもう一遍身ぎれいにしてちゃんとした入学試験を受けて、それは政権がかわるとかかわらぬとか、全然そんなことは別にして、そういうことはやっぱり勉強課題としては考えなきゃいかぬなというような気持ちがないわけじゃございません。しかし、今中曽根内閣の一国務大臣でございますので、解散を云々するということは控えなきゃならぬと思いますが、政治家としてそんなことをかねて考えておったことがあることは事実でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 非常に大事なお考えの一端を伺うことができたわけですが、当面の国内情勢として考えますと、後で問題も出しますが、大臣もおっしゃったように、円高問題のデメリットの部分が非常に大変ですね。したがって、これの緊急対策も総理を初め大臣としてもこれから力を入れなきゃならぬ、こうなっているわけですが、こういう円高問題で国内経済をしっかりやっていかなくちゃならぬという、こういう国民的課題を考えますと、こういうことを棚上げするようなことで政治空白をつくるということになってはこれまたまずいということがありますから、そういう意味で、大臣の今のお考えは理論的な問題とは言いながら、現実の政治問題としてはこういった円高問題を棚上げして政治空白をつくるような解散、総選挙はそう早急にやるべきものではないという考えもあろうかと思いますが、いかがですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) そういう考えももちろんあろうかと思います。あくまでも、私が申しましたのは一面から見た政治空白とはいえ、行政行為というのはあるわけでございますから、一面から言えば、本当は有効になる一番早い日に、それも土曜、日曜に限らず身ぎれいにするというのも、僕はこの法律が通ったら一部にそんな世論も出てくるんじゃないかという気がしないわけでもございません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 非常に早く身ぎれいになりたがっていらっしゃる感じが強いわけでございますが、しかし、当面の国民的な大事な経済対策を棚上げするような政治空白をつくるようなやり方での選挙というのは、やっぱりよくないというように私は思っております。  次の政治課題の一つとして、マルコス疑惑の解明問題についての大臣の所信なり姿勢を伺いたいのでありますが、これまで日本が第一次から十三次までやりましたフィリピンへの融資用援助総額は四千六百億を超えております。これが伝えられるように一五%以上のコミッションがそこから捻出をされて、それが不正に使われたとなりますと大変な金額になるわけでございまして、これがどのようにマルコス蓄財に使われたかという課題もありますが、日本としては、日本の貴重な国家資金が不当なコミッション流用ということで使われ、それが日本の多くの企業も関与して、そういった不正な海外経済援助ということで構造的に組み込まれているとなりますと、海外経済援助の仕組みの見通しはもちろんのこと、そういった不当なコミッションをつくり出したそのことについてもメスを入れなくちゃならぬというように私は思うんです。そういう意味でこのマルコス疑惑については総理も外務大臣も国会答弁等ではその解明には全力を尽くす、調査には努力するということを繰り返し答弁されておられますが、大臣の、所管大臣のお一人としていかがお考えでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) これは総理、外務大臣からお答えがあっておるとおり、私も援助が適正かつ効率的に実施されて、本当に途上国の社会、経済の発展に役立つような効果的な援助を行うことが必要だと思います。  具体的な問題になりますと、いわば主権の及ぶ範囲とかいう問題がございましょうけれども、せっかくこれだけのことをこの国会で協賛をいただいて予算化し、それが報道で伝えられるような疑惑を生むというのはいけないことだと思っております。  したがって、先般ADBの総会でフィリピンのマニラへ参りましたけれども、いわゆる新政権がどのような形で国内問題として見ておられるかというようなことについて、私なりに個人的にでも感触を得たいと思って見ましたが、新政権できたばかりでございますが、その方向を必ずしも見出すには至らなかったと自分で思っておりますけれども。  そこで、私自身の分野から言いますと、我が方の国内問題になりますと、税務調査というような問題は確かにあろうかと思っておりますが、直接の調査ということになりますと、四省庁体制の中で私の方のやる分野は非常に少なくなってはまいりますけれども、総理、外務大臣がいつもお答え申し上げておりますとおり、可能な限りのことは私どもとしてもやるべきだというふうに考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大蔵大臣は四月にフィリピンのオンピン蔵相が来日をされたときに、二十五日に会談されている報道がありますが、これは間違いございませんか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 間違いございません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 安倍外務大臣ともお会いになっていらっしゃいます。これはまた月曜日には外務大臣にお聞きしたいと思っております。  大臣、問題は五月九日、各紙が一斉に極めて重大なニュースを伝えたことに関連をしてお聞きしたいんです。  つまり、自民党の武藤嘉文代議士がマニラを訪れられて、それでサロンガ行政管理委員会のダザ委員と会われた、そのことが出ているわけです。これによりますと、ダザ委員ははっきりと日本政府からこの行政管理委員会の調査についてプレッシャー、圧力を受けたということを言っておる、こういうわけですよ。その内容は、サロンガ行管委員長の来日がかねてから伝えられておったんですが、参議院選挙の六月二十二日までは来ないようにしてもらいたい、二つ目はサロンガ委員会の調査結果については公表せずに外交ルートを通じて日本側に連絡してもらいたい、こういうことが守られなければ今後の対比円借款の実行に影響が出ると、これが日本政府の意向だということをあるフィリピン人がダザ委員に伝えてきたということをダザ委員は認めた、こういうわけです。これは言ってみれば糧道を断って疑惑のカバーアップをやるということで、これはもう日本政府として絶対に許せない国際的な信用にもかかわる重大な報道であるわけですが、こういうことに関連をして、このダザ委員はオンピン蔵相が、あなたがお会いになった四月の来日中にオンピン蔵相自身も調査に介入するような電話をマニラのダザ委員にかけておるということもダザ委員は認めているわけです。本当に日本政府はこういう意向を持って何らかの工作をアキノ政権に対してしたということがあるのかどうか、私はこれは徹底的に明らかにしなきゃならぬと思うんです。あなたはオンピン蔵相とお会いになったことをお認めになったわけですが、その来日したオンピン蔵相との間でマルコス疑惑解明に関連をして何らかの話し合いをなさったんですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) あのときのメモがございますが、率直に言って初めてでございましたので表敬という感じでございました。私よりもはるかに若い、おとなしい風貌のお方でございましたが、今後もまあよろしくと、こういうような話でございまして、別にどうのこうの発言をしたわけじゃございません。ただ、私から申しましたのは、やっぱりIMFがいろんなコンディショナリティー、条件をつけて、それで厳しい経済政策を行うことが基礎ですよ、そして、債務国がどうするかという会議がございますが、それまでにはおたくはやっぱり厳しい経済政策というものの青写真をつくりなさいませよというようなことを助言をしたというような内容でございます。  それで、その後フィリピンへ参りましたときに、やっぱり大蔵大臣さんでございますから、私と同じアジア開発銀行の総務でございますから時々お話ししておりましたが、何か済まなかったといいますか、今先生お読みになったような記事が出て誤解を生んだとしたらごめんねというふうな感じでございました。最初のことでございますし、またそんなに増税なき財政再建とはちょっと違いますけれども、締めておいて、こうでないと援助せぬよというほどやぼなことを言っちゃこれはいけないことだと思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 何にも話出なかったら、ごめんねと言うこともないと思うんですが、どうですか。何がごめんねということなんですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) いや、あなたとそんな話も全くしていないのに、あんな記事が出ておることが遺憾であったという趣旨でございました。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣ね、ロッキードのときにもやっぱりこういうカバーアップという問題があって、実は稻葉法務大臣も苦労されたと述懐されていることもあったんですがね。私、やっぱりあのロッキードでもいろいろな力関係が働いて、トライスターは表に出たけれども、軍用機であるP3Cは、これは隠されたということは実に遺憾だというように今も思っているんですがね、これは私の調査の経験からです。  日本政府筋から、マルコス疑惑についてサロンガ委員会が調査しても、すぐ表へ出してくれるなということを言ってみたり、あるいはいろんな圧力と感じられるような意向をそれとなしに伝えるような方向で出てきたということも、私はあり得るということを心配しておるんですね。もしもこういうような日本政府からの、疑惑にふたをするような圧力があったということになりますと、これはもう竹下大蔵大臣個人の問題じゃなくて、ごめんねで済まない、日本政府の信用にかかわる重大な問題ですね。そういう重大な問題だと私は認識しておりますが、大臣いかがですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) あの記事はないことだというふうに私は思っております。そんな問題で圧力をかけるほど私も愚か者ではないと思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いやいや、大臣がとは特定していませんよ。  そうしますと大臣ね、これははっきりと私は調査をすべきだと思うんですよ。つまり、これはフィリピン政府の行政管理委員会のダザ委員自身が自民党の武藤代議士と語をして認めていることであるし、記者会見でも認めていることであります。だから、調査の方法としては武藤代議士に直接会って聞くということはすぐ可能でしょう。それからさらには、外交ルートを通じてダザ委員の見解をただすということも可能でしょう。それから、日本政府の意向をダザ委員に伝えたあるフィリピン人というのがだれで、日本とどういう友人関係があるか、これも調べるという手もあるでしょう。ということで、私はこの問題について大臣がおっしゃるようにそういう事実はないと言うんなら、ないということをはっきりさせるための調査を、外務大臣とも御相談になっても結構ですけれども、調査をするということは私は必要じゃないかと思いますが、いかがですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) ないわけでございますから、ないことの証明というのは非常にいつの場合も難しいことでございますけれども……

