予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 511 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/06
会議録
○伊藤主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。何とぞよろしくお願いを申し上げます。 本分科会は、法務省、外務省及び大蔵省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算及び昭和六十一年度政府関係機関予算中大蔵省所管について、政府から説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○竹下国務大臣 昭和六十一年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、五十四兆八百八十六億四千三百万円となっております。 このうち主な事項につきまして申し上げますと、租税及び印紙収入は四十兆五千六百億円、雑収入は二兆四千二百四十四億八千七百万円、公債金は十兆九千四百六十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十二兆五千九百七十八億八千百万円となっております。 このうち主な事項につきまして申し上げますと、国債費は十一兆三千百九十五億千八百万円、政府出資は二千九十億円、予備費は三千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算につきまして申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも七千百八十億千五百万円となっております。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして申し上げます。 国民金融公庫におきましては、収入四千百五十二億二千万円、支出四千二百二十七億千七百万円、差し引き七十四億九千七百万円の支出超過となっております。 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○伊藤主査 この際、お諮りいたします。 ただいま竹下大蔵大臣から申し出がありましたとおり、大蔵省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔参照〕 昭和六十一年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算に関する説明 昭和六十一年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、五十四兆八百八十六億四千三百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、一兆五千八百九十億円の増加となっております。 以下、歳入予算額のうち主な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、租税及び印紙収入は、四十兆五千六百億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、二兆百億円の増加となっております。 この予算額は、現行法による租税及び印紙収入見込額四十兆二千四百二十億円に、昭和六十一年度の税制改正による増収見込額三千百八十億円を加えたものであります。 次に、各税目別に主なものを御説明申し上げます。 まず、所得税につきましては、住宅減税による減収見込額三百七十億円を差し引いて、十六兆八千百九十億円を計上いたしました。 法人税につきましては、民間活力の活用等を通じ内需の拡大等に資するための所要の改正及び租税特別措置の整理合理化等による増減収見込額を調整して、十二兆七千六十億円を計上いたしました。 たばこ消費税につきましては、従量税率の引上げ等による増収見込額千二百億円を加えて、九千八百六十億円を計上いたしました。 以上申し述べました税目のほか、相続税一兆千三百二十億円、酒税一兆九千七百四十億円、揮発油税一兆五千七百二十億円、物品税一兆六千二百七十億円、関税五千五百三十億円、印紙収入一兆四千六百二十億円、及びその他の各税目を加え、租税及び印紙収入の合計額は、四十兆五千六百億円となっております。 第二に、雑収入は、二兆四千二百四十四億八千七百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、三千七十三億四千七百万円の増加となっております。 この収入のうち主なものは、日本銀行納付金一兆二千三億円、日本中央競馬会納付金千九百二十二億七百万円、特別会計受入金玉千四百十億二千三百万円、補助貨幣回収準備資金受入四千三百九十八億七千八百万円等であります。 第三に、公債金は、十兆九千四百六十億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、七千三百四十億円の減少となっております。 この公債金のうち、五兆七千億円は、建設公債の発行によることとし、残余の五兆二千四百六十億円は、特例公債の発行によることと致しております。 なお、特例公債の発行につきましては、別途、「昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案」を提出し、御審議をお願い。いたしております。 最後に、前年度剰余金受入は、七億八千九百万円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十二兆五千九百七十八億八千百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、一兆千三百二十八億九千九百万円の増加となっております。 これは、国債費が一兆九百五十三億六千万円増加いたしましたこと等によるものであります。 以下、歳出予算額のうち主な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、第一に、国債費につきましては、十一兆三千百九十五億千八百万円を計上いたしておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債の償還、国債及び借入金の利子等の支払並びにこれらの事務の取扱いに必要な経費の財源を、国債整理基金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 なお、普通国債の償還財源につきましては、先ほど申し述べました「昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案」に基づき、昭和六十一年度において、前年度首国債総額の百分の一・六に相当する額及び割引国債に係る発行価格差減額の年割額に相当する額の繰入れは行わないこととしておりますが、国債整理基金の状況にかんがみ四千百億円の予算繰入れを行うことと致しております。 第二に、政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等二機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として、二千九十億円を計上いたしておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫二百九十億円、海外経済協力基金千八百億円であります。 第三に、経済協力費につきましては、六百五十四億千三百万円を計上いたしておりますが、この経費は、発展途上国に対する食糧増産援助等に必要なものであります。 第四に、国民金融公庫補給金につきましては、三百三億八千九百万円を計上いたしておりますが、この経費は、国民金融公庫の業務の円滑な運営に資するために必要なものであります。 最後に、予備費につきましては、予見し難い予算の不足に充てるため、三千五百億円を計上いたしております。 次に、当省所管の特別会計のうち主な会計につきまして、その歳入歳出予算の概要を御説明申し上げます。 まず、造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも七千百八十億千五百万円となっております。 次に、印刷局特別会計におきましては、歳入八百六億百万円、歳出七百二十九億七千三百万円、差引き七十六億二千七百万円の歳入超過となっております。 以上申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、外国為替資金、産業投資、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等によりまして御覧いただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、国民金融公庫におきましては、収入四千百五十二億二千万円、支出四千二百二十七億千七百万円、差引き七十四億九千七百万円の支出超過となっております。 このほか、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、環境衛生金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等によりまして御覧いただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○伊藤主査 以上をもちまして大蔵省所管についての説明は終わりました。 ―――――――――――――
○伊藤主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野一雄君。
○奥野(一)分科員 時間が限られておりますので、要点を絞ってお尋ねをしてまいりたいと思います。 予算の編成について従来からずっと関心を持っておったわけでありますが、なかなか私どもの場合には出る機会がございません。私の場合には商工委員会で経済企画庁長官にはたびたびお尋ねはしてまいります。経済政策と財政政策は表裏一体だ、こう思っておりましたので、そちらの方で何回か質問もさせていただいておりますが、やはり予算の編成ということになりますと大蔵省が本命でございます。こういう短い時間でありますからすべてについてお伺いするというわけにはまいりませんので、そのうちの一つだけに絞ってお尋ねをしてまいりたいと思っております。 大蔵省は、例年大変財政が厳しいという中で編成には相当な御苦労をされていることは私どももよく承知をしているところでございます。そういう面で、マイナスシーリングだとかゼロシーリングだとかいろいろなことで御苦労されておられるわけでありまして、私も何年か前に、大蔵省というのは本気になって財政再建ということに取り組んできているのだろう、実はそう思ってきておったわけであります。しかし、例えば防衛費なんかの問題でも相当厳しい線を出して折衝されているわけですが、結果を見ますと大体防衛庁の方の要求にほぼ近いという形で決められていっているわけですね。当初私どもは、マイナスシーリングが始まりましたころにはそう深く感じなかったのでありますけれども、何年もそういう状態が続きますとまたかということになるわけですね。大蔵省が、予算編成に当たってはことしは相当厳しいぞ、こう言っているんだけれども、防衛庁なんかに対しても厳しい線を示しておりながら、結果的には今言ったように防衛庁の線に近いような形で決められていく、このまたかということが何年も続いてまいりますと国民の皆さん方は、大蔵省は本気になって財政再建ということを考えているんだろうか、こういう気持ちになってくると思うのです。財政再建ということは国民挙げて取り組まなければならないということで、いろいろな負担の転嫁などもされているわけですね。そういう国民に対してまたかという感じを持たせるということは、財政運営上非常にまずいことだろうと思うのです。私ども地元に帰りましても、どうしてそうなんだろう、もうほかのものはどんどん削られていって我慢せい我慢せいということでやられ、国民の負担というものについてもやられ、あるいはまた自治体の方に対して負担ということもまたなされておりながら、何で防衛費予算も同じような形の中で節約をしていくというような措置がとられないんだろうか、説明してくれ、こう言われるのですけれども、私どもなかなか的確な説明ができないわけであります。 それで、ぜひきょうは大臣の方から、防衛予算だけがどうしてマイナスシーリングの対象から外されていっているんだろうか、そのことについてできるだけわかりやすくお伺いをしたいと思うわけであります。その点ひとつお願いしたいと思います。
○竹下国務大臣 まず先生、いわゆるシーリング、概算要求基準とでも申しましょうか、昭和三十六年のころを見ますと、五〇%増しまではいいんだよ、こういうところから始まったわけであります。それで私が五十五年の予算をつくりますときの大蔵大臣でありましたが、そのときも一〇%増しまではいいんだよ、こういうことでございました。それで五十六年から七・五%増しになって、五十七年からゼロになって、五十八、五十九、六十、六十一、ここのところがいわゆる前年同額以下、最初そういう基準、考え方を、第一着手は通常国会等のいろいろな意見を整理しながら八月末の概算要求というところから始まるわけであります。その際例外といたしますのが、ことしの場合、今年度予算の場合は、投資的経費は五%減に、一般の行政経費は一〇%を天井にいたしました。そこで例外といたしますのが、既に債務負担行為等で約束しておる、まあ防衛費の中にもございます例えば兵器でございますとかそういうものを既に契約をしている、その年次払いがあって、ちょうどことしは完全に入手する時期であるからこれは義務的に払わなければいかぬ、こういうようなものをあらかじめ例外として臨むわけであります。したがって防衛費というものも聖域ではなくして、一応そういうものをも含めながら概算要求基準の中で一例外項目は確かに多うございます。それと、もう一つは四五%が人件費でございますから、したがって、言ってみればカットできない要素とでも申しましょうか、そうしたものが確かにございます。その概算要求基準に基づいて防衛庁から予算要求がなされまして大蔵省が査定、あるいは調整と申しておりますが調整をしていくわけであります。その中で途中で何だか防衛庁の要求どおりに結果として落ちつくというような感じをお与えするとするならば、概算要求基準の中で一定の縛りをかけるわけでありますから、ただその中で第一次内示、第二次内示として出します場合においては、およそ金額の枠組みは決めながらも優先順位の点について最終まで詰めていくわけでございます。ことしは飛行機を十五機にするとか十四機にするとか、艦船を二隻にするとか一隻にするとか、そういうことを優先順位を詰めていくわけであります。そこで今度は、いつも最後に議論になりますのが、党三役と相談する段階になりますのは、いわゆる総枠とその中における後方でございます。言ってみれば、蚕棚のベッドはもっとスピードアップしてなくせとか隊舎はもっとスピードをかけて改築しろとか、一番最後に残ってまいりますのは、どっちかといえば正面装備でなく、そういういわば後方とでも申しましょうか、宿舎とか隊舎とかというものであります。それでもって、結局他の予算とのぎりぎりの調和点をどこに求めていくかということの最終的な決着として必要最小限の経費を計上する、こういうことになるわけでございます。 したがって、今度は五カ年計画をつくらせていただきました。第四次防というのがありました。これは昭和四十七年度からでございましたが、私が内閣官房長官をしておりまして、先取りをしたというので国会でいろいろ批判をいただいたときでございますが、それ以来は、単年度ということになっておりましたのを、やはりシビリアンコントロールということになれば、年次防というのがあって初めて国会やいろいろなところでチェックしてもらうのが本筋ではないかというような意見を私も持っておりまして、今度新防衛計画をつくったわけでありますが、それは「防衛計画の大綱」を達成するための計画でございますから、その大綱達成と現下の財政状況、それから大蔵大臣として一番感じますのは他の諸施策、今おっしゃった教育でございますとか社会保障でございますとか、そういうものとの調和をどうするかというのが最後のぎりぎりの判断、こういうことになるわけでございます。 ただ、概算要求のときから例外事項が多いということは、既に発注したものの支払いがちょうど来るとか、そういう点は確かにほかの省の予算に比しては多いということが言えると思います。
○奥野(一)分科員 後年度負担のことも大変問題になることだと思うのですが、財政当局とすれば後年度負担について将来のことを全く考えないでどんどんやるということはないと思うのですね。当然そういうものが将来財政的にどういう影響を及ぼすかということを勘案しながら予算を決めていくだろうと思うのですよ。だから、そのことが防衛費が余計に膨らむんだということの理由にはならないと私は思うのです。 それと、時間がありませんから端的にお尋ねをいたしますが、大蔵大臣とすればどうなんでしょう。国民的な目というのは、そういう中身のことについてはそう深く知らなくても、防衛予算はことしほかの予算に比べて幾ら伸びているかということはすぐ目につくわけですよ。例えば教育費なり社会保障費は前年度並みとか、伸びても大して伸びてない。しかし、防衛予算だけは六・五八伸びますというと、どうしてもそこに目がいくわけです。だから、そういうような予算を組むことについて大蔵大臣としてはやむを得ないのだというふうにお考えになるのか。今聖域でないとおっしゃっているわけですから、それだったら他の予算と同じようなレベルで予算を編成することが正しいのではないか。そうして、もし後年度負担分が今出てくるということであれば、その部分は私はそんなに大きな金額になっていかないと思うのですよ、そうすれば、その部分は例えば一%だとか一・五%だとかということであれば多少まだ説明はつくと思うのですね。大臣の考え方として、本来一般の予算と同じように投資的なものは五%減、一般のものは一〇%減という組み方の方が正しいとお考えになっているか、あるいはどうしてもやむを得ないからこれだけ飛び離れてもいいんだというふうにお考えになっているのか、その点をひとつお尋ねしたいと思います。
○竹下国務大臣 他の施策との調和ということにつきましては、私ども財政当局からいえば、伸び率は低ければ低いほどいいという感じは持っております。 それからもう一つは、一%ということは私どもの念頭にはいつもあるわけでございます。しかしながら、結局いわば長期に見てみますと、かつては社会保障費よりも防衛費の方が多かった時代があるわけでございますから、そういう伸び率の中での調和からして、率直に言いまして、この辺がぎりぎりだなという感じでございます。ただ、国民の皆さん方は伸び率だけ見て、ことしは防衛突出で社会保障低いなとか、あるいは公共事業費落としているな、こういう見方で見られますのは事実でございますので、したがって地方との経費負担のあり方でございますとか、それから中身で、しかしながら重点的なのはこういうところに置いておりますよというような説明は、私どもから申しますと財務局を通じながら、あるいは主観はいろいろありましても本当は国会の先生方の演説が一番国民に普及するわけでございますけれども、そういうことで国民の理解を得るということであります。 それからもう一つ、いわゆる債務負担行為の問題でございますが、防衛関係費においては国庫債務負担行為及び継続費が計上されております。艦船、航空機、地対空誘導弾等の調達は数年を要する事柄でありまして、これは約束事でございますからいわゆるカットの対象にすることが非常に難しい。もう一年繰り延べさせてくださいということは皆無ではございませんけれども、初めから概算要求のときにそれは一〇%切ってこいという性格にはなじまないということは確かにございます。
○奥野(一)分科員 政府の方でもそうですし、民間でもよく世論調査をやりますね。政府の方で世論調査をやられる場合には単に国民の動向をつかむということでやられるのか。そういう世論調査に出てきたものについては参考にしながら、可能な限り尊重して国民の意向を酌みながら政治をやっていかなければいけないと思うのですが、そういう点については大蔵省としてはどういう考え方を持っておられますか。
○竹下国務大臣 世論調査を政府広報としてやりますのは総理府の予算でやるわけでございますが、それは行政の上に反省させなければいかぬ。各省それぞれございますが、特に私どもの方でいろいろな世論を吸い上げる一つの機会は、私の立場からいえば財務局長会議というようなもので各界の意見を聞きながらそれを報告書として、二日間くらい会議を開いて私どもがそれを聴取するというようなのがいわば世論の反映の一つの手法でございます。政府広報予算の中でやっておりますのは総理府でございまして、その世論というものは十分私どももその都度知らされる機会は持っております。 〔主査退席、中島(源)主査代理着席〕
○奥野(一)分科員 国民の世論というのは、中曽根総理もいろいろな面でよくお聞きになるのだろうと思うのですが、大切にしなければいけないと思う。私がちょっと心配しておりますのは、大蔵大臣が予算案の決定後、中期防達成のための毎年の伸び率五・四%の確保は必要だ、こういうふうに語ったということが報道されているわけなんですよ。それは前段があります。防衛費がこれ以上太らないために云々というのが前段にあるわけですけれども、今言ったように、予算案の決定後竹下大蔵大臣は中期防達成のための各年の伸び率五・四%の確保は必要。そうすると、毎年防衛費というものはほかの予算が削られていったって伸びていくということが今から想定されているわけなんです。 国民世論の調査については、これは総理府が毎年やられているわけでありまして、今さら申し上げるまでもなく御案内だと思うのですが、五十九年十一月に防衛予算に関する調査をやっているわけですが、増額した方がいいというのは一四・二%でございます。現状のまま、あるいは少なくした方がいいというのはもう七一%になっているわけです。そういうことを考えますと、国民がある程度納得するということは、先ほど言いましたように、ほかの経費もマイナスであれば防衛予算だってそれに基準を合わせて、中期防というものをやらなければならないのだったら三年とか五年とかということにこだわらないで、例えば少し年度を延ばすとかという措置をとってやると、予算を組まれたときに国民の皆さん方が、ああ政府の方は財政再建に本当に真剣に取り組んでいるんだなということがわかるのではないかと私は思うのですよ。それがまた税金を納めていただくときに大変協力的になっていただけるということになるのではないだろうか。こういう予算の編成が毎年度続きますと、そういうふうに使われる税金なら払いたくない、そういう訴訟だって起きかねないと思うのでありまして、そういう面についてはぜひ留意をしていただきたいものだ、こう思っているわけであります。時間があれば、本来ならもっと中身を突っ込んでお伺いしたいところですが、何せ時間がございませんので、次に移らせていただきます。そういう点だけ特に申し上げておきたいと思います。 次は、これは私も全くわからないのですけれども、今確定申告の時期になっているわけでございます。私も毎年確定申告をやるわけでありますけれども、去年の三月二十七日に所得控除の関係についての最高裁の判決が出ております。それについての論議も読ませていただきましたし、大蔵省の意見もその中で読ませていただきました。ですから、そういう基本的なことについて今議論をしようという気はさらさらございません。自分でやってみて全くわからない、そういうことでお伺いしたいと思うのです。 いろいろな控除がございます。最高裁の方では、サラリーマン給与についても控除の必要性というのは認める、ただなかなか具体的に数字にあらわせないということで出されているわけですが、私は根拠を知りたいと思っているのです。例えば配偶者控除であれば三十三万円、これは前から見ると段階的に上がってきているというわけですが今は三十三万円、こうなっている。それから基礎控除も三十三万円ということになっている。それから所得控除はそれぞれの収入に応じてまたパーセントがそれぞれ出ているわけなんですが、この三十三万という根拠は何から出てきているのか。法律の条文には三十三万と書いてある、これが根拠だと言われても困ると思うのですが、三十三万になった根拠をわかりやすく教えていただきたいと思います。
○大山政府委員 御指摘のように、所得税には配偶者控除、扶養控除等の控除がございますが、私ども、それぞれの一つ一つの控除につきましてその根拠やいかんといいますよりも、それらの諸控除を総合いたしましたところでいわば課税最低限というのができ上がっておりますが、課税最低限という形でその水準はどうあるべきかということを議論いたしております。 その課税最低限なるものは、どこから所得税の負担を求めるのが適当かという線を画するものなのでありますけれども、それではそれを那辺に定めるかということにつきましては、所得税の持ちます所得再分配機能というのをどのあたりから進めるのがいいのか、ある水準まではゼロの税率で、それから上は何%の税率でという、そういう再分配の機能あるいは言いかえますれば累進構造というのをどう描くかということ、それからもう一つは国民の標準的なあるいは最低の生活水準というものも念頭に置く、あるいは税務の執行上の観点も考慮する、さらには国家財政上の要請というものを総合して勘案する、こういったものが複合してでき上がっているものでございまして、それでは三十三万というものの根拠は何かと言われますと、これはかなり歴史的にでき上がっているものでございまして、今二百三十五万七千円という課税最低限、これが今申しましたような観点から妥当な水準であるかどうかという、いわばマクロ的に我々はよしあしというものを判断しておるところでございます。
○奥野(一)分科員 もう時間がないのでありますけれども、これは去年の三月の最高裁の判決が出た後の大蔵省のコメントの中には載っていなかったのでありますが、最高裁の場合には判決として必要経費というのは一応認めているわけですね。それは大蔵省としてはそのとおりお認めになっているわけですか。
○大山政府委員 ただいま申し上げましたのは、基礎控除、扶養控除、配偶者控除の物の考え方について申し上げたわけでございます。先生の御指摘の控除、経費と申しますのは給与所得控除という意味かと思います。給与所得控除の持つ意味は、給与所得者に対する担税力を配慮した面と、もう一つは必要経費というものが何がしかある。その点につきましては、最高裁の考え方と同様に、私ども必要経費に当たる部分というのは何がしかあるのではないかという点はそのとおりと考えております。
○奥野(一)分科員 今でもサラリーマンの重税感というのはぬぐい切れないのですね。とにかく税金高い、税金高い。我々も実際高いと思うのです。引かれるときにはやはり高いと思うのですよ。普通のサラリーマンの方だって、手当のときなんか特に税金をごっそり持っていかれるというのは痛いんじゃないかと思うのですね。それは天引きで取られるからだと思うのですよ。事業所得者なんかのように自分で申告をして別に納めるということであればそれなりに理解をしてやるんだろう、それでも理解しないかなと思うのですけれども、サラリーマン、給与所得者の場合にはとにかく待ったなしですから、今月ちょっと都合が悪い、ローンの支払いとか何かがあって困るなと思ったって、これは有無を言わさず持っていかれるわけですから、高いという感じを搾っているわけですね。ですから、所得税の国税関係のもの、これをずっと見ておりましても、源泉所得の場合はもう法人所得を上回っているわけでしょう。国の財政面では給与所得者の税金というものが歳入面では非常に大きなウエートを占めていると思うのですね。必要経費というものは、もちろん最高裁でも認められ、大蔵省の方も認められる。そうすれば、これは課税最低限との関係も出てきますけれども、可能な限りそういう人力の税負担を少なくしてやる、重税感というものをなくしてやる、それからもう一つは、なるほどとわかるような仕組みにしてやるということが納税者の協力を求める一番大事なことだと思うのです。今余り納税される方の方々はわからないと思うのですよ、税の仕組みそのものについて。給料から天引きされるからただ払っているというだけだと思うのですね。これではなかなか納税意欲というのはわいてこないと思うのです。 今恐らく政府の方では来年度の税制、六十二年度からですか、税制改革で政府税調の方にやられているんじゃないかと思うのですが、こういうサラリーマンの方々の納税意欲を向上させるということのために、必要経費だとか課税最低限だとか、税が軽くなるような仕組みについて、大蔵省としてはこうありたいのだとか、何かそういうことを考えてやられているのですか。その辺ちょっと教えてもらいたいと思います。
○竹下国務大臣 今政府税調へお願いしておるのは、諮問文と諮問のときの総理のあいさつ等からいたしまして、昭和二十五年のシャウプ勧告以来のいろいろなゆがみ、ひずみと、もう一つは今おっしゃいましたいわゆる重税感、一般的には重圧感と申しますか、そういうものがどこにあるかというところからまずさばいてください、こういう諮問の仕方をしておるわけであります。 それで、そのためには公平、公正、簡素という言葉を使っておりますのは、刻みが十五段階もあればわかりにくいんじゃないかとか、もっと少なくしようという意見もたくさんございます。そういうのをかれこれ勘案して、これで税調へ持ち込んで今専門部会にまで入った議論をしていただいておるということです。 それから、給与所得者控除も、今大山審議官からもお答えしましたように、何がしか必要経費があると思います。だから、それを全部申告でやれ、こうおっしゃっている議論も、国会でもかなり税金博士はいらっしゃいますから、町の税金博士というような感じがいたしますが、皆さんがいろいろなことをおっしゃっているのを整理しまして、だが、さあいわゆる給与所得控除ということになりますと、ネクタイは必要経費かとかいろいろな議論をしますとなかなか結論は出ない。そこで、一般的にいわゆる給与所得控除というような形で現行税制が仕組まれておる。そんないろいろな議論が出ておりますから、それらを全部報告しました。中には、思いつきと言っては失礼でございますが、奇想天外なのも出てきたり、それらも整理してやって、今分科会から専門部会、これは主として学者の方を集めておりますが、そこへ移ってもろもろの議論がなされておるというのがちょうど今の税調の審議状況でございます。
○奥野(一)分科員 時間ですから、終わります。
○中島(源)主査代理 これにて奥野一雄君の質疑は終了いたしました。 次に、渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)分科員 税は公平、公正、妥当でなければならぬということは今さら申し上げるまでもないわけですけれども、と同時に、所得の再冊分と弱者救済のために税を徴収し、それを有効に活用するということも、これまた必須条件であることは議論をまたないわけです。 そこで、まず国税庁にお伺いいたしますが、今ある事業主が五千万円の銀行保証をしなければならぬことになった。五千万円の借り入れを申し込んだら、銀行が保証人を立ててこいということで、その事業主は同業下請のAという方に依頼をいたしまして、そして保証人を出した。ところが、銀行の方で、それではまだ足らぬからもう一人追加せよと言うたので、そこの会社の工場長Bにも頼んだ。二人保証人をつけたら銀行は貸してくれた。ところが、数年たったらこの事業主は倒産して行方不明になってしまった。そこで、今度は銀行はそのAとB、この二人に対して弁済を要求し、話し合った結果、両者で二分の一ずつ負担をすることになった。まず、同業下請のAは二千五百万円の元金と利息約一千万円を支払った。この場合の元金は同社の経理上は損金になるのか、あるいはまた利息は損金になるのか、あるいはまたその元利三千五百万円を借り入れしたときの利息はどうなるのか、国税庁から御答弁ください。
○塚越政府委員 ただいまのお尋ねは、工場長さんが借り入れをされた場合、そうではなくて……。
○渡辺(嘉)分科員 では、時間がもったいないけれども、もう一遍言います。 ある事業主が五千万円の銀行借り入れを申し込んだときに保証人をつけよと言われたので、同業下請の方をAとします、この方に依頼したら、その方は受けてくれた。ところが、銀行はもう一人つけよと言ったので、もう一人、今度はBという人にしますが、この方はそこの会社の工場長に、とりあえずおまえなっておってくれ、心配かけぬからと、それでそこでなった。そうしたところが、それが倒産、事業主は行方不明になった。保証人は同薬下請のAと工場長Bになったわけですね。その場合に、まずAの場合に、その元利あるいはまた借り入れをしたときの利息はどうなるか、こういうことです。
○大山政府委員 税制に絡まる問題でございますから、私からお答えを申し上げます。 事業所得者の場合には、その総収入金額から控除されるものとして、その事業の遂行上生じた売掛金等その他これらに準ずる債権というふうになっております。ただいまの同業下請の方の場合に、それがその事業の遂行上というふうに認定されるかどうか、この認定は国税庁の問題でございますけれども、その事業の遂行上生じたものというふうに認められますれば損金に算入されるということになります。 工場長の場合には、これは普通のサラリーマンの方でございますので、そのサラリーマンの収入を得るためにどういう必要経費が要るのかどうか、その関連性というのは極めて希薄であろうと思われますし、もともと給与所得者の場合には概算的な控除として給与所得控除がございますが、それ以外の控除というのは認められないのが法制でございますので、それは認められない、控除されないということになります。
○渡辺(嘉)分科員 そうすると、A事業主、同業下請の事業をやっていらっしゃる方は元金それから利息、時には借入金をしたときの利息も含めて経費になる。ところがBの工場長の場合は一切経費にならない。一切自分の給与所得から、税金を払った残りの中から払わなければならぬ、こういうことなんですね。それでいいですね。 そうすると大臣、ここで非常に不公平だと思いませんか。片一方は経費になる。利息や何かも引いていただける、そして残ったものを所得で申告すればいいのです。給与所得者の場合は税金を払って、自分の実取手取りの中から元金も利息も、借入金をしたらまたその利息も負担しなければならぬというのは、これはどう考えても不公平だと思うのですが、大臣どう思われますか。
○竹下国務大臣 保証人になるということそのものは、一般的に頼まれてなったというのが普通でございましょうが、本来ならばそういうことがあり得るということを承知の上でなるわけでありますが、その事業主さんのAの方も、自分の事業を経営していくための必要性が認められなければやはりならぬわけでございます。したがって税法上そのことは、感覚的な不公平と税法上のそれをなくしていくということは税制の仕組みの中では難しいことだと私は思います。
○渡辺(嘉)分科員 今大臣の答弁聞いておりまして、税法上の不公平と感覚上の不公平、感覚的にはわかる、しかし税法上は解決できない。私は感覚であり道義であり良識が税法なり法の基本だと思うのです。これは言うまでもないと。思うのです。そうすれば、今のような現実に起きておる問題、片一方は課税の対象になり片一方は経費、損金に扱うということは、これはどう考えても不公平だと思うのですよ。実際に公平の原則を欠くと思うのですね。そして片一方の工場長は拒否すれば工場長格下げになるかもしれない、あるいはまたやめていけと言われるかもしれない。片一方も同業下請ですから、これも仕事を断られたら困る。両方とも事業の遂行、職務の遂行上やむを得なく保証人になった。ところがこういう片手落ちの実態。これは今の税法の中ではなかなか難しい、それは私は知っているのです。しかし、難しいからといって放置することはできないと思うのですね。これは当然同一基準になるように、同一次元で解決できるように改めなければならぬのじゃないか。そうでなければ、今の税法の中で何らかの方法でこれが解決できる方法はないかどうか、大臣と担当者の方に伺いたい。
○大山政府委員 工場長の場合には給与所得者でございますから、その給与所得を得るために、何と申しますか保証債務の履行というのが何か関連があるかという点でどうしても結びつきようがないと思います。ですから、もしも給与所得者の方が何か救われるべきだというならば、それはむしろ工場主といいますか、事業者が工場長に保証せよと言ったこととの関連で工場長と事業主との関連において処理されるべき、これは余分なことでございますけれどもそういった問題であろうと思います。給与所得の中で解決しようというのは立法論も含めまして無理であろうと思います。 それからもう一点、先ほど大臣もお答えになりましたけれども、事業所得者の場合に保証債務の履行が損金になるかどうかというのは、その事業を遂行していく上にどうしても必要であったかというふるいはかかるわけでございます。ただ個人的な友達関係ということで保証したような場合に、そこまで事業所得の経費になるものではない。ここは執行の問題として厳しく認定がなさるべき問題だろうと思います。
○渡辺(嘉)分科員 今の答弁を聞いておって、いかにも国税庁らしいお役所的な答弁だと聞いておったのです。では、それを断った場合に工場長は、さっきから何回も言うように自分の職務の地位が危なくなるかもしれぬじゃないですか。だからそれを、事業主の保証を受けるときに解決する問題だ、民事的な方向でやってはいかぬのですよ。僕は税法で聞いておるのだ。税は公平でなければいけないのです。片一方の事業主は現実に税法では、この人は損金扱いを受けたのだ、同業下請は。片一方の給与所得者は現実に受けておらぬ。だから私は聞いておる。そんなよその話ではないのです。そういう意味から見て、立法上も問題ないじゃない、こんなこと立法上も問題がある。だから給与所得者の場合でも、事業遂行、職務の遂行、そういうやむを得ない事情があるときには当然同じ土俵で扱ってやらなければいけないじゃないかと思うのですが、これは給与控除の問題外の問題ですからその点御理解いただいて、大臣どうですか。
○竹下国務大臣 要するに税法で一番難しい問題は、個別の事情をしんしゃくして税法の中でこれを措置するということにはおのずから限界があるというのが毎度税制調査会の答申で原則として書かれるわけです。だから、これは大きな枠で見たら個別事情なんですよ。あるいは、おまえこれ保証しなければやめさすぞと言われたか言われないか、あるいは本当に友人として保証したか、それそのものは一つずつやはり個別の事情である。税法の中で個別事情というものをしんしゃくするのは非常に難しい問題である。したがって、それが水平的公平であるのか垂直的公平であるのか。先生のおっしゃるのは、私どもがよく感ずる感覚的公平を欠いているのじゃないかということはわかりますが、税法上の水平的公平、垂直的公平の議論の中でそれを解決するのは現実問題として私は難しいと思います。ただ金融機関なら金融機関そのものが、あなたの能力からすればこれはこれ以上、銀行の損金として措置せざるを得ないというような問題も別途あるのかもしれませんけれども、税法の中で水平的公平としてそれを解決するのは、個別事情のしんしゃくの範疇に入って私は難しい問題だろうと思います。
○渡辺(嘉)分科員 大臣からそういう答弁を承るとは思わなかったのですけれども、これはしようがないです、お互いに感覚の相違ですから。しかし私はあくまで税法上の公平を求めておるのです。金融機関がああせよとか、事業主の保証人になるときにはどうしようという民事上の問題じゃないのです。そうすると、片一方は経費になり片一方は経費にならない、こういう現実に税法上の不公平を私は強く主張しておきます。時間がありませんから、これの御答弁はまたいただくといたしまして、これはあくまで税法上の不公平なんだというふうにひとつ御理解をいただいて、次の問題に入ります。 六十一年度の「税制改正の要綱」で今度の改正案が出ておるわけですが、その中で「租税特別措置の縮減合理化等」の中の(3)の「所得控除等」の②の項に、今度「法人の特定の資産の買換え等の場合の課税の特例制度について、譲渡益の課税の繰延額を二割縮減する。」こういうのが新しく出てきたわけです。今度は、その特定の買いかえ物件とは何かということについては、これは措置法の六十五条の七に表として出ておるわけですが、十七の項目があるのですね。この十七の項目の中には一般的なものとそれから真にやむを得ないなと思うものと、私どもの感じではあるのです。十七項目の中に、船舶の買いかえとか、あるいはまた特定区域内の木造賃貸しを中高層住宅にした場合の買いかえだとか、新産都市への外から内への買いかえだとかいろいろなことが書いてありますが、その中の二号、三号、四号は、大気汚染、騒音、水質汚濁、こういう公害のためにその指定地域からどうしても出ていかなければならない、こういうことも入っておるわけですね。こういう十七項目を一括して全部二割縮減してしまう、こういうことは私は乱暴だと思うのです。少なくともこの中でこれとこれとは除外するとか、あるいはまた中小企業で公害問題で周囲からの要請でやむなくその地域から外へ出なければならぬ、買いかえしなければならぬ、こういうときにはこの二割の縮減を免除してやるべきじゃなかろうか。そういうふうな配慮をしないと、せっかくつくられたこの法の趣旨は生かされてこない、こう私は思うのですが、この点はどうですか。
○大山政府委員 六十一年度の税制改正でただいま御指摘の点の改正をさせていただく御提案をいたしておるところでございますが、これは今御指摘のようなケース以外の場合には全額が課税対象になる、今御指摘のような十七項目については一〇〇%今までは税金を繰り延べることができるという制度だったものでございますが、昭和五十年代に入りまして財政事情もありまして租税特別措置を次から次へと整理合理化をいたしております。そういった環境の中で、この買いかえ措置につきましては一〇〇%の優遇措置を温存していくのはいかがなものか、財政事情もこれあり、こういう任意の、これはあくまでも任意の譲渡でございますので、収用とかいう強制的な場合は別として、任意の場合については二割程度縮減を図らしていただく、そういうことをお願いしてもそう無理のあることではない、なおかつ租税特別措置の整理合理化という理念にも沿った方向である、私どもかように考えまして御提案をさせていただいておるところでございます。
○渡辺(嘉)分科員 任意だ任意だとおっしゃるけれども、任意じゃない客観的なやむを得ない条件を僕は言ったのです。公害が起きる、水質汚濁、大気汚染、騒音、振動等々で周囲の住民からどうしても出ていけ、そして規制されておる、幾ら防音しても国鉄と一緒で防音し切れない、だからこれは六十五ホン以上だとか七十五ホン以上になる、もうどうしても出ていかなければならない。そういう中小企業まで含めて今度の二割縮減、買いかえの特例を排除するということは僕は乱暴だと思うのですよ。だから、こういう場合には、中小企業に対してはどうするとか、あるいはまたこういうやむを得ない、任意的にやるんじゃない、やむを得ずに公害その他で買いかえをしなければならない場合には除外してやる、このことが必要だと私は思いますが、大臣、どう思われますか。
○竹下国務大臣 この問題は、合租税特別措置法の改正で大蔵委員会で審議していただいている最中でございますが、今先生のおっしゃったような御意見も確かにございます。しかし、原則として租税特別措置というのは、いずれにせよ税体系の中ではゆがみ、ひずみを与えたものが租税特別措置なんですね。しかし、先生のおっしゃったように、それが一つの国家目的とか行政目的とかいうものの範疇に入ったものについて個別しんしゃくできないかという議論でございますが、そのときに譲渡益が一応任意のものであった場合、譲渡益が生じたとすれば、私は二割、八割という区分の理論的根拠と言われるとこれはまた非常に困る問題でございますけれども、租税特別措置の整理という意味からいえば年々の税調の審議の中でもこの程度は許容されることではないかなというふうなお答えをきのうもしておるところでございます。 おっしゃる意味はわかります。特に僕は田舎ですから、いわゆる新産だ、工特だ、山村振興だの工場誘致なんかをした場合にあれはいい制度だなと自分も思っておっただけに、そういう私なりの実感を感じながら、やはり租税特別措置の整理合理化の中にはこの程度なら許容されるなということに自分の心もまとめておるというのが現状でございます。
○渡辺(嘉)分科員 今、新産その他の話が出ましたけれども、大臣もう一遍聞きますが、私が言っておるのは、大臣もおわかりいただいたと思うのですが、そういう新産都市だとかいろいろなことでいわゆる前向きといいますか、要するによくなるんだ、だから買いかえたときに圧縮記帳で繰り延べしてくれるんだ、こういうことの範疇の中に、やむを得ない公害その他で買いかえをして外へ出ていかなければならない、こういう問題とは別個の問題じゃないか、だからそういう別個の問題なら、公害の問題あるいはまた中小企業の立場、そういうところから考えて、十七項目全部を一括してやるんじゃなくて、個別に検討していただいて、この部分とこの部分は除外するという配慮があって、これは表で出ておるだけですから除外される配慮が必要じゃないかということと、もう一つ、冒頭の、最初のことで聞くんですが、何回も聞きますけれども、給与所得者の先ほどの保証、代位弁済の問題と事業所得者とはもう明らかに税法上格差がついておるのです。不公平なんですから、これはもうぜひ改めてもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
○竹下国務大臣 これは税の抜本論議がどうかは別といたしまして、きょうの問答も税法の問答は全部税調へ正確に報告するんですね。そこでプロの方に議論してもらうということはお約束できるというふうには思いますが、きょう私がかくいたしましょうという時間的環境には今ないということです。
○渡辺(嘉)分科員 じゃ、もう一点だけ。 次に移りますが、株式会社全日本ペット補償協会というのがあるのですが、ここが犬並びに猫、いわゆる小ペット、これの健康保険並びに亡くなったときの補償附度を営業活動としておやりになり、各獣医師のところへチラシをお配りになっておるわけですね。これについては、またそのほかにある大手の海上火災もこれと同じようなことをやっていらっしゃる。そこで問題は、この株式会社全日本ペット補償協会のチラシを見ておりますと、それぞれ犬、猫等のペットがけがをしたあるいはまた死んだ、そういう場合にはこういうふうに保険でその診療費を見てあげますよ、その五割を見ます、あるいはまた三割を見ます、こういうような制度なんですね。それから死んだ場合には幾ら幾ら補償いたしますよ、いわゆる保険業務なんですね。これは保険業務ですから当然保険業法の認可を受けたと思うのですが、この点はどうですか。
○関説明員 ただいま先生お尋ねの全日本ペット補償協会という団体に保険業法に基づく保険事業の免許を与えた事実はございません。昨日御質問の御通知をいただきました後、私ども手を尽くしましてこの全日本ペット補償協会というものがどういうものであるかということを調べたわけでございますけれども、現在のところ、ただいま先生がお持ちのものと多分同じだと思いますが、全日本ペット補償協会という団体が配っております内容のパンフレット、これを入手いたしたところでございます。そのパンフレットから想像いたしますに、この団体はペットを対象としたいわば相互扶助的な事業を営んでいるのではないか、こういうふうに理解はできますが、それ以上この事業の実態について現在のところ把握をしていないという段階でございます。
○渡辺(嘉)分科員 一種の無尽みたいなものだというふうに大蔵省は考えておるのですか。
○関説明員 これはペットの問題だけではございませんけれども、ある団体が極めて小規模に、また自然発生的に相互扶助的な事業を行うということはいろいろの場面にあるものでございます。先生がおっしゃった無尽というのもそうだろうと思いますし、またいわゆる共済事業という言葉がございますが、そういったものもいろいろあると思います。そういった非常に小規模、自然発生的相互扶助的なものにつきましては、これを全部今、公的な監督をする必要があるというふうには判断しておりません。その意味で我々の保険の監督の中に入らないけれども、そういったいわば共済的相互扶助的な事業が行われるということはあり得ることだと考えております。
○渡辺(嘉)分科員 保険業法は今さら私が申し上げるまでもないです。こういう事業をやる場合には認可を受けなさい、そしてその場合には株式会社はこうしなさい、みんな決めておりますね。そうすると、これは株式会社全日本ペットでやっておるのですから、認可を受けずにやれば、この中身はどう見たって相互扶助の無尽みたいな、頼母子講みたいなものじゃないです。どう見たって一つの会社が特定の目的を持って、そして犬猫の死傷のときにこういう健康保険を適用しますよ、あるいはまた犬が死んだときにはこういうふうな補償をします、保険金給付ですよ、こんなもの。こんなものが全然私どもに関係ないと言っておったら大間違い。もしこういうことが派生していって広く広がって、そして豊田商事みたいなものになったらどうしますか。こういうことはやはり出たらよく調べて、そして適正にやっておかないと、これが問題を大きくしてくるということと、いま一つは、ある特定の海上火災もそれと同じことをやっておるのですが、これは日本小動物獣医師会とも協議もせずに勝手にやっておるわけですが、大蔵省、これを認可しましたか。二つ答弁して下さい。
○関説明員 二つの御質問でございますが、まず第一の問題、先生が御指摘のとおり、その団体の行動からいろいろな問題が派生するというおそれといいますか、可能性ということがあることは否定できないと思います。したがいまして、私どもは今後この実態をできるだけ把握して考えていこうというふうに思っております。 それから第二の御質問でございますが、ある損害保険会社に昨年末、犬保険というものを認可をいたしております。
○渡辺(嘉)分科員 ところが、そういう犬保険を認可しておきながら、日本小動物獣医師会には何も相談がなしに片一方だけで勝手にやられたそうですが、私はそういうことは好ましくないと思います。やはりそういう関連団体ともよく協議して、万遺憾のないことをやっておかないと、これは特定のどうも好ましくない進め方が今行われておりますので、時間がありませんのでこれ以上申しませんが、この点は十分配慮して、そして今の全日本ペット補償協会株式会社、これをきちっと対処していただく必要があると思います。その点をお願いしておきます。 それでは大臣、時間がありませんので以上で終わりますが、先ほどの税制上の公平の私の主張に対しましては税調に一遍伝える、こういうお話でしたが、ぜひひとつお伝えいただいて、そういう公平が実現できるようにお願いをいたします。 以上で終わります。
○中島(源)主査代理 これにて渡辺嘉藏君の質疑は終了いたしました。 次に、長田武士君。
○長田分科員 大蔵大臣にお尋ねをいたします。 実は昨日、商工委員会で円高デフレで大変苦境に陥っております輸出型産地の役員の皆さんを参考人としてお呼びをいたしました。その陳述の中で、急激な円高によりまして商売も成り立たないという状況なんです。特に去年九月からのこのような円高でございまして、実は一月いっぱいぐらいまでは何とか今までの契約で耐えられる、二月、三月になりますと当然商売が成り立たない、事実、引き合いというのは何件かあるそうでありますけれども、金額の面で折り合わない、そして国内向けに何とかこれを打開したいということで市場を開発しておるけれども、これがなかなかうまくいってないというようなことが異口同音、陳述として述べられたわけであります。 そして結論から申し上げまして、円がどのくらいならばあなた方の商売は成り立つのかという質問を私はいたしました。そうなりますと、結論的には二百二十円台ならば商売は何とか立ち直ることができる、このようなお話でございました。先行き、円の見通しについて大蔵大臣から率直にお答えをいただきたいと思います。
○竹下国務大臣 これはなかなか難しい質問でございまして、特に今通貨大国と申しますかの大蔵大臣が一つの見通しを述べますと、直ちにこれが投機に影響をいたします。したがって、私はよく国際会議でも、どれくらいが適正相場かと言われたときには神のみぞ知るということで御容赦をいただいているというのが実態でございます。 ただ、中小企業の方の、どちらかと申しますならば五十三年の円高のとき以後、いわば中進国に追い上げられてぎりぎりの競争をしていらっしゃるところが一番大きな御心配の向きだろうと私も推察いたしております。したがって、当面の施策としては、先般商工委員会で十一時半ぐらいまでやっていただきまして上げていただいたあの法律の適用ということで私ども大蔵省としての立場からも精いっぱい御協力することがあればしていくというのが今日の対応策でございます。残念ながら円高のメリットがまだタイムラグが少しあり過ぎて出ていない、こういう感じでございます。
○長田分科員 たしか先日、臨時転換措置法を夜中まで審議をいたしました。実は渡辺通産大臣もぜひそれを活用してほしいという要請がございました。しかし、きのう午前中は非鉄金属の皆さんを呼びました。山を一回掘りますと、転換なんかしますと、大蔵大臣、もう山は二度と再び生き返ってこない、こういう現実というのがあるのです。そういう点では国際競争力が非常に脆弱でございまして、日本の非鉄というのはとてもじゃないけれども耐えられない、そういうことを私は伺いまして、あの臨時転換措置法では耐えられないという業種もあるということを十分御理解いただきたい。 アメリカの財政赤字のいわゆる均衡法が、一九九一年には財政を均衡化しよう、こういうことで去年成立をいたしました。しかし、実際問題、双子の赤字と言われております財政の問題、さらには貿易赤字の問題、こういうようなことで財政を立て直そうということであるようでありますけれども、これが円高を招いている大きな要因だろうと私は考えます。しかし、地裁でもってこの均衡法なるものは違憲であるという判決が実は出ましたね。十一月には最高裁で出るようでありますけれども、こうなりますと、その内容を見てみますと、軍事費を削ってまで財政再建をするというのはどうもあかんということのようなんです。そういう点で均衡法もなかなか緒につかないだろうということになりますれば、アメリカの財政赤字の立て直しというのはそう簡単なものではないというような感じがするのですね。そうすると私は、円は大体二百二十円台になるということはちょっと無理かなという感じがするのですね。そこらの御所見はどうでしょうか。
○竹下国務大臣 確かにそういう違憲判決が出たということは私も承知いたしておりますが、ただ私は、先般もあれについてワシントンでベーカー財務長官とお話しいたしましたときに、あの法律、最初は本当は通るだろうかと思ったというのですね。あれよあれよという間に通った。事ほどさように上院、下院ともがやはり財政赤字を縮小しなければいかぬなという心意気があるから通ったのではないか、それだけは評価しよう、こう言っておきました、実際問題として。それは我が国の財政赤字の方が対GNP比の残高からすれば大きいにいたしましても、我が方とはまた別の意味において貯蓄性向も日本ほど強くございませんし、だから赤字が出れば公債を発行する、ますます金利を上げる、こういう状況になっておるということは事実でありますが、今のとにかく円レートというのは自律的に市場が決めたレートである。だからそのときに応じてのファンダメンタルズによって変化していくわけでありますが、二百二十円にはもう返りっこないとか何ぼが適正であるかというのも、最初に申しました神様だけが知っておるという範疇に入ることではないかなと思います。
○長田分科員 私は円高のもたらす影響というのは決して悪い面ばかりではないと思いますね。そういうプラスの面を大きく利用していただいた経済運営というのがこれからの日本に課せられた大きな課題であろう、このように考えております。 貿易摩擦でいろいろ大きな社会問題になっております。次は金融の自由化という問題、物からお金さらには人へと移ってくるような感じが私はいたしております。きょうは私、もと金融機関におりましたので、金融の自由化という問題についてちょっとお尋ねしたいと思っております。金融の自由化と申しますと、金利の自由化のほかに金融のイノベーション、つまり技術革新、いろいろな新商品を各金融機関が開発をいたしております。さらには業務の分野、つまり垣根の自由化の問題などがあるわけでありますけれども、本日は消費者にとって一番関心のあります小口預金金利の自由化の問題と中小企業金融機関の問題についてお尋ねをしたい、このように考えております。 一昨年五月の日米円ドル委員会の結果、大蔵省が発表した方針に基づいて去年の十月から我が国の金融史上初めて定期預金の金利が自由化されたわけであります。最初は十億円以上で六十二年の春までには一億円まで引き下げよう、このような予定を組んでおるそうでありますけれども、消費者の小口預金にもぜひ適用できるように早急にやられたらどうだろうか、こういうふうに考えますが、どうでしょうか。
