決算委員会 第2号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1986/01/22
会議録
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二月二十四日、井上計君が委員を辞任され、その補欠として関嘉彦君が選任されました。 また、去る一月十四日、青木茂君が委員を辞任され、その補欠として木本平八郎君が選任されました。 また、去る一月十七日、林道君及び松尾官平君が委員を辞任され、その補欠として堀江正夫君及び河本嘉久蔵君が選任されました。一また、昨二十一日、橋本敦君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君及び神谷信之助君が選任されました。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます心 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に仲川幸男君及び堀江正夫君を指名いたします。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十八年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に参考人として財団法人日本健康食品協会理事長福井忠孝君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) 昭和五十八年度決算外二件を議題といたします。 本日は、厚生省、環境庁、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。
○委員長(丸谷金保君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 本日の決算委員会は、内閣改造後初めての国会での質疑であります。今井厚生大臣は国会における御経験からも厚生行政には大変知識も豊富でございますし、我々も期待を持ってその手腕を見守っていきたいと思っております。 そこで今、二十一世紀に向けてということがどんな場合にもまくら言葉のようになって出てくるわけですが、この厚生行政の場合も、二十一世紀に向けて高齢化社会あるいは長寿社会という状況を見て、現在のこの財政状況では毎年大変厳しい予算編成を迫られておりまして、それがいろんなところにしわ寄せが起こり、そして本当の意味の二十一世紀に向けての高齢化社会に備えていかなければならないことがほとんどやられていない、逆にそれは後退していくという状況であります。 そこで、大臣のまずそういう点に立って、国民の医療という問題について、長期展望を踏まえてどのような基本的認識を持っておられるか、それを初めにお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) ただいまの御質問でございますが、これからお説のとおり、本格的な高齢化が進むわけでございまして、その中で国民の一人一人が生きがいのある生活を送るためには、まず何よりも健康であることが極めて大事だと思います。したがって、我が国におきましては今後ますます医療の果たすべき役割というものが増大するものと思います。 このような観点から、いつでもどこでも良質な医療が受けられるというような適切な医療供給体制、そういうことをまず確立していかなければならないと思っております。 同時に、医療保険制度につきましては、高齢化に伴いまして増大してまいります医療費、これを適正なものにとどめる努力を払いながらも、給付と負担の両面で、公平でしかも長期的に安定をいたしました制度を確立していくということが極めて大事だと考えております。
○本岡昭次君 それでは、具体的に国立病院あるいは療養所の問題で質問を進めていきます。 国立病院・療養所の大幅再編計画が現在進められようとしております。しかし、これに関して一月七日時点で全国三千三百二十三地方議会中、二千九百十三議会、パーセントで八七・七%もの多数の自治体が国立医療機関の存続や充実を求める決議を行っております。また、昨年の全国知事会、同市長会も、国立病院一療養所の整備に関する要望、地域医療に関する要望などをまとめたり、決議を行ったりしております。知事会のこの要望は、今後とも地域の実情に合った国の医療施設としてその存続と機能強化を図るべきであるとし、市長会は、充実を図るべきであり、整理統合は行うべきでないと、このように言っております。 国立病院あるいは療養所の大幅再編計画でこの整理統合を進めようとしている厚生省に対して、自治体側は今のような形で対応しようとしているんです。厚生大臣として、この事態をどう受けとめ、どのように対応されようとするのか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) 国立病院あるいは療養所の再編成の問題でございますが、これは行政改革の一環といたしまして、これらが国立の医療機関にふさわしい役割を果たすことができますように、その質的な機能の強化を図ることを目的とするものでございまして、やはり私は、この再編成というのは不可欠の問題であると考えております。 しかしながら、この再編成というのは、お説のとおり、大きな問題でございますので、関係の地方公共団体、地元関係者の御理解と御協力を得なければ、とてもこれはできません。したがって、実施に当たりましては具体的な事案に即しまして地元の関係者と十分に御協議をして、御理解を得ながら、円滑な実施を図ってまいりたい、このような基本的な考えを持っております。
○本岡昭次君 当然、今おっしゃったように地元の関係者、特に地域医療に責任を持っている自治体の責任者と十分話し合って、その理解と協力がなければ、こうした国立病院の再編合理化というようなものを強行することは、これはまさにファッショ的な暴挙だと私は思います。今のお言葉をひとつお忘れにならないように、理解と協力を得るための十分な時間を置いて、そして結論を出すということを望んでおきます。要望しておきます。 同時に、関係者に対して理解と協力を得るという事柄については、やはりその地域住民あるいはまた国立病院・療養所において働く人たち、その職員団体、またそこに入院あるいは外来で診療を受けておられる人やまたその団体など、そうした人たちとも十分協議すべきであり、そういう人たちも含めての関係者というふうに考えていかなければならぬと思いますし、その人たちの意思も十分尊重していくということが極めて重大だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(今井勇君) お説のとおり、この再編成を実施しまずに当たりましては、都道府県あるいは地元の市町村などの関係者と具体的な事案につきまして後医療の問題等につきましても十分な協議をいたしまして、地域の医療というものに支障のないようにしてまいりたいと思っております。また、再編成によりまして患者の診療に支障を来さないように配慮することは当然でございます。同時に、その職員に対しましても勤務条件などにつきまして十分配慮しながら推進してまいる必要があると考えております。
○本岡昭次君 けさも新聞を見ますと、この問題に関連した記事が出ています。「首相おひざ元に 団結小屋 群馬・吾妻町」、これは国立療養所の長寿園の問題なんですが、総理のおひざ元の群馬県で、団結小屋をつくって絶対反対だと地域住民がやっている。恐らくこういうことがこれからあちこちに、いろんな形が違っても起こると思います。 だから、今大臣おっしゃったように、地域住民の中にしっかりと定着して根づいた病院なんですから、国立病院といえども、そんな研究機関だとか指導機関だとか教育機関だとかというだけじゃなくて、本当に地元の皆さんにとって、風邪を引いた、けがをした、あるいはまた寝たきりになってしまったとかいう本当に身近な医療と結びついている国立病院であるという認識をどうか忘れないで、具体的な対応をこれからやっていただかなければならぬと思います。 本題に入ります。 先日いろいろ資料をいただいたんですが、六十年二月一日、国立病院・療養所再編成問題等懇談会の国立病院・療養所の再編成等についてという資料、また三月二十八日付で厚生省が出しております再編成・合理化の基本指針、またことし一月の同じく再編成の具体的な中身などを見ていきますと、私たちが地域で国立病院にかかわり、また地域医療という立場で接している感覚というか実態と大変矛盾があります。例えば、こうしたそれぞれの文章の中に、二十一世紀に向け国立病院・療養所の機能の充実強化が求められますというようなところがあるんですが、その中を見ますと、我が国の医療施設は他の公立、私立の医療機関が急速に整備充実された、しかし一方で成人病の急増、諸科学の急速な進歩を背景とする医療内容の高度化など、医療環境が大きく変化している、このような状況の中で、国立病院・療養所は、他の医療機関が担うことが困難な高度先駆的医療などの面で機能の充実強化を行うことが強く求められていますというふうに、一応国立の任務とか機能の面が書いてあるんですが、そして地域医療システムの中で基本的、一般的医療は私的医療機関及び自治体その他にゆだねというふうなことが懇談会の意見の中に載っているんですね。 それで私は大変腹が立つんですが、まるで人ごとのように、公立あるいは私立の病院がいろいろ地域医療に対して整備をされていった、充実されていった、こう言うんですが、それではその間国立、国は一体地域医療に対して何をどのようにやってぎたのかというところが皆目私にはわからないんでありますしそうしたところに対して具体的な反省や責任というものがほとんどない、そして一方では勝手に、地域医療は私たちは知らない、国立はかかわり合いのないことだ、それはひとつ皆さん方でやってくださいというふうにして、そして一方的に私たちは高度先駆的な、あるいは指導的な、教育的なというところへ逃げ込んでしまう、こういうやり方というのは国民がとても納得できるものじゃないんですね。そういう意味で、今までの医療全体に対して国立は国立としての一定の責任を持たなければならぬし、現在の医療の状況を見てそれなりの反省が必要であると思うんですが、そうした点について大臣の方からひとつ聞かしていただきたい。
○国務大臣(今井勇君) 我が国の医療機関でございますが、マクロ的に見てまいりますと量的な面ではほぼ達成されつつあるというふうに思います。しかし、疾病構造の変化だとか、医学医術の進歩によりまして医療内容というものが非常に高度化、しかも多様化しているように思うわけであります。 このような情勢の変化を踏まえまして、国立病院一療養所というものは今後広域な施設として国立医療機関にふさわしい指導的な役割を果たしていかなきゃならぬと考えます。このためには、やっぱり国立病院・療養所の機能あるいは要員の現状及び国家財政の状況等も踏まえまして考えますと、その果たすべき役割を具体的に明らかにした上で再編成を実施することが避けて通れない道であると考えております。 この再編成計画の実施に当たりましては、先ほど申し上げましたように都道府県あるいは地元の方々と十分協議しながら、地元の医療に支障が生じないように配慮してまいることは当然なことだと考えております。
○本岡昭次君 現状が不十分だから再編成をして、今おっしゃった高度化とか先駆的とか指導的だとかというふうな中身に対応していきたいということなんですが、それにしましても現在の国立病院・療養所の持っている医療スタッフ等の不足、これは本当に驚くべきものがあります。 私も兵庫県の国立病院をずっと回ってきたんですが、それぞれの医療スタッフの皆さん、責任者が、本当に他の病院と比較してお寒いような状態の中での医療スタッフで必死になって現在の医療を保っていると、国立病院がとても先駆的などか、指導的な、研究的な、高度化というふうな事柄を言えたものじゃないと、背こうおっしゃっているんですね。 公立病院の入院患者百人当たりの職員数という資料をいただきましたけれども、大学病院はそれなりに対応ができておりますが、国立病院、国立療養所になりますと、これはもう自治体病院あるいは日赤、済生会等々の公的な病院と比較しましても、医師、看護婦、医療技術者、その他の職員、これは圧倒的に人数が少ないのであります。 こういう問題について、具体的に今まで医療体制を強化するということを何もやらないで、そして統廃合して一定の枠の中で医師とか看護婦、医療技術者、その他の職員を、表現は悪いかしれないけれども、一カ所にあちらこちらからかき集めて、そしてどこか一カ所を充実強化するというふうなやり方というのはどうしても納得できないんです。現在あるところをそれではそれぞれどのように充実させるかというふうな視点がほとんどない。こういう点、大臣どのように思われますか。ここで一々百人当たりの職員数というのを言うと時間がかかりますから言いませんが、大臣もいかに劣悪な状態の中に国立病院なり国立療養所があるかということはもう篤と御承知だと思うんですね。こういうものをどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(今井勇君) 今回の再編成計画でございますが、国立病院だとかあるいは療養所というのは、主として広域を対象とする高度専門的な医療を担当するなど、国立医療機関としてふさわしい指導的な役割を果たしていくことと考えているわけでございます。したがいまして、国立病院一療養所はその機能が全国民にできるだけ均等に利用されるように公平に配置されるべきものであると考えますので、単に地域の医療にとって必要だからというそういう見地だけからその位置づけを論ずるのは私は適当ではないんじゃないかと考えております。しかしながら、国立病院・療養所といえども、他の公私の医療機関と連携すべきことは当然のことでありまして、各都道府県の地域医療計画におきます国立病院・療養所の位置づけにつきましては、厚生省と関係の都道府県が十分に協議する必要があろう、こういうふうには考えております。
○本岡昭次君 今の答弁にははなはだ不満なんで、もっとそこのところを議論したいんですが、それはまた別の機会に譲ることにしまして、具体的な問題にそれでは入っていきます。 私の住んでいます兵庫県も篠山、姫路、明石、同岩屋分院、加古川、神戸と五つの国立病院と一分院、それから兵庫中央、青野原の二国立療養所と八つの国立の医療機関がございます。私もこの質問に先立ってその明石病院、加古川病院、兵庫中央療養所の三カ所を視察してきました。院長にもあるいは医療スタッフにもそれぞれ会ってきましたし、病室も視察もし、医療施設も見てきました。この八つの国立医療機関のうち五つが統廃合、移譲の対象になっているのであります。統合は、明石と神戸を一つにして神戸に移す。それから地方自治体などへの移譲は、篠山、明石岩屋分院、加古川の三施設ということになっています。もちろん、これは兵庫県の方でも県議会あるいは関係市町村が強い反対の意向を示しており、県あるいは十七市五十七町の計七十五議会が国立存置と充実に関する決議を採択しておりますし、関連病院の職員、患者も反対し、医師会の幹部もこうした進め方について強い批判を持っていると、こう言われているんですが、そこで伺いますが、こうした地域計画を具体的に決定した、例えば兵庫県の八つの国立医療機関のうち五つを統廃合、移譲の対象にするというふうなことを決定したのは一体だれで、どこでどのような手続によってこういうふうに具体的な病院が決められていったのか、その手続とかいったようなものがどういうふうに進められたのか伺っておきたいと思います。
○説明員(木戸脩君) それではお答えを申し上げます。 国立病院・療養所再編成に関します今回の具体的な計画でございますが、これは昨年の三月の、厚生省が決めて閣議に報告をいたしました基本指針に基づくものでございます。具体的には各施設の診療機能、それから経営効率、立地条件あるいは近隣の医療機関の状況などを総合的に勘案をいたしまして、統廃合が適当と認めるものは統廃合と、地域のためにどうしても医療機関として必要であるというものは経営主体を変えて経営移譲という対象施設を選定をいたしたわけでございます。具体的に、この計画につきましては厚生省が全責任を持ちまして、兵庫県の副知事あるいは衛生部長さん等に、現在兵庫県におきます国立病院・療養所が具体的にどういう役割を果たしているか、それから医療法に基づく地域医療計画というものができてくるわけでございますが、今後どのような県として機能を期待しているか。それから、これはまあ結論としては兵庫県は反対でございまするが、仮に統廃合あるいは経営移譲した場合にどのような具体的な支障があるか、どのような措置が必要であるか等につきまして副知事あるいは県の衛生部長から情報を得、あるいは御意見を交換して、このようないわゆるリストアップになったわけでございます。
○本岡昭次君 よくわかりました。なるほど兵庫県の方も副知事とか衛生部長がかかわって、県としては反対しているけれども、仮にというふうなことをつけながら相談されたということですから、またそれはそれで具体的に対応をしていきます。 それで、まず神戸病院と明石病院の件ですが、統合により明石が廃止されることになるという案になっています。ところが、この明石病院は、これは神戸の西部地域、東播磨、淡路島の北部と人口六十万を診療圏として、県立成人病センターあるいは明石市民病院などと公的病院としての機能分担を地域的に行っている地域の中核病院であるんですね。それと同時に、国の方もいろいろ力を入れて、循環器の分野ではトップクラスの水準でありまして、私も具体的にその施設を見せていただきました。少ない定員でよくやっておられるなというふうに感想を持ったんでありますが、なぜここが統合により廃止されるのか、なぜ存続、充実を図るという方向にいかないのかということが理解をできないんです。明石市の方も、自治体の方でやってくれと言われても、明石市で市民病院を二つ持つ力はない。それに、県や市が一生懸命努力して地域医療を向上させたら、それをいいことに、この地域は自治体やらいろいろのことで頑張っているから国立がなくてもいいだろうということで国立を引き揚げていくのなら、それでは一体、その努力したという事柄との関係でまことにおかしなことが起こる、理屈に合わないではないかという強い不満を持っております。それじゃ患者さんも、私は見舞いをしながらいろいろ話を聞いたんですが、この病院がなくなれば大変だという大変な心配を皆なさっております。 それで、統合して、明石の今まで病院へ行っておられる方に神戸の国立病院へ行けと言えば、一体どのくらいの時間がかかるのか。これもう大変な時間を要するのでありますし、赤字か黒字かという問題を見ても、この明石病院は現在黒字ということで、どうしても納得ができないんです。厚生省として、なぜここの存続、充実を図るということができなかったのかということと、それでは廃止をするという考えの中に、廃止するというのは、その病院自身をなくしてしまうのか、その地域に。あるいはまた、その病院そのものを別の経営主体に移譲して、その地域の医療機関としてそれを残すという考えなのか。こうした点をひとつ聞かしていただきたい。
○説明員(木戸脩君) 明石病院につきましては、今本岡先生御指摘のように、循環器の医学的リハビリテーションもやっておりますし、明石の市立病院と並びまして、市民あるいは隣接の神戸市の西区でございますとか垂水区でございますとか、そういうところの住民の非常に重要な医療機関だという点は私ども理解をしているわけでございます。しかし、この点については御議論のあるところでございますが、私どもといたしましては、数少ない限られた予算と定員の中でこれから国立が生きていくというためには、やはり国立の守備範囲を明確にしなきゃならないということで、先ほど大臣からお答えしたように、他の医療機関が行う高度、専門的な医療と、こういうことになっているわけでございまして、そういう観点から見ますと、明石病院というのは病床規模が二百十床ということでございまして、極めて小さい。それから、将来的にそれでは限られたものとして残して、将来これを広域の高度専門医療をやるものに充実をできるかという点を考えますと、実は近隣にはかなり市民病院あるいは県立成人病センターというような医療機関があるわけでございまして、単独でこれ以上の機能の強化を図るというのは非常に難しい。 それから、神戸病院との統合ということでございます。神戸病院はこれから兵庫県の中で、神戸の市民病院等と連携をいたしまして高度医療を担っていくということでございますが、先生も先ほど御指摘のように、大変要員が不足をしているわけでございますので、この際明石病院と神戸病院を統合いたしまして、それで国立医療機関としての使命を果たしていく病院をつくりたいと、こういう考え方でいるわけでございます。 それから、その後はどうするのかというお話でございます。実は明石の市長さんも、去年の暮れとことしの初めに出てきまして、絶対人口はふえているし、医療需要は上がる、そういうことでございまして、だから何とか残してもらえないのか、こういうお話でございました。私の方は移譲ということでリストを挙げませんでしたが、現実にやはり国立明石病院が果たしていた機能というものは非常に住民にとって重要なものでございますので、私どもとしては、いわゆる後の医療ということで、医療機関は必要ではないかという判断をしているわけでございまして、この点につきましては、明石市あるいは兵庫県と今後よく相談をいたしまして、そういうものを考えながらこの実際の再編の実施時期というものを考えてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○本岡昭次君 私もこれから県とか明石市と話もさらに詰めてみたいと思うんですが、今答弁の中にあったように、その明石病院の規模では国立としての機能あるいは先駆的な高度的な医療をやるということについて不十分な状態だ、神戸と一つに合わせて、神戸を充実させてというその考え方が地元でも納得できないし、私どもも納得できないわけです。一定の定数の枠を決めておいて、そしてどこかに集中させて充実させる、こういう厚生省の考えは結局、臨調行革の立場ですからそれ以上出ないわけで、しかし一般の住民なり我々の考え方というのは、その地域に現在もやっている循環器の高度医療というものを、その地域としてさらに機械も入れ、人も配置して充実させるという方法をなぜとれないのか。総定員数という枠に縛られてしまってという考え方にみんなが納得できない。こう言って、そこのところは大きく食い違うところでありますけれども、しかしこの点は、今のあなたの説明では我々も納得できないし、これから大いに明石病院のあり方について論議をさせていただきたいと思います。 それから、今、国立の守備範囲ということをおっしゃいましたけれども、例えばその隣の加古川病院なんですね。これは移譲の対象になっておりますが、昭和五十五年に新しく療養所から病院に転換をして、そしてがんとか関節リューマチ、ぜんそくを中心とする免疫治療センターという目標で発足して、診療圏も西日本、近畿をカバーするものになっている、現に私も行って見てきたのでありますが。そこでこの療養所を病院に転換するときに、そこには県立の加古川病院がある、市立の加古川病院があるということもあって、それではどうしようかということで、国立の、あるいは県立の、市立の機能、任務、それぞれ分担し合って、その上で国立のこの病院をというふうに十分話し合いが行われたと聞いているんですね。にもかかわらず、今になって国立の守備範囲というものを持ち出されて、新しく病院に転換をするために十八億八千八百万円というお金をここに投資をして、そして五年がかりで内容も充実させ、免疫治療センターとしての内容も充実させ、多くの人々から大きな期待を寄せられるようになった、その五年間の苦労、努力、そうしたものが全く一顧だもされずに、今おっしゃったように、国立の守備範囲というようなことで移譲にかかっていくというようなことは、どう考えても朝令暮改もいいところで、それこそ地域の医療の問題というようなことは何も考えない。ただ、機能分担であるとか高度医療とかという言葉だけを並べた上での合理化案だというふうに考えざるを得ないので、極めて私は不満なんです。一体この加古川の状況はそれではどういうふうに認識されておるんですか、
○説明員(木戸脩君) 今、本岡先生御指摘のように、加古川病院は五十五年四月に病院転換を図ったわけでございまして、そこで地元の方々との対話も踏まえながら、加古川病院はリューマチとか免疫の疾患の専門機能を付与した病院にしていこうということでスタートしたのは事実でございます。しかしながら、基本的になりますと、最後は地域医療か高度医療かということになるわけでございますが、私どもとしましては、今回の再編成の考え方というのは、従来どちらかといいますと、あります施設全部を前提にいたしまして、そこに何らか国立としてほかの医療機関にないような機能を付与していくということで、今まで努力をしてきたわけでございまして、その中に加古川病院も入っていたわけでございます。 しかしながら、先ほど本岡先生からもおしかりがありましたように、非常に私どもは努力をしておりますが、病院といえどもやはり行政機関ということで定員の枠に縛られておりまして、このところの定員というのは非常に厳しいわけでございます。現在、大体五万三千人の定員がございますが、毎年の増員というものは、極めて三十人ですとか七十人ですとか、そういうような増員しかないというような状態になっているわけでございます。 このような状況の中で、私どもは臨調答申というものを契機にいたしまして、限られた定員、限られた予算の中では、やはり国立は守備範囲を明らかにして、暫定的、経過的な措置は講じながらも、全国的に見て公平にサービスがいくようにということを考えますと、やはり他の医療機関にない高度、専門というところに特化をしていかざるを得ないということでございます。そういう点では重大な政策転換があったわけでございます。 それから、現在持っておりますリューマチの専門医療をどうするか、これについては非常に県も重要な、県内では実はここをそういうものの核にしようと思っていたのにどうしてくれるんだという話は強くございます。新しい加古川病院の移譲先にその機能を付与するか、あるいは近隣に姫路病院あるいは青野原の療養所というものがございますので、その方へ持っていくか、この点につきましてはこれからさらに県、地元と詰めていかなければならない問題だというふうに考えております。
○本岡昭次君 五年前と今日とで重大な政策転換があった、政策の変更があった、それは国のレベルはよろしいけれども、しかし地元は営々として五年間の努力を積み重ねて、やっと国立加古川病院という信頼も得、近畿、西日本全体からそこの高度医療というものを頼って人が来るという状況に五年がかりでしたんですよ。途端に政策変更だといってそれを切っていくということは、それは紙の上の話とは言いませんけれども、厚生省では納得できても、地元では納得できない。ましてや自治体にとっては大変な問題なんですね。だから、そこのところをここで議論する時間がありませんから、この問題も私は厚生省のやり方は間違っていると思います。 そこで、自治省に伺いますけれども、結局、今問題になっている加古川病院、あるいはまた、先ほど言った明石病院また篠山病院、淡路の明石病院岩屋分院、こうしたところが皆移譲の対象になってくるわけなんですが、結局、自治体として、まず移譲ということについて対応する力があるのかないのかということであります。 私なりに兵庫県の自治体病院を調べてみました。それぞれの五十八年度の決算書をとりまして、いろいろな計算でやってみたんですが、兵庫県も県立が十一病院、神戸が三病院、市町立が二十八病院、計四十二の自治体病院があるんですが、結局このうち黒字はわずか郡部の三病院だけ、あとは御多分に漏れず皆赤字であります。そして五十八年度を見ますと、県立ては四十七億の赤字、神戸は三病院で三十五億、市町の公立も三十四億の赤字、合計しますと百十六億の赤字を全体として抱え、それを自治体が一般財源からカバーしているという状況にあるのであります。加古川の県立は三億七千万円からの赤字、市民病院も千六百十九万円の赤字、それぞれ赤字を抱えながらも必死になって地方の医療というものを支えているわけですね。国立だけが今のような勝手にそこから抜け出ていって、そして安全な状態に身を守るんだということは私は許されないと思います。それで兵庫県では、そうした国立の移譲を受ける状態にない、こう思いますが、全国的に一体自治体病院の経営状態はそれではどうなっているのか。それに関連して、昨年次官通達というものが出されておりますけれども、自治省として、国立病院・療養所の自治体移譲ということについてはどういうお考えを持っておられるのか、自治省の方から聞いておきたいと思います。
