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104回国会衆議院1986/02/05

予算委員会 第3号

発言数
250
登壇者
27
会派数
2
開催日
1986/02/05

会議録

小渕恵三自由民主党・新自由国民連合

○小渕委員長 これより会議を開きます。  昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。  この際、三塚運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。三塚運輸大臣。

三塚博自由民主党・新自由国民連合運輸大臣

○三塚国務大臣 政府は、資料要求について、国鉄再建監理委員会から説明を受けた売却可能用地の試算表を提出いたします。  国鉄の長期債務等の処理に伴う用地売却については、国民負担を極力圧縮すべく、今後第三者機関を設けるなど適切な措置を講じ、国民の理解と協力が得られるよう対処いたします。

小渕恵三自由民主党・新自由国民連合

○小渕委員長 田邊君の残余の質疑を許します。田邊誠君。

田邊誠日本社会党・護憲共同

○田邊(誠)委員 私の質問に対していろいろと御協議をいただきまして、ありがとうございました。  しかし、今運輸大臣から答弁があり、そしてまた手元に政府からの資料が届きましたけれども、これは私がさきに指摘をいたしました資料とほとんど大同小異でありまして、私の資料要求に対して的確にこたえたものとは到底言いがたいのであります。その意味で極めて不満であります。  さらに、この国鉄問題は国民が注視をしている重要な課題であり、特に、この長期債務の処理問題は国民の負担にかかわる重大な案件でございまするから、公平かつガラス張りに、国民が納得する形で今後進めなければならない、このように考えておりますので、私及び同僚の議員がさらにこの問題に関して質問をする機会を得たいと思っておるわけであります。  私は、それ以外の国政全般についての質疑が残されておりまするけれども、理事会の申し合わせもございますので、私の持ち時間は、残余につきましては保留をいたしまして、この際、一応質問を終わっておきたいと思います。

小渕恵三自由民主党・新自由国民連合

○小渕委員長 これにて田邊君の質疑は、保留分を除いて終了いたしました。  次に、浜田幸一君。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 先輩諸兄の御推挙を賜り、政治家として、予算委員会において党を代表して質問する機会を与えていただいたことを、友人諸君に感謝します。  そして、私は総理初め閣僚にお願いがあります。私は、きょうの与えられました時間の中において、私自身がわからない問題だけを質問いたしますので、どうか的確な御答弁を賜るよう御要請申し上げます。  まず最初に、閣僚の中で税金が高いと思っている人、手を挙げてください。——全然高いとは思っていないようであります。まことに適正な負担をしていると思っておられると思いまして、これはすばらしいことであります。しかし、あなた方が決められた税金そのものに対して、高いと思っている人、手を挙げなさいと言うと、国民のすべてが手を挙げます。  そこできょうは、ここは予算委員会でありまするので、わかりやすく御質疑をさせていただき、御説明をいただければありがたいと思います。そこで、同僚諸君の了解を得て、パネルを使用することをお許しいただきます。これは総理、ごらんいただけばわかりますとおり、一万円札です。この一万円札は——これは後ろと前が見えるようになっていますから。今までのパネルは前だけしか見えなかった。  この一万円札、これは大蔵大臣にお伺いしますが、実際問題として今、総理大臣と社会党の田邊書記長の間で一%問題、あるいは野党との間で、防衛費が高い、何々は高い、そういう議論がされているようでありますが、私は勉強不足でありますからそういうことがわかりませんので、具体的にお伺いしたいのですけれども、一万円の税金の中で、防衛予算に使われている金は幾らですか。大蔵大臣、お答えください。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 防衛関係費は、六十一年度、今御審議をお願いしておる予算におきましては六百二十円、こういうことになります。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そうすると、この予算委員会で決められるのは、国民の方々が一人ずつ高いと思っている税金の中で、国を守るために使われる金は六百二十円ですね。そうすると、その六百二十円が六百三十円になると一%枠を突破するのでしょうか。ちょっとこの点をお答えください。

吉野良彦大蔵省主計局長

○吉野政府委員 概略で申し上げますが、六十一年度のGNPが今の政府見通しどおりでございますれば、六百三十円になりますればGNP一%を超えるということになろうかと思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そうしますと、一万円の税金の中で六百二十円使われていったものが、五カ年の間に六百五十円になると、この国は軍事国家になるのでしょうか。総理大臣、お答えください。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 軍事大国にはならぬと思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そこで、もう一点総理大臣にお伺いしますが、あなたと仲のいいレーガン大統領が今年度の防衛予算で計上している額は幾らですか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 私の記憶では、たしか二千五百億ドルぐらいであったと思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そうしますと、あなたがより努力して日米協力を推進しているその背景には、アメリカの国防予算は、日本円に換算すると、日本の国家予算と同じ五十五兆円程度になりますね。これは大蔵大臣、日本が三兆三千億円、いいですか、そしてアメリカが五十五兆円の負担をしている。アメリカの国の広さは、日本の国の広さの二十五、六倍だと聞いております。しかし、アメリカには二億三千五百万人の人々が住んでいます。私の国は一億二千五百万人です。二億三千五百万人の住んでいるアメリカに生まれると、日本の国家予算と同じだけの防衛予算を負担しなければならないのです。だがしかし、日本に生まれると、一億二千五百万人で三兆三千億で済むわけですね。そうですね。その点、数字間違っていますか。  そうすると、例えば六百二十円が六百三十円になったときには、大分攻撃をされているのですけれども、世界の感覚と大分違いますね、総理。その点、どうお考えになりますか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 大体、いわゆる軍事費のGNPに対する比率あるいはその年の予算の中の比率等を見ますと、日本は、経済大国としては破格に低い水準にあります。GNPにいたしましても、ことしは〇・九三三でございましたか、〇・九九三でございましたか、ともかく一%にはいっていない。  それで、外国はどうであるかといえば、多分ソ連邦は、予算の編成が非常に不明瞭なところがありまして、軍事費であるか一般民生費であるか、一般民生費の中へ軍事費が入っているものがかなりあるわけです。そういうものもいろいろ検討して、少なくとも一四、五%ぐらいGNPの中の軍事費を持っておる。そのほか、ヨーロッパの国々を見ますと、フランス、ドイツあるいは英国というように、人口にしましても日本の半分くらい、多分半分ぐらいの国が多いと思いますが、それらの国々におきましても、大体四%ないし五%程度のGNPでいっています。アメリカが大体六%ぐらいであったと記憶しています。  そういう点を見ますと、自由世界の第二の経済大国と言われ、しかも、アジアにおける非常に重要な地域にある日本という点を考えてみますと、防衛費予算というものは、一般のそれらの外国と比べてみると非常に低い水準にある、そう言えると思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 今総理の言われる中でソビエトの問題が出ましたが、この問題は後ほどお伺いするとして、例えばあなたがヨーロッパ各国と仲よくしたいということを言っていますが、ヨーロッパの国々の人口は平均五千五百万人から六千万人ですね。その国でなぜ日本の国防予算の二倍の金を、あるいは日本円に換算すると七兆円とか八兆円になっていますが、なぜそれだけのものを負担しなければならないかというと、今あなたが説明された、国土が接近している、対ソ戦略のために、どうしても国民の方々の御理解を得て、日本の防衛予算の二倍程度のものを負担しなければ国の安全が保障されないという形でされているとは思いますが、ほかに何か、総理、私に教えていただくことありませんか。  簡単に答えてください。例えば、なぜヨーロッパは日本の国防予算よりも二倍の負担をしなければならないのですか、このことです。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 それは、ヨーロッパの場合は第一次大戦、第二次大戦において、イギリスを除いてはみんな侵略を受けて、そして戦禍の中に繰り込まれた、そういう面が非常にあると思います。日本の場合は、アメリカと戦って、そしてヨーロッパのようなああいう戦場にはならなかった。爆撃は受けましたけれども、戦車や兵隊が来て戦場にするというようなことは、沖縄を除いてはなかった。そういう面から、国防に対する考え方がある程度変わっている、そう思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 これちょっと、答弁で、国防の考え方が変わっているというのは、日本の考え方が正しくてヨーロッパの考え方が変わっているのですか、それとも、国防に対するヨーロッパの方の考え方が正しくて日本の方が変わっているのですか、どちらですか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 日本の場合には、そのほかに島国でありまして、幸いに日本海という非常に広い海がございます。そういう面から、ヨーロッパのように、きびすを接して陸続きであるという、そういう地政学的な変化もございます。がしかし、やはり国を守るという基本的な考え方におきまして、ヨーロッパはそれを非常に重要視しておる。日本も重要視していないとは言えないけれども、比重からいうとほかの面について重点が入れられている、そういうことが言えるのではないかと思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 ここは多少見解の相違がありますが、ついででございますから総理に伺っておきます。  あなたは先日、非核三原則は絶対に守ると言われましたね。今でも考え方に変わりありませんか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 政府は今まで非核三原則を守ると言ってまいりましたし、国会の決議もございまして、守るという方針を持ってまいる考えでおります。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 それでは、ここで本当は大蔵大臣にお伺いしたいのですが、いま少し総理大臣に質問させていただきます。  その非核三原則ですが、この間の質疑のやりとりの中で、田邊書記長の質問に対してお答えになっていましたが、でき得れば米ソ間の中においても核はどんどん減らして、将来はなくすことが希望だと言いました。それでは、アメリカにおける核と通常兵力の負担額の差を教えてください。これは時間がかかり過ぎると、私が質問の時間がなくなって損をしますから。  私の学んでいるところでは、通常兵力が八五%の負担、そして一五%が核の負担ということになっています。そうすると、核ほど安い安全性を保つものはないから、世界の中で核保有国がふえてきたという考えでなければならないと思うのです。この点については、もしヨーロッパでもアメリカでも核をなくしたら、その分だけ安全を保つために通常兵力というものに金をかけなければならなくなるのではないでしょうか、どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 アメリカの国防費の中における核関係の比は、たしかあなたのおっしゃるように一五%程度で、大部分は通常兵力あるいは維持費が占めていると思います。  しかし、核兵器の効用性という問題については、最近は割合に以前よりも通常兵器の重要度というものが認識されてきまして、通常兵器を充実させるという方向にかなり変化してきております。特に新しい精密誘導兵器等々の開発が進められてまいりまして、非常な効率性、正確性というものが出てまいりましたので、そういうふうに変化しつつあると思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 私は、これは五十年後、百年後の日本のために考えてみたことなんですけれども、まず非核三原則という言葉が使われるところは村か町。そして国家である以上、非核三原則というような言葉を使い過ぎたり、そのことにおもねったり、そのことに正々堂々と物が言えない指導者を持ったところは国家ではないような気がする。この点、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 国にはその国独特の国民感情もありますし、歴史的因縁というものもありますし、地政治学的位置の問題もあります。日本は広島、長崎の大きな惨劇を受けまして、全国民的な感情として核は許さない、ああいうような一瞬にして二十万人の人間を死に追いやった核は許さない、そういう感情を持っておるのでありまして、そういう国民感情は政府としても十分尊重しなければならないと思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 ここで現在の総理大臣と討論する、これ以上議論する意思はありませんけれども、ただ私は日本の国民の将来の安全性を考えるときに、核保有国の首都の上に一発ずつの核をつるしておきたいというのが私の考え方です。そのことを通じてどういうことが言われるかというと、あれは青嵐会、あれはタカ派だと言われる。しかし一人になってじっと考えてみたときに、核を保有している国家に対して核は投下されないということを考える。例えばもっと具体的に説明しますと、ソビエトがアメリカに核攻撃を加えた場合、古い資料ですけれどもアメリカの国民が九千五百万人消えてなくなる。しかし、それに報復攻撃をアメリカが加えた場合には一億二千万人のソビエト人が消えてなくなる。だから米ソ関係には核の落とし合いはないと言われているのが平和の原則なんです。ですから、お互いの国だけは攻め合わない、核を投下し合わないようにしようという形で話が進められた場合には限定することも可能です。  しかし、核を保有していない国が核を保有している国と生存していくための条件として、非核三原則は余りにも考え方の甘い平和理論であるかのごとく考えられてなりません。これ以上は御指導いただく必要はありませんが。  ここでひとつ総理にはお休みをいただいて、この間田邊書記長の質問を聞いていましたら、大蔵大臣に一回も質問しなかったのですね。これは史上初めてのことでございます。予算委員会で大蔵大臣に野党の書記長が一回も質問しなかったことは、私から謝罪をしておきます。お許しをいただきたい。(「それは越権だよ」と呼ぶ者あり)これは嫌みを言っているだけのことだから、そんなことは余り腹を立てない。  そこで大蔵大臣、今の財政を運営していく上で一番大事なことは何かと言ったら財政再建ですね。なぜ財政再建を言うかというと、今まで千円台だった国債の金利、償還、そういうものが一挙にここのところで二千円を突破してきましたね。そうすると、一万円税金をもらうと、その中の二千九十円というものが国債の償還と利払いに払われる。このことはむだなように言われていますが、実際にはそうではなくて、子供たちの時代の後年度負担というものを軽減するためにそうされているわけですね。  しかし、そこで問題なのは、今あなたにお伺いしたいのは、国債の償還と金利を一生懸命払う。その中で一番財政的に苦しんでいることは何ですか、お答えください。大蔵大臣、自分自身が一番苦しんでいること。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 経済の運営の中に財政の占める役割、いわゆる財政の対応力というのが弱っております。それはなぜかといいますと、やはり今御指摘のような国債の償還と利払い費、そうしたものが二千円を超しておるということであります。そしていわゆる国債そのものは、今までのルールによりますと、十年間で六分の一ずつ六十年かけて償還するという性格のものでございます。したがって、例えば一兆円は、仮に七%の金利を前提に置けば、三兆七千億というものを六十年間にわたって、すなわち子供、孫、ひ孫にまでツケを回す、その体質を何とか改善していきたいというのが、一番悩んでおり、そして苦悩しておる課題であります。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そうすると、こういうふうに解釈していいですか。このままでやっていくと借金の金利だけがふえて、財政的に運用ができなくなることを心配しておる、そういうことでよろしいですか。  そこで、もうちょっと何か易しくおっしゃっていただく方法はないでしょうか。何か私のテレビ、実は奥様方が多く見ているんですよ。あなたの答えですと、聞いている私もわからないし、その方々も……。もうちょっとかみ砕いて何とかおっしゃっていただけないでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 経済のやはり一つの大きな分野を占めるのが、いわば財政であります。すなわち、国民からちょうだいした税金をどう使って、暮らしを豊かにし経済を繁栄さすかというために使わなきゃいかぬ。しかし、その金を、言ってみれば子や孫やひ孫の時代にツケを回す形で調達した場合、現世に生きとし生けるものとして非常な苦悩を感ずるというのが現実でございます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 これは大事なことで、ただ一万円札で見ますと、税金をもらうと、そのうちの二〇%というのが、二千円というのは社会保障費に使われるのだ。しかし、あなたはこの国債の償還と利払いを、そういう形で子供たちの時代のための負担を軽減するためにどこを削ったかというと、いかなる増税にも反対だという人たちもたくさんいますから、そこで、削ったところはどこかというと、社会保障費ですね。これは、私が学んだ、国会議員に出てきたころは、実は二千円だった。一万円税金払うと二千円使われていたものが、中曽根内閣になり、竹下大蔵大臣の財政になると、これが一千八百二十円になった。そうですね。それと同時に、その中で安心して暮らしていた者に対しても負担を要求せざるを得なかった。  すなわち財政再建という、行政改革とかそういうことは、例えば五十年間苦労して年老いた人たちが今老後を生活しようとしているときに、その老後保障に対しても、あなた五百円負担しなさい、千円負担しなさいという形で切り込まなければ子供たちの時代を保障されない時代に入ってしまったんだ。だから、いましばらくの間御忍耐をいただきたい、そういう苦労があるということですか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 概してそう、御指摘のとおりであるとお答えすべきでありましょう。  すなわち、社会保障にいたしましても、将来お年寄りの方がますます多くおなりになる。そうして、負担する方の、お年寄りの方に対する比率というものは、したがって減っていく。そうなると、いかなる社会保障もやはり二十一世紀の人口構造というものをまず念頭に置いて、そして、だれしもこれなら負担できるという中長期的な方向に整理していかなきゃならぬ。したがって、医療費の適正化という言葉を使っておりますが、ああしてお医者さんに参りますときに一部負担というようなこともお願いしながら今日に至ってきておる、とういうことでございます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そこで、例えば、もう一つお伺いしておきたいのですが、一万円の税金の中で、特に国民の方々からお預かりした場合にすぐ返すお金がありましたね、地方財政費。地方財政に使った金が大体二千円でしたね。それが今では実は千八百八十円という形でやはり食い込んできていますね。このままこういう措置をとらないでやっていけばどんどんどんどん財政が大変になるから、それも我慢してもらわなければならないという形で切り込んでいるわけです。  そこで、私は、地方財政の健全な形というのは国家財政にとって喜ぶべきことだと思う。ところが、もしここで地方財政に対する予算カットをする。そのことで起こる問題というのはどういうことが起こるかというと、これは総理大臣にちょっとお聞きしたいのですが、サミットを成功させたいとこの間言っておられましたね。これは大蔵大臣もそうですか、サミットの成功。外務大臣もそうか。これはもう皆さんみんなそうだと思うのですけれども、サミットを成功させたいと思っていますか。ちょっとここでお答えいただきたい。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 成功させたいと思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 大蔵大臣もどうぞ。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 私も同じであります。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 外務大臣。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 ぜひ成功させなければならないと思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 通産大臣、どうぞ。

