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104回国会参議院1986/05/14

科学技術特別委員会 第9号

発言数
223
登壇者
10
会派数
5
開催日
1986/05/14

会議録

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十二日、松前達郎君、吉川芳男君、吉村真事君が委員を辞任され、その補欠として片山甚市君、後藤正夫君、福田宏一君が選任されました。  また、本日、福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として工藤万砂美君が選任されました。     ―――――――――――――

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び原子力基本法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私は、ただいま御提案をされておりますこの原子炉等規制法案の内容についていろいろとお伺いをしていきます前に、この法案を今なぜ審議をしなければならないのか、そういう観点もございますので、前提条件になることについて若干お伺いをしたいというふうに思います。  そこで、最初に廃棄物を主力として出される商業用原発の監督官庁である通産省にお伺いをしたいと思います。  原子力発電所から出てまいります放射性固体廃棄物の内容についてあらかじめ資料としていただいておりましたけれども、この点で若干お伺いしたいと思います。原子力委員会等のあれでも、その他のいろいろ新聞等に書かれているものの中にも、原発の廃棄物は大体ドラム缶にして約五十万本くらいがたまっているということが書かれているわけでありますけれども、ドラム缶の内容に換算をしてということでありますから、これを具体的にさらに本当にドラム缶に入っているものと、それからドラム缶以外のものということに分けて、それぞれどの程度あるんだろう、こういうことに相なるわけであります。  そこで、出された資料の中では、「濃縮廃液等(二百lドラム缶本数)」とこう書いて、例えば東海発電所、東海第二発電所、これが二万七千百三十五本、以下福島第一原発なんかの二十一万一千五百九十本というのが非常に大きいですが、こんなふうにしてずっと数字が出されております。これは「濃縮廃液等」となっておりますが、廃液だけではないんですね、「等」ですから。そうすると、そのほかのものというのはどういうものがございますか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) ドラム缶に入っているものとして濃縮廃液のほか紙類、衣類等の雑固体、それからいわゆる金属片、こういったものがございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 これは私もちょっとうろ覚えのことを申し上げて大変恐縮なんでありますが、福島原発へ行ったときでしたか、あるいは浜岡のときでしたか、かなり紙類とかその他のもので焼却をしているという話を聞きましたけれども、その辺はどんなふうになっていますか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 焼却やそれから減容技術というのが最近出てきているわけでありますが、焼却や減容いたしましてそれで灰になったものとか、そういうのをドラム缶に詰めているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それからさらに、その中で内訳というのはそれぞれわかるんですか、廃液の部分とそれからそういう雑何とかと言いましたね、そういうものと。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) ちょっと手元に正確な数字は持っていませんが、濃縮廃液のものと金属類のものとそれから紙や布類、大体同じぐらいの数でございますと記憶しております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それは各発電所に三分の一くらいずつあるということになるわけですね。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) はい。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そしてその濃縮廃液というのは、 いわゆるドラム缶の中に入れてコンクリート固化とかなんとかと言われてきたそのものですか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 詳しい資料を申し上げます。  濃縮廃液の数が十二万二千百二十九個、それからほぼ同じものと申し上げたものが、いわゆる衣類や級やそういったものや金属片が入っているもの、いわゆる雑固体と申し上げますが、雑固体のうち可燃物のものといわゆる難燃物、不燃物のものと分けておりまして、可燃物雑固体のものを処理したものが十五万一千三百十個、それから難燃物、不燃物これが十二万五千五百九十九個でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そしてその今の濃縮というのはどういう形状なんですか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 濃縮廃液をセメント固化したものが十二万二千百二十九……

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 これがセメント固化したものですね。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) そうでございます。それから雑固体のうち可燃物を処理してセメント固化したものが十五万一千三百十個、それから難燃物、不燃物の入っているものが十二万五千五百九十九個となっております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それから福島第一原子力発電所だけが総合して二十一万一千五百九十本、あとのところはみんな三万本以下ですね。そうするとここだけが物すごく多いんですけれども、これはどういう理由ですか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) まず第一の理由は、福島第一原子力発電所は一号機から六号機まで全部稼働しておりまして発電所の数が多い、そのトータルがここに出ているというのと、それから運開年月が福島第一は非常に早かったものですから過去のものからの蓄積が大きいと、これが二点。それから技術開発によりまして最近のプラントはできるだけ廃棄物を少なくする処理技術を開発しておりまして、それが福島第一発電所では古いものですから最近のものほどは少なくなっていないということでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それから次に、フィルタースラッジそれからイオン交換樹脂といったものは、これはドラム缶保存ではなくて別の形態で保存をしているわけですね。どういう形で保存しているんですか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 貯蔵タンクに入れて保存しております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 貯蔵タンクというのは、それは液体ではないわけでしょう、固体ですね、固体廃棄物ですね。だから、それはそのままこのタンクに直接入れてという形になるわけですか、それともまたドラム缶のようないろいろ固化をするとかなんとかというようなことをしているんですか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 貯蔵タンクの中に直接保存しております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 タンクというのはどういう材質のもので、そしてどういう留意をしながら管理をされているものなんですか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 材質まで手元に資料がなくてちょっと今申し上げられませんが、廃棄物処理建屋にあるタンクでございまして、放射性廃棄物を含む大事なタンクでございますので非常に入念に管理していると理解しております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 これは今もお答えの中にありましたが、放射能を帯びたものということになるわけですから厳重な管理をされる、それで廃棄物の建屋の中につくられている、こういう話でありますけれども、これは廃棄物として扱うときには低レベルの中に入るものなんですか、それとも別な扱いになるものなんですか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 低レベルに入ります。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、これはドラム缶の場合のものに比べてどの程度の違いがあるんでしょうか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 例えば福島第一発電所の例をとってみますと、サンプルテストで推定できるわけですが、濃縮廃液による固体廃棄物に含まれる放射能量というのは大体八百キュリー程度、それからフィルタースラッジに含まれるものは五キュリー程度、それから福島第一はイオン交換樹脂はございませんが、あるところの発電所をとってみますと、例えば島根発電所では二キュリー程度と推定されております。固体ということですから、濃縮廃液よりは少ないレベルというふうに理解してよろしいかと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それで大体ここへ出された資料のものについてはある程度わかりましたが、これ以外にまだ何か廃棄物というのはありますか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) またBWRの発電所でチャンネルボックスを使用した後のものがございます。これは使用済み燃料プール、またはサイドバンカーに貯蔵、保管しております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうするとこのチャンネルボックスというのは、これは廃物となるときはどんな形で廃物として、例えばこれを、本法案が通るか通らないかは別にしても、できたときにもし持ち出すとしたら、これはどういう形で持ち出されるようなものになるんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 今通産省の方から御説明申し上げましたような原子炉内の構造物、通常中レベルという通称で申しておりますが、これは発電所内にプールをつくりまして、そこに水をたたえてその中に保管しているといろのが現状でございます。ただ、量的には今まだそれほどたまっているわけではございませんので、具体的な本格廃棄の計画はないわけでございます。具体的な計画はまだプロジェクトとして出てはおりませんけれども、そういったものはもともと原子炉圧力容器内にありましてかなり高度に放射化されているという物体でございまして、これについては現在の段階では、もし外に排出する、どこかにあれするとすれば埋設というようなことではちょっとぐあい悪かろうと思います。当面もしそういうプロジェクトができれば、今回の法律案では廃棄物の管理の事業の方で堅固な施設の中に置いておくということが一応考えられますけれども、具体的にそういうプロジェクトはまだ出てきておらないという状況でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それではそれはわかりました。  そうすると、それぞれの発電所で今後こうしたものの貯蔵は大体いつまでくらいできるか、限度というのはどのくらいまで見ていけるかというのはわかりますか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 六十一年の二月末の資料でございますが、貯蔵量として四十二万三千本、それに対しまして現在ある貯蔵設備は、七十万六千六百本分貯蔵できる設備が現在ございます。毎年大体約五万本程度行きますから、これから計算すると大体現在の貯蔵設備ではどれくらい貯蔵できるか計算できるという状況でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それは発電所ことによって、敷地の面積の問題であるとか、先ほどの福島とほかのところの違いみたいなそういう場合もあるでしょうね。旧式か新式がというような違いとか、いろんなことが錯綜してきて今の総体の話というのになったんだと思いますけれども、それは各発電所ごとに結構違いがあると思うんですが、どうでしょうか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) もちろん各発電所ごとに違います。それから古い発電所では増設をどんどんしている。原子力発電所のサイト自身は面積として非常に広うございますから、増設できる面積は十分ございます。例えばサイトごとでの違いを二、三挙げますと、福島第一発電所では二十二万あるところ容量としては約三十万本、それから福島第二の方では九千三百本しか出ていないんですが、容量としては三万二千本分あるとか、こういうふうにサイトによって違いがございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それから次に、この濃縮廃液等のドラム缶のあれにつきましては、それぞれ核種ごとのデータというのはとっておりますか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 核種ごとには十分な測定はしておりません。一部サンプルテストや濃縮廃液をドラム缶詰めする前に核種ごとに分析するというのは最近になってやり始めたと。それから推定では出ているわけですが、十分な核種ごとの実績 は現在のところ出ておりません。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうするとちょっとわからないんですが、最近のものはドラム缶に詰め込む前に測定をして、そしてそれを今度はドラム缶に入れてその保存の処置をとる、こういうふうに最近のものはなっているということですね。そうすると、その前のものというのはどういうことになるんですか。最近のものというのは、最近もいつごろからというようなのがあると思うんですけれども。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) ちょっと最近もいつごろからというデータを持ってないわけですが、最近も全部ではなくてサンプルテストでございますが、サンプリングで集計し分析してドラム缶に詰めているという状況にあります。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) ただいまの御質問に関して補足説明をさしていただきます。  発電所全体の状況については私どもより通産省の方がよく御存じであろうかと思いますけれども、先般衆議院の御質問にもございましたので、私も関西電力の美浜発電所についてどうであるかということを調べてみました。これは五十二年四月とそれ以前とでやや廃棄物管理のやり方が違うということでございまして、五十二年四月以前につきましては、ただいま通産省から御説明ございましたように、中に詰める核種分析はまだやっておらなかった。したがいましてドラム缶に詰めておるんですけれども、それについては、記録といたしましてはドラム缶に詰めた後のその日付であるとかあるいは表面線量率であるとか、こういったようなものの記録しかないようでございます。  五十二年四月以降、例えば一つの廃液の集合体がありますればそれをまとめて、これを使ってドラム缶に固化するわけでございます。コンクリート固化するわけでございますが、そのときにその一つの液体をサンプリングテストする、そして核種分析をいたします。関電美浜の場合には大体八核種について核種分析をやりまして、その一つのロットについての核種分析をやる、そしてそのデータを固化体のナンバーとともに、別途記録用紙をつくりまして記録して保存してある、こういうような――失礼いたしました。八核種ではなくて十一核種でございますが、そういったような扱いを五十二年四月以降しているということでございます。このやり方については恐らく各発電所それぞれ違っていると思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうしたら、私の方も事前の要求の中には美浜一号炉のTRUの関係がありましたので、十年ほど前の問題、その後の経過というもの等も含めてのことですが、資料としていただいたものがありますけれども、今のお話はまた改めて資料としていただけますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) ただいま私の御説明の範囲内でございましたら資料として提出させていただきます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それじゃ資料としてよろしくお願いいたします。  そして、これまた通産省あれですが、そうすると大体が今美浜の例でいけば五十二年の四月以前のものはわからない。それから以降のものについてはサンプリングで測定をして、それから固化をして保存しておるという話なんですが、それは各発電所大体みんなそうでしょうが、時期が多少ずれがあるかもしれませんけれども、そうするとそれは測定値についてのデータというのはいただけますか。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) 調べまして提出したいと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 ちょっと大事なことですので、私どもは対案を出していますけれども、対案の中では廃棄という言葉を使わずに廃物という言葉を使っているのも、なかなかそういう廃棄をするということにいろいろ問題があると思っているからなんですが、要するに廃棄物として取り扱っていくということになるわけでありますから、それがどういうものなのかということをやっぱり私どもよく知りたいというふうに思いますので、ぜひその測定についてのデータをお願いしたいと思います。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) やや心配になりましたので申し上げますが、非常に数が多うございますので、これまでのもの全部と言われるとなかなかこれは難しいのではないかというふうに心配をするのでございますが、例示的にということで御理解きしていただいてよろしゅうございますでしょうか。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 少なくとも発電所から持ち出しをして処理をしなければならない、保管にしてみても埋設にしてみても。そういうものについての判断が必要なわけですから、その判断に資することができるデータというものとして欲しいということです。