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いや、あるという人に会って聞けばいい。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 事実上ないわけでございますので、さてどういうふうにしてないということの立証をするかということになったとしますならば、ちょっととっさでございますので、どういう方途があるのか、それは勉強させていただきたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 その勉強する一つの方法として、早速自民党の武藤代議士にお会いになって話を聞くということは、まず手始めにできるじゃないですか。これぐらいはおやりになりますか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) ここのところ忙しゅうございましたので顔を合わすこともございませんでしたが、武藤先生も大平内閣で私一緒に閣僚をしておりましたし、また商売が同じ商売で酒屋のせがれでございますのでよく会いますから、お話聞くのはまことに結構なことだと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 だから、武藤代議士にまず聞いて、やはりしかるべき調査を——私は直ちにないことの立証をせいと言っているんじゃないですよ、あると言っている人に対してきちっと調査をして日本政府としての姿勢をはっきり示さなくちゃいかぬ、こういうことを言っているわけですね。これは重要な問題で、今後マルコス疑惑の解明が特別委員会を中心にやられていくわけですから、政府の姿勢にかかわる重大問題として今後とも私は経過を見ていきたいと、こう思っております。  次は、円高問題でありますけれども、中小企業庁お越したと思いますが、端的に聞きますが、産地中小企業では円高による採算ベース円レートはもうぎりぎりどれぐらいだというように見ておりますか。その調査の結果わかりますか。

長田英機中小企業庁計画部計画課長

○説明員(長田英機君) 円高の具体的なレートのお話でございますが、大分前でございましたが、たしか商工委員会に中小企業の代表の方が招かれまして、その場でそういう御質問を先生方から受けたわけでございますが、二百円ぐらいと言っていたような私は記憶がいたしております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そうですね、大体二百二十円、もうぎりぎりでも二百円という声でしたね。  それで中小企業庁に伺いますが、ことしの三月十二日に円高の輸出産地中小企業への影響について御調査をなさいまして、その調査をいただいております。それよりもさらに円高が進んだ最近の実態については九日に、つい先日ですが発表された調査結果があるようですが、これによりますと、円高関連倒産はどういう状況になっておりますか。

長田英機中小企業庁計画部計画課長

○説明員(長田英機君) 円高関連倒産につきましては、帝国データバンクというところが調査しておりまして、それによりますと、もうごく最近では、三月が三十二件、四月が四十二件というふうに少しずつ増大してきております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 少しずつ増大というよりも、一月は何件でしたかその調査によると、十二件でしょう、どうですか。

長田英機中小企業庁計画部計画課長

○説明員(長田英機君) 御指摘のとおりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 だから、十二件が三月は三十二件、四月は四十二件ですからね、少しずつというより、全体数字は四十二件だが急激に進んでいるわけですね。  休業、操短、こういう状況はわかりますか。