○説明員(石田淳君) まず第一点の、自治体病院の経営状況はどういう状態にあるのかという御質問でございますが、一番これは最近の統計でございますが、昭和五十九年度決算統計でございますが、患者数の増加は若干あったものの、昭和五十九年三月における診療報酬の引き上げが、同時に行われました薬価基準の引き下げによりまして、実質的にマイナス改定であったということが原因となりまして、経常損益は対前年度に比較しまして六・四%増の四百十億円の赤字となっております。全国の病院全部の赤字額が四百十億円の赤字になっておるわけでございます。 それで、経常損失を生じた病院事業の数を見てみますと、全体の五二・七%に当たります三百八十三事業で赤字が生じておりまして、この事業の数は、前年度に比べて十四事業増加しているわけでございます。また累積欠損金、これは毎年度の、単年度の収支が累積した赤字でございますが、累積欠損金を有する事業は四百八十五事業でございまして、その額は三千九百二十九億円となっております。 このように、自治体病院の経営状況は、全体としまして非常に厳しい経営状況にあると考えております。 次に、今問題になっております国立病院・療養所再編成問題について、特に地方自治体への経営移譲につきまして自治省の見解でございますが、自治省の見解といたしましては、昨年の六月六日付の、これは事務次官通達で述べておるわけでございますが、国立病院・療養所の再編合理化問題につきましては、「各地方団体は、病院を取り巻く厳しい経営環境、地方財政の現状等にかんがみ、経営移譲の問題については慎重に対処すること。」というふうにその次官通達の中で触れておるわけでございます。 この趣旨は、今申しましたように、地方自治体病院の経営状況が、最近の決算におきましても半数を超える事業が赤字経営となっておる。そして、先ほど申しましたように、約四百億円前後の赤字が毎年生じておるという状況、及び病院会計と密接に関連いたします一般会計も、御承知のように厳しい事情にあるということにかんがみまして、経営移譲の問題につきましては、地方自治体として引き受けた場合の将来の採算性とか、それから一般会計の負担等につきまして十分検討し、地方団体としても慎重に対処する必要があるということで、こういう通達を出しておるわけでございます。 以上でございます。
○本岡昭次君 時間がもうありませんから、最後に厚生大臣に一つ質問をして、この点について終わりたいと思うんです。 もう長々と申し上げませんが、要するに国の医療機関の問題なんだからこれは厚生省が決めるんだと、厚生省の政策転換なんだと、それは行政改革なんだということで、やっぱり一方的にやるんじゃなくて、自治体あるいはまた国の病院、あるいは国でも大学病院などありますが、そうした横の連帯、横の連携というふうなものをもっと十分にとって、医療供給体制全体と、それから医療のあり方をどうするかという総合的なものとして検討し直さなければ、行政改革で人数が、お金がということだけで医療の問題を縦でぶった切られると僕は大変なことになると思うんです。さきに医療法も改正されましたね。そこで地域医療計画というものを策定されることにもなっておるわけで、これとの関連等を十分考慮して、やはり大臣、もっと時間をかけてやるんだということで、直ちにことしから、あるいは十年計画で三年か五年ごとに見直しとか、いろいろあるようでありますけれども、やはり私は今回のこのショック的な統廃合計画プラン、これは一たん撤回して、もう一度そうした地域医療計画を全体として策定する中で、国立の病院がどうあるべきかという問題を十分論議して、自治体も地域住民もやっぱり国民的な合意を得てやるべき筋合いのものだと思うんですが、その点について一言、大臣の見解を伺って終わります。
○国務大臣(今井勇君) 確かにこの問題は極めて大きな問題であり、全国民的な立場の問題ではありますが、しかしながらやはり国として大きな行財政改革の一環として進めてまいりたいと思います。したがいまして、やっぱり皆さんとの間のコンセンサスというものはやっぱり十分得ながらやっていかなければならないと思っております。 したがいまして、今後とも、先ほど申し上げましたが、再編成の実施につきましては都道府県、市町村等の地元関係者とも十分協議しながら、地元の医療に支障が生じないように十分配慮しながらやっぱり進めてまいりたい、基本的にはそんな考えを持っております。
○本岡昭次君 余りすっきりした答弁じゃないんですが、事が重大ですから、いきなり大臣に答弁を求めるのも困難かと思います。しかし、私の述べたことは十分御理解いただいたと思いますので、これからこの中身の問題について十分慎重にひとつ協議をして、拙速をもってファッショ的なやり方で断行することのないよう強くひとつ要望しておきます。 それで、国民健康保険の財政状態を伺おうと思ったんですが、ちょっと時間がなくなってしまいましたので、また別の機会にさせていただきたいと思います。これ申しわけございません。 最後に一問、これは大臣にお伺いしたいんですが、精神薄弱児あるいは精神薄弱者の問題なんでありますが、精神薄弱児を育てる親、またこれが大人になった場合に、それを介護する親は本当に大変な苦労があるんです。特に学校を卒業する段階で親は皆何とか公的な施設に入れたいという願いがあり、また地域の人々も希望する者が全員入所できるような、そういう施設がつくられないものかといった強い願望を持っているんですね。ところが、現実はなかなかそういうことにならない。兵庫県でも絶えず満杯で、例えば六十年度、こうした精薄の子供が高等学校を卒業したその八十人を例にとってみると、たった十人しか入所できなかったと。残りの七十人の子供たちの親が大変な状態に置かれておるんであります。 ある親から私は手紙を受け取ったんですが、こういう文章を書いております。 卒業して行く所がないと在宅ということになり ます。子供にとって気分の発散する所がなく、 情緒不安定はつのる一方で、外に出れば少しで も何かがわかってくるが、知恵づきの方も悪く なるばかりまた、親も情緒不安定がひどくな った体格の大きな子の世話のために、生活もま ともに出来ないといった状況も出てきます。子 供により状況はまちまちで苦労の度合いにちが いはありますが、いずれにしろこういった親と 子の生活上の苦痛というものはそれはそれは大 変です。こう書いてあるわけですが、私もそのとおりだと思うんです。 それで、公的な授産施設、作業所、こうしたものをどのようにして増設し、充実さしていくのかという問題と、民間施設の問題につきましてもいろんな民間の善意によってつくられていきます。また、小さな作業所というふうなものもつくられていきます。しかし、民間の善意によってつくられる施設、作業所が人数が少ないとか、あるいは建物の規模が狭い、小さいとか面積が不足しているとか、あるいは基本資産、これが不足しているとかといったいろんな基準によって、それが福祉法人の認可を受けられないという状況で本当に厳しい対応を迫られているのであります。 それで私は大臣にお願いしたいのでありますけれども、民間の善意でやっていこうとする作業所なり施設というものについて、手かせ足かせになっている基準の問題をもう少し運用というものの妙味を生かして、そして、だれが何のためにどのように施設をつくろうとしているのかという中身の問題で、私は法人格の取得というふうな問題をもっと積極的に進めて、公的なものと私的なものとあわせてこうした精神薄弱児あるいは精神薄弱者がやっぱり人間として生きていく場所を与えてやっていただきたい、こういうことを強く思うんですが、厚生大臣としてこの問題についてのひとつお考えをお聞かせいただいて、また、具体的に私は厚生省と、それぞれの個別の問題はまた別個詰めさせていただきたい、こう思っているんです。
○国務大臣(今井勇君) 社会福祉の施設につきましては、対象者の適切な処遇あるいは施設の安定的な運営及びそのための職員の配置や労働条件の確保といった面での要請にこたえる必要があろうと思います。したがって、どうしても一定の規模と申しましょうか、定員というものが必要でありまして、これを緩和することは非常に困難だと思いますけれども、せっかくの先生の御提案でございますから、十分またこれは検討をさせていただきたいと思いますが、今のところ直ちにわかりましたということにはなかなかなりがたいというのが実情であることだけは御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○本岡昭次君 いや、そうじゃなくて、基準の緩和だけじゃなくて、公的なものを重視してそうした子供たちにやっぱり福祉の光というものをもっと当てるようにしてやるという、大臣答弁でも大臣答弁らしいものをもらわぬと、今のようなことではどうしようもないですよ。
○国務大臣(今井勇君) 大変失礼いたしました。 私もこの問題については大変な関心を持っておりますので、特に精薄児のあるいは者の福祉施設の対策というものは極めて重要だと考えております。したがいまして、今後とも施設整備を始めまして各般の施設を推進してまいるということにつきましては、お説のとおり私も自分の力を尽くしてまいりたいと考えております。
○菅野久光君 初めに、今回の第三次中曽根内閣の改造で新たに厚生大臣に就任されました今井大臣、本当におめでとうございますとまず申し上げたいと思いますが、それにしましても大変な課題を抱えている、そういう中でのお仕事ですから本当に御苦労さまですが、しっかり頑張っていただきたいというふうに思います。 大臣はいずれ衆参両院の社会労働委員会で所信を表明されることになるというふうに思いますが、本委員会には初めて出席されることになったので、簡単に最初に抱負なり当面大きな課題となっている厚生行政をどのように取り組んで国民の期待にこたえるのか、述べていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(今井勇君) 私は昭和五十四年に厚生の政務次官を務めてまいりまして以来、厚生行政には大変強い関心を持ってきておりますが、今回の厚生大臣の就任を機に心新たに社会保障の問題につきまして取り組んでまいりたいと思っております。 まず、いろいろのお年寄りの問題だとか、特に寝たきりのお年寄りの問題だとか心身障害者の問題といった恵まれない環境にある方々に対しましては、私も心の通うぬくもりのある行政を進めてまいりたいということを申し上げたわけであります。 さらにまた、これから高齢化社会を目前に控えておりますので、国民生活の基盤になります社会保障につきましては、国民が心から信頼できるようなものになるように、制度の整備あるいは改革に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 当面の懸案であります老人保健法の改正というものにも全力を傾注する所存でございますので、よろしくお願いをいたしたい、そのような気持ちでございます。
○菅野久光君 今、大臣が申されましたけれども、これは大臣就任後の記者会見でも、厚生行政は国民生活に密着しているため、責任の重さを痛感している。本格的な高齢化社会を迎えようとしているだけに、高齢化社会対策については公平で安定した社会福祉行政を進めたい。寝たきりの人らがより温かい気持ちで暮らしていけるぬくもりのある社会を目指したい。こういう趣旨の抱負を述べておられます。この所信表明はかなり抽象的であって、国民には何かわかるようなわからないような、そういうところがあるのではないか、よく理解できないのではないかというふうに思いますので、若干具体的にお尋ねしたいと思いますが、まず大臣が描いているぬくもりのある社会とは具体的にどのような社会を指しているのか。また、その社会を実現させるための具体策はどのようなことを考えておられるのか。そのことと、公平で安定した社会福祉対策、これとどのようにかかわりがあるのか、国民にわかりやすくひとつお答えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(今井勇君) 私のイメージでございますからあれでございますが、私が考えていますのは二つ一般的にあろうかと思います。 まず、寝たきりのお年寄りや心身障害者あるいは難病患者などのような恵まれない環境にある方方に対して、行政を初めとして社会全体として行き届いた配慮がなされるような社会、こういうものが一つイメージにあるわけであります。 また、一般的にも国民一人一人が長い人生を通じまして心を通い合わせて、そして生きがいと安心を持って生活できるような社会というようなことを実は私は頭の中に考えているわけでございます。 このようなぬくもりのある社会を実現してまいりますには、まず行財政面での配慮はもちろんでございますが、国民の相互連帯という意味で、例えばボランティア活動というふうな民間の福祉活動の振興というものも、極めて重要なものだと私は考えております。
○菅野久光君 私は、本格的な高齢化社会を迎えるに当たって、老後の課題は健康、それから経済、それから家族と生きがい、健康、経済、家族と生きがい、この三つに焦点が絞られるのではないかというふうに思いますが、こういう大きな課題が、自助努力も必要でありますけれども、政策として支えてこそぬくもりのある社会というものが実現されるのではないかというふうに思うんです。私はこのように思っているのですが、このことについては大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) まさにお説のとおりであろうと思っております。
○菅野久光君 大臣はまた本年一月七日の日経新聞の「新経済政策を聞く」という記事の中で、「厚相として一番手がけたいことは?」という問いに対して、まず老人保健法を改正し、予算との関連もあるので、早期成立を願っていると答えておられます。先ほどもそのことについてはお答えいただきました。つまり、このことは老人に負担増を求めておるわけですね。外来は一カ月四百円を千円にする。入院は一日三百円を五百円に引き上げることだ。したがって、これまで入院の場合一カ月九千円だったのが一万五千円と一・七倍近くの引き上げになるわけであります。さらに、現行では二カ月間を限度に一日三百円の負担だったのが、本年六月から限度期間を設けずに一日五百円を負担させようとしています。また、一年間入院する老人の場合、現行だと一万八千三百円で済むのが来年六月以降は十八万二千五百円と十倍の負担増になる。しかも病気になったとき必要なのは医療費だけではなくて差額のベッド料、付添費、世話料、おむつ代などさまざまの名目による保険外の負担がかかるわけであります。これによって老人の診療抑制はますます大きくなって、保険財政の面からは医療費の削減になるかもしれませんが、老人の健康がますます損なわれるようになることは必至であると思います。これでも大臣の言われるようなぬくもりのある社会と言えるのかどうか、その辺についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) これから高齢化社会が参りますのでやはりどうしても長期的に安定した社会保障制度というものをつくることが極めて大事だと思います。したがって、安心して身を預けられるということがぬくもりのある制度ではないかと思うわけでございまして、そのためにいろいろ政府も今回の老人保健法の問題については改正の御提案をいたすということでございまして、確かに今の外来や入院の一部負担の増がございますが、これは私どももいろいろ考えました結果、ぜひひとつこの程度のものは皆さんの御理解と御協力を得てお願いをいたしたいものだというふうに考えているものでございます。
○菅野久光君 この程度のことは何とか理解と協力をということでありますが、十倍もの引き上げですね。十倍といっても金額が小さければいいんですけれども、先ほど申し上げたような金額ということになれば、ある意味で言えば限度を超えているのではないかというふうにさえ思われます。特に老人医療費は五十八年の二月に発足した現行の老人保健制度によって、それまで無料だった七十歳以上の医療費に一部自己負担を導入しました。その後、二年しかたっていないのに今度は大幅な負担増ですね。これで本当にいわゆるぬくもりのある社会の老人の経済にこたえることになるのかどうかということは極めて私は疑問だというふうに思います。 六十年度予算における老齢福祉年金は一カ月二万六千五百円、今度は六十一年度予算案では二万七千二百円とその差わずかに七百円、率にしてわずかに二・六%のアップにしかならないわけであります。軽費老人ホームに入所している老人は収入が年間二百二十万円以下の者でなければ入れないわけですね。この老人たちの大きな収入源は老齢福祉年金なんです。これらの老人たちが病気で入院する場合、一カ月三十万円の医療費が必要だと言われております。とにかく老人ホームに入るには三十万円の金をためるようにと言われております。しかし、実際はお金を払ってそれが戻るまでに大体三カ月ぐらいかかるんですね。ですから、老人ホームに入るときには百万円の金を用意しなさいと言われているのが実態なんです。私もこのことを実際現場に行って聞いてまいりました。したがって、これらの老人たちにとって六月から実施予定の医療費の大幅な負担増は、もう大変痛くこたえることは必至だというふうに思うんです。 この点について、ぬくもりのある社会をモットーとする大臣はどのようにお考えなのか、ひとつお考えを伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) 繰り返しになろうかと思いますが、この一部負担の問題は健康に対します自覚と適正な受診という観点からお願いをいたしておるものでございまして、しかしながら、増大します老人の医療費を考えますと、世代間の公平という観点も極めて重要なものであろうと思います。このため下被用者保険の本人やあるいはまた在宅療養者とのバランスも考えまして、無理のない範囲でお願いをいたしたいと、こういうふうに考えるものでございます。
○菅野久光君 無理のない範囲と言っても、このことだけ論議していると時間がなくなりますからあれですが、相当無理のある範囲ではないかというふうに私は思わざるを得ないんです。 次の方に入りますが、厚生大臣はさきの日経記者とのインタビューで、増岡前厚生大臣が社会保障特別勘定や福祉目的税でもつくらなければもはや厚生予算は組めないと言い残したことについて、「全くその通りだと思う。いまのままでいいとは思わない。どのような方法が一番いいのか、腰を据えて詰めていかなければならない。」と答えておられます。この点は今後の社会保障のあり方や制度の根幹にも触れることですので、改めてひとつ補足して御答弁をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(今井勇君) この問題は、年々増大いたします年金とか医療というもの、これはどうしても人は皆年をとってくるわけでございますから増大するというその傾向はもう今後とめるわけにいかない、だんだんそういうふうになっていかざるを得ないと、こう思うわけであります。ところが、現在の予算の組み方なり要求の仕方というのは、そういった面に必ずしも対応できるかといいますとなかなかしにくい面もあろうと思うわけであります。したがって、前大臣が言われましたような考え方というりは、これから私どもがとるべき一つの考え方であるというふうに私も実は考えております。そのことを率直に実は申し上げたわけでございまして、これにつきましては今後ともいろいろな検討を経ながら実現に向かって努力をいたしたいというのが現在の気持ちでございます。
○菅野久光君 じゃここで答えられたそういう方向に向かってこれから検討を進めて、ぜひ実現に向けて努力をしたいと、このように受けとめておきたいというふうに思います。 次に、厚生大臣に老人福祉行政に対する厚生省としての姿勢、いわゆるそれに携わる役人の方々の姿勢についてお尋ねをしたいというふうに思います。 大臣は大臣就任からまだ一カ月も経過していないわけでありますが、これまでに厚生省の役人の方から今後の老人福祉行政の対応なり姿勢についていわゆる御進講といいますか、そういったようなものがあったのか、あったとするならそのポイントをひとつ説明していただきたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) いろいろレクチャーと申しましょうか、そういうことをしてくれておりますことは事実でございます。 老人福祉行政でポイントを言えということですが、私は大きく言えば三つあろうと思います。一つは、老人福祉対策の充実というのはこれは国民的な課題でありまして、特に要介護老人の対策というのは大きな問題であるというのが第一点であろうと思います。それから第二点は、在宅福祉を重点的に推進をする。家庭で介護できない老人につきましては施設福祉により対応すると同時に、中間施設というものの制度化を図りたい。それから第三点は、やっぱりお年寄りの社会参加を促進いたしたいというのが私の基本的な考え方でございます。
○菅野久光君 そうですね、今大臣がお答えになりましたが、老人福祉の問題はいよいよ本格的な高齢化社会を迎えてまさにこれは国民的な課題であるというふうに私も思います。先ほどからお話しのありましたぬくもりのある社会を実現するためにいわば国民全体が、とりわけ行政や関係者などみんなが力を合わせてこれは取り組まなければならない問題だというふうに私は思うんです。そこで大臣、直接行政の衝に当たる担当者としてどのような心構えと申しましょうか姿勢が必要だというふうに思われるか、まずその見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) やはりお年寄りの立場に立って、何をやってもらえればお年寄りが御満足なさるのかという、立場を変えて考えることが極めて基本ではないかと私は思っております。
○菅野久光君 私はやっぱり大変大事なことだというふうに思うんですが、そこが基本だということを押さえてさらにお尋ねをしたいと思いますが、厚生省の老人福祉の担当者が、現場で一生懸命に努力されている施設関係者や老人あるいはボランティアの方々を侮べつするような言辞を弄したり、大臣の考えておられる方向と違う言動をする。多くの方々に不愉快な思いをさせて、また一般的にもそういう人がそういう立場にいるというのは不適当ではないかというふうに思われるようなことがあった場合、人事権を持っておられる大臣としてはどのように対処されますか。
○国務大臣(今井勇君) 今のようなお説が出ますことを大変残念に思います。私はそういう職員がいることをまことに残念に思うわけでございまして、よく調べましてその事実に対応した処し方をいたしたいと思います。
○菅野久光君 今、大臣がおっしゃられたことは本当だというふうに思います。私も極めて残念だというふうに思うんです。 私はそれで具体的な問題について申し上げて大臣の所見を伺いたいわけでありますが、厚生省社会局の老人福祉課長は、まだ老人福祉課長になって一年そこそこのようでありますけれども、あちこちに行って老人福祉関係者に講演をされております。あるいは行政説明ということでいろいろされている。例えば昨年の六月二十八日には青森県で東北ブロックですか、さらに十月三十一日には群馬県で、また十一月十二日には東京のあるホテルでというぐあいにあちこちで講演をされている。あるいは行政説明という名でのお話をされている。私はその講演記録を全部読んだのでありますけれども、そこで読んだ感想を一言で言えば、非常に不快感を味わった。これが本当に福祉を担当する担当者であろうか、このような方が本当に老人福祉の大変大事なかなめの地位にいることはいかがなものかという疑問がわいてきたのであります。福祉課長という特定の役職を私は言うと非常に残念なんですけれども、今老人福祉の問題が極めて大事な問題にかかっているだけに私は見過ごすことができない、そういうことで申し上げるわけです。 まず東京での講演では、福祉従事者に対していろんな講演をされているんですが、これは月刊「福祉施設士」一九八五年の十二月号でありますが、日本福祉施設士会発行のものですが、その中で「参加者からの感想 説得力に欠けた内容に失望」ということで寄稿されているその中で、「措置費制度があなた方の目を曇らせた」とか、「奥の院に座っていて縁側の役割もできないようではしょうがない」と、このような暴言を吐いているわけであります。確かに全国に二千八百もある老人福祉施設の中には問題があるところもあります。でも仮にも厚生省の役人として、また一人の人間として公の場でこのような暴言を吐くことは、私はその人の教養を疑いたいと思うんです。これは「措置費制度があなた方の目を曇らせた」というのは、後から具体的に言われていることを申し上げますけれども、また群馬県での行政説明という名での講演では、これはのっけから老人福祉施設の不正事件について訓辞的な話から始まっている。老人を食い物にした姓田商事事件の例を引用しながら老人福祉施設について言及して、次のように述べております。 「社会福祉、特に老人福祉施設というのは餌がそこにたくさんあるわけですから、それを承知の相当に努力をしてくいものにした訳です。」、ここのところは何を言っているのかわからぬですが、「やり方によっては狼の前にたくさんそういうのがいる訳ですから。くいものにしやすいわけです。であればこそ、いやしくも不正に類するようなことはあってはならぬ。」、これは当たり前のことですが、「これは福祉人以前の問題として厳正に対処しなくてはならないと思っています。どうかそういったことを施設同士の倫理としてぜひ確立願いたい。」と言って、「狼にいつでもなり得るということを頭に置いてもらいたいと思います。」というふうに訓示を垂れております。 そこで大臣にお尋ねしますが、今引用した中で、施設にはえさがいっぱいある、いつでもオオカミになれる。これはまさに施設関係者を性悪説的なとらえ方ではないか。一生懸命まじめにやっている方々がこんな話を聞いて一体どんな思いをされているのか。それは私が先ほど言ったように、全くないとは言わない。しかし、それならば厚生省は一体どうなのか。説教する厚生省が今までに汚職その他で何も問題がなかったか。あったでしょう。新聞にずっと幾らも出ていますね。もっと同じ言うんでも物の言い方というのがあるんじゃないか、私はそういうふうに思うんです。 まず、この点について大臣の所見をお聞きしたいと思います。
○政府委員(小島弘仲君) 今、職員の件につきまして……
○菅野久光君 時間がありませんから、私は大臣の所見をお聞きしたいんですから。
○国務大臣(今井勇君) 私も実は初めて今のお話を承りまして、ショックでございます。どういういきさつでどうなったのかつまびらかでございませんから、よく実情を調べまして、私なりのまた考え方を決めたいと思っております。
○菅野久光君 これは、今言ったのは施設関係者に対して言っているんですね。 今度は老人に対してはどんなことを言っているか。本当に私は驚くばかりでありますけれども、参考までにひとつお聞きいただきたいというふうに思います。全部読むとちょっと時間がありませんので言っておきますが、動物というのは非常に親は子をかわいがるものだということを言っています。これは当然のことですね。そこで、そういう親が子供をはぐくむということの姿は非常にすばらしいものとして私どもは受けとめている。「ただ、ある意味で、はっと思ったんですけれども、よく考えてみますと、これはみんな親が子をかわいがっている姿でございまして、子供が親をかわいがっているというか、恋しんでいるというか、大事にしている姿というのは、動物では見たことがないです。」。それからちょっとありますが、「人間も動物であるわけでございますけれども、なぜ人間だけが不世代が観世代を支えるという仕組みを持っておるのであろうかと、動物との比較で思うわけです。ゾウにしろキリンにしろパンダにしろ、子供が親を扶養しているという例というのは、私も見たことがないんです。いろんな人類学者だとか動物学者に聞いてみたんですけれども、皆さんそんな例はないと言うわけですね。 なぜなんでしょうか。親子ということであれば一緒のはずじゃなかろうかなと思うんですけれども、万物の霊長といわれます人間だけが、子供の世代が親の世代、あるいは子供が親を扶養しているという姿になるわけでございます。 この話をしていると一時間もたつわけですけれども、私、非常に悩みました。一方では、老人福祉課長として、子供の世代が親の世代を大事にしましょうという話をしなきゃならぬわけです。」、「しなきゃならぬわけです。」と言っている。「なぜ人間だけがそんなにお年寄りを大事にするようなことをするんじゃろうか。なぜだろうかと考えましたけれども、よくわかりません。」。 私は、この課長は非常に頭がいいと思うんですが、その後ちょっと、そう言っていながら、何というんですか、別なことを言っているわけです。 「結論は、私はわからないままにこうしました。逆に言うと、それが人間の姿なんじゃないか、動物と人間の違いというのは、そこにあるんじゃないか、それが人間の社会の進歩の源泉だったのではないか、基盤だったのではないかと思うことにいたしました。どうもそれしかないんじゃないかと思うわけです。 だんだん言葉が乱暴になりますが、お年寄りなんというのは、動きものろいし物を作ったり生産したりするのは、だんだん落ちていく。それだけを考えますと、単なる経済感覚といいましょうか、そういうことだけで荷物として抱え込んで養っていくなんというのは、本来むだがあるわけです。」さらに「本能的な姿で言いますと、子供が親を大事にするなんていうのは昔からなかったんです。私はそう思うんです。現に動物で親を大事にしている動物はいないわけです。人類だって、人間だって一人一人の人間としての本能といいましょうか、そういう意味で考えますと、面倒くさい、金のかかる親なんというのは、自分で面倒見るとか世代として面倒見るなんというのは、ない方が楽なんです。これは決まり切ったことです。」こう言っているんですね。 で、その後に、またそれを、そう言っておきながら、「それを、ある種の本能だけではなくて、一つの社会的な仕掛けとして、人類が始まって以来、親の世代を大事にする仕掛けというのを今日までつくってきたわけでございます。」こう後から言っているんですけれども、しかし聞いている人は、そう言った前段のことだけがびいんと頭に響くわけですね。心に残るんです。 今私がこの老人に向けて言ったことについて、大臣これちゃんと冊子に載っているわけですから、どのような感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) 私も今お話を聞きまして実は大変な心配をいたすものでございます。よく事情を聞きまして表現に適切を欠いた点があるとするならば、これは強く指導してまいりたいと思います。
