予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 537 件
- 登壇者
- 51 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/07
会議録
○葉梨主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算及び昭和六十一年度政府関係機関予算中厚生省所管について、前回に引き続き質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上西和郎君。
○上西分科員 私は、まず最初に、極めて事務的なことでありますが、来る四月一日から実施されます年金統合法に関して二つのことを具体的にお尋ねしたいと思うのです。 第一点は、老齢福祉年金と障害福祉年金の両方の受給権を有する、そういった方々が結構おられる。ところが、その方々はやはり名前からして老齢福祉年金がいい。現在ですと、障害福祉年金の二級と老齢福祉年金は月額二万六千五百円、同額でありますから、障害福祉年金じゃなく老齢福祉年金を受給している。これらの方々は、もし障害福祉年金を受給しておいたら、当然のことながら四月一日から障害基礎年金になる。この辺について、社会保険庁なり厚生省はどういう具体的な対応をされようとするか、まずこの点をお尋ねしたいと思います。
○長尾政府委員 ただいま先生からお話がございました老齢福祉年金と障害福祉年金の双方の受給権を有している方のお扱いでございますが、この点につきましては、昭和六十一年四月から、先生お話しのように、障害福祉年金の受給権を有している者は障害基礎年金に裁定がえをするということを予定いたしておりますので、私どもは、現在各都道府県の国民年金主管課におきまして、老齢福祉年金と二級の障害福祉年金の双方の受給権を持っておられる方に対しまして、個別に、裁定請求をまだされてない方については裁定請求をされるように、また裁定請求は一応なさっておって老齢福祉年金を受給されておられる方につきましては選択がえの申し出をしていただくように指導いたしておるところでございます。
○上西分科員 わかりました。 ではもう一点、障害福祉年金を受給していた、ところがたまたまあなた方の指導よろしきを得てずっと国民年金の保険料を納めていた、その方々が満六十五歳になると当然のことながら老齢年金の受給権が発生する。そうすると、今の法の建前上、拠出制が優先、こういうことで老齢年金に切りかえられている方々が結構おられるのであります。ところが、この方々は、もし保険料も納めずに障害福祉年金でいたら、当然のことながら今度はぐっと高額の年金受給になる。こうしたことについてはいかがなさいますか、対応策を御説明ください。
○長尾政府委員 障害福祉年金、今回障害基礎年金に変わるわけでございますが、この年金権と拠出制の老齢年金の受給権を双方持っておられる方についての取り扱いでございますけれども、障害福祉年金から裁定がえになります障害基礎年金には御本人の所得による制限がつくということがございます。それともう一つは、御本人の拠出制の老齢年金のお受けになります額がどのくらいの水準のものか、その両方を考えていただきまして、いずれか一方を選択していただくというふうにいたしたいと思っております。
○上西分科員 長尾部長、あなたのお答えするので正しいのですよ。ただ現実に、あなたはよくおわかりなんだから、今六十五歳を超え七十前後の方々の受給している老齢年金の額というのはおのずとわかるでしょう。二級の場合であっても、絶対に五万一千九百円にならぬですよ。ですから、当然のことながら、所得制限はありますけれども障害基礎年金が有利だということで、積極的に切りかえを助言し指導しながら当たっていただきたい。それが今井新大臣を迎えて心温まる厚生行政、年金行政になっていくのではないか。あえて一言御注文申し上げておきます。 さて、私はきょうは主として人工肛門、人工膀胱造設者のことを中心に今井大臣以下にお尋ねしたいのであります。 年金に関してはもろもろございますが、いずれの機会に譲らないときょうはとても時間が足りません。というのは、ここで他の党の皆さん方にも御理解いただきたいと思うのですが、従来障害年金の受給資格を与えられている人工肛門、人工膀胱の造設者は、遺憾ながら一昨年の十月一日までは身体障害者手帳交付基準対象に入っていなかった。これを、私は四回落選しておりますので、その間いろいろとありました。我が党がここしばらくやっております「政府と市民の土曜協議会」の席上でこの問題を指摘しましたら、極めて温かい心をお持ちの当時厚生新の年金課長であった山口剛彦さんがよくわかりました、省を挙げて横断的に取り組みますとお答えになり、一昨年二月身体障害者福祉法の一部改正が提案され、八月一日社労で成立し、十月一日実施にされた。よって、これはやや手前みそでありますが、人工肛門、人工膀胱造設者の方々に身障者手帳交付の道を開いたのは我が党である、このことをあらかじめ申し上げて、その上に立って、したがいまして大変関心がございますので、若干の御質問を申し上げたいのであります。 第一点は、厚生年金の障害年金は人工膀胱、人工肛門造設者は即時全員給付対象になる。ところが国民年金はどういうことかというと、いろいろ理屈はあるのでありますが、いずれにしても全員には年金が支給されない。しかも造設後一年六カ月待たなければならない。しかし、この点は、一昨年三月十二日の当分科会において当時の渡部恒三厚生大臣が、よくわかった、六十一年四月一日から認定日は厚年と一緒にする、こうなって半歩は前進したのです。しかし、年金給付対象には全部を入れないということが厳然として残っておりますので、四月一日これだけの大改定をされる、しかも意欲に満ちた新大臣今井先生をお迎えになって、厚生省、決断を示し、国年も全員人工肛門、人工膀胱造設者は障害年金の給付対象にする、この一声を大臣からいただきたいと思ってお尋ねをした次第です。
○今井国務大臣 この問題について大変御造詣の深い先生でございますが、障害基礎年金の障害等級につきましては、先生御存じのとおり、現行国民年金の障害等級一級と二級を基本として政令で定めることを予定しております。人工肛門と人工膀胱を造設した者についても障害基礎年金は一定の程度以上の障害を有する者について支給すべきものと考えておりまして、他の傷病による障害との均衡を考慮いたしますと、全員に障害基礎年金を支給すべきものであるというふうには考えておりませんので、大変おしかりを受けると思いますが、この点ははっきりと申し上げざるを得ないと思います。
○上西分科員 今井大臣、私は前国会、あなたと農林水産委員会の中で御一緒しました。あなたの本当に温かいお人柄には常々敬服をいたしておりますので、しかるなんということは、私、一年生でございますから恐れ多くて……。ただ、現実の実態は、他の党の皆さん方を含め、関係者の方々もおわかりいただきたいと思うのです。 それなら、なぜ人工透析は無条件で厚年も国年も年金対象にしているんですか。その人たちだって、一番軽い方は週一回ですよ。二回になり、週三回になる、重い方はとうとう入院透析だ、こうなっていくすべての方々が年金受給対象じゃありませんか。神から授かったといってよい人問本来の五つの器官がある。そのうちの一つを無残にも取り上げられている。それが人工肛門、人工膀胱、尿路変更術。そのいかんを問わず現実に大きなハンディを背負っている、この方々に障害年金を一律に出すことをなぜためらわれるのか。 私は、大臣のおっしゃったことはわかるのです、長年の規則がいろいろあるから。しかし、過ちを改むるにはばかるなかれというすばらしい言葉もあります。今井大臣が、俺は気がついた、これはやってやろうというそこに――とかく社会保障後退と言われるとても偉い方がいますけれども、そのもとでも今井さんのような方が厚生大臣になればいいことをなさっていただく、こういうことになるので、ぜひあと一歩前向きのお答えをいただきたいと思うのです。
○今井国務大臣 せっかくのお尋ねでございますが、この点は私が最初答弁をいたしましたその線を今の段階で出ることは極めて難しいと私は考えております。ひとつお許しを賜りたいと思います。
○上西分科員 それじゃ言いましょう。私はあなたが厚生大臣におなりになったことを本当に心から祝福をし、歓迎をし、期待をしている一人なんであります。大方の国民の皆さんもそうでしょう。社会労働委員会に長いこと籍を置き、行政経験その他も豊富に持っておられる今井さんが大臣におなりになった。前の方も立派だった。しかし中曽根さん、よくぞ今井さんを抜てきをし、厚生大臣に据えた。この期待を裏切るようなことが、この人工肛門から始まってはいかぬと思うのです。ですから、私はわずかな時間でありますからこれ以上のことは追及を申し上げませんが、少なくとも今井さん以下厚生省、社会保険庁の高官の皆さん方がもう一遍胸に静かに手を当てていただいて、数万人もいるオストメートの方々に思いをはせていただく。そして、国年の障害基礎年金も全員受給対象にするような作業を一刻も早く始めていただきたい、このことを私は重ねて強くお願いをしたいと思うのであります。 では、それに関連して次も社会局の関係になるのでありますが、現在オストメートの方々に対する身体障害者手帳の交付状況を等級別員数並びに却下の実情等について明らかにしていただきたいと思います。
○小島政府委員 五十九年の十月から六十年の五月までの間に、膀胱または直腸の機能障害を有するということで身体障害者手帳の申請があった数は二万二千六百四十五件でございまして、うち障害者と認定し手帳を交付した数は一万九千三百十件、非該当という形で却下になりましたのが三千三百三十五件、認定率は約八五%強というような数字になっております。ちょっと等級別の数値までは持っておりませんので……。
○上西分科員 では等級別、ざっとでいいですよ、一、三、四はどれぐらいの比率か。しかもオストメートは、大臣御承知ください、全体では八五%だけれども、パートでいきますと一番悪いのは七六%のはずですよ。そういうこともやはり正確に、かつ親切にお答えいただきたい、こう厚生省の高官の皆さんにお願いしたいのです。
○小島政府委員 ちょっとその等級別の数は必ずしも明らかでないのですが、御指摘のように人工肛門のストーマのみを持つ者の数の認定率は、申請件数一万四千三百三件のうち認定された者は一万九百七十五件、認定率は御指摘の七六・七%というような数字になっております。
○上西分科員 だから問題なんですよ。先ほど言いました。人工透析の方は、週一回であろうと入院であろうと、べたで一級でしょう。腎臓の機能を失っている。では、人工膀胱、人工肛門の方々はなぜそんな差をつけてあり、約四分の一を却下したりするのですか。私は正直言って三十有余年、縁あって地べたをはうような市民相談をやってきていますから、オストメートの方々にも相当の数会っている。お医者さんとも会いました。お医者さんの方々の中にこうおっしゃる方がいる。おれが手術をしたのは、おれは腕がいいからきれいについてびらんも何もしていない、残尿も少ない、だから、おれの患者に障害者は困るという実に素朴な意見を持っておる方がおられる。それはわかるのです、お医者さんの立場からは。しかし、どんなに上手につけようが手術ができていようが、人工であることに変わりはないわけでしょう。なぜ厚生省はこんな二四%近くを却下するのですか。それはあなた方の判断なのか、医師会の基準なのか、明確にしてください。
○小島政府委員 これは身体障害者の審議会の審査部会がありますが、そこの御意見も伺いまして、人工肛門造設の位置との絡みで切除する腸の部位というようなこととの兼ね合いから、他の障害者との均衡を考えれば、全部を身体障害者にするというのは必ずしも妥当ではないのではないかという御意見もありまして、一応下行、それからS状結腸でございますか、これの人工肛門造設者につきましては、それのみでは身体障害に該当しない、ただ、それとあわせて排尿障害とかびらんとかというようなことで装着が困難だという状態のときに、障害者に認定する取り扱いにいたしているところでございます。
○上西分科員 だから、せっかく身体障害者福祉法の一部を改定した、私はある意味では早合点しました。もうこれで全部だ、人工透析並みだと思ったから一生懸命PRしたら、随分抗議の電話をいただいたのです。何千円もかけて診断書を出したら却下だ。うそをついたとまで言われまして非常に残念な思いをしたのですが、私個人がとやかく言われるよりか国の社会保障制度に関する福祉行政の根幹が問われるのですよ。だれが何と言おうと、今おっしゃったようにびらんだ何だと言われようと、自分のものではないわけなんだから、明らかに一つの器官を失っている方をなぜ障害者と認定をしないのか。それをやられたとき今井さんは大臣ではなかったのですから、おれが乗り込んで来て、こんなことは矛盾ではないか、人工透析並みに一応障害者手帳は全員交付だ、こういうことをしていただくのが大臣のお仕事ではないか、こう考えるのですが、一言大臣いかがですか。
○今井国務大臣 この問題につきましては、今政府委員が答弁をしたとおりでございますけれども、よく先生の御趣旨もわかります。切ったところが真ん中だとか下だとかということで差をつけるのはいかがかという趣旨もよくわかりますので、この点はひとつさらに検討させましょう。そういうことでひとつ御了解いただきたいと思います。
○上西分科員 さすがは意欲に満ちた新大臣の御見解、前向きにしっかりと受けとめておりますので、ひとつ高官の皆さん方、大臣の意に沿って一刻も早く改善作業に着手していただきたいと思うのです。 では関連をして、身体障害者の皆さんの陸海空の交通機関に対する運賃割引制度がありますが、現状を簡潔に御説明いただきたいと思うのです。
○永井説明員 お答えいたします。 交通機関には国鉄、私鉄、バス、それから航空等がございますわけでございますが、国鉄を例にとって申し上げますと、身体障害者の分類としまして、第一種身体障害者と第二種身体障害者に分けまして、第一種身体障害者の場合も単独で乗車船される場合、介護者とともに乗車船される場合等に分かれておりますが、原則的には五〇%割引ということになっております。
○上西分科員 念のために、第一種と第二はどういう区分なのですか、簡潔にお答えください。
○永井説明員 国鉄の例で申し上げますと、身体障害者旅客運賃割引規則というのがございまして、その中で定義づけされておるわけでございますが、この割引規則で言いますところの身体障害者とは「身体障害者福祉法に規定する身体障害者手帳の交付を受けている者で、次の各号の一に該当する者をいう。」ということで、視覚に障害がある者、聴覚または平衡機能に障害がある者、音声機能または言語に障害がある者、肢体不自由者ということで定義づけまして、これを第一種身体障害者及び第二種身体障害者ということで分けているわけでございます。
○上西分科員 大臣はよく御承知と思いますが、結局今の対象の中には人工透析を含む内科疾患が入らないのですよ。心臓、腎臓、呼吸器、人工肛門も入っていない。おかしいじゃありませんか。悪いけれども、視覚、聴覚、平衡感覚、肢体不自由、いろいろあります。では、なぜ一級の人工透析の方は対象にならないのですか。心臓もありますよ。呼吸器もありますよ。もちろん、今人工肛門も新しく入ってきた。一種と二種をなぜ差別をするのですか。差別がないことが国の政治の基本でなければいかぬと私は思うのでありますが、この点については、大臣もう鋭意お取り組みいただいている、猛勉をなさっていると思いますが、いかがお考えでしょう。大臣は直ちにお手をお挙げになろうとするが、局長でも結構です。まず御見解をいただきたいと思うのです。
○小島政府委員 確かに内部障害につきましては運賃割引という施策の対象になっていない。内部障害につきましては、その移動の不自由さということが外部障害と違いまして余りない。透析も透析を受けた後ならその状態になるわけでございますが……。従前から内部障害につきましても、同じような取り扱いをする気はないかという御意見も伺っておりますので、これについては運輸当局ともいろいろ相談しているところでございますが、なかなか実現の運びになっていないという状況でございます。
○上西分科員 私は重ねて、第二種と言われる内科疾患の方々も陸海空を含めて運賃の割引の対象にすべし、このことをぴしっとやられたら今井大臣、あなたは後世に名を残す名大臣になりますよ。このことを強くお願いをしておきます。 それと同時に、国鉄関係でひとつ申し上げておきたいのは、急行料金は割引対象で、特別急行料金はだめなんですよ。べらぼうな話なんです。赤字か何か知らぬがいろいろあって、例えば今九州管内で走っている急行は五本ないですよ。全部特急に切りかえた。まさに絵にかいたモチなんだよ。私たちは割引をやっていますよ、運輸省はやっています、国鉄も福祉のことをやっていますと言いながら、まさに羊頭狗肉ですよ。この特急料金を対象にするかしないか、そういうことについての御見解があれば承りたい。
○荒谷説明員 現在、国鉄におきましては運賃上の各種の公共割引を実施しておりますけれども、御承知のような経営状況でございまして、そのあり方にっきまして種々見直しをしてございます。 先生御指摘のように、身体障害者割引に関しましては、現在私鉄でやっておりません急行につきましても国鉄は五割引きをいたしております。確かに急行の本数が少ないという事実はございますけれども、いずれにしましても私鉄でやってないところまで国鉄はやっております。これをさらに特急まで拡大を国鉄の負担でしろ、こういう点につきましては、せっかくの先生からのお話でございますけれども、現在のような国鉄の経営の状況からいたしますと大変困難であるということを申し上げざるを得ないわけでございます。
○上西分科員 私はここで余り詳しいことを申し上げたくないのですが、国鉄の経営状態は苦しいと言う。しかし、私はおととし当選して初質問をこの分科会でやったときに当時の細田運輸大臣がいい提案だと受けとめたら、東京―鹿児島、東京―宮崎、同じく大分、熊本、この四つの地点に東京から往復割引切符をつくっていただいた。一年間で一万九千三百六十枚、金額で五億百四万九千円売れましたよ。国鉄本社がびっくりした、こんなに需要があるとは思わなかったと。だから、知恵を絞れば利用者はふえるんですよ。 例えば九州管内の特急有明だ、にちりんだ、こんなのはがらがらのときが多いのです。特急料金の割引を認めてハンディのある方が乗る、付き添いも乗っていく、国鉄にやはり人がふえていく、空気や風を運ぶよりかはいいじゃないかと僕は大胆に思っているのです。そうした意味合いで、運輸省も国鉄もあるいは大蔵省あたりももっと幅広い視野で国鉄に利用者をもっともっと集めていく、こういう観点で、ただ単に目先の赤字、黒字にとらわれることなく、大胆な発想でやっていただきたい、これはぜひお願いしておきたいし、厚生省側からもそういった要望を強く出していただきたい、このことをお願い申し上げておきます。 さてここで私は自動車税の問題について自治省の方にお尋ねしたいのであります。自動車税は地方税ですから。 現在、各都道府県の条例施行規則でやっているポイント、一種、二種を含めて。それと、今度何か人工肛門、人工膀胱造設者も対象にするしないというお話がちょっとあるのでありますが、その辺をちょっと御説明をいただきたいと思います。
○志村説明員 お答えを申し上げます。 現在、身障者の方々に対しまして自動車税の減免をしておりますけれども、その状況を簡単に御説明を申し上げますと、現在対象になっております身障者の障害の種類といいますか、視覚障害あるいは聴覚障害、肢体不自由児、それから乳幼児期以前の非進行性の脳病炎による運動機能障害あるいは心臓、腎臓もしくは呼吸器というようなものについてそれぞれの障害の程度に応じまして自動車税の減免をいたしております。 そこで、実はただいまお話のございました膀胱または直腸の機能障害につきまして、明年度六十一年度の税制改正の検討の際に関係省庁から対象にしてくれないだろうか、こういうような御要望もございまして、私どもの方で関係省庁の方と協議をいたしまして、六十一年度から一級及び三級の方々について自動車税を減免するということで都道府県を指導してまいる、このようなことにいたしておるところでございます。
○上西分科員 ここで私は念を押しておきたいのです。 大臣、今のお答えてお気づきかと思いますけれども、自治省の方が前進しているのですよ。自動車税の減免対象に内科疾患を入れているわけですよ。運輸省もここはよく記憶にとどめて運賃の割引に内科疾患を入れる、こういうことで統一してほしいのですよ。統一が好きな人がいますから、上の方に。だから、何かというと統一したいと言う。身体障害者に関する運賃割引、それと自動車税並びに物品税も入っているわけだから、その減免の範囲というものはやはりオーバーラップさせないと明らかに差別じゃありませんか。このことは明確に厚生省受けとめて、そして閣議で声を大にして訴えていただきたい。 もう一つ自治省にお願いしておきたいのは、今一、三とおっしゃったけれども、私が聞いたところでは、圧倒的に四級なんですよ、人工肛門、人工膀胱造設者のランクというのは。ほとんど圧倒的に四級が多い。だからその方々を――きょうも若干お見えになっているようでありますが、この方々は外出するときに自分が回るところでいつどこで排尿感、残尿感が出てくるかわからぬから、あのデパートのトイレヘと、あそこの会館のトイレが使えるということを常に念頭に置いて車を運転しタクシーに乗っていくのですよ。切実な問題なんですね。ところが四級の方はだめだといえば、これはまた絵にかいたモチになるのですよ、自治省。このことも含めて、一、三、四しかないんだから、人工肛門、人工膀胱造設者については全員自動車税の減免対象にする、こういうこともやはりやっていただきたい。それが花も実もある福祉の行政になる、こう思いますので、これを強くお願いをしておきたいと思います。 いろいろと私申し上げてまいりましたが、ざっくばらんに言って、一昨年の十月一日から人工膀胱、人工肛門造設者の方々は身障者手帳の交付という新しい道が開けました。先ほど言いませんでしたが、ラパックの交付もそれで行われる。人によっては年間十万近い国費による援助が受けられて大変喜んでいらっしゃる。ところが先ほど言ったように医師会か審議会か知りませんよ、どんな立派な方が議論したか知らぬけれども、人の痛みはわからぬのじゃないか。だから、手帳は全部やらない。免許もやらない。長尾さん、特にあなたに言っておきますよ、あなたは社会保険庁の花形なんだから、看板なんだから。(「厚生省の花形なんじゃないか」と呼ぶ者あり)いやいや、とりあえず言っておかぬと……。 だから、年金の長尾さんなんだから、やっぱり人工肛門、人工膀胱造設者は全部年金をやる、そしてそのことでやはり社会局も、いや、社会保険庁に先を越されたから手帳は全部やろう、そうすると自治省だって相呼応して自動車税は全部減免、運輸省は内科疾患を含めて全部運賃割引、こういう前進があってこそ今井大臣、あなたが御就任なさった成果が物の見事に花開いていくんではないでしょうか。私はそうした意味合いで最後に今井大臣からそうしたことに関する基本的な見解、御所見を承りたいと思うのであります。
○今井国務大臣 いつもながら非常に福祉の問題に御熱心に御討議を賜りまして、敬服をいたしております。また、あなたも実によく勉強しておられると思いまして今の御所論をよく心にとめまして、ひとつできる限りの御要望に沿うような努力をいたしていきたいと思いますが、仰せもういろいろ問題がございますだけに、私もよく考えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○上西分科員 ざっくばらんに言って私が勉強したとかなんとかじゃないのです。僕は長年の体験上ただ知っているだけで、残念ながら国会の場でこういうことが過去余り議論されていないのですね。そして政治の谷間にやはりひしめいている方々がいる。きょうは時間の関係で人工肛門、人工膀胱を重点的に私は取り上げましたが、やはり今井大臣、あなたが先頭に立って厚生省なり社会保険庁、関係省庁が本当に温かい政治の光をこうしたハンディのある方々により広範に与えていただきますよう、そのことによって厚生行政が前進することを心から御期待を申し上げ、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○葉梨主査 以上で上西和郎君の質疑は終了いたしました。 次に、川俣健二郎君。
○川俣分科員 はり、きゅうの問題に入る前に、文部大臣の管轄で厚生大臣はちょっと場違いかもしれませんが、さっき日本医師会の話も出ましたので、ここには前の大臣方が二人もおられるし、葉梨さんが社労のベテランの委員長でございますのでお聞きするのですが、中学校の社会科の教科書に日本医師会を圧力団体と規定づけているものがあるのです。日本医師会というのは立派な学術団体であり国民の福祉増進に寄与している。こういう団体が日経連や総評、農協など利害関係の強い団体と横並びにされて圧力団体にされておるということに対して、日本医師会自身が役員会で問題にされて文部大臣に申し入れた、こういう報道があったわけです。あしたの締めくくりじゃ時間がございませんので、この機会に厚生大臣に聞いておきたいと思うのですが、この問題に対してどう思われますかね。どなたでも結構ですが。
○竹中政府委員 日本医師会でございますが、私ども、大変重要な団体であり、また非常に学術的な団体だと考えております。そういった意味で圧力団体という表現はふさわしくないのではないかと思っております。
○川俣分科員 そうなると、文部大臣にあした皆さんの前で聞いてみるのですが、この医師会の抗議を含めた申し入れはけだし当然だという考え方で、見直すべきだ、教科書を訂正すべきだという考え方を局長自身はお持ちなんですね。
○竹中政府委員 教科書の問題でございますので文部省の所管でございますが、教科書であれ何であれ日本医師会が圧力団体であるという表現は私といたしましては好ましくないと思っております。
○川俣分科員 これに時間をかけるとそれでなくても時間がないので、はり、きゅうの問題に入りますが、厚生大臣自身の問題ですから、大臣はこれお世話になっていますかどうですか。
○今井国務大臣 私は、はり、きゅうというのは愛用者でございます。
○川俣分科員 国会の中にも会館側にあるのです。医務室というのはありませんが、会館の中に設置されております。あれは決してやみで入っているのじゃなくて公に入っているわけでしょうから。 そこで、この問題は今度が四度目なんです。昔の、皆さん方がお若いころからの質問で申しわけないのですが、五十八年三月七日、五十九年三月十日、六十年三月八日、そして今回六十一年三月七日と四回目なので、内容に入る時間ももったいないので、もう一度ここで、どうしてこういうように問題を提起しているかという考え方を新しい厚生大臣にお話ししますと、通達から始まったのでございますので、どういう通達か文言をちょっと読んでみていただくことと、何年ころだったかということと、過去三回の私の問題提起に対して是正するという返答があったが、その後どういう是正があったか、この三つだけまず聞かしてくれませんか。
○幸田政府委員 はり、きゅうの取り扱いにつきましては、昭和四十二年九月に通達を出しておりまして、その概要を申し上げますと、はり、きゅうの施術につきましては「慢性病であって、医師による適当な治療手段のないものであり、主として神経痛、リウマチなどであって類症疾患については、これら疾病と同一範ちゅうと認められるものに限り支給の対象とすること。なお、類症疾患とは、頸腕症候群、五十肩及び腰痛症等の病名であって、慢性的な疼痛を主症とする疾患をいう。」こういうことであります。それから医師の同意がありまして、はり、きゅうの施術を行いました場合には健康保険が適用されまして、いわゆる現金給付、療養費払いを行う、こういう取り扱いであります。それから同意書の有効期限といいますか、これは初療の日から三カ月を限度として支給をして、三カ月を超える場合には、なおもう一度同意書を提出する、こういう取り扱いで最高六カ月ということに相なっているわけであります。 それで先生から、ただいま申し上げました神経痛、リューマチなどの五疾患以外にもこの対象を広げるべきではないか、こういう御指摘が昨年ございまして、私ども前向きに検討させていただきます、こういう答弁を申し上げたのでありますが、どういうものが例示として適切かについて、現在研究事業として専門家に対しまして腰痛等に対するはり、きゅう治療の臨床効果に関する研究をお願いをいたしているところであります。国立王子病院の西副院長をキャップにいたしまして、整形外科、生理学あるいは麻酔科等の六人の専門家の方に今そういったことの研究をお願いしているところでありまして、この結論が出次第、ただいま申し上げました例示にさらに適当なものを加えていきたい、こう考えているわけであります。
○川俣分科員 今局長が冒頭言われた、医師による治療がならず、こういう場合にということですが、その医師というのは、ありていに言えば西洋医学を学んだお医者さん、こういうことですか。
○幸田政府委員 医師免許を持っております医師、こういうことであります。
○川俣分科員 私は後で深く入ろうと思ったが、医師免許の話になったので……。ところが、この質問を始めて四年になったら、四年制の鍼灸大学生が世に出てくる。ちょうどこの春出る。文部省おりますか。――何人くらいいますか。
○佐藤説明員 お答えいたします。 ただいまのところ第三年次で百二名の学生がおりますが、四年制でございますので、完成をするのは六十一年度でございます。(川俣分科員「いや、この春ですよ」と呼ぶ)この春の卒業ではなくて、三年次に百二名いまして、先生おっしゃいましたように、これは三年で都道府県の試験が受けられる……(川俣分科員「今度出るのは何人」と呼ぶ)今度は百二名でございます。(川俣分科員「四年が出るのね」と呼ぶ)いや、三年でございます。(川俣分科員「四年制じゃないの」と呼ぶ)四年制は六十一年度に完成をするということで、まだ卒業生は六十一年度になりませんと出ません。
○川俣分科員 そうすると、出た後は厚生省の免許になるわけですか。
○竹中政府委員 はり、きゅう師でございますので都道府県知事の免許になるわけでございます。
○川俣分科員 そうすると、厚生省はどういうタッチになるのですか。鍼灸師、医師としては認めないのですね。
○竹中政府委員 鍼灸の大学でございまして、鍼灸師としての教育を受けておるわけでございます。したがいまして、はり、きゅう師の都道府県試験を受ける資格が生ずるということでございます。医師国家試験の受験資格は生じないということでございます。
○川俣分科員 そうすると局長、将来にわたって鍼灸大学は四年で出て、インターンなど二年になるか、出る場合もあるだろうけれども、ずっと先行き厚生省はこの鍼灸師にはタッチしないと……。
○竹中政府委員 はり、きゅうの免許、試験は都道府県試験と申し上げておりますが、はり、きゅう師の免許あるいははり、きゅう師の試験、これは厚生省が所管をいたしておりまして、機関委任事務として都道府県知事が試験を行っておるということでございます。
○川俣分科員 その免許のおろし場とかそんなことを言っているのじゃなくて、鍼灸師は行政は厚生省なんでしょう。
○竹中政府委員 そのとおりでございます。
○川俣分科員 そうすると先行きこれをどういうように取り扱っていくおつもりですか。
○竹中政府委員 今の明治鍼灸大学におきましては、私どもの側面から見ますと、あくまではり師、きゅう師となるための教育が行われておるということでございますので、この明治鍼灸大学の卒業生につきましてははり師、きゅう師になってもらうということでございます。
○川俣分科員 そうすると今の既存の鍼灸師というのは何人くらいおりますか。
○竹中政府委員 従業者数でございますが、これは昭和五十九年末現在でございますが、はり師が総数で五万二千七百九十四人、きゅう師が五万一千四百三十三人でございます。
○川俣分科員 そうすると十万人余りの鍼灸師をどういうように位置づけるおつもりですか。この鍼灸師、厚生行政、衛生法に管轄されておる鍼灸師、十万人余りいるのですが、大臣も愛用している。私も年ですから愛用しています。(「まだ若い」と呼ぶ者あり)まあこちらのように若い社労族は別といたしまして、これは需要者といたしまして、どういうように考えればいいですか。それが一つ。担当者でいいですから落ちついてしゃべってください、そんな四角張った話をしないで。 もう一つの問題は、この需要者はどう思えばいいんだろうか、気なぐさみにやってもらっていると思えばいいんだろうか。やはりやればいいなというように思っているのです、この鍼灸に対して。そうなると人体にさわるんで、どうしても衛生法、厚生省となるのです。やがて出てくるであろう明治鍼灸大学を出た者以外は大したことないというように思えばいいのか。
○竹中政府委員 はり師、きゅう師あるいははり、きゅうでございますが、御承知のように我が国あるいは東洋における伝統的な医学の一端を担っておられるわけでございまして、東洋医学という医行為の一部、法律上は医行為の一部を分担しておるわけでございますが、それは東洋医学に基礎を置いたはり、きゅうという医行為の一部を分担しておる。それからまた、現実面におきましては、需要者側から見ますと、治療を受けるということで受けておられる方と、一部には保健と申しますか、そういったニュアンスで受けておられる方も一部にあるのではなかろうかと思っております。
○川俣分科員 一部にあるのではなかろうかと思うという推察ではなくて、いよいよ佳境に入ったが、東洋医学というのをあなたが言い出してきたから私も言い出すが、同意書という問題はどうしてもそこから出発しているわけだ。しかし、この同意書を一々もらわなければならない。もらってもいいんだけれども、なかなかぎくしゃくしてやりたがらない。そして、いろいろと話を深めていったら、西洋医学としては必ずしも鍼灸というものを素直に受け入れる態勢になっていない、かつての局長は。こういうような話から、それじゃどこかこの種の種類がないかなといったら柔道整復師会がある。これは非常に類似している。これは同意書が要るんでしたかな、どうですか。
○幸田政府委員 健康保険の扱いだと思いますが、柔道整復につきましては骨折、脱臼等でありますけれども、実際に医師から同意を得た旨を施術録に記載がしてあることが認められれば必ずしも医師の同意書という文書の添付は要しない取り扱いになります。
○川俣分科員 同意書は要らない。
○幸田政府委員 医師の同意は必要でありますけれども、同意書という文書の添付は必ずしも必要ない、こういう取り扱い。
○川俣分科員 そうすると鍼灸とどこが違うのですか。
○幸田政府委員 鍼灸の場合で申し上げますと、先ほども申し上げましたように鍼灸の場合には、医師による適当な治療手段がない場合に認められるものでありまして、はり、きゅうの場合におきましてはそういった意味合いにおきまして医師の同意書を添付するということを義務づけているわけであります。
○川俣分科員 何かわかったようなわからないような、それじゃもう一遍整理するよ。西洋医学で確立しておる日本の医療行政としては、直ちに今非常に需要がふえてくるであろう、そして供給者も十万人に余る数を数えるわけだが、さて、それを健康保険の扱いをするという問題だけに絞った場合に、柔道整復師と鍼灸師の取り扱いを違えてやっている理由はどこにあるだろうか、こういうことなんです。
○幸田政府委員 現在の我が国の健康保険は、傷病の治療を目的として社会保険システムを専ら用いているものであります。はり、きゅうについては治療と保健との両者に用いられているわけでありまして、そのところの境界線が必ずしも明確でない。なおかつ我が国の医療体系では西洋医学が主でありまして、東洋医学が従であるというシステムになっているわけであります。したがいまして、そういったことから医師による適当な治療手段がない場合に限って、はり、きゅうの施術を認めるという取り扱いを健康保険でもしている。そういう意味合いにおきまして、医師の同意書を必要とする。端的に申し上げますと、治療と保健との境界線の問題をどう判断するかということがございまして、医師によってほかに適当な治療手段がないということの同意書を添付させているものでございます。 それに対しまして柔道整復師の場合には、骨折あるいは脱臼ということでございまして、その治療が主たるものであります。また、歴史的に見ましても、整形外科の行う治療のかわりをしてきた沿革もあります。そういった意味合いで、医師の同意があることを確認できればという意味で、医師の同意書の添付は必ずしも必要でありませんけれども、医師の同意があったことが手続的に確認できるような格好にしておけということを健康保険では義務づけているわけであります。
○川俣分科員 例えばどういうことですか。同意したという格好をつけるということはどういうことですか、メモですか電話ですか。
○幸田政府委員 同意書があれば、もちろんそれにこしたことはありませんけれども、例えば何々医師から同意を得たということが施術録に記載をしてある、それをもって足りるという取り扱いにいたしております。これは後日その医師に、例えば保険の担当者が確かに同意したかどうかということの事後確認もできるようなシステムになっているわけでございます。
○川俣分科員 治療かヘルスかという論争なら、これはとてもじゃないが――厚生大臣も治療でやっているのかヘルスでやっているのか。
○今井国務大臣 私は専らヘルスでございます。
○川俣分科員 それで治療かヘルスかという判定は、西洋医学ではわからないところに東洋医学があるわけでしょう。あなた方は、そんなことで日中友好なんて考えていたら、そんな態度ではとうに田中角榮さんに怒られているよ。あれはヘルスか治療かね。一級品の鍼灸師が目白の御殿に入って毎日のようにやっているけれども、あれはヘルスか治療が、どちらだ。
○竹中政府委員 具体的な問題でございますので、今の時点ではどちらかと私自身はなかなか判断をいたしかねます。
○川俣分科員 そういうことだろう。橋本龍太郎さんも答弁したくなっているのじゃないかな。だから同意書だって、いみじくも局長が今の日本の国は医療行為は西洋医学が主体になっているのだ、東洋医学は従なのだと言われた。この前もここで論争になったけれども、東洋医学のことを余り勉強してこなかったということで、お医者さん方は拒否すると厚生省に言う、これは無理ないと思う。東洋医学を勉強してこなかったというお医者さんに同意書を書かせること自体が無理なのじゃないかな、どうです。
○幸田政府委員 医師のはり、きゅうについての同意につきましては、一つは、病名、症状及び発病年月日といった疾病に関する事項、もう一つは、現在までのその医師の治療によりましては所期の効果が得られなかったということを記載してもらう、こういうことであります。はり、きゅうの効果を判定させるということは、この医師の同意書については求めていない。現在までのその医師がどういった治療をやってきて、その治療の効果が所期の目的をおさめていないということの記載をしていただければよい、こういう取り扱いであります。
○川俣分科員 これはまだまだ論争を深めなければならないと思うが、併給禁止で不支給が発生すると、現実は患者も施術者も大変な不利益をこうむることになる。ところが厚生省も日本医師会も、圧力団体でない立派な学術団体であると言う日本医師会も、「現行医療(西洋医療)と鍼灸との併診は認められない」と言っておる。これは鍼灸と併診することによる医師の収入減と言っては悪いが、その辺もあるのだろうね。医師会はこういうふうに主張しておりますけれども、どうなんですか。
○竹中政府委員 今、先生お話しの西洋医学とはり、きゅうとの併診の問題は、これまで御議論がございましたように、西洋医学と東洋医学との関係ということからそういうことになっておるのではないかと思っておりますが、西洋医学と東洋医学とはその原理原則と申しますか、あるいは根拠となる理論と申しますか、これが全く違うわけでございまして、現代の自然科学理論から見ますと西洋医学は非常に理解しいいが、それに対して東洋医学はなかなか理解が難しいという面があるわけでございます。近代科学の進歩によりまして、将来、西洋医学と東洋医学とが総合されてくるということになりますと、これは大変結構なことであろうかと思いますが、現段階におきましては今申し上げましたようなことでございますので、保険局長が先ほど申し上げましたように、西洋医学を主、東洋医学を従として考えておるということでございます。
○川俣分科員 それは理解しようと努力しないという向きもあるのですが、そういうように西洋医学で育ってきたから局長も無理ないのです。問題は、厚生行政、医療行政としてどうするのか。十万人、やがてどんどん出てくる。四十二年の通達は一切直さない、去年約束したことも今これから検討中だ、こういうことかね。鍼灸医師会の皆さん方が厚生省の窓口に来て御指導を受けているのでしょう、そうなんですか。それともあの人たちは外の人ですか、日本人以外の人ですか、日本国民でしょう。あなた方の管轄内でしょう、厚生行政の一部でしょう。これはどうするつもりですか。
○竹中政府委員 現在の我が国の医療制度は、先ほど来申し上げておりますように西洋医学、近代医学を主として、それによって医療行政を推し進めていくというのがメーンの柱であることは申すまでもないことでございます。ただ、一方に東洋医学という伝統のあるものがあって、これが西洋医学を主とする医療体系の中で、補完的ではありますけれども、それはそれなりに重要な役割を演じておるということは間違いのないところでございます。お話ございましたように、そういった意味で西洋医学とは別の形で一般の需要があるわけでございますから、その需要にこたえ、現在の医療制度の一部を補完するものとして、適正にはり、きゅう、あるいははり師、きゅう師の業務が行われるように私どもは今後も進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○幸田政府委員 健康保険におきますはり、きゅうの取り扱いは冒頭に御説明申し上げたとおりでありますが、関係団体の方からの御要望も私どももじかにいろいろと承っております。先ほど申し上げましたのは、一つは、例示をしてあります傷病名をもう少し拡大をできないかということで現在検討しているということを申し上げたわけでありますが、同時に現場におきましては、なかなか医師の同意が得にくいという実態があるようにも聞いておりますので、そういった面につきまして円滑にはり、きゅうの治療等が受けられるように、同意書につきましても関係団体の意見を聞きながら何らかの工夫をしてまいりたいと現在検討しているところであります。
○川俣分科員 もう三十分になっちゃったのでこれで終わります。 だから問題は、適正ということをいみじくも言ったけれども、それなんですよ、補完的かどうかは別としまして。それはあなた方やってください。だから、なかなか同意書がするっとうまくいっていないというところに問題があるのです。それは厚生行政の親玉である橋本龍太郎さんがそばで声援されて、同意書云々にそのとおりだ言われるとおり、あの同意書は無理なんだ、どう考えたってあの同意書は無理。あれを押しつけてやらせようというところに問題があるのだから、四十二年に出した同意書も含めて検討し、さらに四年目、四回目の私の適用拡大の要望、そして柔道整復師もにらみながら行政指導をやれということを強く主張するが、今の三ついいですか。
○幸田政府委員 ただいまもお答えを申しましたように関係団体の意見も聞きながら、この問題について検討を進めてまいりたいと思っております。
○葉梨主査 これにて川俣健二郎君の質疑は終了いたしました。 次に、駒谷明君。
○駒谷分科員 私から三点にわたって大臣また関係の局長にお尋ねをいたしたいと思います。 初めに、B型肝炎の感染防止対策でございますけれども、御承知のとおり肝炎につきましてはA型、B型、そしてA型でもB型でもないいわゆる非A非B型の三種類があると聞いておるわけであります。A型ウィルスの感染につきましては、急性肝炎を起こすが一過性のものであり、比較的問題がないと言われておりますが、B型肝炎については、輸血いわゆる血液による感染で周りの人にうつる、つまり水平感染もあるけれども、むしろ母子感染すなわち垂直感染が最も多い。また症状につきましては慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がんの原因にもなる、そのように言われておるわけでございますけれども、我が国では人口の約二ないし三%、推定で三百万人のウイルス保有者、キャリアがいる、このように言われて、厚生省の方で種々その対策を考えておられるところと伺っております。 今回厚生省は、昭和六十年度の後半からB型肝炎母子感染防止事業を実施をされており、引き続いて六十一年度予算案にもこれが計上がなされておるわけでありますが、その事業の内容、母子感染防止事業の実施しようとする内容についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○坂本政府委員 B型肝炎の母子感染防止事業の内容について御説明申し上げます。 この感染防止事業は、母親がB型肝炎ウイルスの保有者で新生児にこれが感染する危険がある場合にそれを防ごうというものでございまして、この事業の実施を進めていくことによって将来的にはB型肝炎というものを撲滅することも可能であるという考え方に基づいて実施しているものでございます。 具体的には、まずすべての妊婦を検査いたしまして、HBs抗原検査を行いましてウイルスの保有者を発見するわけでございます。その次に、その保有者である妊婦のうちから特に母子感染のおそれがある妊婦を発見するための検査をいたします。これはHBe抗原検査ということでございます。そして第三に、その母子感染のおそれのある妊婦から生まれた乳児に対しまして、まずウイルスを中和する薬剤としての抗HBs人免疫グロブリンと、免疫力をつけるための薬剤HBワクチンを投与する。こういう内容になっておるわけでございます。 以上でございます。
○駒谷分科員 このHBワクチンが研究開発の結果実用化されてきたということは国民にとって大変喜ばしいことでありますし、この研究者あるいは臨床医の御努力に対して私は敬意を表するものであります。 このB型肝炎のワクチンによって感染の予防ができるわけでございますけれども、一たんキャリアになりますとその治療が大変に難しい、そのように聞いておりますし、いまだその決め手がないというふうに聞いておるわけであります。したがって、この肝炎の対策につきましては、キャリアの数を減少させるということが最も重要な課題であろうと思うわけであります。 そこで、この六十一年度の母子感染防止において新生児の数を今どの程度と予測なさっていらっしゃるのか。年間におきます接種対象者をどのような数に見込まれていらっしゃるのか。それに従ってワクチンの製造というのはキャリアの血漿が材料として使われているようでありますけれども、このワクチンの確保について本年度は不安がないのか。その点についてお伺いをいたします。
○坂本政府委員 まず対象人員でございますが、現在年間新たに出生する児童は約百五十万人前後でございますけれども、このうち先ほど申し述べましたような妊婦に対する検査によって母子感染のおそれのある妊婦の数というのは、もちろんまだ実績は出ておりませんから推計でございますが、約七千人程度であろうと見込んでおります。 一方、このワクチンは昨年生産が開始されたばかりではございますが、この七千人の新生児に対する防止対策事業のためには必要量を確保することは可能であろうと考えております。
○駒谷分科員 現在のワクチンの製造法というのは、先ほども申し上げましたけれども、いわゆるキャリアの血漿からこれを材料にしてつくられる。したがって、その数は大変限定されてくるのではないかというふうに私は思うわけであります。そこで、最近このワクチンの量産に関して、バイオテクノロジーを応用し、HBs抗原をつくる遺伝子を大腸菌や酵母に遺伝子を組みかえて入れてやり、そして高い効率でHBs抗原が生産をされる、そのような研究開発が進んでおるやに聞いております。その実用化も近いというふうに聞いておるわけでございますけれども、現況をどのように把握をなさっていらっしゃるか、その見通しについてお伺いしたいと思います。
○小林(功)政府委員 遺伝子工学技術によるB型肝炎ワクチンにつきましては、お話がありましたように現在、数社で開発が行われているところでございます。既に臨床試験を実施しているところもその中にはございます。 将来の予測でございますが、厚生省へ医薬品の承認申請を出すわけでありますが、これは早ければ来年中にも承認申請が出るのではないかというふうに聞いております。
○駒谷分科員 そこで、この感染の予防対策でございますけれども、小児専門の先生のお話を伺ったわけでございますが、B型肝炎のウイルスについてはそれほど強力なウイルスとは言えないけれども、抵抗力の弱い人あるいはいわゆる免疫力が弱い状態では感染してキャリアになりやすい。したがって子供さんの場合には、四歳、五歳以下のいわゆる小さいほどキャリアになりやすいというふうに聞いておるわけであります。この時期におきます感染予防対策、これが一番重要であろうかと思うわけでございますけれども、六十年から実施されておりますいわゆる妊婦、そしてその妊婦のキャリアに対する、生まれてくる子供さんに対する感染防止対策、これは今後万全に行われてくるであろうし、その感染の防止というものは万全になされるというふうに思うわけでありますけれども、それぞれの、いわゆる三歳あるいは四歳そういう子供たちは、当時はそのような形で感染防止がなされていない。したがって、より感染をしキャリアになりやすいというふうに思うわけであります。これに対する対策は一体どういうふうにしていくのかという点が、私には大きな疑問でありますし、心配になっておるわけでございますけれども、この対象の拡大という面から何らかの方策を検討すべきではないか、そのように思うわけであります。 もう一つ、いわゆる水平感染、右から左とうつっていく水平感染の人たち、その危険性があるそういう人たちに対して、一体どういうふうに感染防止の対策をとっていくのか。今希望によってそういう対策がとられているようでありますけれども、これに対する国民の認識という問題等も踏まえて、どういうふうな対策を考えられているのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○仲村政府委員 キャリア状態、持続性にウイルスを持っておる状態になることが特徴でございますので、B型肝炎ですが、キャリア化するのは大体三歳までの小児が感染を受けたときということで学問的には言われておるようでございまして、したがって、先ほど児童家庭局長からお答えいたしましたように、しかも母子感染が非常に多いということでございますので、先ほどのような事業を開始いたしまして、一番根元をたたくという作戦を立ててまいっているわけでございます。これは私どもだけの判断ではなくて、日本の肝臓、肝炎の学者を網羅いたしました肝炎対策協議会というものを私ども設けておりまして、そちらの協議会での御提言も受けましてこのような事業に取り組んだわけでございます。 今お尋ねの水平感染の問題でございますけれども、確かにそういう危険性もあると思いますけれども、例えば医療従事者の場合などは、どうしても患者さんの血液とかということで接触をする危険が高いということでございまして、私ども、昨年の五月に、研究班でつくっていただきました感染予防のガイドラインというのができておりますが、それを各都道府県を通じまして医療機関に周知徹底を図るという形で、例えば院内感染の防止という、一般的に院内感染の防止は必要でございますけれども、その中で特にB型肝炎についても注意するようにということで、院内の感染防止を含めました対策を立てるようにということで言っておるわけでございます。 ただ、今おっしゃいました三歳、四蔵、そこら辺のぎりぎりのところで既に危険性のある人についてどうするかというお尋ねでございますが、これは例えばe抗原プラスの人が周辺にいる場合には、おっしゃったような水平感染あるいは家族内感染も起こり得るわけですから、非常に危険性は高いわけでございますけれども、ワクチンの生産状況等もにらみ合わせて、なおその肝炎対策協議会の先生方とも御相談をさせていただきたいと考えておるわけでございます。
○駒谷分科員 大臣、今答弁がございましたけれども、いわゆる現在三歳あるいは四歳に近い方たちは、今度のこの問題の事業の実施前に出生をしているわけであります。医師、専門の皆さん方の心配はやはりそこにあるわけでありまして、今その体制がとられて大変喜ばしい状態であるけれども、その人たちの中には、それだけの出生の中で実際にキャリアになる可能性のある子供たちがいるということについて、やはりこれについての何らかの厚生省の考えというものを早く示すべきだというような意見等は、私の知っておる関係の医師からもやはりそういう意見があるわけであります。先ほど御答弁いただきましたけれども、大臣ひとつこれについては積極的に御検討、そして関係の皆さん方と協議の上早く緒論を出していただくように、その点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○今井国務大臣 今のお話を聞いておりまして、私もB型肝炎を予防すること、これは極めて大事なことでありますし、幸いにも昭和四十九年から発足しております研究班の検討成果も踏まえまして、その対策の積極的な推進、本当にこれは全力を挙げてやりたい、こう思っております。
○駒谷分科員 それではこの問題はこの点でとどめておきまして、次にビタミンK2の注射剤による副作用の問題についてお尋ねをしたいと思います。 最初に「ビタミンK2注、ビタミンK2二ミリグラム注「使用上の注意」及び「効能・効果」の改訂のお知らせ」、こういう見出しで、製薬会社、現在十三社と聞いておりますが、日本において製造販売をされております会社から、厚生省の指導によりまして文書が各販売納入先の病院あるいは医院に届いておるわけでございます。これは昭和六十一年の一月でございますけれども、この冒頭のところをちょっと読んでみますと「厚生省医薬品副作用モニター報告によりますと、メナテトレノン(ビタミンK2)注射剤によりショック症状を発現したとする症例が報告されております。 本剤によるショック症状の発現に関しましては、これまでも弊社ビタミンK2注(十ミリグラム・三十ミリグラム・五十ミリグラム)及び二ミリグラム注の添付文書「使用上の注意」にこれを記載し、ご留意願ってまいりました。さらに今回、安全性確保に万全を期し、適用対象を明確にするため、「使用上の注意」及び「効能・効果」を改訂いたしますので、下記の事項に十分ご注意下さい。 今後とも、本剤のご使用に際しましては、この「使用上の注意」及び「効能・効果」に特にご留意頂きますようお願い申し上げます。」こういう書き出しで来ているわけですね。従来この注射剤については注意書がそれぞれついているわけですけれども、今回、厚生省の指導で一月に新たにこういうものを出すように指示をなされた、この背景といいますか、その実情について簡単にお伺いしたいと思います。 〔主査退席、野上主査代理着席〕
○小林(功)政府委員 ビタミンK2注射剤につきましては、初めて承認されましたのが昭和四十七年六月でございます。それ以来五十九年までの間に、このビタミンK2剤ではないかと疑われるショックの例が五十一例出ておったわけであります。もともと、これは副作用がまれに起こるということはわかっておりまして、使う場合には慎重の上にも慎重な配慮のもとに使うということが必要でありまして、そのために先生今御指摘のような注意書が以前から出されておったわけです。ただ、五十九年になりまして、死亡例が二例報告されたということがありましたものですから、従来の注意書ではなお不十分かという問題意識を持ちまして、専門家にも御意見を伺った結果、もう少し注意書を充実強化しなければならないという御意見をいただいたものですから、そこで先ほどおっしゃいましたように、中央薬事審議会の副作用調査会の意見に基づきまして、第一に「使用上の注意」の改訂、第二に「効能・効果」の変更、これは適用対象の限定という意味でありますが、それから第三にショックに関し医薬関係者に注意を喚起するためのドクターレターの配付、これをメーカーに指示をいたしたわけでございます。
○駒谷分科員 私がこの問題を取り上げました理由は、去る二月十七日に新聞報道ですが、私の地元であります西脇の市民病院で、これも地元の子供さんが盲腸ということで入院をした。その治療のときに止血剤としてこのK2剤が使われ、そしてショック状況の中で死亡されているわけですね。家族の皆さんのショックも大変大きかったのでありまして、やはり完全に医師が、その指示の内容に基づいていろいろ治療しても、なおかつショック症状の激しい結果が出たという形でありますし、この薬の問題についてやはり今後さらに十分に研究をして、このショック症状をいかに軽減するかということが、これは最も大きな問題であろうと私は思うわけであります。この西脇の状況については厚生省、把握されておりますか。
○小林(功)政府委員 市立西脇病院のケースでありますが、内容は承知しております。ただ、現在その原因あるいはその使用した際の状況等についてメーカーが調べております。それを指示しておりますので、詳細はまだわかっておりません。したがいまして、果たしてビタミンK2注射薬によるショックなのか、あるいは別な原因なのか、ここら辺を今調査している最中でございます。恐らく、もう近々にその結果はまとまると思いますので、それを入手し次第、直ちに中央薬事審議会においてこの事例の内容について詳細に検討してもらいまして、必要な対策を考えたいと考えております。
○駒谷分科員 このK2剤、これは止血用としては欠かすことのできない重要な注射剤である、そのように伺っておりますし、今後も、この使用というのは医療において欠かすことのできない問題であるだけに、なお安全性という問題がこれから一番大きな課題になろうかと思うわけであります。 このショックの症状の原因の問題でございますけれども、ビタミンK2注射剤の主成分でありますメナテトレノンの溶解剤として添加されている溶解補助剤、これが原因ではないかという医師の意見等もあるわけでございますけれども、こちらの方の、最初に出てまいります注射剤を販売、納入するときの注意書の中に、ここに薬品の成分についての表示がなされている。その中にはメナテトレノンの、いわゆる主成分だけの表示がされておりますけれども、溶解剤として添加されたものは一体何によってということがこの表示の中にあらわれていない。医師の意見としては、アレルギー体質ショック症状の問題については大変真剣に考えている。したがって、この添加剤の何が使われているかということによって、この溶解剤の中身によっては、アレルギー体質に対する対応の仕方というは、またそれなりに専門医師の考え方というもので対応できる、その点についてやはり表示の問題を検討をしてもらいたいものである、そういう意見が出ておるわけであります。この安全性確保ということをやはり最大に考えていかなければならない、そういうふうに思うわけでありますけれども、この観点から成分の表示について御所見を伺いたいと思います。
○小林(功)政府委員 添加物の表示の前に、実は先生も今ちょっとお触れになりましたように、本件がビタミンK2そのものなのか、あるいはそれに添加する、この場合はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油でありますが、そっちの方が原因なのか、実は、これがまだ判明しないわけであります。確かに添加物の方ではないかという御説もあるようでありまして、私ども、その疑いを持ちまして現在このポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を使った医薬品についての調査をやっております。これも近く報告がまとまってまいりますので、至急調査したいと思っておりますけれども、その場合に、ただ一般論として申し上げますと、医薬品添加物と申しますのは、先生も御案内のとおり人体への薬理作用を期待するものではございません。製剤だけのためのものでございます。ですから、一般的にはそれ自体は安全性が高いというふうに考えております。ただ、その中でもごくまれに、特にお医者さんに注意を喚起する必要があるようなものもないわけではございません。現に、そういうものについては従来でも行政指導で自主的に表示させていますので、非常にまれなケースでありますので、もしこれが原因だということがはっきりすれば、行政指導で十分対応ができるというふうに考えております。
○駒谷分科員 大臣、この薬の製造、販売がなされたのは四十七年から承認されていますね。もう十四年なんです。そして先ほども御報告がありましたけれども、報告症例数は五十一件、そのうち死亡は二件、昭和六十年にも一名亡くなられた。今度は六十一年西脇でまた起きている。大変長い期間にいろいろとそういう症状が出てきておる。したがって、その原因の究明はそれぞれの会社等がなされるでしょうけれども、厚生省としては積極的に、このショックの原因はいわゆる主成分が原因なのか、溶解剤がその要因になっているのか、早く厚生省としての結論というか、原因の究明をすべきである、そのように思うわけであります。そして、できるだけそれに対する今後の対応の仕方等も早く決めていただきたい、そのように私は思っておるわけでございますけれども、その点についてもう一度大臣から、ひとつ御所見を伺いたい。