渡辺美智雄自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○渡辺国務大臣 同様であります。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 委員長、御確認をいただきたいと思いますが、将来の政治を担う人々全部向こうにいるのですけれども、大体答えが同じです。  そこで、これは総理大臣、サミットが成功するということは日本国民に対してどういう影響を与えることか、これをお答えをいただきたいのですけれども。私は、サミットの成功とは何か、保護主義的な通産省の考え方をやわらかくすることです。同時に、国民に対しては、世界の中に安全に生きていくためには自由主義国家陣営の一員としての責任を十二分に果たさなければなりません。ですから、今あなた方が持っている欲望の一〇%は我慢をしてください、そして子供たちのために、安全を与えるために御忍耐をしてください、そのことがひとりよがりの偉ぶったおごりのない日本をつくっていきます、このことを国民に御理解をいただくのがサミットの成功だと思いますが、お答えいかがですか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 大体似ていると思いますが、日本は国際国家でございまして、世界と一緒に生きていかなければ生きていけない国になっておるわけです。これだけ繁栄いたしましたのは、やはり世界のおかげでこれだけ繁栄したので、日本人の努力はもとよりございますけれども、世界各国と通商貿易を自由にさしてもらって、思う存分働けるようにしてもらっておるという体制、つまり自由貿易体制、この恩恵を一番受けておるのは日本であります。そういう意味において、今度のサミットにおきましてもそういう自由貿易体制をさらに推進するように進めていきたい。  それから、今油が下がってきておりますし、円とドルの関係が、円が非常に強くなって百九十一円までなってきておる。そういう状況で景気の先行きが少し不安視されている向きも多少出てきております。  そういう中にあって、みんなで協力して、やはり正しい持続的な景気の成長といいますか経済の繁栄を続けていく、インフレーションのない経済の繁栄を続けていく。それについて、世界の国で協力していきましょう、日本も応分の協力もいたしましょう、それが日本の国民に還元してくるわけですから、そういう世界の経済体制を進めていく。それから、やはり自由世界を結束して、そうしてレーガン・ゴルバチョフ第二回会談が成功するように、軍縮が進むようにみんなで協力していきましょう。そういうようなことを目指して、結果をうまく持っていきたいと思っておるわけです。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 大蔵大臣、サミットを成功させるということは国家安全保障上絶対に必要なんですね。しかし、甘えの構造の中で、私は会議は成功しても責任は果たし得ないと思うのですが、その点いかがでしょうか。  ここで何を教えていただきたいかといいますと、自分たちの欲望だけを一〇〇%満たしながら自由主義国家陣営に対する責任は果たし得ないと私は思っているのです。ですから、その点もしできたら、何かもうちょっといい考え方があったら教えていただきたい。  今総理大臣の答弁を聞いていますと、サミットの成功が日本のためになる。そうじゃなくて、私は、サミットは成功するもしないも日本側の考え方にあると言っているのです。日本側が今のように米国との間の五百億ドルの黒字ですね、こういうものを、生産調整もしない、輸出調整もしない、そして輸入拡大もしない。そういうままで言葉だけでもてあそばれているようなことがあると日本の国は大変ですよという警鐘乱打の方が大事なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 サミットというものがそもそもエコノミック・サミットとして最初始まったという意味において私の守備範囲でお答えいたしますならば、日本が世界の一割国家になって、大ざっぱに申しましてサミットというのは人口が六億強ぐらいになります、世界全体が四十八億としまして。そして、GNPで足しますと、恐らく五十数%になる。それぐらい、人口は八分の一ぐらいでございますが、GNPでいえば五割以上の国が世界全体の経済に貢献しなければならぬということを相談し合うわけです。そうなりますと、当然日本といたしましては、あるいは先進国全体としては、お互い保護主義をやめて開発途上国の産品が自由に先進国へも入ってくるようなそういう努力もしましょう、そしてそれがためには先進国ができるだけ協調して、インフレの上がらない持続的な経済成長もしましょう、あるいは可能な限り金利を引き下げて開発途上国の累積債務が返しやすいようにいたしましょう、そういう果たさなければならぬ役割があると思うのです。  その中で日本に与えられた役割というと、例えば先般のG5のときに附属文書という形でお話し合いしておりますのは、できるだけ日本はこれからも金融市場等も開放して、そうしてまた、いわゆる可能な限り内需を振興することによって世界経済全体に貢献しようではないか、こういうことを申しておるわけでございますので、日本自身がそのような国際的に見た日本がやらなきゃならぬ責務というものを忠実に行う義務が、成功と言われる約束の中に当然また生じてくる、こういうことになろうかと思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 ここで外務大臣、今私は外務大臣に教えていただきたいことは、例えば経済協力という言葉がある。これは内閣がかわると大体どこかしらが予算の措置でも変わるのですけれども、一つだけ枠組みでなかなか変わらないものがある。それは何かというと、経済協力費なんですね。経済協力しなきゃいけない、いけないと言いながら、実際に数字で言うと大きな、見たこともない数字が出てくる、六千億円とか出てくるのですけれども、経済協力費、国民の方々が払ってくださっている一万円の税金の中では百十円だと思うのですね。経済協力費、これはここに書いてありませんが、実は百十円なんです。そこで、私はいつも言っているのですけれども、この経済協力費をもし百十円分を二百円にすることができると、今の倍の約一兆二千億からになるわけですね。そうすると、外務大臣、やりやすくなりますか、それとも、今のままで条件緩和をしてうるさいことをつけなければいい、何かその辺について外務大臣のお考えがあったら教えていただきたいのですけれども、お願いします。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 経済協力は開発途上国の国々に対する日本を初めとする先進国の国際的な責任の一つである。これだけ日本の国も金持ちになったのですから、やはりこうやって困っている国に対してそれだけの負担をして協力をしていく。これは世界的に先進国はそれぞれやっておるわけで、世界の中では大体一つの目標としては国民総所得、GNPの〇・七%ぐらいはもっていきたいということを目標にしておりますし、また、先進国の中ではそれを達成している国も中にはあるわけですが、日本では全体の経済協力費は、大変議会の協力も得まして、今世界でアメリカに次いで第二位という総額は大きくなっておりますけれども、国民一人当たりで見ますと今おっしゃるような数字であるし、それからGNP比では〇・三三%というようなところで、まだまだ我々としては、日本がこれだけ世界第二位の経済大国になった以上は、やはりもっと世界に対して、特に開発途上国に対して協力をすべきだ、こういうふうに思っております。今七年計画をつくって倍増しておりますが、私をして言わしむれば、日本が経済的な力を持てばさらにこの経済協力を伸ばしていく、ふやしていくということが、これが日本のこれからの大きな国際責任じゃないだろうか、こういうふうに思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 これは私は、私の意見を申し上げることは越権かもしれませんが、今回の予算編成で、あなたと大蔵大臣と総理大臣の中で、この経済協力費だけは第二の国家安全保障に通ずるのでもっとふやしてくれという御要求はされましたか、念のためにひとつ。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 予算編成の前に、これは党とも相談をいたしまして、我々関係閣僚で、この経済協力は財政の非常に厳しい中だけれども伸ばしていかなければならぬ、これは国際的責任だということで、どれを七年間で、今年度から七年かけて倍増しよう、こういう計画をつくって、これはもう世界的にも発表したわけです。発表した以上はこれは国際的な約束ですから、これを着実に果たしていく。その第一年度ということで、ことしは特に予算編成の中で、全体の予算の中で七%、その他文教だとか社会福祉だとか非常に据え置きというふうな低い水準の中で、七%という防衛費以上の伸び率でもって予算を確保することができたわけであります。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 ここで大蔵大臣と外務大臣にお伺いしますが、何か新聞で見ますと、中曽根総理が終わった後あなた方の番だということが書いてありますが、あなた方の時代になったときに、この経済協力費は今よりも———渡辺通産大臣、笑っていますが、あなたも含めてですよ、今よりも多くなりますか、それとも少なくなりますか、お答えください。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 九月の十八日でございましたが、この関係大臣でいわばODAの話を決めたわけでございます。したがって、その七カ年計画というものは忠実に実行しなければいかぬということでございますから、やはり最終的にはこの倍になるわけでございますから、毎年毎年着実に伸ばしていかなければならぬという性格のものであると考えております。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 今大蔵大臣の申し上げたとおりです。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 それでは期待をいたしております。  私は、少なくとも世界に対する経済協力というのは、国民の方々の御理解をいただくこと、家庭の中で働いておられる方々の御理解をいただく、奥様方の御理解をいただいて、でき得れば、他の予算はつらいことがあっても、こういうものだけは絶対に今の日本の考え方の三倍増ぐらいに計画を練り直してもらいたいという希望を持っている。しかし、余りにも言葉が過ぎるとおしかりを受けますので、あなた方の時代が来るならば、この時代についてはこの問題はひとつ重点としてお考えをいただきたいと思います。それから、ここで外交政策について外務大臣にお伺いしますが、もう何か新聞、ラジオ、テレビ等で、総理大臣を含めてこれは教えていただかなければいけませんが、先ほどの言葉の中にも、日ソ外交をこれから展開していきたい、こういうことが言われておりますね。私は、やはり世界の各国と仲よくすることは絶対的な条件です、これは必要なことだと思う。しかし、その前にやはりやっておかなければならないことがあるような気がするのです。ですから、これはあくまでも希望ですけれども、外務大臣にお伺いします。  ソ連と仲よくする前に、その絶対的な条件として、ソ連研究所というものを日本につくる考えはありませんか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 ソ連を知ることは、やはり隣の国ですし、日ソ外交をこれから進めていく上におきましても非常に大事なことだと思う。それには、やはりもっとソ連を知るための研究所とか研究機関が必要だと思います。私、いろいろと全体的に調べてみますと、民間でも行われておりますし、また政府でも国際問題研究所なんか持っておりますけれども、ソ連研究となりますと随分おくれておるんじゃないか、実際そういう感じを私は率直に持っております。したがって、もっとこうしたソ連を研究する努力を、研究所なりあるいはまたそういう機関をこれからつくっていく努力というのは必要ではないか、ソ連研究はおくれておるというのが私の実感です。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 それからもう一点、外務大臣、これは郵政省との関係にもなるんですけれども、ソ連向けのNHK放送、このことが行われていることを知っていますか。これは聞くと失礼になりますから、例えば私がここで要望ですから申し上げておきたいのは、ソビエト向けのNHK放送を時間を拡大して、ソ連国民に日本の実態を正しく理解せしめるような努力が必要だと私は思う。この点、総理、そういう指導理念を徹底していただけないでしょうか。これはあくまでも陳情として、御意見を含めてお伺いします。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 今の御発言は非常に貴重な御発言のように思います。  日本の海外放送はどうも微弱であります。NHKが中心になって、受託のような形でやっておるわけでありますが、全世界にわたって日本の考え方を聞いてもらうという意味で今強化はしておりますが、南米とかあるいはヨーロッパ、アフリカ、そういう点にまだ非常に、微弱な電波しか行かないというので、大いにこれは強化する必要がございます。  先般のアデンで日本人が脱出した際も、あれはやはりNHK放送を聞いて事態がわかる、そういう場合もあったわけであります。緊急事態も考えてみますと非常に重要であります。  ソ連に対してもやはり同じような考えに立って、日本の実情をよく知ってもらうし、また毎日毎日、日本で何が起こっているかということも知らせる、そういうことを強化することは大事であると思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 外務大臣、私は、やはり次の時代を担う人々が自由主義国家陣営との連帯強化を完全なものにして、そして地球上におけるソビエトの軍事戦力というものがどういう形で日本に配置されているか、そういうものを指導したり教育したりする機関が必要であると同時に、そういうものに向けて、何といいますか、せっかくそういう考え方を持っているところに、何も構築されないままに安易感だけが先走るようなことのないように、これはお願いしたい。  というのは、この間の議論を聞いていまして私が一番感じたことは、北方領土をソビエトは返しません。これが私の見解です。しかし、北方領土を返さないソビエトの実態とは何か、このことを国民により知らせることの方が肝要だと考えますが、その点いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 確かに、先ほどの国際放送、日本の実態を外国に知らせる、それはもっと国際的なこういうネットワークというのを持たなきゃならぬ、私は全く同感で、痛感をしております。  それから、今のソ連との関係で、やはりソ連の実情、ソ連の考え方、これを国民に知ってもらう、これがやはり日ソ外交を進める、あるいはまた国民の対話を進める上においても非常に大事なことであろう。やはり実態を知ることによって本当に理解というものも生まれますし、あるいはまたソ連に対するはっきりした考え方も出てくるわけですから、国民に知ってもらわなきゃならぬと思います。そういう意味におきまして、私も外相会談で行いました内容につきましてもできるだけ詳しく実は発表をいたしたような次第でございまして、我々としては、これからの日ソ外交あるいはその他の外交を進める上においても相手の国の実態というものを国民に知ってもらう、それが本当の外交を進める基盤じゃないかということは私も同感です。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 これは外務大臣に、最後に一点だけお願いなんですけれども、例えば今の外務省の高官、大使、公使、これは実際問題として余り競争しなくてもなれるらしいですね。ですから、これはやはり競争してなるような仕組み、これは公務員になるための絶対的な条件、そういう仕組みをやはりあなたの在職中につくり上げて、外交官が他の省に負けないようなすばらしい、今でも負けてないのですけれども、これは多少お世辞が入っていますが、そういうものを確立されるよう要請をしておきます。  それで、最後にお約束をしていただきたいのですが、もう大体私の質問が終わりますと何だということで終わる可能性がありますので、私の方は表現は何を言われてもいいのですが、実だけはとっておかなければいけませんので、ソ連の研究所をつくるということだけひとつ御在職中に、御決定いただけますでしょうか、いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 ソ連の研究はもっと積極的にやらなければいけない、日本のソ連研究が非常におくれているというのは私も非常に痛感をしておりますが、幸い外務省そのものにソ連課を初めとするソ連に対する有力なスタッフを我々としても持っておりますし、それから国際問題研究所等もありますから、今お話しのソ連問題をさらに深めていくという意味においては国際問題研究所等の内容をさらに充実するということも一つの方向ではないだろうか。新しい研究所をつくるということになりますと、これはなかなか容易なことではありませんが、しかし、ソ連問題をさらに研究するためのいろいろのこれからの具体的な努力はしていかなければならない、そういうふうに思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そこで、今度は内需拡大という問題についてお伺いします。  今新聞、テレビを見ますと非常に難しいことが言われているのですが、公共事業というのは、一万円の税金を払うと、大臣、その中で千百五十円が使われているそうですね。それで、そのお金のほかに何か使われているお金があるそうですけれども、例えば公共事業のために使われるお金というのはどういう種類があるのですか、ひとつわかりやすく教えてください。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 いわゆる一般会計でやりますものと、それから、財源としてはやはり建設公債というものを発行しまして、国民にそれを買っていただいて、それを建設公債なら資産が残るという意味で、財政法上は四条公債と呼んでおりますが、公共事業に充てるときには予算の範囲内でそれが許されておるというので、その建設公債を財源にしております。それからいま一つは、郵便貯金とか簡易保険とか厚生年金でございますとか、そういう国の責任において預金者等からお預かりしておるお金を財政投融資資金という形で公共事業等に充てておる、こういうことになろうかと思われます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そうすると、ここに使われている一千百五十円のほかに使われている金がある。すると、全部でどのくらいのお金が公共事業に使われているのでしょうか。

吉野良彦大蔵省主計局長

○吉野政府委員 ただいまお話ございました約一万円のうち千百五十円と相当するのは、一般会計から出てまいりますお金でございますが、これが実額にいたしますと約六兆一千億でございます。  で、ただいま大臣が申し上げました財投資金でございますとかあるいは地方債を活用いたしますとかというようなことで、一般公共事業のいわゆる事業費でございますが、事業費に置き直しますと、これが約十三兆五千億でございます。でございますから、今のあれで申しますと千百五十円の倍以上の金額になろうか、そんなところでございます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 この公共事業の枠というのは、一般会計の分では、大蔵大臣、これからどんどんどんどん減っていくのでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 一般会計と申しましても、その財源が建設公債に充てられておる。そして建設公債をこの予算委員会等で今後のこの展望でお示ししておるのは、大体建設公債というものは横ばいということで、仮定計算等では参考資料としては出しておるわけでございます。が、今日までの姿で見ますと、いわば国のお金とでも申しますか、国費ベースではこれを減らし、補助率等で地方負担等をお願いすることによって事業費は伸ばしておる。したがって、おっしゃるとおり、一般会計の公共事業費は、わずかでございますが減っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そこで総理大臣に御指導いただきますが、お答えいただきますが、例えば、先ほどサミットの成功を含めて日本の経済繁栄、世界的な地位の保全という言葉がありましたけれども、ここで貿易の不均衡をなくす、そのために必要な絶対的な条件は何ですか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 一つは、いわゆる内需振興と言われておりますように、国の景気をよくして、外国へ輸出しないでも日本国内でうんと使えるようにする。それで輸出が減っていく。あるいはまた、市場をあけて外国の品物がどんどん入れるように、もし妨害するようなものがあったらこれを撤去してあげて、どんどん入れてあげる。その二つが大きな要素ではないかと思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そうすると、予算の今の計画では、例えば予算のパイそのものは限定しておいて他のものを使っていくという、内需拡大という面ですけれども、とっている。  そこで通産大臣、ちょっとお答えをいただきますが、あなたが通産大臣としてサミットを成功させる、あるいは現在の経済変化に対応するために今一番やらなければならない問題は何かというと、中小企業対策が必要だと言っておりますね。例えば貿易の不均衡の是正あるいは黒字減らし、あるいは大蔵省との間でまだやってありませんが円高の問題。円高の問題が成功してきた。円高・ドル安によって受けている中小企業の苦しさというのはどういうことかというと、今ここに急速に中小企業に対する援助政策を出さなければいけない、こう言われているわけですね。  ところが、この一万円の税金の中で中小企業対策に使われるものは幾らかというと、四十円しかない。この四十円というのは中小企業対策。ここで中曽根総理大臣の組閣のあり方に問題があるのですけれども、例えば通産大臣を、渡辺通産大臣を任命するときに、通産大臣の特色を生かすような世界的な通産省を目指す場合に、予算が決まってから通産大臣を選んでも、これはだめなんですね。これはまた後で……。  余り言うと私の評価が下がりますから、これ以上は言えないのですけれども……。  通産大臣、もし、あなたが現在の段階で、貿易の拡大、内需拡大、円高、そういうものの中で、通産省として今国民にこれだけは協力してもらわなければならないということがあったら教えてください。お願いします。

