予算委員会第六分科会 第1号
- 発言数
- 380 件
- 登壇者
- 43 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/06
会議録
○上村主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。 本分科会は、総理府所管中経済企画庁並びに通商産業省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算及び昭和六十一年度政府関係機関予算中総理府所管経済企画庁について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。平泉経済企画庁長官。
○平泉国務大臣 昭和六十一年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、四百十九億四千五百万円となっており、これは前年度予算額に比べて十九億四千九百万円の増額であります。 また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として、四千二百五十億円を予定いたしております。 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。 第一に、経済協力の積極的展開を図るために必要な経費として、三百十九億七百万円を計上しております。 この内訳の主なものは、海外経済協力基金交付金三百十八億九百万円であります。海外経済協力基金につきましては、経済協力の第三次中期目標のもとで政府開発援助の計画的な拡充に努めるため、事業規模として、七千四百億円を予定いたしております。この資金としては、前述の交付金のほか、一般会計からの出資金が一千八百億円、資金運用部資金等からの借入金が三千九百九十億円、政府保証債が二百六十億円、回収金等が一千三十二億円となっております。このうち、一般会計からの出資金は大蔵省に計上されております。 第二に、物価政策及び国民生活政策の推進に必要な経費として、四十三億七千一百万円を計上いたしております。 この内訳の主なものは、生活関連物資の需給、価格動向の調査監視、その他各省庁の所管する物価対策を機動的に実施するための経費十八億円、国民生活センターの運営に要する経費十九億円等であります。 第三に、総合的な経済政策の推進、内外経済動向の調査、分析の充実、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」に基づく諸施策の積極的推進に必要な経費として、十四億七千九百万円を計上しております。 以上、六十一年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○上村主査 以上をもちまして経済企画庁についての説明は終わりました。 —————————————
○上村主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。沢田広君。
○沢田分科員 今委員長が言われたように、極めて貴重な時間でありますので、それぞれ関係者要領よくお答えいただきたいと存じます。また、長官を初め関係委員の皆さん、早朝から御苦労さまでございます。 最初に、海外援助の問題です。これはここで長らく聞くことはできませんが、マルコス前大統領のようにとんでもないところに財産を隠したりなんかしております。海外援助が果たして実際に有効に使われておるかどうかというチェック機能が極めて弱い。私も前にフィリピンに電話をかけたことがあるのでありますが、なかなか中身を教えてくれない、こういう現状であります。この予算を執行したり前年度の執行の経過について、ひとつ長官の方でその実態を調べて御報告がいただけるかどうか。これは、今その中身を聞こうと思いませんが、実際に調べた結果をひとつ御報告をしていただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。
○赤羽政府委員 経済協力に関しましては、経済企画庁は、特に経済政策との関係もございますけれども、海外経済協力基金を所管している立場におきまして、この援助ができるだけ有効かつ適切に行われるように、従来からもいろいろな調査研究をしてまいりました。今後ともそうしたものを進めたいと思います。その成果を実際の経済協力案件が早急に、かつ有効に実施できるような面で生かしていきたい、こう考えております。今後ともそうした研さんを続けたいと考えておる次第でございます。
○沢田分科員 それは全然答弁になってない。長官は大使館にもおられたし、外交官でもあられた。それぞれ各国を回られて、その実態、我々も聞いてなくはないのであります。これで時間を食いたくないのですが、どうも砂に水をかけているような気もしないでもないなんということを、アジア銀行、世界銀行にいる職員から、いみじくもそういうことを聞くことすらある。だから、その効果を調べて報告してもらいたい、こういうことを言っているわけでありますから、これはイエスかノーかなんですよ。やりたくないならやりたくない、やる意思があるならやって報告する、どっちか答えてください。
○平泉国務大臣 経済協力の実施の問題でございますので、経済企画庁だけでやるわけにも必ずしもまいりませんが、経済企画庁所管の分につきまして、当庁としてできる限り関係省庁と相談をいたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと存じます。
○沢田分科員 続いて、経済企画庁は「二〇〇〇年の日本」とか、各種各様の本を出されております。私も大分読ましてもらいましたが、めくるだけで大変な量であります。これは長官の前でありますが、「二〇〇〇年の日本」をつくったときの条件と今日とは大変変わってきている。こういうようなことを通じて、幾つかの問題に絞ってお伺いをいたします。 一つは、時間の関係で労働時間を選んだわけであります。サミットを控えて日本が果たすべき役割はたくさんあると思うのでありますが、少なくとも労働時間だけはサミットに間に合わせて二千時間以内におさめる、これは可能な道筋ではないのかと思うのです。中小企業の円高不況の対策も、これは補助金だ、不公正な貿易である、こういう指摘もあるくらいでありますが、ひとつ労働時間を二千時間以内にとどめる、これはあなたの省の担当ではないのでありますが、経済企画庁として考えていかなければならぬ問題だというふうに受けとめていただけないかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○及川政府委員 日本の労働時間が欧米諸国に比べて非常に長いということは御指摘のとおりでありまして、昨年暮れに取りまとめました経済審議会のリボルビング報告でも、少なくともこの「展望と指針」の計画期間中、昭和六十五年度までに二千時間以内にとどめるように各般の政策努力をすべきだということは報告をされておるところであり、閣議にも報告し、政府各省一丸となってその方向で努力をいたしたいと考えているところであります。
○沢田分科員 これは、もうサミットを前にして実現してほしいのですよ、今の貿易摩擦の解消のためにも。あなたの今言った努力というのは、どのくらいの効果がある努力なんですか。例えば、今努力しますとお答えになったけれども、甚だ失礼ですが、どの程度の効果のある発言なんですか。そのまま信用していいのかどうか、ちょっと疑問に思う。そんなことを言うのは、私が努力すると言ったら絶対間違いないんだ、そう言えるのですか、どうですか。
○及川政府委員 労働時間の制度あるいは実態等を見ますと、労働時間短縮にはおおむね三つの部面があるかなというふうに考えております。一つは、休日の問題であります。もう一つは、有給休暇のとり方の問題であります。それからもう一つは、過当なり労働時間、超勤等の問題であります。それらの各面において、あるものは制度的に対応できるものであり、あるものは労使の交渉によって決定すべきものでありますが、政府としてはそれらについて環境、条件を整備し、制度的対応をすべきものは制度的対応をするということであります。
○沢田分科員 大分後退してしまった。努力の方じゃないよ、それは。だから結局、二千時間に下げるために、二千三百十八時間、三百十八時間下げるためには、じゃ、どうやったらできますか。あなたの考えている二千時間を割るための必要な措置というのは、休日でいったらこれは大変ですよね。四十日も休日をつくらなくちゃだめだ。だから、そうなると、これは週休二日制をやる以外にないか、あるいは夏季休暇をうんと伸ばすか、正月休暇をうんとつくるか、どれかなんですよね。そんなことまでやっている時間がないから私は簡潔に言っているのですが、どうやったら二千時間を割るように努力されるのか。あの五月四日の休みをつくるのにも二年ぐらいかかっているでしょう。あのテンポでやられていた日には、百年たってもこれはとても四十日はふえないだろうと思うのですね。とてもじゃないが、あなたが生きているうちにこれは実現しそうもない。そうなると、努力なんというのは何の努力だかわからなくなっちゃう。その点、ちょっと具体的に答えてください。
○及川政府委員 通常二千時間と申すときには、現在の労働時間は、製造業について言いますが、二千百五十時間程度というふうに理解し、二千時間目標のためには五年くらいで百五十時間くらい短縮しなければいけない、百時間余を短縮しなければいけないというふうに普通考えられているわけでございますけれども、その方策としては、経済政策的に申し上げれば、経済発展の成果を賃金と労働時間短縮に適切に配分していくということで対応していくということであろうかと思っております。
○沢田分科員 これは長官、立場は違うけれども、こんな話で海外援助をやり、一生懸命金をやっておっても、あるいは貿易摩擦だといって騒いでおっても、その一部でもやはりアンバランスがあればアンフェアである、こういうことになるので、そういう点について、こういう答弁で果たして日本全体の経済を考えていった場合に、妥当な、努力をする方向というものはやはり二千時間を割っていくという、とにかくサミットまでにはこのぐらいまで、半分ぐらいは近づけますとか三分の一は近づけますとか、そういうもう少し本気の答弁が——こんなことでは来なくたっていいですよ。労働省はなくたっていいんだ。だから、努力するなら、三分の一は何とかこういうことで考えますとか、そういうもう少し誠意のある答弁を、長官、私は答弁は要らないから、長官からひとつ伝達できるようにお話ししていただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○平泉国務大臣 労働時間の問題、我が国はなかなか難しい問題を池えていることは、大専門家の先生よく御存じだと思います。前の労働大臣も大変この点はよく努力をされましたし、我々も実は大変頭の痛い問題でございまして、現実を見ますと、御承知のとおり、どちらかというと労働時間は少し長くなるような傾向があるのですね。そういう実情でございますから、社会全体にそういう風潮がある中で政府として非常に努力をいたしておる、こういう現状でございますので、御趣旨を十分体しましてこれはやらなければならぬと思っております。
○沢田分科員 そういう長官の言葉を信頼して、また労働省の方も、努力すると一たん男が言ったんだから……(「経企庁だ」と呼ぶ者あり)経企庁か。経企庁もその努力をしてもらう、こういうことでお願いをいたします。 続いて、ちょっと遠くの方へ行きますが、これも経済の全体の中で今一番ネックになっているのが土地税制だと思うのですね。これは、長官は福井県ですから、また自分の建設会社などを見ておって、ここにもいろいろ年金をやっておられる方も来ましたが、同じ五万円の年金で、九州で生活するのと、それから四国で生活するのと、それから北海道で生活するのと、あるいは東京のど真ん中で生活するのでは、今の段階においては同じではない。簡単に言えば、とにかく同じではない。いわゆる非常にアンバランスがあるということはお認めになりますか。どうですか、長官。
○平泉国務大臣 物価関係の専門家も来ておると思いますが、例えば生鮮食料品なんかの価格は、それは明らかに東京が高いようでございますし、また、おっしゃるとおり、いわゆる不動産関係の地価が反映します家賃その他につきましても相応の違いがあることは御承知のとおりでございます。
○沢田分科員 私がそれを持ち出したのは、例えば百坪の土地に住む東京都の職員であっても結構ですが、その相続税は、二千万円以外は、一坪大体百万円ぐらいするところもあるわけでありますが、それ以外は全部相続税にかかっていくわけですね。ところが北海道や九州や、北海道、九州ばかり挙げちゃ悪いですけれども、四国にしても山陰地方にしても、二千万といえば、山二つや三つぐらいくっつけても評価額で大体二千万以下で、これは免税措置になっていくわけですね。そうすると、この東京に住んでいるがゆえに、それは居住権は自由ですけれども、その土地の評価がどんどん上がっていったために百坪の土地を二分の一売って相続しなければならない、そういう条件というものが生まれている。これは、生きがいや心ある安らぎというものに対する一つの恐怖感なんですよね、この東京その他の首都圏に住んでいる者にとっては。家しかない、土地しかない人が、おやじが死んだらどうなってしまうだろう、それを売らなければ相続税は納められない、こういう一つの不安感というものを国民が持っているわけです。勤労者の大勢がそうなんです。首都圏にいる人は持っているわけです。 それで大蔵省も呼んだわけですが、そういう相続税のバランス、平均というものはどうしてとっていったらいいのであろうか。これはとらなくていいものであろうか。それはそこに住んでいるのがあほうなんだ、そこに住んでいるのがばかなんだ、土地が上がったところにのこのこ住んでいるから悪いんだ、それはもっと土地の安いところへ引っ越す方がいいんだ、そういう懲罰的な意味を含んでいるのか。あるいは、それはもう公平ということになっているのか。これは長官と大蔵省からそれぞれ——この土地の評価の異常なアンバランスがいろいろなところに障害を起こしている。国鉄の土地を入札で売ってなんかいこうものなら、また上がっていく。こういうこともあって、土地税制を含めて、土地の問題が日本の経済の仕組みを変えていく一つの大きな土台になっているということから、土地の問題についてあえて御質問をした、こういうことなんです。ひとつ両方からお答えいただきたい。
○瀧川説明員 今先生おっしゃいました都心に住んでおられる方の不安ということ、これは全くごもっともの面もございますが、相続税におきます財産の価額といいますのは相続財産取得のときにおきます時価によって評価するということが相続税法の二十二条でありますが、これは、すべての財産を通じまして共通の尺度というのは何だろうかといいますと、やはり時価であるというのがバランス上最も公平ではないかという考えに立っているわけでございます。 今度は土地の評価でございますが、これは地価事情の類似する地域ごとに売買実例価額であるとか精通者意見価格等をもととして評価するわけでございます。したがって、価値の高いものは高く評価され、価値の低いものは低く評価されるという意味で、先生のおっしゃっている不安感はありましょうけれども、バランスという意味からはまさにこれが公平な扱いになっておるというのが今の制度でございます。
○沢田分科員 あなたはどこに住んでいるんだ、言ってみな。
○瀧川説明員 私は今借り家住まいで、官舎でございます。
○沢田分科員 だからそんなことを言っているので、自分の家を持ってこの付近に住んでいて、今度あなたが死んだら家を全部売り払わなければ相続税を納められないんだよ。そういう条件のことを考えないの、そんな体裁のいい答弁なんかしていて。
○瀧川説明員 ですから、先ほど申し上げました、先生のおっしゃっていること、ごもっともな面もございますので、我々としても検討は続けなければいけない。せっかく現在税制調査会におきまして抜本見直しを、これは相続税も含んでやっておるわけでございますが、今先生のおっしゃった御意見、十分審議会の方にもお伝えしまして審議の内容に含めていただく、このように考えております。
○沢田分科員 そういう不安感を除いていく必要性があるということは認めますか。
○瀧川説明員 実際にどのような状況になっているかということを、私ども、実は専門家の税理士さんたちにも最近ヒアリングをしておりまして、今先生おっしゃったような非常に悲惨な姿というのはまだ私どもつかんでおりませんが、ただ、そういう不安が非常にあるということは十分に聞いておりますので、やはりそういう不安につきましても勉強しなければいけない、審議をしていかなければいけない、このように考えております。
○沢田分科員 私は大蔵にいますから、相続税はいずれ大蔵でやらなければならぬ問題だと思っていますが、全体的な日本の経済のレベルをナショナルミニマム的なものを確保していこう、あるいはそれぞれの人が安らぎを持ちながら、生きがいを持ちながら平和的に暮らしていこう、こういう条件の場合の相続税のアンバランス、同じ給料をもらって、住んでいるところが違うがゆえに、死亡というような事態になると遺族に与える影響というものが非常な違いが出てきておる。この条件だけは是正しなければならぬ案件ではないか、こういうふうに思っておるのでありますが、長官いかがですか。
○平泉国務大臣 土地というのは生産できるものではございませんし、その場所に対していろいろな社会的な投資が行われる。例えば東京なんかの土地の値上がりというのは、東京の土地の値段というよりはむしろ世界の金融、経済の大中心地としての値段がついてくるわけでありまして、住んでいる者にしてみれば、先祖伝来のところに住んでいるのにいつの間にか値段が何百倍にも暴騰するというような感じを持たれることが非常にあるのではないか。そのため、今おっしゃるような殊に相続税の賦課の場合にそういう問題が生ずるということは我々十分留意して、その場合に、経済の原則を曲げることはできないけれども、実際の課税及び徴税の分野において何らかの措置がとれるのかどうか、我々、国民生活を守る立場から十分考えていかなければならぬと思っておるわけでございます。
○沢田分科員 続いて次の問題ですが、東京湾横断道路、それから関西空港、これは「二〇〇〇年の日本」の中にもなかったことだと思うのですね。「二〇〇〇年の日本」をつくる場合の基本になる事項として、こういうものがなぜ下水道や公園、河川あるいは住宅というようなものに優先して政策選択が行われるか、それの庶民の疑問について長官はどういうふうに思っておるかということをお答えいただきたい。
○及川政府委員 「二〇〇〇年の日本」の策定当時にも、東京湾の横断道路や関西空港等の交通施設体系整備のことは当然議論し、対象とされておるわけであります。「二〇〇〇年の日本」の中で活力基盤の整備ということを第一、第二の課題として挙げておりますが、当然そういうことで取り上げておるわけでありますし、あわせて、量的には生活環境施設への整備へ社会資本をこれから拡充していくべきだということを同時に述べておるわけでありますが、来年度から発足する八本の五カ年計画の中では、量的に最も充実すべきものは下水道等の生活環境施設整備という形で内定をいたしておるわけです。それとあわせて、関西空港等の整備あるいは東京湾横断道路等については、既にたしか三年前に決まっております道路整備五カ年計画の中で明示されておるものでありまして、今回突然出てきたというものではない、前々から計画されておったものであるというふうに了解しております。
○沢田分科員 問題は、そうすると順序ということになるわけですが、下水道の今の進捗率は先進国では最下位に近い、公園の面積においても先進国の中では最下位に近い。こういう中でその政策選択が優先したということについて、今でも徳川時代のくみ取りが行われているということと、この横断道路それから関西空港その他そういうふうなきらびやかな一面と、それから次の暗いそういう生活に甘んじていなければならぬという一面に対して、今の感覚としては、長官から聞きたいのですが、これは大体どういう順序、どの程度のテンポで追いついていこうとされているのか。やはり企画庁が建設省に少しハッパをかけるなり、あるいは大蔵省にハッパをかけるなりしてテンポを速めていかなければならぬ。ただ絵にかいたもちに終わったのでは何にもならない。市街化区域だけでいいですよ、いつごろ七〇%になりますか。
○望月政府委員 ただいま先生の方から下水道、公園など国民生活環境施設のおくれについて御指摘があったわけです。 全くそのとおりでございます。私どもそういった実借の中で、国民の生活基盤にかかわる諸施設を何とか着実に整備したいということで、御審議していただいております六十一年度予算でも、特にその面でも事業の拡大ということを重視しております。 お話しのように、現在おくれている下水道、おおむね三六%ぐらいの普及率だと思いますが、これを市街化区域全面七〇%ぐらい普及するのはいつごろになるということについては、現在の苦しい財政事情の中では今世紀中にはいささかきついかなという感じを持っておりますけれども、ともかく我々二〇〇〇年の入り口ぐらいには何とか市街化区域全面にわたる規模までの整備に拡充すべきだということで努力してまいりたい、こういうふうに存じております。
○沢田分科員 とにかく二〇〇〇年の声を聞かなければ下水道がなくならない。くみ取りのままで、雨が来たらくそも水も一緒に流れていく、そういう中で、片方は東京湾横断道路だなんてこういう夢みたいなことを言っていて、これは二つ話を並べましたら笑い物になってしまいますよ。片方はたれ流しです。片方は横断道路です。こういうのはアンバランスの一番いい例なんです。これは、経済企画庁も全体計画を立てる場合にこういうアンバランスがあっていいということにはならぬと思いますので、今言ったようなアンバランスをなくすように。 では、もう一つだけついでに言いますと、長官、六十年度にロボットの数がどのぐらいふえたかということを知っておりますか。知っているかなどと言うと失礼でありますが、大体どの程度の倍率でふえているか。——では、いいです。それも、いわゆる雇用の問題と職場の改革の問題と経済のテンポの問題と、それぞれ一つの総合性というものを必要とする、そこに社会的な安らぎと生きがいと幸せというものが経済企画庁のこれからの大きな基本にならなくてはならぬというふうに私は思ったから、あえてそういうことをお願いしたわけです。今言ったようなアンバランスをなくしてもらいたい。 それから、無利子の貸し付けというのが出ていますね。これは大蔵の方に聞くのがいいのか経済企画庁がいいのか、政策的に問題があると思うのです。無利子というのは、極端に言えば、結果的にだれかが損をして出している金である、こういうことなんですね。ですから、関西空港なんか無利子で一部出しましたけれども、無利子の金というのはないわけですね。郵便貯金であろうと日銀に預けようと、無利子ではあり得ない。それを無利子というのは、やはり補助を出しているということになるわけでありますので、そういうあり方についての基本的なものは、これも経済の仕組みとして、一方ではそれぞれ利息からも税金を納めているわけでありますから、その中での無利子のあり方というものは基本的に考えてもらいたい。 以上申し上げて、お答えをいただいて、若干時間がありますが、終わりにいたしたいと思います。
○平泉国務大臣 先ほどからの公共工事の進め方についての優先の問題、おっしゃるとおりなかなか確かに難しい問題がございまして、私どもも、下水道につきましては大変な努力をいたしておると承知いたしております。同時に、東京湾横断道路につきましても、御承知のとおり二十年来の大懸案でありますし、首都圏、南関東地区の、今の大変な工業集積及び金融、経済面全体の情勢を見まして、十年間でこれを開発するということにつきましては特に否定すべきものでもない、我々としてはそれも推進できるものではあるまいか。おっしゃるとおり生活関連をますます強調していかなければならないということも、経企庁として段段のお話を十分肝に銘じまして頑張ってまいりたいと思っているわけでございます。 なお、先ほどからお話のあります金融のあり方、特に政府の特別の援助のあり方につきましても十分注意をしてまいりまして、国民全体の金融の負担のあり方につきまして公平を期してまいりたいと思っておるわけでございます。
○沢田分科員 以上で、時間ですから終わります。
○上村主査 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総理府所管経済企画庁についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○上村主査 次に、通商産業省所管について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
○渡辺国務大臣 昭和六十一年度通商産業省関係予算の予算委員会分科会における御審議に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。 我が国の当面の重要課題である貿易摩擦問題につきましては、経常収支の大幅な黒字を背景に、依然として深刻な状況にあります。一方、昨秋以来の円高傾向は、対外不均衡是正の観点からは望ましい効果が期待されているものの、その変動が余りにも急激であったこともあり、中小企業に深刻な影響を与えつつあります。また、技術革新や情報化の進展、国民ニーズの多様化など、我が国の経済社会は、広範な分野において構造的な変化に洗われつつあります。 我が国が今後長期にわたり発展を遂げていくためには、当面の厳しい内外情勢を乗り越え、また、構造変化の大きな流れを見失うことなく、長期的展望と大局的な見地に立って、積極的な適応努力を積み重ねることが必要不可欠であります。 私は、このような認識のもとに、特に次の五点を重点に全力を挙げて通商産業政策を展開してまいる所存であります。 第一に、国際経済摩擦への建設的な対応であります。第二は、技術開発、情報化施策の推進であります。第三は、環境変化に対応した中小企業施策の展開であります。第四は、安全保障と経済性確保のための資源エネルギー政策の充実であります。第五は、国土の均衡ある発展の確保と快適で安全な国民生活の実現であります。 昭和六十一年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画の作成に当たっては、このような基本的方向に沿って、諸施策の実現を図ることとした次第であります。 この結果、一般会計は、七千八百二十一億九千八百万円を計上しております。特別会計につきましては、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計六千七十九億三百万円、電源開発促進対策特別会計二千七百七億八千九百万円、特許特別会計四百五十億四千百万円等、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。 また、財政投融資計画につきましては、五兆三千百七十二億円を計上しております。 通商産業省関係予算及び財政投融資計画の内容につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 以上でございます。
○上村主査 この際、お諮りいたします。 ただいま渡辺通商産業大臣から申し出がありました通商産業省関係の予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔参照〕 昭和六十一年度通商産業省予算案等について 昭和六十一年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画について御説明申し上げます。 まず、昭和六十一年度における通商産業省の一般会計予定経費要求額は、七千八百二十一億九千八百万円でありまして、前年度当初予算額七千九百四十一億七千四百万円に対し、一・五%の減少となっております。 財政投融資計画は、五兆三千百七十二億円でありまして寸前年度当初計画額五兆四千百九十一億円に対し、一・九%の減少となっております。なお、この中には、技術開発、情報化対策、中小企業対策を中心に産業投資特別会計からの出資四百二十六億円、同融資五十七億円を予定しております。 次に、重点事項別に、予算及び財政投融資計画の概要につき御説明申し上げます。 第一は、国際経済摩擦への建設的な対応を図りつつ、国際社会への積極的な貢献を図るための諸施策の展開であります。 まず、世界経済の拡大均衡に貢献するため、内需の振興が求められておりますが、当省といたしましても、その一環として新産業基盤施設の整備を促進することとし、産業基盤信用基金(仮称)による債務保証制度の創設、開銀・北東公庫による所要の出融資規模を確保することとしております。 また、経済協力につきましては、海外技術者受入等研修事業の拡充、研究協力の強化等に総額百七十四億七千九百万円を計上しております。 日本貿易振興会につきましては、総合的輸入促進事業、対日理解促進啓蒙普及事業、産業協力推進事業の推進等に総額百三十八億八千三百万円を計上しております。 また、日本輸出入銀行及び日本開発銀行仁おいても、輸入促進、産業協力の推進等所要の貸付規模を確保しております。 第二は、技術開発・情報化施策の推進ああります。 技術開発につきましては、まず、昨年十月に発足した基盤技術研究促進センターの運営基盤の強化及び事業内容の充実を図るため、産業投資特別会計からの出融資二百五億円及び日本開発銀行からの出資十二億円を予定しております。 また、航空機分野における国際共同開発の円滑な推進を図るため、民間輸送機開発(YXX)及び民間航空機用ジッェトエンジン開発(V2506)の両プロジェクトにつき、日本開発銀行からの融資及び一般会計からの利子補給を導入した新しい助成スキームを採用し、それぞれ一般会計で七億一千四百万円、三十九億八千七百万円を計上しております。 また、宇宙環境を利用した先端技術開発を推進するため、無人宇宙実験システムの開発に新たに着手することとし、一億八千百万円を計上しております。 基礎研究、応用研究を中心とした国における技術開発を強力に進めるため、次世代産業基盤技術の研究開発、大型工業技術研究開発、サンシャイン計画及びムーンライト計画に対して、 一般会計、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計及び電源開発促進対策特別会計の合計で、それぞれ六十五億一千三百万円、百五十一億七千六百万円、三百七十六億四千百万円、百二十二億七千百万円を計上しております。 なお、次世代産業基盤技術研究開発につきましては、バイオ素子の研究開発、大型工業技術研究開発につきましては、超先端加工システムの研究開発に、それぞれ新たに着手することにしております。 次に、情報化につきましては、情報処理振興事業協会において、情報化教育・人材育成促進事業に新たに着手するほか、良質なソフトウェアの安定供給等情報化施策の充実を図ることとし、一般会計から十二億六千万円、産業投資特別会計からの出資四十六億円を計上しております。 また、第五世代コンピュータ開発に対し、一般会計から四十五億百万円を計上する等情報関連技術開発を積極的に推進するとともに、重要データベース開発計画調査に新たに着手することとしております。 第三は、環境変化に対応した中小企業施策の展開であります。 中小企業対策費につきましては、一般会計では、政府全体で二千五十二億円、うち当省で一千四百二十億円を計上しております。 また、財政投融資計画では、商工組合中央金庫、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫に対して合計二百三十億円を産業投資特別会計から出資するほか、政府系中小企業金融三機関につき所要の貸付規模を確保し、政策金融の拡充・改善を図ることとしております。 具体的内容につきましては、まず、円高等厳しい環境変化に直面している中小企業の事業転換の円滑化及び緊急の経営危機の回避を図るため、新たに商工組合等の行う転換円滑化事業に対して助成するほか、政府系中小企業金融三機関等による年利五・五%、貸付規模三千億円程度の特別貸付制度等の創設に必要な経費として総額五十五億三百万円を計上しております。 次に、情報化・技術革新の進展への対応につきましては、まず、中小企業の情報化の総合的推進を図るため、中小企業地域情報センターの整備等に二十億三千四百万円を計上するほか、中小企業情報ネットワーク化の推進、情報化アドバイザーの養成等を行うこととしております。 また、中小企業の技術力向上及び人材養成を図るため、地域システム技術開発事業に四億五千七百万円、中小企業大学校の地方校整備等に二十二億六千三百万円を計上するほか、技術パイオニア養成事業の創設等を行うこととしております。 次に、中小企業の経営安定化を図るため、金融対策として、中小企業金融公庫補給金二百三十一億七千万円、信用保証協会基金補助三十一億円を計上するほか、倒産防止対策として、しにせ(業歴の古い企業)倒産防止対策の実施等倒産防止対策の充実を図ることとしております。また、組織化対策として四十五億五千六百万円を、下請中小企業対策として十億一千二百万円を計上しております。 小規模企業対策及び中小小売商業。サービス業対策につきましては、経営指導員の増員等経営改善普及事業の充実に四百二十五億三千四百万円、コミュニティ・マート構想の推進に六億五千万円、消費者とのつながりを深めるための小売商業消費者連携強化事業の推進に一億八千七百円を計上するとともに、小企業等経営改善資金についても所要の貸付規模を確保することとしております。 第四は、安全保障と経済性確保のための資源エネルギー政策の充実であります。 まず、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計につきましては、エネルギー対策を計画的かつ着実に推進するための財源として四千五百五十億円を一般会計から繰り入れることとしております。その結果、本特別会計の総額としては、他省庁分を含めまして六千七十九億三百万円を計上しております。 本特別会計の石炭勘定につきましては、保安対策に配慮した石炭鉱業合理化安定対策を引き続き推進するとともに、鉱害対策及び産炭地域振興対策の推進等を図るため、一千二百三十五億四千万円を計上しております。 また、石油及び石油代替エネルギー勘定につきましては、四千八百四十三億六千三百万円を計上しております。 なお、同勘定のうち、石油対策としては、石油探鉱投融資事業、石油開発技術開発等の石油開発に一千二百六十二億六千二百万円、国家備蓄の推進、九十日民間備蓄の維持及びLPG備蓄の推進等の石油備蓄に二千七百八十五億八百万円、石油産業体質強化対策、流通対策等に二百二十一億五千五百万円、総額四千二百六十九億二千四百万円を計上しております。 他方、石油代替エネルギー対策としては、代替エネルギー利用促進融資のための日本開発銀行貸付金、地方都市ガス事業の天然ガス化の促進等の石油代替エネルギー導入促進対策に百三十六億六千七百万円、石炭液化技術開発、共通基盤型石油代替エネルギー技術開発等の技術開発に三百七十九億二百万円等総額五百七十四億三千九百万円を計上しております。 電源開発促進対策特別会計につきましては、他省庁分を含めまして、二千七百七億八千九百万円を計上しております。 本特別会計の電源立地勘定につきましては、電源立地を引き続き推進するため、電源立地促進対策交付金六百二億二千二百万円、電源立地特別交付金百二十九億二千九百万円等総額で一千十七億四百万円を計上しております。 電源多様化勘定につきましては、水力、地熱エネルギーの開発促進のための供給確保対策に百六十四億三千六百万円、石炭火力建設費補助等石油代替電源の導入促進対策に百四億三千万円、石炭、太陽、地熱エネルギー等に係る技術開発に三百十三億九千三百万円、核燃料サイクル技術開発関連、軽水炉改良技術確証試験等の原子力開発利用対策に二百五十二億九千三百万円を計上しており、科学技術庁分を加えますと総額で一千六百九十億八千四百万円を計上しております。一般会計につきましては、資源の安定供給の確保を図るため、金属鉱業経営安定対策、内外探鉱開発の推進等に六十億八千三百万円を、また、備蓄をはじめとするレアメタル総合対策を推進するため、十八億一千五百億円を計上しております。 以上のほか、総合的資源エネルギー政策の着実な推進のため、日本開発銀行において、資源エネルギー枠四千六百三十億円の貸付規模を確保しております。 第五は、国土の均衡ある発展の確保と快適で安全な国民生活の実現であります。 工業再配置促進対策につきましては、工業再配置促進費補助金に四十三億五千二百万円、工業団地造成利子補給金に四十五億五千四百万円を計上しております。 また、工業用水道事業につきましては、百億五千四百万円、他省庁計上分を含めると百五十九億四千万円を計上しております。 さらに、休廃止鉱山鉱害防止工事に二十八億八千七百万円を計上する等環境保全対策、産業保安対策の充実を図ることとしております。 次に、国民生活に関連の深い技術開発につきましては、医療及び福祉機器技術の研究開発に六億八千九百万円、自動縫製システムの開発に十三億四千百万円、二十一世紀マンション計画の推進に特別会計を含め九億五千二百万円を計上しております。 また、消費者保護施策の充実を図るため、五億八千百万円を計上しております、 以上のほか、通商産業省関係の特別会計予算としては、特許特別会計につきまして、歳入歳出予定額四百五十億四千百万円、輸出保険特別会計につきまして、歳入歳出予定額四千四百五十四億千九百万円、アルコール専売事業特別会計につきまして、歳入予定額四百十五億八百万円、歳出予定額三百五十三億九千八百万円を計上しております。 以上、昭和六十一年度通商産業省関係予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明いたしました。 —————————————