○今井国務大臣 この点につきましては先ほど政府委員の方から答弁をいたしましたが、とにかく薬の添加物にいたしましても薬そのものにいたしましても、安心して皆様がお飲みいただくわけでございますから、本当に安全の上にも安全でなければならぬことは当然でございます。したがいまして、この問題を含めまして直ちに調査を行うように製薬メーカーに対しまして指示をいたしておりますが、詳細な情報をいずれ入手いたし次第薬事審議会にもよくお諮りいたしまして、そして、十分に先生の御意向を体しまして万全を期してまいりたい、このように考えておるものでございます。
○駒谷分科員 よろしくお願いいたします。 時間がもう二分ほどでございますけれども、もう一点お尋ねをする予定でございましたが、これは国立病院・療養所の再編の問題であります。 私がこれは大変残念だと思っておるのは、昨年のこの予算分科会におきまして、当時増岡厚生大臣であられましたけれども、担当の保健医療局長から、この再編についての計画の作成の段階で、それぞれの地元の自治体あるいは関係の団体の皆さん方と十分協議をして、そして十分に現地の状況等を意見を聞いて、いろいろと意見の対立はあろうかと思いますけれども、十分に聞いた上でこの編成の計画に当たってほしい、そのことにつきまして、そのようにいたします、努力しますという御答弁をいただいた。ところが、この問題につきましては、それぞれの地域でどのような状態であったかわかりませんけれども、私の兵庫県につきましてはそういう十分な協議をいただいてない、そしてそういう結果が出ておるということで地元としては大変不満に思っておるわけであります。特に、これから地域医療の中心的な立場として国立病院に期待をし、またそれに向かってそれぞれ地域の医療団体が努力をしていらっしゃるという形の中で、そういう問題が出てきておるわけであります。これはいずれ法案の審議等が行われるわけでございますので、そのときの論議はあろうかと思いますけれども、十分にその対応をしていただきたい、そのように思っておるわけであります。この点について、簡単で結構ですから考え方をお伺いしたいと。思います。
○木戸政府委員 先生から昨年の三月七日の委員会で御質問ございまして、大池局長から、地域との深いかかわりのあることでございますので、必要に応じて十分に御相談し、意見も交換しながら進めていきたいというふうに御答弁したわけでございます。 言いわけになりますが、私どもも兵庫県とは大分早い段階から意見の交換あるいは情報の交換というのをやってきたわけでございますが、実は九月に担当の保健環境部長の交代があったりいたしまして、地元の加古川市長と直接私がお会いをしたのが十二月の初めになったということは大変申しわけなく思っております。 先生が今おっしゃられたように、特に五十五年の国立療養所から病院への転換のときには大変先生方に御苦労、御迷惑をおかけしながらこのたびのリストアップのようなことになったわけでございます。実際の実施につきましては、十分地元と御相談をして御意見も聞きながら対処をしてまいりたい。移譲ということでも、移譲の相手が決まるまではその間医療水準を落とさないようにきちっとやってまいる、こういう考えております。
○今井国務大臣 実は私もそのお話を聞きまして、予算委員会でも御答弁申し上げたのですが、やはり何といってもこういう大きな問題というのは地元の御協力がなければできないのですから、そういう意味で、十分な地元に対する御連絡というものが先生がおっしゃいますようなことで欠けておりました点につきましては、私もおわびを申し上げたいと思います。決してそれを悪意でやったとかいうものではないと思いますが、確かに事前の御連絡が十分でなかったことは今政府委員の答弁したとおりでございます。 いずれにいたしましても、この問題は非常に大事な問題でございますので、十分地元の皆さん方とお話をしながらいかなければどうにもなりません。こちら一方の考え方ではどうにもなりませんので、ひとつ何分とも御協力を賜りますように誠心誠意当たりたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
○駒谷分科員 時間超過して申しわけありません。よろしくお願いいたします。
○野上主査代理 これにて駒谷明君の質疑は終了いたしました。 次に、木下敬之助君。
○木下分科員 医療問題で幾つかお伺いをいたします。 医師、歯科医師の数は現在なお不足している地域もありますが、近い将来は過剰時代が到来すると言われています。厚生省の将来の医師及び歯科医師に関する検討委員会からもそれぞれ医師の新規参入を一〇%、二〇%削減すべきである、医師について一〇%、歯科医師について二〇%削減すべきである、このような意見が出されているようですが、厚生省はどのように考え、対処していくのかお伺いいたします。 まず医師数、歯科医師数について一体どの程度であることが望ましいと考えているのか、人口十万に対してどれくらいが適正数と考えておられるのかお伺いいたします。
○竹中政府委員 医師、歯科医師の適正数でございますけれども、これは医療に対します国民の要求あるいは疾病構造の状況等によって異なってまいりますので、一概に人口十万対でどれが適正数かということはなかなかお答えしにくいわけでございます。しかしながら、現在の医師養成あるいは歯科医師の養成の状況のままで推移をいたしますと、昭和百年で人口十万対医師が三百、それから歯科医師が百二十一というようなことになるわけでございまして、この数字は現状の、現在の時点での二倍程度になるわけでございます。したがって、この数字は私どもとしては何としても過剰ではないかと考えておるわけでございまして、先生お話しの検討委員会の中間意見で、例えば医師の供給につきましてはできるだけ少な目にし、それから医師の需要については多少多目に見込んでいくというようなことにいたしましても、今の昭和百年の時点で医師について一〇%、歯科医師については二〇%も過剰になる。そこで早目に、昭和七十年を目途に新規参入を今お話のございましたように医師については一〇%、歯科医師については二〇%、最小限これだけは削減すべきであるという提言でございまして、厚生省としてもこの削減の実現が必要だと考えておるわけでございます。
○木下分科員 医師、歯科医師が過剰になった場合、我が国の医療にとってどのような弊害が生ずるとお考えてありますか、お伺いいたします。
○竹中政府委員 先ほどの検討委員会の中間意見の中で述べられておるわけでございますが、医師、歯科医師の過剰によって生じます弊害といたしましては、一番目に医療という視点からは、行き過ぎた競争等による質の低下を招くということ、それから二番目に医師養成の視点から見れば、医学教育、臨床研修において密度の濃い内容を確保することが困難となること、三番目に国民経済の観点からは、医療費及び医師養成費の必要以上の増大という点が指摘をされておりまして、厚生省といたしましても、これらが医師、歯科医師の過剰によって生ずる弊害だと考えておるわけでございます。
○木下分科員 今のままで医師の具体的な削減をしないままでいきますと、いつごろからそういう弊害が出てくると予測されますか、またそれを避けようとすればいつまでに削減に手をつける必要がございますか。
○竹中政府委員 いつから弊害が生じるかという時期についてなかなか確定的なお答えはしにくいわけでございますが、現在既に医師過剰が現実の問題となって、矛盾がある程度露呈をしてきております国といたしまして、西ドイツ、フランス等があるわけでございます。この辺の現在の人口十万対医師数が二百人前後でございまして、そういったことからいたしますと、昭和七十年代には我が国もこの水準になるわけでございますので、この辺から医師過剰の弊害が生じる可能性があるのではないかと思っております。
○木下分科員 それを避けようとすると、いつごろから手をつけていかなければならないのですか。
○竹中政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、検討委員会の中間意見で、昭和七十年に新たに生まれる医師について少なくとも一〇%減ということでございまして、私どももそれを目標に対処をしてまいりたいと考えております。
○木下分科員 その七十年にぱっと手をつけてすぐ医師を一〇%減す、歯科医師二〇%を七十年から減す、そういうことは急にはできないと思いますので、この作業をし、現実に具体的に減すことが行われ始めるのはいつからやればいいのですか。
○竹中政府委員 先ほど申しましたように、昭和七十年で新たに免許を取得される医師を一〇%減らす、全体の一〇%ではございませんで、そういうことが目標でございます。この目標を達成するためにいろいろな手段、方法があるわけでございますけれども、医師の養成数つまり入学定員というものの削減がやはりメーンになると考えざるを得ないわけでございまして、そういたしますと、医学部六年でございますので、六十四年の入学生をかなり削減しておく必要があるということであろうと考えております。
○木下分科員 大臣、今までお伺いしてまいりましたことを考え合わせますと、この問題というのはまさに重要な問題でありまして、早急に何らかの具体的な結論を得て実行に移していかなければ我が国の医療において重大な弊害が生ずることがはっきりと予測できる、このように思いますが、大臣のこの医師、商科医師数の削減に取り組む御決意をお伺いいたしたいと思います。
○今井国務大臣 今政府委員から答弁をいたしましたが、私も全く同じ意見、同じ気持ちでございます。私もこの問題についてはかねてから非常な関心がございましたし、いずれにいたしましてもとにかくもう相当な医師数になっておりますし、先生がおっしゃいましたように、七十年からといったって七十年から始めたのでは間に合わないのです。すなわち、今答弁しましたように、その六年前の六十四年の入学のころからきちっとしておかなければ間に合わないのです。あと何年もないわけですね。したがって、やはりこの問題は、厚生省としましては、医師会、歯科医師会それから養成の学校の皆さん方の御協力を得なければどうにもなりませんので、ひとつこれは真剣に考えてまいりたいと思っております。そうしませんと、あれよあれよという間にたってしまいますとどうにもならなくなる、こう考えております。
○木下分科員 この医師、歯科医師数の削減というのは、単に数を減すということが目的ではないと思います。結局医療の質の向上ということにつながる削減でなければならない、そういった削減方法を選んでいかなければならないと思います。入学のときに入学の定員を絞っていくとか、学校の中で向き不向きをかなり厳しく見きわめて、なかなか卒業できないように、途中で方向転換も勧めるようなことをしながら指導を含めて卒業生を絞る方法、そしてその後の国家試験もかなり難しいものにして制限する、こういったことが考えられると思います。そのいずれをとったにしても、どういう方法でやるのかということが先ほど言った六十四年にわかっていないと、門戸が広くて、今までどおりに卒業できて今までどおりに国家試験が受けられると思って選択して入学したけれども七十年になったら急に厳しかったというのでは、これは受験した人、目指した人たちに大変な迷惑をかけることになりますから、どういう方法をするにしても六十四年度までにはきちっと、もっと言うとその入学試験をめどに今勉強している学生さんのことを考えれば、あしたにでも早く方針を決めてあげなければ自分の将来の道が定められない、こういう人たちも大変広い範囲におられると思います。そういった意味で、厚生省は今の選択の一体どの選択を一番望ましいと思っておられるのかお伺いしたいと思います。
○竹中政府委員 削減の方法として、今お話がございました入学定員、それから卒業者の数を絞る、国家試験の合格者の数を絞る、三つあるわけでございますが、医学教育の条件の改善とかあるいは医師の養成費、あるいは志望して入学をされた方は皆医師になろうということで来られるわけでございますので、そういった方々の状況等を勘案をいたしますと、厚生省といたしましては、入学定員の削減というのが一番受け入れやすい方法ではなかろうかと考えておりまして、文部省にこれらの点についていろいろ検討方をお願いをしておるところでございます。
○木下分科員 それは国公立のみの削減ですか、私立も含めた削減をお考えになっておられるのですか、厚生省の方でですよ。
○竹中政府委員 もちろん国公立には限定をされませんで、私立を含めまして全体として削減をしていっていただきたいと思っております。
○木下分科員 文部省の方、お見えと思いますので、文部省の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○佐藤説明員 文部省の方におきましては、先ほど先生も御指摘のように医師がふえていくという状況をむしろ質の高い医師、歯科医師の養成、こういう方向につなげなければならないだろうというふうに考えておりまして、現在、医学教育及び歯学教育を改善する会議をやっております。こちらの方はともに六十年の一月に発足をして、現在鋭意検討を重ねているわけでございますが、医の倫理に立脚をして、プライマリーケアということが今社会的にも要請されておりますので、こういった観点で、あるいは基礎医学の振興、国際化時代に向けて留学生の受け入れ、国際医療協力、こういった問題も取り上げながら、教育条件の改善の見地から適正な学生数についても一つの課題として検討しているわけでございます。 現実に先生の御指摘の学生数の減につきましては、昭和六十年度に愛媛大学の医学部で二十名の減をしております。さらに、この六十一年度の概算要求、この政府案の中で医学部については二つの大学でそれぞれ二十名の定員減、さらに歯学部につきましては一つの大学で定員の減をお願いをしておるという状況でございますし、また、厚生省の方の検討委員会の中間報告をいただきまして、これを各大学に送付し、各大学で御検討いただいているわけでございますが、国立大学あるいは私立大学それぞれの協会におきまして検討を重ねている、こういう状況でございます。
○木下分科員 まだ、その入学のとき絞るか、卒業で絞るのか、国家試験にゆだねるのがいいと思っておられるのか、固まってないということですか。
○佐藤説明員 ただいま申し上げましたように、今改善会議の方で検討しておられまして、今のところはっきりと申し上げるような段階ではございません。
○木下分科員 これ、かなり急を要する話だと思っておりますが、いつごろまでに結論を出されるおつもりですか。
○佐藤説明員 先生御承知のように医学教育、歯学教育、なかなか複雑でございますし、時代を先取りしながら何とか二十一世紀にどういう医学、医療というものになるのか、こういう状況を見きわめながらやるということでございますのでかなり時日を要するのではないかと思いますけれども、先生御指摘の趣旨も踏まえまして対処してまいりたいと思っております。
○木下分科員 本当に早く結論を出して準備してやっていただきたいと思います。 ちょっと答えは出ていないようですけれども、考え方を聞いておきたいのですが、やはりお医者さん、歯科医師さんの質を高めようとすれば、できるだけ門戸は広く受け入れて、その中で教授等が個人的にも見ながら、向かない人には、本人にとってほかにもっと向くところがあるということですから、あなたはこちらの方が向くのではないかという指導も含めて卒業等でチェックさせ、そして国家試験は厳正にやるというのが一番望ましいのじゃないかと思いますが、文部省ではどう考えられますか。
○佐藤説明員 医学部や歯学部におきましては、人間の生命を取り扱うという、極めて高い人間性と申しますか、倫理性と申しますか、そういうものを要求されるところでございまして、また、単に必要な知識、技術があればいいというだけのものでもございませんので、御指摘のようにかなり教育面で配慮しなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。 従来から、まず第一は入学者選抜におきましてできるだけ工夫をいたしまして、将来の医師、歯科医師の能力、適性というものをできるだけ見きわめながらやらなければいけないだろう、こういうふうに考えておりまして、実際に数字で見ましても、一般のほかの学部に比べますと、例えば面接を実施するとかあるいは小論文を実施するとか、こんなような単なるぺーパーテストでない工夫をしてきておるわけでございまして、現在も約八割の大学医学部におきまして、さらにその改善を図るということで入学者選抜の方法を改善しているというような状況でございますが、こういったものもひとつ文部省としても医学教育、歯学教育の改善会議でさらに検討を深めてまいる、こういうことでございます。 しかし、不幸にしてお入りになった後本人の能力、適性が十分でないという場合、もちろん最終的には学生本人が決断をし決められることではございますけれども、他大学等への編入の道も開かれておるわけでございますので、各大学において進路の選択においてやはり教育上の見地から適切に指導すべきだ、こういうふうに考えております。
○木下分科員 そういったシステムでやれることが望ましい。しかし、かなりいろいろ難しいのですが、今最後の方で言われました他学部への転入とか、また学校をかわるとか、本人の一番向いている方向に行けるようないろいろな指導をするシステムがもっと完備すれば、かなり出口を細めても弊害が起こらない、社会問題とならずにやっていけるんじゃないかと思いますので、これも幾らか時間がかかると思いますが、六十四年に間に合わせる合わせないは別にしても、ぜひとも文部省としては、この医学部問題だけにかかわらず、広くそういったことを考えていただきたいと思います。 いま一点、医師、歯科医師が過剰となっていく今後の問題としてお伺いいたします。 臨床医としては、国家試験を通って免許を持つだけでは実際問題として不十分であり、卒業後の臨床研修が不可欠でありますが、どう取り組んでいかれるのか。聞くところによりますと、もう既にあふれている人もいると聞いております。今後、過剰時代のしわ寄せとして臨床研修の場の受け入れ能力に限界が来る、このように思われますが、この点についてお伺いいたします。
○竹中政府委員 医師免許を取りましたすぐ後の臨床研修でございますが、先生御指摘のように大変重要なものと私どもも認識をしておるわけでございます。従来からそういうことで公私立の医科大学、それからそれ以外の臨床研修指定病院、これに対しましては国庫補助を行うとともに、大学と病院におきまして臨床研修の指導に携わる医師を対象とします研修会を毎年開催するなどの方法によりましてその充実に努めているところでございます。 臨床研修病院の受け入れ能力でございますが、現状におきましては、医科大学の卒業生は大部分出身大学で臨床研修を受けておる。大体現在八割が医科大学、残りの二割が臨床研修指定病院というような分布でございますので、現時点では研修の場が直ちに不足するということはなかろうと思っております。また、私どもの方で臨床研修病院を新たに毎年十カ所程度ずつ指定をいたしておりますので、臨床研修の状況の推移等も見ながら、先生が御心配になられました研修の場の不足というようなことの生じないように今後とも努めてまいりたいと考えております。
○木下分科員 医師数、歯科医師数がふえてくる、このような話で申し上げましたが、そうは言っても僻地とか救急医療においてはなお不足が多い、このようにも言われております。厚生省は、僻地・救急医療の充実のためどのように取り組んでいくおつもりかお伺いいたします。
○竹中政府委員 僻地あるいは救急医療、また特殊な診療科目等におきましては、医師の数が相当ふえましても、やはりそういうところには不足の解消というのはなかなか難しいわけでございまして、私ども、医師数の削減と並行いたしまして僻地対策あるいは救急医療対策の充実に取り組んでまいるつもりでございます。 具体的に、僻地医療につきましては、従来から年次計画をつくりまして、僻地中核病院あるいは僻地診療所の整備、僻地巡回診療の実施、僻地勤務医師の確保対策、こういった各種の施策を推進をいたしておるところでございますが、第五次計画が六十年度で一応終わりまして、さらに六十一年度を初年度とする第六次の僻地保健医療対策をつくるということで今準備を進めておるところでございます。 また、救急医療対策でございますが、これは昭和五十二年度から初期、第二次、第三次の救急医療施設の整備、それから救急医療情報センターの整備ということをやってまいっておりまして、今後とも現場で一番重要な第三次の救命救急センター、それから救急医療情報センターがまだ未整備の県もございますので、そういったものの整備を中心に、今後とも救急医療体制の充実に努めてまいる所存でございます。
○木下分科員 僻地の医師が敬遠されている理由の一つに、専門外の病気まで全部診なければならない、こういった点も挙げられているようですが、これからはニューメディアの時代、このように言われておりますけれども、僻地の医療、こういったものの指導センターのようなものをつくって、ニューメディアを生かして総合的な医療の指導ができるようにする、こういったいろいろな工夫をするということも考えられると思われますし、また、先日大田区で強盗を取り押さえようとした勇気ある学生さんが不幸にも逆に刺されて、救急医療のたらい回しで死亡した、このように報じられた事件もございました。こういったこともコンピューター等を使って情報をきちっと整備すれば防ぐことができたのではないか、こういったことも考えられますので、ぜひ僻地・救急医療でのニューメディアの活用というものを考えていただきたいと思いますが、どのように取り組んでおられるのかお伺いいたします。
○竹中政府委員 僻地医療あるいは救急医療等の充実にとりましてニューメディアを活用するということは非常に重要なポイントであると考えております。 今お話しの救急医療につきまして、救急医療情報センターで管内の救急医療施設の空床状況あるいは手術の可否の状況、医師の待機状況、そういったことを迅速に救急搬送機関に提供するということが必要でございまして、その場面で、今お話しのコンピューター等も含めまして広域救急医療情報システムの整備を図ってまいっております。ただ、これは先ほどもちょっと申し上げましたが、現在約六割の都道府県の整備が終わっておりますけれども、なお未整備の県もございますので、強力に整備の方向で進めてまいりたいと思っております。 それから僻地でございますが、これにつきましても僻地中核病院とそれから一番先端の僻地診療所に勤務をしておられる先生、その間にいろいろのニューメディアを活用したものを利用することによりまして僻地医療の充実が図られるということで、従来から僻地診療所と中核病院の間で文書伝送装置の導入を図ってまいってきておりますが、さらに昭和六十一年度予算案、今審議をお願いいたしております予算案の中で、その両者の間で静止画像伝送システム、例えばレントゲンフィルムでございますとかそういったものを非常にはっきりした画像で伝送いたしまして僻地中核病院の援助を頼むというようなことも考えておるわけでございます。今後ともニューメディアの活用に努めてまいりたいと思っております。
○木下分科員 あと二つほどお伺いいたします。 厚生省では家庭医の懇談会を設けてホームドクター制を検討している、このように聞いておりますが、そもそも家庭医の検討が必要であると思うに至った背景、そしてまた現在とのような検討状況にあるのかお伺いいたします。
○竹中政府委員 高齢化社会ということでございまして、疾病構造も変化をいたしておりますし、プライマリーケアを重視した包括的でかつ継続的な保健医療サービスの充実ということが言われておるわけでございます。 一方で、御承知のように医学が大変専門分化をいたしまして、特に若いお医者さんの専門医志向あるいは病院志向、勤務医志向という傾向が非常に強くなっております。 それからまた、かつては地域医療で非常に重要な役割を演じていただいておりました開業医でございますが、これがまた大変高齢化現象が見られておりまして、その高齢化がさらに進んでおるというようなことがございます。 一方、特にこれは大都会でございますが、患者側でも大病院志向ということで、少し風邪を引いたりおなかが痛くても大学病院へ行くというようなことでございます。 こういうことではこれからの高齢化社会に対応していけないのではないかということで、日常からの健康管理あるいはまた、いわゆるコモンディジーズと言っておりますが、そういった一般的に見られる疾病や外傷について広く技術、知識を修得をいたしまして適切な診断、治療を十分に行われるような地域の医者が必要である。それからまた、必要に応じて専門医療機関あるいは病院等に患者を適切に紹介する、こういったことによりまして医療の継続の中心となるような地域のプライマリーケアの担当医が必要であるということから、私ども現在それを家庭医と呼びまして、それについて検討をしていただいておるということでございます。
○木下分科員 今、中で開業医が高齢化して、余りなり手が少ないという話がありました。私、こんなふうな話を聞くのですが、まじめにやっているお医者さんは経営が本当に苦しい。そんな中で、ここのところ毎年薬価が下がっております。平均五%下がっていると言われるけれども、これはよく使われる、多く使われる薬の薬価の方が下がっておるので、何かそういう使用量まで加味されて五%じゃないのじゃなかろうか、使用量を加味された数字じゃないのじゃないか、こんな話も聞くのですがね。 〔野上主査代理退席、橋本(龍)主査代理着席〕 どうぞ、本当にまじめにやっているお医者さんはちゃんと尊敬されてきちっとやっていけるという状態に考えていただきたい、このように思います。 時間が来ましたので最後に、今後高齢化社会に向けて老人医療の問題は重要な課題でありまして、今回の老人保健法でも中間施設が盛り込まれておりますが、中間施設の果たすべき機能をどう考えておられるのか、その整備をしようという目標はどのようになっておるか、お伺いいたします。
○黒木政府委員 お尋ねの要介護老人のための中間施設でございますけれども、今国会に提案申し上げております老人保健法の改正で新しく老人保健施設の創設という形で制度化を図ることにいたしております。 その機能でございますけれども、寝たきり老人等要介護老人に必要なまず介護看護といったような機能、それから機能訓練その他の医療サービスを行うということとともに、老人の生活の場としてふさわしい生活面でのサービスをあわせ行う機能を持たせることにいたしております。 次に、老人保健施設の整備についてでございますけれども、私どもといたしましては、医療や福祉資源の有効活用という観点から、病院の病床転換あるいは老人ホーム等に併設する形を重点的に考えているわけでございますけれども、その整備に当たりましては、医療法人とか社会福祉法人等民間活力を重視する形でいきたいと考えております。 なお、整備の具体的目標数についてのお尋ねだと思います。厚生省として決めているわけではございませんけれども、一応の試算といたしまして、二十一世紀、昭和七十五年ぐらいまでに二十六万人から三十万人程度の収容定員が必要になるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○木下分科員 時間が参りました。ありがとうございました。
○橋本(龍)主査代理 これにて木下敬之助君の質疑は終了いたしました。 次に、中村正男君。
○中村(正男)分科員 二つの問題を御質問を申し上げたいと思います。 一つは部落問題でございます。特に最近、全国各地域におきまして差別問題が続発をしておりますし、当厚生省所管の問題といたしましては、この部落の人たちの健康の実態、これが全国民の平均的な健康状態と比較いたしますと相当水準的には問題があるのじゃないだろうか。病弱者と言われる者は全国平均の二倍にも達しておりますし、さらに有病率も三・五倍、また生活面におきましては、生活保護世帯の生活保護費を受けておられる方々が全国都道府県平均の約八倍、三人に一人が生活保護費を受けておられる、こういう実態であります。この背景は、いわゆる部落差別の集中的なあらわれではないかというふうに私は思います。こういったことの解決に向けまして現在の地対法でもって対応してきたわけですけれども、これも残りあと一年ということで、到底このすべての問題の解決にはならないと思います。したがって、この際、この二十年前に出されました同対審答申を踏まえて国として抜本的な施策の確立が必要ではないのか、こういうふうに考える次第でございまして、今井厚生大臣の前向きな御見解をひとつお伺いをしたいと思います。
○今井国務大臣 私ごとになりまして恐縮でございますが、私どもの愛媛県にも同和問題というのはございまして、私は極めて熱心なその問題解決の支持者でありますことをまず申し上げておきたいと思います。 この同和問題につきましては、先生の御指摘のとおり、依然として差別の現象が見られることはまことに残念なことでございます。言うまでもなく、同和問題といいますのは、憲法に保障されました基本的な人権にかかわる大変重要な問題でございまして、その点は私もよく認識しておるつもりでございます。厚生省といたしましても、地域改善対策特別措置法の趣旨を体しまして、地域住民の生活の安定及び福祉の向上ということのために各般の施策を推進しておるところでございまして、今もお話しのとおり地域改善対策特別措置法の後どうするかという問題につきましても、いろいろ私どもは考えておりまして、現在総務庁に設けられました地域改善対策協議会の基本問題検討部会において検討中でございまして、その結論を待ちまして対処いたしたい。私はこの問題は前向きに考えてまいりたいと考えておるものでございます。
○中村(正男)分科員 政府のそれぞれの機関の中でもこの問題については法務省と厚生省が主管的な省庁だと思っております。そういう意味合いでも一層の御努力をお願い申し上げておきたいと思います。 次に、きょうの質問の主題でございます中国における日本人の残留孤児の問題、このことについてお尋ねをしたいと思います。 現在も、肉親捜しのために中国から残留孤児の方々が来ておられるわけですけれども、この肉親捜しの報道に接するとき、日本人のすべての人が胸を痛めて、何とか肉親にめぐり会えることをひたすら願っていると私は思います。ただしかし、見る人にとりましては、見ると言っては語弊がありますけれども、その報道に接したときに、複雑な思いを同時にそれぞれが抱いていることも事実だと私は思うのです。 実は私の住んでいる町に文化人の人たちがおられまして、その中心的な人は演歌の作詞家のもずしょうへいさんという方なのです。私は出身が大阪でございますが、この方々が同じような立場の人たちと連れ立って中国に視察に行かれました。遼寧省、黒竜江省、さらには吉林等残留孤児がたくさんおられるところに行かれたのですけれども、帰ってこられて私にお話があったのは、大変日本人として情けない、恥ずかしい思いをした、それは何かといいますと、いわゆる養父母が戦後四十年たっているわけですから非常に高齢になっておられます。しかし、養父母に対して日本の政府の具体的な対応がまだなされてない、そのことに対する非常な悲しみと怒りといいますか、それを抱いておられるということを行った方々が感じられまして、ぜひひとつこれは日本の政府として速やかに解決をしてもらいたい。 と同時に、これは国だけの問題ではなしに、我我日本人の心の問題として何かのお役に立てないものだろうかというふうな考えをお持ちになりました。我々の立場では、これは国の責任だ、こう思いますけれども、そうした市民の皆様の感情の中にはそういうことがあるわけですね。仲間の皆さんにお話をされて、短期間であったのですが、小さな町でカンパをやられたわけです。そうして四十九万円の浄財が集められたのですが、それをいわゆる養父母の皆さんの何らかのお役に立てていただきたいという目的で、日中友好協会を通じて何とかそういうものの気持ちをあらわすことができないか、これをお話をされたところが、実はちょっと待ってくれということで、せっかくの浄財がいまだに宙に浮いたままになっているのですね。そういうようなことから、ぜひひとつ国会の場において政府に対して強く養父母の問題を訴えてほしい、こういうお話がございましたので、きょう質問させてもらうわけなのです。 まず第一点は養父母の養育費ですが、養育費といいますか、あるいは今までの御苦労に対する謝罪の意味も含めた日本政府としての対応、これが現実どうなっておるのか、まずその辺からお聞きをしたいと思います。
○水田政府委員 養父母に対します扶養費の支払いということは、現在進めております訪日調査を円滑にやります上で絶対不可欠のことでございます。したがいまして、私ども中国政府と過去交渉を重ねてまいりまして、二年前の、ちょうど二年前になりますが、五十九年の三月十七日に日中両国の間で口上書を交換いたしまして、日本に永住帰国をしました孤児の果たすべき扶養の義務があるわけでございますが、帰ってまいりました孤児が直ちにその法的義務を履行することは困難でございますので、その果たすべき義務の二分の一については日本の政府が負担し、残りの二分の一の孤児が負っております義務につきましては、全国の国民の皆さんの浄財を集めるためにつくりました財団法人中国残留孤児援護基金、これが十億のファンドを全国から集めまして、これが残りの二分の一を孤児にかわって援助する、こういう形をとっているわけでございます。基本的には今申し上げたことで日中両国の間で話がついているわけでございますが、その具体的な細目については、厚生省からも過去何回か担当課長が中国の方に参りまして誠心誠意詰めておりまして、現在大詰めの段階に来ておる、こういう状況に相なっております。
○中村(正男)分科員 現在大詰めということなんですが、実は私も昨年九月に中国総工会の招きで訪中をしたわけです。中国側の皆さんとお話をしたときにこの問題をお尋ねいたしました。中国の要人の方から、結論として、その交渉について日本側の態度は極めて不満である、こういう表明がございました。恐らくそれは提示されておる額が中国側のお考えでは妥当ではないのじゃないかというふうな、これは私の感じでございますが、そう思ったわけですね。 私がそれなりに調べたところでお聞きをいたしますと、月二十五元ですか、十年間をまとめて一時金でというふうなこと、今はわかりませんが、当初中国側に提示したのはそういった水準なのか、それをお聞きしたいと思います。
○水田政府委員 外交交渉中の事項でございますので詳細は御容赦願いたいと思いますが、私ども、合理的に履行すべきものはするという立場で誠意を持って交渉をいたしているところでございます。
○中村(正男)分科員 否定も肯定もされなかったということは、日本側が当初提示したのはほぼこのあたりではないだろうか、私はそういう判断をするわけですが、それでは今の中国の経済あるいは生活実態、過去四十年間の問題を含めて考えますと余りにも少な過ぎるのじゃないか。いろいろ戦後処理の問題あるいは国内のいろいろな年金の水準とかいったところに拘束をされて今申し上げたような水準が提示されておるとするならば、それは現在の国が行っておる日本の国内におけるそういうこととの比較ではなしに別の次元で、国対国の問題でありますから、ぜひひとつ基本的な考え方をその辺に置いた新たな金額上の交渉をしていただきたい。これが間違っておれば具体的に正していただきたいと思うのですが、仮にこんなことが提示されておるとしたら皆さんどう思いますかということで私はそういった地域の文化人の皆さんにお話をしたわけです。そうしたら、そんなことしか国は考えていないのか、その程度しか考えていないのか、余りにも情けない、戦後日本の経済はどんどん興隆をし、世界一の金持ち国になっている、その日本が犯した罪の償いをこんな程度で済ます気かと、大変な怒りをお持ちになりまして、国がそんなのであれば我々がひとつ国民の立場から国民の心の問題としてひとつ何とかお役に立たなければならぬというふうな気持ちをあらわしておられました。さっき申し上げたような浄財をお集めになったのですが、ぜひひとつ中国側が納得できる水準で、しかも早期に――高齢でどんどんお亡くなりになっていかれる方もふえるわけですから、いつごろをめどに決着を図られようとしておるのか。それから、正直申し上げて今の日本政府の提示している額は中国側は絶対にお受けにならないと思うのですね。だからそれなりの政治的な判断を含めて大臣どうなんですか、率直なお気持ちをお聞きしたいと思うのです。
○今井国務大臣 額につきましてはいろいろ交渉をやっておりますのであれでございますが、お気持ちはよくわかります。ただ、私どもといたしましても、今政府委員が答弁いたしましたように、政府のみならず国民の皆さん方の募金もあわせてひとついたしたい、真心をもってできるだけのことをしたいと思っておりますので、その気持ちをひとつ御了承いただきたいものだ。それで、おっしゃいますようになるべく早く向こうとの話を決めてさしあげたいと思っておることだけはひとつお認めいただきたいと思うものでございます。
○中村(正男)分科員 それから、今お話を聞きますと、永住帰国した孤児の扶養の義務を云々、こういうお話だったのですが、不幸にして永住帰国ができなかった、いわゆる肉親にめぐり会えずに帰られた方々、あるいは本当に多くの方々がまだ残されておるわけですが、そういう養父母に対する日本側の何らかの処置というのは全く考えないのか、この問題は決着した後何らかのことを考えるのか、その辺はどうなんですか。
○水田政府委員 今日中両国で交渉しておりますのは、孤児本人が養っていただいた親を扶養する中国における法律上の義務を持っているわけで、いわばそういう義務を日本に帰ってきたために履行ができなくなることを日本の国と日本の国民が肩がわりをしてその扶養の義務を果たすということでございまして、その他の問題につきましては、孤児と養父母との間の、基本的には中国の国内の問題であろうかと考えているわけでございます。 およそ中国あるいは中国社会あるいは養父母がいろいろと戦後孤児のために面倒を見ていただいたことに対して国がどう一般的に謝意を表するのか、こういう問題の御提起かと思いますが、この問題につきましては、やはり中曽根総理なり前の渡部厚生大臣が訪中した機会に中国の政府に厚く感謝の意を表明をしてまいってきているわけでございまして、これは金銭的というよりも広い意味で日中の友好を深めていくことによって報いていくのがいいのではないかと私ども考えている次第でございます。
○中村(正男)分科員 これはあくまで孤児の個々の問題であるというのが、今答弁があった日本政府の考え方の根底にあると私は思うのです。しかし、これは日本の国、現在の日本の政府が、あの過った戦争を犯したその罪の償いとして、残された孤児はもちろんのこと、その孤児を四十年間お育てになった方々について全く何もしないで、ただ今後の日中の友好関係の中でそれは理解をいただくものだということで人道上それが果たしていいのか。いわんや今肉親捜しで帰っておられる孤児が肉親にめぐり会える機会というのはほとんど少なくなってきているわけです。そういう実態を考え、しかももうことしで一応の調査は打ち切りだというふうなこと、まだまだたくさんの孤児が残されておるという現実、そしてその養父母の方々の御苦労を考えるならば、外貨をため込むだけの日本政府じゃなしに、それこそ世界的な人道上の立場からもぜひひとつ具体的な対応をすべきではないのか。そのことをしたからといって、政府に対してそんなことをする必要はないと言う日本の国民は一人もおらない。なぜそんな血の通ったことができないのか、そのことを強く私は地域の一市民の声として大臣に申し上げておきたいと思います。 それから、そういうお考えであればこんなことを要求してもなかなか入れられないと思いますけれども、ぜひひとつ残された養父母の日本への定期的な渡航といいますか、日本に永住帰国している方々が養父母をお迎えするということに対して国としてどんな対応をお考えになっておるのか、お聞きをしたいと思います。
○水田政府委員 先ほど申し上げました援護基金で毎年養父母を招待いたしております。この事業は今後とも援護基金にやっていただくようにお願いいたしますとともに、各県でも自分のところに帰ってきた孤児の養父母を招待するという動きが北海道初め出てまいっておりますので、そういう援護基金なり地方自治体なりの動きを見ながらできるだけ養父母と孤児の再会の機会が出るように、いろいろな意味で私ども努力をしてまいりたいと考えております。
○中村(正男)分科員 ことしで一応打ち切りというふうに聞いておりますが、それが事実かどうかということと、その上に立ってあと中国側にどれほどの日本人孤児がおられると推定されておるのか、また、その事柄に対してはどうされるのか、その辺をお聞きします。
○水田政府委員 日中双方で現在確認をいたしております日本人孤児の数は二千百三十五名でございまして、このうち訪日調査などで身元が判明した者が九百七名、それから訪日調査をしたが残念ながら身元が判明しなかった者が三百九十八名ございます。残りの八百三十名のうち百三十人は現在第十回の訪日をされてまいっておりまして、残りの七百名については六十一年度ですべてお呼びをする、こういう形をとっておりますが、なお中国の政府の方で、ああいう広大な地域でございますので、日本人孤児ではないかということで調査を進めております者が若干名、数十名でございますがあるというふうに中国側から知らされておりますので、中国政府が日本人孤児ということを認定した場合は、訪日調査をして肉親捜しを今後も当然やるべきものと考えております。何か六十一年度で打ち切るように世の中誤解されておるようでございますが、日本の関係者が高齢化しているので、今日日中両方で日本人孤児と確認しているのは一日も早くという意味で六十一年度で概了させるということを言っているのでございまして、決して終わるということを言っておるのではございませんので、その点誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。
○中村(正男)分科員 今具体的な数字があったのですが、私も向こうへ行った感じ、それからいろいろな人から聞きますと、今おっしゃったような数字では到底おさまらない、もっともっとたくさんおられるというのが我々の認識でございます。 それと、そういう上に立ちまして私は、永住帰国という問題について、この際、果たしてそれがすべてだろうかという問題を提起をしたいと思うのです。 帰ってこられて永住されている方が今六十七名ですか、こちらで生活しておられる方々、しかしさまざまな問題が周辺にあると私は思うのですね。テレビでも放映がされておりましたし、また、私が住んでおる自治体でも何組かの方がおられます。しかし、すべての人たちがうまくいっていない、率直に申し上げて私の町に住んでおる方々は。自治体も本当に頭を痛めておられるわけですね。そういうことを考えますと、もう四十年もたった今、永住帰国制度そのものが、これから先もそれを基本に進めていくことが果たして一番いいことなのか、そのことを日中で一度十分私はお話し合いをしてもらいたい。 それよりも、一時帰国制度という制度を設けて、肉親捜しに比重を置く。肉親捜しだけを目的にした永住帰国制度ではなしに、もう自分は日本人孤児だということがわかった場合、自分自身はそういうルーツがあるけれども、現実に中国人として四十年間生活をしてきたわけですから、人生を送ってきたわけですから、これは人道上の問題でありますけれども、何らがその辺の一つの方向をお互いの国が指し示す方が、これからの双方の国にとって、あるいは双方の家族にとって、そして本人にとって一番適切なことではないだろうか。 その辺の政策的な転換といいますか、考え方の転換、その辺はおありなのかどうか、私はお聞きをしたいと思います。
○水田政府委員 私ども、先生の御指摘がございますように、四十年間中国で生活をしてまいって向こうに社会の中堅として基盤があるわけでございますので、必ずしも日本に帰ってくることがすべてであるというふうには考えているわけではございません。ただ、日本に永住帰国をしたいという希望を持っておられる方については、中国の政府も人道上の見地からそれは決して拒まないということが五十九年の三月の口上書の精神でございまして、私どもも、お帰りになられた方は言葉それから年齢、知識のハンディを超えて日本の社会の中で定着していくということはなかなか容易ではないので、それなりの対応を進めてまいらなければならぬ、こう考えておるわけでございます。 私どもそういう意味で、訪日をされた方で未判明のまま中国に帰られた方が、いわゆる肉親捜しのために一時帰国するということも一つの考え方であろうかと思いますが、やはり未判明の方は、分析してみますと、四人に一人の割合で複数の養父母の間を渡り歩いておられる方でございますし、六人に一人の割合で手がかりがゼロに等しいのです。それから大体未判明の方の八割強が、孤児になったときが五歳以下ということで、ほとんど自分の肉親関係については記憶がないということでございます。こういう方については、むしろ日本に帰ってきて独力でやられてもほとんど発見することは無理だと思いますので、私ども訪日調査をもってその孤児の方の調査を終わりとするのではなくて、むしろ国の責任はこれからあるということで、その人たちの追跡調査を現在コンピュータを整備してデータをインプットしましてやる。それから、近く中国の政府の方に係官を派遣しまして、孤児から聞き取りをした以外に中国の政府で持っている手がかりとなるようなデータをいただいて、そのコンピューターの中に入れて政府が責任を持って調査をするということの方がより重要ではないかと考えておりますので、そういうことも今後十分進めてまいりたいと思っております。
○中村(正男)分科員 時間が参りましたので、もっともっといろいろなことをお尋ねしたかったのですが、残念ながらできませんので、二、三要望だけ申し上げて終わりたいと思います。 今答えがあったのですが、私は、諸般の事情、それから、率直に申し上げて、中国現地における孤児に対するいろいろな端的に言えば干渉といいますか、何とか肉親を捜したい、永住したいというのが、本人の気持ちだけではなしに周囲から何かそういうあおりを受けられておるというふうなことも聞くわけです。ですから、これは人道上の問題ですけれども、中国というあの偉大な国であります、そういうお気持ちに立っていられることもわかるのですけれども、もうこの辺で、そういった日本に行けば肉親に会えるというふうな幻想を持たすのではなしに、しかし生まれは日本人だ、日本へ一度行って帰ってこいというぐらいの気持ちに中国側の指導方針を転換させるなりあるいは日本側からの気持ちなりを伝えてもらいたい、私はこう思います。 そこで私は、今までもこういったことがあったのかどうかわかりませんが、余りにも政府対政府あるいはまたボランティアでも何かまとまりない形でやられた、このあたりで、今後のこともございますので、有識者あるいは文化人、国民の諸階層から成る何か委員会的なものを設けて、永住帰国の問題、一時帰国の問題含めて、率直な意思の統一といいますか、そういったものを図るべきじゃないか。中曽根総理はそういう諮問委員会が大変お好きなんですけれども、こういうことに対してむしろやるべきではないかということの要望が一つと、それから、いろいろな問題抱えておりますので、ぜひ国会としての調査団、これの早期の派遣を大臣に強く要望をして私は終わりたいと思います。大臣、その点何かあれば一言。
○今井国務大臣 政府対政府だけじゃなくて民間というお話。ただ、相手国政府がなかなかああいう政体でございますから、それがいくのかどうか、いろいろ検討さしていただきたいと思います。 それから調査団の問題は、私自身が実はこの問題に大変関心がございまして、孤児が来ますものですから、もう毎回家内ともども行ってはささやかな御接待をしているわけでございますが、機会を得ましてぜひ私自身が行ってみたいなという感じもしておりますので、私自身も含めまして引き続き検討さしていただきたいと思います。ありがとうございます。
○中村(正男)分科員 終わります。
○橋本(龍)主査代理 これにて中村正男君の質疑は終了いたします。 次に、近江巳記夫君。
○近江分科員 きょうは極めて限られた時間でございますので、何点かお伺いしたいと思います。まず初めに腎炎、ネフローゼ問題についてお伺いしたいと思います。 人工透析の問題でございますが、腎臓が悪くなりますと、人工透析があるからということで治療を安易に考えておられる医師があるのじゃないか、そういううわさもあるわけでございますが、一たん人工透析にかかりますと一生涯継続しなければなりません。しかもまた、だんだん体力が弱ってまいりまして、寿命を縮めるケースが非常に多いわけでございます。また、一たん人工透析にかかりますと一人月額約百万円、これは国の費用でやるわけでございますが、こういう点で非常に健保の赤字の大きな原因にもなっておると言われておるわけでございます。 そこで考えてみまするに、人工透析にかからないように、自分の腎臓を治療して使えるような治療方法を厚生省として強力に進めてほしいというのが全患者の悲願であるわけです。そういう方法につきましてどのように真剣に検討なさっているか、お伺いしたいと思います。
○仲村政府委員 人工透析の治療法ができます前は、最後は御承知のように尿毒症で腎臓の患者はどんどん亡くなっておられたわけですが、幸いにして四十七年から厚生省も公費負担を導入いたしまして、人工透析というのは非常に普及をしてまいりました。ただ、おっしゃいますように、年間五千人とか六千人とかということで数がふえておりますが、これは人工透析の治療法が非常にうまくなったということも挙げられるわけでございます。 今御指摘のように、本来腎臓病にかからなくするのが一番いいわけでございますけれども、実は、この病気もなかなか難しい病気でございます。かねてから難病関係の研究費でございますとか、いろいろと取り上げております。具体的に申し上げますと、特定疾患調査研究、これはいわゆる難病の研究費でございますが、その中で進行性の腎障害の原因、治療法の研究ということをやっていただいておりますし、心身障害研究、これは小児慢性の方でございますけれども、小児の慢性腎疾患の予防、管理、治療に関する研究ということで、それぞれいろいろ多角的な研究をお願いしているところでございますけれども、今おっしゃいましたような意味での予防方法を確立するまでには至っておりませんし、病態につきましてもなお研究を要する部分が多々あると聞いております。 なお、私どもといたしましても、今の御指摘のような観点から引き続き研究もさらに推進させていきたいと考えている、こういうところでございます。
○近江分科員 なかなか研究ということは苦労が伴うわけでございまして、その点はよくわかるわけですけれども、一層努力していただきたい、このように思うわけでございます。 それから、この福祉制度の問題で、人工透析を始めますといろいろな優遇措置があるわけですね。ところが、透析をしないで頑張っておられる患者には何の恩典もないわけです。これは非常に矛盾じゃないかということで、何か優遇措置を考えてほしいという非常に強い声があるわけですが、この点についてはどのようにお考えでございますか。
○小島政府委員 御指摘ではございますが、身体障害者の範囲に、内部疾患の一つとしてこの腎臓関係も入っております。人工透析を始めていらっしゃる方につきましては一級の該当というようなことでございまして、障害年金も一級の支給というようなことになっておりますが、その他人工透析の段階に至りません方々につきましても、内因性のクレアチニンクリアランスの値とか日常生活の状況というようなことを判断いたしまして、三級あるいは四級の身体障害者の格付をいたしておりまして、これらにつきましては身体障害者福祉法に基づくいろいろな福祉の措置が講じられておりますし、また税制上あるいは公営住宅の優先入居というような対策もとられております。決して透析者だけに限っておるわけではございませんで、一定以上の腎臓の機能障害を持っていらっしゃる方については福祉の措置を講じておるところでございます。
○近江分科員 それはわかるんですけれども、さらにランクを上げてあげるとか――ハンディというものは非常に大変なんですね。透析を受けてないといったって自分の体力の限界に挑戦しながらやっているわけですから、三級、四級と言わずにもう一級上げるとか、そういうランクを上げてあげて、けなげに闘っている患者に対して手厚い対策を立てていただきたい。今後検討していただきたいと思います。検討していただけますか。
○小島政府委員 先ほど申し上げましたように、一つは障害をあらわしますいろいろな検査数値と、それからもう一つは日常生活にどの程度の障害が生じているか、日常の諸活動がどの程度制限されるかということを他の障害との関連で一応格付をいたしております。これは障害につきましては均衡が必要だと思いますので。また、これらにつきましては絶えず見直しを行っておりますので、先生のお話も含めまして今後の検討課題とさしていただきたいと思います。
○近江分科員 それからまたさらに入院治療費あるいはまた通院費の問題でございますが、十八歳未満に発病した人は二十歳まで入院治療費は公費負担であります。しかし通院費は公費負担ではありませんので、地方自治体でそれを負担しておる。例えば大阪府などは独自に負担しておるわけです。したがって、今後通院費も公費負担をしてほしいという非常に強い声がございます。これが一点であります。 それから第二点として、十八歳を過ぎて発病した人は現在全額個人負担でやるので、せめて二十蔵までは入院治療費の公費負担をしてもらいたい。これが第二点であります。 第三点は、小児慢性疾患の人でも現制度におきましては二十歳を過ぎますと全費個人負担となりますので、小児慢性疾患の人たちには二十歳過ぎても入院費、通院治療費の公費負担を願いたい。財政非常に厳しい折からでございますが、こういうハンディを持っておられる皆さんの極めて切実な声でございますので、検討をお願いしたいと思うのです。御答弁をお願いしたいと思います。
○坂本政府委員 最初に通院治療費の問題でございます。 現在、小児慢性特定疾患治療研究事業といたしまして、小児の慢性腎疾患の入院治療費については公費負担を行っているところでございます。これに対して、通院治療費についても公費負担ができないかというお尋ねでございます。 そもそもこの制度は、いろいろな難しい病気につきまして患者の医療費負担というものを軽減をしていこう、こういう趣旨でやっておるわけでございます。したがいまして、この問題を考えますときには、結局医療費の負担というものをどのように考えていくかという問題、さらにいろいろな社会保障施策の中で他の施策とのバランスあるいは優先度、こういったものをいろいろ総合的に勘案しながら検討していかなければならない問題と思っておるわけでございますが、そういう意味から現在のところ、まだほかにもいろいろと対策を講ずるべき問題もございますので、私どもとしてはこの通院についての公費負担の問題については慎重に検討をしなければいけない問題ではなかろうかと思っておるわけでございます。 次に、十八歳を過ぎて発病した患者の方に二十歳まで入院医療費を公費負担してはどうかという御質問でございますが、現在の小児慢性特定疾患治療研究事業につきましては児童福祉法の趣旨に基づいて予算措置でやっておるわけでございますけれども、児童福祉法が十八歳未満の人を対象としておるということでございますので、本来は十八歳までということでございます。しかし、十八歳以前の発病の人について特に二十歳まで特例的に延長しているというものでございますので、十八歳以降に発病した方についてこの小児慢性の特定疾患治療研究事業としての対応というのは困難ではなかろうかと考えておるわけでございます。 さらに二十歳以上の公費負担につきましては直接小児慢性疾患の治療事業という範疇を超えますので、これまた別の考え方があろうかと思いますので、私の方からは直接はこの御答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
○仲村政府委員 腎炎関係の一般的な医療費の公費負担のお尋ねでございますが、どういう形で取り入れるかということで考えますと、現在非常に近いのは難病の関係ではないかと思いますけれども、難病は御承知のように、原因不明で治療方法未確立あるいは後遺症を残すおそれが多い疾患の中から、特定疾患対策懇談会の御意見によりまして、いろいろ公費負担を行う疾病を決めているわけでございます。現在までのところ、他の疾患と比べますと腎炎につきましてはこの難病のカテゴリーに採用するのは非常に難しいのではないかということで考えておる次第でございます。
○近江分科員 非常に難しい問題であると思いますが、今後はまた引き続いて十分よく検討していただきたい、このように思います。 それから次に、腎不全の早期発見のために一歳半と三歳児健診、またその後の指導について厚生省としてはどのように対応しておられるかということが一つです。 また、この尿検査につきまして、ペーパーで検査してマイナスであるのにスルホサリチル酸で実施しますとプラスの場合があるというので困っている人が多いわけです。この両検査の表示が同じになるようにしてもらいたい、こういう意見が強いわけでございます。 なお、きょうは非常に限られた時間ですので、できるだけ答弁もひとつ簡潔に要点をお願いしたい。まだお聞きしたいことがたくさんありますので、よろしくお願いいたします。
○坂本政府委員 最初に、三歳児健診あるいは一歳六カ月児健診の後の指導状況でございます。これは健診によってその結果を各児童の保護者に通知をいたしまして、もし専門の医師などの診断等が必要である場合には、その専門機関に通知するあるいはその専門機関を紹介するというようなことで、事後指導に抜かりがないようにやっておるわけでございます。 また、検査の方法でございますが、これは現在いわゆる試験紙方法というのを用いてやっております。これは検査方法が非常に簡単にできるということで集団的な検診にはなじむような方法であるわけでございますが、ただいま御指摘になりましたスルホサリチル酸法というような別の検査方式もございまして、これにつきましてはかなり実際には手間がかかるという問題で、集団検診においてはなかなかとりにくい面もあろうかと考えております。ただ、この試験方法等に関するいろいろな技術的な問題については、今後とも心身障害研究の中でも検討をいたしてまいりたいと考えております。
○近江分科員 ではよく検討していただきたいと思います。 それから診断法につきまして、尿たんぱくや血液検査などでは腎臓の構造変化がわからないために、現在腎生検が行われておるわけです。この方法は腎臓に針を入れて腎組織の一部を取り出して検査するもので、たびたび行うことはできないとされております。そこで、この腎生検にかわる診断方法を開発できないものか、非常に声が高いわけでございますが、その見通しについてお伺いしたいと思います。簡潔にお願いします。
○仲村政府委員 おっしゃるように、腎生検というのは組織を取り出して直接見れるということで非常に有用な、有力な診断のための手技でございまして、これにかわるものというのは非常に難しいかと思いますが、超音波でございますとかその他いろいろの器具がございますけれども、これにかわるものは今のところないというふうに聞いております。
○近江分科員 かわるものはないという、現在はそうかもしれないけれども、今後ひとつ十分研究をやっていただきたい、強く要望いたしておきます。 それから、この差額ベッド料ですね。これはすべての病気に当てはまると思うのですけれども、これを今後撤廃するように強力に指導してもらいたいということが一つです。 それから、これは非常に大きな問題ですが、国立腎センターの設置の問題です。原因の究明と治療法の確立及び専門医師の養成のために、国立腎センターの設置について十数年来患者を中心として請願と陳情を繰り返してきておられるわけでございますが、これは早期に設置してもらいたいと思うのです。先ほどから検査の方法だとかいろいろな具体的な案を私出したわけでございまして、これ以上のものはありませんという答弁もあったわけですが、そういうことを言わずに、これは患者の切実な問題でございますから、そういうことを一貫してやるためにはこの腎センターがどうしても必要だと私は思うのです。 例えば私の大阪には国立循環器病センターがあるのですね。今やもう東南アジア、世界各国から患者が来て、日本の医学は非常にすばらしい、また、そこではすばらしい医師が続々と育っているのですね。国立のそういう研究機関の果たす役割というものはもうすごいものがあるのです。ですから、財政が厳しいと言えばそれまででございますが、これはぜひとも腎センターを国立のものを設立をしていただきたいと思うのです。これについて大臣からひとつ、非常に大きなテーマですから御答弁いただきたいと思います。
○今井国務大臣 今のお話は私もかねがね聞いてはおりますが、いずれにしても設置の問題でございますので、十分先生の御意見を踏まえながらこれは今後の課題として真剣に検討してまいりたいと思っております。
