決算委員会 第5号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1986/04/07
会議録
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月五日、安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として市川正一君が選任されました。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に倉田寛之君及び服部信吾君を指名いたします。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) 昭和五十八年度決算外二件を議題といたします。 本日は、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) それでは、これより質疑 に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○菅野久光君 初めに、フィリピンのいわゆるマルコス疑惑について若干お尋ねをいたしたいと思います。 この問題については、国民は大変重大な関心を持っていることは御承知のとおりであります。我が国の対外経済援助について本当に目的に沿った援助がなされているのか、国民の税金が正しく使われているのか、以前から大変疑念を持たれていた問題であります。 朝日新聞の四月四日付の天声人語にも次のようなことが載せられています。「自民党のある閣僚経験者がいっている。「政府開発援助のカネは機密費みたいなもんだ。どの国へいくらと国会できめるわけじゃなし、どう使われているか国民にはほとんど知らされていない。おまけに、もっと増やせ、増やせだ。政治資金というタマゴを産むニワトリとしては、とびきり上等だよ」」。 今回のフィリピンの政変によって不正な実態が明るみに出ました。今後、特別委員会によって問題の究明がなされるわけでありますが、私ども決算委員会としてもこれは重大な関心を持たざるを得ません。今までいろいろ予算委員会等でも論議をしてきているわけでありますが、この機会に若干の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 このマルコス疑惑は、これまでの円借款実施体制に大きな欠陥があったことを示唆するものだというふうに思います。そこで、真相の解明とあわせて、円借款実施体制の全面的な見直しが必要であるというふうに痛感するわけでありますが、通産大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまのお読みになった朝日新聞ですか何かのところで、自民党の閣僚経験者が言ったという部分については私は全く合点がいかない。海外経済協力をふやせということは与野党を通じて、ほとんど全政党から言われていることは事実でございます。しかしながら、それが政治資金を産む卵であるというようなことについては、私は全くこれは納得がいかないところでございます。 ただ、今回のマルコス疑惑に漏れておるような問題で、日本政府が誠意を持ってフィリピン国民の福祉の向上、生活の安定のためにと思ってお貸しをいたしました低利融資、つまり円借款でございます。これにつきましては有効適切に使っていただけるものと信用をしておりましたのにもかかわらず、その一部が仮に報道するようにマルコスの私財形成に使われたということであれば、まことに言語道断であって、私どもとしても怒りを覚える次第でございます。この円借款のやり方等につきましては、我々はその国の政府を信用いたしましていずれもやるわけでございまして、その細かい端々の問題等について、一々日本政府が会計検査をし監督をするという立場にはない、したがってこういうような問題が発生をしたものと存じます。 いずれも援助を受ける国というのは発展途上国であって、制度、仕組み等が日本のようにきちっとできている国ばかりあるわけではない。そういうようなところでいろいろ問題があったのかもしらぬ、私はそう思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、今後円借款を実行するためには、相手政府の要求というようなものももちろん真摯に受けとめますが、しかしそれが果たして民生の安定に本当に役立つのか、それともデモンストレーションのためにやるのか、そこらのところもよく一層吟味をしてやる必要がある。かねて昔は、円借款というのは枠で、いろんな人が、外務大臣とか総理大臣とか行きますと、何億円とか何百億円とかということを枠で供与するというようなことが長く行われておりましたが、近年になりましてから中身の点検ということを実はうるさく言うようにしたのであります。私が大蔵大臣のときも、枠で幾ら、こういうふうなことを言ってきておりますが、それは一応のめどであって、問題は中身であると。したがって中身の一つ一つについて結局審査をさしていただく、そういうことでプロジェクトごとにイエスかノーか、そんな大きいのは必要ない、もっと削ったらどうだというようなこと等もやかましく実は最近数年来言うようになってきておるわけであります。した がって、余り内政干渉にもならず、しかもこちらからの低利融資という問題が本当に有効に使われるように、今後とも一層注意をし、創意工夫を図ってまいりたいと存じます。
○菅野久光君 大臣の答弁の中で、私が引用した部分については全く納得がいかないというような答弁がありましたが、しかしこの問題についてはいずれ特別委員会の中ではっきりしてくることだろうというふうに思います。 私が質問しているのは、こういうようなやっぱり事態を生んだと言ってもいいと思うんですけれども、そういう事態になったということは、今の円借款の実施体制にやっぱり問題があるのではないか、だからそういう意味では全面的な見直しというものをもう一度やるべきではないかということを私は質問をしているんですが、その点についてはひとつ端的にお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) どういうように見直しをするか、いずれにいたしましてもこういうような疑惑を持たれるようなことのないような仕組みに何か変えていくということが一番大切であります。何といっても、しかしその相手国政府の腐敗度と言っちゃちょっと語弊がありますが、非常に潔癖ないい政府であるかどうかということに、一にそこに私はかかるんだろうと思いますよ、実際は。どこの国でも非常に贈与比率の高いような援助というものは、それはアメリカにしろフランスにしろドイツにしろ、どこでも自分の出したものについては自国の業界にそいつをとらせる、請け負わせるというのが大体世界じゅう恒例ですね。したがって、日本もそういうようなことで、円借款等については主として日本の業者等がそいつを請け負ったりなんかしていくということになっておるわけであります。しかし、相手政府が腐敗をしておると、そこで我々が想像つかないような要求といいますか、そういう問題が出てきたんであると私は思っておるわけであります。 したがって、今後の円借款供与に当たっては、相手国の自助努力はもちろんのこと、そういうようにでたらめをやられるところには、なかなかこれ本当怖くてやるわけにもいかない、実際は。したがって、そういう点も十分に今後考えの中に入れて円借款については慎重に検討をしていく必要がある。そういう意味ではどういうふうに見直していいか、ここで結論は出ませんが、御趣旨は再発防止せよという御趣旨でしょうから、皆さん方の御意見も聞いて、我々ばかりでなくていろいろな意見のある方いっぱい言ってもらって、なるほどそれがいいんじゃないかという点は、私は率直に採用していくことがいいだろうと、そう思っております。
○菅野久光君 大臣から率直に見直すべきものはやはり見直していく、それも皆さん方の意見を聞きながら一番いい方法をとっていくべきだと、端的に言えばそういうような御答弁だったというふうに思います。ぜひそういう方向でひとつ見直しをやっていただきたいというふうに思います。 次に、経済企画庁の長官にちょっとお尋ねをいたしますが、OECFの審査や入札承認などのチェックを逃れて、いわばリベートが渡されていたようであります。そういうことのようでありますから、OECFの審査や入札承認のあり方の再検討が必要ではないかというふうに思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(平泉渉君) 今、通産大臣からも御答弁がございましたが、今度の問題、まだ今大いに政府全体として、殊に関係各省庁で鋭意調査中でございます。 そういう中で、今時に経済協力基金について御言及がございましたが、これは直接実施の機関でございますから、特にこういうところで問題があるのかないのか、問題があるとすればどうすればいいか、こういう問題を、もう十分これは検討してまいらなければならぬ、かように考えておるわけでございます。
○菅野久光君 私もいろいろなこの問題にかかわってのことについて調査をいたしましたが、今申し上げましたように、審査とかあるいは入札承認、ここのところがどうもやはりきちっとなっていないところに、今回のこういったような問題が出てきたのではないかというふうに思わざるを得ません。しかし、これは先ほど申し上げましたように、特別委員会の中でいずれこの問題については明らかにされていくことだというふうに思いますが、これはただ単にフィリピンの問題だけではなくて、対外経済援助をやっている多くの国があるわけですけれども、その中にもこういったような問題がないのかどうかということを、私はないことを願うわけでありますけれども、ないとも言い得ないようなふうにこれ思わざるを得ない。そうなれば、今欠陥といいますか、やっぱりこういうところがまずかったのだと、そこのところをやはりきちんとしなければいけないのだというような部分があるとすれば、そこを直すまでは、見直しをするまでは、例えば借款を凍結するとか、我が国のまずそういう体制をきちっとしてからやるべきではないか、あるいはフィリピンそれから日本、両方の国に不正防止監視委員会を設けてはなんていう提案もなされているようでありますが、その辺について本当に大事な問題だというふうに私は思いますし、相互の国の信頼関係にも当然これは出てきますし、また、税金を納めている国民にもやはり納得をしてもらう、そういうことがあってこそ本来的な対外経済援助の役割というものが果たせるのではないかというふうに思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(平泉渉君) 今おっしゃられた点を含めまして、大変重要な問題点を今提起されておられるわけでございますが、そういう点を含めまして政府において今、日夜検討を進めておるということを申し上げたいと思います。
○菅野久光君 日夜検討を進められることは結構なんですけれども、どうも政府が検討という場合には大変時間がかかり過ぎると思うんです。頭のいい方ばっかり集まっているわけでありますから、速やかにこのことについてのひとつ検討を終えられて、政府としての考え方を明らかにするようにこの際要望しておきたいと思います。 次に、撚糸工連の問題について御質問を申し上げたいと思います。 去る三月の二十六日、東京地検の特捜部は現職の課長と係長の二人を約四百五十万円の収賄容疑で、また同連合会の前理事長と前専務理事の二人も贈賄容疑で再逮捕されていますが、これについて大臣はどのように受けとめておられるのか、また、通産省としての責任についてどのように考えておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 撚糸工連の件で現職の職員が収賄容疑で逮捕されたということはまことに残念なことでありますし、国民に対しても大変申しわけのないことであると、深くそれは我々はおわびをしなければならぬ、そういう気持ちでございます。こういうような問題が二度と起きないように、通産省としては綱紀問題委員会というものを早速事務次官のもとにつくりまして、そして総務課長等がその課の問題でとかくの話が出るようなことがあれば常にそれをチェックをし、またそれが絶対出ないように職員が気を引き締めてやっていただくということが必要でございますので、そういう点については今後万々の注意を払ってまいりたいと、そう考えております。
○菅野久光君 さらに最近のマスコミ報道によりますと、逮捕者は現職の課長と係長だけでなくて、元生活産業局長で、現在退官している人物も日本撚糸工業組合連合会の通常総会議案資料の中で、懇談という名目で小田前理事長と九回、高沢課長が二十五回それぞれ懇談を行って、これについても贈収賄の容疑が強いというふうに言われておりますが、この点について法務省の見解を承りたいと思います。
○説明員(原田明夫君) お尋ねの件に関しまして種々の報道がなされていることにつきましては、警察当局におきましても承知しているものと思いますが、捜査の内容に関するお尋ねでございますので、お答えは差し控えさしていただきたいと思います。
○菅野久光君 いずれにしろ重大な疑惑が持たれているということだけは、私は間違いがないというふうに思うんです。 まあ再発防止に努めたいという大臣の御答弁もありましたが、これは当然のことでありますが、通産省の汚職事件はこれまでもいろいろありました。昭和四十一年以降主な汚職事件を挙げてみますと、四十一年一月の特許庁汚職、四十三年二月のJISマーク汚職、四十四年三月の輸入関税汚職、四十八年九月、ガソリンスタンド認可汚職、五十二年三月は叙勲汚職、五十三年九月、コンビナート施設汚職、五十九年六月、石炭鉱害汚職、五十九年十月の工業技術院汚職、それに今回の日本撚糸工業組合連合会をめぐる現職課長等の汚職というふうに続いております。これら一連の汚職事件の中で、大々的な酒食のもてなしという点ではよく似ております。 四十四年三月の輸入関税汚職、例の堀田事件によって通産省は綱紀粛正策を決めて職員に徹底させてきたと言うが、どのように徹底をさせてきたのかお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(鎌田吉郎君) 通産省といたしましては、従来から職員の綱紀の厳正な保持に努めてきたところでございます。特に先生ただいま御指摘ございました昭和四十四年に、当時の通商関税課の職員に収賄事件の発生がございまして、その後当省といたしましては、幾つかの措置をとってまいっているわけでございます。特にそのとき収賄で有罪にされました者が同じ課に非常に長期間にわたって在職した、その結果、ああいう問題を起こした、こういうこともございましたので、特に人事異動の適正化ということに注意を払いまして、特に民間業界との接触の多いポストを指定いたしまして、そういったポストにつきましては長くとも三年以内に異動させるという、まあ人事異動の適正化のルールを決めた次第でございます。 そのほか、管理者の責任体制の強化あるいは許認可等の事務運営方法の改善等々、綱紀の一層の保持に努めてきたところでございます。 今回の事件にかんがみまして、先ほど大臣が申し上げましたように、緊急に省議を臨時に開きまして、全職員に対し綱紀の厳正な保持に努めるよう、厳重に注意を喚起いたしますとともに、事務次官を長といたします綱紀問題委員会を設置しまして、具体的措置について早急に検討を進めているところでございます。
○菅野久光君 私、今も申し上げましたが、通産省の四十四年の堀田事件、今御答弁にもありましたが、これを契機に綱紀粛正策を打ち出された。御答弁にもありましたが、一職場の勤務年限は癒着を防ぐために三年。今回逮捕された課長は二年、係長は二年五カ月しかこの撚糸工連の担当課に勤務しておらないわけです。そういったようなことを考えてみて、これが起こった。それは、この業者が官僚の将来への昇進期待だとか、あるいは過去の貢献への見返りとして贈賄をしたというふうに思うんです。そういう意味では、この綱紀粛正策というのは、言えば形骸化されている、無力化されているということが露呈したのではないかというふうに思いますが、この点をどのように是正されようとなされるのかお伺いいたします。
○政府委員(鎌田吉郎君) 職員の綱紀の粛正につきましては、まず一人一人の職員が公務員としての正しい自覚を持つことが肝要でございます。そういった意味におきまして、今回改めて全職員に対しまして綱紀の厳正な保持につきまして厳重な注意喚起をいたしたところでございます。 それから、ただいま先生御指摘ございましたように、今回問題を起こしております職員が比較的同じポストに短い期間しか在職してなかったという事情があるわけでございます。まあ、そういった意味におきまして人事管理の適正化、これはもちろん基本的に大事でございますけれども、それだけで果たして十分であったかどうかという反省も大いにいたしているところでございます。 そういった意味におきまして、やはり本人の自覚とともに、上に立つ者の指導監督体制の強化、そのためには常時上に立つ者が職場の実態を的確に把握しているというふうなことも必要になってくると思うのでございますけれども、そういった管理者の責任指導体制の強化というようなこと、あるいはまた通産省全体を通じましての内部考査体制の強化、この辺を重点にできるだけ早く具体的な措置を決めたいというふうに考えている次第でございます。
○菅野久光君 いろいろなことを考え、そしていろいろな策を施しても、要は人間の問題になってくるわけですから非常に難しい問題があるんだというふうに思いますが、とりわけ通産省にこういったような問題がずっと起きてくるということについて、何というんでしょうかね、通常の形の綱紀粛正策だけではこのことを防止するということは私はできないのではないか、そんな感じすら私は今回の問題を調べていきながら思っているわけであります。それだけに当局としてもさらに一層気を引き締めて、職員全体に対する指導強化といいますか、あるいは信賞必罰、何らかのことをもっと、何というんですかね、ショック療法的なことか何か、とにかく普通の官庁でやるような状況のようなことでは私はこのことを防止するということができないのではないかというふうに思わざるを得ません。 日本の汚職疑獄事件は、山県有朋から官金浮き貸しを受け切腹自殺した山城屋和助から今回の撚糸設備共同廃棄事業にかかわる贈収賄事件まで、政治家の圧力もあったでしょうけれども、どうもやはり手心を加え、便宜を図るなど、現実に利益を受ける者と担当者との間で発生しているのが現実ですね。 そこで、この汚職防止対策の見直し作業の一つとして、業界との常識的な交際というのがあると思うんですが、その常識的な交際の範囲についてもいろいろ検討をされているのではないかというふうに思いますが、問題なのは、通産省の常識というのと国民一般の常識との間には大きなずれがあるのではないかというふうに思うんです。通産省当局が考えている常識とは一体どのような範囲なのか、具体的に明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(鎌田吉郎君) 先ほど来申し上げておりますように、綱紀の厳正な保持というのは、結局職員一人一人の心がけに基本的にはかかっているわけでございます。当然その場合、常識の範囲というようなことも出てくるわけでございますけれども、結局これは職員一人一人が公務員として身を慎み、いやしくも国民の疑惑を招くことがないように身を処する、そういう立場からくるわけでございまして、まあ一概に常識の範囲というのを決めにくいという事情につきましては御理解賜りたいと思う次第でございます。 ただ、先生御指摘のように、今回の事件、私どもとしても大変厳粛に受けとめております。そういった意味におきまして、先生の御意見等も十分体しまして、先ほど申し上げました綱紀問題委員会の中で具体的な措置をできるだけ早く固めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○菅野久光君 先ほど申し上げましたけれども、通産省の常識というのと国民一般の常識との間には非常に大きなずれがあるのではないかというふうに思わざるを得ないということを私は申し上げましたけれども、そこの間にずれがないような形でぜひひとつ慎重に検討をして、やはりある程度具体的な基準というものをしっかりつくっていくように努力していただきたいと思います。 次に、会計検査院は昭和五十三年度と五十四年度の両年度にわたって中小企業振興事業団、昭和五十五年十月一日以降からは中小企業事業団に変わりましたが、この中小企業振興事業団が行った撚糸等の設備共同廃棄事業の資金貸し付けが不当だったとする決算検査報告書を提出しておりますが、これについて簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。
○説明員(秋本勝彦君) 簡単に御説明いたします。 先生おっしゃいましたように昭和五十三年度、五十四年度の検査報告に掲記してあるものでございまして、五十三年度は二事例千三百万円、それから五十四年度は四事例で八千九百万円、計六事例の一億三百万円であります。その態様は、無登録設備や他からの借り入れ設備を買い入れ対象としたり、事業の対象とならない事業者の設備を買い入れ対象としていたり、そういうものであります。簡単でございますが。
○菅野久光君 今の五十三年度、五十四年度と両年度にわたって約一億三百万円、不当事項として指摘した金額ですね。それは、五十二年度と五十四年度は、それぞれ別な県での検査によって不当事項として指摘したものでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
○説明員(秋本勝彦君) 五十三年度並びに五十四年度でございますが、石川県につきましてたしか同じ県のものというふうに……
○菅野久光君 わからなければいいです。
○説明員(秋本勝彦君) ちょっと申しわけございません。検査報告、五十八年度分しか持っておりませんので、失礼いたしました。
○菅野久光君 恐らく私は行ったところが別な県ではないかなあというふうに推測をするわけであります。今会計検査院の方から御報告がありましたが、この報告書によりますと、撚糸業者が所有する無登録の糸機、大企業から資本金の五〇%以上の出資を受けて買い上げ対象とならない業者、買い上げ当時、撚糸業者が大企業から賃借していた糸機など、貸し付け目的に沿わないものまで貸し付けの対象としたものであることから、これは不当事項として全額繰り上げ償還の措置をとらされているわけであります。 そこで、当時の中小企業振興事業団はどのような一体貸し付け審査をしたのか、また通産省の生活産業局の原料紡績課は、この会計検査院の指摘を踏まえて、どのような行政指導や監督を中小企業振興事業団や撚糸業界にしていたのか、ひとつ簡単に御説明いただきたいと思いますが。
○政府委員(浜岡平一君) 設備共同廃棄事業を実施するに当たりましては、指導会議と言っているわけでございますけれども、通産省、それから関係通産局、関係府県、さらに中小企業事業団、さらに融資窓口になります商工中金等が集まりまして、設備廃棄の意義、有効性、さらには設備廃棄を行います規模の大きさ、さらに実施についての基本的な体制、特に融資等につきまして府県と国でどういうぐあいに資金負担割合を決めていくかというような基本的な方向を十分検討いたしました上で、実施に取りかかるということになっているわけでございます。 ただ、現実の設備あるいは現実の中小企業者というのは大変たくさんいるわけでございますんで、設備廃棄の規模の取りまとめは産地ごとの組合で取りまとめまして、これを全国団体でございます連合会において取りまとめて、関係方面のチェックあるいは審査を受けるというような仕組みになっているわけでございます。。事業団におきましても、提出されました計画につきまして書面審査を行うわけでございますが、この五十三年度、五十四年度の事件につきましては、ただいま先生御指摘のように、本来大企業はもちろん対象外なんでございますけれども、大企業からの出資比率についてのチェックが十分行われてない。これはまあケアレスであったかあるいは故意であったか、なかなか判断の難しいところでございますが、そういうケースがございました。 それから、これは非常に遺憾であったと当時も判断されたようでございますけれども、登録を受けてない設備を、登録を入れかえるというような操作を行いまして、対象にしたというようなケースもあったわけでございまして、これは現場で一台、一台チェックをしませんとなかなか判定の難しいケースでございますけれども、結果的には審査段階でひっかかってこなかったということになっているようでございます。 当時、このような事態にかんがみまして、先生御指摘のように直ちに繰り上げ償還を行わせますと同時に、当時の担当局長から産地組合それから連合会に対しまして、こういう事態の再発を防ぐために、設備買い上げ前後におきます内部チェック体制、相互チェック体制に十分意を尽くすように通達をいたしているわけでございますけれども、今回残念ながら、登録を受けてない設備を買い上げ対象にするという、極めて類似した形の事態が発生をしているわけでございます。前回発生しました地域と今回問題が起きております地域は別の地域ではございますけれども、非常に似たケースでございまして、そういう意味では私ども大変ショックを受けているところでございまして、今後この制度の取り扱いを考えます際に幾度も幾度も頭の中で思い起こさねばならないケースだと痛感をいたしている次第でございます。
○菅野久光君 五十三年度で指摘をされ、また五十四年度、次の年度も指摘をされたということは、ここの業界にかかわるところについては私は多かれ少なかれいろんな地域でなされているのではないかという推測というのは、当然出てくるのではないかというふうに思うんですが、この撚糸関係の業者のいる地域というのは全国的にどのくらいの都道府県の数でありますか。