神田淳資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(神田淳君) その判断に資するデータといたしまして、安全局長が申し上げたとおりで、全部というのはなかなか大変でございますので、判断に資するデータということで一部サンプルを検討したいと、先生と御相談さしていただきたいと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それはサンプルで理解できるかどうかという問題もありますけれども、私はここでサンプルでいいということはとても言えません。なぜかといったら、サンプルでそういう判断をしてよろしいかどうかということは、やっぱり具体的に見せていただいたものの中でなければ私の方も判断ができないということになります。少なくとも廃棄物を処置しようということで法律をつくって、提出をして審議ということになっているわけなんでありますから、そういう意味でいけば、仮に大変膨大な資料になるとしても、私は一番誠意がある方法としていけば、そういうすべてのデータもこたえられるように対応していただくというのが一番正しいと思うんです。それがやみくもにただデータさえあればよろしいというものではありません。そういうことで十分に説明ができるような、そういうサンプルのデータが出てくるならばそれは私の方も納得することがあるかもしれませんし、それはとにかく出していただくということをまずやっていただかないことにはちょっと審議のしようないじゃないですか、そういう形では、そういう面では。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 実は法令の審査との関係におきまして、御指摘の件についても衆議院で資料要求がございまして意見交換をさしていただいたわけでございますが、基本的に私どもこれから埋設事業の方に持ち込もうとするのは、主力といたしましてはこの法律ができた後の新しくできる廃棄物、これが主力でございます。過去既に残っているものについては、ただいま申し上げましたようなことで記録がきちっとしておると。そしてその記録から私ども判断いたしまして、新しい埋設の基準に適合するということが認められるようなものに限って既存のものについては埋設を認める、こういうシステムをやらしていただきたいということで申し上げたわけでございまして、個々具体的に今まで残っているものが基準に適合しているかどうかという問題につきましては、実際この法律でできております確認機関が確認をした上でやるということでございますので、個々全体を出せと言われますと非常にボリュームが多うございます。  ただ、そういう考えもございますので、幾つかの資料を例示的にお見せして、例えばこういうものは合格になります、あるいはこういうものは不合格になるかもしれませんというような意味での資料の提示はさせていただいて差し支えないのじゃないかと思いますが、これは資料を持っているのは電力会社でございますので、電力会社の了解もとりつけなければなりません。そういうことで、そういったようなことが大体御判断できるような形での資料提出は努力させていただきたいと思いますけれども、全部について出せということであるととても今ここではお約束することはできないということでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 局長の言われることも私はわからぬわけじゃないのですよ。だからやぼを言っているつもりではないのです。ただ、私が納得できるかどうかというのはなかなか、またそのデータの 御説明をいただいてということでいかなければわからぬと言ったのは、例えば人間の運転をしている発電所なんですから、機械のことなんですから、時系列によっていろいろな違いが出てくることがあります。それから例えばここでも美浜の例がありますよね、前に衆議院でも出された。そういうことによってかなり廃棄物の内容の中にもいろいろと変化が出てくることもあり得ます。そうするとそういう時系列ごとの違いというのが出てくることがあります。それから発電所ごとに型式の違いであるとか新しい古い、いろいろな形の中でやっぱり出てくることがあるのですよ。そういう違いがいろいろあるわけです。  そういう違いもひっくくって全体でこれでいいんだということが納得できるのかどうかということだって、それはやっぱり心配になりますよ。ですから、そういうことがわかるような資料をお出しいただければあるいは納得するかもしれませんということで、ここでは資料の内容を仮定でもって幾ら議論していても仕方がありませんので、いずれにしてもその判断をするための資料はお出しいただけるということ、それは確認できますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 早期に検討させていただきます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それでは、通産関係については今のあれが出てきてからの議論がまたいろいろと出てくると思いますから、きょうのところはその程度ということにさせていただこうと思います。  それで、今度は科学技術庁に伺いたいことの最初は、これも内容に入ります前に、今の通産省からのお話をいろいろと伺っておりました中で、現在ある貯蔵施設で大体倍まではいきませんけれども、約一・五倍くらいなんでしょうかというような程度のあれがあります。大体五万本くらいずつ毎年貯蔵しなければならないということになうわけでありますけれども、現在ある施設でそうであって、さらに敷地はかなり広いわけですから増設がいろいろとできる、福島原発の例なども言われながら増設ができる、こういう話をしておられました。  そうすると、私はこれから先いろいろと議論をしていかなければならない問題点が非常にあると思うだけに、なぜここで急いで本法案のようなものを提起されたのか、本当にふん詰まりでどうにもならぬからということで提起をされたのであればそれなりの受けとめ方をして議論をしなければなりませんし、だけれども今のこれでいくとかなりまだまだそういう意味で言ったらもうちょっといろいろな面で検討する時間があっても差し支えがないような気もするのですけれども、その辺のところを御説明いただきたい。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 先ほども通産省の方からお話がございましたが、発電所の敷地は確かに広うございまして、したがいましていわゆる保管という形で発電所の中に保管するだけの余裕はあるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても廃棄物につきましては保管という形態では最終的な形にならないわけでございますので、特に低レベル廃棄物につきましては既に技術的見通しも得ておるわけでございますし、それからそういうものは早急に処分をしてほしい、いつまでも発電所の中に置いておくということにつきましてはいろいろな御批判もございます。  そういったもろもろのことを勘案いたしまして、そういう最終的な貯蔵という形になりますれば、これを一カ所に集中してやることが効率的でもあるし、そういうことについての技術的な見通し、体制的にもそういうことが可能ということであれば、やはりこの原子力発電のシステムを完成するという意味からも、一刻も早くそういう最終貯蔵所というものをつくって、そういったところに埋設する、あるいは保管、埋設の前の保管という形をとるということが必要なわけでございます。漫然と、できるからということで発電所の中に貯蔵しておくということでは済まない問題と思っておるわけでございまして、そういう意味で廃棄物処理処分の体制を確立するということを全体の原子力発電システムを完成する上で一刻も早くつくり上げたい、こういうことで事を進めてまいったわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 原子力局長が一生懸命早く何とかしなきゃならないと、そういう置かれたお立場での気持ち、そういう気持ちに追い込まれるということもわからぬではないのですけれども、しかしこれは六ケ所の、核燃料サイクルのその中の一環としてこれを進めようということになっているわけでしょう。それは自治体サイドのところのお話はいろいろとついているということでしょうが、まだかなり地元でも反対をしている人たちもいます。その辺のところを最終的にきちんと建設工事にかかれるような段取りにいくにはまだちょっと時間がかかっているわけでしょう。  そういう準備が、違う言い方をすれば準備が整ってから議論をしても国会でこれが二年も三年もたなざらしになって、たなざらしと言うとおかしいけれども、そういう形になっていくという見通しだから、今のうちからやるというのだったらそれもまた一つの手でしょうけれども、しかし全体の進捗状況から考えていったら、仮に僕の方が百歩譲って、こういう法案の審査が提起をされたのは、これはやむを得ないなと思えるような状況というのにはまだなってないと思うのです。今の地元との関係だとか反対運動だとか、十分納得さしきっていないのじゃないですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 廃棄物の処理処分対策につきましては、原子力委員会においても前々から議論をしてきたところでございまして、別に六ケ所村の土地が決まってから廃棄物の処分をそこへ持っていこう、こういうことをにわかにやっているということではございませんで、その前から原子力委員会で議論いたしまして、やはり低レベル廃棄物等につきましては施設外、事業所外に集中して処分をする、最終的貯蔵をするということが全体の廃棄物の処理処分システムを確立する上で必要であるということを原子力委員会の中でもコンセンサスを得まして、その方向で私ども指導してまいったところでございます。  幸いなことに、場所といたしましても青森県の下北半島六ケ所村にそういう土地も得られるということでございまして、地元との関係におきましても、地元の知事を初め関係各位の御了解が得られ、そこをいわばこの施設の場所として現在調査を進めておる段階でもございますし、むしろ体制的にそういうことをきちんとするためには、今回ぜひとも法案において安全の責任というものを明確にすることがこのことを円滑に進める上でぜひ必要であるということで法案の審議をお願いしているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私は、今の局長の言われていることにあえて疑義をずっと挟んでいますのは、いろいろな点でもっと煮詰めが済まなければいけないものがあるんじゃないですか、そういうもの、例えばの例で地元の関係の反対の皆さんのところの問題だとか、そういうことも申し上げたんですよね。中でどうしてもだめだと言う人たちがいたら強行突破までするんですかというようなこと、いよいよの土壇場になればそういう問題もみんな含まれてくるわけですから、だから煮詰めの問題というのはいろいろと詰めていってからでもやれること。だから、やりたいということを全面的に僕は合いいとか悪いとかと言っているんではないんですよ。  要するに、やるとしたらもっと詰めるべきところを詰めておいてからでもいいのではないかという観点で物を言っているんで、だからそういう面でまたこれから私は今回のこの法案の中で、特に政令や総理府令等について伺っていきたいというふうに思っているんです。それで、そこのところがどこまで詰められていくのかということもやっぱりこれ議論をしなきゃならぬ問題だと思っております。  そこで、法案の中に入らさせていただきますが、この法案の中に今申し上げたように政令事項とそれから総理府令で規定をする事項とかというのがたくさんあるわけで、政令は二つですか、三つですかぐらいしかありませんが、あとは総理府 令というのは随分たくさんあります。それで、一応私の方もそれに対する考え方についての一覧表をいただきまして、しかしこれではちっとも明確になっていない部分ばかりでございますので、それでこれからお伺いを順次していきたいというふうに思っております。  その第一は、五十一条の二の第一項の一号、ここのところで、政令で「廃棄物埋設の事業の許可を受けて埋設を行う放射能濃度の低い廃棄物の範囲を定める。」ということになっているわけで、その内容を「具体的には、」と書いてあるんですけれども、ちょっと読んでみますと、「その範囲として、原子力安全委員会の報告書「低レベル放射性固体廃棄物の陸地処分の安全規制に関する基本的考え方について」(昭和六十年十月)において示されているところに従い、その放射能濃度が、廃棄物埋設の対象とすることができる濃度上限値として定められる値以下であり、かつ放射性物質として拘束する必要のない無拘束限界値を超えるものとなるよう廃棄物の形態を踏まえ核種に応じて定める。」、こう書かれていますね。    〔委員長退席、理事塩出啓典君着席〕 正直なことを言ってこれじゃ何が書かれておるのかわからぬのですよ、そうでしょう。基準のことについて書いておられるんだけれども、その基準についてはどれも皆はっきりしないわけですね。意味がわからぬでしょう。「廃棄物埋設の対象とすることができる濃度上限値として定められる値以下であり、」と、これはどういう値を言うんですか。これわかりませんよね、どういう値を言うのか。それから「かつ放射性物質として拘束する必要のない無拘束限界値を超えるものとなるよう廃棄物の形態を踏まえ」云々、こうなっている。無拘束限界値というのは具体的にどんなところを言っているんですか。これはこれだけでもわからぬわけですね。「基準を定める」というのに、これじゃ基準になってないじゃないですか。言葉では基準となっているけれども、基準というもの、判断がでさる基準というのは何もないわけでしょう。これはどういうことを考えておられますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) それにつきましてはさらに引き続いて②という記述があるわけでございまして、この具体的な数字につきましては、ただいま原子力安全委員会で作業が鋭意進められているところでございまして、今の作業計画からいいますと、ことしの夏ごろには具体的な数字が出てくることになっているわけでございます。そのことをこの資料の②において記述しているわけでございまして、「濃度上限値及び無拘束限界値については、国際原子力機関(IAEA)等の検討も踏まえ、我が国において十分安全確保が図られるよう、現在、原子力安全委員会において検討が進められており、その結果に基づいて策定していくこととなる。」、こういうことでございまして、こういった作業がただいま原子力安全委員会において行われているところでございまして、その答申が出ました際に、私ども政令案をつくりまして、さらにこれを原子力安全委員会に諮問した上で決めていくという手続を踏まえようということを考えておるわけでございます。  御質問の途中で、基準の数値がないじゃないかということが御質問の趣旨であろうかと拝察するわけでございますけれども、その数値につきましては、ただいま申し上げましたように安全委員会で近く定められることになっておりますので、ただいまの時点で具体的にどういう数字であるということを申し上げるわけにはいかないわけでございますが、そのアイデアといたしまして、やはり国際原子力機関で検討している数値が一つの参考資料になると思います。そういう意味で参考資料としてIAEAの数値を添付したものを、これをそこで定められました数値を衆議院の委員会の審議の際にも御提出さしていただいたわけでございまして、ほぼこういったようなレベルのものが原子力安全委員会で定められて出てくるというふうにお考えいただきたいと思うのでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私がもっといろいろな点が煮詰められてからでもよかったではないかという言い方をしているものの中には、そういうことも含まれる。わけですね。というのは、原子力安全委員会でもってこの八月ころ出すというんでしょう、今何月ですか。これは八月に出るのであれば、その基準というものをもとにしてむしろきちんと具体的に問題を提起するというのが正しいんじゃないですか。その辺はどうしてそうならなかったんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) この辺のところはどうしてということでお答えできるようなものではございませんけれども、こういった法改正とそれから具体的な安全委員会等における検討が並行して進められるということで私どもは十分差し支えないのではないかというふうに考えておるところでございます。今回の法律につきましては、こういったものを具体化して具体的に規制にどういうふうに反映させていくかという法律上の手続その他についての基本的な枠組みを定める法律を御提案申し上げているわけでございまして、具体的にはそういったようなことは政令委任としていただいて、こういった安全委員会等の手続を経た上で定めさせていただくという形にさせていただきたいというふうに私ども考えているところでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私は政令に委託することが悪いと言っているんじゃないですよ、政令になったっていいですよ。だけれども、廃棄物というものを処置をしようという法律をつくるわけですから、その廃棄物の性格がどういうものなのか、どういう廃棄物がどういうふうにして処置をされるのかということが明らかにならなければ法律を審査する意味がないということになるじゃないですか。一番基本になる取り扱うもの、どういうものをどうやって取り扱うのだ、そこの基本のところがはっきりしなかったら法案の審査というものの一番の基本が崩れるんですよ、法案の持っている意味が。だから、どうしてそういうものを詰めないで提起をしたんですか、どうしてもそれが私はわからないんです。だからそう聞いているんです。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) この点につきましては、原子力安全委員会の昨年十月の報告におきましても、「低レベル放射性固体廃棄物の陸地処分の安全規制に関する基本的考え方」というところで、一体どういったたぐいのものを廃棄の対象にするかという基本的な考え方は示されているわけでございます。私ども詰めているのは、そういった基本的考え方に基づきまして具体的に数値を幾つにするかということを今原子力安全委員会で検討していただいているわけでございまして、この状況下におきましては、具体的数字について安全委員会にお任せいただけるということであれば、規制の仕組みについての御審議をいただくということについては十分差し支えない程度のアイデアが既にできているというふうに理解しておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私は気になっているから申し上げているのであって、今の廃棄物についての一定程度の判断ができる、そういうものが出てこなければ困りますというふうに申し上げているのは、例えばあなたがおっしゃったIAEAの今検討している数値、これは専門家委員会がなんかで大体数値のあれはめどがほぼ決まったみたいですね。それを正式に今度は総会で決めるのかどうするのか。いわゆる正式に決めるという手続が残っておる、こういうことのようですから、そこで数値のめどを見せていただいて、大体こんなことになるのだろう、そう思いますね。  だけれども、例えばその中でアルファ放射体、このIAEAのあれでいけば、これは十のマイナス六乗から十のマイナス五乗、これが規制免除濃度範囲というふうになっています、ということになりますね。そこで、これもおたくの方からもらった資料で、「アルファ廃棄物に含まれる核種の非破壊測定について」の測定方法等について資料をいただきました。そしたらこれは三つぐらいありますね。パッシブ・ガンマ法、パッシブ・ニュートロン法、アクティブ・ニュートロン法、こういうふうになっています。そうすると、じゃここ で伺いましょう。これ、それぞれの方法で大体測定できる限界というのはどのくらいになるんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 資料提出要求の趣旨というものが必ずしも私ども理解できておりませんでしたので、いろいろな資料が種々雑多に提出されているわけでございます。ただいま先生御指摘のアルファ放射体についてのIAEAの規制免除範囲のレベル、十のマイナス五乗ないし十のマイナス六乗という数字でございますが、これについて私ども安全規制面でどういうやり方をとっていくかということを考えます場合には、これはやはりその廃棄物、固化体になった後の外側からの外観検査によってやっていこうという考え方はないわけでございまして、むしろこれは廃棄物を製作するところの原子炉設置者なりそういった方々に対する規制を通じて、そこでいろいろな核種分析等が行われて固化体をつくるわけでございますから、そういうところの記録を見ながら、また必要に応じましては放射体からサンプリングをするというような手段も考えていくわけでございますけれども、そういったようなやり方によりましてこのアルファ放射体の濃度レベルというものをチェックしていきたいと考えておるわけでございます。  別途の資料で、アルファ核種についての固化体について外部からの非破壊測定法についてという資料要求がございましたので出しまして、幾つかの方法について原研あるいは動燃等において研究が進められているということを御説明申し上げたわけでございますが、これらの方法につきましては外観の検定の方法、これについてはまだ実用化するに至るまで精度が上がっているわけではございません。そういうことで具体的な私どもの規制にはまだこのアルファ放射体についての外部からの確定ということは実用的でないからそれは使えないというふうに思っているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 多分そういうお答えだろうと思いながら僕も聞いていたのですけれども、ここで出てくるこれの技術のあれでいけば、こうした十のマイナス六乗だとかなんとかというところまでの検出精度がなかなか技術的に困難であるということにもなると思いますしね。ただ、私がこのことを問題にしておりますのは、そうすると発生者が測定をしたそのデータを一切信用して、あとほかのチェックの方法はありません、こういうことになるのですか。その辺のところ。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 規制の仕方としては、基本的には先生のおっしゃったように、発生者におけるサンプリングデータ、それに対して種々罰則を伴った基準の規定がございますので、こういうことによってやるのがまず基本でございます。しかし、それだけではチェックが不十分だということも考えられますので、そういった法規制に従った廃棄物作製が行われているかどうかにつきましては、適宜私どもの方で抜き取り調査をするというようなことによって全体としてそういう管理がきちっとなされているかどうかという規制を考えているわけでございまして、また必要に応じましてはでき上がりました固化体についてサンプリングテストをやるという方法も可能であろうかと考えておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、その抜き取り調査というのはどういうふうにしてやるのですか。例えば今のアルファ廃棄物の場合ですね、その場合は今の提出をされた外からの非破壊の調査測定の方法では無理だということになりますね。それだけどその後サンプリングをして調査をしましょうと、こういうときはどういうふうにするのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 二つの道があろうかと思いまして、一つは、固化体につくる前の先ほど申し上げましたような廃棄物についての核種の固定、そういうものを原子力事業者がやっているわけでございますが、その作業過程において適宜立入検査等によりまして品物を収去して、これを官側で分析するということによって原子力事業者の記録が正しく行われているかどうかということのチェックをするというのが一つの方法であろうかと思います。さらに、固化体になってしまったものにつきましてのチェックの方法として考えられますれば、それは特定の固化体につきまして破壊検査をやってみる。これは全数やるというのは意味がございませんので、幾つかから抜き取りによって、ドリル等によってサンプリングをいたしまして、それを核種分析をするというような方法を両方併用してまいりますれば十分な規制が行われるというふうに考えているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 これは、もう私がここで企業不信を申し上げて大変申しわけありませんが、実は私も、こういう危険なものではありませんけれども、検査という仕事に当たったことがございます。職業とはいきませんでしたが、そういうお手伝いをしたことがございます。そのときに、まことに残念なことなんですけれども、入ってきて検査をされるときのそのときの体制は整えておられますけれども、それ以外のときはかなり荒っぽいことをいろいろとやっておりました。企業というものは、やはり一定程度のどうしても経費の節減だとか、いろいろ経済性のことでもって神経を使わなきゃならないんですから、そうすれば人間の気持ちというのはどうしてもそういう方向というものを追求しがちです。たとえトップに座っている方が人格高潔で正義感が強くて、潔癖感が強くてというそういうあれであっても、組織としてずっとピラミッドになっていったときの下の部分のところでどういうことが行われるかというのは、やっぱりいろいろとそういう問題があるわけですね。  そうすると、今の例えば二つの方法のうちの、言ってみればそれは立入検査みたいなものですわな。ドラム缶、固化する前の、ここらのところは、よほどそういう放射性物質というものは、特に微量にしたって何にしたってそれを扱っていくということなんでありますから、そこの方はひとつそれこそ万遺漏なきに最大限の努力をしなきゃならぬというふうに思うんですけれども、その辺のところはどういうふうな体制をお考えになっていますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 先生御指摘の点につきましては、私ども今後の規制をやる場合に十分注意して当たらなければならない問題であろうかと思っております。しかしこれは、それでは全体としてどういうふうに規制をしていくかという官側の検査体制なりあるいは確認の体制、それをどこまで企業のそういった活動に対してインターベンションをやっていくのがいいかという基本論に立ち返るわけでございまして、ひとり廃棄物だけではございませんで、原子炉の運転管理あるいは再処理の運転管理についても、そのレベルというものは常に考えていかなきゃならない問題であろうかと思います。いろいろなプラントについていろいろな法律によって規制をしているわけでございますけれども、私どもこういった諸産業規制の中におきましても、原子力の安全規制というのは飛び抜けて厳しいやり方をとっているというふうに認識しておりますし、今後ともそれを運用していきたいというふうに考えているわけでございます。  ただいまの生産過程等につきましても、総理府令によって諸般の技術基準を定めます。これに対しましては技術基準違反に対しては措置命令をかけることができる、措置命令違反に対しては罰則をかけるというようなやり方もございます。そのほかに保安規定という制度をつくっておるわけでございまして、この保安規定を政府が認可をする、それに従ってやりなさい。その保安規定に違反した行為を行った場合、これにつきましては直ちに事業停止その他の行政罰が加えられるというような法体系になっておるわけでございまして、これはこういった安全規制全般に関する国側のインターベンションといたしましては、原子力施設に対するものとしてはまず一般産業に見られない厳しいレベルのものを実施しているというふうに思っております。廃棄物問題についてもこの基本方針を堅持していきたいと思いますし、ただいま申し上げましたような諸規定につきましては廃棄 物の管理につきましてもかぶせるというふうに現在の法案はなっておりますので、そういう面で、あとは運用を御指摘の線に沿って厳しくやっていくということではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それじゃ具体的に、今の立入検査に当たるそういうサンプリングチェック、こういうのは大体どのくらいの期間でどういうところで年に何回くらいとか、そういう具体的なことをあれしているんですか。それからもう一つは、破壊試験などというのをやられるということでありますけれども、その破壊試験というのはどういう時期にどういう回数というようなものを考えておられるんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) これは法律がもしできました段階で、具体的な私どもの検査あるいは確認のマニュアルといいますか、多くの場合、各省庁同じでございますが、担当局長の内部通達のような形でそのやり方は決められていくのが通常でございますけれども、そういったやり方につきましては、原子力安全委員会の検討を踏まえまして、私どもそのやり方につきまして新たに委員会でも設けまして、そういったチェックのやり方、どの程度のサンプリングの頻度等をやったらいいかというような問題について学識者の意見も参照しながら具体的なその回数については定めてまいりたい、かように思っているところでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 困ったですね。今の廃棄物というものを扱っていくその廃棄物というものをどう判断したらいいんだということで伺っていけば、その基準についてはまだこれからですということですし、そしてその数値は、結局廃棄物の放射能を測定しようと思えば、それはサンプリングの破壊試験とサンプリングするときの立入検査ですというようなことをおっしゃるけれども、その辺の具体的なことになるとみんなこれからですと、こういうお話なんですよね。これからです、これからですと言うんじゃ、実際に心配があるようなものでなければ、それはまず大まかに決めておいてそれからあと検討しましょうというのも、それは方法ですよ、そういうことも。しかし、いろいろと心配をされて議論されているものなんですから、そうすると、それを今度はこういう扱いにしますよと、今までと扱い方を変えるということになれば、当然扱い方を変えることについてはある程度のいろんな形での煮詰めというのが、具体的な、ここのところはこうしていくから大丈夫なんだということがきちっとある程度まで詰められてないと困るんじゃないかと思うんですよ。その辺はどうなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) これはやや水かけ論になってしまうかもしれませんが、甚だ申しわけないんですが、具体的な中身につきましては、ただいま申し上げましたように、安全委員会等におきます検討にまつべき部分が多々あるわけでございますけれども、それにつきましてもそう幅があるわけではないわけでございまして、既に過去何年かにわたっていろいろ原子力委員会あるいは安全委員会で検討したところから、また国際的な機関での検討から大体この程度というアイデアはもう既にできているわけでございまして、ただいま私、具体的な数字が申し上げられないのは、こういった国際的なレベルを日本に引き直した場合にどうであろうかというようなことについての検討がまだ完全に済んでないというところから数値を申し上げるわけにはいかないという状況でございます。そういうことで、法律との関係におきましてはやや作業がおくれているというそしりについては甘んじて受けなければなりませんけれども、だからといって、既に基本的なアイデアはわかっているわけでございますので、それをベースにして御審議をお願いしたいというふうに考えるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 だから、しりが詰まっていてもうどうにもならないんですという状態の中での審議であれば、それはそれで、こういうやり方がいいかどうかということについての賛成とか反対という意見はそれはそれぞれあるでしょうが、それにしても法案を審議しなきゃならないということはわかりますと。だけれども、詰まっていないものがまだ結構あるのに、そしてしかも先ほどのあれでいって各原発にはしばらくの間はまだ余裕がありますと。そういう状況の中なのになぜこういう法案を今審議しなければならないんですかと、ここのところは私はどうしても納得いかないですよね。余裕がなくて、そしてもうどうにもならない、だからという、そのせっぱ詰まった条件でないという、その辺のところの判断はどうなんですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 先ほど来の御議論、どちらが先かというお話のようで、鶏と卵という関係でもないんだと思いますが、やはり物事は、こういう安全規制の体制がどうなされるかということについて、こういう国会等の御審議をいただきまして決めていただいて、そしてその細目については、そういった各界の御議論を踏まえながら技術的専門的な検討を加えて整備していくということが普通のケースでもございますし、全体のこの廃棄物処理処分体制を確立していくということになりますと、やっぱり安全規制というものが基本でございますので、その基本的なところのものを我々としては法律という形ではっきり決めていただき、そのもとでもろもろのその法律の線に沿った、国会での御審議の線に沿った形でのいろんな細目を決め、また事業者にもそれに対応した準備をさせていくということが必要であろうかと思っておるわけでございまして、法律という形で政令等の細目をすべておぜん立てしてから法案審議ということでは、全体の流れといいますか、そういう意味からも非常に難しい問題があろうかと思いますし、まず法律で全体のこの安全確保のシステムをつくって、その上で事の細目を進めていくという一般的な方針で私どもも進めてまいったわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私はすべてが、例えばもう細目もすべてが全部でき上がっていなければというようなことをちっとも言ってないんですよ。私が今ひっかかっているのもとは口でしょう、言ってみれば。一番とは口の問題なんです。今出しているこの五十一条の一、二という、後の二の項もありますけれども、まだ二の項までいってないんだよね。要するに廃棄物というふうに扱われるものが安全なのかどうなのか、安全に処置をできるのかどうなのかということを判断するための素材が要るということです。安全に処置できるかどうかという判断の一番の基本の問題にかかわっているんですから、それがなかったら困るんでしょうと、それは後で出てきますということでは困りますと。  これ何のために法案を審議することになるんですか。僕らは、せっかく法案を審議して、後々あのときの法案のときにここの基準のところについてもっとはっきりとしておけばよかったなんというようなことになったって、それは困るんですよ。一番基本にかかわるものでしょう。廃棄物の性格にかかわるものでしょう。それでなきゃ僕はこんなことを言わないですよ。ほかのところを全部整備しなきゃとは言いませんよ。いろいろと不明な点は聞きたいと思っていますけれどもね。だけれども、この基本のところをどうして決まってからということにしなかったんですか。そこのところはどうしても納得できないんですけれども、考え方をもう一度聞かしてください。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 例えば公害関係の法律にしてもそうでございますが、公害についての規制をどうするかということを法律として決めていただいて、その環境、例えば自動車の排気ガスの基準を幾らにするかというような数値につきましては政令等に譲っておるわけでございますし、それは専門的にいろいろ御検討いただくということでございまして、その基準の考え方の大枠については法律等の精神にのっとって当然決めるわけでございます。  今回の法律におきましても、廃棄物として埋設できるものはどういう考えでやるかということにつきましては先ほど来申し上げておるわけでございまして、そういった範囲の中において専門的に今 度、後は安全委員会のチェックも受けるわけでございますし、そういうことを我々として勝手に、やみくもに決めるわけではもちろんございません。専門的学者の意見も踏まえ、安全委員会のチェックを受けて決めるわけでございますので、いわば安全委員会でそういうことをチェックして決めるというシステムが法律的におかしいというようなことであれば、またそれなりの御議論があろうかと思うわけでございますが、私どもはやはりここで大体先ほど来申し上げておりますような形で、廃棄物の埋設はどういう考えてやるか、この無拘束限界値の考えはどういう形でやるかということを申し上げておるわけでございまして、それを具体的な数字どこにするかということは極めて専門的な問題でもありましょうし、これは各界の御意見を徴し、学者の意見も聞き、しかも法案にも明記してございますように、安全委員会のチェックを受けて決めるということにしておるわけでございますので、その点御了承をいただきたいと存ずる次第でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 困っちゃったですね。私は安全委員会が信用できないと言っているわけでもないし、安全委員会のチェックが悪いとか、安全委員会でチェックするのじゃだめだとかと言っているわけでもない。要するに今私が言っていることは、安全委員会が近く結論を出す、八月と今予定をしているというお話でありましたけれども、大体そのころだろう。その八月に出されるであろう結論をもとにして安全委員会の専門家の皆さん方が数値上のこともこういうふうにしていこうということであるからということで御説明があるならば、それはそれで私どもも理解をしていくということになるのではないか。  先ほどから言っているように、いいか悪いかということはみんなこれは別なんですよね。理解できるかできないかという問題についての話をしているんです。僕はなぜそんなことを言うかといったら、これは廃棄物は全部同じにして扱われるわけじゃないでしょう。廃棄物にじゃどういうふうな種類があるか、ちょっと聞きましょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) ここで埋設の対象として考えておりますのは、低レベル放射性廃棄物の中でも埋設を行うに適するという比較的、比較的というか、かなり放射能濃度の低い廃棄物を考えているわけでございます。    〔理事塩出啓典君退席、委員長着席〕 先ほどから御議論がございまして、一体どんなものが埋設されるかわからないという話でございますけれども、この辺の点につきましては、実は先ほど原子力局長が申し上げましたように、昭和五十年代から低レベル廃棄物の陸地処分に関する研究が国内的には進められておる。それから国際的にもそういったものの研究は各所において行われてきております。さらに、現にフランスあるいはアメリカ等においては、既にこういったものの処分が実際問題として実施されているという状況でございまして、この辺につきましての国際的な動向、これまでの研究開発の成果等を踏まえまして、基本的なアイデア、それに関連する安全性の問題というものの研究はずっと進んできているわけでございまして、ただ、今決まっていないというのは、その具体的な濃度の数値をどこで押さえるかというところだけでございます。  しかもその範囲につきましても、既にIAEAでこういった基本的な数字が示されておりますので、ある一定の範囲、IAEAは国際的な生活環境の中での数字でございますので、日本は日本なりに特殊な考え方をしなければならない部分もありますので、それに引き直して個々具体的な数字を日本の基準としては決めていこうという考え方でございます。そういったようなことで、安全委員会で今検討、作業がややおくれて八月にずれ込んでしまっている事情でございまして、これは私どもとしてもできれば法案提出のときには数字が出てほしいということで作業をしていたんですが、いろいろ作業量も多いということでおくれてきているという現状でございますので、この辺はひとつ御理解をいただいて御審議をお願いいたしたい、かように思っているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 困ったね、少しわきへ行こうと思ったらまたもとへ戻ってしまうんですよ、あなたの答弁が。だから私は、そうでしょう、さっきの国際原子力機構の基準値というのが決まっている、大体そういう方向になるだろうとおっしゃりながら、今、だけどそれに日本的な特殊な要素も検討してということになっていくからこのとおりではないかもしれない、このとおりでもないかもしれないといったらどういうことになるんですかと、その結論が出てからでなぜ悪いんですかと、これやっぱりそうならざるを得ないでしょう、今の話の順番から言えば。どうしてこっちへ戻ってしまったんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) ただいま安全委員会で検討しております数字は、このIAEAの数字よりは低いレベル、すなわち安全サイドのレベルの数字が決められるというふうに御理解いただきたいと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 またそこのところへずっと戻ってあれしていたらまずいんですけれども、じゃ私の伺ったところはもう少しはっきりさしてくださいよ。そうすると、ここで言う無拘束限界値の廃棄物とそれから廃棄物としては濃度上限値と、その間の廃棄物があるということになりますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) そのとおりでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 ここで扱っていく低レベル廃棄物というのは、そうするとこの濃度上昇限界値以上のものはないということですね。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 濃度上限値以上のものは埋設に適するものとしては決めない、すなわちそれより高いものにつきましては埋設は認めないという考え方でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そして無拘束限界値といいますのは、これはその中の何というんでしょうか、核種などとのかかわりというのは全然ありませんか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 無拘束限界値は核種ごとに決めていくという考え方でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 核種ごとに決めていくということになりますと、そうすると半減期の非常に長いものというのがありますね。これはこの中間、その濃度上昇限界値以下のものということであれば、それで無拘束限界値までのよりも高ければ、これはもう半恒久的にという形の埋設はしないという、貯蔵になるというものになりますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 発電所の外へ持っていって廃棄をしようとする場合には廃棄物の管理の事業の方で扱われるということになります。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 管理の事業というのは、それは貯蔵するということと同義語ですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 廃棄物について貯蔵という言葉は法律上使っておりませんので、私ちょっと注意したいと思いますが、貯蔵という一般的な意味での貯蔵でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、半減期の非常に長い核種の含まれた廃棄物というのは、これはどういう形の廃棄物に想定をされますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 廃棄物の長いものは、例えばストロンチウムですとかセシウムとか、三十年ぐらいのものが低レベル廃棄物の中では半減期の長いものでございまして、こういったものにつきましては無拘束限界値が厳しくなるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 例えば、これは放射性廃棄物の陸地処分における規制免除できる放射能濃度のIAEAの資料をこの間もらいましたね。この中でいろいろと高エネルギーべータ・ガンマ放射体とか中エネルギーべータ・ガンマ放射体とか、アルファ放射体とかトリチウム炭素とか、こんなふうにずっとあってそれぞれ書いてありますね。こういうあれの中でいくと、例えばプルトニウム湖、アルファ放射体の中へ含まれている、こういうものは非常に半減期は長いということになるんでしょう。そうすると、今原発から出てきて、ここの法律で対象にしようとしているいろいろな廃棄物の中で、先ほどは原発から出てくる廃棄物を幾つか通産省から挙げてもらいましたね、こういうもの の中のどの部分にそういう長いものというのは含まれますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 基本的には、今発電所で低レベル廃棄物固化体としてコンクリート固化あるいはアスファルト固化をされているものにつきましては、アルファ廃棄、アルファ放射体というアルファ線を出す核種でございますね、プルトニウム等のものは含まれていないということでございます。これは、含まれていないということはやや誤解があるかもしれませんが、一般技術的な意味で含まれていないということで、学問的といいますか論理的にはゼロであるという意味ではございませんけれども、基本的には低レベルの固化体にはアルファ体は含まれていないということでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、基本的にはアルファ体は含まれていない、だが何かが、今の恒常的に出るもの以外のものとしては、この可能性というのはあるわけですね。どういう場合が想定されますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 例えば、非常に端的な例として、美浜一号炉のように燃料破損などが行われた場合にそういうものがまじり込むというおそれはあろうかと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、そういう特殊な事情がなければ大体最初にその流れとしては濃度上限値以下のものを、局長の法律用語をかりて言えば管理をしますと。そうすると、どんどん減衰をしていって、そうして無拘束限界値になったら埋設をいたしますと、こういう考え方なんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) やや時間がかかることをお許しいただいて基本的な構想を御説明いたしたいと思います。  まず、無拘束限界値という数字があったとします。これ以下はもう非常に放射能の濃度が低い、レベルが低いということで、これ以下のものの廃棄体につきましてはもはや放射性廃棄物としての、放射性物質としての安全管理をする必要はないというレベルを私ども無拘束限界値と言っておるわけでございまして、これは原子力開発利用始まって以来、放射性物質についての規制についてすそ切りがないということでかねてからの懸案事項になっていたわけでございまして、非常にレベルの低いもので自然放射線のレベルと比べてもなお低いようなものまで、放射性物質というタイトルがついただけで厳しい規制を受けるというようなことは非常に不合理であるということが言われておりました。その答えを出すものでございまして、これが先ほどから申し上げましたように、IAEAあるいはICRP等の国際機関でも検討されておりまして、ここにお示ししましたようなIAEAも具体的な基準の一例ということで勧告をつくろうとしておる、こういう状況になっておるわけでございます。それが無拘束限界値の数字でございますから、私ども今後はそれ以下のものについては放射性廃棄物としての特別扱いはしないという考え方でいきたいと思っておるわけでございます。  そこで、埋設の事業でございますが、無拘束限界値というレベルは非常に低いレベルでございますのでこれはいいわけですが、実際に廃棄をいたします場合には、それよりもう少し高いところの濃度上限値という数値を決めて、それ以下のもの、すなわち無拘束限界値と濃度上限値との間のものを今回埋設事業の対象にすると、こういう考え方でございます。  濃度上限値の考え方はどうやって決めるかというと、これは放射性物質が次第に御承知のように低減をしてまいる。ある一定の期間、相当長い期間でございますが、長い期間たつと無拘束限界値まで下がるということが考えられる。これは物理学の自然法則ですからそういうふうになるということでございますので、無拘束限界値が定まりました場合に、じゃその無拘束限界値まで何年間を考えるかということで。現在まあ二百年から四百年の間で考えているわけでございますが、そのぐらいを考えました上で、じゃさかのぼって濃度上限値を幾らにすれば何年後には無拘束限界値になるであろうと、そういう考え方で濃度上限値を決めていくわけでございまして、安全規制といたしましてはこの濃度上限値をチェックいたしまして、それを埋設に適するものとして決めようと、こういうことでございます。  この決め方は、この法律にございますように政令で定める、政令については原子力安全委員会に諮問をして決めると、こういう仕組みに今回の法案をさせていただいているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それで、その無拘束限界値のところで随分、ここのとば口で時間がかかっていて困っているんですけれども、大事な問題ですからやっぱりなかなか私自身が理解をしなければ前へ進めないということにもなるものですからしつこくいろいろと聞いていますけれども、    〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕それと関連をしてまいりますが、そうするとこれは二の方ですね、この「政令で定める」というあれの中の、改正後の第五十一条の二の第一項の二号の方ですね。そっちの方にアスファルト固化されたTRU廃棄物の保管廃棄というのも含まれているわけですけれども、このTRU核種を含む廃棄物というものの取り扱いはこうした低レベルとはまた別の扱いと、こういうことになるわけですね。まずその辺から。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 濃度上限値より上のレベルの廃棄物につきましては、これは埋設の事業とはせずに管理の事業の方で扱われるということでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 レベルの上のものはね。そうすると、レベルの上……