○吉田(正)政府委員 先生も御承知のとおり、昨年の夏、アクションプログラムということで全体の市場開放政策を決定したわけでございますけれども、その中におきましても、「小口預金金利については、預金者保護、郵便貯金とのトータル・バランス等の環境整備を前提として、具体的諸問題について早急に検討を進め、大口に引き続き自由化を推進する。」という基本方針が決まっておるところでございます。しかしながら小口預金というのは先生御承知のとおり預金の大宗を占めるということでございまして、私どもといたしましては自由化をやるときに信用秩序の維持とか預金者保護とかあるいは金融市場の整備等々の環境整備も進めながら全般的に進めていくことが真の自由化を成功させる道であるというふうに考えられますので、ただいま学識経験者で構成されております金融問題研究会で関係省庁それから民間金融機関等各方面の御意見をお聞きしながら、この大切な小口預金金利自由化の着手時期も含めまして理論的に幅広く検討をしておるところでございます。しかし、申し上げましたとおり、大口につきましては先生御指摘のとおり今鋭意自由化を進めておるわけでございますので、基本的には大口に引き続き自由化を推進するということで前向きに対応してまいりたい、かように考えているわけでございます。 〔中島(源)主査代理退席、主査着席〕
○長田分科員 CDも一億円以上ですね。それからMMCも五千万円以上。一般消費者の小口預金は全く蚊帳の外ですね。ところで、数日前個人貯蓄速報が発表されました。昨年の十二月末で四百九十六兆三千億円ということであります。個人貯蓄は全国金融機関の預貯金総額の八割を占めておりまして、この個人貯蓄の金利が自由化されませんと真の金利の自由化には対応できないだろう、私はこのように考えるのですね。ですから、アメリカでも予定を早めまして数年前に小口預金も含めましてすべての預金金利が自由化されました。アメリカの預金金利が自由化したときにアメリカの大統領は、これはアメリカの銀行制度始まって以来最大の改革であり、消費者の偉大な勝利であると述べたと伝えられておりまして、消費者の小口預金に有利な市場金利が適用されることになったわけでありますけれども、まさにそのとおりだという感じがいたしております。 三菱銀行の試算によりますと、既に今まで発売された新商品、これを数えてみますとたくさんあるようでありますけれども、五十九年の一年だけで消費者は二兆二千億円の増収になっておるということが言われております。私は、少なくとも今の小口預金金利のように各銀行とも横並びでもいいから大口預金並みに市場金利に弾力的に連動させるべきである、このように考えておりますけれども、そういう体制づくりをひとつ進めてもらいたいのですが、どうでしょう。
○吉田(正)政府委員 確かに御指摘のとおり小口預金は個人貯蓄の中でもかなりのウエートを占めておりますから、消費者という観点から考えるとまさにそのとおりでございます。そこで今先生御指摘のとおりアメリカでもかなり早くスピードを上げたわけでございますけれども、アメリカの場合にはいろいろ説もございますけれども、やはりインフレ、高金利というようなことで自然にあるいは金融機関などにも自由化しないと預金が集まらないというような客観的な情勢がありまして、金融機関の方でもかなり熱心にその自由化を推進する動きもあったわけでございます。 私どもといたしましては、そういう経済情勢と関係なくやはり自由化というのは国民経済的に必要であるという基本的な観点、今先生御指摘のような預金者の利益ということも考慮に入れながら進めますが、先ほど申しましたとおり信用秩序の維持とか預金者保護の環境整術、今回も国会などに預金保険機構の整備拡充をお願いする法案の改正などもお願いしながらやってまいりたいと思います。具体的には、例えば市場連動型預金など先生ただいま御示唆になりましたけれども、そういうものも含めまして先ほど申しました金融問題研究会等におきまして、できれば本年夏ごろまでには中間的報告も取りまとめて、重要な問題でございますので、マクロ経済に与える影響あるいは金融機関に与える影響あるいは金融政策に与える影響等もすべて含めまして理論的に幅広いスタンスで検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○長田分科員 いつも金利の自由化ということで郵貯の問題がどうも引っかかるのですね。いろいろ調べてみますと、郵貯との関係で金利に格差ができては相ならぬ、こういう点が大きなネックになるようであります。そこで調べてみますと、郵貯の残高は今百兆円なんですね。個人貯蓄残高四百九十六兆円の大体五分の一、二〇%ということですから、金融市場には相当のシェアではありますけれども、郵貯の金利は財投金利との関係がありまして市場金利に比べてやや硬直化しておるということもございますので、金融機関の大勢を支配するような感じでは私は受けとめていないのです。そういうことでどうかひとつ郵貯と民間の調整は国民の納得のいくようなスタンスをぜひしいていただきたい、要望しておきます。 それから昭和五十六年には消費者の預貯金の六〇%が銀行に預けられておったという状況ですね。ところが、昭和五十八年になりますとこれが逆転をいたしまして、証券会社が四〇%、銀行は三五%までダウンいたしております。これは証券会社に金利の高い中国ファンドとかそういう普通預金並みの商品ができたということが大きな要因であるようであります。ですから、早く銀行などの小口預金金利も自由化しませんと、銀行がじり貧状態になって経営の問題すら出てくるのではないかという感じがいたしております。ただ一つ、銀行にとっては小口預金金利が自由化されますと必然的に利幅が圧縮されるという問題が出てきます。そこで銀行としてはいろいろな手数料を新設いたしましたり引き上げたりして利益の確保を図ろうとするのが一般の金融機関であります。最近の新聞でも、三菱銀行が夜間金庫を有料にするとか貸し金庫の料金も倍にアップするなどの記事が出ておりました。こうした傾向が続いて、公共料金などの口座の引き落としなどからも手数料を取るというようなことになりますれば、預金者は金利が多少上がりましてもかえってマイナスになるということにもなりかねません。このようなことにならないように私は金融の自由化というのは必要であると考えますが、いかがでしょうか。
○吉田(正)政府委員 金融に詳しい先生の御指摘でございますが、銀行の提供しますサービスは、預金金利による消費者に対するサービスあるいはいろいろの振替、決済、公共料金あるいは夜間料金、CD等々の振替等の利便を提供するサービス等がそのサービスの中枢をなすものであるというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、サービスの手数料を取らないということになりますと今度は預金金利の方にサービスが回らない、それから預金金利を過大にしますと手数料の方にサービスが回らない、こういう関係にありますので、全体としましては、銀行の提供するサービスは金利のみならず各種のサービスで成り立っておりますので、この手数料と預金金利というのは正当にコストの反映並びに受益の範囲で決まってくるべきものである、理論的にはそう言えると思うのでございます。したがいまして、こういうサービスの手数料につきましては、結局、顧客の利便性とかコスト等を勘案しながら金融機関が自主的に決定するという筋合いのものでございまして、全体といたしましては、今申し上げましたようなコストを考えながら経営戦略の中で金融機関としては考えていくというようなことになろうかと思われるわけでございます。それで、先生御指摘のとおり、こういう考え方と、別途その背景といたしまして自由化が進行して証券の方に金が回ってしまうというような現象もあるわけでございますので、全体としてはこの自由化が進んでいくことが必要である、それによりまして預金と手数料の分野もバランスをとりながら発展させていくということになろうかというふうに考えておるわけでございます。
○長田分科員 大蔵大臣にお尋ねしますけれども、金融の自由化に伴いましてもう一つ心配なことは中小金融機関の生き残り問題というのがあるのです。最近では財テクが進んでおりまして、大企業は銀行から資金を調達することが非常に少なくなってきておる傾向が出ております。そのため、大手銀行でも最近では中小企業向けや消費者金融に力を注ぐようになりまして、これが相互銀行や信用金庫、信用組合の経営を圧迫するようになっております。今後ともこうした傾向は一層強くなるのじゃないかと私は考えますが、これらの中小金融機関の将来像について大臣はどうお考えでしょうか。 もう一点、銀行に総合口座というのがございまして、定期預金を預けておりますと百万円まで、限度がありますけれども借り入れることが自由であります。ところが、この限度額を二百万円に引き上げるということが三月四日付の新聞に出ておりました。本来、担保物がある場合においては銀行としてはリスクがないわけですから限度額なんか設ける必要はない、担保物そのまま、百万円預けていれば百万円、二百万円なら二百万円、三百万円なら三百万円、預金担保でございますから、こういう限度額を設けるのはどういう理由なのか、どうも私ははっきりしないのです。総合口座ですよ。自分の金を借りる、今預金担保ですと定期金利の〇・二五プラスで借り入れできるのですね。そういう消費者に対する利便性という点について、限度を設けるというのは私は甚だ理解できない。この二点についてお答えいただきたい。
○吉田(正)政府委員 第二の質問、やや技術的になりますので、私から答えさせていただきたいと存じます。 先生御指摘の定期預金担保ローンでただいま百万円の貸し越し限度を設けているわけでございます。これは確かに定期預金をしておって急に金が要るというときに定期預金を解約しないでそのお金が使える、しかも〇・二五%だけ金利を乗せればいいという意味で極めて魅力ある商品であると考えられるわけでございますが、それだけに〇・二五%だけ乗せて貸し出すということにつきましては、限度が金融機関としてコストとしてもあるわけでございます。しかしながら、同時に金融自由化の中でもあり、かつ銀行としても預金者の利便を考えていくというようなこと、あるいは魅力ある商品を提供していくことがまた預金を集め得るという総合的な観点から判断をしまして、先ほど申しましたようなある意味での自主的な経営判断により限度額を設定しておるわけでございます。その意味で、ある意味ではコストの限度、それから魅力ある商品を提供する、ニーズ等の総合判断でございます。そういうことで成り立っているものでございますから、私どもからこれこれしろというわけにはまいらぬと思いますけれども、ただいまの御指摘のように、金融機関の中ではそういう限度を考慮しながらただいま百万円のものを二百万円に引き上げるべく検討しているというふうに聞いているわけでございます。そのような動きについて、私どもは自主的判断としては歓迎していくべきものであるかなというふうに受け取っているわけでございます。
○竹下国務大臣 金融の自由化の先生の御議論、私は賛成です。本当に考えてみますと、この二年間で大変なある種の金融革命というような感じすらしないわけじゃございません。いつも冗談で申しますが、比較的中小に影響のない大口から自由化してきました、大口とはだれが決めるんだ、銀行局長がこの辺と決めたのが大口という境目になるのじゃないか、こんな冗談もよく言っておるところでございます。いずれにせよ、競争の激化等から金融機関の経営格差が拡大して、そして事によれば一部金融機関の経営悪化をもたらす懸念なしともしない。今度預金保険機構の改正をお願いしておりますのも、日本の銀行はみんな倒れないと思っているのだから、そんな機構を改正するといったら倒れるようになるのじゃないかという不安を与えやしないかという議論までいたしましたが、やはり万全を期そうというので、それの法律改正をお願いすると同時に大口からずっとまいります、そうして相互銀行なり信用金庫なりはいわゆる地域金融としての物の考え方に徹していただきながら、いろいろな意味で、ある意味においては社員の方の再教育とか訓練とかということも兼ねながら、これが静かに定着していくように、そこに問題としていま一つありますのは、先ほど来御指摘のありましたいわゆる官業でいろいろ保護されておる郵便局とのトータルバランス等につきましても、もうそう長らくほっておくわけにはいかぬという状態になったという問題意識を十分持っております。
○長田分科員 自由化に私は賛成なんですけれども、中小の金融機関が体質が脆弱なためにややもすると不安を抱くという状況になりやすいと思います。そういう意味で、金融の不安は経済不安につながりますし、いろいろな形での社会問題になりますので、中小金融機関の体質強化のための施策を講じていただきたい。要望しておきます。 次に、大蔵大臣、私の方の豊島区で造幣局移転問題が実は大きな話題を呼んでおります。先日も姓島公会堂で大会がございまして、私その大会に参加をいたしました。豊島区は御案内のとおり二十三区の中で最も緑の少ない区でございまして、公園、国立公園あるいは東京都の公園含めまして二十三区でも最低でございます。こんな関係から緊急避難の公園等々はグラント・ハイツ、光が丘と申しますけれども、光が丘に行かなくてはならないとか、あるいは立教グラウンドその他のところがございますけれども、大変遠いところまで避難をしなくてはならないという状況下でございます。もちろん造幣局で仕事をされていらっしゃる方、あそこに住んでいらっしゃる方、こういう方方のあることもわからないではございませんけれども、やはり姓島区全体のことを考えますと、移転をしていただいてあそこを防災公園とかという形にぜひさせていただければ区民としても十分納得されるのではないか、そういう感じを私は持っておりますが、大臣の所感をひとつお伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 この問題は随分長い問題であって、そして最近また大会が行われたということは私も承知いたしております。そういう御要望の強いことは私も承知いたしておりますが、五十九年のときでございましたか、早速私が関係方面へ意向打診をしましたら、まずは日本銀行を初めとしてそれは困るということであります。東京支局というのは今でも本局機能の一部代行をしたりもろもろの仕事をしておりますし、それから業界そのものからもその後反対陳情が来たりということでございますので、私も率直に言って、そういうことが行われているのは非常によくわかるけれども、さて直ちに移転ということになりますとなかなか、今大蔵大臣としてそれは結構でございますと言う環境には残念ながらございません。すぐいいですよと言う環境にはないということをおずおずとお答えをしたというのが実態でございます。
○長田分科員 これは実は公明党では五十四年、五十五年、五十六年に分科会で取り上げております。そのときの答弁を私見たのでありますけれども、あのとき、最新鋭の機械を入れて設備投資をしてすぐ直ちに移転というのはリスクが大き過ぎるということ、さらに貴金属の検査等をやっておりまして利便性の上からも非常に困難である、移転できない理由としては大体この二つであったろうと考えております。一方においては、もう十七年前の話ですから耐用年数も相当経過しておりますし、この点はクリアしたなという感じがいたしております。あと問題は、利用する方が年間何万人といらっしゃいますから、この点が問題だろうという感じがいたしております。そういう点で、大蔵大臣この点はぜひ前向きに検討していただけませんか。
○竹下国務大臣 建物も大部分が耐用年数の三分の一程度である、あるいはまさに私の所管の職員の生活問題とかいうような問題がございますので、それは先生わかりました、あしたから早速検討しましょうというお答えをするのにはいささからゅうちょをせざるを得ないというのが偽らざる私の現在の心境でございます。
○長田分科員 以上で終わります。
○伊藤主査 これにて長田武士君の質疑は終了いたしました。 次に、広瀬秀吉君。
○広瀬分科員 大変しばらくぶりに大蔵大臣に御質問を申し上げるわけでありますが、せっかくの機会ですので、まず税制改正の問題で基本的な問題点について二、三お伺いをいたしましてから、国有林の財政問題等について質問をしたいと思っておるわけです。 最初に税制改正の問題、政府税調にも諮問をして抜本的見直しという立場で随分検討を急がれておると思いますが、私きょう大蔵大臣にお聞きしたいのは、世界的に大きく分けて税体系ということになりますと、アメリカ型のいわゆる直接税に非常にウエートを置いた、八割以上あるいは九割近いものが直接税で賄われるというものと、フランス型といいますか、フランスはそれと全く逆転して間接税が八割以上を占めるというような状況になっておるわけであります。今日本の場合には、かつては直間の比率というのが大体フィフティー・フィフティーぐらいになっておった。戦前などの状態はそういうこともあったわけです。あるいは戦争直後もそういう時代もあったわけですが、最近では七、三ぐらいか六、四ぐらいですか、これは正確にはどういう状況にあるかお聞きしたいのですけれども、事務当局で結構です。そういう状況にあると思うのですが、抜本見直しに際して大蔵大臣としてはどういう方向を目指しておるのか、こういう点についてまず大蔵大臣のお考えを聞かせていただきたいと思うのです。
○竹下国務大臣 国税で見まして日本が直接税が七三・八、間接税が二六・二というようなことでございます。税制調査会でもいつも言われておる一つの哲学みたいなものを申し上げますと、いわゆる直間比率は税制が形成された結果として出てくるのであって、あらかじめ七、三がいいとか六、四がいいとかいうことを前提に置いて議論する性格のものではないというのが、一つの哲学みたいにいつも出てくる答申でございます。したがって、今税調の審議の模様からいいますと、ゆがみ、ひずみ、重圧感はどこにあるかということで二つの部会ができまして、所得税部会、法人税部会、それでその下に学者さんの専門委員会ができて議論されている。したがって、間接税のあり方についてというのは本当はまだ審議に入っていないというのが実情でございます。いずれお入りになる課題であるということはもとよりのことでございます。したがって、この問題というのはやはり税体系全体の中で、既存の税制の中でのゆがみ、ひずみの中で議論をしていただくもので、あらかじめおよそ何ぼということを前提に置いて議論する性格ではないと従来言われておる税調の議論はもっともだなという気持ちが私にもございます。全般として所得税というのは応能主義、能力に応じておるわけでございますが、間接税というのは選択の自由、能力のある人が高い物を買うというようなことはあったにいたしましても、所得の多寡によって税率が違うものではございませんので、したがって、ある意味においては逆進性がある、しかしまた選択の自由がある、そしてまた脱税がないと申しますか公平であるというような議論もなさりながら、最終的には先般の答申でちょうだいしておる中には、課税ベースの広い間接税のあり方について検討すべきだということを税調で言っていらっしゃいますから、したがって、そういう方向でどのようになるかが議論されていくべきものであろうと思います。 もっと政治的な感覚で物を言えとおっしゃれば、アメリカの場合も実際は州税を入れると結構間接税はあるわけでございますけれども、フランス型とおっしゃいましたが、よくフランスの方に言いますのは、あそこは国民負担率五〇%はるかに超しておりますから、やはりおまえさんのところは余り間接税に頼り過ぎだから、ついつい面倒くさい、もうちょっと率を上げておくかというようなことから国民負担率が日本が三六%、そしてフランスは五〇%超してしまった、気がついてみたら大変超しておって、さあ早いこと元を取らねば損だ、こういうことから年金を早くもらってリタイアすることはかり考えるようになったから、日本に何もかも追いつき追い越されるんじゃないか、お互いに仲間同士そういう話もしておりますので、間接税のいいところ悪いところ、それも十分見定めながら、いわゆる課税ベースの広い間接税のあり方というものについての御審議がいただけるものと期待をいたしております。
○広瀬分科員 そこで、これからの抜本的税制の見直しという立場で、その見直しの基本的立場は何かというようなことで随分議論が予算委員会等でも、また大蔵委員会等でも行われてきたと思いますが、総理が言うのはそういう課税ベースの広い課税対象というようなものを取り上げていくということも考えの中に述べられておったわけでありますが、その際基本になる原理あるいは原則的なものを簡素、公平、選択、活力とか、いろいろその都度ふえたり減ったりしましたけれども、大体そういうような原則を掲げて見直しをしよう、こういう考えが、これはもう大蔵大臣も総理も述べられておるわけでありますが、そういうものの中で、抜本見直しに当たってあるいは新しい、シャウプ税制以来の四十年を経過した今日の税制全般を通じて、そういう幾つかの原則というか税の哲学的な原理的な部分、そういうもので税制という問題の最も重要な原則的な表現というのは、私は公平というものであろうと思うのですが、大蔵大臣はその点いかがでございますか。
○竹下国務大臣 確かに総理がたびたび言われておりましたが、最終的に諮問文の中へ整理しまして、公平、公正、簡素、選択、活力、この五つにしたわけでございます。一時は、網羅、羅列、普遍、投網なんというのがありましたけれども、大体こういうことに整理いたしましたが、あくまでもこの観点に立って、要するに重圧感とかひずみ、ゆがみ等についての検討を精力的に進めてください、やりましょう、こういうことで今おやりをいただいておるわけであります。しかし、おっしゃいますとおりやはり税というものに対して、いわゆるタックスペイヤーとでも申しますか税をお支払いいただく方が一番感ぜられるのは、それは公平であると私も思います。公平には垂直的公平と水平的公平がありまして、その辺も議論を今税調でちょうだいしておるところでございます。
○広瀬分科員 先ほど大臣が答弁された直間の比率というそのこと自体に政策目標としての意味は余りない、それは言うならば結果論である、これも私は理解できないことはないわけであります。ただし、やはり今大蔵大臣も答えられた点が非常に大事な問題であろう。このように、課税ベースの広いというようなことをいいましても、低所得者に重くのしかかる大型間接税あるいは一般消費税あるいはヨーロッパ型とはいえども、最終的には付加価値税であろうとも、これはやはり低所得大衆に一番重いというようなことで、垂直的な公平の立場からも相当問題だな、こういうようにも感ずるわけであります。 したがって、公平、公正ということはやはり一番とうとばれるべき原理原則だというお考えは一致したことを確認しておきますが、そういう立場で減税をなさる場合にいろんな問題が出てくるだろうと思います。所得減税という立場で課税最低限の問題、あるいは垂直的な公平を図るために、今少ししわ寄せを受けているではないか、あるいはまた生活費が最もかかる年代、世帯、そういうような立場で中堅層といいますか、そういうようなところの税率を緩和をしていきたいということも入っておるだろうと思うのでありますが、その中堅層という表現は非常にあいまいなランクづけというか、そういうところなんですが、税率構造のゆがみで一番出費多端な年代、世帯、そういうようなところの税率を幾らかでも緩和しようかというような方向もあるように聞いているわけです。その層をおおよそどの辺のところまでとお考えになっておられるかという点をちょっとお聞きしたいと思います。
○大山政府委員 どのような階層に重点を置くかというお尋ねでございますが、現在いろいろデータを使いながら分析をいたしているところでございます。総理がよく御答弁なさいますのは、多くの納税者が集まるところということで八百万とか六百万とか、時と場合によっていろいろ言い方が違っておるようでございますけれども、私どももどこに焦点を絞るのか目下分析中でございますものですから、どの階層ということを今お答えをいたすような立場にはまだ至っておりませんけれども、納税者の所得階級の分布を見ますと、一千万とかというところの収入で区切りますと、そこに大多数の納税者が入ってきております。納税者の数でいきますともう九十数%が一千万以下の収入階層のところを占めております。その以下のところでより重点を置くのはどういう階層かという点につきましては、もうしばらく分析あるいは検討の状況をお待ちいただければと存ずる次第でございます。
○広瀬分科員 検討中でまだお答えする段階に至っていないという、もっともであろうと思うのです。この辺のところも例えば八百万ぐらいだとかというようなことが言われたりしておりますが、私どもの考え方からすれば、夫婦子供二人といういわゆる標準世帯という言葉が言いならわされておりますが、その辺のところで三百万ないし六百万の間ぐらいがやはり一番苦しいところではないかな、これは私も腰だめの数字でありますが、その辺のところをやはり重点に置くべきではないかという意見だけにしておきます。 税制問題、これは三十分なんかではとても尽くせないのです。きょうは実は国有林の財政問題を中心にやろうということだったのですが、大蔵大臣からかなり誠意ある御答弁をいただいたので時間が大分足りなくなっちゃったものですから、税制問題は分科会の性格からいってこの程度にとどめざるを得ないと思うのですが、国有林の抱えておる問題、国有林というのはやはり無視すべからざる、人類の生存にかかわる大きな公益的機能というものを果たしている、そういうように深く認識をすべきだと思います。これはローマ・クラブの提唱ばかりではなしに、一九八五年は国連の場でも国際森林年ということが設定されたということであります。これに対して若干の問題意識を持って対処されたとは思いますけれども、今日、地球の砂漠化現象、緑の荒廃、ヨーロッパ諸国でも酸性雨による被害が物すごく目立ってきておる、私も実際に昨年も一昨年も見てまいりましたが、そういう被害がどんどん出ているというような中で、森林の公益的機能をるる申し上げるつもりもございませんけれども、今財政が大きく言えば第二の国鉄たらんという方向に近づきつつあると思うわけです。それはやはり非常に借金が、長期負債が累増して、その利払いに追われているという問題が一つだと思うのですね。そういう点で、ことしの予算も百六十八億八千万ですか、このぐらいふえましたけれども、一方においては利払いが二百七十七億も昨年よりも増大をする。実質的には百億ちょっとマイナスではないかというような状況になっている。こんな繰り返しをやっていたら、そしてまたその穴埋めのために林野を売り払い土地を売り払いというようなことで、そういう点での歳入予算の見込みがどんどんふえている。一たん手放した土地はもう戻らぬわけですね。そしてまた林野も手放せば、観光開発だとかいろんなところへ行くかもしれないけれども、そうなれば緑は失われていくに違いない。そういう公益的機能の面において今日非常に問題があるだろうと思うわけであります。 そういう点について大蔵大臣として、この国有林問題、国有林問題だけではありません、林業全般の、緑と人類の生存の基礎条件を守り抜く立場において、今日の森林問題、林業問題についてどのような基本的見解を持っておられるかをまずお伺いして、個別の問題を続いてお伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 今、世界全体の緑の問題につきましては、広瀬さんのおっしゃるとおりだと問題意識はひとしくいたしております。我が国でも昔は感じなかったのでは一つはマツクイムシなんというのがあって、私もいつも飛行機に乗っても上から一生懸命で見ております。心配の限りだなと思っております。基本的に日本の風土は、面積当たりの雨がちょうどほかの先進国の倍降りますので、したがってその真ん中に山脈があって、日本列島全体、日本海と太平洋へ非常に急傾斜のまま水が流れていく。したがって、山というのは緑のダムであらなければならない。だから採算性と別の次元からの公共性をお互い念頭に置かなければいかぬということを常々言っております。 そこで、国有林の問題、こういうことになりますと、この間、与野党で「森林、林業の健全な育成と国有林野事業の経営改善方策については、財源措置を含め、昭和六十一年中に結論を得るよう最善をつくす。」という申し合わせが行われて、結構だったなと思っております。最初私が見たときに六十一年度中と書いてありましたので、そうなると来年の今ごろということになると、これはちょっとどうだろうか。むしろ私の方から間接的に人を介してそういう意見を出してみて、六十一年中の方がいいんじゃないでしょうかと申し上げてみたわけであります。与野党折衝の具体的な話ではございませんから、私が人を介して言った話でございますから、中身を公にしたという意味ではございません。 したがって、そうなると頭に入りますのは、今の林政審議会でどうも今度はかなり本気でやっていただいておるな、あの答申をやはりそれに合わしたようにちょうだいする努力をしなければならぬのかな、それで伝え聞くところ総括締めくくりで予算部会長さんが羽田農水大臣に質問されるようなこともうわさに聞いておりましたので、この辺で具体的な話をひとつという感じを持っておりましたが、もう既にこの与野党申し合わせの中に書かれましたので、ポイントとしては「六十一年中に結論を得るよう最善をつくす。」ということになれば、今の林政審議会もそれにタイミングを合わしてもらうようなことを農水大臣に話さなければいかぬな、もちろん本人も既に感じていると思いますが、具体的にはそんな考え方でございます。
○広瀬分科員 問題点の認識についてお伺いしたわけですが、この点では大臣も質問者の私も極めて共通した問題意識を持っているということは確認したいと思いますし、またここに与野党書記長・幹事長会談での特別第五項目に、「森林、林業の健全な育成と国有林野事業の経営改善方策については、」云々というその間の事情等も説明があったわけで私もよく承知をしておるのですけれども、書記長・幹事長会談というようなところでも林業の問題がこのような形で取り扱われるに至っておるということは、やはり事態の重要性、人類の生存にかかわる大きな問題点である、そういう認識では共通しているだろうと思うのです。 そこで具体的にそういう方向で、日本の緑のダムであり、また水をきれいに保つ、いつまでも水が枯れないように人類生存にとって必要な水を確保する、あるいはきれいな空気をつくり上げる機能あるいはまたいろいろな工業用水、農業用水、また憩いの場としての問題、国民のレクリエーションの場としての問題だとかいろいろな公益的機能を森林というものは持っている。森林の中から人類の生存が始まったと言ってもいいぐらいのものであり、また森林とともに人間の生活もあるんだ、そういう立場で、山を荒らさないようにしていかなければならぬ。先ほども申し上げたように、ことしの予算も昨年よりも幾らか増加をしたというけれども、その増加をした分をはるかに食いつぶすような借金払い、債務返済、元利返済というようなものが、五千六百三十五億という歳入歳出予算の国有林特会の中で千六百八十億くらいになるんですか、ことしは元利の返済をしなければならぬというような状況になっている。歳入歳出予算のまさに三〇%に当たるようなものが元利の返済に充てられる。しかも森林は長いタームの中で考えなければならない。植えてから五十年、六十年あるいは百年たたなければ切ることができない、収入を得ることのできないようなそういう林業としてやはり非常に問題だろうと思うのです。 そこで、私どもは二つの点を考えていかなければならぬ。その一つは一般会計からの繰入額というのが百億ちょっとというようなことで、これはまことに微々たるものにすぎないではないかということでございまして、特に間伐すらできない、せっかく植えた森林を保育することもできないというような状況ですから、これらに対して事業費がどんどん元利支払いの方に回されてしまって、事業費が削られていく、こういう状況になるということを考えれば、やはり一般会計からの思い切った繰り入れをふやしていくということをひとつ考えてもらわなければならない。せっかくまた、先ほど申し上げたような書記長・幹事長会談での議題になるところまで来ておるという問題、これが一つです。 それからもう一つは、これはもう何回も大蔵大臣にも社会党の林業対策特別委員長として私はお会いして申し上げていることですけれども、民有林並みの利子負担、これは利率の問題でありますが、何らかの助成をして民有林並みくらいにその利子負担の率を下げていくということ。それから支払いの条件、償還の条件というものも、据置期間を思い切って長くするということも必要であろうし、償還期限も、先ほど申し上げたような五十年、六十年、七十年というような長い期間を経なければ造林したものが収入源となってあらわれてこない。こういうことを考えるならば、やはりその辺のところを民有林並みに一体なぜできないのだろうか。これもやはりきちんとやっていかなければ、六・八%とか七・三%とかというような利子率で元利償還をさせていったならば、とても国有林野は事業量を減らして仕事をやらないということ以外にはなくなってしまう。山は荒れるに任される、砂漠化現象がどんどん進行する、緑のダムもへったくれもなくなる、こういうようなことにならざるを得ないわけで、その辺についてひとつ大蔵大臣の決意と明確な方針を聞かしていただきたい。これは大蔵大臣の最大の善政として、もう何回も大蔵大臣をやられている戦後史にも珍しい大蔵大臣なんですから、ひとつそういう大善政を将来の国民に残していただきたいなと思うのですが、その点についての明確なお答えをいただきたいと思います。
○竹下国務大臣 やはり今のような木材需要そのものが、木炭もなくなれば薪もなくなるあるいは建築資材もいろいろできてくる、こういう大きな環境の変化が来る前の段階は、国有林はこれだけの規模だからあくまでも独立採算であってしかるべきだというのが国有林野行政に対する一つのバックボーンであったと私は思います。しかし極めて状況が変化いたしました。したがって厳しい財務状況にならざるを得なかった。そこで、それを掘り下げていろいろ分析されたものが五十九年の六月策定のいわゆる新改善計画ではなかったかというふうに私は思います。それはやはり、五十九年の五月に通りました国有林野事業改善特別措置法の改正とその新しい改善計画の策定であったと思います。それには、やはり今おっしゃった森林の持つ哲学のほかに、組織とか要員とかの規模、あるいは事業内容の面でまだ改善途上にあるから、やはりそういうところにも手をかけながらも、しかもある意味においては、独立採算制の壁を破っていわゆる一般会計からの繰り入れということも大きな政策の転換だったと思います。これが行われて今日に至っておる。しかしながら、なおまた十分ではないという問題意識の中で、先ほど申し上げましたように経営改善方策についてはまさに林野庁で、林政審議会で審議をお願いしておるので、財源問題を含めて林政審で十分な御審議をいただいて、その答申を受けると、それがちょうど幹事長・書記長会談の申し合わせのタイミングとおおむね一致してくるのじゃないかな、こういう感じで先般来私は対応をしておるわけであります。 しかし、民有林と国有林ということになりますと、やはり規模の大きさ等からして一律に論ずべきものであるというふうには、にわかには私は断定できないのじゃなかろうか。あれだけの大規模でありますだけに、それなりの計画も、小さい面積の民有林よりはなお計画が立てやすいという環境にはあるのではないかというふうに思っておるところであります。しかし、この問題は幹事長・書記長会談でも取り上げられたわけでございますし、やはり目下の重要政策の一つとしての位置づけをして、あの申し合わせに書かれた方向で物が進んでいくことを私も心から期待をしております。
○広瀬分科員 三十分の時間でまたまだ論議が尽くせないのですけれども、最後に、林業問題を非常に重要な位置づけをしていきたいというそのお答えを信頼をし、思い切った施策を講ぜられんことを期待をいたしまして、終わります。
○伊藤主査 これにて広瀬秀吉君の質疑は終了いたしました。 次に、菅原喜重郎君。
○菅原分科員 大蔵大臣には前にも農業問題を中心に御質問申し上げておりましたが、今回も農林水産常任委員の立場から、農業問題に関連して質問をいたしたいと思うわけでございます。 現在の日本農業は、自由化路線、それから円高の中で外国の農産物価格との差も大きくなっております関係もありまして、また日本農業の体質そのものからいたしまして大変な危機感にあるわけでございます。さらに、日本の国土を守る観点からの緑の問題、ただいま質問もあったようでございますが、この林業についても全く今、危機状態にあります。ことに森林・林産業を取り巻く環境が大変厳しくなってまいりますと、将来どうなるのか全く行き先不安、これは官民全部この危機感にさらされているわけでございます。大臣も十分御理解されているわけでございますが、二十一世紀に向けた森林・林業政策の充実という表題をとって六十一年度の予算編成もされたわけでございますが、国全体のマイナスシーリングの中で確かに林業関係は前年度比ではプラスの傾向にあると思います。しかしながら、国有林野事業特別会計で見ますと、歳入のうち木材販売による業務収入が四二%、財務資金からの借入額が同じく四二%を占め、歳出では財政資金への元金返済、利子補給を含めて二九%にも及んでいるわけであります。これは国の例でありますが、同じような現象は民間企業でも顕著でありまして、私の地域の林業者もこのような経営内容に毎日追いやられているという状況でございます。これは国土保全という立場から大変な問題でございます。豊かな森林を二十一世紀へ向けて責任ある保存をなして残せるかということを考えますと、これは本当にゆゆしき問題であります。ついては、まず大臣の日本農業と林業についての所信をお伺いしたいと思います。 〔主査退席、中島(源)主査代理着席〕
○竹下国務大臣 農業の経営者に私が所信を申し上げるのは逆かもしれませんが、農業につきましては経営規模の拡大等々いろいろなことを考えてまいりましたが、農業労働力の高齢化等から生産構造が脆弱化いたしまして生産性向上が立ちおくれておるということは私も問題意識としては持っておるところであります。一方、林業につきましては、木材製品価格の下落、林業経営諸指標の高騰等からいたしまして林業活動がこれまた停滞しておると言わざるを得ません。そこでどうするかということで、当面の予算といたしましては、やはり足腰の強い農業を実現するために食糧自給率の維持向上を図りますとともに、基盤整備、これも国費ベースでは減っておりますが、いろいろな工夫をして事業費は伸ばしたい。そして、いつも言われる補助から融資へという点について農業者の自主性の発揮によります経営規模の拡大、新技術の導入というようなことから農業改良資金の拡充を回らせていただいた。それから、新たなる一つの柱としてバイオ、先端技術の拡充というようなことに予算の重点を置かせていただいたということでありましょう。 それから、林業につきましては、国有林の問題は私は元来は独立採算であるべき問題、しかし環境が変わった、だから五十九年のあの改善計画に沿って、簡単に言えば機構とか人の問題も手をつけましょう、そして今までなかった一般会計からの繰り入れもしましょうというので転換をいたしましたが、なおこの問題は林政審議会ですっぽりと、しかもある程度期限を切って議論をしていただこうじゃないか、こういうような環境にありますが、本年度の予算につきましては千五百億の問題がございましたので、それをまずは五カ年計画ですから六十年から始めたというためにはやはり考えなければいかぬと思って、補正予算で四十億円でございましたか一般会計の金をつけて予算を通していただきました。私としては、時間が時間だけにひょっとしたら繰り越しになるかもしらぬという危険性を感じておりました。そうすると予算のっけ過ぎじゃないかと後から批判を受けることも間々ございますが、姿勢を示すためには補正予算から四十億円というものも計上すべきだということで、それが継続して六十一年の対策になっておりますから、どっちかといえば民有林の活性化のための施策ということには意を用いたな、こんな気持ちがないわけではございません。 いささか次元の低いお話をいたしましたが、そのような気持ちでございます。
○菅原分科員 この前も申し上げましたが、私は今の日本の農業政策を重点的なものに切りかえる時期に来ているのじゃないかと思うわけでございます。といいますのは、農業は先進国型産業でありまして、同時にまた知識集約型の産業でもあります。そのために土地基盤整備と農業用水の確保、それから人材養成と技術改革、あるいは研究開発、そういう三点に農業政策が集中すべきだ、そして余り国家が関与する体制から、それから補助金も今大臣が申されましたように融資へと重点的に切りかえて金を自由に使わせるような体制を組む、いろいろな技術関係もどういう技術導入をしたらいいかというのは農民の判断に任せて農民の要請にこたえられるような体制にすべきだ、こういうようなことを感じているわけなんです。しかし、昨今日本の国の農業状況が急激な変化をしております。それは今大臣が申されたように高齢化問題でございます。との高齢化問題はもう既に第一種兼業が八五%を占めまして、そのうち六十歳以上が二三%、五十歳以上を入れますと六〇%を超えていると私は思うわけでございますし、後継者のない農家がもう四〇%を超えてきているわけでございます。こうなりますと、現在我々が手を打たなければならぬというのは土地基盤整備の問題でございます。もう十年たってきますと、労働力関係では内部崩壊でございます。その十年、十五年後に、昭和四十年度から始まった第一次土地改良長期計画が継続されまして現在第三次の長期計画の半ばに差しかかっているわけですけれども、毎年これに取り組んでおりながらまだ四〇%に満たないというわけでございます。ですから、いろいろ補助金を整理しまして土地基盤と農業用水の確保に今農業政策を変えないと、もう十年、十五年先ほどうなるやらという危機感ですね。 そこで、農水委で再三農林省の方にまた大臣の方にも基盤整備の促進を要請しているわけでございますが、これには思い切って一〇〇%国と県と市町村とでこの事業費を負担して強制執行をかけて基盤整備を進める、そういう体制をしないと大変な事態だと思っているのです。それではこういう個人の私有財産の土地に一〇〇%の国家投資ができるかできないか、これは法律根拠がありますし、予算の面でございますが、ことし八千六百億円の国の土地改良費のうち一五%は都道府県が負担していますね。千三百億です。あとの一五%は受益者が負担するわけです。これを七・五%市町村に持たせる。そうしますと、六百五十億円でございましょう。あとの六百五十億円を国がプラスするとなると、六百五十億円の金なんか、今水田再編対策や何かでも二千三百億、余り米や何かの処理だって六百億から利用しているわけでございましょう。食管法など見ましても三千億円からでございましょう。そうなりますと、金の面では六百五十億くらいは出して出せないことはないはずだと思うわけです。実は新潟県の入広瀬村では、議決を経まして村が全面的に補助しまして、十年間で圃場整備を完了しているのですよ。ですから金銭的にはこういう町村が負担してやっている前例もあります。さらに法的根拠としましては、土地所有権の問題なんですが、農地は農作物だけしか生産できないし、その農作物はいつでも一たん緩急のときは国家が統制をかけるわけでしょう。ほかの企業、個人の持っている土地利用とは全然形態、内容を異にしていますね。さらに、雨が降ったり何かして畦畔に溢水して畦畔が破れることがないように、あるいは環境保全、もう農民は本当に国土保全のために日夜自分たちの農地を守っているわけでございましょう。 そうなりますと大臣、事農地に対しましては何か今のような立場で抜本策を加えないと、金はあるのですから、出るわけなんですから、この辺で事、基盤整備と水の確保だけは緊急な対応策がとれないのか。このことを実は私は大臣に要望するわけなのですが、大臣、このことに対してどのような所感をお持ちなのか、簡単でよろしゅうございますので、所信でなくて本当の所感でよろしゅうございますので、お伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 先生の御意見は、言葉としては必ずしも正確に割り切るのは問題かもしれませんが、後ろ向き的予算をやめて全部前向き的な予算の方へやれ、こういう趣旨ですよね。そこが私どもが、一応苦しい財政の中でございますから概算要求基準を設けて、その中で各省で優先順位を考えながら物を考えてくださいと言っている、内なる改革をお願いしているわけです。農林水産省におかれましてもそういうことをいろいろお考えになって、例えばことしの場合は特別会計制度の改組、拡充として、特定土地特会を国営土地改良事業特会として、一般会計国営事業の県費負担分について国費から財投に肩がわりして、浮いた国費を他事業に回して農業基盤整備全体としての事業規模の拡大約四百三十億円を図る、あれなど内なる改革として出た知恵ではないかなというふうに思っております。それから今例示なさいましたように土地改良等、ところによりまして市町村がいわゆる受益者負担を完全肩がわりしておるところがございまして、私はそれも一つの知恵のうちだと思っております。 もう一つ申し上げますと、大体私有財産に公費を投下してその価値を上げるということはいけないのではないかという議論がかつてあったのですね。いや、それは食糧管理法というものがあって、中のものは国のものだから、それをつくる入れ物は国費を投入してもいいという論理で、食管法というものがあったから土地改良が進んできた一つの要因であったと私は思うのでございます。その上に今おっしゃったような国土保全、畦畔を初めあるいは付近の林野等も含めてそういうところに役立っている公共性というようなものを考えますと、農業基盤の実態を見ますと、全部が全部また融資制度に切りかえるわけにはいかぬ、いわば補助制度というものが基本であるのかな、こんな感じで毎年毎年、今金額でおっしゃっておりましたが、一時土地改良九千億まで来たのですが、削らしていただいております。そういうことを思い出しつつ御意見を承らせていただいておりました。
○菅原分科員 今大臣の所感を聞きまして、個人の土地所有に対する公金使用の解釈で非常に弾力性のある前進した所感をいただいたなと実は喜んでおります。それはどういうことかというと、食管法という内容で見て対応できる、そういう考えを大臣が持っておるというので、これは今までの答弁の中では私にとっては大前進の所感でございますので、まず感謝申し上げます。大臣、本当に日本農業は、このままでは内部崩壊が十年、十五年後には、今もう起きているのですから、ひとつ前向きに検討するよう要望して、次の質問に移らせていただぎます。 実は地元の町からの要請なのでございますが、今度東北開発会社が民間委譲される、そういう手はずになっているわけでございまして、岩手県の東山町、私の出身町でございますが、この工場誘致の際に大変な、町で誘致条件として土地の提供、それから道路の整備、これを無償。それから鉱区権の譲渡、山林取得の無償譲渡。そのほかいろいろ、当時の議案を見ますと今とても自治省の方では認可できないようないわゆる誘致条件の無償提供の取り決めをやっておるわけでございますね。その会社が今度民間になるというので、企業誘致のために一〇〇%近い、国家投資の企業だからというのでこういう提供をしたけれども、民間企業になってしまうとどうなるのか、全然町と関係が出てこないのではないか、こういう不安があるわけでございます。そこで町の方では、政府保有株式の無償譲渡、かつて無償提供したその総額に見合った分、町に譲渡できないか。それから現在、町が無償提供した中には遊休土地があるわけでございます。また最初から一部利用されないでそのままに現在放置した土地もあります。その中には宅地も入っているわけなんですが、これのいわゆる無償返還ができないか、こういう陳情を受けたのです。 そこで、私の方で国土庁の東北開発室を呼びましていろいろこのことを調べたのです。そしてこの内容を教えていただいたのですが、現在のところ一切が大蔵省の保有になる、そういう形でございますね。そこで、資料提供いたしますので、大蔵省としてこれへの何らかの御配慮ができないか。それから今度新駅が、ちょうど無償提供して今現在何も使われていない遊休になっている土地の、これは鉄道に隣接しておりますが、そのところに新しい無人駅の誘致が鉄道の方から一応認可になったわけでございます。そこで、町が提供した土地だし、全然使っていないんだから、これの無償返還だけはぜひやっていただきたいというわけなんですが、大蔵省が一切所管しておりますので、これは大蔵省の存分次第なのでございますので、この点に関しまして前向きの対応ができないのか、お伺いするわけでございます。
○窪田政府委員 昭和三十三年に当時の村と東北開発の総裁との間で覚書がございまして、工場用地は無償で提供する、これらの物件は東北開発株式会社が工場を廃止するなどの場合は東山村に返還するものとする、ただ、権利移転後二十年経過後はこの限りではない、こういうふうなお約束があるようでありますが、今度の新しい民営化に際しましてこれをどうするか、会社の方ではなおここに工場を継続する意向のようでございますし、やはり会社が民営化して活性化すれば地元のためにもなることでございますし、今後会社と印とお話し合いをいただいて、会社の発展のためにも、あるいは町のためにもなるようなふうにしていただくのが一番いいのではないかというふうに考えております。資料をいただけるそうでございますから、その資料をいただきまして私の方でもよく検討さしていただきます。ただ、株を特定の人だけに安く売るというふうなことは今の会計制度のもとではちょっと難しいわけでございまして、これはできないと思いますが、そのほかどういう形で町の御要望に沿えるかどうかはよく検討さしていただきたいと思います。
○菅原分科員 実は青森県の下北半島の尻屋崎に第二工場をつくったのです。そういたしますと、やはりこのセメント工場は内陸部は輸送コストが高くて常に赤字の危険にあるわけですね。そして、この尻屋工場の方が回漕の方は安いわけですからどんどん大きくなっていく。そうなりますと、今まで国が所有しておりますと陳情という手でここの企業の存続ができたけれども、新会社になると全然手が切れてしまう。幾らかの株でもあると株主総会でも発言ができる、そして地域に事業存続をいつでも要求できる、そういう手がかりが欲しい、そういう考えからもこういうことがなされているわけでございます。 それから、このほかに実は低工法、いわゆる低開発地域工業開発促進法という法律の適用を受けましてこの工場に対しても数億円の固定資産税の免除がなされたわけです。そうなりますと、この固定資産税相当の一五%というのは平衡交付金から本来もらえる分を町がカットされておりますので、これ以上大変な負担を、町は誘致のために、また誘致した後も負担しているわけですね。さらに、この誘致したセメント工場というのが昔シャフトキルンという代物だったので、公害のまき散らしの工場で二十年近く住民は大変苦しんだのですよ。こういう経緯もあるわけでございますので、大臣、何とかひとつ前向きにこの問題を記憶いただいておいて、また地元の方からも陳情に来ると思いますので、ひとつ御配慮をお願いしたい、こういうことを要求いたしまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○中島(源)主査代理 これにて菅原喜重郎君の質疑は終了いたしました。 次に、関清正君。
○関分科員 大蔵大臣に質問をいたします。 大蔵大臣は一昨年の十二月二十八日、新幹線の整備の問題で、盛岡以北青森までの新幹線について二つの条件のもとに六十年の八月には着工する、こういう取り扱いについての判こを押された方であります。このように判こを押された方は、大蔵大臣、運輸大臣、そうして官房長官、総務庁長官、対するに自民党の二階堂副総裁、幹事長、政調会長、総務会長、まさに権力の最高にある者、そうしてまた政権政党の最高にある者、それらの方々が連名で判こを押されて、そうして青森県民に大きな期待を抱かせたわけであります。私どももまた、盛岡以北の新幹線は八月に着工するであろう、政府の責任者も党の責任者も言っておるのだから間違いないであろう、こういうことで大きく期待をしました。期待し過ぎて、言うなれば核の放射能のごみをすべて青森県の六ケ所村にもらうこともよしとするぐらいの期待ぶりでもまたあったわけであります。俗称、ごみと新幹線とを取りかえっこしたんだろう、こういうところまで県民の認識は広がりました。しかしながら政府は、この盛岡以北の新幹線についてはどうも難しい、約束どおりすることができなくなりましたというのが結論でありました。しかも財政的に最も大きなかぎを握っている大蔵大臣が判こを押してもなおできないというのですから、これはもうどうにもならない。 そこで、私の聞きたいのは、当時判こを押したのはやるつもりで押したのか、だますためにやったのか、どっちなんだろうかということなんであります。これは本気になって判こを押したのだろうか。内容を見れば見るほどとてもできそうなものでもなかったし、それをでかすようにして青森県の知事をだましておけ、こういうような姿勢であったのじゃないだろうかという疑問さえ持つわけであります。しかも、その後申しわけなかったという言葉の一つも我が県民にはされておりません。私は運輸委員会において運輸大臣に、申しわけなかったぐらい言ったらどうだ、こう言ったら、判こを押しただけでも協力していることがわかるんじゃないかというようなお話でありまして、約束不履行についての反省なんか少しもありません。一体、政府の責任者たる音あるいは党の最高の地位にある者がそんなことでいいのだろうか、こう思いますと、どうしてもこの問題は、今や総裁に最も近いところにあると言われているだけに、きちんとこれは聞いておかなきゃならないし、うそを言うようなものであるとすればこれは資格のないことになる。そういう意味において私は大臣にこの問題を、判こを押した当時、そして断った時点、そしてこの後そういう点についてどうお考えになっておるのかということをまず第一に聞きたいと思います。
○竹下国務大臣 五十九年の十二月、六十年度予算編成の際に五十億五十億、それから十四億十四億でございましたか、それの最終決着のときにとにかく話し合いをして、確認文書に署名をいたしました。その後、結局物事が進まない、検討すべき事項が種々残されておって、その中に事前に在来線を排除しないと、法律がそうすぐできるわけのものでもございませんし、その辺は承知しておりましたが、それにせよ着工までに検討すべき事項が種々残されておるということで、去年の八月にまた政府・与党で話し合いを行いまして、それで東北、北陸新幹線については環境影響評価が終了した場合に工事実施計画の認可申請を出すことができるということと、それから第二番目が財源問題等について何か検討機関を設けよう、結果的には今検討委員会がそれでできたわけです。三番目は、その場合は認可は検討機関の結論が得られた段階で閣議決定を変えなければいかぬということです。それから四番目が、関係地方公共団体と協議して駅舎改良及びそれに伴う駅前広場、再開発事業の新幹線駅周辺環境整備事業を実施することができるということで、その四点を合意して、引き続いて整備新幹線財源問題等検討委員会を設置して今日に至っておるということでございます。 ただ、我々が合意しました点については、確かにおっしゃるようにスピードがないと言われればそれなりの理由はあったでございましょう。上越の場合の群馬県内問題とか、そういう時間もかかったかと思いますが、それが八月二十二日の申し合わせになって、その後、駅周辺の起工式が行われていったというふうな経過になるのかな、ちょっと記憶が正確ではございませんが、思い出しながらお答えしたところでございます。
○関分科員 それだけですか。あと言わないんですか。
○竹下国務大臣 したがって、そういう経過を追って、今後も進めていくということでございます。
○関分科員 私がさきに尋ねているのは、判こを押した責任を問うているつもりです。大蔵大臣が判ごまで押して、その取り扱いについて進めると言っておったのに、その判こはにせものであったわけです。判このとおり事が進められなかったわけです。いわばだましたわけです。ところが、そういうだましたという気持ちや、それについての申しわけないという気持ちがちっともないのだろうか。その点どうなんです。何も悪いことをしたと思っていないのですか。
○竹下国務大臣 申し合わせの線に沿って計画は遂行しておる。ただ、スピードがないという話をしましたが、そういう期待感におこたえできていないとすれば、これは遺憾の意を幾ら表してもいいことだと私も思っております。