○政府委員(浜岡平一君) 撚糸と申しますのは、糸を織物工程にかけます前に、強弱さまざまでございますけれども、よりをかけるという工程でございます。昔は絹につきまして特に撚糸工程というのが重要だったわけでございますけれども、最近では合繊織物につきましてもいわゆる差別化路線というような。ことで、発展途上国でつくれない風合のものをつくりますためには、この撚糸工程というものが、さまざまのよりのかけ方というものが非常に重要な意義を持つようになっております。また、毛等の分野におきましても、こういった差別化路線の中で撚糸工程というようなものが意味を持つようになっておりまして、織物業の存在をしております府県にはほぼこれと共存する形で撚糸業というものが存在をいたしておりまして、全国二十九の府県にまたがりまして産地組合が存在をいたしているわけでございます。
○菅野久光君 五十三年度、五十四年度、こういう形で指摘事項として受けた、それを受けて今の二十九のところが、まあ全部が全部ということでこういう対象の申請をしたとは限らないわけでありますが、申請をしたところについては、通産省として全部の県についてあの指摘事項のようなことがなかったかどうかという、そういうチェックというものをしたのでしょうか。
○政府委員(浜岡平一君) 現在の実施要領によりますと、設備の破砕を行います段階、実はまず設備の破砕をいたしまして、しかる後に正式の融資申し込みを行い融資が行われるという仕掛けになっているわけでございますが、そういう意味で、非常に重要なステップでございます個々の設備の破砕の段階での確認ということを非常に重視をいたしております。 現在の実施要領では、破砕に当たりまして通産局または都道府県の職員の立ち会いを要請をし、その確認を受けるようにというような方針が示されておりまして、実際の破砕に当たりましてはこの手順は踏まれているわけでございます。 ただ、一つずつの設備についての登録の有無あるいは破砕のやり方あるいは個々の設備の姿の確認等につきまして、今回の事態を振り返ってみますと、必ずしも十分にチェックポイントというものが浸透してなかった面もあるんではないかというぐあいに思われるわけでございまして、今後この制度のあり方については大変議論があるわけでございますけれども、私どもといたしましてはこの点は非常に重要なポイントではないかというぐあいに思っております。通産局の職員もあるいは府県の職員も、何年か置きには交代をしていくわけでございますので、やはり新しく担当することになりました人が、だれが見ましてもよくわかるような絵入りあるいは写真入りというようなきめ細かいマニュアルというようなものも、必要なんじゃないかというぐあいには思っているところでございます。 なお、撚糸工連につきましてこれまでに行われました融資につきまして、現在私どもといたしましても可能な限り新しいところから始まりまして古いところまでさかのぼりまして、個別にもう一度チェックを行うよう努力をいたしているところでございます。
○菅野久光君 会計検査院は限られた人数で、検査に行くというのも全般にわたってほんのわずかなんですね。そういう中で、こういうふうに指摘された事項については指摘されたそこの部分だけしか部内でも対応していかない、そこに私は問題が出てきているのではないかと思うんですよ。例えばこの撚糸工連のところで問題が出れば、そのことは全国にある全部の組織についてきちっと対応していく、それこそが検査院が指摘する大きな意味があるのではないでしょうか。だからこういう問題が次から次に出てくるんですよ。私はそう思うんですが、どうでしょうか。通産省の体制の問題ですから。
○政府委員(浜岡平一君) 確かに先生御指摘のように、会計検査院のサイドでの人員面での御制約があることは事実でございまして、やはり自浄作用といいますか、みずからを正していくということが本当に基本だというぐあいに思っております。全国にまたがります非常に多数の中小企業、多数の設備を対象に展開をいたしてまいります事業でございますので、やはり産地の組合というものを、言葉は悪いんでございますが、ある意味で国の手足として使い、またこれを信頼をしていかざるを得ないという面はあるわけでございます。しかしそれだけに実際の衝に当たっております産地組合あるいは全国連合会の職員、さらにはもちろん通産省自身もそうでございますけれども、襟を正し、みずからの責任の重さを感じ取っていくということが基本だと思っております。そういう意味で、通産省自身もそうでございますけれども、関係の産地組合あるいは連合会の職員の間にこういう気持ちを醸成をし、それを広げていくという面で十分でない面があったと率直に認めざるを得ないわけで一ざいまして、この点のまさに制度を動かす人の心構えの問題の重さというものを非常に重く重く威している次第でございます。
○菅野久光君 私は、再発防止という意味合いからいけば、今回のように次から次に同じ業界の問題が出てくるというこういうことは、あり得べきことではないというふうに思うんです。ですから、私が先ほど言いましたように、こういう問題が出てきたときには即、そこの部分だけではなくて、それが全体にもある問題ではないかということで、通産省として対応していく、そういう厳しさがなければ、いつまでたってもこういう問題の解決ということには、こういうことを防止するということにはなっていかないのではないかということを申し上げているわけであります。特に、今回の場合はこれはもう融資詐欺とでも言っていい問題ですね。大変な問題だというふうに思います。 今回のこの贈賄工作の対象となった設備共同廃棄事業の設備の登録制は、登録機械以外の稼働などを禁止する一種の不況カルテルであります。この事業は、不況業界に長期無利子の国の資金を貸しつけて、過剰設備を買い上げて廃棄するというもので、撚糸業界にとって極めて有利な制度であるわけです。ところで、この設備廃棄事業は十年以上も続いているわけですね。これによって、撚糸業界の構造改善が進んでいるのかいないのか、大きな疑問を持たざるを得ません。それどころか、この設備登録制を悪用して、融資詐欺事件にまで発展したことは許せないことだというふうに思います。 そこで、この制度を見直すようなことを通産大臣は三月十九日の繊維業界との懇談や三月二十八日の衆議院の商工委員会で表明しておりますが、この際この制度そのものを廃止するような方向で考えてはどうなのか、そういうこともお伺いいたしたいと思いますし、時間がございませんので、あわせてこの綱紀粛正策で一職場の勤務年限は癒着を防ぐため三年というふうに決めたわけでありますが、ここにかかわっては、融資とかあっせんを含む許認可権、及びそれに準ずるポストを持つ者は三年で交代という意味合いだというふうに思うんです。そうであれば、なせその制度そのものを二年ぐらいで見直さないのか。官僚が持つ融資や許認可の権限が必要かどうかを判断するには、それが導入されたときの目的が今日でも必要なのかどうかということ、あるいは融資や規制が現実にその目的を達成する上で有効であるかどうか、そして、その制度が今回の事件のように望ましくない副作用を及ぼしていないかどうかなどがあるというふうに思うんです。 そこで、以上挙げた融資や許認可の権限を官僚に与える判断基準から、今まで指摘してきた設備共同廃棄事業とその事業の中の登録制について、今後どのような見直しあるいは廃止を考えているのか、大臣からひとつ御答弁をいただきたいというふうに思います。 なお、時間がございませんので、まがい商法の問題については別な機会にまた御質問申し上げたいというふうに思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 見直しは行うべきであるというのが結論でありまして、廃止をするかどうかまでは私は決断をいたしておりません。問題は、それは何万錘、何万という機械があるわけですから、それを何人かの限られた人が、実際その機械が本当に登録されたものであるのかどうなのか、今まで使っていたものなのかどうなのか、古い機械と差しかえちゃって、それで新しい機械をどこかへ隠しちゃって、つぶしたようなことを言われたって、全部一つ一つ点検をしなければ実際わからない、実際は。ということになると、じゃ膨大に人間をふやして、一つ一つちゃんと、現場の機械と何をその場でぶち壊すというようなことでもやらないと、本来はそれはもう確実というぐあいにはなかなか言い切れない。したがって、これはやはり組合というようなものを信用して、抽出検査みたいなことにならざるを得ないんでしよう、現実は。それは何万という機械ですからね、お札数えるのとわけが違いますから、ばらばらにあっちこっち皆散らばっておるわけですから。したがって、そういうところを何かうまく機能するようにするにはどうするのか。これはなくすと、制度をなくしてしまえばそれは一番簡単で、不正問題の起きようがありませんが、不況で結局生産過剰になって、みんなが困っているというときの業界全体を助けるという制度でこれをつくったわけですから、それが板挟みになるわけですよね、通産省は。だから、結論が出ておりませんが、不正防止をもっと徹底してやれば、この制度がもっと生かして使えるということならば私は存置してもいいし、それがとてもじゃないがもう責任が持ち切れないというんであれば、これはやめるほかないし、そこらのところをもう少し具体的に勉強して詰めていきたいと、そう思っております。それから交代制の問題ですが、本来は業界を管理、監督して不正を防止させるというのには、その業界の裏の裏まで知っていないと実際はだまされちゃうんですね、相手がベテランだと。悪い方のベテランですよ。本来は裏の裏まで知った人が本当はそこにいるのが一番いいんですよ。長くいると今度はどうしても一杯飲んだり何かしちゃって結局癒着しちゃうという問題が出てくる。結局情が絡む。だんだん泥沼に入っちまう。弱みをつかまれちゃうという二つの相反した問題が実はあるんですね。本来は一つの課でも、ベテランと言われる人が、五年、十年という人がおって、業界はこんなことを言ってきても、問題点はここにあるとすぐにわかると。課長なんかどんどんかわっちゃって、実際は表面的なことしかわからない。覚えたころは転勤というような、大臣みたいなもので、本当にこれも困る、実際は。だから本当にもっと知悉した人を置きたい。そこのところの兼ね合いというものが非常に難しい問題が一つあるんです。ですから、問題は心の問題、人間の問題なんですね。本来ならば立派な人が一カ所に長くおって、厳正公平にきちっと情実を挟まずやってくれることが一番実際はいいんです。だから、そこらの問題をどういうふうに取り組ませていくか、問題は心の問題ですから、そういう点も含めまして、いろいろ今後より一層効果のある方策を編み出していきたいと思っております。
○本岡昭次君 まず私は、円高不況によって深刻な打撃を受けている輸出関連の中小零細企業、地場産業に対する政府の対応策について伺います。 中曽根総理が、去る三月三十日、参議院選挙立候補予定者である御長男の選挙応援のために群馬県へ地元入りをされています。その際に、同行記者団を前に次のような発言をされたというふうに私は新聞を通して知りました。それは秋にかけて円高の安定、景気の安定が出てくる、円高デフレの心配はないという趣旨の発言であったようでございます。この中曽根総理の発言がいろいろな意味にとれるわけでありますが、経企庁長官と通産大臣は、この発言をどのように受けとめておられますか、まず初めにお伺いしておきます。
○国務大臣(平泉渉君) 全体の大筋において大変妥当であるし、大体そういうことになるんではあるまいかと、我々も同意見でございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も経企庁長官と同じなんです。それはお金の値打ちが上がるということですから、かっては三百六十円出さなければ一ドル買えなかったものが二百四十円で買えるようになって、百八十円で買えるようになるということは、資源のない日本として非常に安い値段で資源が手に入るということですから、そのこと自体は決して悪いことではないし、大変いいことであると、私はそう思っておるんです。ただ、そのスピードが余りにも急激だったために、輸出分野においてはそれと逆のことが言えるわけでございます。特に値上げができない、対応できないという中小零細企業等について、非常にここで問題が起きてきているということも御承知なとおりでございますから、それは流れとしてはいいことではあるが、局面的には非常につらいことが、問題がございますという認識であります。
○本岡昭次君 私は、この中曽根総理の発言は、要するにやがて円高にもストップがかかって、そしてあす八日ですか、まとめる予定の政府の総合経済政策が効果を発揮をして秋には景気が回復します。だから、円高不況の心配はないから安心しなさい、こういうことを言っておられるんだと思います。しかし、私はこの発言は、ある意味では五カ月国蔵相会議等に端を発して政府の政策誘導というふうな形で進めてきた円高でありますが、この円高によって今本当に苦しめられている中小零細企業者や、あるいはまたそこに働く、本当に末端の中で低賃金で働いている労働者の皆さんがこの発言を聞いたときには、何か本当に幻想だけを振りまくような無責任な発言にはなりはしないかとも思うわけであります。 それで、円高を安定させるというんですが、一ドル二百四十円から始まった今回の円高の相場が、それでは一体一ドル何円で安定すれば、一番底辺で輸出関連のところで苦しんでいる中小零細企業が、ぎりぎりの線で自己努力も含めて頑張っていけるというふうに一体お考えなのかという点が私は大切だと思います。私も、先週兵庫県の地場産業を中心にして回ってみました。通産省も調査の対象にしたでありましょう三木の金物とか、加東郡等にある釣り針、あるいは西脇、多可周辺にある織り物、そしていろんな人に話を聞いてみたのであります。実際、企業主とその組織を代表しておる人と若干の差はあります。企業主のところへ行くと、本岡さん、二百二十円か三十円でなければもたぬ、こう言いますし、組織を代表する組合のリーダーたちは、二百円というのがぎりぎりの線だと、それより高くなると我々も責任が持てないというふうな話は、現場に入って私は直接聞いてきたんでありますが、経企庁長官や通産大臣は、円高が安定するということ、一体どの程度のところであればこの中小零細が、ぎりぎり政府としても責任を持って頑張れと言えるのかという点、ここが極めて大事だと思う。それはどのようにお考えですか、そこは。
○国務大臣(平泉渉君) 先ほどお話もございましたように、円のレートが変わるということはすべての価格が変わってまいるわけでございますから、円高ということは当初いろいろ問題もございますが、今度は逆に輸入しておる原材料というようなものも値段が変わってくる。また、今非常に議論されております電力、ガス料金というような基本的なエネルギーの代金というようなものもまた変わってくる、こういうわけでございますので、どの円・ドルレートでなければならぬというようなことを確定的に申し上げるということはこれは非常に難しいことでございます。ただ、だんだんお話のございましたとおり、今回の円高というのは従来の円高に比べますと大変速度が速い、そこに調整の問題、それぞれの個別の企業の方々にとりましては、新しい事態に即応していくということにとって非常に困難な時期があるんだと、こういう認識は我々非常に強く持っておるわけでございまして、通産大臣からもお話があると思いますが、私どもは明日経済対策閣僚会議を開きまして、こういう問題についての総合的な対策を打ち出す、これを非常に我々急いでおるわけでございまして、御心配の点は十分我々も承知をいたしております。この予算の上がるまではなかなかできない処置もございますので、発表はできなかったわけでございますが、この予算の御審議中も昼夜兼行で経済担当各省庁でこの方面につきましての努力というものを続けておったわけでございます。明日には、いよいよこれが正式に決定でき、また発表できるという段階になろうかと存じますが、その段階では行政の各部門にわたりまして精力的に対策を進めてまいる所存でございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) どれくらいのレートがいいのかと言われましても、利害が相反する人が日本国内にいっぱいいるわけですから、政府は幾らがいいということはなかなか言えないわけです。また、政府が幾らにしようと思いましても、数千億ドルあるいは一兆ドルとも言われるのですが、それほどの世界の大量なお金が要するに飛び交っているわけですからこの市場で。ですから、みんなが日本の経済の将来の見通し等も考えて円の値打ちを決めるでしょう。ですから、余り円高になっちゃって将来日本の経済がだめだと思えば当然円安になってまいりますし、それでも日本の経済がもっとよくなるということになればもう少し円高になるかもわからぬし、なかなかそれはわからない。わからないが、アメリカでもドルの急落、円高ということは裏返して言えばドルの暴落ということですから、それは。それ以上暴落したのでは輸入インフレだという心配が出てくれば、おのずからそれは投機筋もこの辺ということになってくるんじゃないか。大体、したがって、相場がずっと見ておってどこかで落ちつけば落ちついたところが一番いいと、こう言わざるを得ないんですね、これは。それに対応してともかくいろいろな政府は施策を講じていきたい。そこで産業構造調整というものも避けられない部門も当然にこれは出てくることを覚悟しなきゃならぬと、それにはそれによって浮かばれている人があるわけですから、国民全体として特に急激な被害を受けた方には、できるだけ温かい手を差し伸べてやるということが必要だと、そう思っております。私は当分は今の程度で大体いくんじゃないかという見通しですがね。これはわかりませんよ、見通しですから。
○本岡昭次君 それは自然に日本の円の価値なりあるいは経済の力というふうなもので動いていくというふうであれば、多くの輸出関連なり関連する企業の皆さんも納得します。しかし、私が回ってみるのには、これはそうでないだろうという認識を皆持っていますよね。五カ国蔵相会議から端を発して、そして政策的に円高が誘導されたと、こう見ているんですよね。だから今のような答弁をまともに聞きますと、それは実際輸出関連の中小零細の中で苦しんでいる皆さんは、一体政府は何を言っているんだというふうなことになる。それは当たっているか当たっていないか別にして。しかし、そういうふうな認識を今の円高が余りにも急激であったために持っていることは間違いないんです。したがって、円高の安定という中曽根総理の言葉が、今通産大臣もおっしゃったように、今は百八十四円ですか、そういうふうなところで動いているわけですが、二百円を上回った形で百八十円台あるいは百七十円とそういうふうなところで円高が安定して、一体どのような輸出関連企業のところに対して具体的に円高デフレはない、安心しなさいと言えるのかということについては、皆さんがそれは幻想でしかないという強い考えを持たれると思うんです。 そこで、今抽象的な論議をやっていても仕方がありませんので、具体的なそれぞれの地場産業の問題にかかわって今言ったようなことについてお伺いしてまいります。 それで、兵庫県下の地場産業に対して、中小企業庁は三月十二日、円高の輸出型産地中小企業の影響ということでもって調査をされて、その結果も発表されています。それで、その中で兵庫県内の影響はどういう状況であったか、そしてまた、具体的な地場産業個々についてどういう反応があったのか、また、それに対してどういう対策を講じていけばいいとお考えか、個別に御報告を願いたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 昨年の秋に円高が開始して以来、中小企業庁といたしましては四度にわたって産地の中小企業の実態調査をしたわけでございますが、最近時では二月時点において行ったわけでございますけれども、その際、兵庫県内の産地につきましても四産地について調査を実施しております。全国総数では五十五産地でございますが、そのうち四産地でございます。その産地を申し上げますと、西脇の綿織物、姫路のチェーン、三木の利器工匠具、それから神戸のクリスマス用品というものでございまして、全体的に申し上げますと、これはほかの産地もほぼ共通しておりますけれども、急激な円高によりまして新規の輸出契約がなかなかとりにくい、得にくいというような状況になっておりまして、そのために資金繰りが苦しくなりかかっているということでございます。西脇の綿織物につきましては、今申し上げましたようなことのほか、新規成約価格は前年に比べ大幅に低下しているということ、あるいは休業や廃業も発生しているということがあります。それから姫路のチェーンにつきましては、新規成約はほとんど全面的にストップしているというようなことでございまして、受注残もほとんどなくなっているという状況のようでございます。それから三木の利器工匠具につきましても大体同じようなことでございますが、受注残は適正水準の半分以下であるというようなことでございます。神戸のクリスマス用品につきましても一やはり新規の契約がストップしている企業が相当あって、受注残は適正水準の半分以下というようなことでございます。そのような状況でございますので、二月十五日に成立し二月二十五日から実施、施行いたしました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の対象業種として、西脇の綿織物、それから三木の利器工匠具、それから神戸のクリスマス用品を産地として指定いたしまして、この法律に基づきます信用保証の別枠あるいは税制措置、それからこれと並行して行っております国際経済調整のための金融措置ということで五・五%の融資というようなものをこの業界に対して行っておるわけでございます。
○本岡昭次君 その中で二、三個々の問題をお伺いしていきます。 今の報告の中に、今からお伺いします釣り針の業種が特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の適用指定業種となっていないということがあるんですね。それで兵庫県もこの業界も地元も指定業種にひとつ拡大してもらいたいという強い要望がありますし、また円高の影響ということになってまいりますと、私も直接地元に行って話を聞いてきたんでありますが、輸出関連ということであれば全体の二〇%から三〇%がそういうことになっておりますし、五十九年度も輸出比率が三一・九%もあるという状況であります。それだけに大変な影響を受けています。こうした急激な円高の影響を受けて、今通産大臣も言われた支援、援助をしていかなきゃならぬところはやっていきますということであります。しかし、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法というのですか、この法律の指定を受けていないので緊急融資というものが非常に受けにくい状態にある、こう業者は訴えております。ということになると、円高の影響を受けているところに対しての緊急措置として少しこれは筋が通らないのではないかとこう思うんですが、この釣り針の業種についてどういうふうな対応をしておられますか。
○政府委員(浜岡平一君) 先生御指摘のとおり全国の釣り針生産の約九〇%を占めているというぐあいに承知をいたしております。 転換法が国会で審議になっております当時では必ずしも地元サイドでの調整がまとまってなかったようでございますけれども、先生御指摘のとおり最近になりまして指定の御要請が大変強いわけでございます。私ども現在、実態の把握に努めているわけでございますが、兵庫県の資料によりますと、昭和五十五年当時は輸出比率が二〇%程度あったようでございますけれども、最近ではどうも一〇%ぐらいだというような数字があるわけでございます。ところが他方、別途全国ベースの通関統計を見てみますと、かなり兵庫県の御調査の数字よりも通関統計に出てまいります輸出金額は大きいわけでございます。この辺、ほかの産地の輸出がふえているのかどうか、この辺もなおよく吟味をしてみる必要があろうかと思います。私どもといたしましてはその辺鋭意実態の把握に努めたいと思っているわけでございますけれども、先生御承知のとおり現在の制度のもとにおきましても非常に苦況にございます個別企業につきましては、個別に認定をするということによりまして助成対象とするというような道も開かれておりますものですから、当面のつなぎ対策といたしましてはそういった面での対応を考えながら、実態把握につきましてさらに意を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
○委員長(丸谷金保君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(丸谷金保君) 速記を起こして。
○本岡昭次君 それで、事業転換の特別措置法の指定業種にこれからなれる見通しがあるのかどうかということと、それから個別認定で対応していきますと言うが、個別認定の場合に指定業種でなくとも同じような立場でもって融資がしてもらえるのか、この二点お伺いします。
