P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
104回国会参議院1986/05/14

環境特別委員会 第5号

発言数
159
登壇者
19
会派数
5
開催日
1986/05/14

会議録

矢田部理日本社会党

○委員長(矢田部理君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、青木茂君が委員を辞任され、その補欠として木本平八郎君が選任されました。     —————————————

矢田部理日本社会党

○委員長(矢田部理君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 初めに公害健康被害補償制度対象地域の見直し問題について質問を申し上げたいと思います。  公健法の地域指定のあり方の諮問に対しまして、中公審の環境保健部会の専門委員会の報告書が四月に提出されました。二年間の専門委員の検討には敬意を表するわけでありますが、報告書を読みますと、多くの未知なものを残しながらの結論になっておりまして、実質的には課題に対する中間報告としか言えないというふうに思います。財界の見直し論に屈して環境庁が諮問したことにいわばこの問題の発端があるわけでありますが、環境庁は、この専門委員会報告の中間報告的な性格をどのようにとらえておいででしょうか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) お答え申し上げます。  今回のこの専門委員会の報告は、昭和五十八年の十一月に環境庁長官が行いました公健法の第一種地域の今後のあり方についてということに対する中公審への諮問に対しまして、審議を行います際に基礎となります我が国の現状の大気汚染と健康被害との関係について、科学的、医学的な評価を行ったものでございます。したがいまして、この諮問に対しまして、制度面での審議あるいは検討といったようなものにつきましては、現在、中央公害対策審議会の環境保健部会におきまして、専門委員会のこの報告を踏まえまして議論をされているところでございます。したがいまして、私どもはこの答申をまちまして適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございまして、御指摘のこの専門委員会の報告というのは、今申し上げたような性格のものでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 端的に言って、やはり中間報告的なものだというふうにとらえていいということですか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 私どもはあくまでも科学的かつ医学的なものにおける専門的な意味では一つの完結した報告書というふうに考えているところでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 報告書の第五章において、「各汚染物質ごとの健康影響のなお一層の解明が望まれる一方で、総合的に大気汚染の影響を把握する必要性も高い」、このように述べております。  四日市判決を受けて現在の公健法をつくったときの中公審の答申においては、既に窒素酸化物のうち二酸化窒素の健康影響があることは実験的、疫学的研究から知られているし、浮遊粒子状物質についても健康影響において硫黄酸化物と相乗効果があることが知られている。したがって、大気の汚染の程度を判定するに当たっては、硫黄酸化物、浮遊粒子状物質についても十分考慮し、総合的に大気の汚染の程度を判定すべきであるとしていたのであって、このような総合的な汚染判断を避けて、いわば十年も放置していたことこそ問題ではないかというふうに思うんです。そういう意味では、この地域指定の見直しよりも汚染の総合指標の作成、健康影響の把握が先ではないかというふうに私は思うのですけれども、その辺はどのようにお考えでしょうか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 今御指摘の総合指標の作成についてでございます。この必要性につきましては、従来から指摘されているというふうに私ども承知をいたしております。しかしながら、現在の科学的な知見におきましては、なお総合的な 指標を作成し得るまでのデータというもの、あるいは研究報告といったようなものが十分でない、こういうふうに考えているわけであります。したがいまして、この点に関しましては専門委員会報告におきましても御検討いただいたわけでございます。専門委員会報告の中では、大気汚染物質の評価というものは、現時点では代表的な汚染物質に着目をして考えざるを得ないというふうにいたしました上で、総合的に大気汚染の影響を把握する必要性につきましては、将来の検討課題としているというふうなところで報告がなされているわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 この種のものは、ただ一つのものだけで判定するということはいろいろ問題があって、いろんなものが複合されて、そういうことで公害というものが起こってきているわけですね。そういう意味では、本当にこういったような調査なり研究というものが慎重にあらゆる角度からなされなければならないものだというふうに思うわけであります。  昭和五十八年の十一月十二日、当時の梶木環境庁長官から中公審へ諮問された際に、「参考」として四項目の趣旨説明がされております。その第四項目は、「中央公害対策審議会(環境保健部会)における具体的な審議事項は、我が国の大気中に存する汚染物質と健康被害との関係の評価、並びにこの評価を踏まえた第一種地域の指定及び解除の要件のあり方等である。」というふうになっております。  汚染物質と健康被害の関係の評価は医学的にもまだ残されているわけでありますが、それ以外にも地域特性の評価など、医学以外の検討をした上で評価というのは終了するものではないのかというふうに思うのですが、この点はいかがでしょうか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 御指摘の点でございますけれども、この専門委員会の報告の中の、大気汚染と健康被害との関係の評価ということについてでございますけれども、これにつきましては、今回のこの専門委員会の報告におきましては、この大気汚染と健康被害との関係については非常に広範な検討がなされたわけでございます。特に動物実験、それから人への実験的負荷研究、それから疫学的な研究、それから臨床医学的な知見、こういったようなものから総合的な判断をいたしました上で評価が行われたところでございます。  それで、あえてその核心部分的なところを申し上げますと、大気汚染と慢性の閉塞性肺疾患についての結論づけた箇所ということに相なろうかと思いますけれども、この結論部分につきましては、この報告書にございますように、「現在の大気汚染が総体として慢性閉塞性肺疾患の自然史に何らかの影響を及ぼしている可能性は否定できないと考える。しかしながら、昭和三十〜四十年代においては、我が国の一部地域において、慢性閉塞性肺疾患について、大気汚染レベルの高い地域の有症率の過剰をもって主として大気汚染による影響と考え得る状況にあった。これに対し、現在の大気汚染の慢性閉塞性肺疾患に対する影響はこれと同様のものとは考えられなかった。」、こういうふうに報告書で述べておられるわけでございます。  したがいまして、この報告を作成するに当たりましては、非常に幅の広い角度から医学を中心として検討がなされた、特にこの大気汚染物質と健康被害との関係の評価ということについてはそういう面からなされた、こういうふうに私ども承知しているところでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 いろいろな報告についての評価というものはあろうかというふうに思います。  去る四月二十二日に経団連が「公害健康被害補償制度の早期改正を要望する」との文書をまとめて各方面に配付いたしました。この文書は、かねてからの財界の主張を繰り返したものでありまして、専門委員会報告の持つ意味をも何かねじ曲げた部分があるように私には思えてなりません、長官は、この水質総量規制反対の文書を経団連から持ってきたときに、これを拒否されたというふうに新聞報道等で伝えられたわけですけれども、この文書はそのまま受け取られたのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 確かにいただきました。それはほかにも、患者側からもいろいろなところからも陳情なり要請なりが来ております。これは私どもは、今部会に出して検討してもらうべく準備をしております。  なお、先ほどお話がございました経団連の文書云々というのは、届いたものに対しては私が言ったものでありまして、返したとかなんとかということはございませんので、よろしくお願いします。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 それでは、水質総量規制の文書を持ってこられたときに、何か長官がその点について発言されたことが新聞等に出ておりましたが、それはあの新聞の報道のとおりだったのかどうか、その点はいかがでしょう。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) いただきましたものを見ますと、産業公害については随分任務を果たしてきた、ついては生活排水が問題であるということを指摘しておりましたので、産業界が果たしてきた今までのいろいろな御努力については高く評価するけれども、産業界から何も生活雑排水のことについて云々言われるいわれはないということを指摘したわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 私どもは、環境庁長官という立場で、きちっとあのような発言をされたことを実は評価をしておるわけでありますが、今回の経団連からの要望書については、受け取るときにはどのような態度で受け取られたのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 受け取ったときの状態等々につきましては、ひとつ政府委員の方から答弁させていただきたいと思います。その後私がお答えします。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 経団連の要望につきましてですが、そのときに、先ほど大臣の方からも御説明申し上げましたように、公害健康被害補償法のあり方について患者団体、それから費用負担者側の経済界、あるいは関係各方面から大変関心を持っておられまして、多くの意見が寄せられていることは事実でございます。したがいまして私ども、御指摘の経団連から申し入れがありましたこの申し入れにつきましても、これは数ある意見の中の一つというふうに受けとめているわけでございます。  いずれにいたしましても、この問題は中央公害対策審議会で、特に環境保健部会で今御審議をいただいているところでございます。そういうところでございますので、あくまでもこれはいろいろな角度からのいろいろな形の御意見の一つと、こういうふうな形で私どもは受け取っている、こういうことでございます。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) そういう意味で現在私どもはこの問題に対処しておりますが、この公健法の見直しにつきましては、これはもう本当に私ども公正公平にやっていかなきゃならぬというスタンスはあくまで崩さないでやっていこうと。そういう意味におきまして、経団連から来たからといって、今批判するんではなくて、これは部会の皆さんに御批判をお願い申し上げるという気持ちでいるわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 今の長官の御答弁、極めて大事なことだというふうに私も思いますので、その姿勢をひとつ崩さないようにお願いをしたいというふうに思います。  経団連という団体は、やはり非常に影響力のある団体でございますし、また、経団連がいろんなことにかかわって発言をされたことが、ある意味で言えば日本の政治を動かしてきているという部分もあるわけです。それだけに経団連から出た要望書というものは、いろいろな団体から要望書が出てきたとしても、その受けとめ方といいますか、そういうものは私は政府としても違うんじゃないか。普通一般にどこから来たものも皆同じように扱うというような、そういうような意識で私はおられるのではないというふうに思います。また、そうでなければ、今までの日本の政治のずっと動きというものが、また違った形になってきたので はないかというふうに思うわけですよね。ですから私は、先ほど環境部長が、いろんな団体の意見の一つとして受けたということ、それは意見の一つとして受けたということはわかりますけれども、その受けたことの重み、それは一般の要望書の受けとめ方とは違うであろうということを私自身推測をしている。それだけにこの要望書の持つ意味というのは非常に大きいし、これからの環境行政の上でもまた影響してくるのではないかと思いますから、中身の問題について若干環境庁の意見をお聞きしておきたいというふうに思うんです。  経団連の要望書はまず、「大気汚染が改善されて久しいにもかかわらず」というふうに述べておりますね。このような認識が誤っていることははっきりしているのではないかというふうに思うんです。実は環境庁のデータも、大気汚染が現に幅広く存在していることは疑いない。殺人罪を構成していたようなSO2の濃度について若干改善されたことは事実であるけれども、慢性疾患をもたらす、あるいはひいては死に至る肺がんにつながる大気汚染が現に存在し、むしろ広がっていることを無視することは許されないことだというふうに思いますけれども、このことにかかわっては環境庁としてはどのようにお考えでしょうか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 経済界からの御意見につきましては、今先生から御指摘のあったもののほかにも何項目があるわけでございます。そして、それのそれぞれについて経済界は経済界なりの理屈をおつけになりまして、そして御意見を賜っているところでございます。先生からこういうことについて、一つ一つどういうふうに考えるかと、こういうふうなお話でございますけれども、私どもの方といたしましては、一つ一つの経団連の考え方について、今御指摘のものも含めまして、これについてはこうだとか、あるいはほかの項目についても、これはこういうふうに考える、こういうふうな形の意見を現在私ども差し控えておりまして、むしろそういうものを私どもといたしましては素直に御意見として承りまして、そしてこれをもとにいたしまして、審議会の方にもこれを当然お伝えをいたしまして、各界の御意見というものについては、当然この審議会の審議の中で御審議いただけるものでございますので、当然これを審議会の方へ伝えまして、そして審議会の結論というものが、答申が出ましてからそれぞれのことについて考えてみたい、こういうふうな考え方でおるわけでございます。  したがいまして、今先生が御指摘になりました専門委員会の報告書の中の考え方、これについてどうかとか、あるいはこの考え方について、このとり方は妥当か否かといったようなものを含めたようなことにつきましては、私ども現在の時点では特に御意見ということだけで承るというふうな姿勢でおるところでございます。これは経団連の御意見だけではなくて、これはほかの各界からのいろいろな形の御意見もいただいているところでございます。それにつきましても、その一つ一つにつきましてどうというふうな考え方を現在の時点では私ども出していないというのが現状であるわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 余り逃げないでくださいよ。  じゃ端的に聞きますが、経団連のこの要望書とは別にして、大気汚染が改善されているというふうに環境庁は現在思われているのかどうか間その点はいかがですか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) SOxにつきましては、これは大気汚染の程度が下がっている、それからNOx等につきましてはこれは横ばいの状態である、こういうふうな、現実のそういうものについては私ども当然認識いたしておりますが、それをもってさらにそれをどういうふうに判断するかというふうなことにつきましては、私ども特に今のところは申し上げていないというふうな現状でございまして、大気の態様については、SOxは下がっている、NOx等につきましては横ばい状態だと、こういう認識は持っているところでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 個別のことではなくて、大気汚染という事柄からいって、大気汚染は改善されてきているのかいないのか、総体的に。それは環境庁としてもお考えでしょう。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 大気汚染の状況等につきましては大気保全局長の方からもお答え申し上げなければいけないかと思いますが、ただいまおりませんので、私どもの考え方といたしましては、総体といたしまして、今まで大きな問題になっていた、この報告書の中で申し上げれば、SOxとかNOxというものが代表選手であるといったような形を報告書ではとっておるわけでございます。したがいまして、SOxという点だけに着目いたしますれば、大気汚染の状況というものについては、これは改善されているというふうに相なろうかと思うわけでございますが、大気全体ということになりますと、これはまた地域の問題あるいは場所等の問題もあろうかと思いますので、その辺については、後ほど私どもの方でも調べてみたいと思っておるところでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 そういう意味でも「大気汚染が改善されて久しいにもかかわらず」という書き方というのは、私はやっぱり真実といいますか、現状というものの把握の仕方が全く違った方向で経済界というのがあるのではないかというふうに思わざるを得ないんですよ。何を聞いても何というのですか、今後の審議会の方で審議をしてもらうからというような、そういう考え方といいますか、そういう逃げ方というのは環境庁のとるべき態度ではない。少なくともここでやっぱり出されてきて、私ども質問する問題については素直に、今の環境庁として把握し得る段階で正確なやはり答えを出してもらいたいというふうに思うんです。この中でも、「補償等に要する経費は昭和六十一年度において一千億円を超え、」多額な金ですね、「産業界の負担能力は今や限界に達している。」と述べられております。しかし、加害者が被害者への損害賠償を行うのはこれは当然。「負担能力は今や限界に達している。」と、この負担能力云々を理由に制度を改めるということ、これは私は許せないことだというふうに思うんですよ。じゃ本当に負担能力は限界を超えておるのかといえば、また別な面では産業界は多額の政治献金だとか交際費を支出しております。そういうことからいって、この負担能力なしなんというものは私は言えるものではないというふうに思うんですよ。そこに経団連の要望書の何というのですか、経済界のエゴとでもいうべきものがあるのではないかというふうに思います。  賦課料率の問題でありますけれども、「対前年度比約二五%と極めて大幅なものとなった。」確かに二五%は大幅ですね、しかし、この約二五%というアップ率はこれは事実です。これは私も認めますけれども、しかしその内容を見ますと、実質費用の増加はそれぞれの企業によって違っているのではないでしょうか。例えば設備投資なんかによって、設備改善ですね、それで排出量が少なくなっている大企業は、料率は上がっても、実際に支払いをする金額はこれはそれほど上がっていないし、また企業によっては立地を変えて、低率のところに行けば今までよりも少ない負担というようなことになります。しかし逆に設備投資などができない、設備改善ができない中小の企業は、これをそのままかぶらざるを得ないといいますか、そういったような状況等があるわけですね。しかしこういう書き方を見ますと、一律二五%を全部の企業がアップするように見えるんですけれども、二五%をアップして、実際に金額として徴収できるといいますか、総額、それはどのように押さえられておりますか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) ただいま先生御指摘のとおり、確かに二五%というのは、これはSOxの排出量を基準として算定をいたしておりますので、企業、事業所等によりましてこれは違ってきているのは事実でございます。そして、その全体として、仕組み全体の中で対前年度の比率と申しますか、経費の比率と申しますのは、約九%というところの増でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 そうですね。料率は二五%上がったけれども、実質的な総体でいくと九%程度の金額が増になるというようなことで押さえられているわけですね。その点についても、この要望書の書き方というのは、何か一般の人たちから見ればちょっといただけないのではないかというふうに思わざるを得ないわけであります。やっぱり審議会の方にゆだねるから環境庁としては答えられないということではなくて、向こうへ行く場合、審議会の方に言う場合であっても、やはりこういったようなことが委員会等で問題にされているということだけはやはりきちっと言ってもらわないと、この審議の意味というものがなくなるわけですから、その点はひとつきちっと踏まえておいていただきたいというふうに思います。  この要望書の中で、「現在の大気汚染の慢性閉塞性肺疾患に対する影響は昭和三十〜四十年代にわが国の一部地域でみられたものと同様とは考えられなかった旨を結論として指摘している。これは、われわれのかねての主張を裏付けるものであると考える。」というふうに書かれておりますが、報告書の結論で指摘しているのは間違いないわけでありますが、そのことが、経団連がかねてからの意見の妥当性を示したものとするのは私は誤りだというふうに思うんです。現在が、三十年代、四十年代のSO2中心の汚染による疾病と同じだとはだれも言っていないわけですね。問題は、現在の汚染が疾病を発生せしめるかどうかであり、それが否定しがたいことが確認されたところにポイントがあるというふうに思うんですけれども、それはどのようにお考えでしょうか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) これはやはり、私ども確かに今先生の御指摘の点につきましては、一つの報告書の中の、先ほどお答え申し上げましたようにポイントであろうかと、こういうふうに思っておるわけでございます。私どもの方としましては、この報告書に書いておりますような、「三十〜四十年代においては、我が国の一部地域において慢性閉塞性肺疾患について、大気汚染レベルの高い地域の有症率の過剰をもって主として大気汚染による影響と考え得る状況にあった。これに対し、現在の大気汚染の慢性閉塞性肺炎に対する影響はこれと同様のものとは考えられなかった。」と、この報告書のこの意見について、それが私は妥当とか妥当でないというふうなことではなくて、この報告書を私どもの方としては、この報告書は、専門委員会から中央公害対策審議会の環境保健部会へ出された報告書でございまして、この報告書にこう記載してあると、こういう事実として私どもは受けとめているという現状でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 以上、今幾つかの問題について指摘をしたわけでありますが、先ほども申し上げましたように、経団連の意見というものは、かなりやっぱり大きなウエートを占めていく。それだけに、書かれておる内容の問題に付いてきちっとしておかなければ、判断を誤っちゃいけないというふうに思って質問をしたわけであります。  環境保健部会が検討に入った現在、重要なことは、やはり環境庁出発の原点に返って。一人の患者も救済されずに放置されることのないようにすべきだということだというふうに思うんです。今指定地外とされている環七等の沿道に住む患者の救済など、財界の救済より先んじて行う必要のあるものがあるわけですね。そういったような点について、ぜひ長官の決意をお聞きしたいと思います。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 先ほどから先生の御議論じっと聞いておりますと、率直に言って、おまえら財界に負けてなるものかということを何か言っておられるような気がします。私は、元来私自身も財界におりましたし、友人もたくさんおります。しかし、この問題は、やはり患者の一刻も早い全快と患者の病気に対するいろいろな配慮、これが一番もとでございますから、その意味で先ほど申しましたように、公平、公正に私どもやりますということを言っておるのでございますので、ひとつ先生のいろいろなことは杞憂だとお考えいただいて、私は自分の任期中に何としてもこれを、梶木長官以来の宿題でございますので、やりたいと思って精魂込めております。よろしくお願いします。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 長官の決意を聞きまして、本当に安心したいわけでありますけれども、どうも何か今までのかかわりでいきますと、これが本当に杞憂にすぎないのであれば本当に幸いだなと。事人間の命にかかわる問題でもありますので、やはり環境庁の存在の意義というものを国民に示すためにも毅然たる態度でひとつ対応していただきたいということを、この問題については最後に申し上げておきたいと思います。  次、青秋林道の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  林道建設ということは、これは林業振興による地域経済の活性化を求める地元の自治体や住民の声は非常に大きく、また切実なものがあります。ですから、この林道建設ということについては非常に聞き入れやすい、そういう側面を持っているわけですが、しかし、その一方、環境の保護だとかあるいは森林の保全等は余りに漠然としているために、そしてまた直接利害関係が及ぶとか、またはそれを何か特定することが困難でありますので、なかなか積極的に環境の保護あるいは森林の保全、こういったようなことについては支持されることが今まで少なかったわけであります。しかし、国際森林年などということも昨年ありまして、森林に対する世界的な関心というものが非常に高まってきている。これはまた、人間が生命を維持していくためにも、まあ宇宙船地球号を守っていくためにも極めて大事な問題であるわけです。先ほども公健法の問題で申し上げましたけれども、人間が生命を維持していく、そういう面での緑の果たしていく役割、これが大きいことは私が今さら申し上げるまでもありませんが、環境行政というのがまさにそういったような面で大きな役割を持っているわけで、環境を守る、環境保全、これを声高に叫ぶ官庁でなければならないというふうに思いますし、そこにまた環境庁の存在意義があるんだというふうに思うんです。  まず大ざっぱに、青秋林道問題のようなこういう開発とそれから保全ですね、こういったような問題についての環境庁の取り組みといいますか、基本的な考え方といいますか、そういったようなことについてお伺いをいたしたいと思います。

