運輸委員会 第11号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1986/05/13
会議録
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題といたします。 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○瀬谷英行君 きょうの質問に当たりまして、私は参考人をお願いをしたわけであります。 最初にお願いをした参考人としては、前の総裁の仁杉さんに御出席を願おうと思いました。しかし、話が急なこともあり、また、きょうかかっている法律案の内容については、特別に御意見はないような話でございますし、いろいろな点を勘案をしまして、後日に仁杉前総裁には参考人として御出席を願いたいというふうに考えました。しかし、私がなぜ仁杉前総裁の御出席をお願いをしたかというと、やはり前総裁は、昨年、国鉄の改革に関する一つの案をおつくりになった責任者なんですね。したがって、その責任者の見解というものと、それから今出されている政府の案というものを、我々はやはり十分に比較をして、その上で我々自身の判断で審議をして、場合によってはこれを改めていくということがあっていいという意味で考えたわけでございます。 そこで、仁杉総裁、前の総裁の見解というのは、これは朝日新聞でしたが、連載になっております。一々は言いませんけれども、その中で、国鉄の再建については、二つの基本的な考え方があると。一つは、国鉄を国民のためにより役立つようにするということ、もう一つは、国鉄職員が安定して暮らせるようにするということだと、こういう二つの基本的な考え方がある、こういうふうに言われているんであります。 この二つの問題を解決するためには、巨額の借金だとか、パンク必至の年金だとか、余剰人員といったような国鉄だけの力ではどうにもならない問題が多い、だから、総裁に就任して以来、再建監理委員会との二人三脚を志していたけれども、基本方策を出してから、国鉄側と再建監理委員会、政府側の間のパイプが詰まるようになったということを回顧しておられます。 そこで、まず基本的な考え方については、私は、仁杉前総裁の考え方というのはもっともだというふうに考えておりますし、こういう考え方は、そのまま代がかわっても継承されてしかるべきではないか、こういう気がいたしますので、今問題になっております国鉄のもろもろの問題について、杉浦総裁がどのようにお考えになっているのか、仁杉総裁の考え方というものを継承されるということになるのか、多少ニュアンスの違いがあるというふうにおっしゃるのか、その辺はどうなのかということを最初にお伺いをしておきたいと、こう思います。
○説明員(杉浦喬也君) ただいま先生からお話ございました前仁杉総裁の考えられました基本的なスタンスといいますか、方向といいますものは、第一番に国民に役に立つ、そういう輸送を確保するという点が第一点。これはもう本当にそのとおりであると思います。国鉄の役割というものは、国民に対しまして、できるだけ安い、安全な良質なサービスを提供し、これを確保するということにあることは言うまでもないところであると思います。私も、そういう意味におきまして、全く同じ気持ちで、日常の業務を遂行するようにということで指導をしておるところであります。 第二番目の基本的な考え方の職員の業務あるいは生活についての安定したあり方、この点につきましても全く同様の意義があると、重要性があるというふうに私は考えておるわけでございます。とりわけ、今非常に効率化という観点からいたしまして合理化の進展が伴い、それに伴いまして余剰人員の問題が大変重要な課題として持ち上がっております。こうした面におきまして、個々の職員一人一人の将来の生活の安定あるいは雇用の確保という点につきまして、これを十分に確保していくということが必要であるというふうに私も考えておるところでございます。 そうした基本的な考え方のために、構造的ないろんな問題等々につきまして抜本的にメスを入れる必要があるという点についても、まさしくおっしゃるとおりであるというふうに思うわけでございまして、総体としまして、今、先生の御指摘の点に関しましては、仁杉前総裁と私は意見を異にするものではないというふうに思います。
○瀬谷英行君 電電公社の総裁からNTTの社長になられた真藤さんの口癖は、人を減らすばかりが合理化ではないということだと、従業員の精神的荒廃や社会不安を招来する人員整理よりも、一見迂遠のようだけれども、しっかり教育をして、持てる力を十分に発揮させた方がよいと、こういうことを真藤NTTの社長が言われているということなんですけれども、この点については、合理化に対する考え方が多少国鉄とは違うような気がいたしますが、この問題について大臣はどのようにお考えになっているのかお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(三塚博君) 真藤NTT現社長さんのただいま御紹介をいただきました運営方針につきましては、NTTというただいまの段階では、極めて独占的な最先端の優秀企業として取り組まれておるわけでございますし、そういう意味で十二分に企業の展望というものが各般に発展進化をしていく形に見とれるわけでございまして、今抱えておりますスタッフを最高度に活用していく、また新規採用についても、それら事業にバラエティーに富んだ形の中で御採用をいただいてまいるということは理解できますし、そういう方向であろうなと、このように思っておるところでありますが、国鉄につきましては、何としても再生、新生を期していかなければならぬというところに実は一番のポイントがあるように思います。 働いておる国鉄マン、長い伝統と歴史の中でこれはきたわけでございますから、この鉄道を、今度は地域鉄道、民活鉄道、民営鉄道ということになるわけでございますが、効率的な、また地域鉄道として愛される鉄道の企業に変えてまいる、もちろん収支も見通しが立つということで取り進めるということになりますと、他との競争もこれあり、民鉄並みという平ったい言葉になりますが、言うなれば軽量経営の中で、この際、まなじりを決してまずスタートを切っていかなければならないのかな、こんなふうに思いまして、企業の置かれております諸条件がまことに違う点において、国鉄の経営者、理事者はそういう意味では大変御苦労が多いことであるなと、こんなふうに実は理解をいたしておるところでございます。
○瀬谷英行君 真藤NTT社長の見解、それから前の仁杉総裁の見解等については、それぞれ今、大臣も総裁も同感の意を表明をされました。 そこで、私の方から改めて申し上げたいことは、やはり国鉄の場合は金もうけだけが中心であってはならないと思うわけです。どうしてもこれは公共的な性格を持っていますから、公共性と、それと一般の事業と違う点では安全が非常に必要になってくるわけです。この安全問題をもし度外視をいたしますと、どんなにサービスがよくても、日本航空のジャンボ機みたいに墜落でもすれば、一気に五百名の人が亡くなったという前例があります。国鉄でも、今のところはそういう大量死傷事故というのは幸いにしてございません。幸いにしてございませんけれども、危険というのは昔に比べれば、新幹線のようにスピードが速くなってくると、まかり間違えばやっぱり大変な危険というものが私はあると思うんです。今、もうなれてきますと事故がないのが当たり前だというふうに思い込んじまう。しかし、飛行機のように八百キロで飛ぶのと違って、新幹線は二百五十キロぐらいが限界ですけれども、しかし、それにしてもやはり二百キロのスピードで走っている新幹線が脱線転覆なんというようなことになりますと、これはもう飛行機の事故に負けず劣らずの大変なことになるおそれがあると私は思うんです。だからその意味から言うと、やはり国鉄も安全の問題に対しては慎重過ぎるぐらい慎重な配慮が払われてもいいんじゃないかと、こういう気がいたします。その点でやはり、基本的な考え方に、安全という問題を第一に考えるということは、責任者としては当然の責務ではないかというふうに私は思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○説明員(杉浦喬也君) 今、先生おっしゃいましたように、安全の確保ということは、交通事業全般に通ずることでございますが、企業経営の第一義の目標であるというふうに思います。そうした意味におきまして、私も日ごろから安全第一ということを大きく目標に掲げて全職員を指導してまいっておるところでございまして、こうしたなかなか変革の時期でございますだけに、職員の諸君が精神的な動揺等々の事柄によりまして安全に万一の影響があってはならないということを繰り返し申し上げているところでございますし、個々の具体的な安全指導につきましては、職員一人一人が注意深く常に気をつけるということを第一義とし、また予算面での手当てにつきましても、制約されてまいりました予算ではございますが、安全に関する投資を最重点にこれを行っているという事情でございまして、私といたしましては、そうした方向が現在守られておるというふうに思っておるところでございます。
○瀬谷英行君 最近の出来事でありますけれども、五月の八日の朝日新聞の投書欄に国鉄職員の投書が載ったわけです。その投書を読んでみますと、国鉄で自分は車掌をしていると。今、国鉄では来年の四月に予定される分割・民営の名のもとに人員削減が急テンポで進められている。ホームの無人化もその一つだ。ホームに立つ駅員は、電車が進入する際に旅客の乗降中、発車後の安全確認を行う。それが一部の駅では無人化をされて車掌がそれをやらなければならないことになった。はるか先の豆粒ぐらいの人影を判断をしてドアの開閉をしなくてはならない。ホームの多くは曲線で、車掌の位置から電車の全部を確認することはできない。それを補うためにテレビが設置されたけれども、テレビではよく見えないことがある。太陽の光のかげんや人影などで安全かどうかが確認できないことがあるし、電車が動き出したら見ることはできない。国鉄を再建することは大切なことだけれども、安全は最大のサービスだから、その安全を切り売りをして再建と言えるかどうかは疑問だと。分割・民営の名のもとに、いなくてはならない人員まで削減をしては近い将来国鉄に対する不信としてそのツケが回ってくるんじゃないのかと、こういう内容の投書が載ったわけです。私は、この投書を、まあ短い文章でありますけれども、何回読んでみても、そんなに不都合なことを書いてあるという気はいたしませんでした。それからまた、何か意識的なことがこの文章の中にあるかということも考えられないわけです。ごくこれは自然に、ありのままに、現在進んでいるホームの無人化についての警告をしているというふうに受け取れるわけなんですけれども、この投書について、総裁、お読みになったと思うんですが、どのように思われますか。
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄の現場の職員が、非常に安全のことを思う余り、このような状況に対しまして自分自身で非常に安全上問題があると、こういう意識をお持ちになり投書に及んだというふうに私は見るわけでございます。 こうしたことの心配されるような事柄が現実の問題として事故につながるというようなことが絶対あってはならないというふうに思うわけでございますし、先ほど申し上げましたように、そういった面では、いろんな面での万全な策を施しているつもりではございますが、しかし職員がこのような心配があるということもこれもまた問題であるというふうに私は思います。 ただ、こうした直接的な新聞への投書というふうに至らざるを得なかった気持ちもわからないわけじゃありませんけれども、その点をもう少しその上司がよく把握をして、ふだんから本人あるいは全体の職員に対しまして安全上の問題について話をし、指導し、安全上の心配がない、あるいはないようにするということの措置がとられているとは思いますけれども、そうした事柄以上に、一般の新聞に投書をするというような事態になりましたこと自体は、私としましては、何か、身内の、内部の問題につきまして公表されたということにつきましてやはり残念である、こういうことは十分に内部でもって安全上の処理を講じて表に出ていただけない方がいい、国民にいたずらなる不安を招くようなそういうことではまずいというふうに思うわけでございまして、今後とも十分にそうした面での全般的な安全対策、それから個々の職員と、現場の管理者との間柄におきます安全上の十分な意思疎通、十分な配慮というものも必要であるというふうに痛感をしておるところでございます。
○瀬谷英行君 今総裁は残念である、そういうことはやはり上司に対してちゃんと言うべきである、国民にいたずらに不安を与えてはならないんだ、こういう趣旨のことを言われましたけれども、ホームの要員を廃止するということは内緒じゃできないんです、これは。配置をしている人間がいなかったら、これはサボっていることになってしまう。内緒じゃできないんですよね。お上のおふれでもってホームに立つ必要なしと決められたからいなくなってしまったわけです。だからこのことは、例えば、車掌から見れば、危ないじゃないかという意識を持ったって当然なんですよ。これは大分前ですけれども、何年ぐらい前だったか私は覚えておりませんが、やはり、今のような電車じゃなくて、列車の時代です。列車の時代に、飛び乗りをして列車とホームの間に落っこって死んだりしたそういう事故があったときに後部の車掌が責任を問われたという事件があったんです。今は、昔のように飛び乗りをして、ドアをあけて中に入るというわけに電車ですからいきませんからね。だけれども、そのときですら車掌が責任を問われた。そうすると、やはり、長いホームに人間の配置が全然なくてその種の死傷事故があったということになりますと、その責任を車掌が一手に引き受けるということになると、これは車掌の能力の範囲ではどうにもならぬということが出てくるんじゃないですか。それは、やはりホームに必要なところは、それは北海道みたいに、あるいは四国等もそういうところがあるでしょうが、ああいうローカル線のように、乗降客が少なくて、一回の列車に対して何人も乗降客がないあるいは全然乗降客がない、こういう地域なら話は別です。東京の都心部ではこんなことはないんですからね。こういう都心部で乗降客の多いところはそれなりの安全対策として要員の配置をするのは私は当然じゃないかという気がするんです。それがないからといって、じゃ、車掌が上司に、どうも危ないな、あれはちょっと心配だということを言って、それが受け入れられるというふうな状況にはないという気がするんですね。その点、いたずらに国民に対して不安を与えるという内容になっているんじゃないかという総裁の考え方はどうかという気がするんですが、この投書に対する見解として。その点、今総裁は、国民に不安を与える、だからちょっとこれは上司に相談してもらうべきだとこう言われたけれども、その点はどうですか。
○説明員(杉浦喬也君) 合理化に伴いまして無人駅というものがどうしてもふえてまいります。その無人駅化する場合に、終日無人というのはそう多くはありません。やはりラッシュ時間帯におきましては、ちゃんとホーム要員を配置する、あるいは一日じゅう要員を配置するというようなところが都会におきまして駅としては多いと思います。やはり途中の時点におきまして、無人駅でございますから、今まで有人であったのが無人になったということによりまして、車掌の目の行き届かない、そういう面を一層明確に目を行き届かさなきゃいかぬというような、そういうことが出てきたことは確かだと思うんです。したがって、そこに新しい職場のやり方、例えばテレビをよく監視するというような、そういうようなやり方等々の職務の中身の変更というものがあるわけでございますから、そういう面では十分それに慣れて、早く熟達をし、当初はやっぱりどうしても不安になると思いますけれども、早く不安を解消しまして、安全面での措置に万全を期するということが現場では絶対必要だというふうに思います。 そういうことは、これは私といたしましては現場におきまして十分に指導、監督、教育がなされているというふうに思っておるわけでございますが、しかしそうした中において、こういう投書の御本人のようにいろんな意見が出るということもあり得るだろうと思います。その場合におきましては、先ほど申し上げましたように、事は安全に関する問題でありますから、まず自分の職場の安全、ひいてはそれが国民の安全になるわけでありますが、十分に中でよく御相談をし、意見を上司に言って、その面での不安の解消なり、あるいは適切な施策への前進といいますか、そういうものが図られることが一番望ましいというふうに思ったわけでありまして、それがなされておったのかどうかよくわかりませんが、一般への公表という形で投書の姿になったことがまことに内部不行き届きという感じがいたしまして残念であるというふうに申し上げたわけでございます。