渡辺美智雄自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○渡辺国務大臣 貿易摩擦の鎮静化、これはもう何が何でもやっていかなければならぬ。これは、貿易の摩擦というのは日本だけのせいじゃないのです。これは、輸入がふえる、輸出がふえるというのは、それぞれの国に事情があって、原因があって結果があるのです。だからアメリカで、日本で安くていいものがあるから売れるのであって、要らないものは買わないのですから。ですから、それはどうしても輸出はふえる。アメリカから日本が物を買おうとしても、なかなか日本向きなものがないというのも一つですよ。ですから、これは向こうのせいです。  しかしながら、日本で関税が高いじゃないかとか、輸入手続がやかまし過ぎるじゃないかとか、そういうような認証、基準、手続、こういうものをもっと引き下げてくれ、緩和してくれということですから、それはやりましょうということでこの間の国会で法律を出してもらったわけです。  ですから、そういう点でもう一つは、我々は、アメリカや世界の国にも、日本の勉強をもっとしてくださいよ、勉強しないで、自分の国で売れるから人の国でも売れるとは限らない、それは言うべきことは言わなければならぬ。ですから、そういう点で勉強もしてもらう。たまたま、非常に実勢以上に円が弱過ぎたという点は、G5以来非常に、二〇%もドルが安くなって円が高くなるということになりましたから、これは日本の貿易に影響が出てくるのは当然のことであります。  したがって、そういうように、まず、誤解に基づいたり、そのための摩擦というものがあるわけですから、それはよく知ってもらうという努力をし、また日本でも、総理が先頭に立って、輸入を拡大しなさい、国民は一人百ドル買ってくださいよというぐらいのことを言うものですから、通産省ももちろんその意向を受けて、それは各大手商社を初め百三十ぐらいの商社に、できるだけ製品を輸入してくださいよと頼んで、去年は七十四億ドルも余分に契約をしてもらったわけです。そういう努力をまずやっておるということが一つ。  それから、内需をもっと拡大をしてくださいということをお願いをしております。しかしこれも、やはり非常にいろいろな制約がありますから、その限られた制約の中ででも、各省一致していろいろな内需拡大策、建設省もそうだ、通産省としても、いろいろ外国の製品を買えるようにしてやろうとか、いろいろなことをやっておるわけです、内需の拡大策について。  ですから、急に円高——円高、円高言うのですから、円高になるように願ってきたわけですから、それがなったのですから、そのことからいえばこれは当然のことである、今さら何で騒ぐんだねという話もある。しかしながら、それが急激に来た、二、三カ月で。まさかこんなに早く円高になると思わなかったですからね。したがって、心の準備もない、生産性もそれに合わないということになっておりますから、通産省としては、中小企業のための特別の立法をしてそれに対応する、それから、どうしてもやっていけないものは転換するとか、それから、つなぎ資金でどうしても倒産しそうなものには緊急融資をする、低利融資をする、そういうようなことは、今度法律を近いうちに国会に出して通していただくというようなことなど、大きく言うとそういうふうな一つの柱で今後通産省はやっていきたい、そう思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 私は、通産大臣にお願いをしたいことは、国内のことをやはりきちっとやるためには、国際的な責任を果たさなければならないということが大切だと思うのですね。ですから、あなたの実力でやればそういう交通整理もぴしぴしできると思いますから、ひとつその点については、他の人たちから裏側で、通産省は保護貿易主義者がいっぱい集まっているからだめだよと言われないように、いつも我々をどなり飛ばして教育するようにきちっと対応するようにしていただきたいと思うのですが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○渡辺国務大臣 したがって、通産省は、例えば関税の問題でも、これは日本の製品輸入に対する関税、工業製品ですが、恐らく世界で一番低い。ですから、アメリカなどからの輸入する工業製品の三分の二くらいは無税ですよ。現にコンピューターのようなものは、アメリカ側は部品は無税になっておるが、コンピューター本体それから周辺機器、こういうのは四・何%まだ残っておるのです。しかし、日本はことしの一月二十日から全部ゼロ。ですから、やることはかなりやっているわけですからね、これは。そういうふうなことで、革、皮革の問題についても、今度は自由化をして、通産省関係ではいわゆるIQといいますか輸入制限品目はなし、こういうことでやっているのですから、できるだけのことは今後もやらせてもらいます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そこで、文部大臣、御案内のように、あなたは長い間自由民主党の学生部長、青年局長を通じて教育の問題、そして文部大臣と御努力をいただいているのですが、どういうわけか、教育費そのものが一万円札の中で実はふえていかないのですね。これを前年から比べると、一万円札の中で科学と教育の費用が二十円減っている。九百二十円だったものが九百円に落ちている。資源なき国家の日本として、教育だけが日本の最大の資源だと実は私は思っている。  私のような教育のない者が教育の問題について余り言いたくはないのですけれども、教育の中で一番大事なものは何か。やはり機会均等に教育の場を与えるということですね。しかし、今の教育社会を見ると、豊かな者はいろいろな教育が受けられる、しかし豊かでない者は教育を受ける時間並びにあらゆるものが限定されています。  あなたが大臣になった機会にお願いをしたいのですけれども、私はやはり、学びたいという者には機会均等の教育が与えられるようなことにしていただきたい。とすると、どういう形でそういう場所、場面がつくり上げられるのか。これは我々がどこへ行ってお話しする場合でも必要なことですから、ひとつわかりやすく教えていただきたい。お願いいたします。どうしたら公平な教育がやれるか、大臣就任の抱負も含めてお答えください。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘のように、我が国の教育は機会均等ということを大きな柱に立ててやっております。学校の現実を見ていただきますと、機会が非常に幅広くなっておる。世界の中でも、教育の普及率は我が国は最高の部類に属すると言っても言い過ぎでないほど普及をしておると私は思っております。ちなみに、義務教育はほとんど一〇〇%、後期中等教育は九四%、大学教育、高等教育が三六・五%というところまでいっておりますので、志す人、希望する人のほとんどが教育を受けられるようになっております。  別の面から申しますと、今、浜田委員御指摘の教育の機会均等は、数の普及のみならずいろいろな条件の中で、例えばずばり言うと経済的な条件の中で、資質や個性や能力はすぐれたものがあっても、経済的な理由だけで本人の教育への、進みたいという願いが阻害されるようなことがあってはならないという角度の御指摘も含まれておったと思いますが、私どももそれは強く受けとめまして、そのために育英、奨学の制度であるとか、あるいは公立と私立の間にはどうしても学費負担の差がございます。今、日本では高等教育は、粗っぽく言うと約八割までが私学が負担しております。そうしますと、私学に学んでいく人が私学の負担が多いがために進学をあきらめなければならないということは大変残念な話でありますから、皆さんの御理解や国会の御協力をいただいて私学振興助成法という法律もつくって、何らかの形で私学に学びたい父兄の負担を軽くするように努力しておるというのも実情でございます。  そういったあらゆることを踏まえて一人一人の児童生徒がやはり豊かな心を持つ、たくましい心を持つ、そして日本人としての自覚を持って社会に出ていってもらいたい、教育基本法に書いておるように平和な国家並びに社会の形成者として自主自律の責任を持った一人一人が育っていくように、資質や個性や能力がうんと伸びるようにしていきたい、こう思って取り組んでおる次第でございます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 全くすばらしいお答えだと思います。しかし、あなたが次の時代の政治責任者として今ここで決意してもらわなければならないことがあります。それは、いかなることがあっても教育予算だけは減らしてはならないということです。  財政の確立、行政の改革、そして子供たちの時代の高負担は残したくない、だから借金はつくりたくない、だから教育費も減らすのだという考え方に対する挑戦はどうされますか。私は、その挑戦なくして子供たちの教育の根源、あなたの理論を守ることはできないと思いますが、いかがですか。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 教育は国家百年の大計と言われますように、長い目盛りで日本の将来のために、どんなことがあっても守り育てていかなければならない大切な政治の一つであることは委員御指摘のとおりであります。  また、文教予算に関しましても、いろいろな経緯がありまして、今、他の政策との整合性の中で与えられた枠というものは今お示しの一万円札の中でも千円以下のところであります。私個人の願いを言わしていただければ、どうか教育には温かい御理解と御配慮をいただきたい。今年度の予算編成のときは私は御指摘のように党の文教制度調査会長で、大蔵大臣にもいろいろな点でお願いをしたり、折衝をしたり、しかし、文教予算の中でも削るべきものは削ってまいりましたけれども、必要などころには必要なものをやっぱり確保しなければならぬということで一生懸命努力をしてきた結果がそうなっておりますので、全力を挙げてその許された枠の中で重点的に、例えば科学研究費であるとか留学生の問題であるとか、そういったようなところには基本をきちっと置いて将来のために誤りなきを期していきたい、こう考えております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 例えばここにある教育費問題ですけれども、私は、今のままでいくと、財政再建、むだを省こう、そういう中でまだまだ教育費が減るような気がするのです。これは文部大臣、私はやっぱり子供たちの時代に借金は残したくないんです。しかし、一つだけお願いをしておくことは、この九百円、文教と科学技術に使われているものを九百五十円にして借金がふえたとしても、子供たちの時代に、支払う子供たちは不平を言わないと思う。仮に奥様方が税金を払われるときでも、私は、教育費が減らない政治というものの期待があると思う。その中に甘えがあり過ぎてもいい。ただし甘えがあってはいけないのは、革命思想だけを前面に出して教育社会に取り組んでいる日教組の対決のときだけは甘えはいけませんけれども、私はこの予算関係の支出については、よりよい人材を集め、学校教職員によりよい環境を与えるための教育予算はぜひふやしていただくよう文部大臣の努力を求めておきます。何か御意見があればこの際承っておきますが。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 大変力強い御意見を交えての御発言をいただきまして本当にありがとうございます。  教育が極めて大切な問題であることは間違いございません。しかしもう一つ、私から特にこの場をおかりしてお願い申し上げたいことは、教育はやはりお金だけで片づくものでもございません。委員御指摘のとおりであります。いろいろ社会的なあるいは学校をめぐる諸問題が絡んできておりますけれども、全力を挙げて、当面しておるいじめの問題その他にも真正面から取り組んで努力をしてまいりたいと決意をしておりますから、どうぞ御理解と応援をしてくださるようにお願いをしておきます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 今お金だけではないということですけれども、私はやはり、世界の主要国家が支配する経済体制の中で金の価値観は、資源なき国家、国防理念が明確でないこの日本においてそうとうといものではないと思います。これは私の考え方が間違っているかもしれませんけれども、世界の支配者たちが我々日本国民をどのように支配しようとしても——経済の問題や資源の問題は支配できるでしょう。国家を破壊することも死滅をさせることもできるでしょう。しかし、日本の子供たちに与えた、世界を築き上げ、世界に奉仕し、その中から生き続けていくという教育の原点だけは絶対に破壊することができないものであることを御認識賜りたいと思います。ですから私は、教育にかけ過ぎて、そして国民の方々からしかられるようなことはないと信じておりますので、ひとつこの点をお願いします。  それから、ここで農林大臣にお伺いをします。今あなたが質疑を聞いておられるように、日本の経済は大きな変化を来そうとしていますが、その中で日本唯一の資源である食糧、これはお米を初め魚、すなわちあなたが担当しておられる農業と水産業そのものが今非常に苦しい立場に置かれていると思います。  そこであなたにお伺いしたいのですけれども、今の農業と水産業、林業も含めて、この三点の中でどうすれば世界に通用する農業が、水産業が、林業が存立するか。お考えがあったらひとつ教えていただきたいと思います。     〔委員長退席、林(義)委員長代理着席〕

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○羽田国務大臣 お答えを申し上げます。  今浜田委員御指摘のとおり、日本の農、林、水、それぞれ非常に難しい環境にございます。そういう中にありまして、農業、林業、水産業とも、これは昔から農は国の基であるということが言われておりましたけれども、林、水ともにやはり国の基であるというふうに私ども確信をいたしております。ただその中で、今御指摘のとおり、世界に伍してというお話があったわけですけれども、特に農業の分野あるいは林業の分野、この分野におきましてはどうしても土地の面積というもの、これがやっぱり一つの大きな問題でございます。そして、国土の面積の割合に日本の場合に人口が非常に多いということを考えたときに、なかなかこの点で伍すということは非常に難しいことであるというふうに考えております。ですから私どもとしては、ただ諸外国との競争ということだけでなくて、やはりどうしても確保しなければならないこのものについて我々がどういう政策をとっていくかということであろうかというふうに考えております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 私は農林大臣にお願いなんですけれども、例えば農民と一緒に守り続けなければいけないのは何かというと、農民の持っている土地だと思うのです。土地が狭いわけですね。しかし、その中でより生産性を上げるためには、これは基盤整備、これが絶対に必要だと思いますね。この基盤整備を行っていく今の前提条件が土地改良、それに対して組織が力を挙げて進んでいこうとするときに、その人々にやはりよりやりやすい状況を与えてやるのは国の財政だと思いますね。これが一つ。この財政確保は努力していただく。  それからもう一点は、農民の場合は実は土地があるのです。ところが、水産業の場合は土地がないのですね。それで、これは権利だけなんです。そして、今までは二百海里などということがなく、いじめられることもなかったのですが、今ではソビエト領土、アメリカ領土の二百海里近辺では魚もとらせてもらえない。そこで食べることに困っている漁民がたくさんいますね。そこで農林大臣も、これは外務大臣も、本当に頭も下げなくてもいいソビエトにまで行って、そういうことも含めて仲よくして、何とか漁民を守りたい、そういう水産資源を守りたいということがあるからそうされると思うのですけれども、私は特に水産業の予算を見ますと、ふえないのですね。ですから、これはどうしてもここのところにやはり新しい日本の水産業を守るための積極的な財政というものが必要なんだ。ところが、緊縮財政の中にあってそれが不可能なんですけれども、資源のない国にとって水産業が本当に大事だということを羽田大臣はしょっちゅう部会で言っておられる。ひとつあなたの才能を生かして、何とか働いて努力をしている彼らに、楽をして食えというのじゃなくて、せめて働く場所だけは、培養漁業という形で予算を投下してもいい、魚がいなくなれば我々の手で魚をつくる、そういう培養漁業への予算投下をも含めてひとつ温かい思いやりのある農政、水産そして林野行政を進めていただきたいと思いますが、御決意をお願いします。

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○羽田国務大臣 今浜田委員から御指摘のとおり、確かに水産の場合には、浜田委員が政務次官をやられて、私がすぐその後やったわけでありますけれども、ちょうどそのころから二百海里問題が起こってきて、今まさに変な意味で各国がそれぞれ主権を主張するようになってきた、そういう中で水産が非常に苦しい状況にあるということは、もう御指摘のとおりであります。  そういう意味で私どもも、厳しい限られた予算の中でありますけれども、一応シェアだけは水産の関係についてふやしてきたところでありますけれども、さらに今御指摘がございましたように、漁港の問題ですとかあるいは栽培漁業の問題、あるいは沖合なんかの漁場についても開発するように、これから私どもも予算の拡充のために努めて、漁民の皆さんあるいは魚食民族である日本人が本当に安心ができるような体制づくりのために働いてまいりたい、かように思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 次に、自治大臣にお伺いします。  私たちは、皆様方の指導を得ながら成田新東京国際空港を建設いたしました。しかし、現在運輸省の所有地である成田の土地は不法占拠されています。そして当初の計画は第一期計画で終わり、二期計画はそのままになっている。安全な航空体制を確立するためには完全な空港建設が必要です。しかし、もし仮に空港建設をしようとすれば、左翼ゲリラはそれに協力した者を一軒一軒焼き討ちをしています。国の仕事を請け負って仕事をしようとする建設業者まで焼き討ちをされているのが実態です。  私は新大臣にお伺いしたいのですけれども、国家らしい国家をつくり上げていくために、何人の犠牲を払おうと、より安全な状況をつくるためには対決していかなければならないと思いますが、その左翼の集団暴力に対するお考え方をこの際お聞きしておきます。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 先生御存じのとおり、極左暴力集団はイデオロギー、思想に基づいて暴力革命を目指す、そういういわゆる確信犯であります。したがいまして、最近の成田を初め、あるいはこれから予定されておりますいろいろな国家的行事に対しまして、非常にテロ、ゲリラ活動を活発化いたしております。しかも、これは市民の生活をも混乱させるような、その手段も凶悪化いたしておりますし、広範な形でのゲリラ活動になっております。これはいわゆる国家と国民に対する挑戦であり反逆である、私はそのように考えております。  したがいまして、今後ともこれらの活動に対しましては、警備の直接の担当者であります私の全責任におきまして、断固たる処置で臨んでいきたいと考えております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 今、成田国際空港の周辺に行きますと、警察官が実は千五百人、三百メートル置きに空港を警備している。これは夜も昼も休みがありません。  そこでお願いなんですけれども、もしお願いを聞いていただけたら——飛行機が飛び立っている間、飛行機が全然動かない間も、警察官だけはあそこで三百メートル置きにみんなが立って空港を守っています。やがて関西国際空港もできます。このときにも同じ現象が起こるでしょう。しかし、我々が安全であるその背景には、夜寝ないでそうやって守っている者もあれば、そういうグループと一緒になって破壊工作を続けようとしている人間も日本の中にはいるのです。千葉県の知事が一生懸命努力をして、その家に焼き討ちをかけられました。そして、千葉県の土本部長の家は丸焼けになり、子供ともども丸裸で救われたというのが実態です。しかし、彼らは愚痴も言わずに今も国是に沿って努力をしています。しかし、そのときに当たって地方財政に対して財政支出はカットされるような問題があることも聞いています。  特に、私は、人に目立たないところで、いつやってくるかわからない破壊者たちに対決をしている、そういう人たちに、人間らしい家庭生活と人間らしい食生活と人間らしい安住の地を与えてやりたいと思うのです。ですから、彼らの住宅問題やあるいは独身寮の問題、そういうことについても、大臣、あなた方の時代になるまで努力に努力を重ねて、努力する者に栄光のある社会をつくるために、彼らと対決をしてほしいということをこの機会にお願いをいたしておきますが、何か御決意があれば承ります。

小沢一郎自由民主党・新自由国民連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○小沢国務大臣 ただいま浜田先生から大変貴重な、そしてまた御指導をいただいたわけでございますけれども、私も先般、成田空警隊の激励と慰労に行ってまいりました。先生おっしゃるように、国のために一生懸命その職務を遂行しておる姿を見まして、本当に頭の下がる思いをいたした次第であります。  今後とも、一生懸命働いて一生懸命努力している人たちに対しまして、それが国として、また社会全体として、本当によかったなというような感じを警察官の皆さんが持てるように、誇りを持てるように十分対策を講じていかなければならない、そのように考えております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 次に、建設大臣にお伺いします。  先ほど公共事業のあるべき姿について予算の内容は大蔵大臣に教えていただきましたが、今回道路網の整備であなたが一番力を入れようとしているのはどういう道路ですか、教えてください。