○菅野久光君 私は表現に適切を欠いたということだけではないと思うんです。やはりこの人のこの根源的な考え方といいますかね、そこに私はやっぱりこのようなことを言わせているんだというふうに思うんですよ。つまり、この暴言の意図とするところは、施設に入っている老人だけではなくて、もう在宅老人についても国が金をかけるということは枯木に水を注ぐことと同じだという発想が根底にあるから、こういう老人を侮べつした発言ができるのではないか。ただ単に表現に適切を欠いたということではない。特に大臣が考えているぬくもりのある社会の実現を目指すということとは、全く私は違うのではないかというふうに思うんです。 もっとひどいことがありますよ。 これは同じく老人向けの言葉ですけれども、「特養というのは何でしょうか。あるいは皆さん方もうわさで聞かれたかもしれませんけれども、うば捨て山ということをよくいいます。それがある意味で誤解を受けまして——誤解を受けても構わないんですけれども——あいつは福祉事業というものを、うば捨て山だというふうに言っている、けしからん、こうさる方に言われました。でも、うば捨て山らしく表現することは可能なのです。さっき言いましたように、近軽遠重」、近いものは軽く遠いものは重い、これは負担のことを言っているわけですが、「近軽遠重で身近な人ほど軽いんでしょう。ご自分なりこ家族の方は負担が軽い。町村負担はゼロ、市か県の負担はせいぜい二割、あとの大半は国が出す、こういう仕掛けですね。 建物は立派、うっかりすると昼飯なんかメロンまで出るとかという話もありますけれどもね。今ごろはサクランボが常識」と。まるで老人福祉施設、特養でメロンが出たりあるいはサクランボが出たりするということは何かいけないのかと、こういうふうにさえ私は思われます。 かつて老人ホームの老人を侮べつして労働大臣が詰め腹を切らされたこともあるわけですが、今の発言、先ほどから大臣もよく調べるということですが、率直に私は書いてあることを言っているんです。どのように思われますか。
○国務大臣(今井勇君) 確かに私は表現に適切を欠いた点が多々あるように思います。私も厚生大臣として事情をやはりよく聞いてまいりまして、それなりの決意をいたしたいと思います。
○菅野久光君 本当にせっかく大臣が大変な決意を持たれながらやろうとしているのを、現場で実際に担当している者が、私はこういうようなただ単に表現に適切を欠くなんていうことではないようなことでやられるということについては、もう何とも私は言いようのない憤激を覚えるわけであります。 これはもう本当に言っていけば切りはないんですけれども、もう本当に、特に東北ブロックのやつのこの記録の中には、本当に何と言うんでしょうかね、よくもこういうことが言えるなと思うようなことがいっぱい載っているんです。これは福祉施設のことなども載っています。「特に最近は、社会福祉界に対すみ一つの反応の鈍さといいましょうか、鈍さというのはちょっと言葉が過ぎましたが、あまりにも従来の枠組みにとらわれ過ぎているんじゃないか。一方で、税金はただ、措置費は毎年毎月ちゃんちゃん絶対来る。お客は福祉事務所が呼んできてくれる。一方で寝たきり老人、寝たきり老人といっているけれども、本当に寝ているのか、みんなピンピンしているんじゃないか。ハワイ旅行に行ったとは言わないけれども、いろんなところへ旅行に行っている、その中で花笠音頭をやっている。あいつら何だと言われるんです、私は。」と、さらに老人福祉施設についても、「単なる請負業、ホテル業の代役、経営ということで考えるならば、別に私どもは請負業、ホテル業の育成をやっているわけじゃありませんから、つぶれるかどうかは私の責任じゃありません。知りません。つぶれてもいいんじゃないですか、」と、この老人や施設についても悪態をついているわけであります。 そのほかに、福祉の見直しの問題にかかわって、これは財政問題ではないということを言われておりますが、福祉の見直しについて財政問題ではないと、それは一つのきっかけだと、本来的にもっと根源的な社会福祉問題の根本に対する一つのこれからの新しい時代の社会福祉の構造をどう築いていくかという問題だと考えると、こういうふうに言われているわけですが、福祉の見直しということが財政問題ではないというふうに言っていますけれども、本当に財政問題ではないんでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) 前後がよくのみ込めないのでありますが、財政の問題だけでないことは間違いございません。
○菅野久光君 厚生省というところは、これはどういうあれなんでしょうかな。財政の問題についても、「お金の問題で言いますと、私のところで、皆様方の仕事場でございます施設等に対するお金を配っておりますけれども、これは大体二千億円でございます。皆さん方の県なり市なりの負担も入れまして、全体の総計費が、施設費等を含めまして約三千億円でございますが、そのうちの国庫負担でお配りしているのが大体二千億円ぐらい、こういう格好でございます。 二千億円というのはどうだろう。額としては決して小さくはありません。ただ、今、国全体の借金は百四十兆円なのでございます。それからしますと、仮に国の老人福祉国庫負担金を全廃したとしましても、百四十兆円の中の二千億円でございます。こんなもの、財政再建の何の役にも立ちません。」。二千億円が財政再建の何の役にも立たない。こんなものなんですよ、二千億円が。「そういう意味で、財政再建だとかお金という問題で福祉見直しということをするんだったら、こんなむだな話はありません。幾ら二千億円を全廃したって、百四十兆円の財政再建にはどれ位後に立ちますかね。」そして、「だから私の方でやっています老人の補助率みんな見直して、仮に二千億円の国庫負担をゼロにいたしましても、ほとんど役に立たないんです。したがって、福祉見直しというのは財政問題ではないんだということを、ぜひ念頭に置いてもらいたい。」、こう言っております。この表現は適切な表現だというふうにお思いでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) 多分その姿勢は、福祉というのは財政問題だけではないということを言おうとしているんじゃないかと思いますが、よくまた今のお話のことを私も読ませていただきましてひとつ強く指導してまいりたいと思います。
○菅野久光君 もう本当に皆さん方も聞いていて私はあきれてしまうんじゃないかというふうに思うんですよ。先ほどからも言っていますように、これは適切な表現でなかったとかなんとかということでない。恐らく東北ブロックはこれは先にやったものですから講演されたものをそのままテープから起こした。だから私はこういう形になっていると思うんです。 ところが、東京のやつなんかはこんなどぎつい表現ないんです。恐らくほどくときに、これは余りひどいじゃないか、こんなことを読ませたらみんながどう思うだろうかという気持ちが働いたんじゃないかというように思うんですよ。このテープを聞くともっとひどい。これはまあ意訳したんだというふうに思うんですね。テープを聞くともっとひどいんですよ。 私は、よく聞いてこれ善処するとかなんとかと、いうことではなくて、その立場にあることが不適当だ。この人はやっぱりいろんな意味で能力を相当お持ちの方だと思うんです。先ほども話しているように、こう言っていながらすっと抜ける逃げ道をこしらえている。そういう意味では非常に頭のいい人だと思うんですね。別のところで使えばもっと役に立つかもしれないが、少なくともこの立場にいる人ではない、置く人ではない。 本当に私は個人のことを言うということは非常につらいことです。でも、これだけ大きな責任を持っているところにいる人なんです。だから国民も、しかもいろんなところへ行ってこういう話をされたらたまったものじゃないですよ、一生懸命やっている人たちが。そして大臣が幾らいいことを考えていても、実際に、これは国に対する不信感といいますか、お金を持っているから何でもやれる、お前ら言うことを聞かなかったらお金の配分を考えるぞ、これでは昔の悪代官と同じじゃないですか。私は許せないんです。 このことについてもただ単にこれを聞いていろいろ調べた、そして注意をしたということだけでは私は納得できないんですよ。私はこういう講演記録あるいはテープなどに基づいて言っているんですから、もっと具体的に言っていただきたい、大臣の考えを聞かせていただきたい、そう思います。
○国務大臣(今井勇君) 先生のお話を伺いまして、確かに私も適切ではない、そのように思います。しかし、いずれにいたしましても、私も着任いたしまして今厚生行政をお預かりしたばかりでございますので、先生の御意向を十分踏まえまして対処させていただきたいと思います。
○菅野久光君 意向を十分踏まえて対処するということでありますから、本当に今大事なときを迎えているわけですから早急にひとつ対処をしていただきたいということを重ねて私は要望しておきたいというふうに思います。一次に、時間が余りありませんので、手話の問題についてちょっとお伺いをいたしたいというふうに思います。これは既に労働省だとかあるいは郵政省にかかわる決算の中でも私は申し上げたんですが、昭和五十六年に国際障害者年ということになってもう半分を越えるわけですね。そうした中でいろいろ盲人関係の方あるいは車いすなどの関係の方々に対する施設だとか、そういうものについてはかなりいろいろな形でやられておりますが、私はある意味で言えば聾唖者の方々に対する問題が一番何かおくれているのではないかというふうに思うんです。 そこで、手話というのは非常に何が地域色が強いというようなことも言われておるんですが、そういったようなことを含めて東京方式でも全国理解は八〇%だというふうに何か言われているようでありますが、何かそこまでいっているのであれば国による全国統一の手話の普及というものをやるために試験制度といいますか、そういったようなものを考えていくべきではないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) まさにお説のとおりであると思っております。
○菅野久光君 お説のとおりだということだけではちょっと困るんですね。もう先ほども言いましたように国際障害者年も半分を過ぎて、とにかくこの十年間の間にやれることを全部とにかくやって、参加と平等ということでやっていこうとしているわけですね。そういうことでもっと何か具体的なお考えをぜひ聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(小島弘仲君) 御指摘のとおり手話通訳制度と申しますのは、やはり聾唖者の社会活動を十分にしていただくための不可欠の制度でございますし、特に医療機関に行った場合とかあるいは裁判の問題とかでも十分に聾唖者の意思が伝えられるような社会的な保障も考えていかなきゃならぬ、これは御指摘のように今までおくれていたという面は否めないと考えております。したがいまして先生おっしゃったように非常に方言的な分野が多いところもありますし、これも強権的に統一すると難しい問題もございます。五十七年度から研究会を設けて基礎的な研究を進めておりまして、今試験制度を導入をするにはどんなところをさらに詰めなくちゃならぬかという研究を、六十一年度実施したいと考えておりますので、できるだけ早期にこれを制度化してまいりたいと考えております。
○菅野久光君 できるだけ早く制度化したいという御意向のようですから、本当にできるだけ早くやっていただきたいと思うんです。例えば私は札幌でちょっと調べたんですが、もう何といっても手話通訳者の絶対数が足りないんですね。やっぱり制度的あるいは社会的な地位というものがしっかりしていないというところにもあるのではないかというふうに思います。国に制度がないということが、やっぱりいろいろお話を聞きますと一番のネックになっているようでございますから、その点は十分ひとつ踏まえてやっていただきたいというふうに思います。特に聾亜者の方が職安などに行っても、札幌で聞きましたら大体登録されている人は百名程度ぐらいいらっしゃるようですが、労働省通達としては一カ月に六時間ですね、一カ月に六時間。札幌職安は毎木曜日に二時間、それを三回やっているということです。ですからそのときにだけ職安に詰めて聾唖者の方の相談に乗っているんだけれども、まだまだとにかくこれだけじゃどうにもならぬというような状況があるわけですね。 それから他の障害者の方に比べて聾唖者の方は仕事についている人は多い方だというふうに思うんですよ。しかし極めて限られた職種なんですね。冬場は本州へ出稼ぎに行く人が聾唖者の中でもいるんですが、残念ながら言葉が伝わらないために大変な苦労が多いと。ですからそういった意味でも手話通訳者の確保ということ、それが何よりもとにかく待たれるわけなんです。 それで私、先ほど御質問申し上げましたように、やはり早急にこの試験制度的なもの、そういったようなものをきちっとして資格を与えていく、そしてまた、これらの方々に対するそれなりの社会的な地位といいますか、あるいは待遇、こういったようなものを与えていかなければならないというふうに思うわけですが、大体、手話をやられていて試験に合格して免許を持っているという人がどのくらいいるかは厚生省としては把握されておりますか。
○政府委員(小島弘仲君) 一応、日常の会話ができるという程度の手話奉仕員と申しますか、そういう方々が大体、登録済みの方で二万五千名ほどおります。それから、ある程度専門的な用語も駆使できるというような方が現在千二百名、先生御指摘の職安等に委嘱されているという方はこの千二百名の方々の範疇に入る人たちだと思っております。もちろんこのほかに、各職場、役所、福祉関係を中心にいたしましてできるだけ職員に手話を学ばせるという努力も続けております。
○菅野久光君 だんだん障害を持っている方々も一緒に社会生活に参加できる、いわゆるノーマライゼーションというようなことはこれから本当にみんなでやっぱり考えていかなければならない、そういう立場でこの手話の問題が非常におくれていることを私は先ほど申し上げましたが、何とか、手話通訳士だとかなんとか、そういう名前でもきちっとして、そして待遇面、そういったようなものもやはりきちっとして、これら聾唖者の方方に役立つような、そういうものをやっぱり早急に確立をしていただきたいというふうに思うんですが、この点についての大臣のひとつお考えをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) お話の手話通訳者の認定基準など具体的な方策につきましても検討を進めまして、先生のお話のとおり、試験の問題も含めてこの手話通訳制度の整備を早急に図ってまいりたいと思います。
○委員長(丸谷金保君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十三分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十八年度決算外二件を議題とし、厚生省、環境庁、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井道子君 自民党の石井道子でございます。 まず、医薬品の国際化対策についてお伺いをしたいと思います。 昨年より日米貿易摩擦の関係によりまして市場開放対策が大変盛んに進められているわけでございますが、電気通信機器、エレクトロニクス、林産物とともに医薬品や医療機械をめぐるMOSS協議は一月十日の安倍外相とシュルツ国務長官の会談で最終合意が成立をいたしました。今後新しい段階に入るわけでございますけれども、特に輸入超過となっております医薬品や医療用具につきましては、四分野の中で最も速やかに決着して国際協力に成果を上げたものとして私は関係者の皆様方に大いに敬意を表したいと思うわけでございます。また、昨年十一月にはケニアのナイロビにおきましてWHO主催の医薬品の合理的使用に関する専門家会議が開かれまして、医薬品をめぐる国際的動きが活発になってまいりました。そして、日本が国際社会で果たすべき役割も非常に重要なものになってきていると思うわけでございます。幸い我が国におきましては、経済成長の豊かさとともに医学、薬学の進歩やすぐれた医薬品の研究開発によりまして最適な医療に恵まれました。そして、世界一の長寿国となったわけでございますが、医療資源に恵まれない開発途上国におきましては命にかかわる、あすを争う大変切実な問題でございまして、日本がアジアでの唯一の先進国として、近隣アジア諸国は日本に対してその救いの手を求めている状況でございます。そのことを踏まえまして厚生省の医薬品をめぐる国際協力体制はどのようになっているかお伺いをしたいと思います。
○説明員(内藤洌君) 開発途上国では、それぞれ恵まれない医療事情の中で基本的な最小限必要な医薬品の整備あるいはその他薬品にかかわる制度の整備を目下一生懸命努力をしておるところでございます。 医薬品といいますのは保健医療の向上に不可欠なものでございますから、これについての国際協力を行うことはまことに有用であり、大切なことであると考えております。厚生省のサイドでも、近年、医薬品にかかわる援助協力につきまして充実を図りつつあるところでございます。 具体的には、第一点は、各国の製薬のプロジェクトがございますが、これにつきましての協力を行っております。具体的には、ビルマでございますとかラオス、スリランカ等の国におきまして製薬センターを整備をする、それに対する協力を行っておるところでございます。 また、六十年度からはアジア諸国の薬事行政の専門家を日本に招聘をいたしまして、日本で日本の薬事制度あるいは日本の経験といったようなものを紹介をいたしまして、開発途上国でこれから医薬品にかかわる制度を整備をするということに役立てていただこうという事業を始めたところでございまして、今後この事業も毎年実施をしていく考えでございますが、開発途上国と我が国との太いパイプづくりにおいおいなっていくのではないかというふうに思っております。なお、六十一年度からは、これに加えまして麻薬行政につきましても同じようなものを開始することにいたしております。 いずれにいたしましても、今後各国の国情に合った形で適切な協力というものを研究をいたしまして、外務省等の関係機関とも協力をしながら協力を進めていきたいというふうに思っております。
○石井道子君 五十九年度の決算によりますと、保健医療協力のプロジェクトはバングラデシュやビルマを初めといたしまして二十六カ国になっておりまして三十七件に及んでいるようでございます。このうち経済技術協力の枠組みの中で医薬品製造所の建設プロジェクトが数カ所進められているわけでございますが、特に医薬品産業が高度先端産業であり、そのノーハウの蓄積そのものが製薬行為とも言えるものですので、知的所有物の提供に対する評価を適正に行うことが必要ではないかと思うわけでございまして、そのようなソフト面における民間薬剤技術者の活発な参加を促進する必要性が求められていると思うわけでございますが、この面に対する御配慮についてはいかがでございましょうか外務省にお伺いをしたいと思います。
○説明員(太田博君) お答えいたします。 開発途上国に対します保健医療分野での経済協力につきましては、ただいま厚生省の方がら御説明申し上げたとおりでございますけれども、特にその協力の中で、ただいま先生御指摘のとおり、ソフトの面、人の面での協力が重要だということは我々も十分認識いたしておりまして、従来から、例えば無償資金協力で病院等を建設した場合に、必ず医師あるいは看護婦を派遣して、そういう技術協力を連係させた形で相手国に対して協力ができるように努めておるところでございます。
○石井道子君 また、最近、世界各地に大変大規模な災害が発生しております。メキシコ大地震やまたコロンビア災害などの発生に対しまして、我が国も救援物資として医薬品を支援したということを聞いているわけでございますけれども、先日のコロンビア災害においては、業務局の呼びかけによりまして日本の製薬会社が五百万円分の薬品を援助したと聞いているわけでございます。我が国が世界第二の医薬品の生産高を誇っておりますし、またすぐれた医薬品を有していることを踏まえまして、緊急災害に備えまして英語あるいは現地語で表示をいたしました医薬品をあらかじめ備蓄をする対策が必要ではないかと思うわけでございまして、そのような充実対策についてどのように取り組まれますか、お伺いをしたいと思います。
○説明員(太田博君) お答えいたします。 昨年のメキシコ、コロンビアにおける災害のような場合に、我が国は国際協力事業団、JICAを通ずる国際緊急医療チームを派遣する態勢をとっておりまして、その際には派遣されます国際緊急医療チームが医薬品を携行していくわけでございますけれども、このような場合の医薬品につきましては、失活、いわゆる薬としての効き目がなくなるおそれの問題がございますので、実は備蓄という形はとってはおりませんけれども、派遣されます国際緊急医療チームが必要な医薬品を素早く持っていけるように、あらかじめ必要な医薬品のリストを作成して、薬品専門商社との間に、このような必要が生じました際には六時間以内に納品ができるような了解を取りつけまして、備蓄とほぼ同じような効果を上げられるような対策をとっている次第でございます。
○石井道子君 保健医療に関する海外協力につきましてはいろいろとあるわけでございますけれども、昨年度、五十九年度の決算によりますと、我が国の海外経済協力全部を含めまして五千二百八十六億円というふうになりまして、かなり多岐にわたっております。保健医療協力事業につきましては、三十七億というような数字でございますし、厚生省で行っておりますWHOに対します拠出金とか分担金については六十億円というふうなことになっているわけで、かなりの多額に上っているわけでございますけれども、そのような医療施設関係の建物をつくるハード面につきましては、かなりの成果を上げていると思われます。しかし、それを運営して、生かしていくための人的また文化的なソフト面での対策がちょっとまだ弱いのではないか、十分ではないのではないかと思われますので、特に、途上国で不足をしている医療技術者などを派遣することについてはいろいろと御苦労の多いこととは存じますけれども、その対策についてもお伺いをしたいと思うわけでございます。 また、発展途上国よりの留学生とか研修生というものを受け入れる場合の受け入れ態勢の充実につきまして、厚生省、外務省、文部省について、その現在の現状と問題点についてお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○説明員(太田博君) お答えいたします。 ただいまの先生の御質問につきまして、まず外務省から見ました側面についてお答えさせていただきますと、先生ただいま御指摘のとおり、開発途上国からは保健医療の分野での、特に人の面につきましてのソフトな協力についての要請が非常に強いものがございます。こういう要請に応じるために、従来から国内各方面の理解と協力を得て、できる限り医師それから看護婦等の保健医療面での人づくりに協力できるような人を送るように努力してきているところでございます。ただ、一般論といたしましては、なかなかこういうたぐいの専門家の国内のリクルートには困難が伴う場合もございますけれども、これからこの分野における開発途上国の要請はますます強まってくるものというふうに思われますので、国内関係方面の御協力を得ましてでき得る限り開発途上国の要請に日本としてこたえていけるようにしていきたいというふうに考えております。
○説明員(内藤洌君) 保健医療協力につきましては、各国の疾病構造でございますとか医師その他の充足度等の違いがあるわけでございますが、そうしたものに応じてできるだけ適切な形で協力をしていくということが必要であると思いますが、とりわけ医師その他の人の養成につきましては力を注いでいくべき分野であると思います。 現状といたしましては、厚生省関係では開発途上国からの研修員を毎年二百名以上受け入れをしておりますし、また厚生省のそれぞれの専門機関から八十名前後の専門家を派遣をしておるところでございます。具体的な進め方といたしましては、例えば中国の中日友好病院のように、病院の施設と連携をいたしまして、その病院で働きます医師その他の医療従事者の養成を日本国内あるいは北京において行うというような形もやっておるわけでございますし、また結核対策のように日本に集団コースを設けまして各国の結核専門医を日本へ呼びまして研修を行うというようなやり方もやっておるわけでございます。 今後とも、具体的な案件の中身に応じましてきめ細かく専門的な見地からの検討を経た上で、現地のニーズに適切に対応できますよう努力をしてまいりたいと思いますし、またそういう観点から外務省、JICA寺とも密接な連携を保っていきたいと思っております。
○説明員(佐藤國雄君) 文部省関係の医療協力の現状につきましてお答えいたします。 先ほど来、厚生省及び外務省からお答えがございましたけれども、文部省もそういった国際協力事業団を中心とする事業につきまして協力をしてきているわけでございますが、特にこの医療協力の分野におきましては、先生御指摘のように、人材養成というものが極めて重要であるというふうに私どもも考えておりまして、昭和五十九年度には、医療協力関係で国立大学教官等の専門家の派遣を百十一人いたしましたし、また発展途上国からは百二十三人の研修員を国立大学に受け入れたところでございます。 文部省といたしましても、今後とも発展途上国からの研修員の受け入れ、こういったソフト面での協力ということに努めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○石井道子君 次に、きょう初めての出番でございます厚生大臣にお伺いしたいのでございますけれども、一月六日の新聞紙上で厚生大臣の所信を拝見いたしました。その中で、特に国際協力に大変御理解を示されておりますし、医療などの技術移転にスポットを当てられていたわけでございますが、厚生省が行う海外協力についての御所信のほどをお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) お説のとおり、私は政治家を志しましてから、先進国であります我が国のような国が持っております資金力あるいは持っております技術力というものを、これを開発途上国に伝えまして、そういう国々の国民の幸福を願い、またそういう国々のこれからの国づくりに役立たせていただきたいというのが私の実は念願でございます。したがいまして今のお話のように、私は社会保険のあるいは社会医療の面につきましても同じことを実は考えておりまして、我が国のすぐれた医療技術というものをそういう国々に伝えまして、積極的に開発途上国に貢献していくことが極めて必要であろうと思っております。 この問題につきましては、今後とも私のできるだけのことをやってまいりたいというふうに思っておりますので、ぜひひとつお力添えをいただきたいと思います。
○石井道子君 次に、国立病院と療養所の再編成につきまして御質問をしたいと思います。 近年、我が国の医療の進歩は大変目覚ましく、医療のニーズが大変大きく変わっているわけでございますけれども、このたび全国二百三十九カ所の国立病院・療養所を六十一年度より十年間で八十八施設を再編、統合して四十施設というふうに減らしまして、そして行うということが、再編計画が発表されたわけでございます。年間一千億円以上にも上る一般会計からの繰り入れという大変財政事情の厳しい中で、効率的運用のためにも先進高度医療の充実を図るためにも、この十年計画で行うということでございますけれども、その基本的な考え方についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 再編成の基本的な考え方についてのお尋ねでございますが、御承知のように我が国の医療機関はマクロ的に見ますと、量的にはその確保がほぼ達成されたというふうな現状だと認識しております。しかしながら人口構造の高齢化でございますとか、御承知のように疾病構造の変化、あるいは医学、医術の進歩等によりまして、医療の内容というのは高度化すると同時に多様化もしておるわけでございます。このように情勢が変化してまいったわけでございますので、国立病院・療養所につきましても適切かつ効率的な医療供給体制の確立という国民的課題にこたえるためには、私ども国立医療機関が今後国立としてふさわしい役割を果たしていかなけりゃならないというふうに考えたわけでございます。しかしながら御承知のように、国立病院・療養所の機能あるいは要員等の現状、さらに国家財政の状況等を踏まえますと、国立病院・療養所の機能強化を図るためには、その果たすべき役割、機能分担を明らかにした上で統廃合するものは統廃合いたしますし、他の経営主体にゆだねることが適当なものにつきましては経営移譲するという再編成が不可欠だということで前回の発表になったわけでございます。 このような再編成計画は、ただいま申し上げたような大まかな医療機関の中の地域医療に果たします国立医療機関の役割というのを考え直した結果生まれたものでございまして、もちろん行革の一環ではございますけれども、直ちに実行、実現するというものでもございませんので、今後地域医療計画あるいは地元との関係を十分連携をとりながら、十年をめどに実現をしたいということで計画に着手しておるという状況でございます。