○上村主査 以上をもちまして通商産業省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○上村主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上西和郎君。
○上西分科員 まず大臣、あなたに最初お尋ねしたいのは、あなたの選挙区といいましょうか、栃木県下で相次いで発生しております差別の事件、これは大変数が多いのであります。私は現在、党内で市民相談の責任者としていろいろやっておりますと、この種のことが随分と数多く寄せられますが、際立って特徴的なのは、この一年間、栃木県下で極めて顕著なそうした事件が発生をしている。このことに関して、庶民的に人気が高く、かつミッチーの愛称で親しまれている、ニューリーダーの一角を脅そうとされている大臣、あなたはどのような御見解をお持ちか、まずお尋ねをしたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 栃木県でも南の方で、私は北の方でございまして、北の方では、全くと言っていいくらい、こういう話は聞いたことがございません。しかしながら、南の方で今おっしゃったような、何か落書きとかそういうようなのが発生をしておるということで、まことにお恥ずかしいというか、残念至極でございます。 私はもともと、憲法の精神にのっとり、こういうことは絶滅をしなければならぬ、全く不心得な者がおりまして、そういう意味では、今後ともそういうことが起きないように、特に我々、企業に関係をしておりますので、企業等においても、雇用その他の面においてそういう差別は絶対にしてはいかぬということで、今後ともそういうつもりで指導をしていきたい、そう思っております。
○上西分科員 大臣の明快な御見解はわかりましたが、実はこの種のことは、何も栃木県下だけではなく、全国至るところで依然として発生しておるのであります。 私は終戦直後、旧制中学校のまだ学生のころ読んだ本の中で、いまだに鮮烈な記憶が残っておるのは、島崎藤村の不朽の名作「破戒」であります。あれに書かれていることがこの昭和の世に現に生きている、こんなばかなことがあるかと、怒りを覚えるのでありますが、全国的にその種の差別事件というのが頻発をしている。こうしたことに関しては、通商産業大臣としてはどういうお取り組みなり御見解をお持ちなのかを、御説明いただきたいと思います。
○見学政府委員 先生御指摘のとおり、関係各方面からの情報を通じまして、全国いろいろなところで就職差別でございますとか、あるいは結婚差別でございますとか、はたまた、先ほど御指摘がございました落書き事件等、依然としていわゆる差別事例が存在するということは認識しているところでございまして、これらの問題は、先ほど大臣が申し上げましたとおり、いわゆるいわれなき差別でございます。こういうことはあってはならないというふうに私ども考えているところでございます。 政府としては、いわゆる啓発対策というものに重点を置いておりまして、啓発対策そのものにつきましては、総務庁、法務省、労働省の三省庁が基本的な所管省庁として実施するところとしております。しかしながら当省といたしましても、対象地域にかかわりの深い業界に関しまして理解、そして協力を求めていくために、産業振興懇談会事業というものを実施しているところでございます。特に昭和六十一年度におきましては、この産業振興懇談会事業の実施主体として広域経済団体をも追加いたしまして、積極的にその事業の拡充を図っていきたいという方針でございます。 なお、同和問題が正しく理解されますよう毎年、当省自体が主催いたしまして、当省関係の団体職員及び各都道府県商工行政担当者等を対象としまして研修会を開催をいたしまして、こういった差別問題が一日も早くなくなるよう、研修会事業を行っているところでございます。
○上西分科員 お取り組みの姿勢なりお考えはそれなりにわかりました。 では、ここで少し角度を変えまして、そうした差別事件に悩まされている、いわゆる対象地域における中小企業の実情、とりわけ、この対象地域に長い伝統を持っております皮革関連産業、これらの実情を見ますと、ここ数年大変な不況といいましょうか、倒産、解雇、工場閉鎖、そうしたことが頻発をしている。こうしたことについて、現状どのようになっているのか、少しくまず御説明をいただきたいと思います。
○浜岡政府委員 御指摘のとおり皮革産業は、地域改善対策特別措置法の対象地域におきます極めて重要な産業でございます。むしろ基幹産業と呼ぶべきではなかろうかとも思うぐらいでございます。しかし皮革産業は御指摘のとおり、大変中小零細性が高いわけでございます。しかも国際競争力が乏しいという状況にございます。加えて、いわゆる皮革に類似をいたしました合成品が進出をいたしておりまして、これとの競争にも悩んでいるというような状況にあるわけでございます。こういう大変難しい状況にあるわけでございますけれども、しかし皮革製品といいますものは、私どもの日常生活におきましても不可欠のものでございます。感性の時代というようなことが言われておりますけれども、日本人の趣味嗜好、あるいはまさに感性にぴったり訴えるような製品が供給をされていくというようなことが、今までも期待されておりましたし、今後とも期待されていくものというぐあいに考えております。私どもはここのところをまさに、基本の視点に据えまして、今後とも対策に取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。 従来からも技術研修、あるいは海外との接触交流、あるいは消費者に対するPRというような面におきまして予算を計上いたしてまいっております。六十一年度におきましても、大変苦しい状況下でございましたけれども、前年とほぼ同額、若干これを上回ります約三億円の予算を計上いたしておるわけでございます。また、いわゆる一般中小企業関連政策といったものを皮革産業にも積極的、機動的に適用してまいりたい、そういうぐあいに考えております。先般成立をさせていただきました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の業種指定に際しましても、幅広く皮革関連産業を指定をいたしたわけでございます。今後とも、皮革産業を取り巻きます内外の環境は、大変厳しいものがあろうかというぐあいに思っておるわけでございますけれども、私どもも十分耳を澄まし、また目を十分に届かせまして、きめ細かい振興策を今後とも講じていかなければならないというぐあいに思っているわけでございます。
○上西分科員 ただいまの御説明ですと、予算もほぼ同額取っている、一生懸命やっていると、いろいろありますが、それにしては、先ほど申し上げたここ数年の、倒産だ、閉鎖だ、従業員の解雇だ、こういうことはとまっていないでしょう。なぜ効果が上がらないのですか。現在の地対法ではだめなんだと私たちは言いたいのでありますが、そうしたことに関する御見解はいかがですか。
○浜岡政府委員 皮革関連産業の雇用の状況を見てみますと、確かに明暗がございますけれども、どちらかといいますと、雇用が減っている業種の方が多いのではないかと思います。例えばなめし革製造業あるいは革製履物製造業、こういった分野では従業者数は減っているということは事実でございます。かばん製造業につきましては、やはり減少傾向は否めないのかなと思います。袋物製造業につきましては、微増ではございますが、若干従業者がふえているというような例もあることはあるわけでございますけれども、確かに従業者数から見ましても非常に苦しい状況でございます。 私どもといたしましても従来から、先ほど申し上げましたような気持ちで積極的に政策に取り組んできておるつもりでございますけれども、先ほど申し上げました、いわゆる合成皮革というような分野との競合、あるいはそれをめぐります消費者の嗜好の変化というような要因も動いておるわけでございますけれども、まだまだきめ細かい対策を講じていく余地はいろいろあるのじゃないかと思っております。 特に技術開発の面におきましては、なめし技術等の面でも改良の余地はまだ相当あると思っておりますし、また、靴あるいは袋物といったような分野につきましてはデザイン面の改良、あるいは靴の分野になるかと思いますけれども、例えばイージーオーダー制度をこういう分野にも導入をしていくとか、そういったきめ細かい対応というのは十分可能だと思っております。御高承のように、皮革とそれから皮革製革靴につきまして関税割り当て制度に移行するというような一つの新しいインパクトも加わっておりますので、私どもといたしましても、必要な対策、予算措置を六十年度の補正予算においても講じていただいたわけでございますが、こういったものを通じまして経営基盤の強化を図り、さらには、今申し上げましたような新しい技術の導入といったような面にさらに力を注いでまいりたいと思っております。
○上西分科員 大臣以下皆さん方に申し上げますが、私は、昭和二十五年田舎の高校を出て当時の配電会社に入り、そのまま電力会社に籍を置いておりますから、間もなく勤続三十六年になるのです。入社して五年、十年くらいの間、職場で言われるのは、鬼より怖い通産省でありました。通産の監査が来る、官庁検査が入ると言えば緊張の連続、私たちは恐怖におののいたものであります。それほど強大なる権限を持っていた通産省、私たちはそのことをいまだに鮮烈に記憶しているのであります。そのあなた方がきめ細かい配慮をやろうとおっしゃる。いろいろおっしゃるが効果は上がってない。それはなぜかと私はお尋ねしたいのです。現行法に欠陥があるのか、通産省の威力がぐっと低下をしたのか、対象地域の方々が全慾言うことを聞かないのか、そういったあと一つのことについてお答えがないのが私は寂しいのであります。 あなたのお答えを聞いていると、まさに隔靴掻痒の感がいたします。あと一歩突っ込んで、なぜ効果が上がらないのか。予算も組んだ、補正もやった、いろいろやっているけれども、結果としてこうなっている、そのことを親切に御説明いただきたいと思うのです。
○浜岡政府委員 現在私どもは、この産業あるいはこの産業の存在いたしている地域の持っております歴史的な経過、あるいは現在のさまざまの諸状況を十分認識しながら、また先ほど申し上げましたように、日本人のための産業として日本に定着してまいりますように、心を込めて対応を図っておるつもりでございますし、また、従来もそういう姿勢で取り組んできたと思っておるわけでございます。ただ、生活様式の変化とか需要状況の変遷とか、さまざまの苦しい要因も働いておるわけでございますけれども、多分先生御指摘のところは、この産業あるいはこの地域に対する愛着、愛情を持って取り組んでいくことが一段と必要だということだと思います。今申し上げましたように、私どももその点は心に深く沈めて取り組んでおるつもりでございますけれども、今後ともその姿勢は変わらないつもりでございます。
○上西分科員 それなりのお考えはわかるのですよ。ただ本当に、なぜ効果が上がらないのかというもどかしさがあるのです。しかも、私が申し上げたとおり、電力会社におりますから、通産省が持っている偉大なる権限といいましょうか、それをよく知っておりますから、なぜそれが対象地域では発揮されないのだろうかという素朴な疑問が私はあるのです。通商産業大臣というのは大体、総理への一里塚でありますから、ここをお通りになった方は大体総理大臣になっている。渡辺大臣も、必ずその道をお歩きになるのではないかと私は思っておりますから、そのためにも、渡辺大臣の在任中によりきめ細かな施策が実行され、大きな効果が上がることを、私はまずここで最初にお願いしておきたいのです。 あと一つ突っ込んでお尋ねしたいのです。この対象地域の皮革産業関連企業に働く方々の社会保険、労災保険、あるいは雇用保険を含めて普通社会保険、労働保険と言いますが、こういうものの適用状況なども必ずしも十二分ではない、全産業と対比をしたときにレベルが低いと私たちは大体把握しているのでありますが、これらのことについては担当省としては、あるいは序としてはどういうお考えをお持ちなのか、その辺について御見解があれば、この際承っておきたいのであります。
○見学政府委員 保険とか労働面にわたるものにつきましての直接的な調査を通産省としてしているわけではございませんが、現在の地域改善法が来年三月に切れるのを控えまして、私どもとしては、同和地域の産業の実態調査を総務庁の調査にあわせましてしているところでございます。現在回収、取りまとめ中でございます。
○上西分科員 調査は結構なんです。私たちは低いというふうに聞いておりますし、調査も私たちなりにしておりますが、もし仮に他の産業、他の地域と比べて低いようであるならば、直接所管は労働省でしょう、あるいは社会保険は厚生省、社会保険庁になっている。しかし側面的に、そんな予算を組み、きめ細かいことをやっていこうと意欲を持っておられる皆さん方は、その種のことについてはどうお取り組みになるのか、あわせてお考えを示してください。
○見学政府委員 基本的には、その地域におられる方々の全体の景況と申しますか、そういったものが上昇することによって、勤めておられる従業員の方々へのそういった福祉も向上するものと考えますが、他方で、関係省庁との連絡の場もございます。御指摘の点等につきましては、十分を図るため、関係省庁とも連絡しながらやってまいりたいと考える次第でございます。
○上西分科員 大体そのお考えは、何回も申し上げますが、わかるのですが、問題は、実効のあるやり方をぜひとっていただきたい、このことなんです。私は、手元に持っている数字をるる申し上げる時間的ゆとりがありませんから、あえて申し上げませんけれども、対象地域の方々の実情は、目を覆うだけの惨状と言ってよい実情があるのであります。これらを見ていきますと、まさに円高・ドル安の中で、何か片一方では浮かれる話がある、しかし現状こういうことがあるということをよく御理解いただいて、今おっしゃったことが本当に確実に効果が上がる方向へ一層の御努力をお願いしたいと思うのであります。 さて、ここで大臣、私お尋ねしたいのです。口の悪い方は、渡辺大臣にあんたは質問するのか、目下蟄居謹慎中の方だぞ、こう言われましたが、それはそれ。あなたはやはり大物だから、ちょっとした発言でもマスコミをにぎわわす、こういうことになりまして、やはりそれだけの大物大臣でありますから、これから先少しくお尋ねをしていきたいのであります。 ただいま私が指摘をし、お尋ねをしたように、この対象地域の産業、とりわけ皮革関連産業は、極端に言えば、今危急存亡のところに追い込まれている。こういうことに関して大臣は、どのようにお考えになり、今後の振興策についてそれぞれ担当の方からお話がありましたが、最高責任者としてはどういうお気持ちでお取り組みになろうとするか、まずそのことをお尋ねしたいと思うのであります。
○渡辺国務大臣 皮革の産業問題については御承知のとおり、工業製品でもこれは国際競争力が弱いというようなことで、通産省、政府としても市場開放について最後の最後まで守ってきた業種でございます。しかし、全体の国際情勢からすれば、いつまでも輸入制限措置をとっておけないということで、今回自由化することにいたしました。しかしながら自由化をしても、大量に入ってくるようなことでは困りますから、数量がある一定限度以上のものについては、六〇%という非常に高率の関税割り当て制度にした、これも御承知のとおりでございます。 産業の流れとしては、今言ったように、需要の減退というのが、これはもう好みの方の話でありますから防ぎようがない。我々身近な話で、ゴルフバッグ一つにしても、やはり使ってみると、革の方は倍も重い。石油製品の方が非常に軽い。持ち歩きに軽い方がいいということで、革の方から化繊のバッグにどんどん皆さんかわっている。値段も安い。それからゴルフ靴にしても、私自身がそうなんですが、革のゴルフ靴は、体裁はいいのですが、重くて疲れる。化繊の方がうんと軽くて、使いやすい。結構長もちする。値段もうんと安い。そういうのは一つの例でございますけれども、それに類したものがいっぱい出てまいりまして、こういうことが皮革製品の産業に時代の流れというものが大きな影響を与えている、これは間違いないと私は思うのですね。そこで、やはり需要が少なくなれば、生産をしても売れないということになりますから、当然苦しくなる。 そこで、通産省側といたしましては、事業転換ということについて、通産省だけではできませんが、労働省その他とも連携をとって、それで救済措置というものをとっていかなきゃならぬ。それから、将来需要のある方へも職業転換といいますか、そういうようなものもお勧めをする。そうしなければ、もうやっていけないということになりますから、そういうことで、できるだけ我々としては、需要があるような分野に対して事業転換を円滑にするための融資その他の措置をとって、政府全体としてこれはやらなければできないことですから、そういうことで極力、そこで大きな失業問題とかいろんな問題が起きないように十分に今後とも努力をしていきたいというのが、基本的な考え方であります。
○上西分科員 さすがは大物大臣、極めて前向きのお答えをいただいてありがたく思うのでありますが、一つ念を押しておきたいのです、大臣。現行の地対法でそのことが可能なのかどうか。法自体、随分長いこと施行されて実働に入っておりますが、私たちは、この地対法の不備がやはり現状、そういうことをもたらしている一つの原因ではないか、こう考えるのですが、その点について大臣いかがですか。
○渡辺国務大臣 これもどういうようなことですか、やはり地対法だけの問題でなくて、全体としてやはりみんなで新しい方に向かうという、まず自分たちの仲間といいますか、意識ですね、その地域の人の意識がまずなければだめですから、意識のあるところをひとつうまく誘導して政府はそれを応援していくということだろう。地対法の関係では、今までのような需要の開拓や経営指導等、いろいろなことについても普通のところよりも有利にできていると私は思います。だから、どういうふうにしていったらいいのか、私も具体的なことはよくわかりませんけれども、今後とも全体、総合的な対策で、やはりそういう非常に困っているというか、需要が少なくなっちゃっているという業種、地域等については、一般地区も含めまして同じような悩みを持っておるわけですから、これは総合的に考えて助成していくということだと思います。地対法がどこが不備でどうだというようなことは、細かいことは私もわからないというのが実情です。
○上西分科員 正直にお答えいただいて、なんですけれども、私たちは、地対法だけでは足りないのではないか、もっと総合的な体系といいますか、体制をつくることが今大変重要ではないか、こういう考えてお尋ねをしているのであります。そうした意味合いでもうこれ以上、このことについてはお尋ねしようとは思いません。ただ、私が冒頭指摘をし、御見解をいただきましたが、世界に冠たる経済大国日本と、こう胸を張っておっしゃる、外交では赫々たる成果を上げているすばらしい方がトップにおられますけれども、しかし、その日本の国で厳然として差別事件が発生をしている、これはやはり汚点だと思うのであります。内閣総理大臣以下、襟を正して反省をしなければならない重要な問題だ。先ほど申し上げた島崎藤村の「破戒」以来、地域によっては何の変化もない。これが許されているこの現実をどう改善していくか。そのことがない限り、幾らあなた方が予算を組み、啓発をいろいろやっても、指導をやっても、やはり効果はなかなか上がらないのじゃないかと考えるのであります。 そうした観点に立って最後に大臣に、私はお尋ねというか、御要望して御見解をいただきたいのでありますが、この対象地域にやはり中曽根内閣の大黒柱の一つである渡辺大臣みずから足を運び、現実を視察し、そこの地域の方々の声を直接聞き、それを行政に生かしていく、中曽根内閣のとかく外交が主になりがちなところで、この汚点と言ってよいところに光を当てていく、こういうことについて、私は心から渡辺大臣にお願いをしたいのです。そのことをされれば、福岡の発言など消えていくと僕は思うのであります。そのことをされないと、やっぱりあれは本音だったかと、こうなりかねませんので、いいチャンスです。渡辺大臣、よし、おれがやろう、こういうお答えをぜひいただきたいと思うのでありますが、この対象地域に対する足の踏み入れ、視察の実現等について御見解をいただいて、質問を終わらしていただきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 私の基本的考え方はあなたと同じです。具体的な問題は別として、基本的な考え方としては、今どきいろいろなそういうような理屈にならない理屈で差別をするなんということは、言語道断であって、やはり憲法十四条の精神が徹底してない、問題はそこにあると私は思うのです。憲法十四条でちゃんともう決まっているわけです。ですから私は、その憲法の十四条がきちんとそのとおりに守られるように今後、それは社会教育、地域の教育、文部省の教育ですね、根本は教育ですよ。そういうところで本当に世界から笑われないように、我々は最善の、国全体、民間も国も全部を挙げてその精神を徹底させるということに尽きるのじゃないか、そう思っております。
○上西分科員 では、終わらしていただきます。ありがとうございました。
○上村主査 これにて上西和郎君の質疑は終了いたしました。 次に、佐藤徳雄君。
○佐藤(徳)分科員 私は、私の地元であります郡山地域のテクノポリス建設の問題について、幾つかお尋ねをいたします。 テクノポリスは御承知のとおり、先端技術産業を中心とした生産部門、大学、研究所などの学術部門、快適な居住環境を備えた住宅部門を一体化して、地域の活性化を図る推進力にするための二十一世紀を目指した都市づくりであると思います。実は、雑誌「世界」三月号に「地域からの報告」という題で「浜松−“テクノポリス”のゆくえ」という論文が出ておりまして、それを読みまして、非常にうらやましい限りだと実は思っているわけであります。 まず最初に私がお尋ねいたしたいのは、全国のテクノポリスへの取り組み状況についてでありますが、その第一は、開発計画承認済みになった地域はどこでしょうか。
○黒田(明)政府委員 第一次の開発計画承認件数は実は十八件ございまして、北は函館地域、青森地域、秋田地域、長団地域、宇都宮地域、富山地域、西播磨地域、浜松地域、吉備高原地域、広島中央地域、宇部地域、香川地域、県北国東地域、宮崎地域、久留米地域・鳥栖地域、環大村湾地域、熊本地域、国分隼人地域、以上でございます。
○佐藤(徳)分科員 次に、地域開発計画承認申請予定の地域は現在どこですか。
○黒田(明)政府委員 私どもは申請を受ける側でございますので、申請予定という段階にそれぞれの地域において差しかかっているのかどうかというところは、必ずしもよくわからないのでございますが、現在いろいろ構想を策定している地域が数件ございます。
○佐藤(徳)分科員 その県名を挙げてください。
○黒田(明)政府委員 まだどういう段階というのがいろいろ差があるものでございますから、この段階ではちょっと差し控えさせていただきたいのでございますが、七、八件ぐらいあるのじゃないかというふうに考えております。 〔主査退席、長野主査代理着席〕
○佐藤(徳)分科員 私の地元の福島県郡山市がその中に入っていると理解してよろしいですか。
○黒田(明)政府委員 郡山地域を中心とする福島県の案件は、その中に入るものと考えております。
○佐藤(徳)分科員 それでは、開発計画承認地域になった地域名を先ほど挙げていただきましたが、その承認地域の中で現在進行している特徴的なものはどういうものでしょうか。
○黒田(明)政府委員 一般的に申し上げますと、これら十八地域は、それぞれ程度の差はございますけれども、順調に進捗しているというふうに考えるわけでございます。 その内容的な点でございますけれども、テクノポリス開発事業の中核的な事業、これらがそれぞれいずれも進捗していると思うわけでございまして、若干列挙させていただきますと、例えば第三セクター方式を中心としました研究所の建設、こういったものが相当に進んでまいっておりますし、また、情報関連の専門学校でありますとか、人材育成センター等の人材育成機関の新設拡充といったものも各地で見られるところでございます。それから、産学官共同研究の活発化ということが必要だと考えておりますが、これも各地域で積極的に推進されておりまして、かなりの実績が上がってきております。また、大きいところでは、新都市の建設計画を持っているところがございますが、これも着実にスタートが進められております。それから、こういうテクノポリス地域におきます企業立地も順調に増加が見られておりまして、これに相伴いまして、工業出荷額の順調な拡大が見られるというふうに考えております。
○佐藤(徳)分科員 高度技術工業集積地域開発促進法の第三条による、つまりこの法の対象となる地域要件として、いわゆる対象地域の規定要件があるはずであります。規定要件の内容の説明をお願いいたします。
○黒田(明)政府委員 委員御指摘のとおり、要件が法律の三条に規定されているわけでございます。相当数に上るわけでございますが、逐次申し上げますと、第一には、工業集積が余り進んでいない地域であることという要件がございます。また、開発のために一体として取り上げることが適当である地域という要件もございます。それに、その地域に高度技術の開発あるいはその成果の利用についての可能性を持った企業が存在しなければならぬという、その地域における企業のポテンシャルの問題があります。さらには、工業用地でありますとか、用水でありますとか、住宅用地でありますとか、そういったいわばハードなインフラストラクチャーの確保が必要でございます。また、その地域におきまして、一定のある地域またはその近傍に政令で定める要件を備えた都市、つまり母都市と言われるものが存在することが必要でございます。さらには、研究開発を行います大学が存在することも必要でございまして、最後に、高速輸送施設の利用が容易であるといった要件もございます。 以上でございます。
○佐藤(徳)分科員 テクノポリスを推進しようとしている福島県郡山市の問題を御理解をいただくために、私の方から少し説明をさせていただきたいと思います。 福島県郡山市を中心といたしました隣接市町村、すなわち一体的な生活圏を構成している市町村のうち、郡山市、須賀川市、岩瀬郡鏡石町、石川郡石川町と玉川村、田村郡三春町の二市三町一村で、郡山地域テクノポリス圏域を構成をしておりまして、郡山地域テクノポリス建設構想を策定をし、国に対して承認申請を、先ほどお答えありましたとおり実は予定をしているわけであります。 二十一世紀に向けてさらに躍進するためには、急速な高齢化の進行、技術革新、高度情報化の進展、さらに県民、住民意識の多様化、あるいはまた国際化の進展といった新たな課題への対応が強く求められているということは、国も地方も共通している問題であるというのは御存じのとおりであります。それだけに、テクノポリス建設構想の実現を目指す地方自治体や関係諸団体及び地域住民の情熱と意識の高揚は、非常に高まっております。しかも、この郡山地域テクノポリス建設構想は、一地域のもののみではありません。福島県と圏域市町村が一体となって、大学や産業界等の協力を得て策定をいたしましただけに、極めて今日重要況をされております。しかも、二十一世紀を先取りする都市空間の創造、これを基本理念に据えまして、質の高い生活環境にあふれた町づくりを目指しているわけであります。そしてまた、高度技術とその産業の集積基地及び物流拠点の形成を戦略ともしております。 郡山市は、幾多の苦難な道を切り開きまして、安積開拓によって歴史が繰り広げられて発展をしてまいりました。そういう町であります。先人が果たした安積開拓の精神は、今もなお脈々と生き続けているのであります。郡山市の総人口は、二月一日現在で三十万二千七百九十八人であります。いわゆる三十万都市を形成をいたしました。また、郡山地方広域市町村圏は、自由民権運動の発祥地でもあります。歴史と文化、産業発展、地理的条件に恵まれておりますことは、言うまでもありません。我が郡山市は、東北の玄関口でありまして、東北新幹線の停車駅でもあります。そして、福島県における交通の中心地でもありますし、工業、商業を中心とする経済都市でもあります。 テクノポリス指定の最大要件となっておりますところの、財団法人郡山地域テクノポリス推進機構設立発起人会が去る二月十八日、郡山市で開かれまして、寄附行為案や役員案を既に決定をされております。また財団は、六十四年度までに県、市町村、民間の三者がそれぞれ二億円、合計六億円を出資をして、その運用益で運営いたしますが、最終的な出資総額を十億円と目標を置いております。さらに、運用益が見込まれない間、県及び市町村から約二千万円を補助することなども決めておる模様であります。本格的な事業は六十一年度から入りまして、研究開発企業が開発する場合に行う債務保証事業、あるいはまた技術交流、研究集団育成、研究活動支援などを展開するなど、極めて意欲的に今日の段階で取り組んでいるわけです。 こういうことを前提にしまして、以下のことをお尋ねいたします。 先ほど法第三条に基づく規定要件について御説明いただきましたが、その第二要件による郡山地域の状況は、自然的、経済的、社会的条件から見て、一体として高度技術に立脚した工業開発を図るにふさわしい地域であります。要件とされている面積は、おおむね十三万ヘクタール以下の十一・五万ヘクタールでありまして、広域市町村は連接した市町村であります。郡山市を中心としたまとまりのある一体的な生活圏を形成していると思っておるわけでありますが、第二の要件に適合すると判断されますか。
○黒田(明)政府委員 福島県におきますテクノポリス構想は、現在、法律的な手続でございます開発計画の承認ないしはその申請という段階にまだ至っておりませんで、現在のところ基本構想が策定されて、開発計画の前段階に当たる開発構想を取りまとめている段階にございます。私どもは最終的には、開発計画の申請が出ますれば、それに従いまして承認の可否を決めるわけでございますが、現在のところこれが出ていない段階でございまして、決定的なことを申し上げられないのでございますが、既に策定されている基本構想から判断いたしますと、今委員御指摘の点については問題がないものと考えております。
○佐藤(徳)分科員 昨日、市と連絡をとりましたら、おっしゃるとおりまだ申請はしていないが、現在通産省からの事前指導を受けているそうであります。その意味合いはよくおわかりだと思うのであります。 そういうことに関連して、次の点をお尋ねいたします。 第三の規定要件に、高度技術を開発または利用する企業に成長する可能性のある企業が相当数存在することとありますが、その部分についての適合状況というのはどう判断されますか。
○黒田(明)政府委員 その点についても問題がないものと考えております。
○佐藤(徳)分科員 次に、第四の要件として、工業団地、工業用水及び住宅用地の確保が容易であることとなっておりますけれども、郡山地域は、工業用水の確保、豊かな自然環境等、テクノポリスにふさわしい環境がたくさんあると私などは考えておりますが、どのように理解されておりますか。
○黒田(明)政府委員 この点につきましては、定量的な詰めが必要であると考えておりまして、現在、量的な面を詰めておる段階でございます。
○佐藤(徳)分科員 次に、第五の要件として、地域または近傍に政令で定める要件を備えた都市が存在すること、しかも人口がおおむね十五万人以上の市、及び対象地域の中心から既存の交通施設によっておおむね三十分以内に到達することのできる地域に存在することとなっております。これは、先ほど私が説明させていただきましたとおり、人口は既に三十万都市に入り、すべてこの要件を満たしているわけであります。三十万都市郡山は当然、この対象となるものだと判断をするわけでありますが、圏域市町村の人口トータルは四十万人を超えている実情にあります。交通等も、東北本線、磐越東線、西線、水郡線、そして新幹線と、こういう接点のまさに中心地でもあります。この点についても適合していると思いますが、どうですか、御判断をお願いいたします。
○黒田(明)政府委員 要件に適合していると考えております。
○佐藤(徳)分科員 高度技術に係る教育研究の大学が存在するかという点についてでありますが、これは御承知かと思いますが、既に日本大学工学部が現在存在しています。この日大工学部の中には、土木工学科、建築学科、機械工学科、電気工学科、工業化学科、さらに工学研究科の大学院が五つの専攻で設立されているわけであります。そして最近に至りまして、東海大の問題が大学側と市の側で本格的になりまして、意見の一致を見た模様であります。この点についても適合要件に合っていると思いますか、どうですか。
○黒田(明)政府委員 要件に適合していると考えております。
○佐藤(徳)分科員 最後になると思いますが、第七の規定要件として、高速自動車国道、空港、新幹線の利用が容易であることになっているが、御承知のとおり、東北自動車道、東北新幹線が南北に走っておりまして、しかも、新幹線は郡山駅が停車駅となっているわけであります。また、東西方向には、東北横断自動車道いわき新潟線が建設中でありまして、福島空港の問題についても、建設計画が進められていることは事実であります。いずれもこの第七の要件に適合していると思うのでありますが、いかがでしょうか。
○黒田(明)政府委員 要件に適合していると考えております。
○佐藤(徳)分科員 そういたしますと、第三条に定められております一から七までの規定要件が全部適合しているというお答えをいただきまして、非常に勇気づけられた感じがいたします。 郡山地域テクノポリス構想は、長期展望に立った壮大なものでありまして、多分通産省にも市並びに県の方からこういう本が届いていると思うのでありますが、十分お目通しいただいて、前進的な御判断をお願いしたいと思っているわけであります。同時に、そのことは、東北の時代をリードできるものと私は確信するものでありますが、いわゆる東北サザンクロスの形成を図るものであると、この建設構想の中には極めて重要な表現で打ち出されているわけであります。 通産大臣、我が選挙区は大臣の隣の県でありまして、御認識や御理解をいただいていると思うのでありますけれども、次の段階の開発計画承認というのはいつごろをめどにされておりますか、大臣にお尋ねします。
○黒田(明)政府委員 現在のところ私ども、このテクノポリスの開発計画の承認を受けたいといういわば事前の折衝を地域から受けている段階でございまして、その開発計画が提出されましてから、最終的かつ本格的な行政上の作業に入るわけでございます。 今私は福島地区につきましても、要件にはおおむね該当する旨の答弁をさせていただきましたが、最低限の計画というのではなくて、将来その地域の発展を支えるに足る十分な開発計画であることが必要でございまして、今もいろいろ私どもの考えを申し述べ、指導させていただいている段階でございまして、こういった私どもの指導しようとしております課題に対しまして、各地域がそれぞれの対応をなされまして開発計画が出されれば、それを審査して承認すべきものは承認する、こういう姿勢にございますので、時期的にはどうというふうには現段階では申し上げにくい、こういうことでございます。
○佐藤(徳)分科員 冒頭お尋ねいたしました既に承認済みの十八地域、この場合は、提出をされて何カ月後に承認になられたのですか。
○黒田(明)政府委員 課題回答後短いもので約一カ月でございます。(佐藤(徳)分科員「長いものでは」と呼ぶ)長いものについては、事前のいろいろな私どもの指導にどの程度こたえられた開発計画が出されるかによるわけでございますが、まあ大して長くはならないというふうに思っております。
○佐藤(徳)分科員 最後に大臣にお答えいただきたいのですが、今お聞きになったとおりであります。それで、郡山地域のテクノポリスをどのように御判断をされておりますか。
○渡辺国務大臣 私は直観的に言えば、適当なところだと思いますが、やはり法律があって、それであとは予算の問題もあるでしょう。それから、その条件にどの程度合致しているのか、その全体の申請の中で幾つぐらいとるかという問題もありますから、私は一概に断定的なことは申されませんが、私のところに近いこともあるから、やはりそれは親近感は持ちますよ。その程度のことできょうは御勘弁いただきたいと思います。
