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104回国会衆議院1986/03/07

予算委員会第三分科会 第2号

発言数
441
登壇者
52
会派数
5
開催日
1986/03/07

会議録

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算及び昭和六十一年度政府関係機関予算中文部省所管について、昨日に引き続き質疑を続行いたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松前仰君。

松前仰日本社会党・護憲共同

○松前分科員 まず最初に、つい最近の話題でございますけれども、これは新聞に出ておりましたのでちょっとお伺いさせてもらいたいと思います。  文部省がいじめの克服のために四十人学級を拡大しようということが新聞に大きくタイトルとして出ておりました。確かにそのように六年後に完全実施目指すということでやっておられると思うのでありますけれども、よくよく内容を読みますと当初の計画より三分の一に減ってしまった、大蔵省が渋って予算案では実施校は二百十校、初めの約三分の一にとどまった、こういうような記事が出ておりましたのですけれども、私から言わせますと、これは文部省は大変弱腰過ぎると思うのですね。  私どもは、四十人学級またはそれ以下の学級をやっていかなければならぬ、小学校では今進行しておりますけれども、中学にまで、すべての中学に拡大してやっていかないと、今いろいろ問題が起こっておるいじめの問題とか非行とかそういう問題の解決にはならぬじゃないかと長いこと主張してきた。今やっとこれが気がついてきたというような状況なんで、文部省はそれに気がついて実施しようとしたら今度は大蔵省が絞る、こういうような格好では、幾ら臨教審がいいことを言ったってなかなか問題解決にならぬと思うのですね。文部省、これから後六年後の完全実施と言うけれども、もっと早期にこれを実現できるように努力をしてもらいたいと思うのですけれども、その辺のことについてまず文部大臣にお伺いしたいと思いますが、よろしく。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘いただきました件は、文部省といたしましても重点政策の一つとして受けとめておりまして、かねて四十人学級の制度を達成させよう、そのことをも含む第五次定数改善計画というのを今進行しておる途中でございますけれども、昨年の予算編成のときもこれの重要性は強く主張しまして、弱腰だといっておしかりを受けるかもしれませんが、去年ゼロであった中学校もスタートの芽を出す、それから全体の定数改善で改善増五千四十四人のうち三千二百九十四人をこの四十人学級に充てる、あとをその他の定数改善、配置改善に充てるというふうに目につくように一生懸命努力をして、今断言できますことは、この計画を必ず達成させたいということで努力をするわけでして、それまでにもし経済情勢が急に変わるとか、また我々が期待しておるように自然増収が国にうんとふえるとかいうような事情の変化等がありますれば、これはもう間髪を入れずそれに力を得て折衝も続けていこうと思いますが、今のところはどうなるかちょっと見通しが立っておりませんので、第五次定数改善計画だけは目標とする年度に必ず実現したい、ここに全力を挙げて努力をしていくつもりでございますから、どうぞ御理解をいただきたいと思います。

松前仰日本社会党・護憲共同

○松前分科員 大臣は私学出身でございますのでこういう点については非常に御理解があると私は思っておりますので、この計画、これを完全実施ということについてぜひとも全力を挙げて取り組んでいただきたい。それで、経済情勢その他でいろいろ問題があってなかなかできないというお話もあるわけでありますけれども、しかし将来の人材を育てる、そして将来日本を救っていく者をつくるという意味においてはこれは早くやっていかなければいかぬということでございますから、この辺についてはやはり政府内でその人材育成、そういう面について強く主張していただく、それが必要だろうと思うのです。大蔵省が渋ったといってもそれよりも強いものはこの人間の育成なんでございますから、そういう面で強い決意で臨んでいただきたい、まず最初にそれを申し上げておきたいと思います。  さて、話題をちょっとかえますけれども、これは特に現在の予算に直接は関係ないかもしらぬけれども将来はどうしてもこの点については考えていっていただきたいという問題について申し上げたいと思います。  科学技術が発達したと言われております現代、これをちょっと振り返ってみますと、資源の問題を見ましても何の問題を見ても、基礎技術の分野を見ましても、現状ではいろいろな問題を抱えているということはもう否定することはできないと思うのです。特に最近はもうかる技術というようなことで軽薄短小という方向で、これはいい言葉か悪い言葉がわからないのでありますけれども、軽薄短小と言えばかなり悪いような意味にとられるのでありますが、そういう方向がどんどん伸びてくる。そういうような方向へ伸びていって結局どういうことになるかというと、社会はそういう方向だけの社会がつくられていく、アンバランスな社会ができてくる、私はそういうように思わざるを得ないのです。  例えば、今おくれているものは何か。重厚長大の口に入るかどうかわかりませんけれども、エネルギーは日本は足らぬ、こう言っているのにもかかわらず、その方向の研究は進めておりますけれども、例えば原子力一つとりましても今いろいろ問題が起こってしまっておる。最後のところが、トイレなきマンションとか言われまして、そこのところがどうしてもうまく解決つかないものだからどこかへ捨てるとかいう話が出てきて、捨てられては困るよとかそういう住民の問題が出てくる。今、日本ではどうもこういうようなところが抜本的に改善をしていくというようなことをやれるような状態にないということが大変残念なんですね。  そういうことで、私は、こういう重厚長大といいますか、そういう社会のアンバランスを少しでも救うようなこういう研究体制そして教育の体制というものをこれからつくり上げていかなければならぬ、そういうふうに感じておる一人でございますけれども、文部大臣、科学技術の関係ではないと思いますが、しかしその方にも御造詣深いと伺っておりますので、ちょっと御意見を伺いたいと思うわけです。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘のように、我が国が将来世界の中で相互依存関係を深めながら国際社会の一員として寄与し、貢献していくためには、やはり基礎科学の研究、基礎研究は主として大学で担当してもらっておりますけれども、その分野においてやはり独創的な、そんな研究成果を上げていくことは極めて大切なことだと私は思っております。そして世の中の移り変わりの中で、きょうまではややもすると欧米の開発した科学技術を模倣するといいますか、またそれに連動して伸びていくというような、そういった成果を受け取る側でありましたけれども、日本の自然科学の分野も相当に高いところには来ておると我々は思いますが、しかし一般的な評価からいくと、よく例に引かれますように、例えばノーベル賞の受賞者の数とかいろいろなことを言われます。もっともっと基礎科学の分野は充実していかなければならぬということは先生の御指摘のとおりと思いますので、これからもその方向で頑張ってやっていきたい、こう考えておるところであります。

松前仰日本社会党・護憲共同

○松前分科員 今大臣言われましたように、日本の技術というものは、今までは欧米の技術の導入ということで、それを中心に追いつき追い越せという形で発展をしてきて、それを追い越してしまった、気がついてみたら何か後ろに米国やらヨーロッパがおったということで、今、経済摩擦ですか貿易摩擦ですか、こういうのが起こっている一つの原因になっておるわけでありますけれども、今お話がありましたように、これから文部大臣もそういう面について力を入れていただくということで大変安心いたしましたが、今の日本の教育と研究の現状をちょっと見てみますと、国立の研究機関と民間の企業が非常に強力に推し進めている。これは使っております研究費の額を見てもわかるわけでありますけれども、そういうところでかなりたくさん研究を行っておる。ところが、これだけでは十分な力を持っているとは私は考えない。企業については、悪い言葉で言えば、極端なことを言えばやはり自分の会社の営業利益につながるような研究を中心に行うということがありますから、そこに力をどんどん入れてお金を投入することはある。そのほかの国立大学、研究機関は地道に研究されているからいいわけでありますけれども、しかしながら大学院というのはたくさんつくられている。そしてちょっと大学院の状況を見てみますと、これはちょっと古い資料でありますけれども手元になかったからこれを引き出してみたのでありますが、国立の大学院の学生数と私立の大学院の学生数は、数字的に見てもかなり国立の方が多いという状況であります。一方、私立の大学ですね、今度はその下にあります大学の学生数は日本の中では何%ですか、七〇か八〇かそのくらいの数になっておるはずであります。そうなると、そういう私立の大学を出た人間が新しい分野の研究に挑戦する機会がなかなか与えられないということになってくるわけでありまして、大学院というのは一応あっても国立がかなり中心になってくる。そしてまた、大学院自体の中身を見ても、大学院というのは文部省で大学院設置基準というものがあるわけでありますけれども、設置基準というのはただ単にその中で教育、研究が行われるための基準を示したというだけの話でありまして、社会の要望や変動に対応できる教育、研究の機関としては十分じゃない。国立だけでやっているのも私は十分じゃないと思うし、またこういう大学院設置基準の中での大学院の研究も十分でない。現代の急速な科学技術の進歩に即応する、そしてまたその科学技術のために陰ができている部分も、難しい技術を解決するための挑戦をするというものに対しては満足していないというのが現状ではないかと思うのであります。  この辺については後でもう少し詳しく入っていくのでありますけれども、この現状について文部大臣はどのような御認識を持っておられるか、簡単で結構ですから。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘いただきましたように、国立大学も私立大学も、そこに学ぶ研究者の持っております創造力とか能力とか、そういったものを全部利用して共同研究ができるようにすることが望ましいわけでありまして、昭和四十六年以降、御承知の高エネルギー物理学研究所とか岡崎国立共同研究機構など、これは国立大学の共同利用機関として設置したものでありますけれども、これらの機関においては国立のみならず私立大学等に属する研究者を共同研究者として受け入れて、それぞれの機関の目的に即した研究活動を現に行い、そういったことで交流を深めております。また、六十一年度には全国の国公私立大学を結ぶ学術情報システムの中核となる情報センターを、やはり名前は国立大学共同利用機関として設立いたしますけれども、これも国公私立大学全部を通じた共同利用、共同研究の体制に使うということで、実質的に皆が共同で力を合わせて研究に参加できる、成果を共有することができるというように指導をしておるところでございます。

松前仰日本社会党・護憲共同

○松前分科員 国立も私立も一体となって研究をするというような方向の施設をたくさんつくられておる、そういうような中身にしておるというお話でございますけれども、現実はどうか。研究者について私は数字を調べたわけじゃないけれども、今のお話があったからちょっと調べてみてもいいんですけれども、現実は私学の人間はそんなに参加することはできない、これはもう間違いない事実であります。私ども直接に見ているところは、もっと小さな卑近な例ですけれども、例えば「しんかい二〇〇〇」、これを私立の大学が使おうといったって、なかなかできないという状況でございます。これはリスト全部ありますけれどもね。今それと同じような形になっておる。そしてまた、もう一つ申し上げたいのは、そういう研究機構一つだけですべてを賄うということについては私はやはり問題があろう、国立の考え方というものがあろうと思います。  ところが、私が言いたいのは、私学はやはり建学の精神を持って、それに基づく観点からの学術活動を行うというところが特徴なのでありまして、そういう自由な思想を持った研究機関はどうしてももう一つ持つべきであろう。それによって、二つで非常にうまくいく、二大政党みたいなものでありますけれども、そういうことが私は理想的であると思っておるのです。そこで、私学にそれをやれと言ったらどうか。ところが私学は財政的に大変である、経営上の制約が非常にあるということでありますから、これはなかなかできない。一私学でやろうたってできない。ですから、これについては一つの共同の体制を持って、私学全体での自由な思想を持ったところの共同の体制というものをつくり上げていくということが必要だろうと私は思うのです。そういう意味で、これは特に予算に要求するということではないけれども、そういうようなものができたといたしましたら、これはやはり政府も多少補助というものを考えてもらわなければ困る、私はそういうふうに思いますが、そういうことについて文部大臣、どうお考えになりますでしょうか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 私学の側からどういう構想を持ち、何をしていらっしゃるのか、私はまだ不勉強でよく聞いておりませんけれども、今先生のお話によります限り、私学自体の財政がいろいろ厳しいことや、おやりになろうと思うことが十分できない、その壁を取っ払おうというので私学助成の制度をつくり、年々少しずつでも私学の充実に寄与しようとか、科学技術研究費の補助金の拡充とか、私学における研究大型装置その他の補助とか、私どももいろいろ考えて政策を進めておるわけであります。私学の方もそれぞれの研究所を持ち、それぞれの対応で進んでおると思いますので、まさに私学の建学の精神、私学の特色を生かしてそれぞれおやりになりますようなことについては、これはできるだけ、傾斜配分という言葉がいいか悪いかちょっと私自身も悩むのですけれども、私学助成の考え方の中でも重点を置かれるところは、研究装置とか合いろいろやっておりますから、そういったところに重点的に、やる気を持ち、活力を持ち、前向きにやっていらっしゃるところにはそれなりの対応をすべきではないだろうか。一歩後ろから私学の独自性を害さないようにしながら、できるだけ支援体制を組んでいかなければならない、こんなことを私は考えております。

松前仰日本社会党・護憲共同

○松前分科員 文部大臣、研究というものはどのくらい金がかかるか恐らく御存じないと思うのですが、今の私学の研究室でどれだけの研究ができますか。軽薄短小しかできないですよ。例えばアメリカあたりはブルックヘブン原子力研究所というのがありますけれど、これは私学の共同研究機構なんです。そうして民間企業の寄附とか政府の補助で非常に有力な研究成果をおさめておるということがあるわけであります。これは私学が共同でやっているわけですね。先ほどお話がありました私学補助という形でちょこちょこやるのはいいのだけれども、しかしそれでは軽薄短小しかできない、やはりこれからは大きなところに挑戦していかなければならぬ、そのためには集合すべきである、私はそういうふうに申し上げたわけでございます。  今の議論は私学補助との関係はちょっと別でございますが、例えばモスクワ大学の高エネルギー物理研究所ですね、ここでは大きなリニアアクセレレーターをつくっておる。そして、ヨーロッパ諸国の学者を集めて共同して不可能に近いところに挑戦している。これは何をやっているか私どもわかりませんけれども、原子力の最終処理の問題というようなところに挑戦しているということも聞いております。そういうことを日本もやっていかなければいけない。外国の技術でできたから日本もやろうや、こういう格好ではもう日本はリードしていけないと私は思うわけであります。  もう一つ、イリノイ州あたりでは、ついこの間フェルミ国立加速器研究所――こういう大きなものをつくってやらないと、これから先の技術というのはそういうところに挑戦していかないといかぬ。核融合とかああいう問題についてもっと早く達成しなければいかぬということになれば、どこかの研究所に任して評論家的にできるだのできないだのと言っているようではだめなんでありまして、それを実際に加速させるといいますか、そういう意味からいえば、そこに従事する人をふやしていく、そして将来の日本のエネルギーとかというものについて、資源の不足というものに対処していかなければならぬと思うのです。  海の問題にしたって、太平洋がせっかくありながら、二百海里でもってわいわいやられちゃって日本は漁業資源がほかの国に制限されてしまう。こういうことならば、海にどんどん魚をふやしてとれるだけとれるようにしてやればいいじゃないですか。日本にはそれぐらいのことができる技術はあるわけです。それをもっと集中してやればできるわけ澄んであります。  そういう意味で、これからは私学においても、国立だけがやっているというような形ではなくて、たくさんの有能な学生を生み出しておる私学、それが共同して日本の将来を救うということにもなっていかなければならぬと思うわけであります。文部大臣、もうお答えは要りませんけれども、その辺十分御認識いただいて、これからどんどんそういう話が出てくると思いますので、そういうときにはまたいろいろと大臣に御尽力をいただきたい、かように私は申し上げておきたいと思います。  最後に一つ、臨時教育審議会で今盛んに議論がなされております、教育をいかにしてよくしていくかというような方向で議論がなされておるのでありましょうけれども。先ほどの四十人学級、これは非常に重要な問題で、これに全力を挙げてくださるというお話がございました。もっと早くやっていただきたいと思いますけれども、全力を挙げていただくということで大きな問題について一つの取っかかりができたというように思います。  もう一つの問題は、教育委員です。今それの任命制というのがうたわれているわけです。やはりこれは一番問題にしていかなければならぬところだろうと私は思う。臨教審でも、私はお答えの中身を全部見ておりませんからわかりませんが、ほんのわずかしか触れていない。それに積極的に取り組んでいく人がいないというわけです。これでは日本の教育はどうなっていくかわからない。特に大臣は私学出身なものですからおわかりになると思いますけれども、今こういういろいろな意見を持った人がたくさんいる、多様な社会である。そして、いろいろな人がいるということを前提にして、その中で自由と平等を守っていくような社会ができつつあるという状況の中で、教育委員を任命制にしてあることは時代に即していないと私は思うのです。どういうことかというと、教育委員を任命制にしてありますと、その人たちはどういう意見を出すのだろうかと思うわけです。首長とか知事が任命したということは、自分の意見が通るような人を選んでいるということなんです。ということは、教育委員が何人いたって意味がないのです。一人いればいいのです。同じことをみんな言うのだから、そんなのは一人いて意見を言えばいいのであって、こういうことでは教育はよくなっていかないのです。だから私は、教育委員の任命制というものは重要な問題としてこれから考えていかなければならない。それは、任命制を公選制にするということです。これについては重要な問題として取り上げなければいけないと思います。  急に公選という形でぱっと持っていくと、いろいろひずみが出ると思います。間違いなく出ると思う。だから、中野区なんかはいろいろ問題が出てごたごたやったことがあるわけであります。しかし、全部が全部公選制になればそうもいかないですね。また、自分の子供の教育をそういう人たちに任せるのだということになれば、選ぶ方も、こう言っては申しわけないけれども、普通の国政選挙よりもはるかに身近に考えてやるんじゃないだろうか。そうすれば立派な人が出できて教育について一生懸命物を申して、臨教審なんかが言っているよりもずっといいことがこの中で言われるようになってくる。私は、これがこれからの教育の最大の問題だと思うのです。これについて大臣、どうお考えになっておりますか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘いただいておる教育委員の選任方法についての問題ですが、当初選挙によって教育委員を選んでおったときに、教育の中立性を守るという点からいって、どうしても選挙場裏でそれぞれの応援団がついたり、大人の世界の対立や雑音がそのままずっと教育の場に入ってくるような必ずしも好ましくない状況が出てきたという判断に立って、たしか私どもが国会に出てくるちょっと前でしたから、昭和三十年ごろ法律を改正して、そのかわり、ただ単に恣意的に任命するのではなくて、議会の同意を得る、議会はまさに直接選挙で住民の意向を代表するいろいろな方がいらっしゃるわけですから、そこの同意を得るということにして任命制度がスタートした、私はそう理解しております。  臨時教育審議会でもこの教育委員会の問題は御承知のように議論になっておりますが、私が総会を傍聴したり、この間の「審議経過の概要」を読んでみます限りは、任命制、選挙制ということよりもむしろその活性化をしなさい、今御指摘があったように、何か一人おればいいじゃないか、そんなにたくさん複数の教育委員は要らぬよというような具体的な例等が方々で報告されておることを御存じの方が多いので、教育委員会をもっと活性化しろという角度の御議論は私も聞いてまいりましたし行われておりますので、この教育委員会の制度は、選出方法を変える前に、議会の同意を得て選ばれた教育委員の皆さんが教育の中立性を守りながら活性化の要望にこたえてみずから改革をしていただくことが非常に望ましい、こう考えておるわけでございまして、今直ちに任命制を公選制に変えたらどうかと言われても、それはちょっとまだ、途中の段階をいろいろ置いたとしましても、今の制度、仕組みの中でより中立性を守りながら運用に何か活路を見出していきたい、私はこう考えております。

松前仰日本社会党・護憲共同

○松前分科員 もう時間がありませんので、大変貴重な御答弁ありがとうございました。今の教育委員の公選制については今すぐやれということではない、簡単にはできないですからね。だから、これは長い議論としてこれからもやらしてもらいたいと思いますので、非常に重要な問題、技術論としては大変難しいことがあることは先ほど大臣おっしゃったとおりでございますけれども、それを克服しても公選という形の方に持っていくのが私は将来のためになると思うので、これは議論する場は必要だと思うのでこれからもやらしてもらいたいと思います。きょうはこれで終わります。ありがとうございました。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて松前仰君の質疑は終了いたしました。  次に、武田一夫君。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 公明党の武田です。大臣には毎日大変御苦労さまでございます。  私は、私学の問題、特に専修学校の問題を中心に若干お尋ねいたします。  大臣も大学は私学を御卒業になり、私もかつて五年ばかり私学あるいは各種学校の教員をやったわけでございます。そういう意味で、私は、日本の教育の中に占める私学の貢献度、位置というのは非常に高い、その役割も極めて重要、そして各界に有用なる、優秀な人材をたくさん輩出しているということを考えますときに、今この私学の問題については、この際大臣にひとしおお力添えをいただきたい点がございます。そういう意味で二、三お尋ねいたしますので、ひとつ御答弁いただきたいと思うのであります。  私立学校というのは、それぞれの学校の建学の精神がございます。それで、先生方も一生懸命子供の教育に力を入れている。私に言わせれば、公立、県立などから比べれば、私学の先生の生徒の教育にかける情熱というのは大変なものであります。これは経営ということも関係がありますから、変なのを出しては大変だということもあるわけでありますが、いじめとかあるいは非行、暴力等ということを考えたときに割と私学にそういうことが少ない。これは教育現場の皆さん方の懸命な努力、父兄との連携も非常にうまくいっているのだと私は思うわけであります。  ところが、今高等教育機関としての私学が生徒数では七六%を超えておる、こういう状況、その中に専修学校というものがまた最近は非常に人気がありまして、即戦力、実用の面から非常に貴重な存在である、こういうものも私学の一部に加わって大変貴重な存在になってきているというわけであります。  まず最初に、私学の父兄の側にとってみますと、最近私学の授業料とか入学金とかがどんどん高くなっておる、もうある私学の場合、仙台の場合には大体平均五十五万ぐらい最初に納めなければならぬとか、東京などでは百万とか二百万、そういうところも出てきている。そのために私学助成、経常費補助というのですかやっていただいて、私も毎年のようにお願いしながら、非常に当初はよかったのでありますが、このグラフを見てみましても、例えば私立大学の経常的経費と補助金の推移を見てみますと、昭和五十五年で二九・五%までいったのですね。我々、これは三〇%ぐらいをめどにやっていくべきでないか、このとき我々も非常に期待しました。昭和五十三年が二七・一、五十四年が二八・九、そして五十五年が二九・五、ところがここが最高でありまして、それ以来、五十六年二八・九、五十九年が二〇・三%、これは間違いなく結局父兄に、学校に負担が来るのです。それから、これは公立と私立の問題に関係してくる。要するに授業料が高くなる、入学金が高くなる、そうすると私立と公立との格差が出てきまして、それを縮めるという声が出てくると、どこを縮めるかというと、公立の方を上げて縮めるということになると、これも御父兄の皆さん方に負担がかかる。親は、教育となれば子供の問題としては最高のことでございますから、少々苦しくでもやる、それがエスカレートしてくると困るのでありますが、そのほかに塾の問題等も絡んで大変な負担であるということを考えますと、経常経費の問題、補助金の制度開設四十五年以来の伝統をやはりもっと的確に、その経済的状況なども考えまして、私立への補助負担をもう一度見直しして、これはこのままいくとまだ下がる心配がありますが、三〇%ないし四〇%という一つの方向への御検討を大臣のお力でひとつしていただきたい、こういうのがまず一点。  もう一つは、やはり教育条件を充実するために、私学はそれなりに努力しているのですが、こういう経費が少なくなりますと、特に先生方の研修とかあるいは学校の施設の充実等々に苦労するのは私学の共通した悩みであります。最近、先生方に会いますと、特に大学の先生方に会うと、図書、研究するための本を買うのにも困っている、ポケットマネーが相当出ているようであります、こういうような不便を感じさせないような環境づくりの御配慮と対応を、ひとつ大臣からお尋ねしたいと思うのでございます。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 国立大学御出身の先生から私学に対する大変温かい御配慮のあるお尋ねをいただきまして、お尋ねをいただきながら御激励を受けておると思って承りました。  御指摘になりました私学の問題は、就学前教育においても私学はたくさん負担をしておる、中学校、高等学校のところではやや少なくなりますが、また大学教育のところでは、御指摘のとおり八〇%近くの人材を私学が育成しておる。結果として、社会、国家のあらゆる部面を支えて頑張っておるのですから、私は人材委託的な発想で私学助成はなるべく手厚くして、国公立に学ぶことと私立に学ぶことと、なるべく親の経済負担というものが縮まっていくようにすべきである、この考えは先生と全く同じでございます。  お示しいただきました表が、だんだん下がってきている、経常費のせめて三〇%、四〇%のところを目指すべきではないか、その御指摘にも私は全く同感でございます。ですから、私学助成の制度そのものが、当初我々が目指しましたものと比べてまだ未完成である、未熟である、制度そのものをもっと成熟させるような努力をしなければならぬということは当然のことでありまして、これがきちっと達成できますと。後半おっしゃった私学のそれぞれの教師の教育研究活動についても、手厚い援護ができるようになろうかと思います。国公立の方も授業料を上げたりいろいろしてはおりますけれども、それはやはりおのずから限度というものがありますし、一挙に手のひらを返すように縮まるわけにいきません。  そこで、私学助成のみならず、例えば奨学金の制度の中でも、先生御承知のように国公立に行く学生と私学に通う学生との間にはちゃんと貸与額の差をつけるとか、いろいろな努力はしておりますけれども、そういった努力をなお乗り越えてもっと積極的にやれという御激励は、私も御激励として素直に受けとめさせていただいて、いろいろな他の政策との整合性とか、また文部省の内部においても、必要なものと我慢をしてもらうものとの調整とか、あるいはもう一歩前進して、教育は国家百年の大計ですから、国の好不況によって教育活動、研究活動にやはり上下があってはいけませんから、不断の努力が積み重ねられていって百年の大計は成り立つものでありますから、何とかひとつ、聖域とは言わないまでも重要に考えて教育予算のことは扱ってもらいたいという気持ちは強く持っておりますので、これからも私学の建学の精神を生かした、より一層充実した教育研究活動が展開されますように努力をしていきたい。こう思っております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 ひとつそういう決意で努力をしていただきたいと思います。  これは、私立の高等学校の場合なども、やはり各都道府県にちょうだいしている補助金がどんどん減っている。これもまた大きな問題でありまして、高等学校によっては、教員が給料の非常に安い中で甘んじているところも地域によっては出ている。生徒数がどんどん偏在化している、少なくなってくる地域でも一生懸命地域の子供さん方を教育するために頑張っている。私の知っているある教員は、三十四、五歳になっても十五、六万ぐらいで頑張っておる。その分は何で埋め合わせているかというと、珠算を教えたり、アルバイトをやっているなんというところもあるのでありまして、こういう経常経費の助成の減少というものはいろいろなところに大きなゆがみあるいはひずみを与えているということもあります。  そういうことで、この問題についてはどうかひとつ十分なる御配慮をいただいて、教育というのは、国家百年の大計を考えた上で、次代の青少年の健全なる育成ということの大事業でありますから、これは国の安全保障とかいう中の人というものをやはり重要な位置づけをする。事業は人なりといいますけれども、私は、私学で育った青年、子供たちと接触いたしますと、建学精神の中で自分を鍛えながら各界で頑張っているということを見ると非常に頼もしいわけでありまして、大臣もその一人ではなかろうかと思うときに、これからますますそういう私学のいろいろ特色あるところで、おのおの環境は違うけれども、おのおの学んだものを発揮できる、そういう私学をさらに価値あらしめ、権威を高からしめるような努力をお願いをしておきたいと思うのであります。  そこで、きょうの本題として専修学校についてひとつお尋ねをします。  専修学校の制度は昭和五十年に成立した、ですから、それが実施されてことしで十一年目になるわけであります。産業界からも、即戦力を備えた人材として非常に好評で迎えられているわけであります。生徒の方も、学歴もさることながら、やはりこれからは実力、手職といいますか、そういうものを身につけた方がいい世の中になってきたんじゃないか、そういう考えが普及してきた、親の中にもそういう考えがある。ということは、両方から、使う方、使われる方、学ぶ方、学ばれる方、要するに、時代の要求に沿って非常に成長してきた。非常に結構であります。学校も相当ふえまして、五十九年で約二千六百校というのですから相当なものであります。生徒数も約五十万近くいる。高校からの進学率が一〇%以上も超えて短大に接近している。就職などは短大よりも専修学校がいい、大学よりも専修学校がいいという会社まであります。ということでありますから、専修学校の存在というものは今後ますます重要なセクションになってくるのではないか。高等教育機関の中の重要な柱として、第三の波といいますか、そういう感じさえいたします。ただ、十一年目ですから、これからが大事なときではないかと思うのですが、そろそろここに、やはり十年も過ぎますといろいろな問題点が指摘されている。いい面はさておいて、きょうは悪い面の指摘をしまして、こういう内容のことをよく認識された上で、専修学校の中身をひとつ総点検をなさるべきではないかという提案をしたいというふうに思うわけであります、  それはいろいろな問題がありますが、主だったものを取り上げてみますと、特にコンピューターですね、これが情報産業という世界の中で急速に人材を要求している。非常に足らないそうであります。これからも需要と供給のバランスはなかなか正常にいかない。あと十五年ぐらいすると百六十万ぐらい必要だけれども、しかし百万ぐらいしか育たないとか、そんな話。通産省から聞きますと、かなりそういう人材は不足であるからここに力を入れるべきだということで、文部省も通産省も力を入れているようであります。このコンピューターの関係での学校が特にふえてきた。これまた歴史が浅い。経理とか洋裁とかいうのは歴史があって、ある程度安定していてそう変動はない。問題は、そういう情報産業に参加する専修学校であります。  一つは、どういう問題かというと、生徒の質が最近低下しているという評判であります。これは生徒が悪いのか先生が悪いのかということでありますが、聞くところによると専修学校の二〇%くらいは退学をしている。しかも、それに対する対応はしない。要するに、選考の段階で大体無試験ですね。ですからどっと入れて、そして後はもう生徒指導などもなかなかできない。これでは学校の役割としては失格ではないか、こういうふうに私は思います。やはり技術を教えるだけが教育でないのでありまして、会社側の皆さん方に言わせると、技術はあっても一般教養が多少低い、常識的な問題に欠けるとかという話まで出てくる。国家試験を受けても、一般の方々の平均、全体平均で合格率が二〇%ぐらいあるのだけれども、専修学校は一五%とは何事だ、本当は専門の学校で高いのが当たり前だけれども、低い。通産省なんかのデータでもはっきりしている。こういう質の問題。  これは、カリキュラムなども自主性を認めて学校独自のものにさせているわけです。果たしてそれでいいものか。ある一つの基準というものがなければいかぬのではないか。  それから先生の研修はどうなっているのか。研修費というものも今おかげさまで出していただいています。しかし、それもまだまだ低い。学校によってはそんなものは無視しながら――やはり彼らにすれば商売ですから、そういうことの余りに、そういうものが発生するという心配がある。こういうことは点検をしなくちゃいけないのではないか。  それからもう一つは、これは全部ではないのですが、一部に、どうしても経営優先、もうけ主義に走る。教育産業はもうかります。私も五年間教員をやって、私学、各種学校に行って、これはもうかるなというのをこの目で見てきました。私もできればやってみたいなと思ったぐらいであります。五年ぐらいまじめにやりますと、結構、入学金、授業料、大変なものです。今など、私の地域でのコンピューターの学校の授業料は、入学金など含めると三十万ぐらい取りますね。それが毎年千人、二千人、多いところでは三千人入る、試験を受けさせるということです。それはいいですよ。それも学校の経費とかを支えるために必要なんでありますが、そういう経営優先の姿勢というのが専修学校の評判に傷をつけている嫌いがある。  それからもう一つは、これは県が指導監督するわけですね。そうでしょう。ところが県は、これはなかなかできない。東京などでは大変困っているようです。そういう県の指導監督が非常に弱いというようなことがございまして、要するに、専修学校の体質、中身をもっと充実させ、今後権威づけるためには、そういう不良な学校、非常に学校教育の精神からはみ出すようなものは、やはりしかと指導監督しながら整理をしていかなくちゃいけないときではないか、こういうふうに私は思うのであります。広告なんというのは大変です。誇大広告の最たるものはコンピューターの学校だと言われるくらい、要するに我が校をPRするために国家試験合格第一位なんというのを、毎年同じ第一位が全国に二カ所も出たり三カ所も出たり、などというのが堂々と各学校への案内の中にある。そういういろいろな要素を踏まえた指摘があります。  そこで、こういう専修学校のあり方について、大臣からひとつ、今後どのようにこれをもっと立派にして、生徒からも親からも期待され、社会からも期待される専修学校として育てていくのか、これからの取り組みをお尋ねしておきたいと思うのでございます。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 ただいま御指摘いただいた専修学校は、先生のおっしゃるとおり十年前に制度として生まれ変わり、それまで各種学校といって全国にたくさんありました中から、それぞれ特色に応じて専修学校、専門学校、一年、二年、三年の教育、いろいろ多様な実技的、実務的な教育の機会を国民の皆さんに提供するということで期待をされて発足されたものでございました。おっしゃるように学校の数もだんだんふえてきて、もう間もなく三千校になるとか、御指摘のように集まる人の数もどんどんとふえてきたのでありますから、これは社会における技術者をきちっと育成してくれるという要望にこたえたものであることは間違いないと思うのであります。  文部省といたしましても、専修学校が十年たっていろいろな問題がある、特に最近では、予算面では教員研修を充実するためにその補助とか、大型設備補助の充実とか、育英奨学資金の中に専修学校の生徒も加えるとか、六十一年度予算におきましても前年に比べ一一%増加する予算を計上して、専修学校の充実に期待をしておるところでありますが、御指摘いただきますような問題なきにしもあらずということで、今年の一月でございますが、専修学校の関係者とか行政の関係者とかいろいろ集まってもらいまして、専修学校の教育内容、教育方法、今御指摘がありましたふうに技術だけでいいのかどうかというようなこととか、適正な生徒募集のあり方、今御指摘になったようないろいろな生徒募集に関する問題、どうやったらこれが適正な募集になるのか、あるいは中学校及び高等学校における進路指導の充実など、今日専修学校が抱えております課題について調査研究を進めておるところでございます。これらの調査研究を待ちまして、もっと世の御期待にこたえ、御批判をいただかなくてもいいような、せっかくここまで伸びてきたのでありますから、内容、質も充実していってもらいたい、このようにしていきたいと思っております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 非常に結構なことでありまして、この際、これは徹底して今の調査等についても進めてその改善をしていただきたい。  やはり生徒数をたくさんとりますと、どうしても高等学校を出た子供さん方でも限度があります。今言われる水増し入学じゃないのですが、要するに必ず余計とるのです。とった分に対する対応をどうするのかということになると、これは非常に大きな問題です。定員の二倍も三倍もとるなんというケースがあるのを放置しておくという事態は、これは県の指導監督が悪いといえば悪いのですが、県の担当者に聞きますと、我々は幼稚園からずっとで、とてもだめだと思う。これは余計なものを押しつけられたという感じでいるのも事実。しかも数が多いだけにいろいろ苦慮しているわけでありますから、それは徹底してやらなければいかぬと思います。  大体、専修学校というのは制度上、自主的な改善、向上というか、自主性を重んじるところでありますから、やはり経営者の経営方針とか教育姿勢というのをもう一度確かめさせる。だから専修学校を許可する場合だって、安易に許可してはいかぬと思うのです。その経営者がどういう人か、私はここから始まると思います。  専修学校の中で、ほかに事業をやっている連中が多いのです。ホテルをやってみたり。そういうのは必ず何か問題を起こす。この間も、東京でもそういう問題が週刊誌に書かれた。私の地元でも映画をつくって、これは個人で、もう学校法人になってないです。大体、三千人も四千人もいて学校法人でないという専修学校はおかしいと思うのです。だから、学校法人でない専修学校というものは、もう一度学校法人としてきちっといくような指導までしていかぬと、個人ですから、もし経営がおかしくなると財産を処理して逃げていくことも可能です。そうでしょう。子供、親、社会に害悪を流してそれでいなくなる、そういうことがもし起きたら大変な社会問題、そういう心配のところもあるのです。ですから、ここでそういうものを総点検されまして、専修学校は社会の大きな期待を担っている部門でございますから、どうかこれからも予算的な助成等の力添えもいただいて、教員の資質の向上、教育環境の充実、そして生徒に十分なる技術と、人間として社会の中核として頑張れる、そういう環境をしかとつくっていただきたい、こう私は切望します。  そして、一月二十九日に第一回を開いたというこの調査研究の結果を踏まえて、大変ではありますが、各県にももっと専修学校の重要性とその経営をしかと高からしめるための努力を文部省から、大臣からもその意を踏まえてひとつ御通知の中で十分にお話をしていただきたい、こう思います。  私は、この問題については県の方にも県会を通して、国だけではだめだ、県の方でもしっかりしなくちゃいかぬということで、毎回のように県の対応も迫っているわけであります。これば社会の中でこれからますます、そして世界にも飛び出す人材の育成の場であります。特にコンピューターの技師あるいはプログラマーというのは、世界各国で非常に不足しているようでありまして、そういう意味で、こういう技術を、日本から技術者を派遣してほしいとか先生が欲しいという声もあるわけで、日本がそういうことを通して世界の平和に貢献する産業というか、教育を産業というと語弊がありますが、そういう大事な部門だという気がしてなりませんので、あえてこの問題を取り上げて質問したわけでございます。大臣は前にも文部大臣をなされまして、私、私学の問題で質問している経過がございますが、教育にかける情熱はひとしお高いように私は肌で感ずるわけでございます。大臣の期間中にどうかこれがよき方向へ前進するように取り計らいをお願い。申し上げまして、時間が来ましたので質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて武田一夫君の質疑は終了いたしました。  次に、宮崎角治君。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 海部文部大臣に初めて御質問申し上げます長崎一区の公明党の宮崎でございます。  初めに、再度文部大臣になられました海部文部大臣に、時代の変遷と現実の教育界に諸問題があります中に、教育改革に対する御決意というようなものは並み並みならぬものがあろうかと思うわけでありますが、そのように見聞いたすわけでございます。また高く評価をいたしておるわけでございますが、私は、大臣に初めての質問に当たりまして、かかる現在の教育改革への取り組みは一口に言ってどのような御決意、御所信であるか、この点が一つ。  また、義務教育におきます全国児童の六十年度基本調査の速報によりますと、小学校の児童が一千百九万ですか、また中学校が五百九十万余。こういった中で、いわゆる正常児といいますか健常児の児童生徒はひとまずおきまして、私も過去二十年間の教壇生活をした経験者でございますが、私が非常に関心を持っておりますのは、いわゆる情緒障害あるいは身体的なハンディを背負っている、そういった子供たちの教育措置についての文部大臣としての御所信あるいは御抱負、この点について最初にお伺いしたいと思うわけでございます。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 私も再び文部大臣に任命されまして、決意を新たにして一生懸命頑張っていこうと思っておりますから、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。  何を今考えておるかということでありますが、一言で申し上げますと、やはり二十一世紀を目指して世の中がどんどん変化してまいります。きょうまで明治以来百年の日本の教育の歴史を振り返ってみますと、制度が充実して教育立国の旗印で教育が普及したことは私はすばらしかったと思います。そして読むこと、書くこと、数えることという教育内容も、初等中等教育において世界の同じレベルの子供と比較してみて、制度の問題も内容の問題も非常に高いところまで来ておる、評価をいただいておることも率直に認めていただけると思います。  けれども、戦後四十年たって、追いつき追い越せという国家目標が皆さんの御努力によって達成されつつあるときに、何か物は豊かになったけれども、心の方が果たして同じように豊かになっておるだろうか。人に迷惑をかけないでやっていこうという考え方は、国家としては世界に迷惑をかけないでやっていこうというだけでいいのだろうか。国内で一生懸命みんなが努力をしても、今や貿易摩擦といって世界からは迷惑をかけたとつまはじきを受ける。もう一歩外へ出て、人に迷惑をかけないだけでなくて、人間と人間との関係、生きる間柄、国と国との相互依存関係、そういったものを二十一世紀に向かってはもっと大切にし、世界には何が貢献できるか、お友達には何がしてあげられるのか、御近所の人には何が自分はできるのだろうかというような、一人一人の人間の生きざまというようなものをここで改めて考え直していかないと、今までの教育の制度や仕組みや教育内容の成功は、これからの移り変わり行く世の中においてはかえってそれが失敗のもとになるのではないか。まさに今大きな転換期に来ておると思います。  そこで私は、一言で申し上げますと、教育基本法に書いてありますように「平和的な国家及び社会の形成者」としての日本人、その人格の完成というものを目指して、いろいろと教育の中で改革をしなければならぬ点がたくさんあるわけでありますから、誠意を持って取り組んでいこう。幸い今臨時教育審議会も行われておりまして、この間、審議経過の概要も出ました。近く第二次答申も出てくると思います。これを踏まえて、よりよき教育実現のために全力を尽くしたいというのが私のただいまの決意でございますので、どうぞ御理解、御協力をいただきたいと思います。  二つ目の御質問の、義務教育段階における障害児教育の基本的な取り組み方や考えはどうか、こういう御指摘でございますが、先生の長年にわたる教育者としての御経験から照らして、もうすべておわかりになっておると思いますが、私どもは、それぞれの障害を持っておる児童生徒が、その障害の種類と程度に応じて適切な教育を受け、その能力を最大限に伸ばしていく、できる限り積極的に社会に参加することのできる人間に育て上げていくことが大切なことだと思いますので、障害の種類や程度に応じて、あるいは普通学校の特殊学級というのに通ってもらったり、あるいは養護学校の方へ通学をしてもらったり、いろいろそれぞれの児童生徒の度合いに応じて児童生徒にふさわしい教育をできる限りきめ細かくしていかなければならぬ、こう考えておるところであります。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 御抱負と、そしてまた現実に対応する所信の一端をお伺いしまして、大変期待をするわけでございますが、今や世界に誇るべき我が国の特殊教育のプロセスをたどるまでもございませんけれども、盲聾、いわゆる目の方と耳の方、こういった盲聾に次ぎまして、精薄あるいは知恵おくれ、肢体不自由児、脳性麻癖、いわゆる虚弱児あるいは自閉児対策等々でありますが、それは教育の機会均等を進める上から、一つは特殊教育の拡充に力点を置いてきたために、急速に我が国の特殊教育というのは世界に類のない発展をしてきたわけであります。  日本で初めて、私がここで紹介するまでもありませんが、いわゆる肢体不自由児を扱う整肢養護療護園というのが東京で開かれました。これは、今かくしゃくとしておられます教育大学の教授であって整肢養護療護園の初代の園長をされたという、私も今その著書をずっと現職時代から拝見いたしているわけでありますが、教育学博士の橋本重治という先生がいらっしゃった。その功績は、この著書の出版を通しまして高く評価されて、今日の教育実践の草分けになったのではないか。今なおかくしゃくとされて、日本最初の教育措置への方途を示されたことから、まことに傾聴に値するものだと思いますが、文部省として聞く耳があるのか。あるいはこういったものについては熟知されているのではないかと思いますけれども、私は非常に敬服をしておるわけであります。  情緒障害あるいは肢体不自由児の子供は、自分で望んで生まれた子供はいないのでありまして、また何も親の責任とか子供の罪というものでもございません。今なお特殊学級へも行けない、いわゆる親のエゴで家に閉じ込められた隠し心身障害者といいますか、そういった子供のいることもあるのではないか。  私の県でもこの数多い事例を知っておるわけでございますが、今回、私がここで大臣を初め厚生省の皆さん方にお伺いしたいこと、そしてまた認識したいことのデータを示していただきたいのは、これら気の毒な子供の実態について掌握というものがなされているのかどうなのか。  たくさんある中で五つぐらい聞いてみたいと思いますが、例えば、学齢期の児童生徒の中で肢体不自由児の数は日本全国にどれくらいいるのか。あるいは精薄児と言われている範疇の児童生徒、脳性麻痺という生徒、あるいは筋ジストロフィー、これはもう御承知のように国立で、九州でも五カ所にあるのでありますが、我が長崎県にも四十人の子供が今入院している。大体二十で死んでいくという。昨年も二人が亡くなりました。しかし、特効薬の発見によって少しは、二十歳か二十三歳ぐらいまで延びるというデータもあるかと思いますが、筋ジストロフィー、そして今問題にしております自閉症といいますか自閉的傾向の児童といいますか、あるいは自閉児といいますか、文部省は自閉児という形で通称されておるようでございますが、こういったデータにつきまして定かにしたいので、ひとつお示し願いたいと思うわけでございます。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 まず小中学校における学齢児童の観点から申し上げますと、養護学校の義務化以来、就学の猶予、免除の措置を受けているのが全国で千三百八十人で、全体の学齢児童生徒数の割合からいいますと〇・〇一%という非常に少ない数字になってきているわけでございます。したがいまして、あとは先ほどの特殊学級、それから養護学校等へ進学をしているというふうに一応推測をするわけでございます。  そこで、まず肢体不自由児について申し上げますと、肢体不自由児の養護学校ないしは特殊学級に入っている者も若干いるかと思いますが、全体的には肢体不自由児は、養護学校の小中学部に入っている者、それから特殊学級に入っている者、合わせまして約一万五千五百九十人でございます。  それから精神薄弱児につきましては、これも養護学校に入っている者と特殊学級に入っている者を合わせますと、合計十一万三千七百四十五人でございます。  それから脳性麻痺児につきましては、その障害の状況はさまざまでございますので、肢体不自由児、病弱、精神薄弱児等の各養護学校において教育的な対応が行われて、全体の数字を明確に押さえることは非常に困難でございますが、一応の推測といたしましては、脳性麻痺児の肢体不自由を伴う子供が約七千二百人、それから病弱、そういう関連を伴っている者が約九百人と推計しております。  それから筋ジストロフィー児につきましては、これも障害の程度の重い者は肢体不自由児及び病弱の養護学校において教育を行っておりますが、肢体不自由児の養護学校に在籍している者が約七百人、それから病弱の養護学校に在籍している者も同じく七百人というような推計をしております。  それから自閉児につきましては、その原因等、医学的にもまだ解明されていない部分が多くて、自閉児のみについての正確な実態把握は困難でありますが、小中学校の情緒障害特殊学級の多くは自閉児を対象とした教育を行っていると考えられるわけでございます。また、精神薄弱養護学校や精神薄弱特殊学級において教育を受けている自閉児もいるわけでございます。したがいまして、これらの者を合わせて、一応の推計でございますけれども、一万一千七百三十七人というような、学校に在籍している観点からの分析をしているわけでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 ざっとトータルで十四万数千人。そういった十数万人の児童生徒が、こうして日本で今自分の自立への道あるいはまた教育措置にあずかっているような感じがするわけですが、私は、そういった子供さんの親の気持ちあるいはまた家族のそういった気持ちから考えまして、大変な苦労と悩みと方向に対しての憂慮をしているのではないか、このような感じがするわけであります。  今回私が提言をし、また質問させていただきます自閉児といいますか、文部省は自閉児、こういった用語で全国的に言われているわけでありますが、正確に解明していきたいと思うわけでありますけれども、今もちょっと御答弁がありましたが、この自閉児の発生原因というのは一体那辺にあるのか、今日なおその原因が解明されていないというような先ほどの答弁でありましたが、では発生率はどうなのか。そういったことがまだ解明できないならば、全国の実態調査はまだ全然できていないと考えていいのかどうなのか。これに対する全国の施設の実情はどうなのか。わかっただけで結構でございますから、医学的な立場とあわせまして、この実態についての答弁を求めたいと思います。

村岡輝三厚生省児童家庭局障害福祉課長

○村岡説明員 御説明申し上げます。  まず自閉症の発生原因につきましては、従来から研究が進められているところでございますが、現在のところまだ明らかにされてないというのが実情でございます。ただ、最近の研究報告の中には、脳の器質的原因による可能性を示唆したものが多いと聞いております。  次に発生率でございますが、ただいま申し上げましたように、自閉症の原因あるいは診断基準について学問的にも不明確な点が多いので、発生率についても明らかにされてないのが現状でございますが、文献によりますと、児童一万人に対して二人から二・四人ぐらいというものがございます。それからいたしますと、大体七千名ぐらいというようなことになるわけでございます。  それから、自閉症のための福祉施設でございますが、これにつきましては精神薄弱児者援護施設で処遇をいたしておるわけでございますが、自閉症のみを入所させる施設は現在全国で八カ所でございます。一般の精薄児施設でも自閉症児を受け入れておりまして、その数は全国で五百四十八カ所ということになります。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 そうすると、原因がまだまだわからないというけれども、外国におけるいわゆる発生の原因あるいはまたデータについて、今一万人に対して二人から二・四人となりますと七千人になるというが、原因のわからないそういった子供のために、日本の医学界あるいは世界の医学界、WHOのいろんなデータ等々も相まって、私たちもどのような原因でこういった子供が出てくるのかということで非常に関心を持ちまして、実は私も、きょういたします質問の底流には、日本でこの道に相当頑張っていらっしゃる東京都の武蔵野にあります武蔵野東学園といって、実はこの学校は千三百人の児童生徒の中に五百人が自閉症・自閉児などというようなことで、混合教育をやっている、非常に国際色豊かな教育措置をしていらっしゃるところで、先日ゆっくり見せていただいたわけでございます。  北原キヨ学園長でありますか、あるいは元の文部大臣も大変この面については、こういったすばらしい学園のパンフもあるわけでありまして、非常に感動いたしておりました。しかし、国際色豊かですから、相当アメリカからもあるいは外国からも来ている児童生徒がおりまして、そういった世界に類例なき学園であろうかと思うわけでありますが、私の長崎でも、大村市のあおぞら学級とか、あるいはまた長崎の北大浦小学校のひまわり学級とか、あるいは山里小学校のやまばと学級とか等々における第一線の先生方は、こういった子供の自立あるいは適応性あるいは対人関係等のいろいろな問題についての、その閉ざしている心を開くすべについて非常に苦心していらっしゃる感じがしているわけでございます。  大体こういった子供はIQ、いわゆる知能指数が、重度、中度、軽度になってきた場合にどうなんですか。精薄なんですか、知恵おくれなんですか、それとも超能力を持った子供だというようなデータなのですか。この辺について文部省として、これからの教育措置への大きいインパクトになるために今私はお尋ねをしているわけでありますが、その武蔵野東学園では天性と言う。もっと具体的に言いますと、私も唖然としたんですが、小学校の四年生で中学一年のいわゆる英語のテキストをマスターしているとか、あるいは中学一年でベートーベンとかショパンの名曲を見事にピアノで演奏するとか、そういったところの実例を見たときに、果たしてこういった子供は超能力というか、何と言えばいいのですか、その辺についての文部省なりまた厚生省のいろんな所見がございましたら、ひとつお尋ねをしておきたいと思うわけであります。ここではやはり天性を持っている、その天性を生かす教育を教育方針にしているようでございますが、一口に素質といってもケース・バイ・ケースがあろうかと思いますけれども、個性があるわけでありますが、その素質の中の性格をいかに、先ほど大臣がお触れになって御答弁いただきました子供の能力をいかに伸長し、引き出していくか、成長させていくかの教育が天性を生かす教育を位置づけておるんではないか、このように思うわけであります。  ニンジンは赤くて甘いという個性がありましょう。また大根は白くてサクサクした個性がありましょう。その個性を無視して、ニンジンを大根のように、大根をゴボウのようにしても当然無理でありますが、そういった精薄か超能力があるいは持っている天性をということで、本日、こうした施設の教育対策についてひとつ文部省のお考えと取り組みをお聞きし、また厚生省としての取り組みをお尋ねしてみたいという考えでございますので、よろしくお願いします。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 医学的にどういうものが自閉症の子供であるかというのは、先ほどの厚生省の説明にもありましたようになかなか明確な原因、基準というものがはっきりしていないわけでございますが、ただ一般的に私たちが教育の場で取り扱っている自閉児の状況を見ると、一つは対人反応が全体的に極めて乏しいという対人関係の乏しさ、それから言葉の発達がおくれている、それから反響言語などの異常がある、それから特殊な物事への執着がある、これがある分野において天才的な面が出てくる、それから変化への抵抗が強いというようなことがいろいろあるわけでございます。したがいまして、そういう一定の教育手法だけではこうした自閉児の教育を展開していくことはできませんので、その子供に応ずる教育の展開が必要であろうというふうに思うわけでございます。  したがいまして、幾つかの考え方がありますが、まず一つは、精薄的な様相の子供もいるわけでございます。そういう点では、日常生活習慣の形成をしっかりやらせていくというようなところが一つの力点として教育される子供もおります。それから、運動機能とか感覚機能を高めるための指導をしていくという教育を展開する必要のある子供もおります。三番目は、言葉の内容を理解させるための指導を徹底していくということも必要な子供もおります。また四番目には、人とのかかわり合いを深めるための指導、こういうようなことをやっていかなければならない子供もいるわけでございますので、その子供の障害の程度に応じてその教育の手法というのは多種多彩な展開をしていかなければならないというふうに考えているわけでございます。