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) ただいま私、質問を取り違えて間違った答弁をいたしましたので、先ほどの答弁は取り消させていただきます。  御質問はTRU廃棄物、アルファ放射体の廃棄物のことであったようでございました。アルファ放射体の廃棄物につきましては、これは現段階では埋設の対象とはしない考えでございます。無拘束限界値以上のものにつきましては、すべてこの法律では管理の事業の方に回すという考え方でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それから次に、原子力安全委員会の去年の十月の専門部会の報告の中で、これで「ベータ・ガンマ核種の濃度がかなり高い低レベル放射性廃棄物」という項目がございますね。そしてその中で、特に最後の方で、「廃棄物の具体的な性状、放射能レベル等に応じ、場合によっては別途の対応策を検討することも必要と考えられるので、今後更に調査検討を進めていく必要がある。」、こういう記述があります。場所は第二章の四。    〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕  これは具体的に内容はどういうことなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) これは先ほど通産省が御説明申し上げましたような炉内構造物といったようなたぐいのものを考えているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、今回の対象にはそういう今の炉内廃棄物というようなものは対象にならないと。つまり、フィルタースラッジとかイオン交換樹脂とかということではない。この中のまたチャンネルボックス程度のことで、あとフィルタースラッジとかイオン交換樹脂はこれとは別ということになるんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 今回の法律改正におきましては、埋設の事業と管理の事業しかつくっていないわけでございまして、先ほど私が申し上げました埋設に適する非常に低いレベルの、低レベルの廃棄物でございますが、それ以外のものを事業所の外で廃棄しようとする場合には、今回の法案では全部廃棄物管理の事業の方で受けるという考え方をしておるところでございまして、ただし、先ほども申し上げましたように、これについての具体的な廃棄物の処理の計画というのはまだ具体的にまとまっておりませんので、それが実体化されるということは当分の間ないというふうに考え ております。しかし、法律上は廃棄物管理の事業の方で受けるということに相なろうかと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、当面やろうとしている事業というので扱う廃棄物というのはどの範囲なんですか。こういう今のさっき言った科学的、物理的な性状の意味ではなくて、具体的に原発から出てくるどういうものを扱うということになりますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 原子力発電所から出てまいりますところの床掃除等の廃液、あるいは先ほど通産省から御説明ございました低レベルの衣服、スラッジ、そういったものの焼却灰をコンクリート等で固化したもの、こういうものが対象になるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、それはドラム缶詰めのものだけということになりますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 法律上の意味で厳密に言うとやや正確を欠くと思いますけれども、法律の方では無拘束限界値以下というような規定を、無拘束限界値以上それから濃度上限値以下ということで基準をつくりますから、その基準に適合した固化体であれば埋設できるということに相なりますけれども、実際の対象物としてはやはりドラム缶にコンクリート固化体したもの、あるいはアスファルト固化体をしたものに相なろうかと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 時間の方の関係もありますから、やむを得ませんから次へ進ませていただきましょう。  今の二の二項の中でまだもう一つ残っておりますのは、ガラス固化をされた高レベル放射性廃棄物の保管廃棄の問題なんですけれども、これは保管廃棄と書いてありますが、ガラス固化された高レベル放射性廃棄物は保管の管理の方と、それから廃棄というのの中には埋設の方もあるんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 保管廃棄というのが独特の言葉で申しわけないんですが、ワンワードで、一つの言葉でございまして、これは放射線を防護する装置を持った施設の中に保管しておくことというものでございます。埋設は入りません。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、これはそういう保管をしておく場合にキャニスターに入れてということになるんでしょうが、キャニスターの安全性についての確認というようなものはどういうふうにしてやられますか。おたくの方からいただいた高レベルガラス固化体の資料によりますと、後はふたを溶接してというふうになっておりますが、しかもその溶接をしたものをテレビカメラで外観をチェックするというような作業方法が書いてありますけれども、これで大丈夫なんでしょうかね。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 高レベルのキャニスターは、これは再処理事業者のところで製造されるものでございます。したがいまして、再処理事業の一環といたしまして規制をすることになります。再処理事業者につきましては、規制体系といたしましては原子炉設置者とほぼ同様の、この法律では最も厳しい規制体制をとっているわけでございまして、廃棄物そのものについてはそちらの方の規制を行うということに相なります。  廃棄物管理事業の方は、むしろその規制によって運び込まれた適正なガラス固化体を強固な管理施設の中に閉じ込めて管理するというのが廃棄物管理の事業でございまして、御指摘ございましたように、キャニスターそのものの検査ということは、これは具体的には再処理事業者側が行うことに相なるわけでございますけれども、これについては周辺のステンレスの筒でございますが、こういったものの材料検査あるいは溶接検査等を厳格に実施してもらう。  一番問題になりますのは、その中に高レベル廃棄物を詰め込んだ後ふたをいたします、ふたをいたしましてその回りを溶接してふたがとれないようにするわけでございますが、これについての検査の問題であろうかと思います。キャニスターのステンレス筒の残余の部分は、これは高レベル廃棄物を入れる前でございますからいろいろな検査ができる。非破壊検査もできるわけでございますけれども、ふたの溶接につきましては、もう既に高レベル廃棄物が入ってしまっておって非常に高い放射線の領域内でございますので、これはエックス線検査等の方法はとれない。検査の方法としては外観検査、これはテレビカメラによる外観検査しかできないということでございます。ただ、この溶接自体は非常に強度を受ける部分では全くございませんで、きちっとついておればそれでいいという程度でございますので、適正な溶接の施工管理が行われていること、並びに外観検査が行われることによって十分目的を達しているというふうに私ども考えておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 これは返還廃棄物についても同じことですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 返還廃棄物につきましては規制法が一体どこまで適用になるか、海外につきまして、というところで、やや規制の態様を異にせざるを得ないというふうに考えておりまして、実際の返還廃棄物はイギリス及びフランスの再処理事業者が製造するわけでございます。このフランス及びイギリスの製造業者に我が国の規制法は及ばないわけでございますので、これは電気事業者、原子炉設置者でございますね、これができました返還固化体を日本に輸入するというところから再び規制法の対象になってくるわけでございまして、輸入をしました原子炉設置者が廃棄業者に対しまして物を持っていくわけでございます。この間、先ほど申し上げましたような再処理事業についての規制が行われませんので、これについては私ども今回の法律改正では五十八条の二という規定がございまして、事業所外の確認という規定がございますので、その規定を利用しまして内閣総理大臣が確認を行うというやり方をとろうというふうに考えておるところでございます。  これのやり方につきましては、もう既にできてしまったものでございますので、基本的にはまずイギリスあるいはフランスの再処理事業者から、どのような材料を使い、どのような溶接を行い、どのような検査を行ったかというような記録を提出していただくことをまず基本に考えてまいりたいと思います。確認の際には、先ほど申しましたように非常に高レベルのものですから、テレビカメラ等で外観の状況を見るということしか実際問題としては検査はできませんけれども、そういった一連の調査と現物確認を通じて確認をした上で廃棄業者に引き受けを許す、かようなやり方をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 ちょっと不明にして非常に初歩的な疑問を出すわけですが、一つは、我が国の国内法の適用で相手にやってくれと言うことは、これはできないことはそれはわかります。相手の国の自主性というのがありますからね。それはそれでわかりますが、こういうふうにしてやってくださいということは頼めないんですかということが一つありますね。物事をみんな契約をするときには、こういうふうにしてやってくださいよということも含めて契約する場合というのはよくあるわけですね。外国のやり方はみんな違う。管理の仕方から何からみんな違うわけでしょう、我が国とは。そうすると細部についてはやっぱりわからない部分というのが出てくるわけですよね、どうしたって。技術的な面でもね。というのは、できるだけこういう危険なものはわからない部分が少ない方がいい、できるだけ多くわかっている方がいいということになるわけですから、そうすると当然こういう仕様でやってくださいというようなことを契約の中でやってもいいと思うんですけれども、そうはなっていないんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) この廃棄物の海外再処理委託につきましては、電力事業者と海外の再処理事業者との間で契約があるわけでございまして、彼らが廃棄物固化体を製作する前には、日本にいかなる形で、どういう形の固化体が入ってくるかということについての仕様を提示することと相なっているわけでございまして、ただいまその案につきまして電気事業者レベルで検討が行われてい るわけでございますが、最終的には本年の暮れごろには最終スペックが固まってくるわけでございます。私ども、電気事業者を指導いたしまして、そういった廃棄物固化体の製作の方法等につきまして注文を出して、かつはまたイギリス、フランスの検査当局に対しましても、こういった部面の管理、チェックについてお願いいたしていきたいというふうに考えておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 またちょっとわからなくなったんですが、そうすると、外国のあれの仕様についてはこっちから要求することがまだ決まってないというんですか。それとも、こっちからこういうふうにしてくださいということは言えないというのか、言えるのか、そのこともまだはっきりしないですね。言えるとしたら、こっちから要求する仕様が決まっていないのかどうか、言えないのかどうか。それから今の暮れぐらいと言いましたね。これはどこが出す仕様のことなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) これはフランスあるいはイギリスの再処理メーカーの方から提出されるわけでございまして、その際にスペックについて事細かに書かれます。それの品質管理はどういうふうにやっていくかということについても書かれるわけでございますから、それらのスペックを我が方がオーケーというふうに出しませんと物事が進まないというシステムになっております。そういうことを通じましてチェックをすることができるということでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、我が方から仕様についての注文はしていないわけですね、特別な注文は。そして、相手から出てくる仕様の結果を見て我が方は対応しよう、こういう格好なんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 当然そのスペックの中には向こう側の品質管理をどういうふうにするかという記述も含まれるわけでございますからして、それをチェックするわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そういたしますと、この法案で扱っていくものの中にも返還廃棄物が含まれるわけでしょう。返還廃棄物も扱わなければならないわけですね。具体的には、早ければ六十六年ですか、何かそのくらいから、順調にいくかどうかということは問題はまたありましょうけれども。ということになると、その返還廃棄物というものにどう対応するか。その辺のところの具体的なやっぱりある程度の対応策というものがめどが余りつかなければ、廃棄物の取り扱いたって本当にこれでいいのかどうかということを議論する上では非常に大きな欠陥になるんじゃないですか。我々が議論しようとしたって、じゃどんなものが来るんですかと言ったってわからないと言っているわけでしょう、今。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) このスペックについては、ことしの秋に最終スペックが提示されると申し上げましたけれども、それは最終スペックでございまして、これまでにもこんな案でいくということは既に提示しておりまして、この間に我が方もこういうものにしてくれという意見は申し述べているところでございます。  そういうものが最終的にセットするのが今年の末であるというタイムスケジュールでございますからして、既にどういう形の返還固化体が入ってくるかということはわかっておる。その細かいところについての問題は別といたしまして、概要こういったものが入ってくるというものについてはもう既にわかっておるわけでございまして、既にわかっているものにつきまして現在、原子力安全委員会でこれの保管の方法についての検討も進めているという状況でございます。したがいまして、入ってくるものがこういったものであるということはわかっておる。それを前提として、その周囲の保管廃棄施設でございますね、これについての検討が進められておるということでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 時間がなくなってしまいましたから、もう私の聞く時間ないんです。これほど入り口のところでも随分気になることばかりで、確かめるような格好なんですけれども、またさらに法案の内容等について細かく詰めての議論がこれから行われると思いますが、その中でまたさらに、明らかになったものはいいですけれども、そうじゃないものは私はまたもう一度聞く機会を得たいというふうに思っておりますので、きょうはこれで私の質問は終わります。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それでは、原子炉等規制法の改正について質問をいたしますが、その前に、先般のソ連の原発事故について、特に科学技術庁に要望したいことは、やはりこういう原因の究明というものを明らかにして、そうして国民の皆さんによく理解を求める必要があるのではないか。やはり原子力発電の推進には、まあある先生は、科学的な安全性と社会的な安全性が必要だ、社会的安全性というのはある種の国民の合意というものがなければ、科学者が安全だと言うだけではなかなか前には進まない。そういう点から、私はこういうソ連の原発事故のような問題の処理を誤ると、今後の平和利用の推進にも大きな障害になってくるのではないか。そういう意味で、この原因の究明、さらには日本の原子力発電所の安全対策というものがどのようになっておるかという違い等を明らかにしていかなければいけないと思うのであります。  そういう意味で、現在のところはソ連という国であるために事情のわからない点もあると思いますけれども、科学技術庁としてはそういう解明のためにどういう手を打ってきておるのか、先般の委員会で伏見委員から直接書記長に言ってはどうかというような意見もあったわけでありますが、科学技術庁としてはどういうように努力をし、今後どういう方向でこの解明に努力していくのか、この点をお伺いしておきます。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 御指摘のように、今回の事故は原子力発電にとって未曾有の大事故でございました。そういう意味から、ソ連の原子炉と日本の原子炉とは型式が異なるとはいえ、何か教訓が得られればそれをぜひ日本の安全規制、運転管理に反映していく必要があるのじゃないかというふうに考えておるところでございまして、このための体制といたしまして国内的には、昨日原子力安全委員会におきまして調査特別委員会専門部会を設置いたしたところでございます。しかしながら、先生御指摘のように、現段階におきましてもまだソ連の事故の状況というのはよくわかっていないというのが現状でございます。なかなか対象国との関係もありまして、今後もこういった事故の情報の入手に難渋をきわめるという事態が容易に予想されるところでございます。  先般のサミットにおきましても、こういったことを踏まえましてサミット諸国において声明を発出したところでございますし、今後はこういった形での国際的活動が進められていくんじゃないかというふうに思っております。既にIAEA、国際原子力機関におきましてはブリックス事務局長が訪ソをいたしまして、事故情報の提供、放射能レベルの情報の提供、それから専門家によるディスカッション、こういったようなことについての基本的な合意を得ておるようでございまして、今後こういった国際活動を通じて資料の情報入手に努めていかなければならないと思います。  先般もOECDのNEA、OECD原子力機関におきまして安全についての専門委員会が開かれまして、私どもの方からも担当官が出席し、かつ原子力研究所の専門家も出しました。そこでいろいろなディスカッションが行われ、ある程度の情報も得て帰ってきたようでございます。それからきのう並びに明日にかけまして、IAEAの方でやはりテクニカルコミッティーが開かれまして、これは実際ブリックス事務局長と一緒に現地に同行したローゼンさんという原子力安全担当の部長さんが出席いたしまして、ソ連の状況等の報告も行われ、かつ、持ってきた資料についてもいろいろ提供していただける、そういう会議であるというふうに聞いております。これに対しても、私ども担当官並びに専門家を派遣して情報の収集に努めておるところでございまして、今後こういった国際活動が充実してまいると思います。そういうものに対しまして、できるだけ積極的に働きかけ をいたしまして、そういった国際活動を通じて情報を収集する、こういう方法が最も情報入手がしやすい方法ではないかというふうに考えておりまして、引き続き努力してまいりたい、かように思っているところでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 この問題はまた次の機会に譲りたいと思いますが、長官にお願いしたいことは、たしかある学者が、やっぱり原子力の平和利用というのは安全だ安全だと言う人が運転すると危ないんだ、危ない危ないと思いながら慎重にやるときに辛うじて安全なんだ、こういうようなことを聞いたことがありますが、やはり常に謙虚に、この事故に対してもただ型が違うから日本は安全であるというようなそういうことでは国民は納得しないわけで、そういう点はひとつ謙虚に慎重に対処をして国民の皆さんの理解を得るように努力をしていただきたい。そうすればこの事件が原子力の平和利用の推進に役立つような結果に必ずなるんじゃないか、そのように努力をしていただきたいと思うんですが、長官の決意を承っておきます。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○国務大臣(河野洋平君) 先生御注意をいただきまして、私どももおおむねそういう方向で考えているところでございます。機械を使っておりますのは人間でございますから、一つは、機械の型が違うかどうかということも非常に重要な問題ではございますけれども、人為的な問題ということも当然我々は考えなければならぬことだと思っております。機械の設計でありますとか、あるいは設備の状況でございますとか、そういった角度からの原因究明、これも我々にとって大きな教訓であると同時に、人間がそれをどう扱っておったか、あるいはそうした状況の中で人間がどういうビヘービアをしたかということなども我々はよく考えなければならないと思います。  いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、これを警鐘として我々は心を引き締めていかなければならない、こういうふうに思っているわけでございます。おっしゃるように、心の緩みと申しましょうか、おごりというようなものがあってはならない。常に謙虚に国民の、あるいは世界の人たちに対して、これだけの一朝事が起こればこうした迷惑をかけるということがはっきりわかっただけに、我々関係者はその責任の重さをさらに重いものとして受けとめていかなければならない、こう考えておるところでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 そこで、この法案につきまして衆議院でもいろいろ審議がなされてきたわけでありますが、私たちのところへいろいろ寄せられる意見の一つは、非常に性急過ぎるのではないかという意見があります。確かに、廃棄物の処理の問題というのは、これはもう十年、二十年、三十年の問題ではなしに、百年、二百年の将来にわたる法案でもあります。アメリカの廃棄物法は一万年先をめどにつくられたというように聞いておるわけでありますが、そういう点から見て、やはり何も急ぐことはないではないか、こういうような意見があるわけでありますが、そういう点についてはどのようにお考えですが。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○国務大臣(河野洋平君) 原子力の開発利用あるいはその活動に伴って生ずる廃棄物を適切にと申しますか、確実にと申しますか、処理処分するということは、原子力の開発利用にとって終局的なといいますか、一番締めくくりの重要な問題であると認識をいたしております。それだけに、この放射性廃棄物の処理処分等の事柄に関しまして多くの専門家、研究者が関心を持ち、その対応に懸命に努力をしてきたところでございますが、昭和四十七年にこの処理処分につきまして、例えば海洋投棄であるとか陸地内埋設であるとか、幾つかの考え方を出しまして、この処理処分についての基本的な考え方をまず示したわけでございます。その後数年いたしまして、原研がその研究に積極的に着手をいたしまして、昭和五十九年の夏に原子力委員会がこの問題についての考え方の中間報告をいたしたわけでございます。そして、翌六十年の秋に原子力委員会で考え方がまとまりまして、法案をつくるという運びになったわけでございます。  先ほど来から、少し性急ではないかという御疑念もおありでございますが、今日こうして法案を御審議いただきますまでに、廃棄物の処理処分について十数年の間さまざまな角度からの研究が行われ、検討が行われてきたわけでございまして、詳細さらに政令等にゆだねるべき部分もございますけれども、法律案の骨格、考え方、この問題の処理の仕方については、私ども十分に研究を積み重ねた上で法案の検討に当たってきたということでございまして、現時点、こうした考え方に沿って委員の皆様方の御審議をいただいて方針を確定していきたい、こう考えているところでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 昨年の十月八日に原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会が報告書を出し、さらには昨年の十月十一日に原子力安全委員会の放射性廃棄物安全規制専門部会が報告書を出しており、今回の法案もこれに基づいておると理解をしておるわけでありますが、この二つの報告書はこれは政府の今後の放射性廃棄物の処理の方針であると、このように理解していいのか、あるいはこの報告書以外に政府の何か方針みたいなものがあるのかどうか、その点はどうなんでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) いずれも、両報告書とも原子力委員会及び原子力安全委員会の議を経まして委員会決定となっているものでございまして、これが我が国の廃棄物政策の基本方針として位置づけられておるものでございます。