加藤陸美環境庁自然保護局長

○政府委員(加藤陸美君) 開発と自然環境の基本的な問題、かかわり合いにつきましては、いろいろな事例も過去にあったわけですし、今後もいろいろあり得る問題だと思いますが、基本的には貴重な自然、それにもいろいろなタイプのもの、それからいろいろなゾーニング地域、そうでない地域があるとは思いますが、長い間かかってはぐくまれてきた緑、森林も含めまして、やはりそれをまず保全していくという基本姿勢に立ちながら開発との調整問題を考えていくというのが基本姿勢であるべきだと思っております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 まあ調整官庁としての環境庁の立場ですが、調整の力点をどこに置くかということによって調整のまた仕方が変わってくるということでありますから、環境庁の名前が示すように、やはり環境を守るということに力点を置いた調整ということが国民的にも求められていることだというふうに私は思います。  さて、この青秋林道建設の主目的の一つに地域林業、林産業の振興、雇用の拡大等の地域振興、それから地域経済の活性化、こういったようなことが挙げられておりますが、それではまず林道の起点、終点となる八森町、西目屋村、それぞれの人口と、その中での林業従事者の割合、また全所得に占める林業からの所得の割合についてお伺いをいたしたい。

田代太志林野庁指導部林道課長

○説明員(田代太志君) 御説明申し上げます。  五十五年の国勢調査によりますと、秋田県の八森村の人口はおよそ五千七百人と聞いております。そのうち就労人口は約二千八百人でございまして、このうち林業従事者数は狩猟業を含めまして約七十人でございます。その割合は約二・五%、 就労人口に対します比率が約二・五%となっております。  それから、青森県の西目屋村につきましては、およそ二千八百人の人口がございまして、うち就労人口は約千五百人、このうち林業従事者は同じく狩猟業を含めまして約百七十人、その割合は約一一%となっております。  一方、所得に占めます林業所得の割合でございますが、県の資料によりますと、八森町は五十八年度が約二%、また西目屋村では五十七年度で約一二%というふうになっております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 この青秋林道は豪雪地帯でありますから、冬期には当然使用できずクローズされるであろうというふうに思いますが、林道の実際使用できる期間はどのくらいあるのか。また、せっかく建設してもクローズ期間が長いと経済的価値が余りないのではないかというふうに思いますが、その点はどのようになっておりますか。

田代太志林野庁指導部林道課長

○説明員(田代太志君) 御承知のように、この青秋林道は秋田県、青森県という豪雪地帯にございますので、おっしゃいますように冬期間は積雪のために使用できないというふうに考えております。そういう意味では、林道が利用できます期間は五月から大体十一月の中旬ぐらいではないか、半年間ぐらいではないかというふうに考えておりますが、御承知のように、この期間は、森林の施業あるいは地元の経済にとりまして極めて重要な半年間でございます。この林道によりまして、この貴重な半年間を有効に使えるのではないかというふうに考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 使用できる期間は約半年というふうに見ているということですね。戦後経済的価値に乏しく、成長の遅いブナ林は伐採の対象となってきておりましたが、最近になってその自然界への影響等から見直されてきているのは、もう御承知のとおりですね。そのような中で、昨年の六月に秋田県でブナ・シンポジウムが開催されました。そこにおいて、特に青秋林道建設が問題となっている白神山地について、林野庁、環境庁も出席して、数少なくなったブナ林の保護について討論が行われたそうでありますが、そこでの争点は何だったのか、また両庁はそれぞれどのような態度をとったのか、お伺いいたしたいと思います。

塚本隆久林野庁業務部経営企画課長

○説明員(塚本隆久君) 昨年六月、秋田市で開かれましたブナ・シンポジウムに林野庁からも担当官を派遣しておるわけでございますが、私どもとしましては、当該地域におけるブナの天然林の森林施業をどのような方向に持っていくのかという問題でありますとか、あるいは地域振興に果たすこの林道の役割は何か、こういったことにつきまして林野庁の考え方を広く一般の方々に御説明を申し上げ、また白神山地の森林の取り扱いに関心のある多方面の方々と幅広く意見交換をする機会を得たということでございます。話題といたしましては、そういったものについていろいろ忌憚のない意見を交換した、このように認識をいたしております。

加藤陸美環境庁自然保護局長

○政府委員(加藤陸美君) ただいま林野庁の方からも御答弁がございましたが、あのシンポジウムは、我が国におけるブナ林の現状と保全につきまして、幅広い論議が交わされるという趣旨があったように承知いたしております。  環境庁は自然環境保全基礎調査を、これは昭和四十八年、五十三年と既に実施しておるわけでございますが、その調査の中におきましても、白神山地のブナ林が人間の、人為の影響をほとんど受けずに大面積にわたって残されているということを既に把握しておったところでございますし、この地域を自然環境保全地域の検討対象地とも考えてきたところでもございまして、当該地域を含めてブナ林の保全の考え方を述べるために参加させていただき、そのような議論をしたところでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 林野庁は、いわば林道をつくって、そして山の施業が順調にできるような、そういう方向で取り組みたいということで何か今答弁がありましたが、六十年の六月十七日の朝日新聞に、「ブナ保護に弾み」、「初のシンポ 多彩な成果」、「危機訴え、国も関心」というような見出しで出ておりますね。これはお読みだと思いますが、この中で確かめたいと思いますが、林野庁は「「林道建設が即、自然破壊につながるとは思わない。林道は林産物開発など重要な機能も持っている」と従来の考えを示した。しかし、ブナ林に対する考え方として、「木材資源としての利用だけでなく、自然を守るという立場で考えていきたい。白神山地は自然保護の面で重要な地域だと思う」とも発言した。」、このように報道されております。また環境庁の方は、「白神山地について「国の自然環境保全地域の指定にふさわしい地域と思う」との考えを明らかにした。」、このように報道されております。  それで林野庁にちょっとお尋ねしますが、この新聞に出ているような発言については、このとおり確認できますか。その辺をお伺いいたしたいと思います。

塚本隆久林野庁業務部経営企画課長

○説明員(塚本隆久君) 白神山地の保全についてでございますが、国有林の森林施業といたしましては、国土や自然環境の保全、あるいは木材の生産など諸機能を総合的にかつ高度に発揮させるということで行ってまいっております。  現在、白神山地の森林の取り扱いにつきましては、白神山地森林施業総合調査というものを実施いたしておるところでございますが、こういったものも踏まえまして最終的な結論を出してまいりたいと思っておりますが、当該地域のブナ林につきましては非常に重要であるという認識を持っておりますので、今後ただいま申し上げました森林の総合的利用という観点から、必要に応じ保存すべき学術参考保護林等を設けるなど適切に対処してまいりたい、このように考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 林野庁は今のような、重要な地域だということの認識はしているということですね。環境庁の方は、「国の自然環境保全地域の指定にふさわしい地域と思う」という、この点についての認識は報道のとおりでしょうか。

加藤陸美環境庁自然保護局長

○政府委員(加藤陸美君) 報道の仕方は各紙によりまして若干のニュアンスの違いはあるようでございますが、今のおっしゃいました自然環境保全地域の候補地という方向で申し上げたのは間違いございません。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 ではちょっと林野庁になおお聞きいたしますが、このブナ・シンポジウムにおいて、「ブナ林皆伐跡にスギやヒノキを植えても、豪雪地の過酷な自然条件では全く育たずにササやぶになった地域が広がっている。」という報告がありますが、林野庁はこの報告の内容についてどのように考えておられますか。また、こういったような事実関係を調査されたことがありますか。

塚本隆久林野庁業務部経営企画課長

○説明員(塚本隆久君) これまで私ども森林資源を整備充実するという立場から、天然林を切って、杉、ヒノキ等の人工林へ転換を図る拡大造林を進めてきたわけでありますが、一部の標高の高い地区などでは期待されたような成長が見られないところがあることは事実でございます。こういったことから林野庁といたしましても、杉、ヒノキの造林一辺倒という立場を変えまして、広葉樹の造林でありますとか、天然林の施業の推進ということを図ってきているところでございまして、当該地域のブナの取り扱いにつきましても、こうした気象条件や土地条件というものを十分認識した上で、ブナをブナ林として育成する、そういった天然林の施業を取り入れるという方向で今後検討してまいりたいと考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 白神山地の林道建設は、周辺地域の経済の活性化あるいは過疎対策にとって必要というふうにされておりますが、環境を犠牲にしてまでの効果が果たしてあるのか疑問に思われてなりません。ブナ林の皆伐地の近辺には、もうこれまでになかった洪水や土砂崩れの被害が発生しているわけであります。それらに対するダムの建設だとか、あるいはさくや網の設置等の防災費用は莫大なものになっていきます。森林が自然災害を未然に防止する役割を有することは明らかですね。そのような公共的機能というものを仮に計算した場合、あるいは計量化した場合に、五十五年 当時の資料で一年間に二十二兆円、実にその年の予算の五四%に相当するわけであります。このような状況に加えて昨今の財政事情の逼迫があります。苦しい財政事情の中で、我々の子孫へ受け継いでいかなければならない自然を破壊し、国の貴重な財産を減らしてまで、さほど実効が上がるとは思えぬ事業を行う必要があるのか。その必要性についてどのように考えておられるのか、それをお伺いいたしたいと思います。

田代太志林野庁指導部林道課長

○説明員(田代太志君) 先ほど申し上げましたように、当該地方は、全国的に見ましてはもちろんでございますし、それから秋田、青森の両県の中でも、林業の地域経済に対する影響が非常に高い地域でございます。したがいまして、林道の開設によりまして森林資源の適正な管理、それからその利用、あるいは治山事業のようなものを実施いたしまして、森林を保全するということを行うことが可能になります。また、林産物の市場を多様化するというようなこともございますし、また過疎地域になっておりますので、過疎に悩みます山村住民の皆さん方に他の地域との交通路が開けるというような意味で、いわゆる村が開けるというような感じを与えるというようなこともございまして、私どもとしましては、この林道の開設の効果は極めて大きいというふうに考えております。  ただ、おっしゃいますように、自然保護につきましても非常に重要な地域でございますので、工事の実施に当たりましては慎重にやるように両県を指導してまいりたい、このように考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 この白神山地の森林施業の総合調査のうちで、昭和五十九年に実施されたものについて中間報告として出されたものを見ますと、地層によっては軟質で、吸湿、膨潤するため、断層面は雪崩等と相まって崩壊の原因となる、こういうような調査結果が出ておりますね。そして今お答えのように、環境保全という面でも重要な地域だと。林道がそういう山を保全していくために一定の役割を果たすということを私は否定しているのではないんですが、特にこの白神山地における青秋林道の問題というのは、そういったようなことで自然を破壊してまで今の計画をやるということには無理があるのではないか。そういう意味では、中止も含めて建設路線等の再検討が必要だというふうに思いますので、そのことの意見を私はぜひ申し上げておきたいというふうに思います。  最近の新聞では、白神山地のブナ原生林のクマゲラの生息調査が行われたという記事がありました。国の天然記念物であるクマゲラを求めてブナ林に入り、六日目にしてやっと一羽確認したということであります。このような貴重な動植物の宝庫であるブナ林に林道が建設され、開発が進むことによってそのような自然環境が脅かされるのも確かだというふうに思います。環境庁はこの調査について何か聞いておられますか。またこの調査結果、すなわち六日間探し歩いて、ようやく一羽しか見つけることができなかったという現実をどのように認識されておりますか。