村岡輝三厚生省児童家庭局障害福祉課長

○村岡説明員 自閉症につきましては今御説明があったようなことでございますけれども、確かに自閉症につきましては、WHOの用語基準におきましても、抽象的または象徴的な思考の能力や創造的な遊びの能力は減弱しているわけでございますが、知能は水準に至らないものから正常あるいは正常以上といったような著しい個体差があるということで、一般の精神薄弱とはまた違った面があるというふうにされております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 そういった方向ですけれども、この臨教審に全然そういったのが出ていないのは非常に残念な気持ちがするわけです。  そこで、いろいろな治療法等々もございますが、全国的に研修制度の確立ということが現場として非常に強く要求されていくんじゃないかと思います。  それから二つ目に、教育予算の中で、私の調査では、養護学校とかあるいはまたそういった施設費については一割カットどころじゃない、もう五〇%カットといった予算のダウンがあるわけであります。これから先もそういった特殊学級の児童はふえる、さらには先生方は減る、これではこういった気の毒な子供の養育については非常に難しいんじゃないか、このように思うわけでありますが、一学級数人として、今まで三人おったのが一人減る、あるいは該当児童はふえてくる、こういった中でどのように対応していくのかということが一つあります。  さて私は、親の気持ちとして、自閉児を持つ親たちの文集を読んだときに非常に胸が痛みました。子供にとって人との触れ合いが一番難しく、また育ちにくいものなので、集団の中で過ごすことが大事だ、こう言っているのでありますが、人になれるということと社会のルールがわかって守れるということで、混合していわゆる普通学級におるわけでございましょうけれども、その点について母親たちはつづっておるわけであります。  この教育や訓練の必要な自閉児たちには残念ながら九カ年の義務教育しか与えられていない、自立するために二倍も三倍も時間がかかるんだ、伸びの遅い子だから教育のための時間をくださいと言いたくなる。また、こういった子供たちに教育のための高等教育ではなくて、社会に適応していくための、自立のための教育の場ができればと願ってやまないという親の気持ちを考えたときに、今後こういった教育の職員の配置あるいは施設、あるいはこの子たちへの大きな、ホットな行政としての一里塚といいますか方向といいますか、その点について最後に大臣の所信と御決意をお伺いしておきたいのであります。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御質問の御趣旨に沿いまして、それらの児童生徒のためにできる限りの改善をしなければならない。教員については教員改善計画、それから教育内容とか施設とかいろいろなものについてもできるだけ考えて努力をしていきたい、こう考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 時間が来ました。ありがとうございました。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて宮崎角治君の質疑は終了いたしました。  次に、伊藤昌弘君。

伊藤昌弘民社党・国民連合

○伊藤(昌)分科員 時間がありませんので、国民にわからせる心で質問をいたしますから、国民にわからせる心で要点をはっきり述べていただきたいのでございます。  六十一年四月から小学校の教科書が新しくなりますが、反米親ソ的傾向が強まっています。モスクワ放送が日本に呼びかけている次の事項が一段と教科書に強調をされています。  一、大衆デモ、反核運動。二、長崎、広島原爆投下、アメリカは日本人を大勢殺した。三、日米安保条約は危険。四、米軍基地反対。五、自衛隊は憲法違反。六、非核三原則を守れなど。こんな事柄に関する写真・記述がふえ、ソ連の日本に対する思想侵略に同調する傾向がすべての教科書を埋めています。例えばデモの写真は旧六十八枚から新百二枚に。何にもわからない子供たちに不平不満の反抗を教えたら実に恐ろしい。  学校図書出版会社、この教科書などは、旧版の共産党系三名の学者から新版では慶応大学石川塾長ほか二名に入れかえられたために、立派な教科書ができるものと私は期待をした。しかし旧版より悪くなっている。石川塾長は臨教審の副会長であります。困ったことです。  昨年のモスクワ放送は連日、アメリカは日本に核を持ち込んでいる、日本は非核三原則があるのにアメリカは日本を無視しているではないか、アメリカは悪いやつだと言っている。すなわちこのことが子供の教科書に全部記されているのです。南京大虐殺の書いてない教科書は一冊だけ。犯罪国家日本であると、うそを子供たちに植えつけようとしています。  一つ一つ述べたいけれども、時間がございませんからやめますが、私は、旧と新の教科書の比較資料を、わかりやすいものを大分持っておりますから、大臣もお持ちでございましょうが、ひとつしっかりお読みいただきたい。お調べをいただきたい。なかったらきょうすぐお届けしますから、後で取りにおいでくださいますように。こんな教科書を使っていたら日本はだめになる。大臣のお子さんでも、新聞記者のお子さんでも、どなたのお子さんでも、こんな教科書を見たら、恐ろしいと親はお思いになるに決まっております。どんな子供ができるか、良識のある者が考えればわかります。  どうしても世界の国民から尊敬される真の日本人、真の日本人の思想の中には日本の伝統を大切にするものがなくてはなりません。どこの国の国民かわけのわからない人間をつくったら、外国人は日本人を尊敬いたしません。そういう日本人をつくる教科書をつくらなければならないと考えますが、大臣の御所見をお願いします。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 今御意見を拝聴しておりまして、やはり教科書というものはその記述が客観的で、公正で、適切な、教育的な配慮が行われておらなければだめだということは、私もそのとおりだと思います。  ただ、御指摘のように、今年四月から使われます教科書も私はこの間、大体ずっと見たのでありますけれども、日本人として、我々の先人たちがどのような苦労をしてこられたのか、歴史や文化や伝統を習って、それぞれの先人の行為に思いをいたさなければならぬ、そういうところから、我々の住んでおるこの国を愛するという気持ちもきちっと持つようにというような記述が出てきておること等を見ますと、私は、歴史や文化や伝統を継承するのはいいことだ、世界の中における日本人という自覚ももっと身につけてもらわなければならぬというようなこと等についてはなるほど改善されておるなというようなこと等も感じますが、今先生御指摘になりましたように、必ずしも公正、適切であるのかないのかわからないような困った表現等もある。我々の仲間やあるいは私のところへ来ますいろいろな指摘等もあるわけですから、今後、教科書の問題等につきましてはより厳正に、これらの公正で、適切で、客観的な記述がなされておるものが世に出ていくように努めてまいらなければならぬ、こう思っております。

伊藤昌弘民社党・国民連合

○伊藤(昌)分科員 客観的で公正でとか、そんな常識的な考え方で教科書を見ることができないくらい、実に間違った記述だらけであります。何で何もわからない子供たちに、不平不満が起きたら団結をしてデモをやりなさいなんということを教えるのですか。客観的も公正もないですよ。ひど過ぎる。何で日米安保条約や米軍基地や核問題のような難しい、大人だってわかりにくい問題を、何にもわからない小学校の子供に教えるのですか。これはひとつよく御検討をいただきたいのであります。これはむちゃくちゃ。  さて、教科書をつくる場合に、学習指導要領によらなければなりません。教科書検定基準冒頭にそう書かれているのです。そして指導要領は法的拘束力を持っているのであります。ところが、指導要領の中から天皇敬愛の念を削除してあるが、指導書の中に入れたからよいのだと大臣は以前おっしゃられましたが、それは誤りです。指導書は法的拘束力を持たないのであります。だから、ここにその教科書を持ってきておりますが、天皇についてもこんなでたらめな教科書ができ上がってしまうのであります。  さて、天皇を悪く言う教科書がこのようにでき上がっておるだけじゃありません。学習指導要領の中には、民主政治は独裁政治に比べてすぐれている、これは旧版にあったが今は削除。社会、国家進展に尽くす態度を育てる、これも削除。家庭生活の項目も削除。国民は権利を乱用してはならない、これも削除。人間愛と寛容の精神が必要である、これも削除。その他改悪された事例は実に多いのです。  この間違った学習指導要領を準備したのが永井文部大臣お方々。日教組と打ち合わせたような形跡もあるのです。そうして、それに判をお押しになったのが残念ながら私の好きな海部先生、あなた様であります。行きがかりもあったでしょうけれども、政治家は行きがかりを捨ててお国のことだけ考えていただきたいのです。その悪い学習指導要領が今も存在しているから、日本を滅ぼす左翼偏向教科書ばかりになってしまっているのであります。これでは日本国家社会の形成者として必要な基礎的教養は培われるはずがありません。逆に赤旗を掲げ、ストに参加し、国家権力に反抗する国民になることを期待していると言わざるを得ないのであります。  腹のある大臣ならば指導要領は改められるはず。何は自由な世の中でも、教科書は雑誌とは違うのです。教科書法なども先生の在任中に出していただきたい、検討していただきたい。自民党は派閥の頭をなでるような短期間の大臣のつくり方をしておりまするから、期間が短いかもわからないが、海部先生の在任中にひとつ早く御検討いただきたい。お国のためです。ぜひ、この学習指導要領の問題について御所信を短くていいから承りたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 前回、私が文部大臣に在任中に学習指導要領の改定の布告をしたとき、これは私の名前でなされたものでありますから、私の責任においてやったことでございます。ゆとりのある、しかも充実した教育にということで、学習指導要領の分量がいろいろな角度から削減をされたことも事実でございました。しかし、その中で必要な基礎、基本だけはしっかり身につけてもらおうということでやったわけであります。  今日、教育課程審議会に新しい学習指導要領の内容の御審議をお願いしておるわけでございます。私も就任早々その総会に参りまして、いろいろな世の批判や問題や論ぜられていること等をそこで申し上げまして、全体として簡素にした、ゆとりをつくろうとしたこの前の方針の中で明確にしなければならないところは明確にしてください、そういったことで御審議を願っておるわけでありますから、国会その他の重要な論議の場所での先生初め皆様方の御意見も審議会の皆様も十分承知していらっしゃると思いますから、そういったことも踏まえて御議論が進んでいくものと思い、その答申を待っておるところであります。  なお、文部省としてもできるだけのことはしなければというので、御指摘いただいたように今年度から使用される教科書の記述も随分変わってまいったことは、私もその一部を先ほど申し上げましたけれども、天皇に関する記述についてもいろいろな教科書で、やはり日本国憲法の第一条に「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」いろいろなことで天皇の地位、天皇を尊敬しなければならぬ、いろいろな考え方が教育できるように私は向いていっているものと受けとめております。  以上です。

伊藤昌弘民社党・国民連合

○伊藤(昌)分科員 本当に真剣にお願いします。先生がしっかりすれば日本の国は救えるのですから、救国者になってください。ただ、ゆとりとか自主性とか、そんな言葉のわかる先生というのは少なくなった。ゆとりだとか自主性に名をかりて先生と生徒を同列にしてしまって、そんな程度の低い先生が多いから、簡単にゆとりとか自主性なんという言葉を余りお使いにならぬようにして、しっかりひとつわからぬ先生たちに物をわからせるようにしていただきたいと思います。  さて、一国の教育の基本は、その国固有の国家目標が要請するところに従って確立をされなければなりません。日本の国の国家目標は何か、その中に国の教育の基本があらねばなりません。そう考えると、日本の目標が何が何だかわからなければ、何が何だかわからない教科書ができてしまうのであります。  ところが、現教育基本法の指向する国家とは、平和で民主的、文化的国家、真理と正義、個人の価値、勤労と責任、自主的精神、健康な国民、これではどこの国にも通用する普遍的な世界人となって、日本人たらしめる国民教育の目標は見当たらないのです。日本人をつくるのです。世界の国民から尊敬される日本人をつくるのです。  また「日本国憲法の精神に則り」と明記しながら、憲法第一章「天皇」の条文が全く欠如しております。「伝統」の文字も見当たらない。こんな教育基本法で、世界の国民から尊敬される真の日本人ができるはずがないのであります。国家、民族の特性が継承されなければなりません。教育基本法の改正を望まない人は、国家独立の基礎である国を大切にする心のない人だと私は思いますが、大臣の御所見を短くて結構ですからお答えをいただきたい。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 教育基本法の示しております教育の目的は、人格の完成でありますし、平和的な国家及び社会の形成者としていろいろな徳目を並べ云々と書いてございます。ですから、私はこの教育基本法に従って、この国のことを大切に考え、同時に、国家の形成者、社会の形成者であるならば、その国がたどってきた歴史や文化や伝統も当然受け継いで、そしてよきものはさらに発展させ繰り返していかなければならぬという自覚も持たねばなりませんし、この教育基本ができましたときの、たしか高橋文部大臣だったと思いますが、国会で述べられた所見の中にも、人格の完成というものをうたっておるが、これは国家や社会に対する責任を決して軽視しておるものではないということも言っておるわけでございますし、同時にまた、今度の教育改革におきましても、教育基本法というものの精神を踏まえて行う、教育基本法はそういったことをすべて大前提、大目標として、人格の完成というものを目指しておるわけでありますので、ただいまのところ、いろいろ先生御指摘のように、具体的な伝統や歴史や文化を継承して日本人としての自覚を持った教育をしていこう、これは臨時教育審議会の「審議経過の概要」をお読みいただいてもそれらの議論が審議の過程で行われておるということは明らかでありますし、また我々もそれはできると思っておりますから、教育基本法を変えなければそれができないというお立場にはちょっと直ちに賛成するわけにはまいりません。

伊藤昌弘民社党・国民連合

○伊藤(昌)分科員 それでは、今の教育基本法をもってこれから十年先、私の考え方が正しかったか大臣の考え方が正しかったか、結果が出ますから、よくひとつ見ていこうじゃありませんか。ただ、これは笑い事で済まされません、国の問題ですから。私の家ならつぶれたって大したことはないけれども、日本の国がだめになっては困りますから、よく御検討いただきたいのであります。  私は、自由民主党東京都議会議員のころから、教育については非常に厳しかったから、代議士になりましても毎日のように教育問題の陳情が参ります。時間がないから、一番新しい問題を二つだけ先生に申し上げる。  江東区立第三砂町小学校の父兄から私に、うちの子供が二十日間も学校へ行かないで部屋に閉じこもって物も言わない。どうしてかというと、昨年不良仲間に引き込まれて、火つけの見張り番をやらされた。その後に、団地のお便所に婦人が入っているところを目がけておもちゃのピストルで撃った、その見張り番をさせられた。そこで怖いから逃げようとするといじめられた。だから怖いから学校へ行きたくない。そこで私は、校長先生に電話を入れたら、校長はそれを知らない。しかりつけてやった。申し上げるまでもなく、校長たる者が、自分の教えている子供が二十日間も学校へ来ないで、死の直前で苦しんでおるのに校長が知らぬとは何事だ。担任の先生はどうした。担任の先生はしょっちゅうお休みになる。では子供をほったらかしではありませんか。  それから、その前日には墨田区立柳島小学校の父兄から電話がありました。朝礼なんかつまらない。校長先生の話を聞いてもしようがないから、子供たちに朝礼ボイコットの署名をとってそれを他のクラスに波及さした。こういうのは反抗教育ですな。それでその先生の使っておる教科書は、左翼の者が書いた漫画のようなものをコピーしてそれを教えている。校長先生に電話したが、校長先生ではどうにもしようがない。東京都の教育長、それから区の教育長をしかりつけて、すぐ取り締まれ。しかしこれもだめ。公立小中学校は授業中もがやがや騒いでいても先生は何も言わない。一体こんな先生たちで人間教育ができるわけがない。今の先生たちはそれほどひどいのですよ。  先生と政治家は自分のことを考えてはならぬです。物を扱うのではなくて、純真な生きた人間を預かるのが学校の先生、子供が好きで好きでしようがない。子供が好きだから自分のことは後回し、子供優先。子供の顔を見て顔色が悪ければ、ああ、家庭で何か起きたんだと、学校の先生がお父さん、お母さんを呼んで注意するくらい子供のことしか考えない、これが学校の先生であります。政治家は国家国民を預かる、正しいことを言って票が減ってもそれでもよろしい、それが政治家じゃないかと私は思います。どんな先生にめぐり会うかで子供一生には大きな影響があるのです。校長先生の言うことを聞かない、働くことは損がいく、赤旗を振ったり鉢巻きをして政治遊びにうつつを抜かすのが先生の喜びではないのです。先生の喜びとは、生徒が学校を卒業して何年たっても先生、先生と生徒に慕われることが先生の喜びです。そういう先生をつくり上げるのが文部省の責任であります。間違っておらないはずです。  ある国立大学の教育学部を私は調べてみました。百五名の教授のうち、三十九名が共産系の教授です。その残りにはノンポリのおかしな先生もおるでしょう。果たして、こんなおかしな間違った先生に教わった先生は、私が今申し上げたように本当の教師としての素質を持つことは無理であります。  そこで大臣、教員養成についての御見識、これは早急に取り上げてくださらぬとだめです。大臣がやらなかったらやる人はいないのですよ。中曽根先生だって非常に頭を悩ましておるけれども、何か言うとまた問題が起きるからおっしゃらないだけです。総理と大臣が話し合って、命をかけてやってくださいよ、できるんだから。良識のある国民がまた幾らでもおるのですから。そういう良識のある国民を背景にして、間違いをずばずば切っていってごらんなさいよ、歴史に残る海部先生になるから。今いきなりはおっしゃりにくいでしょうけれども、今の学校の先生を大臣はどう見ていらっしゃるか。質の程度、そしてどうあらねばならないか。具体的なことはないでしょうけれども、ひとつ覚悟だけおっしゃっていただきたいのであります。し

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 教育現場では、児童生徒に直接毎日触れていただく教師の指導力、使命感、児童生徒に対する愛情というものが極めて大きな教育効果をもたらすものだということは、私も自身でいろいろな体験を持っております。  同時にまた、最近報道されますいろいろな事情を見ますと、大多数の先生は一生懸命まじめにやっておってくださるものと私は信じますけれども、報道に出る問題を見る限り、ここでなぜ見て見ぬふりをされたのだろうとか、ここでなぜもう少し言葉をかけられなかったのだろうかとか、私が大変不満に思うことがたくさんございます。  もっと大きな次元で言いますと、私はこの前の文部大臣に在任中も、よく当時の槇枝委員長にお目にかかって、一部ではあるけれども、槇枝委員長が影響力を持っておる日教組の先生が法律に禁止されているストもおやりになる、国民の信頼を取り戻すために三トを追放するとせっかくあなたがお約束願ったんだから、三トというのはプレゼント、リベート、アルバイトの三トでありますが、向こうがおっしゃった。だから僕は、もう一つ足して四ト追放にしてください、ストも追放してください、まずそこからひとつ教師の体質改善を全国の人々にわかるようにやってください、何回も強く繰り返して要請したこともございますけれども、まずやはり教育の現場からはそういったことはなしにしたいという願いを持って、私は教師像というものをきょうまでずっと見ております。  したがって、今度も臨時教育審議会の審議経過の概要の中でも、養成の段階でも採用の段階でも研修の段階でも、より使命感や指導力を高めるようなことをしなければならぬと指摘されておりますが、教員養成段階においては教育内容の精選、それから教育者としてのいろいろな自覚を促す教育、こういったものは養成段階で必要なことだと思いますし、またいきなり教師になった方が教壇に立つんじゃなくて、その前に初任研修というものが、今はたしか二十日間程度のことでありますけれども、それをもう少し一年程度に延ばしたらどうかという臨教審の御議論には私も賛成でありますから、自信を持って実践的指導力を身につけて教壇に立ってもらうことが児童生徒のためにもなる。  最近の世論調査を見ますと、ベストスリーの中には、新聞社によって順位は違っても、やはりいい先生、いじめや非行の学校荒廃をなくしたい、そして入学試験の問題を考えてもらいたい、この三つがいつも上位を占めるベストスリーであることを思いますと、国民の皆さんの御要望の中に先生に対する期待はまことに大きいものがあると思いますから、それらの問題については先生の御指摘等も踏まえながら改革を促していきたい、こう思っております。

伊藤昌弘民社党・国民連合

○伊藤(昌)分科員 大臣のおっしゃることは非常に常識的ですね。常識のある土俵の中で物を言えばそういう話が通じるのですが、今、日教組のおかしなああいう連中というのは話し合ったって通じない。土俵が違いますから通じない。今申し上げたように、それで学校現場がどんどん悪くなる。校長先生は今のように無責任になる。どう思う、聞いていらっしゃる方。自分の学校の子供が二十日間ノイローゼになって家におるのに、校長先生が知らぬというのだから問題にならない。そんなのがうようよいる。悪いけれども、文部省もへっぴり腰、教育委員会もへっぴり腰、校長先生はどうにもしようがない。  さて、では臨教審はどうかということであります。私は厳しく言うならば、臨教審のお方々の人選は間違ったと思う。頭のよい方ばっかり選んじゃった。腹のある方は私はわずかと思う。大事業は頭で考えてやるものではありません。人間の腹は損得は考えない。だから、悪いが名前を挙げたが、慶應義塾の石川塾長がさっきの教科書にあらわされたような、ああいうことをなさることは考えられないことだ。損得を考えたらいい仕事はできるはずがないと私は思います。  さてそこで、緊急の問題として、今学校教育は悪くなっているんだから、これを直すにはどこにメスを入れたらよろしいかということをまず真っ先にやっていただきたかった。次の世紀のことを考えている、そんな格好のいいことなんか言わなくてもいい。今どうするか。それはどこにメスを入れるかというと、まず日本の国を共産化するために社会を乱すことを目標としておるところの日教組にメスを入れること。何も日教組と話し合ったって土俵が違うんだから話にならぬですよ。相撲というものは一つの土俵でやるもの、二つの土俵では大臣、相撲にならないのです。相撲にならない相撲を取るのは時間がもったいない。考えてもむだ。切っちゃう、切っちゃう。まずそこにメスを入れる。日教組がどんな悪いことをしているか、私は都会議員のころ全部知っているんだから。そんな人に日本の国を支える子供の教育はできません。  それと今の学習指導要領、それから教科書、それから教員養成、ここにメスを入れていただかなければ、この大事なところを避けて通るんだったら私は教育改革などはできるわけがない。どうかその辺のところを考えていただいて、せっかく選んだ臨教審の委員のお方々とじっくりお話しをいただいて、ずばりずばり間違いにメスを入れて、そして良識ある国民は必ずバックアップしてくれるから、やっていただきたいものですね。  私は十年後が恐ろしくてしょうがない。どうですか、局長。十年たてば私どものような日本人はもう年をとって、あるいは世の中にいなくなってしまう。その後、日本の国を支える日本人は、今の間違った教育を受けた人たちが一億人できるんです。間違った教育を受けた者が学校の先生になります、政治家になります、総理大臣になります、裁判官になります、事業家にもなります。私は非常に恐ろしい。だから、伝統ある日本の国を大切にするという今の我々良識ある政治家たちが、本当に今の間違ったところにメスをずばずば入れていくという、そういう雰囲気をやはり国政の中につくり上げていかなければならない。  文部省だって、今までの惰性を排除して、そして自分の時代に間違った教育を直していくんだという観点に立っていかなければ、サラリーマン的な物の考え方では困ると私は思って、短時間ですが今申し上げさせていただいた次第であります。何か御所見があったら、短くて結構ですからおっしゃっていただきたい。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 今まで申し上げたことの繰り返しになるかもしれませんけれども、やはり御指摘のように教師が極めて大切だということ、教科書は主たる教材であるということ、また当面メスを入れなければならぬ問題は、国に平和がなければ文化の創造も社会の質の向上もないように、学校の現場が教育にふさわしい平穏な真っ白な状況でなければならぬということ、その方向については私も全く同感でございますから、全力を挙げて取り組んでいきたいと決意しております。

伊藤昌弘民社党・国民連合

○伊藤(昌)分科員 どうもありがとうございました。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて伊藤昌弘君の質疑は終了いたしました。  次に、藤田スミ君。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 私はきょうは、ファミコンやパソコン、子供たちを取り巻くコンピューターの子供に対する影響と対策について、これを中心に質問をさせていただきたいと思います。  現在、六百三十万家庭にファミコンが、さらに三百五十万台のパソコンが職場や家庭に置かれる時代になっております。またファミコンは、今はゲーム専用ですが、別のアダプターをつけまして電話線で大型コンピューターとつなげば、パソコンに匹敵するような能力を持つとされておりまして、こうなりましたら六百三十万世帯にパソコンが配置される、こういう可能性も出てくるわけであります。既に民間では、ファミコンを使った教育用ソフトを大量に売り出し始めました。この急速な普及は驚くばかりでありまして、子供たちを取り巻く環境はそういう点では今大きく変化をしてこようとしているわけであります。私は、そのことは子供にとって非常に重要な問題だと思っております。     〔主査退席、石原(健)主査代理着席〕  また、文部省も六十年度から、文教予算が非常に削減されている中で破格の二十億円という予算をつけまして、コンピューター教育に乗り出されました。そういう中でいわゆるコンピューター教育の積極面ばかり見ていたら、子供は将来大変な問題を抱えることになるのしゃなかろうか。すなわちコンピューターの陰の部分、例えば眼精疲労、テクノストレスと言われているような心身障害の問題、こういうものが問題になっているからであります。  そこで文部省にお伺いをいたしますが、昨年八月に発表されました「情報化社会に対応する初等中等教育の在り方に関する調査研究協力者会議第一次審議とりまとめ」、えらい長い表題ですが、その中でいわゆるテクノストレスなど心身への影響への配慮ということを指摘しておりますが、文部省はこのテクノストレスについてどういう状態のことを指して考えておられるのか、また、子供のテクノストレスについて文部省として研究をなさっていらっしゃるなら、その概要をお示しいただきたいのであります。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 コンピューターを使いますと、どうしても目が疲労するあるいは精神的なストレスがたまるということは当然考えるわけでございまして、まず目の疲労を防止するためにということで、五十五、六年ぐらいから子供におきます近視の率はごくわずかでございますが減っておりますが、やはりコンピューターなりテレビといったものを見ることによって眼精が疲労するということは当然のことでございますので、コンピューターを長時間見るということを避けて四十分間以上は続けて見ないようにというふうなことを中心に、既に五十九年ですが「児童生徒の目の健康のしおり」というのを、財団法人日本学校保健会の専門家の方々に研究していただきまして手引書を作成いたしたわけでございます。それを各学校に配りまして、そういった点での十分な注意を図るようにということ、それからいわゆる心理的なストレス解消につきましては、やはり身体活動あるいは運動をやるというふうなことを進めて、そういったストレスをほぐしていくということが必要だということで指導してまいっておる次第でございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 研究のことを聞いているのですよ。もう一つ答弁が欠けているのです。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 研究は、目の健康につきましては、「目の健康委員会」という研究会をつくりまして、そこは眼科医中心でございますが、そういった方々の研究の結果こういった資料をつくったということでございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 大臣、要するにこういう程度の認識だと私は言いたいわけです。子供たちにどんな影響があるのか、そういうことについて文部省として具体的に取り組んではおりません。けれども、パソコンはどんどん導入していく。これでは、現在の子供たちがテクノストレスの実験台あるいは犠牲者になってしまうわけですから、それは絶対に許されないことだと思うわけです。  これは、十四年前に科学技術庁の発表した「テクノロジー・アセスメントの事例研究―CAI1」という報告書です。御存じですか。そこには、今文部省がやろうとしているCAI教育の影響評価が書かれています。十四年前のことですが、ざっと見出しを見ていっただけでも、「精神上のストレスが増大する可能性がある」「CAI不適応児の出現の可能性がある」「自閉症児が現在よりも増加する可能性がある」「登校拒否児が現在よりも増加する可能性がある」。さらにストレスの点では、「学校時代に表面に出なかったこのようなストレスが、社会人になったとき突然、全く異なった形で発生し社会問題を起こす可能性もある。」しかし、「どのようなストレスがどのような形で、どのような問題を起こすかは、現在のところこの種の研究が殆んどない」、これは十四年前の時点での現在という意味ですが、こういう極めて注目すべき指摘をしております。このような重大な指摘が十四年前に出されているにもかかわらず、文部省はCAI教育導入によるストレス、その中には登校拒否児あるいはCAIアレルギーというのですか不適応児、そういう問題についてなぜ本格的に研究をしてこられなかったのか、この点をお伺いいたします。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 学校におけるコンピューターの利用の問題について、文部省は基本的に現在協力者会議にお願いして検討しているわけでございますので、学校教育の場でどういうような利用をしていったらいいかという、まずそこの出発点の議論をしているわけでございます。それが一つ。それから、そうは言うものの、世の中の趨勢でそういう方向に流れつつあるということから、若干の学校に研究委嘱をして、来年度の事業として研究委嘱校にお願いして、その実態の研究を深めていこうというようなことを一面においてとっているわけです。それから心身に与える影響、こういうマイナス面につきましても専門的に、この中間まとめでも述べてありますように、この協力者会議の中でも医学的な見地からの専門家もおりますので、そういう人たちの意見を集約しながら、その問題についてもう少し論議を深めていくというようなことが必要であろうと思います。したがって、学校教育全体にそういうようなものを取り入れる際には、そういうものの問題点を十分に克服しながら対応していくということが必要であろうと思います。  今は、世の中の情勢全体がそういうマイコンとかパソコンという渦の中に置かれているということで、それを学校教育でどういうふうに利用していくかは、先ほど申し上げたような研究、調査が必要であると思っておるわけでございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 御存じなかったんですか。十四年前のこの「テクノロジー・アセスメント」、御存じなかったんですね。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 私自身は知っておりません。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 御存じだったんですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 私は知りません。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 随分勉強不足と思われませんか。出発の議論をされるのなら、出発の議論とともに十四年前に出ているそういう問題について十分研究を深めていく、調査を深めていく、それが文部省の責任ではないでしょうか。私は、何もCAIを頭から否定して、そんなものをやめてしまえなんていうことを言っているのじゃないのです、大臣。しかしながら、CAIのメリット以上に、テクノストレスの子供に与える影響について非常に心配をしています。  ここに「テクノストレス」という本があります。ぜひ機会があれば、大臣にも失礼ですがお読みをいただきたい、もしかしたら読んでいらっしゃるかもしれませんから失礼ですが。著者は、アメリカのグレイクブロードという精神科医です。ここには、テクノストレスの子供へのあらわれ方が証言とともに描き出されております。もう本当に、一冊全部ここで読み上げたいくらいの気持ちを持っておりますが、若干だけ引用をして、どういうことを言っているかということを聞いていただきたいのです。   本書には多くの人々の生の声が集められている。三年間にわたる綿密なインタヴュー調査を通じて、私は人々がコンピュータに取り組もうとする時に体験する不安や恐れについて知るようになった。彼らは夢にうなされ、絶えず緊張を強いられ、何にもまして重要なのは、彼らの言葉が、対人関係を維持する人間本来の能力にコンピュータがおよぼした甚大な影響を浮き彫りにしていることである。  大人の世界に広がりつつあるテクノストレスを発見して、私は、ひょっとするとこれは、現在最も熱烈なコンピュータ愛好者である子供た  ちにも影響をおよぼしているのではないかと考  えた。そこで、五歳から十六歳の子供たちに対して三年間にわたるインタビュー調査を行った。  この年代は人間の成長過程でも特に重要な一時期であり、もしここでテクノストレスの洗礼を受けるなら、それはその後の人格形成に大きく作用し、影響は長く尾を曳くと考えられるからである。不幸にして、テクノストレスの徴候は若年層の間に急速に広まっていることを、私は認めないわけには行かなかった。子供たちは、子供らしさを失って機械じみ、家族からの隔絶を求める傾向がある。彼らは他人をおよそ低劣な者と見下し、読書のような旧来の学習形態は、彼らにとっては何ともまだるっこくてやりきれない。もっともっといっぱい読みたいのですが、こういうふうにプロローグのところで書いております。  私は一人の母親としても、こんな子供が将来つくられていったら、つまり、こうした子供が大人になっていったら大変な問題が出てくるだろう。今でもそうでしょう。いじめの問題あり、自殺の問題あり、登校拒否の問題あり、いろいろな問題がある中で、そういうアメリカから既にもう出されているいろいろな経験、十四年前から指摘されている問題などを文部省はしっかりととらえて、本格的にかつ早急にテクノストレスの子供への影響の研究と対策にしっかり取り組んでいただきたい。大臣に御答弁をお願いします。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 ちょっと誤解がございますので申し上げますが、ここの事例研究のメンバーになっていらっしゃる方も、今回の協力者会議のメンバーに入れてあるわけでございます。今御指摘のありましたようないろいろの問題があるからこそ、協力者会議を開いて各方面から議論をしてもらっているわけでございまして、目下研究、調査を進めているという段階でございます。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 先ほど来御指摘のように、まず子供の世界にファミコンが六百三十万台とも五十万台とも言われるように普及をした。これはコンピューターというものを通じて未来にいろいろ変わっていく、子供が夢を描くというか光の部分も確かにあると私は思いますので、結局我々は陰の部分を少なくしていくような努力をしていかなければならぬ、こういう角度の御指摘と思います。  私もそれは全く同じでして、この間もある新聞を読んでおりますと、有名な精神医学者の方が、慶応大学の教授ですけれども、情緒の流れから切断されて子供と一緒にファミコンに熱中して興奮したり、あるいは自分が挫折をして負けたときは残念と思ったり、そんな時間がずっと続いた後で非常にむなしかったということを書いていらっしゃった記事が今でも私には鮮やかに思い出されます。けれども、文部省として、そういったような状況になっておるから、家庭で余り長い間熱中したのでは目によくないだろうということを感じて、それに対して気づいたところ、わかったところは、私の聞いたところでは、もう既に注意を出し指導もしておる。  それからもう一つは、それを全部強制的にやめろと言うのも、どうも時代の流れに力でもって逆らうのはいけないから、それはやるなればほかの生活体験も、人間として情緒を失わないように、あるいは先生おっしゃるような家族との人間関係も大事にするように、例えばスポーツに汗を流すとか野外活動をやるとか社会教育の部面で山野跋渉するとか、いろいろなこと等もあわせてまぜてやっていきながら、こういったことに対する影響が少しでも防止できるようにしなければならぬということでありますが、そういったことだけではおっしゃるような基本的な調査研究になっていないじゃないかということですから、今聞きますと、各界の代表的な専門医やいろいろな方々をお集めして協力者会議を開いていただいて、まさにここでそういう影響がどうなるかを決めるわけですから、学校にコンピューターの機械を直ちに導入する教育は、児童生徒の発達段階に応じてそれはやらなければならぬということで、極めて慎重にこの結論が出るのを待っておる状況でございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 一つだけ申し上げておきますが、研究会議ですか教育研究協議会ですか、その言われる会議の中には、聞けばいわゆる公衆衛生、保健科関係の先生なんですね。精神科医というような分野の先生方は入っていらっしゃらないわけです。私はこの報告書を全部見ましたよ。ずっと見ました。どの程度研究されているかという点では、推進の分野の方が非常に多くて、中身が非常にお粗末だからこの質問をしているのです。文部省は、本年度で予算をとりますということをどの程度言えるか知りませんが、そういうことも同時に研究していくということを今ここできちんと約束してください。余りいろいろ言わないで、そのことだけ約束してください。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 この協力者会議でいろいろな大きな問題点を集約していくわけでございますが、なおその細部にわたって研究を深めていかなければならぬものも当然出てくると思うのです。そういうときには、またそれぞれの専門家の知恵をかりながらいろいろな調査研究を深めていく、これは当然のことでありまして、コンピューター教育だけではございません。そういう問題は、全般的にそういう基本姿勢で対応していくつもりでございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 そのことをこれから、それこそ十四年前の科技庁の報告を発展させ深めていくことで、文部省が取り組んでいただくというように私は理解をして、次の質問に入ります。いいですね。――大臣、うなずかれましたので答弁は求めません。  今問題なのは、単に学校でのコンピューター教育だけではなくて、家ではファミコンゲーム、そしてさらにCAI教育で販売合戦が非常に激化してきて教育用ソフトでのパソコン操作と、一日じゅう子供たちはコンピューターづけになっていく条件がだんだん進んできております。したがって、使用時間、使用場所に配慮するという問題を学校の範囲内だけでとらえるのではなしに、学校においてパソコンによるテクノストレスだとか健康面への配慮について積極的に知らせ、子供たちをも教育していく、学校保健課でつくった副読本に取り入れ、教育をしていく必要があると思います。私は、先ほどおっしゃった何とかというところには取り入れているというのは若干知らぬことはないわけですが、この問題で副読本にきちんと取り入れて教育をしていく必要があると思います。この点、簡単で結構です。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 副読本は民間の人がつくるものでございまして、基本的には文部省がかかわるような内容でないわけでございます。したがいまして、一般的な市販で使われている副教材みたいな形で文部省が物をつくっていくことはできないのでございます。  ただ、そういう教育上のいろいろな配慮をしなければならないものについては、指導の手引というようなものをいろいろな角度からつくっていきますので、そういう点の一環としてこういう問題については十分留意しながら考えていく必要があろうと思います。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 また、子供たちを本当に夢中にさせているこのファミコンゲームについても検討する必要があると思います。既に市川市の国分小学校では、四人に一人が目に疲れが出ていると言い、ファミコンで老眼症状が出てきた。これは愛知県の眼科医会が、そのために規制を要求するという記事がけさ出されました。つまり、現在のゲームソフトは、上達すればするほどゲーム終了までの操作時間が長くなって、今では最長四時間もゲームができるようなものが出てきているのです。しかし、何ぼ遊びだといっても、四時間も精神集中をしていったときには眼精疲労、精神疲労は極めて大きいわけで、年齢が下がるほどその影響は厳しいものがあります。  ゲーム時間については、労働省でもう既にガイドラインが出されておりますが、一連続作業時間が一時間を超えないようにという規制措置がとられているわけです。文部箱の教育ソフトウェア開発指針を見ましても、ソフトの長さが適切なものになるようにというふうに言われております。こうしたゲームの長時間使用に何らかの規制を加えていく、あるいは長時間使用に注意をさせ、姿勢とか画面と目の距離、使用室内の明るさというものの注意書きは、必ず添付させていく必要があると思います。これは通産省に御答弁をお願いいたします。

中野正孝通商産業省機械情報産業局情報処理振興課長

○中野説明員 私どもといたしましても、五十八年七月から大変なブームになっておりますこのゲームソフトの影響をいろいろ承知しておりまして、一部のソフトについては、画面から離れる、あるいは使用時間を一時間というような取り扱い注意書きを添付して出荷しているということもあるわけでございます。業界全体の課題であるという認識をしておりまして、社団法人の日本パーソナルコンピューターソフトウエア協会というのがございますが、そこで既に委員会をつくりまして、表示方法、取り扱いについて現在検討を進めさせているところでございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 ということは、デメリット表示については業界を指導する、あるいは長さの影響については検討する、こういうふうに理解していいわけですね。――はい。  さらに、そのファミコンがパソコンに転用されていった場合に大変問題だと思いますのは、VDTの問題なんです。通産省は、パソコン用VDTのJIS規格改正について検討を進められていると思われますが、改正する必要というのはどういうものなのかということをお示しいただきたいのです。  時間の関係であわせてもう一つ聞きます。ファミコンについては、普通のテレビの受像機を使うわけです。だから、当然その画質はパソコンのJIS改正によってVDTより、パソコンのJIS改正で画面が一層良質になっていくVDTに比べるとはるかに劣るわけです。ところが現在、もう既にファミコンを使った新しい学習システム、スタディーボックスなんというものが売り出され、ソフトが売り出されて、テレビ受像機を使うということがどんどん進んできているわけです。しかし、テレビ受像機を使うという前提を全く軽視した教材テープとかソフトがつくり出されていくなら、目に対する影響は一層深刻になってくる。そういう点では、ハードとソフト両面から目に影響を与えないような対策についてもファミコンに対して検討し、業界を指導する必要があるのではなかろうかと思います。まだもう少し質問したいから、簡単で結構です。

兵頭洋通商産業省機械情報産業局電子機器課長

○兵頭説明員 通産省といたしましては、既に昭和六十年に機械情報産業局長の私的諮問機関でございます機械安全化・無公害化委員会にVDT、ビジュアル・ディスプレー・ターミナルの分科会をつくりまして、そこにおいてVDTが与えます各種の眼精疲労について検討を進め、報告書をまとめたわけでございます。その結果に基づきまして、現在、社団法人電子工業振興協会においてJISの原案を作成中でございます。恐らく今月中にも、原案ができる運びになっているわけでございます。  それから、VDTと家庭用テレビの相違でございますが、これにつきましては、確かにVDTは、蛍光塗料のピッチが非常に小さい、あるいは走査線の数が多いとかいうことで、通常の家庭用テレビに比べて比較的目にそれほど障害がないような形になっておるわけでございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 目には配慮がされていない。したがって、これはどうしてもソフト面からもハード面からもそういう影響が出てこないように検討していく必要はありますね。そして、それを取り組んでいっていただきたい。イエスかノーで結構です。

兵頭洋通商産業省機械情報産業局電子機器課長

○兵頭説明員 テレビの画面そのものは、一般的なテレビの放送を見るために設計されておりますので、それがいいとか悪いとかいうことは別でございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、余り長時間にわたりましてファミコンのゲームをするというようなことは望ましくなかろうかとは思います。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 ぜひ文部省や通産省、この両者が協力をしてそういう問題についても研究をしていっていただきたいと思います。  職場におけるコンピューターによる健康障害は労働省、学校の問題は文部省、しかし家庭における問題については所管官庁がありません。しかし、親の対応ということも非常に大事になっているわけです。  私は、こういう送られてくる資料だとかいろんなものを見てみましたけれども、デメリット表示というのですか、そういうものがパソコンには本当に十分表示されているとは言えません。テレビではこういうふうにありますけれども、こういうふうな教材テープ、ソフトを売るときに、さんざっぱらええことはいっぱい、ええよええよといっぱい書いてあるのですが、何のデメリット表示もなされていないわけです。これでは私は余りにも無責任じゃないか。そういう点で、こういうようなパソコンを売るときには、そういう注意書きを必ず添付するようにぜひ業界を指導していただきたい。  最後の答弁で結構です。大臣に最後にもう一度私は御所見をお伺いして、終わりにしたいと思います。  大臣、私はもっと本当に言いたいことを山ほど持ちながら、ぐっと抑えて、本当に質問は走りました。産業界は優秀なプログラマーを求めて、もちろん市場開拓のためにも、CAI教育ということをしきりに扇動しているという言葉は適当かどうか知りませんが、しかし、そういうふうな状態になっていることは確かです。そして、欧米に比べて日本はおくれているじゃないか、こういうことを言われていることも確かです。しかし、何のために、どういう目的でコンピューター教育を導入しようかという理性的な判断、あるいはデメリットの子供たちに対する影響、そういうことに対する配慮、そういうものがどんどん後回しにされて、時代に、乗りおくれてはいかぬということで、まさに子供たちに基本的に予算を配分してやるべき音楽だとか体育だとか理科だとか、そういう基礎学力の面での教材費などがカットされて、そしてそういうものが先行していくというような方向になってしまったら、これは大変だというふうに私は思うわけです。そういう点で、最後に大臣の御所見を伺い、かつ、もう一度大臣から、くどいようですが、子供たちへ与える影響についてはしっかり取り組むのだということをお約束をいただいて、質問を終わります。――通産省から。

中野正孝通商産業省機械情報産業局情報処理振興課長

○中野説明員 御趣旨に沿う方向で、私ども、文部省と協力していろいろ対策を考えていきたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘のような目に与える影響、心に与える影響、私どもはそれは大きかろうと思いますし、同時にまた、それを取り入れることによって、本来人と人との接触で行われた教育の中に機械が入ってくるということに対する影響等も、いろいろ多方面にわたってあろうかと思います。児童生徒の立場に立って、これをどの段階からどうするかということは、慎重によく調査研究をして判断をさしていただきたいと思います。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)分科員 終わります。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 これにて藤田スミ君の質疑は終了いたしました。  次に、薮仲義彦君。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大臣、私はきょう文化財を中心にお話をお伺いしたいと思っておるのですが、その前に、今もこの部屋に入ってきたときに政府委員の方が、私が質問通告しましたら、先生、近眼鏡じゃないんですね、こう言ったわけですよ。私もけさテレビ朝日を見ていて、小学校の生徒さんが老眼鏡になった、私もそろそろ老眼鏡の年だ、おかしいなと思いました。そうしたら、やはりファミリーコンピューターの影響で小学校の子供さんに老眼がふえている。この間も私はテレビを見ていましたら、もう目の底が痛くなるまでファミリーコンピューター・ゲームをやるというのですね。これは子供をそこに引きつけて離さない。これは教育上、非常に問題だと私は思うのですね。  今まで私たちは、コンピューターを導入するということについてある程度研究を重ねております。しかし、まあきょうはそのことが主題でございませんので一言言いますと、例えばコンピューターを扱っている子供というのは、答えがぱんぱんぱんと返ってくる。しかし、人間社会というのは、そんなに簡単に答えは返ってきません。そこに間があり、ゆとりがあり、本当に情緒があって答えが返ってくる場合もあるのです。あるいは、答えのない教育もあるわけです。答えなければ気に入らないということが子供の人間形成にどういう影響を与えるか、あるいは大事なこれから健全な人間として育っていくときに、大臣もよくおっしゃるように健全な肉体に健全な精神が宿るわけです。小さいときから老眼鏡、これは私は子供の将来に大きな禍根を残すと思います。  このような名古屋の眼科医会がこう言ったことについては、やはり大臣として、子供の健康と教育というのは五十年、百年先の日本の将来を決定することですから、ゲームに熱中することが子供の人間形成にいいのか、それより野や山に出て小鳥と自然と海と山と戯れながら、あるいはその中で自然の本当のすばらしさというものへの畏敬を、人間形成の中にそれを受けですばらしい人が育っていくと私は思うのです。そんなに部屋に閉じこもってキーパンチャーみたいにぱっぱぱっぱ押している子供よりも、もっと真っ黒に日焼けするような子供を文部大臣はつくってくださると私は信じますので、こういうファミコンの現状と、大臣としてこの現状を的確に掌握して誤りなき方向を築いていただけると信じておりますが、いかがですか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘のようにファミコンが大変な勢いで普及をして、一説によると六百五十万台、小学校でも中学校でも、このごろはそれを持っていないと何か共通の話題がなくなるというところまで来ておる。その程度ならいいのですが、御指摘のようにやり過ぎて老眼鏡になっちゃう。先ほども御議論があった、心にどんな影響が及ぶのだろうか、私も大変心配しておる一人でありますし、文部省としましても、たしかこの間そういったことの影響をとりあえず悪い面を除去するために、これだけ普及しておるもの、子供が夢を持っているもの、将来に向かって何か無限の可能性が神秘的に与えられるということで取りつくわけですから、せめて三十分くらいやったらもう見るな、後は目を休めるとか、いろいろな指導をまずその場限りですがやって、これからさらに検討を進めながら、目のみならず心に与える影響等も何とかいい方に善導しなきゃならぬな、先生の御心配と全く同じ角度です。  そして、これは慶応大学の先生の言葉でしたけれども、情緒の流れから切断されてあの異様な電子音の中で破裂したの破裂させられたの、勝った負けた、勝ったときは全能の神の気持ちになり、負けたときは悔しさに落ち込む、あのスリルと興奮の中の数時間というものは、終わってみたら非常にむなしかったということが書かれておるわけです。大人の自覚のある人ならば、私はそれは大して心配しませんが、児童生徒の段階においてそんなことばかりに熱中されたら、大事な人間関係どうなるのだろうかと思いますと、非常に心配です。  いろいろな生活体験を身につけなければなりませんので、私が今、これは文部省と相談したわけでも何でもありませんけれども、先生の御質問を聞きながらふっとひらめくことは、やはり家庭が、昔は兄弟がおって、兄弟げんかも兄弟相撲も何でもできたけれども、そういう雰囲気もなくなっておる。地域社会の子供と集まっての地域での遊びもなくなった。せめて、学校がまず同世代年齢の集まる場所として、額に汗して、しかもルールを守って体ごとぶつかり合うようなそういったスポーツとか、おっしゃるような自然散策、野外訓練、そういったようなもの等をもっともっと重点的に入れていくとか、あるいは社会教育の段階で、名前を出してはどうか知りませんが、ボーイスカウトとかガールスカウトとか、みどりの少年団とかかち歩き運動とか、海の家とか山の家とか、ああいった合宿訓練なんかを経験してきますと、うちの娘なんかでも非常に楽しそうに喜々としてそのことを語ります。  ですから、そういった多様な生活訓練をもっともっと提供して、時間やエネルギーというものを結果として成長期の児童生徒は身につけていくように、体験していくように、人格完成の上にもそういったことは大事だと思いますから、いろいろな角度からまた研究、調査を進めて、先生の御質問の御趣旨等も十分に参考にさせていたたいて、努力をしてまいりたいと思っております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大臣のその力強い御答弁を聞いて、私もほっといたしております。  そのテレビの続きにもう一つございました。大臣も、もう心を痛めていらっしゃると思います。また、かわいいお子さんが命を落としました。その友達に、おまえは死んでしまえと言われて命を落としたのです。大臣もけさテレビのニュースを聞きながら、またかとどれほど心を痛められたか。教育の最高の責任の場にある大臣のお気持ちは察するに余りありますけれども、今のファミリーコンピューターとかそういう映像、画像、いろいろないわゆるマスコミのあらゆる情報の中で、子供たちが生命のとうとさ――ゲームの中で簡単にやられ、向こうを倒さなければこっちがやられる、倒せばこっちが前へ進める。いろいろ出てきますけれども、輪切り教育とか言われますけれども、人をかき分けなければ人生は勝てないとか、競争心ということは確かに必要かもしれませんけれども、やはり相手の立場、相手の人格、相手を尊重しながら私は子供たちが育っていってほしい。大臣は、必ずそういう教育を今度の教育改革の上にやってくださると信じておりますので、特に私は、教育という問題の中でテレビゲームとかそういうものが与える影響、特に生命の尊厳ということを大臣は強く子供心に訴えてほしい。  これから桜が咲きます。あの桜だって、一年間冬の寒い中を耐えてきれいな花を咲かすのです。人生には耐えて、そして生き抜いて花を咲かせるあの生命のとうとさ、すばらしさというものを子供に教えてもらいたいし、そういう生命の尊厳について特に教育の中でいろいろと考えていただきたいと私は思いますが、この点いかがですか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘の点は、私も全くそのとおりだと思います。すべての価値の根源は生命であります。生命を尊重する、生命の尊厳を学校教育のあらゆる機会に児童生徒に身につけてもらうように教えていくということは、これはまた教育基本法が目指しております、平和的な国家及び社会の形成者としての国民の人格の完成という大きな目標の上からいっても、極めて大切なことだと思いますので、一生懸命に頑張ってまいります。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大臣の教育に対する情熱に私は心から期待いたしておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、文化財の質問に移りたいのでございますが、中国の数千年の歴史、シルクロードの旅等の、あの我々が知らない数千年あるいは数万年の夢とロマンの世界に、考古学あるいは埋蔵文化財というものは私たちを引き込んでくれます。ある意味では、現代社会に生きる私たちに昔の先人が何らかの形でメッセージを送ってくださる。一つの石のかけらあるいは土器の破片の中に、そこに昔の人の生活をしのびながら私たちは夢を広げて、また現代社会に生きる勇気もそこに持ってきたわけです。ですから私は、埋蔵文化財が私たちに残してくれた貴重な文化遺産である、国民共有の財産であるという立場は本当に守っていこうという気持ちは、いささかも変わりありません。でも、現実の問題になってまいりますと、文化財の保護行政について大臣のときに何らかの結論を出さないと、現在の文化財保護法は、形は整っておりますけれども余りにも実態にそぐわない、これが大きな問題になっておると私は指摘せざるを得ないのです。  きょう時間が余りないので、具体的なことはもう大臣は先刻御承知ということで質問さしていただきますけれども、例えばきょうここに建設省の方々がいらっしゃっています。道路あるいは住宅、都市あるいは河川等々の各局が工事をやるときに、文化財にどれほどの国費が投入されているか。これは当然、公共事業でございますから可能でございます。きょう私が指摘をしなければなりませんのは民間の開発であります。特に、民活元年などと言われますけれども、低廉にして良質な宅地を提供しようという民間の方がこれからやろうとしたときに出てきますのは、いわゆる経費、コストが合うか合わないかという問題は民間活力導入に最も重要でございます。これは大臣も御承知のように、今、中曽根内閣は規制緩和ということで、どんどん規制を緩和して活力を導入しようという努力をしていらっしゃるのは、私は承知いたしております。  しかし、具体的な問題で申し上げますと、現在の文化財保護法で一番の問題は、国民共有の財産だといいながら、国あるいは地方自治体の責任、費用分担が法律の中に明文化されておりません。その費用についてはどういう概念でいるか。これは、今、文化庁次長お見えでございますからお伺いしたいのですが、文化庁の考えは原因者負担、文化庁は、本来文化財というものは守るべきものだ、それを破壊するから当然事業者が負担をしてください、これが原因者負担の法理論でございます。しかしこれは、これだけでいいのかなという懸念がございます。  通常私たちが建設行政の中で知っている原因者負担について、建設省の考えをひとつ率直に言ってください、簡単に。時間がないから、長々しくやらないで。