○佐藤(徳)分科員 極めて結構な御答弁であります。今までのお答えを聞いていまして、あるいは大臣の今の最後のお答えを聞いて、非常にうれしく思ったわけでありますが、私自身にとりましては、極めて有望だなということを判断をしたわけでありますが、大臣も極めて有望である、こういうことに判断されておりますか、最後に一言。
○渡辺国務大臣 これは判じ物みたいな話になりまして、余り国会答弁としては責任ある大臣としてどうかと思いますが、私は、有力な候補の一つであることはまあ否めないだろうと思っております。
○佐藤(徳)分科員 ありがとうございました。少し時間が余りましたけれども、いい答弁をいただきましたので、これで終わります。
○長野主査代理 これにて佐藤徳雄君の質疑は終了いたしました。 次に、松浦利尚君。
○松浦分科員 最初に、公取の方にお尋ねをいたしますが、独占禁止法の十九条に係る不当廉売の問題であります。 御案内のとおりに、公正取引委員会の方で五十九年十一月二十日、「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」というのを出しておられるわけですね。その中で、不当廉売というのは、廉売の態様、競争への影響、正当な理由、この三つから不当廉売というものの解釈をされるということなんですね。廉売の態様の中の一つは、この通達によるところで解釈をいたしますと、実務上は、仕入れ価格を下回るかどうかということが一つの基準だ、廉売の条件の一つはそれだ。それから同時に、そういったことが継続して行われておるかどうかということですね。それから二番目は、競争への影響というのは、他の地域における事業活動というものとの関連でどうかという考え方。それからもう一つ、正当な理由というのは、要するに生鮮食料品等が腐敗をする、ですから仕入れ価格よりも安く売る、そういうのが正当な理由、あるいは古くなったとかですね。そういった三つの要件を満たさなければならぬという解釈だと思うのですが、この解釈について、こういう条件が仮に合ったとすればそれは不当廉売になる、こういうふうに解釈していいのですね、どうでしょうか。
○地頭所説明員 ただいまの先生の御指摘、基本的な考え方といたしましては御指摘のとおりでございます。
○松浦分科員 それでは、これはスーパー長崎屋の広告なんですけれども、これをちょっと見てください。大臣、ちょっとお見せします。それから公取の方にも……。 そこの一番左のカラーテレビの価格、そこに二万六千円と表示してありますね。実はその仕入れ価格が二万六千八百円なんです。それを長崎屋は二万六千円で売っておるわけですね。この長崎屋というのは、昨年もそういう申告が私のところに来たのです。しかしそのときには、余り継続しなければならぬという条件を満たしておらないだろうということから、実はそういう点をはっきりさせなければだめだよということで問題にしなかったのですね。そのときにも、実は長崎屋にトースターを売ったけれども、仕入れ価格よりも安く店頭に並べられておるという証拠が私のところに来たわけですよね。あるいは、京都で長崎屋が模様がえをいたしまして、そしてやられたときにもそういうものが多数出回ったという申告があった。今そういう状況なんですね。ですから、そういう状況で、仮に今私が説明したような条件を満たしておるとすれば、それは明らかに不当廉売になりますね、そういう三つの条件を満たしておったとすれば。どうですか、満たしておったとすればという条件、ただし書きつきで。
○地頭所説明員 御質問の点は具体的なケースでございますので、結論的なことは控えさせていただきたいのでございますが、一般論といたしましてお答えしますと、先ほど申されましたような三つの観点からの要件を満たしておるならば、不公正な取引方法に当たる、こういうふうに考えております。
○松浦分科員 それでは、きょうここに、これは申告した人の声がテープに入っております。それは明らかに仕入れ価格より下回っておるという、その人の電話番号もここに入っております。ですから、申告者の不利益の関係もありますから、これをこのままここでお渡ししますので、おたくでチェックしてください。いいですね。 続いて、不当表示防止法の関係に係る問題ですけれども、これも公正取引委員会の方で、不当表示については、不当な価格表示に関する不当景品類及び不当表示防止法第四条第二号の運用基準というのを出しておられますね。それから、同じく昭和四十七年二月二十九日の運用通達等を出されておるわけですけれども、これは大臣もお気づきだったと思うのですが、メーカー名がないのです。どこの製品という表示が全く抜けておるわけです。ここに「五台限り」と書いてあるわけです。そうすると、この「五台限り」というふうに書いてあって、これをこの運用通達から逃れる方法として、「いずれ劣らぬお買得!三階家電売場 品切れご容赦!!」こう書いてあるのですね。ですから、この五台に限定して「品切れご容赦」と書いてあれば、厳密に言えば一応運用基準から逃れることができるのですね。ここに書いてあります。ところが、ここに買いに来るお客さんは、物すごく需要が大きいのですね。そうすると、供給する場合はたった五台なんです。ですから、私の方に連絡が来ておるのは、実は行って買おうと思ったときにはないというわけです。本当に売られたかどうかもわからないというわけです。それはそうでしょう。買いに行ったらないのですから、店員に聞いてみたら品切れで御容赦と言われれば、それはないのは当たり前ですわね。しかし、買いに行った人は全くわからないという状況です。 そうすると、御承知のようにこの家電業界は公正取引委員会の御指導をいただいて、公正取引規約というのがあるのですね。そこで、その規約上からいえばこれは問題があるのです。しかし、これはアウトサイダーなんですね。全くそれに入っておらない、スーパーですから。ですから、自由自在にこういうものを出しては周辺の弱小小売店を泣かすわけですね。しかもお客さんが行ったら、行ってみたけれども品物がないという状況なんです。ですから、公正取引委員会にまずお尋ねしておきますが、これは表示法から見て違反になりますかどうですか。
○黒田説明員 ただいまの御指摘の点で、まず五台と書いてあるのですけれども、行ってみるとないというお話は、実は私どもの方でもおとり広告の基準というのを五十七年に出しておりまして、そこでもし五台とかいうふうに数量を明示しておるのに実際に売場に行ってみたら売却してくれないとかその商品が実在しないということになりますと、五十七年の私どものおとり広告に関する基準ということには一応該当するかと思いますが、ただいま本件の具体的なことについては私どもまだちょっと……。一般論としてだけお答えしたいと思います。
○松浦分科員 昭和五十七年六月十日の「おとり広告に関する表示」の運用基準、この通達ですね。
○黒田説明員 はい、そうです。
○松浦分科員 これは二月二十二日から二十八日に行われた広告ですから、もう過ぎておるわけですね。ですから、公取委が具体的に入ろうと思ったときにはもう終わっておるから、なかなか確証がつかみにくいと思いますね。それは事実そうでしょう。どう思いますか。今から調べられて確証が握れますか、どうですか。
○黒田説明員 御指摘のとおりでありまして、そういったものにつきまして証拠とかということになりますと、相当手続を踏んだ慎重な調査でもしない限りはなかなかわかりにくいということは実態としてあります。
○松浦分科員 しかし、こういうことが公然と行われるということはやはり公正競争上問題があると思いますので、こういう行為についてぜひチェックだけは公取委としてしていただきたいと御要望申し上げたいと思いますが、どうですか。 〔長野主査代理退席、主査着席〕
○黒田説明員 私どもの方も日ごろ、そういったチラシの消費者からの苦情があった場合には、そういったものに対しては努めて調査したいし、そういうことで善処してまいりたいと思います。
○松浦分科員 それでは、公取の方で不当廉売、表示の問題等についてぜひチェックをしていただきたい。特に不当廉売の関係についてはそこに証拠を差し上げましたから、ぜひチェックをしていただきたいと思います。
○地頭所説明員 検討させていただきたいと思います。
○松浦分科員 それでは最後に通産省にお願いですが、先ほど言いましたように最近はスーパーが非常に地域に進出しまして、巨大化して、あらゆるものを販売するのですね。そうすると、その中には従来からの専門小売店と競合する分野が非常に多い。しかし、そういう専門小売店はそれぞれの組合権益擁護のために公正競争規約等をつくってお互いに公正なルールを守っておるのですが、スーパーがそれに殴り込みをかけるわけですね。そのことは結果的に、通産行政で小売店の育成強化を図っておられるそういうものと競合するというか、激しくトラブルを起こすもとになるのです。ですから、これは大臣にお願いですが、このスーパー関係の業者がやはりスーパーの団体をつくっておられるのですが、こうした広告のあり方についてぜひ御指導いただけないだろうか。結果に対しては公正取引委員会ですけれども、事前の行政指導としてはぜひ通産側にもそういった面で御配慮いただけないかと思うのですが、どうでしょう。
○松尾(邦)政府委員 ただいま特に家電製品について、大型スーパーマーケットの販売についての問題の御指摘がございましたけれども、従来から取引実態上、大型スーパーマーケットが家電製品の関係業界で構成している公正競争規約にはなかなか参加しにくい事情があることは御承知のとおりだと思います。しかし、チェーンストア協会におきましては、この公正競争規約に参加しておる企業からの要請もございまして、公正取引委員会とも御相談しながらチェーンストア協会のメンバーの自主基準を設定いたしまして、できるだけこの公正競争規約に沿った企業行動をとるように自主的に申し合わせをしてその実施に当たっているところでございますが、今後も関係業界の話し合いが進展するよう促すとともに、スーパーマーケット業界についてもこのような趣旨が十分浸透いたしますよう、私どもとして行政上配慮してまいりたいと考えております。
○松浦分科員 大臣も見られて、やはりおかしいと思うのです。メーカー名も書いておらない。そしてたった五台だとか、明らかに消費者に対しておとり商品を使っておると理解されますので、ぜひ大臣の方も、特に内需拡大という面で、あるいは円高不況という状況になってきますと、末端流通段階でしのぎを削ると思うのです。そうすると必ずこういう不公正問題が出てくるわけでして、そういう点について大臣からもぜひ一言お答えをいただいた上で、この問題を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 今法律的にどうか、私もつまびらかではありませんが、いずれにしても見せかけで人をだますようなやり方はよくないに決まっている。したがって、どういう措置がとれるかも含めて、見せかけで人を惑わすことのないような方法について検討いたします。
○松浦分科員 ありがとうございました。それでは、この広告は一応公取の方に差し上げておきます。 それでは、長崎屋の問題に絡んだスーパーの関係は、以上で終わらせていただきます。大臣に御答弁いただいた御配慮をぜひお願いしておきたいと思います。 それから次に、これも大変重要な問題でございますが、実はきのうの新聞で確認をしたのですけれども、六十一年三月四日に大蔵省と共管で、消費者信用情報機関等における消費者信用情報の管理等に係る通達というものを発出されました。これについて公取の方にちょっとお尋ねをしておきたいと思うのですが、消費者信用全体のうちに販売信用の占める比率というのは大体どれぐらいになっているのですか。
○小峰説明員 販売信用の比率でございますが、半分強が販売信用ではないかというふうに考えております。
○松浦分科員 大変な数字だと思うのです。ここにも書いてありますが、五十九年度で三十一兆六千億、この大変な数字が出ておりますが、これはもう通産の通達ですから間違いありませんですね。 それじゃ、これは公取になるのか通産になるのかわかりませんが、クレジットカードですね、こういったものが今現在どれくらいの数量我が国で利用されておるというふうに理解されておりますか。
○小峰説明員 これは五十九年の数字でございますが、七千三百八十一万枚という数字が出ております。
○松浦分科員 それからさらにお尋ねをいたしますが、その消費者信用の家計の可処分所得に占める比率はどれくらいだと理解しておられますか。
○小峰説明員 今手元にございますのは、可処分所得に占めます消費者信用残高の比率というのがございますが、これで見ますと、日本は十二・三%ぐらいということでございます。
○松浦分科員 大臣もお聞きになりましたように、この通達にもありますが、信用取引というのは、しかも消費者の家計に占める割合というのは、今物すごく大きいわけですよね。ですから、私はこういう通達が出されて当然だ、こう思うのです。ただ、ここでちょっとお尋ねをしておきたいのは、今情報ネットとしてやるのは、消費者信用情報の場合は銀行、それから信用販売関係、サラ金を含めたクレジット、この三つがあると理解をしておるのですが、それでよろしいですね。
○松尾(邦)政府委員 仰せのとおりでございます。
○松浦分科員 本年度中にこの三つのネットで情報交換を開始するという見通しが出されておるのですが、そういう見通しについて把握されておられますか。
○松尾(邦)政府委員 試験的な意味で、三つの情報センターにおきまして情報交流を進める検討をやってみたらどうだろうかということを考えているところでございます。
○松浦分科員 そうしますと、銀行にとってはメリット、あるいはクレジット会社にとってはメリット情報ですが、利用する国民の側にとってはデメリット情報だけがインプットされておることになるのですね。ほとんどがデメリット情報を交換するためにこの三つを交流させるという見通しになっておるわけです。ですから、渡辺大臣、これは非常に問題だと思うのです。 例えば一つの例ですが、大臣を例に出すのが一番いいですから、実際はそうではありませんけれども、渡辺通産大臣が品物を買った、ところが大臣の支払いがどうも停滞をしておる。その大臣が今度は銀行に行ってお金を借りようとした。そうすると、そのクレジット情報と銀行の情報が交換をされまして、渡辺通産大臣はおれのところから自動車を買ったけれども、あの自動車の支払いが何カ月延びておる、ですから貸さないようにしたらどうかということで、銀行の方の窓口で貸さないようにするわけですよね。そうすることは、渡辺大臣にとっては極めて不利益な情報が交換されることになるのです。渡辺大臣が全然知らないのに、いつの間にか渡辺大臣がそういう状況だということが情報交換されて、銀行側の窓口に行っておる。そしてそれを扱った人に、渡辺大臣は自動車を買って支払いが停滞をしておりますよというようなことがささやかれていきますと、御本人のプライバシーというのが完全に無視されることになるのです。 ですから、私はこの通達というのは確かに一歩前進だとは思う。しかし、先ほど言いましたように、クレジットカードがこれほど利用されておる状況になってきますと、しかもそれぞれの機関が情報を交換をするという試みまでしょうという段階に来ますと、個人情報を保護するという意味で、プライバシーを保護するための法律体系というものをぜひつくり出さなければいかぬと思う。その時代にもう来ておると思うのです。しかも情報が通産の担当であり、また信用販売も通産の担当であるとすれば、やはりプライバシー保護に対する通産大臣の発言というのは大きな意味を持つと思うのです。そういう意味で、私はプライバシー保護法というものについてもう政府も御検討あってしかるべきだ、こう思うのですが、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 情報化社会においてのプライバシーの保護問題というのは確かに重要な課題である、私もそう思っております。しかしその反面、新しい問題であるために、表現の自由というものをどうするのか、国民の知る権利というのをどこまで抑えるのか、そういう別な問題が一つございます。今言ったように、民間が自分の必要に応じて自分がとった情報を他の目的に売るとか流すとかということになって、とめどもなくそれが広がっていっても困る問題でございます。したがって、これはメリット、デメリット、両方これから出てくる可能性のある新しい問題でございますので、この個人情報の保護対策ということについては今後とも引き続き検討をしていきたい、そう思っております。
○松浦分科員 今の大臣の御答弁を受けて、もう少し議論を先に進めていきたいと思うのですが、その前に公取の方にちょっとお尋ねをしておきたいと思うのです。 クレジットカードを中心とした消費者信国産業というものがこういう状況に進んできますと、いろんな意味で、競争手段が限定をされてくる弊害というのが出てくる可能性もあるのですよ。私が今ここに持っておる論文は特定個人の方の見解ですけれども、この「競争政策上の問題点」と指摘しておる個人的見解というのは、ここまで来れはある意味で正しいと私は思うのですね。だから、そういった意味で、こうした競争政策上の問題点についてもし把握しておられるならば、どういう点が問題になるのかという点について御説明を公取としてお願いをしておきたいと思うのです。
○小峰説明員 消費者信国産業の競争政策上の問題点としては、一般的に申し上げますと、一つは、サービスの質の競争よりも、むしろカードの会員ですとか加盟店の獲得競争に競争の中心が行っているのではないかということ。それから、オンライン等のネットワーク化に伴って不公正な取引が生じないかどうか。それから第三に、大手事業者の営業地域の拡大意欲が強いということからいろいろな問題が生じないか、こういった点が指摘できるのではないかと考えております。
○松浦分科員 ぜひそういった問題について公取の方も早急に議論をしていただいて、政策的なものを発表していただきたいし、政策を的確に国民に示していただきたいというふうに思いますが、どうですか。
○小峰説明員 先ほど先生も御指摘になりましたように、消費者信国産業は非常に経済的にも大きなウエートを占めている。これからもさらに拡大しそうであるということですので、さらに実態の把握等努めまして研究してまいりたいと考えております。
○松浦分科員 研究期間が短ければいいのですが、長過ぎますと対応がおくれて事故が起こりやすくなってくるということになりますので、ぜひお願いをしたいと思うのです。 それで、そのことについてもまた議論を先に進めていきたいと思うのですが、経済企画庁においでいただいておると思うのですが、五十九年十二月に消費者信用適正化研究会が中間報告を出しておられますね。この中間報告をつくるときに消費者信用がどうなっておるかということで、法制化の問題を含めて各国を調査をしてきておられます。そこで、簡単でいいですから、そういう点、先進欧米諸国でどうなっておるのかということを簡潔に、ひとつ法律的にどうなっておるのかをお示しいただきたいと思います。
○里田説明員 今先生が御指摘になられました研究会報告というのは、その後最終的には六十年四月に最終報告書が出でございます。それで、もともとこの研究会を設けましたのは、今御指摘になられましたように消費者信用に絡むいろいろな問題がございますものですから、消費者被害の防止という観点から取引の適正化をどう図ったらいいかということで取りまとめた報告でございまして、金利の問題とか、契約を結ぶときにどういう開示をした方がいいか、あるいはプライバシーの問題、多重多額債務者をどういうぐあいに救済するか、あるいは消費者教育、こういうぐあいに多岐にわたっているわけでございます。 その中の一つの項目として特に力を入れましたのがプライバシーの問題でございまして、欧米と我が国はいろいろ制度の違いがございますのではっきりしたことは申し上げられませんが、プライバシーにつきましては欧米では既に法的処置は講じられておる、そういう状況かと思います。
○松浦分科員 今大臣お聞きになりましたように、ほとんどのところでやはりプライバシー保護というのは法制化されて、個人のプライバシーが守られておるわけですね。ですから、我が国も可処分所得に占める比率がだんだん上がってきて、アメリカでは二〇%程度、こう言われておるのですが、それは間違いありませんわね。もう少し上がっているかもしれませんが、それはどうでしょうか。
○里田説明員 先ほど公取の方から御報告ございました数字に見合う数字としましては、八三年に二〇・六ということでございます。
○松浦分科員 ですから、我が国もアメリカぐらいのところに利用が近づくと思うのですよ。ですから、そういったことを考えると、やはりプライバシー問題というのはそう放置しておくわけにはいかぬのじゃないかという気がするのです。 そこで、こういう状況になってきますと、実はこれも国民生活センターの昨年十一月の資料なんですが、経済企画庁が出された昨年十一月の資料の中に「金融業界のハイテク化と消費者保護」というので、コンピュータージャーナリストの方が論文を寄せておられるのですね。 この前、KDDの回線を使いまして事件、トラブルがありましたね。ところが、この方の論文を見ますといとも簡単に、簡単な言葉で言えばハッカーというのですか、それが侵入することができる。これが事実だとすれば、情報の安全性なんというのは守れないのではないかという気がするのですね。大臣、これは後で読んでいただければいいと思うのですが、大体個人のパスワードというのは、例えば銀行のカードの場合には暗証番号に自分の生年月日とか自動車のナンバーとか、いつでも自分が思い出せる数字を使うというのですね。ですから、逆に言うとパスワードを見つけ出すのは非常に簡単だ、この人はこう指摘をしているのです。そういうことを前提にして、統計調査、御承知のようにこの前国勢調査がありました。あれも、コンピューターに入っておったら、このハッカーからすれば簡単に手に入るというのですね。 これにずっと具体的に書いてありますから一つの例を御紹介いたしますと、例えば御本人の名前がわからなくても、大体あの方は年齢が三十歳、性別は男、住所は東京都世田谷区、学歴は大学院修士課程卒業、どこの学校卒業がわからない、職業は建築士、結婚しておられる、子供が二人、それでこの人の年収は幾らだろうかと調べるのは極めて簡単だというのですね。要するに、そういう条件に当たる人をコンピューターで探すと七十二名、こう出るというのですね。そしてその七十二名と出た人のところに、先ほどの百万円以上か以下かという収入を知りたい場合には、その情報の中に百万円以下というのを入れると、またさっと出てくるというのですね。そして最終的には、その方の年収が幾らで何だというのがすぐにわかる、こう書いてある。 ですから、こういうコンピューター化された社会の中で、このジャーナリストが書いておるように、コンピューターに打ち込んでおるから大丈夫だろう、こう思っても、狂信的なハッカーがやろうと思えばすぐにでも介入することができる。アメリカで、ペンタゴンの作戦機密がハッカーによってとられたという例が出されておりましたけれども、そういう状況だというのがこの論文の概要なんです。 私たちは、他人に知らされたくない個人情報というのがたくさんあります。そういう個人情報が今のような野放しの状態で仮に放置されておるとすれば、先ほど大臣が、非常に重要だからこれから検討を加える、こういうふうに言われましたからそれはそれで結構なんですが、しかし、こういう通達だけの対応ではもう遅過ぎるのではないか。少なくとも、我々のプライバシーに係るいろいろな問題がいろいろな形で集約されているが、政府は完全に保管をしておる、取扱者についても守秘義務を守らせておる、そうは言ってみても、現実にハッカーがその回線に入り込んでしまえば自由自在に操作して必要な情報を引き出すことができる。その人については、この前のKDD事件と同じようにだれがやったかわからない。ですから、そういった意味からすれば、ハード面でもソフト面でも、私は個人のプライバシーを守るという意味での問題というのは、もう社会のひずみとして現実に出てきておるのではないかという気がしてならぬのですね。 大臣は非常に実力を持った大臣ですし、選挙があったら総辞職されて、また通産大臣になられるかどうかわかりませんから、大臣が御在任中ということになれば、なるたけ早い方がいいのですよね。プライバシー保護法の問題については、なるたけ早く大臣の方から一歩前向きに何らかの形で手をつけてもらいたい。そういう状況をつくり出してもらわないと、極端な言い方をすると、片一方にはそういうことをしてもらいたくないグループもおるわけです。それは情報屋さんといって、いろいろな情報を自分が取得することによって商売をする人たちは、余り法律が厳しくなると困るわけです。ですから、いろいろ抵抗はあるでしょうが、いずれにしても、大臣御在任中にこのプライバシー保護法の問題については、一歩踏み込んで政府としての動きを出していただきたいというふうに思うのですが、どうでしょう。
○渡辺国務大臣 先ほど答弁したとおりなんですが、あなたのおっしゃることも非常に貴重な御意見だと私は思います。ヨーロッパ等の、情報化が発達したところの立法例その他についても検討を始める。私、渡辺美智雄はやめるかもしらぬが、通産大臣はずっと続くわけですから、行政の継続性ということで、仮に私がほかの人にかわったからといって、通産大臣として答弁をしているわけですから、前の答弁は全く知らなかったというようなことになりません。したがって、御趣旨を踏まえまして、まじめに検討を続けたいと存じます。
○松浦分科員 私は、通産大臣をずっとしてもらった方がいいのですよ。そして、大臣に実現してもらった方がいいのです。今までは非常に軽く流されてきたのです。これだけ情報化社会でありながら、事実が先行してしまっているのです。そのとき大臣が通産大臣だったら、事実先行と同時に恐らくそういう法体系というものをつくり上げていったと思います。ところが、もう事実が先行してしまっている。ですから、ぜひプライバシー保護法の端緒だけでも大臣がつくり出して、次の通産大臣等に継承していただきたいというふうに申し上げているわけです。ぜひ閣議等でもお願いをいたしたいというふうに思います。 それから、次に問題になりますのが、多重多額債務者というのが実は出てきておるのです。これは「「クレジット社会」米国の新たな悩み」というのが、第一勧業銀行のハートの経済情報二月号の経済トピックスに出ておるのです。アメリカでクレジット社会としての最大の悩みは何か、これは延滞や貸し倒れなんですね。ですから、消費者信用残高が急速に増大する一方で、期日に返済できずに延滞を起こす、それから債務不履行を起こす債務者が増加する。その結果として、金融機関の貸し倒れ損失額がずっと増加をする。アメリカでは、八十五年度推定ですが、商業銀行の貸し倒れ損失が二十三億近くあるというのがこの第一勧業銀行の経済トピックスに出されておるわけです。我が国も、経済企画庁の御報告の中に多重多額債務者の救済問題が触れられておるのですが、実際に消費者信用の進展につれた多重多額債務者の急増による社会問題、こういったものがどれくらい記録されておるのか、経済企画庁から御報告いただきたいと思います。
○里田説明員 先ほど御指摘になられました研究会の資料といたしまして、私ども、東京弁護士会の御協力を得まして、東京弁護士会に申し出のございました多重多額債務者のカード約千名を対象に実態調査をいたしております。その結果によりますと、一番多いのがやはり四十代と五十代、一番生活の苦しくなる層というのが多いということと、それから三百万から四百万ぐらいの借入残高があるという世帯が非常に多いということでございまして、これはほぼ年収に匹敵するという多額なものでございます。こんなことで、裁判所に申し出ておられます破産の申し立て件数というのも非常に急増しておりまして、五十六年にはこれが千十件でございましたけれども、五十九年には二万一千三百八十六件ということで、非常にふえてございます。
○松浦分科員 大臣、これは質問通告はしておらなかったのですが、今のお話を聞いておわかりのように、多重多額債務者というのは四十から五十、この前予算委員会でも総理が答弁しておられたところに集中するのですね。しかも、年収と匹敵する債務残高がある。三百万。ですから、いろいろ言われておりますけれども、この部分にどうやってスポットを当てるか。子供さんが大学に行く、あるいは高校に入る、いろいろな意味で生活のしわ寄せが一番かかっている世代なんですね、ここは。事前に質問の通告のないままの突然の質問で申しわけないのですが、これについて大臣どう思われますか。やはり何らかの方法、手だて、政策的なことがあってしかるべきだ、こう思うのですが、どうでしょう。
○渡辺国務大臣 四十、五十ぐらいになると年収がどのくらいか、人によっても違うでしょうが、税制の改正等において、そういうような非常に掛かりのかかる階層等については配慮をしていくということなども一案ではないか、そう思っております。
○松浦分科員 大臣から前向きの御答弁をいただきましたので、税制改正のときにはぜひそういう面についての御配慮を、またぜひ閣議等で御議論をお願いしたいと思うのです。 そこで問題になりますのは、もちろんこのようにむやみやたらに借りまくる人自体にも問題があることは事実です。しかしその結果、そのことが家出とか自殺とかあるいは離婚とか、そういった社会的不幸を生むということになるとすれば、個人指導の面を強化する、生活指導を強化することはもちろんですけれども、多重多額債務者についての救済、更生制度というものは、これほどクレジット社会になればやはり考えなければならぬ問題だと思うのです。 そこで、これも経企庁の方にお尋はいたしますが、アメリカ等ではこれはどういうふうに処置されているのか、ちょっと聞かせてください。
○里田説明員 基本的にお金を借りるということは民事のことでございますので、いろいろのトラブルがありましたときにはやはり裁判所で判断をしていただく、あるいは弁護士を通じていろいろ解決していただくということが一番基本ではないかと思います。ただ、アメリカにはCCCSという制度がございまして、これは非営利法人でございますけれども、こういう機関がいろいろと中に入って更生計画などを立てながらお金を返させるというような仕組みをいろいろやっているという試みもあるようでございます。
○松浦分科員 それでは通産の方にお尋ねをいたしますが、こうした問題について通産としてはどのように対応しようとお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 御指摘のような、自己の支払い能力を超えましたいわゆる多重債務者に対応する問題としては、私どもとしては、先ほど来先生から御指摘があった点で二つの対応の仕方があろうかと思っております。 一つは、先ほど御指摘ございましたような信用情報問題につきまして、厳正な管理運用を行うことによりましてあらかじめ過剰な与信を防止するという予防的な行為が一方において必要でございますけれども、もう一方、ただいま御指摘ございました既に多重債務に陥っている消費者の更生をどうやって図るかという問題でございます。これはいずれにしましても車の両輪ということで、大事な政策の柱としてこれから考えていかなければならないことだと考えております。特に今御指摘の、既に多重債務に陥っている消費者の更生を図るための措置につきましては、私ども省内に研究会を設けまして、現在このような多重債務者に対するカウンセリングのあり方などにつきまして、先ほど経済企画庁からもお答えがありましたようなアメリカの制度なども参考にしながら現在対応策を検討しているところでございまして、できるだけ速やかに結論を得て実施に移してまいりたいと考えております。
○松浦分科員 今できるだけ速やかにと、こう言われたのですが、大体めどとしていつごろ研究結果が公表されるのでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 現在研究会には、ぜひ三月末を目途におまとめいただくようお願いいたしているところでございまして、そのような方向で取り進めたいと思っております。
○松浦分科員 これは大変自分勝手な言い方になるかもしれませんが、実は我々社会党としまして、私が主査でプライバシー保護基本法案、それから特に電子計算機を利用する個人情報の処理業務の規制に関する法律案を作成して、今国会に提出する予定にしておるわけでございます。これをきょう通産大臣にお渡ししたいと思うのですが、我が党の対応も、今ごろ、こういうふうに指摘される向きもあるのです。何でおまえたちもっと早くしなかったかということを言われておるのですが、いずれにいたしましても、今議論してまいりましたように、この電子計算機等を利用した個人情報というものがあちらこちらに集積をされ、端末が物すごく拡大をしておる。聞くところによると、全部で三百五十万台とも言われておるのですが、経企庁どうですか。三百五十万台近くある、現実こう言われておるのです。そういう状況の中ですから、大臣、これは差し上げますから、ぜひ読んでいただいて批判をしていただきたいと思うのです。政府の方でも御検討いただきますようにお願いをいたしたいというふうに思います。 実は、私は社会党の本委員会の主査ですが、質問をやめる人が多くなりまして、やむを得ず二小間の一時間質問をとったのですが、大臣が非常に前向きな御答弁をいただいたために持ち時間が早目に終わることになりますが、後に田中先生も来ておられますので、以上で私の質問を終わらせていただきたいと思います。通産、公取あるいは経済企画庁等、関係の向きではぜひ積極的に御配慮いただきますようお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○上村主査 これにて松浦利尚君の質疑は終了いたしました。 次に、田中慶秋君。
○田中(慶)分科員 私は、まず最初に大臣に質問したいわけですけれども、昨年の九月来急激な円高で、日本における輸出関連中小企業の問題については大変な影響が出ているわけであります。特にこの半年間で、大体二百四十円台から最近では百七十円台の声も聞けるようになってきているわけですけれども、少なくとも企業というものは、一年の利益計画を例えば四月から三月までという形でお立てになると思います。その一期の中で、大体三割から三割五分の円高ということになってまいりますと、企業としての存続が危ぶまれるのが実態ではないか、こんなふうに思う次第でありますけれども、これらについて具体的な対策が要求されているのではないかと思います。 例えば融資制度の問題とかいろいろなことをやられておりますけれども、結果とすればそのお金は返さなければいけないということで、それぞれ現場の声というのは大変悩んでおりますし、もう一つは、受注ががた落ちでどうすることもできない、これが昨今の情勢であります。そういう点で、これらの問題について通産省としてどのようにお考えになっているのか、冒頭に質問をさせていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 かねて日本に対して、世界各国から円は非常に安過ぎる、私が大蔵大臣の当時も、政府は円安のためのいろいろなからくりをやっているのじゃないかという疑いを受けておりました。ところが、事実は全くそういうことはありません。むしろ、円高にするための介入をいろいろやってみたりしたのですが、余り効果がなかった。しかしながら、世界の主要国が集まって、非常にドルが強過ぎる、これは少し投機的な傾向が多いのじゃないかというようなことを話し合われだということを契機として、いわゆる投機筋というものがそこから手を引いた。その結果がドル安・円高に反映をしてきた。我々もそうなることは、むしろそうしなければならないと思っておったのも事実です。しかし、余りにも短期間に三〇%を超えるほどの円高になるとは、私自信も実際は思っていなかったのです。そこで、非常に円高になること自体の方向はいいにせよ、余りにもスピードが速過ぎる、その差が大き過ぎるということのために、特に輸出関連企業をめぐっていろいろな計画違いが出てきて、倒産騒ぎとかいろいろな問題が起きてきたことも御承知のとおりなんです。 そこで、政府としては、これも時間の関係で長話したくありませんが、通産省は三千億円の特別融資をやる、それによって信用もふやして保証額も倍にしてやるとか、いろいろなことをやって円高の影響を受ける企業の業種の枠等を拡大をしたり、それから外れても円高によって大きな影響を受けるというふうに認定されるようなものについてはできるだけ拾っていこうという考えでやっておるわけであります。ですから、それに対して直接的に政府はどうするかということについてはもちろんやっておりませんし、ただ、現実に融資そのものがアメリカなどからクレームがつきまして、ガット違反じゃないのかと今文句を言ってきたのですが、それは全く違うのだということで我我の方は釈明をし、誤解を解くように今努力をいたしております。今後ともいろいろな点でみんなでできるだけ力を合わせまして、その救済策については尽力してまいりたいと思っております。