加藤陸美環境庁自然保護局長

○政府委員(加藤陸美君) つい最近行われました調査の件は、私どもも情報を得ております。クマゲラを特に中心にした調査と承っておるわけでございますが、実はこの地域、先ほどの御答弁でも申し上げましたが、環境庁は過去、昭和四十八年以来、自然環境保全基礎調査を行っておりまして、その対象地域にもなっておりまして、今お話しのクマゲラを初め、ニホンザル、ツキノワグマ等の野生生物の生息地としても重要な地域であるということは既に十分認識をしておったところでございます。また、クマゲラは、特に相当広いテリトリーを持って生息をする動物であるというふうに承知いたしておりまして、なかなかその確認というのは難しいものでございますけれども、一羽だそうでございますが、もちろんつがいがあるかどうか、その辺は正確にはわかりませんけれども、やっと発見されたということも伺っております。いずれにいたしましても、今回の調査は、白神山地の重要性を再認識させたものであると承知いたします。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 この白神山地の自然というものを再認識された一つの象徴的なことだということで御認識をいただいたことを私も評価をしたいと思います。  クマゲラは北海道の大雪山などに生息するだけで、本州では絶滅したと思われていたわけですが、昭和五十年、四十年ぶりに秋田県で確認され、その後昨年ようやく一羽が再確認されたというものです。このクマゲラの問題は、国の天然記念物の保護という観点のみではなくて、ブナ原生林の保護状況の一つの目安として、さらにもっと大げさに言えば、環境行政を象徴する一事例として、さらに今後の環境行政の試金石として見ることもできるのではないかというふうに思います。  環境庁としては、開発と自然保護の間に立って苦しい立場にあるのは察するわけでありますが、開発を代表する団体だとか機関はたくさんあります。自然保護を実施するというものが何か少なくて、力不足であることを念頭に置いて——これはそういう団体はありますけれども、なかなか行動するにしても何にしても非常に難しい、そういうものであるわけです。そういうことを念頭に置いて、ぜひ安易な妥協などをせずに自然保護の姿勢を貫いてほしいというふうに思います。まさにこの宇宙船地球号は、今生息している動植物と人間とがいかに調和を保って生きていくかということで、人間の力によってそういう動植物の死を招くといいますか、それを絶滅させるということは、やがてそのツケが人間に回ってくるということにもなってくるわけであります。それだけに環境庁の持つ役割というものは非常に大きいわけでありますが、先ほど申し上げましたように、この自然保護という姿勢をぜひ貫いてほしいと思いますので、ひとつ長官の決意をここで聞かせていただきたいと思います。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) クマゲラにつきましては、数年前も民放で入りまして一羽確認したと。今回、今のお話の六日間にわたる御苦労をマスコミでやられたようでございますが、私は新聞でも拝見しましたし、NHKのニュースでもこの番組を見させてもらいました。いろいろと開発が進められると憂慮すべき事態もあるやに感じておりましたが、先ほど来林野庁の皆さんのお話を聞いても自然保護しなきゃならないという大変強い決意表明がございまして、私どももこれを機会に積極的に環境庁として総合調整に入っていこうと考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 ぜひ自然を守るという観点で、この青秋林道の問題についていろいろ心配している方々がおりますから、早急にこの問題について、やはり一定の方向というものを出していただくようにお願いをいたしたいと思います。  次に、時間も余りございませんので、次の問題に移らさせていただきますが、廃棄物の問題でありますが、廃棄物は生活水準の高度化あるいは産業活動の変化などに伴ってその量の増加とともに質の多様化をもたらしております。環境行政上も重要な問題どこれはなっております。今国会で廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正が行われましたが、その要旨を簡単に御説明していただきたいと思います。殊に第五次五カ年計画の達成状況と第六次五カ年計画における重点施策などを明らかにしていただきたい。お願いします。

浅野楢悦厚生省生活衛生局水道環境部計画課長

○説明員(浅野楢悦君) ただいま先生御指摘ございましたように、先般四月十八日に廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正が国会で可決成立をお認めいただいたところでございます。この法律に基づきまして、新しい廃棄物処理施設整備五カ年計画を今後関係省庁と調整をいたしまして閣議決定をさしていただく運びでございます。  厚生省といたしまして、今回の計画におきましては、ごみの減量化あるいは衛生処理という観点から、燃やせるごみにつきましてはできるだけ焼却率を上げるということを一つの柱といたしております。このような観点から、六十五年度末におきまして、燃えますごみについては、九二%をごみ焼却処理施設で焼却をするということを一つの目標といたしております。し尿につきましても、 衛生処理を高めるということから、同じく六十五年度におきまして衛生処理率を九二%に上げるということを前提といたしまして、計画的に施設整備を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。これらに伴います所要経費といたしまして、一般廃棄物処理施設につきまして一兆四千二百九十億、産業廃棄物処理施設につきまして一千十億、都合一兆五千三百億を当面五カ年計画期間中に投資をするということを予定しております。また、今後の施設整備の進捗状況あるいは我が国の経済、財政の動向を見きわめました上で、三千八百億の調整費を計上いたしておりますけれども、この使途についても三年後に十分検討をいたしたいということにいたしております。  なお、先生からお尋ねの、現在まで施設整備を進めてまいっておりますけれども、六十年度末で切れました第五次五カ年計画の実績でございますが、第五次五カ年計画におきましては、事業費ベースで申し上げますと、一兆七千六百億円の投資規模を設定したわけでございますが、御案内のような国の財政、経済の状況を踏まえまして、公共事業の抑制という基調が今次計画中、過去五年間継続いたしましたこともございまして、実績投資額は一兆三千四百億、進捗率で申し上げますと、七六%という進捗率でございます。  若干目標未達成なところがあるわけでございますが、先ほど新しい計画の目標数値、可燃ごみの焼却率九二%を目標といたしたいというふうに申し上げましたが、六十年度末の状況は八八%でございます。したがいまして、今後五年間かけまして、これを四%かさ上げいたしたいということでございます。し尿について六十年度末の衛生処理率を申し上げますと八九%でございます。これを新しい計画によりまして、三%かさ上げて九二%にいたしたいというのが目標でございます。これらを軸といたしまして、具体的な計画を関係省庁と調整の上、閣議決定をいたしたいというふうに考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 先般当委員会は兵庫県における廃棄物処理行政について視察を行いました。殊に適正処理困難物の対策、それから廃棄物の減量化及び再資源化施設の拡充、それから最終処分場の確保対策、あるいは効率的な処理技術の研究開発などが課題となっているというふうに思います。こうした問題に対する何か具体的な施策だとか、あるいは助成措置等お考えでしたらお聞かせいただきたいと思います。

浅野楢悦厚生省生活衛生局水道環境部計画課長

○説明員(浅野楢悦君) 先生御指摘のようにごみ問題、ただ単に市町村が集めましたごみを焼却処理あるいは埋立処分をするというだけにとどまらず、その前段階におきまして資源化も図りつつ、トータルとしてのごみの処分量を減らしていくということが大変大事なことだと考えております。したがいまして、厚生省におきましても、全計画期間中におきまして資源化の促進のために、例えばごみ焼却工場におきます発電等余熱利用整備事業、これを五十六年度から新たに補助事業にいたしました。同様に不燃物の処理資源化施設、これも五十七年度から新たに補助対象施設に加えております。さらに、五十八年度からは粗大ごみの再生利用施設につきましても補助対象として採択をする等の促進策を図ってまいっておるところでございます。これらの措置は六次五カ年計画、新計画期間中におきましてもさらに充実をさせていきたいというふうに考えておるところでございます。  それから、最終処分場の問題が御指摘ございました。確かにごみの排出量の増大に伴いまして、減量化の努力は進めておりますけれども、やはりどうしても埋立処分に最終的には頼らざるを得ないわけでございますが、最終処分地の適地がなかなか見つからないというような状況になりつつございます。今回の新しい計画におきましても、最終処分場はどうしても長期にわたって先行的な取得整備を進めてまいる必要がございますので、おおむね六年分の余力を将来的に確保するように最終処分場の施設整備を進めていくことといたしております。  また、先生、近畿圏の御視察をしていただいたということでございますが、近畿圏のような大都市圏域におきましては、なかなか個々の清掃事業体の自主努力だけでは処分場の確保は難しいということで、御案内のようにフェニックス計画で広域的な最終処分場の整備というものも進めておるところでございます。これも新しい計画の中できちっと位置づけて施設整備を図るということにいたしております。  それから、処理技術の開発でございますが、これは厚生省といたしましても、各種の調査研究を通じまして努力をいたしておるところでございますが、ちょうど昨年十一月に全国都市清掃会議と申しまして、清掃事業を行っております市の連合組織がございますが、ここでも自主的に新しい処理技術の開発を進めたいということで、処理技術開発センターを設置したところでございます。こことも連携をとりつつ効率的な処理技術の開発を進めたいと思っております。  それから、もう一つの御指摘の適正処理困難物の問題でございますが、この点につきましては、かねてから生活環境審議会でも対応策について御検討をいただいたところでございますが、その結論を受けまして、当面製造事業者等が、その製品が廃棄物となりました段階におきまして処理が困難となることのないような製品をつくっていただくということが大事なことでございますので、これを製造事業者等の段階で自己評価をきちっとしていただくというためのガイドラインの策定を急ぐ必要があるということでございまして、このための専門委員会を本年三月につくったところでございます。ここでの御検討を経まして、できるだけ早期にガイドラインの策定をいたしましてこれの定着を図り、適正処理困難物の解決に資してまいりたいというふうに考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 次に、廃棄物の環境保全に関連して、若干の問題についてお尋ねしたいと思いますが、厚生省は懸案でありました廃乾電池の回収処理計画に基づいて何かその実施を図ることとしたようでありますが、まず北海道の野村興産イトムカ鉱業所を指定した理由はいかがでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) 先ほどもちょっと浅野計画課長の方からも触れましたけれども、昨年の七月に適正処理専門委員会の報告書が出まして、その報告書におきまして、今先生御指摘の使用済み乾電池の問題につきましては、広域回収処理センターというものでやるべきと。で、その場合には、乾電池の輸送費及び処理のスケールメリットの面から回収量に留意しつつ、全国的なものとして全国に数カ所設けることが妥当だという、そういう内容のレポートが出ているわけでございます。しかしながら、現在約五千トンを超す乾電池が市町村に保管されておるわけでございますが、非常に逼迫しておる。そしてまた、広域回収処理センターを速やかに整備をする。そういうことが非常に全国の保管をしている自治体から強く望まれているという、そういう状況でありますので、全国に数カ所つくるというにはまだ時間がかかるという状況でございますので、当面いわば実施可能な第一次の地点といたしまして、先生御指摘の北海道にございます野村興産株式会社イトムカ鉱業所一カ所をとりあえずの広域回収処理センターとして指定したものでございます。そのレポートで数カ所とございますので、ほかにあと数カ所当然考えられるわけでございますけれども、回収の処理センターの立地に関しましては、周辺環境との調和の問題もございます。それから経済性の検討とか、あるいは施設の処理性能等につきまして十分検討が必要でございまして、いましばらく時間を要するという状況でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 今できているのは北海道のこのイトムカだけで、あと数カ所必要だと。その数カ所なんですが、大体どのくらいの箇所が必要だと考えられているのか。それから、立地については確かにいろいろ難しい問題があろうというふうに思うんですけれども、この辺あと何カ所ぐらいが必要と考えているのか。それから、いましばらく時間をかして——必ずそうなんですね、いましばら くという、そのいましばらくがどのくらいがいましばらくと言える期間なのか。十年なのか二十年なのか、それともここ二、三年、あるいは一、二年というふうに考えていいのか、その辺はいかがでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) 先ほども申し上げましたように、専門委員会のレポートではまさに数カ所と書いてございまして、特に例えばそれが二、三カ所だとか、四、五カ所とか、五、六カ所というふうに書いてないわけでございます。問題は市町村で、一般の都市ごみの中から分別されます使用済み乾電池の量、これがどのくらいの量でたまっていくのか、そういったそのものと、それからまた一方で、こういった乾電池を集めて処理するということになりますと、そこの適正な立地、周辺住民からも十分納得していただけるそういった状況、公害対策も非常にしやすい、いろんな面もございますので、そういった適地を探すのに時間がかかっているわけでございます。  それで、今先生お尋ねの、いましばらく時間がかかるというのが一体どのくらいなのか、一年なのか五年なのか十年なのかということでございますが、この点につきまして私どもといたしましては、先ほど申しましたような乾電池の保管の状況等を見まして、それから周辺でのそういった受入可能性、そういったものを考えますと、今ここであと半年でございますとか一年でございますとか、三年とかいうのはちょっと申し上げられないような状況でございます。もうしばらくお時間をちょうだいいたしたいというふうに思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 そうすると、もう既に何というんですか、何カ所かに立地をしなきゃならないということで作業を始めているというふうに理解をしてよろしゅうございますか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) この問題が非常に社会問題化しましたときに、端的に申し上げまして、いろんな会社から私のところで処理をさせていただきたい、そういったものが厚生省なりあるいは先ほど計画課長が申しました全国都市清掃会議の方にも来ているわけでございます。しかし、そういった会社の能力なり技術力なり、それから財政力、そういったものもございます。そういうことでなかなかうまく処理できそうなのが、現実の問題として今可能性の非常に高いというものは端的に申し上げまして少ないわけでございまして、まだまだいろんな諸般の検討をしているということでございます。一応この問題につきましては、廃棄物処理技術開発センターの方で検討は引き続き進めておるところでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 余りいつまでも置かれないように早急にこの問題についても解決していくようにお願いしたいと思うんですよ。どこの自治体へ行っても、今はもう分別された乾電池が置かれているんですね。それで、この処理のまた費用もこれ大変かかるんだと思うんです。数カ所置けというのも、結局分別された廃乾電池を運搬したりなんかするのに費用がかかるから、それで全国何カ所かにということでされているというふうに思うんです。この問題について自治体本当に大変だが、そういった場合、本当は何というんですかね、こういったものについての事業者負担というものは私はやっぱりあっていいのではないかというふうに思うんですが、これはありませんね。あるかないかだけお答えください。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) この処理コストを事業者が持つかという点につきましては、持っておりません。これは一般都市ごみでございますので、市町村の負担ということでございます。  ただ、あえてつけ加えますれば、事業者といたしましては、乾電池の中の水銀の量を大幅に減らすという努力、これは現実にやっておるわけでございますが、そういうことをする。それからまた、水銀乾電池と申しまして、いわば水銀だけでできているような乾電池がございますが、それにつきましては事業者の方で回収措置をとっておる、こういうことでございます。ただ、イトムカに持っていく処理コストについて事業者が負担しているかどうかという点につきましては、負担はいたしておりません。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 乾電池に使う水銀の量を少なくするから、それで実際に環境の中に出ていく水銀の量は少なくなるんだという論議がよくありますけれども、しかし乾電池を使う量がだんだんふえていくんですから、一つの乾電池に使用するその量はたとえ少なくなっても総体としては変わらないか、あるいはふえるか、そんなに違いが私はないんじゃないかなというふうに思うんですね。それは業界の努力は努力としても、経費の問題では非常に多くの問題があるんじゃないかというふうに思うんです。  そこで、今後数カ所建設される処理センターというものについて、イトムカ方式ということでやろうとされているのか、あるいはまた別な処理方式といいますか、そういったようなものを考えておられるのか、その辺はいかがでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) イトムカはもう先生一番よく御存じのとおり、非常に恵まれた立地条件になってございます。周辺に家がないとか山の中であるとか、それからかつて水銀鉱業所であったとか、そういうある意味で水銀を処理するという点では非常に恵まれた立地条件にありますし、またその会社自身が長いこと水銀を扱ってきた非常に深い経験を持っておる、そういう技術力もございます。それ以外の、イトムカ以外のところということになりますと、イトムカといわば全く類似するようないろんな意味の条件が必ずしも合致しないと思いますので、いろんなバリエーションが当然考えられるというふうに思っております。したがいまして、いつもイトムカ方式になるかということになりますと、必ずしもそうじゃないんではないかというふうに思っております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 何か今の段階で別な処理方式といいますか、そういったようなものができたとかというような話を私ども聞いているんですが、その点は厚生省としてはどのようにお考えでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) 恐らく先生お耳にされたのは排煙ガス中から水銀を回収する方法ではないか、例えばそういう方法も幾つかございますが、新聞等によくこの問題に関連しまして報道されましたのは、東京都の清掃局の方で実験的に開発した技術などがございますが、いずれにいたしましても水銀を回収するという方法はいろいろとございますので、そういったものを先ほど申し上げました廃棄物処理技術開発センターの方で検討をいたしまして、それから立地条件、そういったもの、いろんな社会条件すべてを勘案いたしまして、イトムカに加える立地地点の検討は続けていっていただきたいというふうに思って、そういうふうに指示をいたしております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 昨年の十月四日に日経新聞に出ていたんですが、「使用済み乾電池に新処理法」ということで、島根県出雲市の山陰建設工業の何かこういったようなものが出ているんですが、それについてはお知りでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) まことに申しわけございません。私、先生が今お触れになりました記事をちょっと見落としておりまして、その点ちょっと申し上げかねます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 何か無公害で、有害金属を一〇〇%回収できる上、経費も安いという何か新処理方式が開発されたというようなことが出ているんですよ。こういったようなそれぞれのところでいろんな工夫がなされ、開発されていく、こういったようなことについて国として開発援助だとか、あるいはこういったようなものについての積極的な活用とか、そういったようなことを図っていくべきだというふうに考えるんですが、その点はいかがでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) 廃棄物の中に含まれておりますいろんな有害物質、それから有害物質でない廃棄物処理そのものの技術、いろんな廃棄物処理に関連いたします技術開発を行わせるために、昨年の秋に廃棄物処理技術開発センターというものを設け、実際に活動し始めているわけでございます。このセンターでは、とりあえず廃乾電池の 処理に関するいろんなことをやっておりますが、そのうちの一環といたしまして、どうやったら安全に処理ができるか、そういった技術も検討させておりますので、そういうところで検討をさせていきたいというふうに思っております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 補助なども含めてこういったようなことをひとつ積極的に厚生省としても取り上げていくといいますか、取り上げていくようなことで、この問題について早急にひとつ解決していただきたいというふうに思うんです。  時間が余りございませんが、廃棄物にはプラスチックだとかあるいは空き缶、廃乾電池など適正処理困難物が問題とされてきております。しかし、これに対する事業者責任が何か不十分だというふうに言わざるを得ないわけでありますが、廃棄物処理法の第三条二項に基づく行政指導は具体的にどのように行われてきているのか、法的規制の強化について検討すべきではないかというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) 廃棄物処理法三条二項というところに、物の製造等に当たる事業者、製造、加工、販売等の事業者は、その製造、加工、販売等にかかわる製品が廃棄物になったときに処理が困難にならないようにしなければならない、こういう趣旨がございます。これを受けまして、私どもこの規定に基づきまして、これまでさまざまな行政指導を行ってきたわけでございますが、この規定自身が必ずしも十分に、例えば罰則を伴っていないとか、そういったことでこれまで抽象的、訓示的な働きであったという、そういう指摘がございました。  それで、一昨年から昨年にかけまして、生活環境審議会の中に適正処理専門委員会というのを設けまして、そこで検討を種々お願いをしてきていただいたわけでございますが、その中で、先ほど浅野課長も触れましたが、事業者が、自分がつくっている製品等につきまして、いわば事前の評価、事業者による自己評価を実施すべきだという、そういう趣旨の御提言をいただいております。ただ、その御提言の中で、単に事業者に自己評価をしてくれと言っただけではどうも十分ではないということで、やはり厚生省として、事業者が自己評価がしやすいようなガイドライン、指針をつくるべきじゃないかという御提言もあわせいただいております。  そこで、ことし三月の末でございましたが、同じ生活環境審議会の中に調査専門委員会というのを改めて設けまして、そこで先ほど申しましたガイドラインというものにつきましての作業に着手をお願いいたしたわけでございます。  したがいまして、私どもとしては、この三条二項の規定を意義あらしめるように、より具体的には、自己評価をしていただけるような体制を逐次つくっていきたいというふうに思っております。今のところ、そういうことで全力を挙げていきたいというふうに思っておるところでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 今回の法改正で、まだまだちょっと聞きたいこともあるわけですけれども、もう時間が来ましたので、最後に、産業廃棄物の不法投棄防止についても附帯決議が行われておりますが、廃棄物の適正な処理は、国民の生活環境の保全上必要不可欠なものであります。改めて廃棄物、殊に産業廃棄物の適正処理対策に対して環境庁としてどのように対処していかれるか、長官の所見を最後にお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 産業廃棄物につきましては、これの安全を保つということは大変大事なことだと考えております。環境庁といたしましても、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づきまして、厚生省と緊密な連絡をとってやってまいる所存でございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 ちょうど三年前に参議院議員になりまして、この三年間、この委員会におきまして大変皆様のお世話になりましたことを厚く御礼を申し上げます。これで改選になりますと、果たして環境委員会に来るやら来ぬやらわかりませんので、よろしくお願い申し上げます。  さて、ただいま隣の菅野さんから詳しく御質問がございました。私の秘書がつくってくれた質問の内容は、ほとんど全部質問されてしまったようなものですが、せっかく与えられた時間ですので、重複することがありましたらお許しを願うことにして質問をさしていただきます。  まず最初に、使用済みの乾電池の広域回収・処理体制というものができたということが本年四月十九日付の新聞に報ぜられておりまして、これが今月中に全国一斉にスタートする、こうなっております。その実態ですが、どのような程度のものになっておるか、お尋ねをいたします。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) 使用済みの乾電池につきましては、基本は先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、乾電池の中の水銀の量を減らすというのが一番の基本でございますが、自治体で分別回収をして保管をしているものにつきましては、これは公害対策をきちっとした上で安全に処理しなければいかぬ。そのためには、個々市町村で処理するよりはやはり広域な範囲内で集め、回収し、処理するのが適当であるということで、先ほど来申し上げました適正処理専門委員会の報告書の中で、そういう処理するセンターを全国数カ所に設けるべきだという、そういう御提言をいただいたわけでございます。  この御提言を受けまして、昨年の秋、社団法人全国都市清掃会議、私どもよく略称いたしまして全都清という表現をとりますが、その全都清の中に廃棄物処理技術開発センターというのを新たに設けまして、そこを窓口にいたしまして処理をするという仕組みをつくったわけでございます。この処理技術開発センターは、ことしの二月五日に広域処理計画を策定をいたしております。  その広域処理の計画の内容は何かと申しますと、まずこの廃棄物処理技術開発センターがいわば仲立ちになりまして、保管をしております市町村と処理を行うセンター、この場合には、まず第一陣といたしまして北海道にあります野村興産イトムカ鉱業所を指定いたしたわけでございますが、そのイトムカの鉱業所と契約を結びまして、市町村にためてありますものを北海道にありますイトムカに持っていって、そこで処理をする。持っていくにつきましては広域回収・処理の趣旨を生かすということで、また効率性を追求するという観点から日本通運株式会社、日通に統一して委託するということで、日通が全国五十カ所にこの廃乾電池を取り扱ういわば事務所を設けまして、事務所といいますか、取り扱い場所を設けまして、保管しております乾電池を市町村がそこに持ち込む。そこから先は日通がイトムカヘ持っていって、イトムカで公害のないようにきちっとした処理をする。その監視につきましては、廃棄物処理技術開発センターが監視を行う、公害が起こらないように監視をする、こういう仕組みでございます。この仕組み自体は三月一日、三月から動き始めておりまして、現在既に実施中でございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 その後のことはわかりましたが、そういう体制で仕事を運ぶにつきましてはいろいろ費肝がかかると思いますが、これは自治体の方で負担をしておるのでしょうか、それとも業者が金を出し合って負担をするのか、あるいは消費者が、廃棄物を出す者が何らかの便宜供与をするのか、そういう点ほどのようになっておりますか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) この廃乾電池問題が今から三年ぐらい前に提起されましたときに、水銀によ谷環境汚染の懸念の問題とともに、一体こういう問題を処理する費用はだれが負担すべきかという点が問題の一つになりました。  結論から申し上げますと、この問題がまさに適正処理専門委員会、生活環境審議会の中に置かれました専門委員会で種々議論をされたわけでございますが、結論は、一般市民が使っておる乾電池がいわば廃物となって一般都市ごみの中にまざって出るものについては、これは都市ごみの一種であるので、その処理については、処理責任を有する市町村が持つというのが結論でございました。したがいまして、イトムカに持っていって処理を するといたしましても、これはその負担は自治体が持つ、分別収集し、保管をし、そしてそれをそこで処理をしてもらうという、そういう契約を結んだ自治体が持つということでございます。  ちなみに処理の費用はどのくらいかと申し上げますと、処理の費用、コスト自体は、全部清にこういう仕組みができるまでは処理一トン当たり、乾電池一トン当たり八万円であったわけでございますが、こういう仕組みができまして、広域回収のルートができたということで、若干でございますが安くなりまして、トン当たり七万五千円ということでございます。ただし、これに加えまして運搬する費用、これがかかるわけでございまして、当然輸送費でございますので、北海道に近いところは比較的安く、遠いところ、例えば九州から運ぶという場合には高くなるということでございます。大体これに二万円前後、非常に遠い場合には三万円を超す場合がございますが、大体二万円前後の輸送費を負担するということでございまして、結局自治体から見た場合、この廃乾電池を一トン処理をするのにごく大ざっぱに申し上げまして、トン当たり十万円前後の費用だということでございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 それでは、これもまた新聞の方で教えてくれたことですが、厚生省の生活環境審議会というのが昨年七月に乾電池を一般のごみと一緒に処理しても環境保全上支障はないという安全宣言を出したと、こういうのが新聞に載っております。  そこで、これだけのことで安全宣言を出されましても、果たしてどこまで信用していいかわかりませんので、安全だという安全の度合いですね、度合いはどのぐらいのものと厚生省では理解しておられるでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) 先ほど来繰り返し触れておりますが、専門委員会が報告書を出しましたときに、まさに水銀による環境汚染の状況も詳しく調査、これは実は私どもの責任でもって調査をいたしておるわけでございますが、調査をいたしまして、同時に発表いたしておるわけでございます。そのときに、マスコミ等の表現では、安全宣言という表現をされているのも一部ございましたが、必ずしも私ども安全宣言という表現を役所として使っているわけじゃございませんが、専門委員会の認識はこういう表現になってございます。すなわち、「生活環境保全の観点からは、現行法制度の遵守が図られれば、特段の措置を講ずる必要性は認められない」、こういう表現になっておるわけでございます。  実は、この認識に至りますまでに、環境庁が調査をしていらっしゃいますいろんな諸データ、それから厚生省自身でこの水銀に関連いたしまして調査をいたしましたデータ、そういったものを、これはかなりの膨大なデータでございますが、それを集めまして、環境汚染、水銀が環境中どのような形でどのくらい存在しているかというのを詳しく調査をいたしてございます。すなわち、排ガス中の水銀はもとよりですが、例えば埋立地周辺、それから出ます浸出液あるいは埋立地の地下水、そういうところの水銀をはかっておるわけでございます。  例えば大気中で申し上げますと、先生御存じのとおり、WHOが環境保健クライテリアの中でガイドラインというのを持っておるわけでございますが、それに比べて、私ども、環境庁、厚生省が集めた一番高いデータでも、そのガイドラインに比べて千五百分の一以下だというような状況、それから水につきましては環境基準に触れるものは一切ないということで、例えば有機水銀、これは水の環境基準なんかに規定されているわけでございますが、そういうものに当たる一ものは一つもなかったというようなことで、いずれにいたしましてもWHOのガイドラインなり、あるいは環境庁が設定されていらっしゃる環境基準の数値、あるいは私どもが設定しておりますいろいろな各種指標、そういったものと比べてはるかに下だということで、一応当面、現時点では環境保全上特に心配するような状況ではない、そういうふうな認識に立ったわけでございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 この問題につきましては、後で高桑先生が専門の立場から高邁な理論とともにお尋ねになると思いますので、この程度にいたしまして、古紙の問題について、これも五月七日の読売新聞の記事ですが、それによりますと、現在古い新聞紙の回収屋が来なくなったので、これの処理に困って、ごみとして出すようになったために、ごみの量が急にふえまして、清掃工場ではパンク状態になっておるという記事でございます。古紙が急に価格が暴落して、可燃ごみとなってしまったということが生じたことに対して、この対策をどのように立てておられるかという問題でございます。これは環境には関係がないというふうにお考えになるかもしれませんが、可燃ごみがふえますと、新聞を埋立地に埋めるというわけにいかぬので、新聞の方を燃やして、ほかのものは燃やさないで埋立地に埋めるという、大量投棄が行われるという方向へ行かざるを得ないという点で、環境に大変重大な影響を及ぼすということに回り回ってなるわけでございますので、この古紙ごみの問題につきましてどういうふうに対策を立てておられるか、お尋ねをいたします。