○瀬谷英行君 今の総裁のお話ですと、投書する前に中で相談をして、上司にも話をしたらどうだというふうに言われるけれども、駅の無人化なんていうことを、じゃ車掌がどうもあれじゃおっかない、危険じゃないかということを車掌区長に話をして、区長がそれを取り上げて局長なり総裁に対してやっぱり無人じゃ危ないからやめた方がいいというようなことを建言できるような仕組みにはなってないという気がするんですよ。その点どうですか、大臣、今私が総裁と若干やりとりいたしましたけれども、まずこの投書の中身ですよね、これはごく短いです。ごらんになったかどうかわかりませんが、この投書をごらんになって、これはやはり少し越権であるというふうにお考えになるのか、このぐらいのことは当然だというふうに思われるのか、その点の大臣の見解をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(三塚博君) 我が国は憲法で表現の自由、言論の自由、これ保障されているわけでして、それぞれ見解を表明することは、何人といえども法で保障されておりますし、そういうことを言いますことは当然のことであろうと思います。 ただ、今論議を聞いておりまして、運輸事業というのは、安全第一主義、これに徹底して取り組んでまいる、パーフェクトということは理論上はあり得ないとよく言われるのでありますが、しかしながら、あり得ないことに挑戦をし、ほとんどパーフェクトに近いもので日々努力をしていかなければならぬことは御指摘のとおりであります。そういう意味で、交通事業が非常に危険な状態にありますという意味では、全く総裁もおっしゃるとおりでありますが、これをずっと私も今お聞きをしながら、読んでみまして、この職員さん、非常に安全を心配されて、国鉄不信を何とかさせないようにしたいと、こういう意味ではさらりとしたものかなと。武石さんという方のようですが、どこに勤務されているかわかりませんけれども、非常に曲線の多いホームという国鉄の場面における安全性という意味で、これもひとつ工夫をしていかなければならない基本的な問題かな、こんなふうにも思います。それなりにさらりとした心配をされた投書だな、こう思います。
○瀬谷英行君 この投書自体が、そんなに極端に無理なことを言っているというふうには思えないんですよ。至極当然だという感じしか私は持てないんです。ところが、この投書が五月八日に朝日新聞の「声」欄に出たら、翌日早速本人が車掌区長に呼ばれたというんですね。それで、何でこういう投書をしたんだということで、その間のいきさつはよくわかりませんけれども、企業に勤める者として自分のところの商品の欠陥を外部に言うのはおかしいと、まず区長なんかに言ってくるべきだと、現状で不安をもし抱いているのならば車掌以外の職場に行ってもらうということもあるんだと、こういうことを言ったという話なんですね。そして乗務からおろされたというんです。これは一体どういう感覚なんだろうと。この程度の投書がそんなに車掌としての仕事について上司から考え直しをするような問題になるんだろうかという疑念を私は持つんですよ。これはちょっと職場の処置としても不穏当じゃないかという気がするんですが、この点は一体総裁どのように認識されておりますか。
○説明員(杉浦喬也君) 現場でいろいろと職員がお仕事の面で自分なりに判断をし、あるいはまた場合によりまして心配をし、いろんな感じをお持ちになると思います。また、そうした気持ちでないと前進がないという感じもいたします。そういう場合に、やはり管理者といえどもなかなか目が行き届かない点もあろうかと思いますから、十分に職員は職員なりに、そうした面での前向きの提言というものがあってしかるべきである。また上司はそれを虚心に受けとめまして、特に事は安全の問題でございますから、十分に対処をできるものはするということが自然の姿ではないかというふうに思うわけでございます。 そこで、この車掌区の管理者としましては、自分の配下にある職員の投書という行動によりまして安全の問題が表に出てしまったという事柄、一体本人はどう考えておるのか、本当にどういう点で問題を持っておるのか、その辺をよく事情を聞いてみたいというのも、これも私の感じとしましては、現場の職員を管理する立場の者として、いわゆる事情を聞く、事情聴取ということが必要だというふうに判断したことは、これは普通だと思うんですね。そういう事情聴取のために一時的に乗務を中断をしまして、本当にあなたどう考えているのか、どういう点が心配なのかということを聞いたんだというふうに私は思います。したがって、投書したからということで、それだけで中断をしたというふうには考えたくない。やはり本人がどういう気持ちであるかをよく聞いて対処したいということの結果がそういうようなことになったんではないかなというふうに私は思うところであります。
○瀬谷英行君 私は、投書でもって乗務をおろしたんじゃないんだ、どういうことなのか真意を聞きたかったからだというふうに言われているけれども、こんなことを聞くのに何も乗務を外す必要はないんですよ。そんなに何時間もかかる話じゃこれはないでしょう。投書の内容これしかないですよね。朝日新聞の投書欄、わずかしかないです。それで、しかもここに書いてあることはだれが考えてみても、今大臣ですらこれは当然だというふうに認識されている、けしからぬというふうに言われないんです。反論する人はいないんですよ、これは。だから、この投書に対して、乗務の交番表をかえたりなんかしたかどうか。そうしなきゃ乗務を外すということはできないと思うんだけれども、そんな大げさな騒ぎをして、本人の事情を区長や助役でもって聞くというほどの問題なのかどうか。これだって私はちょっと度が過ぎているという気がするんです。しかもいろいろ、どういうことを聞かれたのかということだと、欠陥商品をばらすのはよくないと言うけれども、欠陥商品だということならば、区側の区長なり助役がもし欠陥商品だと言うなら、無人駅というものは欠陥商品だということになっちゃうんです。無人駅ということは、こんなものは隠しようがないんですよ。無人駅だけれどもあれは人がいるんだよなんて言ったらかえっておかしくなっちゃうでしょう。ごまかしようがないでしょう。もしこの無人駅が欠陥商品であるということならば、管理者自身が欠陥商品であるということを認めているということになっちゃう。理屈の上からそうなっちゃうんじゃないんですか。その点どうですか。
○説明員(杉浦喬也君) 欠陥商品というふうに言われているかどうか、ちょっと私もよくわかりませんが、そういうふうに区長が言った趣旨というものは、先ほど私もちょっと申し上げましたように、無人駅自体が欠陥商品だという認識を持って言うたのではなしに、そういうような中で職員が不安な気持ちを持っている、ひいてはそれが安全面での問題があるのではないかという、そういう一般への認識というものについての心配があったんだ、要するに職員の気持ちとそれを管理する管理者側との間に意思疎通を欠くということが一種の欠陥ではないかというふうな感じも私はいたします。そういう意味でのいわば内部の意思不統一というものが表に出るということが非常に恥ずかしいといいますか、問題があるというふうにこの区長さんは考えられたんだろうと思うんでございます。無人駅自身は、私は決して欠陥商品であるというふうには思っておらないんでございます。
○瀬谷英行君 車掌が、国鉄の最近の傾向として無人駅がふえてきた、これじゃ危ないということを、じゃ、区長に言ったり局長に言って、ああそうか、わかった、無人をやめて人間の配置をしよう、こういうふうな仕組みには今の状態ではならないでしょう。逆に、無人でも大丈夫なんだと、無人になってから一カ月になるけれども事故らしい事故がないじゃないかと、こういうことも言っているんですよね。たまたま無人になって事故らしい事故がないということを言って、だから無人になっても安全だという理屈にはなるまいという気がするんですがね、その点はどうですか。
○説明員(須田寛君) ちょっと事実関係にわたる点がございますので私から多少御説明申し上げますが、今、先生御指摘がございましたように、これ東神奈川の車掌区でございますが、東神奈川車掌区長が欠陥商品云々という趣旨のことを申しましたのは、区長の真意といたしましては、欠陥商品であるかのごとき誤解を与えるのは非常にまずいんではないかという趣旨で言ったというふうに聞いておりますが、若干言葉足らずもあって先生御理解のようなふうにあるいは伝わっているのかと存じます。 それから、車掌が具体的にそういった設備欠陥等につきまして意見を正規のルートで具申をいたしました場合には、それ相応の対応をいたしておるところでございまして、現にこの車掌の乗務をいたしております京浜東北線につきまして、駅のホーム要員をデータイムに外した駅があるわけでございますけれども、こういった駅につきまして工業用テレビをつけまして車掌が監視ができるようにいたしました。このフードのといいますか、ひさしの角度が悪かったり光線のぐあいが悪いというふうな指摘が車掌から幾つかございまして、六駅ばかりでございますけれどもそういった指摘を受けて直したケースもございます。したがいまして、やはり私ども安全第一に考えておりますので、そういった車掌から安全の根本にかかわるような提起がございました場合には、十分、管理局なり現場でそれなりの対応をいたしておる、こういうふうな関係にあることを御説明申し上げておきたいと思います。
○瀬谷英行君 無人化しても事故らしい事故がないというようなこと、どなたが言っているかわからぬけれども、言っているようだけれども、例えば飯田橋、私なんか知っているけれども、飯田橋というのは非常にホームが曲がってるんですよ。だから、真ん中辺だとすき間ができるわけです。だから、うっかりすると、下を見ないで足を踏み込むと落っこっちまうということもあり得るわけです。この飯田橋の問題は、「飯田橋ホーム安全要員削減差止め請求事件」というふうな、これはもう訴訟問題にまでなったんですね。この資料見まして私も驚いたんだけれども、こんなに事故というのがたくさんあったのかというふうに思うほど、意外に国鉄のいわゆる国電の中での事故というのはいっぱいあるんですよ。新聞の記事になるのは毎日じゃないけれども、これを見ると一カ月のうちに何件もあるんですね。例えば、去年の、六十年の七月のだけを見ましても、傘が挟まったまま発車をして客が列車と一緒に走ったので非常をかけた。それから、駆け込み乗車をした女性が紙袋を挟まれてこれまた非常だ。それから、閉まりかけているドアに無理やり乗ろうとして持っていた植木鉢を挟まれてこれまた非常だと。非常の措置をした回数、随分あるんですよね。酔っぱらって手を挟まれてこれまた危なかったと。七月だけでも一カ月に九回あるんですよ。これを見ると、もう我々が思う以上に危険な事故の件数というのは多いんです。だから、これはやはり簡単に考えちゃいかぬと思うんですね。今、総裁はやっぱりいろいろなれてもらうように、ホームのテレビやなんかにもなれてもらうようにと言うけれども、確かにホームにテレビをつけていても電車が走り始めればテレビ見られませんよね。電車と一緒にテレビが走るような仕掛けになっていないですよね。そうすると、電車がスピードを増せばテレビなんというのは見えなくなっちゃうんです。そうかといって後部から先頭を見れば、十両編成だと二百メートルですよね。二百メートル先がそんなによく見えるものじゃないと思うんですね。このやりとり見ますと、この投書の中に「はるか先のまめ粒ぐらいの人影を判断してドアの開閉をしなくてはなりません。」ということが書いてある。そうしたら、助役かどなたか知らないけれども、「まめ粒」とあるけれども、私は豆粒より大きく人影が見えると、こういうんですね。しかし、二百メートル先の人影というのは、小錦といえどもそんなに大きくは見えないんです。小錦クラスだって二百メートル離れちまえばやっぱり豆粒と言ってもいいんじゃないですかな。だから、こういう何か揚げ足取りみたいなことを言って、安全だ安全だ、無人化でも間違いないんだというのは、私はこれはどうかと思うんですよ。これはやはり率直に、無人化はある程度危険が伴うということを認めなきゃいかぬですな、これは。その点どうですか。
○説明員(須田寛君) 一般論として申し上げますと、先生御指摘のように、当然それは人がいた方が無人よりもより安全であろうかというのが基本かと存じます。 ただ私どもは、ただ単に安全を無為無策の中でやっているわけではございませんで、ちょっと今御指摘がございましたけれども、例えばテレビを取りつけるとか、そのテレビも角度を変えて何カ所も取りつけるようにしておるわけでございますし、お客様に列車の接近をお知らせするような自動の警報装置あるいは放送装置等もつけておりますし、ホームの照明も改善をいたしておりまして、決して安全についておろそかにしているとは考えておりません。したがいまして、人が減りましたことによりまして生じます問題点を、そういった機械力なり設備の面でカバーをいたしまして、全体としては従来より以上と申し上げたいわけでございますけれども、安全が確保されるように留意をいたしながら進めている次第でございます。 ただ、やはり個人差がございますので、例えば人影の大きさ等についても御指摘がございましたけれども、やはり私どもが一般的な職員のこれまでの注意力ないしはいろいろ現場の長い間の経験のある者から見まして最善の策をとってやっている次第でございますので、そういった点について決して無為無策で無人化をやっているわけではないということをひとつ御理解いただきたいと、かように思う次第でございます。 なお、ちなみにラッシュ時は都内の電車区間の駅におきましては、ほとんど全駅に人を配置しておることは従来のとおりでございます。
○瀬谷英行君 この投書なんかの出る前に、この前予算委員会のときも私言ったんですけれども、私も国鉄をできる限り利用していろんな場所について見るようにしているんですよ。それから、車掌の話も聞くようにしているし、駅長の話も聞くようにしているんですよ。それで、例えば埼京線と武蔵野線——この間実は埼京線に乗務している車掌さんの話を聞きました。これは特別に機会を設けて聞いたわけじゃない。知っている国鉄OBの方が亡くなったんで、その方の息子さんとたまたまお通夜の席だったか何だかで話をする機会があって、それで今どんどん無人化になって心配が多いという話を聞いたわけです。だから、この人は私に意識的に無人化の問題についていろんな説明をするつもりであったわけじゃない。ごく自然に自分は乗務しているんだ、今度は新宿まで延びた、新宿のようなあんな大きいところでもホームには人がいないんですよという話を私にしてくれたわけです。で、おやじさんは新宿の鉄道病院に通っていたと。しかしおやじは、ついに新宿まで埼京線が入るようになったから便利になったよというふうに話をしたんだけれども、その埼京線に乗らずに死んじまったという話が出たんです。その話の中で、実は新宿ですらあのホームに人がいないと。ホームに人がいないということになるとどうやって発車合図をするんだと。もう込んでくると勘でいく以外にないと。一番前の車両は二百メートル離れておる。それはそうですわね、一車両二十メートルだから。国電ですら二百メートル、これが高崎線のように十五両編成ぐらいになるとこれは三百メートルということなんですね。これはかなり長いものですよ。二百メートルないし三百メートル離れりゃ大概目のいい人だって人影はそう大きくは見えないですよ。だからこの危険に対してやはりホームに要員の配置をしなきゃならぬという意見が出るのは、私はこれは出て当たり前だと思うんですよ。それをそんなこと言うのはおかしいということを、職制が物を言うということの方がよっぽど私はおかしいんじゃないかという気がするんですね。 それで、特に欠陥商品云々の話も出ました。欠陥商品の話も出ましたけれども、そんなこと言うと企業の秘密を漏らしてはならないという日鉄法に触れるんじゃないのかと、こういうことを言った人がいるというんですよね。これはまあ恐れ入った話だと私は思ったんですがね。こんなことまで言って、そんなこと言うとためにならないぞ、その場合に日鉄法というのがあるんだぞと、法律でおどかしゃ大概相手がびっくりすると思って言うたのかどうかわかりませんが、そんなやりとりがあるんです。こんな国鉄の無人化が、企業の秘密になるかどうか。私は企業の秘密にも何にもならぬと思うんです。テレビをホームに置いておることが企業の秘密だなんてことにはこれはならぬですね。外国のお客が来たときに企業の秘密になりますか、あれが。そうはならぬでしょう。これはやっぱり管理者側の対応というのが常軌を逸しているという気がしますけれども、それらの点について総裁はどのようにお考えになりますか。