長田英機中小企業庁計画部計画課長

○説明員(長田英機君) 今具体的な数字を持ち合わせておりませんが、今回輸出型産地の円高の影響について調査しておりまして、その今私どもが得ている感触では、今申しました倒産、操短関係も徐々にふえてきているというふうに私どもは感触を得ております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ですから、採算ベースがぎりぎり二百円というのをはるかに超えて最高値を連日更新をして、きのうは百六十一円台と、こうなっていますから、今の中小企業庁の御答弁以上に深刻な実態が、中小企業関係ではもう本当に耐えられない状況になっているということが私は明らかだと思うんですね。  そこで、最近の急激な円高ですが、率直に言って業界が言う採算ベースは超えていることはもう明らかなんですが、政府として最近の百六十円台、この今の円高はこれは行き過ぎだと、程度を超えておると、もう十分の高さになっておると、いろいろな評価があると思うんですが、どうごらんになっていますか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○政府委員(行天豊雄君) 相場の水準につきましては、先ほど大臣からも御答弁ございましたように、それぞれの産業分野また企業によりましていろいろと適正と思われる水準というのは差があろうかと思います。私ども、昨年の秋以降急速にドル高の是正が進んでおりますことにつきましては、全体としてこれはいいことであったと思っております。  問題は、現在の水準というものがどうであるかということでございますけれども、この点につきましては、今申しましたように、それぞれの産業、企業という観点から見ますといろいろな議論が出るであろうということは十分わかるわけでございます。私どもそういったことを踏まえまして、この相場につきましてはできるだけ早く安定をするということが望ましいというふうにかねがね思っておりまして、その意味で国際的にもまた国内的にもいろいろな努力をしておるわけでございますので、今後、この相場の問題というのは日本だけで片づくわけでございません。いつも相手のある話でございますから、そういった意味で国際的な問題でもございますので、先般のサミット等の成果をも踏まえまして、できるだけ早くこの相場水準というものが安定をするようにこれからも努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 時間がありませんから抽象的な答弁、局長もういいんです。  要するに日本政府の立場として、現在の百六十円台というのは、これは円高としては、円高誘導してきたけれども、高く行き過ぎているとはっきり物を言って私はしかるべきだと思うんですよ。それをはっきり言わないからますます、アメリカやヨーロッパ筋から百五十円台になってもいいじゃないかという期待感を述べられたりいろんなことが、さっき大臣がおっしゃった金の話が出てくるんですよ、日本はどう考えているんだと。日本としては現在の百六十円台というのはとんでもない、行き過ぎだとはっきり物を言うべきだと私は思いますよ。こういう姿勢がなしに円高是正なんてできやしません。大臣、お考えはいかがですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 今日の為替レートは急激に過ぎるという、したがって国内産業にどのような影響が出ているかという問題について私どもは十分これは意見交換をしました。ある意味においては主張をした。私が議長でございますので、言ってみりゃ主張しにくい立場にございましたが、幸いに渡辺通産大臣にも貿易関係ということで出てもらいまして、その話は詳しくいたしました。首脳会議においてもそのことが首脳から十分発言されたというふうに私どもは整理をいたしておるところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣ね、私がお聞きしたのは、サミット関連の会議での経過ではなくて、現在百六十一円になっておるわけでしょう。それもさらに百五十円台に割り込むかもしれぬと、高くなるかもしれぬという状況もある。投機筋はまだまだこの円高に対しての国際的介入がないと見て、アメリカ、ヨーロッパはまだまだ円高を期待していると見て、まだまだ投機的にドル売り・円買いをやろうという動きだってないわけじゃないですよ。投機的相場の心配がある。さっきも国際金融局長おっしゃったでしょう。そういう状況だから、今の産地の現状を私は言いましたが、それだけにとどまらないで、円の適正な安定という点から見ても百六十円台、百五十円なんてもってのほかだと、高過ぎるという状況に今達しているということは私は責任持ってこれは物を言われた方が、円高是正という方向あるいは国際的にも安定という方向に向かうんだと。それをおっしゃらないからますます円高が進んでいく。こういう政府の無責任な態度が実は円高を急激にさらに激化させるという意味で政府の責任をさらに重くするんじゃないかと、こう言っているんですよ。この点いかがですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 今日のいわゆるドル安基調と言った方がいいかもしれませんが、ドル安基調というものは我が国産業として困ると、これは私どもは絶えず申しております。ただ、いわゆる相場の水準というものはまた逆の面においてどんな騰貴が起こるかわからぬということが、我々通貨当局者の間ではこれは合意でございます。どっちへどうぶれるかということなどはちょっと、実際の貿易額の何倍の金が動いているわけでございますから、それは明確に定量的に申し上げる性格ではないというふうに思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私はそういう姿勢が、円高是正にやっぱり腹を決めて外国にもしっかり物を言わない、具体的には対米追随ととられかねない姿勢になって円高を激化させていると、こう言うんですよね。  具体的に大臣伺いますけれども、総理はもうそろそろ、国際的な協調介入ということが程度を超えればあり得るという合意を活用して、国際的協調介入に向けて段取りをやっぱりしていかなきゃならぬ、そういう状況になっているということをお話しになったような会見記事も私はきのう新聞で見たんですが、この点どうお考えでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 率直に申しまして、介入というのはいつどういう場合にやるかわからないところに市場に対する警戒感とでも申しますか、を与えるというものでございます。したがって、一般論として乱高下の場合あるべしということで、これは金融というよりも通貨当局者は諸外国と本当に驚くほど密接な連絡をとっておることまでは申し上げられると思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 含みのある答弁をなさったわけですが、その含みを裸にしてはっきり答弁してもらうことが、私は円高是正あるいは投機的傾向をチェックしていく上で今大事だという観点で聞いているんですよ。  この問題について何としても円高是正のためにはっきりした日本政府の責任ある態度を表明することと同時に、大臣もおっしゃいましたが、急激な円高に対する救済措置を断固として早く進めなくちゃならぬということが大事です。  これについて一点だけ伺いますけれども、この前も問題にしたんですが、通産省中小企業庁当局が現在やっている貸し付けについては、やっぱりもっと金利を下げてほしいという声が圧倒的ですね。ところが、これを下げるということについて中小企業庁も検討しておるようですが、財政投融資資金の利率との関係があって、大蔵当局がなかなかうんと言わないという報道もあるんですが、大臣この点どうなんですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 今の五%とか五・三とかは、それはいわば常識的金融の中における金利水準としてはかなりの踏み込んだ金利水準だと思っております。今橋本さん御指摘になります点は、確かに預託金利の問題は法律もございまして、そして言ってみれば逆ざやと申しますか、それが生じてくるというような問題は、これは財政当局としてはそれによって財政が出動しなきゃならぬという問題点はいつも考えて対応しておることは事実でございますけれども、この今の段段で私はとられた、産地へ行くとやっぱり本当に中小企業庁に感謝をしておられる姿が見受けられましたが、もう少し環境の整備なんかをもっと、いわゆる金融そのものが可動するための条件とでも申しますか、そんなこともお考えになっておるんだなという感じで今見ておるところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私どもはこの点については、まさに産地にとっては円高というのは政府の政策的誘導から起こってきた天災どころか人災ですから、激甚災並みの三%はもちろん、それ以上の手厚い政府の責任による休業補償を含む金融措置が必要だ、こう思っておるんですが、思い切ったそういう抜本的な対策をとるという方向で大臣のおっしゃる環境づくり、これは政府として検討していくおつもりはありませんか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) その点私も、ずっとここのところ部内の協議あるいは他省庁との協議の経過をまだ承っておりませんので、正確なお答えをする状態にはございませんが、いろんなことを中小企業庁中心でお考えいただいておるというふうには承知しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それで、大臣、円高の問題で為替安定、行き過ぎた円が高いことに対する是正を金融措置としてやるべきだということを一点申し上げたんですが、しかしやっぱり巨額の貿易黒字の問題を処理しませんと根本的な解決にはなりませんね。そういう意味では、日本の大企業を中心とする異常な国際競争力、その背景に長時間労働、低賃金があり、下請に対する工賃の切り詰めがある、こういった問題に一つはメスを入れること、これは大事だと思うんです。  それからもう一つの問題として、国民全体から見れば、先ほど大臣もおっしゃいましたが、この円高メリットがどう行き届くかという意味において、差益の還元をこの際思い切って徹底してやらなくちゃならぬというのは、これは当然ではないかと思うんですね。私どもの試算によりましても、この円高については、円高一円について電力関係だけで見ても年間百二十億の差益が生ずる。これは一九八〇年の値上げ認可のときのレートが二百四十二円でありましたから、現在百六十二円といたしますと八十円の差がございまして、一円で年間百二十億としますと、八十円の差ですから九千六百億という推計ができるわけですね。政府としては、六月から一兆円規模の値下げを含む還元ということを言っておるようでありますけれども、百六十円台、さらに百五十円にも手が届くかという、ここまでの円高になりますと、政府の考えている差益還元、一兆円規模というやつを思い切ってもっと見直して、電力・ガスの料金値下げを含んだ思い切った還元対策を私はとるべきじゃないか、こう思うんです。したがって、今私がお聞きをした二点、つまり異常な国際競争力、ここにもメスを入れて、貿易の巨額の黒字そのものにメスを入れるという問題、それから、思い切った円高差益還元をやるという問題、これはあわせてやらなければならぬと私は思いますが、この点の大臣の御見解を承って、時間が来ましたので質問を終わります。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) いわゆる巨額な貿易黒字、こういう問題でございますが、これこそまさに中長期的には、我が国産業の構造改革あるいは国際分業というところまで踏み込んだ、言葉がいいか悪いかは別といたしまして、そういうことで基本的にはやっていかなきゃならぬ課題であろうというふうに考えます。  それから、六月からの電力・ガスの問題につきましては、今通商産業省で恐らく鋭意お詰めになっている段階であろう、大体の見通しがおおむねついてまいりますから、先ほどもちょっと御発表あっておりましたように、三月期の原油の値段、四月ももうわかるんでございましょうし、恐らくそういうことを根底に置いていろいろ御勘案になっておるであろうというふうに推察をしております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 委員長、済みません、最後に。  それは結構ですが、大臣のお考えとして、円高差益還元は思い切ってやっぱり国民が納得するように努力してやるべきだというお考えはあるわけでしょう。それを伺いたいわけです。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 政府のやり得ること、これはきちんと通商産業省でいろいろやっていただける。それからもう一つは、いわゆる市場メカニズムの中でもっと早く出なきゃいかぬのが出ませんですよね。そういうことに対する行政指導、我が省で言いますならば、あるいはウィスキーとかワインとかというようなことになるかもしれませんけれども、それは総体的に強力に推進するという立場をとるべきだと私も思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 終わります。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 私は、きょうは主として税金の問題についてかねがね考えていることを質問したいと思っておりますけれども、その前に、先般終わりました東京サミットの問題について簡単に質問したいと思います。  東京サミットが成功であったか、失敗であったか、いろいろ議論されておりますけれども、成功、失敗を言う場合には一体何を基準にして言うか、その基準をはっきりさせなければ、単に成功、失敗を言っただけでは無意味じゃないかと思っております。私の考えでは、東京サミットに限らず、一連のサミット会議の目的は、政治問題を除外して経済問題だけに限りますけれども、その目的はやはり自由貿易体制を維持、発展させていくことにあるんだ。そのためにどういう手段をとったらいいか、その合理的な手段について各国の間で意見の一致を図っていく、共同して施策をしていくということにサミットの意義があるんではないかと思うわけであります。この自由貿易体制を維持していく手段としましては、関税の問題でありますとか非関税障壁の問題でありますとか、あるいは投資の自由化の問題でありますとかいろいろありますけれども、やはり私は一番重要な手段は貨幣の価値の相対的な安定を図っていく。つまり貨幣というのは交換価値の尺度でありますから、この尺度がしょっちゅう動いていたんでは合理的なトレードは行われない。国内におけるトレードも行われないし、外国とのトレードも行われない。したがって、そういった貨幣の価値を合理的なものにしていく。伸びも縮みもしないような尺度があればこれは一番問題ないんですけれども、それは不可能であるということは今までの歴史が示しているとおりで、尺度自体が変動する、これは仕方ないと思うんですけれども、その変動が非常に急激であり、あるいは非常に非合理的な変動が行われたんでは、自由貿易体制そのものが維持できないわけであります。