○関分科員 大臣、八月めどに着工するよう努力するとか着工したいとかという文書なら何も申しませんよ。着工するなんです。したいじゃないんです。するなんです。そういう文書をもって私どもの青森県民にも御披露あったものだから、大丈夫、やれるものだと思ったんです。全部そろって青森県民をだましておるわけですよ。ところが聞けば、だましたという、申しわけないという気持ちが一つもない。こういうものでしょうか。判ごまで押しておるんですよ。これは約束不履行ということについて問われることでしょう。するなんです。着工する。そういう文書をとにかく示して、私どもの青森県民が安心して、容易じゃない時節であるけれども政府も自民党もここまで方針をとったというんだから、おくれにおくれたけれども、もうこの辺で了解して待っていこうや。そうしてみんな期待をしてきたら、何のことです。財源問題が片づかない、並行在来線の問題も片づかない、よって向こう二年の間の検討期間をおいて、その上でどうするか決めるというんでしょう。二年おけばやるという意味じゃないんでしょう。その晩に、八月二十二日にあなたは演説していますよ。その演説が全部テレビに報道されて、大臣がこんな考えなんだなと思ったとき私はびっくりしたんです。大臣は何と語っておるかというと、進めるも進めないも二年後においてだ、こう言う。二年後に進めるということでもない。こういうお話を遊説先でなされておるわけですね。私どもの青森県民が、人がいいものだから、何でもとにかく国の言うことなら聞いておけば間違いないだろうと思って協力をしてきているのに、そうして今盛岡と青森の間の環境アセスメントだって何の問題もない。群馬において起きたことは群馬のことなんであって、あれは中部新幹線の方の仕事の問題。しかも、金のかからないのが盛岡以北の青森までの線路なんだし、やろうと思えばこれはやれる。しかも整備五線というものを一緒にやろうとすれば金がないからやれない、仕方がない、当面二線で進めようじゃないかというのできた。その二線も進める金がないならば、一番安い金で一番短い距離を片づけるということぐらいは、私はやっていいと思うのです。何もこれはエゴだと思いませんよ。やろうと思わないから、中部新幹線に事寄せて青森の方も延ばしておけ、まるでも針じゃないけれども、ただ釣られ釣られてどこへ行くんだろうかということですよ。私ども社会党は新幹線に初めから賛成しておりませんよ。これのおかげで地方ローカル線が廃止されるなんというようなことを招いてはいけないからということであります。でも今大方、中心地から東京まで三時間で来るという時代、遅くても四時間で大体周辺のところは来るという時代になっているでしょう。それなのに、青森は早まって六時間ですよ。私どもが東京へ来るときは、とにかく寝台列車に乗って十時間だ。盛岡から上野までが三時間で、盛岡から青森までまだ三時間。ここから岡山、倉敷までと青森までは距離は同じですよ。それなのに青森の方は長時間。そういう意味ではだれよりも優先してやってだれも怒る人はないと思う。環境アセスメントにおいても、すべてにおいて完了している。そうして今工事の着工の認可申請までしている。大体今までは認可申請があれば一カ月以内にみんな認可してきているんだ。ところが、これは認可するために認可申請を出しているんじゃない。出せば認可するというふうになってない。格好を見せているだけでしょう。私はこういうような行政の欺きと申しましょうか、いいかげんさというものについて本当に腹が立つのです。金がない金がないと言って、今民間活力の時代だ、東京横断道路は一兆円かけても民間活力を利用してやるという、関西国際空港だってこれも民間活力を利用してやる、あるいはまた明石と四国を結ぶ線にしてもそうしようとする、こういうようなときに、この青森に民間活力を期待したって、これはないですよ。今豪雪で打ちのめされて、何とか豪雪を片づける金だけでも面倒見てくれといって歩いているところだ。ですから私は大臣に、それは中部新幹線の方もやれたらやった方がいいでしょう、向こうの方は二兆五千億でしょう。こっちの方は六千五百億程度ですよ。やはりこっちの方だけはもうこれ以上我慢させるわけにはいかない、進めるべきだ。財源においても大蔵大臣がひとつ考えよう、こういうふうに事を進める、そういう踏ん切りがつけられないものでしょうか、お尋ねします。
○竹下国務大臣 私のところは山陰新幹線というのがありまして、それで話したら、まあそれは二十二世紀まで待て、これは冗談話でございますが、そういうこともたびたびの会合の中でお話ししたことがございます。私もちょっと思い出して「(遅くとも、六十二年四月に予定されている国鉄分割民営化のスタートまでを目途とする。)」ということを言ったのかなと思います。いわゆるこの申し合わせに基づいて恐らく言ったことがあると思います。基本的にはこれは運輸省の問題でございますが、「検討の目途については、精力的に検討を行い、できるだけ早急に結論を得るものとする。」がしかし、経営形態が、法律が通っておるわけじゃございませんけれども、国鉄再建監理委員会、あの五十九年の十二月にはまだまだ答申をもらっていなかったような気がいたしますが、その後答申も出てきて、そこで将来の経営形態にいろいろな予測があるから括弧してそのことを書いたような気がしておりますが、まさに読んで字のごとしで、だまそうとかあるいは山陰新幹線まで待ってもらおうとか、そんなけちな考えはしておりません。
○関分科員 二年後に着工できるのですか。
○竹下国務大臣 これは検討委員会の結論が出れば、実施計画の認可はその結論が得られた段階で、まずは「五十七年九月の閣議決定を変更したうえ、行う」というそのとおり読んで字のごとしであると思います。そこで四番目の文が、いわゆる新幹線の周辺の環境整備事業として事実上の工事が開始されたというふうに理解して、必ずしも正確じゃないかもしれません、直接の所管じゃございませんが、そういう理解の上に立って儀式でございますかが行われたというふうに思います。したがって、例えば五十億というようなものを年度内消化は難しいだろうというお話も承っております。
○関分科員 大蔵大臣、青森県民は百五十万人、青森県から北の方には五百六十万人、合わせますと七百万を超える国民がおるわけです。そうして、このことについて大きな希望があるわけです。待っているわけです。それは、金がないからできないのだ、こうなっているわけですね。私は金をつくるのが大蔵大臣の仕事だと思うのです。だから、きょうあなたに聞いているのです。三塚運輸大臣らに聞いたってもうらちが明かぬから、これはやがて総理になると言われているあなたに、いい機会だなと思って今聞いているのです。ですから、あなた、山陰の方は二十二世紀だなんておっしゃらないで、二十一世紀でいいでしょう。何もそんなに百十五年も遅くしないでいい。だけれども、私どもは今既定の計画、これがあるのです。東北新幹線は上野から青森なんです。何も上野から盛岡までじゃないのです。大臣、そういうふうに決まっているものをなぜ進めてくれないのか。なぜ二つ一緒でなければならないのか。金がないとするならば、ある分だけで先に進めたらいいじゃないか。このくらいはだれでもが考えるのだけれども、だれでもが考えることがなぜできないのです。青森県民は猿に等しいものだから投げておけ、こう思っているのですか、そうじゃないでしょう。国の計画です。金がないとするならば金を見つけてやる。民間活力でやれなんと言ったって、それはできっこない。なぜ東京湾横断道路なら、遅く出てきた計画でありながら早くなるのか。なぜ関西国際空港なら、遅く出てきたもので早くなるのか。なぜずっと早くから出てきているこの東北新幹線の盛岡以北の仕事が投げられなければならないのか、わからない。金はない。ないと言ったって、防衛費は幾らでも出しているでしょう。だれも金がないと思っていませんよ。使い方がおかしいじゃないかということになっているはずです。 今、大臣に問うて、二年後に着工するのかと言ったら、着工するとあなたは答えてくれません。着工するかしないかのいずれかを決めるのだということになっているのでしょう。そこ、どうなんです。二年後、もう二年後と言ったって六十二年の四月というのは間もなく来ますよ。来年ですよ。そのときには間違いなくこれは着工するのだ、そうするのだ、この点、どうなんです。
○竹下国務大臣 これはまさに読んで字のごとしてございまして、「上記検討機関の結論が得られた段階で、」閣議決定を変更して、そして工事実施計画の認可をする、認可をすれば着工、こういう順番になるわけでございます。確かに、後から出たものと申しましても、いわば民活対象になり得るプロジェクトと、なり得ないプロジェクト、おのずからございますよね。それは先生のところもそうでしょう。私の方もそうです。ただ、環境影響調査ということになりますと、窓をあげれば公園みたいなところにお互い住んでいるわけですから、それは非常にスピードがかかるでございましょうが、まさに読んで字のごとき手順を追ってやろう、こういうことになっております。したがって、財源問題等については、やはり一番問題ですから検討委員会ができたということであろうというふうに整理をいたしております。
○関分科員 大臣、どうなんです。何とかすると答えられないのですか。待っているじゃなくて、大臣としては、もうおれの責任ででも六十二年の四月の着工は何とかする、こう言えないのですか、どうなんです。言いたくないのですか。
○竹下国務大臣 いや、検討委員会というものがある限りにおいては、いかに私が財政当局とはいえ、私自身が突っ走るというわけには、やはり行政というものの民主的仕組みの中で解決しなければいかぬわけですから、それは私単独でスケジュールをつくり、明言をするということは差し控えるべきだろうな、万事控え目にいたしております。
○関分科員 あなた、判こまで押して、今度はここでまた言質をとられれば困るなと思って、そういうお答えをしているのかもしれません。でも、少なくとも、新幹線のこの盛岡以北の問題というのは、もう長い問題なんです。これはやはり胸をたたいて、おれが何とかしたいと言ってもいいじゃないですか。あなたの部下たちはみんな青森へ来れば胸をたたいて、やります、やりますと言ってきますよ。だれだれとここで名前を述べてもいいくらい、みんなおれが必ずやってやる、全部選挙のときにみんなそうしゃべって、負けそうなのを勝っていっているわけです。ですから、我々にしてみると、新幹線が政治の選挙の票の手段にだけ使われている。ちっとも実が上がらない。だから、ここで大蔵大臣に物を言う青森県の代議士というのはなかなかいないものだから、こそこそ話をしているのかもしれませんけれども、公の場で大臣と論戦しているのは一人もいない。田中角榮さんのような人が青森におればいいなというのが青森の人たちの偽らざる気持ちですよ。田中さんならとうに新潟まで持っていってしまった人だから、盛岡から青森へすぐ持ってくるだろう、自民党の代議士は情けない人ばかりだ、こう言っているんですよ。大臣、まだのらくらのらくらと答えて、新幹線どころじゃない、鈍行線以下ですよ、そんな答弁は。もっとスピードアップして、よしきたと腰を上げたらいかがですか。それができないのですか。その勇気がないのですか。もう一遍答えてください。
○竹下国務大臣 あなたの気持ちはよくわかる、これはそのとおりなのです。ただ、行政の仕組み、検討委員会でやりましょうというときに、検討委員会はこういうふうに私がリードしてやりますというような物の考え方であってはならぬというふうに、みずからに絶えず言い聞かしております。大蔵大臣だからようしやってやるというようなことを言うほど愚か者であってはならぬ、やはり民主的な行政の積み重ねの中の自分の位置づけというものは、きちんとみずからに教えていなければいかぬと思っております。ただ、あなたのことを否定しているわけじゃございませんから……。
○関分科員 五十九年十二月二十八日に大蔵大臣が判こを押したときは、どんな気持ちで押したのだろうな。あの中身を見ると、並行在来線を八月までに廃止する立法措置なんて講じられっこないのです。講じられっこないものを承知しながら判こを押した。そして八月になったら、だめになった、申しわけない、また頑張ります。今度は、検討委員会に検討を命じました、そこでの作業中であります。その作業中であるので、私は何も言うことは適当でない、言わない方がいい、こう言っているのはわかりますよ、大臣。わかりますけれども、そこは大臣の一つの構えでしょう。どこをやらぬでも、ここをやらなければならないと思ったら、何とかしたいということぐらいは、どう考えたってここはしなければならないところだと思うならば。ただし、場合によってはこれはやめようへ中止しよう、こう考えていれば別ですよ。場合によってはやらないこともあるのだとあなたの頭の中にあればなかなか答えられないわけです。場合によってはやらないこともあるとあなたは考えているのですか。最後にそこだけ聞いておきます。
○竹下国務大臣 それは、関さんと私は一九二三年と二四年生まれですか、したがいまして、やらないことを考えておりますなんと言ったら、まだ多少政治生命もあるし肉体的生命もありますから、殺されますから、その辺はお互いに自重自戒しつつも、この夢をつぶしてはならぬ、これだけはきちんとしておかないと……(関分科員「夢に終わらしてはだめだよ、あなた」と呼ぶ)夢に終わらしては、なおだめだと思います。
○関分科員 もう終わります。
○中島(源)主査代理 これにて関晴正君の質疑は終了いたしました。 次に、小谷輝二君。
○小谷分科員 最初に、減税問題についてお尋ねをしておきたいと思います。 四野党共同提案の二兆三千四百億の減税要求に対しまして、三月四日、与野党書記長・幹事長会談におきまして、一つには「所得減税については、今国会中に各党間で合意を得るよう協議し、昭和六十一年中に成案を得る。」二つ貝には「住宅、教育、パート等政策減税については、できるだけ速やかに実施できるよう今国会中に実務者間で結論を得る。」このように自民党の回答によって合意され、今後引き続き協議、検討していくということになったようでございます。 この与野党合意を踏まえて、所得税減税、政策減税に対して、これから大蔵大臣、御苦労をおかけすることになろうと思いますが、大臣はこの合意を踏まえて、どのようにお考えになっておられるのか、また今後どのような取り組み方をしていかれるのか、最初にお尋ねしておきたいと思います。
○竹下国務大臣 結論から申しますと、与野党間で合意された文言をそのまま受けとめてこれに対応する。具体的に言いますと、これから作業がいろいろあるわけです。そうすると、従来とも、大蔵省こういう資料を持ってこいとか、いろいろな御注文があります。それに対し当面は最大限の協力をするということではなかろうかと思っております。
○小谷分科員 私は、この四野党共同の減税要求に盛り込まれております中で、特にパートまた内職減税に絞って質問をしたいと思います。 本来、税は適正であり、不公平があってはならないものであることは、私が申し上げるまでもございませんが、四野党の要求の中にもありますように、内職さんに対して必要な経費の拡大などによって課税最低限をパートタイマーと同水準に引き上げる、このような一項目がありますが、これは当局、御存じですか。
○竹下国務大臣 詳しくは事務当局からお答えをさせますが、そのことが四野党の要求の中にあったことは承知しております。そしてこの問題は、五十九年の改正のときに、大蔵委員会でしっぽりと議論をいたしました。最終的には、我々が与野党ともに専門家の方が集まったところで行き詰まりますのは、結論はこれは雇用政策の問題じゃないか、こういうことになるわけです。あるいは労働政策、パートの位置づけ、内職の位置づけ。そこで、何か手法はないかということで、いわば徴税の行政措置の中でやり得る限度のことを五十九年度に御理解を得て実施しておるというのが現段階でございますから、この問題は結局、抜本につながる議論になる。 もう一つ、ちょっと長くなって申しわけありませんが議論になりますのは、最近また国会なんかでも、御主人とかみさんとの関係の二分二乗方式というのが出てきているわけです。そうするとパートの問題が解消するじゃないかという議論も出たりしますから、これは議論すれば抜本議論になっちゃうなという感じもしながらいつもお答えしたり、大蔵委員会等で御相談したりしておるというのが実情でございます。
○小谷分科員 大臣にお答えいただきましたので、今までの経過についてはある程度わかるわけでございますが、大蔵委員会等の種々論議された内容も議事録を通して見てみますのに、税調の答申の中でも、これは今後の課題として大いに協議しなければならぬ問題、このように言われておるようでございます。したがって、今現在この問題は問題があるということであって、今現在行われている格差という考え方が内職者においては非常に強いわけでございますが、これに対して今現在の課税の実態はどうなっているのか、これをちょっとお答えいただきたいと思います。
○塚越政府委員 お答えを申し上げます。 パート収入は通常は給与所得ということでございまして、収入から給与所得控除を控除いたしまして所得金額を計算することになります。この場合、年間の収入金額が九十万円以下でございますと、所得金額が三十三万円以下となりまして所得税が課税されないということになるわけでございますが、一方、内職収入につきましては、原則として事業所得または雑所得ということになりますので、収入金額から必要経費を控除いたします。そういう形で所得金額を計算することになりますが、その所得金額が三十三万円以下ということになりますと所得税は課税されないということになるわけでございます。 内職者及びパートタイマーの課税事績ということになりますと、内職の定義が非常に難しいわけでございまして、そういった事績を取りまとめてはおらないというのが現状でございます。
○小谷分科員 ちょっと、もう少し大きい声で答えていただきたいと思います。 大蔵委員会なんかで論議された内容を見ますと、内職収入者に対しては、税務執行面において、現場において必要経費等で内職者の実態を勘案しながら無理のないような取り扱いをしたい、こういうふうにお答えになっておるわけですし、このように説明もあるわけでございますが、実際はどうなんですか。実際そういうのは加味されておりますか、現場で。
○塚越政府委員 いわゆる内職につきましてはいろいろな形態がございますけれども、雇用契約に基づくということがはっきりしている場合には給与所得となります。それ以外につきましては、先ほど申しましたように事業所得または雑所得となるわけでございます。その区分に当たりまして、その実態に即しまして判断することとしておりますけれども、例えば源泉徴収票がございますとかあるいは給与支払いの明細書があるという場合には、これは内職でありましても給与所得の取り扱いをすることにいたしております。それから、事業所得または雑所得ということになりますと、多くの内職者は記帳をしていないというのが実際の状況でございますので、経費の算定につきましての詳細な領収証等の資料がない場合でございましても、実際上無理のない取り扱いをしているというのが現在の取り扱いでございます。
○小谷分科員 現場ではそうなっていないのです。実例でございますけれども、私の友人で子供服なんかの縫製加工業をやっておる事業主からその実態を聞いてみたわけですが、これは内職者を二百七十五件常に抱えておるわけでございますけれども、そのほとんどの内職者は母子家庭または独居老人も含めて老人家庭、身体障害者、また子供とか病人、年寄りを面倒見ながら内職に励んでいるという主婦、これがほとんどでありまして、これらの人々に対して、二百七十五件抱えておって、昭和六十年、去年年間に支払いした内職者の総金額は八千六百万円支払いをしておるわけでございますが、この内訳は、二百七十五件の内職者の収入内訳を分別してみましたら、年間三十三万円未満、これが一番多いわけですけれども百九十三件ある。三十三万から五十万、五十万から九十万、それから九十万以上。これは三十三万から五十万までが二十四件、五十万から九十万までが四十五件、九十万以上が十三件、こうなっておるわけです。少なくとも三分の一ぐらいの人が課税対象になるということなのです。 それぞれ、今御説明のありましたように、必要経費とか、またいろいろな面で考慮をするということでございますけれども、この中の一人、これは先日確定申告したわけですけれども、六十年度の内職収入が四十三万四千一百円。これは業者から税務署へ出ておるわけですから明らかなわけですが、これに対して、税務相談をしながら税務署で必要経費を算定して認めてもらったのが七千四百円。したがって月に六百十六円の必要経費。どうしてもこれしか見れないということです。したがって、四十三万四千一百円から七千四百円経費を認められて四十二万六千七百円が課税対象ということなんです。これが現場の生の実態でございまして、今言われておるのとちょっと話が違うと思う。この必要経費はどのような形で見られたかといえば、業者との電話連絡とか、また針とか糸の費用、それ以上必要経費としてみなすものはないという現場の意見なんです。こういう実態はどうなんですか。
○塚越政府委員 具体的なお話はただいま初めて伺うわけでございますけれども、実際に税務署がどういうことをしておりますかということを御説明申し上げますと、今先生の御指摘になった場合がこれに当たるのかどうかはわかりませんが、雑所得または事業所得というふうに考えられた場合に、多くの内職の方は記帳をしておられないので、どれだけの必要経費があるのかというのがはっきりしない場合が多うございます。そういう場合には経費の概算控除という意味で、内職の行われている各種の業態の経費の実態をしんしゃくした上でおおむね三〇%程度の経費を認めておる状況でございます。そうしてまた、実額で経費の算定をする場合には詳細な領収証等の資料がなくても実際上無理のない散り扱いをしているということでございまして、これは既に各国税局、税務署には十分徹底をしていることでございます。具体的に今のケース、どういうことでそういうふうになったのかはちょっと私どもわかりませんけれども、私どもの扱いとしてはそういうことになっております。
○小谷分科員 労働省が発行しております「家内労働のしおり」というのを見ましても、これは平均ですよ。要するに家庭の主婦を中心にした女の人で、家計の助けにということでやっている内職者の五十九年九月現在の一カ月間当たりの平均の賃金、これが、男の人は多いのですよ。女子でこれが三万九千七百円、年間では四十七万六千四百円。これは先ほどの例よりも多いわけですけれども。そのような平均の課税対象者となるこういう人たちはもうほとんど必要経費として今おっしゃったような状況には見られてないというのが実情でございまして、これは今後六十二年度の税制の根本的な改正の中に取り込んで検討するという考え方はございますか、どうですか。
○竹下国務大臣 これはパート、それから内職、これだけ議論が出ておりまして、国会で出た議論は正確に整理して税調へ報告するわけですね。だから、議論いただける環境には本当は十分あると思うのですが、私も心配しますのは、今までも一遍税調でやってもらったことがあるのです。最終的には雇用政策の問題、労働問題としてどう位置づけるかということがかえって出ますと、税調に労働問題の位置づけまでやってもらうわけにいかぬので、本当は多少気になっているところでございます。審議の対象になることは、私は、今までもそうでございますが、実態としてあり得ることだと思いますけれども、幾らがその懸念は、労働問題、雇用政策の面の位置づけということがその後大いに変わって確立されておるとは必ずしも私も思ってないものですから、それは気になっております。
○小谷分科員 これはやはり大臣にお答えいただきたいと思っておりますけれども、この事業所の中で、我が家の家計の助けにということでパートで働いていた御婦人が、同居のお年寄りが寝込んでしまったわけで一日じゅう手が離せない、目が離せないという状況なので、事業所でパートで働いていたときの収入が約七万円前後あったわけですが、この仕事をそっくりそのまま自分のところに持って帰って、年寄りの面倒を見ながら仕事をやって同様の収入、月七万円ぐらいはもらったわけでございます。事業所は、税務署から内職者に年間支払った一覧表、住所、氏名を明記して提出するよう求められて、課税対象ということで申告の要請が出た。パートで働いているときには完全に免除、除外ということなんですけれども、同じ仕事を家に持ち帰ると、同じ収入であったにもかかわらず要するにこれは内職ということで当然課税され、配偶者控除からも除外されたわけです。これは問題じゃないかということで論議しても現場では通じないというふうなこと、これはまさに不平等であり不公平なものである、私はこのように思うわけですけれども、大臣、この問題は率直にどうですか。
○竹下国務大臣 具体的な問題でありますが、家に帰ってする仕事が雇用契約を結んでおればパートである場合と同じことでございますから、したがって、本当はその辺を指導してあげた方がいいのではないかな、端的にそんな印象を受けました。
○小谷分科員 今大臣のおっしゃることはわかります。これは確かにパートで雇用契約を結んで源泉徴収すれば、それでこの人は課税対象から外れるわけです。それはわかりますけれども、四百名近い事業所で全部整理をやっておるわけです。毎日品物が出入りしておるわけです。そこで税務署が事業主に内職者に対する賃金支払い明細書を要求するわけです、経費として見なければなりませんから。全部克明に出さなければ事業主は経費としてみなしてもらえない。全部出しますね。雇用契約のパート、これは内職と分類できるような性格のものではないわけです、金額が小さいものですから。そういう中でそういう低所得者、そこらにぼこぼこ課税されてくる、必要経費は見ようがない、こういう現状でございます。 したがって、こういうふうな家庭の恵まれない人たち、金銭的にもかなり生活の苦しい人たちが、わずかな収入でも得たいということで努力している。そのために地方自治体におきましても、大阪あたりでも認定内職あっせん事業として、こういうふうな事業に貢献し、安く有利なようにしている事業主に対しては奨励金なり補助金を出して、こういう人たちの手助けになればという事業をやっている自治体もあるわけでございまして、おっしゃったようにこの問題について確かにいろいろな問題があろうかと思います。確かに雇用契約を結んで源泉徴収を出せばいい、これははっきりわかっておるわけですけれども、そうばかりもいかない現場が随分あるようでございます。ここらを含めて、四野党が課税最低限を少なくともパートタイマーの水準まで引き上げるということについて要求しているわけですけれども、これに対する取り組み方、考え方について、二、三実例を申し上げましたが、大臣にお答えをいただいて、ちょうどお昼でございますので、お食事もあるようでございますから、終わらしていただきたいと思います。
○竹下国務大臣 野党の共同要求の中に出ておりますが、恐らく実務者の方は、私と先生どきょう議論したようなことは本当は頭にいっぱいあると思うのです、長い間議論した問題でございますから。だから、いろいろな難しい点はそれなりに理解しつつも、最大公約数としておまとめになった。それで政策減税の問題になりますから今年中に、今国会中でございましたか、可能な限り実務者の協議をする、こうおっしゃっておりますから、我が方もまた参りまして、今のような実態をも踏まえながら問答を積み重ねてみます。実務者の人も、そこのところは私が申しておりますように雇用契約があればそれでいいじゃないかとか恐らくいろいろな議論がありますから、その辺の難しさも承知しながら、実態は存在しておるわけですから、その辺できめの細かい議論をしていただけるものと私も期待しております。
○小谷分科員 ありがとうございました。終わります。
○中島(源)主査代理 これにて小谷輝二君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十分開議
○伊藤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 大蔵省所管について質疑を続行いたします。小川国彦君。
○小川(国)分科員 私は、大蔵大臣に、サラリーマンの減税問題並びにパート主婦のための減税問題について、引き続き質問させていただきたいと思います。 最初に、大臣にお尋ねしたいのでありますが、今般、与野党の幹事長・書記長会談におきまして、「所得減税については、今国会中に各党間で合意を得るよう協議し、昭和六十一年中に成案を得る。」二番目に、「住宅、教育、パート等政策減税については、できるだけ速やかに実施できるよう今国会中に実務者間で結論を得る。」こういう協議決定がなされておりますが、この中でパートの政策減税も六十一年のできるだけ早い時期に結論を得る、こういうことになっているわけであります。この与野党協議を受けで、大蔵大臣としていつごろまでにどのようにこれに取り組むお考えを持っておいでになるのか、まずその点をお伺いしたいと思います。 〔主査退席、平沼主査代理着席〕
○竹下国務大臣 まず政策減税に三つ書かれてございます。パートは五十九年度税制、教育は六十年度の与野党の協議に基づいて予算措置の方でやろうということで、去年、おととしからの問題は一応は決着した。しかし、これはなお問題点がありますから引き続きやろう、こういうことですので、まさに読んで字のごとく、それに各党間の専門家の会議に諸外国の例を持ってこいとか資料を持ってこいとか恐らくいろいろあるだろうと思うのでございますし、それから先生のおっしゃったこの間の議論等も報告をしなければいかぬわけですから、そういうことで当面はお手伝いをしていく、そして、その出た結論を、私の方からリードするわけにいきませんから、そういう形で最大限の協力をしながらその経緯を見守るということじゃなかろうかなと思っております。 いずれにせよ、幹事長、書記長の公党間の約束は最も重いものでございますから、それは最大限尊重するのは言をまたないところでございます。
○小川(国)分科員 そうしますと、大蔵大臣としては、これから得るパート減税の成案については、与野党の協議の中で、いわば実務者の中で詰められてくる話を受けて対応していきたい。それで、もちろん財源問題等を含めて、最終的にはその与野党間の一致した案と大蔵省との協議において成案を得るという段取りになると思いますが、そういうことになりましょうか。
○竹下国務大臣 要するにそうでありますが、途中の段階でも恐らく各党の専門家の方が我が方を呼び込んで、共同作業と言っては失礼でございますけれども、率直に申しましてかなり濃密な作業をされるのではないかなと思っております。
○小川(国)分科員 その成案を得る時期はいつごろに考えられていますか。
○竹下国務大臣 「速やかに実施できるよう今国会中に実務者間で結論を得る。」こう書いてあります。ただ、先生も百も御承知のように、パート問題は、実際問題としてまたどうせ原点からの議論になると思うのです。それから、内職との問題をどうするかという問題。それから、この間の先生のお話を聞きながら、私自身も若干迷路に入った感があるのです。待てよ、配偶者控除ということになると扶養者控除の問題とどうなるかというような、迷路に入ったと言うとちょっと失礼ですけれども、そういう問題がすぐ念頭に浮かぶように、恐らくかなり濃密な議論がなされるのではないかなという感じでございます、まだ感じだけでございますけれども。
○小川(国)分科員 先日二月二十六日の日本経済新聞に、ごらんになったかと思いますが、「専業主婦に特別控除 所得減税で政府税調委 パートも一部控除」ということで、「所得税のしくみについて検討していた政府税制調査会の専門小委員会は、二十五日開いた第二特別部会に検討結果を報告した。報告は夫婦の所得を合算後分割して課税する二分二乗方式には問題点が多いと指摘。代わりに①主婦の〃内助の功〃を評価、専業主婦特別控除を夫に認める②主婦にパート所得がある場合は、この特別控除を夫に認める――などを提言している。大蔵省は基本的に報告案を受け入れ、給与所得控除の拡充などとあわせて六十二年以降の税制改革に盛り込む所得税減税の柱にしたい考え。特別控除額は二十万-三十万円になる見通しである。」今ちょうど私が提言しております内容とこの内容がほぼ一致する案がこういうふうに報じられているわけでございますが、大蔵省の方もこうした内容については御存じのことと思いますけれども、これについてはどのように評価されておりましょうか。
○大山政府委員 ただいまの日本経済新聞の記事は、その前日に課税単位に関する専門小委員会、これは税制調査会の専門小委員会でございますが、ここの報告が出ましたのを受けましての記事でございます。観測の要素も若干入っているように思われますが、そこで書かれておりますことは、「専業主婦の夫の稼得に対する貢献の評価という点についていえば、」という書き出しで、「個人単位課税を維持しつつ、専業主婦に着目した夫婦に対する特別控除のような人的控除の枠組みの中での工夫をするといった方向で対応するのが適当であるように思われる。」という表現でございまして、ただいま先生がおっしゃいました日経の見出しにございます「専業主婦に特別控除」というのとは若干違ったものでございます。つまり、専業主婦に着目した夫婦に対する特別控除という点が違っておるわけでございます。そして、「この特別控除を専業主婦のみならず、少額の所得を有する配偶者の場合にも適用することとし、かつ、消失控除として仕組む」という点の御提案も、この専門小委員会からは出されております。 私も過日の先生の御質問を拝聴いたしておりましたが、似ている面がありますと同時に、違った面と申しますか、夫婦に対する特別控除とか消失控除というやや学者の理論的な考え方が入っているとかいう点で若干違った面もあるということでございます。これについては税制調査会の特別部会あるいは総会で今後さらに御議論を重ねていただくことになっておりますものですから、私どもとしてこの報告につきまして、この方向があるいは違う方向かと言う段階にはまだございません。 もう一点、二十万円とか三十万円とかいう金額が書かれておりますが、この部分は全く観測記事でございます。
○小川(国)分科員 この記事もおっしゃるように全く同じでありませんが、私の考え方とほぼ一致しておりますし、それがそういう形で政府に答申がなされているということでありますし、もう一つ「今国会中に」ということは、極めて限られた期間の中で政府も与野党一体となってパート減税に対する何らかの結論を出さなければならないのではないかと考えるわけでありますが、その際、私が申し上げている提案について大蔵省の方としてはあるいは大臣としてはどういうふうに評価がなされるか、その辺を少し具体的に例えたらと思うわけです。
○竹下国務大臣 後から大山審議官の方から補足した方が正確であろうと思いますが、私あのとき感じましたのは、私が若干の迷路に入ったと申しましたのは、聞いておって、はてな、いわゆる扶養控除の方はどうなるのかなといろいろなことが頭に上ってまいりましたが、いずれにせよあれは正確に一問一答を税調に報告しようと思います。 ただ、それともう一つは、この間の小委員会の報告は、国会でいわゆる二分二乗方式がかなり議論されておりましたから、課税単位の問題から議論されてそこへ進んだ報告になっておりますので、最初からパートについてという形で議論が進んだわけではございません。しかし、いずれにしてもきちんと書かれてありますので、正確にこの間の一問一答、あるいはそれだけでなくもっと個人的に聞いたりして、報告しようと思っております。したがって、評価を今私がすることは非礼にも当たりますから差し控えますで
○小川(国)分科員 どういう評価が下ってもいいわけなんですが、ただ私としては、今、日本の減税政策というものを勤労階層、特に低所得の家庭に対する減税措置というものから考えてみますと、パート減税はそれなりに意味のある非常に大きな社会的効果、意味を持った減税対策ではないか。ですから、与野党の一致した三項目の大きな柱にも入ってきていると思うわけです。 いま一つ大臣の御答弁の中で、配偶者控除の要件を変えみということは扶養者控除の要件も同時に変える、こういうふうに理解をされているようなんですが、私はそういうふうには申し上げていないのでありまして、配偶者控除の要件だけを変えてほしい、変えるということで、この百二十万の限度額の引き上げができないだろうかということを申し上げているわけで、扶養者控除の問題は連動をしないという形でこれは処理できるのではないか、こういうふうに考えているのでございますが、その点はいかがでございましょうか。
○大山政府委員 配偶者控除あるいは扶養控除の適用要件と申しますのは、これは少額不追求という観点から、その範囲までの所得があるならば、ない者と同じように配偶者控除の適用をしよう、扶養控除の適用をしようというものでございます。その水準が三十三万円と定められておるわけでございますが、少額不追求という観点でございますので、その水準が配偶者控除あるいは扶養控除の間で違ってくるというのは少額不追求という考え方からしていささかいかがなものか、おかしいのではないかということを大臣が申し上げたわけでございます。私ども事務当局も同じように、やはり少額不追求であれば配偶者の場合にも扶養控除の場合にも同じ水準で考えられるべきだというふうに考えます。
○小川(国)分科員 ちょっと、少額何とおっしゃったのですか。
○大山政府委員 不追求、追求をしないという意味でございます。
○小川(国)分科員 少額追求をしない――大変失礼ですが、その中身のことをちょっと教えてくれませんか。
○大山政府委員 少額の所得でありますから、そこの部分はあえて追求をしないという意味で少額不追求という言葉を使わせていただいたわけでございます。
○小川(国)分科員 それで、私が配偶者控除の要件を規定を変えてほしいということの要請をしているところで、皆さんの方が扶養者控除の定義までそれは連動する、リンクするというようなお考え方をお持ちのようなんですが、所得税法の二条三十二号の中では勤労学生の定義とか給与所得等の概念とかが書かれております。所得税法二条三十三号の中には、配偶者要件というのが「三十三万円以下であるもの」と書いてあります。それから扶養者の定義は三十四号の中で、「三十三号に掲げる者をいう。」という規定がございます。そうしますと、私が申し上げているのは、この所得税法二条三十三号の配偶者要件だけを、「三十三万円以下であるもの」を六十三万円というふうに変えることができないか。そのことは、連動して扶養親族の三十四号も六十三万にせよということではないのです。ですから私は、皆さんの方がもしこれは規定改正でできるということであれば、扶養親族の定義のところは従来どおり「三十三号に掲げる者」ではなくて、三十三万円というふうに書いていただけば、これは連動しなくて済むのではないか。 それからもう一つ、配偶者という考え方と扶養親族という考え方は異なるのではないか。配偶者はやはりパートに働いている妻であって、その要件を変えてほしいと申し上げているわけであって、扶養親族の子供の方の条件を変えてほしいということは言ってないわけでありまして、私はその辺はリンクせずに切り離してお考えになることができるのではないだろうかと申し上げているのですが、その点はいかがでございましょうか。
○竹下国務大臣 大山審議官も答えますが、私があのときとっさに、迷路に入ったという言葉はちょっと取り消しましょう、ちょっと迷いました。というのは、父と子の場合でございますね。仮に奥さんがなかったとして、お嬢さんがパートに出ておられるというのと、その理論が成人とセパレートで分けられるかどうかということについて、とっさにそんな感じがあったからあのとき申し上げたわけでございまして、あなたのおっしゃっていること矛盾ですという意味で言ったわけじゃございませんが、とっさにそういう感じがあったものですから。しかし、正確には審議官からお答えいたします。
○大山政府委員 条文は書き分けてあるのは事実でございます。しかしながら、その背後にあります考え方でございますけれども、何度も繰り返しになりますが、一銭一厘でもあればもう扶養家族にならないというふうにするような税制もございましょうけれども、それはそうではない、ある水準までの所得がある場合には扶養家族にしてあげましょう、あるいは配偶者控除の対象にしてあげましょうということでこの金額が定められているわけでございます。あるところまでの所得については宥恕して、扶養控除あるいは配偶者控除、同じような性格のものでありますが、その対象にしてあげましょうというのが、この所得税法第二条の規定の背後にある考え方でございますので、金額としてはやはり同じ水準にあるのが適当なのだろうと考えます。確かに条文の号は別々に書いてありますから、一方を直したらいいじゃないか、それは技術的には可能でございますけれども、背後にある考え方からしてやはりそうはまいらないというのが私どもの立場でございます。
○小川(国)分科員 これは分離するとどういう支障が生ずるのでありましょうか。
○大山政府委員 支障といいますよりは、少額不追求という考え方からできている制度でございますので、それが同額でなくなるということは、なぜ配偶者控除の場合にはたくさん所得があってもそれを追求しないでおいて、扶養親族つまり子供か親なんかの場合には少しの所得であっても追求されるのかという点でおかしいということになります。それをまた分ける合理性というものも私どもないのではないかと、率直にそう感じます。
○小川(国)分科員 この辺の議論はまた次にお願いすることにしまして、私が提案しております、いわゆる妻の、パートの配偶者の所得の限度を百二十万に上げるということによって、先般五、六百億の減収になるというお考え方を述べられたわけでありますが、きょうその具体的な内容をここで御答弁で伺いたいと思います。
○大山政府委員 御提案の案によります減収額でございますが、計算の前提といたしまして、控除対象配偶者のほかに扶養親族の所得要件も同様に引き上げる、ただいま御議論いただいたところでございますが、そういう仮定をいたしまして計算いたしますと、おおむね五百億円ないし六百億円程度の減収になるのではないかと思われます。 計算の根拠でございますが、統計上の制約がございますので大胆な仮定をいろいろ置いてまいるということになりますが、パートと内職、両方に適用になるというこれも仮定を置きまして、パートの場合には御提案によりまして配偶者控除あるいは扶養控除の適用が受けられることになります人の数は、風間企業の実態調査等からの推計をいたしまして約八十万人弱と推計されます。また内職所得者につきましても、家内労働の実態調査などの統計資料を使いまして同様に配偶者控除、扶養控除の適用を受けることになる者の数を約二十万人強と推計をいたしております。合計百万人でございますので、一人当たり三十三万円の控除の増加額をこの百万人に掛けまして、それに上積み税率十数%ぐらいかと見込んでおりますが、それを掛け算いたしまして五百億円ないし六百億円、こんな数字を計算いたしております。
○小川(国)分科員 税率は何%お掛けになりましたか。
○大山政府委員 これらの方々の上積み税率ということで一五、六%を掛け算いたしております。
○小川(国)分科員 その税率推定の根拠は後でお出し願えますか。
○大山政府委員 後ほど御説明をさせていただきます。
○小川(国)分科員 そうすると、皆さんの方ではパートと内職事業者とを一体で五百億ないし六百億と出されておりますが、これを分離してパートに限った場合はお幾らになりますか。
○大山政府委員 先ほど申し上げました数字の大体八割程度がパートの部分でございますので、四百億円ないし五百億円の減収ということになろうかと存じます。
○小川(国)分科員 内職がほぼ二割というふうに判断される、こういうことですか。
○大山政府委員 さようでございます。
○小川(国)分科員 扶養親族の額も含めてこの減収額を計算されたようですが、それを除きますと、どの程度の減収額という計算になりますか。
○大山政府委員 扶養親族の割合も配偶者割合もともども偶然八割でございますので、ただいま申し上げました数字の八掛けということになろうかと思います。
○小川(国)分科員 パートだけに限ると四百億ないし五百億、こういうことでございますか。
○大山政府委員 さようでございます。
○小川(国)分科員 五百億という場合は、どういう形でこの五百億の数字が出てまいりますか。
○大山政府委員 所得税の減税の場合に初年度と平年度の概念がございます。初年度が約六百億円の減収、平年度化いたしましたときにはそれが若干減るということになりまして五百億円程度ということで、五百ないし六百という数字を申し上げさせていただいております。
○小川(国)分科員 そうしますと、パートの扶養親族を除いたものでいくと四百億、それからさらにそれの内職控除者を除いてパートの主婦だけに限定してその八〇%ということになると、配偶者控除を百二十万までにするということになればその減収額は三百二十億、こう判断してよろしいわけですか。
○大山政府委員 おっしゃるとおりでございます。その数字は平年度の数字ということになろうかと思いますが、三百二十億というのが八割でございます。
○小川(国)分科員 そういたしますと、私が申し上げております、約三百万人のパートの主婦が働いている、この人たちが現在の約九十万円から配偶者の要件を百二十万まで変えてもらった。それによって三十万の所得増を得ることができた。そうして三百万人のパートのうち何割の方々がその三十万の所得増を得るであろうか。私は前回は三分の一の約百万人が三十万の所得増を受けるであろうということを申し上げたのですが、それはもっと大きくなる可能性もあると思うのですね。三百万人の半数があるいは六割の二百万人近いパートが三十万ずつ働くことになったら六千億働けるわけですね。それだけ働けることになれば、その人たちが納める税額は今皆さん方が出されている減収額を上回るものになるのではないか。百万人と見て三百十五億です。二百万人と見れば六百三十億。概数でございますが、それだけの税収増になっていくのではないかという立論も成り立つわけでありまして、これも大まかな私の推論であります。皆さんの出されている減収額も一つの推論の上に成り立っている。私のも一つの推定の論かもしれない。しかし、大まかに考えるとそれはトータル的なものになってきているのではないか。というふうに考えるならば、ここでひとつ景気浮揚のためにも内需の拡大のためにも、それからまた低所得階層の勤労者のためにも、今国会の大きな焦点になっているパート減税について、私が今申し上げているような考え方も大蔵省の中で十分に検討をいただきたい。この国会の野党全体の要求、あるいは国民のかなり広範な要求になっているわけでございますので、私は先般来、大蔵大臣の、政府税調にこの論議を伝えるというような積極的な御意見をいただいているわけでありますが、さらに政府部内でも御検討をいただいて、パート減税を一歩前進させるというような意味からこの点のトータル的な御検討を願えないだろうか、こういうふうに思っているわけでございますが、その点、いかがでございましょうか。
○竹下国務大臣 税調にお伝えしようということも私考えてみましたが、もっと先生の方へ相談に行かせます。短時間ですから、お互いに完全に消化して物を申しておるわけじゃない向きもあろうかと思いますから、相談に行かせて詰めてみます。我々が考える問題点も含めてディスカスすることが大事だという感じをつくづくと感じました。
○小川(国)分科員 私もこの問題については、この中で少額不追求なんということも講義を受けるようなわけでありましてまだ大変不勉強でございますが、今大臣おっしゃるようにこの問題をさらに事務当局の皆さんとともに検討させていただいて、国民の諸階層にとって期待されるような減税案をつくっていくという面からぜひパートの家庭の主婦の減税問題に御理解をいただきたい、こういうことをお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○平沼主査代理 これにて小川国彦君の質疑は終了いたしました。 次に、青山丘君。
○青山分科員 今日、税制度に対する同氏の関心は、税が国民生活に密接な関係を持っていることもありまして非常に高いものとなっております。そこで私は、国家財政の中心である税制度、特に来年度の税制改正について中小企業者の立場で若干の質問を行いたいと思います。 まず最初に、法人税についてでありますが、かつてありました法人税の延納制度の復活についてお尋ねをいたしたいと思います。 長引く不況下、どこの中小法人も資金繰りに大変苦しんでまいりました。そして法人税の支払い、これに苦慮する場合も少なくありません。しかしながら、昭和五十九年度の税制改正によって延納制度が廃止されました。それまでは税の一定割合を納めれば全納までに三カ月の猶予が与えられるという延納制度があったわけですが、この制度が廃止されてしまったわけであります。これによってこれまでは納付までの計画が立てられて一定の資金繰りができた、そういう状況でありましたが、最近は資金繰りを圧迫して、金融機関からの納税資金の借り入れももちろんままにならないところでありますが、かえって滞納の増加を招いている、こういう結果が生じておりますが、中小企業者の強い要望でもあります税の延納制度をぜひ復活していただきたい、こういう強い要請がありますが、いかがでしょうか。
○竹下国務大臣 たしか五十七年度改正それから五十九年度改正、五十九年度改正のときには所得税減税のときにそういう措置をとらせていただきました。だが、納税猶予とかそういう措置は残っておるから、実態としては可能な限り租税特別措置というのは外した方がいいという線に沿ってやったという記憶はございますが、大山審議官の方から正確にお答えをさすことをお許しいただきたいと思います。
○大山政府委員 ただいま大臣御答弁申し上げましたように五十七年度それから五十九年度の改正で廃止をいたしたわけでございます。創設当時を振り返ってみますと、昭和二十六年にこの制度ができております。当時は企業の資金繰りも非常に苦しく、滞納の発生が極めて多いという当時の時代の背景を勘案して制度が創設されたわけでございますが、既に三十年を経過いたしまして当時のような状況ではなくなっている、加えて財政事情も大変厳しいというようなこともございまして二年度にわたりまして廃止を提案し、それが法案化、法律となったわけであります。確かに個別の事情をいろいろ考えますと苦しいという企業もあろうかと思いますけれども、今でも納税の猶予等の制度もございますところでございますので、そういった制度の活用の道もあるということで諸外国にもないこの制度は廃止されているということで御理解をいただきたいと思います。
○青山分科員 所得税の場合は延納制度がまだあるのですね。法人税だけが廃止されてきておる。個人は認めるけれども法人は認めない。何となく片手落ちのような気がしておりまして、国家の財政も格別厳しいということはだれもみんなよくわかっていることですが、しかし、今中小企業も例えば円高に追い打ちをかけられるようなそういう追い詰められた気持ちでおりますから、そうした中小の法人に対する配慮というものをぜひしていただきたい、そういう意味でかつてあの延納制度で一定の法人税の支払いの計画が立てられたにもかかわらず、今はもう一括でさせられている、そういう追い詰められた心情であることをぜひひとつ御理解をいただいておきたい。 もう一つは、利子配当等にかかわる所得税額の控除についてでありますが、法人が決算をして税金を算定する際に利子配当については二〇%の源泉徴収、割引債については一六%の源泉徴収がされております。例えば百万円の源泉徴収額でもう既に取られておって法人税が五十万円と算定されたときに、百万円は既に控除されて残りの五十万円は還付されるはずであります。ところが昨年度の税制改正によって、当然還付されるべき税金が翌朝から四年間にわたって控除される、こういう特例がつくられました。つまり返ってくるはずのお金が四年間にわたって引き延ばされるということになるわけであります。その年に返すべきものを四年先にした方が国の財源にとっては都合がよい、こういうふうに思われます。しかし、これは大変場当たり的な財政措置であります。そういう意味で、中小法人にとっては資金繰りが大変苦しい、そういうときにさらに追い打ちをかけるように還付を四年間も待たされる、こういうことでは企業経営の実態がよく理解されておらない、こういう強い不満が述べられております。いかがでしょうか。
○大山政府委員 制度につきましては御指摘のとおりでございます。同じような財政事情もこれありまして、昨年の税制改正でお願いをいたしたわけでございます。企業にとりまして、赤字の年もございますが黒字の年もございます。五年間を通じてずっと赤字だということは私どもいろいろな統計を使いましても必ずしも多くはない。黒字が出ましたならばこの利子の源泉徴収税額は還付を受けるチャンスがあるわけでございまして、赤字法人に対しまして税制調査会等でもいろいろ応益的な課税をしたらどうかとかということも含めましていろいろな議論がございます。また批判も出ているところでございます。そういった議論も踏まえまして、最後はお返しをいたすわけでございますから、これは実質的には余り大きな負担にはならないような形でいわば国が一時借金をするということかもしれませんが、厳しい財政事情のもとで余り無理のない形での税負担をお願いしたというのがこの制度でございまして、昨年できたばかりの制度でもございますので、当分はこういったことを続けさせていただくということを財政事情にも免じましてお許しをいただきたい、こう考えております。
○青山分科員 何年も赤字があったら企業はつぶれてしまうんですよ。だから無理して資産を売ってでも借り入れを返していく、こういう努力をしているわけですから、その段階で見ればいかにも黒字であったかのような錯覚に陥るわけです。だから統計数字だけをその実情がわからないでそのままうのみにするというのは大変危険なことです。赤字が長く続いたらもたないのは当然のことです。しかも借金が重なれば立ち行かなくなっていくことは当たり前のことですから、何とかこの借金から抜け出したいと思って必死の努力をするわけですから、その必死の努力をしたときに、後から出てきますが、赤字繰越欠損金の繰り越しを今度は認めなくなっていきそうですけれども、こういうこそくなことはぜひやめていただきたい。今の四年間にわたって還付されるべきものを控除する――控除するなどと聞こえはいいことを言っていますが、返さないということですから、企業者にとっては当てにしていていいんですけれども当てにならない拘束預金のようなものですよ。それを政府がやっているということは私はぜひ廃止していただきたい、こういうお願いをしておきます。 もう一つは、零細なことばかりなんですけれども、居住用宅地の相続税についてです。相続税の場合、居住用の宅地についてはその土地の評価額を基準にしておりますが、二百平米以下の居住用宅地については通常の評価額の七〇%に課税がなされております。三〇%の控除ということです。しかしながら、昨今の土地の高騰などの事情によって、みずからの居住用宅地を売ってでなければ相続税が払えないという例が出てきています。現実に居住している土地でありますからこの売却は非常に難しいことですし、しかもこれにかわる土地や住宅の手当ではもっと難しい。仕方がないから、大変な苦しみを味わっているということです。そこで、評価額の七〇%と言わないでぜひひとつゼロ課税にしていただきたい。これは何も広大な土地の評価額を言っているのではありません。二百平米、わずか六十坪そこそこの土地の相続税のためでありますから、この土地を売ることは庶民にとっては大変悲しいことです。そういう意味で、小規模な居住用宅地については評価額の減額割合をぜひ一〇〇%までにふやしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大山政府委員 この七〇%と申しますか、三〇%減額するという措置も、税制調査会の中に専門の委員会をつくっていただきましていろいろと御議論をいただきました答申に基づきまして、ぎりぎりのものとして七〇%で評価するという制度を法律化したわけであります。確かに居住用の土地で二百平米以下ということに限定はされているのでありますけれども、ほかのものは一〇〇%の評価で課税される、それに対しまして土地については七〇%の評価額、しかも土地につきましての相続税の評価というのが必ずしも時価で評価されているわけではございませんで、固定資産税も同様でございますが、もともと時価の六、七割、五、六割というような評価がなされているもののまた七〇%ということでございますので、これ以上評価の額を下げるということにいたしますと、たまたま土地は持っていないがほかの資産を持っている人たちとのバランスも崩れるのではないかという問題が指摘されるのではないかと思います。相続税につきましてはここ十年余りいじっておらない、基本的な税制の見直しをしていないということもございまして、大きな抜本見直しの中で今後税調でいろいろ御議論をいただくことになっておりますが、そういった場においてただいま先生の御提案の点なども御議論をいただくべき事柄と思っておりますが、何度も申しますが、現時点で財政事情とか他の資産とのバランスを考えますと、この現在の七〇%の評価額というのがぎりぎりのところであると私ども事務当局は考えておるところでございます。