○説明員(杉浦喬也君) 企業秘密が表に出るというような観点からの発言があったやに今先生おっしゃったわけでございますが、私はこのこと自体企業秘密の問題ではない、まして法律上のかかわりあるそういう事柄ではないというふうに思います。あくまで私の感じでは、その区長の感覚といたしまして、内部におきます職員と上司との間の関係、そうした面での意思疎通を欠いたという、そういう面での管理者側としての残念だという意識があったことから、そうした職員へのいろいろな発言に至ったのではないかというふうに想像をいたすわけでありまして、その間のやりとりの中で若干の引用等についての面での勇み足的なものがあったかもしれませんが、そうした面での注意も今後いたすつもりではございますが、やはり、何度も繰り返しますように、こうした安全の問題については、現場がよくしっかり地についた日常の行動を行うということが何より肝要であると、そのためにはよく職員を把握し、意思疎通を図る必要があるというふうに思うところでございます。
○瀬谷英行君 私がやはり埼京線、武蔵野線を回っていて聞いた話ですが、これは予算委員会のときにもちょっと運輸大臣にも言いましたが、ともかくホームに人がいないと。ホームに人がいないというところで飛び込み自殺があった。飛び込み自殺があったということになるとこれを片づける人がもう全然いないというんですよね。それで隣の駅から応援を求めようと思ったって電車はとまっちゃっているから電車で来られないというわけです。飛び込む方は人手不足なんということを考えないで飛び込みますからね。こうなるとやはり大変なことになるわけですよ。そうかといって人間を配置していないのかというと、出向でもって職員が来ているのは何やっているかといったらそば屋なんですね。そば屋、うどん屋、コーヒーショップ、売店、こういうところに人間を派遣をしておきながら肝心かなめの安全対策の人間は一人も配置してないと。こうなりますと、いざ飛び込み自殺なんというときには時間がかかるのは無理ないんですよ。そば屋がそばつくった手でもって死体の片づけするなんというのはあんまり感心した話じゃないですね、これは。後で手を洗えばいいじゃないかと言えばそれまでだけれども、そういうものじゃないですね。こんなことが現実に今職場の中に出てきているわけです。そうすると、やはり職員一人一人がこういうことでいいのだろうかという疑問を持つようになりますよ。これは当然だと思うのですね。これは労働組合が幾つかあって、その労働組合がいろいろなことを中でやっているといったような問題とこれは違うのです。労働組合の問題を別にしても、こういう国鉄という企業の中で人間の配置がこういうふうになっている、大事なところに人間を配置しない。それで、かと言って全然いないのかというと、そば屋だとかうどん屋だとかそういうところに人間は配置をされている。本職の人間はうどん屋をやっていて、そして外注の人間が切符を切っているというような話がこの前もありました。こういうことはあべこべなんですよね。だから、こういう問題について我々がおかしいなと思う以上に、総裁もこれじゃまずいなというふうに思わなきゃいけないと私は思うのですが、その点どうですか。
○説明員(杉浦喬也君) 職員の配置の適正化といいますかそういった面で、例えば今先生の例示が出ましたように、現実の同じ職場におきまして、直営売店の職員、それから下請の改札係というようなそうした矛盾点の御指摘も前々からあったわけでございまして、そうした面での不自然さの是正ということにつきましては、今までもいろいろと努力をいたしておるところでございますし、あるいはまた、外注というものと直営というものとの差というものの不自然さ、こういう面でも今余剰人員の活用という面でかなり修正をしておる、そういうことでございます。安全という面をとらえましても、そうした適正な配置という観点では決しておろそかにしていないつもりであるわけでございますが、なお今後とも事は安全に関する問題でございますので、そうした点、現場のきめ細かな対応ができるように一層指導を強めていきたいと思っております。
○瀬谷英行君 そもそも余剰人員というのは何かという疑問が出てくるのですよ。東京周辺のようにたくさんの乗降客がいて、多数の人間を運んでいる場所で、ホームの人間まで片っ端からやめてしまうということは、ホームの要員というものは余剰人員なのかということに今度はなるんですね。電車は走りさえすればいいんだ、危険の方はお客が自分でもって考えろということになってしまうのです。それは、すべて近ごろはサービスは自前でもってやるように、物を売るところでもスーパーなんかでもかごを持っていって自分で品物を持ってくるような仕組みになってきました。食堂なんかでもそういうところはあります。しかし、そういう方法ができることには限界があるのですよね。安全問題、特に国鉄なんかの場合に、担架が置いてあると言ったって、担架というのはけが人や病人を運ぶための道具なんですから、あれはけが人や病人ができたときに運ぶ人がいなくて、けが人が自分で担架担いだんじゃしようがないですからね。こういうことをやっぱり考えて要員の配置というものは最小限度私はやるべきだと思うのです。そういう要員の配置を惜しむのは間違っているという気がするのです。 東京周辺のいろいろ資料を見ましたけれども、これ見ると山手線なんかの場合は、営業係数四五になっていますね、こんなにもうかっている企業なんていうのは余りないと思うのです。これだけもうけを上げているところでありながら、余剰人員だということでもってホームの安全面の必要な人間を片っ端からカットするという行き方は、これは理解できないと思うのです。利用者の側からすると、安全を二の次にして何のサービスだということになりますよ。その意味で私はこの投書は恐らく読んだ人の共感を得ると思うのですよ。 そこで、先ほど来の話に戻りますけれども、どうして上司に相談してもらえないのかということをおっしゃいましたけれども、この程度の投書をする場合でも上司に相談をしなければならないのかどうか、相談をした場合にその上司は何と答えるか、ああわかった、そのくらいならば出してくださいと、こう言うのか、それとも、待った、それは欠陥商品を広告をするようなことになるからやめろと、こういうことになるのか、その場合の管理者に対する対応、教育はどういうふうにやっておるのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○説明員(須田寛君) 仮定の問題にやや入るかもわかりませんが、今先生の御質問ございましたように、仮にその車掌が上司にこういう投書をしたいがどうかというふうに相談をした場合を仮定をいたしますと、やはりそういった場合には、そういう安全についての疑問を職員が持っているということでございますから、恐らくや区長なり管理者が相当詳細にどういう点について心配なのかということを聴取いたしたと思います。 現に東神奈川車掌区におきましても、京浜東北線の一部の駅のホーム要員が少なくなりましたときに、いろいろ車掌の意見を聞きまして、先ほど申し上げましたように相当設備の改善について意見を具申をいたしておりまして、また改善をいたしております。恐らくそのように投書するまでもなく、その車掌の心配しておるところについては区として十分検討して、局にも相談をして善処したものとかように考えております。そのようなまた指導をいたしております。
○瀬谷英行君 私は、やはり現場の職員の意見というものを最大限に聞かないで要員の配置をしたりなんかしちゃいかぬと思うのです。必要に迫られてやるべきことはどうしてもやらなきゃいかぬ。例えば、東京都内を電車で回っていて私ら感じるのは、先ほど例を挙げた飯田橋もそうですけれども、渋谷だってそうだし、かなりホームの湾曲しているところがありますよね。ホームの湾曲しているところは内側から見れば別だけれども、外側から見たんじゃ先の方まで見えないというのは、だれが考えたって当然のことなんです。だから、そういう場所があることだけは間違いない。本当ならばホームは全部真っすぐにしろと、こういうふうにすればいいかもしらぬ。真っすぐにするというと山手線なんか困っちゃうかもしれないけれども。それにしてもせめてホームの長さくらいは余り曲がらないようにしないと、これは現実に危険があるのです。だから設計上もやはり考えてもらう必要がある。極端なカーブというのはなるべくないように、まず設計の段階でやるべきだと私は思うのだけれども、もうできてしまったものはしようがないから、これはやはり人手でもってカバーする以外に方法ないのです。だから私は、ここでひとつ職員の意見というものを積極的にくみ上げるということはこれからもやるべきだ、こう思うのです。それには分割・民営に賛成する人間の意見だけを取り上げるというのは間違いだと思うのです。国鉄はいかにあるべきかということについて一番の具体的な考え方を持っているのは、内部で働く人間なんです。監理委員会なんていうのは、まあ言っちゃ悪いけれども素人の集まりで通勤電車なんていうのは見たこともなければ乗ったこともないような連中が集まっているのだと思うのですよ。ああいう諸君が机の上で国鉄の再建案なんていうの考えたってろくな結論が出っこないのですよ。それをもとにする政府案だから、これもろくなものじゃないというふうに考えられたってしようがないでしょう、大臣。大臣の見解は、分割・民営についてなかなかいいところがある。その大臣ですら分割の方法についてはあの本の中ではまだ結論は得ていないと書いてあるんですから。だから、分割の問題については今のような案がいいのか悪いのかといったようなことについての見解を、内部から意見を聞くということはこれは必要なことだと思うのです。内部の意見を聞かないでど素人が適当に書いたものをまず何よりも尊重するということをされたんじゃこれは中で働く人間はもうやはり失望すると思うのです。その意味で、私は、これからの問題になるんですけれども、内部の意見というものは尊重する、これを取り上げるかどうかは別として、内部の意見はできる限りこれを尊重する、そしてそれに対して抑えるようなことはしちゃいかぬと思うのです。実際にはこれは、この場合はもう抑えられております。その点を私は今後の問題としてやはり考えるべきだと思うのですが、どうですか。
○説明員(杉浦喬也君) 現場におきます日常業務につきまして、安全とかサービスとか、そういう毎日行う場合におきますよりよき方法についての現場職員の積極的な意見というものは、これはもう大切にしなければいけないというふうに私は思います。それが仕事に対するまじめさ、誠意のあらわれであるというふうにも思うわけでございまして、この事柄は、改革の有無にかかわることのない基本的な職場におきまする対応ではなかろうかというふうに思うところでございまして、そういう意味におきまする積極的な提言というものは、大いに現場におきましても管理者は尊重すべきであるというふうに思います。
○瀬谷英行君 今の総裁の話によると、改革の有無にかかわらず積極的な提言はこれを尊重すべきだ、こういうふうに言われました。私もそうあるべきだと思うのです。そうあるべきだと思うからホームの無人化をどんどん進めるということについては、これは問題があるという提言はこれまた率直に受け入れるべきだと思うのです。一車掌の言っていることだから歯牙にもかけないというふうな態度をとっちゃいかぬと思う。車掌の言うことだからなおさら現場では尊重しなきゃならぬ、こういう気がいたします。私はこの投書をした車掌でなくったって無人駅の問題については同じ意見を持っている者が大多数じゃないかと思うのですよ、特に東京なんかで働く場合には。だから、そういう意味では、こういう意見を述べた、これを何か欠陥商品を暴かれるような感覚を持つということ自体間違いだと思うのです。したがって、この投書以後の措置として乗務を外してしまったといったようなことは、これは当局側のやり方としては間違っているんじゃないかという気がいたします。したがって、事情を聞くための処置だということもこれは少し大げさだという気がするし、事情を聞くために乗務を変更するといったようなことは行き過ぎだというふうに思うのですね。だから、これはやはりこの投書によって本人の勤務形態を変更したというようなことは適切でないと思います。この点はもとに戻すのは当然やるべき措置だというふうに考えるんですが、この点一体どのようにお考えですか。
○説明員(杉浦喬也君) 事情を聞いた上での判断だと思いますが、なお今後の措置を見守りたいと思います。当面の判断としては、やはり安全面での不安が本人にあるという確認をしたんだろうと思うんです。したがって、そういうことについてのよく指導、教育あるいは本人の意思のくみ上げということが必要であろうというようないろんな判断のもとにおきまして、当面、乗務をおろしたわけでないんで、中の担務を車内の改札業務を行わせたのではないかと私は推察をするわけでございまして、このこと自体が区長が誤りがあったかどうか、その辺はもう少し私は考えさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましてもこのような事柄が表に出、あるいはまた現実にその当該車掌が安全面での不安を持った、こういうことはやはり事安全に関する事柄でございますので、十分に今先生がいろんな意味での貴重な御提言、御示唆をいただきましたので、これから今後一層安全第一という姿勢を貫くことにいたすとともに、また本件につきましての今後の措置につきましては、今後かかることのないように善処をいたしたいというふうに思っております。
○瀬谷英行君 この車掌に対するやり方は安全面での不安が本人にあるというふうな認識をして、だからなるべく乗せないというふうに受け取れるわけです。だけれども、この投書の趣旨は、おれが不安を感じているから乗務するのは嫌だというふうにこれは書いてあるわけじゃないんです。これは無人駅というのは危険だ、安全面で問題があるということを言っているわけですよ。しかも、そのことは、この投書の中で社会に対する一つの問題提起にはなっているけれども、これは隠して隠し切れるものじゃないんです。幾らこんな投書してくれるなと言ったって、無人化という問題はどんどん進んでいるんだから、隠して隠し切れるものじゃないでしょう。そうすると、車掌が指摘をしなくたってだれかが指摘をするかもしれませんよ。私どもだって指摘をしたいんですよ。余剰人員だ、余剰人員だと片っ端から人間を減らすことばかり考えている。しかし、どこでもって人間を減らしたか。ホームの安全関係の要員というものを片っ端からやめちまうじゃないですか。これが一体安全対策なのかというふうに思うのは、これは一般の人間が考えたって同じなんですよ。車掌が指摘をするまでもないんです。だから、これはごまかし切れるものでもなきゃ隠し切れるものでもないんです。たまたまこの車掌の投書というのが取り上げられただけなんです。だれが考えたって無人化が進んでいるということは不安だという点では同じだと思うんです。したがって、こういう投書をしたということで何か意趣返しのように本人の勤務を変更するといったようなことを管理者がやるということは、私は間違いだと思うんですね。だから、その意味でこれはもとへ戻す、こういうことをすべきだと私は思うんですがね。この点、総裁の見解を再度伺いたいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) 今の先生の御趣旨を十分に理解し、体しまして、今後善処いたしたいと思います。