江藤隆美自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○江藤国務大臣 今七千六百キロの高速自動車道路網の整備の中で、おおよそ三千七百キロ近くが供用開始になりました。しかし、高速道路綱の整備からいうと、これは世界的に極めて低い数字であります。ですから、この高速自動車道路網の整備を北から南まで完全にやるということが一つございます。  もう一つ、六十一年度中に準備をいたしまして、第九次道路整備五カ年計画の中で一万キロ構想にしようという考えがあるわけでありますから、この準備をしっかりしなきゃならないということが一つございます。  それからもう一つ、やはり国土の均衡ある発展ということになりますと、そうした高速道路網の整備だけではなくて、お互いの生活道路の整備ということが非常に必要である、こういうことをあわせて進めてまいりたいと念願をいたしておるところでございます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 私は、建設大臣にお願いしておきたいことが二点あります。  これは最終的に大蔵大臣との間で質疑をしなければならないのですけれども、例えば内需拡大という言葉があります。例えばその中でサラリーマン減税という言葉があります。これは、内需を拡大する場合でも、今まで建設省の方々が御努力をいただいてきた住宅構造そのものを変えなければならない。  これはどういうことかというと、今までの建設省の中では、住宅建設に当たってはせいぜい長くて二代ローンなんですね。私は実は総理大臣との間でもこれは議論さしていただかなきゃいけないのですけれども、内需拡大が必要だと言いながら、その具体策が出てこない。内需拡大の一環として去年木部佳昭大臣のときに御努力をいただいて、本年度予算で決定されたのは、住宅減税三百七十億円ですか、三百九十億円。これは、住宅政策の上で考えますと、ヨーロッパ、アメリカなどと比較した住宅対策から見ると、もう貧弱過ぎるのですね。  ですから、私はこれでとやかく申し上げるつもりはないのですけれども、ひとつお願いしたいことがあるのは、住宅減税はより積極的に行うよう大蔵省に要求をされて、そして新しい住宅をつくる場合に親子三代ローン、というのは二十五年ずつ三代、七十五年ローン、こういう三代ローンという形で二LDKのものは四LDKに、三LDKのものは五LDKに、そして地震国家でありますから、地震が参りました場合でも安全な建物を時間をかけてつくっていく。なぜかというと、今の住宅はつくって二十年たつとつくりかえでしょう。これではやはりだめだと思うのです。ですから、そういう問題についてひとつより一層御努力をいただきたい。  それから、もう一つは道路網の整備一万キロと言われましたが、これはすばらしいことですが、これは我々関東のことで申しわけないのだけれども、東京湾横断道路をやっていただくことになった。これは、実は私の町の富津市の、町長をやりました佐久間清先生という人が町長時代にやり、今ここにこの間まで座っていた福田派の小泉純一郎先生、この人のお父さんの小泉純也先生、この純也先生と佐久間清先生という私の町の町長が横須賀の走水と富津で会いまして、そこで始めたのが今から約二十五年前です。実は貧乏な町が二十五年間花火を上げているうちに、横須賀の走水と富津の間の横断橋が東京湾環状道路の連結道路なんですけれども、その道路の方で花火を上げていたものが、いつの間にか横断道路に変わったわけです。そして、今回は中曽根内閣において、これは今からちょうど一年前か一年四、五カ月前、中曽根派の宇野宗佑先生が私のところに来られまして、今回総理大臣に進言をしてこの問題を何とかやろうと思う、君たちも千葉県側の意見をまとめて神奈川県を説得して協力するようにということで実はお願いをされた。  今回、横断道路問題が具体化することになりました。ただ、その中でこの横断道路ですが、どちらがどういう形でやるのかということですね。この点ひとつ建設大臣、大体いつごろ着工して、何年間ぐらいでできるのか。それで、民間でやった場合と国でやった場合、道路公団でやった場合と一回往復の料金は変わらないのか。あれは何か難しい言葉で言うと第三セクターというのですか、それでやった場合、半官半民方式でやった場合と道路公団でやった場合と一往復した場合の料金は変わらないのか。そういう点に注意をして、いつごろできるのか、ひとつ教えてください。

江藤隆美自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○江藤国務大臣 まず、住宅の問題についてお尋ねでありますが、私、就任しましたときに話を聞きましたら、三百三十万戸実は空き家があるというのです。五カ年計画で六百七十万戸建てようというのに三百三十万戸空き家があるというのはおかしいじゃないかという話をしましたら、いや、その大部分はもう古くなって使い物にならない。古くなった、非常に狭い、そういうことが実はありまして、今浜田委員言われるように二十年たったらせっかくつくったものが使い物にならぬ、そういうふうなこともありますので、それはもう私もやっぱり親、子、孫、三代住むような住宅ができるようにこれから努力をしていく必要がある、こういうふうに思っております。  それから、今の東京湾横断道路でありますが、いつか私は浜田議員に我々は二十数年前からこの運動をささやかにやっておったという話を聞いて、そしてこの前ヘリコプターであの一帯をずっと回りまして、私は感動した。二十数年前から先輩の皆さんがここに橋をかけよう、あるいは道路を通そうという壮大な計画を持って臨んでおったという話を私は思い出して、感動したですね。明石大橋でもそうです。三十年前にああいうことを河野建設大臣が言われた。そういうことを私どもの時代にやれるという幸せを私感じるのですが、今の計画ではおおよそ十カ年を予定をいたしております。総工費が一兆一千五百億と、こう考えておるわけでありますが、今回特別立法を国会の御審議をお願いするということになっておりますので、審議の結果、法案の成立を見ましたならば、十年を待たずして一日でも早くこれが完成するようにすることが私どもの責任だと思っております。  それから、国やら公団がやるのといわゆる第三セクター、民間を交えてやったらどっちがどう違うんだというお話でありますが、例えば公団でも政府でも公共事業でやりますときには、これはもう単年度の予算に制約を受けるわけでございます。民間活力を、ひとつ民活を利用して、今度は民間の資金あるいは頭脳、技術をひとつ大いに活用してやろうということですから、第一にそういう予算に制約をされないということ、民間の自由な発想でひとつ思い切ってやってもらおう、そういうことで実は今回の方式を考えられたものだと聞いております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 そこで最後に、御答弁は要りませんが、運輸大臣、お願いなんですけれども^実はこの問題について、神奈川県側の御説得をいただくために小此木彦三郎先生、それから参議院の秦野東京湾開発委員長、その他たくさんの方々に御協力をいただいておりますが、ひとつ東京側の説得、あるいは神奈川県側の対応も含めて十二分に御配意を賜るよう、御相談をしてやっていただくようにお願いをいたしておきます。心から感謝をします。さてそこで、過般から苦労をかけております運輸省、運輸大臣、私は新しいことをやるときには必ず攻撃を受ける者がいると思います。そして、新しいことをやることによって国家の再建をしようとする者は絶えず苦しい立場に置かれると思います。ですから、忍耐に忍耐を重ねて御努力をいただかなければならないわけでありますが、国鉄再建にかけるあなたの考え方をお聞かせください。

三塚博自由民主党・新自由国民連合運輸大臣

○三塚国務大臣 国鉄は百十四年走り続けてまいりました。明治新政府ができて日本近代化の歴史、それは国鉄の歴史であったように思います。そういう中で、今日破局的な状況に相なりました。この国鉄を鉄道として再生をさせることが、今日中曽根内閣に与えられた、また我が党内閣に与えられた最大の政策であろうと思います。そういう意味で、この改革は待ったなしてございます。  答申が示しておりますように、六十二年四月、このことでスタートを切らさせていただきますことが、実は鉄道に職を奉じておる今日の国鉄の職員の各位の幸せにもつながります。そして同時にそのことは、地域鉄道としての位置づけが確立をされるわけでございますから、住民の足が確保され、地域の幸せにつながります。同時にこのことは国家の利益にもプラスに相なってまいるわけでございますから、そういう大局的なことのために全力を尽くさなければなりません。 改革は、浜田先生案内のように痛みを伴うものであります。その痛みを耐えて乗り越えますときに、必ずそこに健康体が生まれるわけでございますから、さような意味で、このことにすべてを尽くして、真心の限りを尽くし、誠心誠意努力をしてまいらなければならぬ。努力だけではなく、完結に向けて全力を尽くす、こういうことであろうかと考えております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 私は国鉄再建監理委員会の委員長がこの間出られまして御答弁されている姿を見まして、長い間苦労をかけたんだなということを実は実感として感じました。ですから、彼らが努力に努力を重ねて出した結論にあなたの政治的な決断を加えて、でき得るだけ早く本問題に対する法律案の通過を急ぎ、そして彼らに生きる喜びを与えてやってください。それはどういうことかといいますと、例えば国鉄対労働組合の労働協約といいますか、そういう問題を含めて、問題はたくさんあるでしょう。しかし、どのような理由があるにしても乗り越えなければならない問題です。  ただ大臣、その中に、満州から引き揚げてきて、そして国鉄に入った人の子弟、そして国鉄こそ我がふるさとと思い、我が命と思い働いてきたまじめな職員、そういう職員があったからこそ今日の日本があったことを忘れないでほしいと思います。私はあなたの人間味と、ある一方において次の時代を担う者としての冷酷な決断力に期待をします。  そこで最後に、諸大臣に対する質問は陳情を含めてあと二点になりました。  防衛庁長官、私はあなたが再任されたことを心から喜んでいます。なぜかというと、大蔵大臣が長く留任すると同じように、外務大臣が長く留任すると同じように、総理大臣と防衛庁長官は選ばれたときからやめるまで一緒でなければならないと思っていました。幸いにしてあなたはこのたび留任をすることになりました。  そこであなたに聞いておきたいことがあります。あなたは今も一%の枠を守ろうとしていますか。お答えください。

加藤紘一自由民主党・新自由国民連合防衛庁長官

○加藤国務大臣 私たちは「防衛計画の大綱」を、できるだけ早くそのレベルに到達したい、こう思っております。その際に、一%の問題の一つのテーマが昨年度じゅうあったわけでございますけれども、私たちは「防衛計画の大綱」の実施を目指しながら、できるだけ一%の粋を守り得るように努力をしてまいりたい、こう思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 先ほども総理大臣に御指導いただいたのですけれども、本当に今の国内の状態からいえばそういう答弁が当を得ていると思います。しかし私は、今の答弁はやはりあなたたちが政権を担当するころ通用しない言葉になっていると思うのです。私は今でも本当は通用しない言葉だと思っているのですけれども、さっきも言ったように、奥様方が払ってくれた一万円の税金の中の六百二十円使わしていただいているものが六百三十円になったときには軍国主義になる、六百五十円になればなお危険になる、際限なく上っていくであろう、そういうことが議論されているときに、あなたがしなければならないものは何かといえば、この点の理解を得ることです。  坂田議長が自由民主党の国防部会長であったとき、私は——私がきょう質問さしていただくという機会を与えられたときに、私の友人の中山正暉君が、お母さんの形見だということで百年前の時計を私に持ってきてくれました。そしてそのときに彼が私にこう言いました。あの国防部会で、今一%の枠という限定をすれば世界の笑い物になる、だからそれはすべきではないと中山君は主張しました。私はそのとき防衛政務次官でした。三原元防衛庁長官がここにもおりますけれども、そのときに私は、もしそういうことであるならば政務次官を辞任さしていただくということで、その部会に出て、一%の枠というようなそういう愚かなことはすべきではないと、実は反対をいたしました。しかし、多数決により我々は涙をのみました。そして、現在一%問題が守られています。ここにおる河野大臣とたもとを分かつことになったのもそのときです。しかし、私は今でも思っています。総理大臣以下、一%枠を守ろうとしているその長期的な忍耐力には敬意を表します。しかし、世界に向けて胸を張って歩くことのできない子供たちの時代を考えると非常に残念です。  そこで長官にお伺いします。今一番あなたが悩んでいることは何ですか。お答えください。

加藤紘一自由民主党・新自由国民連合防衛庁長官

○加藤国務大臣 先ほど申しましたように、私たちは昭和五十一年に「防衛計画の大綱」というのを決定しまして、これで我が国は、平時でもこの程度の防衛力は持っているべきであるというふうに決めたわけでございます。その目標に今後しっかりと到達しなければならぬわけですけれども、その際には財政的な問題もあります。そして、先ほど言いましたように、GNP一%との矛盾の問題が出てまいります。先ほど申しましたように、「防衛計画の大綱」にしっかり到達するという中で一%の問題がどうなるのかというのが一つの問題であろうと思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 これはちょっと議論になって申しわけないのだけれども、これはアメリカで受け入れられるかどうかわかりませんけれども、きょうの新聞に出ていたのですけれども、アメリカの国防予算というのは、レーガン大統領の一つの考え方として、例えば五カ年間の間に、現在の二千五百億ドルですか、二千七百五十億ドルのものを三千五百億ドルかあるいはそれを上回るものにする、こういう形のことが出ています。ただし、最後に、そういうものは国会で否決されるだろうということがついていましたけれども、実際問題として、二千七百五十億ドル、二百円掛けますと約五十五兆円ですか、その負担をしているアメリカと我々が日米協定を結んでいる。そして我々のところは三兆三千億円、例えば一万円の税金の中の六百二十円をかけるだけで本当に安心してやっていけるとお思いになっていますか。

加藤紘一自由民主党・新自由国民連合防衛庁長官

○加藤国務大臣 私たちの国は節度のある防衛力を持ちたい、こう考えておりますが、その平時でも持っていたい節度のある防衛力というものはまだ実現していないわけであります。したがいまして、私たちとしてはできるだけ早くこれに到達しなければならないと思っております。  それから、浜田委員先ほどの御指摘でございますが、私たちは一%の果たす役割というものは、過去にそれなりにあったと思っておりますから、今後ともできるだけ守っていきたいと思っておりますが、一%を一円でも超えても、例えば先ほどの御議論であれば、六百二十円が六百五十円になった途端に軍国主義とか軍事大国になるものだとは思っておりません。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 将来最も期待される防衛庁長官に余り失礼なことを言いたくないのですけれども、あなたの部下が今住んでいる住宅を見たことがありますか。

加藤紘一自由民主党・新自由国民連合防衛庁長官

○加藤国務大臣 ございます。一番端的なのは旭川の第二師団で、部屋の中へ入って見ました。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 あなたは、今、防衛庁の予算は一%を守ると言いましたね。一%を守りながら、国家を守るために寒い雪空の下で人間が住むような部屋でないところに寝ている、そういう自衛隊員に誇りと名誉を与えることができると思いますか。

加藤紘一自由民主党・新自由国民連合防衛庁長官

○加藤国務大臣 現在の住宅事情ではその点はかなりの問題であろうと思っております。特に家族持ちの隊員の子供さんたちが自分の家に学校のお友達を誇りを持って連れてこれない、恥ずかしくて連れてこれない、こういう状態で隊員の士気の向上が図られるかということは疑問があると思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 時間に限定がありますので、あなたにお願いすることはたくさんあるし、他の問題でも聞きたいことがあるんです。それはどういうことかというと、自民党がなくなってもいい、しかしでき得るならばみずからの国をみずからの手で守るために努力している自衛隊員に、せめて生きる喜びとして、妻や子供たちにだけは他の家庭の子供たちと同じような部屋も与えたい、環境も与えたい、そういう希望だけは私は満たしてやりたいと思っているのです。     〔林(義)委員長代理退席、委員長着席〕そのことによってもし一%を超えることがあった場合でも、それは軍国主義でもなければ、そして昔の誤った戦争に進むようなこともなければ、批判を受けるようなことは全くないと思うのです。言葉の上では日米安全保障条約を守り、そして自由主義国家陣営の一員としての責任を果たす、そのことを言いながら、内輪では、あの寒い冬空のもとで、日本の国をだれにも感謝されないままで守っている自衛隊員や警察官に対しても十二分な住宅が与えられない、そういう状況を打破するために、なぜ一%の枠を突破してはいけないのですか。あなたはこれでも守ると言うのですか。あなたの責任だけではありませんよ。守ることによって、守ると言って自己満足をする、そういう人たちはたくさんいるでしょう。しかし、私はあなたにお願いをしておきます。もし、あなた方が日本の政治を担うようになったとき、我々は政権政党から野党に脱落してもいい、我々は少数政党になってもいい、しかし、物の考え方、本質論だけは一歩も譲らない自民党の指導者であってほしいのです。  例えば、日米防衛協約の中で、弾薬庫をつくらなければならないとする。この鎌倉に弾薬庫をつくらなければならないとすれば、反対があれば弾薬庫も持てない。しかし、日米安全保障条約、サミットは成功さして、日本は豊かになっていきます、安全になっていきます、言葉で聞いていると聞くことはできますが、理解のできない面がたくさんありますね。ですから、あなたにお願いは、やらなければならないことだけは、たとえあなたが首を切られてもやっていくという決意だけ、あなたの部下として働いている—もうこの一点だけで結構です、あなたの部下である自衛隊員が人間らしい生活のでき得る住宅事情をつくり上げるために努力していくという約束だけしてください。お願いします。

加藤紘一自由民主党・新自由国民連合防衛庁長官

○加藤国務大臣 御指摘と御激励を感謝申し上げたいと思います。そして、隊員たちのためにしっかりとした生活環境ができるように、そして誇りを持てる環境であるように精いっぱい努力したいと思います。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 最後に、厚生大臣。  これは陳情なんですけれども、医療行政の中で、例えば医師会、歯科医師会、みんな完全なんですけれども、歯科医師会の中で技工士会というのがあるのですよ。この技工士会の方々の技工立技術料ですか、この問題を何とか取り上げてやっていただきたい。  というのはどういうことかというと、その問題は歯科医師会との間だけでやりますから、どうしてもそこを抑えられますと、粗雑なものが子供たちの歯の中に入っていってしまいます。これは意見だけ、お願いだけをしておきますが、ひとつ実現をしていただきたいと思いますが、御回答をください。

今井勇自由民主党・新自由国民連合厚生大臣

○今井国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。  先生、十分御案内のように、この歯科技工士の技工料の問題については大きな問題があることを私もよく存じております。そこで、ただいま中医協でもこの問題をいろいろ詰めておりますので、御意見を十分踏まえまして、ひとつしっかりと頑張ってまいりたいと思っております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 これはもうやはり努力して、泣いている者がいますから、厚生大臣、ひとつこれはぜひ聞き届けてやってください。お願いします。  実は新自由クラブの山口幹事長がここでお待ちでございますので、本当はまだ時間があるのですけれども、彼らの協力なくして予算の成立が認められませんので、ここで余分な時間を削除しなければならないかもしれません。ですから、これから先の質問、ひとつ総理大臣、胸をかしていただきたいと思います。  この一万円の税金の使われ方がだれのために使われておるかというと、これは国民のために使われているということがよくわかりました。そこで——何か笑っていますけれども、これは私がこれ以上申し上げることはないのでありますが、その使い方についてはできるだけ、ひとつ総理大臣、温かい思いやりをもってお使いをいただくよう、この際御要請を申し上げて、この一万円札問題は終わらせていただきます。  それから最後でございますが、総理はスイスの憲法を学んだことがございますか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 昔、読んだことはあると思いますが、もう忘れております。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 このスイスの憲法というのは、みんな日本人の場合は永世中立国スイスということで誤解がたくさんあるのですけれども、私はこれを読んでみて一番感じたことは、スイスの憲法の中の十七条でございますが、これは「いずれの州も軍隊を自由に通過せしめなければならない。軍隊は直ちに連邦の指揮の下におかれる。」と書いてあります。このスイスの憲法の中で、「いずれの州も軍隊を自由に通過せしめなければならない。」こう書いてある。そして十八条、「いずれのスイス人も兵役の義務を負う。兵役のために生命を失い、又は永久的傷害を受けた軍人は、自己又は家族のため、連邦の救済を請求する権利を有する。軍人は、最初の軍装費、被服及び兵器を無償でうける。兵器は、連邦法律の定める所により、軍人の手許に保管する。」こうなっている。  そしてユーゴスラビアという国があります。非同盟中立国ユーゴスラビア、この憲法条文の中に、「ユーゴスラビア人民は、何人たりといえども、戦争の降伏文書に調印をしてはならない。」  そしてソビエトの憲法十二条には、「ソビエト連邦における労働は、働かざる者は食うべからずの原則によって労働能力のある各市民の義務であり、又名誉である。」そして四十九条に、「最高会議幹部会は、最高会議の閉会中に、ソビエト連邦が武力攻撃を受けた場合、もしくは侵略に対する相互防衛をなすことに国際条約上の義務履行の必要がある場合において戦争状態を宣言する。」とあります。そして百三十二条に、「一般兵役の義務は法律である。ソビエト連邦軍による軍事勤務はソ連邦軍隊の名誉ある義務である。」第百三十三条、「祖国の防衛はソ連邦各市民の神聖な義務である。祖国に対する反逆、即ち宣誓違反、敵側への脱走、国家の軍事力の棄損、間諜行為は、最も重大な罪悪として法の厳罰をうける。」こう書いてある。  そして中国は百三条において、「祖国の防衛は、中華人民共和国の全ての公民の神聖な義務である。法律の定める所より、兵役に服することは、中華人民共和国の公民の光栄ある義務である。」と書いてあります。  そこで総理、我が日米協定を結んでおるアメリカ合衆国の憲法の中に、「我々合衆国の国民は一層完全な連邦を形成し、正義を確立し、国内の安寧を維持し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、我らと我らの子孫の為に自由の恵沢を確保するなどのアメリカ合衆国の為にこの憲法を制定する。」と書いてあります。我が国の憲法は、いかなることがあっても戦争はいたしません、侵略はいたしません、だから陸海空の兵力、これを持たないと書いてあります。今我々が国会の中において最も時間をかけて審議しなければならない問題は、我が国が国家であるべき体をなすために、他の国々と同じように、日の丸が国旗であるのか、君が代が国歌であるのか、星条旗が国旗であるという制定をする国家と同じように国家らしい国家をつくり上げるためにあなたのすべての人生をかけてもらわなければなりませんよ。あなたの任期中にあなたがなすべきことは、総理、他の者ができ得なかった決断です。国民の支持を得ることよりも国民の長期的な生存のためにあなたの勇断を期待して質問を終わりたいと思いますが、御見解を承ります。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 貴重な御意見として謹んで承っておきます。