○青山分科員 相続税の控除額が十数年全然見直しがなされておらない、昨年私が申し上げてきましたが、政府の財政事情が非常に厳しい折だからというのでそのままずっと据え置かれて、相続税額が十数年の間に相当ふえてきていますね。四倍か五倍くらいになっていますか、もっとなっておりますかね。財政事情もよくわかりますけれども、こうした中小企業者の相続税の問題で居住用の宅地くらいは、しかも非常に狭い土地くらいはぜひひとつ評価額の減額割合をふやしていただいて、相続税の負担を大幅に軽減していただきたいという声が非常に強くあります。こういうことをぜひ政府もよく受けとめていただいて、税制改正に取り組んでいただかないと、政府が今苦労しておられることは多くの人たちがみんな理解していますよ。しかし、何も我々の責任じゃないという気持ちもまたあるのです。だから、そういうしわ寄せを受けたくないという一面も多くの人たちは持っていますし、他の恩典を受けている人たちもあるわけですから、ぜひこういう人たちに対する配慮もしていただきたいと思います。 それから、減価償却資産の耐用年数についてでありますが、昭和二十六年に全面改正をされました。そして、三十六年と三十九年に機械・装置が耐用年数の短縮が行われました。さらに四十一年に建物が耐用年数の短縮が行われたわけでありますが、最近の技術の目覚ましい進歩や非常に多種多様な機械が出回っている昨今であります。当然、資産の耐用年数も変わってきているはずであります。それを長い間見直さないということは逆に税の不公平を拡大してきておると私は思います。例えば昔は五十年はもっていた、しかし今は三十年しかもたないというものもありますし、五十年もっていたものが改良されて六十年はもつというものも出てきております。したがって、定期的に減価償却資産の耐用年数の見直しはしていただきたい。その時代に合った改正をしていただければ公平な扱いがなされているというふうに受けとめることができます。こういうふうに思いますが、いかがでしょう。さらに、減価償却資産の耐用年数については、物理的な耐用年数よりもだんだんと経済的な意味での耐用年数を重要視する時代に来ていると思います。その辺の御見解はいかがでしょうか。
○竹下国務大臣 今御指摘なさいましたとおり、私どもが現段階で参考にしておりますのは、五十八年末のいわゆる中期答申でございますが、その中でも「減価償却資産の耐用年数を短縮すべきであるとの意見があるが、減価償却資産の法定耐用年数は、資産の物理的寿命に」今おっしゃった「経済的陳腐化を加味して客観的に定められているものである。したがって、」今おっしゃいました「技術的進歩による陳腐化の状況に配意しつつ資産の使用実態に応じ見直しを行うことは必要であるが、資金の早期回収等の政策的観点から見直しを行うことは法定耐用年数の考え方になじまない」議論だというのが一応、バイブルでもございませんが、それが中期答申に存在しているわけです。 さはさりながら、ことしもやりました六十年度改正で印刷設備等の使用実態に応じて所要の見直しを行った、こんなことがございますが、恐らく今税調の中で法人税をやっていただいておりますが、耐用年数の議論は、五十八年のメンバーもたくさん残っていらっしゃいますけれども、今のような考え方を報告するわけですから、それに基づいて議論がなされるであろうということを今期待しておるところでございます。
○青山分科員 もう一つ減価償却資産の問題ですが、企業は減価償却資産を使って企業活動をやっているわけですが、少額な減価償却資産について取得価額の損金算入限度額が昭和四十九年にそれまでの五万円から十万円に引き上げられました。そのまま現在に至っているわけですが、この十一年の間に貨幣価値も大きく変わってきて下がっております。この際、限度額を二十万円に引き上げるべきだと私は思う。この点が一つ。 さらに未償却の資産の残高が損金算入限度額を切ったときは、その際は全部一括償却を認めていくというように連動させていくことが必要ではないか、このことが経済の実態に即した、経済的にも整合性のとれた制度であろうと私は思うのです。他の減価償却資産のまだ未償却の残高が今の少額な減価償却資産の損金算入限度額を割った場合、連動してこの際はひとつ一括して償却していく、こういうことが必要ではないかと私は思う。この辺はいかがでしょうか。
○大山政府委員 企業会計の基本原則に立ちますならば、仮に一万円、二万円の少額な資産でありましても減価償却をしていただくという考え方に立つべきなのだろうと思います。しかしながら、少額のものについてまでそういう計算をすべてやっていくということは、いささか企業実務の簡素化という点からいきましても問題なものでございますから、十万円という限度を置いてそれ以下のものは即時に償却してよろしいということになっているわけでございまして、主に企業実務の簡素化という観点からできている制度でございます。 したがいまして、この水準につきましてはそういった企業実務の簡素化という観点、一方で期間損益計算を適切にしなくちゃならないという企業会計上の要請、それから昨今は、私ども何度も申すことでございますけれども、やはり歳入に及ぼす影響も考えなくてはならぬわけでございまして、そんなことから十万円という数字をそのままにさせていただいております。 一方、もっと高額の資産が償却をした結果、十万円以下になった場合にいかがするかという問題は、いささか性格の異なる問題だと私は思っております。やはり期間損益を適正に算出するという考え方、取得価額を合理的に期間配分をしていくという考え方に立ちますならば、いかに少額になりましてもそれまで続けてきた償却率による償却は続けていくということが自然のことでございまして、ここに十万円以下は即時にという制度を入れるのはいささか疑問に感ぜられるところでございます。
○青山分科員 一見理屈が合っているようですけれども、本当は随分苦労して答弁しておられるというふうな感じが私はするのです。理屈としては、恐らくあなたは一つの理屈だと思ってこれは考えておられると思いますが、現実の生きた企業活動をやっているときに、少額の減価償却資産の一括償却、この制度は事務の簡素化のために必要ですし、それに連動させていくということが本旨にのっとった取り組みだ、制度だと私は思います。ですから、この辺もぜひこれからは研究していただきたい、企業経営者の中にはこういうことを強く希望しておられる方が多いのです。ぜひお願いしたいと思います。 もう一つは欠損金の繰越控除制度について伺いたいと思います。 日本は所得課税の国でありますから、もうけが出たら税金をいただく、けれども、赤字であったら認めよう、そういうことで繰越控除制度は明治からの長い歴史を持ってきました。終戦直後のシャウプ税制でも、こういう税の公平のためによい制度は認めていこう、こういうことで残されてきたわけです。しかし、昨年十二月十七日、突如としてこの制度の一部停止が打ち出されました。すなわち六十一年度税制改正大綱では、「青色申告事業年度に生じた欠損金の繰越控除制度について、直近一年間に生じた欠損金に限り適用を停止する。」こういうふうになっておりますが、赤字が続いてきた会社を立て直そう、そういう中小企業者にとってはむしろ活路を阻まれてしまったという受けとめ方をしています。政府はこれによって税収を二千二百三十億円見込んでおられるそうですが、今度の税制改正の中でも最も額が大きいと聞いておりますが、国の財政の苦しいということはよくわかります。しかし、これも先ほど触れたように大変場当たり的な措置だ、私はこそくな制度だという印象を非常に強く受けます。中小企業の活性化が望まれているこのときに、大変残念だと私は思うし、中小企業政策の必要な今のこのときに、むしろ逆行するものではないか。日本経済にとっても大変なマイナスになる。もとより内需拡大にはつながらないし、「増税なき財政再建」とうたった政府の大方針にも逆行するものだ。私はぜひこれはやめていただきたい、こう思います。いかがでしょうか。
○大山政府委員 繰越欠損金の制度を議論いたします場合には、これは例えば五年間の繰り越しを認めるのがいいのかどうか、その辺のところからまず議論すべきだと考えます。そういう意味におきまして、場当たりという御指摘でございましたが、私どももこの制度を暫定的な措置であると考えております。ただこれは赤字法人、その当該年度では赤字の法人ではございませんで黒字の法人、黒字が出たときにこういう措置をとらしていただくというものでございますし、五年間まだこれから先、これから先と申しますと四年間になるかと思いますが、にはこれを控除するというチャンスが一番高い直近のものの控除を停止するという措置でございます。 先ほど冒頭に申し上げましたように、もっと五年をどうするかということを考えるべきだということかと思いますけれども、現在税制の抜本的な見直しの作業が続いている最中でございますので、六十一年度改正におきましては五年の繰越控除期間をどうするかというような大きな問題には触れないで、こういったようないわば暫定的な形で増収措置を講ずる方がむしろこの抜本的見直しの時期にはよいのではないか、こんな判断もございましてこういう措置をとらしていただいた。財政上の事情と、もう一つは、政府税調の答申にかねがねございますような赤字法人に対する課税のあり方、こんなことも議論の中では交わされた結果の措置でございます。
○青山分科員 赤字法人課税というのは、今までの税制を抜本的に揺るがすもので、私はこれは大変なことだと思っています。今年度はなるほど黒字のように見えます。しかしその裏には、裏といいますかその意味合いは、いろいろ複雑な事情をみんな持っています。政府が考えておられるのは、赤字企業には中には脱税をしているのではないか、こういう不信感があるかもしれませんが、しかし確実に赤字であるものも多いわけですから、政府が心配しておられる面も私は一面で全く無視するものではありません。わかります。しかし、今年度黒字にしなければならない理由は、長い間赤字が続いてきて、そして銀行にも早く返していかなければいけない、追い詰められた心情でやむを得ず土地の資産を売却をして黒字になってきて赤字を補てんしていこう、こういうような企業も昨年の末にはあったと思うのですね。最近でもそういうふうに考えて資産の売却をしている人もあるかもしれません。そうすると表向きは黒字に見えるかもしれませんが実態はそうではないのです。そういうような事情をひとつ考えていただいて、これは今日までの税制度を基本的に揺るがすものだ、そういう意味では赤字企業に課税をされることはぜひやめていただきたい、強く希望をしておきます。 以上をもって私の質問を終わります。
○平沼主査代理 これにて青山丘君の質疑は終了いたしました。 次に、柴田睦夫君。
○柴田(睦)分科員 大蔵省の地方銀行に対する監督の問題についてお伺いします。 特に地方銀行では今非常に競争が強いられている。そういう中で、営業店に過大な営業目標が押しつけられて、職場では長時間労働、時間外勤務手当の不払い問題、あるいは労働者の健康破壊、そうしたいろいろな問題が出てきております。 地方銀行の問題で、一九七三、四年ごろ、賃金不払い問題やあるいは男女差別などについて国会において再三取り上げられました。私も七五年五月三十日の決算委員会で、これは労働省の関係でしたけれども、ここで取り上げたことがあります。そういう中で、全国の労働基準監督署がいろいろな点で是正勧告を行って、申し立てがなされた分についてはかなり是正されてまいりました。その当時の実態について、どういう実態であったか、どういう是正がなされたかということについて、労働省の方にまず説明を求めます。
○菊地説明員 御指摘の点でございますが、昭和五十一年に全国の金融機関千二百九十三事業場に対しまして監督を実施しております。そのうち、何らかの法律違反が認められた事業場は八百七十二、六七・二%で、主な違反の項目は、男子の労働時間に関するものが三百四十三事業場、割り増し賃金に関するものが三百十八、就業規則に関するものが二百九十九、女子の労働時間に関するものが二百九十五などとなっております。その後の是正状況につきましては、是正勧告に基づきまして所要の改善がなされたというふうに承知しております。 以上です。
○柴田(睦)分科員 時間外勤務手当の不払い問題に関連することでありますが、現在、管理職をむやみにふやして実質的な時間外手当を支給しないという合理化、括弧つきですね、これが行われている事例があります。 昭和五十二年に管理職の範囲について労働省が特別に金融機関の管理監督者の範囲について通達を出しておりますが、その趣旨と内容をひとつ簡略に御説明願いたいと思います。
○菊地説明員 労働基準法では労働時間に関する規制をしておりますが、ポストがかなり高くて仕事について相当の責任を持っておって、労働時間については自分で管理するのが適当である、つまり法律をそのまま適用するにはなじまないといった層につきましては一定の範囲について管理監督者ということで法律の適用を外しているものでございます。 具体的には、取締役等役員を兼務する者、支店長、事務所長等事業場の長に当たる者、本部の部長等で経営者に直属する組織の長、それから本部の課またはこれに準ずる組織の長、最後に、銀行内において今まで申し上げましたような方と同格以上の地位にある者のうちの一定の者というふうに扱っております。
○柴田(睦)分科員 そういう通達が出ておりますし、これは現在でも有効であるはずです。そういう労働省の指導があるにもかかわらず、一たんはその指導に従って各銀行が是正したように私も見ておりますが、千葉銀行では今、この通達の趣旨を守ろうとするのではなくて、その後新たに副支店長なる職制を新設しまして、それも次々にふやしてきておる現状です。ほとんどの支店に副支店長のポストを設けるとともに、大きな支店になりますと二人の副支店長あるいは三人というように置いております。 この点につきまして千葉の労働基準監督署は昨年、是正の勧告をしたというように聞いておりますけれども、これはどういう勧告があったのか、どういう措置がとられたのか、お伺いしたいと思います。
○菊地説明員 御指摘の点ですが、昨年の五月に千葉銀行の管理監督者の範囲につきまして監督機関に申し入れがございました。それに基づきまして千葉労働基準局が事情を聴取いたしまして、昨年の六月三日に副支店長の職務権限等の実態に基づきまして管理監督者の範囲を見直すように指導いたしたわけでございます。その後、昨年の七月十九日に銀行から、見直しの結果、管理監督者から百五十三人を外すということにいたしまして十月一日から実施するという報告を受けております。 なお、昨年の九月二十七日付で就業規則の改正が行われたところでございます。
○柴田(睦)分科員 千葉銀行では支店が百七十あるわけですけれども、副支店長を管理職から除外するということを認めたのはその中でわずかに二十七店だけであるわけですが、これは通達の趣旨からいうと、規則の制定あるいは労働組合との協議――まあ労働組合にも本当の労働組合らしいものとかあるいはいわば御用組合とかいろいろありますが、この千葉銀行の組合がどうだということは言いませんけれども、この二十七店以外ではみんな副支店長を置いている、これは先ほど言われました通達の趣旨に反するのではないかと思いますが、労働省の見解をお伺いします。
○菊地説明員 同じ副支店長という名称でも、支店の規模の大小によりまして地位だとか責任の度合いに差がございます。御指摘の二十七店は規模の小さな支店でございまして、その場合には副支店長全体を管理監督者から外しておるわけですが、大規模支店、十一店を除きまして百二十二店の大多数の支店におきましては複数の副支店長制をとっておりまして、そのうち上位一名の副支店長を管理監督者として取り扱うこととしたわけでございます。総合的に見まして、この取り扱いは私どもの示しております通達におおむね沿っているというふうに解釈しております。
○柴田(睦)分科員 結局、指導のもとで副支店長あるいは支店長を管理職にしていたものを管理職から外したということになりますと、今度は割り増し賃金の問題が出てくるわけですが、その割り増し賃金の遡及支払いという問題については労働省は指導なさったのでしょうか。七五年当時は過去二年分にさかのぼって支払いをしたというのが一般的であったと思いますが、今回の場合はそれに対してはどのような勧告をなさったのか、どういう措置をとられたのか、お伺いします。
○菊地説明員 管理監督者から外すことによって過去の時間外労働相当分の割り増し賃金をどのように処理するのかという点だと思いますが、私とは二年間さかのぼって支払えというような具体的な指導は過去においてもしておりません。問題は、管理監督者として位置づけられていたために労働時間がいかほどであったかということがなかなか確認できないというのが一般的でございます。そこで、具体的な解決方法としては、労使の自主的な話し合いあるいは経営側の考え方ということで処理をしているのが一般の例でございます。したがいまして、千葉銀行の件につきましても、過去二カ年にさかのぼって勤務時間の実態を確認して全部を精算するというような形にはなっていないところでございます。
○柴田(睦)分科員 二年間というのは時効の問題があるように考えられるわけですけれども、そうしますと、勧告をして管理職から外した、間違っていたから管理職でないようにした、その場合に過去の時間外労働があった、そしてそれは管理職手当よりも多かった、こういうことであればやはり遡及してその差額は支払うべきではないかと思いますが、御見解をお伺いします。
○菊地説明員 私どもの所管の職責という点から申しますと、将来に向かって過ちを正して再発を防止するというところに主眼を置いております。あと、民事的にどのような処理をするかということは別途の問題として残っているわけでございまして、私どもはあくまでも将来に向かっての再発防止というところに主眼を置いているところでございます。
○柴田(睦)分科員 しかし、払うべきものを払わなかった、これは基準法違反である。労働省とすれば払うように指導するのが行政の立場ではないかと思いますが、その点はよく考えておいていただきたいと思います。 それでは、次に大蔵省にお伺いしますが、銀行が労働組合法や労働基準法を遵守するように指導なされると思いますけれども、大蔵省は銀行に対してどのような手段、方法で監督なされているのでしょうか。
○吉田(正)政府委員 御質問でございますが、大蔵省が銀行について監督を行っておりますのは、信用秩序維持、預金者保護という観点からの銀行業務に関してでございまして、労働基準法等の労働関係法令につきましては所管官庁として労働省がいらっしゃいます。労働省によって行政が行われておりまして、当省としましては直接的に指導する立場にないということを御理解いただきたいと思っております。
○柴田(睦)分科員 預金者保護あるいは信用秩序の維持という観点から監督をするということですが、そのことから必然的に銀行が労働基準法を守る、もちろんそれは労働省の判断が基準になると思いますけれども、結局法律を守らせる、違法なことは大蔵省としても指導するという立場であることは変わりないでしょうね。
○吉田(正)政府委員 労働関係につきましては、所管官庁はあくまでも労働省であるというふうに認識しておりますけれども、銀行は公共性の高い企業でございますから、一般的に法令を遵守すべきであるという認識のもとに労働法規違反行為を行うことは好ましくないというふうに認識しておるつもりでございます。
○柴田(睦)分科員 全国には地方銀行が現在六十四行あります。その中で、この十年間ぐらいを振り返ってみまして、労働組合法第七条一号の不利益取り扱い、労働基準法第三条の差別的取り扱い、ひいては憲法十四条や二十八条にもかかわることも挙げられますけれども、そういうことが問題になって労働基準監督署や労働委員会あるいは裁判所への提訴などが出された地方銀行は幾つあるか、あるいはまた解決したものは幾つあるか、解決したものは解決の内容、未解決のまま現在も係争中のものは幾つあるか、そういう点は大蔵省把握しておられますか。
○吉田(正)政府委員 先ほど御答弁いたしましたように、大蔵省としては地方銀行における労働基準法等の労働関係法令違反問題について直接の所管ではございませんので、詳細については承知しておらないところでありますけれども、幾つかの地方銀行において問題が生じて、その後和解が成立したものと現在まだ係争中のものがあるというふうに聞いております。具体的に名前を挙げさせていただきますと、千葉興業銀行、横浜銀行、北陸銀行、静岡銀行、以上四行は大体十年前問題が生じたところでございますけれども、労働基準監督署で和解が済み、福岡銀行も労働委員会で和解が済みまして、千葉銀行、裁判に係争中、秋田銀行が労働委員会に係争中、それから鹿児島銀行、第四銀行というようなものがあるかと存じております。第四銀行につきましては幾つかの問題については解決しましたが、一つの問題についてはなお係争中であると聞いておりますし、鹿児島銀行の場合は法廷ないし労働委員会などには持ち出されたわけではございませんで、銀行側に問題解決の要求があったというふうに聞いております。 これらの問題が生じましたのは、大体四十七、八年ごろから五十二年のものが多うございまして、一部五十六年、五十七年に問題が生じた。こういうふうに大まかなところで承知しているわけでございます。
○柴田(睦)分科員 その場合に、それぞれが解決金を支払ったというように見ていいわけですね。今言われた解決したところは解決金を銀行側が従業員の方に支払って和解ができた、これが流れですね。
○吉田(正)政府委員 いろいろその差別なりあるいは問題のところがございますけれども、私の存じている限りでは、金銭あるいは給与等にかかわるものにつきまして和解したものはその支払いが行われたというふうに理解しておるところでございます。
○柴田(睦)分科員 千葉銀行の場合ですが、これは昭和五十年ごろから千葉では社会問題になってまいりました。私も五十年に国会で労働省の見解をただしたことがありますが、五十四年の十二月十四日に銀行の従業員である福田武三外十二名が銀行を相手にして、差別された賃金相当額の損害の請求をして訴えを提起しております。そして、この訴訟はなお昭和六十一年になった今日でも係属しておりますが、この事実は知っておられますか。
○吉田(正)政府委員 詳細は存じておりませんが、御指摘の千葉銀行につきましては、行員が賃金の不当差別によりこうむったとする損害賠償を求める訴訟が昭和五十四年十二月に提起されて、現在係争中であるというふうに聞いております。
○柴田(睦)分科員 従業員の方から出された内容は、不当な差別による不当労働行為あるいは信条を理由とする基準法違反の行為、これによって損害を受けているという内容であるわけですが、そういうものが裁判ざたになって長期化している。そういう問題については大蔵省としても当然関心を持たれる問題だというように思います。私も国会で取り上げたことがあるわけです。 現在までの原告側の主張する賃金差別を見てみますと、五十年の質問のときに私が取り上げたときは、一番多いと計算される加藤準之助氏が当時五百九十九万円余り、これが現在では五十年から十年たっていますから、実に三千万円を超える。要するに、一緒に入った人たちの中の下ぐらいと比較して、昭和五十一年の十二月から六十年の十一月までですから、九年間に三千万円の差額になっている。同時に取り上げました河合俊浩という人、この人もやはり三千万円を超えるような差別的取り扱いということになっております。ほかの人たちでも、一番少ない人を見ても、例えば千葉繁四郎さん、この人でも一千万円以上の差額になっている、こういう実態が出ているわけであります。これは一年平均にしても大きな差額であるわけで、ちょっと常識では考えられたいのじゃないか。同じように長時間働いていながら、労働運動に対する考え方の違いというものから出てきたとしか考えられない賃金差別、それも大きな差額でずっと継続しているというのが現在指摘されることだと思うのです。 現在、紛争が係属しているのが千葉銀行と秋田銀行だけになっております。先ほど言われましたように、千葉でも興業銀行が一番先に、それから横浜銀行、北陸銀行、静岡銀行、福岡銀行、これが話し合いの上で解決しております。そしてまた、皆、差別の撤回を求める要求であったわけですけれども、皆その差別を埋めるような方向で、完全とは言えませんけれどもそういうことで解決金が支払われて解決しているというところです。事実上賃金差別を全般的に解決したとは言えないと思いますけれども、部分的に認めた解決であるということは言えると思うわけです。 そういう中で、この千葉銀行があくまでも突っ張っている。裁判だけでも五十四年から六十一年までもう六年以上になっている、その前のいろいろな交渉まで入れると十数年に及んでいる、こういう状況にある千葉銀行。銀行の信用や秩序を維持する、そういう観点から日ごろ監督をされるという立場から見た場合に、ほかの銀行に倣って、そう突っ張ってはかりいないで解決するということを銀行の方で考える、そういう指導監督もあわせてすべきではないかというように思いますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 労働問題でございますので所管庁は労働省でありますから、なかんずく係争中の紛争事件に大蔵省が言及するという立場にはないだろうと思います。したがって、労働関係法上の問題として考えれば、我が方がいつも気にしますところのいわゆる信用秩序の問題、それと直接な関係はないというのが一応の建前論であろうと私は思います。ただ、一般論として申し上げますと、同じ役所同士でございますが、労働省等からの御意見も我々はいつでも聞ける立場にあるわけでございますので、必要と思ったときには適切な対処はできることだろうというふうに考えております。
○柴田(睦)分科員 終わりますが、要するに信用秩序の維持ということから見ますと、千葉銀行というのは、今、地方銀行でも第二位と言われるように発腰してきたところであるわけです。そういう意味で、こんな争いをしていることが銀行自体の信用、預金者保護にかかわる問題だという観点で、大蔵省もよく関心を持って調査するなり指導するなりしていただきたいということを申し上げて、終わります。
○平沼主査代理 これにて柴田睦夫君の質疑は終了いたしました。 次に、細谷昭雄君。
○細谷(昭)分科員 私は、おおよそ三つの点について大臣並びに大蔵省当局の皆さん方にただしたいと思うわけでございます。 その第一点は、まず大臣から篤とお考えをお聞かせ願いたいと思いますのは、農林漁業をめぐる出稼ぎ者の問題であります。農林漁業従事者と一口に言いますが、やはり農村にある農林漁業、この人力の環境というのは農林水産業そのものの衰退に深くかかわりまして大変な状況であるということは私どもよく訴えておるわけでありますが、その大きな部分といいますのは、私の方の秋田は米でありますし、それぞれ地域は違っておりましても、現在過疎と言われておるところは押しなべて農林漁業が中枢になっておるわけであります。 そこで大臣、実は戦後四十一年目で、私は常任委員会は農林水産でございますが、ことしは農林漁業の予算が経常費の一〇%を下回った、そしてまた防衛費と逆転をしたという意味で、我々としては大きな節目の年だというふうに考えておるわけであります。これは与野党問わず農村出身の議員は皆この点で心配をしておるわけでありますが、大臣から、このような農林水産予算の圧縮と農林水産業の斜陽化というものをどう考えておられるのか、この点が第一点。 第二点は、そういう中で農林漁業従事者は、地元に雇用がありませんので農外収入を得るためにいや応なしに出稼ぎをせざるを得ない。現在、このとらえ方は省庁でまちまちですが、労働省では二十六万と言いますけれども、私どもは五十万を超えておるというふうに見ておるわけであります。私自身は先輩の栗林元代議士の後を継ぎまして今でも毎年出稼ぎの現場、宿舎を回っております。ことしも関東。関西、そしてせんだっては東海地方を回ってきました。十七年目であります。 そういう中で、出稼ぎ者の皆さん方には同じ単身赴任者でありながら、いわゆるクロヨンと言われて君たちは税の上で大変に優遇されておる、そういうこともあってなのか税に対する減免措置といったものがほとんど考慮されておらない。昨年十一月、政策減税といいますかいわゆる単身赴任者に対する旅費の減税がございました。そしてまたパートの減税もこれから取り組もうとしております。おとといの夜与野党の幹事長・書記長会議で合意された中でも、住宅、教育、パート等の政策減税については六十一年中に結論を出すということが一項ございましたが、私は我が党の国対の中で、この「等」の中には出稼ぎ者の減免についても入っているんだろうなということを念を押しました。実務者会議の中でこれは詰めていくという党の責任者の答弁でございましたけれども、一方大蔵省としても、ぜひ単身赴任者という観点と二重生活をしておるという点、そして非常に過酷な条件の中で働いておるという点を加味しながら、最も底辺でそして未組織の中で劣悪な条件で働いておるこの皆さん方に対して、言うなれば何らかの減免措置、税の控除を図られないのか。この二つの点について、まず大臣の農林漁業に対する考え方、そしてこういう底辺の皆さん方に対する考え方、これをまずお聞きしたいというふうに思います。
○竹下国務大臣 なかんずく農村出身の皆さん方が、一般的な場合予算というのは伸びが幾らであったとか三角が幾らであったとかいうのが政策の重点志向をあらわす指標として見られがちなものであります。したがって、今おっしゃったとおり一〇%を割り、そして防衛費と逆転したと申しますか、そういうことが農村出身の方々に対して、農政に対して政府がいわば軽視しているんじゃないか、こんな印象を受けられることは私も間々あり得ることであろうと思っております。 全般的なことを申しますと、何はさておいて財政改革をしなければならぬ。したがって、補助金でございますとかそういうところへ、その制度、施策の根本にさかのぼってメスを入れながら今日の予算を組んだ。しかし農林水産予算ということになりますと食糧管理費、補助金等の経費の節減合理化を行ったわけでありますが、内容面では生産性が高くて足腰の強い農林水産業を実現しよう、こういう観点から公共事業の事業費の確保、いわゆる基盤整備等でございますが、国費ベースでは減っておりますが、事業ベースではふやしていこう、こういうことです。 それから、かねて言われるいわゆる農業者の方の自立心あるいは自主性を発揮するための補助から融資へという観点からいろいろな施策を行ってまいりました。なかんずく農業改良資金の拡充というようなことがこのポイントの一つであったと私は思っております。それからさらに、私どもが若いころには余り気づかなかったいわゆるバイオテクノロジー、こういう問題についても重点志向をした、こういうことであろうかと思うわけであります。そして、やはり森林・林業あるいは木材対策という点は、千五百億の五カ年計画というものを柱といたしまして、この間通していただいた補正予算の中にも、あるいはことし消化できるかなという若干の不安を持っておりましたが四十億円盛り込ませていただくとか、いわゆる五カ年計画の初年度という位置づけをしながらこれに対応してきたつもりであります。したがって、質的な充実ということに焦点を置いて今後とも対応していかなければならないといういうふうに今、基本的認識を持っておることを申し上げます。 それから、これは我々の先輩であります尊敬する粟林先生の後、いわゆる出稼ぎ対策ということを先生が御熱心におやりになっておることは私どもも仄聞させていただいております。この問題は、まず単身赴任といえば裏腹で出稼ぎどうなるんだ、パートといえば内職どうなるんだ、これは実際いつまでも続く論議でございます。したがって、単身赴任の点について申しますと、我々といたしまして政策減税という中で率直に言ってなかなか税制の仕組みの中で対応するわけにはいかなかった。なぜならば、もちろん出稼ぎの方との問題もございますし、そして例えば北海道の寒冷地手当だって手当は手当だ、だから単身赴任がゆえの手当ということを税の対象の外に置くということは、これは実際問題難しい。そこで、何か行政行為の中で措置することがないかということで、留守宅に帰宅する場合に支給される旅費につきまして、本来の旅費の趣旨から著しく逸脱しないという形で、すなわち本社への連絡でございますとか、あるいは支店への連絡でございますとか、そういうおよそ本来支給されるべき旅費の本来の趣旨から逸脱しない限りにおいては課税いたしません。いわゆる出張旅費はもともと課税対象にならぬわけでございますから。そのような措置で国税庁から通達を出したというようなことになっておるわけであります。したがって、今度それを税制の中で解決するということになりますと、いわば出稼ぎの方がどのような形で、まあ出張旅費というようなことを念頭に置いた場合それを位置づけるかということになりますと、いわゆる雇用契約の長期の雇用問題として存在する単身赴任の方と同列な扱い、位置づけというのが本当は非常に難しい問題だというので、今日までいろいろ議論をしながらそのままの状態が続いておるというのが偽らざる現状でございます。
○細谷(昭)分科員 大臣、これは秋田県の羽後町というところの議会から、出稼ぎ者の税負担軽減に関する意見書ということが満場一致で採択されて、政府並びに我々にも控えを送ってきた。各町村とも大変な問題を持っているわけでございまして、今のお話でありますが、なおひとつこの皆さん方の願いということを十分に勘案されまして検討を続けていただきたい、こんなふうに思いますし、ぜひ政策減税の中にパートその他いろいろあるわけでありますので、その整合性もあろうかと思うのですが、この大方についてもひとつ光を当てていただきたい、このことを特に御要望を申し上げたいというように思います。よろしくお願いしたいと思います。 第二点の問題は、これまた私の地元の問題で恐縮でありますが、積雪地帯の補助の問題でございます。昭和六十年の豪雪というのは五十八年豪雪に匹敵するというように言われておりますが、それはなぜかというと、大変な除雪費の増高といいますか、このことによっても示されておるわけでありまして、秋田県だけでとりますと、県と市町村合わせますと十五億予算オーバーをしておるという状況でございます。そこで、五十八年豪雪の際にも、大蔵省当局から各県、市町村に対する助成というのが行われたわけでございます。今回も、少なくとも五十八年豪雪並みに取り扱っていただきたい。もうたくさんの陳情書が我々にも来ておりますし、これはもちろん政府に来た控えでございますが、この豪雪問題に対する地元の要望というのは大変に強いものがございます。これらのいわゆる対策について、財政難のもとで地方財政というのが圧迫されておる、そういう実情から、何とか五十八年豪雪並みの助成ということが行われなくちゃいけないと思いますが、その点に対してのお考え方。 それからもう一つぜひとも大蔵省に考えていただきたいことは、雪国に住む人の気持ちというのは、暖国といいますか暖かい地方に住む人にはなかなかわからないのじゃないかと思うのです。大臣はまあまあ雪が幾らか降る地方だと思うのですが、新潟とか裏日本の我々の方は大変な問題です。大臣、これは私の家の周りの雪の写真です。これをひとつごらんになっていただきたいと思うのです。それからこれは国道の通学路、子供たちの通学の状況です。除雪というのは何かというと、道路の雪をずっとかき分けていくわけです。ラッセルをするわけですね。したがって、除雪をしますと、片側にずっと雪の壁ができるわけです。それを住民が一定の時間、三十分なら三十分間、雪を流す大量の水を流しておりますので、それで自分の家の入り口、車庫の前、この水を排せつをする作業がございます。一日にそれが多い日には三回もあるわけですね。独居老人の家庭は対応できません。共働きの皆さん方も時間帯がいませんのでこれは対応できません。そういう場合にはもう労賃を出してやらなくちゃいけないのです。雪国の皆さん方は、家そのものを冬囲いといいまして防雪のために囲わなくちゃいけません。ましてや屋根の雪おろし、こういう減免措置というのは非常にわずかなんですよ。例えば農家であれば農機具合、作業舎、畜舎、それから商店であれば倉庫とか商店、住居についてはその控除がないという状況なんです。やはり雪国の皆さん方のこういうふうな生活の負担ということに対して何らかの減免措置が講ぜられなくちゃいけないのじゃないか、こういうふうに我々は思っているわけです。たくさんの陳情もございますが、これについて大蔵当局のお考えをお聞かせ願いたい。この二点でございます。
○竹下国務大臣 まず第一番目のいわゆる豪雪対策、こういうことでございます。今例示にお述べになりましたように、五十八年のとき、市町村道についても四十三億二千七百万円の国庫負担措置をしたというようなこともございますが、一般論といたしましては、国、県道については今後必要な助成措置が既定予算で不足するかどうかとか、あるいは特別交付税そしてまた普通交付税、地方交付税の牛そのものにもそういう算定基礎がありますが、そういうもので対応する。 ただ、この間も藤尾政調会長、これは雪国ではございませんけれども、お見えになりまして、とにかく心配するなど言うことが一番大事なんだ、政府の金を支出するとなれば、関係省庁が集まって、そして完全な調査を終えてからでないとそれは対応できないだろう、しかし心配するなど言う姿勢が今は一番大事だ、とにかくやるだけのことをやりなさいということを言ってあげるべきだ、これはもっともだなと思いまして、各省庁に対してそのような対応の仕方を私の方からもお願いしますし、藤尾政調会長の方からもおろされたというふうに私も承っておるところであります。したがって、この問題につきましては、六十年度豪雪についてどういう予算措置をとるかということが今決まったわけではございません。まさに関係省庁で降雪状況等の調査をしたりしておりますから、その後対応しなければならぬが、藤尾さんがおっしゃったように、心配するなという安心感を与えるということも政治の世界では必要なことだというふうに私も考えておるわけであります。 それから次のいわゆる所得税の減免措置の問題でありますが、これも随分長い議論をいたしまして、先生御存じのとおりですが、今のところ一番近いのは、毎年税制調査会の答申をもらいますが、五十八年十一月に今後の税制のあり方、いわゆる五十九年度税制のあり方じゃなく中間答申みたいなものをいただいております。その際、いろいろ議論をしてみたが寒冷地控除とか教育控除とか地理的な条件、社会的条件に着目して控除を次次に創設していく場合は税制がいたずらに複雑化する。したがって、その税制上しんしゃくすることにはおのずから限界がある。だからやはり問題は、課税最低限というものの中でそうしたことを基本に考えるべきであるということで、今御指摘なすっておりました雑損控除の足切り限度というような問題で、五十六年度改正の際に五万円まで引き下げることとして配慮を加えたという、議論すればするほど結局雑損控除のところ、税制の法律的体系の中へはなかなか入りにくい、こういう問題でございます。したがって、そういう問題意識は十分に持っておるつもりでございます。
○細谷(昭)分科員 とにかく雪国の生活というのは本当に決してロマンチックなものでもないし大変なものなんでありまして、どうかそういう点で税制調査会等も根気よくひとつ税制上の措置というものをお考え願いたい。雑損控除を拡大するとかそういう点でも結構なわけでありますが、ぜひともお考え願いたいということを強く要望申し上げたいと思います。 最後ですが、これは大蔵省に予算措置をする場合十分考えていただきたいことの要望ですが、私はさっき出稼ぎ関係で回って歩くというふうに言いましたが、特に労働問題というのは日本においては新しい行政の一つだと思います。しかも行政需要はどんどんふえておるわけです。ここに大阪労働基準局管内における人員配置のあれがあるのですよ。ざっと言いますと、監督官の一人当たりの適用事業所数が千七百六十カ所になっているわけです。それから事務官一人当たりの適用事業所数は千三百九十五になっているわけです。一年三百六十五日しかありませんし、日曜日その他は除きまして監督官が回って歩ける日というのは私たち推定しましても大体五十日あるかないかなんですよ。したがって、劣悪な出稼ぎ者の働いておる現場、宿舎、これは一つ法律をつくりますとすべて労働省になってくるわけです。それに伴うところの増員は全然ない。要するに私が言いたいことは、大蔵当局が一律削減というのを出すわけですね。経常経費の一律削減方式です。これをやられますと、全くこういう行政需要のあるところはもう大変なことになるわけです。私は、そういう意味で大蔵当局に行政需要に見合った人員配置、これはぜひともやるべきではないか。特に社会福祉的な労働行政の、しかも劣悪な条件の中で働いておりますと、監督官庁の指導なりそういうことが物すごく大きく響くわけです。ぜひともこの点でお願い申し上げたいというように思うわけです。 もう一方、秋田県の場合は過疎でございまして、国立病院や営林局の統廃合、行革という形で、行政需要が減ったという理由で一方では大変な過疎地におけるこのような統廃合が強行されるわけです。これもまた大変困ったことになっている。大変矛盾した言い方なんですが、この国立病院なんかの場合は秋田県では特に過疎地で医療関係の環境も余りよくないという中で無理して統合させるというようなことは、これは財政上の理由ということが大きな理由になっておるわけでありまして、この点も財政当局としては何とかやはり過疎地におけるこの問題、医療をどうするか、農林漁業をどうするかという観点で傾斜配分等をしてもらわないと、これはもう大変なことになるのじゃないかと我々は危機感を持っておるわけであります。矛盾した言い方になるのですが、行政需要があるところにはそれに見合うところの人員配置を、したがって一律カット方式はだめだということ、もう一方では過疎地における配慮、この予算の配分、この点について大変矛盾した言い方でありますが、いわば大蔵当局のお考えというのを示していただきたい、こう思います。
○竹下国務大臣 いわゆる行政需要の濃淡を見定めながら人員配置等を行うべきである、こういうことでございましょう。その問題は、財政当局それから総理府総務庁とで人員の問題は予算の際に各省の中で行政需要に対応する問題は措置される問題であろう。また、当然おっしゃったような意見を念頭に置いて対応していらっしゃるであろうと思っております。直接の関係になりますと財務部とか税務署とかいう問題が私の所管になりますが、私の方も行政需要等を十分配慮しながら効率的な配置を行うように努めております。 それからもう一つは、いわゆる過疎対策全般の問題は、私も過疎の代表曲県の一つですから、あるいは公共事業の傾斜配分でございますとか、この間の補正の配分を見ますとちょっとそういうにおいが出ているな、こういう感じがして私も喜んでおりますが、なかなか当初予算よりも補正の方がやりやすいんだな、傾斜配分がけるのは。こういう感じがいたしました。それは原則的に御意見を十分体さなければならぬと思っております。 それから、国立病院等の問題ということになりますと、この問題はおおむね十年をめどに実施するということで、正確には私どもがお答えするよりもあるいは厚生省から機会があってお答えした方がより正確ではなかろうかというふうに思います。
○細谷(昭)分科員 どうもありがとうございました。
○平沼主査代理 これにて細谷昭雄君の質疑は終了いたしました。 次に、小川新一郎君。
○小川(新)分科員 大変お忙しい中、質問の機会を得させていただきまして感謝をしております。 竹下大蔵大臣が、五カ国蔵相会議、G5から帰国をしてすぐに急激な円高が始まったように私思っておりますが、竹下大蔵大臣の、日本経済は一ドル百九十円台でも十分やっていけるという趣旨の発言でさらに円高が進み、百七十円台に入ってきたわけでございます。大手の自動車メーカーなどの輸出業者でドル建て輸出で年間五十億ドル、為替レートが二百四十円から百八十円へと六十円切り上がったとして年間三千億の為替差損を吸収し切れなくなっておりますが、これは大企業、中小企業の区別なく、輸出型産業に共通の問題でございます。逆に、輸入型の業種におきましては大変な差益によるところのもうけを生み出しているわけでございます。 そこでお尋ねいたしますが、まず昨年秋以降半年間の急激な円高についてどのような認識をお持ちでございましょうか。
○竹下国務大臣 九月二十二日のいわゆるG5以降、確かに今小川さんおっしゃるとおりでありますが、さらに先般のロンドンG5以降私はアメリカへ渡りましたときに、百九十円台許容発言をしたとは思っておりません。ちょうど二百一円でございましたから、百九十九円になったらどう思うかと言ったから、それは別に為替相場の大きな変動だとは思わないというようなことを言ったのが若干誤り伝えられたような、あるいは中には意識してそういう報道をした人もおるかもしれませんけれども、感じがいたしております。いずれにせよ、ロンドンで我々が合意したことは、九月二十二日のことはお互い結果を評価をしようじゃないか、そして後戻りするようなことはやめようやということは合意をしたわけでありますので、今日私は、市場が自律的に今日の相場を決めておるというふうに事実認識はいたしております。 ただ、時に急激に過ぎたではないかという、急激に過ぎるという感じを持たないかというお尋ねがあります場合には、私もそのような感じがしないでもないというふうに申し上げておるわけでございます。
○小川(新)分科員 そこで、きょうはお忙しい中を日銀の総裁に来ていただいているわけでございますので、今大蔵大臣の御感想等踏まえながらお尋ねするわけでございますが、急激過ぎるではなかろうか、急激であるという意味より、なかろうかという表現でございますが、この円高を安定的な相場に落ちつかせるために日銀が現在時点どのような対策を講じようとなさっておりますか。例えば、逆介入をするとか公定歩合の再引き下げを行うとかいろいろな手法というものが考えられております。お願いいたします。
○澄田参考人 いろいろの手法と言われましたが、為替の市場で決まってくるという、基本的にはそういう性格のものでありますだけに、手法といたしましてもおのずから制約はあるわけでございます。 現在、私どもは、基本的には対外不均衡の是正という見地からは、基本的な方向として円高ということ自体は望ましいものと考えておりますが、急激過ぎるという状態における円高に対する産業界の対応ということを考えますと、当面は為替相場が安定的に推移するということが望ましいということは、折に触れ常に私はそういうふうに申しているわけでございます。かように申すことは市場に何がしかの意味合いを持つということもあり得るのではないかというようなことを含めて、そういうことを常に申しているわけでございます。 今御質問の中で、介入あるいは逆介入というようなお話がございましたが、介入は、これは事柄の性格上は、為替相場が乱高下等の無秩序な状態というようなところに陥ったときに行うものではございますが、しかし、いつ、いかなるときに、いかなる状態で、どのような介入をするかということは、為替当局者、為替の市場に関与する当局者として私どもの立場から申し上げるということは、市場に無用の憶測ないし思惑を生ずるおそれがありますので、その点にわたることは控えさせていただきたいと思います。 それから公定歩合の問題ですが、これは為替だけでなくて、為替はもちろんではございますが、国内の景気、それから内外の金融情勢等諸般の状態を総合的に判断して、常にその時点、時点において機動的に適切にこれを行うべきものである、こういう建前のものでございますので、私どもととしても常にそういう姿勢で臨んでいるわけでございます。現在の時点におきましては、一月三十日に実施をした前回の公定歩合引き下げの効果を当面見守る、そういう状態であるというふうに考えております。
○小川(新)分科員 今、このような事態の認識のとらまえ方といいますか、日本経済の動向の中での為替の乱高下、こういった円高の問題の認識の中から、公定歩合の再引き下げとか、また日銀の逆介入の問題とかということが市場で非常に注目をされていることは、もう隠せない事実でございます。今総裁のお話を承っておりますと、非常にガードがかたい。これは責任者として当然、無用な混乱また思惑といった問題に対する御配慮がうかがわれるのでございますが、私の認識からいたしますと、非常事態になっているんではなかろうかと思っているわけでございます。 そこで再びお尋ねするわけでございますが、公定歩合の再引き下げの考えというものは、今のお考えより一歩も出ないのでございますか。
○澄田参考人 重ねてのお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように常に機動的に対応していくべきものである、こういうふうに考えております。 ただ、何分にも前回の公定歩合の引き下げは一月末に行ったわけでございまして、また、それに伴う預貯金の金利の引き下げあるいは短期プライムレートの引き下げ等は二月二十四日、すなわち先週の月曜日でございますが、月曜日に行われたというような状態でございまして、現時点におきましてはその効果を見定めるべき段階であるというふうに考えております。
○小川(新)分科員 私は、そういう点で非常に心配をしている中での質問でございますので、どうかひとつ機動性のある機敏な行動と申しますか、対応に誤りのないよう御判断をしていただきたいと思う次第でございます。 そこで、国債償還計画についてお尋ねいたしますが、私の手元に「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」がございます。昭和五十七年度の補正予算以降昭和六十一年度予算に至るまで、一般会計予算から国債残高の百分の一・六に相当する金額を、国債整理基金特別会計に各年度約一兆五千億円ないし二兆円を定率繰り入れするところでございますが、それを繰り入れ停止してきたために、国債整理基金特別会計の残高は底をついてきたわけでございます。 昭和六十一年度政府予算案においては、国債整理基金特別会計の財源はどのようにしているのかということでございますが、定率繰り入れゼロ、予算繰り入れ四千百億、日本電信電話株式会社、NTTの株式売却四千億、運用益等千二百億、こうなっておるわけでございます。 そこで、昭和六十一年一月に大蔵省が提出した「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」によると、昭和六十二年度以降、各年度に二兆三千億ないし三兆四千億に上る一般会計からの定率繰り入れを行う計算になっておりますが、極度に悪化している財政状況から見て定率繰り入れを今後続けていくことは相当困難であると思います。政府としては断固定率繰り入れを行っていくのか、それともこれは繰り入れ状況等についての仮定計算であるから、非現実的ではあるが、あくまでも仮定として定率繰り入れの金額を書き込んだだけなのかということをはっきりさせていただきたいのでございますが、いかがでございますか。
○保田政府委員 先生御指摘の仮定計算は現在の制度、施策を前提としたあくまでも仮定の計算でございます。現実に六十二年度以降の予算編成に際しまして国債の償還のための財源をいかにして確保するかという問題につきましては、先ほど来先生御指摘のように過去五年間定率繰り入れを停止してきた、それから国債の大量償還がいよいよ本格的になってくるということから、この財源の確保は大変重要な問題になってまいるわけでございます。御承知おきのように今後の税収動向がどうなるのか、それからNTTの株の売却がどういうふうになるのか、その他財政全般の様子を見きわめながら慎重に対処いたしたいと考えておりますが、やはり現行の減債制度の基本は維持してまいりたいという基本的な立場に立ちながら具体的な検討を進めていきたいということでございます。仮定計算と六十二年度以降の予算編成とは多少違うということでございます。
○小川(新)分科員 そうしますと、私ども国会議員といたしましては、政府、大蔵当局の考え方の仮定という問題はあくまでも仮定であって実際にはこのような数値というものは出てこないのだということになるわけでございます。それにつきましては、今後の国債償還財源づくりをどうするかということの中で、十年償還の特例公債、いわゆる赤字公債ですが、この借換債の発行はしないという特例法を毎年度制定してきておりますが、これは今後とも守れるのか守れないのか非常に疑問になってくるわけでございます。今後の借換債の発行はどうするのか。これは昭和五十九年度の財源確保法で特例公債の借りかえを認めており、既に崩れてしまったといった実態の証拠があるわけでございます。いつも予算委員会でいろいろと問題になりますが、こういう計算というものは確かに難しいと思いますが)仮定だ仮定だということにおける信憑性の問題については、こういう審議の土俵の場において我々としては一体どこを基準にしてこういう問題を把握できるのか。財政再建という問題の中での国債の償還という問題のめどをどこにつけるのかということに非常に疑問を持っているわけでございます。今私が申し上げました十年償還の特例公債の問題についてもそうでございます。 時間がございませんから、もう一つ続けて申し上げますと、日本電信電話株式会社、NTTの株式売却収入として昭和六十一年度から六十五年度までの五年間で各年度四千億、合計二兆円を予定しておるようでございますが、その後も政府が保有している株式、例えば日本航空株式会社の株式などを売却する考えがあるのかないのか、まず一番目のお答えとあわせてお答えをいただいてから次に進めたいと思います。
○保田政府委員 確かに政府は現在日本航空等の株式を持っております。これは総額で約一億二千万株程度、額面金額で約千百四、五十億に上るものでございますが、これらの株はそれぞれ一定の政策目的のもとに政府がこれを保有しておるというものでございますから、これを手放すかどうかどいうときには、政府が現在株式をどういう趣旨で持っているのかといったものとの関連を十分考えながら検討させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、最初の十年間という御質問は、恐らく現在の六十年で償還するルールを変えるつもりがあるかどうかという御質問かと思うわけでございますが、六十年の償還ルールといいますのは、公債発行収入によって得られました財源をもととしてつくられまする公共的な施設等の耐用年数が平均して約六十年だということから六十年ということが決まっておるわけでございます。したがいまして、これを特に変更するということは、個人的な感じとしますと、なかなか難しいのではないかと考えております。
○小川(新)分科員 特例法を毎年度制定してきておりますが、これは今後とも守れるのか守れないのかという私の心配なのです。それを今聞いているのです。
○保田政府委員 先ほどもお答えいたしましたけれども、償還の仮定計算は現在の制度、施策を前提としたものでございます。六十二年度以降の予算編成に際しまして、具体的に今後大きくのしかかってまいります償還財源をいかにして確保するかという点につきましては、税収もございます。それからNTTの株の売却がどうなるのかといったようなことも含めまして、基本的には現在の償還ルールを守りたいという考えのもとに具体的な検討を進めていく、こういうことでございます。
○小川(新)分科員 大臣、今のやりとりを聞いていておわかりだと思うのですが、見通しは非常に不確定、不安定、乱気流の中にあるわけでございます。そうした中で私は今、株の問題を議論しているわけでございますが、日本航空の株が最近投機の対象となって株価の高低が激しくなっております。私、株のことはよく知らないのにこんな質問をすることは僭越でございますが、株屋さんの連中の言っていることにマル政株、政治のマル政ですね、政治絡みとか、これが日本航空の株である、こういうことを言っておりますが、このマル政だとか政治絡みの株というのは何でそういうことを言うのでしょうか。
○岸田政府委員 株価と申しますのはいろいろな要素で動くものでございまして、証券業界はいろいろな情報が入ってくるわけでございますが、その中に政治関連でいろいろ集中的に値上がりするであろうというような予測をする向きもあるわけでございます。 ただ、御指摘の日本航空の株でございますけれども、これにつきましては御承知のように九月の中旬に四千八百五十円でございましたものが、本年の一月三十一日では一万三千七百四十円という形で高騰をいたしてきておる状態でございます。ただ現在では、三月六日きょうの前場の状況でございますが、一万二千二百八十円というような状況で若干鎮静をしている状況でございます。相当その株価が動いております場合に、私どもといたしましては常に監視をいたしておりまして、日航の株につきましても既に二回くらい調査を行っておりますけれども、その調査結果の報告によりますと、特に不適正な価格形成といったものがあったというような報告は受けておりません。