○政府委員(木下博生君) 業種といたしましては、いわゆる法律に基づく九条の認定の対象となる業種は百二十八業種を三月四日に指定したわけでございますが、もちろんこの法律に基づいて認定するものでございますから、今後新たな業種の中で同じような状況があって指定する必要があるだろうという業種が出てくればそれを追加することはやぶさかでございません。ただ、今生活産業局長の方から御答弁申し上げましたように、法律九条一項三号によりまして個別の認定の制度があるわけでございます。「前二号の規定により主務大臣が指定する業種以外の業種に属する事業を行う特定中小企業者であって、」ということになっておりますので、そのような中小企業者でありますれば、個別に同じような状況で輸出が大幅に減っているとか輸入によって生産が急激に影響を受けて減少しているというような事態がはっきりすれば、個別に都道府県知事が認定をするということができますし、その場合には対応策としては全く指定業種と同じ対応策を講ずることができるわけでございます。
○本岡昭次君 そうすると、この釣り針の業界の皆さんが特別緊急融資を受けなければならぬという状況に立ち至ったときは別段問題はない、こういうふうに考えていいわけですか。
○政府委員(木下博生君) 兵庫県の方で個別の企業ごとに調査をされて、そのように非常に苦しい状況にある、それで対象業種と同じような状況にあるというようなお話があれば、それを受けまして私どもとしては十分考慮さしていただきたいと思います。
○本岡昭次君 十分考慮をしていただきたいということを強く要望しておきます。 それから今度は、織物等の関連の業者で緊急融資の申請をしてもなかなかこの融資を受けられないという苦情があります。いわゆる条件は整うんですね、融資の対象として。ところが融資を受ける条件に今度はひっかかってしまう。どういうことかといいますと、担当者が、どうして返すんですか、返すめどのないところに貸すわけにはまいりませんと、こう言うんです。何か担保はありますか、担保のないところには貸せませんと言うんです。万一のときの保証人、安全な保証人はありますか、こう畳みかけられるのであります。そうするとこの業者の方々というのは、そういうものがないから、担保力なりいわゆる借金をする体力がないから駆け込み融資のような形で特別融資を頼みにいったら、銀行と同じような対応をされて、そしてけんかになる、口論になる、それで結局だめ、こういうようなことになっているという嘆きですね、涙ながらの訴えを私は聞かされたのであります。そういうところは朝五時からそれこそ夜十時まで、ほとんどが家族労働ですね。家族には賃金払ってないでしょう、本当は。だから家族を中心として、だれか雇用者といっても一人か二人、本当に零細な中でこの織物なんかは底辺でやっているのでありますが、一体そういうところが円高の圧力からどう脱出していったらいいのかということであります。政府が緊急融資ということで一条の光明をもたらしたように見せても、実際下の方ではそうしたことについて何ら借りる力が、もう体力がないんですね。一体どうしたらいいのかということであります。 まさか通産大臣や経企庁長官が、倒れる者は倒れてしまっても仕方がないとはおっしゃらないでしょう。この円高というものは日本の経済力に相応して起こったものだから、それに合わぬ者はこの際つぶれても仕方がないとはおっしゃらないと思うんですが、とすれば、どうしたらいいのかという問題が答えが出てこないわけです。私たちがそういう現場へ行って話をしても、あなたに言っても仕方ないだろうけれどもという前提で話があるわけであります。そう言われると極めてつらいのであります。私は通産大臣でもないし経企庁長官でもありませんから。 そこで一体どうしたらいいのかという問題であります、こうしたところに対して。担保力もない、借金する体力もないところが実際駆け込んで借りる。円高がある程度のところで安定して、将来経済が持ち直して、中曽根総理が言うようにデフレもなくなる、景気が回復する、そうしたらその借金を返せる力が将来起こるかもしれない、それまでの対応を本気になって、中小企業を本当に切り捨てないなら切り捨てないだけの対策を政府は講じるべきだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(木下博生君) 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法は、今先生が御指摘になったような方々に対応するための措置として私ども考えこれを御提案申し上げて成立したものでございますが、急激な円高で新たな注文をもらえない、注文をもらえないのですぐに資金繰りが苦しくなる方々にできるだけの金融面の措置をして差し上げることによって、今後新しいそういう経済事態に応じてその企業が新たな経営の方向を見出すための息つぎができるようにして差し上げようということでこの法律を考えたわけでございます。 今御指摘のように、担保力も十分にないという企業の方々がたくさんおられるのは十分私ども承知いたしております。中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫の普通の融資の際は、担保とか保証人とかをとってやるのが多いわけでございますが、そのような事態で借りられない方が出てくるのはまずいということもありますので、この法律に基づきまして信用保証協会が別枠の保証をすることができるということで、通常八千万円まで保証することができることに加えまして八千万円だけ新たに保証ができる、そのうちの一千万円は無担保の保証ができるというような形でそういう信用補完をする制度を新たに設けたわけでございます。 したがいまして、そのようなことで対応していただきたいと思いますし、また小規模零細企業の場合には、御承知のように国民金融公庫から商工会あるいは商工会議所の指導を受けた上で無担保、無保証の資金を借りることができるいわゆるマル経資金というものもあるわけでございますので、そういうものを使って融資を受けていただきたい。もしそういう金融機関等においてそれにもかかわらずまだ非常に難しいというようなことを言うような人たちがいれば、それこそ地元の商工会議所ないし商工会あるいは通産局あるいは県、そういうところに相談室がありますので、どんどんそういうところへぜひ御相談をいただきたいというふうに考える次第でございます。
○本岡昭次君 一つお願いがあります。特別融資、緊急融資というものを去年急激な円高に対する対策として出されました。しかし通産省や経企庁の皆さんの思いとは別に、現場の窓口の対応は極めて私たちとしては我慢のならないものがあります。一体どういう対応が現場で行われているのか、もっと懇切丁寧な、今あなたのおっしゃった気持ちのあふれるそうした指導を窓口でやっていただかなければならぬと思うし、一体この緊急融資制度が発足して以来どれだけの申請があって、どれだけ認められて、その申請したけれども認められなかったのはどういう理由によってそれは認められなかったのか、認められなかったところはその後どうなったのかという、こうしたものをきめ細かく調査をやっていただきたい。 でなければ、私が聞いておるところによりますと、例えば織物関係のところで既にもう自殺者が二人も出たとか、あるいはまた夜逃げをして、地元を捨ててどこかへ行ってしまわなければいかぬというふうな形がこれからどんどん出てくるだろう、こういう話も聞かされたのであります。せっかく緊急特別融資というものをやっても、それが実際個々のそういう事例に対して効果を発揮しないというのでは、これはまさに絵にかいたもちであります。そういう点で格別のひとつ対応をしていただきたいということと、何か低金利の特別融資、無条件、無担保でというふうなさらに一段と有利なものをそうしたところにやっていくということを、この調査の中で新しくやっぱりつくるべきではないかと私は思うのですが、いかがですか。
○政府委員(木下博生君) 十二月からいわゆる円高緊急融資というのを行っておるわけでございますが、三月末までの実績でございますと、商工中金、中小公庫、国民金融公庫、沖縄振興開発公庫、この四つの機関合わせまして千七百六十一件、四百五十九億八千九百万円ということになっております。 法律が施行されましたのが二月の二十五日でございまして、それ以前から融資を行ってきておったわけでございまして、二月二十五日に法律が施行されまして以降、都道府県の認定業務というのが必要でございますので、その認定業務をできるだけ早くやっていただくように都道府県に現在お願いしているところでございます。認定さえ済めば、それ以前に融資を受けていた人たちは当然その認定の対象となり得るという前提で私どもやっておりますが、それ以降に認定を受けた業者の方であれば直ちに融資が受けられるという態勢になっておるわけでございます。 昨年の暮れから私どもは大蔵省の銀行局長と連名で各金融機関に対しまして、こういう円高で影響を受けた方々に対しては親切に機動的に対応するようにという通達を出しております。それにもかかわらず今先生のおっしゃったような事態がもしあるといたしますれば遺憾でございますので、再度私どもの方からも金融機関に対して、十分親切に対応して、できるだけ担保等の面についてもいろいろな対応策について相談に乗ってやるように私どもの方からお願いをしたいというふうに考えておる次第でございます。
○本岡昭次君 通産大臣、ひとつ通産大臣の立場から、私初めに言いましたように、円高問題なんかで一つや二つの中小零細企業はぶっつぶれても仕方があるまいと、そういうお気持ちではないでしょうがと、こう言いましたが、そういう問題についてひとつコメントをいただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) もちろんそういうような気持ちはありません。一社たりともつぶれないようにぜひしていただきたいという気持ちでございます。 日本の経済というものは自由主義経済、自由主義貿易でやっておりまして、我々がそういう気持ちで対応いたしましても、円レートの決まり方次第によっては、私はこれでやったのでは採算が合わないからやめるという方も自分の意思によって出てくることは、これは絶対ないとは申しません。それは結局、企業というものはそれぞれ各企業者の自分の意思によって始まったことでございますので、自由でありますから、命令でやっているわけじゃありませんから、雇用契約でもございませんし、したがってそれは個々の事業者がその事業者の判断によって、さらに体勢立て直してやるか、それとも輸出の方は手控えて内需の方に転換をするか、あるいはともかく内需転換といってもなかなかうまくいきそうもないという方が廃業するという事態も私はあり得るかもしれないと思います。しかしそれらに対しましては、我が省だけでなくて労働省初め各省庁とも連絡をとって、特に事業者そのものよりもそこに働いている従業員、この従業員が路頭に迷わぬように温かく保護をしてやる必要がある。そういうことで、通産省だけでなくて政府で一体として取り組んでいきたいと思っております。
○本岡昭次君 関連して、兵庫県の大屋町にある明延鉱山についてお伺いしておきます。 これは既に衆議院の予算委員会、商工委員会でかなり質問され、また参考人が呼ばれて意見聴取も行われております。通産大臣も御存じのとおりであります。一円の円高で平均約十億円の損害というのですから、これは大変なことであります。参考人として出席した地元の大屋町長も、大台風とか大地震か大火災か、そういう天災にある日突然遭遇したというふうな感であると、こう述べているんですね。これによって町経済そのものが行き詰まる、鉱山に働いている人が二〇%、財政力も三十何%鉱山に依存しておる、こういうところの町長ですから。それこそ天災が急に降ってわいたという感じを受けたと、そういう表現も当然だと思います。そこで、そこの参考人が何とか行き過ぎた円高の速やかな是正をということ、また緊急避難の措置として特別財源による価格差補給金制度の創設、あるいは電気料金の円高差益還元による料金の引き下げ等々、緊急避難的な措置の問題をかなり切々と訴えておられるんですが、それが三月の初めでありました。政府は、それから一カ月経過しているのでありますが、こうした要求あるいは要望、要請に対してどのようにこれから対応していこうとされているのか。通産大臣の方から一言お伺いして、次の質問に入りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 円高差益の還元につきましては、一つは石油及び石油製品のように市場メカニズムを通じて競争によってどんどん下がっていくものがございますし、ぜひそれは我々も慫慂してそのように指導していきたい。それからデパート等の輸入品については、四月から五月にかけて約千品日程度一〇%ないし二〇%値下げをしていただくようにこれも指導していきたい。既にもう値下げが始まっておるものもございます。したがって、そういうようなメリットはメリットとして生かしながら、他方、輸出関連企業で今言ったようなお困りの方には電気料金、ガス料金等も思い切って引き下げ策を講じていきたいと、そう思っておりますので、電力等をたくさん使う輸出企業というのはあるんです、そういう方はかなりの恩恵が受けられるものと考えております。
○政府委員(野々内隆君) 若干補足させていただきますと、非鉄金属関係は、昨年来のもともと不況だったところに円高が加わりまして、非常に苦しい状態になっているというふうに私どもも認識いたしております。とりあえず六十年度第四・四半期につきましては、従来ございました金属鉱業経営安定化融資、これの前倒し融資を行ったところでございますが、これは平均金利二・七%で、最初の一年半が〇・八という非常に低い金利でございますが、これも今回の長プラの引き下げによりまして、さらに次回の融資からは引き下げたいと考えております。 昨年打ちました手以降、実は急速に円高が進みましたので、私どもとしても何らかの対応を考える必要があるということで、先週、鉱業審議会の中に鉱業政策懇談会というものを急遽設置をいたしまして、非鉄金属鉱山のあり方、これの緊急対策、それから中長期対策につきまして早急に検討を開始いたしました。できるところから手を打っていきたいと思っておりますが、六月ごろまでには政策をまとめまして対応を考えてまいりたい、かように考えております。
○本岡昭次君 ひとつ早急にこの対策を強化していただきたいということを要望しておきます。 もう時間がございませんので最後に一点だけ質問しておきますが、通産省、中小企業庁は三月十四日に、円高の影響は親企業ができるだけ吸収、下請には及ぼさないようということを求める通達を親企業約四万五千社と業界団体に出したと言われていますが、この通達による効果というものがあったのかどうか。さらに、この通達によって下請代金の減額や買いただき、値引き代金に対して差額の返還を親会社に指導しているようであります。その件数は年を追ってふえる傾向にあります。五十八年度の返還指導件数が五十件、返還総額が一億五千五百万円だったのが、五十九年度には百九件四億九千四百万円、今年度は一月までで九十五件、五億六千百万円に達しています。そこで、現時点でこのような返還指導件数と返還総額はどのようになっているかということをお聞きしたい。 それと関連して、公正取引委員会にも来ていただいておると思いますが、公正取引委員会も円高を背景に下請中小企業が輸出型の親企業などから製品コスト削減のために不当なしわ寄せを受けていないかという点について一斉調査をするということが報じられております。どのような調査をされたのか、そしてどのような結果が出たのか、中小企業庁のやった調査と同じような結果が出たのか、そうした点を報告していただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 円高によりまして、自動車や各種の機械類等輸出関連の業種で下請企業をたくさん抱えている業種があるわけでございますが、そういうところに輸出価格を引き上げられないために、下請企業にしわ寄せをしておるんじゃないかというような心配が非常に強かったわけでございまして、中小企業庁といたしましては昨年末以来いろいろな手段を通じていろいろ調査をしてまいっておりました。それから、下請代金支払遅延等防止法に基づく正式の調査として、一万一千社を対象に調査をいたしましたところ、これは必ずしも輸出関連企業だけではございませんが、相当の企業にそういうしわ寄せの影響が出かかっておるというようなことがございましたので、通産省の中に中小企業担当政務次官を長といたします下請等中小企業対策推進本部というのを設けまして、そこで対策を検討すると同時に、四万五千社に対して通達を行ったわけでございます。もちろん中小企業庁といたしましては公正取引委員会と毎年上期、下期に分けましてすべての企業に対してこの法律に基づく実行状況を調べておるわけでございますから、当然昨年度の下期の調査に当たってはこういう円高による影響を一番中心を置いて調査しておるわけでございまして、したがいまして、調査の結果不当なしわ寄せ等が行われているということがありましたら、法律に基づいて措置をいたしたいというふうに考えております。 それで、そのような不当な値引き等を行ったことによって返還をさせた金額でございますけれども、今申し上げましたように中小企業庁と公正取引委員会と分けて措置をしておりますので、中小企業庁の実施分についてだけ申し上げさしていただきたいと思いますが、五十八年度は九十六件、五十九年度は四十七件、六十年度はことしの二月末現在で五十五件ということでございまして、返還させました金額は三億五千九百万円ということになっております。
○説明員(鈴木満君) 公正取引委員会は下請取引を公正化するとともに、下請事業者の利益を保護するために下請代金支払遅延等防止法に基づきまして毎年中小企業庁と共同して、協力をして親事業者それから下請事業者に対しまして下請取引に関する書面調査を実施し、下請法の違反行為が認められた場合には所要の是正措置をとっているところでございます。 先ほどことしの一月までの返還金額を先生申されましたけれども、二月時点では九十九件五億六千六百七十一万円を返還指導しておりまして、受け取った下請事業者数は千七百四十一社に上っております。 それから、最近の急激な円高が下請事業者に及ぼす影響を把握するために、昭和六十一年一月から二月にかけましてまず円高が親事業者にどのような影響を及ぼしているかを特別に調査をいたしました。 調査の結果、二千八百社余りから回答がございましたが、そのうち四割強が自分のところの製品を輸出しておる。その輸出しておるもののうち半数近くが商社経由で、自社直接は二割弱でございます。 それから輸出建ての決め方でございますが、輸出をしておる親事業社の四割強が円建てでございまして、ドル建てのみというのは二割弱でございます。円建てとドル建て併用が四割でございます。 それから、輸出をしている親事業者に対しまして円高の影響を現在受けておるのか、これはあくまでも一月から二月の中旬までの状況でございますが、円高の影響を既に受けているというものが六割弱ございます。今後影響を受ける見込みがあるものを加えますと八割強に上っております。これに対しまして円高の影響を現在も受けていないし、今後も受ける見込みがないというのは二割弱でございます。 それから次に、自分のところでは輸出をしていないけれども、納入先から円高に関連していろんな要求を受けておるということで、間接的に円高の影響を受けておるというものは二割弱が影響あるということでございまして、この影響の内訳を見ますと、単価の引き下げがあったというのが一五%程度、それから納入数量が減少したというのが一二%程度でございまして、現在は影響はないけれども、今後影響があるかもしれないとするものが四割強ございまして、現在影響を受けておるというものを加えますと三分の二が現在影響を受けているかあるいは今後影響を受けるかもしれないと答えております。これに対しまして、円高の影響を現在も受けていないし、今後も受ける見込みはないというものは三分の一強でございます。 こういった親事業者が円高の影響を不当に下請事業者に転嫁しないよう当方は要請をしておるわけでございますが、今後公正取引委員会としましては、この親事業者と取引をしておる三万二千の下請事業者に対しまして、現在調査票を回収中でございまして、今月中にはまとめたいと考えておりますけれども、こういった調査の結果、下請代金の減額あるいは買いただき等、下請法の違反行為が認められた場合には、下請代金の減額分の下請事業者への返還措置を指導するなど、厳正に対処する所存でございます。
○倉田寛之君 この間、私が昭和元年から昭和二十年までの歴史と、昭和二十年あの敗戦から今日までの歴史の年表を実は対照をして見ておりました。ここで何もちょうちょっと歴史の流れを話すつもりはありませんけれども、大正末期のあの関東大震災で打ちのめされた状況下から、昭和の元年というのは大変な経済不況の中で幕あけをして、あの昭和四年のニューヨークの株の大暴落の中で大変な時期を初めとしてあの敗戦まで迎えました。しかし重要なポイントというのは、この二十年間というのは残念ながら我が国が戦乱の中に何度かさらされた二十年の歴史であります。しかし戦後の四十年というのは、まさしく日本人の先人たちの英知の結晶と、同時にまた諸外国とのさまざまな山を乗り越えてきたその結果でありましょうが、四十年間はまさしく平和を背景とした中に経済復興をしてきた四十年であったのではないだろうか。しかし確かに国民所得は一万ドルを超える豊かな経済力を誇ってきたけれども、やがてやってくる二十一世紀の社会に向かう昭和六十一年というのは新しい将来を見通す元年であるだろうと、こういう実は位置づけをしながら、この年こそいろいろな問題の対策に対して真剣に取り組んで、後顧の憂いのない政策の遂行がまず必要ではないかな、こんな感じを強く持っている者の一人であります。 そこで、まず経企庁長官にお伺いをさしていただきたいと思うのでありますが、最近の我が国の経済状況というものについて長官はどのように認識をされておられますか。
○国務大臣(平泉渉君) 大変大きな問題でございますが、後ほど詳しいことは政府委員から現在の景気状況というようなことにつきまして御答弁を申し上げますが、私は今おっしゃいましたように大きな目で見まして、従来日本は大体昭和四十年代の後半ぐらいから非常に国際収支の問題の面で困難を克服をいたしまして、徐々に円高の方向に向かっていくという趨勢であったわけでありますけれども、それが第一次、第二次オイルショックがある、あるいはまたレーガノミックスという非常なアメリカの高金利によるアメリカのドル高が起こると、こういうようなことがありまして、非常に経済の体質の改善が実はテンポが従来のテンポから比べると私は本来言えばもっと早く円高という問題が徐々に徐々に長い間に進行して、我が国の経済全体が相当大幅に体質が変わってくると、こういう情勢であることが望ましかったんではあるまいかと私は思っておりますが、いろいろなそういう事情がありまして、今度は急激に円高になってきたと、こういうことで大変ショックを与えておるという面も先ほど段々の御議論にもあったわけでございます。 ただ、そういう中で、我が国経済としては全体としては、そういう新しい国際経済への対応の仕方というものをやはりいや応なく迫られておるというのが私ども現状であると認識をいたしております。そういう中で、経済そのものはなかなか難しい中を乗り越えて、着実に景気そのものはいろいろなショックというものを乗り越えてきておるというふうに認識をいたしております。 詳しいことは調査局長から答弁をさしていただきます。
○政府委員(丸茂明則君) それでは多少詳しくと申しますか、最近の状況についてお答え申し上げます。 今長官から御答弁がありましたように、五十八年の初めに景気回復に向かいまして、当初は輸出、特にアメリカ向けの輸出の増加によって景気が回復、拡大に転じたわけでございますが、その後次第に国内需要にウエートが移りながら、最近やや減速はしておりますけれども、緩やかな拡大が続いているというふうに考えております。特に昨年の春ぐらいから輸出の方は数量がほとんど横ばい状態、それまで急速にふえておりましたが横ばい状態になっております。 それから、一部の産業、鉄鋼等でございますが、在庫がかなり積み上がりまして、在庫調整が行われております。そういうようなこともございまして、鉱工業生産につきましては一進一退、このところはむしろやや弱含みに推移をしております。 また、御承知の特に昨年秋以来急速な円高が進んでおりまして、これが輸出関連の企業、特に中小企業等に大きな影響を与えております。そういうこともございまして、企業の景況感はこのところかなり厳しいものになってきているという状況でございます。 しかし、一方におきまして、国内の最終需要と申しますか、例えば特に個人消費でございますが、緩やかではございますがかなりの拡大をしております。一月、二月あたりの百貨店売上等も前年に比べまして六%あるいは七、八%というような伸び方をしているわけでございます。 また、住宅建設につきましては、昨年の夏ごろ新規の着工件数がかなり減少いたしまして私ども心配をしたわけでございますが、幸い昨年の秋ぐらいから年率にいたしまして百三十万戸、ことしに入りますと百三十万をちょっと超えるというようにふえて拡大を続けております。 また、設備投資につきましても、今後の見通しも含めまして、製造業におきましては本年度は減少という見通しがかなり出ておりますが、非製造業におきましては昨年度も強い増勢を続けておりますし、今後もかなりの増加を計画している企業が多いようでございます。 以上のように、鉱工業生産を中心にしまして横ばいあるいは弱含みでございますし、円高もございまして、企業の景況感も厳しくなっておりますけれども、全体としては最終国内需要に支えられて緩やかな拡大をしている。 一方、物価は非常に安定をしておりますが、国際収支、経常収支につきましては、円高のいわゆるJカーブ効果もございまして、今のところは大幅な黒字が続いていると、こういうふうに考えております。