○瀬谷英行君 それじゃ、それは総裁の方で善処してもらいたいと思うし、と同時に、私はもう一つ、このやりとりを現場から聴取してください。今、総裁自身が、こういう趣旨じゃないかと思うとか、ああいう趣旨じゃないかと思うとかというふうにいろいろと総裁自身がここでもって修飾をして弁明をされるということでは、本当の内容はつかみがたい。だから、一体なぜ本人を呼んでこのやりとりをやったのか、その内容はどういうことなのか、管理者としてこのような例を出すことが適当なのかどうかということを検討する必要がある。例えばさっき指摘をしたように、欠陥商品を外部に宣伝をするようなことは困るじゃないか、こういう話があった。これはまさか総裁が指図をしたんじゃないと思いますよ、総裁がそんな指図をするほどセンスがないとは私は思わないから。総裁が指図をしたわけでもないし、常務理事が指図をしたんじゃなかろうと思うけれども、現にこういうことを現場の管理者が言っていたということが事実だとすると、認識が問題だと思うんです。さらに、企業秘密なんという話になると、これはもう問題外ですよ、こんなのが企業秘密なんて。無人化をどうやってごまかし切れるかということになってしまうと思うんですね。こういうこともやはり問題だと思うんです。だから、これらのやりとりがどういうことなのか、一体本人が何というふうに言ったのか、区長なり助役が、区長はどういうことを言って、どういう助役が何を言ったのか、こういうことをやっぱり調べてもらう必要がありますね。そうでないと、管理者がとんちんかんなことを大きな顔して言っているということを見逃しておくということはよくないです。管理者自身の感覚、考え方からしてまともに戻さなきゃならぬ。何か、民営・分割の処方せんに対して、これがコーランかバイブルのように逆らっちゃいけない、というふうな感覚を持たれたら大きに迷惑なんです。国会でこれから審議に入るんですからね、これから。恐らく今国会じゃ間に合わないでしょう。二十二日までだから間に合いっこないんですよ。その後は参議院選挙になっちまうしね。そうすると、この次の国会から本格的に審議に入るというふうに思います。したがって、我々とすれば、まず最初に分割・民営という政府案というものは絶対的なものだというふうにして押しつけられちゃ困るんです。社会党だって社会党案を出しております。それから公明党にしても、あるいは新自由クラブにしても、それぞれ政府案とは違った案を持っている。これらの案というものを国会審議の段階で練り合わせて、そして本当に日本の交通政策を考えた場合にどうしたらいいかということを国会でもって我々は決めたいと思っているんです。政府の提案は、これは一つのたたき台なんです。これが絶対だというふうに思い上がっちゃ困るんですよ。三塚運輸大臣の識見に対しては敬意を表明するけれども、これが絶対だというふうに思い上がっちゃいかぬ。もしそういうふうに思い上がって強行すれば、これはもうすぐやり直しをしなきゃならなくなります。だから、国家百年の大計を考えたならば、みだりに発足早々すぐにやり直しをするといったようなことがあっちゃいかぬと思うんです。 きょうは触れませんけれども、私どもが検討した結果によると、貨物会社の問題だって、どうも果たして収支が償えるかどうか疑問がある。三島の問題にしたってそうです。こういう点についてだってまだまだ検討しなきゃならぬという問題があると思うんですが、その点についての見解をもう一度お伺いしたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 今回、六十一年希望退職者に関する法律ということで御審議をお願いをいたしておるわけでありますが、瀬谷先生御指摘のように、改革関連法案、二十二日までの期間でありますけれども、できるだけ私どもの立場からすれば御審議を煩わし、お取り進めをいただきたい、こういうことには変わりはないわけでございますが、ただいま御指摘の貨物会社それから旅客会社等々、今後のあり方につきましては、提出をさせていただきました七つの法律案、御審議をいずれお願いをいただくわけでありますが、この方式が十二分に御審議をいただきますならば、なるほどということで御理解をいただけるのではないだろうか、また御理解をいただけますように私どもも精査をいたし、精密なデータのもとで御論議をいただき最終的な結論を得たいと、こういうふうに思っておるわけであります。 問題は、今回お出しさしていただきました案件は、二年余にわたる監理委員会の御審議の上に立った答申をベースにいたしたことは事実であります。同時に、政府といたしましても、本件を分析検討をいたしました結果、今日の時点で将来展望に立った場合、分割・民営方式をとらさしていただきますことが鉄道としての再生につながることであるし、働いておられる方々、鉄道マンとしての十分の使命、誇り、これも先々これを延ばさしていただけるものである、こんなことで取り進めさしていただいているところであり、何とぞ法案の審議の際に、また厳しい御批判、御検討、御分析の中でお取り進めをいただき、私どもの御提案に深い御理解をいただきたいと、こういうことで取り進めさしていただいておるというのがただいまの御質問に対する率直な見解でございます。
○瀬谷英行君 もう一つ私ちょっと申し上げておきたいんだけれども、今の国鉄改革についてという、これは「グッディ」という本の中に——これグリーン車の背中にみんな本があって、それに「「民営分割についてのQ&A」から」ということで解説をしてあります。これだけを見たってかなり問題点はありますよ。それから、改札口でもってこういうパンフレットも配っていたので私持ってきましたけれども、「地域思いのダイヤになります。」とか「旅人思いのダイヤになります。」「未来へ元気に走るためのダイヤになります。」こういうふうに書いてあるんです。今のうちは地域思いのダイヤなんて考えてないと、旅人思いのダイヤなんていうの考えてないと、こういうふうに受け取れますよね、何か先々のことを約束をするけれども、現状ではおれは考えてないんだと、我慢しろというふうに聞き取れちゃうわけです。こういう姿勢は大体よくないですね。会社になったら一生懸命やりますと言わんばかりです。こんなことではいかぬと思うんですよ。会社になろうとなるまいと、国鉄のダイヤは地域のことを考えてやらなきゃならないのは当たり前のことなんです。だから、この辺の感覚をどうもちょっと疑わざるを得ない。だから来年になったらというふうな言い方をしないで、当面の問題は、毎日毎日通勤者は超満員の通勤電車でもって苦しめられているんですから、そういう状態が毎日続いているんですから、危険の状態も、この車掌が指摘をするまでもなく毎日続いているんです。それで、やはり国鉄自体が毎日のように大勢の人間や物を運んでいるんですから、こういう事態は、きょうの問題として考えるべきだと私は思うんですがね。問題を先送りしないように、きょう、あすの問題もより真剣に考えるということでなければいかぬと思うんですが、その点をどのようにお考えになりますか。総裁の見解を承りたいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) 「地域思いのダイヤになります。」というのは、実は十一月にダイヤ改正を考えております。かなり大きな変更でありまして、今作業中でございますが、途中の段階でありましても、かなり今までにないローカル線あるいは在来線への配慮というものをきめ細かくやりたいというふうに思っておるところでございまして、まだその中身の全貌を明らかにする段階ではございませんが、いわば予告編といたしまして十一月には一生懸命その地域を思いまして立派なダイヤにしますということをここに掲示をしたわけでありますし、あわせまして、現在の国鉄改革は大変問題がございますので、十分に御理解をくださいということを申し上げたつもりであるわけでございます。 先のことばかりよりも現実の毎日のお仕事という先生の御指摘も全くそのとおりでございまして、一日三千八百万人のお客さんを毎日安全にまたサービスよく運送するということが私どもの最大の使命であるというふうに思っておるわけでございますので、そうした観点でこれからも頑張りたいと思います。
○瀬谷英行君 もう一つ、これは自由新報に載っていた総裁のインタビューなんですが、「心配ご無用」という見出しがついていろんなことを書いておられる。しかし、御無用なほど心配がないわけじゃないんですよね。正直な話心配だらけなんです。心配だらけだからもう問題を一つ一つ追及すれば切りがなくある。そこで、心配御無用だなんて言わなくて、一生懸命心配をするということの方が私は本筋じゃないかと思うんですね。 それで、特に今の安全の問題は、設備やら何やらだけじゃないです。これはやはり人間関係というものが必要だろう、大事だろうと思います。人間関係がやはりうまくいかないということは、一番いけないと思うんです。日本航空の体質がいろいろ問題になりました。きょうは日本航空のことは触れませんけれども、人間関係がよくなかったということは指摘されました。国鉄だって人間関係は大事だと思うんです。労使の関係がごちゃごちゃしているといいことありません。だから、労働組合もいろいろと複雑な動きがありますけれども、杉浦総裁のこのインタビューを見ますと、勤労、鉄労、全施労は事態をよく認識してくれたけれども、最大組合である国労が事態の流れをまだ理解してくれてないと、こういうことを書いてありますが、その事態の流れをよく理解をしてくれているかいないかということは、この政府が答申の線に沿っていくかいかないかじゃないと思う。国会の審議はこれからなんですからね。分割の問題だってこれからなんですからね。国会の審議でもって決まるんだから、決まらない先に先走りをする必要はないわけで、やはり労使の間の関係を円滑にしないと事故対策等についてもやはり十分じゃないと私は思うんです。そういう意味では、人間を粗末にしないようにしてもらいたいと思う。余剰人員だというので、何か古新聞でも片づけるように、片づけることばかり新聞に出てきます。どこそこで幾ら採ってくれたというようなことばかり。そういうことじゃなくて、先ほど私が引用したように、NTTの総裁が言っておるように、人間を減らすばかりが合理化じゃないんだ、人間を生かすということを考えなきゃいかぬということを電電の総裁ですら言っているんですからね。国鉄のように世帯が大きければなおさら人間を生かすということを真剣に考えるべきだというふうに思うんですが、その点の見解を最後に承りたいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) どの企業でもそうでございますが、そこに従事する従業員あるいは管理者、そうした全体の職員がその仕事をやっておるわけでございますので、そうした中での人間関係というものは、まことに重要なファクターであるというふうに思います。国鉄のように毎日の仕事を正確にやっていかなきゃならぬという職場におきましては、とりわけ人間関係は大事であるというふうに私は思うところでございまして、そういう意味におきましても、別な意味での人間関係である職場規律をしっかりするということも大事でございますので、ここ数年間そうした面での指導も行ってきたわけでございますし、また労働組合との間におきましても、そこに信頼関係を失うということがあってはならないというふうに思うところでございまして、私といたしましては、各組合員に対しまして、公平、平等、妥当な線でいろんな意味での提案をさせていただき、また意見としましては遠慮なく意見を言ってくださいということを何遍も申し上げているところでございます。 残念なことには、一番大きな国労との間でなかなかしっくりいってないという現状でありまして、これは国労の諸君にもお願いをいたしますが、私どももこれからも粘り強くいろんな意味で提案をし、意見を言ってくださいということを何遍も言ってまいるつもりでございます。組合関係は絶対に信頼関係を確立したいというふうに思うところでございます。 その他、全体にわたりまして職員の安定確保という点につきまして今後も大いに努力をしてまいりたいと思います。
○委員長(鶴岡洋君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 —————・————— 午後二時開会
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢原秀男君 国鉄改革のための基本的方針について、まず、昭和六十年十月十一日閣議決定に対する質問を数点に分けてしたいと思います。 まず一つは、再建監理委員会の設置を定めた日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法の第六条では、内閣総理大臣は、委員会から第五条第一項または第二項の意見を受けたときは、これを尊重しなければならない。と定めております。法律では、意見の尊重義務を課しているにとどまっているわけでございます。したがって国鉄改革の実施に際しては、政府みずからの判断と責任において成案を得て国会に提出するものと考えるわけでございますけれども、この政府の立場に違いはないかどうか、まず一点伺いたいと思います。
○政府委員(棚橋泰君) 監理委員会からの御意見は監理委員会の御意見でございまして、今回国会にお願いをいたしております法律は、政府においてそれを最大限尊重し、判断をいたしました上で提出をいたしておるものでございます。
○矢原秀男君 第二は、閣議決定において、旅客鉄道部門を六分割とし、貨物鉄道会社と新幹線保有主体をそれぞれ分離独立することと決定をしたこの政府の理由について伺いたいと思います。
○政府委員(棚橋泰君) 今回のお願いをいたしております国鉄の改革と申しますのは、国鉄を効率的な経営形態に変革いたしまして利用者の利便にこたえられる鉄道というふうに再生をしよう、こういう考えでございます。このために、旅客鉄道につきましては適正なる経営規模、それから地域、ローカルの需要に適合した輸送というものが提供できるという体制を確立する必要があるという観点から、経営の分割というものが必要であるというふうに考えておるわけでございます。この場合、分割に当たりましては、適正な経営管理、旅客流動のまとまりというような観点に配慮いたしまして、六分割とするのが実効上最も適切ではないかというふうに考えた次第でございます。 なお、貨物につきましては、その輸送距離が旅客に比較をいたしまして大変長うございます。そういう観点から、必ずしも旅客というふうなものと同じに扱うということが適当ではないのではないか。また、貨物輸送と申しますのは、物流等の他の事業者との関係等もございまして、必ずしも旅客輸送とは同じでないというような観点から、貨物につきましては全国を一社にした貨物会社、こういう形で、旅客六分割、貨物一社というふうな分割が適当であるというふうに判断をいたしたところでございます。
○矢原秀男君 三は、政府は国鉄改革に対する国民合意の形成はなされたと考えているようでありますけれども、何を根拠としておっしゃっていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 国民合意の形成された根拠ということでありますが、国鉄経営の厳しい現状から、各党からもそれぞれ御意見また政策の御提示があり、抜本的改革の必要性については国民的合意があるものと考えております。その場合、改革の具体的な方策について、臨時行政調査会、国鉄再建監理委員会の十分な検討の結果出された結論に沿う今回の政府の改革案ということに相なるわけでございまして、再生、新生ということで考えますれば、また各党考えられておりますそれぞれのコンセンサスの中でベストだということで今回の案を出さしていただいた、こういうことであります。
○矢原秀男君 四には、閣議決定においては、国鉄改革の最大関心事である六十二年首の国鉄の適正要員規模については何ら触れられていないと思っていますけれども、その点はどういう理由があるのか、伺いたい。
○政府委員(棚橋泰君) 先生御指摘の六十年十月の閣議決定は、その前の七月三十日に閣議決定をいたしました再建監理委員会の改革に関する意見を最大限尊重するということに基づきまして、それを念頭に置きました上で進むべき方向の、いわゆる方向づけというものを閣議決定したものであるというふうに考えております。 したがいまして、その際に、余剰人員の規模とかそういういわゆる数字につきましては、再建監理委員会の数字というものを念頭に置いてこの閣議決定が行われた、そういう意味で閣議決定の中では明確な数字は示していないというふうに理解をいたしております。
○矢原秀男君 五として、監理委員会が示した六十二年首の職員規模二十一万五千人、適正要員規模十八万三千人という意見に対しては、どのような見解を持っていらっしゃるのか、伺いたい。
○政府委員(棚橋泰君) 基本的には、政府の判断といたしましては私鉄並みの生産性というものを前提といたしました要員配置というものを実現するということだと思いますが、その際、再建監理委員会の御意見はそれなりの積算基礎で積算をなさったというふうに理解をいたしておりますし、またその後、国有鉄道の方におきましてそれを基礎にいたしましていろいろ試算を、積み上げ等の計算をいたしておりますが、それらの結果を踏まえまして、およそ再建監理委員会の意見の要員規模というものは適正ではないかというふうに考えておる次第でございます。若干のその中におきます変動はあろうかと思いますけれども、基本的には二十一万五千という線につきましては、それが適正な、新しい経営形態のスタートの際の要員規模であろうというふうに判断をしておるところでございます。
○矢原秀男君 穴として、監理委員会では六十二年首に新事業体に二十一万五千人の職員が移行するとしておりますけれども、この二十一万五千人が新事業体に移行できる法的保証はどこにあるのか、この点を伺います。
○政府委員(棚橋泰君) ただいま国会に御提出を申し上げております改革の法の中に規定がございますけれども、基本的に、法案が成立をいたしましたら、運輸大臣が承継基本計画というものを定めることになっております。その承継基本計画に基づきまして、個々の会社の承継計画というものが国鉄から運輸大臣に出てくるわけでございますが、その基礎となりますのは承継基本計画という政府が定める計画になるわけでございます。その承継基本計画の中で、各分割会社の要員数というものは明示をするということといたしておりますので、その明示をされた数字というものに従って新会社の承継が行われる。その数字の総計は、先ほど申し上げましたように政府としては二十一万五千ということでいくべきであると考えておるところでございます。