香田忠維通商産業省生活産業局紙業課長

○説明員(香田忠維君) 先生お尋ねの古紙の状況でございますけれども、先生御指摘のように昨年来、古紙は大幅な値下がりをいたしております。新聞古紙につきましては、古紙の生産に際しましての配合率が頭打ちになったということで、やや余剰ぎみになったこと、それから段ボール古紙につきましては、板紙メーカーの経営が極めて悪い状態になったこと、こういうことが原因になっておるわけでございますけれども、私どもとしましては現在の価格レベルが、私どもが築き上げてまいりました古紙回収システム維持の観点からも極めて厳しい水準にあると認識いたしております。  そこで、私どもは、この古紙の再利用につきましては、省資源、省エネルギーと同時に、ごみの減量あるいは森林資源の保護という観点から従来から進めてきておるわけでございまして、そういう観点から、さらに今後この回収、利用率が促進されますよう製紙連合会、メーカーに対しまして、価格維持等の協力を依頼すると同時に、また私ども自身としまして、今後の需給の動向につきまして実態調査を現在実施しておりまして、また主要メーカーからもヒアリングをいたしておりまして、必要に応じていろいろな対策を進めてまいりたいと考えております。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 このたび発生しておりますいわゆる円高に伴いまして、古紙とかあるいは紙の原材料の輸入という問題、こういう問題につきまして、特に環境という面から対応を考えておられるかどうか。これは通産省だけの問題ではなくて環境庁、そのほかパルプの関係はこれはどこでしょうか、やはり通産省でしょうか、そういう方の問題としてどういうふうになっておるのかということですが、つまり、パルプの材料輸入ということを抑制する政策がとられるかどうかということです。そういう政策をとれば、これは黒字減らしという点と矛盾するということになりまして大変難しい問題であろうと思いますが、こういう環境に関連する問題につきましては、総合的な計画が立てられて処理をされることが必要かと思われますので、内閣において総合的な対策は考えておられるのかどうか、お尋ねをするわけでございます。

谷野陽環境庁水質保全局長

○政府委員(谷野陽君) ただいま御指摘がございましたように、最近、古紙の価格が下がっておるという情報を私どもも得まして、それなりにその環境に及ぼす影響等につきまして勉強をさしていただいたわけでございます。  古紙をめぐります詳細な状況につきましては通産省の方から御答弁申し上げた方がよろしいかと存じますが、日本の古紙の回収率、つまり紙の回収率というのは国際的に見ましても大変高い水準にあるわけでございますし、また、それが紙の原料としての中に占めます位置もかなり強固なものとして位置づけられておるわけでございます。    〔委員長退席、理事菅野久光君着席〕 そういう状態の中で、現在までのところ、例えば 円の推移によりましてパルプの市況が変わる、あるいはそれに影響されまして工場の原料の配合が変わるというようなことが現実の問題としてはっきり出てきておるかどうかということの判断につきましては、私どもとしてはなかなか難しいのではないか、はっきりそういうふうに言えるような段階になっているのでは必ずしもなくて、もう少し複雑なメカニズムの中で現在の状況が出てきておるのではないかというふうに感じておるわけでございます。  ただ、ただいま御質問のありましたのは古紙でございますが、先般参議院の予算委員会の方で、てんぷら油を使った後の、いわばある種の使用済みの油でございますが、それの回収が、パーム油の値段が下がったことによって影響を受けておるのではないかと、そういう御質問がございまして、これにつきましても通産省、農林水産省等々とただいまその実態等につきまして御相談、調査等を行っておるわけでございまして、私どもといたしましても、こういう問題につきましても常に関心を持ち、必要な場合にはそれなりの御相談を申し上げていかなきゃいかぬというふうに感じておるわけでございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 五月七日の読売新聞によりますと、これは東京都の話なんですが、古紙がごみとして放出され始めたため、この一年間で可燃ごみが約十八万トンも増加したと、こうあるわけです。こういう状態が生じました原因も書いてありまして、古紙の問屋価格は、かつては一キロ当たり十七円から十八円だったのが、これが現在は新聞紙が九円となっており、雑誌に至っては三円に下がっておる。だから、ただでも集めたくないというのが業界の考え方だというわけでございます。ちり紙交換業者もこれは営業として成り立たないので、最近は転廃業をしてしまっておるために、各家庭で新聞、雑誌、その他古紙の取り扱いに大変困っておるというわけでございます。従来は子供会などでこれを集めまして、子供会の費用にするために売っておったんだが、それもできなくなった、こういう記事が出ております。それで、こういうことが真実かどうか。新聞を信用するだけのことですが、もし真実とすると、このままほっておいたのでは、いわゆる古紙というものを回収して再生産資源とするということがほとんどできなくなるのではないかというふうに思われるわけであります。  そこで、こういう問題について、例えば従来、普通のごみは都道府県の費用で回収しておりましたが、古紙についても普通のごみと同じように回収する体制はとれないものかということでございます。こういう点についてどのようにお考えでしょうか。

加藤三郎厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(加藤三郎君) 私も先生が御指摘になりました五月七日の新聞記事は大変興味と関心を持って見させていただきました。先ほど来御議論になります、古紙の値段が下がって、従来ならばリサイクルの方へ回っておったのが、ごみの方に出てくるという問題につきましてもいろいろ聞いておりましたが、ただ、現時点で全国的にどういうふうになっているのか、詳細は私どもまだ把握いたしておりません。しかし、この記事にありました東京都にいわば類似する大都市の状況がどうだということで、私ども横浜市と川崎市と大阪市に問い合わせをいたして、東京都のような状況が起こっているかどうかというのをヒアリングをいたしてございます。それによりますと、川崎市も東京と同様に処理量がふえておる。特に、本来古紙として回収のルートに回るべきものが一部ごみの方に来ておるというようなことで、川崎市においては明らかに増加傾向が最近見られるということでございますが、横浜市、それから大阪市におきましては、今のところそう顕著な増加傾向はないということで、都市によってこの問題の出方が違っているなという、そういう印象を持ってございます。これが焼却した場合に、この五月七日の記事には、焼却能力はオーバーフローするんではないか、こういう趣旨のコメントがちょっとあったかと思いますが、確かに東京都におきましては焼却能力の限界に近づいておるということで、そういうことからある意味では深刻な状況のようでございますが、私どもが聞きました類似の大都市の場合には、幸いにして燃却能力の点で何か非常に危機的な状態とか、そういうようなことではないようでございます。  回収につきましては、これは先ほど水質保全局長の方から御答弁がございましたように、我が国では古紙の回収は世界的にも恐らくトップレベルにあると思われる五割近くを回収いたしておりまして、高いレベルにあって、この基調がそう崩れるというふうには余り思っておりませんで、いましばらく状況を見守っていきたいというふうに今思っている次第でございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 こうした新聞とか古雑紙がごみとして出されなきゃならぬような状態は、実は小さい都市でも起こってきておりまして、例えば私が昔おりました明石市でも、現在週末に帰っておる千葉市でも同じような状況になっておりまして困っておるわけですが、そういうことは別にしまして、そうした古新聞紙とか雑誌とかいうものが従来は紙の原料になっておったのが、それが燃されてしまわねばならぬというところに問題があるのではないかと。これを燃さないで紙の原料として回すことが地方自治体なり国なりの行政機関で行われることが必要な時期になったのではないかと思うわけですね。個々の業者に任したんでは採算がとれないのでやらない。したがって、採算を度外視してやるとなると行政機関がこれをやるしかない、こういうことになると思われるんですが、こういう点についてどのようにお考えになり、どういう手を打とうとなさっておるのか、こういう問題でございます。