八島秀雄建設省建設経済局調整課長

○八島説明員 私どもとしては、公用負担の一種としての原因者負担というのは、道路事業等の国や地方公共団体の行う公共事業につきまして、事業を必要にさせる原因をつくった者に対して事業費の全部または一部を負担させる、そういうことを指しているのではないか。埋蔵文化財の発掘調査費の事業者負担というものは、このような性格のものとはちょっと違うのではなかろうかというふうに考えております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 文化庁の原因者負担の考え、ちょっと言ってください。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 いわゆる原因者負担につきまして、文化財保護法の上におきましては、開発、特に埋蔵文化財包蔵地に対します開発の場合につきましては、文化庁長官への届け出を必要とするわけでございますが、その届け出があった場合につきまして、埋蔵文化財の保護上特に必要がある場合には文化庁長官は、発掘に関し必要な事項を指示することができるという根拠規定に基づきまして指示をするわけでございます。その指示を受けて、開発事業者が発掘調査をみずから実施あるいは委託して行うという場合につきましては、その発掘調査の実施に伴って生ずる負担を開発事業者にお願いするわけでございますので、それをいわゆる……(薮仲分科員「わかっているから、説明はいいから、簡潔に言ってください」と呼ぶ)

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 簡潔に説明してください。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 そういうことで、法律上の措置に基づきます文化庁の指示を受けて行うことで生ずる具体的な負担を、原因者負担と呼ばれているようでございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 あなたの説明は、説明はもうわかっているから、説明を除いて、その結論だけ言ってよ、法律は全部読んだんだから。  今、私が言ったのは正解だと思うのです。破壊するから、破壊するのを原因者が負担してください。建設省のおっしゃったのは、これは大臣、大事なんですけれども、公共事業で言う原因者負担は、公共事業を行わなければならない原因をつくった方に対して応分の負担をしていただきます、これが行政法上通常言われている原因者負担の原理なんです。ところが文化財保護法というのは、今言ったように、破壊するから持てという言い方で来るのですが、これは行政学の専門家の先生の中にもいろいろと反論意見がございまして、必ずしも、じゃこの意見に賛成かというと、これは自治研究第六十巻第十二号「文化財保護法概説・各論」というところに内田先生が論旨を展開しているわけでございますが、時間がありませんので結論だけ言いますと、いわゆる今の文化財保護法の中で言う原因者負担というのは非常に無理があります。法制に無理があるのでどうやっているかというと、地方自治体に指導要綱という形で協議をしてください、こうなっているわけです。今、文化庁次長が指示と言いました。この指示ということが非常にあいまいなのです。  じゃ、どの程度あいまいか、大臣に知っていただくように例を挙げます。今指示と言いました。いわゆる協議もしくは指示、五十七条一項はいいですから、五十七条の二のいわゆる指示あるいは届け出の義務に違反したときに、開発業者に罰則がありますか。簡単に言ってください。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 先生御指摘の五十七条の二第一項に基づきます届け出義務並びに第二項の規定に基づきます指示に反した場合の罰則規定は、設けられておりません。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 おりませんね。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 おりません。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大臣、そうなのですよ。いわゆる研究、調査のためには、文化庁長官が指示し、いろいろ罰則もあるのです。ところが開発事業については、その指示に違反しようと届け出をしなかろうと、やってしまったら何も罰則がないのですよ。これは悪く言いますと文化財を守っているのではなくて――本当に良心的な業者で守ろうとする人もいますけれども、やってしまえということになったら、私はそれを心配するのです。  そこで、これは大臣にもよく御理解いただきたいのですが、地方自治体が行政指導あるいは開発要綱ということで指導しておるのですが、我々は憲法で財産権あるいは生存する権利が保障されているわけです。そのときに、私はとても受忍限度を超えるということになったときに、いわゆる指導要綱や行政指導の範囲でこの財産権なり生存権を差しとめることができるのかどうか。我々は法律によらざる限り、いわゆる財産権は侵害されないわけです、憲法二十九条で。そうなってまいりますと、現在の文化財保護法というのは行政指導に任せているところに、私は嫌ですよと拒否してしまっても何も罰則がない。そうすると、届け出もしないでどんどんやっていかれてもとめられないということなのです。文化財保護法ができて、そのルールはできておりますけれども、最近その不満が非常にうっせきして、各地で問題が出てきております。ですから、私はこの段階で大臣によく事情をお聞きいただいて、開発業者も守ろうとするけれども、受忍限度を超えたら私は守れません、こういう結論が出ているのです。  大臣にちょっと判例を申し上げますと、府中のときの判例がございます。府中のときにこの人は負けているのです。この府中の裁判で、私は一方的に地方自治体の指示に従って費用を負担させられるのは嫌です、これは負けています。負けていますけれども、裁判官が何を言っているかというと、負けたその開発業者にこういうことを言っているのです。それが文化財保護行政に逸脱するかどうかは、ここに書いてあるのですよ。そのとおり読みます。「右の負担が文化財保護法の趣旨を逸脱した不当に過大なものであるか否かは、当該埋蔵文化財の重要性、土木工事の規模。内容、調査に要する費用の額、発掘者の負担能力、開発による利益の有無程度及び負担者の承諾の有無など諸般の事情を総合して判断すべきものと解される」。ここでは確かに業者は負けたのです。それは納得して開発の契約を結んでいるから、あなたの申し出は受け入れられませんよ、負けたのです、この方は。でも、裁判官はその裏で、この方がもしも承諾しなかったらどうなるか、あるいはまた受忍限度を超える負担はいかがなものかという指摘がなされているのです。  そこで、私はどうしても大臣に、この埋蔵文化財を守るという観点から、現在、国と地方自治体の費用分担が明確ではございません。これが一つ。どうしてもこのルールづくりをしていただく必要があろうかと私は思うのです。  それから、周知の埋蔵文化財について、文化庁は教育委員会を通じて周知さしております。ところが開発する方は、周知の埋蔵文化財は避けてやるわけです。ところが、いざ開発の届け出を出すと、教育委員会と協議してください、こうなりまして協議を始めると、結局、わざわざそこをよけてつくったのに、出てくると二年、三年、長いのはもっとかかるわけです。こうなりますと、業者の方は土地を買うのに何億、数十億と借りております。その利子の負担に耐えかねて、生活ができないという問題が出てくるのです。ですから、この国と県と業者の負担はどうあるべきか、これを考えていただきたい。特に建設省、いわゆる協議の年数、簡単に道路の場合には平均何年、それから土地、住宅の場合は何年、協議年数だけ言って。

八島秀雄建設省建設経済局調整課長

○八島説明員 道路の場合は約三年でございます。それから住宅・都市整備公団の場合には、発掘調査の平均期間が約一年九カ月、それから民間の場合でございますが、これは確としたあれがございませんので、住宅供給公社等公的開発のものも入っておりますけれども、事前協議で十・八カ月、それから発掘調査期間の平均で八・三カ月ということになっております。もちろん、中には二年以上の長期に及んだものも相当ございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 これは大臣、今建設省が言いましたけれども、建設省が民間の実態を必ずしも正確につかんでないのです。特定の五十九団体のアンケート調査、ここに手元にあるのですが、ここの中でも、これは特に大きな団地ですから長い年数がかるのですけれども、十五年、十六年とかかっているのです。今お話しのように、二年、三年、こういうふうに協議がかかっておりまして、金利負担が億を超えておりますので、業者の方にとっては守る気はあるのですが、でも受忍限度を超えてしまうのです。この法律を幾ら読んでも、今次長から御答弁ございましたように、守らなくても罰則はない。しかも、やろうとすれば開発業者が全部負担。このアンケート調査の中にもありますけれども、ほとんど民間は九十数%、一〇〇%近く業者負担です。  ですから、これは民間活力の導入、低廉で良質な住宅を提供しようという民間活力を導入しようとすると、これは大臣も――私は静岡なんです。伊豆大島近海地震があった。あのとき、こんなことを言うと、建設省怒らないでくださいね。一番被害の多かったのは、道路公団のつくった道路はずたずたにやられたのです。先祖の方がつくった山道は壊れなかった。社とか鎮守の森と言いますけれども、そういうところというのは壊れないのです。新しく開発したところは壊れてしまう。やはり昔の方は、すばらしい自然との調和の中で楽しい生活をしていらっしゃったのです。今、土地のない現代社会においてすばらしい土地を求めようとすると、昔の方が住んでいたところへどうしてもぶつかってしまう。確かに、そういうところほど安全であることは事実なんです。であるならば、貝塚であるとか古墳のあるところは昔の人が住んでいたのですから、今も自然的には非常に景色もいいし、住みやすいところです。そこにどんどん行くものですから、この問題は今重要な課題になっているわけです。  ですから、私は文化庁さんにどうのというよりも、これは文部省、文部大臣のところで、今私が駆け足で申し上げていますが、必ずしも正確に大臣に御理解いただけないと思います。でも、大体のことはおわかりいただけたと思うのです。今の文化財保護法によって文化財が保護されているのはわかりますが、土木開発の場合には、原因者負担ということで開発業者一人が負担しなければならない。ここのところを、共有の財産であり、守りなさいと国が言うのであれば、国がどうあるべきか、地方がどうあるべきか。  確かに財政窮迫の折に、それは無理だと言えば無理かもしれません。しかし、貴重な文化財が破壊されるのを見過ごすわけにいきません。ですから、包蔵地のあるところを開発するときには、開発する方も、ここは文化財の調査をしようと構えています。これはあるなとわかっています。私が申し上げたいのは、包蔵地のところを避けてやろうとしたときに、そこもやれとくるわけです。このところは前々から費用の計算に入ってないわけです。そういうケースについては協議の中で、国のあるべき費用負担、県も県民のために守りましょう、業者の方も国民として文化財を守ってください、これなら絶対トラブルは起きないし、納得して文化財を守れると思うのです。そういう意味で、きょうは文部大臣にこの文化財保護の実態を申し上げまして、何とか文化財を守ってほしい、しかも業者が安心して開発できるようにしていただきたいと思うのですが、大臣、お考えはいかがでしょうか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 埋蔵文化財に対して、これはもう民族の貴重な文化遺産ですから、しかも歴史や伝統や先祖の生活を大切にしようと思っておる我我ですから、これを大切にしていかなければならぬという基本は当然のことでございます。  具体的に今先生がお示しになった問題、私も不勉強で申しわけございませんでしたけれども、初めて聞くこと等もあり、また承知していること等もございましたので、これは一つの御提言でございますから、私もさらによく実情を文化庁からも聴取いたしまして検討課題にさせていただきたい、こう思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 ちょっと時間がありますので、建設省さん、建設省が工事する、例えば、余り長い年数言うと時間ないから簡単に、道路一本つくるとどのぐらい金かかるか、ちょっと言ってください。東京外郭環状、名古屋第二環状、静清バイパス、これの費用がどれぐらいかかっているか、ちょっと文部大臣に御理解いただくために。あるいは高速国道で関越自動車道、九州横断自動車道、一本道路つくると文化財保護に、例えば五十七、五十八、五十九、三年間トータルで何十億くらいかかっているか、金額でとんとんとんと言ってくれない。

八島秀雄建設省建設経済局調整課長

○八島説明員 調査費でございますが、関越自動車道で七十四億円、九州横断道で三十四億円。それから静清バイパスでございますが、これが三億六千万円、東京外郭環状道路でございますが九億八千万円、それから名古屋二環が十一億三千万円といった数字でございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大臣、ちょっと時間がないのでこれはやめましたけれども、五十七-五十九の建設省の全体の予算とか聞きますと、この文化財にかかっている予算というのは相当大きいわけです。私は、決してそれはいかぬとかなんとか申し上げません。これは大いに必要であるからやらなければならぬと思います。  そこで大臣、もう一つ知っていただきたいのは、さっきの判決の中にありましたように、文化財の価値ですね、重要度について、重要であるか、発掘すべきか保存すべきか、あるいはこれはもう記録にとどめればいいかという、保存するかどうかの重要度、これのはっきりしためどをつくっていただぎたいということです。  それから、調査人員をふやしていただいて調査期間を短くしていただきたい。今竹べらというと、こういうことばかりじゃないのですけれども、これは非常に時間がかかるのです。やむを得ないと思います。この調査期間について、調査人員をどうするかということも含めて、大臣に御検討いただきたいと思います。  それから、包蔵地をきちっと調査することが文化庁の文化行政をやる上において非常に重要でございますので、やはりこの包蔵地の正確なデータを周知徹底させるということが、トラブルを少なくすることだと思うのです。ですから大臣、できればこの問題について大臣のところで、建設省だとかあるいは学者先生だとかいろいろな専門家の方で、例えば検討するようなグループといいますか検討委員会のようなものも御検討いただいて、そういう中で現状の文化財の状態がどうなっているか、将来のために、この文化財を保護するためにはどうしたらいいかというルールを大臣にぜひともおつくりいただきたい、何とか検討委員会をつくって、好ましい文化財行政をおつくりいただきたいと私は思っていますので、最後に大臣のお答えをお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 これは他省庁にも関係する問題でありますから、一遍部内でよく勉強させていただきまして検討いたしたいと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 終わります。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  文部省所管について質疑を続行いたします。渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 まず最初に、地元の問題でありますが、国立福島大学の学部増設についてお伺いいたします。  今度六十一年度に行政社会学部というのが一応想定されて、創設準備の経費が計上されたようでございますが、この行政社会学部というのはいつごろ確定するのか、そしてまた、この経費は学部として完全に機能を果たすまでにはどのくらいかかっていくのか、それから生徒が入学するまでにどういうコースをたどるのか、そのポイントを示していただきたいと思います。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 福島大学におきましてかねてから人文社会系の学部を増設いたしたいという大学及び地元からの強い御要請があったわけでございまして、その要請のもとで大学においても検討が進められていたところでございます。しかしながら、現在の非常に厳しい財政状況のもとでございますので、大学にもいろいろ御工夫もいただき、私どもも話し合いをいたしておるわけでございますが、学内でも既設の経済学部、教育学部から教員あるいは学生定員の振りかえも行いまして、できるだけ組織の合理的な再整備というようなことも含めました上で新しい学部をこの際つくるという方向が固まってまいりましたので、昭和六十一年度予算案におきましていわば正式に福島大学に、行政社会学部と先生お話しのとおりの名称を一応の名称といたしました学部の創設準備のための予算を予算案に計上いたしておるところでございます。  予算案の具体的な内容といたしましては、準備に必要な経費といたしまして七百二十五万四千円、それから創設準備のための要員といたしまして教授一人をいわば創設準備室長というような役割の者として措置をいたしたところでございます。今後、ただいまの予算がお認めいただきまして六十一年度予算が執行できる段階になりましてから、大学におきまして創設準備要員、準備室長のもとでさらに具体的な準備が進められ、具体的な構想が練られるということになっておるわけでございますが、今日までの福島大学の構想によりますと、行政学科、応用社会学科の二学科から構成をする、それで昼夜間開講のものにいたしたい、定員といたしましては行政学科が百八十人、応用社会学科が八十人というような案が一応今の時点で学内の構想としては固められているところでございます。  今後の運びといたしましては、私ども学内の創設準備の煮詰まりぐあいというものを十分勘案をいたしまして、準備が進みかつ諸般の情勢が許します限り、速やかに創設の方向に持ってまいりたいと考えておるわけでございますが、今の時点で明確な年度ということを申し上げるのは難しゅうございますので、そこはお許しをいただきたいと存じます。なお、運びといたしましては、増設に踏み切らしていただく時点で国立学校設置法にそのための改正をいたすということで改めてまた国会の御審議をお願い申し上げるという経過になろうかと存じます。  以上でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 この福島大学というのは将来総合大学に持っていくおつもりがありますかどうか、その見通しをお聞かせ願いたいと思います。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 福島大学につきましては、実は昭和五十六年の三月に福島市の松川町、通称金谷川地区というところに新しいキャンパスを求めまして、かなり広い面積のものでございますが、そこに従来ばらばらでございました教育学部、経済学部の移転統合をいたしたところでございます。ただ、地域の需要ということから考えまして、教育、経済の二学部ということでは不十分である、こういうことが一つの基本的な動機となりまして、ただいま御報告申し上げましたような新しい学部が構想もされ、いわば着手の第一歩を踏み出した、こういう時点でございまして、二学部構成から三学部に一歩をこの際進ませていただくというのが現時点の状況ということでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 総合大学というのは何学部からそういうふうに言うことになるのですか。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 これは特に定義のようなものはございませんで、一口に申しますと、一学部だけの大学をいわゆる単科大学と称しまして、それ以外のものと対比させる、いろいろ統計等の整理の仕方がございますが、総合大学が幾つ以上というような定義は私ども今まで使用はいたしておらないわけでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 そこで、今のところは人文系社会学部ということでそれを充実されていくわけでございますが、同時に自然科学系の学部も福島県から要求されておると思います。福島県は特に大学が少ない県で、しかも広い割合に大学がないわけです。特に会津地方という特殊な地方なんですが、ここには県立の短期大学があるだけで、あと全然大学というものがありません。こういうところに大学を設置するには国あたりが進んで指導的な一つの考え方で理工学部を単独に設置してやる、そういうようなことが必要じゃないかと思いますが、その点はどういうお考えがお聞かせ願いたいと思います。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 ただいまのお話のように、福島大学学部増設期成同盟会というようなところからお話のような御要望もいただいておるところでございますが、ただ、率直に申しまして、現在の行財政事情ということも考えますと、国立大学の学部増設というのは私どもにとりましては現在非常に重い話になっております。例えば、六十一年度の概算要求におきましても、数年来懸案となっておりました九州工業大学の情報工学部の設置ということにようやくこぎつけさせていただいたというようなことでもございますので、私ども今の時点といたしましては、ただいま御報告申し上げました行政社会学部というものを現実のものにするということにまず全力投球をさせていただくということで精いっぱいというのが実は率直な感じでございます。将来、地域の状況あるいは全体的な我が国におきます大学の整備の方向というようなことはあわせて検討すべき課題だとは思っておりますけれども、具体の福島大学ということに関しましてはまず行政社会学部を現実のものにするということに精いっぱい努力をさしていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 後でひとつよろしくお願いしたいと思います。  そこで、この行政社会学部は当然金谷川に設置されるものと思います。これは六十二年度から生徒募集ができるようになるでしょうか。今からやはり生徒の方でも心構えが必要だと思いますのでなるべく早くその辺のめどを立てた方がいいのじゃないかと思いますが、その点ひとつお聞かせ願いたいと思います。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 この点につきましては、先ほど申し上げましたように大学の準備の進みぐあいとの関連ということもございますので、もう少し時間をおかしをいただきまして大学の準備の具体的な進行状況ということを見さしていただきたいと思っておりますが、私どもとしてもできるだけ早い機会に実現を図りたいという方向で努力をさせていただきたいと思っております。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 次に、文教施設費の問題についてお伺いいたします。  今、文教施設というのは地域では非常に要望が強いわけでございます。例えば小中学校の校舎の増改築事業とかあるいは中学校屋内運動場の新築や増改築、さらにはプールあるいはまた市民社会の必要な体育施設あるいはその他の文教関係施設、そういうものが地域から大変要望が強まってきておるわけです。ところが一方において、文教施設費というものを予算で見ると去年よりも三百五十一億四千二百万も減らされているわけです。毎年毎年こんな形で抑制され削られていったのでは、せっかくこれから人づくりをしなければならぬというのにどんどんと人づくりがまずおくれてしまうのではないか、こういう心配が私はあるのですが、その点いかがなものでしょうか。ベテランの文部大臣が答えたらどうですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 文教施設全体についての削減のお話だと思いますが、私、体育局長で体育施設の関係について御説明をいたしますと、確かに学校体育施設あるいは社会体育施設というのはこのところ前年度より減をいたしております。これは、御承知のとおり今の国家財政の状況等から見てやはりある程度縮減するとか縮減せざるを得ないということから来ていると思いますが、私たちとしては施設というのはやはりスポーツを振興するために大変必要なものであるというふうに思っております。  ただ、では社会体育施設を例にとりまして見てみますと、昭和四十四年あるいは五十年、五十五年というふうな五年ごとに体育施設の状況を私の方で調査いたしておりますが、そうやってみますと、四十四年のときは社会体育施設というのは全国で大体一万施設だったのです、それが五十年になりまして大体二万施設、五十五年が三万施設というふうに、いわゆる市町村が設置する社会体育施設は年々ふえてまいっております。六十年の施設の状況は今調査集計中でございますのでもう少したつと数字が出ると思いますが、そういう状況でございますので、条件としてはどんどんよくはなっております。しかしながら、予算としては現在の国家財政の状況から削減をされたことについてはやむを得ないと考えているわけでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 これは文部省の方からやむを得ないというのでは何をかいわんやでございまして、非常に困っておるというなら我々もっと本気になってバックアップしなければならぬと思うのだけれども、人づくりというのは私は防衛費とかそういうものと比べてどっちが大事かと考えた場合、私は人づくりが一番大切だと思うのですよ。その人づくりを一方で担うのが文部省の役目だと思います。だから文部省の役割というのをもっと真剣に考えていかないと、こういう形でどんどんと防衛費が必要だからそれじゃそっちの方に予算が偏っていってもやむを得ない、このやむを得ないという国民の認識、判断、こういうものがある限り正常な形に戻すことはできないと思うのです。だから、やむを得ないでなくて、いかに大事かということをどう認識させるか、あるいはそういうものについても総理大臣やその他の関係者にも文部省の立場、重要性というものを強調する必要があると思うのです。そういう形で考えると、今この施設というものが一体どういう教育上の役割を果たしているのか、人づくりの中でどんな効果を上げておるのか、この辺を明確にする必要があると思うのです。そういう点ではいかがでしょうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 人づくりのために必要なのはそういった教育施設であり、そして指導者である、この二本立て、二本が必要なことというふうに私たちも認識いたしておるわけでございます。ただ、先ほど私、やむを得ないと申し上げましたが、それは文部省としての強い希望もございます。しかしながら、政府全体としての予算の整合性ということから考えれば、政府案として予算案を御提出している立場とすればそういう答弁をいたしたわけでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 それで具体的な問題は直接文部省とお話ししますから、ひとつ全力を挙げて地域住民の要望なり教育の重要性にこたえていただきたいと思います。  さて、そこで、今一番問題になっているいじめの問題ですが、福島県もいわきで自殺者を出したわけでございまして、大変深刻な社会問題になっておるわけでございます。しかし、これは一地方ではなくて全国的な問題でありますから、まずそういう点でいじめがなぜこんなに出てきておるのか、いじめの出てくるいわゆる原因、そういう全体の背景というものは、何がそうさせておるか、私はその点の御認識をひとつ大臣からお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘のいじめの問題については、社会とか家庭とか学校とかいろいろ原因は複雑に絡み合っておる、こう言われておりますけれども、やや短絡的になるかもしれませんが、私なりの受けとめ方を申し上げますと、結局他人に対する思いやりとか、自分が嫌なことは人に及ぼしてはいけないとか、あるいは友達、グループの中では守るべきルールとか秩序とかけじめがあるというようなこと等についてのしっかりした、身につける教育が行われていなかったのではないだろうかという一面の反省を私はいたします。  同時にまた、家庭の人口構造の変化によって、昔は、先生御承知のように我々も六人兄弟で大きくなっておりますが、家庭の中でいろいろ切磋琢磨もいたしました、人に対する思いやりも身につけました、兄弟げんかなんということも日常茶飯事でしょっちゅういたしました。けれども、そういう人間形成の上において必要な同世代年齢のぶつかり合いというのが家庭とか社会とかで身につかなくなってきたこと、人間関係がだんだん疎外されていくということ、そういったようなこと等も大きな背景の二つ目をなすものではないだろうか。  それから三つ目は、これはよく言われることでありますが、学校教育の場において、嫌な言葉ですが、偏差値輪切り教育という言葉が出てきましたように、何か人間を評価する物差しがまゆげから上の、点数をとる、知識の詰め込みだけだ。知識を詰め込んで点数さえとれれば、いい子、悪い子、普通の子のいい子の部類に入れるけれども、その他の心構えとかいいものをつくる技術とか能力とか思いやりとか親切とか、そういったようなものが何も評価されずに、ずらっと並べられて点数だけがあたかもすべてであるかのような入学試験の状況の中に追い込まれていくと、そちらの方に自信のない人たちが何かやる方ないふんまんを持つのではないだろうか。そういうようなこと等が絡んで、まだほかにも言えば切りがありませんが、人生最初に出会う教師であるお父様、お母様がきちっとしつけをしてくださるかとか、社会全体が児童生徒の心に皆健全な影響を与えるようなことばかりしてくれているだろうかとか、いろいろな問題がありますけれども、そういったようなことが複合的に結果としていじめになる。いじめても悪いことをやったというような自覚がない。いじめが行われておっても、そんなに心を痛めてそれを見たり、とめたり、手を差し伸べたりしない。そんな風潮が行き渡っておることが私にとってはまことに残念なことであり、心痛むことでありますから、原因を短絡的に絞れとおっしゃれば、やはり家庭と学校で心の通い路を開いて、人に対して、していいこと悪いこと、国家社会の秩序を形成し維持する根底は何だということまでしっかりとみんなが身につけるように教育が導いていかなければならないだろう、私はこのように考えております。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 私は、いじめというものは教育だけでなく社会全体の責任だろうと思います。そこで、このいじめの一番多く出ておるのはどの辺がというと、大体中学の一、二年に一番多く出ておるようでございまして、その年ごろというのは、言ってみれば人生の中における思春期ですね。したがって、精神と肉体のアンバランスが一番大きく出る時期だろうと思うのです。そういう時期に、いじめという一つの形でいわゆる少年の持つエネルギーの発散がなされておる。これは他に発散する場所あるいはそういう思春期の子供たちのエネルギーを吸収する場所というものを社会的に考えてやる必要があるのじゃないか。あるいはまた、そのエネルギーを発散すればいいのではなくて、発散するにも一つの抑制というある秩序のもとに発散する、そういうものが社会的につくられる必要があるのではないか、こんなふうに考えるのです。  そこで具体的に言うと、それでは昔はいじめがなかったのかというと、全然なかったわけではありません。しかし、これほど重大な問題にされたことはなかったと思います。それはなぜかというと、今の子供たちには例えばけんかをした場合にもほとんどルールがない。どうやって勝ち負けを決めて、あるいはどういうものが正義のけんかになるのか、ひきょうな者というのはどういう連中か、こういうものについてのはっきりした判断力を持っていないと思うのです。認識がないのじゃないか。私たちの子供のころは、けんかをして相手が泣けば、そこで泣かせた方が勝って、やめる。しかも、弱い者を強い者がいじめる場合はひきょうだと言われだし、あるいは大勢で少人数の者をいじめると、これまたひきょうだ。年上の者が年下の者をいじめると、ひきょうだ。こういうふうに、ひきょうな者をつくらない一つの社会的な土壌があったと思うのですよ。やはりそういう点では、社会正義というものがある意味で生きておったと思うのです。ところが、最近は、ひきょう者に対する憎しみが社会全体としてなくなっているのではないか。ひきょう者は社会が許さないんだ。例えば西部劇で、後ろからけん銃を撃つようなものは男の風上にも置けないとして、これをリンチする。まあリンチはいいことではないけれども、それくらいひきょうに対する憎しみというか怒りというか、そういうものを社会的にも醸成する必要があるのじゃないか。  それからもう一つは、どういう人間をつくるのが教育かというと、因数分解を簡単に解いたりあるいは難しい先端の科学を覚えたり、それは必要ではありますけれども、私はそういうものを教育の根本だとは思っていません。教育の根本は、どう生きるかだ。生きることに自信を持って、そして迫力ある人間をそこにつくっていくというのが一番大事だと私は思うのです。生きるためにはどうしたらいいのか。生きるためにはいろいろな生き方があって、そこには手段が考えられるわけで、その手段をどう選択しながら自分はたくましく生きていくか、こういうことが子供自身あるいは人間全体に意識されなければならぬと思うのですよ。そういう点で私は、これからの教育は地球人として教育していくという立場を強調したいのです。そうでないと、一つの国民性とかそういうものばかりに拘泥していたのでは、本当の地球の平和とか人への思いやり、他民族に対する思いやり、そういうものが出てこないと思うのです。それにはまず、人間はすべてが地球人である、そういう一つの連帯感を身につけること、あるいは、この地球全体、宇宙全体の調和の中でその一部分として生きているんだ、だからその調和を崩してはならないんだ、こういう思想を植えつけていけば、思いやりも、そして、自分自身を大事にするかわりに、自分を大事にしようとすれば相手も大事にしなければならぬ、そういう一つの思想がそこから生まれてくるんじゃないか。  こういう点、大臣はどういうふうにお考えですか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 先生の御意見は私も全く同感でございます。そうして、社会全体に正義が行き渡るということ、ここに正義に反するものがあると思ったときはやはり社会がみんなでこれを排除するような、そんな雰囲気が出てくることが極めて大切なことだと考えます。また、後段でおっしゃいました、どのように生きるか。我々も戦後一時期、ややもすれば物質的な豊かさを追い求め、国としても先進国に追いつけ、追い越せというようなことを目標にひたすら豊かになることを求めて頑張ってきましたけれども、やはりそれだけじゃなくて、そのツケが今貿易摩擦というような結果を呼んでおること等も考えますと、これからは相互依存関係を大切にする。国と国とがそうですが、個人と個人になると、やはり自分を大切にするようにあなたも大切にする、そういった思いやりの気持ち、正義を行き渡らせよう、そういったことが大切だという点においては先生の御意見と私は全く一緒でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)分科員 時間が参りましたので、以上で終わりますが、最後に今テレビ等で放映されておる、非常にみだらな部分を強調して、むしろ社会悪としてしか考えられないようなことが放置されておるわけです。ですから、こういうものをやはり規制するところはきちんと規制する、社会のためになるかならないかという判断をまず根本的にする必要があると思うのです。そういう立場で、ひとつこれから御指導をお願いしたいと思います。  以上で終わります。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 これにて渡部行雄君の質疑は終了いたしました。  次に、田中慶秋君。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 今、いじめの問題が盛んに論じられておりましたけれども、私も若干このいじめの問題について、角度を変えたり、あるいはまた自分なりの発想のもとに大臣に所見をお伺いしたい、こんなふうに思う次第であります。  御案内のように大きな社会問題になっているいじめの問題、そして全国の公立の小、中、高四万校と言われているこの中で、五五・六%、すなわち件数にして十五万余のいじめがそれぞれデータ的に明らかになっているわけであります。そういう中で、これらの問題に対する具体的な対策、二校に一校と言われるようなこのいじめの問題が発生されている現状、文部省としてどのような認識をしておられるのかということがまず一点。  そしてまた、文部省が幾らこの問題に取り組んだところで、現実には学校現場は持っていないわけですから、地方自治体すなわち県や市、町のそれぞれの教育委員会に具体的にどのような指示と、それぞれの検討というものについてどのように進められているか、冒頭にこの二つについてお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 いじめを解決するためには現場の理解と協力がまず何よりも必要だということは御指摘のとおりでございまして、文部省といたしましては、きょうまで再三にわたって教育委員会を指導し、そして現場に徹底させてほしいということを強く要請してまいりました。けれども、率直に申し上げまして、私が就任しまして以後においても、報道は相変わらず悲しい自殺の事件を出してきます。特に象徴的に言われました中野富士見中学校のケースは、私は本当に心を痛め、責任を感じます。きょうまでやった文部大臣の談話というもの、文部省の指導というものを現場でどのように受けとめられて、どのように処置されただろうか。現場への浸透ぐあいというものをどうしてももっともっと徹底させなければならぬ。そしてすべての先生が、あの不幸な出来事を一つの生きた教材として、自殺していった少年がもう最後の願いだからやめてくれと言ったあの気持ちを本当に生かすならば、あれを生きた例としてすべての教室で、自分のクラスで起こったこととして受けとめるようにしてほしい、こんなやむにやまれぬ気持ちを私は持っていました。だからこの間も、法律的に言うと、先生御指摘のように文部大臣は教育委員会に対する指導助言、援助だけですけれども、私は全国の中学校の理事会にもあえて出席させてもらって、そんな法律の建前とか指揮命令の系統とかそんなことじゃなくて、一議員として、教育を大切に考える文部大臣としてお願いをしますということで、現場に趣旨徹底をしてもらうように重ねて強くお願いをしてきたところであります。現場の皆さんの御理解と御協力を心から重ねてお願いいたします。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 私は、文部大臣のその決意というのは大変ありがたいと思うし、恐らく今までの文部大臣にその決意があったならばもっと改善がされていたのではないかな、こんなふうに思います。なぜならば、昨年も私はこの問題を角度を変えて質問してみました。例えば一つには、この公立と私立のデータを見ていただければわかると思います。私立の方が少ないのです、はっきり申し上げて。中にはあるのかもわかりません。しかし、そこは、人間性豊かな教育、建学の精神というものがあるわけでありまして、そういうことがそれぞれの大きな事件に発達してない、そういう点もあろうと思います。  もう一つは、何といっても今子供たちの触れ合いの場所を、私たちを含めてすべて奪ってしまったのではないかと思います。例えば社会教育と言われておりますスポーツ振興の問題をとってみても、あなたが本当に心配されているように、文部省の予算を見ていただけばわかると思います。人件費だけが上がって、それぞれの施設費がけずられる一方であります。グラウンド整備の予算であろうとあるいはまたスポーツ広場の予算であろうと、それは文部省の管轄外かもわかりませんけれども、総体的にみんなで悩み、みんなでいろいろなことを提言しているのです。しかし子供たちは、例えば触れ合いの場所が欲しいのです。しかし、その場所がありますか。それぞれ都市においてはだんだん少くなってきてしまいました。道路で遊べるわけではありません。そんなことを含めたときに、私たちはそれぞれが役割分担をしなければいけないと思います。  教育委員会あるいは文部省だけ責めるわけにはまいりませんけれども、そういう点でいま少しこのスポーツという問題を取り上げていく必要があるのじゃないか。昨年も申し上げました。文部大臣はそれに対して、余りにも全体的なスポーツに対する率的な考え方をデータで述べられる。あるいはまた、今、塾が偏重されているのじゃないか。今、それぞれ進学の問題等々含めて、自分の子供をできるだけ健やかにあるいは将来とも成長してもらいたい親の気持ちはわかります。しかし、今、小学校の低学年からもうほとんど塾に通い始めているよ、これは一つの間違い、教育方針としておかしいのじゃないか、こういうことを指摘を申し上げました。そうしたら文部大臣からの答えは、大体学習塾やそういうところへ行くのはおかしい、今そんなに行っているわけはない、こんな答弁がされたわけであります。現場の認識も間違っているも甚だしいと思いましたが、私はそれ以上詰めませんでした。しかし、現実にはそういう問題も影響しているわけであります。  ですから、例えばそれぞれの学校がもっとクラブ活動を積極的にやったらどうだろうか。はっきり申し上げて、部活をやったり、少年野球をやったり、サッカーをやっている子供たちの中にはそういう子はないのです。私もいろいろな形で今日チームの面倒を見ているわけです。しかしそういう話に悩むと、先生よりも親よりも、監督、コーチの方に行くのです。そして本当に親身になって相談に乗ってくれます。そういうものがなくなってきている。しかし、現実には文部省はこの部活という問題についてどのように考えられているかというと、悪いですけれども、日教組の関係かどうかわからぬが、積極的な取り組みがされていない、はっきり申し上げて。予算的な措置を見て裏づけしていただければわかると思います。  そういう点を含めて、総合的な問題として、私自身の体験の中から――今でも私は、例えば神奈川県下の小学生の野球チーム全体の会長をしており、あるいはまた、サッカーも柔道も剣道も、そんな形でスポーツだけにほとんどそれぞれ顔を出しているわけであります。私も年間、自分が大人としていろいろなおつき合いをするよりも子供たちにということで、相当数の投資をして子供たちにおつき合いをしているわけでありますけれども、もっともっと行政とかあるいは少なくとも文部省がやらなければいけないこういうことがたくさん出ているわけです。しかし、そういう点ではだんだん予算的には削られている。文部大臣が立派にいろいろなことを言われても、現実問題、そういう問題に直面したときに、私はむなしさを感じるのですけれども、あなたはどうでしょう。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 最初に御指摘をいただいた、人間と人間の心の触れ合い、汗を流す場を児童生徒に提供したらどうか、これはおっしゃるとおりでして、私が前回文部大臣に任命されたときにちょうど乱塾時代という言葉が出まして、塾調査をまずやるべきだというのでやってみました。あのとき、なぜおまえは塾へ行きたいかという子供に対する質問で、塾へ行くと友だちができるとかみんなが行くから行くんだという答えがかなりの部分あったのを見て、何かはっと感ずるところがございました。それは近所で遊ぶところがないから、あるいは学校へ行っても勉強だけで帰ってきちゃうから、何か体ごとぶつかり合って余った時間とエネルギーをとこか健全な方へ導いてくれないかな。友だち同士のつき合いがしたいけれども、言うならば塾へでも行かなければそういう場がないというのではかわいそうだから、これは乱塾時代であるというならばそういった状況を結果としてなくするためには、それ以外のところで、汗を流したり体ごとぶつかったり、あるいは山野を跋渉するとか、社会教育で行っておるボーイスカウトとかガールスカウトとか、かち歩き運動とか海の家とか、そんなようなことの運動をどんどん興していくことも大切だなと私は当時思ったことでした。  今、具体的に御指摘の部活の問題になりますと、これもやはり学校の中の部活をもっと盛んにする。同時に、この前、ゆとりのある教育というのを提唱して、一週間に四時間ぐらいは正当の教科から時間を外して現場の教師の皆さんの創意工夫にゆだねた時間をつくって教育委員会に指導したのですけれども、なかなかそれも私の志した方向と違った方に使われておるんじゃないかというような、これはまだ現場を詳しく見ておりませんけれども、聞く話やうわさによるとそんな感じがします。  ですから、学校の中においては部活もございますし、あるいは正規の保健体育の時間の中で、中学校なら剣道、柔道、相撲のうち一つを選べとか、ラグビーとかテニスとかいろいろなことをやれとかいう指導もあるわけですから、そういったようなもの等ももっと学校当局に率先して進めてもらって、そういうところで友だちもできる、汗もかく。しかも、そういうところでルールは守らなければならぬものだ、ルールを破って勝ったのでは意味がないんだという社会の秩序なんかもきちっと身につけられるように、私はそういう方面は声を大にして広めていきたいと思っておりまして、きょうも実は昼の休憩時間に武道振興大会へ飛んでいきましてそういうことをみんなにお願いをして、ここへ飛んでまいりましたけれども、先生の御質問の御趣旨は私もよく理解できますし、同感でございます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 文部大臣の積極的な姿勢は高く評価されますけれども、学校現場は今あなたがおっしゃるのと大分距離があるわけです。そういう点では、例えば施設開放を見ていただければわかると思います。公立高校を初め全体の施設確保は大分進んではきております。しかし、その中において今申し上げたような問題も、やはり一〇〇%開放したっていいわけです。場所が少なくなってきておるという問題もあります。あるいは、一番問題なのは例えば子供たちが一番成長する、時期、夏休みに部活をまじめにやっている先生、この夏休みの期間中にほとんど子供たちに自分の時間を使っている先生と、研修だといって一度も出てこない先生と条件は全く同じですよ。部活をやっている先生というのは本当に子供たちのことを考えて、憂えながら心配しながら育てております。私はそんな不公平なことないと思うのですよ。一生懸命やっている先生と全然出てこない先生が条件的には全く同じ。手当もつければ何とかいろいろなうるさいことを言う。私たちも学校開放の問題もやりましたし、現場で部活の推進もやってまいりました。そして父兄の皆さんからたとえ気持ちでもという形で集まった善意のお金をその人たちにやると、いや組合がうるさいから、学校がうるさいから、こんなことが現場ではあるのです。しかし、それが本当の公平だろうか、こういうものが積み重なっていじめという問題が出てきているような気が私はいたします。文部大臣、どうですか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 いじめの原因はいろいろございますので、それがいじめにつながっていると思わぬかと言われても、必ずしも直ちにはいそう思いますとはお答えしにくいのでありますが、学校全体の雰囲気の中で正義が行われるとか、一生懸命やっておる先生はやはり児童生徒からも慕われ、報われ、教師としての充実感や使命感もお感じになりながらやっていただいておると私は思いますので、そういったことがますます高まっていくことを強く期待をするわけであります。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 いずれにしても、私も少なくとも自分が好きですからそういうことを中心としてやっております。私たちのそれぞれ地域において日常活動の一つに場所取りがあるわけですね。野球、サッカー、そんな形の私たちの仕事もあるんです。それは少ないからなんです。そういう点ではやはりスポーツ公園やスポーツ広場、そういうものをもっともっと少なくとも政策の中に重点施策として入れる必要があるのではないかと思うのですけれども、現実にはだんだん少ない。特に首都圏といいますか過密のところにおいては少ないし、恐らく文部大臣のところも同じだと思います。やはりこういう点は教育委員会といいますか文部省の大きな方針として将来に向かってつくる必要があろうと私は思います。今、子供たちだけではありませんよ、お年寄りのゲートボールからスポーツ愛好というものがこれだけ幅広くなってきておりますので、こういう点はもっともっと投資的に進める必要があろうと思いますが、その辺どうでしょうか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 数字の結果等を毎年見ておりますと下がってくるではないかという心痛む実情もございますが、しかし、反面スポーツ施設なんかも一回つくりますとそれがずっと使用されていくわけでありますので、年々上積みされてそれは充実している。だから、そのスピードを上げるか上げぬかということは、まさに予算の時期に私どもが頑張れるか、どこまで壁の高さを乗り切ることができるかという問題一点にかかっておるわけでありまして、必要がないとかあるいはもう要らないとかいうような発想は私どもは持ったことがございません。ですから、すべての学校にプールをということで、プールができたら今度は少しでも長く使えるように北の方は屋根をつけたり、温水にしたり、いろいろな努力等も続けてきたつもりでございますし、学校の校庭も開放してくれれば夏ならば夜は夜間照明をつけてそこをみんなで利用できるようにしていこうというようなこと等も鋭意努力をしてきたつもりでありますが、その施設の重要性も極めて大きな一つの要素でありますから、これは今後とも頑張ってやっていきたいと思っております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 こういう施設の問題というのは、私たち政治家として反省をしなければいけないのは、お年寄りを大切にとか子供たちを大切にとか、それぞれすぐ出る言葉でありますけれども、具体的にそういうふうになってみますと、子供たちの広場やお年寄りが本当に語り合える広場がない、場所がない。全体的にはGNPが大きく発展している中でなぜそういう形のものが少ないのでしょう。総理も同じことを言うと思います。二十一世紀へ向けて子供たちを大切にしなければいけない。しかし現実には現場というものが逆にだんだん狭き門になり、狭き場所になってきていることは事実だと思います。そういう点でこれからも文部大臣、あなたも本当に人の子の親として地域からあるいはまた文部行政を預かる責任者としてこの問題をぜひやっていただきたい、こんなふうに要望しておきたいと思います。  さて、スポーツというと幅広くなってまいりましたけれども、平和という問題を考えてまいりますと、スポーツが世界平和に一番多くの貢献をしているのではないかと私は思います。スポーツには国境もなければ、人種の差別もありません。そういう点でスポーツということを考えてまいりましたときに、例えばかつて日本の国技と言われた柔道も、一時的には世界制覇をいたしましたけれども、やがてオリンピックの戦いにおいては金メダル一つも期待できないような将来が私は出てくるような気がしてなりません。そういう点で今考えたときに、国際試合等々を含めてやはり積極的な取り組みということが必要であろう、例えば社会主義の国はすべてスポーツ省が持たれているように。あるいはまたフランスでも持っております。そういう点ではその国の将来というものは、文化やスポーツを大切にする国はやがて世界的な指導的な役割を果たせる国ではないかな、こんなふうに私は思っているわけであります。そういう点で日本の場合、文部省の一ブロックの中にスポーツ担当といいますか、体育担当があるわけでございますけれども、私はこれだけ子供からお年寄りまで幅広くなった体育といいますか、スポーツになってまいりますと、文部省のそれぞれの行政、これで済まないような気がします。日本がこれだけ世界的な先進国の一員として、やがて世界の中における指導的な役割を果たす、ニューリーダーというのは日本だということをよく言われるわけですけれども、そういう点でスポーツ省がつくられてもいいのではないか、こんなふうに思うのですけれども、どうでしょうか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 いろいろ置かれております立場をちょっと忘れて私の夢を語らせていただくとするならば、御指摘のようにスポーツというのは非常に大切な、すべての国民を包含をして大きな大きな目標でありますから、スポーツ省的な感覚で取り組んで十分な分野もあるし、対象もあるし重要性も必要性もあろう、こう思っております。現在は体育局長がその精神で、その気持ちになって一生懸命取り組んでおると思いますし、また文部省といたしましてもそれを所管する担当省として自覚と責任を持って取り組んでおります。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 私は学生時代ずっとスポーツをやってまいりましたし、私の仲間、後輩、今第一線で活躍をしております。その一人に山下君もいるわけですけれども、柔道の山下君は私の後輩であります。ただ、彼だけを見て考えてみても、プロとアマとの待遇の違い、同期で卒業されて社会で柔道ではなくてプロ野球で活躍をしている人たちを考えてみればわかると思います。大変な違いがあります。しかし、それだけではスポーツではないと思います。しかし、考えてみるならばその人たちが一生懸命日本の一流選手として世界に通用するような選手に育成するときに日本は財政的には非常に乏しいのです。もっともっと財政的な確立ということがなければ――反面、ハングリーな精神も必要かと思いますけれども、そういう点では私は日本がやがてオリンピックから金メダルなんというのは一つもなくなってしまうのではないかな、こんな心配をしている一人なんです。フランスがなぜ柔道、空手を一生懸命やられているか。日本をことごとく研究されたようであります。そのときに戦後荒廃した日本が今日のように、立ち直ったのはやはり武道の精神があるからだということでフランスは今義務教育の中で柔道が全部正課であります。本家の日本がどちらかというとそういう状態になっているのが大変寂しいものだなというふうに感じるわけであります。私はこういう問題についてもっともっと積極的な取り組みをしていただきたい。それはフランスの場合、ミッテランになってから余計その辺が積極的に取り組まれているわけでありますし、日本からも多くの指導者が派遣されて向こうで活躍をしているわけであります。そういう点を聞くにつれてやはり本家本元の日本がそういう問題をもっともっと精力的にやっていただきたい。文部大臣、あなたが夢を持たれているように私も夢を持ってこの問題に取り組んでいるわけでございますので、それらについてもう一度お聞かせをいただきたいなと思っております。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 学校教育の中の大きな目的は徳育、知育、体育、バランスのとれた、調和のとれた人間を育成しなければならない。そういう面からいきますとスポーツの重要性、また今後半にお触れになりました、具体的に柔道という名前を出されましたが、国際的にも高く評価され、いろいろ行われておる、日本の現状は心寂しではないかという御指摘でございます。  私どもも、今、中学校でもあれば必須選択というのですか、柔道のみならず、剣道とか相撲とかの中から一つやりなさい、高校では柔道、剣道の中から一つおやりなさい。目安としてはたしか年に大体十時間から三十三時間くらいまでの間のところで週一回というような程度いろいろなものを選択してやりなさいという例示がしてあったと思います。そこで、そういうこと等の中で志す人が選択して一生懸命やってもらうことと、先ほど来お話にあったその他の部活という面で愛好者が集まってやるものもございます。あるいは町にいろいろそういう指導、錬成をしてくださる道場等もございます。私はこれはやはり日本古来の伝統、文化、礼に始まり礼に終わり、ただ体を鍛えるだけじゃなくて精神面の修養にも大いにきょうまで影響を与えてきたということ等も評価しておる一人でございますから、そういった面が進んでいきますように、ちょうど今学校教育の内容については教育課程審議会というのがたまたま今時期になりまして開かれておりますので、私も就任早々お願いに行って、そういったような気持ち等も含めて専門の皆さんがお集まり願って今後どうしたらいいかということも御検討を願っておる最中でございます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 ぜひ、そういうことを含めて取り組んでいただきたいし、日本古来の武道の精神というものは大切だと思っております。そういう点で、何か武道の精神を言うと逆にいろんな指摘をされる人もいますけれども、日本にはそれぞれ九つの道があるわけでありますから、そういう点でもっと文部省が音頭をとって九道の振興のために頑張っていただきたい、こういうふうに思います。柔道もそのうちの一つであり、剣道も空手も合気道も弓道もこういう形でぜひこの九つの道をもっと振興していただくことによって、日本の本来の大和魂といいますか、いい意味での愛国心といいますか、そういうものがもっとできるのではないかと思っておりますので、ぜひそういうことも含めてお願い申し上げたいと思います。  時間も参りましたので、最後に文部大臣の見解をお伺いしたいわけでありますが、最近、幼稚園の児童数が大変激減をしております。出生率も下がってまいりました。そういう点で廃園をするところも出てまいりました。ところが、一方においては保育園も全く同じであります。児童の取り合いの問題も出てみたり、あるいはまた逆にそれぞれの経営不振が出てみたり、こういうことで、幼児教育というそれぞれスタートの精神は違っていたと思うのですけれども、今は大体同じじゃないか、こんなふうに思っております。精神は違うし、法的にも違うことはわかっております。そうじゃなくして今の実態を考えてみますと、現場では全く余り区別がないような気がします。ですから、保育園が厚生省だなんて知っている親御さんは余りいないのです。文部省の管轄かなと思っているわけであります。そんなことを含めて幼保一元化といいますか、何らかの策がもう必要じゃないかな、こんなふうに思うのです。そういう点では幼児教育がやがて日本の将来を期待するときに一番大切だという前提で、ただお互いの縄張りとか過去のいきさっとか過去の組織とか法だとかそういうことではなくして、幼保一元化の教育というものがぼつぼつ検討されてもっと積極的に取り組まれる必要があるんではないかな、これは私は厚生省にも申し上げる予定でありますし、文部省もお互いにそれを具体的に協議をする場所をつくってやっていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょう。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 具体的な御指摘の幼保一元化の問題に関しましては、長い長い経緯がございまして、私も前回文部大臣を拝命したときに、国会の場で厚生大臣も御同席願ってこの問題は何とかしましょう――先生、今決して言葉じりをとるわけじゃありませんから怒らぬで聞いてくださいよ。ここで保育園とおっしゃいましたけれども、法律的に言うと保育所なんですよ。それが今保育園と言われて一向におかしくないように社会的にもなってきた。外見も今ほとんど一緒でございます。着ていらっしゃる上っ張りも帽子も桜のマークも、それから教育内容も全く同じようなことでやってもらっておる。とするなれば、何とか幼保一元化ができないだろうかというので、厚生大臣も御同席の上で御相談をしまして、両方から十人ずつの有識者に出てもらって幼保一元化の検討をお願いしたのが私のこの前のときでした。二年間御議論願いましたが、結果として、設置の目的も違う、現状も違うからということで何か物別れになったように私は理解しておりますけれども、当時はまだ文部省としても希望する四、五歳児は全部就園できるように幼稚園をつくらなければならぬ、保育所の方も整備しなければならないということでありましたが、もう今日は情勢ががらっと変わりました。そこで、先生の御指摘もわかりますが、私は児童生徒の立場に立ってこの問題を考えますと、両方のよって立つ機能を現状凍結、平和共存といいますか、両方が一緒になったときに、教育の機能も保育の機能も両方果たすにはどうしたらいいだろうか。一つのモデルは北ヨーロッパで発生をしておる幼保学校のスタイルだろうと私は思うのです。ですから外見も教育内容も一緒になり、世の親の就学前教育の大切だということも大体コンセンサスがあるとするなれば、その相交わるところを大切にしながら話し合ったら、何とか解決できるんじゃなかろうかと私は強く希望するのです。  そのときは、これは文部省の勝ちとか厚生省の勝ちとかいう発想ではなくて、これはほっておきますとだんだん、両方のよって立つ立場によって児童生徒が困るだけのことでありますから、何とかこれが一元化できて、幼児教育の重要性に立脚した解決ができるように私は強く期待をしております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 時間が参りましたので、先ほど来申し上げましたいじめの問題、私はまた体育振興の立場で、さらにはまた幼児教育の立場で申し上げてまいりましたけれども、ぜひ文部大臣が今おっしゃったような形の中で積極的に取り組んでいただきますよう要望して、質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 これにて田中慶秋君の質疑は終了しました。  次に、中西績介君。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 私は、例年、同和対策事業にかかわる同和教育などを含めまして質問を継続をいたしておるわけでありますけれども、その上に立って、大臣新しく就任いたされましたので、大変造詣の深い方であるということをお聞きをしておりますので、ひとつ十分お答えいただきたいと思います。  そこで、まずこの二冊ですね、「今日の部落差別」あるいは「いのち 愛 人権」。既に予算委員会で配られたようでありますからごらんになっていただいたと思いますが、この中からいろいろ問題を指摘しながらお聞きをしたいと思います。  そこで、被差別部落の認知につきまして、これを見ますと十五歳未満で六〇%前後、二十歳までになりますと大部分が部落という問題について知っておるという回答が出ています。そこで私は、小学校から大学まで、部落差別あるいは障害児、あるいは人種的な問題としては朝鮮人の問題、こうした差別事件が相当多く発生をしておるのですが、これはまたこうした内容の中でおわかりのとおりだと思います。そこで小中学校当時において同和地区のない生徒たちが高校、大学で差別事件を引き起こすということがやはり相当出でいます。これは私は同和教育が不十分であるという認識を持たざるを得ないわけであります。言いかえますと同和教育が取り組まれていなかったということになるんじゃないでしょうか。その結果がこうした事態を複雑にし、多発するという状況が出てきているわけですから、大臣、全国的にこの同和教育は取り組まれておるとお考えですかどうですか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 全国的に、児童生徒のそれぞれの発達段階に応じて、やはり民主主義とか基本的人権の尊重とか、いろいろなことは学校で十分に教えなければならぬテーマでございますし、また特に各教科、道徳、特別活動、それぞれの分野において行われておると私は考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 確かに今言われるように、社会科の中あるいはそうした徳目ですね、そうした中で行われておるだろうと予測をされると思いますけれども、私は、いつだったか部落解放同盟の皆さんが文部省の皆さんと話を持たれたときに、実際にやられておるかどうかということを聞かれたところが、今大臣がおっしゃるような状態でやっておる、こういう返答が返ってきたので、それじゃ北海道に電話してみてください、こうやったところが、返答は、やっておりません、こうなったわけです。これはもう実際にあったことですね。ですから私は、校区に被差別部落のない地域では、やはりこの点が非常におろそかになっておるのではないかと思います。その結果が、これにも出ておりますように教師の差別発言ですね。  これを見ますと、これは「塩をまけ」などと言っている。そしてさらに「教師一家も」云々、しかもこれは両方ともそうなんですけれども、小学校の教頭さんのうちですよね。両方とも、ここに出ている例は。そういうぐあいに、教師自身の中にもこうした問題が依然として根深く残っておる。そして、それをまた全く認識もし得ずして、こうした発言になり行動になってあらわれてくるというこうした事態があるわけですね。  ですから、今大臣言われましたように、いろんな形態で取り組まれておると言われますけれども、これが不十分だという認識を持たなくては、私は今後この対策は成り立たないのではないかと思うのですが、この点もう一度確認をしたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 私は最初申し上げましたように、基本的人権の尊重、民主主義というものは一人一人を大切に分け隔てなくしていくことだというのを教えなければならないし、また教えられておると思いますとお答えしておりますが、先生からいただいておるこの資料等を見ますと、にもかかわらず、あえてにもかかわらずと言わせていただきますが、いろいろな事態がここに表明されておるわけであります。こういった報告、こういった表明されたことに対しては、これはよくないことでありますから、これをなくしていくための努力はさらに徹底をしてされていかなければならぬ、こう思います。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 この問題はただ単に同和教育という側面だけでなしに、この同じ九ページを見ていただくと、新藤兼人さんが「なぜ、なぜ、なぜ」ということで書かれています。そこに   白い壁に、スプレーで書かれた文字、誰が書いたのか、書かしたのか。電柱に書かれた文字は、部落民は生きている資格がない……と。また地下の壁には、えたを甲子園へ集めて射殺せよ、と。   なぜ、なぜ、なぜ。どうしてこんなことがまかり通るのか、それが私にはわからない。こう書いています。  ですから私は、やはり今民主的なあるいは自由な社会だとそういうことは言われておるけれども、その底には私たちが期待をするようなものでなくて、依然として社会的にもそうした問題が残っておる。それを変えていくのが私は同和教育、こう考えるわけです。ですからこのことを聞いたわけです。したがって私は、この認識をぜひ改めておいていただきたいということが一つです。  そこで、具体的に今度は、教員養成大学、国公立でこの講座を設置している数はどれくらいになっておるのか。そして同和教育とこの差別事件発生に対して、これを本格的にやっておらないためにこうした同和教育あるいは差別事件発生に対する対応などが全くできないという教師が生まれてくる、このことを私は一番おそれるわけですが、これはどれくらいあるか。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 教職を志望する者に対しまして、同和教育に関する理解を深めさせるということは大変重要なことであると考えておる次第でございますが、お尋ねの教員養成大学における同和教育関係科目の開設状況を調べますと、昭和六十年度におきましては、二十六大学で六十四科目が開設をされております。  なお、ちなみに昭和五十五年度、暦年私ども調べておるわけでございますが、五年前の数字と比較をいたしますと、昭和五十五年度が二十三大学五十二科目という状況でございますので、若干ずつではございますが逐次増加をしておるという状況にございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 そうしますと、教員養成のための大学で、このように設置しておるところはありますが、いまだに設置していないところがあるんですね。そのことを私たちは重く見なければいかぬと思うんですね。  と同時に、この附属小中学校あるいは高校で同和教育が行われておるのか、あるいは指定校がその附属小中高校の中にあるのかどうか。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 国立大学の附属小中高等学校におきましても、公私立の小中高校におけると同様に、同和教育に関しまして、基本的人権の尊重ということを基本として、各教科あるいは道徳、特別活動というような学校教育の諸活動を通じまして、その精神が適切に教育に取り入れられるべきものと考えておる次第でございます。  ただ、お尋ねの研究指定校ということで御指定をいただいた学校は、現在のところはございません。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 大臣もそうなのですが、局長が言われました同和教育、基本的人権にかかわるこうした内容を徹底して教育さるべきである、そのように考えておるというその言葉にもあらわれているように、それは、そのように期待はし考えておるけれどもということで、本当にしておるかどうかはわからぬ、こういうところにつながるのではないかと思うんですね。ですから少なくとも、この教員養成大学あるいはそれに伴う附属の小中高、そこが中心になって、こうした教育の原点と言われる人権教育あるいは同和教育というものをもう少し徹底をさすべきではないかと思うのでありますが、この点はどうなのですか。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 国立大学附属小中高等学校ということではございますが、国立大学の附属という性質上、文部省といたしまして、その教育内容に直接かかわることは適当でないという面もあるわけでございます。  ただ御指摘のように、例えば研究指定校というようなことを例にとりますと、研究指定校の扱い自体が、これまで都道府県教育委員会の推薦に基づいて指定がなされているという制度のシステムとのかかわりもございまして、附属学校が対象になった例が今日までないわけでございますが、事柄の重要性から見まして、国立附属関係が研究指定校の対象から、そもそも最初の募集の段階から外れておるということ自体、これはやはり反省すべき点もございますので、初等中等教育局と十分御相談をいたしまして、附属学校においても対象の範囲に含め得るような方向で検討を進めさせていただきたいと思っておる次第でございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 大臣、私は部落差別といじめの構造というのは全く同じだと思いますね。要するに差別なんです。ですから、教育の基本にかかわる、本質にかかわる問題なんです。非行あるいは暴力問題が出ました。今度はいじめです。ところが、残念なことにこの非行、暴力が発生すると、直ちに文部省は対症療法的な対応をするのです。それは、父母と連絡をせよ、警察権力と連絡をせよ。結果的には権力による、力による管理強化、このことによってそれを何とか防止しよう、こちらが先立つわけです。根っこの部分には触れようとしないのです。問題はそこなんでありまして、結果的にはどうなるかといったら、問題になっている教師が暴力を振るうようになる、ここまで行き着くわけです。その結果、今度は父母の中でもそれを容認をする、そして一番肝心のそういう差別されるものは、全体の中には依然として残っておるという状況があるわけです。  ですから少なくとも、この同和教育問題については大学も含んでのすべての教育機関が一層推進に努める、そうしたことが――例えば国立の場合、今答弁ありましたように直接介入はできぬ、ならば大臣が、この際、いじめと同じくらい熱心に、同和教育についても通達を出すのかそれとも声明を出すのか、何かそういうことでもってすべての教育関係者に訴えていくという、このことはできませんか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 お答えいたします。  いじめの問題の対応は、確かに先生御指摘あったようにとりあえず対症療法でいきました。ということは、私が大臣に就任する前に、もう何回も悲しい痛ましい事件があったにかかわらず、就任してから一カ月の間に三件も報道が続いて、しかも象徴的に言われるあの中野区の富士見中学校の事件等が出てきますと、もう私はじっとしておれぬような心の痛みを感じて、とりあえずこの起こっている現状を何とかとめろ。それは現場で児童生徒に接触していただく教師の皆さんだけでできなければ、御家庭などの周辺とも連絡をとって、心の通い路を開かせて激励してくださいと、まずそれはお願いしましたけれども、それだけで全部片づくなんて決して思っておりません。  その以後の、予算措置の要る問題もあれば、例えばよくここで御議論になる四十人学級の問題とか、大規模校解消の問題とか、あるいは教育の中でもっと他人に思いやりを、他人を大切にしろ、まさに基本的人格を尊重しろというような教育にもっと力を入れていかなければならぬとか、いろいろ中長期のこと等もございました。それは教育課程審議会にお願いをしたりいろいろなところに頼んだりしてやっておりまして、決して目につくようなその場限りのことで片づくものとは受けとめずにやっておりますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。  同時にまた、この教育の問題も、御指摘のようにやはり教壇に立って直接子供に触れていただく教師の方が、例えば同和教育がなぜ必要なのか、同和の問題がどうしてこんなに心を痛める結果を生んでおるのかというような、物事の根本について身につけてもらうことが大切だというのはよくわかるわけですから、それは研究指定校とか教育推進地域だけではなくて、全国から教育関係者の参加を得て、研究協議会を開催してその成果の普及に努めておるのだということも私は理解しております。  そういういろいろな場所において、さらにもっともっと全国的に行き渡っていくように、また必要と思いますから、私もこの前、全国の中等学校の校長さんの理事会には、権限も何も振りかざさないで、一政治家として乗り込んでいって、お願いします、校長先生、しっかりしてくださいと頼みに行ったわけですから、こういう研究協議会なんかのときに、私どもの方から、何らかの形でそういったことがさらに全国で徹底されるように私のお願いの気持ちを徹底させたい、こう思います。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 大変失礼な言い方だけれども、校長会などに出てくるような人たちというのは、先ほど私が指摘をしましたように、上を向いていますからね、だから対症療法的なことしか発想がつかないのですよ。その場を言い逃れればいい、問題が出るとそれを何とか隠ぺいしよう、オブラートに包み込もう、こういう格好に必ずなっちゃうんですよ。自分のときにそうした問題が出たというふうにならないようにと、ただそれだけなんです。一番肝心なところが抜けておる。  だからこそ私は、同和教育と言うなら、それだったら本格的に勉強してもらわなくちゃいかぬ、そして内容がわかってくるわけですから。あなたが例えば通達が出せぬと言うなら、本当にそのことをわかっている人が、これを徹底しようじゃないか、同和教育をということを。今言われるようにそういう機会があるんだから、そこで声明を出す、通達を出す、これは一回しゃいきませんから、何回となくあらゆる機会にそれを出していくという、このことをひとつ約束をしてください。  そこで、時間がございませんから、もう一つは、同和教育の中で高校進学率は一定の前進を示しました。特に奨学金の給付制度ができてから急激に伸びたということは、大臣は御存じですか。これはぜひ知っておいていただきたいのですね。しかし、そういう中の格差、一般との格差はまだ依然として縮まらないままになっています。  それからもう一つ重要なことは、この中でもはっきりしていますけれども、中退者の率が三ないし四倍になっています。それから大学進学率は依然として二分の一です。この原因はどこにあるとお考えですか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 ただいま御指摘の、制度を行いましてから高校の進学率が大変よくなってきたことは私もよく承知しております。ですから、ああいった政策が功を奏したのではないかと私は考えておりますから、この制度をさらに続けていかなければならぬなということでございます。  それから、大学の進学の方はまだ高校ほど差が縮まっておりません。高等学校の中退の率も、対象地域と全国平均を見ますと、一%開いておることも事実でございます。ですから、そういったようなことについては、さらに進学をしやすくするとか、あるいはその地域の教育とか文化とかいろいろな条件を高めていくような努力をしていかなければならない、こう受けとめております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 今の奨学金の問題について、これは継続しますね。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 お答え申し上げたとおり、続けていかなければならないと思っております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 その場合に、私がもうずっとここで討論し続けてきたのは、結局給付から貸与に変わっていますね。それで、問題が出たときには大臣が給付に切りかえるということを約束してあるのですよ。検討し直すということを今までも何回も約束してある。だから、その認識をどういうふうにするかがそこにかかってくるわけです。ところが皆さんのあれでは、まだだめです、まだだめですということで、ここ三年ばかり延ばしてきていますよ。  そこで、私は確認をしたいと思うのだけれども、結局同和対策のための奨学金を充実させるということ、持続をするということが一つ。それから、これをどう充実させるかということが二つ目にあるわけです。その場合に、地対法は御存じのように六十二年の三月三十一日に切れますよね。この奨学金については地対法があるから三分の二の補助金をつけているわけですよ。そうすると、そのことは法との関係ではどういう法でこれを保障するのですか。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 ただいま御指摘のように、大学、短大の進学奨励事業につきましては、昭和五十七年の四月一日から、地域改善対策特別措置法に基づきます事業として実施をいたします際に、個人給付事業の見直しということが行われまして、進学奨励事業につきましては従来の給付制から貸与制への切りかえが行われたわけでございます。貸与制への切りかえに当たりましては、文部省としては、返還免除制度の導入等、その貸与制への切りかえに伴う影響の緩和ということにも努力をいたした次第でございます。ただ、そのような経緯を経て貸与制に切りかえられたという事情がございますので、これをまた再び給付制に切りかえるということは極めて困難な課題であるというふうに考えておる次第でございます。  なお、特別措置法を根拠とした事業として実施をいたしておるところではございますけれども、特別措置法の法的根拠が仮に失われました場合におきましても、予算措置というようなことで、従前の事業の継続という方向で努力をいたしたいと思っておるところでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 そこで、これはちょっと注文しておきますけれども、大臣、進学率はもう伸びません。給付から貸与に変わってから進学率は伸びないのですよ。高等学校も急激に伸びてきましたよね。そして今度貸与に変わってから大体足踏みです、停滞です。今度は大学の場合は一%下がってきたのですよ。そういう傾向があるから私はずっと追及をしておったんですけれども、いずれにしてもこの点は停滞あるいは下がるような状況になっておるとするなら、この点についての検討をもう一回やるということですね。この点ひとつ要望しておきます。私、今度は文教委員会でさらにこの点について聞きますから、これは検討しておいてください。  それから、持続すると言われましたけれども、その場合に法の裏づけなしにやる、予算のみの措置をする、私はこれはちょっとうなずけないですね。この点についてはもう少し突っ込んで、どのようにしたら総合的な対策が打ち立てられるかというこの視点を見失わないように、この点ももう一回考えておいてください。  そこで、もう一つ大事なことは、経済的なものとあわせて基礎学力が低いということがあるわけですね。それはやはり基礎的な生活経験の不足があると思います。文字文化を初めとしてさまざまな文化的諸環境の豊かさ、これに恵まれておらないと私たちは考えます。したがって、この文部省の調査しました学生生活の調査を見ましても、私立大学あるいは国公立でも有名大学と言われるようなところに集中しておる。これは収入はどれだけあるかということを見ていたたけばわかりますね。  そうしたものとあわせましてもう一つ大事なことは、この中にたくさん出てますが、例えば健康の問題、生活費の問題、就業の問題、産業の問題、全部これに出ています。この基盤が非常に低いわけですよ。こうした基礎学力を吸収できないという下地がそこにあるのじゃないかと考えざるを得ないのです。  したがって、このような諸環境を改善する。いいますと、私が今申し上げたこの中に出ておるというものはソフトの部分です。この改善が非常に大事だと私は思う。このほか教育も入りますね。今までは集会所の事業のみといっていいくらいで、そういう部分については文部省とは無関係だ、こういうぐあいに考えておられたと思うのだけれども、私はそうしたものも含んで総合的に対応しないとこれはだめだということを申し上げたいと思うのです。  その一番いい例は、行政の皆さんがつくっておる全日本国和対策協議会から出された「地域改善対策特別措置法期限後の同和対策について」、この中に明らかにそれが示されています。ですから、そうしたものも十分に参考にされなくてはいかぬと思います。いわゆる同和問題解決の中心的な課題はこれにあるんじゃないですか、ソフトの部分にあるのだということ。これが解決されなければ解決は不可能だという考え方に私は立っておりますが、その点についてどのようにお考えか。これを読んでおられると思いますから今聞いておるのですが、どうですか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 今御指摘になったように、経済的な理由のみならず基礎学力の不足ということも、この数字にあらわれる背景には、そのよって来る原因には、いろいろ健康の問題であるとか、産業の問題であるとか、就職の問題であるとか、あるいは結婚にまつわる問題であるとか、その他もろもろの問題がある。これをやはり総合的に解消し、解決していくような背景整備もあわせて行わなければ、この問題の解決にはつながらないというふうに御指摘になったのだろうと私は受けとめております。  それはおっしゃるとおりに、そういったことに対しては少しずつでも改善、改革していかなければならぬわけでありますから、いろいろのきょうの御質問の御趣旨等も踏まえながらよく勉強、研究をさせていただこうと思います。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 もう時間が参りましたので、それで、私は一番最後に、さっきのいじめの構造とそれから部落差別の構造、ここいらを含めて、同和教育についてもう一度、大臣には何らかの形で意思表明をされるという決意をひとつお聞かせ願いたいということと、それから今言われましたように、研究をなさることは結構なんですけれども、それを実現するための法律なりなんなり、行政としてやれるものは何なのかということの研究をしておいてください。今度文教委員会の質問のときに、所信表明の質問のところで、この点は時間が参りましたので確認できませんでしたから、検討していただいた御回答をいただきたいと思います。――一点目のちょっと決意だけを……。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、社会の中にあるそういったよくない問題を解決していくために、いろいろ勉強し研究をさせていただいて、この次のときにお答えさせていただきます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)分科員 終わります。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 これにて中西績介君の質疑は終了いたしました。  次に、日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 文部省への質問は私が最後だそうでございますから、今しばらくお時間をいただきたいと思います。  海部さんは、いわゆる文教族と言われる中でも特に高い見識と手腕の持ち主である、こういうことで、今日の荒れる教育の蘇生をする救世主ではないかという熱い熱い国民の期待もございますので、どうかひとつ国民合意の形成を踏まえた教育改革ということで、今後とも御尽力いただきたいと思います。  まず、これは去る一月二十七日の毎日新聞の投書でございます。ちょっと読んでみます。   拝啓 海部文部大臣殿   「……同じ人間なのにどうして僕たちだけが特殊な教育を受けなければいけないのだろう。僕たちのどこが特殊なのか。僕たちはただ、手や足や言葉が不自由なだけなのに。僕はくやしい」   思うようにならない手や指を懸命に動かしてつづられた文面から、その少年の憤怒の思いが切々と感じられて、涙が出た。実は私も養護学校に学んだ者のひとりとして、かねがね、この少年と同じ疑問を持っている。  折しも臨教審の最終答申を控えている時でもあり、この少年の切なる願いに応える意味からも、今なお残存している「特殊教育」という文言を法文上から全面削除されるよう、「国際障害者年」の中間年にあたる今年、再び文部大臣に返り吹かれたあなたに、ぜひとも実現してもらいたい。 こういう投書が出ておりますけれども、これは広島の山内さんという方の投書でございます。いかがでしょうか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 私もその投書は見ております。同時に、それらの人々のそういった障害の程度とかあるいは種類とかいうものに従ってそれにふさわしい教育をしていかなければならぬ、そういう気持ちは私も十分持っております。できるだけ行き届いた手厚い教育をしなければならないという点においては全く変わりありません。  ただ、どうしてそういうことを言うのかと言われますと、これについては、私もどうしてスタートしたときにそういう普通学校の中の「特殊学級」という名前になったのか。特別に行き届いた配慮をするための教育をするんだ、あるいは特別にそういったことの必要な方々がそこにいらっしゃるんだという受けとめ方かと私は思ったわけでありますけれども、もし私のこの答弁で御納得いただけませんときは、政府委員からお答えを申し上げさせます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 ですから、この人は「特殊教育」という文言を法律の文面の上から削除してもらいたいという大臣へのお願いですが、これは難しいです、法制の問題ですから。だけれども、大臣の個人的な見解として、こういう言葉は現在適当ではないのではないか、勉強でもしたい、研究でもしてみたい、こういうお気持ちはどうでしょうか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 ほかによりよい言葉とか表現とか、なるほどと思うのがあったら、これはちょっと言い過ぎかもしれませんが、先生にもお考え願って教えてもらったら、私は素直にそれを一遍取り入れてみて、省内でも相談をしてみたいと思っておるのです。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 こういう細かい質問、実はほかにもございましたね、最近の新聞で。いわゆる今のテレビの番組は性風俗、暴力、こういうものが非常に蔓延しておる。これも大臣は御存じですか。大臣、一度一日テレビを見てください。果たしてこれで子供の教育にいいんだろうかというのがありましたね。そういうことで、そういう面も踏まえまして、国民の皆様の、文教行政からいえば取るに足らないような細かい御意見かもしれませんけれども、大事に吸い上げて善処していく、できるところから手をつけていく、臨教審の答申を待ってやるというのではなくて、できるところから手をつけていくという姿勢はあるのでしょうか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 その投書も私は読んでおります。文部省の総務課で新聞全部目を通して、文教に関すること、私に関することはちゃんとコピーをして届けてくれますから、見ております。  ただ、私は朝から晩までテレビを見るお暇は残念ながらいただけません。きょうもこうしてここへ出てきておるわけでありますけれども、見ておりますと、これはどうかなと思うテレビの番組がございます。ただ大事なことは、基礎、基本を身につけなければならぬ真っ白な心の児童生徒に見せていい場面と、大人の皆さんが応用問題としてごらんになるときと、同じものでもいい悪いの区別がついてしまうのですね。ですから、子供がなるべく見ないような、見れないような状況あるいはそういう時間にやってもらうとか、あるいはまた異性との国会いというようなものは人生においてもうちょっと厳粛に大切にすべきであって、ああいったグラビアとかテレビで刺激的にだけ児童生徒に入っていくのはよくないとか、あるいは残虐な場面、残酷な場面、やっつけ方はテレビで教わったなんということは少なくとも言わせないような雰囲気をつくれというあの投書の御趣旨は、私もそれを読んだ瞬間に痛くわかりました。  ですからせめて、今のところ言えることは、各テレビ局に番組審議会があってそれぞれ高名な先生方もいらっしゃるわけですから、何かそこがまず自主的に厳しくチェックをしていただけないものだろうか、強くお願いと期待をしておるところです。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 僕は一度要請はできると思いますね、個人的に。文部大臣ならあれでしょうけれども、海部さんという一人の政治家として要請できると思いますので、一度また機会があればぜひ要請をしていただきたいと思います。  きょうは、国連大学のことにつきまして少しお時間をいただきたいと思います。  この国連大学の設立趣旨、今日までのいきさつ、これは皆さん当然御存じでしょうし、私もそれなりに勉強しておりますので、そういうことを踏まえた上での論議をしていきたいと思います。  御存じのように、日本に国連大学本部誘致をということで、もう既に東京渋谷の東邦生命ビル二・五フロアを借り切りましてスタートしております。開学して十年たっておるわけでございますが、今一番問題になっておりますのは、日本は国際化と言っておるけれども、契約至上主義の欧米人から見れば、どうも国連大学をつくるということについて義務違反じゃないか。御存じのように、早くつくるということで、東京都の方からも貴重な青山の都電の車庫跡地を無償で提供してくださっておるわけでございます。きのうの報道によりますと国鉄の九段の宿舎が一平米一千万ということですから、これは約一万八千平米、六千坪ぐらいでございますから、東京都とすればこれは大変な、千億単位のものが眠っておるわけです。青山という、渋谷区神宮前でございまして、場所が非常にいいところでありますし、都民からも早く建てないともったいないのではないかという声が出ておるのは御承知のとおりでございます。また、昨年、中曽根総理に鈴木都知事から、国連大学の早期建設をということでの要請があったのも御存じだと思います。  そこで私は、この国連大学の設計でございますけれども、設計はいつごろ終了する予定なのか、それからまずお聞きしたいと思います。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 国連大学につきましては、今先生からお話がございましたように、東京都から申し出のございました青山の都電の車庫跡地にこれを建設する方針で進んできておるわけでございますが、五十七年度からいろいろと基本構想の策定等を実施してきておりまして、六十年度から基本設計に着手いたしたところでございます。予定といたしましては、六十一年度でさらに基本設計を行いたい、基本設計を二カ年にわたりまして行って、基本設計はそこで完了いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 二カ年というのは去年とことしという意味ですか、それともことしと来年、六十一年度、六十二年度という意味でしょうか。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 六十年度と六十一年度でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 そうしますと、六十一年度予算で一応基本設計は終わる。ということは、既に設計をする方はお決まりなんでしょうか。私は、国際公開コンペといいましょうか、国連大学でございますから、国際的建物でございますから、世界じゅうの建築家のすばらしいアイデアをちりばめた設計を公開募集して、それの一番いいのを決めていくということもそれなりに意味があると思うのですけれども、既に内定をしたとちょっとお聞きしておりますが、具体的に設計をする方は内定したのでしょうか。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 設計者は決定いたしております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 差し支えなければお聞きできませんか。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 丹下設計事務所でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 そうしますと、来年、六十二年から着工に入るのでしょうか。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 なお、今後は、ただいま申し上げました基本設計に引き続きまして、実施設計を経まして建設着工というのが通常の手順であるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 予定とすればいつ着工でしょうか。今考えられておる予定でいきますと、年度でいきますといつ着工になりますか。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 今、年度を申し上げる段階ではございませんが、ただいま申し上げましたように、私どもの予定としては六十年度、六十一年度に基本設計を行い、さらにその後実施設計を行い、その後で建設着工、こういう順序になるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 隣に厚生省所轄のこどもの城というのがありますが、これは基本構想作成から六年で着工しておりますね。調べたらそうなんです。基本構想の作成から着工まで六年間です。では、この国連大学は基本構想作成から着工まで結局とのくらいかかると見込んでおられるわけでしょうか。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 今申し上げましたように基本設計は六十、六十一と二年、通常は実施設計は一年とか、かかる場合が多いわけでございますが、実施設計を経まして建設着工ということでおよその年数は見当がつくわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 大体わかりました。六十二年、六十三年ぐらいというように一応踏んでおけばいいのじゃないかと思います。  では、もう基本設計が始まったということは、規模ですね、高さが何階建て、どのぐらいのものであるとか、総建坪数であるとか、こういうものも既にお決まりでしょうか。決まっておれば概要を説明していただきたいと思います。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 基本設計に着手をするという段階ででございますけれども、およその全体の面積はこの程度であるというようなことは、いろいろな関係者の方に御検討いただきまして我々としても持っておるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 出し惜しみしないで、小出しにしないで、具体的に何階ぐらいで、どのくらいの坪数で、総建築予算がどれぐらいかということを、差し支えなければ、概略でいいですから。当然それは途中で変わるわけですから……。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 今の段階で申し上げられますのは面積でございまして、先ほど申し上げたようなことで約二万一千平米という面積で考えておるわけでございますが、それがどのくらいの金額になるかという点につきましては、まだちょっと数字はここで申し上げられる段階ではございませんが、面積は約二万一千平米ということが基本的なあれでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 二万一千平米、では大体百億前後ぐらいの見当ですね、どうでしょうか。百億が五百億になるということはないでしょうが、百億前後と見ていいでしょうか。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 現段階では、私どもの立場では、面積の概要を申し上げる程度でお許しをいただきたいと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 都民の方はどういう青写真ができるか早く知りたいと望んでいるし、私たちも、国連大学はいつできるのだろうか、せっかく東京都が無償で一万八千平米近い一等地を提供されているのだし。実は私、この前の日曜日に行ってきたのです。東京都の消防庁の訓練場ですよ。それは訓練を一等地でするのもいいですが、地価の物すごい高いところでやるわけですし、そういうことも考えれば、一つは国際世論から見てもどうでしょうかね。それからもう一つは都民の感情。こういうことで、確かに文部省さんも、五カ年間で五千五百九十万ですかの予算をつけて精力的にやっておられるのは聞いておりますけれども、大臣、国連大学のことで今後はぜひとも前向きに、積極的に着工までこぎつけて、早く本部施設をつくる、こういうことでどうでしょうかね。     〔石原(健)主査代理退席、主査着席〕