○矢原秀男君 七として、長期債務等の処理に関して、「最終的に残る国民負担を求めざるを得ない長期債務等については、」「新たな財源・措置を講ずることが必要であるので、」「長期的観点に立った総合的かつ全国民的な処理方策を検討・確立する。」と決定しておりますが、政府としては、最終的に国民負担になる債務の額を幾らと見ているのか、これが一つ。その根拠は何か。 また二番目には、「全国民的な処理方策」と述べておられますけれども、この言葉の意味するものは何か、これを伺います。
○政府委員(棚橋泰君) まず、最終的に国民負担といわれております額でございますけれども、結論から申し上げますと、再建監理委員会は十六兆七千億程度ということでございます。政府といたしましても、現在の時点では一応この十六兆七千億というのを念頭に置いておるわけでございます。 ただ、御承知のように、十六兆七千億というものの根拠は、全体で三十七兆三千億ございます国鉄のいわゆる長期債務等あらゆるものを含めましたもの、それから、新しい事業体に引き継ぎますものを除きまして残りますものを、用地の売却とか新幹線保有主体からの簿価と地価の差の価格とか、さらには株式の売却というようなものを差し引いた額が十六兆七千億でございます。 したがいまして、当面十六兆七千億を念頭には置いておりますけれども、今申し上げましたような諸種の数字というものはまだ変動する要素を含んでおるわけでございます。 特に用地につきましては、五兆八千億といわれております用地の売却を効率的に行いまして、極力上乗せを図っていくということになっております。したがいまして、その結果ではこの十六兆七千億というものについてはこれは変動をする、言うなれば極力これをもっと小さい数字にするという努力をいたすということにしておりますので、最終的な数字はそれらの努力の結果決まるものであるというふうに考えております。 それからもう一つのお尋ねは、全国民的処理方法というものについてでございますが、全国民的な処理方法というのは、これは再建監理委員会の御意見の中にございましたものを閣議決定でそのまま引用したわけでございます。今一応十六兆七千億と念頭に置いております国民負担というものは、そもそも国鉄というものが国有鉄道であり、国民の皆様の資産でもあり、逆に言えばそのしょっておる債務というのは国民の皆さんのやはり債務でもあるというような観点から、単に国鉄の利用者という者のみに負担をかけるということではなくて、全国民的に最終的な債務の御処理を願いたい、こういうようなつもりでこの表現を用いているものであるということと御理解をいただきたいと思います。
○矢原秀男君 ここで大臣に再確認というか、伺いたいと思いますが、今話が出ております十六兆七千億、これは用地買収とかいろんなことである程度の上下はあると思うんですけれども、この国民負担という形が全国民的な処理方策という形で述べていらっしゃるわけでございますが、国民の立場からもやはり言い分があると思うんですね。何で最後はこういうふうに国民にすべての負担が来るのか。こういう点のこの数字と国民の感情というもの、そういうものを大臣の立場ではどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。この点伺いたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 今回の改革に当たりまして、棚橋審議官が言われましたとおり、最終的に十六兆七千億は国民の御負担にお願いを申し上げ、解消しなければならないという監理委員会の答申、さらにそれを精査してやむを得ないがと、こういう形で御提案を申し上げる段取りに相なったわけでございます。矢原先生御指摘のように、私も負担はない形で改革ができたにこしたことはないと思っておる一員ではあります。 しかしながら、今回の鉄道はまさに再生であり新生を期していかなければならないと、こういうことで六旅客会社、また貨物会社、一社といえども失敗が許されないぎりぎりのところのスタートである、こういうことになるわけでございます。そういう点で旧債が、借入金が二十五兆四千億というふうになっておりますし、それから総額が三十七兆三千億。なぜそんなにふえたのだという国民の御批判もあります。しかし、新しいスタート台に立ちますときに処理すべきものは処理をしてまいるということが正しい手法であるということで、特に追加しようということで、年金負担の問題が構造的欠損とも言われ、国鉄改革の際に絶えず議論をされたことにかんがみまして計算をしてまいりますならば四兆九千億、約五兆円に相なります。こういうことどもを勘案をしつつ、財産を処分できるものがあり得るか。しかし、これを全部処分したら鉄道でなくなるわけでございますから、非事業用用地という区分けの中でアバウト二千六百ヘクタール余、これを出ささしていただき、売り得ますならば五兆八千億程度で売れるかなと。しかし、これはできるだけ、今矢原先生御指摘のように、国民負担という問題がありますものですから、これを価値をつけましたり売り方に工夫をいたしましたり、またいい値段でお買いをいただくということで取り進めさしていただく、こういうことで整理してまいりますと十六兆七千億というのが出てまいると、こういうことに相なりこのことは極めて国民の皆様にも御苦労をおかけを申し上げるわけでございますが、国有鉄道として百余年、国家の、また地域の発展のために進んできたことにかんがみまして、このことの処理に御協力をいただかなければならない。また、ぜひさように御理解を得たいと、こういうことでございます。 率直に申し上げまして、全くこれがぎりぎりいっぱいでありまして、進まなければなりませんし、しかし、経営がうまくいってさらにこの負担が軽減できるようなことなども、これに法文には載っておりませんけれども、期待をしつつ、今後経営が立派にスタートした場合のことでありますが、念願をするということが率直な実は感想でございます。
○矢原秀男君 八として、貨物鉄道会社に関して、閣議決定では「十一月末までに成案を得て、」と決定されております。六十年の十一月に運輸省が発表した「新しい貨物鉄道会社のあり方について」という文書、これが成案に当たるのかと思いますけれども、この六十年十一月の「新しい貨物鉄道会社のあり方について」という文書の最後に「貨物鉄道会社の経営見通し」という項目、また六十一年度ダイヤ改正作業と関連して確定されるものなど不確定要素も多いと思うわけでございます。さらに安定的な収支採算の確保を図る方向で具体的な検討を進められておられるわけでございますが、「最終的な収支計画を策定することとする」、こういうふうに述べられておられますが、ちょっといただいております資料、計画、六十二年度収支試算をいただいて見ているわけでございますけれども、まず伺いますことは、この貨物の問題は、監理委員会でも、運輸省としても、国鉄当局としても、全国で一本化するのかどうなのかということで技術的な問題も一番御苦労されて、第一回の監理委員会でも発表がおくれた、こういうようなことも我々は委員会で直接伺ったりしておるわけでございますが、こういう貨物鉄道会社のあり方、経営の見通し、そういう点をまず伺ってみたいと思います。
○政府委員(棚橋泰君) 先生今御質問にございましたように、貨物のあり方につきましては、再建監理委員会の御意見では基本的な方向が示されて、細目については、運輸省、国鉄において成案を得るようにということでございまして、鋭意作業を進めまして昨年の十一月にとりあえず第一回の概案と申しますか、そういうものを発表をしたわけでございます。 その基本的な考え方と申しますのは、徹底した輸送の効率化とコストの思い切った低減ということ、それから安定的な収入を確保する、こういうような観点から行ったものでございます。そういう観点から、例えて言えば集配列車、輸送基地というようなものの効率の悪いものを思い切って整理をする、さらに特定の大量定型の貨物ないしはコンテナというような収益性の高いというものに特化をするというようなこと、それからコストの方につきましては、人件費、物件費というものを思い切って削減をする、それから安定的な収入といたしましては、コンテナ輸送を中心に、通運事業者、トラック事業者というような物流事業者に往復の列車単位で販売をする、そういうものを保証をしてもらうというような観点が中心になっておったものでございます。その結果、昨年の末お示しいたしましたように、貨物のトン数等につきましてはかなりの縮減をいたしまして、またコストの方には思い切った縮減をいたしたわけでございまして、その結果、わずかではございますけれども、黒字が出ることは可能であるというような結論を得たわけでございます。 その後国鉄におきまして、この案をもとに昨年十一月以降、荷主、物流事業者という関係方面と具体的に調整に入りまして、その考え方をもとに現実に列車等の設定が可能であるかどうか、荷物を保証してもらえるかどうかというような諸点につきまして詰めを行いました。その結果をもとに本年十一月のダイヤ改正の案というものができたところでございます。 その新しいと申しますか、そういう精査をいたしました結果の収支見通しにつきましては、なお細部について計算を詰めておるところでございますけれども、おおよそ昨年の十一月に出しました結論の線とほぼ同じ程度の利益は可能であるというふうな結論を得ておるところでございます。
○矢原秀男君 貨物関連会社の経営見通しの中で、六十二年度の収支試算というものが計画されておりますけれども、五十九年度がこれは二千二十二億の赤ですね、どうですか。
○政府委員(棚橋泰君) 十一月に試算をいたしましたときの細部のところについておりますように、五十九年度につきましては貨物部門の赤字は二千二十二億でございます。
○矢原秀男君 その中に六十二年度の収支の試算がございまして、収入、経費、そういうようなことで損益の中で一挙に十六億円の黒という数字が計上されるわけでございますけれども、これは輸送量、列車の設定キロ数、列車本数、貨物の取り扱いの駅、貨車数、要員の数、こういうふうな綿密な計画の中からはじかれていると思うんでございます。しかし、こういうふうに二千億の赤から十六億の黒にという、一挙にこういうふうに経営的に成り立つものかどうかという疑問はあるわけですけれども、そういう点はどういうふうな計画を試算されたのか、具体的に伺いたい。
○政府委員(棚橋泰君) 詳しいことは国鉄当局の方からお答えを申し上げますけれども、基本的には先ほど申し上げましたように、コストの削減というものが非常に大きいわけでございます。コストの削減といたしましては、効率の悪いヤード系と申しますか、セミヤードというようなものにかけておりました集配列車を伴います列車、こういうものを思い切って整理をいたしました。これをコンテナないしは専用貨物という方に移行をさせました。その結果、いわゆる人件費が大幅に縮減できたということがございます。そのほか経費といたしましては、いろいろな面の細かいところもすべて積み上げ作業を行いましてその縮減というものを図っておるわけでございます。 それから収入の方につきましては、今申し上げましたようなことでございますので、積載効率をよくしております関係で、コンテナ等につきましてはかなりの増収が期待できるということもございます。また専用貨物等につきましても、従来いろいろな意味での割引等を行っておりましたが、これも採算の合う適正な運賃というもので荷主にお願いをする、そういうことでお願いをできない貨物はやむを得ず他の輸送機関に転換をしていただくというようなことを行いまして、収入の安定的な確保というものも図っておるわけでございます。 そのような結果、今先生がお話になりましたように、わずかではございますけれども、十六億程度の黒字が出るということで昨年の十一月にお示しをしたわけでございます。 その後、さらにこれを荷主さん等と具体的に積み上げました結果、今年の十一月のダイヤ改正の素案というものがまとまったわけでございますが、これにおきましても先ほど申し上げましたような考え方をさらに強めた結果、どちらかといえば十一月の試算よりはもう少しよくなるというような方向で結論が得られる見通しがほぼついておるというところでございます。
○説明員(杉浦喬也君) 今、国鉄におきまして、昨年の十二月に運輸省で示されました運輸省の案につきまして、これを具体的に荷主、通運業者等々の一本一本の路線、それぞれの荷物総体につきまして具体的な詰めを行ってきておるところでございます。基本的な考え方は、今運輸省がらお話がございましたように、何といいましても、今までのヤード中心の輸送システムというものが非常にコストがかかりますので、これを全廃をいたしまして、直行型大量定型輸送というものにすべて集約をして、そういう特性分野のみを輸送するということによる大幅なコスト削減というものが中心でございます。なおまた、荷主等との折衝によりまして収入の面におきましてもかなり具体的な見通しを立てておるところでございまして、今運輸省からお話がございましたように、本年の十一月に大きなダイヤ改正を行います。そのダイヤ改正に際しまして、貨物のダイヤあるいは貨物の駅というようなものをどうしたらいいかというのが非常に大きな問題になっておるわけでございますが、十分にそのコストを回収し得るようなそういうダイヤというものを一本一本今選定をしつつあるわけでございまして、現在の予想におきましては、このダイヤ改正におきまする諸元は、大体昨年の十二月の運輸省ではじきました際の諸元とほぼ同様な数字になるであろう。それからまた、基本的に収支はどうなるであろうかということにつきましても、これも同様に、運輸省の昨年定められました案の収支の結果、若干の黒字になるというようなそういう数字が出ておりますが、そういう数字にほぼ近いものであるというような概要の検討が進んでおるところでございます。
○説明員(岡田昌久君) 補足してお答え申し上げます。 まず一番根本になるのは収入でございますので、収入につきましては、特に最近の傾向を踏まえたつもりでございまして、コンテナについては強勢でございますので、コンテナについては将来の伸びを見ておりますが、車扱いにつきましては個々に積み上げまして、特に分散型の輸送についてはかなり下落しておりますので、これを踏まえまして積算いたしております。 なお、経費につきましては、特に人件費につきましては四万六千六百人を一万二千五百人ということで二七%まで削減いたしておりますので、人件費の大幅な圧縮、これは先ほど御説明がございましたように、業務のやり方を集結式から直行型にかえていく、ヤードから直行輸送型にかえていくということを主にいたしまして列車の本数等も半減いたしましたので、このような人件費の削減ができるというふうに考えております。 そのほか動力費、修繕費等につきましても、それぞれの車両減に伴いまして積算いたしております。 また、業務費等につきましても、これは徹底的な経費の見直しを行うということで作成いたしております。 なお、資本費につきましても、必要最小限度の資産を持って出るということでございまして、そのような計算の中で数値を確定いだそうという努力をいたしております。 以上でございます。
○矢原秀男君 岡田さん、ちょっと技術的な問題を聞きますけれども、この収支試算の黒の大きな商品の売り物として、荷主のニーズにこたえた新製品であるピギーバック輸送の導入、東京—大阪間のコンテナ列車にトラック積台車五車を併結し、一車に四トンドラック二台を積載する、これは四トントラックというのは、料金とかいろいろなものを見ると、荷主側から見るとマイナス面があるんでは、同じ運ぶのであればもっと大型、さらに大型をと思っているんではないかなと思うし、また逆に国鉄側の技術的な面からすると、こういうものが実際に効率等、そのような面ではどこまで検討されているのか、その点突っ込んだところを伺いたいと思います。
○説明員(岡田昌久君) ピギーバックにつきましては、先生御指摘のように、いろいろの検討がございまして、そもそもトラックそのものを載せるということが非常に便利であることは皆わかるわけでございますけれども、トラックを載せるということは、即、エンジンを載せ、それからタイヤを載せて走ることになります。したがって、箱だけを載せて走るのと比べてどちらが優劣があるのかということについてはかなり長距離を運べるかどうかによって違ってくるわけでございます。今回ダイヤの中で組み込みまして東京—大阪間一日五両、すなわち一両に二台積みますので四トン車十台分を往復させようということにつきまして、実はちょっと立ち入った話になりますが、特定の荷主、路線業者でございますが、この路線業者が四トン車を使って一度そういうことをチャレンジしてみたいということでございます。コキ車に二台しか積めない、要するに八トンしか積めませんので、私どもとしては五トンコンテナの方がより便利ではございませんかということもいろいろ議論したんでございますけれども、直接使ってみて、車の運用等も勘案しながら御決定になったようでございますが、やりたいということでございますので、一つのチャレンジとして、私どもとしましてもまたそういう輸送のメリットもやる中から浮かび上がってくるかもしれないということで、今回、特定の荷主ではございますけれども、踏み切ったわけでございます。