両委員会設置法に基づきまして、原子力委員会の決定、安全委員会の決定については政府はこれを十分に尊重して進めるということでございますので、これが政府の政策であるというふうに私どもも理解しておるわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 ただいま長官からいろいろお話がございましたが、私たちもやはり廃棄物の処理というものが原子力発電における一番大きなネックの一つだと。軽水炉の運転においてもかつてはいろいろトラブルもありましたが、今はほぼ技術陣はそれを解決して、日本の原子力産業会議にしても世界が注目をして、アメリカからもヨーロッパからも日本へ来て日本を学ぼうというところまで来ておることは私たちも高く評価をしておるわけでありますが、ただ廃棄物の処理についてのみトイレなきマンションなんて言われますと非常に痛いわけで、この点の解決が急がれることは私たちもその気持ちはわかるわけでありますが、しかし急がば回れということがあるように、余り急いで事をし損ずる場合もあると思うんですね。  衆議院でも、政令が全然決まってない、何もかも政令任せじゃないか、だから国会は白紙委任をして白紙委任の法案じゃないかという、こういうような意見もあるわけであります。確かに、今同僚委員から質問がありました、いわゆる埋設する廃棄物をどういうものを決めるかというこの政令等は、これはまだ原子力委員会が、あるいはさらにはIAEAが検討していると。いわゆる無拘束限界値をどこに置くかとか、こういうような問題についてはもちろん今決めると言っても決まらないと思うんですけれども、これはやはり世界的な決定を待ち、そして日本の原子力委員会がある程度数値を決めて決定する。しかもその決定には原子力委員会も参与して決定をするという、こういう問題は私は後にしてもいいと思うんですけれども、そのほかいろいろなそういう政令においては、何もこういうものを待たなくても科学技術庁なり総理府なりにおいて当然決められる政令も大分あるわけですから、やっぱりそういうものもちゃんと準備して、そして法案の審議をするということが必要なんじゃないか。  これはいろいろな法案でよくそういうことが論議されるんですけれども、特に今度の法案においては今までにない一つの道を歩もうとしているだけに、私はもうちょっと政令等も具体化して、あるいは総理府令等も具体化して、やっぱり資料として提出すべきではなかったかなという気がするんですけれども、そういう点はどうなんでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 先ほどからその点につき ましても種々御質問をいただいた点でございます。私どももそういうふうな段取りで、できればそういう方法もとりたいとは思いましたが、作業の現状からいきますとまだその数字が具体的には決まっていないという点で、そういった問題についてはこれからという話に相なるわけでございます。ただ、こういったたぐいの法律の際にはいつでも議論があるところでございますけれども、こういった政令、府令は通常我々の作業といたしましては、法律が確定した後に成文化作業に入るというのが私ども大体通常のプラクティスでございますので、この点はひとつ御了承をいただきたいと思うのでございます。  基本的な数字の基本理念につきましては、もう既に、例えばIAEAにおきまして廃棄物の無効束限界値等を定める場合の基準として、その無効束限界値を定めたことによる人体に対する影響は年間一ミリレム以下に抑えるという国際基準も既に決まっておるわけでございまして、そういった枠内において細かい具体的な作業をこれから進める。しかも、それももう近くできるわけでございますし、それらを踏まえて私ども政令作成あるいは府令作成を急ぎたいと思っておりますので、この点はひとつ御了承をお願いいたしたいと思うのでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 通例、法案の審議で必ずしも政令の内容まで示されることのない場合が多いことは承知をしておるわけですが、しかし今回の法案は非常に反対の勢力も強いわけですし、そういう場合には、政府から見れば何でもないことでもやっぱりまた反対側から見れば何かあるんじゃないかという、こういう邪推を生む。邪推でない、そっちの方が正しいかもしれませんけれども、そういうような思いを抱かせることになるわけで、だからこういう法案であるだけにできるだけ、自主、民主、公開というのが原子力基本法の原則ですから、そういう点から言えば早目にオープンにして、そして審議していくことがやっぱり国民の理解を得る道ではなかったかなと。そういう点で今後の科学技術庁の一つの政策遂行において、常にそういう反対意見に対する配慮というものがなければなかなか物事は進まないんじゃないか。そういう意味で私は、できるだけそういう点を明らかにして反対意見に対してもこたえていく、できる限りのそういう誠意と努力を示していただきたい、このことを要望いたします。その点長官どうでしょうか。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○国務大臣(河野洋平君) 大変御懇篤なる御注意をいただいて恐縮をいたしております。  政令の中身等につきましても衆議院の委員会でもいろいろ御指摘がございました。中身について少なくとも考え方等をメモにして提出をさせていただいて御審議をいただいたという経過もございます。先生からの御注意を十分受けとめて、今後の作業のときの心構えとさせていただきたいと思っております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それともう一つは、この法案についての意見は、非常に後追い的ではないかという、こういう意見があります。  ここでお尋ねをいたしますが、今度の法律に基づいていわゆる廃棄業者、廃棄物埋設を行う業者、さらには廃棄物管理を行う業者というものが事業の認可を受けるようになっておるわけでありますが、これは必ずしも一つではない、複数あってもいいという、法律の建前はそのように私は理解をしているわけですが、その点でよろしいんでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) おっしゃるとおりでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 ところが、この法律ができる前に廃棄物埋設あるいは管理の業者が既に決定をしておるわけでありまして、事実はっきり決定をしているように理解をしておるわけで、そういう意味で、会社ができて、その会社を認知する法律が後からできるということは確かに余り好ましいことではない。そういう意味では後追い的ではないかというこういう意見はなるほどもっともだなと、これは実際にはやむを得ないにしても、そういう点で後追い的であるという批判は受けなければいけない、これはどうですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 先生おっしゃる意味におきましては、法案提出が遅きに失したということではなかったかなという気もいたすくらいでございます。ただしかし、先ほど長官もるる御説明いたしましたところでございますが、こういった一連の作業につきましてはかなり古い歴史を持っているわけでございまして、昭和四十七年に原子力開発利用長期計画において、今後の廃棄物処分について海洋処分と陸地処分を並行して進めるということが計画に記述されて以来、原子力委員会におきましても何度も専門委員会を開きまして、この辺の政策のあり方等についての検討も進めてきた。  それから先ほど長官から申し上げましたように、それを中心としていろいろな研究が原子力研究所あるいは動燃事業団を中心といたしまして進められてきておりまして、これにつきましては昭和五十七年以降、今度は原子力安全委員会の方に低レベル廃棄物の陸地処分に関する安全研究計画というものが策定されて、鋭意いろいろな作業を進められてきた、そういった諸準備が相整ったというところで具体的なプロジェクトとして電気事業者が青森県六ケ所村にサイトを求めてやるというのが出てきたわけでございまして、私どもこうした一連のプロジェクトあるいは研究の進め方、それにさらにはここに法律案を提出されている作業の進め方、こういったものが一連として出てきておるわけでございまして、その点についてひとつ御理解をお願いいたしたいと思うのでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 この点は今後の問題として、原子力政策は長期的な展望に立って順序を誤らないで早目早目に手を打つようにまた努力を要望いたします。  それからもう一つは、衆議院の段階でも問題になりましたし、今度の法案に対するいろんな意見の中で一番大きな問題は、いわゆる発生者責任というものがこの新しくできる会社に移ってしまうのではないか。そういう意味で、いわゆる発生者と言えばいろいろな発生者がおりますが、一番大きなのはやはり電力会社じゃないかと思うのでありますが、この電力会社の責任というものは、廃棄物を埋設するあるいは管理する業者に渡してしまえばあとはその会社の責任になるわけでありますけれども、原子力委員会もこの法案について「発生者は、放射性廃棄物の処理処分に必要な費用を負担することはもちろんのこと、その処理処分が確実に実施されるよう、廃棄事業者に対し適切な支援を与えていくことが重要である。」と、こういうような今年三月四日の原子力委員会の決定、この法案についての決定の中の第二項目にこういう内容があるわけで、私はそのとおりだと思うんですけれども。それで具体的に電力会社はどういう形でこの原子力委員会の決定の趣旨を実現するように担保できるのか、そのあたりにちょっと不安があるわけですが、その点はどのようにお考えでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 私ども今回の法律を立案するに当たりまして、原子力委員会決定の十月にも発生者責任の問題は明確に記述されておるわけでございますので、その点についても十分注意はしたつもりでございます。よく衆議院の審議の際に比較に持ち出されました廃棄物処理法との関係についても検討をいたしたわけでございまして、実体規定の部分におきましては、私どもの今回の法律改正は廃掃法の規定ぶりと何ら変わるところがないという形にいたしておるわけでございます。  ただ一つ申し上げたいのは、この原子炉等規制法というのは安全規制を行う法律であるということから、一つの法律の性格といいますか、そういう面の限界があるわけでございまして、いわゆる発生者責任の原則を法律で規制するというようなのはこの法律にはなじまないというところで、特段その発生者責任についての記述はしていないのでございますが、しかしながら、この原則につき ましては、公害対策基本法第三条による事業者の廃棄物関係の責任、発生者責任の問題はこれは原子力事業者にもかかるという基本的な考え方のもとに処理しておるわけでございます。すなわち、そういった基本的なものについては公害対策基本法の三条をベースとして物事を考える。実体規定につきましては、廃掃法とほぼ同じ規制によりまして安全確保をやっていくと、こういう考え方で法案の構成を考えたわけでございます。  そのほかの問題といたしまして、やはり廃棄事業者というものを設立いたしました場合に発生者責任が問題になるわけでございますし、特に原子力の世界におきましては、電気事業者というものが格段に強い経済的基盤を有しておると。規制法関係の対象事業者につきましても、電気事業者以外にももろもろの弱小事業者がいるわけでございますが、そちらの方は余り問題にならないんですが、電気事業者が非常に経営基盤が強いということから、電気事業者の発生者責任がどうなるこうなるという議論がクローズアップしてくるのではないかというふうに考えておるわけでございますが、しかしこれについては、基本的な理念につきましては、先ほどの公害対策基本法の三条で考えればいいと。  あとPPPの原則でございます。廃棄物についての費用負担の原則というのは、これはもう法律で規制するまでもなく、今度の廃棄事業者に対する、廃棄事業者の収入というものはすべて発生者がその経費として負担することになるわけでございますから、この点につきましても特段の法律の規定を置かなくてもPPPの原則は確立されるわけでございます。そうしてまいりますと、現在廃掃法レベルでの発生者責任の問題は私どもこの原子炉等規制法できちっと整備されておるというふうに理解しておるわけでございますが、残るところは、それでは引き受けた廃棄事業者の経営基盤の問題であろうかと思うわけでございます。  これは廃掃法でも廃棄事業者の経営基盤の問題は法律上で規制している問題でも何でもございませんし、どだい一つの企業体でございますから、その経営基盤について法律でどうのこうのという話ではないということで、むしろこれは電気事業者が岩ちっと廃棄事業者の経営について責任を持って応援をし支援をする、こういう政策の問題であろうという考え方かう、原子力委員会がこの発生者責任を廃棄物政策の基本として位置づけたというのがこの三月四日の原子力委員会決定でございまして、この線に沿いまして私ども今後とも電気事業者を指導してまいる、こういう考え方で廃棄事業者の経営安定を常に心がけていこうということでございまして、今回の法律改正全般につきましての発生者責任につきましては、以上申し上げましたようなことで発生者責任を担保していこうという考えでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 今、産業廃棄物処理、いわゆる廃掃法でございますか、それのお話がありましたが、それと今回の法案とは同じ内容である、そういう点は理解をいたしました。  ただ、この場合、発生者が事業者に廃棄物を渡した。渡す段階において、渡したものに、例えばこれだけの放射性廃棄物が入っているという、そういう条件に反して渡したとすれば、そのためにトラブルが起きた場合は発生者の責任。しかし、ちゃんと契約どおり発生者が何ら責任がない、きちっとしたものを業者に渡したところが、業者の方のミスで非常にトラブルが発生した。こういう場合は発生者には責任はない、あくまでもこれは事業者の責任である、こういうことになるのじゃないかと思うのです。  これは確かにそれしか方法はないのかもしれませんけれども、いささか電力会社、発生者がさらにもうちょっとそういう事故の起こらないように事業者の運営にももっとタッチをしてもらいたいという気がするのですけれども、結局今の法律では発生者が廃棄物を事業者に渡した、その渡す上において何らミスがなければ、あと事業者の責任のもとにもしトラブルがあった場合、その責任は全部事業者が負うものであって発生者までは責任は及ばない、こういう内容と理解していいわけですね。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) おっしゃるとおりでございます。この問題につきましては、昨年十月の原子力委員会の報告書にもはっきり記載されておりまして、安全確保の責任につきましてはこれを廃棄事業者に一元化するということが安全規制をより適切に行っていく上には必要であるという結論を出しているわけでございまして、発生者責任をどこまで追いかけるかという問題と、安全規制をどうやってやるのが最も適切な規制のやり方であるかという問題と、さらにあわせて今回原子力損害賠償法の一部改正もやっておるわけでございますが、万が一事故が起こった場合の地元住民の救済について現行法より今度の廃棄事業者に責任を集中させた方がいいかという問題については、非常に長期間にわたりまして重点的に検討が行われた結果の結論でございます。  結論といたしましては、廃掃法と同じ仕組みにするべきである、すなわち廃掃法におきましては発生者の責任というものを、事業者は「自ら処理しなければならない」と書いてありますが、その「自ら処理しなければならない」の自ら処理するということはどういうことかというと、自分で処分をする場合には自分できちっとやる、廃棄事業者に処分を頼む場合にはきちっとした廃棄業者を選びなさい、お渡しするときにはどういうものであるかということを正しくお伝えしなさい、ここまでが発生者のいわゆる処理というものでございまして、このことは廃掃法の十九条の二という規定を見てみますと、よりはっきりしてくるわけでございます。  十九条の二に「措置命令」というのがございまして、もしその廃棄物によりまして公害が発生するおそれがあるというような場合には、都道府県知事等は当該処分を行った者に対して改善命令を出すことができる、こういうことになっておりまして、「当該処分を行つた者」というのは、発生者が自分でやった場合には発生者、それから法律によって正当に廃棄業者に委託をした場合にはその廃棄業者を「当該処分を行つた者」として措置命令をかける、こういうことを書いているわけでございまして、こういう仕組みにつきましては、私どもの原子炉等規制法におきましても、例えば原子炉設置者に対する規制として第三十六条という規定がございまして、この規定によりましてほぼ同様なやり方をもって規制しておるわけでございまして、こういう点から私ども大体廃掃法と同じやり方での規制をやっておる。しかも、それについては、責任問題については原子力委員会で十分その辺も勘案しながら検討した結果を尊重してやっているということでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 現在はこの新しくできる、一部既にできている会社ですけれども、これは電力会社が出資者にかなりの、七割ぐらいですか、私細かくはまだ聞いておりませんが、半分以上は電力会社が出資者になっておる。そういう意味ではある種の電力会社の責任は及んではいるわけですが、これは将来この電力会社の出資というものは義務づけられておるのか、ある時期においてこの株をほかの第三者に売っても差し支えないものなのかどうか。というのは、この事業は十年、二十年、三十年の問題でなしに、さらに五十年、百年となっちゃうと思うのですけれども、そういうことは政策的にできないということはあっても、法律的にはどうなっておるんでしょうか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 法律的には株を売買していけないとかいう規制は少なくとも現在までの法律ではないと思いますが、行政指導でいきまして、原子力委員会の決定にもありますように、この事業といいますか、処理処分が確実に適切に行われるよう発生者は支援をしていくべきだ、こういう考え方が示されておるわけでございまして、その原子力委員会の決定というものは一つの行政の指針でございますから、私どももその線に沿って指導するということになりますし、電気事業者もこの法案の提出に当たりましては廃棄業者に対する適切な支援を行っていくということを自分た ちの責任と考えておるということを明言していることでもございますので、そういう意味で、少なくとも株を売って自分たちがその会社の運営に発言できないような、そういう立場になることはないと考えておりますし、私たちもそのような指導はするつもりは全くございません。指導するつもりはないと言うとちょっと誤解を受けるといけませんので、私どもはそういうことのないように指導をしてまいる所存でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 この点は我々も非常に心配な点もあるわけで、しかしじゃこれを法律に明記して株を売っちゃいかぬとか、そういうようなこともなかなか難しいことだと思うんですが、この趣旨をぜひ将来ともにやはり守っていただきたい。  それから最終的にはこの会社に対する政府の責任というのはどうなりますか。新しくできる事業者に対する政府の責任ですね、これは当然この会社がやはり認可を受けるというのは、総理大臣がこれを申請によって認可するわけですから、だから電力会社がどうあろうとも最終的にはやはり政府がその会社の運営については責任を持たなければいけないんじゃないか、僕はこれがこの法律の体系ではないかと思うんですが、その点はどうお考えですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) この廃棄事業者はやはり一民間企業、株式会社でございますので、法律的に会社の運営について政府が責任を持つということにはちょっと難しかろうと思いますけれども、ただ、先ほど申し上げましたように、発生者責任ということで原子力政策の中できちっと位置づける、そして今後も政府の政策方針としてこういったものについて、電気事業者が十分に将来ともにわたって支援をしていくということ、その方針をもって今後の行政指導に当たるということであろうかと思うわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 しかしこの法律には、何条でしたか忘れましたが、ともかくこの法律に基づいて事業者が申請をする、そういうときにこの仕事を遂行するに足る技術的な能力、それから経理的な能力というものを基準に基づいて内閣総理大臣が審査をして許可するわけですから、やっぱりこの会社は絶対につぶれては困るわけですわね。未来、将来にわたってもそのようにならないように監督してもらわないと、最初出発するときは経理的な基礎、技術的な基礎は電力会社が株主であれば心配はないと思うんですけれども、これは認可のときだけオーケーではなしに、将来にわたっても政府が責任を持って指導してもらわないと、今の原子力安全局長のような答弁ではちょっと私は法律の趣旨にも反すると思うので、その点はどうなんですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 廃棄物処理事業が今先生御指摘のように立ち行かなくなって一番困るのはだれかということでございますが、これは電気事業が原子力発電をここ二十年ぐらいやってやめてしまうという話になるとあるいはそういうような仮説的な話があるのかもしれませんが、原子力発電というものを続けていく限り、廃棄物処理事業、廃棄物処理の面においてもしおかしなことになれば、これはもう電気事業自身の問題であるわけでございまして、電気事業者がその廃棄物の処理を人任せにしてその会社が野たれ死にするというようなことは、まず私はそういうようなことをするとは考えておりませんけれども、そのような事態にならないよう政府が責任を持って指導していかなければならない。そういうことに立ち行ったらどうするかというよりも、立ち行かないように事前にいろいろな手を打っていく必要があろうかと考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 今、五十一条の三には「許可の基準」として、内閣総理大臣は申請があった場合には次に該当している場合でないと許可をしてはいかぬ、それは、その一に「その許可をすることによって原子力の開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。」、二番目に「その事業を適確に遂行するに足りる技術的能力及び経理的基礎があること。」、三に「廃棄物埋設施設又は廃棄物管理施設の位置、構造及び設備が核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物による災害の防止上支障がないものであること。」という、最初の許可の基準はそうなるわけですが、これは最初だけで、後は定期的に、こういう条件も変わる場合があると思うんですけれども、そういう場合に関与できる道はあるんでしょうか、この点はどうなんでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) おっしゃるとおり、認可の段階では計画的遂行並びに経理的基礎についての審査を厳重に行ってまいりたいと思います。それによりまして、この会社が将来にわたって十分経理的にも安定して経営できるかどうか、要するに廃棄物埋設のときに料金をもらうわけでございますから、そういったシステムが十分に将来的にもペイできるような体系であるかどうかということも含めて十分審査してまいりたいと思っておるわけでございますが、将来につきましては、認可以降の時点に関しましては、その後の諸種の保安規定の認可であるとかあるいは立入検査その他によりましてそういう実態については見守ってまいりたいと思いますけれども、具体的に会社が傾きかけたというような場合にどうするかという問題につきましては、これは政策の問題であろうというふうに考えております。