したがって、サミットが成功したか、失敗したかということを判定するためには、そういった貨幣の対外的な価値の相対的な安定が非常に重要であるし、それをどのような方法で図っていったらいいかということについて、各国首脳間においてコンセンサスが図られると、もし図られればそれは成功であると言えるでしょうし、そうでなければ失敗と言わなければいけないと思うんですが、その問題について首脳間における意見の一致はあったんでございましょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) この各国の通貨、先生おっしゃるとおりでございます、これが安定しなきゃ。自由貿易体制を維持するためにはこれが一番いい。ちょうど私、私事にわたりますが、一九七一年いわゆるドルの兌換制停止のときに内閣官房長官でございまして、本当は最初のところは何のことかわかりませんでした。国会でも当時いろんな質問がございまして、円高、円高と言うが、いつになったら千円になるかというような質問もあった時代でございます。それは私自身もわかりませんでした、そうだったと思います。が、その後は変動相場制というのが最大公約数だということで、きちんとした議論ができて、それで今度の場合、私どもの方として急激な円高、なかんずくそれが中小企業に与える影響、それを率直に訴えましたが、各国として要するに相場の安定が重要だというので、完全にこれは意見の合意、これは一致したわけでございます。ただ、具体的な手法になりますと、いわゆる中央銀行さん抜きの話でございますから、そこまで込み入れないということはお互い承知しております。そこで、今度はそれについてじゃどうするかと、これはかねて私の主張でありました、これによって日本がいつもターゲットになりゃせぬかということをおっしゃる人もありますが、結局は各国首脳が今までのG5というのはあれはインフォーマルなものでございますから、本当は。今度はG5とかG7で本当に相互監視をやりなさいと。そこで、その指標というものが明らかに、一応例示でございますけれども、成長率、インフレ率、国際収支、財政赤字、金融政策、金利でございますね、そうしたもの等をいろいろ各国とも出しながら、これで相互監視をやって、それがやっぱりいわゆる基礎だと、その政策協調がなかったら本当の安定というものはあり得ないということが合意されたというのは、私はそれはいいことだったと思っております。成功か不成功かという問題になりますと、胸を張ってという気持ちも全くございません。後世の史家これを評価するであろう、こんなような心境で対応をいたしておるところであります。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 私がそれを申し上げましたのは、経済宣言を拝見しておりまして、こういうことをするんだ、こういうことをするんだということは書かれておりますけれども、過去の失敗の反省ということが全然出てないように思うんであります。失敗の反省と私は申し上げますのは、去年の九月のG5の合意によりまして協調介入によって、それからドル高が是正されてきたわけですが、私はこれは時期遅きに失していたと。去年の一月にもG5の会合があったわけですね。一月のころと九月のころと、経済のファンダメンタルズをとりましてもほとんど変化がないわけです。もし、去年の一月にあの合意が生まれて協調介入が行われておれば、私は同じ円高にしてももっとソフトランディングといいますか、もっと滑らかなカーブで行われたんではないかと思うんですが、去年の一月においては全然行われなかった。行われなかったのは、私はやはりその当時のリーガン財務長官なんかの考え方が私は間違っていたんじゃないかと。つまり、国際貿易にしろ自由貿易にしろ、あるいは為替問題にしろ、レセフェールと申しますか、悪く言えばケ・セラ・セラだと思いますけれども、成り行きに任す、そういうふうな考え方で自由貿易体制が維持できるんだという考え方が私は間違いじゃないかと思う。自由に放任しておいたんではケーオスであって、自由貿易体制を維持するためには、可能な限り各国が協力して介入をしなければいけない。そのフィロソフィーの反省なしに、今度またいろんなことを申し合わせしても、今度は逆に今まではドル高だったんだけれども今度はドルがどんどん下がってくる、これもケ・セラ・セラということになりかねないわけであります。このサミット宣言の中に、過去においてこういう失敗があったということは、それはなかなか書けないと思いますけれども、会合においてそういった過去の、私はあれは失敗だったと思います、一月にやるべきことを九月まで延ばしていたということは。それに対する反省が会合においてお互いに話し合われましたかどうか、日本からそういうことを指摘されましたかどうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) 四月に、あのときはG10でございましたけれども、G10とはいえ、どうせ五カ国何となく話すようになりますが、お話しましたときに私も申しておりました一点でございます。一月のG5は私参りまして、そこでベーカーさんにかわることは決まっておりましたが、まだリーガンさんでございました。そのときに、端的に言って西ドイツあたり、いわゆる今先生おっしゃったような主張でございました。ただ、西ドイツは権限がすべてブンデスバンクに、中央銀行にありますので、やっぱり二人出ていないとそういう具体的な話にはなかなかならぬ。しかし、そのときにはいわば協調した行動というところまで話が進まなかったということは事実です。それで私も反省して、あのとき大体マルクと円は一緒でございますから、それでドイツは単独ででもおやりになった形で、したがって、今度はG5、九月にそこへまず日本が帰って、それからこういっているわけですから、ドイツの方がソフトランディングでございますよね、我が方は少し急激。その合意というのはやっぱり私ども部内で話しますと、しかし、本当のタイミングというのはどこだったんだろうかと、先生がおっしゃった、あの二月に二百六十円までいったことがありますが、そのときがタイミングだったのか、あるいはやっぱり世界じゅうがそろうためには九月の二十二日がタイミングだったのか。私は十月六日でもいいと思っておりましたから、当初は、ソウルでIMFの総会で会うものですから。それについてはこれはいろいろ議論のあるところだと思いますが、一般論としておっしゃる、あのときに竹下、おまえ一緒にやっていれば少なくともそれだけはソフトランディングじゃなかったかという反省は私自身にもあります。しかし、そのときに乗っておったとして、なったかならぬかは、これは私も予測できません。  それからもう一つは、これは先生御案内のように、いわゆるアメリカの多くの方々は要するに強いアメリカ、強いドル、そしてドルは基軸通貨でございますから、いわば放任という表現は少しオーバーとしても、競争原理の中におのずから決まるというような感じはございますですよね。それで、六月、ベーカーさんがこちらへ来たとき私と二時間ばかり本当に細かく話し合いして、それでベーカーさんで見ればある種の政策転換でございますから、アメリカ部内においては、前任者とかいろいろございますから。やっぱり私は詳細な連絡を受けておりましたが、二カ月は完全に国内的な、日本流で言う根回しの時間がかかったんだなという感じがいたしておりますが、今御指摘なさった、あのときやっていればおまえもっとソフトランディングじゃなかったかというのは、私どもも部内で本当は反省の一つの課題として議論をしたことは事実でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 私自身が言いましたことも、それはワイズ・アフター・ザ・イベントで、ばかな後知恵みたいなことを言っているわけですけれども、ただ私は問題は、かつては、つまりアメリカの人たちはドルが強いことがアメリカの国力の象徴だというふうな考え方をしていたわけです。そういう考え方の人たちが多かったわけでしょう。今度ベーカーさんにかわったんだけれども、また財務長官がかわればそういったふうな考え方、今度は逆の意味ですけれども、ドルが安ければ安いほどいいんだというふうな考え方になってくる心配はないか。やはり何といってもアメリカが一番のリーディングカントリーですから、その考え方を変えさせることが私は一番必要だ。それが私は東京サミットなんかの一番の任務じゃなかったかと思うんですけれども、その点お考えはどうですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) いわゆる空気として、最近それこそ一日のうちに二円ぐらい上げ下げになるというのは、アメリカの国内においていわゆるドル安の行き過ぎと申しますか、日本の大蔵大臣がドルの暴落という言葉を使うといけないようでございますけれども、ドル安の行き過ぎ等についての懸念、これは私は出てきておると思っております。だから、先生のおっしゃった強いアメリカ、強いドルという考え方は修正されましたが、いわば産業界が志向する野放しな輸出における弱いドルと申しますか、そういう考えはやっぱりアメリカとしても、今こそ原油価格が下がりましたからインフレはそれだけにセーブされておりますけれども、いろんなことを考えてそれは好まれないというふうに私も見ております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 アメリカの方もかなりの反省があると思いますけれども、ともかく完全なるレセフェールでは自由貿易体制は維持できないのだ、やはり合理的な介入といいますか、協調介入といいますか、何らかのインターベンションがなければ自由貿易を維持していくことはできないんだということについて、まず何よりもアメリカ人の考え方を変えさせることが私は一番大事ではないかということを考えていますので、今の問題を申し上げたわけです。  それから今度の合意、これは前からの問題をおさらいしたようなものですけれども、経済見通しの見直し、レビューを行う。その指標としてGNPの成長率であるとかインフレ率と失業率、その他幾つかの指標があるんですけれども、この指標を勘案しつつレビューするんだということが書いてありますわけですね。これはどういう意味かごの文章だけではよくわからないんですけれども、何かそれぞれの国のあるべき、あるべきと言っても永遠のあるべきじゃなしに、その年における当面の何らかの合理的な指標を出して、それから若干デビエートしてきているからこれに対して勧告をする、そういう趣旨でございますか。もしそうであるとすれば、この中には相反するような要素もあると思うんですけれども、その場合にどういう点にウエートを置いてやるわけですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○政府委員(行天豊雄君) 委員御指摘の今回のサミットで合意されましたいわゆる政策協調のための国際的な協力の手だてでございますが、現在決まっておりますのは経済宣言の中に書かれておることだけでございまして、これから具体的にどういうやり方でこれを推進していくかということが関係国の間で協議をされることになろうと思いますが、現在までのところ基本的に合意されておりますのは、この経済宣言にもございますとおり、まずはこのサミットに参加しております国がそれぞれの経済の目標なり見通しについてそれぞれが作業をする。それでまずこの七カ国が集まりまして、これは少なくとも年に一回ということになっておりますが、七カ国が集まりましてそれぞれの目的なり見通しについて意見交換、これがレビューでございますが、これをしようと。そのレビューをする際に、いろいろな経済指標というものを参考にしながらレビューをしようじゃないかということで、この指標の例といたしまして十項目の経済指標が掲げられておるということでございます。それからもう一つは、今のはサミット参加国七カ国の話でございますが、今度は米、英、独、仏、日の五カ国でもって、これは従来からも行われていることでございますが、このレビューに加えまして実際にそれぞれの国の経済の成り行きというものが当初の目標なり見通しなりと非常に大きく乖離をしてしまったというときには、この五カ国の間で一体どういうふうにこれを矯正したらいいのかなという点について意見交換をして、何とかそこでお互いに理解が生まれるようにできるだけの努力をすべきではないか。ちょっと抽象的でございますが、ここまでのところが今回の経済宣言で各国が合意をしたやり方でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 私もそう思います。つまり、東京サミットが成功か失敗かということは今後この指標によって各国がどのように協調してレビューしていくか。これは文句としては簡単に書かれておりますけれども、それらの幾つかの指標をそれぞれ利害の相反する国の間でどれだけのウエートを置いてレビューしていくかというのは、これは実際問題として非常に難しい問題。その場合に各国がそれぞれのナショナルインタレストを主張するのは当然ですけれども、同時にやはり世界の自由貿易を維持していくんだ、その広い観点からやはりレビューしていくことが必要ではないか。そのことを私は大蔵当局に希望しておきます。  それで次は税金の問題。私、政治家になる前からいろいろ税金に対しては苦情があったんですけれども、その税金の問題で考えていましたことを取り上げたいと思います。  私、大学にいるころ大学教授の給料というのは少ないものですから、いろいろ論文書いたり、論文なんというのは余り収入にはなりませんけれども、本を書いたり、雑文を書いたりして印税ないし原稿料収入によって所得を補っていたわけなんですけれども、そういう本業があってサイド業務として入ってくる所得は雑所得として申告する乙とになっているわけです。その雑所得の必要経費の控除、これをどのくらいで必要経費を控除したらいいか。これはなかなか作戦がありまして、本当は本屋の領収書とか原稿用紙の代であるとか、そういうのを全部払って領収証を持っていけばいいんですけれども、実際問題としてはそれは不可能です。あるいはどこかに調査なんかに行って、学生やなんか連れていった場合に、学生から一々アルバイト代なんか領収証をくれなんということはやれるはずはございませんから。したがって結局大体三〇%ぐらいのところを必要経費として申告するわけですけれども、お互いに仲間同士話し合ってみますと、各税務署によって、ある税務署は非常に厳重で三〇%はとても認められない。ところがある税務署の話で、そこへ住んでいる人が申告したら三五%でフリーパスしたというふうな情報を我々交換いたしまして、これはどうも本人が行って一々けんか腰で交渉するよりも家内を、女をやらして泣き落としでやった方がいいんだ、そういったいろんな作戦を練るわけですが、私、直接行ってこういったものについては何か大蔵省国税局から通達が来ているはずだ、それを見せてもらいたいということを言ったんですが、こうして机の引き出しの中で見ながら絶対に見せないんです。結局うまく交渉すれば三五%ぐらい控除されるわけなんです。これは私は非常に不明朗じゃないかと思う。やはりそういった問題については、例えば原稿料、印税、サイド業務として入った場合には原則としてこれだけの標準で控除していいんだということを公示しておけば、不必要な交渉とかあるいはけんか腰になるとか泣き落としをやるとか、そういうこともする必要がないんじゃないかと思うんです。これを一般に公示するお考えはないですか。