○近江分科員 では、誠実な厚生大臣でありますから、真剣に検討するという御答弁があったわけですから期待しておりますので、ひとつ一日も早くそれが実現できるようやっていただきたい、このように思います。 それでは次に、時間が非常に少ないですが、精神障害者の対策についてお聞きしたいと思います。 政府は精神衛生法の改正を進めるということで今、作業に入っておられるようでございますが、日本の精神病院というものは入り口が広くて出口が狭いと言われております。精神衛生法の改正も必要かもわかりませんけれども、患者の立場からいきますと精神障害者福祉法、こういうものをぜひしてもらいたいという非常に強い意見があるわけでございます。 先ほど私は人工透析の問題を出したわけでございますが、この腎不全による人工透析患者のように、医学的管理のもとにありながらも同時に福祉対策の対象でもあるような障害者のタイプが出現するようになってきた今日におきまして、依然としてそのような障害者観というものが改められていない、こういうことが言えると思うのです。それで、多くの精神障害者は病人として適切な医療を要し、同時に福祉対策をも必要としておるわけであります。何よりも現実のニーズに即して法、制度が組み立てられなければならないわけでございます。精神障害者に対して幾つかの社会復帰施策が国の予算措置で実施され、地方自治体レベルの事業として小規模作業所や共同住居への助成が行われており、近年これらの施策は増加しつつありますが、現実のニーズに対応して就労対策をも含めた広義の福祉対策を抜本的に強化するためには、その根拠となる法律を持つことが不可欠である。 これは「精神障害者の社会社福対策への提言」全国精神障害者家族会連合会、こういうところの提言の一節を私は今御紹介させてもらったわけでございますが、そういうことで精神障害者福祉法をぜひつくってほしい、こういう強い御要望でございます。これにつきましてお聞きしたいと思います。
○仲村政府委員 精神障害者の対策の中で、社会復帰の問題は非常に大きな問題でございます。私ども、そういうことで従来から力を入れてきておりますが、さらにそういう観点で施策を進展させなくてはいけないと考えております。 今御指摘のような地方公共団体によりますデイケアの施設でございますとか小規模の保護作業所でございますとか、いろいろのバラエティーに富んだ社会復帰対策の促進をしてまいりたいと考えておりますが、福祉法によってやるかどうかということ、今私ども精神衛生法に基づいてやっておるわけでございますので、別な法が必要かどうかということを含めまして、社会復帰対策の推進との関連でさらに慎重な検討を加えてまいりたいと考えております。
○近江分科員 国連が提唱いたしました国際障害者年の「完全参加と平等」への努力が、現在その中間年になんなんとしておりますときに、我が国の精神障害者に対する医療の改善あるいは福祉制度の改革等、どういう点が改善を図られたんですか。
○仲村政府委員 国際障害者年の中間年になるわけでございますが、ただいまおっしゃいましたように「完全参加と平等」というテーマでございます。 私ども精神衛生関係につきましては、先ほども申し上げましたけれども、デイケア施設でございますとか精神衛生センター等におきますデイケア活動の拡充、充実を図ってまいってきておりますが、通院患者のリハビリテーション事業でございますとか保健所におきます社会復帰相談事業の充実、このようなことで対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○近江分科員 ときどきある精神障害者の事件の報道も国民の不安感を増すわけでございますが、その背景に、麻薬や覚せい剤中毒、精神分裂病や躁うつ病、あるいはてんかんや精神薄弱などを総称して精神障害と呼ばれておると思うのですけれども、もっと病気や障害の特徴に合ったきめ細かい医療と福祉対策を施すべきであると思うのです。その点についてお伺いしたいと思います。
○仲村政府委員 おっしゃいますように精神障害者の中にもいろいろの種類があるわけでございまして、従来は一般の精神病床だけということだったわけですが、さらに老人精神病棟あるいはアルコール中毒病棟、さらには児童病棟等、専門病床を整備するように国庫補助も導入してきております。 それから、入院に限らず外来、通院におきましては、前回の中医協、中央社会保険医療協議会におきまして集団精神療法でございますとか訪問看護・指導料の新設あるいは精神科のデイケア料の増加等の答申がなされておりまして、外来治療につきましても医療費の面できめ細かい医療サービスがより推進されるものと期待しているわけでございます。
○近江分科員 日本の精神障害者対策は、西欧を模倣した割に非常におくれておるということでございまして、隔離収容色が濃いと言われております。イギリスや西欧が開放的治療と地域福祉に思い切って政策転換して成功しておるわけでございますが、我が国でも行政が主導してやってみるべきではないかという非常に強い皆さんの声がございます。利害関係の濃い民間医療機関の専門家の意見中心では必ずしも適当ではないと言われておりますが、この点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○仲村政府委員 近年の精神科の医療の領域におきまして、従来の閉鎖的な治療中心、入院中心の医療から、広く地域社会の中で精神障害者の治療を行っていこうとする趨勢は御指摘のとおりだと思います。私どもこの線にのっとりまして、先ほどいろいろ申し上げたような点も含めまして、そういう方向へ切りかえてまいりたいと考えておるところでございます。
○近江分科員 日本がしばしばモデルにしておりますアメリカにおきましても、ケネディ教書、ロザリン・カーター委員会などで精神病に悩む人々のための人道的施策をしておるわけです。精神病といえども心病める人々であるわけでございますし、そういう点で我々の兄弟、同胞でもあり家族でもある、こういう気持ちでひとつ今後対処していただきたいと思います。 我が国は物質的には非常に豊かになっておるわけでございますが、三十三万人に及ぶ閉鎖的精神病院の長期収容化は病人をより一層だめにしておると言われております。開放的にアフターケア体制をぜひ整備すべきではないかと言われておりますが、この点についてはどうですか。
○仲村政府委員 おっしゃいますとおりで、私どもも地域社会の中で精神障害者の方が受け入れられる方向で考えなくてはいけないと思いますけれども、従来からの我が国の独特の文化と申しますか、精神障害者に対する考え方というのはまだ払拭し切れない面もございますし、家庭、家屋の状況等社会に直ちに受け入れられない部分も実際にはあるわけでございまして、社会復帰を重点施策としながら、そういう面も含めましてより改善に努めてまいりたいと考えます。
○近江分科員 先般政府が行いました国の精神衛生実態調査の結果を見ますと、約五七%が受け皿があれば退院可能である、このように主治医が答弁をしておるということでございます。本来の受け皿であるべき精神障害者の家族はその多くが高齢化した両親で、兄弟姉妹に面倒を見させることは現実的に困難であるという状況があるわけでございます。 〔橋本(龍)主査代理退席、野上主査代理着席〕 家族に高い要求をするということではなく、国、地方公共団体の責務として積極的なそういう受け皿としての住宅施策、福祉的就労、次いで雇用対策、アフターケア体制を整備し、単に医療の消費者、税金を使う人から働いて税金を支払える人に変えていく努力をすべきではないかと思うのです。この点、いかがでございますか。
○仲村政府委員 おっしゃいますように、住宅の問題でございますとか雇用の形態でございますとか、いろいろ精神障害者の処遇に関しての障害があるというのは私どもも事実だと考えておりますが、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、単に家庭だけで受け入れるというのは非常に難しい面もございますので、地域という面も考えながら、あるいはそこに至るまでの中間的な施設と申しますか社会復帰施設も活用するなどいたしまして、おっしゃいましたような方向へ変えていきたいと考えております。
○近江分科員 大臣、今いろいろと論議を聞かれておりまして、大臣も非常に心に期すところがあると思うのでございます。特に私は、最後にもう一度重ねて申し上げたいと思いますが、精神衛生法の改正について厚生省は作業を進めておられますが、ぜひとも精神障害者福祉法というもの、初めてのことをやることはなかなか大変でございますけれども、同時にこれをひとつ進めていただきたい、厚生省が本当に中心となって全力を挙げて取り組んでいただきたい、これを強く要望いたします。これについて御答弁をいただいて、若干時間を残して終わりたいと思います。
○今井国務大臣 精神衛生法の改正を実は今考えております。先生の御指摘の点も踏まえまして十分考えてまいりたいと思いますが、直ちにここで福祉法の問題を、どんぴしゃりやりますというふうに言えるかどうかについてはまだ私も必ずしも十分な自信がないわけでございますが、先生の精神障害者に対する御意見については非常に同感するものが多いものでございますから、精いっぱいの努力をしてみたい、こう考えておるものでございます。
○近江分科員 じゃ、これで終わりますが、どうかひとつ大臣、今後誠意を持ってやっていただくように強く重ねて要望しまして、私の質問を終わります。
○野上主査代理 これにて近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。 次に、中林佳子君。
○中林分科員 私はまず水道の問題で質問させていただきたいと思います。 近代水道が日本にできてから百年近くたとうとしていまして、水道の普及率が九三・一%に達しまして、ほとんどの国民が水道の水に頼って生活しているという状況でございます。水は空気と同じように人間の生存にはなくてはならない不可欠なものであるということは、もうだれもが認めているところですけれども、この私たちの毎日の生活に欠くことのできない水の供給をしている水道事業の公共性だとか目的、これについての大臣の御見解をまずお聞きしておきます。
○今井国務大臣 言うまでもなく、この水道施設というものは当初衛生施設として整備が進められまして、その後利便施設として発展を遂げまして、今や都市、農村を問わず、今日国民の健康で文化的な生活を支える基盤施設として定着をし、重要な役割を果たしているものと私も理解をいたしております。このような時代を迎えまして、水道が国民の生活や都市の諸活動に密着したものとなっていることによりまして国民の水道に対する期待と要求は一層高まっておりまして、水道法に掲げられております清浄、豊富、低廉というふうな水の供給の役割が一層重大になっているものだと理解をいたしております。
○中林分科員 生活用水をめぐっては今高い水と、それから水不足という二つの問題がクローズアップされているわけですが、特に水源が非常に遠いということだとか、浄水コストが増大していて経常上大変悪条件になっている、また、独立採算性という制度が一つの足かせになっていて非常に高い水を生み出していると私は思っております。ですから、今大臣がおっしゃいましたように、水道法の第一条にあります「清浄にして豊富低廉な水の供給」という水道事業の目的と現実の間にはかなりの隔たりがあります。水道関係者の合い言葉であります清浄、豊富、低廉、この実現というものが実は政府に対して強く求められているわけですけれども、その中でも特に要望の強い安い水、これについては厚生省としてはどのような対策を講じておられるのか、また講じようとされているのか、お聞きしたいと思います。
○森下政府委員 昭和五十九年三月に生活環境審議会から答申をちょうだいしておりまして、この中で、水道料金の開きにつきましては、平均と一番高いところと当面全国レベルで二倍程度におさまるように配意しながら高料金水道に対する効率的な補助を行うべきだという御指摘をいただいているわけでございます。これを受けまして、厚生省では昭和六十年度におきまして、水道水源開発等施設整備費補助の採択基準をより高料金対策に資するよう改正いたしました。つまり、補助をいたしますことによって料金へのいい影響が出るようにとさらに配慮をしたわけでございます。さらに、今年度でございますが、この予算案がお認めいただけました暁には、水資源開発公団がやっております事業につきましてもこういう考え方を導入していきたいということでございます。 それから、水道用水供給事業の関係でございますけれども、これは供給いたします方と受ける方とあるわけでございまして、この間のいろいろな問題があるわけでございます。例えば、受水状況が不均衡であるから実質的に用水料金に大きな格差を生じているというふうな例も見受けられるわけでございまして、こういうところでの用水料金の算定の仕方あるいは料金体系のあり方、こういう問題につきまして、全国の水道事業体の集まりでございます社団法人日本水道協会に既に検討を依頼して今作業をしているところでありまして、その成果などを踏まえましてさらにこの料金の平準化に役立つような施策を展開してまいりたい、このように考えております。
○中林分科員 今六十年度から採択されたものなどるるお話しになったわけですけれども、それまでの間に、低廉化ということで広域水道化ということも厚生省の一つの方針だったと思うのですね。ですから、昭和四十年には水道の広域化が四十九事業体であったものが、現在は建設中のものも含めまして百八十事業体というふうに大きく膨れ上がっているわけです。しかし、水不足の解消ということではこの広域水道化というのは大きな役割を果たしてきているとは思いますけれども、一方安い水ということでは、水源が遠くになっているなど非常に巨額な費用がかかってきているわけです。ですから、この広域水道化というものが実は安上がりにはなっていないのではないかというふうに思うのですけれども、厚生省はどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
○森下政府委員 広域水道は水資源をできるだけ効率的に使うということでありますから、やはりそのためには施設が重複してつくられることのないように、しかもでき上がった後、合理的で経済的な運営ができるようにということで、計画の段階からいろいろと私ども指導いたしましてやっているところでありまして、でき上がって計画の水量まで達すれば御心配のようなことはないわけでありますが、立ち上がり時点で多少計画水量に達しないということでコストが高くなっているという事例も間々あることは事実でございます。
○中林分科員 実は、島根県で広域水道が六十年度から供給開始しているところがあるのです。これは江川用水供給事業で、江津市、大田市、温泉津町、仁摩町の二市二町にまたがる事業でございます。この事業は昭和五十四年に着工して、当初六十五億円の建設費を見積もっていたわけですが、既に一・五倍の九十六億円に膨れ上がっております。このうち、国の補助は三分の一で二十七億円、県の出資金などが八億円、残りの六十億円余りは企業債で、受水団体の負担となっております。江津市ではこの事業によって三十九億円の借金を抱え込むことになっております。しかも、先ほども言いましたけれども、独立採算制のもとですから、この借金はほとんどが水道料金として住民負担にはね返って、江津市の水道料金は、昭和五十八年度、これはまだ広域水道のときではございませんけれども、このとき一立方メートル当たり百十二円四十七銭であったものが、用水供給事業から受水した昭和六十年度には一・四倍の百五十二円になっているわけです。今年度はこれまた四月から値上がりが決まっておりまして、百九十四円、約一・七倍ということになり、さらに六十四年度には三百三十八円になるという推計がされているわけです。ですから、始まってわずか六年間で三倍になるという状況です。 これは江津市だけではございません。大田市でも、昭和六十年には三〇%の値上げ、六十一年には二四%の料金値上げをしております。さらに、六十四年には二四%、六十七年には二二%の値上げが今から計画されております。この大田市では、六十年に一世帯当たり年間二万二百八十円ぐらいだったものが六十七年には約二倍にはね上がる、こういう計算になってくるわけです。 これでは本当に安い水をという目的にもほど遠いものがございます。ですから、こういうところではもっと公費の補助をという声が高まっているわけですけれども、これ以外に高料金をなくす道は今のところないんじゃないかと私は思いますけれども、厚生省として公費負担で高い水を解消していくという姿勢がおありなのかどうか、お聞きしたいと思います。
○森下政府委員 厚生省の国庫補助の制度は施設の整備に対して行っているわけでありますので、お尋ねの江川用水供給事業、それからそれに関連いたします水道につきまして、施設整備以外の助成につきましては、私ども所管の今の制度によっては国費を導入する方法はございません。 しかし、用水供給事業の料金の設定に関しまして、これを低減化することにつきましてはいろいろな方策が考えられるわけでございます。先生がおっしゃるとおり多くの事業が行われておるわけでありますが、そういう供給事業で行われている例も参考にしながら、県あるいは市の方から御要求があれば適切な助言を行ってまいりたいと思います。また、もしあれでありましたら、どんなやり方があるかということも申し上げたいと思います。
○中林分科員 基本的には今の制度では無理だ、あとはやり方の問題で指導していくというお話で、ぜひ指導はしていただきたいと思いますけれども、実は、こういう高い水になっている江津市のある主婦の方から私のもとに何とかしてほしいという手紙が届いております。大臣、ぜひお聞きいただきたいと思うのです。 このたびの島根県江津市に於ける水道料金値上げについて大変困っています。 はじをしのんで申し上げますと、私は三十八才の主婦で親子五人と年老いた両親で七人で暮しています。 二月分の水道料金が九千七百七十円でした。今度の四月の値上げ決定分で計算しますと一万三千円をはるかに超えます。あいつぐ公共料金の値上げで苦しいのに、この度の値上げについては納得しかねます。空気と水は生きるためにどうしても必要ですが、生きるための最低限の権利さえ与えて貰えないでしょうか。 今は冬場で一日おきに風呂もたき、家庭では他の面でも節水しております。植木に水をやることなどとんでもありません。聞いたところによりますと使わない水にまでゼニをつけて払わされていると聞きましたが、これを聞いた時に腹わたがにえきる思いが致します。 年老いた両親(父はねたきり)にせいけつな下着を着せるとか、育ち盛りの子供達に毎日風呂に入らせるとかは、人間が生きるために最低限の望みではないでしょうか。 今、江津では「井戸を掘ったかね」という言葉が流行しています。私のうちには井戸を掘るところさえありません。そんなことよりも、江津市は江の川という大きな川をもちながら、ほうふな水でこんなに苦しめられることがあっても良いものでしょうか。 そのほか、もろもろの訴えがされているわけなんですね。 この手紙の中にもありましたけれども、実はこういう高い水になっているために江津市では井戸掘りとポンプの販売業者が繁盛しているわけなんです。なぜかということはおわかりいただけると思うのですが、つまり高い水道料金の自衛策として、自家用の井戸を十五万から二十万かけて掘って地下水を利用する家庭がふえております。今度のこの広域水道でも大きな期待がかけられておりました大口需要のところ、これは江の川高校という私立の学校ですけれども、ここでは一千万円かけて井戸を掘って雑用水に使っているという状況まで出ております。これだけの費用をかけても値上げ分を考えると三年で元が取れる、こういうふうに言っているわけですね。 江津市の給水人口は二万五千五百人で八千三百世帯なんです。この中で基本料金だけ支払っている世帯が二千五百戸、つまり世帯数の三割が基本料金だけ。この一年間だけでも四百戸が増加しているわけなんですね。莫大な投資をして建設した用水供給事業ですけれども、給水を始めてみたら水道が高過ぎて普及されない、水道の水を使わない、こういう家庭がふえているという実態について、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○森下政府委員 当初の御計画といろいろ計画の実際の差が出てきたということはまことに残念なことです。実は、そのためにつくりました施設が一部使われておらない、使われておらないものを料金、単価の方に計算に入れているというふうなことで高くなっているわけでありますが、先ほど私申しましたように、こういったものは少し工夫して、単価を下げるというふうなことも考えてよろしいのではないかと思っております。 どんなやり方があるかということを申し上げたいと思いますけれども、結局、つくりまして今まだ使われておらない部分についての建設費、これを水道会計上、建設仮勘定というものに据え置きまして、そして需要が発生するまでの間抑えておく。つまり、利用されていない部分にかかわります借入金を料金計算の基礎に入れないでおいて、将来需要が出てきたときにこれを計算に入れるというやり方が一つあると思います。それからもう一つ、まだ使われていない部分についての利子がかかるわけでございます、借金でやっているわけでありますから。この利子分について、これを直ちに払うということでなくて、これを借入金で賄っていくというやり方があると思います。それから、他の県あるいは市で行われておりますけれども、高料金抑制ということで県あるいは市の一般会計から資金の手当てをしていただくというふうなことで、こういう三つのやり方があるわけでございまして、こういうものの組み合わせによって切り抜けていただくということが一つのやり方ではないかというふうに思っております。
○中林分科員 補助ができないということで、そういう使わない水の部分についてこういう方法があるということは、県の方などから要請が上がったときには強く指導もしていただきたいと思うのです。 といいますのは、本当に今、江津市、大田市は使わない水の量をかなり払わされているのです。江津市の場合は実は責任分量といいますか、その分量の今三分の一しか使っておりません。それから大田市の場合は実は二分の一しか使っていないのです。この経緯も、実は江津市の方は一級河川を目の前に抱えている市でございますから、当初は単独で水道事業をやろうかという考えがあったのですけれども、厚生省並びに県の指導で、広域化した方が安くつくよ、こういう指導があったがために広域水道に乗ったといういきさつもあります。その建設を決める途中でも、江津市が独自にコンサルタントに調査を依頼した場合、日量一万二千トン必要でないよと言ったものが、実は県の方では一万七千五百トン必要なんだということで、それでかなりのやりとりがありましたけれども、最終的には県に押し切られた。県の方は一万七千五百トンが必要と見ている。工場も来るじゃないか、いろいろなことで十年将来を見通してこのぐらい要るんだというお話があったわけなんです。しかし、現実はどうかというと、工場が来るどころか、実はあそこには山陽国策パルプという企業があるわけです。かなり大きな企業ですけれども、最近人員整理を行いまして、先般も八十人出向、よその地へ行け、江津市では働くなという会社の方針も出されたところなんです。ですから人口はむしろ減ってきているという現状がございます。 ですから、一つは、こういう遊んでいる水といいますか、責任水量を全部全うしていない分については、特に何らかの指導あるいは制度的な援助をしていただきたいということを私は重ねて要求をいたしますし、特に先ほどおっしゃいました生活環境審議会では、この問題でも、広域化したことに対しての水の量については的確に把握しなければならないという指摘もあるわけです。ですから、十年という非常に長い将来を見通すのではなくして、もう少し短い期間での――投資したものがだめになってはいけませんけれども、その辺の水量の的確な判断というのは検討されてもよいのではないか。これは島根県の例だけではなくして、全国的にそういう問題がありますので、生活環境審議会ではそのことも指摘をしている。これが高い水を生み出す一つの要因になっていると指摘しているわけですから、十年という見通しではなくして、ぜひもう少し短期間の見通しに変えられる用意はないかということが一点です。 それから、安い水に対して、最終的には格差が一・五、当面は二倍ぐらいにしなさい、全国の格差ですね、それが今十何倍にもなっているという大変な時期でございますから、私は検討課題はもっともっとあると思うのです。その中の一つに、少なくとも今、工業用水事業に援助しているぐらいの率はやはり補助を引き上げるべきだと思うのです。この三年間、私も調べてみましたけれども、工業用水事業の建設費に対する国庫補助の割合は五十七年度が二五%、五十八年度が二三%、五十九年度が二二%です。それに対して一般家庭用の水道事業の建設費に対する国庫補助の割合は、五十七年度が一二%、五十八年度が一二%、五十九年度が一三%というふうに、約一〇%ぐらいの開きがあるのです。この審議会でも、そういう格差を是正していくためには国の補助が必要だ、独立採算制という枠もあるし地方が基本的にはやるべきだけれども、今はそういう時期ではなくして国も補助を考えなければいけないということが何度かにわたって指摘をされております。ですから、そういう方向もぜひ今の段階ではお考えになるべきときではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○森下政府委員 まず最初に、計画期間のことについて答申を引用されて申されたわけでございますが、その答申では適正な計画期間というふうなことになっていると思います。これはやはり一つの水道を始めますのに十年というスパンは最小限必要だと思います。水源を開発いたしましても、それに着工するまでにも相当時間がかかりますから、そういうことで今まで約二十年ぐらいのスパンで物を考えておりました。そういうことで過去の事例でいろいろ問題がなかったわけでもありませんので、これはひとつ十年というスパンで考えるようにしようというのが御答申であります。短くしたということでございます。 それから、料金格差のことで先生十何倍というふうな数字を仰せられましたけれども、一番高いところと一番安いところを比較すれば確かに十四、五倍あることは私ども承知しておりますが、審議会の御答申では平均の値と最高の間の格差を一・五倍、当面二倍ということでございまして、ちなみに数字を申し上げますと、五十六年四月当時にはこの平均と最高の比が三・八倍ございました。六十年四月のデータでございますとこれが三・二倍というふうに若干縮まっております。そういうことで、私どもも新しくつくります水道につきましてさらに精緻な計画を立てるように、さらにまた先ほど申しました料金の均てん化に役立つような形での補助を強めてまいる、このように考えておる次第でございます。 それから、工業用水に対しまして水道の国の持ち分が少ないではないかというふうなお話もございます。水道は確かに相当の設備投資をしておりますが、その中で古くなりました管路の更新というものもございまして、こういうものを入れまして必ずしも工業用水より薄いとか厚いとか――私どもの考えておりますこの水源整備というものに着目いたしますと、水源開発の負担の関係につきましては二分の一という補助をしておりますし、それから広域水道につきましては三分の一ということでございますので、かなり努力してはおるつもりでございますが、仰せのとおり、さらにこれからの方向といたしまして、出しました国の補助が料金の低廉化に効き目が出るような運用をしてまいりたい、このように考えております。
○中林分科員 ぜひ大臣にも、安い水のための補助の方向を御検討いただきたいということを再度強く要望しておきます。 自治省にお伺いしますけれども、自治省の方では高料金対策というものを三つの基準を設けて行っておられるわけですけれども、実はこれにも地方自治体の方からは大変要求が出ているわけなんです。 それは、この三つの基準で毎年見直しを行っていて、一年目は高料金対策が受けられても、次は見直しをされて家庭料金の基準がクリアされていないのでそれから外される、また二、三年して、料金を上げなければやっていけませんので、上げたときにまた高料金対策にかかるというようなことで、値上げをしないと高料金対策は受けられないというようなことで、国の基準を三年ぐらいぜひ据え置いてほしいということと、その見直しの幅をなるべく低く抑えてほしいという要望がついております。 島根県の松江市の例ですけれども、これまでも高料金対策を受けて非常に高い水を飲んでいるところなんですけれども、ここの請願書、これは議会挙げての請願書なんですけれども、それを見ましても、「かかる現状の打開は、一地方公共団体の行財政力のみをもってはもはや不可能である。」こういう切実な訴えがされておりますので、その点をぜひ強く要望しておきたいと思いますし、お考えも承りたいと思いますし、また、先ほど厚生省もお話になりましたけれども未供給水の問題、これについて何らかの対策が自治省にもおありならばお話を伺いたいと思います。
○渡辺説明員 お答えいたします。 一点でございますが、高料金基準を三年ぐらい据え置いたらどうかというお話でございますが、この施策といたしまして、家庭料金の水準を決めますのに全国平均を相当程度上回るものに対して行おうという考えの上に立っておるわけでございます。したがいまして、その指標といたしまして、毎年度、全国的な水道事業の決算、これを使っておるわけでございます。相対的なものでございますので……(中林分科員「わかります、もう時間がありませんので答えはなるべく簡単にお願いします」と呼ぶ)でございますので、毎年度結局それを置きかえるということで、移動するのはやむを得ないじゃないかという考えでございます。 それから、特対債の話でございますが、これは水道事業を供用開始いたしますと、立ち上がりのところはどうしても施設の利用率が低うございます。逆に言いますと料金も入ってこないということもございますので、健全経営という意味で、料金を平準化しようという意味で行われている制度でございます。したがいまして、これも今後続けてまいりたい、こう考えております。
○中林分科員 続きまして、人工透析の問題で、もう残り時間わずかですので、まとめてお聞きしたいと思うわけです。 実は透析患者、先ほどもお話があっておりましたけれども、毎年六、七千人ずつ増加して、現在、全国で六万人を超える患者の方々がありまして、本当に患者の方々にとっては一生続けなければならないということで、それぞれの要望というのは待ったなしの状況せっぱ詰まったものがあるというふうに思うのです。特に、島根県の中で石見部と出雲部という二つの地域があるのですが、非常に偏在しておりまして、出雲部の方は比較的透析の設備が整っているわけなんですが、石見部、過疎のところなんですけれども、ここでは非常に透析台数も少のうございます。地域的に分けますと、出雲部の方が百三十五台に対して石見部が四十六台で、三分の一になっているわけなんですね。ですから、ここでは患者が今あきを待っているという状況もありますし、透析をどうしても受けないといけない人は転居をしたり、あるいは別居したりしながら出雲の方で行っているという状況もあるわけです。 そこで、石見部の方には幸いなことに国立病院が二つあります。大田国立病院と浜田国立病院というのがあるのですが、浜田国立病院の方には既に透析の設備がございます。ただ、ここでは患者数に対して非常に台数が少ないということで、昨年、非常に大きな問題があったのですね。それは、病院側としては何とか患者を救いたいという善意のあらわれなんですけれども、透析時間が非常に短こうございまして、二時間で新規のものはやるということで、実は、不均衡症候群というかゆみだとか体にいろいろな異常を来したということで地元でも大問題になったことがあって、それ以来病院側も改善をされました。台数も一台ふえて、私は厚生省のそういう改善策に対して敬意を表したいと思いますけれども、なおかつ石見部では患者の数に対しては透析台数が大変少ない。また、患者の方々は透析を続ければ社会復帰ができるのですけれども、そのためには夜間透析というものがなければいけないのですが、益田市というところの開業医が一院だけ夜間透析を若干やっているだけという状況で、社会復帰がまず閉ざされている地域なわけなんです。ですから、ぜひこの浜田国立病院に、透析台数も今病院側から十台にしてほしいという要望も出ておりますし、ぜひ夜間透析を今後の検討課題にしていただきたいと思うわけですけれども、その点いかがでしょうか。
○仲村政府委員 ただいま御指摘のように、浜田国立病院では十七人の患者さんが七台の透析器械を使ってやっております。ただ、まことに残念でございますが、国立病院は御承知のように医療スタッフがほかの設置主体の病院に比べて非常に手薄だということもございますので、今、医師二人、看護婦三人、そのうち非常勤の看護婦さん二人ということでやっておりますので、とても現在の状況では夜間透析まで手が回らないというのが実情でございます。 国立病院・療養所につきましては、全体的に再編成計画を進めたいと私どもは考えておるところでございまして、その再編成計画が進む段階で、今おっしゃったようなことに対応できるかどうかも含めて検討せざるを得ない状況だと考えております。
○中林分科員 時間が過ぎましたので、終わりますけれども、国立病院が今大変な状況、いわば移譲だとか統廃合だとかそういう段階に来ているのは承知しておりますけれども、あくまでも国立でございますし、特にそういう透析患者の方々は待ったなしの状況でございますので、社会復帰をと願われる方々の御要望にこたえられてぜひ検討の中に夜間透析を含めていただくよう強く要望しておきます。 どうもありがとうございました。
○野上主査代理 これにて中林佳子君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○林(義)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生省所管について質疑を続行いたします。浜西鉄雄君。
○浜西分科員 厚生省に対して大体三つぐらいの質問を準備しておりますので、時間の配分がありますので、できるだけ端的にお答え願いたいと思うのです。 まず最初は、昨年もその前もそれぞれ分科会で私がずっと一貫をして厚生省に対して、むしろ実施を目指して私なりの論戦を展開してきたいわゆる延命治療を無差別にやることは果たしていいのかどうかということ、最近では尊厳死協会というものがあって、先に冒頭にちょっと紹介しておきますが、私は自分自信がまず尊厳死協会に加入をいたしまして、いざとなった場合に最後の生存権、つまり自分の死に方についてもきちっと安心をしておきたいという意味から加入しておるわけですが、そこでこれをいろいろ検討してまいりますと、やはり我が国の末期医療、つまりもう助からないがんだとか大変な交通事故、脳死の状態、植物人間、いろいろな状態が想定されるわけですが、これを医療の進歩によって大変長らえることができる。つまり、もうだめだと認定しておるにもかかわらず、現在の法律の中では医療機関、お医者さんは何とかこれの延命治療に努力せねばならない、それを怠った場合には逆に殺人になる、こういうこともあって、諸外国、特にアメリカでは、前回、昨年の三月七日ですか、この中でも私は数字を挙げて質問もし、厚生省も答えられておるわけですけれども、この種の関係については進んでおらないというのが実態だと思うのです。 そこで、ちょっと前置きが長くなりますけれども、これは新聞の切り抜きですが、片方は中国新聞、片方は朝日新聞なんですが、大体似たような思想で書いてありますけれども、東北大学教授の天羽敬祐さんが「論壇」に自分の考え方を載せております。これを見ると、医者とすれば「救命不能と分かっていても、人工呼吸器のスイッチを切る権利はだれにもない。」ということでいろいろやっておるけれども、正直に言って「ときにはそうした治療にむなしさを感じる。」こう書いてある。「絶望的な重症患者が限られたベッドを占めているために、」結局さらに緊急を要する患者が運び込まれても、直ちに入院させ、治療させることができない状態だって起こってくる、こう書いてあるんですね。 それから、「倫理的にも問題がある。気管内チューブで人工呼吸が行われ、何本もの点滴が体に刺されても、死に瀕した患者の多くは〃もうたくさんだ、止めてくれ〃という意思表示ができない。」既にそういう状態になっておる。結局「人間には、自分の死に方を選ぶ権利がある。」これは間違いなくもうだめだと判断した場合についての、そういう状態のときにどうするかというのが我が国には法的に何もない。この問題について、私はもう論議をしたり質問しておる段階ではないと思うのです。 長寿化社会に到達をしておると思いますし、お年寄りがふえているのは結構な話でありますが、年をとればだんだん機能が衰えて、自分自身がいわゆるぼけになったり植物人間になったりといった場合を想定して、選択の自由の中で、私は生存権の最後であるこういう死に方をしたいということを自分自身の最後の権利として主張しても、それが実行できない、それが約束されない、そして死んでいくということについて大きく疑問を持っておるので、この問題はむしろもうずばり担当者というよりか、厚生大臣にはその辺は十分わかっていただけておると思いますので、この問題については今後もちろん法務省といろいろ連携をとりながら法律をつくっていく作業が残ると思いますが、その前に私が一つ聞きたいことは、尊厳死協会をひとつ社団法人ということでまず認可をしてもらって、そしてそのことに集中的に取り組めるように社会的に認知をさせて、そしてその問題を広く国民のコンセンサスを得る突破口としてまずこれを社団法人として認定する、許可をするということについて前向きに検討してもらっておると思うが、そのことについての厚生大臣としての考え方を聞きたいと思います。
○今井国務大臣 人の死の問題につきましては、先生のおっしゃいますように、今いろんな考え方があると思います。すなわち、あくまで最後まで延命のために努力を続けるべきだとする意見と、回復の見込みがない場合には尊厳死を認めるべきだとする意見の両論がありますところでありまして、これは言ってみれば国民の死生観と深くかかわりのある問題だと考えております。したがって、尊厳死協会を公益法人として認可するということは、こういった議論に対しまして行政が一定の判断を下したということになるわけでございまして、現在の時点では私は適当ではないのではないかというふうに考えております。
○浜西分科員 少し受け取り方の違いがあったらいけませんから言っておきますが、私自身が尊厳死協会に入っておるわけですが、それはあくまで私という個人が選択する自由の中でそのことを決めることであって、そういう意思のない者までも尊厳死ということへ引きずり込むということは全くないわけであります。したがって、本当に自分がそういう状態になったときには、がんでもう助からないというときには、あんな苦しい死に方は嫌だ、かくかくの状態になったときには楽に、快い死に方をさせてくれということを言う権利、そのことを認めてくれということであって、それらに対して全く興味を持たないし、あるいは最後までそういう延命治療を続けてもらいたいという人はその道を選べばいいことであって、その点がきちっと整理をされればそういった意味での御心配は無用かと思いますが、その点誤解があったらいけませんが、そういう受け取り方の上で今の回答なのかをちょっと聞かせてください。
○今井国務大臣 私は先生がその協会員であるということであって御答弁をしておるわけではございません。とにかく国民の中に二つの考え方があって、その考え方というのは死生観と深くかかわりのある問題でありまして、そういった議論に対しまして行政が一定の判断をどちらかに下すということは現在の時点では適当ではない、私はそのように考えるからでございます。
○浜西分科員 ここで論争しても大臣として明確な答えができないような立場にあるように見受けられるからこれ以上追及しませんけれども、世の中は既にそこまで私は来ておると思うのです。これを厳粛に受けとめてもらいたいと思うのです。 先般も東京でホスピス会がつくられたわけですね。死を支えるホスピス会、これは仮称ですが、これには医者、看護婦、宗教者、それに患者、家族、こういう人たちがターミナルケア、つまり終末看護ということで本当に話し合って、今私が言う安らかなる死への終着看護を考えようではないかということで、そういう一つの動きも始まっている。これは新聞の切り抜きであります。今さっき言ったのも朝日新聞の「論壇」であります。これだけではない、やはり看病に疲れて、もう助かりっこない人をそのままずっと看護する人の年齢もだんだん年をとっていくし、結局思い余って殺人という罪を犯すというようなことだって起こるわけでありますから、そういうことのないように、その人がまだ正常であるときにそのことを自分の権利として確保しておく、安心をして最後の人生を楽しく過ごすことができる、そのためにはまずこのことを確立する以外に私はないと思うのです。 悲惨な死に方をだれしも望んでおらぬと思うけれども、結果として判断力がなくなり、手足が不自由になり、目が見えなくなり耳が不自由になったときに自分の意思が表現できないという問題があるのですから、今後もこの問題について私はもっと関係者の知恵も集めまして厚生省に対して物を言うつもりでおりますが、どうかひとつ厚生大臣もこの問題について真剣に取り組んでもらいたいと思うのです。 さて、時間の関係ではしょりますが、冒頭言いましたように長寿化社会ですから、お年寄りがいたずらにゲートボールをやってあなたたちはどこか適当なところで余生を過ごせというのではなくして、これからの長寿化社会というものは、年金その他国家としていろいろ福祉を尽くすわけでありますから、お年寄りも社会へある程度貢献する。元気な人、知恵のある人、そういう人がそれぞれの分野を生かして地域社会の中にお年寄りとしての経験や知恵を発揮できるような施設、うば捨て山的でなくしてむしろ地域社会の中の身近なところに、お年寄りと次の世代を担う若い者との交流の場所を含めそういうものがこれからの二十一世紀に向けての社会づくりということで必要だと思いますが、厚生省が今取り組んでおる介護人の問題など含めて、長寿化社会を展望してどの程度プランを持っておるのか、簡単でいいですから羅列的に挙げてもらいたいと思います。
○小島政府委員 御指摘のとおり、もう現在人生八十年型社会というような状況になってきております。こうなりますと、高齢者の方、お年寄りも社会の構成の不可欠の一員という形で、労働、住宅も含めまして社会全体の仕組みをもう一回それに合う形に再構築していくということが重要であろうかと思っております。特に厚生省といたしまして福祉を考えます場合には、高齢者の方も地域社会の一員として、先生御指摘のように、そこで役割を果たしながら生活できるという環境整備をしていかなければならぬと考えております。 したがいまして、老人福祉につきましても従来の施設収容型ということを緊急の問題として最重視してまいっておりますが、今後は重点を在宅福祉対策というようなことにいたしまして、できるだけ家庭あるいは住みなれた地域社会で、いろいろな活動に参加しながらそこで目的意識を持って生活できるという体系に組み込んでいきたいということで、福祉、保健衛生も含めまして今全般的に施策の再検討をしておるところでございます。
○浜西分科員 大変結構な方向であると思います。 そこで、それに関連をして介護人問題を少し私は論議しておかないといけない、これから重要な問題になってくると思うのですが、数がふえればふえるほどそういう問題が起こってくる。つまり、お年寄りだけではなくして心身不自由な方、障害の人ですね。それから急遽交通事故に遭ったとか、とにかく自力ではなかなか生活の中で体を動かすことができないような人。あるいは若夫婦がどこか旅行に出かけなければいけない、親戚に何かがあった、しかし寝たきり老人を置いては行かれない。こういう場合に派遣される介護人制度と、それからその地域の近いところにいつでもお迎えに来てくれて、二日間なら二日間ほど預かってもらえるとか、そういう非常に身近なところで介護人が活躍できる、派遣をする、あるいは引き取ってそこで介護するというふうな制度について、まず私は介護人というものが新しい職種として、国家試験まで受けさせることは、そこまで飛躍しなくてもいいと思いますが、一定の訓練を受けた人が登録されて、地域にそういう人たちが予備軍も含めて配置されておる、そういうニーズにこたえていつでも稼働できるという体制をつくるためにも、一つの公的な名前も決めなければいけないと思うのです。 介護士あるいは介護人、補助看護とか補助士とかたくさんありますが、それはやはり国として統一して、これからの長寿化社会についての介護人というのか介護士というのか名前も統一し、そして資格、権限、ある程度社会的な一つの認知というか、そういうことも考えられなくてはならぬと思います。その介護人について将来展望ありますか。
○小島政府委員 先生前々介護人の職務の確立というようなことで御指摘いただいておるわけでございます。 諸外国の例を見ますと、やはり介護士と申しますか制度を確立しておるところもあるようでございます。我が国の場合は、現在のところ研修によって資質の向上を図るというところに最大の力点を置いております。この資格制度をつくります場合には、どうしても経験だけではなくて養成ということも密接不可分なものになろうと思いますので、今後の期待される役割、社会全体の中でどういう位置づけをするかということも含めまして、諸外国の例も参考としながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○浜西分科員 ひとつそういう方向で介護人の問題につきましては力を入れてもらいたいと思います。 時間の配分が大変あれですが、恐らくほかの委員の方も取り扱われたと思いますが、今国立病院の問題で、全国的だろうと思いますが、地域医療の後退ではないかということで大きく不満の声が起こっておるし、私のところにもそれぞれの関係から陳情が参りました。 そこで、せっかくの予算委員会分科会ですから、この問題について、私は地元の問題として例を挙げながら質問した方がいいと思って少し資料を持ってまいりました。 例えば公共のベッド数は、今までの基準でいつでも、現在ある下関市内の場合はどうも数が足らない。調べますとこうなっているのですが、例えば厚生省の基準というかこの数でいきますと、人口一万人当たり七十ベッドですね。下関の人口はこの前の国勢調査で二十六万九千百六十四名。したがって基準でいきますと千八百八十四なければならない。現在でも下関市内、国立病院、市立病院、済生会、厚生病院、これらのベッド全部集めても千四百八十一、つまり四百三足らない。それが今度廃止になってどこか第三の地点に持っていかれる。これは大変なことだと思うのです。 その第三の地点というのはどこかわかりませんから、これもちょっと聞きたいわけでありますけれども、下関の例でいきますと、一番繁華街にある下関とずっと郡部にあります豊浦というところなんですが、こことが統合されるという計画案に今なっておるわけですが、いずれにしたってかなり離れたところへ行かなければならぬ。それは患者たちには大変なことであります。患者というものはやはり自分自身に似合うお医者さんを選ぶというか、あるいは手なれたところ、行きつけのところに行くというか不思議な習性があるわけですが、そういうことも含めて、現在入っておる患者の人から見れば大変なことだと思うのです。 繰り返すようですけれども、現在でもベッド数が足らない。にもかかわらず、それが廃止になってはるばる離れたところへ通院しなくてはならない。あるいはそこへ入院しなければならぬということが起こるわけですが、これは地域医療というものを一体どう考えておるのか、まずその辺の基本的な考え方から聞いておきたいと思うのです。まずそこから……。
○木戸政府委員 国立病院の再編と地域医療の関係でございます。国立病院の再編には二つの面があるわけでございまして、一つは行政改革、一つは医療法が改正されましたことによります医療計画の中での位置づけと、二つあるわけでございます。 いわゆる地域医療でございますが、医療というものは、必要な医療がどこでもだれでも受けられるという体制になければならないわけでございます。しかし、この医療というものをどの医療機関が分担するのかという問題が医療供給体制の問題であるわけでございまして、私立と公立、公立の中でも市立あるいは市立にかわる日赤、済生会、厚生連等の公的医療機関、あるいは県立病院、それと国立、こういった公的機関の中がどういう役割を果たすか、こういう問題があるわけでございます。 私は、当然のことながら、下関市に病床が不足をしているということであるならば、それについては今度の医療法でも、国及び地方公共団体は病床不足の解消に努めなければならない、こういうふうになっておるわけでございますので、当然努める義務があるわけであります。 しかし、それでは一体、国立病院と地域医療との関係でございます。端的に申しますと、国立病院は今後におきましては他の医療機関の頼りになるような高度の医療あるいは専門の医療、こういうものをやっていく。つまり、いわば量から質への転換というふうに考えているわけであります。しかし、実際問題としまして、現在まだ現にその地域において地域の医療をやっているという場合には、当然そこに経過的、暫定的な措置というものが講じられなければならない、こういうことになるわけであります。 具体的に下関市の場合でございますが、先生がおっしゃられましたように、下関市全体としては病床不足ということがあるかもしれませんが、例えば現在の医療法によります必要病床数ということになりますと、保健所単位で見ますると、下関病院の属します地域におきましては病床は足りている、こういうことでございますが、いずれにいたしましても、国立医療機関がそこから撤退をする、その場所からなくなるという場合には、当然その場所におきます医療が不足をしているならどうするかという問題は、地域の重要な問題でございます。したがいまして、たとえそこから撤退するという場合にも、その時期、それから後はどういう医療機関がそこで現在の病院を利活用してやるかという問題等も十分考えてこの問題に対処しなければならない。具体的には下関、山口の統合につきましても今後県とよく相談をいたしまして、実施時期あるいは統合の場所等については十分相談をしてやってまいりたいと考えておるわけでございます。
○浜西分科員 今後検討したり相談したりするような若干のそういう気持ちがあるようで、その辺に期待はかけますが、しかし、今言われたような公立、こういった公共の病院というものが果たす役割は、ただ単に患者を診る、収容するということだけにとどまらず、やはり地域の専門的な医療の先駆的な役割というか、そういう研究的な役割も、つまり中核としての役割がまずある。したがって、それは僻地への医師の派遣だとか、意見交流するだとか、リハビリテーションのやり方だとか、看護婦の養成、それから卒業したばかりの医者をそこで一定の訓練をするとか、そういう役割もあるわけですから、そういった意味でこの公立の病院というものは重要な役割を果たしておる。 山口県の場合で言いますと、山口県知事は、この問題については絶対に合理化はまかりならぬ、統廃合だめだということで、いち早くその意思表明をしておるわけですが、これは山口、下関だけじゃありません。山口の中心部の湯田温泉というところがありますが、これはリハビリを中心とした特殊な、お年寄りがあるいは体の筋をたがえた人、骨が折れた人、いろいろな人が長期間かけてその温泉につかって、医療と温泉療法とを合わせて長期のリハビリを続けておるわけですが、これらがなくなるということになりますと、そういう特別な治療法を必要とするような、継続リハビリを必要とする人たちの行く先がなくなるわけです。 こういったことも含めて、そういう特殊事情がある場合に、それなりの事情を勘案する気持ちがあるのかどうか、まずそれを聞いておきたいと思います。
○木戸政府委員 今申し上げたわけでございますが、厚生省では昨年、再編成の基本指針というものを出しているわけでございますが、その中で実施に当たっての注意ということがございまして、患者の後医療の確保については地元と十分協議しつつその確保を図るというふうにうたっているわけでございます。その辺は現実、具体的な事案に即しまして地元と十分協議をして、実施時期等については慎重を期してまいりたいと思っております。
○浜西分科員 時間がありませんから最後に聞くわけですが、仮定をいたしまして第三の地点に設けるということになりますと、そこでまず土地を確保しなければいけぬ。そして新たにそこに施設を建設をするということになるわけですが、第三の地点というのは、ある意味では内需拡大、何かそういうふうに関連をして新たにつくるという意味合いがあるのか。その第三地点の意味というか、そういう必要性というか。 現在、例えば下関の場合は、第三地点というものは地理的に見ておよそどの辺の位置を考えているのか、これは参考のために聞いておきたいのです。
○木戸政府委員 先生御指摘のように、金との関係があるわけでございますが、統合後の施設の設置場所については、基本的にはできるだけ当該対象施設のいずれかの地で考えたいと考えておりますが、実際問題といたしまして、やはり地域医療の中で、その地域医療の中でも特に三次の高度専門の広域医療ということになりますと、いずれの施設の敷地も狭隘であるというような場合、それから交通の優等立地条件が不適当である場合には、他の適当な地への設置も検討する必要があると考えております。 山口、下関がどこに行くか、こういうことでございます。今、県も、できるならば存続をしてほしいということで、公式な態度というものはなかなか出ておりませんが、私ども県といろいろ意見を交換しておりますと、やはり下関市内には比較的高度の医療機関がそろっている、むしろ下関より山陰線寄りの方が非常に弱いのだ、そちらの方を重点的に、まあ国立でございますから、それは全県下あるいは県の西部ということがあるのかもしれませんが、やはり山陰線寄りが弱いから、そちらの方の医療をやってほしいというような意向も受け取られるように感じるわけであります。いずれにいたしましても、統合後の設置場所につきましては、県、市町村と、地元の関係者と十分協議をして決めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○浜西分科員 時間が参りましたので、質問は終わりますが、老人医療の問題に対しても私どもは医療の後退した姿勢に対して強く不満を持っておるところでありますし、こういった地域医療がさらに後退する、結果として後退する。幾ら新しい機械を入れるといったって、不便なところへ、二カ所あったものが一カ所になるということは、どちらかから見れば不便になることは間違いないわけでありますから、したがって、医療全体から見ても、国民から見れば大変不満の声が強い。そういう中でこのことを強行実施しなければならない理由は私はどこにもないと考えるわけでありますから、この問題について、絶対にそういう統廃合を行わないように、現在の治療が安心をして続けられるように結論を出すことを希望いたしまして、私の質問を終わります。
○林(義)主査代理 これにて浜西鉄雄君の質疑は終了いたしました。 次に、富塚三夫君。
○富塚分科員 大変お世話になります。私は主としてがん対策の問題についてお尋ねをいたして、政府に要請をしたいという観点から質問をしてみたいというふうに思います。 がんという二つの文字、これに対する国民の恐怖といいますか、私も国会議員になってみましてこのところ選挙区を回りましても、がんで亡くなる方が実は半数以上いるのですね。私を支持してくれる後援会のリーダーの人も、山崎さんという方が過日脊髄のがんで亡くなった。私が前の日にお見舞いに行ったときは、頭はしっかりしておって、やせておりましたけれどもしゃべることもしっかりしている。選挙を一生懸命やるからひとつ頑張ってくれ、こう言って見舞いに行って帰った翌日の朝に実は亡くなってしまった。 また、私も長く労働運動の指導者をしておりまして、私の最も信頼をする友達も実は最近亡くなった。市原君という男なんですが、彼は人一倍健康に気を使って、それこそ政府や厚生省が提起しているがん予防の健康法というものを実は忠実に守ってやってきた。たばこも吸わない、そして運動に夢中になって酒も余りやらない。八重洲口にあるアスレチッククラブに入って、そして宮城前を必ず一日置きに一周して駆け足をしているのですね。その彼が、私も年末に会ったときに、しばらくぶりで一杯やろうや、非常に元気で顔のつやもいいわけですね。物すごく運動しているし、健康でつやがいい。まさかこの男ががんになるとは私も思ってなかったのですが、その彼が、元日に宮城前を初走りというのでしょうか、まず一周したというのですね。正月の三日にもゴルフに行った。ところが、五日ごろから背中が痛くなって非常に眠れない。運動のし過ぎだと本人は思ってお医者さんに行って診断を受けたら肝臓がんの疑いがあるということで一月十三日に入院、大森の病院に入ったのですが、二月十八日の日に死んでしまったわけです。その顔は黄疸みたいな顔で真っ黄色ですが余りやせてない、しっかりして、眠ったときのような表情でほとんど体つきは変わってないのです。 私も家族に何と言っていいか言葉もなかったのですけれども、実は私は改めてがんの恐怖というものを知って、政治家としてこの問題を真剣に取り上げなければならないというふうに痛切に感じたものですから、大変申しわけありませんが、ひとつ大臣の方にいろいろ問題点を今から質問をさしていただきたいというふうに思うのです。 国民一般の皆さん方の受けとめ方、例えばSDIみたいに宇宙戦略防衛構想ができているとか、あるいは核兵器も新たな開発がどんどん進められている。世界の年間の軍事費も三百億ドルなどと言われて日本も三兆円余使われている。そして、近代医学がどんどんと発達して薬屋さんに行けばたくさんの薬が並んでいる。なぜがんだけが、がんにかかったらだめなのか、死ぬということにならなければならないのか。これだけ近代的な科学が発達して医療の制度も発達しているのになぜがんだけがかかった瞬間から命を落とすということに観念しなければならないのかという点で、私はやはり真剣に政治の舞台で取り上げるべきだと思っているのですが、既に政府も、中曽根さんも、積極的に前向きに対がん対策を十カ年の総合戦略として決められている。五十八年の二月ですか、総合的な重点的対策としてがん対策関係閣僚会議、国内のがん専門家から成る十人のがん対策専門家会議などもできて、初年度予算の要求は何か五十二億で、十年間で財界などからの協力を得て八十億くらい集めたい、こういって積極的にがん対策を進めている姿勢は評価していいと思うのですけれども、しかし、どうも内実を見るとテンポが遅くて、そういう機構なり研究の枠組みはできてもちょっと進め方に問題があるんじゃないか、もっとうまくできないのかという感じを私は持つのですが、まず第一に、がんを研究されている政府の現状、そういう問題についてお聞かせをいただきたいと思います。
○仲村政府委員 お尋ねのがんでございますけれども、日本で今、一年間に七十三、四万人亡くなるうち、がんで亡くなる方が十八万八千人、四人に一人ががんで亡くなります。したがって、非常に大きな問題であることは間違いございませんし、先生御指摘のように厚生省もがんについては真剣に取り組んできておりますが、何分にも学問的にもまだまだ解明されてない面がたくさんございます。 今お尋ねの対がん十カ年総合戦略でございますけれども、総理の御提唱もございましたけれども、五十九年度から十カ年くらいかけて発がん機構の解明を中心とした研究を進める、それからやはりマンパワーの育成が非常に重要でございますから、若手の研究者の育成、研修に努める、それからまた、これは単に我が国だけではなくて世界じゅうの問題でもございますので、国際協力、国際的に共同研究もしていろいろの知見を交流するなり相互に活用し合うということで、総合戦略という形で取り上げて進めさせていただいているわけでございます。 その成果といっても、こういう難題でございますので直ちに出にくい部分もございますけれども、例えば最近特に言われております発がん遺伝子、オンコジンと言っておりますが、これの新しい形のオンコジンを発見したことでございますとか、幾つかの成果もだんだん出つつあると私ども考えておるところでございます。
○富塚分科員 非常に難しいということはよくわかるのですけれども、十年計画のテンポをもっと早めることができないのは、見直すことができないのかということの観点でひとつ考えてもらいたいと思うのです。 厚生省からいろいろな関係資料をいただきまして、改めていろいろ見て勉強させていただきましたけれども、昨年の十一月ですか、東京で第四十四回の日本癌学会総会が開かれたという記事を拝見をいたしました。最近は脳卒中とか心臓病を抜きましてがんが第一位の死亡率になったということも明らかにされていますが、その報告の中でも、死亡の原因の第一位になったこのがんの正体も依然として霧の中である。とはいっても、今も言われましたように一歩ずつ研究が着実に進んでいるということも理解していいと思うのですが、しかし、その報告を見ると、発がん機構の解明など基礎研究が活発な反面、がんの化学治療の研究が非常に低調なんじゃないか、こう言われているわけですね。ここ一、二年、日本の目新しい報告も出されていないと言われているわけです。 日米のこの研究比較でも、アメリカのがん学会は化学療法の分野にウエートをかけている、日本の場合はがん細胞の性質や増殖、それから転移などの仕組み、これを知るべく生物分野の研究が非常に多い。ハイテクなどとは対照的だ、こう言われているのですが、基礎的研究とともに化学療法の研究も積極的に進めるべきではないかというふうに思うのですが、そういう点ではいかがなものでしょうか。