浜田幸一自由民主党・新自由国民連合

○浜田(幸)委員 委員長、今総理が貴重な意見ということで言われましたが、質問時間を保留しておきたいのでありますが、先ほども申し上げましたように新自由クラブが待っておりますので、残された時間は新自由クラブにお与えいただくよう各党に御要請します。・そして最後に、大蔵大臣初め外務大臣、そして渡辺大臣、あなた方のニューリーダーの時代は目の前に迫っております。私が今質問をしたその内容に総理大臣が答弁したようなそういうそっけない答弁ではなく、次の答弁を用意しておいてくださるようお願いをして、質問を終わります。温かい心を持った自民党の諸君、やじも飛ばさずに協力をしていただきました社会党初め野党の諸君に敬意を表します。ありがとう。

小渕恵三自由民主党・新自由国民連合

○小渕委員長 この際、山口敏夫君から関連質疑の申し出があります。浜田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山口敏夫君。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 紛糾を続けた予算委員会でございますが、与野党の理事さんの御努力で再開されたことに敬意を表する次第でございます。  しかし私、質問者として待機中に議員会館におりましたら、いろんな方から電話が入りまして、ニュースを見ていると、アメリカのレーガン大統領の一般教書のニュースでございますとかスペースシャトルのニュースでございますとか、日本の国民にとって一番大切な、一番関心のある予算委員会が行われておるのにもかかわらず、日本の国会の状況は何らこのニュースに出てこない、こういう御不満がございました。私は、やはり国会は論戦の場所でございますので、ひとつ論議を通じていろいろ与野党の対立点、問題点を一層深めていただくということが一層肝要かと思いますので、ひとつ委員長にもその趣旨、お願いを申し上げておきたいと思う次第でございます。  そこで、ただいま浜田さんから大変ユニークな政策論議が展開されたわけでございますが、引き続き私も当面する我が国の諸問題について総理以下関係閣僚に御質問を申し上げたいと思います。  そこで、ことしの正月に我が国で成人を迎えた若人が百八十万人おるわけですね。ところが、現在アメリカ合衆国におきましては何と八百万人に近い失業者がおるわけでございます。この八百万失業者のうち約百八十万人から二百万大規模の失業者はいわゆる日本の輸出攻勢によって生まれてきた失業だ、こういう位置づけもされているわけですね。ですから、アメリカ議会がいろいろ対日貿易赤字に対しての深刻な議論をしておるということでもございますし、私はやはり、フランスのジスカールデスタン大統領がミッテラン社共政権にかわった、また西ドイツのシュミット政権がコール・キリスト教民主党政権にかわった、いろいろ外交、防衛問題ございますが、いずれもその背景には大量の失業問題が大きな社会不安を呼んでいるわけですね。これは社会不安だけではなくて、勤労青少年の非行の問題あるいは社会の秩序、治安の問題、あらゆる面で関連があると思うのです。そういう意味で、我が国もこの二カ月ばかりは失業率が二・九%、かつてない失業が今ふえてきているわけです。これが仮に日本でも五%以上の失業ということになりますと、これはもう自民党政権という問題よりも日本の自由経済、自由社会の根幹につながるような政治問題になってくると思うのです。  そうした問題を一つの基本としていろいろ論議をしたいと思うわけでございますが、今申し上げましたように、戦争時における戦死者、これは平和時における失業、こういう問題にも位置づけられるわけでございまして、日米経済摩擦あるいはそうした問題は、今や日米経済戦争、こういう認識を一人一人の国民がもっと持つべきであるというふうに私は考えるわけです。中曽根総理がアクションプログラムでございますとか基準・認証の見直し、これは口では簡単でございますが、日本の既存の利益や権利を手直ししていくということはなかなか大変な御苦労だと思うのですね。各閣僚が一生懸命これに取り組んでおるということについても心から敬意を表するものでございます。  そこで、私はまず最初に、こうした問題とあわせて通貨調整という問題も膨大な黒字解消のためにはどうしても避けて通れない、こういうことで、竹下大蔵大臣がいわゆるG5ということで政府介入、こういう円高政策への御努力もいただいたわけでございますが、現在はこの円高の定着という問題と、それから余りにも急激な円高によって、日銀総裁がちょっと懸念を表明されたということもございます。  そこで、澄田日銀総裁は、八五年の九月のG5のころは我が国の円は二百円台、こういう一つのお考えを表明されたわけでございますが、ことしの一月に竹下大蔵大臣がアメリカでの記者会見で、日本の円は百九十円台を耐え得る、どういう趣旨の記者会見をされた。さらに私どもの方の資料の中で、アメリカのCIAなんかの経済資料などを見ますると、これが何と一ドル百五十円から百七十円ぐらいまでになる、こういう一つの数字を出しているわけですね。特に米通商代表部の代表は、この五百億ドルという対日貿易収支が史上最高だったあの時点において、対日貿易赤字を圧縮するためにもっと円高にすべきである、こういう強い見解を表明されておるわけでございます。  その点について日銀総裁と竹下大蔵大臣から、急激な円高状況についてどういう御見解と将来的展望を持っておられるか、ひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。

澄田智日本銀行総裁

○澄田参考人 お答えを申し上げます。  ごく最近の円高でございますが、これは一月二十四日東京市場から二百円を割りまして、そして一層円高化をした、こういうことでございますが、これはロンドンのG5におきまして、これまでの成果に後戻りすることがないように各国協力していく、こういう合意を受けまして、市場におきましては円安方向に対しては一種の壁が形成されたというような、そういう認識ができ、一方、その後米国の昨年の第四・四半期のGNPの下方修正とか、あるいは昨年中における米国の対日大幅貿易赤字の数字が公表されるというようなことで、一段と円高・ドル安の要因というふうにこれが受け取られまして、そうした事情から市場にドル安・円高化への相場観がかなり強まってきている、こういうことによるものと思っております。  したがいまして、私どもとしましては、ここへ来ての円高というのがかなり急ピッチである、一週間ぐらいの間に十円以上の円高になった、こういうことでありまして、その間、公定歩合を引き下げたわけでありますが、かえってその発表の決定の日あるいは翌日実施の日というときにも一層円高が進んだ、こういうような状況でございますので、これはややちょっとピッチが速いのではないか。対外不均衡の是正を図っていくためには、方向としては円相場が円高になっていくことは望ましいところでありますが、しかし、円高に対応して我が国の産業界の体制づくりというようなことに取り組んでいる、そういうところであるということも考えますと、当面は円高基調が定着するという方がより望ましいところではないであろうか、こういうふうに思っている次第でございます。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 きょうの終わり値が百九十二円六十五銭、こういうことであります。  確かに九月二十二日のニューヨークのG5以来円高基調が、あるいはドル以外の通貨の価値がだんだん経済の実態を反映するような方向で動いてきた。そして今、澄田総裁からもお答えありましたように、それのフォローアップをしようというロンドンのG5においては、お互いが今日までの成果に満足すると同時に、今後後戻りしないように注意しよう、そこまで合意ができておるわけであります。したがって、私は今日の状態は、いわば今介入をどうしているとかいうことでなく、市場の自律的な動きの中で相場が形成されておるという限りにおいて、これは健全な姿であろうというふうに考えております。  ただ、ロンドンG5以降、私が百九十円台で我が国産業は許容し得るという発言がロイター電等で伝えられましたが、あの発言は、英語が下手だという点ももちろんございますけれども、これが一番大きな理由でございましょうが、二百一円が百九十九円になったらどうか、こういう質問がありましたので、それらが市場で自然な形で定着していくことは私は十分好ましいことではないかという答えをしたつもりでありまして、邦人記者の中には私の言うことを理解しておる人が多かったように見えますが、中には若干、いわば一つの日本経済の受け入れ許容範囲を言ったかのごとき印象を与えた。が、これは今だんだんぬぐい去りつつあるというふうに私は思っております。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 やはり円高は、何といっても日本は輸出関連産業が多いわけでございますから、説明が不十分であったということだけでは済まされないわけでございまして、円高の急激な進行、こういう問題が大変経済あるいは勤労国民への生活にもはね返る、こういうことでございますが、これは後ほどまた申し上げたいと思うわけでございます。  そこで、円高をどうやったら定着させ得るかという問題については、協調介入の問題とか、これももう限界がありますが、財政拡大あるいは資本の流出をどう調整するか、いろいろございます。しかし、ここでは私はもうむしろ、円高の定着というよりも、急激な円高状況に対してある程度ブレーキをかけるというぐらいの政策的な心構えが必要なのではないか。そういう意味で、今は直接総裁も大蔵大臣も介入する気持ちはない、こういうことでございますけれども、例えば今これ以上、CIAの数字ではございませんけれども、百五十円あるいは百七十円、こういうことになりますと、例えば公定歩合の再利下げでございますとか、そうした点も含めた政策的な検討というのが必要なんじゃないか。これはまあ日銀総裁の所管でございますけれども、大蔵大臣から私はあえて御答弁を伺いたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 これはそもそも変動相場制というのを一九七一年、昭和四十六年のドルの兌換制停止が決まりました後、非常に時間をかけて、やはり市場に判断さすのが一番適正だというので、変動相場制ができておるわけですから、いわばマーケットメカニズムが最高だということでございます。したがって、本来人為的な介入とかいうことはあるべき姿かどうかということになりますと、当時私は内閣官房長官でございましたのでよそから見ておりましたが、時に疑問を感ずることはございました。しかし、まあ言ってみればだれが見ても、五カ国の大蔵大臣なり通貨当局が集まって、今実勢を反映していないな、今の実勢がノーマルじゃないなと思うときには共同した行動をとろうということは、我々が申し合わせしておるわけです。その共同行動というものが、今行われておるわけじゃございませんが、そういう考え方というのが今の状態をもたらしている。  ただ、今の山口さんの御意見を聞いておりますと、今度は人為的な逆介入ということの意味にとらえる人もあるかもしらぬ。しかし、今私どもは人為的逆介入というような状態にあるとは思っていない。それで、将来のいわば為替相場の問題については、やはり正確なファンダメンタルズが反映されるように、各国ができるだけ可能な限りの経済政策の協調性を図りながら、そして、時に必要とあらば共同した行動をとるという原則を申し上げるのがやはり限界ではないかと思います。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 そうすると、いわゆる円高が問題だということではなくて、急激な円高に経済的な問題がある、こういうことですから、例えば百八十円台の百八十二、三円というような状況、あるいは百七十円台の後半、こういう場合のときは逆に政府介入のような問題が当然出てくると思うのですけれども、その点も含めてもう一度お答えをいただきたいと思うのです。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 介入というのは、これはやはりやるかやらぬかわからないところに抑止力が働いておるんじゃないか。防衛論争みたいな言葉を使いましたが。したがって、ある種のターゲットを想定してそういうことを申し上げるというのは、やはり今、日本の大蔵大臣は——私ではございません。日本の経済力が偉大であるから、日本の大蔵大臣の発言というのは相場観を形成したりする大きな危険性もございますので、やはり特定のターゲットを申し上げるということは差し控えるべきだ。山口委員の御議論の趣旨は私どもも理解をいたしておりますというのがお答えの限界じゃないかなと思います。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 百九十円台が耐え得るということは、百八十円台はなかなか厳しい、こういう認識はお持ちかどうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 いわゆるそれぞれの企業は企業なりの独自の、場合によっては企業秘密に属するレートを一応念頭に置いて生産計画をお立てになっておるでありましょう。したがって、それは企業ごとにそれぞれの適正なレートというものの判断はあるにいたしましょうとも、私が今山口さんのおっしゃった数字に対して是か非かを申し上げるというのは適切でないではなかろうかというふうに思います。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 いずれにしましても、大蔵大臣も急激な円高については日銀総裁同様に多少憂慮しておる、ひとつこういう認識を持っていただきませんと、やはり中小企業その他の問題では非常に深刻な場面になってきている。こういう事情を十分、御承知だと思いますけれども、さらにひとつ念頭に入れていただきたいと思うわけでございます。  そこで、もっといろいろ突っ込んだ議論を申し上げたいわけですけれども、総括質問でございますので、総論的に私どうしてもいろいろ申し上げたいと思います。  そこで、次の問題として、政府は、「八〇年代後半の政策課題と政策の基本方向」昭和六十年度リボルビング報告、こういうのを出しておるわけでございますが、その中で、「我が国は今後一層内需中心の成長を図り、その中で国民の生活水準を高めるとともに、世界経済の発展に貢献していかなければならない」、こう言っておるわけですね。それからもう一つの主なものは、「GNPの約六割を占める個人消費の拡大を図るため、技術革新など経済発展の成果を賃金と労働時間短縮に適切に配分すること等を通ずる可処分所得や自由時間の適度な増加、物価の安定等を図る。」こういう大きな目標を持ってこれからの経済政策を進めていく、こういう決意を持たれているわけでございます。  しかし、実際の日本の国民経済を見てみますると、例えば一つの資料でございますが、過去三年間アメリカ人は収入以上の生活をしてきた。米国人の生産の三%を上回る消費をしてきた。これはレーガン大統領の財政政策の結果でございますが、そういう中に日本の五百億ドルという貿易黒字もあるわけですね。ところが、日本ではどうかといいますと、生産を約四%下回る消費に終始しておる。これが貿易摩擦の一つの大きな理由だと思うのですね。アメリカ議会がいろいろ保護法案とか課徴金の問題を議論しておる一つの根拠にもなっておるわけですね。そういうことから、米国はもっと節約をし日本はもっと使ってもらわなければならない、それこそが日米両国の摩擦解消と世界経済に対する危険を阻止することにつながるのだ、こういう考えですね。  そういう意味で、内需の問題と個人消費の伸びについて、総理として貿易摩擦を踏まえてどういう御見解に立っておられるか、お考えを聞かしていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 昨年の十二月に出されました経済審議会のいわゆるリボルビングの報告は、おおむね妥当であると考えております。特にその中におきまして、内需の刺激とそれからいわゆる貿易摩擦の解消等も考えまして、いわゆるワークシェアリングと申しますか、時短の問題、労働時間の問題等についても、あるいは消費をさらに増高するように政策をかじをとっていくように示しているというそういう面についても、私は注目しておるところでございます。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 そこで、円高によるプラスとマイナス、これは例を挙げれば数多くあるわけでございますが、何といっても、先ほど申し上げましたように、ことしの日本経済のいわゆる外的な最大の問題は、この膨大な貿易黒字をどう解消、減少していくか、圧縮していくか、こういうことだと思うのですね。これをしませんと、私は、仮に二五%の課徴金法案がアメリカ議会で成立をすると、ある企業家の方の御意見でございますが、十万人ぐらい雇用している会社で二万人から三万人の解雇、こういうようないわば第一次石油ショックと同じような経済不況感がこの日本経済を覆ってくる、こういうことを心配しているわけですね。ですから、総理が一生懸命対外的な外交問題に真剣にお取り組みいただいているのもその辺にあるわけでございます。  私はここで、先ほど大蔵大臣とも論議しましたように、これは埼玉版なんですけれども、この二月の二日の毎日新聞ですが、「円高倒産が続出」をしている、「負債は史上最高」だ、「「輸出関連」を直撃」して、前月の倒産が四十二件に対して一月中の県内倒産は六十六件だ、そして前月は五十八億円の規模が今は百八十億円の負債総額に行っている、こういう形で、非常にセンセーショナルな見出しが躍っていて、せっかくの内需の拡大という一つの政府の政策目標にかかわらず大変深刻な状況があるということでございますが、この点は先ほど浜田さんから渡辺通産大臣などに中小企業対策等御質問がありましたので、私は、この中小企業へのはね返りと、いま一つは、円高によって被害を、直接的なかかわりを、はね返りを受けるのは勤労国民なんですね。いわゆる労働者の方々だと思うのです。  そういう中に、ことしの春闘も間もなく始まるわけでございますが、この勤労者、労働者の賃上げ問題が、昨年は五・○三%平均でございましたが、本年は経営者側が、円高による不況、またその不況予測などで景気は非常に後退をする、こういう一つの論調で、ことしの春闘は昨年に比べまして大幅どころか小幅の賃上げも難しい、こういう形で非常に言っておるわけで、労働側を牽制しておるわけでございますが、やはり私は、円高を理由に勤労者の賃上げ水準が抑え込まれるということになりますと、いわゆる政府の成長率目標も達成できない。そして減税は総理や大蔵大臣が言っているように来年だ、本年は見送りだ、こういうことでございますから、これは勤労者の方から見るとダブルパンチ、こういう厳しい状況にある。これで可処分所得が伸びませんと、結果的には、国内の労使の問題、日本人同士の経済問題ではなくて、アメリカを初めヨーロッパ諸国からの保護法案とか課徴金の圧力がまた高まってくる、こういう悪循環に悩まされると思うの、です。  そういう点、経済企画庁長官どうですか。経済企画庁長官として、春闘状況を経済目標からいってどうとらまえておられるか、ひとつ御回答願いたいと思います。