塚越則男国税庁次長

○政府委員(塚越則男君) お答え申し上げます。  雑所得の課税でございますけれども、雑所得の必要経費は収入金額を得るために直接に必要とした費用のほかに、その年においてその所得を生ずべき業務について生じた費用というふうにされておりまして、個々の納税者の業務の実態に応じましてその必要経費の額というものはおよそ千差万別でございます。特に先生御指摘になりました原稿料などの場合、非常に経費がかかるものもございましょうし、そうでないものもあるというようなことで、本当に千差万別ということかと思います。  ところで我が国の納税制度の基本が申告納税制度でございますが、申告納税制度のもとでは納税者が御自分で実際にかかった経費を整理されて、収入金額から経費を差し引いて所得金額を計算していただくというのが本来の姿でございます。ただお話がございましたように納税者の中には実際にかかった経費についての記録等を整理保存しておられない方もたくさんおられるわけでございます。このような場合に税務当局といたしましては適正、公平な課税ということでいろいろな資料を出していただいて、仮に整理されておりませんでも、なるべくその実態を把握した上で課税をしたいということで、それぞれの税務署で努力をしているわけでございますが、ただ何分にも大勢の納税者の方々がお相手でございますし、事務量もございますので、ある程度部内で作成した経費の目安を用いて納税者の納税相談に当たっているという場合があるわけでございます。  この扱いを一律にして税務署によって差が出ないようにしてはどうかという御指摘かと思うわけでございますが、先ほど申しましたように経費は各納税者によって千差万別でございます。そういう実情がございますし、また、申告納税制度というものの本来の考え方からいたしまして、一律にそういうものを目安で決めてしまうのはどうかということを私ども考えているわけでございます。それが本当の意味での課税の公平に資するものかどうかという点でやはり問題があろうと思いまして、できる限り納税者のお話を伺って実情に即した課税をしていきたいということで、こういったものを公表しますと。みんなそれにそろってしまう、かえって実態に合わなくなるのではないかということで、公表をしていないというのが現状でございます。  ただ、目安と申しましても、その目安の適用がばらばらになってはいけませんので、その取り扱いが税務署によって、あるいは人によって異なるというようなことのないように、研修でございますとか会議等で徹底を図っているというのが現在の姿でございます。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 公表しなくても大体の口伝えで、まあ三〇%ぐらいまではよさそうだというふうなことは大体わかっているわけですね。ただ、それが税務署によって、それから同じ税務署でも年によって、税務署長がかわったか何かじゃないかと思うんだけれども、年によって違うんですよね。これは私はやはり納税者に対して何か不透明な感じを与えるのじゃないかと思うので、その意味で大体の基準を納税者にもわかるように公表するということが、国民の税に対する考え方、納税の義務を果たさせる意味において、やはり公平でなくてはいけない、透明でなくてはいけない、その意味でいいのじゃないかと思うんですけれども、もう一度。