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 国連大学の持っております使命とか、それによって日本が国際社会に果たす役割は先生十分御承知のとおりで、御支援を願っておるプロジェクトだと思います。我々としても、基本設計が終わったならば、手順を踏んでなるべく早く着工したい、完成させたいという気持ちで取り組んでまいります。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 鈴木都知事はODA予算でやったらどうかという新提案をされましたが、この可能性はあるのでしょうか、建築の方は。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 ただいまのODAの件につきましては、私どもとしても従来から、何とかこれをODAに扱ってもらえないものだろうかということで、いろいろ関係方面にお願いをしておったわけでございますが、六十一年度の予算案の中からODA扱いにしていただけるということになっているわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 ODAでも何でも立派なものができればいいわけでございますから、ひとつ積極的に、とにかく早く建設をするということで、前向きにお願いをしたいと思います。  この国連大学をつくるということで、東京都を通じて地元から陳情なり要請がいろいろと皆さんの方に来ているのじゃないかと思います。その一つは日照権の問題、もう一つは地域開発絡みで、例えば境界線のところを車は入れないけれども、緊急用の道路にするとか、防災の緩衝地帯にするとか、そういう意味での要請も来ていると思いますが、当然そういうことも勘案した上での設計であり建設である、こういうふうに考えていいでしょうか。日照権とか地域開発の問題です。

植木浩文部省学術国際局長

○植木政府委員 基本設計を行うに当たりましては、今先生から御指摘の日照権の問題等につきまして十分そういった関係者の御意見も踏まえながら検討していきたい、このように考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 続きまして、学校における児童生徒の健康診断でございます。  もうこれは皆さん御存じのように、学校保健法で規定をされておりますが、特に突然死でございますね。ある日突然学校でばったりと亡くなるという突然死、これは五十九年度でございますが、例えば心臓系の突然死は百二十四件出ております。  御承知のとおり健康診断の充実ということで、最近は心電図もとっておるということで非常に前向きな対応がなされておるわけでありますが、これは全国の児童生徒全員に心電図をやるといいましょうか、まだこういうふうにはなっていないと思うのです。聞くところによると八〇%くらい、このように聞いておりますが、あと二〇%の児童生徒の方はやっていないわけですね。こういうことで、私はできる限り早急に心電図の拡充といいましょうか、これは当然考えていかなければいけない。僻地の場合もいろいろと補助金を出して鋭意やっておられることは知っておりますけれども、ひとつ突然死というものを、特に心臓系が多いわけでございますから、心電図の拡充といいましょうか、この辺はどうでございましょうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 先生御承知のとおり、昭和四十八年から心臓検診について健診項目に入れたわけでございます。必要によりまして心電図を使うということでやっておりますが、現在の実施率は大体七〇%を超えたぐらいということでございます。ただ、全国へ行きますと、僻地におきます学校というのはお医者さんもいないし、金もかかるということから、僻地におきます学校については国として補助をしたいということで六十年度から補助を出しましたが、全国の市町村に対しましてなるべく早く心電図が行き渡るように指導してまいりたいというふうに考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 続いて、学校保健法でも明確に、施行規則でございますけれども、いわゆる精神神経症その他、精神障害も発見に努めるとあるわけでございます。特に自閉症だとか、登校拒否だとか、いじめの問題も、一部精神的な問題もあると思います。  こういうことで、例えば岡山県の県の単独事業でございますが、教育委員会に、健康相談事業ということでやっております。医師による教育相談という名目ですが、実際は精神的な意味の健康相談でございます。これは県の単独事業でございますが、学校保健法でいきますとこれはちゃんと校医もつけてとなっておりますが、精神科医の校医さんというのは私も聞いておりませんし、各教育委員会であるとか学校保健会であるとかいうところが精力的にやっているようでございますが、今後やはりそういう精神的な意味の障害、こういうものがふえてくる風潮でもございますし、岡山県がやっておるような、健康相談ということで実際は神経症であるとか分裂症、自閉症、こういうものを取り扱っておるわけでございますが、今後こういう事業を全国的に広げていく、そういうお考えはございませんですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 精神科医を学校にというお話も今お聞きいたしましたが、全国で大体六千人くらいしか精神科医がいない、学校が三万数千小中学校がございます。したがって、なかなかそういった形での、学校へという入り方は現実問題できない。  そこで、子供のそういった心の問題というものは、これが精神病であるかあるいは若干心が荒れている問題であるかというふうなことはなかなか見きわめにくい。したがって学校の先生、いわゆるカウンセリング担当の先生というのもいますから、そういった方々を中心にして、児童相談所とかあるいは病院とかという、ときどきのそういった協力、十分密接な協力を持ち得る体制を組みながら、そういった形で問題のある子供に対しての対処の仕方を考えていくべきであろうというふうに考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 確かにそういう方向であることは重々知っておるわけでありますが、校医さんとしてつけるということでなくて、例えば市で一人でも結構ですし、郡で一人でも結構ですし、大きい市であれば二人とか、そういうふうに教育委員会なら教育委員会の中にそういう専門の方を置いて、学校の先生がそこへすぐ報告をしていろいろなアドバイスをいただく、さらに悪ければそれは連れていかなければいけませんけれども、そういう対応するセクション、そういうものを岡山県が、先ほど言いました教育委員会の中に健康相談事業ということで、単独事業でございますけれどもやっておるわけですから、そういうものについても今後拡充していく、将来的には補助もしていく、こういうふうなお考えはどうですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 各県によってそういったものに対する対応の仕方が大変まちまちでございますけれども、多くの県では教育センター等におきまして精神科医、専任で張りつけるわけにいきませんが、非常勤で相談に応ずるというふうな体制で組んでおるのが常例でございます。したがって、そういった点についても十分各地方公共団体が対応できるような御指導をしてまいりたいというふうに考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 続いて健康問題に関しますが、アルコール問題でございます。  一遍、大臣にもぜひひとつ詳しいデータをお見せしたいと思うのですけれども、ある市民団体が調査したところによりますと、中学生で一週間に数回以上お酒を飲む、低アルコール分だと思いますけれども、中学生でそういうのが一割、月数回というのを入れると二割。中学生ですよ。高校生ですと五割。こういうことで、今未成年によるアルコール問題が非常に大きな問題になっております。  私は、中学校の指導書の保健体育編に、飲酒に関するもの、たばこに関する喫煙はあるんですね。飲酒に関する事項がない。ですから極端に言えば、中学校の保健体育の教科書の中にはお酒の害、酒害についての記述をしなくても一応通るような、中学校指導書にはそうなっておるわけですが、先ほど申し上げましたように中学生から二割ぐらいの方がもう既に飲酒を始めておる、こういうデータもあるわけでございますので、私は、中学校の学習指導書の中に、たばこと酒とシンナーとかそういうものも含めた――まあ医薬品はありますから、はっきり言えばお酒でございます。たばこと酒という、お酒の方も取り扱うように、配慮するように指導書につけ加えていただいた方がいいのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 今御指摘のとおり、確かに中学校の指導書にはたばこの常用についての害というものは書いてございます。しかしながら教科書を見てみますと、大体たばことアルコール両方の害を並べて書いてあるという、今の教科書の中はそういったふうになっているのが現実でございます。  もう少し、今の実態を見たときに、中学校の指導書の段階である程度考えたらいいではないかという御指摘だろうと思います。これにつきましては、ちょうど今教育課程の改訂の時期でございますので、十分考えさせてもらいたいというふうに考えます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 これは札幌市の学校保健会の「体をむしばむもの タバコ、シンナー、アルコール」というリーフレットでございます。これは、全札幌の中学校一年生の生徒さん全員に渡すのだそうですね。保健体育の時間のみならず、そういうリーフレット、副読本的なものをつくって自覚をしてもらう。ただ、未成年ですからたばこを吸っちゃいけません、お酒飲んではいけませんでは、なかなか今の子供は理解できません。いわゆる健康という側面からとらえたそういう訴え方でございますね。そういう意味におきまして、できればこういうふうなリーフレット類をつくれるように助成をする、補助をするというふうなお考えはないでしょうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 生徒指導上から見て、たばこを吸うとかアルコールを飲むというのは大体非行に走る兆しであるというふうに言われておりまして、生徒指導に関する教師用の手引というものを文部省が出しておりますが、その中にはこういった点での指導というものを十分記述してあるというふうに理解いたしております。  それから喫煙のことにつきましては、これは小学校の段階にもう喫煙がおりているではないかというふうな強い御指摘もございました。中学校では教科書で喫煙の害を書いてありますが、小学校におきますこういった点がないということから、今年度は小学校の喫煙の害についての手引書をつくりたいというふうに考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 喫煙ができると、ぜひ次は飲酒の問題もお願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 飲酒の対策につきましては、ひとついろいろな面から考えてみたいというふうに考えます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 時間も迫りましたので、最後に地元問題でございますが、私の岡山県におきまして、県北に津山市というところがございます。その津山市の皆さん方がぜひ技術科学大学を設置していただきたい、こういう強い強い要望がもう十年来ぐらい出ておると思うのです。この技術科学大学の今後の方向性、それから津山にというお話でございましたが、その可能性、こういうものについてお伺いしたいと思います。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 津山には、先生御承知のように現在高等専門学校が設置をされておりまして、その教育等については高い評価をいただいておるところでございます。そういうようなことも踏まえまして、明年度の予算案におきましても、現在ございます金属工学科を非常に要望の強い情報工学科に改組をするというようなことで充実を図る努力はいたしておるわけでございますが、ただ、技術科学大学を新たにつくるというような大きい課題につきましては、これは津山に限りませず、現時点では私どもとしては持っていないという状況にございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 その津山高等専門学校で、金属科を情報工学科にこの四月から改組をしていただきまして非常に感謝するわけですが、この高等専門学校、高専という名前を、専科大学でございますから短期大学であるとかいう名前に呼称を変えたらという意見が非常に多いように聞いておりますが、大臣どうですか。高等専門学校、短期大学、やはり呼称によって大分違うと思うのですが、高専という名前から専科大学、工業短期大学というふうに名称を変更するというお考えは今のところどうでしょうか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 先生御承知のように、この工業高等専門学校というのはそれなりに大変な成果をおさめて、この名前で高い評価を受けられて、一貫教育がすぐれて行われておるわけでありますから、私は非常に立派だと評価しておるのですけれども、しかし、先生の御指摘もございますし、また今臨教審の「審議経過の概要」、あれは大分分厚いものでありますが、それを読んでおりますと、地域の専科大学として名称も内容もさらに検討したらどうかという御意見等もあるわけでありますから、答申をいただきまして、それの方がよりよいと皆さんがお受けになるならば、私どもも一遍よく検討させていただく課題であると受けとめております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 最後に、これも津山市の問題でございますが、史跡津山城趾、大変立派な石垣がある城跡でございます。ここが、一部のところが途中でちょっとおなかが出るようにぽこっと石垣が、だれが見ても危ない、私も何遍も見ましたけれども、いつ崩れるのかというぐらいに非常に危険な様相を呈しております。今、津山市の方からも五千万円の予算で、二分の一補助でございますが、文化庁の方へ要請が行っていると思いますけれども、この史跡の改修をぜひひとつ前向きに、これは早目にやっていただかないと崩れて落ちてからでは遅うございますから、その辺の御対応を最後にお聞きして終わりたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 史跡津山城石垣の修復につきましては話を伺っておりまして、ただ、写真で見ますと確かに石垣の一部にはらみがあるわけでございますが、直ちに修理を行わなければならないかどうかということは、写真だけではちょっと判別しかねる問題がございますので、はらみの進捗状況等の把握を津山市にお願いいたしまして、その状況を承って対応してまいりたいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 前向きにお願いします。  以上です。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて日笠勝之君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして文部省所管についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 次に、自治省所管について、政府から説明を聴取いたします。小沢自治大臣。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 昭和六十一年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。  第一に、一般会計予算でありますが、歳入は四億七千五百万円、歳出は十兆二千九百十三億六千百万円を計上いたしております。  歳出予算額は、前年度の予算額九兆七千七百十九億八千七百万円と比較し、五千百九十三億七千四百万円の増額となっております。  また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省十兆二千七百五十二億四千八百万円、消防庁百六十一億一千三百万円となっております。  以下、主要な事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。  どうぞよろしくお願い申し上げます。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 この際、お諮りいたします。  ただいま自治大臣から申し出がありました自治省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――   〔小沢国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。  最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。  まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、十兆一千八百四十九億五千五百万円を計上いたしております。  これは。昭和六十一年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額十兆七百九十六億八千万円から昭和五十九年度の地方交付税に相当する金額を超えて繰り入れられた額百四十七億二千五百万円を控除した額に昭和六十一年度特例措置に係る額一千二百億円を加算した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に、必要な経費でありますが、百九十九億五千万円を計上いたしております。  これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するためのものであります。  次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十二億円を計上いたしております。  これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するためのものであります。  次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として、百八億四千七百万円を計上いたしております。  これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。  次に、地方公営交通事業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、四億八千二百万円を計上いたしております。  これは、地方公営交通事業の再建を促進するため、再建事業を経営する地方公共団体が起こした再建債について利子補給金を交付するためのものであります。  次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、三十一億三千六百万円を計上いたしております。  これは、昭和四十七年度から昭和五十一年度までの間において発行された公営地下高速鉄道事業債の支払い利子に相当するものとして発行を認めた特例債の利子の一部について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。  次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、百五十九億一千万円を計上いたしております。  これは、公営企業金融公庫の上氷道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するためのものであります。  なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費二十億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。  次に、広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、八億一千万円を計上いたしております。  これは、広域市町村圏等において、田園都市構想の推進を図るための地方公共団体に対する田園都市構想推進事業助成交付金の交付に必要な経費であります。  次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、八億一千二百万円を計上いたしております。  これは、選挙人の政治常識の向上を図り、明るい選挙を推進するために要する経費について、都道府県に対し補助する等のために必要な経費であります。  次に、参議院議員通常選挙に必要な経費でありますが、二百九十一億四千五百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和六十一年度における参議院議員の通常選挙の執行に必要な経費、参議院議員通常選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する参議院議員通常選挙の啓発の推進をするために必要な経費であります。  以上が自治本省についてであります。  次に、消防庁について、御説明申し上げます。  まず、大震火災対策施設等整備に必要な経費として、三十四億四千四百万円を計上いたしております。  これは、震災等大規模災害に備えるため、消防防災無線通信施設の整備及び耐震性貯水槽など震災対策のための諸施設の充実を図るために必要な経費であります。  次に、消防施設等整備費補助に必要な経費として、百七億五千六百万円を計上いたしております。  これは、市町村の消防力の充実強化を図るため、消防車、防火水槽などの消防施設を地域の実情に応じて重点的に整備するとともに、林野火災等に対する防災対策の推進を図るために必要な経費であります。  第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。  自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計があり、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定があります。  まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は十六兆四千三百六十三億九百万円、歳出予定額は十六兆三千六百六十二億九百万円となっております。  歳入は、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づく一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。  歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。  次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は七百二十二億四千百万円、歳出予定額は六百六十七億九千八百万円となっております。  歳入は、交通反則者納金の収入見込み額等を計上いたしております。  歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。  以上、昭和六十一年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。     ―――――――――――――

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 以上をもちまして自治省所管についての説明は終わりました。     ―――――――――――――