したがいまして、この点につきましては、原子力委員会の決定を基本政策といたしまして、今後そういう事態が発生した場合には政府としても十分な対応を政策として行っていく、こういう方針でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 すべてのことを法律で決めるということはできないことですし、どんな立派な法律があってもその運用が悪ければうまくいかないと思いますし、そういう意味では私たちが心配する点は、原子力委員会の決定にあるわけですから、政府としてこの原子力委員会の決定がそのとおり実行されるように今後とも責任を持って、科学技術庁あるいは内閣の責任のもとにおいてやっていただきたい、このことを強く要望したいわけですが、その点についての長官の決意を伺っておきます。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○国務大臣(河野洋平君) エネルギー政策と申しましょうか、原子力政策の根幹をなす問題でございますから、私どもは、今先生いろいろお述べをいただきましたけれども、この問題を上手に指導するということと同時に、この法案検討に当たって常に考えてまいりました廃棄物の処理処分が適切にあるいは確実に行われるということのために全力を尽くさなければならぬというふうに思っております。科学技術庁は科学技術庁の立場で適切な指導を行うべく努力をしてまいります。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それから高レベルの廃棄物につきましては、今回は廃棄物管理をするという業者が決められておるわけでありますが、しかし廃棄物の管理のみならず処理業者も必要ではないか。永久にやはり管理業者のみでいくのか、あるいは高レベル廃棄物を処理する者も私は将来必要になってくるんじゃないかと思いますが、その点はどこにやらせるんですか。それはいつ決めるんでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 今回の法律改正におきましては高レベルの本格処分についてまでの手当てをしておりません。これは、原子力委員会の先般の廃棄物に関する決定におきましても、高レベルの廃棄物については国の責任においてやる、それの進め方については今後原子力委員会で検討をしていくということが決定されているわけでございまして、その線に従って今後原子力委員会で精力的に検討が進められることになると思います。その結果、今後の管理体制、国の責任というものをどういうふうな形で管理体制を具体化していくかという問題が漸次固まってまいりました段階で私ども法律の改正ということを考えてみたいというのが、私どもの今回の法律立案についての基本的な考え方でございまして、それまでの間は、この法律の運用によりまして高レベルの本格処分についてはこれをやらせないという方針でまいりたいと思っております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 そうすると、高レベルの廃棄物につきましてはいわゆる廃棄物管理をする業者が決 められ、また一方ではそういう試験が北海道でも行われているわけですが、最終的には高レベルの廃棄をする者は政府である。そうすると、政府のどこでやるのかというのはいつごろ決める予定なんですか。大体いつごろになりそうなんですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 高レベル廃棄物につきましては、現在動燃事業団の再処理工場から出るものと、それから返還廃棄物という形で返ってまいるわけでございまして、この返還廃棄物については下北に予定されております再処理工場を建設する原燃サービスが保管管理するという格好になるわけでございまして、その間はしたがいまして管理としては原燃サービスと動燃という二つのものがあるわけでございます。それを三十年ないし五十年先にいわば最終処分、我々は深地層処分ということを計画しておるわけでございますが、その処分主体をどこにするかということにつきましては、この前の原子力委員会の専門部会での討議でも、国の関係する事業体がやるならば動燃事業団がやったらいいじゃないかという考え方も出たわけでございますが、その点につきましては最終処分の体制について政府の責任においてはっきりさせなければいけないわけでございますが、まだ事業主体を具体的にどこと明示してやるには時期尚早ではないかという意見が強うございまして、そういったようなことも踏まえて、この間の原子力委員会の専門部会ではその主体について決めませんで、その報告書の中で「主体については、開発プロジェクトとの連続性の確保にも配慮しつつ、開発プロジェクトの今後の進展状況を見極めた上で、適切な時期に具体的に決定するものとする。」、こういう形になっております。  現段階では、最終処分地をまさにどこへするかということを決めるにつきましても、今後十年間にわたりましていろいろな候補地を選定してそこで調査をしていくということでもございますので、その調査の進展、候補地の煮詰まりぐあい、そういったところも勘案しつつ実施主体をどこにするか具体的に決めていきたい、かように考えておるわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 今回の法案で事業者ができても、それだけでトイレなきマンションにこたえるトイレとしてはいまだ完全とは言えないわけで、最終的にはそういう高レベルの廃棄物を未来にわたってどのように処理していくかという技術が確立されなければいけないと思うのでありますが、これについては政府においても努力をされておる。世界的にはガラス固化法が主力のように聞いておるわけですが、オーストラリアではシンロック法ですか、こういうもので我が国の原子力委員会もオーストラリアに協力をしてそういう方面も研究しているように聞いておるわけですが、こういう技術は本当に確立されておるのかどうか。というのは、非常に長い、本当に何十年、何百年あるいはもっとそれ以上の長い期間においてそういうガラスというものが風化しないのかどうかという、こういう問題になってくるとこれは非常に難しい問題であって、私たちもやっぱり将来に対してまで責任を持たなければいけないと思うんですけれども、そういうような技術の確立というのは今どの程度までいっておるのか、見通し等はどうなんでしょうか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 先生御指摘のように、高レベル廃棄物の最終的な処分のために、その形態といたしまして現在ガラス固化技術というのが世界的に開発が進められ、もう既にフランス等においては実用に供されておるということでございます。この技術につきましては、最終的な地層処分との関連においてよりよい技術が出てくれば地層処分の方法が楽になる、こういったようなこととの関連におきまして技術というものはどんどんいい技術を生み出していくということは必要でございます。  そういう意味で、シンロックの技術につきましても、日本としてもオーストラリアと協力して取り組んでおるわけでございます。現在既にガラス固化技術につきましても、一応最終処分するにつきましては十分な適合する技術であるという認識が国際的にも確立されておるところでございます。このガラスにつきましては、多種類の元素を均一に溶かし込んで内部に封じ込めることができるという特性を有しておりますし、過去のいろいろな遺跡からもガラス製品が発見されておることでもわかりますように、長期間にわたって非常に安定な物質でございます。それから過去人類がガラスの製造技術というものにつきましては非常に長い歴史を有して、技術的にも完熟度が高いというようなことから、この高レベル放射性廃棄物の固化に使うのに非常に最適なものではないかということで、各国ともこの技術の開発を進めてまいりました。  ガラスと申しましても材料はいろいろあるわけでございますが、化学的にも非常に安定性にすぐれた硼珪酸ガラスというものが世界的にも使われておるわけでございます。この硼珪酸ガラスというのは、いわゆる試験管とかビーカーとか化学実験、いろんなものに使われるように、非常に薬品にも強い安定したガラスであるわけでございます。ガラス固化技術につきましては、既に国内的には動燃事業団を中心にして研究開発を進めてまいりまして、いわゆる放射性のものがない状態での模擬固体、これは成分は全く同じでございますが、そういったものでは実物大での実験も全部済みまして、実際の廃液を使ったもので現在最終的な確認作業をやっておるところでございますし、安全性の点、例えば放射線に対するガラスの変化がどうなるかというような影響等につきましての安全性の面については原子力研究所でやっておるところでございまして、動燃事業団におきまして近くガラス固化のためのプラントも建設する予定にいたしております。  一番進んでおりますフランスでは、我が国の場合と異なりまして、異なるというのは加熱方法が異なるだけでございまして、ガラスの内容とかそういったものは同じでございますが、そういったものをマルクールの再処理工場において既に実用いたしておりまして、一九七八年以来既に約千二百本のガラス固化体が製造された実績がございますし、こういったものを踏まえて、現在ラアーグに建設中の再処理工場におきまして大型のガラス固化プラントを建設中でございます。それからこの技術は英国にも導入されまして、英国でもこの技術を用いたセラフィールドの再処理工場、大型の工場を今建設中でございますが、これにも同種のものをつくる予定でございます。また、西ドイツでは我が国と同じような加熱の方法でやっておりまして、これはベルギーと共同で開発いたしております。既にこの方式によりますがラス固化プラントがベルギーのモルにございます再処理工場において建設され、昨年十月からホットの運転に入っている、そういうような状況でございまして、世界的にも技術的に確立されている状況にあるわけでございます。  一方、シンロック固化法につきましては、チタンとかジルコニウムというような酸化粉末と高レベル廃液を仮焼きしまして、仮焼といいますが、仮焼した粉末のものを一緒に混ぜまして高温で圧縮焼結する、いわば人工的な岩石をつくってしまおう、こういう種類の技術でございまして、固化体の浸出率とか長期的安定性という面にすぐれている性質があるわけでございますが、一方では結晶質ということになるわけでございますので、それを構成する核種の組成が変動した場合に安定性があるかどうかというような難しい問題もございまして、現在基礎的な研究の段階にあるわけでございます。我が国の原子力研究所とオーストラリアの原子力委員会の研究所との間で基礎的な研究を進めているところでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 ただ、この安全性は、十年とか二十年とか三十年というのは、それだけ時間がたてば結果はわかると思うんですけれども、じゃそれより百年先、将来のことはどうなるんだ、こう言われると、我々もどうなのかなというそういう気がするんですけれども、その点はどのようにお考えなんでしょうか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 今のガラスの安定性に つきましては、いろいろな遺跡から発掘されておりますがラス製品等の例から言いましても、相当長期に安定したものであるということはおわかりいただけるかと思いますが、例えば安全性の点で一番問題になりますのが、そうやっても高レベルの放射線が入っているんだから、その放射線が当たったためにガラスが変質してしまうんじゃないかというようなことをよく言われる方もあるわけでございますが、これは幸い加速試験という方法がございまして、実際に含まれる放射性の物よりもさらに強い放射線の物質を入れまして加速試験をするということができますので、これで原研で実験しておりますが、既に一万年相当分の間は大丈夫であるというようなデータが得られておりまして、非常に安定したものでございます。  それからこれは最終的に地層処分するときはガラス固化体だけで閉じ込めるということでなくて、ガラス固化体から万一水に漏れ出たものが再び人間界に帰ってこないように、そのガラス固化体の周辺にさらに補強的な人工的なバリアを設ける、さらにはその周りがいわば岩石とか自然の土壌その他によるいわゆる自然のバリア、そういったものによって再び人間界に戻らないようにしよう、こういうことでございますので、ガラス固化体だけですべて足りるのでどんなところにも埋めていい、こういうようなものと我々は考えておりませんで、人工バリアとか自然バリアとか、そういったものを考えて適当なところに地層深く埋設する。そういうことによって再び放射能が人間界に戻ってこないように、人間の生活圏に戻ってこないように、そういうような処置を施すということを考えておるわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 そういう点はひとつ技術の確立に努力をして、この成果をまた国会にもいろいろ報告をしていただきたい、このことを要望しておきます。  それでは二、三法案の内容についてお尋ねをしたいと思います。  「廃棄物埋設に関する確認」というのが五十一条の六にございますが、これは廃棄物の埋設施設あるいは廃棄物埋設施設に入れる核燃料物質、そういうもの及びこれに対する保安の措置が総理府令で定める基準に適合しているかどうかということを、総理府令で定めるところにより総理大臣の確認を受けなければならないという、そしてまずこの総理府令で定める技術上の基準あるいは総理府令で定める総理大臣の確認というのは具体的にはどういうことを考えているのか。これは総理府令ですから今後できるんじゃないかと思うんですけれども、考え方。それともう一つは、これを総理にかわってこの確認を行うものをつくる、こういうのがたしかあったわけでありますが、これはどういう機関、どういう法人を考えているのか、これをお尋ねいたします。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 今度の改正案の五十一条の六第一項に定めます総理府令、これは廃棄物埋設施設及びこれに関する保安のための措置についての技術上の基準を定めるというものでございます。具体的には、埋設の用に供しまするコンクリートピット、これの材質であるとか構造であるとか、強度等についての技術基準を設けること。それから周辺の放射能の漏出がないかどうかということについてモニタリングをすることにするわけでございますが、こういったモニタリング機器の性能であるとか配置であるとか、そういうようなものについての基準を定めること。それからもう一つは、地下水とか雨水等がこのコンクリートピット内に流入するということは困るわけでございますからして、こういうものが流入しないような構造をどういうふうにしていくかというようなことについての技術的な基準を定めようというものでございます。  それから法案の五十一条の六の第二項の総理府令でございますけれども、これは埋設しようとする廃棄物及びこれに関しまする保安のための措置についての技術上の基準を定めようというものでございます。具体的には、廃棄物を収納する容器の健全性をどういうふうにしたらいいか、それから固形化のやり方についてのリスク、さらには廃棄体の放射能濃度、これは先ほどから議論がありました政令によって定めるわけでございますけれども、それがこの総理府令によりまして同じことが規定されるわけでございますが、廃棄体の放射能濃度、それから廃棄体の表面の放射線の線量率あるいは表面の汚染の密度、こういったものが一定の基準以下でなければならない。さらには廃棄体に対する標識、表示、こういったものについての基準を定めるわけでございます。  そうして、これにつきましてはこの規定によりまして確認をやるわけでございますが、この確認につきましては、確認の代行機関にやらせることができるというふうにしているわけでございます。この代行機関につきましては、改正法六十一条の二十六の規定によるわけでございますけれども、指定機関の指定の基準の一つといたしまして民法第三十四条の規定により設立された法人であることということを求めているわけでございます。したがいまして、このための指定機関となり得ますのは公益法人だけでございまして、いわゆる営利法人は指定機関にはしないという考え方でございます。具体的に私どもこれは申請によって指定するわけでございますので、どういうことができてくるかという問題はあるわけでございますけれども、私ども念頭に置いておりますのは、この法律のほかにもう一つ放射線障害防止法がございますが、この放射線障害防止法に基づく指定検査機関でございます財団法人放射線安全技術センターというのがございますが、これがこの規定に基づく指定機関となるべく準備作業を進めているという状況でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 今度の法案で溶接の検査をいろいろ公益法人にやらせる、これはやはり溶接箇所も非常に数が多いし、日本のそういう検査技術も非常に高いということで、これを民間に移行するというのもやむを得ないんじゃないか、このように私たちも思っているわけですが、例えばこれから始めようとする廃棄物のそういう確認まで最初からもうそういう公益法人に任せてしまうというのはどうなのか、こういう問題はこれも総理府令で定めるところにより指定をするということで、よく内容がわからないわけです。そういう点はなぜ政府はそういうところに任せるのか、そして任せた相手はそういう技術的な面において心配がないのかどうか、その点はどうなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 廃棄の確認につきまして全部これを代行させるという考え方ではございませんで、私ども代行を認めるのは、廃棄体が埋設に適したものであるかどうかということの確認についてだけ代行機関を認めるという考え方でございまして、これの確認は実際は各発電所からこれが発送されるときに行われるということになるわけでございますけれども、これを青森県六ケ所村で受け入れる、受け入れたときに実際に埋設されるところの確認につきましては、これは国の確認官が確認を行うということで、まあいわば一つのダブルチェック的なことをやろうという考え方でございます。  廃棄体の確認がなぜ代行させても大丈夫なのかということにつきましては、これらの確認のうち廃棄体の確認は比較的作業が定型的で手法も確立されているということから、専門的な技術能力があれば余りいろいろな行政的な判断等を加えた上での行政処分をする必要のない部分でございますので、これは代行機関によって行わせましても十分に確認の公正を期すことができる比較的単純な物理的な作業であるというふうに理解しているわけでございます。もちろんこの代行機関が十分な技術的能力がなければできないわけでございますので、この機関に対しましては幾つかの監督規定を設けているわけでございます。検査等の代行についてはほかのたくさんの法律があるわけで、代行機関に対する監督規定も種々ございますけれども、これにつきましては、今回の法案では大体各法律の一番厳しいところを選んだというような格好になっております。機関に対しても所定の基準を決めておりますし、役員等につきましても大臣 の認可にかかわらしめる、さらには確認員の任命につきましてもこれを政府の認可にかかわらしめるというような形で十分な確認能力のある機関に行わせるということにいたしておりますし、この指定確認機関に仕事をやらせます間につきましても、所要の厳しい監督規定を設けまして厳しく監督をしていくという方針で万全を期してまいりたい、かように考えているわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 溶接の検査をやる法人にいたしましてもこういう確認にいたしましても、運用を誤らないように要望をいたしておきます。  それから第五十一条の二の「事業の許可」、この許可に当たって申請書を提出する中に、「放射能の減衰に応じた廃棄物埋設についての保安のために講ずべき措置の変更予定時期」、これは私の理解するところでは、放射能の管理と申しますか、一、二、三、四と段階を分けてやる、こういうようなのが原子力委員会あるいは安全委員会の報告書に載っておるわけでありますが、そういうような意味であるのか。これは結局廃棄の場合と管理の場合、管理の場合はなかなかゼロにはならないんじゃないかと思うんですけれども、その管理の場合はどういうようになるんですか、これをお尋ねします。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 埋設の場合と管理の場合は考え方を全く異にしております。埋設のときにつきましては、先生御指摘のように、最終的には長期年月の後放射能が減衰して無拘束限界値まで低くなるということを予定されるような低レベルの廃棄物でございますからして、先生御指摘のように放射能の減衰に応じてその管理も漸次低減をしていくという考え方が原子力安全委員会で打ち出されまして、実際に当初予定しているところから放射能の減衰状況というのは物理的に計算できるわけでございますからして、一定の予定期間の後にはどのぐらいに減る、その場合には次の第一段階から第二段階に移れるという時期が予想されますので、申請書にその予定時期を記載させるわけでございます。そしてこのときにやはり確認をいたします。これは政府の方で確認をいたします。  それはそういうふうに段階を――失礼いたしました。確認ではございませんで、そのときには保安規定の改正を行うことになりますので、改正にかかわる認可をいたしまして行政上の介入をするわけでございますけれども、その際に、当初安全審査の際に予定していましたような地質的な条件あるいは社会的な条件が当初の予定と相当大きな食い違いがあるかないかということについて十分な検討を行うわけでございます。相当長期間のものでございますからして、安全審査をやっている段階には地盤がしっかりしていても、将来地震が起こるとかなんとかで非常に地下水位に変動が起こるとか、そういうこともあるいはあるかもしれないということでございますので、段階移行のときにはその保安規定改正、その認可の時期をとらえましてそういう状況についてのチェックを行うということを考えておりますので、そういったことも含めまして申請書にその予定時期を記載させるという方式をとるわけでございます。  ところが管理の事業の方になりますと、この対象物は、先ほどから申し上げましたように、レベルの高いものでございまして、高レベル廃棄物あるいはTRU廃棄物のように非常に半減期が長いので、管理を予定しています三十年あるいは五十年という期間の間には放射能の減衰ということを望むことはできない、そういうものでございます。したがいまして、これにつきましては管理の方法の変更はずっといたしませんで、管理施設周辺の施設については再処理工場あるいは原子炉施設と同じように毎年定期検査を行う、そうすることによって施設をきちっと維持させる、それによって放射能の閉じ込めを十分に行う、こういう考え方でやりますので、名前としても管理の事業という名前にいたしたわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それから五十一条の十の「定期検査」で、「特定廃棄物管理施設のうち政令で定めるものの性能について、一年以上であって総理府令で定める期間ごとに内閣総理大臣が行う検査を受けなければならない。」という、これは一年、これはどうなんですか。いわゆるどういう施設が一年以上の政令で定める期間ごとに検査を受けるという、これは定期検査みたいなものですけれどもね、これはどうなんですか。大体もう一年なのか、一年以上になると十年も一年以上になるわけですが、その点はどうなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 高レベル廃棄物を保管する施設でございますので、原則的には、こういった放射能の閉じ込め関係に直接関係のあるようなものについては、再処理施設と同様毎年一回行うことにいたしたいと考えております。しかしながら、必ずしも管理施設の中にもそれほど厳密に定期検査を行う必要がないものもございますので、物によりましては二年に一回検査をするというものも出てまいります。例えばクレーンのようなものでございますが、こういったようなものについても、これは労働安全衛生法ですか、そちらの方でもクレーンの定期検査は二年ということになっておりますので、そういったものは二年にいたしたい、かように考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それから五十一条の十三では廃棄事業者について相続の規定が書いてあるわけでありますが、この相続というのは、このような会社の場合には相続ということが必要なのかどうか。我々はもう余り変なのに相続されたら困るわけですしね、この点はどうなんでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) これは特段の意図があるわけではございませんし、個人に相続があるということは予定しているわけではございませんけれども、原子炉等につきましても同様の相続に関する規定がございまして、この点は原子炉に関する規制と同じ規定を持ってきたということでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 では最後に、五十九条の二の運搬に関する確認の中で、公安委員会に届け出て「交付を受けなければならない」、こういうのは今までは届け出だけでやったわけですけれども、これを交付を受けなければならないようにした理由は何でしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) これは警察庁の御要望によりまして入れたわけでございます。