予算委員会第五分科会 第1号
- 発言数
- 469 件
- 登壇者
- 57 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/06
会議録
○柿澤主査代理 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 主査所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。 本分科会は、総理府所管中環境庁並びに農林水産省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算及び昭和六十一年度政府関係機関予算中総理府所管(環境庁)について、政府から説明を聴取いたします。森国務大臣。
○森国務大臣 昭和六十一年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 昭和六十一年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百六億八千二百二十七万四千円であり、これを前年度の予算額四百二十九億九千七百六十万七千円と比較すると、二十三億千五百三十三万三千円の減額となっております。 次に、予算要求額の主要な項目について御説明申し上げます。 第一に、公害対策について申し上げます。 まず、環境保全企画調整等の経費については、安らぎや潤いのある快適な環境を創造するための計画策定等の経費、環境の健全な利用を図るための「環境利用ガイド」の策定の経費のほか、環境教育を推進するための経費、環境影響評価制度の効果的な実施を図るための経費、瀬戸内海の環境保全対策を推進する経費、公害防止計画の策定を推進する経費及び地球的規模の環境問題に関する調査費など、これらをあわせて七億四千九百三十万円を計上しているところであります。 次に、公害健康被害補償対策については、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として百五十三億六千五百八十二万円を計上しております。 公害防止事業団につきましては、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として三十八億八千四百三十二万円を計上しております。 次に、大気汚染防止対策の経費については、新たにディーゼル排出ガスに関する影響調査等を実施するほか、従来に引き続き、窒素酸化物対策、未規制大気汚染物質対策等各種の大気保全対策を推進するための調査等を実施することとしております。 また、交通公害防止対策については、新たに大都市地域における自動車交通総量の抑制等を図るための計画策定や、脱スパイクタイヤ推進のための調査を実施するとともに、新幹線鉄道についても沿線の騒音振動対策の推進に関する調査を行うほか、従来に引き続き、自動車排出ガス、騒音対策の強化のための技術評価を実施するなど総合的な交通公害対策の推進を図ることとしております。 さらに、騒音、振動及び悪臭についての対策を推進するため、新たにモデル地域における近隣騒音防止対策の推進、悪臭防止技術の改善、普及等を図ることとするなど、六億七千五百五十一万円を計上しております。 水質汚濁防止対策の経費については、新たに水質総量規制を円滑に実施するため、排水処理技術の最新の開発状況及び小規模事業場に対する指導指針を作成するための調査を行うこととしております。 さらに、湖沼の環境保全対策を推進するための経費、生活雑排水対策を推進するための経費、赤潮防止対策を推進するための経費など、七億八千三百八十四万円を計上しております。 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として一億六百二十八万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として一億六千六百四十一万円をそれぞれ計上しているところであります。 次に、公害監視等設備整備費については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を円滑に推進するために必要な経費として八億八千百十八万円を計上しております。 公害防止等に関する調査研究の推進のための経費については、有害化学物質による環境汚染問題等について科学的な調査及び試験研究を促進するため、総額三十六億二千七百六十七万円を計上しております。 このうち、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として二十六億二千五百十二万円を環境庁において一括計上し、各省庁の試験研究の総合的推進を図ることとしております。 また、光化学スモッグに関する調査研究費及び公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する調査研究費についても八億八千二百五十四万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしているほか、環境保全総合調査研究促進調整費として一億二千万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的調整を図ることとしております。 さらに、科学的な行政を推進するため、国立公害研究所の機能を充実強化することとし、これに必要な経費として四十二億六千六百十四万円、国立水俣病研究センターの運営等に必要な経費として四億二千六百二十六万円、公害研修所に必要な経費として九千五百三十五万円をそれぞれ計上しております。 第二に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等に関する経費については、自然環境保全施策を適切に推進するため、第三回自然環境保全基礎調査を初めとする調査研究を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図ることとしております。 また、野生生物保護対策のため、新たに緊急に保護を要する動植物の種の選定調査等を行うとともに、鳥獣保護のための国設鳥獣保護区の管理強化及び渡り鳥の保護対策等の推進に必要な経費など、あわせて十七億二百三十二万円を計上しているところであります。 さらに、自然公園等の整備を図るために必要な施設整備費として二十七億千五百七十七万円を計上しております。 以上、昭和六十一年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ本予算案の成立につきまして格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
○柿澤主査代理 以上をもちまして総理府所管(環境庁)についての説明は終わりました。 —————————————
○柿澤主査代理 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)分科員 私は、環境庁に関係をし、なお通産省にも関係をしますが、筑波山の採石問題、それから、きょうは文化庁も来ていると思いますけれども、文化財保護に関する問題、この二点について質問をいたしますが、なお時間があれば、霞ケ浦の浄化問題等についても触れていきたいと思います。 そこで、最初に、森長官が御就任になった直後に新聞に発表したことが間違いなければ、環境の仕事は、おれがよければあれはどうだとかこういうことは、財界の申し入れに対して何か御発言をされたことが新聞に大きく出ていたし、あの考え方について私は全面的に賛成ですが、今でもその考え方に変わりはないかどうか、まず最初にそれをお伺いしたいと思います。
○森国務大臣 先般、経団連からいろいろ申し入れがございまして、それには、産業排水も随分技術が進歩してきた、しかしながら生活排水についていろいろこれからやってほしいんだという強い要望がございました。私は、産業排水の努力は認めるけれども、生活排水云々というのは余分なことであるという発言をしたわけでございますが、まさにそう思っております。
○竹内(猛)分科員 そのお考えはまことに同感でありまして、やはりそういうことを貫徹してほしい、こういうことを要望しておきたいと思います。 それで、質問の方は、茨城県の霞ケ浦や筑波山を結ぶ水郷筑波国定公園が指定をされる前から新治郡の新治村には採石場がありました。これは七社が三カ所に分かれて採石をしているわけでありますが、その中で、先に採石をしているから、後で国定公園になったからということで、十年間の延長というか採石を認めるという協定が結ばれております。そういう中でことしの三月三十一日に期限が切れるわけでありまして、その期限が切れるところから、延長をするかこれでやめさせるかという問題をめぐって、今地元が対立をしているというのが現状です。 そういう状況について、私どもはしばしば地元とも話し合いをしたし、それから現地の代表にも上京してもらって加藤局長にもいろいろ相談をしたし、通産省にもお伺いをしているわけですね。それから、これは大体県が許認可権を持っておるから、今度は県の方とも話をしてきました。こういうような中で、問題は、石をとること自体に反対をしているわけではない。ここが大事なところですね。採石法というのは石をとる業者の方の指導あるいは監督もしておりますが、これは営業でありますから石をとってはいけないということにはなりませんが、しかし、だからといって、環境が著しく破壊されて人間の生命やあるいは他の産業に影響があったり、そのほか公共施設に対して迷惑をかけたりするようなことは、これはやはり認めてはならない、こういうふうに思います。 そういう意味で、三カ所の中の、東城寺という桓武天皇以来のお寺がそこにありますが、その東城寺というところに約五十数戸の古い集落があります。その集落の一番上の方ですね、上層部の方から石をとっている三社、これは村樫あるいは松沼、またはこれを小川ともいいますが、それから石塚、この三社について問題を出しているわけですね。なぜかというと、この三社が採石をして、東城寺という集落の真ん中を通っている道路があります、その道路を占有する、一日に八百台からのダンプカーが行ったり来たりすると、本来、農業地域で、村の人々がそこを通ることさえできない。それのみならず、粉じんをまき散らす、確かに最近は水をかけるようになってやや反省はしているものの、しかし、到底それくらいで解決するものではない、あるいは道路が壊れてもそれを修理もしない、こういうような状態だけでなしに、朝の十時と夕方の三時には発破をかけて大きな石が落ちてくる、あるいは粉じんが落ちてきて、野菜やその他のものに対して、ちょうど桜島が噴火をしたようなああいう灰が毎日のように出てくる。こんなような状態で、これは大変問題があるということですけれども、これについていろいろと話をしているのですが、関係の許認可権を持っているのは通産省ですから、まず通産省の方から、この現状についてどのように認識をされているのか、それをお聞きしたい。
○山本説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘いただきましたように、採石法の権限は都道府県知事が実質的に行うことになっております。それに対して、私ども資源エネルギー庁としまして、基準の通達あるいは問題があった場合の指導監督という形でチェックというか指導をしておるわけでございます。 御指摘の件につきましては、相当前からいろいろもめておりまして、関係の方々との協議あるいは私ども通産省の方へも話もございまして、事情も掌握しておるつもりでございます。特に東城寺地区の三社の問題について現地で問題になっておるようでございまして、先生御指摘のようなダンプカーの通過による問題あるいは発破による騒音あるいは粉じんの問題というのを指摘されておることは、十分承知しておるところでございます。
○竹内(猛)分科員 続いて、環境庁は環境を守る立場にあるわけですね、特にそれは国定公園でありますから。その環境庁はこの事実についてどうお考えになっているか。
○加藤(陸)政府委員 この筑波の国定公園の中での採石の問題につきましては、環境庁といたしましてもよく承知をいたしております。もちろん、先生がおっしゃいましたとおり、これは国定公園でございますので、管理は県知事でございますから県を通じてということになりますけれども、随分前から問題になっておりますし、よく承知はいたしておるところでございます。また、るる申し上げるのも時間の関係もございますから差し控えますけれども、先生が先ほどおっしゃった点についても直接伺って、よく承知しているわけでございます。
○竹内(猛)分科員 先ほど申し上げたように、私は石をとることについて反対をしているわけではない。確かに三千万近い固定資産税が入っておりますし、それから地元からの雇用関係もありますから、村自体について大事な地場産業であることには間違いがないしそれは大事なものですから、それ全部やめてしまえということじゃないけれども、東城寺の上にゆうもあ村という村がありまして、今でも徳川夢声とか長崎抜天とか大田黒元雄なんという人たちの屋敷がありますが、そことつながっているところなんです。だから、一方では文化人が来て非常に住みやすいところがあり、一方では発破をかけて山荒らしをする、こういうところでは、十年の協定が結ばれていてそれがことしで終わりになるわけだから、この辺でやめてもらいたいと思うのです。なぜかというと、やめた後は緑化方式じゃない。他のところでは緑化方式をつくって、石をとった後はこのようにして山を直します、木も植えます、こうなっている。ところが三社はそういうものが示されていない。私は四十八年以来、本分科会でもしばしばこの問題を取り上げてきたのです。五十五年の五月九日には現地調査をした。その現地調査というのは環境庁、通産省、林野庁あるいは県も地元も参加をして、そのときから既に指導をしてきたけれども、それを全然省みない三社、石さえとればいいんだ、こういう者に対してこれ以上採石をさせるというのはどうかなということです。だけれども、三月三十一日、五月いっぱいくらいまではよろしいということになればあと三月くらいありますか、この間に残務処理をして緑化方式をする、かれこれ一億円くらいの処理費の積み立てはあるようですね。だから、そういうものを使って残務処理をしていくということについて、現在村では、県に対する賛成、反対両方の請願があったけれども県はこれを両方とも却下した。村会は少数で強引に推進を決めた。ところが、村長はまだ意見書を出しかねていますね。村の中の対立が激しくて三年間、村区長が決まらない。そういう状態ですから、村の中に深刻な対立がある。ある会社はお金を持ったり旅行に連れていったりして村民を籠絡する。こういう現状について、延長をさせるかさせないかということが一つのポイントなんですが、通産省、環境庁それぞれお答えをいただきたい。
○加藤(陸)政府委員 この採石の問題につきましては、まず一般的に国定公園あるいは国立公園での採石というのは非常に難しい問題がある。それから、もちろん産業として必要なケースはございますけれども、そのときにどういう条件を守っていただくかということについては相当厳しい姿勢を持っておりますし、今後とも持っていきたいと思っております。ただ、特定の場所についての個別の問題となりますと、実は先生も御承知のとおりでございますが、県が直接管理しておりますので、その許可もあるいは直接の監督指導も県知事さんでございますので、私ども直ちに具体的にどうこうというのもいかがかと存じますが、これは期限が来たときに再延長するかどうか、これは相当慎重に県でも御判断いただけるものと思っております。ただ、その際に続けられるかあるいはもし続ける場合には地元の方々の意向もきちんと踏まえて、今先生もおっしゃいましたようなことがないように防除されるように措置されるべきものと思いますし、その辺は私どもも指導する立場にございますので、県当局とよく情報を交換しておきたいと思っております。
○山本説明員 お答えいたします。 基本的にはただいま局長がおっしゃったとおりでございますが、私どもといたしましては採石法の施行運用という責任がございます。採石法では三十三条で岩石採取計画を業者が定めて知事が認可するということになっております。その中に採取の方法とか採取後の処理の仕方というようなものを定めておりまして、さらにその基準を私ども通達で出しておるわけです。それに基づきまして知事が運用をされておるわけでございますが、本件につきまして適正な処理の仕方あるいは採石の方法がなされているかどうか子細に県当局で御検討をなされておると聞いておりますし、私どもとしては、県とも連絡をとりつつ適正な運用がなされるように努力したい、かつ今度の延長の可否についても同様の基準から適正な運用がなされるように指導をしてまいりたいと思います。
○竹内(猛)分科員 私はその地元から出ている議員ですけれども、参議院の環境特別委員長は矢田部理、弁護士で地元から出ている議員ですが、このやり方いかんによれば現地調査をして現地で我々はさらに問題を出さなければならない。この間二月二十五日に東京で地元の代表と会いました。そのときに商工労働部の課長さんも来たしいろいろ来ましたが、去年の五月二十二日にこういう石が落ちてきたのです。これは二・三キロありますね。こっちは一・二キロあります。こういう石が落ちてきた。ガラスが壊れるし豚などが死ぬ、人間も人命に関係する。そこで、県の商工労働部の課長さんは、人命に関係があったり他産業に影響があったりその他の施設に影響がある場合にはやはり考えなければならないと言う。じゃ、それまでには県はどういう指導をしてきたんだ。これはここで言ってもしようがないが、県の指導はどうも甘かったのじゃないかという感じがしてならない。同時に、もしこれに許可をするようなことがあれば、地元の人々は集団移転をしたい、とても住めない、集団移転するその補償と移転の土地については心配してほしい、こういうことを知事と恐らく長官にも要請していると思いますね。そういう心組みでありますから、この点は大変厳しい状態にあるということを私はあえてここで申し上げておきたいと思うのです。それから、私は写真も撮ってきましたが、ここに写真があるけれども、これは本当に桜島が爆発をする、浅間山が噴火をすると同じようなこういう真っ白のあれがかかってきて、これは農業としてもやりきれない、川の水は粉じんで埋まってあふれている、これではまじめに石をとっているものとは思えない。だから、十年間の協定があるからその間は我慢をしよう、もうこれ以上あの三社に残ってもらったら嫁の来手もないし子供も残らない、それで集団で移転をしようということでありますから、これはよほどの決意で指導してもらわなければいけない。そういうことだけは強く要請をしておきます。 そこで次は、時間もありませんから、霞ケ浦の問題です。 霞ケ浦については県の富栄養化防止条例並びに湖沼法などによってそれぞれ努力をしていただいた。去年も石本長官が、私の要請もありまして最もひどいときに来てもらいたいということで、八月四日に現地の調査をされまして、その前の年よりは霞ケ浦は意外にきれいであったというように思っています。総合汚染でありますからこれは一遍によくなるわけではないのですが、これについては、ひとつ金をかけなければよくならない、先ほどの予算の説明を聞いていますと若干予算もあるようですから、金をかけなくてきれいにしようなんという話は虫のいい話だ。あれが悪いこれが悪いということじゃなくて、緑化もしなければならぬだろうし、豚の問題も考えなければならぬだろうし、工業用水も問題です、それから建設省の常陸川の水門の問題もあるが、この辺について一言だけ関係者から今後の方針についてお聞きしたい。
○谷野政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、六十年の夏の霞ケ浦の状態は、五十九年に比べましてアオコの発生等も少のうございまして、比較的水質がよかったわけでございます。しかしながら、私どもといたしましては、基本的には霞ケ浦の水質の状況というのはまだ決して楽観ができるような状態にはなっていないというふうに考えております。大変大きな湖沼でございますし、また、その後背地には森林が少のうございまして平地が広い。さらに、最近は学園都市でございますとかあるいはその周辺の土浦市の人口の急激な増加、あるいは養豚の増大というようなそういう人間活動の拡大に伴いまして周辺地域の負荷量が増大をしておるというのも事実であるわけでございます。ただいま先生のお話ございましたように、一方でこういう開発なり地域の経済的な拡大ということをやりながらさらに水質を維持改善をしていくというのは大変難しいことでございますが、霞ケ浦につきましてはやはりそういう道を選んでいかざるを得ないというのが実態であるというふうに私どもは受けとめておるわけでございます。 このため、先ほど御質問にございましたように、昨年の秋に茨城県知事から湖沼法の指定の申し出がございまして、私ども関係各省庁とも相談をいたしまして、十二月に霞ケ浦を第一次の指定湖沼の指定の対象としたわけでございます。これによりましていろいろな新しい規制措置もお願いをするわけでございますが、規制措置につきましては、一方では税制等の措置につきましても昨年暮れの税制改正のいろいろな議論の際に各方面の御理解を得て実施をすることといたしておりますし、またいろいろな事業につきましても、今後策定をいたします計画の中でそれぞれの事業主体あるいはその御担当の各省庁と十分御相談をしながら、計画的に推進をしてまいりたいというふうに考えております。 湖沼の問題は大変総合的な対策を要するわけでございまして、一方では規制、さらにいろいろな事業による改善措置、さらには地域住民の皆様方の一人一人の御協力というようなことも必要なわけでございまして、こういう湖沼法の計画の策定実施を通じまして総合的な対策を今後講じてまいりたいというのが基本的な考え方でございます。
○竹内(猛)分科員 千葉県の印旛沼も手賀沼も負けず劣らず汚い湖になっているわけですから、ひとつあわせて湖沼の浄化のために奮闘していただきたいということをお願いをしたいと思います。 文化庁、お見えですか。——文化庁に要請をしたいと思うのですが、茨城県筑波郡の筑波町の小田というところに南北朝時代ですか北畠親房が神皇正統記を書いたと言われる小田城がございます。その小田城には第一、第二、第三の堀がある。その第三番目の堀の近くに、名前を言うことはちょっとまずいのですけれどもKという人がおりまして、家が古くなったから建てかえをしようといったところが、文化庁から厳しいお達しがあって、あれやこれやと御指導をいただいたという。けれども、最終的には家は建てかえたわけだが、その建てかえた後の堀の始末が、これもまた写真を撮ってきたけれども、この状態では、厳しく取り締まることは結構だが、その後が一体どうしたことかというと、堀の中にはもうすごい草が生えて木が横になってこういう状態なんです。(写真を示す)メタンガスがたまって、たばこでもあれしたら草に火がついてすぐ火事になって家が燃えてしまう。規制を厳しくするなら管理もしっかりしなければ、これは一方手落ちで、文化庁何をしているかという声が強いですね。 それからもう一つ、小田の城は現在は焼けて城そのものはありません。長い間あったケヤキの木も燃えてしまってない。そこへやはり有名だからたくさんの人たちがバスで見にくるわけですね。ところがそこには道路も何もできてない。ただ、そこには小田城跡ということしかない。これでも文化財としてはどうも管理不十分じゃないか、こういう点でひとつ文化庁の方も格段の努力をしてもらって、規制をするならちゃんとその後の始末もきちんとしてもらわなければ、火事が出てから人間が焼け死んだり家が燃えてしまってから、今度は後でこんなことをするのじゃ困る。 それから小田の城なんかも、確かに北畠親房という過去の人だけれども、残されたものは大事なものだから、それをみんなに見てもらうことは結構なことですから、そのことについてひとつ文化庁、どうですか。
○田村説明員 ただいま史跡小田城跡につきまして二点御指摘をいただいたわけでございますが、第一点につきましては、昭和五十九年の春に申請のございました住宅改築の現状変更であるかと思いますが、現地調査の結果も踏まえまして、改築でもあり新たに遺構等を損傷することがないということで七月に許可となったものでございます。その隣接に堀がございまして、この堀の環境整備の点の御指摘でございますが、管理団体として地元の筑波町が指定されておりますので、環境整備のため適切な措置をとることの検討を管理団体である筑波町の方に指導していきたいと考えております。 二点目の、史跡地内の既存道路が未整備で見学に支障を来しているとの御指摘でございますけれども、遺跡の保存と活用の面からどうあるべきかということをよく検討するように、これまた県を通じて指導していきたいと考えております。
○竹内(猛)分科員 時間が来たからこれで終わりますが、長官ひとつ今の話の中で、文化庁の問題はこれでいいのですが、採石の問題については、集団移転が行われないようにするためにひとつ環境庁の方としては通産省と十分に連絡をとって、石をとることについて反対をしているわけじゃないのですから、環境問題としてこれは許しがたい問題だ、こういうふうに言っているわけですから、そこで石をとらなくてもあの程度の石はいっぱいあるわけですから、もう終結をして緑化をしていく、こういう方向に県も指導していくように。そうしなければ、埋蔵があと五年間あると言っているが、この人たちは五年は待てない。要するにもう期限が切れるわけですから、そういう点でひとつ長官からも決意をいただいて終わります。
○森国務大臣 先生のお話は全くごもっともなことでございます。関係各省庁に適切な処置をするように私からもお願いを申し上げたいと思います。
○竹内(猛)分科員 終わります。
○柿澤主査代理 これにて竹内猛君の質疑は終了いたしました。 次の質疑に移ります。斉藤節君。
○斉藤(節)分科員 私は公明党・国民会議の斉藤節でございます。まずきょうは三点ばかり質問申し上げたいと思います。 まず第一点、最初は地下水の汚染対策の問題について質問申し上げたいと思うわけでございます。 もう既に新聞紙上などでいろいろ報道されておりますけれども、昭和五十七年ごろから調査によってわかってきたものでありますけれども、発がん性の疑いのあるトリクロロエチレンなど有機塩素化合物の、大体三物質じゃないかと言われておりますけれども、これによる地下水の汚染が依然として進行しているという状況にございます。地下水というのは、申すまでもなくこれは非常に重要な我々の水資源でございまして、これは工業用水、農業用水、そのほか多量に飲料水などとしても使われておりまして、大体その量は国で使っている水全体の四分の一にも上っている、そのように言われている大事な水源でございますが、これが有害有機塩素化合物によって汚染されてきているということは非常に憂うべきことだと私は思うわけでございます。 このような塩素系のあれ、なぜそのようなものによって大事な地下水が汚れてきているかと申しますと、言うまでもなくこれは先端技術だとかあるいは金属洗浄あるいはメッキそれからドライクリーニングなど、こういったところの溶剤あるいは洗剤として使われているわけでありますけれども、このような地下水が一度汚されますと、これは非常に浄化するのが困難である。もう申すまでもなく、水というのは非常に物を多く溶かすわけでありまして、溶かすけれども、一たん溶かした水は、物を溶かした有害になってしまった水というのは浄化されにくい。卑近な例で申しますと、例えばコップに水をくんできて砂糖を入れる。スプーンでかきまぜますとたちまち砂糖水ができます。しかし、その砂糖水をもとの砂糖と水の状態に戻すとすれば、これは大変なことでございます。非常にお金がかかるわけでございまして、そういうようなことで、水を汚すということは、これを浄化するということは大変なことである、そういう意味でも汚してはならぬと思うわけでございます。 しかし、これが最近非常に汚れてきているということが報告されているわけでありますけれども、先ほども申しましたように、我が国がこれを最初に取り上げましたのが、アメリカで問題になって、昭和五十七年の二月、十月に環境庁が初めて地下水調査を行った。何かアメリカの追随をやっているような感じがしまして大変残念なんですけれども、同じようないろいろの物質も使われているわけでありますから、そういう点で、アメリカの後を追うんじゃなくて、どんどん先へ進んでいくようなそういう行政をやっていっていただきたいと思うのでありますけれども、この地下水に関しましてはそういう状態でありまして、大変問題があるということであります。 そこで質問でありますけれども、環境庁として今までいろいろ手を打ってきておられる。調査や何かやっておられますけれども、具体的にどのようなことをやってきておられるのか、ちょっとその辺の御答弁をお願いしたいと思います。
○谷野政府委員 ただいま御指摘にございましたように、地下水汚染の問題というのは、私どもも重大な関心を持って調査をし、さらに、暫定ではございますけれども指導の指針を出して、これの規制に入っておるわけでございます。 ただいま先生が御指摘ございましたように、昭和五十七年に地下水汚染の問題に取りかかりまして、最初は十八の物質を対象といたしまして、全国の大きな十五都市千三百六十の井戸でかなり広い調査をかけたわけでございます。その結果、ただいまお話の中にも出てまいりましたが、トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンの二つがかなりの濃度で、全体といたしまして三%とか四%とかいうような数の井戸から発見をされたということでございまして、私どもといたしましても早急にその対策に着手をすべきというふうに考えまして、さらに五十八年その井戸及びその周辺の井戸につきまして追跡の調査を行いました。その結果汚染の存在というものが確認をされたわけでございます。 直ちにその対策の検討に取りかかりまして、五十九年にはそれぞれ表流水あるいは地下の浸透ということに分けまして排出処理の基準を、暫定指導指針ということで、通産省、厚生省と御協力をいただきまして、各県に通達の形で流したということになるわけでございます。 このような措置をとりますと同時に、当初の調査は十五都市でございましたので、この全国的な関係を見るために、指導の一環といたしまして、各都道府県におきましてそれぞれさらにその他の地域の井戸についても調査をしていただいて、その調査の結果が先般まとまったわけでございますけれども、この結果によりますと、十五都市に比べますとその率につきましては多少低いわけでございますけれども、やはり各地において地下水の汚染というものが認められるというのが実態でございます。 私どもといたしまして、現在の暫定の指導指針というのはWHOのクライテリアに基づいておるものでございまして、まずこの完全な実施というものに努めなければならないという観点で、昨年来さらに各都道府県に対しまして十分な指導を行うように連絡をいたしておるというのが現状でございます。
○斉藤(節)分科員 そこで、そういうような手を打たれているわけでありますけれども、もう少し具体的にお聞きしたいのですが、この発生源と思われる関連の企業の下水道処理面からの地下水汚染防止の行政指導をどのように具体的にやってこられたのか、その辺お聞きしたいと思います。
○谷野政府委員 トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンにつきましては、先ほど先生から御指摘がございましたけれども、非常に微量なものが水の中に入っている、こういうことでございまして、その地下水への浸透の原因というのは、一般的にはその工場の中での土壌を通じての浸透、さらに排水口から出ましたものが場合によりましては河川水に混入をいたしましてそれが地下の中に入っていく。この物質は揮発性はかなり高いわけでございますけれども、地下水はその性質上土の中に入ってまいりますので揮発をしないということで、どうしても地下の中にたまりやすいという性質を持っておるわけでございます。したがいまして、ほかの物質と違いまして、この物質は、先ほど先生御指摘がございましたように、用途というものが比較的はっきりしておるということでございますので、当面の対策としましては、やはり発生源と申しますか、入っていくところの入り口を押さえる、こういうことがまず第一になるわけでございます。五十九年に発しました指導通達におきましても、地下浸透については、これは原則として行わないということがよろしいわけでございますが、少なくとも飲料水、厚生省で決めておられます。そのまま飲んでも差しつかえないという程度以上の濃さのものは地下に浸透は絶対させない。さらに、排水につきましては、これは公共水域において飲料水の基準と同じようになるような程度の濃度のものに限る、こういうことを決めまして、具体的な業の指導は厚生省及び通産省に御協力をいただいて実施をしておるということでございます。
○斉藤(節)分科員 そういうことでありますけれども、実効性が乏しいのじゃないかと私は思うのですね。このようにどんどん進んできているわけでありますけれども、その後、五十七年度以降全国の四百八十市町村が独自に行った調査を五十九年十二月末現在で環境庁さんは集計されたわけでありますけれども、その後どうなっているか、追跡調査はどうでしょうか。いかがですか。
○谷野政府委員 ただいま御指摘がございましたように、五十九年に指導通達を出しまして、とりあえず間もなくの時点で調査をしたわけでございます。また、その前に十五都市については調べているわけでございますが、その推移についても私どもは継続的に監視をしていかなければならないというふうに考えております。六十年につきましてもそれぞれ調べておりまして、これにつきましてもいずれ取りまとめられた段階でしかるべき形で発表いたしたいというふうに考えております。
○斉藤(節)分科員 この問題は大変我々の生命にかかわる問題でございますので、これ以上汚染を進めないためにももっと本腰を入れてやっていただきたいということをお願い申し上げまして、次のテーマに移らさせていただきます。 次は、廃乾電池の問題でございます。 いわゆる廃乾電池と申しましても水銀の問題でございますけれども、昨年、六十年の七月二十四日、厚生大臣の諮問機関として生活環境審議会廃棄物処理部会の適正処理専門委員会ですか、この委員会が対策の基本的方向について報告書をまとめて出しておられるわけでありますけれども、それによりますと、使用済み乾電池処理の基本的な考え方として、ほかのごみと合わせて一緒に処理しても生活環境を保全する上で支障がない、特別な処置をとる必要は認められない、このような私ども大変驚くような報告があったわけでありますけれども、このような明言に対して環境庁といたしましてどのような見解をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
○谷野政府委員 ただいま御指摘がございましたように、厚生省の方で、生活環境審議会廃棄物部会適正処理専門委員会で、昨年、乾電池の水銀問題についての見解が出されたわけでございます。 私ども、公共水域の水質の問題について所管をしておるわけでございますけれども、現在の公共水域の水質測定結果等から見まして、使用済み乾電池に係る水銀につきましては、現在直ちに環境保全上の支障が生ずる状態にはなっていないのではないかというふうに判断をいたしております。 また、近い将来の問題につきましても本報告において示されておりますが、アルカリ乾電池の含有量を将来六分の一程度に少なくする、さらに水銀乾電池の新規用途はできるだけ抑制をする、水銀乾電池の代替乾電池の開発普及でございますとか回収の強化というようなことをされまして、水銀の量自体を大幅にカットをしていくというようなことが書かれておるわけでございまして、このような措置がとられてまいりますれば、現在の廃棄物の処理の体系もそれなりにございますので、当面環境保全上の支障は生じないのではないかというふうに考えております。 しかしながら、水銀につきましては、私どももその性質上十分な監視を続けるべきものであるというふうに考えておりますので、環境汚染の未然防止という観点から、水銀の使用量の推移等の関係につきまして十分注意を払いながら、環境中の水銀濃度の推移につきましてモニタリングを進める等の措置を今後もとってまいりたいというふうに考えております。
○斉藤(節)分科員 厚生省も同じ考えでございますか。
○加藤説明員 ただいま水質保全局長から大変御丁寧な御答弁がございましたが、私ども厚生省といたしまして、昨年の七月の時点で報告書が取りまとめられた背景といたしましては、廃棄物処理施設からの水銀の排出実態、それから環境におきます水銀濃度に関する調査結果、こういったものを慎重に検討、評価した結果でございまして、その結果として、現状では特段の措置を講ずる必要がない、そういう判断に立ったわけでございます。 それで、将来につきましては、現在の乾電池の使用実態が今後とも推移する、そしてまた、当然のことでございますけれども廃棄物処理に関する諸法令が遵守される、またアルカリ乾電池中の水銀含有量が大幅に低減する、そういう諸対策と相まって考えますと、当面環境保全上問題がないというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、需要の動向によりましてアルカリ乾電池の使用量が急激に増加するということもないとは言えないわけでございますし、そういう点を考えまして、将来の乾電池の需要の動向につきましては厚生省といたしましても十分推移を見守っていきたい。それからまた、焼却施設なり埋立地なりそういった廃棄物処理施設周辺におきます。あるいはその施設自体からの水銀の排出につきましてモニタリングの実施をしていく、そういったようなことによりまして、厚生省といたしましても水銀による環境汚染の未然防止には努めてまいりたいというふうに考えております。
○斉藤(節)分科員 そういう安全であるということでいろいろと述べられましたが、果たして本当に大丈夫なのかということなんですね。これは現在は公害が起こっておりません、発生したら証拠はございませんとか、よくそういったようないろいろなことが言われて答弁がされているわけでありますけれども、発生したらもうこれは手おくれなんですね。その段階ではもう大変なことになるわけです。前にも私、水俣関連のときに申し上げたわけでありますけれども、水俣病も最初はああいう大きな問題でなくてネグられておったわけですね、それがあのような状況になってしまった。あの初期の段階に、あの猫の実験が行われた段階で既にちゃんと手を打たれておればあんな大きな問題にならなかったろうし、とうとい人命も失わなかったし、また財源的にも大変な損失をしたわけでありますけれども、水銀もそういうことがないという保証はないと私は思うわけです。 そういう点で、まず汚染を起こさないことが大切だと思うのですけれども、その辺いかがでございましょうか。大臣の御答弁でいいんですけれども、大丈夫だということについて。
○谷野政府委員 ただいま御指摘がございましたように、環境汚染につきましては未然防止ということが大変重要であるということは御指摘のとおりだというふうに思っております。我が国におきましていろいろ厳しい先例も私どもは持っておるわけでございますので、未然防止については特段の配慮をしていかなければならないというふうに考えております。 この問題につきましても、現在の状態の評価は先ほど来申し上げているとおりでございますけれども、将来の問題につきましては、電池の使用量の推移でございますとかそういうような実態、さらに環境につきましてモニタリングを行っていくというようなことで、常に注意を怠らないようにして未然防止の方向で最大限の努力をすべきものではないかというふうに考えております。
○斉藤(節)分科員 確かに、今までの御答弁で、厚生省あるいはまた環境庁もそうですけれども、汚染実態調査ではごみ焼却施設の周辺と一般環境大気中の水銀濃度がWHOの指針の値の千五百分の一だ、非常に小さい、そういうことを言っておられるわけです。十分安全だと言っておられるのです。埋立地からしみ出た水だとかまたは放流水などの中にも水銀濃度は低いと言っておられるわけです。そういうふうに非常に安全だということでありますけれども、微量であっても長年蓄積されてくるとやはり非常に影響があると思うわけですね。そういう点、現在大丈夫ということだけではなくて、本当にその辺気をつけていただきたいと思うわけです。 私どもは、環境という最大のまた最高の社会資本を守っていく責任があると思うわけでございます。そういう点で、報告書には広域回収処理センターを全国数カ所に整備することが考えられておるということでございますけれども、現在これはどのくらい進んでいるか、その辺ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○加藤説明員 先ほど触れました報告書におきまして、分別・保管されました使用済み乾電池の市町村による広域的な回収処理を推進するために、昨年十一月二十二日でございましたが、社団法人全国都市清掃会議というものの中に廃棄物処理技術開発センターというものを設置したところでございます。それで、本年二月五日に同センターが広域回収処理計画というものを策定をいたしております。このようなわけでございますので、自治体で保管されております使用済み乾電池の広域的な回収処理の体制が一応確立したというふうに考えております。それで、同センターは、とりあえず当面第一次の指定といたしまして、北海道にございます野村興産株式会社イトムカ鉱業所で処理をするという指定をいたしております。
○斉藤(節)分科員 廃乾電池の回収処理というのは、私考えますのに、利潤を得る企業だとか団体に本当は責任があると思うわけでありますけれども、現在はそういうセンターをつくって各市町村が集めたものを送ってもらうということでございます。現状はそこまで結局企業の責任もしくは使用者責任というのは明確にされておらないわけであります。したがって自治体が中心になってやっているわけでありますが、これはやはりいずれは整合性のある回収ルートというものを確立されるべきだと私は思うわけでございます。 先ほどから何回も私申し上げておりますけれども、いかに微量でも有害物質が環境に蓄積されていくならば、やはり人間やあるいは魚介の生存を脅かすことになるわけでありまして、これを未然に防ぐ努力は不可欠である、そのように思うわけでございます。 最後に大臣、そのような観点からこの問題についてどのようにお考えになっておられますか、御見解のほどを御答弁願いたいと思います。
○森国務大臣 先生のおっしゃるように、私は環境問題、公害問題というのは、大小あるいは重い軽いというものはないと思うのです。人命にかかわる問題でございます。そういう意味で、先ほどのお話の地下水の問題でも今の水銀の問題でも、真剣にやっていきたいと考えております。先生が長年イタイイタイ病その他でいろいろ御指摘いただいていることを感謝いたしますが、これからもよろしくお願い申し上げたいと思います。
○斉藤(節)分科員 もう時間も余りなくなってきましたけれども、今大臣の御見解をいただいたわけでありますが、さらに酸性雨の問題です。 最近欧米では非常に深刻な問題になっているわけでありますけれども、これは申すまでもなく、工場あるいは排ガス、その中に含まれております亜硫酸ガスあるいは窒素酸化物、そういったようなものが空気中に舞い上がり、それが雨水に溶ける。それがまた、いろいろ説もありますけれども、酸化されて硝酸イオンあるいは硫酸イオンになる。そういったものが一緒に雨とともに降ってくるということでございます。これは北欧の方あるいはヨーロッパ、アメリカで大分深刻な状況になっていると思うわけですね。 例えばアメリカでありますけれども、これは東北部の森林生産性が、一九五六年からの五年間に比べ六一年から五年間では一八%もダウンしている。それからまた西ドイツなどでは木の半分が枯れ死の状態、そういう兆候を示している。それからチェコスロバキアなどでは森林地帯が壊滅状態になっている。また、スウェーデンなどでは一万五千以上の湖で魚がいなくなった。そのようなことだとか、あるいはカナダでも大きな問題になっているわけです。約七十万ある湖沼の四三%で魚類が死滅または相当な被害を受けている。そういう報告があるわけでありますけれども、環境庁として今我が国ではどんな問題が酸性雨問題で起こっているのか、実態はどうなのか。ちょっとその辺御答弁願いたいと思います。
○杉戸説明員 お答えいたします。 我が国では昭和四十八年から五十年にかけまして、北関東地域一帯でございますが、これは酸性度の非常に高いそのような雨あるいは霧などによりまして目や皮膚に刺激を受ける、そのような事件が発生いたしました。約三万人ぐらいの方からのそういう訴えがございました。その後そういう問題は余り顕著ではなくなりましたが、それが酸性雨によるものかどうかはちょっと原因がはっきりいたしておりません。そのほかの、先生今御説明の欧米諸国におきます湖沼とか森林に対します酸性雨の顕著な被害というのは報告がなされておりません。 しかし、昨年十一月でございますが、これは群馬県の衛生公害研究所の方から、群馬、埼玉などを中心にいたしました関東平野の、これは主に北部地域でございますが、そこらで杉枯れが見られる、そのような報告がございました。まだこれが酸性雨というような結論には至っておりませんが、酸性降下物がその原因として考えられるのではないか、そのような報告がなされておるわけでございます。
○斉藤(節)分科員 いろいろな研究の報告によりますと、酸性雨の影響というのは木の種類でいけば濶葉樹よりもむしろ針葉樹に多い、影響が大きいという報告があるわけであります。我が国の場合、経済森林としてヒノキだとか杉だとかそういうものが非常に多いわけでありますけれども、そういうものに対する影響が非常に大きいと思われるわけです。幸いに我が国の場合、風がよく吹きまして、しかも島国でございますから滞留時間が少ないというようなことで酸性雨になりにくい点もあるかと思いますけれども、しかし、これから十分対策を講じていかなければならないと思うわけであります。この対策としてどういうようなことを考えておられるのか、その辺、御答弁願いたい。
○杉戸説明員 先生御指摘のように、このような酸性雨の被害を未然に防止していくということは非常に重要なことでございまして、環境庁としてもこれは重大な関心を持っておるところでございます。そこで、昭和五十八年度から酸性雨対策検討会を設けまして、この酸性雨の発生のメカニズムとか、あるいは陸水、土壌等の生態系に及ぼす影響、そのような点を中心にいたしまして各地で観測をし、検討を進めておるところでございます。 また、先ほどの杉枯れの件でございますが、この関東平野におきます。そのような問題につきましても、これは林野庁とも相談をいたしまして現在調査に取りかかったところでございます。このような調査結果を踏まえまして、私どもまた適切な対応にこの被害を未然に防止していくという観点から取り組んでまいりたい、かように考えております。
○斉藤(節)分科員 今の御答弁大変私結構だと思うのでありますけれども、この問題は、やはり森林ばかりではなくて土壌も酸性化してくるわけでありますし、またそれがひいては我々人類あるいは生物、動物に対しても非常に影響を与えてくるわけでありますから、そういう点で今後綿密な調査を行っていただきまして、未然に防いでいくようなそういう対策をお願いをしたいと思います。先ほども林野庁とも協議をしていかれるということでありますけれども、その対策協議会ですか対策検討会、これは通産省なども入っているわけでございますよね。ちょっとその辺簡単に。
○杉戸説明員 通産省は現在のところ入っておりませんが、将来必要になればいろいろ御協力をいただくようなことも考えております。
○斉藤(節)分科員 もう終わりますけれども、関連省庁が協議できるような場もつくっていただきまして、これは排気ガスの問題も関係するわけでございますから、そういう点で今後よろしくお願いしたいと思うわけでございます。 以上で終わります。
○柿澤主査代理 これにて斉藤節君の質疑は終了いたしました。 次に、左近正男君。
○左近分科員 私はきょうは、大都市における自動車の排ガス、この公害問題を中心に質問をしたいと思います。 まず、環境行政全般の問題として、例えば五十九年度の調査によれば公害に係る苦情件数というのは六万七千七百五十四件。これは前年度よりも五・九%もふえておるわけです。五十八年度に続いて二年連続公害苦情件数がふえておる、こういう状況であります。公害問題が世間では風化したというような言葉も使われるわけですが、近年環境行政というのが少し弱くなっておるのではないかという感じがするわけですが、大臣、いかがですか。
○森国務大臣 私、昨年の十二月に環境庁に入りましてまず言われたことは、環境庁は財界寄りになったんじゃないかというお話もございました。それから、先般予算委員会の総括がありまして、私は朝から晩までその末席に連なっておりましたが、ただの一度も私に対する御質問がございませんでした。そういうことを考えますと、あるいは今先生がおっしゃるようなことなのかと私は内心じくじたるものを持っておるわけでございますが、決して環境庁は財界寄りでもないし、それからまた、御質問がなくても私どもは一生懸命環境行政をやっている。もし環境庁がなかったら、四十六年に環境庁がつくられなかったら一体どうなっているかということを考えまして、大いに私ども、あるいは自意識過剰かもわかりませんが、おれたちこそよき未来をつくる戦士なんだという気持ちでやっておりますので、御安心いただきたいと思います。
○左近分科員 私は本当に、環境庁はもっと頑張ってもらいたい、こういう気持ちでいっぱいでございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 そこで、今交通量の非常に多い大都市の自動車の排ガス問題。環境庁は五十三年に二酸化窒素に係る環境基準を大幅に、倍以上に緩和されたわけです。そしてそのときに、東京、神奈川、大阪については六十年三月までに環境基準の達成を必ず行うという確約をされたわけです。それが実現できなかった。この原因は何ですか、大臣。
○森国務大臣 お役人からもらった答弁書がございます。それによりますと、自動車の走行量の伸びが大きかったとか、あるいはより厳しい排ガス規制がかかっている新しい規制適合車への代替がおくれたとか、ディーゼル車の割合が増加したというようなことが原因だという見解を持っておりますが、百聞は一見にしかずで、近々自動車工場を見て、本当にディーゼル車などが排ガス規制を一生懸命やっているかどうか、私、自分自身の目で見てこようと思っております。