香田忠維通商産業省生活産業局紙業課長

○説明員(香田忠維君) 古紙の今の状況につきましては、先生先ほど御指摘のように、価格が昨年のレベルに比べまして約半減というような事態でございまして、古紙の回収システムはやっと紙の生産の半分程度、五〇%になるまで利用率が高まってきたわけでありますが、ここにまいりまして、こういう価格の下落によりまして、今まで築き上げてまいりました回収システムが非常に危ない状態にあることは確かでございます。  私どもとしましては、こういう厳しい状態を乗り切るために、古紙価格の安定維持対策にいろいろ手を打っておるわけでございまして、利用促進をさらに進めるために、利用技術の開発を含めまして、こういうような事態を監視するような対策をいろいろと手を打ちたいと考えております。  先生今御指摘の、地方自治体が責任を持つべきだという御意見ではありますが、私どもは現在の需給対策、さらには今までやっておりました自治体、自治体というよりは町内会、あるいはPTA等を中心としました集団回収指導をさらに一層充実させまして、今の状況を何とか乗り切りたいというふうに考えております。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 実はそうした町内会とか子供会とか、そういうものを動員して集めるということは、その段階まではできましても、その後それを持っていく先が従来は業者、古紙回収業者でしたかね、その業者がもう廃業してしまってないわけです。そこが問題なので、廃業してしまってないような状態のところでは、やはりひとつの環境行政として、あるいは通産行政として行政機関がこれを取り扱って処理をする必要があるのではないか。つまり回収、子供会が集めたものを、町内会が集めたものを引き受けて、それを製紙会社に送る仕事を行うその機関が今のところないので、それを考えてくださる必要があるのではないかということをお尋ねしておるわけですね。それがあれば、各家庭で困らなくてもいいわけです。現在は実は家庭で非常に困っている、古雑誌とか新聞とかの処置にですね。以前はふろなどたいたわけですが、現在そういうものでふろをたくこともないし、たき物として使わないから困っているわけですね。家庭で公害が生じておるという状況なんで、そういう点についてどう解決されるか、お考えを願いたいのであります。どうですか。

香田忠維通商産業省生活産業局紙業課長

○説明員(香田忠維君) 古紙の回収システムにつ きましては、現在のところちり交、いわゆる専門の回収のシステムと、それから集団回収に基づくシステムと二つあるわけでございますが、今の現在の状況におきましては、専門の回収入の減少ということが言われております。しかし、私どもこの末端の回収業界というのがほとんど未組織の状態にございまして、なかなか私どもも十分に実態把握ができておらないという面もありますので、こういうような実態把握に努めますと同時に、先生の御趣旨も踏まえまして、この安定的な回収システムの確立にさらに努力してまいりたいと考えております。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田忠雄君 終わります。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 それでは質問させていただきますが、公害という文字が、これ普通我々も何年も使ってきて、時には抵抗なく使っているだろうと思うんですけれども、この公害に使われる公という意味を環境庁はどのようにとらえておられるかを伺いたいと思います。

岡崎洋環境庁企画調整局長

○政府委員(岡崎洋君) 公害というものをどういう内容のものとしてとらえるかということにつきましては、先生今おっしゃいましたように、必ずしも明確な定義が確立しておるようなことではないようでございます。ただ、今日の時点におきましては、私ども公害対策基本法の中で公害というものを明確に書いてございまして、その内容は書いてあるわけでございます。ただ、その中の公という言葉が何を意味するかと、こういうふうにさらに刻んでお問いになられますと大変窮するわけでございますけれども、これは私の個人的な考えでございますけれども、一つの属性として、個人ではなくて、かなり範囲広く公衆一般に影響を及ぼすであろうと、そういう意味合いをも込めて公という字が使ってあるというふうにもとれるのではないかなと思っております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 一つのお考えとして承って、大変興味があるんです。というのは、公害というのは、害に関しては、公が害を及ぼしているのか、公が被害を受けているのかというのもはっきりしないわけですね。公害といいますと、イメージとしまして、何だかみんなが出しているやつじゃないかと、こういう不特定多数発生源というのはこれでありますが、しかし、受けている側では、一人でも公害というのはあり得るわけですね。非常にたくさんの日本の国民の人口からいえば、水俣病なんか、人数からいえば数千名とかいうことでありますから、数的には一体、公というのは数を言うのか、加害者なのか被害者なのか。それとも数で言いますと、公約数なんて言葉があるんですね。多数決というイメージが一つあるんです。しかし、一方では公正とか公平とか、何か正しいもの、大事なこと、いいこと、こういうのに公という文字が使われるというのがありまして、公害に使っていることを今取り上げているわけですが、公害に使われている公という意味はこうだということを、ひとつ私の講義に使っている定義をお話しをさしていただいて、参考にしていただきたいと思います。  今申し上げましたように、公害というのは、多数決とか公約数というものではないということでありまして、しからば何だろうかということでありますが、これは全国民的レベルで、みんなが納得をするというものでなければ公害とは言えないのではないかということであります。これは被害の側を言っているんですね、実際は。ですから、その被害というのは人数ではなくて、全国民が納得するような意味での被害、それは何だろうかということでありますが、そういう全国民レベルで納得をするということは、やはり考えてみると、もう純粋に観念とか理念といった領域にしかないだろうと、こういうふうに考えられます。しかし現実には、じゃ何かと言われますと、最も明確な意味、内容を与えているものは基本的人権ではなかろうか。基本的人権に対する害があるということになりますと、これは全国民が全部納得する、そういう意味になってくるのではなかろうかと。  そこで、基本的人権は憲法第二十五条に、健康にして文化的など、こう二つ示してあるわけですが、問題は、どう評価するのかということになると、文化というのは点数がつけにくいわけですね。そのレベルを最低にしてというんですけれども、最低というのはどこを言っているんだということがありますので、これは大変レベルを示しにくいことでありますが、健康ということは、正常な健康状態が害されるという意味では明確に数値で表示することができるわけです。その意味では公害というのは基本的人権、すなわち健康にかかわる害が及ぼされる、そういうものが公害であるというふうに私は講義しているんです。そういうふうに、大臣、御参考までにでありますが。  そこで、環境基準というのが、環境行政を直接取り扱うと非常に重要な柱になってまいりますが、じゃ、環境基準設定の基準、基準の設定の基準というのもおかしいですが、どういう視点に立って環境基準をつくっておられるかということを大臣にひとつお願いしたいと思います。

林部弘環境庁大気保全局長

○政府委員(林部弘君) どういう視点に立ってというふうにおっしゃったわけなんですが、これもまた、先ほど企調局長から御説明ございました公害対策基本法の中に、第九条に環境基準ということについて説明している条文があるわけでございます。先生はそこに書いてあることを即聞いたつもりはないとおっしゃるのかもしれませんが、なかなか環境基準というのは国によって少しずつ違いがあるというのは、もう御案内のとおりでございます。じゃ、日本の環境基準というのはどうなのか。もうこれは釈迦に説法でございますけれども、日本の環境基準というのは、国際的に見ればデザイアブルなレベルで、そのほかにトレラブルというレベルがございますし、その中間にアクセプタブルというレベルもある。そういう意味からいうと、日本の環境基準とアメリカの環境基準というのは少し違うんじゃないかという議論もあるわけです。そういう意味では、日本の環境基準というのは、先生が今おっしゃった国民の健康を守っていくという上では、かなり安全を見込んで決めているものだということだけは一言申し上げ。さしていただきたいと思います。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 いや、私の期待していた返事をいただいたので……。やはり健康障害というレベルがあると、このレベルに対してどれくらいの安全率を見ていくかということですよね。その取り方は、その国によって若干違いがあることは確かにあると思うんです。例えば亜硫酸ガスですと、八時間労働で、最初の中毒症状が出るppmというのは、二〇ppmなんですね。それで、労働基準法の安全衛生規則では一安全率をその半分に見て、一〇ppmなんです。しかし、環境基準では〇・一ppm、一時間値ですね。百分の一ですよ。こういう非常に安全率を見ているわけだ。というのは、老人、子供、弱い人、器官の弱い人等がわずかな刺激でも障害を起こすであろうということで、この労働衛生基準、安全衛生規則にあるのの百分の一が一時間値というようなことになっているので、その辺の取り方がいろいろあろうかと思うんです。ただ、これひとつやはり学問の場という意味で聞いていただきたいんですが、一八七八年に、十九世紀の終わりですが、クロード・ベルナールという実験医学の祖と言われる人が、内部環境という言葉を提唱しているんです。同じようなことがストレスとかホメオスターシスとか、そういう言葉が後でずっと出てくるんですけれども、内部環境、「milieu interieur」というんですが、有名な言葉があるんです。ちょっと御紹介いたしますと、フランス語ですけれども、「La fixite demilieu interieur est la condition de la vielibre」といいます。これは「La fixite de milieuinterieur」、内部環境が一定に保たれている。恒常性があるということは、それは「est la condi−tion」、そういう条件である。「de la vie libre」というのは自由な生命ですね。自由な生命にとって、つまり生きていくためには内部環境、体の内部の状態が一定でなければならないということを言っているんです。非常に有名な言葉でして、私たちは労働衛生であるとか、ストレスの問題だとかというときに、この言葉を引用して言っている んです。内部環境という言葉、「milieu interieur」というんです。  そこで、これを御紹介いたしましたのは、実はイントロダクションでございまして、最近問題になっている騒音のことについて、環境庁側のお考えと私の考えとをちょっとディスカッスの中に置いてみたいということでありますが、まず新幹線騒音について、一つは名古屋で妥結をいたしましたね。これの妥結のときの条件は、環境庁側が暫定基準というのを出しているわけです。それは何ホンでしょうか。

林部弘環境庁大気保全局長

○政府委員(林部弘君) 先生今御指摘の点は、昨年私どもが運輸省の方に達成期限が来て申し入れた事実を指しておられるんでございましたら、環境基準は一応一類型、二類型に従って数値は違っておりまして、七十あるいは七十五となっておりますが、昨年私どもが運輸省の方に申し入れましたのは、そういった一類型、二類型ということにかかわりなしに、いわゆる地域住民に影響が多くあらわれると思われるような、そういう人がたくさん住んでいるところを中心に少なくとも発生源対策で七十五を確保してほしい、それを五年以内に欲しい。名古屋については最も激甚なところだからできるだけ早くやってほしい、そういうようなことを申し入れておりまして、これは暫定基準というよりは、環境基準そのものは変えているわけではございませんが、とりあえず現在、技術的に可能であると考えられる七十五達成ということを住民に一番影響の多いような地域で達成してほしい、こういうことを申し上げておるわけでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 東北新幹線と上越新幹線が数日前の新聞に大きく取り上げられておりまして、これに環境庁がやはり深くかかわっているわけで、これも今、林部局長が言われたように、七十五ホンというのが暫定目標値というのかな、そういう形で登場しているわけで、開業三年以内に七十五ホン以下というのが東北・上越新幹線でありまして、住宅地域では七十ホン以下ということで、七十五ホンというのは高いんですよね。これは商業・工業地帯を除くと、住宅地帯では昼間で六十五ホンというのが一つの限度ですから、ですから夜間になりますと、睡眠ですから、ぐっと下がっていくというのが普通でありまして、やはり今、林部局長が言われた七十五ホンというのは、私は暫定目標だろうと思うんです。これでいいということではないんで、本来は下げるべきであるが、一つの達成目標値である。それでも東北・上越新幹線は二十五メーター以内でしたかね、それの達成値は、ほとんどほぼ半分なんですね。それから、防音工事が上越では九九%も達成している。東北がまだ一〇%しか行っていない。ですから、これはやっぱり対策としては、防音対策というのが一つ有力なものとして挙がってきているということはおわかりになると思うんですね。  そこで、私がそういう医学的見地を含めて問題に今挙げておきたいのは、厚木の航空基地騒音訴訟に対する判決でありまして、この判決というのは、私が読んでみて、極めて医学的に見て無知でないのかなと思うぐらいおかしな条文がありましてね、それを今環境庁は、生活環境にかかわる大事な問題をディスカッションしておられるんですから、新幹線だけではなくて、厚木の基地に関してもやはり物を申していただかなきゃいけないんじゃないかという気が実はしているわけです。  それで伺いたいのは、厚木の基地での、東京高裁が四月九日に出したわけですが、騒音レベルについてはどういうふうに状態を把握しておられるんでしょうか、おわかりかな。