○矢原秀男君 貨物関係で、大臣は、監理委員会が非常に苦悩する中で政策的ないろいろな面で大臣も一番大きな主要な役目のいろいろ努力をされておられたと思うんですけれども、これは、大臣としては、今の質疑の中で全国一本化の貨物鉄道会社、この数字のように利益は少ないけれども、いきなり一挙に黒字体制に進んでいくのかどうか、そのような点は、理論的には、大臣は長い過程の中で参画されていらっしゃったと思いますので、不安はないのかどうか、そのような点伺いたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) お答えします。 大変率直に言いまして、御指摘のように、貨物会社は苦難の中でありとあらゆる知恵を振り絞りながら、また計数を駆使し、どうありましたならば貨物会社として一番成り立つであろうか、こういうことで実務実行者である国鉄当局さらに運輸省、本件について実は真剣な議論をいたしたところでございます。 ただいま先生御指摘され、総裁、また常務、棚橋審議官から答弁がありましたように、この機構で見る限り、五十九年から六十二年、一挙にこのように改善をされるのは一体いかがなものであろうかという点、これは、まさに岡田さん言われるとおり、人件費の問題がありますし、他の物件費のそれぞれの節減分、さらに将来に向けて待ったなしの会社なのでありますから、効率的な運営を図る、さらに民間会社として物流会社として必死の経営をこれに取り進めてまいると、こういうことの中で取り進められますならば、初年度わずかではございますが黒字経営ができ得るという、そういうことでございまして、いろいろ勘案をいたしました結果、もうこれ以外にないのかな、こういうことで今度の法律案のバックデータとして取り進めさせていただくことに相なっておるわけであります。 当然、これはこのとおりだと私どもは思っておりますが、論議の中でいろいろと今後の会社運営についてまた御指摘もあるでありましょうし、また御提言もあるでありましょうし、謙虚に耳を傾けながら、よりよきものを模索しなければなもないことは当然なことだと思っております。
○矢原秀男君 非常に競争の厳しい物流の市場になっていくわけですので、また別の面に譲りたいと思いますけれども、まず大きな柱としては国鉄改革のための基本的方針について、九点に分けて今質問を簡単にさせていただきました。 第二の柱といたしまして、国鉄長期債務等の処理方策に関する質問を五点に分けて質問をしたいと思います。 一つは再建監理委員会の意見書、六十年七月二十六日においては、六十二年度首の長期債務を二十五兆四千億円としていましたが、まず昭和六十年度末の長期債務が幾らになったのか、また現時点の見通しで、六十二年度首の長期債務が二十五兆四千億円になるのかどうか、まず報告していただきたいと思います。
○説明員(前田喜代治君) 六十年度につきましては、ただいま決算を締めているわけでございますが、長期債務の残高につきましては二十二兆五千六百九億円と見込んでおります。 それから六十一年度末の長期債務残高でございますが、これは二十五兆八百四十六億円の見込みでございます。
○矢原秀男君 二に、昭和六十年度末における国鉄の一般勘定、長期借入金、鉄道債券の残高及び特別勘定、長期借入金、財政再建借入金、残高の金額を借入先別に示していただきたい。
○説明員(前田喜代治君) 六十年末の債務残高でございますが、まず一般勘定といたしまして十八兆二千四百九億でございます。その中には、長期借入金といたしまして、これは資金運用部ですとか、あるいは簡易保険局等からお借りしております、いわゆる政府関係からお借りしておりますお金が約七兆五千六百二十五億ございます。そのほか民間からの借入金といたしまして五千八百五十億、その他は鉄道債券でございまして、十兆九百三十四億でございまして、これは政府保証債あるいは私どもが相対で関係のところに債券を持っていただいておるという形のものでございます。 それから次に特別勘定でございますが、これはちょっと端数の関係で繰り上げ繰り下げがございますけれども、五兆三千二百億というのが特別勘定の債務残高でございまして、そのうち資金運用部からお借りしております特定長期借入金が五兆五百九十九億、それから財政再建借入金、これは一般会計からでございますが、これが二千六百一億でございます。
○矢原秀男君 三として、監理委員会の意見書においては、新事業体の負担すべき長期債務八兆四千億、その他に鉄建公団建設施設にかかわる資本費の負担三兆円を含めて計十一兆四千億円としておりますが、政府としては、新事業体が負担する長期債務等の額をどの程度と見ているのか。また借入先別に分けて、どこから借り入れたものを新事業体に引き継いでいくのか、この考えを伺います。
○政府委員(棚橋泰君) 基本的な考え方といたしましては、新しい事業体は最大限に効率的な経営を行うという前提で、収支が均衡できるという範囲で現在の国鉄の長期債務を引き継がせる、こういう考え方になっております。 そういう観点から、御承知のように、引き継がせます事業用資産の簿価に見合う債務、それから関連事業用は時価に見合う債務というものを引き継ぐということになっております。そのような観点から監理委員会で試算をされましたのが、鉄道建設公団の部分を含めまして十一兆四千億という先ほどの先生のお話のとおりでございます。 これが具体的にどの程度の額になるかということは、最終的に先ほど申し上げました承継計画の、基本計画の後で出てまいります引き継ぎ計画というようなものの中で明確に確定をするわけでございます。おおよそは先ほどの十一兆四千億ということでございますけれども、これを現在いろいろな新しいデータに即して現時点でどの程度になるかということを試算をいたしております。 最終的には法案が成立後、いろいろな資産の区分け等を決定をいたしまして、簿価等を評価審査会等で資産を正確に評価をいたしまして、その結果、最終的な額が確定する、かように考えております。
○矢原秀男君 四として、この閣議決定における長期債務等の金額については、再建監理委員会の試算によればとの表現がなされております。六十二年度首までに政府として処理の方策を決定しなければならない国鉄長期債務等の金額の確定及び債務の承継先の区別と、この時期ですけれども、いつ明らかにするつもりなのか。また、あわせて監理委員会の意見では、処理すべき長期債務等二十五兆九千億円、新事業体と旧国鉄に明確に振り分けておりますけれども、この振り分け方ですね。政府も同じように踏襲するのかどうか、その点伺います。
○政府委員(棚橋泰君) 最終的に清算事業団に引き継がせます債務と、新事業体の債務というのは、これは裏腹の関係でございます。基本的には新しい経営形態が効率的な経営で採算のとれる事業をやっていける範囲で、できるだけのものを新事業体に承継させまして処理しなければならない債務の額を少なくしなければいけないわけでございますが、これも余りたくさんしょわせますと、先ほど申し上げましたように効率的な経営が不可能になるというような観点から、一応事業用資産については簿価、関連事業用資産については時価、こういうことで評価をして引き継がせるということにいたしておるわけでございます。 したがいまして、まず時期の問題でございますと、先ほど申し上げましたように、承継計画において引き継がせる事業用資産の中身が確定をいたしまして、そしてその評価が明確になりますと、その引き継ぐべき債務が決まるわけでございます。で、残りのものは清算事業団ということになるわけでございます。 その時期については承継計画の時点で明らかになるということでございます。 清算事業団に参りました債務につきましては、先ほど来申し上げておりますように、最終的な国民負担というものを極力少なくするような形での処理というものがまた別途検討がなされる、こういうことでございます。
○矢原秀男君 次に、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に対する質問を七点に分けて簡単に伺いたいと思います。 一つは、本法案では、国鉄の長期債務のうち棚上げ分五兆五百九十九億円とその利子負担を一般会計に承継させることとしておりますが、現行予算においても棚上げ債務に対する利子に対しては財政措置を講じており、この法案による国の追加的財政負担はないのであります。この形式的とも言えるつけかえ措置のねらいは何なのか、伺います。
○政府委員(棚橋泰君) 現在の五兆五百九十九億と申しますのは、歴史的に見ますと、昭和五十五年度で棚上げを最終的に、その前に一たん棚上げをいたしまして、それを含めまして昭和五十五年度に五兆五百九十九億の棚上げをしたわけでございます。その際は五年据え置きということになっておりました。そして、利息に関する部分については国において助成をする、こういうことでございまして、五年据え置き後は、国鉄がそれを国から無利子貸し付けを受けて返済をする、こういうことになっておったわけでございます。 そういうことで、実は昭和六十年度から返済期が来たわけでございますが、大変膨大な元本の返済額になります関係で、現在の国鉄の財政、さらにはそれに無利子貸し付けをする国の財政というものの中ではこれの返済がなかなかできない、こういうような状態になりまして、一年間だけ猶予をしておったわけでございます。また、本年度も返済期が参っておるわけでございます。 そういうような観点から、この債務につきましては、これを国の債務ということに肩がわりをいたしまして、同額を無利子で国鉄に貸し付ける、そしてその貸し付けた分についても、さらに一定期間の据置期間を置いて元本だけ返済させる、こういうことにしたわけでございます。したがいまして、国鉄の会計という側から見ますと、元本の返済がまた延期するということで、当面そういう意味の返済が要らない。さらには、従来助成金でもらっておりました利息相当分というものの負担というものから解放される、そういう意味で、国鉄の当面の緊急事態というものに対処いたしますためには効果的なものであるというふうに考えておるわけでございます。
○矢原秀男君 本法案は緊急に講ずべき特別措置に関する法律案としておりますけれども、棚上げ債務を一般会計に承継することの緊急性ですね、今もちょっとお話がありましたが。それから、提案理由説明では「国鉄の長期債務に係る負担の軽減を図るため、」と述べる一方では、「一般会計は同額の資金を国鉄に対し無利子で貸し付けたものとする」と述べてもおられます。この提案理由説明で繰り返し述べられております国鉄の負担軽減措置とは何か。また、負担軽減は法案のどこにもないのではないかなと思うんですけれども、この点についてはいかがでございますか。
○政府委員(棚橋泰君) 今回の法案によります負担の軽減ということでございますけれども、一つは、先ほど申し上げましたように、当面毎年返済期が参るわけでございます。さらに利息は助成金という形で国から受けて、そしてそれを返済する形でございますけれども、御承知のように、国の財政非常に厳しい中で、概算要求基準枠というものもございまして、年々助成金の額は減らさなければいけないというような状態になっておる中で、そういうものを大変膨大な助成を受けてこれを返済していくということは大変なことでございます。また、元本につきましては、先ほど申し上げましたようなことでございます。 それからもう一つは、この法案の中で、先ほど五兆五百九十九億棚上げをいたしましたと申し上げましたが、その際に、実は昭和五十二年度からの棚上げ額の分で、五十二年度に棚上げをいたしましたときには据え置きがございませんで、直ちに返済ということで、それに相当する分を無利子貸し付けで二兆余でございますけれども、二兆余の元本に対する返済分を無利子貸し付けで国から助成をいたしまして、それをもって返済に充てておったわけでございますが、その分の無利子貸付分二千六百二十二億あったわけでございますが、これもまとめて棚上げをいたしております。この二千六百二十二億が据置期間が終わりまして返済期が参りまして昭和六十年度では二十一億返済をしたわけでございます。今回の法律では、それにつきましてもさらに返済時期を猶予するという形で負担の軽減を図っておるわけでございます。 法案のどこのところに軽減ということが出てくるかということでございますけれども、これは各条文それぞれの中に政令で定めるところにより云々とか、据置期間を延ばすとか、定める条件によって返済するというようなことが書いてございます。そこら一条から三条までの全条文がすべてこの負担の軽減の関連の規定であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○矢原秀男君 政府は、国鉄の債務は国民の債務であるとも表現をされている場合をも見受けるわけでございます。国鉄の債務が国民の債務であるならば、国の債務でもあるということは、これは当然でございますが、国鉄の長期債務の全額を一般会計に承継させる措置をとらない理由、いろいろわかりますけれども、きょうは明確に伺っておきたい。 それからもう一つは、本法案の第二条の第三項で、国鉄が無利子貸し付けを受けたとされる貸付金の償還等については政令で定められるとなっておりますが、政府はどのような償還条件を考えているのか、この二点を伺います。
○政府委員(棚橋泰君) 国の債務と国鉄の債務、国民の負担という問題でございますけれども、国鉄の債務は国民の負担であるということは、いわゆる広い意味で申し上げておるわけでございまして、最終的には何らかの形で国民に処理をお願いしなければならないということでございますけれども、当面、国鉄の経理、会計というものをどう処理するかという問題の場合には、これはまた話が少し違ってくるんではないかというふうに思います。当面、国鉄がそのようないろいろな債務その他の中で、大変膨大な返済とか利息の支払いを強いられておるわけでございます。それが国鉄の現在の経営悪化というものの一因になっておるということから見ますと、このような緊急措置によって少しでも債務というものを減らし、元本返済ないしは利息返済というものからある程度解放されるということは、国鉄の経営そのものに貢献すると申しますか、効果があるというふうに考えておるわけでございます。 それから、先生御質問の二条の三項の貸付金の償還の条件でございますが、これは現在、政府部内において政令の準備ということでいろいろ検討しておりますけれども、おおよそ五年据え置き二十年償還ということを想定して現在作業を進めておるところでございます。
○矢原秀男君 次に、昭和六十一年度の国鉄職員数に関する質問を六点に分けて伺いたいと思います。 本年四月一日の職員数ですね、できたら島別に御説明をしていただきたい。それからあわせて、本年度の適正要員規模と余剰人員はそれぞれ何人になるのか、これも島別に説明をしていただきたいと思います。
○説明員(澄田信義君) 六十一年度首における島別の職員数は北海道が二万七千七百九十、本州が二十一万六千四百五十、四国が六千七十、九州が二万六千六百九十、合計いたしまして二十七万七千人でございます。 〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕 それから、島別の要員規模は、北海道が二万一千五百七十、本州が十九万二千三百六十、四国が五千四百五十、九州が一万九千六百二十、合計で二十三万九千人でございます。 なお、余剰人員につきましては合計で三万八千人でございます。
○矢原秀男君 本年の一月一日現在の資料では、六十一年度首の職員数が二十八万八千人、適正要員数が二十五万一千人、余剰人員は三万七千人となっている数字でございますけれども、この中でひとつ職員数が三カ月後の集計で一万一千近く少ないというこの理由ですね、二番目には適正要員数が一万二千人減になっておりますけれども、この間に見直しの作業がなされたのかどうか、そういう点を伺ってみたいと思います。
○説明員(澄田信義君) 当初、計画では今先生おっしゃいましたように、六十一年度首の要員数二十八万八千人、現在員数想定しておりまして、それから所要員は二十五万一千人ということでございました。このときの合理化の計画は三万五百人の合理化を計画しておりましたけれども、六十年度中に合理化が大いに進捗いたしまして四万二千五百人の合理化を実現いたしました。また、退職人員につきましても、当初予想ではここまでの退職数を予想しておりませんでしたけれども、私どもこの一年間に三万人の退職者が出まして、当初の現在員予想二十八万八千人から二十七万七千人ということになったわけでございます。