○仲村政府委員 先ほどちょっと言葉が足りなかったかもしれませんが、この対がん十カ年総合戦略というものにつきましては、先ほど申し上げたような発がん機構の解明を中心とした研究、若手研究者の育成活用、あるいは日米を中心といたしました国際共同研究、この三つの柱が立っておりまして、おっしゃるように発がん機構はどちらかといえば基礎的な研究ということでございますが、厚生省の予算にはほかにがん研究費というのを持っておりまして、これは築地のがんセンターを中心に配分を決めたり研究班を組織したりしておる研究費でございまして、こちらでもがんのいろいろな研究を多角的にやっていただいております。 先生今お尋ねの対がん十カ年総合戦略の中でも、一部、金額はもし御必要でしたら後で申し上げますが、発がん遺伝子の関係あるいはウイルスによる人の発がんの関係、それから、発がんを促進したり抑制したりする研究とかいうものに並びまして、新しい理論による治療法の開発に関する研究というのもやっていることはやっておりますが、一方におきまして、今申し上げましたがん研究費あるいは小児がんの関係もございますし、そういう形での従前からやっております臨床研究と申しますか、そういう分野も一応持っていることは持っているわけでございます。
○富塚分科員 政府の予算、六十一年度は厚生省が三百二十五億と伺いました。概算要求では四百六十三億とか言われていたのですが、いろいろお金を出してやろうという姿勢は伺えるのですけれども……。ある新聞に国立がんセンターの研究所長の高山さんがインタビューされている記事を私は読ましてもらって、十年後にがんは確実に減らせるという中で、ずっと読んでいくと、やはり最後に若手の研究家をもっと育ててやらなければだめだというところに新聞記者の印象と、本人もそのことを言われている。前段のインタビューはお医者さんらしくインタビューされているように思うのですが、結論はそういうところに来ていると思うのです。 私は、厚生省のがん対策の十カ年戦略の問題もいろいろ見せていただきました。先ほど申し上げましたように、がん対策の関係閣僚会議とか専門家会議とかあるわけですね。いわゆる上部構造はそれなりの枠組みはできておっても、下部構造の分野が非常にテンポが遅い取り組みに問題があるのではないかというふうに率直に感ずるのです。だから、若手の研究心旺盛なお医者さんをどんどんと登用して、お金を出して研究をさせるようなことを考えていただかないと、官僚の皆さんに怒られるけれども、官僚主義的ないわば上部構造の分野で閣僚の皆さんが集まって一生懸命やろう、これは決意表明ですよね。専門家会議の、つまりベテランのお医者さんだけが集まっても、本当に研究心が熱心なのかどうか、これは怒られますけれども、研究心はあるのでしょうけれども、やはり若い方々を積極的に登用をするというか、若いお医者さんをどんどんその研究の場に使っていくというみたいな、いわば研究の実務者、この場合に戦略構想の位置づけで言うなら下部構造の分野でしょう。そういう点の見直しについて考えていただいたらどうかと思うのですが、どうでしょうか。
○仲村政府委員 まさに御指摘のとおりだと私どもは思っております。 先ほどちょっとお答えいたしましたけれども、優秀な研究者がいなくては研究の進展というのは望めないわけであります。私ども学生時代に習った知識は全然今の医学研究に役に立たないわけでございますので、うんと若い人が研究専門にやっていただければ非常にいいわけでございまして、そういう点で日本の大学あるいはそれに関連いたします病院の身分制度の関係というのが非常にクローズドといいますか、徒弟制度的なところがまだ残っている部分もございますし、若い研究者が自由な発想で研究のアイデアを実現するということについて必ずしも今までは十分でなかった面があろうかと思います。それに着目しただけではございませんけれども、私どもも、大学院を卒業して間もない優秀な研究者をリサーチレジデントという形で採用するような形にいたしまして、国立がんセンターその他優秀なる機関にそういう方たちに行っていただいて、その若い柔軟な発想あるいは旺盛な知力、体力で研究を進めていただくというふうなことの制度も始めたところでございまして、六十年度までにただいまのところ三十二名の若い方、あちらこちらで、医学だけではございません、理学とか薬学の方もおられますが、がんセンターとか予防衛生研究所とか、いろいろなところで研究していただくようなことも考えております。 おっしゃるように、若手の研究者のマンパワーの開発と申しますか、維持、確保、拡充というのは非常に重要なことだと考えております。
○富塚分科員 がんの学会でもそうでしょうが、あるいは政府の専門家会議もそうでしょうけれども、やはり同じ枠組みができて問題の研究分野をやって報告をしてまとめてという、何か一般論的な研究、対応みたいなことにどうしてもなる、政府は十カ年計画を持つといっても。この種の問題はおのずと組織の規範とかルールとかというのはあることはわかりますけれども、もっとそういう分野で政府が指導するということができないのかどうかというふうに実は私は思うのですよ。そういう観点で若いリーダーたちがたくさん要るのじゃないか。 私は、かつて総評事務局長時代に晴海の埠頭に行ってロボット問題を新聞記者の皆さんと見せてもらったことがあるのですが、あのときのロボットのノーハウというのも十八から二十三蔵くらいまでの若者のノーハウが一番有効に使える。二十五、六を過ぎるとワンパターンになってもうだめだというのですね。僕らもよくわからぬのですけれども、やはり今の若い人たちはたくさんお医者さんになる、大学の医学部に入られる、そういう問題を積極的に研究させる土俵をつくってやったら、もっといい部分が出てくるのじゃないか。経験を積まれたお医者さんが何も悪いというわけではありませんけれども、そういう分野でひとつ健闘していただきたいというふうに思います。 それから、がんの病状を本人に知らせるべきかどうかという問題で、国民の意見も、世論も当該者の意見も分かれるところだと思うのですけれども、今度の市原君の場合を見て、胆石で本人は背中が痛い、胆のうだ、胆石だ、こう思っているわけですね。本人はそう信じている。ところがだんだん治療を始めていくとどうも怪しいな、こういうふうに本人も感ずるようになる。奥さんはしょんぼりしぼんでじっとしている。しかし本人にわからないように周りが涙ぐましい努力をして、結局夫婦の呼吸から妻の態度でわかるようになる。そういうときに、私たち友達の間で議論したのですけれども、病院を移して徹底的にがんだとということについて精密検査をして治療してみたらいいんじゃないか、そういう一つの意見になりますね。 あるいは、私はよく詳しくは知りませんが、牛場さん、かつての駐米大使、特命経済担当相をやられた方は、肝臓がんとわかって、一年半くらい背中に機械を入れてそこから治療の空気を押し込んで長生きされた。百万くらいするらしいですけれども、何かそういう機械を買ってみたらどうか。しかし、本人に知らせてはいけない、知らせるべきか、ずるずるしているうちに死んでいってしまうという問題で、がんにかかっても治るんだ、治せるんだという確信の持てるような医学界の指導とか、我々立法府や行政府の分野でもそういうふうな方向に戦略的な展望をひとつリードしていかないと、これはいつまでたっても同じように、がんになったらおれはだめだということの中で、つまりそこに、私はがんにかかっても治せるという、そういう医療環境をつくるというか、やはりそういうことをやっていくことが問題なんじゃないか。 今の知らせることのできない環境、医療水準がそれだけ低いというか、そういう問題がやはり大事な問題としてあるんじゃないかという点で、私は、積極的にこういう点の取り組みをしていくべきなんじゃないか。十年の戦略、やってますと言うだけではなくて、やはりそこらの問題は、当該の厚生省でもっとそういう点の問題の議論を、国民の場にそういった議論を広めていくことをやってもいいのではないか。がんにかかってもおれは治せる、おれのがんは大丈夫だというふうに知らせていくことが大事なことではないかというふうに私は思うのですが、そこらの問題ではどんな見解をお持ちでしょうか。
○仲村政府委員 がんの告知の問題を含めてのお尋ねかと思いますが、今、国立がんセンターの例ですけれども、五年生存率でいいますと五〇%を超えております。したがって、昔に比べれば非常によくなったわけですが、これはがんの種類にもよるのだと思います。胃がんの早期がんみたいながんセンターで見つけるような何ミリ単位のがんは本人に言っている場合もあるでしょうし、言わない方もいるかもしれませんが、そういう問題もあります。それから、乳がんなどは再発してもホルモン療法その他で、今おっしゃったような医療環境というのは、そういう方たちだけ集めて病棟をつくったりして非常に明るい病棟になっているということも聞いております。したがって、がんのタイプにもよると思いますし、おっしゃるような方向も非常に重要だと思いますが、これを役所がやるかどうかというのは全然別な議論をしてみなければいけないのではないか。 つまり、先ほどもちょっと出ておりましたが、尊厳死の問題とか生命とか倫理の問題とか、告知も含めまして、医療の個人と医者との関係の部分もかなりありますし、信頼関係の部分もあるものですから、役所が一律にというわけにはいきませんが、役所が音頭を取ってそういうことを考えるということについては、かつて生命と倫理に関する懇談会も、今主査でおられる林大臣のときにおやりいただいておりましたけれども、そういう形で、医療とは違った形からそういう問題を眺めることもぜひ必要ではないかと考えます。
○富塚分科員 厚生大臣、ぜひ総理にお伝えを願いたい。政府が考えてもらいたいのは、五月に東京でサミット、先進国首脳会議がある。何でしょうか、二年前のウィリアムズバーグで開かれたときにもこのがんの問題が議題になった、こういうのですけれども、もっと積極的に――選挙区などでも高齢化社会の対応がやはり最大の課題ですね。世界最大の長寿国になった、自律性も考えながら医療とか年金も考えていかなければいけないという問題になると思うのです。 国の予算の枠組みもある、いろいろありますけれども、それはそれなりに私は見解を持っていますが、もっと大胆に金を出して、先進国共通のがん研究の場を考える。数千億か一兆円くらい出して研究するに値する問題ではないか、国民はそのことを期待しているのではないかと私は思うのです。一兆円くらいの金を出して、世界的な先進国の基金をつくって積極的な研究に入っていく。原因を研究する側、療法を研究する側、それぞれいろいろあるでしょうけれども、そういう点について積極的に政府が取り上げてもらいたい。がん戦略十年という一つの問題の中に埋没してしまって、非常にテンポが遅いという感じを私は率直に受けますし、サミットを機会にもっとその問題を取り上げていただきたい。厚生大臣にひとつ求めたいと思います。
○今井国務大臣 がんの問題に大変御関心をお持ちで、大変ありがたいことでございます。 今、十カ年戦略の問題でいろいろ御批判もありますが、これはこれなりに私どもは一生懸命やってまいりたいと思いますし、また、これが発足したことが、がんの問題の大変な飛躍になっていると私は思うわけでございます。 そこで、今せっかくの御提言、極めてこれは貴重な御提言でございますから、総理にもお会いしまして確かに間違いなくお伝えをいたしますし、そういうふうなことでやらしていただきたいと思います。大変ありがとうございました。 〔林(義)主査代理退席、主査着席〕
○富塚分科員 ひとつよろしくお願いします。 最後に、文部省にお願いしてあるのですけれども、実はスポーツ振興法の問題で、既に各市町村などが独自に指導員を指名をいたしまして積極的にやられているということは認めるのですが、この法律、昭和三十六年ですか、今の国家財政という中からそういうこともあるのでしょうけれども、やはり補助金の問題とか、最近体育のさまざまな範囲が広まっているという状況の中で、もっと指導員といいますか、指導する側の立場を考えてやるような国の地方に対する指導あるいは予算的な問題などについてもひとつ考えていただきたい。私の選挙区から実は強い要望がありまして、私も日曜たびぐらいに毎朝一緒に出て、皆さんと一緒にスポーツをやったりいろいろしているのですけれども、やはり考えてみるとスポーツ振興、体育振興は非常に重要な課題であると思いますので、その点、要請かたがたどのようにお考えになるか、簡単にお聞かせいただきたいと思います。
○戸村説明員 ただいまの先生のお話は指導者の手当についてということではないかと思うのでございますが、非常勤の公務員として市町村に設置しております体育指導員の方々につきましては、まことにわずかな額ではございますけれども年間報酬というもの、それから指導をいたしますと一回当たり大体三千円程度でございますが、そういう手当の措置は地方交付税の中で見ておるわけでございます。ただ、ボランティアの指導者の指導手当、こういうものにつきましていろいろな御不満があるように思います。このことについてはなかなか難しい問題がございまして、そういう方々の指導の補助金をということについては残念ながら今のところ措置が講じられないというふうな状態にあるわけでございます。日本体育協会の方では、そういう方々につきまして、例えば少年団の指導者の場合には少年団の活動に対して指導手当をわずかであるけれども組んでいるというようなことはございます。こういう財政事情でございますので、いいお返事を申し上げることはなかなか難しいわけでございます。一応その点御了承願います。
○富塚分科員 どうもありがとうございました。厚生大臣、ひとつよろしくがん対策の方をお願いいたします。 終わります。
○葉梨主査 これにて富塚三夫君の質疑は終了いたしました。 次に、草川昭三君。
○草川分科員 草川でございます。 まず、国立療養所の中部病院というのが愛知県の大府市にあるわけでございますが、ここは以前の療養所でございまして、非常に広大な敷地のあるところでございますが、老人保健等についての研究あるいは治療を総合的にここで実施をしたらどうだろうというので、地元では国、県、市が一体になって、今申し上げましたような老人問題等についての取り組みの一つのゾーンというのですか、センターのようなものにしたいというようなことが打ち上げられておるわけでございますが、どういうような体制を考える必要があるのか、あるいはまた将来この中部病院をどのような姿で運営をされていくのか、まずお伺いをしたい、こう思います。
○木戸政府委員 先生御指摘の中部病院と県が考えておりますいわゆる老人に関する総合的なセンターのお話でございますが、この件につきましては、私どもの方につとに愛知県の知事それからここの中部病院の施設長からもいろいろな要望が来ているところでございます。 国立療養所中部病院におきましては、従来から結核、胸部慢性疾患、重症心身障害等の医療を行ってきたところでございます。再編成後におきましても、胸部慢性疾患、神経筋疾患に関するいわば東海地方の基幹施設として機能強化を図ることにしております。また、中部病院におきましては、院長の祖父江先生初め、いわゆる老年医学、神経難病等につきまして非常に造詣が深い、またスタッフもそろっているということでございまして、そこで知事の働きかけになったということがあるわけでございます。 この構想につきましては、県においても医師会等関係者の意見を聞きながら検討をするというふうに聞いております。まだ具体的に計画が進んでいるというふうには聞いていないわけでございます。ただ私どもといたしましては、この計画に中部病院がどういう形で、つまり中部病院は再編成後も高度専門の医療機関ということになるわけですが、その専門的な医療機能あるいは臨床研究機能というものをどういうふうに生かせるか、私は、必ずしもこのセンター全体が国立でやるというものではないような気がいたすわけでございます。 それから、もう一つは先生御承知の再編でございますが、再編の効果というふうなものがあらわれてまいりまして、医療スタッフの充実をこの中部病院についても今後する必要があるわけでありますが、その充実にはかなり時間がかかるわけでございます。そのような条件がございますが、私どもも、やはりこの中部病院というものが再編成後の専門医療機関としてその中でお役に立つのなら、その中で積極的な役割を果たせるようにしたいというふうに考えておりますが、現在のところはどういう推移になるかというのを見ているところでございます。
○草川分科員 大体の厚生省の基本的な考え方はわかるわけでございますが、従来どちらかというと国は国、県は県、市は市。それで大府市というのも小さいところなものですから、ぜひ市民病院をつくりたいという声があるので、我々はちょっと待ちなさい、今大人があれも欲しい、これも欲しいというような形ではなくて、それなりの役割分担というのがあるわけだから、あるいは国の立派なこのような病院があるとするならば、たまたま厚生省は過日も再編・統合ということを打ち出しておみえになりますけれども、ただ国の縦の考え方ではなくて、将来は国、県、市というようなもので一つのセンターの運営なり――今も木戸審議官の方からもお話がございましたが、何もかも国がやるのではないということなんですが、それは一つの足がかりとして、将来はそういう地方自治体等を含めた何かの対応を立てることが必要だと思うのですが、将来構想についていま一度お伺いをしたい、こう思います。
○木戸政府委員 先ほどもお話をいたしましたとおり、これは実は愛知県知事の発案ということになっているわけでございまして、かなり広大なものを考えているようでございます。したがいまして私どもといたしましては、知事がどういうことをお考えになっているのか、それから現地の祖父江院長にはどういうことを果たしてほしいのか、もう少し詰めてほしいということを申しているわけでございまして、それを見た上で対処をしてまいりたいと考えております。
○草川分科員 では結構でございます。 二番目に、実は名古屋市を中心に名古屋の商工会議所というのがあるのでございますが、ここの食料部会が、我が国で初めてのことなんですけれども、世界的なスケールでグルメ・フェスティバルというのを開催したい、ここで新しい食の文化を創造し、あるいはまたそれを提供し、もって国際交流の推進の場としたい。名古屋市制百周年というのがあるわけでございますので、百周年の記念行事のプレイベントとして幅広く市民を結集して、いわゆる味の万博というようなものをやっていきたい、こういう提唱があるわけです。 そこで、私どももいろいろと調べてみましたら、ちょうど昭和五十八年に大阪で国際グルメフェアというのがやられております。これは農水省だとか大阪市等も後援をしておったようでございますが、これは大阪の見本市の港会場でやられたようでございます。全日本司厨司士協会あるいは社団法人大阪司厨士協会の主催で、大阪二十一世紀計画として、大阪城築城四百年祭りの一環として海外十五カ国から参加を得て開催をして、かなり幅広いことをやっておみえになるようであります。 このような趣旨において、名古屋においても世界グルメ・フェスティバル・ナゴヤ’88という大変壮大な、夢のある計画を地元の商工会議所の方も持っておるわけでございますので、時期は昭和六十三年にやりたいと言っておるわけでございますが、これは私は、コックさんとかそういう方々を担当する役所は厚生省だと思っておりますので、厚生省としてもぜひ後援をするなどの措置をやっていただきたい。オリンピックが失敗をしておる我が地元でございますので、それの割にはちょっと落ちると言うと悪いのですが、非常に規模は小さいわけでございますが、何とか今から華々しく打ち上げていきたい、こう思っておりますので、大臣からひとつ答弁を願いたいと思います。
○今井国務大臣 厚生省としましても従来から、調理技術コンクールのような行事につきましては積極的に後援をいたしておるわけでございます。そこで、今の御指摘の世界グルメ・フェスティバル・ナゴヤ’88とおっしゃいましたが、その内容をよく承りました上で、先生がせっかくおっしゃることでございますから、厚生省といたしましても積極的にひとつこれは後援してまいりたい、そのように思っております。
○草川分科員 ぜひ、積極的な応援をしたいといういい答弁をいただきましたので、我々地元の方としても国際グルメが新しい視点で成功するようにしていきたいと思っております。 特にこれは、構成団体としては現在愛知県だとか名古屋市、商工会議所、そのほか国鉄等も含めまして、場所を設定いたしまして、運輸省にもお願いをし、あるいは日本ホテル協会等にも連絡をし合いながら、船の上で食事の国際的な交流をやるとか、あるいは地元のお城等を利用して、いろいろなイベントをやろうというようなことを言っておるわけでございますので、その点、ぜひお願いを申し上げたいと思う次第でございます。 その次に、今回二月十七日に厚生省が薬価調査をいたしましたその結果、新薬価の内示を行っておるわけでございます。このことについて少しお伺いしていきたいと思います。今回、薬価調査をなされました品目なり対象、どの程度の機関というのですか、三千機関というか四千になるのか、そういう対象の具体的なことがわかれば、まずお伺いしたいと思います。
○小林(功)政府委員 薬価調査のお尋ねでございますが、薬価調査につきましては、医薬品全品目について、卸は全数、それから医療機関、購入側は抽出で調査をしたわけでございます。その結果、全体で五・一%の引き下げ、対象薬効群は二十八でございます。
○草川分科員 当初五%台になるのではないかと言われておりましたが、五・一ということでございます。これを例えば大手のメーカーあるいは中小後発メーカー、それぞれどの程度に影響があるかという数字の発表はできるものかできないのか、お伺いします。
○小林(功)政府委員 各企業ごとの引き下げ率というのは従来も公表していませんので、御勘弁を願いたいと思います。ただ、実勢価格を調べた結果を見ますと、大手よりは中小あるいはそれより下というところの方が恐らく格差は大きいように思いますので、引き下げ率も多くなっているのではないかと思います。
○草川分科員 そこをきょうはちょっと議論をしたいわけです。 今、局長の方も、どうしても後発の方が下がるのではないかということでございますけれども、私どもがいろいろな関係するところで聞いて調べてまいった件数でございますが、内用薬の品目を全部で三百五十一ぐらい集めたわけです。これは細かい数字がありますから、またいずれ私どものこの数字を見せてもいいのでありますが、その内訳を見てみますと、先発品のみは百五十七品目ありました。私どもの調査では百五十七品日。それから、いわゆる後発品のある先発品が百九十四品目。こういうのでいろいろと平均引き下げ率というのを計算してみました、でございますから、それは今回の全体のものにどの程度反映するか、これは統計上必ずしも正確でないかもしれませんが、それで見てまいりますと、平均引き下げ率は、先発品で一〇・五%、後発品で二二・五%という数字になっております。だから後発品の方が引き下げ率が倍ぐらいきつい、大幅だということになると思うのです。 銘柄別でAランク、Bランク、Cランクというのがあるわけですが、その上下の幅も、部分的に見ておるわけでございますが、例えば一から一・四五という幅は現行では二十七ある、ところがそういうのは十九にちょっと減っておるわけです。逆に一・五から一・九九、幅がちょっと広くなるのは、現行二十あったものが二十五と、今回の場合ふえていくわけです。あるいは二・〇から二・四九という幅になりますと、現行は七あったのが十五というようにふえていきます。この数字は必ずしも的確な、私が今から主張しようとする数字の裏づけになるかどうか、ちょっと問題があると思いますが、後発は値下げ率が厳しいわけです。 なぜこれが厳しいのか。恐らく答弁は市場価格の反映だから知っちゃいないよということだと思うのですが、どう思われるか、その原因について答弁を願いたいと思います。
○小林(功)政府委員 どうも先回りしてお答えが出ちゃったものですからお答えしにくいのでございますが、絶対値はともかくといたしまして、傾向としては先生おっしゃるような傾向でございます。これは市場実勢価格に応じて薬価を決めるという現行のシステムからいえば当然そうなるであろうし、やむを得ないことであろうと思います。
○草川分科員 局長が言いました、そのやむを得ぬということが問題なんです。実際、問題というのが現状なんですね。それがいわゆるアリ地獄になっていくわけです。この前も予算委員会で私は発言したわけでございますが、大きい病院とか官公立というのは薬価引き下げのためにそれなりにいろいろな交渉はいたしておりますけれども、メーカーの方も問屋の方も大きい病院を相手にする場合は双方がしっかりしておるわけです。だから、そう簡単に値下げには応じないわけです。非常に張り合うわけです。それが証拠に、私立病院協会なんというのは二年前の薬価がいまだ決定していない。最近はおさまってきましたけれども、そういう現状があるわけです。ところが開業医の方は、どうしても一部負担という関係もございますから、同じ効能ならばCランクの安いものを買って患者の負担を和らげようじゃないかという作用も働くわけでありまして、どちらかといえば一般の診療所の方が多いわけです。こういうところは後発メーカーが品物を入れる条件が多いわけでございますが、どうしてもそこではたたかれるわけですから値段が下がるということになります。だからそれは当然ながら薬価調査をすれば、薬価調査では値引き率が非常に大きい数字がそのまま反映される、大きいところはどうしても強いわけですから薬価が強く反映する、こういう現状になるわけでございます。 そこで、きょうは時間がございませんので添付問題とかいうことについては余り触れませんけれども、我々がいろいろと調べてまいりますと、大きいところは高い薬を買っているかというと必ずしもそうではなくて、添付と言うと言葉は悪いのでございますが、添付というのは現実にはあるわけです。それから、薬を分包するローターカセットというのですか、そんなものも今は公然とつけられているというようなこともある。あるいはメーカーの方々の中で公正取引規約という自主的な規則があるわけでありますが、そういう中でも二、三挙がってくるのは、テレホンカードというのですか、それが今はもう堂々とつけられる。あるいはもっと大きい病院になりますと、副作用情報とか治験のいろいろな研究費というのですか、そういうものについて一件一万円とか二万円とかいうものが非常に高くつり上げられていくという要因がある。それが一種の薬価引き下げに応じないかわりの問題になるというのが現行まかり通っているのではないかと思うのです。そうすると強いところは薬価を守る、その裏の問題が表へ出ない限りは非常に強いところに薬価調査の声が出てくるということになるわけです。 ですから、この不合理さというのは今のように市場価格が反映するのだという一点張りではもうおさまり切らぬところに来ておる。だから私は、前回も申し上げましたように薬価調査の仕方、それはバルクラインの問題とか二倍の法則とかいろいろなことがあるのですが、ちょっと横に置いておいて、基本的に年に一回薬価調査をしなければならないということは、ますます格差が広がることになるのではないか、アリ地獄がそのまま残るのではないか。だからこの際ひとつ休戦したらどうか、よく頭を冷やしていい方法を考えるということは、前回も私は発言をしたわけでございますが、今のような私の主張に対してどう局長はお考えになられるか、お伺いをしたいと思います。
○小林(功)政府委員 先ほど私がやむを得ないと申し上げましたのは、現行算定システムの上ではやむを得ないことだ、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。今、先生がるるお述べになられましたことは、現在の薬価基準制度というものが市場の実勢価格を基礎にして決める、そこの問題だという御指摘だろうと思います。その点につきましては各方面でもいろいろ議論がございまして、かなり問題点も指摘をされております。現に一つの例でございますが、中医協でも昨年、メーカー、卸からヒアリングを二回にわたってやっておるというのがその一つのあらわれであろうと思いますけれども、そういった面で基本的な部分、つまり算定システムそのものの議論がこれから行われるべきではないだろうかということが一つでございます。しかしそれは、なおつけ加えますと、やはり中医協で決めたルールでございますから、中医協の議を経なければいかぬというのは、これは当然でございます。 それからもう一つの点、これは非常に苦しい状況だから一たんストップしたらどうかという問題でございますが、これも同じようなことでありまして、やはり年に一回薬価の実勢価格を調べて適切な改定をしろ、これも中医協の御意見でございます。それでずっとやってきたわけでございますので、そこの議論になりますと、やはりこれも中医協にかけなければいかぬ、こういうことになるのだろうと思います。
○草川分科員 今、局長そういうことをおっしゃいましたが、厚生省は以前、薬価調査をやっても発表しなかった時代があるのですね。五十三年でございましたか、私どもが、薬価のあり方はおかしいじゃないかというので、薬価の乖離がひど過ぎる、だから調べる、薬価調査をやりなさい、発表しろ、いや発表できるかできぬかというので随分議論がございまして、それから厚生省が薬価引き下げということに乗り出したということになりましたら、毎年ずっと今日に来て四六%という大幅な引き下げになったわけです。だから本来ならば四六%も薬価を引き下げたらどこかで倒産が出てもおかしくないのですね。ところが倒産もなく、何とかかんとかこうやり出しておるところに、またこれはおもしろいところがあるのですが、だけれども、どうやらそれも限界だというような声も出てきたわけです。だから私どもはひとつ薬価引き下げ問題について火をつけてきた立場の一人として、このままでは問題がある。いずれこれは再編成につながるのではないか。再編成につながるなら、通産省が繊維産業にやったような構造改善をおやりなさい、あるいは運輸省が造船産業を再編したように、国も金を出し、業界も金を出し、再編成するならすべきではないか。しかし今のように鉛筆なめなめやるのはいかがなものか。 前回も、薬価そのもの自身は、予算編成の時期に大蔵省と厚生省とのいろいろな話し合いの中で薬価調査、事前に大体引き下げ率というのは決まっておるのではないかという私なりの意見を申し上げたわけでございますが、今申し上げましたように、この前もこれは予算委員会での答弁で出ておりますが、厚生省も、つぶれてもいいということを言っておるわけじゃないと思うのですね。中医協マターだ、中医協で決めなければいかぬ、中医協で決めなければいかぬと言うけれども、もういいかげんに、厚生省自身として産業再編成について、医薬品産業についてどう考えるんだ。特に貿易摩擦の関係から、海外からも大量な門戸開放を迫られてくるわけですよ。じゃ研究開発の費用をどう見るのか。メーカーにも研究開発をさせないと、中小の後発メーカーにもオリジナルの自主的なものを出せ、こうおっしゃっていますが、今のところだと中小もそんなとても個人的に新しいものを開発するというだけの研究能力というのはないと思うのですね。だから、そこら辺を考えながら、薬務局は一面通産行政のような立場をとりながら、そして将来展望を持つことが必要だと私は思うのですが、その点どうでしょうか。
○小林(功)政府委員 今お話がございましたように、たしか国会でも随分実勢価格と薬価基準の差が議論になりまして、しばしば御質問を受け、草川先生自身からも何回か厳しい御質問を受けた記憶が残っております。その結果としまして、昭和五十七年に中医協で議論していただきまして今のようなルールが決まったわけでございます。実勢価格主義あるいは年に一回の調査ということが決まったわけでございまして、そこがしばらくやってまいりまして、そろそろ限界に来ておるという御意見もあることは承知しております。薬価算定システムそのものが今のままでいいかどうか、これを改めて見直すべきではないかという議論があることも承知しております。ですから、そこら辺に目を向けてこれから対処しなければいかぬだろうと思います。 ただ、もちろん我々も、薬務局もいろいろな知恵を今絞っております。それから業界に対しましても、今一つの試案があるようでございますが、とにかくできるだけ業界がまとめた案として持ってきてくれということをお願いしております。そこら辺が固まってまいりますと、一つの案として中医協へ出すケースもあり得ると思いますので、決して中医協任せという意味じゃございませんで、最終的には中医協で決めてもらわなければいかぬ、こういうことでやってまいりたいと思います。
○草川分科員 業界の声もぜひ聞いていただきたいわけでありますが、業界も大中小さまざまありまして、これはなかなか一本に意見がまとまるというわけにいきませんから、厚生省として思い切って全製薬メーカーに一体どう考えるかというアンケートぐらい出して、それで一回ゆっくりと各社の意見をまとめてみる。もちろん業界を通じてやられるのも結構ですが、そういうような手法も一つあるということを申し上げておきたいというように思います。 時間があと四分しかありませんので、お答えもこの四分範囲内で願いたいと思うのですが、薬価は以上で、天皇在位六十周年を記念して長寿関連基礎科学研究経費というのが今度の予算に九億四千七百万円計上されていると思うのです。これは官民共同のプロジェクトだとかあるいはプロジェクト研究支援事業をやるとか、いろいろなことを言っておみえになるようでございますが、ひとつ細分化をして、例えば国のどういう研究所に与えるのか、あるいは民間の場合はどういうところに与えるのかという、ちょっとさわりのところを答弁していただいて、時間になると思いますので終わりたい、こう思います。
○小林(功)政府委員 長寿関連基礎科学研究経費でございますが、これは先生も御案内のとおりバイオテクノロジーなどの長寿に関連する研究を、各研究者が研究組織の枠を超えまして官民共同で行おうとする、そういう趣旨のものでございます。国立試験研究機関あるいは民間研究機関等の幅広い参加を期待しているところでございます。 研究の実施態勢、実際にどうやってやるかという点の細部につきましては、現在検討中なものですから、ここで具体的に申し上げるわけにいきませんが、少なくとも基本的な考え方を申し上げますと、関係団体を通じた制度の周知を図るとともに、研究テーマに関する公募制等によりまして能力ある研究者ができるだけ幅広く参加できるような配慮をしたい、こういう考え方で今、細部を詰めているところでございます。
○草川分科員 今、局長の方から公募だということを言っていただいたわけですが、それは非常にいいことだと思うのです。とかく医学界というのはいわゆる学閥というものもありますし、あるいは学会の権威者というのもあるわけですから、こういう予算がつきますと、従来の形でいきますとおのずと流れるところへ流れていってしまって、本当に地元で地味な研究をなすってみえるところにはなかなか行かないような気がいたします。私自身も地元でいろいろな先生方とお話をしておりますと、必ずしも大学の附属病院ではなくて、極端なことを言いますと、社会保険何々病院と言われるようなそういう病院の中でも、実に献身的ないろいろな高度な勉強を自分たちの費用を出してやっておみえになるような例を随分拝見をいたします。でございますので、今おっしゃいましたように非常に幅広くこの研究経費が自分たちの研究に来るように公の場で募集していただく、そして公の場で参加をしていただく、そしていいところに、非常に価値のあるところに、従来のパターンと違う研究の費用が流れるようにしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。 以上です。
○葉梨主査 これにて草川昭三君の質疑は終了いたしました。 次に、安倍基雄君。
○安倍(基)分科員 実は私、二年前でしたか、この分科会で幾つかの問題を取り上げたんでございますけれども、その一つが特別養護老人ホームに入っている老人と在宅老人との格差が余りに激しいじゃないかということを取り上げたつもりでございます。それが私、大蔵委員会で発言いたしまして、いささか自画自賛めきますけれども、野党共同提案の寝たきり老人控除というものに結実したわけでございます。 そのときにもう一つ取り上げた問題が、老人ホームを少し市街化調整区域と申しますか郊外に建てた方がいいんじゃないか、建てることをもっと自由にしたらいいんじゃないかということを提案したわけでございます。と申しますのは、御承知ようにだんだん老齢化社会が進む、そういうときに今までは相当お金を持った者しか入れない。なぜかと申しますと、都会地にしかそれをつくらせない、その結果、地価が高いですから入居費でも二、三千万かかる。もっともっと郊外に老人ホームをつくらしたらどうかという提案をしたわけでございます。それに対して、利潤を伴うんではないかとか、いろいろなことがございまして、なかなか進んでないようでございます。そのときはたしか渡部大臣だったと思いましたけれども、建設省とかけ合ってやりますよという答弁もいただきましたし、私は大蔵委員会でまた中曽根総理にこの考えはどうかと言うと、検討に値するというような答弁も承っております。それがどの程度進んでいるのか、ある程度建設省と厚生省との間で話し合いが進んでいると聞いておりますけれども、その進捗状況と今後の見通しを聞きたいと思います。
○小島政府委員 御指摘のように、社会福祉法人が設置する措置施設だけが今、調整区域で無条件に設置できるということになっておりまして、一般の民間でやっております有料老人ホームはだめという扱いになっております。先生に御指摘をいただきまして、建設省と相当詰めをしております。しかし、何でもかんでもいいというわけにはいくまいということで、現在、調整区域におきましてもつくれる有料老人ホームのあり方、それにつきましては、中身といたしましては、公的融資の対象になるようなものであったり、あるいは厚生省で考えておりますような寝たきりになった場合の介護能力も持つような施設でないとだめだというようなことにつきまして、具体的な基準化の詰めも行っておりますので、できるだけ早く結論を得たいと思っております。
○今井国務大臣 私も大臣になりましてこの話を聞きました。役人仕事と言うとまたしかられますが、なかなか慎重な検討をしているようでございますが、私はたまたま建設省にもゆかりのある男の一人でございますから、この問題はひとつ、先生のお気持ちよくわかりますので、積極的に進めさせてみたいと思っております。
○安倍(基)分科員 私も役人であったんでございますので知っておりますけれども。ただ本当にこの老齢化社会がどんどん進んでいくときに、これを郊外に建てることになりますと、また民活という要素もあるし、またそういうところに子や孫たちが見舞いに行って自然に親しむ、まさに一石三鳥だと私は思うのです。利益を生むんじゃないかとかあるいは将来の計画に響くんじゃないかということで余り慎重に過ぎておりますと、これはなかなか前もって進まない。これは早くそういった道を開くことが大切なんじゃないか。日本の場合には非常にそういった調整区域というのは規制が厳しいですけれども、外国の場合にはそれほど厳しくないんじゃないかな、そういうところで、特に老齢化社会が進むこの現状におきまして、これは一日も早く実現していただきたい。寝たきり老人の控除と老人ホームのこの二つができますると、私も相当老人福祉に役に立つんじゃないかという自負も持っておりますので、この点について念を押しておきたいと思います。 二番目に、現在、行革という問題がいろいろ進んでおりまして、いわゆる国立病院の整理統廃合ということが大きな俎上にのってきております。それにつきましてどういうぐあいに進められているのか。今国会で法案が提出されるという話もございますけれども、その場合の基本方針と申しますか、それについて御説明願いたいと思います。
○木戸政府委員 国立病院・療養所の再編成問題でございますが、これにつきましては臨調の最終答申あるいはそれを受けた行革大綱、こういうものを受けまして昨年三月に厚生大臣が閣議に報告して了承を得ました「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」というものを作成いたしまして、これに基づきまして本年の一月十日に、向こう十年間に相当数の国立病院・療養所を再編合理化し、そして強化すべきものを強化する、こういう計画を発表したわけでございます。六十一年度におきましては八カ所、関係する施設十八カ所の統廃合を予定しておるわけでございます。 なお、この国立病院・療養所の再編成の中には、統廃合とともに移譲というものがあるわけでございまして、これらを円滑に進め、それから地域医療に支障のないようにするためにはやはり特別の立法措置が必要であろう、こういうことでございます。実は昭和二十七年にも国立病院の地方移譲ということで自治体に十カ所移譲したことがございますが、その際に特別の措置法というのがあるわけでございますが、この措置法は病院だけということになっておりますし、相手方も自治体あるいは自治体に準ずる公的医療機関、こういうふうになっているわけでございますので、これにつきましては拡大あるいは充実が必要であろうということで、その立法措置について今鋭意、大蔵省、自治省、その他関係各省と詰めているところでございます。
○安倍(基)分科員 私はやはりそれは必要なことだと思いますが、その場合に民間はどの程度――私は医療というものは利潤の追求であってはならないと思いますけれども、社会福祉法人的なものについては入れてもいいという考えを持っておりますが、いかがでございますか。
○木戸政府委員 現在、日本の医療供給体制というものを見てみますると、戦後四十年を経まして民間関係も非常に充実をしてきているわけでございます。こういうふうに多様化の時代、民間活用の時代でございます。施設の特性によりまして、立地条件によりまして、むしろ民間に移譲した方が経営も効率よくなる、あるいは他のいろんな医療機関と競争して、非常に機能も充実して地域の住民に役立つという面もあるというふうに考えております。 先生がおっしゃられました社会福祉法人につきましては、これはまた社会福祉法人の設置目的ということから、一般、総合何でもというわけにはいかないと思いますが、福祉と連結をするところのリハビリというものにつきましては、やはり社会福祉法人の病院というものも長い歴史あるいはノーハウというものを持っていると思いますので、それも施設の特性、立地条件によりましては考えていかなければならないというふうに考えております。
○安倍(基)分科員 さっき私は老人ホームをつくるという話をしましたけれども、これから今度のこういった国立病院なんかを利用する場合に、寝たきり老人なんかも随分おりますし、在宅の病気しやすい老人がいる、そういったもののいわば中間施設と申しますか、こういった皆さんは余り遠くへ行けない、近くのところに、いわば都会の真ん中にちょっと悪くなったら診てもらう、処置したらまた戻ってくるというようなぐあいの施設があることはいいな、そういったことでその面の活用も大分できるんではないかなと思いますけれども、これはそれぞれの地区、地区の実情に応じて考えるべきじゃないかと私は思いますけれども、この点、政府の方と大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○木戸政府委員 例えば国立病院の後利用というものを考えます場合、実は、この再編成計画を立てます前に私ども、病院の関係者あるいは自治体の関係者、それから病院の経営学者、いろいろな方に集まっていただいて再編成についてのいろいろな考え方を聞いたわけでございますが、その場合に、やはり医療というのは非常に広がりがあるのだ、それから現在国立病院があるわけでございますが、再編成後にその地域の特性によっては広く福祉施設等の活用にも配慮したらいいのじゃないかというような御意見もいただいているわけでございます。したがいまして私ども、国立病院・療養所の再編成によりまして、例えばその場所の施設が地域の事情によって医療機関としては使わない、むしろそういったようなやや医療を拡大した、先生おっしゃったいわゆる中間施設的機能のものに使った方がいいのじゃないかという場合も多々あるかと思うわけでございます。私ども、それは当該病院、療養所の再編成後の土地、建物の後利用という点では十分考えていきたいというふうに考えているところでございます。
○安倍(基)分科員 政府委員とともに大臣のお考え――まあいわばケース・バイ・ケースで、要するにその土地、土地の実情に応じて、どういうぐあいに利用していくかということを考えたらよいと思いますし、その場合に、いわば私の一つの考えは、都会のど真ん中にあるような場合には医療施設であると同時に、いろいろ在宅の老人が、病弱な老人とか、そういったものがふえてくる状況にあります。そういった人々がちょっと集まってきて診てもらってうちへ帰る、そういう種類の中間施設的な要素にも使えるんじゃないかなということを私は提案しているのでございまして、これはそれぞれの地区によって実情があると思いますが、その実情がどういうものに合わせるかというのがまず一つの観点。公共団体がやるのか民間がやるのか、そういったのは一つの観点でございまして、それと同時に用途につきましても、病院というのが、いろいろな要素もあろうけれども、老齢化社会への移行につきまして、さっきの在宅寝たきり老人の話が出ましたけれども、そういったのが、郊外には何と申しますか、元気な連中の老人ホームができる。ところが都会の、つまり体の弱い連中は、余り遠くへ行ってしまうと困る。そういった連中はむしろ今までの都会のど真ん中にある病院、それは病院という格好になるのか、リハビリの中間施設になるのか、そういったような形でも使えるんじゃないか。それはそれぞれのケース・バイ・ケースでございますが、こういった考えもいいのではないかということを御提案申し上げているわけでございます。
○今井国務大臣 後利用の一つの考え方であろうと思います。これはまたよく具体の問題として詰めてひとつ研究させていただきたいと思います。
○安倍(基)分科員 いずれにいたしましても今までの国立病院というのは非常に都会のど真ん中にあるわけですから、その特色を生かしていくべきじゃないかなということでございます。でございますから、私はさっき申しました、郊外に老人ホームを建てなさい、それを自由にさせなさいというのとまた裏腹に、病弱の連中のために都会のど真ん中にあるそういう国立病院をどう活用していくかということのためには、そういった皆さんのいわば中間施設的なものも考えてもいいんじゃないかなということでございます。いずれにいたしましても、老齢化社会というものがこれから大問題である、その一環としてこれを考えた方がいいんじゃないかと思うのです。 その点と関連いたしまして、これを例えば地方公共団体にやらせるにしても、民間のそういった福祉法人にやらせるにしても、医療でございますから余り営利主義になってもいけないし、となりますと今、国がそういったものにゆだねるときに全部時価で買え、こういうのもこれは厳し過ぎるし、果たして医療の万全のために役立つかどうかわからないというものでございまして、今ある程度腹案があるようでございますけれども、民間あるいはそういった公共団体にやらせるにしても、どういう条件でそういったものをやらせることになるのかということをお聞きしたいと思います。
○木戸政府委員 今そこを盛んに各省と詰めているところで非常に微妙なところでございますが、私どもといたしましては、先ほど先生おっしゃったように、やはり民間というものも活用していかなければならない。その民間はやはりしっかりしたものでなければいけない。そういうしっかりしたものに譲る以上は、それにこたえなければいかぬということでございます。実は現在ございます特別措置法というのは、職員ごとその病院を引き受けた場合には土地建物には時価の七割引きをするということになっているわけでございます。これを出発点にいたしまして今いろいろ研究をしているところでございます。今は一律に七割、こういうふうになっているわけでございますが、辺地、離島という場合にはどういうことになるのか、あるいは自治体が関与したときどういうふうになるのか、こういった点につきましては今詰めているところで、しばらく御猶予を願いたいと思います。
○安倍(基)分科員 今、事務当局からお話がございました。これはいろいろの問題がございましょうけれども、私は、こういう医療、福祉という面から考えて、ただただ国が高く売りつければいいという話ではないと思います。この点につきまして大臣の御感想を承りたいと思います。
○今井国務大臣 おっしゃるようにこの後が立派に使えればよろしいわけでありますし、それが、おっしゃるように高く売ればよろしいというものでないことは間違いございませんね。したがって問題は、後がどういうふうにうまく使われるかということが極めて大事なことでございますから、そのような観点で検討すべきものだと私も考えます。
○安倍(基)分科員 もちろん使われるといっても医療的な、そういう福祉的なものに使われるという前提がございますけれども、それはそこにマンションなんか建てられたら困るわけでございます。そういう意味で、この点につきまして老人福祉の一環として使うのも一つの方法かな、そういったときにはやはりそれなりの面倒を見ると申しますか、そういった考えが必要じゃないかと私は思うのでございます。 次に、これはむしろ総理府との関連かと思いますけれども、いろいろ軍恩欠格者という問題がよく出てまいりました。これは軍人恩給をもらうのに要するに一定の期間を勤務してないと、軍役じゃないと恩給がもらえない。ところが恩給をもらう方はどんどんとスライドして上がっていく。ところがそれが期間が満たないために全然資格がないというようなアンバランスが目についておりました。これは私も、総理府で今何か懇談会ができて、何年か討議した後、最終的には基金でもつくってみんなに我慢してもらおうかというぐあいにおさまっているということは知っておりますけれども、ただ、これは随分不満がございまして、片方はどんどん上がっていくのにこっちは全然上がっていかない、どころの騒ぎじゃなくて、何か基金をもらったところで一体何になるんだという意見がございます。この点、何か調査費がついて、どのくらいそういった方々がおられるんだろうというような調査をしておるようでございますけれども、今後基金という格好でいくのか、それならばその基金を何に使おうとするのか、一説にこういった欠格者というのは三百万人ぐらいいるという話も聞いております。それに対して何か記念碑みたいなものをつくってみたところで一つもうれしいわけはないんで、その辺はどう考えていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
○杉浦説明員 お答え申し上げます。 先生今おっしゃいましたように政府の立場といたしましては、懇談会の趣旨でございます基金でもって最終的な戦後処理の格好をつけたいということで今努力いたしております。そのために六十年度、検討及び調査のために一億円の調整費をいただいております。この調整費によりまして、特別の基金を設置するために関係者の実情や、この基金で行います事業あるいは基金でどういうことを望むかというような関係者の御意向等を現在調査させていただいている最中でございます。この調査の結果に基づきまして、基金の具体的な事業内容あるいは基金の形態あるいは必要な基金額といったものを今後詰めていきたいと思っております。
○安倍(基)分科員 恩給法を改正してというか、欠格者の問題はもうけりがついたという格好で、けりがついたというと悪いけれども、基金を設けて合宿所なんかをつくったりしても一つもうれしくないというようなことでございまして、この点について、軍人恩給並みとはいかないにしても、一定の年限以上のものはもうちょっと見るとかというお考えは全くないのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○杉浦説明員 お答え申し上げます。 先生のおっしゃるようなお話が相当出まして、それで三年ほど前に懇談会が発足したわけでございます。そこで懇談会におきましては、何度も申し上げて大変恐縮でございますが、そういった関係の資料、意見、今までやった施策あるいは恩給そのものの考え方、こういった点を十分御議論いただいた上で、やはり約束事として、どこかで一つの線を引かざるを得ないという点がございまして、このような結論に至ったと伺っておりまして、その結論に従って、さらに行政措置をしていくことが妥当であろうということで、私ども現在のような施策に入らせていただいているわけでございます。よろしく御理解をいただきたいと思っております。
○安倍(基)分科員 あるいは大臣の管轄外かもしれませんけれども、広い意味ではこういった問題と関連するのでございます。 それから、最近ちょっと私どもの方で問題となっておりますのは、これは人数は多くないのですけれども、戦災で傷ついた者がいるわけでございますね。例えば今の軍恩欠格、つまり恩給の対象にならない年限の人につきましても、障害を受けている場合には軍人恩給をもらっている人と同じような形で、きちっと障害のお金をもらっているという事実がございます。戦災を受けた者、そこまで広げてはという問題もあるかもしれませんけれども、まあ論理的には軍恩欠格者の場合も国との契約がある、戦災の場合には全く国との関係がないではないかという意味で、一般の災害と同じだというぐあいに論理的には扱われているようでございます。ただしかし、戦災というのは好きこのんで起こった災害ではございません。例えば焼夷弾で手をもがれたとか非常に重傷を負ったというような場合に全く顧みられない。いわば国との関係はなかったから通常の災害と同じだというぐあいに扱われていいものかどうか。今の軍恩欠格の場合でも重傷についてはそういった横並びの措置がなされているという論理からいいますと、戦災でも相当重度の傷を負ったという場合はちょっと別扱いにしてもいいのではないか。軍恩あるいは軍恩欠格者の場合でも、年をとってきて病気がちになる、そういったものも障害として扱われることになっておりますけれども、そういったのと比べまして重傷を負った人間が全くほったらかしにされている。認定の問題もございましょうけれども、その辺について何らかの救済措置が必要なのではないでしょうか。戦後が終わったと申しますし、戦争中の問題については全部けりがついたとおっしゃいますけれども、こういったものに対する配慮も必要なんじゃないかと思いますが、いかがでございましょう。
○水田政府委員 釈迦に説法で大変恐縮でございますが、先生御案内のとおり援護法は軍人軍属、準軍属という国と特別の関係のあった方が戦争、公務で負傷したり死亡した場合に、国の使用者責任として障害年金なり遺族年金を給付しているわけでございまして、大変お気の毒だと思いますが、一般戦災の方はいわば国と特別の関係にない方でございますし、今日社会福祉の一般施策の水準も相当高くなってまいっておりますので、私ども一般の社会福祉の施策の中で対処していくのが筋ではないかと考えている次第でございます。何分よろしく御理解を願いたいと思います。
○安倍(基)分科員 私も、軍人軍属のいわば国のために戦った人々に対する軍人恩給は非常に大事だと思いますし、その障害については十分面倒見なければいかぬという気がいたします。この点については、全く私は軍人恩給関係については大切なものだと思っております。ただ、戦災というのは通常の障害とはちょっと違う。国との契約がなくても、通常の交通事故とか自然発生的なものではなくて、戦争のためにけがをした。例えば原爆とかについてはえらい手厚くされているわけですね。原爆の場合だって、国との雇用契約があったとかいうことではないわけですから、そういったものに対して非常に手厚くしておきながら、一方においてそういうけがをしてしまった連中をほっておくのはいかがなものかな、むしろその辺のバランスの問題があるのじゃないかと思うが、いかがでございますか。
○水田政府委員 先生御案内のとおり、あれだけ大きな戦争をしたわけでございますので、国民がそれぞれの立場で大なり小なりのいろいろな犠牲を負っておるわけでございまして、戦後大変復興しまして世界に冠たる福祉国家になっていると思うわけでございまして、私ども一般施策としては十分対応できるところまできているわけで、たまたま先生が例示に出しておられます恩給でございますとか援護法というのは使用者責任を果たしているという制度でございますので、その点ちょっと、比較から見るとそういう御意見もあろうかと思いますが、これはあくまでも使用者責任を果たすという業務上の制度でございますので、ひとつ一般施策の方で今後とも十分対応していくということで御理解を願いたいと思います。
○安倍(基)分科員 使用者責任という面からいけば原爆は使用者責任じゃないわけですね。それから、毒ガスをつくる工場で働いたというのも――あの場合は国だったのかもしれませんけれども……。私は何もちょっと年をとって病気になりがちだということを言っているのじゃなくて、本当に重傷を負ったものは別じゃないかなという考えてございまして、しかも原因が戦争である。さっきの雇用者責任ということは十分わかりますけれども、原爆は雇用者責任全く関係ないですね。原爆は特別だといえば別かもしれぬけれども、重傷の度合いによってはある程度考えるべきだ、これは私の持論でございますから、時間もございませんから、最後にちょっと大臣の御感想を伺って終わりにします。
○今井国務大臣 これは今の局長の答弁と同じようなことをまた申し上げざるを得ないのですが、国と特別の関係にない一般戦災者を援護法の対象とするということはやはり無理じゃないかと私は思っております。
○安倍(基)分科員 時間もございませんから、これで終わります。
○葉梨主査 これにて安倍基雄君の質疑は終了いたしました。 次に、辻一彦君。
○辻(一)分科員 私はきょう、国立病院の統廃合問題について少しお尋ねをいたしたいと思います。 厚生省の方から国立医療機関の統廃合問題が一月の上旬に出されて、案といいますか構想でありますが、地域では多くの関心というか非常に問題を呼んでおります。 例えば私の福井県においても四つ国立病院がありますが、いずれも非常に長い歴史があり、地域と相当密接に結びついているという事実があります。鯖江、敦賀の病院は陸軍病院の後でありますし、福井病院と北潟病院はいずれも陸軍の療養所であって、そして北潟湖、三方湖という非常に景勝の湖のところに設けられておる。したがって、それが設置されて以来自治体にとってもいろいろな負担といいますか、協力も随分してきた。そして、戦後はいずれも新たな体系の中に国立の医療機関として出発をしておりますが、長い歴史の中で相当地域とも結びついて、ある面では地域の医療の中心になっている。したがって、住民、自治体の関心も非常に深い。そんな中で、最近かなりいい建物を建て、しっかりした建物になっていますが、ただ統廃合してしまえばいいというわけではなくて、今あるそういう四つの病院のそれぞれの特徴を生かしていくということが大事じゃないかと思いますが、福井における四つの歴史あるこういう病院をどういうように特徴を生かしてやっていこうとするのか、その考え方をちょっと伺いたい。
○木戸政府委員 再編成計画全体の考え方でございますが、医療供給体制の適切かつ効率化というのが一つの考えでございます。それからもう一つは、医療法が去年の十二月に改正になりましていよいよ医療計画というものがスタートするわけでございまして、この中にあって国立病院はどういう役割を受け持つか、こういうことから再編成計画というものを立てたわけでございます。 先生おっしゃるように地域に非常に大きなインパクトを与えているのは事実でございますが、あえて私どももそう踏み切らざるを得なかった事情があるわけでございますが、先生のお尋ねでございますので、端的にそれでは再編成後の国立病院・療養所というのはどういう形になるのかということでございます。 まず、国立療養所福井病院は現在重症心身障害児の医療、脳血管障害のリハビリテーションあるいは結核の医療などを行っているわけでございます。一方、敦賀病院は、ベッドが二百でございまして、結核、脳血管の医療という点につきましては福井病院と同じでございますが、最近は一般医療の患者が非常にふえているわけでございます。私どもといたしましては、この二つを統合いたしまして、いわば福井県の西側と申しますか、その地域におきます他の医療機関がやらないような高度の医療あるいは専門医療、そういうものをやる機関として今後充実をしていきたいと考えておるわけでございます。 それから鯖江病院でございますが、鯖江病院は現在武生、鯖江地区の地域の中心の一般医療を行っている、こういうことでございます。いろいろ御議論がございますが、限られた人、限られた金というものを考えた場合、いわゆる医療法による三次医療圏の三次医療ということになりますと、県全体あるいは少なくとも県を二つぐらいに割った医療圏を対象とした高度専門医療というものが国立に要求されるということになりまして、いろいろな条件から鯖江病院はどうしてもそれに該当しないということであります。しかしながら、先生も御指摘がありましたように、特に鯖江の地域には他に適当な規模、機能の医療機関がございませんので、しかるべき適当な経営主体を見つけてその経常主体に移譲する、こういう考え方でございます。 なお、療養所北潟病院につきましては、重症心身障害児の医療、結核医療、脳卒中を主体とした医学的リハビリテーション、こういうものを行っているわけでございまして、これについては引き続き存続してその強化を図る、こういうふうに考えているわけでございます。