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中末治君。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 小沢一郎大臣、ひとつ新進気鋭の立場で一層頑張っていただきたい、まず最初に、そのように要望いたします。  今、地方公共団体はいろいろな問題を抱えておりますが、今、委員長がおっしゃったように、時間が三十分しかございませんので、本日は市町村振興宝くじの問題につきまして多少御質問を申し上げて、ひとつ御答弁いただきたい、このように存ずるわけであります。  御承知のように、都道府県並びに政令指定都市は、従来より年間、数多い宝くじの発行が許可をされておりますが、この宝くじの目的は何でしょうか、まずお伺いしたいと思います。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 地方公共団体が宝くじの発売をいたしますのは、地方財政法第三十二条及び当せん金付証票法の規定によりまして、主として公共事業等に充てる財源を調達することを目的として発売するものであります。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 今、自主財源が非常に枯渇をしております状況の中で、今申されたように、地財法に従いまして関係の自治体に自主財源を与えていくということでございますが、この売上額の一定のパーセン下、一定の割合で各都道府県に配分をされて、公共事業等の財源として各自治体が使用しておるわけでありますが、この収益金が過去から今日までの間、うまく公共事業等の財源として運用されているかどうか、あわせてお聞きを申し上げたいと思います。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 宝くじは昭和五十九年度の場合には、発売額で二千九百八十三億円でございますが、これによって得られました収益が約千三百三十四億円でございます。この収益金は、地方団体におきます各種の公共事業等の財源として十分に活用されているところでございます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 それでは、今後もこの種の宝くじを続けて発行していくという御意思はございますか。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 宝くじは、都道府県及び指定都市が当分の間公共事業等の財源に充てるために発行しているところでありますが、地方財政の現状及び国民の健全な娯楽として定着されておるという状況にかんがみまして、今後とも地方団体による宝くじの発売を継続していきたいということで、これは昨年度御審議いただきましたけれども、当せん金付証票法の改正をいたしまして、使途の緩和あるいは当せん金の倍率の引き上げというふうなことを行っておるところでございます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 次いで御質問申し上げますが、都道府県と政令指定都市、これは四十七都道府県ですか、それから政令都市が十市、これで五十七都道府県、政令都市にそういう一定の財源を与えて公共事業の推進のための財源としていく、こういうことでございます。  実は数年前から、私もその当時は市長をしておったのですが、いろいろ関係当局の方へ働きかけをしまして、全国段階でようやく今行われていますサマージャンボ、市町村振興宝くじといいますか、これが年一回発行をされる、こういうことになりました。私も、発足当時少々そういうことに関係をしていましたのでちょっとお聞きしたのですが、六十年度は当初計画が四百五十億円くらいの売り上げの見通しだったものが、全国の市町村それぞれいろいろ御尽力なさって、これが四百八十七億円の売り上げの実績になったということで、この該当する市町村、これは御承知だと思いますが、三千二百五十三の市町村がやりがいがあったというような声を実は聞いております。  それでお尋ね申し上げるわけでありますが、実は今局長がおっしゃったように、都道府県と政令指定都市の分は、その収益を適当な方法で予算に計上して公共事業の推進のために使っていくということなのですが、その他の三千二百五十三の市町村分につきましては、これは私、調べてみますと、各都道府県の市町村振興協会がございまして、その寄附行為の中には、この収益金については市町村等に対する災害時の融資等のための基金の運用に使うとか、あるいはまた関係市町村に、一定の率があるでしょうけれども、それで配分するとか、あるいはまた、その他自治振興のために使っていくとかいうことが規定をされておるわけであります。  これは私は発足のときに、どういう努力をしなければならないのか、例えばこれは収益金の配分の問題になりますので――私は京都府でございまますが、大阪へ通勤している方が非常に多うございまして、大阪の方で買われるとこれは大阪の方の収入に移ってしまう、こういう現実の問題がございまして、お買いになるなら京都の中でお買いいただきたい、申し込みはそういうふうにしていただきたい、こういうことで、お互いの都道府県、市町村もそういうことになったのだと思いますけれども、随分その点で頭を痛めた記憶がございます。その当時、私も役員を持たされまして、この売り上げ、収益については、当分の間ちょっとプールをしまして様子を見ようじゃないか、こういうことで発足をされたのが今記憶に残っているわけであります。  先ほどから話を申し上げていますように、今地方団体の資金の確保が非常に難しくなってきた。国の方の方針の中でも、補助金一括削減をして、その見返りには千四百億円は地方交付税の中に入れるとかいう苦労もなさっていますけれども、勢い起債に頼っていかざるを得ない状況というのが非常にふえてきた。こういう段階におきまして、この三千二百五十三の市町村がそれぞれかかわっていますジャンボ室くじ、年一回なんですが、これの収益金がそれぞれ都道府県の協会に入りますから、それを配分することを考えなければならぬのじゃないかと思いまして、昔の三十年来の同僚がまだたくさんおりますので、いろいろ話を聞いてみましたところが、実はそのとおりなんだ、各府県においてもやってほしい、配分してもらいたいんだということを強く聞いておるわけなんです。  それで、こういう時期でございますので、そしてまた一方地方債の確保、原資の確保については自治省畢生の努力をしておられますので、そういうものから考えてみたら、市町村に良好な公共事業を推進する上での財源というものをこれで、今まで当然分けられているものなら分けているわけですから、分けるということについて自治省の方がそういう御指導を願うことができるのか、あるいは都道府県の振興協会の自主性もございますので、そういうところで配分を決めればそれをお認めになるのか――お認めになるのかと言うとちょっと語弊がありますが、それはやむを得ないというふうになられるのか、その点についてお考えをお聞きししたいと思います。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 この市町村振興宝くじの収益金は、この宝くじの発売が決定を見る際に市長会とか町村会とか関係の六団体が協議をいたしまして、この収益を効果的に使うためには各都道府県単位に設立された市町村振興協会において基金として積み立てて、そして御指摘のありましたように、災害時におきます市町村への緊急融資、それから市町村において公共施設を整備するために起こす地方債の原資としての貸し付け、こういったものに充てますほか、例えば職員研修施設あるいは自治会館等、市町村全体の共同利用施設の建設財源にも充て得るというふうな決定がなされたわけでございます。  御指摘の個々の市町村への個別配分ということにつきましては、こういった基金の効率的活用という面からいきまして、当分の間、もう少しこの基金がたまっていくまでは無理ではないか、現在のところそれほどまだたまった状況でもないように思いますので、しばらくの間、このままでいった方がいいのではないかというのが関係団体の意向であると、私どもはお聞きいたしておるところでございます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 その辺から考え方が私と少し違うわけですけれども、これはもう御存じだと思いますが、全国の協会の一月分の冊子なんですが、全国の規模で千百六十億あるわけです。大きい金です。これはその中の大体二〇%くらいは、全国の資金として貸し出しをしたり、あるいは今おっしゃったような趣旨に沿った中央研修機関の設置とかということで、中央では努力しておられるのです。縁故債としての貸し付けもやられている、こういう状況なんです。  私はここで申し上げたいのは、今局長がおっしゃったことは一理はあると思うのですよ。しかし、都道府県、政令指定都市の分だけ、その収益はそれぞれ公共事業に充ててもいいということで、市町村の分だけはなぜそれをもう少しためて、もう少しというのはいい言葉ですがどうも随分あいまい性がありますので、ためてということになるのか、これは非常に疑問を持つわけでして、言葉を荒げて言うわけではないのですけれども、取り扱いに差別があるのではないかな、こういう気持ちが非常に強いのですよ。寄附行為の中に載っていますね、それを三日ほどかかって繰り返し繰り返し私も読んだのです。地方債、縁故債等の原資に使えばいいんじゃないか、こういうことなんですが、私が聞いているところでは、都道府県の収益金については市町村振興資金とかそういうもので、その府県下の市町村がうまく活用できるような縁故債的なもので処理されているということ、それは一面わかるのです。  ところが、この市町村振興協会の宝くじの収益金のプールしたものを災害のときなんか借りたらいいじゃないかと言うけれども、返済期間が七カ年でしょう、全国の場合も七カ年ですよ。そしたら先ほど申し上げましたように、今起債の発行によって公共事業の裏打ちをしなければならぬというのは国もそうなんですね。財投資金に入れたりあるいはまたその他の民間活力の問題とか、国も国費をなるべく少なくしてやっておられるでしょう。だから地方自治体もそれに倣わざるを得ない、そういう状況があるのです、大臣。そうすると、そのときにこの振興資金を借りて縁故債として使うと償還期限が七年だということで、これは政府債を借りるよりは非常に条件が悪いのですよ、償還期限については。そうすると、ほかの面でも起債の発行の額が、今のような状況ですからふえてくるでしょう。そこへ償還期限の少ない縁故債、起債が入ってくると、いわゆる公債費率の割合が上がるのですよ。公債費率が上がれば、これはやはりやり過ぎだということで、起債事業とか適債事業とかそういうものを遠慮しろ、こういう指導が随分ありましたね、これはそこにひっかかってくるのです。  それなら、都道府県が宝くじの収益を都道府県へ入れて、そして市町村振興のために市町村振興資金、こういうものをやっておられますから、それを借り入れても同じことなんです。なぜ、あえてここをそういうふうにしなければならないのか。これは局長、都道府県とか政令都市とか扱いがしんどいのはわかりますけれども、三千二百余りの市町村にやはり差をつけているなという感じがぬぐい切れません。公債費の比率が上がってくれば市町村の仕事ができなくなってくる、そうでしょう。だから、そういうことに対してこれは、私は全部配分せいとは言っていませんよ、適当な率だと思いますけれども、やはり配分して公共事業費にずばり入れるべきじゃないか、このように思いますが、いかがですか。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 県なりあるいは指定都市が行っておりますのは長い歴史がございまして、その収益も結局年間一千億円くらいになるわけでございますから、団体数からいたしましてもその年度で使える程度の金額になっております。市町村の方でも、県や指定市だけでなく自分たちにも宝くじを起こさせてくれというお話が出てまいりまして、あれは五十年代の初めごろだったと思いますけれども、そういうふうなことができるかどうかいろいろ議論をして、田舎で売ってもなかなか収益が上がらぬではないか、やはりまとめて売るべきじゃないか、また金融機関も、各市町村共通のというのも難しいではないか、いろいろ議論があった末に、五十四年度から全国で統一をして都道府県が市町村のかわりに発行する、そして都道府県で発行したものを市町村に配分する、そういう形がとられたわけでございますので、結局、現在の全体の宝くじの発行量の中での市町村振興宝くじの占めるウエートというのが残念ながら小さいわけでございますから、これはそのまま各年度配分していけば極めて非効率な金になるのじゃないかという問題があろうかと思います。  こういった年限の短い起債に充てるということは公債費比率が高まるのではないかという御指摘でございますが、せっかくこういう基金でお貸しする資金でございますから、銀行から借りるよりもさらに有利な条件で貸していただくよう、各地方の振興協会の方でその辺はお決めいただくわけでございますけれども、そのようにしてむしろ他で高利のものを借りるよりは、ここから借りた方が有利であるという資金として使っていただく方がこの趣旨に合うものだと私どもは存じておるわけでございます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 私は、局長おっしゃっているのがそうだという気にならないのですよ、これは。先に発足しておるから、長い歴史があるから、都道府県と政令都市は収益金を上げでもよろしい、これは短いから、ことし八年目、七年済んだくらいですね、八年間だから一つも上げたらいかぬのだと言うけれども、全国の地方の協会に対してそこまでまだ調べてませんが、僕は、今まで地元京都府の役員をしておりましたのですぐわかるのですが、十四億ほどあるのですよ、四十四市町村。京都市を除くと四十三、十四億。これは少ない金じゃないですよ。  それともう一つ、ちょっと言うのを忘れましたけれども、六十三年に国体があるのですよ、京都で第二巡目の国民体育大会。市町村はそれぞれ会場がありまして、それで局長御存じだと思いますけれども、財政事情が底に大分来ていると思うのですが、そういうものをつくっていかなければならぬ、こういう事情も非常に目の前に出てきているのですよ。第二巡目の国体のトップですから何とかやらなければいかぬということで、いろいろほかの公共事業もやらなければいけませんけれども、やはり優先順位の高いところでやっているのですよ。こういうこともありますので、交付税で余計見てやってもらったらありがたいのですが、特別交付税の時期ですからね。私も、大臣のところまでは行かなかったですけれども、その都度いろいろな事情を説明に行ってきたのですが、そういう要素が多いのですよ、もう工事をやりかけてますからね。  それについて、特別交付税なんかでも十分対応してくれているけれども頭が痛いでしょう、パイが決まっているのだから、パイが。ということで、そういう逼迫した状況がある。一つ体育館をつくるにしましても国体等の施設をつくるにしましても、ちゃちなものをつくってすぐに傷んでくるようなのはいかぬ。まして小沢自治大臣のときにそんなことをやったら、これは格好つきませんからね。いや、大臣本当ですよ。そういう財政事情もございますので、これは局長、そういうかたいことをおっしゃらないで、ひとつ踏み切ってもらわなければいかぬと思うのです。これは、都道府県の地方課あたりへもいろいろ当たりをつけているのですが、ガードはかたいですね。局長のおっしゃったのと大体同じニュアンスで、ああ、これは花岡局長の指令が出ておるなと私は感じておりますね。  それで、このままでいくと都道府県、政令都市、これは大臣、三千二百五十三ですよ。大臣の地元の岩手二区、これは余計あるのですよ。その三千二百五十三の市町村分だけは凍結して運用せいと言っても、今ほど財源が枯渇して、そして起債ばかり、起債で逃げていかなければいかぬということで、ことしの予算の場合もそうですね。これは千四百億ほどは交付税の会計に入れるけれども、あとは建設国債を発行して、そしてその元利の償還については六十五年以降考えていきたいというようなところでしょう。起債はどんどんふえていきますよ、公債費率は上がりますよ。上がって、その上がるための一つの条件にまたこれをおっかぶせていくという、こんな方法はないと思うのですよ、局長。  それで私は、国体の問題もあるし、来年は統一地方選挙もあるわけです。私は社会党ですけれども、全国の市町村長には社会党ばかりがおるわけじゃないのです。私のところは国体だけれども、ほかの市町村もいろいろなことをやりたいともくろんでいるのに、良質な公共資金が足らぬじゃないかということに逢着しますから、もう余り時間もないので花岡局長にひとつ、清水さんは今もめているけれども清水さんの舞台からばっとおりるぐらいのつもりで、それはそうだ、やっぱりそうだということで答弁をいただきたいのと、締めくくって小沢大臣、ひとつその辺の御意思を――相談すると言ったらあきまへんで、うんと言ってやらぬと。お願いします。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 せっかくの御要望でございますが、これにつきましては各地方団体の意向、特に市町村の考え方がございまして、やはり自主的にはこういった地元の方々、そしてそれの集まりであります関係の六団体、ここら辺でお決めいただかなければならぬ問題だろうと思います。各県ごとに運営の方法がかなり変わっておりまして、おっしゃいますように配ったらというところもあるようでございますし、また、まとまって使った方がいいというところもあるようでございます。こういった点も踏まえまして、私どもも今後いろいろ御相談していかなければならぬと思いますが、現段階で、今累積の金額でおっしゃいましたように、京都市あたりで十数億になっておると思います。団体によりましてまだ一けた台のところもございますし、ここら辺の問題もございますので、これを一挙に取り崩して、後はもとのもくあみからだんだんまた積んでいくという運営もどうかなということもございます。そういった意味で、長い目で見ていただいた方がいいのではなかろうか。まあ、関係団体ともよく御相談をしてまいりたいと存じます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 局長、私、すかっとした理屈なら、わかりましたと言って帰りますよ。今局長がおっしゃっているのはわかりません、そういうお考えはすかっとしません。それは、宝くじの売り上げの収益金が多いか少ないかはありますよ。そしてまた、収益金の配分、例えば都道府県の中で何十かの市町村がありますから、その市町村にも配分するときに、へたで例えば十万円ずつとかいう配分じゃなしに、率があるでしょう、分け方が。だから、それぞれの地方公共団体に対して一定の割合でこれは配分するのは配分されていきますから、総枠が少ないからこれは持っていた方がいいんだとか、あるいは枠が多いからどうだとかいうことじゃなしに、これは市町村振興協会をつくったときの寄附行為に載っているわけでしょう。配分をするということが載っているわけですよ。なぜそれを配分したらいかぬのやということ。これは、そこの都道府県の協会が意思決定すればよろしゅうございますぐらいの構えを出してもらわぬと、局長さんのところからそんなこと言うてもろたら、交付税の中にはいろんな要素がどんどこ入ってくるわ、国税三税の三二%はもっとふやさにゃいかぬが、大臣なかなかふやしてくれへんわ、そういう中で、起債で逃げい、起債で逃げい言うて、そんなことしたら大変ですよ。だから私は、都道府県にある振興協会、ここで寄附行為に基づいて決めればそれでいい、その自主性に任すとおっしゃるならわかります。あわせてひとつ、御答弁をお願い申し上げたいと思う。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 確かに寄附行為にはそのようなこと書いてございますが、その前提としまして、基金の総額が一定額に達した後ということで、その上積みになる部分の話を言っておるわけでございますので、その一定額というのがどの辺がということも問題はあるかもしれません。ただ、ここら辺につきましては創設のときのいきさつもございまして、関係の六団体と十分話し合いをしていかなければならない問題ではないかと私ども考えております。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 ちょっとわかってまいりました。  大臣、先ほどから申し上げているように非常に貴重な財源ですけれども、私どもにおいては国体もございますし、全国的には統一地方選挙もあるし、これは個々の理由ですけれども、それにも増した財政事情でございますので、あえてそれをかりて公債費率を上げるようなことを自治省はなさらなくてもいいのではないか。  こういうことで、最後に大臣一言、よっしゃという御見解を聞かせていただいて、質問を終わりたいと思います。よっしゃというあれがなかったら、ちょっと私は引き下がるわけにいかへんので、また次の機会にお願いせにゃいかぬ、こう思いますが、お願いします。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 市町村振興宝くじということでございますから、まさに市町村の振興のために、先生方初め皆さんの努力によりましてつくられたものだと思います。今お話しの点は、要するにそのまま配分した方が市町村の振興にいいのか、あるいは少しためておいて今言ったような目的に使った方がより効率的なのか、その判断の問題であろうと思います。しかし、その判断の根底をなすのはやはり市町村の振興であり、その市町村の考え方に一番大きな比重を置かなきゃならないわけですから、この点につきましては、市町村の意向をなお確かめて考えていくようにいたしたいと思います。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 局長さん、なかなか返事がしにくいことを返事させまして、済まぬことでした。大臣が今おっしゃったように、この席でオーケーじゃなくてもそれはいいと思うのです、三十分ぐらいのことですからね。やはり十分指導していただいて、趣旨が通るようにひとつ御尽力をお願い申し上げたい。  終わります。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて山中末治君の質疑は終了いたしました。  次に、石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 主査においては、長時間大変御苦労さまでございます。大臣においても、大変御苦労さまです。  私は、この三十分の中で、ヘリコプターを活用した救急医療体制の問題について、その推進のために若干の質問をさせていただきたい、こんなふうに思うわけでございます。  昨年の日航機事故の際に、ヘリコプターによる救助活動が大変大きな威力を発揮したことはよく御存じのとおりだと思うのでございますが、こういった災害時だけではなくて通常の救急活動のときにも、ヘリコプターの使用、ヘリコプターによります救急医療、そういったものがかなり研究が進んでいるようでございます。  私、ここにきょう持ち出したのは、五十九年の九月いっぱい行われた、静岡県と愛知県が中心になってやった「救急ヘリシステム研究実験報告書」、こういうものを手にしておるわけでございますけれども、こういうものに基づいて順次御質問申し上げたいと思うわけでございます。  また、この救急医療の問題については、山間僻地、離島あるいは大きな事故が起こったとき、高速道路等にも適用できるかもしれませんし、船舶にも適用ができるかもしれないわけでございます。特にそういうようなところに問題が起きたときには、早急に医療を受けさせるようにしなければならないわけでございますから、これにはやはり救急医療用のヘリコプターあるいは医師の体制あるいはヘリポートあるいはまた航空法の整備等がいろいろ必要か、こういうふうに担うわけでございます。  自治省としては、現在、災害救助に対するヘリの体制の整備をどんなふうにしていらっしゃるのか、また、将来計画としてどんな構想をお持ちなのか、まずそこら辺から伺っておきたいと思います。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 ヘリコプターは、離島におきます救急患者の搬送でありますとか、あるいは山間僻地、交通手段のないようなところで急病人が発生したという場合の患者輸送、並びにお話がございましたように大変大きな大規模特殊災害というようなものが起こった場合に緊急に救助隊を投入する、そういったときに大変有用なものであるというふうに私ども考えておりまして、従来から特に比較的大きな都市の消防につきましては、できるだけ自分のところで消防ヘリコプターを整備するように進めてまいりましたし、また県の段階では、小さな市町村全体をカバーする意味から防災用のヘリを購入し、整備をするようにお勧めをし、そのために必要な補助金等も交付をしてきたところでございます。現在、審議をお願いをいたしております昭和六十一年度予算におきましても、一機分でございますけれども消防のヘリコプターにつきまして、少し従来よりも単価を引き上げまして計上をお願いをいたしておるところでございます。大変重要なこれからの分野の消防活動の有力な武器になると私どもは考えておりますので、今後とも積極的に消防・防災ヘリの整備を進めていきたいと考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 基本方針はわかりましたけれども、現在どの程度の体制になっているか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 現在、消防ヘリが全国で十八機ございます。防災ヘリが二機ございまして、全体で二十機のヘリコプターを消防・防災体制として持っておるということでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 これは、地域の割り振りはどんなふうになっておるのですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 この近辺におきましては、東京都の消防、東京消防と言っておりますが、東京消防庁が持っております。それから川崎、横浜も持っておりますし、その先に名古屋市が持っており、京都、大阪が持っておりますから、いわゆる太平洋ベルト地帯と申しますか、東京から近畿まではわりかし切れ目なく、お互いに応援をいたしますと十分足が届く距離に配置されておりますが、それから先はちょっととぎれております。また、北の方で北海道が防災ヘリを一機持っておりますが、まだちょっと全域を十分カバーできるだけの能力を持っていない。それから東北方面が欠けておる。九州、四国がやや手薄になっておる。こういう状況でございますので、こういったような地域につきまして、例えば広島でありますとかそういう大都市につきましては、できるだけ自分のところのヘリを確保、整備するように、それからそういう持ち得るだけの能力の都市がない地域にっきましては、できるだけ県で整備をすることによって、全国に防災ヘリ網ができるような形で整備を進めていきたいと考えておるところでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 東京、横浜、川崎、名古屋、京都、大阪というのは、財政の豊かなところということになります。もちろんヘリコプターの購入については、多額の予算を要することはわかっているのでございますけれども、しかし北海道、東北、四国、九州、こういうところは財政も厳しいわけですけれども、むしろそういった地域に災害が発生した場合、あるいはどうしてもヘリで医者を運ばなければならない、そういう状況というものが要請をされるであろうというふうに思うわけでございます。大都市に経済事情だけで要請していてもこれはだめなわけでございますから、そこら辺の自治体との兼ね合いもございますけれども、大体全国的に一応整備される目標といいますか、そこら辺はどのくらいに置いていらっしゃいますか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 なかなか特定の年次を定めて、この程度までということを申し上げられる段階ではございませんけれども、私どもといたしましては、財政の大変厳しい折ではございますが、大蔵省にもお願いをしてことし実は単価を引き上げたというようなこと、そういうことにも御理解をいただいておりますので、できるだけ早い時期に全国的な消防・防災ヘリコプター網というものの完成を目指して努力をしていきたいと思います。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 大臣、お聞き及びのとおりでございまして、これからの社会のいろいろな活動というものは非常に多角的にもなってまいりますし、また複雑にもなってくるわけでございます。そういう点考えますと、財政に恵まれない、こういった地方の状況というのはどうしてもおくれがちでございますので、確かに今、年次目標は立てられないという状況であるかもしれませんけれども、その問題については一つの年次目標をつくらなければいけないのじゃないか、こう実は思うわけでございまして、それに対する大臣の御所見を承っておきたいと思います。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 事、人間の生命に関する大事な問題でございまして、それにもかかわらず、現実といたしまして財政力の弱いところは、なかなか高価のものでございますので、その整備ができないという結果になっておるわけであります。しかし、それだからといって放置しておくわけにはまいりません。もちろん、今長官がお話しのように、市町村でできない地域は県単位、あるいはこれはちょっと外にそれますけれども、警察とか自衛隊とかいろいろな連携をとりながらも、この体制をしいていかなければならないと思っておりますが、先生今御指摘のように、できるだけ可能な限りそういった目安を定めて、完全な体制に持っていく努力を我々が重ねるということは必要なものではないかと考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 それでは、私の御要求というふうにひとつお心得いただきまして、御研究をいただきたいというふうに思います。  それでは運輸省の方に伺うわけでございますが、こういった救急医療に対するヘリコプターの使用の問題もだんだんと高まってきている、世界的にもこの問題の研究が進みつつあるというような状況でございましょう。それから、いわゆるコミューター空港等の問題も大変話題に上っておるわけでございまして、今申し上げた救急用のヘリ、ドクターヘリというような呼称すらも生まれてきているような状況でございまして、この発着についての整備というものがかなりこれから問題になる。予算委員会等においてもうちの矢野書記長から、ヘリコプター発着可能の高層ビルがかなり今研究段階、着工になろうかとしている状況もあるというようなことで、その整備が必要ではないかというような質疑もあったわけでございますけれども、こういう問題に対して運輸省は総体的にどんな考えを持っているか。六十年度には、多少調査費が何かついたというような話も聞きましたけれども、その進行状況も含めてお答えをいただきたいと思います。

縄野克彦運輸省航空局飛行場部管理課長

○縄野説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、ヘリコプターが大きな事故時の捜索あるいは救難に極めて有用であるということの認識につきましては私どもも同じでございまして、これを中心といたしまして、特にヘリコプターの我が国における活用を促進すべきであるということでございまして、そういう観点から昨年十二月に、一つは飛行場としてのヘリポートを設置する場合の設置基準につきまして、もちろんその安全の確保は念頭に置きつつも、機材の性能の向上等がございましたし、諸外国の例なども参考にいたしまして、かなり設置基準の緩和をいたしたところでございます。  そういうことで、運輸省としても、ヘリコプターが捜索、救難を中心といたしまして利用されるように基準の緩和をする一方で、ヘリコプターに輸送あるいは捜索、救難を含めましてどんな活用方策があるか、そのために今運輸省としてどういうことが手助けできるかという点について、現在調査をしているところでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 この救急ヘリシステムの研究、実験の中で要望が出ているわけなんですけれども、特に法的な問題として、ヘリコプターの運用に際して救急医療専用機に対しては、特別に航空法の特例航空機としての適用が必要であると考えられるという意見が寄せられておるわけでございますが、この問題は解決済みでございますか。

赤尾旺之運輸省航空局技術部運航課長

○赤尾説明員 お答えいたします。  救急医療を迅速に行うために、あらかじめ特定な、希望するような場所を数カ所あるいは数十カ所決めておきまして、包括的に許可を与えているというのが現状でございます。  なお、先ごろまではその包括許可の範囲を三カ月と定めておりましたけれども、今回改正いたしまして一年に延長するというふうにいたしました。また、予定していないようなところを急に使いたいというような場合、過去に実績があれば、電話連絡等で比較的簡単に許可をされることとなっております。そのほか初めての場合でもできる限り便宜を図りたい、かように考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 今私が御質問した問題は、この問題を解決すれば法的には何ら問題がないということですか。

赤尾旺之運輸省航空局技術部運航課長

○赤尾説明員 お答えいたします。  現時点の御要望、業者の方も私どもの方に見えておりますけれども、そういった要望を聞いた限りにおいては、現在支障なくやっておると理解しております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 それでは、その問題はそれまでにいたします。  自治省にお尋ねをするわけですが、今ヘリポートの設置基準が少しずつ緩和されてきたというような状況でございます。この資料を見ますと静岡県が三十九カ所、愛知県が二十八カ所となっておりますが、こういうふうにして運輸省もかなり前向きな姿勢で進んでおるわけでございますけれども、自治省としては各自治体に対しては、今後どんな方針を出されますか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 ヘリコプターが整備をされましても発着の場所に制約を受けるようでは、ヘリコプターの機能を発揮することができないわけでございますので、前々から私ども消防サイドからも発着の簡易化と申しますか、必要に応じて発着できるような体制をとることにつきまして要請がなされ、それを運輸省につなぎ、運輸省にも御理解をいただき御協力をいただいているところでございます。今後ともそういう形で運輸省にも御協力をいただきながら、十分機能が発揮できるような発着場の整備、また現実の発着というものに努めてまいりたいと考えます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 救急用のヘリコプターでございますから、やはりそういった意味で医療機器の整備が大変重要になってくるわけでございます。これはどちらの所管になりますか。どんな方向で、方針で進んでいるか。

入山文郎厚生省健康政策局指導課長

○入山説明員 救急用ヘリコプターに医療機器を搭載することにつきましては、救急車の場合と同様でございまして、応急処置を講ずるための医療機器が搭載されるという場合を想定いたしますと、それ自体は特段の法律上の問題点はないと私どもは考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 それに付随してお伺いするわけでございますが、厚生省としてこの医療用の救急ヘリのこれらの問題点は、かなりこれから高度なレベルで問題を考えようという動きがあると私は思うのですね。例えば、医療の技術の進歩に伴って、大変高額な医療機械の購入ということが、今後の医療問題の中の大きな問題点になっているわけですね。ですからそういったものは、例えば大都市にある大きな病院の中で整備をしてそこへ集中的に患者を運んでくるなり、あるいは逆に今度はそういった意味の専門家をそれぞれの地域へむしろ派遣をして、いろいろな医療の問題をやっていくというような二つの面も十分あわせて考えなければならぬ、こういう意見が出始めておるわけでございます。そういうことになりますと、救急医療という性格から若干逸脱してくるわけです。しかし、これからの時代の進展を考えますと、その点もやはり重要な問題点ではなかろうかと思うのですけれども、厚生省としてはどんなお考えてありますか。

入山文郎厚生省健康政策局指導課長

○入山説明員 全国に第三次救急医療の施設といたしまして、いわゆる救命救急センターというものが九十カ所以上設置されているわけでございます。そういったところで、極めて高度な救命救急に関する医療が現在行われているわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 それではちょっとお答えにならないわけで、今申し上げたように救急問題に限らず医師を派遣してくれ、しかもそれは比較的急ぐんだというような事態も考えられるのではないかと思いますけれども、そこら辺の認識はどうですか。

入山文郎厚生省健康政策局指導課長

○入山説明員 救急あるいは僻地に関連いたしまして、そういう事態も当然考えられるわけでございます。私どもといたしましても、医師をできるだけ早い時間にそういう必要とされるところへ運ぶということにつきましては、今後も十分に意をいたしていきたいと考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 じゃ自治省の方に確認をするわけですが、例えばそういった救急医療の問題で高度の第三次医療機関が必要であるというような場合、僻地の市町村から要請があればそれは使える許容範囲といいますか、そういったものはどんなふうになっておるわけですか。要請があればすぐ飛んでくれるのか、あるいは何かいろいろな制約があるのか、条件があるのか、そういった点はいかがですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 先ほども申し上げましたように、特に救急を頭に置きました消防・防災ヘリの全国的な網の完成がまだできていない段階でございますので、どこの市町村から連絡がありましても応援に駆けつけますよというところまでは、まだ残念ながらいっておりません。ただ、せっかく整備された消防用のヘリでございますので、できるだけお互いに応援をし合いながら何かありましたときには手伝いに出ていくという体制、広域的にヘリを運用していこう、こういう研究を今しているところでございますので、私ども各消防関係機関の協力を得ながらそういった広域的運用について今後力を入れていきたいと考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 特になぜそんな問題を取り上げるかといいますと、消防庁の関係におきましても病院間のそういった搬送については業務外である、緊急じゃないから、しかし要請はあるんだというようなケースだと思うのですけれども、これは一応業務外というふうに理解をされておるという状況。それから地域外の搬送は緊急やむを得ない場合というような、そういう制限もあるわけですね。ここら辺は今後の医療全般の発展のためにはもう少し緩やかに考える必要がだんだんと出てくるのじゃないか、こう思うのですけれども、この点については是認されますか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 消防は人の命を助けるためにいろいろな公的な財源を使いまして整備をしているわけでございますから、かりそめにも人の命にかかわるような緊急の事態が発生をいたしましたときにはできるだけ幅広く消防の資機材、人員というものを活用していくべきもの、これが基本的な考え方でございます。  ただ、実際には応援協定が各市町村間でできておりましても、原則として応援を頼んだ方の費用負担ということになるものですから、その辺の経費負担との兼ね合いでなかなか頼む方が、特に弱小市町村でありますと後々の代金の支払いのことを考えましてやや遠慮しがちになるという面もあるようでございます。そういった問題等につきましては、応援協定というものがうまく機能するようにあらかじめいろいろ経費負担等につきましてどういう形で持つのか、また仮に事故があったような場合、ヘリコプターというのは多少危険を伴いますから、そういった場合の措置をどうするのか、そういったものも含めまして私どもで研究会を組織いたしましてできるだけあらかじめ準備をしておきまして、何かあったときにはぱっと出ていける、そういう体制を今進めつつあるわけでございます。残念ながら、もうここまできましたから大丈夫ですというところまで申し上げられないわけでございますけれども、そういう体制をつくる方向に向けて私どもは努力をしなければいけませんし、努力していきたいと考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 大臣、実は今出た問題というのはよくあるわけです、要するに費用負担の問題で。しかもこういうのは突発的に起きるというケースが多いわけでございますので、ぜひ御研究いただきたいのは、厚生省から自治省の方にそういう特定のそれを補正するような措置をあらかじめ講じておけば割と費用はどっちが持つかということは解消されやすい。はっきり言えば頼みやすい。これについては事故が発生した場合、そういうような救急医療の状況が発生した場合、例えば百万かかっても国の方から五十万は見てもらえる原則になっておるということになりますればこれは非常にスムーズにいくわけなんですけれども、ここら辺の御配慮をお考えになることはできないかどうか、できたら御答弁をいただきたいと思います。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 緊急な状況の中でしかも生命がかかっておるという問題でございます。法律の問題は、それは国民のためにあるわけですから運用をよくすることによって救うことができますし、また今言った経費の問題につきましても、そういう重大な緊急な問題につきましては私は制度的な詳しいやり方等については勉強不足でわかりませんけれども、今後先生の御趣旨を念頭に置きまして検討しなければならない点であろう、そのように考えております。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田分科員 もう時間もありませんから最後にこれは御要望なんでございますけれども、救急自動車に乗っている救急隊員ですか、それからこういうヘリや何かに乗るところの要務員と申しますが、要員ですね、そういった人たちはもちろん医師の資格がない人が多いわけでございまして、しばしばそこら辺が一般的な方々から、そこに乗っている人たちにそうした医師の資格があればいろいろな面倒を見てもらえるんじゃないか、そういう要望が今までも随分ありました。ヘリコプターを使う救急医療の場合も同じだと思います。しかし、この問題は随分長い間議論にはなりながらなかなか前進をしていかない。しかし、今医大の卒業生も余っておる時代でございますから、そういった人をより多く採用するとかいう方法はあろうかなと思うわけでございまして、ここら辺の御研究をひとつもう一歩進めていただきたい。これは御答弁は要りません。要望事項でございますから、この点をお願いをいたしておきたいと思います。  では、私の質問はこれで終わります。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて石田幸四郎君の質疑は終了いたしました。  次に、奥野一雄君。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野(一)分科員 最初にお尋ねしたいのは、私も自治体議員は二十四年もやってきております。その当時から自治省というのは一体どういう役所なのか考えたことがあるわけでありますけれども、一般的には自治省というのは地方自治体の端的な言葉で言えば味方、こう思われているわけなんですが、私の二十四年間の自治体議員の経験から言って、必ずしもそうでないというふうに思われるのがたくさんあるんですね。いろいろあります。ただ、きょうはそのことは議論する気はございませんから一々ああだこうだということは申し上げませんけれども、一体自治省というのはそういう面では地方自治体にとってどんな役割を果たしていく役所なんですか。端的に言ったら、地方自治の本旨にのっとって地方自治というものが発達をするために役に立つ役所、こう一般論としては言えるんじゃないかと思うのですが、そのとおり理解をしていいかどうか、まずそこからひとつお聞かせいただきたいと思うのです。

津田正自治省大臣官房長

○津田政府委員 先生もおっしゃるとおり、憲法にも規定されております地方自治の本旨というものが我が国の国の制度としても重要だというようなことから自治省も設置されておるのだと思います。地方自治の振興のために行財政運営が円滑にいくよう配慮をすべき役所、このように考えております。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野(一)分科員 そういう確信を持って仕事をされているのかどうかというふうに思う点も実はあるわけですが、先ほど言いましたようにそのことについてはきょう別に議論したいとも思っておりませんので、いずれまた何かの機会のときには一つ一つ事例を挙げてお伺いしたいな、こう思っているわけです。  ただ、自治省というのは昔は自治庁だったのですね。そのころからやはり省に昇格させてもらいたいというようなことでいろんな運動をした記憶もあるわけでありますけれども、なぜそうやったかというと、やはりそれは自治体というものを守っていただく、守るという言葉が正しいかどうかわかりませんが、今言われましたように憲法の規定にある地方自治の本旨というものがそれぞれの地域の中で普遍的にやっぱり発展をしていくということのためにそういう役所が必要だ、こういうことでずっと運動してきた経験もあるわけでありまして、ぜひそういう立場に立って私はこれからもいろいろな点について対応をしていただぎたいな、これは前段にまずそういう点についての要望を申し上げておきたいと思っておるわけであります。  一つ一つ事例を挙げますと随分違うんじゃないかというような事例というのはたくさん出てきます。これは後でもちょっと例として触れたいと思いますが、そういう立場に立ってやりますと、地方財政ということについては毎年毎年予算の編成の段階で問題になっているわけでありまして、なかなか地方財政の確立ということについても思うようにいかない。私ども、国の予算編成のときに自治省と大蔵省とのやりとりなんかを関心を持って見詰めているわけでありますけれども、私から言うのは釈迦に説法かもわかりませんけれども、一律に地方財政ということで一くくりにして考えるわけにいかないと思うのですね。当然それぞれの自治体が全部違っているわけでありますから。だから例えば交付税が多過ぎるんじゃないかとか、いや自治体の方の財政は余裕が出てきたんじゃないか、こんな議論というのは、私は総体としては当てはまっても個々の自治体にとってみれば当てはまらない、こう思うのです。そういう面でやはり地方自治体の財政ということについては対応していただく必要があると思っているわけであります。  本題に入りますけれども、私は個人的には今地方自治体がやっている公営ギャンブルというのは賛成ではございません。こんなことをして地方自治体が財政を確立をしなければならないのかということになりますと、これはちょっと本質から外れるんじゃないかという感じがするのですね。原則的には住民税なりあるいは地方交付税、こういう大きな二つのもので本来なら賄っていくということが一番妥当だとは思っているわけです。  しかし、現実に地方公営競技というものがやられているわけでありますし、そういう点からいきますというと最近の地方公営競技というものについて一つは見直しもしなければならない段階に来ている、こう思うわけでありますが、最初に、自治省としてはこの地方公営競技ということについて、自治体が行うことについての是非というのですか、そういう点についてはどういう御判断をしておられるかお伺いしたいと思うわけです。

持永堯民自治省大臣官房審議官

○持永政府委員 公営競技でございますけれども、御案内のように競馬、競輪、モーターボート、オートレースと四種目あるわけでございます。今御指摘のございましたような問題もございましょうし、また以前から公営競技については社会的な問題も引き起こしかねないというような心配もありまして、そういった指摘がされたこともございます。しかし、現在、今日におきましては例えば年間の公営競技の会場への入場者数も八千万人を超えるというようなことで、国民の大衆娯楽として定着をし安定をしている状況にあると思っております。  また一方で、競馬法を初めといたしまして関係の法令におきましてそれぞれ畜産の振興でありますとかあるいは機械工業の振興でありますとか公営競技の目的が書いてあるわけでございますけれども、そういった面にこれまでも寄与いたしておりますし、あわせて地方財政の健全化の面にも寄与をしてきているということでございます。  したがいまして、今後とも公営競技につきましては、今申し上げましたような健全な大衆娯楽という性格を守りながら、関係法令で決められておりますそれぞれの目的あるいは地方財政の健全化という目的が十分達成されるような形で実施をされていくことが望ましいであろうというふうに考えておる次第でございます。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野(一)分科員 ちょっと確かめておきたいんですが、私の記憶が間違っているかどうか、戦後それぞれの自治体が地方公営競技を開催するということになったきっかけというのですか、これは、私の記憶では戦災都市の復興ということが一つの目標であったように記憶しているんですが、これはどうでしょうか。

持永堯民自治省大臣官房審議官

○持永政府委員 最初これが始まりましたのは昭和二十年代の初めでございまして終戦直後でございましたから、御指摘のようなことで戦災復興といったような目的も当然含まれて始まったわけでございますけれども、その後そういう趣旨はだんだん外れてまいりまして、競馬の場合には災害復旧という特別の目的を特に付加しておりますけれども、その他のものにつきましては、一般的には関係産業の振興なりあるいは公益の増進、地方財政への寄与、こういったことを目的として現在は行われておるということでございます。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野(一)分科員 例えば競馬であれば農水省の関係だし、競輪であれば通産省の関係ということになるわけですが、これは私が今申し上げましたように、私の記憶違いでなければ当初は戦災復興ということが一つ前面に出てやられたはずだ、こう思っているわけです。今恐らくそういう都市がそのまま引き継いでやってきているんじゃないかと思うのですが、それは例えば競輪であれば通産省の所管であるから、あるいは競馬であれば農水省の所管であるから自治省は口を出せないということになるのか、その開催主体のことについて。自治省は全国の何千とある自治体を網羅して指導している一つの役所なんだけれども、そういう自治省と自治体との関係で見て、その開催主体というもの、そういう特定の目標のために始まったこの制度ですね、こういうことについては自治省としてはどういうお考えを持っているんでしょうか。いや、それはどこかの自治体が勝手にやるんだからいいんだ、こういうようなことなんですか、あるいは自治省として何か統一的に指導したいとか把握したいとか、こうしたいとかああしたいとかいうような、何かそんなようなことはあるんでしょうか。

持永堯民自治省大臣官房審議官

○持永政府委員 各地方団体で公営競技を始めた際には、今御指摘ございましたような例えば戦災復興でございますとかいうような趣旨を含めて始まったものであろうと思います。ただ、現在におきましてはそれなりのもう数十年にわたります歴史もございますし、かなり実施団体というものは固定された形になっておりますが、私どもの立場、自治省の特に財政的な立場からいたしますと、なるたけ公営競技の収益というものは特定のところに偏在するよりも多くのところに均てんをした方が望ましいという観点から、なるたけ施行団体をふやしていく。ふやしていくと申しましても、例えば組合施行にいたしまして、組合に参加する市町村の数をふやす、そういったようなことでなるたけ均てん化をしていくという方向でそういう指導をかねてからいたしておるところでございます。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野(一)分科員 今言われました財政の均てん化を図る、これは考え方としては私はわからないわけではないんですね。わからないわけではないんだけれども、その開催主体というものが、何という表現を使ったらいいんでしょうか、例えば今いろんな国がやる政策について各自治体が名のりを上げますね、テレトピアだとかコミュニティーマートだとか。そういうことをやって名のりを上げて、国が指定して、例えばおたくとこう決める。それとは今違っているわけですね、現状というのは。そこの主催をしている自治体の特権と言うのもちょっと表現が違うかもしれませんが、そういうような感じになっていると思うのですね。その中で自治省の場合には納付金や何かの中から利益金の一部を納めてもらって、そしてそれを均てん化して、やっていない自治体にも使ってもらう、こういうことだと思うのですね。だからそういうことであれば、私は、そういうやっている自治体のやっぱり財政、その自治体というのは財政の確保とかそういうことのために始めたと思うのです。中にはもうかり過ぎているところもあるようでありますけれども。だからそういう面から見て、私は、そこの開催をしている自治体の公営競技による収入、あるいは支出も当然入ってくるわけですが、健全な経営ができるかどうか、こういう見方を一つはしていかなければいけないんではないかと思っているんですよ。そういう面では、せんだっても随分担当の方々とも議論をさせていただきましたけれども、自治省の場合には納付金という制度があって、これは赤字になった場合には出さなくてもいいですよ、こういう仕組みになっている。しかし、問題は、農水省あるいは通産省の交付金の関係はそうなっていない。そこで随分議論させてもらったのですが、いや管轄が違うから――そういうことについて、例えば自治省と同じような制度にすることができないのか、例えば交付金の率を下げることができないのか。最近は売上金というのがだんだん減ってきているわけですね。どんどん落ちてきているわけです。全国的に見ましても、五十五年度のときには三兆九千億ぐらいの売り上げがあったが、五十八年度はこれが約三兆七千億、二千億ぐらい落ち込んできておる。五十八年度の収益の減を見ますと九・七%、二千二百億くらい落ち込んできているわけですね。これは年々落ち込んでくるのではないかと思っているのです。今地方競馬なんか全く行き詰まったような感じになってきている。  私は、前段申し上げましたように余り賛成ではないが、しかし、現実にそういうふうにして自治体の財政に幾らか寄与しているということ、それからそこに何人か働いている人がいるということになりますと、当然開催しているところが健全に運営できるようなことを、自治体を守るというか自治体を擁護する、地方財政というものを考えていかなければならない自治省とすれば――競輪なり競馬なりを開催している各自治体が今そういうことで交付金を何とかしてもらいたいということで、それはそれなりに関係省の方に頼んでいるわけですね。しかし自治省の方では、いやそれは我我の方の管轄外だから一切物を言いませんよ、こういうような態度ということになったときに、私は前段に何のためにああいうことを申し上げたかといいますと、これは地方財政を守るという立場からいった場合には、幾らかでも役に立っているというのであれば、多少自治体側の方に立って頼み込むとか、自治省と同じような格好にできないかとか、そういうような扱いというものをやってもらえないのか。これは随分議論したけれどもだめだということだったのですが、もう一遍その点についての見解をお伺いしたいと思っておるのです。

持永堯民自治省大臣官房審議官

○持永政府委員 ただいま御指摘ございましたように公営競技の売り上げも、昭和五十五年度をピークにいたしまして減少傾向にあるわけでございます。最近若干下げどまりじゃないかという見方もございまして、仮にそれが事実であれば大変結構なことだと思っておりますが、いずれにしてもそういう厳しい状況の中でございまして、その中で、私どもの公営企業金融公庫の納付金についてはいろいろな手当てをいたしておりますが、交付金についてはそういう仕組みがないという点も、そのとおりであるわけでございます。  ただ、公営企業金融公庫の納付金の場合は、これはあくまで地方団体間の財源の均てん化ということでございますし、一方交付金の方は、競馬なり競輪を実施する目的自体の一つとしてそういう制度があるというその点の違いがまずあるわけでございますし、交付金についてはそれぞれの法律でそれぞれの目的を持って決められた制度でもあるわけであります。  交付金の制度をどうするかという問題につきましては、これは最終的には売上高をどう配分するかということにも絡む問題でもございますので、これは今、あらかじめそういうことではいかぬという御指摘がございましたが、まずはそれぞれの所管庁で判断をしていただくべき問題であろうというふうに考えております。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野(一)分科員 余り時間もありませんから、このことばかり申し上げているわけにはいかないのです。  今、所管庁のことだから言うわけにいかない、こういうことなのですが、例えばそれが所管庁のことだからほっておく。そうなって、仮に開催主体の方が健全な運営ができなくなって、例えばどんどん赤字になっていく、もう赤字になっているところもあるはずでありますが、そうなったときには、自治省が考えている財政の均てん化だってできないということになっていくわけでしょう。そうしたら全体的には、いやここは自治省の管轄だ、こっちは通産、農水だということを言っていられないと思うのです。やはり健全にやってもらうためには、交付金の方が少し高いのだったら率を少し下げてもらって、開催主体の方がそれで地方財政に幾らかでもプラスになるようなことにならなかったら、開催をやっている意味というのは全くないことになるわけなんで、この点はあと申し上げません。  私も所管が商工委員会ですから、これは通産とはやろうと思っているのです。もう同僚議員も前にやっていますが、しかし我々から言わせると、地方財政の、地方自治体の指導的な役割を果たす自治省が、いやそれはもう全く農水だ通産だ、知りませんなんということで冷たいというふうに見られると、私が通産に質問しても、いやいや自治省だってそんなこと構っていませんよと言われたのでは質問したってどうにもならないので、そういう面ではぜひ自治省の方の協力もお願いをしたい、こういう意味でございます。  時間が長くなりますから次の方に入らしてもらいますが、娯楽施設利用税の関係。  端的に申し上げますが、この娯楽施設利用税の中にはいろいろなのが書いてあります。マージャン、パチンコ、それからボウリング場だとか、四つ五つくらいあります。中身は全部ここに書いてありますからわかっています。  その中で端的にお伺いをしたいのは、ゴルフがスポーツかとか、ボウリングがスポーツかという議論も前からあったのですが、ボウリングの関係については、御案内のとおりたしか六十四年の国体から正式種目になる。それから今度はアジア競技大会の正式種目にもなる、こういうことでございます。するとこれは、いわばスポーツと認定をされた、こう思うのです。スポーツということになった場合には、娯楽施設利用税ということになるのかどうか、この辺は見解としてはどうなんでしよう。

矢野浩一郎自治省税務局長

○矢野政府委員 娯楽施設利用税の性格でございますが、娯楽性あるいは射幸性を有する一定の施設を利用する者の担税力に着眼をして、その利用に対して課する消費税である、普通このように定義をいたしておるわけでございます。そういう意味では、お尋ねのボウリングについて考えますと、これはもとよりスポーツとしての性格を私ども決して否定するものではございませんが、しかし一面ではやはり相当の娯楽性もあるというぐあいに考えておりますし、また利用料金等を見ましても、ほかの娯楽施設利用税の対象と比較して、必ずしも安いというものでもございません。そういう意味では、お尋ねのように国体の種目になるということも私は聞いておりますが、そういったボウリングの利用についての娯楽性というものに着眼をして、これを娯楽施設利用税の対象から外すということは考えていないところでございます。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野(一)分科員 いや、今は考えてないと思うのですが、これはやはり考えてもらいたいと思うのです。これから国体なんかにも入るものですから、もう北海道なんかでも、中学生とか高校生とか、その国体を目指して練習をしたい、こう言っているのだが、料金も、一ゲームというならそんなに高い料金でないかもしれませんが、私なんかの場合だって、夫婦そろって楽しみに行ったりというようなこともありますけれども、家族なんか連れて大人数で行ったら結構な金額になるわけです。これは十分の一がなければもう何ゲームもできるのではないかな、こう思ったりするものでありますから、やはりスポーツという立場に立って考えていただくと、入場税の方でもしてもらえますと減免措置もあるわけなんです。  先ほどちょっと触れましたが、地方税で減免措置をやっているのはたくさんありますね。私、今全部調べ上げでありますが、金額にしたって膨大なものですよ。そういうものはどんどん減免措置をやっておって、むしろこういう大衆性を持っている――今はもう高齢者とか何かが一生懸命やっているわけです。そういう人力については減免措置をとってくれないということになったら、随分冷たいのではないかということになっていくと思うのです。  これはまだ時間がありますから、今政府の方では、来年度に税制全般の見直しをやるというふうに言っておるわけですから、そういう機会に国体の正式種目になったということを一つのきっかけとしてこれは一遍御検討を願っていいことではないだろうか、私はこう思っているわけでございます。ぜひそういう点についての御配慮をいただきたいと思います。  それから、法律の中では、この前指摘をしておきましたけれども、「ボーリング」となっていますが、これは「ボウ」が正しい言葉でございますから、法律上やはり正しくない字が使われているのはうまくないので、適当な機会に直していただきたいと思います。

矢野浩一郎自治省税務局長

○矢野政府委員 「ボーリング」の名称の正しい使い方につきまして御指摘をいただきまして、大変恐縮に存じます。おっしゃられるとおり、正式に発音すれば「ボウル」であって「ボール」でないことは、私どもも承知しておりますが、通常、日本語の場合に「ボーリング、ボーリング」と言っておりますものですから、法律においてはそういう字句を使っておるということでございます。  なお、今後の考え方としてどうか、こういうお尋ねでございますが、確かに私、娯楽性もある、スポーツ性もあるけれども、娯楽性もあるという意味で都道府県の貴重な税源でございますので、これを全面的に課税対象から外すということは考えていないと申し上げたわけでございます。ただ、確かに京都国体からこれが正式種目になる。またアジア大会におきましては、これは従来から、一九七八年でございますか、バンコク大会で初めて種目に採用され、その後、採用されてない場合もございますけれども、かなり以前から採用されているということは事実でございます。また、最近、学生さんあるいは高等学校あたりの生徒さんあたりでこういったボウリングを学校のスポーツの、体育の種目として採用するというような傾向、これは確かに見えるところでございます。  そういう点にかんがみまして、これを全面的に課税対象から外すということは考えておりませんが、そういった国民体育大会あるいは都道府県レベルで行われますいわゆる県体と申しますか、都道府県の県民体育大会、あるいは大学とか高等専門学校とか高等学校、こういったところで正規の体育の科目として行われるというような場合などにおきましては、そういった時代の推移に着眼をいたしまして、各都道府県に対してそういう場合には課税免除をするように、実はそういう指導通達を出したいということは考えておるところでございます。体育大会、国体等におきましては、必ずしも競技そのものではなくて、御指摘のようにそのためにいろいろ練習と申しますか、そういったことを行うというような場合もあろうかと思いますので、そういった点を含めましてある程度、これは減免でございますから、都道府県の判断というものももちろん必要でございますけれども、私の方としても統一的にそういうものについて課税を免除するということが適当だ、こういう指導をいたしたい、こう考えておるところでございます。  抜本税制改正のお話もございましたが、今後抜本税制改正の中でこういった消費サービス課税のあり方というものをどう考えるかということは、実はなかなか大きな問題だと思います。そういった点の御論議も十分踏まえて、今後この種の消費サービス課税については私どもとしては対応してまいりたい、こういうことでございます。