こういったような物の運搬をいたします場合に、公安当局、警察といたしましても諸般の規制をやる必要がある、かかる観点から従来は届け出であったわけでございますが、この届け出た際に証明書を出しましてその後の規制の便に供したいということからこのような規定を入れたわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 今回の法案において廃棄物管理の事業が新しく規定をされています。これは一般に高レベル放射性廃棄物を対象とするものと説明をされていますが、これは使用済み核燃料の管理も対象とするものでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 今回の法改正によって創設しようといたしまする廃棄物の管理は、廃棄物とされた核燃料物質また核燃料物質によって汚染された物の管理または処理というものでございまして、使用済み燃料を廃棄しようとして管理するのでない限り廃棄物の管理には当たらないというふうに考えておるわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 この法律上の対象となるかどうかは別として、政策上、使用済み燃料のままでの管理廃棄ということは考えているのでしょうか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 我が国の原子力政策の基本といたしまして、核燃料サイクルというものを確立するということで、この中には当然のことながら使用済み燃料を再処理いたしまして燃え残りのウランとか新しく発生したプルトニウムを再利用する、これが資源小国としての我が国の原子力政策の基本であるということでございまして、この考え方は今全く変わっておりませんので、使用済み燃料そのものを廃棄してしまうという考え方は持っておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 そうしますと、結局この管理の事業を今回の法律で創設をするということは、再処理事業ないし再処理海外委託、これを今後大いに推進するというそういう政策路線を前提としたも のだと理解していいわけですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 今回の改正は、現実に問題となっております廃棄物の処理処分、それに対する安全体制というものをどうするかという観点から今回の改正に踏み切ったわけでございまして、我々は使用済み燃料の再処理をしてプルトニウムを再利用するという考え方にいささかも変わりありませんが、今回の法改正がそういうものを積極的に推進していくというような政策的意図のものに改正したとか、そういうたぐいのものではございません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 しかし、今回の立法の前提として、再処理という事業は民間の商業ベースに乗る、その程度にまで今日技術が確立をしてきているという、こういう理解が前提といいますか基礎というか、なっているということですね。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 再処理事業を民間において行うということにつきましては、五十四年の規制法の改正におきまして、それまでいわゆる再処理事業につきましては動燃事業団と原子力研究所ということになっていたわけでございますが、これを民間にも行わしめたということでございまして、そのとき以来いろいろな準備も進めてきておるわけでございますが、既に再処理の技術につきましては一番進んでおりますフランスにおきまして過去の二十年来の実績もございますし、ラアーグに大型の工場を建設中でもございます。イギリスにおいても大型の工場を建設中でもございます。西独におきましても新しい再処理工場を建設計画中と、こういうことで、国際的に見ましても再処理技術が実用の域に達しているというものと私どもは認識しておる次第でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いろいろ外国の技術のことを挙げられましたけれども、この再処理の問題については、我が国の自前の技術で再処理事業を民間ベースに乗せるという、そういう技術的水準に到達をしているという考え方ですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 我が国の技術だけで今すぐ大型の再処理工場ができるかということにつきましては、いろいろな設計技術の問題とかございますが、動燃事業団におきます東海再処理工場の長年にわたる経験によりまして、いろいろトラブルがございましたが、それを随時克服して今日、昨年などは七十トンを超える稼働をいたしたわけでございまして、こういった経験を生かして、例えば外国の技術につきましても十分なチェック能力もできております。そういったことで、我が国として再処理工場を今後大型のものをつくっていくということにつきましては、世界におきます最先端の技術をいろいろ調査いたしまして、我が国の技術と国際的な技術、そういったものを総合的に調査して、その中から最良のものを採用していこう、こういう考え方でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 先ほど来の答弁は、この第二再処理工場、これを動燃等で開発中の我が国の技術到達度、それは当然生かすわけだけれども、それに加えて海外の技術導入、こういうのも大いに参考にしていくんだ、こういうことかと思うのでありますけれども、一方、この第二再処理工場については自主的な再処理技術確立の重要なステップとするというふうに位置づけた例の昭和五十七年の長期計画、この趣旨、あるいはまた昭和五十四年の原子炉等規制法一部改正案、あの際の国会の附帯決議、このものと合致してない、反するんじゃないですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 動燃の再処理工場につきましては、自主技術の開発ということで我が国における再処理技術の蓄積、経験を得るということで始められたものでございまして、これまでの経験というものは今後の民間の再処理工場にも大いに反映していくわけでございます。    〔委員長退席、理事志村哲良君着席〕  国会決議との関連におきましては、再処理工場の建設及び運転のための自主技術を開発し、動力炉・核燃料開発事業団において蓄積された技術と経験を十分活用することということで、その活用の仕方につきましては、現に動燃事業団、日本原燃サービスとの間では逐次技術協力がなされておりまして、五十七年の六月に技術協力基本協定を締結いたしまして、その傘のもとで六十年二月には技術協力の実施に関する協定を結び、具体的には再処理施設の主工程の設計の基本構想に関する調査あるいは使用済み燃料の受け入れ、貯蔵施設設計等に対するコンサルティング、それからウラン及びプルトニウム転換貯蔵施設等に関する概念設計、溶媒抽出プロセスに関する共同調査等々の問題につきまして動燃の経験を生かしておるわけでございますし、それから研修員の受け入れとか、そういったような形で民間再処理工場の人材の養成にも貢献をしておるところでございます。  今、技術の選択につきましては、その経営的な責任を有します原燃サービスにおいて種々検討をしておるところでございまして、その技術の採用の仕方につきましては、原子力委員会の再処理懇談会の場におきましても、我が国の長期的な展望のもとに再処理技術はどう進むべきか、その中において民間再処理工場はどうあるべきか、こういったような議論もしておりまして、その中で動燃のこういった経験を生かしつつ国際的にも最良の技術を採用して進めていこうじゃないかということでコンセンサスが得られておるところであり、今後とも動燃事業団の経験を生かし、その技術の内容等につきましては自主的な判断をし、国内の技術を活用して再処理工場の建設を進めていく、こういうぐあいに考えておるわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 たくさん言われるわけですけれども、きょうさん言えばどれか当たるというわけじゃないんですからね。極めて限られた持ち時間ですからよく考えてもらいたいと思うんですけれども。  要するに、動燃でやっている開発された技術の到達度、これだけでは自信がないと。もちろん大いに開発に努めそれを生かしていくわけだけれども、外国の技術も参考とし、そこからも取り入れていかなくちゃならぬということですね。ところが、参考にし採用せざるを得ないという例えばフランスの技術、これの現状がどうなっているかということでありますが、この委員会でもたびたび出ている話ですから多くを申し上げる必要もないかと思いますが、最近私どもがいろいろ目につく幾つかのことを取り上げてみますと、フランスの原子力安全最高会議、通称カスタン委員会、ここの報告書が一九八二年から三年にかけて三回出されております。それの翻訳文が総評の「調査月報」昨年の七月号、ここにかなり詳しいのが出ておりますけれども、要するに即時再処理路線、これについていいのかどうかという疑問が再処理事業の先進国と言われるフランスにおいてさえ今日持ち上がってきていると。そこで、即時再処理、それから暫定貯蔵をする、使用済み燃料のまま再処理しない、こういう三つのオプションがこのカスタン委員会の中で報告をされているわけであります。フランスにおいてこういう姿だと。このカスタン報告は御存じですね。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) カスタン報告というものが出されておるということは承知いたしております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 次に、「原子力工業」昨年の十二月号、ここに動燃事業団の再処理部長という職にあります小泉忠義氏、この方が「転機を迎えた熱中性子炉燃料再処理」という表題で最近における再処理の国際的動向をまとめた論文を投稿されております。    〔理事志村哲良君退席、委員長着席〕  そこで小泉氏は、フランスの工場、これはHAOという軽水炉使用済み燃料の前処理施設をつけ加えたUP-2という工場、このUP-2、HAOと日本の動燃東海工場との実績や稼働率についての比較を行って、ほぼ同じ傾向だと総括的にまとめておられるわけであります。言ってみれば、フランスの再処理工場、再処理技術は進んでいると言われているけれども、結局トラブル続きの動燃東海工場と大差はないというのがこの論文の結論じゃないかというふうに私は受け取るわけです。  最近は実績も上がってきているということかも しれないけれども、そこには重大な見落としがあるわけでありまして、フランスの再処理工場の放射能環境放出許容基準、これはイギリスほどひどくないとしても、我が国の許容基準と比べたらけた違いにルーズだというのはこの前の委員会でも、安全局長の衆議院での御答弁にもあった。だから、もしも仮に東海工場の基準、日本のレベルの基準にしたら、先進国と言っておるフランスの運転実績なるものも実際は大幅にダウンをするという姿にあるんじゃないか。だから、フランスの国内においてはそこそこ商業用として稼働しているからといって、日本にその技術を持ってきて同じように通用をするというふうに見たら後で大変ほぞをかむということになるんじゃないか。だから、フランスの再処理技術は、現在の運転実績からいっても安全基準という点からいっても、商業用として日本に導入するに値するほどの技術ではないと、十分慎重に見ていく必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 現在いろいろ技術的な検討を進めておりまして、それはフランスのみならず、イギリス、西ドイツ、そういった国々の技術的な調査をしておりまして、フランスの技術に対する西ドイツの技術者の見解とイギリスの技術者の見解、いろいろそういう国際的な技術者の見解なども踏まえ、かつ、一番大事なのは我が国の動燃の再処理工場の経験でございますので、こういった経験豊かな動燃の技術者の意見も徴しながら、どういう技術を採用していったらいいかということについて原燃サービスの中で細かな技術的な分析が行われて、その結果としてのどういう技術を採用するかということが決まってくるわけでございまして、すべて、例えば今御指摘のUPI2のブラントをそのまま持ってくるということではもちろんないわけでございます。  環境への放出ということにつきましては、特にそういう国による事情の違いというものは十分認識しておるわけでございまして、その環境への放出についても日本、イギリス、そういったところの中で一番いい技術を採用していこうということでやっておるわけでございまして、UPI2の実績も最近は非常によくなっております。過去において、それは初期のころにいろいろトラブルがあったということは事実でございましょうが、しかもそのUPI2そのものの設計ということではなくて、その後の経験を反映した新しい設計、それからその後におけるいろいろの実物大の実験等も行って、フランスでも行っております、そういったような研究データ等も踏まえながらこの民間の再処理工場の設計というものを固めていこう、こういう状況にあるわけでございますので、私どもとして今先生御指摘のように不安を持っておるということではないわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 フランスの再処理技術に疑問を持つもう一つの証拠物でありますけれども、「原子力 その不安と希望」という表題で岸本康という人が書いている本でありますが、この人は科学ジャーナリストで現在日本原子力文化振興財団の常務理事という方でありますけれども、この人の書きおろしというよりは、この方がこの本の中で引用をされておる大事な事柄があります。  二百四十八ページから二百四十九ページにかけてですが、フランスの原子力技術開発の文字通り総元締めであったバンドリエ氏が、昨年の十月の十四日、フランスの原子力庁四十周年記念式典記念講演で「再処理は大きく進歩はするでしょうが、しかしこの先二十年以内は無理であると私は確信しております。現在のところ、速やかに再処理すべきだとする意見は弱く、世界で建設されるいくつかの新規再処理工場は、工場を建設する国が再処理技術を取得することを主目標とすることになるでしょう。」、つまり新規工場も実際には試験的な技術獲得のためのプラントにとどまらざるを得ないということを言っている。もういよいよこれで実用化路線大丈夫というふうに太鼓判が押せるようなそういう現在の段階ではないということであります。それで、なおそのバンドリエ氏、この人の続く言葉ですが、「いずれにせよ、使用済み燃料の大部分を長く貯蔵するような準備をしなければなりません」と述べているわけであります。  こういう事実、すなわち再処理技術が世界的にも確立したものだなどと全く言えない現実を無視して大型の商業用再処理工場を建設するなど進めるのは非常に危険な道じゃないか、安易な技術導入を既成事実化して事を進めるなど絶対に避けなくちゃならぬというふうに私は思うんですけれども、どうでしょうか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 再処理技術については今先生御指摘のようないろいろな慎重な御意見もあろうかと思いますが、私どもといたしましては、再処理技術によって我が国の国内に再処理工場を建設して核燃料サイクルを完結するということでの重要な一つのかなめであるわけでございまして、ここにおきましては我が国の動燃事業団の経験を生かし、我が国の技術陣の総力を結集して世界におきます最良の技術を選択して、ぜひとも円滑に運転できる再処理工場の建設をしてまいりたい、かように考えておるわけでございまして、今先生御指摘のようないろいろな人の御意見等につきましては慎重に耳を傾け、技術の選択、設計あるいは運転に慎重を期してまいりたい、さように考える次第でございます。  これは、主体的には経営責任を有する原燃サービスが最終的には判断し、決定していくわけでございますが、そのもとでの当然安全上の問題につきましては安全審査の段階できちっと安全審査をするわけでございまして、原燃サービスにつきましては私どももいろいろ途中経過等の情報も聴取することもございますし、十分そういった原子力委員会の先ほど申しました再処理懇談会での意見等も原燃サービス自身も承知しておりますので、そういった国策との整合性を保ちつつ最もよい再処理工場の建設を進めるよう私どもも指導してまいりたいと考えておるわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 これから大臣にだんだん質問が向きますので、ひとつ御注意して聞いておいていただきたいんですけれども、今までのところは再処理技術の現状、到達点、これが再処理事業というのを性急に商業ベースに乗せる、商業化をする、民間事業化をする、こういうやり方が後からしまったということで反省をしなくちゃならぬようなそういう今の技術の到達度じゃないかということをいろいろの例を挙げて申し上げました。  もう一つの問題は、急いで再処理を大規模に工場をどんどんつくってやっていくという需要の面から、果たしてそれほどせっぱ詰まった姿にあるのかという問題でありますが、その点で実は最近まで原子力委員を務められて現在は原子力委員会の参与ということになっておると思いますけれども、島村武久さん、これは「エネルギーフォーラム」という雑誌のことしのつい最近の五月号、この誌上で対談をやっている。その中で話されている事柄であります。再処理の需要というものを使用済み燃料の発生量で考えるのは誤りだと、いつどのくらい要るんだという観点から考えるべきだというふうに強調をしておられるのであります、この島村さん。  そこで、このプルトニウムの本格利用に結びつく高速増殖炉の実用化、これはいつごろを展望しているんですか。これをちょっとお聞きしたい。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 高速増殖炉の実用化時期につきましては、現在の原子力委員会の長期計画では二〇一〇年ごろと、こういうことにしておりますが、最近の動向では若干これが後送りになるような動向にございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 二〇一〇年、もう少し延びるだろう。それであればますます再処理を本当にそんなにせっかちに急ぐ必要があるのか。先ほど来言っています技術的な実情、もっと基礎的な研究にじっくり時間をかけて、スロー・アンド・ステディーでやっていくということこそが賢明な方向じゃないかという問題でありますから、とにかく今申しました原子力局長も務めた方です、あなた方の先輩になるのか知りませんけれども、その島村さ んが現在も原子力委員会の参与というそういう位置にある方が、したがって我が国の原子力政策の基本部分にタッチをしておられる方でありますけれども、現在の我が国の再処理政策の重要な点に疑念を提起しておられるということで、これはかなり注目をしなくちゃならぬ発言だというふうに私は見るんです。  この第二再処理工場について、八百トン・パー・年という大規模なものにスケールアップすることのそういう技術上の問題、あるいは外国からの技術導入に頼らざるを得ないという点、さらには需要の面から見て再処理をそれほど大規模な事業として急ぐ必要があるのかという点、いろんな点から見て疑問をこの島村さんは投げかけられておるわけですけれども、河野長官、原子力委員長としてこういう発言が出ているということを御存じでしょうか。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○国務大臣(河野洋平君) 雑誌の対談があったということを先生の質問の通告で承知をいたしております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 多少お読みいただいたかと思いますけれども、どのようにお感じになりますか、この発言。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○国務大臣(河野洋平君) 雑誌の中身はまだ十分読んでおりませんが、コピーを手にしてざあっと斜めに目を通した程度で、中身について感想を述べるほど熟読いたしておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 ぜひひとつよく読んでいただきたいと思うんです。  そしてこの島村さんの言われているのは、疑問点を整理してそれをもとにして再処理の政策はいかにあるべきかという点で島村私案というものをつくって、それを当時の原子力委員会の各委員に提示をした、おおむね賛同を得たと、こう書いてある。こうなりますと、一体今どんどん進められようとしておる方針、路線、これとの関連はどうなるのかという疑問を持たざるを得ないわけですね。  そこで、こういうかなり重要な提起でありますので、ひとつこの問題は、いろいろな角度から言いましたけれども、今回の法案で核燃料廃棄物の管理の事業というものを制度的に新たに起こすというこの法案、このことが、今の時期そこまで法律でいよいよ前面に出るというこのことの可否を判断するのに非常に重要な一つの私は素材だと思うんです。こうした点で本法案の審議と深いかかわりを持ちますので、とにかく原子力局長、原子力委員をやったというこういう人の発言でありますので、そこで島村私案なるものを配ったというのでありますから、ひとつ科学技術庁は島村私案なるものを当委員会に資料として提出をいただきたい。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 先生のペーパーにおけるいろいろな御発言は、かなり島村原子力委員一人の、思い込みというとちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういう感じのところも多々見られますし、誤解といいますか事実誤認的な発言も多々あるわけでございます。先生がいろいろ再処理問題について御意見をお持ちだったということは前からそういうことでございますが、そういった御意見は原子力委員会の中でも、逆にいっていろいろ議論されて、原子力委員会の中で非常にそういうような議論も踏まえながら方針が決定されているということで、民主的に運営されておるわけでございますが、ただいまの島村ペーパーを先生に配ったというのは、委員会の席上で配ったとかなんとかいうことでは少なくとも私ども承知しておりませんので、それは私的にされたのかどうか私どもは島村私案なるものを承知しておりませんので、この委員会に配るというような公的なものとは私ども考えておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 この席でそんなものが公的に配られたとは承知していないというふうにおっしゃっても、私は少なくとも相当の部数が出ているこういう雑誌に、現原子力委員会顧問、かつては原子力委員、原子力局長というこういう肩書の人が書く、対談が記事になっているということですけれども、ということで、局長のそういう答弁でああさようかということで簡単に引き下がるわけにはいかぬわけです。  ですから、何もこれで重箱をつついてどうこうと、そういうことじゃないんですけれども、今回の法案のこの管理の事業をいよいよ打ち出すということの可否の問題を判断する重要な素材になりますので、昔のことですから、もう一遍よく記録を調べてもらってということで、委員長にも要望しておきたいと思いますけれども、これは一つの重要な素材になりますので、ひとつ委員長としてもしかるべき扱いの御配慮を、当局に対する御指導、勧告をお願いしたいということであります。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 原子力委員会の事務局といたしまして、そのような資料を原子力委員会の席上でお配りしたことはございませんので、公的な資料でないものを御提出するというわけにはまいりません。もしあるとしても、私どもそもそもそういうものがあるということを承知してはおりませんし、あるとしてもそういう公的なものでないのを私どもからお出しするというわけにはまいりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 そのように言われても、少なくともこういう肩書の方がここまで書かれている、雑誌に相当数出ておる雑誌ですよ、これは。書かれておる。とにかく昔のことですからもう一遍よく調べてみると、余りここで力んで頑張らぬともう一遍よく調べてみるということも含めて、ひとつ委員長からのしかるべき配慮をお願いします。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 元島村委員にどういうものかお尋ねしてみたいと思います。