○田中(慶)分科員 大臣からそういう答弁をいただいておりますけれども、現実に私どもも昨年九月アメリカへ行って、ドルが高いからだということでそれぞれ指摘をして、ちょうど九月の時点だったのですけれども、十日足らずのうちに例のG5が開催されて円高傾向に転換をされてまいったわけです。しかし、日本の体質としてこの急激な円高に対応できない、こういう形の中で、少なくとも今中小企業の人たちというのはそれだけの蓄えはないわけですし、あるいはまた、具体的な今までの輸出受注の問題をとっても、それなりに想定をしながら経営計画を立てていたというものが、真っ向から、根底から崩れているわけで、途方に暮れているというのが実態だと思います。 そういう点では、やはり少なくとも通産として、こういうことを含めて、体質改善の問題等々含めながらやっていく必要があると思いますし、もう一つは、せっかくつくったそれぞれの制度、あるいはまた緊急的に特定中小企業者事業等の転換対策臨時措置法などをつくっても、そのPRというものが末端までされていない。ただ、それぞれの経営者はその日その日困っているわけでありますから、そういう点ではせっかくつくったものが具体的に使われるようなPRというものも必要だろうと私は思いますし、そういう点について見解をお述べいただきたいと思います。
○木下(博)政府委員 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法は二月十五日に成立いたしまして、できるだけ早く施行するということで、二月二十五日に施行いたしたわけでございます。それに基づきまして対象業種の作業をやりまして、三月四日にそれを官報に出したということでございまして、最大限スピードを上げてやっております。 法律の内容につきましては、当然都道府県、市町村の協力を得てやっていく必要がございますので、都道府県の担当者を集めまして説明会等をやっております。それと同時に、中小企業庁の次長、それから部長が三人おりますけれども、この関係者を主な産地に派遣いたしまして法律の内容を説明すると同時に、皆さん方の窮状の状況の話を伺うというような形で現在やっております。 それと同時に、もう一つ下請等中小企業対策推進本部というのを通産省に設けまして、中小企業担当の田原政務次官を本部長ということで推進本部を設けたわけでございますが、実際の相談室を中小企業庁に置くと同時に各通商産業局に相談室を置きまして、円高問題でいろいろ苦労しておられる中小企業の方々の御相談に応ずるという体制をつくっております。 そのようなことで、でき得る限り政府の施策の浸透を図ると同時に、中小企業の困っておられる方々の御相談には親身になって応じていくという形でやっていきたいと考えております。
○田中(慶)分科員 ぜひこの法律をつくられて、その精神にのっとって、この法律そのものもまだ完全とは言えないわけですから、もっともっと拡大しなければいけないわけですから、そういう点ではそういうことを含めて、とかく四角四面のところがあるわけでございますので、今回の場合においてはこういう非常事態のような状態ですから、余りそういうことのないようにぜひやっていただきたい、これは要望しておきたいと思います。そこで、実は関連してお伺いしたいわけですけれども、中小企業というと、金融機関の中においては中小企業公庫その他の問題があります。特に、信用保証協会というものが大変頼りにされているわけであります。そういう点で、信用保証協会の問題について若干お伺いをしたいと思います。 まず、信用保証協会について本年度、昨年対比の中でその伸びやあるいはまた額的にはどうなっているのか、その辺を冒頭にお伺いしたいと思います。
○木下(博)政府委員 信用保証協会は、各県あるいは特別の場合には各政令市に置かれておるわけでございますが、その信用保証協会の活動を補完し強化するため、中小企業信用保険公庫というのがあるわけでございます。 この信用保険公庫に対する出資金は、六十年度の予算では四百三十億円であったわけでございますが、全体の財政規模が非常に苦しいということで、六十一年度の出資金の予算は三百九十億円ということになっております。ただ、私どもが予算要求いたしましたときには三百七十億円で要求したわけでございますが、円高が急速に進展したということもございまして、強くその増額を、要求後の段階から大蔵省の方にお願いして、三百九十億円になったということでございます。これはあくまでも出資金で、支払いの準備に充てるというようなものでございますから、これによって信用保証協会の全体の業務の規模が縮小するということはないわけでございます。 それからもう一つ、信用保証協会に対しましては基金補助金というものを毎年中小企業庁から出しておるわけでございますが、この予算は、このような円高によって信用保証協会の業務をさらに強化する必要があるということで、六十年度の予算は三十億円でありましたものが、六十一年度は三十一億円というようなことになっております。 それから、先ほどちょっと申し上げましたが、保険公庫の保険引受規模につきましては、出資額は小さくなっておりますが、規模は六兆一千億から六兆九千億ということで膨らむ計画になっておるわけでございます。
○田中(慶)分科員 今お答えいただいたわけですけれども、経済環境がこういう形で、需要がすごくふえている。出資金そのものが、各地方自治体におけるこの信用保証協会はそれぞれ今大変困っているわけです。国からの出資金が一〇%以上少なくなっている。額的にも少なくなっているでしょう。地方自治体で今予算を組んでいるわけですけれども、そういう点では地方自治体が一生懸命ふやそうとしているわけですけれども、あなたたちはこの問題について、昨年同様でありますとかあるいは減っておりません、こういう答弁を今まで一貫してされてきたのですね。それは確かに出資額あるいはまた融資額とか、そういうものは変わっておりませんから、減ってないということですけれども、全体のパイ、出資のパイが減っているわけですから、地方自治体についても補助金のカットとかいろいろな形で地方自治体の財政も厳しいわけで、そういう点では全体的に抑えているわけです。ですから、そういう点で、この保証協会そのものが今非常に需要が多くて、それにこたえられるかどうかということで大変困っているというのが実態。それが一つ。 そういう点では、やはりこの円高等の対策の中では、私は、こういうことを含めて、出資その他については減らすべきじゃなかったのだろう、こんなふうに思います。ですから、今後とも、ことし一年相当数こういう問題が出てくると思いますので、今すぐに、予算審議長中にこれを逆に修正しろとかなんとか言ったところで始まらぬ問題でしょうから、補正を組むとかあるいはまた来年度の中で相当数検討するとか、こういうことをちゃんとしておかないといけないのではないかと思います。幸いにして大臣は大蔵大臣を経験された人ですし、大蔵省その他についてのパイプもつながっていると思いますので、こういうことを含めて大臣の見解をお伺いしたいと思うのです。
○木下(博)政府委員 ちょっと一言、私の御説明十分じゃなかった点もあったかと思いますので補足させていただきたいと思いますが、信用保険公庫に対する出資金は毎年ずっと積んでいっているわけでございますから、中小企業信用保険公庫自身の全体の出資額というのは毎年ふえておるわけでございます。その全体の額がそういう信用保証協会による保証業務のバックとなるというような形になっておるわけでございますので、実際の信用保証協会の業務を見ながら、全体としての額がどのくらいあればそういう保証業務として十分かということを計算した上で、大蔵省とも相談してやっております。したがいまして、ことしの予算は確かに総額としては減っておりますが、いわゆる保険準備基金というものは二百九十億円で前年横ばいということになっておるわけでございまして、保証協会の業務に支障を来すようなことはないと私どもは考えておるわけでございます。
○田中(慶)分科員 それはあなたが、ないというそういうふうな考え方であるけれども、現場サイドは心配されているから私はこの問題を取り上げているのですよ。何も、そういう制度とかそういうことは、私存じ上げているのです。政府がやはりその態度、こういう形の中で、こういう経済環境の中で中小企業が非常に困っている、ですからそういうことを含めて全体的に政府としての努力も、上積みをするとかそういう努力をしてもらいたかったわけで、全体的なパイの中でのそういう問題、しかし需要というものはすごくふえている、そういうことも一つあります。 あるいはまた、もっと具体的に申し上げるならば、今もっとここの窓口を簡単にしてもらいたい、これだけ困っていろいろなことをしているわけですから。あなたにそれを要求しても問題かと思いますけれども、もっと借りやすく簡単にしてもらいたいという問題。 あるいはこういう問題もあるのですよ。借り入れを今までしておりました。借り入れしておりましたけれども、今回の経済問題で途中延滞をしてきた。しかし、現在借り入れを起こさなければいけない。ところが、その延滞があったために現実には借り入れられない、こういう問題がある。しかし、それは自分の自助努力とは違うわけですね、経済環境がこう変わってきているのですから。しかし、それは借りられない。そうすると無理して我々が行って、何とかしてもらいたい。そうすると今度は逆に、今までのやつを一括で返しなさい。一括で無理やりいろいろな形で、次に借りられると思うから一括で返してくると、自分たちのそういう点の保全だけを考えて次は貸さない、こういうことが現場でやられているのです。 ですから、何のための保証協会かという話まで最近出ているのです。ですから、そういう点での指導というものをちゃんと、普通の年と違うのですから、そういう点は多少の配慮があっていいんじゃないか。今やっていることは、まさしく切り捨て御免みたいな態度でやっている。それが本当の信用保証協会といいますか、その制度の精神になっていない。ですから私は申し上げているのです。やはり政府も金を出す、こういう時期だから金を出す、全体のパイを大きくする、そういう問題で借りやすいようにする、こういうことを含めてあなたたちはそういう現場の声を知らな過ぎるから私は申し上げている。どうですか。
○木下(博)政府委員 信用保証協会の業務は、最近の安定成長時代に入って、地方によりましては相当業務が苦しくなってきているところがあるのは事実でございます。そういうことで、私どもとしては個々の協会の内容にわたって十分状況を伺いながら、そういうところに対しては例えば融資基金みたいなものの配分を少し考えるというようなことで、全体として信用保証協会が健全に進むように今までも指導をしてきておったわけでございます。 ただ、おっしゃるように、昨年の秋以来特に経済情勢が厳しくなってまいりましたので、私どもとしては中小企業信用保険公庫及び信用保証協会に対しまして、このような円高の事態によって厳しい状況になってきたので、信用保証を行うに当たっては機動的、弾力的にやるようにという通達を出しておるわけでございます。そのようなことでございますので、個別の問題で私どものところにもいろいろ話が参りますが、そういうときにも十分御相談に乗ってやるということでやっておりますし、また、不況業種指定にして保証枠を広げる、あるいは今度の法律に基づいて対象となったところに対してはまた別枠の保証ができるようになるわけでございますから、そういう形で中小企業者の方々の苦境をできるだけお助けするという形で運用したいと考えております。
○田中(慶)分科員 別枠でとか、枠がふえるとかはいいのです。しかし、流れの中で今言ったように多少延滞ができたりすると、それは貸してもらえないのですよ。ですから、私はそういうことじゃないでしょうと。平年度だったらいいのです。今みたいに緊急避難的なときには、そういうことも含めてそれぞれの事情に応じてやるべきじゃないか。せっかく制度をつくったが、魂が入っていないのです。ですから、極端なことを言うならば、今全国的に是正をするとか、緊急避難的なんですから、そういうときはやむを得ないから過去の実績で何とかそういうことを含めて判断するとか、そういうことがあっていいのじゃないか、私はそういうことを申し上げているのです。どうなんですか。
○木下(博)政府委員 現実に保証をした対象の企業が返済できなくなって代位弁済というようなことになったような企業に対しまして、また新たに保証していくというようなことは、全体としての健全な保証業務を進めていくという意味から非常に難しゅうございます。
○田中(慶)分科員 ちょっと待ってください。飛躍しないでください。私は代位弁済の話を言っているのじゃないのですよ。中間で延滞をするわけです。しかし、それぞれ一生懸命払っているのですよ。ですけれども、そういう一つの前科といいますか、中間で延滞があったりすると、せっかく制度をつくったって貸してくれないのですよ。代位弁済まで、そこまで極端なことを言っているのじゃないのです。ですから、そういうことで一生懸命やろうとしているけれども資金運用ができないのだから、そういうことは、ちゃんと通達か何かでそういうことのないようにできないか。あなたは、それぞれ臨機応変にというような話ですけれども、臨機応変じゃないのですよ、今やっていることは。ですから、それを申し上げているのですよ。大臣、どうですか、その辺は。
○渡辺国務大臣 田中委員の言うような実態は、私はたくさんあると思いますね。やはり保証協会側の方は自分の御身大切ということで、貸し倒れは余りつくりたくない、代位弁済もしたくない、それは立場はわかります。しかしながら、今言ったように過去にそういうふうに一時的に延滞したことは多少ある、しかし今は立ち直ってやってきた、ところが三〇%も円高になっちゃって、たまたま輸出関連企業である、そういうようなときに、そこで他に転換をするか、あるいはあと一段頑張れば経営の合理化で何とかこの程度ならやっていけるか、それは企業が判断することですけれども、やはり融資をする方としては、それでやっていけるかやっていけないかということも当然一緒になって考えるでしょう。考えますが、ただしゃくし定規的に、前に延滞したことがあるから、あなたは円高で輸出企業で今立ち直ったけれども貸さないよというのも、これもちょっと冷たい話で、そこらのところをどこらで調整するかという問題もありましょうが、長官が言うのは、弾力的に運用するということでありますから、延滞した人があっても一律に全部貸せというようなことは言えないと思いますが、個別のケース・バイ・ケースによってそれはやはり弾力的に、再生ができる、それによってちゃんとやっていけるという見通しのものについては配慮してもいいんじゃないか、私はそう思います。ですから、ケース・バイ・ケースの話だろうと、そういうことで指導をするように言っておきます。
○田中(慶)分科員 そういう点では、臨時措置法までつくってやっているのですから、今は緊急避難的なんですから、ぜひそういうことも含めてやっていただきたい、こんなふうに思います。 それから続いて、今問題になっているのは減価償却の問題、これは諸外国と比較して日本は一番長いと言われているわけです。その辺について、まず一つには、時間もだんだんなくなってまいりますけれども、現在の減価償却、昨年も私はここで質問いたしました。そして大臣から、減価償却に対しては世界的に見ても、あるいは先端技術とかほかの技術開発を見ても、日本の方はそういう点では非常に長い、あるいはまた対応がおくれている、何とか努力をして改善をしたい、こういう話でございました。一年たちましたので、その経過のほどをお聞かせいただきたいのです。
○松尾(邦)政府委員 仰せのとおり、我が国の法定耐用年数は、例えば大部分の機械装置は十年前後になっておるわけでございまして、米国の五年に比べますと長くなっておりますし、また、我が国では三十九年度以降法定耐用年数の全面的な見直しは行われておらないということもございまして、現行法定耐用年数につきましては、その後の技術革新の進展に伴う設備の経済的な陳腐化などの実態を反映しないものとなっている可能性があることは、かねてから御指摘を受けているところでございます。 そこで、六十一年度の税制改正要求におきまして、通産省といたしましても、法定耐用年数の所要の整備合理化等につきまして要求を行いましたが、たまたまこれらにつきましてはちょうどこれから税制の抜本的見直しが行われるという時期でもあり、その中で検討が行われるということで、残念ながら見送られた経緯があるわけでございます。このため、私どもといたしましては、我が国産業界におきます設備の実態あるいは諸外国の現状などを踏まえまして、法定耐用年数の問題点、改正の必要性等について鋭意検討いたしております。その結果を踏まえまして、必要に応じまして税制の抜本的見直しの検討の際に、十分これを反映させてまいるよう努力いたしたいと考えております。
○田中(慶)分科員 全く同じことを去年、私ここで質問して、大臣から答弁もらったのですよ。この一年間一生懸命検討じゃなくして、そういう問題について、アメリカの五年に対して日本の十年は長過ぎる、あるいは、先端技術を含めてこれだけサイクルが速いんだから、三十九年から見直しをしてないから、それは何とかしますと言明されたのです。一年間かかってまだ検討しますでは、私は納得しませんね、ましてこういう経済環境の中で。それじゃ、大臣の答弁も何も要らないじゃないですか。大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 通産省としては、一生懸命やったのでしょうが、結局大蔵省が言うことを聞かなかったというのが結論だろうと思うのです。特に、耐用年数を縮めるという話は、これは法人企業とか個人の事業者、そういう人に直接関係する問題です。そこで、税制改正等で所得税や法人税の減税問題というものについて、いろいろ抜本的見直しをやるということでスタートしたところですから、あなたのおっしゃるのは私も賛成でして、各業界からもそういう要望がたくさん出ています。したがって、それを踏まえて通産省としてはこれを反映してもらうように、政府及び自民党の税制調査会等にも今後強く働きかけていきたい。この機会を逃すとなかなかできないから、来年度の抜本改正のときにそういう趣旨のことで実現するように、この一年間が大事な時期ですからやっていきたいと思っております。今まで一生懸命やったということだけは、ひとつお認め願います。
○田中(慶)分科員 大臣からそういう答弁でありますけれども、やはりやったというのは、結果がそういうことになって初めて評価されると思うのです。そういう点では、努力というのは認めたいし、また誠意というものは買いたいと思うのです。しかし、去年大臣が同じような答弁をして、これは絶対やらなければいけないと思う、そして日本の産業というものがこれから活性化を得るためには、サイクルの速い時期になってきているので何とかしたいと思うという答弁をいただいたわけです。税制改正の時期もあるでしょうし、現下の経済環境の問題もあろうと思います。それは私は法人の利益の問題だけじゃなく、雇用の問題から、総体的にはこういう形の問題で、全体的に影響する問題だと思うのです。損益分岐点の問題やいろいろなことを含めて考えたって、全くこれは影響することなんですから、そういう点では大臣、こういうものを精力的にやるということですから、それ以上しつこく言ってもしようがありませんで、ひとつ要望しておきたいと思います。 次に、今分離発注という問題がいろいろと検討されているわけですけれども、通産省は一生懸命この問題について取り組んでいただいております。そのことは高く評価をしたいと思います。しかし、それぞれ省庁間の横の連携が非常に悪いのですね、建設省あり通産あり。そういう点で、例えば官公需等についての分離発注というのはもう少し積極的にやっていただきたいと思うのです。 私は、この問題、何回か主張してまいりました。例えばそれぞれの官公需、この前も議員宿舎を直しましたね。しかし議員宿舎を直して、発注されるのは大手さんです。それで現実にやっているのは、下請、孫請が工事をやっている。こういうことであっては現実に分離発注の意味がないし、下請対策の意味がないと思う。そういう点では、それぞれのメーカーがあるわけですから、ああいうところを含めて分離発注をする。例えばサッシメーカーならサッシメーカー、現実に仕事をしているのです。ですから、そういうところに直接やるようにする方が分離発注の効果も出るし、私はこれから大いにそういうことをぜひやっていただきたい。通産省の努力、絶えずいろいろな形で皆さん、企業の立場、法人の立場で努力をされておることはよくわかりますが、しかし横の連携をもっと密にしていかないと、こういう問題がなかなか実現不可能であります。お互いに縦割り意識、縄張り意識ばかり守っているものですから、建設省にこの前申し上げたら、いやなかなかというようなことを言っているわけですけれども、現実に仕事は孫請がやっているのです。 ですから、そういうことを含めて、これから、より以上通産省として積極的な他省庁に対する働きかけをお願いしたいのですけれども、いかがでしょうか。
○木下(博)政府委員 先生は、政府で決めております「中小企業者に関する国等の契約の方針」の内容も十分御存じでいらっしゃるようでございますので、詳しくは御説明申し上げませんが、この閣議で決めております方針の中にも、一応、できるだけ分割発注をするような形で中小企業者に仕事がいくようにということになっておるわけでございます。そういうことで私どもとしては各省庁にずっとお願いしておりまして、五十九年度におきましても物品の調達あるいは建設工事等におきまして、分割をしましたことによって中小企業者が受注したというケースもあるわけでございますので、今後も先生御指摘の点に沿いまして、できる限り各省庁連携をとって、分割発注により中小企業者が受注しやすいように持っていきたいと考えております。
○田中(慶)分科員 最後に、ぜひこれだけはお願いしておきたいのは、大臣も含めてでありますけれども、今それぞれ御答弁をいただいてありがたいわけですが、例えば今それぞれ許認可の合理化とか行政改革をやっておりますね。そういう点で、今のように例えば建築であれば建築というものに対して指名参加願を、それぞれ各省庁に全部出しているのですよ。建設省にも出せば、いろんなところ、各省庁に出す。今、物品の納入、そして資格を得るためには、その検査をして、総務庁にも行けば通産省にも全部出しています。私は、それであっては何のための行革かわからぬと思います。どこか総務庁なら総務庁、そこに行って資格審査をもらって、その適合の範囲であればどこにでも物を納められる、私はこれが今の時代だろうと思う。地方自治体の方がもっとその辺はやっていますよ。国に来て驚いたことは、それを全然やってない、みんなお互いに縦割り意識だけで。それはぜひ私はやる必要があるのではないかと思うのですけれども、その辺、最後に大臣から御答弁をお願いしたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 昨年十月十五日に決定いたしました内需拡大に関する対策の中におきましても、内需振興の観点から御案内のように積極的に規制緩和を進めることにいたしまして、三十七の項目につきまして、内容について見ますと、住宅、都市開発、御指摘の点も含まれておりますが、設備投資、個人消費などを含めまして緩和すべき項目を決定いたしまして、その後、十二月二十八日の内需拡大に関する対策を決定いたしました際には、そのフォローアップもいたしてまいっておるわけでございまして、着実な進展を見ているわけでございます。今後ともその決定を見ました項目につきまして、着実な実施に努めてまいることが重要と考えておりますし、ただいま御指摘のような問題も、今後いろいろ関係各省との間で問題意識を持って臨んでまいりたいと思います。
○田中(慶)分科員 時間が参りましたので、終わらしていただきます。ありがとうございました。
○上村主査 これにて田中慶秋君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○上村主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業省所管について質疑を続行いたします。春田重昭君。
○春田分科員 渡辺通産大臣に最初にお伺いしたいと思いますが、フィリピンの政権が今般、マルコス政権からアキノ政権に移譲したわけであります。アキノ政権に対しましては、諸外国も非常に好意的でございまして、ほとんどの国が認めているわけであります。このように政治そのものは安定しつつあるように私は思うわけでありますが、問題は、経済復興といいますか、経済再建の問題ではなかろうかと思います。 フィリピン経済は、前マルコス政権の緊縮経済政策、またアキノ暗殺事件等によりまして、信用不安の海外逃避等で極度に悪くなっている状況と聞いております。そこで、今後の日比間の経済政策はどうなっていくのかというのが、非常に関心が持たれておるわけでありまして、その見通しにつきまして、まだまだ不透明な部分もあろうかと思いますけれども、現時点におきまして、大臣の今後の日比間の経済問題につきましての御所見をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 かねて日本政府は、マルコス政権に援助をしてきたのでなくてフィリピン国民に援助をしてきた、そういう考え方でございます。今回の政権が、フィリピン国民の意思によって樹立された政権であって、なお、自由陣営の中において同じような性格の政権ではないだろうかと我我は考えております。したがいまして、新しいアキノ政権がどういう政策でどういうふうにやっていくのかまだはっきりわかりませんが、我々としては基本的には、今までのように経済援助をする。しかしながら、やはり経済援助というのは、ただ漫然とやるべき筋合いのものではなくて、自助努力といいますか、しっかりした定見のもとに、自分たちの力でしっかりしたプロジェクトなり何なりを打ち立てて、それで援助を要請するというようなことになるんでしょうから、それらのプロジェクトことについての検討はやってまいりたい、そう思っております。
○春田分科員 特にアメリカ側から、日米共同でひとつやっていこう、特に日本も強力に、また積極的に援助してほしい、そういう要請があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 私は外務大臣じゃありませんから、そういうふうなことについてまだよく知っておりません。私のところへは別に具体的にどうしてやってくれという話は来ておりません。
○春田分科員 昨日も取り上げられたみたいでございますけれども、マルコス前大統領の多額の私財の問題が、友好国であります。アメリカでも非常に大きな問題となっているわけであります。その私財の中には、日本からの経済援助も多分含まれているんではなかろうかという疑問も出ております。また、その私財が日本にもあるのではなかろうかという声もあるわけでありますけれども、通産省としてこの問題について調査しているのかどうか、お伺いしたい。
○渡辺国務大臣 通産省としては特別調査いたしておりません。
○春田分科員 今後調査する必要もないと思いますか。
○渡辺国務大臣 それは通産省が調査をするという立場にはないんじゃないか。よく政府内部で相談をいたします。
○春田分科員 海外経済援助は、いろんなプロジェクトでいろいろ検討するのは、通産省も一役買っておるわけでありますから、全く関係ないことはないわけですよ。したがって、外務省や経企庁やその他関係各省ともよく連携をとりながら、そういう問題については対処していただきたいと要望しておきます。 この海外経済援助の問題でございますけれども、フィリピンに限らず発展途上国、特に独裁政権の色彩が強い、そういうところには、その内容とか運用について不透明な援助がされているのではなかろうか、こういう声もあるわけであります。大臣も今、その国の自助努力が必要である、やみくもに、つかみ金的な技術援助や資金援助はすべきではないという意味のことをおっしゃったと思うのですけれども、そんなことがとかく言われておるわけでございまして、今後この経済援助につきましては、さらにさらにきめ細かくやっていく必要があるんではなかろうかと私は思いますけれども、大臣の御所見をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 全くそのとおりでありまして、過去の経験からすると、例えば賠償援助だったから仕方がないと言われるかもしれませんが、スカルノ時代のインドネシアの賠償援助などは、私も現地調査をしたりなんかいたしましたが、本当に有効に役立ったのは少ない。したがって、そういうようなことを繰り返してはいかぬということで、それ以来かなり引き締まってきたことは間違いありません。 私は、大蔵大臣になりましてからも、額でつかみ金で幾らという援助のやり方はやめなさい。そうして、プロジェクトごとに審査をするというやり方を実は強化させてきたわけでございます。そうでないと、ややもするとデモンストレーション的に、本当に今すぐに必要がないと思われるようなところへべらぼうな金をかけちゃうとかやっちゃうんですよ。そういうことで、むだなことをやるほどこっちも余裕はありませんし、しかも、そういうものをこしらえて、それが今度は逆に抗日運動の拠点になったりすることがある。したがって、そこらのところは、これからますます経済協力援助はふやしていかなければならぬという立場にありますが、国民の税金でこっちはやるんだから、本当に国民も納得し、相手の国の民生の安定、福祉の向上に役立って喜ばれるような、そういう援助の仕方をしていくということが非常に大切だと私は思います。全く同意見でございます。
○春田分科員 ただいま大臣からそういう決意みたいな御答弁がございましたので、この問題につきましては終わりたいと思いますが、いずれにいたしましても、経済援助というものは、つかみ金的な、やみくもな援助はやめてもらいたいし、そういうプロジェクトに対するきめ細かな援助をすべきであろうと私は思うわけでございます。特にこのフィリピンの経済再建というのは、やはり日本に負うところが非常に多いわけでございまして、過去の海外経済協力基金にしても、アメリカを抜いてトップにある状況でございますし、また、現地法人も三百五十八社ですか、フィリピンにあると聞いております。そうした中で一九八一年以来、貿易量は非常に下降しております。したがって私は、日本の経済援助はフィリピンでは大事でなかろうかと思いますので、大臣もおっしゃったように、国民全体の福祉向上、国家の繁栄につながるような援助を今後やっていただきたいと強く要望しておきます。 最後になりますけれども、第十三次の円借款の問題については、昨年十二月ですか、調印が行われたみたいでございますが、さて、第十四次の円借款でございます。例年春ごろ出されてくるそうでございますが、このプロジェクトの内容について、新政権ができたところでございますから、まだまだ具体的な案は出てないと思いますけれども、向こう側から何らか依頼といいますか、そういうものがあるのかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○黒田(真)政府委員 第十三次のフィリピン向けの円借款供与につきましては、昨年の二月に要請がございまして以来、いろいろな話し合いが行われて、十二月に交換公文の締結が実は終了しておるわけでございます。ただ、具体的な貸付契約の署名というものについては、二月に一応予定しておりましたが、御承知のような事情でそれが延期をされているというのが現状でございます。今度新しい政権ができたという状況で、交換公文というものは二国間にあるわけでございますが、新政権がどういうふうな形でそれをやってくるかということは、むしろ私どもとしては待っているといいましょうか、向う側の出方を見ておる状況でございます。十三次円借款の対象となっておりますのは、それぞれ上水道とか道路等々の計画でございますので、こういうものは多分進捗していくだろう、むしろ貸付契約を早期に実行して、プロジェクトが進行していくべきものではないかというふうに考えられますけれども、先方の新しい出方を見守っておるところでございます。
○春田分科員 それでは、次の問題に移りたいと思いますが、我が国の円高対策に対しまして、アメリカ側からいろいろな抗議ないし異議みたいなものが出されております。中小企業の輸出関連業者に対しまして通産省が行いました特別融資制度がございますけれども、この制度につきまして、アメリカの政府より関税貿易一般協定、いわゆるガットの輸出補助金の禁止規約に違反するおそれがある、こういった声が上がってきているわけでございますけれども、通産省の対応をお伺いしたいと思います。
○黒田(真)政府委員 ガットの規定の中には、輸出補助金を禁止する規定もございますし、また、それを補完する形で補助金コードというものができ上がっておるわけでございます。 今先生御指摘の中小企業に対する円高対策の特別融資というものについては、私どもの考えでは、これは輸出とのかかわり合いかないんだということで、ガットにはもちろん抵触しないわけですし、同時に、通報をする必要もないというふうに考えていたわけでありますが、新しいガットの補助金コードの規定によりますと、関心国がいわば注意を喚起して情報提供を求めるという規定がございまして、アメリカ側がその規定を発動して情報提供を求めるということを言ってまいりました経緯がございますものですから、私どもは、これが輸出補助金とかかわり合いのあるものではないという私どもの立場を明らかにしつつ、透明性確保という見地から、情報提供には応じようというような対処を考えているところでございます。
○春田分科員 通産省がそういう趣旨といいますか、目的なりをアメリカ側に説明したと思うのですが、米側の反応はどうなんですか。
○黒田(真)政府委員 若干先方にも誤解もあったようでございますし、たまたま先週の末に日米間の事務レベルの会合がございましたので、その節私どもあるいは関係省庁から十分説明をいたしまして、十分理解を得られたものだというふうに考えております。
○春田分科員 新聞報道では、ウォリス国務次官ですか、この発言が掲載されているわけでございまして、アメリカ側としては納得してない。だから、理解と納得でございますけれども、日本側の説明については、ある程度理解するけれども納得までいかない、こういう態度なのか、全くアメリカ側としてはこの問題については決着がついた、こう見ているのか、その辺はどうなんです。
○黒田(真)政府委員 会議の席上では、十分理解をしたわけでございまして、先生御指摘のように一部の新聞に、その後の記者会見で決して十分納得したわけではないというような記事が出たことは私も承知しておりますけれども、その後ウォリス次官はワシントンへ帰りまして、その間の事情をアメリカ議会に対して説明をする必要があるというようなことを申しておりまして、日本からのいろいろな説明資料等々も持ち帰っておりますので、私は日本との関係では今後、いろいろな発言をする余地を残すような発言はすると思いますが、アメリカ行政府としては、私どもの説明を一応納得をして議会に対して、今回の融資というものが輸出を支えていくようなものではないということを説明するものと実は私は確信しております。
○春田分科員 政府側は一応、日本側の説明を持って議会に説明するわけでございますけれども、議会側の反応次第によってはまたこの問題が蒸し返されるおそれもある、こういうことだろうと思うのですが、いずれにいたしましても、新たな日米貿易摩擦の火種にならないように十分な対応をしていただきたい。時間がございませんので、この問題はそうできませんので、そう要望しておきます。 これと関連して、労働省の円高に伴う雇用対策、雇用調整助成金についても、同じくアメリカ側から異議があったように伺っているわけでございますけれども、労働省の方から御説明していただけますか。
○竹村説明員 お答えいたします。 先生今御質問ありました雇用調整助成金でございますけれども、実は昭和四十九年に失業保険法が現在の雇用保険法に改正されております。その改正された大きな考え方の中で、単に失業という事態が発生した事後処理のみではなくて、できれば事前に失業を防止しようという考え方が現在の雇用保険法の中で盛り込まれておりまして、雇用調整助成金もその中の一つでございます。したがいまして、雇用調整金そのものは、経済的な理由によりまして事業の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用調整のために休業とか出向ないしは教育訓練を行いますときに、それらに係る費用の一部を助成するという、純然たる雇用政策上の処置でございます。 ただ、今回の円高というものが雇用にどのように影響を与えるかということも我々は非常に関心を持って、また、それに対応できるような制度の運用を十分図っておるわけでございますけれども、米側が誤解といいますか心配しておりますような、補助金とかそういうものでは全くございません。それに使います原資も、雇用主のみが全額負担する雇用保険法の中の一部の原資で対応しているものでございます。