○倉田寛之君 円高の問題は、私はある意味においては日本の経済力の底辺の強さである、こういう実は理解をしている者の一人でありまするけれども、先ほどさきの委員の質問に長官がお答えになられまして、明八日は政府の総合経済対策について閣議決定をなされるやに実は私も承知をいたしておるわけであります。 聞くところによりますと、五つの項目について詳細な省庁間の検討が行われているようでありまして、金融政策の機動的な運営、もちろんこの問題は公定歩合の引き下げ等々の問題を含みますので、日銀が指導的な役割を果たすのであろうと思いますが、公共事業等の前倒しの執行、とりわけ過去の公共事業の前倒しの最高目標というのは、昭和五十七年七五%、しかも実質的には七二・二%の執行状況があるという観点から、それ以上の数字を前倒しの目標数字にしたらどうかと、こういう意見もあるようであります。 さらには、円高及び原油価格の低下に伴う差益の還元、とりわけ電力、ガスの料金の引き下げ、あるいは先ごろ問題になっております豚肉、バターの安定価格帯の引き下げ、輸入牛肉の小売価格の引き下げなども実は内容的には議論をされているやに聞いております。 規制緩和による市街地の再開発等の促進、これについてはいささか私は異論を持っている一人でありまするけれども、いわゆる環状七号線以内の一種住専を二種住専に変えようというような問題でありますけれども、これはやり方によっては過密、過疎の問題が逆効果になるおそれが出てまいりますみので、この点は大変問題があるんではないかと思うのでありますが、さらに中小企業対策では先ほど中小企業庁長官がお答えの中で述べておりましたけれども、中小企業国際経済調整対策等特別貸付制度の五・五%の引き下げの問題、あるいは下請企業の対策、下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用の問題なども含めて御検討をされているやにこれも聞いております。機地中小企業に対する事業転換等の問題なども含まれているというふうに聞いておるわけでありますけれども、時間の関係で次のことをお伺いをいたしたいと思うんでありますが、これらの総合経済対策の策定に当たりまして、私はさきの予算委員会に出席をさせていただいて、予算委員会での論議を通じておりましたときに、とりわけマルコスの問題等々は通産省あるいは外務省、経企庁、こういうふうに関連をしておるんでありますけれども、そのトーンがおのずから違う。 そこで、大変失礼な言い方を申し上げるようでありますけれども、経済企画庁というのは取りまとめの省庁であろう、あるいは調整機能を発揮する省庁ではないかな、こういう実ば感覚を肌で感じた者の一人であります。 しかし、我が国の経済の状況の認識を先ほど長官、局長からもお述べになられましたように、この二十一世紀に向かう昭和六十一年のまさしく新しい時代の元年という目標設定の中において、経企庁が指導的な役割を思い切って果たしていかなければならない役割を私は持っているように思うわけであります。 そこで、今私が、検討されている問題を、事情をお伺いした中から抽出して申し上げましたが、これらの問題をただ取りまとめるというのではなくて、経企庁としての指導的な役割を十二分に発揮をして、そうしてこの内需拡大という問題について取り組む姿勢をお示しになるべきであろう、こういうことを実は考えている一人でありますので、経企庁長官の決意やいかん、この点についてお答えをいただきたいと存じます。
○国務大臣(平泉渉君) 大変御激励をいただきまして感激をいたしておるわけでございますが、おっしゃるとおり経済企画庁は戦後の日本経済の復興という段階で大変大きな役割を果たしてまいりまして、当時は経済白書というのはベストセラーでございました。その後、日本経済が順調に復活をしてまいりますと、今度はそれぞれ各省庁の縦割りの行政というものの中で、ともすると経済企画庁が声が地味な感じを与えると、こういう感じもございます。 またしかし、実際先生もよく御存じのとおり、我が国のお役所というものは大変優秀な方がそろっておられる集団でございまして、それぞれの省庁の間の調整というのは、優秀なためにかえって難しい面がございます。それぞれやはり自分の省でおれは全部取り仕切れるんだという感じがどうしても出てまいりますので、なかなか経済の現場の各役所の間の調整というのはそれだけに征しておくと難しい。やはり経済企画庁がそこに一枚入ると調整がやりやすくなる。やはりそのときのよりどころは近代経済学そのものの原理にできる限り忠実にということで、我々が経済の専門家としてアドバイスをしていきながら、例えば通産と大蔵の間の調整ができる、あるいはその他の各省との調整もできる、こういうことでかなり実を上げてきておるのが現状であると私は見ておるわけでございます。先生御指摘のございました経済協力などもまさにそういう一つの例でございまして、関係各省それぞれの十分な国を思う立場からの純粋な競い合い、そしてまた何といいますか、お互いの切磋琢磨というものの中に、経済企画庁が一つの経済の理論とそしてまた経験というものを踏まえまして調整の仕事を行ってまいる。そのときに当たりまして我々は、今先生が特に経済企画庁は単なる調整だけでなくてひとつイニシアチブをとってほしい、こういうお話もございましたわけでございますが、我々としましては日本経済がやはり経済の基本的な原則というものに忠実に行くことが日本経済を長い目で見て、また国際的にも調和のとれた姿に発展をさしていく上に役立つ、かような信念を持ちまして、それぞれの現実の行政を担当しておる役所の立場からは難しい問題がございましても、我々としては経済全体がバランスよく、また国際的にも調和のとれた発展ができるという趣旨で調整の仕事をしておる、かように理解をいたしておるわけでございます。
○倉田寛之君 そこで私は、時間の関係で総合経済対策検討項目につきまして、大方検討をされている内容はこうではないでしょうかという話を、実は私の方から申し上げたわけでありますけれども、この対策によって内需中心の経済の成長というものは十分考えられますかという点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(赤羽隆夫君) 明日、経済対策閣僚会議におきまして内需拡大を目指す総合経済対策をまとめる、こういう手はずになっておりますけれども、私どもはこの総合経済対策を内需中心の経済成長、これを引き続き維持しかつ拡大をする、しかもそれをより確実なものにする、そういう観点から取りまとめを考えているわけでございます。 昨年の十月の十五日に内需拡大のための方策というのを政府が取りまとめをいたしました。さらに、この内需拡大のための方策としての第二弾といたしまして、六十一年度予算編成の過程で予算及び税制改正等におきますところのうち内需拡大に資するもの、これの取りまとめをいたしました。 今回、予算成立に伴いましてこうした第一弾、第二弾の効果が着実にあらわれてくる、こういうふうに考えているわけでありますけれども、しかしさらにこれを確実なものにする、こういう観点から、今回の対策をとることが時宜を得たものではないかと考えているわけでございます。 その一つの理由は、先ほどからお話もございました円高のメリット、デメリットという点がございます。円高のデメリット、これはデフレ効果と言われるものでありますけれども、これは比較的速やかにあらわれると。これに対しまして円高のメリットというのは、やはりそれなりの時間がかかるということがございます。こうしたタイムラグというものをできるだけ短くしょうということもまた今回のねらいでございまして、このいわばデメリットとメリットの間のはざまを埋めよう、こういったようなことも一つの考え方でございます。そういうことで今回の対策も加わりまして今後引き続き政策におきまして機動的な運営を努める、こういう前提のもとで私どもは内需を主体とする経済成長、これがさらに確実なものになる、こういうふうに理解しているわけでございます。
○倉田寛之君 通産大臣、お伺いをさしていただきますが、円高差益の還元について大臣いろいろと御発言があるようでありますけれども、特に電力、ガスの問題につきましてはどういうお考え方を持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これもかねて私が答弁をいたしておりますように、電力、ガス等もコスト主義で料金体系ができておりますから、実需者を本位に考えていくということが原則だと思います。ただ、今各党とも内需拡大、内需拡大と言ってどの党も消費の拡大や内需の拡大に反対しているところはない。ところが現在の、例えば電気料金等は昭和四十八、九年の狂乱物価のころつくられた料金体系のために、新しく工場をつくったりビルを建てたりするものは課徴金的に割り増し料金を取ると。家庭においても同様と。これは内需拡大をやらしてこれからいろいろいろんな事業をやらせようとするときの邪魔になるわけでありますから、一挙に直せないまでも、これはある程度なし崩しに直すということが必要だと。そういうようないわゆるひずみの是正というものをあわせて行っていきたい。 それから円高メリットにつきましては、石油の見通しが全くわからないんです、これは。八、九月ごろまではどんどん下がるという見通しですが、それ以降、需要期になってOPEC等の生産国がこんなに下がったのでは本当にもう参ったということで痛みを本当にわかるようになれば、そこで話し合いがついて必要な量の生産ということで生産削減が行われるということになると、今度はある程度価格は回復すると見なきゃならない。そこらの見方を考えながら、幾らにしてみたらいいかということで今詰めておるわけですが、基本的には今私が言ったような考え方がまた電力・ガス差益問題懇談会の先生方からも出ておる御意見の要旨でございますので、その線に沿いまして還元を考えていきたいと。八日までには、あしたですな八日というと、それまでにはもう徹夜をしてでも何とかして取りまとめをしたいと思って目下努力中でございます。
○倉田寛之君 もう一点。 これも予算委員会の論議を通じてお話を聞かせていただいたことでありますが、この電力等によりまする円高差益の還元につきまして、経済協力等に使うのはどうかという実は議論がありました。これは電気事業法上いささか問題があるような感じを私は持っている一人でありますが、いわゆる受益者への還元というのが本筋であろうという感覚を持っておりまするのでそう思うのでありますが、この点については通産大臣はどのようにとらえていらっしゃいますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 仰せのとおりと存じます。
○倉田寛之君 私の時間は十二時十七分までございますけれども、休憩時間が短くなりましては健康上よろしくないと思いますので、この程度で質疑は終わることといたします。
○委員長(丸谷金保君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時九分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十八年度決算外二件を議題とし、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○服部信吾君 SDI問題について若干お伺いしたいと思います。 この問題は、米ソ間においても今いろんな意味で大変議論が闘わされておりますし、NATOにおいてもいろいろまだぎくしゃくしたものがある、アメリカ内においてもいろいろ今議論がなされているようであります。特にSDIに参加するかどうか、この問題については、やはりハイテク産業、通産省さんとも大変かかわりがある、このように思うわけでありますけれども、もし参加をした場合にどのようなメリットがあるのか、あるいは参加をしなければどんなデメリットがあるのか、この点について通産大臣のお考えをお伺いしますと同時に、今現在、第一次、第二次と調査団を派遣していろいろ調査をされているようでございますけれども、第一次、第二次の経過報告も余り聞いていませんし、どんなふうになっているのか、こういうふうに考えるわけでありますけれども、この第三次調査団というのは最終的な調査団になるのか、戻られて最終的な報告をなさるのか、それからいろいろと今言われておりますけれども、サミット前あるいは後にこの参加するかしないかの決断をなさるのか、これらの点について通産大臣にお伺いしておきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) どのようなメリットがあってデメリットがあるか、これは調査に参加した人でないと私はわからぬと思うんです。政府は、参加しろとか参加するなどか言っているわけじゃございませんので、任意で参加した企業の人たちが向こうの話をいろいろ聞いてみて、後で今度は入札とか何かになるんでしょうから、どういうメリットがあるかどうかは調査団の企業それぞれみんな違ったようなニュアンスを多少なりとも持っておるのじゃないか、私はそのように思います。
○政府委員(杉山弘君) 調査団の件につきましてお尋ねがございましたので、私からお答えを申し上げます。 第一次、第二次のSDIに関します調査団は政府の担当者によって構成をされたものでございますが、御案内のとおり、第三次の調査団は、ただいま大臣からもお答えいたしましたように、主として民間企業の技術担当者から構成をされているわけでございます。現在現地で調査中でございまして、十日にはこちらに戻ってくる予定と聞いております。その後に出すのかどうかというあたりにつきましては、まだここで何ともお答えをできないわけでございますし、別に予定が決まっているわけでもございません。帰ってまいりました調査団の結果を聞きました上、政府部内で今後の問題については検討することになろうかと思うわけでございます。
○服部信吾君 大臣はいつも、家庭の主婦に話すように、経済問題というのはすごくわかりやすくてすばらしいいろいろなお話をされる。このSDIについてもひとつわかりやすくお願いいたします。 それで、一昨日ワインバーガー国防長官が来られまして、北海道等を視察している。その新聞報道等によりますと、北海道は大事なんだと、こういうことを言われているわけでありますね。その中でも非常に気になったのは、北海道は西側のだめに大事なんだと、こういうような御発言もなされているわけでありますね。 大きなアメリカの戦略的なことから言えば、経済的ないわゆる西側の結束、これはやはり今度行われます東京サミット、今までずっと行われてまいりましたけれども、このサミットがある面から言えば西側の一員としての結束、あるいは軍事的、戦略的な結束となりますと、これはアメリカの戦略からすればこのSDI、こういうふうに私は分けてもいいんじゃないか。中曽根総理がロン・ヤス関係とかいろいろ言っておりますけれども、このSDIがある面から言えばアメリカに協力するかどうかの一つの踏み絵なんだと、こういうようなことも言われているわけですね。 そこで、ちょっとお伺いしますけれども、先般のワインバーガー国防長官と政府との話し合い、そういう中で、SDI参加について、いかなる形であっても日本のような技術水準の高い国の参加は極めて有意義だと、こういうようなお話が出ておるわけでありますけれども、この点について通産大臣はどめようにお考えなのか、また、防衛庁並びに外務省、先般の話の中でSDIについてはどのような要求、要請があったのか、この点についてお伺いしておきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 経済とか財政のことですと、私も多少経験がありますから、わかっておることはわかりやすくお話しできるんですが、SDIだとか世界戦略の話だとか防衛庁の話になりますと全く素人でございまして、わからないことは幾ら勉強してもなかなかうまくお話ができないというのが真実でございます。 したがいまして、このSDIに絡んで日本企業の参加が有意義だということは、やはり日本企業はかなりの高度の技術を持っておる、中にはアメリカ以上のものも私は持っているんだろうと思います。したがって、そういうようなものについてお互いに協力し合えるということが有意義だと、そういうふうに私は言ったんだろうと推定をいたします。
○説明員(岡本行夫君) ただいまお尋ねのございましたワインバーガー長官と政府首脳とのSDIに関するお話し合いの模様についてお答え申し上げます。 五日、ワインバーガー長官は総理、防衛庁長官、外務大臣と会談を持ちまして、その中でいずれもSDIの話題が出てまいりました。防衛庁長官との会談の内容につきましては、後ほど防衛庁の方から御答弁があると思いますが、総理と外務大臣について申し上げます。 両方の会談とも内容はほぼ同じでございました。すなわち、ワインバーガー長官は、一般的な形で日本がSDIに参加してくれればこれを歓迎するという発言がございました。それに対しまして、総理もまた外務大臣も、ほぼ同じでございますけれども、現在。第三次調査団を派米中である、その受け入れについて米側が示してくれている準備について感謝する。日本としては、その調査団が帰ってきてから報告をよく聞いてみたい。その上で慎重に日本としての態度を決めていく。こういうお答えを両者からなされました。
○説明員(太田洋次君) お答えいたします。 先般のワインバーガー国防長官と加藤防衛庁長官との会談におきまして、SDIにつきましては国防長官の方から、同盟国がいかなる形であれSDIの研究に参加されることは大変有意義である、大変これを歓迎したい、それからまた、特に日本のように学問的にまた技術水準的に見て高いものを持っている国が参加することは極めて有意義であるというような発言がございました。これに対しまして加藤防衛庁長官の方からは、防衛庁としましてもこの問題につきましては高い関心を持っているということ、それから、現在調査団を派遣されているなど、それから、今後さらに関係省庁の問で検討、研究が進められていくであろうという事実関係だけをお答えしました。 以上でございます。
○服部信吾君 次に、通産大臣にお伺いしたいんですけれども、SDI、これはアメリカ国内でもいろいろ今賛否が論じられておると、こういうことでございまして、五カ年計画で、とりあえず八五年から一九九〇年の五カ年計画と、これは一つの研究段階と、こういうようでございますね。それで、今まで予算がつけられておりまして、調べてみましたら、例えば八五年度は十八億ドルの要求に対して四億ドルが削減されておると。この八六年度会計においては三十七億ドル要求に対して十億ドルが削減しておると。こういうことで、八六、八五年度において当初五十五億ドルの要求に対して約半分の三十六億ドルぐらいが実施されておると。こう思いますと、大変アメリカの中ですらこの問題についてはいろいろな意見が分かれておるという。今アメリカの財政をいろいろ調べてみますと、一九八五年度、それから一九八六年度、二年続けて約二千億ドルの大幅な赤字と。そういう中で、どれだけ大きな研究に対して、果たしてこの計画ができるのかどうかということ自体も大変大きな問題じゃないのかと思うんです。先ほど言いましたように、とりあえず八五年それから九〇年、まあ二百六十億ドル、そしてこれは研究段階と。その後その防衛機器がどういうものであるのか、システムの実験だと。まあ第三期としてはアメリカとソ連が実際そういうものを展開すると。こう思いますと、これははっきり言いまして、海のものとも山のものとも思えないような計画になっておると。 そういう中で、なぜこんなに早くこれを理解を示さなくちゃいけないのか。私は、中曽根総理としてはあれだけボン・サミット等で西側の根回しをして西側の一員と言ってきて、なおかつこれに理解を示して、実際に研究参加はできないとこれはもう言えない立場だと、こう思うわけでありますけれども、私は産業政策上から言って、通産大臣ね、この問題についてそんなに早く結論を出す必要ないんじゃないかと、こう思うんですけれども、大臣、どうでしょう。
○政府委員(杉山弘君) ただいま御指摘のございましたように、アメリカにおきます本件に関しての予算措置、当初は五年間で約二百六十億ドルと言われておりましたのが、御指摘のように、八五年度、八六年度につきましては、当初計画より削減をされまして八五年度で十四億ドル、八六年度で約二十八億ドルというふうに承知をいたしております。予算それ自身の問題が当初より削減されだというのは御指摘のとおりでございます。 ただ、日本といたしまして、ただいま御質問は急いで参加する必要はないんじゃないかと、こういうことでございます。またこれまで総理が国会でも御答弁になっておりましたように、日本としては理解を示すという程度にとどまっておりまして、これに参加するかどうかということの基本的な方針については十分事態を調査をした上でということで、ただいま第三次の調査団も参っているわけでございまして、これらのこれまでの調査結果等を踏まえてこの後政府としてどう対応するか政府部内において検討をしていく問題、かように理解をいたしているわけでございます。
○服部信吾君 財政的に大変厳しいと、こういう中で総理もこの問題に対しての答弁として、例えば米国側から参加するに当たってある程度金を、研究費等を日本側から出してくれと、こういう要求があったときには、これは出しませんと、こういうことを言っておりますけれどもね、これだけのアメリカ内で議論がありあるいは財政的に厳しい中で、果たしてそういう要請がないのかどうかと、こう思うと大変疑わしい面があるわけです。SDIの構想の推進者といわれる研究の方でエドワード・テラーという方が、米国の同盟国がSDIの研究に参加しても、財政面の協力を行わなければ、研究から得た特許技術等はすべて米国に帰属する、これは日本も例外じゃないと、こういうことを発言をしているわけですね。それで、通産省や企業がSDI研究に参加すれば高度な技術が入手できる、それを別の分野にも応用できると、こういうような期待をしているようでありますけれども、その点は非常に甘い、こう思うわけでありますけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(杉山弘君) ただいま御指摘のございました、仮に参加をしたとした場合にその研究の成果の帰属の点についてのお尋ねでございますが、この点につきましては、我が国としてSDIに参加をするかどうかということを検討いたします際の一つのポイントではなかろうかと思いますし、今回の民間企業を中心といたしました調査団でもそのあたりについてのアメリカの考え方というものを十分調査をしてくる、それを踏まえた上で全体としてSDIの研究開発に参加するかどうかということをこれから議論をしていくことになるのではないかと、かように考えておりまして、今の段階でこの点につきましてはまだ明確にアメリカ側の考え方がわかっていると、こういうことではないと承知をいたしております。
○服部信吾君 先ほど来とにかく第三次の調査団の結果を待ってと、こういうことで判断をしたいと、こういうふうに何回も言うわけでありますけれども、やはりこれだけの重要な問題に対して外務省、通産省あるいは防衛庁、科学技術庁、特にいわゆる高度情報化社会のこれからの産業と、こういう面を考えますと、ただ調査団を派遣して、特に今度は民間を二十一社連れていった。その中にいろいろな会社も入っておりますね。例えば電電公社の子会社なんかも入っておる。こういうことも考えまして、やはりただ単に通産省の態度として、大臣ね、ただ第三次の結果を待ってそれをやるんだと、こういうことになるんではちょっとやはり取り組みとしては弱いんじゃないか。もっとはっきりとした通産省としてのいわゆる政策といいますかね、そういうものを、例えばこれに参加しなければ、もししたとしてもしなくても、どういうメリット、デメリット、もう少しはっきりとしたものを出して通産省の態度を明確にすべきだと思うんですけれども、どうでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、先ほど私が答えたように、これは非常に専門的な話ですから、我々政治家が外野でどうこうというよりも、実際に調査団に加わった人が将来の技術の革新というようなものを展望をして、それで入った方が自分の会社のためになる、国のためにもなると思えば私は加入したいという気持ちになるんでしょう、みんな民間が全部断って、政府だけが入るというようなことは果たしてあるのかどうか私には想像つきませんが、恐らく加入をするという場合は民間でもかなりのものが加入をする、政府もしたがってそういうふうなメリットのある話であれば参加をする、あるいはなければ参加をしないと、そういうことに、私は結局落ちつくところはそんなところに落ちつくんじゃないかと、これは想像ですがね、まだ先のことですからわかりませんが、そのように思っております。
○服部信吾君 そこで参加方式、今までアメリカが十八カ国にSDIに対して参加をせよ、こういうことで要請を行っておるわけですね。NATO諸国あるいはオーストラリア、その他日本寺含めて韓国等にもやっておられるようでありますけれども、その態度がいろいろあれがあるわけですね。例えば英国だけがある面から言えば政府が関与をすると、あとは大体政府は関与せず、民間自由と、こういうあれになっておるようでありますけれども、新聞報道によりますと、オーストラリアがSDIに参加しない、こういうような状況になったようですけれども、これは外務省どうですか。
○説明員(岡本行夫君) 豪州政府の決定につきましては、私どももまだそのステートメントの本文等取り寄せてございません。新聞報道等で承知するだけでございますけれども、いずれにせよ、民間の企業についての参加を豪州政府として妨げたものではないという感じがしておりまして、テキストを取り寄せて検討してみたいと思います。