○左近分科員 大体そういうところが大きな原因だろうと思いますが、私はそれらの問題についてこれから少し質問をしていきたいと思うのです。 大都市の大気汚染というのは、今も大臣が答弁されたように、最近工場などの固定発生源よりも自動車による移動発生源というものに大きく移ってきていると私は思います。 今自動車の日本における保有台数というのは四千六百万台、これが毎年百五十万台ずつどんどんふえておるわけです。このような状況が続けば都市というのはもう車の洪水になってしまうのではないか、都市は沈没してしまう、こういうような危機感すら私は持っておるわけです。大阪などはこれによって都市機能が随分低下をしております。エネルギーの問題とか経済効率が悪くなったとかいうような問題だけではなしに、これはもう健康の問題、今の問題ではないかな、こういうような感じを強くしているわけです。自動車の事故も多いわけです。五十八年の調査では自動車による死傷者は六十六万四千三百四十二名もおるというような状況でありまして、こういうような大都市の自動車公害、こういう問題について大臣としてはどういうような認識をお持ちですか。
○森国務大臣 やはり端的に言いましてNOxの問題が一番大きな問題じゃないか、こう考えておりますので、それを除去するのにどうしたらいいかという技術的な問題で私は入っていきたいと考えております。
○左近分科員 もはやこういう技術的な問題だけではなしに、やはり自動車がもう大都市で身動きができないようになっておる。これは経済的な問題だけではなしに、もう既に国民の健康をむしばんでおるのじゃないかというような発想を大臣としてはお持ちじゃないですか。
○森国務大臣 もちろんそういった面もあるかと思いますが、私どもの任された問題といたしましては、ともかくその発生源をなくすということがやはり最大の課題だと理解をしております。
○左近分科員 それは発生源が完全になくなるよつな形で大胆にやっていただければいいですよ。先ほど申しましたように、六十年の環境基準の達成も不可能であったわけですね。だから、言っておられることと実際とは違うわけです。そうであれば、これから環境庁としてそういう発生源の除去のために具体的にどういうことをされようとするのか、一遍聞かせていただけますか。
○林部政府委員 移動発生源対策といたしましては、結局は大きく分けますと、いわゆる単体規制と申しましょうか、個々の自動車からの問題のある物質の量を減らすということが一つございます。それからもう一つは、今先生からいろいろと御指摘ございますように、実際に走行いたしております自動車の流れあるいは量というような面に関しまして、例えば物流の効率化のようなことによって少しでも走行量がむだな形でふえないようにするというようなこともできないかという問題もございますし、渋滞を解消するためには、その渋滞を解消するために必要な道路というものもあるいは必要になってくる、こういうようなことでございまして、結局移動発生源対策というのは、いわゆも工場、事業場に対する対策と違いますので、総合的な見地に立ってやる必要があると考えております。 その点につきましては、昨年四月以来いろいろと検討いたしました対策の方向といたしまして中期展望という形でお示しをしているわけでございまして、これからはその中期展望の方向に沿って施策を進めていくことで関係省庁が連携を保ちながらやっていくというような考え方でいるわけでございます。
○左近分科員 私は大阪でマイカーの規制なり抑制という問題にかなり以前から取り組んできておるわけですが、今もお話がありましたように、これはなかなかうまくいっておらないわけです。特に大阪なんかは五十払いというような商慣習がございまして、五と十のつくときには車が大量に市内に出回ってくるという問題があります。そういうことで、物流問題として、物流のターミナルあるいは共同集配所をつくったらどうかというようなことも提起をしておるわけですが、これもなかなか難しい問題であります。 したがって、環境庁が今進められようとしておる問題も、自動車の排ガス問題としてはなかなか手詰まりな状況にきておるのじゃないかという感じがするわけです。そこで、もう少し次元を変えた発想の転換をやる必要があるのじゃないかという感じがいたしますが、そういう点はお考えじゃないですか。
○林部政府委員 大阪市がいろいろな検討報告書を出しておりまして、その中でも、一種の通行制限と申しますか、乗り入れを制限する区域のようなものをもう少しつくってはどうかということも言われておりますが、本来、国内での道路に対する考え方は、車が多くない時代から今日に至っているということがございまして、道路の中には専用道路と人と車が一緒に走っている道路とかいろいろあるわけでございますから、そういう意味では、先生御指摘のような大都市、特に汚染が問題になる過密地域、中心部というところに対して通行制限をすることは、それができれば有効な方法であることはどなたも否定はしないわけでありますけれども、現実に、具体的にどういうふうにプログラムをつくり、どういう手順を踏んでやっていくかということになるとなかなか難しいということでございます。 大阪が交通規制の上で、ある道路は南行、ある道路は北行ということで、ああいうことも地元の商店街にしてみればいろいろと抵抗もあって、現在では随分定着していますが、私も大阪に行ったことがございますから、そういう面でもなかなか難しい。まして一定の地域に入れさせないとか減らすということになると、国際的にもそういう試みをしておられるところも確かにあると思います。例えば一定の日にちに偶数ナンバーと奇数ナンバー、それぞれ余り乗るなということをやろうとした国があるという話も聞いておりますが、実効がなかなか担保できないということで、結局は有効と思われるものをいろいろと組み合わせて少しでも改善に持っていこうというのが現在の姿であろうかと思っております。
○左近分科員 大都市の中では、大阪というのは確かに市域面積が非常に狭いわけですね。私も各都市を回っておりますが、今大阪がこういう面では一番問題が大変じゃないかなという感じを持っているわけです。そういうことで、大阪市もプロジェクトをつくっていろいろな観点から調査をやっているわけですが、今おっしゃったような通行税問題、大阪は両方を川で狭まれた都市でありまして、こういう問題も現在の税制の体系の中では難しい問題ですけれども、非常に一考すべき内容ではないかなという感じもするわけです。今までのような形だけではうまくいっておらぬわけですから、環境庁として多様な方式を検討してもらったらどうかという感じがするわけですが、その点、もう一度どうですか。
○林部政府委員 今の特定の地域に特別に料金を賦課するようなことはどうか、これは大阪市の提言の中でもございますが、提言をしている報告書の中でも、現実には、料金を取るとなると、どういうゾーンにするか、またどんな料金徴収のための施設をつくるかとか運営方法をどうするかとか、なかなか社会的な合意形成が難しいということを言いつつ、できればという願いを込めて言っておられるとは思います。 私どもも確かに、冒頭に先生おっしゃるように、発想を変えないと過密な大都市の交通問題は解決できないのだとおっしゃるのはごもっともだと思いますが、お金を取るという話を環境庁が直ちに具体的に検討に入りますと申し上げるのには、もう少し慎重に時間をかけて検討しなければならない問題もあるように思います。内部としてはいろいろ議論はいたしておりますので、そういうような機が熟して、国内的にも、特に大都市圏の一部の地域などでそういうことが可能であるというような兆しが見えれば、そういう方策の具体化についても関係者が集まって相談するということは有効な方法であろうと思います。
○左近分科員 私は、今大臣が答弁されたように、発生源問題を重視してやるということについては賛成でありますが、それだけでは今の自動車産業の現実の問題またコストの問題、いろいろな問題で非常に難しい問題があるだろうと思うのです。したがって環境庁としては、今日の都市ごと、地域ごとの状況をもっと掌握していただいて、その大都市に合った方策というか、多様なアプローチをしていただくことが必要ではないかと思いますので、そういう観点からの御検討を今後よろしくお願いしたいと思います。 そこで、この排ガスの一番大きな原因としてディーゼル車の問題があるわけです。六十年の環境基準が達成できなかった大きな原因としてもこのディーゼル問題が大きく起因しているのではないか、このようにも私は思います。特に直接噴射式によるディーゼル車は、例えば自動車総量十トンの場合は乗用車の十一・五台分、あるいは二十トンの場合は二十三・一台分、これくらい大量の二酸化窒素を中心とする排気ガスを出しております。トラックは経済活動、産業活動にとって欠かせないものでありますけれども、これだけ社会的迷惑を非常にかけておる問題についてはっておいてはならないと私は思うのです。したがって、この大型ディーゼル車の問題について、具体的に何かもう少し強い法的な規制をすべきじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
○林部政府委員 トラックが現在の国内の物流に果たしている役割を考えますと、トラックを使わせないことは非常に難しゅうございます。それから、そのトラックの中で特に問題がディーゼル化にあり、そのディーゼル化のうちでは直噴化が進んでいるのは御指摘のとおりでございます。 ただ、このディーゼルトラックの問題に関しましては、大型化されてきたものについての規制も重要でございますが、小さなものに対しての直噴化が進んできている。それは近年の傾向でございますが、これがどんどん進みますと、大きいのは余り路地裏までは入れませんけれども、小さなものまで直噴化されますと、発生源として問題のあるようなものが面的にも非常にふえて住宅地にも入り込んでくるということになりますので、そういう意味では大きいもの、小さいものあわせて、特にこのディーゼルトラックについては排出量の低減を促進しなければならないということで取り組んでおります。 この問題につきましては、特にトラックを中心として昨年の十一月に審議会に御諮問を申し上げまして、十二月から専門委員会が大気部会の下に発足いたしまして、もう数回の御審議をお願いいたしておりますし、具体的にメーカーサイドから専門委員のヒヤリングのようなものも現在既に開始されて何回か動いておりますので、現在の時点で可能な技術をできるだけ早期におまとめいただいて、現状よりは何とかして少しでも規制を強めるということをやりたいということで、専門家の御検討をお願いしておるというのが現状でございます。
○左近分科員 それはいつごろ答申が出るのですか。
○林部政府委員 今申し上げましたようなことでございますから、率直に申し上げましていつということを明言はできませんが、昨年御諮問申し上げた時点では、できますれば一年以内にお答えがいただければありがたいというようなことは私どもから申し上げております。ですから、いつの時点でそれがいただけるかということはまだはっきり明言はできませんが、できるだけ現時点で可能なものをおまとめいただくということで急いでいただいている、こういうことでございます。
○左近分科員 できるだけ早く答申をしていただいて、ひとつ具体的な政策として提示をしていただきたいと思います。 そこで、排ガスの発生源対策としてやはり燃料の問題、これについてもっと新たな考え方をやるべきじゃないか、こういう立場から、近年メタノール車の問題がかなり出てきているわけですね。例えば大阪府なんかも、来年度の予算の中で一定の台数を確保して具体的なトライアルをやってみようというようなところまで来ておるわけでして、このメタノール問題について環境庁としてはどういうような見解をお持ちなのか、一遍お伺いしたいと思います。
○林部政府委員 メタノールがディーゼルで使われている軽油よりも大気汚染上いいのではないかという御議論がございます。もちろんメタノールにはメタノールの持つ問題がないわけではございませんが、そういうことでメタノールを使った自動車の開発ということが現在非常に急がれておりまして、試作車もかなり出てきております。ただ、最終的にはメタノールというのは、これはエネルギー源としてどの程度安定して供給されるのかという問題がもう一つ残っております。 ただ、私どもの現在の考え方としては、先ほど先生が御指摘になりましたように、過密な大都市地域での比較的小さな物流、小さなトラックを使われた物流のようなところでかなり組織的にこのメタノール車が使われて、それによって窒素酸化物なり黒煙なりといったようなものが現在よりも低減するという見通しが立つのであれば、そういうようなことが実現すればよいかと思っております。 ただ、エネルギー源としてニートメタノールを使うのかあるいはガソリン類とのブレンドのものを使うのかということがやはり供給という面からまだだめが詰まっておりませんので、私どもとしては、大都市のこういう交通問題に有効な手だてはすべて助成していくという方向を基本的には持っておりますけれども、具体的にメタノール車が大都市圏内でどんどん走って、交通問題の改善に非常に有効なものにできるという点ではまだ少し時間がかかるのではないか、そういうように考えております。
○左近分科員 環境庁としてこのメタノール車の問題で、机の上の勉強だけではなしに、具体的に車を専門的にひとつ調査をしたり、いろいろな方法で研究してみるというようなことはやられないのですか。
○林部政府委員 その点はもう現在既に着手をいたしております。具体的に走らせてみて、それでどういうような問題点、どういうメリットがあるというようなことは、具体的な事例として車を走らせて調査をするということも現在やっております。
○左近分科員 私はこの軽油によるディーゼルの問題がこれだけ大きな社会問題になっている場合、やはり若干コスト的な問題とか出力の問題とか、これはいろいろ問題があるだろうと思いますが、やはり排ガスに関してはメタノールの方がいい、よりベターだというのであれば、行政当局としても大胆にそういう方向に政策転換をしてもらってもいいのじゃないか、このように思うのですが、その点はいかがですか。
○林部政府委員 率直に申し上げまして、どちらかといえば私どもはメタノール自動車を少しでも現実のものにしたいという方向で旗は振っているつもりでございます。
○左近分科員 私、その旗の振り方はちょっと弱いような感じがするわけでして、例えば地方公共団体のディーゼルについては年次計画くらいを立てて可能な限りメタノールに転換をせよ、というようなぐらいの具体的な形をとってもらわぬと、旗をどこで振ってはるのかわからぬわけでして、もう少しあらわれるような、世間的にもアピールするような旗の振り方はしてもらえませんか。
○林部政府委員 少し旗の振り方が弱いのじゃないかという御指摘のように思いますが、別な観点から申しますと、税法上の優遇措置のようなものも実現できれば随分違うのではないかというようなことで、その面での努力も地道には続けているつもりでございますし、それから、自治体で具体的にこういうものについて試験的にいろいろとテストをやるという方向については、まことに結構なことであるということで支援はしているつもりでございます。
○左近分科員 私は、これは一番ベストな方法ではないにしてもいろいろな多様な形をとってみるということで、これも一つの有効な手段ではないかと思いますので、環境庁としても今後ひとつ積極的にやっていただきたい、これを要望しておきたいと思います。 私は、ある新聞社の、名前を挙げるのは嫌ですが、朝日新聞社の天声人語で、大臣、こんなことが書いてあったので、ちょっと読ませていただきます。 二十一世紀のある日、どこかでたぶんこんな会話があるだろう。「前世紀の車はすさまじい騒音をふりまく化け物だったらしい」「沿道の人はたまらなかったろうね」「しかも排ガスをまきちらしてね」「信じられないなあ」。そのころは、車とは静かで排ガスのないもの、というのが通り相場になっているはずだ こういう一節があったのですが、私はこの排ガス問題というのは大きな政治問題だと思うのですよ。そして、大都市においてはやはり経済とかエネルギーとかいう問題を乗り越えた国民の健康の問題、今の問題だというような感じを強くしているのです。私は、環境庁としてもそういう観点からこの車の排ガスの問題について取り組みをしていただきたいなという感じを強くしているのですが、大臣のこの感想はいかがですか。
○森国務大臣 実は私もそれを読ましていただきまして感銘を受けたわけでございますが、先ほど申しましたように、私は何といっても発生源ということにこだわりましたが、環境庁がいろいろのところへ目をやって、そのために自分の責任を忘れてしまうというような環境庁に私はしたくないという意味で発生源にこだわったわけですが、今先生のおっしゃるように、やはり技術というものは発想の百八十度の転換をしていって初めて未来があるのだと考えておりますので、私も発生源について、ただただ規制とかそういうことだけでしりをたたくのではなくて、もっと、先生おっしゃるような、燃料からすべての発想の転換をしてもらいたい。 ということは、私はもう六十年くらい前から車を見ておりまして、車の構造というものは全く変わってない。六十年間何も変わってないわけです。外殻だけが変わっただけ。その辺もやはり自動車工業会に対しても、発想の転換をしてもらって、無公害の車ができるようなお願いをぜひともしたいと考えております。どうもありがとうございます。
○左近分科員 まあひとつ環境庁大いに頑張っていただきたい、私はこのように思います。 最後に、地元の問題で大臣に要望いたしますが、大阪市の淀川の河口に西淀川区という行政区があるのです。この行政区は人口九万一千三百人ですが、このうち公害認定患者が二千八百三十八人おる。これは三十人に一人が公害認定患者だというような行政区でございます。 今ここに、河口のところに少し広場がありまして、この場所に憩いの場という自然海岸をつくってもらいたい、こういうような強い要望が出ておるわけです。これは矢庫海岸と通称言っておるのですが、この地域は海没地でありまして、戦後大阪市が瓦れきなんかを持っていって埋めて、水上に出てきた、海上に出てきたというような土地でありますから、旧地主との関係なりいろいろ難しい問題がありますが、例えば大阪市域の大阪湾を見てみますと全部コンクリートなんです。そこの七百メートルぐらいだけがやや自然海岸的な状況になっているわけでして、自然海岸が年々非常に縮小されておるような状況の中で、ここを何とか自然海岸として残してほしいという要望が地元から非常に出ておるわけです。 これについて、大臣は初めてお聞きのことと思いますのでこれからいろいろ調査してもらわなければなりませんが、大臣としても、環境庁としても、大阪市はこれだけの公害のある地域だ、何とかここぐらいは自然的な憩いの場をつくってやったらどうかというようなお気持ちになっていただきまして、ひとつ御助言をお願いしたい、このように思いますので、大臣としての考え方をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○森国務大臣 大変冗言になりますが、私は二十七、八年ごろに南海沿線におりまして、最近行ってみたらもう全くコンクリートになっております。果たして経済大国というものはいいものかどうかという反省もしておるわけでございます。今おっしゃったようなことにつきましては、先生のお気持ちと私の気持ちは全く同じような気持ちでありますので、大阪府や大阪市とよく相談したいと思います。
○左近分科員 ありがとうございました。終わります。
○柿澤主査代理 これにて左近正男君の質疑は終了いたしました。 次に、滝沢幸助君。
○滝沢分科員 おはようございます。大臣初め皆様、御苦労さまでございます。 環境庁が、戦後の我が国の経済発展という中で、いろいろと状況が変化する中で、御苦労されておりますことに敬意を表したいと存じます。 そこで、まず最初に大臣にお考えをおただししたいことは、戦後非常に盛んになってきました観光ブームに対する観光の政策ということと、学術文化ないしは自然というようなものとの両立、共存は可能なものかどうか。 私が考えまするに、御陵などが大変学術的な意義があるということでこれを発掘、研究してはどうか、ないしは古いその他のお墓等についても最近とみにそれが行われてもおります。あるいはまた古い神社仏閣の文化という面の視点からこれが保存をいたそう、これは絵画、彫刻に至るまでそのとおりであります。つまり、文化を大事にして子々孫々に残そうという試みは大変結構なことでありましょう。しかし、これと、低俗という言葉を使えばしかられますが、言うなれば心なき観光客等によってこれが荒らされているという現実も見逃してはいけないことであろう。いわば我々の祖先がそれらのものに対して、終戦当時までは神聖にして触るるべからずとしてきた部面にまで、ます最初に学術研究という名でこれが扉を開かれます。そうしますと、いわゆる観光という立場において今申し上げました荒廃への道が続くということが現実ではないか、私はこう思うのであります。 そうした中で今日本が置かれております立場は、いわば到底両立、共存し得ないものを共存せしめようとしている努力でありまして、環境庁の努力もそのような意味では大変御苦労が多いのであります。これは日本文化の一つの苦悩であろうと存じますが、大臣のこれに対しまする決意のほどをまず承っておきたいと思います。
○森国務大臣 史跡などというものは何千年前、何百年前に我々の大先輩が築いたものでございますから、それをいささかでも傷つけてはいけない、しかしながら、逆にそういう過去の先輩が残してくれたものを観光で見させるというのも当然両立させなければならないし、また両立はするものだと私自身は考えております。そういう意味で史跡を保存しながらの観光ということに環境庁も意を注いでいきたいと考えております。
○滝沢分科員 両立するとおっしゃる以外にはお答えのすべはないことと思いますが、私は、このままでいくならば、我が国が民族の財産として数千年来はぐくみきた文化ないしは自然、そういうものが荒廃のきわみに至りまして後に悔いることになろう、こういうふうに存じているわけであります。そのような意味で我々が非常に関心を持って見詰めておりますものに尾瀬の自然があります。本日はこれにつきまして具体的な二、三のことについて尋ねてみたいと思うのであります。 まず、尾瀬の稜線の中にある山小屋などは稜線の外に移してほしいという要望であります。こういうことについてはどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。
○加藤(陸)政府委員 先生おっしゃいましたとおり、尾瀬は大変風景にも恵まれておりますし、自然の状態にも恵まれておるところでございますことは申し上げるまでもないと思います。 その中の山小屋の話を先生はおっしゃったわけでございます。国立公園に入っておりますので、山小屋は公園の利用上当然必要な施設ということで位置づけられておりますし、適切な整備がされてきておるものであることは御承知のとおりでございます。また、そういうところを拠点としながら尾瀬を探勝するということも、これは国立公園指定以前からでございますが、長い間行われてきた利用のパターンでございます。しかしながら、先生も御指摘になっておるところでございますが、過剰利用と申しますか、それによる環境の悪化の問題がございます。 そこで、現実には、昭和四十二年以来は山小屋の宿泊収容能力の凍結をいたすなどの対応を実施してきておるわけでございますし、またそこへ大勢の人が集まりますと、排水の問題などもいろいろな配慮を加えなければならぬということになってまいるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、過剰利用による害がないような工夫をしながら、しかしまた非常にすぐれた自然は今の人ないしはこれからの人にも親しんでいただくということもどうしても大事なことだと思いますので、その辺を努力してまいりたいと思っております。
○滝沢分科員 満足いかない面もありますが、進めさせていただきます。 二番目に、湿原やお花畑を踏み荒らし、傷めている原因であります木道、登山道などは早急にルートの変更をしてはいかがかということであります。
○加藤(陸)政府委員 先生も十分御承知でおっしゃっておるところだと思いますが、おっしゃるとおりでございまして、湿原の踏み荒らしの問題、これはなかなかゆゆしい問題だと私どもも認識いたしております。 そもそも木道は、まさに先生が御心配になるようなことを防ぐために、正確に言えば最小限にするためにと言うべきかもしれませんが、踏み荒らしかないように、その外へは出ないようにということでつくり、かつその木道を使いながら、つまり歩きながら観察もできるようにということで、最小限のものにとどめるような配慮をいたしてきたつもりでございますし、今後もそうしてまいりたいと思っております。 ただ、つけかえるという先生の具体的なお考え、この場では直ちにはよく理解できないわけでございますけれども、踏み荒らしの問題の対処策ということでつくられた、しかも長い間利用されてきた木道をどういうふうに変えるかという問題はお伺いしなければならないのかもしれませんけれども、今お伺いした限度でお答えしますと、観察はそういうところから出ないで、つまり最初申し上げました自然との触れ合い、特に尾瀬のようなすぐれた本物の自然というものに触れていただくためには、今後ともぜひ利用していただきたいと思うわけでございます。
○滝沢分科員 これは環境庁と他の省庁との間で意見の分かれるところでもありましょうが、尾瀬沼からの取水、電源開発あるいはまたこの十年ほどいろいろな議論の対象になっております東京ないしはその近郊首都圏の生活用水、飲用水等の名目のいかんにかかわらず、とにかく尾瀬の沼から水をとらないでほしいという要望に対してはいかがお考えでありましょうか。
○森国務大臣 生態系の維持というのは大変大事なことだと思いますので、こういう影響につきまして今モニタリングを義務づけております。もし水位の変動その他がございましたらえらいことになりますので、そのときは適切な処置をしていきたいと考えております。
○滝沢分科員 次に、特別保全区の拡大という問題でございます。これはなるべく広い面積を指定して保護した方がよろしいのでありますから、尾瀬沼の自然、生態系を守るために、あわせて裏燧湿原あるいはまたブナ林等を保護するために、現在稜線が境になっておりますけれども、これを北は渋沢温泉あるいはブナ平まで、南は津奈木、一之瀬までも含む大きな区域で特別保護地区の指定をしてほしい、拡大をしてほしいと思うのでありますが、いかがお考えでしょうか。
○加藤(陸)政府委員 先生のお話はよく理解できるところでございます。これも御承知でございましょうけれども、尾瀬ケ原は現在稜線の中は特別保護地区になっておりますし、また周りずっと特別地域の指定もされておるわけでございます。先生おっしゃいますのは、それをさらに強力にコントロールといいますか、また自然に親しまれる方にもきちんと従ってもらえるように、その保護管理の強化をできるようにという御趣旨と理解いたしますが、これは今後とも国立公園の保護上の観点から保護の強化は検討してまいりたいと思います。
○滝沢分科員 次に、自然保護の施策を一元的に進めるために、仮称でございますが、尾瀬総合保護センターというようなものを設立してはいかがなものかということであります。もちろん、これは法律的な裏づけもいろいろ必要でありましょうから、一概にこのセンターのあるべき姿は言えるものでもありませんでしょうが、こういうことについて研究されるお考えはないかどうか。
○加藤(陸)政府委員 先生のアイデアと申しますか理念とされておられることはよくわかるわけでございます。現在尾瀬につきましては、保護管理のために、俗にレンジャーと言っております国立公園管理官が現地に駐在いたしております。また、シーズンになりますと利用者数も非常に多いということもございまして補助の職員を置くようにいたしておるところでございまして、国立公園の管理は全国的に非常に広い範囲でございますのでどうしても手薄になるわけでございますが、その中では一番手厚くしておるところでございます。これは御理解いただけると思います。 それではございますけれども、先生おっしゃいますように、尾瀬を訪れる人たちに解説であるとか資料によってよりよく理解していただき、自然保護を啓発、PRする拠点といたしましては、理想的な姿とまでは言えないかとは思いますけれども、現在尾瀬沼のほとりのビジターセンターを改築、充実しようといたしておるわけでございまして、内容もなるべく充実したものにいたしたいと思っております。先生がおっしゃるのは、さらにそれに指導員なども勉強できるような場にならぬかということでございますが、そういう利用の形も、これはボランティアの皆様を含めての御協力が要りますけれども、そういう拠点というとオーバーかもしれませんが、よすがにはなるというふうにいたしてまいりたいと思っております。
○滝沢分科員 大変親切な御答弁をいただきまして、そのようなことで地域住民ないしは尾瀬を愛する人々の好意を無にすることなく、力を合わせて保護活動の一元管理ができまするように、これらの組織の発足のためにさらに力をいたしていただきたいと思います。 さて、先ほどの御答弁を聞かせていただきまして、大臣の車社会に対する卓越した見識に敬意を表する次第であります。先ほどのお話の例に漏れず、尾瀬におきましても車の乗刈入れ、これがやはり自然を荒らす最たる要因であるというふうに思いまするときに、一般車の乗り入れの禁止区域というものをきちんと決めまして、そしてお客さんを運ぶものはある地点からある地点までは特定のバスというようなものでしていったらいかがなものか、私はこういうふうに思うのであります。大臣先ほどおっしゃいますように、車の構造が基本的に改善、改革されまして公害を一切出さないようなものににわかになるならばこれは結構でありますが、それもなかなか望みがたいとするならば、煙を出したりするような、いわゆる尾瀬の自然にとって一番厳しい敵であります排気ガスというようなものを排除できるような措置としては、乗り入れを禁止する以外にはないのではないか、ないしは制限する以外にはないのではないかというふうに思うのでありますが、いかがなものでございましょうか。
○加藤(陸)政府委員 この点も、本当に地元でおられまして大変そういうことに理解の深い先生でございますからこそお話が出るのだと思いますが、これもなかなか難しい問題でもございます。といいますのは、人間の便利さを求めるという気持ちがどうしても先走りまして、車であるところまで入ってしまうという問題はなかなか抜き去りがたい問題でございます。 しかし、現時点におきましても、まあかつても大きな問題が提起されたところでございますので、一般車の乗り入れはもともと相当前に比べますと制限したわけでございますが、現在春のミズバショウシーズンなどが特に顕著なものでございまして、混雑どころではないような状況にあるわけでございますので、そのシーズンなどには乗り入れ規制をいたしております。規制といいましても警察権力をもってという規制ではございませんが、実質的にはこれは相当浸透いたしまして、年々従っていただけるようになっております。 おっしゃるように、あるところに駐車場を設けまして、これは私どもの方で整備をさせていただきましたが、そこからはバスで行く、ないしは足の強い人は歩いて峠へ上がって眺める尾瀬というのもまた格別なはずでございます。しかし、足の弱い方もおられましょうから、それはもう少し近いところまではバスで運ぶ。あとは峠越えは歩いていただくというような姿にいたしておるところでございますが、今後ともそれはさらに徹底を図ってまいりたいと思いますので、また御援助、御協力をお願い申し上げます。
○滝沢分科員 いみじくも今警察権力による規制とおっしゃいましたが、例えば町の繁華街には歩行者天国というものがございます。これは人間様の安全を守るためにあれが行われておりますが、自然環境を守るためにも私は警察の力によるいわゆる交通規制という名における規制というものもあってよろしいのではないかと思うのでありまして、決して環境庁だけが御苦労されるのではなくて、他の省庁、この場合は警察庁等とも力を合わせていただきまして、車の乗り入れの規制というものをぜひともお願いしたいと思います。 あわせまして、冬の問題でございます。今お答えの中に、シーズンにはと、こうおっしゃっていただきました。しかしシーズンのときだけ規制をしても目的が達するわけではありません。そのようなことの中に、全く尾瀬の自然環境、花や緑と関係ないであろうと思われるものに冬の問題がございます。どこでも今スキーがはやりますが、この尾瀬の周辺におきましても、クロスカントリースキーあるいはまたスキーのツアー、あるいはまた至仏山スキーというようないろいろな形でお客さんがたくさんおいでになるわけであります。ところが、この雪の上にまき散らされましたいろいろの生活の汚染というものが雪解けとともに自然を破壊しているということでありまして、これは案外雪国でない方々のお考え及ばないことでございます。しかし、これは何も尾瀬に限りませんのでありますが、他の地域におきましても、スキー客等の方々がまき散らされまするいわゆる踏み荒らしが、山菜なりあるいはまたブナ林なりそういうものに公害として夏に残るということは他の地区においても多々見られることであります。 そういう意味で、この尾瀬の自然環境、特に学術的に意義あり、また価値の高いものであるとするならば、冬のスキー等もこれは規制をされて、これを保護することに特段の御努力を願いたいと思うのでありますが、いかがなものでございましょう。
○加藤(陸)政府委員 冬のスキー利用の場合、これは夏とは相当条件が違うことはもう先生御承知の上でおっしゃっておられると思うわけでございますが、先生雪国のお方でございますからよく御承知でございますが、やはり雪の上に残ったものの春になっての影響というものは確かに注意しなければならぬことだと思います。ただ、広い意味で一般的に申し上げますけれども、冬季の利用というのはそれはもう非常に数は少のうございます。 しかし、そうではございますが、やはりこれは山歩き、ツアーをするというような人のもう基本的な条件だと思いますけれども、節度のある利用と考えておりますが、これはそうあるべきでございますが、なかなかべきどおりにいかない人もおりますので、その辺は節度ある利用が図られるような指導を、これは冬の禁止区域というのはちょっとなじみにくい問題だと思いますので、そういう利用指導を私どもとして、あるいは県それから該当の市町村の皆さんの御協力も得て、ぜひ品位の高い節度のある利用をしていただくように御協力をお願いしてまいりたいと思います。
○滝沢分科員 大変きめ細かい御答弁をいただきましてありがとうございます。 実は大臣、私は思うのですが、富士山、これは富士登山、最近ずっと行われて盛んになってきましたね。しかし富士山は荒らされていると思いますよ。ところが、何か頂上をきわめる、征服なんというようなおこがましい言葉もこれはあの世界のものでございますが、しかし富士山は、これを征服とかないしはというようなことで登る人々のためだけの富士山ではない。これを遠くはるかに仰ぎ眺めてその美に感嘆する者の所有でもある、ないしは日本人すべてあるいはまた世界全人類の所有であると言ってもよろしいと私は思うのであります。登山者が決しておごるべきものではない、こういうふうに思うのであります。 ここに申し上げました尾瀬の自然も同様でございます。これはひとりこれを訪れる観光客ないしは観察者というような方々の所有ではないのでありまして、これは人類共有の極めてとうとい財産だと私は考えまして、謙虚な立場でこの山に入っていただくことがまず必要でありますが、それには関係省庁等の特段の努力と啓蒙運動が非常に大事であります。最後に、再び大臣の御決意を簡単に承りまして、終わりにしたいと思います。
○森国務大臣 先生の自然を愛する本当に美しいというか清らかなお気持ち、私ども感銘を受けております。環境庁も、先生のお気持ちの万分の一にも報いようと努力してやっていきたいと思います。
○滝沢分科員 ありがとうございました。終わります。御苦労さまでした。
○柿澤主査代理 これにて滝沢幸助君の質疑は終了いたしました。 次の質疑に移ります。田中克彦君。
○田中(克)分科員 質問に入る前に、長官には大変失礼でございますけれども、今回の組閣名簿を拝見いたしまして、環境庁長官に森美秀先生がおつきになった。名は体をあらわすという言葉がありますから、このくらい環境庁長官にふさわしいお方はいないのじゃないかと私は思っております。そういう意味で、私もこれかも若干質問をさせていただきますが、ぜひ前向きな御答弁をいただきたいとお願いをいたしておきたいと思うわけでございます。 私が言うまでもありませんけれども、我が国は風光明媚で緑ときれいな水に非常に恵まれていた国だと思います。外国を歩いてみましても、私どもそう思うわけでございます。ところが、産業の発展に伴いまして、その日本列島も公害列島などという言葉が飛び出すような自然破壊や汚染が行われたということでありまして、非常に残念であります。しかし、その汚染や公害から国土を守るために環境庁も大変御努力をされている点については、私どもも十分承知しているわけであります。 そこで、その風光明媚な国土を守るために、我が国には国立公園が二十七カ所、国定公園が五十四カ所あるわけであります。これはもちろん自然公園法に基づいて指定をされておりますが、さらに、この法に基づきまして二回にわたって千百七十種に上る貴重な高山植物が保護されているわけでございます。そういうものとは別に、天然記念物あるいは特別天然記念物という指定も行われているわけであります。しかし、こういう絶滅の危機に瀕しているような、しかも非常に貴重な高山植物が、残念なことではございますけれども、近年非常に乱獲、乱掘されているという現象があるわけであります。 私、山梨でありますけれども、南アルプスの北岳あるいは御坂山塊の三ツ峠というところで相次いで盗掘事件が起こったのは昨年のことであります。そういう中で、せっかく自然公園法に基づいて指定されている千百七十種に上る貴重な高山植物の種の絶滅が自然保護に関心を持つ方々から非常に憂慮をされているという事態が起こっていることは御承知のとおりであります。 そこで、これは政府もさることながら、このことについては地方自治体も大変強い関心を持っておりまして、山梨の場合では、自然監視員制度あるいは山岳レンジャーというものを増員配置する、しかも自然保護団体等の積極的な協力も得る、県も積極的にキャンペーンを張って、ポスター、リーフレット、看板などに手を尽くしておりますけれども、そういう中で、今申し上げましたような残念な事態が実は発生いたしているわけであります。昨年の四月二十二日には南アルプスのキタダゲソウ、五月二十三日には三ツ峠のアツモリソウ、五月二十五日には山中湖畔のスズムシソウなど、乱掘、盗掘が新聞記事をにぎわしておりましたことは環境庁も十分御承知だと思うわけでございます。 そこで、こういった事態を環境庁としては今どう受けとめておいでになりますか。
○加藤(陸)政府委員 先生御指摘のとおりの問題がございます。先生は二、三にとどめられましたが、ほかにも、北は利尻、礼文から、南は琉球列島に至るまでございます。これについては、まず一言で申し上げれば極めて遺憾ということがあるわけでございますが、私どもは、遺憾ということで受けとめるだけではなしに、いろいろな手は打たなければならぬ。 ただ、これはむしろ先生にいろいろと教えていただき、お知恵を拝借したいようなところでございますけれども、特に山梨県はこういう関係は御熱心な県であられまして、私どもも常日ごろ連絡はとっているわけでございますが、基本的には、国民全部といいますか大多数の人が、そういうものを大事にするといいますか貴重性を身にしみて感ずるというのがベースにないと、いろいろなことを行っても効果がなかなか上がらぬなということを深く反省しておるわけでございます。 しかしながら、そういう事態が現実にあることは非常に遺憾に存じますし、これに対する現実的な手段は、県の方、市町村の方、地元の方の協力がどうしても必要でございますので、こういうところの御意見も承りながら、さらには大きな審議会の場で専門の先生方の御意見も承りながら対応を考えてまいらなければならぬのではないか、一般的に申し上げましたが、そのように受けとめております。
○田中(克)分科員 今申し上げましたように、一つには、何といっても現地の協力体制がなければ実は上がらぬということですが、地元はかなり積極的な姿勢を私が申し上げましたように示していても、なおかつこういう問題が残念ながら起こっているわけでございます。 そこで、現在その法に指定されて保護されている高山植物などは、今お話の中にも出ておりますように、ほとんど日本列島全体に千百七十種に上る植物が分布しておりますから、そういう点でかなり広域的な対策を考えないと実効が上がらぬということになろうと思います。 聞くところによりますと、例えば北海道の礼文島で自生する日本最北のランと言われるレブンアツモリソウも、実際にはかなり盗掘され絶滅のおそれがあると言われております。したがって、こういう乱掘事件あるいは乱採取事件について環境庁としては全体としてきちっと数字の上でまとめて資料をお持ちになっているのでしょうか。
○加藤(陸)政府委員 相当の資料といいますかデータは把握しております。といいますのは、特に国立公園の区域内のお話でございますので、管理官が相当数おりますことと、それから各都道府県、市町村からも情報が入りますし、報道関係の方からも非常に熱心な情報の連絡がございまして、把握はいたしております。 今、件数がどれくらいというのは、数え方の問題もございまして、正確な数字を持っておりませんけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、代表的なものとしてレブンアツモリソウの件がございますし、同じ北海道で大雪山のコマクサ、知床のガンコウランの問題もあるということを承っております。以下ずっと、本当に日本列島の北から南までございます。件数の正確なのは今手元にちょっと持っておりませんので、恐縮でございますが……。
○田中(克)分科員 実態を正確に把握をするということは事後の対策の上に欠かせない条件だと思いますから、そのことについても、今要求するわけではありませんが、取りまとめしたものがあったら私どもにぜひ資料として後からちょうだいをいたしたい、こんなように思うわけであります。 そこで、私がさらにお伺いしたいのは、実はこういう事件が起こる背景の中には、この高山植物というのを人為的に栽培するという方法も可能だ、したがってこういうものを栽培をし、あるいはこれを分譲する、販売をする、こういうことを公然と営業行為としてやっている人があるわけですね。こういう人たちの場合には、いわばプロの採取家から高山植物を買い入れる。プロの採取家というのは、結局表へは出てきませんけれども、これがそもそもそういう事件を引き起こしている元凶であるわけです。これとその業者というのが癒着をしている、こういう関係にありますから、私はやはり実態を正確に掌握するということの前提に立ては、環境庁はこれらの業者、例えば山梨に起こった場合も、実際には長野県の飯田市あるいは諏訪郡の富士見町、こういうところで高山植物を鉢植えにして、高いものであれば一万円もする、安いものでも二千円ぐらいはするという形で販売していた事実もあるわけです。 私、先日千葉県へ行ってまいりましたら、千葉の柏のインターの近くの国道十六号の沿線で、大きな看板で高山植物、観葉植物販売と書きまして営業している園芸店が目につきました。私は、環境庁もこういうことに目が届いていないはずはないと思うのですね。 そこで、私がお伺いしたいのは、こういう実態というのを環境庁はどうとらえておりますか。
○加藤(陸)政府委員 おっしゃいますような看板が目につかないということではございません。承知もいたしております。 それから、これはなかなか難しい問題が一つあると思いますが、実は、順番に言いますと、盗掘、それが栽培され、それからさらにその先にそれを買う人がいるから栽培業も成り立つという一連のものだと存じます。ただこの場合、一つちょっと御理解いただくために申し上げておきたいと思いますが、栽培といいますか繁殖をさせる問題というのは、これは実はワシントン条約でも、これは海外のものとの関係でございますが、それは当たり前といえば当たり前ですが、除外している。それから、そういうものを通じて自然に親しんでもらうという効果もあるということもありまして、これをどうしていくか。ただ、これもいいレールに乗せないといかぬという点は全く同じ考えになるわけでございます。 だから、栽培すべてがアウトというふうにもなかなか言えないかと思いますが、妙な栽培業ですと、その種はこれまた妙なとり方、つまり違法な、明らかに違法でございますので、これは自然公園法で禁止いたしておりますので、そういう問題につながるものかとは思いますけれども、栽培それから販売、これが適正なものである場合にどう対処していくべきか、それから、とんでもないもののときにどうしていくべきか、これはその区分けといいますか、この辺は非常に難しい問題がありまして、私どもまだその看板を掲げるのはけしからぬというふうに直接対応した事例は持っておりませんけれども、その辺はもう少し実態を勉強させていただいて、適切な、効果的な手というのがなかなか難しいわけでございますけれども、研究させてもらいたいと思っております。
○田中(克)分科員 これは、営業行為に類することの行政責任ということになれば通産の分野だというようなことではないと思うのです。極めて直接的でもって、流通のルートなんてそんな複雑なものでないわけですから、これはやはり環境庁、きちっと握りませんと、私はこの問題の解決のネックというのは解けないと思うのですね。ですから、ぜひそういう点をきちっと構えて今後の対策を考えてもらいたい、こういうふうにお願いをしておきたいと思うのです。 そこで、山梨の場合、自然公園に自生するキタダゲソウあるいはアツモリソウ、ユキワリソウ、ムシトリスミレというような貴重な植物十八種を特に特定をして、高山植物の保護に関する条例というのをつくったわけです。これは全国的にも初めての条例制定の例だということで新聞も大きく書いたのですが、私は、地方自治体が、さきに話も出ておりますように、これだけ前向きに積極的に取り組んでいる姿勢というものは御理解いただける、こう思うのですけれども、この要旨というのは、まず、採取の行為、譲渡等の規制をする、それから、栽培業あるいは販売業という場合には届けをする、あるいは帳簿の備えつけの義務化、それから三番目には知事の立入調査権、四番目にはもちろんこの罰則規定、こういうものを柱として保護条例が既につくられて、県議会は満場一致でこれは決めているわけですね。そして、これがいよいよこの四月一日から施行になるわけです。 間もなくこの条例は発効するということになりますが、環境庁の立場からして、これには大分御指導もされたようでありますが、こういう地方自治体の取り組みあるいは条例制定というものを一体どういうふうに評価をし、今後、これは山梨に限らず、さきに言うように日本全国にわたってそういう状況になっているわけですが、一体どう対応する考え方ですか。
○加藤(陸)政府委員 ただいま先生が御紹介になりました山梨県高山植物の保護に関する条例、これは私どもの方にも御相談といいますか御連絡もございまして、お知恵もおかししたわけでございます。また、制定されたときに、県知事さんがわざわざ環境庁にお寄りいただきまして、私に詳しい御説明と、それから、こういうことで頑張っているから環境庁も頑張ってくれというお話まであった件でございまして、報道の面でも相当大きく取り上げられ、また、そういうことによって国民の一般の皆さんもああそうかというふうに感じていただけるきっかけにもなったと、大変ありがたいことであると思っております。 それから、評価ということでございますが、これはもちろん今お答えいたしましたところでもう感じは出ているとは思いますけれども、やはり県段階、あるいは将来、場所によっては、あるいは種類によっては市町村段階だってあり得るのではないかと思いますが、そういうものの先鞭をつけられた点、これは高く評価すべきだと思いますし、また、県条例の場合ですと、その地域の実情に応じたきめの細かいやり方ができるという利点がございますので、そういう面から見まして、特に私ども、そういう取り締まりといいますか、取り締まりというと言葉がきつうございますけれども、そういうコントロールをする上では非常にいい方法の一つではないかと思っておるわけでございます。 特にこの条例の中で、禁止規定は九条でございますが、市町村と県と、それから県民並びにそこへ来られる人、それらが協力して、それぞれ、これは義務規定といいますより奨励規定なのかもしれませんけれども、それに協力しなければならぬという文面が載っております。これは法律で規制するとかなんとかという以前に心がけるべきことを強調されておりまして、こういうことがまた報道等を通じて伝えられることも非常に効果があるのではないかなと思っております。
○田中(克)分科員 一応協力規定のようなものに期待して実効を待つということですと、それができるくらいであればこんな事件は起こってこない、私はこう思っているのです。 そこで問題なのは、この条例の中でも罰則規定がありまして、これに違背した場合は三カ月以下の懲役とか五万円以下の罰金とか、いわばこの条例の中ではかなり厳しい罰則規定が制定されている、こういうことであります。したがって、この条例が実際に四月一日から施行されるわけですが、環境庁として、今言うような考え方ですと、この条例でかなり効果が上がる、こう見ているようでありますが、この実効性について一体どう考えていますか。それから、この条例でもなおかつ不安だ、問題だという箇所は何ですか。
○加藤(陸)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、非常に立派な考え方の条例をつくっていただきましたし、効果はある、ただ、それで全部大丈夫かという意味での評価までは無理と思っております。 それから、先ほど来何回も申し上げておりますが、これは規制、罰金ということで本当の担保になるかというと、そうではないと私ども考えておりまして、むしろそういうものまでつくらなければならぬという実情を一般の方々に、特に最後にそれを買うのはまた国民でございますので、そういう人たちに、極端に言いますとちゃんとしたものなら買う、それくらいの選別眼といいますかそれを持っていただけることの方がもっと、それが相まって初めて効果が出ると思います。 そこで、最後の点になりますが、では抜けたるところといいますか補完をしなければならぬところはどこかといいますと、今申し上げた中に入っておりますが、県民だけではなしに、そこを訪れる人、あるいはそこから流通してくるものを逆に利用する人、しょせんそういう人たちの良識ということになりましょうか、それを盛り上げていかないと本当の効果は出ないのではないか。その辺をどうしていくかというのはまさにPRの問題でございまして、これは環境庁としましても、一般的な野生生物対策それから野生生物マインドを浸透させる努力というような形を通じて、その他の方法もとりますけれども、浸透、啓発していきたいと思っております。