平泉渉自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○平泉国務大臣 お答え申し上げます。  今段々おっしゃいましたとおり、今の日本経済というのはなかなか大きな問題をたくさん抱えておりますし、最近の円高の問題につきましても、デメリットもあればメリットもある、こういう状況でございますし、それから、今先生がおっしゃったとおり、日本の産業というのは輸出に非常に多く依存している面がございますので、今度の円高ということがどの程度、輸出が影響を受けるんじゃあるまいか、またさらには輸出の影響を出さないように数量で輸出をふやしていこうと思えば価格の面で相当圧迫されてくるんじゃあるまいか、そういういろいろな問題がございまして、今いろいろ不安が広がっておる面もございますし、そういう点を私どもは十分考慮いたしまして、経済としては安定して成長していく、円高には必ずメリットがあるのだ、その分だけ交易条件がよくなるわけでありますし、また円高によって非常に利益を受ける産業もあるわけであります。そういうことを十分配慮いたしまして、この次の労働条件、そういった賃金問題につきましても、これは各企業がそれぞれの経営方針でお決めになることでございますから私どもがとやかく申すわけにはいきませんけれども、我々としては、今おっしゃるとおり日本経済を支える大きな力というのは雇用者所得でもございますから、そういう点を十分、ひとつ安定した成長ができるように、そして景気が落ち込まないように、我々経済企画庁としてもあらゆる点に目配りをしてやってまいる所存でございます。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 日本政府の経済政策の責任者として、円高によるデメリットばかりではなくて、メリットも十分ひとつ啓発をしていただいて、そして経営側にも、そうした一つのお考えのもとに、勤労国民の所得の向上が個人消費を伸ばし、また内需拡大につながるんだ、そういうお立場で経済団体などとお話しになるということでよろしゅうございますね。もう一回。

平泉渉自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○平泉国務大臣 そのとおりでございます。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 労働大臣にもお伺いしようと思いましたが、経済企画庁長官の御答弁がございましたので……。  続いて渡辺通産大臣に。いわゆる円高の差益が一兆円にもなるのではないか、こういう予測が通産省でもあると聞いておりますが、その一兆円に上る電力の円高差益等を、大蔵省は赤字国債の償還に使いたいという気持ちもありましょうし、企業側は電力の料金改正その他を期待する面もありましょうし、電力会社がまたどういう事業計画を持っておられるか、いろいろあると思うのですが、それぞれ思惑がございますけれども、通産大臣が所管の責任者として、この電力業界など、石油の値下がりもございますが、円高差益等についてどういう国民のための活用を指導されようとしておられるのか、ひとつ渡辺大臣からお考えを伺いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○渡辺国務大臣 円高差益の問題につきまして二つありますね。一つは円レートが非常に強くなったこと。一つは原油価格がどうなるのか。値下がりの方向にあること。しかし、これはまだ始まったばかりでして、果たしてそこまで落ちつくのかどうかという問題がございますので、もう少し時間を置いて見守っていきたい、そう思っております。  ただ、公共事業等が足らないということもございまして、電力会社等については、電線の地中化等は従来の五倍のスピードでやっていただくということとしております。石油が下がる方向とはいいながら、原子力発電所等については将来の計画もありますから、その計画を崩さぬように事業は推進をしてくださいということを言ってあるわけでございます。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 今通産大臣から円高が定着をするのかどうか、こういうお答えがございましたけれども、これは大蔵大臣や日銀総裁の先ほどのやりとりを見ましても、政府として円高基調というもう一つの大きな政策認識を持っているわけですから、これは通産大臣が円高が定着するのかどうかわからぬから、この差益の問題についてはまだ時間がかかるんだ、こういうことでは、ちょっとやはり政府のこの景気対策というのが連動して成果を上げるというわけにいかないと思うのですね。ですから、これは渡辺通産大臣が腹をくくって、この際国家国民のためにどういう施策がより有効なのか、その知恵とアイデアを練るということは、時間は大事だと思うのですけれども、そうそうは待てないという問題が一つあると思うのですね。  それからいま一つは、私は今なぜ春闘のところで円高差益の問題を申し上げたかというと、例えば電力関係の組合の方々は、今渡辺さんが言ったようにあと二カ月か三カ月かかるんだということになりますと、春闘の賃上げ交渉ができないのですね。ですから、一つのやはり個人消費につながる内需の問題、勤労国民の生活にかかわるいろいろ賃上げ問題のときに、リードオフマン的な役割の方々がなかなか交渉の場に臨めない。円高差益を国民にどう還元するか、どう国家のために使うかということが、土俵ができないとなかなかできない。二つの意味で、二カ月も三カ月も私はそういう意味においては待てないということなんですよね。そういう点で、いつごろまでにそういう見解をまとめられるのか、もう一度御答弁いただきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○渡辺国務大臣 賃金の問題は、労使間でこれはやることですから、それは労使間でやっていただく。まあ、仮に電灯会社が円高によって利益があるから、その分余計に分けっこしちゃおうなんということはちょっと考えられない、私は。常識というものがありますからね。ですから、それは常識の範囲で労使でやってくださいということですよ。  それから、果たして二百五円でなるのか百九十円で落ちつくのかあるいは二百円になるのか、まだ非常に時間が足りませんからよくわからない。したがって、私はまあ会社の決算を見た上で、それからその後の世界の景気の動向、為替レートの動向等を見た上で考えていきたい。円高差益が仮に出ましても、それは優先的にまず大蔵省がちょうだいをするわけですから、ふえた分の約半分は大蔵省と地方自治体がいただくわけでしょう、税金で。ですからそれはちゃんと、円高によって予定の収益を上げなくて、税金を納めそうな企業が納めなかったりする場合もありますから、それはバランスがとれるのですよ。ですから、その後で考えていきたい、そう思っております。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 そこで、ひとつ電力の円高差益等の問題については、この日本経済に、国内景気に、早ければ早いほどその景気対策に効果があるわけでございますから、そのために予算も一生懸命審議しているわけでしょう。やはり一万円の予算を二万円にも三万円にも効果的に使う。これが暫定予算で、一カ月も二カ月も暫定だなんということになりますと、やはり一万円の予算が半分の経済効果しか生まないということになるわけでございますから、ひとつ賢明な大蔵大臣経験者でもある渡辺通産大臣、早急にお取りまとめをいただき、経済効果を見計らって御発表いただきたいというふうに考えます。  それからいま一つ、このリボルビング報告の中にあります生活余裕時間、労働時間短縮の問題。これは、竹下大蔵大臣はそういう問題がいろいろ出ましたときに、どうもおれは、あしたに霜を踏み分け、夕べに星をいただいて、梅干しをカリカリ食べながら育った年代だから、労働時間短縮、労働時附短縮と言うとどうもじんま疹が起こる、こういうことをおっしゃっておったわけでございます。私はそのとき、まあ三十年前の島根県の青年団長時代のイデオロギーからいまだに抜け出ておらないなと。この間、新聞を見ておりましたら、あなたはコロンビア大学で名誉経済学博士ですか、法学博士、まさにドクター、こういう立場ですから、いわゆる青年団長から世界の経済学博士としていまだに内なる竹下さんのルネッサンスが行われておるのかどうか、ひとつお伺いしておきたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 私が、山口さんが労働大臣であるころに確かにジョークとして、私ども大正、明治生まれの者は、あしたに霜を踏み分け、夕べに星をいただき、梅干しカリカリとは言いませんでしたが、一生懸命働いた。しかし、世の中変わってきて、いわばお互い、共存共栄するためにはワークシェアリングというようなものも必要であるし、そして休暇をふやすということは、結果としてまた消費の拡大にもつながるであろうという趣旨の御発言は、私なりには理解しておりました。あえて、あなたの御意見にそういうジョークを用いておったのは、やはり考えふうによれば、私の生まれた年代がそういう感じを持っておるのかなというような反省の上に立っておりますが、ルネッサンスとまではいかないにしても、世の中の推移に対応するだけの知識水準には私も達しておるのではなかろうかと思っております。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 安倍外務大臣もOECDなどの会議で、日本の長時間労働——私は、日本人の勤勉性は頑として受け継いでいかなければならないと思うのですね。しかし、生活余裕時間というものを広げていかないと、とにかく世界一の生産力を今日本は誇っておるわけですから、世界一の生産能力、技術能力を持っている人たちが二宮金次郎だけで物をつくって、そして消費する方はテレビドラマの「おしん」の時代のイデオロギーに支配されておるから、さっきの膨大な貿易黒字という問題、この認識はやはり国内で国民の意識革命を起こさなければ解決しないのですよね。ですから、私は竹下さんや安倍さんに、この問題に対してどういう政治家としての問題認識を持っているかということをお伺いしたわけですね。安倍さん、どうですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 私も竹下大蔵大臣と同じ年代ですから、やはりそういうふうな環境の中で育ったのですが、確かに勤勉というのは私は大事だと思っています。それはやはり日本人の特性ではないか。勤勉があったからこそ、今日の日本の繁栄というものがもたらされたと思っておりますが、しかし、日本がこれだけの国際的国家になった以上は、やはり国際水準ですべて物事を判断をしていくという基本が大事じゃないか。そういう意味で、例えば保護貿易の問題とか、あるいは第二の開国と言われる、そういう時代に立った日本ですから、今のワークシェアリングとか、そうした形の余暇であるとかあるいはまた休暇であるとか、そういうものを十分に活用できる、世界的な水準の中でこれが生きていける、そういう日本の国にこれからなっていかなければならぬのじゃないかなというふうな感じは、やはり諸外国とつき合ってみてもそういう感じを強くいたしております。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 やはり私は、勤勉な日本人、こういう伝統を受け継ぎながら、国際社会に十分対応でき得る日本人の生活空間というものを広げていかなければならないというふうに思うわけでございます。中曽根総理は、労働時間短縮の問題その他、大変御関心もあり御熱心でもございますのであえて伺いませんが、そういう一つのリーダーシップも、やはり国民の皆さん、特に中小企業に働いている方が今二千万人おるわけですね。お父ちゃん、お母ちゃんの二人商店のような個人商店が百万軒近くある。ですから、労働時間短縮だとか週休二日制と言っても……(発言する者あり)今いろいろ与党議員からも発言、やじがありますように、すぐにはなかなか改善されません。しかし私は、さっき言ったように、アメリカは生産の三%を上回る消費をしている。日本人は生産を下回ること四%の消費しかしていない。四%下回っている。こういう状況は—昭和十四、五年ごろの日本、「欲しがりません勝つまでは」と言って、大陸へ大陸へとひたむきに出ていった日本の状況と、日本の生活は「おしん」に抑え込まれて、そして輸出、輸出と言って出ていって大量失業を相手国に与えるという状況は、やはりあの大きな原爆という犠牲の中で平和的収拾への最後の調整が行われた。私は、保護法案や課徴金ががばっと日本の国民経済にかぶさらないうちに、今度こそ日本の自主努力で、総理が取り組んでおられるその決意に沿ってひとつ各所管の閣僚の皆さん方に、さらにそうした粘り強い国民の中小企業その他の皆さんへの対話を通じて、この政策を推進していただきたいということを強く要望しておきたいと思うのです。  外務大臣に、ちょっと時間がなくなったのであれですけれども、東京オリンピックに引き続いてソウルで、アジアで二回目のオリンピックが開かれます。来年はアジア大会がソウルで開かれますね。そういう中で、私昨年、韓国と中国を訪問したのですけれども、中韓関係の友好ムードが非常に高まっておるわけですね。これは米ソ会談、日本にとっては日ソ会談も大事ですけれども、それ以上にというか、韓国と中国と日本、北朝鮮の関係というのは、やはり日本の責任において、この極東の平和、緊張緩和というものをしていかなければならないと思うのです。私は、スポーツ外交、非常にいい時期だと思うのです。安倍さんの創造的外交、中東外交、日ソ外交、そういう一つの展開の中に韓国と中国、日本と北朝鮮、そういうクロス交流、クロス承認というような部分を含めて、ひとついま一歩、外務大臣としてもう三年目ですから、在任期間の長さを誇るだけではなくて、ひとつ実績もさらに一歩高めるということでアジアの平和のために、国民のために御努力いただきたいと思いますが、その御決意はいかがでございますか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 日本にとりましてもアジアにとりましても、今の朝鮮半島の緊張緩和というのは一番大事なことじゃないか。その緊張緩和に協力していくといいますか、そういう環境づくりをすることが、私は日本の外交の一つの大きな責任であろうと思います。幸いにして南北対話が続いておるわけでございますし、これがさらに一つの成果を積み上げて大きな成果になっていくことを期待しておりますが、日本もただそれを見ておるだけではなくて、それなりの環境づくりをしなければならぬ。そういう意味において、今おっしゃいました韓国と中国との間にも、政治面の交流はないのですけれども、非政治面の交流というのはあることも事実でありますし、また日本と北朝鮮との間には国交はありませんが、経済、文化面の交流もあるわけでございます。そういう中でクロス承認といいますか、日本が北を承認する、あるいはまた同時に中国が韓国を承認する、そういうような一つの考え方というのは実は前からもありましたし、また事実そういう動きがあったことも私は承知をいたしておるわけでございます。  しかし、残念ながら今北朝鮮が、このクロス承認というものは分裂国家を永久化させるということで、これに対して否定的な立場をとっております。しかし、現実の姿は対話が進んでおりますし、また情勢が動いておりますから、私はこの考え方というものは、これからの緊張緩和を進める上における一つの検討に値する方向ではないだろうか、そういう方向に時代が動いていくということは、朝鮮半島の平和、緊張緩和にも一つの大きな意味をもたらすのではないだろうか、そういう期待は持っておりますが、なかなか現実は今動いていない。しかし、可能性はないわけではない、私はこういうふうに思います。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 そこで、韓国の李源京外務大臣ですか、もう今安倍さんよりもっと踏み込んだクロス国交樹立、こういう提案をこの一月ですか、しておるわけですけれども、そういう意味で、ユニバーシアードのとき平壌から直行便を入れましたね。あれと同じように、この三月に札幌で冬季のアジア・オリンピックが開かれますね。私は、そのときもやはりユニバーシアードのときと同じように、北鮮の方からの要請があれば直接入れるということも大事なことじゃないかと思うのですが、いかがでございますか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 これはスポーツのことでありますし、ユニバーシアードのときも北朝鮮側の要請にこたえて直行機を、北鮮機を選手を積んで入れたわけでございますし、今後、その札幌の大会でもそういう要請があれば、これは事スポーツ、いわゆる平和の祭典ですから、そういうものについては十分検討をしたい、前例もあるわけですから、そういうものを踏まえて検討はすることにやぶさかではありません。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 いま一つ、フィリピンの大統領選挙がこの七日に投票が行われるわけですが、アメリカ政府は監視団を送るとか、あるいはアメリカの議員の代表が選挙を不正がないか見に行く。アメリカとフィリピン、日本とフィリピンは違いますけれども、特に日本の場合は第二次世界大戦等の問題もありますから。しかし、実際は、昨年だけで日本の国民の皆さんの税金が三百八十億円ですか、経済協力しているわけですね。今までマルコス政権誕生以来、四千二百八十億円の経済協力を申し上げているわけですね。ですから日本の国民にとっても、フィリピンの民主化あるいは公正、公平な民主主義のもとで選挙が行われるということを望むことは、決して内政干渉でも不当介入でもないと思うのですけれども、外務大臣として政府のそういう公式的な見解をちょっとおっしゃっていただきたいと思うのです。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 まあ、他国の選挙のことについていろいろとコメントすることは適当でないと思いますけれども、しかし、今フィリピンで非常に激烈な選挙戦が戦われておる。いろいろな情報を集めてみますと、なかなか伯仲という状況にあるようにも聞いております。そういう中で我々が、隣国であり友邦国である日本として期待をすることは、やはりフィリピンの選挙が自由に公正に行われて、そして、その結果がやはりフィリピンの平和と安定に結びつくものでなければならない、そういうふうに念願をし、期待をしております。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 そこで、時間が限られていますので、減税の問題と財政再建を一緒に質問しますので、大蔵大臣から簡潔にちょっとお答えいただきたいと思うのですが、要するに減税の問題は、直間比率が七三・八%対二六・二%ですか、そういう形で所得税に対する負担が非常に大きくなってる。財界の方もウシオ電機の牛尾さんが、政府税調の委員ですけれども、雑誌に新貧民層を救済せよという非常にショッキングな提案をしているわけです。そういう点で非常に税金の問題がありますが、これは私、大型間接税なのか中型間接税なのかいろいろありますけれども、間接税論議はいずれにしても避けて通れないと思うんですね。そういうときに、もう極端な話が、七割は減税に回すんだ、あるいは福祉目的税に使うんだ、こういう問題が一つありますね。それからいま一つは、二割は財政再建に使う、あるいは一割は公共事業に使う、そういうきちっとした区分でやれば、私は個人消費を心理的に抑え込むということはないんじゃないか。ですから、きちっとした福祉目的税とか減税に回すということで間接税を考えられないかということが一点。  それからいま一つは、財政再建計画をひとつ転換するお考えはないか、こういうことなんですね。これは端的に言って、来年度国債の発行残高は百四十三兆円ですね。今GNP比に占める割合が約四〇%ぐらいなんですね。国の予算に対する負担率が、償還とか金利の利払いが約二〇%なんですね。ところが大蔵省の試算では、六十五年度は百六十六兆円、また七十年度は百八十兆円ということになっているのですけれども、それはもうほとんど伸び率をゼロに抑え込んでいるわけですね。要するに、もう来年だけでも、大蔵省の予算で言うと二兆一千億歳入不足がある。六十三年には一兆七千億ある。こういう無理な、できないことでただ試算だけしている。我々新自由クラブの計算でやりますと、七十年までには二百五十二兆円ぐらいの国債発行残高になっちゃうのですよ。そうすると、二百五十二兆円、そういう中で国債の利息だけで十八兆円、こういうことになりますね。そうすると、幾ら内需、内需と言ったって、幾ら経済がわからない国民の側から見ても、これは政府の借金がやがては国民の側のツケに回ってくる、ツケに回らないまでも、福祉が削られるんじゃないかという心配をする。そうすれば、それはどうしたって貯金、貯金と銀行のシェルターに逃げ込みますよ。だから、政府の財政政策が国民の潜在的な経済成長力、余力を企業も含めて抑え込んでいるという結果になっている。  私が提案したいのは、財政再建計画を六十五年から七十年に延ばして、そして国債発行残高を対GNP比三〇%内に抑え込む。そうすると、一〇%というと約二十兆円近い、政府が景気対策にいつでも発動できる余力を常に持っている、こういうことになるわけですね。ですから、国民も企業も政府に対する信頼も高まる。そしてそれは一%ずつ国債発行残高を抑え込んでいく。そうすると十年かかりますね、毎年七兆円で、七十兆円近いものをNTTの株の売却とか日本航空とかいろいろやっていく、こういうことですから。そういうような形で財政転換を、むしろ財政再建もする、国民経済も活性化する、こういう立場でやっていくお考えがあるかどうかということを二点、大蔵大臣に伺いたい。  最後に、総理、それから竹下さん、安倍さんにもひとつ伺っておきたいのですけれども、私は、もう財政再建も政府の政策努力の限界に来ているのではないか。政府が財政出動のできない政府の経済政策というのは、絵にかいたもち、水の出ない消防自動車と同じようなもので、これは国民にとって大変困ることなんですね。ですから、財政の硬直化を打開していくためには、政府の努力もさることながら、私は国会の政策責任というものが今こそ問われていると思うのですね。  私は、ある意味においては第二次世界大戦以前の国会、軍部の台頭を許した国会と同じで、この財政破綻は与党だけの問題じゃないですよ。やはり国会全体でどう責任を果たすかということを今こそ真剣に考えていかなきゃならない。ということになると、各党が非常に党大会などで政策連合を盛んに活動方針にうたっているわけですな、公明、民社だけじゃなくて社会党も含めて。ところが、肝心の与党の自民党の方は、単独与党だ、何としても与党一党で頑張らなければだめなんだ。これは、国民のために野党の協力も得て政策を実現し、国政を運営していく責任がある与党が、連合してもいいという野党の活動方針に対してかたくなに、与党でなければ、自民党だけでなければだめなんだ、だめなんだという考え方は、これは財政百姓も行革も教育改革も国鉄改革も何でもできるならいいけれども、できない。そういう中で、政策協定を、政調会長レベルで政策協定というか、そういう協議をするぐらいの与党としての一つの決断といいますか勇気、それも勇気だと思うのですね、単独で政権を担当することも自民党の責任かもしれないけれども、政策協定を広げて、国民のために、二十一世紀の日本のための政策を推進するということも、私は与党自民党の国民に対する、国会に対する責任だと思うのですけれども、その点もひとつ、総理と、その前にニューリーダーと言われる安倍さん、竹下さん、ひとつお三人にぜひ聞かしていただきたい。ちょっと時間が、答弁あれですけれども、これは野党も与党も大事な問題ですから、ぜひひとつ聞かしていただきたい。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 今私に対する具体的な質問として、まず最初は間接税の問題。この間接税というものは、もちろん議論を避けて通れる問題ではございません。これはたびたびの政府税調等でも指摘されておるところでございますが、今抜本改正のための議論が行われておるさなかでございますが、言ってみれば間接税議論というものが、今手順といたしましては、直接どこに痛みをみんなが感じているか、こういうところから入っておりますので、そこまで入っておるとは言えない状態であります。が、国会等でも、いわば目的税構想とかいうことがあることは十分私どもも承知いたしておるところでございます。  ただ、直間比率というのは、これは結果として出るもので、あらかじめおよそこれぐらいだという想定をしてやれるものではなかなかないということを御理解をいただきたいと思います。  それから、次の財政再建問題でございますが、やはり六十五年度に赤字公債からの脱却を、非常に困難なことであろうと、この努力目標は私はかたくなに掲げ続けなければならぬではなかろうか。一度この旗をおろした途端に歳出圧力というものが加わって、今まで四年間も、いろいろなことを言われながらも一般歳出対前年度以下という大変な工夫をしてきたわけですから、これはやはり基本的に腹の底にちゃんと残しておかなきゃいかぬ。毎年もう限界だ、限界だと言われましたが、どうやら今までのところ、限界でございますが、なお頑張りますと言いながら続いてきたということも一つの事実として認識していただかなき神ならぬではなかろうか。そこで、その後、いわば公債依存度を下げて、その後が、残高を、要するに対GNP比をだんだんに下げていこうという基本方針は発表しておるわけでありますが、三〇%までは許容され、そしてその間の四〇%まではいわば財政の対応力として位置づけすべきであるということになるとなかなか議論は難しいところであろうと思いますが、いずれにせよある時期、国債残高というものの対GNP比が一番いいと思います、一番オーソライズされた数字ですから、それに対するおよその位置づけというものはしていかなければならぬ。昭和四十年、最初発行されるときには一けたとかそれから二〇%以下とか言いながら今日まで来たわけですから、それは大事な数値であるというふうに思います。いずれにせよ負担するのも国民、そして受益者もまた国民であります。したがって、その国民の合意が那辺にあるかということを、この貴重な国会の論議等を通じてお互いがそのコンセンサスを求めていくということが一番大事なことではなかろうかと思います。  連合論議につきましては、私は元来責任政党という定義は極めて単純に申し上げております。すなわち、責任政党とはたびたびの国政レベルの選挙に当たって過半数以上の候補者を立ててもって国民の審判を受ける政党をして責任政党という、こういう定義がございます。これはイギリスの政治学者の定義が特にそうであります。しかし、現実問題として連合ということがあり得るということは私も十分承知しておりますが、初めから連合のいわゆる政策協定を打ち出して国民に審判を受けるべきものか、あるいはやはり私の言う責任政党論の上に立ってそれぞれの政党が、連合政権構想というものも含めなければならない立場にあられる方もいらっしゃいますが、やはり今の場合私どもは単独の政権構想を立てて国民の信を問うというのが筋ではなかろうか。ここのところはただ私の私見を申し述べたにすぎません。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 政党政治あるいはまた議会政治、そういう中にあって政権のあり方というのはやはり国民の最終的な判断によって決まるのじゃないかと私は思っております。今日自民党だけで政権を維持できない、そういうことで新自由クラブの協力を得て連合が組まれておる。これも国民の厳粛な審判の結果この政権というものが生まれておるわけでありますし、しかし国民の判断によって自由民主党が過半数を得るということになれば、国民がやはりそれだけ自由民主党に期待をしておるわけですから、それはそれなりに全責任を持って国民の期待にこたえていかなければならない。やはり私は国民の判断によって政権のあり方というものは決まっていくと思います。しかし、同時にまた国家の大きな課題を推進し実現をしていくためには、最終的には政府・与党が責任を持つとしても、その間にあってやはり議会政治の中で野党との間で政策協議を行う、あるいはまた政策協定を行う等によって、そうした国家の大きな課題を推進できるということは、またこれ、今後の政治の中にあって必要なことじゃないだろうか、こういうふうに私は思っております。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 まず連合につきましては、新自由クラブとの連合によりまして政局が安定し、また我が党の公約、新自由クラブとの協定が着々と実現されたことをここで改めてお礼申し上げる次第で、国民も喜んでおると思っております。  それから第二に、やはり政党政治というものは選挙によって決定されるもので、そこに政治権力が生まれるわけであります。したがって、どの政党もやはり終局的には単独政権を目指して努力をし、またすべきものであると思っております。我が自由民主党もそういうことで一生懸命努力してきておるわけです。  しかし、事の次第あるいはそのときの国家の情勢あるいは公約の遂行、そういうような面から見まして、数が足りる場合あるいは数が足りない場合といえども、そういう内外の情勢を判断をして、そして政策的に意思が一致する、そういう場合にはその仕事を中心にして協力し合うということは、私は国民が望んでいる場合も十分あると思うのです。例えば我々の側からすれば、減税問題であるとかあるいは国鉄の大改革であるとかあるいは教育の改革であるとか、こういう我々にとってもう命がけで遂行しようというような問題について政策的に一致する、そういう場合には数が足りても足りなくても相協力し合うということは、それを支持している国民は喜んでくれると思うのです。そういうことが成り立つか成り立たないかということは、つまりそういうときの客観情勢の判定、国民の要望、そういうものをよく勘案して行うべきである、すべては国民の目の前でガラス張りで政策を中心にして推進されるのがよろしい、そう思っております。