○石井道子君 高度専門医療などの政策医療を行うということでございますが、そのことだけではなくて、医師、薬剤師、看護婦等の医療従事者の資質の向上を図るための教育研修を積極的に行うべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(木戸脩君) 国立病院・療養所におきましては、従来から医師に対しては大学卒業後の臨床研修というのを実施しております。それから地域医療研修センターというものを設置をいたしまして、地域の医師、薬剤師など医療従事者の生涯教育の場として開放するように努力をしているところでございます。 今回の再編成で、国立病院は他の医療機関がやらない高度専門医療の道を歩むということでございますが、これからの国立病院の標準的なモデルというものを設定すれば、今みたいな高度医療、それとこれに必要な臨床研究、それから地域の医療従事者の生涯教育とかそういった面の教育研修と、いわばこの三本の柱をもとにしたものを考えていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
○石井道子君 再編成によりまして医療機能の質的向上、強化を図るということでございますが、薬剤部門の充実強化対策も不可欠ではないかと思います。どのように考えていらっしゃるかお伺いしたいのでございますが、近年、薬物療法の進歩に伴いまして薬剤業務というものが大変複雑多岐にわたっておりますし、調剤、製剤、薬品管理などの業務量も大変ふえているわけでございます。医薬品の有効性、安全性を確保するための医薬品情報活動とか、医薬品試験を行うなどの仕事もございますし、現在薬価基準に収載をされております品目が一万三千四百七十一品目でございますし、その医薬品に関する情報というものも大変膨大なものになっていると思うわけでございまして、コンピューター利用によってこの医薬品情報管理センターというものも設置する必要があるのではないかと思うわけでございます。 また中心静脈栄養注射とか、無菌製剤を行う場合の滅菌室とか、薬物血中濃度測定や評価をするための医薬品試験を行う試験研究室とか低温倉庫とか危険医薬品の倉庫とか、さまざまな設備関係も必要になってくるわけでございまして、先ごろ行われました医療法改正におきます修正によって、薬剤師の研修、研究の場を提供するということにもなっておりますので、その受け入れ態勢についても十分に配慮していただきたいと思うわけでございます。その対応策についてお伺いをしたいと思います。
○説明員(木戸脩君) 石井先生今御指摘のように、まさに病院における薬剤業務は日常業務量の増大に加えまして、医薬品の情報管理とか臨床薬学的な業務というものが非常に重要になっておるわけでございます。私ども一言で申し上げれば、先ほど局長が申し上げましたように、これから残る病院というものは真に他の医療機関あるいは地域から信頼されるということでなければならないわけでございますので、薬剤部門につきましても一層機械化を推進する以外に、情報管理あるいは臨床薬学的な業務の拡充の要請に対しまして対処するための充実あるいは組織の充実等も含めまして、前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○石井道子君 再編成を実際に実行する場合に当たりましては、先ほど本岡委員の質問にもございましたように、現場にとっては非常に多くの問題が山積をしているわけでございます。地方自治体とか地域住民の反対もかなり予想されるというふうに思うわけでございますけれども、再編成に取り組む厚生大臣の決意のほどをお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) この国立病院または療養所の再編成の問題というのは、行政改革の一環といたしましてこういったものが国立の医療機関、療養機関にふさわしい指導的な役割を果たせるようにその質的な機能の強化を図ることを目的とするものでありまして、再編成というのはやっぱり避けては通れない道であると考えております。 そこで、この国立病院や療養所の再編成というのはこれは大変大きな問題でありますから、関係の地方公共団体やらあるいは地元関係者という方の御理解と御協力がなければ、とても計画の円滑な遂行というのはできないと考えておりますので、再編成の実施に当たりましては、具体的な事案に即しまして地元の関係者と十分に御協議をして円滑な実施を図ってまいりたい、このように思っております。
○石井道子君 次に、医薬品産業研究開発対策についてお伺いをいたします。 日本が世界一の長寿国となりまして、昭和還暦元年を迎えたわけでございます。天皇陛下の御長寿、御在位六十年記念事業というような形で、その一つとして長寿関連基礎科学研究経費が予算化をされております。官民共同研究のプロジェクトがスタートをしたと聞いているわけでございますが、医薬品の市場開放にも見られますとおり、米国の製薬産業というものが米国政府の大変なバックアップによりまして官民一体となって産業政策を進めているのに対しまして、日本の場合には薬価のたび重なる引き下げによりまして民間企業の体力を弱めており、研究開発の力が大変阻害をされておるわけでございます。今後は、医薬品産業を先端技術を応用した付加価値の高い知識集約型産業として育成し、世界に通用する研究開発振興対策を図るべきではないかと思うのでございますが、国として六十一年度にどのような措置を講じていくお考えか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(小林功典君) ただいまお話ございましたように、医薬品産業というものは省資源、知識集約型の産業でございまして、まさに我が国にふさわしい産業だと思っております。したがいまして、その健全な発展が大いに期待されるわけでございます。特に近年では、バイオテクノロジーを初めとする先端技術の登場によりまして、医薬品の研究開発はいわば新たな展開を示しつつございます。基礎的研究、基盤的技術開発の重要性がますます高まってきておるということであろうと思います。 こうした状況のもとで、国といたしましても、例えば難病治療薬などの、医療上は必要であるけれども使用性に乏しいために民間企業だけではなかなか開発が期待できない、そういう分野の医薬品の研究開発、あるいは生体防御機構の解明、バイオテクノロジーの開発等、医薬品開発に資するいわば基礎的研究、基盤的技術の開発、こういった面も大変重要な分野でございます。非常に公共性の高い分野において積極的な役割を国が果たしていくべきだという認識を持っております。 このような観点から例を申しますと、例えば筋ジストロフィーなどの難病治療薬の開発を助成する新薬開発推進事業というものが実は五十四年度から創設をされておりますけれども、六十一年度予算におきましてはこの事業を引き続き推進するとともに、今お話にありましたように、新たに長寿に関連して生体防御機構の解明とか、あるいはハイテク及び医療材料の開発等の基礎研究を官民共同で進めるための経費を予算に計上しているところでございます。
○石井道子君 次に、老人対策についてお伺いをいたします。 厚生省も老人対策につきましては非常に御熱心に取り組まれておるわけでございますが、長寿化、高齢化の進行に伴いまして、今までの生活観とか社会観というものも切りかえて、そして社会の仕組みを人生八十年にふさわしいものに再構築をしなければならないときになっているのではないかと思います。 老後の生活が明るく生きがいのあるものにするためには、健康とか医療、年金、福祉、あるいは住宅、労働問題、さまざまな多くの要素の問題があるわけでございますが、それぞれを充実し、連携を持たせて推進しなければならないと思うわけでございますので、老人対策というものは非常に大きな重要な課題ではないかと思うわけでございます。 今まで、老人福祉法とか老人保健法などが制定をされまして、そのときどきのニーズに応じていろいろな施策が行われてまいりました。最近は、財政再建のあおりを受けまして社会保障制度の見直しが行われておりますので、厚生省としても多くの行革法案を成立をさせているわけでございますので、その御努力に対しても大さく評価をしたいと思うわけでございますけれども、六十一年度は、先ほども出ましたように、老化のメカニズムを解明する総合研究開発制度がスタートをいたしましたり、また介護老人のための老人保健施設も新しく計画をされております。そのような新しい多様なニードにこたえてきめ細かなサービスが供給されなければならないと考えるわけでございますけれども、保健医療関係施設とそれから福祉関係の施設というものの機能を明確化をいたしまして、その整合性を持たせるために、そのネットワーク化をする必要があるのではないかと思うわけでございます。老人にとってみれば、この医療と福祉の線引きというものはなかなかはっきりとすることは難しいわけでございますから、制度の見直しの中で効率的に効果的に制度を運用するということのためには、やはりいろいろの措置を局の壁を超えて検討する必要があるのではないかと思うわけでございます。財政が厳しい中でございますから、財政的にもまた制度的にも総合的に検討する必要があると思いますので、その辺のお考え方についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) お説のように、今後非常に高齢化が進んでくるわけでありまして、そうしますと、やっぱり医療とか保健とか福祉という各施策をお説のとおり連携を持っていくということ、それからまたお年寄りに対します施策の総合的な推進を図っていくということ、これはますます高まっていくと予想されます。お説のとおりでございます。 したがいまして、今後の高齢者対策を総合的に推進していくためには、関係部局の連携を強化していきたいと考えておりますが、当面、厚生省におきましては、事務次官を長にいたしまして、御案内のように高齢者対策企画推進本部というものをつくって、今、高齢者対策の総合的な取り組みにつきまして鋭意検討を重ねているところでございます。 また、政府全体といたしましても、昨年七月、長寿社会対策閣僚会議というものを設置をいたしまして、この問題に取り組九でおりますことは御案内のようなことでございますので、この線に沿いまして鋭意努力してまいりたいと思っております。
○石井道子君 今大変核家族化が進んでおりまして、同居率というものは昭和六十年で六五%ぐらいでございます。昭和四十二年には千五百五十九万世帯がございましたけれども、五十九年には二千二百六十一万世帯となっておりまして、非常に核家族化が進行しておりますし、その中でひとり暮らしの老人というものが昭和四十二年には九十五万二千人でございました。そして老夫婦だけの二人暮らしというものは五十九年には三百二万一千世帯になっているわけでございまして、約三・一七倍に達しているわけでございます。また、ぼけ老人に対しましても五十万から六十万人ぐらいがいるのではないかというふうな推定でございますけれども、現在さしあたっての老人福祉対策といたしましては、在宅福祉制度の重要性が増してくると思うわけでございまして、その辺のことを伺いたいと思うわけでございますが、効率的に公平にシルバーサービスが受けられるようにするための対策をどのように進められますか、お伺いをいたします。
○政府委員(小島弘仲君) 御承知のとおり、まず要介護老人等については緊要度があるということで、核家族の傾向の増加等に対応いたしまして特別養護老人ホーム等の収容施設の整備に力を入れてまいりました。その結果、総体的にいろいろなメニューはそろっておるんですが、在宅のお年寄りの方々に対する施策に質量ともに不十分な面があったと考えております。お年寄りのお気持ちを伺いましても、できれば自分のうちで、あるいは住みなれた地域でみんな仲間と一緒にという御要望を持たれる方が多いようでございますので、今後施策の一つの重点といたしまして、できるだけその家庭で、あるいはその地域で生活を継続されるということを保障する意味で在宅対策に重点を置いてまいりたい。 そのために、我々デイサービスセンターと申しておりますが、基礎的な生活訓練とか入浴サービス等の受けられる、あるいはそこでいろんな諸活動のできるような拠点を整備する。あるいは家庭で原則として介護なさっているんだけれども、短期間御旅行のためとか、どうしてもお年寄りの面倒を見れないというときに、お年寄りをその期間お預かりできるようなショートステイの施設の整備、さらには家庭の介護能力を補完する意味でのいろんな介護器具の貸与、あるいは家庭奉仕員の派遣というような事業に力を入れまして整備してまいりたいと考えておりまして、六十一年度予算におきましても、デイサービス事業の実施箇所数は現在九十六カ所でございますが、これを二百十カ所にする、あるいはショートステイとしてお預かりできる御老人の人員を二万七千八百四十五人から三万七千三百四十六人に増加する、あるいは家庭奉仕員の数も現在二万一千六百十三人でございますが、これを二万三千五百五十人程度に増加していこうというような施策の拡充に力を入れてまいるとともに、デイサービスやショートステイにつきましては現在三分の一補助ということでございますが、これは収容施設の補助並みに二分の一に六十一年度から引き上げたいと。在宅と施設収容のバランスを保ちながら老人の福祉施策が全体として円滑に推進できるような方策を講じたいと考えておるところでございます。
○石井道子君 次に、生活保護費の支給についてお伺いをしたいのでございますが、五十九年度の決算の会計検査院の指摘事項の中に、生活保護事業において不適切な事態があるということが示されているわけでございます。これは生活保護を支給する基準になかなかそぐわない形で、かなりの資産がある方が生活保護を受けているというような事実がありましたり、また生活保護費を受けているときに土地を購入したりとか、そのような事実があるようでございます。一億円の資産を持っている方に支給されたものが十五件ありまして、五千万円以上の資産を持っている方に支給されたものが九十五件あるというふうに聞いているわけでございまして、それに関する費用というものが約八億円以上にもなるというようなそんな数字を拝見したわけでございまして、その指摘事項の中には、被保護者の資産の活用に関する規定を明確にして、生活保護事業の実施の適正を図ることというふうに示されているわけでございます。生活保護費も、五十八年度が一兆一千百六十六億円の国庫補助でございますし、また五十九年には一兆一千六百六十八億円の国庫負担があるわけでございます。昨年もそのような補助金のカットの問題が予算編成の中で非常に問題にされました。そのような中でございますから、本当に生活に困っている弱者に対してはこれは手厚く十分に手当てをすべきではございますけれども、その支給が公正でなくてそして適正でないということになりますと、非常にこれは国民感情としてうまくないのではないか、そんなふうに思うわけでございます。 このような指摘事項を踏まえまして制度を合理化し、適正実施に努めるべきではないかと思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。これはやはり現場の作業をしております市町村の担当者の問題にもなるわけでございますので、その辺をどのように指導なさるおつもりでございましょうか、お伺いをいたします。
○政府委員(小島弘仲君) 御指摘のとおり生活保護というのは社会保障制度の基幹をなすような非常に重要な制度でございますが、そうであればこそやはり国民の信頼を得るようなその適切な運営により一層心がけなければならぬと我々も自戒しております。 残念なことに御指摘のように会計検査院の検査の結果、不動産の取り扱いについて不適切と見られる点があるのではなかろうかと。その中には大きく分けますと二種類ありまして、一つは使ってない不動産を持っていながら生活保護を受けているというケースが一つございました。これは、言いわけではございませんが、現に生活に活用していない不動産については、まずそれを生活の具として活用しなさいという指導は従来から徹底しております。ただこれは残念ながら、住居を転々とした方でございまして、なかなかそこまで追及の手が及ばなかったという問題でございますが、これはさらに調査の精度を高めるための努力をしてまいりたい。 もう一つは、自分のうちとしてお持ちになっているうちが、一億円程度のものもあるんじゃないかというような御指摘も受けておりました。これにつきましては、生活保護の原則と申しますのは、まず自分の資産とか能力、あらゆるものを活用して、それで足りないときに生活保護が出動するというのが基本原則でございます。したがって、財産保留等については厳しい対処をしなくちゃならぬと考えておりますが、同時に生活保護はその生活保護受給者の自立を促進するという目的もございます。したがって従来から、自分のうちでもそれを生産の場に利用しているようなところについては一応保留を認めるとか、あるいは余り資産価値がない、また生活保護からすぐ脱却できるような見通しがあるというようなときには、保有を認めるような取り扱いもしてまいりました。それがだんだん一つの例が拡大してまいりますと、そういうことになったかと思いますので、我我も大変不動産価格、都市部では高くなってまいっております。したがいまして、この問題についてはもう一回考え直して姿勢をちゃんとすべきだということで、昨年の一月からこのような問題に対して学識経験者にお集まり願いまして、検討会を設けて検討しているところでございますが、近くその御報告も出ると期待しております。我々はそれらを参考としながら、やはり生活保護は不公平だというようなことがないような対処をしてまいりたい。やはり財産問題については原則として厳しい態度で対処するということをしていかなければならぬ、こう考えております。
○石井道子君 次に、婦人対策についてお伺いをいたします。 先日政府は、国連婦人の十年のために設置した婦人問題企画推進本部を、今年以降も存続することを決定されまして、メンバーは全省庁の事務次官へ拡大をされたと伺っております。向こう十年間の国内の女性の地位向上に関する施策を推進することになったわけでございますが、我が国でも男女平等のための施策が実行されまして、各分野で活躍する女性が大変ふえてきたわけでございますが、男性の御理解と協力が少々足りない部分もあるかとも思いますけれども、国内法の整備も進み着実に実績が積み重ねられてまいっていると思うわけでございます。特に男女雇用機会均等法の成立が昨年行われまして、条件整備がさらに進んだと言えるわけでございます。 厚生省が行っております婦人対策は健康、医療、福祉対策などと非常に多方面に及んでいるわけでございます。その中で母性保護における分娩手当の改善と同時に保育対策というものが、女性が働く場合、自立する場合に非常に必要な大きな重要な要素になるわけでございますので、なお一層充実されるべきものではないかと思うわけでございます。出生率が低下をいたしまして保育所の運営も数より質の時代に入ったと考えられます。延長保育とか乳児保育などの新しいニーズに沿った保育所の運営について、保育対策の充実についてどのように取り組まれますかお伺いをしたいと思います。
○政府委員(坂本龍彦君) ただいま御指摘ございましたように、近年婦人の職場進出が大変ふえておるわけでございます。そのほかにもいろいろと婦人の就労という形態が従来とは異なって多種多様ということになってまいっております。これらに対応をいたしますためには、保育対策というものもまたそれに応じた新しい形というものも必要になってくるわけでございます。従来からそういう問題に対処するために延長保育あるいは乳児保育というものを実施してきておるわけでございますが、六十一年度におきましては先ごろ編成いたしました政府原案の中でも、延長保育につきましては保育時間を午後七時ごろから八時ごろまでに延長をするような措置をとることといたしておりますし、また乳児保育につきましても、現在いわゆるD5階層ということで大体年収が四百十万円ぐらいの階層までを補助対象にしておりますけれども、これをさらにD6階層ということで、年収が四百五十万円程度の階層までを補助対象にするというような措置も盛り込むことにいたしておるわけでございます。その他いろいろと保育需要が多様化してまいりますので、それに対応して今後ともこういった施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
○石井道子君 次に、調剤報酬についてお伺いをいたします。 昨年暮れの中医協の合意によりまして厚生省、大蔵省の折衝で四月一日より平均二・三%アップの診療報酬改定が決まりました。薬価基準が五%の引き下げというふうな数字が出たわけでございますが、経済統計指標によりますと、公的の一般病院の医業収入比率というものが甲表、乙泰平均で一・八五%の赤字でございますし、ベースアップの四・八%分を控除されたものではないかと思うわけでございますが、医療機関の経営の健全化のための技術料重視の診療報酬体系の確立が求められていると思うわけでございます。 特に、病院薬剤師の技術料の適正な評価対策につきまして、昨年九月の決算委員会におきましても質問をさせていただいたわけでございますけれども、先ほどの国立病院の再編成のときにも申し上げましたように複雑、多様化する、高度化している調剤業務でありながら適正な評価を受けておりませんので、ぜひその辺を御配慮していただきたいと思うわけでございます。 特に、甚たしいのは甲表の入院調剤料はゼロでございますし、乙表の入院調剤料はわずか一日十円にすぎないのでございます。また、医薬分業の進展に伴いまして医薬品の適正な使用と医薬品情報や薬歴管理など、医療の質をより高めるために努力しているわけでございますので、いろいろとそのような仕事が評価されるように検討すべきではないかと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(幸田正孝君) 社会保険の診療報酬につきましては、診療報酬の合理化と医業経営の安定に資するという観点から、本年の四月に改定を行うこととしていることは今御指摘のとおりであります。 改定の具体的な作業につきましては、現在中央社会保険医療協議会で審議をしていただいているわけでありますが、一月中旬の中医協におきましては支払い側、診療側それぞれから具体的な意見の表明がございました。薬剤師代表の委員からもいろいろな御意見をいただいているところであります。 御指摘の病院における薬剤師の技術料につきましては、薬歴管理その他お話のようないろいろな問題がございますので、中医協の審議を踏まえまして今後具体的に詰めていくことになるわけでありますが、いずれにせよ病院薬剤師の技術料につきましては適正に評価をする方向で検討をしてまいりたいと考えております。
○石井道子君 次に、医薬分業の推進によりまして調剤薬局というものが大変増加をしているわけでございます。そして、医療機関より処方せんを受ける調剤薬局のあり方につきましては構造的にまた機能的に経済的に独立していなければならないというわけでございますけれども、医療機関の収益が優先されるような第二薬局的な存在というものは否定されなければならないと思うわけでございます。五十七年の五月、業務局長、保険局長の通達によりまして第二薬局は規制されております。 そして調査によりますと、五十五年に千七施設ございましたものが、五十九年には九百二十七カ所ということになっているようでございます。今三年ごとに保険薬局の更新を行っているわけでございますが、それに関連をいたしまして、その指導の改善方、その状況をお伺いをしたいと思うわけでございます。
○政府委員(小林功典君) 先生も十分御承知のように、医薬分業の趣旨は、医師と薬剤師がお互いの専門性を生かして国民医療の質の向上を図るというところにあると思うんであります。したがいまして、処方せんを受け入れる調剤薬局は、今お話ございましたように構造的にも機能的にも、さらに経済的にも医療機関から独立していることが必要であるというのが我々の基本的な考え方でございます。 そういうことから、いわゆる第二薬局というものはその薬局の独立性に疑問があるものでありまして、医薬分業の本来の趣旨を損なうおそれがあるという点が一点、それから保険のサイドから見ますと、保険薬局のあり方という点からも問題があるというふうに考えておりまして、そこで五十七年の連名通達を出したわけでございます。 そこで、この第二薬局の扱いにつきましては、第二薬局と考えられるようなケースにつきましては薬局の許可または保険薬局の指定、あるいはそれらの更新の際に必要な改善等の指導を行っているところでございます。 数字は先ほど先生お述べになったとおりでございます。六十年度——ちょっと集計が終わっていませんのでもうしばらくかかりますが、傾向としては減りぎみ、減少ぎみということでございます。
○石井道子君 特に大学病院関係の第二薬局というものの取り扱いが非常に難しいというふうに聞いているわけでございますが、その改善状況について文部省にお伺いをしたいと思います。
○説明員(佐藤國雄君) 国立大学の医学部の附属病院には、先生御指摘のとおり病院財団というものが置かれておりまして、患者に対する各種のサービスを提供しているわけでございますが、その一環といたしまして調剤薬局を持っているものが二十一財団ございます。それで五十七年の先ほどの厚生省の通達当時には二十二薬局ございまして、その後一薬局が廃止になっておりますが、その当時、構造上適格性に欠けるというのが二十一カ所あったわけでございます。 その改善状況でございますが、昨年の十二月末の状況では適格性のあるものが十五カ所、適格性に欠けるものが六カ所でございます。この残りの六カ所につきましてはそれぞれ移設の予定とか、あるいは地方公共団体と協議中であるというようなことでございますので、文部省といたしましても指導をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○石井道子君 次に、薬価基準の問題についてお伺いをいたします。 昨年九月にやはり私質問をさせていただいたわけでございますが、いわゆるアリ地獄を招いているという現行の薬価基準算定方式を見直すべきではないかと申し上げたわけでございます。四月より薬価基準の引き下げがまた行われようとしているわけでございますが、政府が価格を決めているものにお米とかたばことか郵便、鉄道運賃、電力等がございますけれども、すべて値上がりをしておりまして、薬価基準のように著しく値下がりをしているものはないわけでございます。医薬品の供給につきましては厳重な品質管理を行い、不採算の医薬品を確保をしたり、また夜間とか僻地を問わず供給をするなど、生命関連物質として、また医療を支える医薬品の安定供給を行うために大変な努力をしていると思うわけでございます。 現行の薬価基準改定方式では大きなひずみを医業界、薬業界に与えているわけでございまして、医薬品の安定供給が非常に危ぶまれているという現状ではないかと思うわけでございます。 また、昨年三月改定後の支払い状況につきましては、七月ごろの時点では五〇%以上の医療機関が納入価格が決定されなかったりまた支払いが遅延をしたり、仮納入の状態が続いていたわけでございますけれども、その後昨年の十二月の時点におきましては国立大学病院、また国立病院、社会保険病院はすべて妥結をいたしましたということでございまして、関係者の皆様方の御努力に対して敬意を表したいと思うわけでございます。しかし、依然として私立大学病院においては四〇%以上が未決定と聞いているわけでございます。まあ大学病院というものは地域医療の中核病院として非常に重要な責任があり、大きな貢献をしているわけでございますし、また教育機関としても重要な役割を果たしているわけでございますので、特に配慮をされなければならないと思いますが、大変使用量が多く大口の需要先であるだけに、薬業界に与える影響というものは大変大きなものがあるわけでございます。その実情について文部省にお伺いをしたいと思うわけでございます。
○説明員(佐藤國雄君) 私立大学の付属病院につきましては、私立医科大学協会からの報告によりますと、各大学それぞれの事情がございまして、先生御指摘のように一部の大学で契約のおくれているところがあるということでございますが、現在納入価格の妥結に向けまして鋭意努力をしている、こういうふうに私どもも聞いておるところでございます。なお、文部省といたしましても先生御指摘の御趣旨につきまして、私立医科大学協会の方に伝えてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○石井道子君 薬価基準の改定は、昭和五十七年九月の中医協の答申で毎年一回行うことが決められてきたわけでございまして、ずっと続いているわけでございますが、いろいろと先ほど申し上げましたような現状を見直して、少なくとも二年に一回くらいの改定にすべきではないかと思うわけでございます。 また、昨年九月の質問におきまして、保険局長が中期的に薬価基準の算定方式を改善するとお答えになったわけでございますが、この問題についていつごろから始められる予定でございますか、お聞かせをいただきたいと思うわけでございます。
○政府委員(幸田正孝君) 現在の薬価基準の考え方は、市場における実勢価格と薬価基準の価格との差をできるだけなくす、言葉をかえて申し上げますと、薬価市場における実勢価格を迅速、適切に薬価基準に反映をさせるという考え方によりましてバルクライン方式で決めているということであります。 ただ、現在の薬価基準の算定方式をめぐりましては、製薬メーカーあるいは関係団体等におきましていろいろな御意見のあることは事実でございます。中医協でも昨年の四月と六月に関係業界及び医薬品卸の業界の関係者においでをいただきまして、いろいろ意見交換をいたしたのでございます。現在でも、そういった意味では中医協で御審議をいただいているということになるわけでありますが、私どもといたしましては、先ほどお答えを申し上げました、本年四月からの診療報酬改定問題につきましてけりがつき次第、中医協におきましてこの問題、薬価基準の算定のあり方等につきまして御審議を本格的に始めていただきたいと考えているわけであります。