○辻(一)分科員 それは大体新聞等にも報道もされ、厚生省を通して流されているいろいろな資料にも出ておりますから、そういう考え方があるということは伺っておきます。 確かに、以前と違って療養所等を中心にした医療の性格とかいうのはかなり変わっているということは事実であると思います。私も昭和三十一年ごろに長野の国立療養所に二年ほど入っていたこともありますが、変化しております。昭和三十三年に北京のアジア・アフリカ学生サナトリウムにもしばらく入っていたことがあるのですが、そこらも今行ってみるといろいろと変化をしている。というように、かつての結核患者を中心にした医療機関が内容的に変化しているということで、これは時代とともに動いておると思います。 しかし、福井県の四つの病院を見ると、それぞれの地域性、歴史性があって地域と非常に密接に結びついている。例えば福井病院というのは三方湖という非常な景勝地の丘の上にあって、地域にとっては非常になじみの深いところですが、既に三方、美浜の両町議会においては、この地域における公的な病院というのはこれだけなので、今の自治体としてかわるべき医療機関を持つことができない、そういう意味でこの統廃合に強い反対をあらわすと同時に、ぜひ存続してほしい、こういう決意と要請を政府の方にも伝えておるということも御存じのとおりでありますし、私たちの方も十分伺っております。そういう一つ一つの問題があるのでありますが、きょうは時間の点からその四つに触れるというわけにいかないと思いますので、鯖江の国立病院の問題について若干伺っていきたいと思うのです。 この鯖江の国立病院は、これはもう御存じのとおりでありますが、陸軍の病院として出発をして戦後の変遷を経て今日に至った。この鯖江というのは六万余りの市ですが、すぐ隣に武生という市があります。六万八千ぐらいですね。その周辺の二市十一町村を丹南地区といいますが、福井に近いところを除きますと、二市七町村というのが診療人口というように大体言われておるのですね。これは県の方から言えば、武生と鯖江の保健所があって、その管内にみんな入るわけですが、大体二十万なんですね。そして、この中に公立病院が一つもない、これもまた事実なんですね。したがって、二十万の診療人口を持ち、しかも公的な病院がないという中で鯖江病院が果たしてきた地域の役割は非常に大きいというふうに思うのですが、こういう公的病院もないという中で唯一の国立というものが、今までの役割もあり、非常に期待もされている。こんなものを、簡単にいくわけじゃないと思いますが、民間あるいはほかに移譲していくということは、非常に問題をはらむのではないか、こういうふうに思いますので、これらについての考え方をひとつお伺いいたしたいと存じます。
○木戸政府委員 統廃合を別にいたしまして、このたび移譲に出した施設が三十四ございますが、今先生がおっしゃいました鯖江病院のように、いわゆる医療法の医療計画で言う二次医療圏、広域市町村圏が大体そのエリアでございますが、そういうところにほかに適当な公的医療機関がないというのが幾つか、大体十ぐらいあるわけでございます。私どももそこは非常に苦慮をするところでございます。ただ、実はこれから都道府県で医療計画というのをつくるのでございますが、基本的な二次医療圏というのが幾つぐらいあるか。大体広域市町村圏、あるいは広域市町村圏がないところは例えば二次の救急をやっているところというようなことになりますと、各県の事情によって違ってくると思いますが、全国で四百ぐらいはある。その四百の二次医療から全部国立が受け持つというようなことになった場合に一体どういうことになるか。私どももそれは非常に重要なことであるというふうに思っております。 しかしながら、国立病院が実際に今一番困っておりますのは人の問題でございます。今五万三千人の定員を国立病院・療養所は持っているわけでございますが、ここのところ毎年国家公務員の定員というのは四千人から五千人削減をされている。その中で数少ない、何人かでも増があるグループに国立病院・療養所は属するのでございますが、そこでもわずか三十人とか四十人の増しかないわけでございます。そういったような厳しい中で国立病院に二次医療までやれというのは非常に厳しいわけでございます。同じような条件にありながらある地域だけやってある地域だけやらないということは、やはり許されないことでございます。そういう意味におきまして、私どもはいろいろそういう点も考えながら、国立病院はいわば国民の税金というものでやっているわけでございますので、全国的にできるだけサービスを均てんさせるという点から考えて三次の医療をやる、一次、二次の医療は基本的には地方公共団体なり地方公共団体にかわる公的医療機関にお願いをする、こういう考え方に立ちまして、二次医療圏の中心であるというのはわかっておりましたが、それはやはり他の経営主体にやっていただかざるを得ないという判断になったわけであります。 したがいまして、私どもも、先生もおっしゃいましたように、単に民間にやらせればいいんだというわけにはまいらないと思うわけでございます。なかなか今自治体自体もいろいろな意味で病院を直接経営するというのは苦しい時代でございます。私どももこの点につきましては自治省あたりともよく相談をいたさないといけないと思っております。自治体が直接やらなくても自治体にかわるべき、少なくとも自治体は最終的にはその地域の国民の健康、命の責任というものがあるわけでございますので、自治体というものにかんでいただいた経営主体というものを考えていくのが適当ではないかというふうに考えておりますが、何さま、まだ再編成計画を立てたばかりでございます。私どもとしても非常に重大な関心も持っており、この点がうまくいかなければなかなかこの計画は進まないというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、私どもは、この経営移譲につきましては、時期が来たらもうやめてしまうよということは、その点はやや似ていると言われております国鉄のローカル線と病院は違うというふうに考えまして、とにかく適当な相手先が見つかるまではちゃんと国立として医療水準を落とさないように運営をしていく、こういうふうに考えているわけでございまして、そのかわるべき経営主体の移譲先につきましては、今後慎重にかつ粘り強くいろんな方面と折衝をしながら、最終的には地元と折衝しながら話を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○辻(一)分科員 局長もこの中心的な役割を果たしている国立病院の問題の重要性は認識されておるように今伺いましたが、これは私非常に重大だと思うのです。 ちょっと具体的な例を挙げますと、例えば二市七町村に山村部とか海岸部とかいうところがあって、町村には病院もないというところには診療所等がありますね。診療所等では、そこへ急にやってくれば、ちょっと診てすぐ国立に連絡をしてそこへ運ぶとか、それから町村の病院、市の病院もありますが、手に余れば国立へと、そこに国立があるのでという安心感がお互いに地域にあって、これは大変いい役割を果たしておった、こう思うわけですね。それから、普通の病院は、救急患者も日曜とかそういうのは輪番制でやりますが、夜はなかなかやってくれない、難しい。そのために大変なことが起こることが間々報道されておりますが、夜の状況等も、まあ宿直医の関係もありますが、できる限りそこで引き受けるとか、いろんな面で二十万の人口の二市七町に及ぶ地域の中心的役割をずっとやってきている、これは大変重みがあると私は思うのですね。だから今お話しのように、時期が来れば簡単に打ち切るというような問題ではない、私はそのとおりだと思いますし、そんなことがあっては絶対ならないと思います。 そこで、移譲ということが一応この構想にあるのですが、今もお話がありましたが、自治体でこれだけの国立を引き受けるというような能力は、県ももちろんですが、また市町村を見てもそういう能力を持っているとはなかなか思えない。そう大きくない県立病院でも赤字を出して毎年非常に困っているという状況ですね。これらから見れば、自治体が簡単に――簡単じゃなしに、そういうものを引き受けるというような状況には今日ないと思うのですね。ところが国の方は、いろんな面で国よりも地方の方がやや財政にゆとりがあるんじゃないかというような財政当局の考え方もかなりあって、何かというと国の方で切り詰めたのをすぐ地方の方に回していくという傾向が、これは厚生省だけではない、全省庁にわたって相当出ておると思うのですね。今までは地方財政もややよかったのでありましょうが、もう今は非常に財政が苦しくなってくる。これからもそうであろうと思いますね。そうすれば、自治体に移譲するという条件はなかなかできそうにない。 それからもう一つは、では民間にといいましても、例えば私の福井県の福井市の方を見ますと、福井市にはなるほど幾つかの病院がありますが、診療の距離であるとか診療圏の関係等比べて、そういう引き受けるところが出てくるようにはどう考えてもちょっと思えないですね。そういう点は非常に難しいし、無理をしなくてはならないのですが、こういう困難な条件の中でどうでもしてこれを移譲しなければならないのか、するのか、そこらの考え方はどうなのでしょう。
○木戸政府委員 私が先ほど申し上げましたように、現在ある国立病院をそのまま残してそれで済むというなら、私どももこれだけ反響の大きいことはあえてやらないで済ませたいという気持ちはあるわけでございますが、では現在の国立病院そのものが十分かというと、大部分の、あるいは全部と言っていい国立病院に何らかの不足がある。特に医療スタッフが不足をしておるわけでございまして、地方自治体の皆様方の御意見を聞くと、者とにかく残してくれ、残した上で強化をしてくれというお話でございまして、いろいろ聞いてみるとかなりの強化、その金や、特にその人はどこから出てくるのかということになりますと、全く人の出どころがないわけでございます。 それから、やや刺激的になるかと思いますが、実際今公的医療機関というのが全部で千八百ぐらいあるわけでございます。そのうち国立病院生いうのは二百四十。その中で一般的にいろいろな医療をやるいわゆる地域の総合的医療機関という面になりますと、療養所は大部分専門的な医療ということで一般的な総合ということにならないとすれば、国立病院は二百四十ございますが百くらい、百ちょっとしかないというわけでございますから、やはり全国的にサービスをできるだけ均等にするという点から考えますとどうしても今度のような案になったわけでございます。だから、そういう面におきましてはぜひやらなければこれからの国立病院はどうにもならないところまで追い込まれているという窮状にあることだけは御理解を願いたい。 ただ、私が申し上げましたように、それだからといってもうとにかく国はやらないのだからあなたたち地方で適当にやってくれ、こんな考え方は一切持ってないわけでございます。いわゆる行革の一環でございますが、各都道府県といろいろ話をしてみますと、やはり各県病院を持っておられるところ、市町村に持っておられるところもいろいろな悩みを抱えております。端的に申しますれば再編成をやっておるようなところもあるわけでございます。したがいまして、私どもは、とにかく国がだめだから簡単に地方へというようなそんな簡単なものではないというのは、この再編成に当たりまして非公式に各都道府県と折衝したわけでございます。その点は私ども県の関係者と気持ちは全く同じでございます。 そういう面におきまして、例えば厚生省と自治省という面につきましても、自治省の病院の担当の部局長とも折衝しておりますが、それはただ単に自治体に赤字を押しつけるということでない解決法を見出していかなければならないという共通の認識でいるわけでございます。
○辻(一)分科員 大臣、この問題の最後にお伺いいたします。 行革の中で国もなかなか容易ではないということもわからぬではないのですね。しかし、これだけ大事な役割を果たしている病院を簡単にほかに移譲するということもなかなかできないことではないかと私は思うのです。そういう点で、地域における市町村議会と住民の声を十分聞いてもらうことが必要じゃないか。だから、そういうものを聞く機会を十分に持って、慎重に十分再検討してこれからやっていただきたい。このことについて伺いたい。
○今井国務大臣 これはお説のとおりでございまして、私も予算委員会でもはっきり申し上げましたが、やはり一方通行ではいけません。お話し合いをしていかなければならない。ただ、御理解をお願いしたのは、先ほど審議官も申しましたように定員、定数というものがきちっと抑えられておりましてどうにもならないという事態が一つございますこと。それから一生懸命職員はやっておりますが、いずれにしてもほとんどのところで経常収支が赤でございます。先生のところの病院もすべてそうでございまして、やはりこれは何とか改善をしなければならぬというのが私どもの務めだと思います。 どういうふうにすればいいのかといえば、結局人間の頭数も抑えられているし、経常収支も赤だとするならば、統合するか何かして戦線縮小をしなければいかぬのじゃないかということを私どもは真剣に考えておるわけでございます。 繰り返して申しますけれども、それを一方通行でやろうと思っておりません。よくお話をして、御納得いただいてやろうと思います。そういう面では、先生方の方も私どもの言い分をよく耳をかして聞いていただきたいというふうにぜひお願いをいたしたいと思います。
○辻(一)分科員 なかなか簡単には理解はできないので、これは十分よくよく地域の声も開いていただきたいと思います。 それから最後に一つ、幼保一元化の問題で伺いたいのですが、昨年の分科会でもこの問題について簡単に伺ったことがあります。子供三人、私の場合共稼ぎで乳児保育からずっと預けて育てたという経験が自分にもありますので、保育所の問題には今もなお非常に関心を持っております。 こういう中で、幼稚園と保育所はそれぞれ違った状況の中で出発をしている。それぞれの特徴、特性があると思うのですね。それを何か一本にしてやっていこうというようなのはどうもなじめないというか、性格が違うように感ずるのです。昨年もかなり詳しくやりましたから多くは申し上げませんが、この問題についてその後の経緯、取り組み、こういう点についてちょっと伺いたいと思います。
○坂本政府委員 保育所と幼稚園の関係はいろいろなところで議論がなされておりますけれども、私どもといたしましては、保育所と幼稚園というのは目的、機能というものを異にしておると考えておるわけでございます。 御承知のことと存じますけれども、保育所は市町村長がゼロ歳から五歳までの保育に欠ける児童を措置いたしまして、原則として一日八時間以上預かるというものでございまして、いわば家庭において十分な保育のできない児童を預かるわけでございます。一方、幼稚園は教育的な機関でございまして、大体三歳以上の就学前の児童を一日四時間程度教育をする、こういうことでございますので、これをいろいろな面から一元化というような議論もございますが、私どもとしては単純にそういう一元化というようなことはできるような状況にないということを考えております。 また一方、保育所自体につきましては、最近いろいろな面で新しい保育需要というものが発生してまいっておりますので、そちらの方面に関しましてもいろいろと機能を整備する、あるいは保育の新しい需要に対応するための措置を講じていく必要があるわけでございまして、その方面につきましてもいろいろと努力をしておるところでございます。それで、昨年、先生からもいろいろと御質問がありまして私どもお答えしておるのと、考え方といたしましては全く変わっておりません。
○辻(一)分科員 これは保育所、幼稚園、それぞれの特徴、特性は生かしてやっていくべきであると思いますが、大臣から一言これについてのお考えをもう一度伺いたい。
○今井国務大臣 私はこの問題は従前から極めて関心の深い男でございまして、これは簡単に申しますれば、もう一元化できる状況ではございません。やはり幼稚園は幼稚園、保育所は保育所、これは全く性格が違うものでございますから、それを一緒にしたところで全く機能がうまくいくはずはございません。それぞれ立場を踏まえてやっていくべきものだとかねがね思っておりますし、現在でもそう思っております。大臣になったから言うわけではございません。
○辻(一)分科員 それでは時間ですから終わります。
○葉梨主査 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。 次に、伏屋修治君。
○伏屋分科員 先に質問された方と重複するわけでございますが、国立医療再編成の問題について、数点にわたってお尋ねをしたいと思います。 この医療再編成計画がことしの初めに発表されて以来、いわゆる六十一年度に該当する盛岡それから十勝ですか、その他六カ所の八カ所については、比較的そういうような心構え、決意というものもできておると思いますけれども、それ以外のリストアップされた対象施設というものは、そういう面での先行きというものが非常に不安であるという点で、現地においてはかなり大きな悩みを持っておみえになるわけでございます。そういう意味から、これから数点にわたってお尋ねしたいと思います。 まず最初に、全国の三千三百二十三自治体の中で二千九百三十二の自治体が現在の国立病院・療養所の存続と充実を求める決議を行っておるわけでございますけれども、それについてどのような受けとめ方を厚生省はされておるのか。
○木戸政府委員 先生御指摘のように、数多くの自治体から御意見が来ているところでございます。個々の施設を挙げまして、こういうことで存続の上施設を拡充してくれというのから、国立は大都会においては地域医療に留意しつつもむしろ専門特化すべきである、こういったようなものまでさまざまございます。その中でやはり共通をしているのは、国立病院の再編成は地域医療に重大な影響があるから、その実施に当たってはどうぞ地元とよく協議をして、無理をしないでほしい、こういう趣旨だというふうに受けとめております。
○伏屋分科員 そういう受けとめ方もございますし、また、さきの質問者もおっしゃってみえたように、簡単な地方自治体への移譲の問題、現在の地方自治の現状からいいましても、地方自治体が持つ公立病院というものはほとんどが累積赤字を抱えておる現状からしまして、やはりそういう意味からも国立病院の存続というものを望んでおられるのではないかと思いますし、また、県民の皆さんには全く国立病院というものは定着しておる。そういうような点からこういう決議が出てきておるのではないか、このように私は受けとめておるわけですが、その辺はいかがですか。
○木戸政府委員 先生のおっしゃったとおりの御趣旨の気持ちからそういう決議が行われておる、私ども、随分関係の病院のある自治体の方々から直接お話を承っておるわけでございますが、そういう気持ちを持ちますことは先生のおっしゃっておるとおりでございます。
○伏屋分科員 そこで、国立病院が今日まで果たしてきた役割、そういうものに対して厚生省はどういう評価をしておるのか。
○木戸政府委員 国立病院・療養所は、戦後、昭和二十年に陸海軍病院あるいは日本医療団から施設を引き継いで今日まで来たわけでございます。私、個別に振り返ってみますと、国立病院は戦後陸海軍病院を転用して発足しており、戦後の国民医療の確保に重大な役割を果たしてまいりましたし、また三十年代以降は他の医療機関が整備をされてくる中で、がん、循環器病、母子医療、腎不全、救急医療と、そのときどきの医療政策上特に重要とされた医療の推進において主な役割を果たしてきたというふうに考えております。 また、国立療養所では、戦後最大の国民病と言われた結核の撲滅に従事をいたしまして、その結核の撲滅した後は、重症心身障害児者、進行性筋ジストロフィー症の患者の治療、精神疾患の治療、いろいろな難病の治療など、やはり国民の、ほかの医療機関がやらない医療、こういうものを担当してきた。そういう意味で国民医療に多大な貢献をしてきたというふうに考えているわけでございます。
○伏屋分科員 そういうように、医療機関の規範的な存在としてのいわゆる国立病院というものの役割を高く評価されておるわけでございます。それが行財政改革、行政改革の一環として、医療財政がかなりきつくなってきた、こういう観点から、今までのそういうような役割を果たしてきた国立病院を統廃合するということにおいては、いささか私も納得のできない面がございます。また、そういうような形で、今回の再編成計画ばかりでなくて、医療行政が行き詰まってきたならば国立病院の統廃合が行われる、こういうようなことがあってはならないと思います。国立病院の従事者は、そういう流れの中で最後には国立病院というものがなくなってしまうのではないか、こういうような不安感すら持っておるわけでございますので、今後に果たす国立病院の使命、そういうようなことと、また、この再編成計画以後の国立病院の統廃合についてはどのように考えておるか、その辺のこともお聞かせいただきたいと思います。
○木戸政府委員 今後の国立病院の展望でございます。実を申しますと、世界的に見てみまして、いわゆる自由開業医制をとっております先進諸国というものを見てみますると、日本ほど国立病院がかなり一般的な医療までやっているというのはないわけでございます。しかし、それは日本的なもので、いろいろな医療機関がそれぞれ地域においてシステムを組みながら医療供給体制を支えていくというのは、これは日本の特色でございます。 つまり、私が申したいのは、今後の医療供給体制というのは、各種医療機関が地域医療の中で適切かつ効率的な医療供給体制を確立をしていく、こういうことでございまして、そういう命題、それからもう一つは、先ほどにも御質問にお答えしましたが、医療法というものが去年の十二月に改正になりまして、現在各都道府県でいろいろな医療計画というものを立てることになっております。適切な医療供給体制の確立、それから地域の医療計画、その中で国立病院というものは再編成後は根差していく、そしてその中で他の医療機関の頼りになるような広域を対象とする高度医療、専門医療、いろいろ御意見がありますが、そういったような医療をやるという道を見出しまして、いわば閣議決定までいたしまして再編成計画というものを立てたわけでございますので、これが簡単に、例えば財政が行き詰まってきたから云々というようなものではあってはならないというふうに考えておるわけでございまして、再編後の国立病院というものは、これから二十年後あるいは五十年後、長きにわたって、やはり日本の医療供給体制の中で他の医療機関の模範たり得るような医療機関として存在をしていかなければならないものというふうに考えております。 それから、今後の計画でございますが、実は全体のリストアップと同時に、というより先駆けまして、六十一年度に八カ所の計画というものを出したわけでございます。今後各自治体と緊密に相談をしながら、どういうところからやっていくか、それから、実際に統廃合あるいは移譲によって生き残った地域の国立病院はどういうふうにその地域の負託にこたえて機能を強化していくか、こういった点が課題になるわけでございます。この点につきましては、医療計画の主体が県でございますので、地元の市町村あるいは関係団体等の意見を県を介して聞きながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○伏屋分科員 今後の国立病院のあり方ということで、いわゆる高度、専門的な政策医療的なものの分担を国立病院で分担していく、こういうようなお話の内容であったかとも思いますけれども、県民はそういうようなことは望んでおらないのであって、それはもちろん高度な専門的な医療というものも望むことは望んでおりますけれども、その前段にある一般医療とそれとがうまく結びついた総合医療施設というものをやはり望んでおられるのではないか。それが国立病院の今後のあり方というものが高度、専門的な政策医療が一応中心になってくるとなると、県民の意識とはかなりずれがくる。地方自治体のそういう存続、充実の決議もそこら辺にあるのではないか、こういうふうに思うわけですけれども、その辺はどうなんですか。
○木戸政府委員 先ほどもお答えしたわけでございますが、確かに国立病院は地域に根差しておりますから、それぞれの地域にとりましては国立病院があった方が当然その方々にはいいわけでございます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、国立病院の定員、予算というものは非常に限られているわけであります。特に予算より限られておりますのは定員でございます。国家公務員の定員事情は非常に厳しゅうございまして、行革、小さな政府というのはやはり国民の声であるということでございまして、毎年四千人ないし五千人の国家公務員というものが削減される。その中でわずかに国立病院・療養所は増員はされておりますが、現に五万三千人定員があるわけでございますが、実際に増員になるのは七十人とか三十人しかないわけでございまして、その中で行政職の(一)、行政職(二)というのは当然削減になる。それではほかの医療職、お医者さん、看護婦さんがどのくらい増員になるかと申しますと、現在看護婦さんは二万八千人おりますが、看護婦さんで増員になるのはたった百人台。お医者さんが今五千人おります。このお医者さんもほかの医療機関に比べれば非常に少ないわけでございますが、それが増員になるのがたったの二十人とかそういうことでございまして、一方、地域からはとにかく充実をしてくれ、ICUをやってくれ、NICUをやってくれ、こういうような希望がたくさんあるわけでございます。そういうような御希望を伺いますと、それに全部応じていたらばこの予算、定員、特に定員ではやっていけないわけでございます。 それから、先ほども申し上げましたが、日本の医療供給体制、どういうふうに支えているか。民間医療機関がございます。それから公的医療機関がございます。公的医療機関の中に市町村、それから市町村にかわる日赤、済生会、厚生連等の公的医療機関、それから県立があり国立があるわけでございます。全部で公的医療機関は千八百くらいございますが、国立病院はその中で二百四十ということでございまして、おのずから数が限られているわけでございます。その限られた数の国立病院はいわば国民の税金で運営をしているわけでございます。したがいまして、できるだけ全国の国民にサービスが均てんするようにというふうに考えますと、限られた人、限られた金、それから公平性ということから考えますと、そこはその地域の要望とはすれ違うわけでございますけれども、やはりこのたびのように数は集約して、そのかわり他の一次、二次の医療、つまり他の私的医療機関、他の公的医療機関がやらないような高度医療それから専門医療をやる、他の医療機関の最高峰の医療をやるというふうに位置づけざるを得なかったわけでございまして、そこは御理解を願いたい。 ただ、その両方のいわばそごというものをどう埋めるかというのが実はこの実施上の一番難しい問題でございまして、その点につきましては関係各省、特に地方の行政と縁の深い自治省、それと県とよく相談をしながら、また地元の意見も聞きながら進めてまいらなければならないというのは先ほど申し上げたとおりでございます。
○伏屋分科員 この統廃合は、いわゆる医療スタッフが非常に少ない、そういうことから統廃合すると今お聞きしたわけでありますけれども、そうするとリストアップされておる各施設というものは、そういうものを十分に勘案してリストアップ対象の施設として挙げられたのだろうと思うわけでございます。 私どもの県の長良病院と岐阜病院が一応リストアップの対象になっておるわけでございますが、長良病院というのは、いわゆる小児性の難病、進行性筋ジストロフィー、あるいは小児ぜんそく、あるいは重度心身障害児のリハビリ施設、こういうようなことで機能をしておるわけでございます。片一方、岐阜病院というのは、結核を中心にした病院でありましたけれども、現在は結核の疾病率が低いものですから、いわゆる循環器系統の病院になっておるわけでございます。 それで、その二つを統合して医療スタッフ、看護婦さんは間に合うかもしれませんが、専門の医師としてのスタッフが、私素人ですけれども、機能が大いに異なるのではないか。機能が異なっておるところの二つの病院を統合してその欠けるスタッフが十分に充足できるのかどうなのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○木戸政府委員 長良病院と岐阜病院が統合してすぐその機能の強化につながるか、こういう点につきましては、必ずしも全部直ちにいわゆる効果が上がるというものではないと私は思います。 まず私ども考えておりますのは、いわゆる人の充実というのは二つの方法を考えているわけでございます。一つは、とにかく二つの施設を一緒にして一つにしてお医者さんの数をふやせば、例えば今まで診療科一つに一人のお医者さんしかいなかった、それが二つの施設を一緒にすることによってお医者さんの数がふえれば一つの科が二人で担当できる、こういったようなことが一つのプラスかと思います。 それともう一つ考えられますのは、先ほど大臣もお答えをいたしたのでございますが、統合によりまして、いわば事務でございますとか、給食でございますとか、いわゆる共通管理部門というのは人がかなり浮いてまいります。ただ、人が浮いてまいってもすぐその場で整理というようなことは考えられないわけでございますが、その方々が退職をするということになればその後を医療職で埋めていく、こういうようなことを考えておるわけでございまして、そういう二つの方法によって機能の充実を図っていくというふうに考えております。 それから、岐阜、長良病院の統合は機能が相当違うのではないかというふうにおっしゃられます。確かに違う点もございますが、両方とも現在私どもの国立療養所の中でもいわば成長株で、かなり新しいニードに合うように、人は少ないけれども非常に脱皮をして若いお医者さんたちが一生懸命やっている施設でございます。そういう点から申しましても、この際この二つを統合いたしまして、そしていろいろむだな面は省き、人が充実する面は充実する。何もこの二つの施設だけで統合すれば人がすぐ充実をするというわけではございませんが、とにかくこの二つを統合した方が機能の充実も期待できる。それからやはり経営ということも考えなければなりませんので、小規模の施設というのは、先ほどの共通管理部門のお話でございませんが、概して経費というものはかかるわけでございますので、そういう面からも統合して、岐阜県下あるいは周辺の県の御期待に沿えるような新しい高度の専門の医療施設というふうに転換をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○伏屋分科員 今、我が県の長良病院と岐阜病院は成長株であるというようなお話がございました。先ほど大臣がさきの質問者にお答えになっておられましたけれども、医療の財政が逼迫しておるというようなことから、赤字の病院が多い、したがって統廃合するのだ、こういうことでございますけれども、収支率から見てみますと、岐阜病院は九七%の収支を上げておりますし、長良病院は八五%以上の収支率であるわけでございますので、そういう面からいえば非常に堅実な経営をやっておるわけでございまして、そういうリストアップ対象から外すことができないのか。 それともう一つ、先ほどちょっと国立病院の統廃合ということで私、聞くことを落としておりましたけれども、今後そういう統廃合というものが現実化して十年で完了する。こういう形になってきますと、いわゆる医療というのは、いつでもどこでもだれでも安心して受けられるというような公共性というものが非常に問われておるわけでございまして、そういう公共性の規範である国立病院というものが統廃合されてくる、こうなってきますと、いわゆる地方公共団体の累積赤字を抱えた公立病院等も、地方行革という名のもとにそういう公立病院の統廃合というようなことになってまいりますと、医療の公共性というものが非常に失われてしまうのではないか、こういう懸念を持つわけですが、その辺あたりはどういうふうにお考えですか。
○木戸政府委員 収支率の問題でございます。少し説明が不足しておりました。 私ども現在、国立病院・療養所に、例えば六十年度を見ますると千二百二十億の繰り入れをしているわけでございます。この繰り入れの中には重症心身障害児の医療でございますとか、あるいはがんセンターの研究費でございますとか、あるいはがんの国際交流の経費でございますとか、当然これは収支償わないような性質のものもございますし、それから立地条件が悪いために、あるいは経営効率が悪いための、いわば日常の経営努力の改善によって、あるいは統廃合等によって節約可能なものもあるわけでございます。私どもは何も収支率をよくするというのが目的ではございません。ただ、お金も限られているわけでございます。千二百二十億の中、日ごろの経営努力によって節約できたものでもっとがんセンターの研究費をふやしたい、神経難病の研究センターの研究費をふやしたいと考えておるわけでございまして、収支率だけで統廃合を考えるというようなことを考えておらないわけです。 ちなみに、蛇足でございますが、収支率といいましても国立病院の収支は土地、建物を除きましたいわば経常経費についての収支率でございますので、一つの目安ではございますが、これをもって存続とかそういうもののメルクマールにしているわけではないわけでございます。 それから、公共性の問題でございます。およそ医療というのは、私立の医療機関がやろうと公立の医療機関がやろうと、公的なものは公的でございます。岐阜県の場合は存じませんが、私的な医療機関であっても公的医療機関と同じように、救命救急センターをやったり母子医療センターをやったりというところがあるわけでございます。先ほどもお答え申し上げたわけでありますが、日本の医療供給体制というのは、民間それから公的、公的の中でも国公立、それから国公立の中でも都道府県、市町村、あるいは日赤、済生会、厚生連等の公的医療機関、そういうものがいわば一体となって、その中でそれぞれが守備範囲を持ちつつ、連携しながら医療供給体制をつくっていく、こういうことでございますので、国立病院が再編成したからといって、確かに数は減りますが、私は、国立病院のトータルとしての機能というのは決して落ちないし、落とすことがあってはならないというふうに考えているわけでございます。 それから、地方におきましても、いろいろ県と折衝いたしてみますと、県の中でもやはり疾病構造、医療ニードの変化によって病院の再編というところをやっているところもございますが、しかし考え方は国と同じような考え方でございまして、決して数が減ったからということで医療の公共性が落ちるというふうには考えていないわけでございます。
○伏屋分科員 行革のいわゆる「行政改革に関する当面の実施方針」の中で、同一医療圏で機能を共通するようなものは統廃合の対象にする、こうなっておるわけでございますけれども、長良病院と岐阜病院においてはその機能において異なっておるのではないか。私は専門家ではありませんからそういうふうに考えるのかもしれませんが、片一方は小児専門の病院でありますし、片一方は成人の循環器系統の病院であるという面から機能が異なっておるということからも、そういう統合の対象ということになってまいりますと、ちょっと疑問を持たざるを得ません。 また、岐阜病院にしましても長良病院にしましても、いわゆる財政投融資から成るところの施設設備費がかなり投資されておるわけでございまして、どちらかを廃院にしてどちらかにつくというようなことになってまいりますと、せっかく財政投融資の貴重なお金を使いながらむだに終わってしまうのではないか、そういうような気がするわけでございます。これは岐阜病院と長良病院ですが、全国の国立病院に投資した財政投融資の金額というのは相当大きな額だと思います。そういうものと統廃合というものを考えたときに、何となく私は矛盾を感ずるわけでございますが、その辺はどのようにお考えになっておられますか。
○木戸政府委員 率直に申しまして、先生の御質問は非常に心痛む御指摘である点もございます。しかしながら、これから長期的に見ますると、やはり再編成というものはやっていかなければならない。つまり、確かに今言ったような点もございますが、それよりもやはり再編成をやるメリットの方が私どもは大きいというふうに考えております。 なお、統廃合後の施設、例えば長良と岐阜が統合いたしまして、どちらかがあいた、あるいは仮に第三の地点に行った場合にあくということでございますが、その場合も、統廃合後の施設については、これも地元とよく協議いたしまして、できるだけ医療機関あるいは国民の健康、福祉に役立つような施設に活用を図っていくようにいろいろ地元と話し合っていきたいというふうに考えております。
○伏屋分科員 それから、最後に、長良病院が今いわゆる小児慢性疾患の地方基幹施設というものの指定を受けているわけでございますけれども、再編が完了した時点においてはこれが取り消されるというような結果になる、こういうように地元の長良病院の方々は考えておられるようでございます。ブロックにそういうような基幹施設を設けるというようなお考えがあるようですが、岐阜県という一つの山国の立地条件からしましてもやはり交通至便な岐阜の中にそういう基幹施設を置いていただくことが望ましいことだし、いろいろな再編成後の一覧表を見ましても、何らかの基幹施設というものが各県にほとんど置かれておるわけです。この長良病院の基幹施設を外されると岐阜は全く基幹施設としての指定はない、こういうふうになるわけでございまして、その辺はどのような配慮を考えておられるのか。
○木戸政府委員 長良病院は岐阜病院と統合して、いわば病院型の専門医療施設と一般総合的機能を非常に多く持った専門医療施設ということになるわけでございますが、従来長良病院が長いこと培ってきました小児慢性疾患の機能というものは、神経、筋疾患等に対する機能と一緒にその充実強化を図っていく所存でございます。
○伏屋分科員 最後に、長良病院、岐阜病院の統廃合についての具体的青写真というものは何ら示されておらないわけですね、十勝とか盛岡はある程度示されておりますけれども。それだけに不安感が多いと思います。したがって、そういう方針でいくということであるならば、早くそういう方方に対して安心感を与えるような青写真を提示すべきであると思いますが、大臣はどうお考えですか。
○今井国務大臣 ごもっともな御疑問でございまして、これは私も何遍もこういうところで申すのでありますが、やはりこういうものは地元の方とよく御相談をしなければできません。上からやれと言ったところでできるものではないのです。皆さんが、そうだ、そういうおまえたちの考えならわかるからやろうじゃないかということにならなければどうにもなりません。やはりそういう地道な努力、これは当然やらなければならぬと思いますので、当然そういう考え方を地元にもお示しをして、こういうふうになるのですがという青写真をもちろんお示ししなければならぬ、当然だと思います。
○伏屋分科員 終わります。
○葉梨主査 これにて伏屋修治君の質疑は終了いたしました。 次に、辻第一君。
○辻(第)分科員 私は、きょうはお年寄りの医療問題について質問をいたします。短い時間にいろいろとお尋ねをしたいと思います。できるだけ簡明に御答弁をいただきたいと最初にお願いをいたします。 今、我が国は急速度に高齢化社会へ向かっているわけでありますが、高齢者問題、老後保障の問題、お年寄りの医療の問題、大変重大な問題であります。 さて、七十歳以上のお年寄りの保障の一つの中心であります年金の問題を見てまいりますと、ちょっと横道に入ったみたいな感じがするわけでありますが、社会保険庁でお尋ねをいたしまして、五十九年度末の数字で七十歳以上の人は七百九十二万ということであります。厚生年金の老齢年金が百九万人で、平均十一万六千円。国民年金の老齢年金が三百三十六万四千人で、平均二万六千六百円。老齢福祉年金が二百四十九万二千人で、これは二万六千五百円。国民年金の老齢年金、老齢福祉年金、この人口を合わせますと五百八十五万六千人ということになるわけですね。七十歳以上全体の、七百九十二万人の割合を見てみますと、七三%の方が二万円台の年金であるということであります。この数字は、やはり日本のこのような保障の貧困さ、世界第二の経済大国だといいながらも、このお年寄りの年金の問題を見てみてもその貧困さが明らかだというふうに思うわけであります。言うならば、そのような状況の中でお年寄りが非常に厳しい、つましいお暮らしをなさっている方が非常に多いということを示しているということではないかと思うわけであります。 私は国会に来るまでは第一線の医療に携わっておりました。お年寄りの方がたくさん懇意でありますし、最近も県下各地でお年寄りと医療問題で懇談を繰り返してまいりました。また、お年寄りの医療を考えるシンポジウム、このようなものにも参加をいたしまして、いろいろ御意見や御要望を聞かせていただいたということであります。そり中で、今度のお年寄りの医療費の負担の引き上げ、外来四百円を千円にする、入院三百円を五百円にして無期限にする、これは何としてもやめていただきたい。これが強い強い声であり、要望でありました。 そのような方の一例を申し上げますと、六十五歳の男性でありますが、十九歳のときに肺結核を患って長期入院をし、肺活量が少なくて一級の身体障害者であります。一年前からお母さんが亡くなってひとり暮らしになる。厚生年金の障害年金を約七万円、これだけが収入でです。土地家屋の固定資産税が月に直しますと二万七百十三円、国保料が七百六十円、これが固定した支出ということになる。これが約二万円、残った五万円で生活をなさる。病院へ通うタクシー代も含めてすべての生活費だ、こういうことであります。 こういうことで、今度一部負担が上がるということになれば心配でたまらない。殊に入院をすればどうなるのか、それは付添料でありますとか差額ベッド、こういうものが出費がかさむ、こういうことです。この方は前には生活保護を受けておられたのですが、お母さんが亡くなって年金が多い、そういうことで保護が廃止になった、こういう方でありますが、このお年寄りが、何としてもこの医療費の負担の引き上げをやめてほしい、この声を大臣、どのようにお考えになりますか。大臣、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○今井国務大臣 老人医療の一部負担というのは、先生御案内のように健康に対します自覚と適正な受診というふうな観点からお願いをしているものでございますが、現在の一部負担の額というのは、御案内のように老人医療費の一%台でございます。そういうことから考えまして、また、世代間の負担の公平という観点もこれは考えなければならぬ問題だと思うわけでございます。今度の改正というのは、お年寄りの方がなるべく払いやすいように定額制というのは変えまい、また、外来につきましては月の初めに一回払っていただけますれば、その同じ月ならば何回受診してもいいようにしようというふうなことで、基本をそういうふうなことにしているわけでございます。 また、額につきましても、今お話がございましたが、年金や高齢者の世帯の所得の実態から私どもは判断をいたしまして、この程度のことは何とか皆さんにお願いできるのではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。そしてまた、今度のこの一部負担の引き上げというものは、老人保健制度というものを長期的に安定をいたしたいというのが私どもの念願でございまして、これはひとつぜひとも必要なものだというふうに考えております。
○辻(第)分科員 いろいろと御答弁をいただいたわけでありますが、本当にお年寄りの中には、たくさんの方が厳しい、つましい生活をなさっている。そこへこのような負担の増というのは大変な不安を与える、また生活に厳しい状況を加えてくる。それから、やはり四百円が千円になりますと、こういうことで医者にかかろうか、かかるまいかというときがあるのですね。そのために医者にかかるのがおくれて、いわゆる早期診断、早期治療がおくれて病気が重くなる、そしてそれでとうとう命まで失われるというような事態になることがあるのですね。私はそういうことをこれまでたくさん経験をしてきたわけでありますが、こういうこと、また、やはり医療費がかさむということになってまいりますと、子供さんなどに負担がかかるわけです。そういう点で非常に気兼ねをされるということもあるわけです。 ですから、大臣もまだお若くお見受けするのですが、私ももう六十になったわけで、今の七十を超えているお年寄りの、あの戦中戦後、本当に一生懸命に働いて子供を育てて頑張り抜いて今日の日本を築いていただいた、そういう方が病気になられたときには、本当に心配なく、気兼ねなく安心してまともな医療が受けられる、このような体制をつくっていくことが本当に必要だと思うわけであります。今回の負担増はきっぱりと取りやめていただきたい、このことを強く強く要望をして次に移りたいと思います。 今、本当に厚生省がやるべき問題は、このような医療費の負担をふやすというような問題ではなしに、病気を予防をする、そして健康保持をしていく、また、医療と同時にリハビリなどを一貫して充実をさせる、こういうことであろうと思いますね。こういうことは保健事業という形で老人保健法の中に目玉商品として取り入れられたということでありますが、その実施は目標よりかなり下回っているというのが実態だと思うわけであります。この実施計画がすべての市町村で実施できるようにすべきである、このように考えるのですが、そのためには国の費用負担を大幅にふやすべきではないか。また、マンパワー対策を抜本的に強めること、保健所の役割と機能を強めること、こういうことをぜひやっていただきたい、要望をするわけであります。これは時間がありませんので御答弁は結構でございます。強く要望をしておいて進みたいのと思うのですが、健康診査も計画より受診者が少ない。すべての対象者が受診できるような周知徹底も図っていただきたい。重ねて要望をしておきます。 そこで、お尋ねをいたしますが、がん検診はこれまで胃がん、子宮がんがあったわけですが、これに肺がんや肝がん、乳がんを追加すべきである、このような考え方があるわけであります。私も賛成であります。いかがですか。
○黒木政府委員 肺がん、肝がん、乳がんを老人保健の検診に加えるべきだという御指摘でございます。 現在、胃がん、子宮がんの検診につきまして、検診方法とか検診体制も確立しておるということで、私どもは老人保健事業として全国で実施しておるのは御案内のとおりだと思います。御指摘の肺がん、肝がん、乳がん等の検診につきましては、検診方法とか検診体制などにつきましてさらに専門的見地からの検討を加える問題が多々残っておりまして、したがって、現在、検診方法の確立等にっきまして研究を進めているところでございます。その研究成果等を踏まえまして、今後慎重に検討すべき課題だと考えている次第でございます。
○辻(第)分科員 慎重に検討していただくということでありますが、検討の上、ぜひやっていただきたい。重ねて要望をしておきます。 次に、訪問指導ですね。これも保健婦さんのお話を聞きますと、その体制上、なかなか十分な回数行くことができないし、十分な内容のことをやることができないという実態をいろいろお聞きをしたわけであります。訪問看護というものが既に取り入れられているようでありますが、機能訓練もできるように看護婦さんそれから理学療法士、作業療法士などの体制も急速に強化をして、医療機関の協力も含めて訪問指導をもっともっと充実をしていただきたい、このように思うのですが、いかがですか。簡単に答えていただきたいと思います。
○黒木政府委員 在宅対策でございますけれども、従来、御案内のように保健婦による在宅訪問対策、それから医療面では病院の看護婦等による訪問看護を実施をしておるわけでございます。 六十一年度予算におきまして、さらに寝たきり老人全員に対して訪問指導ができるような予算措置を講じ、所要の保健婦の確保等にも努めているところでございます。 さらにまた、今回診療報酬の改定におきまして訪問看護につきまして大幅に拡充を図っておるわけでございまして、そういうことを通じまして、御指摘のように医療機関の協力を得ながら私どもはやれるものと思っておりますが、この施策をさらに推進していきたいと思っておる次第でございます。
○辻(第)分科員 次に、いわゆる痴呆老人問題で二、三お尋ねをいたしたいと思うわけであります。 寝たきりの方もたくさんおられるわけでありますが、いわゆる痴呆老人もかなりたくさんおられて、その問題は非常に深刻な問題を抱えておる、このように考えております。そこでお尋ねをいたしますが、今、痴呆老人の方は全国で、在宅それから施設、病院、これに分けて、推計人口を教えていただきたい。
○小島政府委員 全国的な調査がございませんが、東京都が五十五年で実施しました在宅老人での痴呆性老人の出現率四・六%を在宅老人に掛けますと、大体在宅の方で五十五万人。それから老人ホーム、これは特養なり養護老人ホームですが、これが四万人。それから精神病院収容者が三万人という形でございますので、全体で六十二万人という推計値を持っております。
○辻(第)分科員 かなり多い方が痴呆老人になっていらっしゃるということですね。その中にはかなり重い方もおられると思うのですね。 いわゆる痴呆老人の問題では、介護ということが大変だと思うのですね。私の家庭にもありましたし、また私の診療行為の中でもたくさん見てきたわけでありますが、本当に大変です。御家庭の問題では、介護されている方が大部分女性でございますね。五十歳代、それから四十歳代ということだそうであります。重い痴呆老人を抱えておられる方は、それこそ連日連夜にわたって十分寝ることもできないし、買い物に行くこともできない。もちろん親戚のおつき合いや御近所のおつき合いも十分できない。それで疲れ切っても病気になれないというか、そういう大変な事態であります。 そういうときに、一時、短期間預かっていただくところがあればなというのが強い要望です。幾らかあるようではありますが、なかなか十分に機能をしていない。たくさん希望者があって、とても要望にはこたえられないというのが今の実態だということであります。そういう短期保護事業、ショートステイ、それからまたデイサービス事業ですね、こういうものをぜひ充実をさせていただきたいという強い要望があるわけでありますが、いかがでございますか。
○小島政府委員 御承知のように、施設収容ということも重要でございますが、在宅対策ということが今後ますます重要になってまいるだろう、こう考えております。したがいまして、今御審議いただいております六十一年度の予算案につきましても、ショートステイ事業につきましては、従来の二万七千八百四十五人を約一万人増の三万七千三百四十六人に持っていく。これは、将来は特別養護老人ホームなんかにはそういうショートステイの部門を必ず持たせるというようなことを考えてまいりたいと思っております。 また、お尋ねのデイサービス事業につきましても、特にここでは基本的な相談に応じましたり、あるいは入浴等のお世話をする、あるいはリハビリをやるというような機能がますます重要になってまいろうかと思いますので、六十一年度は従来の九十六カ所につきまして百十四カ所の増設を図ってまいりたい。将来的には全国ネットワークで必要な数を整備してまいりたい、このような考え方で整備を図ってまいりたいと思います。
○辻(第)分科員 現在の厳しい状況の中で大変御努力をいただいているということはよくわかるわけであります。しかし、現実の対応といたしましては、それをやっていただくだけではとても十分ではないということだと思うのですね。特別養護老人ホームをふやしていただいても、これは私の感じなんですが、やはり寝たきりの方がまず優先になるのではないか。いわゆる痴呆老人の方は実態として受け入れていただきにくいというような状況があるのではないか、私はこのように思うわけであります。痴呆老人の方が入所なさる、あるいは一時お預かりになるということになりましても、僕の感じからいえば三倍も四倍も人手がかかると思うのですね。その施設の方は本当に大変な御苦労をいただいている、本当に献身的にやっていただいていると思うのです。ところが、実態として手が足りないから痴呆老人の方よりも寝たきりの方を優先される。私もそういう経験があるのですけれども、何ぼやらしていただきたいという気持ちがあっても、体制上、実態上できないというケースもあるのです。 そういうことで、痴呆老人専門の特別養護老人ホームをというようなことも私は思ったわけでありますが、いろいろ聞かしていただきますと、これはやはり問題が多いということですね。今、大変御努力をいただいているわけでありますが、実態は解決するにはまだほど遠いということでありますので、痴呆老人を預かる場合には、措置費といいましょうか、そこの人手を賄うに足る対応ということも含めて、十分機能するような、十分要望にこたえられるような対応もぜひしていただきたいというのが私の願いでありますが、いかがでございますか。
○小島政府委員 実態を見ますと、特別養護老人ホームの入居者のうち二七%ぐらいが老人性痴呆になっております。これは施設に措置をするわけでございますので、そのときには、本人の症状あるいは家庭の状況から優先度の高い方からお願いするという扱いにしておりますので、運用上の問題といたしましては、特に痴呆老人が毛嫌いされるという問題はなかろうかとは思っております。 ただ、手のかかることは確かでございますし、痴呆老人の処遇の特別の訓練等も必要だということで、職員の研修あるいは施設面でも、老人性痴呆の場合は動き回れる方もいるということで安全性の配慮が必要になりますので、ガラスに特殊ガラスを使うとか床材を変えるとかというような形の整備もあわせまして、人的、物的な改善を図りながら受け入れを容易にしていきたい、このようなことで施策を進めております。
○辻(第)分科員 基本的には寝たきりの人を優先でということはないと思うのですが、痴呆の方をお預かりになるということは大変なことだと思うのです。そういうことで、潤滑に機能できるように、要望にこたえていただけるように、一層の御努力をいただきたいとお願いをしておきます。 さらに、デイケアの実施を拡充していただきたいと思うのですが、この点はいかがですか。
○黒木政府委員 在宅の痴呆老人の方に対しまして、医療なり医療を確保してその処遇の促進という面から、五十八年度に老人デイケアというものにかかわる診療報酬を設けたことは御案内のとおりでございます。今回、その診療報酬を改定いたしまして、対象者の拡大あるいは施設要件の改善、点数の重点的引き上げ等の改善を図ったところでございまして、これによりデイケアの普及が一層図られるものと私どもとして考えておるわけでございます。
○辻(第)分科員 ぜひ一層の御普及をお願いしたいと思います。 次に、老人性痴呆に対する総合的な研究をやっていただいておるという話をこの間お聞きいたしました。大変ありがたく思っておるわけであります。そこで、老人性痴呆の定義というものをきちっとしていただく、診断基準もきちっとしていただく、あるいは重症基準というものを確立していただきたい、このように要望するものであります。 それから、痴呆老人にできるだけならないように予防するといいましょうか、そういう対応でありますとか、あるいはちょっとぼけ始めだということが早くわかりますと、家族の方がその方に対するいろいろな教育とか予防措置を、予防措置というとおかしいですが、そういうものを講じるための家族に対する講習とか教育をぜひ十分にやっていただきたいと思うのですけれども、そのような対応はどのようになっておるのですか。
○黒木政府委員 老人性痴呆になる原因はいろいろ言われておるわけでございますけれども、その最も多くを占めます脳血管障害による痴呆につきましては、その予防が非常に大切であり、また有効であると言われておるわけでございます。 そういう意味で、老人保健法に基づきます保健事業の重要な課題といたしまして、まずは健康診査による疾患の早期発見に努めますほか、健康教育、健康相談等を実施いたしまして、循環器疾患の予防知識を普及することによりまして老人性痴呆の中の脳血管障害によるものについて予防を図ってまいりたいということでございます。 これらの事業につきましては、従来からその拡充に努めてきておりますが、六十一年度において事業の拡大に対応する予算額を計上いたしております。今後ともその充実に努めてまいりたいと思っております。
○辻(第)分科員 最後に、先ほど来いろいろ痴呆老人の問題についてお尋ねし、御要望を申し上げたわけでありますが、御家庭の実態あるいは施設の実態なんかを見ていただきますと、もう本当に大変なことなんです。いろいろと御対応もいただいておるわけでございますが、さらに積極的な御対応をぜひいただきたい。 そして、お年寄りが一番心配なさることはやはり病気ですね。そのときに安心して、気兼ねなくまともな医療を受けられる、そして健康で長生きしたいというのがお年寄りの心の底からの願いだと思うのです。そういう点をぜひ十分に勘案していただいて、お年寄りの医療費負担をどんどん引き上げていくということではなしに、医療費の無料復活をするような対応もぜひ考えていただきたい、このように強く要望するわけであります。 大臣はあの戦前、戦中、戦後のこともおわかりだと思うのですが、今のお年寄りの、これから我々もすぐ追いかけていくわけでありますけれども、お年寄りの医療対策をさらに十分にやっていただきたい、その御決意をお尋ねして終わります。
○今井国務大臣 老人医療の一部負担というのは、健康に対する自覚と適正な受診あるいは世代間の負担の公平という観点からお願いをいたしておるものでございまして、無料化制度を復活するというのは、とてもじゃございませんが今のところ考えておりません。
○辻(第)分科員 終わります。
○葉梨主査 これにて辻第一君の質疑は終了いたしました。 次に、兒玉末男君。
○兒玉分科員 厚生省にお伺いしたいわけでございますが、木戸審議官おいででございますか。 今回、私の出身地である日南の国立病院が統廃合の対象になっているということでございますが、日南の場合は、県南全域を通して対応する医療機関も非常に少ない。こういうことで、地域の日南、串間、南郷あるいは北郷、またその臨村する地域からも絶対に統廃合はまかりならぬというふうな要望が非常に強く、しかも去年から施設の内容にも国費をたくさん投じまして、そして十分な内容の完備も行っているわけでございます。これについてどういうふうな見解をお持ちであるのか、お伺いしたいと存じます。
○木戸政府委員 国立病院・療養所の統廃合は、限られた国立病院の人、限られたお金でこれから国立医療機関として国民の負託にこたえていくにはどうしたらいいかということに対する答えでございます。 先生が御指摘のように、日南にございます国立療養所日南病院につきましては、早くから市長さんが何遍も何遍も私のところにお見えになりました。先生がおっしゃったようなことも言われました。私どもも何遍も何遍もいろいろなお話をいたしました。最後に先生が言われたように、日南は医療というよりは国の施設がなくなるというのが困るんだ、何とかしてほしいというようなお話もあったわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、お金、特に人が有限でございます。今後の国立病院・療養所というのは、その限られた中でできるだけ全国に公平にその施設を配置しなければならない、こういうことから統合ということになったわけでございます。 私どもといたしましては、この日南病院は、先生もよく御存じのように、重症心身障害者の長期療養、結核、脳血管疾患等、毎日の一般総合医療というよりはそういった専門的な医療ということでございますので、日南市には県立日南病院、国民健康保険の中部病院等がとにかくございますわけで、一般医療という面については何とか我慢をしていただける。こういうことで、私どもといたしましては、統合によって少し不便にはなるけれども、少し遠いけれども、そのかわり新しい統合後の施設を非常に充実したものにして中身の濃いものにするようにするからというようなお話をしているわけでございます。 私どもも御要望は多々伺ったわけでございますが、現在の人、現在の金というものを考えますと、単に残すというだけじゃなくて、どういう理由でどういう配置原則で残すか、どういう機能でいくかということを考えまして、結局こういう結論になったわけでございます。私どもといたしましては、市長さんその他関係の方々もお見えになりましたので、その実施時期等につきまして、そしてその施設の後をどういうものに利用するかという点につきましても、真剣に御相談に乗りたいと考えているわけでございます。
○兒玉分科員 木戸さんは国の財政事情ということを言われるわけでございますけれども、やはりこの置かれている日南の地区の状況から考えましても、特に風光明媚の地であり、結核療養を含め他の一般治療等についても最適の場所ではないか、このように我々は理解するわけでございます。そういう点から考えても、私たちはむしろこの施設の拡大こそ望まれてしかるべきであって、縮小、統廃合ということは地域住民の要望にもとてもなじまない、こういうこと等が考えられるわけでございまして、もし仮に統廃合するとしても少なくとも現存の施設はぜひ残してもらいたいということが地域住民の切実な要望でもあるわけでございます。 こういう点から、地理的条件あるいは環境条件等々を含めて、どうしても残存してもらいたいということでございますが、これから将来の対策としては一体厚生省はどういう取り組みをお考えになっておるのか、ぜひお伺いしたいと思います。