林部弘環境庁大気保全局長

○政府委員(林部弘君) 私どもの環境基準から見れば達成ができていないということは明確に申し上げられると思います。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 数字で申し上げましょうか。いや、多分ひょっとしたら持っておられなかったかもしらぬなと思ったので、同じことですからね。  昭和五十九年の七月十七日から二十六日の間に大和市と神奈川県とで午後六時から十時の間に調査をしているんですね、そのデータが載っておりました。これを見ますと、五秒以上続いた回数が、その四時間の間でありますが、三十六回ないし百七十一回。三十六回というのは少ない方で、ほとんどが百回以上です。ということは、四時間で百回とか二百回というわけですから、二分置きぐらいに来ているということであります。ホンでいきますと、今七十五ホンというのを出していただいた理由がそこにあるんですが、ホンでいきますと、最低百三ホンから最高百十八ホンです。百ないし百二十ホンですね。これを聞いただけでどんなふうに考えるべきかというのは当然わかるわけだろうと思うんですがね、私は。  それで、判決の中で、少しデータを挙げていきますと、一つは睡眠妨害、生活妨害、情緒障害は認められると。これは医学的な変化があるわけですね。生活妨害というのは知りませんが、睡眠妨害とか情緒障害というのは、明らかにストレスになりますから医学的な対象になります。  次に実施日数、平均が五十八日程度で、そのほかの期間では静穏な日もあるというんですね。これをよく聞いてみますと、五十八日、あと三百日ぐらいは何ともないんだから我慢しろと言っているのかなと思うんですが、これは睡眠を例にとりますと、五十八日間睡眠を妨害されたから、あと三百日静かだから我慢しろといってできるかということです。寝だめはできないんです。ですから、これはいかにも医学を考えない、何かお金の計算、一日幾らだと。五十八日マイナスだったから、あと三百日プラスであればいいじゃないかみたいなお話でございましてね、これは寝だめができない。ですから、これはもういかにも判決文の中に書いてあるということは、よくまあこんなことを大きく書き込んだものだと私は思いましたわ。  それから、積極的治療を要する疾病の程度とは認めがたいと書いてある。不思議な文句ですね、これは。四十ホンを超えますと脳波に覚せい反応が出るんですから、四十ホンですよ、それを超えただけで、もう睡眠妨害になるんです。それが二分置きに百ホンなんていうのが来たら、これは眠られるわけありませんよ。で、六十ないし七十ホンを超えますと、交感神経緊張状態が出ますから、血圧が上がるとかいろんな症状が出てまいります。この裁判官は、この血圧が治療を要するまでに固定するまで我慢せいということなのかと私は思いますね。脳温血を起こしたら、初めてびっくりするのかと思いますね、私は。それから、七十ホンを超えますとホルモンの分泌に変化が出る。こういうことを考えますと、積極的な治療というのは何を言っているんだろうかと思うんです。  私は国会議員にならせていただいて、私の主張しているのは、ほとんど全部予防医学なんです。予防こそ健康保持にとって最も大事だということでありまして、この判決を読んだ限りでは予防を無視している、こんなことでいいのかなと。私流に言わせてもらえば、憲法第二十五条の最低の健康を保持する責任を放棄したものじゃないかと思うんですね。  それからもう一つ、最も重要なことは、公共性が高ければこれに応じて受忍限度が高くなる、こういうことなんですよ。それで限度というところが、実はさっきミリイュー・インテリエールという、内部環境でお話ししたのは実はそこなんです。外部環境が変化いたしますと、それに対して内部環境は変化するわけです。例えば非常に寒いところに行けば体温が一応下がるはずなんです。それに対応して外部の血管がぎゅっと収縮して体温を逃がさないようにする、一応血圧が上がるとかという変化です。内部環境が変化するんです。変化するけれども、それをもとへ戻さないと生命の維持ができないというのがクロード・ベルナールの表現でございます。したがって、内部環境をもとへ戻そうとするんです。そしていろんな複雑な機構によりましてもとへ戻るんです。ところが、戻らないかもしらないような限度、限度と言っている。つまり健康障害の始まりなわけですから、内部環境の変化が起きて、それがもとへ戻らなくなる。戻らないようなのが限度なんですね。内部環境の変化を引き起こしてしまうような、すぐ戻ら ないような、そういう変化を起こすものが限度と言っているんです。これがいわゆる恕限度なんですよね、許される限度なんです。  そこで、受忍限度なんですけれども、受忍というのは我慢するということなんですが、内部環境が変化をしているのを我慢せよと司法の立場で言えるものだろうか。我慢するかしないかは本人の問題で、法律の問題じゃないはずなんです。ですから、公共性がどうであろうと限度というものは決まっているんですよ。それは変化しないんだから、限度なんだから。我慢せいというのはどういうことか、私はこれはわからない。つまり新幹線のあれでいきますと、上越新幹線と東北新幹線を申し上げたのは、我慢せいと言うんじゃなくて、我慢ができる程度に防音装置をするとか、あるいは大変たくさん金を出してどこかへ移してやるとか、何か人間の基本的人権を守る側で行動をとらないで、今申し上げた三つか四つの判決を僕は読みまして、これはやっぱり司法というのは、人権を擁護するのが司法の立場ではないのかな。行政は若干そこを踏み出るかもしらないなと私は思っているんです。きょう総理大臣のお話にそれが出ておった、本会議で。学問とは違うとか、行政は一般国民の御理解を得たいんだとか言っていました。御理解を得るということは学問と違うということ三言っているわけです。しかし、司法というものは、私は、やっぱり基本的人権を守る必要があるのであって、それは行政に追随するんではいけないんじゃないのかなと思うんです。したがって、公共性とは何かということを私は問題にしたいと思うんですけれども、それはしかし行政の側の主張なんだから。そういたしますと、私はやっぱり基本的人権をどう守っていくのかということについて、騒音問題で環境庁が提示した名古屋、東北、上越、これはまことに、私は環境庁を支持します、これで。いいはずです。七十五ホンはちっと高いですよ、もう五ホン下げてほしいと思う。しかし、それなりの一つの目標値ですから、それはそうなんだけれども、これは話が違う。百から百二十ホン、二分間置きに百回、二百回来る。受忍限度というのはそういうものではないということでありまして、医学的な受忍限度というのはないんです、こういうものは。大臣何かコメントございますか。——これは大臣だな、やっぱり。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 判決につきましては私ども今コメントする立場にございませんが、先生の環境に対する該博なる知識に耳を傾けております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 いや、私は司法の判決を批判しようというのではないんですね。ただ、三権分立なんですから、司法が何と言おうと、それに対してやっぱり考えは述べてもいいだろうと僕は思うんです。そして、それに対して司法もそうであると言い張るんなら、それはやっぱり二つの論争だろうと私は思うんです。ですから、私は今、私の立場、学問の立場で申し上げたんですけれども、環境庁はむしろ行政の立場で、司法にそのままうんと言っていいのかなという気が私しているんです。大臣にこれ以上答弁を求めると大変気の毒だと思いますので、この辺は私の意見開陳ということで御参考にしていただいて、今後の対策に生かしていただけるかなと思います。  実はきょうは科学技術庁と気象庁、皆さんにチェルノブイル原子力発電所の事故について伺うということで来ていただいておりますので、一、二質問をさしていただいて、あと時間でございますからお返事いただいて、私の質問は途中で打ち切りたいと思います。  今度のスペースシャトルのチャレンジャーの爆発事故とか、B747の日航機事故だとか、それから今度のチュルノブイル・ニュークリアプラントの、今度の爆発だか何だか知りませんが、大変大きな事故を起こしている。これはやはりビッグサイエンスとか、最も進歩したテクノロジーでさえも安全の保証ということは、一〇〇%の保証はあり得ないということをもう証明したものだろうと思うんです。ですから、これはやっぱり大変なことだと思いますが、ひとつこのことを含めまして、気象庁の方はどうですかね、これは。日本列島へやってくる可能性が低いというのが五月二日の朝日新聞に載っておったんです。ところが間もなく五日かな、なんかにはもうやってきた。ソビエトから八千キロ離れた日本にもう放射能降下物が運ばれてきた。予想を上回る早さであったと言っております。私はやっぱり、これの予測が予測どおりでなかったというところに大変私は意味があると思ってるんです。やっぱり予測っていうものはそう正確にはいかないんじゃないかということなんですが、その辺のことを気象庁にひとつ伺いまして、科学技術庁にはせっかくおいでいただいたので、今の日本の原発も例外ではないだろうと私は思うんで、このビッグサイエンスとか、アドバンストテクノロジーについての科学技術庁の取り組み方を伺いたいと思うんです。最後に大臣に、時間がなくて申しわけないんですが、チェルノブイル発電所の事故を、我が国の環境汚染、生態系の汚染、食品等への汚染に関連いたしまして一言まとめていただければ幸いでございます。——気象庁から。

山中陸男気象庁観測部測候課長

○説明員(山中陸男君) お答えいたします。  当初我々非常に困ったことは、今度の事故が発生した日時、それから規模が全然つかめなかったということが一つございます。そういうこともあると同時に、今までに放射能が日本に来たという例だと、大気中で核実験を行ったときに来ておるわけでございます。そうすると、明らかに上空の気流に乗るということが考えられるわけです。今回の場合に困りましたのは、地上での事故、それとただいま申しましたように、規模がわからないということがありまして、果たして地上のものが上空にどれだけ舞い上がるのか、あるいは拡散によって非常に薄くなるんじゃないかということもございましたし、上空の非常に強い偏西風帯、あるいはジェット気流と申しておりますけれども、こういうところと非常に離れていたということもございまして、たとえ日本に来るとしても、非常に希薄なものじゃないかと予想したわけでございます。

堀内純夫科学技術庁原子力安全局原子力安全課長

○説明員(堀内純夫君) 今回の事故につきまして、四月の二十八日の夜中に、まず北欧三国におきまして通常の六倍ほどの放射能レベルが観測されたということを聞きまして、そのときにはまだどういう状態がということを予測だにもするのが非常に難しい状態でございました。ただそれが、その数字だけでは大した問題ではない。それが二十九日の朝になりまして、キエフの北方のチェルノブイリの発電所での事故であるということを聞きましたときに、TMIとの関連におきまして、これはかなりの放出事故であるということをまず感じました。それがかなりのまた影響を及ぼすであろう。ただ、日本との関係におきましては、約八千から九千キロメーター離れておりますのと、今気象庁の方からおっしゃいましたように、日本に運ばれてくる偏西風ないしはジェット気流に乗るまでにはやはりかなりの条件が必要ではなかろうかと、国民の健康に直接直ちに問題になるようなものは、まず来ないであろうという予測をしておりました。  それからもう一つは、原子炉の形がわかりまして、これがソ連独得の、これは一つもたしか海外に輸出されてないと思いますが、黒鉛減速の軽水冷却の中性子炉であるということ、それから百万キロワットであるということ、それからもう一つは、どうもこの原子炉は格納容器を備えてない可能性が非常に強いということ、これは放出されている放射能から見ましてもそのように感じますし、現在まだ確認はしておりませんが、まず間違いないところではなかろうかというふうに私どもは思っております。ただ、お断りしておきますが、まだ確認はされておりません。現状は、その後の発表によりますが、中側で核爆発が起きておりまして、この爆発も水蒸気爆発か水素爆発か、一般の化学爆発かについてもまだ定かでない点はございますが、爆発が起きて、写真でも報道されましたように、建屋の屋根が飛んでおります。これは TMIのときに比べると、放出が大きくなった非常に大きな原因であろうと思います。  以上の点をまず勘案いたしまして、私どもの方の原子炉の安全性にどんな影響が出るであろうかということを考えてみますと、まず炉型の面からは直ちに日本の原子炉に対して直接的に問題にするものは恐らく出ないであろう。しかし、そのほかの面では詳細を調べてみますれば、必ずやその大きさは違うとしても、かなりの参考になるものは得られるのではないだろうかというふうに思っております。私どもは昭和五十四年の三月にありましたTMIの事故によりまして、日本の原子力につきましてはそのデザイン、それから安全審査の基準、それから設工認の基準、それから防災対策、それから運転員の訓練、いろいろな面におきまして、約五十数項目の改善をしてまいりまして、そのおかげと、それからTMIの後に起きました関西電力の高浜でのいわゆる部品を間違えて取りつけたためによる事故、これらによりましていわゆるTQC、トータル・クォリティー・コントロール、総合的品質保証計画とでも申しましょうか、これが原子力発電関係をやっている電力会社等に徹底いたしまして、これはもちろん電力会社だけではなくて、メーカーも下請もそれに十分なる理解がなければならないわけですが、そういうものが発達したおかげによりまして、最近では場合によっては七〇を超える稼働率を上げるに至っているというようなところで、安全に対しては正直申し上げまして、かなりの自負をしておるところでございます。しかし、油断はすべきでないことはもちろんのこと、こういう事故を他山の石といたしまして、この中から私どもの一層の安全性の向上に役立つものを拾い出していきたいというふうに思っております。  現在、何分にも条件が限られたところでございますので、国際的な協力等によりまして、例えば先日は先生も御承知のように、サミットで共同声明を出しております。それから日本はIAEA、国際原子力機関、それからOECDにあります原子力機関、これらの機関との協力関係を持っておりますので、これらの機関を通じまして、共通の問題としてとらえて調査、分析、評価を行い、これを行政面に反映させていこうというふうに考えております。そのために原子力安全委員会の中にこの発電所の事故調査委員会というものを設けまして、昨日発足させたところでございます。  以上でございます。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 一分で述べさせていただきます。  二つ私は感じております。  一つは、たまたま私は科学技術庁の長官代理をやっておりまして、一体環境庁とどういうかかわり合いがあるだろうということを真っ先に研究いたしまして、縦割り行政で全く関係がない。このことで私は、これでいいのかなという大変環境庁の立場から憂えたものでございますが、それが一つ。それからもう一つは、先生が先ほどおっしゃいました三つ、四つの事例を見ても、絶対ということが科学技術の世界にないということを何か思い知らされておりまして、より緊張をしておるわけでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 ありがとうございました。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 高桑先生の高邁なるお話の後で、私は非常にレベルの低い話をしたいわけですけれども、実は私、今横浜に住んでおりまして、最近、横浜ほたるの会というところに入りまして、それで皆さんにいろいろ教えてもらって、私は横浜じゅうに蛍を飛ばそうという夢というか、野望というか、そういうふうなものを持ちましてね、それで今、まずとにかく蛍のえさになるカワニナ貝から飼ってみようということでやっているわけなんですね。実は私がこういうことを考えましたのは、二月に決算委員会で、国有財産の調査という名目で宮中に見学に行ったわけですね。その宮中でいろいろ珍しいこと、あるいは知らなかったこと、非常に感激したこともいろいろあったんですけれども、そのうちの一つに、あそこの場所はどういうんですかね、二重橋から入って行った方の入り口のところに宮殿があって、宮殿の前に大きな築山というか、庭があるわけですね。その庭のところに人工のせせらぎというか、小川が流れているんですね。我々は近くまで行ってないんですけれども、宮殿の廊下から見ると、きれいな築山のところにちょっとした滝があって、流れがある。それで宮内庁の人の説明によりますと、六月にここで蛍がぴかぴかやるというんですね。天皇陛下も非常に興味を持っておられるということなんです。それで外国の方なんかを呼んで、数回蛍の鑑賞会をやっておられるということなんですね。  ところが、この人工の川にどうして蛍が発生したかといいますと、これは天皇陛下もまた生物には非常に御興味があるので、みずからいろいろ勉強されて、蛍を何とかということで、これは後で聞きましたら、多摩動物園の方で御協力したらしいんですが、四年かかって、カワニナ貝をまず流し、そこへ蛍の幼虫を放り込んで、そして四年間人工的に何回も繰り返したらしいんですね。そしてついに五年目からそれが定着して、もう今は自然発生的に放っておいても毎年六月になると蛍が飛んでいるということなんですね。私それを聞きまして、これは非常におもしろいと。私が今まで常識的に考えていたのは、蛍というのは谷合いの清流のもとでぴかぴかやっている。それがもう今は全国的に、これは農薬の関係もあるんですけれども、それから合成洗剤なんかの排水の問題で川が汚れて、ほとんど蛍の生息地がなくなった。わずかのところしかないわけですね。それで、これは仕方がないというふうに大多数の国民はあきらめていたと思うんですけれども、こういうふうに人工的にやれるとなれば、これはやはり相当、大げさに言えば人類の責務として、蛍のためにもう一度生息の場を与えてやらなきゃいけないんじゃないかと思いまして、それで、宮中でできたんだから横浜市内でもできぬことはないんじゃないかということで、今そういう企てを進めつつあるわけなんです。  ところが、私はほたるの会に入ってみて、いろいろの人の話を聞きますと、彼ら一生懸命ボランティアで熱心にやっていまして、横浜じゅうを全部調べて、どこの宿というんですか、あそこには何匹ぐらいの蛍が飛んでいるとか、あの小川はどうだとか全部克明に調べているんですね。四月ごろになったら幼虫が上陸してサナギになるわけですけれども、そういう状況も全部調べてやっているわけですね。ところが彼らは何としてでもそれを保存したいと言うわけですな、ほっとくとやられちゃうと。私、これは決して非難するわけじゃないんですけれども、横浜の野毛山に動物園がありまして、それが狭いんで郊外の方というか、川井宿の方に移そうと。ところがその移す場所が、今蛍が非常に出ているところなんですね。それが動物園が行ったために多分なくなるだろうということで、決して動物園の移転に反対しているわけじゃないけれども、非常に悲しんでいるというところなんですね。それから彼らにしてみたら、せっかく蛍が飛んでいるのにそこが住宅開発されるということで、これを阻止するというんじゃないけれども、まあ非常に残念だと、泣きながらへこんじゃうというふうなことを繰り返しているわけですね。私は、それで彼らに言ったんですけれども、だからといって住宅開発反対だとか、動物園移転に反対だと、これはそういうふうにやったんじゃもうしようがないと。したがって、住宅が開発されたけれども、そこに何とか人工的に流れをつくって、そこへ蛍を放すという方向にやってみようじゃないかということで、ほたるの会というのは数十人なんですけれども、人工的に養殖してやっていくという技術を大分持っておるわけですね。そういう技術があるのなら、ひとつ私も中に入れてくれということで、一度やってみようと思っているんですが、まずここで質問の第一は、私は自然というものを守るということももちろん大事なんですけれども、しかし、必要な自然を逆につくっていくということもこれからは必要なんじゃないかと思うんですね。その辺は、環境行政をやっておられる側としてどういうふうにお考え になっているか、まずお伺いしたいわけです。