奥野一雄日本社会党・護憲共同

○奥野(一)分科員 もう時間ですから要望しておきたいと思うのですけれども、オリンピックであっても、そのほかの世界のスポーツの競技大会、いろいろなもの、この世界各国の選手の養成というようなことを見ておりますと、日本の方が少し落ちているのではないかという感じがするのですね。待遇も余りよくないしというようなことで、ほかの外国の場合には相当国家的にやっているところだってあるわけでありまして、日本の場合にはそういかぬだろうと思うのですけれども、しかしいろいろな面でそういう配慮をしてやらないとスポーツのいい選手というのは育っていかない。これは自治省の所管ではなくて文部省の所管になるだろうと思うのですが、そういう面について、やはり国としてそういうスポーツ選手なんかの養成というものに力を入れる、それからスポーツ人口がふえるような誘導策をとってやるというようなことなんかは、スポーツの場合は必要ではないかと私は思うのです。個人の努力だけで優秀な選手になれなんて言ってみたところで、なかなか日本のスポーツの場合にはそうはいかないと思うのですね。そういう面での配慮というものは、各省が関連する部分でもって協力し合っていくということが必要でないかと思うのですよ。  ぜひそういうことについての御配慮もいただきたいし、それから今国体なんかのときには何とか減免措置をとられるようにというようなことがあるのですが、これは各会社とかなんかとか産業団体とか、団体でもってやっているのもたくさんあるわけですね。だから、そんなのなんかは本当は団体ということで幾らか対象の中に入れてもらえばまた随分いいのじゃないかと思いますが、これは将来の問題ですから、ぜひそういう意見もあったということも踏まえて御検討をしていただくようにお願いしたいと思います。  時間ですから終わらしていただきます。どうもありがとうございました。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて奥野一雄君の質疑は終了いたしました。  次に、滝沢幸助君。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 委員長御苦労さまです。大臣御苦労さま。  大臣、実は私は変なごろ合わせが好きでございまして、歴代の自治大臣を見ておりますと、なるほど、じじいちゃんだけが大臣になりなさるからそこでじじ大臣というのかな、そこでおばあちゃんなんかどうなるだろうなんて、実は文教委員会で社会党の馬場さんと一緒だったですから、社会党政権になってもあなたは自治大臣はやりなさんなよ、ばばあがじじ大臣になったんじゃどうにもならぬと言ったのですけれども、このたびは大変若い大臣をお迎えしまして、それこそ大変問題の多い地方自治でございますが、大いにひとつ将来を開く勇気ある発想の転換をお願いしたい、こういう期待を込めてこれから二、三のことを申し上げさしていただきます。どうぞひとつ頑張っていただきたいと思います。  さて、昨年の十月のたした四日ですか、東京周辺に震度五ですかの地震がありました。何か私よくわかりませんけれども、震度五というのは大変そうそうないものだそうでありまして、何かテレビでは五十年ぶりとかなんとか言っておりました。ところが、そのときちょうど私は奥会津の金山の自宅に久しぶりにおりまして、そうしましたら家内は電話を回しまして、私の家族というのは散らばらにしているものですから、朝夕はお互いに電話を入れること、特に地震とかそういうことがありましたら夜中でも電話をする。例えば、留守で出なくともベルがまともに鳴ればまずまずは大丈夫というような癖なものでありますから、盛んに回しておるわけです。しかし出ないのですね。いや、これは出ないから通じない、これはおかしいなと言って一生懸命やっているわけです。ところが、テレビを見ますると、そういうことで五十年ぶりの地震だ、しかし被害はありません、こう言っておるわけです。被害がないとテレビで言っているんだからいいでないかと言っているのに、一生懸命回すのです。そうしましたら今度字幕が出てきまして、電話の回線は全部ふさがって使えませんので電話をしないでくださいと言っているんですよ。電話するなとテレビに書いているじゃないかと言うのに盛んに回すわけです。  そこで、私はつくづくと感じたことでございます。震度五であるか六であるかは別として、被害がありませんよとテレビが言っているのにかかわらず、そして電話をしないでくださいという字幕が出ているにもかかわらず、愚かなる妻は子煩悩の余り電話している。しかし、同じような方が全国にたくさんいらっしゃったということだと思うのです。ところが、被害はありませんと言ってもそうなのに、今何とかビルが崩壊しました、先ほど何とか川がはんらんしました、何とかの町に火災が発生しましたというようなことをテレビが映しながら報道したらどうなりますか。電話のパンクは、これはもう先ほどのとおりであります。しかし、お盆の帰省客でも東京から出て行かれる車というのは満杯なんでしょう。あらゆる道路が飽和状態でしょう。列車もそのとおりですわな。万が一、そういう状態になったら、この大東京はどうなりますか。日本の都市というものは東京を初め世界で最たる危険都市、私はこういうふうにそのときしみじみと感じたことでございます。  これは余計な話でありますが、日本は世界でただ一つ原爆を受けた国、戦後の平和憲法のもと、原爆はつくらぬ、持ち込まぬ、それはいいですよ。だけれども、世界でただ一つ原爆を受けた国であるならば、また受けるかもしれないということを一番しみじみと思う国民でなくてはならぬ。ならば、何か広島の原爆のときも完全な防空ごうがあったならば、被害は十分の一で済んだであろうと言われているわけであります。今日、私は寡聞にして世界の全体を知るわけにはいきませんが、多くの国々は何らかの形で万が一のときに待避する措置、つまりは防空ごうのようなものを、地下ごうを備えていると聞いております。ところが、落とした側がそれをしておりまして、落とされた側がそれをしていない。矛盾という言葉がありますけれども、相手に落とすものはつくりません、持ちません、しません、これはいいですよ。しかし、こちらの方も、これはどういうことなのか。今、安全保障会議の設置法を出そうとしていらっしゃると聞くわけでありますけれども、つくづくと日本の都市の危険な状況というものを我々が身にしみなければならぬときだ、私はこう思うのでございます。  まずもって地下ごうをつくれ、例えばこれはたびたび私はあらゆる場所で言っているのでありますが、何も国が金をそうそうかけぬでも、建築基準法一つを改正すれば、こういう建物を建てたときにはこれだけの地下ごうをつくりなさい、地下室をつくりなさい。階段がどうの、電気の明るさがどうのという規制が数々あるのですから、その規制の中にそういうものを工夫してもよろしいわけであります。いろいろとありますが、都市の危険な状況というものに対してのお考えを、どのように認識していらっしゃるでしょうか、どうかひとつ。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 ただいま先生から特に大都市の防災に関連するお話がございました。特に東京、我が国の場合におきましては、人口、あらゆる機能、施設の集中、これが非常に大きくなっております。しかも日本の建築の場合におきましては、木造建築が主たるもので防災という観点から非常に弱い面をもともと持っておる、そういうようなことやら、あるいは特に首都東京をとってみますと、本来の防災という観点からの都市政策といいますか、都市の機構の整備といいますか、そういうようなものが過去の都市形成の中から抜けておるということも指摘されておるところでありまして、私もこの問題につきましては、戦争ということを想定しなくても、また大地震が来るのではないかというようなことも言われております。そしてまた、生活が高度化すればするほど一朝何か起きたときにはその混乱が社会不安を招くというような、今日の社会の状況にもあるわけでございます。  したがいまして、今後本当に我が国は、特に戦後四十年間平和の中に繁栄を享受してまいりまして、あらゆる意味におきましてそういった安全というものに対する認識がやや薄い面も出てきておると思います。したがいまして、そういうような点につきましては今後政治の側からも国民の側からもお互いに理解し認識し合って、今後の都市づくりあるいは国全体の都市機能の再配分とかそういった問題も含めまして、理解を進めながら対処していかなければならない、そのように考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 このことにつきましても何か国土庁からおっしゃりたかったならば、ひとつおっしゃってちょうだい。  その前に一つつけ加えさせていただきまして、大臣、田中元総理大臣が列島改造論という卓越した構想をひっ提げて政権を担当されましたことは我々の記憶にも新しいわけでございます。ところで、国土庁さん、日本のいわゆる四つの島に人口というものはどういうぐあいに分布をしていることが望ましいことなんだろうか。今、過疎過密という言葉がしきりと言われるようになってまいりました。東京は今御答弁いただきましたとおり、首都圏に無慮人口の二〇%以上が集中しているのじゃないでしょうか。しかし、一面から言うならば、非常に人口が減ってくるいわゆる過疎地もあるわけです。このときにこれでいいと政府は思っていらっしゃるのか。それとも一つの理想的な分布状況、例えば工場の分散とか学園都市の建設とかいろいろと言われました、それらも含めて人口の分布というものはいかなる状況がよろしいか、しかも今の状況がよろしくないとするならば、いかにしていつまでにその理想的な人口の分布に持っていこうとされているものか、この辺を両省からひとつ承りたいと思います。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 詳しく具体的には国土庁の方から答弁があると思いますが、私も先生のところ以上にへんぴな山里の出身でございます。したがいまして、個人的には日本列島改造論が打ち上げられましたときにも、もろ手を挙げて賛成して推進をしたいと思った一人でございます。今日その政策もいろいろドルショックがあったり石油ショックがあったりいたしまして、なかなかその実効を上げ得なかったわけでありますけれども、なお、日本の全国土を考えてみますれば、今日の状況が必ずしも本来の国土の有効な活用、利用というものにつながっておるとは思わない点もたくさんあるわけであります。したがいまして、私といたしましては、特に地方自治体の振興、財政的にもあらゆる面で基盤を確立しなければならないという立場にある者にとりましても、そういった意味で単に自治省サイドの政策ばかりではなくて、国全体のそういった政策の推進が大事であろうと私は考えておるわけであります。  人口の密度の問題につきましては、今国土庁で四全総をやっておるはずでありますが、三全総の中にも東北、北海道の今後の国土開発における重要性が指摘されております。東北におきましても、人口で言えば、たしか全体でさらに三百万から四百万くらいの定住人口があってしかるべきではないか、それを定住させるだけの開発の余地、また潜在的にそれだけの地域の力がある、そういうような形の中で全国総合開発も策定されておったと思います。今後私どもも、地方自治体と最も身近な役所におるわけでございますので、そういうような面につきましても十分地域の実態を反映して、国策全体が整合性を持って進められるようにしなければならない、そのように考えております。

糠谷真平国土庁計画・調整局計画課長

○糠谷説明員 高度成長の過程で、地方圏から大都市圏へ人口が大量に集中するということがございまして、大都市圏で過密、地方圏で過疎の問題が生じてきたということは、先生御指摘のとおりかと思います。そのため、第三次の総合開発計画、三全総でございますが、三全総におきまして定住構想という目標を掲げまして、人口の地方定住を進めるということをやってきたわけでございます。  昭和五十年代に入りましてからの人口移動の状況を見ますと、大都市圏への人口集中という傾向が徐々に鎮静化をしてきている、そういうことで地方定住が進んでおることは事実ではないかと思いますけれども、国土の均衡ある発展という観点から見まして、まだまだ私ども十分なものとは思っておりません。そのため、さらに地方定住を進めるということから、第四次全国総合開発計画を現在策定作業中でございますけれども、その中でそのための諸施策、どういうことをやっていったらいいか、今鋭意検討中、こういう状況でございます。

定道成美国土庁防災局震災対策課長

○定道説明員 先ほど先生が大地震のことについて、大都市の大地震対策はどのような感じなのかということをお尋ねになりましたので、御答弁申し上げます。  大都市の震災対策につきましては、中央防災会議といって災対基本法で定めた会議がございまして、そこで大都市震災対策推進要綱というのを定めております。これに基づきまして都市の防災化の推進、これは燃えないようにしていこうという一つの大きなテーマでございますけれども、二つ目が防災体制の強化、防災意識の高揚、それから三番目が地震予知の推進、この三本の柱で大都市の震災対策を進めているところでございます。それで、今具体的にどのようなことをやっているかと申しますと、まずは避難地域、避難路の整備とかあるいは市街地の防災の再開発、そういう防災対策の強化をやっております。それから二番目が、総合的な震災対策の訓練、九月一日を中心とする国民の防災意識の高揚、それから自主防災組織の推進ということをやっております。それから三番目が、地震予知の実用化のための観測方法、それから東海地震予知のための常時監視の体制、このようなことを進めているところでございます。これば防災体制そのものの問題でございますけれども、今後とも関係省庁と密接に連携をとりつつ、その推進を図ってまいりたい、このように思うわけでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 しかし、承りましても、どのような人口の密度がよろしいかということははっきりしないのではないかと私は思うのですよ。東京都は今よりも幾ら減るのが望ましいのか、どこどこの町は幾らふえるのが望ましいのか、それをいつまでに達成しようとしているのかというもっと具体的な構想というのが政府になくてはいけないのではないか。そのためにはこの工場をしてこうせしめよう、この学校にして、こういう間隔をしてというようなこともなくてはならぬのではないかと私は思うのでございます。  また、防災訓練等の話もありましたが、これは特殊な立場にある方々はそれをなさっていても、大体小中学校が全然やっていないじゃありませんか。ですから、全然その生活規律のない国民が合成り立ったわけであります。諸外国を歩きましても、エスカレーターが満杯になっているのは日本だけでしょう。ほとんど、半分は残して先に急ぐ人のためにあけておくような社会的秩序があるのです。そんな意味で、私は、かつての竹やり訓練、防空演習じゃありませんけれども、小中学校の教育を基本としてのいわば非常なときに対する生活の訓練というものが国民の中に定着して、それをリードしていかれるのが政府の仕事ではないかというふうに思うわけでございます。  ところで大臣、今何か人口の流出がやや鎮静化し逆の現象も出てきたとおっしゃいますが、私の奥会津の町はこのたびの国勢調査におきましても、この五年間に一四%幾らという減少であります。ですから、まだまだとても鎮静化をしていないというふうに私たちは見ているわけであります。  ところで三十年前、町村合併促進法ということで町村合併が促進され成功したかに見えました。しかし、三十年たってみます上、あのとき三万から市にしますよということで特別に市にしたところが三万を割っているところがありませんか。また、村と町ということは数字的な規制はないと聞いておりますが、そうならばどうしてあるところは村、あるところは町と呼称しなくてはならないのでしょう。こういうことにつきましても、もはや市の体制を整えることのできない市もあれば、町として村として成り立つとは思えない、こんな人口でいいならば三十年前に合併する必要はなかったのじゃないかという状況も出ていると思うのです。  そこで大臣、今やこの段階になりますれば、市町村合併の見直しあるいは再編成ということが迫られると思うのであります。その理由は、何も人口だけのことを申し上げているわけではありません。財政力という面を見ましても、行革ということもありまして、鉄道の赤字線を初め第三セクターということで、あるいはまた業務責任の移譲ということでいくものもございます。そうして市町村の財政負担はふえる一方でありまして、市町村富裕論というようなこともございましたが、それはほとんど通用しない議論であるということは万人ひとしく認めることだと思いますが、財政の逼迫の要因は、国民年金もございます。別の面におきましては、国民健康保険というものもございましょう。いろいろとございますが、それやこれやを総合しまして町村の合併、あの三十年前のことにつきましての反省と再編成という時期が迫っていると私は思うのでありますが、大臣いかがなものでございましょう。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 私の地域におきましても、市でありながら過疎地域の指定を受けているところもございます。そういうようなことで、先生の御指摘のように、三十年前の市町村合併、それはそれなりにその当時行政力の強化等の目的を持って形成されたものであろうと思います。ただ、時代の変遷とともに、非常に市町村間のアンバランスも出てまいりましたし、また特に過疎過密、また同じ地域内でも人口がふえているところもあるけれどもその周りは過疎になっておる、そういうようなこともあるわけでございます。したがいまして、ただ単に合併を促進すればいいというものでもないし、またその一方においては隣接していながら片一方がかなりよくいっていて片一方が過疎に困っている、そういう問題も現実にあるわけでございます。したがいまして、それは個々の地域のいろいろな実情に即してやっていかなければならないであろう、私はそのように考えております。したがって、単に一律な見方で物を見ずに、その地域間の実情に即して、本当に合併した方がより効果が出る、地域のためになるというところはお互いの事情の中で合併することも、促進することもいいと思いますが、そういう点を十分配慮しながらこの市町村合併ということは、先生の御指摘のように十分慎重にまた検討を加えていかなければならない、そのように考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 大臣、再統合しろとだけ申し上げているわけではありませんで、いわば見直しの時期ではないのか。ですから、ある市によってはもう二つに分けた方がいいという市もあろうと思いますよ。何か総身に知恵が回りかねなんていうのでありますから、偉い市長さんだからそういうこともないだろうが、そういうこともありますから、あるところによってはもう一回、これとこれを合わせた方がいいというようなこともございましよう。  そこで大臣、理想的な市の人口規模というのはどうなんでしょう。例えば三万都市になったのだけれども、もうその三万を割っていわば基準を転落した市もあれば、二万五千の市の市長さんがいらっしゃる、片一方には七十万、八十万という市があるわけですね。それを同じに全国市長会なんて集まってみたって、これは全く意識も違えば手法も違うということもあろうと思いまして、理想的な市の規模というのは幾らですか。

大林勝臣自治省行政局長

○大林政府委員 確かに、今後老齢化社会、情報化社会というものを迎えまして、新しい時代に適合する市町村の適正規模というものはいかにあるべきかというのは、現下におきます大変重要な課題になっております。難しい問題ではありますけれども、二十一世紀を見ながら将来の市町村のあり方というものを考える場合には、しかし何らかの標準というものも勉強していかなければならない。現在、地方制度調査会におきましても、また近く新しく発足をいたしますその際におきまして、まさに御指摘のような理想的な市町村の規模というものがどのあたりにあるべきかというのを探るのがまた当面の課題とされておるわけでありまして、私どもも御指摘の点を踏まえて今後勉強してまいりたいと考えておるところであります。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 大臣、私は野党というようなことになっておりますけれども、しかし、正直申しまして、自民党が今日まで三十年間政権を持続なさった秘訣は何か、いろいろあると思いますね、しかし、今自民党に飽き足らずに思っていらっしゃる方々が万が一ありまして、しようがないから民社党にでも入れてみようかとおっしゃる方があれば、うれしいことながら情けないことでもあるのです。  と申しますのは、今多くの国民の方が期待されて、なおかつ、今日の自民党さんにやや欠けているものがあるとするならば、たくましい指導力、そして大胆なる発想の転換を国民に示して、安心してついてきなさいという説得力だと私は思うのですよ。そういう意味では、この問題も、しゃれて言えば時々刻々状況が変わりまして、そしてそこで人々は二度と繰り返すことのできない生涯の一日一日を送っているわけですから、今おっしゃるような、私はこのたび十一の分科会でいろいろ承っておるわけですが、どこに行っても、それは今慎重に検討し、調査し、協議し、こうおっしゃっておるわけです。そんなことを言っているうちにもう事態は時々刻々変わっていきまして、しかもそこの中において繰り返すことのできないただ一回の生涯を過ごしていくわけですから、後からではもう遅いのです。ですから、慎重を期することも結構ですが、私は大胆な速やかなる発想の転換と手法の模索、そして決定、国民に対して勇気を持ってこれを示す、この大きな指導力を政府に、自民党に、ないしは政治全体に国民は期待していらっしゃると思うのでありまして、若き大臣でありますから、どうかひとつその辺のところを勇気のある道を選んでちょうだいできますよう期待しまして、最後にどうかひとつ決意を聞かしてやってください。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 先生の御指摘のように、時代の刻々変わる変遷に素早く対応し、決断し、実行していくことは今日の政治により求められると思います。私も、先生のただいまのお言葉を念頭に置きまして、今後政治に携わる者の一人といたしまして、勇気を持って頑張ってまいりたいと思います。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 どうもありがとうございました。大臣、御苦労さまでした。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて滝沢幸助君の質疑は終了いたしました。  次に、新村勝雄君。     〔主査退席、石原(健)主査代理着席〕

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村(勝)分科員 最初に、大臣に同和問題についてお伺いをいたしたいと思います。  申し上げるまでもなく、この問題は日本においては古くして新しい問題でありまして、同時にまた、この問題はまさにいわれなき差別ということで、関係者には非常に精神的な苦痛を長い間与えておるわけであります。アメリカのように人種がたくさんあって、人種が分かれているという場合には、人種が違うということでそういう目で見ることもある面では当然だと思いますが、日本のこの同和問題は、まさにいわれのない差別でありまして、全くその間に何らの差別されるべき理由はないわけでありますけれども、特殊な歴史的な事情からそうなったということでありまして、こういう差別の対象になっている方々に対しては、まことに気の毒な、申しわけのない事態だと思います。  ところが、この問題については政府も大変努力をされておりますし、いわゆるハードの面ではかなりの成果を上げておるということは認められます。いわゆるその地区の道路や下水あるいは建物、学校というようなものはかなり立派になっておるわけでありまして、そういう面での成果はかなりのものがございますけれども、まだ依然としてソフトの面、心の面での差別の解消というものは深く残っているというのが実態だと思うのです。こういう面で、この同和問題に対して大臣は今後どういうお考えで対処されようとなさるのか、まず伺います。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 先生のただいまの御意見の中にございますように、同じ日本人同士でなぜこのような差別問題が生じてくるのか、全く悲しむべきことでございます。  政府といたしましては、いわゆる同和対策の事業として、御意見のようにいろいろハードな面で一生懸命取り組んでおります。問題は、今日の社会に残るお互いの心の中で、あるいは意識の中における問題であろうと考えております。これは本当に、政府や行政そのものが国民の皆さんに啓蒙、理解をさせ、差別を撤廃、差別観念を除去していく、そういう努力をすることはもちろんでありますけれども、お互い本当に日本人である、日本人同士であるという原点に立って、素直に今日の社会生活の中でお互い相助け合い、相協力していくという意識を持てば、その中でおのずと解決されるべき問題であろう、私はそのように考えておるわけであります。  いずれにいたしましても、そういう問題が我が国の社会に本当にいまだ存在するということは大変悲しい不幸なことでございますので、私どもも積極的にこういうような差別観念を除去していくように努力していかなければならない、そのように考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村(勝)分科員 まさにこの問題は、日本民族一億二千万からすれば、関係する入口は比較的少ないと言えば言えるのですけれども、決して軽視すべき問題ではございません。いわば日本社会全体の中における、一つの極めて深刻な社会的病患であるということが言えると思います。  そこで、大臣は、おのずから解消されると言うが、なかなかおのずから解消されるというような簡単なものではないのですね。これは既に百年以上の歴史、この四民平等という明治の改革以来百十数年たっておるわけでありますけれども、それでいてなおかつ差別の意識が余り消えないということは、いかに事が深刻なものであるかということを物語ると思います。  そこで、幾つかの差別事件が、最近ではなくて、ずっと継続しているわけです。継続しているわけですけれども、最近の問題二、三をずっと見ましても、湯河原町職員の差別事件というのがございます。これは町の職員による差別発言が問題になりまして、これが大きく取り上げられたということであります。これは町の職員の差別発言でありまして、特別措置法なんか興味がない、そんなものは我々は関係ないんだというようなことで問題になった事例でございます。  また、これは市でありますけれども、差別発言をしたのが学校の教員である。学校の教員が同和問題に行く途中で、きょうはこういうところへ行くんだということで、極めて不穏当な発言をしておるということでありまして。いやしくも教員でありますから、同和問題の解決は行政当局、特に教育の面で強く指導され、強調されなければならないわけでありますけれども、その教育を担当する教師がこういう問題を起こしておるということは、これまた軽視のできない問題だと思います。  さらに、別の市でありますが、同和問題、特に同和対策の事業を誹謗するような差別発言をしておるということが問題になっております。  また、他のところでは、同和出身者が政治家になって云々というような、これまた極めて不穏当な発言をしておる、こういうことが言われておるわけであります。これはある市の議会の議員が発言をしたということであります。  さらに、これも町でありますけれども、これもまた町民課長が関係の人たちを大変侮辱するような、極めて不穏当な発言をしておる。  こういうことがたくさんあるわけでありますけれども、公務員の方が公務執行中にこういう不穏当な発言をしているという例がたびたび指摘をされております。ということは、やはり日本人の心の奥底にこういう差別的な意識というものが生き残っているということが言えると思うのです。私の市にも大きな対象地区がございまして、私もそういう行政の末端を担当したことがございますけれども、住民の気持ちの中にそういう差別的な意識が残っておることは争えない事実なのであります。  こういうことをこれからどういうふうに解決したらいいかということなのですけれども、先ほども申し上げましたように、ハードの面での住宅の改築とか道路改修、あるいは下水の改修というような面での対策は事実がなり進んでおります。これは政府の努力があったわけでありますけれども、しかしそれだけでは解決ができない。むしろそのことによって一層、そういう意識の底に残っておる残りかすを、ある面ではそういうことをやることによってさらにかき立てるということさえもなしとしないということなんですね。  ですから、こういうハードの面の事業はこれからまだ未完成でありますから必要でありますし、現在の政策はさらに発展強化されなければいけませんけれども、同時に、意識の面での差別をどう解決するかということが今後の課題であると思うのですね。そういう面で、いわゆるソフト面での政府の対策、特にこれは自治省さんが関係が深いと思いますので、その点についての具体的な対策あるいは御決意を伺いたいと思い、ます。

大林勝臣自治省行政局長

○大林政府委員 まさにこの問題というのはソフト、つまり心の問題でありまして、意識の問題であることは仰せのとおりであります。啓発なり意識改革というものについてどういう具体的な措置を講ずべきかというのが今後の一番大きな宿題になっておりまして、政府の地域改善対策協議会におきましても、その具体策というものを現在いろいろ意見交換、勉強しておるところであります。  自治省といたしましても、当面、今御指摘のような、およそ公務員としてそういう意識改革、心の問題について率先をして啓発の業務に携わるべき立場にある者が、ややもするとひんしゅくを買うような発言をするというようなことが絶えないのはまことに残念でありまして、私どもは、総務部長会議を招集いたしまして、その都度県の総務部長に対しまして、研修などのあらゆる機会をとらまえて、これでもかこれでもかというような周知徹底、教育の徹底、そういうものに努めていただくようにお願いをしておるわけであります。  今後も、少なくともそういった地方の公務員が御指摘のような事件を起こすようなことがないように、厳に慎んでまいりたいと思うわけであります。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村(勝)分科員 繰り返しになりますけれども、公務員による差別発言が頻発をしておるということについては、公務員の発言が住民から注目されやすいという面はあると思います。しかし、公務員がそういう過ちをたびたび犯すということは、その地域における一般住民は、さらにそれに何倍するそういった差別事件が隠れたところにあるということも思わざるを得ないわけであります。そして、差別については極めて心理的な微妙な点もございますけれども、要するにそういう同和地区の方々に不快な念を起こさせるということ自体が差別でありますから、この言葉がいい、この言葉が悪いということでは――もちろんそういうことがありますけれども、そのことだけではなくて、抽象的、一般的に言えばその該当、と言うとこれまた言葉がいいか悪いかわかりませんけれども、その地区の方々に不快な念を起こさせることがすべてこれは差別だ、こう言ってもいいと思うのですよ。ですから、例えば事業をやる、この事業はこういうことでやったんだよ、同和地区のためにこの事業をやったんだよということを公言するだけでも、これはそのときの状況にもよりますが、そういうことを公言したことがその地区の皆さん方に不快の念を与えたとすれば、そのこと自体が既に差別になる、差別と受け取られるわけであります。極めて微妙な点もありますけれども、要するに地区の方々にいささかでも不快の念を与えないという心がけが必要だと思うのです。  そのためには国家公務員、特に地方公務員、直接接触をされるのは地方公務員の方々が多いのでありますから、地方公務員の方々に根本的な意識の転換、意識の転換といいますか、この問題についての認識を新たにしていただいて、こういうことが絶対ないようにしていただくことが必要だと思います。  そういう意味で、地方公務員の間接の監督者である大臣には、そういう面での教育あるいは指導をぜひ徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょう。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 ただいまの御指摘につきましては当然のことでございまして、私どもといたしまして、率先垂範していかなければならない公務員の立場でございますので、特にその点につきましては十分啓蒙啓発して指導していかなければならない、そのように考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村(勝)分科員 それからもう一つ、これはそういう方々の身分に関することでありまして、世上一部には「地名総鑑」ということが問題になったことがございますけれども、それとは違いますが、戸籍や住民票を本人ではなくて第三者が取って、その身分を探っていく、追求していくということが一部では行われておるようであります。  これは関西の方で起こったことでありますが、にせの弁護士やにせの税理士を名のって戸籍の謄本や住民票を不法に大量に取った、そしてこれを売りさばいたというような不祥事があるわけであります。これについては、法務省はいらっしゃってないですね。法務省はお願いしてなかったですかね。――これを管理するのは各地方自治体の長でありますから、この管理監督についても厳しく指導していただく、それから管理をしていただく。それから、不法にプライバシーを侵すことのないようにこれを指導願いたいと思いますが、いかがでしょう。

大林勝臣自治省行政局長

○大林政府委員 御指摘の事件は、戸籍問題でございますので法務省の所管ということになりますけれども、確かに役場の窓口で処理をしておる問題でもございます。と同時に、自治省といたしましても住民票を所管しておるところでもございます。特に、住民票あるいは戸籍の付票、そういったものが悪用されないように、先般、昨年でございますか、住民基本台帳法の一部を改正して、そういった差別事件が起こらないような手はずを整えたところでありますが、先般の、弁護士をかたって大変な事件を起こしておるということに対応いたしまして、法務省といたしましても、また自治省として、住民票サイドの措置といたしまして、現在の制度が、戸籍にしろ住民票にしろ、弁護士でありますとか行政書士あるいは司法書士、いわゆる士族と言われております事業に当たっておられる方々に対しては、申請の手続が一般の方々よりも割合緩い取り扱いになっておりますためにそういった事件が起こったのではないだろうか、こういうことで。そういった事業をやっておられる方々に対しましては、もう絶対に悪用されないような一定の書式をあらかじめその業界においてつくっておいていただいて、そういった書式に電話番号からあるいは代理人であれば代理人の名前をちゃんと書いておって、窓口で後から確認ができるようなそういった書式に基づいて申請しなければもうそういったものは出さない、こういう取り決めをいたしまして、関係の業界にも連絡をし、同意を得たところであります。  今後とも、そういった事件が起こらないように心がけてまいりたいと思います。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村(勝)分科員 そこで、最後に大臣にお伺いしますが、今まで政府におきましてもハード面での施策を進めておられますけれども、同対審の答申に基づいて総合的、恒久的、抜本的な施策が可能となる方策、これは立法ということになりますが、これを求めた議会決議等もなされております。今後の大臣のこの問題に対する見解はいかがですか。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 この問題は、法律につきましては明年の三月に期限が来るわけでございます。まだその期間内に積み残しておる事業等ももちろんありますので、そういう事業の完全な消化を目指して努力してまいりたいと考えております。その以後のことにつきましては、今後、そういった全体の状況を勘案いたしまして、政府全体として判断していく問題であると考えております。  いずれにいたしましても、先生先ほど来御指摘のように、ハードの面といたしましては政府も一生懸命頑張って、かなりの成果を上げてきていると思います。一方の意識面についての改善がより一層要求されておると思いますので、その点につきましても、御指摘を踏まえまして今後最善の努力をいたしたい、そのように考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村(勝)分科員 次の問題でありますが、いわゆる一票の格差の問題でございます。  この問題については、衆議院の定数が違憲状態であるということ、それからそれに対する努力も現在なされておりますので、これについて大臣から直ちにどうこうという御発言は無理かと思います。しかし、これは繰り返すまでもなく、代表民主主義の原点はやはり人口比によって代表を出すということが原点でありますから、そういう点をぜひひとつ認識をさらに一層固めていただきまして、今、議会の中で各党の折衝がされておりますけれども、それに対するいろいろな助言なり、あるいは政府としても指導的な役割を演ずる局面が必ずあるはずであります。そしてまた、議院内閣制である以上は、現在の政府は多数の自民党の上に立っているということでありますから、政府及び自民党の責任は極めて重いわけであります。基本的には政府・自民党の責任であると言っても差し支えないわけであります。でありますから、現在の段階ではないと思いますけれども、時期が来たらひとつ強力にその是正についての主導権を発揮していただく、また議会に対しても助言というようなこともひとつ政府の立場からもお願いしたいと思います。  衆議院についてはそういうことでありますけれども、もう一つ問題なのは地方議会、特に都道府県の定数の不均衡ということが甚しいわけであります。」  この問題については東京都及び千葉県、私は千葉県でありますけれども、東京都については既に最高裁の違憲判決がございまして、是正が行われて都議選が行われた。ところが、是正されたその後においてもやはり違憲だということが、最近東京高裁民事十二部で言い渡されました。これは第一審ではありますけれども、かなり厳しい内容のものであります。この格差については一対二が限度である、二倍を超えてはいけない。代表民主主義を原則とする限りは一人一票ということが原則でありますから、一人一票という原則からすれば、一対二以内ということ、これは当然理論的にもそう言えるはずであります。東京高裁では、二倍以内が限度である、しかも根本的な是正というのですから、二倍以内に是正がない限りは次回の選挙は無効であるという厳しい判示をしておるわけですね。こういうことで、理論的にも一対二が限度だ、これはだれが考えてもそういうことが言えると思います。ですから、そうしますと、これからも政治意識が次第に高まるに従って政治に対する権利意識も高まってまいりますから、この原則というのはやはり近い将来最高裁においてもそう判示せざるを得ない事態になると思います。  そういうことを踏まえた場合に、現在の公職選挙法の規定、特に地方自治体の議員定数を定めた公選法十五条、これはそう言うと失礼ですけれども、甚だあいまいなんですよね、人口主義という原則からすれば。ですから、そういう時代の推移にかんがみまして、この公選法十五条は当然見直しをしなければならないはずでありますし、また自治省とすれば、東京、千葉県を初め甚だしい格差をそのまま今まで見逃してきたわけでありますから、これからはそういうことのないように、大臣としても自治省としても強力に指導することが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

小笠原臣也自治省行政局選挙部長

○小笠原政府委員 都道府県議会議員の選挙区あるいは選挙区別の議員定数の定め方につきましては、公職選挙法に基本的な原則なりいろいろな特別の規定が設けられておるわけでございます。この公職選挙法の規定に基づいて、原則的には人口比例を基準として定数配分が行われなければならないことは御指摘のとおりでございます。  ただ、この定数の定めにつきましては条例で定めることになっておりまして、条例の改正は次の一般選挙から適用するということになっておるわけでございます。次の一般選挙といいますと、東京、茨城、沖縄県を除きますと来年の春が予定されておるわけでございまして、その来年の春までの間に、新しく出ます六十年国勢調査の速報値あるいは確定値等をもとにして、各都道府県でいろいろと検討が行われるだろうと思っております。  この問題は何といいましても、法律の規定に基づく各都道府県議会における自主的な決定というものが地方自治の建前からいっても第一であるべきだろうと思っておりますので、それぞれの都道府県の議会において真剣に論議をしていただく、その際には公職選挙法の規定なりあるいは既に出ております判例等を十分に考慮していただいて対処していただかなければいけないと思っているわけでございますが、私どもといたしましては、それぞれの都道府県から御相談がありました場合には十分相談に応じて、適正な定数配分が行われるように指導してまいりたい、このように考えておるわけでございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村(勝)分科員 今の法体系を守っていくということからすれば、今の答弁しかできないと思いますよ。思いますけれども、今の司法の判断あるいはその趨勢、それから住民運動といいますか有権者の動向、そういったことからすれば、これは近い将来最高裁も二倍を超えてはいけないという判断を下すことはまず間違いないということが予想されます。それからまた、既に第一審では何回かそういう例があるわけでありまして、近い将来、現在の法体系はその司法の判断と矛盾してくるということに。なると思います。ですから、そういった点で今後の御検討を十分お願いしたいと思います。時間が参りましたので、その点ひとつ大臣、特に御検討をお願いします。終わります。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。  次に、辻一彦君。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 私は、きょうは雪害の問題について、地方住民の負担が非常に重くなっておる、これはぜひひとつ今後軽減をしなくてはならない、そういう立場から二、三質問をいたしたいと思います。  ことしの雪は、五十六年に続いて五十九年、六十年と三回に及ぶ豪雪等によって、まあ青森の東北の方もそうでありますが、北信越の地域の方も三年越しの豪雪に見舞われて非常に多くの被害が出ております。今まで雪を宿命としてあきらめておったうらみがありますが、最近はこれを災害としてとらえて、これに対して自分たちの暮らしを何としても守らなくてはならない、こういう立場でいろんな要望や運動が起きております。雪が降ることによって雪害による住民の負担というものが非常にかさんでくる、これに対してこれを軽減するということをやらなければ、地域格差といいますか、雪の降る地帯の格差というものはなかなか埋められない。そういう点で雪害に対する税制等々の面を通しての軽減がぜひ必要であると思いますが、その前に、ことしの雪の中で全般的に見て激甚災害法を発動し得る要件があるかどうか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 国土庁は来てないですね。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 国土庁は呼ばずにおいたので無理ないんですが、自治省の方で様子はわかりませんか。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 数字そのものは今はっきりした資料を持っておりませんけれども、三年連続の雪害ということで、私どもの方には地方団体除雪経費についての要望が非常にたくさん出ております。私どももその辺を十分勘案しながら作業を進めておるところでございますが、通常の場合ですとこう二年も続くということはないと思うわけでございますけれども、特にことしは三年連続、しかもどうも前年度より大きいというふうな状況であるというふうに認識いたしております。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 激甚災害法を発動できる要件があるかどうか、それは今ここでわかりませんか。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 現在のところ、国土庁からそのようなお話を承っておりません。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 これは被害がいろいろ整理をされて、青森あたりの被害額が数字としてまとまってこないと、その要件があるかどうかということがまだ定かでないと思いますから、その点はまた次の機会にひとつ留保しておきたいと思います。  そこで、除雪費であるとかいろんな経費がかかる中で、特交配分の増額を要請する声も非常に強い。これは自治省の方に再三自治体の方からも参っておると思いますが、大体特交は、三月下旬の市町村の議会等をにらんで、およそいつごろその配分等が決まるのかどうか。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 現在、特別交付税の作業を進めておりますけれども、大体今月中旬に決定いたす予定でございます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 そこで、これは雪害に伴う減税といいますか、税額控除の問題についてまず大蔵省に伺って、それから自治省に伺っていきたいと思います。  私は、参議院の災特委員長を五十年ごろにやっておって、そのときに集中審議をやって、後に大蔵の方でかなりこの問題を詰めて、年収の一割以上があれば控除するというのでは現実的でないという点から、五万円を超える場合税額控除の対象になる、これは屋根の雪おろしですね、ということになった経緯があります。  ところが、それだけに限らず、私も福井県の非常に毎年雪の深いところですが、雪国の場合は、例えば冬になりますと雪囲いといって、竹のすだれで家の玄関からぐるっと囲って雪が下に落ちても中へ圧力がかからないようにする、こういう雪囲いという経費もありますし、それから屋根の雪をおろしても、これをおろしていたのではもう道が通れないので、公共の県や市でやる道がありますが、生活道路等あるいは家の周辺はぜひこれを除かなくてはならないという問題。さらに春になりますと、冬じゅう屋根に大体三回ぐらい上がって雪おろしをやる、私もやっておりますが、スコップで屋根のかわらを傷めたりいろいろして、雪が解けた時分には屋根が非常に傷んでかわらを相当直さなくちゃいけない。こういう家屋の修理というものも実質的に経費がかかる。あるいは、もう言うまでもなく暖房費は雪が降って寒ければ相当余分に要りますし、被服もそうですし、特に自動車を維持する経費が非常に大きい。東京にも一遍雪が降ると大変混雑しますが、スノータイヤ、タイヤチェーン、それからちょっと置いておいて当て逃げをされたり、雪の道では車が自然と近寄って接触して事故が起きる、その修繕費等々を挙げると、一台の自動車を維持していくために相当な経費がかかる。加えて、なかなか一般の勤労者では住宅の中に車庫がないので外に線を引いて青空車庫を持っている場合があるのですが、雪が深いと必ず雪掘りといって自動車の周辺の雪をはねなくてはいけない。この労力も非常にかかるわけです。  これらをずっと計算してみると、雪のないところに比べて住民の負担は相当な金額になる。これは五十二年にさきの論議をしたときに、新潟のある町の例を引いて十五万と言ったのですが、今日のあれにすればもっと多くの経費がかかっているのではないか。国土庁はこのときに、そういう生活費に幾らぐらいお金がかかるかということを一遍調査したいと言いながら、今日まで聞いてみるとそのままになっておるようでありますが、相当な金額がかさむのです。  したがって、屋根の雪おろしを五万円を超えた場合に領収書を持ってくれば控除するというようなものでなしに、雪が一メーター、一・五メーター、二メーターというように一定量を超えて降ったとき、降雪があったときには、自動的に豪雪控除あるいは雪害控除という方法によって所得税等における税負担の軽減をやるべきじゃないかと思うのですが、ここ数年、そういう問題について大蔵当局でかなり具体的に論議されているならば、中身も聞かせてほしいし、ひとつ見解を承りたいと思います。

小川是大蔵省主税局税制第一課長

○小川説明員 いわゆる豪雪控除についてのお尋ねでございますが、積雪地帯といったような地域的な事情をしんしゃくして税制上特別な控除を認めるということは、従来の税制調査会での御審議でも、いろいろ事情はあるにしても難しいという答申が出ております。ごく最近では五十八年十一月のいわゆる中期税制の答申でございますが、その中におきましても、話題になっております他の例えば教育費控除等々と並びまして、いわゆる寒冷地控除あるいは豪雪控除といったようなものにつきまして議論がされました後、結論的には「地理的条件や社会的条件の差異等に着目して新規控除を次々に創設していく場合には、税制をいたずらに複雑にするし、そもそも様々な国民の生活態様の中から特定の条件や特定の家計支出を抜き出して、税制上しん酌するにはおのずから限界があり、適当でない」という答申をいただいておるところでございます。  先ほど先生がおっしゃられましたように、五十六年の雑損控除の政令改正による手当てが税制としての対応の精いっぱいであろうかと存じます。それなりにこの制度が今日まで四、五年の間に利用されているという状況を御報告さしていただきたいと存じます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 とすれば、以前に論議をしてある程度決着をした以降、内容的にはそれ以上の前進は余りないということですね。これはやはり、雪国の暮らしというものが雪のないところの人には想像ができないというか、いろいろな複雑な経費がかかる、これを私は本格的に、雪に伴う経費がどれぐらい余分に要るかということを、一遍大蔵当局もいろいろな角度からぜひ調査をして、そして具体的な数字で、これはもうこういうことを言うのは無理なのか、あるいはこれだけの開きがあれば考えていかなくてはならないのか、こういうことは数字の根拠なしにはなかなか言えないと思うので、いろいろなケースがありますが、我々もそれは広範な範囲にわたって調べたわけではないので、それをもって広い地域には当てはまらないと思いますが、大蔵当局で一遍これらについての調査をしてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。

小川是大蔵省主税局税制第一課長

○小川説明員 御指摘の点は、先ほどの税制調査会の答申の中で言っておられますように、地域的に見ましても確かに雪国の方の生活には大変なところがあり、掛かり増しのいろいろな生活費がかかるというところはあろうかと存じます。また他の地域、台風が多く通るところ、あるいは雪はないけれども寒いところ、あるいは暑いところでは冷房が要るとか、そういう地域的な生活の条件の違いというのはいろいろあろうかと存じます。そうではございますが、それを長年議論をして、やはり個別にしんしゃくをする、所得税の課税上個別にそこを考えるということには無理があるというのが、今日までの議論の集約であろうと存じます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 いや、それは税調にも的確なる数字を示さずに一般的に聞けば、それはもう一般論で難しいということに私はなると思いますね。しかし事実、雪があるためにこれだけ暮らしに余分の経費が、お金がかかっておるということが明白になれば、また観点が変わってくると思うのですが、そういう意味で一遍数字をそろえなくてはいかぬのですが、税調に諮問をしたときにそういう数字をそろえて出しているのか、一般的な諮問という形なのか、それはどうですか。

小川是大蔵省主税局税制第一課長

○小川説明員 ただいま私、手元に持っておりませんが、この雪の関係での掛かり増し等につきましては国土庁においていろいろ検討をされていたと存じます。これまで私どもへ税制改正の要望がございましたときに、今先生がおっしゃられたようなデータが具体的にあったかどうか、ちょっと記憶に定かでございませんけれども、今の点につきましては私の方で国土庁の方へお尋ねをしてみたいと存じます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 きょう国土庁を呼んでおらずに言っても始まりませんが、これは数年前やはり国会で、国土庁は具体的に調査をしてみたいということを答弁しているのですね。だから、なされているのならいいし、なされていないのならぜひやってもらうように、これはひとつ大蔵の方から連絡をとっていただきたい。  そこでもう一つ、地方税の方ですが、固定資産税の中で、一つは、雪を処理するベースを考慮して小規模住宅用地の面積、これは現行四分の一が適用されておりますが、この特例措置の面積を拡大してほしいという要望が非常に強いのですね。  これについて若干申し上げますと、現行法ではその限界が二百平米になっておるのです。二百平米といいますと大体六十六坪ほどになりますか、だから八間と八間。我々は坪で言った方がよくわかるのですが、八間と八間というと六十四坪ほどですね、だから大体二百平米になる。それだけの土地、八間四方、二百平米の土地を一つ買って、そこへ三十坪の言うならば百平米ほどの家を建てるとしますと、枠をつけてみると、家の両わきに、横では五間に前は六間の家の三十坪を建てた。とすると、前は一間ずつしか残らないですね、二メーター弱しか残らない。横は後ろに一間、前に二間としますとこれだけの空白。空地では、雪が降って屋根の雪をおろしたら、もし両側に同じような面積を持った家が並んでおって、両側が雪をおろしたら、隣同士けんかするぐらいのことになってしまう。雪がよその庭先に入ってしまう。もうゆとりが全然ないわけですね。それだけではなしに、今度はそういう雪を外へ運んで排雪をしなければならない。そこに広い面積があれば屋根からおろした雪をはねておけばいいのですけれども、狭いところだったら外に持ち出さなければならない。これは大変な経費がかかる。一日手伝ってもらうと一万円とか二万円、小型トラックでも持ってきて入れてもらえば二万円ぐらい払わなければならぬというように、非常に経費がかかるのです。  そこで、雪がこれだけ降る地域では、ウサギ小屋ではないけれども、もうちょっとゆとりのある土地面積というものが必要ではないか。こういう点から二百平米、これを引き上げてほしいという要望が雪国には非常に強いわけですが、これについて御見解をひとつ承りたいと思います。

矢野浩一郎自治省税務局長

○矢野政府委員 住宅用地にかかる固定資産税の特例の面積を積雪地帯においてはさらに引き上げるべきではないかというようなお話、ただいま先生から御指摘もございましたが、これは私どももいろいろ関係方面から聞いておるところでございます。  ただ、現在住宅用地にかかる固定資産税につきましては、一般には一定面積までは住宅用地は二分の一になっておりますし、御指摘のようにさらにその中で二百平方メートルまでは四分の一、このようにしておるところでございます。これはやはり住宅として使用している場合の住民の担税力というものを考慮して、そのような措置をしたわけでございます。したがって、そういう意味では、住宅用地のうち日常生活を営むための最小限度必要な部分について税負担を軽減しようという趣旨でございまして、それぞれの地域のいろいろな事情によって、二百平方メートルまででございますが、小規模住宅用地の面積の拡大を図るということは固定資産税の性格上は難しいと考えておるところでございます。  そういった点についてはただいま申し上げたように困難と思うわけでございますが、一方では建物、家屋の方につきましては、積雪寒冷地域については、その積雪寒冷度に応じていわゆる経年減価、一定の年がたってきますとだんだん価額を減じるという意味でございますが、経年減価を特別に最高二五%まで講じるというような措置を講じているところでございまして、土地についてはさらにそれ以上のものを特別に設けるということは固定資産税の性格上、困難と考えているところでございます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 難しさはわかりますが、法律ができた時代の家の広さ、そういうものから随分時間がたつと、やはり家は小規模といえども少しは広くなっていくのですね。だから、従来はそれで済んだけれども、もう少し広くなっていく、これは普通の流れじゃないか。そして、今までどおりの家を建てたとしても、雪があれだけかさんだら、降った屋根の雪をおろせば動きがつかなくなるというこの現実を見れば、局長も一遍そういう雪の深いところに住んで一冬過ごしてもらって体験してもらうとわかると思うのですよ。大臣の国は雪のあるところかどうか私もあれですが、一遍一冬体験してもらうとよくわかると思うのですが、これは税制上の難しさがあるのはよくよくわかりますけれども、内需の拡大の中身としても住宅を今ふやしていこうという非常に大事な柱になりつつあるときに、勤労者のこういう声を酌み入れていけば家を建てていくのはまたふえていくわけですから、一遍これは検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

矢野浩一郎自治省税務局長

○矢野政府委員 確かに雪国の場合、物理的に言って、排雪をしたスペースを確保するために通常の地域より広い面積を必要とするというような御事情、これは私も決して否定するわけではございませんし、またそのような実態にはなっていると思います。  ただ、先ほど申し上げましたように二百平方メートル、本来固定資産税については、その利用の仕方というものについて区別をすることなく一定の評価でやるという建前の中での住宅用地については特別の配慮をすべきだ、こういう趣旨からできておるものでございまして、この二百平方メートルというものはそういう意味での現在の一つの妥当なレベルかと私ども考えております。  積雪地帯についてこの点に関して特に広げるというのは、繰り返しになりますが、やはりなかなか難しい。さりとて、二百平方メートルそのものをさらにまた一般的に引き上げるということにつきましては、これは率直に申しまして膨大な税収の減を伴うことでございます。地方財源の観点からいってもこれもなかなか難しいという点がございますので、この点につきましては私どもとしては対応が困難であろうかと考えております。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 ガードががたいのはよくわかりますが、これは雪国は今大変切実な問題になって。おりますから、なおひとついろいろな機会に研究をいただきたいと思います。もう少しまた数字を調べて、時間を取ってこういう問題についてはまだ触れたいと思います。  そこで、文部省の方からも来てもらっておりますが、内需拡大ということで、今住宅とあわせて国産の木材をできる限り使うべきであるという問題があります。これは、国土保全という点からいっても建設の方からいっても、治山治水をやるためにはそのもとである山を、森林を守っていくということが大事でありますが、そういう点で、もう国産材が西暦二〇〇〇年になればどんどん伐採をしなくてはならぬという時期になってくる、そのときに木材が生かせなければ日本の山自体、言うならば治山治水が守れなくなるというような懸念もありますが、そういう点で国産の木をできる限り使って建物を建てる。そういう場合に、山村の学校等、ふもとの方から生コンを上げてくるよりも木はたくさんあるわけですから、そういうものを使って木造でもう少し学校等の建築をやってもらう、あるいはこれは自治省にも関係がありますが、いろいろな建物にできる限り木を使ってもらう、こういうことがぜひこれから必要でないかと思いますが、これについてちょっと文部当局見えておりましたら、見解を伺いたいと思います。  何か手落ちがあったようでありますから、それじゃ文部当局にそれを聞くわけにはいきませんから、では改めて、学校は文部省の所管でありますが、また自治省は、府県、市町村が全部建てるわけでありますから十分な縁がありますので、そういう学校に木を使っていく。それからまた、地方自治体のいろいろな公共的な建物に木材を使っていく。例えば、去年の九月に貿易摩擦で十日ほど、六人ほどの各党の皆さんと一緒にアメリカヘ参りましていろいろな論議をしましたが、タコマという有名な木材の輸出港に参ったときに、二万五千人入る市民ドーム、四百メーターの競技場が完全に木で囲ってある。木造でやっておるのですね。そういうのを見ると、日本ももう少し木を使って学校や、さらに自治体がいろいろな公共建物を持ちますが、それらに力を入れていくということが大事じゃないか、こういう感じが非常にするのでありますが、これについての可能性といいますか取り組み等について、担当の方から伺いたいと思います。

石山努自治省大臣官房審議官

○石山(努)政府委員 国産材を活用しその需要の拡大を図るということは、森林・林業及び木材産業の活力を回復するというような観点からも非常に重要な課題でございまして、政府といたしましても、対外経済対策の一環として既に木材需要の拡大の方針を決定しているところであります。私どもとしても地方団体に対して、この方針について全面的に協力をし、その推進を図るように要請をいたしております。  今御質問の中で、学校施設への木材使用の促進の問題がございました。この問題については、御指摘もございましたように、文部省の方からゆとりある環境の整備といいますか、そういうような観点も含めて指導がなされているところでございまして、私どもとしても、学校施設以外の問題もあろうかと思いますが、今後、必要に応じまして関係省庁とも十分連携をとりながら、適切な対応をしてまいりたい、かように考えております。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 これで終わりますが、木材は学校のみに限らず、さっきタコマの例もありますが、地方公共団体、自治団体、公共性の中にできる限りこれを使ってもらうということが大事だと思いますが、ちょっと大臣の所見を最後にお願いしたいと思います。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 先生御指摘のとおり、木材産業の振興という面もございますし、また我が国のいわゆる国土保全、森林保全という面におきましても必要なことであると思います。特に、最近学校にいたしましても、あるいはその他の構造建築物にいたしましても、コンクリートで囲まれた中におるよりも日本人の場合は情操的な意味からも木材というものに親しんでおるし、そういう面からも必要であるというような指摘もなされておるようでございます。もちろん、コストの面、耐久の面とかいろいろなことがあるでしょうけれども、私どもといたしましても、先生の御指摘を踏まえまして、今後ともできるだけ木材を活用していけるように指導してまいりたいと存じます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(一)分科員 じゃ、終わります。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。  次に、永井孝信君。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 まず、国鉄当局にお伺いしたいと思うのですが、国鉄が今財政再建のために大変な状況にあるということはみんながわかっているのでありますが、たとえ国鉄の財政が大変な赤字であったとしても、国鉄の果たしていくべき責任と役割のもとで必要なものは必要として、例えば投資の対象にしていかなければいけないことがあると思うのですが、どうでございますか。