○田中(克)分科員 私がお伺いしたかったのは、前段で申し上げましたように、こういうものを不法にも乱獲、乱採取するという人はいわばプロなわけですね。しかもこれは盗掘です。そういうプロが荒らしているということになりますと、条例で規制をしましても、例えば山梨県でとった高山植物を長野県へ行って販売行為をやったら、これは条例が少しも生きないわけですね。静岡へ持ってきてやったら、条例はないわけです。東京都内に持ち込んだらしり抜けなんです。そういうところに果たして実効性がどこまで上がるだろうかという懸念を私どもは実際には持っています。確かに山梨でやったことは先進的なことだ、環境庁としてこういう評価はしましても、現実にはそういう実効が上がらない残念な現象が出てくるのではないかという点を非常に憂慮しているわけです。 そこで、さっきちょっと話にもありましたように、例えば一九八五年、世界各国がブエノスアイレスに集まって野生動植物の保護条約の討議がされた。こういう際に、さっきの話にもありましたが、植物はほかのものと違って人工的な増殖ができる、そのことのためにこの問題の解決が非常に困難だということも議論されているわけですね。もちろんこの条約によって決められている植物は国際的な商取引が禁止されている。しかし、人工的に増殖させたものはこの対象からは除外される。こういうことになりますと、増殖さしたものは許可があれば取引できるわけですね。そうなると、一体これは本当に野生のものか増殖したものなのかという判断は非常に難しくなると思うのです。結局、野生のものでも増殖だと言って輸出をするというようなケースも出ないとは限らない。現に、南米にありますサボテン類なんかを、日本人が非常に好んで金に任せて買いまくるというようなことで、現地の学者などからは日本人のそういう行為が国際的な糾弾の的になっているということもあります。アメリカの場合でも二十八種のサボテンの取引を禁止したということをやったりしましたが、食虫植物として有名でありますハエジゴク、ハエトリグサが、年間に四百万本くらい輸出されているというのですね。そのうちの九〇%は野生だ。そうなりますと、今言いましたようにここら辺のけじめというのは非常に難しくなる。しかし、こういうことの難しさはありながらも、スイスなどでは動植物の保護についての立法化がきちっと行われているという現実もあるわけです。 ですから、今おっしゃるように難しさはあるであろう、しかし自治体任せではいけないのじゃないか。自治体にそういうことを奨励する、全自治体にその網をかける。それと同時に、そのことを受けて自治体を先に引っ張っていく役割を果たす国の行政というものが、この立法化について今黙っているという手はないと私は思うわけです。ですから、一つの自治体なりそういうところがこういう条例をつくって実験をした、そのことの中でもなおかつ問題が残る、こういうことになれば、あとは国の責任で立法措置を講ずる以外にないと私は思うのです。だからこそ私はこの際そこのところをぜひ長官に検討をしてもらいたい、こう思うわけです。 予算案はこれから国会を通るわけでありますから、予算案が通る前に執行のことをいろいろ言うのはどうかと思うのですけれども、聞くところによりますと、その予算原案の中には、環境庁では今回動植物の種の選定の調査費というのを九百万ほどつけて三カ年計画で調査をしていく、こういう一定の前向きな姿勢を示されていることは私も承知しています。 そこで、三カ年かけてやる調査は一体いつごろまとめてどういうふうにするのか、そのまとまった結果について環境庁は一体どう立法措置をして、今言った条例でもしり抜けになる危険のあるものを補完して、きちっと自然保護、高山植物の保護、動植物の保護にもっと前進した姿勢、取り組みを示すことを考えているのか、その辺をぜひ長官から伺いたいと思います。
○森国務大臣 先生おっしゃるように、大変広い範囲、広い地域にわたっての問題でございますので、法律以前に、環境庁がこれをやるかやらないかという熱意の問題が随分大きい問題だと考えております。 これは私の前任者がやったことでございますが、行革で、課を一つつくるというのは大変な苦しみでございますが、各省庁に連絡して、ともかく野生生物課をつくるのだという努力をして野生生物課をつくることといたしました。これは皆さん方に評価をしていただきたいのですが、ただ本当にそれが機能しているかというと、まだまだだと思います。私の在任中は、ともかくせっかくつくった野生生物課が本当に機能できるかどうか、それをまず第一にやってみたいと考えております。法律を新たにつくるという問題もよくわかりますが、その前にともかく私ども環境庁挙げて野生生物課を支援してやっていこう、こう考えております。
○田中(克)分科員 時間が来ましたから質問をくくりますが、実はこの条例を議決した際に、同時に地方自治法に基づいて政府に対して法制定を要求する意見書が提出されていると思います、長官も御承知だと思いますが。今の答弁を踏まえてぜひこの期待にこたえてやってもらいたい。これは単に山梨の問題ではございません。非常に重要なことだと思いますので、その点を最後に強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○柿澤主査代理 これにて田中克彦君の質疑は終了いたしました。 次に、森田景一君。
○森田(景)分科員 森環境庁長官は、長官に就任されまして間もなく、一月に汚濁度全国ワーストワンと言われる手賀沼、そしてワーストスリーの印旛沼を視察なされたということでございまして、環境行政に取り組む御熱意のほどに敬服しているわけでございます。私はいつも申し上げているのでございますけれども、汚濁されている湖沼をごらんになるときは、冬の寒い時期ではなくして、アオコの発生する夏の暑い時期にぜひごらんになっていただいた方がよろしいのではないかと思うわけでございます。また、いつも手賀沼とか印旛沼ということですと大変不公平が起こると思いますので、琵琶湖であるとか児島湖といったところもぜひアオコの発生している時期に御視察をいただいて、汚濁の実態をさらに御研究いただければありがたいな、このように考えておるわけでございます。 それはともかくといたしまして、この手賀沼、印旛沼を視察なされました御感想、そして湖沼の汚濁を防止する——防止するというよりも、浄化するということについての御感想をひとつ長官お聞かせいただきたいと思います。
○森国務大臣 森田先生は柏でございますのでよくおわかりかと思いますが、実は私は房総半島の突端におりまして、いつも考えておることは、おれたちの千葉県は百五十万の千葉県だ、しかしながら五百万になった千葉県、これは千葉県民なんだという認識をかねがね持っておりました。 ところが印旛、手賀に行きまして、殊に手賀で、これは恐らく森田先生の同志ではないでしょうか、松ケ丘という町会へ行きましたら、婦人連中が一生懸命下水の浄化運動をやっている、これを見て何か涙がこぼれるほどうれしかった。こんなに手賀沼を愛してくれて、手賀沼に入る前の下水をきれいにしようという努力をしておられるのか、おれが長い間千葉県民と思っていたのは間違いで、やはり柏の人たちも松戸の人たちも、子供や孫がやがては千葉県人になるので、その下準備として飲み水について努力をされているのだなということを感じたわけでございます。 しかし、そこまでの努力をしても水質がよくならないのは御承知のとおりでございます。 〔柿澤主査代理退席、主査着席〕 したがいまして、あれだけ努力をされている家庭の主婦たちに報いるために、私は建設省等々に強引に話をして、何とかしてああいう閉鎖性水域の沼、湖には下水道を完備してもらいたいということを、環境庁長官の立場で強く要求しようと考えております。これが両沼を見た感想でございます。
○森田(景)分科員 長官も、今お答えになりましたように千葉県選出の環境庁長官でございます。手賀沼、印旛沼の浄化対策にぜひしっかりお取り組みをお願いしたいと思うわけでございます。 それで、ワーストワンの手賀沼が果たしてきれいになるのかならないのか。全国にはたくさんの湖沼がありますけれども、また汚濁されている湖沼もありますけれども、このワーストワンの手賀沼は一番先に浄化できる可能性を持っている湖沼だと私は思っているのです。このワーストワンの手賀沼がきれいになったという実績ができましたら、環境行政、湖沼浄化対策には大きな励みになるだろう、このように私は考えているわけでございます。 千葉県でもあるいは周辺の市町でも、手賀沼につきましては一生懸命取り組んできております。手賀沼流域下水道であるとか公共下水道の整備であるとか、あるいはバクテリアによる浄化であるとかホテイアオイの植栽による浄化であるとか、いろいろなことを頑張ってこられたのですが、手賀沼は依然としてきれいになりません。その一番大きな原因は、手賀沼に流入しております大きな川が二つございまして、一つは大堀川、一つは大津川、この二つの川が、御存じのとおり三十年あるいはそれ以前には周辺のきれいな水を流し込んで手賀沼に流入しておりましたが、非常にきれいな水であったわけです。それが急激な都市化によりまして、家庭雑排水がそのまま大堀川、大津川に流れ込んできてしまった。川ではなくして下水と同じような状況で汚い水が毎日流れ込んでいるのですから、いろいろ手を尽くしても手賀沼はきれいになる道理はないわけです。 しかし、私がワーストワンが一番先にきれいになる要素があると申し上げましたのは、この手賀沼と直接は関係ない事業ですけれども、建設省で北千葉導水事業が進められておりまして、これが利根川から毎秒四十トンですかくみ上げまして、松戸を通って江戸川に放流する、こういう非常に壮大な事業でございまして、この毎秒四十トンの水のうち十トンを手賀沼に流してくれることになっているわけです。今まで汚い水が流れていたところへきれいな水が流れてくれば、一遍にはいきませんけれどもだんだんきれいになってくる。 そういう非常に大きな希望があるものですから、一つは、早く北千葉導水事業を完成してもらって毎秒十トンの水を流入させてもらいたい。一つは、今までたまったヘドロをさらって、今までの汚れが早くなくなる、解消できるようにしてもらいたい。それから、大堀川、大津川の周辺、これを公共下水道を早く整備して、そして家庭雑排水が流れないようにする。こういうことが整ってきますと、一番先に手賀沼はきれいになる。 そういう状況でございますので、建設省からもおいでいただいていると思いますけれども、北千葉導水事業の進み方、また今後の予定、こういうことについて御説明をいただければと思うのです。北千葉導水事業は、御存じのとおり江戸川工事事務所それから利根川下流工事事務所、この二つの工事事務所が分担を決めて工事を進めているような状況でございますから、全体でお答えになっても結構ですが、それぞれの分担の工事事務所の関係で進捗状況について御説明いただければと思います。
○山口説明員 北千葉導水事業の御説明でございますが、この事業は手賀沼及び坂川周辺の内水排除、手賀沼等の水質の浄化、首都圏の都市用水の供給等を目的とする流況調整河川事業でございます。 この事業は昭和四十九年度から建設事業に着手いたしておりまして、既に二カ所の機場、すなわち利根川から、あるいは利根川へ排出する第一機場、それから江戸川への排水を受け持つ第三機場につきましては既に完成させております。 現在、利根川から手賀沼上流に至りますまでの第一導水路の工事、手賀川及び坂川の改修工事等を実施いたしておるところでございます。昭和六十年までの進捗状況は五六%でございます。 今後とも、千葉県を初め関係地方公共団体や地元関係者の理解と協力を得まして、順次工事の進捗を図り、昭和六十五年度完成を目途に努力をいたしたいと考えております。
○森田(景)分科員 大変どうも御苦労さまでございます。こういう財政事情の中でいろいろと厳しい面もあろうかと思いますけれども、大きな使命を持っている、私は今手賀沼だけのお話をしましたけれども、多目的河川でございまして、東京都の飲料水にも大きな影響のある工事でございますから、厳しい財政事情の中でも一日も早く完成されるように、ひとつ格段の御努力をお願いしたいわけでございます。 一つお願いしておきたいことがあるわけですが、今、北千葉導水事業は、手賀沼のふちから柏の台地までパイプで水を揚げることになっているわけです。その導水管を敷設するそばを大堀川という川が流れておりまして、この河川改修を建設省は一生懸命やってくれているわけです。非常に立派な改修工事が今進んでいるわけでございますが、私が心配しますのは、この大堀川の河川改修が立派にでき上がる、そして環境庁も手賀沼につきましては指定湖沼ということでいろいろとバックアップをしてくれることになっているわけでございますが、大堀川の改修が進みますと、将来、河川は立派になった、だけれども、周辺は公共事業が整備され、今まで雑排水が流れていたのが流れなくなった、そうすると、水の流れない川、雨が降った時だけ流れる川になる心配が非常に強いわけです。 そういうことを考えますと、毎秒十トン手賀沼に流す水、全部でなくても結構だと思うのですが、それを、川がきれいになる程度に高台のところから、北千葉導水事業のパイプから水を流すような仕組みをつくると、将来柏市にとりましても大きなメリットができるのではないだろうか。特に、柏におきましては「ふるさと柏づくり」という事業を進めております。ふるさとといいますと、私たちの年代ですと、「山は青さふるさと、水は清きふるさと」、こんなふうに思いますが、柏には余り高い山はありませんし、水もありません。そういう意味で、大堀川が「水は清きふるさと」のイメージづくりに大きな役割を果たすのではないか、こんなふうに考えております。 工事費がかさむことは当然でございますが、でき上がってから新しくつくるということは困難だと思います。そういう点におきまして、最初に建設省の方から、そういう計画をこれからお立てになるか、あるいはつくるか、その辺のところを御説明いただきたいと思います。
○山口説明員 お答えいたします。 北千葉導水事業の水質浄化計画でございますが、最大毎秒十立方メートルの水を利根川から手賀沼等へ導入することといたしております。 先生今お話のございました手賀沼浄化用水の一部を手賀沼の支川大堀川の上流部から放流することにつきましては、今後前向きに検討してまいりたい、このように考えております。
○森田(景)分科員 環境庁長官、ぜひ長官のお立場でも、この間は大堀川の御視察まではちょっと御無理だったかと思いますが、そういう状況でございますので、長官御自身で御視察になる機会はなかなか難しいと思いますが、担当者の方を派遣なさって実情をよくごらんになっていただきまして、これは将来のためにはぜひ建設省にそういう工事をしてもらった方がいい、そうなると思いますので、そういう方向で長官も、この大堀川の将来の計画について建設省にも格段の申し入れの御協力をお願いしたいと思うわけでございます。よろしゅうございましょうか。
○森国務大臣 一生懸命勉強したいと思います。
○森田(景)分科員 千葉県は、先ほど申し上げましたが、いろいろなことをやりまして手賀沼をきれいにしようという対策を進めております。六十一年度から六十四年度の計画で、親水広場というのをつくろう、こういう構想を持っておるわけでございます。これは県の単独事業でございますが、例えばどういうことかといいますと、まず、一遍にはあそこはきれいになりません。一部分に水質浄化プラントをつくりまして、そしてモデル人工川をつくる。浄化された水を人工川に流す。その周辺に、「水遊びゾーン」「水辺アスレチック冒険ゾーン」「自然のせせらぎゾーン」あるいは「やすらぎの水辺ゾーン」、こういう四つのゾーンを設けまして、そのゾーンごとに噴水シーソーであるとか水車小屋であるとか水のトンネルというものをつくり、子供さんたちが安全でしかも水に親しめる環境をつくって、きれいな水にしようという意識を高めていこう、こういう構想があります、長官は十分御存じだと思うのですが。そのほかに「水の館」というようなものをつくりまして、沼の水生動植物コーナーであるとか、家庭でできる浄化モデルコーナーであるとか沼と人の文化史コーナー、こういうものを展示していこうという構想でございます。 これは先ほども申し上げましたように県の単独事業でございますから、環境庁の方あるいは建設省の方に補助金の申請ということはないかもしれませんが、これは全国でも初めての試みだそうでございますから、そういうのを環境庁長官あるいは環境庁でキャッチなさいましたら、浄化にみんなが取り組んでいる、そういうことに対して県の単独事業じゃなくて国の方からも助成してあげようじゃないかということで、こちらからあげますというのはなかなか制度は難しいでしょうから、あなたの方から国に申請なさいということで、それこそ国も県も市町村も一体となって全国の湖沼をきれいにしよう、こういう取り組みが必要なのではないかと思いますが、長官のお考えのほどをお聞かせいただきたいと思います。
○森国務大臣 御承知のように、今の千葉県知事は森田先生も推薦していただいてできた知事でございます。知事とよく相談しながら前向きに事を処していきたいと考えております。
○森田(景)分科員 審議に協力しましてなるべく早く終わりたいと思いますが、もう一つだけお聞かせいただきたいと思います。 先ほど申し上げましたように、湖沼法によりまして指定湖沼になりますと、いろいろな浄化のためにプラスになる施策が講じられることになっているわけですね。今まで五つの湖沼が指定されたわけでございます。当初の予定ですと十カ所ぐらいというはずであったわけでございますけれども、残りについては指定なさる計画があるのか、いつごろ指定なさるのか、その問題だけを最後にお尋ねいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○谷野政府委員 ただいま御指摘がございましたように、湖沼法の制定の際に、この法律は特に早急に対策を要する湖沼に適用するということで、数といたしましておおむね十ないし二十程度のものを当初考えたいということを申し上げていたわけでございます。いろいろな例といたしまして湖沼の名称も挙げたこともあることは御指摘のとおりでございます。ただ、湖沼それぞれの内容がございまして、県知事からのお申し出を待ってこれを指定するという湖沼法の体系から、昨年の秋に五湖沼がほぼ半月ぐらいの間に逐次御申請があったということで、昨年末これをまとめて指定をしたということでございます。ほかの湖沼につきましても、現在幾つかの湖沼につきましては各県で地元の調整が進んでおるというふうに聞いております。知事さんの方から申請をいただきます前に各市町村の御意見を聞くというようないろいろな手続があるわけでございまして、私どもといたしましては、それらの点につきまして各県とよく御相談をいたしまして、そういうものが迅速に円滑に進むようにしたいと考えております。ここ数年の間にさらに幾つかの湖沼を追加していきたいというのが考え方でございます。
○森田(景)分科員 終わります。
○武藤主査 これにて森田景一君の質疑は終了いたしました。 次に、馬場昇君。
○馬場分科員 長官、世界の公害の原点と言われます水俣病は、公式に発見されてからことしでちょうど三十年になるのです。昭和三十一年五月一日にチッソ水俣工場の附属病院の細川院長が奇病が発生したということを熊本県の水俣の保健所に届け出た。それが公式発見の日とされているのですが、ことしの五月一日でちょうど丸三十年になります。しかし、この水俣病問題が現状がどうなっているかということは大臣も十分御承知と思います。私は、三十年のことしを本当に真の意味で水俣病を完全に抜本的に解決する、こういうスタートの年にすべきだと思っているのですけれども、水俣病に対する大臣の取り組む姿勢といいますか決意というものをまずお聞きしておきたいと思うのです。
○森国務大臣 昨年の十二月二十八日に就任してから、私はこの問題毎日のように勉強させてもらっております。すればするほどなかなか難しい問題だと思っております。しかしながら、これは偶然でございますが、私が政治のお師匠さんとしておる園田直さんが厚生大臣のときに第一に取り上げたという歴史もございます。また、私の義兄である三木武夫が環境庁長官のときに皆さん方にえらいお世話になったということも聞いております。そんなこんなで、私といたしますと真剣にこの問題に取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。
○馬場分科員 今、前の総理大臣、当時三木環境庁長官のお話から園田前厚生大臣のお話も出たのですけれども、今公式発見が昭和三十一年五月一日だと言ったのですが、実はその前に昭和二十七年にあの水俣の漁民が、どうも魚がおかしい、海がおかしいといって、熊本県の水産課に調べに来てくれと要請をしているのです。水産課から三好という技師が調べに行って、そして復命書というものを出しておりますけれども、それによりますと、どうも工場排水が怪しい、工場排水を分析する必要があるという復命書を出している。ところがそれは握りつぶされておる。昭和三十一年公式発見があった後すぐ三十一年に熊本大学が研究班というのをつくって、そして熊本大学研究班が工場排水がおかしい、その中の重金属が原因ではないかということを実は研究発表をしているのです。昭和三十二年に厚生省の科学研究班というのが現地に行って、これも重金属の中毒だ、工場排水がおかしいと言った。それから、三十二年に実はこの工場排水をとって猫に与えたのです。猫は今でいう水俣病が発症したのです。これを細川博士とかあるいは保健所長の伊藤さんというのが三十二年のときに発見しておるわけです。そういうことは厚生省には報告してある。ところが、園田さんが厚生大臣になってみたところが、それを全部秘密にしてあった。隠してあった。だから、私はこういうことは隠してはいかぬということで公害病として認定をいたしましたということをあの人も言っておられる。何と公式発見からでもあるいは二十七年からでも、あるいは戦争前の昭和十二年前からもあったと言われておるのですが、そういうものがずっとあったわけですね。けれども、何と水銀の中毒だと政府が認めたのが公式発見から九年後ですよ。そして公害病と認めたのが十二年後です。そうすると、その十二年後に初めて工場排水、毒を排出しておった排水がとまった。公式発見からも十二年間毒をどんどん流しておった。 こういういきさつを、さっき言われた当時の三木環境庁長官は、本当に調べれば調べるほど、患者が百人で済んだものを二百人になった、二百人で済んだものが四百人になった、二千人で済んだものが四千人になった、こういうことについては行政に責任があるんですということを実ははっきり言っておられるわけでございます。また、石原環境庁長官も、長官になって見れば見るほどこの水俣病は行政にも責任がある。そして石原長官は、この問題を解決せずして二十一世紀の文明を語ることはできない、こういうことまでおっしゃったのですが、私は森長官に、やはりこの三木長官、石原長官、そういう人たちが、行政に責任がある、その反省の上に立って一生懸命やるのだということをこの環境委員会の中で言明されているのですが、この精神を引き継いで行政をなさるかどうかということを念を押して聞いておきたい。
○森国務大臣 気持ちの上では全くそのとおりでございます。しかしながら、今いろいろな面で勉強しております。訴訟なども全部負けてしまったというような感じでおりますので、いよいよ難しいなということを思っておりますので、もうしばらく時間をいただきたいと思います。
○馬場分科員 まだ勉強の最中だそうでございますが、今言われました三木さんの行政の責任あるいは石原さんの責任、そういうことを本当に政治家としても責任を感じてやるのだと言われた、この気持ちを踏まえて、ひとつ勉強していただきたいということをまずお願い申し上げておきたいと思うのです。 この水俣病対策で一番大切なのは、どんなことを、小手先のことをやったってこれは解決しない、本当に患者の心というものをとらえてやらなければ、皆失敗するのですよ。この三十年間私も携わってきて皆そうなのです。そういう意味で、まず長官は、今国会中ですけれども、なるべく時間を見つけて現地、水俣に行って、患者と話をして、患者の心を知る、現地の人の、住民の心を知る、そのことが一番水俣病の行政に当たって必要じゃないか、こういうことを実は思うわけでございまして、ぜひそういうことで現地に行っていただきたいということで、その気持ちをお聞きしたい。 それから、今すぐ行かなければ、行ってもらいたいのですけれども国会中ですが、現地の細川熊本県知事だとかあるいは今度水俣の市長が交代をいたしました、この市長は本当に水俣の患者さんたちとも対話に対話を重ねて、心を通わせて一生懸命やりたいというようなことを言っておるわけでございますから、この細川知事とか新しい岡田市長とかを呼んで十分話を聞くとか、現地に行くとか、そういうことをして勉強していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○森国務大臣 今まだ予算委員会中でございますので、その日程については考えておりません。しかしながら、勉強は、今おっしゃったように、それぞれの過去の先輩を含めて現在の知事さんその他にもお話はよくお聞きしたいと考えております。
○馬場分科員 これはもう老婆心ですけれども、私もずっとこの問題をやって、きょうの質問で五十回目くらいじゃないかと思うのですけれども、環境庁長官も十何人とつき合ったのです。ところが、現地に行かれた長官はやはり水俣病問題対策はある程度進んでいるのですよ。それで混乱が少なくなっている。現地に行かれなかった長官のときは全然だめなんです。そういう意味で、ぜひ現地に行っていただきたいということを、重ねてくどいようですが申し上げるのですが、この辺についての気持ちを聞きたい。
○森国務大臣 実は私、これは今の武藤委員長にもお話を申し上げたいのですが、どうやら五月二十二日で国会が終わってしまう。すると、おれは果たして水俣に行けるのかどうかなということで、毎日時間繰りをしてみますと、五月二十二日までは行けないということで、今悩んでおります。
○馬場分科員 じゃ、その後なら行っていただけますね。
○森国務大臣 はっきり言いまして、参議院選その他が落ちつきましたところで私は考えたいと考えております。
○馬場分科員 その心が一番大切だ。今からほかのことを質問いたしますけれども、どんなことをやったって、患者の心と離れておっては何にも実現できないのですから、そのことをぜひやっていただきたいと思います。 そこで、認定業務について質疑をいたしたいと思うのですけれども、ちょっと非常に長い問題ですから少し古い話をして恐縮ですけれども、昭和四十六年にこの認定についての環境庁事務次官通知が出て、それによって認定をしているのですけれども、昭和四十七年、公害環境特別委員会で当時の大石長官は、こういう認定についての答弁をなさっているのです。約束をなさっています。「私が疑わしきものは救済せよという指示を出したのでございますが、」これは環境庁の事務次官通知にも当たるわけですが、「これは一人でも公害病患者が見落とされることがないように、全部が正しく救われるようにいたしたいという気持ちから出したのでございます。」こういうことをきちんと大石さんが四十七年に公環特で答弁をなさっております。 ところが、四十六年に事務次官通知が出ているのですけれども、五十二年に再び事務次官通知が出たわけです。そのとき私は、公環特で二日間にわたりましてこの事務次官通知についての集中審議を要求して実現し、私も延べ三時間以上またやりました。その認定促進についての集中審議のまとめとして、当時の山田環境庁長官から政府の統一見解というものを出してもらったわけです。その中にも山田さんは、この大石長官の四十七年の発言どおりに認定は実行いたしますということを統一見解としてはっきり実は出しておられるわけでございまして、森環境庁長官が行われる認定についても、この大石長官の発言、山田長官の統一見解、これを踏まえて、これを確認して認定業務をやっていかれるものと思いますが、これはいかがですか。
○森国務大臣 昭和五十三年七月三日ですか、事務次官通達がございました。それにすべては包含されておると理解をしております。
○馬場分科員 実は、大臣も勉強中と思いますが、その通達をいろいろ議論いたしまして、非常に心配な点、いろいろな点があったものだから、それはこうですよという統一見解を出していただいたわけですから、この統一見解を守っていただきたい。というのは、五十二年事務次官通達にはいろいろ考え方の違いがあるのですよ。これは見解の相違がある。だから、議論してその統一見解というのを出したから、その統一見解に従ってやっていただきたいということを今申し上げておるわけでございます。 そこで、認定業務が今、言うならば五千人以上滞留してとまっているわけですね。このとまっている原因について質問したかったのですけれども、時間が余りございませんけれども、このとまっておる、五千人も滞留しておるということの原因は、第一の原同は、この五十三年次官通達以来、環境庁の認定業務というのは患者を切り捨てるのだという患者の行政に対する不信がある。そこで、切り捨てられるような検診は受けないということで、実は検診拒否なんかにも遭っているのですけれども、言うならば、そのことにあらわれておりますように、この認定業務が患者から今信頼されていないというところに、まず第一にこういう認定業務が進まないということがある。第二は、前の熊本県知事の沢田さんが、広い、深い、世界の公害の原点と言われるようなこの水俣病に対する認定の業務は今もう破綻しておる、これではできないというようなことを実は言っているわけです。そういう意味で、今五千人も滞留しておるというのは、皆さん方の行政が信頼されていないということと、今の認定業務の制度、やり方というのが実は破綻しておるのだ、こういうところにあると私は思うのです。そういうことをひとつきょうは長官に御理解をしていただいた上で、具体的に質問をしていきたいと思うのです。 これは事務当局に今から聞きますけれども、特別医療事業というのを何か考えておられるようでございますが、これについて先日、二月二十七日に、熊本の細川知事が熊本県議会で、水俣病について特別医療事業を新年度、ことしの四月からということですが、新年度から実施するため環境庁と最後の詰めを行っておりますというようなことを発言をしております。これについてお伺いするのですが、特別医療事業というのは何ですか。これを実施するのですか、しないのですか。実施するとすれば、何のために特別医療事業というのをやるのですか。その事業内容というのはどういうことですか。これに対する予算はどうなっているのか、あるいはどういう人を対象者にするのか、どのくらいの人間をこれでやるのか、そういうことについて検討しておられるのかおられないのか、その真偽のほどを含めて特別医療事業について、時間がありませんから、これはひとつかいつまんで答弁していただきたいと思うのです。
○目黒政府委員 特別医療事業につきましては、これは水俣病の認定審査に当たりまして、水俣病とは判断されない者の中で一定の医学的要件を満たす者に対しまして、医療費の自己負担分を補助するという事業でございます。現在、今先生御指摘のございましたようなこの事業の対象範囲等の実施の詳細につきましては、関係方面と検討、調整を進めているところでございます。私ども、六十一年度から実施するということに向けまして、鋭意今努力をしているところでございます。
○馬場分科員 ちょっとよくわからないのですけれども、水俣病と判断されないような人を対象に今、四月からの事業に向けていろいろ内容については鋭意検討しておるのだということの御説明があったのですが、ではもう少し詳しく聞きますと、水俣病認定審査会で今やっておりますのは六つありますね。例えば、水俣病であるというのが第一、水俣病の疑いがあるというのが第二、第三は水俣病を否定し得ないというグループ、第四は水俣病でないという判断、第五はどっちともわからないという判断、第六は今から要観察、要検診、もう一遍検診する必要がある、この六つの分類に分けて今審査会が答申を行っておるのですが、今のあなたがおっしゃった判断されないというのは、一、二、三、四、五、六のどの部分に当たるのですか。
○目黒政府委員 今先生御指摘の分につきましては、恐らくこの考え方については現在保留になっているもの、今先生が六つ挙げられましたものの中の保留になっているものが主としてその対象になるのではなかろうか、こういうふうな考え方をいたしておるところでございます。 しかしながら、先生先ほど来ちょっとお話がございましたが、昨年十月に開催されました水俣病に関する医学専門家会議で、水俣病と診断するには至らないけれども、医学的に判断困難な事例があるということに留意する必要がある、こういうふうな専門委員会の意見がございまして、その後、水俣病対策を幅広い角度から検討するということで、私どもはこういう考え方をとっているところでございます。
○馬場分科員 専門家でしょう、あなた。今保留だというのは、わからないというのが保留ですよ。それから要観察、要検診というのが保留ですよ。それにこういう特別事業、医療手当をやるということは、こいつを切り捨ててその人たちに医療手当をやるということでしょう。 ところが、私が調べたところによりますと、あるいは熊本県が言っているところによりますと、水俣病でないというこの四番に該当する人、いわゆる棄却者について特別医療事業を行うということが出ておるのですが、今あなたの言う保留者ということになりますと、これこそ完全に、今まで保留して調べておったものを、もうあなたは水俣病じゃありませんよといって棄却してしまって、その人に、棄却したかわりにまあかわいそうだから医療手当を上げますよ、まさに切り捨てを促進するために小さいあめ玉を食わせるようなやり方だ、私は実はそう思うのですよ。 そこでもう一つ、これと関連をして裏腹になっていることがあるのですよ。もう一つ聞きますけれども、水俣病認定申請者治療研究事業、いわゆる申請をして一年以上たった人には今医療費が出ていますね。これをあなた方は、検診を拒否している人にはもうことしの六月で打ち切る、こういう指導をしておられるようですが、これは本当ですか。では、いわゆる水俣病認定申請者治療研究事業を六月から打ち切るという指導をしておるかどうか、そこだけ答えてください。
○目黒政府委員 恐らく、治療研究事業に関しまして、今の先生の六月から云々ということにつきましては、熊本県知事の考え方というふうに私ども思っておりますが、この熊本県知事の考え方につきましては、私ども一応理解できるということでございますが、特にそうせよとかしないとかというふうなことについて私ども熊本県に申し上げたわけではございません。現在協議中という範疇に入るところでございます。
○馬場分科員 これは長官聞いていただきたいのですけれども、結局、検診拒否というのは何のために行われておるかということは、時間がないからもうくどくど言いませんが、信頼がないからなんですよ。そして、本当に昭和の初めごろから、昭和三十一年にあるいは昭和二十七年に行政が、このことは実はもう原因がわかっているのだから、手を打ては患者はほとんど出なくて済んだ。それを十二年も引き延ばしてきておりながら、行政に責任があるからという意味で、責任を果たす意味でも、裁判の判定なんかも出ているのですから。そういう意味で、少なくとも治療研究費を出そうということで出してきて責任を果たしている一環ですよ。ところが、検診拒否をしているからといって、おまえら拒否しておればもう治療費は打ち切りますよ。拒否したからといって病気がよくなっているわけではないのですから。その根本的な検診拒否を解決せずして、治療費を打ち切りますよといっておどす。それでは、打ち切られたら困るから申請をする、申請したらさっき言ったことでまた棄却をして涙金を出す。まさにおどしてすかして申請させて、そして今度は棄却をしてしまう。そして最後にあめ玉を食わせる。三十年の今日、こういうような行政をしておっては大混乱を起こすだけですよ。決して解決にはならない。こういうことをはっきり申し上げておきたいと思う。 だから、長官、中身はまだ御存じないと思いますけれども、少なくとも患者さんたちの理解を得て行政をしなければ混乱するだけです。本当に三十年の今日、解決の方向に行くのではなしに、全く後戻りのまた混乱の方向に行ってしまうのは火を見るより明らかなんです。ですから、少なくとも長官にお願いしておきたいのは、患者の理解を得て行政はやりたいというような基本方針をお持ちですか、ちょっとお伺いしたい。
○森国務大臣 患者の理解を得るように私ども一生懸命努力をしたいと考えております。
○馬場分科員 さっき長官が、裁判の判決で負けてはかりおるという話が出たが、まさにそのとおりでございまして、裁判の判決で負けるというのは行政が間違っておるということですよ。例えば、不作為違法でも、これは昭和五十一年の十二月、五十一年ですから、ちょうど十年前ですよ。十年前に認定業務がおくれておるのは行政の怠慢で、これは違法でありますよと判決が出て、控訴しなかったからこれは確定しているのです。十年前に行政の怠慢で違法である、これが今日の認定業務の実態。そして五十八年に、だから、行政の怠慢で、違法で、行政が過失を犯しているから待たせ賃、いわゆる慰謝料を払いなさいというのが第一審の判決で出て、そしてこの間、去年の暮れの六十年十一月二十九日に福岡高等裁判所もそれを認めたわけです。結局、行政が怠けて違法を、過失を犯している、だから慰謝料を出しなさいということで高等裁判所で負けた、これを今控訴しておられるわけでございますけれども、その中に、第一審にも第二審にも、認定業務はこうしなさいという、行政がもう後に下がれないような裁判の判定が出ておる。 それをちょっと申し上げますと、こういうことが書いてある。まず、認定審査会は委員が全員一致で答申しておるけれども、熊本県の条例どおりに、例えば裁判の判決みたいでもいいのですが、過半数で決定するか、各意見があったならばその意見を並列して答申するような工夫、改善の余地があるのではないか。全会一致でやらなければ何もできないのだから、こういうぐあいになっているのだから、やはり多数決にするか、両論併記で審査会は知事に答申してはどうかということ。もう一つは、さっき言った話ですけれども、知事は、認定審査会で水俣病かどうかわからないと出たならば、わからないと答申してもらってはどうか。そして、わからないと来た者については、疫学条件をずっと知事が調べ、その他の資料をもってみずから行政的にその人は知事が判断、処分すべきである、こういうことが第二。第三は、これはもう皆さん御存じと思いますけれども、この補償法によりますと、補償法の認定審査会の委員には法律学者を入れるようなことになっているでしょう。ところが、水俣病の審査会には法律学者が入っていない。お医者さんばかり。だからこの裁判もこう言っているのですよ。補償法で審査会の委員に法律学者を入れることができることになっておるので、医学的見地からの判断ばかりでなく、補償法の目的という見地からも、行政的に判断ができる認定業務の促進を図られてはどうか。結局、法律学者なんかを入れて、医学的判断だけではなしに、速やかに救済するという補償法の目的に従って行政的判断ができるような審査会のメンバーをつくり、運営をしてはどうか。こういうようなことをしていないから知事の過失であって、慰謝料、賠償を払え、こういうことに判定をしているわけでございます。 だから、そういうことで、問題はこのことを実行することが裁判の判決に従うことになるし、目下最大の課題であるのです。それをおどしたりすかしたり、棄却者に対してボーダーラインがどうだとか言ってみたり、おまえら検診しないから医療費は払わぬぞ、そういうような行政では話にならないということを実ははっきり申し上げておきたいと思うのです。 そういうことで、先ほど言いましたように、もう時間がないのですけれども、今の点、この裁判の判決に従うのか従わないのか、尊重するのか尊重しないのか、そこだけ、時間が来ましたから、まず答えてください。
○目黒政府委員 先生御指摘のとおり、幾つかの裁判、訴訟が提起されておりまして、中には行政のあり方について言及しております判決も出ていることは私ども承知いたしております。係争中のものもございますので、いろいろ申し述べるということは現在ここでは差し控えたいと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、環境庁といたしましては、今後とも医学を基礎といたしまして、救済すべきは救済するという観点から、認定業務の促進など、水俣病対策の推進に引き続き努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○馬場分科員 時間が来たわけでございますので、再度長官に申し上げておきたいのですが、本当にこれはもう三十年、四十年、五十年の問題ですし、どちらかというと、熊本県の水俣ではなしに、日本ではなしに、この地球全体から見て、文明という名の人間のわがままがこの地球を病気に侵して、前がん症状というものがこの水俣に吹き出してきた、これが水俣病だ、この前がん症状を今の行政がきちっと片づけなければ、これは広がって地球全体が死んでしまう、そういう代物だと私は思うのです。そういうときに、今日三十年たって今行われようとしておりますこの二つの事業を見ても、これは患者をおどし、すかし、あめをやって切り捨てる、これ以外の何物でもないわけです。そういうことでなしに、裁判の判決が出ているのですから、そういう根本的なところから患者と話し合いながら行政をしていかなければいかぬ、こう私は思うのですが、このことについて最後に答弁をいただいて、終わりたいと思います。
○森国務大臣 馬場先生の水俣病に対する大変な御熱意、三十分の間によく私の心の中に入り込みました。これは環境行政の大変重要な課題であるということはもう百も承知しております。今後とも医学を基礎として、幅広い立場から物を考えてやっていきたいと考えております。
○馬場分科員 終わります。
○武藤主査 これにて馬場昇君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○武藤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。田中美智子君。
○田中(美)分科員 森長官、ちょっとお尋ねしますが、「母は枯葉剤を浴びた—ダイオキシンの傷あと—」中村梧郎というカメラマンが書いた本なんですけれども、これは私は非常に感銘深く読んだ本で、大臣だけじゃなく環境庁の方たちにぜひ一度読んでいただきたいと思うのです。 この中にいろいろ書いてあるわけですが、ベトナムでの枯葉剤がまさに人と環境の絶滅の実験場となったということで、ダイオキシンの被害がどんなにひどいものかということが書かれております。新聞で御存じだと思いますけれども、ベトナムのツウヅウ病院におりますベトちゃん、ドクちゃんという二重体児も、このダイオキシンの結果生まれた子ではないかというふうに言われております。この二重体児を養育していますベトナムのフォン博士などが、アメリカの帰還兵の体からもダイオキシンが出るとか、そういうような問題、それから発達した工業国の人たちの体からもダイオキシンが出るというような研究をしていられるわけです。こういうものを見てみますと、ダイオキシンというのは青酸カリの百倍の猛毒、学者によってはもっと倍数が高いというふうにも言われているものです。 御存じと思いますが、これはもともと人間がつくろうと思ってつくったものではなくて、いわゆる非意図的生成化学物質、まさに悪魔の子のように思わずできてしまったもの、これが人類にとって大変なものだということですので、今、日本の法律もこれをどう取り締まっていくか、どう危険性をなくしていくかという、ぴたっと当てはまる法律というのができていないわけですね。そういう点で新しい問題だというふうに思います。しかし、これは手おくれしてはならない、大変な人類の存続にかかわる問題だというふうに思って、きょうダイオキシン問題の質問をさせていただきたいと思います。 これにも書いてありますし、また新聞報道など当時のものを見ますと、七六年にはイタリアのセベソでイクメサ工場という工場が爆発しまして、ここは大変なダイオキシンの被害になり、町じゅう全部人も払ってしまう。土壌が汚染された。それを知ってか知らないか、その土壌がヨーロッパ各国に持っていかれて、これは大変だというのでまたこの土壌を返すとか、こういうふうなことが起きています。イタリアでは、十年もたちましたのに幼稚園から中学生までの身体検査という中にこのダイオキシンの検査を今でもしているという、毒性がほとんど減っていかないという、非常に減り方が少ないというものです。蓄積されていくわけです。アメリカのミズーリ州のタイムズビーチ、ここではもう二千人の人全部よそへ移し、土地も家屋も全部立入禁止にしてしまうというような形が起きているわけです。 ですから、これは特異な例にしても、日本のような人口密集地でこういうようなことが起きたら大変なことですので、一日も早くこのダイオキシンに対する対策というものを考えていただきたい。そのためには、やはり環境庁がそういう意味では一番総合的にしっかりとダイオキシンの位置づけというのをしていただきたいということを強く大臣に要求したいのですが、一言お答えください。
○森国務大臣 ダイオキシンが大変な毒性を持っているということはよく知っております。また、こういうもの、有害化学物質につきましては、私ども真剣に取り組んでまいる所存でございます。
○田中(美)分科員 五十九年に厚生省が廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議の報告というのを出しています。これは愛媛大学の立川教授やまた諸外国のデータなどを基礎にしてどれくらい日本に出ているかということを想定してやったものが出ているわけです。それが今度、厚生省と環境庁が実際にこみ焼却施設を何カ所かを調査した結果が出てきております。これは私は多少遅きに失したという感じはしますけれども、こういう実態調査をしたということは私は大変評価をしたいというふうに思っているわけです。ですから、それだけに、これは日本最初の調査ですので、いろいろな不十分な点があるにしても一応評価をしたいと思うのですが、これからいかに学ぶかということですね。簡単にこの調査の結果大丈夫なんだというような形で安全宣言をしてしまうというような形にならないように。 これを読みますと、どちらかというと2・3・7・8TCDD、これが一番の猛毒だからというのでこれが中心で、ちょっと出ているけれども非常に少ない、それで安全なんだというふうな感じにとれるわけです。だから、これは確かに2・3・7・8は大変な問題ですけれども、昨年西ドイツでダイオキシン国際シンポジウム、これは五回ほどやられております。世界各国の学者、日本の学者、研究者も行っているわけですが、去年ここでやられましたときには、こういう「ケモスフェアー」というのですか、この特集号ですね、このときのことが出ているわけですが、これでは2・3・7・8だけではなくて、ダイオキシンは七十五種類ある、いやもっとあるかもしれない。七十五種類はあるんだ、これの総量——一つ一つは2・3・7・8のようではないけれども、毒性は余り少ないようだけれども、こういうものが全部複合されたり一緒になりますと、その相乗作用というのは非常に高くなって毒性が出ていくというようなことがこの特集に書かれています。ですから、PCDDで見るべきではないのかというふうになってきている。新しい分野ですから、次々といろいろな研究成果が出て、そして最終的にどれが一番正しいかという観点が出てくるんだと思うのです。ですけれども、今はそこまで来ているわけですから、ちょっと両方とも環境庁の調査も厚生省の調査も2・3・7・8だけにこだわっているような傾向があるのではないか。 それで、PCDDsですね、これのところを見ますと、五十九年の厚生省の調査と、今度のこのことし、六十一年二月に出されました——まとめはもっと早くできていたようですけれども、出されましたこれで見てみますと、PCDDというのは五十九年に出されたときの資料は、立川教授の八百七十という数字を参考にしてやっています。それと比べますと、一万七百になっているということは総量が非常にふえておるということです。これは飛灰のところですね。 それから、焼却灰のところは、立川教授などの基準にしたのは二百六十ナノグラムだったわけですが、これが最高で二千四百七十ナノグラムということで大変にふえている。これはやはり一つ危険の要素としてフォローしてみる必要があるのではないか。2・3・7・8が少ないから安全だ、こういうふうにしないで、これは基準がいろいろ変わってきているわけですから、フォローしてみる必要があるのではないかということ。 もう一つ、排ガスの場合ですね。これは前にはなかったわけですが、これで見ますとPCDDが一万三千六百ナノグラムになっています。それにPCDFs、フロンも一万出ています。これは合計しますと二万三千六百という数字になるわけですが、この数字は非常に高いのではないか。私は何人かの研究者にも伺ってみましたが、ずっと高いのではないかということですので、この点もやはりフォローをちょっとしていただきたいというふうに思うのです。観点をPCDDsでもう一度この調査を見直して、ここから学ぶというふうにする必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○加藤説明員 先生御指摘のように、ダイオキシンはたくさん異性体がございまして、その中で2・3・7・8TCDDが最も毒性が強いということは広く知られているわけでございます。諸外国における検討も2・3・7・8を中心に行われておりまして、最も多くの資料があるということで、私ども2・3・7・8TCDDを中心に置いて評価を行っているわけでございます。2・3・7・8以外の先生御指摘のPCDDにつきましては、異性体によっては2・3・7・8と比較して相当毒性が低いというものもありまして、一律に2・3・7・8の評価指針に照らして評価するというのはどうも現実的ではないのではないかということで、今後それぞれの異性体ごとに毒性に関する知見を整理をしていきたい。そういうことで知見の集積に努めていきまして、将来科学技術の進歩によりまして適切な評価方法等が出てくれば、私ども厚生省といたしましても、環境庁とかそういった関係する省庁と十分連絡をとりながら、また外国でのいろんな諸研究の動向も踏まえまして、いろいろと検討を加えていきたいというふうに思っております。