○春田分科員 要するに、事業主が出している保険であって、我が国としては問題ないという問題にしても、このようにアメリカ側がいろいろな抗議や異議を出してくるということは、やはり対米貿易黒字が四百億ドル近いとも言われているわけでございますので、こういった問題は、日本側としてはよかれと思った問題が、向こう側ではそういう形で非常に大きな問題として出てくる。多分に、いわゆる行政側と議会側の問題もあろうかと思いますが、そういった形で噴き出してくるということは、今後こういった問題は引き続き起こってくるのではなかろうか、私はこう思います。 そういったためにも、やはり内需主導型へ構造的に転換していくことが大事であろうと思いますし、今労働界から要請されております時間短縮の問題、週休二日制の拡大、また政府として市場開放の計画的取り組み、こういった問題等を早急にやるべきであろう、私はこう思うわけでございます。渡辺通産大臣は、中曽根内閣の大番頭でございますので、通産だけではできない問題だろうと思いますが、政府全体としてこういう面で取り組んでいただきたい、私はこのように要望しておきますので、大臣の御所見をいただきたいと思うわけであります。
○渡辺国務大臣 御指摘のように、これは通産省だけでできる問題でございませんので、関係各省庁とは一層連絡をとりながら、円高に対する中小企業の被害を最小限度に食いとめるための万全の措置をとってまいりたい、そう思っております。
○春田分科員 次に、電力、ガス業界の差益還元策でございますが、円高によりまして、また原油の引き下げによりまして、年間数兆円に及ぶ差益が出てくる、こう言われておるわけであります。この還元策につきましては、さまざまな御意見が出ておるように伺っているわけでございますけれども、通産省としてはどう対応しようとしておるのか、お考えをお示しいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 これも通産省としては、何回も私は答弁しておるんですが、差益還元といっても、差益の額がはっきりしないと還元の仕方が決められないわけです。したがって、円レートの行方、何ぼぐらいで落ちつくのか、それから石油なら石油の値段が、スポット物のところまで本当にいくのかいかないのか、そういうようなこと等について調べないと、どれだけのものが還元できるか、大きさがわからぬわけですね。したがって、もう少し時間をもらいまして——仮定の計算はありますよ、何が幾らのとき幾ら出る、それは実態に合うかどうかわからぬから、やたらに発表はできない。まあ一部の報道等で、二月当たり二百円とか配分することに決まったという報道がありましたが、どこの通産省か知りませんから私は知らない。そういう具体的なところまではまだ踏み込んでおらない。何らかの形でその需要者還元というのは考えていかなければならない、そう思っております。
○春田分科員 確かに円レートというのは非常に、生き物でございますからどうなるかわかりませんけれども、先進国の通貨当局については、ドル高是正で歩調を合わしているわけでございますし、現在の円相場がそう急激かつ大幅に下落することはないと思うのですね。また、昨日やきょうの新聞を見れば、かなり北海原油も非常にスポットは安くなっている。現在、バレル当たり二十八ドルで計算をなさっているみたいでございますけれども、これもそう高くなるとは思えないわけでございまして、こういった点から、この差益というのは相当出てくるんではなかろうかと思うのですね。 せんだって、三月四日ですか、有識者と通産省の懇談会がされたみたいでございまして、五項目ぐらいについて、いろんな現在までの経緯といいますか、またこういう考え方がありますとか、そういうボールを通産大臣が有識者の方たちに投げたみたいでございますけれども、この懇談会の結論というのは大体いつごろ出てくるんでしょうか。
○野々内政府委員 懇談会は現在のところ、四回ぐらいを予定いたしておりまして、来週あたり関係者からのいろんな御意見を伺うというようなことをしながら、できれば月末までに何らかの結論をいただきたいというふうに考えております。
○春田分科員 関係者の中には、消費者団体の方たちは入っているんでしょうか。
○野々内政府委員 まだ決めておりませんが、そういうことを伺う必要があろうかと考えております。
○春田分科員 わかりました。 いずれにいたしましても、昭和五十五年にも、一世帯当たり数百円還元された例がございましたけれども、その後すぐ円安になって上げたということですね。円高になれば還元し、円安になればすぐまた上げるという形になれば、いろんな問題点もあろうかと思います。いずれにいたしましても、相当な規模の差益が出てくると言われておるわけでございますので、関係者各位の意見を聞いて、国民全体がプラスになるような御配慮をひとついただきたいし、特に今中小企業が非常に大変でございますので、そういった配慮も私は必要じゃなかろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、最後になりますけれども、渡辺通産大臣は、この内需拡大のために公定歩合の再引き下げの示唆をされているということが新聞で報道されているわけでございますけれども、公定歩合の引き下げの問題につきましては、これは当然、日銀の専権事項でございますけれども、いわゆる経済大臣としての見方もあろうかと思いますので、大臣のお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 内需拡大の有力な手がかりの一つとして効果的にやれそうなことは、金利の引き下げ、私はそう思っております。したがって、環境も整ってきておりますから、これはそう遠くない時期に強く御期待を申し上げたい、そう思っております。示唆をしたわけではなくて、御期待を申し上げる。
○春田分科員 先月二十四日ですか、〇・五%下がったわけでございますけれども、報道を見れば大臣、何か随分思い切ったいわゆる引き下げを、一%ぐらいということで報道されているんじゃないですか、そんな発言をなさったのですか。
○渡辺国務大臣 五十四年だったかのときに公定歩合三・五までしたときがありますし、私は大蔵大臣のとき、四回か下げたことがあります、在任期間中に。三回だったかな……。だから、やはり政府の方針としても、金融は弾力的、機動的に運営するというのが政府の方針でありますから、その下げ幅についてどうこうということは言いませんが、私がそういうことがあると言ったので、今回・五だから、そうするとその差額が一%、こういうふうにお書きになったのではなかろうかと思っております。
○春田分科員 質問を終わりたいと思いますが、いずれにしましても大臣初め当局、通産省としては、現下いろんな円高の問題について、中小企業等も困っておりますし、また日米の貿易摩擦の問題もありますし、非常に重要な時期といいますか、段階に来ていると思います。そういった面で、どうか誤りのなきようなかじ取りをやっていただきたいし、特に中小企業、そして消費者、そういう社会的に弱い弱者の方たちに十分配慮していただきたい。先ほどから大臣からも何回も御答弁いただいておるわけでございますけれども、再度大臣の御決意なりをお聞かせいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 できる限りの努力をしてまいるつもりであります。
○春田分科員 終わります。
○上村主査 これにて春田重昭君の質疑は終了いたしました。 次に、塩田晋君。
○塩田分科員 私は、兵庫三区選出の塩田晋でございます。 渡辺通産大臣並びに関係の局長に対しまして御質問を申し上げます。 大臣、既に御承知のとおり、円高によりまして加古川上流に展開をしております中小企業を中心といたしました繊維産業、特に播州織と言われておる伝統的な産業でございますが、西脇を中心といたしまして広がっておりますこの播州織、そしてまた三木、小野に広がっております刃物関係、金物産業でございますが、また東条というところの釣り針がございます。こういった地域産業が、円高の直撃を受けまして非常な不況に陥っておるという現状がございます。私も悲痛な関係業者の方々の訴えを受けまして、織物協同組合が各地にございますので、お伺いいたしました。実情をお聞きし、また御要望を承ってまいっております。播織から北播織、野間織、加西織、この四組合に出向きまして直接お伺いし、また、関係の業者の集まりにも何回か顔を出しましていろいろお話を承っております。その中で、この円高不況は言うならば人工的な不況である、余りにも急激に繊維関係に影響が出ておって、これに対する対策をぜひとも早急に手を打っていただきたいと、悲痛なお訴えでございました。 私は、この関係で昨年の十一月から三人の方が自殺をされたということを聞いたものですから、そのことにつきましてもつぶさに聞いてまいりました。一人の方は、その影響だけではないと言ったのですけれども、やはり二、三人の方が実際に亡くなっております。私の知っておる人も亡くなりました。懇談をする中で、自分の息子が本当に夢遊病者のようになってしまった、そしていつ自殺するかもしれない危険な状態でありますということを訴えられた方もおられまして、非常に深刻な状況にあるということを私は身をもって見聞きをしてきたわけでございますが、第一線におきましては大変な事態になっておるということを大臣、ひとつ御認識をいただきたいと思います。 この円高不況につきまして、播州織、金物につきましてどのような現状にあるか、また今後の見通しがどうなっておるか、通産省の見方を述べていただきたいと思います。
○木下(博)政府委員 昨年秋以降の急激な円高によりまして、産地において相当影響が出ておるということを伺いましたので、中小企業庁といたしましては昨年十月以降、三回にわたって産地の実態調査をやっております。その中には、播州の織物、三木の刃物というものも対象となっておるわけでございますが、いずれも大変な状況でおられるということを伺っておりまして、そのために今回も、特定中小企業者転換対策等臨時措置法という法律を提案させていただき、既に可決、成立を見て実施に移させていただいておるわけでございます。 実は、法律が通りましたこともありまして、先週、中小企業庁の見学次長を兵庫県に派遣いたしまして、現地の声も十分伺って、また、私どもがやろうとしておる対策についての御説明も申し上げたということでございます。その見学次長の報告によりましても、播州織物あるいは三木の刃物の関係、大変に苦しい状況におられるということを伺っておるわけでございます。このようなことでございますので、緊急に御審議いただきました法律をできるだけ早く実施するということで、三月四日付で法律に基づく対象業種に指定いたしたわけでございまして、播州の織物あるいは三木の刃物というものはその対象となっておるわけでございますので、その中で、都道府県知事の認定を受けた事業者の方であれば、法律に基づく事業転換あるいは緊急経営安定措置の援助を受けられるということになるわけでございます。 ただ、釣り針について御質問ございましたけれども、釣り針についての状況も私どもいろいろ調べさせていただいておりますが、輸出比率という問題等がありまして、業種として指定はさせていただいておりませんが、具体的な個々の企業につきまして同じような状況におありになるという方がございましたら、この法律の九条の一項三号によりまして個々に認定することができることになっておりますので、それによって十分対処をさせていただきたいというふうに考えております。
○塩田分科員 昨日も衆議院の商工委員会におきまして参考人意見聴取が行われましたときに、播州織の最高責任者が参りまして、切々とお訴えをされたはずでございます。その実情につきましては、十分に御認識をいただいたものと我々考えておりますが、この業界につきましては、織物だけでも千四、五百の中小零細企業があるわけでございまして、中規模、小規模、また零細それぞれにつきまして影響の仕方も違うものもございますし、また、同じ対策にいたしましても、それぞれ違ったきめ細かな対策が必要かと思うのです。それぞれの協同組合の中におきまして随分議論をされ、また対策につきまして協議をされておるところでございまして、それが中小企業庁あるいは通産省に上がってきていると思います。 そこで、要望の中にもあったと思うのでございますが、細かい点につきまして少し御質問、また御要望を申し上げたいと思います。 一つは、中小企業事業団による繊維工業の構造改善事業につきまして、既往の借入金に対する二年間の返済猶予をお願いしたい、それから現行十二年の償還期間も延長してもらいたい、これが小さい規模の業者にとっては緊急で最も効く問題だ、このことを強く要望されておりますが、いかがでございますか。
○木下(博)政府委員 中小企業事業団による高度化資金によりまして繊維工業構造改善事業が実施されておるわけでございますが、既に十二月二日に中小企業の特別調査対策を実施いたしましたときに、中小企業事業団による高度化資金の返済猶予措置を実施させていただいたわけでございます。さらに今回、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法が公布、施行されまして、三月四日に指定業種が官報告示されたわけでございますが、それに偉いまして、その対象となります認定特定中小企業者に対しましては、三月四日以降一年間に限り、償還期日の到来する高度化資金の債務につきまして、一年分の返済額に相当する金額を限度といたしまして一年間返済猶予ができるという措置を講じたわけでございます。御承知のようにこの高度化資金は、十四年あるいは十六年という非常に長い返済期間になっておりますので、一年間の返済金額は比較的少なくなっております。今年度返済するものについてそっくり一年だけおくらすことができるということで、当面の危機に対応するように私どもとしては措置をさせていただきたいというふうなことを考えておるわけでございます。
○塩田分科員 今の償還期間は十二年じゃないのですか、十四年ないし十六年と言われましたね。
○木下(博)政府委員 失礼いたしました。期間の点について御説明が間違っておりました。十二年でございます。
○塩田分科員 既往借入金に対する二年間の返済猶予ということを申し上げたのですが、一年の猶予については措置済みである、こういうことですね。それでは現在、調査をして募集しておられるわけですか、その状況はどうでございますか。
○木下(博)政府委員 今申し上げましたように、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法によりましてやっている事業というよりも、中小企業事業団の高度化資金の貸付事業を法律に基づかずに行政措置で償還について猶予することができるものでございます。ただ、私どもといたしましては、この法律が通ったことに伴いまして、認定特定中小企業者を決めることになるわけでございますので、そのような認定作業が済みました結果、そういう高度化事業を行っている組合の三分の二以上の人たちがそういう要件に該当するということになりましたら、そういう高度化事業につきまして猶予措置を講ずるということにしたいと考えておるわけであります。
○塩田分科員 募集の現状を聞いているのです。
○木下(博)政府委員 現在、播州織物の組合の方から中小企業事業団に相談に来ておる段階でございまして、私どもとしては、中小企業事業団と協議の上、六月分から猶予するということを考えていきたいと思っております。
○塩田分科員 この返済猶予につきましては、二年を要望しておりますけれども、一年についてはとにかく措置をするということで、これは一歩も二歩も前進だと思います。これは六月をめどと言われますが、ぜひともできるだけ早い時期に実施していただきますように要望いたします。 続きまして、この関係の金利は幾らでございますか。
○浜岡政府委員 二・六%でございます。
○塩田分科員 金利は二・六%で、かなり低利の非常にありがたい融資だというふうに受けとめておるわけでございますけれども、実際借りている末端の各企業におきましては四%以上になっておるわけです。なぜかといいますと、賦課金だとか特別賦課金、あるいは保証金とか、いろいろな名目で実際は上積みがなされているわけです。これは協同組合なり高度化事業組合の団体で自主的にやっておられるものもあるし、いろいろな関係から上積みが行われておると思うのです。通産省はこういった実態を御存じでございますか。
○浜岡政府委員 基本的には中小企業事業団から二・六%の金利での融資をいただいておるわけでございますが、融資比率が七〇%でございます。そこで、残りの三〇%につきましては多くの場合、市中の金融機関からの調達等をせざるを得ないわけでございまして、その分の金利が乗ってくるというようなファクターが一つございます。それから、設備リース事業につきましては、基本的には新商品開発事業によって開発されました商品の生産のための設備でございまして、新商品開発に要しました費用の一部を賦課しているというようなファクターもあるようでございます。私どもが播州の組合についてヒアリングをいたしましたところでは、当初に設備取得金額の二・八%を特別賦課金として徴収をいたしまして、残金につきましては年三%の負担を組合員にお願いしているというような状況と聞いておるわけでございます。ならしてみますと、三二一、三%というような数字になるのかなと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、こういう負担問題につきまして、御指摘のように組合員の間に釈然としないというような空気があるのも好ましくないことでございますので、今後、組合と組合員との間でよく意見交換をし、改善の余地があれば改善するというぐあいに指導してまいりたいと思います。
○塩田分科員 そういった実態を把握しておられることはわかりましたので、今言われましたようによく御指導をお願いしたいと思います。 今回の円高特別融資の場合でも同じような問題があるのです。これは五・五%の金利で、安いように思っておりますけれども、これにも先ほどありましたような賦課的なものが加わっておりまして、実質は六・数%になるのです。これについてはどのように把握しておられますか。
○木下(博)政府委員 中小企業金融公庫、国民金融公庫等から貸します場合には、直接企業者の方にお貸しするわけでございますから五・五%ということになろうかと思います。商工中金の場合には、組合経由の貸し付けがあるということで、今御指摘のようなところがあるのかもしれませんが、私どもといたしましては、構成員貸しにつきまして五。五%で貸せるようにするということでやっておるつもりでございます。もしそういう実態があれば、調べまして善処いたしたいと思います。
○塩田分科員 今の点、保証料の〇・八ですかな、この関係はどうですか。
○木下(博)政府委員 失礼いたしました。 信用保証の関係でございますと、信用保証協会による保証を受けて、しかも中小企業金融公庫なり商工中金から融資を受けるというケースがあるわけでございまして、その場合には、どうしても保証料が上乗せになるわけでございます。これは普通の中小企業金融一般の場合も同じことでございます。ただ、保証料につきましては、今度通りました法律で、別枠の保証ができることと同時に、信用保証協会が中小企業信用保険公庫に付保した、保険に掛けるわけでございますが、その場合の保険料率を三分の二に切るということになっておりますので、信用保険公庫の保険料率が下がれば信用保証協会の保証料率も下がり得ることになるわけでございます。その点につきましては、個々の信用保証協会の方針で決めていくことでございますので、必ず自動的に下がるということではございませんが、そのような状況下にある企業の方々に対する保証でございますから、信用保証協会の方も下げていくように私どもとしては指導していきたいと考えております。
○塩田分科員 ぜひともそのようにお願いします。 県によりましては、一部を負担しているところがあるように聞いておりますが、これについてはどのように指導しておられますか。
○木下(博)政府委員 今の御質問は、信用保証協会に対する県からのいろいろな資金の拠出についてのことかと思いますが、個々の信用保証協会にそれぞれの県がいろいろと相当の後押し策をやっておりますので、その過程で、このような特に影響を受けた地区の信用保証協会に対して資金をお出しになっておるケースはあるのかもしれないと思います。ただ、兵庫県についてどのようになっておるかは、私どもちょっと情報を持っておりません。
○塩田分科員 そういった問題についてもよく調査をされまして、県によってアンバランスにならないように御指導いただきたいと思うのです。 政府からは二・六%の工業構造改善事業の金利で、非常に安いように一般に受け取られますけれども、今お聞きしましたら、実際は三・二、三%がそれに加わっているわけですね。ですから、五・何%になるわけです。そうじゃないですか、プラスの分が三・幾らではないですか。
○浜岡政府委員 そうではございませんで、二・六にコンマ四を合わせて三%にしておるということでございます。
○塩田分科員 二・六%プラス三・二というふうに受け取っておったのですが、そうではなくて、プラスして三・二ということですね。そうですね。
○浜岡政府委員 残金につきまして二・六%プラス〇・四%で三%でございます。それから、当初に取得金額の二・八%を特別賦課金として徴収しておりますので、これを仮に十二年、二年据え置きがございますので十四年で割りますと、〇・二ぐらいになりますので、先ほど三・二ないし三と申し上げたわけでございます。
○塩田分科員 それでは私の理解は、御答弁としては三・二%ぐらいになるというふうに受け取ります。実際借りて払っている人からの話として、それ以外にまだある、実際は四%以上というふうに私は聞いておるのです。今言われましたように、円高の特別融資にいたしましても、五・五が保証料その他入れますと相当上回るものになるわけです。そういう実態にあるということをひとつ御勘案を願いたいということです。 それから、この問題を申し上げておりますのは、今本当に注文がなくて、機械は設備しておるけれども売るものがない、ほとんど休ませているという状況ですね。そこで、電気料金もまけてもらいたい、あるいは固定資産税もまけてもらいたい、そしてもう電気料金を払うだけが精いっぱいで生活の資はない、こういうことを盛んに訴えられるわけですね。少々今までためた不動産なり持てるものはみんな売り払っていっている、預金も全部出してしまった、こういうお話を切々と訴えられるのを聞くわけです。こういう実態の中で、それに対する本当に緊急の対策を打っていただきたいということでお願いをしておるわけです。 そこで、政府系の中小企業三金融機関からの既往借入金に対する返済猶予をどういうふうに考えておられるか。それから、企業設備近代化資金の既往借入金に対する返済猶予、償還期間の延長、あるいは貸与の償還金等に対する返済猶予、こういった問題をひとつぜひとも進めていただきたいと思うのですが、いかがでございますか。
○木下(博)政府委員 まず、最初の御質問の政府系中小企業三機関からの既往借入金の返済猶予のことでございますが、これにつきましては、昨年九月の終わりから円高が始まりましたときに、そのような必要性があろうかということを考えまして、十月二十一日付でその三機関の長にあてまして、中小企業庁と大蔵省の銀行局連名で、「貸出しに当たってはこれら中小企業者の経営の実情等を踏まえ、適切かつ機動的に対処するよう配慮されたい。」というような通達を出しておるわけでございます。したがいまして私どもとしては、そのような通達に基づいて、個々の金融機関が個々の企業者の実情に応じて、既往債務の返済猶予等について配慮をしてくれているというふうに考えているわけでございます。 それから、設備近代化資金につきましては、今回成立いたしました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の十条によりまして、返済猶予ができる規定が入っております。これは今先生御質問のように、設備近代化資金とそれから貸与資金と二つのものが含まれるわけでございますが、設備近代化資金につきましては、原則五年の返済期間になっておりますが、それを三年間延長できる。それから、貸与機関の場合には、原則が四年六カ月ということになっておりますが、物によっては十一年というようなものもございますけれども、そういうものに加えて三年間が延長ができるというようなことになっておりまして、これは今後返すべき金額を、後それだけ三年間残して、平均して下げて返す場合と、それから今返せないんだから今の返済分を猶予してくれというような企業の場合には、それを三年間後までことし分を返済しないで済む、この二つの措置を含めたもので実施することにいたしておるわけでございます。
○塩田分科員 ぜひとも機動的な適切な措置を早急に打っていただきたいと思います。 それから、なお一、二問申し上げます。一つは、機械をリースしているケースが非常にあるのです、これは企業によって違いますけれども。多くの部分をリースで賄っておるというところにつきましては、仕事がないのにリース代は払わないといけない。しかも、契約書を見ますと、契約期間中は解約ができない。これに判こを押したのだから責任があるんだと言われればそうですけれども、実際本当に困っておるのです。一日も早くリース契約をやめにしたいと言ってもできない、これを何とかしてもらえないでしょうかという切実な訴えなんですが、これは何か手はないでしょうか。
○木下(博)政府委員 今御質問のリースは、いわゆる民間のリース会社との間のリースの問題かと思うわけでございますが、設備近代化資金等の場合にはこういう手当てができておるわけでございますが、民間の契約の場合には、契約期間中の中途解約は原則としてできないというようなことになっているようでございます。したがってその点は、個々の会社との間の話し合いでやっていただく以外にございませんが、ただ、返済をしなくてはならないことになった場合のそういう企業者に対する融資の方は、私ども中小企業関係金融機関で必要に応じて、その方々の御相談に応じて融資をしていくという形で、実際上そういう資金繰りの問題についてはお手伝いをしていきたいというふうに考えるわけでございます。
○塩田分科員 ぜひとも御検討をお願いします。 最後に、渡辺通産大臣、全国にも針ありということをお知らせいただいて名高くなったわけでございますが、西脇にやはり毛針の製造業者がありまして、伝統的工芸品産業の指定を数年前からお願いしておるのですが、なかなかこれが指定されない。非常に認識が高まったときでございますから、ぜひとも指定の推進を図っていただきたい。 この毛針といいますものは、百年以上前から製造しているところがございまして、しかも、清流に魚すまずと言いますけれども、比較的清流にいるアユとかイワナとか、そういう割合高級魚を釣るのがこの毛針なんです。この毛針につきまして、ひとつ伝産に指定をお願いをしたい、こういうことでございます。よろしくお願いします。
○浜岡政府委員 御指摘のとおり、播州毛針はアユとかを釣る大変小ぶりの大変手の込んだものであると承知をいたしております。一年前当分科会でも先生から御指摘があったと記憶をいたしておりますが、当時、指定要件に照らしまして、一つは、江戸時代からつくられているという伝統性の問題があるというぐあいにお答え申し上げておったかと思いますが、この点につきましては、地元の方でいろいろと古文書等をチェックをしていただきまして、江戸時代から既に取引が行われているというようなことが判明しまして、伝統性の問題はほぼ解決できたというぐあいに認識をいたしております。現在のところは、工芸性という点が今後の詰めのポイントになっておりまして、近く審議会にこの分野にお詳しい方に専門員として御参加をいただきまして、現地調査を行うというようなことが予定をされております。鋭意地元と連絡をとりながら、問題点を逐次詰めてまい力だいというぐあいに思っておるわけでございます。
○塩田分科員 できるだけ早い時期にこれを御指定いただきますように、よろしくお願いいたします。 終わります。
○上村主査 これにて塩田晋君の質疑は終了いたしました。 次に、林吾郎君。
○林(百)分科員 ちょっと質問の資料を削っていただきたいと思います。 大臣、質問を要領よくやるために、そこに資料を配ってあります。訪販新聞というのとSTG、JCGの組織図ですけれども、事務的なことは通産省の各役人に聞きますが、最後に、大臣の政治的な信条も聞きたいのです。 最初に、通産省の幹部の皆さんにお聞きしたいのですが、こういう販売方法、これを見ますと、わずか九年で、販売会社数が四千五百、販売員が約七万名、年商が九百億円になって、「今年度目標年商二千億円を掲げるSTグループ。この急成長の理由は、今ここに……。」こうあるのですが、このSTGとJCGという会社がクレジット会社、オリエントファイナンスだとかセントラルファイナンス、この加盟店として金融の方途を講じながら品物を流していた。こういう組織があるということは知っていたのでしょうか。知っていたとすれば、いつごろから知っていたか。
○松尾(邦)政府委員 このような組織が存在しておりますことは、承知しておりましたけれども、何年前か、正確にはちょっと私どもも記録にとどめ切れないところがございますが、少なくとも数年前から承知していたものかと思っております。
○林(百)分科員 それなら私から説明しますが、これを見ますと、この販売者というのになるためには五、六人のお客から、STGが売り出しておるサウナだとか掃除機だとか炊飯器だとかそういうものを、約五十万から十万近くのものを五、六人の名義で買い入れの申し入れをさせる。そうすると販社の資格がもらえる。その人数によってリベートが四割から、大きいところは六割来る。こういうような組織で、販売者の資格を取らせるためにいろいろのトレーニングをやって、三日二晩、一時間か二時間、多くて三時間ぐらいしか寝かさなくて、そして暴力団まがいの人に棒を持たして床をたたかして、そして販売の方法を洗脳させるということ。それで、売った金の割り増しの手当が来るものですから、早く販売者になりたいということで、五、六人の名義を出さなければいけないということで、自分の兄弟だとか夫婦だとか親子だとかそういう名義まで借りて、自分もお客になり、そしてクレジット会社との契約をして品物はSTGを通じて来る。こういう組織になっているようですが、そういうように認識されておりますか。実情はどういうように認識されておりますか。
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘のように、たくさんの人を集め、あるいはたくさんの売り上げがあれば、それに応じて紹介することに伴いますマージンが高くなるという仕組みになっておることは、御指摘のとおりでございます。
○林(百)分科員 そこで、通産省の通達で、昭和五十八年三月二日に、この取引そのものを対象にしたような通達が出ておりますので、それを見ますと、第一には「加盟店が消費者に対して詐欺的行為を行って消費者に個品割賦購入あっせん契約を締結させ、あるいは消費者が加盟店からの依頼に応じて自己の名義を貸すために虚偽の意志表示を行って個品割賦購入あっせん契約を締結するこを防止するため、消費者の契約締結意志の確認を厳格に行うこと。具体的には次の措置を講じること。(1)電話等による申込意志確認の際に、購入者自身でなければ答えられないような項目を照会する等により、その徹底を図る。(2)貴協会及び各信販会社は、加盟店に対しては、いわゆる名義貸しによる架空の売買契約を締結させないよう徹底させるとともに、消費者に対しては、名義貸しを行わないよう啓発活動を実施する。」こういう通達が出ておるんですが、これはやはりこの取引あるいはこの取引に類似したものを通産省が認識されて出されたんでしょうか、この通達を出したいきさつを聞かしてください。
○松尾(邦)政府委員 今御指摘の通産省から出しましたクレジット会社あての通達につきましては、特に御指摘の企業についてということに限定したわけではございませんけれども、いろいろ消費者との間におきまして商品に欠陥があるようなもの、あるいは届かないようなものについて、クレジット会社から請求があったときにどういうように対応するかというような消費者相談もいろいろございました経緯を踏まえまして、このような通達を出した次第でございますけれども、その後のことにつきましては、先生も御高承のことでございますけれども、一昨年法律の改正もいたしておりまして、通達に加えまして法制度面からの補完もいたしておる次第でございます。
○林(百)分科員 通産省がこういう通達を出してこれを徹底すれば、それほど被害者が生じないはずです。ところが訪販新聞を見ますと、これは六十年の二月十日ですが、今日に至って続々と被害者が出ておるわけなんですが、この通達を徹底させるためには、どういう手段をとられたんでしょうか。通達を出しただけでこれが徹底してなければ、せっかく出した通達が架空なものになってしまいます。 それからきょう、県の方へも問い合わせをしました。県の方は、消費者相談所もありまして、訳もありますし、そういうセクションも出しておって、そういうことについては相談にも乗っておりますし、通産省からいろいろの問い合わせがあれば、十分それに対して答える態勢はあります、こう言っているんですが、これが出したきりで徹底してないために、その後たくさんの被害者が出てきて、要するに、自分の家族の名前をかりるとか親子の名前をかりるとか、あるいは親戚の名前をかりるというようなことで、そのために今クレジットから請求を受けているものですから、ついに夫婦が別居するとかあるいは離婚をするとか、親子の間でトラブルが起きるとか、親戚友人の間で非常に深刻な問題が今起きているわけですね。 それで、これそのものじゃないんですが、裁判所の判決も出ておりまして、これは昭和五十五年の大阪地裁の判決ですが、こういう商売は、一、勧誘方法が詐欺的で違法なものである、二、商品が無価値である、三、リクルートの有限性について何ら説明がない、四、この商品が必然的に新たな被害者を発生させる、総合的に判断して公序良俗に反するものである、これは地方裁判所の方の判断ですが、通産省の方では、こういうことを知っていてこういう通達まで出したことに対して、こういう取引については、これがその後も続けられているということに対してどういう考えをお持ちになっているんですか。
○松尾(邦)政府委員 先ほど最初にお触れになりました、通達を出して後の対応について一言補足させていただいた上で、最後の御質問の点について触れたいと思います。 五十八年三月に出しました通達につきましては、もちろん関係企業に徹底するようにいたしましたけれども、とりわけ、主要な会社に対しましては、通達とは別個に、個別に企業ヒアリングを行いまして、この通達の趣旨が十分徹底するよう個別の指導もいたしてまいってきているところでございますし、また、これは先ほども申し上げたことになるのでございますけれども、一昨年割賦販売法の改正によりまして、割賦購入あっせん取引におきまして購入した商品に瑕疵があるような場合には、購入者はその理由で信販会社等の支払い請求を拒否できるというようないわゆる抗弁権の接続の規定も設けまして、このようなトラブルができるだけ円滑に解決できるような道も考えたわけでございます。 さらにはまた、先ほど消費者相談にもお触れになられましたけれども、通産省の消費者相談窓口におきまして、個々の案件について消費者から御相談がある場合につきましては、個々のケースに応じまして機動的に対応してまいってきておりまして、このような指導及び法改正等を背景にいたしまして、この種の紛議は総体的に見ますと、減ってきつつあったものと存じております。 なお、このような商法につきまして、大阪の裁判所の判決の例をお引きになられてお述べになられました点につきましては、私どもといたしましては、このような商法は、私ども特に訪問販売法上のいわゆるマルチ商法ではないというふうに存じておりますけれども、消費者から相談がありました場合には、できるだけ慎重に対応するようにということを個々の消費者に御注意申し上げてまいってきているのが実情でございます。
○林(百)分科員 それでは、この通達が出て、今こういう点を十分留意しろということになっておるし、それから訪問販売法では罰則も設けられておりますね、一定の事案に違反した場合には。しかし、この通達に反したようなことが依然として行われたとすれば、その取引全体は通産省では合法的と見て、クレジット会社の請求に対して、だまかされた、要するに欠陥商品をいろいろ握らされたり、場合によっては欠陥商品も来ないような客に対して、クレジット会社から請求の来ることは、それは認めることができるのですか、どうですか。
○松尾(邦)政府委員 一概にすべての案件についてかくかくしかじかというようなことを申し上げるわけにはまいりませんけれども、先ほど申し上げましたような改正割賦販売法におきます抗弁権の接続の要件に該当するようなものにつきましては、当然のことながら、この規定の活用が図られるわけでございますし、それではどのようなケースかということにつきましては、これは個別具体的には司法判断にゆだねられるべき問題かと存じますので、私どもとしては一般論としてお答えすることは難しいわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますように、通達が十分徹底しますように、また、消費者相談につきましても、個別のケースに応じましてきめ細かく対応いたすようにいたしておりますし、法律の改正を十分消費者、関係業界に徹底いたしまして、この改正の趣旨が生きるようにいろいろな面で工夫、指導いたしてまいっておるところでございます。