○石井道子君 どうもありがとうございました、 以上で私の質問を終わります。
○服部信吾君 まず初めに、最近いわゆる健康食品ブーム、こういうブームが大変国民の間で高まっておる。これらに、このブームに便乗して、大変また最近は悪質な事件が起きておる、大変嘆かわしいことであります。国民の健康あるいは生命を守る、こういう健康食品ブームの中でいろんな事件が起きておる。そういうところで、最初に警察庁の方に薬事法違反あるいは健康食品関係についてどのような事件があったのか、件数だけで結構ですからお伺いしておきます。
○説明員(上野治男君) お答えいたします。 過去三年間の統計でございますが、警察におきまして薬事法違反で検挙いたしましたのは、五十八年が五百二十八件四百六十一名、五十九年が四百九十一件四百八十五人、六十年につきましては十月までの統計しかございませんが、六百二十八件七百三十八名の検挙をしております。 その中で今の御質問の健康食品に関してどのくらいあるかということですが、必ずしもこの健康食品という定義がはっきりいたしませんのですが、昨年のケースでいきますと、八十三件百二十五名を十月までに検挙しております。おおむね二〇%ぐらいが毎年の検挙実績でございます。
○服部信吾君 その中で、つい最近でありますけれども、この健康食品グループ、その中の中堅というか大手とも言われる西田式健康法、こういうグループがあるそうでありますけれども、これを薬事法違反で元社長以下四名を逮捕した、こういう事件があるわけでありますけれども、この点についての概要をお伺いしておきます。
○説明員(上野治男君) お尋ねの件につきましては、一月十日に警視庁におきまして株式会社中医研などの役員、幹部四人を薬事法違反で逮捕しております。現在、逮捕、捜査中でございますが、本件につきましては五十六年三月ごろから電解カルシウムというイオン溶液の販売をずっと行っております。この販売商品につきましては、厚生大臣からの医薬品製造業の許可を受けておらないにもかかわらず、アトピー性皮膚炎ですとかあるいはアレルギー性鼻炎に効果があると称して製造し販売していたものでございます。
○服部信吾君 この事件については大体いつごろから捜査を始めていたんですか。
○説明員(上野治男君) 現在まだ捜査中でございますが、比較的早い時期から私どもは関心を持っていた次第でございます。 この関係者につきましては、かなり大量のいろいろな形の出版物を相当出しております。合計百万部をはるかに超える出版物でございましたので、それに基づいて宣伝し、売るという形態をとっておりましたものですから、そういう面で比較的早い時期から関心を持っていた次第でございます。
○服部信吾君 当初、この元社長西田は、中医研あるいは製造会社の社長だったわけでありますけれども、警察等の捜査の手が伸びたということで途中でやめたんじゃないか、こういうような気もするわけでありますけれども、大臣、要するに摘発されたこの会社から元厚生大臣が政治資金を受けておった、政治献金を受けておった、あるいはかなりの国会議員が政治資金を受けておった。これは私は国民側からすれば大変な問題だと思うんです。そういう点と、やはり監督官庁である厚生省としてこの問題についてはどのように大臣としてはお考えですか。
○国務大臣(今井勇君) まず、第一点の問題につきましては、新聞報道で私も拝見いたしましたが、十分なことをまだ存じておりませんので、御答弁は控えさしていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても国民の健康を預かります立場にある私といたしまして、非常に重大なものだというふうな認識を持っております。したがいまして、薬事法に違反するような健康食品につきましては、従来より厳重な指導を行ってきたところでございますが、さらにこの事件を契機にいたしまして、指導の徹底と関係団体の指導の強化を図ってまいりたい、このように思っております。
○服部信吾君 大臣にはまた後でちょっとお伺いしますけれども、本日は大変お忙しいところを財団法人日本健康食品協会の理事長さんが御出席いただいておりますので、二、三御質問をしたいと思うんですけれども、まず福井理事長にお伺いしたいんですけれども、健康食品問題を取り扱う日本健康食品協会の理事長さんとして、今回の西田式健康法の事件、これをどのようにお考えですか。
○参考人(福井忠孝君) 栄養学的にも余り意味のない飲料水を健康によいと言って、薬事法に違反するような売り方をもって国民を欺瞞したというその点は極めて遺憾でございまして、憤慨にたえないものでございます。
○服部信吾君 それでこの日本健康食品協会、何社がいろんな方が入っているようでありますけれども、今回逮捕されたこの西田式健康グループの業者の方たちはここには入っていたんですか。
○参考人(福井忠孝君) 過去において入っておりました。
○服部信吾君 その入っていたのは日本体質改善指導協会なのか、あるいは中医研なのか、あるいは販売会社のベルグ、どちらなんですか。
○参考人(福井忠孝君) ベルグの販売会社と体質改善の協会と両方が入っておりました。
○服部信吾君 その日本体質改善指導協会、この協会はどういう協会なんですか。
○参考人(福井忠孝君) 詳しいことはよく存じておりませんのですが、全国的にたくさんの協会の会員を持って、そこで健康食品に関することやその他健康に関する指導をやっていたように聞いております。
○服部信吾君 このような大変国民の健康あるいは生命を守るような重要な問題に対してこういうような違反があったと、こういうことで日本健康食品協会としては今後このような問題を二度と起こしちゃいけないと、こう思いますけれども、何らかの対策なりあれがありましたらお伺いしておきます。
○参考人(福井忠孝君) 当協会は健康食品に関するいろいろの情報を集めたり、あるいは調査研究を行いましたり、また公衆衛生上の見地から必要な基準を設定いたしまして、また同時に健康食品に関するいろいろの適切な知識を国民に普及啓発するというようなことによりまして、国民の健康増進に寄与するというのが当協会の設立の目的でございます。 それで、今回の問題になりましたような事件が再発しないようにするためには、公衆衛生の見地からの規格基準の選定ということが一番必要かつ緊急なことだろうと思っております。 そこで現在各専門の分野の学識経験者を含めまして、その作成作業に急いでおるところでございます。規格基準の選定されました暁には、この基準に適合する製品を審査しまして、その結果を消費者が識別できるような形で提供するように業者を指導することといたしております。 また、このような規格基準づくりなどを通じて、健康食品に関する公衆衛生上の適切なる正しいところの情報や知識を消費者に普及啓発いたしまして、健康食品の適切な選択が行われるようにしようといたしております。そして今後ともこの健康食品の製造販売に際しては、いささかでも国民が不利益をこうむることがないように、国民のサイドに立った日本健康食品協会としまして最善の努力をいたしてまいる所存でございます。 以上でございます。
○服部信吾君 どうもありがとうございました。 一点だけ。消費者が判断できるような、基準に合った、いわゆる適マークみたいな、この健康食品は大丈夫ですよと、こういうようなものをつくると、こういうことですか。
○参考人(福井忠孝君) さようでございます。
○服部信吾君 大変お忙しいところありがとうございました。結構でございます。 そこで厚生省にちょっとお伺いしたいんですけれども、先ほど来警察の方にもお話を聞きましたけれども、かなり前からこの問題については調査をしておったと、こういうことでございますけれども、問題は要するに日本体質改善指導協会、この点について厚生省はどの辺まで知っておりますか。
○委員長(丸谷金保君) 福井参考人には御退席くださいまして結構でございます。本日はお忙しい中を大変ありがとうございました。
○政府委員(小林功典君) 厚生省としましては出先と申しますか、現に薬事監視をしています東京都の業務課を通じて調査をしておったわけでございますが、五十八年の暮れに調査の上指導をしておりますが、その改善の跡が見られなかったというところまで把握しております。
○服部信吾君 ちょっと公取にお伺いしたいんですけれども、今調査をしておったということですけれども、問題は販売方法にあると思うんですよね。例えば中医研が健康食品なりそういうものを製造すると、ベルグがこれを販売すると、それで日本体質改善指導協会、これが健康食品を売るための要するに促進なりノルマとかいろいろ本を売ったりいろんなことをやっておると、こういうことで、いわゆるこれをバイブル商法と言うそうですけれども、公取としてはこのバイブル商法についてはどのようにお考えですか。
○説明員(平林英勝君) いわゆる西田式のバイブル商法と申しますのは、医学博士西田という名のもとに、書籍により健康食品を紹介、推奨するということでございます。 私どもの運用しております景品表示法という法律の対象としておりますのは、事業者が行う広告その他の表示ということでございますので、これに該当するかどうかという問題が一つございます。 そしてまた他方、本件の場合、医薬品的な効能、効果を標榜しておりますので、景品表示法よりは刑事罰もありかつ商品それ自体の販売の停止も命ずることのできる薬事法でまず第一義的に処理するのが適当ではないかと私どもは考えております。 なお、食品でございますと、公正取引委員会におきましては従来から景品表示法に照らしまして不当表示を規制しているところでございます。
○服部信吾君 大臣、それでちょっとお伺いしたいんですけれども、この日本体質改善指導協会、これは今現在全国で約三万四千軒の薬局があるそうですね。その中で約千百軒がこの逮捕された日本体質改善指導協会に加入をしておったと、こういうことですね。そうして我々国民サイドからしますと、薬局屋さんというのは大変重要な役割があるわけですね。何か風邪を引いて頭が痛いと、こういったときにはちょっと薬局屋さんへ行って御主人からいろいろなことを聞く。その御主人というのは大体大変難しい国家試験の薬剤師試験を受けておる、それでそれを取っておる。ですからある面から言えば、国民と要するに薬局屋さんというのは大変密接なコンタクトがあるわけです。それがどうしてもだめだとお医者さんへ行くわけです。そういう薬局屋さん、これが一千百社ぐらいこの日本体質改善指導協会に要するに加盟をしておったと。そうして、ある面からいえば違法製品、違法健康食品を売っておったと。それがノルマをかけられたとかいろいろあります。 私もいろいろな本を見てみました。そうすると何社がそれこそ出ているわけですね、これは。例えば「核酸食でシミはらくに治せる」と。いろんな相談があると、そうするとそこに入っている薬局屋さんが答えているわけですね。 こういうことを思いますと、今まで、五十六年ぐらいからあって、そうして薬局屋さんがそういうものに入っておる、私は大変国民からするとショッキングな問題だと思うんです。この点について、薬局屋さんを管理する厚生大臣としてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(今井勇君) 今回の事件につきましては現在捜査中でございますし、薬局の関与の内容については目下調査中でございます。しかしながら、お話のように薬の専門家として認められております薬剤師あるいは薬局が、薬事法に違反をいたしまして健康食品を販売しておりましたとすれば、これは国民の薬剤師、薬局に対します信頼を裏切るものでありまして、まことに残念でございます。したがいまして厚生省といたしましては、事実関係の把握に努めまして、事実関係が判明いたしました段階で厳正にこれは対処いたしたいと思います。
○服部信吾君 時間がありませんからこの問題最後にしますけれども、厳正に対処するということは、例えばその調査状況によって確かに悪質と、こうなったときには営業停止とか、そういうようなところまで持っていくのかどうか、この点についてお伺いをしてこの質問は終わります。
○政府委員(小林功典君) 大臣今申しましたように調査中でありますから、調査の状況がわかりましてからでございますが、情状によっては薬事法上の行政処分、業務停止もあり得ると考えております。
○服部信吾君 じゃ次に、エイズについてちょっとお伺いをいたします。 私もこの問題については三年前に林元厚生大臣にお伺いをしたわけでありますけれども、そのときはある面からいえば安全宣言と、日本に上陸はないだろうというようなたしか御答弁があったわけでありますけれども、その三年後、まあある面から言えば十一名、そのうち半分以上は亡くなっておると。大変な問題になっておるわけでありますけれども、新厚生大臣としてこのエイズに対する取り組み方についてお伺いしておきます。
○国務大臣(今井勇君) 大きく分けまして二つあろうと思います。 一つは、我が国のエイズ患者の発生数は今のところは少ないのでございますが、対策にはこれは万全を期さなきゃならぬ、私はそのように思っております。 それからもう一つは、六十一年度におきましては、従来の施策のほかに新たに国内の献血の血液、これのモニタリング検査を実施する予定でございまして、これは非常に慎重に、しかも早急に対策をとるということが非常に極めて大事だと思っております。
○服部信吾君 一応六十一年度には五千万円ですか予算をつけてこの調査をやっていくと、こういうことでありますけれども、例えば諸外国のこのエイズに対する取り組み方というのはそんなものじゃないですよ。アメリカなんかは八五年には二百十億円ですよ。それから八六年には二百六十五億円。フランスにおいては五百六十億円。そういうことを思いますと、金高がどうのこうのというわけじゃないですけれども、何となくエイズ対策に対しては少し寂しいんじゃないか、寂しいというのはおかしいですけれども、この点についてはどうですか。
○政府委員(仲村英一君) 今御指摘のアメリカ、フランスでございますが、御承知のようにアメリカではもう一方五千人の患者が出ておりますし、フランスも数百人ということでございまして、確かに大変な数が発生しております。日本の場合は幸いまだ十一名でございますけれども、潜伏期間の長い病気でございますので、今までに感染した方がこれから発病するおそれもあるわけでございますので、先ほど大臣から御答弁いただきましたように、私どもといたしましてもいろいろな研究体制でございますとか、先ほどの献血の問題とかにつきまして前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
○服部信吾君 新聞報道によりますと、エイズの抗体検査用試薬でアメリカのダイナボット社が申請していたものが二十日に厚生省で承認された。現在のところこのエイズの治療法については有効な決め手がない、献血の際の抗体検査によるチェックが重要な防衛策になる、このように思いますけれども、これで献血者のチェックができるわけでありますけれども、この試薬はどのように使っていくのか。またこの試薬で例えば陽性とされた、さらに別の方法で再確認し判定する、こういうことでありますけれども、どのように行っていくのか。あるいは今回政府がエイズ抗体検査試薬が薬事法上承認される、こうなれば健康保険の適用、こういうものもこれからは認められると思うんですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) ただいま御指摘のございましたエイズの抗体検査でございますけれども、献血者等につきまして検査を実施するという実際の仕組みについては業務局で所管しておりますけれども、今後さらに具体的な検討を進めてまいる予定でございます。 それから、この抗体検出用の試薬でございますけれども、輸入承認が出されましたので、私どもといたしましては健康保険に採用するように保険局の方へお願いをしておるところでございます。
○服部信吾君 その健康保険というのはいつごろから大体できるようになるんですか。
○政府委員(仲村英一君) 検査の方法につきましては、中医協におかけして点数改定のときにお願いするように私どもとしては現在保険局と交渉をしておるところでございます。
○服部信吾君 できるだけ早く適用できるようにしていただきたいと思います。 まあこのエイズについてはいろいろ、国際的といっちゃおかしいですけれども、特に今アメリカでは大変というところで、昨年の十一月に我が党の議員がこの問題について外交・安保委員会で質問をいたしまして、要するにアメリカ側と非公式に話したところでは、在日米軍や第七艦隊で日本に寄港する兵士の中には現在までのところ病状が発見されたことがない、こういうような答弁があったわけでありますけれども、十二月になりまして第七艦隊のミッドウェーが横須賀に寄港した。そのときにそこにエイズの患者——エイズというのは何か三点ぐらい調査方法があるようでありますけれども、その二点においては陽性と出た。ある面から言えばエイズ患者、こういうような事件があったわけでありますけれども、これについて外務省としてはどのようにお考えですか。
○説明員(沼田貞昭君) お答えいたします。 先生今御指摘のように、昨年の十二月横須賀に入港しておりました空母ミッドウェーの乗組員の中に、エイズに感染している疑いのある者一名がおりましたので、横須賀の海軍病院において予備検査を行いましたところ、その乗組員はエイズ感染の可能性があるという結果が出たというふうに承知しております。この件につきましては、米海軍の方で万全を期すとの観点から、その乗組員を本国に召還してさらに詳細な検査を行うということにしたと承知しております。 それからこのエイズの問題につきましては、まさに今先生も言われましたように、昨年十一月の外交・安保委員会でも御質問があったわけでございますが、私ども十一月下旬に行なわれました日米合同委員会の場におきまして、日本側の代表から、エイズ問題について我が国の国民の関心がいろいろあるということを説明いたしますとともに、エイズの防止のために万全の措置がとられるよう、在日米軍からの情報提供等の協力を要請した次第でございます。これに対して、米側の代表からも、そもそも軍隊の構成員の健康を管理していくということは、軍隊の機能を維持していくということから見ても不可欠であるということもございまして、米軍自身としてもエイズ対策には万全の措置をとっていく所存であるという説明がございました。そういうことから、米側としても日本側とも最大限協力していきたいとの回答があった次第でございます。 そこで、こういう合同委員会で私ども提起したわけでございますけれども、具体的にどういう協力ないし対策をとるかという対策の対応等につきましては、今後日米の関係者間、私ども、それから厚生省、それから米軍の関係者等の間において引き続き協議し、詰めていくという状況でございます。
○服部信吾君 この問題、やっぱりはっきりしておいていただかないと大変大きな問題になると思うんです。我が国には多数の米軍基地がありますし、また第七艦隊等もやはり常に動いているわけでありますから、この点をはっきりしておかないと。例えば横須賀にそういうミッドウェーが入ってきたと、何カ月かの長い航海ですから、そうしてこれから上陸して自由時間ができたと、そうなればその基地周辺でいろいろな飲食もするでしょうし、買い物もするでしょうし、ある面からいえば米軍によってその地域のその場所の経済が成り立っている場所もあるわけでありますから、ですから、そういうことをはっきりしておかないと、今度大変な問題になるんじゃないのかと私は思うわけですね。このまま中途半端にしておきますと、やはりもしかしてエイズの患者が来たと、こういうようなことであるならば、日本側の会社なり業者なり、そういう人たちはちょっと待ってくださいよというような話になって、経済自体すらもだめになってしまう、そういうようなことがあると思うんですね。 日米合同委員会の取り決めの中で、法定伝染病においてはいろいろと情報交換はする、こういうふうに取り決めがあるようであります。これだけ重要な大変な、奇病ともまだはっきりわからないエイズでありますし、アメリカはレーガン大統領もこの問題については要するに徹底的にやっていくんだ、こういうことですから、私は米軍とこの問題について話し合いしたときに決してそんなに難しい話ではないんじゃないのかと。そういうことで、法定伝染病あるいはそういう中に、情報交換の中にエイズ、こういうものも入れるべきじゃないか、そういう交渉もすべきじゃないかと思いますけれども、この点についてはどうですか。
○説明員(沼田貞昭君) 先ほど申し上げましたとおり、米軍と申しますか米国防省といたしましても、その軍隊の構成員の健康管理という観点から、この問題を非常に重視しているわけでございまして、国防省といたしましても、今後順次米国の軍人全部に対して検査を行っていく等、その流行防止に万全を図っていきたいという方針をとっているわけでございます。私どもといたしまして、先ほど申し上げましたように、十一月の合同委員会で本件を取り上げまして、今後具体的な協力の対応について話し合っていくことになっております。 先ほど先生の方から法定伝染病のお話がございましたけれども、エイズ自体はその病気の性質上感染経路等が限定されている等、法定伝染病として今指定されているものとは異なる面もございますので、直ちに法定伝染病についての合同委員会合意が適用されるというわけではございませんけれども、この合同委員会合意で定めておりますような情報提供のシステムというようなものも、このエイズについて利用する可能性があり得るのかどうかというような点も含めて、エイズ対策についての具体的な協力ないし対策の対応等について、今後日米間で調整を行っていきたいというふうに考えております。
○服部信吾君 できるだけ早くこの問題についてよく米軍と話し合いをしていただいて解決をしていただきたいと思います。 沖縄だとかあるいは佐世保とか、とにかくこういう問題たくさん出てくると思いますので、早いところこの問題についてはよく米軍と折衝していただきたいと思います。 最後に、厚生大臣、現在我が国においてエイズに対する最終的な確認検査のできる機関がない。早急に検査体制の整備充実を行い、これを周知徹底していただきたい。 それから、当疾患は重大なるある面から言えば人権問題を起こしている。諸外国では、子供が学校に行けなくて、そして家庭で電話で教育を受けているとか、大変いろんな人権問題にも発展をしておる。そういうことでありますんで、各省庁でこの連絡会議をつくり必要な措置をとるべきじゃないかと、こういうふうに考えますけれども、この点について大臣の御決意をお伺いしまして、私の質問を終わります。
○政府委員(仲村英一君) 具体的な数字のお答えになりますので、私から一部お答えいたしますが、エイズの抗体検査の最終的な検査機関というのは今九カ所ございます。かなり全国にばらまかれておりますが、御指摘のようにできるだけ最終的な検査が可能な施設を広げる方向で私どもとしても今後検討してまいりたいと考えております。
○国務大臣(今井勇君) この問題は極めて深刻な問題でございますので、お説のように万全の対策を講ずるような努力をいたしたいと思います。
○刈田貞子君 質問をさせていただきます。 私も、先ほど来からお話が出ております国立病院保療養所の再編成について一部確認をさせていただきます。 この計画は五十八年三月、臨調の最終答申の指摘によって話が持ち上がり、そして五十九年一月二十五日、閣議決定された行革大綱で、十年を目途に再編成を迫られたと、こういう経過があるわけでございます。六十年二月、再編成問題等懇談会が意見書を提出し、厚生省は六十年三月二十八日、国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針を策定し、翌二十九日に閣議報告をされたと、こういうことでございますね。 その基本指針では、マクロ的な立場で見れば医療機関の整備も相当進んできたので、地域の基本的・一般的医療は、私的医療機関及び地方公共団体並等の公的医療機関にこれをゆだね、国立病院は政策医療及びそれに必要な臨床研究等、高度先駆的な医療、難病の研究あるいは重症心身疾患などに当てるというふうな、こういうことになってきたわけですね。 私はこの問題をもう少し伺おうと思ったんですが、先般、先ほど来から同僚委員のお話も出ておりますし、私の入る話が大変細こうございますので、きょうは大枠の問題についてだけ二点をお伺いしておきたいと思うわけです。 その一つは、先ほど来大臣は、この問題は多くの理解と協力が得られなければ進められないのだと、このようにおっしゃっておられるわけでございます。そこで、その理解と協力の面の問題を一つ伺いますのと、それからこの再編成を推進するに当たっての統廃合に値するものないしは移譲に値するものとのその尺度をどんな観点から選別、峻別されたのかということ、この二つの柱についてだけ整理をして伺っておきまして、これは十年間かかってやる事業でございますから、今後都度都度に私はこの問題を伺っていきたいというふうに思います。 そこで、お伺いをいたしますが、この理解と協力の面ですね、大臣、先ほどから理解と協力が得られなければというふうにおっしゃっておるのは、その地元の医師会あるいは現場の病院職員、あるいはこれに関係してくる筋の理解、協力ということであろうと思いますけれども、私はこれは当然のことだと思います。今私がお尋ねをしたい理解と協力とは、このたび再編成の目的を持ってもしこれを具体的に実行していくことになりますと、高度先駆的な医療の実施と同時に、臨床研究や教育研修、こういうふうなことも表現しておられますから、実は現在の国立病院よりももっと経費のかかる大変な医療機関をつくっていくことになるんであろうというふうに思うんです。財政当局とこうしたところの理解や協力を得られる体制になっておるのかなっていないのか。この点はひとつどうしても御確認さしていただかなければならないというふうに思いますし、また今基本指針で述べられているような高度先駆的な医療、これを具体化していくためには陣容だって今の倍にも必要なものが要求されてくるのじゃなかろうかと思うんです。それでなければ再編の意味がない。現在の国立病院のままで置いておいたのでは再編の意味がないわけですから。そういたしますと、財政当局を含めて、今の陣容の問題なり定員管理なんというとこれは総務庁の所管になるわけですから、そういうところも含めて、政府全体の推進体制の理解は得られているのかどうなのか。この点からまず伺わせていただきたい。
○説明員(木戸脩君) 国立病院・療養所の再編成、合理化につきましては、先ほど先生が御指摘されたように、臨調の答申があり、これに基づきます行革大綱というのがあるわけでございます。行革大綱というのは閣議決定でございますので、国立病院が国立病院としての機能を明確にする。そして、その線に沿って十年間で再編成をするという点については、政府全体としての意思が決定をされているわけでございます。それを受けまして、私どもで昨年三月二十八日、国立病院・療養所の再編成、合理化の基本指針というものをつくったわけでございます。これは厚生省限りでございますが、これは閣議に報告をして了解を求めているわけでございます。 それから、今回の再編成のいわゆる全体計画でございますが、これは厚生省の責任でつくったわけでございますが、各省には御説明をしております。ただ、これは閣議決定というようなものではございませんので、各省は今の段階で十年先までいいというふうなことを言っているわけではないわけでございます。具体的には、毎年度毎年度とういうところとどういうところを統合する、あるいは移譲する。それに伴ってどのような今後機能強化を図っていく、ナショナルセンターをつくっていく、あるいは、統合後の医療機関をどういう高度の位置づけをする、こういったようなときになれば、そこでそれぞれ財政当局あるいは総務庁当局と協議をすることになるわけでございます。 私どもの基本的な考え方としては、現在約五万三千人の定員がおります。それから、一般会計から国立病院特別会計に繰り出しているお金が六十年度の場合で千二百億、こういうことでございます。私どもといたしましては、何とかこの定員とこの一般会計の予算の歳出の中で量から質への脱皮を図っていきたい、こういうふうに考えているわけでございまして、その点につきましては、私は財政当局も行監当局も理解をしていただいているというふうに考えております。
○刈田貞子君 大臣、よろしいんですか、理解をいただいているというふうに考えているというふうに言っておられますけれども。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) これは内閣で決めましてそれを遂行するわけでございますから、ただいまの答弁でよろしいと思います。