○田中(美)分科員 将来という考え方が、将来というとあしたも将来になるのかもしれませんが、やはり早急にたゆまぬ努力をしていき、一日も早く新しい観点からも見直していく、そしてフォローする、また調査をしていくということをしていただきたいというふうに思います。 それから環境庁の方なのですけれども、これで水のところですが、放流先の底質というところの最高が一・二五PPb出ている。それから焼却場内の土壌が七九・七六PPb出ているということです。これも、これで見ますと余り問題にされてないように思うのですけれども、これは八三年に、先ほど言いましたアメリカの例にしても、ミズーリ州のタイムズビーチのところでも一pphを安全基準としているのですね。ある研究者から聞きましたら、最近はアメリカの環境保護局で安全基準を一pphに確定しようという動きもあるということです。今までは一応、仮定なのかもしれませんが一pphでやっているのですね。そういうふうにして見ますと、これを超えているものは埋め立てに使わないということにしますと、この底質のところは一・二五ということで、少し超えているわけですね。これはちょっと超えているというところなのかもしれませんが、焼却場内の土壌というのは七九・七六pph、これは間違いじゃないかというぐらいに私は初めちょっとびっくりしたわけです。これはそれこそ飛灰の落ちた土をたまたま拾ったんだろうかというようなほどの驚きを持ったんですけれども、もう一度この点というのを検査し直すとか、もうちょっとフォローする必要があるんじゃないですか。これは環境庁のところですね。
○谷野政府委員 ただいま御質問にございました、私どもの方で調査をいたしました結果につきましては、その資料をお読みいただいたのだと思いますけれども、焼却場内の土壌でPCDDs、これは2・3・7・8TCDDとそれからその他のTCDD以外のPCDDでございますが、それの数字といたしまして一検体七九・七六pphというのが出ているということは御指摘のとおりでございます。(田中(美)分科員「簡単にお願いします」と呼ぶ)それで、今一pphが基準だというお話がございましたが、私どもが知る限りでは、これは2・3・7・8についての数字であるというふうに承知をしておるわけでございます。ただ、そのほかのデータに比べまして、と申しますのは二・一六というデータがもう一つございまして、それと七九という数字はかなり差がございます。こういう問題につきましては、私ども今回の調査ですべてが終わったというふうには思っておりませんので、今後いろいろ検討する際に一つの問題点として念頭に置いていきたいというふうに考えております。
○田中(美)分科員 そういうことがわかっていられるなら、公共用水域の水質保全の観点からダイオキシンについての問題は当面生じていないものと考えられるというふうな評価をするというのはやはりちょっと早計ではないかというふうに思います。私は何かを責めようというつもりで言っているのではなくて、こういう数字が出たというのはおかしいとお思いになっているならば、余り単純に大丈夫だというふうに言わない方がいいんではないか。危険だと言わなくてもいいかもしれませんけれども、もう一度検査をし直してみる、こういう真摯な姿勢というものを持っていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○谷野政府委員 公共用水域につきましては、同じ資料でもございますけれども、水域自体については大変低いわけでございますが、これは焼却場の中の土壌でございますので、これにつきましては何らか特殊な事情があったかどうか、そういうことを含めて検討課題にしたいというふうに思っております。
○田中(美)分科員 今処理施設内だけと言っていますけれども、やはり最終処分場でもほんのわずかにしても地下水にも出ているということはありますので、必ずしもわからないものだけに、そっちの方は大丈夫だと簡単に言わないように、といって私は危ない危ない危ないと言っているわけではないのですが、新しい分野ですから真摯にやっていただきたいというふうに思います。 それからもう一つ、これは両方の調査に共通しているところなんですけれども、ダイオキシンの一日の許容摂取量、ADI、これが〇・一ナノグラム・体重キログラム・一日ということになっております。これは非常に高いのではないか。この基準でもって大丈夫だと言うのはやはりまだ早計ではないかというふうに思うのです。それは、昨年一月オランダで開かれましたWHOの会議のときに、ダイオキシンのADIは一から五ピコグラム程度が妥当だということを言っています。ということは、〇・〇〇一ナノグラムから〇・〇〇五ナノグラムですね。となりますと、これがいいかどうかは別ですが、やはりこっちは高い。それからもう一つ、昨年の九月に西ドイツで開かれました第五回のダイオキシン国際シンポジウム、この内容が「ニューサイエンティスト」九月二十五日号に報告されているのですが、ここに研究者の報告が出ていますが、これでも〇・一ピコグラムぐらいが安全基準であろう、こう言っています。そうすると、これでいきますと〇・〇〇〇一ナノグラムということになりますので、両省の基準の十倍から千倍も厳しい基準になっているわけですね。ですから、こういう基準に当てはめてこの調査をもう一度見てみたらどうだろうかということを考える必要があるんではないか。〇・一ナノグラムが適当であるかどうかということは私もわからないわけですから、非常に疑問がある。もう少しWHOだとかそういう国際シンポジウムなどの資料を学んで、簡単に〇・一ナノグラムだとしない方がいいんではないかというふうに思うのですが、まず厚生省と環境庁がこの〇・一ナノグラムを使ったことと、それからそれは適当ではないのではないかと思いますので、お願いいたします。
○加藤説明員 先生、冒頭にお触れになりましたダイオキシン専門家会議の報告は、昨年の五月に出ておるわけでございますが、この専門家会議は、当時の国立公衆衛生院長であらせられました鈴木武夫先生を初めといたしまして、ダイオキシンに関する影響なり分析なり、我が国の第一級の専門家によって構成され、慎重に検討された結果であるということでございまして、私どもとしては、その結果は十分信頼に足り得るというふうに思っておるわけでございます。 しかしながら、同専門家会議の報告の中でも述べられておりますけれども、この評価指針というのは限られた知見、これはダイオキシンについて先生るる御指摘のようにいろいろな知見が集積中でございますが、限られた知見をもとにいわば暫定的に設定されたものということでございまして、いろいろな科学の知見等によって、必要が生ずれば当然変更するということを前提にされているものでございます。いずれにいたしましても、WHOその他いろいろなところでなされております研究の結果は、慎重に私どもも配慮しながら見守ってまいりたいというふうに思っております。
○林部政府委員 私どもの立場での考え方を申し上げますと、今厚生省の加藤課長からるる申し上げましたように、当時の時点で限られたデータで専門家が御判断をされてお出しになった答えてありますから、これが恒久的なレベルであるとは思っておりません。しかしながら、当時、非常に急がれた事情を背景にしながらも、非常に慎重に御検討された上でお出しになった判断でございますから、あのレベルでは非常に危険だということは私はないと思います。その意味におきましては、今日あの指針を用いて非常に危険であるということはないと思います。その意味では、今回の私どものいろいろな測定結果を見ました場合には、あのレベルから見ても十二分に満足している答えであるというふうに申し上げてもいいと思いますから、その意味では、あのレベルと比較して今回の調査が問題があるかといえば、直ちに問題があるというレベルではない。それは私どもが報告している基調でございまして、いわゆる安全宣言という意味ではなくて、あとはこのレベルがどういうふうに動いていくかというところをいろいろなところで継続して監視をしていく、それはモニタリングと申しておりますが、そういうことで動きを見ていこうというのが基本的な姿勢でございます。
○田中(美)分科員 ちょっと私へのお答えにピントが外れておりますので、私は安全宣言をしたのがいけないとかしているとかと言っているのではなくて、なぜ〇・一ナノグラムを使ったのかと言っているわけで、それはその当時そうだったと言うなら、やはり今加藤さんの方が言われましたように、これはわからないものですので、刻々と変わっていきますので、これも安全なんだ、こういう言い方というのは環境庁としては非常に適切ではないと思います。 時間がありませんので次の質問に移りますが、今度のこれはごみ焼却施設だけですので、早急にやらなければならないことは、やはりごみの焼却施設の今非常に温度の低いものを少しでも高く上げていく、こういうものに改善していくということは今すぐできることです。今安全だから将来ないということはないわけで、動いていっているわけです。立川教授の研究からも人体から出ている、それから、文部省の委託しました樫本教授たちの研究からも母乳から出ているというのですから、どこかから入ってきているわけです。ですから、一回やってみたら安全だった、こういう物の言い方ではなくて、なぜ出ているのだ、真摯な科学者というのはそういう立場から物を見ていかなければいけないのではないか。どこから入っているのだと。そういうふうに考えれば、まず、このごみ焼却施設からも多少出ているわけですから、これの温度の低いものから改善をしていくということにすぐ手をつけていただきたいということが一点。それからもう一つは、今のはごみ焼却施設だけですので、産業廃棄物の焼却施設、こういうものの調査がすぐ必要ではないか。漠然と大気というのではなく、出そうなところというのをまず押さえていくということが一つ。それからもう一つは、一般の工場の煙、これも今環境庁などがやったような調査というのは早急にやる必要があるのじゃないか。この三点について、時間がありませんので簡単にお答えください。
○加藤説明員 まず、私ども所管の廃棄物関係を申し上げますが、まさに先生お触れのように、ダイオキシン問題に適切に対応するためには環境一般の問題として幅広く取り組む必要があるわけでございますけれども、廃棄物処理につきまして、どういうメカニズムでダイオキシンが発生するのか、その排出の実態、発生のメカニズム、それから制御方法、そういったものを十分に研究いたしたいと思っておりまして、実は昭和六十年度から五年計画でこの研究を開始いたしております。ダイオキシン等の発生メカニズム、分解等に関する研究ということで始めておりますので、こういった成果が出次第、必要に応じまして適切な措置をとっていきたいというふうに考えております。
○林部政府委員 結局、先生の残りの二点は、これから私どもが、先ほど申しましたように、どういうところで継続監視をしていくかという問題に帰するかと思います。 その意味では、御指摘のように、私どもは一般廃棄物の焼却施設周辺についてはモニタリングをやっていく、これはもう一つ決まりました。御指摘のように、有機塩素系の化合物が問題になるようなそういう発生源というものを踏まえて、そこが周辺に影響を及ぼしているかどうかというところを調べれば、一般環境の中でリスクが大きいと思われるところを調べることになると思います。そういうところから順に、はっきり影響があるおそれがあるというところじゃない全く普通のところというようなことに段階的に測定を移していく、こういうことで一般環境中のデータを少し蓄積させていきたいというふうに考えております。
○田中(美)分科員 データを蓄積するだけでなくて、調査をきっちりと、データの蓄積も調査の一つですが、進めていただきたいと思います。 それからもう一つは、母乳から出ているという問題なんですけれども、これは樫本教授らの研究の成果を見ますと、やはり初産婦の母乳からは非常にたくさん出ているわけですが、経産婦には減っているのですね。ということは、やはり赤ちゃんに行っているのではないかという感じがするのですけれども、母乳と人体の調査を急ぐ必要があるのじゃないか、どれくらい一体日本人の体に入っているのかということを。今までのわずかな二つの調査では、大体ヨーロッパ、アメリカ並みに出ているということが出ているわけですが、早急にやはり国がもっと力を入れてやっていただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○近藤説明員 私ども、母乳育児推進の立場からこの問題については今後とも十分に注意を払ってまいりたいと考えておりますけれども、環境汚染の指標として母乳中のダイオキシンということについては、厚生省としては当面調査をする考えは持っておりません。
○田中(美)分科員 考えを持っていないということは、ダイオキシンに対する御勉強がちょっと足らないのではないかと思います。 時間になりましたので、最後に四省に伺いたいのです。環境庁、文部省、通産省、厚生省に聞きたいので、森大臣も暖かくて眠たいかもしれませんけれども、ちゃんと聞いておいていただきたいと思います。 ことしの九月に福岡でダイオキシンの国際シンポジウムが開かれます。日本で開かれるということは非常にいいのではないかというように私は思うわけです。これをやはり大切にしていただきたい。そのためにやはり共催をするとか、それから一歩踏み出した後援をするとかということで、日本の研究者に非常に希望を持たせて、国も本腰を入れてきているのだという姿勢が見えるようにしていただきたいということと、それから、日本のこの研究がおくれているとアメリカやヨーロッパに言われているわけですので、やはり世界の研究者に対しても、日本の政府が積極的にこれに取り組もうとしているのだという姿を見せるというために今度の国際シンポジウムに四省が積極的にかんでいただきたいと思うわけです。 嫌みのようになりますけれども、吉永小百合さんが、戦闘機などを買わないで国民の福祉や国民の生活のためにお金を使えと言われたことは非常に日本の国民に受けたわけですが、P3C一機にしたって百七億を超えておりますし、F15も一機百億を超えておるわけです。こういうものに百億出せと言っているわけじゃないのですから、姿勢を見せるという形でぜひ何らかの手を打っていただきたいと思います。各省。まず大臣から。
○森国務大臣 ことしの九月十六日に福岡で国際ダイオキシン会議があると聞いておりますが、これは間接に聞いておるので正式ではございません。非常に関心は持っております。以上です。
○草原説明員 文部省では、学術研究を目的とするような国際会議につきましては、申請がありましたならば内容を十分検討した上で後援名義を出すということにいたしております。この九月に開かれます国際ダイオキシンシンポジウムにつきましても、私どもまだ主催者の方からは特に連絡を受けておりませんけれども、もしそのような御要請がございましたならば、十分に内容を検討した上で適切な対応をしていきたい、かように考えております。
○阿部説明員 通産省としましても、御指摘のシンポジウムにつきましては、内容、趣旨等について十分把握の上、後援等について検討してまいりたいと思います。
○加藤説明員 私どももこの九月にダイオキシン国際会議が開かれることは存じております。また、非公式には例えば後援についての打診があることはあります。しかし正式にまだ御要請がございませんので、正式な御要請を受けた上で検討して適切に対処していきたいと思っております。
○田中(美)分科員 今の問題ですが、これは七三年の化審法の附帯決議にあるわけですが、「縦割り行政の弊害を排除して、有機的連繋を図るとともに、」こういうふうに書いてあります。それは、口でこういうふうに言われてはいはい言ってもなかなかできない。ちょうどこういうときに四省が一緒になって積極的に後援をしていく。森大臣のお答えが一番積極性がないということは非常に残念なんですが、関心を持っているということだけではだめですね。大変な問題ですから、もっと積極的に、長官がこれに対して一歩出た後援をしていく、こういうお答えを最後にいただきたいと思います。
○森国務大臣 積極的にやります。
○田中(美)分科員 では、時間ですので質問を終わります。
○武藤主査 これにて田中美智子君の質疑は終了いたしました。 次に、戸田菊雄君。
○戸田分科員 環境大臣とは就任後初めてお会いしましたので、改めておめでとうございます。 スパイクタイヤ対策について若干質問をしてまいりますが、時間がありませんので問答式になるかもしれませんが御了承いただきたいと思います。きのう関係省からいろいろと事情説明を受けておりましたから、こちらの質問要旨もやっておきましたが、時間がありませんからこちらで言って、もし間違っておる点があったら指摘してください。 関係各省がスパイクタイヤについて非常な努力をされている、この点は私も認めるわけであります。例えば建設省は道路舗装とか構造上の改革、除雪あるいは融雪、清掃等々の改革に向けて大変な努力をされているわけです。しかしそれでも結果的にこの目標は、今の粉じんを大体三〇%低減させようということに尽きているのですね。完璧に粉じんを防ぐというようなところまではまだいっておらない、こういう状況だと思うのです。 それから通産省でもいろいろタイヤの構造その他改革に取り組んでいます。今のスパイクタイヤのくぎをピン抜きして若干本数を減らして、いろいろな業界に対して各般の基準を決めまして、あくまでも実施基準でありますけれども、大体三回ほど改革様式をずっと追ってきたわけです。しかしそれにいたしましても、今まで大体二百本台であったものを百本台に乗せる、あるいは百二十四本のものが百本に減っていくという程度でありまして、まだまだ粉じん公害の要因をなしていることは間違いありません。 そういう状況でありますから、今後の技術革新の中でこのタイヤ構造等について抜本的に変わり得る、そういうものの開発その他に努力をしてもらわなくちゃいけないだろうと思いますが、その一つにスタッドレスタイヤ等々が今浮かんできているわけです。しかし通産省の指摘ですと、そのスタッドレスタイヤでいつでも大型貨物の場合はなかなか耐え切れないという状況があるというような限界があるのですが、こういう点の困難を克服すれば、北海道の大学教授等を含めて各般の調査研究をやっておりますので、あるいはそういう問題についての解決策は何とか見出せるんじゃないだろうかというような気がいたします。ですからこういう面についての多くのこれからの御努力をまたお願いいたしたいと思っております。 それから環境庁、警察庁、自治省、関係省庁それぞれの形でいろいろと努力はされておりますが、やはりタイヤ構造が一番問題だろうと思いますから、そういう点の改革ですね、こういう問題についてやはり大いに努力をしてもらうのでありますが、大体三年後なんですね。粉じん公害が問題になってから既に十年近い、これでは解決にはまだまだ時間がかかるような要因でありますから、こういう点について私は環境大臣に、確かに今各省の連絡会議を持たれていろいろと努力はされている、しかしこれに本格的に取り組むためにはひとつ対策本部をつくって、環境大臣が本部長になって、そして各省の関係者にそこに寄ってもらって一つの機構としてやっていくような、そういうシステムと努力と意気込みが必要じゃないだろうか、こういうように考えるのですが、これは環境庁長官どうでしょう。
○森国務大臣 本問題に関しましては私も大変関心を持っております。一番盛んな時期に仙台を見せていただきたいと思うわけですが、今のお話のことも、とにかく百聞は一見にしかず、一度見させていただいてから結論を出していきたいと思います。ただ、やはり全国的なものでないので公害にならないということだけはひとつ御認識いただきたいと思うわけでございます。
○戸田分科員 ですから、大臣が今前向きの答弁で取り組まれるようでありますが、対策本部を直ちに設置して対応機構を整備する。北海道とか宮城県等は大変先進的な取り組みをやっておりますが、県の努力ではどうしても全体的な規制というわけにはいかぬのですね。だから、国でやるべき段階ではないだろうかと思いますので、そういう対策本部的なものを設置して、環境大臣みずからが責任者になって意欲的に前向きに取り組んでもらう、そういう点の構想はどうでしょう。
○森国務大臣 先ほど申しましたように、ともかく見させていただいて結論を出そうと考えております。ただ、全国的なものでないのでその点がどうかなと思うわけですが、極力先生の意に沿いたいと考えております。
○戸田分科員 四十二年制定の公害対策基本法というのがあります。この第一条「目的」、それから第二条「定義」等々いろいろあります。時間がありませんから申し上げるのは割愛しますが、この一条、二条に本粉じん公害は該当しますね。どうでしょう。
○林部政府委員 これにぴったりかどうかという議論はまだ詰まっていないと思います。ただ、積雪寒冷地域の大都市におきましては、幹線道路の沿道のみならず、市街地の中心の地域においてもスパイクタイヤによる粉じんが相当程度発生いたしておりますし、大気汚染が著しい状況も認められるということがございますから、この基本法上の公害に該当する可能性はあるのではないかという理解はいたしております。
○戸田分科員 一条、二条に該当いたしますという見解ですね。
○林部政府委員 該当する可能性はある、厳密に言えばそういうことだと思います。
○戸田分科員 そうなると、各条項ごとに確かめていかなければいけないのですが、例えば第一条では、国民の生活環境ないしは健康を害するものについては公害の対象として国は具体的な施策をやらなければいけませんということになっているのですね。健康あるいは生活環境、だから、今のスパイクタイヤによる粉じん公害は、これは当然、いわば近代的な公害の一つだろうと思うのです。 仙台等では総合的にいろいろ研究調査を進めておる。最近は人体に対する侵食が非常に多い。東北大学の瀧島教授等を通じましていろいろ検討した結果、十二人の対象者で約九人がそういうじん肺に侵されている。殊に小さい人ほどそういう被害が大きい。これは人畜ともにやられている状況ですから、本粉じん公害はまさに一条、二条に該当するという見解を私は持っているのですが、それはどうでしょうか。
○林部政府委員 私どもは直接健康被害というレベルでの調査をいたしているわけではございませんが、小動物を用いましての長期的な生体への影響ということについてはまだ研究中でございまして、その点については最終的な結論に到達いたしておりません。 今私が可能性があると申し上げましたのは、状況からは該当するという理解はできると思っておりますけれども、ここに全くぴったり当てはまっていると言えるような段階に現在達しているかどうかという点につきましては、率直に申し上げまして、私ども、いろいろな総合的な対策を各省が連携をとりながら進めておりますけれども、この連絡会議自体がこの基本法のここにぴったり当てはまったものであるという合意の上でやっている——恐らくその後の事業者の責務、国の責務、いろいろ出てまいると思いますが、そういうことにも関連するわけでございますが、該当する可能性はあると思います。ただ、責務というものを引き出してくるというところまでこの基本法に基づいて私どもが、各省庁が完全に合意していろいろな対策をやっているというところまではまだ至っていないのではないかという状況を申し上げているわけでございます。
○戸田分科員 詳細に個々的なケースを全部御披露いたして説明すればおおむね納得できると思うのですが、時間はきょう三十分ですからこちらから早口で言っているわけですけれども、そういう状況の中で、認識がそういうことでぴちっとしないと、各省連絡会議その他をやっても、あるいはこれから環境大臣を長として対策本部をとるにしても、熱意のほどが違うのではないかと私は思います。だから、その辺の基本認識をきちっとやっていただかなければならないのですが、これはひとつ要望しておきます。 それとあわせて、本粉じん公害というものは要因関係がはっきりしているのです。これはスパイクタイヤなんです。それによって生じているのです。この点の御理解はどうですか。
○林部政府委員 まさにスパイクタイヤが道路を擦過して、それによって発生するわけでございますから、スパイクタイヤそのものが非常に重要な発生源であることは御指摘のとおりであると思っております。
○戸田分科員 その要因関係ははっきりいたしますね。 そこで問題は、既存の各法律があります。例えば警察庁等の関係で話をしますと、六十一年二月十三日でありましたけれども、「昭和六十年五月以降のスパイクタイヤ問題に関する交通警察の取り組みについて」という通達があるわけでありますが、その中に「交通の方法に関する教則の改訂(六十年八月三十一日付け官報により公布)」途中は割愛いたしますが、「スパイクタイヤは、雪道や凍り付いた道以外の道では、路面の損傷や粉じんの発生の原因となるので、使用しないようにしましょう。」使用者側についてはあくまでも自主規制といいますか、そういった自主的なものとしてこれをできるだけ紹介してくださいということで、一定の通達で対応しているわけであります。 そういう状況にありますけれども、例えば宮城県は条例をつくりまして、六十一年四月一日以降十一月までは全面禁止、十二月以降年を越えて三月末までは、今の道路法あるいは道路交通法等々の兼ね合いから、安全を守るために一つの滑りどめ的なものをやらなくちゃならない。滑りどめというのは何かということになると、スノータイヤ、スパイクつきスノータイヤ、スノーラジアル、スパイクつきスノーラジアル、アイスコンパウンド等の表示をいたしまして、それで滑りどめをしなくちゃならないという指導をやっているのです。しかし、雪とか何か降らないときにはみずから脱着するということで、あくまでも自主規制で指導していく。だから、ずっと統計を見ますと、従前、始まったところは九八%くらい装着しておったものが、最近はいろいろなことで御協力をいただいて、業界の皆さんもそれははかないようにしましょうということで、おおむね四〇%ないし三〇%までずっとダウンをしてきたという状況なんです。 だから、こういう問題についていろいろ努力をされておるのですが、私は国の段階でこういう問題を取り上げて、早期に今言ったような対策本部などでずっと処置をして、国の段階で明確に対応措置をとっていく、こういう姿勢が必要だと思うのですが、その辺はどうですか。
○林部政府委員 国が、各省庁が非常に密接に連携をとってやってきているということは、もちろん私どものやり方についての評価はいろいろあると思いますが、私ども関係省庁としては、課長レベルの連絡会議でありますけれども、かなり綿密にやっておるということは申し上げられると思いますし、対策自体も、札幌なり仙台の大気汚染の状況を見ても効果そのものは少しずつ上がってきているというふうにも言えるのではないかというような向きもございます。 私どもとしては、できるだけ今やっているようなものをさらにいい方向に持っていく、それからまた、自治体のレベルで条例をお決めになってより厳しくやる必要がある地域においては、そういうコンセンサスが得られている地域ではそういう方法でやるという方法もあるのではないか。日本列島は非常に長うございますから、気象条件が非常に違うのでなかなか画一的にはできない。ただ、それぞれの地域地域の特性を伸ばしていくような形では私ども関係省庁もできるだけ積極的に御支援申し上げておるというのが基本的な今までの流れであろうかと思っております。
○戸田分科員 それでは、警察庁の方に一点だけお伺いしておきます。 道交法の中で、第四条でございますが「公安委員会の交通規制」というのがあります。その中に「交通公害」というのがあるのですが、この「交通公害」というのはどういう範囲で考えられますか。
○越智説明員 道路交通法の「交通公害」とは、同法の二条一項二十三号、それに基づく総理府令において定義されておりまして、自動車等の通行に伴って発生する騒音及び振動をいうとなっております。したがいまして、粉じん公害はこの「交通公害」には当たりません。ただ「その他の道路の交通に起因する障害」がある場合には公安委員会は交通規制をすることができるということになっておりまして、「その他の道路の交通に起因する障害」、これには粉じん公害は当たるということで、法律上は交通規制の対象の中であるというふうに解釈しております。
○戸田分科員 ありがとうございました。 時間もありませんからおおむね結論に、あと二点ほどで終わりたいと思うのでありますが、その第一点は、北海道でも学者の皆さんや文化人、弁護士等々、非常に広範な各界各層を含めていろいそろな審議会とか調査委員会とか、これに行政サイドも入って対応策をとっている。宮城県の場合も条例を制定して、先ほど発表したような内容になっておる。そしてなおかつ仙台市なんかもそのために鋭意努力をしている。それから私もスパイクタイヤの党の委員長でございまして、責任者ですが、それで各業界の皆さんからいろいろと意見を聞きました。タイヤの関係の業界の皆さんも、もうそういうことになっていくならやむを得ぬじゃないだろうかということで、ややコンセンサスを得るような段階まで来ている。というのはどういうことかというと、やはりスパイクは禁止体制でいかないとだめじゃないかということなんですね。 だから、例えばこれは前の石本大臣のときですが、彼が現地調査がなんかに行ったときの発表でこういうことを言っているわけです。「きょうは関係省庁が全部ここに来ておられるので、私個人の考えを申し上げるならば、全面禁止ができないものだろうかという気持ちを持っている」こういうことですね。 それから、宮城県のスパイク対策懇談会小委員会、これは県会の中でつくられております。その提言の中で、スパイクタイヤによって発生する粉じんは県民の生活環境に大きな影響を及ぼし、基本的には使用を禁止することが望ましい、としながらも、全面規制するための環境整備、自然的条件の地域差、スパイクタイヤ使用の広域性などの事情から見て、現時点での全面規制は困難と判断している。しかし、原則はやはり禁止でいかない限りはだめです、こう言っているんですね。それから、これは冬季の自粛基準というものがあるわけですが、基本的には禁止することが望ましい、こういうことですね。 それから、この間タイヤ業界の代表の皆さんといろいろやりましたが、札幌市当局もこれは禁止が前提だ、それから北海道庁はまだその限界まで行っておらないようでありますが、その関係者のいろいろ真剣に取り組んできた皆さんというものは、もうその発生要因ははっきりしている、因果関係は。したがって、今後はどういう手法でこれを禁止させるかということに尽きる、こういうことなんです。 タイヤ業界の皆さんも、札幌市スパイクタイヤ問題対策審議会との間で、「札幌市では、条例により、スパイクタイヤ問題対策審議会を設置し、学識経験者、市議会議員、交通運輸業者(含、タイヤ業界代表)、市民代表、市職員等、広範囲にわたる委員を委嘱し、本問題の解決に向けて検討を実施してきた。」「車粉問題解決にあたっては、これを健康影響を含む深刻な都市環境問題としてとらえ、その発生源であるスパイクタイヤの全面禁止を基本的な考え方とする。」こういうことですが、これに対してタイヤ業界も「指向する本問題解決の方向と、ほぼ一致」いたします、こういうことになった。 だから、大体全体の各界のいろいろ取り組んできた皆さんやあるいは行政サイド、あるいは対策委員会構成員の皆さん、あるいは市民、国民ということになりますと、そういう状況まで今来ている。だから、業界自体としても自粛体制に今行っている、こういうのが本則です。 だから、国でこれから取り組んでいかなければどうにもなりません。各自治体ごとに点でやっておっても、これはもう延長何十キロと車が走っておるわけですから、例えば仙台だったら、東北の青森も来るしあるいは秋田も来るし、岩手も来るし、山形も来るし、全部通過していく、何万台とあるわけですから。そうすると宮城県だけが努力してもそういうことにならぬ。しかし、今ようやく東北各六県というものは全部各般のスパイクタイヤ要綱というものをつくって自主規制体制の協力まで行っている。北海道もしかり、裏側、北信越もそうですね、積雪地帯は。大体そういう状況になっている。だから、こういう点からいけば国の方向としても今後目標をどこに置いてやっていくか。いろいろ技術的な操作はありましょう。私どもも今党としては法規制の段取りを衆議院の法制局に依頼をしていろいろと検討しております。その地域的な差もありますし、期間的なそういうものもありますし、いろいろありますけれども、そういうものを全国的に全面禁止体制で国が取りまとめない限りこの車粉公害というものは防止できないということになってくるんだろうと思いますが、そういう方向で政府の関係としても取り組んでいっていただく必要があるのではないか、こういうふうに私は考えますが、これは環境大臣の見解をひとつ伺っておきたい。
○森国務大臣 今のお話よくわかるんでございますが、私は、スパイクタイヤをつくっているメーカーもまたそれを使用している側も、日本人の英知によって何とかして解決していただきたいと考えております。なるべく行政で、法律によってぴしっとやるということでなくてやりたいと私は考えております。
○戸田分科員 私も最初から法規制でもってぴしっと大網をかけるというようなことではなくて、いろいろな各般のコンセンサスを得て、このくらいの被害をこうむっているんだから、そういうものをみんなでなくそうじゃないか、それがためには、こういうことを最大努力はしたけれども、結果的にはやはり何らかの法規制でもってこれを処置せざるを得ないんじゃないだろうかということで御了解をいただく、大臣の方もいろいろと前向きに答弁いただきましたけれども、そのような心意気でひとつ今後の政府の場における取り組みを私は要望しておきたいと思います。 時間もありませんから、あと二点ほど要請をして終わりたいと思います。 その一つは財政負担の問題です。例えば宮城県の仙台を考えますと、十億以上も出していますね。最近、各省ともそういう点について配慮をいただいて、非常に予算面でも私は前進していると思います。建設省であれば、例えば八百二十五億見当、私の理解でいきますと。いろいろな問題で除雪あるいは排雪その他でもって御努力をしている。あるいは環境庁にしましても、当初微々たるものであったけれども今年度予算ではおおむね二百万見当ふえた。いずれにしても二千六百万見当、予算を上積みしてやっておられるということですが、地方自治体もなかなか大変なんですよ。 だからしかるべき方法で、例えば建設省、交付金か何らかの形で助成体制がとれないかどうか。あるいは自治省、これはどうですか。殊に自治省にお願いしたいのは、例えばスパイクタイヤを禁止してやめるということになると、こういうものに対して倒産とか何とかあっては困るのですから、そこはやはり善導よろしきを得て転換をできるような方式、それから一面スタッドレスタイヤをいろいろと慫慂してそれに近づけていくというなら、そういうものに対して税制上の軽減ぐらいは今日できないかというような点について、ぜひ財政上の援助を地方自治体に向けてひとつ御努力を願いたいと私は思うのですが、その点は建設省と自治省からひとつ御返答をいただきたい。
○寺田説明員 お答えいたします。 私どもの方といたしましては、先ほど先生お話ございましたように、道路の除雪に要します費用につきましては、雪寒法に基づきまして国県道につきまして補助率三分の二の補助事業を実施いたしておりますし、舗装、補修につきましては、大規模であるなど一定の基準以上のものにつきまして補助事業を実施いたしております。今後ともこういった事業の拡充を図ってまいりたいと思っております。
○奥田説明員 お答え申し上げます。 積雪地帯におきましては、スパイクタイヤ等によります粉じん対策あるいは道路補修等に要します財政負担が多大なものとなっていることにつきましては十分承知をいたしているところでございます。このうち道路関係の除排雪経費あるいは路面の維持修繕費というふうなものにつきましては、従前から普通交付税なりあるいは特別交付税におきまして適切に配分措置をいたしているところでございまして、それ以外のものにつきましては国の方の検討結果が固まりました段階におきまして、また十分地方の状況等も意見を聞きまして対応してまいりたいと考えております。
○小川説明員 市町村税関係及び地方税関係についてお答えを申し上げます。 実は事業に係ります税につきましては、例えば地方税でございますと事業税というような税がございます。しかしながら、こういう税につきましては、その課税の基礎を国税であるところの所得税、それから法人税に基礎を置いて計算をしているという仕組みになっております関係上、地方税独自での対応というのはなかなか難しいというように考えておるところでございます。 また、減免等の問題についてでございますが、これは自動車その他の課税についてのものであるのか、いろいろ検討してみなければいけないことがあろうかと思いますけれども、やはり現在自動車関係の税でございますと自動車そのものに対する課税として行っているということもございます。そういうような点からなかなか困難なことではなかろうかと思います。 また、事業の税につきまして、いろいろな面で事業の転換その他の関係で税の負担がその時期になかなか難しいというような状況の場合につきましては、地方税法及びこれに基づきます条例の定めるところによって、申請によりまして納期限の延長とか徴収の猶予その他の手続がとれるような仕組みにはなっておるところでございます。
○森国務大臣 先ほどのお答えにつけ加えまして。 今度仙台を見せていただきまして、その後戸田委員長から関係県、市町村長にお会いして、どうするかというようなことを我々はもう一度考えてみたいと思います。
○戸田分科員 ありがとうございました。
○武藤主査 これにて戸田菊雄君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)分科員 国際湖沼環境委員会に関して若干質問をさしていただきます。 まず昭和五十九年七月に成立しました湖沼水質保全特別措置法が昨年の昭和六十年三月二十一日に全面施行となり、環境庁がこの対象湖沼として昨年五つの湖沼を挙げました。手賀沼、印旛沼、霞ケ浦、琵琶湖、それから児島湖、この五つの湖沼を指定されましたが、まずこの湖沼水質保全特別措置法の水質保全計画自身がどのように策定が進んでおるのか、最初にその点から御答弁をお願いしたいと思います。
○谷野政府委員 ただいま御質問にございましたように、湖沼水質保全特別措置法が施行になりまして、昨年九月に今御指摘の五湖沼についての指定の申し出が各都道府県知事からございました。これに基づきまして関係方面との調整を終え、昨年十二月指定をしたわけでございます。湖沼が指定をされますと、各都道府県知事がそれぞれの湖沼につきましてこの湖沼の水質を保全するための総合的、計画的な事業実施のための計画を立てて内閣総理大臣の方に上げてくる、こういう順序になるわけでございます。 現在、各都道府県におきまして計画策定のためのいろいろな準備作業をしていただいておる段階でございます。この準備作業の内容といたしましては、この湖沼水質保全の計画は規制関係、つまり排出についての規制を他の水域よりも厳しくするという規制関係に加えまして、水質改善のためのいろいろな事業を書くことになっておりまして、これらにつきましては、河川管理者等の事業の主体あるいは関係市町村長等との協議を十分いたしませんとその実行が実質的に確保しにくいということもございますので、現在これらの問題について関係方面と連絡をとりながら各都道府県を中心に作業を行っているという段階でございます。 私どもといたしましては、できるだけ早い時期にこれらの作業が各都道府県において取りまとめを終わりまして、私どもといたしまして、国の段階として関係大臣から成ります公害対策会議の議を経て内閣総理大臣の同意という段階になるわけでございますが、そういう段階に立ち至りたいと希望いたしておるわけでございます。
○竹内(勝)分科員 対象指定湖沼として、今私が申し上げました五カ所以外に例えば諏訪湖だとか相模湖、それから宍道湖、当初全部で十カ所、こういうような考え方にあったように私は伺っておりましたが、結果的には五カ所ということになったわけでございますけれども、この五カ所になった理由をまずお述べをいただきたいと思います。
○谷野政府委員 ただいま御指摘がございましたように、この法律は日本でいわゆる湖沼と言われておるもの、例えば〇・一平方キロメートル以上の水面積を持っておるというものが一千以上あるわけでございますが、これらの中から特別に措置を要するものについて指定をして計画を立て事業を実施する、こういう建前になっておりまして、大体どのくらいの数を予定しておるかということが法律制定の段階で御質問がございました。その際に、おおむね十ないし二十程度を考えたいということをお答え申し上げた経緯があるわけでございます。 それで、ただいま例示で御質問にございましたような湖沼もその候補の中に入っておったわけでございます。私どもといたしましては、それぞれの地域の中での計画の熟度というようなものもございます。そういうことを勘案いたしまして、昨年の九月に五つの湖沼についての申し出がまとまって出てまいりましたので、それをいわば第一次の指定ということでまとめて指定をいたしました。その他の湖沼につきましては、今御指摘がございました湖沼の中でも幾つかのものにつきましては、現在指定の申し出をしたいということで、関係の市町村でございますとかあるいは関係の県と協議をなさっていらっしゃるものもあるわけでございます。私どもといたしましては、そのような作業が逐次進みまして、ここ数年の間に順次さらに湖沼の追加指定を行ってまいりたいというふうに考えております。
○竹内(勝)分科員 その残りの分というものは、大体幾つぐらいを考えておりますか。
○谷野政府委員 先ほど申し上げましたように、当初から十ないし二十ということをとりあえずの数字として考えておりましたので、幾つになりますか、その辺につきましては都道府県がお申し出をいただいてからやることでございますのではっきりした数は申し上げられませんが、大体そういう範囲のものが最終的な数になるのではないかというふうに考えております。
○竹内(勝)分科員 それで、琵琶湖に関してお伺いしておきますが、この五つの指定湖沼の中に入った琵琶湖のこの湖沼法の適用、具体的にどういうように推移していきますか。
○谷野政府委員 琵琶湖につきましては、近畿圏全体としての水源地という大変重要な機能がございまして、かねてから特別の法律もございます。また、滋賀県におかれましては水質の保全について格別の配慮をしてこられたわけでございます。そういう実績があるわけでございまして、今回の湖沼法の指定のお申し出につきましても大変円滑にお申し出があったというふうに考えております。また、水質保全の計画につきましても、それらの今までの諸計画がベースになっておりまして、現在そのような諸計画をベースにいたしまして計画を進められておるというふうに考えております。 ただ、湖沼法の場合には流域主義ということをとりまして、滋賀県以外に京都府の一部が琵琶湖の流域になっておりますので、その辺のいろいろな県間の調整もこれからの課題でございまして、それらを含めまして現在計画を煮詰める段階に立ち至っておるというふうに私どもは理解をいたしております。
○竹内(勝)分科員 ここ数年で結構でございます、琵琶湖の汚濁の状況の推移をCODなりBODなりを掲げて御説明ください。
○谷野政府委員 琵琶湖につきましては、昭和四十年代の半ばごろまでは逐年その汚濁が進んでまいりました。CODのレベルではかなり上がってきたわけでございます。これに対しまして滋賀県等におかれましては問題意識を持たれまして、各種の対策を逐次講じられてきたわけでございまして、大ざっぱに申しますと、大体五十年代の初めをピークといたしまして、最近ではCODの値などで見ますと、横ばいか多少改善の兆しが見えるようになってきたのではないかというふうな感じもいたしております。ただ、水質につきましてはその年々で多少年変動というものもございますので、まだ軽々に改善されたということには、多少注意深く見守る必要があるのではないかというふうに思っております。 また、宮栄養化の指標として、例えば燐をとってみますと、昭和五十年代の前半に一度燐の濃度がかなり上がりましたものが、無燐洗剤の普及によりまして燐の濃度というものは大分下がってきておるわけでございます。ただ、まだ私どもが環境基準として定めておりますものに対しましてはもう一息ではございますけれども、特に南湖につきましては超過をいたしておるというのが実態でございまして、なお改善の努力が必要であるというふうに考えております。
○竹内(勝)分科員 今、局長が言われたその推移でございますが、数字で、何でもいいですが、こういった点が若干よくなっているとか、そういったものがもしありましたら、ちょっと挙げてくれませんか。
○谷野政府委員 それでは数字を一、二申し上げますと、例えば南湖の燐の数字でございますが、昭和五十四年には〇・〇三四ミリグラム・パー・リットルという数字がございます。その前の年には〇・〇三五、こういう数字がございまして、そういうレベルであったものが、昭和五十九年には〇・〇二二ミリグラム・パー・リットルというふうに、燐の濃度は低下をしておるわけでございます。 また、CODの濃度につきましては、南湖で申しますと、五十二、三年ごろは四・七とか五・八とか四・四というような数字が年々続いたわけでございますが、五十八年には四・二、三・六、これはいずれも七五%値という大変厳しい数字のとり方をした場合でございますが、というふうに多少の改善の兆しが見えておるというふうに感じております。
○竹内(勝)分科員 それでは、国際湖沼環境委員会に関して具体的にちょっとお伺いさせていただきます。 五十九年八月に大津市で開かれました世界湖沼環境会議が起点となりまして、滋賀県が取り組んできた水質浄化を目指しての、世界共通の悩みを持つ、湖沼を再生させるための国際機関、いわゆる国際湖沼環境委員会、ILECの設立総会が本年二月二十一日、大津市の琵琶湖研究所で行われました。この国際湖沼環境委員会の概要についてまず御説明いただきたいと思います。
○谷野政府委員 ただいま御質問で御指摘がございましたように、一昨年になるわけでございますが、八月二十八日から三十一日まで、琵琶湖畔の大津市におきまして世界湖沼環境会議が開催されたわけでございます。この会議は、いろいろな分野の方がいろいろな国からお集まりになりまして、自由な立場から御議論をいただいた、こういうユニークな会議でございまして、最終的には「琵琶湖宣言」というものが採択をされておりますが、これにつきましても、宣言文案に対していろいろな意見の発表がありまして、そういう形での会議であったわけでございます。たくさんの宣言の中身がございますが、その中で、今後の問題といたしまして「国際的な連絡組織を設置すること。」「湖沼環境問題に関する国際会議を定期的に開催すること。」「「世界湖沼年」を設定すること。」というようなことがそのときの御提案として含まれておったわけでございます。 このような提案を受けまして、滋賀県が中心となりまして、国際湖沼環境委員会というものを設立をされるということで準備をお進めになってきたわけでございますが、ただいま御指摘の、六十一年の二月二十一日に滋賀県の大津市で国際湖沼環境委員会というものが非政府機関として発足をしたというふうに承知をいたしております。この委員会の目的はいろいろとあるようでございますけれども、国際湖沼環境委員会は「開発政策の継続と矛盾させずに湖沼環境の有効な管理を推進する方策をさぐること」を目的とするというふうにうたわれておるわけでございます。 委員会はすべて個人資格の委員から成っておるわけでございまして、十六人の委員のお名前が拳がっております。会長には琵琶湖研究所長の吉良竜夫先生が御就任になり、また委員は世界各国、各地域からの方が御参加になっておりまして、いずれも湖沼に関する科学者の方々であると承知をいたしております。
○竹内(勝)分科員 それでは、五十九年八月二十八日、世界湖沼環境会議、ここが一つの起点になって本年の二月二十一日、設立を迎えた、これに関しての現在までの経過をもう一度御説明いただきたいと思います。
○谷野政府委員 一九八四年の八月二十八日に世界湖沼環境会議が開催されまして、先ほど申し上げましたような御提案があったわけでございます。これを受けまして、滋賀県が中心になられましてどのような形でこれを発足させるかということを御検討になったわけでございますが、国連の一つの機関でございますUNEP寺とも連絡をとられまして、研究者として世界的に著名な方々の個人参加の形でこれを組織するということが、数次にわたりますいわば世話人会のような組織で相談をされたと承知をいたしております。その結果、六十一年の二月二十一日に滋賀県で発足のための会合にこぎつけたということであると聞いております。
○竹内(勝)分科員 それでは外務省にお伺いしておきます。 この湖沼環境の保全、再生、こういうことで、同委員会のテーマでございますが、世界的な関心事であるとはいえ、初の国際機関づくりの課題といたしまして大変御苦労されたやに伺っております。決定したこの事業計画から見ると、国際湖沼環境委員会が今後とも継続して大きく発展していくものと思いますが、この国連環境計画、UNEP初め他の国際機関との連携はどうなっておるのか、その点のコンセンサス、今後の運営上から大丈夫なのか、外務省に所見をお伺いしておきたいと思います。
○馬淵説明員 お答え申し上げます。 今先生御指摘になりました国際機関との連携の問題でございますが、連携の形態といたしましては、国際機関のもろもろの会議への参加の問題、あるいは国際機関が行います事業との協力の問題等があるかと考えられるわけでございます。 第一の会議への参加の問題につきましては、この国際湖沼環境委員会は、今先生御指摘になりましたUNEPの最高の意思決定機関でございます管理理事会、ここにオブザーバーとして出席する資格を既に得ているわけでございまして、発言もできるということでございますので、UNEP側とのいろいろな会議における協力というものが確保されているところでございます。 それからまた、事業実施の上での協力につきましては、今次の設立総会で承認されました事業計画の一つであります地域開発と環境管理に関するワークショップというのがございますが、既に名古屋に本部がございます国連の地域開発センターから共催の申し入れがあったと承知をいたしております。それからまた、その他の事業につきましても、国連環境計画といたしましては、メンバーにもなっておることでもありますし、多大の関心を持っておるというふうに承知いたしております。 外務省といたしまして、これらの国際機関との連携が今後一層促進されるように協力してまいりたいと思っております。
○竹内(勝)分科員 先ほど局長の方から委員の十六名のメンバーに関しての御説明がございましたが、もうちょっと具体的に、どういう国でどんなメンバーであるのか、御説明いただければありがたいと思います。