○矢原秀男君 次に、国鉄の資料では昭和六十年度の余剰人員調整策を見ますと、外部派遣者が一万百六十人、退職前提休職者が九千九人、復職前提休職者が千七百八十五人、計二万九百五十四人とございます。その他の余剰人員活国策として、人数も不明でございますけれども、一つは特別改札、セールス活動、直営売店等の増収活動、二として外注の一時直営化等の経費節減策、三番目は教育訓練を受ける者等の対策を行っておりますと、こういうようになっているわけですが、この退職前提休職者のうち六十一年首までに退職をした方は何人いらっしゃるのか、それから、現在増収活動等のそれぞれの内部活国策に従事している職員は何人いらっしゃるのか、その職員数は前年対比ではどうなっているのか説明をしていただきます。
○説明員(澄田信義君) 第一点でございますが、六十年度の退職前提休職者のうち年度末の退職者は何人であるかという御質問でございますが、六十一年の一月一日の現在で退職前提休職の発令者数が九千九人おりました。そのうち八千五百三十七人が年度末までに退職しております。 それから、先生おっしゃいました余剰人員の活国策への充当状況でございますけれども、まず第一の増収活動でございます。特別改札とかあるいはセールス活動、直営売店等で従事しております者が約七千五百人でございます。それから、経費節減、外注の一時直営化等に充当しております者が約七千九百人、それから教育訓練に従事しております者が約三千五百人でございます。その他、管理局におきまして例えば雇用の場とかあるいは派遣先を開拓いたしましたりいろんなプロジェクト等に従事しております者が約四千四百人おります。合わせまして部内で活国策へ充当しております職員数は約二万三千三百人でございます。
○矢原秀男君 本法案による希望退職者を除く今年度の定年や自然退職等による退職者は何人になる見通しなのか。そして、本年四月一日の職員数二十七万七千人は監理委員会が六十二年首に想定された職員数二十七万六千人に近似しております。本年度に退職が予定される人数分だけ六十二年首の職員構成から減少することとなるようでございますけれども、この人数分は清算事業団に残る職員数四万一千人から減ると考えていらっしゃるのかどうか、その点も伺います。
○説明員(澄田信義君) 六十一年度中の通常退職者の見込みはどうかという御質問でございますが、今の職員の年齢構成から見てみますと、六十一年度末に退職勧奨年齢でございます五十五歳以上の職員から約二千三百人ぐらいの退職が見込まれるのではないかというぐあいに想定しております。また、六十一年四月一日現在で約千八百人の五十歳以下の職員が今退職前提休職に入っておる等のことから、これらを合わせまして約四千五百人ぐらいが六十一年度中に希望退職とかかわりなく退職していくのではないかという見込みでございます。 それから第二点の、今の現在員が監理委員会が想定した二十七万六千人に非常に近似しておるではないか、それより下回った場合に減少分はどういうことになるのかという御質問でございますけれども、六十一年度首の現在員は当初の見込みを大幅に下回った、先ほど申しましたように二十七万七千人となっております。六十一年度中に先ほど申しましたように約四千五百人の通常退職者がありました場合に、六十二年度首の現在員はこれを差っ引きまして約二十七万二千五百人になるということが予想されます。この約四千五百人の退職者に加えましてさらに希望退職を二万人確保できたというケースの場合には、六十二年度首の現在員は二十五万二千五百人になるということが想定されます。そういたしますと、新事業体に採用されます人員が二十一万五千人ということでございますので、清算事業団に残る職員数は約四万一千人とされておりますけれども、これから約三千五百人ぐらい減少しまして約三万七千五百人ぐらいになるのではないかという想定でございます。
○矢原秀男君 次に、余剰人員の就職先に対する政府の方針に対する質問を行います。 今、余剰人員という言葉を出しているわけでございますが、我々も、本当に長い間国鉄で勤務をされていらっしゃる方々が、国民の公共輸送として本当に一秒一分も間違わずに公共的な働きをしていただいた方々、そういう意味からいいますと、余剰人員という言葉を使うことは本当に気の毒で、申しわけないなと私も思っているわけでございますが、今活字がそういう形でなっておりますので余剰人員という言葉を使っておりますけれども、本当に国鉄で頑張っていらっしゃった方々が、どの地域に行こうとも、また残っていかれようとも、長い人生、本当に頑張っていただきたいと、そういう心を込めておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 まず、この余剰人員の就職先に対する政府の方針に対する質問でございますが、一つは希望退職者二万人、清算事業団に残る四万一千人、合わせて六万一千人の職員の再就職先の確保策として、政府では公的部門で三万人、国鉄関連企業で二万一千人、一般産業界で一万人の計六万一千人の再就職先を確保していく目標であると言われておりました。その方針に間違いないのか、まず確認をしたいと思います。
○政府委員(中島眞二君) 内閣の雇用対策本部の事務局でございます。 先生今御指摘のように、昨年十二月十三日に、国鉄余剰人員の雇用対策の政府としての基本方針を決定いたしたわけでございますが、その際六万一千人を前提といたしまして、今おっしゃいましたような分野別の再就職先の計画というものを立てたわけでございます。この六万一千人は、希望退職者を含む余剰人員全体の監理委員会の意見でいう六万一千人を対象としたものでございます。先ほど国鉄の方からお答えがございましたように、六十年度中に当初予定よりも上回った退職者が出たわけでございます。その結果、なお今後の推移を見守る必要がございますけれども、当初予定いたしました清算事業団へ移行する四万一千人の人数が減少するということも見込まれております。そこで、その六万一千人の雇用の場として確保する必要の対象の数でございますけれども、実は六十年度中に退職された方々の中にはいわゆる公的部門とか、あるいは関連企業に就職された方もございます。そういうことで、いわば六万一千人の雇用の場として用意したものを既に消化しているということもございます。 そこで、先ほどの閣議決定の中でも、この国鉄余剰人員の分野別の採用などに関します国鉄余剰人員採用計画というのを政府といたしましてことしの秋までに策定することといたしておりますので、今のような点をさらに精査をいたしまして、この計画の中で明らかにしたいと考えている次第でございます。
○矢原秀男君 本年一月に、国鉄では進路希望アンケートを実施しておられたようでございますけれども、その結果では、公的部門、関連企業、一般産業界への進路希望、それぞれあったと思うんですけれども、結果がどういうふうな形で出たのか、もし報告できましたら伺いたいと思います。
○説明員(澄田信義君) アンケートの結果でございますが、優先順位の第一位で公的部門を指定した者が四万三千四百九十五人を数えておりまして、優先順位二位、優先順位三位に指定した者はそれぞれ十二万六千二百三十一人それから十一万六千九百九十九人となっております。優先順位一位だけ見ましても公的部門に対する転出希望者数はかなりのものでございまして、こういった点から公的部門への志向はかなり強いものがございます。
○矢原秀男君 それから一般産業界はどうですか。
○説明員(澄田信義君) この場合のアンケートの調査は国・政府関係機関、それから地方公共団体、国鉄の関連企業と分けておりまして、あと一般産業界につきましては四千八百六十二人でございまして、全体の二・三%でございます。
○矢原秀男君 ここで運輸省としては、ちょっと質問の順序を変えますけれども、一般産業界、これに対しては大体何人ぐらいを企業へお願いをしょうとされているのか、その点は数はどのぐらいでしょうか。
○政府委員(中島眞二君) 一般産業界につきましては一万人以上の再就職をお願いしたいと考えております。その目標に従いまして昨年末以来その再就職先の確保に努めているところでございまして、運輸省関係の民鉄関係あるいは民営のバスそれからトラック、通運、倉庫等の貨物流通関係等を中心に相当数の採用の申し出が出てまいっております。 二月の二十四日には、総理それから運輸大臣も御出席いただきまして、経済五団体の首脳に対する要請も行いまして、その後業界等におきます説明会等の徹底を図っているところでございまして、さらに今後電力とか銀行、証券、損保、生保あるいは情報通信、土木建設とか各業界におきまして近いうちにまた採用の申し出があろうかと思います。 ただ一般産業界の場合には、やはり職種の点とか、あるいは年齢とか、あるいは採用者側で要求されます技術の水準とかいうようなこともございまして、一万人の目標という場合には、やはり求人といたしましてはこれを相当上回る数の求人を確保する必要があるというふうに考えておりまして、関係者一同力を合わせて相当数の雇用の場を確保するようにということで努力をしているところでございます。
○説明員(澄田信義君) 先ほど申し上げました数字ちょっと不正確でございましたので、もう一度一位、二位、三位に分けまして申し上げます。 一般産業界につきましては総合計で一万七千七百三十六人が希望しておりまして、一位で指名した人が〇・七%、それから優先順位二位で希望いたしました人が二・三%、それから三位で希望いたしました人が五・六%ございました。
○矢原秀男君 今時に一般産業界の点を質問しておりますのは、運輸大臣にちょっと御意見伺いたいと思うのですが、現在までの派遣の状況を見ておりますと、いすゞ自動車とか三菱、富士重工、鈴木自動車、日産自動車、トヨタ自動車とかそこへ今派遣に行っていらっしゃる方もありますね、数字はここにいただいておりますからわかりますけれども。そしてまた、コンピューター関係、三菱電機とか日立製作所。 大臣に質問したいのですが、この急激な円高によりまして余剰人員のこういう例えば一般産業界に一万人は受け入れていただきたいと言っておりますけれども、これ経済界の対応というものが、この五月十二日の東京外為市場でも一時一ドル百五十九円九十九銭、こういうふうな非常に急激な円高は石油ショックをしのぐ痛手が日本経済にきているのではないか、こうなると輸出を前提とした経済運営、企業運営というものを経済界でも根本からこれは揺るがしていることは事実でございます。だから、国鉄が目指している対応する相手先、輸出関連の大手とか中堅の堅実なところが大半でございますけれども、こういうところが六十一年四月から六月、この間を見ましても一年間の単位で九十一円、円高が急激なんですね。この五カ月を見ましても四十円からの急激の差がある。確かに円の値打ちが高くなることはいいけれども、急激なために対応できない、そういうことになりますと、経済界が、この運輸省で計画をされていらっしゃる受け入れ希望というものが、きょうの時点では私は非常にこれは変わってくるのではないか、彼らの企業も合理化を迫られてくるのは当然だし、日本でだめだと言えば今度外国へ工場を設けなければいけない、こういう非常に——対応策を講ぜられていると思うのでございますが、そういう意味でこの余剰人員雇用対策本部、政府に設置されたときは六十年の七月ですから二百四十一円七十五銭のときなんですね。八月のときでも二百三十七円十二銭、こういうときに余剰人員の雇用対策本部というものが政府に設置されている。今百五十九円九十九銭、約百五十円台に突入しょうかという百六十円のすれすれのところですから、八十円もの円高の差があるわけですね。こういうことになりますと、企業の対応というものが私は変動していることは事実だと思うのです。それはもう大臣はきょうの段階でも、じゃこういう方途でいこうといろいろと考えていらっしゃると思うのですけれども、その点はいかがでございますか。
○国務大臣(三塚博君) ただいまの矢原先生御指摘のように、大変深刻な場面に到来をいたしておる日本の経済であります。特に運輸省とすれば、かねがね本委員会においても御指摘をいただき、強い御要請をいただいておる海運、造船の立ち直り策に講じてきておる解撤事業等々あるわけでありますが、これも円高により大変深刻な場面を迎えるということに相なっておるわけでございます。 さような中において、昨日中央雇用対策協議会というのが開かれまして、というのは政府の側からお願いを申し上げたわけでございます。 経済四団体、各業種団体の専務理事、実務を担当されておる方々に御出席をいただきまして、労働大臣にも御出席をいただき、私ども出席をさしていただき、関係官も出てきました。特に、国鉄総裁も出まして雇用対策をお願いを申し上げたわけであります。そのときも私は率直に、置かれておる経済の厳しい諸状況を申し上げ、お願い申し上げることは極めてつらいことではありますが、国家的な大事業でありますので格段のお取り計らいを賜りたい、国鉄改革を進める最大のポイントはまさに雇用の安定対策にあります。こういうことで率直に実はお願いを申し上げさしていただきました。 最終的に議長のところで取りまとめをいただきましたわけでありますが、重要性にかんがみ、企業も苦しいがベストを尽くしてみょう、こういうことで一応の申し合わせはいただいたところでございます。今日、ただいま御指摘のように、百五十円台に突入するような状況にあることにかんがみまして、今後本計画が一般産業界一万人余以上と、こう念願をいたすわけでございますが、お願いをしてまいらなければならない、お約束をいただいたものがあるいはキャンセルになるようなことではこれはならぬわけでありますから、さらにそのところは運輸省としても連携を密にしながら取り組まさしていただきますし、総裁もまさに事業体のことでありますから御努力をいただくと思っております。政府としてこれに従前にも増して取り組んでいかなければならぬと思っております。 同時に、きょうの閣議の終わった直後、私、実は発言を求めまして、運輸省として海運、造船の深刻な場面にこれある諸状況において、急激な円高が挽回に極めて重い石に相なってきたということを申し上げつつ、実はこの雇用対策の問題が頭の中に強くありましたので、総合的な経済対策を講じて日本経済の活性化を図る、政府見通しの経済成長を確実に達成をする、こういうことでぜひ御努力を賜りたい、こういうことで申し上げたところであります。 一生懸命やってまいりますので、どうぞ委員長初め先生方のまた格段の御指導、御叱正を賜りながら、御協力を賜りながら取り組んでまいりたいと、このように考えておるところであります。
○矢原秀男君 では、実務の面ではあれですか、きょう現在ではキャンセルされた方というのは出てはないわけですね。
○国務大臣(三塚博君) まだ出ておりません。まだと言ったのは、ただいまの段階と言われますから。出ませんようにさらに努力をしてまいらなければならないなと、こう思っておるところであります。
○矢原秀男君 それで、希望のアンケートの、今御報告をいただいておりますと、国鉄の方々の御希望されていらっしゃるのは公的部門への転換を第一希望とした人が四万三千五百人もいらっしゃる、第一位でね。そうなると、こういう円高の非常に厳しい状況になりますと、やはり政府の公的部門への受け入れ数を今までの計画の目標数よりも少しでもふやす方途というものはないのかどうかということですね。先般官房長官の談話では、公的部門三万人、単なる政府としての目標数値としているようでございますけれども、やはりこれは責任目標的なものというのか責任数にしないといけないのではないか、さらにやっぱりふやしていくべきではないかと思うのですけれども、これは大臣に答えていただいた方がいいと思うのですが、お願いします。
○国務大臣(三塚博君) 御指摘のとおり、政府のこれは大事業でございまして、基本的には政府関係機関、地方団体を含めまして採用いただく、再就職をいただく、このことが望ましいと私も思っております。 〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕 ただ、六万余あるいは四万、今は四万でありますが、直ちにさように相なるかということに相なりますと、これまた難しい問題がございまして、最終的な閣議決定は四万のうち三万が公務員グループ、一方が産業界、こういう仕分けに相なったわけでございますが、ただいま来の御論議の中で、御心配の中で、日本経済が深刻に相なり、そこに結果として穴があきましたよ、こういう場合どうするのかという、その辺もおもんぱかった御質問のように思います。そのときはやはりこれはお一人といえども路頭に迷わせるようなことはいたしませんというのが内閣を代表しての総理大臣の表明であります。また、雇用対策本部の役目がそこに存するわけでございまして、各省割り当てがびしっと行ってやり得ることが一番望ましいわけでありますが、決意はまさに、その場合は公務員グループにおいてその点を補てんをしなければならぬ、これは政府の責任であるなど、私はそう受けとめておるわけでございます。よって、こういう経済情勢でございますものですから、中島事務局長きょう見えておりますが、この論議の中で、ぜひそうお計りをいただきたいし、私からも官房長官なり総理にも申し上げるつもりでございますが、九月まで雇用対策について関係政府機関あるいは地方団体の取りまとめをしてまいりたい、こういうことで国会に御答弁を申し上げているところでございますが、これをできるだけ前倒しで、願わくば八月あるいは七月下旬、こういうことで集計をきちっとしまして、それで対応していかなければならない、このように思っておるわけでございまして、御指摘のように腹を据えて進まなければならない、当然その場合は、私自身とすれば国家公務員グループ、そのことをお願いを申し上げてまいるということになる。しかし、取り決めでありますから、今産業界に一万人のお願いを、ぜひこれはお願いをしていかなければならないな、こんなふうに思っておるところであります。