村上郁雄日本国有鉄道施設局長

○村上説明員 お答え申し上げます。  国鉄の財政は非常に逼迫しておりますので、国鉄の行う投資につきましては非常に制限をされてきておるわけでございまして、その投資物件の選択に当たっては、非常に慎重な検討を行った上で投資をしている現状にあるわけでございます。現在、私どもがその少ない工事費の中から工事を行うときには、国鉄の一番の生命でございます安全輸送といったことを主眼にいたしまして、少なくとも事故の起こらないようにといったことを主眼に、あるいは今の経営の合理化を徹底させるための投資といったところに重点を置いて工事を進めておるところでございます。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 分科会でございますから、いろいろな地域の直接関係する問題についてお尋ねするのですが、それはお許しをいただきまして、具体的な問題についてお聞きいたしたいと思います。  まず一つは、山陽本線の加古川駅付近の高架の事業でありますけれども、これは昨年も一昨年も私はこの問題を取り上げてまいりました。そのたびに、この高架の工事の促進については十分に努力をするという意味の、運輸当局も全部そういう答弁をしてきているのでありますけれども、この加古川駅の高架の問題については、昭和五十九年度で事業採択がされているのです。その次の作業というのは、都市計画の策定なんですね。都市計画の策定がされて、関係大臣の認可をいただいて、工事協定を結んで工事着工と順番がなっていくのですが、今までの国鉄のそういう高架の工事なんかを見てみると、大体平均十年くらいかかっているのです、事業採択から工事着工まで。これは十年一昔といいまして、十年もたてば世の中は変わっていくのです。  例を出して恐縮でありますが、私はこの前名古屋へ調査に行ったことがありました。名古屋の臨港貨物線なんというのは、計画されてから工事着工まで随分と、二十年もかかって、ようやく工事が進捗してでき上がった時分にはもうその線は要らないというのです。こんなばかな話はないと思うのです。しかし、十年もかかると確かにそういう状況は変わるのですよ。これではいかぬと思うのですね。必要だから高架の工事をするのであって、事業採択したのであって、それなら速やかにそれら工事が着工できるようにしていかなければならぬと思うのです。ところが、この加古川駅の高架問題で言うと、五十九年度事業採択したままで都市計画策定は全く行われていない、いろいろ検討はされているのですが。  地元の新聞がありまして、神戸新聞というのですが、地元の問題に非常に熱心な新聞なのでこれを参考にさせていただきますが、ことしの六月までに都市計画の決定を自治体が目指している。ところがそれがなかなかできない、暗礁に乗り上げている。何が暗礁に乗り上げているのかというと、国鉄の駅の周辺の土地の扱い方をめぐって実は計画が進んでいない、こういうことなんですね。いろいろ確かめてみましたけれども、そのとおりだそうであります。  ちょっと私の方からの一方的な演説になって恐縮でありますけれども、国鉄の加古川駅というのは、山陽本線と加古川線と高砂線が乗り入れていたのです。高砂線を廃止いたしました。廃止する前には、高砂線を一緒にして高架にすればかなり工事費が高くつく、だから高砂線がもし廃止になれば、工事費が安くつきますよということが国鉄から示されたことも事実であります。それまで、高砂線を残そうと一生懸命になっておった自治体の幹部たちも、地元の負担が高くなるものですから、じゃあ高砂線廃止やむを得ないな、こうなって、巧妙に国鉄の作戦にひっかかったと私は思うのですね。  それで高砂線が廃止になりました。じゃあ計画が進むのか、全く進まないわけですよ。それは、駅裏の方になるのですけれども、駅の北側になっている国鉄の持っているヤードの跡地などの利用をめぐって、国鉄の分割・民営問題があるから今土地の問題は手がつけられないということであるとするならば、一体いつになったらこの計画ができるのかわからなくなる。これは思い切って、再建監理委員会の答申がどうあろうとあるいは分割・民営の問題がどうあろうとも、長年かかって計画し事業採択してきた経過があるのだから、その問題とは別に切り離して自治体と協議ができるようにできないものですか。それをお答えいただけますか。

村上郁雄日本国有鉄道施設局長

○村上説明員 この加古川駅の高架化の問題につきましては、先生おっしゃいましたように五十九年に事業採択していただいておりまして、私どもの聞いておりますところでは、今建設省御当局と兵庫県とが一緒になって、その都市計画づくりを盛んに進められておるというふうに伺っております。その中で、鉄道高架化事業と一体となる面的整備の中で、私どもの保有しております土地が非常に貴重な種地になってこようかというふうに私どもも思っておるわけでございますけれども、具体的に都市計画のブランができました段階で、私どもの方に県御当局あるいは市の方からいろいろと協議があるというふうに思っておりまして、協議がございましたら、私どももその協議を受けて検討してまいりたいと思っております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 局長はそうお答えになりましたけれども、自治大臣もよく聞いておいてくださいよ。二百億からの負担金を地元の自治体が持つのですから、いろいろ作業していく過程で私も何回も担当者から相談を受けました。高架の工事、駅周辺の市街地開発、街路計画の三点セットで進めるのです。その場合に、区画整理や街路整備による土地の目減り分というものを還元しなくてはいけない。田畑の減歩と一緒ですね。この分についてはできるだけ公共用地であてがっていかないと、こんな工事は前へ進まないのですよ。ところが、監理委員会の答申もあり分割・民営化の政府の動向もあって、すんなりその土地が市の求めているような形になるかどうかがなかなかめどがつかないから、計画が現実はストップしている、前へ進まない。  だからあえて言うなら、その区画整理や街路整備によるいわゆる減歩方式の還元について、国鉄の今持っておる用地も、全体の都市計画の中でそれについては十分こたえていくという方向で国鉄当局が踏み切っていけば、この計画は早く進むのですよ。あなた、こんなものは何もないところにつくるのじゃないのです。すべてその計画待ちで、周辺の開発も全部ストップしておるのです。全然都市化ができないのですよ。そういう状態でありますので、ひとつ国鉄当局しっかりと答えてください。時間がないですから長々要りません、短い言葉でいいです。

村上郁雄日本国有鉄道施設局長

○村上説明員 先生御指摘の国鉄の用地につきまして、今国鉄全体として再建監理委員会の指摘も受けまして、国鉄の債務償還をするためにできるだけの用地を生み出すということで、その償還する対象の用地をどれだけにするかという作業を現在国鉄全体で進めておる最中でございます。恐らくこの加古川駅の周辺の土地につきましても、その一部に充てられるということになるわけでございますけれども、その細部につきまして決定するというところには至っておらない現状でございます。しかしながら、地元の都市計画の進捗に合わせまして、私どもの方と県あるいは市との協議は、あくまでも案が固まる進捗に合わせて続けていきたいと思っております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 大臣今言われたとおりで、自治体からそういう協議の申し入れがあれば協議に応ずる、こう国鉄当局は言うのですね。片方で、債務を償還するための資金を捻出するために土地は確保しておこう、今簡単に処理ができない、こういうことなんです。これでは自治体、どうにもならぬわけです。だから自治省としても、自治体の持っている都市計画の問題については、大臣も分割・民営の問題を閣議決定されたその一人ですから、安易に閣議決定されたのではないと思うけれども、そういう問題が自治体にはね返ってくるのだよということは承知しておいてください。いいですか、これは後でまとめて答弁をいただきます。あと時間がありませんから、国鉄当局も積極的に、自治体のそういう要望に従って受け入れて協力をするという姿勢を持ってくださいよ。それは注文しておきます。答弁要りません。  その次に、山陽本線のことばかり言って恐縮なんですけれども、私のところは人口急増地帯でございまして、例えば私の選挙区で言えば定数三ですけれども、私のところよりも人口がはるかに少なくて、定数五以上というところが十幾つもあるのですよ。それほど人口急増地帯。この定数問題はさておいて、私の選挙区で言うと、片方からしか乗れない駅が曽根駅、東加古川、土山、魚住、大久保、これだけ、五つあるのです。加古川駅と宝殿駅はいずれからも乗れるのです。あとの駅は全部片っ方です。ところが、どんどん開発されていくということは、昔玄関口でなかった方しか土地があいていないものだから、そこがどんどん住宅として開発されて、もう人口の密集地帯なんですよ。その人たちは、全部踏切を越えないと乗れないのです。だから、東加古川の駅で御承知のように電車に間に合わなくなって、朝のラッシュは電車がどんどん通るものですからくぐれないわけです。待ちくたびれてくぐっておって、女子高校生が昨年の九月も即死をいたしたという痛ましい事故もありました。  土山駅の例をとってみますと、土山駅は明治二十一年十二月の開業、大臣、歴史があるのです。ところがこの土山駅は、途中で改修はされておりますけれども、駅の規模、とりわけホームからホームヘ渡る陸橋というのがありますけれども、開業当時のままなんです。開業当時どのくらいの乗降客があったのか知りませんけれども、国鉄当局にお調べいただきました。今から二十年前で六千五百三十六人、十年前で八千二百四十六人、そして一昨年ですね、五十九年度一万一千五十九人と乗客がふえてきたんです。恐らく開業当時は何百人という数字だったでしょう。そのときのままなんです。幅は一・八メートル、そこにラッシュに集中するのです。一万人超えておっても、まんべんだらりじゃないのですよ。朝の通勤時間帯に集中するのですから、いつ将棋倒しになって事故が起きても不思議でない。駅前は昔のままですから、バスは乗り入れてくるけれども、バスは方向転換ができないのです。だから、誘導員がついて方向転換する。そこへ従業員送迎用の企業のバスが入ってくる、タクシーがおる、マイカーが入ってきて、おろして、またトンボ返りで帰る。そこへわんと集中するのですから、いつそこで、目の前で交通事故が起きても不思議でない状態なんです。  東加古川でいいますと、その高校生が亡くなったところは、私の一方的なおしゃべりになりますけれども、これは昭和三十六年に地元の請願駅でできた。この当時、利用客は九百人でした。五十九年で、これが一万三千百六十九人にふえているのです。これも当時のまま。だから、片方しか乗れないからそういう問題が起きてくる。これについて国鉄当局は、地元から橋上化の要求が出ているのですけれども、一言でどうですか。一言で答えてください。

村上郁雄日本国有鉄道施設局長

○村上説明員 先生御指摘のように、東加古川の駅につきましては地元から橋上駅にしてほしい、駅の北口の方でもおりられるようにしてほしいという要望が来ておるわけでございますけれども、私どもとしては、財政的に非常に苦しいものでございますから、こういった比較的新しい駅につきまして国鉄として改築計画を持っておりませんために、それに要する費用につきまして地元が負担していただければ、工事をすることにつきましてはやぶさかではないというふうにお答え申しておるわけでございます。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 大臣、東加古川の駅では今募金運動が始まりました。それは国鉄当局が金を出してくれない。今あなたは、比較的新しい駅だから改築計画はないと言われるけれども、これだけ赤字のときで乗客が減ってきたときに、どんどん乗客がふえてきたところぐらい大事にしたらどうですか、国鉄当局は。土山駅だってそうなんです。じゃ、東加古川駅が比較的新しいと言うなら、土山駅は明治二十一年の開業だ。これは一体どうなんですか。私も地元の町長と一緒になって、大鉄局へも運輸省へも陳情に行きました。大鉄局長いわく、とてもとても国鉄では金は出せません、今のところは全く一銭の金も出すことはできません、こう言うわけです。  そこで、最近では国鉄がそういう橋上駅をつくらなかったのか、つくっているでしょう。四〇%以上の負担をして、必要なところはつくっているわけだ。昭和六十年につくっているじゃないですか。どんどん客がふえてくるところぐらいは、何ぼ金がなくても出したらいいじゃないですか、たとえわずかでも。なぜ私がそれを言うかというと、自治大臣、ここが大事ですよ。じゃ、地元で全額金を負担しよう、今度はおたくがストップをかけるわけだ。地方財政再建促進特別措置法という法律があるわけです。自治体の財政負担になるような支出はまかりならぬということで、ストップをかけるわけです。じゃ、自治体はどうするのですか。全額金を出そうとすれば自治省からストップがかかる、国鉄にたとえ何ぼでも持ってくれと言っても、国鉄は持てない、地元で負担しなさいと言う。国は一つなんですよ、政府は一つです。じゃ、住民はどうなるのですか、利用者は。自治大臣答えてください。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 やはり地方財政の立場からいたしますれば、これは国鉄の駅舎をつくるわけでございますから、本来国鉄がつくるべきであるというのが原則でございます。ただ、国鉄の駅の改築あるいは新設につきまして、在来線の場合には、地方団体も利益があるという場合には、私どももこれを十分認めてきておるわけでございます。そのときにも、やはり国鉄側の駅でございますから、全部が全部地方で持たなければならないという理屈はない。そこは国鉄さんの方で、本来駅をつくるとするならば要るという程度のものは国鉄でお持ちいただかなければ、全部国鉄の営業に関するものまで地方が持つというのは筋が違うのではないか。しかし、それを超える、国鉄の一般基準を超えるようなものをつくる、一般基準と申しますか、要するに国鉄が自分で直に必要としないというふうな部分についてのものにつきましては、これは自治省といたしましても大臣の承認を与えておるところでございまして、これまでも国鉄につきましては橋上化等につきまして大抵のものは認めてきておるところでございまして、今まで自治省がそのためにとめたというものはございません。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 大臣、もう一つ答えてください。私は、国鉄になぜ初めからそういう質問をしてきたかというと、そこの利用者にすれば、国鉄から見れば今の商法で言うと大切なお客さんなんですね。お客さんにサービスをするということ、東加古川の駅の例を出しましたけれども、土山駅の駅前もそんな状態ですから、旅客の安全を守るという面からいくと、ましてこれは放置できない問題だろう。だから、国鉄は財政は苦しいけれども、そういう必要なところは負担してやりなさい、こう言っているわけです。自治体にすれば、全額負担というのはかなわぬわけだけれども、仮に自治体が全額負担するからこれをやらせろと言ったときに、自治省はそれはだめだと言いなさんなよ、こういうことを僕は求めているわけだ。  この地方財政再建促進特別措置法の第二十四条のただし書きにありますね。「地元公共団体が」云云ということでずっとただし書きで説明をしてきて、「あらかじめ自治大臣の承認を得たものについては、この限りでない。」こうなっている。少なくともそういう必要ところは、自治省が精査をして認可を与えるというくらいのことはしてもらいたいし、国民の立場に立てば、自治大臣も国鉄当局あるいは運輸省に対して余りかたくななことは言わずに、必要なところは、どんどん金がもうかっていくところなんだから、そういうところについては国鉄さんも金を出しなさいということくらいは、自治省の方から自治体の立場に立って話をしてくだざいよ。財政再建のために分割・民営するということには、閣議決定であなたも一枚かんでいるわけだから、それだけが能じゃない。ちゃんとそういうことも始末をしてくださいよ。これについてひとつ大臣お答えください。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 同じような問題を私も地元で経験いたしました。これは新幹線でございましたけれども、最初は国鉄でつくっていただくということでお話ししておりましたが、いろいろな現状のような状況でございまして、地元で負担をいたしまして、今開通してお客さんにも予定よりいっぱい乗っていただいておるわけであります。  これは今局長も答弁いたしましたが、いわば自治省といたしまして地方の財政を心配して、本来国鉄がやるべきものは国鉄が出したらいいじゃないか、そういう親心からの話であろうと思います、しかしながら、現実に国鉄はなかなか金を出せないという状況、しかし住民の実際の必要性あるいは要望も強い、そういう問題につきましては地域の状況を十分勘案しながら対処していかなければならないであろう、私は基本的にそう思っております。ただ、できるだけ自治省が地方自治体の側に立って頑張ることによって、国鉄に対しましても本来の応分の費用というものは出すべきだよ、そういう意味合いにおきまして主張しておるのではないかなと私は推測いたしております。その点につきましても、なお先生の御意見も踏まえまして、国鉄、運輸省当局とも協力しながら、解決できるような方向で対処したいと考えております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 せっかくの機会ですから、こういうケースについてもちょっとお聞きしておきたいと思うのです。  最前申し上げた駅の中に曽根という駅がある。この曽根駅にも橋上化の問題が出まして、玄関口の方にはほとんど家がない、ほとんどの住宅が逆の方にあるものですから、踏切を渡らなければいかぬということでかなり前からこれが出ました。これは私は大変御無理をお願いしたところが、大鉄局から幹部がわざわざ駅のある地元まで来てくれまして、地元の市長さんや市会の関係者そして地元の町内会の役員の方々がたくさん集まって、私も入って、そこで懇談会を開いた。そのときに出てきたことは、橋上化が無理なら反対側の方から線路を越す跨線橋ですね、陸橋に向けて直接そこから上を越して階段だけつくろう、つくるための土地は無償で提供します、寄附がいかぬのなら無償で使ってください、そこに改札口をつくったら橋上化せぬでも済むじゃないかと言ったら、国鉄当局は、これはもう五年ほど前の話ですけれども、要員の配置は絶対だめだと言うのですよ。人をふやすことはだめだというわけですよね。よしわかった、それなら市が臨時職員を雇ってそこに張りつけるから、それでどうだと言ったら、臨時職員であっても、そういう改札に市の職員が入ってくるということは国鉄の業務への介入になりますからお断りしますと、こうなんだね。一体どうしたらいいんだろうということで、今オジャンになって暗礁に乗り上げてしまっているわけです、  これは土山も東加古川も同じことなんです。だから土山駅にしてみたって、橋上化駅にしてもらいたいという側を地元の自治体は都市計画で用地を全部買収してしまっているわけです、駅前の広場のあるところは。用地を買収してしまって、いつでもどうぞということになっているわけです。そこまで努力しているのですから、いろいろ財政再建の厳しい折だけれども、国鉄当局も必要なことは推進をする。自治省も、自治体の財政の苦しいところをいろいろ御心配いただくのはありがたいけれども、自治体が準備した資金によってそういうものを推進したいという場合は、自治省としても積極的にそれを支援してやるというぐらいの姿勢を持ってもらいたいと思うのですが、どうでございますか。時間がありませんから、そのことをお答えいただいて終わりたいと思うのです。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 今までそういうふうなことで、自治体が全部持たされたりしたようなことがございまして、そして地方財政再建促進特別措置法のような規定ができたわけでございますので、自治体が全部出すということにつきましては非常に抵抗があるわけでございます。ただ、やはり、そういった地元住民の要望あるいは乗客の増加という事実があるわけでございますから、私どもも国鉄の方とよくお話をいたしまして、それだけのニーズがあるならば、駅をつくるということについて応分の負担というか、本来は国鉄の負担でしょうけれども、そういったものについて持っていただくように私の方からもお話をしてまいりたいと思います。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 大臣、どうですか。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 今答弁があったとおりでございますけれども、私どもといたしましてもそういう地域のニーズ、地域の要望にこたえまして、必要なものにつきましては十分それに対処していけるように、こたえてやるようにしていかなければならないと考えております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 時間がなくなりましたからおきますが、国民から見れば、新幹線には地元から要求すれば地元の負担で立派な駅ができる、在来線はなかなかそうはいかぬ、しかし、国鉄を利用することは我々も一緒じゃないか、新幹線だけが鉄道か、東京駅だけが立派になったらいいのか、こうなっていくわけですね。自治省がどうあろうと運輸省がどうあろうと、国民から見れば政府は一つであって、いや建設省がこうだから、運輸省がこうだから、自治省がこうだからと。そんな区別はわからぬわけです。だから、各省庁間の連携をもっと密接にしていただいて、もっと横断的に行政が進むように、これは閣僚の一人として積極的に、頑張っていただきたいと思うのです。このことだけ御注文申し上げまして、地元の直接の具体的な問題で恐縮でしたけれども、分科会ということで御勘弁いただきまして、これで終わりたいと思います。

石原健太郎自由民主党・新自由国民連合

○石原(健)主査代理 これにて永井孝信君の質疑は終了いたしました。  次に、梅田勝君。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 私は、京都市におきます法定外普通税、古都保存協力税、通称古都税問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。  大臣は岩手の方でございますのでよく御存じかと思いますが、三月三日の新聞を拝見いたしますと、京は泥沼、みちのくは平穏にという形で岩手県の平泉町の観光税につきまして、寺側の反発に遭いましてあっさり条例廃止、こういう方向が報道されております。京都の問題は非常に難しい問題がございまして、いろいろございますが、まず最初に今日の混迷状態をどのように考えておられるか、お尋ねしたいと思うのです。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 古都税につきましては、京都の議会の議も経まして、京都からの要望により、自治大臣といたしましてその要件を十分慎重に検討した結果、許可いたしたものでございます。したがいまして、今日、寺院の方のいろいろな問題が惹起しておりますことは大変残念なことでございますけれども。これはあくまでも京都の自治体の中におきまして、お互い同じ京都に住んでおる方方でございますから、理解を深めて円満に解決されることを望んでおるものでございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 大臣、京都の深刻な事態というものをもう少し正確に御理解を賜りたいと思うわけでございます。  もともとこれは、昨年の四月十日をもちまして自治省において許可された法定外普通税でございまして、許可した自治省にも相当の責任が存在しておると思うわけであります。ところが、これが徴収義務者である寺院の了解が得られないままに強行されていくという中におきまして、御存じのように拝観停止の問題も起こってくるということでありまして、影響が非常に深刻に出ているわけであります。  京都には、年間三千六百万人の観光客が訪れる。その観光収入も二兆三千億円と言われているわけでございます。外国からお見えになるお客様も最近は非常にふえておりまして、年間約六十万人が訪れる、こういうとこちにきていたわけでありますが、この古都税問題が起こりましてから激減しているのですね。  ちょっと子細に申し上げておきたいと思いますが、京都市の文観局で調べますと、年末年始は一割ないし二割減った。京都市の定期観光バスも、十二月においては二四・九%前年対比において減った。京阪バスは前年比二五%減った。同じく定期観光バスは三一・二%減った。国鉄京都駅も、十二月二十七日から一月六日までの年末年始の一番はやるときでございますが、前年比七・二%減った。タクシーも一割ないし二割減った。有名なホテルにおきましても一割前後減った。清水寺の門前町に至りますとさらに深刻でございまして、七割は減った。私は、いろいろ企業組合の方からも資料をいただいたのでございますが、売り上げがひどいところでは前年対比で二一%になったというところもあるわけでございます。食っていけない、ついに倒産した業者もあらわれてくるという状態でございます。京都の観光旅館連盟で調べますと、正月は例年の二割減、それから大原三千院というところがありますが、ここは民宿が多いわけでございますが、これも三月といったらシーズンで非常に予約が殺到するわけでありますが、ゼロだという日が十日もある、こういうところも出ているわけであります。京都の民宿協同組合では、例年の三割ないし五割減だというふうに言われているわけであります。外人客も、欧米で寺がストというように報道されたものですから全然来なくなる。国際観光振興会の京都事務所というのがございますが、ここに殺到したんですね、どうなっているんだ、京都はもう見られないのかということで、大変なことになったわけでございます。  このように大変な影響を与えて、しかも有名社寺が拝観を停止しておりますもので、当初のねらいであった税収も上がってこないということでありまして、大体三分の一ぐらいしか入らないという実態が出ております。それから、非常に大きな観光収入があるわけでありますから、二割減ったとして五千億減る。となると、住民税にはね返ってきますね。税収にはね返ってくるということで大変な影響になってきている。ですから、関係業者が集まりまして、何とかしろということで連日のように陳情が来るというような状況でございまして、これは何とか話し合いしなければいかぬと思いますよ。ところが、京都市の方が拒否をしたり、またお寺さんの方が拒否をしたり、うまくいっていない。京都市はますます慌てて、市の観光課が「お越しやす京都」ということで「一〇〇以上の社寺が拝観できます」と言って、この中に有名社寺はないわけだ。大慌てでこういうビラをつくる、この経費がまだ高くつくというのですね。だから、いろいろな人件費、経費その他を入れたら税収どころではない。何のためにこういうことをやったかというような事態にまで立ち至っているわけでありますから、これは認可を与えた自治省がここでひとつ積極的に乗り出して、解決に努力すべきではなかろうかと思うわけでございます。  小沢大臣は当時大臣じゃないので、あなたを責めても何かちょっと気の毒のようにも思いますけれども、しかし、当時の古屋自治大臣がおやりになったことではありますが、自治省としてはやはり続いておるわけでございますから、責任を持っていただきたいと思うのであります。昭和六十年四月十日に古屋自治大臣が許可されますときに、条件をつけておられるのですね。本税の実施は昭和六十年六月十日以降とすることということで、なかなか同意を得られないということは知っておられたわけですから、二カ月以降にしなさい、そういう条件をつけてやられるというのは、これは異例なことだと思うのですね。そこまでやってうまくいかなかったとなるとこれは見切り発車、その政治責任は非常に大きい、こう言わざるを得ないわけでございましていわざわざそこまでの条件をつけたのにうまくいかなかったという問題についての責任はどのようにおとりになるつもりか。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 この税の性格につきましては、もう先生も先刻御承知のことと思います。これは地方団体から申し出がありまして、そのことにつきましては自治省におきまして定められた要件を慎重に検討して、それに反しない限り許さなければならない法の建前になっております。先生御指摘のように、二カ月ですか置いて、古屋前大臣のときに許可するということにいたしたわけでございます。それはまことに、そういった京都の事情を勘案してできるだけその間に円満に解決してください、そういう意を含めての処置であった、私、そのように推察いたしておるわけであります。したがいまして、この税の建前から申し上げましても、本来要件に合えば許可しなければいけないものでございますし、そういうような問題につきましては、先ほども申し上げましたが、本当に日本文化の原点であります伝統と文化の誇り高い京都の市民の皆様が、その意を十分に理解した上で円満に話し合いを進めていただく、それが第一のことではなかろうか、そのように考えております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 極めて責任の所在をあいまいにされる答弁だと思うのですよ。というのは、若干さかのぼった経緯になりますが、特別徴収義務者がおりませんとこれはできない。社寺がそれになるわけでありますから、一生懸命説得をしようとしたがなかなか難しいというのでいわゆるあっせんをお願いをした、こういう経緯があるわけでございます。私、国会でもどのような議論が行われたかという関係の会議録を全部調べてみたわけでございますが、最初は昨年の二月八日の地方行政委員会、ここにおきまして、「京都におきましては、第三者のあっせんの動きも出ておると聞いておりまして、いましばらく地元のあっせん、話し合いの成り行きを見守ってまいりたい」と考えておるという趣旨がある。古屋自治大臣が御答弁になっておりますね。そして、これはまだ許可してないわけだ。  だんだん、許可する寸前の三月二十八日に、やはり地方行政委員会におきまして問題がございまして、今度は古屋自治大臣は、  現在第三者機関に、はっきり申し上げますと京都市の大学の学長さんとか財界の先輩とか、ほんのわずかの方にこういう問題でぜひあっせんをしてもらいたいということをお願いしておるところでございますので、あっせんができないとかというような御返事があれば、すぐ自治省としても態度を決めなければならぬと思いますが、今あっせんが進んでおり、けさもそういうことが、結果はまだ聞いておりませんが、あっせんの工作が行われておるというような状況でございますので、そのあっせんの結果、市長とお寺の方の責任者とが会って話がつけば一番いい問題でございます。 こういう経緯が出てくるわけですよ。そして、その後のやりとりにおきましても、「実は、私もこの問題につきましてはいろいろな方にお願いしておりますので、その結論は、あっせん工作の状況を見ながら、私としてはできるだけ早い機会に決断をいたしたいと思います」、こういうように自治省はあっせんをお願いをしているわけだ。  これ、あっせんをお願いをした人は、八月八日の密約ではしなくも暴露されてきたわけでありますが、三人の方ですか、いかがですか。

矢野浩一郎自治省税務局長

○矢野政府委員 いきさつのことでございますので、当時、私この問題を所管をしておりまして担当いたしましたので、お答え申し上げます。  先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、法定外普通税の申請、本来ならば申請が出てきて、それが要件に合致すれば自治大臣としては許可しなければならない、こういう法律上の規定になっておるわけでございます。しかしながら自治省としては、この問題について御指摘のように、特別徴収義務者側の一部と非常に大きな考え方の違いがあって、その円満な実施という点についてかなり懸念があるということから、まことに異例のことではございますけれども許可を留保してきたということでございます。  記憶を手繰りますと、六十年の年明けごろ、いろいろ話が対立しましてなかなか進まない状況の中で、地元におきましてこの問題を御心配なさる方々から、第三者によあっせん機関をつくるというお話が出ました。前自治大臣もこの話を大変喜びまして、ぜひあっせん者会議において円満な解決が図られるようなお話し合いを進めていただきたい、こういう気持ちを非常に強く持っておりました。具体的に自治省として公式にお願いをしたということはございません。私も記憶は定かでございませんし、はっきりはいたしませんが、あるいはあっせん者の方などがこちらにお見えになられたときに、自治大臣としてもひとつよろしくお願いしたい、お手数を煩わすというようなことを言われたのかもしれませんが、その辺はよくわかりません。ただ、公式に自治省がお願いをしたということではなくて、自治省としては、そういう第三者あっせん機関が設けられたという事実はこの問題の解決に非常に大きな意味を持つということで、そのあっせんの成り行きを見守るという態度をとったわけでございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 私の質問したことだけに答えてください、そんな経緯は皆知っているのだから。だれにあっせんを頼んだのか、大臣が頼んだと言っているから聞いているだけで、省議として決めたということではないかもしれぬ、それならそのように答えなさいよ。大臣が個人で頼んだ、そうしたら古屋前自治大臣の責任が非常に大きくなるんだから。  そこで、時間の関係もありますから。去年の八月八日に密約が行われたわけだ。これは京都市長選挙の告示の二日前、だれが見ても政治的な和解劇である。後ほどになりまして十一月十一日に、正式のあっせん案が決まったという形で密約の内容と全然違うものが出てきた、つまり和解文書で取り交わした確認事項と違うものが出てきたというのでお寺さんが怒って、これははっきりしろ、でなければ拝観停止だ、こうきたわけです。ここからもつれてきたわけです。そのときに、大臣があっせんを依頼していた以上はその結論を常に報告を受けておる、こういう関係に入っていたと思うのですね。そうしたら、この和解文書についても何らかの報告を受けておられたんじゃないか、当然そういう疑問が出てくる。これはどうですか。

矢野浩一郎自治省税務局長

○矢野政府委員 先ほど申し上げましたように、自治省としてあっせん者会議にお願いをしたということはございません。先ほど、だれに頼んだのかということを答えるべきであるという御指摘がございましたけれども、私もその点はよくわかりません。  ただ、古屋大臣としてはこのあっせん者会議、先ほども申し上げたようにやはり非常に期待をしておられました。そういう意味で、いろいろあっせんの労をとっていただいておるという観点から、こういうような御答弁になったのではなかろうかと私も考えるのでございますが、八月八日のいわゆる密約と称されるものについては、自治省としては一切報告も受けておりませんし、その事実は承知していなかったところでございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 これは重大な中身であったから、それはもう新聞記者も殺到していろいろインタビューし、公式の見解も発表されておるわけだ。いわゆる八・八和解文書、密約文書、この点については、当日二時半までに藤尾政調会長に大宮氏は電話を入れて了解をとっておるということが、その当日、松本大円氏が明らかにしているのですね。  それから、ずっと後ほどになりまして、大もめにもめて、非常にしんどくなったという時期に、十二月になってからでございますが、やはり地元の京都新聞インタビューがありまして、そこで、あっせん者から藤尾政調会長、植木参議院議員、林田知事の了解も得、古屋自治大臣に報告するなど、きちんとした和解書としてこのあっせん者から聞かされていた、こういうふうに新聞に堂々と出ているわけですから、古屋自治大臣がだれに、だれを通じてお願いをしたか。それはあなた方は知らぬと言うけれども、しかし、ずっとこの経緯を見ておったら、全部自治省がかかわってやってきた、世間はそう見ますよ。知らぬ存ぜぬの一点張りで責任を逃れようとしてもだめですよ、ここまで明らかになっているのだから。  そこで、この中身の問題について、その違法性についてお尋ねをしたいわけでございますが、とにかく選挙前にこういうことをやったという点で非常に不明朗なんですね。ですから、これは公職選挙法に違反するのじゃないか、既に告発されておりますね。最近の新聞にも、これは三月四日の朝日新聞に出たわけでありますが、検察庁がずっと調べているということで、「古都税紛争「公選法」も絡む」「地検の内偵に熱い視線」ということで、これがいわゆる利害誘導罪に当たるのじゃないかということで、一般新聞も相当大きく書いているわけであります。これに対する自治省の見解はどうか。     〔石原(健)主査代理退席、主査着席〕  もう一点は、これは地方財政法に違反するのじゃないか。つまり、「地方公共団体は他の地方公共団体又は住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、寄附金を割り当てて強制的に徴収するようなことをしてはならない。」こういう規定がございますが、この密約は「財団法人は市と約定した金額を向う十年間市に寄附金として支払う。」というふうに書いてある。これは明らかに地財法に違反するのじゃないですか、いかがですか。

小笠原臣也自治省行政局選挙部長

○小笠原政府委員 ただいま御指摘のありました密約と言われるものが、公職選挙法に違反するのではないかというお尋ねでございますけれども、私どもとしては実態がよくわかりませんし、また事実関係を調査する立場にもございませんので、その点についてはお答えできないわけでございます。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 税金であるものを寄附金として取るということは考えられないわけでございまして、その意味では、そういった地方財政法に違反するような割り当てとか寄附だとかいったことが行われたという事実もございませんし、また行われるはずもないだろうと思います。したがいまして、これは地方財政法違反であるかどうか以前の問題であると思います。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 京都市長今川正彦、密約の写しを持ってきた、ここにちゃんと判こまで押してある。そして、サインしてあるのです。仏教界の理事長松本大円さん、そして立会人奥田東、大宮隆、栗林四郎、これは財界の人だ。ちゃんと判こを押してある。そして、これは市長自身が、こういうサインをしましたということは記者会見で認めているのです。だから、この密約なるものの存在は今や暴露した仏教会にとどまらず、応じた市長、それから立会人、全部認めているのです。これを選挙前にやった。明らかに利益誘導じゃないですか。そして、この約定した金額というのは、第二の密約で金額まで定めているというんだな、これを暴露する用意がある、既に検察庁にはそれを言うたという報道が伝えられておりますが、大体六億円くらい金が入る、それを二億円にしてあげましょう、四億円は新しい財団で使いなさいという内容だというんだ。それはまだ公式に明らかにされていませんから第二の密約なるものはどういうものかということはわかりません。しかし、もう一般新聞にはその中身が堂々と書かれているわけです。「古都税に「第二の密約」寄付金額を定める。税相当額より低額」、こうなれば、もう直接に利益誘導じゃないですか。そういうことを現にやっているんだ。だからますます話し合いがこじれていって事が解決する方向に行かない。ですから私は、この違法性はきちっと御答弁になられないわけですけれども、今の御答弁の端々に出てくるけれども、これは事実とすれば問題だという認識を持っておられるようだ。いずれこれは検察庁は明らかにしなくちゃならぬようになるだろうし、現に進めているという話です。しかし、私がそこで言いたいのは、そもそもこんな大紛争事件になるような古都税を、二カ月以降にしなさいという条件をつけたとはいえ、それを認可した、許可した自治省というものは余りにも軽率じゃなかったか。  時間がないので、ずっとさかのぼった昭和三十一年に文観税を創設した時期、その後昭和三十九年に延長して、そのときに当時の高山市長が、今後いかなる名目にするを問わずこのような税金を新設または延長はしないと覚書を入れた。それを破るわけでありますから、道義的に京都市は市民に信頼がないんだ。仏教会に対しても信頼がない。そういう状態であるわけでありますから、私はきょうは文部省の方にも来ていただいておりますが、そもそもの文観税が創設されるときに、文部省の立場として社会教育局長が反対だ、博物館法に違反するんじゃないかということで、寺そのものが文化財みたいなものですから、国宝だとか重要文化財のあるところ、これは現在入場税におきましても博物館法はそういうところには適用してはならぬということになっているでしょう、そういうことで、文観税は困るというように意見を出されましたね。どうですか。その考えは今でも変わりませんか。

藤村和男文部省社会教育局社会教育課長

○藤村説明員 当時そのような文書を出したことは事実でございますけれども、この文書はその当時京都市に対しまして博物館あるいは相当施設等を育てるという趣旨で、一回限りのものという考え方で出されたものであるというふうに基本的に理解をいたしております。私どもの基本的な考え方は、できるだけ多くの人々に博物館を利用していただきたいという視点から、入館料等はできるだけ安いことが望ましいというふうに考えておりますけれども、今回の問題等につきましては地方公共団体みずからが判断すべき問題であるというふうに考えております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 大分と文部省も答弁が後退しておる。そんなことじゃぐあいが悪いですよ。あなた、博物館法でそういうものには税金をかけるな、非課税にしろというように、基本的にそういうように法が決められているわけですから、それから入場税だって文化財保護法で助成を受けている場所の公開、文化財の公開、これには入場税をかけてはならぬとなっているでしょう。非課税になっているでしょう。大臣、昨年の入場税の法律改正がございましたときに、大体文化的な行事に対して税金をかけるというのはまさに非文明だということで非常に大きな反対がありまして、演劇は五千円まで免税にするというように法律改正がありましたね。覚えておられるでしょう。映画は二千円まで免税ということになったわけです。拝観料というのは三百円とか五百円ですよ。それにさらに上乗せの人頭税をかけることの非文化性、これは大臣、考えていただきたい。混迷している京都の古都税問題を解決するためにはここで自治省が、特に自治大臣がイニシアチブを持っていただきまして、一時執行停止にしなさい、そしてお寺さんも拝観停止を解きなさい、京都市はできるならば被害の補償をしなさい、こういう方向で解決しなさい、さもなければ自治省は自治大臣の法定外普通税の許認可権を行使して取り消すぞ、こういう御決断をお示しになることが一番早い解決の道だと私は思うのです。あなたの選挙区かどうかよく知りませんが、(小沢国務大臣「選挙区です」と呼ぶ)選挙区ですか。平泉は、中尊寺やらみんな寺院が反対するから先ほど御紹介したようにもうあっさりここでやめようということになった。「京はドロ沼 みちのくは平穏に」――京都も平穏にしてくださいよ。これは自治大臣の決意いかんで決まるわけでございますから、最後に御決意をお伺い申し上げて私の質問を終わります。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 私の選挙区のことを例に挙げてお話しでございますが、私どもの地域は京都を中心とした朝廷に成敗された方でございますけれども、お互いに話し合いを重ねて、そしてお互いの合意の中でそのような措置になったんだろうと思います。これは私の選挙区であっても指示したわけでもございませんし、それはお互いの理解の中でそうなったのであろうと思います。  今回の古都税、京都の問題につきまして、もちろん私どもが無関心でおるとかいうことでもございませんし、また責任を逃れているということでもありません。責任があればいつでも責任をとるのが当然でございます。しかしながら、先ほど来もお話がございましたように、今京都市を信頼していないというお言葉もありましたけれども、これは京都の市民の皆さんが選挙によって選んだ市長さんであり、議会でございます。その方々が地域を代表してこういう税のあれをしたいということで持ってこられたお話、それが許可しなければならないという制度の中で起きておることであります。いろいろと心配したがゆえに、もちろん異例の措置もとりながら古屋大臣も大変御心配のことだったと思います。しかし、そういうことである以上、賢明な京都の市民の皆さんがお互いこれは話し合って解決するというのが、これは地域の固有の問題でございますので、私はそうあるのが筋道であろうと思います。もちろん、私どももできるだけ協力し、あるいはお話し合いが円満にいくように努力することは、それはそれで当然でありますけれども、第一義的には京都の皆さんの賢明なる話し合い、良識を期待しておるものであります。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 残念ながら時間でございますので、ただいまの御答弁、不満でございますが、許可された責任もあるわけでございますから引き続き解決のために努力をしていただきたいことを要望いたしまして、終わります。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて梅田勝君の質疑は終了いたしました。  次に、細谷昭雄君。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷(昭)分科員 最初に、小沢大臣の就任を隣県の東北の人間として大変歓迎したいと思うわけであります。と申しますのは、きょう私、やはり東北という風土の中から大臣を初め自治省の皆さん方にぜひ考えていただきたいという幾つかの問題がございますので、特に冒頭に大臣の就任を歓迎する次第でございます。  最初に、選挙制度の問題について、一つは大臣から率直なお考え、もう一つは選挙部長の方から具体的な問題についてお答え願いたい、こんなふうに思っております。  今、衆議院の定数是正ということが議論されておるわけであります。これは私、五十九年の百一国会の際に当時の田川自治大臣に対しまして定数問題その他について議論いたしました。去年は残念ながら分科会がカットされましたので一年おいて同じような問題を取り上げるわけでありますが、率直に言いまして、定数是正という場合、今の五百十一名という衆議院の定数を抑えてかかるということは代表民主制という民主主義の根幹に触れる問題としておかしいのではないか、私は反対だということを党内でも言っておるわけであります。これは少数意見でありますので表面には出ませんが、私はふやせという持論なんです。その根拠はいろいろあるのですが、代表民主制という点でありますと、これは人口比ですから人口がふえると自然に代表がふえる、代議員がふえるというのは理の当然でございまして、今まで三回の定数是正が行われましたが、常にその原則に沿ってふやしてきたという経緯がございます。ここに至って現行の定数五百十一名を抑えるということは、私からしますと非常に矮小化された、行財政改革という世論におもねる考え方じゃないか、こんなふうに思うわけであります。第何回の選挙ですか、昭和二十二年のいわば新憲法のもとにおける第一回の選挙からしますと人口はかなりふえているわけです。我が秋田県の第二区なんというのは現在定数是正の削減される五番目となっておるのですが、当時はむしろ軽い方の五番目であったわけです、今重い方の五番目。それほど四十年間に物すごい過疎過密という人口異動があった。これは経済の動向なり政治の動向なりというものに起因するわけでありますが、いずれにせよ、そういう中で秋田県でさえも四十年前の当時と比べますと人口はかなりふえておるわけであります。五十五年の選挙と五十八年の選挙でさえもあの秋田県二区という狭いところでさえも、一万人というと過密都市からすると何だと言うのでしょうが、確実にふえているのですよ。ふえておるにもかかわらず削減というのはおかしいんじゃないかという考え方が地域にあるわけです。小沢大臣の岩手だって安閑としておられない、間もなくそういうふうになる。そういうふうな過疎地の問題を考えた場合に、現在対象となっておる削減地域というのはすべで農林山村、農村であり山村であり漁村であります。農林漁業の衰退というものがこのように地域の代表を減らされるということに直面しまして、ますます過疎の皆さん方が孤立化といいますか危機感を持っておるというのは皆さん方御承知のことだと思います。  そういう意味で、定数是正という場合にこのように定数を抑えるという考え方というのは基本的に代表民主主義という観点からすれば間違っている、まして人口がふえているという現実に即してこれは当然ふやすべきじゃないか、今までやったことが誤りだったのかどうか、そんな矮小化された定数是正、いわゆる国政の最高機関と言われております国会の権威という点からしまして、これは私は完全に考え方も誤りじゃないか、こんなふうに思って、党内ではふやすべきであるという意見を持っているわけですよ。これに対して率直な大臣の所見をお聞かせ願いたい、こういうふうに思います。  次に選挙部長にお願いしたいのです。もう一つは、私はこの前昭和五十九年でもお話ししましたが、日本の選挙制度の中でどうしても納得できないことは、いわゆる投票権を十分に保障しておらないという問題があるということであります。それは不在者投票の問題です。最近選挙費用の点だとかないしはそこにある選挙民の区域の問題とかという意味で、町村の段階における選挙日数は五日間というふうになっております。告示から投票までたった五日間です。ところが御案内のとおり東北各県、そして新潟それから九州の南、さらに四国、高知、愛媛、こういう遠隔地の農漁民の皆さん方が冬の間ないしは夏の間かなり出稼ぎに来ておる。不在者投票という制度がありまして、簡便にしておるとはいいますけれども、五日間で今の出稼ぎの状況の中で平日に投票することなんかは、これは実態を無視した物の言い方なんです。五日間でどんなに急いでも不在者投票なんかできる仕組みにはなっておりません。まさに有権者の選挙権を保障しないというふうに言わざるを得ないと思うのです。  こういう問題に対して、私はおととし取り上げましたが、当時選挙部長は、なかなか根幹に触れる問題でという言い方をしましたが、田川自治大臣は、十分そういう問題を踏まえながら、そういう事情を踏まえながら、そういう方々の選挙権を保障する工夫を重ねていきたい、このように言明しておったわけであります。あれから二年、どれほどの検討をされたのか、そうして五日間という日数、市であっても一週間であります、国政の場合は十五日、大変な厳しい状況の中に置かれておる零細、未組織、そして劣悪な環境の中で遠く郷里を離れてきている出稼ぎ者の皆さん方に果たして現行制度で保障できるのかどうか、この点のお考えをお聞かせ願いたい。大臣からもそういう方々に対する考え方、投票権を保障するという考え方に対してのお考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います、まず最初に二つ。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 今日の選挙制度、民主制、その原点を探ってみれば、いわゆる典型的な例としてギリシャ、ローマの直接民主制に由来しておるわけであります。したがいまして、できるだけ多くの人が参加することが望ましい。ただ、国家機構が、社会が大きくなり、直接民主制の形態をとれないという段階に至って代議制、代表制が考えられてきたものであろうと思います。したがいまして、その意味においては代議制民主主義をとる場合におきましてもより多くの人を代表する人が出てくることがその建前から望ましいことは事実でございます。今、先生、過去の人口等の問題も出してお話しになりました。一番最初の我が国の明治の初めのときにはたしか三百何十名とか、その間の人口の増大等々から考えれば議員の定数の方はそれほどふえていないじゃないかという議論も成り立ちますし、また外国に比べれば日本の議員定数はそれほど多い方ではございません、そういうような観点。また、私も先生と隣同士、順番でいくと十五番目になっておりますから、もうかすかすのところでございますが、そういう地域社会の点を考えますと、これまた政治の光をより多く当てるような工夫をしていかなければならない。そういう点につきましては、先生の御趣旨につきましては私も理解できるところであります。  そういったいわゆる本来の民主政治から要請される面と、また一方におきましては、行政とか統治の機構というものは結果として住民の負担で成り立っているものですから、それはできるだけ安上がりな簡素なものにすべきである、これは単に今の行財政改革云々ということではなくて、基本的なまた一面の筋道であろうと思います。そういうようなことの中でしょせんは調和を図っていかなければならないわけでございますが、しかし、今国会におきましては前国会の議長見解、各党党首がお集まりになってそれを理解した上に出発して、今日の国会において議論をされておる、そういうところでございますので、各党間におきまして今協議がされている最中でございます。そして、それは議長見解で、総定数は五百十一名とする、ふやさないという見解の中で議論されておる問題でございますので、当面憲法違反の状況を直すという、これはあらゆる意味で強い要請の上に立って暫定的な措置を考えておる問題であろうと思います。今後、抜本的な改正の中で先生のような御意見あるいはいろいろな御意見は出てくると思います。それは各党間の中で十分お話し合いをした上で考えられていくべきものではないだろうか、そのように思っておる次第であります。  第二の不在者投票の問題につきましては、これはもう本当にそれこそ国民が直接参政権を行使する機会ですから、あらゆる人に与えられなければならないと思います。具体的に、例えば出稼ぎに行ったりしたその先でどうするかこうするか、そういった技術的な問題、捕捉をどうするか、それを行使するのにどういうふうな方法があるのか、その点は選挙部長から具体的に話があると思いますが、そういう点についても最大限努力していかなければならない、そのように考えております。

小笠原臣也自治省行政局選挙部長

○小笠原政府委員 お答えを申し上げます。  出稼ぎ者について、不在者投票制度を改善するどういう検討をしたかというお尋ねでございます。  昨年も私は直接お伺いをいたしましたものですから、その問題点、よく認識しておるつもりでございます。いろいろと出稼ぎ者の実態等もさらに、調べてみたわけでございますけれども、出稼ぎ者はいろいろ形態もあり、期間の短い人長い人いろいろおられますし、実態がなかなかつかみにくいということもよくわかったわけでございます。また、特にそういう方々がどういう率で不在者投票しておられるか、あるいはいろいろ難しい条件の中でやっておられるのかというような点についてもなかなか実態はつかみにくいのでございますけれども、確かにいろいろなことを考えてみて、いろいろ制約があり、また率としては低調ではないだろうかということもだんだんわかってまいっておるわけでございます。したがいまして、私ども、先ほど大臣からも話がありましたように、できるだけ投票ができる機会は保障してあげなければいけないことは当然でございますので、何とか制度面なり運用面なりでそういうことができないだろうかということで検討しておるつもりでございます。しかしながら、かってもお答えしたわけでございますけれども、現在の我が国の制度がきちんとした投票管理者や立会人のもとで公正に投票するという原則がございまして、そういうことをなかなか変えるというわけにも、問題があるわけでございますし、現在のところ啓発なり周知をしてできるだけ現在の制度をまず運用し、活用していただくということで努力すべきではないだろうかと考えておるわけでございます。  ただ、先ほど、選挙運動期間が非常に短縮されて町村では五日間になった、市では従来の十日間が七日間になったということで、不在者投票が遠隔地ではしにくくなったという御指摘があったわけでございます。この点につきましては、決して改善ではございませんけれども、そういう期間短縮の改正が行われました際に、それまでは告示にならないと投票用紙を交付しなかったのでございますけれども、その期間短縮との関係で、告示前でも、二日ぐらい前でも遠隔地には郵便で送れるような改正もして、決して改善ではございません、むしろ現状をできるだけ確保しようという措置ではございますけれども、そういうこともやっておりますが、決して今の制度が完全ではございませんので、できるだけ今後もそういう御指摘のような観点に立って、何かいい工夫がないか、なお検討してまいりたいと思っております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷(昭)分科員 もっと議論したいわけでありますけれども、五日間の中でやることの難しさというのがありますので、十分実態をお調べになっていただいて、私も出稼ぎの方の専門ですからわからないことがあったらぜひ聞いてきてくださいよ。そういう話は私に来たことありませんので、そういう実態は幾らでもお世話したいのです。  大臣からは、やはり過疎に光を当てるという観点、そして原則的にはそうなんだということ。ただ私は、国権の最高機関の代表というものはやはり原則的に国民の代表ですので、単に一般的に言われる行政と同じレベルで考えるべきではないという考え方なんですよ。その点は、どうかひとつ、大臣は東北の代表でもあり、そして選挙制度そのものをつかさどっていく行政の責任者でございますので、ぜひともそこら辺の認識を深めていただきまして、政府部内でもそういう世論というものをリードしていただきたい、強く要請申し上げたいと思うわけです。  もう時間がございませんで大変申しわけありませんが、手短な答弁をお願いしたいと思うのです。  二番目は、私の専門であります出稼ぎの課税の問題でございます。現在、出稼ぎ世帯、出稼ぎの人数というのは各省によってさまざま違いますが、私どもの推定では四十万を下らないと見ております。この皆さん方の地方税の軽減措置ができないかという問題なんです。  第一に、一体、それぞれの地域から出てきておられる出稼ぎの皆さん方が、所得税を取られておる方と取られておらない方がおるわけです。何だおかしいじゃないかという議論もあるでしょうが、実態はそうなんですよ。したがって、市町村の段階に源泉徴収票が送られてくる方と送られてこない方がある。したがって、地方税の場合総合課税ですから、しかも累進課税でございますし、その捕捉が非常に難しいわけであります。そこで、各町村ないしは各地域で、秋田県の場合は各郡市ごとに税務協議会をつくっているわけです。その税務協議会で、ことしはどのくらい推計課税、いわゆる課税対象をどのくらいにしたらいいのかということをいろいろ相談をして、その都度決めておるという状況なのです。問題はその推計課税の基準が高過ぎるというのが私の主張なのです。  聞くところによりますと、ことしは一日単価を九千五百円。私の方の住む地域、秋田の郡、市では単価を九千五百円、そしてそれの百十五日分、合計すると百九万二千五百円になるわけです。一人当たり大体百九万二千五百円の所得があるというふうに推計をしているそうであります。これは私は非常に高過ぎる、こういうふうに思っておるわけであります。一体、こういう根拠は自治省が指導をしたのかどうか。それとも勝手に県が指導しているのか、そこら辺をひとつお聞きしたい。  もう一つ、時間がございませんので。  そこで、私は、これは高過ぎるので、そういう推計の基準をもっともっと下げるべきだ。その根拠は、第一に出稼ぎ者というのは大変な二重生活を強いられておる。そして劣悪な条件の中で、最も底辺の未組織の労働者でございます。しかも、これは農林漁業のあれが多いわけですので、農林漁業の、言うならば落ち込みの中で、どうしても農外収入を得なければならないということで出ておる人力でございますので、普通の単身赴任のサラリーマンとは違うわけであります。ですから、九千五百円掛ける百十五日、百九万二千五百円あるのだというふうにみなされまして、それに課税されるというのは余りにも酷じゃないか。酷税でありますよ、これは。したがってこういうふうな点で、自治省の税務局としてはこういう指導をどういうふうにされておるのか。改善してもらいたいというのが、私の要望なわけであります。この点でひとつ。