○木戸政府委員 今も御説明申し上げましたように、私どももさんざん考えたあげくの措置でございますので、統合というものを撤回するわけにはいかないわけでございます。ただ、先生がおっしゃいました、統合でも施設はぜひ残してほしいということは、恐らく宮崎東病院を日南病院の方へ持ってきてほしい、こういう御要望かと受け取れるわけでございます。そういうようなお話が市長さんからも何遍も出たわけでございます。この点につきましては常識的に申し上げますならば、宮崎東病院が九万五千平米ございます。日南病院は三万平米。それから交通条件、そしてお医者さんの得やすさという点からいえば宮崎東の方がいいわけでございますが、そこはいろいろこれから実施時期等については県あるいは市と十分御相談しなければならないわけでございますので、その場所等につきましてはまだこれから少し時間がかかっても検討しなければならないと思っております。 それから、先生が今おっしゃいましたことで、統合はしようがない、しかし施設だけは何とかということでございますれば、それはまた、いわゆる土地建物の後利用という問題がございます。ただ、その場合は一体だれが経営するかという問題があると思います。どうも先生のお言葉を少し先取りするようでございますが、まだなかなか、日南の市長さんとしてはとにかく存続だ、存続の場合はこちらへというお気持ちだと思いますものですからそこまでは言いませんが、例えば統合してその後に土地建物が残る、先ほど先生もおっしゃったようにこれはまだ新しい建物でございますので、その利活用ということで適当な経営主体が来て土地建物を引き取ってそれを使うということは、私ども、そういうことになればまたその点については御相談に応ずるというつもりでございます。 いずれにいたしましても、統合の時期、統合の場所につきましては、これだけ日南の市長からもいろいろ御要望があり御意見があったところでございますので、引き続き県を間に入れてよくお話をしながら事を進めてまいりたいと考えております。
○兒玉分科員 私も簡単に結構でございますと言うわけにはいかないわけですね。やはり地域情勢なり、また結核に関する治療機関というのが非常に限定されております。それから、宮崎等の場合は大学病院もあるし、そしてまた関連する施設も非常に豊富でありますから、地域住民もやはりあらゆる意味で日南の場合よりも非常に治療を受けやすい、地理的条件も進んでおるわけでございます。何も私は宮崎東を日南に持ってこいとか、そういうことはそれぞれ地域の関係もありますから軽々に申すわけにはいかぬのでございますけれども、やはり日南の場合はそういう地理的条件等十分踏まえながら慎重な配慮を願いたいということでございますが、いかがでございますか。
○木戸政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、先生のお言葉に沿いまして事を運んでまいりたいと考えております。
○兒玉分科員 大臣にお伺いしたいわけでございますが、御承知のとおり、日南地区というのは宮崎地区に比較して非常に災害が多いわけです。その建設関係をやっておられますから、宮崎―日南間は去年も約百六十五日くらい道路が閉鎖されているということもありまして、そういうような地の利においても、特に道路行政の面においても非常に不便な立場に立つ場合が多いわけでございます。そういうことは他の地区には全く考えられない問題でございまして、そういうこと等を含める中で、特にひとつ大臣としても、これから統合にはどの程度の期間がかかるのかわかりませんが、慎重な配慮と十分な対応をとってもらいたいということを考えるわけでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○今井国務大臣 いずれにいたしましてもこの国立病院・療養所の再編成という問題は、これは私も皆さんに申し上げているのでありますが極めて大きな問題でありますし、厚生省が一方的にこうだああだと言いましても、地域住民の方々が御納得いただかなければなかなかできにくい問題ですね。しかもまたこれは随分長いこと地域になれ親しんでおられるわけでありますから、なおのことそういう問題があろうと思います。 しかしながら、一方、国の立場から申しますと、いずれにしても医者はふやすな、看護婦はふやすな、全体でやれというわけですね。そうなると、やはり手品ができないのですね。やはり何とかこういうふうに少しずつ統合というのですか、縮小をしませんとね。現実にやっているのを私もよく知っているのですが、見てまいりますと、国立という名前がありますけれども、他の医療機関に比べてそれではどうかと言われますと必ずしもいろいろな面ですぐれているところばかりではありません。そんなことを考えますと、やはり私どもは、本当に国立らしい名前のとおりのような施設にすること、これもまた大事な国民に対する責務だと思いますものですから、いろいろなことをお願いしているわけであります。 繰り返しになりますが、この再編成は大きな問題でありますから十分お話し合いをします。お話し合いをしまして、これは皆さんが御納得いただかなければできないのです、したがって、これは粘り強く何遍でも地元の方々とお話し合いをするということを、これははっきり申し上げておきましょう。どうぞひとつそういう意味で、何遍も来ても、もううるさいぞと言わぬでください、何遍でも話し合いに応じていただくように、私からもお願いをいたしておきます。
○兒玉分科員 今大臣も申されましたが、やはり事医療に関しましては、あらゆる角度から考えて、そして、万やむを得ない場合でも最善の道を講ずるということが極めて大事であります。そういう点からも、これからも繰り返し繰り返し陳情があると思いますが、そのことはひとつ十分肝に銘じて、木戸さん、大臣、ひとつぜひそのことをお願いしたいと思うのですが、いかがでございますか。
○今井国務大臣 何遍でも御要請は受けますから、こちらの言い分も聞いていただかなければいけません。一方通行というのはどうもいけませんので、ひとつ対面通行で行がしていただきますようにお願いいたします。
○兒玉分科員 特に木戸さんはこれに対するベテランでありまして、地元でも、木戸審議官に頼んでおけば心配ない、こう言う市長さん、それから串間、南郷、北郷ですね、太鼓判を押すような方針で兒玉さん今度もひとつ頑張ってくれということでございますので、十分ひとつ審議官の実力のほどを心から期待してやまない次第でございます。それについてひとつ、再度木戸さんの決意を聞きたいと思います。
○木戸政府委員 先ほど申し上げましたように、この統合計画はどうしてもやめるわけにいかないわけであります。各県とも同じような事情があるわけででございます。ただ、先生も御熱心に御主張になられましたように、こんなに何遍も来られた市長さんはおられません。もう何遍も見えました。とうとう最後に言われたのは、とにかく理屈じゃない、国の施設がなくなったらもうともしびが消えるんだから帰らぬ、こうおっしゃるところまで来たわけでございます。道のりはまだなかなか遠いと思いますが、ただ、今までこれだけ話をしてきたんだから、私の方も統合という前提に立って何とか少しでも地元の方々のいいような解決方法というものを見出すように努力をしてまいることだけはお約束をいたします。
○兒玉分科員 それでは、国立病院のことはぜひひとつお願いをしたいと思っております。 次に、宮崎県の小林に野菊の里という重身障害者の施設があるわけでございますが、先般来、省エネルギー対策ということでソーラーシステム、約六千万ぐらいの金を入れて施設をやったわけでございます。ところが、これについては施設の償却が全然できない、こういう陳情が出ておるわけでございます。 それで、通産省はこの際省エネルギーの対策からこれはもう積極的に進める、ところが厚生省の方ではそれがなかなかうまくいかない、こういうことを聞いておるわけでございますが、これに対して厚生省としてはどういうような御見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○小島政府委員 全般に社会福祉施設につきましては、その運営でいろいろ措置費を払っておりますが、そこには減価償却という部分は一切含まれておりません、建物も。これは全部庶務費に使っていただく、そのかわり施設については国庫補助をしたり、その他は寄附金でやっていただきたい、こういうようなことで、社会福祉というような見地から減価償却でないというような運営をしているわけでございます。 根っこがそうなものですから、確かにソーラーシステムにいたしまして省エネの対策、あるいは電気料とかなんかを節減しながらそれを庶務費に回すという御努力なんかも、それは非常に評価すべきものはあろうとは思っておりますが、ただ、現在はソーラーシステムを使わないでも十分な光熱費が措置費の中に含まれているというような運用になっておりまして、その反面償却は認めないというような取り扱いになっておりますので、今直ちにとるべき措置はございません。 しかし、今後の社会福祉施設の設備のあり方、それから運営のあり方についてはいろいろな要望も出ておりますので、その中の一環として今後どういう対応ができるか、十分検討させていただきたいと思っております。
○兒玉分科員 私もよく内容を理解しないわけでございますけれども、現実にソーラーシステムを置いたことによって電気その他の燃料費はほとんど要らない、そういう点から考えまするならば、通産省の指導する省エネルギー政策から考えてもまた重身障害者の保健衛生という面からもこれは非常な貢献をしているわけでございますので、その仕組みがどうなっておるかわかりませんけれども、例えば重身者へ厚生省が資金を落とす、その中で全体の償却を含めた制度がとられているのかどうか。その辺のことがよくわかりませんが、もう少しわかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○小島政府委員 現在は、その建物それから設備も含めまして、これは社会福祉施設全般でございますが、原則として措置費として施設にお支払いするものの中でそれを減価償却に回していいという扱いにしておらぬのです。根っこからそういう扱いにしております。そのかわりその運営については、例えば光熱費なんかは十分見るという格好にしております。したがって、先生御指摘のように、光熱費を使わないでも済むようになってくるのだから光熱費分を償還に回す道を開いてはどうかという御指摘も、それは一応もっともだという感じもいたしますので、今後どんな取り扱いが可能か、少し検討させてみてください。
○兒玉分科員 施設については笹川さんの施設からの御援助もいただいているやに聞いているわけでございます。それはもちろん半分か三分の一か知りませんけれども、そういう関連から考えまして、やはりほかの場合は別としても特にソーラーシステムの場合は非常に莫大な資金を食う。いわゆる燃料とか電気とかいうことを考えますと、設備に対する補助金ももらっているわけでありますから、余計それに対する償却等は最優先に考えてしかるべきではないのか。そういうことで、通産省もそれをやるときは安倍晋太郎君が通産大臣だったので、これは率先してやらなければいかぬ、そういうふうな御意見もあって、その辺の絡み合いということがどうしても私の判断ではできかねていましたので、その辺の絡み合いを含めて、再度ひとつ小島さんの御見解を承りたいと思います。
○小島政府委員 確かに国の施策として通産ではそういう場合には助成をしているという方法をとっております。施設を所管している厚生省がそれに対する配慮がないのはおかしいじゃないかという御指摘、もっともな点もありますが、全体の運営といたしまして措置費の中から減価償却は認めないという扱いで現在来ているものですから、全体の兼ね合いの中で特別にどんな場合に今後どういう考慮をしたらいいのか、全体の中で検討させていただきたい。検討いたしますのでしばらく時間をいただきたいと思います。
○兒玉分科員 今も申し上げたようなことで、これからひとつできるだけその組織の運営上無理がないようにそういう方途は講じてもらうべきじゃないか。しかも重身障者というのは、私もよく知っています、理事長は社会党員でございまして、それはなかなか大変な苦労がありますね。対象人員は、とてもじゃないがまだ三分の一にも達していません。そういう点から考えても、そこに働く労働者も並み大抵のことではなかなかできないと思うのです。そういうことを踏まえながら、これは厚生省の、非常に立派な施設でございましてこれからも中身については拡大すべきであろうということでございますから、そのことを含めて今後の対応についてはぜひひとつ前進的な立場からお取り組みを願いたい、こう思いますが、いかがでございますか。
○小島政府委員 お話の趣旨もわかりますので、十分検討させていただきます。
○兒玉分科員 大臣にお伺いしたいと思うのですけれども、今そういう施設はともすれば予算の関係で収客人員もなかなか枠を広げられない、非常に厳しい。だけれども、やはり重身障者等の場合は、無制限ということはいきませんけれども、国家財政の許す範囲でできるだけ地域の経営者の、経営者というよりも公的な関係でございますが、そういう人員の拡大についてはできる限りの要望にこたえるように一層の努力をすべきではないかということと、先ほど申し上げた償却の関係についても特に大臣の十分な御配慮をお願いしたいというふうに考えますが、よろしくお願いします。
○今井国務大臣 先ほどからの先生と局長とのやりとりを聞いておりまして、先生の御要望の線はよくわかりました。したがいまして、省内でよく相談をさせていただきましてできる限りのことをさせていただくように努力をいたしたい、こう思います。
○兒玉分科員 小島さんにお伺いしますけれども、現在、それぞれ重身障者の機関で対応しておるところには一人当たりどの程度の国からの資金が交付をされているのか、お伺いしたいと存じます。 〔主査退席、野上主査代理着席〕
○小島政府委員 重度の身体障害者の施設、これは養護施設と呼んでおりますが、大体月額で一人当たりの措置費として二十五万程度のお金が出ております。その中で国の負担は、六十年度はその十分の七を国が負担するという形で現在やっております。
○兒玉分科員 そうすると残りはどうなりますか。
○小島政府委員 残りはその措置の実施主体でございます県なり福祉事務所を設置する市なりが負担するという仕組みになっております。
○兒玉分科員 二十五万で十分の七が国の負担だということでございますね。それで、医療行政というのは非常に多面性を持っておるし、その内容についても千差万別ではないかと思います。そういう点から、できるだけ施設関係の御要望については万全の体制をとっていただくようにお願いを申し上げてやまない次第でございます。それについてひとつ御見解を承りたいと思います。
○小島政府委員 施設の中にお入りいただく方、これは高齢化しますとまた対応も違ってまいりますので、その辺、常に施設の方々ともお話を承りながら、そういう福祉援護の措置には欠けることのないような配慮は十分今後ともしてまいりたいと考えております。
○兒玉分科員 時間が参りましたが、大臣の総体的な御見解を承りたいと存じます。
○今井国務大臣 先生の最初からの御質問、幾つかの問題がございましたが、十分に承りまして御意向に沿うようにひとつできるだけの努力をいたしてまいりたいと思っております。
○兒玉分科員 それでは、終わります。
○野上主査代理 これにて兒玉末男君の質疑は終了いたしました。 次に、薮仲義彦君。
○薮仲分科員 最初に大臣にちょっと資料をお渡ししたいのですけれども、よろしゅうございますか。 私、大臣にきょうは歯科の問題について質問させていただきたいのですが、大臣は当然歯科の実態をよく御承知であろう、ですからある意味では私は重ねてお願いするような形になるわけでございますが、私の意見にどうお答えになるか、大臣のお考えをお伺いしたいわけでございます。私は、大臣とはよくほかの委員会でお会いするわけでございまして、余りこの歯科の問題は専門ではございません。でも大臣は長い間この社労の中で厚生行政にはもう大変深い知識を持っていらっしゃる大臣でございますので、私は非常に期待しながらきょうは質問させていただくわけでございます。 私は、地元の前の歯科医師会長子上さんを初め保健部長さん、以来ずっと、自分の地元の県下の歯科の先生、数多くお話し合いをする機会を持ちました。また、亡くなられた歯周病学会の専務理事さんの木下四郎先生、大変すばらしい御意見を何回か聞かせていただきました。また、現在の補綴学会の関根会長先生からもいろいろと御意見を伺いました。理工の佐藤温重先生等いろいろ先生方とお会いするわけでございますが、中でも私は、自分の歯を治してくださっている主治医の先生、庵之下先生といいますけれども大変立派な先生です。私はその先生にお会いして歯科診療というものがいかに大切かということがわかりました。歯を大切にしましょう、生涯自分の歯で食べ物をおいしく食べていかなければならない、歯というものは人生の楽しみそして健康を維持増進する上で非常に大切ですと歯科医療の重要性を教えてもらいました。 今まで申し上げた先生方が異口同音におっしゃったことは、歯が一本なくなる、その認識がもう少し真剣であってほしい。手がなくなったり足がなくなったら義手義足です。歯が一本なくなってそこに鋳造冠や欠損補綴、あるいは歯冠修復をいたしますけれども、いわゆる義歯に対しては余り深刻な思いをいたさない。しかし先生方は私に教えてくれました。一本でも変な歯が入ったらば、大変話しにくいし、食べにくいし、健康に害を及ぼします。歯の一本というものも手や足と同じように人工臓器です。口腔内に入っていかにすばらしい機能を果たすかは歯科の重要な観点です。人工臓器という観点を忘れないでほしい、こう言われました。 また、私は時間が短いですから大臣に私の言いたいことを先に言っておきますが、これから二〇〇〇年、さらにはその先と高齢社会が参ります。大臣も心を痛めていらっしゃるような、今まで我我が経験したことのない時代が参ります。そのときに一番大事なのは、お年をとってまいりますと大臣も御承知のように、残存歯数、五十五歳ころからだんだん歯が減ってまいります。十本とか十二本に歯の残りが少なくなってまいります。そうしますと、欠損補綴という鋳造冠を入れたり総義歯、入れ歯ですね、こういう問題が出てまいります。 しかし、今多くの先生方に聞いて一番問題になりますのは、総義歯と鋳造冠が今の保険の中では非常に不採算です。このことを大臣よく各界の先生方から意見を聞いていただきたいと思います。私の聞いている限り、ほとんどの臨床の先生も、学会の先生もそれを訴えられます。それからまた、医療保険の中で特定療養費、この問題が今出ておりますけれども、これについても今の不採算部門をきっちり、基本診療において保険点数を不採算でないように、十分採算が合うように、十分な治療が受けられるようにした上でこれは考えていただきたいということも先生方が申されます。さらには、歯科材料については安全であってほしい等々私はずっとこの問題を聞いております。 特に歯科の先生が患者さんに対して本当にいい治療をしていく。私は最初、歯の治療に行くの怖かった。でも今の主治医の先生のところには安心して行く。行って私はすやすや寝てくるのです。私だけじゃない、ほかの患者さんもよく寝ています。遠いところから数多く来ます。立派な数多くの先生がいらっしゃるわけです。そういうまじめな先生が歯科治療の中で国民の健康を守れるような保険行政を大臣に確立していただきたい、私はこのことを冒頭にお願いをいたしておきます。 そこで具体的な問題に入りますが、これは専門の局長さんの御答弁で結構でございます。 我々がかつて理解しております歯科材料の導入の中で、ポリサルホンの保険材料として導入のときに、金属床にかわる材料として導入しますよという説明をいただいておりますが、この点は間違いございませんか。
○幸田政府委員 ポリサルホンの保険導入は昭和五十六年の六月からいたしておりますけれども、日本歯科医師会と厚生省といろいろ話し合いをいたしまして保険外負担の解消を図るための一環として行われたもの、こう承知をいたしております。
○薮仲分科員 質問の時間が短いですからポイントを答えてください。金属床にかわる材料として導入したんですかと言ったら、それがイエスかノーか言ってください。
○幸田政府委員 その当時におきましてはそういう考え方で導入いたしております。
○薮仲分科員 そこに問題があると私は思うのですよ。先日関根先生にお会いしたのです。これは補綴学会の専門誌です。補綴学会として、関根先生も入っておるのですが、ポリサルホンの導入についてここに詳しく書いてあるのです。これを見ますと、 臨床成績としては、後述するように、全国歯科大学の補綴学教授およびその推薦による臨床歯科医師を対象としたアンケートの結果によっても、ポリサルフォンレジンの使用頻度がきわめて低く、多くの使用経験による客観的な調査を行うことができなかった。臨床成績の報告としては、佐久間の報告がある。ポリサルフォンレジンを用いた義歯患者八十六名、百十六床についての臨床経過報告である。発生した事故の内容は床の破折および床からの人工歯の脱落であるが、装着した百十六床のなかで、事故の発生件数が二十七床であり患者別にみると全八十六名中二十三名であった。また、装着後事故発生までの日数は二十三日から三百二十二日に及んでいる。アクリリックレジンを用いた場合の床の破折や人工歯の脱落も皆無とはいえないと思われるが、やや事故の発生頻度が高いように思われる。リライニングや修理の段階の問題点もあるように考えられるが、前述したように設計の上で、金属床とは基本的に異なる点を注意すべきであると考えられる。我々が専門的にこれを聞いたときに、厚生省の説明は、材質が非常にかたい、薄くできる、口腔内に入れて金属床と変わらない。しかし、ここにありますように、もっと時間があれば詳しくやりますけれども、かたいけれどもいわゆる加工が非常に難しいし、また破損も多いわけです。これは金属床と基本的に違う。補綴学会が明らかに金属床とは違うと言っている。これは導入の仕方に問題ありと私は指摘しなければならない。私がきょう発言すると全国の歯科の先生は知っているわけですから、局長もしっかり腹を据えて答えてください。
○幸田政府委員 歯科問題につきましては、昭和五十年前後からいわゆる差額徴収をめぐりましていろいろな問題が出てまいりましたことは先生も御承知のとおりであります。そういった経過を踏まえまして、中医協におきましてできる限り新しい技術、新しいものを導入する、こういう合意ができまして、その一環といたしまして先ほど申し上げました五十六年六月の際にもポリサルホンの導入をいたしたわけでございます。確かに御指摘のとおり、私どもが当初五十六年当時考えておりましたほどの普及はいたしておりませんけれども、義歯の一%程度につきましては現在ポリサルホンが導入されているわけでありまして、適応症を選んで実施をいたしている、こういう実情でありあります。
○薮仲分科員 今の局長の答弁はわけのわからないことを言っておりますけれども、いわゆる金属床とは異質である、一番根幹にかかわる問題で問題があると指摘されているのですから、ポリサルホンの導入はよかったのかどうか、使用頻度も低い、これについては真剣に検討すべきだと思うのです。いかがですか、するかしないか。
○幸田政府委員 ただいま申し上げましたとおり、現場におきましても一%程度は導入をされているわけでありまして、そういう実態を踏まえてただいま御指摘の点も含めて検討をしてまいりたいと思っております。
○薮仲分科員 今中医協が新しい材料を導入しろとおっしゃっているけれども、補綴学会から出ている意見は全然違うのですよ。ここにありますのは、診療行為の改善に当たっては「給付範囲を拡大し、新設した項目に財源を振り向けることは好ましくないと考えます」、補綴診療の基本部分すべてにわたって財源の分散を図るようなことはしないでほしい、こう言っている。まあ後でやりますけれども、補綴学会は今局長のおっしゃったことと真っ向から違いますよ。むしろ範囲を狭めて基本診療部分において十分な保険点数を導入してほしい、これが学会の考えです。それは時間の関係でそのくらいにします。 次にニッケルクロムの導入について、これは私はこの委員会で何回もやった。私がこの安全性の問題について追及したときに、当時の保険局長も、安全について大丈夫です、私は専門学会の御意見を聞いてくだすったのですかと言ったら、聞いてくだすったというお話があった。ちょっと読んでみます、局長もお持ちだと思いますから。五十八年の三月七日。このニッケルクロムの導入はある日突然に始まったのです。あの大分の歯科医師会の問題が、読売新聞ですか、ぱっと出ました。あのときに私は、これは非常に困ったことだなと思っているうちにばたばたと保険に導入されました。巷間言われるように、何となく不愉快な思いがございました。 当時から私はこの歯科材料の安全性を何回も言っておりました。口腔内に入れる材料は安全でなければならないということを指摘したときに、この導入のときの質問をちょっとここで読んでみます。私は理工学会、補綴学会あるいは歯周学会の先生方の御意見はちゃんと聞いたのですかと局長に聞きましたら、当時の吉村局長が「歯科理工学会は、代表者が九州大学教授の山根正次先生でございます。それから、歯科補綴学会の意見は、三谷春保大阪歯科大学教授に聞いております。それから、技工士会にも意見を聴しまして、反対しないという意見をいただいております。」また「日本歯科医師会を通じて意見を聞いております。」こういうふうに言われた。これは間違いないでしょう。これはちゃんと局長が答えているのです。 さらに吉村局長は「特に安全性については問題はないと私どもは考えておるわけでございます。」安全性と導入については各学会の意見を聞いた、この会議録の答弁は間違いございませんね。あるかないかだけで結構です。
○幸田政府委員 前の局長が答弁をいたしたことは間違いありません。
○薮仲分科員 前の局長といっても行政というのは継続するわけでございます。私、この問題も補綴学会の先生方に実は違うと言われたのです。その補綴学会の前に、日本歯科医師会の名誉のためにも日本歯科医師会の立場をここで言っておきますと「ニッケルクロム合金 保険導入で見解」日本歯科医師会岡常務理事、この日本歯科医師会の岡英男常務理事というのは、器材担当の常務理事であります。結論は、ニッケルクロムを導入するのは時期尚早であるという日歯の岡常務理事の見解が出ております。これは、昭和五十七年十二月二十三日に開催された常務理事会において、今まで「厚生省より日歯に対して申し入れまたは話し合いがなされているか否かの質問に、前沢進常務理事より「今日まで全くなんの交渉もありません」との答弁があった」。厚生省は日歯に聞いていると言うけれども、日歯は厚生省から聞いておらぬ、こう言っている。しかも器材担当の常務理事は時期尚早とおっしゃった。 それから、補綴学会に聞きましたとおっしゃっている。これを読んでみます。ニッケルクロム合金の保険導入の問題点、この「ニッケル・クロム合金問題の経緯と学会の対応について」述べておきましょうということで、ここに書いてあります。これはこう書いてあるのです。 中医協での決定の直前に保険導入に同意して欲しい旨の電話が日本歯科医師会から学会長宛にあったとのことである。しかも即答を求められるという慌しさであったので、三谷学会長は取敢えず常務理事の範囲内で意見をとりまとめ、「ニッケル・クロム合金の保険採用には同意できない」との回答を行った。庶務担当の横塚教授を通じて学会長から意見を求められたのは、たしか歳末も押詰った十二月二十六日であったと筆者は記憶している。後に聞いたところでは、同様趣旨の電話が理工学会長にもあったとのことである。そして急遽二十九日に保険導入が決定されたのである。ここではこのような全く唐突な保険導入を巡って巷間種々伝えられている真の動機などについては立入らないが、先年のポリサルホン保険導入と同じく、不審の感を抱かせる それとさらにあるんですよ。 上述のような事態について、補綴学会では、明けて昭和五十八年一月二十一日の常務理事会において三谷学会長から報告が行われた。事態を重視した常務理事会は、この問題について慎重に審議して次のような学会見解を表明することとした。 一月二十一日ですよ。まだ中医協が終わって保険導入をする前です。 ニッケル・クロム合金の保険導入について学会の意見は、適合性、硬さ、生体反応、高温鋳造、口腔内操作性、その他の問題があるので、なお検討を要する。したがって金銀パラジウム合金に準ずるものとしての保険導入の時期に至っていないことが再確認された。ずっとございますが、最後に結論がございます。 いずれにおいてもニッケル・クロム合金の保険導入に対する学会の意見は、いささかの疑念を挟む余地なくきわめて明快である。保険導入の時点において、学会がこれに賛成であったことなど全くなかったということをここで改めて強調しておきたい。 とある。吉村保険局長は補綴学会は賛成した、学会長が賛成はしておらない、全く意見が違うじゃないですか。では、保険局長が私にうそを言ったのかということになってしまう。私は国民の代表として安全性は大丈夫ですか、大丈夫とおっしゃった。 では、理工学のこのニッケルクロム専門の東京医科歯科の佐藤温重先生は何とおっしゃっているか。 ニッケル・クロム合金のみならず、歯科材料は前臨床試験により安全性が保証されたものについて、小規模の臨床試験を行い、既存の歯科材料と比較し優れた材料を選別し、一般臨床に使用することが、医の倫理からして必要であろう。既存の補綴材料と比較しニッケル・クロム合金は安全性の優れた材料とはいえない。 理工学会は安全性はすぐれてないと言うのですよ。 毒性試験は毒性陽性の証明に重点をおいているが、本来安全性の評価は毒性陰性の限界を証明すべきである。しかしこの種の研究はなされておらず、ニッケル・クロム合金の許容量・安全域について結論を出すことは困難である。 今申し上げたように、日歯の器材担当の常務も、細かいことを言いませんが、これは口腔内において除去するときに非常に困難であるとか、装着するについては困難である。補綴学会も、学会としては絶対に賛成などしておらぬ。理工のニッケルクロムの専門の佐藤温重先生も安全は認めがたいとおっしゃっている。すると、この委員会で私に答弁した厚生省の答弁は全くうそじゃないですか。私は全く許しがたい。 私は何回も安全性のことを言っているのですよ。私が指摘して、当時のJISの規格の中に小委員会、専門委員会をつくって、専門の補綴や理工の先生を入れなさいと言って入れさせた。でも私に答えて、安全ですね、補綴学会、理工学会が安全を承認しましたか、承認した。この委員会で私に答えたことがすべてうそであった。一体厚生行政というのは国民を欺くのか。 だから、ニッケルクロムやポリサルホン酸導入についておかしい。今度の歯科の改正についても、補綴学会では前装鋳造冠を入れてくれとは思っておりません。臨床の先生に聞いてごらんなさい。ほとんどの先生はそれよりも不採算部門を是正してほしい、この意見ですよ。全く違うじゃないですか。これを何と説明するのですか。
○幸田政府委員 ニッケルクロム合金を導入いたしました経緯について御説明を申し上げます。 五十八年三月にニッケルクロム合金を導入いたしたのでありますが、その前に中医協がございまして、中医協で日本歯科医師会代表の委員からこういう要望であります。ニッケルクロム合金についてはかなりいい製品が近日開発されておりますので、この点緊急に保険にお入れいただくことができますれば大変幸いだと思いますので、よろしくお願いいたします、こういうのが五十七年十二月二十四日の中医協の全員懇談会の記録でございます。それに基づきまして、厚生省は昭和五十七年十二月二十九日に、ニッケルクロム合金を保険に導入をするということで中医協に諮問をいたしたわけでありますが、その二十四日から二十九日までの間に、ただいまお話のありました歯科補綴学会の当時の三谷会長に対しまして、日本歯科医師会を通じまして意見聴取をいたした記録が残っております。 当時の三谷歯科補綴学会長の意見といたしましては、硬度の点に関する問題点が従来より言われているが、改善されつつあり、保険導入に反対するものではない、こういうこと。ただし保険導入については十分な技術料で評価してもらいたい、これは電話のやりとりでありますが、日本歯科医師会を通じてのそういう意見に基づきまして、二十九日に中医協に諮問をいたしまして、その答申を得て五十八年三月からニッケルクロム合金を保険に導入をいたした、こういう経緯であります。 その後、補綴学会が、ただいま先生がおっしゃいましたような学会内部でいろいろな御意見を開陳をされているということは、その後の学会誌等を拝見して私も承知をいたしたのでありますが、現在の段階におきましては、補綴学会とも相談をいたしまして材料基準を決めているわけでありまして、このニッケルクロム合金の問題についてはそういった特別な問題はないものと私どもは承知をいたしております。
○薮仲分科員 局長、そのときの委員会にあなたもいたと思うのですよ。私はこのニッケルクロムの中のベリリウムというのは発がん性があります、慢性毒性試験や本当に臨床実験をきちっとやらなければ国民の口腔内に入れては危ないですよ。私はいろいろな文献を通じて、このニッケルクロムの安全性が世界各国でほとんど危険だと言っているのに、なぜ日本だけ導入するのだとさんざん言った。そのとき安全だと言った。私は、電話ごときはいかぬ、一億二千万の国民の厚生行政というのは生命の安全にかかわるのです、だから、口頭などいかぬ、文書できちんと見せなさいというふうに書いてある。導入をそんな慌ててやることないじゃないですか。何をそんなに慌てるのですか。きちんと文書で確認をして、補綴学会の、理工学会の、臨床の先生のいろいろな経緯を聞いてから導入すべきです。このとき私は、当時の厚生省の薬の承認論文のいいかげんさで問題になったあの薬剤のことも指摘した。安全性が厚生行政の生命です。それが覆るということは国民に対する厚生行政の重大な不信ですよ。 これは大臣に、前大臣の当時のことでございまして、私は先日も関根先生にお会いしたのです。このことを言われたのです。厚生省のおやりになることと国民の健康と十分考えていただきたいということを言われました。大臣、大臣はこの私のきょう指摘をした補綴学会、そして理工の先生、あるいは臨床の先生等の御意見をお聞きくださって、私に答弁した局長の答弁と全く異なっており、これでは厚生省の答弁がうそということになってしまいます。これは関根先生が補綴学会で出されている本ですから。これを調査して私に御報告を大臣からいただきたいと思いますので、きょうはこれでおさめておきますけれども、大臣、お調べいただけるかどうか、ちょっと御答弁を。
○今井国務大臣 大変申しわけございませんが、今の御議論を聞いておりまして、私も実は初めてのことでございますから、大臣が初めてじゃいかぬとおっしゃればそれまででございますが、真実そうでございますから、私が前後よく聞きまして調べまして、今のようなことで御報告いたしましょう。
○薮仲分科員 どうかお調べいただいて、私はやはり厚生行政の一番根幹は国民の生命の安全にかかわることでございますから、私は薬の問題、いろいろな問題をやってまいりましたけれども、安全性にまさるものはないと思いますので、合理性とか経済性の前に厚生省がまず踏みとどまらなければならないのは生命の安全であり、健康だと思うのです。これを外して経済合理性を追っていったらば、厚生省は誤った方向へ国民を導いていかないとも限りませんので、大臣にお願いをいたしておきます。 それから、もう時間が余りありませんので、大臣、お手元の渡した資料をちょっと見ていただきたいのですが、これも大臣は、もう厚生行政の御専門でございますから私がくどくど申し上げることはないわけでございますけれども、大きい横書きの表をざあっとごらんいただきたいと思うのです。これは地元の歯科の先生等の御意見を踏まえてできた資料でございます。 例えば、「総義歯」それから「鋳造冠(大臼歯)」という表がございますが、この総義歯というのは、いろいろな計算の仕方があるのですけれども、大体六日間ということでどの程度の時間がかかり、材料がかかり、歯科の先生がどういう経費を負担しているかということを出したのですが、これにはいろいろ御意見、反論等もあろうと思うのです。ただ、標準的な出し方としてこうやったわけです、大臣。例えばもう一つの方法は、一年間の総収入、例えば私なら私が歯科医ですと、総収入の中で私が一分間当たりどれくらいの評価をされていいのかということからこの表は出しているわけでございます。これでいきますと、結論だけ時間の関係で申し上げますと、大臣、ちょっと計というところを見てください。計というところに、(B)というところに六万五千八百十四円、総義歯のところに出ていると思います。それから、保険で請求できる(A)というところが三万七千二百四十円と出ております。これでいきますと、(A)マイナス(B)で二万八千五百七十四円、これはこの表でいつでも総義歯が二万八千五百七十四円の赤字になります。 それから、鋳造冠の方は同じように計算してございますが、大変はしょった説明で恐縮でございますが、これも同じような計算式で出してありまして、実際かかっておる経費というものが三万七千六百九円五十銭です。ところが、保険で請求できる点数は八千二十円です。鋳造冠というはカチャっとかぶせる全部鋳造冠でございます。大臼歯ですから、奥歯に全部かぶせるやつですね。これは一個つくると二万九千五百九十四円赤字になります。これは世界各国の総義歯や鋳造冠の単価と比べた論戦もここでやりました。いずれにいたしましても、これは非常に不採算なんです。 もう一つ、大臣のお手元にこういうのをお出ししたと思うのです。「総義歯と鋳造冠の不採算の計算」これは厚生省に資料を要求しまして、先ほど申し上げましたいわゆる年収を、その中でお医者さんが取れる、歯科医が取れる分と、それから経費がどのくらいかというので九四・一%、それを一分当たりまで計算を戻しまして、総義歯に何分かかるかという計算をしますと、七万六千四百四円かかります。それで、保険点数を引くと、三万九千百六十四円が赤字になるのです。これは厚生省の資料でやった計算で、これにもいろいろ反論があるかもしれません。しかし、今出しようがないからこれは出してあるわけですが、この全部鋳造冠も同じ算式で二万七千五百十七円、一個つくれば赤字ですね。 今、歯科の先生は入れ歯が上手だと言われることを嫌がるのです。入れ歯が不採算。この鋳造冠とか総義歯というのは、先ほど申し上げました高齢化社会において非常に重要な歯科診療の中軸になってまいりますので、主要な診療項目になってまいります。私は五カ年間これを叫び続けているのです。総義歯、鋳造冠というのは不採算である。これは大臣、きょうはこれまでにとどめますけれども、関係の学会あるいは専門の先生方の御意見を伺って、今後改定のときに高齢化社会に対応した保険点数のあり方を基本診療の中できちっとつくり上げていただきたいことを、私はこれからも毎年この問題は見てまいりますので、大臣にお願いし、大臣の御答弁をいただいて終わりたいと思います。
○今井国務大臣 私も、大変申しわけございませんが、よくこの問題は勉強をいたしましょう。そして、先生おっしゃるように、私も勉強すればわかると思いますから、しっかり私の考え方を決めまして、また御返答申し上げたいと思います。
○薮仲分科員 終わります。
○野上主査代理 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。 次に、田中慶秋君。
○田中(慶)分科員 私は、国立病院の問題に関連しながら、数点質問をしてみたいと思います。 まず一つは、横浜国立病院が救命救急センターとして多分昭和五十四年ごろにその指定を受けたわけでありますが、それらについて救命救急センターの定義と役割について冒頭に質問をしたいと思います。
○仲村政府委員 国立病院の救命救急センターの定義でございますけれども、心筋梗塞、脳卒中、頭部の損傷、頭部外傷でございますが、等の重篤な救急患者に対して救命医療を行う高度な診療機能を備えた三次の救急医療施設、こういう定義でございます。
○田中(慶)分科員 救命救急センターというのは、今のお答えのように三次医療というか救急の扱いをする、こういうことでありますけれども、現在この救命救急センターを国立病院が受けていて、その役割は十二分に果たしているかどうかということについて、まず冒頭にお伺いしたいと思います。
○仲村政府委員 横浜病院の救命救急センターでございますが、五十七年の八月から、三十床の規模、うちICU、いわゆる集中治療のための病床でございます。これが六床でございますが、三十床規模で運営を開始いたしまして、横浜市、鎌倉市等、地域の一次、二次救急医療機関との連携によりまして紹介、転送患者の受け入れを行ってきているところでございます。
○田中(慶)分科員 今御答弁を聞きますと、その役割というものは全くよく理解をさしていただきました。しかし、現状はどうかというと、はっきり申し上げて、その機能は全くされていない。私の友人も急患という形の中でたらい回しをされて、とうとい生命を失っている人間もいます。また、この二月の二日の日、交通事故を起こしまして脳に障害といいますか、そんな形のものがあったわけでありますけれども、このときも国立病院が受け入れ態勢ができていない、そういうことで、二つを回って三カ所目でその患者が受け入れられた、こういう話を聞いているわけであります。 幾ら制度をつくっても、あるいは立派なセンターとして指定を受けても、そういう受け入れ態勢であってしかるべきかどうか考えてみますと、国立病院が財政的といいますか、経理的に採算が不採算という形の中で、赤字の問題がいろいろなことが叫ばれてしばしばあるわけですけれども、まさしくあそこの病院は採算だけをそんな形で考えているということを私はたまたま聞くわけであります。ですから、回転率がいいとか軽い人たちをとるとか、こういうことをよく聞くわけでありますけれども、そういう点についてどのように認識をされておられるのか、そしてまたどのような指導をされているのか、お伺いしたいと思います。
○仲村政府委員 五十七年からの開始でございまして、私どもが把握しております数字上からは、横浜の救命救急センターの取り扱い患者数は一日平均にいたしまして一・二名という数字が出ております。私ども国立病院の救命救急センターの一日平均の患者数が一・九人という数字でございますので、若干平均を下回っておりますけれども、あるいは先生がおっしゃったような事例があるかどうか正確には把握しておりませんけれども、今後なお機能の向上については努力してまいりたいと考えております。
○田中(慶)分科員 いずれにしても、今国立病院の指定を受けたのは救命救急センターとしての患者数といいますか、それが一・九名ですか、平均。――いいですね。民間の、例えば百万都市にそれぞれ一つずつの指定を受けているわけですから、そういう点では、例えば神奈川県の場合にだって、聖マリアンナも受けておりますし、あるいは東海大学病院も受けております。そういう点で考えてみますと、その数値を把握しておりますか。
○仲村政府委員 ただいまここには持っておりませんけれども、御必要ならば調査をしてお答えいたしたいと思います。
○田中(慶)分科員 私はこの問題を質問するということを申し上げて、通告をしているわけであります。把握をしていないこと自体がおかしいわけです、はっきり申し上げて。民間の場合においては、もっと患者数が多いのですよ、はっきり。今、一・九人でしょう、あなたのおっしゃったことは。この計数が全然違いますよ。その点で民間と国立病院との問題が、同じ救急救命という問題の中で、こんな形のものがあっていいかどうか。大変残念ながら、こういう結果が出ているということについて、厚生省としてあるいはまた病院担当として、昨年も私はこの問題を少し指摘しました。一向に改善をされていない。昨年この問題を改善するように――具体的な例は差し上げませんでした。しかし、改善方を要請しました。ということは、それぞれ地域医療という前提を考えてまいりますと、国立病院と地域の開業医とは大変親しくといいますか、連携をとられて、それぞれ患者を送ったり、いろいろなことを含めてやらなければならないわけであります。 ところが、現実にはあそこはその連携が非常にまずい。あそこに患者さんを送らないで、ほかに、聖マリアンナヘ、あるいはまた北里に送り、大学病院に送ったり、こういう形のものが頻繁に目立っているわけであります。その辺はどういうふうに認識をされているか。昨年も私は御指摘を申し上げたのですが、その改善の跡が全然見られていない。そして今言ったように、とうとい生命までたらい回しによって腸捻転によって、その腸捻転であるということがわからないでたらい回しをされて、亡くなっているのですよ。こういう実態というものをどのように考えられて、医療を預かる側としてこの辺をどう思っておるのか、明確にしていただきたいと思います。
○仲村政府委員 病院の機能、活動状況についての把握をするについてどのような数字を使うかということでいろいろのことがあるかと思いますが、私どもといたしましては、御指摘のように、国立病院全体が職員の数、必ずしも潤沢に配置されてないという面もございます点もありまして、救命救急につきましては、恐らく機能が民間と比べて、大学病院等に比べて高くないというふうなことは、先生もおっしゃる点、当たっている部分が大いにあろうかと思いますが、この横浜病院について見ますと、手術件数等も増加をしてきておりますので、機能的にはかなり従前にましてよくなりつつあるというふうなことで考えておりますが、なお具体的な事例についてさらに向上するような努力をする必要があると考えております。
○田中(慶)分科員 今、向上されたようなデータがあるということですけれども、国立の平均が一・九でしょう。国立が悪くても、その数字が平均ということで一・九でしょう。一・二でよくなっている傾向にあるという根拠はどこにあるのですか。全然ないでしょう。ましてあそこにすばらしい優秀な医者だとか、すばらしいいい人たちがいたのですよ。ところが、そういう人たちみんな追い出してしまったのじゃないですか。ですから、そういう点が一番問題があるわけです、はっきり申し上げて。私はこの問題、去年具体的にこんなことまで言いませんでした。大きなベールでくるんだような形の中で指摘を申し上げた。しかし、それが一向に改善されてないから私は申し上げているわけです。 大臣、見てください。このデータを見てもその結果というものはわかるでしょう、私の言っていることが。そういう点で私は心配しているわけですし、特に地域とのそういう問題というものが明確になってない。こういう問題というのはこれからの国立病院の存続にまで大きな影響が出るわけでありますから、それで統廃合の問題もいろいろな形で今論議をされていますでしょう。そういう点で、少なくとも統廃合とかそういう合理化をする前に、現在ある病院の機能というものを一〇〇%生かし、地域医療に対する貢献をすべきじゃないか。私は、まず第一にそういうことを提言申し上げたいのですけれども、大臣の考え方をお伺いしたいと思います。
○今井国務大臣 これはまさにそのとおりだろうと思います。統廃合というのはまた別の問題でございますが、今ありますものが十分の機能を発揮することは当然のことだと思います。
○田中(慶)分科員 そういう点で、これは特に医師会との問題についても大変連携がうまくいってない。ですから、患者さんが来なくなってしまう、はっきり申し上げて。そういうことをやはりよく承知をしておいていただきたいし、しなければいけない問題であろうと思います。そういう点で、少なくともこの救急救命というものを含めて、せっかく指定されたものが十二分にその制度上もあるいはまた病院としての活躍もぜひしていただかなければいけないであろうと思います。私にも幾つかの、そういう内部からの手紙も来ているわけであります。その手紙の中においては、今言ったように、採算だけを中心として、本当に国立病院としての十二分な役割が従来までは長い間築かれていたものが、あるときからそれがおかしくなってしまった、こういう問題が具体的な事例として出されているわけであります。 私はこの問題について、前の渡部厚生大臣、そして増岡さん、そんなことを含めてずっと関連して少しずつ申し上げてまいりました。しかし一向にその改善がされてない。されているならば、こんなことは申し上げておりません。されてないからこそ、そして私の友人がはっきり申し上げてそういう形で亡くなったからこそ、今怒りを大きくして申し上げているわけであります。ですから、こういう問題についてどのように今後改善をされようとするのか、その辺を明確にしていただきたいと思います。
○仲村政府委員 若干の数字で、私ども機能の向上あるいは病院の経営管理が向上しつつあるというふうな判断を持っております。例えば救命救急で取り扱う患者さんの数にいたしましても、若干でございますけれども増加をしておるというふうな数字もございます。救命救急センターで取り扱う実患者数は五十九年度が四百四十九名でございましたが、六十年の四月から一月まで、これは三四半期でございますが、四百六十六名ということで若干増加をしております。 なお、地域に期待される国立病院の医療機能を十分発揮するように、今後とも私どもなりに努力をしてまいりたいと考えております。
○田中(慶)分科員 そこで、実は国立病院の統廃合の問題に関係するわけでありますけれども、さっき大臣が、現在あるものをまず十二分に生かすべきである、こういう考え方を述べられたと思います。そして特に横浜の場合は、今全国的にも人口の割合にしてベッド数が足りないわけであります。そういう点では、今横浜市としても具体的に、西部病院(仮称)の工事に入ってみたりあるいはまた新たに金沢の埋立地に病院計画をそういう形の中で取り組んでいるわけであります。全体的にベッド数が足りないものが統廃合して、そういう形の中でベッド数が少なくなるということが大変心配されているわけでありますし、病院というものはある程度のレイアウトといいますか、配置的にこういう形でバランスがとれてその機能が十二分に発揮できるのであろうと思います。そういう点で、少なくともこういう問題についてどのように考えられているのか、お伺いをしたいわけであります。
○仲村政府委員 統廃合計画、ことしの一月十日に発表いたしました中で、私ども現在考えております横浜に関する計画は、御承知のように国立横浜病院と横浜東病院の統合でございまして、これにつきましては、現在の計画では病床数は両方足して減らさないということで考えているわけでございます。
○田中(慶)分科員 足して数を確保するような形ではいけないと思うのです。病院というのはあくまでも現在二つあって、そしてそれぞれの地域で機能的な役割を果たしていると思うのです。そういう点で、私は今の存続価値というものは十二分にあるし、せっかく救命救急センターに指定をされたのですから、そういうことを含めて十二分にその活用というものが期待できるのではないかと思う。病床がたくさん上がってきて、それでそういう検討がされているのならいいけれども、足りなくて地方自治体で一生懸命今つくっている最中なんですよ、はっきり申し上げて。それを何のために減らさなければいけないのか、さっぱりわからない。そういう点ではまさしく医療行政の後退ではないかと思う。 二つあるものを一緒にして、全体的なベッド数を確保すればいいじゃないか、そういう発想ではいけないと思いますね。やはり今それぞれの地域が分かれていて、そこで十二分に活用できるように努力をされて、そして足りなければもっとあそこの病床をふやすような形をとるのが、今それぞれの全体的な地域医療を考えたときに望ましい姿ではないかと思うのです。今言われるように両方足して病床だけは確保したい、こういうことであっては決してよろしくないのではないかと思います。
○今井国務大臣 今度の統合の問題でございますが、私どもも基本的には極めて厳しい枠がはめられておりまして、とにかく医者、看護婦等々、医療の従事者というものを我々の思うような形にふやしてもらえない。しかし、おっしゃいますように、これは本当に病人を抱えているわけで、治さなければいけないのですから、そういうときに私どもはどうするかというと、結局のところは全体数がふえない、しかも大事な医療機関としては国がやっていかなければ問題があるじゃないか。というならば、端的に申すならば数を減らしてでもやはり統合をして強力なものをつくっていこうというのは、私は御理解をいただかなければいかぬと思います。 だから、医者にしてもその他の従事者にしても、必要なものがどんどんふえていくというならば、私はこれは先生のおっしゃるとおり一つの方法だと思います。しかし、総額はおまえだめなんだよ、さあどうするんだと言われたら、私どもが選ぶ道は、やはりそれぞれの病院の果たすべき役割を決めて、そして持てる力を統合していかざるを得ないだろうという非常につらい立場にあるわけでございます。それで私どもはお願いをしているわけでございまして、これに関しましては、ひとつそういう基本的な考えであることだけはお認め願いたいと思うわけです。 しかしながら、だからといってそれは抜き打ち的に、こうだからこうですよといってとんとんとするわけにまいりませんから、地域の方々とよく相談をしよう、そして御納得をいただいてやろうじゃないかというふうな段取りでやっておりますことだけはお認めいただきたいと思います。
○田中(慶)分科員 それははっきり申し上げて絶対納得いかないですね。過疎地じゃないのですよ。過密で人口がふえているのです。なおかつ、厚生省を含めて例えば今度の労災病院だって補助金まで出しているでしょう。そんな形をとっている。そして今新たに地方自治体でも予算をつけて二つの病院をつくる。全部でこれだけでも三つつくろうとしているのですよ。そういう最中に医者の数が少ないとか何だかんだという形の中で全体的に一緒にしようという、それは余りにもこの医療という問題を合理的に、あるいはまた何らかの形で算術的に考え過ぎているのではないかと思います。今ちょうどバランスよくあるのですから、やはりそういうことを含めて、あなたプロットで地図の中に落としてごらんなさい。どういう人口の分布でどういう形で病院があって、そういうことを含めてなっているわけですから、大臣の答弁というのは私は全然納得できないし、それだったら現在その必要性があるから労災病院もつくっているのでしょう。そしてまた、新しく今聖マリアンナが中心となる横浜の西部病院(仮称)も、そして横浜市が埋立地につくる病院もこういう形で認めていらっしゃると思うのですよ。ですから、あなたたちがやろうとしていることと今また指導していることとちぐはぐなのですよ。 まさしく病院を一生懸命つくっている。それを今度国立病院だけは統廃合する。こんなことは全然ちぐはぐ行政。こういうことで私は指摘をしたいと思うし、当然この問題というのは、これから大きな人の命という問題について、先ほど言ったように、たらい回しをされて命がなくなってしまった、これがまた一緒になったときにバランスが外れていたならばもっとそういう被害者が出るのではないかと思うのですよ。そういう点で、大臣が先ほど言われた問題については、私は絶対納得がいかないし、これからもっと検討してこのバランスという問題を考えていただきたいと思います。
○今井国務大臣 だからこそ私は地域の皆さんと話をしようと二段目に言っているのです。私どもの考え方がまずなければ御批判のしようがないわけですから、私どもの考えはこうですよといって今投げかけているわけですね。それに対して、こうですよ、地域の実態はこうなんだというものはよく聞こうと思っているわけですから、そういう意味では、私どもは十分御相談していこうと思いますので、誤解のないようにお願いしたいと思います。
○田中(慶)分科員 そこで私は先ほどから指摘しているでしょう。地域の開業医とのコンセンサスが余りにもないということ。医師会からもいろいろな形でそういう点では非常に問題を指摘されているのです。あなたの精神をやはりあそこで反映をするならば、そういうことを含めて全体的な体質改善をしなければいけないと思いますよ。現実にそういうことをしようとしてもできないのですから。あなたの精神がこの医療行政については全然反映されていませんよ。どう思いますか。
○今井国務大臣 先ほどこの問題についてはもう御答弁申し上げましたから、よく私も実情を調べまして、するとはっきり申し上げたのですから、私がよく事情を聞きまして判断をいたしましょう。これは先ほど申し上げたとおりでございます。
○田中(慶)分科員 時間の関係もありますから、それ以上申し上げませんけれども、いずれにしてもそういう全体を調査されてぜひやっていただきたいし、全体的なバランス、よくコミュニケーションをとられてこういうことを含めてやっていただきたいと思います。 続きまして、私は、病院のところで、これもまた環境整備という形の中で具体的に申し上げるならば、あそこに国立横浜病院という、昔、軍当時の関係で海軍病院という問題があって、周りが全部万年塀になっているわけであります。そういう点で、病人が国立病院にかかって、交通機関というのはバスですからバス待ちをしております。ところが、夏の日の高いときに反射熱で余計病気が悪くなるようなものです。ですから、地域の改善要望として、横浜市も今の万年塀を全部取っ払って緑化をして差し上げましょう、こういう話が去年から出て、私も事務当局に申し上げておきました。しかし、それが全然上まで来ていない、途中で詰まってしまっている、そういう点では、はっきり申し上げて、やはり今言ったように地域とそれだけ密着されてないのです。ですから、せっかく予算を取って緑化をして、今の時代は万年塀じゃなくしていま少しきれいな形の中で、さくなりいろいろなことも含めて考えていきましょうということで、せっかく取っているものが使えないわけです。 私は、そういう点を含めて、この環境整備というものは、それぞれ病院の出費も大変でしょうから、市の方がやろうとしたときにはやはり協力態勢をとるべきじゃないか、こんなことを申し上げてきたし、その辺についてどのように承知をされているのか、お伺いしたいと思います。
○仲村政府委員 病院の西側にございます万年塀の改修のことのお尋ねだと思います。幾つかやりとりがあった中で、先生からも直接六十年の七月にお電話があったということは承知しております。 幾つかちょっと行き違いもあったようでございますが、市の方からの意思の表示とそれの返事のやりとり等がございますが、意向打診があったことも事実でございます。確認いたしました。それで、今後横浜市から具体的な計画ができて、それについての相談があれば、私どもとしては可能な限り協力をするという方向で処理をいたしたいと考えます。
○田中(慶)分科員 やはり今言ったように地域とのコンセンサスでしょう。私も提言をし、役所もそういうことを言ったのです。新たに来たらとか、検討するということじゃなくて、お互いに総合的に、環境というものは総合努力によって整備をされるものだと思いますよ。今のような話で、そういうことはまさしく役人根性ですよ。せっかく投げかけられたんだから、そして、今度は自分たちもあそこの全体的な整備の中に加わって、そういう点でより理想的なことをやろうとするのが、私はそういう点での環境整備だと思いますよ。ですから、投げかけられたんですから今度はそれなりに自分たちで検討した答えをちゃんと下さいよ、私にだって全然返事がないのですから。そうでしょう。やはり何でも人間関係というものは、お互いに便りでも何でも連携をとって、こちらから問われたことに対して答えが来る、これがせめてもの人間関係じゃないのですか。それが一方的、ワンサイドになって途中でおかしくなっていたら、それは怒るのが当たり前だと思うのです。 現実に地元の自治会、行政側、私も申し上げました。一向に返事がない。やはりそういうことであってはいけないわけですから、そういうことを明確に、そういう不信がいろいろな形で募っていくのだと思いますよ。そういう点をもう一度ちゃんと明確にしてください。
○仲村政府委員 六十年七月に先生からお電話があった、こう先ほど申し上げましたが、六十年八月に町内会長さんを病院に……(田中(慶)分科員「そういう細かいことはいいのです、時間がないんだから、今後の問題としてやるかどうかと聞いているのです」と呼ぶ) 先ほど御答弁いたしましたように、土地の購入問題等もまだ多少問題は残っておるようでございますけれども、原則的には、横浜市の具体的な計画ができて、それについての内容が私どもとしても了承できるならば、可能な限り協力を進めてまいりたいと考えております。