○矢原秀男君 よろしくお願いしたいと思います。 具体的な問題ですからこれ中島さんの方にお願いしたいんですが、今、話が出ております公的部門三万人の内訳として、国、特殊法人、地方公共団体のそれぞれにどれだけの再就職先を確保されようとしているのか、その人数割りですね、お願いします。
○政府委員(中島眞二君) 公的部門の中での国家公務員、それから特殊法人と地方公共団体の三つのグループのそれぞれの採用の目標数でございますが、これにつきましては先ほど申し上げました秋までに策定するという分野別等の採用計画の中で明らかにするということにいたしております。しかし、昭和六十一年度につきましては採用が行われるわけでございますので、具体的な目標がございまして、国家公務員が千二百人、それから特殊法人が四百人、それから地方公共団体が一千人という目標にいたしております。全体の三万人に比べて少な過ぎるじゃないかという印象があると思いますけれども、この閣議決定をいたしましたのが昨年の十二月十三日でございます。既に試験が行われているというようなこともございましたし、あるいはまた学校の学生というようなものにつきまして、国鉄職員を受け入れるための特別の準備が必要でございますけれども、そういうものが整わないというような時間的な制約もございまして、こういう二千六百人という目標としておるところでございまして、これについては関係者の尽力によりましてほぼ達成できるという見込みになっております。
○矢原秀男君 これは六十一年度でございますが、そこで国でも地方でも行政改革の真っただ中でありますから、特に地方においては補助金の削減、また一段と厳しい財政状況にありますけれども、地方公共団体で所期の再就職先が確保されない場合、その場合には国が責任をとっていただけるのかどうかということが、地方公共団体に入れる目標数値というものが相入れない場合には、国の方へまた振り分けていけるかどうかということですね。その点どうですか。
○政府委員(中島眞二君) 公的部門の中でも国家公務員、それから特殊法人、地方公務員との間ではニュアンスの差があるかと存じます。やはり国が率先してまず公的部門の中でも積極的に受け入れを行う、それから特殊法人はいわば国の機関でございますので、国と同様に受け入れを行う、それから地方公共団体につきましては、国が講じる措置に準じて国鉄職員を受け入れるということについて政府から要請をするというような位置づけにしてございます。 そこで、各分野別のそういう採用計画というのはやはり実情に合ったものであって、実現可能なものでなければいけないと思います。そういう観点から慎重を期しまして、この秋までに全体の計画を策定するということにしているわけでございますが、六十一年度につきまして地方公務員について約一千人という目標を掲げておりますけれども、これについては自治省の方でもいろいろ検討をされまして、その結果掲げられた目標でございます。自治省の方では、閣議決定の後、非常に行き届いた数値を地方公共団体に出されまして、その後ブロック別での説明会が開催されたりしております。それから、三月十七日には総理官邸におきまして地方六団体の長にお集まりいただきまして、総理、それから運輸大臣を初めとする雇用対策本部の副本部長からお願いをいたしております。地方公共団体側からも積極的に協力するという言葉をいただいているところでございます。そういうことで関係者の意見を合わせながら実現可能性のある計画を策定したいというふうに考えているわけでございます。そして、地方公共団体も行政改革が進められているさなかでございますけれども、しかしやはり職員の新陳代謝等による採用があるわけでございますから、その採用の中の一部を国が講じます措置に準じて、例えば六十一年の場合でございますと、国は一〇%以上ということでございますが、そういうことで採用の行われる場合に、一定の率以上を国鉄職員から採っていただきたいということでございますので、そういう意味での実現可能性は十分にあるというふうに考えておる次第でございます。
○矢原秀男君 今までは余剰人員の就職先に対する政府の方針に対する質問、数点を挙げてやりました。 今御答弁をいただいてちょっと重複するかと思いますけれども、再確認の意味で徹底したいわけでございますが、昭和六十年十二月十三日閣議決定「国鉄余剰人員雇用対策の基本方針について」に対する質問でございますが、今もお話ございましたように、一つは、各省庁は「昭和六十一年度の採用数の一〇パーセントに相当する数以上を国鉄の職員から採用する」と、こういうふうにあります。この閣議決定どおり、今年度の採用で一〇%以上の国鉄職員を採用する見通しの省庁はどこかということ、これちょっと具体的に言ってください、省庁別に。
○政府委員(中島眞二君) ただいま御指摘のとおり、六十一年度につきましては、各省庁がその採用数の一〇%に当たる数以上の国鉄職員を採用するということを決めたわけでございます。したがいまして、本当に達成したかどうかということは、これは結果を見ないとわからないわけでございますけれども、しかし、総務庁が中心になりまして各省庁と打ち合わせをいたしまして六十一年度の採用計画というものを一応出しております。五十九年度の採用実績をもとにしましていろいろ打ち合わせをした結果出したわけでございまして、それによれば、すべての省庁がこの一〇%以上という目標を達成する計画となっております。具体的には、例えば総務庁は十三人、それから北海道開発庁の十一人、防衛庁の四十九人、文部省の九十一人、運輸省の二百二十八人、これは六十年度の前倒し分も含んでおりますけれども。それから郵政省の五百七十人、それから労働省の八十七人、建設省の五十六人などがございますけれども、具体的に採用手続を進めた結果、思ったよりもいい人がいるというようなことで、当初の予定以上に採用するというような省庁も出ているところでございます。
○矢原秀男君 今申し出ている省庁、これはやはり郵政省が非常にあれですね、五百七十人も引き受けたいと言われているんですが、これと双壁は運輸省ですね、二百二十八人。これはそういう向こうの願望だけでなしに、これはきちっと——これ大臣にちょっと聞いてみましょうか。大臣、今局長からお話ありましたように、運輸省が二百二十八人、それから郵政省が五百七十人、建設省五十六人、労働省八十七人、文部省九十一人、防衛庁四十九人、総務庁は少なくて十二人、北海道開発庁が十一人ですか、そのほかにも特殊法人で雇用促進事業団二百人、帝都高速度交通営団が六百五十人、こういうあれは数字でなくして、大臣、本当にきちっと採用していく、本当にいかなくちゃいけないんだと、これはそういう数値ででしょうね。国鉄や組合がうるさいから適当に書いておいたらいいやないかということでなしに、本当にこれはきちっと責任を全うしようとしているのかどうか、これはもう政府のことは、中曽根総理よりも運輸大臣の方がこういう点では一番責任と権限持っているように思いますから、あなたから伺ってみたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 今、雇用対策本部の中島事務局長から御報告があり、また先生から各省御指摘のメンバーがございました。端的に申し上げまして、申し出のあった件ということで、国の計千五百人程度集計をいたしたわけでございますが、本件は六十一年度中に採用いただく、こういうことで決定をいたしておる件でございまして、特に申し出をしてそれが没になると、こういうことであってはなりませんし、既に、一つの例として申し上げますと、運輸省、これ率先してやらなければなりませんものですから、百二十六名採用決定をし、御勤務についていただいておると、こういうことでございます。残余が、二百二十八でありますから百二名おりますけれども、これは今選考を進め、逐次年度内に採用を取り決めてまいる、こういうことになるわけでございまして、特殊法人につきましてもさようなことでこれに積極的に取り組み、進めると、こういうことであり、国鉄も人事担当が中心となりまして各管理局に伝達をしながら、そういうことで応募、選考、採用、こういうことで取り進めさせていただいておるということでございます。我が出身地を言っちゃ恐縮でありますが、仙台におきましても、中途ではございましたけれども、既に十八名、先般選考の結果御採用いただき、既に勤務態勢に入らさせていただいておると、こういうことで、各地方団体についても出てまいってきております。特に国の団体が、ここに申し出いただいております。採用予定数についてはしっかりと御採用いただくようにしてまいりませんと、六十二年四月の新採用について支障を来すわけでございまして、御報告できません分の各省はそれぞれ新年度よりと、こんな取り組み方のようでございますから、この件についても先ほど申し上げました九月までということでありますけれども、できるだけ八月、七月と、こういうことで取りまとめをいただいて、この御採用について万全を期してまいらなければならぬと、このように思っておるところであります。
○矢原秀男君 よろしくお願いをしたいと思います。 では、最後に広域異動に関する質問を数点伺ってみたいと思います。 今回、国鉄では前例のない職員の広域異動計画を実施いたしました。そのねらいはどこにあったのかというのが一点であります。二番目には、去る九日にその募集が締め切られました。その結果を報告をしていただきたいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄の余剰人員対策の中の一つの大きな問題は、余剰人員の発生の地域とそれを受け入れる雇用の場を持っておる地域との間に大変バランスがとれていないという問題がございます。特に北海道、九州におきましては、そのアンバランスの数が大変多うございまして、北海道では二人に一人、九州では三人に一人というような余剰人員が発生する予想でございます。しかしながら、両地域ともに求人倍率が非常に低うございまして、なかなか域内での消化といいますか雇用の場がない、こういうような状況でございまして、これはもうどうしてもやはり全国的な視野のもとに、特に北海道、九州の問題につきましては、東京、大阪等の大都市、雇用の場の比較的確保できるそういう大都市の地域にあらかじめ前広に異動をしておくことがどうしても必要であるということでございまして、本人の希望を主体にいたすわけではございますが、先般住宅の受け入れ状況等を勘案し、総計三千四百という数字を一つの目標にいたしまして募集に踏み切ったわけでございます。 長年のふるさとを離れまして、違った土地に家族もろともに異動をしなければならないという大変難しい問題であるだけに、それぞれの職員の家庭での検討その他いろんな問題があったとは思います。したがいまして、なかなか最初の時期におきましては、募集を開始いたしましてからもしばらくは、その人数というものが余り多く出てまいりませんでした。途中におきましてこれを本州の比較的雇用の場の少ない地域にまでも拡大をいたしまして、その対象を広げたわけでございますが、次第にそれぞれ職員の理解、検討が深まってきたものと思いまして、先般、五月九日に締め切りをした状況におきましては、最終的な応募者数が北海道地区から一千四百三十八名、九州地区から千三十七名、それから拡大をしました本州内の地域あるいは四国から千四十名、合計三千五百十五名ということでございまして、最終的には全体の当初の目標数三千四百名を上回る結果となった状況でございます。
○矢原秀男君 北海道で二千五百人、九州で三千四百人募集する計画、これが非常に募集計画の中で、北海道、九州は規模に達してなかった、そういうようなことで途中募集、いろいろとあったと思うんですね。そういう観点から考えまして、これはちょっと大臣に伺いたいんですけれども、今の総裁の広域異動計画の全容を数字的に聞かれておられまして、北海道、九州に関しては新たな産業誘致であるとか、国策事業の展開等であるとか、総合的に現地雇用政策というのか、先般の運輸省で「二十一世紀への港湾」というソフトな面を発表されていらっしゃいましたけれども、やはり北海道や九州に定着をするそういうふうな関連的な、またそういうところから出ていかなくてもいいんだというふうな産業誘致や国策事業、こういうものが北海道や九州、まあ四国もそうでございましょうけれども、これはやはり二十一世紀を志向する公共鉄道ということを考えましたときに、並列としてこれは政府が考えなくちゃいけないんだと思うんですけれども、そういう点は大臣としてはどんな構想を持っていらっしゃるのか、こういう今の御報告を聞きながら、もし方途があれば伺いたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 大変重要な御指摘でございまして、転職をしなければならない、北海道あるいは九州内部だけで鉄道として生きることが難しい、こういうことで希望に反しやむを得ず広域異動に応ずる、こういう昨今の状況でございます。けさもNHKでしたか、熟年の一国鉄労働者が家族ともどもふるさとを離れて東京まで旅立つ、町の人が涙ながらに送っている光景が出ておりましたが、今さらのようにこれは大変なことだなと。また、本問題を担当する者として責任を痛感いたしますと同時に、改めて決意をしたわけであります。 そういう中で、本来地域総合開発計画というものが、九州でありますとか、四国でありますとか、北海道という地点に効果が出てまいるということでなければならぬわけでありまして、全国総合開発計画はまさにそれをねらったものであります。我が「二十一世紀への港湾」もそういう地域定着性、定住構想の中にしっかりとこれを支えようということであるわけでございますが、昨今の経済情勢また財政再建という厳しい枠内の中で思うように進んでおらないと率直に認めざるを得ないわけであります。 そういう中にありまして、今後しからば手をこまねいていていいのかということでありますと、それでは政治でなくなるわけでありますから、政治であります以上、壁を乗り越え、山を乗り越えて、国民の英知を結集し進まなければなりません。そういう点で、まさに本件は、国会という立法府としてこれに真剣に取り組まなければなりませんし、政府を構成させていただいておる今日の私どもがそのトップを切ってやらなければならぬことは言をまたないところであります。 各地を訪問させていただいて再就職についてお願いを申し上げておりますさなか、知事さんからやはり矢原先生御指摘のような地域振興策、地場産業の活性化策等々について真剣な御提言をいただきます。帰りまして関係省庁と協議をいたしておるところでありますが、さらにただいまの円高のようなこういう厳しい状況でありますが、そういう状況でありますだけに果敢なやはり政策展開を進めなければならぬと思っておりますし、中曽根総理も政治を預かる最高責任者としてきょう閣議の終わった直後の閣僚懇談の中で、不退転の決意で、旧来の陋習の中で行うのではなく、異常、緊急の時でありますから思い切った諸施策を各省立ててみる、こういうことでありました。そういう中で取り組んでいかなければならぬな、こう思っておりまして、今日ただいま直ちにこういう具体策、誘致策がありますということまで参っておりませんけれども、内需拡大という点で公共事業の思い切った前列し、上半期消化ということも一つのインパクトになることだけは間違いがなかろう、こう思うわけであります。 そういう点でこれを果敢に実行しながら、さらに他の総合政策を取り進めさしていただきながら、早期な、また下半期に対するその経済政策、財政運営というものも常に頭の中に構想しつつ、切れ目のない形でこれに取り組まなければならぬことだけは間違いがないと思うのであります。 毎年の補正が新年度予算審議のさなかの一時期をかりてやるというようなことであってはならぬわけでありまして、まさにそういう点でこの御指摘にもかなうことと相なると思いますので、ただいまの論議などもしっかりと今後の総合経済政策推進の中で紹介を申し上げながらひとつ取り組んでまいりたいと思っておるところであります。
○委員長(鶴岡洋君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時一分散会 —————・—————