○谷野政府委員 具体的なお名前は多数でございますので、省略をさせていただきますが、会長は先ほど申しましたように琵琶湖研究所所長の吉良先生、副会長に世界技術団体連盟技術環境委員長のバウアーさん、それからもう一人、カナダの内水面センターの主任研究員でございます著名な学者のフォーレンバイダーさんという方が御就任になっておるわけでございます。そのほか、ヨーロッパから五名、北アメリカから三名、ラテンアメリカから二人、アフリカから一人、UNEPから一人というような、大変広範な範囲から御参加になっておると承知をいたしております。
○竹内(勝)分科員 この環境委員会は今後どのような計画を行っていくのか、その今後の計画に関してお伺いしたいと思います。
○谷野政府委員 何分発足当初の委員会でございますのですべてこれからの問題であるということでございますが、当面の課題として四課題が挙げられておるようでございます。 第一は世界の湖沼データの収集の事業で、世界の主な湖沼についてのいろいろなデータを収集してデータブックを編さんをするという事業でございます。 第二は、トレーニングセミナーの開催事業で、開発途上国等において湖沼環境の管理能力のある人材を養成をする目的でそういうセミナーを催したいということで、先ほど外務省から御説明がございましたが、国連の地域開発センターとの連携のもとに実施をしたいというような計画がございます。 第三はガイドラインの作成事業で、幾つかの特定の水域の計画と協力して、UNEPと連携をとりながらそういう地域のガイドライン作成の事業に協力をしていくということでございます。 第四がニュースレターの発行事業で、本委員会の活動を世界的に知っていただくために、定期的にニュースレターを発行することが計画をされておると聞いております。
○竹内(勝)分科員 今後具体的に運営していく上において最大の問題点と考えられるのは、何でもそうでございますが、財政問題といったものが非常に大事になろうかと思います。先日の国際湖沼環境委員会総会で決定された目的と職務、この第二条第七項に「委員会の目的を推進するために、国際的機関、地方機関、政府機関、研究機関及び非政府機関に対し、協力と財政援助を求める」このようにございますが、まずその財政問題をどのように考えていくのか、どう取り組んでいくのか、最初に環境庁お答えください。その後、外務省にもお伺いいたします。
○谷野政府委員 委員会が活動してまいる上で財政問題が大変重要だということは御指摘のとおりでございます。 この委員会は、世界の科学者によります委員会でございまして、NGOというふうに呼ばれておりますが、非政府機関として発足をしたわけでございまして、そういう枠組みの中で、どのような活動をどのような財政を基礎に行っていくかということになるわけでございます。先ほど事業の計画の中でも、また外務省の方からのお答えもございましたけれども、いろいろな計画をいろいろな機関と協力をしながらやっていくというようなことも、そういう財政問題に対する一つの工夫がなされておるというふうに理解をいたしております。私ども国際問題については詳しくないところもあるわけでございますが、外務省のお知恵もかりまして、今後その問題につきましても十分いろいろな相談に乗ってまいりたいというふうに考えております。
○竹内(勝)分科員 それでは、この国際機関、他の政府機関に協力、財政援助を求めるという意味から、外務省としてどのように取り組んでいかれるか、御答弁いただきたいと思います。
○馬淵説明員 お答え申し上げます。 先ほど、国連環境計画、UNEPとの事業協力、UNEP側も非常に関心を持っておると申し上げたところでございますが、UNEPが行っております諸事業の中でこの国際湖沼環境委員会が行うに適当なものにつきましては、UNEP側としてはこれを委員会側に委託しまして実施したい、そういう希望を有しているふうに承知しております。このような事業の委託が行われましたならば、この委員会の実績を上げる上でも、また財政的な支援の面でも得るところは非常に大きいものと考えておるわけでございまして、先般UNEP側の幹部と懇談いたしましたときも、UNEP側は非常に大きな関心を示しておったというわけでございます。 外務省といたしましては、UNEP側と種々連絡に当たっておりますので、委員会側の要請がありましたら、UNEP側との連絡、あっせん、あるいは場合によっては働きかけというようなことも通じまして、この財政的基盤の強化のために側面から援助していきたいというふうに考えているわけでございます。
○竹内(勝)分科員 時間でございますので、長官、最後に、この国際湖沼環境委員会もそうでございますが、この前、湖沼法も施行段階に入りまして、環境庁といたしまして、人間にとって最も重要なこの水の問題、水だとか空気だとが食べ物だとか、地、水、風、このものが全部環境という問題に最も重要に位置されておる。それは人間の生命につながっていく問題でございます。そういう意味におきましてぜひ環境庁としてこの問題に力を入れていただきたい。まず当面、この水質浄化という問題に関して、日本の山紫水明を守っていくという意味で、長官の御所見を最後にお伺いしておきたいと思います。
○森国務大臣 琵琶湖に限定いたしますと、琵琶湖は千三百万くらいの方々が飲料水にしていると聞いております。人の飲み水がいささかでも健康に害があってはならない、これは生きるための基本だと考えておりますので、環境庁も、挙げてこの点については努力をしていきたいと考えております。
○竹内(勝)分科員 終わります。
○武藤主査 これにて竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。 次に、工藤晃君。
○工藤(晃)分科員 私は、都市における緑地の保全の問題で質問します。 環境庁緑地保全研究グループが五十七年の十月に一つの報告を出しました。この報告の内容は、特に都市地域での緑地の減少というとこみに焦点を当てまして、そして、これまでの施策では大変不十分だ、しかしこの緑が、緑の持つ意義から考えてこのまま減少するのを見逃すわけにいかないと、大変強い決意を述べた点、具体的な墾言をした点、さらに、これから取り上げる緑という概念は、ただオープンスペースというのではなしに、本当にそこに樹林地であるとかそういう植生の緑を私たちは守らなければいけないという問題提起、大変立派だと思って私も敬意を表し、また、環境庁の中にはそういう力があるということを一面では信じながら質問を進めるわけでありますので、長官、どうかよろしくお願いします。 さて、五十一年十二月二十日に自然環境保全審議会から自然環境保全のための基本構想の答申が出されましたが、これはもともと三木武夫環境庁長官が昭和四十八年に諮問されて、それに答えたものであります。私も持ってきておりますが、そこでは、昭和六十年度にここまで達成しなければいけないという目標をいろいろ出しております。昭和六十年度といいますとちょうど今の瞬間でありますから、この達成がどうであったかを今検討するいい機会が来ていると思います。 これについて環境庁から伺うのですが、といって一つ一つ長くお答えになると質問時間も少なくなってしまいますので、これまでいただいた資料から私がおおよそこういうふうになっていると言うことで、差し支えなければ差し支えないと言っていただきたい。 一つは、自然環境保全地域等の指定状況で、目標としては国土面積の二%の六十万ヘクタールという目標であったけれども、これまでのところの達成はそこまでいかず、大体一四・九%である、そういう数字をいただいております。それから、自然公園の指定状況の方はこれと違いまして、国土面積の一五%、五百六十五万ヘクタールに対しまして約五百三十二万ヘクタール、九四・二%というふうになって、こちらは比較的高い達成になっておりますが、今までのこの結果はよろしいでしょうか。
○加藤(陸)政府委員 ただいま先生がお述べになりました数字については、そのとおりでございます。
○工藤(晃)分科員 もう一つこの目標としまして、都市地域における自然環境の保全は、保全目標を、市街化区域面積に対して、その周辺も少し入れるわけでありますが、三〇%以上となっておりますが、こういう目標を掲げた以上、これに対して環境庁としては点検されているのではないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○加藤(陸)政府委員 ただいま先生がおっしゃいます点につきましては、実は先ほどお述べになりました原生自然環境保全地域、自然環境保全地域、都道府県自然環境保全地域あるいは国立公園、国定公園、都道府県立自然公園、これは法律上の根拠も持ちましたいわゆるゾーニング区域でございますので、相当正確に把握もいたしておりますし、促進方についてもそれなりの進め方をしてきておりますが、ただいま先生おっしゃいましたのは、都市計画その他都市造成全般の問題とも緊密に絡む問題でございます。同じ目標といいますか、願望というような面も含めて述べておるものでもございますし、また点検、追跡、なかなか難しい問題でございますので、残念でございますが正確には追跡はいたしておりません。
○工藤(晃)分科員 それでは長官に伺いますが、ともかく五十一年の基本計画が出されてちょうど六十年度という目標になっております今、改めて達成だとか今後どうするかをここでお考えになる必要があるときだと思いますが、その点に関してだけ長官に御答弁願いたいと思います。
○森国務大臣 これから検討いたしまして、ひとつ新たな立場に立って結論を出したい、こう考えております。
○工藤(晃)分科員 ちょっと声が小さくて聞こえなかったが、やっていただけることだと思います。 さてそこで、私は東京の地域について、先ほど言われましたような自然環境保全地域以外のいろいろな地域指定によってどれだけ保護されているのか、例を挙げていきます。 これもすべて国土庁や建設省あるいは環境庁からいただいた資料でありますが、例えば東京の国立公園、国定公園、都立自然公園についていいますと、七万三千五百九十八ヘクタール、十カ所、これは都の面積の三四%と大変多く見えますが、大体一番遠い山地とか丘陵地帯でございますので、ハイキングとか登山に行く地域になっています。もう少し身近なところはどうかといいますと、自然保護地域が面積八百五十八ヘクタール、十一カ所ありますが、自然環境保全法に基づくものはわすか一カ所だけで、これは南硫黄島、この法律そのものが非常に珍しい自然だけを守るという趣旨からこうなってしまっている。あとの十カ所はみんな東京都独自の、革新都政時代に指定したものを合わせてこの面積、これは都の面積に対して〇・四%にすぎないわけであります。それから首都圏の近郊緑地保全区域でありますが、東京都内に関して言うと、三区域で千四百八十ヘクタール、〇・七%、これもどちらかというと遠い地域になります。もっと身近な緑をというところで緑地保全地区の指定、これを見ますと、東京都内はわずか五地区で八十二ヘクタール、全部の〇・〇四%にすぎない、こういう状況になってくるわけであります。 そこで建設省に伺いたいのですが、建設省からいただきました緑地保全事業の民有地買い上げ実績を見ますと、五十五年の十五・三九ヘクタール、五十六年の二十一・九五ヘクタールから、その後減って、五十九年度は八・三三ヘクタールにすぎない。特に予算が五十六年度からずっと減り、抑えられて六十一年度まで至っておりますから、地価の上昇などを考えるとこの買い上げ面積は一層先細りになっていくのではないかと思いますが、どうでしょうか。なぜこういうふうに減るかというと、地価の上昇があり、予算が抑えられていて、しかも三分の一の補助であって、実際にそれを買うために一番負担しなければいけない市町村などが非常に財政が困難である、そういう原因だと思いますが、その点に関してだけ建設省の御答弁を願いたいと思います。
○伴説明員 お答え申し上げます。 そもそも緑地保全地区の買い上げというのは、一定の公益性がございますので一応補償的措置としてやらせていただいておりますが、その買い上げは御希望に応じて買い上げていくという仕掛けになっております。 それで、そもそも緑地保全地区がかなり公益性が強いということで毎年着実にふえておりますけれども、面積がそう多くないという実態の中で買い上げておりまして、予算の制約のために買えないという実態がそれほど生じているわけではございません。買い上げてくれという要望がそれほどないという状況かと思っております。
○工藤(晃)分科員 今私が言ったのは、それだけではなしに、地価が全体として上がるわけでしょう。しかも三分の一しか補助しない。しかも補助の対象が非常に狭められたり事務費も見ないとかあるから、もっと買い上げをやりたいのだけれどもできないという実態があるということを含めて、そういうことも障害になっている、この点をお認めいただいたらどうですか。
○伴説明員 くどいようでありますけれども、買い上げの希望があればそれに応じるという仕掛けになっておりますので、それがそれほどない。それは、そもそも分母になる緑地保全地区がそれほど指定されないという実態も反映してのことだと思います。 ですから、この買い上げ措置だけではなくて、そのほかには、そのまま持ちこたえていただくために固定資産税なり譲渡所得税なり特別保有税、そういった減免措置をあわせながらやっていくということで我々は対応していきたいと思っております。
○工藤(晃)分科員 第一、指定が少ないということもありますし、しかも指定したところで、買い上げをやろうとしても地価が非常に上がっていくという問題で、国がもっと補助を改善すればもっともっと希望が出てくるわけです。希望しにくいようなことをしておいて希望が少ないなんといったって、そんなことだめですよ。 さて、それで長官にもぜひ聞いていただきたいのですが、都市の緑がどんな勢いで減少を続けているか、本当に恐ろしい実態があります。これは東京都の環境保全局から伺いましたけれども、ランドサット衛星で、東京の緑被率は昭和四十七年は六五・〇%、五十八年が六一・六%になっております。例えばこの中で北多摩北部と言われる地域は六〇・五%から四五・八%、この間約四分の一がなくなっている。それから、もっと急速に減っていっているのは都市の中の樹林地なんですね。これは東久留米市の例で言いますと、昭和四十五年、百三十二ヘクタールが六十年には三十・九ヘクタール、十五年間に二三%に減ってしまっている。清瀬が七十二・六ヘクタールから三十四・九ヘクタール、四八%にも減ってしまっている。こういう恐ろしい状況が出てきているわけであります。 そこで私は、前回も部かの各市の市長さん及び理事者の皆さんに集まっていただきまして国に対する要望はどこにあるかと聞きましたら、幾つかありますが、一番上位に来るのは、縁を守るための努力に対して国がもっと積極的な態度をとってくれ、このことなんですね。 東大和市の例を一つ申し上げますと、狭山の緑を守るために、ある地域、蔵敷地域で十ヘクタール、十年間借り上げをやった。芋窪地域で〇・七ヘクタールだけれども二億三千四百万円、これを買わなければならなかった。買い上げた。しかし、これらも全部起債でやった。これは国の補助がありません。最近もその他の地域で自然公園にしようとしていたところの土地所有者が亡くなられたために、七千二百平米の土地の買い上げをやって一億三千七百三十万円で買収したけれども、補助対象になったのはわずか六千万円で、国から来たのは二千万円、都がわずか出したが、残り一億五百万円はみんな市の負担になってしまった、こういうふうに非常な苦労をしているわけです。 そういうことで、緑を守るために、私有地である、相続をする、売ってしまうというときに、国がもっと応援して市が買い上げをするとか、そういうやり方をとるべきではないかということを強く要望しておりますし、環境庁緑地保全研究グループがこういう対策をとるべきだとはっきりと出しておりますね。これまでの問題点としまして、公共的な支出が十分でない、このことから来ているということですが、これはぜひ長官の方で、特に都市の緑を守るために各自治体が非常に苦労していることに対して、国がこういう売られていく土地を保全するための買い上げやその他についてもっと積極的な措置をとっていただきたい、その要望にぜひこたえていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森国務大臣 まず冒頭に、私どもの若い者が緑地保全のためのグループをつくって大変努力しているということで、工藤先生からお褒めにあずかりましてまことにありがとうございます。励みになることと思います。 実は私も、先生申されましたように緑を失っているんだということに対して大変な危機感を持っておりまして、長官になってから二カ月、いろいろと皆さん方の声を聞いたわけですが、意外に熱心なのは家庭の主婦で、ともかく緑を残そうという声が非常に強うございます。これは私は大変将来に希望の持てることだと思います。 私どもといたしましては、自然公園法の適切な運用あるいはナショナルトラスト活動の推進、野鳥との触れ合いを図るための小鳥がさえずる森、自然観察の森等々総動員いたしまして、これから先、緑を少しでも残しておこう、木を一本でも残しておこうということで考えております。先般も玉川上水のあの近辺を見てまいりまして、まだまだケヤキやらいっぱい残っております。日本も、東京も捨てたものじゃないなという感じでおりますので、ひとつ皆さん方の御協力を得て、環境庁長官として緑の保全の先頭に立たしていただきたいことをお願い申し上げます。
○工藤(晃)分科員 ぜひ先頭に立っていただきたいと思います。 もう一つ大変具体的な要望があるのです。さっき言いましたように、これは緑地保全研究グループの方も指摘されておりますけれども、民有地のまま守るというとき、何か経済的な刺激がある、やはり税制というのは一つの大きなかぎになるということでありますし、もう皆さん御存じだと思いますが、五十九年六月に三鷹市議会が満場一致で決議しました中に、「市街化区域内山林の保存に係る相続税猶予制度の創設に関する意見書」というのが出されております。つまり、今特に市街化区域内の山林というと、地価がどんどん上がってきますともちろん固定資産税が上がっていく。しかし、固定資産税の面では各市が非常に工夫して、緑を保存するというはっきりした約束をするならば、その固定資産税を免除するとかあるいはそれに当たる補助をするということをやっている。ところが相続税に関しては、これは自治体として勝手にもちろんやれないわけであります。国の税制であります。こういうので三鷹市議会から出されてまいりましたし、東京都を除いてでありますが、これはすべての政令指定都市、それから仙台市は政令指定都市に今ならんとしているそうで入っておりますが、十一都市農政主管者会議でも、この相続税を農地と同じように二十年間の納税猶予制度をぜひとってほしい。もちろん途中で売ったりすれば、それはそのときがっぽりというか、正常に取ればいい話であって、農地と同様にしてほしい、これはまことに合理的な案だと私は思います。そういうことで、これは既に環境庁にも寄せらていると思いますが、この問題を検討するということを、長官、ぜひ約束していただきたいわけであります。
○加藤(陸)政府委員 先生のお話しになりましたとおり、私どもの方の研究グループではこういう制度的な刺激といいますか、それが必要だということを言っております。特にその文書の中に入っておりますけれども、ナショナルトラスト的土地の買い取り、それなんかの刺激というのも入っているわけでございますが、ただ、相続税のことにつきましては、もちろんこれは直接私どもの方が所管するわけにはまいりませんし、都道府県、市町村においても同じようなことでございますが、そういう要望はいただいております。 ただ、相続税の問題といいますのは、いろいろな相続財産があるわけでございますし、その態様もいろいろでございまして、一概には私ども議論できないと思っておるわけでございますが、一つだけナショナルトラストの関係について言えば、先生にお褒めいただきましたこの研究グループの指摘にも入っておるものでございますが、これの提言にも載っておりますナショナルトラストに関する税制で、先生もおっしゃっておりましたが、所得税とか固定資産税につきましては幸い六十年度で税制措置を実現していただいております。 それから、これはこれからの作業にはなりますけれども、大きい方向としてお認めいただいておりますのが、俗称で言いますけれども、ナショナルトラスト法人に……(工藤(晃)分科員「ナショナルトラストというのは聞いていませんから」と呼ぶ)たった一つ実現したものでございますので先生ぜひ、簡単にいたしますが、税制の面で、相続税の面で免除の道を開いていただいておるということを、ささやかなものでございますが、申し述べさせていただきます。
○工藤(晃)分科員 今、長官は緑を守る先頭に立つと言われましたし、たった一つでは大変寂しい話でありますから、やはり内閣の中においても——これは一つかぎになるのですね、ともかく、さっき言われたこの雑木林とか都市内の樹林地がどんどん失われていく、それはやはり相続になると何億とかかってきて、ここをどうしても売らなければいけない、かぎですから、長官としてこの問題についてぜひ検討されるということだけひとつ述べていただきたいと思います。
○森国務大臣 検討したいと思います。
○工藤(晃)分科員 それではその次に、これはやはり緑の問題で非常に今、清瀬市で問題になっているのですが、日本社会事業大学が特持整備計画ということで清瀬市の中にあります国立療養所東京病院の中の南側に渋谷から移ってくるのです。その面積たるや六万平米あるわけですが、ここは実に見事な緑が育っている雑木林なんです。二千本と言われております。こういうことに対しまして地元では、緑を守るということからいって、なぜこういうことがやられるのか、ぜひこの緑を守ってほしいという大きな運動が既に起きております。 そして、何といっても私自身にとっても納得できないのは、さっき言ったように民有地の緑を守るということが大変難しくて、買い上げをする、固定資産税を免除する、それでしかも相続税をどうするか、こういうことで非常に苦労しているときに、一番緑を守ることのできる国有地にある緑を国の事業としてこんなに大量につぶすということは全く納得のいかないことであります。 そして、東京病院の緑を守る住民の会からは既に厚生省に対しまして何度も要請が出され、ぜひ住民に説明会を持つようにということが要請されましたが、これがいまだに行われておりません。また、六十年十二月二十三日、清瀬市議会の本会議でこの請願が採択されただけでなしに、「現在ある雑木林を残すような形で善処されるよう要望する。」という意見書を決めまして、これも各方面に既に送られておりますし、環境庁にも送られているところであります。 どうでしょうか、この国有地にある緑を真っ先につぶすということは非常に大きな問題があると思いますが、その点について環境庁長官の考えを今聞かしていただきたいと思うのです。 その前に、これは清瀬市が市の独自の事業として、緑を守るためにこういう地域指定をして、そしてここに対していろいろ援助しながら必死になってやっている、この面積が十七万五千平米であります。これは市の中では非常に多い方です。これだけ、十七万五千平米を指定した。そういうことを各市が営々として住民に支えられながらやっているときに、国が先頭に立って国有地の中にある緑を六万平米も一遍に破壊するというのは、ちょっと常識からいっても考えられませんし、緑を守るという立場からいえば最も避けなければいけないことだと思いますが、そういう点につきまして、環境庁にも清瀬市議会から要望が行っていると思いますが、これをどうお考えか、お答え願いたいと思います。
○森国務大臣 きょうはここに大蔵省の国有財産課がだれもおりませんもので、大蔵省によくそのことを話しておきます。
○工藤(晃)分科員 実は清瀬市からは、国立療養所東京病院の雑木林を残すための請願について、「十二月二十三日の本会議で、本請願は採択となりました。なお、議会として、意見書を十二月二十三日付で厚生大臣、大蔵大臣、環境庁長官、建設大臣に送付しました。」とあるので、環境庁長官のところにも行っているはずではないかと思います。
○森国務大臣 私ども環境庁は無視されておりますのかどうか、来ておりません。
○工藤(晃)分科員 そうだとすると、この議会の文書を見ていただいても、届いてないとすると大問題でありますから、これはぜひ明らかにしてください。 さて、次に厚生省に伺います。 これまで厚生大臣に、地元住民千六百四十一名の連署もつけて、六月二十一日、七月十九日、十月二十九日の三回にわたって要請して、こういう計画だ、緑がこうなっていくという説明をぜひしてくれと言っておりますが、いまだに実現できていない、これは一体どういう理由でしょうか。これは大変不誠実だと考えざるを得ないわけでありますが、今後どうされるつもりか。これは厚生省にお願いしたいと思います。
○清水説明員 お答えをいたします。 御指摘のとおり、昨年住民の方々からの要望も受けております。また昨年十二月下旬には、市議会の方からも意見書をいただいております。 私どもも、大学の移転に当たりましては、現在清瀬市に宅地開発等に関する指導要綱というのがございまして、一定の緑地の確保あるいは公園緑地の設置というふうなことが義務づけられておりますので、十分その要綱に沿うよう努力しながら、また市当局とも十分協議しながら、可能な限り現存する樹木というものを大切にするという方向で基本設計を考えていきたいと思っているわけでございます。清瀬市に立地する初めての大学でございますので、十分地元から歓迎される大学でありたいと考えて努力してまいりたいと思います。 御指摘の説明会でございますが、東京都の条例によりまして、中高層建築物を建てる場合には、あらかじめ関係住民の方に計画の周知を図るということが決められておりまして、昨年十月に一応標識は設置したわけでございますが、具体的なレイアウトを含めた基本設計がまだでき上がっておりませんので、この基本設計が確定しましたならば説明会をさせていただきたいと考えております。
○工藤(晃)分科員 それはちょっと、もう去年の早くは六月からぜひ説明してくれというのを、先ほど長官も言われたように、これは住民が今非常に関心を持っている緑の問題で、どうなるか心配しているときに、やれ何とか条例に基づいてでなければ動かない、これは官僚的な態度ですよ。こんなことをやったらだめです。ですから、少なくともこういうことでやりたい、ともかくこれに協力してもらえるかどうかということを率直にお述べになって、では緑を残すためにはこういう方策を考えるとか、どうするとか、それをやるべきじゃありませんか。それをやらないでいればますます不信が募るばかりです。ですから、早く説明会をやるということだけ約束してください。
○清水説明員 御趣旨はよく理解できるわけでございますが、基本設計の確定というものがなければ、どのような緑の保存ができるのかということもはっきりしません。確定前の非常に不確実な案で仮に御説明をいたしますと、非常に無用の混乱を生ずるということもあると思います。したがって私どもは、まずできる限り大学の校舎、講堂その他の施設がどうレイアウトされるのか、その辺のことの確定を見まして、その上で十分御説明したいと考えております。
○工藤(晃)分科員 そういうことでいつまででもずるずる引き延ばすと、余計住民の方は不審に思いますし、特に市議会でそういう決議をした以上、早くはっきりした態度をとらなければだめだと思います。ですから、早くそういう態度を改めることをまず要求します。 時間もほとんどなくなりましたので、最後に一点だけ、大蔵省も来ているので伺いたいのですが、渋谷区の神宮前の用地、これは今の日本社会事業大学があるところです。これは、国有地の民活可能土地として、昭和六十四年度以降の売却予定地に入っていると思いますが、その点どうでしょうか。 〔主査退席、柿澤主査代理着席〕
○川嶋説明員 お答えをいたします。 六十四年以降に売却予定ということになっております。
○工藤(晃)分科員 そういうことで、今度のこの日本社会事業大学の問題は、私はただ厚生省だけの問題とは考えません。国有地の有効活用ということで、原宿にある——私の調べたところでは、今の公表された地価でも一平米五百七十万という大変な土地であります。そしてこの土地の価格は、基準地価でありますが、千五百二十七億円というすごい不動産になっております。こういう土地をだれかが手に入れるために大事な緑を破壊するということが仮に行われるとするならば、重大問題でありますし、大体、国有地の有効活用というときには、緑があるのが有効でないかのようなやり方だと判断せざるを得ないので、この問題はそういう角度からも改めて追及することを述べまして、私の質問を終わらせていただきます。 長官、どうもありがとうございました。
○柿澤主査代理 これにて工藤晃君の質疑は終了いたしました。 次に、藤田高敏君。
○藤田(高)分科員 私はきょうは、公害防止事業団の事業活動のあり方、その内容の改善に絞って、少し質問をいたしたいと思います。 公害防止事業団は、ここから発行しております事業実施一覧表を見ましても、昭和四十年の初頭来、かれこれ、全国で共同利用工場関係だけでも百二十プロジェクト、工場移転用地で百二十八プロジェクト、共同福祉施設関係で三十九プロジェクトと、数えてみますと、この事業活動を通じて地域経済の活性化なり、特に公害防止事業活動を通じて我が国の経済の発展に貢献する活動をしてきたことについては、私はその労を多といたしたいと思います。 しかし、今日、御案内のように全国各地で、事情はそれぞれ違いますが、総じて、いうところの構造不況地域、造船とかアルミとかそういう不況産業に加えて、円高問題で影響を受けておる地域におきましては、大企業自身が今非常な、一種の経営ピンチといいますか、合理化問題に取り組まざるを得ない、そのしわ寄せが、その系列の下請企業、孫請と言われる地方のそういう業界に寄ってきておるわけであります。 後ほど具体的な、代表的な問題を例に取り上げてお尋ねをいたしたいと思いますが、まずとりあえずお尋ねいたしたいのは、今申し上げたように、全国でかれこれ二百四、五十の事業活動をやっておる事業がございますが、今日の情勢の中で、経営危機といえば少しオーバーかもわかりませんが、中小零細企業が経営危機に見舞われつつある地域は何カ所ぐらいございましょうか。この点が一つ。 それと、後ほどお尋ねすることにも関連いたしますので、ここでお尋ねしておきますが、昭和五十五年当時事業団から各組合が融資をしてもらった利子、それと今日時点における利子、並びに財投からこの事業団に融資する場合の利子、同じ年度の比較をまず参考のために教えてもらいたいと思います。
○信澤参考人 お話しのような構造不況業種の多発している地域というのは的確に把握しているわけではございませんが、と申しますのは、全国的にわたっておりますけれどもやや偏りがございますので、その範囲内で申し上げますと、北から申し上げますと、まず函館、それから東京近辺あるいは大阪、中京、九州北部、それから四国では今治、東予、あの近くが、私どもの関係としてはそういう地域だというふうに承知いたしております。 それから金利の点でございますが、現在のお話しの事業に対する金利は五・六五%でございます。対します財投の金利が六・三%、それからお話しの五十五年の状態が、当方の貸付利率が七・三五%、財投の金利が八%、こういう状況でございます。
○藤田(高)分科員 そこで私は、具体的な一つの地域の例を取り上げて質問することの方がより具体的に浮き彫りになると思いますので、愛媛臨海重工業団地協同組合の例をとらしてもらいますが、ここは事業団のお世話になりまして、正式な確定契約は五十七年でありますが、その融資額が約二十五億程度、もちろんこれは決められておりますように二年据え置き、十八年償還で二十年償還、利子は今お話しがありましたようにその当時七・三五で融資をしてもらった。現在は、今御答弁がありましたように五・六五というふうに、たしかこれは私の調べた範囲では、前月の二月の二十四日時点でそういうふうに約一・七%程度金利が下がっている。そうして担保については、工場用地、それから建屋ですね、工場の建物、これはそっくりそのまま公害防止事業団に担保として提供しておる。その上に頭金五%、一五%が定期預金その他有価証券あるいは不動産、こういうものを各組合傘下の個々の企業体が、いわゆる質権ともいうべき形で公害防止事業団にその一五%が取られている。 こういう性格の事業運営をやっておるというのが、これはまあ全国同じようにやっておるわけですけれども、これでいきますともう大変——きょうは率直な言い方をしたいと思うのですが、第一回の払い込みが、ここの場合でいいますと元金が六千五百万に対して金利が八千九百万、ですから、昔から頭より大きなこぶは出ぬといいますけれども、もう第一回とはいえ大変に利子負担が多くて、利子を払うために、公害防止事業団から金を借りて事業活動をやっておる中小零細企業は大変な苦労をしておる。この傾向は住宅ローンなんかでも半ば共通したことが言えると私は思うのですが、きょうはそこまで枠を広げません。 ここへ集約して言いますが、これは率直に言って、七・三五なんていうと非常に個々の企業体としてはえらい。これだけ今日金融が緩んできますと、金利の安い、さっきの制度金融でも五・六五ですか、五・六五ぐらいまで下がっておるわけですから、市中銀行だったら安い銀行へ肩がわりして、金をそっちから借りて、それで高い七・三五で借りているようなところへ返してやった方が、これは事業活動としてはやりやすいわけですね。しかし、そういった自由はきかないというのが今日の状態ですから、こういうことになってきますと、なかなかこれは、大蔵主計官来てくれておるようでありますが、これは大蔵サイドの問題も絡んで非常に難しい問題ではあろうけれども、かれこれ一・七%、約二%の金利差といったら、これはもう中小零細企業にとっては大変だと思うのですよ。 そこで、例えばこの二月二十四日に、昭和五十五年に比べるとここまでこう下がったというのであれば、これから来年の二月二十四日まで一年間この金利が続いたとしたら、実績主義に基づいてこの一年間は、金利の下がった分だけ、もしくはまるまるでなくとも一%以上金利差ができたような場合は、翌年度の金利の支払いのときにその下がった分だけを考慮してやるというか、金利の支払いを減額する、こういうような措置をやはりとってやらないと、中小零細企業は今日の構造不況、円高パンチの中で切り抜けていけないのじゃないか、こう思うのですが、大蔵当局の御見解をひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○浅見説明員 藤田先生には長年大蔵委員会でも御指導いただいてまいったわけで、財政金融の問題点、よく御高承の上で御質問ではございますが、私どもの考え方を御説明させていただきますと、一つは、金融的側面と申しますか政策金融全般に言えることだとは存じますが、事業団もいわゆる金融活動としてこうした貸し付けを行っているわけでございますから、当然のことながらその資金にはコストがかかっておるということで、その調達資金が、固定金利で借りたものを、現在であれば固定金利で貸し付けるという仕組みになっているわけでございますが、これを資金コスト、すなわち、調達コストに変動がないのにそれを既往の分までさかのぼって貸付金利を課すということになりますと、当然そこに新たな赤字が生じるということで、いわゆる金融という面からいえばこれはなかなか不可能な、問題のあることだというふうに今思うわけでございます。 しからば、それをあえて既往の分についてやればどうかという問題もあろうかと思いますが、これはいわば財政的側面の問題であろう。すなわち、いわゆる政策金融の金利の水準、レベルをどういうところに定めるかというような問題といわば同一で、財政負担をしてでも金利を低くするという、その判断の優先順位と申しますか問題がそこにはあるのであろうというふうに思うわけでございます。 これも藤田先生御高承のことでありますが、現下の厳しい財政事情のもとでこういう新たな利子補給という政府交付金を伴う金利をやることがどうかという問題が、その場合当然にある基本的な問題だろうと思いますが、あえて言えば、それと、やはりこれは金融という手段を使っている以上、これ一つにとどまらない、いろいろ制度としての波及の問題があるということも、単に財政負担の多寡だけで論じられない問題ではないか、こういった問題を感じるわけでございます。 それと、一つつけ加えておきますと、しからばこのように金利の変動が激しいことを考えて変動金利のようなやり方もどうかという考え方もあろうかと思うのですが、この場合には、やはり金融でございますので、金利上昇局面におきましては利率の引き上げということもこれはせざるを得ないということになってこようかと思うわけです。そういたしますと、借り受けた者から申しますと非常に不安定な状態に置かれるということになりますので、特に公害防止のための設備投資というようなものは計画的に実施をすることが必要でありますので、そういう意味から、ややここにも困難な問題があるのかな、こういうふうに考えている次第でございます。
○藤田(高)分科員 大変丁寧な御答弁ではありますが、中身のない、悪く言えばいんぎん無礼的な答弁でありまして、大蔵官僚というか、大蔵エリートというのは頭がいいからああいうふうな答弁にならざるを得ないと思うのだが、私も、今おっしゃることは金利体系の問題として、これだけではなくて他にも波及するわけですから、非常に難しいという基本認識はあるわけです。 しかし、公害防止という事業活動を中心にやっておるということと、G5の関係でいわゆる円高がああいう形で人為的、政策的になされて、公定歩合が一回ならず二回もすとんと下がるという政府の政策的なものによって今日の事態が一つ生まれてきておるということになれば、これは全部が全部であればなかなかえらいと思うのですが、企業倒産の憂き目に遭うんじゃなかろうかというところまで追い詰められた事業体を部分的に救っていくためには、今あなたがおっしゃるように、財政的にどうこうと言ってもそれはオーバーな言い分にしか聞こえないわけですよ。私は、財政調整をやってきた建前からいったら、百四十三兆円もの借金をさせた大蔵省が、今ごろこの程度の細かいことで何を言っておるのか、こう言わざるを得ないのですが、これも時間がないから保留しましょう。 ともかくそういう点で、政策金融的な一手段として、いわば緊急避難的な対策として面倒を見てやってもらえないかということが一つ。 それと、時間の関係でそのことに関連をして申し上げますが、今この事業団から融資をしてもらっておる個々の組合、企業家は、返済の充当順位は、利子を支払ってそれから元金、こうなっておるわけですが、今言ったように、一回目の支払いなんかは元金の支払いが六千五百万で利子が八千九百万、こんなに違うわけですから、元金を早く少なくするような手だてをやはり中小企業対策としては考えてやるべきじゃないか。そのためには支払いの充当順位として、元金を支払っていく、そして続いて利子を支払う。ペナルティーの問題も仮にあるとすれば、そういう順位が極端に言えば逆転するくらいな配慮を、この不況期間中だけでも善処するということを、前段の金利の引き下げの問題と関連してぜひ考えるべきじゃないか。 こんなところでこんな例を取り上げるのは悪いけれども、例の撚糸連合会のこの間の四億数千万の汚職事件じゃないけれども、あれなんかは国の一般会計から、これは利子補給だけれども十何年間も設備の廃棄のために無利子で金をかれこれ二千四百億ぐらい入れておるわけでしょう。撚糸の関係だけだったらたしか四百九十億ぐらいだったかな、三十三業種で私の調べたところではかれこれ二千四百億ぐらい一般会計から金を入れておるわけだから、そういう例を引き合いに出せば、今私が問題を取り上げておる程度のことは、財政の資金量からいっても大したものじゃない。不況期間中だけでもそういう形で切り抜けて、そして、公害防止事業団から融資を願って事業活動をやっておる事業体が存続できるような、倒産してしまったらどうにもならぬわけですから、そういう配慮は当然大蔵省を含めて、特に環境庁としても所管省として大蔵当局とこの種の問題について考慮する必要があるんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○森国務大臣 何か大蔵委員会に出ているような気がいたしますが、先生のおっしゃることはごもっともで、今ともかく二百五十円から百七十円近くまで行ってしまったのですから、大不況がこれから来ると思います。そういう意味で、私ども公害防止事業団の関連の省庁といたしますと、他の債権者の皆さんとも話し合ってもらって、やはり国民が成り立つような方法をやっていただくように事業団に私は申し入れをしたいと思います。
○藤田(高)分科員 長官は、長官の経歴じゃないですけれども、民間の会社の副社長なんかもおやりになっておるし、大蔵とか経済企画庁のそれぞれ次官もおやりになったし、大蔵委員長もおやりになったという記憶が私にはあるだけに、今私が言っておることはあなたが一番理解してもらえる大臣だと思っておる、これはお世辞じゃなしに。だから、今のはちょっと聞き取れなかったけれども、私の気持ちはかなり通じたと思うのですけれども、具体的な問題については、公害防止事業団とも相談をして私の質問した方向で善処するということですか。
○森国務大臣 公害防止事業団単独で物を考えるわけにはいきませんもので、公害防止事業団とほかのいろいろな事業団、債権者がありますね、そういったところとの話し合いをしてもらって、藤田先生おっしゃるような解決をしなければ厳しい世の中になるなというのが私の感じでございます。
○藤田(高)分科員 そうすると、返済金の充当順位というものを、場合によっては一定期間まず元金に充当するということを含めて検討してみる、こういうことですね。
○森国務大臣 細部のことは私にはわかりません。そういう気持ちでおるということでございます。
○藤田(高)分科員 好意は、政治家同士だったら非常にわかるんですけれどもね。しかし、やはり今質問しておることについては、私が問題を具体的に提起しておるわけですから、そういう方向も含めて検討する、善処するということかどうか。
○岡崎政府委員 個別の案件の取り上げ方といたしまして、正常な経営の状態のもとでのいろいろな債権債務のルールがございますけれども、それは別にいたしまして、苦境に立ったときの個別の企業に対して、どういうふうな対応を図っていけば中長期的にも債権の保全が図れるかという観点もございますし、経営自体が健全に推移していただくというのが基本でございますので、そういうことを当然の問題意識に置きまして関係者が協議をしていただくというのは申すまでもないわけでございます。 今、長官がおっしゃられましたのは、そういった実情をまず十分とらえて、実情に応じて関係者、市中金融機関もございましょう、あるいはほかの政府機関もございましょう、そういうところとバランスのとれた形でいろいろな対応を図っていくことが適当であろう、先生のおっしゃるような気持ちを込めてそういう具体的な相談を執行していただきたい、こういうことでございます。
○藤田(高)分科員 それでは、念を押しておきますが、私の問題提起は極めて具体的ですから、そういうことも含めて個別の問題については善処する方向で取り組んでいきたい、こういうふうに理解していいですね。
○岡崎政府委員 先生のおっしゃった方法も含めまして、どういう方法が一番適当かということを当事者でよく話をしていただきたい、こういうふうに指示をいたします。
○藤田(高)分科員 それでは、環境庁の企画調整局長の方から事業団に対してもそういう要請をするということでございますから、ぜひそういう方向で——私は無期限にやれというんではなくて、一定のピンチを脱する間だけでも最小限やってもらいたいということを強く要請をしておきます。 それで、時間の関係もありますので次にお伺いしたいのですが、俗に添え担保と言っておる、事業団から工場用地と建物をお借りして、いわばそれを全部担保に入れておる、その上に一五%、冒頭申し上げたように有価証券なり土地といった不動産を担保にとっておる。これは私は大蔵で、二十二年前国会へ初めて出たとき、その当時から中小企業に対して歩積み両建てはやるべきじゃないと言ったけれども、ようやくその点は、委員長も大蔵省御出身ですが、大分徹底してきているとは思いますが、この一五%の添え担保というのは一種の歩積み両建てたと思うのですよ。それをとって公害防止事業団の金庫の中に納めておるわけでしょう。そんなものは返してやって、それを元金だったら元金に返していくというようなことをやれば、むしろ資金が回転して、それが事業活動の活性化にもなるし、税金もふえるし、それこそ財政にも寄与するんだから、この際どうですか、一五%というのは、二重担保的なものは返してやる。そうして個々の企業体は元金の返済に充てていく、そういう方向で奨励策をとったらどうかと思うのですが、どうでしょう。
○信澤参考人 私、政策的なことを申し上げるのはいかがかと思いますが、現在おっしゃるようないわゆる添え担保というものをとっておる趣旨について、御存じだと思いますが、若干御説明させていただきたいと思います。 建ち上がらせた物件については全部担保にいただいておるわけでございますが、事が起こり、それを流通市場で処分をするという場合には一〇〇%の価値は通常ないと言われておるわけでございまして、その率を大体八〇%ぐらいと私ども考えているわけでございます。そのほかに頭金として五%いただいておりますので、債権の保全上やはり一五%程度の別個の補充的な担保が必要である、こういう考えでやっているわけでございます。
○藤田(高)分科員 それは抵当物件としてとっていることがそういう理由でなにしておるので、私の言っていることに対する答弁になっていない。一〇〇%担保をとるなんていう高利貸しみたいなことを考えなさんな。中小零細企業には少しは奨励していくようなことも考えなければいかぬと思う。それはあなた方がつくった土地と工場が、万一倒産した場合それだけのものが丸々返ってくればいいとしなければいかぬですよ。これは極端な例だけれども、融資をしてもらっておる者だって倒産するために事業活動をやっておるのじゃないんだから。だから、私が今申し上げたい中心は、そういう担保で寝させておくよりも、それを個々の企業体に返して、そしてそれを元金だったら元金の返済に充当していけば、さっきから言っておる金利負担も軽くなるし、それによって事業活動も活発になってくるということだから、これは現実的に考慮できる問題じゃないか、私はこう思うのですが、どうでしょうか。
○信澤参考人 まず申し上げておきたいのですが、補充的な担保は、整々と元金の償還が行われました場合には、大体据置期間が二年ございますから、確定契約してから五年目には終わってしまうわけです。ですから、逐次返していっていいわけでありますから、そういう意味では、その範囲内であれば返すということは通常やっておるわけでございます。問題は、それをすぐ支払いの原資に充てるという場合についてどうかということでございます。これも、先ほど環境庁の局長の方からもいろいろお話がございましたけれども、ケース・バイ・ケースで判断をしてやることができるかどうか至急検討したいと思います。
○藤田(高)分科員 理事長の大変誠意の込もった答弁があったわけですが、長官、やはりそういう方向で、今のピンチを切り抜けていくような具体的な施策という手だてをやってやる必要があると思うのですが、責任ある長官としての御見解をひとつ聞かせてもらいたいと思うのです。
○森国務大臣 おっしゃることよくわかります。誠心誠意対処したいと思います。
○藤田(高)分科員 添え担保の問題については、きょうは実は俗に言われる定款じゃないですけれども、譲渡契約書の、十三条の解釈問題を少し普遍的な問題として議論をしておきたいと思ったのですが、時間がありませんので、私が例として挙げた愛媛県の臨海重工業地帯の問題を中心に、これに類するような状態に陥っておる地域については、今理事長がおっしゃったような形で、いわゆる添え担保についても具体的に元金償還に充当するようなことを含めて大至急検討する、結論を出す、こういうふうに理解してよろしいですね。
○信澤参考人 個別に判断して行うことでございますが、考え方については至急検討して結論をまとめたい、こういうことでございます。
○藤田(高)分科員 私が三つないし四つ問題を提起しましたことの中で、難しい問題もありましょうけれども、これは時間的に急いで結論を出すことが必要だと思いますので、ひとつ関係部局の一層の誠意ある取り組みを要望して、質問を終わりたいと思います。
○柿澤主査代理 これにて藤田高敏君の質疑は終了いたしました。 次に、川俣健二郎君。
○川俣分科員 大臣には委員会で毎日のようにお会いしておるのですが、時間がなくてこういう分科会にお邪魔をしたわけです。 本質問に入る前に、今各分科会で非常に論議されておる東京湾の横断橋、これが是か非かという問題は別として、これによって当然環境問題が出てくるわけです。環境行政に非常に前向きに取り組んでおられるという森大臣に対して、私は日ごろも敬意の念を持っておりましたが、その意をますます強くしておるのでございます。大臣の姿勢に対して東京湾の方から吹いてくる風当たりも強かろうと思いますが、今でもああいう姿勢は変わりませんでしょうか。
○森国務大臣 私ども千葉県人は実は成田空港でさんざん苦労しまして、いまだに解決してない。それは何かというと、一番最初のときに地主と農民との話が余り固まらないままどんどん始まってしまったというところに原因があると私は考えております。いろいろ原因があると思いますが、固まらない前にあるいは心と心の話ができる前に工事が始まったということが一番大きな原因だと考えております。今回東京湾横断道で再びああいう成田空港みたいな事件を起こさないように、アセスの問題でも住民感情等の問題でも、十分に話し合いが済んだ後で、気持ちいい格好で、東京湾横断道ができることを祝福できるような格好でやってもらいたい、またやりたいと考えております。 もう一言加えますと、横断道だけじゃなくて、川崎にもあるいは千葉県の方にも、道路はできたわ、そちらが何もできてない、つまり千葉県でいうと、道路ができるだけであとのつながりができてない、そんなところも含めて、横断道の問題というのはもっと幅広に、なおかつもっと真剣に取り組まなければいけない問題があると考えております。 以上です。