山口敏夫自由民主党・新自由国民連合

○山口(敏)委員 どうもありがとうございました。

小渕恵三自由民主党・新自由国民連合

○小渕委員長 これにて浜田君、山口君の質疑は終了いたしました。  次に、稲葉誠一君。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 私は、最初に解散権の問題についてお尋ねをしたいわけですが、これは最高裁のあの判決に関連してというわけではございません。いわば一般論的な話でございますが、憲法の四十五条で「衆議院議員の任期は、四年」と定められておるわけです。そして六十九条で、不信任案が可決されたときに総辞職または解散のあれが出ておるわけです。七条に解散権の条項があるというふうに言われておるわけです。私は、個人的には、その七条というのは六十九条の手続を定めたものであるというふうに考えるわけですけれども、しかし現実に七条解散が行われているわけですから、それを今ここで七条解散が云々言っても意味がありませんので、それは申し上げません。  そこで問題は、四十五条の「衆議院議員の任期は、四年とする。」この重みを総理はどういうふうに理解されるか、この質問から入っていきたいというふうに思います。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 これは、公務員、つまり特別職の公務員を主にして、すべて国民の権利に基づき、そしてある手続によって選ばれる場合ですが、みんな任期を持っておるわけであります。終身というのは、象徴であらせられる天皇陛下でありますが、それ以外の国家の特別職の公務員というものは全部任期を持っておる、そういう中の一環として国会議員も四年という任期を設けられておる。四年が妥当であるか妥当でないかという議論はおるとは思いますが、私は、政局を安定させるという意味からも妥当である、参議院はまた別のチェック機関としてあるわけですから、六年と保障されておる、それも私は適当である、そう考えています。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 その四十五条の規定を破るのは六十九条であるわけですが、私がお尋ねをいたしたいのは、立法府で議員は四年であるということが憲法で保障されておるわけです。そうすると、それを総理大臣が解散権ということによって破るということは、一体いかなる場合に認められるべき筋合いのものであるか。例えば、今非常に人気が高いから今やった方が有利であるとか、そういうような極めて恣意的なことで解散ということが行われて、そして国会議員の身分、すなわち三権分立の中の立法府というものの権威が行政権によって左右をされる、オーバーランされるということについては、私は疑義が非常にあるというふうに考えるわけです。だから、今申し上げましたように、今選挙をやった方が都合がいいからと、まずこういうことだけの理由で一体解散というものはできるものでしょうか、どういうものでしょうか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 解散は、憲法によって行政に与えられた最も重要な機能でございまして、これは、国政の重大な場合において民意を問う、そういう意味において認められておる重要な機能であると思います。しかしその判定は、これが生きている政治の大事なポイントでございますけれども、その内閣総理大臣あるいは内閣というものの裁量の範囲内にある、そう私は思っております。  それで、例えば政局をもっと安定させなければいかぬ、そういうふうに考えて人心に問うという場合もこれはよくあり得ることで、日本でもありましたし、ヨーロッパでもよく行われることであると思っております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると、総理大臣の権限であるということについては、それはそれといたし省して、重大な問題が生じておるという場合に初めて行われるべき筋合いのものである。だから、恣意的に行われるべきものではないということは、これは当然認められるものではございませんか。だから、六十九条との関連において、六十九条に準ずるような場合というものを含めて、当然考えられてしかるべきものではなかろうか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 解散は、七条で行わるべきものであり、今、そういう慣行にもなっておると思います。  それから、もちろん恣意的に行うべきものではないと私は思います。民意を問うということは、やはり非常に国政上の重大な事項でございまして、そういう民意を問う必要がある、そういう場合において行わるべきものであると考えます。     〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 民意を問うべき重大な必要ということですね。そうすると、単にこれをやれば投票率が上がるとか、それから投票所へ行くのを二回行くのは大変だから、一回で済むのだからというふうなことだけで、一体解散ということが行われていいものなのでしょうか、どういうものなんでしょうか。総理はどうお考えでしょうか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 先ほど来申し上げましたように、国政上の重要な機能でありますから、それにふさわしい使い方が行われなければならぬ、そういう意味において民意を問うということを申し上げておるわけで、大体そういう場合は、政局を安定させる必要とかあるいは公約を実行させていく必要性であるとか、そういうような場合が今までは多かったように思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 前に、私が去年の十月十六日に本会議で質問をしたわけですが、そのときに前の総理の鈴木さんの答弁を引いたわけですが、今言ったように「たまたま不信任案が通過をした、わずか二週間足らずの間に二度も投票日に国民の皆さんに足を運ばさせる、煩わすというようなこともどうかというようなことでああいう結果になったいろいろ言われて「慎重に扱っていかなければならない」、こういうふうに鈴木さんは答弁されておられるわけですね。これについては、総理はどういうふうにお考えなんでしょうか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 鈴木前総理は鈴木前総理の御見解に従って申されたのであると思いますが、私は、解散ということを考えてみますと、先ほど来申し上げましたように、第七条によりまして、そして国政上の重要な機能を行使するにふさわしい局面においてそれが実行される、そうすべきものであると思っております。  じゃ、どういう場合であるかといえば、さっき申し上げたように、政局を安定するとか、あるいは国会が紛乱して行き詰まりの状態にあって、それを打開するためには国民に問うということが適当であると考えるときとか、あるいは公約を推進するために大きな障害が政治の上に存在する、そういう場合に実行する、さまざまな場合が考えられると思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 「自由民主」という雑誌があるんですね、あなたの方の機関誌ですけれども。私は毎月とっているのですよ、これ。なかなかいいですよ。内容は余りあれだけれども、非常にわかりいいですね。「月刊社会党」よりはわかりいいと言うとまずい——まずくはないけれども、「月刊社会党」の方がレベルが高いですが、わかりいいですね。  この去年の八月号に「戦後政治の総決算を語る」というので、総理が京都大学の勝田吉太郎さんと対談をされておられるわけですね。「アンフェアの言葉を消す」という題が出ているのですが、私は、勝田さんは御専門が何だかちょっとよくわからないので恐縮ですけれども、それは別といたしまして、あなたの答弁、答弁じゃない、これは座談会ですから、最初のところに「私は総理大臣になるときに、皆さんに申し上げた一つの大きなことは、「日本はアンフェア(不公正)だ」と外国人に言われて、それに気づかないで過ごしてきた日本人が多いけど、こんな屈辱的な言葉はない。「自分が総理大臣である間に、アンフェアという言葉を地球上から、少なくとも日本に関する限り消したい」と言ってきたんです。これを屈辱と思わない日本人が変ですよ。」こう言っているんですけれども、これはちょっと、わかったようなわからないようなので、どういうような意味なのか、もう少しかみ砕いてお話しをお願いをいたしたいと思うのです。  あなたのお好きな仏教の話は、この後ずっと出てくるんですよね。「天上天下唯我独尊」だとか、何と読むんですか、「草木国土悉皆成仏」ですか、こうずっと出てくるんですけれども、それをやるとまた長くなるから、それはきょうはやらないで、今私が読んだところだけひとつ御説明をお願いしたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 日本の経済の開放度合い等を見まして、外国人の中には一部、日本はアンフェアである、そういう声がかなりありました。アンフェアという言葉を日本語で訳すと何という言葉になるか考えると、汚ないとかあるいは不公正である、そういう、ようなことになりまして、外国人は、アンフェアという言葉を使われると非常に怒る。汚ないとか不公正、あいつはアンフェアなやつだと言うと、名誉棄損に当たるぐらいの言葉になる。ところが、日本がアンフェアだと外国人から言われて、それで何にも気づかないでいるという状態は嘆かわしい状態である。したがって、外国人からアンフェアと言われるのはできるだけ速やかに消さなければいかぬ、そういう努力もするし、外国人を啓蒙もしなければいけない、そういう考えで今のようなことを申し上げ、努力してきたつもりでおります。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 それから、本ばかり引用して恐縮ですけれども、「ニューズウィーク」の二月六日号に、これは「中曽根首相に聞く」というので、アメリカのワシントン・ポストのキャサリン・グラハム、これは御婦人でしたね、この方たちが来られて会談されておるのは、これは英語でやられたのかどうかよくわかりませんけれども、要旨だけなものですからあるいは間違っているかもわかりませんけれども、一応正しいものとしてお聞きするものですから、間違っておられれば、正確でないかもわかりませんから、その点は御指摘願って結構でございます。  その中にこういうのがあるんですがね。「三選の可能性は神のみぞ知る」、こういうところですが、「あなたがもう一期留任するとか、あるいは何らかの延長策を講じて、総裁にとどまる可能性はあるのでしょうか。三選実現のために党則が修正される可能性はありますか。」「首相。神のみぞ知る、ですね。党の総裁である以上、党則を守り、これに従うのが当然です。」これもあるわけですけれども、これはどうということはありませんわな。ここで質問すること自身がおかしいですから、それは私は聞きませんが、その次のところで、「あなたの人気は、自民党内の指導的立場にある人々の間でよりも、国民の間でのほうがはるかに高いと言われています。この見方に同意しますか。」こういう質問が出たのかどうかわかりませんけれども、こういうふうに要約してあるのですけれども、あなたの答えは、「私は意識的に新しい方法で政治を進めてきたからです。」こう答えているわけですね。「意識的に新しい方法で政治を進めてきたから」というのは、具体的にどういうことを言われて、どういう成果を上げて、そのことによってあなたの人気はどういうふうに上がったのでしょうかね。別に恥ずかしいことはないので……。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 私は、大変不遜ではありますが、総理大臣にしていただいたときに、中曽根流の政治をやりたい、そういうことを申し上げたのです。じゃ、そういうのはどういう政治であるかと言われますと、私自体の気持ちでは、ともかく国民の要望、国民のニーズというものをよく見きわめて、そして先手、先手でできるだけ政策を実行していこう、そういう考えに立って、今時代は、日本は非常に高密、激動社会である、世界全体が科学技術やらあるいは社会問題やら福祉問題で激動しておる、したがって国民のニーズというものは非常に鋭敏であって、そして非常にフラストレーションがわいておる。そういうときであるだけに、この国民の要望のリズムあるいはそのテンポというものを先取りするような形でどんどん実行し、あるいは約束していかなければフラストレーションはますますたまっていく。そういう意味で、今まで議院内閣制と言われた政治の場合は、ややもすれば国民のフラストレーションや何かを先手を打っていくということに割合それほど鋭敏でなかったような感じがしておる。それが、私がいわゆる大統領制型の政治、つまり首相公選型の議院内閣制ということを考えた。そういう意味の政治をやりたいと思って努力してきたけれども、まだそれほど成果は上がっているとは思いません。しかし支持率が高いということは、それほど当てにできることではありませんが、多少ともそういうことがある、高いということがあるとすれば、そういう点が国民の皆様方によく理解していただけたんではないかと感謝しておる次第であります。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 具体的に、国民のニーズや何かを先取りしてきたというふうな行動というのは、例えばアクションといいますか、どういうものがあるのでしょうか。ちょっとお聞かせをお願いできればと思うのですが。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 私の判定と施策におきましては、行革がまずそうですね、行革を思い切って、全身全力を奮って行革をやる。今度の国鉄の改革も国民のニーズは大変あるわけで、フラストレーションも大変たまっておるので、この点、社会党と少し感覚の違う点があるだろうと思うのです。あるいは教育の改革もそうであるし、税の問題もそうであるし、みんなそういう問題は国民の要望に沿って政治が突っ込んでこなければならぬ、そう思って申し上げているところです。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 大変失礼なことを申し上げて恐縮なんですけれども、気を悪くしないでお聞きを願いたいと思うのですけれども、ある大学の、日本人ですよ、大学の教授がこういうことを言っているのです。これは気を悪くしないでくださいね。中曽根さんというのは戦後日本が初めて持った大衆政治家だ、こういうのです。ただし、大衆の支持の上に立ったというよりも、大衆の支持を一生懸命計算に入れた政治家ということだ、こういうことを言っているんですね。これは悪い意味ではないと思うのですよ。悪い意味ではないんだけれども、大衆の支持を一生懸命計算に入れておる。  そういう点は、ただ計算に入れるだけではだめなわけですね、それを具体的にどうやって実行していくかというところに問題が私はあるというふうに考えるし、大衆の支持というのは、考えてみるとうつろなものですね。アップダウンクイズの話がいつか出たことがありますけれども、多少違いますけれども、そこで今総理が——江崎さん、あなたの質問ちょっとあるのですけれども、ちょっと待ってくださいね。税の話をされたものですからお聞きしたいのですが、私の記憶に間違いなければ、去年の七月の都議選の投票日の前の日だと思うのですよ、雨が降ったときです。あなたがビニールのあれをされて街頭で演説されておった。テレビに出ていた。確か七月六日だと思うのですが、あるいは私の記憶違いかもしれませんが、そのときにあなたは、所得税減税をやります、やりますということを盛んに言っておられた。それは、具体的にどういう内容を持ったお言葉なんでしょうか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 都議選のときに言ったのは明らかに記憶しております。雨のとき、私もよく記憶しております。それはもう前から税制の改革はやらなければいけない、いつそれを訴えるべきか、そういうことも考えまして、一番よくわかっていただくのは選挙のときですから、都議選のときにそれを申し上げた、そういうことであります。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 いや、あなたが言われたのは、私はテレビで見ていたのですよ。雨が降っていましたからね。あれは風邪でも引いちゃ大変だと思って見ていたのです。  それはいいのですけれども、具体的な内容がなかったですね。どういうわけで具体的内容がないのでしょうか。いつやるとも言わないし、何をどうするとも言わぬ。ただ、所得税減税をやります。サラリーマン減税と言ったか、所得税減税と言ったか、ちょっと忘れましたけれども、所得税減税だったと思いますかな。具体的内容はさっぱりないですね。  その後、じゃどうしてそのときに国民にお約束して、それは六十年の七月でしょう、六十一年度の中で減税の予算が出てこないのですか。それはあなた、国民に対して約束したんだから、聞いている方は、少なくとも次の年にはやろう、やってくれるのじゃないかというふうに思っておったのじゃないでしょうか、聞いた人は。それで自民党へ投票した人が多かったのじゃないでしょうか。それでことしやらないということになれば、あなたがさっき言われたアンフェアということになるのじゃありませんか。そう私は思いますよ。私の言うのは違いますか。違うなら反駁してくださって結構ですよ。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 所得税減税というのは大改革、私は大改革だと自分で考えておりましたから、こういうものはちゃんと手続を要するのです。しかし、スタートはあのとき申し上げたのです、スタートは。  それで、これを実行していく上については、税調に諮問するとか、いろいろな手続が要るわけです。そういう意味で計画どおり、スケジュールに従ってやってきた。そういうことで、いずれこの春のうちには政府税調から所得税減税そのほかの案が出てくるだろうと思います。そういう意味で、大体スケジュールどおり進行しているというようにお考え願いたいと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 聞いている人はそう取ってないのじゃないですか。聞いている人は、あなた一国の総理大臣が去年の七月に言っているならば、もう当然すぐ進んで所得税減税が行われるというふうに考えておる。六十一年度にはそれは通るのじゃないかと思うのは当たり前だというように思うのです。そこまであなたが説明されているのならいいですよ。