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) 佐藤君、時間が来ております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 本日は終わります。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 発電用原子炉の炉型の開発計画についてまずお尋ねをいたします。  炉型開発計画については、原子力委員会では昭和五十七年に策定した原子力開発利用長期計画において将来の原子力発電の主流となる高速増殖炉、FBRの実用化目標を二〇一〇年ごろとしております。それまでのつなぎ役として新型転換炉、ATRの開発と軽水炉によるプルトニウム利用、技術開発を一九九〇年代中ごろまでに行うこととしております。通産省総合エネルギー調査会原子力部会では、昭和六十一年三月にまとめた軽水炉技術高度化計画において、高速増殖炉までのつなぎ役として次世代型軽水炉の開発を二〇〇五年ごろまでに行うこととしておりますが、これらの炉型開発計画について科学技術庁及び通産省のそれぞれの基本的な考え方はどういうものなのか、また両者の整合性についてどのように考えているのか、まずお尋ねをいたします。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○政府委員(中村守孝君) 高速増殖炉の開発につきましては、原子力委員会の五十七年の計画におきましても、我が国の炉型戦略として軽水炉からウラン資源を最大限に利用できる高速増殖炉へということを炉型戦略の基本としているということで高速増殖炉の開発を進めてきておるところでございます。高速増殖炉の開発には、実験炉の「常陽」の建設と運転の経験を踏まえて、現在、原型炉になります出力二十八万キロワットの「もんじゅ」の建設をしております。当初の計画からいいますと、この「もんじゅ」の建設も立地問題等からおくれてしまったわけでございますが、今後この建設を急ぎまして、この成果をもとに、また国際的な高速増殖炉の開発の技術の動向等を十分踏まえつつ、次の実証炉の計画に取り組んでいきたいと思っておるわけでございます。  高速増殖炉の実用化時期につきましては、現行の長期計画では二〇一〇年ということになっておりますが、世界的な動向から言いましても、この実用化時期についてはやや後送りになる傾向がございます。しかしながら、この基本戦略について通産省と私どもの間に何らの意思の疎通、何といいますか、意見の相違があるわけでは全くございませんで、現在、軽水炉が非常に順調に運転いたしておりまして、今の天然ウランの需給状況から見ましても、軽水炉でかなりな期間運転をやっていって天然ウランの不足とかというような事態に はならないのじゃないかというようなことから、軽水炉の期間が長くなるということから、それでは軽水炉をさらに一層技術の向上を図ろうじゃないかということで、次世代軽水炉開発というような構想を通産省が持っておるわけでございます。  ただ、これは言葉が次世代軽水炉という言葉を使ったばかりに、非常に何か今の軽水炉とは異なったものを開発する、したがってその高速増殖炉と何か競合するような形の炉の開発を通産省は言い出したんじゃないか、こういうようなどうも誤解を受けておるようでございますが、決してそんな変わった軽水炉じゃございませんで、現在の軽水炉の技術開発を一段と向上させる。経済性とか保守性とか、そういったものを一段と向上させるという性格のものでございまして、決して高速増殖炉と競合するというような性格のものではないわけでございます。そういう意味で、私どももこの軽水炉の技術の向上を図るということについては全く通産省と同意見でございまして、この原子炉の開発の路線に私どもと通産省の間でいささかも意見の相違があるわけではございません。