○刈田貞子君 厚生省は二十七年にも、これは移譲の分ですけれども、二十七年にも国立病院六十カ所の移譲計画を立てましたね。しかし、これは六分の一の十カ所しか実現しませんでしたね。このときには非常に財政当局の協力がまずかった、このように私は聞いておりますので、老婆心ながらそういうことを御確認させていただいているわけでございますので、これをいわゆる政府全体の計画として本当に実行していくのなら、政府全体の計画として大臣がやっぱり手腕を発揮して協力を求めていかなければならないのではないかというふうに思います。その財政問題がやっぱりネックになっていくと思いますよ。ここら辺でいろいろ書かれているものを見ますと、例えば地方自治体移譲の問題にしても、赤字が続いていく場合に五年間だけ面倒を見てやるという補助制度なんかもうたってありますね。だけれども、五年どころではとてもいわゆるその赤字で始まったあたりの部分は取り戻せないというのが地方自治体あたりのみんな言い分なわけよ。そういうところまで含めて粘り強くこれを実行していくだけの本当の計画なのかどうなのか、こういうことで私はこの種の質問をさせていただいているわけでございますけれども、これはまだその都度都度にやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それから、先ほど言いました二点目の方のこの再編の中の移譲ないしは統廃合、どういう尺度でここの地域の国立病院は統廃合、こちらは移譲する、私はずっと見てみましたけれども、ルール的にはやっぱり出てこないのね。やっぱり地域の実情に応じたというところが恐らくあるんだろうと思います。例えばそれ以前に国立病院も療養所も持っているのだが、今回の再編の対象になっていない県というのがありますね。七県ありますね。それから、今回国立病院のあり方について見直しをするということであるのならば、現在国立病院のない県がありますね。この六県に対してはどういうお立場をおとりになるのか、こういうテーマもあろうかと思うんです。そういうのも含めまして、今回の再編の一つの尺度、あり方、基本はわかったから、お伺いします。
○説明員(木戸脩君) 国立病院・療養所の再編成、合理化の具体的な中身となります統廃合の基準、経営移譲の基準でございます。先生のお手元に基本指針というのが行っていると思いますが、そこの方に再編成の指標というので、一つは統廃合の対象とする国立病院・療養所ということで二つの要件が掲げてございます。その一つは、これは主に一般総合医療をやっている病院を対象に頭に置いて考えているわけでありますが、近隣、日常生活圏に一般総合医療をやるような相当規模の医療機関があると、しかも当該国立病院・療養所は医療内容、経営効率、立地条件等から見て今後国立として高度先駆医療をやっていくという見通しが立ちがたいものというものは、近隣に国立病院・療養所があればそこに統合するというのが一つでございます。それから、これは主に後医療というか、専門医療中心の療養所が中心になりますが、両方統合した方がより機能充実が図れるものと、こういう項目になっておりまして、それで一応私ども絶対の基準ということではございません、医療の内容なんかございますが、一応大体三百床程度をめどにそれを下回るものについては一応検討の対象にしたと、こういうことでございます。それが統廃合の方の基準でございます。 それから、経営移譲の方の基準でございますが、これはある地域の、具体的には日常生活圏を想定しているわけでございますが、一般的医療の確保の役割を果たしている、しかしながら、診療機能、診療圏等から見て国立病院としての広域的な高度専門医療ということには至らない、こういうものにつきましては国が直営するよりも他の経営主体が経営した方がむしろ地域に密着してベターだと、こういうように認められるものについては病院そのものは残すと、ただ適当な経営主体を見つけて経営を移譲すると、こういう考え方の二つの尺度で基準がつくってあるわけでございます。 それから、先ほど先生が御指摘になられました病院がない県というのは実はございます。全く療養所だけというのもございます。私ども非公式ではございますが、やはり都道府県は今度の医療法の、医療計画の主体でございますが、一応高度専門医療というこういう役割を担うということにして、例えば病院と療養所の片方を病院にするということで、少しその守備範囲の変更を全体としてしてもらえないだろうかと。具体的には一つを高度専門病院に切りかえられないかという相談も内内にはしてみたわけでございますが、その点については県の方は、高度総合医療という病院は実は県立病院なり日赤病院なりあるいは大きな市立病院がある、国立の方はむしろそういったようなものではなくて難病とか結核とか重心とかそういうような医療を引き続き担ってほしいというようなことから、今回療養所が一般病院に転換して高度総合になるといったようなものがなかったわけでございます。
○刈田貞子君 自治省お見えになっていると思うんですが、昭和六十年度地方財政の運営についてという次官通達でしょうか、お出しになっていらっしゃいます。その中で「国立病院及び療養所の再編成・合理化に当たって、その統廃合とともに地方団体等地の経営主体への経営移譲も検討されているが、各地方団体は、病院を取り巻く厳しい経営環境、地方財政の現状等にかんがみ、経営移譲の問題については慎重に対処すること。」、こういう文書をお回しになっていらっしゃいます。この真意を教えてください。
○説明員(石田淳君) ただいま先生がおっしゃいましたような文書、これは地方団体への財政運営通達の中の一項目としまして国立病院再編成、療養所再編成問題に触れておりまして、今おっしゃいましたように「各地方団体は、病院を取り巻く厳しい経営環境、地方財政の現状等にかんがみ、経営移譲の問題については慎重に対処すること。」、というふうに書いておるわけでございますが、これは自治体病院の今現在の経営状況でございますけれども、これは最近の決算におきましても約半数を超える事業が赤字経営となっておりまして、約四w億円前後の赤字が毎年生じているという状況になっております。それと病院会計と密接に関連いたします一般会計もまた御承知のように非常に今厳しい状況にある。こういうことにかんがみまして経営移譲の問題については、自治体病院として引き受けた場合にはその将来の採算性とかそれから一般会計への負担等につきまして十分検討し、地方団体としても慎重に対処する必要がある、こういう考えてこの旨を通達したところでございます。以上でございます。
○刈田貞子君 これは大臣ね、今自治省でもああいうふうに言っているわけ。ああいうところの理解も得るんですよ。大丈夫ですね。頑張っていただかないとそう簡単にこの計画は進められるものではないと思いますけれども、まだまだいろいろ言いたいことがたくさんあって資料を集めたんですが、またこれは後日に譲りまして、この後、救急医療体制についてちょっとお尋ねをいたします。 昨年十二月三十日に、スーパーに入った強盗を追いかけてそして逆に刺されて惜しくも亡くなってしまったという明大の工学部一年生、滝口邦彦君のことについてちょっとお伺いをいたします。 これは中曽根総理を初め鈴木都知事も非常にその死を悼み、彼の勇気を褒めたたえてお訪ねをしていることを皆さん御存じのところだと思いますけれども、この滝口邦彦君の御家族からお話があって、このたびこの青年は救急体制に入ったときに五つの病院から、これも新聞屋さんの表現でございますのでおかりをいたしまして申しますと、五カ所のたらい回しをされた、このようなことになっておるわけでございます。この救急医療体制というのは、かつてから非常に重要な一つの医療行政として消防庁等とも手を組んで厚生省さんも一生懸命やってきたものの一つだというふうに私は理解しておりますが、依然としてこういう現実があるわけでして、まず大臣から、時間がないんです、大臣からこの救急医療体制ということについてどのようにお考えになっているのか、一つ。それから滝口邦彦君のこのときの、事件当初の状況についてちょっと御説明がいただければと思います。まず大臣から。
○国務大臣(今井勇君) 滝口君のことにつきましては、本当にお説のとおり身を挺して悪に立ち向かったというもので、勇気と正義感に敬服しておりますが、お話のように不幸にしてお亡くなりになりました。まことに残念なことでありまして、心から御冥福をお祈りいたしたいと思います。 一方、御指摘のように滝口さんが病院に収容されるまでにかなりの時間がたっておりますが、これは医療機関の側の対応に問題があったと考えておりまして、まことに遺憾なことであります。したがいまして、今後はこの滝口さんの死をむだにしないように医療機関におきまする救急患者の迅速な受け入れにつきまして指導の徹底を図りたいというふうに思っておるものでございます。
○説明員(篠田伸夫君) 搬送の過程につきましてお答えいたしたいと思います。これは東京消防庁の管内でございまして、東京消防庁によりますと、昨年の十二月三十日一時三十一分、一一九番で通報があったわけでございますけれども、路上でけが人と、何者かに刺されたものという通報があったわけでございます。一時三十二分に直ちに東京消防庁の蒲田救急隊というのが出動いたしております。それで三十六分に現場に到着しましたところ、患者は腸が露出しておったと、多量の出血が認められたということでございまして重傷と判断いたしたわけでございます。直ちに救急隊は必要な応急処置をしたわけでございますが、救急医療情報センターを通じまして直近の救命救急センターの選定を依頼したわけでございます。この時点が一時四十分でございます。センターでは現場近くの東邦大学の大森病院に連絡したわけでございますが、緊急手術中ということで収容不能という返答が一時四十二分に返ってきたわけでございます。救急医療情報センターでは、さらに一時四十五分に東京女子医大、次いで昭和大学、さらに第一北品川病院、そしてさらに北品川総合病院というところに次から次と依頼したわけでございますけれども、いずれも重症患者取り扱い中だとかベッド満床というふうな理由で収容できないとの回答があったわけでございます。その間、一時四十五分に患者の客体が悪化いたしまして、救急隊は人口呼吸を開始し、さらに一時五十分になりますと脈が振れないという状況にありましたので心肺蘇生を開始したわけでございます。そういうことで現場で処置を続けたわけでございますが、さらに応急治療を受けるべく、一時五十六分、東邦大学の大森病院にとりあえず応急医療を受けるということで大森病院の方に向かったわけでございますが、一時五十七分、第三北品川病院で収容が可能との回答が入りましたので二時十分に当病院に運びまして、二時十一分、医師に引き継いだと。しかし残念ながら二時四十分に出血多量ということで死亡が確認されたというのが状況でございます。
○刈田貞子君 私が新聞等やら、いろいろそちらから伺ったりする話では、したがって一一九番通報後四十分かかっているというふうに確認してよろしいわけですね。いいですね。 救急患者でそういう重傷と判断したという形の中で、四十分たったらどういう現象が出てくるかわかると思うんです。私は非常にこれは大事な問題だと思います。きょう本当に時間がなくて残念なんです。あと四分しかありませんので、私はとてもこのことについて微細にお話しし、あるいはお願いをするわけにはまいりませんが、ここで少しだけちょっと確認をさせていただきたいことは、この夜間救急診療体制は一体どうなっておるのか、これは一体どこが把握、掌握し、コントロールするところなのかというようなこと。それから救急医療情報センターがあると思いますが、ここらはどう機能したのか。それからまた、その四十分間救急車の中で救急隊員が何らかの医療処置をしたと思うのでございますけれども、この救急隊員の資格とか教育訓練とかあるいは実地ですね、こういうふうなものがどういうふうに今なっているのか。私は全くこの問題には素人なんですけれども、非常に大変だ、気の毒だという思いからいろいろ調べたらこういう疑問が上がってきたんです。ぜひわかる範囲内でお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。 まず、この第一北品川病院及び北品川総合病院では、北品川第一がベッドが満員です、北品川総合の方が外科医がいませんので手術ができませんと言って断った。こういう病院に救急医療を受け入れるか受け入れないかという問い合わせをすることがおかしいんじゃないですか。つまり救急病院という認定をしていた病院なのかどうなのか、その辺のことも含めていろいろ教えてください、わからないので。
○政府委員(竹中浩治君) 救急医療対策でございますが、昭和五十二年以降計画的に、初期、二次、三次に分けまして整備に努めてまいっております。今先生お話しの夜間救急の全体についてどういう把握をしどういうコントロールをしておるかという第一番目の御質問でございますが、私ども、救急医療情報センターというのを各県に一カ所ずつ、まだ全県にそろっておりませんが設置をいたしまして、受け入れ側の、つまり救急告示病院側の態勢を逐次そのセンターに連絡をしてもらいまして、そのセンターにおきましては今それぞれの救急告示病院が医者の態勢あるいはベッドのあきぐあいがどうなっておるかがそれぞれ即刻わかるような仕組みをつくりまして、それによりまして実際に患者さんが出た場合に救急車をどこへ行ってもらうというようなことのコントロールをいたしておるわけでございます。ただ、先ほども大臣が申し上げましたが、今回の場合救急医療情報センターと救急病院との間におきまして必ずしも情報が的確にセンター側に伝えられていなかったという面があろうかと思いますので、この点大変遺憾に存じておるわけでございます。 それから先ほどの北品川病院等々の問題でございますが、いずれも救急告示病院でございまして、今申し上げましたようなことで病院側からセンター側に情報を伝えてもらう、そしてそれを救急車に伝えるということでございますが、必ずしもその辺の情報の精度が十分でなかった点があったのではなかろうかと反省をいたしておるわけでございます。
○説明員(篠田伸夫君) 救急の関係につきましては、受け入れ先の病院の関係とそれからそこまで運びます救急車の関係がございますが、救急車の関係は消防機関がやっておるわけですが、受け入れ先の方は医療関係ということで分かれているわけでございます。 先ほどの、約四十分間かかっているわけですがその間に医療行為をやったかというお話がございましたけれども、救急隊の行います処置というのは医療行為にまで及ばないということになっておりまして、応急処置はできることになっております。救急隊員につきましては百三十五時間以上の教育を受けなくてはならない、そうでないと救急隊員として従事できないということが法律で決められておりまして、そういうふうな資格を持った者が今回も搬送に当たりまして必要な応急処置をとっておったということでございます。
○刈田貞子君 総務庁がお出しになっております救急医療対策に関する行政監察結果報告書というのの中で、救急隊員千四百人に対してとったアンケートの答えとして、隊員自身が教育訓練は不十分であると考えておる、救急隊員が自分でそう言っている。それから、特に現場における救急患者の容態観察の知識及び応急手当の実技指導はまことに不足しておると、自分たち自身でそう訴えているんですよ。だから私はこの種の勧告をきちっと受けて、やはりこういう救急医療体制について再度見直しをしていただきたい。今は受け入れ体制の問題が問題でした。しかしあわせて、四十分間その急患についていた救急隊員の処置はどうであったのかということも私は大変悔やまれてならない一つの要因なんです。それでそのことを今お伺いしているわけでありますけれども、東京都は明日この体制について十分検討なさりそして厚生省へも御報告なさるということを私伺いましたけれども、厚生省の立場においても、このような大変とうとい一人の犠牲者をもって貴重な事実が出てきたのですから、ぜひ救急医療体制、特に夜間の体制に対してもう一度見直しをし万全の対策を改めてつくってみていただきたい、このように希望いたしまして終わります。ありがとうございました。
○神谷信之助君 それではまず、京都の宮津市に建設されつつあります関西電力のエネルギー研究所宮津火力発電所の問題についてお伺いをします。 最初に通産省に対してですが、発電所の立地に関する環境影響調査要綱をお定めになっておりますが、これは電源立地による環境への影響予測を正確に把握をする、あるいはその予測の上に立って必要な対策を講ずるためにつくられていると思いますが、いかがですか。
○説明員(吉沢均君) 発電所の立地に際しまして、環境問題の重要性にかんがみまして電気事業者に対しまして環境影響調査を実施させておる、その調査の内容でございますけれども、現地の状況の調査とそれから発電所の運転に伴います環境影響への評価などを含みますこのような環境影響調査を実施させて、それを国として審査をいたしまして所要の指導を行っているところでございます。
○神谷信之助君 それでこの調査要綱に基づく予測を行う、予測を行った測定値が出ます。それが今度は実際に建設されてそして稼働して、そこで起こってきた実際の数値とこれがかけ離れるということになったのでは、これはもう予測の的確性を欠くということになりますね。だから常にそういう事態が起こればこれを適正に改めていくというのにやぶさかではないというように思うんだけれども、この点はどうですか。
○説明員(吉沢均君) 事前に行います評価とそれから発電所が運転を開始いたしましたときの地上濃度との間に食い違いができた場合にどうするか、そういう点についてのお尋ねでございます。 私どもが制定しておりますこの調査要綱でございますが、その時点その時点の科学的知見に基づきまして最大限充実させるよう努力しているところでございます。また、発電所の運転開始以降は事業者に対して地上濃度のモニタリング、監視測定をさせるよう指導しておるところでございます。 大気汚染の場合でございますけれども、このほかに、例えば宮津の場合でございますけれども、京都府がおやりになるモニタリングというのもデータがあるわけでございまして、これら京都府が行われるモニタリングの結果とそれから事業者が行いますモニタリングの結果によりまして、それがどのような地上濃度の分布を示すかというのはわかるわけでございます。本件、宮津エネルギー研究所の場合は地上濃度の予測値が非常に小さいものになっておりますので、運転開始以降、本当に宮津発電所の影響があるかどうかというのは今のところ何とも言えないわけでございますが、私どもがこれまで実施いたしました各発電所の環境審査の結果に基づきます発電所の運転開始以降のデータでございますが、そう大きく予想と食い違って出たというような事例は今までのところはないわけでございます。
○神谷信之助君 ところが、今までのところ予測値と実測値との乖離は余りないという話ですが、それでは具体的に尾鷲の火電で聞きますが、ここは今三号機の建設問題が起こっているところでしょう。これに対する中部電力の予測によれば、大気汚染の予測で、SOxの方ですね、硫黄酸化物の拡散問題、これをボサンケ・サットン方式で計算をして、一時間値で最大着地濃度が〇・〇〇一六ppm、最大濃度出現の距離は二十四・九キロと、これで影響はなしという評価になっているんですね。もちろんまた風洞実験もやられていますよ。これは今問題にするのはボサンケ・サットン方式の問題なんだけれども、こういう予測が出ています。ところが、このボサンケ・サットン方式なんですが、これは一般に適用条件があるわけでしょう、五項目。一つは放出量が時間的に一定で孤立した煙源であるということ。二番目は放出物は大気と同じ運動をして落下や沈着を起こさないということ。三番は煙源の風下での濃度分布は正規型を持つということ。四番員は平均風速は水平方向について一定。五番目は煙源の周囲の地形は余り大きなでこぼこがない。ところが実際、現地の尾鷲は一を除いては大体条件が合わない地形でしょう。陸海から来る風、逆転膳、こういったものを除外した計算で一体正確な予測ができるということになるのかどうかという点が疑問があるわけですね。この点はどういうようにお考えですか。
○説明員(吉沢均君) 先ほど御説明申し上げた拡散予測でございますけれども、先生今おっしゃいましたようなボザンケ・サットンの式を使うということがベースになっておるわけでございますけれども、これは先生十分御案内のとおり平地の場合の計算式ということでございまして、この式が確立する過程には実測値ともうまく合うように各パラメーターがとられているということではございます。しかしながら先生おっしゃいますように、宮津エネ研の場合はすぐ近くに小高い山がかなりあるということもございまして、私どもとしては、こういう平地の式そのものをそのまま適用していいかどうかということについては問題意識は持っておりまして、こういう場合、その地形の影響がある場合につきましては風洞実験もあわせ行いまして、その結果と計算予測値との関連性を求めてそれに基づいてあわせ評価をする、そのような考え方をとっておるところでございます。
○神谷信之助君 ところが、だからそういう意味では、尾鷲の場合は一号機、二号機は運転されているわけですから、稼働しているんですから、それに伴って実際の最も濃度の濃い地域は一体どの地点になるか、こういう予測と一体どういう関係にあるのかというのは、これは実測濃度で調べることはできるわけでしょう。尾鷲市が委託をして三重県の環境保全事業団、これが尾鷲地域における環境現状調査中間報告を五十五年の二月ですか行ってます。これは名大や愛知工大、三重大等の学者それから専門家、全体で三十五名の調査団で大気質の調査をやっています。大体煙源から〇・六キロ地点から二十二キロ地点までの間の二十三地点を観測地点に選んでやっている数値が出ています。一時間値の最高値がどの地域に多いか高いか、これも五十四年の九月から五十五年の二月にかけてずっと調査した表がありますが、それを見ると大体煙源から一キロの矢浜小学校、それから二・五キロの行野浦の無線基地、無線観測所ですね、大体この煙源に近いところで最高濃度が出ているわけですね。だから先ほどの中部電力の何で言うように、最大濃度出現距離は二十四・九キロということじゃなしに、二十キロ離れた紀北中学、これは紀伊長島町ですが、ここへいくとずっと濃度は低くなってますよね。だからその点で言うと実測が違ってくる。NOxの場合も同じような傾向になっていますよ。尾鷲市の委託に基づいて学者、専門家でチームをつくってそれだけの調査をやっているんだけれども、そういう結果が出ている。 それで、あんた方の方もそうだし環境庁もそうだけれども、このボサンケ・サットン方式というのは大体毒ガスや生物兵器の拡散予測として研究された歴史を持っていて、最低濃度を知るためには有効だけれども、最高濃度を知る目的の環境影響予測には不適当だと、そう言う学者もいますわね。だからそういうものをベースにして、それを基調にしてやっておられるというところに私は根本は一つ問題があるのじゃないか。今言ったように現実の測定濃度というもの、これは現実に動いているんだから、最大濃度の出現距離は予測ではこの地点である、ところが実際には違うというのも出ているんです。モニタリングをやって、もう長期に動いているんですから、そういう結果というものをちゃんととってやる必要があるし、方式自身も改める必要があるんじゃないのか、そうしないと予測した値打ちがない、意味がない、こう思うんですが、いかがですか。
○説明員(吉沢均君) 大気汚染の地上濃度の予測でございますけれども、とりあえず大気汚染防止法に基づきます排出基準の考え方、これも煙源からの気象条件におけるある地上濃度の拡散という場合を考えまして、いわゆるK値規制でございますけれども、こういう排出基準を決める際の考え方にも使用されておる式でございまして、私どもとしては一つの影響評価の手法としてそれなりに意義があるものと考えておりますが、先生今御指摘のように地形が複雑な場合というのは必ずしも的確に該当するものではないところでございますので、私どもとしてはいろいろ風洞実験を行うなど、いろいろな妥当な評価のあり方を考えているというところでございます。 なお、今申し上げましたのは一時間濃度あるいは一月の二十四時間値の濃度ということで短時間の予測でもございますが、なおそのほかに年間平均値の濃度ということも、環境庁がお示しになりました総量規制マニュアル、そういう基準によりまして求めておりまして、そこで総合的な評価、判断をしておる、そういうことでございます。
○神谷信之助君 今のボサンケ・サットン方式は平地の問題だから、尾鷲なりあるいは宮津とかそういうところの地形ではもう一つ正確に出てこない。それで別に風洞実験もやる。風洞実験もあれ平たんですよ、平たんでしょう、風速六メートル、気温が摂氏十五度ぐらいかというように、煙突の高さが何メートルというようにわあっとやるんじゃないですか、距離をぐっと縮めて、圧縮して、縮尺して。だから実際の現実の地形と、いろんな試験はやるけれども、それとはなかなか合致しない。必要なのは煙突から既に煙が出ているんだから、幾つも、そこで、一体どの地点に出てくるのか。今まであなた方の関電なり中電なりの施設はとにかく二十キロとか、宮津まで十七・九キロでしょう、そこへ一番最大濃度の出現距離はそこやと、こう言う、そんなんとはちょっと違う。だから宮津で言うと天の橋立は近いんだから大丈夫でございますというのだけれども、ところが実際に現実に起こっている状態を見たら近距離の、近いところに最大の濃度が出ているわけや。排出する煙は集じんの科学技術が進歩してそれは少なくなるかもしれぬけれども、どういう状態で排出されようがそれの最高濃度、最大濃度は大体どの辺に出てくるのやと、その地形においてはというような実測をひとつ、類似したそういう地形なり何なりでやる必要があると思うんですよ。だから宮津火電でも風速六メートル、大気安定度中立、気温摂氏十五度、煙突の高さが百九十八メートル、これでやって最大着地濃度距離は十七・九キロ、最大着地濃度は〇・〇〇一四六ppm、関西電のこれは調査ですがね。それから、先ほどあなたが言った環境庁の総量規制マニュアルでやれば、長期拡散予測では最大着地濃度が〇・〇〇〇一四ppm、年平均ですが。最大着地濃度地点は南南西八キロと、だから天の橋立は心配要りませんと、こうなるんだ、これ。 そこで、長官にお聞きするんですけれども、私は京都生まれの京都育ちですから、我々京都人にとって日本三景の一つの天の橋立というのはこれはつぶされちゃたまったものじゃないと思いますが、戦争中にあの向こうで大江山のニッケル鉱山がありまして、軍の何である当時の伍堂卓雄商工大臣が宮津、当時町ですが、天の橋立を切って船が出入りできるようにすると言ってきたとき、もう町長が懐剣を潜ませて大げんかして助かったというのですけれども、その天の橋立も確かに今自動車交通がふえたりしますから、だから廃棄物がふえてきたりしているし、だから松の活力も減退しているし、したがって、松くい虫の繁殖もあったりして、大騒ぎしながら必死になって今守っていますよ。そこへ大体四キロないし五キロ離れた地点に火力発電所を百九十八メートルの煙突でやるわけ。ところが煙突何は商うしても冬季はここは逆転層が起きるんですよね、地上二百メートルぐらいで。それ多いんですよ。だから煙突何は商うしてもこうなるよりしゃあない、上へ行かへんわ。それで、最大濃度のところが大体二キロ半から四キロ、五キロというのが尾鷲の観測でも出ていると。ほんまに大丈夫なんかという心配があるわけね。この辺は私はそういうところに、しかも日空二県の一つ、それから若狭湾国定公園の境界の外に建ておるのや、一メートル離れたところや、そうしたら公園の中と違うさかいしゃあない、こう言うんでしょう。そんなところへそんな危険なもの、怪しげなものを持ってきてもらっては困る、安全なところにやってください。日本三景の一つの天の橋立の松が枯れたら一体どうしてくれるんや、こういうのが地元の人の強い不安である。これについては長官、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(森美秀君) 神谷委員の御質問にお答えします。 おっしゃるとおり、この問題は昭和五十二年にちょうど蜷川知事さんのころにエネルギー研究所として発足したかと思います。それで六十年の九月ですか、京都府知事の認可があったと、こういう経過だと考えております。実は天の橋立というのは、先生がおっしゃるように京都府の生まれだからというんじゃなくて、私どもは子供のころから日本三景で大変珍重しておりまして、また私個人にとりましては、実は先ほど天の橋立をぶった切るというお話をしておりました大江山ニッケル鉱業に昭和十七年に入りまして大変因縁の深いところで、戦後はしばしば夏などあそこへ泳ぎにいって貝などをとって遊んだものでございます。そういうことでやはり何というんですか、国定公園という以上に我々のイメージに日本三景として残っておるものでございますので、形の上ではおっしゃるとおりお役人さんが答えれば、これは京都府の認可だということだと思いますが、もちろんそれ以上のものは私どもができようとは思いませんが、やはり気持ちの問題で何とかして日本三景を立派な姿にして後々まで持っていこうというのが私どもの考えでございますので、できる限りの努力をする所存でございます。 以上です。
○神谷信之助君 それでこの宮津火電の建設のゴーサインを出す最終段階が電調審ですかね。それには環境庁長官の方から御意見を述べておられると思うんですが、この環境保全について担当者でも結構ですからどういう環境庁としては見解をお述べになったのか、まずその辺をちょっと聞きたいと思います。
○政府委員(岡崎洋君) ただいま先生おっしゃられましたとおり、私ども電調審で本件について意見を申し上げたわけでございます。基本的にこの案件につきましてはいろいろ審査をいたしました結果、スタートすることはやぶさかではないという判断はいたしましたけれども、場所が場所でございますので、自然環境の保全ということについては十分配慮してひとつ通産省において事業者を指導していただきたい、こういう意見を申し添えまして了承したわけでございます。
○神谷信之助君 まあどうなってもいいからやれというわけにいかぬので、天の橋立守れと、十分万全を期することということになるんですが、同様の条件で三国火電の問題があるんですよね。ちょっと済みません。委員長、資料配付お願いします。 〔資料配付〕