矢野浩一郎自治省税務局長

○矢野政府委員 御指摘の問題、所得税が課税されずに住民税のみが課税される。出稼ぎの方々について、住民税の推計課税が行われているということであります。  もとより課税最低限が異なるので、所得税を納めないで住民税のみを納める方について、特に市町村においてそのような方法をとっておるということは、これは御承知のとおりと存じます。出稼ぎの方の所得につきましては、第一義的にはやはり給与支払い者の方からの支払いの通知書をいただいて課税をする、これが建前でございます。それがない場合には御本人に申告をしていただくということで、私どもは申告をしていただくというのがやはり一番基本になるやり方だと思っておりますけれども、それもない場合には、どうしてもやはり推計課税という方法をとらざるを得ないわけでございます。現在、所得税におきましてはそういった推計課税の規定がございまして、住民税の場合においても所得計算の例は地方税法に定めるもの以外は所得税の計算の例による、このようになっておりますので、その根拠に基づいて行っておるところでございます。  そういう、今御指摘のような秋田県の税務協議会におきまして協議を行っている、これはできるだけ統一を図ろうということでございますが、自治省としてそういうやり方をやれという指導を従来特にいたしたことはございません。推計課税について、このような方針でいくべきだという具体の指導をしたことはないわけでございます。現在の法律の規定に基づいて、それぞれ税の執行段階で各地方公共団体がそういった方法をとっておるということでございます。もちろん、推計課税に当たりましては、私の方はできるだけ正確なデータ、実態をつかんで、適切な、的確な課税が行われるようにすべきであって、その負担が実際よりも重くなるということは当然あるべきじゃないと考えております。  確かに出稼ぎの方々がそれぞれその仕送り等を通じて地域経済に貢献をなさっておられるというようなことはよくわかるわけでございますが、ただそれについて住民税上特別の制度として何らかの軽減を図るということは、現在の所得税、個人所得課税全体を通ずる体系からは困難と存じますが、住民税は住民税におきまして非課税限度額その他の規定を現在設けておるところでございまして、そういったもので配慮が図られておると存じます。  実態について従来具体の指導をしたことはないと申し上げましたが、細かい点を実は私らも、今お示しになられたようなものをよく承知しておりません。そういった実態につきましては、私どもまたよく調べてみまして、適切な課税が行われるように必要があれば指導してまいりたいと存じます。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷(昭)分科員 私が示しました九千五百円の単価というのは取っている人は少ないのですよ。非常に高い水準で課税しておるというふうに思うわけで、こういう面での水準を落としていくことによって少しでも、出稼ぎのような環境の非常に悪いところで働いている皆さん方に対する減免措置というのを講じていただきたい。  特に大臣、ひとつ考えていただきたい。おたくの県からもたくさん出ていますから。私、訴えられるのですよ、大臣のかわりに訴えられるのですから。ひとつよろしくお願いしたいと思うのです。  時間がなくて大変申しわけございませんが、端的にお答え願いたいと思うのです。それは、ことしの秋田も山形も、それから青森、新潟、裏日本は五八豪雪に匹敵する豪雪であります。端的に言いますと、秋田県の県と市町村と合わせまして、ことしの除排雪に盛った予算の不足見込み額が合計して十四億九千二百万円と県から聞いております。そこで、特別交付金のことしの見通し、根本的な対策をどう考えるかということ。  もう一つは、こういう雪国の暮らしというのは、きょう私は本当は写真を持ってきているのですが、時間がありませんからお見せしませんが、大臣はわかると思うのですね。もう物すごい。全部腰を痛くしているのですよ、各家庭の皆さん方が除排雪のために。こういう雪国の暮らしをしている皆さん方に何らかの控除措置、いろいろな雑損控除、この点を考えていただきたいということを大蔵省にきのう言いました。税制の関係で非常に難しいという言い方をしましたが、自治省も大蔵省との協議の上で何らか税制に反映させるというお気持ちがないのかどうか、あわせてこの二つの点をお願いしたいと思います。

花岡圭三自治省財政局長

○花岡政府委員 現在、特別交付税は算定中でございますが、除排雪経費につきましては、実情を十分調査の上、普通交付税の算入額あるいは補助金の配分額あるいは財政状況、こういったものを勘案しながら適切な措置を講じてまいりたいと考えております。

矢野浩一郎自治省税務局長

○矢野政府委員 積雪に要する費用の税制上の措置の問題でございます。  大蔵省からも御答弁があったということでございますが、住民税におきましてもいわゆる五万円超の支出につきまして雑損控除を行っておるところでございます。これはいろいろ御意見はおありかと思いますけれども、住民税といたしましては所得税制とのバランスという点からいって、さらにそれ以上のことを行うということはできませんし、また税制調査会等の御答申の趣旨から見まして、特別な控除を設けるというのはなかなか困難な状況にあるということを御理解いただきたいと思います。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷(昭)分科員 大臣、最後に、今言いましたような出稼ぎの減免措置、そしてまた今言った雪国の皆さん方の減免措置、大蔵省も税制上非常に難しいと言っているのですよ。しかし実情はよくわかる。竹下大蔵大臣も、よくわかります。よくわかっているのになぜやらないのかと私言っているのですがね。  何とかひとつ大臣、私、さっき冒頭に言いましたように、東北出身の、しかも貧しい農村から出ておる代表です、大臣は。その点で期待するというふうに私、言いましたけれども、どうか市町村の除排雪の問題、これはもう安心しろ、ひとつしますよ、そして出稼ぎの皆さん方に対しても温かい光というものを与えていただきたい、このことについて一言大臣から御決意をお聞きをしたいと思います。それで終わります。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 豪雪地域あるいは出稼ぎ地域そして過疎の地域、これは皆同じような悩みを同じ地域の者が持っておるわけであります。したがいまして、いろいろな現行制度上の難しい点もたくさんあると思いますけれども、特に私どもも地域を代表する議員といたしましては、出稼ぎのない豊かなふるさとをつくる、これが第一の主張でございます。したがいまして、今後いろいろ知恵を出し、また力を出して、この叫びにこたえるように努力をしてまいりたいと考えております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷(昭)分科員 どうもありがとうございました。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて細谷昭雄君の質疑は終了いたしました。  次に、稲葉誠一君。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 私は、消防職員の方の身分と待遇の問題を中心としていみいろお聞きをいたしたいと思っております。消防署へ行きましていろいろお話をしたり、慰霊祭などに出席をさせていただいて深い関心を持っておるわけでございます。  そこで、お尋ねをいたしたい第一は、日本の消防職員と消防団員といいますか、こういうようなやり方というか伝統というか、それは日本独自のものなんですか。あるいはヨーロッパやアメリカなどでもそういうふうなものがあって、お互いに助け合ってやっているという状況なんですか、どうなんですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 国によっても大分違うようでございますけれども、大体いわゆる職業としての消防職員とボランティアとしての消防に従事する方方、日本で言えば消防団、そういうものの両方があるというのが世界的に一般的な傾向ではなかろうかと思います。例えばアメリカにもそういう両方がございますし、また、先日私イタリアヘ行ってまいりましたけれども、イタリアでは日本に比べまして消防職員の数が極めて少なくて、これは大体軍隊に属しておりますけれども消防団員が相当大きな分野を占めておるという実情を見てまいったところでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 その消防職員の身分はどういうふうになっておるのですか。その意味は、市町村に勤務をしていて出向をしたような格好になっている人も相当いるわけですか。あるいは純粋に消防署として初めからそこへ勤めておる人が多いわけですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 消防職員も市町村の首長の指揮下に入る職員でございます。しかし、やはり業務が大体特殊な業務でございますので、大部分の消防職員は消防職員として採用された方々でございます。しかし、一部には人事交流によりまして首長部局の職員と交流している人もありますし、その他例えば教育委員会等の職員との交流をしている人も中にはいるかと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 県との交流は消防職員の場合はないのですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 県にはいわゆる正規の消防職員はおりません。ただ、県に消防学校というのを設けておりまして、そこの職員はもちろん消防に造詣の深い経験豊かな県プロパーの職員もおりますけれども、県内の大きな市の正規の消防職員を一時交流いたしまして消防学校の教官に任命をするといった例もございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 消防学校の教官というのですか、それになったときに県の職員と市町村の職員とでは、場所にもよるかもわかりませんけれども、給与に相当差があって市町村の方がいいということが普通言われていると思うのですが、そこへ行くときには給与が下がって行くのですか。よく学校なんかの場合は、ちょっと違うかもしれませんけれども学校の校長さんや何かやっている方がよくて、教育長になると、教育委員会に入ると給料が下がっちゃったりなんかしますね。そういうふうな関係はどういうふうになっているのでしょうか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 消防学校の教官の場合に、市町村との交流を行っておりますときに、一概に市町村におるときの方が高いということは必ずしも言えないと思います。時には市町村で比較的低い水準の給与体系をとっているところもありますので、そういうところはかえって市町村の方が低いというものもあるかもしれませんが、一般的には市町村に戻りましたときには正規の消防職員、消防吏員ということになりますので、消防吏員につきましては一般の職員の給料とはちょっと職務の性質が違いますので、できれば基本的には公安職の給料表をお使いになったらよろしいでしょうという指導をいたしておりますし、通常の職員の給料表を使うときには消防職員の特殊性に応じまして、そこで号給の格付をちょっと上げるなりあるいは特別な手当を出すなりすることによってそこのところを調整しなさいという指導をいたしております。ということは、実質的に消防吏員として市町村に勤務しているときには一般の職員よりもちょっと上がっているというのが通常でございますので、そういう意味におきまして、県の消防学校の教官というのは身分取り扱いは一般職員になりますので、消防吏員であるための上積み分がなくなるという意味においては確かに県の消防学校の教官は少し下がるということはあるかもしれません。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 その下がった分は後で調整してというか、もとへ戻すといいますか、そういうふうにカバーしていくんだと思うのです。  そこで、消防職員は日本の場合は職員組合をつくれないのかどうか、仮につくれないとすればその理由は一体どこにあるんですか。

柳克樹自治省行政局公務員部長

○柳政府委員 ただいま先生御指摘のように、消防職員につきましては地方公務員法の五十二条によりまして団結権は与えられておりません。その理由といたしまして、消防活動というのは非常に特殊性があるということに尽きると思いますが、大震災等に備えまして非常に高度の規律を守っていかなければいけない、そういう部隊活動をしなければいけないということからいたしますと、労使交渉というものにはなじまないのじゃないか、むしろ警察等と同じように考えるべきじゃないかということで、公務員法では団結権を禁止しておるということでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 団結権を禁止している国というのは日本のほかにどのくらいあるんですか。

柳克樹自治省行政局公務員部長

○柳政府委員 団結権を禁止しておりますのは三カ国でございまして、日本のほかガボンとスーダン、それから公務員一般に団結権を認めない国というのがほかに十四カ国ございます。さらには、例えば消防活動自体は軍隊で行っておるとかあるいは警察でやっておるというところもございます。こういうところはもちろん団結権は与えられておりません。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 ILOの八十七号条約、結社の自由及び団結権の保護に関する条約、一九四八年採択ですか、これの場合には、ILOの中で問題となっておるのは軍隊と警察だけですか。そこはどういうふうに……。

柳克樹自治省行政局公務員部長

○柳政府委員 ILOの第八十七号条約におきまして第九条で「この条約に規定する保障を軍隊及び警察に適用する範囲は、国内法令で定める。」こうなっておりまして、条文の上では確かに先生おっしゃるとおり軍隊と警察ということになっておりますが、日本政府の解釈といたしましては消防は警察に含まれておるというふうに考えておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 消防は警察に含まれているというのは、それは解釈ですか。消防法か何かにちゃんとした明文があるのですか。

柳克樹自治省行政局公務員部長

○柳政府委員 条約上の解釈でございまして、これはILO八十七号条約を批准いたしましたのは四十年でございますけれども、その以前にILOの結社の自由委員会で二回ほど議論がございまして、ILOにおいてもそれは認められたというふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 今おっしゃったところではガボンとスーダンですか。これはアフリカの国ですが、すると日本だけということですね。ヨーロッパの先進国と言うと言葉が悪いかもわかりませんが、やはりアメリカにしてもどこでも団結権を与えておる、それはストライキの権利を与えているという意味じゃないですよ、ストライキの権利を与えるということを言っているわけじゃありませんが、団結権が与えられて一体それらの国々では現実に何か支障を来しているわけですか。どうなんですか、実際問題。例えばフランスのボルドー市などでは、行った人の話を聞きますと、これはもちろん訓練のときだとかいろいろな器具の手入れだとかいろいろなことについて交渉をしたり何かしておって、立派な会館みたいなものや何かをつくったりしているというような話も聞いておるのですが。だから、これを見ると、ヨーロッパの国やアメリカなどでは団結権を与えておると見ていいわけですね。それで団結権をどういうふうに行使しているのでようか、そのことによって何か特別に支障を来しておるのですか、どうなんですか。

柳克樹自治省行政局公務員部長

○柳政府委員 ヨーロッパ諸国の具体的な事例について私は余りよく存じておりませんが、日本の場合にヨーロッパと比較して一般的に申せますのは、一つは地震でありますとか台風でありますとかそういう震災が非常に多いということと、それから木造家屋ということでしかも非常にたくさん建ててあるということで、ひとたび火事が起こったりいたしますと非常に大きな事故になるということは言えようかと思います。それからまた、従来から消防につきましては警察と同様に団結権を与えていないということもございまして、それやこれやいろいろな理由から日本においては団結権は与えていないということでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 団結権が与えられてないといことで、それでは職員のいろいろな勤務条件とか待遇とか、各市町村でばらばらですね、これは。本来ばらばらでいいはずのものかもわかりませんけれども、そういうふうなところのいろいろな希望といいますか、そういうようなものはどういうような形で上申されてきて、それが月内の達成に当たっているといいますか、当たらない場合もあるでしょうし。だから従来もうただ命令服従だけでそういうふうな下の声というのは全然と言っていいくらい聞かれないのですか、聞いているのですか。どういうふうにしているのですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 消防の職務からいたしまして、その任務を遂行いたしますためにはまさに規律のぴしっととれました団体行動として、部隊行動として活動をしなければいけないわけでございます。そういう行動をいたしますときには当然職員の待遇面その他につきましても普段から上司が的確に把握をし、部下の希望でありますとか意見でありますとかそういうものは当然吸い上げていかなければいけない性格なものだと思います。私どもは消防職員の幹部の教育を通じまして部下職員の希望、意見、そういうものをできるだけ吸い上げ、かつそういうものをもとにいたしまして職場環境の整備でありますとか給与待遇面につきまして安心して勤務が続行できるような、そういう条件整備をするように指導をいたしておるところでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 それはだれがやるのですか。県の消防課というのか、消防災害課というふうに今普通に言っていますか、いろいろな名前の呼び方はあると思うのですが、そこで指導してやるのですか。あるいは各市町村が独立で全然ほかから干渉を受けないでやるのですか。そうなってくるというと消防庁というものは一体何をやっているところになるわけですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 市町村の消防職員の勤務条件は、御承知のとおり当該市町村の条例によって定められることになっておるわけでございます。ただしかし、その条例というのは、当然のことながら消防職員も地方公務員でございますので、地方公務員法なりあるいはその基本法としての地方自治法というものに規定をされております給与その他待遇に関する規定に基づいてそういう線上でそれぞれの条例の定められているものというふうに考えます。  一方、具体的な指導面でございますけれども、それは私どもが県を通じまして市町村の指導をいたしております。県段階におきましては消防担当の課がございます。通常、消防課なりあるいは消防防災課と呼ばれているものがその課でございますが、その県の組織を通じまして市町村の消防長の指導をいたしまして、消防長が消防職員の待遇その他につきましては直接のその市町村における最終的な責任を持っておると思いますけれども、その消防長を通じまして、それぞれ各級の指揮官と申しますか、そういうものを通じて職員管理をやっている、そういうものというふうに理解をいたしております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 その職員の待遇というのは市町村の職員と比べて、例えば高校を出て入りますね、その場合どういうふうに違うのですか。あるいは高校を出て警察官になる、巡査になる人がいますね、試験を受けて、もちろんありますけれども。それは三つ並べるというと違うのですか、違わないのですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 私どもは消防職員の給与のあり方または給料表のつくり方、そういった問題につきまして一般的な指導をいたしておりますが、その考え方は基本的には公安職給料表を適用するのが一番いいんではなかろうか。公安職というのは御承知のとおり警察官の給料を決めている給料表でございますけれども、勤務の形態が非常に似ておりますので公安職をいわば基準にするということが望ましいと言っております。ただしかし、職員数の極めて少ないところで一々給料表をわずかな人数のためにつくるということは必ずしも実態にそぐわないという面もございますので、そういうときには一般職の職員の給料表を使っても結構ですよ、ただし、その場合には消防職員の職務の特殊性というものを考えまして具体的な格付を少し上にしたり、あるいは先ほども申し上げましたが、消防職員の特別な勤務に着目した特殊勤務手当といったようなものを支給するなり、そういうやり方で調整しなさいという指導をいたしております。したがって、私どもの指導方針どおりやられております場合には、通常の一般の職員に比べて消防職員というのは多少給料額において上回っておるといいますか、手当を含めた意味でございますけれども、一般の職員よりも多少金額が多いというのが私どもの指導方針でございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 公安職というのはすべての消防職員がなっているんですか。そこはどういうふうになっていますか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 公安職の給料表を使って独自の給料表を定めているところはごくわずかであるという御理解をいただいてよろしいと思います。公安職給料表、俸給表をつくっている職員は職員数にいたしまして四三%が公安職をつくっております。したがって、残りの五七%は通常の給料表によってやっておるということでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 そうすると、普通の人というか、その人が公安職になるのはどういう形でなるのですか。ある年限は公安職にならないである年限を経過してから、内部試験とかあるいはどういう形かで公安職になる、こういう形ですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 それは年限がたつと公安職に移っていくということではございませんで、例えば東京消防庁の場合を申し上げますと、ここはもともと公安職給料表と同じ給料表が消防庁用の給料表としてつくられておりますので、東京消防庁に採用された職員は最初から公安職給料表と同じ給料表が適用されてくるということでございます。それから公安職給料表がつくられていない市町村では、地方の小さな都市の消防におきましては公安職給料表というのはもともとないわけでございますから、勤務年数が何年たちましても一般の職員の一般職俸給表によって格付がなされるということでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 東京の場合はちょっと例が違うわけですから。そこで、市町村によって消防職員が随分給与に差があるわけですね。もちろん不交付団体なんかもあるしそうでないところもあるし、いろいろありますから違うのはある程度はいたし方ないとしても、相当違ってくるというふうなことは、これは考えなければいけないことですし、殊に勤務状態が率直に言って警察官よりもむしろ夜の勤務、夜勤の方が多いくらいではないんですか。あるいは出動の回数とかいろいろありますね。そういう場合にはどういうふうな加俸といいますか、そういうふうなものが行われるわけですか。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 勤務時間につきましては、特に東京消防庁のような大きなところは大体警察官の勤務形態と似たような、いわば三部制と我々呼んでおるのでございますが、三部制をとっておりますからやや似ておりますが、地方の比較的小さな広域消防等の消防におきましては二部制をとっておりますので、勤務時間は比較的長くなるという傾向がございます。もちろん、労働基準法の定める範囲内におきまして勤務の割り当てをやるということを指導いたしておりますし、そういう形になっておるものと考えておりますけれども、比較的やはり二部制でございますと夜勤の回数等はどうしても多くなるというのが実態であろうと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)分科員 重要な仕事に従事しておる職員の人たちですから、そういう面について温かい配慮を今後も指導していっていただきたい、こういうふうに考えるわけでございまして、その点についての御答弁を願って終わりにさせていただきたいと思います。

関根則之消防庁長官

○関根政府委員 先ほども申し上げましたように、消防職員の任務というのは極めて重大でございます。勤務の遂行の仕方いかんによりましてはとうとい人命が失われるということもあり得るわけでございますので、しっかりした陣容のもとに住民の身体、生命、財産を守っていく消防の任務を果たしていかなければいけないと思っております。  そのためには、やはり職員が安心してそういう職務を遂行できるだけの給与、待遇というものも保障してやらなければいけませんし、特に消防職員というのは夜間泊まり込んで一晩じゅう起きておるというような勤務でございます。職場環境がどうしても汚れてくるというような場合もございますし、寝具でありますとかあるいは炊事の関係でございますとかおふろでございますとか、そういった人間の汗にまみれた生活が職場に持ち込まれるわけでございますので、そういうところが非衛生的になっては困ります心そういう面の職場環境の整備も含めまして、消防職員の処遇改善につきましては私どもこれからも一生懸命その改善のために努力を尽くしていきたいと考えておるところでございます。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて稲葉誠一君の質疑は終了いたしました。  次に、菅原喜重郎君。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 大臣、どうも遅くまで御苦労さんでございます。全国民から年少大臣としてその働きに期待されておりますし、私も同郷の大臣としてよい仕事をしてもらいたいと思いますので、これからいろいろ御質問申し上げますが、御裁定の上御高配をお願いしたい、こう思う次第でございます。  まず第一番に、大臣の地方行政改革に取り組む御姿勢でございますが、今地方財政、大変な緊迫状態にあります。国庫負担補助の削減強化あるいは諸経費の増高に加えまして税収の伸び悩み、さらに地方負担の増の穴埋めといたしまして建設地方債の増発が認められた結果、この伸び率が平均二一・二%と突出しておりますし、歳入に占める地方債の依存度も上昇し、歳出の構成比において地方債は全国平均九・二%以上にもなっております。こういう借金依存度のめり込み、さらに人件費、公債費、義務費のこういう膨張を考えますと、急坂を下るような破綻に直面しかねない状態でございますが、しかし地方財政の危機突破ということになりますと、そう妙手はないのではないか、こう思っております。私は、こういう点ではひとつ制度の改革までも取り組めるそういう姿勢じゃないとこの地方の行政の危機は抜け切られないのではないか、こういうときに大臣になられました小沢大臣に基本的な取り組みの姿勢をまずお示しいただきたいと思うわけでございます。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 先生はもう地方行政についてはずっと長い経験をお持ちになり、またあらゆる面で御存じの方でありますから私から申し上げるまでもないことでありますが、今先生御指摘のように、国の財政も大変厳しいですが地方財政はもっともっとまた厳しい点がたくさんあるわけでございます。したがいまして、国も地方も行財政の改革とともに財政基盤を確立していかなければならない。いろいろ施策をしようと思いましても、その基盤がなければ何も現実としてできないわけでございます。そういう意味におきまして、地方も行政改革にこれは地域住民のために取り組んでいかなければならないことは申すまでもありませんし、また地域の本当の自主性、独立性をつけていくためには地域の力をつける以外に道はないわけであります。したがって、国としていろいろな意味で助成したり指導したりすることももちろん必要でございますが、そういった全体の地域の力をつけていく政策を考えながら、また地方においても自分自身の将来の展望等を考えてみずから改革していくという意欲もまたなければいけないであろうと思っております。  今、いろいろな税制の問題等につきましても税調で審議している最中でございますが、そういった抜本的な、先生御指摘のように制度的な問題までも含めて考えていかなければならない時勢に至っておると思います。その意味におきまして、今後とも自治省といたしましても地方の本当の意味の地方自治が確立するように、地方の時代が来るように努力をいたしてまいりたい、その決意でおるわけでございます。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 一応取り組み姿勢についてのお示し、どうもありがとうございました。  実は地方行革の今後の進め方について臨時行政改革推進審議会の地方行革推進分科会におきまして、四月までに最終報告書を作成しようというニュースが流れております。この報告の基本となっております事項の中で、市町村合併推進ということが大きな目玉になっているわけなのでございます。市町村合併は、私も行政を担当してみまして、やはり一万以下の町村規模では大変人件費的義務費の比率も高いわけでございますので、町村合併を促進すれば有利な財政の運営ができるという点は私も重々承知はしております。しかし、現在の機構のままでこういう町村合併を推進しても、果たして町村のこういう行財政危機が救われるかとなりますと、例えば決算規模を見ましても、五十五年度は歳出規模が、都道府県、市町村の総額は四十五兆七千億円を超えていますが、この規模が前年度より八・八%の伸びでございます。しかし、地方債残高の方は一二・九%も伸びている。さらに、五十六年度は歳出が七・四%の伸びに対しまして、地方債残高というのは一〇・九%。五十七年度の四%の伸びに対しましては八・九%。五十八年度の二・三%の伸びに対しましては八・四%。さらに、五十九年度の五十三兆九千億円、これは三%の伸びでございますが、地方債残高というのは六・五%という伸び率で、六十年度の地方債残高は総歳入を上回る五十六兆円ぐらいが見込まれているわけでございます。こうなりますと、果たして町村合併だけでそういう零細地方自治体の救済につながるのか。自治体側からは、行政は効率化がすべてじゃないという反発もあるようでございますが、しかし私に言わせますと、財政破綻を抱えて何が地方自治体の主体性があるのか、地方行政の主体性があるのか、こう言いたいわけでございます。  そこで、市町村合併の推進ということにつきまして、果たしてこういう財政改革までつながるのかということに疑問があるわけなんでございますが、こういう点に対しましては自治省の方ではどのような御評価をなされているのか、ひとつおききしたいと思う次第でございます。

大林勝臣自治省行政局長

○大林政府委員 現在、御指摘のとおり、行革審におきまして、国あるいは地方を通じまして広域行政を今後どう展開すべきかということが御論議されております。その一つの問題として、今後市町村の合併問題をどう扱うべきかということがまた焦点になっておることは仰せのとおりであります。  御指摘のように、一つは、従来の経験にかんがみまして、合併をするということは経済的、財政的に規模のメリットというものは確かにあるわけでありまして、またそれだからこそ昭和二十年代の合併以来今日まで日本の政治経済を支えてきたと言うこともできるであろうと思います。したがいまして、今後さらに市町村の適正規模というものを勉強していかなければならないということを私ども自身考えておりますが、ただ、地方の行革の観点からいいまして、この合併だけですべて問題が解決するとは私ども思っておりません。合併と申しますとその市町村の存立の基盤そのものをどうするかという問題に、なるわけでありまして、行財政の問題のほかに、やはりその住民の生きざま、生活全体の問題ということになってまいるわけであります。したがいまして、昭和四十年代以来は全国的な一律な合併というよりは、むしろその地域における広域行政の推進ということを主眼にいたしまして、そういった広域行政が地域になじむあるいはそれを契機としまして合併の機運が自然と醸成されるという地域につきましては合併についていろいろ御相談に応じておるところでありまして、あくまで自主的な合併というのを主眼としておるところでありまして、合併を一律に進めるということ自体が即地方行革に沿うものであるという考え方は私ども自身持ってはおらないところであります。ただ、二十一世紀を控えまして、老齢化でありますとか情報化でありますとか、いろいろまた社会が大きく変革をしてまいりますための準備といたしまして、今後いろいろ市町村の適正規模というものは勉強していかなければならないなと、こういう感じを持っております。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 さらに、自治省では国に対する地方の立場を法律面で強化する方針を定めて、具体的に地方の権限を法律で明確化して与えていこうというふうに新聞で見ております。各地方自治体の首長にとりましては、地方の時代を常に謳歌して、行政の主体性あるいは地方の繁栄を企画しようとしているわけでございますので、これを法制面でも強化して一新していただけるということは非常にありがたいことである、こう思うわけでございます。しかし、今の地方自治体の財政面で、こういう法制面で強化しても、それの裏づけとなるものが常に破綻状態になる。また、先ほど言いましたように、公債依存度、借金財政というものが増大してきますと、こういう法制化をしましても結局は空手形になるんじゃないかというふうに考えます。私といたしましては、こういう法制化面につきましては、執行機関への介入を議決機関からもうちょっと明確にさせて、陳情の面なんかで、陳情経費をなくしたりする方向でのこういう法制化面ですと財政的な救済にもつながっていくのじゃないかと思いますので、そういう面での法制改革に対しては賛成でございますが、今のような制度の中でのこういう法制面の強化ではかえって矛盾が出てくるのではないか。この前、前自治大臣にも質問いたしましたが、例えばラスパイレス指数の問題あるいは特殊勤務手当とか福祉費、厚生費の問題とか、それ以上にわたりの問題、さらに退職手当のでこぼこの問題、類似町村にありながらこれらのでこぼこというのは、地方自治体の主権に属する問題でございますから、その市町村市町村の独自的な判断、各地方自治体首長の判断に任せておくと現実にこういう問題も出ているわけでございますね。そうなりますと、ここら辺でもうちょっと制度改革につながるものを何か持たなければならないのではないか。そういう意味で、シティーマネジャー制度の日本版を何とか創案すべきだということを前自治大臣にも私は強く要望してあったわけでございます。そういう点では、同郷のよしみで小沢大臣にこのことに対する御配慮を何とかお願いしたいと思うわけなんです。  私は、昭和四十八年にアメリカに地方行政の視察に行きまして、モンタナ州のある市長さんにお会いしたりして、日本の地方自治の制度と向こうの制度とをいろいろ比べ合いをしたわけです。向こうの市長はちょうどマネジャーを連れてきまして、マネジャーに向こうの機構を書かせる。私の方も日本の機構を書いて示したら、向こうは盛んに首をかしげるのですよ。何だと言ったら、メイヤー菅原、私たちアメリカ人には理解できない権限を日本のメイヤーは持っている、神の前に良心を失うとこの地方自治体首長の権限というのは悪魔の権限になるという表現で、私たちの持っている権限の中味を検討して驚いた口ぶりの返事をもらったわけです。  それはどういうことかといいますと、市町村長の権限というのは、どんなに議会がチェック機能として、議決機関として市町村長の企画立案、提案権になる法案を審議しても、一たんそれを議決しますと、金の執行がそのまま市町村長、立案者に戻ってくるわけですね。そういたしますと、これは極端な話でございますけれども、いわゆる管理職を呼んで密室でも執行できるわけです。そういう権限でございますね。そういう点では、アメリカは、企画立案は市町村長、地方自治体の主権として認めているけれども、金の執行はマネジャーに任せているのですね。しかし、そのマネジャーの行うことに対する監督や調査もみんなこちらの市委員会が持っているわけです。  ですから日本も、向こうではマネジャーを大学で養成しておりますが、日本では官僚が育っておりますから、官僚をマネジャーに振り向ける日本版の体制をつくりますと、一石二鳥にも三鳥にもなっていくのじゃないか。そして、こういう制度を取り上げるならば、私の腹づもりなんですが、年間に三兆円からの金が浮いてくるのじゃないか。例えばアメリカのカリフォルニアのサニーべール市は、十二万でも市議会は七人で運営しております。また、私の行きました各市は大体五人から七人でございます。それも全部、万を超えております。さらにロサンゼルスは、これは前も話したのですが、七百五十万人でたった十五人の市議会で運営しておるし、グレンデール市では、十四万七千人なのに五人でもって運営しておるわけでございます。  そこで、このシティーマネジャー制を調べてみますと、アメリカで自治体が財政難に陥ったとき、バージニア州のスタントン市で一九〇八年、明治四十一年にこのシティーマネジャー制を創案しているわけでございます。これが半世紀の間に米国の五〇%の市が採用して、現在、二万人以上の米国の都市の八〇%近くに普及しているというわけです。そういうのをかつて私も見聞きして、本当にチープガバメントであると思いました。こういう中では、職員給与の公開ということも税金使用の報告として、当然これは納税者に対する公開の義務としてやっているわけです。さらに向こうでは、市議会議員の歳費の値上げも市委員会で一たん決めても、そういう給与、報酬に関しては納税者、選挙民の賛否を問うて決定するという手も踏んでいるわけです。  そこから見ますと、全く今の日本の制度は、執行権者と議決機関がいわゆるお手盛り予算なんてしょっちゅう批判されたりなんかして自分たちの歳費を決定しているわけです。ですから、このシティーマネジャー制度をぜひ考えていただきたい。このために、日本でも小さな議会を求めまして、産業界の政策研究機関の近代化協会では、人口五十万人以下の市議会と全町村議会にはシティーマネジャー制を導入し議員を九人以下に縮小すべきだという骨子の大胆な地方行政改革案を提言もしておりますし、また首相の諮問機関、地方制度調査会も、市町村組織の多様化が必要であり検討すべきだということを報告しておりますし、自治省の外部団体である自治総合センターでも、シティーマネジャーを日本にも導入する場合の問題点を研究しているということでございます。  ですから大臣、私は今まで再三再四、後藤田長官の方にも申し上げておりましたし、前自治大臣にも申し上げておりましたので、新大臣にもこのことには取り組んでいただきたいと思うわけでございます。ついては、前回の私の質問に対して古屋大臣もこの問題につきましては、「大胆に検討させていただき、今のお話の新しいあり方につきましてはひとつ十分検討を加え、またまともにそういう問題にぶつかって、地域の実情に沿った、住民の気持ちを酌んだそういう組織にっきましては真正面から検討させていただきたい」、こういう答弁をもらっているわけでございます。このことについてもどうなっているのか。また大臣も、このことを自治省で検討するよう御指示いただきたい、こう思うわけでございますが、ちょっと一言でよろしゅうございますので、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 シティーマネージャー制度につきまして、その制度のことは聞いてはおりましたが、今先生から非常に詳しくお話しいただいて、私も大変興味を持ってお聞きいたしたわけであります。  いかにもアメリカ的な合理主義的な発想であります。我が国の場合は今日の形態をとっておりますし、国民の意識の問題やらあるいは歴史的背景とか、そういう問題がお互いに理解されないと、なかなか一遍に合理的な制度というのはとりにくいとは思いますが、私も前大臣と引き続きまして、大変興味のある問題として積極的に関心を持って検討させてもらいたいと思います。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 実はこれは、合理主義一点張りの制度でもございます。しかしぜひ日本版に、こういうことを参考にすると、日本の風土にも合った考え方を取り入れられると思います。  さらに、今まで専門の役人の方々にもこのことをいろいろと個人的に検討していただいた際、地方自治体の主権というのは中身は、実態は予算権にあるんだ、その予算権に抵触する問題は憲法改正までいかなければならぬというような発言をしてくるのですよ。しかし、予算権といいましても、予算権の中には今言いましたような企画権や執行権もあるわけでしょう。企画がないと執行ができないわけで、企画が本質なんですね。もう一つ、現在でも収入役に対しては歳計現金の保管権限というのが、出納部門権限としては法でも分離されているわけですね、予算権の中で。ですから、アメリカも民主主義、日本も民主主義なんですから、基本的にはそういう憲法改正までいかなくてもできるはずだと思っておりますので、こういう点を参照しながら、新大臣よろしく御配慮お願いいたしたいと思います。  時間が来たようですから要望にして、これで私の質問を終わりたいと思います。大臣、本当にどうもありがとうございました。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて菅原喜重郎君の質疑は終了いたしました。  次に、和田貞夫君。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 大臣、最近にせ弁護士だとかにせ税理士というのが出てきまして、戸籍謄本や住民票などを大量に不正手続で入手をしまして、しかもこれを八千円、一万円で密売をしておるのです。そういう事件が発覚されまして、事件になっておる面があるのです。これを見てみますとかなり広域にわたっておる。全国的にこれが発生しておるように推察されるのですが、自治省としてこれらにつきまして調査をされたことがあるのか、あるいは把握されているのであれば、この際その内容を明らかにしてもらいたいと思うのです。

大林勝臣自治省行政局長

○大林政府委員 本当に御指摘のような、まことに遺憾な事件が続いております。私どもの記憶でも、昭和四十八年ごろから数回にわたりまして、そういった名簿の販売をするという動きがあったことを記憶いたしております。また、その都度戸籍あるいは住民票の取り扱いにつきまして、窓口で紛争が起こっておるということも続いてまいりました。  そこで、まず自治省といたしましては、五十年代に入りまして間もなく市町村に対しまして、住民票の閲覧あるいは写しの交付につきましては、通達をもちまして厳重な取り扱いを要望してまいったわけでありますが、ただ、法律が全面的な公開という主義をとっておりましたために、行政の通達と法律との食い違いということがまた窓口でいろいろ問題になったところであります。  そこで、昨年、住民基本台帳法の一部を改正する法律を国会で御審議を賜りまして、閲覧あるいは写しの交付につきましては請求理由を明確にすることによりまして、不当な差別事件というものをできるだけ排除しようと試みたわけでありますけれども、にもかかわらず、昨年御指摘のようなにせ弁護士事件というのが起きたわけであります。これは一つには、戸籍の制度あるいは先般改正をしました住民台帳の取り扱いにつきましても、一般の方々よりも弁護士とか行政書士とか司法書士とか、そういう公的な業務をやっておる社会に対しましては少し手続が緩かった面もございます。  そこで、こういう事件が起こったのであろうと思いますので、早速法務省ともいろいろ御相談をいたしまして、そういう公的な業務を行っておられる方々につきましても、その世界の中で一定の書式をつくっていただいて、その書式で請求しなければ戸籍あるいは住民票の写しを渡さないと同時に、その書式には弁護士さんであれば登録番号、住所、氏名といったものを書いていただく。それからさらに、代理人で請求される場合には代理人の住所、氏名、電話番号、そういったものも書いていただいて、市町村の窓口が疑いを持った場合には確実に連絡ができ確認できる、こういう措置をお願いするとともに、市町村に対しまして、そういう措置を講じたので今後さらに厳重に配慮していただくようにお願いをしたところであります。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 これは戸籍の場合は、まだ資格がなければ、事由を付さないでだれもが請求することはできませんけれども、住民票写しということになれば、だれでも請求して交付を受けることができるわけなんですね。極めて危険な問題なんです。申し上げましたように、これはかなり広範囲にわたっているのです。  御案内だと思いますけれども、にせ弁護士上田健一の場合、これは既に裁判所で判決も出たわけでございますけれども、兵庫県、大阪府、奈良県、徳島県等の十三カ所で、市役所、区役所、町役場、実に十九回にわたってTさんら十八名の戸籍謄本等を、資格を偽って弁護士の業務申請通知書と題する用紙を使って入手して、そしてそれを一部八千円あるいは一万円ということで売却しておるのですね。また、この上田健一というのは大阪で興信業を経営をしておる。  同じくまた、大阪市内で興信業をやっております日本総合興信所の河野正明という社長が、部下である井上士郎という、その会社の特殊調査課長という肩書があるのですが、これを使って、税理士山村一郎という別名のものですが、税理士山村一郎という名前を詐称して同様の手段で、大阪市内で各区役所から六十四件、大阪府下の各市町役場から十八件、東京都、岩手県、愛媛県、長崎県等々の各自治体から三十九件、合わせて百二十一件に及ぶ戸籍謄本あるいは住民票写し等を入手して同様に密売をしておる。同じ会社の特殊調査部長の肩書を持っておる牧ノ瀬という男が、これまた河野社長の指示を受けまして、行政書士山本照夫という名前を詐称して大阪市内の各区役所から二百七十八件、その他各県にわたる十五市からも、同じような手口で合わせて三百十九件の戸籍謄本等を入手して、同じように密売をしておる。  大阪市内の興信所を経営しておる経済信用調査株式会社というのがあるのですが、そこの植田幸夫というのが、司法書士でないにもかかわらず司法書士ということを偽って奈良市長に対しまして、Mさんの戸籍付票写しを登記手続上必要だということで請求して交付を受けておる。これは、大阪の司法書士会が今本人を告発しておるわけですが、その告発状によりましても反復継続しておるということが推測されるわけであります。  したがいまして、全国的にこれは派生しておるように思えてならないわけです。自治省としてはひとつこの点を憂慮してもらって、ぜひとも全国的に調査をして、そしてできればその自治体の名前をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのであります。  また、今お答えがございましたように、市区町村の戸籍謄本、住民票等の交付の窓口事務というものを、これは抜本的に改善をする必要があると思いますし、また、にせ弁護士、にせ税理士等の戸籍謄本等の不正入手の防止策、あるいは住民票の不必要な交付を非常にずさんさの中から出しておるという現実の姿があるわけですから、ぜひともこれらの防止策というものを真剣に考えてもらいたい。今お話がございましたように、確かに自治省通達というのが出て規制をしたり指導したりしておるわけでございますけれども、その通達の中には漏れております大蔵省の指導によって、金融機関がいわゆるマル優制度には本人であるかどうかという確かめる書類が必要であるということから、ある金融機関は多量に自治体から住民票を取り寄せるというようなことが起こっているわけです。一つの金融機関で二千件、四千件という住民票を取り寄せてそれに使っておるのですから、そういう無造作に発行するということになりますと、これがいかがわしいところに流れていくということにもなりかねないわけでありますので、ぜひともそれらの窓口の行政の改善ということ、厳にひとつ自治体を指導してもらいたいと思うのですが、どうですか。

大林勝臣自治省行政局長

○大林政府委員 まさに、まことにけしからぬ事件が連続しておりますことは、私どもも非常に遺憾に思っておるところであります。  先ほどお答え申し上げましたように、住民票の扱いあるいは戸籍謄本、抄本の扱いにつきましては、法務省、自治省におきまして、その都度通達で厳重に市町村の指導に努めてまいるつもりでございます。さらにまた、御指摘のいろいろな証明業務、こういったものが各省に分かれております。そういった場合に、果たしてそれぞれの行政分野におきまして、それぞれの証明に一つ一つ住民票というのがどうしても要るのかどうか、必ずしも住民票でなくとも、ほかの証明書類、ほかの証明用具というもので事足りる業務もあるのだろうと思います。何でもかんでも住民票でなければいかぬというようなことでなくて、それぞれの業務で最低限度必要な証明手段、こういうものを考えていただくように、また各省庁にもお願いをしてまいりたいと考えております。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 ぜひともそれは、大蔵省を通じて金融機関を指導してもらうように自治省の方から、大臣ひとつよろしくお願いしたいと思うのです。  なぜ、そのようなことをするかということです。先ほど申し上げました上田健一の弁護士法違反事件におきましても、上田側の弁護士が弁論の中でこういうことを言うておる。「プライバシーの侵害については検察官の御意見の通りであるが、就職、結婚等においては戸籍謄本により身上調査が現に行われているという社会の現状からみて、被告人にのみその責任を負わすのは相当でない」、こういう弁論をやっているわけなんですね。あるいは、今から十一年前の昭和五十年でございましたけれども、「部落地名総鑑」、東京を中心に企業にたくさん買わした。その「地名総鑑」をつくったTが、興信所への結婚に関する身元調査依頼の九九%は部落の人かどうかを調べてくれ、そういう依頼の内容であるということを明確に言っておるのです。  このような結婚や就職に関する差別の現実というもの、そういう上に立って戸籍謄本の写しや住民票の写しをそのために入手をさせたり、あるいはしかもこの入手したものを商いに使うというようなことをさせないために、根本的に根絶をさせる方向というものをぜひとも立ててもらいたいと思うのであります。事、人権の問題であります。大臣、ひとつお答え願いたい。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 同じ日本人同士の中でなぜこのような差別問題が発生するのか、あるいは日本人がどうしてこのような意識を、みんなではないと思いますけれども、一部でそのような意識がいまだに残っておるのか、非常に残念なことでございますし、私どもといたしましては、もちろんいろいろな社会生活の中でそして人間関係の中でその意識を、心の中の問題でございまして、単に制度あるいは強制的な方法によって意識改革をできるわけではありませんが、常に、本当に基本的な人権といいますか、そういう難しい言葉を使わなくても、同じ日本人同士でお互いが対等の、平等の社会の中にあって協力し、働いていく、そういうお互い自身の意識の改革、これを私どもといたしましては啓蒙し、進んで取り組んでいかなければならない。私は、いろいろな問題の根底にあるのはそのことであろう、そういうふうに考えておる次第であります。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 大阪におきましては、大阪府が昨年いわゆる興信所条例というのをつくったわけですね。これは、これらの防止策の一策に役立たすことができておるというように私は思っておるのです。これは、各自治体、各自治体でお考えになることであろうと思いますが、大阪だけでこれができたところで、今申し上げましたように、よそでこれの防止策というものがなければなんですから、これはまあ、きょう時間がありませんので議論しませんが、私はこれは、各県であるいは国がそういうような前例に倣って対処するというようなことがぜひとも必要じゃなかろうかというように思います。ひとつ、頭に入れておいてもらいたいと思います。  来年年が明けますと、今の地対法が期限切れになるのです。政府の諮問機関の同対審が答申されて二十一年目であります。措置法ができ、そして移り変わって今の地対法になりました。確かに物的なハード面の事業というものは、国は国なりに、十分とは言いませんが自治体と協力してやってこられた。しかし、なお残事業が山積しておる。しかし地対法には、いわゆる非物的事業の面で、ソフト面でこの同対審答申の精神というものが十分に生かされた法律じゃなかっただけに、あるいはまして地対法ということになりましたら、名称も、法律の名前というのは明確に異なるわけですから、あやふやである。そういうようなところから、やはりこれから先は職業の対策であるとか福祉の対策であるとか、依然として絶たない差別事犯、差別事件、そういうものは、部落の解放のための行政というのは国の責任であり、自治体の責任であり、国民的な課題だということを明確に答申にうたわれているわけですね。しかし、この点については、今日まで極めて不十分だったのです。だから、今の指摘をしておるような問題が後を絶たない。「地名総鑑」を、これが問題を起こして、そして「地名総鑑」についての対処をやりますと、戸籍謄本が売られる、住民票が売られる、こういうようなことになってきているわけですから、このような点について、いわば部落解放行政のソフト面が欠けておったというように私は思っているのですが、大臣はどうお考えですか。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 確かに、今までのいわゆる地対法あるいは特別措置法、これは主としてハードの面から国といたしましてできるだけその環境を整備していこう、そういう面に重点を置いているものであるということは言えると思いますけれども、反面、考えてみますと、ソフトといいますか、心の問題、国民のそれぞれの意識の問題、こういうことは単に法律あるいは制度論でなかなか片のつかない要素がたくさんあると思います。したがいまして、繰り返して申し上げることになりますけれども、やはりお互いが本当に理解し合い、その差別の意識をぬぐい去っていく。また、いろいろな、就職にいたしましても結婚にいたしましても、そういう面でもその意識を捨て去る、そういうことが求められておるわけでございます。もちろん、国あるいは地方団体にいたしましても、できるだけそういう国民の意識を変えていく、正当な理解を求めていく、そういうことを率先して、いろいろなあらゆる機会を通じまして努力をしていく、このことは必要であろうかと考えておる次第でございます。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 先ほども申し上げましたように、事件が起きてそして裁判になっても、戸籍法の違反ということで処断をされ、弁護士法や税理士法の違反だということで罰金を取られても、差別をしたという、あるまじきこと、やるまじきことをやって、そういう罪悪を犯した者に対するところの罰則規定というのがないのです。まして、その被害を受けた被差別者にとってはたまったものじゃない。それの救済策というのは全くないのです。差別され損、差別し得、こういうことを考えたときに、やはり私が申し上げているように、今までの行政の、部落解放行政としての欠陥、少し軽んじてきたソフト面の政策というものをもっともっと力を込めてやってもらいたいな、こういう気がするのですが、どんなものでしょう。

大林勝臣自治省行政局長

○大林政府委員 確かにおっしゃるとおりであります。そういったひんしゅくを買うような事件を起こした者が罰せられても、結局そういった被害が残るということ自体が問題でありまして、そのためには、結局はソフト面の啓発というものが今後一番大切な仕事になるであろうと思います。私どもも、総務部長会議のたびごとに口やかましくその点を指摘し、啓発の努力をさらにお願いをしておるところでありますけれども、現在政府におきましても、地域改善対策協議会におきまして、今後のそういったソフト面の具体的なあり方、そういうものを具体的に研究しよう、こういう話し合いが、勉強が行われておるところであります。まさにおっしゃるとおり、御指摘の点を踏まえまして、私どもも今後さらに具体的な勉強をしてまいりたいと考えておるところであります。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 昭和五十六年だったと思うのですが、就職差別事件があって、当時の藤尾労働大臣が国会で極めて決意を込めた答弁をなさっておる。そこで当時の藤尾労働大臣が、私は国権の最高機関である国会において同和問題にかかわる就職差別の絶滅を期する旨をお約束申し上げた、だからそういうことのないようにという内容の私文書を印刷されて、全国の多くの企業に発送された。ひとつこの機会に、自治大臣として、各自治体の長に督励の意味を込めてそういうようなことをされるお考えはございませんか。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 先生の御指摘の意味におきましては、私といたしましても、全国の各地方公共団体に対しましてその趣旨を徹底させるべく、重ねて理解を求めたいと思います。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 大臣、私存じないのですが、被差別部落を視察されたことがございますか。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 まだございません、特別に視察といいますか、そういう形では。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 二十年間の足跡というものを直接自治大臣として御自分の目で見ていただき、体にひとつこたえるように、そのために選挙区のお近くの被差別部落でも結構でございますし、お忙しいことでございますから東京周辺の部落でも結構でございますから、先ほどおっしゃった決意のもとに、この部落解放行政を自治大臣としてやってもらうために御視察を、あす、あさってとは言いませんから、適当な時期を見計って、ぜひともそのような計画を入れてもらいたいというふうに思うのですが、どんなものでしょう。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 私は東北で育ちまして、今まで生まれ育って、地域的にそういった差別意識を持った人やら、就職やら結婚やらで差別問題というのにぶつかった経験はございません。そういうようなことで、認識が浅いと御批判を受けるかもしれませんけれども、大変大事な問題でございますので、ぜひ機会を見つけまして視察の日程をとりたいと考えております。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 ぜひとも、ひとつよろしくお願いしたいと思うのであります。そして、そのことを自治大臣として全国の自治体に指導してもらうように、積極的にひとつお願いを申し上げたいと思います。  時間が参りましたので終わらしていただきたいと思うわけでございますが、押しつけがましい物の言い方でございますけれども、先ほど自治省の方も大臣の方もお認めになられましたように、今までは今までなりのハード面の行政というものを不十分ながらも、皆さん方に言わすならば積極的にやってきたというように言われると思うのですが、とにもかくにもやってきたということは事実であります。しかし、今日なお、申し上げましたように差別事件が後を絶たない。部落の福祉対策というのは、まだまだおくれておるわけです。一般的な国民に対する啓発、教育活動というものがおくれておるのです。職業対策も非常におくれておるのです。現実の姿として、先ほども具体例を挙げましたように、戸籍謄本を取り寄せる、住民票を取り寄せる、それはなぜ必要か、やはり結婚の障害、就職の障害、被差別部落民としてはそのようになっておるのです。また相手側の方は、そのために必要であるわけなんです。だから入手をして、金を出してでも買おうとするわけです。  これは極めてソフト面の行政というものを、現実に差別事件というものは後を絶たない以上はあるわけですから、ぜひともその面についてのお考えというものを十分に御認識をしていただきまして、現在の地対法の期限切れに当たりまして閣議の中でも積極的に発言をしてもらって、現地対法以降の部落解放行政、おくれをとらないように政府としてもこれからも積極的に推し進めてもらいたい、こういうふうに思うわけでございますが、最後にひとつ御感想、決意のほどを述べていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 最初にも申し上げましたが、同じ日本人同士の中でこのような差別が存在するということは許されないことでございますし、そういったことの絶滅を期しまして、そんなことがないように、今後とも積極的に努力してまいりたいと考えております。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 終わります。

大西正男自由民主党・新自由国民連合

○大西主査 これにて和田真夫君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして自治省所管についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午後九時七分散会

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