塚越則男国税庁次長

○政府委員(塚越則男君) 大体その目安がおおよその方にわかってしまっているというお話がございましたが、私どもはやはり申告納税制度である以上、大変手間のかかることではございますが記録を整理していただくということが、やはり税制の本来期待している姿ではないかと思うわけでございます。  それからまた、場合によって異なるということでございますが、税務署によって異なるとか、そういう話では私はないのではないかと思いますと申しますのは、例えば同じ原稿料でも再版の場合にはどうなるとか、いろいろな事情があって状況は異なるわけでございまして、まさにその納税者の実情に応じてやっているということであろうと私は理解をいたしております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 それは反論は私は幾らでもやる、実際に今までやってきたから。再版、三版なんかのときに、同じ再版、三版の場合でも年によって違うんだから。しかしその点はひとつ納税者に透明な感じを与えることが私は必要じゃないかと思う。何か税務署の手かげんによって控除率が高くなったり安くなったりするのじゃないかというふうな印象を与えることは、私は決していいことじゃないと思うので、よく検討していただきたいと思います。大臣もひとつよく検討していただきたいと思います。  その問題にかかずらわっていると、もうあと五、六分になってしまいました。まだほかにも税金の問題はあるんですけれども、ひとつお酒の税についてお伺いしたいと思うんですけれども、日本ではお酒というのは小売商は免許制ですね。これは免許制にしている理由はどういうところにありますか。

尾崎護大蔵省大臣官房審議官

○政府委員(尾崎護君) 免許制度にしている理由でございますが、御承知のとおり酒類には高率の酒税が課されておりまして、その税収が国家財政上重要な地位を占めております。そのためにその保全措置として設けられているものでございます。  と申しますのは、仮に酒類の販売業の免許制度がなかったといたしますと、例えば経営基盤の薄弱な者が販売をいたしましたり、また必要以上に流通業者が乱立いたしまして過当競争が行われる。その結果取引の混乱を招きまして酒類の販売業者の経営が悪化するというようなことになりますと、酒類の製造業者の納付すべき酒税の回収が難しくなり、そのために酒税の確保が困難となるおそれがある、そういうようなことを考えまして、保全措置として現在の免許制度をとっているわけでございます。  また、副次的な理由ではございますが、アルコール飲料という性格からいたしまして、無制限に販売を行いますことは国民保健衛生上や交通安全対策などいろいろ社会的な見地から問題があるというようにも考えております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 その後の方の国民の保健上ということを言うのだったならば、私は自動販売機で酒を売る、これは未成年者に対しても非常によくないと思うのだけれども、それを改めることがまず先決問題ではないかというふうに思うんですけれども、どうですか。  それからその問題と、もう一つは、倒産するようなことがあると税金の確保ができないんだということを言われましたけれども、倒産ということはほかの企業の場合でもしばしばあることですね。ただ、その税金を確保することのため免許制にするというのは、政府のエゴイズムというか、税金確保のためのエゴイズムと言われても仕方がないのじゃないか。  確かに資力の薄弱な者なんかが開店するというふうなことは困ることでありますけれども、しかし、例えば資力なんかは十分あるスーパーなんかでもなかなか免許が得られない、近くに酒屋さんがあるために免許が得られないというふうなことも聞くのですけれども、ある程度の資力の検査ということは、資産の確保ということは必要かもしれないけれども、もう少しもっと自由に認めたらいいのじゃないか、それこそ民活にも役立つのではないかというふうに考えるんですけれども、どうですか。

尾崎護大蔵省大臣官房審議官

○政府委員(尾崎護君) まず末成年者等が自動販売機によりましてお酒を買うというような心配についてでございますけれども、昭和六十年の十一月一日に酒類の小売業界に対しまして、自動販売機による酒類の深夜販売の自粛でございますとか、違反者に対する厳正な措置を強く要請いたしまして、全国の国税局、税務署に対しましても違反者に対する直接指導等をお願いしているところでございます。  御質問の第二の点でございますけれども、先ほど申しましたように酒税は製造業者の蔵出しの段階でかけますものですから、売掛金等の回収が酒税の納付に響いてくるということを心配いたしまして、その保全措置として免許制度を考えられているわけでございます。  スーパーなどは大丈夫じゃないかという御質問でございましたが、スーパー等に対しまして何ら配慮を加えることなしに免許をおろしていったといたしますと、その周辺にございます小さな酒屋さんが影響を受けるというような問題もあわせて考えなくてはいけないことではないかというように思います。  それから、非常に制限しているというような御感触でおとらえかもしれませんけれども、酒の小売は実は十七万ほどございまして、お菓子屋さん、パン屋さんなどと同じ数ほどあるわけでございます。それが何か非常に大きな問題になるほどの制限的な結果になっているというようにもマクロ的には思えないような気もいたします。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 その問題については私意見がありますけれども、それにこだわっていると時間が足りませんから、次は酒の税率の問題ですが、清酒でも特級、一級、二級によって区別をして税率が非常に違う。これは何かエキスパートの人が試飲してそれによって決めるとかという話を聞きましたけれども、そういう主観的なテーストの問題で酒の税率を決めていいかどうか、これは私は問題だと思いますが、ウイスキーの問題、これはやはり今国際摩擦の問題になっていますので、これを取り上げようと思うんですけれども、これは資料をいただきました。その税率がどういうふうになっているか。税率をどういうふうに決めているか。つまり、アルコール度だけでなしにモルトの含有率とかそういったふうなものによって特級、一級、二級に区別して、それに対する従価税がかかるんだという仕組みは説明いただきました。私は、これはやはりヨーロッパあたりでやっていますように、一律にアルコール含有率なら含有率だけで決める従量税に統一した方がいいんじゃないかと思うんですけれども、そういうお考えはないかどうか。もし仮にまたその従価税を維持するにしましても、今、特級と一級、二級の差が非常に差がありますわね、税金で。この差をこんなに大きくしておく必要があるのかどうか。仮に従価税をかけるにしましても、もっと税率というのは緩和していいんじゃないかということを考えるんですけれども、どうですか。