○川俣分科員 ありがとうございました。さすが環境庁長官。立場上のお考えだけじゃなくて、成田空港という歴史的な経過を経た大臣であるだけに私も感銘を強くしております。ぜひ今の姿勢と考え方を堅持されて、心よくあれが完成されるように、やはり国民が注目しておる横断橋でありますから、そう願うものです。 そこで、大臣にはしばらくの間、三十分間、事務当局と話をしていることを聞いておいてもらいたいと思います。というのは、狩猟、狩人ですが、狩猟問題というのは予算委員会、分科会を含めて余り取り上げられたことはなかったようでございますが、これも私もどうしても見るに見かねてというか、一つは狩猟期間に対する陳情というか要請というか強い要求が環境庁にされておった。しかも、それは大日本猟友会というだけではなくて、その地区の、特に青森県、秋田県、山形県というところなんですが、それの地区の中心である秋田県知事から正式文書で要請されておるのに、いまだに何ら返事がない。この姿勢というか態度というか、これに私も非常に、いいか悪いか別として、やはり行政の機関なんだから、特に日本の国というのは、狩猟法というのは非常に世界に冠たる規制があります。特に農耕民族で由来を持っておる日本であるが、狩猟民族のヨーロッパにまさる非常に強い規制。それは非常にいいと思います。したがって、それだけにこの四、五十万を数える猟友会の会員が、これだけの規制を経て、認可されて登録されている人方の意見をなぜ聞けないだろうか、こういうところに私は、かねて黙って聞いておりましたのですが、余り例がないそうでありますが、やむにやまれずこの委員会に、分科会に取り上げてみたというのがいきさつでございますが、事務当局と意見交換をしておりますのでしばらく聞いておいてもらってください。 そこで、今の日本の狩猟制度というのは、大体大まかに規制を挙げるとどういう規制がうたわれておるか、ちょっと御答弁をいただきたい。
○加藤(陸)政府委員 非常にいろいろな規制はございますけれども、大きく言いまして、一つは、一番大きな狩猟鳥獣というのを決めまして、とっていけない鳥、けだものとそうでないものというので規制をいたしております。それから二番目には、とっていい時期の問題でございます。いわゆる猟期の問題でございます。それから、だんだん細かい話になりますけれども、猟に使う道具の規制でございます。そのほかにも若干ございますけれども、大きな点だけ申し上げますとそういうところでございます。
○川俣分科員 さらに、認可、試験、認可、登録、こういうようにあると思うのですが、今おっしゃった、いわばとっていい種類、それから時期、期間ですね。さらに猟具、道具というのですか猟具、そして、このような登録なり試験なり規制、そして講習。日本にはどのぐらいあるか、どのぐらいいるか、後で事務当局から言ってもらいたいのですが、今の登録人員がどのぐらいいるものなのか、さらに猟期について特に問題を提起するわけですから、その辺を少し聞かせていただきたいと存ずるのであります。説明員でいいですよ。
○加藤(陸)政府委員 狩猟の免状の交付状況でございますが、五十八年度で三十七万七千四百四十七名ということになっております。(川俣分科員「それから説明員、さっきの期間」と呼ぶ) 猟期につきましては、日本全国のうち北海道と北海道を除いた区域、つまり本州、四国、九州の区域で分かれておりまして、北海道におきましては、結果的に最後どれる時期だけ申し上げますが、十月一日から四カ月でございます。それから本州、四国、九州につきましては十一月十五日からの三カ月となっております。
○川俣分科員 そこで、どういう陳情書が来ておりますか、ちょっと読み上げてみてください。
○加藤(陸)政府委員 今手元に陳情書は持ち合わせておりませんけれども、よく承知をいたしております。 その猟期につきましての問題でございますけれども、ほかのことももちろん陳情は受けておりますが、北海道の時期が早い時期からになっております、終期も早い時期になっておりますけれども。しかし東北地方は、北海道と全く同じというわけではないが、北海道にむしろ近い状況である。それから四国、九州と一緒というのはぐあいが悪いではないか、その辺の工夫がないかという、要約しますとそういう陳情であります。
○川俣分科員 やはりこのほどさように、私のわずか三十分のしかも分科会というこの小じんまりした部屋で質問するというのでしたら、何を質問するかはわかっているわけだから、したがって、その知事からの環境庁長官、前の前の前の、いつごろ来たか、そのあれも全然持ってこないという事務当局の態度を私は責めているのです、この質問をすると言っているのだから。いいですか。 まず先に猟友会のあれを。「環境庁告示第四七号により、北海道の狩猟期間は十月一日から翌年一月三十一日まで、」これは今局長がおっしゃったとおり。「青森県から沖縄県までの地域は一率に十一月十五日から翌年二月十五日までと定められておりますが、東北三県(青森県、秋田県、山形県)日本海側地区における狩猟鳥獣の生息環境等は北海道と同様であり、かねてから、猟期を十一月一日とする改正方を要望しており、これによって全国組織である大日本猟友会の総会においては改正を適当と認め可決しておりますから、東北三県(青森県、秋田県、山形県)の狩猟期間を十一月一日から翌年一月三十一日までと、改正されますよう重ねてお願いいたします。」これは猟友会の陳情。 さらに、知事の方からは、「現在、狩猟鳥獣の狩猟期間は環境庁告示第四七号により、北海道は毎年十月一日から」云々と、さっきと同じようです。「しかし、本県など北東北三県(青森県、秋田県、山形県)地区における狩猟鳥獣の生息環境等は北海道地区と類似しております。 また、狩猟開始日決定の大きな要素となっておりました稲作の作業体系も近年著しい変化が見られ、十月上旬で稲作業は終了している現状となっており、それ以降の狩猟は農作業者への危険はほとんどないものと考えられます。 このようなことから、数年度にわたり、これだって大分前なんです。「東北七県、北海道連合猟友会総会及び大日本猟友会総会」、全国大会ですね。「においても北東北三県の狩猟期間を改正すべきであることの要望が出されて、それぞれ決議された経緯もありますので、北東北三県地区の狩猟期間を実情に合致するよう毎年十一月一日から翌年一月三十一日までと改正してくださるよう要望」しております。 これはどういうことを言っていますかというと、三カ月には変わりないわけですから、北海道は十月一日だから、せめて十一月一日からと——あのまさかりの下北半島と北海道の函館と何ぼ変わる。人間様ならあるいは青函連絡船で来るか飛行機で来るかわからない。鳥でしょう。したがって、あの北海道の隣の下北半島と沖縄というのと一緒くたに猟期を決めておるというのは何が根拠なんです。
○加藤(陸)政府委員 一つには、先生今もおっしゃっておりましたが、地域による気候もございますけれども、鳥は渡ってまいります関係で差をつけたのではないかと思われます。それ以外にも、これは古くからそういうグループの分け方が、北海道とそれから本州、四国、九州というふうになっておったという慣例的な問題等いろいろあったかと思いますが、根拠の主なるものはやはり地域の違いだと存じます。
○川俣分科員 事務当局、言ってごらんなさい。それはいつからの制度なんだ。それを言ってごらんなさいよ、局長にばかりしゃべらせないで。
○加藤(陸)政府委員 まず、時期は明治三十四年以来の制度になっております。それから、その理由の主たるものは、先ほどもちょっと申し上げましたが、狩猟鳥獣の保護、繁殖上の必要性、つまり繁殖期、それから順次渡ってくるという実態、そのあたりが根拠になっておると考えております。
○川俣分科員 随分苦しい詭弁ですが、そんなのは理由にならないよ、あなた。どこかで線は区切らなければならない。箱根峠とかそういうのは区切らなければならないかもしらぬけれども、下北半島と沖縄を一緒くたにしなければならないというのは、明治三十四年の制度そのままにしておくところに問題がある。 これはずっと文献を調べてみると、お互いに皆さんは全部農村出身だろう、この辺の人方は。だからわかるはずだ。昔の農民の農作業と今の農作業とは全然違うんです。全然違うでしょう。ここでもコンバインによる取り入れが四十八年には三〇%だったが今は八〇%。手刈りによる取り入れ、これは前はほとんど一〇〇%たったが、今はゼロなんです。手刈りなんというのは見ることができない。したがって、十月下旬といったら農作業全部終わるというんだ。ところが十一月の上旬になると、皆さん知っているように出稼ぎが全部やってくる。家は囲いをして、漬物を漬けて、母ちゃん行ってくるよと言って来るときにはちょうど雪が積もり始める。東北としてはそのときが一番の狩猟期なんです。そうでしょう。それを全然無視して、そういう考え方をどうしてするのか。 さらに、こういうあれも来ています。ツキノワグマによる人身被害が続発しておる。よく新聞で見るでしょう。狩人さん方のグループにツキノワグマをやってくれと頼む。だけれども、それは無理だ。こういうことで効果的なこともあるのに、何らそれに対する返事もないし、検討もしない。ただにやにやしておる、隣の課長は。けしからぬ。だめだよ。
○森国務大臣 私も昔鉄砲をやっておりまして、もし東北三県を先に許可をするということになると、我々千葉あたりから向こうまで押しかけていくというような事態があるかとも思われます。しかしながら、明治三十四年以来この問題については真剣に検討はされてなかったと思います。研究課題として勉強さしてもらいたいと思います。
○川俣分科員 大臣がそこまでおっしゃられるんでしたら、私も今回はそれで引っ込みますが、やはりこういうように鳥というのはどっちかといったら地域的な利害関係がありますから、東北三県でとらないでこっちに多く来るように、なるべく東北三県はとれないようにしようという根性もあるかもしらぬけれども、そうじゃないんだ。日本の猟友会は、あんまりだ、ひど過ぎる、明治三十四年のそのままにしておくのはひど過ぎる、どんどん南の方に渡ってきて、北東北三県がやるときにはもうほとんど関東に来てしまっておるということをみんなが確認しておればこそ、総会なり大会で確認しておるわけなんです。したがって、大臣、これは大日本猟友会という既成の団体があるわけですから、さっき話ししたように世界に冠たる狩猟法のもとにつくられた制度の中のグループがあるわけですから、ぼこぼこあるんじゃないんだ、これだけは本当にまとまっているんだから、その人方が熱意を込めて言っていることに耳を傾けて、呼んで、じゃどういうようにしたらいいか、東北三県でいいのか、何日からやろうか、こういうような検討をぜひしてもらいたいと思ってあえて申し上げたが、大臣はその辺を検討するということで、実際の狩猟をやっている人方を呼んで、同じテーブルに着いて、九州の方の人もあるいは北海道の人も呼んで、これでいいんだなと、こういう三十四、五万人の合意を得て陳情書を持ってきているということを勘案の上ぜひお願いしたいんだが、もう一度ひとつ局長の方から。
○加藤(陸)政府委員 大臣からもお答えいただきましたので、それの補足になりますけれども、先生今いろいろと御示唆賜りましたようなことを踏まえまして、確かに非常に立派な団体でございますので、私どもいつも接触いたしておりますので、よく相談して、どういうふうにしていくのがいいかというところをも踏まえまして、検討を加えてまいります。
○川俣分科員 どうもありがとうございました。 宮内庁のカモ猟もあるんですが、どういうわけかあの長官から一切行かなくなったというのだけれども、そんなものじゃないんだな。狩猟関係を放ってもいいかといったらそうじゃないんだ。やはり何かあったら環境庁が責任を持たなければならない大臣なので、ぜひ行くことをお勧めするという意味ではないが、それほどかたくなにならないで、やはり狩猟というものは担当大臣としてこの目で見るということも必要であるだけに、何かかわいそうだとかあるいは危ないとかというような状態から環境庁は逃げちゃいかぬと思うのです。むしろ自分で進んで入って行政に当たるべきだと思いますので、あえて申し上げるのでございます。 それから、せっかく環境庁の分科会に入ってまいりましたので、通告しておるのですが、私も森林・林業をやっておるのですが、酸性雨の影響というのがかなり出てまいりました。けさもラジオでしたか、研究機関の先生がコメントしておりましたが、環境庁の対応を残り時間までちょっとしゃべっていただきたい。この質問で終わりますから、どうぞお願いしたいのです。
○杉戸説明員 お答えいたします。 酸性雨の問題につきましては、先生御案内かと存じますが、欧米諸国で最も大きな国際問題として今真剣に取り組まれておるところでございます。かなりの湖沼あるいは森林等で被害が生じておるということを聞いております。 日本におきましては、かつて昭和四十八年から五十年にかけてでございますが、関東一円で非常に酸性度の強いそのような雨によりまして三万人ほどの方が日やあるいは皮膚に刺激を受ける、そのような事件もございました。この事件はその後ほとんど起こっていないのでございますが、これは酸性雨によるものかどうかはちょっと原因ははっきりいたしておりませんが、ほかに樹木とか森林、湖沼でございます、それに対します国内的な顕著な被害というのは現在のところは報告は出ておりません。 しかしながら、昨年、これは大気汚染学会で群馬の衛生公害研究所の方が関東の方の杉を調査されました、その結果の報告が出されました。それは、原因はまだ不明確ではあるが酸性降下物、これは酸性雨も含まれるかもしれませんが、そのほかに窒素酸化物とか硫黄酸化物とかいろいろなものを含めました酸性降下物に起因するのではないかといったような、そんなような一つの調査結果の報告が出ておるのでございます。 それで、環境庁といたしまして、この酸性雨の問題、これは大変重要な問題というような認識を持っておりまして、去る五十八年に酸性雨対策検討会を設けまして、それ以来酸性雨の発生のメカニズムとか、各地におきます酸性雨の実態調査、さらには陸水、土壌に及ぼします生態影響、そのようなところを調査検討いたしておるところでございます。それから、群馬等の杉枯れの問題につきましては、早速ことしになりまして、これは林野庁とタイアップいたしまして調査に取りかかったところでございます。このような調査結果を踏まえまして、私どもさらに適切な対応をとりまして未然防止に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○川俣分科員 ありがとうございました。
○柿澤主査代理 これにて川俣健二郎君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、総理府所管(環境庁)についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○柿澤主査代理 それでは、農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。羽田農林水産大臣。
○羽田国務大臣 昭和六十一年度農林水産予算について、その概要を御説明申し上げます。 各位の御協力を得て御審議いただくに当たりまして、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。 申すまでもなく農林水産業は、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料の安定供給を初め、健全な地域社会の形成、国土・自然環境の保全等、我が国経済社会の発展や国民生活の安定のため、重要な役割を果たしております。 翻って農林水産業を取り巻く最近の情勢について見ますと、食料消費の伸び悩み、経営規模拡大の停滞、担い手の高齢化などの諸問題に直面しております。また、行財政改革の観点から、効率的な農政の推進が求められるとともに、諸外国からの市場開放要求が依然として絶えないという状況にあります。 このような状況のもとで、一億二千万人に及ぶ国民に食料を安定的に供給するためには、国内で生産可能な農産物は、極力国内生産で賄うという方針のもとに、担い手の育成、農地や水資源の確保、技術の向上を含めた総合的な食料自給力の維持強化を図ることが肝要であると考えております。 この場合、次の時代に農林水産業を担う若い人たちが誇りと生きがいを持って農林水産業に邁進できるよう、産業として魅力ある農林水産業を確立していくことが重要と考えております。 また、農林水産業の役割や施策内容等について、広く国民の理解を得るための努力を積極的に行い、信頼される農林水産行政を確立してまいりたいと存じます。 以上のような基本的考え方のもとに、二十一世紀へ向けて、将来への明るい展望が開ける農林水産業・農山漁村の実現を図るため、所要の予算を計上したところであります。 昭和六十一年度一般会計における農林水産予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて、三兆一千四百二十九億円となっております。 予算の編成に当たりましては、厳しい財政事情のもとで、財政及び行政の改革の推進方向に即し、限られた財源の中で、各種施策について、予算の重点的かつ効率的な配分により質的充実を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開するよう努めたところであります。 以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 以上であります。
○柿澤主査代理 この際、お諮りいたします。 ただいま羽田農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略いたしまして、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柿澤主査代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔羽田国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、予算の重点事項について御説明します。 第一は、土地利用型農業の体質強化を目指した構造政策等を推進することであります。 このため、農業生産基盤の整備につきまして、生産性の向上及び農業生産の再編成に資する事業等に重点を置いて推進することとし、八千六百八十億円を計上しております。また、土地改良事業の促進を図るため、国営土地改良事業の財源として借入金を活用する制度を拡充し、従来の一般会計における国営土地改良事業の都道府県の負担分について財政投融資資金を充てる制度改正を行うこととしております。 また、農用地の有効利用と経営規模の拡大を図るため、新たに、構造政策推進会議の設置、農地の改良等に必要な資金の貸し付け等を行うとともに、新農業構造改善事業等関連施策を推進することとしております。 第二は、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開を図ることであります。 このため、水田利用再編第三期対策を引き続き推進し、地域の実態に即した転作の一層の定着化を図るとともに、統合・メニュー事業であります新地域農業生産総合振興対策及び畜産総合対策につきまして、新たな事業種目を追加してその推進を図ることとしております。 また、農業者の自主的な創意工夫を活かしつつ、農業経営基盤の一層の強化を図るため、六十年度に引き続き、農業改良資金制度の拡充を行うこととしています。なお、その貸付金の財源に充てるため、日本中央競馬会の特別積立金のうち三百億円を、六十一年度及び六十二年度の二年間に分けて、農業経営基盤強化措置特別会計に特別納付することとしております。 このほか、種苗関係業務を一体的・総合的に実施する種苗管理センターを設立することとしております。 第三は、技術開発の推進等により、農林水産業、食品産業等の生産性の飛躍的向上等を図ることであります。 このため、産学官の連携強化による総合的なバイオテクノロジー先端技術の開発を推進するとともに、民間における技術研究を推進するための法人として、生物系特定産業技術研究推進機構を設立することとしております。 また、情報化時代に対処して、農林水産情報システムの開発・整備を推進することとし、特に六十一年度においては、新たに、農村地域等における先駆的、モデル的な情報システム化構想を樹立することとしております。 第四に、農林水産業にいそしむ人々が、意欲と生きがいを持てるような活力あるむらづくりを推進するため、農業・農村整備計画の策定、生産基盤と生活環境の一体的な整備、山村等における定住条件の整備等を推進することとしております。 第五に、国民に健康的で豊かな食生活を保障するため、日本型食生活の定着促進を図ることを基本として、各般の食生活・消費者対策を推進するとともに、農林水産物の需給と価格の安定に努めます。 また、食品産業の技術水準の向上や地域食品の振興を図るとともに、食品流通の効率化を進めてまいります。 以上申し上げましたほか、国際協力、備蓄対策を推進するとともに、農林漁業金融の充実、農業者年金制度、災害補償制度等の適切な運営等に努めることとしております。 第六に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 まず、森林・林業、木材産業をめぐる諸情勢に対処して、その活力を回復させるため、森林・林業、木材産業活力回復緊急対策を実施し、これにより、木材需要の拡大、木材産業の体質強化及び間伐等林業の活性化を推進することとしております。これに要する予算として、六十年度補正予算で四十億円、六十一年度予算で八十億円を計上しております。 また、国土の保全と林業生産基盤の整備を図る観点から、治山、造林、林道の林野関係一般公共事業を推進することとし、二千七百九十四億円を計上しております。 さらに、国産材供給体制の整備、林業担い手の育成確保、松くい虫対策等を推進するとともに、国有林野事業の経営改善を強力に推進することとしております。 第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興を図るため、漁業生産基盤たる漁港、沿岸漁場等の整備を計画的に進めることとし、一千九百三十二億円を計上しております。 また、我が国周辺水域の漁業の振興を図るため、新たな観点から二百海里水域の開発を進めることとし、産学官の連携による「マリノフォーラム二十一」を通じた先進的技術の開発等を推進するとともに、栽培漁業、新沿岸漁業構造改善事業等の推進を図ります。 さらに、漁業経営をめぐる諸情勢に対処して、漁業経営再建資金の創設を初めとする水産業経営対策の充実強化を図るとともに、水産物の消費・流通・加工対策、海外漁場の確保等を推進することとしております。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 まず、食糧管理特別会計につきましては、米の政府売り渡し価格の引き上げ、管理経費の節減等食糧管理制度の運営の改善合理化に努めることにより、一般会計から調整勘定への繰入額を二千九百六十億円にすることとしております。また、過剰米の処分に伴う損失を計画的に補てんするため、一般会計から国内米管理勘定へ六百七十七億円を繰り入れることとしております。 このほか、現行の特定土地改良工事特別会計につきましては、前に述べました国営土地改良事業の実施制度の改善に伴い、名称を国営土地改良事業特別会計とするとともに、農業共済再保険等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画につきましては、新たに設立する生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資三十八億円を含め、総額八千六百二十一億円を予定しております。 これをもちまして、昭和六十一年度農林水産予算の概要の説明を終わります。 —————————————
○柿澤主査代理 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○柿澤主査代理 質疑に入るに先立ちまして、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。
○渡部(行)分科員 ただいま大臣の御説明がありましたが、それで、農林水産関係予算というものは昨年度と比べてどのくらい減っておるのか明らかにしてもらいたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 前年に比べまして全体で千五百七十九億の減額ということになっております。
○渡部(行)分科員 これは後から問題にすることにしますが、今とりあえず最初は林野庁にお尋ねします。 林野庁長官は、これからの林野行政をどのように進めるおつもりなのか、その基本的な点について御説明願いたいと思います。
○田中(恒)政府委員 森林の重要性につきましては申し上げるまでもないようなことではございますけれども、重要な木材等の林産物を供給するのみならず、国土の保全、水資源の涵養、あるいは大気の浄化、保健休養の場の提供等の各般の公益的な機能を有しているところでございます。このような機能が健全な林業生産活動を通じまして森林が適正に管理されることによりまして初めて高度に発揮される、したがいまして、森林のこのような効用を期待するためにも、森林・林業の果たしておるこのような重要な機能につきまして国民の幅広い御理解をいただけるように努めながら、各般の政策を遂行していかなければならない。 多少その施策につきまして具体的に申し上げますと、まずは、木材の需要拡大でありますとか、林業生産基盤の整備、林業地域の活性化を図ること。それから、国産材につきましては、主産地の形成と林業の担い手を確保することあるいは当面急務であります間伐対策を推進すること。基盤整備の治山事業を推進するなどなどの施策の積極的な推進に努めているところでございます。特に六十年度からは、活性化の五カ年計画と申しております森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画を実施することといたしておりまして、これらの諸施策を推進いたしますことにより森林・林業の振興を積極的に図ってまいりたいと考えているところでございます。
○渡部(行)分科員 趣旨は非常に御立派でございまして、ぜひそういうことが実るようにお願いしたいと思います。 そこで、昨年営林署の統廃合がありまして、その中に私の選挙区である猪苗代営林署が若松営林署と喜多方営林署に分割統合されて猪苗代は廃止されたわけでございます。こういう政策の変更を通して、営林署というものがいかに地域住民と密着しておるかというのを私は肌で感じられたと思うのです。ですから、偉い人が外からあるいは高いところから眺めているような営林署とはおよそ違って、営林署というのは地域の住民に全く溶け込んだ、そして支えられた形になっているんだということを改めて認識されたんじゃないかと私は思うのです。そういうことで、これからこの廃止された営林署、特にそういうところはサービスの低下とかいうことのないようにしなければならないと思うわけでございます。 そういう点で、この猪苗代営林署にはいろいろな問題が山積していたわけであります。例えば具体的に言うと、猫魔が岳スキー場とか、秋元湖が鉱山跡の土砂崩れのためにだんだん浅くなっていくとか、あるいはそのために漁業組合からの苦情が出ておるとか、その他いろいろ観光施設等についての問題が出されておると思いますが、こういうものを今後どのように手当てをし、その事後対策を進められるのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
○田中(恒)政府委員 本年度におきましても猪苗代営林署を含みます九営林署の統廃合を計画いたしまして、この三月一日にそれぞれの個所におきまして、大変しめやかと達しますか、しずしずと閉庁式とか統合式を終えることができまして、その間関係各方面の方々に大変いろいろ御心労をおかけ申したわけでございますが、ただいま無事閉庁式、統合式等を終えたわけでございまして、その間のいろいろの御支援に対しましても御礼を申し上げたいと思います。 お話のございました猪苗代関係につきましても、喜多方、若松両署への分割統合を計画いたしたわけでございますが、いろいろとこれまで営林署がありまして果たしておりました各般の便益、あるいは地元からの国有林活用に対します要望等がございまして、それらにつきましては統合にかかわりませず、むしろ統合によりましてそういうものにつきましてもきちんと積極的な対応をすべきものはいたしたいと考えておりまして、一つにはスキー場の開設要望がございまして、相当な保安林のかかわります大面積の問題でありますので、いろいろ計画との調整も含めまして現在鋭意検討を深めておるところでございます。 それから鉱山跡地の災害につきましては、これは国有林側も被害者となっておるところでございまして、現在、仙台の鉱山保安監督部でございますか、通産局と福島県にも入っていただきまして、借り受け者が現在全くそういう跡地整理の力を持っていない状態にもなっておりますので、そういう状態を踏まえまして、どのようにしてさらなる災害を防ぐことができるか、仙台通産局、県、営林局、三者でいろいろと協議を進めておるところでございます。 なお、御案内のように、あの地域は大変観光資源にも恵まれておりまして、地域の発展のためにも開発は大変重要でございますので、統合が行われましても、新しい署におきまして、それらの御要望をきちんと受けとめまして、いろいろなお話し合いは積極的に応じてまいる、そういう姿勢でおるところでございます。
○渡部(行)分科員 これは長官が大変人柄として立派なためか、割とその地域から協力された点もあるわけですが、ひとつ廃止された後の始末で、なるほど営林署は血も涙もあるわいと思われるように後始末をきちっと、むしろ充実させるというような方向でお願いしたいと思います。 それから、次に、時間ですので移りますが、アフリカ救援米についてですが、これは昨年実施しまして、その効果についてはどのような効果が期待されたでしょうか。期待どおりにいったかどうか、お願いします。
○関谷政府委員 昨年のアフリカ救援米でございますが、実施状況今まとめ中でございますけれども、現在まとまったものでは、面積で約二百七十九アール、生産者の万三十六人、生産数量が約十三トン半ということでございまして、これ自体はそう大きい数量ではございませんけれども、やはりこういう形で、アフリカに対する救援という形で生産者の方々の一種の自主的な御努力によってそれなりの成果も上がっておる、こういうことで、私どももこういう仕事の動向はこれからもよく検討してまいりたい、かように思っております。
○渡部(行)分科員 アフリカ救援米は、アフリカに行ってからはどうなんですか、喜ばれたのですか。どのような使われ方をしたのでしょうか。
○関谷政府委員 これは向こうの国に参りました後は、こちらから出しております全日農、中央労農会議と向こう側の受け入れの機関との間で話し合いがされておるわけでございまして、私ども、アフリカの向こう側の国に参りましてからどういうような形で実際にこれを必要とする方々の手にまで渡っておるか、この反応まではまだはっきり把握していないような状況でございます。
○渡部(行)分科員 今地球上で飢餓に苦しんでおる国民というのは一体どのくらいあるのでしょうか。
○鈴木説明員 お答えいたします。 最近FAO、国際連合食糧農業機関というところで発表しております世界食糧調査報告というのがございますが、これによりますと、一九七九年から八一年の期間における世界の栄養不良人口、これは必ずしも飢餓人口というとらえ方をしておりませんけれども、大体同じだろうと思いますが、栄養不良人口が三億三千五百万人から四億九千四百万人ぐらい、これは世界の総人口の一五%から二三%程度という推定が出ております。 また、先ほどのFAOによりますと、現在特に食糧不足の深刻な国といたしまして、アフリカを中心に十一カ国が挙げられております。この中には、エチオピア、モザンビーク、スーダン、カーボベルデ、バングラデシュ等が含まれております。
○渡部(行)分科員 そこで、これらの栄養失調に悩んでおる人たちに、少なくとも栄養失調にならないくらい食糧を与えていくには、どのくらいの量の食糧を与えたらいいのでしょうか。
○鈴木説明員 お答えいたします。 これもFAOの数字でございますけれども、一九八六年度の、これはアフリカだけの数字でございますが、外部依存必要量の見通しは商業ベースの輸入を含めて六百五十七万トンという数字が出ております。
○渡部(行)分科員 そうすると、日本で送ったのが十三トン半では、これは焼け石に水なんですね。しかもこれがいい方向に効果が出ておるとすれば、私は、もっとふやす必要があるのじゃないか、これを全部減反の田を対象にして、今草の生えておる農地というものをなくさないと、非常に国の宝をむだにしているのじゃないか、こういうふうに思うのです。というのは、これは百姓をしたことのない人にはわからぬかもしれませんが、休耕田というけれども、あれは実際は廃田と同じなんですよ。三年もそのまま草を土やせば、また開墾のし直し、田んぼのつくり直しをしないと、とてもじゃないが使えない。そういうことですから、せっかく金をかけて耕地整理をやって、それをなおかつ使えないようにするならば、そういうところに全部救援米をつくらせて農地はそのまま活用できるようにし、なおかつ世界の飢えておる人たちから喜ばれる、こういう方策を考えるべきじゃないかと思うのですが、その辺はいかがでしょうか、農林大臣。
○羽田国務大臣 確かに、飢餓と栄養失調、これに対して持てる力をもってそれぞれの国が協力していく、この考え方はこれからもそれぞれの国が持たなければいけないというふうに私は思います。 ただ、問題は、例えば今先生が御指摘のございましたように、救援米ということであれした場合、結局水田利用再編対策によるところの奨励金をこれに下付するということになります。ということになりますと、集団であれしたものをまとめたとしても、今、反当六万円前後ということになるわけでございまして、今度の場合はたしか買い上げてじゃなくて、農業者の皆さん方がまさに個人の労力を皆さん方に差し上げたという形だというふうに思います。そういったときに、果たしてこれが財政的にも——当然これはODA初めいわゆる開発途上国、特にタイとかあるいはビルマ、そういったところから食糧を買って救援をするというのが基本的なあれとしてあるわけでございますけれども、そういったもろもろの費用の中でやるとしましても、財政的に非常に困難な問題が生じてくるのじゃないかなということ、そしてこれが相当な量になったときに、果たして農業者の皆さん方がそれでもやろうということになられるのか、その辺を考えてみなければいけないというふうに理解をいたします。
○渡部(行)分科員 なるほどこれを全部政府がある価格で買い上げるとなれば、財政的に大変な問題になると思います。しかし、物は考えようで、今発展途上国に対する経済協力のお金は約六千二百数十億ですね。それだけぽんとただくれているのですよ。それで救援米を買って送れば同じじゃないでしょうか。むしろ、日本の農民も喜ぶし、その救援米をもらった国々も喜ぶし、みんなが喜ぶような施策になっていくと思うのですが、その点はどうでしょうか。 〔柿澤主査代理退席、佐藤(観)主査代理者席〕
○羽田国務大臣 各国から買って出しておりますものというのは、小麦ですとかそのほかの穀物がございますけれども、今、トン当たり米で六万円ぐらい、あるいは麦ですと三、四万円、トウモロコシですとたしか二万円ぐらいという金額じゃなかろうかというふうに思います。そういうことで農業者の方がそれによって多少でも、利益というまでもいかなくてもある程度賄えるものをお支払いするということになると、これは相当のものになるということと、いわゆる救援のものについては、アメリカなんかでは当然国内でできたものを救援物資に使っておるという話を聞いておりますけれども、日本の場合に現在のあれで果たしてできるのかなということはちょっと私は疑問に思います。
○渡部(行)分科員 時間もそうありませんのでここで議論する気はありませんが、ただ答えが非常に抽象的で、今のところわからないというのが答えだろうと思うのですよ。ですからこれはひとつ研究課題にして十分検討していただきたい。 それからもう一つは、とりあえずこれをやろうとする農民については減反のカウントの対象にしてもらうというぐらいのことはできると思いますが、その点はいかがでしょうか。
○関谷政府委員 これは先ほど私お答え申し上げました、昨年産米につきましてはすべてカウントしております。今これから検討しておりますのは、六十一年産米についても同様なカウントの扱いにするかどうか、こういうことを検討しておるところでございます。
○渡部(行)分科員 それはどうですか、今検討中で結論は出ていないのですか。
○関谷政府委員 六十一年産米につきましては、私ども全日農等の実施主体の方と今相談を始めたところでございます。結論的には、昨年の実績にかんがみますと、やはりカウントというような扱いをすることが適当ではなかろうかと考えておりますけれども、まだもう少し実施主体の方の計画を見きわめまして結論を出したいと思います。
○渡部(行)分科員 ひとつその点よろしくお願いします。 それから次は、今日本の農家の大半が非常な借金をしているわけです。実際に実態調査をするとたまげるのですが、私の方の農家なんかは倒産する農家さえ出ていますね。昔はどんなに農家が困っても倒産ということはなかったのですよ。小作人になるだけの話で廃業するということはほとんどなかったのですが、最近は農家が倒産する、農業から離れていく、こういう現象が出てきておるのですが、この借金対策は政府の方ではどう考えておりますか。
○羽田国務大臣 私ども今調査をいたしておりますと、いわゆる農家の貯蓄とその借入金、この状況が、一戸当たりの平均で、借入金でございますと一応二百三万円、また貯蓄が一千四百六十二万円と大きく上回る状態になっております。そういうことで、この負債の対策として新たな金融措置というものを講ずるということは今現在は考えておりません。 ただ、今先生からお話がありましたように、酪農とか畜産ですとかあるいは果樹、こういった農家の中で相当大きな負債が出ておるという現状は地域地域によってはあるというふうに私どもは把握いたしております。そして、そういったものに対しまして、例えば酪農なんかの場合にも負債整理資金ですとか、たしか牛の場合にも同様の資金をつくり上げまして、特別な救援措置といいますか借りかえなんかの措置というものを今日までしてきたところでございます。
○渡部(行)分科員 これはただ帳じりだけを見て、負債と貯蓄という関係で見たらわからなくなってしまうのです。農家の階層も非常に分化してきまして、金持ちのところは相当の金を持っているわけで、ところが、いわゆる零細農家というか自作農ほど今苦しんでいるのですね。そういうところをきめ細かい調査をして、本当に倒産寸前のような農家の掌握、把握をすべきじゃないか。そうでないと今後農業を継承する人がほとんどなくなってしまうおそれもあるわけです。 ですからこの辺で、例えばコストさえ安ければ農産物はいいのかというと、私は必ずしもそうじゃないと思いますし、質的にどういう国際競争力を持ったものをつくらせるかとか、いろいろバイオテクノロジーなども相当進んできておりますから、そういう一つの農業の質的転換というものを考えて政策を打ち出していけば、ある程度日本の農業にも打開できる道があるのじゃないか、私はこんなふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○羽田国務大臣 渡部委員が御指摘のとおり、確かに個々の農家にあってはそういう問題があるでしょうし、また一番の問題は第二種兼業農家というよりはむしろ専業農家、いわゆる中核農家、こういったところがやはり厳しい。本格的にやろうということで投資した、しかしそれがなかなか需要がなかったとかあるいは流通がうまくいかなかったとか、いろいろな問題で確かに厳しい農家のあることも私ども承知しております。 そういう中で今日まで、例の自作農維持資金、こういったものなんかを適用いたしましたり、あるいは酪農ですとか畜産、先ほど申し上げた大家畜なんかにつきましては割合と細かに一戸一戸の農家の経営状況というものを把握しながら、そうしてその後その農家が一体どうなったのか、こんなものも実は見詰めながら今日まで対応してきたはずでございます。そして、たしか酪農については、これは五年間でしたか期間もまた延長しまして、あとまだ救済できなかった農家について考えようというような措置も実はいたしておるところでございます。 いずれにしましても、農林水産省は当然でありましょうけれども、また農業団体の営農相談といいますか、そういった皆さん方なんかとも話し合いながら、そういう本当に農業をやろうという人たちがおかしなことにならぬように私どもも十分気をけていきたいと考えております。
○渡部(行)分科員 いろいろな金融制度等もあるわけです。しかし、例えば金を借りても、それは帳簿上借りるだけで実際は自分の手に全然触れることもできないという現実もあるわけです。なぜかというと、既にもう農協にたくさんの借金があるので、全部借金と相殺される、そういうことでこれは非常に問題がありますから、ひとつきめ細かに調査していただきたいと思います。 それから最後に、時間が来ましたが、農地の流動化というのがなかなか進まないでおるようですが、この農地の流動化を進めるには、今までのような規制というものをもっと緩和させるべきではないだろうか。一々難しい手続でやっていったんではとても農地の流動化を促進するなどということにはなっていかないわけです。例えば不動産業がこの農地開発をしたい、そして宅地に分譲したいという場合に、一々一つ一つ農業委員会の手続を通らなければだめだ、県の許可をまたさらに受けなければだめだというような、屋上屋を重ねるような手続でやっておったんではなかなか大変だ。そこで、通達によって若干その緩和がなされておるようですが、この通達もその地方地方の役場の職員なりの受け取り方で大分違いますね。その辺の指導をやはりしながら、まだまだ足らないところは直していく、こういうふうにしていただきたいと思います。その辺についてひとつお答えをお願いします。
○佐竹政府委員 農地転用に関しましては、先生も既に御承知かと思いますが、いわゆる線引きの完了しました市街化区域内、ここは市街地として宅地化を促進すべき地域と位置づけられております。そのような地域におきましては許可を外して届け出で済むように簡素化しているわけでございます。それ以外の地域につきましてはもちろん農地法で規制しているわけでございますが、これも土地の属性と利用目的両面から審査いたしまして、それぞれ地域の土地利用が合理的に行われるよう指導しているわけでございます。 そのような観点から、昨今、社会経済情勢の変化に伴いまして転用許可基準について若干の緩和措置を講じたところでございますが、末端の職員の認識の程度等によって運用がさまざまであるという御指摘は私どももしばしば伺います。全国各地で仕事をしているわけで、担当職員の意識のレベルをそろえるというのはなかなか大変なことでございますので、個々の転用を申請された方から見るとそのようなことがあることは事実だろうと思いますが、それらの職員についての研修を強化いたしまして、合理的な土地利用を実現するとともに、国民の皆様方に御迷惑のかからないようにしていきたいと考えております。
○渡部(行)分科員 時間が来ましたので以上で終わりますが、最後に大臣の決意をお伺いします。
○羽田国務大臣 今御指摘のありました点はまさに日本農業の基本でありまして、これから少しでもコストを安く、しかも農家経営を安定させ——価格はなかなか上がる時代ではないということになりますと、コストを下げなければいけない。このためには規模の拡大がどうしても重要なことでありまして、こういうことを考えながら、関係の皆さん方と十分連絡をとりながら対応してまいりたいと考えております。
○渡部(行)分科員 どうもありがとうございました。
○佐藤(観)主査代理 これにて渡部行雄君の質疑は終了いたしました。 次に、山中末治君。
○山中(末)分科員 まず、羽田大臣に対しまして、お若くて仕事に非常に真剣に取り組んでいただいているということについて敬意を表したいと思います。これからも引き続いて頑張っていただきたいと存じます。 農林水産省関係の所管事項につきましてはいろいろ御質問申し上げたいことがございますが、本日は同和問題一本に絞って御質問申し上げたいと存じます。 特別措置法制定以来十七年が経過しておるわけでありますが、この間、国、地方公共団体による取り組みの中で、同和地区の生活環境の改善等、物的な面におきましては進展を見ていますけれども、地対法の期限切れを目前にいたしまして、現状において把握するだけでも、昭和六十一年度以降約五千七百十六億ぐらいの国費の必要性というものが出ておりましたし、六十一年度予算案で措置されたものを含めますと、六十二年以降四千億円程度の国費が必要でないかということが言われておるわけでありまして、その一面、現行の国庫補助制度の対象とならない地方単独事業につきましても、なお相当量が残事業として残されている、こういう状況であろうかと認識いたしております。 こういう状況の中で、残された期間内にそのすべてを実施することについては非常な御尽力が要るのではなかろうかと存ずるわけでありますが、この点につきましては、この目に見えやすい事業、いわゆる物的な事業につきましても、このまま推移いたしますと、一年後には魂の入っていない仏をつくったようなことにならないかと、私、非常に心配するところであります。 まず、この物的な事業面につきまして大臣の御所見を承ることができましたら幸いであります。
○羽田国務大臣 今、先生から御指摘がございましたように、農林水産省としまして今日までも同対事業につきまして国費を相当つぎ込みながら進めてまいりました。しかし、まだ相当量の要望事業があるということをよく聞いております。そういうことで、私どもとしましては、本当に地元に必要な事業についてその効率的な実施に努めなければならないと考えておりまして、これからも関係機関といろいろ話し合いながら進めていきたいと考えております。
○山中(末)分科員 やはり若さがありまして、ぴんと響く答弁が出てきたように思いまして、本当に喜んでいます。私たちもそのお言葉の中でできる限り協力してまいらねばならないと考えております。 さて、同和問題につきましては、これは先刻御承知のように、国民の基本的な人権にかかわる大きな問題でもございまして、一日も早い解決が図られなければならないわけでありますけれども、生活環境の改善等、実態的な差別解消への努力あるいは各種の啓発等にもかかわらず、結婚、就職時の差別的な身元調査、こういうことが後を絶っておりません。 せんだって、我が党の大原亨代議士から、中曽根総理を初め各大臣に。「いのち 愛 人権 部落差別は、いま。」という、この冊子が配られておるわけであります。私自身は、結婚とか就職時のこういう差別的身元調査の差別事象が絶えないということについては、非常に悲しい思いを持って、この本を何回も読ませてもらいました。せんだっての予算委員会での社会党の大原代議士の質問に対しましても、総理大臣みずから「今さらながら日本でこういう議論が行われなければならぬということは恥ずかしいことであると思います。大原さんの御趣旨を体しまして、内閣としても誠意を持って努力いたしたいと思います。」こういうふうに御答弁をなさっておられます。また、他の大臣の方々もそれぞれ誠意を持って答弁をなさっています。 屋上屋を重ねてはいけないと思いますけれども、この本につきまして羽田大臣の御所感等をこの機会に承ることができましたら非常に幸いだと思います。
○羽田国務大臣 私、この本のほかにも幾つか、小説になったものですとか、そういったものも読ませていただきました。ともかく、ここまで民主化が進んだ日本の中にあっていまだにそういった差別がある、あるいはいろいろな調査がなされるということを大変残念なことに思っております。そして、五十九年六月ですか、総務庁の地域改善対策協議会の方で意見具申されておりますけれども、その中でも、就職時における差別事件あるいは悪質な落書き、そういうものが後を絶たないということ。あるいは農山漁村においてもそういったことが平常の中でよくあるということを私どもの報告でも聞いております。 そういうことで、私ども農林水産省としまして行政の立場から、こういったことが本当になくなるように関係団体、機関を指導していかなければいけない、改めてそのように考えております。
○山中(末)分科員 今お考えをお聞かせいただきました。これは多分御存じないかもわかりませんが、昔のお墓で「玄田牛一之墓」というのがございまして、その四字を二字にまとめると、とんでもないことになるんですね。「畜生」ということになるんですね。こういうものが現に残っていることが発見されたということを私も本で読みまして、これは非常に奥深いといいますか、随分昔からそういうものが私どもの目に入らないところでまだ温存されている。先ほども申し上げました物的な面も大事でございますけれども、目に見えないこういうソフトな面、そういう面で同和問題を解決していこう、部落解放をしていこうということになりますと、これは政府も私どもも一般の国民の方々も、相当な努力をせぬとこの歴史的な長い間の心が払拭し切れない、こういうことを、一例ではありますけれども、私自身が考えて深い憤りといいますか、社会的な憤りといいますか、そういうものを実は感じているわけであります。 今大臣から、この「いのち 愛 人権 部落差別は、いま。」という本を丹念にお読み願い、また他の書物等もお読み願って、そしてそういうことを今後の行政、政治の中でできる限り生かしていく、ほかの団体についてもそういうものを十分指導していくということを聞きまして、ひとつ推進方をよろしくお願い申し上げたい、このように思っております。 ただ、ここで御就任いまだしの大臣に申し上げるのはどうかと思いますけれども、同和対策担当者設置の件ですが、全国各農協内において設置をされるということで取り組んでまいられました。現在のところ、私が聞き及ぶところでは、ちょうど五年目で、その同和対策担当者設置の達成率が六二・二%だ、こういうことを聞き及んでおるわけです。先ほどの差別介入の話ではございませんけれども、なかなかこういうものだけでも非常に難しいなというふうに実は存じております。 ただここで、何で達成率が五年かかって、各農協の中に同和対策担当者を設置することだけでもこれだけ低いのかということを私なりに実は考えてみましたところ、これはちょっと的が外れているかどうかわかりませんが、私の考え方でありますけれども、この通達を出されておるわけですね、この通達が実は課長補佐さんの通達になっておるようであります。それで私は、これはやはり課長補佐さんの通達だからどうとか、大臣の通達だからどうとか、こういうことは毛頭思っていないわけですが、いろいろな通達の内容、経過等を見てみますと、これは五年前ですかいつですか、この通達の発行された日はよくわかりませんが、そこまで調べておりませんけれども、扱いがやはり少し軽かったのではないかというふうに存じておるわけであります。 この過ぎ去った問題はそういうふうに私は思っておりますが、まだ六二%余りでありますので、今後、今からでも遅くございません、情熱のこもったしかるべき方法で、大臣あるいはまた次官の方々等の通達を出して、そして農林省が名実ともに一生懸命にやるんだ、こういう姿勢をお示し願って、それに見合う御指導を賜る方がまだいいのじゃないか、このように思いますが、この点につきまして、ひとつ担当の方で結構でございますので御説明をいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 御指摘の通達は、確かに五十六年六月十六日、農業協同組合課から中央会あてに発出されておるわけでございます。六十数%の高さについて、最近は、特に年々の設置割合が高くなってきているというふうには認識しておりますけれども、十分なものとは必ずしも考えておりません。 ただ、今後は、職員数が非常に少ない組織もあるわけでございまして、そういうところについてどのようなやり方をするか。いずれにいたしましても、問題の重要性を認識し、かつ農協等農業団体内で差別発言が行われているような事例がかなり多く指摘されておりますので、それぞれ組合の実態に応じた形で担当者が直接その啓蒙普及活動に当たれるような何らかの仕組みを考えてまいりたい。その一環として、今の通達の問題等につきましても考えてみたい、かように考えております。