○小川(新)分科員 私は交通安全対策特別委員長をやって、昨年この日航の飛行機事故の関係をやったわけですけれども、最低四千二百円くらいに下がった、それがある日突然あれよあれよという間に今おっしゃったような価格、一万三千円からきょう一万二千二百八十円に下がった。半年間にこんなに三倍も急速に上がったというのは余り――こういう政府関係の三菱を持っている株の安定をしなければならない、あなたの方ではいろいろ調査なさったけれども不正な取引とかそういったのは見当たらない。ところが、株屋さんに言わせるとマル政株だマル政株だ、政治絡みだ、先生もどうですか、買いませんか。私は金がないからついに乗り損なってしまったのですが、残念無念、口惜しいというところでございます。こういう日航の株が、こういうふうな無配の会社でありながら一万二千円台にも急上昇する株価の変動についての認識、これはもう本当に我々には不可解に思えます。ましてあれだけの五百何十人の事故を出し、そして今逆に全日空が海外の路線にまで進出してきている中においてのこれだけの変動が起きている。これはまさにつくられた株価の変動ではなかろうかと思います。きのうもある人と会いましたら、三百五十万株持っている、どうだ小川君、百万株くらい乗らないかととんでもない話を持ってきた人もおります。 政府が株式を保有している特殊法人のうち既に日本自動車ターミナル株式会社と日本航空機製造株式会社については株式をすべて売却しておりますが、現在政府が株式を保有しております特殊法人には、日本航空初め関西国際空港、日本たばこ産業、日本電信電話株式会社、東北開発株式会社、電源開発株式会社、沖縄電力株式会社等、大体九九・四%、一〇〇%、七二・三%というような保有率を持っております。これらの特殊法人の株式を売却する考えをお尋ねすれば、そのときそのときの株価の一番高いときに売ればいい。今、償還に関する国債の財源やこういう政府のお出しになった国債整理基金の資金繰り状況の仮定計算書においては何が一番大変かと言えば、これを埋める財源が大変なんだ、だからNTTの株の状況を見ながらこれから放出していきましょう。高くなることがいいことか悪いことか私わかりませんが、財政再建の立場に立てはその保有している株を売るんだったらこれは一番高いときに売ればいい、こんなことは子供でもわかる。そういう状況づくりをするためにやっていらっしゃるならまた私も考え直さなければなりませんが、そんな配慮をして株が動いているわけじゃないのですから、その辺のところの御見解をプロの中のプロ、これは大臣にそんなことを言ってはまことに失礼ですが、竹下大蔵大臣の御所見をまず承りたいと思います。
○竹下国務大臣 私は株のことはわかりませんが、ただNTTの場合は、ああして国会でいろいろ議論をして民間に移管したのだから、今私が一人株主でございますから株主総会といったって私一人でございますが、やはり民間の意見を反映するためにはできるだけ可及的速やかに、いわば株も可能な限り多数の者に持っていただくようなことが好ましいということが国会の議論でたびたび行われておりますから、まだ決算はわかりませんけれども、既にことし一応の基準を置いた株価を算定しまして予算書に上げているわけですね。だから、したがって、これはこれからの話でございますが、これは売ることが当然のことだという前提の上に立ってこういう措置をしておるわけです。 日本航空の場合は、今運輸審議会においてこれから日本航空の運輸行政のあり方というものを審議して、そこで一つの基本方針をお決めになる、それまでに、今いいから売ってやろうという性格ではない、ゆえあって今あれだけのものを保有しておるわけですから、その審議会で運営形態がどうなっていくというようなことを見定めなければ、今いいからというだけで売るというわけにはいかぬじゃなかろうかというふうに考えております。
○小川(新)分科員 そうすると、重ねてお尋ねしますが、運輸審議会、そういったようないろいろな状況の中での判断が当然必要でございましょうけれども、日本航空の政府の持ち株三五・数%ですか、ちょっと忘れましたが、約三五%の株については放出をする考えには変わらないのですか。
○竹下国務大臣 その問題につきましても、もう一つ臨時行政改革推進審議会においても審議が行われておりますので、その審議を踏まえて、株の問題についてはそれに合わせて検討するということではなかろうか。今もう既に売る方針を決めましたと言うのは少し、丸々もって国会でいろいろ議論して生じておる問題じゃないだけに、今売りますよということを言うにはいささか時期が早いんじゃないかなと思います。
○小川(新)分科員 残念ですが時間が来ましたので、では最後に一問だけお願いします。 株式の先物取引についてでございます。国債の先物取引が行われて、えらい大損をしてお騒ぎをした、買った方、売った方、それぞれ悲喜こもごもでございます。そこで、大阪証券取引所は関西の証券、金融界、主要機関投資家、主要企業、大阪府、大阪市の代表等を集めた株式先物取引を考える会を発会させております。また、大阪証券取引所は名古屋証券取引所と共同で昭和六十年十月にイギリス、アメリカに株式先物調査団を派遣し、ことし二月三日に調査団報告書が公表されております。 政府としては、今後株式先物取引の導入についてはどのように考えているのか。米国では通貨、短期債、長期債、株式という主要金融資産についてはすべて先物市場がつくられておりますが、日本ではなぜ国債の先物取引が先発して株式先物取引が導入されていないのか。これが二点。この報告書では「自己責任が確立していないからといって投機を否定し、経済的に有用な株式先物取引等を否定し続けることがわが国のために望ましいかどうか、真剣に考えてみる必要がある」と述べておりますが、自己責任と投機について政府としてはどのように考えているのか。この三点でございます。 最近またワラント債等々新しいものが売り出され、人気を博しております。しかし、国債の先物買いについてはいろいろな問題点を惹起しておりますことは本委員会、大蔵委員会でもいろいろと議論されたと聞いておりますので、その点は省きます。
○岸田政府委員 現在、我が国の金融先物取引でございますが、先生御指摘のように債券先物取引は既にスタートをいたしているわけでございまして、そのほかのステップといたしましては、やはり諸外国で行われております株式先物等が議論の対象になってきているわけでございます。 まず、債券先物がなぜ先に出て株が後かということでございますけれども、御承知のように現在我が国の大量の国債発行下、こういう状況でございまして、公社債につきましてのリスクのヘッジということが当面のニーズとして非常にあったものでございますから、証取審でも御検討いただきまして制度を発足させたわけでございます。 今後このほかの金融先物についてどうなるかという問題でございますけれども、先生も御指摘のように、株式の先物について機関投資家を中心にして今いろいろ議論が出てきている状況でございます。私どもといたしましてはこれから具体的に、その株式先物についてのニーズがあるかどうか、それからまた具体的な仕組みをどうするか、そこら辺もいろいろ検討した上でこの導入の可否について検討してみたいというふうに考えております。 それから自己責任の問題でございますが、特に先物取引市場と申しますのはやはり自己責任原則が定着をいたしませんといろいろ不測の事態を生ずるわけでございます。私どもは、現在動いております債券先物の市場におきます自己責任の原則の定着ぶりなども十分踏まえながら、後の制度をどういう仕組みにつくっていくかということを考えていきたいと考えております。
○小川(新)分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
○平沼主査代理 これにて小川新一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、和田貞夫君。
○和田(貞)分科員 昨年の十月に大阪のある保税倉庫を持っておる会社でございますが、大阪の税関が定期検査のために立入調査をされた。御案内のとおり輸出振興のための関税が保留される保税対象の措置でございますが、一つはたまたまその立入検査のときに輸入の原材料が指定の場所に保管をされておらなかった。もう一つは課税済みの国内向けの原材料がそのものと区分の管理が十分にできず、ルーズであった、こういう指摘を受けたわけです。ところがそのことが一部の報道機関で関税が脱税されて摘発された、こういう報道がされたわけです。そのことによって実はその会社の保管責任者であったまだ年の若い係長が焼身自殺をした、こういう事件が起こった。遺書に、脱税のニュースについては全く私の手続のミスであった、まことに申しわけない、責任をとって死んでいきます、こういう言い分を上司や家族に書いておったということで彼の職場の机の中から出てきたわけですね。そのことについて大阪税関の方から状況を把握されておることであろうと思いますが、私も実は大阪税関の総務部長にも電話をいたしました。その一部の報道機関が報じた千数百万円の関税の脱税額は本当に私の方も承知をしておらない数字であるということを私にも言っておりましたし、新聞報道でも大阪税関の責任者が、もしも関税法に違反をしておるということであれば当該の相手に通告する、そして仮にそういうことであれば罰金相当額について課税することがあるけれども、いずれにも該当しないということを言っているわけですね。このことは事実ですか、どうですか。
○佐藤(光)政府委員 先生御指摘のように、ある会社の保税作業にかかわりまして私どもが昨年の秋の十月でございますが、定期的な保税の検査、チェックをやったことは事実でございます。そのこととのかかわりにおきまして、これまた御指摘のようにその会社の担当者の方が年明け一月になりまして自殺をされたということも事実でございます。 それから最後のお尋ねでございますけれども、脱税額云々というような話はただいま調査中でございますし、また特定の会社の調査、検査で私ども知り得た職務上の秘密というようなことに仰々しく申しますとなりますものですから、こういう場で詳細をお答えするのは大変難しい話でございますので、そこはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほど申しました点は事実でございます。
○和田(貞)分科員 私はそこまでお尋ねしようと思っておらない。私はなぜ一部の報道機関にそのことが通じたかというところを重視しておるわけです。今も言われましたように特定の企業の秘密に属することでもあるし、あなたの方の立場で言うならば守秘義務ということがありますね。そういうこともまた当然であろうと私は思うのです。また、守秘義務であっても明らかにしてもらわなくてはならない問題もございます。国民を害するような問題であればいかに守秘義務であっても国民の前に明らかにする、そのことが大事だと私は思います。にもかかわらず、なぜ一部の報道機関にそれが出たか。大阪税関の総務部長とも私は電話で話をして言いました。おまえのところの内部から出ておるじゃないか。内部から具体的な数字まで、しかもその数字は大阪税関の総務部長がそんな数字は頭にもない数字だと言う。そういうことを、現場で果たして立入検査をした該当者なのか、それはわかりません、わかりませんが、少なくとも立入検査をしたということは事実であるし、その結果に基づいてさも脱税という、まだこの結果がわからないにもかかわらず脱税だということで一部の報道機関が報道するということになればその企業の名誉にかかわることでもありますし、このように一人の若い責任者がその責任を負って死んでいくという大きな問題が起こっているわけです。一人の人命を失うという犠牲者が出るようなことになっているわけなんですね。 だから私は大阪税関の責任者に言いました。速やかに内部を洗ってそのことをきちっと調査をしなさい。そういう危険な者が人の命を失わさせるという、守秘義務ということ以上のものとして、全く何もかもわからない、まだ未知のものをさもあるように報道機関に情報提供して報道をさせるというようなことは、公務員として人間として許すことのできない問題である。そういうことが実は大臣、傘下にあったわけなんです。その点の調査はその復されましたか。
○佐藤(光)政府委員 先生御指摘のとおり人間一人が死んだという大変重大な話であります。この問題はまた御指摘のとおり当該企業の名誉、信用に関する問題でもあります。私は厳格に調査をいたしました。もし仮に私どもの役所の内部からそういったことが特定の報道機関に漏れてそれが報道されて、大変お気の毒だと思いますが死に至ったということだと大変なことになると私は思いました。厳重に調査をいたしまして、その結果私が得ましたことは、私どもの内部から当該会社の調査その他の件については一切外部に漏れた事実はないということを私は確認をいたしておるわけでございますので、ひとつ重大に受け取って十分な調査をし、その結果そうしたことはなかったということを申し上げさせていただきたいと思います。
○和田(貞)分科員 それでは、その報道機関が捏造して報道したということになるじゃないですか。だれかが資料を提供しなきゃそんなことにはならぬでしょう。まして当該の企業はそんな数字的なことは税関の方から立入検査をされてどうなっているかこうなっているかわからぬのに……。明らかにあなたの方の内部から資料が出ていると思えてしようがない。これはどういうような調査をされたかわかりませんが、私は具体的に申し上げたい。 大阪税関の下部の機関があるでしょう。その下部の機関を徹底して調査しましたか。大阪税関の下部の機関からデータが出ておるじゃないですか。そういうものを形式的に調査をした結果がどうだということで、人一人の命を亡くするような事件を起こしよって、そういうように平然として、調査をした結果内部にはおらぬというようなことをこの場で断言するということは、これまた極めて軽率じゃないですか。もう一度徹底して洗い直ししなさい。
○佐藤(光)政府委員 御指摘のとおり大変重大な問題でございますので、念には念を入れまして、もう一回私も調査をいたしたいと思いますが、今現在は、先ほどお答えを申しましたとおり、大阪税関の本関の報道機関と対応したしかるべき人間、それから堺の支署の担当者、これにも調査をいたしました結果、先ほど申し上げましたようなことを得ましたものですから、今現在私の知っております限りにおきましてはただいま御答弁を申し上げましたことになりますけれども、大変な事件だと思いますので、重ねてもう一回、私も念には念を入れまして調べてみたいと思います。
○和田(貞)分科員 大臣、これはひとつ督励してもらって、徹底してやってもらいたい。あることを漏らすということであれば、これは処分ということでいいだろうと思うけれども、ないことをあるように報道機関にネタ売りをするというようなことで一人の人命を亡くするというような事件が起こって、これは会社は会社としての、企業は企業としての名誉にかかわる問題でありますが、やはり一人の人命を失った当該の企業の労働組合としては辛抱できない。労働組合としては辛抱ができなくて、これは大蔵省に抗議をしたい、そのように言っているくらいなんです。 この際ひとつ私もその調査に協力します。そういうやからが大蔵省の職場の一角にあるとするならば許しがたい問題でございますから、これはひとつ同僚の者たちも心配をしておることでございますし、この際、それらの方々に対してもこの機会に大蔵大臣の方からその点についての所見をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○竹下国務大臣 問題の重要性につきましては、今関税局長からもお答えいたしましたように、厳しく受けとめております。そして、今の先生の発言に対して重ねての調査を約束申し上げたところであります。私も重大な問題としてこれを受けとめさせていただきます。
○和田(貞)分科員 ひとつぜひともよろしく遺族の方々に対しても真剣にこの際調査をしてもらいたいということを私は強く要望しておきたいと思います。 その次に、これも大蔵省としては、私に言わせるならば、対応が非常に悪いということを一つ指摘しておきたいのです。大蔵大臣はないということでありますが、大蔵省の首脳にあるまじき発言をするというようなことが記事に出るようなことを見ても、大蔵省はまさに他省庁と違って、大蔵省というのはむしろ国会の上に君臨する役所だというような考え方があるんじゃないかということをそのことからも思えてならないわけです。というのは銀行局の問題です。去年たしか商工常任委員会で、あの豊田商事の問題が起こったとき、経済企画庁に対しまして、銀行、金融機関に対する消費者の皆さんの苦情というのが最近ありませんかと聞きましたら、経済企画庁はかなりの数字を並べて苦情があるということをおっしゃっておった。私はその一つの例として、私の地元の住友銀行の鳳支店でございますけれども、わずかな預金者なんですが、そこに定期預金を七つ持っている。家の改築のためにその七つを解約する手続をとったところが六つしかなかった。いたし力なく、そのときは金がすぐ要るので六つを解約した。そしてその資金に充てた。後になって、この一つの定期の証書を持っておるにもかかわらずないということは一体どういうことだということで銀行と話をした。そうするとその銀行の方は、よく調べた結果、もう既にかなりの年限、約四年前に電算機を導入したときに、その人をAとするならば、Aの人の口座がBの人の口座に変わっておった、こういう極めて単純なミスを犯しておるのです。後でわかって早速Aに振りかえて、そして新しい証書を交付したというのですね、再交付した。今度はその新しい証書を持って、子供の入学の時期にそれの解約手続に行ったら、いや、一年前にこれは払っておる、こう言う。後段の場合は銀行は銀行としての言い分があります。本人は本人としての言い分があるわけなんです。しかし、そういうようなことを、少なくともわずかな預金者、消費者に住友銀行と言われるような大銀行がそういうミスを犯しておるということは事実でありますし、そういうミスを犯しておるから私も実は疑問を持ったわけです。少なくとも消費者の皆さんに、預金者の皆さんによく理解を求めるようにやりなさい、そういうように銀行局の方で行政指導をしなさいと言いましたら、当時商工常任委員会に出てきておられた課長は約束したが、いまだにこのことは処理できていないのです。大蔵省はそんなことさえもできないのですか。
○吉田(正)政府委員 先生御指摘の件、商工委員会で御指摘もございまして、私どもの調査によりましても御指摘のような電算機入力ミスがありまして、さらにこの新定期預金証書を発行した際、古い方の証書を回収しなかったという、全く初歩的なミスであったというふうに聞いております。 私どもとしましては、これはある意味では二重のミスがあったということで極めて残念なケースに当たるということと考えておりまして、銀行側には預金者に対し御理解を得るべく、事情説明を行うようにという指示を指導しておるところでございます。ただいま銀行側におきましても、事情説明を行うべく努力しているというふうに理解しておるわけでございますが、先生がおっしゃるとおり、預金者も納得していないというような御懸念があるようでございましたら、なお心いたしまして、私の方といたしまして指導いたしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○和田(貞)分科員 私がこの委員会室に入るまではまだそのようになったというふうには聞いておりません。そのように指導した、指導したにもかかわらず、やらないというような銀行に対してはどうするのですか。
○吉田(正)政府委員 先生が、まだそういうような預金者も納得していないという御事情把握でございましたらまことに残念でございまして、銀行側の努力が足りないということに相なると思います。早速にも事情をさらに調べまして、御納得が得られるようにしたいと思いますし、重ねて先生からこういう御指摘を受けたことはまことに申しわけないというふうに考える次第でございます。
○和田(貞)分科員 二つミスをしているのですね。それは電算機入力ミスということは、これは新しく機械化したためにそういうことがあったとしてもこれは理解ができた、もとへ戻ってきたんだから。そして、解約に行ったら払ったというわけでしょう。払ったか払っていないか、それは当事者同士でないとわかりませんよ、これは。少なくとも本人は証書を持っておるのです。私は、この問題を解決しなければ――まだ証書を預かっておる、証書を持っているのです。これを持っていったら金を払ったというのです。これは普通考えられないでしょう。古い証書で解約したというのですね。実はそのときに二枚の証書を発行したというミスだということを銀行が言っておる。これは普通の商売でありましたら、そういうミスがありましたらそれ相当の謝罪というものをするのが当然です。しかも、あなたの方が仮に今百われておるように行政指導をやったとするならば、その行政指導を聞かない銀行というのは、これは何か処分の方法はないのですか。
○吉田(正)政府委員 いずれたいたしましても、これは初歩的ミスを二回重ねたということでございますから、いろいろ経緯もあると存じますけれども、その点では免れがたいミスであるというふうに私ども認識しておりますので、必ずや私どもの指導に従うように、預金者が納得できるように指導いたしまして、必ずその結果を御納得いただけるようにしなければならないケースだというふうに存じておるわけでございます。
○和田(貞)分科員 そういう銀行に一単に消費者の苦情というのは、やれジャパンライフだとか豊田商事だとかそういう悪質な悪徳商法に対するところのそういう不満、苦情というのは、これはあってしかるべきじゃないけれども、あるでしょう、これは。職業の自由というのがあるのだから、泥棒も職業やということで、あなたの方はたとえばくちでもうけようが泥棒でもうけようが、豊田商事というようなそういう悪質な商法によって金をもうけても税金を取るという、そういう側にあるのですからね。 けれども、これは少なくとも預金者と金融機関との間の信頼関係というものはそれは大事なことで、その信頼に対して、信頼を欠くことに対するところの消費者の苦情というのは、あればこれはやはり大蔵省としては何か手を打って、言うことを聞かなければ言うことを聞く措置というものを何とか講ずるべきだというように私は思うのです。こんなことを大臣に伺ってどうかと思いますけれども、どうです。これは、実例を挙げましたけれども、現実に経済企画庁あるいは国民生活センター、そういうところに銀行、金融関係のこれに類する苦情というのは多々あるんですよ。新しい金融機関に対するところの指導の指針というようなものも含めて、ひとつ大臣、国民の金融機関に対するところの信頼度を回復するためにも、この場で何かおっしゃってください。
○竹下国務大臣 日本の銀行は倒産をしない、そういうようなことがいわば日本人の貯蓄性向が高い一つの要因だと言われるわけでありますから、ある意味においての信用というものはあるわけであります。そして、信用秩序ということを維持するために、それぞれの銀行は日夜努力しておるであろうと思います。 今の問題は、二回単純ミスをしております。インプットの際が一つ、それから旧証書を回収しないまま新証書を渡したという、これもミスであります。そのミスに対しては理解を得る努力をしなければならぬ。それで、先生の御質問に答えて、それを本省へ帰りまして報告し、財務局を通じてその努力を銀行の方へ指導をした。それが今の先生のお話では、本人いまだ納得せずと申しましょうか、そういう状態にある。これについては、その納得を得るような努力は引き続きしなければならない問題だと思っております。 そして、大局的にはこれはやはり金融機関は国民の皆さん方の大事なお金を扱っているわけでございますから、信用秩序の維持ということには絶えずそれを念頭に置いて、上から下まで運営に当たるべきものである、このように考えます。
○和田(貞)分科員 二つの質問をさせていただいたわけでございましたが、いずれにいたしましても市民と金融機関との信用の問題、そして大蔵省の一角の内部の問題として先ほど大臣の御所見をお聞かせ願いましたが、大蔵省としては毅然とした態度をとってこの二つの点について早急に処理をしてもらいたい。銀行の問題につきましては、もう二度と再びこのような発言を私もしたくありませんし、させないようにぜひともやってもらいたいということを申し上げまして終わりたいと思います。
○竹下国務大臣 ありがとうございました。
○平沼主査代理 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。 次に、正森成二君。
○正森分科員 本日は、主として税務行政についてお伺いいたしますので、大蔵省関係のお方は適宜休養をおとりになっていただいて結構でございます。それでは国税庁に伺います。 申告納税制度が始まってからもう長い時間がたちますが、昭和二十五年ごろからはお知らせ方式というのがございまして、できるだけ税務署の希望する所得金額に基づく申告をするようにという申告指導が行われたと承知しております。 その後納税相談方式が導入されましたが、実際には相談というのは名ばかりで、税務署が事前のいろいろな調査によって、ほぼこれくらいの金額と思っている税額に引きつけるということが中心に行われました。その後納税相談方式が改定をされまして、昭和四十八年ごろからは来署依頼を原則として行わないで、納税者自身による自発的な申告の慣行を定着させるように努める、これは「税務運営方針」にそう書いてございますが、そういうことになったはずでございます。 ところが、昭和五十三、四年ごろからそれが変わってまいりまして、「税務運営方針」は変えられていないにもかかわらず、往年の引きつけ方式といいますか、来署案内というものを送って、そして税務署が希望する一定の金額に引きつけるということが行われているようであります。そのために、例えば東京国税局の管内を例にとりますと、五十九年度の調査接触件数は十二万三千件余りでありますが、その内訳を見ますと、事後調査は三万四千件くらいで、確定申告前の調査接触が八万件というように六六%にも達するというような状況であります。それに伴って、非常に実調率を上げるということが奨励されているようでありますが、そのために税務職員に非常な過重労働になって、さまざまのひずみが起こっておるということが言われております。 まず第一に伺いたいと思いますが、最近税務署が修正申告を偽造するという事件がたびたび起こりまして、私のところにも直接数件陳情が参っております。例えば八三年に関信局の所沢で、修正申告の偽造が行われまして、これは本人が蒸発したと言われております。八五年には金沢局、これは処分されたそうでありますが、福岡局の筑紫税務署、これは修正申告を偽造した上にその税額を税務署員が納税者にかわって自分で納めるということまでやったと報告されております。そのほか、仙台局のいわき税務署、それから本年に至りまして大阪国税局管内でもそういう事件が起こっていると承知しております。 この事件の中には、事実関係について、本人が申告したものではないけれども、税務署員が偽造した、とまでは確証が挙がっておらないというふうに主張されておる事件もあるかと思いますが、一件とは言わず五件も六件もこういう事件が起こっているということは、やはり一定の必然性があると言わなければならないですね。その必然性は何かといいますと、結局増産の出ない、増産というのは申告よりも多く修正させるようにすることですが、増産の出ない申告是認調査は、一定の件数までしか決裁しないとか、申告是認調査は決裁に出しにくいという風潮が職場に蔓延をいたしまして、修正申告書を偽造した調査官は、こういう状況の中でせっぱ詰まって増産を出すために偽造する、あるいは身銭を切って自分で税金を納めるというようなことまで起こっているのではないかというふうに言われておりますし、私どももそれは一面の真理であろうというように思っております。 そこで、こういうように職員を追い詰める実調率のみを上げればいいというような、そういう税務行政というものがあるとすれば、これは反省すべきことであると思いますが、いかがですか。
○塚越政府委員 ただいま御質問の件でございますが、まず引きつけというお話がございましたが、申告納税制度のもとで適正公平な課税の実現を図らなければならないということでございまして、私どもとしましては、確定申告期というのは多数の納税者にお会いすることができる機会であるということから、納税相談などを通じまして適正公平な課税の実現が図られるように努めているところでございます。具体的には営庶業所得者を中心にいたしまして来署案内を行って、適正な申告をしていただくように指導なりアドバイスをするということをやってきております。 しかし、この来署案内による納税相談と申しますのは、一定の所得金額とか税額を示して行う、先生のおっしゃいましたいわゆる引きつけというものではございませんで、あくまでも納税者が適正な申告をしていただくようにということの適切な指導と助言をするという性質のものでございます。 それから、偽造の話をなさいましたけれども、私ども課税の公平を確保して信頼される税務行政を実現するということが我々に課せられた重要な責務であると考えておりまして、各局署とも限られた人員で最も効果的な事務運営を行うように内部事務の省力化等に努めますとともに、可能な限り調査事務量を確保して、高額、悪質重点の基本方針のもとに、適正公平な課税を実現するための最大限の努力をしているところでございます。 ただ、事務計画の策定に当たりましては、局署の実情に応じて無理のないものにするようにということを指導しておりますし、またその実施に当たりましては弾力的な運用に配意して、職員に過重な負担をかけないようにということを常に指示をいたしております。先生のお言葉ではございますが、増差とか件数主義といったようなことで運営されているわけではないと私ども考えております。 また、税務調査の結果、納税者の申告額が過少であるというようなことがわかった場合には、調査結果を十分納税者の方に御説明をいたしまして修正申告書を提出していただいているところでございます。修正申告書を偽造するというようなことがありますと、後日必ず発覚することは明らかでございまして、そのようなことは通常では到底考えられない極めて特殊、異例な事柄であると私ども考えておりまして、これは本当に個別の特殊、異例の事柄ではないかというふうに考えております。 先生、何件もあるというふうに御指摘になりましたが、その中には私どもまだ事実調査をしているところがございます。ただ、税務署としましては、調査着手から処理が終わるまで、事案の管理に万全を尽くしておりますけれども、今後ともこのようなことが起こらないように、その徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○正森分科員 非常に間接的な表現でしたけれども、特殊、異例の場合としてそういう事案があったということはやはりお認めになったと思うのですね。私は所沢の件でも、まだ若い署員で名前が国会で明らかになれば本人に与える打撃が大きいということで名前を申さなかったわけですが、今回他の局でも名前がわかっておる人もございますけれども、個別的、具体的なことは議事録に残るような形では遠慮させていただきたいと思います。 しかし、こういうことが起こるということはまさに異例のことでございますし、その背景には、せっぱ詰まって一件でも増産を出して全体の自分の決裁状況をよくしようというような気持ちがないとは言えないですね。今次長が、高額、悪質のもの中心にというように言われましたが、それは確かに「税務運営方針」なんかではそう書いてあるのですけれども、最近はどうも高額、悪質重点ではなしに、低額のものであっても、たくさん調べて実調率を上げるというように変わってきているのではないかということで、それが余り効率のよい税務行政になっていないではないかと思われる節があるので、あえて申し上げたわけであります。 それから、そういうことはやっていないと言われますが、具体的に私どものところに情報が入っておりますが、ことしの一月二十七、二十八日に実施されました大阪国税局の納税相談事務ブロック研修というのがあったはずであります。まず、その内容と形式の両方について伺いたいと思います。 この研修は、当初は、上席または調査官で指導的立場にある者というのが参加者の資格として通達を出されたはずであります。それに従って、例えば上京税務署だったと思いますが、五名が指名されまして参加することになっておりましたが、たまたまそのうち二名が全国税の労働組合に属する者でありましたためか、途中からもっと若い者にかえなければならないというようなことで、五名のうち四名が入れかえられた。なぜ入れかえられたかという理由を問いただしたところ、局と署とそれから統括官で、それぞれ理由が二転三転するという極めて不可解なことが起こっておりますが、これは実際上、ある組合の所属によって公正なるべき税務行政をあえて曲げたと言われても仕方がないのではないですか。それについて事前にお話ししておきましたが、御調査の結果はどうなっておりますか。
○塚越政府委員 大阪国税局でブロック別の研修会をやったわけでございますが、当初出席予定者の変更があったということを私ども聞いております。その理由は、若手職員にも当該研修を受講させたいというふうな署の方の希望がございまして、その署の判断で行ったというふうに聞いております。先生おっしゃいますように組合員を外すというようなことでやったものではないというふうに私どもは聞いております。
○正森分科員 国税庁としてはそう答えざるを得ないだろうと思いますが、それにしても、それぞれ二転三転理由が変わっておるということは、極めて不可解であるというように言わなければならぬと思うのです。しかも、その研修内容がそこに参加した人からおいおい同僚に話されまして、その内容が我々のところにもメモで参っております。これを見ますと、黙過できないようなことをあなた方が言っておりまして、引きつけはやっていないと言うけれどもそれはうそではないか。この納税相談事務ブロックの中で言われていること自体が、引きつけを奨励するものではないかというように思われる内容になっております。 例えば私のところに参っておりますものでは、有資格にすることは大変大事、有資格というのは納税義務のある者ということですね、それで、税金で一万や二万でも保育料や社会保険がかかってくる、税金としては少なくても全体を見れば数十万円になる、これを考えてもらいたということで、一方でも二万でもつり上げるという意味のことを言っておりますし、納税相談において納税者の申告額より多目の申告をさせなければならないということを、この納税相談事務ブロックで言っております。あるいは今、無理な来署案内や説明はやらせていない、こう言っておりますが、呼び出し件数は一人当り三百人に持っていきたいということで、はっきり一人何人以上呼び出せということまで言っております。あるいは適正申告ができない場合事後調査に結びつくことを示唆する、こういうことで、税務署の希望する金額まで修正申告あるいは修正申告の前の申告ですね、それをやらない場合は後で調査に行くぞということで暗におどかすようにということまで相談事務ブロックの研修でやっておる。 一番問題になるのは、どうせ記帳するなら青色でとより高度な記帳を求めるが、すべての者に青色を求めない、青色申告をすることによって資格落ちするような者は除外する、こういうぐあいに指導しておる、こうなっておるのですね。これはどういうことかというと、青色申告にすれば、御承知のように青色の特権で従業員などは給料が控除されます。白色の場合には家族四十五万円ですから、それだけ差が出てくる。そこで、青色申告すれば資格落ちになるような場合には白色のままにしろということで、あえて青色を勧めるなということまで言っておるとなれば、これはやはり少しでも増産を求める、あるいは引きつけをするということで、適正な申告をさせるという観点からは遠いのではないかというように言わざるを得ないのですが、いかがですか。
○塚越政府委員 先ほど申しましたように、税務行政の使命が適正公平な課税を通じて租税収入を円滑に確保することにあるわけでございますが、そのために確定申告期においては納税者に適正な申告をしていただくようにいろいろな指導助言を行うということにしているわけでございますが、御指摘の大阪国税局のブロック研修会と申しますのは、納税者に適正な申告をしていただくための適切な指導助言の方法につきまして、国税局それから税務署の職員が参加をいたしまして、過去の経験等を踏まえまして、討議形式によって研修を行ったものでございます。研修は討議形式で行われたということもございまして、自由討議の形で行われたものでございますから、現地では発言内容を確認できなかったというふうに闘いおります。 国税庁といたしましては、常日ごろから適正かつ公平な執行を行うという観点から、申告納税制度の趣旨を踏まえた内容の研修を行うように指導しているところでございまして、今後とも同様の考え方で指導をしてまいりたいと考えております。
○正森分科員 現地での発言の全部をチェックできなかったというようにおっしゃっておりますが、私どものところに参りました情報では、そういうことが発言されたということで、特に資格落ちするから、ほかの者には青色申告を勧めるけれども、青色になれば資格落ちする者にはそれを勧めないで白色のままに置いておく、そういうようなことまでやるということは、もしやるとすれば甚だよろしくないと思うのです。 それでは、次の方に参りますが、これは元全日本同和会京都府市連合会幹部による脱税請負事件に対する京都地裁の事件であります。これは新聞で広く報道されましたから御存じだと思いますが、相続税法、所得税法違反で逮捕者が五十五名と言われておりますが、起訴は五十八名と言われております。脱税総額約二十億円に上る大規模なものですが、その中で裁判官が、税務当局はでたらめでも形式さえ整えば十分な調査をせずに通してしまうという認識を同和関係者に与えた、この結果私利私欲に走らせたとか、税務当局の同和団体に対する弱腰姿勢にも責任の一端がある、常に断固とした姿勢を示していればこのような事件は起きなかったという意味のことが判決の中で判示されております。 それで、一般の方なら税務署へ申告を持っていくのですが、同和関係者だけは国税局へ直接持っていく、そうしたら受け取ってもらって処理してもらえるとか、あるいは特別の対応をしてもらえるというようなことはもうしばしば私どもは耳にするのですね。我々は本当かなと思っておりましたら、この間の京都地裁の判決で裁判官も事実関係を調べて、税務当局がふだんから態度が悪いということを裁判所が言うなんというのはよくよくのことなのです。それでやはり国民に対しては、税務行政というのは少なくとも公正でなければ、ある者には非常に厳しくやる、ある者には書類を受け取ればそのまま認めるということでは、現在の非常な財政危機において国民に税務署を信頼させるということはできないと思うのです。これについての反省と今後の対応、決意について伺いたいと思います。
○塚越政府委員 先ほどから申し上げておりますとおり、税務行政の目的でございますが、税法を適正に執行して課税の公平を図るということでございまして、このために私どもとしては、従来から限られた人員のもとで、広報、相談等各種の施策を推進しまして申告水準の向上に努めるほかに、高額、悪質を重点とした税務調査を充実するということでできる限りの努力をしてきたところでございます。 ところで、昨年秋、先生の御指摘のような判決もございまして、これまでの私どもの努力にも不十分な点があるというような趣旨の御指摘がなされたことは承知をいたしております。当局としましては、このような指摘があったことをも念頭に置きながら、今後とも税務行政に対する納税者の一層の信頼を得るように努力をしていく必要があるというふうに考えております。 なお、この御指摘は、適正な税務執行を通じて適正公平な課税を実現するという税務当局の使命に対する強い期待をあらわすものでございますし、ある意味での御激励であると受けとめております。今後とも悪質なものに対する税務調査を厳正に行うことに努めまして、適正公平な課税に向けて国民の期待にこたえてまいりたいと考えております。
○正森分科員 通り一遍の答弁ですけれども、京都の裁判所がこれだけ、ある意味では義憤を持って判決文の中に書いていることに対する、もう少しぴりりとしたものが感じられないように思うのですね。きょうは分科会ですから余り言いませんけれども、裁判所でさえこう言わざるを得なかったということについて、やはりもう少しきりっとしたものを見せていただかぬといかぬのじゃないかと思うのですね。 それから、次に移りますが、御承知のように税務職員には基本的に二つの組合がありますが、その一方の全国税の組合員に対しては当局の不当労働行為的な差別待遇が非常に目立っております。 ふだんからいろいろなことを言っておりまして、例えば名古屋の国税局の普通科研修の教官が、研修生に対して全国税組合員との接触をしないように班別指導で指示し、接触した研修生に対しては話の内容などを詳細に報告させて、口封じのおどしをかけながら、なぜ会った、今度は絶対断れと言いながら国税労組の方の組合員との接触についてはこれを勧めておるとか、あるいは別の地域では、これは関東信越国税局でありますが、署長は全国税と全国税に近い職員の身上を常に把握するよう情報網を張りめぐらせ、組合問題については社会問題化するおそれがあるので秘密の保持にくれぐれも注意せよというようなことを言って、そして差別をしておるということが報道されております。あるいは私どものところへ情報が来ております。そういうことがあってか、非常に昇進昇任についても差別があるということで、これは全国税が調べた八級ポスト昇任昇格差別の実態でありますが、十期昭和二十五年採用から二十三期昭和三十八年採用までを見ますと、全国税の組合員以外の者は実に八四%以上の者がポストについておる。ところが、全国税の組合員は〇・四%しか八級ポストについておらないということが調査の結果わかっておるわけであります。 これは非常に不明朗なやり方であるというように言わなければならないと思うのですね。一生懸命仕事をしている者が、一定の年齢がたち一定の職務の経験を積んでもしかるべきポストにつけないというのは、人間の尊厳にかかわることであり、労働意欲を大いに失わせることだと思うのですね。あなた方は、全国税の組合員であるかどうかというようなことは人事の参考にしておらない、結果的にそういうことになっただけであると言われるかもしれませんが、地労委や中労委の決定でも、二つの組合あるいは三つの組合があるときに、大量集団的に調査をして、その結果明白な差別がある場合にはそれだけで組合員としては立証が十分なんであって、使用者の方がそういう事実があるが、これこれこういう事情で、差別をしたわけではない、合理的な理由があると言わなければ不当労働行為になるというのが、このごろの民間の労働法の判例の大勢であります。 そういたしますと、全国税の場合には、一方の組合に属している者は八級に、これは統括官ポストと言われているようでありますが、そこへ八十数%の者がつける、一方は〇・四%だ、この〇・四%というのは余りおかしいからよく調べたら、九期生か十期生かそこらの人が間違ったのか何か一人だけなっているので〇・四という数字が出ているので、ほかは一〇〇%昇任昇格されておらないというのは、いかにも明白な差別ではないかと思われるのです。今、税務職員は約五万と言われておりますが、非常に人員が少ない中で、財政再建の中で一生懸命努力していると思うのですね。そのときに、何百人か何千人かの一部の組合員がしかるべき労働意欲を持とうと思っても、どうしてもブレーキがかかるという処遇を受けているとすれば、これは本人のためだけではなしに、国の税務行政、財政にとっても大きな問題であります。そういう事実のないようにぜひ是正してもらいたいと思いますが、いかがですか。 〔平沼主査代理退席、中島(源)主査代理着席〕
○塚越政府委員 人事配置に当たりましては、適材適所の原則に沿いまして、職員個々の適性、能力、それから勤務実績等を総合勘案しまして適正公平に行っているところでございます。職員団体の加入の有無とか、所属職員団体のいかんということによって人事上の差別を行うというような考えは持っておりませんし、また事実、そのようなことは行っていないわけでございます。したがいまして、ある組合員のポスト、在任率についてどうだというふうにおっしゃられましても、私どもは承知をいたしておりませんし、また把握することはできないという点を御理解いただきたいと思います。
○正森分科員 把握することができないというお話でしたが、全国税の労働組合との交渉などでそういう事実は十分に把握できるはずであります。私どもは、それが公正の観点から是正されることを心から希望したいと思います。 時間がもうわずかになりましたので、以下は質問という形でなしに、問題点の指摘だけにとどめますが、一つは、女性税務職員に対する男女差別を是正していただきたいということあります。 これは私どものところが聞いておりますところでは、例えば北沢税務署勤務の渡辺桂子という人は、三十年採用なのに六級のまま据え置かれて七級に昇格できない。これは同年数人署者は全部なっておるとかいう事実あるいは六級該当の例えば横須賀の鈴木繁子、神奈川署の江原敦子あるいは横浜中署の小山内恵子、平塚の松沢利恵などという人はいずれも六級該当で、男子の場合は昭和四十年入署の者でも全部六級になっておる。特に鈴木という人は三十七年採用ですから、ことしの四月一日で昇格しないと双子号俸で定期昇給さえおくれるという状況であります。それが一つ。 それからもう一つは、税務署というところは配転が非常に多いのですね。特に北海道なんかの場合には、根室なんといいましても、これは東北地方よりもまだ広いわけですから、家へ帰るときには非常時間がかかるということで、それぞれ自分の両親が病気であるとかいうことでみんな――みんなということではありませんが、しかるべきところへ変えてほしいということを申し出ているのですね。普通二年と言われているのですが、三年、四年たっても帰してもらえない者もおるということで、後でいずれ国税庁長官に申し上げたいと思いますが、仙台局の山田、神奈川署の竹田、葛飾署の富井、岐阜北署の原田、小牧署の吉川というような人などが、特に家庭の事情上黙過できないという事実があります。 時間の関係でこれ以上申せなくなりましたので、それはいずれまた別の機会に申し上げたいと思いますが、そういう配置転換、転勤について是正していただきたいことがあるということを申し上げまして、時間でございますので、質問を終わらせていただきます。
○中島(源)主査代理 これにて正森成二君の質疑は終了いたしました。 次に、有島重武君。
○有島分科員 どうも御苦労さまでございます。 私は東京の江東、墨田、荒川という方面の選出でございまして、いろいろな方とお目にかかってお話をするときの話題というものは、次の総理大臣はどういう方になっていただいて、どんな政策をとってくださるのだろうか、こういうようなお話も話題となりますけれども、またそれ以上に今の円高がどういうふうになっていくのだろうか、こういう話題が相当交わされておる。この種の問題については、これは大蔵大臣のお立場というものも非常に微妙なお立場と申しますか、御発言なり何なりがまた次へ影響を持つというようなこともあって、思っていらっしゃることをざっくばらんに言うことはなかなか難しいんじゃないかとは思いますけれども、みんな非常に聞きたがっているわけですね。こういったことを本当にみんな聞きたがっているんだということだけは申し上げなきゃならない。できるだけ虚心坦懐なお答えがいただければと、それを望んでおります。 第一番に、昨日の商工委員会に中小企業関係の参考人の方がおいでになって、こういったことを聞いておるわけですけれども、大体二百円から二百二十円、この間に円高というものがとどめられないか、これ以上高くなるととてもやっておれぬ、こういうような非常に痛切な訴えがあった、そういうことでございましたね。そこで大臣、今後一、二年の間にこの円高が二百円台に復帰するという可能性、これは期待できるものだろうか。いかがでしょうか。
○竹下国務大臣 非常に難しい質問でございます。ちょうどきょうの終わり値が百八十円九十五銭、出来高が四十億ドルでございますから、普通よりちょっと多いぐらいな出来高かな、こんな感じでございますが、さらに言えばドイツ・マルクの方が少し、ほんの少しですが弱くなっておる。円はきのうの終わり値が百七十九円三十銭ですから、一円ちょっと円安と申しましょうか、そういう状態になっておる、こういうことでございます。 おっしゃいますとおり、特に輸出関連企業の方方の中で、先生の選挙区にもたくさんございますが、雑貨類とかいろいろありますね、ライター屋さんが。昭和五十三年の円高のときは、簡単に言いますと、まだ韓国、台湾の追い上げがそこまで行ってなかった。要するに我が国の企業に競争力があったわけですね。それが今中進国の追い上げのもとで、もうぎりぎりだというようなところが、確かに余計影響あるいは円高不安とでも申しますか、そういうことを感じていらっしゃるだろうと思うわけでございます。 そこで、為替相場は将来二百円になるかどうかということになりますと、いつもこれは国際会議でも非常に変な――先生をなめてこんなことを言うわけじゃ絶対ございませんからそのことだけは承知してい体だいて、おい、日本の大蔵大臣、おまえ何ぼが適正と思うかというときには、神様のみが知っておる、こういう答えを言うことになっております。 今の為替相場というのは、非常に自律的にファンダメンタルズをよく反映した状態にある。将来どうなるかということになりますと、市場が決めることですから、したがって特に今強力な、私という意味じゃございませんが、日本の経済なり日本の金融というのは世界で大変強力なわけですから、それの通貨当局者が、すなわち日本銀行の総裁さんと大蔵大臣が一定の水準みたいなのを言いますと、それは投機の対象になりましたり、それが非常に微妙な影響を与えることがよくございますので、したがって相場の水準と見通しということを申し上げることはやはり差し控えなければならぬだろうということでございます。至って頼りになりませんが、それが正直な答弁でございます。
○有島分科員 そうではございましょうけれども、その仕事をしていらっしゃる方々、それが大きな企業ならば、これはこれなりの対応をしてこういうふうにしなければならぬ、企業をそのままにしていろいろな内部努力があろうかと思うのですが、中小あるいは小までいかぬところの本当に今苦労しているところは、先行きを見て、これからさらに努力をすれば今の業種の重重でもって頑張り切れるのかあるいはそういった期待は捨ててひとつ出直さなくちゃならぬのか、こういう質問になるわけですね。だから、確かにそうには違いないけれども、でも二百円からもっと低く、二百円から二百二十円のあたりのところまで下がってこないとやっていかれないときのうは言うわけですな、これがぎりぎりだと。ぎりぎりだということになると、これはそう期待は持たないで、ひとつこれは本当に考え直す、さもなければやっていかれないのじゃないか、そういうふうに言うべきなのか、実はこういうことなんですよ。
○竹下国務大臣 これは有島先生、この間、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法をああして商工委員会で遅くまで審議していただいて通していただいたあの法律ですら、私どもはあくまでも事業転換対策だ、こう言っておりますが、アメリカの方からより一層競争力をつけるのじゃないかというような抗議が、これは説明すればわかる話ですけれども出るくらい、私が一月にワシントンに参りましたときにもそういう話が途端に出たから、それはあなた誤解ですよ、こう言っておきました。が、本当に競争力、それは個々の企業によっておっしゃるとおり違います。さらに生産性を向上して、これで十分競争力のある企業と、本当にぎりぎりのところへ来ておったから中にはもう競争力がなくなったという企業もあるでしょう。それらはある意味において転廃業という必要も生じてくるだろうということから、あの法律も商工委員会で通していただいたではなかろうか。したがって、先生のところへも御相談にお見えになりますよ、そのおじさんたち。そのとき、おまえさんの方はもう転廃業した方がいいのじゃないかということをおっしゃるのは、それはやはり企業の自己努力の限度がどこにあるかということを見定めるというのはなかなか難しいですから、それは先生、こういうふうにお答えなすった方がいいですよなんと言うだけの自信は私にもないというのが本当のところです。
○有島分科員 今度は先の可能性でございますけれども、そちらにもあみこの図面を、グラフですか、終わり値のペースを見ているのです。これは随分起伏があるみたいだけれども、大きく伸ばしてみれば割合とこうずっと直線に近くいっている。ところが、直線に近くいっているということになりますと、これは百五十円あたりのところまでいくのじゃないか、こういうことをそれぞれのエコノミストの方々が言っていらっしゃいますね。石油がバレル十ドルを割る、あるいは底値がどの辺になるかわからぬ、こういうような報道が出ておりますね。そうすると、円というものの実勢値は百円近いところにあるのではないかということを先々もう感じておった。海外でもって活動している方々なんかのお話を聞くと、ドルというのは百円だというような感じでもって生活をしているんだ、日本の商品というものは本当に優秀であって、そういうふうな感じでいますというわけなんです。これは、円の実勢値というか、円の力の実勢というのが本当のところは大体どの辺にあるのだろうかということですね。それから、本当にこれはフロート制ということが作動しているんだ、そういうふうに考えてもいいんだろうか。それらいかがでしょうか。
○竹下国務大臣 私よりもう一つ説明の上手な行天局長というのがおりますので、すとんと胸に来るような答えにはならぬにいたしましても、まずは行天君に一遍お答えさせてみましょう。
○行天政府委員 せっかくの御指名でございますが、大臣御指摘のとおり私も胸にすとんと来るような御返事が申し上げられないので申しわけないのでございますが、委員よく御承知のとおり、為替相場はどのくらいが適当かというのは理論的にも経験的にもなかなか答えが出ておりませんで、ただいろいろあります議論の中で割とよく使われております議論は、購買力平価という考え方がございます。この購買力平価と申しますのは、簡単に申しますと、要するに為替相場というのは両方の通貨の購買力の差が出てくるものだ。だから、インフレが非常に進んでいる国の通貨は弱くなるし、非常に物価の安定しておる国の通貨は購買力が高いわけでございますから、そっちの方の相場が強くなる。それを計算すれば、何となく適正水準が出るのではないかという考え方があるわけでございます。これをまた使いましていろいろ計算がございまして、どの数字がいいかというのは私ども全くわからないのでございますけれども、ある計算によりますと百七十円とかいう数字も出てまいりますし、あるいはまた使う数字を変えますと二百二、三十円という答えが出てくるということも事実でございまして、これはあくまで長い期間を見たトレンドを見るには役に立つのでございますけれども、ある時点で今が幾らだという質問に対する答えは出てこないというのが実情でございます。 ただ、これは全くの事実でございますけれども、御承知のとおり昨年の九月以降円ドル相場、まずあの当時は二百四十円前後でございました。それがG5以降二百十円台になりました。それがしばらくその水準に乗りましたら、今度十一月になりましてから二百円前後になりました。それから一月になりましてからこれが二百円台を割って現在に至っておるわけでございますけれども、ここ二週間余り百八十円を挟みまして市場といたしますとかなり慎重な上下運動を続けてきているように私ども見ておるわけでございます。
○有島分科員 本当にフロート制が作動しているだろうかという点は、これは大臣いかがですか。
○竹下国務大臣 今日の状態は、まさに市場の自律的な動きで変動相場制そのものが機能しておるという状態だ、そのように私は思っております。気をつけなければいかぬというようなことをあえて言いましたのは、ちょうどこの一月ワシントンへ参りましたときに二百一円ぐらいでした。それで、ある新聞が百九十九円になったらどうするんだ、たった二円ぐらいの差でございますから、それを直ちに問題にすべきものじゃないというような発言をしましたら、日本の大蔵大臣は百九十円許容発言をしたというようなことにとられまして、それで何ぼ同い年の仲間でもなかなか言いにくい問題でございますが、確かに要するに昭和四十六年以前はみんな固定相場になれておりますから、その固定相場でいろいろな企業のコストも計算してきておったわけですから、それが変動相場制になりましてから今日に至って、企業の方もかなりなれていらっしゃるけれども、その間に中進国の追い上げてきたのがちょうどわずかな競争力がまさっておったというようなところへ、一番大きな衝撃と申しますか御心配があっておるというのは私もよくわかるのです。それだから、あの法律を夜なべして通してもらったのだというふうに私は思っております。 だから、変動相場制自体は、今日通貨改革に対するいろいろな議論がございますけれども、それが二度にわたる石油ショックに巧みに対応して今日に至っておるということは言えるのではないか。そして、去年の九月時点は正確なファンダメンタルズを反映しないで、いわばドルの独歩高だという認識がみんな共通しておったから、そこでそれ以来首脳国の専門家が共通認識を持ったからというのでいわゆるドル安傾向へずっと今日来て、そして作為的なものが今日の時点は入っておる状態ではない、まさに変動相場制そのものが今行夫君申しましたように小幅の中で作動してきておるというふうに見るべきではないかなというふうに思います。
○有島分科員 ここ一週間ぐらいのことをさっき局長が言われました。それは確かに今大臣もおっしゃったように、本当に微妙なフロート制といいますかがきいているのでしょう。今大臣からお話あったけれども、去年九月のG5ということがあった。あのときの二百四十円から二百円というのは、すごいがけを飛び上がったというか飛びおりたというか、そういう感じでございましたね。それからことしの一月のロンドンでございましたかG5がございましたね。それが終わると、やはりかなり急傾斜にじわじわと上がりました。そうなると、今度はこの五月のサミットが東京である、ここのところでまた百六十円ぐらいのところにいくんじゃないか、こうみんな類推するというか、二度あることは三度ある、こんなふうに見るわけですね。それはいかがですか。