○服部信吾君 私はいろいろ、例えばニュージーランドあたりにはもう初めから出しても、核の寄港等は認めてない国には出してないんでしょうけれども、オーストラリアあたりもこういうような非常にシビアな見方をしておると。単に簡単に西側の一員としてオーストラリアあるいはニュージーランド等が、例えばニュージーランド等に送れば拒否の面があるんじゃないかと、そういうことで出してないんでしょうし、また、NATOの中においてもフランス等は非常に難色を示しておると、こういうことですけれども、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、例えば武器技術供与においては、ある面から言えば日米間の合意があると。それで、当然米国が要求してくるいろんな技術、現在第一号があるようですけれども、これはある面から言えば、これがSDIに関係するかどうか、これは調べなくちゃわからないと思いますけれども、当然このSDIとあるいは米国が要求してくる武器、こういうものは決して相反するものじゃない、同一政権からすればですね。そうすると、この武器技術供与によってある程度もうなかなかいやとは言えないという、政府的には、いわゆるある面から言えば取り組みを認めたという形になっている。理解を示したんじゃなくて一歩もう突っ込んでおると、あとは民間をどうするかと、そういうことでSDIと武器技術供与との関係について大臣のお考えをお伺いしておきます。
○政府委員(杉山弘君) 米国に対します武器技術供与の問題でございますが、これは、御案内のように、武器輸出三原則及びこれに伴う政府の統一方針との関係で、従来武器技術の供与につきましては制限があったわけでございますが、日米間の問題としては、一定のスキームをつくりまして米国に日本から武器技術の供与を可能にしたということは御案内のとおりでございます。 ただ、この武器技術供与の仕組みにおきましても、ただいま御指摘のありましたように、日本側がアメリカ側から要請があったら、供与を迫られ、その供与をしなきゃいかぬのじゃないかという点につきましては、これは日本の民間企業が米国に武器技術を供与する場合におきましても、日本の企業はその供与の当事者の一つとして向こうに対して供与をするかどうかということの判断を自由にできる。その上で供与をすることに踏み切った場合には、武器技術供与の取り決めに従いまして米国に供与をする、そういう仕組みになっておりますので、この取り決めがあるから日本側は必ず要求があれば供与をしなければいかぬものだと、そういうことにはなっていないわけでございます。 また、今回のSDIの研究参加と武器技術供与の取り決めとの間の関係はどうなるのかというお尋ねでございますが、この点につきましても、仮に日本側がSDIに参加をするということになりましたときに、現在までの日米武器技術供与のスキームだけでいいのかどうかというあたりを、ひとつ検討をしなきゃならぬ課題だとは思っておりますけれども、まだ我が国としてSDI研究に参加をするということを決めておりませんので、この点につきましての御答弁は差し控えさしていただきたいと思うわけでございます。
○服部信吾君 私は、はっきり言ってこの武器技術供与によってある程度もう政府間はこのSDI問題についてはやはりクリアしていると、あとは民間をどうするかと、そうしないと整合性がとれないと思いますよ、これは。 まあ、この問題言っても、時間きょうありませんので、防衛庁ちょっとお伺いしたいんですけれども、このSDIに対して防衛庁の元幹部の方、竹岡さん、非常にこの戦略防衛構想についてはもう新聞に発表していますよ、これは朝日新聞ですか、「論壇」というところへ。特に、こんなことをやってしまったら大変な問題だと、ちょっとやそっと、例えば、いわゆるこれに参加して技術的にアメリカの要するに技術をもらえるかどうかもはっきりしていないと、それなのにこんな大きな米ソに巻き込まれるような、西側の一員としての姿勢としてはおかしいと、こういう「疑念つきぬ戦略防衛構想」、こういうことで書かれております。それから、昭和四十三年に防衛庁の防衛大学校副校長、それから昭和四十六年に防衛庁の技術研究顧問、五十五年には防衛大学校名誉教授、久山多美男さん、こういう方も、例えばこのSDIはいわゆるICBMには非常に有効ですと。しかし潜水艦から発射するSLBM、これには全く無効だと、こんなものをつくったって非核兵器で核兵器を壊滅させることにはならないと、かえってこれは米ソのと、こういうようなことを言っているんですけれども、例えばICBMについては一○〇%防御できないにしてもある程度は認めると、しかしこのSLBM、潜水艦には全く無力だと、五〇%以下だと、こういうことを言っているわけですけれども、これに対しては防衛庁としてはどのようにお考えですか。
○説明員(太田洋次君) お答え申し上げます。 現在、その点につきましても米国において検討が進められ、今後も検討、研究が進められていくものと思います。 それで、米国の現在までの考え方では、ICBMはもちろん、それからSLBMについても、またそれよりも射程の短い弾道ミサイルについても、これを防御するということを技術的な側面から研究、検討をしていくというふうに言っておりまして、それをそういうふうにそのまま私どもは受けとめております。
○服部信吾君 もう時間ありませんけれども、いずれにしてもいろんな、まだまだその辺だってはっきりしていないと。そういうアメリカの今研究中でしょう、これは。特にこのSLBMなんというのは潜水艦ですからなかなつかまらないわけですから、大変いろんな問題があると思いますよ。特にこのハイテク分野、産業分野、通産大臣、これはやっぱり非常に、ある人はこれは本当にアメリカが日本のこのハイテク分野を全部集めたい、あるいは西側の分野を全部集めたい、成果をとりたいと、そういうような単に技術分野がそれに流れると、そういうおそれも非常にあると、こういう戦略に軽々に乗るべきじゃないと。何も西側の一員、一員と、これは中曽根さんに言わせれば西側の一員でしょうけれども、オーストラリア、ニュージーランド、この辺ですら非常にある面から言えば疑念を持っておる。NATOの中においてもいろいろとはっきりしない点が出てきているわけです。ぎくしゃくしておる。そういう面において中曽根さんだけが何となくもう西側の一員ということで張り切って、ロン・ヤス関係でこれに参加をしようとしておる、こう思いますけれども、大臣、最後に産業政策、二十一世紀の高度情報化、私はもう少し通産省としてきちっとした態度で臨むべきだと、第三次の報告をもってなんてのんびりしたことを言ってないで、ひとつ大臣の御決意をお伺いしまして、終わりにします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 二十一世紀に向かっての産業政策につきましては、経構研で答申を受けておって、ああいうものを基本に考えていきたいと思っております。
○服部信吾君 終わります。
○刈田貞子君 質問をさしていただきます。 私は、家庭生活用品に関する通産省の安全性をどう確保していくかというテーマで、一部質問さしていただきたいと思うのでありますが、ことしの冬には石油ファンヒーターによる事故がいろいろありました。死亡事故にまで至っているものがあるわけでございます。 そこで、まず最初にお伺いをいたしますが、サンヨーCFH−S221F、それから豊臣LCR−3、それから他の四機種、これがそれぞれどの程度回収されておるのか、お伺いをいたします。もう一つは、その回収されないで残った分についてはどのようになさるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(浜岡平一君) 大変私どもも憂慮いたしたわけでございますが、先生御指摘のサンヨーのCFH−SF型につきましては、販売されました台数が五万九千七百十五台、回収されました台数が五万七千四百十六台、回収率九六・二%でございまして、まだマーケットに二千二百九十九台が残っているというぐあいに報告を受けております。それから、豊臣工業のLCR−3型につきましては、マーケットに販売されました台数が二万六百四十一台、現在までにその行方が判明しておりますものが一万六千六百十九台、八〇・五%、またその内数でございますけれども、処理済みのものが一万五千八百四十四台、七六・八%でございまして、四千二十二台のものが未判明でございます。豊臣工業の類似の他の四機種につきましては、販売台数が二万五千八百五十一台、判明しておりますものが一万四千百八十台、五四・九%、処理されておりますものが一万三百九十二台、四○・二%、未判明のものが一万一千六百七十一台というような状況でございます。かなり回収率が上がっているものもあるわけでございますけれども、相当数のものがまだマーケットに残っているわけでございます。私どもといたしましても従来から回収率の引き上げに全力を尽くすように要請をしてきているわけでございます。従来から関係メーカーにおきましては新聞広告あるいは灯油販売店を通ずる一般消費者への呼びかけというようないろいろな手段を通じて、回収に努力をしているところでございます。さらに消費者団体への御協力の要請、さらには消防庁、警察庁への御協力を得るというような努力もいたしているところでございます。ぼつぼつ石油ファンヒーターもお蔵にしまわれるというような季節でございますので、このシーズンの間にさらに一段と回収率を上げるように努力をする必要があろうかと思っているわけでございます。
○刈田貞子君 私は今石油ファンヒーターなんかを片づけるというかしまう時期に入ってしまったので、そういうのが残っていた場合に、また次のときに、つまり寒さが来てまだ市場に出回るとか、あるいは家庭において使うとかいうふうなことへの対策も考えておいていただかなければいけないということで、意見を申し上げているのですけれども、私はきようはこういう欠陥的な商品が市場に出回ったことについて遺憾であるということの意を、消費者の代表として申し上げたいのだけれども、そのことの遺憾の意味は、私はこれは通産省の姿勢、それからマスコミの書かれること等も含めまして、全部企業の欠陥商品、こういうことになっておるわけですね。それから、ある一部につきましては消費者の誤使用ということにも落ちがいっているところのものもおるわけですね。ですけれども、私はこれは通産省の方からいただいた工業技術院の改正点三点というものを、今後石油ファンヒーター等の安全対策についての評価についてですか、の三点という御指摘のこれを読ましてもらって、当たり前だというふうには思ったのですがね。こういう事故が起きるについて、私はやっぱりこの種のものが平気でJIS規格を通って市場に出てきていたことの方に問題があるのではなかったのですかということを私はきょう言いたくて、それで質問しているのです。どの程度そういうところのチェックができていたのかどうなのか、それから今回、これあれでしょう、不完全燃焼防止装置の設置ということを義務づけするわけですね。だからこれまではこの不完全燃焼防止装置というのがついていなくても市場に出せるシステムになっていたわけですから、私に言わせればこの種の事故が起きたのは、やはり監督官庁の規格基準の甘さというか、チェックの甘さというか、そういうところに責任を感じておられるのかどうなのかということを一つお伺いをしたいというふうにきょう思って出て来ているわけ。 それから、もう一点は使用者、つまり消費者ですよね、こういう燃焼器具を使う消費者に対する啓蒙の強化を図るということで、今回先ほど申し上げましたような誤使用めいたものもあったわけですよね、確かに。例えば壁にぴたりとつけて使ったとか、あるいは窓の開閉等をしなかったとかいうふうなことが事故につながっているというような例があるわけでございますね。だけれども、それだって結局そういうふうにして使わなければならないということをしかとPRしなさいという、監督官庁の指導が足りなかったから、今回こういうことが起きたというふうに私は認識している者の一人なんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(浜岡平一君) 結果として振り返ってみますと、JIS規格の内容に十分でなかった点があったというのは御指摘のとおりかと思うわけでございます。先生御承知のように、最近急速に生活様式も変わってきております。例えば、従来は布団のほこりを念頭に置いておけばよかったものが、やはりカーペットというようなものが入ってまいりまして、毛足の長いほこりが出てくるというような変化もあるわけでございます。また、消費者の意識の方を見ましても、やはり情報化時代、電子制御時代というように言われまして、やはり機械の自動制御機能に対する依存心というようなものが非常に上がってくるというような背景もあろうかと思うわけでございまして、私どもといたしましても、こうした生活様式、消費者の意識の変化というようなものを、遅滞なくJISその他の基準がフォローしていけるような努力というものは、今後とも積み重ねていかなければならないのではないかと思うわけでございます。 今回、三月十九日にJISの内容を改正することにいたしまして、先生御指摘のような三点の改善方向を出しているわけでございます。なお、これらの対応につきましては、特に不完全燃焼防止装置の設置につきましては、昨年六月から業界内の自主基準として既にスタートをしてはいたわけでございますけれども、そのタイミング等につきましては、今振り返ってみますと、もうちょっと早ければよかったという気持ちは確かにあるわけでございまして、いろいろな変化、精いっぱいフォローしていく努力は必要不可欠だというぐあいに思っておるわけでございます。
○刈田貞子君 そこで、今おっしゃられた不完全燃焼防止装置の設置でしょう、それから、いわゆる窒素酸化物の排出基準の強化ですね、それからあと、チェック機関としては検査体制の強化というようなことをお出しになっておられるわけですけれども、これいかがですか、よろしゅうございますか。
○政府委員(浜岡平一君) JISの改正につきましては、不完全燃焼防止装置を設置すること、それから、特に今回のトラブルと関係が深いわけでございますが、対はこり試験を実施すること、それから三つ目に、就寝時に消火すること等の表示をはっきり行うこと、こういったことが今回のJISの改正の内容でございます。 しかし、JISの改正だけでは先生御指摘のように不十分のわけでございまして、今回の事故とは関係ないわけでございますけれども、かねて窒素酸化物の問題というのは石油ファンヒーターにつきまして問題になっているわけでございますんで、今回窒素酸化物の排出基準を強化することにいたしたわけでございます。そのほか、私ども総合対策と銘打っているわけでございますけれども、検査体制の強化、それから、先ほど先生御指摘になりました使用者に対する啓蒙の強化というようなことを打ち出しております。さらに、メーカー側の努力が主になるわけでございますが、事故情報の早期把握、それから、特にやっぱり万一の場合、だれがお持ちになっているかということが大事でございますんで、使用者の把握、それから社内の品質管理体制の徹底といった事項を打ち出したわけでございます。
○刈田貞子君 あるメーカーではこのファンヒーターで三十二億の増収を見込んでいた、ところが回収方に十三億もかかってしまって、結局はこの種のものを開発、市場に出したことが意味がなかったというようなことにもなり得るわけで、通産省というのは企業を育てるところなのかつぶすところなのか、こういう感じを私は、あえて企業の側に立つわけじゃございませんけれども、大変にそういうことを危惧しております。消費者の側にも立っていただかなければならないけれども、企業を育てていかなければならない立場にもあるわけですから、結局この問題は通産省のチェックが足りなかった、そして、しかもJIS規格の甘さだったというふうに私は認識しております。 ところでお伺いをするわけですけれども、昨年、六十年十二月の二十四日に規制緩和一括法案を出されました。この中で、アクションプログラムの一環として出したわけでありますけれども、いわゆる基準・認証、自己認証というようなことに移行されていくわけですね。つまり、家庭生活用品等を含めてそういう基準が緩和されてきているわけで、そうですね、緩和されてきているわけでしょう。それからチェックも緩くなってきているわけ。そうすると、私に言わせますと、自己認証というのはいかにも企業の立場を考えて、そしてその主体性を重んじるような立場になるんだけれども、いざ事故が起きたときは、やっぱり企業自身がそういうものをしょい込まなければならないということにもつながっていきまして、今や日本の企業は規格・基準をクリアすることだけではリスクを回避できない、こういう状況にまでなってきているのではないかというふうに私思うんです。 例えば今のファンヒーターについても、JIS規格にのっとってやっていたらそういうことになったので、急いでここでまた規格や基準を強化し、検査体制を強化するという格好になったわけでしょう。 それから、例の金属バットも、SマークからSGマークになったとたんの事故ですよね。それで金属バットだってテーパー部を中心とする強度の設計の見直しでしょう、それから製造工程の再チェックでしょう、それから伸び率低下の原因はどこにあるかを調査するわけでしょう、そしてそれによって安全性に対する現行基準の見直しをする、こういうことを言っておられるわけです。そうすると、規格・基準緩和一括法案あたりで一生懸命緩めておくんだけれども、一方で事故が起きるとまた急いでチェック体制から規格・基準からまた見直しを一生懸命やっているという、こういうのが実情じゃありませんか。いかがですか。
○政府委員(浜岡平一君) 石油燃焼機器につきましては、昭和三十三年以来、第三者検査機関による検査を受けるということが業界内のいわば申し合わせという形で、これは厳守されてきていると思っております。しかもこの検査につきましては、いわゆる型式検査と一品ごとの製品検査、この両方をダブルで適用するという、かなり厳しいチェック体制をとってきているわけでございます。また基準につきましては、タイミングにつきましては、先ほど御批判をいただいたわけでございますけれども、年月の推移に伴いまして次第次第に内容は充実されてきているといいますか、厳しくなってきているというような方向でございます。 私ども、一般的な方向といたしまして、国が一々製品検査というような形でチェックするといいうような仕掛けというものは、ある程度ほかの体制に移行することが合理的な場合には移行した方がいいという考え方がとられていると思うわけでございますけれども、基準そのものにつきましては、これは各方面の英知を結集いたしまして、先ほど申し上げましたようなさまざまの変化というものに機敏に対応していくという方向が必要不可欠というぐあいに考えておりまして、検査のシステムはシステムの問題でございますけれども、基準の問題につきましては、繰り返しでございますけれども、各方面の英知を結集しまして事態の推移に機敏に対応していくというような心構えが必要なんではなかろうかと思っている次第でございます。
○刈田貞子君 今回のこの基準緩和一括法案の中のいわゆる基本的な姿勢としては、原則自由、例外制限ですね。そして例外制限の内容も必要最小限のものと限定するというようなこと、そしてまた可能な限り消費者の選択と責任にゆだねる、それから生産者の義務と責任について自覚を促す、この四つの姿勢が基本的姿勢だというふうに私は思っておりますし、当時これが審議されましたときには、この種のことについてはたくさんの論議が出ていたというふうに私も認識しておりますけれども、今こういう一つ一つ事故例なんかを考えるについても、政府はやたらに関与しない、介入していかないのだというふうにはおっしゃるけれども、やはり安全性が確保できない場合には、あるいは非常に身体とかあるいはまた生命にかかわるようなものについては、介入をしていただかなければならないのではないかというふうに私どもは思うわけであります。 それから、先ほど第三者機関のことが出ましたけれども、第三者機関とは一体何かということですね。このこと二つ。
○政府委員(浜岡平一君) 繰り返しになりまして恐縮ではございますけれども、検査体制をどう考えていくかということにつきまして、いろいろと工夫をするという流れとは別に、基準の問題につきましては厳しい姿勢が必要だろうというぐあいに思っております。私どもも今回、関係業界に対しまして、消費者、第三者の入りました委員会があるわけでございますけれども、毎年必ず基準を見直しをしてみるようにというような通達をした次第でございまして、そういった基準の問題につきましては、私どもといたしましても今後とも十分に注意をしていかなければならないというぐあいに思っている次第でございます。 なお、検査につきまして、先ほど第三者検査機関と申し上げましたが、財団法人形態をとっております検査協会が石油ファンストーブの場合には検査の衝に当たっているわけでございます。
○刈田貞子君 都内の消費者団体からの一つの声であります。基準・認証制度の緩和をしていくことは、国際社会に向けての日本の立場としては非常に大事なことだと、けれどもやはり安全基準の緩和は絶対にやらない方がいい。安全基準の緩和はしてはならない、これが一点です。それから、自己認証の場合は今申し上げた第三者機関、この監視体制をしっかり整えてもらいたい、これが二点目です。それから三点目は生命、身体にかかわるものは政府認証になるべくゆだねた方がいい、こういうふうに言ってます。それから四番目は、消費者の選択を容易にするため、あらゆる情報を使って表示をきちっとさせましょう、情報を流しましょう、こういうことが一つ、四番目です。それから五番目は、製造物責任法、これについて早期に検討していってほしい。この五つが共通の理解の上にこれから共闘を進めていくというこのことになっているわけですね。 そこでお伺いをいたしますが、規制緩和一括法案で消費者の安全性が侵されるのではないか。こういうことから経済企画庁は規制緩和一括法案の成立を受けて消費者保護強化政策として民法の抜本改正の準備を始めているということを伺っておりますけれども、これ長官いかがでしょうか。
○政府委員(横溝雅夫君) 今、基準・認証あるいは製品の安全にかかわりましていろいろ御議論がございましたが、それで配慮すべき事項についていろいろ御議論がありましたので、その辺の御答弁は繰り返すのを省略いたしますけれども、今御質問のありました、直接の御質問でございます製造物責任の問題につきましては先生御存じと存じますけれども、民法の責任についての考え方、過失責任主義を民法はとってございますけれども、製造物責任という考え方、これ無過失責任に移すということでありまして、かなりそこで基本的な考え方、民法の考え方にかかわってくる問題であります。かなり大きな問題でございます。ということがございます。一方ではアメリカにおきまして大体製造物責任制度が一般化しておりますし、昨年ECでもその方向をとろうという方針が決まりまして、今後三年以内に具体的に適用という方向が出ております。そういう諸外国の動向が一方においてございます。 それから、今御議論があります安全の確保あるいはそれに関する消費者被害をどうするかという問題が新しい問題として出てきております。こういういろんな諸要素を踏まえまして製造物責任問題をどういうふうに取り上げていくか、この諸要素を踏まえつつ関係省庁とも連携をとりながら検討を進めていきたいと私ども考えております。
○刈田貞子君 通産省は製造物責任についてどんなふうに考えておりましょうか。
○政府委員(松尾邦彦君) ただいま経済企画庁からもお答えございましたけれども、製造物責任の導入につきましては、消費者保護の見地からは極めて重要な問題だと存じてはおります。ただ、今も企画庁からお答えがございましたように、過失責任主義をとっております民法の基本にかかわる問題でもございますので、関係省庁と連絡をとりながら慎重に検討してまいることが必要な課題だと考えております。
○刈田貞子君 経済企画庁は九年前でしたかね、国民生活審議会からそうした製造物責任についての何らかの形の措置をとるべきであるといったしか答申か何かが出て、それで法務省と詰めた時期があるでしょう。だけれども、そのときに法務省から完全にシャットアウトを受けたということで、企画庁は比較的こういうテーマについて前向きに取り組んできた経緯が私はあるというふうに認識しているんです。ところが、いわゆる関係省庁がまことに消極的であるというふうに、私は今までそういうふうに聞いていました。したがいまして、これはやはり一番関係するのは法務省ですから、法務省あたりどしかと詰めていただいて、やはりとるべき措置をとっていかないと私は大変ではないかというふうに思うんでございます。先ほど申し上げましたように、つまりたくさん緩和なさったでしょう、八十八項目について緩和して、その中で電気製品に限って六十一項目が既に作動を始めているわけです。この緩和された規格・基準がね。そこで起きてくるやっぱりリスクというものをどうやって回避していくかというようなこと、国がもたもたしているうちにリスクマネジメントなんというのがどんどん損保業界なんかが動き出しているんですよ。そういう中で法務省がなかなか動きません、諸関係省庁との折り合いがなかなかつきませんというふうなことを言っていては私はいけないというふうに思うんでございますけれども、もう一度いかがですか。