上村雅一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長

○説明員(上村雅一君) 昭和五十七年六月に原子力委員会で決定されました原子力開発利用長期計画におきましても、軽水炉技術の向上につきましては電気事業者及び機器メーカーがその信頼性、経済性等の一層の向上に向けて不断の努力を続けることが望まれる。さらに民間が中心となって一層の軽水炉技術の向上を図っていくことが期待されるということで、その軽水炉技術の一層の向上について基本方針が示されております。  通産省の総合エネルギー調査会におきましては、この原子力委員会の長計で示されました基本方針を受けまして、軽水炉の技術の改良につきましてその開発目標と開発課題の検討を行ってことしの三月に報告書をとりまとめたものでございまして、したがいましてFBR、ATRあるいはプルサーマルといった長計に示されておりますものとは全く別個の軽水炉技術の一層の改善、改良の具体的目標と課題の検討でございまして、整合性といった点につきましては、原子力委員会で示されました軽水炉技術の向上の基本方針を受けて具体的検討を行っているものでございます。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 続いて通産省にお尋ねをしておきます。  総合エネルギー調査会の計画についてでありますが、本計画は既存の軽水炉の開発、そして新型軽水炉の開発、また次世代軽水炉の開発という三段階を同時並行的に進め、その開発費の総額は二千三百億円というものでありますが、本計画を進める場合に、従来から進められてきておりましたATRの開発とのバランスについてはどのように考えておりますか。資金面、人材面でATRの開発に支障を来す結果にはならないでしょうか。これ御答弁いただきますと通産省結構でございますので。

上村雅一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長

○説明員(上村雅一君) 先生御指摘のとおり、三月にまとめました総合エネルギー調査会の報告書におきましては、その内容は、現在運転中あるいは建設中の、私ども既存型軽水炉と名前をつけましたが、この技術の改良、改善努力を今後とも続けるという点と、それから現在開発の最終段階にあります日本型軽水炉、新型軽水炉と呼んでおりますが、六十一年度末には開発が完了するものでございますが、この開発を速やかに完了させ、できるだけ早期にその初号機を導入するという点。それから第三点といたしましては次世代型軽水炉、これは先ほど原子力局長の御答弁にありましたように、私どもも名前のつけ方が余り適切でなかったかなと考えておりますが、この考え方は、六十一年度で開発が終わります新型軽水炉の後を受けましてさらに一層の技術的改善、改良を行おうとするものでございます。  この三つの所要資金、これにつきましては民間が主体で改善、改良努力がなされるものでございますが、この資金を合わせますと合計二千三百億ほどと試算されるということでございます。これとATRの開発につきましては全く関係がないわけでございまして、ATRにつきましてはその実証炉の建設計画が既に昨年の五月に関係者間でまとめられておりまして、その中で資金計画につきましても決定されております。また、政府と民間の分担につきましても既に決定済みでございます。また、人材面におきましてもこの建設計画に合わせまして、建設、運転主体であります電源開発株式会社におきましても、またメーカー五社におきましても既に基本設計を固めておりまして、ATR実証炉の今後の開発につきましては、資金面、人材面でいささかも支障がない段階に既に至っております。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 続いて、日米原子力協定改定問題に関連して質問いたします。  まず科学技術庁にお尋ねをいたしますが、現行日米原子力協定は一九六八年七月十日に発効したものでありますが、米国は一九七八年、核不拡散法の制定に伴い同法実施のための日米原子力協定の改定が必要とされております。このため日米政府間で原子力協定の改定交渉が十数回にわたって行われていると聞いておりますが、要求されております改定のポイント及び今までの交渉の状況はどうなっているか、お尋ねをいたしておきます。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○国務大臣(河野洋平君) 日本とアメリカの原子力協定に関する協議は、アメリカの核燃料の再処理に関する問題を中心として日米間で、先生御指摘のとおり、昭和五十七年以来、今日まで十数回の協議が行われておるわけでございます。これまでの協議の中でアメリカは、我が国の求めている再処理等の同意を見通しのいい形で与える、いわゆる包括同意方式の導入は認めるという方向に来ておりますが、そのかわりにアメリカの核不拡散法に基づく新たな規制権を日米原子力協定の中に追加するということを要求しているわけでございます。  我が国としては、我が国として十分な利点を得ることを前提として協定改定にも応じるという立場で協議に臨んでいるわけでございまして、今後の見通し――二国間の協議でございますから軽々に見通しを申し上げるのもどうかと思いますが、早期に合意できるのではないかという期待は持っているわけでございます。協議中のことでもございまして、現時点で軽々しく判断をするというわけにもまいりませんが、やや期待も込めてそんなふうに思っているわけでございます。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 最後の質問にしますが、先ほど塩出委員の方からも質疑がありましたように、輸送する手段ですね、都道府県公安委員会に届けて、届け出を証明する文書の交付を受けると。今まで許可だったんですが、交付になりました。これ距離としては相当な距離を輸送するんですが、これは何でもないようですが、輸送方法、手段、警備、そういうことはこの法案が通過すれば僕は大変大きな問題になってくると思うんですが、その辺、質疑通告してないんですが、知っている限りで教えていただければ幸いでございますが、まあこれはある程度守秘義務的なものも派生してくると思うんですね。ルートを全部公開すると、不逞なやからといいますか過激派によって襲撃をされる場合もあります。そういうようなことから考えまして、これは民間の方に委託をするんですが、輸送についてどのような見識を持っておられるのか、知る限りで結構でございますので、お教えいただきたい。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(辻栄一君) 輸送の安全確保の観点でございますので、輸送の安全規制がどういうぐあいに行われるかということについて御説明を申し上げさせていただきたいと思います。  輸送については、この法律の、先生御指摘の五十九条の二によりまして輸送が行われるわけでございますが、大きいところを申し上げますと、新燃料の輸送それから使用済み燃料の輸送、そして今度の廃棄物関係が具体化してまいりますれば廃棄物の輸送と、こういったようなものがこの規定の対象になるわけでございまして、それぞれ厳重な安全基準を設けてやっているということでございます。この輸送につきましては、中に入れるものの放射能のレベルに応じまして安全基準はそれぞれ変わってくるわけでございまして、最も厳し いものはやはり何といっても使用済み燃料の輸送でございます。  これにつきまして、これも低レベル廃棄物などの場合、一番放射能の弱いものでございますが、放射能のレベルに応じまして、また運搬する核種に応じまして基準が設けられているわけでございまして、この基準は、先ほどから申し上げておりますIAEA、国際原子力機関が勧告を出しておりまして、事細かに決めております。運搬する容器がどういう基準でなければならないか、そしてそれについてのメンテナンスをどういうふうにやらなければならないかとかいうようなことをいろいろ決めておるわけでございまして、これにつきましては、毎年、五年ごとに改定を行うという方針でこれまで何回かの改定が行われてきておりまして、私ども、この法律のこの規定によりまして、国内の規制を行います政令あるいは総理府令等を大体IAEAの基準に沿って定めているわけでございます。  具体的な規制につきましては、輸送物といいまして、容器と中に入っているものを含めた全体を輸送物といいますが、輸送物の確認につきましては基本的には科学技術庁の方でやります。これは、例えば使用済み燃料のようなものですとまだアクティブな使用済み燃料が入っているわけでございますから、こういったものについては専門家の意見も聞きながら安全評価をやっていくというようなやり方にしておるわけでございます。  あと、実際の輸送につきましては、船を使う場合、自動車を使う場合、いろいろございますが、それぞれの輸送の方法につきましてはこれは運輸省の方でいろいろ監督をいたします。自動車に乗せる場合の積みつけ方法とか、そういったような問題もやりますし、海上運搬をする場合には船舶輸送でございます。特にこれについては運輸省の方で、使用済み燃料の運搬船あるいは廃棄物の運搬船等につきましては特別の船の基準を定めておるわけでございまして、これは例えば衝突であるとか火災であるとか、そういうことをいろいろ想定いたしまして、船の中に深く浸水しても沈没もしない、転覆もしないような装置をつける、あるいは放射線防護をするための特別な遮へい構造にするとかいったようないろいろな基準をつくりまして安全規制をやっておるところでございます。  また、先ほど公安委員会への届け出という関係で、警察はこれにつきまして道路運送上の警備上の配慮ということなどからこれを届け出制にいたしまして、運ばれる物の経路であるとか日時であるとか、そういったようなことについて先生御指摘のような点も含めて配慮の上オーケーを出している、こういうやり方によりまして安全規制に万全を期する、こういう方法をとっておるわけでございます。これは安全規制でございますので、先ほどの核物質防護とか、そういった問題については特別の法律はないのでございますが、この点につきましてもこの法律の運用のやり方によりまして、周辺の警備その他につきまして、特に一番問題になるのはプルトニウムの輸送の問題でございますが、こういったような問題につきましても十分配慮しながら運用していくというやり方で進んでおるということでございます。

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) 両案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  両案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) 御異議ないものと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十八分散会

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