尾崎護大蔵省大臣官房審議官

○政府委員(尾崎護君) ウィスキーの方でございますけれども、確かにヨーロッパ流にアルコールの度数に応じまして税率を決めていくというようなことも、一つのやり方であるわけでございますけれども、我が国は伝統的にウイスキーあるいはブランデーのような非常に価格展開の広い酒類につきましては、やはり高級、ぜいたくなお酒を飲んでおられる方には大きな酒税の負担をしていただくというような、そういう応能負担的な思想が入っておりまして、そのために特級、一級、二級と内容によりまして区別をいたしまして、それぞれ税率を変えて課税をするという方法をとっているわけでございます。  ただいまの先生の御指摘のような御意見は外国からも寄せられておるわけでございまして、私どももよく承知いたしております。今後における酒税のあり方につきましては、ただいま税制調査会が行っております税制全般の見直しの一環といたしまして、現行間接税のあり方ということも審議されるという予定になっておりますので、私どもも税制調査会の審議の結果を待ってまたいろいろ考えてまいりたいと存じております。

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 もう時間がございませんので、これで質問を打ち切りますけれども、ぜいたく品だから高い税金をかけてもいいんじゃないかとおっしゃったけれども、むしろ税金が高いことによって値段が上がってぜいたく品になっている。その面があるわけなんです。酒のアルコール度とかモルトなんというふうなことよりも、税金で高くなることによってそれがぜいたく品になっている。因果関係が逆じゃないかと思うんですけれども、その点もあわせてよく検討していただきたいと思います。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 私は今の酒の税金あるいはガソリンの税金というものの考え方について、税哲学といいますか、間接税あるいは従量税、そういったものの考え方についてちょっとこれは逆に教えていただきたいと思うわけですけれども、今実は関先生からもお話がありましたアルコール税ですけれども、これは例えばスコッチの輸入の場合を考えますと、資料をお願いしておいたんですが完全な資料が出てないので数字がうろ覚えでやりますけれども、例えばFOBが七百円か八百円のものが、今ポンドが二割ぐらい安くなっているわけですね、ところがそれに対する酒の税金というのは相変わらず千五百七十円ぐらいかかっているわけです。そうしますと、FOBが下がった分だけ税率が高くなっていると考えられるわけですね。これはガソリンの場合を考えますと、かつて小売価格が百五十円だったときに、大体三分の一、三分の一、三分の一で、ガソリンの中に占める原油代が五十円。それから税金が五十三円、約五十円。それから製造費だとか販売管理費、そういったものを含めて五十円ということで、百五十円になったわけですね。したがって原油代とガソリン税を考えますと五十円、五十円で大体イーブンだったわけです。ところが、今はドルが非常に安くなっちゃったということと原油自身が値下がりしているので、原油代の五十円が約半分の二十五円ぐらいになっているんですね。そして小売価格も大体百三十円から百二十五円ぐらいというふうに収れんしていっているわけですね。そうしますと、やはりこれは私は原価に対しては増税じゃないかと思うんですね、円高というのが。したがって、これは従量税ですからこういうことがあるんですけれども、逆に円安になった場合、多分また税率を上げるということを当然大蔵省としてはお考えになるんじゃないかと思うんですね。  そうしますと、今現在これだけの円高になってきていると間接税というのは、私は実質上は増税になっていると思うんですけれども、こういう点を税哲学というか、税としてはどういうふうに考えたらいいのか、まず見解をお聞きしたいわけです。

尾崎護大蔵省大臣官房審議官

○政府委員(尾崎護君) 酒税それからガソリン税などにつきましては、酒税の場合アルコール飲料という特殊な性格、それからガソリン及び原油等につきましては価格差が極めて限られている商品である。そういうことを考え合わせますと、課税技術上、特に蔵出しの段階でかけますので、そこで量的に何キロリットルのものが出たかということで税金の計算ができる従量税の方が、課税技術上も簡便であるというようなこともありまして従量税方式をとっているわけであります。  おっしゃいますように、確かに価格が動いてまいりますと、価格に対しましては税率が変わってしまうというようなことになるわけでございますが、従量税でございますのでお酒あるいはガソリンの一単位、一キロリットルなら一キロリットル当たりについての税額は変わっていないわけでございます。先生もおっしゃいましたように、そこは従量税という性格からそういうことになっているということでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 確かに大蔵省の方の税を取る立場からはそのとおりだと思うんですよ。先ほどの関先生の話にあったような、税金を取る立場からの理論というのはわかるんです。ただ、私がここでこれを取り上げてぜひ大蔵省に考えていただきたいのは、払う立場の人間のことをもう少し考えていただきたいということなんですね。  そういう問題はどうしてかといいますと、円高に伴っていろいろひずみができてきているわけですね。まさかこういう問題があるとは思われなかったかもしれません。しかし酒とかガソリン税とか、こういう間接税にもひずみがきている。それから大きくは産業構造、経済構造、そういったところにもひずみがきているわけですね。それが徐々に今後修正されていって軌道に乗っけていかにゃいかぬわけです。したがってこの際、ただ単にアルコール税だとかガソリン税とかいう観点からじゃなくて、あらゆるところにひずみがきているということをまず認識していただいて政策を考えていただかないと間違えるんじゃないかという気がするわけですね。  もう一つ、自治省の方から私の要求していたデータが来てないので数字は一応やめますけれども、現在非常に都会の地価が上がっているわけですね。ところがそれに対して、公示価格があり、それから固定資産税の課税標準価格ですか、これが三段階にあるわけですね。国民の感覚としては、そんなに何千万も平米するような土地なら、固定資産税をごっそり取ってくれればいいじゃないかという感覚があるわけですね。ところが実際はそういうふうに非常に低い価格で行われている。私は、やはりそういう事業用あるいはそれを営業用に使っているようなところは税率一・四%というのはもっと高くてもいいんじゃないかと思うんですね。そのかわり我々が住んでいる家はこれは最低限の憲法で保障された生活の必要空間ですから、これはもう私は無税にしてもいいんじゃないかと思いますね。これが二百平米がいいのか、三百平米がいいのか知りませんけれども。その辺が私はこういう際にこれだけの差が出てきていると、これは円高は余り関係ないですけれども。その辺のひずみみたいなものをよっぽど見直してやっていただかないと、こうして間接税が上がってきている、ガソリン税とか酒税が上がるということになると、我々払う方の立場としては何か取られる方だけは勝手に取られて非常に不公平がどんどん大きくなってきているという感覚があるわけですね。したがってこれから、私は何も与党じゃないんですけれども、日本の財政を考えた場合にいろいろな面で歳入を図っていかなきゃいかぬと思うんです。そのときにやはり一番基本になるのは不公平がなくなる、少なくとも不公平感を国民が持たないということは私は一番原則だと思うんですが、まずその辺で大臣のお考えをお伺いしたいんですが。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) いわゆるタックスペイヤーの方のサイドから物を考えると、これは私もごもっともないい語だと思って承っております。それがしたがって今度の税制改正で所得税とかいろんな点は先生もう御専門でございますがいろいろな中間報告を出している。間接税はこれからでございます。そもそも間接税の場合をタックスペイヤーの側から物を考えるというのはよくわかる話ですが、それは非常に難しい点も確かにございます。例えば先ほど来話がありましたように、イギリス、ECは私に会うたびにスコッチのお話をします。考えてみると日本で私どもが飲んでいるのはあれはウイスキーじゃない、原酒を少し入れてあとはアルコール添加しまして番茶、番茶は入れておらぬでしょうけれども、何か入れましていわゆる薄スキーを飲んでいるわけですね。そういうことを随分説明をしておりますが、今度税制調査会ではおまえも本気に考えてくれやと、こういうことになります。だから従価税か従量税かという議論は何回も実はいたしまして、最後にこれは落とし話みたいなことで申しわけございませんけれども、酒千円買ってこいという者おらぬじゃないかと、やっぱり一升買ってこいとか、今晩五百円飲もうやと言う者いないじゃないかと、一杯飲もうと、そうするとやっぱり従量税だと、こういうふうな話になったわけですね。随分そんな議論をいたしました、率直に言って部内で。落とし話みたいな話でして申しわけありませんけれども。したがって、石油税になりますと従価税、それで今度はガソリン税になると従量税、その辺の組み合わせの難しさというのは、それからいわゆるセールスタックスにはまたなれていない国民性、だから恐らく後半の課題として相当な議論があるじゃろうと。その場合にタックスペイヤーの立場に立って物を考えなさいということは、きょうの問答も税調には素直に取り次ぐわけでございますから、議論の土台になる話だとは思いますが、極めて正確な答弁になりませんでしたけれども、素面な私の素朴な感じをあえて申し上げたわけであります。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 やはりこれから私は二十一世紀にかけて円高の問題は別にして、やっぱり国民の税金と社会保障の負担というのは今の三五%が上がっていかざるを得ないと私は思っているわけです。そういう状況、それから円高のこういう状況、そういうことを踏まえますとやはり国民に納得して負担してもらわなきゃいかぬ、納得させるというのがもう何より大事だと思うんですね。大蔵省は税収とか歳入というのは何よりも大事だと思われるかもしれませんけれども、やはり特に竹下さんの場合は国民に納得して協力してもらうという政治をやっていただく必要があると思うんですよ。  それで私どもがいろいろ不公平があると思うんですけれども、ここで時間がないもんですから二つだけ取り上げたいんですけれども、これはもう前に大蔵委員会で私差しかえで出まして大臣にも申し上げたんですけれども、まず収入印紙の問題がありますね。今銀行振り込みになったから領収証を出さない、したがって収入印紙は張らなくてもいい。厳密には張らなきゃいかぬのかしりませんけれども、実際は張られてないケースがあるわけですね。これはやっぱりこの法の精神から考えてそういう取引が行われていわゆる受け払いが行われたら、やはりそこに張るか張らないかは知りませんけれども、例えば期末に税務署に申告してこれだけの受け払いがございましたからこれに対して収入印紙代として税金を納めるということが私はあっていいのじゃないかと思うんですね。  それからもう一つは料飲税の問題ですけれども、これは国税じゃなくて地方税の問題なんですけれども、かつては私も会社におりましたときに接待費をやると必ず公給領収証を持っていかないと経理が受け付けないわけです。なぜ受け付けないかというと、今度国税庁の税務監査があったときにその公給領収証がちゃんとそろっていないと接待費として認めてくれないんです。その後接待費、交際費の扱いというのが損金勘定に認めないとかなんとかいろいろなことがありまして、それで実情は国税庁としては実際にこの金が本当に交際費として払われたのかどうか確かめられればいいんだと、したがって銀行振り込みでもいいし、ほかのあるいはこういう金二十万円なりという領収証でも何でもいいからあって、確かに払われたということを確認すればいいんだということなんですね。取る方の立場からはそうだと思います。しかし私はやはり料飲税のこういう公給領収証というシステムがあるのに、現実は私なんか例えば行ったときに公給領収証要りますかと言われたら、要らない要らない、そのかわり五%引いてくれと、こう言ったら、向こうも喜んで引いてくれるわけですね。もらってきたってしようがないからそんなもの要らぬと、こうなる。そうすると、今のような状況では余り意味がないんじゃないか。したがって私が申し上げたいのは、国税庁が税務監査をやるときに交際費とかそういう公給領収証に類するものはそれをこれにつけてもらわなきゃ困りますよとたったその一言言っていただけば、一遍に実行されるんですよ。ところが、国税庁の方は国税を取ることしか考えていないからそれをやらないんですね。かつてはやっていたんですが、このごろやらない。そうしますと、都道府県の料飲税の収入が減っているということは確かです。しかしそれ以上にやっぱり重大なのは、公給領収証を出すことによってその料理屋が全部所得をつかまれちゃうんですね。だからそっちの方が私はもう税収としてはうんと大きいと思うんです。だからこれは料飲業者はそういうことを実行するのは嫌がるかもしれませんけれども、私はやっぱりこういう税の一つの税法があるんだからこれはやっぱりきちっとして実行して、そしてそれが料飲税は都道府県になるかもしれませんけれども、都道府県が潤ってくれれば地方交付税も少なくて済むわけだし、補助金も少なくなるわけですから国全体としてはいいわけです。  それからもう一つは、やっぱり所得をきちっと把握できるというのは非常に大きいんじゃないかと思うんですね。それで私はそういうことをひとつ実行していただきたいと、そういうふうなことをやっぱりちゃんとやっていただかないと、何だおれたちの源泉徴収だけぽんぽん取られて、片一方の方はいいかげんにもう野放しにしているじゃないかという不信感がやはりあるんですね。我々が言っている不公平税制というのはそういう取られ方というか取り方というか、そういうところをもっとまじめにやってくれという気持ちも非常に強いんですね。その辺の御感想をまずお伺いしたいんですがね。