加藤陸美環境庁自然保護局長

○政府委員(加藤陸美君) 先生の非常に具体的な蛍の事例をとられたお話、まことに御示唆に富むお話だと存じます。  私どもの方では、大体先生の御趣旨に沿っておるのではないかと思いますが、自然環境の保全を推進するというためには、もちろん国立公園その他の自然公風法等の施策というものもございまして、自然を保護するということはございますが、これとともに緑化の推進でございますとか、各種の施策により良好な自然環境を拡大していくということも重要であるということは、もうおっしゃるとおりだと思っております。るるは申し上げませんが、環境庁としては、先ほどちょっと申し上げましたが、自然環境保全法とか自然公園法等の施行による保全に努力をすると同時に、例えば、大都市近傍において身近な自然に親しめるようにする自然観察の森というものをつくる、これも人工が相当入ります。それから、都市近傍において、小鳥がさえずる森づくりと言っておりますが、これは市町村、小さな規模でございますけれども進める。これは環境庁みずからといいますより市町村にお願いして、ノーハウを提供してというものでございますし、そのほか御承知のナショナルトラストというようなものを通じて、身近な緑の保全はもとよりでございますが、つくり出しについても努めていきたい。これには関係省庁、森林関係の林野庁さんを初め、これはもう通産、運輸、建設、いろいろなところ、道路にも関連してまいりますので、十分な連絡をとりながら、緑豊かで潤いのある快適な環境をつくっていくことにも努めていきたいと考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで話をちょっと戻しまして、環境破壊ということに二つあると思うんですね。一つは、人間が住んでいくためにやむを得ないと、道路をつくる、あるいは住宅をつくるというふうなこと、これはある程度神様にもお許しいただけるんじゃないかと思うんですけれどもね。ところが、不必要な自然破壊みたいなものがあるわけですね。ちょっと回りくどい話になりますけれども、例えばアリゾナの砂漠というのは二百年ぐらい前までは肥沃な大草原だったわけですね。そこへ牧場をつくって、それで羊だとか牛だとかいろいろ飼った。ところが、アメリカライオンだとかオオカミが来るので、アメリカライオンやオオカミを片っ端から撃ち殺しちゃったわけですな。ああいう肉食動物がいなくなったために、今度はウサギだとかシカだとか、草食動物がうんとふえて、それでまた、ヤギみたいなのはもう木の根っこまで皆食っちゃったということで、あれ砂漠になったわけですね。まさにああいう砂漠というのは、人間がつくった砂漠ですよね。不必要にそんなに天敵を殺しちゃったからということになるわけですね。  例えば、これは去年知床の方に行きまして、網走のところに、私はその当時まだ環境委員だったものですから行ったときに聞いたんですが、ある川がありまして、そこに魚道があるわけですね。ところが、サケが上ってきて、それでその魚道があけてあるんですね、上へ行けるように。ところが地元の漁業組合は、サケが上ってくると、それを閉めちゃうんですね。そこで全部サケとっちゃうわけです。そうすると、サケが上へ上らない。したがって、クマは卵を産卵した後のサケをとるわけですが、ところがそれが上がってこない。それから、シマフクロウだったと思いますが、シマフクロウもサケがいなくなったので、シマフクロウはしようがなくて、どっかへ行ったんですけれども、クマはもうやむを得ず里へおりてきているわけですね。それで、やはりせめて半分とは言わないけれども、二割ぐらいはサケを上へ上げてやってもいいんじゃないかという気がするわけですね。ああいうことで魚道を閉めちゃう、せっかくつくった魚道を閉めちゃうというふうなことで、もう上流の自然のバランスが狂っちゃうわけですね。そういうふうな人間が不必要に自然を破壊するというのは、これはもうまず絶対にやめなければいけないと思うんですよね。しかし、やむを得ずに破壊された自然環境というものは、もうやっぱり人間みずからの手で修復していくということが私は大事になってくるんじゃないかという気がするわけですね。  したがいまして、例えば私今蛍というのを取り出したのは、私、実は毎朝ジョギングやっているんですけれども、近くに川がありまして、その川の土手なんか走っているわけですね。ところが見ていますと、その川の中にポリバケツだとか人形だとか、あるいは自転車までほうり込んであるわけですな。そういう状況で、そこに奇特な人がおって、ヒゴイなんか放しているんですけれども、水が非常に汚れているという感じがするわけですね。これはやっぱりきれいにしなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、そういうのをそこだけきれいにするということはもちろんいいんですけれども、やはりもとから、上流から順番にきれいにしてくるというふうなことがこれから必要なんじゃないかという私は気がするわけですね。したがって、ここに書いていますように、やはりこれからは環境行政で、今までは役所が中心になっていろいろやっておられたですね。しかし、私は市民運動というか、ボランティアを相当国民運動的に動員するということが必要な時代になってきているんじゃないかという気がするんですが、その辺は環境庁さんどういうふうに受けとめておられますか。

加藤陸美環境庁自然保護局長

○政府委員(加藤陸美君) 生態系をめぐる一連のお話につきましては、もう答弁は省かさせていただきます。  最後にお尋ねのございました自然環境保全ないしは快適環境の方のことになるかと思いますが、それとボランティアの問題について一言考え方を述べさせていただきますが、良好な環境を実現していくというためには行政の対応、もちろんこれは必要でございますが、先生もまさにおっしゃいましたが、国民一人一人が環境に配慮した生活行動を心がけるということが肝要であると思っております。このために、これはもう文部省さんなどとも連携をいたして環境教育と申しますか、そういう努力を続けなければならぬと思っております。また、先ほどもちょっと触れましたが、身近な自然を大事にする、それに触れ合っていくという動きが幸い強くなってきております。先生もおっしゃいましたけれども、これを伸ばしていくというために幾つかの施策、ナショナルトラストの問題であるとか、あるいは緑化促進の各種の施策、それから先ほど申し上げました身近な自然との触れ合いの場を提供する幾つかの施策、ノーハウというようなものもつくり出していっておるわけでございますが、もう一度戻りますけれども、ボランティアといいますか、ボランティアというと、ちょっとまた固定的になるかもしれませんが、国民の一人一人が、住民一人一人が何か少しでもいいから関心を持って参加といいますか、行動をしていただくという行動様式が大事がなと思っております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 先ほどちょっとおっしゃいました、小鳥がさえずる森の話ですね、私は、これはぜひ行政の方でそういうふうなものはどんどんつくっていただきたいと思うわけですね。ところが、ついこの間、これは横浜の森林公園に行っていろいろ雑談していましたときに、これだけ木が茂ってきて、いろいろ案もなってきたんで、少し小鳥を入れたいんだという話なんですね。大いに結構だ、大いにやってくださいと。ただ私は、それはできるだけ市内の中学生なんかに働きかけて、巣箱をみんなにつくってもらう。そして木にはしごをかけて巣箱を乗っけると。それからえさ場をつくって、時々はみんなえさを持ってきて、そこへえさを置くというのもなるべく中学生にやらせるように、それはまだるっこい、いろいろ手間がかかったりなんかするかもしれぬけれども、そういう方向でぜひやっていただきたいと。それから、私は今、これはちょっと違うんですけれども、サラリーマンOBの方に、年金で生活はいいけれども、ちょっと生きがいを生活に取り入れたいという人に積極的に呼びかけまして、先 ほどの蛍の飼育もいいし、それから小鳥の何でもいいんですけれども、中学生を指導するような人、こういうものをやはりやっていかないと、今までのように行政がやるべきであるということを言って、行政にやらせますと、もうコストがかかってかなわないんですね。またサラリーマンの税金が上がっちゃうから、これはもう我々が、自分たちのことは自分でやろうというふうな国民の自助努力というか、自分でやろうというふうな方向に持っていかないと、どんどんコストが上がる一方だというふうな感じが私はあるんです。  それから、今全国的にも相当そういう動きがあるんじゃないかと思うんですけれども、感触的で結構ですけれども、そういうボランティアの動きというのはどういうふうになっているか、ちょっと教えていただきたいんですがね。

加藤陸美環境庁自然保護局長

○政府委員(加藤陸美君) おっしゃるとおりでございまして、非常に各種の動きがあるようでございます。データ的にはまとめ切ってはおりませんけれども、環境庁自身も各国立公園の管理事務所を中心といたしまして、全国に十カ所ございますが、そのうちのしかるべき場所、つまり余り深山幽谷でも無理でございますので、少し里場に近いところで、自然観察とかあるいは研修会とか、そういうのをテーマにしながら、ボランティア活動的な人を集めまして、子供さんも一緒でございますが、それをテスト的にといいますか、モデル的にといった方がいいと思いますが、やっております。それに刺激されてといいますよりは、それより前からやっておられるところも多いわけでございますが、各市それぞれの団体で、あるいは市町村か肝いりになったり、あるいは学校単位でやっておられます。これは数は恐らく数え切れないというぐらいあると思います。ただ、これが順調に伸びていくにはどういうことに気をつけたらいいかというのが、ひとつこれからの行政の分野の仕事であると思っております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 ぜひそういうところを進めるために、ちょっとアナクロニズムだととられるかもしれませんけれども、私は今の賞勲制度というのを変えて、我々が勲章なんかもらわなくてもいいから、そういうボランティアをやった人にどんどん積極的に非常に上位の勲章を与えて、それを奨励するということも私は非常に必要なんじゃないかと思うんですね。したがいまして、こういう環境関係で一生懸命目立たずにやっている人にそういう御配慮をぜひしていただきたい。それで、これは大臣に特にお願いしたいんですけれども、この環境関係だけじゃなくて、そういう市民活動というか、そういう人たちに叙勲の中心を向けていくようなひとつ御配慮をいただきたいと思うわけですね。  それで、時間がなくなってきたので、断片的に少しずつちょっとお聞きしたいんですけれども、まず、今環境庁関係で、野山にシカだとかウサギだとか、あるいはイノシシもふえていますし、カモシカなんかもものすごくふえていますね。それを射殺するというふうなことが出るわけですけれども、射殺というのは、今の平和な時代では人間の感情を刺激するので、余り僕はよくないんじゃないかという気がするわけです。我々のように、ああいう戦争中になにした人間は、まだ神経が多少太いところあるんですけれども、今平和なところで育った人には、やっぱり非常に大きなショックがあるんじゃないかと思うんですね。  そこで私は、天敵を放すということも必要なんじゃないか。これはちょっと言いましたら、環境庁の担当の人にそれはだめだというように言われたんです。だめだというわけじゃないけれども、例えばオオカミというのは、これは童話の世界から見て、オオカミというのは悪いやつじゃということになっていますけれども、自然というのはバランスなんですね。日本もかつてオオカミが全国におったんですけれども、それが明治三十四、五年ごろですか、狂犬病がはやって、オオカミが絶滅しちゃったわけですな。それ以降天敵がなくなっているんで、そういう草食動物が非常にふえているんじゃないかという気もするんですけれどもね。オオカミを放すのがいいかどうかは別にして、やはり余りふえ過ぎてくるとやっぱり困ると。そういうふうなことで、私は実は、何か人間のビルみたいなやつで、繁殖期なんかにそれをえさにまぜて、少し子供を産まないように避妊、野生動物の避妊なんて世界でやったことないと思いますけれども、何かそういうことを考えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、野生動物が非常に繁殖し過ぎているという点についてはどういうふうにお考えになっていますか。