○林(百)分科員 その後、御承知のとおりSTGは昨年の暮れに銀行取引が停止になった、それからJCGは事実上営業停止の状態になっている。ただ、クレジットの方は、契約書があるものですから、今もって請求をしたりされたり、されないなり、これもいろいろのようですけれども、こういう場合に、名義だけ貸してくれと言われて貸してやって、しかも商品が来たりこなかったり、来たものも欠陥商品で、ここに五十万円のサウナという広告があるんですけれども、アメリカ製のものだとかなんだとかいっておるのですが、これ全然温度が上がらないのですよ、このサウナは。こういうようなものを渡されているという場合に、通産省としては、そういう善意の消費者を保護するためには、こうやったらどうだろうかという案がありますか。司法的には、私は弁護士ですから、それはできるだけのことはやりますよ。しかし通産省として、通産行政として、そういう全体として違法な取引をしてその犠牲になっている消費者に対しては、こういう方法を講じたらどうでしょうかという方法があったら、ここで説明してもらいたい。
○松尾(邦)政府委員 先ほど来の繰り返しで大変失礼でございますが、第一には、先ほど申し上げました改正割賦販売法に基づくいわゆる抗弁権の接続の規定を活用いたしまして、もし購入した商品に瑕疵がある、あるいは購入した商品が納入されないというような場合につきましては当然、信販会社等の支払い請求を拒否することができるわけでございますので、この点につきましては、消費者の方々からお問い合わせがあれば、もとよりそのようなことを十分御理解いただくように関係者に徹底させるようにいたしております。 もう一つ、名義を貸した消費者の扱いという点は、なかなか一義的に申し上げにくいところがございます。一般的には、消費者は販売店との間にいろいろな問題が生じているという理由で、信販会社等の支払い請求に対抗することができるということが、抗弁権の接続の規定の意味なのでございますけれども、今御指摘のように、一般消費者が全然知らないうちに一方的に名義を使われたような場合、当然信販会社等からの支払い請求を拒否し得ることは、改めて申し上げるまでもないことでございますから、この点につきましては、消費者の方々によく御理解いただくように私ども引き続き努めたいと思いますけれども、名義貸しの場合でありましても、消費者が積極的に名義を貸すことにつきまして関与している場合もないとは言えないわけでございます。そのような場合につきましては、ある意味では抗弁権の接続の規定を適用するにつきましては、信義則に反することになって認められないということになるのではないかというふうに解されるわけでございます。 そういうわけで、いろいろなケースがあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、名義貸しと言われるものの実態は多様な形をとっているようでございます。したがいまして、恐縮でございますけれども、最終的には司法の判断にゆだねられるべき問題ではないかというふうに思っているわけでございます。しかし、通産省といたしましても、このような名義貸しなどに関しますトラブルを何とか未然に防止していくために、今後とも信販会社に対しまして、先ほど通達のお話をいろいろ申し上げましたけれども、購入者が本当に買う気があるのかどうかという契約の意志の確認など十分気を配って臨むように、引き続き徹底を図ってまいるようにいたしたいと考えますし、あわせて、消費者の相談につきましても、ケースごとにきめ細かく事情に応じた対応をしてまいりたいと思っております。
○林(百)分科員 こういう広告で、サウナが五十万で、赤外線が出て健康にいいというようなことを言いながら、実際買ってみれば欠陥商品で、熱が五十度上がると出ていますけれども五度も上がらない。そういう品物だとか、それから掃除機、使えばすぐ電気が切れてしまうとか、宣伝してあるものと違う品物が来たり、あなたの言うように、自分は本気で買うつもりはないけれども、ただ名前だけ貸してくれればいいといって名前を使われたような人に対しては、司法的には詐欺が成立すると思うのです、だましてそうやっているのだから。そういうものに対しては、信販会社に抗弁を出して契約金を支払う責任はありません、あるいは契約を解除する、あるいは偽装した品物を返すとか、そういう方法は通産行政からいってもできるわけでしょうな。司法的なことは私の方が専門だから、あなたに聞かなくてもいいですけれども……
○松尾(邦)政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、確かにいろいろなケースがあろうかと思います。したがいまして、一概に申し上げるわけにまいりませんけれども、この消費者がどのような形で今おっしゃったような名義貸しにかかわり合ったかということにもよるわけでございますので、本来は予防が第一ということから考えますと、先ほどの通達の趣旨を業界に徹底することも大事なことでございますし、あわせて、消費者に対しましても、こういうようなことにつきましてはよく注意をして臨むように啓蒙もしなければならないと存じます。発生した具体的なトラブルにつきましては、私どもといたしましては、最終的には司法的な手続にゆだねられるべきものではございますけれども、先ほど来申し上げておりますような割賦販売法の解釈にのっとりまして、そのケースごとに関係者の間の紛議につきまして、できる限りの指導助言、あっせん等を引き続き行っていくことにしてまいりたいと思います。
○林(百)分科員 大臣にお聞きしますが、私とあなたは長い間、同僚議員として国会にいたのですが、ところが、この被害者の人たちを見ますと、みんな三十代の若い方々あるいは家庭の主婦なんですね。それで、事情を聞いてみますと、今働いている職場が将来性がなくて張り合いかない、あるいは家庭の主婦などは、子供を大学にやる、あるいはだんだん政府の方の老後の保障が薄らいでくるので、自分で自分を守っていかなければならないのだ。そういうためには、二カ月に一千万の買い入れの申し入れをすれば販売者になって、その四割から六割のリベートを差し上げますよというようなうまい口につい乗っちゃうわけなんですね。それを見ますと、やはり若い人たちなんですよ。きょう後ろに傍聴もしていますから、見ればわかりますがね。これは国に責任がないとも言えないんです。 ことに通産大臣、あなたの発言がやはりまずいね。例えば老人保健についても、あなたは八三年の十一月二十三日に福井県で、「お金をかけたくなければ、さっさと死んでください。そうすればお金はかかりませんから」、いや、あなたなら言いそうだと思うんだ。これは失言じゃないんだ。あなたの性格で、あなたの政治信条が出ている。私は長い間あなたを知っているから、あなたがそんなうそを言うような人じゃない。これは本当のことですね。それから、八三年の十一月二十四日に東京で、「乳牛は乳が出なくなったら、と殺場へ送る。ブタは八カ月たったら殺す。人間も働けなくなったら、死んでいただくと、大蔵省は大変助かる。経済的にいえば、一番効率がいい」、このときはまだあなたは大臣でなかった。こういうことを言う人が大臣になる、しかも通産大臣になる、これはとても自分のことを自分で守らなければいかぬじゃないかと。 それから、あなたはそのものずばりでは取り消していませんが、例のも針の問題が大分出て、あなたも痛めつけられたわけでありますけれども、「野党は“医療費はただにしろ”“教科書も無償にしろ”“赤字国債は発行するな”“年金は上げろ”などと言うが、金を使うより金を集める方が大変なんだ。…(このようなことをいう野党の)毛バリで釣られる魚は知能指数が高くない。」正確にあなたの言ったとおりでないかもしれない、こういうようなことを言ったと新聞には出ているわけです。年寄りは早く死んだ方がいい、その方が大蔵省は助かるなんて言われたら、老後のことを考えて、何とか処理しなければいかぬということを考えるのも無理ないと私は思うのです。 だから、こういうSTGやクレジットの取引全体も、通産省が厳重に善良な消費者に迷惑をかけないようにしなければいけないけれども、国の政治全体がもしあなたの言うような方向を目指しているとすれば、自分で自分の身を守らなければいけない。だから、自分で何とか今の職場よりももう少し条件のいい職場へ行って、金でもためて老後の保障をしなければいけないんじゃないかという気が国民の側から起きると思うのです。あなたは、あなたの性格で気軽にこういうことを言っていると思いますがね、私もよくあなたの性格を知っていますから。だけれども、聞く方の側からいえば、国民の側からいえば、年寄りは早く死んだ方が助かりますよ、大蔵省はそう言っていますよ、豚も八カ月たったら殺されますよ、牛も乳が出なければ屠殺場へやられますよ、お年寄りも死んだ方がいいですよなんて言われると、それが大臣になっているなんというのは、これは大変なんですよ。だから、あなたが今まで言ったこういう言葉についてが一つ。 それから、私が今問題にしているような、若い人たちにトレーニングや訓練などをして販社などというものをつくらせて、名義借りをしながらその割り当てで金をもらって、自分の将来をそっちの方に転換しようというようなことを考えてこういう違法な、通産省が通達まで出さなければいけない、裁判所でこれは全体から言えば詐欺的な取引だというような判決を出さなければいけないような取引が行われるわけですが、これについて大臣はどうお考えになるのですか。これのために将来何か手を打たなければいかぬと私は思うのです。姓田商事の例を言うまでもなく、こういう取引が近ごろ蔓延していますが、これに対して何か新しい立法措置、行政的な措置を考えているか、その二つの点を大臣、率直に答えてください。
○渡辺国務大臣 今、林さんが例に出したのは、八三年の選挙中の話なんですよ、選挙応援に行って。自分の選挙区で選挙期間中にこんなことを言うわけがない。それは、前後があるんです。結論は、その反対の話をしているわけです。選挙の最中に私がそういうことを言って票が取れるわけがないのですから、赤旗が書いたその一部分だけを取り上げて、おもしろくそういうふうなことを言われるようでは困る。そういうことはあってはいけないのだと私は言っているのです。(林(百)分科員「あってはいけないなんて書いてないよ」と呼ぶ)それは前後を読めばわかります。その前後はちゃんと赤旗にも書いてあります。その部分のところだけを取り上げておっしゃられても——私は、年寄りは非常に大切にする、一番親孝行ですし、先祖を守ります。私はそれを信念で実はやっておるのです。ですから、誤解のないようにお願いしたいと存じます。 おっしゃった中のクレジットの問題で、品物が来ないのに金を取られるとか、欠陥商品で金を取られるとか、これはとんでもない話でありまして、そのために法律を改正したのですが、確かにそれが末端に徹底していないということもありましょう。これは、そういうことのないように今後とも徹底をさせる努力をいたします。 それから消費者の方にも、四千万円売ったら二千万くれるとか、二割くれるとか、そんなうまい話なんて実際は世の中にないわけです。だから、それこそ本当に詐欺にかからないように——もしそういうことを言えば、詐欺まがい商法ですよね、これは。名前を貸してくれればあなたに四千万円の商品だったら二割やるとか、そういううまい話はないのだということもPRしまして、そういう詐欺まがいの商法にはひっかからないように、社会教育といいますか、いろいろな報道機関等を通しまして宣伝をして、未然に防止するということも非常に大切だと思っております。できるだけのことはやらせていただきます。
○林(百)分科員 一つだけ。渡辺大臣、あなたの政治家としての信用にもかかわるから私聞いておきますが、私の今読んだところ、これは選挙中に言った言葉だ、この前後があるんだ、林君はその一部だけ言っているのじゃないかというのは、前後があるにしても、こういう言葉を言うことは言ったのですか。言ったけれども、その前後を援用してくれなければ全体の私の意思が通じないということなんですか。それなら参考までに前後を私に知らせてもらいたいと思うのです。言うことは言ったんだけれども、前後があるんだということですか。
○渡辺国務大臣 それは赤旗に書いてありますよ。私も選挙中に随分まかれましたから、それに前後が載っています。中は余り違っておりません。だから、読んだ人はそれを見て、悪意で解釈すれば別ですが、その一部分は冗談に言っているということはわかっています。それは不適当な言葉であったかもしれませんが、全体的なトーンとしてはそういうことを言っているのではない。あべこべに、福祉社会を実現するためには非常にお金がかかるのですよ、そのお金をどうして我々が集めていくか、みんないつかは老人になるのだから、みんなで出し合って、働いた老人をみんなでいたわっていかなければなりませんという結びになっておるわけです。だから、選挙中に言ったからといって、それはそうでなかったら、今おっしゃったようなことだけを私がもしぽつんと言ったら、それはちょっとおかしい。私自身が落選ですよ。落選確実です。ですから、その点はひとつ御了解をお願いいたします。赤旗にちゃんと書いてあります。
○林(百)分科員 わかりました。 それでは渡辺さん、私も共産党員だから赤旗を読んでいます。あなたの読んだ赤旗と私の読んだ赤旗と違ってはいかぬから、あなたの読んだ赤旗を、いつ幾日の赤旗にこう書いてありますと私に知らせてください。それは約束できますね。——それでは結構です。
○上村主査 これにて林吾郎君の質疑は終了いたしました。 次に、中村正男君。
○中村(正男)分科員 本題に入ります前に、これも事前に質問通告をしておったと思うのですが、差別問題について渡辺通産大臣の基本的な認識をお尋ねしておきたいと思います。 最近、各地で差別事件が非常に続発しております。大臣の地元におきましても、足利市の某社の差別事件、同じく足利市の商店街における差別事件、また上三川町における差別発言の問題、部落問題について栃木県でも大変問題が起こっております。その中身については結構でございますから、部落差別問題についての大臣の基本的な認識をお聞きしたいと思うのです。 あわせて、今、部落産業が大変深刻な実態になっております。東京だとか大阪では部落産業の振興に向けた基本的な方針を策定して、何とか努力をしておられるわけです。しかし、国としての総合的な部落産業の振興ということでは余り取り組みが具体化されていないのではないかと思いますので、最初にその二点、お尋ねをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 差別してはいけないということは、憲法十四条で全部決まっているわけです。それが今どきあるということは、我々では想像がつかない、本当に残念なことだ。自分の努力で直せないようなものに対して批判をするとか差別をするとかということは、全く下の下だと私は思っておるのです。でありますから、憲法十四条の精神を徹底させる、学校教育、社会教育から始まってすべてそれが根本だ、その一言に尽きるのではないか、私はそう思っておるわけであります。 それから産業の問題については、部落産業という言葉が適当かどうか私は知りませんが、いずれにしても皮革その他の問題の産業につきまして、今、円高等で非常に大変な時期になっている。しかも、一番最後でありますが、規制が撤廃をされたというようなこともありまして、円高をもろに受けているということも承知をいたしております。したがって、これらにつきましては、せっかく法律も通していただいたことでもございますから、それらについてできるだけの運用の弾力化、そういうようなことを通しまして対処をしていきたい、そういうことを部下にも指示をいたしております。
○中村(正男)分科員 部落の問題についてぜひひとつ前向きに、積極的に強い関心を持っていただいて、国としての諸施策を進めていただきたいと思います。 本題に入ります。 六十一年度の通産省の予算の項目で大きな目玉が一つあるわけでございますが、いわゆる高度情報化社会に向けての産業人の育成及び教育に関する総合施策、こういうものが出されております。平たく言えば、学校教育におけるコンピューターの利用の問題だと思うのですが、そのことについて幾つかお尋ねをしたいと思うのです。 まず第一点は、学校現場における、教育機関におけるパソコンの保有状況、この国際比較を申し上げてみますと、初等教育では保有率が日本では〇・六%、アメリカでは四二%、イギリスでは四三%。フランスはこの初等教育では数字が出ておりませんが、中等教育では四六%、日本の場合、中等教育でわずかに二〇・六%。しかし、全部五〇%近い保有状況になっておるわけですね。こういう状況にあるわけでございまして、今後市場開放、いわゆる国際貿易の現状の中でも情報産業と言われるものが非常に戦略的な、重要なポイントになってまいります。今の教育現場におけるこういった状況からいたしますと、これは国際的にアメリカ、ヨーロッパと今後激しい競争が展開されていくと思うのですが、果たして今の競争関係が将来とも維持していけるのかどうか。勝ち抜いていくという表現を使いますと、これはまた国際摩擦の面で少し言い過ぎかと思うのですが、正直申し上げて私は大変だと思うのですね。 現状、ソフトの労働者というのは約四十万人と言われております。しかし、このままいけば、社会全体の情報化の進展を見ますと、昭和六十五年には六十万人程度不足をするというふうな数字になっておるわけでして、まずその辺の認識についてお尋ねをしたいと思うのです。
○杉山(弘)政府委員 ただいま先生御指摘のように、我が国の場合には学校教育課程におきますハードウエアでありますコンピューターの導入状況が論外国に比べて著しくおくれているということは事実でございまして、この辺文部省は現状を相当深刻に認識しておられると思いまして、この面の御努力をこれからしていただけるものと考えております。 また、情報処理関係の技術者の将来にわたります不足につきましても、今先生お述べになりました数字は私どもが一定の仮定を置いて試算した数字でございまして、御指摘のとおりでございます。むしろ今先生おっしゃいましたように、現在おります情報関係技術者の数より若干多いくらいの不足が昭和六十五年度に出てくるということでございますので、これについて放置をいたしておきますと、今後の我が国の情報化の進展に非常に大きな影響が出てくるということで、我々も懸念をしているところでございます。
○中村(正男)分科員 そこで、産構審の企画小委員会の報告でもこの問題がとらまえられておりまして、これからの技術革新、情報化の進展による必要な技術水準の上昇、また社会全体が長寿化していく、また国民のライフスタイルの変化等々から適切に対応しなければならない、こういう報告がなされておるわけですね。とりわけ人材育成、人的資源の確保ということが言われておるわけです。 そこで、その文書の中に再配置政策の確立というのが、この人的資源の確保に向けて産構審としてはそういう一つの政策といいますか、考え方というのが出されておるわけですね。こういったことを受けて、通産省としては再配置政策具体化についてどんな構想なり考え方をお持ちなのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 ただいま御指摘のように情報処理関係の技術者が極めて不足しておりまして、当面これに対してどう対処していくか、幾つかのアプローチがございまして、一つには、現在主として人手に頼っておりますソフトウエア等の生産性を上げて、少ない技術者で多くのソフトウエアの供給ができるようにしようということでございまして、そのために昨年の十月からソフトウエアの工業生産化システムというものも発足させております。また、もっと以前から、できるだけ立派な汎用ソフトウエアを開発いたしまして、少ないソフトウェアを多くの方に使っていただくというような点の対策も進めてきておりますが、先ほど御質問の中にございましたような技術者の不足ができますとこれだけでももちろん十分ではございませんので、先生おっしゃいますような人材の再配置といいますか、まず企業内において情報関係の技術を持った人をトレーニングによってつくり出していくということがとりあえず必要なのではないかなということを考えておりまして、そのために当面その企業内で情報関係の技術者の教育研修をするために必要なプログラムというものを開発して、御希望のところにそれをお使いいただくということを考えてみてはいかがかということでございまして、そのための予算につきましては六十一年度予算の中に新しく計上させていただき、またその一部は産業投資特別会計からの出資に仰ぐということにもいたしておりまして、そのための必要な法律改正も今国会にはお願いをしなければならぬということを考えております。 それから、先ほどの学校教育課程のところではむしろ通産省としての対策というまでのお尋ねはございませんでしたもので、あえて申し上げなかったわけでございますけれども、やはり当面の企業内におきます情報関連技術者の育成と並んで、学校教育課程からできるだけコンピューターになれ親しんでいただくということも、将来の情報関係技術者の育成のための基盤を形成するという意味においては必要ではないかと考えておりまして、そのために学校教育課程におきましてコンピューターの使用をいたしまして児童生徒を教育するための新しい教育用のソフトウエアの開発というようなことも、これは通産省の責任においてやってみたい。また、ハードウエアの導入は文部省の責任においてなされますが、導入されるハードウエアについても、使いやすい標準的なものということになると一体どんなものができるのか、そのあたりにつきましては文部省と一緒になって研究をしてまいりたい、こういうようなことを考えておりまして、人材問題につきましては各方面からいろいろアプローチをしておるつもりでございます。
○中村(正男)分科員 再配置のとらまえ方を、いわゆる企業内における再教育というところに重点を置かれておるようでありますが、それは通産省そのものが乗り出してやっていかなければならぬということではなしに、むしろ企業の自助努力といいますか、当然なされると私は思うのですよ。むしろ通産省としてお考えいただきたいのは、産業横断的にもっと広範な立場からソフト技術者をつくり出していく、そういう構想をぜひ考えていただかなくちゃならぬのじゃないかな、これはぜひひとつお取り組みをいただきたいというふうに私は申し上げておきたいと思います。 そこで、学校教育における教育用のソフトの開発を通産省としては強めていきたいという話なんですが、その問題で一つお聞きをしたいのですが、確かに今指摘されたように、学校現場における情報技術者教育ということを文部省も力を入れてき始めておりますが、問題はその使われておる機種の選定の問題、それとソフトの互換性の問題、これが非常に隘路になっているんじゃないだろうか。最近、お父さんの企業の関係で転勤がある。それに伴って転校を余儀なくされる。ところが、学校を変わればやはりソフトが違うというふうなことで、また一からそれに向かっていかなければならぬ。そういう面で、ぜひひとつ機種の選定、そしてソフトの互換性、これについて通産省としてはどういった対策なり考え方をお持ちなのか、それをお聞きをしたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 確かに先生おっしゃいますようなハードウエア、ソフトウエア、両面にわたります互換性の問題は、非常に重要なことであろうかと思っております。 先ほど御答弁の中でもちょっと触れさせていただいたわけでございますが、私ども文部省と一緒になりまして新しい財団法人を設立することを検討いたしております。その財団法人は、御指摘のございましたような学校教育課程においてできるだけ統一された標準的なハードウエアの導入をまずいたしていきたい、そのためには一体どういうものが適当であろうかといったような観点を、この財団法人を通じてやらしていきたいと思っているわけでございます。それと並んで、先ほど申し上げましたような教育用のソフトウエアの開発もあわせてやり、ハード、ソフト、両面にわたりまして、学校教育課程におきますコンピューターの利用について一層進めていきたいと考えておるわけでございます。この点につきましては、文部省と十分にタイアップをして進めておるところでございます。
○中村(正男)分科員 文部省と共管の教材の開発支援システムということを目的にした事業財団というものを構想されているということなんですが、それではまだかなり時間がかかるじゃないか。現実、それこそコンピューターそのものは日進月歩で進んでおりますし、いま少し現実に即したハードの問題とソフトの互換性の問題、今現在での施策はないものか、一定の指導性といいますか、そういうものが実施をできないのか、そこらあたりはどうなんですか。
○杉山(弘)政府委員 ちょっと通産省の対応は手おくれじゃないかという御指摘でございますが、確かにそういう面について、実施のタイミングは御批判のような事態になっているということにつきましては甚だ残念でございますが、そういうことも考えまして、来年度からと申し上げましたが、来年度もう早々にこういうものを発足させてやりたいということで考えておりますので、その点につきましては、若干おくれたことはまことに申しわけございませんけれども、今その点については十分これから力を入れてやっていきたいということで現実に進めておるという点は、ぜひ御理解をいただきたいと思うのでございます。
○中村(正男)分科員 大臣、今の質疑をお聞きになって、これからの社会全体の高度情報化社会の進展に向けて、とりわけソフト技術者がもう現実問題不足しているわけですね。これはまた次の労働省に対する質問でさらに申し上げたいのですが、ぜひひとつ大臣としてもこの分野における積極的な指導力を発揮してもらいたいと思います。大臣の所見をお伺いをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 私も身をもって経験をいたしておりますが、御趣旨大賛成でございますので、どういうようなことをしていけばふえるのか、よく勉強してみたい。 数日前にも朝飯会でそういうふうなコンピューター関係の産業の会長の方々とお会いをいたしました。そのときも、私は同じような趣旨のことを申し上げました。でございますから、ソフトウエアの技術者がふえればもっともっと利用者が、中小企業でも何でもコンピューターを利用するようになるんじゃありませんか、だから、そういう点の開拓がソフトウエア産業がもっと栄える道ですよ、ですから、そういうことは自分で金をかけておやりなさいということまで申し上げてありますが、今後も続けてそれは進めていきたいと思っております。
○中村(正男)分科員 通産省には、ぜひひとつハードウエアとソフトウエアの互換性の問題、これを早急に進めてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 労働省お越しでございますか。ソフト労働者の実態の問題についてお聞きをしたいと思うのです。まず、どういうふうな現状認識になっておられるのか、その辺からお伺いしたいと思うのです。
○逆瀬川説明員 情報産業の問題につきまして私どもで一番関心を持っておりますのは雇用への影響、それから次が適応能力の問題、いろいろ高齢労働者もふえておりますので、適応能力の問題が次の問題としてございます。それから、安全衛生あるいは労働条件がどうなるか、そういう問題がございますが、御承知のように労働省は、雇用問題政策会議でME五原則というのを御提言いただいておりまして、それに従って必要な対策を講じているところでございます。 特に先生御関心かと思いますが、労働時間の問題があるわけでございます。いろいろ業務の性格上、所定内労働時間は他の産業に比較をして短いのでございますけれども、所定外労働時間が多少長い、そういう傾向がございますので、現在、この一、二月に調査を実施をいたしております。その結果を見た上で、適正な時間管理ができるように進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○中村(正男)分科員 ソフト労働者の抱えておる最大の問題は、いわゆる要員不足。結局、全体的な要員が不足をしているために個々の労働者にかかる負担が極めて大きいというのが、私どもが調査したものをいただいたものから見ますと出ておるわけですね。それから雇用に対する保障といいますか、それにも大きな不安がある。もちろん、仕事の質と量の割には賃金が適正ではない、これが大体要約されるソフト労働者の現状における問題点だと私は思うのです。 そこで、労働者派遣事業がもうスタートしたと思うのですが、このソフト労働者というのは大変身分が不安定で、しかも雇用者側と使用者側と二つの雇用責任が本来あるわけですけれども、使用者側はただ単に雇用者側から送られてきた人材だということで、日常における労働者管理というものが、責任が非常に希薄だ、こういう指摘がされると思うのですね。そういうことから、労働者派遣事業がスタートして一体どの程度改善をされたのか、この辺ひとつお聞きをしたいと思います。
○逆瀬川説明員 先生御心配のような問題が特に派遣事業に関連してあるということでございまして、実は本年の七月一日から新しい労働者派遣法が施行されることになっております。御指摘のような心配なことが起こらないように、適切な施行に努めてまいりたいと考えております。
○中村(正男)分科員 七月一日から施行されるわけですが、現状、いろいろなそういったトラブルが労働省の方に寄せられておると思うのですね。そのあたりの実態はどうなんでしょうか。
○逆瀬川説明員 特に具体的にこういう問題があるというふうに我々聞いておりませんが、ただ、御指摘のような労働条件の確保が心配になる向きもあったわけでございますので、そういうことで、労働者を派遣するもとの、派遣元の事業主の責任、それから派遣先の事業主の責任、これを明確にするということで、この七月一日から法律を施行するわけでございますので、御心配のようなことがないように、この法律を適切に運営していきたいと考えております。
○中村(正男)分科員 その点強く要望いたして、私の質問を終わります。
○上村主査 これにて中村正男君の質疑は終了いたしました。 次に、藤木洋子君。
○藤木分科員 私は今回、電気事業にかかわる問題と訪問販売について質問をさせていただきます。 まず第一に、送電停止需要家の一アンペアブレーカー取りつけ問題についてお尋ねいたしますが、去年の六月には尼崎市で、十一月には京都市で、送電停止を受けていた家庭が使っていたろうそくの火などが原因となって、火災が発生いたしました。送電停止という行為が火災発生の遠因となる災害を繰り返すことは、社会的にも許されません。電気事業の公共性から申しましても、生活困窮家庭に対して慎重な配慮があってしかるべきだと考えるところでございます。 関西電力管内の送電停止件数と、明かり取りの最低百ワットを保障する一アンペアブレーカーの取りつけ件数は、それぞれどうなっておりますか。
○山本(幸)政府委員 お尋ねの件数でございますが、関西電力圏内で申しますと、昭和五十九年度の供給停止件数は十四万六千件でございます。このうち、先生も御承知のように、大部分はいわゆる常習者と申しますか、供給を停止すると料金を払うという形で繰り返すという感じの者が多うございます。 それから、御指摘の一アンペアリミッターの取りつけ件数は三件でございます。
○藤木分科員 送電停止件数に比べまして、一アンペアブレーカーの取りつけ件数が極めて少ない、いかにも少ないという感じを持つわけですね。これではさっぱりPRをされていないのではないか、そういう方法があるということを御存じない方が圧倒的なのではないかというふうに思うのですけれども、今後は送電停止予告の際に、チラシであるとか文書によって案内をし、申し出によって速やかに設置をするということをやっていただきたいと思うわけです。資源エネルギー庁は、関西電力に対して御指導いただきたいと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、この制度について十分に周知する必要があるということは、私どもも感じているところでございます。現在、実際に料金の支払いかない、停止しているというときに、いわゆる送電お断りのお知らせというのをその家庭にお配りいたしますけれども、その際には、送電をお断りしました後もお申し出により百ワット程度の照明を御使用いただきますよう、その装置を取りつけますと書いた文書を一緒に配っております。 ほかの電力会社につきまして、いろいろ実際に一アンペアリミッターをつける件数の多い会社もあれば、比較的少ない会社もございます。それで、むしろ各会社ごとに支払いの停滞があった場合にどちらかといえば足しげくそういうところへ通って、なるべく送電の停止にならないようにということで十分に密接な連携をとっている会社もございますし、また比較的一アンペアリミッターをつけながら様子を見るという運用をしている会社もございます。 いずれにつきましても、先生の御指摘のように、この制度があるということにつきましては十分に周知徹底するようにということで指導してまいりたいと考えております。
○藤木分科員 今、文書にしてお知らせをしているというふうに私承ったように思うのでございますけれども、それは関西電力がそういう方法をもう既にとっているというふうにおっしゃったのでございましょうか。
○山本(幸)政府委員 そのとおりでございます。 関西電力が送電お断りのお知らせというのを配る際に、それと一緒にその旨書いてございます。
○藤木分科員 それでは、それが行きますように御指導を強めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それから次に、国立の施設や公立小中学校あるいは幼稚園の電力使用契約方法、この方式を変更することによって節電を行う問題について伺いたいと思います。 現在、自治体の大半は、公立学校施設などの電力使用に当たりましてトランス方式の契約というのを結んでおります。ところが、この方式を負荷方式に改めますと、相当な電気料金の節約につながるわけでございます。この方式はどういうものか、これは電力会社に聞いていただけばわかるのですが、時間の関係で私省いてまいりたいと思いますけれども、例えば兵庫県の伊丹市で、これを昭和六十年度より実施しております。五十九年度に比較をいたしまして小学校十七校、中学校六校、合わせまして千八百四十四万四千二百五円、これだけ節約ができているわけですね。幼稚園七園を加えますと、ざっと二千万円を超える節約になっているわけです。 大阪府の豊中市では、昭和五十四年ごろから市の職員がこのことに気づきまして、五十八年にはテストケースを行っておりますが、いずれも四つの学校で実施をして効果があったというふうに述べております。五十九年から全面実施に移行しておりますが、小学校四十校、中学校十六校で、昭和六十一年の節減見込み額が合計いたしまして五千五百八万三千六百四円、ほぼ五千五百万円の節約ができているということになるわけでございます。 これだけじゃなくて、さらにプールなど夏場しか使わない、こういったものについては季節契約の方式を加味いたしますと、もっと節約になるだろう、節減できるだろうと思うわけです。 そこで、文部省に伺いますけれども、国立施設につきまして、施設に応じて効率的に、また二つ目には実績の見直しなど御指導していらっしゃるように伺っておりますけれども、この際、国立はもちろんのこと、公立小学校、中学校、幼稚園に至りますまで、経費の節減という観点から、こういう方式を採用できるようにしかるべき御指導、またアドバイスをしていただけないものだろうかと存じますけれども、いかがでございましょうか。
○遠山説明員 お答え申し上げます。 学校における電気供給契約の方式につきましては、先生お話しのようにトランス方式と負荷方式というものがあるわけでございますけれども、私どもが考えますところでは、それぞれにメリットがあり、デメリットがあるんじゃないかというぐあいに考えられるわけでございまして、一概にどちらの方が学校にとって有利であるということは必ずしも言えないのではないか、このように考えております。しかし、学校における電力料金につきましては、そういう契約方式だとか、あるいは変電設備、トランス容量を変更することによって相当な電力料金の節減が可能であるということも事実でございます。そういうことで、公立学校につきましては、国立学校の場合と同様に、昭和五十九年に決算委員長の発言がございますので、それを踏まえまして、各都道府県の教育委員会の施設の主管課長会議におきまして適正な電力の受給契約を締結するようにということで指導してきておりますので、今後ともその趣旨の徹底に努めてまいりたい、このように考えております。
○藤木分科員 国立についてはどのようになさっておられますか。