○政府委員(横溝雅夫君) 今御指摘がありましたアクションプログラムに関連いたしまして自己認証制度に移行しております部分につきましては、先生も先ほど消費者団体の意見として述べられましたような考え方を踏まえてやっているわけでありまして、要するに身体、生命の安全に非常にかかわるようなものは、その範囲に、自己認証制度には移さないという考え方でやっておりますので、自己認証に移ったから急に消費者の被害が急増をするような事態になっているとは私ども考えておりません。その辺はまさに原則自由、例外制限という考え方でありますけれども、その例外の中で生命、身体の安全というのは例外の中に入ると我々考えておりまして一その辺は急にこの事態が変わっているというふうには考えておりません。 ただ、御指摘のように、事業者の責任を製品の安全についてもっと持ってもらうという考え方が世界的にも広がってきておりますし、国内的にもそういうことを考えなきゃいけない情勢がまた最近出てきておりますので、私どもとしましては、その辺をよく実態も踏まえながらよく検討、勉強いたしまして、関係省庁とともにこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
○刈田貞子君 両大臣に申し上げますけれども、これは国民生活センター危害情報室、いつもいつもいただいていも資料ですが、六十年一月から六十年十二月だから昨年一年間のですけれども、私の話はいつも話が細かくて大変申しわけないんでございますけれども、一般国民というのは電気あんかでやけどしたとか、自転車のどこかが外れてひっくり返ったとか、保温ポットを手に持ったら取っ手が外れて熱いお湯を浴びだとか、そんな小さな家庭生活用品で不満を感じ、そして行政に対する不信を持っちゃうのね。SDIなんて私は大きなことは言わない。電気ポットと電気あんかよ。これで政府ないしは行政に対する不信を持つんですわ。一体どういう規格・基準ができているのかね、こう思うのよ。そうですよね。だから、やっぱりこういうものの安全性というのはしかとやっぱり確保していっていただく行政にしていかなければいけないと思うのですね。いかがですか、両大臣に御決意を伺って、きょうは本当は輸入製品のことについて大幅にやろうと思っていたんですけれども、時間がなくなりましたので、これは今度十一日に国民生活の特別委員会が開かれる予定になっておりますので、その場でやらせていただきますが、この商品、家庭用品、生活用品ですね、安全性について両大臣の必ず確保してやると、こういう御決意を伺いまして質問を終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大変女性議員として本当に男性が気のつかないようなところを現実的にとらえまして御質問され、大変私は有意義だと。前に渡部通子さんという方がおりまして、あの方がよくそういうことをやりましたが、私も大変それは感心をして聞いておるのです。しかし、確かに欠陥商品をつくる、つくればその会社はダメージを受けますし、それは私は当然にそういうものをつくらしちゃならず、つくったものは直ちに回収をさせるというようなことを、特に自動車なんかにおいても今までもしばしばやっておることでございます。ただそれを法律でつくるということになると、民法の改正をしなきゃならぬというようなことになりかねない。あそこは本当に民法改正だと何年もかかるんですね、四年も五年も六年も刑法改正とか民法改正とか。そういうようなことでございますから、いろいろいい御意見でございますが、そういうふうに改正ができるかどうか、私は今直ちに答弁いたしかねます。いたしかねますが、この御趣旨は全く同感でございますので、今後慎重に検討してまいりたいと存じます。
○国務大臣(平泉渉君) 政府のサービスというのはできる限り濃密であるということがもちろん非常に必要なことでございます。もちろんそれがためにコストもかかりますので、その辺のバランスをとって臨調の方の要請もありますから、いろいろな観点から政府のサービスがエフィシェントでしかしコストのかからないものでなきゃならぬ、そういう意味で十分注意をしていかなきゃならぬと思います。
○市川正一君 最初に文化庁にお聞きしたいんですが、著作権の対象となる著作物にはどんなものがあるのか伺いたいと思います。
○説明員(岡村豊君) お答え申し上げます。 著作権法で保護をされます著作物につきましては、第二条第一項第一号で定義をいたしておりまして、要するに「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」、こういう定義がなされております。そして、そのうち代表的な著作物につきましては、第十条第一項で例示をいたしておりまして、例えば小説や脚本、論文のような言語で表現された著作物、それから音楽の著作物等々第一号から第八号まで代表的な著作物が例示されている次第でございます。
○市川正一君 確かに、第十条はおっしゃったように例示しておりますが、その中で物品税の対象になるのは広い意味でレコード類といいますか例えばテープだとかビデオだとか、そういうものだけではないのかと思うのですが、いかがでしょうか。
○説明員(岡村豊君) 著作物というものは、例えば本なら本、レコードならレコード自体ではございませんで、本に活字で固定されております小説とか脚本あるいはレコードに溝の形で固定されております音楽というように、物に固定されているその抽象的な精神的創造物、これを例示しているわけでございまして、書籍とかレコードというそれを固定しております媒体自体を規定しているものではございません。したがいまして、著作物の例示と物品税の関係というのは直にはつながらないわけでございますが、先生御指摘のように書籍につきましては物品税の対象になってございませんけれども、レコードにつきましては物品税の対象になっておるというふうに承知いたしております。
○市川正一君 レコードが、今おっしゃった書籍、そのほかに例えば美術品なんかも、絵画だとか彫刻なんか、これと同じようにやっぱり重要な文化財だと思うんですね。国民の知性あるいは教養を高める役割を持っておるんでありますが、私はそれを物品税の対象にするというのはやはり理解しがたいと思うのです。レコードに物品税を課したのは一九三七年、昭和十二年であります。当時いわば戦費調達の目的から設定されたという歴史的経過から、既にもう半世紀に今日及びます。私はこれは今廃止すべき段階にあると考えるんでありますが、音楽を愛好する広範な国民の間にはレコードが非常に高い、もう少し安くならぬかという声が非常に強うございます。CD時代に入って一層それもまた切実になってきておりますが、それには物品税が一つの大きな要因になっておると思います。私は音楽文化の発展、振興の立場から文化庁のこの問題についての忌憚のない見解を承りたいと思います。
○説明員(大谷利治君) お答え申し上げます。 物品税全体としてどういうふうに扱っていくか、レコードに関してどうしていくかというのは、税制全体の中で総合的に考えられる問題だというふうに考えますが、文化庁あるいは文部省としてどう考えるかということにつきましては、今先生がお話しのように、レコードというものが特に音楽の文化と申しましょうか、その芸術の普及向上という点で果たしている意味というのは大変多いと思います。そうした点で免税点を設ける、あるいはこれを廃止するというような方向で措置をしていただくというのが望ましい方向であるというふうに考えておるところでございまして、私どもそういう方向で考えてまいりたいと思っておるところでございます。
○市川正一君 通産省の浜岡生活産業局長にお伺いいたしたいのでありますが、今やりとりございましたが、音楽文化の一翼を担っておりますレコードに物品税を課すことは、私は近代的な文化国家としてあるべき制度とは思えないんでありますが、しかもこのことは産業政策上も、レコード業界の振興の上からしても、また国民に廉価なレコードを供給し、内需振興を図るという上からも検討に値するものだと私所存いたします。したがって、著作権絡みで書籍などの文化財との横並びで見直すようにされてはどうかと思うんですが、この点御所見を承りたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、国民の価値観というものも随分変わってきているようでございます。量から質へとか機能から感性へというようなことが言われておりまして、今後のやはり生活あるいは消費の充実という観点から考えますと、先生御指摘のような視点というものも非常に重要なんではなかろうかと思っているわけでございます。従来いろいろ論議もあるわけでございますけれども、録音済みテープあるいはコンパクトディスク等に対しまして物品税が賦課されるに当たりましても、立ち上がりの時期は比較的低い税率で、普及が進んでいくにつれて次第に一五%に近づけていくというような、ある程度の配慮というようなものはなされているように思うわけでございますけれども、一五%という税率はずっと長く据え置かれているわけでございます。 奢侈品ないし比較的高価な便益品あるいは趣味娯楽品を対象として、担税力に注目して課税していくというようなことが物品税の基本的な考え方のようでございますけれども、現在税制調査会等におきましても税制の抜本的な見直しが行われているところでございまして、いずれ物品税につきましてもその流れの中で所要の検討が行われるんではないかと思っておりますが、先生御指摘のような考え方というものは相当広い支持者があるんではないかというような気もいたしますので、そういった点を十分念頭に置きまして私どもとしてもこうした動きに対応していきたいと思っている次第でございます。
○市川正一君 きょう私は、時間の制約もありまして、税制一般あるいは物品税一般を論ずる場でもございませんし、文化的所産、いわば文化財とも言うべき分野の中でひとりレコードだけが課税対象とされているという問題に限定して検討を求めたものであります。 この問題は、実は党派を超えての共同の要求になっておりまして、通産大臣も御存じだと思いますが、国会に超党派でつくられております音楽議員連盟というのがありまして、会長は自民党の櫻内義雄議員であります。事務局長は同じく自民党の青木正久議員であります。また、ここにいらっしゃる刈田さんもそのメンバーのお一人で、私、副会長の一員とさしていただいておりますんですが、その音議連の税制上の重点課題の一つとしてレコード物品税の撤廃を挙げて取り組んでおります。幸い元大蔵大臣として大蔵省にも大きな影響力を持っていらっしゃる渡辺通産大臣にずっと聞いていただいておりますんで、ぜひこの問題の実りある決着が見られるように各段の御尽力を強く要望いたしまして、次の質問に移らさしていただきたいと存じます。 私、次に取り上げたいのは、最近再び社会問題になっております冠婚葬祭互助会の問題であります。 実はおととしの五月十日、本院の商工委員会で、冠婚葬祭互助会の新しい約款の運用について、当時の小長産業政策局長、今の事務次官でありますが、にただしました。その際に、その年の三月末から実施された新標準約款に基づいて、旧約款による契約についても改正約款の趣旨に沿って解約を認めていくよう指導してまいるというふうに当時の小長局長の答弁をいただきました。それから九二年が経過いたしたのでありますが、トラブル解消に役立っているのかどうか、通産省のまず所見を承りたいと思います。
○政府委員(松尾邦彦君) 先生、ただいま御指摘ございましたように、互助会につきまして解約自由が制限されているというところから、解約をめぐっての消費者トラブルがたくさん見られたところでございましたが、五十九年四月に解約の自由を盛り込みました標準約款の改正が行われまして、各互助会におきましてもこの新しい標準約款の内容に沿った約款の変更が行われまして、五十九年度以降の契約者については解約が自由になっているわけでございますけれども、ただいま先生御指摘になりましたように、その当時の小長産業政策局長がお答えを申し上げましたように、その五十九年度以前の旧約款に基づく契約に関するものにつきましても、消費者から解約の申し出がありましたときにはできるだけ新約款と同様の取り扱いをするよう関係業界に対し指導を行ってまいっておるところでございまして、具体的な消費者相談におきましてもさように対応いたしておるところでございます。
○市川正一君 実は最近、私、本委員会にも委員として出ております兵庫県選出の安武洋子議員と一緒に協力いたしまして、関西方面の幾つかの実態について調査をいたしました。しかし、依然としてトラブル、苦情は減っておらぬのです。 私は、今審議官お答えになりましたけれども、小長次官が約束された旧約款による契約も改定約款の趣旨に沿って解約を認めるという、そういう指導がどのように徹底なされているのか、その点を重ねて明確にしていただきたい。
○政府委員(松尾邦彦君) ただいまのように、五十九年四月から新約款の適用が行われたわけではございますけれども、それ以前の旧契約につきましても、新約款と同様の取り扱いができるよう関係業界に対して指導の徹底を図ったことはもとよりでございますが、さらに消費者相談に具体的にいろいろな案件が参りました際にはその線に応じまして対応いたしているところでございます。
○市川正一君 私どもの調査によると、また各地の消費者センターがございますが、そこの話を聞きましても解約をめぐるトラブルは依然として減っておらぬのです。その中で特に目立つのが玉姫殿グループと申しますか、互助センターグループの悪質ぶりであります。 例えば、京都では満期であれ途中解約であれ、旧約款の場合は一切拒否されております。あるいは別の品物の購入を強制されております。まれに解約に応じることがあっても必要以上の煩雑な書類や手続を求めております。余りのひどさに京都の弁護士会が互助センターに対して、一つ、解約事由の規定を明確に明記すること。二つ、過大な解約事由証明資料の要求はやめること。三つ、旧約款でも解約に応じること、などを文書で申し入れております。本件については、京都弁護士会の会長から三月六日付で渡辺通産大臣あてにも互助センターへの指導を求める申し入れが提出されておりますが、ここに私、控えも持っております。これについて通産省としてどういう指導をなさったのか、確認をいたしたいのであります。
○政府委員(松尾邦彦君) ただいま、先生御指摘の京都弁護士会からの申し入れにつきましては、私どもも三月に受領いたしまして、早速対象企業に対しまして御指摘の三点について指導をいたしたところでございまして、既にこの約款につきましてはこの申し入れ書にございますような標準約款に即した表現に直す等、それぞれ対応を図るよう徹底をいたしたところでございます。
○市川正一君 そういうふうに直すというふうに向こうの方からちゃんと答えてきたのですか。確認しましたか。
○政府委員(松尾邦彦君) 文書による回答はまだ受領しておりませんけれども、直接企業から責任ある立場の者から報告を受けております。
○市川正一君 それはとことんやっぱり確認してほしいんです。 それで、玉姫殿グループの解約拒否を中心とするトラブルは京都だけじゃないんです。兵庫県の西宮市に本店を置く互助センターも同じことをやっているんです。関係地方自治体の消費者センターでは、特にたちが悪い、こういうふうに言うております。ここに私、会員の解約申し入れの一覧表リストを手元に持っておるんですが、大体一カ月に数十件から百数十件に及んでおります。そして、このリストは一部でありますが、内容を見てみますと、旧約款によるものは一切解約に応じない、新約款によるものでも別な利用方法、例えば物品を買わされる、あるいは名義を変更する、いろんな理由をつけて応じないんです。それでも解約したい会員については、ようやく解約のための書類作成という段階にこぎつけるんですけれども、そこに至るのはほんの数%にすぎぬのです。ここにも私、その書類を持ってきましたんですが、これをつくること自体がもうえらいことなんです。第一に解約返金依頼書、第二に会費集金状況、第三に解約復活報告書、第四に取引口座、第五に解約理由書、第六には証明書、六種類も書類をつけにゃならぬ、つくらにゃならぬ。私これはプライバシーにかかわる問題なんで個々のケースを詳しくここで紹介することは避けますけれども、例えば解約理由は生活困難ということになっているとしますと、それを証明するために民生委員の証明書を持ってこぬといかぬのです。それについても、互助センターの担当者が契約復活のために調査や説得を繰り返します。この場合は、会社が倒産して借金の返済に追われております、家族が病弱で生活保護を申請中であります、どうしても解約をしてほしい、というふうにここに書いているんです。そこで、この契約者を担当している互助会の担当者も、解約もやむを得ずということで本社の方へこの書類を出したんです。ところが、そのまま認められるのかといったらそうじゃないんです。これは上司がこの書類を握りつぶして、実際には返金の処理をしておらぬのです。結局、掛け捨てに追いやるように持っていっているんですね。私は、こういうことをやっている互助センターというのは問題やと思うんですけれども、通産省はこういう事情を御存じでしょうか。
○政府委員(松尾邦彦君) 先ほど来申し上げておりますように、五十九年四月以降についての新約款の適用はもとよりでございますけれども、旧約款時代は、お話しございましたように、例えば生活保護を受けることになったときなど、真にやむを得ない事情によるときにはこの契約を解除することができるというような仕組みになっておりました関係上、あるいは書類をいろいろ取るようなこともあったかと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、旧約款のものでありましても、消費者の申し出があれば新約款の趣旨に即して処理するよう、業界の指導にも当たっているところでございますし、ただいまのような事例は具体的には承知しておりませんけれども、消費者相談の窓口等を通じましてお話が上がってまいりました場合であれば、直ちに企業との間に入りまして、適切に処理をいたしたいと考えているところでございます。
○市川正一君 これは、玉姫殿グループの互助センターのあんまりえげつないやり方に内部の人たちがたまりかねて、見かねて、それで後で申します同センターの店長であった人たちがその実態を寄せてきたものなんです。だから審議官、これは架空の話じゃないんで、ぜひ調べて、その上でしかるべき対処、しかるべき指導、措置をとっていただきたいんです。大臣も先ほどからあきれ返って聞いてはりますから、はっきりしておいてください。
○政府委員(松尾邦彦君) ただいま先生から御指摘のありました企業の解約に関する手続に関しましては、仮にも実態上消費者の解約を制限することにつながるようなことでありますと、大変問題でございますので、私どもといたしましては早速消費者保護の見地から必要な調査、指導をやらせていただきたいと考えます。
○市川正一君 じゃ次に、何でこんなことが起こるのかということで調べてみますと、ほかの互助会と比べて玉姫殿グループは悪質な経営姿勢といいますか、企業活動の仕組みに問題があると思うんです。互助センター西宮本社の大型代理店の一つである明石互助センターを私どもの安武議員を中心に調べました。ここでは企画社員募集ということで、採用した社員に最初の二、三カ月は内勤や式場の手伝い、あるいは送迎車の運転などをさせた後で、すぐ会社の命令で店長ということで代理店の責任を持たせるんです。店長というと名前はいいんです。ところが、店長になるとそれまでの固定給から完全歩合給に切りかわります。最初のうちは店長の親戚ややれ縁者や友人や知人やいうて契約を取り、一時的に収入はふえるんです。ところが、一年もたたぬうちに、ちょうど保険の勧誘と同じことです。もうお決まりの頭打ちになってしまう。収入がほとんどそれでなくなってしまう。何十万も会社に借金ができるようになって、結局一年か二年働くと会社に借金つくって次々とやめないとしようがないことになってくるんですね。店長が代理店で一本新規の契約をとると、例えばLコースというのがあるんですが、これは八十回掛けで総額四十万のものだと、共済費を差し引いて店長に七万五千五百円の歩合が入ってくるんです。しかし、逆に同じコースの解約が出てくると、これは同額の七万五千五百円差っ引かれるんです。だから、店長としてはどんなことがあっても解約を食いとめないといかぬのです、体張っても、うそついても。そういう仕掛けになっておるんです。したがって、幾ら契約をとっても解約があるとパアになりますから。 加えてこの明石互助センターの場合に、代理店に社員が派遣されるんですが、その給与、事務所の家賃、経費、車代、これを支払うと会社に借金にむしろなってしまうというんです。ほかの互助会では、固定給部分もあるんですが、玉姫殿グループは完全歩合給です。ですから、自分の収入が減るために解約を渋るんです。それで会員に結局負担といいますか迷惑をかける、こういうことの悪循環になっておるんです。私は、こういう仕組みを変える指導をしないと、解約をめぐる本当のトラブルは解消せぬと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(松尾邦彦君) 互助会の一般の場合には代理店による募集というのはほとんど行っておりませんで、直接自社の営業所等で募集を行っているようでございますけれども、今御指摘のグループの中の一部の企業では、多数の代理店を通じて会員募集を行っているように承知しております。その代理店のシステムについて私どもは詳細は承知しておりませんでしたが、ただいま先生から具体的な御指摘がございましたので、早速その実態を把握するように調査をいたしたいと存じます。調査の上消費者保護の観点等から見て必要な点がございましたら所要の指導等を行いたいと存じます。
○市川正一君 至急にそれをやってほしいんです。被害者がもう本当に続出します。 この際言葉を正確にしておきたいのは、今申した解約という場合に、解約を申し出た会員にそれじゃ掛金が払い戻されているという意味ではないんです。そういう意味での解約になっておらぬのですよ、この玉姫殿グループの場合は。ここで私今使っている解約というのは、会員からの掛金の払い込みがとぎれた保留状態ということにしかすぎぬのです、その実態を正確に言うならば。ということは西宮の互助センター本社というのは、店長から解約といって上がってきますと、おまえ責任とれいってその歩合を取り戻すわけですね。一方、会員の方にはどうかというと、掛金は受け取ったまま返さずに、いわばそのまま保留状態ですから掛け捨てに結局追い込んでいくんですね。こういうあこぎなやり方というのは、私は通産省としてももし事実とすれば許せぬと思うんですが、社会正義から見ても、監督官庁の立場から見てもどうでしょうか。
○政府委員(松尾邦彦君) いずれにいたしましても、早速その実態を把握いたしまして適正に対処するようにいたしたいと思います。
○市川正一君 店長が必死に働いてもただ働きになる、あるいは逆に借金がふえてくるというのは、解約による、この解約というのはさっき言った意味の言葉ですが、その解約による減給減額のほかに、エリート不正という過酷なペナルティーがあるんですわ。どういうことかというと、新規会員をとりますと、これはエリート会員といって歩合にプレミアがつくんです。本社はこのエリート会員という場合にいろんな条件づけるんです。ここにその項目がありますが、例えば加入者が自宅であること、自宅に電話があること、家族に秘密でないことなど約十項目のいわばメルクマールというか項目があるんですね。それで、本社にはこのエリート会員に対する逆探知、いわばエリート不正を摘発する専門要員が配置されております。これがしょっちゅう契約者に電話をかけたり、行くんですわ。たまたま電話に出たその契約者の家族が契約のことを知らなかったなどのささいなことを理由にして、おまえはエリート不正やといって逆にペナルティーの天引きをしてしまうんです。ある店長の場合は、わずか半年でその金額八十八万円を超えているというんですね。こうして店長を次々にかえていって会員をふやす。ちょうどチューインガムをかみ捨てるようなものですわ。それで、会員には解約を認めずに掛金を掛け捨てにさせてしまう。店長からはペナルティーつくってそれで巻き上げる。それなら太るのは本社だけですがな。そうでっしゃろ。こういう言うならば、民法の言葉をかりて言えば、公序良俗に反する経営姿勢を改めさせぬと、結局会員である一般消費者、一般国民に重大な被害が及ぶことに相なると思うんです。再度厳格に調査して是正をされることを強く要請いたしたいんでありますが、これは大臣、お聞きになってどうでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、大変乱勉強になりました。初めて聞きまして、なるほどそういうことで急成長しているのかという感じが、実態がわかったような気がいたします。したがって、これはやはり今おっしゃったようなことがあれば、それは法に照らしまして、ぴちっと押さえるものは押さえていかないと、また被害が大きくなるということになりますから、そういうようなやらずぶったくり方式については厳正に対処しなきゃならぬと、そう思います。
○市川正一君 しっかりやっておくんなはれ。頼みます。 それで、玉姫殿のえげつないやり方というのはこれだけやないんです。ほかにも数々あるんですが、例えば共済費と称して報酬の七・五%を控除しているんですが、これがどうなっているのか行方不明なんです。また、本店の指示で貴金属や健康器具が天引きで店長に押しつけられるんです。私、かつて商工委員会の方で新聞の販売のときに、拡販といって一般新聞がずっと拡張します。そのときに、拡販の資材を新聞販売店の店長さんが発行本社から押しつけられて、それ身銭切って買わされているという、その問題を取り上げたことがありますが、まるっきり一緒です。それよりもっとえげつないですよ。それで、結局そういうもののしわ寄せがどこへいくかというと、互助会の会員さんにみんな負担がいく、迷惑かけるということにいってしまうわけです。私はこういう不明朗な点についても、先ほど審議官の方で早速調査するというふうにおっしゃったんですが、あわせてこういう問題も実態調査をなすっていただいて是正指導をされたいということを望みたいんでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(松尾邦彦君) 可能な限り調べさせていただきたいと思います。