○山中(末)分科員 御答弁につきましてはそれで了解いたしますが、実は私が心配いたしますのは、今地対法という法律があって、それについて予算的にも対応している中で、六年間経過したわけですね。これは、今局長がおっしゃいましたので信頼をしておりますけれども、地対法そのものがあと一年しかないのです。それで、物的なものについても先ほどお話がありましたが、こういう精神的なもの、ソフトな面についてもまだこれからやらなければいかぬというものがあります。そういう中で今の地対法という法律が期限切れになったら、ほんまに進むのかなという感じがいたすのです。それで、私がこれ以上申し上げますと大臣のお株をとるようなことでいけませんので、今局長さんおっしゃいましたけれども、大臣からもひとつよろしくその辺を御指示賜りまして、新しい大臣ができてからよかったなと言えるような結果をどうぞひとつ導き出していただきますように御要望申し上げたい、こう思います。 なお、私は昨年、農水省の関係ではございませんでしたけれども、同じことを実は厚生大臣にも申し上げました。聞くところによりますと、前の佐藤農林水産大臣もみずから現地を視察をして、国民的課題であると言われている同和対策、これはやはり現地を見ることによってまずもう一回再確認をして残されている仕事を消化していくということで、御視察をされたようであります。私が昨年御要望しました厚生大臣もお行きになりました。非常にお忙しい御日程で無理だと思いますけれども、何とか一刻でも割いていただいて、御存じだと思いますが、さらに現地を視察していただいて、そして農林水産の立場からとそれから一般的な立場からと、ひとつ視察をしていただいて、さらに見識を広めていただいて、情熱的な国家の政策というものを進めていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○羽田国務大臣 私も、実は政務次官をやっておりましたころも、この同対事業の促進、推進、こんなことで仕事をしたり、また皆さんとお話し合いをしたりしたこともございます。 ただ、今先生から御指摘のとおり、ことしは何か魚問題を初め公的な事業がやたらに立て込んでおりましてあれでございますけれども、もちろん時間等許すことがあれば、私としても実態を見ることは大事なことだというふうに認識はいたしております。
○山中(末)分科員 ぜひともひとつ期待におこたえいただきまして、実績をお上げいただきますように要望いたします。 それから、あと時間が少しになりましたが、ここで農水省所管の事項につきまして一、二御質問を申し上げて善処方をお願い申し上げたいと思います。ただ、先ほども局長からお話がありましたので、その差別の事例とかそういうことはもう御存じだと思いますので申し上げませんけれども、農水省の所管の範囲内でもいろいろなところで差別的な発言が出ておりまして、非常に残念なことであります。御留意を賜りますようにお願いを申し上げます。 所管事項の一つにつきましては、実は農山漁村におきます失業対策といいますか、先ほどの渡部代議士からもそういう一般的な面でのお話がありましたが、同和地域につきましてはさらに条件がよくない、こういうところで仕事をいたしておるわけであります。私の経験を申しましても、常時水につかる、浸水の場所しか耕作ができないような歴史的な経過がありまして、それから山田の日照時間の短い、かんがい用水の行き届かない場所、また場合によりましては水利権のない田畑、こういうところで農業を続けざるを得ないような状況に置かれてまいりました。 そういう中で一生懸命に農業を続けていただいておるわけでありますが、現在の農業が置かれている立場と同和の立場と二つラップさせたような形で、どうしても農業だけでは生計が立っていきにくいということがございまして、日雇いさんとか土木工事者とか出稼ぎとか、こういうところで補完をしなくてはならないという状況に置かれています。先ほどお話がありましたように、これは二種兼業の方が多うございまして、農業の方は農水省の御所管でありますが、一方今申し上げた、それではなかなか生計が立ちにくいのでほかへ働きにいく場合、これは労働省所管ということになるようであります。縦割りでございますのでやむを得ないことだと思いますが、労働省所管の面については賃金とか労働条件がございますし、農業の面については用水とかそういうものの改善事業が必要でございます。これは私の出身地であります京都の八木町でございますが、ことし非常に条件のよくないところを取り上げていただいて水利の問題を解決していただくということになってまいりました。こういうところがまだ随所にあると思います。 そういうこととあわせて、二種兼業農家の非常に多い地域につきましては、労働省との間で何らかの形で協議会を持っていただくとか協力をし合っていただくとかいうことで、その方々が暮らしていけるための施策というものを何とか編み出していただきたいなと思います。これは縦割りのあれですから、非常にやりにくい点があることは私も認めておりますけれども、先ほどから二回申し上げましたけれども、新進気鋭の大臣でありますので、やりにくいところを何らかの形で隘路を打開していただくための御尽力をお願いしたい、このように思うわけであります。これは非常に入り組んだことでもありますので、担当の方で結構でありますが、御答弁お願い申し上げます。
○佐竹政府委員 ただいま御指摘ございましたように、同和地区につきましては、耕地条件が非常に悪いとか農業水利権あるいは漁業権を持っていないというようなところが非常に多いようでございます。私どもこの対策を進めていく上で、周辺一般地区との一体性ということを常に考えていかなければいけないということを意見具申でも指摘されているところでございます。一般地区については、これは私どもとしては大変残念なことでございますけれども、農林漁業の現在置かれている状況から見て兼業化せざるを得ないようなところも多いわけでございます。同和地区についてはそういう就労の場を確保するための対策の必要性ということはまさに御指摘のとおりでございます。都道府県段階あるいはさらに市町村段階で労働行政担当者と私どもの農林漁業部門での同和対策担当者が密接な連絡を保てるような仕組みを今後工夫していきたいと考えている次第でございます。
○山中(末)分科員 ありがとうございました。 往々にして、いろいろな場所で話をしますと、農業が置かれている立場が非常に難しい立場なんだ、それにラップしたまたさらに悪い条件の中で農業を続けていこうというのは非常に難しい、だからもう農業をやめてほかのところへ行った方がいいのと違いますかというようなニュアンス、これは農水省ではないのですよ、一般いろいろなところで聞くことがあるのですが、そういうふうにおっしゃる方は実際にお知りにならないのだと思うのです。 ほかのところへ大手を振って、大手を振ってと言えば語弊がありますが、普通に働きに行くとしたら、やはり文字も読めなければいけませんし書けなければいけません。そういう私の今までの経験からいきますと、やはり文字を自分で習おうということで習っているのですね。私はそういう方々からいまだに時々はがきをもらっています。非常にまじめに書かれていますけれども、やはりまだまだ難しい漢字とかそういうものがなかなか練習が行き届かないという面もありまして、そういう状況の中で何が一番できるのかということになれば、今までやってきた農業によっていこうということ。その合間といいますか不足する分を何とか働きにいく。それも土工さんとかそういうことが多いのですね。ですから、ただ単に嫌だったらよその農業以外のものをやったらいいじゃないかということには農水省に関してはならぬと思いますけれども、大臣、その点ひとつ御確約、今後の御指導上御確認いただきたいと思います。
○羽田国務大臣 先生はまさに地方自治の方で長く御苦労いただいて、現場からの声を私ども今聞かせていただいておるわけでございますけれども、確かに農業そのものも生活のレベルというのが非常に高くなってきたということもありますから、農業だけでそれを営むということはなかなかできない。そういうことで、これはどういう皆さん方がということは別として、地域によって非常に安定した収入が得られないという問題があります。そういう意味で、私どもとして、農業というのは単に生産の場、基盤だけ整備すればいいということではない。生活基盤の整備もする、それと同時にやはり農村の混住社会というものも今何とかしなければいけないということで、そういう中でソフトの面についてこれから相当頭を使っていかなければいけないのではないかなと考えます。そういう中で安定した就労の機会を創出する、そんなことについてもいろいろな面から、ただ農林水産省というだけでなくて幅広く話し合っていかなければならない面もあると考えております。いずれにしましても、局長も今御答弁いたしましたように、私どもとしてもきめ細かい施策を進めていきたいと考えます。
○山中(末)分科員 時間がなくなりましたので、最後に要望をして大臣のお考えをお聞かせいただきたいのですが、初めからも申し上げましたように、地対法の一応定められた期限というのは本年、六十一年度が最終になります。その一方、先ほど申し上げましたように予算委員会等で差別撤廃条約の早期批准の要望も非常に強く出されております。それに対して安倍外務大臣は、早期批准について、国内法の整備等について十分考え、その上でなければその批准の手続をすることは難しいので、今はそういう国内法の整備等考えているんだ、こうおっしゃっていますが、それとこの問題とあわせて見ますと、地対法が六十一年度いっぱいでなくなってしまって、ことしじゅうに差別撤廃条約の早期批准が行われるという目標があればまだそれでいいのですけれども、どうも国会の答弁、政府の答弁では六十二年度ぐらい、あるいはそれよりもまだ先にずれ込むのじゃないかという印象がありました。そうしますと、せっかく差別撤廃条約の早期批准ということで、その中に含まれている部落差別の問題、就職差別の問題等について、これは国内法がなくなってしまうのじゃないかという心配が実はあるわけです。その点について私は、やはりこの六十一年度の中で鋭意国内法の整備というものをあわせて考えていかなくちゃならないんじゃないか、このように実は思います。 そういうふうに思いますときに、一番初めに申し上げました、今の地対法ではソフト面が大分抜けているということがありますので、これらの扱いについていろいろな大臣が言明されておられますが、農水大臣としてひとつ御所見を承っておきたい、そして質問を終わりたい、このように思います。
○羽田国務大臣 今地対法が切れるんじゃないかという、一年でちょうど失効するというお話でありますけれども、この問題については、御案内のとおり総務庁の地域改善対策協議会、こちらで基本問題の小委員会を設置しまして、今議論をいただいておるということであります。そういうことで、私どもといたしましては、これからの取り扱いにつきまして、この小委員会の報告また議論というものを踏まえながら対応していきたいというふうに考えております。
○山中(末)分科員 よくわかりますけれども、やはり大臣からひとつ積極的に働きかけていただきたい。私も審議会とか調査会とがよく設置してきた覚えがありまして、詳しいことを申し上げませんけれども、やはり大臣とか総理大臣とかそういう方々の意向というものは非常に大事だということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○佐藤(観)主査代理 これにて山中末治君の質疑は終了いたしました。 次に、森本晃司君。
○森本分科員 きょうは大臣にお見えいただきまして、私は、今大変深刻になりつつある木材需要の拡大についていろいろと質問をさしていただきたいと思っておる次第でございます。時間も極めて少時間でございまして、私の意を十分尽くせない点も多々あるかと思いますけれども、その分現状をよく見ていただきまして、ひとつぜひ木材需要の拡大に御尽力をお願いしたいと思う次第でございます。 私の選挙区は奈良県でございまして、御承知のように林業立県でございます。しかも、民間による林業というのがありまして、これは全国の中でも非常に有名でございますが、同時に、それに伴いまして奈良県の桜井市を中心といたしまして製材業の非常に盛んな地域でございます。四十八年には大変好況を示しておりましたけれども、最近の国内需要がだんだん少なくなっていくにつれましてこの桜井市の製材業界も非常に苦しい思いをしている。そこへ今また外材が多く入ってくる。それから今度の円高による影響も間もなくこの材木の町にも襲ってくると私は思うわけでございますけれども、森を守り自然を守りしていくにはどうしても木材の需要の拡大を図らなければならない。 先日、全国木材組合連合会の方からいただきました資料がございます。これは二月二十四日の資料で、六十年度については見通しも入っておりますけれども、四十八年と今日とを比べてみますと、木材需要量が大きく後退している。四十八年の木材需要量を一〇〇%といたしますと、年々減りまして、特に五十五年以降、これはオイルショックのこともございましたが、木材需要量が急速に減っておるわけでございます。ちょうどこの五十五年に木材需要の長期見通しというのが出されましたけれども、この数字が皮肉なことに、それまで九三%だったのが、その翌年から急激に七八%に落ち込んでいる。その後回復を見ずに、今日六十年度で、見通しでやはり七八%しか需要量がないということであります。 それから製材工場数でございますが、これも全国で見ますと、四十八年を一〇〇%といたしますと、本年は七九%の工場数に減っている。私の町の桜井でも製材業の方々がどんどん職業転換をしていかれるのを私も目の当たりに見ておるわけでございます。 木造の住宅の率も、いろんな建築基準とかがありまして、一口に木材需要拡大と言ってもなかなかすっとはいかないと思うのですが、それだけに木材需要拡大のために各省庁を乗り越えての総合的な施策が要るかと思います。 新大臣、農林大臣になられまして、水を得た魚のごとくというふうに我々も思っておりますが、この木材需要拡大のための大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○羽田国務大臣 今、山は荒廃しておるということをいろんな報道によって私たちも知ることができます。そして実際に現場をあれしましても、確かに山は病んでいる、私自身もそう思っております。それを考えますときに、どうして山が病んでいるんだ。結局木を切ってもなかなか売れないということがある。また間伐等をやらなければならなくてもなかなか経費がかかり、またその元を取るといいますか、コストさえ賄えないというような状況である。 その一番大きな原因は何かといいますと、やはり木材需要が停滞したということにあります。そのことはいろいろな点から指摘できると思います。経済が停滞したということもありましょうけれども、木材の住宅というものが低迷しておるというのがやはり一番大きな原因じゃないかというふうに思います。そして、これは住宅だけではなくて、例えば建設現場のやぐらといいますか足場、こういったものなんかも金属のものにかわっているというような、代替のものにどんどん移行したというようなこともありましょう。そういったことで木材の需要が停滞しておる、また用途がなくなってしまったというようなことで停滞しておる、これが一番の大きな原因だというふうに思います。ということになりますとやはり山の手入れがなかなかできないということで、きちんとした管理をするためには今御指摘のとおり需要の拡大というものが何といっても最大のものであろうというふうに思っております。 そこで、もう御案内でございましょうから細かくは申し上げませんけれども、私ども農林省、林野庁を中心にいたしまして、文部省ですとか厚生省あるいは建設省、労働省、環境庁、消防庁、いろんな皆さん方とお話し合いをする機会を設けまして、木材というものはこんなところではこんなふうによく使えるんですよということを申し上げたり、また建設省にはこんな点で何とか御配慮をいただけないものだろうか、また指導いただけないものだろうかというようなことを機会を持ちながら進めてまいりました。そういう中で、御案内のとおり、学校校舎につきましても、これは規模がまだ多少残っておりますけれども、これに対する補助率というものが高くなってきたということがありますし、それから特別な校舎については、これは相当な補助を下さっておるということもあります。また、そのほか厚生省ですとかその他の役所におきましても、山間部につくる例えばみんなの集合の施設、こういったものも木材でつくってもよろしいというような通達を今出していただいたりいたしております。 そういうことで、私どもは大分いろいろな方から理解されるようになってきたなと思う一方で、やはり民間の中でも木というものがいいんだということで、つい二、三日前の新聞を見ておりましたけれども、都市における木造の住宅というのをある会社が今度何か宣伝をするというようなことを言っておりますけれども、そんなふうにして、やはり高温で多湿な日本の生活の中にあっては木がいいということがようやくわかってきたのじゃないかな、ここが今一番大事なところだというふうに私は認識をいたしております。 その意味で、今度の六十一年度の予算につきましても、木造建築の普及促進のためのシンボルとなる建物、モデルハウス、こういったものに対して林野庁自身が助成しましょうということをやりましたり、あもいは木材需要拡大のための中央地方を通じた利用促進のための普及啓発もやろうということ、それからよりよき、みんなのニーズに合うものをつくり出すためにバイオテクノロジーなんかの活用、こういったこともひとつ進めようじゃないかということで、厳しい予算でございましたけれども、私どもとしてそういう対策も実はしておるところであります。 また、私自身もここにも材木のかばんなんか持ってきておりますが、名刺も材木を使うというようなことて、ちょっと異常なまでのあれでございますけれども、どうしても需要は拡大しなければならぬ、先生と全く同意見でありますことを申し上げたいと思います。
○森本分科員 今大臣の御所見を伺いまして非常にうれしく思っておりますし、業者の皆さん、業界の皆さんもそれぞれ需要拡大協議会等々をおつくりになりまして、そこで一生懸命その拡大に努めていらっしゃいます。私も、林業立県でございますので、私の名刺も木材のものをつくりまして、今一生懸命その振興に努めておるわけでございますが、その中で今度の、今大臣がおっしゃっていただきました森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画、これは業界の人々にとっても非常に明るい材料である、そのように私は思っておりますし、一応の評価はさせていただいておるわけでございます。 この中の一つ一つをきょうはとてもやる時間がございませんので、その中の一つだけ私は申し上げたいと思いますのは、木材需要拡大推進緊急対策事業というのがございますが、これはハードな部分じゃなしに、恐らくソフトな部分でいろいろと啓蒙していこうということだと私は解釈しているわけでございます。この啓蒙に今まで国がさほど力を入れていなかった。今度この計画でやっとこういう五カ年の計画を立てていただいたわけでございますが、モデル木造施設の建造促進等ということがございますけれども、これは一体どういう形のモデルのものを建てようとされておるのかお聞きします。
○田中(恒)政府委員 全国の林業、木材関係者が、需要の減退に大変口惜しいと申しますか、まことに悔しい思いをして、何とか需要の拡大をと思っておるところでございます。特に、木造住宅その他、木材の使われ方がだんだん低下する傾向がございますので、そういう傾向の中でこのたび林野庁で五カ年計画の中に盛り込み、六十一年度予算に出しましたこのモデル木造住宅、これは全国各地にこれぞ木造と胸を張って言えるような、シンボルとなるようないろいろな研修施設とか展示場あるいは音楽堂とか、地域によりましていろいろなものでよろしゅうございます、そこに一番合ったものをつくる機運のあるところに補助、助成をいたしたいということで計画をいたしたわけでございますが、その趣旨が浸透してまいりまして、各方面で大変反響を呼びまして、今林野庁とそれぞれ最も効果的なものになるようにヒアリングを交わしながら計画を練り上げてもらっておるというふうな状態にあるわけでございます。
○森本分科員 そこで、私はぜひ御参考にしていただきたいと思い、私も大変誇りに思っておるわけでございますけれども、私の奈良県桜井市というのは先ほど申し上げましたように材木の町でございます。この材木の町に、貯木場の跡に木材組合そして県と市が補助金をそれぞれ出しまして「あるぼーる」というすばらしい木造のモデルハウスを建てておりまして、その中ではいろいろな木工品を販売しておるわけでございます。きょう、ちょっとカタログを持ってまいりましたので、ぜひこれからのモデルハウス建設の参考にしていただければと思うわけで、大臣にも見ていただければと思います。 五十九年にこの建物が建てられまして、今多くの若者たちがこの「あるぼーる」を訪ねているわけでございます。表を見ていただきましたら、これは入り口でございますが、高いドームでございます、この表紙の部分は。このドームの高さも、ちゃんと消防自動車が通れるような高さにまで工夫をしている。 一号館、二号館、三号館というのがございますけれども、この一号館では非常にいろいろな木工の工芸品を販売したりしておるわけでございます。この中に木工教室がございまして、そこを訪ねた人が木工をやりたい、あるいは子供たちがやりたいという場合には、この中に入ってやる。それから、ここの青年部会の方々が夏休み等に子供たちを招きまして、そして材木を与えて木工教室をして、子供たちが小さいときから木に親しんでいくという流れをつくっていくようにしておりますし、この二号館、これは百五十人が収容できる大きな、非常に高いドームでございます。木製のドームで、高さは約十メートル、しかも真ん中に柱が一本もないというドームをつくってございまして、百五十人ほど収容できるというところでございます。ここには大きなビデオ装置がございまして、材木のできるまでとか、いろいろと木材に親しむためのテープをつくっている。それから三号館は、そこにはいろいろな木工品の販売とか、喫茶室がございまして木の部屋の中でコーヒーを飲むとか、そういうのがつくられている。 今度のモデル建築は、とにかくこれがお役所がつくる見本だというようなかた苦しいものでは決してなく、この「あるぼーる」を私は誇りにしておるのですが、恐らくこれは日本一番の木造で、業界の皆さんによってなされたわけでございますが、こういうものがありますので、今度モデル構想、モデルを建てられる場合には、大臣にも奈良へお見えになるときにはぜひ一度ここへ寄っていただきまして、ここでお茶でも飲みながら業者の皆さんと話をしていただくことができると思うのですが、大臣、この「あるぼーる」のカタログを見ていただきました所感をお述べいただきたいと思います。
○羽田国務大臣 桜井市がこの「あるぼーる」をおつくりになっているという話を私も聞いておりまして、ともかく一度何としても私自身が訪ねてみたいな、それと同時に非常に内容が充実しておる、このことをしみじみと実は感じております。特にここのドームの中における催しなんというものは本当に楽しいものができるんじゃないかな、それさえ実は感じておりまして、私もぜひとも現場へ行ってみたいというふうに思っております。 これを今お話のありましたように木材業者の皆さんですとか、業界の皆様方、そして市、県、これが一緒になって、しかもみずからの創意と工夫でつくられたということ、そしてまたみずから地域のお金によってつくられたということ、これは本当にすばらしいことでありまして、今お話しのとおり、これからのモデルというものの一つの参考にしていきたいと思いますし、こういうものが一つずつできできますと、みんながぜひともこういうものを欲しいというふうになってくる。そして、住宅なんかももしこの木でできたらということ、また、この中で子供たちが木に親しめるなんということはすばらしいことでありまして、今までも林野庁、もう皆様御案内だと思いますが、いろいろとやってきましたけれども、これなんかは今写真で見るだけでも子供たちが本当に楽しい時間を過ごし、また、木に対する愛着というものが生まれるんじゃないかなと、手放しで絶賛を申し上げたいと思います。
○森本分科員 どうもありがとうございます。ぜひ「あるぼーる」へお見えいただきたいと私も願望する次第でございます。そのときは、私が案内役で御一緒させていただきたいと思います。 ただ、これは業界の皆さんの大変な御尽力で、これに対して国は今日まで何ら補助行政も出していないわけでございます。業者の方と話しました。これは私たちが一生懸命やっている、自助努力なんだというふうにはおっしゃっていただきましたが、今、維持費も年間九百万円ぐらい組合の方から出しながらやっているわけでございます。 〔佐藤(観)主査代理退席、柿澤主査代理着席〕 こういった先駆的な施設に対して、何とか国の援助方法はないものなんだろうかということを私は検討していただきたい。今新しくつくられることも大事だけれども、既にこうしてやっている地域については、それを応援していくという形こそ行政としての大事な役割ではないかと私は思いますので、お願いを申し上げておきたいと思います。 それから、あと少々しか時間がございませんので要望でございますけれども、さらに需要を拡大するためには、木材の流通機構、マーケティングを広げていくとか、それから、最近、商品カタログを組合の皆さんでおつくりになったというふうに伺っておりますけれども、私は流通機構の改革推進をもっとやっていかなければならないと思うわけでございます。これにつきまして、本当は決意等々も伺いたいわけでございますが、時間がだんだんなくなってまいりましたので、ぜひその面についても業界の皆さんと一体となり、また行政指導もあわせて流通機構の改革に取り組んでいただければ、このように思う次第でございます。 それから、きょうは文部省、お見えいただいておると思います。大変御苦労さまでございます。先ほど大臣からもお話がございましたように、木材を取り入れている省庁は、文部省が一番御協力をいただいておると私は文部省に感謝申し上げておるところでございます。 木材が子供に与える影響というのは大変大きいかと私は思います。小さいときから木に親しんでいくということ。私たちが育ちました小学校は木造でございまして、一生懸命木造の廊下を磨いて、そのことによって同時に我が心も磨きました。壁も木造、ドアも木造でございましたので、時々そこにいたずらをしては思い出を刻んだりしておったわけでございます。しかし、最近はほとんど九十数%が鉄筋という状況で、母校を訪ねましても非常に冷たいものを感じるわけでございます。国会の中のこの委員室も、今のところほとんど周りが木造でございまして、だからこそ非常に激しい論議になりましてもやわらかさが出てくるわけでございまして、この辺の周りあるいは本会議場が今の学校のように鉄筋であるならば、もっと激しい国会になっていくのではないだろうかと思うわけでございます。木が子供に与える影響というのは非常に大きい。 私は文部省が取り組んでくださっていることには大変感謝いたす次第でございますが、六十一年度からさらに取り組んでいただきたいと思いますが、文部省の概要の御説明をお願いしたいと思います。
○遠山説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、学校というのは子供たちがそこで勉強する場であると同時にそこで生活をする場でもありますので、その環境というのはゆとりと潤いのあるものでなければならないわけでございます。そういう観点から、木材の持つ感触のやわらかさ、それから温かみ、高い吸湿性、こういう観点から積極的に学校施設に木材を使用していくということが必要ではないかというぐあいに考えているわけでございます。 そこで、昭和五十九年度から、学校の床でございますとか壁でございますとか、そういう内装に木材を使用する場合には補助単価のかさ上げという措置をやってきております。それから昨年の八月には、教育助成局長から各都道府県の教育長あてに通知を出しまして、建築基準法の範囲内において学校施設にさらに木材を積極的に使うように指導をしたわけでございます。 それから、六十一年度の予算におきましては、一つは、木造の補助単価を大体七割くらい大幅に引き上げまして鉄筋コンクリートと同じ単価にしましたし、それから新たに木の教育研修施設に対する補助を始めたわけでございまして、このようなことによりまして学校施設についてさらに木材使用が進められるように指導してまいりたいというぐあいに考えております。
○森本分科員 文部省、さらに力を入れてやっていただきたい。子供たちのいじめの問題も、直接的に必ずしもそれが原因だとは申し上げませんけれども、そういう冷たいコンクリートの中にあるところから来ているんじゃないかと私は思います。同時に、御尽力いただいている文部省の皆さんに感謝申し上げますとともに、通達だけではなしに、一生懸命これを啓蒙していただき、推進をしていただきたい、このように思う次第でございます。 文部省、ありがとうございました。 最後に、建設省、きょうお見えいただいていると思いますが、お尋ね申し上げたいと思います。 今、需要拡大のための大きな課題になっているのは、木は燃えるものだという認識が一般的に非常に多いのじゃないかと思うわけでございますが、また、それによって建築基準も非常に厳しい基準になっておるわけでございます。人の命を守るという立場から考えてまいりますと、それはそういったことがあって当然かと思うわけでございますが、建築基準等々ももう一度考え直していかなければならない点が数多くあるのではないかと思うのです。どうしても木は燃えるという認識がございます。 最近私は、木材需要拡大の上で非常に悲しい思いをしたことがございます。せんだってのホテルの火災でございます。業界の方は本当に一生懸命に木材需要拡大を盛り上げてきたのに、火災の原因は決して木造建築だったからあれだけの死者を出したとかということじゃなしに、人が亡くなった、あるいはあんな大惨事になったホテル火災については、それ以外にいっぱい原因があったと思うのです。だけれども、新聞やテレビの報道は木造ということで報道されました。今、業界の皆さんは非常につらい、悲しい思いをしていらっしゃるわけでございます。 そこで、今、技術開発、総プロ計画をなされているというふうに伺っております。これは五カ年計画と伺っておりますけれども、その考え方についてお答えいただきたいと思います。
○立石説明員 お答えいたします。 木材需要の拡大を図るためには、やはり基本的には木造住宅の建設をすることが必要であるというように考えておりまして、建設省におきましては、これまで木造公営住宅を増大すること、あるいはまた融資において充実すること等、木造住宅の振興には努力してきたわけでございます。 今、先生の御指摘でございますが、木造住宅以外の建築物についても、やはり木材を利用した建築物をふやす必要があるのじゃないかというように考えているところでございます。その場合に、木材は昔のとおりに使ったのでは燃えやすいところがある、しかしながら技術上、防火的な工夫をしておけば燃えないものもできるというように考えまして、先ほどの先生の御指摘の調査を行うことを計画しておるわけでございます。 具体的には、建設省総合技術開発プロジェクトといたしまして、新木造建築技術の開発を五カ年計画で進めていきたい。それらの中におきまして当面考えておりますのは、例えば体育館等の大空間の建築物について、あるいはまた中層の建築物、最近では木材以外のものを使っているものが多いと思いますが、こういうものについて例えば大断面の木材を使用する、また、防火被覆工法とか火に強い工法によりまして、新しい形での木造建築の振興を図っていきたい、そういうことでしている調査でございます。
○森本分科員 この五カ年計画は、確かに一々こういう実験、調査をされていくわけでありまして、年月はかかると思いますけれども、その中でも一年か二年で結論の出るものが数多くあると思います。その場合に、結論が出たものからそれぞれ基準を変えたり発表したりしていくことが必要じゃないか。五年も待っていますと——今じゃ余りにも深刻な状況になっておりますので、三年に縮めていただくことはできないかと私は思うわけでございますが、これは非常に無理なお願いかもわかりませんけれども、結果が出たものからそれぞれ発表していただけるものなのか、五年後を待たなければ発表できないものなのか、その辺の見解をお伺いしたいと思います。
○立石説明員 今回の技術開発といたしましては、多くの開発課題を持っておりまして、これらについて実験をしあるいはまた解析等を行っていく。その項目は非常に多いわけでございますし、さらにこれらを組み合わせて総合的な性能向上を図っていきたいということでございますので、全体としては五カ年を考えているところでございます。 ただ、先生御指摘のように、個別の技術開発の内容の中には、比較的短期間で、また単独で成果を得られるものもあるであろうというように考えておりまして、そういうものが出ましたときには、成果が得られた段階で具体的に活用について検討していきたいと考えております。
○森本分科員 せんだって、一月二十八日に初めて木造燃焼実験が行われまして、これは木材新聞にも載りましたし、建設省もよく御存じかと思います。非常に大きな成果を上げておりまして、炎に強い木造住宅をつくることもできるようになってまいりましたので、私からのお願いでございますが、ぜひこういったことを早く検討していただきまして、そして業者の皆さん、業界の皆さんの希望となるよき結果をそれぞれ発表していただきたいと思う次第でございます。 さらに、防火に関する規制でございますけれども、建築基準法の中で、千平方メートルを超える建物は、例えば山の畜舎であっても同じような規制が加えられておるわけでございます。都心部であろうと山間部であろうと、周りの環境がどうであろうと一つの基準になっているというところ、私はこういった点についてもきめ細かく見直しをしていただきたいと思います。 もう一度、構造に関する規制、防火に関する規制、それから木材は燃えやすい材料であるという考え方に対する規制、今後建設省もこの建築基準を改めていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○立石説明員 建築基準法におきましては、建築物の構造、防火、安全、そういうような面からの必要最小限の制限を定めているわけでございます。これらの制限を一般的に緩和することは困難でございますけれども、例えば木造建築物であっても、技術開発が進んで防火性能のすぐれたものが開発されるというようなことがあれば、それらにつきましては、建築基準法の中に三十八条という弾力的な条項がございまして、それらの規定を活用して弾力的に対応していきたいと思っているところでございます。 今後の大きな検討の仕方といたしましては、先ほど申し上げましたような総合的な技術開発プロジェクトの成果を活用しながら整備をしていきたいというふうに考えているところでございますが、先生御指摘の畜舎等の件もございます。これらにつきましては、関係機関とも連絡調整を密にしながら、どういうところでどういうような建物がどのように建てられているかという実情の把握をしていきたいと考えております。
○森本分科員 大臣、ぜひ木材需要拡大にさらなる御尽力を賜りますようお願いいたしまして、私の質問にさせていただきます。ありがとうございました。
○柿澤主査代理 これにて森本晃司君の質疑は終了いたしました。 次に、塩田晋君。
○塩田分科員 私は、兵庫三区選出の塩田晋でございます。農林大臣並びに関係の局長にお伺いをいたします。 まず第一は、加古川西部農業水利事業についてでございますが、その現状及び今後の見通しがどうなっているかをお伺いいたします。
○佐竹政府委員 加古川西部国営総合かんがい排水事業でございますが、この事業は、加古川の中流右岸地域の約四千六百ヘクタールの農地に対して用水補給を行い、あわせて約二百八十ヘクタールの農用地造成を行うことを目的とし、四十二年度に着工し、五十二年度には特別会計に振りかえ、鋭意事業を推進してきたところでございますが、現在までの進捗率は約八〇%というふうになっております。 その内容は、水源となる糀屋ダムにつきましては、取水施設を除いては既に完成しておりまして、六十二年度末からは、試験湛水及び一部受益地への通水を開始する予定であります。 また、六十一年度には、野間川、大和川に建設する赤坂及び柳頭首工に着手し、六十一年度末には、柳頭首工を完成させて、大幹線水路、それから東、西幹線水路の一部区間の試験通水を実施することを考えているわけでございます。 今後とも、予算の重点的確保を図って、地元関係者の御協力を得ながら事業の完成に努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○塩田分科員 この事業は四十二年から今まで約二十年にわたるものであり、これはいつになれば完成するのか。ほかの事業に比べて、この事業はこのペースで進んでいって普通なのか、非常におくれているのか、農林省としてその辺はどう見ておられますか。
○佐竹政府委員 確かに二十年という期間は余りにも長いわけでございまして、本事業を特に特別会計事業として実施した意味を失わせるような期間になっていることは、まことに申しわけないというふうに考えているところでございます。 しかしながら、その事情には、加古川西部の個別事情もございますが、一般的に、四十八年、五十四年のオイルショックによる物価高騰、それから五十五年以降の公共事業の抑制等が続いておりますことが影響しておるわけでございまして、加古川西部のみならず、国営事業全般につきまして著しく工期が延びてまいっております。ただ、特別会計事業として実施しているものにつきましては平均的に言えば十数年でございまして、加古川西部につきましては、特殊なさまざまな原因があって事業が通常以上に延びてきていることは否定できないところでございます。
○塩田分科員 余りにも長い事業で、通常のものよりも相当延びているということでございますが、今後、一体いつの時点で当初の目的が達成されるような状況になるのでございますか。
○佐竹政府委員 一応六十二年には基幹的な施設の完成を目途にいたしまして、六十五年度ごろまでには完全に完成ということに持っていきたいと現在のところ考えておる次第でございます。
○塩田分科員 余りにも長くなった理由、そしてその理由になったものを十分に取り除いて六十五年度までに完成にこぎつけることができるかどうか、その辺の説明を願います。
○佐竹政府委員 その原因といたしましては、中国縦貫道の開通等によって地域の社会情勢が変化し、水源地等の用地補償が難航したことが挙げられるわけでございますが、これについては既に解決済みでございます。それからさらに、既に先生御承知かと思いますが、糀屋ダムの貯留には、自己水源流域が非常に少ない関係から流域変更をやらなければならない。しかし、それを行うに際して下流の水利権者の同意がなかなか得られなかったという事情がございますが、この問題も一応解決したわけでございます。 残っている問題は、幹線水路等の用地の買収がまだ残されているわけでございますが、この点につきましては、最近の地価情勢、それから権利意識が非常に高まっていること等から見まして、まだまだ現にいろいろ問題があることは否定できないところでございます。地元の御協力をいただき、用地の取得等を円滑に進めてまいりたい、かように考えているわけでございます。 以上申し上げましたように、基本的に加古川西部に固有の工期をおくらしめた要因というのは一応片づいているわけでございます。あとは幹線水路等の用地取得の問題に尽きているわけでございますので、六十五年度の完成については、努力はまだまだ相当しなければなりませんけれども、一応の見通しを持っている次第でございます。
○塩田分科員 地元の農家でこの水負担が余りにも高くなるという心配の向きが随分ありますけれども、いかが考えておりますか。
○佐竹政府委員 確かに当初の工事費が、出発いたしました四十一、二年の時点でございますが五十九億六千万でございます。現在時点で推計しますと、総工事費がおおむね三百五十億前後になるのではなかろうかというふうに推定しておるわけでございまして、ざっと数えても六倍近い金額になっているわけでございまして、そのような不安を受益農民の方々がお持ちになることは無理もないことだろうと思うわけでございます。 今後私ども、最終的には計画変更いたさなければなりません。そのためには少なくとも受益農民の方々の三分の二の同意をいただかなくてはならないわけでございまして、その同意をいただくためには、最終的な負担額をきちっと明示し、それが農家に受け入れられる水準でなければ到底御同意いただけないわけでございまして、そのためには、今後県あるいは関係市町村とよくお話し合いをいたしまして、負担の軽減策について受益農家の御納得がいただけるような線を打ち出していきたい、かように考えておるわけでございます。
○塩田分科員 参考までに説明をしていただきたいのですが、このダム工事よりもずっと後から始まった東播用水はどのような進捗率で進んでおりますか。
○佐竹政府委員 まことに申しわけございませんが、ただいまちょっと手元に資料を持ち合わせませんので、後刻先生のところにお届けしたいと思います。
○塩田分科員 これは何年度から始まっておりますか。
○佐竹政府委員 両事業並んでいるわけでございまして、当然準備すべきであったわけでございますが、担当者もちょっと手元に持ち合わせておりませんので、後刻先生に御説明をお許しをいただきたいと思います。
○塩田分科員 これは最近に始まりまして、もう既に六十年度までで八六%の進捗率で、しかも相当広域な事業なんですが、これはかなり急テンポに進んでいますね。まさにこのような状況であるべきものなんですね。並んだ水系なんです。四十二年に着手されたそのときに、このダムの必要性、目的がこんなに——これでいきますと二十五年、四分の一世紀かかって、しかも六倍にも事業費がはね上がる、地域住民は非常に負担が高くなるということで不安を感じておる。こういうことになって、こういう事業というのは、農林省としては、大臣いかがでしょうか、余り例がないんじゃないでしょうか。これは本当に成功だったでしょうか。こういう計画をしたことは、本当にこれでよかったでしょうか。どうお考えですか。
○羽田国務大臣 先ほど佐竹局長からも申し上げましたように、ともかくこんなふうにあれしたということになりますと、こういう事業を進めた効用の発現といいますか、これが非常に乏しくなってしまったということで、遺憾であるということを述べております。ただその背景には、先ほどお話がありましたような中国縦貫道、こういったものの開通ですとか、社会的な状況あるいは補償問題、そういった問題などでいろいろと問題があったようでございますが、しかし、いずれにしましても、これは私としても遺憾だと申し上げざるを得ないと思います。
○塩田分科員 大臣が率直にお認めになりましたのでこれ以上は追及するつもりはございませんが、いずれにいたしましても、今後の問題としても、社会的に大きな問題になっておることでございますので、その解決のために県、市をよく御指導されて、一刻も早くいい方向での解決を望んでおきたいと思います。 なお、西脇市に対しましての工業用水の供用というものも考えられておったようですけれども、余りその必要性がなくなってきている。やはり二十五年もたちますとそういう事態も起こるでしょうし、またかつては、水さえあれば土地は広いから加西市という地域は内陸工業にとっても非常に有望なところだと言われておりましたけれども、今や、加西市からの工業用水あるいは飲料水等の水需要というものがこの糀屋ダムにつきましてあるかどうか、お伺いいたします。
○佐竹政府委員 播州平野は昔から非常に水源に乏しいところで一般的な水不足地帯ではあったわけでございますが、現在、具体的な形では確かに新しい需要が発生するというような状態ではないことは認めざるを得ないわけでございます。特に昨今、工場あるいは上水道も需要量の伸びというのが低下してきておるわけでございますので、長期的に見れば決してあの投資がむだになるとは私ども考えておりませんけれども、直ちに具体的な需要があるかという御指摘であれば、新しい需要が今すぐ見つかって、そこに供給することができるという状況ではないことは認めざるを得ないわけてあります。
○塩田分科員 そういった需要構造の変化もあり、いろいろな条件の変動もあったことは考えられますけれども、これだけ大きな事業であり、また、国費を投じての事業が全然まだ目的を達していない、有効利用されてないという状況を見れば、これは本当に計画がずさんだった、大きな国費のむだ遣いだと言われても仕掛がないような状況ではないかと思うのです。その点十分に御認識いただいて、円滑な問題解決をぜひとも強力に図っていただきたい、このことを要望いたします。 続きまして、圃場整備の問題についてお伺いいたします。 農業基盤整備事業、新農業構造改善事業の促進につきまして、私たちは強く要望し、毎回この分科会におきましても促進を迫ってきておるところでございます。この問題について、六十一年度圃場整備、これは県営、団体営、構造改善ごとに、その新規の採択の要望がどれぐらいあるか、またどの程度採択が可能なのか、また採択の基本的な考え方はどうなっておるのか、お伺いいたします。
○佐竹政府委員 圃場の区画形質の変更をいたします圃場整備は、専ら公共事業である都道府県営圃場整備事業、団体営土地改良総合整備事業等により実施されておりますけれども、特に規模の小さいものにつきましては公共事業である構造改善事業等においても、これは実質的に団体営以下の規模になりますが、構造改善事業によっても行われているわけでございます。 これらの公共事業の六十一年度の新規採択事業費の枠でございますけれども、最近、五十五年以降すっと公共事業の抑制が続いているわけでございますが、その中で継続地区の進度も非常におくれてまいっております。したがいまして、新規採択はできるだけ抑制ぎみに私どもといたしましては行っているわけでございますが、県営圃場整備につきましては全国で千八百四十億、土地総合整備については六百九十二億の事業費枠があるわけでございます。 一方、これらについての新規採択要望でございますが、これは昨年から県それから地元土地改良区等といろいろお話し合いをいたしまして、順次それを絞ってきているということでございますので、特に要望がどのくらいあるということを現在時点ではっきり申し上げることはできないわけでございます。今最終的なヒアリングをやりながら、漸次県の担当官等を通じて先ほど申し上げました枠内におさまるようにネゴシエーションをしている段階でございます。 採択の基本的考え方でございますけれども、これは土地改良法施行令二条に一応施行要件が書いてございますので、それに合致していることはもとよりでございますけれども、地元受益者の同意状況等いわゆる事業の熟度も勘案しているところでございます。 ちなみに、最近における兵庫県における県営圃場整備の採択状況でございますけれども、大体四地区程度を毎年採択しているわけでございます。
○塩田分科員 前回この分科会でこの圃場整備についてお伺いいたしましたときは、大体全国ベースからいっても兵庫県は高レベルである、また特にこの地域については抑制した例はありません、要望のあったものは一〇〇%通っています、今後ともそういう状況で進んでいくと思います、もしはみ出るようなものがあったら言ってもらえば考えます、こういう前向きの答弁をいただいておったのです。今の御答弁だと、新規採択については抑制ぎみだというお話でございますが、要望がかなり多いということですか。
○佐竹政府委員 先ほど申し上げましたように、県それから地元市町村等の担当者と話し合いを進めながら絞り込んでいるわけでございますが、現在時点では、要望が採択枠に対して二倍も三倍も出ているということではございませんで、話はかなり煮詰まってきているわけでございます。 それから、特にこの種の事業でございますから、特定の年度になって非常に、それは条件の変化ということもあろうかと思いますけれども、先ほど目安として申し上げたように、毎年四地区程度の県営圃場整備は採択してきたわけでございます。四囲の状況もそれほど変わっているわけではございませんので、その辺から一応御判断いただいてもよろしいのではないかと思いますが、もちろんそれぞれの時点での条件の変化もございますから、今までそうだったから必ずそのとおりになるというわけにはまいりませんけれども、一つの目安としてはお考えいただけるのではないかと思います。
○塩田分科員 それでは、具体的な問題については、ここで申し上げるよりは農林省に持ってまいりますので、よろしくお願いします。 一つお聞きしておきたいと思いますのは、同意条件は九〇%とか九五%という回答を前にもらっておりますが、これは変わっておりませんね。
○佐竹政府委員 圃場整備については、特に個人の所有地に事業を施行するわけでございますから、一般の三分の二以上に厳しい要件を課しているわけでございます。今御指摘の点は変わっておりません。
○塩田分科員 ここ五、六年前からでございますが、土地改良について面積の基準が二百ヘクタールであったのが六十ヘクタールに変更になっていますね。それから県営の場合は二七・五%の補助、団体営の場合は県は二〇%ですね。
○佐竹政府委員 細かい制度的な説明は省略しますけれども、稲作転換率がおおむね二五%を超えるものについては六十ヘクタール以上に引き下げていることは御指摘のとおりでございます。