加藤陸美環境庁自然保護局長

○政府委員(加藤陸美君) オオカミの例は別にいたしまして、一番最初に先生がまさにおっしゃいましたアメリカの砂漠のお話、これは肉食動物と草食動物との大きな意味でのバランス、これは現在のアフリカにおいてもどうもその辺の問題はいろいろなことが指摘されておるようでございますが、ただ、これは、いわゆる天敵ではないと思います。一つの生態系のバランスだと思いますが、天敵を直接的に使うという手法は、私どもの担当官が御説明申し上げたとおり、非常に難しい問題だと思います。ただ、生態系を撹乱するということはもっと大きな問題を呼ぶ可能性がございますので、ただ、科学的な知見を十分積み重ねた上でいろんなことは考え得るかと思いますので、貴重な御示唆でございます、幅広い視野に立って野生生物の保護と管理が進められるように、その手法の一つとして、御示唆いただいたことも含めまして研究してまいりたいと思います。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 その野生の問題、本当の野山にいる動物だけじゃなくて、今都市でも、例えばドバトがものすごくふえている。また、例えばカラスなんかもこの辺をうろうろしているわけですね。こういうものが余り繁殖し過ぎるというのは市民生活にも余りよくない。したがって、繁殖を少し抑制する必要があるんじゃないかというふうなことで、ひとつそのいい方法をぜひこれはやはり行政の方で考えていただき、開発していただかなきゃいかぬと思うんですけれども、ひとつそういうことでお願いしたい。  最後に、その野山の問題ですけれども、これの前提は、例えば松くい虫の何がずっと全国的に広がりましたね。それから最近、杉の花粉症というのが非常に多いわけです。これの前提は、やっぱり空気の汚染だとか排気ガスの影響とか、そういったものが基盤にあって、それで体が弱っている。あるいは松も少し弱っているところへ松くい虫にやられて、ずっと全国的に広がったんではないかと私は考えるんですけれども、こういうふうに知らず知らずの間に日本列島自身がそういうふうに弱っているというふうなことを考えますと、少し別の面で考えていかなきゃいかぬのじゃないか。  例えば、今現在、日本の林業というのはちょっと成り立たないわけですね。そこで、今までの林業というのは経済性のあるものを植えたわけです、松とか形とかヒノキとか。これもいいんですけれども、はげ山にするよりましですけれども、むしろそういう列島の浄化ということを考えますと、私もよくわからないんですけれども、学者というか、ある人の意見によると、照葉樹林の方が空気の浄化作用があるというわけです。それならもう日本は——これは林業の人に怒られるかもしれませんけれども、材木はもう外国から、外国で買ってくれ買ってくれとやかましく言っているわけですから、外国から買って、日本の野山にはむしろ照葉樹をずっとふやしていくというふうなことを考えなきゃいかぬのじゃないかと。これも苗を植えたから明くる年からというわけにいきませんで、十年後、二十年かかるわけです。そのために二十一世紀なんて、そういう言葉は私嫌なんですけれども、自分の子供たちの次の世代を考えると、今の間にやはり照葉樹林のようなものを積極的に植える必要があるんじゃないかということですね。だから林業というものを経済的な面からだけ見るんじゃなくて、国家的な見地から、それは山を持っている人はいろいろ反対するかもしれませんけれども、そういうふうなこともやらなきゃいけないんじゃないかというふうに思うわけです。  最後になりましたので、一応今の話をまとめて大臣に御所見をお伺いして、私の質問を終わります。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 先ほどお話のございました勲章をやったらどうかという話ですが、実は先週の日曜日に野鳥の保護の会の集いというのがございまして、三重県の大安町というところに常陸宮両殿下が見えられまして、そこで常陸宮が数本、私が数本、それから局長も県知事も町長もというんで、野鳥を愛する人たちに賞状と幾ばくかのお礼の心を出したわけです。たまたま、しのつく雨が降っておりました。しかし、その人たちは全部レインコートをとって、大変この何というか、もう一日見てうれしい姿が見えるわけです。やはり私はそういうところにどんどんと喜びを与えてやる行政をしなければならないなと思って、痛感して帰ってきた次第でございます。  そのときに、野鳥の権威者がたくさん集まっておるところに、おれは素人でこんな話をするのは恥ずかしいんだけれども、こういうことも一つの方法じゃないかと、ということは、私は今は、ちょっとマンションをつくっちゃって庭がなくなったんですが、庭のあるときには夜店へ行きまして植木を買ってくる、いろんな植木を買ってきて、もう何でもいいから植えるわけです。まさに自然園みたいにつくっておりました。そのときにつくづく感じたんですが、どの植木を買ってくればどういう鳥がつくか、ここら辺のところを植木屋さんの方で、例えばナンテンを植えれば何の鳥が来ますよというふうに教えてくれれば、随分みんなも、国民もそれを喜んで買うだろうし、心も和むんじゃないかというような話をしましたら、おまえの言うことも一案だなんというので、野鳥の大家がみんな言ってくれましたが、先ほどから先生のお話を聞いておりますと、やはり一人一人が被害者であり、一人一人が加害者であるという、これからの環境については、先生のボランティア運動をやったらどうかというようなことが、まさに時宜に適していると考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 最初に水俣病問題について質問をします。  大臣、水俣病三十周年なんです。この水俣病の全面的、抜本的解決なしに日本の公害問題は終わらない。また、これを解決することがやっぱり環境行政の最大の責務の一つだと思うんですが、実際はそれから大変ほど遠い状況であります。  これは昨年十一月、十二月のこの委員会でも議論いたしましたが、今やっとボーダーライン層の救済をどうするかということであります。このボーダーライン層の救済というのは、結局いろんなたくさんある要求の中を、医療費だけの支給で、いわば運動を抑えてしまうことになりはしないかということで、そうなってはならないという立場から私も何度か指摘をしてまいったわけです。  きょう特に指摘したいのは、この対策としての水俣病特別医療事業についてであります。これは四月一日から実施というんですが、もう五月半ばですね、いつから実施するのか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 現在、この事業の対象範囲と実施細目につきましては関係方面と折衝、検討、調整等をいたしておるところでございます。それで、今後できるだけ早い時期に実施できるように今努力をいたしておるところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 その場合の、これは医学的に判断困難なものを事業の対象者にするんですが、その物差しはどうするんですか、これはきっちり文書で出す方向で検討しておるのかどうか、まずお聞きしたい。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 今の御指摘の点を含めまして、この特別医療事業の関係の全体の趣旨とか目的とか、いろいろな対象の範囲といったようなことも含めまして私どもは今県と協議をいたしております。それで、まあなかなか難しい問題もございますけれども、できるだけ各県が、それぞれまた事情はあるわけでございますけれども、各県ともに円滑にこの事業が進められるようにいろいろ対応してまいりたいと、そういうふうに現在は考えているところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 では、この問題は昨年八月十六日の裁判判決の中で、やっぱり今までの環境庁の安全基準が間違いであるということを指摘されたことから出てきた問題なんですね。ですから、もう間もなく一年ですね。私が質問しましたのは去年の十二月十一日、そのときに目下検討中でありますと。だから、そのときでさえも遅いんだね、判決は八月十六日ですからね。それで井形先生などからいろいろ提起もあったし。となりますと、昨年十二月十一日で目下検討中。その後また私の方では何度も、三月にも四月にも。で、目下検討中、もう少しお待ちいただきたいと。それでまた、きょうまで来ちゃったわけですね。これやっぱりどうしてなんだろうかと思うんですね。  そこで、やっぱり物差しの中身の問題です。現行判断条件では、疫学、プラス二つ以上の症状の組み合わせで水俣病と判定することになっています。このことからしますと、水俣病の出発症状である知覚障害だけのもの、あるいは運動失調も時として認められるが、プラスのときもありマイナスのときもある。検査のときによって消えたり出たりするような不安定な場合、それから神経症状はあるが、それが有機水銀中毒によるものか他の疾患によるものか判定できないケース、これいろいろありますよね。こんなことずっとこれ具体的に書くことになるのかどうか、もう答えたっていいんじゃないですか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) まあ先生御指摘の点についても、もちろんこの関係者の間ではどういうふうにしたらいいか、それは専門家同士の間での協議は行っております。今財政当局とも最後の詰めを行っているといったような状況でございまして、もう少しお待ちいただけないだろうかと、御理解いただきたいと、こういうふうな状況でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 最後の詰めは、去年の予算要求のときで大体詰めはできておってしかるべきでしょう。予算要求を現にやったんだからね。そのときもう少しお待ちいただきたい。いつももう少し、もう少しなんですよ。とうとう実施をすべき四月に来ちゃったわけね、もう五月ですよね。このままいりまでいくんだろうか。そうすると、今私が幾つか指摘したような問題をどうするかというところで大変悩んでおると思うんです。なかなかやっぱり線を引き切れない、そこが悩みだと思うんですよね。しかしこれ、どこかやっぱり思い切らなきゃしようがないんですよ。もうどこかで踏み切らなきゃならない時期に来ちゃっているんです。もう一日も猶予できないんですよ。本当はもう四月一日から救済されるべき人が、あなた方もたもたしていて決断できないために、これは救済されないんだから。まさにせっかくこういう制度をつくりながら、それが実施されていない。そういう意味じゃ大臣、大変責任大きいんですよ。ひとつ大臣、医学的なことはわからぬだろうけれども、大臣が決断せよということをひとつやってほしいんですよ。(「わかっているかもしらぬ、失礼なことを言うんじゃないよ」と呼ぶ者あり)わかるんですか、そうですか。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 私は、今のお話にお答えする前に近藤先生に不満を申し上げたいと思います。  と申しますのは、あなたと藤田先生が私のところに来て、大気の問題で、この近くにいろいろ見るところがあるから見たらどうだと非常に強いお勧めがございまして、行ってまいりましたが、一君もそれについては触れないで、直ちに水俣病のこと、これは非常におかしい。不満でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 後で触れますよ。いずれ大気問題については触れますから、またそのときお答えいただきたいんですが、私の質問は、梶木前前前ぐらいの長官かのおっしゃるには、大変医学問題も詳しいと、失礼だという先ほどの発言ですから、もしちゃんとお答えいただければ私は撤回しますよ、先ほどの失礼な言葉。だから、ちゃんとお答えいただきたいんです。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 別に失礼というわけではなくて、なぜ行ったことについて、ああ、よく行っ だなと言ってくれないことについての不満でございます。  特別医療事業につきましては、もう本当に最終段階に来ております。ひとつもうしばらくお待ちを願いたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 順番が大気のところに来たら、ちゃんと褒めますから、ちょっと待ってほしいんですが……。  じゃ、そうすると目黒部長、あとどこが問題なんですか。もうそれは幾らやったって、どこかしらでやっぱり決断しなきゃいかぬだろうと思うんですわ。ここが問題なんですと、だからもう少しお待ちいただきたいと。私は随分待っているんですよ、去年の十二月十一日からずっと待っているんだから。何度も何度も秘書を通じて、いつ出るのかとお聞きしたんですから。となれば、どこが問題か。ただお待ちいただきたいじゃ、もう待てませんからね、すぐお答えいただきたいと思う。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) やはりこの問題の具体的な細部のこと、先生御指摘いただいたようなことも含めまして、全般的にこの細かな部分を含めまして財政当局と現在最後の詰めをしているところでございます。したがいまして、もうしばらくお待ちいただきたいと、こういう状況でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そうすると、財政当局ということは結局、じゃこういう基準にしたならば幾らぐらいかかりそうかというようなところでしょう、財政当局ということは。そうじゃないですか。もう今の答弁からするとそういうことになるんだけれども、どうです。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) まあ、そういうものも含めまして財政当局と全般的な検討をいたしているところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 あなたとはいつもそういうことで、どんどんこれで時間全部食っちゃうことなんで、この程度にしておきますがね。  じゃ、次の問題としては、対象者の選定についての方向ですね。考えられるのは二つあるんです。一つは、認定審査会が審査の際これを行い、知事がそれを受けて決定する方法にするのか、それとも認定審査会とは別に選定のための委員会を新たにつくって行う方針なのか、これはどうですか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) いずれの御指摘の問題についても現在検討いたしているところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、医学的な判断どうするかは大変悩みのあるところだろうと思うから、それは猶予はできると思うんですよ。しかし、こんなの方法の問題だもの、そうでしょう。これどちらにするのか、これはそんな難しい問題じゃないんです。あなた方の熱意の問題ね。あるいはどうやったら一番患者のためになるかという、これはもう結論出ているんじゃないですか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) やはり先生御案内のとおり、この水俣病の経緯とか、いろいろこの歴史とか、あるいは発生の状況、それから、その後の健診の状況あるいは審査の状況、そういったようなものを踏まえまして、やはりそれぞれの三県、それぞれの考え方もございます。また、あるいはそのほかに専門家の間でも御承知のように御意見のあるところでございます。したがいまして、やはりこれも私ども画一的にこういうふうにやることが果たしていかがなものかどうかということもございまして、これにつきましても、今やはり現在の段階では、先生が今御指摘いただきましたことも含めまして、今検討しているという状況でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それから次の問題は、この特別事業の対象者に認定された人が医療機関にかかりますね。それで医療を受ける際にまず自分で支払いをして、その領収証を持って後で窓口へ行って医療費を請求する方法によるのかどうかですね。この場合、やっぱり医療費をもらいに行くたびにまた交通費がかるし、大体医療機関にまずかかるという自己負担、それが大変困難な状況にたくさんの患者は置かれているわけですね。ですから、これはある意味じゃ受診の抑制になって、何のために特別医療事業をやるのかわからなくなってしまう、こういう難点も考えられるわけです。これも恐らく検討中ということかもしれぬけれども。  そこで、私はこういうことを指摘したいんです。対象者には特別医療手帳があるいはカードのようなものを交付して、それを医療機関に提示すれば無料で医療を受けられる。で、後、医療機関が後日県などに請求する、こういう方式どうですか、なかなかいい方式でしょう。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 先生御指摘いただいたような方法も、これは今まで関係者の間で議論をしているものの一つでございます。したがいまして、そういうものも含めて現在検討しているところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 じゃ、ぜひこれは実施をしてほしいと思います。  それからもう一つ水俣病に関する問題で、水俣病に関する総合的調査方法の開発に関する研究であります。これは私がもう二年前の四月九日の当委員会で、水俣病に関する総合的調査手法の開発に関する重松逸造研究班の報告が出た段階での不知火海沿岸住民の一斉健診を実施し、被害の全貌解明を行うよう要求した際に、当時の環境保健部長は、「できるだけ速やかに御結論をまとめていただきたい」、「その結果を見た上で必要な調査等を行う必要」がありますと答弁しておりました。速やかにの結論が二年たった今日も出ていない、報告書さえ出ていないんじゃないかと思うんですが、出ているのか出てないのか、いつになったら出るのか、この点どうですか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 先生御指摘の水俣病の被害にかかわりますこの医学的な調査につきましては、今後どのような調査が必要かとか、あるいはまた可能であるかといったようなことについて引き続き調査の研究をずっと行っているところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 この研究は昭和五十四年から始まって、公衆衛生協会が受託していますが、そちらからもらった資料で、今年度までに八年間で総額四千三十一万八千円、一年間平均で五百四万円ずつつぎ込んでいる計算になるわけですね。この種の調査手法に関する委託調査は、大体長くて三年程度で普通結論が出る、あるいは報告書が出てくる。八年間もかけまだ継続中で、終わりがいつのことになるかわからない、こういう委託調査のあり方、これ問題じゃないでしょうか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 先生の御指摘のこの調査につきましては、やはりそれだけの年月かかっておるわけでございますが、その結果と申しましょうか、その経過を御説明申し上げますと、五十四年度には水俣病に関して行われました住民調査の事例を文献的に総括整理するとか、あるいは五十五年には新潟水俣病で実施されました住民の健康調査についての評価の検討をするとか、あるいは五十六年度、五十七年度等々ということで具体的な積み上げは行ってきていることは事実でございます。したがいまして、この何年かの間にそれぞれ専門家の間で積み上げながらやっているということで御理解をいただければと思っておるところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 今部長が答弁されたのは熊大の丸山助教授などがやっている、これでしょう。五十四年度、五十五年度ね。これ出てここにありますね。だからこういう基礎調査は、もう大体克明にまとまっておるんです。ですから総合的調査方法の開発のための前提となる基礎資料は既にできている。研究成果も大筋でまとまっていると私は思わざるを得ないんですが、これどうですか。大体調査を委託する場合に、この委託の文書などを見ますと、要するに中身とそれから実施方法、研究の実施機関、報告書の提出期限、大体提出期限も決めていますよね、大体一年ですわね。重松さんのこのやつは一体提出期限はいつなんですか、もう当然来ちゃっておるでしょうが。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) これは予算上はやはり一年ごとということでやっているわけでございますけれども、御指摘の問題につきましては、現在この重松委員会の中に小委員会をつくりまして、 そしてその中で今後の調査研究ということについて今具体的に検討していると、そういうふうな状況でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ですから一年ごとで予算が決まり、各委託するときに報告書の提出期限というのが全部あるんだから、それは必ず報告書出ているんですよ。そうでなきゃ国民の税金からの予算ですから、それがどう使われているのか。基礎的な調査が五十四年、五十五年あったとしても、五十六年以降もう数年以上たっているわけだからね、当然一定の進行状況、これわかると思うんですね。それがなぜ出てこないのか。私が聞くところによると、もう大体できているんだと、どうも環境庁が抑えているんではないかという話が聞こえてくるんです。そんなことやっているんですか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) やはりこれは水俣病の健康調査、あるいは水俣病の病気の本態のいろいろな難しさ等も含めましてやはり重松先生は大変慎重にやっておられるわけでございます。で、私としては、環境庁としてそれを抑えているといったようなことはございません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 慎重にやっておられる先生方のところでももうまとまってあるんだと、あるんだけれども、ある事情でそいつが報告書に——報告書自身はもうできているんですよ、いわゆる報告書になかなかなり切れないという、そういう事情があるのではないかという話が聞こえてくるものだから、その点どうですか。大体要するにもう事実としての報告書はできておって、そいつが出ないという、そういう状況なのか。もともとその報告書自身がまとまっていないのか。それどっちですか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) 重松先生にお願いをしてあるわけでございますけれども、報告書自体がまだでき上がっておらないというふうに聞いております。その考え方をまとめるとか、そういうふうなことをやっておられるんじゃなかろうかと思っておりますけれども、私どもの方で、特に今先生が御指摘のようなことで抑えるといったようなことはいたしておらないわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 抑えることは論外なんで、むしろこれは国との関係からいけば、当然報告書提出期限というのはあるんだから、それは過ぎているんだから、そうでしょう。それとも何ですか、五年でも六年でもかけて、幾らでも期間かけてもいいからやっていけと、そういうんじゃないでしょう、ちゃんと期限限ったものなんです。その期限が現実に過ぎている。となれば、むしろそれは督促してしかるべきじゃないですか。そして、これがまさに基礎的な資料になって次の調査が進むんですよ。その基礎的な資料そのものが、どういう事情か知らぬけれども出てこない。となれば、次が進まないんだから、そうでしょう、これは促進するということをここで約束すべきじゃないでしょうか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) できるだけ早く御報告をいただけるように、御努力いただくように重松先生にお話しを申し上げたいと思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 じゃ、ぜひそうしてほしいと思うんです。  そこで大臣、次にやっと大気汚染問題に来まして、本当に行っていただいて、大変私はそれは御苦労を多としますし、どうですか、行ってみて、感想どうですか。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 私は共産党に褒められようと思って行ったわけじゃございません。やはり実態を見てまいりますと、やはり御病人になったということは、これはもう極めて現実的な事実でございまして、やはりそういう実態に触れたということは、私の環境行政上の一つのともしびになると考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いや、先ほど褒めないのを不満言われたから、私今そう言ったんだけれども、まあしかしこれは国民が褒めたというぐあいに、そういうふうにひとつ理解していただいて結構だと思うんですね。  そこで、もう一つの問題は、私自身がこれはことしの三月二十八日、四月三日の当委員会で取り上げた東京都の複合大気汚染健康影響調査報告書、これができ上がったという報道があります。で、報告書の中身、これは私も前に二回にわたってまとめてみたんで、しかし最近発表になった中身を見ますと、幾つかさらに加わっています。  一つは、東京都内の過去十年間に死亡した人の死因別死亡率では、都内三十五カ所の測定局の一キロ圏内の累積粗死亡率が、各死因ともNOxの累積暴露量との関連性が高かった。また、住宅地区より商業地域で各死因ともNOxとの相関が高かった。  二番目に、呼吸器系のがん死亡率と大気汚染物質との関係では、女性の気管支がんや肺がんなどの呼吸器系のがんとNOxとの相関が高かった。  三番目に、もともと健康な児童のグループでも、風邪にかかった割合は、環七近くの世田谷区三軒茶屋小学校が九・二%、杉並区高井戸第二小学校が八・七%、小平市小平第一小学校が四・四%と、大気汚染濃度が高い地区ほど高かったという点が指摘されておるんですね。このように今回の東京都の調査結果はどの一つとりましても、また私が前に指摘した問題も含めて極めて重大な内容であります。自動車排ガス汚染が呼吸器がんなど健康破壊に重要な役割を果たしていることが強くこれ心配されるわけですね。しかし一方、現在の東京都政のもとでは、高速外郭環状線やそれから高速王子線の都市計画決定を初め、建設省や道路公団と一体となって、首都圏中央連絡道や東京湾横断道路などビッグプロジェクトが次々に実施されておると、こういう状況であります。現状の道路事情でさえ今私が指摘した、また既に東京都の調査で指摘されているようなこういう健康被害、健康破壊が都民をむしばんでいる、こういう状況であるのに、この上さらに今言った道路網の建設計画が進められる。こういう計画が進められるということは、これは環境庁長官としては大問題ではないか。これはまた私、あなた褒めてあげますけれども、長官を先頭に東京都や自動車工業会などを次々に訪問をいたしまして、NOx対策についていろいろと要請していく、これは立派なことですね。しかし肝心のその相手が、東京都政あるいは建設省、道路公団などがこれとは逆に外郭環状線や王子線、圏央道、東京湾横断道、これを続々実施していくということでは、せっかく長官が一生懸命回って歩いて、健康破壊を心配してやっておられることに逆行することになりはしないか、この点いかがですか。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) お言葉を返すようでございますが、私はあちらこちら、東京都その他行ってやったわけではございません。必要なる人を環境庁にお呼びしてお話をしたわけでございます。お間違いにならないように。  今、自動車の排出ガスの問題とかいろいろございますが、こういった問題につきましては、私ども総合調整機関として積極的に各省庁と話し合ってやっていきたいと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、この東京都の調査は、今まで二回は公健法の見直し問題との関係、特に専門委員会の報告書を出すまでにこれをよく見ろということで指摘をしたんですが、こういうものが出ている以上、これは環境行政全体に大変影響の大きいものなので、こいつは速やかに中身を検討し、そして大いに生かしてほしいと、こう思うんです。  ただ問題は、この報告書はことしの二月ごろにほぼでき上がっていたんですが、その公表がずっとおくらされてきた。どうもさっきの水俣病と似てますよね。その間にさっき言った高速道路などの都市計画決定がどんどんどんどん進められてきたんではないか。むしろそのためにこそこの公表が意図的に抑えられ、引き延ばされてきたんではないかという、こういう推測があるんです。しかし、これは決して人ごとじゃないんですよ。長官、読売新聞ごらんになったかもしれませんが、環境庁からも「「発表時期を延ばせないか」と都に打診があったという、都関係者の証言もある。」、こういう記事もあるんですよ。もしこれが事実としたら、ゆゆしき事態ですよね。東京都の場合、あるいは建設省は建設の側だからね、そういうものが出 ちゃぐあい悪いというのでやる。まあそれはけしからぬことだけれども、まあまあ立場が違うけれどもね。環境庁自身がこんな指摘をされていることが事実だとしたら、ゆゆしき事態だと思うんですが、大臣どうですか。

森美秀自由民主党・新自由国民連合環境庁長官

○国務大臣(森美秀君) 環境庁九百名を代表しまして申し上げます。全くその事実はございません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 事実でなければ大変結構なことですが、しかし天下の公器に出たという、この事実は私本当に心配しているので、その気持ちをひとつお伝えしておきたいと思うんです。  やはり大事なことは、せっかくこういう本当に貴重な資料があるし、これは東京都だけではなくて恐らく各自治体にも同様の調査があると思うんですね。それを前回も指摘したけれども、見ろ見ろと言われでなかなか見ないということじゃなくて、むしろ環境庁がそういう調査をしている各都道府県に対して、そういうものを逆に出してほしいと、こういう積極性が必要ではないか。特に今審議中の中公審の審議ですね、その材料としてこれをやっぱり速やかに検討すると、こういうことがあるべきだと思うんですが、どうでしょうか。

目黒克己環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(目黒克己君) この報告書につきましては、まだ出てないというふうに私ども聞いているわけでございます。  それから、前回もお答え申し上げたかと思いますが、この報告書を基礎といたしました学者の論文があるわけでございます。報告がございます。それは既にもう専門委員会報告の中に取り入れられていると、こういうことでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 終わります。

菅野久光日本社会党

○理事(菅野久光君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