○神谷信之助君 これは三国に火力発電所ができまして周辺の樹木が枯れ出してきた、活力をなくしてきた。それで芦原町が委託をいたしまして、京都大学理学部の河野教授や金沢大学医学部の岡田教授やら五人の学者と、それから町の諸君やらも含めまして十二年間にわたって樹木の調査をやりました。調査地点は芦原町内の四十六地区、それから坂井郡内、福井市など合計九十一地区を調査なさっています。それで皆木調査といいますか、全樹木を調査をするそういう地域、これを設けたり、それから地区内の全樹木の名簿をつくる、それから外見の変化、年輪、硫黄含有量などを調査をなさいました。それで芦原町だけで杉が五百五本、ケヤキは八十六本調査をした。そして樹木の活力度調査というのを行われました。お手元へ配った資料はその樹木の活力度を示すものです。0から5までありまして、発電所のある地域に近いところが黒っぽいでしょう。遠くへいけば白っぽくなってきます。だから発電所に近いところほど活力の低下が甚だしいという状況を示しているわけです。 すぐ近くの三国町の滝谷寺のお寺で、これは樹木三百年からの杉がある。名勝庭園、国宝、重要文化財指定の庭園があるところですけれども、(資料を示す)これごらんのように上の方の杉がもう枯れてきてますね。この上の方がずっと枯れてくるんですよ。それでその次になると真ん中の方にずっと広がってきて、そして最後にはもう全く完全に枯れて、そして切り倒していくという、だから参道も惨たんたるものだと。一遍枯れたら、すぐかわりはできませんしね。そういう状態が起こっているんですよ。それで、これは宮津の市会議員の諸君も超党派で調査団を派遣して調べて、実際現場を見てこれはえらいこっちゃということになってきているんですよね。 それからこの調査は、ソフトエックス線による杉の年輪の成長の解析、それから大気汚染とタンニンですね、杉の葉の中のタンニンの含有量の調査もやっています。そういう中で、大気汚染とこのタンニンとの関係、相関関係があること、それから杉の年輪の指数と学童のせきとかそういう疾病症状、これの関係、相関関係があるというような点も綿密に調査をなさって報告されています。 だから、そういう事態を見て、地形が同じようにすぐ山になっているし海も前になっている。今度できる栗田のやつもすぐ宮津市まで四キロから五キロ、天の橋立もそれぐらいですからね。だからちょうど似たような地形だから極めて心配をしておられるんですが、この辺について環境庁どういうようにお考えですか。
○政府委員(岡崎洋君) 今お示しの三国火力発電所の具体的な事実については、実は私まだ克明に勉強しておりませんでしたので、これについてにわかに申し上げることはできませんけれども、環境庁として、大気汚染と人間の健康の問題のほかに、大気汚染の植物への影響ということにつきましては、特に近年酸性雨の問題等もございますものですから深い関心を寄せておりまして、私どもの附属機関の研究所でも、実験室なんかで研究をするとか、あるいは酸性雨の問題が日本において植物に影響するかしないかというような御指摘等も事例としてございますので、そういうことに対しても緊急に取り組むとかいうようなことをやり始めたところでございまして、個々具体的な事例を一つ一つつぶして、きっといろいろな影響が絡んでおるのではないかと思いますけれども、そういう点を明確に分析した結論づけはいまだしておるわけではございません。
○神谷信之助君 そうすると、結論を出しておらないのに、環境保全に万全を期しなさいよと言って、さあ通産省ちゃんと業者の指導をやりなさいよというんじゃ、環境保全それから公害の発生予防を任務とする環境庁としては無責任きわまるでしょう。今研究しているんだったら。はっきりそういうことが起こらないという結論が出るまでストップと、そうなんじゃないですか。 いいですか、私はこの辺はひとつはっきりしてもらわないかぬと思うんだけれども、資源エネルギー庁の方は電源開発、これが先行しますよね、仕事の関係からいくと。だから、少々の汚染物が出るあるいは若干の影響が出ても、この程度なら許容範囲だと認めて、目をつぶってつくってくれと、こういう立場でいくでしょう。環境庁の方は、そうは言ってもいかぬよ、緊急にもし枯れるような事態が起こったら他のものをもってかえることができないような場所じゃないか、そんな簡単にいきますかと言って、環境庁の責任を果たすのと違いますか。 そうじゃないと、おうわかった、これ注意しいやと言うたら、向こうの方は、ああ大体許容範囲認めてくれたな、もし枯れ出しても環境庁も同罪やなど、こうなるだけの話で、気楽になりますよ。 だから、その辺は私は、環境庁が環境庁として存在をする限りは、これをはっきりしてもらわないと、それだったら環境庁要らぬがな、ややこしいものと、こうなりますよ。
○政府委員(岡崎洋君) 私どもの物の考え方は、もちろん個々具体的な事実の検討につきましては、現在知り得る科学的な知見あるいは従来の経験等を十分総合して、その時点でのベストの検討はいたすわけでございます。 したがいまして、今個別の宮津のお話が出ましたけれども、その際には、発生源からどのくらいの濃度の量が出るかとか、あるいは先ほど先生が欠陥があるとおっしゃいましたけれども、それがどういうふうに地上に拡散していくのか、あるいは天の橋立に向くような風向きというのが年間でどういうふうに動いていくかというような、やり得ることはすべてチェックをいたしまして、その上でその時点での結論を出して判断をしておるわけでございます。 ただ、それがすべて理想的かどうかと言われれば、将来に向けてはなお勉強する余地がある、こういうことでございまして、任務を放棄しているわけでは全くございませんし、程度の、量の問題でございますから、その量をどうやって詰めて、どのレベルならどうという把握の勉強は今後とも十分していかなければいけない、かように思っております。
○神谷信之助君 現在の段階で科学的に予知できる範囲、それではまあまあよかろうと。それでやってみてあかんかったらどないなるのやと。絶対大丈夫、あるいは実際実測をしても、何やっても起こりませんよと。私は尾鷲と芦原の例を言いましたけれども、いや、そういう例はこういう条件で、宮津での場合にはそうはなりませんと、科学的にちゃんと証明ができるのかどうか。それなら納得できますわね。 長官、私はこれも前から言っているんだけれども、この調査をやる主体が事業者でしょう。関電がやるわけですわね。我々は、火力発電所をつくる、原発をつくる、頭から全部否定をしているわけじゃない。それが自然環境を破壊したり公害を発生しない、そういう保障をせにゃいかぬ。そのためには、自主性なり民主性なりあるいは資料の公開なり、そうしてみんなが納得できる条件をちゃんと保障しなさいよと。 ただし、やる本人は発電所をここへ立地をしたい、そしてそれで採算がとれるという希望、熱望を持ってやる人が調査するんですからね。それで、微妙な数値ですからいろいろな、一つの数値をどういうふうに見るかというのは、これはいろいろなまた考えが出てくる。それに任じて、そしてそれを見て、いや、それはちゃんと資源エネルギー庁も検査をし環境庁も審査をし、建設省もやり、各省関係者やっています、学者もちゃんと見ていますと言うけれども、何ぼ見たってもとのデータが違うておったらわからへんわけですよ。これは新薬の検査でもいろいろ出てくるわけでしょう。前に衆議院の予算委員会で私どもの不破さんがやったけれども、放射線のデータを改ざんした例もありましたが、そういうことが現実に起こっているんだから、今度は関係者はそう簡単に納得できないわけでしょう。泥棒に縄渡して、おまえ泥棒したら自分で縄で縛れ言うたって、そんなもの縛らへんわね。それと同じものやからね。自分がここへつくりたいと思っているのに、つくることができないような資料を出しますか。そういう方法を閣議決定でやられてきているんですよ。それが電源立地をする場合に常にその地域住民との騒動の根本問題になっているわけです。 僕は、これは今度識見のある森長官が長官になられましたんやから、ひとつ研究してもらって、これも根本的にひとつ考えてもらう必要があると思う。 例えば、第三者機関つくると、こうやったわけだ。それで、呼んできたら、原因者負担を原則としとるさかい、つくってやって、要った費用は事業者に出させるだけの話でね。だから、そういうようないろいろな方法をもっと考えてみて、そして、これならばだれもが納得できる、公正なデータやというものでないと、本当にこういったものはできないし、事、私は宮津の場合は、これは今言うたような例なんかを含めて環境庁の方で事務的にもひとつ検討してもろうて、今はまだ進入道の建設にかかりよるところで、それはまたそれでももうすぐ出ているんですよ、騒音が全然話が違うやないか、トラックの台数が全然話が違うやないかと。それは少な目に言ってますがな、反対を抑えるために。それで実際出たものだから文句が出ていますよ、今。また、裁判になろうかというわけでしょう。だからそんなことをやったってだめなんですよ。だから今言ったような点もひとつやってもろうて、これはちょっと期限を待ってもろうて、それで十分検討する必要があるというように判断をしたらストップをかける、自然環境を守り、公害を防止するためにはそれぐらいの力を持たないと環境庁意味ないと思うので、ひとつこの辺、長官の御意見を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(森美秀君) お話のようなことは、将来にわたって、今高度成長からようやく落ちついた世の中になってきましたから、いろいろ考えねばならないことたくさんあると思います。しかし、現在の行政におきましては、京都府という大変しっかりした、あなたのお生まれになった京都府でございますから、万遺漏なきを期してやっているということを私は確信しております。しかし、やはり人間というものはどこに何があるかわかりませんから、十分に環境庁としても努力をしていく所存でございます。
○神谷信之助君 一応一たんゴーサインを出してますからそう簡単にひっくり返すわけにいかぬけれども、趣旨はよく酌んでもらって慎重にやってもらいたいと思います。 それで、あともう時間がありませんから厚生大臣に一つ聞いておきたいと思います。 六十年度に、例の厚生省関係の社会保障関係の予算の一割カット問題をめぐって去年の通常国会は激論を交わしたわけですわね。それで、おととしの暮れには市町村長を含めて全部反対と言っていたけれども、とにかく一年限りやから辛抱してくれと言って去年は済んだわけです。一年限りやということをやりながら、しかし検討会をつくって、結局ふたをあけてみたら、六十一年度予算では、六十年度五千八百億マイナスになっていたが、この二倍の一兆一千七百億、減る分がふえるんですからね、そういう結果になってしまう。下水道関係入れたら一兆二千八百億、影響額というものが出てくるわけですね。これは国会を通じて政府が国民に約束している話と大分違うやないかというように私は思う。しかし、それは今論議をしても何ですから、時間がありませんから。 今度はその場合、例えば老人福祉関係とか、それから児童福祉関係、それから障害者関係とかというようなのは、もともと十分の八やったのが十分の七になり、今度十分の五になりますわね。それに伴って機関委任事務だったやつが団体委任事務になります、こういう話でしょう。そうすると、これはいかにも自治体に権限を移譲して地方自治の権限を強めているように見えるけれども、貧乏旗本くその力にもならぬと同じように、財源が伴うとらぬものを格式だけようけもろうてみたってくその役に立たぬでしょう。これは福祉水準の切り下げにつながるのやないかと私は思うんだけれども、心配しているんですが、厚生大臣いかがですか。
○国務大臣(今井勇君) 私どもは、社会福祉施設の入所措置の事務の問題でございますが、これについては地域住民の日常生活に直接関係する事務として既に地方公共団体に定着した、そう言っておりますし、また住民に身近な行政はできるだけ住民に身近な団体において処理することが適当であろう、こういうふうな考え方で団体の委任事務とすることによりまして、地方のニーズに応じたきめ細かい対応ができるようにしよう、こういうふうにするものでありまして、したがって、これによって福祉水準の切り下げという事態が生ずるとは私どもは考えておらないものでございます。
○神谷信之助君 それは机上の空論はそうなんですよ。実際はそうはならぬでしょう。例えば老人ホームの運営の措置、八割補助やと、こう来ると。八割来るんですからね。だからそれは老人福祉の事業に、老人ホームの事業に使わにゃいかぬでしょうが。ほかに使えへんでしょうが。今度はどうするのやと。たばこ消費税二千四百億つけておるやないか、こう言わはるやろと思うのやけれども、あれは六十一年度限りやないかと。それで交付税ふえることになるのかと。逆にもっと減るんでしょう。あと起債ですからね。起債を使って老人ホームの人件費を出すわけにいかぬでしょう。だからそれは交付税で見てあります、こう言うんだ、あなたらは。交付税は補助金と違うてどこへ使うてもいいんやからね。地方財政全体が苦しゅうなっておったら、目に見える方に出そうかとか、選挙の票になる方へ使おうとか、こうなっていくんや、現実に。だから福祉事業というのは最低基準を決めて、その基準を保障する国の補助をちゃんとやって、貧乏やからもうやめやとか、ないそでは振れぬとは言わせませんよ、こう言って今日までの福祉水準というやつを維持し、あるいは少しはよくしてきたんでしょう。この突っ張り棒なくなったら反対の方向に地方自治は行くのやな。票にならぬところには金使わぬと、票になる方へ行きましょ、こうなって、橋はできるかもわからぬけれども、老人ホームなんかはどんどん民間委託にしていくし、採算とれなかったら閉めてしまうし、こうなるでしょう。もう目に見えているでしょう。全体の流れはそういう方向に行くんじゃないですかと。その辺はいかがですか。
○政府委員(小島弘仲君) 確かに直接的ないわゆるひもつきと言われる補助金は八割から五割になります。しかし、それに要する地方負担分としては、残りの五割については、先生今おっしゃったように、これは一般財源でございますが、交付税で財源措置をするということでございます。したがいまして、財源的にはできる、ちゃんと確保していると。先生御心配の、それはほかに使われるんじゃないかと、ここは我々の判断といたしましても、いろいろあると思いますが、我々はこう考えております。大臣もおっしゃったように、もう地方に定着していると、それは地方公共団体にぞ机を処理する事務能力も十分にあると。しかもなおかつそれが定着したということは、その必要性あるいは住民に対する関係でも実施の責務というものは十分浸透していると、これは心配ないという判断のもとでございます。と同時に、またこれは特に児童とか障害者ということの処遇は非常に重要でございますので、地方公共団体の団体委任事務にいたしましても法律ではその施設の運営なり設備なりの必要な基準は十分定めまして、これによって処遇に万全を期するという措置もあわせて講ずることにしておりますので先生の御懸念はないものと考えております。また、十分地方公共団体にも必要な助言はいたしまして、今後の体系的な福祉施策が円滑に進むように努力してまいる所存でございます。
○神谷信之助君 もう時間来ましたから終わりますが、おっしゃるけれども、例えば消防の職員なりあるいは消防機器、全部交付税で見ていますよ。それだけの消防の職員を置いているところは二つか三つですよ、自治体では。それが皆削られているんですよ。そんなに簡単にいくものやない。火事が起こって大災害が起こったら消防を強化せにゃいかぬと言いますよ。入れたらすぐまた消えている。どこかへ金は流れますよ。交付税というのはそういうものやからね。それでうまいこといくかどうか、これはあんた方がどれだけの何を、あるいは政府の基本政策として社会保障あるいは福祉を重視するかどうかにかかってくるんでしてね。これはまたいずれ次回、機会を見て論議をしたいと思います。終わります。
○関嘉彦君 きょうの決算委員会は厚生省と環境庁でありまして、私の質問も厚生省に多くの時間をとると思いますけれども、環境庁の方にその前に簡単でございますので先に質問申し上げたいと思います。 日本で環境問題がクローズアップしてきましたのは一九六〇年代だと思うんですけれども、それ以来世論の盛り上がりであるとか、特に環境庁が設立されて以来、国内の問題としては、特に産業公害の問題についてはかなり改善されてきたということは率直に認めていいんではないかと思います。しかし、私が質問したいと思いますのは、今までともすれば看過されてきたところの国際的な規模の環境問題、それに対してこれだけの経済大国になった日本として寄与すべき点がもっとたくさんあるんじゃないかと思いますので、そうした国際協力の面に絞って質問申し上げたいと思います。 一九七二年でしたか、ストックホルムで国連人間環境会議というのが持たれまして、それ以後国際的にもこの問題が大いに議論されるようになったように思いますが、その当時、東京でやはりASEANの担当者を集めて環境問題についてのセミナーが開かれたことがありますが、そのとき、東南アジアの代表者の人たちが、日本の人たちは大いに環境問題、公害問題なんか言っているけれども、自分の国はとてもそれどころの段階じゃないんだ、早く自分の国も環境問題を問題にし得るぐらいに経済成長、開発が進んだらいいというふうなことを発言したことを非常に印象深く思っております。 しかし最近では、そういった発展途上国の人たちもやはり環境問題の重要性を認識してきたように思っておりますが、日本としてどこまでそういった途上国の環境問題に対して協力できるか、そのことに私はもっと国民として関心を持つべきじゃないか、そういう観点から質問を申し上げたいと思います。 特に私が心配していますのは、アフリカのいわゆる砂漠化の問題。人口が急激にふえてまいりましたので、耕地の乱開発であるとか、そういったふうなために砂漠化あるいは農業生産力の停滞、減少をもたらして飢饉の問題なんかを引き起こしておりますし、あるいは東南アジアあたりでは森林の伐採、乱伐といいますか、その後の植林が十分なされていない、そのためにいろんな公害問題を引き起こしているというふうな問題があるわけです。 まず最初に、事実問題として、外務省の方見えていますか、日本でやっていますODAの援助予算の中で、主として開発に向けられている金額と、これはなかなかはっきり区別することができない面がかなりあると思いますけれども、主として環境問題のための援助に向けられている割合、大体のところで結構ですけれどもお知らせ願いたいと思います。
○説明員(太田博君) お答えいたします。 ただいまの先生の御質問でございますが、経済協力の予算で、必ずしも開発に向けられる分とそれから環境保全に向けられる分というぐあいに分けられておりませんので、直接どこまでお答えになるかという問題はございますけれども、最近我が国のODAの中で環境保全の分野に対する援助というのがだんだん重要性を増してきていることは事実でございます。環境保全と申します場合に、いわゆる公害防止の分野における協力、それから、ただいまも御指摘のございました砂漠化の防止あるいは森林保全等の分野における協力等、多岐の分野にわたる協力を実施いたしておりまして、二国間ベースで協力を行うと同時に国際機関を通ずる協力というのも行っているということでございます。 比率といたしましては、例えば昭和五十九年度、数字が明らかになっております一番最近の年度でございますけれども、昭和五十九年度におきまして、二国間の経済・技術協力におきまして、資金協力の面では大体五%ぐらいが環境保全に向けられている。それから技術協力の場合には、環境の分野における我が国の専門家を派遣する形の協力、それから開発途上国から環境の分野における研修生を受け入れる協力等がございますけれども、専門家の派遣でとってみますと、五十九年度の専門家の人数でいきますと大体六%、そのくらいが環境保全に向けられている経済協力の比重ということでございます。
○関嘉彦君 私は外務委員会にも所属しているんですけれども、外務委員会では、今までは主として単にODAの絶対額をふやせふやせということばかり強調してきて、その内訳のことを、特に環境保全の方に対する援助のことに私余り関心を持たなかったことを恥じ入っている次第です。この問題は例えばアフリカの砂漠化の問題、飢餓、飢えている人たちがたくさん出てくるということは、これは世界平和の問題にとっても非常に危険な問題であるし、あるいは東南アジアあたりの森林がだんだん減少していくということは、そういった森林なんかに住んでいる動物あるいは植物なんかがだんだんなくなっていくということで、日本で使っている薬なんかの材料にもそういったところの動物、植物なんかを使っているのがあるわけであって、これは日本の国益という点から見ても非常に大事な問題であるということに気がついたわけです。 そこで、環境庁長官、ひとつ今後ODAの外国援助の問題についても、その中身の問題で、環境保全についての割合をもっと伸ばしていく、そういうふうな努力をしていただきたいと思うんですけれどもいかがでしょうか。
○国務大臣(森美秀君) 今のお話、大変私どもにとって激励を受けているような気がいたします。一生懸命努力をしたいと思います。
○関嘉彦君 次に、グローバルな環境保護のための国際協力の問題、例えば化石燃料の使用の増加による炭酸ガスでありますとか、そのほか保温効果を持ったガス類が大気中にだんだんふえてきている。ある人の測定によりますと、二〇三〇年には、その結果として温度が摂氏一・五度ないし四・五度ぐらい上昇するだろう。それに伴ってシーレベルが、海水面が二十ないし一メートル四十センチぐらい高くなってくるんじゃないか。もしそういうことになれば、これは農業生産なんかに対する影響も非常に大きいわけであります。こういったふうな問題、一国だけの問題じゃないので、ともすると見逃されがちの問題だと思うんですが、こういうのはやはりグローバル、全世界的な規模で取り上げなくてはいけない。特にやはり技術なんかの先進国、日本なんかが進んでそのために貢献しなくちゃいけないんではないかと思うんです。今度東京サミットが開かれるわけですが、そのサミットの会の議題としてでも、地球的な規模での環境保全の問題に重点を置くように環境庁長官としても努力していただきたいと思うんですけれど、いかがでしょうか。
○国務大臣(森美秀君) もう先生御承知と思いますが、ちょうど鈴木内閣の時代に大來さんを座長にして地球的規模の環境問題に関する懇談会というのを私的機関としてつくりまして、答申もいただいておりますが、お申し越しの件も一生懸命努力いたします。
○関嘉彦君 ぜひ今度のサミット会議でも十分その声明書の中なり何なりで強調するように働きかけていただきたいと思いますけれども。
○国務大臣(森美秀君) 検討させていただきます。
○関嘉彦君 それから、その次は絶滅に瀕した動植物の国際取引についての国際条約、これの問題について一九八四年十月だったと思いますけれども、クアラルンプールの会議で日本が非難されたことがあります。それから、エジンバラ公が来日されたときにもその問題についての要望があったように承っているんですけれども、この条約の遵守のための国内的な措置及び輸入をチェックしていく、これは実施官庁は環境庁じゃないんで直接環境庁やりにくい点もあるかと思いますけれども、やはり総合的に監視していく、そういったチェックの方式はやはり環境庁として考えていただかなくちゃいけないんじゃないかと思いますけれども、どのような対策を講じておられるか、それをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、いろいろな問題が指摘されておりました。今から見ますと一昨年の十月になります。その直後、同月のうちに環境庁が中心になりまして、先生もおっしゃいましたとおり、通産省、大蔵省等々関係省庁がございますけれども、環境庁が中心になりまして、ワシントン条約、例の絶滅のおそれのある動植物の種の国際取引に関する条約でございますが、ワシントン条約関係省庁連絡会議というのを直ちに設けまして、その場におきまして大蔵省、通商産業省の協力も得まして、我が国における条約の適切な履行のための対応策を取りまとめたわけでございます。 以下、それについて若干かいつまんで申し上げますけれども、その前にこの対応策は、ちょうどこのワシントン条約の締約国会議というのが、これは昨年になりますけれども、昨年の四月末から五月にかけてアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたわけでございます。第五回目の締約国会議でございますが、ここに報告させていただいております。そこでは国際的にはクアラルンプールのときには非難を受けましたけれども、そのときには直ちに対応したということでそれなりの評価を受けたと信じておるわけでございます。 さて、その対策の内容でございますけれども、要点だけ申し上げますと、まず輸入する際の手続におきまして、条約で求めております輸出許可書という、これは手続の細かい中身は省略させていただきますが、正規のきちんとした輸出許可書を添えてくるものでなければ輸入は認めないという体制にいたしました。これは所要の法令をもう既に昨年四月に改めまして対応いたしております。 それから、それの本物かにせものか、国際的にはいろいろな各国ございますので、それにつきましても直ちに確かめられるように、これは外務省の全面的な協力、在外公館の協力も得まして徹底するようにいたしております。 それから、通関時のチェック体制と言っておりますが、これは税関が中心でございます。そこの体制の強化、それから体制だけでなしにいろんな、なかなか野生生物の問題でございますので、知見が必ずしも税関の担当者が全部がわかるというわけにはなかなかまいりませんので、それを緊急に勉強していただくと同時に、所要資料を整備する。さらには専門家のネットワークでバックアップする。 まあ以下申し上げますといろいろございますけれども、それらの事柄を昨年中に直ちに実行に移しておるわけでございます。 これらにつきましては、繰り返しになりますが、通商産業省、大蔵省等の関係省庁の全面的な御尽力をいただいておるわけでございますし、環境庁といたしましても、独自の分野として科学当局という立場がございますので、これにつきまして全力を挙げて実施の万全を期するようにいたしておりますし、今後とも努力したいと思っております。
○関嘉彦君 今後もその趣旨で努力していただきたいと思います。以上で環境庁に対する質問を終わりまして、厚生省の方に移りたいと思います。 民社党は立党以来福祉国家の建設ということを綱領の中に掲げまして、世論の喚起あるいは政府に対する鞭撻、いろいろ努力してきたわけでございます。今日まだまだ不十分な点はありますけれども、福祉国家の建設に対して非常に大きな進歩がなされたということは我々非常に誇りに思っております。しかし、その努力が成功したために新しい問題が起こってきている。と申しますのは、つまりその結果年齢が高齢化しまして、人口が高齢化いたしまして、そのために当初には予測しなかったようないろんな難問が起こってきているわけでございます。この福祉国家を質的に水準を下げないように、しかも永続して安定して維持していくためにはやはり制度の合理化、見直し、これは絶えずやっていく必要があると思いますし、また公平、公正ということを維持していくのでないと国民の支持を続けて得ていくということも難しいんではないかと思います。 その観点から三つほどお伺いしたいと思います。一つは、国民健康保険の保険料の問題、それから二番目は、これは先ほどほかの同僚議員からも質問があった問題ですけれども、老人医療保健の問題、それから三番目は年金関係の問題、この三つ、残された時間余りありませんけれども。
○委員長(丸谷金保君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(丸谷金保君) 速記を起こして。
○関嘉彦君 まず国民健康保険料の納付状況、巷間伝えられるところによりますと、だんだん納付状況が悪くなっているというふうな話が新聞なんかに載っておりますけれども、その最近の納付状況をまずお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(幸田正孝君) 国民健康保険の保険料の納付状況でございますが、市町村国保の場合にはここ数年来徐々に低下傾向にございましたが、昭和五十九年、一昨年にやや収納率が上向いたと、こういう状況でございます。数字を申し上げますと、五十六年が九三・八%、五十七年が九三・六%、それから五十八年が九三・四%と逐年低下をしてまいりましたが、五十九年は九三・六%ということで五十七年の水準にまでまた戻ったと、こういうことでございます。
○関嘉彦君 五十九年は多少戻っておりますけれども、やはり全体として見ますと低下しているんじゃないか、長期にとってみますと低下してきているんじゃないかと思うんですが、この未納付者に対してどういう措置をとるように自治体、市町村なんかを指導しておられますか。その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(幸田正孝君) お話しのとおり、市町村国民健康保険の保険料の収納率が逐年低下傾向にあることでございますので、私ども昭和五十九年度から収納率が全国平均、または都道府県の平均以下であるような町村、あるいは収納率が年々低下をしておりますような町村を対象にいたしまして目標の収納率を設定させる、あるいは夜間に集金をするとか休日に集金を、徴収をするとかというような市町村につきましては、交付金を特別に交付をするというようないろんな手だてを講じまして、収納率の低下に歯どめをかけるような努力を国といたしても市町村を督励をいたしております。また、保険料の収納率が一定水準、九二%よりも低いような市町村につきましては、場合によっては一部国庫補助金の減額措置も講ずるというようなことで、できる限り収納率の低下を来さないような努力を国としても市町村にお願いをしている現況でございます。