○篠塚説明員 国立学校は、主に大学と高等専門学校が多うございまして、大学の場合は大部分が特高圧になっておりまして、今問題になっておりますのは五百キロ未満のものでございます。これは、大部分が高等専門学校でございます。これにつきまして私ども昭和五十八年以来見直しをしてまいりましたところ、多くの学校はやはりトランス契約でございます。というのは、トランス契約と負荷契約では、どちらかというとトランス契約の方が小さい数字が出る格好になっておりました。というのは、実験設備をたくさん持っておりますので、しょっちゅう使うわけでないということで、負荷になりますと、例えば電気ですとかコンセントとかたくさんついているわけでございますので、それを全部計算するのは負荷。トランス契約になりますとその使用率を掛けまして、トランス契約の方が負荷契約より、少なくとも高専では少ない数字が出ているのが多うございます。なおかつトランス契約をしていたわけでございますが、使用してきた年月のトータルをやりますと、数校にわたっては契約電力と実際との差が大分ございましたので、それにつきましてはトランスを下げまして、十四校でございますが、約六百キロの節約ができたということで、今後とも見直しを続けてまいりたい、以上でございます。
○藤木分科員 よく御研究をされているような様子はうかがえました。これからもよろしく御指導等をお願いしたいと思います。 次に一、訪問販売問題でございますけれども、この訪問販売に対する消費者からの苦情というのは近年急増しております。実態を明らかにしていただきたいことと、トラブル情報提供制度を発足させて以後の御指導状況がどのようになっているか、御説明をいただきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 通産省の消費者相談室に寄せられました消費者トラブルのうち、訪問販売に関するものは年度でまとまっております。五十九年度で申しますと千七百四十五件ということで、全体の相談件数が九千四百九十六件でございましたから、一八・四%を占めておるわけでございます。なお、細かくなりますが、五十八年につきましても、比率で申しますと約二割というのが訪問販売関係の消費者相談でございます。 商品別には、教材、書籍、自動販売機、寝具類、料理用具、健康食品などが多いわけでございますし、また内容につきましては、セールスマンのオーバーなセールストーク、脅迫、詐欺的な勧誘行為、あるいは解約を申し出てもなかなか応じてくれないとか、解約料が高いとか、クーリングオフに応じてくれないといったような事由が多いわけでございます。 次に、お尋ねの訪問販売トラブル情報提供制度の運用でございますけれども、この点につきましては、私どもとしまして、訪問販売トラブルに関する情報を一般消費者、関係行政機関等へ周知徹底させることによりましてトラブルの発生の未然防止、拡大防止を図りたいということで、昨年の五月にこの制度を発足させたわけでございますけれども、その後この制度に基づきまして、トラブルの多い英会話教材、羽毛ふとん、化粧品、健康食品、消化器の五業種、企業の数にいたしまして十二企業ですけれども、まず取引適正化の指導を個別に行いましたほか、消費者に注意を喚起する意味から、昨年の十一月にこうした企業の販売の方法等につきまして広く情報提供を行ったところでございます。私どもといたしましては、今後とも機動的な逆用でこのようなトラブルの未然防止を図っていくべく考えている次第でございます。
○藤木分科員 このほど五種類の商品について十二社を指導されたということでございますけれども、この十二社は、当局の指導に対してどのような回答を示しておりますでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 今申し上げましたように、昨年十一月に実施いたしました制度の対象企業十二社につきましては、私ども直接企業の責任者を通産省に呼びまして、販売方法を改善するよう厳重な指導をいたしました。 企業の方では誠心誠意改善してまいるということを申しているわけでございますけれども、これを客観的に把握するためには、私どもといたしましては、通産省の消費者相談窓口に消費者から寄せられる対象企業に関するトラブルの状況で判断するのが適当かと思っておりまして、現在相談状況についてウォッチをいたしているところでございます。まだ具体的にきちんとした数字の捕捉まではいっておりませんけれども、総じて申しますと、相談室に寄せられました対象企業に関するトラブルの状況を見ます限り、昨年の指導の効果は上がってきているのではないかと考えられる次第でございます。
○藤木分科員 ほぼ同じときにスタートいたしました神戸市の訪問販売規制条例というのがございまして、それに基づく指導では、昨年末までに六回にわたって合計二十六社を指導、一社を企業名公表ということまでいっておられます。この制度が消費者にとって有益なものになるためには、時期を失せず対処するということが極めて大切なことになってくるわけでございます。スタートしてからわずか一回の発表であとはウォッチということでは、いかにも回数も少ないし、効果が期待できないのではないかという危惧を抱くわけでございます。 消費者は訪問販売につきましてどのように考えているのかということでございますけれども、ここに東京都の生活文化局が出しました、九百六十人の消費生活モニターから聞いた結果というのがございます。これによりますと、この一年間に九六%の家庭に販売員が来訪しております。家にいて買物ができる、店で買えないもの、買いにくいものが買える、対面販売なので説明がよく聞けるなどといったプラスの評価を挙げた人は、わずか二%から三%にとどまっております。その反面、利用しないことにしているというのが六三%、応対が煩わしいというのが四二%、販売員がしつこくて困るというのが三八%、販売員も商品等も信用できない、これが三四%と、マイナスの厳しい評価が下されております。したがって、訪問販売が消費者の信頼を得るには、業者の社会的責任の自覚は言うまでもありませんけれども、立法、行政においても消費者保護を一層強めるということが求められていると思います。 そこで、幾つか指摘をいたしますけれども、第一は訪問販売法を強化するという点でございます。訪問販売法第三条には「販売業者は、訪問販売をしようとするときは、その相手方に対し、販売業者の氏名又は名称及び商品の種類を明らかにしなければならない。」とされております。ところが、最近トラブルの多発している英会話教材の売り込みの幾つかを調査してみましたところ、いずれも販売目的を隠し、会員になれば海外旅行に参加できる、それには英会話が必要だとか、会員は英会話サロンや各種パーティーに参加でき、ブランド商品が割引になるというふうにして誘いまして、会員券かと思ったら実は英会話教材の契約書であったという商法でございます。これは明らかに第三条に違反していると思いますけれども、相変わらず繰り返されているわけですね。 この種のやり方には、トラブル情報提供制度を活用するというだけではなくて、法的にも罰則を設けて監視を強化する必要があるのではないかというふうに考えるのですが、その点いかがでございますか。
○松尾(邦)政府委員 確かに訪問販売法第三条には、訪問販売業者が訪問販売を行いますときには氏名や商品の種類を明らかにすべきことを定めているわけでございますが、この規定の趣旨は、消費者の購入意思が安定的に形成されることを確保するために、訪問販売をしようとする業者が相手方にその旨が明らかになるように一定の事項を告げて、相手方つまり消費者が勧誘を受けているなという明確な認識を持ち得るようにしようとするものであることは御指摘のとおりでございます。 ですが、セールスマンが実際に消費者に対して明確な認識を持ち得るような示し方をしたのか否か、これを客観的に立証することは技術的になかなか難しい面がございまして、違反者に対する罰則規定については、いろいろ議論はございましたけれども、置かれていないわけでございます。何と申しましても当事者だけのやりとりの中で、これを客観的に証明していくことがなかなか難しいというのが法律論としての経緯でございます。 ただ、私どもといたしましては、訪問販売のトラブル情報提供制度におきまして、今例にもお引きになりました英会話教材の販売においての業者の悪質なやり口につきましては十分消費者が注意するように、昨年十一月に手口についての公表をいたしまして、消費者の注意を喚起いたしました。そのほかにも、業界が自主的に実施しております訪問販売員つまりセールスマンの登録制度を拡充いたしまして、セールスマンの消費者に対します登録証の提示を徹底させるなどの指導を、現在、業界にいたしておるところでございます。 このような公表制度とセールスマンの登録制度などで補完をいたしまして、消費者に対する不利益が及ばないよう注意いたしてまいりたいと考えております。
○藤木分科員 注目をさせていただきたいと思います。 ここで、最近苦情が急増しているもう一つは、住宅公団申し込み代行を業とする商法でございます。 具体的に取り上げてお尋ねしますけれども、公団公社空き家住宅申し込み手続代行サービスを売り物にするものでございます。路上で受け取ったり自宅に投げ込まれたりする代行サービスのはがきを、公団公社がサービスで行っているものと思って投函いたしますと、高額な手数料、私が伺ったところでは二万九千円から六万九千円あたりまでをしつこく請求してくるというものでございます。申し込みはがきには公団と紛らわしい名称が書かれてございまして、手数料のことは何も書かれていないわけです。そこで、申込者は詳しい資料を送ってもらうつもりで投函するわけです。先方から、登録が済みましたと高額の請求書を送りつけて、払いたくないと断りますと、自宅と言わず職場と言わず、実にしつこく電話をかけ回して、何日までに登録手数料を払えとおどすわけですね。こんなことが何の規制も受けないでやられるというのであれば、消費者保護行政はなきに等しいと言わなければなりません。 本件の場合、仮に申し込んでも申込者と業者との間には契約は成立していないと私は考えるわけですけれども、通産省はこのような実態をどのように把握していらっしゃいますでしょうか。このことは全然御存じないですか。
○松尾(邦)政府委員 この種のトラブルにつきまして、私どもの消費者相談窓口に何件か相談が参っていることは承知いたしております。
○藤木分科員 それでは経企庁にもお伺いいたしますが、どのようにこの実態を把握していらっしゃいますでしょうか。
○里田説明員 私どもの方で所管しております国民生活センターに来ております苦情は、五十九年が三百七十六件、六十年が九カ月で六百八件ということで、最近急増しておりまして、大変憂慮しております。 その相談の内訳は、一つは、こういう代行サービスというのが果たして信用がおけるかどうかという問い合わせが結構あるわけでございます。同時に、先ほども御指摘になられましたように、公団と特別なかかわりがあるように装っておるので何か便宜を図ってもらえるのかと思ったら、そうではないので解約したいのだが、なかなか解約してくれない、そういったような苦情が大変多いようでございます。
○藤木分科員 建設省はどうでしょうか。住宅公団にも代行サービスについての問い合わせや苦情が寄せられているようなことはないでしょうか。もしあるとすれば、どのような対応をしていらっしゃいますでしょうか。
○野田説明員 ただいまの件につきまして、公団の方には問い合わせはかなり頻繁にあるようでございますが、実際にトラブルになりまして、公団でみずからいろいろやらなければいかぬというようなことはそう多くないと聞いております。恐らく通産省あるいは経企庁の方へ回っているのではないかと思います。建設省へは直接は参りません。
○藤木分科員 しかし、公団は、我が方とは関係ありませんということをことごとく宣伝することに努めていらっしゃるわけです。ですから、大変困っているということを私どもも聞いているわけです。極めて限定された範囲での自衛を促す措置にしかすぎないという状態になっているわけで、これでは消費者を保護することはできなくて、むしろこの苦情はふえる一方だと私どもは思うわけです。 そこで、消費者保護の立場から、経企庁は関係省庁に働きかけて、実効ある措置が講じられるように、検討課題として取り上げていただきたいと思うわけですけれども、いかがでございましょうか。
○里田説明員 代行サービスのトラブルにつきましては、現在、全国の国民生活センターを通じて積極的に相談に当たっているわけでございます。また同時に、こういう悪質な取引があるということについてかなり消費者啓発も行っているわけでございます。しかし、何分にもこの問題につきましてははっきりした根拠法がございませんし、各省の担当ももう一つはっきりわからないという、非常に困った状態になっているわけでございますけれども、トラブルが非常に多いということでございますので、関係省庁とよく話し合って対応を考えていきたいと思います。
○藤木分科員 今の議論をお聞きいただいてもわかりますように、私もこの問題で通産省に伺い、建設省に伺い、経企庁にも伺いということで、どの省庁にも伺ったのですけれども、どこもこの問題でトラブルが起こっていることは知っていらっしゃる。知っていらっしゃるのだけれども、これに手をつけるところがとこもないのです。これでは、本当に消費者を保護することにはならないと思うのです。実際、こんな及び腰でいるということが、かつての豊田商事のような悪徳商法をも野放しにしてきた一つの原因になっているのではなかろうかと思うわけです。あの豊田商事事件では、何人もの方が自殺をされたりということで今まで落とされたわけですから、こんなことになってから手がけるというのでは遅いわけですね。 そこで、経企庁も各関係省庁と話し合って検討したいというふうにおっしゃっているわけですけれども、訪問販売などを直接に所管している通産省にやはりしっかり頑張っていただきたいと思いますので、この際、大臣の御決意をお聞きしたいと思うのです。よろしくお願いいたします。ひとつ頑張ってください。
○渡辺国務大臣 住宅公団の入居手続の代行をやるというのですから、所管は恐らく建設省になるのだろうと思いますが、せっかくの藤木議員からの御提案なので、私からも建設大臣に言っておきます。そういう質問があった、あなたの方でまず調べてくださいということをちゃんと言います。
○藤木分科員 直接建設省の関係がどうか、私自身はちょっと判断がつきかねているのです、商売の問題ですので。しかし、建設大臣に直接お話もくださるということでございますので、できましたら、建設大臣任せにしないで、渡辺通産大臣もお力添えをいただいて、解決に乗り出してくださいますようにお願いしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○渡辺国務大臣 不動産のあっせんなどは建設省ですし、どこの省になるのかも含めまして、関係各省で一遍相談をします。
○藤木分科員 ぜひそれは検討していただいて、協議の結果、いい結果が出ますようにひとつ頑張っていただきたいというふうに思います。 この際、私は、訪問販売法の対象商品に役務、例えば代行業務のような役務を加えることについて、レジャークラブの会員権や公団申し込み代行など、こういった役務を提供する商品が訪問販売形式をとって実は売られたり、各地でトラブルを起こしたりということが多いわけでございますから、指定商品でないがためにクーリングオフもきかないというようなことで、一層この解決を困難にし、おくらせているというふうに思うわけです。私どもは、訪問販売法の適用対象に役務も加えるべきだというような主張をずっとしてきたわけですけれども、通産省の方でも、そういった御見解を今求めたいわけですが、ひとつ御検討をお願いしたいと思うのですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○渡辺国務大臣 通産省としては、産業政策局におきまして現在研究会を持っております。そして、役務取引の実態把握に努めています。今後はその成果を踏まえましてどういうふうにやっていくかということで勉強中です。五十九年の十一月に発足して、東京経済大教授の中村孝士先生ですか、そういう人でメンバーをそろえまして勉強会をやっておりますから、その結論を待って対処をしていきたいと思います。
○藤木分科員 時間が参りましたので、質問を終わります。
○上村主査 これにて藤木洋子君の質疑は終了いたしました。 次に、沢田広君。
○沢田分科員 委員長初め関係大臣及び関係の皆さん、御苦労さまでございます。きょうは二度目になってしまいましたが、重ねてお願いいたします。 最初に、今も話が出ておりました訪問販売の問題で、これは大臣も耳にたこができるようなと言われている課題だと思うのです。我々がこの問題に取り組んでいる理由というのは、今まで社会的にいろいろ大きな問題が起きてきた、何とか防ぐ方法はないかしらという模索をしている一つ一つの提言がそういうことになっているのだろうと思うのです。 〔主査退席、松浦主査代理着席〕 どうやったらそういうことが防げ得るのか、いろいろな処方をみんなが頭の中に描いてここで物申しておるわけです。ですからここで、大臣のことですから、私も大蔵委員会で大変お世話になってまいりましたので、その大臣の気持ちはよくわかっているつもりであります。そういうつもりでこの訪問販売を扱っていってみてもらいたい。 一つは、アメリカ方式に訪問販売のときには事前に了解を得る。大臣と面会するときには、事前に了解を得なければ、まあ大臣は気安く会われるかもしれませんけれども、なかなか会うことはできないと思うのです。ですから、個人の家へ訪問販売するときには、一応事前に電話連絡等をして承諾を得てから販売をする、そういう一つの規則なり慣行なりを日本の中につくり出す。そうすれば、いろいろとあの手この手と考えていることについても、予備的な知識を持って対応することができるということも可能だと思うのですね。ですから、これは私の一つの提言でありますが、そういう習慣がつけば、だんなさんと相談するなりあるいは世間の人と相談するなり、余裕があって対応することができる。そういう人が来たら断った方がいいというふうに事前に心の中で判断をして対応できる。その時間を与えてやるということが、この種の問題とかいろいろなものの解決ができる仕方ではないか、こういうふうに思います。これは法律でなくてもいいと思うのでありますが、そういうことで慣行化していくように指導したらどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 私ども今おっしゃった点との関連で申しますと、先生十分御案内のことではございますけれども、現在の訪問販売法の第三条の規定が実体的には、先生の御指摘のようなことの趣旨を生かす形で法文化されたものではないかと存じているわけでございます。 御案内のことでございますけれども、三条によりますと、訪問販売をするときには、何しに来たのかわからないのでは困りますから、とにかくセールスマンの方から氏名とか商品の種類を明らかにしまして、消費者に向かいまして、自分はこの品物を売りに来たんだということを明確に述べてから、訪問販売行為に入るようにという趣旨の規定が置かれているわけでございます。したがいまして、先生御指摘のものとずばり同じではございませんけれども、趣旨においては、この三条の規定が活用されることによりまして、目的をおおむね達成できるのではないかと私どもとしては思っておりますので、今後とも消費者啓発に当たりまして、あるいは業界の指導に当たりましては、この規定を十分生かしていくように心がけてまいることを基本に置いてまいりたいと考えております。
○沢田分科員 だから、それが一方にとっては突然になるのですね。不意打ちになるのですよ、わかりやすく言うと。全然心に余裕のないときに来ることになるわけです。ですから、私の言うのは、そこで政令なりあるいは省令なり規則なりでいいのですが、二日なら二日は最低限度置いて、予約をとって、何時にお伺いします、よろしいですかという承諾をとって行くということにすれば、だんなさんとも相談できるし、あるいは近所の人とも相談ができる。奥さんが多いのでしょうが、奥さんは奥さんなりにいろいろと情報を集めて対応できる、こういう準備が可能になる。 幾ら今のような話でも、急に言われて、とんでもない話から入ってこられて、何で来たのかなと思いながらも、その話の中に持ち込まれてしまうのですからね。ここでは速記をとっているから、なかなか本音が言えない場合、大臣と同じで、本音が言えない場合もありますが、そういうことで、いろいろな場合が我々でもあるのですね。そうかなと思っていたら、うっかりとんでもなくなって、とうとう出さざるを得なくなってしまうなんということもあるわけです。ですから、やはりそういう余裕を与えるということが、この種の問題には大変必要である。だから、竿頭一歩を進めて、その法律の解釈適用として、規則あるいは通達等において、会社の指導にこういう予約制度を設けていくことを勧奨していく。私はきちんととは言いませんが、とにかく勧奨していくということをとりあえずやってもらいたい、こういうふうに思います。
○松尾(邦)政府委員 先生おっしゃられたのは一つの着眼点だとは存じますけれども、結局、私ども訪問販売法の体系を眺めてみますと、先ほど申し上げましたように、第三条で販売目的等が明確に消費者にわかるような趣旨の規定を織り込んでおりますほか、先ほど先生がおっしゃいましたように、セールスマンが来たものですからついつい、周りの人に相談する余裕もなく契約してしまおうかなというふうに思ってしまった、後でしまったと思ったようなときに倣えまして、先生も御案内とは思いますけれども、クーリングオフの制度を設けて、一たんその気になってしまったけれども、後でやはりこれはまずかったというときには解約ができるように、特別の消費者保護の規定も置かれているわけでございます。 したがいまして、そのような現行の三条の規定、それからクーリングオフの規定など、全体として見ますと、先生の御趣旨は心得ているかとは思いますが、ただ今後とも私どもといたしましては、この訪問販売制度というものは、これからもまたいろいろな形で世間に広がっていくということは必定だと思いますので、その際に、先ほど申し上げたことになるのですけれども、セールスマンの登録制度の拡充でございますとか、あるいは消費者に対するトラブル情報の提供制度でございますとか、いろいろな形で消費者啓発も図りながら、この訪問販売法が円滑にいくようにしてまいりたいと思っております。
○沢田分科員 そういうことで我々何ももう一回ここに物を言いに来たんじゃないのです。何とか前向きに——二度とこういうことがないとあなたが保証してくれたら、僕は質問しなくてもいいのだよ。問題は、あなたが答弁したからといって、薬石効なしということなんで、結果的にあなたが責任を負ってくれれば、僕は何もこんなことを言わなくて済む。あなたの言葉が世間に通用しないのですよ。そういう状況の中で、だからどう法律なり法の網をかぶせていくかということで苦労して提言しているわけだ。あなたが言ったとおりでそれで問題が起きなければ何でもない。私もこんなことを言う必要もない。だけれども、それであなたの言ったとおりで世の中の秩序が守れていってないという現実を、じゃああなたはどうやって解決するのですか。 法律の解釈だけを言っているだけでは、ちっとも能がないということになってしまうのです。問題は、どうやったらそういうことを防げるかという知恵の一つとして、私はそういうことを置いたらどうだ。それは、余り無理な法律を、禁止とか何かまでするとかじゃなく、営業妨害にならない範囲で僕は提言をしているつもりなんだ。だから、その程度のことは謙虚に受けとめて、特に勧奨しろ、勧めてみなさい。そういうことを日本の商売、家庭訪問の慣行にしていくようにしていくことも、重要な一つの政治面じゃないですか。それを規則なり何かでそれぞれ営業者にも勧める、あるいは家庭の人にもそういうことが、これからは訪問する場合はちゃんと了解を得てから訪問する、勝手に訪ねていくという形のものはなるべく避けていこう。それは相互のプライバシーをやはり守っていく、こういうことの一つの意味もあるんですね。 ですから、そういうことであえて私は、これでこんな時間とってやるつもりじゃなかったのですけれども、もっと素直に、そういう点でこういうことがなくなるようないろいろな提言があるわけですから、それをやはり参考にしつつ、実現に向けて進めてもらう。商売をやっている方も大切ですけれども、そのことはちっとも営業妨害にはならないと私は思うから言っているわけで、前もって予約をとってから行くということですから、若干手間暇かけますね。せわしい、せっかちな日本人には向くかどうかということは、極めて難しいというような顔を大臣はしているけれども、そういう答えじゃないかと思うが、それをあえて忍の一字でやはり商売はやっていく。大臣も忍の一字で我慢しながらやっているわけですから、そういうことで商売も進めていくようにしたらどうか、こういうことですね。
○渡辺国務大臣 沢田先生の御提案は、一つの提案だと思いますが、これはやはり問題は、被害者が出るようなことでは困るということなんでしょう。しかし、商売は御自由なわけです。そこで結局、公平の原則もあるわけですね。保険の勧誘員とか郵便局の簡易保険の勧誘だとか、一種のやはり商品を売っているわけですよ。時計屋さんだとか、浜辺のおばちゃんが毎朝五時の汽車に乗って、魚をいっぱい持ってずっと一軒一軒寄って歩いて魚を売って歩くとか、毎日やっていますな、農家の人が自分のところのナシを持って一軒一軒売って歩くとか。じゃあ二日前に魚の注文をとってから行けといっても、なかなか実際には難しい。 私も昔、実は行商を五年やっていますから、この方はベテランなんですよ。そこから見ますと、実際は、最初から予約をとって商売、知らないところに行くとなったらまず一〇〇%売れません、どんないい物を持っていっても、知らないところに行くわけですから。だから、やはり知っているところだったら、また何回も何回も、知っている人ならともかく文句の言われることもありませんし、一遍だましたら後はききませんから、そういうこともない。外交と同じで、近づくときには最初から品物、これを買ってくださいなんて言ったら、出す前に、間に合ってます、こう言われるのですよ。だから、もう奥さんの御機嫌をとったり、子供が泣いてましたよといって連れてきてやったり、そういうところでまず信用をとるわけですよ。そして品物を持っていくということがありますから。全部の行商人とか物が悪いとは断定できない。そこには実際は莫大な雇用がありますからね。だから、善良な人を締め出しちゃうようなことはむしろ問題が多い。悪いやつにひっかからないようにさせるということが一番のポイントでしょう。 ですから、まず消費者教育をするというのが一番先決。それから、組織的にだますような売り方は禁止する。それはどこかで網をかけること、これは結構だと思いますね。だけれども、行商に歩く人全部を強制的にするということが果たして社会のためになるかどうか。物を持っていく人は悪い人、保険を持っていく人はいい人というわけにもなかなかいかない。ですから、そこにバランスの問題もありますから、一つの御提案がせっかくあったことですから検討いたしますが、雇用との問題、それから、行商とか何かをして暮らしている中には善良な人がたくさんいるということ、学生さんにしても魚屋のおばちゃんにしても農家の人にしても。ですから、そういう全体の問題の中でできそうなことかどうか、これは少しまじめに研究をさせたいと思っております。
○沢田分科員 例えば、できる限りという言葉がついても、とりあえずはいいと思うのです、これも消費者と売る人の方の努力の問題ですから。できる限り事前に了解を得て訪問するという指導でも、一歩進めたことになると思うのです。ただ、後ろの席で答えられた方の話もありましたが、言葉を返すわけじゃありませんが、そういうないしょの話、もうける話、うまい話というのは自分でとっておきたいもので、それを父ちゃんに話してどうだと聞く奥さんは大体いないのですよ。だから、後になって契約破棄というのが少ないというのは、大体そういう一つの弱さを持っていることに原因があるんだと思うのです。これはこれで終わります。 次に、大臣は大蔵大臣もやられたからでありますが、通産大臣になられて民間活力をうたわなければならぬ。そこに今度、関西空港あるいは東京湾に無利子の貸し付けをやる。私も一つは、無利子の貸し付けというのが政治の社会にあっていいのかなということを考えたときもありました。しかし、金はやはり国民のものでありますし、どういうところから出ようと、五百兆に及ぶ国民の預金が一つは財源になっていることでもあるし、あるいは三十何兆の税金あるいは国債がやはりその一つの金になっておる。そういう中に、一番弱い層と言われている農業で三分五厘が一番最後の利息であります。そこへ無利子の制度をつくるということは極めて重大なことだと私は思うわけであります。これは、一兆円であるにせよ、あるいはそれが何千億であるにせよ、無利子の制度をつくるということはやめることが必要であるというふうに判断するのです。 いったん決めたことでありましょうけれども、正当な利益を得ると仮定をするならば当然、それは国民に還元をしていく、こういう一つのルールは必要であるし、その金の価値が他に転用されれば、それなりの利益をまた国民に与えるわけでありますから、公共事業であるにせよ何にせよ、他の利益もあるわけです。それを無利子ということで正当性をつくるということは禍根を残す、こういうことになると思いますので、最低の金利であっても、せめて農林資金の三分五厘は現在の社会制度の中に置いておくべき制度ではないか、私はこういうふうに思います。自民党がただにしてやると言うのを社会党が上げろと言うのは、おかしいかもわかりませんが、やはりこれはルールの問題でありますから、あえて大臣に質問をするわけです。
○秋山説明員 ただいま先生から指摘がございました無利子の貸し付けは多分、道路整備特別会計における東京湾横断道路に対する無利子貸し付け等のお話かと思います。私、担当ではございませんけれども、ちょっとかわって答弁いたします。 道路整備特別会計では、今回の無利子貸し付け以外にも、有料道路に対して無利子貸付制度というのがございまして、御案内のとおり道路整備特別会計では、補助金ですとか交付金ですとか、あるいは従来からの無利子貸付金、それから少し広げますと道路公団では財投、民活では民間からの借り入れ、いろんな財源構成で道路整備を行っているわけでございまして、今回の東京湾横断道路につきましては、御案内のように民活ということで、一応採算性があるという事業につきまして民間活力を活用するという観点から、民間からの出資ですとか借入金、あるいは社債の発行、そういったものとの組み合わせで、採算性はあるにしても料金をそれほど高くするわけにいかないといったようなこともあって、国の役割として道路整備特別会計から無利子の貸し付けをするというふうになったと承知しております。 したがいまして、道路整備特別会計の場合、通常の政府関係金融機関とか銀行とは違いまして、逆ざやとか順ざやとかいう問題ではございませんで、財政からの援助としてどういう形態で国が負担をするかということで、今回は一部無利子貸し付けを導入するということに相なったと存じております。
○沢田分科員 そういう経過を聞いているんじゃなくて、無利子制度というものについての基本的な物の考え方というものを大臣、今聞いているわけですね。これは一たんここで予算に計上したことでもありますから、白紙に返すということにはあるいはならないかもわかりません。しかし、検討していただいて、やはりこういうシーソーゲームが行われることは、私は政治の社会を混乱させるということにしかならない。 農林ですら三分五厘だ。それに利益を追求するものが出てきて、それが無利子である。じゃ国民の、今話の出た住宅は六分五厘でやっておる、一%下げる下げないの問題はありますが。そういう金利の差をどういう説明で納得させるか。やはりそれは矛盾があると私は思いますよ。それが日本の一兆円の公共事業を起こすためであるにせよ、余りにも政治的な色彩が強くなる。それで庶民は高い金利のために住宅ローンで泣いている。しかし片一方は、無利子で貸しているんだよ。こういう話が大臣、通ると思いますか。私はそういうのは、どんな理屈をつけようと庶民は納得しないと思うのです。やはり正当な金利を払って、政府はそれを施行していくことが、あるいは施行する人がそれを努力することが今日的な課題だ。大蔵大臣もやられた大臣ならば、そのことがいかに悪平等をつくるかということをわかっていただけると思うのですね。 ぜひ今のような使う方の側の立場ばかりで物を言うんじゃなくて、今度はやはり金を取る方の側の立場に立って考えたら、国民の不満は、大臣が街頭で演説するにしても、あるいは我々が街頭で演説するにしても、そんなことを許していいのかという印象を私は持つだろうと思います。もうあの言葉は、みんな言ったんだろうと思いますから二度と使いませんけれども、それはやはりそういう印象を受けざるを得ない、そう思いますね。ですから大臣、これは検討を一回していただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 今まで国は補助金でやってきていたのが多いけれども、一般会計、お金がない、補助金で出せないというようなことで、苦しまぎれでもないかどうか知りませんが、無利子の貸付制度というのは補助金にかわるものではないのかな。いいとが悪いとか、ケース・バイ・ケースですから、公共のためになるというようなもの等についてやっておるんだと思いますが、一概に悪いとも言えない。しかし、沢田先生みたいに大蔵委員会に長くおって、非常に国税等の苦しんでいることもよくわかっておるので、そういうような観点からも御質問をされておると思います。それも大変貴重な御意見でございますので、どっちがいいか悪いか、私も判定はすぐつくわけにはいきませんが、大きな議論になる問題ですから、今後とも十分検討いたしたいと存じます。
○沢田分科員 大分時間が限られてまいりましたが、これも大蔵大臣の所管の方で、私の方でもあるのですが、サラ金の今後の展望、またサラ金の方の今後の対応ということも、訪問販売、サラ金、こういうものがやはり大きく課題になっているわけです。これは通産の方の立場で、これから四五%近くにもなる予定でありますが、どういうふうに対応しようとなさっておられるか、その点だけお伺いしておきたい。
○松尾(邦)政府委員 サラ金の問題につきましては、御高承のように大蔵省の方で所管されておられるわけでございまして、私どもは物の販売に伴う信用供与を中心として所管させていただいておりますので、大蔵省から御答弁申し上げます。
○中平説明員 いわゆるサラ金、貸金業について今後どういうふうに行政を進めていくかというお尋ねでございます。 御承知のように、二年余り前に貸金業規制二法が施行されました。以来、私どもとしては貸金業規制二法を厳正に運用するということで、これまで金利の引き下げ、あるいは取り立てが適正に行われるように、あるいは貸し付けの取引が公正に行われるようにということで行政を進めてきております。 何分にも登録業者が五万業者を若干超えるという大変数の多い業界でございます。私どもとしては精いっぱい都道府県とともに努力をしてきておりまして、一定の効果は上がってきておるというふうに思っておりますけれども、なおまた不十分な点も多いわけでございまして、私どもとしては、この法律を今後引き続き厳正に運用していく、そして、今先生から御指摘もありましたように、金利の最高限度も下がるわけでございます。これらがきちっと守られるように、そしてまた、金利等については、その法律で求められている以上に金利の引き下げができるだけ迅速に進むように、できる限りの指導をしてまいりたいと考えております。
○沢田分科員 時間が厳しくなりましたが、八百円のウイスキーが流通マージンを重ね重ね、千五百円税金がありますから二千三百円になりますが、それが一万円で売られる、こういう流通機構が現在の状況であります。 通産大臣になった折でありますから、ただしこれもまた言葉じりを言えば、その中間マージンを取りながら生活している人もいるんだから、これもなかなかそうはいかないんです、こういうことを言うかもしれませんが、首を振っているから言わないとすれば、これは暴利をむさぼっている業者は大変いる、こういうことになるわけであります。これは税金でとっちめるか、あるいは通産の方の行政でするか、法の網をかぶせるか、何かやはり処方が必要である。私も別に今特別な案は持っていないのであります。しかし、これは徴税でやるのか、あるいは流通機構の改善でやるのか、こういうことになれば、やはり流通機構の方が筋道じゃないかと思います。 大臣の見解を聞いて、あと三分ぐらいありそうですけれども、一服ということで休憩時間を与えるということにして、いい回答をもらうつもりで与えるのですから、そのつもりで回答していただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは大蔵省の所管なんですが、私も大蔵大臣をやっておったときに、イギリスの方からはもっと関税を下げろとかなんとかかんとかいっていろいろ来ました。来たけれども、やはり流通問題では一つの代理店というか、総窓口になっているそれが取り過ぎるんだから、それはむしろ売る方で、イギリスの方で、メーカーの方でそういうものをなくしたらどうだということを答弁したような気がします。イギリス政府は大量に売れれば雇用に役立つでしょうが、商売をやっている人は売れる総量よりも利益の額の方がいいわけだから、大量に売れなくてもいっぱいもうかった方がいい、そこらのところがいろいろ何かあるようですね。ですから、これは量を売るのか、量は売れなくてももうけた方がいいと思っているのかという非常に難しい問題が実はあるのです。しかし、国民の感情から見れば、千円かそこらで入ってくるものが何で五千円にも六千円にも八千円にもなるのだという国民感情があることは間違いありません。だから、スコッチがもっと売れるようにするためにはどうするかということは、相手の方も考えてもらわなければならぬと思っております。