○竹下国務大臣 これは恐らくいわゆる円高以外に、先ほどちょっとお話しのありました原油価格そのものの値下がりというようなことで、さらに貿易収支がまた我が方でいえばより黒字が増高するというような環境にあるいはなるのではないか、そうすると、それを反映してというような議論をする人がございますけれども、二度あることは三度目が今度はサミットだというようなのは、先生やはり前提に置くべきものではないだろうと思います。それから、仮に五人集まりましても、今までのところは五人集まるとたまたまそういう結果が出ておりますけれども、別に神様でもなければ打ち出の小づちを持っているわけでもございませんし、まあ今のところは市場の自律的な動きの中で変動相場制がそれなりに機能しておるという状態じゃないかというぐらいがお答えの限界でございましょう。
○有島分科員 大臣のお立場としてはそのようにおっしゃる以外にないのかもしれないけれども、ごく客観的というか、そんなことは言っても余り信じられないというふうな雰囲気も十分ございますね。それもおわかりだろうと思います。 先に行きましょう。G5のお話し合いというか合意というのがあったのでしょう。それでもって、その円高現象というものが、日本をめぐっての貿易摩擦の解消、こういった必要性というものから図られたものである、そうじゃないかと思いますが、その効果というものが評価できるのか、そういった角度からこの円高ということを考えた場合には、まだまだ今のところでは効果が出ていないというふうに思うべきなのか、大体後者であろうというふうな話が非常に多く伝わってくるわけですけれども、こういった点はどうですか。
○竹下国務大臣 円高につきましては、輸出の数量が減ってくるあるいは国産品と競合する物品の輸入数量はふえてくる、こういうことから我が国経済にデフレ効果をもたらす。一方物価が、いわゆる輸入品が皆安くなるわけでございますから、したがって交易条件の改善によって実質所得は上がってくる。したがって、実質所得の増ということは内需拡大に効果があることでございますから、中長期的には経常収支の黒字幅の縮小によって経済摩擦の解消という一つのメリットはあるということに原則的にはなるわけです。ただ、例えば輸出依存度の高い中小企業が成約がなかなか難しくなった。契約が来てもちょっと待ってくださいとか、そんな状況が出ておりますね、確かに。したがって、そういうデフレ効果の方が早く顕在化するわけです。それでメリットの方はどうかというと、例えば直ちに考えられるのは、いつでも電力とか石油とかいった特定の産業に集中してあらわれて、経済全体に波及するのにはかなり時間がかかる。そこで、やや円高デフレ論の方が強調され過ぎておる嫌いがありますが、中長期的に見たならば、円高のメリットは徐々に我が国経済にプラスをもたらしていくであろう。だから、今はやはりそういういわゆるデメリットの方が出ておりますから、この間成立させていただいた法律等を着実に推進していくということが大事だ。 もう一つは、いわゆる公定歩合が先々月の三十日に下げられまして、それが先週の月曜日からやっといわゆるプライムレートなんかには影響しておるわけでございますから、実際の影響が二十六日間かかったわけです。これがじわじわと効果が出てくるであろうというふうに見ておるところでございます。さらには、原油価格そのものの下落の問題も、貿易収支の点については黒字の方にいきますけれども、経済全体から見ればこれは悪いことではない。だから、本当に今、私も時には怨嗟の的になることがあるのです、あなたがG5なんていうものをやるからおれたちは大変だと。しかし待ってください、そのうちに必ずメリットが出てまいりますと言いながら一生懸命御説明をしておるというのが率直なところ今の状態でございます。
○有島分科員 時間が迫ってまいりましたから、あと三つほど質問だけしちゃいますからお願いします。 今政府が内需拡大のいろいろな努力をしていらっしゃる。我々から言わせると、今度の予算は何にも内需拡大に配慮しておらぬじゃないか、こう決めつけますけれども、そちらとしては精いっぱいやっている、こういうお答えがあったわけですね。これは大体円が二百円台のときを想定して立てられたものじゃないかというように私は思うわけです。今後もしこれがどんどんまた上がる、現に上がっているわけですが、これ以上上がるというような事態が起こった、例えば百六十円のところまでいっちゃったということになると、この内需拡大策というものはその時点でもう一遍再考しなければならないのではないのだろうか、政策変更とまでは言わない、これは何か訂正しなければならないことが起こるのではなかろうか、これが一つです。 それから、きょうの報道でございますけれども、円高による景気の落ち込みあるいは景気拡大の鈍化ということが懸念されていて、日銀の方でもこれを認めて公定歩合の耳下げというのですか、これの検討を指示ということが報じられました。このことについてどんなふうに受けとめておられますか。 それから最後ですけれども、いろいろな方とお話ししていて感じることは、国内需要というけれども、この需要が非常に多様化していると同時に国際化しているという実態がある。それから多様化している中でも物品の売買、外国から商品を買いなさいというけれども、その商品というのは、今まで何となく物品に思っていたけれども、若い方々はマネービルということでもってそれを商品として考えている向きも随分あるようですね。こういったような広い意味の商品の国内需要というものが大きくなっている。そのニーズが確かにある。それにしては今の銀行の窓口におけるドルとか円とか、そういったような対応が非常にかったるいというふうに訴えられるのです。銀行の方に行ってみると、いやそんなことはありませんとは言うけれども、その対応が非常におくれておるんじゃなかろうか、こういった点はひとつ御指導をいただいた方がよろしいんじゃないだろうか、これが最後です。以上で私は時間ですから、お答えいただければと思います。
○竹下国務大臣 経済企画庁が見通しを立てますときには、直近一月ですからたしか二百四円、それから大蔵省が予算を組みます場合は直近二月でございますから二百九円がなんかで、予算はそういうことで組んでありますが、いわゆる景気対策というものは円高基調という基調を念頭に置いたものであって、二百四円とか二百九円というものはそういう予算を組むときの慣例をそのまま前提に置いたというだけでございますから、そのものが変化があったから大きく経済が振れていくという、直接的に必ずしもそうなるものではないということでございます。 それからもう一つ、いろいろな問題が起こったときにさらに経済対策をきちんとやらなきゃならぬという問題は、おとといの幹事長・書記長、四党の申し合わせの中で非常に正確に書かれておりますので、そのことはやはり尊重していかなければならぬ課題だな、もちろん予算を合成立させていただくことが大前提ですから、予算通過後の問題であろうとも財政金融等の弾力的対応をするということが申し合わせにも書かれてありますので、あれはやはり十分念頭に置いて対応しなければならぬ課題だと思います。 それから三番目の、若い人は近ごろ非常に海外族行をいたしますね。したがって、今本当は円高メリットの一番出ているのは今旅行している連中は本当に大変なものだというので、一つ買ってくればいいものを二つ買ったりするぐらいメリットの方が出ておりますが、それだけよく外国に近ごろの若い人はいらっしゃるから、いわゆる金融商品も国内の商品だけでなく国際的視野にお立ちになっているのは、大正生まれのあなたや私から見ればやはりうらやましいくらいあの人たちは幸せでございますね、ある意味において。だから、そういう非常に多くの国民のニーズが国際的になっておるから、それに対応するだけの努力は金融機関もされなければならぬ。しかし、一生懸命やっておられて、それは若干能力差はございますでしょう、都市銀行と例えば信用金庫と能力差はございますものの、それに対応する努力は精いっぱいやっていらっしゃるというのが現状でございますが、今のような御意見があったのは、機会をとらまえてその筋へ話してみましょう。もっと対応を迅速にやれるように、かったるいという話があるぞということは、あるいは私の感想としてでもお話ししてみようかなという感じを持ったところでございます。
○有島分科員 ありがとうございました。
○中島(源)主査代理 これにて有島重武君の質疑は終了いたしました。 次に、米沢隆君。
○米沢分科員 私は、物品税の課税の問題について一つ具体的な例を出しまして御質問をいたしたいと思います。 昭和五十九年度における税制改正の一環といたしまして物品税法の一部改正法案が成立いたしました。そして新たに録画用の磁気テープあるいは磁気映像プレーヤー用のレコード、映像ビデオなど五品目、十八物品が課税対象に加えられたわけでございます。その中で、改正法附則第四条、改正令附則三条の一項で暫定的な非課税とされていた追加物品の課税もその期間が切れまして、本年十月一日からまずは暫定軽減税率が適用され、本則税率が一〇%以上のものは二年後に、本則税率が一〇%のものは一年後の六十二年十月一日から本則税率が適用される、こういう段階を踏まえていくことになっているわけでございます。私はこの際課税対象に追加されました物品のうち、磁気映像プレーヤー用のレコード、いわゆる録画済みのビデオテープの取り扱いについて若干の疑義をただしてみたいと思うわけでございます。 まず、この録画済みのビデオテープにつきまして法の適用除外はどのように決められておるか、わかりやすく説明してもらいたい。
○村本政府委員 録画済みビデオテープについての御質問でございますが、以下申し上げますものにつきましては、物品税法の適用が除外されて課税の対象とはならないということになっております。 一つは、ビデオテープの製造者がみずから製造するか、それから後で申し上げますが他の者から委託を受けて製造する、二つケースがあるわけでございます。ビデオテープの製造者がみずから製造するもの、それにつきましては、「販売、賃貸その他の対価を得て行う取引」に供されるものではないもの、これにつきまして適用を除外する。二番目に、先ほど申し上げました委託を受けて製造するものについては、委託者において、委託をして頼んだ方の人が「販売、賃貸その他の対価を得て行う取引に供されないもの」、そういうことになっておりますが、委託を受けて起きますものについては、その中でもさらに絞りまして、その録画内容が広告宣伝、案内、従業員教育、そういったいわゆる業務用のものに限って使用されるもので、その旨を表示したもの、これが大きく申し上げまして適用除外、物品税がかからない、こういうようになっているものでございます。そのほか一般的に個人が自分で使用するために撮影したものあるいは見本用に供されるもの、それから放送事業者が放送の用に供するためのもの、そういったものにつきましては物品税の適用を除外する、そういう法律、政令の定めになっているところでございます。
○米沢分科員 今御説明いただいた法の適用除外の例によりますと、例えば具体的に言えば、先ほど言いましたように結婚記念用のビデオ、これは友達が撮ってくれたり親戚が撮ってくれたりするビデオもありますが、このごろは式場で御結婚なさる当人に、あなたの結婚式のビデオでも撮りましょうか、はい、わかりましたと委託を受けて、結局結婚式場がビデオ制作の依頼を受けて特定のビデオを制作者につくらせる結婚式ビデオ、こういうものはどのような取り扱いになるという解釈ですか。
○村本政府委員 今お尋ねの結婚記念用ビデオテープでございますが、先ほど非課税物品あるいは適用除外、そういうようなことで申し上げたわけでございますが、このビデオテープが果たして課税対象となるかということは適用除外の規定に該当するかどうかということで判断をすることになるわけでございますが、先ほど申し上げました基準に照らしまして、結婚記念用のビデオテープにつきましては、その録画の内容は通常広告宣伝等にも該当しないということになりますので適用除外の規定は適用されない、したがって課税の対象になる、こういうことになろうかと存じます。
○米沢分科員 大変おかしな解釈だと私は思うのでございますが、この物品税法施行令第七条第四項で非課税とされるいわゆる「販売、賃貸その他の対価を得て行う取引に供されないものこそして例示として「広告宣伝、案内、従業員教育その他これらに類するもの」に限るというふうに内容については限定がありますけれども、結局結婚式のビデオというのは当人がそのビデオをほかに売ったり賃貸して使うというものではなくて、結婚記念のためにただ一回撮るだけという、そういう品物はまさに企業が広告宣伝用に使うとかあるいは従業員の教育用に使うものと類するものではないのか。結局販売の対象にもならない、賃貸の対象にもならない。まさにそういう意味ではそれらに類するものとする条文に結婚式ビデオはまさに該当するものではないか、そうでないという理由は一体何なのか、そのあたりを聞かせてほしい。
○村本政府委員 ビデオテープを課税対象にする際におきましてどういうようなものを適用除外にするか、こういう議論もいろいろございましたが、御承知のとおり、これは五十九年度改正におきまして趣味娯楽品課税の一環ということで課税をしたわけでございます。そこで、ビデオテープに対する適用除外の規定、先ほど申し上げましたように、いわゆるビデオ用のテープで販売、賃貸等に供されないもの、業務用といいますのが広告宣伝、案内、従業員教育、こういうようなものを非課税にする、そういう趣旨から出たわけでございます。 お尋ねの結婚記念用のビデオテープでございますが、これは今お話もございましたように、結婚される方がそれを撮って後でごらんになって思い出すとか感激を新たにするとか、言うなれば御自分たちの楽しみといいますか、そういうものに使われているのが一般的でございまして、新規課税の趣旨というのはまさにそういう個人による消費に課税するためのものでごさいまして、そういったものについては「これらに類するもの」ということで読むということは困難ではなかろうか、このように思っている次第でございます。
○米沢分科員 あなた方の頭がどうなっておるのか私はわかりませんが、結婚式用のビデオは一生に一回撮るものなんです。それを楽しむものだから物品税の対象になるなどという、そんな議論は一体どこで考えられるのですか。いわゆる企業用のビデオだったら、広告宣伝だとか従業員教育用だとか案内用ビデオを撮るとか、それは楽しむ人もおりますよね、社長なんかそれを見て喜ぶかもしれませんね。しかし結婚式ビデオはまさに娯楽で奢侈品だから、たった一生に二回撮るものまで物品税をかけるなどという、我々国会はこの法律でそこまであなた方に授権してないと思いますね。余りにも拡大解釈ではありませんか。このビデオテープをダビングでもしてほかの皆様方に売ったりあるいはこれを貸してやるから金をよこせというようなたぐいのものだったらなるほどそういう議論はしてもいいと思いますけれども、これはまさに純粋に個人のために制作したもので他に汎用性がないものだから物品税などはかかりにくいたちのものだ。非課税の対象にして何もおかしくないのではないか。企業の使う広告宣伝用のビデオと結婚式ビデオとどこがどう違うのですか、いろいろと政令あたりで解釈を加えるのは結構かもしれませんが、ここまで拡大解釈されたら物品税とは一体何だという議論にまでなりますよ。私は五十九年の税法改正にも参加しましたけれども、こんな説明など聞いたこともないな、本当に。いわゆる営業用のビデオには物品税をかけますという、そこまででしたね。その後こんなに拡大解釈されて、一生に一度の結婚式のビデオまで課税するなどというのは聞いたことがない。大臣、一体どうなんですか、こんな解釈をしていいのですか。
○竹下国務大臣 それはちょっと専門的知識が余りにも乏しいので、私今正確にお答えするだけの自信がございません。私のこの大蔵大臣の意を得て、今間税部長のお答えというものを私は是認する立場にあるだろう。聞いておって余りにも専門的でちょっとわからぬ。理解していないと言った方がいいかもしれません。
○米沢分科員 余り専門的過ぎてわからないかもしれませんけれども、大臣は今お答えになった皆さんを監督する立場にあるわけですから、結局部下が言うことはすべて正しいなんという議論をされては困りますね。結婚式のビデオあたりに物品税をかけるのは言語道断だと私は思います。大体こんなのに課税して、どこがどうして取るのですか。どこから取るのですか。大体、式場が当人から受けるだけですよ。そして、これを委託してビデオなんか撮る人は、玄人というよりみんな素人です。アルバイトです。サラリーマンだとかクリーニング屋のおやじさんとか電気屋のおやじさんが式場に言われて撮ってあげる、ただそれだけのことですよ。受けるのも、式場が受けて当人に料金を請求する。式場はちょっと手数料を取って、今度は外注者にお金を渡す。こういうシステムなんですよ。もし課税されたら、制作着そのものには結局かけようがないのです、式場が料金決めておるのですから。その課税した分は、大蔵省でビデオテープの分たけオンしてくれますか。それなら簡単ですわ、制作者が取りやすいように税務署は式場とかけ合ってくれますか。
○村本政府委員 結婚式用ビデオテープそのほかビデオテープ一般についてでございますが、本年十月一日から課税の対象になるものでございますや私ども法を執行するものといたしましては、今後業界あるいはビデオを製造される業者の方、それから今お話の結婚式場等、そういうようなところとよく接触をし趣旨の徹底を図るとともに、どういうふうにして正確に把握をし適正な執行をしていくか、片手落ちがあって不公平が生ずるようなことがないよう今後実際の執行期間までの間に事前の指導といいますか、実態の把握といいますか、そういうことにはできるだけの努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○米沢分科員 私が申し上げているのは、当然取るということで、それを業者の皆さん方に周知徹底するなんということを聞いているのじゃありません。取ってくれるなと言っているのですよ。取ること自体論外ではないかと言っておるのです、何か私の言うことは間違いですか。税収が足りないからといって取れるものは何でも理屈をつけて取るなんて、物品税の議論のときには私はこんなのを聞いたこともありませんね。そして、一たん決まってしまったら、あなた方は勝手にこれも取れる、これも取れると。結婚式のビデオは奢侈品だ、娯楽品だ。冗談じゃないよ、もう一回答えをやり直しなさい。
○村本政府委員 先ほども御説明したことでございますけれども、ビデオテープへの課税といいますのは、ビデオテープを購入されるということに着目をいたしまして課税をすることになっているわけでございます。やや変な比喩かもしれませんげれとも、個人が市販されておりますビデオテープをお買いになって自分でお楽しみになる、あるいは結婚される方が自分の結婚式のビデオを代金を払って購入をしてそれをお楽しみになる、そういったところに共通の担税力があるのではないかという観点から、こうしたものも課税というような扱いにしておるのが現状でございます。
○米沢分科員 ビデオテープを買うという消費そのものに着目して担税力があるとみなして課税するとおっしゃいましたね。それなら企業が広告宣伝用に使うビデオなどは、このためにテープを買って、それは消費するというか購買する力があるから課税する、そういう議論になるでしょう。企業の広告宣伝用のビデオテープは課税しない、結婚式のビデオを一生に一回撮っただけで課税する、どこがどう違うのか説明してくれと言っているのですよ。担税力は企業の方にあるのではないか。何で広告宣伝用のテープだったら取らないで、結婚式ビデオだったら取るのか。担税力と消費とか流通に着目して課税されるというならば、企業の広告宣伝用のビデオだって、確実に流通して消費して担税力があるという意味では結婚式ビデオよりもずっと上なんじゃないですか。わからぬな、そんな説明じゃ。
○村本政府委員 広告宣伝ですとか従業員の教育用そういったものは、企業の本来の活動といいますか、その一助といいますか、そういうような形に使われるものでございます。したがいまして、企業ということでございますので、それは最終消費といいますよりも、その企業がつくっております製品なりあるいはその企業としてのサービスといいますか、言うなれば業務の助けになるといいますか、そういうような観点のものである。個人の最終消費に結びつくようなものとは性格が異なるのではないか、こういう観点から別の扱いをしておるということになろうかと思います。
○米沢分科員 企業の広告宣伝用のビデオテープは企業がもうかるために、あるいは自社の宣伝をするために使うんだから取らない、結婚式は最終消費で、結婚した当人がときどき眺めるだけだから取る、そんな物品税法の体系がどこにあるんだ、わからぬな。頭が悪いから、わかりやすく説明してください。
○村本政府委員 物品税の体系の中で業務用のものを非課税にしておるというものはほかにもいろいろあるわけでございます。あるいは規格の非課税というような形で主として業務用に使われる、そういったもの、例えば冷蔵庫や何かにつきましても、ある一定の規格以上の大型の営業用に使われるようなものについては非課税にする、家庭用の電気冷蔵庫、そういうものについては課税にする、こういうような事例もございます。一つの物品税の体系の中からそういうようなことが出てきております。というようなことで御理解をいただければと思うわけでございます。
○米沢分科員 それなら、最終消費じゃない場合はみんな課税は免除するというのですな。物品税の中に中間で使うやつもたくさんありますよ。あなた方はOA機器なんかやろうとしたじゃないですか。どこからそんな理屈が出てくるのですか。
○村本政府委員 そういうようなものにつきましては一定の規格というようなものを定めまして、実際の用途として一般的に家庭で使われるようなものについては課税、そうでないものは非課税、そういうような規格を定めてやっているという事例もあるわけでございます。このビデオにつきましてはなかなかそういうような規格でも分けられないということから、先ほど来申し上げておりますような規格区分をしておるというところでございます。
○米沢分科員 課税するか課税しないか差別しにくいから全部かけるなんていう議論はおかしいね。課税していいのか課税して悪いのか、そこらの種類の分類ができないから全部おまえら一緒くたにしてかけるんだなんて、そんな議論は通らないよ。何でそんな理由で結婚式のビデオなんかが物品税をかけられなければいかぬのですか。
○村本政府委員 ビデオテープと似たといいますか、その前に出たもので音だけが出ますテープ等がございます。こういったようなものにつきましては、例えば童謡ですとか教育用のものですとか、いろいろな用途を定めまして非課税のものを置いておるという状況にあるわけでございますが、このビデオテープにつきましては、いろいろこれが審議検討されております段階で、ビデオというものの特殊性から童謡であるとかというようなことで分けていくのがなかなか難しい、そういうようなこともございまして、そういった非課税規定というものも極力整理いたしました。税率も、音響だけのテープの場合は一五%でございますけれども、こういった映像用のビデオテープというようなものにつきましてはこれを一〇%にする、そういうことで極力執行面等で問題の生ずることの少ないような形でやっていく、ただ業務用等のものにつきましては物品税の体系としてそこに触れる問題もあるというようなことから、そういう適用除外というようなものを定めてやってきているという状況にあるわけでございます。
○米沢分科員 結婚式用のビデオを自分でつくったらそれは課税されないですね。それを人に頼んでつくってくれといってつくってもらったら何で課税されるのですか。
○村本政府委員 自分で使うために自分でつくるというようなものにつきましてまで課税をするということになりますと、執行上の問題とかいろいろございましてこれは非常に難しい、そういうようなことからそれは除外をしているわけでございます。これを人に頼んでやっていただく、これは例えば市販されております映画等のビデオにつきましてレンタルから借りてきてそれをダビング業者というところに持っていってお金を払ってダビングしてもらうというようなものも課税、そういうような扱いにしているわけでございます。
○米沢分科員 執行がしにくいから取らない、執行しやすいから取る、物品税というのはそんなふうに決めるのですか。理屈にならない、そんなのは。
○村本政府委員 そのほかにも自分でつくりますものにつきましては、もちろん生のテープ代というようなこともあろうかと思いますけれども、それについては課税されましたテープを買ってくる、その後のいわゆる付加価値といいますかそういうようなものについては、労力の提供とかそういうようなことはあろうかと思いますけれどもそこに消費というようなものが大きくつけ加わるということもないわけでございまして、それについては別の定めをしているもの、このように理解をしているところでございます。
○米沢分科員 「六十年度改正税法のすべて」という財団法人大蔵財務協会がつくった本の中に、「結婚式等の模様を録音したレコードの課否」として「ウェディングレコード等と称する蓄音機用又は磁気音声再生機用のレコードは、挙式の当事者からの注文に基づきその結婚式及び披露宴の模様をそのまま又は不要部分をカットするなど時間的に編集して録音したものであり、媒酌人のあいさつ、来賓、友人の祝辞等からなるものであるが、物品税法上の課否はどうか。」こういう質問に対して、「質問のレコードは、結婚式場に臨場し、現地においてその結婚式及び披露宴の模様を録音したものであること、及びその内容は媒酌人のあいさつ、来賓、友人の祝辞等からなるものであること等からいわゆる非課税物品欄に掲げる「探訪の記録を主として録音したもの」に該当するものとして取り扱う。」結局非課税だと書いてあるのですね。だから結局今度はレコードがビデオになったから課税するというのでしはう。それならビデオだといったら企業の広告宣伝用のものだって録音じゃなくてビデオなんだな。かけるのならそっちの方もかけにゃいけませんよ。結局「探訪の記録を主として録音したもの」が「録画したもの」になるだけだな、これは。ビデオを使ったから課税、録音のレコードの方は非課税となっていますよね。それならばなぜ録音したものが非課税で録画したものは課税かといったら、それはビデオだということからでしょう。そうしたらビデオを使っておるのは企業用も一緒ですわね。それなら企業用も取らにゃいけませんわね。どうも差別できないのだな。勝手に取りたいものから取るという感じがどうも僕は理解できないな、あなた方の理屈は。例えば結婚式の婚礼写真なんというのは何ぼか知っていますか。平均十万円ですよ。そのビデオは平均五万円ですわ。写真の方が十万円でずっと高いのですよ。ところが写真の方は非課税ですわね。ビデオ使って撮らしてもらったから、たった五万円だけれどもこれは課税だ。逆に不公平なんじゃないですか、こんな議論は。課税の公平を欠くと言ってもいいですね。あるいは執行の場合、今からあなた労相談していろいろ取りやすいようにするとおっしゃいますけれども、こんな零細な一人か二人がアルバイトみたいにやるようなところから取れますか、一つ一つ。かといって、ちょっと大規模に人を雇ってやっておるような会社からは取りやすいから取る、こんなのはおかしいですよ。大臣、おかしくないですか。
○竹下国務大臣 率直に申しまして、私はきょう初めてこの議論を拝聴させていただきました。私が正確に判断する基礎的知識が今ありません。ただ、伺っておりまして、少なくとも米沢さんの質問に対して御理解を得る、かけるならかけるとして御理解を得るだけの努力はしなきゃいかぬ。あるいは部内で検討して、今の米沢さんの理論に正当性を認めれば、これは政令事項でございますから、きょうどうこう結論を出さなくてもいいなという印象を今受けましたので、きょうのところは引き取らせていただきたい、こんな感じで聞いておりました。素直な気持ちです。
○米沢分科員 さすが大臣は柔軟性があってよろしい。 この物品課税をする際に、それは主税局でも国税局の方でもそれぞれ業界の皆さん方に相談しながら、こうしてかけるがどうだとか、一体実態はどうなっておるかとかいろいろな相談があるのが事実ですね。ところが、結婚式のビデオなんか撮るようなものは本当に零細なものですから、確かに日本ビデオ協会というのがあるんだそうですが、そこにはそんな人は入ってないのですよ。したがって、結婚式用ビデオまで課税がされるなんて思ってないところで議論されてきたという意味で、業界の皆さん方も本当に寝耳に水だ。知らないのはばかだとおっしゃればそうかもしれません。しかし、そういうことを話し合うチャンスさえないままにやってきて、突然国税局がやってきて、あなたのところ取るんですわ、こう言われたのでは、一体どこの話ですかと言いたいのは当たり前ですね。これは税務当局としても片手落ちじゃないのかな、こう思うのです。 したがって、業界も零細なところでもございますし、取るといっても、それは取るところと取れないところ、不公平も確実に出てくるでしょうし、写真が十万円でこっちのビデオはたった五万円なのに、写真はかからずにビデオの方は取るんだ、映って楽しいから税金取るんだなんという議論は、これから先、物品税を議論する際にもそんな感覚でやられたのではすべておかしい、取るための議論だ、そんな気がしてなりません。 私どもも言い過ぎたり、ちょっと理解不足はあるかもしれませんけれども、この作につきましてはもう一回業界とも話し合って、本当に業界の皆さん方の理解を得て、皆さん方の筋が通れば、それはあちらの方も理解されるかもしれませんけれども、今のような調子でなし崩し的に、政令で決まっておるんだからといってやられたのでは、私は本当に余りにも問題だという気がしてなりません。したがって、この件につきましては再度御検討いただくように私はお願い申し上げたいと思います。 大体法律が通ったからといって、政令は皆さんに任せておるのですけれども、その政令の中でこんな変な解釈をされて国民を痛めつけるようなものであったならば大変なことだと私は思いますね。国会は税金を監視するためにできたという歴史的な経緯がありますから、そういう意味では今までの答弁は絶対私は満足できないということを申し上げて、再度御検討いただくように、大臣に最後に御答弁をお願いしたいと思います。
○竹下国務大臣 私が預からせていただきたいと申しましたのは、今の米沢さんの最後のお話に対応した考え方でございます。
○米沢分科員 では、失礼します。
○中島(源)主査代理 これにて米沢隆君の質疑は終了いたしました。 次に、稲葉誠一君。
○稲葉(誠)分科員 私は前から引当金というのがよくわからないのです。何回も予算委員会で質問しておりますけれども、率直に言ってよくわからないで質問しているわけですから、まず引当金というのはどういうふうに法律上というかあるいは会計学上というか分けたらいいのか、大体三つに分けるのでしょうけれども、そこら辺のところから御説明をいただけませんか。
○大山政府委員 引当金制度は法人税の課税所得を合理的に計算するために設けられているものであるということで、かつては負債性引当金でありますとか評価性引当金でありますとかいう区分けが使われておりましたが、現在では企業会計のルールにおきましても引当金という言葉で一括して使われていると思います。
○稲葉(誠)分科員 私がお聞きしたいのは、それはもちろん評価性引当金と負債性引当金と利益留保性の引当金と三種類あるわけでしょう。それが昭和五十六年でしたか、商法の改正によって特定引当金という制度が全部改正になって二百八十七条ノ二ができたわけですね。その結果として利益留保性の引当金というのは貸借対照表の負債の部に計上することができなくなったわけでしょう。だから、私の聞いていることは、その負債性引当金なり評価性引当金というのは一体どんなものをいうのか、利益留保性というのは例を挙げて説明願えればどういうのをいうのかということをお聞きしているわけです。
○大山政府委員 評価性引当金の例といたしましては、これは貸倒引当金があると思います。 それから、負債性の引当金としては退職給与引当金がございます。 利益留保の引当金というものは、具体的に今法人税法上はすべて利益留保のものはないという建前で私ども整理をいたしておりますので、それ以外のもので何か利益を留保するための引当金をちょっと思いつきませんが、引き当てている企業があるとすればそういったものがそこに入っていたのかと思いますが、現在は先ほど御指摘のように商法におきましてもそれは引き当てられないということになっておりますので、少なくとも法人税法上ではそういうものはないということが言えます。
○稲葉(誠)分科員 私がお聞きしたいのは、どうして例えば貸倒引当金が評価性引当金であって、退職給与引当金が負債性引当金なのか。負債性引当金の方は大体わかりますけれども、前の方の評価性引当金というのはよくわからない。どうして貸倒引当金が評価性引当金なのか、こういうことですよ。後の方は何とかわかりますけれどもね。
○大山政府委員 通常、ある金額の債権がありました場合に、その中から何がしかは貸し倒れになる、取りはぐれるというようなものが経験的にあるといたしますと、その分は引当金を引くことによって正しい企業経理、計算をすべきだという意味で、正しい評価をすると申しましょうか、そういう意味合いで貸倒引当金が評価性引当金、かように言われているんだと考えております。
○稲葉(誠)分科員 評価性引当金と負債性引当金とを区別する必要も今はなくなったのじゃないかと思うのですけれども、それはそれといたしまして、貸倒引当金が国税庁の調査なんかを見ましても大体三光幾らあるわけでしょう。そうして、ほとんどが資本金十億円以上の法人のところに集中しているわけですね。そうして、実際の貸し倒れ損失というのはその三分の一の大体一兆円ぐらいでしょう、多少業種によって違いますけれども。ということになると、一体何が考えられるかというと、まずこの商法の二百八十七条ノ二の「引当金の計上」のところに「特定ノ支出又ハ損失二値フル為ノ引当金ハ兵ノ営業年度ノ費用文ハ損失ト為スコトヲ相当トスル額ニ眼リ」と書いてあるわけです。そうすると余りにも乖離が多過ぎるわけですね。「相当」じゃないわけですよ、一兆円ぐらいの貸し倒れについて三兆円も計上してあるのでは「相当トスル額ニ眼リ」とならないのじゃないか、こういうふうに考えられるので、その乖離を今後一体どういうふうに処していくかということが大きな問題になってくると私は思うのですね。 そこで、大蔵省の考え方は恐らくこういう考え方じゃないかと思うのです。今事実上は私から言わせれば二兆円以上の利益留保です。それに四〇何%、仮に四二%掛ければ八千何百億、約一兆円近いものが取れる。しかしそれは一たん取ってしまったら後取れなくなる可能性があるから、それでは税収を確保する面からいって損だ。それならば徐々に取るように繰り入れ率でそこの操作をしながらやっていった方が結局は税収の確保という点からいけばいいんだという考え方もあるのではないかと私は思うのです。 それはそれとして、「相当」な額だけしかできないというのにそれは余りにも違い過ぎるのですよ。第一、金融機関に貸し倒れといったって普通の場合みんな代位弁済しているわけですから。保証協会で保証のもとに貸している場合が多いのだし、そんなに貸し倒れが起きるわけないですよ、実際問題としては。ですからこの辺は直していかなければならないと思っているのですが、どうしてこれは直せないのですか、どこが反対をするのですか。これは今大企業が一番積んでいるわけですから、資本金十億円以上もほとんど積んでいるわけですからそこが大反対するに違いないと思うのですけれども、将来どうするんですか。このままじゃしようがないじゃないですか、本当に公平ではない、公正ではないと考えますよ。
○大山政府委員 先生御指摘のように、金融機関の場合には概算率千分の三の貸倒引当金の引当率と現実の貸し倒れ損失の割合は現在大体千分の一でございます。そこの間に乖離があるのは事実でございますが、概算率で定めます場合には、やはり平均値で定めるということになりますと、平均値はあくまでも平均値でございますものですから、それを飛び出るところもあるし少ないところもある。そこで、概算率として定める場合には必ずしも平均値ではない、若干のアローアンスというのが認められてもしかるべきなのではないかと思います。 それを考えてもなおかつ乖離があるという御指摘があるいはあり得るかと思います。これは、貸倒引当金も昭和五十年代に入りましてから随分引き下げを行ってまいりまして、当初千分の十五でございましたものを二、三年おきぐらいにどんどん削ってまいりまして千分の三までになった。それからつい最近では五十八年の改正の際にも若干の手直しをいたしております。そういったことで、先生の御指摘のような問題意識を私どもも持ちつつ、その適正化と申しますか率の見直しに努めてまいったつもりでございます。本年度の税制改正の作業の中におきましても大変いろいろな議論がございまして、いじるべきではないか、削減すべきではないかという御議論もあったところでございますが、現在税制の抜本的な見直しをやっているさなかにあるといったこともありまして、ことしは特に手をつけないといったような結論になったという経緯でございますけれども、先生の御指摘のようにこの率については常に適正な水準に近づけるべく努力をすべきものだと考えております。
○稲葉(誠)分科員 これは一体だれが反対するのですか。いつか私がこの質問をしようと思ったときに、そんなことしたら銀行や何か大変な騒ぎだぞなんて言ってくれた人があるのですが、私の頭の中にあるのは、銀行が一体どうしてもうかっているのだろうか。莫大な利益を上げるのでしょう。なぜ銀行がもうかっているんだろうかということが私の頭の中にあるので、ある銀行、地方銀行の頭取にそのことを話したことがある。そうしたら、先生、二時間時間下さいよ、ずっと説明しますからと言う。どうも銀行がもうかるという、莫大な利益を上げて、銀行員の待遇や給与なんか実にいいんだ。大蔵省の役人よりずっといいんだ。あすこら辺はおかしいですよ、それは議論は別ですけれども。 もう一つおかしいのは、例えばドイツの場合は実績主義じゃありませんか。どういうふうになっているのですか。
○大山政府委員 西ドイツの場合には金融機関につきましては特例的に率が定められておりまして、千分の一ないし十・五というようなことで概算率というものがございます。それから諸外国の例その他につきましても、金融機関に関しましては、アメリカではレーガンが廃止の提案をいたしておりますけれども、現行法では概算率があるというようなことで、金融機関に対します扱いはその他の業種とはやや違いまして、概算率による引き当てを認めているところが、例えばフランスもそうでございます。アメリカ、西ドイツ、フランス、こういったところが概算率による引き当てを認めております。イギリスは個別でございます。
○稲葉(誠)分科員 実際考えてみると、こういう理屈は立つわけです。例えば三兆円の貸倒引当金が負債の部に計上されている、実際は一兆円しかない、なれば二兆円は仮に分割できれば利益留保だ、こういうことになってくるんじゃないですか。そうしたら商法の規定で元来利益留保性の引当金は認められないことになったのだから、これは認められる筋合いのものではないのですよ。しかも「相当」な額に限って認めるというのだから1確かにアローアンスはあるわけでしょう。去年と比べて、では一〇%ぐらい上積みして、そしてそれを引当金として負債の部に計上するというようなことは、アローアンスとしていいかもわかりませんけれども、今のような余りにも違い過ぎるあれでは、これはあれですよ。ただ竹下さん、この議論は大蔵省としてやりづらいのです、銀行が猛烈に反対しますから。銀行協会や何かからどこがどういうふうに献金受けたのか僕は知らないですけれども、これは物すごい圧力が加わるのです。なかなかできないのです。大蔵省としてやりたいのだけれども。とにかくいろんなプレッシャーが加わってできないというのが筋かもわかりませんね。これはよく御検討願いたいのです。後でまとめて大蔵大臣からお答え願いたい。 もう一つ私わからないのは退職給与引当金なんです。これも八兆円をオーバーしましたね。どういう点がわからないかというと、まず前提がおかしいのです。全社員が一度に退社しても十分に賄えるだけの退職金というものを引き当てておくんだという前提でしょう。そうすると、だってそれは企業が存続していることを前提としてあるのに、企業がなくなっちゃうときのことを前提として考えているんで、それはわからないのですが、私のわからない点の問題点は、なぜ大企業にそんなに、八兆円ぐらいも退職給与引当金というのがあるのかということだね。では中小企業や何かは一体どうしているのか、一つはこの問題です。 それから今大企業中心に約八兆円ある。全部が大企業ではありませんけれども、資本金十億円以上の大企業、ほとんどですが、六割から七割近いですか、そのお金が一体どういうふうに運用されているのか。もしその会社がつぶれたときに従業員に支払われるその金の法律的な保証というのは一体どこにあるのか。問題はそこですよ。問題がどこにあるかおわかりと思うのです。中小企業などその他を中心といたしましては、いわゆる適格年金なり調整年金というような形で社外積み立てや何か行われているわけでしょう。別法人になっておって、つぶれたとしてもそこの方からもらえることが法律的に保証されておるということになっております。 では退職給与引当金八兆円ある。これは大企業中心だ。そこではどうしてそんなに金が集まるのだろうか、何に利用されているのだろうか、それはもしつぶれたときに法律的な保証は一体あるのだろうか、ないのだろうか、なくていいんだろうか、そういうことですよ。そこら辺のことについてお話しを願いたい、こう思うのです。
○大山政府委員 退職給与引当金は、労働協約や就業規則によりまして、確実にそれが将来的に発生するどい多ことで引き当てることが認められるというふうに法制度上なっております。これは先生御案内のように、中小企業でありましょうと大企業でありましょうと、制度的には同じように適用されるということになっておるわけでございますが、たまたま大企業はそういった労働協約等を持っている。一方、中小企業の場合にはそういう退職給与規程なるものを持っていないがゆえに利用ができないといいますか利用していない。そのかわり中小企業の場合には中小企業退職金共済制度といった外部拠出のものによって退職金の支払い準備をしているという実態もございます。制度といたしましてはこれは決して大企業優遇のものであるとかいうものではございませんで、公平に使い得るようになっておりますが、利用の実態が御指摘のとおりであるという事実はございます。 そこでもう一点、この引当金というのはどのように使われているか、その保証があるかという御指摘の点でございますけれども、これは貸借対照表上の貸方に引き当てるということでございますので、その金がどこに回っているかというのは結局借方の勘定を見るということになるのかと存じますが、確かに御指摘のように、それでは退職給与引当金を積んでいながら、それがその会社がつぶれたときに支払われる保証があるのかと言われれば、それはあるかどうかというのは、税法の立場であるとかないとか必ずしも言えるものでもないと思います。私どもの立場は、そういった債務性の引当金を積ませるのが法人の所得を適正に計算する上で正しいということで引当金を認めているわけでございまして、それが確実に支払われるかどうかという点は、これは労働政策の問題といいますか、税法とは無縁、無縁という言い方はちょっときついかもしれませんが、とは別の世界の問題である、こういうお答えになろうかと思います。
○稲葉(誠)分科員 今あなたが言われたように、労働政策の問題であって税法とは関係ないというか、そういうのだという。だから大蔵省の頭の中には、退職給与引当金というものを認めて、その繰り入れ率ということによって、それを変更させるにしても、それをやっていった方が税金が取りいいんだ、法人税が取りいいという形になってくる。八兆円あるのがぐるぐる回って利益を生めば税金取れるわけですから。そうではなくて第三者機関である法人なら法人へ積み立ててしまうといら形になってくると、損失として法人の経理から落ちるわけでしょう。だから、そこであなたの方としては税金が取りにくくなってしまうのじゃないですか。それだけ額が減ってしまうのじゃないですか。だから、あなたの方としてはこのまま残しておきたいということになってくる。しかし、残しておけば税収は上がるかもわからないけれども、そこで働いている社員の、仮に退職なり倒産の場合の保証というものは法律的にされていないということの欠陥が出てくる、こういうことになってくるので、これは大蔵省と労働省との間で十分話し合わなければいけない問題であって、実は例えば今、労働基準法の研究会というのがありまして、いろいろ報告や何か出しているわけでしょう。その中で結局、だんだん方向が変わりつつあって、これは石川吉右衛門さんが会長でしたっけ、そこでの意見は結局こういうことになってくるのでしょう。社外積み立て型退職手当制度の採用推進ということが考えられてくるということが第一になってきているのではありませんか。第二は退職手当保全委員会の設置というふうなことになってくる。だから、そういう二つのことになって、第三者機関といいますか、社外積み立て型退職手当制度、第三者機関のところへ積み立てていってそこから退職金をもらうというような形をとる、それによって確保される、あるいはそれについて保全委員会というものを労使で設けるという形ができてくるわけですね。 ところがそれに対して大蔵省当局としては、それじゃ税金取れなくなっちゃう、税金取るのが減っちゃうからというので、労働者の、今言ったように倒産なり何なり、その他の理由で退職するときの法的な、何といいますか、退職金の保全というか確保、そういうことについては、あなたの方の考え方だと、そこに足りないところがあるということになってくるのじゃありませんか。だから結局どっちをとるかということのだんだん選択の時代に向かいつつあるのではないか、こういうふうに思うのですが、今の労働基準法の改正審議会ですか研究会ですか、そこで今二つのことを指摘していますね。それについてあなた方の方としてはどういうことを考えておられるわけですか。
○大山政府委員 労働基準法研究会の報告で今御指摘のようなレポートが出されたということは私ども承知いたしております。労働政策上、労働行政上こういう方向が好ましいであろうということでございますが、税の世界、税法の分野から申しますと、その点については私どもはニュートラルでございます。外部拠出をした方が取りにくくなって内部留保の方が税金が取りやすいということがあるのかどうか。ちょっと考えてみまするに、両方とも損失ということで利益を減らす要因にはなっておりますものですから、そういうことも必ずしもないのではないか。税法の世界は適正な法人所得の計算という観点からどのような法制度を仕組むかということでございますものですから、ニュートラルと申しましたのはそういう意味でニュートラルでございまして、それは私どもも主観的には労働者に対する退職金の支払いが確保される方が望ましいと思いますが、税法的に見てどちらに軍配を上げるかというとニュートラルである、こういうことに相なろうかと思っております。
○稲葉(誠)分科員 税法的に見てニュートラルということですが、ニュートラルというのはどういう意味なのかちょっとよくわかりませんけれども、今問題は、労働者の退職する場合の退職金の保全というか保護ということを中心として考えていかなければならない時代にだんだん向かいつつあるわけですから、そうなれば、社外積み立てで、しかも法人のところへ社外積み立てをしていって、そして退職するときにはそれがもらうのが確保されている方向に進まなければいけない。しかもそれについては、保全については労使でまた委員会みたいなものをつくってよく協議をするという方向に行くのが世界の一つの流れではないかというふうに私は考えておるのですよ。 話が戻りますけれども、いかにも退職給与引当金が、今繰り入れ率の問題なんかをめぐって、あれですか、政府税調の中でも、それを変えようと思ったときに、それと法人税率を引き上げる、一・三上げるということとがはかりにかけられたのですか。あるいは何かほかのことがかけられましたね。これは絶えずはかりにかけられながら、こっちの方を、変えていく場合もありますけれども、現状のまま残っているという形でしょう。だれが、どの方面の人が、どういうふうにして繰り入れ率の変更なりに反対しているわけですか。
○大山政府委員 現在の積立率は期末退職給与の要支給額の四〇%ということになっておりますが、この四〇%の水準というのは適正な水準であると私ども思っております。定年が延長されましたりというような傾向がどんどん進みますと、この率について見直しを行わなければいけないという局面が出てまいると思いますが、現在のところ、私ども、いろいろ計量分析、計数分析をいたしておりますけれども、この四〇%というのは四〇%よりも若干それを切れる程度のものでございますので、これが何か利益留保になっているということはございません。 そういう意味におきまして、なぜこれが切れないかというお話でございますと、私どもはこれが適切な水準にある、今後の定年延長の動向とかもう少し事態の推移を見きわめる必要があろう、こういうところから手をつけておらない、議論は大いにいたしております、そんな状況でございます。
○稲葉(誠)分科員 貸倒引当金の場合の乖離の性質が利益留保性を持っているということは、これはだれが見てもわかることで、それと比べると、私はこの退職給与引当金が利益の留保性だということを言っているわけではないので、あなたの言われることだと四〇%のあれがどうして適正なのか、よくわからないのが一つ。 それからアメリカなどの税制などがよくわからないのですよ。退職金という制度がないのだということを言う人もいるし、いや、退職金というのは日本だけじゃなくて外国にもあるのだと言う人もいるし、それでどういうふうになっているのだと言う人もあるし、今度の税制の改革の中でどうなっているのだとか、そこら辺のことはよくわからないのですけれども、どういうふうに考えたらいいのですか。
○大山政府委員 先ほど申しました四〇%の率でございますが、これは勤労者の平均予定在職年数、これを基礎といたしまして、一定の利子率で割り引く、そして現在価値を出す、その割り引く率と申しますか、それが四〇%で適正だということでございます。したがいまして、今申しました二つの要素、平均予定在職年数、定年でございますが、その動き、それから一定の利子率、これはたしか八%か何かでやっておったと思いますが、それが高過ぎるという議論もございますけれども、その数字がどう動くかということで、そういった数字を前提に計算をいたしますと、今の率が適正だということでございます。 第二点の米国等の例でございますが、先生ただいま御指摘のとおり、米国には退職給与引当金なるものはございませんが、それは一般に言われますことは、米国においては退職給与制度というようなものがないから、一般的にそういう引き当てをするという制度を持っておらないのだということでございますけれども、仮にある企業が退職給与支給規程というものを持ったといたします、米国の企業が。そして負債性の引当金ということで、その企業が引き当てたといたしました場合に、公認会計士がその引き当てを不適正と言うかどうか、その点は私ちょっと実情をよく存じませんけれども、そういう退職給与規程を持つ会社があり、退職給与引当金をその会社が持ったとしますと、それは税法上の計算でも容認されるということがあり得るのではないか、こんなふうにも考えられます。
○稲葉(誠)分科員 もう時間が来たので終わりますが、私が疑問を持っていることについては、大臣、大体おわかり願えたというふうに思うので、これは貸倒引当金の場合あるいは退職給与引当金の場合、問題の所在は違うと思うのですね。問題の所在は違うと思いますけれども、問題があって考えなければならないというところはあると私は思うのですね。その点について、大臣からお答え願って、終わりにします。
○竹下国務大臣 我々が今よく税の議論をしますときに、「今後の税制のあり方についての答申」すなわち昭和五十八年十一月の答申、あれを基礎に置いておりますが、なお六十一年度税制に関する答申のところにも同じように「繰入率等の水準については、」「引き続きその見直しに努める必要がある。」これは一般的に二つの引当金ともどもでございます。そこで、しかしせっかく法人税部会というものまでできて、税調で今やってもらっているのだから、これはその抜本に触れるからことしはやめようや、こういうことになったわけです。 それで、もう二つありまして、したがって今度は貸し倒れの方について見ますと、いわゆる金融の国際化、自由化というのは、今度は金融制度調査会の答申で見ますと、そういう意味のことを加味して見直しなさいよ、こう出ているわけです。ははあ、それだからやはりこれは抜本で議論すべきだな。退給の方ではいわばだんだん定年が延長されてきたというような角度から見直しなさい。どの答申ともかなりの方々が今そのまま引き継いで税調におられますから、そういう方向で議論が進められていく課題だろうというふうに私も見ております。
○稲葉(誠)分科員 終わります。
○中島(源)主査代理 これにて稲葉誠一君の質疑は終了いたしました。 次に、日笠勝之君。
○日笠分科員 大臣、遅くまで御苦労さまです。この委員会は大変希望者が多くて夜遅くまでやるそうで、食事もいただけないということで、非人間的な分科会でございますけれども、答弁の方はひとつ人間性あふれる御答弁をお願い申し上げたいと思います。何項目が、大変項目が多うございますので、できるところまで質問をしていきたいと思います。 骨格だけ申し上げますから、それに肉をつけていただく御答弁で結構ですが、ぜい肉は結構ですから、筋肉だけでよろしゅうございますから、よろしくお願い申し上げます。 早速でございますけれども、昨年の十二月十五日付の「政府の窓時の動き」という小冊子がございます。ちょうど今「税に関する十二章」ということで酒税の問題が出ておりました。これの一番最後の酒税の「問題点」というところで、こういうふうに記載されております。国税庁が書かれた文章でございます。 酒税、いろいろ問題があるということでございますが、こういうふうに書いております。「アルコール飲料に関する健康問題、酒類の表示問題、貿易摩擦にからむ輸入促進対策等の問題を抱えています。」「消費者、業界の利益のために、積極的に業界を指導、支援していくこととしています。」こういうふうな「問題点」が最後にあり、決意を述べられておるところでございますので、早速でございますけれども、昨年の当分科会で大蔵大臣に御答弁をいただきましたものから、暫特質問してみたいと思います。 と申しますのは、昨年、ちょうどしょうちゅうブームのときでございます。今ちょっと陰りが見えているようでございますけれども、まだまだ根強い支持者がございます。このしょうちゅうにつきまして、いわゆる冠しょうちゅうといいますか、変わり種しょうちゅう、シイタケしょうちゅうであるとかニンジンしょうちゅうであるとかピーマンしょうちゅうであるとかワカメしょうちゅうであるとか、いろいろなしょうちゅうが出回っておりますが、酒団法では成分とか原料表示までは義務づけてはいないわけでございますので、国民の皆さんに、食べ物、飲み物については成分、原料表示をして選択をしていただく、こういうふうにしていくのがいいのではないかというふうに御質問いたしました。その後これにつきましては、しょうちゅうの乙類でございますが、どのように対応なされておりますか、御答弁をいただきます。
○村本政府委員 しょうちゅうの乙類につきましては、原材料の表示を行いますために、不当景品類及び不当表示防止法に基づきます公正競争規約、業界といたしましてのこれについての案をまとめまして、現在公正取引委員会の指導を受けているところでございます。最終的な段階にあるというところでございます。
○日笠分科員 これがスムーズにまとまりますと、いつごろから成分表示、原料表示が実施されるとお考えでございますか。予測で結構です。
○村本政府委員 公正取引委員会の御指導を受けているところでございますが、私どもといたしましては、それが速やかにまとまりまして、実施までに一定の準備の期間が必要でございますが、年内にも実施できればと期待いたしておるところでございます。
○日笠分科員 ぜひひとつ精力的にお願いを申し上げたいと思います。 続いて、昨年大変に問題になりましたジエチレングリコールワイン問題でございます。 これにつきまして、昨年の十二月二十六日にワイン表示問題検討協議会で「国産ワインの表示等に関する暫定措置について」というものが発表されました。これが発表されて、私、つぶさに見させていただきましたけれども、ああいう大きな問題が起こった割には自主基準と申しましょうか、ちょっと甘いといいましょうか、かったるいのではないかというふうに考えております。例えば「国内産ワインの使用割合の方が多い場合は「国内産ワイン・輸入ワイン使用」」と、何%かということ、またどこの国のものかということは全然ないわけでございます。また、例えば国産ブドウ使用という場合でも国産ブドウ五〇%超したらいい、五一%でもいい、こういうことでございますね。そういうことを考えますと、せっかくしょうちゅうも、今の公正競争規約の原案を見させていただいた段階では大変前向きな表示になっておりますけれども、それに比べ非常にイメージダウンの大きかったワインの方はこういうことでは消費者の信用が取り戻せないのではないか。私もワインの愛好家でございますし、かように非常に心配をするわけでございますけれども、この点はどうでございましょうか。