○市川正一君 可能な限りって、あなたやる気あったらやれますよ。応援しますから、頑張っておくんなはれ。 労働省お見えになってますか。代理店との関係を中心に今申し上げたんですが、社員との関係もまことにずさんであります。明石互助センターに関連する賃金の未払いについての最寄りの労働基準監督署への申告があると思うんですが、近年どうなっておりますか、またどう処理されましたかお伺いいたしたい。
○説明員(菊地好司君) 過去三年間の賃金不払いの状況ですが、七件監督署に申告がございまして、いずれも調査の上、労働基準法違反が認められたものについては賃金支払いについての勧告を行うなど、必要な措置を講じております。その結果、七件のうち五件については本人に支払いがなされまして、残る二件のうち一件については未払い額等について現在調査中でございます。最後のもう一件ですが、申告者本人が賃金支払いについて民事訴訟を提起しておりまして現在係争中であると、以上の状況でございます。
○市川正一君 伺いますが、ここは就業規則を届け出ておりましょうか。
○説明員(菊地好司君) 就業規則は、常時使用する労働者の数が十人以上の事業所について法律で作成、届け出が義務づけられておりますが、明石互助センターにつきましては、かねてから指導を続けておりますが、現在のところ、なお届け出が済んでおりません。今後厳しく指導したいと、かように考えております。
○市川正一君 なめておるんですよ。なめられているのはおたくさんだっせ。そやから、僕はこんな人をなめたような話ないと思うんです。だから、厳しくというふうにおっしゃるんだけれども、やっぱり再度提出するように指導して、その結果を報告いただきたいんですが、いかがですか。
○説明員(菊地好司君) 厳しく指導し、届け出させるようにいたしたいと考えております。なお、結果については御報告いたします。
○市川正一君 じゃ、報告を待っております。 就業規則はない、日々の賃金は払わぬ、そればかりかエリート不正と称するペナルティーまで課してマイナスの賃金まで生んでおります。残業手当などはもってのほかです。加えて、労災保険や雇用保険などの社会保険一切入っておらぬ。私、この機会に玉姫殿グループである互助センター全体についてこういう実態を労働省で調査をいただき、指導され、そしてその結果を報告していただきたいと思うんでありますが、明石だけでなしに全体としてその調査、点検をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(菊地好司君) いろいろ問題があることを承知できましたので、調査いたしたい、かように考えております。
○市川正一君 実は私、これは私ども内部の手違いでありますが、本日の持ち時間六十分と承知しておりましたが、その後四十分ということに相なりました。もう時間もあとわずかになりましたので、予告しておりました浜岡原発の問題については次回に固さしていただきまして、せっかくお越しいただきました関係の皆さん方におわびを申し上げて、私の質問は本日は以上で終わります。
○関嘉彦君 私は、経済摩擦、特に貿易摩擦の問題と、それから円高差益の消費者への還元の問題及び経済協力、この三つの問題について質問したいと思います。 まず第一に貿易摩擦の問題ですが、私の質問の基本的なスタンスを最初に申し上げますと、日本は自由貿易がなければその生存、繁栄も不可能な国であり、今までは日本はその恩恵を受ける受益者の立場であったけれども、今後はむしろ恩恵を与える、授ける方の授益者、ベネフィシアリーじゃなしにベネファクターとして多少の犠牲を払ってもこの自由貿易体制を維持すべきである、そういう考え方をしておりますけれども、同時に、外国からの日本に対する要求なんかの中には、誤解に基づくものあるいは不合理と思われるようなものも間々あるように思うんであります。そういった誤解であるとか不合理なものはあくまでよく説明して、できないものはできないという態度をとっていくことが必要であるだろうと思います。 まず第一に、事実を確認しておきたいことがあるんですけれども、昨年度のアメリカの日本に対する貿易赤字が五百億ドルというふうなことを言われております。日本の統計では逆に対米黒字になりますか、四百億、これは統計の取り方の違いだと思うんですけれども、何かそういった数字だけが一人歩きしまして、何か日本はアメリカの企業からそれだけの金額の利益を奪っているんだというふうな印象を与え、それがアメリカの議会あたりでフラストレーションを生んでいる一つの原因になっているんじゃないかと思うんですが、その差額の中には日本に進出してきているアメリカの企業、例えばIBMなんかが生産したものでアメリカに輸出されているものであるとか、あるいはアメリカの企業の部品を日本で生産して向こうに送っているものであるとか、あるいは全然アメリカで生産していないものなんかもあるはずなんで、そういったふうなことを向こうの人たちに説明したいんですけれども、はっきりした数字がないとなかなか反論が難しいわけです。通産省の方としてそういった数字をお持ちであれば、こちらはもちろん推計しかできないことだろうと思いますけれども、その数字をまずお教え願いたいと思います。
○政府委員(黒田真君) ただいま先生御指摘のような種類のものについて、一応試算したものがございます。それによりますと、我が国からアメリカに昨年、すなわち一九八五暦年に輸出いたしました総量は六百五十三億ドルでございます。 そのうちから、まず第一、日本にいる米系企業がアメリカに輸出しておるものというものは約二十億ドルでございます。 それから、我が国の企業の生産品ではございますが、最終的にアメリカの企業名、アメリカ企業のブランド名で売られているもの、これをOEM、オリジナル・イクイップメント・マニュファクチャラーの略称を使ってOEM輸出というふうに呼んでおりますが、これらに属するものが約七十億ドル。なかなかこれは調査が行き届いておりませんので、少なくとも七十億ドルはあるだろうと。 それから、第三の形態といたしまして、部品輸出。我が国の企業が部品を輸出をしている。これはアメリカ企業がアメリカの中で完成品を生産するために欠くことのできない部品というものがおよそ八十億ドルあるのではないだろうか。 そして、まあさらにそれにつけ加えれば、第四のカテゴリーといたしまして、アメリカ国内ではもうほとんどつくっていない、あるいはまあ今までもつくったことがないという、アメリカで生産がない品物というカテゴリーがございます。これは、約四十億ドルということで、それら四つのカテゴリーのものを集計いたしますと約二百十億ドルということに相なるわけでございまして、冒頭申しました我が国からの輸出六百五十三億ドルのほぼ三割というものが今の四つのカテゴリーに属するものかと思います。
○関嘉彦君 その今の金額の中には、通産省所管以外の、例えば厚生省所管の薬なんかもあるんじゃないかと思うんですけれども、あるいは食料品なんかあると思うんですけれども、そういうもの含まれていますか。
○政府委員(黒田真君) 多分そういった他省所管のものも存在すると思いますが、私どもの推計はとりあえずは当省所管の工業製品について限られた数字のみ把握したものだと思っております。
○関嘉彦君 そうすると、この二百十億ドルというものは、通産省所管のものだけですね。 そのほかにもあるんじゃないかと思いますので、こういうふうなことを、例えばほかの省庁の所管のものであっても十分照会するとか何とかして、やはり一般に広く知らせる、アメリカ側に対しても知らせるし、日本の国民に対しても十分知らせることが必要だろうと思うんです。ほかの省庁関係のやつも連絡して調べていただきたいというふうに考えております。 それから、それにしましても確かに日本の黒字が大きいことは事実で、やはり自由貿易体制を維持していくためには、自由で公正な貿易秩序でなくてはならない。アンフェアであるというふうな印象を与えることはよくないと思うんですけれども、アンフェアであるかフェアであるか、これはなかなか非常に定義が難しい問題でありますけれども、とりあえず昨年のアクションプログラム、その中で非関税障壁の一つである基準・認証制の問題、これはいつでしたかね、原則廃止で例外規制で、十一月でしたか、年末まででしたか、廃止するというふうなことが、廃止の手続をとるというふうなことが書いてあったようですけれども、その中で通産省所管のものの実施状況をお伺いしたいと思います。
○政府委員(黒田真君) 昨年のアクションプログラムの中で基準・認証と言われております分野の中で、私ども通商産業省に関するものとしては二十三項目が指摘をされております。これらのうち既に十三項目については実施を完了しております。それから一部措置済みと申しますか、何カ年計画かでこれを実施しようというふうにもともと定められておりますものにつきましては、既に着手をし現在進行中だというものでございますがこれが三件ございます。残り七件につきましては、一部法律の改正を要します化学関係のもの、あるいは審議会の御意見を十分に伺わなければならない計量法等のものなど七件ございますが、これらについてはいずれも現在準備を進めておるところでございまして、それぞれ所定の定められた期限までには必ず実施をするということで進めておるところでございます。
○関嘉彦君 そうすると、いずれ残ったものは、アクションプログラムに書かれていることはすべて実行されるというふうに理解いたします。 その場合に、この非関税障壁に限らず、外国の代表あたりからしばしば日本にいろんな不満を言ってくるわけで、その窓口になるんですかね、経済企画庁の中に何か苦情処理本部とかというものがあるように聞いておるんですけれども、これは単に外国からの苦情を聞いて各省に取り次ぐだけのものでございますか。
○説明員(菅野剛君) お答えいたします。 OTOは、海外の事業者等からその貿易手続について苦情がございました場合に、これは苦情が関係各省あるいは経済企画庁に寄せられるわけでございますけれども、経済企画庁でこれを関係各省に取り次ぎますとともに、これの対処の方策を協議して対応してまいるという役割を果たしておるわけでございます。
○関嘉彦君 今OTOと言われたのは、オフィス・オブ・トレード・オンブズマンの略ですね。
○説明員(菅野剛君) はい。あとインベストメントがついておりますけれども、先生おっしゃるとおりでございます。オフィス・オブ・トレード・アン、ド・インベストメント・オンブズマンでございます。
○関嘉彦君 これは何か法律的な根拠みたいなものを持っているんでございますか。それとも単に事実上つくられているだけのものですか。
○政府委員(赤羽隆夫君) OTOにつきましては、経済対策閣僚会議の決定に基づきまして設置されているものでございます。OTO本体と申しますか、これは官房副長官がこのOTOの長となりまして、各省事務次官を委員として構成されております。それに対しましてOTOの諮問委員会というのがございます。これは学識経験者を中心に八名ほどの委員がおりますけれども、この諮問委員会からの助言を受けまして実施をしておるということでございます。五十七年から既に四年余りの実績を積み重ねておる。その間、当初は狭い意味での通商問題だけでございましたけれども、海外投資あるいは我が国に対する外国の投資、こういったようなものも含めるということで、先ほど審議官の方から申し上げましたように、オフィス・オブ・トレード・アンド・インベストメント・オンブズマンと、こうなっている次第でございます。根拠は経済対策閣僚会議の決定ということです。
○関嘉彦君 私が法制化の根拠を聞きましたのは、やはり何か法律上そういったふうな法制上の根拠があった方が仕事がしやすいんじゃないか。特に単にほかの各省に取り次ぐだけであれば大した仕事じゃないですけれども、やはり経済企画庁として外国から言ってきているいろんな不満、それが合理的なものであるかどうかということを判定して、そしてもし合理的な根拠があるものであるならば、各省庁に対してむしろ勧告をする、そのくらいのリーダーシップを持つべきじゃないか。ともすると、各省庁というのは自分で一度つくった基準・認証というふうなのはなかなか自発的には廃止しようとしないわけであります。今までこのアクションプログラムができてやっと廃止に向かったというのも、なかなか自発的にやらないからこういった措置が必要であったと思うんですけれども、そういったふうなリーダーシップをとるためには、何らかの法制的な根拠があった方がいいんじゃないかと思うし、また諮問委員の人たちも仕事がしやすいんじゃないかと思うんですけれども、これは大臣にお伺いしましょう。経済企画庁長官、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(平泉渉君) これは確かに今非常に問題になっておることでございまして、今先生の言われたような趣旨の非常に有力な主張が政府部内にもございます。そういう意味で我々も早急にこの問題について何らかの結論を出してまいりたい、かように考えております。
○関嘉彦君 基準・認証制以外のものでアメリカやECあるいはASEAN諸国、そういったふうなところから日本に対していろんな要求をしてきている。その中で特に重要なものといいますか、たくさんあるだろうと思いますけれども、特に重要なもの、それはどういうものがございますか、通産省所管のものだけで結構でございます。
○政府委員(黒田真君) 幾つかの外国からいろいろな要請が来ております。その第一は残存輸入制限というふうに呼んでおりますが、なお我が国が輸入に当たりまして数量制限を実施している品目について、その自由化の要請、あるいは枠の拡大という要求がございます。しかし、これらにつきましては、皮革及び革靴が工業製品として残されておりました制限品目でございましたが、これは今年度より自由化することができましたので、その点は解消しておるわけでございます。それから第二の大きな固まりとしては、関税の問題があろうかと思っております。関税につきましては、我が国の工業品関税は平均的には既に国際的にも最も低い部類になっておりますし、機械類等を中心にして無税のものが相当多数に上っているという現状がございますけれども、個々に見ますと若干まだ高い関税率があるというような場合には、関係国からその関税の引き下げ方について要求されるという事態はございます。あと基準・認証にかかわるもの以外ということになりますと、今申し上げたようなところが先方から寄せられております貿易面での要求といたしましては大宗ではないだろうかというふうに考える次第でございます。
○関嘉彦君 一時新聞に出ておりましたけれども、円高による中小企業の苦境を救うための特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法、これが何か、輸出奨励とかなんとかというふうなことを言ってきておったようですけれども、この問題は完全に解消したわけですか。
○政府委員(黒田真君) アメリカから、本件にかかわります特利による融資、市中金利より低いところの金利での貸し出しというものが、これがガットで申しますところの補助金に該当するのではないか、そしてその補助金が輸出を増加させ、あるいは輸入を減少させるための働きを持っているのではないかというような懸念と申しますか、疑いの表明があったことは事実でございます。しかし、私どもといたしましては、これが主として苦境に立つ中小企業者の転換のため等に用いられるものであって、決して輸出振興というようなことはないということを十分説明をいたしましたので、彼らの持っておりました疑念あるいは懸念というものは解消したものと確信をしておるわけでございます。
○関嘉彦君 新聞で見たんですけれども、日本で生産している自動車の部品ですね、アメリカの部品で安くて優秀なのがあるのに、日本の方が高いのに、日本はその系列企業から買ってアメリカのものを買わない、これはアンフェアじゃないかというふうなことを言ってきているということを新聞で見ましたけれども、そういう要求があるんですか。
○政府委員(杉山弘君) 日本の自動車メーカーによります米系の自動車部品の購入機会の拡大につきましては、かねてから米側から希望が表明されております。昨年の後半、米国商務省と私どもとの間でこの問題解決のため相互に民間企業から成るミッションを派遣をする、そして民間企業同士のお話し合いをベースにしまして、それをフォローアップする意味におきまして政府間でまた協議をしていこう、こういう基本的な原則ができ上がったわけでございます。この基本的な合意に基づきまして双方でミッションの派遣をいたしておりまして、ちょうどたまたま今アメリカから商務省の次官補を団長にいたします向こうの業者主体のミッションが参っておりまして、今週金曜日ぐらいまでの間に民間企業は日本の自動車メーカー及び部品メーカーといろいろ商売上のコンタクトをいたします。また、私どもは、一緒に参りました商務省の人々とこの十一日に自動車部品の調達拡大問題について第一回目の議論をしようと、こういうような状況になっているところでございます。
○関嘉彦君 その問題は、ある意味では日本とアメリカとの商慣習の違いに根差している点が非常に大きいんじゃないかと思う。アメリカの場合は、中小企業であっても全く大企業と対等であるし、安いところならどこからでも買う、その取引というのはそのときだけの問題として考えている。それに対して、日本の場合はやはり一度だけの取引じゃなしに、何といいますか、永久ということもないけれども、その取引を非常に長く考えて、たとえほかのところよりも値段が高くてもその関係を大事にしていく。これはアメリカのようなああいった移民ででき上がっている社会とそれから日本のような同志的な社会との違いで、ヨーロッパも必ずしもアメリカと同じでは私はないように思うんですけれども、これはある意味で文化的な伝統の差に基づくものがあるように思うんですが、これはつまりアメリカの方の標準といいますかスタンダードだけが正しくて普遍的であるということも言えないんじゃないかというふうに思うんですけれども、その問題の解決はこれは非常に難しい問題ですけれども、大臣、どのようにお考えになっていますでしょうか。
○政府委員(杉山弘君) 確かに、御指摘のように、米系の自動車部品購入機会の拡大につきましては、米国側からは、日本の自動車部品工業はそれぞれ特定の自動車メーカーとの間で取引をやっていて、自動車メーカーの方は自己と取引関係のない他の部品メーカーからは一切買わないことにしている、系列取引という言葉を使っているようでございますが、これがアンフェアではないか、こういうような主張もあるようでございます。 ただ、この問題につきましては、ただいま御指摘のように、日本の自動車産業といたしましては、戦後の自動車産業確立の過程におきましてそれぞれの部品メーカーと協力をして、今日の状態をつくり上げてきたということにあるわけでございまして、この点につきましては、先生御指摘のように、アメリカにおきます自動車メーカーと部品工業の関係とは必ずしも同一に論ぜられないというところにあるのかと思います。このあたりにつきましては、我々政府間レベルの協議におきましても十分日本側の立場を説明をし、また、民間サイドにおきましてもそれぞれ現状がなぜこうなっているのかということについて十分な説明をするということで、ある程度先方の理解が得られるのではないかな、かように考えているところでございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいみじくも先生がおっしゃった文化の差による摩擦だと思うんですね。これ私も一番後まで尾を引くんじゃないかと思って一番心配をしているところなんです、実際は。 御承知のとおり、労働組合は、日本は企業内組合でございますが、向こうは別でございますし、それから日本では、しかも親会社、下請会社というのは一体になって、ずっといいときも悪いときもやってくる。したがって、トヨタの専門の部品メーカーがつくり過ぎて余ったからといって、半値で日産に持っていっても日産では買いませんよ、これは。買えばその分、今までの下請を切らなければならぬわけですから。また、労働組合でも、日本は潜在的失業者を持っても、つらいときは一緒になって賃上げは抑えてもレイオフしないで頑張ろうということですが、アメリカはどんどんレイオフで切っちゃっても、新しい方から首を切ればだれも文句を言いませんから。全くこれは文化の差なんですね。ですから、これは、本当になかなか、アメリカの部品の方が安いんだけれども何で買わない買わないと言われても、それは非常に難しい問題がいっぱいあるし、それから納期や何か守られるのかどうか、継続されるのかどうかということもございますので、安いから必ず日本で売れるということにはなかなかいかない。ところが、それは、なぜ安くて同じ物を買わないんだというのはなかなか理解してもらえない。ここらのところは時間をかけてよく話し合っていかなければならぬというように思っておるところで、一番難しいところだと思います。しかし、いい物で安定的供給ならば極力買ってもらうように、もちろん国内のメーカーにも政府としては働きかけていっておるわけでございます。
○関嘉彦君 誤解のないように言っておきますけれども、私は、例えば、親企業が系列企業に対して代金の支払いを遅延するとか、不当に値引きさせるとか、そういう慣行を決して擁護しようとは思いませんし、また日本の労働組合、企業内組合がすべていい点ばかりであるとも思わない。いろいろな弱点があり欠点があることも私は認めるんですけれども、こういう長年の文化的な伝統に根差した問題を急激に変えるということは、これは大変な社会問題を巻き起こして、悪くするとやはり日本のデモクラシーの基礎を危うくしかわない問題だと思いますので、そういう点は十分説明して、向こうの誤解といいますか、向こうの偏見と申しますか、それを十分解くように努力していただきたいというふうに思っております。 それじゃ、ごく簡単にEC側の、これも新聞ですけれども、ECのドロール委員長が来て中曽根総理大臣と話し合って、何か貿易監視委員会をつくるとかというふうな話が新聞に載っておりましたけれども、それは事実ですかどうか。それからつくるとすればどういう目的を持ったものであるか。
○政府委員(黒田真君) ドロール委員長が訪日されました際に、ドロールさんの方から、今までいろいろな組織はあるけれども必ずしも満足すべきものとも思えないので、自分と総理に直接意見を述べられるような人たちに日本とECとの間の経済関係の発展を見てもらって、意見を申し述べてもらうというようなアイデアはどうだろうかというサウンドはあったようでございます。それがどうも新聞には監視委員会というような形で報ぜられたようでございますが、私どもは必ずしも監視委員会というものが提案されたというふうには考えていないわけでございます。我が方、総理の方からも、名前はともかくとして、何かそういう考え方については検討の用意があるということでございまして、むしろ先方からのその後の提案を待っているということだと思います。 したがいまして、委員会というようなものでは必ずしもなくて、どなたかが委嘱されて総理あるいは委員長に対して日・EC関係の改善あるいは進展に関して提言等を行うというような役割を期待するということになろうかと思っておりますが、まだ最終的な形にはなっておりません。
○関嘉彦君 まだその問題についても質問したいことがあったんですけれども、時間があと十分しかございませんので、次に円高差益の消費者に対して還元する問題についてお尋ねいたします。 電力及びガスの問題は、既に先ほど同僚議員の方から質問がございましたから、私が取り上げますのは消費者の生活上の物資が円高を反映してどれだけ値下がりすることによって、消費者に利益が還元されているかどうか。確かにこの問題は、円高によって生産者としては非常に苦しい生産者も出てきているわけですけれども、消費者としては利益があるはずの問題だと思うんですが、経済企画庁からいただいた総務庁統計局の小売物価統計、東京都区部についての資料ですけれども、六十年九月と六十一年三月と比較いたしまして、牛肉とかこういった政府が管理しているやつは別にいたします。例えばジャム一瓶の値段が三百四十七円、ほとんど変わっておりませんし、チョコレートは逆にむしろ上がっているし、万年筆とか腕時計、こういうのはなかなか調査しにくい問題だと思うんですけれども、ほとんど変わっていない。フィルムもほとんど変わっていない。この統計多分そのとおりだろうと私思いますけれども、既に六カ月以上経過しているのに、そういったふうな物資が下がらないというのはどういうふうにごらんになっておられますか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(斎藤成雄君) 五十三年の円高のときにも同じような問題がございまして、政府といたしましてはいろいろ追跡調査をやったわけでございます。御存じのように、原料として入りますと、それから後いろいろその末端商品をつくるまでの間にいろいろな段階がございますので、安いものが入ってそれが最終の消費財として売られるところまで影響してくるのが、前回の経験によりますと三、四半期、つまり九カ月とか十カ月とかそのぐらいかかっているわけでございます。製品として入ってまいりましてそのまま流通に乗ってすぐ商店に出るものもございますけれども、多くのものが加工して出てまいりますので、ある程度時間がかかるのはこれはやむを得ないのではないかという感じで見ております。 ただ、前回もそうでございましたけれども、やはり私どもとしてはなぜそれが浸透してこないのか、十分監視をいたしまして、理解できないものについては事情を聞き、必要があれば行政指導を行っていく必要があるというふうに考えております。 御存じのように、価格の変動は為替レートだけで決まるわけではございませんで、当然のことでございますけれども、需給状況その他でいろいろまた攪乱をされるわけでございます。ですから、そういう意味で必ずしも全部足並みをそろえて下がるというわけにはまいらないだろうと思いますけれども、御指摘のように徐々に浸透していくことが当然と考えて取り組んでまいりたいと考えております。