○田中(慶)分科員 ぜひそういうことで、やはり地元の問題を含めて、大臣、こういう問題はあなたに聞かせたくなかったわけですけれども、そういう問題があるのですよ。ですから、そういうことを含めてやってもらわないと、私が一連の流れで申し上げたことはよくわかるでしょう。ですから、そういうことをやってもらいたいし、ぜひお願いしたいと思います。 この問題だけではなく、例えば幼稚園、保育所の問題、最近、保育所の問題が非常に問題になっておるわけです。幼保一元化の問題等も叫ばれております。一番問題になっているのは、保育所を経営されて赤字になっているのですよ。なぜかというと、それぞれ園児が少なくなってまいりました、職員は抱えているのは同じであります。ところが、ゼロ歳児とか、その分布によって、年齢別によって違いますね。ですから、そういうことを含めて、この問題も今大きな社会問題になってきております。私も、午前中に文部省にこの問題を幼稚園という立場で申し上げておきました。今度は、厚生省に保育所という立場でこの問題を申し上げておきたいと思います。 時間がないから、この問題はそういう点で今後積極的に、十年前、十五年前にいろいろなことを議論されていましたから、今改めて、こういう時代になって出生率その他下がっているわけですから、そういうことも検討する時期だと思いますので、これは、答えは時間の関係で要らぬですから、要望しておきます。そういう点で、もしあれだったら後でお答えをいただきたいと思います。 それから、今厚生省が一生懸命やっております中国の残留孤児の問題、私は非常に厚生省の努力を高く買っておりますし、また非常に一生懸命やられている、大変だと思います。しかし、あれだけマスコミを通じて、ブラウン管を通じて一生懸命やられている割合には、協力度というものは非常に少ない。そういう点で、せっかくその理解を含めて、では、うちのところで身元引受人になろうか、あるいはうちの方で就労させてやろうか、こういう善意の人たちがたくさんいるのですけれども、この問題、どこかでスムーズに流れていない。私も三回ばかり頼んだのですけれども、はっきり申し上げて、全然人が来ない。ですから、そういう問題が、せっかく一生懸命やられている割合には、末端とすればそういうふん詰まり的な要素があるのですね、やはりこういうことであってはいけないのじゃないかと思います。その辺に対する決意のほどをお願いというか、お答えをちょうだいして、もう時間も参りましたので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○水田政府委員 孤児の問題について、先生には平素から大変御協力いただいていることは感謝にたえません。 就職の問題につきましては、所沢のセンターを中心に、ことしの四月から労働省が全面的に御協力いただくようになっております。 それから、身元引き受けなりそれに結びつく就職の問題等につきましては、先生の御指摘のような隘路がないように、せっかくの善意は積極的に活用していくように一生懸命努力してまいりたいと思います。
○今井国務大臣 私もこの問題は人ごとでないと思っておるわけです。私も小さいときに両親を亡くしているものですから、極めて関心のあるものでございます。したがって、今度の第十次でございますけれども、家内と二人でしばしば訪れておりまして、声をかけますと非常に喜んでくれます。ただ、それだけではいけないのですね、政府としてはやることはやらなければいけませんものですから、今言うようなことで、できるだけのことをしてまいりたい。こちらが真心を持って接すれば、必ず真心を持って返ってくると私はそう信じておりますから、一生懸命やりたいと思います。
○田中(慶)分科員 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○野上主査代理 これにて田中慶秋君の質疑は終了いたしました。 次に、和田貞夫君。
○和田(貞)分科員 これは厚生省の直接所管ではございませんが、厚生省、何としても健康を管理する役所のことでございますので、直接所管の労働省の労働基準局長においでをいただいておりますので、そのことをちょっとばかり質問したいと思うのであります。 実は、昨日、労働省に対して質問した内容でございますが、大阪のガードマンをしていた故若松博さんの労災保険の不支給取り消し訴訟で、去る二月二十八日に大阪地方裁判所が、持病があっても過労蓄積による死亡は労災の認定をすべきだ、こういう判決を下したことに対しまして、労働省がこの判決に対して控訴するのかしないのか、願わくは、遺族のことを考えて、あるいは客観的に労働の事情というものが変化しておる今日の段階で控訴すべきでない、こういう質問をしたわけでございますが、昨日の労働省のこれに対する答弁が、私としては極めて物足らない面がございましたので、再度お伺いをするところでございます。 この判決の内容というのは、国が労災認定の基準にしてきたいわゆるアクシデント主義を排除、否定している点でありますし、また直接この訴訟をしております故若松博さんの過労の蓄積の労働実態というものを裁判所が十分に指摘して認定している点であり、この点について昨日来の大臣以下の答弁では、判決の内容を十分検討して地元の局署の方にも問い合わせる必要があるというようなことを言っておられたし、また昨年の秋以来専門の医師を中心としてこの点についての見直しも検討し始めているということであったので即答を避けられたわけであります。地元の方と相談もされたことであろうと思いますので、この際、労働基準局長の方から再度お答えいただきたいと思います。
○小粥(義)政府委員 昨日お尋ねがございました後、地元大阪の担当者とも話をしまして、いろいろ事実関係の確認をいたしたわけでございます。現在まだ全体についての結論を得るまでには至っておりませんけれども、判決の内容としては、今先生御指摘になりましたような認定基準で言っておりますところのいわゆる災害概念といったものが必ずしも必要条件ではないという点については、私ども、なおいろいろ問題点があるという点もございますけれども、ただ、その一方で、私どもの方が原処分をいたします段階では把握されていなかったようないろいろな事実関係というものも判決では示されているわけでございます。したがいまして、そうした新しい事実関係といったものが判決結果に響く重要なポイントであるとすれば、これは当然重視をしていかなくてはならない問題点でもあろうかというふうに考えます。したがいまして、全体につきまして今後関係機関とも協議をして、態度をいかにするか決定をしていくことになるわけでございますが、その検討に当たっては、今言った点を十分配慮して対応したいというふうに考えております。
○和田(貞)分科員 わかりました。ぜひとも亡くなりました若松さんの遺族のことを考えて、いい結果を出すようになお努力してもらいたいと思いますし、労働実態が変化しておる今日の時代に、この判決の内容を十分かみしめていただきまして、多くのサラリーマンにも大きく影響する問題でございますので、ひとつぜひともいい方向に向けて検討、努力をしてもらいたいことを申し上げておきたいと思います。御苦労さんでございました。 厚生省の方に、きょうは時間がそうないわけでございますが、心身障害者の国の対応の問題について伺います。 私は具体な内容に個々に触れる時間もないわけでございますが、基本的に、「精神薄弱者の権利宣言」が一九七一年の国連総会で決議されておりますし、「障害者の権利宣言」が一九七五年の国連総会で決議されております。これを受けて、我が国の国会におきましても、昭和五十六年の五月には衆議院で、五十六年の六月には参議院で、「国際障害者年に当たり、障害者の「完全参加と平等」の実現を図る決議」というのがなされておるわけであります。その決議の内容は、具体的に七つ決議されておるわけですが、これを受けまして、厚生省といたしましてもその後福祉法の改正の努力がされておる実績もございますし、また福祉の施策につきましても順次前向きに考えられておることについては敬意を表したいと思うわけであります。 しかし、この国会の決議あるいは国連総会のそれぞれの宣言を見てみましても、心身障害者が完全に社会参加ができるという実態はまだまだ乏しいわけであります。したがいまして、私の意見というのは実は多岐にわたる面があるわけですから、厚生省は福祉の問題を中心に施設の充実を図っていかれるわけでございますが、それぞれの各省が、道路は建設省だ、何はどこだ、こういうことでそれぞれの省庁に任せておるのだというのではなくて、私は心身障害者・児の完全社会参加を目指して、基本的な施策、総合的な施策の策定というのはやはり厚生省が中心になってもらって、そして関係各省庁に努力を求めるという姿勢を示してもらいたいなという気がするわけなんです。この機会に、そのような私の考え方について、厚生大臣のお考えをひとつお示しいただきたいと思います。
○今井国務大臣 心身障害者の福祉の問題について大変深い関心をお持ちいただきまして、ありがたいし、幸せでございます。 おっしゃいますように、確かに厚生省も大変重要な部分を受け持っておるわけでございますが、国としておまえのところで旗振ってやれとおっしゃいましても、行政が縦割りになっておるものですから、気持ちはよくわかりますけれども、私どものところであれこれ言いますのも全体としていかがかと思う気持ちもございますが、その気持ちだけは十分承りまして、私どももそのようなことで一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。
○和田(貞)分科員 そうすると、大臣、それぞれの関係省庁がそれぞれの心身障害者・児の社会参加のために施策を打ち出して取り組もうとしても、ある省庁の方は非常に進んでおる、しかしそのことによって関係省庁にかかわる点がおくれておるためにちぐはぐな問題が出てくる、もう少しこういう点がこうあったらいいのになという点が出てくるわけなんですね。だから、歩調を合わせるためにもそのような施策を総合的に策定をする、そして推進の指導に当たっていく、私はそういう厚生省であってもらいたいなというふうな気がするのですがね。
○今井国務大臣 確かにそのとおりなんでございますが、お言葉を返して悪いのでございますけれども、この問題は、国際障害者年のお話も出ましたけれども、総理府が旗を振りまして、私ども集まりまして、私も、ちょうどそのときこういう問題を衆議院の方でやっておりましたのでよく存じておりますけれども、現在の行政機構を考えた場合に、全体の長期計画というものは、やはりそういう形でどこかが関連のあるところをお集め賜りましてやっていくというふうなことでなければなかなかできないだろうと思います。しかし私どもは、先生のおっしゃる気持ちもよくわかりますので、できる限りのことをしてまいりたいというふうに思っておるわけでございまして、決して後ずさりをしているつもりはございません。ただ問題は、行政機構としていきます場合に、厚生省だけではできないんだということを申し上げたかっただけでございます。
○和田(貞)分科員 それじゃ総理府、障害者対策推進本部を設置して、どれだけの陣容でどのようなことを具体に今やっておられるのか、ひとつお答え願いたい。
○新飯田説明員 お答え申し上げます。 障害者対策推進本部は、昭和五十七年の三月二十六日の閣議決定に基づきまして総理府に設置することとされました。そして、同年の四月一日に発足したものでございます。 本部といたしましては、障害者に対する施策の総合的推進を図るため、現在具体的には次のようなことを行っております。一つは、障害者対策に関する長期計画、これは五十七年の三月二十三日に国際障害者年推進本部が決定したものでございますが、これの実施に関する施策の連絡、取りまとめでございます。また、国際連合の障害者に関する世界行動計画に関する国内的な取りまとめも行っております。さらに、障害者の日記念の集い、これは毎年十二月九日でございますが、この集いとか地域会議、毎年全国三地域で実施しておりますが、こうしたものを通じまして、障害者問題について国民の一人一人がさらに深い理解と認識を持てるようなことなどをやっております。 現在、私ども本部では、以上の業務を推進しておりますが、御趣旨に沿いまして、関係省庁との連携を密にして取り組んでいきたいと考えております。
○和田(貞)分科員 大臣、お聞きのように、私もきのうこの「総理府のしごと」というのをもらいまして、つまびらかに読ましていただいたのですが、審議室の業務の内容が具体的に書かれておるわけです。 今総理府の方からもお話がございましたが、障害者対策推進本部担当室というのがあって、そして障害者対策推進本部の庶務を行うためにこの担当室というのは設置したんだ、そして今も言われるように、各関係省庁の相互の事務の緊密な連絡をするんだ。この担当室が直接やっておるのは「障害者問題に関する国民への啓発広報活動」、こういうふうに書かれていますね。だから、具体的にその担当室がやっておるのは、総理府で直接やっているのは「国民への啓発広報活動」、こういうことなんですよ。私の言っておるのは、心身障害者の対策として、この国連の宣言でも認められているように、心身障害者は平等に社会参加をする権利を有しておるわけですから、その権利を行使することができるように国と自治体が責任を持たなくちゃならない、また国民もその責任を持たなくちゃならない、こういうことです。身体障害者福祉法にも国の責任、自治体の責任、国民の責任ということが明記されているわけですね。そのことはよくわかるわけです。しかし、それを具体に実施していく場合に、どうも今、連絡調整するところがないので総理府。これを見てみたら、何でもかんでもだと思うのですよ、縦割り行政であるために。私は縦割り行政というのは長短があると思うのですが、やはり短所は戒めなくちゃならぬと思うのです。 私は、やはり厚生省が指導的な立場に立って、例えば道路やその他の建設関係の問題については建設省がなさるでしょう、しかしそれは厚生省の心身障害の福祉をやる者と兼務をしておるんだ。あるいは鉄道やバスやタクシー、そういうものに対するところの心身障害者の社会参加のためのいろいろな対応、これはたまたま運輸省でやっておるけれども、また心身障害を担当する厚生省の職員と兼務しているんだ。縦割りの欠陥を補うために厚生省が中心になってそのような対応の仕方をしていくことによって、自治体を含めて、総合的な施策が前向きに推進されていく、私はそういうような気がしてならないわけです。後でもう一度大臣の方にお聞きしますが、例えばこの施設の点についても、厚生省は厚生省として直接の事業として福祉をふやしていく、充実をしていく、あるいは専門員を養成していくということをやっておられるということは、まだまだ十分じゃありませんが、もっと積極的にやってもらいたいと思うのです。 しかし、心身障害者の側に立って見るならば、この福祉というのは、あなたの方でやっておられる福祉じゃなくて、総合的な社会に参加するための福祉ということを頭に置かれるわけです。例えば駅は民鉄も国鉄もございますが、果たして全国のそれぞれの駅は、心身障害者が、足の不自由な方も目の悪い方もその駅を利用されるかというと、それは決してそうじゃないと思うのです。今一挙に解決せいということはできないといたしましても、せめてひとつ力を合わせて、国鉄に限らず民鉄に限らずどこかの駅を初めとして主要駅だけでも、目の悪い方も足の不自由な方も手の不自由な方もその駅を利用できるような福祉駅というようなものを漸次つくっていくような努力があるならば、心身障害者の社会参加に勇気をもたらすことができるわけですね。 最近では車いすの皆さんが電車の乗りおりができるような手だてを講じている駅もございます。ところが、障害者の中で耳が聞こえない障害者がおられる。幾ら大きなマイクでただいま電車が入りますよと言ったところでこれは聞こえないのです。だから、そこに電車が急に入ってきて事故で被害を受けられるというようなことも間々あるわけなんですね。だから、スロープ階段にしたから、エスカレーターをつけたから、エレベーターをつけたからといって、これは完全な福祉駅とは言えないわけです。重度心身障害者も含めた方々が乗れるような福祉駅というものを、一挙にいきませんが、各線の主要駅につくっていくという努力、これは運輸省だからということで運輸省だけに任じておったら事足らぬと私は思うのです。 あるいは交差点では目の不自由な方々のために鳴り物が鳴る、あるいは点字ブロックが敷かれるというようなことがあったといたしましても、これまた、耳の不自由な方々あるいは重度心身障害者あるいはその他の障害者がそれではみんな安心して通過するような交差点になっているかというと、そうではない。あるいはタクシーが来てとめようと思ってもなかなかタクシーがとまってくれない、バスに乗ろうと思って足の不自由な方がステップに足をかけた途端にもうバスが行ってしまう。そういうような問題が起こっているわけなんですね。そういう例を挙げさせていただくならば、それぞれの関係省庁がそれぞれやったらいいんだというのではなくて、やはり今日の社会環境の中で心身障害者の皆さんが、あるいは心身障害児の皆さんが完全社会参加をしていくためには、何としても総合的な施策というものを国が責任を持って策定して、そして自治体の協力は自治体の協力としてしてもらって、国、自治体が一体となってこれを推進していく、そのためには今の総理府が連絡調整をやっているんだからというようなことでは余りにもお粗末じゃなかろうかという気がしてならないわけなんです。そういう点を私は申し上げているわけでございますので、ぜひそうやってもらいたいという気がしてなりません。どうぞよろしくお答え願いたいと思います。
○今井国務大臣 るるお話を承りまして、お気持ちはよくわかります。したがいまして、その対策本部でも厚生大臣は副本部長になっているわけでございまして、そういう意味からもひとつもろもろの問題につきまして気配りを十分いたしまして、我が省でできないものは積極的にほかの省にお願いをするという形で、ひとつしっかり頑張ってまいりたいと思います。
○和田(貞)分科員 例えば重度の障害児の皆さんにリハビリのために機械に触れさすことは認めておりましても、それを通じて職としての対象にはならないわけなんですね。これはやはり縦割り官庁の欠陥だと思うのですよ。リハビリとして手足の訓練のために、それを補助の対象としていくのであれば、さらに進めて職の対象にしていくというようなこと、これを考えることは総合的なことの中からこれが出てこようかと思うわけなんです。そういう点は、今すぐにお答えがないといたしましても、閣議で十分議論をしていただきまして、私はやはり厚生省が先頭に立って、主導的な立場に立ってぜひともお願いしたいと思います。 時間がありませんので、これも社会参加の一つとして、職の問題の一つでございますけれども、実は盲人の方々が、いわば長い間の歴史の積み重ねの中ではり、きゅう、それからあんま、マッサージですか、目の不自由な方の職域の分野ということで長い間確保してこられたわけなんです。ところが、最近は文部省や厚生省がそれらの技術者の養成施設やあるいは学校をどんどん認可をされるから、その対象が皆晴眼者で、いわば健常者がその職にありついていくということになってまいりまして、目の不自由な方々の職域が端的に言うならば荒らされていく、こういうことで非常に不満をお持ちでございまして、私の方にも何とかこれをひとつ善処してくれぬかという陳情もこれあるわけなんです。 私の方に皆さんの方から届きましたこの資料を見てみましても、いわゆる「三業就業者数過去五年間の変化」というものを見てみましたら、例えばあん摩マッサージ師の場合には、昭和五十五年には目の不自由な方が三万七千六百七十九人、晴眼者の方が四万二千三百八十人だった。ところが、五十九年には盲人が三万七千九百二十五人、晴眼者が四万八千九十九人ということで、その間に目の不自由な方が二百四十六人ふえておるのに比べて晴眼者の方が五千七百十九人も増加をしている。これははり師の場合もきゅう師の場合も同じようなことが言えるわけであります。こういうような結果をもたらすことによりまして目の不自由な方々の職域がだんだんと狭められていく、こういうことになっていくのではなかろうかということを私自身も心配するわけです。新しい養成施設の認定について厚生省は今後どういうように対処していかれようと思っておるのか、この機会にひとつお聞かせ願いたいと思います。
○竹中政府委員 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、これらの職種は、今先生のお話のございましたように、従来から視覚障害者が数多く就業している重要な職業分野でございます。そこで、これら養成施設の新増設につきましては、こういった視覚障害者の方々の職域を圧迫しないというために従来から慎重に対処をしておりまして、晴眼者のみを対象といたします養成施設の新設は昭和五十一年以降全く認めていないというのが現状でございます。 なお、養成施設の新増設に当たりましては、都道府県知事あるいは関係団体の意見を十分聞きますほか、視覚障害者団体の代表も参加をしておられますあん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅう、柔道整復等中央審議会、ここにかけまして慎重に御審議をいただき、その御意見を尊重して決めておるという状況でございます。
○和田(貞)分科員 時間が参りましたのでやめますが、また改めて社労委等でやらせてもらいたいと思います。心身障害者の国際年というのはもう終わったんじゃないのですから、これはずっと続いていかなければならないのだから、ひとつ今後ともぜひとも社会参加のために厚生省が中心となってやってもらいたいということを申させていただきまして、終わりたいと思います。
○野上主査代理 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。 次に、武田一夫君。
○武田分科員 大臣がいないので、最初運輸省からやっていきます。 植物人間と言われるいわゆる交通事故による重度後遺障害者療護施設の問題についてお尋ねをいたします。 運輸省では、交通事故による重度意識障害者の適切な治療及び常時の介護を必要とする者を抱えている家族の経済的精神的負担の軽減を図るために、これら重度の後遺障害者を収容して治療及び療護を行うための療護施設を全国何カ所かに設置したいという構想をお持ちだというふうに聞いております。その第一号が千葉県にできまして、今動いているわけでありますが、今後の予定といいますか、その構想の流れをまず聞かせていただきたい、こういうふうに思います。
○中島(健)説明員 自動車事故対策センターにおきましては、先生御指摘のように、自動車事故によりまして重度の意識障害になりました方に対しまして適切な治療と療護を行うために、五十九年に附属施設といたしまして千葉療護センターを開設いたしまして運営しているところでございます。この療護センターは、ほかに類のない特殊な施設でございますので、当面関東地区に一カ所設置しようということでモデル事業として始めた経緯がございます。また、同センターは開設以来まだ二年を経過したばかりでございまして、現在その内部体制の充実を図りつつある段階であるということでございますので、今後同種の施設を設置するかどうか、どうするかということにつきましては、この千葉療護センターの運営の実績等をもう少し見させていただきまして、モデル事業としての成果を見た上で検討していきたい、かように考えておるところでございます。
○武田分科員 これは今後大きな問題だと思うのですね。というのは、交通網が整備充実されますと事故も多いというのもこれまた不思議なことでございます。東北なんかの例を見ましても、東北の高速道路ができた、道路網が整備されてくると事故が不思議と多く、それで重大事故が発生しているということで、重度意識障害者の多発も心配されている。今のところはそんなにいっぱいないというけれども、各県別に捨い上げますとかなりいるのは御承知のとおり。こういうことで、特にこれから東北とかというおくれている地域がどんどん開発されてきますとこの問題は深刻な問題になってくるんじゃないか、こういうふうに思うのです。 宮城県としましては、東北の交通の要衝であるということでこうしたものを宮城県のどこかに欲しいものだという要望をしているわけであります。そういうことを含めて、モデルケースでやってきてこれはいいかどうかというのは、やった以上はいい方に持っていかなくてはならないわけですから、各ブロックにつくるものかどうか今後よく検討して対応してもらいたいと思うのですが、これはいかがですか。
○中島(健)説明員 先生御指摘のように、宮城県からもこういう施設をつくってくれないかというお話があることは十分承知しておるところでございます。また全国各地からも同種の希望が出ているところでございますけれども、先ほど申し上げましたように、千葉のセンターの方がまだ発足したばかりでございますので、当面もう少しその実績を見させていただきまして今後検討させていただきたいと考えております。
○武田分科員 よろしくお願いします。 これに関して厚生省にちょっとお聞きしたいのですが、かなり金がかかる、人も大変だということですが、そういうものができるまでにいろいろ御苦労なさっている御家庭の負担を考えると、大きいものより、もっと小さなそういう施設を各地につくって、そういう中でまず対応していく。交通事故の場合は運輸省でやっていますが、それ以外のものは今のところ正直言ってないわけですね。ですからこの点はどうなんでしょうか。そういう方々の家族からのいろいろな願い、要望というものを聞きますと、まず、できるならば小さな施設を各地につくっての対応を検討してはもらえないものかという声があるわけでありまして、そういう大変御苦労なさっている家族、周辺への対応としてこの問題はひとつ前向きに検討してもらいたいと思うのですが、いかがでしょうかね。
○竹中政府委員 運輸省の方では、先ほど来のお話でそういう試みをしておられるわけでありますが、植物状態にある患者さんの治療につきまして、一カ所に集めて治療した方がいいのか、あるいは今お話がございましたようにそれぞれの地域で地域ごとにそれに対応していくということになりますと、一般病院の中でそれぞれに植物状態の患者さんの対応を考えていった方がいいのではないかというふうな意見が私どもの関係では強く耳に入ってきておりますので、やはり特別の施設というよりは一般病院の体制をいろいろ検討いたしまして、それぞれの一般病院で対応していっていただくということで対応したらどうかと考えているわけでございます。
○武田分科員 大臣が来ましたので、大臣、この問題についてはもう少し実態をよく調査しながらしっかりと対応してほしいと思うのですよ。この家庭というのは本当に悩みは尽きないわけでありまして、一つの文明社会の悲劇というか、そういうものがこれからますますふえていく。特に先ほども言ったのですが、道路網がこれからどんどん発展あるいは整備されていく地方ほど心配な問題でございますから、大臣からもひとつその点よろしくお願いをしたい、こう思います。
○今井国務大臣 途中で中座をしまして大変恐縮でございます。 今のお話はひとつ省内でもよく検討させて、先生の御意向が十分反映できるような形はどうすればいいのか検討させていただきたいと思います。
○武田分科員 それでは、次に質問します。 今井厚生大臣の就任に当たりまして私は大変期待をしております。というのは、やはり情熱あふれる大臣でありまして、私たち農林の委員長をしたときのファイトを見ると、これは何かやってくれるなという期待が多々あるわけでございまして、非常に難しい分野を担当されたということで、この難しいところをその情熱と確信を持って乗り切っていただきたい、こういうことをまずお願い申し上げたいのであります。 というのは、厚生省関係の問題というのは、一口に言って非常に難しい問題が多いということですね。金もかかるということであります。ないときに金を出せというのも何ともあれですが、しかしながら、出すところはちゃんと出す。病人というのは重病になってから薬や注射を打ってもだめであって、風邪を引いたときには初期の段階で早く寝て、うまいものを食って安静とかという一つの基本があるわけでありますから、そういうことで適切な対応が非常に重要なセクションだと私は思うのであります。そのことは大臣も重々おわかりと思いますが、なお一言申し添えまして、二つこれからお尋ねをしたいと思います。 一つは義肢装具士の、いわゆる義肢技術をお持ちの方々の資格制度の問題がここ数年前から出ているようでございます。最近、百万人を超える対象者がいるというようなことでございまして、この方々というのは、特に老後が長くなっていきますと、いいもの、ぴたっと体に合って本当に体の一部としてスムーズに使えるものが必要であろう。また、技術の高度化もどんどん進んでまいりますと、それに対応する技術者の養成も必要である等々、いろいろございます。今、こうした方々が約千人以上いるのじゃないかということを聞いております。そして製作所等々で一生懸命働いている。この方々が、そういうリハビリの重要な武器として、また老後の重要な一つのセクションとして一生懸命頑張っておるのです。 労働省の技能検定試験というのがあるそうでありますが、しかとした資格が必要ではないかという声が出ているわけであります。昭和五十七年からでしたか、埼玉県の国立身体障害者リハビリテーションセンター学院内に三年制の義肢装具専門職員養成課程というのができました。ですから、ことしは二回目の卒業生ですか、こういう方々が一生懸命勉強して社会に出てきて資格がないというのもおかしいのじゃないか、こういう方々はしっかりした自覚、意欲を持って働いているのですから、ひとつ資格制度によってしっかりと保障してやる必要があるのじゃないか、私もそういうふうな意見はもっともだと思うのでありますが、この問題についてはいかがお考えなのか、今後の取り組みを聞かしていただきたいと思います。
○今井国務大臣 義肢装具士の資格の問題でございます。これは私が大臣になりまして御要請を受けました。問題はPT、すなわち理学療法士協会との間で業務範囲の問題等について合意がなかなか得られないものですから、これがなかなか難しいというふうに私は承知いたしておるわけです。やはりお互いに生きていく道を探らなければまいりませんので、したがって、今後関係団体の意見をよく聞きまして、私もひとつ合意の形成に努めてまいりたいと考えておりますので、ぜひひとつ先生の方も応援していただきたいと思います。
○武田分科員 この仕事はお医者さんのもとに指示を受けながらやっている。今話した理学療法士、作業療法士あるいは医療相談士など機能的に提携しながらやっていっている。これは非常にいいことですよね。その分野の争いのようなことで資格がきちんと与えられないというのもこれもまた困った問題ですから、それを当事者だけに任せて放置するということではなくて、厚生省も重要な部分としてこれからバックアップしてやる、我我も一生懸命やるけれども、しょせん厚生省の腹一つですから、その点ひとつ御努力をお願いしたいと思うのであります。最近技術の進歩もこれあり、それにおくれることのないように、またつくられた製品が障害者に役立つ、しかも非常にいいものをやっていきたいという意欲が非常に強い。そういう意味では、そういう三年の専門課程などを卒業された方々が社会に出たときに、それなりに自覚をしてやっていけるような環境づくりをひとつ十分にやってほしいと思うわけであります。今後の推移をよく見ておりますけれども、どうか大臣の方も、新しい問題として提起されているわけでありますから、大臣の在任中の一つの大きな課題としてお取り組みいただきたいと思うのです。ひとつよろしくお願いいたします。 それから最後に、毎年私は当委員会において質問しているわけでありますが、腎臓病対策であります。世の中が非常に進歩して医学もどんどん進歩してきたにもかかわらず、不思議と患者がふえておるということです。今まで五万五千人ぐらいだったのが、一年間に一割ぐらいふえて六万人を超えるのではないか。私の宮城県でも、千名程度だったのが、毎年百名から百二、三十名ふえているということであります。厚生省等いろいろ御配慮いただきまして、それなりの手当てをしていただきました。また、一生懸命そういう患者さんの面倒を見てくれるお医者さん方も出てきた、ありがたいことであります。それで命を長らえて一生懸命努力をしながら働いている方々もふえているということで、環境は非常によくなってきているのでありますが、まだまだ力不足の点があるというか、その点を二、三取り上げまして対応をお願いしたいと思うのであります。 その前に大臣、いろいろな問題が総体的にいっぱいあるのです。例えば医療費の増大の問題、専門施設の不足の問題、職場確保の困難性の問題、早期発見の問題、治療研究の促進、腎臓移植の普及あるいは腎バンクの問題とか、いろいろ多いのです。ということになると、一つ一つ手を打っていくことも大事ですが、そういうものに総合的に対応していく腎臓疾患総合対策の充実ということがよく言われているのであります。私も、こういうものともっと強力にしっかりした組織の中で対応していく必要があると考えているのですが、この問題についてはどういうふうにお考えになっているか、大臣からちょっと。
○今井国務大臣 腎臓疾患に苦しむ患者あるいは家族の方々のために厚生省としても今幾つかの問題を考えています。まず、治療法の調査研究、それから何といっても非常に大事なことは早期発見のための健康診断の実施だと思います。それから、腎移植の促進などを通じまして総合的な対策の一層の推進を図ってまいりたいと思っているものでございます。
○武田分科員 これは非常に重要な問題なんです。私も患者さんや関係のお医者さんにお会いしますと、正直言いまして、お医者さんの中にもこの問題について非常に理解が薄い方を見受けます。例えば、地元に行きますと、国立病院の人工透析の問題が非常に出てくるのですが、なかなか応じてくれない。宮城県内では十五カ所の国立病院がありますが、三カ所か四カ所なんです。しかも、透析の場合四時間、五時間というような時間がかかるわけです。働いている人などは、職場を抜け出していくということも、理解がある職場ならいいのですが、そうもいかぬとなると、どうしても夜間になる。ところが、そういう協力がなされていないことが非常に悩みなんです。それから、透析施設の地域が偏っているということで、距離が遠いものですから、バスで来るとか自動車で来るとか、そういう経費の負担も非常に大きい。県によってはタクシーの料金を出してあげるとかガソリン代を出してやるとかやっているのですが、自治体によってはそれもなかなか大変だというのでかなわないところもあるということで、ばらばらでございますね。こういうことで、私はまず第一番目に、国公立の医療機関での夜間透析等の、あるいは地域偏在を解消するための努力、また、厚生省の指導で各都道府県がしかと手を打ってほしいと思うのです。
○仲村政府委員 国立病院・療養所で現在透析を行っておる施設は四十七施設でございまして、確かに多くございません。しかしながら、私どもとしては国立で一部地域医療を分担しているという観点から、全体の腎不全対策の中でそれを位置づけておるわけでございます。 ただ、ただいまお尋ねのような夜間の人工透析を国立でもやれという御要望でございますけれども、御承知のように定員が非常に厳しい状況でございまして、とても夜間まで手が回らないというのが実情でございます。私ども、このような国立医療機関におきます定員その他の窮状を打開するために、実は再編成ということで今計画を進めておるところでございますが、その中で定員を含めまして機能の充実強化を図るということを考えております。したがいまして、国公立の医療機関と民間の医療機関の役割分担と申しますか、そういうことにつきましても、透析医療についてさらに地域医療計画というふうな中で位置づけを各県に見直してもらうように働きかけていかなくちゃいけないと考えているところでございます。
○武田分科員 これはなかなか難しいということですが、全然ないのならいいですよ。でも、やっているところもあるのですから。例えば仙台市の場合は社会保険病院でしたかな、そこなどは、院長さん以下先生も本当に熱心。ですから患者さんは安心しておいでになって、そしてその中で元気になって働いておる方々もおります。現実にないなら別ですが、あるわけです。ですから、そういうところでもう少し努力する、人的な対応等も。こういうセクション、非常に大切な部門ですから、しかも人がふえておるわけですから、しかも、老化の方向へ方向へと向いておる方々がふえてきておる、こういうことでありますから、これはこれから老齢化社会を迎えるに当たって大きな社会問題だと思うのです。ですから、そういう予算の問題を口に出す前に、努力できるものをきちっと努力させる指導をもっと適切にしてほしいと思います。例えば宮城県なら気仙沼というところに公立の総合病院があります。ところが、だめなものですから仙台まで来る。そうすると、汽車で来ても大体二時間、大変なことです。それで疲れて帰る。仙台周辺だけでいっぱい。入院したいといっても入院もできない。こういうようなことの繰り返しをずっと続けているわけです。その点をやはりよくもう一度御検討してほしい、こう思います。 それからもう一つ最近患者さん方から心配なことなのでといって相談を受けたのは、透析医療費の改定に伴う影響が患者にもろに出てこないかということがあるのですが、その心配はないかどうか、それだけで結構ですが御答弁いただきたい。
○幸田政府委員 本年四月から人工腎臓の診療報酬につきまして見直しを図ることにいたしておりますが、人工透析については技術的に完全に我が国の医療界に定着をしております。それからまた、その普及の度合いも世界的に見まして非常に高い水準であるばかりではなく、人工透析医療部門そのものは経営上、採算上特に問題がない。こういういろいろな状況を総合的に勘案をいたしまして見直しを図ったものでありまして、このことによって医療の質の低下は来さないものと考えております。 なお、ただいまも御指摘のございました患者さんから非常に要望の強い夜間透析の問題につきましては、従来四百点でございましたものを五百点ということで二五%の引き上げを図っておりますほかに、夜間透析の要件といたしまして、従来の午後五時以降開始のほかに九時以降終了ということも加えたわけでありまして、夜間透析の必要性にこたえていきたいと思っておるわけであります。
○武田分科員 この問題でこういう手紙が来たのです。そういう患者さんたちの代表の方がよこした手紙です。この改定によって透析患者の透析時間が五時間ないし四時間という患者に無理な時間短縮がこないものか、時間短縮になって体調のよい透析者も体調を崩すという心配がこないものか、こういう問題。それから週三回やっていますね。四回やっている人もいる。それを二回とか三回とかに減らさなければならないような、そういうものにならないか、これを一番心配しているのですが、そういうことはこの改定の中ではございませんね。
○幸田政府委員 透析時間の問題は、実は昨年の三月に五時間から四時間というふうに区分の変更をしたことの御指摘だと思いますけれども、これはダイアライザーの技術革新によりまして膜の性能が向上してきているということ、それから関係学会の意見も十分に聴取をいたしましたし、また、欧米におきましては透析時間は大体一回四時間程度である、こういういろいろな状況を踏まえて実施をいたしたものでありまして、このことによりまして患者さんに迷惑がかかるということはないものだ、こういう判断のもとに実施をいたしたものであります。
○武田分科員 こういう改定をしたときに大事なのは、その当事者がよくわかるように説明、お話をしないといけないと私は思うのです。これをよこした方は腎臓患者の皆さん方の面倒を見ている、本人もそれになりまして苦労なさっている、そういう代表の人がこういうことを言ってくるということは、やはりそれなりにもう一度徹底をして心配のないものだということにしなければならないと思うのです。患者さんというのは、私も病気した経験者としましてどんなちっぽけなことでも完全でないと心配なんです。ですからもう一度そういう点の指導というか、それはお願いしたいと思うのです。 時間が来ましたので最後に、献血とかアイバンクというようなものは非常に充実をしてきていますね。それで最近腎バンクに対しての取り組みも積極的に行ってほしいという要望が強いのは御案内のとおりと思うのですが、この点についてはどういうふうに対応なされようとしているか。きょうの新聞でしたかな、腎臓売りますとかなんという、これは前にも腎臓を売買しているんだといううわさがあって新聞にも書かれた。現実にそれで詐欺のような行為をして捕まったという事件があったが、売り買いの材料にされて、それを商売の道具にしようというような、これは一部だと思うのだけれども怖いことだ。というのは、みんな欲しいですね。ところが生体にしたって死体にしたってなかなか入らない。そういう点を考えるとこの腎バンクという問題はやはり当事者たちにとっては非常に大きな課題だと思うのでありまして、この取り組みについての御見解をひとつ聞かしていただきたいと思うのです。
○仲村政府委員 腎移植は私どもとしてもぜひ推進をしていきたい施策の一つでございますが、現在腎バンクは七カ所ございまして、一カ所は移植希望の登録をする国立の佐倉病院でございます。従前からいろいろ努力をした結果でもございますし、皆様方の御理解もふえてきたと思うのです。 腎の提供登録者が六十年末で十万人を超えるに至っておりますが、この数が必ずしも十分でないと私ども考えておりますし、腎移植は最近まだ年間で五百件程度ということでございますので、さらに提供、登録の数をふやしていくということが必要だと思います。そのために、六十一年度から新たに思想の普及啓発を行うための仮の名称といたしまして腎移植推進月間のようなものを設けまして、一般の方々の理解を深めていただくというふうな運動もしてまいりたいと思いますし、腎移植が実際にできるような医療機関を現在十一カ所私どもなりに整備をしておりますが、さらに三カ所追加いたしまして、全国十四カ所で腎移植に対応してまいりたいと考えております。おっしゃるように透析の患者さんの数も年々増加をしておりますので、さらにこのような事業を推進してまいりたい、このように考えております。
○武田分科員 時間が来ました。大臣、この問題につきましても、非常に大きな問題でございますので、今後大臣のお力によって、今まで厚生省もいろいろ努力なさってそれなりに効果を上げ、患者さんも非常に喜んでいることは私もあちこち行ってよく理解して肌で感じておりますが、なおそれにも増していろいろな問題があるということを御理解いただきまして、しっかりと対応をお願いしたい。最後に決意の一言をお聞きいたして、終わります。
○今井国務大臣 腎移植の問題につきましてはこの委員会でも何人かの先生から御発言がございまして、その範囲の大きさ、皆さんの関心の度合いも極めて強いということを感じているものでございまして、微力ではございますが、一生懸命取り組んでまいりたい、こう思います。
○武田分科員 どうもありがとうございました。
○野上主査代理 これにて武田一夫君の質疑は終了いたしました。 次に、山原健二郎君。
○山原分科員 昭和二十九年、一九五四年に起こりましたビキニ環礁における水爆実験の問題についてお伺いをいたします。御承知のように、これは三月一日から五月十四日まで、ビキニ、エニウェトク環礁で六回実験が行われております。多くの漁船及び船舶がこの際に被爆をいたしております。 そこで、最初にお伺いしたいのですが、当時日本の船舶が大体何隻被災したか、また当時のいわゆる被爆マグロ、随分大きな問題になりましたが、どの程度投棄されたか、さらに久保山さんが被爆されまして亡くなりましたが、久保山さんのほかにビキニ被爆によって何名の方が亡くなったか、また当時政府がつかんでいた被爆者の身体検査をした者は何名か、また当時の入院先あるいは乗組員のリスト、こういうものが現在存在しているかどうか、こういった点について最初にお伺いしたいのですが、三十一、二年前のことですから私も実情はわかっています。でも、一応お伺いをしたいと思います。きょうは水産庁、厚生省、お見えくださっていますから、どちらからでも結構ですが、一言簡単に御説明いただきたいのです。
○小野説明員 ただいまの先生の御質問についてお答えいたします。 昭和二十九年にマーシャル群島周辺におきまして行われましたアメリカの核実験にかかわる漁船等に関する資料につきましては、何せ本件が大分前のことでございますので、水産庁においては残念ながら現在のところ手持ち資料はございません。
○北川政府委員 先生お尋ねの廃棄をされたマグロの量でございますが、約五百トンと承知をしております。
○仲村政府委員 昭和二十九年の水爆実験による第五福竜丸のことにつきましては、当時も非常に大きな事件として報道されたことで私ども承知してございますが、それ以外のビキニ環礁の近海で操業をしておった漁船はいたと承知しておりますけれども、その実態、数字について私どもつかんでおらないわけでございます。 第五福竜丸に関しては、二十三人の方がそれぞれ東大病院、当時の国立第一病院等に入院されたということを承知しております。
○山原分科員 実態がわがらないのですね。率直に言ってそうだと思います。当時は御承知のように世界を震憾させた大事件になりまして、連日大騒ぎをしたわけですね。そのときに政府におきましては原爆被害対策協議会というものを構成しております。恐らく政府全体としてそういう対応の組織を持ったと思います。厚生省からいただいた資料の中にそういう言葉がありまして、厚生省の方は恐らくそのうちの幾つかの部門を担当したのかもしれませんが、原爆被害対策協議会食品衛生部会というのがいただいた資料の中に出てきますから、恐らく幾つかの部会があったのではないか、それで対応したのではないかというふうに思いますけれども、今水産庁、厚生省からお話がありましたように、実態がつかめないということですね。 それで、時間の関係がありますから私の方から申しますが、実は昨年は広島、長崎の被爆四十年ということで、実は私どもの調査では、約八百隻の漁船、船舶が当時ビキニ環礁地域で操業いたしております。そしてその中で、これは私の県に関係があるわけでございますけれども、二百七十隻が高知県のカツオ・マグロ漁船でございました。したがって、この問題について私どもの県の学校の先生方あるいは高等学校の生徒あるいは科学者、医師等が一緒になりまして調査を始めたわけです。あのときに被爆した人たちがどうなっているかというのは、これがこういう膨大な資料として今作成をされているわけです。 これによりますと、当時どういう状態かと申しますと、高知県で当時被爆した方が十四名、これは死亡した方が十四名になっております。これがすべて被災によるものかどうかの因果関係はもちろん正確には言えませんけれども、いわゆる個別調査をやる中でこういう事態が起こっているんですね。 ちょっとその例を申し上げますと、高知県の第二幸成丸は、三月一日に実験が行われまして、三月五日に危険水域に突入し、第二、第三回の核実験、これは三月二十七日、四月七日に行われておりますが、この間危険水域近くで操業いたしております。その後、漁労長が腸がんで死亡、一等機関士は心臓麻痺、操機手は糖尿病で急死をいたしておりまして、いずれも体がしんどいと訴えながら、仕事中に周りの人が気づかぬうちに死亡するという事件が起こっております。 また、当時マーシャル諸島で操業中の第二新生丸、これは乗組員十九人のうち七名が亡くなっておりますが、そのうち多くの人は大腸がん、喉頭がん、脳腫瘍で亡くなっております。この中の現在生存中のAさんの例を見ますと、白血球の異常減少が現在も続いております。 さらに、痛ましい話ですが、室戸岬水産高等学校の生徒のT君というのがおりますが、彼は練習船第五大国丸に乗りましてカツオ漁に出ておりましたが、帰港後白血球が急減をいたしまして、高熱、鼻血に苦しみながら二十一歳で亡くなっております。 〔野上主査代理退席、橋本(龍)主査代理着席〕 こういう例を一つ一つ見てみますと、私の県だけで実に十四名。そこで全国的にどういう情勢かということを見てみますと、第五福竜丸で久保山さんが亡くなりましたが、同船の川島正義さんが五十年に亡くなっております。また引き続いて五十四年に増田三次郎さんが死亡しておりますが、これは放射能の影響が尾を引いたのではないかと言われております。そのことは、この船が所属しておりました大都魚類株式会社の三十年史の中に載っているわけでございます。 さらに、第五福竜丸と同じく行動しておりました第五拓新丸の一乗組員、これはビキニから大体千六百キロで被爆をしておりますが、六十一年九月二十七日に貧血、急性骨髄性白血病で入院をいたしておりまして、十二月十一日に死亡いたしております。 第七京丸、五十四年四月に大阪に帰港しておりますが、四月六日にビキニから千五百六十キロメートルで被爆をいたしまして、船長は白血球三千五百以下、乗組員全員二十一名が放射能症になりまして、白血球の激減が見られております。 貨物船神通川丸、これはビキニ北西の千二百マイルで被災をしておりましたが、五十四名全員放射能症、全員頭痛を訴えております。 さらに、政府が派遣しました調査船俊鶻丸、これは当時有名になった調査船でありますが、これも肝臓障害が続出をいたしております。 さらに関西丸、これはビキニから二千マイルで被災をいたしまして、船長は再生不良性貧血で死亡いたしておりますが、そのお骨の中からストロンチウム90が普通の人の十倍以上検出されたことが報告をされております。 また弥彦丸、これは南太平洋のマカチア島から燐鉱石を運んで岡山県玉野に帰る途中ビキニで被爆をいたしまして、平三義さんが原爆手帳を申請しましたが、原爆手帳は広島、長崎に限るということで、彼は自費で肝臓障害、慢性腸炎の治療をしておりまして毎日安静の日を送っているというのが現在の実情でございます。 その後、朝日新聞の調査によりますと、死亡十名、そのうち八名が病死ですが、うち四名は胃並びに大腸がんなどによって亡くなっておりまして、生存者の三分の二が何らかの健康障害を訴え、六名は現在も入通院、療養中となっております。これらの方は、大半の人が国による健康調査をやってほしいと望んでおることが報告をされておりまして、ビキニの悲劇は今もなお終わっていないというのが現在までの調査の結果でございます。 そこでお伺いしたいのですけれども、これらの大事件について、確かにその後資料が散逸をしたりあるいは追跡調査が行われていないということはわかるのですが、私は実は、所管は科学技術庁ではないかとかあるいは水産庁ではないかとか、厚生省ではないかとかいうことを伺いまして、それぞれ係の方においでいただきましたけれども、この真相をつかむことができないのです。けれども、これは放置できる問題ではないと思っております。したがって、これらについて、時間の関係で要約して申し上げますけれども、今までの調査されたことあるいは当時の書類、これなどを整理いたしまして、さらにそれに基づきまして、現在病苦に呻吟をしておる方たちがおいでになるとするならばその健康診断等そういう対策を一応立てる必要があるのではないかというふうに思うわけです。 これは私として要請でございますけれども、考えましてもこれはどうも水産庁でもなかろう、あるいは科学技術庁でもなかろう。きょうは科学技術庁にも聞いていただぎたいということでお見えいただいておると思うのですけれども、どうもやはり厚生省の仕事ではないかなという感じもするわけです。あるいは総理府かもしれません。 その意味におきましてこれは大臣にお伺いしたいのですけれども、これらについて一応統括をして、何らかの対応できる体制をぜひとっていただきたいというのがきょうの質問の趣旨でございますけれども、この実情を御勘案くださいまして、ぜひそのことを実現していただきたいと思いますが、この点いかがでしょうか。
○仲村政府委員 ただいま所管の問題にも触れられましたけれども、第五福竜丸のその後のフォローアップは、おっしゃいますように科学技術庁の放射線医学総合研究所、放医研で引き続きやっておるようでございます。したがいまして、私どもが昨日御質問いただいた後でいろいろ資料も調べましたけれども、なかなか見つからないという実態もございますので、新たに調査をするということはなかなか難しい面もあろうかと考えておるところでございます。
○山原分科員 これは実は、当時日本国内でアメリカに対する賠償要求の問題が起こりまして、アメリカはつまり二百万ドル、七億二千万円の金を出したのです。ただそれの配分について随分問題がありまして、その経過は言いませんけれども、とにかくその金は不十分だけれどもこれで一応決着がついたということで、その後は政府の方も打ち切りというような形になってしまいまして、結局被災をした人の身体検査とか追跡調査であるとかいうことは全くしない状態です。 当時、ビキニの事件が起こりましたときに検診を受け、被爆の疑いをかけられた人が相当ありました。それがその後検査を受けたり継続検査を受けたことはほとんどないというのが実情でございます。政府としては、多少の被害を受けたと思われる船員については健康診断など全く行っていないという状態が今日まで続いておるわけでございまして、調査してみますと、最初の検診以後にいろいろの障害が起こっていることが明らかになっています。これが原爆症の実情でして、ビキニ環礁における島の人たちの状態もそうでありますし、そういうことを考えますと、あれだけの大問題、その後遺症がないとは言えないと思うのですね。 これについてはやはりそれなりの政府としての対応が必要だと思います。局長は今そのようにお話しになりました。第五福竜丸の問題は確かに大きな問題になりましたからね、これはもう突出してその対応はとられたと思うのですけれども、そのほかの、当時検診を受けた方々についても、やはり現在もなお苦しんでいらっしゃるということになれば一応の体制をとる必要があると思うのです。これは厚生大臣にも御見解を伺いたいですね。いかがでしょうか。ぜひよろしくお願いしますよ。
○今井国務大臣 第五福竜丸乗組員以外のビキニの水爆実験によります被爆者の状況については今のお話のようなことでありますが、何分もう三十年以上も前のことでありまして、調査もこれ難しいと思いますし、現時点でその対策を講ずるというようなことは私はちょっと考えにくいと思います。
○山原分科員 そんなに突っ張らないで、これは当時の資料が全くないわけではありません。例えば東京大学の加藤総長がビキニの大論文を発表しまして、これが世界じゅうで大問題になったのですよ。そして、アメリカもついに賠償金を出さざるを得ないところへ追い込んだそういう学術書、あるいは俊鶻丸の調査結果とかあるいは病院におけるカルテであるとかいうようなものが全くないわけじゃありません。したがってこれは私は厚生行政の一環だと思いますよ。だからそういう意味で、現実にそういう問題があればやはり厚生省の方において何らかの対策が立てられる、あるいはそれに対する対応の係を置くとか、こんなことできないはずはないというふうに思うのですが、いかがですか。
○仲村政府委員 ただいま大臣からお答えいただきましたような状況だと思いますが、先ほどいろいろの病気にかかっておられるというお話もございましたけれども、三十数年前の水爆の灰による被爆と現在の疾患の因果関係というのは私どもとしては定めるのが医学的に見て非常に難しい面もあるのではなかと思いますので、そういう今おっしゃいますような形での施策というのは非常にとりにくいのではないかと考えております。
○山原分科員 私は、この問題はこれからも政府の態度について質問していきたいと思っておりますから、きょうは最初にこれをやったのです。何年かこの問題を取り上げられておりませんから。だから頭の中へ入れておいてください。少なくとも今井厚生大臣の関心を要請いたしたいと思います。そして、少なくとも厚生大臣の頭の中の一つの検討の課題として残しておいていただきたいと思いますが、その点よろしいでしょうか。
○今井国務大臣 きょうお話を承りまして、これは議事録もちゃんと残ることでございますから、メンションいたします。
○山原分科員 最後のところが聞こえなかったのですが……。
○今井国務大臣 英語を言って済みません。議事録も残ることでございますから、十分注意して後でフォローいたします。
○山原分科員 次に、国立病院のいわゆる統廃合、移譲等の問題につきましてお伺いしたいと思うのです。 これ、もう時間がありません。今井大臣は私の県の隣の、しかも宇和島でしょう。台風が来たらいつでも両方が台風を受けるわけですが、今度は愛媛の方はまるで四海波静かにして、こちらの方は台風が来るという状態ですからね。 国立高知病院と国立療養所東高知病院、この統合問題でございますけれども、これは時間がございません。国の方からは要請は来ておりますが、厚生省が申しておりますように、再編合理化の方針の中に「国立病院・療養所の再編成に際しては、関係地方公共団体の長その他地元の関係者と協議し、統廃合後の地域医療の確保、経営移譲後の施設の経営の安定等に十分配慮する」、こうなっていますけれども、これはほとんどなされておりません。しかも、高知市を初めといたしましてほとんどの市町村が反対をしておられます。県の態度も、昨年の九月の県議会で存続と機能充実を最善のものといたしておりまして、こういう統合には承服しがたいという状態でございます。恐らくどこの県においても、今度の統廃については、そういう医療制度の後退は許さないという声が圧倒的だと思うのですけれども、私は高知県の出身者としてそのことを改めて申し上げたいと思うのです。 そして、今度は高知県がこれをやった場合どうなるかということを見てみますと、国立病院のベッド数にしましても全国最下位から二番目になるという状態だけでなくて、統合案によりますと高知病院を総合診療施設にするといいますけれども、国立病院・療養所再編成計画によれば、総合診療施設については三次を中心として総合医療、教育研修、病院のオープン化などを行う施設で、おおむね各都道府県一カ所、専門医療施設については結核、重身、筋ジス、脳血管疾患等の専門医療を行う施設としておおむね各都道府県に一、二カ所となっているわけであります。 こうなってきますと、高知県の場合、今度の統合が実施されますと、これは高知県だけいわゆる専門医療施設はなくなるという状態が出てまいります心これは厚生省の方針にも反するわけでございますし、それから、現在行われようとしておる統合が朝倉地区にある国立病院と東高知病院、これは高知市仁井田、池というところにあるわけですが、八万坪と一万坪、八万坪の病院を一万坪の中に入れてしまうということになるわけでございまして、だれが考えてもこんなばかなことがあるかというのが県民のひとしく考えておるところでございます。 さらに、統合されようとする東高知病院の場合は、結核医療、老人医療、こういうものがございまして、それが一体どうなるのか。さらにここには若草養護学校の分校がございます。これは今まで高知県民によって支えられてまいりました非常に重要な教育施設でございまして、これを充実するために昨年度は地質調査を行い、ボーリングの経費まで組まれておったわけでございまして、重度の身体障害の子供たちのために県はこれをさらに充実しようとしておったやさき、こういう事態を考えますと、何としてもこんなことは許してはならないというのがもう率直な私どもの気持ちでございます。 また、これは香川県の場合もそうですけれども、香川県の場合も西香川病院の移譲問題が起こっておりますが、あの病院もできたばかりですね。そういったものを無理やりに移譲したりあるいは統合したりする。子供たちどう言っているかというと、ああ僕たちはもうかごの鳥だなあ、八万坪の広い、青空の見えるところにいる子供たちがあの小さな一万坪の中に置かされるということ、これはだれが考えても合理的なものではないということを考えますと、これはもうぜひお考えをいただきまして、そのような無理なことはしてはならぬということをぜひお答えをしていただきたいのですが、この点について御見解を伺いたいのです。
○木戸政府委員 施設がおおむね一カ所というふうになっているというお話でございまして、おおむねということでございます。統廃合後、施設が統合いたしまして一カ所になるところはほかにもございます。それは中身だというふうに思うわけでございます。 〔橋本(龍)主査代理退席、野上主査代理着席〕 それから場所でございます。場所につきましては、統合後の施設が総合診療施設という機能になっておりますから、現在の国立高知病院の所在地に移転することが適当と判断をしたわけでございます。高知病院の敷地は東高知病院に比べて狭い、そういうことから重症心身障害児等の療育に支障を生ずるということについては、そういうことのないように整備については十分配慮をいたしたいと考えております。 それから、結核老人の方が今高知病院におられるのは事実でございますが、この方々は新しい施設に移りまして、高知病院の方には一般的ないろいろな診療科もあるわけでございますので、その診療科の方と協力をしてより充実した医療が受けられるものというふうに考えております。 養護学校の関係でございますが、確かに今養護学校ございます。養護学校の扱いにつきましては、患者である児童の教育に支障のないように関係機関等と十分協議をしてまいりたいというふうに考えております。 最後に、西香川病院でございますが、西香川病院は先生御存じのように精神障害、結核の方々が約百名、そのほか老人を中心に慢性疾患の患者さんがおられますが、立地条件等から見て国立は今後は高度、専門の広域的な医療をやるという面から考えまして、香川県には善通寺病院、あるいはブロック、四国全体をカバーします香川小児病院等がございますので、単独で国立医療機関としての機能を付与することは適当とは考えなかったわけです。しかし、先生御指摘のように、整備をしたばかりだということ、あるいは地元が随分これに協力をされたということ等も考えまして、他の経営主体に移譲をいたしまして、地域の病院として運営されることを期待した次第でございます。