尾崎護大蔵省大臣官房審議官

○政府委員(尾崎護君) 御質問の前半の印紙税についてお答えさせていただきますが、印紙税は御承知のように明治の初年からある大変古い税でございまして、文書の作成行為の背後にある担税力に着目して課税するという考え方でございます。したがいまして文書が作成されない場合に印紙税負担を求めることができないというのは税の性格から見てやむを得ない面があるわけでございますが、先生御指摘のとおり最近の取引形態の変化によりましていろいろと検討すべき問題は多々あろうかと存じます。現在行われております税制の抜本改革の一環として、税制調査会におきましても御議論をいただける問題ではないかというように考えております。

塚越則男国税庁次長

○政府委員(塚越則男君) 公給領収証の問題でございますが、国と地方を通じます税務行政の効率化と適正公平な税務執行ということは大変重要な課題でございますので、一層の協力関係の拡充を図るためのいろいろな体制を整えているところでございます。料理飲食等消費税に関しましても、地方税当局に有効な資料というものがありましたらばできる限りその情報を提供するというようなこと、いろいろ協力に努めているところでございます。  ただ、私ども限られた調査日数のもとで調査を実施いたしますので、大口、悪質な不正経理が想定されるというようなところを重点に、調査必要度の高いところから調査をしておりまして、その調査内容も、売上金額とか仕入れ金額の適否を主眼といたしまして、あわせて交際費などを含む各種の経費の支出の妥当性をチェックするというようなことで仕事を進めているわけでございます。  お話がありましたように、経費の支出につきましては領収証などいろいろな資料をもとにいたしまして事実関係を確定して、所得の把握に努めているわけでございますが、交際費に関しまして公給領収証だけがその確認の資料にはなっていないということはそのとおりでございます。いろいろな資料をもとにいたしまして、その支出がどういうものであるかというものを確定していくと、こういうような事務処理の状況から見まして、飲食費の支出について公給領収証の有無をチェックするというところまでなかなか手が回らないというのも実情でございます。ただ、調査の過程におきまして、公給領収証が出てませんねというようなことがありました場合、それが非常に大きな額に上がるというような場合には、適宜地方税当局に御連絡させていただくというような仕組みは一応でき上がっているところでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで量後に私は、またこれはアイデアみたいなものなんですけれども、例えば小学校とかある公益的なオーソライズされた団体で、公給領収証を集めてくればその一〇%、本当は一〇%ほしいんだけれども七、八%でも五%でもいいんだけれども、例えば学校の野球用具、少年野球の一式を地方の都道府県がくれてやる。例えば百万円集めてきたら七、八万円分はやるというふうにするんですね。そうすると、子供たちだとかお母さん方とか何とかがみんな必死になって公給領収証を集めるわけですね。おやじが飲んできてもすぐ公給領収証と、こうやってそれを集めて、例えば先ほどの話じゃないですけれども一〇%料飲税、その分だけ全部環元しても、所得が把握できるだけ私は物すごく効果があるんじゃないかと思うんですね。その辺をぜひいろいろあの手この手をやっぱり考えて増収を図るということをやっていただかなければいかぬし、そういうことで不公平がないように今後運営していっていただきたいということをお願いいたしまして私の質問を終わります。

丸谷金保日本社会党

○委員長(丸谷金保君) 他に御発言もないようですから、皇室費、国会、会計検査院、大蔵省、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算についての審査はこの程度といたします。  次回の委員会は明後十二日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十四分散会      —————・—————

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