○村本政府委員 御承知のとおり、ワインにつきましていわゆるジエチレングリコールの混入問題、これが昨年の夏に起こったわけでございます。業界の方といたしましても、それに惹起されましたいろいろな社会的な御批判とかそういうようなものにこたえまして、こういったものとしましては短期間のうちに非常に大急ぎでつくったものでございます。これはいわばとりあえず緊急を要するものという形で設けたわけでございます。率直に申し上げまして、ワインの先進国の例等から見てみますと、まだ十分とは言いがたい面があることは御指摘のとおりでございますけれども、そういう短期間に具体的な基準ができたということは一つの前進であろうか、こう思うわけでございます。もちろんこれはいわば第一歩でございます。今後につきましてはさらに残された事項につきまして検討をしていくことといたしておりまして、私どもといたしましても、最終的に公正競争規約というような形で立派なものができますよう鋭意指導してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○日笠分科員 公取の黒田課長さんにもおいでいただいておりますけれども、このワイン表示問題検討協議会の暫定措置でございますが、どのような御感想ですか。
○黒田説明員 お答えいたします。 私どもといたしましても、先生御指摘のように、昨年のジエチレングリコール問題をきっかけにしまして、ワインの表示につきまして我が国の消費者にとりましてどういうふうな表示が望ましい表示であるかということを検討してもらうということから、昨年の九月十八日に関係団体に表示の適正化ということを申し入れたところでございます。それで、ただいま大蔵省からお答えがありましたように、十二月に暫定措置というものがつくられたわけであります。 これにつきましては、消費者からいろいろと誤解をされている問題点に対する解決策として第一歩の策であったということでは、私どもとしても当面の措置としてはやむを得ないものであると考えております。しかし、公正競争規約としてワインの表示全体のあり方については引き続き検討していただきたいということをお願いしておりまして、今後とも業界にその方向で指導していきたいと思っております。
○日笠分科員 ひとつワインの信用回復のためにも前向きの検討をお願い申し上げたいと思います。 続きまして、昨年当委員会でも申し上げました未成年の飲酒対策でございます。一これは本来ならば厚生省ないしは文部省、警察庁等々だと思うのですけれども、まあお酒の監督官庁は国税庁でございますから国税庁さんにお伺いをしたいと思います。 御承知のとおり、未成年の飲酒というものは大変憂うべきものがございます。警察庁の方のデータによりましても、飲酒で補導された少年の数は年年ふえております。昭和五十五年三万二千六百二十六人が、昭和五十九年でございますけれども、四万一千六百十二と確実に毎年伸びております。また市民団体でございますけれども、アルコール問題全国市民協会の調査によりましても、一週間数回以上お酒を飲む、中学校三年生で一割、高校三年生で二割。月数回以上ということになるとどうなるかといいますと、中学校三年生で二二%、五人に一人、高校生をとりましたら五〇%をはるかに超します。 東京消防庁や大阪消防庁のデータによりましても、急性アルコール中毒で救急車は緊急出動いたしますけれども、人口十万人に対して、例えば東京消防庁でございますけれども、急性アルコール中毒で病院に運ばれた人でございますけれども、十万人当たりどうかといいますと、十五歳から十九歳までが百二十人、その次が二十歳から二十九歳で九十人ということは、急性アルコール中毒で病院に救急車で運ばれる人は、一番多いのが十五歳から十九歳、それから大阪消防庁でも急性アルコール中毒で病院に運んだ人の十九歳以下が一九%、こういう大変憂うべきものがございます。 そして厚生省の諮問機関でございます公衆衛生審議会から昨年アルコール中毒患者を含めたアルコール依存症二百二十万、こういうふうな国民の皆さんが大変びっくりするような意見書も出ております。特に未成年対策についても厳しく指摘をされておるところは御承知のとおりだろうと思います。 そこで、私、昨年これは大蔵大臣に御答弁いただきました。特に広告でございます。新聞、テレビを含めた広告。小さいスペースの広告、専門用語で言えば記事中であるとか突き出しであるとか名刺広告、こういうものは無理でしょうけれども、三段広告、五段広告、全面広告、テレビならテレビの酒のコマーシャルの後、こういうようなところに業界が、こういうようなこともあるわけでございますから、未成年の飲酒は禁じられておりますと。たばこはやっておるわけなんです。昨年は大蔵大臣は、たばこは一社だからできるとおっしゃいましたけれども、厚生省の方からもこういう驚くべき実態も出ておるわけでございますから、ひとつ御検討いただかなければいけない。そのときに、これは会議録がありますが読むのをはしょりますけれども、そういうことについて大蔵大臣は業界へ要請をする、会議録をきちっと読みますとそういうふうに言われております。そういうことで、どうでございましょうか、会議録を読みますと、大蔵大臣、「私どももその御趣旨を体してそういうふうな要請等は極力繰り返していきたい」これは昨年の三月七日のこの分科会での大蔵大臣の御答弁でございますが、そういうコマーシャルに未成年の飲酒は法律で禁じられております、そういう意味の一文を広告の中に入れる、テレビコマーシャルの中に、薬の使用はよく読んでくださいとかありますね、ああいう形でやるように要請をさらに繰り返していただけないかということで去年要請するとおっしゃったわけですけれども、その後の対応と今後の御決意を、特に大蔵大臣はニューリーダーでございますから、青少年のことについては大変御造詣が深いと聞いておりますので、よろしくお願いいたします。
○竹下国務大臣 先生からお話がありまして、それでより権威づけるためには何であろうか、やはり中央酒類審議会であろう。そこで去年の一月からいわゆる酒と健康についてでございましたか、ということについて識者からヒアリングをして、それで間もなく夏にはその審議会の報告がいただける、一応こういうことになったわけでございます。したがって、その報告、それは大体わかります。それと歩調を合わせながら当庁としてやるべきことをやらなければいかぬ、それが重ねての要請ということになるのでございましょう。たばこは確かに我々一社だからうまくいっておりますが、覚えております。
○日笠分科員 その点をよろしくお願いを申し上げて、次に移ります。 これは政策減税の分野になるわけでございますが、先日、文部省の方で五十九年度の学生生活費調査というものの発表がございました。これは大学生のことでございますが、国公立それから私立、学校への納付金を初め生活費も含めて四、五十万くらいの格差があるわけでございます。教育費のことは当然皆さんもよく御存じで、巷間いつも言われていることでございますから内容的なことは省きますけれども、私は、せめて学校の納付金について何か救済措置はないだろうかといろいろと考え、またレクチャーも受けました。一つは、入学に関する寄附金は寄附金控除にならない、これは明確に所得税法に載っております。例えば入学するということで納付金を納めたけれどもほかの公立が受かっちゃってそっちへ行ったという場合は、これは返ってこないのです。文部省さんに聞きますと、今返ってくるのは一校だけです。何十万というお金が取られっ放しということでございます。そういうふうなことを考えますと、せめてこういうものだけでも寄附金控除の対象にならないか、もしそれがどうしてもだめなら雑損控除というふうにもならないのか、この点はいかがでございましょうか。
○竹下国務大臣 基本的に、御案内のとおり去年教育減税というのが政策税制の課題になって、本当に半年以上議論していただきました。だが結局は、いつも申し上げるようで申しわけありませんが、税金を納めていない家庭の父兄との問題、全く恩恵が及ばないという問題、それから高校以上の教育、いわゆる義務教育だけを出て既に税金を納めておる方とのバランス問題ということがネックになって最終的には助成政策でやろうじゃないかというので、ことし私学助成の高校の部とそれから都道府県との一緒にしたものでやっとそれなりの答えが出た、こんな感じでございまして、確かに私、話はよくわかりますが、納付金を雑損控除にいたしましてもするというのには、やはり非常に問題があるんじゃないかなということでございます。 これは六十一年度予算においてあれだけ議論しましたが、結局そのような感じになった。しかし何せ三月四日、おとといのいわゆる政策減税の中にことしも引き続きお互い実務者で勉強しようというのが残っておりますから、これの推移は十分見守って、私どもも、資料を出せとか諸外国の例を出せとか、いろいろな資料提供などはしなければいかぬというふうに思っております。
○日笠分科員 続いて医療費控除でございます。 これは確定申告等々で皆さんが感じられることで、新聞の投書欄なんかにもよく出ておりますが、いわゆる眼鏡とかコンタクトレンズの医療費控除、これは当然治療とか手術、手術することです、それから検診こういうようなものに付随するものでないと医療費控除にならないことは知った上で御質問するわけでございますが、考えてみれば眼鏡、コンタクトレンズにしましても、医者に行っていわゆる目の屈折検査を受けて、お医者さんから指示を受けて眼鏡をかける人が多いわけです。例えば目が痛いとか頭痛がするとかで医者に行く、眼科に行くとこれは眼鏡をかけなければいけません上――一種の治療の流れの中にあるものと私は考えますで、そういうことで、眼鏡といってもフレームが大臣のように何万もするフレームで、レンズは幾らだか知りませんが、べっこうだとかダイヤモンドをちりばめればそれは天井知らずでわかりませんけれども、せめてレンズだけでも、一万円なら一万円、二万円なら二万円だけで頭打ちということでもいいと思うのですね。目が悪ければ日常生活で用を足せませんし、運転免許証を見ても眼鏡等という条件があるわけです。眼鏡をかけなければ運転免許を取れませんし、運転もできません。そういう意味におきましても、これは眼鏡、コンタクトレンズをそういう条件をつけて医療費控除にする、こういうようなお考えはどうでしょうか。
○塚越政府委員 医療費控除の関係でございますが、医療費控除の対象となります医療費の範囲でございますが、所得税法の施行令の第二百七条に定められておりまして、それによりますと、お医者さんや歯医者さんによる診療や治療等の対価、それから治療または療養に必要な医薬品の購入費ということになっております。実際の取り扱いにつきましては、この本来の医療費のほかに例えば通院費ですとか入院の際の部屋代、医療用器具というようなものの購入費、こういったように、治療等を受けるために直接必要な費用ということにつきましては医療費控除の対象として取り扱うことに若干範囲を広げているわけでございます。 眼鏡につきましても、例えば肩の手術の後で一定期間に限って目の保護のためにかける保護眼鏡といったようなもの、これは目の治療を受けるために直接必要なものだということでこの購入費は医療費控除の対象として取り扱っておりますけれども、近視や遠視等を矯正するための眼鏡あるいはコンタクトレンズといったものは、目の治療のための直接必要なものだということか言えませんので、医療費控除の対象に含めることには無理があるというふうに考えられます。
○日笠分科員 矯正治療と言うんですからね、治療の一種だと思うのですよ。これは、別に所得税法で眼鏡はだめだと書いてあるわけじゃありません。矯正治療ということを考えますと、通達で弾力的に運用すればできることですね。そういうことで、お父さんも、お母さんも、子供さんにも全部眼鏡かけるというのではこれは大変ですから、そういう意味もありますし、例えばコンタクトレンズなんかでも眼科医さんに行ってきちっと指示を受けて眼鏡屋さんに行ってコンタクトを買うとか、こういうことですから、もう近視というのは病気じゃないと言われれば病気じゃないかもしれませんけれども、いわゆる日常生活の用を足す最低限だ、運転免許証だって眼鏡かけなければ運転できないわけですから、そういうものぐらいせめて医療費控除の対象、もしそれがだめなら雑損控除でもよろしいです、何か救済措置はないか、これは大臣どうでしょうか。
○竹下国務大臣 いわゆるその所得税法に言うところのことからしますと、私も、これは問題難しいなと思います。それから、税調の答申の今までのを見てみましても、何と申しましょうか、さまざまな生活態様の中から特定の条件を選び出して家計支出においてそうしたことをするのは適当でないという、流れとしてはそういう答申に今日までなっておるわけです。したがって、この問題は、控除というのは私は難しいと思うのですが、この国会で行われた税制論議ですから税調にも報告する課題ですけれども、おまえ、それでは可能性があるかと言われると、今までの流れの中では、さあ、そうはいっても税調の流れの中ではそうですかと言う、取り上げられるかどうかについては自信が余りないというのが素直なところです。
○日笠分科員 それでは紙おむつはどうでしょうかね。国立療養所はこれは予算化されまして、紙おむつの費用は払わなくてもいいんですね。国立病院は自己負担。もちろん家に在宅の寝たきり介護老人、これも当然自己負担になっております。これも私は医療費控除に入れてもらいたいと思うのです。それは、いわゆるかぶれたりするわけでございますし、もしだめだと言うなら、お医者さんが、これはかぶれておりますから紙おむつの方がいいんじゃないか、こう言われた場合に限ってでも結構でございます、何らかの方法でこの紙おむつ――調べますと大体十校入り一パック六百円から七百円でございますが、一日に大体一パック要るそうです。月にしますと一万八千円から二万五千円ぐらいかかる。年間でいくと二十万から三十万、老齢福祉年金もらっている人はそれだけでパアなんですね。こういうことを考えますと、この紙おむつも、かぶれ等のおそれもあることもありますので、医療費控除の対象にならないでしょうかね。
○塚越政府委員 紙おむつでございますが、現在所得税法の施行令に規定されておりますいろいろなものに対して、紙おむつというのは一般的に言いましていずれの対価にも該当しないということでございまして、医療費控除の対象にはならないという取り扱いをいたしております。病院で使用する紙おむつのうち医療費控除の対象となりますのは、病院が紙おむつを使用して、その紙おむつの代金を含めて、それまで含めて医療費として一括請求している場合、そういう場合に限って、しかも、その紙おむつ代ということが明確に区分できないためにその全額を治療代として認めざるを得ないという場合に医療費として認めているわけでございまして、病院で使用している紙おむつ全体を医療費控除の対象としているのではないという点を御理解いただきたいと思います。
○日笠分科員 ですから、そういうアンバランスがあるわけですね、今おっしゃったように。一括して保険なら保険でやるわけでしょう。
○塚越政府委員 全体を病院の治療費ということで一括しておりまして、区別ができないということでそういうことになっているわけでございます。
○日笠分科員 ですから、在宅の人と病院の人、また在宅の人と国立療養所の人は違うわけです。アンバランスがあるわけですから何らかの救済措置をすべきである、これは要請をしておきます。 続きまして、これは岡山県という局所的な問題かと思いますか、神戸協和会事件というのがございます。昭和三十一年ごろに納税準備相互金融ということで、一口三十円、十口以上なら各府、家まで集金に参りますよ、一年間集まったお金については六%から八%の配当金、まとまった三百万とか五百万ということであれば一割とか二割という高配当をする、こういうふうな業態のものがございましたが、本年の一月の終わりに、この会長が姿をくらましまして倒産したわけでございます。被害の方は、これは岡山の弁護士会の方が四、五十名の弁護士さんの協力を得まして今被害届を受けておる状況でございますが、届け人が九千五百人、被害金額が三十億とも四十億とも言われております。大変地元岡山県にとっては大問題でございます。これにつきまして、実はその会長が今指名手配をされております。相互銀行法違反ということでございます。御存じのように、昭和五十八年十一月に貸金業の規制法ができまして、これは県の登録をしなければいけない。ところが、神戸協和会は登録を県の方へ申請したわけですけれども、業態が相互銀行と同じであるということで、岡山県の財務事務所と協議をいたしまして三年間登録は受け付けなかったわけでございますが、先ほど申し上げましたような大きな事件、事故が起こったわけでございます。 そこでお聞きしたいわけでございますが、岡山の財務事務所は県の方から何回も協議を受けておるわけでございます。どういう協議があったのか、またどういうふうに答えたのか、まずこの点をお聞きしたいと思います。
○吉田(正)政府委員 本件につきましては、もともと貸金業者が岡山県、県の監督に属するわけで、岡山県が監督しているわけでございますけれども、県といたしましては、急激な取り締まりによる混乱を避けることが望ましいという観点から、段階的にこの業務を整理縮小させる方向で指導しているということで、財務事務所はそれを受け取り、その方向を了解しておったというふうに聞いておるわけでございます。
○日笠分科員 そうすると、こういう九千五百名からの被害者、三十億とも四十億とも言われる焦げつき、こういうふうな大事件になって、それまでいろいろな協議を受けておったけれども、これは県の問題だ、県の商放課の問題だ、大蔵省は全然関係ないんだ、こういうことですか。
○吉田(正)政府委員 この貸金業者につきましては、二県以上にまたがる場合には大蔵省の財務局が登録を受ける立場になるわけでございますが、今回のこの該当事案のものは岡山県一県だけが業務範囲になっているということで、これは貸金業法上、岡山県が登録し、岡山県が調査する範疇に属するものでございます。
○日笠分科員 最後に要請をしておきます。 こういう業態が全国にあるかと思いますので、一遍その実態を把握しなければいけないのではないかということ、それから、協議を受けて、これは県の問題だと突っぱねるのじゃなくて、相互銀行法違反で指名手配されているわけですから、相互銀行というのは大蔵省の管轄ですから、そういうことがあればよく内容を聞いて、告発も辞さない、捜査を依頼するとか、こういうことも当然やっていただいてもよかろうかと思うのです。これはどうでしょうか、最後に。
○吉田(正)政府委員 大蔵省にはこういうものにつきましては捜査権――すべてでございますが、捜査権等が付与されているわけではございませんので、相互銀行以外のものがこの種の業務を扱っていたとしても、必ずしもそれを全部知り尽くし得ないことは御理解いただきたいと思うのでありますけれども、これはやはり大蔵大臣が監督する相互銀行業務をやってはならぬというのが相互銀行法第四条でございますから、十分それを頭の中に置きながら大蔵省が把握につきましてはできるだけ努めまして、関係行政機関、都道府県あるいは警察当局等と連携してその是正方を指導してまいりたいというのが基本的な考え方でございます。
○日笠分科員 終わります。
○中島(源)主査代理 これにて日笠勝之君の質疑は終了いたしました。 次に、金子みつ君。
○金子(み)分科員 大蔵大臣にちょっとお尋ねしたいのです。 先月十五日、確定申告の中論が始まった日、大臣、どこかの税務署へお出かけになったようですね。そうしたら、そこに偶然かどうか存じませんけれども、女優の吉永小百合さんが申告に来ておられた。それで大臣は吉永さんにお声をおかけになったようですが、そうしたら吉永さんが大臣に、私は重税で大変に困ってあえいでいますと訴えられたようです。そしてその後続けて、実は税の使い方がとても気になります、戦闘機なんか買わないで教育や福祉に使っていただきたいというふうに彼女は大臣に訴えたということを私は新聞記事で知ったのですけれども、そういうことがございましたのでしょうか。 〔中島(源)主査代理退席、主査着席〕
○竹下国務大臣 たしか初目に麻布税務署へ参りまして、小百合さんは二十年から自分で申告に来る模範生だそうでございます。それで、ただ守秘義務に関しますから何ぼ申告されるかというのだけは目隠しをしておきまして、それで、税金というのは重い感じがします、しかし、所得がある者はある意味においてはチャリティーフィーでございますからと、私がソフトに話しかけをしたわけでございます。そうしたら、それはわからぬでもございませんけれども、戦闘機とはおっしゃいませんでしたが、飛行機なんかよりやはり教育や福祉に使ってくださいますといいですわねということを、これも極めてソフトにお答えがあった、これは事実でございます。
○金子(み)分科員 そして、そのとき大臣は何とおっしゃったのですか。それをお聞きになってどんなふうにお答えになったのですか。ただ黙って笑っていらっしゃったのですか。
○竹下国務大臣 そう理屈を言うような雰囲気でもございませんので、税金というのはいろいろなところに使われるですからねというふうに申しておきました。
○金子(み)分科員 それだけですか。
○竹下国務大臣 はい。
○金子(み)分科員 そこで大臣がちょっとお考えをお述べになればよかったなと思いますけれども、お述べにならなかったようで、大変残念でございました。 それはそれといたしまして、私はきょうは税金の問題、吉永さんと同じなんですけれども、税金あるいは税制度について少しお尋ねをしたいというふうに思います。 税の問題につきましては私は本当にからきし素人でございまして、ただ言われているなりに正直に税金を納めているだけでございます。それで、一つ一つ詮議してこれは何のためこれはどういう理由でなんということをやったことはございませんので、大変にイージーな形で税金を納めているわけでございます。 日本にはいろんな制度がございますけれども、税金に関する制度と年金に関する制度とは非常に複雑で、複雑怪奇とは言わないまでも複雑多岐で一般の人には本当にわからない、難しくて。御専門の方々はよくおわかりになるんでしょうけれども、大変に難しいというふうに言われております。私もそうだと思うのです。年金の方は御承知のように理由はそれだけじゃございませんで、ほかにも政府の意図がおありになったということはわかっておりますけれども、大変にこれもまた八種類もある年金の制度を単純化するというようなことも一つの目的だったんじゃないかと思いますが、今度年金制度の改正がございましたですね。それで、税制の方もこれをこのままにしておおきになるおつもりなのか、それとも、税制調査会で検討中だということも伺ってはおりますけれども、これをどのようにと申しますかどんなふうに税制を改正しようと考えていらっしゃるのか。もしその点をお聞かせいただければ大変ありがたいと思います。いかがでしょうか。
○竹下国務大臣 結局日本の税制というのは、例えば所得税で申しますと、昭和二十二年までは戸主が主体になっておったわけでございますね。それが稼得者すなわち一人一人というような形になりまして、二十五年に今度はシャウプ勧告というのがあって、そこで所得の再配分の見地からも所得税が中心的な役割を果たす、そういうようなことからいたしまして体系が一応できて、それが今日まで続いてきている。ところがその間にゆがみ、ひずみがいっぱいできました。それがあるいは重圧感にもなっておるわけであります。したがって、この間、私、シャウプ先生とニューヨークで会ってきましたけれども、もう八十数歳のいい御老人でございましたが、当時のことをまだしっかり覚えていらっしゃいました。ただ、シャウプ税制で所得税が基幹税制だというようなことで続いたのは非常にいいことでございますけれども、必ずしもシャウプ先生があのとき言われたとおりではなく、累進税率なんというのは比較的単純にして、そのかわり富裕税というようなのもおっしゃっておりましたが、それはある時期になくなったわけでございます。今度は累進税率の刻みが多くなったりしまして今日に至っておる。大種言われることは、ちょうど子供さんを学校に行がしたりというような中堅所得層というのですか、その辺が相対的に一番重圧感が多いじゃないか、こんな議論が合しきりにされておるわけです。 それからもう一つは、公平、公正という立場から、いわゆるサラリーマンのお方と事業所得のお方とそういうところに水平的に見た不公平感があるというような問題がありますので、したがって、結局五十三年までは国会の議論で大蔵委員会で一番多いのは物価の論議でございますが、五十四年以来ずっと税制の論議がやられてきて、そこで去年の今ごろ、いわゆる各党協議というものが行われまして、ではもう一遍国会を通して、すなわち去年の七月までの間に国会の議論全部を報告して、それで抜本改正の諮問を税制調査会にしようじゃないか、こういうことになって諮問をしまして、それで今所得税部会、まあ第一部会とか第二部会とか、そういう議論が始まって、それをさらに学者さんを中心とする専門委員会へおろしてというところまでが今日来ておるという実態でございます。
○金子(み)分科員 ありがとうございました。 そのことはわかりましたが、そういたしますと、諮問をなさって今そこまで来ておられる。例えばそれはいつまでに結果を出してもらうとか、あるいはそのことが出てきたらば、その結果が出てきたならばそれをもとにして税制を改正するようにするとか、そういうところまで考えた諮問であったのでしょうか。
○竹下国務大臣 抜本の問題につきましては大体秋ということになっておりますから、したがいまして、おととい行われました幹事長・書記長会談などでも年内に合意を得るというような感じですから大体平仄が合うんだな、だから抜本はやっぱり六十二年度税制ということになっていくという道筋を踏んでいくんだなというふうに思っております。
○金子(み)分科員 そのことがどういう結果で出てくるかというのは大変期待できる話だと思うのでございますけれども、その結果、そういたしますと、いろいろ先ほど大臣もお話しになりましたけれども、給与所得者、サラリーマンの所得税の問題だとか、あるいは事業をしておられる、商売をしたりお店をやったりしていらっしゃる方たちの事業税であるとか、あるいは企業まあ大中小さまざまだと思いますが、各般の企業がありますが、その企業の法人税でありますとか、あるいは時々問題になりますけれども、租税特別措置法ですね、あれによって税が緩和されているというような問題もありますし、そういった非常にプラス面とマイナス面と両方まじっていますね、今。そういうような問題だとかあるいは税の納め方の問題ですね。例えばサラリーマンは給与から天引きで税金を納めますから、自分の意思が働いてないで税金を納めているようなものですけれども、機械的ですね。ですから一〇〇%に近い税金はちゃんと納めている。成績のいい優等生だとは思いますけれども。それに比べて、そのほかの事業、自由業の方たちとかあるいはその他の方たちの納め方が必ずしもそのようになっていない。例えば、ちまたで申しますクロヨンなんというのがございますね。ああいうような形で税の納められ方が差別、何というのでしょうか不平等だ、平等でないという不満もあるわけですね。そういうような不満がございますものも、今度の報告に基づいて改めるときにはそういうようなものも全部解消できるというふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
○竹下国務大臣 今おっしゃいましたのが、今度公平、公正、簡素、選択、活力ということでお願いしているわけですね。活力の方は別にいたしましょう、選択と両方は。公平、公正の中にそうしたものが、今おっしゃったようなものが中心に議論されるだろう。租税特別措置というのは、従来の流れは特別の措置ですから、税体系から来るとある程度曲げておるわけですね。それらはできるだけ是正してきましたけれども、世代の移り変わりの中で新しいニーズのものをまた加えたり、その場合はスクラップ・アンド・ビルドでないといかぬとかいろいろ言ってきましたが、そういうものも議論になるでありましょうし、クロヨンとかトーゴーサンとがよく言われます。私どもも困ります。国会で議決してもらった、でき上がった税制にクロヨンがございますなんということは言えませんよね。しかし、感覚としてあり得るということは問題意識としては政治家ですからお互い知っていなければなりませんし、そういうようなものがなぜどこにあるかというようなことが、俗に言われます公平、公正の中で今度しっぽりと御議論がいただけるであろう。だから、例えば先生とこうして話しているのも逐次整理しては税調へ報告するというようなことをも含めながらやっております。
○金子(み)分科員 ぜひ期待したいと思います。これから一つお尋ねする問題も含めて、新しい税制の中へ入れていただきたいと思うわけです。 それは何かと申しますと、具体的に申し上げますと、二組の母子家庭を例に挙げてお話をして御意見をいただきたい、お考えを聞かせていただきたいと思うのですが、母子家庭と申しましてもいろいろな種類があるわけです。私が申し上げようと思っておりますのは二組で、これは父子家庭も同じだと思うのですよ、父と子というのがございますからね。いずれにいたしましても片親です。ただ、代表的なのが母子なものですから、つい母子というのが出てまいりますけれども、片っ方の家庭は母は寡婦。死別、離別、いずれにいたしましても寡婦ですね、寡婦と子供。片っ方は結婚していない母親、非婚ですね、非婚の母と子供。こういう二組の家庭がある。これに対する税の問題が大変に違っているという問題を申し上げたいわけなんです。 所得税法を見ますと、寡婦に関しては規定がございますね。いろいろな規定がありまして、大変に配慮をされていろいろな種類の控除もあるようでございます。ここで控除のことを一つ一つ取り上げるつもりはございませんけれども、寡婦控除というのはいろいろなところに出てまいりますので、これは特別に配慮されているなということがよくわかるわけです。寡婦に対する税の控除規定はありますけれども、非婚の母に対してはないのですね。何もない。では、その非婚の母はどういうふうになっているかと申しますと、これは一般の基準で納税するようになっているわけですね。所得税法の中でそのことがはっきりするわけでございます。 そこでお尋ねしたいのは、寡婦と非婚の母との間になぜ違いがあるのかということなんです。なぜ相違が存在しているのか。母と子との生活に変わりはないわけなので、実態としては変わりはないと思うのですけれども、寡婦についてはいろいろな控除が図られていたりしているのはなぜかというのが、一つお伺いしたいことなんです。 そして、そんなことを言っても抽象的だとおっしゃれば具体的に申し上げてみたいと思いますことは、たまたま私の手元にございます事例ではどちらも年収三百万円以下ですから、どっちも国税はないのですね。ですから、結局あとは市町村民税、地方税になるわけでございますが、地方税は大蔵省知らないよとおっしゃられると困るのですけれども、この地方税でいきますと、寡婦については百万円以下の収入だと非課税になっているのですね。ですけれども、非婚の母の場合はそれがございません。ですから課税の対象になっているという一つの違いがございます。 具体的に申し上げますと、手元に参っております資料では二人とも保育園の保母さんなんですけれども、片っ方は寡婦です。片っ方は非婚です。この場合に、非婚のお母さんの場合は収入が百二十六万で子供が一人でございまして、東京の人ですから区民税、都民税、そんなものを合わせて八千円ぐらい納税しております。その場合に、区役所なんかの説明によりますと、非婚の母親に対しては、子供が一人あれば百十三万円から課税の対象になる、それから寡婦の場合ですと、同じ状態であっても百六十万円から課税の対象になる。ここで課税対象の課税最低額が違っているわけなのですね。このほかに寡婦の場合は控除がつきますからまた違ってくるわけですね。かなり有利になるのですけれども、今ここで控除の話までは言わないことにいたしますが、これは特別の御配慮と思って考えますが、私が伺いたいことは、課税最低額がなぜ違うのかということが知りたいのが一つです。なぜ違わせてあるのかということです。差別じゃないかという感じがするぐらいなんです。 それから、これは地方税ですから、都道府県の各自治体が条例で決めるわけなんですね。条例で決めるということになっておりますが、国からはそれに対して何か御指示があっているのかないのか。例えば行政指導か何かでどんなふうにしろとかこんなふうにというふうなことがあるのかないのかということも知りたいわけです。もしそれがないとすれば、全くもう自治体が任意にやっている、こういうふうに解釈できるわけですから、対象は自治体ということになるのかと思うのですけれども、仮にそうだとしても自治体でそのような差別をつけているこれに対して、国として、大臣としてどういうふうにお考えになるのか。差別があるのは当たり前だとお考えになるのか、あるいは差別をするのはおかしいじゃないか、同等にするべきじゃないかとお考えになるか、その辺を聞かせていただきたい。
○大山政府委員 まず、事実関係につきまして私から御説明をさせていただきます。 例えば親が子供を持つ、その場合に子供さんに対しては扶養控除というものがあるわけでございます。親と子という関係で税としてどう取り扱われるかというのは、親に対して基礎控除、子供に対して扶養控除、そういう世界で税法は仕切っているわけでございます。 そこで、もう一つ違いますのが寡婦、それからお子さんがいるような場合、この場合には寡婦控除という制度がございまして、国税では二十五万円でございます。これはその時点まで夫がいて、夫に家計を支えられていた婦人及び子供あるいは家庭と申してよろしいかと思いますが、それが急に夫に先立たれて、そこで自分は子供を抱えて仕事を探さなくちゃならない、それからまた夫の位牌を守らなくちゃならないというようなことから、特別の控除として寡婦控除二十五万円が控除できるという制度になっているわけでございます。したがいまして、子供を扶養するという点では配慮があるわけでございますが、もう一つ夫に先立たれた場合には、位牌を守るとか急に柱を失った、仕事を探すというような点への配慮から、終戦直後でございますが、寡婦控除が認められた。その分が今二つの例の課税最低限の違いとなってあらわれているものでございまして、寡婦控除制度のよしあしということになろうかと思いますが、ただいま申しましたような趣旨で設けられております寡婦控除制度でございますということを御理解いただきまして、この違いというのはそういうことで説明がなされるものと思っております。 もう一点、条例の点についてのお尋ねでございましたが、条例のもとになりますのは地方税法でございます。これは自治省の所管の法律でございますので、私から御説明をいたしますのもなんでございますが、地方税法に根拠を持ちまして、それに基づきまして条例が定められているということで、必ずしも勝手気ままに各地方団体が定めているというものではないように私は理解をいたしております。
○金子(み)分科員 今のは戦後の出発した当時の話をしてくだすったわけですが、それが今日まで残っているわけですよね。 それで、控除なんかの話はわかりましたが、課税最低限まで違えるというのはちょっと納得できないのですけれども、その辺はどういうふうに御説明くださいますか。
○大山政府委員 課税最低限というのを正確な意味でとらえますと、それは基礎控除を引く、扶養控除を引く、それから給与である場合にはその前に給与所得控除というのが控除されますけれども、その点におきましては両者とも全く同じはずでございます。今の違いは寡婦控除の適用のいかんという違いだと理解されます。
○金子(み)分科員 時間がもう余りありませんので、大臣、実はこの問題は昨年の予算委員会のときに一般質問の時間で私は取り上げまして、この税金の問題を取り上げたのじゃないのです、そのときは児童扶養手当の問題だったのです。両方の家庭に児童扶養手当をつけてずっと今まで来ているわけです。それを六十年度の予算から、非婚の母と子供には児童扶養手当をつけない、切り捨てるという厚生省の御方針だったのです。そのことが表面には書いてないのです、法律その他には。ただ説明を受けたらそういうことだったことがわかった。その分が予算的にも削られているのです。それでそれを委員会で私は質問いたしました。なぜ落とすのか、母と子の生活に変わりはないじゃないか。そのときも今と同じような御説明をなさいましたよ。突然夫がいなくなったのだ、子供と二人残されちゃったので大変気の毒な状態になった、生活環境ががらり変わったからつけているのだ、こういうふうにおっしゃる。非婚の母の方は、これだって同じかもしれませんよ。結婚していないだけであって大勢としては夫はいないのかもしれないのですね。初めから働いているとも限らないわけですね、非婚の方だって。だから、そういう意味では両方が全く同じだと私は思うのです。それをそういうふうにして非婚の母子に対する児童扶養手当はつけないという方針をお出しになったのでびっくりしたのです。そんなことは全く差別じゃないか、何が理由だということを幾らお尋ねしてもきちっとした御回答はいただけなかったのです。それで、とうとう最終的にはそれはおかしいということを認めていただきまして、非婚の家庭の母子にも児童扶養手当は従来どおり変わらないで支給するというふうに決めていただいて今日に至っているわけなんです。私は、このことは今の税金の話も全く同じじゃないかと思うのです。 そこで私は、大臣にお願いとそれからお考えとをあわせて申し上げたいと思うのです。今税制調査会でいろんなことを検討していらっしゃると先ほど伺いまして大変に期待が持てるのですけれども、税制調査会ではそんな細かいことまでは一々やらないとおっしゃるかもしれません。それもそうかもしれませんけれども、扱いとして寡婦の親子と非婚の親子とが税制上の相違があっていいとは思えないのですね、生活実態が全く同じなんですから。だからそこで区別をしないで同じような扱いになされるように図っていただきたいし、そのことについては、私がきょうは外しますと申し上げたいろんな控除の問題がございます。その控除の問題だって本来ならなぜ寡婦だけに控除をするのかというふうに申し上げたいぐらいです。しかし、その点は一応おくといたしましても、税金を納める問題については同じ立場で同じように納めさせてほしい。収入が違うかもしれません。収入が違えば、税金を納めるのには収入に従って比率がございますね、幾らまでは百分の幾つとかなんとかという基準がございますから、基準に合わせてすればいい。それは正しいことだと思っておりますけれども、最初から違えてしまうというところに非常に問題があると思いますので、その辺のお考えを大臣に聞かせていただきたい。言葉をかえて申し上げれば、すべてのものを含めた税に対する大臣の哲学みたいなものを短い時間で大変失礼でございますけれども、聞かせていただければありがたいというふうに思います。
○竹下国務大臣 今のお話、去年たしか児童手当のことで私も記憶しておりますが、そもそも所得税制では、配偶者でございますとかあるいは親族でございますとかいうものは基本的に民法上の概念に立っておるわけでございます。したがって、事実、婚姻関係のない人あるいは婚姻関係にありながら民法上の婚姻関係になかった場合の人もあり得るでございましょうから、事実上そういう関係があったのかどうかというのを正しく把握するというのはある意味においては個人のプライバシーにも関することではないかなというふうに考えますので、基本的に所得税制では配偶者とか親族とかの概念は民法上の概念によっておるという、そこのところの基本から議論する問題になるように今先生のお話を聞きながら私感じましたので、いましばらく勉強させてみてくださいませんか。税制上の組み立てが法律上どういう形でできるかということですね。至って頼りない話でございますが、私も税のプロじゃございませんので、ただ聞いた感じをお述べしただけでございます。
○金子(み)分科員 わかりました。ぜひ今すぐお返事をということじゃございませんけれども、こういう問題が最後まで残ることのないように考えていただきたいということを申し上げたいわけでございます。 プライバシーの問題になりますと、全部を調べるのはプライバシーだということになりますと、脱税をしていてもわからないわけですよ、そういうところにも結びつかないとも限りませんので、この際はそういうことは別枠として考えていただければありがたいと思いますので、これはひとつ将来の問題としてぜひ考えていただきたいことを御要請いたしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○伊藤主査 これにて金子みつ君の質疑は終了いたしました。 次に、近江巳記夫君。 〔主査退席、平沼主査代理着席〕
○近江分科員 きょうは大蔵省の大臣初め最高幹部の皆さんいらっしゃるわけでございまして、この三十分という極めて短い質問を今から展開するわけでございます。 初めに私が申し上げたいことは、最近確かに財政が厳しいということはわかるわけでありますが、社会資本の整備というものが非常におくれているわけです。御承知のように例えば第九次道路整備五カ年計画、これなども三四・二%、第五次下水道整備五カ年計画五九・一%、第三次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画六九・一%、こういうようにすべて大変おくれております。こういうことで一〇〇%いっておるものというのは一つもないような現状でございます。 そういう中で、きょうは非常に限られた時間でございますので、私は特に国民が大変待ち望んでおるといいますか、また逆に言えば非常に苦しんでおる、困っておるような具体例を取り上げて、ぜひ大蔵省がバックアップをして予算をつけてもらいたい、こういう気持ちで質問をしたいと思うのです。それは都市におきます連続立体交差事業、これの推進の問題でございます。きょうは限られた時間ですから、建設省も来ておりますので、ポイント、ポイントを、要点をひとつ御答弁いただきたいと思うのです。 私は具体例を出していきたいと思いますが、昨年、大阪の阪急宝塚線の池田市駅付近、これが連続立体交差・高架化事業が完成しまして地域住民も非常に喜んでおりますし、これで都市機能というものがいろいろな点で非常にプラスになったわけでございます。そのように東京や大阪、そうした大都市圏の周辺というものは人口が非常に過密化いたしてきておりますし、それが非常に皆待ち望んでおる問題でございます。 そこで、具体例といたしまして、やはり大阪周辺の高槻市あるいは茨木市あるいは豊中市、こういうところはいずれも阪急京都線及び宝塚線に係る連続立体交差事業なんでございます。 そこで、まず高槻市の場合でございますが、この高槻市は大阪と京都の中間に位置するところでございまして、人口約三十五万を擁する都市でございますが、市街地に並行いたしまして国鉄あるいはまた阪急電鉄京都線あるいは国道百七十一号線が横断しておりまして、阪急電鉄京都線は高槻市市街地中心部におきまして十カ所で道路と平面交差をいたしまして、踏切遮断時間一日平均九時間、あかずの踏切と言われておりますが、交通停滞をいたしておりまして通勤通学も大変不便をかこっておるわけでございます。また、この高槻市は府下の衛星都市におきまして唯一の市バスを有しておるわけでございます。そういうわけで、一日平均九時間の停滞というものは都市交通機能を阻害する要因となっております。そのほか市街地が分断されておりますし、高槻市駅におきましても一日八万一千人余りの乗降客が支障を来しておるわけでございます。御承知のように、高槻市の市長を初め市の理事者また議会筋もこの事業につきましては非常に熱心でございまして、地元の協力者を得まして用地買収も早々とほぼ解決しておるというわけでございますが、国の方が事業の促進に力を入れないということで、事業の進捗率は六十年度でようやく両仮線の移転ができたぐらいであるということなんです。こういうことで当初の約束からしますと大変おくれておるわけでございます。 まず、私が申し上げましたこうした地点につきまして、第一点としてこの高槻市の問題についてお伺いしたいと思います。
○村山説明員 御説明申し上げます。 阪急電鉄の高槻市駅周辺の連続立体交差事業につきましては、先生の御指摘のとおり、都市問題を解決するために事業を実施しております。事業当初は用地買収が難航したり、あるいはまた予算の制約等のために事業の進捗がおくれたわけでございますが、このたび都市計画事業の事業計画を変更いたしまして、六十五年度に完成するという予定で現在事業を進めておるところでございます。
○近江分科員 そうすると、総額は予算でどのぐらいになって、今後、六十五年度としますと五年間で大体どういう計画ですか。
○村山説明員 全体事業費は二百十三億でございまして、そのうち鉄道側負担を除く都市側が百七十億円でございます。今年度最終の見込み額を付加いたしますと、六十年度末、今年度末には約四五%の進捗となっております。六十一年度以降積極的に事業を進めるべく、大阪府の方でお考えでございます。 以上でございます。
○近江分科員 それをよくバックアップをして、国として総力を挙げていただきたいと思います。大蔵省にはまとめて後で強い決意をお伺いいたします。 次に、茨木市の問題についてお伺いします。 茨木市阪急京都線連続立体交差事業でございますが、阪急茨木市駅周辺の踏切は一カ所で、これは駅前でございまして、他は地下道でございますが、駅前一カ所の踏切は十二時間で六千五十台の車が通過するわけでございます。乗車人員は一月七万九千人、渋滞時間は六時間五十七分、ピーク時十七時から十八時は五十分全く閉鎖されているような状態です。駅前踏切道路は、市内全体の長さ二キロであるのに一キロも渋滞しております。一台踏切を通過するのに四十分もかかるのが現状でございます。工事状況は、現在下り線の仮線が終了し、今後上り線の仮線を実施する段階でありますが、用地買収も終了し、事業の本格着工に入ろうとしております。総事業として大体三、四割の進捗でございますが、これも非常におくれておるわけでございます。今後の政府の独力な対策を問いたいと思います。
○村山説明員 御説明申し上げます。 茨木市駅周辺の阪急電鉄の鉄道高架につきましては、下り線が上がりましたことでかなりの事業効果が上がっておるかと思いますが、さらに大阪府の意向を体して、今後とも所期の目的を達するように努力してまいりたいと考えております。
○近江分科員 答弁は、抽象論は要りませんから、総額の事業が幾らで、現在進捗率がどうで、今年度、来年度以降はこうなる、ぴしっぴしっと答えてもらわないと、時間の関係があるのですから抽象論は要りません。もう一度。
○村山説明員 資料を探します間、少々御容赦をお願いしたいと存じます。
○平沼主査代理 資料は探すのにどのくらいかかりますか。
○村山説明員 少し、十分ばかり……。
○近江分科員 それじゃ、探している間に次の問題。建設省の人はすぐに資料を探しなさいよ。 次は、豊中市の阪急宝塚線。ここも大変事業がおくれております。当初計画は五十七年の起工式から六十一年度完成予定でありましたが、諸般の事情もあり、四年延長して六十五年の完成としておるわけです。しかし、これも非常におくれておるわけでございまして、この点についてどういう計画で今進んでいるか、お伺いします。
○村山説明員 まことに申しわけございませんが、直ちにその件についても調査をさせていただきたいと存じます。まことに申しわけございません。
○近江分科員 そういうことは資料をきちっと持ってきてもらわなければ困るじゃないですか。 それではモノレール事業について。これは千里中央から南茨木間の開通の問題でございますが、これも当初から相当おくれておるわけでございますけれども、今後の見通しについて、また、全線開通についてどういう見通しであり、どういう問題が横たわり、どういう解決をとるのか、これについてお伺いします。
○村山説明員 大阪モノレールの大阪国際空港から南茨木間につきましては都市計画決定を終えておりまして、そのうち千里中央-南茨木間につきまして現在事業を実施中でございます。現在は全面的に着工をしておりまして、本年度末の進捗見込みは全体事業費の約五三%でございます。ちなみに、私どもが所管しております全体事業費は二百七十億、本年度末見込みはそのうち百四十三億、進捗状況五三%ということでございます。
○近江分科員 南茨木まで、これは六十四年度間違いなく開通するのですか。
○村山説明員 現在の状況は全面的に着工してございまして、しかも所要のところの発注も順調にいっております。この間につきましては予定どおりできるように努力をしてまいりたいと思っております。
○近江分科員 千里中央から大阪空港まで、これで一応モノレールの全線開業ということになるわけでございますが、大阪国際空港までに至る間におきまして、阪急宝塚線の蛍池周辺におきましては住民との間に公害問題等発生しておるわけでございます。これは要するに、当事者である関係省庁の努力がもう一歩足らないと私は思うのです。これについて政府はどういうように対応し、また全線の開通についてどういう見通しを立てておるか、お伺いいたします。
○村山説明員 ただいま御指摘のとおりでございまして、蛍池周辺につきましては環境問題その他で予定事業主体であります大阪府と地元との関係で非常に困難な問題に直面しておるわけでございます。しかしながら、大阪府の意向といたしましては、六十一年度に事業に着手したい旨の要望がございまして、それについてその内容を検討しておるところでございます。
○近江分科員 要するにやりたいという気持ちが先行するだけで住民の理解と協力がなければ公共事業なんて進むわけないんですよ。それを聞いているんですよ。政府はどれだけの誠意を持って進めるかと言っているんです。大阪府が六十一年にやりたい、そんなことはわかっていますよ。だから問題は、政府はどれだけ住民のそういう意向を体して解決に向けて誠意を持って応ずるか、その態度を聞いているんだ。
○村山説明員 私ども大阪府から種々の御相談を受けておりまして、私どもがいろいろな提案も申し上げております。そういった中で環境問題、現在最高裁で審理中でございます。そういった背景も踏まえまして私どもは前向きにいろいろな対策を提案申し上げております。
○近江分科員 とにかく誠意を持って、この辺の公共事業を進める際におきましては、補償の問題であるとか公害の対策であるとか、そういうことを万全にきちっとしなければ公共事業の進捗はできないんです。それは政府が責任を持って今後はやる、これを強く要望いたしておきます。 それから次に大阪池田線、これの延伸事業につきまして、これもいわゆる住民とのそういう問題につきまして非常にまだまだ政府を中心とした態度が誠意に欠けておる。したがって、これにつきましては十分誠意を持って解決に努力をして今後やってもらいたい、このように思うわけです。今後の見通しについてお伺いいたします。
○竹内説明員 御質問の大阪池田線につきましては、五十七年度から用地買収に着手をいたしまして、それぞれ六地区に分けて用地交渉に入っておるわけでございますが、一部御指摘のように環境等の問題から非常に難しい状況に立ち至っています。したがいまして、全体としての用地買収の進捗状況はやや低い状況になっておるわけでございます。これにつきましては、既に地元で四者協定等を結びまして、市を交えまして誠意のある交渉を公団が行っているところでございますが、先ほどの問題について、御指摘のとおり公共事業はあくまでも誠意と当事者側の努力が必要だと思いますので、私どもといたしましても、今後公団をそのような方向で強力に指導してまいりたい、このように存じております。
○近江分科員 それでは、今後誠意を持って努力をする、それはあくまでも住民の理解と協力が得られるような、そういう具体的な展開をして初めて進むわけです。あなたが今答弁されたように、それを理解したとして、協力を得られたとして、今後の目標としてはどういう完成目標を目指していくんですか。
○竹内説明員 完成年度というのは非常に難しいのですが、私どもが内部的な作業上のめどといたしまして持っております完成年度と、それから現実に相当程度事業が進みまして地域の人たちにいつ供用できますよというふうな形でアナウンスをいたします完成年度とございまして、現在のところそういう後者の方の完成年度という意味では事業の熟度がまだ低いということでいつというぐあいには言えないわけでございますが、一応の作業上のめどとしては六十五年ぐらい、こういうふうに考えております。
○近江分科員 六十五年度ぐらいをめどとしていくということになってくれば、まず基本姿勢、これが本当に住民の理解と協力が得られる、そういう誠意ある態度で進めていく中に前進するんじゃないかと思います。だからその基本的なスタンスを強く留意して今後当たっていただきたい、このように思います。 時間が刻々と迫ってきますから、先ほどの茨木の件と豊中の件についてひとつお伺いいたします。
○村山説明員 豊中市の阪急宝塚線の事業につきましては、全体事業費が私どもの対象分が約二百八十八億円でございます。六十年度末の進捗予定状況は一四%でございまして、現在用地の取得の状況が六七%ということになっております。六十一年度の事業といたしましては、さらに用地取得を進めたい、かつ仮線工事を進めたいという大阪府の予定でございます。 なお、茨木市駅の資料につきまして本日持参をしておりませんが、まことに申しわけございませんが、御容赦をお願いしたいと思います。
○近江分科員 そうすると、姓中は大体いつごろをめどにしているのですか。これは当初、六十一年度完成予定ですよ。今の見通してはこれはいつごろになるのですか。
○村山説明員 御指摘のように進捗状況が非常にはかばかしくございません。その中でやはり用地問題、これが現在までのところかなりネックでございまして、徐々に進んでまいりましたが、まだ残事業費が二百六十億見当残ってございまして、完成の見込みは現在のところ明確にはお答えできない状況でございます。
○近江分科員 大体、当初計画を五十七年に起工式をやって六十一年度完成予定でやって、今間いておって現時点はめどもさっぱりわからないと。建設省はもっと本腰を入れなさい。大阪府が言ってくるなんて、窓口じゃないですか、それは。建設省、もっと力を入れてもらいたい。金の方は大蔵省がしっかりとやってもらう。大蔵省はこういう予算をつけているのですから、そういうめどもつかないというような状況で、先ほど私が状況を言ったでしょう、高架ができないということで都市機能が全く喪失しているわけですよ。先ほども申し上げたような高槻にしたって茨木にしたって豊中にしたってそうですよ。東京の首都圏、大阪のそうした大都市圏周辺というものは人口過密でもう大変な状況なんです。それがこういうような状況では一体どうしますか。ひとつこれを強く要望しておきます。茨木については細かい資料を持っておらないというわけですが、私はあらかじめ言っておいたんだから、茨木につきましては後でまた報告してください。いずれにしても建設省がもっと本腰を入れてもらいたい、それは強く言っておきます。 竹下大蔵大臣、長時間の審議で非常にお疲れだと思いますが、先ほどからの私の論議を聞いていただきまして、都市のいわゆる連続立体の事業であるとか、あるいは道路の問題であるとか、その前にいわゆる社会資本の全体の整備のおくれということを指摘したわけでございますが、これは何といいましても第一義的には予算の問題があるわけです。財政の厳しい折から社会資本のストックを豊かにするという意味において一層力を入れてもらいたいと思いますし、私が今具体的に挙げました各地点があるわけでございますが、これは今後大蔵省さんのしっかりした予算を――これは一例として、私は具体論として取り上げたわけでございます。大都市周辺の連続立体交差点、そういう交差事業については大蔵省としては今後予算配分にうんと力を入れていただきまして、また、その主体者である建設省も誠意を持って力を入れていただく。私はきょうは建設省に相当厳しく言ったわけでございますが、両方が相まって進捗するわけでございます。そういうことで予算面から大蔵大臣にぜひ、こういう連続立体交差事業等は人口集中地域においては都市の機能を充実させるためにも本当に公共事業の中でも最優先にやるべき問題であると私は考えております。そういうことで、大臣はどのようにお考えになり、今後力を入れていただけるものかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 今年度の厳しい財政事情の中にありましても、公共事業については、国費ベースでは減っても事業費ベースでは伸ばそう、こういうことを基本に対応してきたわけでありますが、このような事業につきましては事業費で一一%、国費でも二・六%増ということをいたしておるわけであります。したがって、今後は建設省と十分相談をしてこれに対応していきたいと考えます。