○塩田分科員 この引き下げられたことは結構なことでございますし、我々も歓迎するわけでございますけれども、この補助率が二七・五%ですか、それと団体営の場合は二〇%ですね。その差が出ますね。その基準はよろしいですか。
○佐竹政府委員 面事業でございますので、県営圃場整備についての補助率が四五%でございまして、これはずっと従来から変わっておりません。最近の補助率カットの影響も受けておりません。 それからまた団体営の土地総でございますが、これも同じく四五%で変わってはおりません。
○塩田分科員 今の点は国の分でしょう。
○佐竹政府委員 はい。
○塩田分科員 私が先ほど言ったのは県の方です。
○佐竹政府委員 県は独自にそれぞれ上乗せ等をやっているわけでございますので、今、兵庫県がどういうふうにやっているかちょっと数字を持ち合わせておりません。
○塩田分科員 それはそれといたしまして、これは細かい議論をするデータはあるんですけれども、時間がございませんので、大臣、この運用、今の補助率の違いがあるんですね、面積の規模によってまた違ってくる。そういう問題で、採択に当たりまして公正にやっていただきたい。これは我々も厳しく見ておりますから、その点についての運用方針を大臣にお伺いいたします。
○羽田国務大臣 これは事業の規模ですとかあるいはその目的、例えば、国がこれはどうしてもやらなければならぬというものは初めから一つの差をつけてあるものはありますけれども、今先生からお話がありましたのは県の方の問題だというふうに承りましたが、県の方で、その県の事情によって多少ばらつきがあるということは私どもは知っております。ただ、国の方の採択のときに、そういった問題については当然それぞれの基準に従って公正に扱っていく、これはこれからも指導してまいりたいと思います。
○塩田分科員 法規に従って厳正に、公平に、公正にやっていただきたい、このことを強く要望いたしておきます。 それから、広域基幹林道の笠形線というのがございますが、これは昭和五十二年から六十四年までの計画で、三十二億円、二十九・五キロというふうに承っております。現在の進捗状況並びに今後の計画、見通しをお伺いいたします。
○田中(恒)政府委員 広域基幹林道笠形線でございますが、延長が二十九・五キロ、事業費三十二億五百万円の全体計画でございまして、比較的大型の計画でございます。 現在までに、五十二年から六十年度末までに延長は四・七キロメートル、一六%、事業費七億二千八百万円となっておりまして、残りが二十四・八キロ、八四%残っておる計算でございます。 この林道の今後の計画につきましては、財政が非常に厳しいという現状もございますし、また兵庫県におきます路線ごとの優先度合い等から見まして、現時点でいつ完成するかを明らかにすることは大変難しいことであるというふうに考えております。
○塩田分科員 この促進方を要望いたしておきます。 最後に一点お伺いいたします。 林地の相続につきましてお伺いいたしますが、農地に比べまして山林が不利であるという訴えがあるわけでございます。林地に対する相続税につきましても農地並みの納税猶予制度等は考えられないか、実現に向けてひとつ努力をしていただきたいと思うのですが、大臣いかがでございますか。
○羽田国務大臣 昨年私ども、六十一年度の税制改正に向けても実はこの点につきまして大変努力をいたしたところであります。ただ、農地と林地とを比較した場合に、権利の移動ですとかあるいは転用に対する規制の相違、あるいは所有の構造の相違ですとか、そういった問題がございましてこの肝実現しなかったということでありますけれども、さらに現行の特別措置、相続税制全般との均衡を図りながら、この問題を何とか解決するためにこれからも努力をしていきたいというふうに考えております。
○塩田分科員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
○柿澤主査代理 これにて塩田晋君の質疑は終了いたしました。 次に、岡田利春君。
○岡田(利)分科員 昨年末から今春にかけてモスクワは何か例年にない暖気のようでありますけれども、漁業交渉は極めて厳しい状態にあるわけです。 私は、去る二月十八日の予算委員会の総括質問の中で、本件について質問をいたしたわけであります。京谷部長が十七日に日本に帰ってまいりましてその翌日の質問であったということで、ごく二、三点に絞って大臣の見解をただしたわけであります。その後、時間が大分推移をいたしておるわけでありまして、農林水産大臣としては本件についてどのような対応措置を講じられているのか、まずこの点について御説明を願いたいと思います。
○羽田国務大臣 日ソ漁業委員会におきます協議につきましては、その経過につきまして私どももいろいろと報告を受けてまいりました。そして、その動向を見守りながら、またソ連邦の大使が今度の大会で帰国するに当たりましても、日本の状況というものを訴えることをいたしてまいりました。また、外務省の鹿取大使、この方を通じながら現場におきましてカメンツェフ漁業大臣あるいはシェワルナゼ外務大臣、この皆様方ともお話し合いをしてまいったところであります。ただ、その後、党大会があったということで話は進捗しなかったというのが現状であります。しかし、なるべく早い機会に漁業交渉を再開しようというところまで今参っておるということであります。
○岡田(利)分科員 しかし、この正月から一隻の船もソ連二百海里に出漁できない、特に根室半島のごときは、冬景色どころか企業の倒産も出始めておる。いわば深刻な事態に立ち至っておるわけであります。 したがって、いずれにしても話し合いを再開しなければ問題の解決にはならないわけでありますから、交渉の再開のめどについて一体どう判断をされているのか。同時にまた、もちろんソ連側は日本に対して、弾力的な姿勢で日本側も交渉に対応するべきだとは言うけれども、内容を検討しますと、そう弾力的に対応できるような状況にもない、こう言わざるを得ないと思うのであります。したがって、交渉開始のめど、そして交渉のきっかけ、そして打開の方途について、もうこの段階でありますからある程度具体的な所見を述べられるのではないか、こう思いますので、ぜひお聞かせ願いたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 まず交渉再開のめどでございますが、関係漁業者の皆さんのお気持ちも大変せっぱ詰まったものであるということは私どもも重々承知をしておりますので、可及的速やかに協議が再開できるように、モスクワでソ連側と再開の日程について協議をいたしておりますが、恐らくソ連の共産党大会がまだ行われておるという事態に起因するものであろうというふうに察せられますが、残念ながら現在のところソ連側から明確な返事を得るに至っておりません。しかしながら、ごく近い時期に再開の日取りは決められるものというふうに思っております。 それから、協議の再開に臨んでの私どもの考え方でございますが、中断直前の状態でのソ連側の態度の中で、底刺し網とか着底漁具の使用についてのソ連側の余りにも厳しい態度というのが、何と申しましても私どもから見て交渉上の最大のネックでございますので、私どもとしては、まずこの点をどうやって突破するかということが再開後の協議の一番重要なポイントであるというふうに考えております。
○岡田(利)分科員 ソ連大使館側は、本件については十一日以降いつでも日本がモスクワを訪問されれば話し合いに応じます、こういう態度を既に表明いたしておるわけです。また、十一日という日は、今回の外相協議の中で格上げをした経済貿易協議を十一、十二とモスクワで開催をさせる、こういう日にちでもあるわけです。 私は、農林水産大臣に予算委員会で三点について特にお尋ねをしたわけです。一つは、当面の対策をどうするかということを考えてほしい。第二には、ハイレベルの交渉でもやるという不退転の決意が必要だという趣旨の御質問をし、そしてまた第三番目には、もう漁業交渉というだけではなくして、もう少し交渉のスタンスを経済問題にも広げるくらいの態勢で臨まぬといかぬのではないかという趣旨のことを外務大臣にも質問いたしておるわけです。 そういう意味で、この交渉のきっかけというものは、今長官が言われたように非常に難しい内容を含んでおるわけですから、外務省が行う経済貿易協議、そして日ソの漁業委員会における話し合いの開始、これは当然だれが考えても連関性を持たして問題の解決に当たるというのは極めて常識的であり、当を得ておる手法ではないか、こう私は思うのでありますけれども、この点は外務省からでも結構ですが、御答弁願いたいと思います。
○都甲政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、十一日、十二日とモスクワで政府間の経済貿易協議が行われることになっておりますけれども、この際、我が方の代表である手島外務審議官よりソ連側に対して、漁業問題についてもこれの早期妥結に向けての話し合いをするということを考えております。 ただ、一般的に申し上げますと、やはり日ソ間の漁業関係というのは、これまで漁業分野の実務関係として長い間の伝統を持って処理してこられた問題でございますので、最近の二百海里時代の厳しさを反映して今回の交渉が大変難航したものになっておりますけれども、今後ともそういう意味では漁業分野の交渉というのは従来どおりの実務的な性格をやはり持ち続けるものだろうと思っております。 経済の分野におきましては、また経済の分野におきまして互恵的なものを今後とも進めていくということでございますけれども、やはり無原則な政経分離はとらないという従来の立場を継続しつつ互恵的な経済関係を発展させていくべき必要があるというふうに考えておりますので、この両者の関係につきまして、これを直ちに結びつけることにはならないのではないかというふうに考えております。
○岡田(利)分科員 漁業協力関係も経済的行為であって、また一般の貿易関係についても経済協力行為である、そういう意味では経済問題である、こういう点でとらまえることができるのではないかと私は思うわけであります。 私は、ソ連側に対しても、先般は私のところでまとめて委員長書簡という形で共産党中央委員会に書簡も出しておりますし、また大使館筋に対しても、どうも今度の交渉を見ていると暫定協定の方がよかったのではないか、本格協定の二年目でこういう異常な事態に立ち至っている、これはまさしく異常である、本格協定に我々は期待をしておったという点についていかがなものか、ソ連側についても本格協定の二年目であるという点について十分注意をしてほしいものだ、こういう意見を述べています。 第二点には、日米の関係も大変だけれども、日米と日ソは違うのだ。これは、基地から直接中、小型、零細の漁船が出ている、だから、基地経済、地域経済と密接不欠分の関係にある、そういう意味で急激な変化には対応できないのだ、この実態をよく考えてほしい。もちろん、国際的な漁業の趨勢もありますからそれを無視するものではありませんけれども、対応できるだけの余裕がないといけないし、それが海洋法の精神でもないのか。こう私は、第二点、訴えているわけです。 そして第三番目は、今長官が言われたように、日ソ関係の友好のかけ橋でもあり相互理解のしるしであった。そして海岸の昆布などの問題についても、そういう意味で民間協定が行われている。そういう精神がやはり相互尊重されなければならない。この三点を私はソ連側に会うたびに実は訴えておるわけであります。 この交渉打開の基本的スタンスというものは、私が言った三点、ここにあるのではないかな、私はこう思うのですが、私のこういう主張について御所見があれば承っておきたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 まず第一点でございますが、せっかく日ソ地先沖合漁業協定が締結をされまして、日ソ間の漁業の分野での相互関係についてより安定的な法的枠組みができた。その中で、かえって実態交渉が従来よりも難航しておることは大変遺憾なことであるということは、私どもも先生の御指摘と全く同様に考えております。 それから第二の論点でございますが、確かにアメリカ二百海里水域のように、主力部分が洋上で大手の水産会社の洋上すり身になってしまうそういう魚をとっておるものと、ソ連水域の場合は全く様相を異にしているということは、全く先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、環境変化に対する対応能力もはるかに乏しいということは、これまた先生御指摘のとおりであります。 したがいまして、ソ連側が日本との関係を友好的なものにしていきたいと考えておるのであれば、このような事情についてソ連側も当然適切な考慮を払ってしかるべきものであるというふうに私どもも考えております。先生御指摘のような事情にふさわしい反響が、現に我が国の国内で起こっているわけでありまして、そういう人たちが入れかわり立ちかわり在京ソ連大使館にもいろいろ話に行っているわけであります。そういうことについて、もしソ連にその気持ちがあるのであれば、当然適切な考慮が払われてしかるべき事情であるというふうに私どもも考えております。
○岡田(利)分科員 今の二、三の質問の中で、私、感ずるのでありますけれども、そうしますと、近く交渉再開を考えているということは、大体今月の中旬ごろを目途にして話し合いを再開をしたい、こういうことに受け取ってよろしいですか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。 私どもは、下旬にずれ込むなどというのは論外であると思っておりますから、ソ連側のしかとした返事があるわけではございませんが、私どもの心づもりとしては先生お話しのとおり考えております。
○岡田(利)分科員 今の着底トロールの問題ですね、三百以深でありますから、それとカレイ底刺し網、この現状のままで日本が認めるとすれば、認めた人はこの二つの魚種に対して死の宣告をしたということになるんじゃないかと私は思うのです。ですから、もしそんなことが決まったら、農林水産大臣はこの海域の死の宣告者である、こういう烙印を押されるわけです。私はそう厳しく受けとめておるわけであります。 そういう意味で、これからの交渉は非常に大変でありますけれども、あらゆる角度から問題の打開に私どもも協力してまいりたい、こう考えておるのであります。 そこで、先般大会もございまして、交渉の打開が一体いつになるのか。この状態は、昭和五十二年、ちょうど大臣が次官をされておって、鈴木農林水産大臣の二百海里時代とほぼ似てきたわけですね。あのときは四月一日から休漁に入ったわけであります。そして六月ごろに打開されておるわけでありますから、二カ月半くらいじゃなかったでしょうかね。それと、今の状態というのは、一月、二月、もう三月でしょう。協定してから出るまでといったら時間がかかるでしょうから、既にもう三カ月間休漁状態が続いているというのが実態ですね。これにやはり何らかの対応措置、対策を立てなければならぬのではないか。五十二年当時の対策もございますけれども、今日の時代はあの当時と違いますね。もう金を貸すところはなくなってきているのですよ、貸したって返せるかどうか、そういう問題がございますから。そういう意味では、あの当時とは違った意味で政府がある程度の裏づけをするというか、系統金融を考えるか、とにもかくにもあの時代よりも一歩進んだそういう対策が必要ではないか、こう私は感ずるのですけれども、いかがでしょうか。
○佐野(宏)政府委員 交渉が長期にわたっておりますために出漁遅延で困っておられる漁業者の状態というのは、確かに放置しがたい事態であるというように私どもも認識をしております。そこで、私どもといたしましては、関係の地方公共団体あるいは信漁連等と御相談をいたしまして、当面のつなぎ融資あるいは既に貸し付けてあります資金の償還条件の緩和、こういうことをお願いをするようにいたしておりまして、一応二月までのところはつないできたわけであります。今後の問題につきましても、私どもといたしましては、いましばらく同様の方法でつないでいただきたいということで協力要請をしておるところでございます。
○岡田(利)分科員 三月いっぱい休漁しなければならないということになりますと、漁業者の損害額またはこれをめぐる水産加工を初め関連業界の損害というのはどの程度になると把握をされておりますか。
○佐野(宏)政府委員 まず、これはなかなかちょっと難しいところがございますが、漁業者の方について見ますと、底刺し網・はえなわ漁船、これでソ連水域へ元来出られるものなら出たいという心組みでおられて、にもかかわらずこういう状態であるために出漁できずにおる船が約百十隻でございます。そのうち一部は沿岸域で操業が可能でございまして、このような小型船につきましては、一月で二十五隻、二月で二十三隻が沿岸域で操業をいたしておりますが、それ以外の船は係船を余儀なくされておるという状態でございます。 それから、沖合底びきでございますが、沖合底ひきの許可隻数百九十六隻のうち、ことしに入ってから百七十隻が何らかの形で我が国二百海里水域内で操業をいたしておりますが、漁場が狭隘である、あるいは流氷の影響があるというようなことで、十分な操業ができないという状態でおります。 それから、北転船につきましては、今のところ全般ベーリング公海で操業をしておるということでございまして、まあまあという事態でございます。 それから、水産加工の関係でございますが、これは同じ北海道の中でもかなり地域差がございますが、例えば陸上すり身業界に例をとってみますと、北海道庁の調べでは、稚内で約半分ぐらい、釧路とか紋別とかというのは七、八割ぐらい出ておるというような、かなりばらつきがあるような事態であるというように承知をいたしておりますが、押しなべて大変お困りになっているという事態はよく認識をしておるつもりでございます。
○岡田(利)分科員 漁業者はずんずんいらいら病が募っておりますから、この点も措置については万全を期してやっていただきたいということを強く要望いたしておきます。 なお、今度の漁業交渉の中で、協力金の問題ですね。日本側、既に二十七億ですか、ソ連側三十数億などという情報があるわけですけれども、ちょっとアメリカとのあるいは他の二国間の入漁料と違いがあると私は思うのですよ。なぜかなれば、三角水域なんというのは、北方領土で我が国の領海であると先般も説明をされているわけであります。前にはここで拿捕されたものは七十数億の補償が行われているわけですよ、この海域は。ですから、底びきとか大きい船の場合にはわかるのですけれども、小さい船の場合にほかと違って入漁料なんて払っているところはないわけですね。恐らくこの海域だけですね。十トンぐらいの船、二十トンぐらいの船が入漁料を払うなんというのは恐らくこの辺だけでしょう。そうしますと、この点は他と違いがあるという点では、最終的な場合には政府は配慮する必要がある、こう思うのです。もちろん交渉は妥結したわけではありませんが、私はそう思うのですけれども、私のそういう考え方に対して、いやそれは全然見当外れだと思いますか、検討をする価値があるとお思いですか、いかがですか。
○佐野(宏)政府委員 外国の主権下にある水域で操業しておられる漁業者が入漁料という形で一定の金額をお払いになるということは、二百海里時代のもとではごく通常の現象でございまして、これは必ずしも船の大小とかによって違いがあるわけではないわけでございまして、そういう意味では、どういう妥結結果になるかわかりませんが、いずれにいたしましても、漁業者の自己負担で処理をしていただくべき性質のものであるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○岡田(利)分科員 極めて慎重で、声も低くてはっきり聞こえないようですけれども、ここの海域というのは、保険に対して政府は補助金を出しているわけでしょう。拿捕されればその保険の補助金まで出しているわけでしょう。過去拿捕された漁船に対しては七十数億の補償を払っているというものでありますから、こういう点についてもぜひ十分検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。 時間もないのですけれども、韓国漁船の操業規制の問題は、暫定取り決めが十月で切れることになっているわけです。いよいよ北の海から締め出されてくると、これはUターンしなければいかぬでしょう。もうそういう現象が起きているわけですね。先ほどの底びきなどの場合でもそんなわけであります。大変なトラブルも依然として発生いたしておるわけであります。こういうことは言いたくないのですけれども、韓国漁船の違反体質というのは日本の漁船と全く同じですよ。本当はこれは余り言いたくないのですけれども……。これはどうにもとまらないのですよ。だから、やはり二百海里を引かなければならない、そういう時代に来たと思うのですね。今の二百海里時代、二百海里を引けという声が大多数でしょう。多数派でしょう。いや今のままでいいというのは少数派でしょう。各単協の状況も一変したですね。石川県から始まってずっと山口県に至るまで、もう全部そうでしょう。兵庫県もそうでしょう。京都もそうでしょう。福井もそうでしょう。機帆船の組合が多少反対しているというだけでしょう。ここまで来ればもう二百海里を引かなければいかぬのではないか、こう思うのですけれども、これは外務省でしょうか、そういう検討をする時期に来たとお思いになりませんか。
○福田(博)政府委員 今の先生のお尋ねは、ことし十月で日韓間の自主規制のものが切れてしまうので、それに応じて二百海里をしてしまってはどうかというお話だと思います。私ども具体的な期日は決めておりませんが、韓国政府と鋭意話し合いをする予定にしておりまして、その際にはもちろん農林水産省とも協議しつつ、漁業関係者の利害が最大限尊重されるように、かつ日本と韓国の関係というのはいろいろ深い関係もございますし、お互いに円満な解決が行われて、両国の関係者が納得するような方法で対処したいと考えております。
○岡田(利)分科員 水産庁としてはどうですか。これはもう二百海里を引きなさいという漁民が大多数であって、反対というのはもう少数派でしょう、違いますか。
○佐野(宏)政府委員 確かに、西側の方の漁業者の間にも二百海里の問題について肯定的態度をおとりになる漁業者がかつてに比べればふえてきていることは事実だと思っておりますが、山口県だとか長崎だとかへ参りますとまたいろいろ事情があるようでございまして、漁業者のコンセンサスが断固二百海里を引くべしということででき上がるという事態まで立ち至っているとは私どもまだ見てないわけでございます。
○岡田(利)分科員 長官、そういう認識なら間違いですよ。これはもう一つ一つ単協を挙げてもらっても結構ですよ。機帆船関係の者が二百海里より現状のままがいいと言うだけでしょう。あと全部、北海道は全部反対ですよ、二百海里を引いてくださいと。そして今言った六県についても既にそういう決定がなされているわけですね。九州だって、福岡と山口の一部を除くだけでしょう。大多数がそうですよ。こういう問題については賛成反対はつきものなんです。しかし、最後の決断は大多数の意向を尊重しなければならぬのですよ。そういうときに来ているのです。取り締まりの規制の暫定取り決めの期限が十月に来る。日ソの漁業交渉がどういう結末をつけるか重大な関係がありますよ。自分たちの漁場がなくてUターンしてくるのに、三百トンから千トンの韓国の船が来て我が物顔で目の前で漁業をする、これを黙って見ているわけにいかぬでしょう。私はそういう決断をしなければならぬ時期に来ているということを強く指摘しておきたいと思うのであります。 そこで、時間がございませんからもう一つ聞いて終わりますけれども、サケ・マスの漁業交渉は、本来であれば二月八日ですか、から東京で始まることになっているわけですね。五月一日の出漁時期でありますからまだ時間があるとはいえ、これから腰を上げてももう一カ月ちょっとよりないわけでありますから、これまた交渉開始をしなければならない時期に来ているのではないかと判断するのであります。そういう意味で、サケ・マスの漁業交渉についてはいつでも東京へ来ると向こうの方は言っているのですね。ソ連側はそう言っているでしょう。いつでも来ますと言っているのですが、これにどう我が国は対応して、いつごろから交渉開始をされるおつもりか、この機会に承っておきたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 いつでも東京へ来るというふうにソ連側が言ったというのは、私はちょっとソースがよくわからないのであれでございますが、私どもで外交ルートで接触をいたしました限りでは、むしろ私どもの方から、ソ連の御都合がよろしければ三月早々にでも東京で始めましょうかということをこちら側から提起をいたしましたのに対して、ソ連側は、恐らく日ソ漁業委員会の方の都合があってのことであろうかとも思われますが、準備の都合からこれはちょっとソ連側として都合が悪いということで、ソ連側に断られたという経緯がございます。私どもといたしましては、再開される日ソ漁業委員会等の日程も考慮しながら、先生御指摘の五月の漁期に間に合うように日ソ漁業合同委員会が開催できますように、外交ルートを通じてソ連側に話をしていきたいと考えております。
○岡田(利)分科員 時間が来ましたので終わりますが、この問題は、日ソ漁業交渉の問題、いろいろな波紋を描いてくるのです。これは下手をすると現実的に二島返還論がずっと強くなって出てきますよ。私はそう見ている。四島一括返還がなかなか難しいとすれば、二島を返還すれば三角水域半分から漁場が広がるのですから、そういうことも我々は考慮に入れておかなければならぬと思います。それからまた、この問題の帰趨いかんでは日韓の問題と重大な関連性を持ってくることも今から考えておかなければいかぬと思います。そういう分析と認識の上に立って、この交渉の打開について最善を尽くされるよう心からお願いを申し上げまして、終わります。ありがとうございました。
○柿澤主査代理 これにて岡田利春君の質疑は終了いたしました。 次に野間友一君。
○野間分科員 今、アメリカからの農産物の輸入の拡大押しつけとかあるいは市場開放政策等々、その中で農産物の輸入が急増していますね。これに伴いまして農産物に付着して病害虫が海外から持ち込まれる危険も今大変ふえております。一般の消費者だけではなくて農家の皆さん、この新種の病害虫あるいは病害動物がどんどん持ち込まれてくるのではないかということで非常に不安が募っております。 そこで、まず確認をしたいわけですが、輸入果実や野菜の数量あるいは金額はこの十年問うんとふえておると思います。この事実についての確認と同時に、輸入禁止となっている病害虫等が輸入農産物から発見された件数、これもここ十年間でうんとふえておりますが、このあたりについてまず農水省お聞かせいただきたいと思います。
○関谷政府委員 ただいま先生の御指摘になったような事態があるわけでございます。まず輸入植物の検疫の関係で申しますと、昭和四十年から五十九年、こういうふうに見ますと、栽培用植物あるいは球根、種子、生果実は大変増加を示しております。例えば植物で見ますと、昭和四十五年七十五万三千個のところ、現在は一億二千万個くらいという大変な倍率でふえております。生の果物でございますが、昭和四十年が四十一万二千トンのところ、現在百三十一万六千トン、これも三倍以上、こういうようなことでございます。その他、よく話題になります球根類で見ますと、四十年当時六千二百二十七万個のところが現在九千六百九十九万個くらい、一・五倍くらい、こういうような関係で、いずれも植物の検疫の面で見ますと、事業量としては大変増加をしているわけでございます。 その間、第二のお尋ねでございます輸入禁止対象病害虫の発見の状態でございます。五十一年以降六十年で見ますと、五十一年五十二年、四十三件七十二件、それぞれこういう数字でございましたところが、五十八年以降を見ますと、五十八年二百九十八件、五十九年二百五十五件、六十年二百六十九件、こういう状態で、まことに残念なことでございますが、輸入禁止対象病害虫の発見件数はかなり増加を示しているわけでございます。
○野間分科員 ちょっと具体的な問題についてお伺いしたいと思います。 ラプラタリンゴガイ、これは通称ジャンボタニシと言うそうですが、これについてであります。これが今大変な問題になっております。ここ二、三年特に沖縄から九州、あるいは私の住んでおります和歌山、ここでは大変な問題になっておるわけです。このリンゴガイというのは非常に逆境に強い抜群の繁殖力を持っておるわけですね。年間二十回から三十回くらい産卵して、その一回の産卵の数が数百、ふ化率が八〇から九〇%。私も直接見ましたが、卵が鮮紅色ですね。これが、数カ月で数センチ、殻は七センチから八センチに大きくなるわけですね。雑食性で、植物、特にやわらかい植物に対して嗜好性が強いというふうに言われております。 そこでお聞きしたいのは、このリンゴガイですが、いつごろどこから我が国に持ち込まれたのか。現在、これは植物防疫上どういう扱いになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○関谷政府委員 ラプラタリンゴカイ、いわゆるジャンボタニシの生態については、先生の御質問の中にございましたとおりでございまして、大変繁殖力も強いし、その速度も速い。また、食性が非常に広うございまして、普通の水生植物を食べるわけですが、具体的には、我が国では、移殖をした直後の稲の食害という形で大変大きな被害が発生しておるわけでございます。 これにつきましては、現在時点におきましては、いわゆる植物防疫法に基づきます有害動物ということになっております。これは、昭和五十九年十二月二十日に植物防疫法上の有害動物ということで指定をいたしましたので、輸入は禁止しておりますが、入りましたのは、言ってみればそれ以前でございまして、大体日本の中でもかなりの業者の方がこれを食用目的に養殖をしている、こういうことでございます。正確な、何年ごろからというのはなかなか実態として把握しておりません。 こういうことで、このリンゴガイが養殖の中でおさまっているうちはよろしいのでございますが、それが田んぼへ出てくるということで、先ほど申し上げましたような食害を来している、こういう状況でございます。
○野間分科員 大臣、お聞きのとおりなんですね。稲を食うわけですよ、若い稚苗。田植えした前後ですね。これが大変な問題になっているわけです。これは具体的な数字は結構ですから、生息しておる地域ですね、確認された限度で結構です。それから、被害が確認されておる地域ですね、ちょっと教えていただきたいと思います。
○関谷政府委員 生息と申しますか、日本の国内では、先ほど申し上げましたように、現在養殖という形で業者の方々が食用に養殖しております。この数につきましては、なかなか実態把握は困難でございますが、六十年九月末調査したところによりますと、大体全国で六百業者、県の数にして四十二県、東京、新潟、富山、石川、岡山を除く四十二県で養殖されているということでございます。ただ、この辺の業者の方の新規参入、廃業、かなり激しいようでございますが、この時点では大体六百近い業者の方が養殖をしている。その被害の関係でございますが、これは六十年十月の調査で、全国では面積で約五十三ヘクタール、水稲関係では七県でございます。それから、ミズイモ、イグサに若干の県で被害が出ております。
○野間分科員 私が住んでおります和歌山市にもたくさん生息しておるわけですね。特に、私、自分の目で、和歌山市の和佐という地区がありますが、そこへ行って、いろいろと農協の人からも話を聞いたのですけれども、実は農協傘下の組合員が総出でその撲滅作戦をやっているわけですね。これはやはり冬眠するんですよ、暖かいところで。始末に負えないわけですね。しかも、両生と申しますか、陸上でも数カ月生きることができる。ここで、雑食ですからとにかく何でも食うわけですね。始末に負えないものであります。現に、この冬も農協等の調査によっても河川に生息しておるということが確認されたわけですね。また、今月の中旬に農協等ではもう一遍調査をして、対策を検討すると言っております。 農水省もこれらについて精力的に努力をされておると思いますが、どういう対策を立てておられるのか、それをぜひ聞かせていただきたいと思います。
○関谷政府委員 これにつきましては、生態調査あるいは防除用農薬の検索、こういうことも実施しております。 具体的には、五十九年の十二月、それから六十年十一月と、二回にわたりまして被害防止対策を指導する通達を出しております。その要点を申し上げますと、生態に即したかなり具体的なことになるわけでございますが、一つは養殖に際しての散逸の防止。それから野生化した貝の収集、処分。それから休閑期に水田を掘り起こす。それから水稲はできるだけ中成苗で移殖する。これは幼苗がやられるものですからそういう指導。それから貝が発生しているところでは浅水、一センチ以下の浅い水にして管理しますと参ってしまう、そういう指導をしておるところでございます。
○野間分科員 防除対策は何か研究中ですか。
○関谷政府委員 現在のところでは、これをいわゆる薬で殺すという形のものがなかなか難しいということで、防除用農薬のいわゆる検索、と申しましても、これも貝を殺すというよりは、簡単に言えば貝が稲に取りつきにくくなるように、いわゆる忌避効果を出させるという方向で農薬ができないだろうか。これはまさに検索中というか、そういうものがないかなと検討中のところでございます。
○野間分科員 ことしの二月九日に、和歌山県の田辺市で日本貝類学会がありまして、ここでいろいろと報告がされておりますが、今、養殖から野生化しておる。全国十四都道府県で被害が出ておりまして、二十七都道府県で今申し上げたような野生化がされておると報告されております。この中でこういうことを言っておるわけです。このまま放置すれば、川の水草が食い荒らされ弱い貝が全滅するほか、川の自然形態にも大きな影響が出る、こう警告しておりますし、二月十四日付の日本農業新聞を見ますと、沖縄で採取したリンゴガイから髄膜脳炎の病原体となる、これは広東住血線虫というのですかね、これが発見されております。リンゴガイを生のままで食べた場合に危険であることはもちろん、貝を素手でさわる、手についた幼虫が口から体内に入ることも十分考えられる、あるいは住血線虫によるジャンボタニシの感染は本土半ばまで進む可能性もある、こういうふうに指摘をしておるわけです。沖縄県の農協の会長さんの話、これは新聞にも出ておりますが、人間にも害を与えるとわかった以上、行政側も養殖業者に飼育を中止するよう働きかけてほしい、こういう声を挙げております。 そこで、大臣、私要請したいのですが、今局長が述べられました対策だけではなしに、今申し上げたこれら貝類学会等の報告も受けながら、研究の成果を踏まえて、またさらに、県や農業関係者等々に対してもきめの細かな情報提供や指導を含めて、抜本的な防除対策を強化すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○羽田国務大臣 今お話しのとおり、実際に稲に相当大きな影響を与え、また人体にも影響を与えるということであります。そういうことで、私どもとしましても、今御指摘のとおり、各県の現状といったものも十分把握するようにまたこれからも努めていきたいと思います。
○野間分科員 今申し上げた学会の報告等も踏まえまして、研究者と十分連携をとりながら抜本的な対策をお願いしたいと思います。
○羽田国務大臣 そのとおりであります。
○野間分科員 次に、ミナミキイロアザミウマ、これは通称スリップスパルミというそうですが、この防除対策についてであります。 これは東南アジア方面から入ってきたと言われておりますが、我が国では昭和五十三年に初めて宮崎で被害が発見された。五十八年には和歌山にも入ってきております。これは植物の組織内に産卵されて地中でサナギになり、それから幼虫、成虫が植物上に飛来して、そして組織を摂食、特にナスとかキュウリあるいはカボチャ、こういう果菜類に大きな被害を与えております。成虫で一・二ミリ、小さなものですね。これは黄色い色をしておりますが、これによる被害の発生面積は全国でどういうふうになっておるのか。あるいは和歌山県でももちろん入っておると思いますが、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○関谷政府委員 お尋ねのミナミキイロアザミウマも外国から来ました侵入病害虫の一種でございまして、入りました年度等はまさに先生御案内のとおり五十二年度以降でございますが、その後地域的には大変広がりまして、六十年で見ますと、茨城以西、太平洋岸中心に二十八県で一万二千ヘクタールを超えます発生経過を見ております。その対象はまさにお尋ねでございましたようなナス、キュウリ、スイカ、あるいは沖縄ではカボチャ、こういうような果菜類の表面に食害を出しまして、いわゆる商品価値を失わせる形のもので、地域的にもこれからその対策に大いに力を入れなければならない状況になっております。
○野間分科員 被害面積は、聞きますと五十八年度が一万三百五十四ヘクタール、五十九年度は一万五百十六ヘクタールですか、これは六十年度になりますとさらに一万二千三百六十二ヘクタールと随分ふえていますね。これに対する対策は今どうなっていましょうか。
○関谷政府委員 これは基本的には、このミナミキイロアザミウマが出ましたときからいわゆる対策、特に防除方法について、研究陣も使いましてかなり対策については研究を進めておるところでございます。 防除的に申しますと、やはり移動防止を図るということで、特に冬季、施設内で越冬しますと、暖かいところで越冬しますとまた次期に発生する、こういう形でございますので、移動の防止ということで、苗による施設への持ち込み防止その他の、いわゆる移動を防ぐということがやはり次の発生源となることを防ぐ一番大事な方策でございます。 物理的な対策としましては、紫外線除去フィルムを用いるとかあるいはマルチを使うということもございます。 それから薬剤の面では、若干幾つかの薬剤が開発されておりまして、例えば六十年二月には新剤スルフロボス乳剤、そういう農薬の登録も行っておるところでございますが、果菜類の中に卵を深く産みつける、そういうような形でございますので、一方において薬品の安全性の問題まで考えますとなかなか徹底的な防除は難しい、これからも大いに対策を研究しなければならない虫であるというふうに考えております。
○野間分科員 農家の人から聞きましても、例えばナスをとって言いますと、ナスのがくというのですか、俗称へたといいますけれども、あの下に生息するわけですね。そうすると、農薬を散布したってそれは効かぬというわけですね。それで、とにかく聞いて深刻に思いましたのは、農薬には確かに安全使用基準がありますが、実際にはそれを無視して二日から三日に一回は消毒する、それでも二割の被害は覚悟せざるを得ない、こういう状況のようですね。消毒、消毒で体がやられるけれども、それでも食べるためには命をかけてやらざるを得ない、こういう深刻なことを農家の人からも聞かされたわけでありますが、これはもう大変な問題であります。あるいはこれはハウス栽培ですが、この中だけ防除してもしようがない、周辺全体の環境の中で対策を講じなければだめだ、そのようですね。ですから、これについても、生態的な方法を含めて安全に被害を防止する方法を至急研究あるいは確立をする必要があるんじゃないか、こういう切実な声が出ております。 そこで、農水省としては、こういう切実な声を聞いて、これまた根本的な抜本的な防除対策を強化していただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○関谷政府委員 まさに御指摘のとおりでございます。この虫自身の発生をいわば蔓延防止的に防ぐということが当面、今一番我々が心がけておるところでございますが、薬剤の面なりあるいはもう少し総合的な防除方策なり、こういうものについてはなおこれからもさらに技術的に研究をしなければならない、かように考えております。
○野間分科員 命をかけてこういう基準を無視したことすらやらざるを得ないというのが現状です。大臣いかがですか。
○羽田国務大臣 今お話しのとおり、今局長からお答えしましたとおりであります。私自身、実はちょうど政務次官をやりましたときに、例のイネミズゾウムシですか、あれがたしか愛知県なんかで発生したということがありまして、これに対する防除というものを積極的にやったことがありました。しかし、残念ながらそれが今日相当蔓延してしまっている。またあのときに、ちょうど例の松くい虫防除法ですか、この法律も実は通していただきましたけれども、残念ながら我が信州も松くい虫にやられてしまっておるというのが現状でございます。ともかく天敵のない、また今まで生息しなかった害虫というものが入ってくることによって、それが相当速いスピードであれしてくるということを考えたときに、我々としては一たん入ったものに対しての防除あるいは安全な防除というものを考えると同時に、やはり侵入を防ぐということが最も肝要かというふうに考えております。そんなつもりで、これからも害虫の侵入を防ぐための植物防疫等について十分な対応をしていかなければいけないということを、今御論議をお聞きしながら感じております。
○野間分科員 今大臣から若干お触れになりましたけれども、私どもは農業関係者からもいろいろ率直に要望を聞いたのです。一つは、今も若干触れましたが、水際で病害虫の侵入を防ぐために、輸入農産物の防疫体制を予算の面でも人員の面でも大幅に強化充実してほしいということ、二つ目は、この防除対策についてでありますが、最新の科学技術、こういうものの成果も十分生かしながら安全にかつ根本的に強化していただきたいということ、こういう要望を随分と聞いてきたのですけれども、よろしいですか。
○羽田国務大臣 今逐次それを進めているところでありまして、特に新しい技術を活用しながら体制を整えなければいけないということで、今までばらばらになっておったものをあるいは職員が一人しかいないものを、むしろ一つにまとめながら、そのかわりきちんとした人数をそこに配置する、実はそんな対策もとっておるところであります。
○野間分科員 重ねて強く強化していただきたいということを、合うなずかれましたけれども、よろしくお願いしたいと思います。 次に、紀ノ川用水の問題についてお伺いをいたします。 国営のパイロットの事業、紀ノ川用水事業でありますが、かんがい排水事業ですね、これは五十九年に終わりました。ところで、これは昭和三十九年から四十六年度まで、当初の計画ではこの八年間で二十八億円という計画でありました。ところが、これが何と三十九年から五十九年度まで二十年間かかったわけです。金も百十五億二千九百万円、実に四倍以上になっておるわけです。これは、計画当時は食糧増産体制ということでとにかくつくれつくれということから、今では転換されまして減反減反という、受益面積が非常に減る、必要性も減退する、こういう中での問題であります。非常に変化しておるわけです。私は、これはどんな理由を考えても農民には責任がないということをまず言っておきたいと思うのです。 しかも、これが今なおかつ、今度は県営の部分やあるいは団体営の部分、まだ進行するわけですね。ですから、農民にとってみますと、まだ一滴の水も自分の田に引くことができない、こういう状況であります。 ところが、金の償還だけは、六十年から利息がつきますよね。それから六十二年度から元本の償還が始まるわけですね。県営とかあるいは団体営の部分は、一体あとどのくらいかかるのか、維持管理費がどうなるのかということを考えてみますと、非常に不安な気持ちで今農民は毎日暮らしているわけですね。 そこで、一体どのくらいかかるのかということについて、事前に農水省にもお伺いをしておったところですが、この農水省の試算によりますと、受益者の負担が国営、県営、団体営、あるいはその管理費等々を入れますと、十アール当たり、一反ですね、一万五千百円、多少の誤差はありますが大体そうなるわけです。紀北地方の農民、農家の平均耕作面積は約四十アール、四反ですね。そうしますと、農水省の試算でも年間約六万円になるわけですね。これだけでも今の時世で大変なんです。 ところが、水田だけでこれを負担させるというふうになりますと、さらにふえまして十アール当たり一万七千八百円。受益面積の減少、これは当初二千三百九十一ヘクタールから千八百ヘクタールになっておりますから、二五%の減ですね。実際には十アール当たり二万二千二百五十円、一農家当たり四十アールとして年間八万九千円になるわけですね。これに維持管理費ももっとこれから上がるであろう。これは実際に稼働してポンプアップ等々しますとさらにふえます。そうなりましたら、一農家平均で大体九万円から十万円の負担を余儀なくされるということで、この負担軽減というのは非常に強い農家の要請であります。 冒頭に申し上げたように、この件について農家には全く責任がない。当初の計画がうんと延びて、しかも金額はふえておる。しかも受益面積がずっと減っておるということの中で、私たち、農民からいろいろ声を聞いてきたわけですが、せめてこの負担の軽減についてでありますが、私は前に、これは五十七年三月一日の予算の第四分科会でやったときに、当時の森実局長がこう言っておりますよ。償還条件の緩和について農民の要望を入れて運用上も配慮しなきゃならぬ。たしか、県営、団体営との進度の跛行性との調整、これも必要だ。その上で、一体完了時点をどうするか、どこに置くのか、これも十分考えていかなきゃならぬのだということ宣言われておりますね。つまり、これは今申し上げたように国営、県営、団体営がありますよね。ですから、これは単に国営が完了したということで返済の始期が始まるのじゃなくて、すべて完了した時点を返還の時期とすべきじゃないか、私は森実さんの趣旨はそういうことだと思うのです。 こういうふうにぜひ要望したいと思うのと、もう一つは、同時にこれと同じような要求になると思いますが、せめて、今の二年据え置きの十五年返済を、五年据え置き十五年返済にしてほしい、こういう切実な声、あるいは金利についても五・五を引き下げてほしいという要望が非常に強いわけでありますけれども、これについていかがでしょうか。
○佐竹政府委員 ただいまの先生の御指摘は大体事実がと思います。ただ、受益面積につきましては、私どもの方は、当初四千六百三十四ヘクタールが変更計画で四千四百四十二ヘクタールになったというように承知しております。その点はちょっと私どもの承知している事実と違いますが、その他の点では大体御指摘のとおりでございます。 この間、二度にわたる石油価格の上昇による物価騰貴等がありましてかようなことを招いたわけでございますが、二十年間というのは確かに非常に長い月日でございまして、大変遺憾に思っている次第でございます。 ただ、この償還の問題でございますが、御案内のように国が直接決めておりますのは県からの償還方法でございます。県が受益農民あるいは受益農民にかえた土地改良区あるいは市町村からの賦課方法を条例で決めているわけでございます。もちろん、県が決めるからといって、私ども自身三分の二の計画変更の同意をとらなければならないものでございますから、地元負担の軽減のためにはやはり県あるいは関係市町村等にもお願いしているところでございます。 過日、御指摘もございました点、速記読みましたけれども、その際にも、せめて奈良並みにならないかという御指摘があったかと思うのでございますが、それはそのとおりなったわけでございまして、かつ三分の二の同意手続も、大変長期間を要しましたけれども一応完了しているわけでございます。 償還が始まりましたものについての、仮に将来県営以下の問題について制度的な措置が講ぜられるにいたしましても、既に償還が始まったものには遡及しないというのがルールでございます。したがいまして、特に和歌山県におかれましても、事柄の性質をよく理解して、特に県費の上乗せ等もやっていただいたわけでございます。そのことを関係の農民の方も御理解いただいて御同意いただけたのではないかと思っているわけでございます。 ただし、一般的な問題といたしましては、最近確かに農産物価格は低迷いたしております。それに対して、特に工期が長くなったものには、事業費が高騰しているために、一部地域ではございますけれどもかなり負担問題が深刻になっているところがあるわけでございます。私どもとしても、それぞれの地区ごとの問題といたしまして、関係市町村あるいは都道府県とよく相談して、農家の方の御納得のいかれるようなことにいたしたいというふうにしているわけでございます。先生も御案内のように、私どもはとにかく計画変更について三分の二の同意をいただかないと事業が完了いたしませんので、そのような意味で、私どももそれぞれの地方自治体等とお話し合いをしていきたい、こういうふうに一般的には考えております。
○野間分科員 時間が参りましたけれども、ちょっと抜けた点を再度答弁いただきたいと思いますのは、前回のときの森実さんの答弁ですが、正確に読みますと、「県営、団体営との進度の跛行性をできるだけどうやって調整していくかという努力をこれから集中しなければならないだろうと思っております。」その後ですね、「国営の負担金は、事業完了後据え置き期間の二年を経過してから徴収することにしておりますが、そこら辺は全体の状況を見て完了時点をどうするかは私も考えていかなければならないだろうと思います。」つまり、完了の時点は単に国営が終わった時点でとるのか、全体が跛行していますから、アンバランスがありますから、全体を踏まえた上で完了時点を設定するのか、このあたりを十分考えていかなければならぬ、こういうふうに言われていますね。この点についてはどうですか。
○佐竹政府委員 森実局長がどのような趣旨で言われたかちょっと私もわかりませんけれども、県営、団体営につきましては、それぞれ地元で申請が上がってそして事業化されるということがございます。したがいまして、若干の国営事業とのずれが出ることは、大部分の地区でそのような実態がございます。私どもとしては、今回特に制度改正をやりまして国営の施行方式の改善をやりましたから、それに伴って浮きました国費の一部は、予算面で少なくともおくれることがないように附帯県営、あるいは団体営にもつけておりますけれども、先ほど申し上げましたような手続上の事情から若干おくれることもございます。それからまた受益面で申しますと、水田等につきましては……(野間分科員「聞いたことだけに答えてください」と呼ぶ)
○柿澤主査代理 時間が来ておりますので……。
○野間分科員 それじゃ、時間がありませんので、今の答弁は大変不満ですけれども、さらに後日に質疑を譲りたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○柿澤主査代理 これにて野間友一君の質疑は終了いたしました。 次回は、明七日午前九時より開会し、農林水産省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時五十分散会