○沢田分科員 終わります。
○松浦主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。 次に、中川利三郎君。 〔松浦主査代理退席、長野主査代理着席〕
○中川(利)分科員 非鉄金属鉱山の不況問題についてお伺いいたします。 御案内のとおり、昨年九月の先進五カ国蔵相会議によってつくられた円高誘導政策は、日本経済に大きい影響を与えているわけであります。中でも非鉄金属鉱山は、世界的な第一次産品不況、先進工業国の経済成長鈍化に伴う需要減退に急速な円高が加わって、国内鉱山はまさに危機的状態に陥っているわけであります。日本鉱業協会の試算によりましても、御案内のとおり一円の円高になると国内鉱山全体で十億円、六十円ですから大体六百億円ですね。また、私の地元の秋田県の鉱山では、一円の円高で年間一億六千万円余の損失があると言っています。これも六十円になりますと六十数億円ということになります。さらに、現在の建て値のままだといたしますと、秋田県内の鉱山は年間百六十億円の減収。この減収額は、五十九年秋田県内鉱山の額の約三〇%の金額に相当するわけでありまして、円高が文字どおり秋田県の鉱山を直撃しておる、こういうことです。 したがってお聞きしたいのは、先進五カ国蔵相会議によってつくられた円高誘導政策が、非鉄金属鉱山に深刻な影響を及ぼしているこの状態の中で、通産大臣はどのような責任を感じていらっしゃるのか、この点についてまず御所見をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、今までドルに対する投機筋がドルを強くしておったという気配が非常に強い。しかし、アメリカもそういう場合には必要に応じて共同介入しますという政治決定をしただけで、投機筋がドルから離れた、私どもは実際はそう見ておるのです。ただ、このように短期間にドル安・円高になるとは私も思っておりませんでした。しかし、円高のため非鉄鉱山が、秋田だけではなく日本の各地において非常に苦境に立っておることはよく承知をいたしています。これらにつきましては、親会社のあるものもあるし、そうでないものもありますので、これについて我々は、緊急特別立法をして事業転換やその他のこともやろうということで準備はいたしておりまして、それが適用される可能性のあるものについては極力適用をしていく考えでございますし、どうしてもやれないというものについては他に転換するというものもございましょうし、政府としてもできるだけのお手伝いはやっていきたいと思っております。
○中川(利)分科員 時間もないので、聞いたことだけ答えていただきたいと思うのです。責任をお感じになるかということでありますが、その点は非常に不十分で、しかしこう急激になるとは思わなかったと言っておるわけであります。しかし、非鉄金属業界の代表はこういう問題についてどう言っているか。例えば、きのう衆議院の商工委員会の参考人質問がありまして、前の日本鉱業協会の会長の西田さん、今の同和鉱業の社長ですが、自分たちが円高をつくったんじゃないんだ、政府に第一番に要望したいことは円高政策によるひずみだ、この点を申しているわけであります。例えば、去年の十二月二十三乱の日本工業新聞では、今の日本鉱業協会の会長の永野健さんが、それに資源素材産業は産業の基礎だ、それがどうしてこんなにひどい目に遣わされるのか、困ったものだ、こう言っておるわけであります。 私の地元である秋田県は、御承知かと思いますが、全国一の鉱山県と言われまして、昨年度の統計でも、全国の生産量に占める秋田県の割合は、金が二七・七%、銀が四二・五%、銅が六二・八%、鉛が四一・一%、亜鉛が三九・六%です。それだけに、今回の急激な円高により鉱山はまさに壊滅的だ、こういう状況の打撃を受けているということは御理解いただけると思うのです。御承知のとおり秋田県では、これは大変だということで、せんだって二月二十八日に県鉱業政策促進研究会を発足させまして、国に対して何とか円高差損補てん要望をするということで、いろいろな各界が集まって鳩首協議しておるわけであります。また、一番の地元である大館市では、市当局や市議会の皆さん、関係業界の皆さん方が全部集まりまして、大館市鉱山緊急対策本部をつくりまして、これは三月三日から施行するということになっておりまして、まさに各地方自治体は、鉱山危機打開の方策を必死になって模索しておるということです。地方自治体のこのような動きにつきまして、こうした深刻な動きについて、通産省はどのような認識、どのように受けとめていらっしゃるのか、一この点をお聞きしたいと思うのです。
○小川政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、県、大館市が相次いで対策のための組織づくりを進めておることを私ども十分承知しております。私ども口外も、このような深刻な非鉄鉱山の状況に対応しまして、仙台通産局がこの地域を所管しておりますが、仙台通産局におきましても緊急鉱山対策室というものを二月二十七日設置いたしまして、こういった鉱山の実態あるいは現地の生の要望といったものを十分吸収する体制を整えたところでございます。したがいまして、通産局の窓口が県あるいは大館市の組織と十分連携をとりまして、現地の声を吸い上げながら、対策を本省に反映するということで進めてまいりたいと思っております。 なお、本省と通産局のパイプもちゃんとしていかなければいけないわけでございますが、二月初めにも鉱山部長会議を開いたところでございますけれども、それだけでは、事態の変化も激しいということもございまして、三月の中旬には、各局鉱業課長会議を急速集めることにしておりまして、そういったところで現地の状況を十分把握することに努めてまいりたいと考えております。
○中川(利)分科員 東北通産局というのかな、鉱山のあれなんかに対応するそういう部署を設けたということでありますから、現地の生の要求と本当に結びつけて善処していただきますようにお願いしたいと思うわけであります。 現在の鉱山危機は、単に一地方自治体がわっとやったからどうだとか、そういう関係で救済できるものでないことは当然でありまして、国自身の抜本的な施策、対応がなければ救済できないわけですね。国自身の問題については後で申し上げますけれども、その前に私は、地方自治体の財政問題でちょっとお聞きしたいと思うのです。 鉱山不況は、いや応なしに地方財政を圧迫しているわけですが、例えば鉱産税について言えば、大館市の場合、前年度当初予算の四二・六%、金額にして八千四十八万一千円の大幅なダウンだということが新聞に大きく出ているのです。その隣に小坂町という小さな町がありますが、ここの鉱産税の減収が、対前年度比で約五八。七%、金額にして二千四十八万六千円なんです。これは大変なことであります。しかも、鉱産税の減少だけにとどまらず、市町村民税も押しなべて全部横並びに減少をたどっております。また、鉱山の相次ぐ休山、閉山で人口もどんどん減少している。 ここに小坂町から来た資料がございますけれども、小坂町ではこの十年間で、一七・八%の人口減となっているわけであります。この人口減少の影響として、学校の経営規模が年々小さくなって、川上小学校というところでは、昭和六十年度から複式学級、そういろ編制をするまでに落ち込んでいるということです。保育所もやっていかれなくなってしまって、統廃合を余儀なくされている。バスに乗車するお客さんも減りまして、町は二つの路線に年間三百六十万円もの補助をバス会社に提供してやっと路線の確保をしている。あわせまして、購買力の減少から商店経営が困難になって、転廃業がどんどん続いているという状況も指摘されているわけであります。このような状況は、先ほど大臣がおっしゃったように、鉱山を抱える市町村に共通している問題であると私は思います。 そこで、自治省にお伺いしますが、鉱山所在地市町村の財政状況について、どのように皆さんは把握していらっしゃいますか。
○湯浅説明員 鉱山関係の市町村の財政運営につきましては、現在いろいろと困難な情勢があるということは承知いたしておるわけでございます。特に、最近の円高不況などによりまして、その状況は極めて厳しいものがあるということでございますが、これらの問題は基本的には、国の産業政策によらざるを得ないわけでございますけれども、地元の地方団体といたしましても、住民の生活の安定あるいは地域経済の活性化ということのために、みずからの努力といいますか、許す限りでいろいろと施策を講じて地域の活性化を図っていく、こういうことで努力をしているところでございます。 税収につきましても、衝撃的な影響は直接的には鉱産税という形で出るかもしれませんが、その他の税目につきましても、次第次第に影響が出てくることも考えられるわけでございます。その場合に、私どもといたしましては、それぞれの地方団体が今後とも円滑に財政運営ができますように注意深く見守りながら、財政運営に遺憾のないように配慮してまいりたいと考えているところでございます。
○中川(利)分科員 遺憾のないようにやるということでありますが、鉱山所在地市町村は、財政収入の落ち込みだけにとどまらないのですね。鉱山危機打開のために、国の助成措置とは別に市町村の財政を持ち出しているという状況があるわけです。 独自の施策をやっているわけでありますが、例えば大館市では、六十一年度予算の中で一千百七十万円の探鉱助成措置を計上しておる。探鉱助成措置ですよ。小坂町では除雪費、鉱害関係土地改良事業、産業道路等の負担の肩がわりをしている。そういうことをしているわけであります。しかも、この小坂町でどれだけ鉱山に頼っているかといいますと、人口で言えば、世帯数で四〇%が鉱山関係に頼っているのです。市町村税で鉱山関係に頼っている部分が五〇%です。そのほかにこういうふうにいろいろな持ち出しがあるということでありますが、確かにこれは小坂だけでなくて、例えば兵庫県の大屋町の例などもあるわけであります。これらの市町村は、鉱山の存亡がいずれ町の存亡につながるのだということで各種の施策を、ないかまどというか、財政の中から搾り出してやっているということです。 そこで私は、自治省にお聞きしたいのでありますが、鉱山所在市町村の鉱山関係財政の支出分について、おたくの方で、特別交付税という形でも何でもいいですけれども、救済策を当然考えるべきだと思うのですが、いかがでございましょうか。
○湯浅説明員 それぞれの地域の窮状に応じまして、自治体がみずからの努力でいろいろと独自の施策を講じているわけでございます。それに対しまして、私どもといたしましても、可能な限り御支援を申し上げなければならないと考えております。 全体的な財政運営の問題にも関連してくる問題でございますので、交付税で措置するか、あるいは地方債で措置するかというような問題につきましては、個々の事案につきまして地元の地方団体とよく御協議をしながら、財政運営に遺憾のないように措置をしてまいりたいというふうに考えております。
○中川(利)分科員 これは非常にいい答弁だと思うのです。個々のケースによって地元と相談するということですね。御確認させていただきたいと思うのです。 次にお伺いしたいのは、鉱山資本は、直接雇用関係にある労働者の人減らしや賃金をダウンするというだけではなくて、不況の犠牲を玉突き式に子会社、孫会社とその従業員にしわ寄せしているという問題です。これが深刻なんです。 私の手元には、ことしの一月三十日付で大館市長畠山健治郎あての秋田資源開発建設事業協同組合の陳情書があるのです。この組合というのはどういう組合かといいますと、同和鉱業と関連グループの工事請負をしておる会社で組織されたものでございまして、「金属鉱山危機の現状救出する対策についての陳情書」ということで、「非鉄金属業界の価格急落による影響を全面的に受けて請負工事単価の切下げと工事発注量の削減など日増しにその圧迫の度が加わり現状経営を続けることは誠に至難な状態」になってきていると言っているのです。その上になおかつ、この人たちは親会社である同和鉱業がつぶれては困るのですね、こう言っているのです。「当組合員も一致団結して最大の努力と合理化により同和鉱業株式会社の延命と建直しに協力する所存であります。」まさに悲痛な訴えなんですね。自分方は今この会社にやられているのですよ。にもかかわらず、これを存続させなければならない。そういう血の叫びだと私は思うわけであります。 それだけではありません。私どもの調査では、同和鉱業が子会社の同和工営に下請を出す際のマージンを、これまでの八%から半分の四%に切り下げたわけであります。また、関連企業の場合、これまでも百万円以上の支払いは二カ月から三カ月の手形で、金利は七、八%ということで苦しんでおったのですが、さらに今回の不況で、請負単価を一律に一〇%引き下げられたわけですね。通産省は二月二十二日に、「急激な円高を理由に親企業が下請け中小企業に代金の値引きや支払いの遅延など不当にシワ寄せしないよう指導を強める方針を決めた。」ということで、読売新聞にも書いてあるわけですが、通産省として、私が今指摘した秋田県北部における実情を調査して適切な指導をすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○小川政府委員 鉱山の下請業者へのしわ寄せという問題につきましては、先ほど御指摘がございました点でございますが、中小企業庁におきまして二月二十四日に、下請等中小企業対策推進本部を設けたわけでございます。これと対応しまして、非常に鉱山の多い仙台通産局におきましては、これに対応する形での下請等中小企業対策連絡協議会、さらには下請等中小企業相談室というものを設けましたし、先ほど申し上げましたように、二月二十七日に緊急鉱山対策室というものを設けましたので、こういったところで、今御指摘のありましたような問題についても、これも含めまして、そういった下請へのしわ寄せが不当に行われてはいないかということは十分調査して、適切な指導をすることにしたいと考えております。
○中川(利)分科員 相談室をつくったばかりでなしに、ぜひとも本当に魂を入れてやっていただきたいと切に要望する次第でございます。 次の問題は、それだけではなくて、鉱山不況は労働者にも深刻な打撃を、危機を与えているということです。 秋田県小坂町にある三菱金属の小会社古遠部鉱山が、今月一日に二十二年の歴史を閉じる閉山式を行いました。同時に、労働組合も解散式をこの前後に行っているわけでありますが、まさに悲痛な状況だったと聞いておるのです。鉱山の方々は、何ぼか資源が枯渇したという部分もありましたけれども、たとえ賃金が半分になってもいいから鉱山を残してくれ、こういうことを言いながら男泣きに泣いたという話も聞いているのです。 この古遠部鉱山というのは、御承知だと思いますが、従業員が百五十一人で、二月の第一次の離職者五十五名中、再就職が決まったのが三十七名です。三日に第二次離職者六十六名、第三次離職者は四月から九月に残りの三十名ということでありますけれども、第一次の十数名、第二次、第三次の圧倒的な離職者の再就職の道は今も開かれておらないということです。ここの新聞にも「二十二年の歴史に幕 険しい再就職の道 半数以上メド立たず」、これは地元の魁新聞の記事でございますが、古遠部鉱山がある鹿角郡は、まだ重立った企業というのは、婦人が主体の縫製工場や弱電工場ですね。鹿角の職業安定所でも、古遠部鉱業所離職対策委員会を設置しましたけれども、鹿角市だけでは再就職できないと頭を痛めるということでもあります。また、きのうの商工委員会で佐々木知事が参考人として出て、なぜ再就職できないかということをるる述べましたけれども、大変な状況だということです。同時に、同和鉱業の孫会社に当たる北日本工事、北日本設備、北日本サービスという北日本のつく三社があるわけですが、これが従業員合わせて三百人のうち、三分の一に当たる百人を三月、今月いっぱいで解雇する方針を決めたと言われております。まあまあ、何といいますか、大変なことなんですね。 それで、私がお聞きしたいのは、労働省は二月二十八日、円高によって雇用問題が深刻になるおそれのある都道府県に雇用対策本部などの設置を指導すると発表しておるわけでありますが、私が今まで指摘してきましたように、非鉄金属鉱山の雇用問題は極めて深刻なわけですね。労働省は非鉄金属鉱業関係の雇用安定についてどのような対策を講じていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
○井上説明員 古遠部鉱山等の非鉄金属鉱山、鉱業等につきましては、従来より特定不況業種・特定不況地域の雇用の安定に関する特別措置法に基づきまして、特定不況業種として指定しております。また三月一日、鉛、亜鉛の製錬業につきましても、雇用調整助成金の対象業種として指定いたしました。これらの制度を活用することによりまして、休業とかそれからやむを得ず離職される人たちに対しまして、きめの細かい職業紹介とか、雇用保険の給付日数の延長等の処置を講じているところでございます。また、同和鉱業の孫会社のある鹿角、大館の両公共職業安定所管内につきましては、同法に基づきます特定不況地域に指定いたしまして、特定不況業種関係労働者とほぼ同じような雇用対策を講じているところでございます。 労働省といたしましては、円高や不況業種により雇用状況が厳しい地域を抱えている都道府県に対しましては、臨時雇用対策本部等の組織を設置する等の要望をしておりますところであり、今後とも関係都道府県及び関係業界と十分連絡をとって、対策を講じていきたいと考えております。
○中川(利)分科員 机の上のあれではなしに、本当に実態に即した措置が緊急に行き届かなければ、大変な社会不安になると今私は思っておりますので、重ねてこの点は申し上げておきたいと思うのです。 地元の問題であれこれ申し上げてまいりましたが、やはり何といっても国の総合的な、抜本的な対策そのものに鉱山の存否がかかっていると思うのでありまして、そういう点では、今の地方自治体のいろいろなやり方はそれなりのあがきであり、必死の叫びだ、こう思うわけでありますが、まず、その国の関係でお聞きするわけでありますが、通産省でありまして、関係者から非常に要望の強い金属鉱業経営安定化融資制度、これについては前倒しして対応する、こういうお話でございましたが、それにとどまってはいられないということなんです。 〔長野主査代理退席、主査着席〕この制度が本当に今の現状に見合うように実効あるものにするためには、どうしても政府保証の枠を拡大する、あるいは弾力的運用などの措置を講じない限り、どうにもならないのだということであって、きのうの参考人意見の中にも、この点が強く指摘されたわけでありますが、この点がどうかということと、さらには、最近まで操業していたところを含めて既存鉱山周辺での探鉱と開発について、特に秋田県北部の北鹿地域の黒鉱鉱床は、世界にも例のない高品位鉱床でありまして、銅などのベースメタルのほか、レアメタルが多数含まれる有用鉱物を産出しているわけでありまして、企業の採算ベースのみで放棄するとなれば、国家的にも大きい損失でございまして、黒鉱の探鉱と開発にもっと力を入れるべきではないか、この二つの点についてお聞きしておきたいと思います。時間がないので、簡潔にお願いできればありがたいと思います。
○小川政府委員 第一の点でございますが、この金属鉱業経営安定化融資につきましては、六十一年度予算といたしまして、夏の要求をしてないにもかかわらず、事態の急変に対応して急速、緊急追加要求をすることによりまして、六十一年度百二十五億という融資枠を確保し、現在予算案を御審議願っているところでございます。この助成制度は平均金利二・七%、実は三%であったものが、長期プライムが下がりましたので、平均二・七%という相当優遇された制度でございまして、これによって、深刻な事態の乗り切りのかなり有効な手段になると考えております。ただ、御指摘の弾力運用あるいは枠拡大という点につきましては、百二十五億というかなりの規模を確保させていただいたことでもございますので、まずは事態の推移、この施策で本当に十分か不十分か、こういったものは引き続き注意深く見守りつつ、御指摘のような点については判断してまいりたいと考えております。 それから第二の、既存鉱山の周辺の探鉱になるべく集中したらどうかという点につきましては、御案内の三段階の探鉱助成制度について、なるべく既存鉱山周辺の有望鉱脈を開発するという観点から、そういう運用をしたいと私どもも考えておりますので、あとはその趣旨に沿って具体的に新年度についても運用してまいりたいと思っております。
○中川(利)分科員 それでは、非鉄金属製錬できのうも大変問題になったのは、電力の問題でありまして、その七割は電気料金だと言っておるわけでありますが、電力の円高差益還元の一環として、皆さんが今まで言っていらっしゃるような需給調整制度による電力料金の引き下げ、割り引きだけにとどまらないで、思い切った措置を講ずべきだと思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○小川政府委員 需給調整契約制度につきましては、このような電力多消費の非鉄金属産業には大変有効な手段だと考えておりますので、需給調整契約制度の一層の活用をすることについては、これはこれとして今後とも検討していきたいとは考えております。ただ、全体の差益還元問題につきましては、今後、為替レートあるいは原油価格の動向、電力会社の決算状況というものを見守りながら、有識者の意見、関係審議会の意見を聞いて具体的な方策を検討していくことにいたしたいと考えておりますので、その中においてこの問題もあわせ検討したいと存じます。
○中川(利)分科員 最後に、通産大臣にお聞きいたします。 通産省が行っている現行の施策の範囲内では、現在深刻になっている国内鉱山の危機を突破することはなかなか難しい、これは関係者の共通した認識になっているわけですね。国内鉱山の位置づけと維持存続対策を明確にした、例えば金属鉱業基本法的なそういうものの制定だとか、そういう方向づけを明らかにしない限り、今の危機を救うことはできないということです。現在の危機打開と将来に向けた施策を検討するために、関係者が参画しておる鉱業審議会を開いて、各界の知恵を集めて大いに論議すべきであると私は思うわけでありますが、この点について大臣の所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○渡辺国務大臣 どういうような場で検討するかも含めまして、国内の鉱業問題については非常に厳しい状況でありますから、継続できるもの、できないもの、他に転換するもの、そういうようなもの等も、どれが一番いいかは今後個別に相談をしていきたいと思っております。
○中川(利)分科員 終わるところだったが、それは私の質問の答えになっておりませんよ。しかし、時間ですからやめますけれども、ひとつはっきり、今の危機に見合うようにお願いしたいと思います。 以上、終わります。
○上村主査 これにて中川利三郎君の質疑は終了いたしました。 次に、新村勝雄君。
○新村(勝)分科員 今の日本経済、特に国際経済の中で最大の課題は貿易摩擦の解決、過大な黒字を減らすということだと思いますが、大臣はこの問題についてどういう見通しを持っておられますか。
○渡辺国務大臣 摩擦の解消につきましては、一つは、円高になってきたということは中長期的に見れば一つの調整役を果たすと思います。それから、輸入の拡大について努めていかなければならぬ。そのためには、アクションプログラムで発表したいろいろなお約束がありますから、関税を下げるとか規制を緩めるとか、それから商社なんかにも輸入を個別にお願いするとか、そういうようなこともやってまいりたい。 いずれにいたしましても、貿易摩擦というのは、そういうようなことをやってもなおかつ文化の差に基づく摩擦あるいは誤解に基づいて、全く違うにもかかわらず向こうが騒いでいるというようなこともあるのですよ。だから、そういうようなこと等について理解を求めるということも必要であるわけであります。我々としては、長期的には海外投資とかいろいろありますが、当面の問題としては、特に日米間で向こうから買えるものは極力買うように業界等にもお願いをしておるところでございます。 自動車等については、御承知のとおりことし一年間、理由はいろいろありますが、さらに幅を少なくするどころじゃない、こんなにふえてしまっては困るわけですから、政治的側面も配慮して、保護貿易立法がどんどんできないように、一年間自動延長、自主規制ということもやったわけでございます。
○新村(勝)分科員 政府はいろいろ努力をされておりますし、アクションプログラムももう既に実施に入っていると思いますけれども、経済専門家の見通しによりますと、それが結果的には有効な、思ったような成果を上げ得ないのではないかというようなことも言われております。 最近、日本経済研究センターの予測によりますと、六十一年から六十五年で実質成長が三・八%。ですから、これはそう高成長ではないのですけれども、六十五年度の黒字が五百九十一億ドル、現在よりふえる、そういう予測もあるわけですね。こういったことでなかなか難しい問題だと思いますけれども、このままでいきますと日本は世界の孤児になりかねない、こういう心配もされております。それから、日本がこのようにすばらしい、他の先進国に類を見ない発展をしたというのも、やはり特殊な条件の中でそういう発展が実現したわけですから、それなりに国際的な貢献あるいは国際的な責任を果たしていかなければいけないということが強く言われております。そういった面での大臣のお考えはいかがですか。
○渡辺国務大臣 極力努力をしても、当面Jカーブ現象等もございますし、また、根本は日本の商品が安くていい商品である、国際競争力があるということなんです。だからアメリカなどにも、自分の国でもやはり日本と同じようなやり方で輸出の努力をしてくださいということも頼んであります。また、経済協力その他につきましては、今おっしゃったようなこともございますので、国際的な責任として分相応に果たしていく必要がある、そう思っております。
○新村(勝)分科員 そういうことで、アクションプログラムの成果を期待しておるわけです。 そこで、内容ですけれども、これは逆のような言い方になりますが、アクションプログラムによって輸入の拡大を図るということは当然でありますが、そしてまた、その成果が上がることを期待するわけですけれども、同時にまた、アクションプログラムの中に懸念される面もあるわけです。 というのは、輸入の拡大ということは結構なわけなんですが、その中に、具体的になりますけれども、食品等の輸入届にかかわる手続の簡素化ということがありまして、特に食品添加物等については十分注意をしないと日本の食生活には合わない面が出てくるのではないか、また、その検査の基準や認可の基準等についても外国と日本では違うわけでしょうから、それらの点について十分の配慮が必要ではないかと思うのですけれども、これは厚生省の方からお伺いしたいのですが、それらの点についての配慮はどういうことをされているか、伺います。
○内山説明員 昨年七月三十日に決定されました市場アクセス改善のためのアクションプログラムにおきましては、食品添加物につきましては、昭和五十八年三月二十六日の基準認証制度等連絡調整本部決定に従いまして、各国の衛生当局と十分協議を行いつつ、新たな指定または使用基準の改定につき措置するということでございます。
○新村(勝)分科員 そうすると、それは国内でつくられた添加物については所定の手続で検査をする、これは食品衛生調査会ですか、そこで検査をするということですね。ですから、新しい輸入品についてはどういう検査をされますか。
○内山説明員 食品添加物につきましては、国内外とも同様でございまして、これは厚生大臣が指定する際には安全性の確保を第一点と考えまして、国内外ともに安全性のデータを十分とった上で指定行為を行っていくということでございます。
○新村(勝)分科員 データをとるといいますと、例えば新しい品物を輸入することになった場合に、外国のデータそのままをとるわけですか、それとも日本が独自の立場でそれを検査する、あるいは分析するということになりますか。
○内山説明員 そのデータの内容でございますけれども、外国のデータでございましても公表されました権威のあるデータであれば、それは採用することになっております。
○新村(勝)分科員 その場合、食生活の相違あるいは体質の相違、それから慣習の相違、そういったことによって外国の基準をそのまま採用することについて危険があるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○内山説明員 食品添加物につきましては、国民の健康を守るという立場から、今後とも安全性の確保を基本にいたしまして、我が国の食生活環境を踏まえまして、食生活の多様化、食品の国際流通の増大等も考慮しながら、アクションプログラムに基づきまして、各国衛生当局と十分協議いたしまして、国際的に安全性評価が確立されているものでありまして、国際的に広くその使用が認められているものを中心に、その安全性及び有用性について科学的に慎重に検討して指定してまいりたいということでございます。
○新村(勝)分科員 当面考えられるのは、どういう種類で何種類ぐらいがありますか。
○内山説明員 私ども昨年の秋に、ECと米国と、食品添加物に関しまして向こうの政府と協議したわけでございますけれども、現在、具体的な指定申請というのは出てきておりません。
○新村(勝)分科員 この問題については、国会が関与できないわけですよね。これは省令の関与ですか、法律事項ではないと思いますから国会は関与できない、行政の裁量の範囲ですべて行われるということでありますから。それらについては十分国民に対して説明をする必要があると思いますね。今、特に食生活に関心を持っておる生協であるとか、あるいは地域の婦人会であるとか、こういうところで食品添加物の規制緩和について強い懸念を持っておるわけです。そういう点での説明なり、誤解を解くというか、懸念を解く手だてが必要だと思いますけれども、そういう点についての御配慮はどうなっておりますか。
○内山説明員 もし指定申請がなされましたときには、私どもの方としましては食品衛生調査会という専門の機関がございますから、そこで専門家の先生にその中身につきまして御審議いただきまして、有用であって安全性が確認されたものを指定していくということを考えでございます。
○新村(勝)分科員 そうすると、新しいものを輸入する、入れるという場合には、すべてその手続をとる、当然そうでなければいけないですよね。一品ごとに調査会に諮問といいますか、分析、検討して、それで安全性が完全に確認された段階でなければこれは許可をするのは適当でないと思いますけれども、そこらの手続はどうなりますか。
○内山説明員 今先生が言われましたように、食品添加物につきましては厚生大臣が指定したものしか、天然のものは除きまして、いわゆる化学的合成品の食品添加物につきましては、指定したもの以外は使えないことになっておりますから、先生が言われましたように新たなものをもし輸入しようとすれば、それは厚生大臣の指定行為が必要となってまいります。
○新村(勝)分科員 新たなものについては、この手続を経て厚生大臣が指定をするということですね。
○内山説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
○新村(勝)分科員 そこらのことを十分国民に周知をしてもらう手続が必要だと思いますし、そのPRについてもできるだけお考えをいただきたいと思います。
○内山説明員 私どもも、食品添加物について国民に啓蒙活動が必要なことはよく存じております。先生の御指摘に従いまして、啓蒙活動等を実施してまいりたいと考えております。
○新村(勝)分科員 大臣もひとつ通産という立場から、アクションプログラムの成果を期待するわけですけれども、そういう面での御配慮も必要なわけでありますから、十分そのマイナスの面についても御検討をいただきたい。 それから、ほかのところで実はこの問題については通産の局長さん以下から話を伺ったのですけれども、大臣がいらっしゃらなかったのでお伺い、あるいは確かめたいのですが、先般来、撚糸工業連合会の事件が表面化をいたしております。これはいろいろ調べてみますと、撚糸工連だけではなくて、同じ設備廃棄事業の対象になっておる分野で、いろいろの問題が今疑惑を生んでおります。 この問題は、不況業種に対する政治の厚い配慮のもとにそういう制度があるわけでありますから、その限りにおいてはいいのですけれども、これが制度が制度だけに、政治と利権と結びつきやすいという性質を持っておるわけですよ、この制度は。そういう点で撚糸工業あるいは織機の組合等、これは今設備廃棄事業は三十ぐらい種類があるようですが、この制度にまつわるいろいろな問題があるわけでありますが、大臣はどの程度認識をしていらっしゃいますか。
○渡辺国務大臣 私は、撚糸工業会の事件が出るまで、実は制度の中身その他知らなかったわけでございます。しかしながら、無利息で十数年間金を預けて、そこで運用をして返済をしろという制度でありますから、長期にわたって信頼関係で委任しておくということですね。これはよほど相手が、信頼された人が本当に信頼に値することをやってもらわないと事件が起きるということになります。したがって、これは制度のあり方等も含めまして、国会でも終わりましたら多少お役所の方も手がすくと思いますから、一遍全般的に見直し等点検をやってみたい、そう思っております。
○新村(勝)分科員 大臣は詳しい点御存じかどうかわかりませんけれども、これは各県段階の連合会あるいは協同組合、ここに登録あるいは買い上げのほとんど全部を委託しておるわけですね。その段階までしか通産の皆さん方は御存じない、その下でどういうことをやっているかということをわからないのです。ところが、その下では残念ながら政治家との癒着とか、あるいは制度を曲げて、そういうことができないはずなんですけれども、無登録のものをいつの間にか登録して政策的な恩恵をそこで受けるような工作をする、こういうことが連合会の下部で行われる。連合会の下部で行われた登録なり買い上げなりの書類が通産に行きますけれども、通産は一々それを現地で現認するわけにいきませんので、早く言えばめくら判を押して通ってしまう、こういう実態なわけですよ。それで、例えば織機等にしても無籍の、無登録のものを、そういうことを言われているのですけれども、政治家との関係でもってできないはずのものがいつの間にか登録されておるというふうなことがあるわけです。 そういったことで、今撚糸工連だけではなくて、織機の点についてもあるいは編み機の点についてもそういうことが言われておるわけなんですよ。ですから、そういう点についてはぜひ制度そのものの見直しをする必要がある。今までこの設備廃棄事業によって融資をされた。融資といいましても十六年間の無利子ですから、これは補助金に近いわけですね。その四割程度は、補助金として流すのと同じ結果になっているのであります。そういう大変思いやりの深い制度でありますけれども、それだけに弊害も伴いやすいということであります。 そこで、ぜひ実態を末端まで調査をいただいて、そういう忌まわしい疑惑をこの制度の中から生じさせないという配慮をぜひお願いしたいと思うのです。それから大臣も今言われましたけれども、この制度全般についての洗い直し、再検討をぜひしていただきたいわけです。それについてもう一回、ひとつ御決意をお伺いしたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 全くそのとおりで、お役所の方でも下まで目が届かないということでは責任が持てない、そこでおかしなことがあったのでは国民に申しわけないということになるわけです。したがって、責任が持てるような制度にする必要があるということでございますから、まず実態を国会終了後でも洗い直して、再発防止あるいは制度そのものの改廃も含めてどうすればいいか、検討をしていきたいと思っております。
○新村(勝)分科員 ぜひそういう点で抜本的な再検討、見直しをお願いいたしておきます。 以上で終わります。
○上村主査 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。 次回は、明七円午前九時から閉会し、引き続き通商産業省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十四分散会