○山原分科員 最後に。私は今おっしゃった局長のお言葉は全部反対です。あの狭いところへ行って、あそこは自動車が錯綜する交通渋滞の典型的なところですね、それへ入れて学校教育が充実するなんということは絶対ありません。お年寄りがそこで喜ぶなんてこと絶対ありません。青空を見て、青い緑の芝生の上におってこそ教育が成立をするわけですから。子供たちはどう言っているかというと、僕たちもうかごの鳥だねと言っているのですよ。そういうことを考えますと余りむごいことをするものじゃないということを私は申し上げたいのです。 今井厚生大臣、実情はよく御承知でございますから、やはりこれらの問題については慎重な御検討をいただきたいということを最後にお願い申したいと思いますが、その点についてのお答えを伺いまして、私の質問を終わります。
○今井国務大臣 この問題は全国的な問題の一つでございますが、私も大臣になりましてこの全体の計画を聞きました。いずれにいたしましても、病院の再編成というのは大きな問題でございますから、やはり関係の地方公共団体あるいは関係方面の理解と御協力がなければできない問題でございます。したがって、今後そういう方々と十分協議をしてやろうじゃないかというふうにしているわけでございますが、ただ、国立高知病院と療養所の東高知病院との統合計画につきましては、私の聞いている範囲内では、県の関係部局といろいろ情報交換等行いましてお話し合いが大分いっているんだというふうに聞いておりますので、その状況を再度よく確かめてみたいと思っております。
○山原分科員 終わります。
○野上主査代理 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。 次に、中村茂君。
○中村(茂)分科員 私も国立病院及び診療所の統廃合、合理化についてお伺いいたします。 戦後四十年たったわけですけれども、その間、国立病院にしても診療所にしても、国民医療として地域住民に大変親しまれながらその地域と非常に密着した医療施設になっているというふうに思います。しかも、言われておりますように二十一世紀に向かって高齢化社会、そういう段階でなぜこれだけ定着した医療施設を統廃合、廃止したりいろいろするのか、非常に納得できません。 そこで、どういう理由でこのようなことをするのか、私、長野県でありますから、特に長野県の統合計画について明らかにしていただきたい、このように思います。
○木戸政府委員 最初に全般的なお尋ねでございます。 先生がおっしゃられたように、国立病院は戦後陸海軍病院あるいは日本医療団の施設を引き継ぎまして、戦後四十年、国民医療に重大な貢献をいたし、それぞれの地域に根差してきたことは事実でございます。しかしながら、戦後四十年を経過いたしまして、医療環境の大きな変化の中で国立病院・療養所に求められる役割は何かという問いに対する回答があるわけでございます。つまり、民間医療機関その他各種の医療機関が格段の充実を図られてきた、そういうことの中で量から質へという転換が必要だという点が一つございます。それから医療法が昨年の十二月に改正されたわけでございますが、その医療法に基づきます地域医療計画の中で他の公私の医療機関とどのように役割分担をするかという問いに対する回答でございまして、その結果、国立病院が限られた人員、限られたお金の中で国民医療に貢献する一番よい方法は、他の医療機関がやらない、他の医療機関から頼りになるような高度の医療あるいは専門の医療、それは非常に広域を対象とするもの、こういうふうなプリンシプルによりまして今度の統廃合計画ができたわけでございます。 次に、長野県内の再編成につきまして私どもの基本指針に基づく選定理由でございます。 長野県内の総合施設といたしましては二カ所あるわけでございますが、二つとも近接して相当似通ったような機能を持っている。したがいまして、統合して両方一緒にいたしまして、そこで医療スタッフも一緒になりまして、その方が機能の強化が期待できるというふうに判断をいたしまして、二カ所の統合を選定したものでございます。
○中村(茂)分科員 その二カ所は私どもも資料をいただいておりますからわかりますが、その中で特に例を挙げて申し上げますと、国立長野病院と国立東信病院、これは統合ということで総合診療施設にする、こういう計画でございますが、どちらの国立病院も長い歴史の中で、例を申し上げますと、長野病院の場合は御存じのように上山田温泉という立地条件の中でその温泉を利用した温泉療養、こういう特殊性を持った国立病院で、プロ野球の選手も全国から集まってくるというくらい全国的に有名な療養施設になっております。規模は、入院病床二百四十六、外来数は二百三十七。先ほどお話がありました再編成の指標という中で皆さんが示している「病床数三百床を下回る程度の規模の施設を検討の対象とする。ただし、三百床という目安は、担うべき政策医療の内容等によって弾力的に考える。」こういう中から見ても、温泉を利用した温泉療養という特殊的な面ということ、それから規模、確かに三百まではついていませんけれども二百五十程度、ですから、地元ではなお拡充してもらいたいという強い意見があるわけです。 それから、東信病院の場合は上田市にあるわけですけれども、人口十一万、しかも国立病院としてはここ一カ所。ですから、診療機能、こういうものについてもっと広げて、質もよくしてもらいたいというのは、ここ数年間皆さんの方にも全体的な陳情になってきているというふうに思います。距離が近いというふうに言いますけれども、やはり上田市、その周りの上小、小県という区域、それから更埴、埴科という区域、これは近いけれども供用区域が違うのです。ですから、近いというだけでなかなかそうは言い切れないのではないか、私はこういうふうに思いますが、その点をもう少しつまびらかにしていただきたいというふうに思います。
○木戸政府委員 先生がおっしゃられたことは、私も現地に行ったことがございますが、そのとおりだと思います。すべてやはり、利用される方あるいは地元の考え方としてはまことにそういうことだろうと思うわけでございます。しかしながら、現在ある国立病院をそのままの数にして、それをそれぞれ医療スタッフも充実するというのは至難なことでございます。つまり、私ども、限られた人、限られた金、特に定員というのがきついわけでございます。国家公務員の定員削減は、このところ毎年四千人ないし五千人をされておる。その中で国立病院・療養所は唯一例外でございますが、定員が五万三千人ぐらいございますが、毎年の増員は三十人とか七十人とか、そういう数しかないわけでございます。 そういう中で、それではどういうふうに限られた人員、金を使ってものをやるかというふうに考えますと、やはり国立病院は先ほども申し上げましたように、他の医療機関が扱わないような高度な医療、特殊な医療、専門医療というふうに考えざるを得ないわけでございます。そういう考え方に立ちまして、やはり広域を対象とする、広域というのは地域医療計画の考え方でいいますと大体全県一つ、長野県の場合は非常に大きゅうございますが、少なくとも県北を対象とするというような考え方に立たざるを得ないわけでございます。そういたしますと、それぞれを生かすというのが難しいとするならば、長野病院と東信病院を統合いたしまして、両病院ともよくやっておりますが、三次の総合医療をやるというのにはもうひとつ人員等に不足する面があるという点もございますので、これを統合いたしまして、県北の長野にも日赤とかいろいろな病院がございますが、その病院と機能を分かち合いながら三次医療というものを担当していくというふうにするのが適当であるというふうに考えたわけでございます。 なお、統合した場合、仮にどちらかがあくといというようなことになりました場合、その利用、特に長野病院の方は温泉というものを使った非常に貴重な治療というものをやっておりますので、この場合はやはりその土地、建物があきましたらそれを利用する医療機関というようなものが必要ではないかというふうに私は考えているところでございまして、このような点につきましては、今後またいわゆる後医療の問題として県当局とも十分相談をしていきたいというふうに考えております。
○中村(茂)分科員 今局長が言われた点は、国が行革というような中で公務員という立場をふやすわけにはいかない、だから充実していくにはこうしなければだめだというのが一番ポイントになっていたような気がするのです。しかし、先ほども申し上げましたように、両方とも必要なんですよ。それで、片方へ移れば片方は非常に大事な長野病院の方だから違うところへ譲ってという発想は、私は反対なんです、今必要なので両方あるわけですから。それをなお拡充強化してもらいたい。 そこで、両方大切なところですから該当の市町村はもちろん全部反対しています。それから長野の県議会も反対、こういう決議をしております。それから、全国的に多いかどうか知りませんけれども、長野県の医師会がやはり反対を表明しているわけです。ことしの一月十七日に長野県知事あてと長野県衛生部長あてに「国立病院・療養所の再編成に関する要望について」ということで、前段は省略いたしますが、「この発表によれば、長野県に於ても長野病院と東信病院並びに松本城山病院と東松本病院の統合が含まれておりますが、この四病院とも永年にわたり地域における中核機関病院として地域医療・地域の発展に貢献し、地域に確固たる基盤を定着しており、地域住民から一層の充実を強く要望されている極めて重要な病院であります。長野県議会においても満場一致をもって反対決議をいたしているところでございますが、長野県医師会としても県民の健康を担う立場からこれを統合することに絶対反対であります。」同じ医療機関を預っている医師会もこういう状態なわけです。 そこで二点ほど問いておきたいというふうに思いますが、これだけ反対しているのをどういうふうに実施するのですか。反対のまま実施できるのですか。
○木戸政府委員 現在、先生が御指摘のように、かなり相当数の都道府県、市町村から国立病院は残してくれという話は来ております。それから、先生のおっしゃったように、各郡市医師会からもそういう要望が来ているのは事実でございます。ただ、国全体という立場に立ちますと、先ほど私が申し上げたようなことになるわけです。 ちなみに、日本医師会にもこの再編計画について私ども説明に行きまして、羽田医師会長も、国の考え方というのはよくわかる、ただ実際に仕事をしているのは地域のお医者さんなんだから、よくそこの地域の医療に摩擦、支障が生じないようにそこはやらなければいけないというような話がありまして、日本医師会から国立病院・療養所の再編成についての都道府県の医師会への通知というものも、出していただいたものを見せていただいたわけでございます。私ども、やはり国全体の立場と各地域の利益というものをいかに調整するかといえば、この際どうしても再編成をやらなければ今後の国立病院・養養所というものがこれから長きにわたって国民全体に貢献をしていくということは不可能であるというふうに考えているわけでございます。 一方、そのような地域の要望があるわけでございます。具体的には、それではその統合によって生じる医療上の支障というものをどうやって埋めていくか、こういう問題でございまして、この問題につきましては都道府県、市町村あるいは医師会等の関係者と十分に話し合いをして、少し時間をかけても話し合いをしながら解決をしていくより仕方がないというふうに考えでございます。私ども、何が何でもその計画どおりどんどんやってしまうのだという考えはないわけでございまして、その辺は大臣にもしかとそういうことのないようにという注意を受けているわけでございます。
○中村(茂)分科員 地方自治体なり医師会、地域住民を含めて反対をしているわけですが、今の御答弁でいくと、地方自治体と協議し、了解が成立しなければ実施しないというふうに理解しておいていいわけですか。
○木戸政府委員 地元と十分協議をしていきたい、地元の理解を得ながらやっていきたい、こういうことでございます。
○今井国務大臣 私はこのように申しておるのです。確かにこういう計画でございますから、地元の方はいろいろ御意見があるのは当然であろうと思います。したがって、私は、よく御説明しなさい、何遍でもしなさい、一遍でいかなきゃ二遍行きなさい、二遍でいかなければ三遍しなさい、だんだん御説明して十分御理解を得てやりなさい、だから、ある日突然やるなんてことはしてはいけませんよと言っているのです。人間真心を持って、こういう事情だからということをよく御説明しなさい、そういうふうなことをやかましく言っておりますので、抜き打ち的にやるなどということは絶対ありません。だからといってじんぜん日を送って、腕組みして待っているということではありません。こちらは誠意を尽くしてやれと言ってありますので、そういう意味でひとつ御理解を賜りたいと思います。
○中村(茂)分科員 それから局長、先ほど例として、長野病院が移った場合にはその後ということを言われましたけれども、ここのところで、そうなりますと長野病院の方も東信病院の方もここへ残してくれ、こう言っているわけですね。両方が今のところを残してくれと言っているわけですよ。それを、例にしてもそこのところがなくなってということになると、これはこの地域の長野病院の方は大変なんで、だから、皆さんがやろうとしても三つしか方法がないと私は思うのですね。長野病院が東信病院に来るか、東信病院が長野病院に行くか、それとも別なところへつくるか、そうでしょう。ここのところはどういうふうに考えているのですか。
○木戸政府委員 ここは今、県といろいろ相談をしておりますが、非常に難しいケースでございます。これから実は県の方も地域医療計画というのを、三次レベルあるいは二次レベル、もう少し低い一次レベルということでいろいろなレベルの医療計画をつくっていく中の一つとして、これもやはりそういう中で御検討の対象になろうと思います。ここは少し時間をかけていただいて、どこの場所がいいのか、そこはよく協議を地元ともいたしたいと考えておりまして、今いずれとも決めかねるということでございます。
○中村(茂)分科員 それでは特に地元の意見を十分聞いて慎重に対処していただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、医薬分業についてお伺いいたしたいと思います。 私は長野県でも上田市なんですけれども、上田市に住んでいて、胸を張って皆さんに説明できることが今二つあるのです。一つは、NHKで真田太平記をやっていますけれども、そこの本拠地ですね。それで、どこへ行っても見てくれというふうに上田市を宣伝しているわけですが、もう一つは医薬分業なんです。これは皆さん専門家でありますし、私、細かく内容を説明する必要はないと思いますけれども、いずれにしても処方せんの発行率が五〇%を超しているわけです。言いかえれば医薬分業が五〇%以上の推進率になっている。これは全国一の高水準ではないかというふうに私どもも自負をしているわけです。 私も薬局を一カ所決めて、そこのところに御厄介になっているわけですが、私自身もそういう立場でいて非常に感心することは、薬局カルテがそれぞれの薬局に個々のもの整備されているということです。そして薬歴がきちっとしていて、医者へ行って診てもらった、処方せんをもらっていく、違う病気で今度はこちらの病院に行って、その処方せんでこの薬局へ行く、そうすると、前にどういう病気でどういう薬を使ったかということがあって、両方合わせてみたところが、いやこの薬は少し多過ぎるということがたまたまあるわけです。ですから、今度薬局ではそれぞれのお医者さんに相談して、両方合わせるとこの薬はどうしても多くなるからということで調整していくということを極めて積極的にやっているわけです。ですから、言いかえれば薬剤診療というところまで充実してきている。ですから、もうここまで来れば点数で少し見てやってもいいのじゃないかというくらい充実してきているのじゃないかと思います。 そこで、厚生省のこの医薬分業に対しての評価というか、評価していただけるなら、少しお土産ぐらいつける考え方があるかどうかお聞きしておきたいと思います。
○今井国務大臣 これは本当にお礼を言わなければなりませんが、厚生省といたしましても、国民の理解と関係者の協力を得ながら医薬分業の基盤づくりの促進を図るなど、その推進のための努力をしてまいりたいと思います。そういう意味で、上田市が本当にいち早くこの問題についての御協力を賜ったことについて改めて感謝を申し上げたいと思います。右へ倣えをいたしたいと思っております。
○中村(茂)分科員 専門家の人はどう考えていますか。
○小林(功)政府委員 今、先生からお話がございましたように、上田地区は確かに全国でもトップの医薬分業の推進地区でございます。私も実は一昨年の秋、薬務局長を拝命しましてすぐ現地へお邪魔いたしまして、つぶさにその実施状況を拝見し、関係者の皆様方ともお会いしましていろいろ御意見を伺ったところでございます。さっきお話に出ました薬歴管理簿、この現物を私、見せていただきました。そういうことで上田地区の医薬分業の姿は大変好ましいと思っております。特に私、評価しておりますのは、いわゆる面と面の分業と申しますか、点と点でなくて面と面の分業であるということ、それから薬歴管理簿がしっかりしていること、さらに、後の服薬指導あるいはトレース、そういうものをちゃんとやっておられる、そういう意味で大変理想に近い形の分業であるというふうに見てまいりました。(「御褒美は」と呼ぶ者あり)
○中村(茂)分科員 相談しておいて、褒美は後でいいですから、はっきりさせてください。 時間がございませんから、一、二でずっとお聞きしたいところを申し上げますから、一括してひとつ答弁していただきたいというふうに思います。 今、全国的に処方せんの交付状況、言いかえれば医薬分業の推進状況というのですか、どのような状態になっているか。二番目、検査センター、それから調剤センターの状況。それから三番目、医薬分業の推進に当たっての啓蒙活動、どんな状況か。それから、医薬分業のモデル地域をつくったわけですけれども、長野県でいえば上田を中心にしてはある程度進んでいるのですけれども、他のところについてはまだそれほど進んでいないところも多いわけですが、このモデル地域がどういう状況になってきているか。それから最後に、昨年の十二月ですか、先ほどお話もありましたが、医療法の改正に伴って薬局、薬事それから調剤、こういう、いえば薬局関係のものが議員の各党一致の修正によって修正部分がつけ加えられたわけですね。そうなりますと、それぞれの県のこれからの計画に、今までの医療という中に、先ほど私も上田の場合には一つの薬剤の医療というところまでいっているじゃないかというふうに申し上げましたけれども、そういう中における薬剤師の果たす役割というものが法的にもつながってきたわけだし、これからの医薬分業という面から見ても非常に効果的な修正じゃなかったか、こういうふうに思うのですけれども、その点についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
○小林(功)政府委員 順次お答えいたします。 まず第一点の処方せんの交付状況でございますが、おかげさまで漸次増加をしてきておりまして、昭和五十九年度の処方せん発行枚数は一億二百五十六万枚でございます。これは昭和四十九年度の発行枚数七百三十万枚に比べますと約十四倍に上っております。 それから第二点、検査センター、調剤センター等の設置状況でありますが、調剤センターにつきましては五十九年度までに十六施設、検査センターは四十施設、調剤センターと検査センターを併設しているものが六施設、合計六十二施設に対して国の補助を行っております。このほかに、都道府県薬剤師会が独自に設置したものもございますので、これでいきますと、それも加えますと、現在では沖縄県を除くすべての都道府県に検査センターがあるということ、それから調剤センターも全国で百施設を超しているということでございます。 第三点、分業推進のための啓蒙の問題でございます。これにつきましては、先生も御承知だと思いますが、予算を計上いたしまして、国民に対する広報活動、それから医薬分業推進指導者に対する講習会の実施等をやっております。 それから、モデル地区でございますが、本年度から始めた事業でありまして、現在までに六地区を指定しております。それで、その地区では既に分業推進のための組織づくり、医療機関、薬局等に対する調査を既に実施をしております。近くさらに二カ所を追加指定するつもりでおります。 最後に、医療法との関係でございますが、先生おっしゃるとおりでございまして、先般の医療法の改正におきましては薬局と病院等との連係の強化といった、いわば地域医療における薬局の位置づけが明確にされたと思っております。そういう規定が盛り込まれたと思っております。そういう意味で、今後の医薬分業推進のためにはこの改正規定というのは大変いい影響を与えるもの、そういう認識を持っております。
○中村(茂)分科員 最後に、答弁はいいですけれども、大臣、念を押すようですけれども、国立病院と療養所の問題については慎重の上にも慎重を期して、しかも、地域、自治体または医師会、こういうところの意見を十分聞いて対処していただきたい。それから医薬分業について、ああいう充実してきたところについては医師の方で診療した分ももうやっているわけですから、先ほどお土産というふうに言いましたけれども、ひとつ研究していただきたいと思います。 以上です。
○野上主査代理 これにて中村茂君の質疑は終了いたしました。 次に、宮崎角治君。
○宮崎(角)分科員 今井厚生大臣初め厚生省の各局長に御質問いたします長崎一区の公明党の宮崎角治でございます。 厚生省当局には、今吉林省の皆さん方が帰りましたが、その中国残留孤児の問題につきまして、肉親捜しのために訪日いたしておりますこういった方々に対する親身に勝るようなお世話を直接見聞いたしておるわけでございます。先日も、あの代々木のオリンピック青少年センターに足を運んだことがございますが、また三月三日には明治記念館でのああいった会合にも出席させていただまして、本当に私なりに評価をいたしておるところでございます。 そこで、今回私は当委員会の分科会で、ほかに、原爆問題あるいはまた国立病院の再編の問題等々の問題もありまして、その質問を用意しているわけでございますので、端的に、直接質問に入らせていただきます。 まず第一点の質問は、今日までの実績として、第十次肉親捜しの訪日団の人数と現在判明している事例、そういった数字をひとつ挙げてお示しいただければと思うわけでございます。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 第一回の昭和五十六年三月から昨年の暮れまでの、第九回の訪日いたしました延べ人数は七百十二名でございます。このうち判明いたしました孤児の数は三百十四名でございまして、判明率は四四・一%となっております。ただいま参っております第十次の百三十名の者について、現在の段階で判明いたしております者は三十三名、二五・四%となっております。 〔野上主査代理退席、主査着席〕
○宮崎(角)分科員 ちょうど一年前でございましたか、昨年の三月八日に当委員会で私も御質問いたしましたときに、非常に明瞭なる、またホットな、そしてデータの上で相当はっきりした数字もありましたけれども、本日確認の意味と、またその経過を踏まえました現在の状況につきましてお尋ねをしたいのであります。 当時、残留孤児の数については、我が国は六十年の三月四日現在で一千六百十五名だ、こういう発表がありました。ところが中国側は二千名という一つの数字が出てきたわけであります。こういったギャップにつきましてただしましたときに、中国より去年の七月をめどにそういった名簿を我が国に提出するというようなことでございまして、今日までその実態が大変定かでないわけでございますが、この辺についてどのような経過で来たのか、ひとつ答弁を求めたいのであります。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 孤児は日中双方で確認した者が訪日の対象になっておるわけでございますが、現時点では、日中双方で確認いたしております孤児の数は二千百三十五名でございます。
○宮崎(角)分科員 極めてはっきりした数字が出ました。 それで、先ほどの四四・一%でございますけれども、ちょっと気になるのは、あのときの答弁の言質がそのまま続いているということになれば大変でございますが、六十一年、今年度をもっていわゆる残留孤児の問題についてはおおむねピリオドを打ちたいというニュアンスの発言も耳にしたわけでありますが、その辺は、方向については答弁は変わっていませんか。
○水田政府委員 判明率がだんだん落ちてまいっておりますが、これは国内の肉親が高齢化して亡くなっていくこと等がありまして、時間の勝負だということで、日中双方の政府で孤児と認定している者は一日も早く訪日調査を終えるべきだということで、六十年度は四百名、それで、日中双方でわかっております残りの七百名については、財政の大変厳しい折ではございましたが、財政当局の大変理解ある配慮によりまして要求どおりの数の確保ができておりまして、これで一応概了するわけでございますが、何せ大変広い地域でございますので、現に中国政府でなお調査中の者も数十名あるやに仄聞をいたしておりますので、およそ日本人孤児である者については、今後も判明次第調査をするべきものと考えております。
○宮崎(角)分科員 そういった答弁が私は非常にホットな行政だと思います。 例えば六十一年度でもうストップ、六十二年三月末をもってこの問題についてはピリオドを打つというような物議を醸し出すような答弁であっては、大変申しわけないと思うわけでありますが、今のような答弁で了とするわけであります。 次に、私も行ってきたわけでございますが、所沢にございます中国の帰国孤児の定着センターでございますか、非常に狭隘で、しかも期間が四カ月、そして非常に慌ただしい中で、しかも一日六時間の日本語の勉強等々もありまして、改善の余地あり、この狭隘の中に、今後さらにふえるであろう、また希望するであろうこういった入所の施設については、やはりこの辺でもう少し拡充をするとか、あるいはまた部屋を増すとかということについて、私は施設の拡充の問題を訴えたわけでありますが、その後いかがであろうかと思うわけでございます。 さらに続けて、早く終えて早く社会へ、こういったプランの御発表もあるかと思いますが、それではその追跡調査についてはこれいかに、こういうことで御提案申し上げたことがあるわけでございますが、これもあわせましてひとつ明快な答弁を求めたいのであります。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 昨年、私の前任の局長のときにそういう御指摘をいただいておりまして、所沢のセンターを倍増するということで予算要求をいたしまして、率直に申し上げますと、この厳しい財政状況の中でなかなか困難ではないかと考えていたわけでございますが、これも財政当局の深い理解によりまして倍増するということで予算を計上させていただいているわけで、予算が通り次第直ちに着工ができるように、既に建設省の営繕の方ともお話し合いを進めているところでございまして、ことしの十一月には、その倍増機能が発揮できるものと考えております。 それから、四カ月では非常に慌ただしいのではないか、こういう御指摘がなされておることは承知いたしております。先生の大変なお骨折りで長崎県の花丘寮も立派に機能しているわけでございますが、私ども、一応四カ月間の初歩的な語学の勉強、それから日本の社会への適応についての訓練で所沢をスタートさせるわけでございます。 なお、日本語の補講という面については、所沢のセンターだけで十分であるとは決して思っておりませんので、これも今回、国の委託費で生活指導員という制度がございまして、月四回行っていたものをさらに三回ふやしまして月七回、しかもその三回は日本語の補講に充てていただくということで、今回の予算は全体的に対前年より二・一倍にふやすということで、厚生省挙げてこの問題に真剣に取り組んでおるつもりでございますので、その点については十分御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○宮崎(角)分科員 今の御答弁で、こういった予算獲得、大変ありがたいと思いますが、生活指導の面で七回にふやしたということ、これは地方への委託事業として、一つの補助事業という形で考えてよろしいのか。中央と地方の機能の分担をどうするのかということがまた非常に問題かと思いますが、今の局長の話のように、生活指導員の回数、並びに二・一五倍もアップするということは、地方にも委託としての代償を相当してくださると解釈してよろしいのか、どうなのか。
○水田政府委員 生活指導員は全額国の委託事業ということで運営をしてまいっているわけでございますが、私どもさらに国民の方の御協力も得て、いわば国、地方一体となって取り組んでまいるべき国民的課題ではないかと考えております。近く全国の主管課長会議を予定いたしておりますので、非常に進んでいる先進県と、必ずしもそうでもない県がございますので、できるだけ地方の方もその先進県に足並みをそろえていただくように、また国と協力して一体として取り組むように、指導の強化を図ってまいりたい、このように考えております。
○宮崎(角)分科員 今井大臣、あるいはまた元の橋本大臣もお見えでございますが、四十七年の国交回復後におきます我が国の内閣は、ちょうど今第十次になるわけであります。そのときに厚生大臣が十六人、今井大臣はちょうど十七人目に当たるわけです。臨時代理まで合わせますと二十七人ということになるわけで、こういったときに、先ほどの局長のすばらしい、また今後も続けるという話もあるように、大臣として、こういったいわゆる中国の孤児に対するホットな行政のポイントをひとつお尋ねしておきたいわけであります。
○今井国務大臣 私も幼少のころ両親を失っておりますので、この中国残留日本人孤児の問題というのは全く人ごととは思えない。ですから、先生御存じかもしれませんが、第十次が来てくれた――一次、二次、三次の人たちには、私、実は少し行き過ぎたかと思いますが、私の家内ともども一緒に参りまして皆さんと一晩ゆっくり歓を尽くしたのでございます。非常に本当に喜んでくれました。やはり人間というのは真心があれば通ずるものだなということを実は感じたのでございます。そこで、どうしても肉親捜しを一日も早く進めまして、そうして帰国を希望します孤児を温かく迎え入れられるように受け入れ態勢の整備をやらなければいかぬな。それからまた、今のお話にもありましたが、今の予定されております人たちのほかに実はまだあるわけでございますから、そういう方々にも順次来ていただくように両国政府で話を決めなければなりません。 さらに、何といいましても最も大事なことは、皆さん方が要するに日本へ来られましても地域社会になじんで自立することが必要なわけでございます。したがって、そういう面でいろいろお手伝いをしなければならぬというのでセンターをつくったりなんかしているわけでございますが、今後ともなお一層そういう基本的な問題につきまして努力をいたしたいと思いますので、どうぞひとつお力をおかし願いたいと思うものでございます。
○宮崎(角)分科員 次に、原爆の問題に移らせていただきます。 広島のウラニウム、長崎のプルトニウム、この原爆投下は悪魔の所為としか断じ得ないのでありまして、人類史上未曾有の大惨禍、大惨事をこうむってから早くもことしで四十一年目を迎えようとしております。世界は国際平和年をもってスタートいたしました。国内的にも全民衆が平和への悲願を込めて、いわんや被爆五十周年あり得ないとの自覚で、決意に立って今まさに機熟していると考えるわけでありますが、国として全被爆者が納得する国家補償の精神に立った施策が遅々として進んでいない、そういった感を持つわけでございます。 五十四年六月スタートとして五十五年の十二月十一日に、「原爆被爆者対策の基本理念及び基本的在り方について」これを基本懇が出しました。「人間の想像を絶した地獄を現出した。」「特別の犠牲」のいわゆる被爆者に対するこういった問題については云々というくだりがずっとあるわけでございます。時間もありませんから、私が率直にお尋ねしたいのは、いわゆる原爆臨調と言われるもの、老人保健の臨時財政調整補助金、これは五十九年の二月よりカットされたわけでありますが、地方自治体における手出しの部分として極めて出費を多くしているわけでございます。こういった問題はやはり一〇〇%国の立場でやるべきではないかと私は考えるわけであります。 また、広島は黒い雨の問題としてそういった指定地域という地域拡大の問題が措置されました。当長崎の場合は東西二十四キロ、南北十二キロ、せめてもの二十四キロに匹敵するような地域拡大があってしかるべきではないかという問題が大きくクローズアップしているわけでございますが、いかんせんそれをするためには科学的なそういった調査が必要なんだということでございます。そういった意味で、鋭意今科学的な調査でまとめ中でございますが、近々出てくると思いますけれども、この地域拡大あるいは原爆臨調、こういった問題について厚生省としてどのような方途であるのかということが第一点。 第二点は、介護手当であります。私も直接一千メートル余りで被爆をいたしました四十一年前のありし日を思いながら、長崎十四万人が死傷し、広島二十万人、三十四万人があっという間にこの世を去りました。そして私の表では、四十三年五月二十日、九月一日施行されました特別手当、小頭症手当、そして今日までのデータをずっとひもといてみますと、介護手当というのは今日三万六千五百円ですか、これまでになってきたわけでございますが、これは一日当たり単価千八百二十五円のいわゆる三十日分じゃない二十日分、こうなっているわけであります。ところが慣行料金でいきますと、普通は一日七千円から八千円の状況でございます。そうすると、もう既にこれに六千円というものを本人が手出しをしていかなければいけない、こういった問題が今被爆者として当面している、のしかかっている問題でございますが、以上の点についてもう少しつまびらかに答弁を求めたいところでございます。
○仲村政府委員 第一点の原爆臨調の関係でございますが、御承知のように五十八年二月の老人保健法の施行に伴いまして、多数の被爆老人を抱えておりますために相当の財政負担増となる広島市、長崎市等の地方公共団体に対して財政措置を特別に講じておるところでございまして、六十一年度におきましても十七億の予算をただいまお願いしておる予算の中に計上させていただいているわけでございます。 それから長崎の地域の拡大の問題でございますけれども、被爆地域につきましては科学的根拠が必要なわけでございまして、そういう根拠なしに拡大することは関係者の間に新たな不公平感を生み出すということにもなりますので、当然に科学的、合理的な根拠ある場合に限って行うべきであると考えているわけでございまして、現在御要望の出ている地域につきましては、これまで行いました残留放射能調査によりましても他の地域に比較いたしまして有意な差が出ておらないということでございまして、地域の拡大をすることは現在のところ考えておらないところでございます。 三番目の介護手当の関係でございます。原爆被爆者に対しまして各種の手当を支給する制度ができておるわけでございますけれども、これは老齢福祉年金等他の公的給付との均衡を考慮した上で原爆諸手当の趣旨、内容等を勘案いたしまして定めてきておることは御承知のとおりだと思いますが、介護手当の場合には生活保護における他人介護料など介護需要に着目した他の制度との均衡をも考慮して決められているところでございます。先ほどお尋ねのように、被爆者の現に受けておる介護の費用につきましてばらつきがあると思われるので、必ずしも要した費用すべてをカバーできない面があるわけでございますけれども、毎年手当の額の引き上げを行っておるところでございまして、来年度におきましても三万六千五百円から三万七千四百円に手当を上げてまいりたいということをお願いしておるところでございます。
○宮崎(角)分科員 非常に冷ややかな、第一問と違った非常に厳しいクールな立場で予算の問題が上がっているわけであります。大臣、私は、全国に居住しております被爆者三十六万数千人と言われておるわけでありますが、そういった声を反映するために、千メートル余りで被爆をし、そして教師時代、市会議員時代、県会議員時代を通しまして一貫して、悪魔の閃光を浴びて身を焦がすという酷熱の体験を持ちまして、熱い平和への思いを叫び続けてきたのでございます。さらにまた叫び続けていきたいという気持ちでありまして、長崎、広島の死傷者三十四万人余りの切望と人類の恒久平和のために世界の不戦、戦わないという宣言の採択を目指して訴え続け、叫び続けていきたいという気持ちでいっぱいでございます。 そういう意味で、国家補償の精神に立って原爆被爆者援護法の制定こそは、まさにそのときは来たと私は断じたいのであります。厚生大臣、この法制定実現への御決意なり御心情なりを伺っておきたいところでございます。
○今井国務大臣 私も原爆被爆者の問題につきましては極めて深い関心とまた前々からの十分な同情とを持っているものでございますが、援護法の問題につきましては、私は残念ながらこれから申し上げます二つの点で政府としては極めて賛成しがたいものがあります。 その一つは、原爆で亡くなられました方の遺族に対しまして放射線障害のない方にも遺族であるという理由から補償を行うということは、一般戦災者との均衡上問題があること。その第二は、国に戦争を行ったなどの不法行為責任があり、それに基づいて国家補償を行うということでございます。 したがって、政府としましては、やはり今後とも基本懇の検討結果を基本といたしまして、現行の原爆二法によりまして被爆者対策の充実を図ってまいりたい、このように思うものでございます。
○宮崎(角)分科員 歴代の厚生大臣の御答弁から一歩も出ない、半歩しか出ないということでございます。私はそのバランスの問題についてはまた後ほど社労委でお尋ねする機会があろうかと思いますが、この基本懇でありますように、特別な被爆、特殊な被爆、特殊な犠牲、こういったことからすれば、国民は恐らくコンセンサスが、また納得がいくのじゃないかと思いますがゆえに、ここに提案しておきたいと思うわけであります。 最後に、国立病院の再編の問題でありますが、十年をめどにするのか、今回の統廃合を終える時期、あるいは今日までなったこういった原因についてひとつ簡単に答弁を求めたいのでございます。
○木戸政府委員 二つございます。一つは、行政改革という面がございます。ただ、この行政改革というのは、単にお金減らしということじゃなくて、国立医療機関としての機能を明確にして、それに基づいて育てるべきものは育てる、その育てるべきものを育てる人、金を生みだすために統廃合あるいは経営移譲を行うという原因が一つございます。それから、医療法が去年の暮れに通ったわけでございますが、それに基づきまして地域医療計画というのをつくるわけでございますが、その中で私立と公立、公立の中でも自治体立と国立と他の公的医療機関の守備範囲を明確にする。その二つがきっかけになりまして、国立医療機関は他の医療機関がやらない、他の医療機関から頼りになる高度あるいは専門の医療、広域的な医療を行う、こういうことになったわけでございます。
○宮崎(角)分科員 そういった二つの大きな問題点を抱えてのスタートでありますが、私の町にも国立がありますし、非常に機能しているのであります。一つの県で三つの病院を統廃合し云々ということ、二病院一療養所でございますが、国立小浜、対馬の美津島あるいはまた壱岐の療養所等々でございますが、こういった地域医療に貢献した病院を今ここで、守備範囲とか国立としてのいろいろな機能の問題とか云々がささやかれましたけれども、なぜにこういった問題が今次来たかということは、それは省としてまた局長としていろいろと御意見があろうと思いますが、福祉を享受すべき国民がいろいろな国の施策で困惑千万は一体どういうことか、そういった統廃合の問題というものは納得のいく国民のコンセンサスが得られるのかどうなのか。今全国的には二百三十九施設の中で七十四病院がこの該当になろうとしているわけでございますが、先ほどのいろいろなお話からすれば、絶対これに抑えつけていくんじゃなくて、また腕を組んでじっと待っているんじゃなくてといういろいろなお話もあったようでございますが、いかんせん日本の二千九百三十五議会があるいはまた地域医師会が反対している中で、どういった形でこの問題に対する進め方をしていくのか。私はこういった法案というものは今は引っ込めておくべきではないかとも思いますがゆえに、ひとつ明快な方針をお尋ねして、私の質問を終わりたいと思うわけであります。
○木戸政府委員 国立病院の数は、先生おっしゃったように二百三十九でございます。しかしながら、全国に必要な公的医療機関、まあ公的医療機関ばかりが医療機関ではないですが、仮に公的医療機関がいわゆる基本的な各生活圏に要るということになれば、今いろいろ医療法に基づく地域医療計画というのを県で立てることになっておりますが、そういう基本的な医療圏というのは四百くらい必要なわけでございます。国立病院は現在ですら二百三十九、その中には療養所のように一般的な医療はやらないというものもございますので、一般的、基本的な医療をやる、総合的医療をやるというのは、国立病院の百とわずかな療養所だけでございます。やはり限られた資源というもので、国民の税金というもので国立病院はやるわけでございますので、そのサービスができるだけ国民にひとしく均てんするように配置するということになれば、トータルとしてはこういう計画はどうしても進めざるを得ない。 しかし、先生がおっしゃったように、対馬にしても壱岐にしても小浜にしても地元では大変重要な病院ということ、私は全く否定するつもりはないわけでございます。したがいまして、これをどう調整するかという点は、やはり先ほど大臣からも御答弁しているように、よく地元と相談をして知恵を出し合いながら具体的な地域医療の確保策というものを考えていかなければならない。そういう点から考えまして、私どもも、移譲に出しました今の三病院について、相手がなければ一方的に廃止するというようなことは毛頭考えておりません。移譲相手が決まるまでは責任を持ちまして国で医療の水準が低下しないようにやっていく、その間に時間をかけても新しい国立病院・療養所というものをつくり出していく、こういうことでありますので、ぜひ御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
○宮崎(角)分科員 終わります。ありがとうございました。
○葉梨主査 これにて宮崎角治君の質疑は終了いたしました。 次に、滝沢幸助君。
○滝沢分科員 委員長、御苦労さまです。大臣、遅くまでどうも御苦労さまです。 今ほどのお話を傍らで聞かせていただきますと、国立病院等の再編整備計画でございました。いろいろとお話のありましたとおりでありますけれども、私の福島県、これも三つの施設をちょうだいしているわけであります。私はにわかにこれらを再編することに異議を唱えるものではありません。むしろ私は、どうして公共立の病院等が民間の病院と競合して同じような営業をしなくてはならないのか、このことに深く思いをいたしまして、鉄道もあのようなことで衣がえをして民間に移譲・分割をされるというときであります、たばこも電電もそのようなことでありました、いわば時代の潮流として、戦後歩み来りました四十年を反省しますときに、過ちは過ちとしてこれを正すという勇気がむしろ必要なときであると考えます。 特に福島県におきましては、須賀川の福島療養所、それに郡山病院、この二つが比較的距離も接近しておりますことから、これを合わせてはどうかという発想も無理からぬことでありますが、願わくは関係市等と十分な協議の上で、地域住民が納得する形でこれを促進してちょうだいしたいと思うわけであります。これにつきまして、それぞれの市の主張もありましょう、それをここですべてを代弁するいとまを私は持ちませんけれども、どうかひとつ慎重にこれに対処されまして遺憾なきを期していただきたい。 特に留意をいただきたいのは、須賀川のあの地所というものはたしか十五万平米でしたか、とにかく相当の面積を持ちまして、しかも湖あり、森あり、大変療養所としては格好の場所でありますので、いずれにしましても他に場所を求めて移転するがごときは無用のことと私は見ているのでありますが、どうぞひとつ賢明に対処されますようにお願いをいたしたいと思います。ここでひとつ区切りとして御答弁をいただきたいと思います。
○今井国務大臣 今回の私どもの国立病院また療養所の統廃合につきまして、深い御理解をいただいておりますことにつきましてまずお礼を申し上げなければなりませんが、私どもの再編成につきましても、先ほどから何遍も繰り返しておりますように、この実施に当たりましては、とにかく地元の関係者の方々とよくお話し合いをいたしまして、そして御納得の上で断行いたしたい、このように思っておりますので、どうぞひとつよろしく御協力を賜りますようにお願いをいたしたいと思います。決して、ある日突然、起きてみたらやっていたんだというようなことをするつもりはございません。
○滝沢分科員 どうぞひとつ過ちなきを期してちょうだいしたいと思います。 ところで、今、全国の市町村、なかんずく小規模の自治体が非常に頭を抱えております問題は、国民健康保険制度、特に例の年金制度、保険制度の一連の見直し作業の中で、例えば退職者医療の制度等が国保にかぶさってきます。しかるに、この加入者は当初政府がおっしゃっていたよりはずっと下回りまして、経営の苦しみを増しているのでありますが、これを健全な運営に導いていくためのどのような方策を持っておいででしょう。ひとつ承らせていただきたいと思います。
○幸田政府委員 国民健康保険制度は、市町村の規模あるいは財政状況、いろいろな状況にございますけれども、御指導のとおり比較的規模の小さい町村におきましてその運営が、特に財政基盤が脆弱であるということがかねてから指摘をされているところであります。私ども、できる限りこの財政の健全化のために国としても努力をいたしているわけでありますけれども、お話のありました退職者医療制度につきましては、当初の設計とやや異なりまして、その財政影響が特に市町村国保に大きく出ておりますので、現下の厳しい財政事情のもとではありますが、国として最大限の努力を払うということで、本年度の補正予算で千三百六十七億円を特別に計上していただいたところであります。 厚生省としましては、今後とも市町村国保の財政状況あるいは退職者医療の影響等、諸要素の推移を見ながら、いろいろな方面からの手を打ちまして運営の安定化に最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
○滝沢分科員 私は先ほど自治大臣に対しまして――町村合併以来、二、三のばらつきはありましても、無慮三十年、そちらこちらで三十年の記念の祝賀会等をやってみえているのでありますが、しかし、一面振り返りますれば、膨大にして合併当初予想もしなかった大都市に膨れ上がっている市もございます。しかし逆には、五万と言われたこの市の制度、それをあのときは三万でもよろしゅうございましょうということでいたしました。それが三万をはるかに割って、もはや市というのにはとても恥ずかしい、三・二ぐらいなものになっているところが多々あるのでございます。さらには町村におきましても、村と町の区別のきちんとしていないあたりも、どうして二つが適当にあるのかな、こういう点も疑問ではありますが、いずれにしましても私はもはや町村合併の見直しのときであろう。そこで私は自治大臣に、適正なる市の規模というものはいかがなものであろうか、二万五千の市長さんが来ます、八十万都市、九十万都市の市長さんが見える、こういうのが一緒にひとつ問題を意識統一しようとしたって話にならぬのではないか、そういう意味では、市町村等の適正規模はどのようなことであるかと言いましたら、それは全然まだ研究もされてないのであります。 つまり、そのことは、今、国民健康保険の運営の面でも小規模町村、過疎地域、ここが苦労の多いところであります。大きな市においてはいろいろと工夫もあろうというものであります。そういう意味で、私は、政府が各省を通じて、町村合併以来三十年、この時点において市町村の再合併というのでありましょうか、そういう作業をも含めてのそれこそ基本的、抜本的施策を施さないことには、厚生省だけで国民健康保険の赤字をどうしようかというような取り組みではもはや立ち行かぬという時期だと思うのでありますが、大臣、いかがお考えです。
○幸田政府委員 大臣がお答えになります前に、今、過疎の市町村というお話が出たわけでありますけれども、国民健康保険では、御案内のとおり従前いわゆる一律に配分をいたします国庫補助とそれから財政力に応じて配分をいたします国庫補助の割合が四十対五でございましたけれども、一昨年の改正の際に、財政力に応じて配分をいたします機能を高めるという意味合いから、それを四十対十というふうに改めたわけでございます。一律の配分のほかに、今申し上げました財政調整交付金が三千七百億円程度ございますから、そういったものの運用をできる限り私どもも工夫をいたしまして、現行制度の枠内ではございますけれども、努力をしてまいりたいと思っております。
○今井国務大臣 担当局長が御答弁申し上げましたが、私どももそういった町村の財政状況を考えまして、ひとつできるだけのことをしてまいりたい、こう考えております。
○滝沢分科員 私が申し上げているのは、そういう補助率の手心を加えるということではもはや、ひとり健康保険だけじゃないですよ、学校の経営にしてもあるいはまた道路の管理にしてももはやひとり立ちできないほどに疲弊し、過疎になっておる町村があれば、あとはもうとにかく大きくなり過ぎて大男総身に知恵がというような市もあるわけです。そういうときに政府を挙げ、各省を通じて、ここにそのようなものを町村の適正規模を求めるというような思想に立って再編しなくてはならないのではないか、こう申し上げているわけでありますから、大臣、ひとつ機会がありましたら各大臣で意見を出し合っていただきまして、処方せんをつくってちょうだいしたい、こういうふうに要望申し上げます。 ところで、一つここに問題の提起をさせていただきます。それは児童館ないしそのセンターというような種類のものでありますが、幾つかの市長さんから御意見を承りました。つまり、おっしゃることは、何かことしの予算では九十カ所ばかりの児童館を建設することについて補助を考えておられるというふうに聞きまするけれども、しかし、建設のときに補助にあずからざる施設は運営費も出してはいただけない。このことに対して市町村長方は大変な疑問と不満を持っていらっしゃるわけです。いろいろとこれは役所サイドの理屈はあるわけです。しかし、現実だ必要だから単独でもこの児童館なりそういう施設をつくりなさるのじゃありませんか。それは大変な努力というものであります。なれば建設のときは手助けをしてあげることはできなかったけれども、運営費についてはいかほどかのお手伝いをしましょうや、これが政治の常識じゃありませんか。 そのように考えまして、私は先ほど市町村の適正規模ということも申し上げました。つまり、厚生省の児童館その他の施設の規模にも満たない小さなものしかつくることもできず、またそこに収容する子供も余りいないといういわゆる小規模町村、小規模施設、こういうものもあるわけであります。ないしは九十とおっしゃっていただきますけれども、幾つかの市町村がいわば陳情競争をいたしまして、そして選に漏れるものもあるんじゃありませんか。しかし、市長、町長という立場に立つならば、この選に漏れたといえどもみずからの力で建設しなければ、村民に、町民に、市民に納得していただけないという立場もございましょう。それらこれらを考えますれば、建設するときは残念ながら九十の数に入らぬで、あるいはまた基準の条件を備えないので手伝いができませんでしたが、運営費は見てあげましょうという血の通う厚生行政というものが求められるものだ、私はこう思いまして、ひとつ今後のこれらに対する改善の御意見を承りたいと思います。
○坂本政府委員 児童館に対する国庫補助の問題でございます。 一つには、いろいろと予算上の枠のような制約もございまして、私どももこれをできるだけ広げたいということで努力を続けておるわけでありますが、さらに補助の対象につきましては、ただいま御提言がありましたように、実際に児童館活動を行っているところに対してできるだけそれが有効に機能できるような対策というものもまた考慮する必要があろうかと私ども考えておるわけでございます。 そこで、現在いろいろ検討しておる段階でございますが、六十一年度におきましてこの補助の方法等について私どもも少し見直しをしてみようかと考えております。例えば児童館の中で留守家庭児童の非常に多い地域でありますとかあるいは開館時間が地域の実情に応じて比較的長いところとか、あるいは体力増進といったようなその他児童の健全育成に非常に活発な活動を行っておるところとか、いろいろ活動状況その他機能をいかにして発揮しておられるかということも十分に勘案いたしまして、そういったところについて、ただいま御提言のありましたような形での対処の仕方もできるような方法というものをこれから検討してまいりたいと思っておるところでございます。 なお、今後とも児童健全育成という立場から、児童館活動については一層充実が図れるように努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○今井国務大臣 今、政府委員の方から答弁をさせましたが、私もこの運営費の補助の問題については一遍見直そうじゃないかというので、六十一年度、要するに新年度で全般的な見直しを行おうと思っております。 それで、今の先生のような御意見につきましても、できる限り地域の実情に即しまして何とかできるような方法を見つけようじゃないかという考え方で今検討さしておりますので、ひとつしばらくお待ち願いたいと思います。
○滝沢分科員 どうぞひとつ今局長、大臣おっしゃっていただきましたような立場で見直しをしていただきまして、とにかく幾らかなりとも援助の手を差し伸べて、気は心という言葉も私の方にありまして、幾らかでも出していただきまして、市町村行政を励ましていただきたいと思うわけであります。ひとつ新年度におきまして御検討をされまして、できれば補正等でそれを実現していただくならば、今井厚生の一つの売り物なのか見せ物なのかは知りませんけれども、その実を示していただくことになろうと思いまして、期待さしていただきます。 ところで、いつか朝日新聞にこういう短歌が載っておりました。私は厚生行政の一つの見直しあるいはまた福祉国家というもののあり方を問うものとして受けとめました。「私たちがいるからあなたの職がある こういう人にも逢う私ヘルパー」という短歌であります。ホームヘルパーのお母さん方が訪ねていかれたんでしょう。そうしましたら、どうも中には居直りの原理というものもございまして、おいらが寝たきり老人でこうしているからあんた職があるんじゃないのかということでありました。私はこの歌を見たとき、子供もおいも警察や裁判のような仕事をやっているものでありますから、おまえたち二人で泥棒に感謝する夕べでも開け、悪い者がいるからおまえたち飯が食えるんだぞなんて言ったことがございましたが、そのようなことでありました。 ここで民社党のPR演説をする気は毛頭ございませんけれども、二十六年前に民社党が結党しましたときに西尾先生が福祉国家の建設ということを立党の理念にしよう、こうおっしゃっているわけであります。そうしましたら、この字引には福祉なんという活字が、言葉がないのですね。しかし、いろいろとドイツが、イギリスが、北欧三国がとおっしゃっていただきまして、ところがこれを新聞に出しましたら、ある部分からは、それはもう社会主義の堕落であるというふうに、社会主義とは戦ってとるものであるというふうなことで批判を受けました。ある一面からは、それはもはや惰民の養成であるという批判もいただきました。しかし、今日、全政党が福祉国家の建設を叫んでいるようになりまして感慨無量なるものがありますが、しかし一面から言うなれば、ついこの夏に私はそれこそヨーロッパの国々を回らせていただきました。そこで、承った話の二つほどを御紹介させていただきます。 これは西ドイツ、日本とともに枢軸国ということで戦ってともに敗れ、ともに経済再建の奇跡をなし遂げた国として親近感を持っておるわけでありますけれども、ここがどうも困ったことに結婚をしないというのですよ。西ドイツの青年は結婚をしない。そこで結婚奨励金を出しまして、しかも家庭問題担当大臣というのをつくってPRをするのだけれども、さっぱり結婚をしない。結婚したとするならば、今度は子供が生まれない。これは育児補助金というものを出して、とにかく赤ちゃんを産んでくださいとPRしておるのだけれども、赤ちゃんが生まれない。このままならば、西ドイツはいずれこの地球上から消えるであろう、人口減がもう深刻な課題である、こう言っておりました。なぜならば、フリーセックスないしは自由な生活の中で、老後も保障されているときに、何も結婚してまで苦労していかなくてもよろしいわということだそうでありまして、福祉国家の一つの問題点としてとらえて帰りました。 もう一つは、これは御存じイギリスの失業問題であります。学校を卒業して就職のできないのが失業者なのでありますから、そうすれば何も学校を卒業して、デモシカ教師という言葉がありましたが、デモシカ会社に入社して苦労せぬでも、失業保険をもらって新卒失業者ということでいた方がいいわけでありますから、福祉国家もここまで行くと、もはやどういうものかなというふうなことを思ってきたのでありました。そうしましたら、帰ってきましたら、この朝日新聞の歌壇の短歌に会いまして、洋の東西を問わず難しいものだなと、こう思いました。 例のマザーテレサが「持つは少なく、与うるは多く」と言って日本を去ったのであります。大きな教訓と思うわけであります。説教じみて大変恐縮でありますが、バイブルには「与うるは受くるよりも幸いなり」と書いてあります。また、これはちょっと難しくなりますが、修証義に「舟を置き橋を渡すも布施の檀度なり、治生産業固より布施に非ざること無し。」こうあります。 ライオンズクラブないしはロータリークラブとかいって大変おっしゃっておりますけれども、ああいう精神は日本にだってもともとあったのです。ただ日本では、寄附しましたよ、いいことしましたよと言わない。右の手のいいことをしたことを左の手にも教えるな、これは西洋でも言っているわけでありますけれども、その陰徳の精神こそが日本のよき伝統だ。それを寄附しましたよ、寄附しましたよ、何もライオンズクラブに決して恨みがあるわけではありませんけれども……。 まあそういうことでありますが、私は、福祉国家をひっ提げて立ちなさるのが厚生省であろうと存じますが、今、日本人に求められるものは何かと申しますと、この繁栄と平和の中でこれ以上何が不足ありましょうや。もっと地球上には本当に深刻な日々に耐えている人々がたくさんたくさんいらっしゃる。そのことに思いをいたして、ないしは我々の先人、先輩がどのような苦労の中で、困苦欠乏の中で今日を築いてきたかということを、もっと小中学校の教育を初め、もちろん家庭教育においても、ないしは厚生省がなされておりまする各種のPR誌あるいはまたそうした会合等においても強調される必要があるのではないか。今のままですと、幾ら差し上げても足らぬ足らぬというむさぼりの福祉に終わってしまうのじゃないでしょうか。それはしょせんはむだな投資でありましょう。そして、むだな善意という言葉が許されるならば、そうなるのじゃありませんか。そして、行きつくところは、西欧の諸国で今苦悩しておりまするあの姿になるのじゃありませんか。 私は、今にして日本があるべき姿に立ち返る必要があると思うのであります。そのためには、ひとつ政府・与党なんということを言いますと生臭いのでありますが、とにかくもっと強い指導理念を発揮していただきまして、国の進むべき道、特に大臣におかれましては厚生行政のあるべき姿、福祉国家の未来像というものを大胆に提示していただきたいと思うのでありますが、いかがなものでございましょう。
○今井国務大臣 私も数年前でございましたか、北欧三国を回りまして、フィンランドで厚生を担当する大臣から言われたことがあります。それは、我が国も福祉、福祉というので随分やってきた、大変な額になってしまって、もう首が回らなくなってきた。聞けば、日本は福祉の問題を極めてうまくやっておられるそうだ。特に、親が子を育てた、大きくなれば子供が親を見る、親子三代の生活をやっているそうだが、一体それを教えてくれないかと言われたことがあるのです。そのときに、私も、福祉というのも極めて大事だけれども、やはりやり方によってそういうふうなことになるのだなという感じを抱いて帰ったのはもう数年前でございました。 今の先生のお話を聞きまして、心してやってまいりたいなと思うわけでございます。よろしくどうぞ今後とも御指導賜りますようにお願いいたしておきたいと思います。ありがとうございます。
○滝沢分科員 どうも大臣、遅くまで御苦労さまでした。委員長、どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。
○葉梨主査 これにて滝沢幸助君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして厚生省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚くお礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後九時八分散会