○近江分科員 では、大臣から今後積極的に展開する、そういう御答弁をいただきましたので、今後とも特に人口集中地域につきましては力を入れていただきますように強く要望いたしておきます。 なお、きょう来ていただきました建設省の方は、お帰りになって建設大臣にきょうの論議をしかと申し上げていただきまして、先ほど申し上げました点についての推進について今後全力を挙げていただきたい、これを強く要望いたしますので、お伝えいただきたいと思います。建設省のお二人から御答弁いただいて、終わります。
○村山説明員 建設省といたしましても、連続立体交差事業の重要性を十分以上に認識してございますので、今後とも地域住民の意向をよく聞いた上で事業の進捗に努力したいと考えております。
○竹内説明員 大阪池田線の路線の重要性等にかんがみまして、環境問題等いろいろございますが、公団を強力に指導し、事業の円滑な促進に努めてまいりたい、このように思っております。
○近江分科員 それでは、時間以内でございますが、これで終わります。
○平沼主査代理 これにて近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。 次に、塩田晋君。
○塩田分科員 兵庫三区の塩田晋でございます。 私は、大蔵大臣並びに大蔵省の関係部局長に対しまして、保険会社の問題につきまして御質問申し上げます。 まず最初に、損害保険会社のノンマリーンの代理店、これは今全国で幾つぐらいあるか、そして新しく一年間にどれぐらいのものができ、また廃止されていっているか、この現状につきましてお伺いいたします。
○関説明員 保険募集の取締に関する法律第三条に基づきまして登録を受けております損害保険代理店が、五十九年度末現在におきまして約三十万七千店ございます。また五十九年度中の新規登録数は約四万一千店、五十九年度中の登録廃止数は約三万五千店でございます。
○塩田分科員 代理店が新設されるときの要件といいますか設置基準といいますか、そういったものがあるはずですね。これはどういうふうになっていますか。
○関説明員 ただいま申し上げましたようにこれは登録という制度になっておりまして、同じ募取法の第五条にこういう場合には登録を拒否しなければならないという規定がございますが、その拒否の要件がない場合は申請者の申請があれば、また適法な書類がついておれば登録をする、こういう仕組みになっております。
○塩田分科員 登録の拒否の要件はどういうものでございますか。
○関説明員 これは行政法らしく大変細かく書いておりますので要約して申し上げますと、第五条第一項に一号から六号という条文がございます。それを要約するわけでございますが、例えば破産者で復権を得ていない者とか禁錮以上の刑を受けた者とか、この法律の規定により登録を取り消され、取り消しの目から五年を経過するまでの音あるいは過去にこの募取法違反の行為があった者とか、そういったことが列記されてあるわけでございます。
○塩田分科員 今言われましたものは当然のこととはいいながら、従事する者の一定の資格が必要じゃないのでしょうか。何かテストをしてそれに合格した人が何名とか、そういう要件はあるのでしょうか。
○関説明員 損害保険代理店は、損害保険会社の損害保険の募集の委託を受けるという役割を持っております。したがいまして、損害保険会社の方からいたしますと、きちっと損害保険のことを理解いたしまして、自分の損害保険の商品を正しくお客さんに説明をして、かつ例文は保険料を納めるとかそういったお客様との取引をきちんとやれる能力があるかどうかということをチェックした上で、これは私的な契約でございますが、代理店契約を結ぶわけでございます。したがいまして、登録をしただけでは、どこの損害保険会社とも契約がないという状態になりますと意味がございませんので、そういった損害保険会社の方で十分と認められる知識、能力というものが必要になるわけでございます。今先生御指摘のように、これは損害保険協会がそういった資格について全社統一のルールを決めましていろいろな研修制度あるいは試験制度、こういったものを実施しているわけでございます。
○塩田分科員 今言われました協会の一定の基準、これを統一して実施しておる、それに合格した者が知識、能力が一定以上として代理店の契約をする、そういうことでございますね。そこで、このテストは実際内容的にはどの程度のものでございますか。
○関説明員 これは現在資格が四段階ぐらいに分かれておりまして、まず一番グレードの低い初級資格者というものの試験になりますと、自社で講習を約十八時間行う。それから、協会のテストになりますと、質問数が大体二十問、このうちの大体七十点ぐらいを要求されているようでございます。また、年に十二回試験を行っているというふうに把握をいたしております。
○塩田分科員 このテストはかなり厳格に実施されておりますか。
○関説明員 そのように理解しております。
○塩田分科員 そこでお伺いしたいと思いますのは、新しく一年間に四万一千代理店ができるわけですね。今言われましたようにかなり厳格に知識、能力がテストされる。実際この四万一千がそのような要件を満たして登録されておる、こう見でいいですか。
○関説明員 一つ一つチェックしたわけではありませんが、制度上そういう運営を行っているはずでございます。
○塩田分科員 この損害保険代理店、ノンマリーンについてでございますけれども、三十万七千という昭和五十九年度の数でございますが、そして新しく四万一千が新設され、解約していくのは三万五千ということでございまして、相当大きな数ではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○関説明員 その数字を対比いたしますと、相当移動が激しいというふうにお感じなると思いますけれども。先生御承知のように、各損害保険会社はやはり募集代理店を通じて営業するということが主体になっておりますので、できるだけいい代理店を多数設けようという各社の御努力の反映であるとともに、一たんそういう志を立てましても場合によってはうまくいかなくなるというようなケース、あるいは代理店というのは専業義務はございませんので、例えば副業の方が忙しくなる、こういったこととの関係で断念をして登録を取りやめるという人も出てくるということではないかと考えております。
○塩田分科員 そうしますと、三十万を上回る代理店あるいは一年間に四万の新設、これはかなり兼業があるということですね。そして規模的にも小さいものから大きいものがあるわけです。ほとんどがもう小さな、一人二人のものですか、それともちゃんとした中小企業の小ぐらいなところですか、規模的にはどういうふうになるのですか。
○関説明員 規模の数字は持ってございませんけれども、ただいまの専業、副業ということになりますと、専業が大体二五%、副業が七五%ぐらいの率になっております。
○塩田分科員 専業が二五で副業が七五ですか。この状況からいいまして、過当競争になっているのではないかという感じがするのですが、どう見ておられますか。
○関説明員 ただいま申し上げましたように、約三十万の代理店が全国に展開して一生懸命各社の代理店として募集活動をやっておりますので、競争が相当激しいという場面はあると思います。ただ、それが過当という状態になっているかどうか、これについては、今募集秩序が非常にこれによって乱れているというふうには理解はしておりません。
○塩田分科員 現在過当競争の状況になっているとは見ていない、こういうことですね。事業所として四万一千、一つの分野の業界で四万一千が興って三万五千がなくなっていくという状況。これは十年たったら四十万ですよ。中には大口契約者、一定の数以上の契約者はどんどん代理店にしていく。すなわち保険を勧誘に行きますね。加入してもらう人を、河口か大口になった場合には代理店になってもらう。そういったことで実態は代理店は募集活動をやるのではないけれども、そういった人を代理店にしてしまう、そういうケースはありませんか。
○関説明員 先ほど申し上げましたいわゆる募取法の第十七条の条文がございまして「自已又は自己が雇傭せられている者を保険契約者又は被保険者とする保険契約」を主たる目的とする代理店、これは認められないという条文がございます。したがいまして、非常にはっきりそういう形をとるということはできないことになっているわけでございます。
○塩田分科員 過当競争が激しくなっているところではそういったことがうわさとして出ているわけです。口をたくさん集めるために代理店をどんどんふやしていく。したがってどんどん代理店はふえますけれどもやめていく。ですから、募集活動をやらない代理店ですから、代理店という名称をもらっているだけですね。代理店をつくるのも競争でしょうし、代理店もまた口数をふやすのも競争している。こういう中で名目的に代理店をつくる。そこに相当無理があるのではないか。そのつくり方は、今おっしゃったような協会で決められたテストにしても、頼み込んで代理店になってもらうわけですから、非常に形式的になっているのではないかといううわさがあるのですけれども、そういうことは見ておられませんか。
○関説明員 これは中立な機関であります損害保険協会が責任を持って実施しておるテストでございますので、そういったことはまずないものというふうに考えております。
○塩田分科員 それでは大蔵省は、このノンマリーンの代理店について過当競争はない、正常に行われている、そしてテストも正常である、このように認識をしておられるわけですね。これではいかぬというような点は全然ありませんか。是正指導をするとか、そういった行政指導をしなければならぬというような必要性は全然感じておらない、全く正常でございますということでございますか。
○関説明員 先生御指摘のとおり、この損害保険の募集秩序を維持していかなければならないとかあるいは契約者の保護に万全を期さなければならないというような点でいろいろ行政面においても過去から業界の指導等をやってきているわけでございますが、引き続き良質な代理店が育ちやすい環境をつくるということが大変大事なことだと思いますので、そういった代理店の育つような制度、例えばただいま特別研修生制度というようなものも各社やっておりますし、ただいまの協会等が実施しておりますいろいろな講習あるいは試験制度というのもそういう努力の一つでございます。その中になお改善を要すべき点というのがございますれば十分検討して今後とも注意をしていきたい、こういうふうに考えております。
○塩田分科員 今御答弁ございましたような状況であればこれは結構なことでございます。私は問題の提起をしておきます。これは下手をしますと過当競争が進んでいきますと、入ってもらった人はどんどん代理店にしてしまう。極端に言いますと各社で競争が激しくなってこういったテストもあると言いながら――これは本当に日本国じゅう一億総代理店になるとまで考えられないことはない。そんなばかなことはありませんけれども、これは本当に杞憂になればいいのですが、しかし、そのような勢いで広がっていっては大変だ。そこにいろいろな面でかなりの無理が出ているのじゃないかと思いますので、問題提起にとどめておきますが、そういったことにならないように十分に配慮をして行政指導を徹底していただきたい、これは要望いたしておきます。 続きまして、先ほどちょっと出ました特別研修生制度についてお伺いいたします。この特別研修生制度の制度の概容、それと現状、実態をお伺いいたします。
○関説明員 特別研修生制度というのは各損害保険会社が自分の営業を展開する上に自社の専属の代理店を養成することが絶対に必要ではないかという判断のもとで昭和四十年ころから各社において自発的に採用されてきた制度でございます。各社の制度の内容そのもうはほぼ共通でございますが、将来の専属代理店要員を一定期間研修社員として雇用し、その間保険契約募集に関する知識を実際的に修得させるということになっております。それでこの研修生がどのくらいいるかということでございますが、五十九年度末の在籍数は約九千八百人になっております。
○塩田分科員 この制度というものは法律、規則あるいは通達に基づくものでないということの御説明がございました。しかし、通達の中にはそういったものを前提としてそれについて触れられたものもございますね。
○関説明員 先ほどの問題にも関連いたすわけでございますが、昭和五十五年に「損害保険募集制度の基本要綱について」という銀行局長通達を発出しておりますが、その一部に特別研修生についての記述が載っております。それは「特別研修生はその採用後四か月以内に初級資格又は普通資格のテストに合格しなければならない。」ということでございまして、特別研修生制度が大体三カ月くらいの研修期間になっているということを踏まえてその早い時期にテストを受けさせて、その資質の有無というのをチェックをするべきではないか、こういう趣旨の通達がその中に含まれております。行政的に触れているのはそれだけのようでございます。
○塩田分科員 この「四か月以内に初級資格又は普通資格のテストに合格しなければならない。」ということでございますが、大体三カ月研修を受けるということを前提にしてというお話でございますが、三カ月間という研修期間中、これは雇用関係はどうなっていますか。
○関説明員 それぞれの会社と雇用契約を結んでいるということでございます。
○塩田分科員 雇用形態はパートとか日々雇いなのか、正社員としての雇用関係なのか、お伺いいたします。
○関説明員 給与の体系とかその辺まではよくわかりませんけれども、通常の社員としてその期間は契約しているものというふうに理解しております。
○塩田分科員 通常の正規の損害保険会社の社員であるというふうに受け取っておきます。 そこで、この研修卒業生といいますか研修生制度によって研修が終わったその卒業生の人たちはどのような状況で、実際代理店なりあるいは保険会社との関係はどうなっていっていますか。
○関説明員 非常に詳しい数字は把握しておりませんけれども、最近の実例では特別研修生の終了いたしましたうち約七割の方が代理店の店主になるか、あるいは代理店の役員、使用人に就職をされているというふうに聞いております。
○塩田分科員 大部分の方が代理店を開かれるということでございますが、二以上の保険会社の委託を受けている代理店のことを一般に乗り合い代理店と言っていますね。乗り合いでないのは専属代理店というのですか。これはどういう比率になっていますか。
○関説明員 専属代理店が約八割、乗り合い代理店が約二割という割合になっております。
○塩田分科員 この特別研修生制度によって研修を受けた者が卒業した、この人たちにつきましては保険会社との間にどのような契約が結ばれておりますか。
○関説明員 お尋ねの趣旨は特別研修生としての契約という意味でございましょうか。
○塩田分科員 特別研修生の卒業生が代理店として保険会社、親会社との契約をどのように結んでいるか。
○関説明員 まず、特別研修生として、特定の会社とで研修中は先ほど申しましたように雇用契約があるわけでございますが、そのほかに会社といたしましては、その特別研修生制度というのは自分の専属の代理店になってもらう人を養成するという制度でございます。万一そういう専属代理店になる気持ちがないことがわかりました場合は、これはその会社として教育を続ける意味がないというようなこともありまして、会社によってはそういった場合は契約を解除するというような規定がある場合がございます。先生御指摘の乗り合い代理店との関係で、もし特別研修生時代に自分のところは乗り合い代理店になるんだというようなことをはっきりさせるようなことがあれば、あるいはそういった契約に触れてくるということにもなるのだと思います。 それから、特別研修生を卒業した後の会社との関係は、これは先ほど申しましたように七割の方が代理店の仕事につかれるわけでございます。独立の代理店になる場合はそこで新たに代理店契約というものが結ばれることになると思います。
○塩田分科員 今説明ございました特別研修卒業生といいましょうか、その方たちの契約で、ちょっと出ましたように専属代理店でやっていただく、いわゆる乗り合い代理店になれば契約を解除する、このような契約を具体的に結んでいるものがあるとすれば、これは全部じゃなくしてサンプルで結構ですから、一つのこういうサンプルがありますと、その内容をちょっと読み上げてください。
○関説明員 これは某大手損害保険会社の結んでおりますプロ代理店研修生研修契約書のひな形でございますが、その第七条の第一項に、甲、これは保険会社でございますが、「将来甲専属の損害保険専業代理店を営む意思がないと認められたとき。」この場合は損害保険会社「甲は契約期間中といえどもこの契約を解除することができる。」こういうものになっております。
○塩田分科員 そういった契約をその条項によって解除された例はかなりございますか。あるいはそれにかかわらず乗り合い代理店を行っている者もありますかどうか。
○関説明員 その点は承知しておりません。
○塩田分科員 その契約につきましていろいろお尋ねしたい、また議論もしたいところでございますが、時間が参りましたので、大蔵大臣にこのような問題があるということにつきまして御認識をいただきまして、質問を終わりたいと思います。
○竹下国務大臣 ありがとうございます。私は大学の専門が保険でございます。ところが、本当は今のお話を聞いて、きょう質問があるということで初めて勉強させていただきました。普通よくガソリンスタンドが六万軒、お医者の数が十六万、酒屋の数が十七万、小売店でございますけれども、たばこ屋が二十六万、土建屋が五十二万、こういうような数字がありますが、ははあ、たばこ星よりも多いんだなと思って、今問題点の御指摘がございましたような点はやはり気をつけておらなければいかぬ問題だな、特に国際化、自由化しまして外国の会社も出てまいりますから、言ってみれば過当競争になるときの信用秩序の問題との問題点としては先生の御指摘はやはり念頭に置いておかなければいかぬなという気持ちを十分持たせていただきました。
○塩田分科員 大臣、ありがとうございました。
○平沼主査代理 これにて塩田晋君の質疑は終了いたしました。 次に、岡崎万寿秀君。
○岡崎分科員 私は、最近の税務調査の問題についてお尋ねいたします。 最近納税者の方々から税務署の税務調査がひどくなったという苦情をよく聞きまして、私自身都内の幾つかの税務署を訪ねて調査をしてみました。末端の税務行政が果たして公正、適切に行われているかどうか。しかし共通して言えるのは、やはり税務調査が強権的になってきている、業者泣かせになり納税者の権利が軽視されてきている、私はそういうふうに思うのです。これは私だけの意見ではなくて、税理士さんの団体であるところで出している「説経新報」ことしの二月号ですが、そこにもこんなふうに書いてあります。「最近の税務の第一線は強権化している。日常、納税者の税務調査に接している私たち税理士の等しく感じるところである」こういう意見もあるようでございます。これは国税庁が昭和五十一年四月一日付でおつくりになりました「税務運営方針」その中でも「調査方法等の改善」この項目がきちっと守られていないことにあるのじゃないか、私はそのように思うのです。国税庁はこれまでも国会で、この「税務運営方針」が税務行政の基本だということをしばしば確認されてきたわけですが、この方針は変わりませんね。 〔平沼主査代理退席、主査着席〕
○塚越政府委員 税務行政につきましては、従来から納税者の理解と協力を得て適正な執行に努めてきたところでございますが、今後ともこの方針を堅持してまいる所存でございます。
○岡崎分科員 「税務運営方針」を税務行政の基本にするということは変わりないかということを聞いているのです。ずばりお願いします。
○塚越政府委員 「税務運営方針」にありますとおりに、そのとおりにやってまいりたいというふうに思っております。
○岡崎分科員 それは基本だということですね。
○塚越政府委員 基本です。
○岡崎分科員 そうしますと、国税庁は「税務運営方針」を基本にされながらそれが必ずしも第一線では励行されてないということは、第一線の税務署員に徹底してない点があるのじゃないか、そういうふうに思われるのです。 これは昭和五十二年十一月十七日の衆議院決算委員会での当時の磯辺国税庁長官の答弁でございますが、「この「運営方針」は各職員に全部配付してございます。同時に職場研修におきましてもこれの講義をやっております。」こういう御答弁です。そして「もし徹底してない向きがたまたまありとすれば、それは重大なことであります」ということで改善方について約束されています。これは当然なことだと思いますけれども、この姿勢は今日でも貫かれ、署員の教育もこのような方向でやられていますね。
○塚越政府委員 「税務運営方針」でございますが、各税務署の職員に配付をいたしましてその趣旨の徹底を図っておりますほか、庁、局、署での会議や税務大学校での教育、職場研修等を通じまして徹底を図っているところでございます。
○岡崎分科員 そうであれば結構でございますけれども、大臣に聞いてもらいたいのですが、私は品川区の荏原税務署に行きまして、真っ先に「税務運営方針」の備えつけございますかと聞いてみたのですよ。ところがないのですね。こういうところもあるということを発見してびっくりしました。全員に配付して教育しているところか署に備えつけさえもないという状況のところもあるということ、私はこのことを直に見て驚きました。こういうことですから、「税務運営方針」が軽視されほごになるのはやむを得ないのじゃないかと思うのですね。 そこで大臣にお聞きしたいのですけれども、やはり「税務運営方針」というのは納税者の権利を守る、同時に公益的な立場についてもバランスを考える、そういう立場でおつくりになっているものでございますので、これは税務調査を含む税務行政の基本である、そしてこれについては税務行政に携わる者が徹底して守っていく、こういう立場であるということを大臣としても言明してもらいたいと思います。
○竹下国務大臣 塚越次長から正確に申し上げたとおりだ、私も今私なりにそういうふうに理解しております。
○岡崎分科員 そうしますと、大臣もこれが基本でありその方針で教育し徹底していると御認識されているというふうに承りました。 そこで、私の調べたところでは、税務調査の中で特に反面調査のことが非常に大きな問題になっているわけです。この反面調査がどれほど業者いじめかということについては、大臣も御承知のように、昭和四十七年二月九日付の静団地裁の判決にもございます。取引先が大変迷惑をこうむるし、業者にとっては取引先や銀行の信用を傷つける、そういうことになるわけでございます。現に大田区大森中の高橋さんという方から私、訴えをもらいましたけれども、反面調査があってから親会社から電話が一本もかからなくなった、大事な得意先をなくして、税務署に抗議をしたい、こういう訴えなのです。次長は、この反面調査が納税者の営業に重大な支障をもたらすということ、だから厳格、慎重にやらなくちゃいけないということ、当然そのような御認識だと思いますけれども、そうでございますか。
○塚越政府委員 反面調査についてのお尋ねでございますが、納税者の取引先に対しますいわゆる反面調査は、適正公平な課税を実現するために必要な資料を収集するということを目的といたしまして、納税者御本人が調査に御協力をいただけない場合、あるいは納税者本人に対する調査だけでは正確を期しがたいというような場合に限って行っているものでございます。反面調査は、「税務運営方針」にもございますとおり、やむを得ないと認められる場合に行うよう指導をいたしておりますけれども、調査に際して納税者の協力が得られないというような場合には反面調査によらざるを得ないという実情にあることを御理解いただきたいと思います。
○岡崎分科員 今言われましたように、「税務運営方針」の中でも反面調査というのは客観的に見てやむを得ざる場合に限って行うとなっているのですね。決して主観的じゃないのです。客観的なのですね。やむを得ざる場合に限ってというのは、おっしゃるような趣旨で厳格に守ることになっているわけですけれども、それはなぜかという問題なのですよ。それは、反面調査というのが得意先に非常に迷惑を及ぼすし、業者の信用問題にかかわるからなのですね。だからでしょう。そういうことについてどう認識されているかということを聞いているわけです。
○塚越政府委員 私どもも、「税務運営方針」にありますとおり客観的にやむを得ないという場合にやるということで考えております。
○岡崎分科員 そのような厳格な規定があるのは営業にいろいろな支障をもたらすからなのでしょう。そういうふうな認識があるからなのでしょう。そのことをお聞きしているのですよ。
○塚越政府委員 そういう事情もあると思いますが、その調査ということによって適正な課税というものが行われませんと、それは非常に不公平なことが起こるわけでございますから、そういう御協力の得られないような場合にはどうしてもやらざるを得ない場合があるということを御理解いただきたいと思います。
○岡崎分科員 やむを得ざる場合は当然「税務運営方針」に従ってやることになるのですけれども、そうじゃない場合がかなり多いのですね。調査官の主観的な判断で非常に安易に、業者の痛みも考えずに乱発されておる例が非常に多いのです。私は、去年の暮れからことしにかけて、ここに持ってきましたけれども、反面調査の問題について私の事務所に五十数件の相談を受けているのです。一つ一つ紹介する時間がございませんから二つほど例に挙げますと、大田区のある中華そば屋さんの例ですが、大臣も聞いてもらいたいと思いますけれども、こんな例なのです。一月二十八日に帳簿の開示で御協力しているのです。次回の面談の調査を二月四日に約束している。決してこれは協力しなかったわけじゃなくて、やむを得ざる事情があったわけじゃないのです。ところが、一月三十日には反面調査に彩られている。これは調査に協力し帳簿も開示して次回の日取りまでも約束しながら反面調査をなさっている例ですけれども、約束も信頼もあったものじゃないと私は思います。こういうのが幾つもあるのです、熱心さの余りといえばそうかもしれませんけれども。 これは特異な事例と言ってもいいかもしれませんけれども、乱用ぶりがここまで来ている一つの事例として申し上げますと、これは大田区にお住まいの竹内さんですけれども、セブンイレブンを経営なさっている方なんです。去年の七月末でございましたが、本人不在のときに調査を開始された。八月の初めに本人と接触されて夏場は非常に忙しいので九月に入ってからやろうということで合意がされた。その後八月の中旬ぐらいに予告なしに事務所を訪ねられたり電話をかけられたりしていますが、その間竹内さんのお父さんが危篤になり御不幸になり、そして葬儀があっているわけなんです。調査官の人はそのことを電話で知っているわけです。知りながら葬儀の翌日の八月二十二日に反面調査に彩られているわけなんですね。調査官は知っていてやったということは言明されていますし、きょう御本人も見えていますけれども、竹内さんはこういう人道を無視したやり方についてはけしからぬと大変抗議されているのです。反面調査について今客観的に見てやむを得ざる場合に限ってやっていますというふうにおっしゃいましたけれども、末端ではそうじゃなくて、いろいろな乱用があるし安易に使っている点が多いのじゃないか、こういう点で「税務運営方針」に基づいてきちっと反面調査の乱用がないように、行き過ぎがないように指導を徹底してもらいたいと私は思いますが、よろしゅうございますか。
○塚越政府委員 個別の事柄につきましては御答弁を差し控えさせていただきたいのですが、一般論として申し上げますと、納税者と税務当局との間の信頼関係に十分配意をいたしまして納税者の御理解と御協力を得ながら調査を進めるように指導いたしております。第一線ではそのような御不幸があった場合などには調査を延期する等適切な措置を講じておると思いますけれども、さらに指導の徹底に努めてまいりたいと思っております。
○岡崎分科員 そうしますと、反面調査については「税務運営方針」に書いてあるとおり客観的に見てやむを得ざる場合に限ってという立場できちっと指導なさるということでございますね。もう一度お願いします。
○塚越政府委員 たびたび申し上げておりますように、調査に当たりまして納税者の御本人から協力を得られない場合あるいは納税者御本人のところでは正確を期し得ないというような場合に、本当にやむを得ないという場合に反面調査を行うということで徹底を図っております。
○岡崎分科員 今本当にやむを得ざる場合というふうにおっしゃいました。私が挙げたたった二つの事例でも協力しているのですよ。協力しようと言っているのですよ。それをあえて反面調査されているところが問題なんですよ。こういう点はぜひ改めるように指導を徹底してもらいたいと思います。 そこで、今次長さんも、「税務運営方針」に税務調査に当たっては納税者の理解と協力を得て行うと書いてありますし、そのことを指摘されたわけでございます。当然だと思うのです。ところが、現場では理解と協力ところか納税者との信頼関係を壊し、社会常識から見ても極めて不適切だというような調査が少なくないということが私はいろいろ調べてわかりました。これははっきり税務署側も確認していることでございますので固有名詞を挙げて申し上げますが、品川区の荏原税務署にかかわる問題で、星野軒さんというラーメン屋さんの税務調査でございます。昨年十月二日朝十時から午後二時まで調査官の方二人が、ちょうど向かいの三階のビルの屋上から星野軒に出入するお客さんを監視されたわけなんです。私もその屋上に行ってみましたけれども、その屋上は、実はああいう町でございますから、屋上から見れば夫婦の居間がそのままガラス越しに見えるところなんですよ。そういうところで約四時間にわたって、そこは見ていないとおっしゃいますけれども、見えるところに立って出入りするお客をチェックされる。そして、約束の時間は二時だったそうですが、いきなりおりてきてからレジをあけるように要求されたそうです。星野軒さんは非常に怒ったのです。というのは、それまで五回にわたって調査が行われて、協力もして、その日は調査の結果を、税務署側の判断を持ってくる日になっていたわけですね。ところが、それを一方的に、世間で言えば張り込みといいますか、プライバシーを侵すような形で張り込みをして、いきなりレジをあけろということですから、怒るのは当然なんです。「税務運営方針」でも「社会通念上相当と認められる範囲で」というふうに書かれていますし、また「人間的にも信頼される」態度ということを強調されていますけれども、この荏原税務署の調査官の態度は社会通念上も不適切であるし、人間的にも信頼されるものではないと思うのです。 そういう点で、去年の十二月二十六日に、この問題を直接、署長さんが不在でしたので副署長さんに私は指摘をいたしました。署側も正直に、これからはいたしません、遺憾でしたと非を認められましたけれども、納税者の理解と協力についてどうお考えになっているのか、その重要性について、きょうは次長さんがお見えになっていますけれども、どのようにお考えになり、御指導になっているのか、お聞きしたいと思うのです。今のようなケースは、理解と協力を全く踏みにじるものじゃありませんか、どうですか。
○塚越政府委員 外観調査というのは私ども往々にしてやるわけでございますけれども、ある署におきまして外観調査を行ったことについて納税者の方とトラブルがあることは聞いております。 本来、税務調査は、その公益的必要性と納税者の私的利益の保護の考量において、社会通念上相当と認められる範囲で行うべきことは言うまでもないわけでありまして、この点については、会議、研修等の場を通じて十分指導をいたしているところでございます。 それから、税務調査におきましては、帳簿の記載内容が事業等の実態を正しく反映しているかどうかということを各種の書類、物件等から多角的に確認する必要があることは御理解いただけると思うのですが、このような必要に基づいて、調査事務の一環としてレジの調査を行うこともあるわけでございます。ただし、その範囲とか方法についても行き過ぎがないように特に配意するよう指導いたしております。
○岡崎分科員 理解と協力ということを大事にする考え方があれば、こういう態度には出ないと思うのです。そういう点についての指導がまずいからそういうことが起こっていると思うのです。これは税務署側も非を認められましたからこれ以上突きませんけれども、社会通念上まずい方法、そして納税者の信頼を壊すような方法、こういうことは絶対させないように徹底してもらいたいと思います。 さて、税務調査は任意調査であるはずなんですが、どうもその限界を超えでなされている場合がありますし、ひどい事例も私は見ました。きょうは大臣がお見えになっていますので、こんな事例もあったということをお伝えしたいと思います。これもやはり大田区の辻さんという理容店の場合なんです。青色申告会の役員もされている方なんです。決して民商じゃなかったのです。昭和五十九年の一月から調査が始まりまして、これは朝の十時から午後の五時ぐらいまで営業時間中に調査される。御本人の話によりますと、まるで警察並みの犯罪捜査を思わせるやり方であった。所持品の検査からポケットの中の小銭まで調べる。家に上がって引き出しをあけて子供のぜんそくの薬袋まで見る。再三の電話や呼び出しで、ひどいときには営業中一時間に三回もの電話がかかった。こんなわけで当然家族もノイローゼ気味になって、それで、もういいということで、二月二十二日に言われるままに署の作成した修正申告書に捺印されているわけです。三年分、国税と住民税合わせて四百八十一万円を追加納税されましたが、本人は、せっかくお墓をつくるためにためた貯金までおろして払ってしまった、どうも納得いかないということで申し立て書を出されまして、私のところにも相談があったのです。私どもが見ますと、かみそりの刃一枚、そこでは非常に丁寧な仕事をされていまして二人で当たっているのですが、税務署の方の標準率は一枚四・五人に掛けている。要は推計額がこうしてぐっと膨れ上がっているわけですが、実際を無視したでたらめな推計課税なんです。その点など一つ一つ指摘していきますと大変素直に税務署の新しい統括官がお認めなって謝意を表して、何とそのうちの四百四十六万円を還元されました。これは率直でいいと私は思います。しかし、強権的な調査がどういう結果をもたらしているかについて、大臣も国税庁もよくお考えいただきたいと思うのです。もちろん営業妨害もありますし、家族がノイローゼになって、もういいということで全く意に沿わない修正にも判を押すようになる、そして税務署との信頼関係は壊れる、税務行政にも極めてむだが多い、こういうことにもなりますので、強権的な調査は絶対にやってはいけないと私は思います。昭和五十九年七月の松戸税務署で起こった件も私は持ってきましたが、時間の都合で読みませんけれども、人権無視の不当な調査がいまだに問題になって、ことしも抗議文が一通出されているようでございますけれども、やはり共通した問題なんです。 こういう強権的な調査による一方的な推計課税がどんどん押しつけられていきますと、これはもう申告納税制度ではなくなってくるのです。お上の賦課課税制度に逆戻りだと思うのです。そういう点で、こういうことを絶対させないように指導してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。私はこれはオーバーに言ったわけではなくて、事実を挙げて非も認めてお金が還元されているケースでございますから、どうぞ。
○塚越政府委員 調査に当たりまして納税者の理解と協力を得ながら進めるということは必要なことと思います。ただ私ども、自分の所得なりをきちんと記帳していただきまして調査に協力していただくことがいろいろな面での問題をスムーズに解決することではないかというふうに考えております。
○岡崎分科員 次長さん、それは当たり前のことなんです。私が言っているのはそんなことではなくて、任意調査ですから警察の捜査まがいのことをやってはいかぬということです。そういうことをやってノイローゼにまで追い込んで修正申告を出して、しかしおもしろくないからきちっともとをただしてみると、税務署の方に非があったということをお認めにならざるを得なくなるような事態もあるわけなんです。熱心さの余りといえばそうかもしれませんが、こういうことがないようにきちっとしてもらいたいということなんです。一般論ではないのです。こういう事例も起こっているということを言っているわけなんで、しかと御認識いただきたいと思います。いいですか。――しかと認識されたようでございますから、あと税理士の税務調査の問題についてお聞きしておきたいと思います。 国税庁は税理士が関与した法人の税務調査について、そのたびごとに「税理士の関与状況調査票」を作成されてコンピューターに入力されているようでございます。私はここに現物を持ってまいりました。マル秘と書いてありますが、それほどのマル秘でもないようで、私のところにも届けられました。この中で、税理士の責任の度合いとか調査への協力度を記入する欄があるわけです。例えば調査への協力度、協力的一、普通二、非協力三、その他四、ここに丸をつけるのでしょう。相手は税理士さんですよ。税理士法一条にもその使命がはっきり書いてあるように、「独立した公正な立場」で仕事をおやりになる税理士さんを税務署に協力するしないの色分けをするようなことをおやりになるのは問題が大変多いように思うのです。どうして税務署はこういう税理士さんの協力度、忠誠度の色分けをなさるのですか、どういう目的なんですか。
○塚越政府委員 税理士は、税務の専門家として独立した公正な立場で納税義務者の信頼にこたえて納税義務の適正な実現を図るということを使命にしておられるわけなんです。このため、私ども税務当局としましては税理士のこのような公共的な立場を十分に認識をいたしまして、税理士の立場を十分尊重した行政を行っていくということなのでございますが、御指摘の「税理士の関与状況調査票」という項目でございます。これは「協力」というふうに書いてありますけれども、税務署に対する一般的な協力がどうかということを考えているわけではございません。納税者の調査に際しまして、どのように業務を遂行しておられるかということを記入することとしているわけでございます。 私は先ほどからの答弁で、納税者が調査に協力していただけないというような、「協力」という言葉を使ったわけでございますが、真実の把握について協力をしていただけるかどうか、そういうことを考えているわけでございます。国税当局としましては、限られた事務量のもとで効率的な調査を行うための部内参考資料として使用しておりまして、ひいては納税者の適正な申告の指導に資するものと考えておりまして、税理士を色分けするというようなものではございません。 なお税理士法に基づきまして、税理士の指導監督の立場にある国税当局といたしましては、適正に税理士業務が遂行されるよう指導していくということは当然のことと考えております。
○岡崎分科員 申告納税制度の理念に沿って公正、独立の立場から納税者の権利、信頼を守っていくというのが税理士法にも書いてある税理士の使命でございますね。 色分けしないとおっしゃいますけれども、協力的、非協力的と、色分けじゃございませんか。税務調査のとき、それぞれの事案についてそうでございましょうけれども、しかしそれをコンピューターに入れればこの人は相対的には税務署の税務調査について非協力的な人だ、あるいは協力的な人だというふうになってくるんじゃありませんか。これはやはり独立の専門家である税理士に対して失礼だというふうに思いますね。税理士というのは納税者の信頼にこたえてということが税理士法第一条にも書いてありますが、その基本的権利を守るという仕事なんですね。その公正、独立の立場が税務署のそのような勤務評定のようなやり方をなさっているとだんだんと失われていくのではないかということを懸念するわけです。 現在、法制審議会で検討中の第三次商法改正の中にも、中小会社への外部監査制度の導入、これが進められていまして、税理士もこれに充てようとするような動きがあります。これについても、いろいろ批判も意見も起こっているところでございますが、今言った「税理士の関与状況調査票」を見ましても、商法改正はここで論議すべき場所ではございませんけれども、そういう動き等を見ましても、何か税理士を税務行政の下請のように組み込んでいく動きが起こっては困るというふうに私は思うのです。もしこういうことになれば、税理士制度や租税民主主義というのは根幹から揺さぶられることになるからなんですね。 そこで、こういう懸念がある「税理士の関与状況調査票」を見直して、勤務評定的なこういう項目は改めた方がいいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○塚越政府委員 先ほども申しましたように、税理士さんは独立、公正な立場で納税義務者の信頼にこたえて納税義務の適正な実現を図るということでございまして、申告納税制度の理念に沿って適正な申告をするということが目的になっているわけでございます。そういう意味で、適正な申告というその目的のために、真実を明らかにする調査について的確に答えられたとかあるいは引き延ばしのようなことはしなかったというようなことは、非常にその税理士さんにとっても大事なことではないかというふうに私は考えております。したがいまして、こういったような整理をするということも必要なことではないかというふうに考えております。
○岡崎分科員 今おっしゃったような立場でしたら、やはりこういう税理士の独立、公正を侵す懸念のあるようなことはなさらない方がいい、私は廃止すべきだというふうに思います。 そこで大臣、最後でございますけれども、税務調査の実態につきまして、私はみずからの調査を含めましてやはり「税務運営方針」からの逸脱がかなりある、こういう点は改めないと、納税者がみずからの権利を守り同時に納税者の義務を果たしていくということにはならないのじゃないか、そういう点で国税庁当局も税務署に対してぴしっと指導を徹底することが必要じゃないかというふうに思いましたし、お聞きになって、大臣の御所見を伺って、終わりにしたいというふうに思います。
○竹下国務大臣 私、昨年から世論調査等で国の出先機関で一体どこが一番応対の仕方がいいか、こういう世論調査がありますと、最近税務署と、こう言っていただける世論調査の結果が出て、それは大変喜ばしいことだ、本当はそう思っておりました。私自身、国会議員になって二十八年にもなりますが、税務署へ行った経験というのは、若いときに数回と、それから先般申告の初日の日に初めて参りましたので、実態をすべて掌握しておるという自信はございませんが、あくまでも納税者の方々の理解と協力の上に立たなければ税務執行そのものもできないわけでございますから、十分心して対応していかなきゃならぬ、一般論としてそのような感じを受けとめさしていただいた次第であります。
○岡崎分科員 終わります。
○伊藤主査 これにて岡崎万寿秀君の質疑は終了いたしました。 次に、滝沢幸助君。
○滝沢分科員 委員長、御苦労さま。大臣、遅くまで御苦労さまです。 まずもって、大臣が長きにわたりまして大蔵大臣の職におられまして、困難な国家財政の運用に御苦労されておりますことに敬意を表させていただきます。 さて大臣、私は全くの素人でございますから、このような愚問を申し上げるかもしれませんけれども、私は、もう少しわかりやすい財政運用というものができないものだろうか、これは逆に言えばもっとわかりやすい政治というものはないものだろうか、このごろつくづくとそう思うのですよ。大変当たりさわりのある話でありますけれども、大蔵大臣はずっと留任していただきまして力強い限りですが、大臣が一年交代におかわりなさる、そして正直の話、見ておりますと、それぞれの道においていわば素人の方かどうか知りませんけれども、そのようなふうにも見受けられる。そうなりますると、正直の話、一年ぐらい素人の大臣が来られて、どんどん去っていかれるという方が思いつきにいろいろ言われてもどうも始末に負えぬということで、勢い事務次官以下の官僚体制という中の発想、そうした立案がまかり通っていきますね。そうなると、ますます行政というのは素人にはわかりにくい、専門家でないとこれはわからぬ。特に財政面につきましては、私などは全くわからぬと言っても過言じゃないほどわかりません。しかし、今ほどもいろいろと議論があったようでありますが、国民の皆さんから政治に対するないしはまた税等に対する協力を得ようとするのには、国民一般の方からわかりやすい説明というものが必要だろうと存じましてこのような愚問を申し上げながら、大臣の一つの所見と申しまするか、まずもってお伺いしてみたいと思うわけでございます。いかがなものでございましょう。
○竹下国務大臣 わかりやすい政治、これはいいことだな、こう思います。ただ私の場合、確かに予算編成五回もやりましたけれども、私も素人であることは事実でございます。よく人が言いますように、今希望者がないからおまえが引き続いてやっておるというようなことを言われても、私は甘んじて対応しております。
○滝沢分科員 大変謙虚なお答えで、大変恐縮をいたしました。 そこで大臣、ことしはとら年というんだそうであります。ところが、中国でも「苛政は虎よりも猛し」というのですね。苛政といっても、しかしこれはどうもその当時の言い方は、税金が高いということらしいのです。今ほども税金のことでいろいろとお話がありました。そこで私は、さっき申し上げましたわかりやすい政治の一つのあり方といたしまして、国民が喜んで税金を進んで出せるような政治、また使われ方も、このように使っていただくならば惜しくない――何か節税という言葉がありまして、これは私は多分、貴重な国民皆さんからの税金を集めた政府がこれをなるべく大事に使おうということだと思ったのですよ。そうしましたら、よく聞きましたら、これは税金をなるべく出さないようにしようということなのだそうでありまして、先ほど内閣委員会で志賀節委員長に、節という文字はどうもこのごろ嫌われて紀元節は建国記念日になりなんて申し上げてきたのですけれども、節というものが節約ということになりまして、それが政府の方で節約するのなら話はわかるけれども、出す方が出さないことが節税というようなことになりまして、税金は取られる者がばかだ、いわゆる仕方なしに取られるのだ、出す者がばかだ、だから専門家の税理士さんを頼んで、もう税務署を上回る知識と能力でいわゆる節税をしよう、こういうことになる。そうしますと、勢い税務署さんの方でも、今までいろいろとお話しありましたけれども、とにかくむしり取るというようなことになるのですわな。しかしそれは私は、民主主義の原則からまことに外れたものである。 そこで、仁徳天皇が三年間税金を免除なさったというようなこともございます。今そのようなことができようはずはございませんけれども、納税者と国が相互不信ということになっては、これはとても救われるものではありません。そこで何とか、いわゆる徳政というようなものの精神で、このことに対処していく道はないものか。抽象的で大変恐縮であります。こんな遅い時間にこんなことを申し上げるのは恐縮でありますが、大事なことであろうと存じまして、将来国政を担っていただくであろう大蔵大臣でありますから特に申し上げておきたい。大変恐縮でありますが、もう一言そこら辺のとことをおっしゃってちょうだいすればありがたいと思います。
○竹下国務大臣 税というものは結局、戦後の税制というのは、その基本はやはりシャウプ博士がおいでになりまして、そしてシャウプ税制というものができた。私も先日シャウプ先生にお会いしました。八十数歳のいい御老人という感じがいたしましたが、非常に鮮明に、自分は日本の税制の基礎をつくったじゃないかというある種のプライドも持っていらっしゃいましたが、しかしその後、結局いろいろなゆがみ、ひずみというものができて、そしてある種の重圧感というものが生じておる。そこで、喜んで出してもらうためには、やはり公平であり公正であらなければならない。そして、節税という言葉ができましたのも、簡素であればみんなにわかりやすい。ところが複雑でありますとわかりにくいから、失礼な言い方をするならば、知識が十分でなかったために控除を受けるとかいうようなことがなくして納めていらっしゃる人たちに対しては、やはり税法もよく知ってくださいますようにというので、よく節税という言葉がその辺から本当は使われるようになったわけであります。したがって、公平、公正の下に簡素という言葉が今度税制調査会へお願いする諮問文の中には入っておるということも、そこに存在すると思うわけであります。 やはりそもそも国会というものができた歴史、いろいろございますけれども、いわば税がどう使われるかということを監視するために最初はできたのだ、だから租税民主主義というのもそこから発生して、したがって、国会の議決を得ないものは税として成り立たない。こういう歴史が実証しますように、やはり公平、公正、簡素ということを旨として今度答申をもらって、そうなれば、よくアメリカでタックスペイヤー、税を支払う人と、こう言いますが、そういうような感じで我々の方も接触するという行政上の姿勢も貫いていかなければならぬということをいつも念頭に置いておるわけでございます。
○滝沢分科員 大変それこそわかりやすい御説明をいただきましてありがとうございました。久々に帰りますと、今ごろの季節は女房が、とてもこんな難しいのわからないけれども、お父さん書いてと言うが、私はよりもっとわかりませんから、とにかく判こを押して、役場のおっしゃるように、税務署のおっしゃるようにしなさい、判こだけ押せというように言っておるのですが、私も書けません。 そこで、今おっしゃるように、納税申告なんというのはとても難しいのですよ。私は農家ですが、仮にエゴマを何平米つくって、平米当たり幾らとれて、それは何キログラムとれて、幾らに売れてなんということは全然わかりません。わかりませんから、今言うとおり、役場や税務署のおっしゃるとおり何でも異議ありませんということ以外にないですわな。ですから、ここら辺のところ、ひとつもう少し簡素にどうかお願いしたいものだと思うのであります。 そこで、具体的なことは昨年もおととしも申し上げておるものでありますから、もう大臣聞き飽きたとおっしゃるかもしれません。しかし、また野党の共同の要求の中にも出てくることでございますが、減税の要求の中に教育費減税というようなものがございます。私は昨年の予算委員会でこのことを申し上げました。授業料、施設設備資金、そして入学金というものを含めますと九十一万六千八十六円、これは去年の数字であります。また、理学部百万、医学部はさらに一千万から一千五百万というような数字が出ておる。ところが国立等いわゆる公共立の方は二十八万三千円で済んでおる。無慮七十万冊がほどの格差がある。今公平ということは、これは何が公平かということはなかなか難しくて、去年も大臣のいろいろな御説明いただきました。言うなれば納税を、つまり所得税を納めない立場の人はどうなのか、あるいはまた義務教育で終わって社会に出なさる人の立場、これは百万円に達すれば課税されるというような立場との比較はどうなのかということを言いますると、これはなかなか公平というものは難しいことでございますが、それにしても、しかし、私学に進む者と国公立に進む者との格差はことしはもっともっと広がったのじゃないでしょうか。つい最近の新聞を見ますると、学生の生活実態の調査の中で、初めて生活費を授業料等が上回ったということを書いておりまして、親御さんの御苦労は大変だということを述べておりました。そういうようなことを考えますると、しかし何らかの形でこれを埋め合わしていくという発想も必要ではないかと私は思うのでありますが、毎年同じことを申し上げて大変恐縮でありますが、これはいかがなものでございましょうか。
○竹下国務大臣 教育費減税につきましては、おとといの与野党幹事長・書記長会談の合意を踏まえて、いわゆる政策減税問題の一つとして今後各党間における実務者間で結論を得ることとされたわけです。したがって、私どもといたしましても、まず基本的にはこれに対して最大限の協力をしなきゃならぬという立場でございます。 それで、先生が今おっしゃいましたとおり、去年も申したと思いますが、さまざまな国民の生活態様の中から特定の条件や特定の家計支出を抜き出して税制上しんしゃくするというのは、税体系の中では非常に難しい問題がございます。なかんずく、今おっしゃいましたように税金を納めていない家庭はどうなるか、あるいは中卒だけで出て納めておるわけでございますから、その諸君に対する税負担のバランスの問題、こういうような問題で先生と去年議論してから一年その議論をしたわけですね。一年じゃございませんね、十一月までとでも申しましょうか。そこで結局、教育というのはやはり助成政策でやるしかないじゃないか、こういうことでことしは措置をして予算で御審議をいただいておる、こういうことになっているわけです。したがって、個々の事情のしんしゃくというのは確かに難しいから、私も私学出身でございますけれども、ある意味においてはその建学の精神なり校風なりというようなものに対して、私はそれを選択したかもしらぬ。また助成政策ということになりますと、憲法八十九条でございますか、公の支配に屈せざる慈善、宗教、教育等に公金を支出してはならぬ、あの問題もいろいろございまして、だから本来は、本当は育英資金制度の充実というのが教育問題から考えたら本筋じゃないか。こんな議論を、私、部内だけじゃございません、野党の専門家の皆さん方といろいろ議論して、そこで結論としては、先ほど申し述べたように、助成政策の中で高校に限って面倒を見よう、こんなことになったわけです。だからことしも、これからの専門家さんの議論でございますが、今のところはそれらに対して全面的な御協議をいただく協力を行いながらその推移を見守っておるということにお答えとしては尽きるんじゃないかなと思うわけでございます。
○滝沢分科員 ありがとうございました。その憲法の条文に照らしてのこと、私はたびたびこれを申し上げて、どうして靖国神社に対する参拝料はいけなくて私学に対する助成はいいのか、これは同じ憲法の同じ条章に書いてあるんじゃないかということを言っているわけですが、ここら辺のところをやはり勇気を持って言うべきは言い、正すべきは正す時期ではないかと私は思いまして、大臣のおっしゃる育英資金制度の充実ということは大変賢明な措置だと思います。大学そのものに直接公費を援助しましても、大学はいかに運営されているかということはまことに摩訶不思議なこともあるわけでありますから、また大臣が選ばれたその建学の精神、これは各大学とも摩滅しておりまして、でもしか大学というようなことにもなりかねない現実を見るならば、どうかひとつ勇気ある選択をお願いしたいと思います。 そして大臣、最後にこれもまた去年と同じ話で大変恐縮でありますが、雪国、ましてや豪雪地における除雪費用等のいわゆる雑損控除の話であります。五万円を認めていただいております。しかし、この雪国の実態を見てみますると、私がこんなことをしておりますと、家内が一人で十メートルの積雪という中で冬を越すわけでありますけれども、ところが隣近所全部とてもとても人手を頼むような状況にはないのですね。そうしますと、もう明けても暮れてもスコップを持っているということで、領収証がもらえるような状況ではないのですね。ですから、私のところもこの雑損控除を受けていません。そういうことで、この制度は案外使われにくいのではないかと思うのですよ。これはもう少し親切な方法はないものだろうか。このごろも私は酒田に行ってまいりましたけれども、これは雪国の生活の実態を見るにつけても思うのです。これもにわかに結論の得がたいことではありますが、税務署さんという立場からいうと領収証があれば一番いいんですが、何かこれももう少し実態に即した方法を御研究ちょうだいしたいと思うのでございます。まあ方法があれば、どうぞ。
○大山政府委員 ただいまのお話でございますが、除雪を御自身あるいは奥様がなさるという場合にそこには費用の支出がないわけでございましょうか、そういったものについて税制上何らかというような御質問だったように思いますが、税制で今雑損控除の対象といたしておりますのは、特別の掛かり増しがあるような場合にある水準の足切りを超す部分について控除をするという制度になっております。そういったような掛かり増しの費用が生じた場合にそれを税制上配慮するというシステムでございますものですから、掛かり増しがない自分の労働力においてやったというようなものについて税制上いかなる配慮をと言われましても大変難しい問題で、はたと当惑をいたしております。
○滝沢分科員 ただ逆に言えば、得べき収入を得ることのできない状態に雪国は全部今おるんです。ですから除雪の作業を一家挙げてみんながしなくていいならば、またその収入を得る道もあろう。そして窓を二重にするのも厚い板で冬囲いをするのも、そういう除雪作業をするのも全部雪害を防ぐためです。雪害があって家がつぶれればいろいろと援助がある、頑張って家がつぶれなかったら援助がない、これが雪国の実態でございますから、ここでこれ以上の議論を申し上げようと思いませんけれども、どうかひとついろいろと工夫をしてちょうだいしたいと思います。 大変遅い時間に参りましていろいろと申し上げまして恐縮に存じますが、大変御苦労さまです。どうも委員長、御苦労さま。
○伊藤主査 これにて滝沢幸助君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして大蔵省所管についての質疑は終了いたしました。 次回は、明七日金曜日午前九時より開会し、法務省所管及び外務省所管について審査をすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時二十八分散会