○関嘉彦君 督促してもどうしても納付しない人に対して市町村で保険証を渡さない、渡さなかったところがあるそうですけれども、一時的だったと思いますけれども、そういうふうに督促しても納付しない人に対して保険証を渡さないということは違法でございますか。
○政府委員(幸田正孝君) 督促をいたしましても保険料を納入をしないという者について、長期間にわたって被保険者証を交付をしないというのは、今の制度のもとではその趣旨にもとるというふうに私ども従来から考えております。しかし、お話にございましたように、社会保険システムを基本にいたします日本の医療保険制度でございますから、保険料を正当な理由がなしに滞納をして給付だけ受けるという事態は、公平公正という面から見て問題があるのではないかという意識、認識をかねてから持っているわけでございまして、こういった問題について法的に何らかの措置がとれないかということで検討をしているところであります。
○関嘉彦君 経済的な困難からどうしても納付できない人は、これは私はやはり免除なりしかるべき措置をとるべきじゃないかと思いますけれども、かなり生活上余裕があるのに納付しない人がいるということは、やはり国民の公平感を損なうことになるんじゃないかと思うんです。そういった人たちに対して何らかの不利益処分を与えるのはやむを得ないんじゃないかと思いますけれども、検討しておられますでしょうか。
○政府委員(幸田正孝君) 保険料が経済的にどうしても納入ができない人々に対しましては、国民健康保険では減免の制度がございましてその運用を図ることができるわけでありますが、正当な理由がない、あるいは経済的に十分能力がありながら故意に納入をしない者について何らかの措置、法的措置がとれないかということで現在鋭意検討している最中であります。
○関嘉彦君 大いに適切な対策をとっていただきたいというふうに考えております。 次は老人医療保健の問題を質問するつもりでおりましたけれども、これはかなり時間をとりそうなので、先に簡単な年金関係のやつから質問申し上げます。 現在、日本の中曽根内閣ではやはり国際化ということを施政方針の一つにしておられ、私も非常に賛成なんですけれども、やはりそのためには日本から外国に行く人が安心して外国に滞在して仕事を続けられる、あるいはまた逆に外国から日本に来て大いに日本と協力して働いてもらう、そのためにはやはり年金制度が両方で通算できる、あるいは何らか継続できる、そういう意味の国際化が必要ではないかというふうに考えております。つまり現在では年金保険料が日本人の場合、日本とそれから外国に行っておればその外国と二重払いになるようなことがあるわけでありまして、しかもその滞在期間が最低受給資格期間といいますか、それに満たない人たちの場合には払い捨てになる可能性もあるわけであって、そういう不合理を是正することが必要ではないかと思いますが、現在西ドイツとの間で何かその交渉はしておられるという話ですけれども、どういう基本的な考え方の上に立って交渉あるいは協定を結ぶお考えなのか、それをお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉原健二君) 今お話ございましたように、国際化時代の到来によりまして多国間の国際的な人的な交流というものが非常に盛んになってきているわけでございますが、そういった意味から年金制度の適用についても二重適用を廃止する、排除する、あるいはそれぞれの年金の適用期間を通算するというような措置がますます必要になってきているわけでございます。こういった観点から西ドイツとは昭和四十年代の初めから日独の間の年金の通算措置につきまして交渉をしていたわけでございますけれども、一時それぞれの両国の事情がございまして交渉が中断していた時期がございましたけれども、五十九年の秋に渡部厚生大臣がドイツを訪問されましてブリューム労働社会大臣とお会いいただいて、その交渉を再開することにいたしたわけでございます。それから、その後私自身、昨年西ドイツに参りまして向こうの担当の局長と会いまして事務的な協議をこれから詰めていくということに意見の一致を見たわけでございまして、その後すぐ向こうから担当の課長が日本に参りまして、実はもう通算協定の内容的な協議に入っているわけでございます。 そこでの基本的な考え方は、少しお答えが長くなるかもしれませんが、一時的に派遣されている職員については、それぞれ母国の制度の適用を継続し、派遣先の国の年金制度は適用しない。そういったことによって年金制度の二重適用を排除するということ。 それから、一時派遣でない一般の場合でございますが、老齢年金については、日本と西ドイツとの間を移動することにより双方の年金制度に加入した方については、両国の制度への加入期間を通算して年金の受給資格を判定する。そして、年金額はそれぞれの国が自国法の適用期間に係る年金額を算定をしてそれぞれの国が支払う、いわゆる年金の通算における数珠つなぎ方式という方式でございますけれども、そういった方式をとることにしようではないかというようなことで、ほぼ考え方の方向としては意見の一致を見ているわけでございまして、現在そういった方向で具体的な協定の内容についての詰めに入っているという段階でございます。
○関嘉彦君 それは西ドイツとの間だけですか。ほかの国とは全然その話はないんですか。
○政府委員(吉原健二君) もう一つアメリカとの間でもこの年金通算協定についての交渉をしているわけでございまして、もう既に日米の間におきましても、大臣レベルそれから事務レベル、再三再四交渉しているわけでございますけれども、アメリカとの関係につきましてはまだ実は西ドイツほど事柄が進んでおりませんで、こういった両国間の年金通算の必要性は相互に十分認めているわけでございますけれども、それを具体的にどういう方向で検討を進めていくか、あるいはそういった協定を結ぶことによってそれぞれの年金制度へのいろんな面での影響というものが出てくるわけでございますが、そういった影響というものをどういうふうに考えるかということについてまだそれぞれの国で検討しているという段階でございます。
○関嘉彦君 大いに促進していただきたいと思います。 それから、やっぱり年金関係で、実は私、昨年文教委員会で私学共済年金の問題を審議したんですけれども、そのときに私学共済年金のことをいろいろ聞きましても、結局これは国家公務員の共済年金、これに右へ倣えしたんだという話なんです。 それで、厚生大臣は同時に年金担当大臣だと思うんですけれども、そうすると、共済年金については厚生大臣、年金担当大臣は、多少の調整なんかするかもしれませんけれども、本当の担当をしていないように思うんです。つまり、国民全体の財布を預かっているところの大蔵省が、国家公務員という一部の団体の利益代表という形をとるのは私はおかしいんじゃないかと。むしろ、国家公務員であれ、地方公務員であれ、あるいは私学共済であれ、農林団体の共済年金であれ、実務はそれぞれ別なところでやっても構いませんけれども、全体の調整、総合政策を立てるのは厚生大臣でなくてはいけないんじゃないか。あるいは、年金の問題非常に大事ですから、これは別に年金省というふうなものをつくる必要があるかもしれないと思うんですけれども、そういったところに統合すべきではないか。それでないと全体の調整、納付と給付の均等化、そういったふうなことを十分やれないんじゃないかということをそのときに感じました。これは、各省が持っている権限を奪うんですからお役人たちはそれぞれ抵抗するだろうと思いますけれども、厚生大臣、その問題についていかにお考えでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) お説のように、厚生省がすべての公的年金制度を所管するということも確かに一つの御意見ではあろうと思いますが、現在、制度を所管します各省庁が一体となって公的年金制度の一元化に努力をいたしておるところでもありますので、やはり私は当面は今後とも現在の体制で取り組んでいきたい、こう考えるものでございます。
○関嘉彦君 これは日本の官僚制度の問題、縦割り行政の問題やなんかにも関連するんで、一朝一夕に直ちに改善できるとは思わないんですけれども、やはり将来の方向としては、私が今申し上げたような方向に進むべきじゃないか。今すぐどうしてくれということは要求いたしませんけれども、その努力をしていただきたいと思います。 それから、一番大事な老人医療保健制度の問題は、いろいろ数字なんかについてお聞きしたいと思いましたけれども、時間がございませんので、私の方で算定しました推定予測なんかを申し上げたいと思っております。 現在、いわゆる老人保健法の対象になっていると十歳以上及び六十五歳以上七十歳未満の寝たきり老人、これを老人という名前で一括いたしますと、そういった人たちが総人口の中の六・九%、約八百万ですか、ところがこれが昭和九十五年、三十何年か先ですけれども、これは人口がピークになるときじゃないかと思いますが、そのときになりますと、他の事情が変わりないとすれば、全体としてその割合が一五・九%、合計二千三十六万人ぐらいにふえる。その場合の老人医療費がどうなるか。老人医療費というのは、これはもう技術進化なんかもありますし、安くなるような薬もあるでしょうし、あるいは高度の医療機械が発明されて、非常に高価な医療を使うようにもなるでしょうし、なかなか予測は難しいんですけれども、もし医療費の比率が今のままで推移すると仮定しますと、昭和六十年度において老人医療費が国民総医療費に占める割合は二四・三%、昭和九十五年の推定では、今のままそのトレンドを延ばしていった場合ですけれども、四八・七%を占めるというふうに私の方で計算したわけですが、もしそうであるとしますならば、これはどこかにそのしわ寄せが及んでくるわけでございまして、幾らでもその保険料を高くして国民の負担率を高めていく、あるいは税金をどんどん取っていくというのであるならば話は別ですけれども、やはり国民の税金及び社会保険料の負担というのは、北欧諸国のように五〇%を超すということは、これはちょっと問題があるんじゃないか、やはりそれ以下のところに抑えなくてはいけないだろうと思う。そうしますと、やはり老人医療の合理化ということが必要になってくるんじゃないかと思います。ほうっておくと医療水準が低下する、それによって何とか財政上カバーしていくということになってくるんじゃないかと思うんです。 それで、いろいろそれについて問題があるんですが、ちょっと時間が足りなくなりましたので、現在そういう問題を合理化するためにどういう考え方を持って対処しておられるのか。私は、けさほどからちょっと話がありましたように、やはり動物の中では人間だけが親孝行する、親孝行しないのは畜生にも劣るというふうに、畜生に劣るか畜生と同じになってしまうのかわかりませんけれども、その点から言いますと、できればやはり自分のうちで同じ生活をしながら、在宅ケアといいますか、それを伸ばしていくべきじゃないか。ただ、それは実際問題としてはなかなかできない。私のうちでもやはり近親者で老人がおって、結局家庭でごたごたの問題が起こるようになってできなかったんですけれども、そういった在宅ケアに対してはできるだけ援助してもらうんですけれども、それだけではどうしてもできないだろうと思う。それに対していきなり老人病院の方にほうり込むというのではなしに、何らかの措置が必要ではないかと思うんですけれども、大体のお考えをお伺いしたいと思います。
○説明員(黒木武弘君) 御指摘のように、老人医療費はだんだん増高傾向を示しておりまして、ピーク時には先生御指摘のような数字になることも推計できるわけでございます。私どもは基本的にその老人医療費をどう今後適正なものにしていくか、それを国民がどう公平、公正に負担していくかということが非常に重要な課題だと承知いたしております。 そこで、この老人医療費、増大が避けられない老人医療費をどうやって適正化するかという基本的な考え方でございますが、一つはまず何よりも大事なことは健康づくり対策、壮年期からの健康づくり対策を充実いたしまして健やかに老いていただくという健康づくりが最も大切だろうと、そして元気で寝たきりにならない形の老人を老後に迎えていただくというのが何よりの基本ではないかと思っております。そのほか老人の診療報酬につきましてお年寄りにふさわしいものにしていくと、例えば入院よりも在宅重視の診療報酬にする、あるいは投薬、注射、検査等よりも生活指導面を重視した診療報酬に合理化していくと、こういうことも必要だろうと思っております。そのほか今後の高齢化社会を踏まえまして制度全体のやはり改革なり見直しが必要だろうということで、適正な受診なり健康の自覚を願うために老人医療費の一部負担金についても改定をしたいと思っておりますし、何よりも重要な決め手として、いわゆる中間施設と言われております要介護老人に対します施設を新しく施設体系としてつくる必要があるんではないかというふうに考えております。そのほか社会局サイドの在宅サービス等あらゆる手段を講じまして、医療費を適正なものにしていきたいというふうに考えている次第でございます。
○関嘉彦君 もう時間がなくなりましたのでこれで質問を終わりますが、今の制度の問題、これは非常に重要な問題で、また今度の予算なんかにも組み込まれるかと思いますので、その予算の審議のときに改めてこの続きをやりたいと思っております。
○木本平八郎君 私は、実はトンチン年金の問題について少し皆さんと検討してみたいと思うわけなんですけれども、それでまず一番初めにお互いのアンダースタンディングのレベルを一致させるために、厚生省の方でトンチン年金というものはどういうものであって、どういう仕組みで、過去歴史的にはどういうことがあったと、そしてその問題点、日本で適用する場合にはどういう問題点があるだろうというふうにお考えか、その辺をまずお伺いしたいんです。
○政府委員(吉原健二君) トンチン年金でございますが、先生の方があるいはお詳しいかと存じますけれども、トンチン年金と申しますのはイタリア人のトンチという人が考案をした年金でございまして、年金というよりも厳密に言いますと公債の募集の一つの方法だというふうに私ども理解をいたしているわけでございまして、十七世紀にそのトンチの考案をしたトンチン年金方式による公債の募集をフランスが初めて採用したというふうに聞いております。このトンチンの公債募集というのは一定の公債を募集しまして、それを一定の年代の人に、同一年代の人に十ランクに分けて公債を買ってもらう。そしてその人に利子を配当していくということになっているわけでございまして、年々のその利子の配当というものをその同じ年代の人に等分に分けていく、その年代の人がだんだん死亡して亡くなっていきますと、生存者に対する利子の配当が多くなって、結局最後に一人残った場合には、一定の利子というものを全額その一人の人が全部もらう。その最後の人が死んだときにはその元本は全部国に帰属する。こういう実は公債の募集のやり方、一つの方式であったわけでございます。 フランスが大変いい方法ではないかということでこれを採用いたしまして、その後続いてオランダでありますとかイギリスとか、そういった国でも同じたぐいの年金といいますか、公債の募集というものが行われたようでございますが、その後実際にやってみますといろいろ問題が出てまいりました。また、いろいろ批判も出てまいりまして、結局十八世紀後半にはどこの国もやめてしまったというような経緯があるようでございます。その場合の問題といいますか議論、批判として言われましたのが、年金といいながら非常にギャンブル性といいますか射幸性が強いということが一つございます。それから、同一年代の人がだんだん少なくなっていけば生存者に多く利子が配当されるということになっているもんですから、他人が早く死ねばいいと、こういう言い方はなんでございますけれども、他人の死を期待するような結果になってしまいまして、非常に道徳上あるいは倫理上も大変問題があるというような意見なり、いわば非難と言った方がいいかもしれませんが、そういう非難も出てきたようでございます。 それから同時に、最後に元本自体はだれにも償還をしないで、最後の人が死亡したときには国に帰属する。そういうやり方も果たしていいのかどうかというような意見も出てきたようでございまして、そういったところから、このトンチン年金、先ほど申し上げましたように、幾つかの国で乗用されはしましたけれどもその後やめてしまって、現在ではどこの国もそういったような年金はやっていないというふうに理解をいたしております。
○木本平八郎君 まさにそういうタイプの年金なわけです。それで、私が実はこの問題を持ち出しましたのは、まあこれは後で私の本当に申し上げたいのは、現在日本でどんどん寿命が長くなってきて高齢者がたくさんできていく。これは非常におめでたいことなんですけれども、一方、長生きすることによるリスクというのがどんどんふえていっているわけですね。ついこの間も新潟県で百三歳のおばあさんが泉水に飛び込んで自殺されたということが出ていましたけれども、百三歳になってなぜ自殺されるのかと。本当に何か悲劇だという感じがするわけですね。そういうふうな状況。 それからもう一つ、これも私が実は本当申し上げたいところなんですけれども、けさほどからの議論にもいろいろありましたように、要するに老人福祉問題として心身にどこか故障のある方ですね、病気とかなんとか、そういう方に対する福祉は私はもうある意味では、完璧という言葉はあり得ないんですけれども、世界の最高水準までいっているんじゃないかと思うんですね、日本は。ただ、一番おくれているのはむしろ心身健全な御老人の福祉が非常におくれているんじゃないかという気がするわけです。私実はこのトンチン年金に非常に興味を持っておりますのは、例えば七十五歳ぐらいまではまあ何とか年金その他でいけるだろうと思うんですね。その時分に日本がどうなるかというのはちょっと別ですけれども。それが八十五歳、九十歳になって一人ぼっちになって、そうしたらこれはどうなるだろうという不安が非常にあるわけなんですね。そこで、このトンチン年金を考えますときに、我々の年代で仮に百万円、それを一万人の人が出しますと百億円ある。年間、仮に、簡単に一割の配当とすると十億円ですね。これが、初め一万人で分ければ年間十万円しか返ってこないんですけれども、これが千人になると百万円返ってくる。それが百人になると一千万円返ってくるというふうになりまして、それで、人間金が頼りじゃないけれども、金さえあればみんな一生懸命やってくれるんじゃないかという気がするんですね。もう周りの人だって何だって大事に大事にしてくれると。仮に寝たきりになっていても非常に看護を一生懸命やってくれると。というのは、周りの人は恩恵を受けているわけだから。この人が宝の打ち出の小づちですからね。この人に亡くなられたらもう明くる日から一遍に年金がなくなるからということで大事にしてくれると。これはいかにも金で解決するように見えますけれどもね。あるいはギャンブル性という問題、これについては私ルーレットを導入しろという意見を持っているぐらいですから。ギャンブルというのは、そういうようなものをコントロールできなきゃ本当に私は紳士淑女じゃないと思っているんですがね。そういう問題。それから暗殺者の問題、それから戸籍の年齢詐称とかそういったようなものは、もう日本は警察制度が発達していますから、そういう問題もないだろうということで、いろいろ議論があることは承知しているんですけれども、この際そういうところからもう一度頭をフレキシブルにしてお考えいただきたいというのが私の実は要望なんです。 それで、このトンチン年金を仮に退職金が一千万なら一千万、千五百万なら千五百万もらったら、百万円だけを万一長生きしたときのための保険というか、つなぎということですね。だからそれまで、うまく七十五歳とか何かその辺で死ねればこれはもう非常によかった、おめでたかったと。まあ百万円これはなくなってもこれでよかったと。万一長生きしたらこの百万円が生きてきて、うんと安心していられるという考え方があると思うんですけれども、その辺はどうでしょう。
○政府委員(吉原健二君) まあ一つの考え方といいますか、年金としておもしろいとは思いますけれども、果たして国の制度としてそういったものが適当かどうかということになりますと、大変問題があるんじゃないかという気がするわけでございます。確かにだんだん長寿社会といいますか、人生八十年という長い人生、特に老後の生活というものをどう健康で生きがいのあるものにしていくかということが、大変大事な私どもの課題であるということは十分認識しておりますけれども、私どもが今持っております厚生年金にいたしましても国民年金にいたしましても、実はやはり長い老後の生活を健康で生きがいのあるものにしていく、そのための所得保障として厚生年金、国民年金というものをつくり、ここまで育て上げてきたわけでございます。やはり長い間、もう既に国民年金でも二十年以上の歴史を持っていますし、厚生年金でも四十年以上の歴史を持っている。諸外国におきましても、もう何十年、五十年から百年という年金制度が歴史を持っている。そういった諸外国の年金制度も参考にして、現在の我が国の年金制度もここまで来ているわけでございますから、やはりこういったものを国の制度としては基本として、これを健全に育てていくというようなことが一番大事なのではないかというふうに思うわけでございます。
○木本平八郎君 いや、確かにそのとおりだと思います。それで、国民もそういうふうに期待していると思いますし、日本の場合は政府に対する信頼感も非常に強いと思うんですね。しかし一方、個々の国民自身、自分自身を考えますと、まあ昨年も豊田商事のああいうなにでだまされると。だまされるやつが悪いんだと言うけれども、やっぱり将来不安があるから何とか自分の財産を少しでもふやしたいという気持ちだと思うんですね。そんなにぼろもうけしたいなんて今さら思ってない。あの被害者は老人が多かったわけですけれども、そういうことじゃなくて、不安があるから少しでもふやしたいという気持ちがあると思うんですね。そういうものがある限り、やはり公的年金に任じておけと、ここでぼんと胸をたたいて征しておけと言われても、やっぱり不安がある。そういうことを私は補完するためにトンチン年金というのはやっぱりいいんじゃないかと。そして、まあ百万円がいいか五十万円がいいかは知りませんけれども、要するに退職金とか将来の積み立てに対するほんの十分の一ぐらいをちょっとこう置いておくだけでこれもう安心していられる、幾らでも長生きしてもいいというふうな、殊に寝たきりなんかになるときのことを考えますと本当に恐怖感があるわけですね。それでもうみんなに厄介者扱いされるわ、なにするわということになっていく。ところが、それよりも金さえあればまあみんながやってくれるだろうということがありまして、そういう点から、かたくなにトンチン年金なんてということでもう拒絶反応を起こされずに、少しフレキシブルに今後の全体の老人行政としてお考えいただきたいと思うわけです。 私、時間が二十分しかないものですから、ちょっと先ほどの長生き問題に戻りまして、私非常にいつも思うんですよ。これは年金の問題とちょっと関係がないものですから、数字その他お答えにくい点は答えていただかなくても結構なんですけれども、むしろこれは政治家としての大臣にお聞きした方がいいかもしれませんけれども、まあそこにお医者さんの先生もいらっしゃいますけれども、私これから日本の医学にとって一番大事なことは、長生きさせること、例えば植物人間を生命維持装置に入れて長生きさせるということよりも、いかにうまく死なせるかと、非常に乱暴な言い方なんですけれどもね。ぽっくり寺信仰というのがありますね。いかにうまく死ぬかということなんですね。例えば私今ジョギングやっているんですけれども、ジョギング最中に心臓をアタックされたり脳出血起こすともう即死だそうですね。絶対に中風になったりもう心臓で回復したりということはないんですね。ばたっといったらもうそれっきりだと。私それが一番理想的な死に方だと思っているんですよ。そんな中途半端に助かってやるよりももうそれの方がいいと。また、ジョギングすることによって、普通は八十まで生きられるのが十年間命が縮まっても、寝たきりなんかになるより私はいいと思うんですね。こういうものを医学的に、例えばジョギングやっていればぽっくり死ねるとか、そういうことであればみんな走り出すと思うんですよね。いや、これはもう皆さん非常になにですけれども、それを私は医学的に本当に真剣になって研究してもらいたいと思うし、厚生省もそういう方向にやっていただかなきゃいかぬじゃないか、これだけどんどんふえていくんですからね。それで、寝たきりを抱えるということになってくると、まあぼけの問題もありますけれども。それはもう寝たきりを抱えたら大変でしょう。そういうことになってくると、今後の厚生行政というんですか、そういう点ではこれが非常に大事じゃないかと思うんですけれども、その辺はどういうふうにお考えになっていますか。常識的な御意見で結構なんで、大臣にひとつ御意見をお伺いしたいんですがね。
○国務大臣(今井勇君) まことに常識的なことでございますが、私は健やかに老いるということがございますが、やはりそんなことが最も大事なことじゃないかなという感じがするわけでございまして、突然のことで、おまえどう考えると言われると大変答弁に困るわけでございますので、お許しを賜りたいと思います。
○木本平八郎君 いや、もちろん、突拍子もない話をし出すものだからお困りなんで、まあ答弁結構なんですけれども、こういうふうな一つのやはりこれからの政治というのは先取りしていかなきゃいかぬと思うんですね。そうしないと、後追いで、老人がどんどんふえていく、それで病気がふえる、それに医療が追っかけていくということではなかなか問題を追っかけ切れないというおそれがあると思うんですね。そういう点におきましてひとつぜひこの老人問題については発想を転換していただきたいということですね。 それから、最後に一つ、長生きのリスク、それからあるいは心身健全な老人のための福祉が私は非常におくれていると思うんですね。ぜひこれを厚生省に力を入れていただきたい。といいますのは、私、例えば今武蔵野市方式があって、自分の家を担保にして年金をもらって、自分が亡くなったらその家を処分して精算するという方式がありますね。ああいうこともやっぱり必要だろうと思うんですね。それから、今のトンチン年金もそうですね。 それから、例えば私は今、社会婚ということを非常に言っているんですよ。それはどういうことかと言いますと、配偶者をなくした男性と女性、まあ老人、この方の結婚を社会的に認めるということなんですよ。今の法律的に認めますと財産の相続の問題その他があって子供たちが反対したり、いろいろな問題が起こるわけですね。しかし、この方が同棲というのはちょっと何ですけれども、ちょっと結婚される、で一緒に暮らしていただく。これは、いざとなったときに、風邪引き程度ならお互いに看病できるというのがありますけれども、生きがいの問題もあるし、これはやっぱり必要だと思うんですね。非常に効果があると思うんですよ。ところが、今現実にはなかなか同棲だとちょっと格好が悪いし、結婚式には仲人もできませんし、そういう関係じゃ。それから、何かの表彰があっても二人で行くわけにいかないでしょう。そういうふうな、やっぱり社会的にちゃんと認知して、それで財産相続だけはちょっと別だというふうな形の、社会婚と私は名前をつけているんですけれども、そういうふうなものもやっぱりこれは国として積極的に奨励していただいた方がいいんじゃないかと思うんですね。これは、心身両方とも健全な方が一緒に暮らされるということは、私は非常に心身ともにいいと思うんですよ。そういうふうなことを、要するに心身健全な老人の福祉と対策とそれからあるいは生きがい問題もありますね。そういうことを一方では真剣に厚生省としてはお考えいただきたいと思うわけです。 まあ、最後にこういう考え方に対して御意見承りまして、それで最後にまた総括的に大臣の御所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(吉原健二君) 私がお答えするのが適当かどうかあれですが、確かにこれからの長寿社会、あるいは高齢化社会で今までの制度なり法律なり慣習ではどうかと思われるようなことも、やはりこれから考えていく必要があるんではないかというふうに私も思いますけれども、ただ、今御提案のようなことまで直ちに国として進めることが果たして適当なのかということになりますと、まだ行政なり国の政治として先行するのは相当ある程度国民の意識なり考え方というものが熟してきませんと、なかなか難しい問題なんじゃないかと思いますが、考え方としては非常に大変興味深く拝聴さしていただいたわけでございます。
○国務大臣(今井勇君) ますますこれから高齢化いたします社会を迎えるに当たりまして、その対策について今いろいろな検討をさしておるわけでございますので、またひとつ十分御意見を拝聴いたしましたそのお考えを、今後の施策の中でひとつ取り入れるような努力をいたしてみたいと、こう思います。
○委員長(丸谷金保君) 他に御発言もないようですから、厚生省、環境庁、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。 次回の委員会は明二十三日、午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会 —————・—————