○関嘉彦君 別に何ら対策しなくても、徐々に下がっていくというふうに楽観しておられるわけですか。
○政府委員(斎藤成雄君) 一般的に申しますれば、市場原理が十分働いておるというふうに考えております。ただ放置をしておくのは許せないということで、私どもはあわせて監視を行って、必要な場合には行政指導その他で干渉をしていこう、こう考えておるわけでございます。
○関嘉彦君 私は必ずしも商社悪人説はとらないんですけれども、しかしアダム・スミスの「国富論」の中にもありますように、商人というのは二人集まると何とか生産を制限して利益をつり上げるコンスピラシーを行うものであるというふうなことが書いてありますが、価格原理、プライスメカニズムが必ずしも日本の場合十分作用してない場合があるんじゃないかと思うんですが、そういう場合に対してやはり通産省としては必要な場合には介入していくということが私は必要じゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(斎藤成雄君) 御指摘の点は通産省だけでなくて、全省にまたがる問題であると考えますので、私から答弁をさせていただきます。 御指摘のように、そういう不都合が起こるのは大変問題であるというふうに考えまして、先般、一月の末に既に各省物価担当官会議というのがございますので、そこでこれらについて十分取り組んでいこうということを決めております。公正取引委員会においても十分監視の目を光らせるという約束になっております。
○関嘉彦君 先ほど倉田委員の方から、経済企画庁は総合経済対策なんかで単に調整するんじゃなしに、もっとリーダーシップをとる必要があるんじゃないかと、私も同感なんですけれども、総合経済対策の問題は一応別にしまして、どうも日本のお役所というのはそれぞれの生産者の利益を守る点に重点が置かれているように思うんであります。消費者の利益を守る国民生活省とか消費者省というふうなものは日本にはないように思うんですが、私はまさに経済企画庁あたりが単に調整機関としてだけではなしに、もっと消費者の利益を守るために各省庁に対してリーダーシップをとるべきじゃないか。もしそれが制度上できない点があれば、法制上の改善をしてでもやるべきじゃないかと思うんですけれども、経済企画庁長官どうお考えでしょうか。
○国務大臣(平泉渉君) 大変ありがたい御質問をいただきました。私も常々そう思っておるわけでございまして、なかなか消費者を強く代表するという、本当は消費者は全部の人が必ず消費者でございますから、そういう意味で消費者の声というのはもっともっと日本では強くなければならないのでありますけれども、日本の経済の歴史的過程も、先生の御専門のところでございますが、そういうこともありまして、どうも生産をする方の工程を強くするということが非常に強く働いてきたことは否めない。それだけに強い生産力を持っている国は、強い消費者の力でカウンターベールしなきゃいかぬと思うわけでございます。経済企画庁も大いにひとつ頑張らしていただきたい 殊に輸入品の問題で、私は、個人の意見でございますが、隣に陸続きの国がないものですから、どうしても情報が伝わりにくいという問題があると思いますので、政府が大いにこういうところを補ってまいるという必要があると思っております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は何もやらないわけじゃないんですよ、やっているんですよ。やっていまして、既に四月から六月の間で約千品目の輸入品については一〇ないし二〇%値下げをすると。もう既にやっているところもあるんです。それから、これからもこの二カ月間の間でやるというようなところもありまして、スーパー、デパート等におきましては、まあこれいろいろ幾らに下げるかということ全部書いてありますが、一々これ読むのもいかがなもんだとも思いますが、例えばあるデパートではシルバーツーカラーベンなんというのは一万九千五百円を一万六千円にとか、それからアイアンセットなんというのは二十七万九千円を二十三万四千円にとか、それからピアノランプなんて二万一千円を一万四千八百円にするとか、それはもうこれいっぱい書いてありますから、千種類もあるんだから読んでたら二十分もかかっちゃう。ですから、先生のいわれるようにそれは大いにやらせますから、ひとつ御安心を願います。
○関嘉彦君 多分それを言われるだろうと思って、実は通産省の方から主要価格引き下げ商品の代表的事例、これは各商社に申告さしたわけですね、アンケートをとったやつですね、それいただきました。これだけ見ると非常に結構なことが書いてあります、これそのとおり実行されれば。しかし、果たして実行されているのかどうかと思いまして、私自身及び私の秘書を使いましてきのう日曜日、デパートとかスーパーなんかに行ってまいりましたけれども、確かにウイスキーなんか下がっておりましたけれども、この計画でございますというんですが、実際には下がってないんですよね。こういう計画でございますというふうなことは言っておりましたし、それからスーパーの店員なんかこれを見まして、果たしてこのとおりいきますかねえなんというようなことを言っていたスーパーもございます。これ、単にデパートからこういうふうにしますという計画書を受け取っただけで、それで下がると思われたらこれは大変な間違いで、やっぱりこれ随分追跡調査をしていただきたいということをお願いいたします。 最後に一つだけちょっとお許し願いたいと思いますけれども、私は、やはり自由貿易、それから自由経済という言葉は非常に誤解を招きますけれども、完全競争が行われるようなシステムというのが一番消費者にとっては利益であり、それを維持していく必要があると思うんですけれども、しかし、これは政府が何もせずに自由放任にしておいて実現するものではないだろうと思うんです。プライスメカニズムの正常な働きを阻害するような政府の干渉、基準・認証とかなんとか、危険品は別でございますけれども、そういうのはどしどし廃止していく必要があるんですけれども、プライスメカニズムを維持していく、正常にファンクションさしていくための介入は、例えば独占禁止法であれ、あるいは独占禁止法にひっかからない場合においても、そういったふうな阻害するような要因に対してはやはり政府がそれに介入して、インターベンションしてそれを除去していく。これは当然の政府の任務ではないかと私は思うんです。何か最近、中曽根内閣、スモールガバメントということで何か政府というのは小さくさえしていけばいいんだ、干渉さえしなければいいんだというふうな考え方がありますけれども、私は政府というのはエフィシエントなガバメントでなくてはいけないんであって、やはり必要な場合にはプライスメカニズムを維持するための介入、生命の安全とかなんとかいうのはこれはもうもちろん別問題ですけれども、そういったプライスメカニズムをファンクションさせるための介入というのは私は大いにやっていくべきじゃないかということを考えますけれども、何かそれについて御意見があればお伺いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは当然でして、そのために公取委員会もあることですから、当然に介入すべきときは介入すると。しかし、これだけデパートとか何かありますと、どっか一軒の店が、私のところでは輸入品はこう値下げいたしました、ほかと比べてくださいと広告をばあっと出されたら、ほかはもうともかくイタチ一匹で大慌てで全部これは下げるんです。天敵利用ですから、一種の。ですからみんながそれはもう下げ出すということで、その点は今は物不足時代じゃありませんので、私は必ず値下げの方向へどんどん輸入品については円高メリットは出てくると、これはまあ私は確信して疑わないんです、
○関嘉彦君 そうなることを希望しておきます。
○木本平八郎君 私、今現在、アメリカと五百億ドルの貿易摩擦があるわけですね。これはまあ後でお聞きしますけれども、西独との間も四百億ドルあるというふうな状況で、非常にこの貿易摩擦の問題、日本側は問題になっているけれども、対西独とは余り問題にならないというふうな状況があるわけですね。これについては、一体どうしてそういうことなのかということが今までよく議論されたわけです。 私はひとつ全然別の観点から意見を言いたいんですけれども、ついこの間、私の友達でもう日本語のおかしい日本人の弁護士がアメリカから来ていろいろ話したんですけれども、底に、やっぱり基本的にあるのは、まあ言葉は大変差し支えあるかもしれませんけれども、人種偏見だというわけですね。まあ向こうにしてみればいまだにイェロージャップが、成り上がり者が、成金が何を生意気なことを言っておるかというふうな感情がまず底にあると。それで、そういう問題が根底にあるから、先ほども出てましたけれども、文化摩擦というか社会摩擦みたいなものがやっぱり基本的にあると。したがって、これを解消するにはやっぱり三世代がかるというわけですね。一世代三十年とすれば九十年、あるいは二十五年としても七十五年かかるというわけですね。そうしないと成り上がり者が一人前につき合ってもらえない。金だけは成金でたまったけれども、そこまでかかると。したがって、我々の世代というんですか、まあ今生まれたぐらいの子供たちが一人前になるまでは、やっぱり屈辱じゃないけれども、それを考えて控え目に控え目に十分な努力をしていかにゃいかぬと。例えば、お祭りの寄附でも人より余分に出すとか、ちゃんとへりくだったなにでやらにゃいかぬと。それを理屈で対抗しても、これはもう解決つかないんだというふうなことを言うわけですね。 例えば、日本の場合でも、今現在、東南アジアがどんどん伸びてきてますね。東南アジアの国々が今の日本と同じような立場になったときに、日本人がそれに対して果たしてオープンマインドで受け入れるかと。やっぱり抵抗があるというんですね。だから、そういうことを知らない世代が中心になるまでやっぱり得たざるを得ないというわけですね。 そういう意見を聞いたんですけど、これ一番いいのは大臣にお聞きするのがいいと思うんですけれども、こういう意見に対してどういうふうに思われますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはまあ私がここではっきり認めるというわけにもいかぬでしょうけれども、まあありそうなことだということでしょうな。 それから、やはりもう一つは、市場開放というような点についてドイツあたりの方が日本よりも非常に開放率は高かったですから、早々と。ですから、そういう点でもがんがん言われて出してきたところとはやっぱり差があってもそれはある程度やむを得ない。日本は基準・認証の緩和その他、これはもう関税引き下げ等やったのはついこの間ですからね。ですから、その間に時間的差があると。それらなどでも日本の方はハンディキャップを受けているとそう見なければならぬと思います。
○木本平八郎君 まあそういう点で、例えば西独との関係をアメリカ人は全然もう無関心だというわけですね、四百億ドルあっても。あれはまあ同じ階級というか、同じ仲間というかが、たまたまうまく成功しているということで、むしろ拍手するぐらいの気持ちであって、決して西独はけしからぬとかそういう感じは全然ないということを言っているわけですね。 ところが、もう一つの問題というのは、彼は相当な弁護士なんですけれども、国際問題を扱っている弁護士ですけれども、ニューヨークにおるわけですけれども、デトロイトに非常に関係もあるわけですね。ところが、あそこであれだけ自動車の問題があるのに、デトロイトの連中というのは、自動車の経営者の連中は別ですけれども、労働組合なんかもそんなに対目的な問題というのは余り関心がない。ましてデトロイトの一般市民は日本というのはどこにあるか、よく知らないぐらいの者が多いんで、中国とかソ連に対する関心はあるというわけですね、ヨーロッパ以外には。ところが、日本に対しては全然ないと。したがって、日本の方が一億国民上から下までみんな大騒ぎしてやっているというのは、日本というのは非常に情報が発達しているのと、教養が高い、教育が行き渡っているということで、日本人というのは国際的な非常に関心も強いんだけれども、一般のアメリカ人というのはこういう問題について全然興味がない。騒いでいるのはワシントンのいわゆる議会、議員と、それからホワイトハウスだけだと。したがって一それは日本の方がどうしても向こうの議会だとかホワイトハウスとの接触が多いものだから、その意見がどんどん非常に強くはね返るので、必ずしも一般国民はそこまで考えてないというふうな意見を持っているわけですね。 私もそう思うんですけれども、この問題は、アメリカと日本との問題は、先ほどのように文化摩擦の問題あるいは社会摩擦の問題かもしれないんですけれども、純然たる政治的な問題でもあると思うんですね。むしろ、その政治的な問題を経済にすりかえるというわけじゃないけれども、振りかえて、それで輸出制限しろとか、あるいはもうと向こうの物を買わなければいかぬとか、いろいろな経済問題に押しつけられている。経済界としては迷惑な話みたいなことで、先ほど商社は悪いと関先生言われましたけれども、商社も悪いところもあるかもしれませんけれども、そういう政治問題を押しつけられて、非常に民間の方が流通の面でも困るし、最終的には消費者も困るというふうなこともあるんじゃないかという気がするわけですね。 したがって、その辺、もう少し基本的にこの問題を突っ込んで、どこにそういう原因があるのかということをわきまえた上でいろいろな対策を講じていかないと、例えば輸入制限を外すといっても、その外し方が、それなら外せばいいだろうなんと言ったら、一遍に感情問題になってしまうというふうにも感じるわけなんですがね。その辺、何か御意見があれば承りたいんですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはやっぱり感情問題にすることは一番困るんですね。しかし、現実の問題として、議員とかホワイトハウスだけが騒いでいるというけれども、それは議員が法律つくるわけですから。その議員の連中だけ騒いでいるんなら構わぬわと。どんどん保護立法が成立したら、それはもう政治問題イコール経済問題になってしまう。したがって、それは鎮静化していかなきゃならぬ、やはり理解もしてもらわなきゃならぬ、そう思っておるんです。 確かに、アメリカの国民は日本のことを余り知らない人が多い。テキサスなぞを私歩いてみても、聞いてみたら、早く自由化になってくれればうちの牛が三倍に売れると何とか議員がこの間言っていたから、おれは投票したんだなんて言っていましたよ。日本という国はあることは知っていますが、あとは牛が売れる話だけしかしなかったな。だから、それに似たような話が各地に私はあることは事実だろうと思います。
○木本平八郎君 そういうふうなこともわきまえて、やはり余り理詰めでこういう、何もあるじゃないかとか、おまえのところもこうだとか、それからやはり基本的には外交なんかはレシプロカルというか、互恵平等というか、向こうがやってくれたらこっちがやるということできているわけですね。ところが、私はそれではちょっといかぬのじゃないか、少し日本のギブ・アンド・テイクのギブの方を多くしないといけないのじゃないか。ここ数十年間かかるかどうか知りませんけれども。そこまで卑屈になるかどうかは別にして、やはりそういう感情が基本にあるということを思って対処しなければいかぬのじゃないかと考えるわけですね。 そこで、この貿易摩擦の問題について、どういうふうに対処したらいいかということを私なりに考えるんですけれどもね。これはやはり総合的にアメリカの負担を減らす。彼らが今財政的にも行き詰まっているし、それで非常にいろいろな問題を抱えているわけですね。そうしますと、アメリカの総合的な負担を減らすということで貿易摩擦の、貿易インバランスもそうだと思うのですね、彼らにとっては非常に負担になっているから、これをとりあえず減らしてくれと言っているわけですけれども。そういう点で、例えば防衛問題、シーレーンの問題とか防衛分担の問題ですね、今の内閣、非常にそういうこと熱心なようですけれども、私はGNPの一%を突破するなんてとんでもないという考えなんですけれども。しかし、それはそれとして、日本が非常に敗戦でふらふらしていたときは、やっぱり核の傘の下にいて、親鳥がひなを抱えるようにして日本を守ってやろうということで、アメリカもずっと努力してくれたと思うのですね。ところが、日本がもう小錦みたいになってきたら、とてもじゃないが母親の手に負えない。手前のことぐらい手前でやれ、もう少し自分で分担しろということになってくるのは当然だと思うのですね。したがって私はそういうふうに解釈しているわけですね。 例えばODAの問題でも、これはどんどんLLDCなんか、悪くなっている国があるわけです。これをどんどん援助しなければいかぬ。そうでないと共産化されるというふうな恐怖があるわけです。ところがアメリカとしては限度があると。その辺は日本で少し肩がわりしろとか、そういうことがあると思う。 例えばLDCの債務超過、累積債務があって、もうパンクしそうだと。それを、これは後から申し上げるんですけれども、こういうようなものもアメリカとしては日本が肩がわりして救済してもらいたいと。口で言っているかどうかは知りませんけれども、そういうふうなあらゆる——先ほどSDIの問題がけさほど出ていましたけれども、私もSDIは余り好きじゃないんですけれども、しかし、ああいう共同部な技術開発も、日米のそういう技術開発、基盤技術だとかそういったものもやっぱりどんどん共同して日本が積極的に協力していくという態度。第二パナマ運河の建設なんかもそうだと思うんですけれども、そういうふうな総合的にアメリカと協力して、アメリカの負担を軽くしてやるという態度、そういう姿勢を日本が示していかないと、対等でギブ・アンド・テークだというふうな考え方だと、この問題というのは尾を引くのじゃないかと思うんですがね。その辺、いかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも私は同じような基本的には考え方です。 確かに、一時OPEC諸国が世界じゅうの富を数国で独占する。五百億ドルも一年にお金がたまったといって大変な騒ぎになったんですね。ところが日本が一年間で四百億ドルたまっちゃったら、こんなことが続いたらやはり世界じゅうの富を独占するんじゃないかということで騒ぎになっても、私は無理からぬことであると。したがって、やはり貿易のインバランスはなくさなきゃならぬし、仮に黒字の部分が多ければ、応分の放出をして、世界平和のために貢献をしなきゃならぬと。 ところが、経済協力といっても、協力する国は低開発、発展途上国で、字も読めない人がいっぱいおったり、法律があってなきがごとしのところがあったり、なかなかこれはまた、むだ遣いみたく使われるというふうな話になることが往々にしてある。したがって、よっぽどそこらのところは本当に注意をしてやらなければならぬなという気がするんですね、現実問題として、非常に。近代国家を応援するわけじゃありませんから。ですから、そこらのところは本当に痛しかゆしみたいなところも私はあろうかと存じますが、大勢としては、やはり経済協力は広げていかなきゃならぬ、そう思っております。
○木本平八郎君 経済協力のあり方については、私も少し意見がありまして、それでマルコスはけしからぬと思いますけれども、しかし、ああいったのが大体世界の常識だと思うんですね、私見ていまして。いや、日本が清教徒過ぎるというか、余りにも潔癖すぎると思うんですよ。日本人というのは。したがって、これは、あれはあれでいろいろありますけれども、余りこっちが潔癖性を出しますと、かえって世界の仲間外れになっちゃう可能性だってあるわけですね、余り正義ぶったことばかり言っていると。その辺はやはり、程度の差というのはあると思うんですね。今、私仲間外れになるということを言ったのは、例えば私マージャン余りやりませんけれども、マージャンやっていて一人ではかりぼかぼかぼかぼか一人勝ちすると、もうマージャンの仲間に入れてもらえないんですね。そういうふうな、なぜ入れてくれないかといえば、マージャンの場合は、おまえ勝ち過ぎるからだと言いますけれども、ほかの理由をつけて仲間外れされるというふうなことがあるんじゃないかと思うんですね。ちょっと余談になりました。 それで、次の問題は、私はそういうふうに経済援助をふやさなきゃいかぬと、肩がわりしなきゃいかぬといっても、今現在皆さん御存じのように、日本の政府も財政的に行き詰まっちゃっているわけですね。百三十兆、百四十兆になる国債残高を償還のめどもつかずに、六十五年の赤字国債脱却というのもめどが立たないという状況に追い込まれているわけですね。ところが、私はやはり、それは片方やらにゃいかぬ。政府としては金がないんですけれども、民間というか、国富としては相当あるわけですね。私はやっぱりひとつこれをうまく利用して、これは一つの大きな信用だと思うんですよ、国の、政府としてね。信用があるんですから、政府が一応その信用を担保にして保証して、そして民間から金を出して経済協力でも何でもやらしていくというふうなことがやっぱりもう考えなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。ただ単にとりあえずの、ポケットに金がないからということじゃなくて、借りる信用は十分にあると思うんですよ。そういう信用を利用してやっていくというふうなことが、これからは私必要なんじゃないかというふうに思うんですけれども、赤羽さんいかがですかね、そういううまいこといく方法というのは。これは大蔵省に聞くなにがあるかもしれませんけれども、ちょっとエコノミストとしてお聞きしたいんですがね。
○政府委員(赤羽隆夫君) 大変難しい話でございまして、どうも私からお答えするような話ではないような気がいたします。まあいずれにいたしましても、経済の問題というのは限られた資源をできるだけ効率的に使う、こういうことでありまして、そういう方向で国際的にもそういう面で考えなければいけないのではないかと思います。
○木本平八郎君 それで、ちょっと時間がなくなりましたので、最後に一つだけお聞きしたいんですけれども、要するにこれから貿易摩擦の解消の一つの方向として、内需拡大とか、日本の中の景気を刺激していかなきゃいかぬということがあるわけですね。ところが、これはもう再三申し上げていますように、今の円高でこれはもう必ずデフレ傾向になってくる、経済理論的にいけば必ずそう来るわけですね。その場合、今現在、土地だとか株がもう異常高になっている。これはそれの場面だけだと言えるかもしれませんけれども、何か聞くと、ゴルフの会員権なんかも暴騰しているというふうなことで、全然違う、逆行している方向があると。先ほど関先生が言われましたように、輸入品なんかもそうそう下がっていないと。そこで、このままいきますと、日本がいわゆるスタグフレーションになる可能性があるんじゃないかと思うんですね。そのなぜスタグフレーションかといいますと、インフレーションになる可能性はないとかあるとか、いろいろ議論はあるでしょうけれども、それよりもむしろ、円高になっても物価が下がらないというメカニズムに問題があると思うんですね。このメカニズムを早く究明して、なぜ下がらないのかと。先ほど答弁で、いやそれはもう自然にほうっておいても大丈夫だということを物価局長おっしゃいましたけれどもね。そんなことでは済まないんじゃないか。私は、もう例えば許認可を思い切ってやっぱり撤廃しなきゃいかぬ。日本は生産中心の構造で経済が来たものですから、消費中心にはなってないんですね。生産中心のシステムだと、経済は統制されればされるほど供給者に有利になるというのは、これは経済原則ですね。そういうものが、原則が働いちゃっているんじゃないかという気がするんですね。したがって、これはいろいろ業界で反対もあるでしようけれども、思い切って許認可をこの際はさっとやって、もう風通しをよくしてシンプルにして、それですぐ円高がそういう物価が下がってくるような方向に向けなきゃいけないんじゃないかという気が私はするんです。これを最後に平泉長官にちょっとお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(平泉渉君) だんだんのお話を承っておりまして、大変経済の常識に満ち満ちたお話をたくさん承りまして、大変参考にさしていただきました。ありがとうございました。 今おっしゃるように、先ほども私、関先生にも申し上げたんですが、我が国の経済構造全体が急速に日本を産業化する、経済を強大化するということで、生産者の方をどちらかというと保護する政策がごく最近までとられ続けてきたということは事実でございますから、今後我が国が成熟した豊かな社会としてのノーマルな経済の状況に適合した体制にするように経済企画庁も大いに努力をしてまいる所存でございます。
○委員長(丸谷金保君) 他に御発言もないようですから、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算についての審査はこの程度といたします。 次回の委員会は十四日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十六分散会 —————・—————