今はずっとやってきて、ただ第一声を挙げているだけなんだ、減税をやるのはいつか、すぐというわけにはいかないのだ、二年、三年先になるだろうとかなんとかと説明されているのならいいけれども、そういう説明は全然しないのじゃないですか。ただ、所得税減税をやります、やります。たしか二度言ったように思いましたね。これは選挙だから適当なことを言ったといえばそれまでかもわかりませんけれども、そうはいかないので。  そこで、だからなぜそういうふうに言っていて六十一年度に減税ができなかったのかという理由を、ただ抜本的改正だからというだけでは意味がないのじゃないですか。やろうと思えばできたのじゃないでしょうか。そこら辺のところをちょっと説明していただけませんか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 これは国の財政計画の問題もありますし、シャウプ以来の大改革をやろう、要するに三十五年ぶりの大改革をやろうというのでありますから、そう簡単に、軽はずみにやれるものではない。大体こういう方向でやるということを申し上げて、それからだんだん頭にあった手順で進めてきている、そういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 では、百歩譲りまして、あなたが暦年からいえばことしに打ち上げるという減税は、私は率直に言いまして、相当大きな減税を打ち上げるのではないかというふうに理解しているわけですが、そこに至るまでに、それでは六十一年度に減税が行われなかったために一体今までの人はどのくらい余計税金として所得税を払っておるという計算になるのでしょうか。  昭和五十二年度に人的控除の引き上げが二十六万円から二十九万円、三万円行われましたね。それから五十九年は、それもありましたけれども上がったのもあるわけです。そうすると、五十三、五十四、五十五、五十六、五十七、五十八、五十九は別として、六十、六十一、八年間こういうふうに行われてないわけですね。そうすると、去年どことしとを比べるというと、一人が平均して一万六千円減税の見送りでふえた、こういうふうに計算が出てくるわけですね。八年間をずっと計算をしてまいりますと、一体幾らぐらいの実際の増税というものが所得税を納める階層に行われた、こういうふうになるのでしょうか。これは大ざっぱな計算で結構でございますけれども、どういうふうになりますか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 お話しのように、減税は五十二年に行われておるわけでございますが、その後、昭和五十九年度に行われておりまして、その時点といたしまして適正な負担水準をお願いしたというふうにも考えられるわけでございますので、八年間というお考えというものがいかがなものか。五十九年以降とすれば六十年、六十一年というふうにも考えられるわけでございまして……。」  それから、もう一つの点、一万六千円という点が必ずしも私どもどういう計算のものか承知いたしませんので、ちょっとお答えが難しいわけでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 今の計算は、六十一年度の税制改正の要綱の中に、ことしが一人当たり二十六万九千円だ、去年は二十五万三千円だ、こういうふうなことから差額が一万六千円、こういう数字が出てくるのではないのですか。私はそういうふうに考えておるわけですが。  そこで、今いろいろ衆議院の代表質問やその他今までの委員会の質問を聞いておりまして、こういうふうに総理は答えておりますね。これは竹入さんの質問に対する答えなんですが、税制の問題ですね。春には所得税、法人税の大減税案を出してもらう、秋には財源措置を整えて、六十二年度に実施するよう法案の整備を心がけたい、六十一年度は抜本改革の中途の時期だ、不公平税制の是正などではとても二兆三千億の減税はできない、こういうふうに答えられているわけですね。  竹入さんは三つのことを挙げておるわけですね。一つは利子や配当の軽課の問題、もう一つは納税環境の整備の問題、それからもう一つの問題と、三つ挙げて、そしてそういう中で不公平税制の改正等を挙げておるわけですが、この竹入さんの主張されたことについて、どうしてこれが二兆三千億にこのあれではならないという数字が出てくるのでしょうか。この答弁の内容についてはどういうふうに理解してよろしいのですか、もう少し詳しく説明してくれませんか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 我々のスケジュールでは、税調にも既に諮問もしておりますし、大体この時期にこういう答申をやっていただきたい、そういうようなお願いもして税調もそれで進行しておるわけであります。そういう途中において二兆三千億というようなかなりの大がかりな減税を行うということはそれはできません、そういう意味で申し上げたわけであります。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると、六十二年度の減税を目指して前進するということが出ておるわけですけれども、あれですか、六十二年度の減税というのは少なくとも二兆三千億の減税よりも大きいのだ、こういうふうに理解ができるわけなんでしょうか、どうなんでしょうか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 私は金額を言明したことはないのでありまして、我々の心がけとしてかなり思い切った減税をやりたい、そういうふうに考えておるわけです。そういう金額やその他はもう少しいろいろ精査しまして、積み上げの上に出てくるもので、それは税調において目下検討しておるところでありましょう。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると、かなり思い切った減税というのを、それをどうするのですか。ことしの四月ごろに打ち上げるということなんですか。その減税、何を出そうとされるのですか。そこがよくわからないのですけれどもね。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 税調がどういう答申をなさるか、今私からここで独断で申し上げることは慎みたいと思います。また、額に言及するかどうかもまだ未定だろうと私は思います。  ただ、私は国会でも言明しておりますのは、シャウプ税制の改革以来三十五年もたって、税のひずみ、ゆがみ、国民の重税感、そういうものがかなり出てきでおる、特に中堅サラリーマンの子供持ちのお方の場合は、ローンの返済やそのほかでかなりの重圧が加わってきておる、したがって、そういうこともよく頭に置いて是正の大事なポイントとしても考えて大きな税制改革をやりたい、そういうことを申し上げておるので、金額をどの程度にするかということは私は慎んでおきたいと思っております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 あなたの、田邊さんのこの委員会におきまする減税案についての質問の速記を起こしてもらったわけですけれども、それを見ると、「国民が何を欲しているかということをまず手をつけて、そしてそれを懸命に追求するというのが政治のやり方として正しい。そして最終的には、あわせて、一体となって財源措置も考えてやっていく、これは当然のことでございますが、そういうようなスケジュールで進めておるので、私はそれがやはり政治家としてのやり方であろう、こう考えておるのであります。」こうあるわけですね。この「政治家としてのやり方」というのを私は聞いておったわけですが、一体何を意味しておるのだろうかというふうに考えました、聞いていて。  そこで、四月に減税構想を打ち上げるというその打ち上げ方が、これは私は恐らく東京サミットの前だと思うのです、私の考え方は。そうすると、それはどういうふうに打ち上げるということなんですか。そこから具体的にどう——ただこの所得税をどの程度やる、どの程度やるというのですか。では打ち上げにならないんじゃないですか、具体的な数字が出てこないで。何をどういうふうにやろうということを四月の末ごろか何かに発表されようというのですか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 四月になるかいつになるか、ともかく春ということで私は諮問しておりまして、そしてお願いしておるわけであります。それで、その内容はいただいたときによく点検をして、それから党とも相談をする。党の税調もございます。そういうふうにやはり手続を尽くしていかないといけないと思うのです。東京サミットの前であることは事実でありまして、非常に経済摩擦や何かもありまして、減税を行う用意が一つあるということは必ずしも先方に対して心証を悪くしない、そういう面も出てくるので、政治家として考えたというそういう点は、そういう面もなきにしもあらずでもあります、正直に申し上げて。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 もう少し正直に言えば、六月に選挙があるということも入るわけでしょう。だけれども、それは私ばここでは言わなかったわけですけれどもね。  そこで、よくわからないのですけれども、打ち上げるのでしょう、花火じゃないけれども、出しますね。だれが見ても、それはどの程度かは別として、一体財源をどこから持ってくるんだろうかということをだれでも考えるんじゃないでしょうか。ただ減税をやろう、やろうと言っていて、さあ財源には全然触れない、それでは国民は、あなたをちょっと、信頼しないと言うと語弊があるかもわかりませんけれども、変に思いませんか。実際に実現できるのかどうかわからないんじゃないですか。  そこで、財源として考えられるものは、まず常識的に考えるというと何があるのでしょうか、どういうものがあるのでしょうか、そこを私はお聞きしているわけなんですよ。だから、まずこういうふうにお聞きいたしましょうか。それじゃ、私の疑問は、減税をこれだけすると言う、その財源はどこから持ってくるのだろうか。まず第一の疑問は—財源はその次の問題、まず、減税の額と増税の類とが同じだったら、七本の財政の中でどんどん当然増がふえていくわけですね。社会保障費もふえていく。防衛費の後年度負担もあるだろう。人件費もふえていく。一体それをどうやって賄っていくのか。それは要調整額としては当然出てくるわけですね、大蔵省の今度の計算の中にも入っていますから。だから、くどいようですけれども、減税額と増税額とが同じだったら、日本の財政に対して赤字体質がただふえるだけのことであって、意味がないのじゃないでしょうか。そこをどういうふうにするのかということはまずだれでも国民は聞きたいところだと私は思うのですよ。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 国民のニーズや要望にこたえるということを前から申し上げているとおりで、やはり国民の皆さんが今欲しているのは減税である、そういう意味で、まず減税というものを、それに精力を込めてまず汗を流してもらいたい。そしてその後で、今度は財源措置もあわせて一体となって、いよいよ法案をつくるときにはそのあわせて一体となったものを中心に法案をつくっていく、そういうスケジュールを考えているわけであります。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 減税に汗を流すのは結構なんですけれども、じゃ減税を具体的にどういうふうにするかというときに、じゃ、それに見合うものをどこでどうやって埋めていくのかということを全然考えないのですか。気楽なものですね、それは。それでやるのですか。それはあなた、アンフェアじゃないですか。それは今の段階でそれを言うのは勘弁してくれ、それを聞かれても自分としては困るんだと言うなら、これまた話はわかるかもわからぬけれども、ここら辺のところは非常におかしいですね。だれが考えたって、私が今言った考え方、増税と減税とが同じであっては全然意味がない、こういうふうに思うのですよ。どうですか、大蔵大臣。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 稲葉さんのやり方と私のやり方は、やり方が違うのであります。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 いやいや、私のやり方と言ったって、私は大蔵大臣でも何でもないので、僕のやり方なんて別にないのですよ。ただ、国民が疑問に思っているから聞いているだけの話なんであって、あなたはその国民が疑問に思っていることについて答えていただければいいと思うのですよ。もうさっき僕は浜田さんの質問を聞いていまして、やはり国民が聞きたいと思っているところを聞いていると思ったのですよ。私も国民の聞きたいと思っているところを聞きたいのです。国民の一番聞きたいところはそれじゃないですか。減税と言うけれども、後からそれより多い増税が出てきたのではかなわぬじゃないか。それで減税だけわんわん騒いでいて、それで東京サミットだと言って外国をあれしておいて、そして今度は選挙のときに悪く言えばごまかしちゃってというような形になってきて、後はまた別だと言うのでは、アンフェアじゃないですか。だから、私は当たり前のことを聞いているのですよ。私のやり方を聞いているんじゃないですよ。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 ですから、国民の欲することをまず我々はやる。そういう意味で、国民が一番欲しているのは、自分の場合は減税はどういうふうな性格になるだろうか、一体所得税、法人税あるいはそのほかの税金についてどういうふうに軽くなるだろうか、このねじれやよじれや重圧感をどうして解消してくれるのだろうか、自分のところにはどういうふうにさわってくれるか、そういうことが国民が今一番考えていることですから、それについてまずやる。それから今度は、始末はまた後になってやる。そういうやり方を私はとっているということなので、社会党は別のやり方をおとりになるかもしれませんが、私はそういうやり方をとっておるので、それは国民が最終的に御判断くださることであると思うのです。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 それじゃ、いずれこの問題はほかの方もほとんど聞かれると思うのですよ。だから、国民は、やはりそれは政治不信につながってくるのじゃないかと私は思いますね。それは減税だけ言っていて、じゃどうするのだということは、ずっと後の話だ、選挙の後だということになれば、国民はなかなか納得しないのじゃないでしょうか。  そこで、では、財源として、これも言えませんか、減税の幅と増税の幅と、あるいは減税をやるとして、それを埋める幅がとんとんなのか、それよりも後の方が多いのか。後の方が多くなければやっていけないのじゃないですか、日本の財政は、実際問題として。これは、赤字公債を発行するとかなんとか方法はあるかもわからぬけれども、それ以外になくなってくるのじゃないですか、これは大蔵大臣どうなんです。(「総理の答弁」と呼ぶ者あり)総理は今答えたからね、いや、聞いたって同じことを答えるだけの話だから。(発言する者あり)それではもう一遍聞いてみよう。いや、まあいいや、同じだ。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 税制調査会に諮問をいたしまして、そのときに我が方からお願いをいたしましたことが今総理のお答えにあったことでございます。すなわち、審議の取りまとめに当たっては、春ごろに重税感の軽減やひずみの是正等の適正化に沿うものからお願いをし、それを踏まえた上で財源措置等を含めた一体としての包括的な指針を秋ごろまでにちょうだいをしたいという考え方でお願いをしたわけでございます。  したがって、この抜本見直しはぜひともやり遂げなければならぬ課題でございますが、手順として、どこに重圧感があるのか、どこに垂直的不公平感があるのか、水平的不公平感があるのか、それからまず審議してください、そしてそれをまず出して、その上で次は財源問題を一体として答申をしてください、こうお願いをしておるわけでございます。  したがって、今の税制調査会を見ましても、第一特別部会、これは総括でございますが、第二特別部会、第三特別部会では所得税、法人税というようなもののあり方が議論をされておる。そこで、流れとして申し上げますのは、ニュートラルということは申しております。増減それぞれ中立的な立場でこの御議論をいただきたいということは申しております。すなわち、何をもって増収に充てるか、初めから全体としては増税のための諮問でもなく、減税のための諮問でもない、あるべき姿はいかにありますか、こういうことを諮問をして、その手順としては、先ほど来総理が申しております手順で答申を取りまとめていただきたい、こう申しておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 ニュートラルとかなんとかいろいろな話がありましたけれども、ニュートラルというのは一体何かというのは、税に対して中立的というのは非常に難しいのですよ、これ。お話を聞いているというと、フィフティー・フィフティーという意味でもないように聞こえるのですよね。あなた、ちょっと違った意味に使っておられるようにも聞こえるし、それから、ニュートラルというのはフィフティフィフティーだという意味に使う人もいるのですよ。だから私は聞いたわけなんですが、同じことを何回聞いていても同じなんですから進みますけれども、そうすると、臨調の最終答申がありますね。それは国民所得に対して、いいですか、社会保険料込めてですけれども、五〇%まではいいという—いいとは言わぬけれども、そこら辺までは考えられるというような臨調の最終答申ですね。現在は三六・何%ですか、そうすると、それを一体今後どういうふうにしていくのですか。臨調は五〇%まではいいという意味のことを言っているじゃないですか。その開きをどうしていこうというのです。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 臨調で申しておりますのは、租税負担率といわば社会保障、保険料と合わせたものを全体としてこれを国民負担と称し、その国民負担率のあり方はヨーロッパのそれよりもかなり下回るところにとどめるべきだ、こういうことでございます、だから、稲葉さんおっしゃっているのは、日本の場合は今三六・一だ、ヨーロッパは最近五五を越したところもございます。だが、あの臨調の答申もらったころは五一ぐらいでございましたか、それよりかなり下回る、相当程度下回るでしたか、そういう言葉たったと思いますが、その辺どこが一番いいかというのは、全くこれこそ最終的には国民の選択の問題だと思うのですよ、そこは。したがって、予見を申し上げるわけにはいきませんが、いわゆる税制の抜本的なあり方についての答申をいただいて、その答申は国民負担率はおよそ何%というところまで出る性格のものであるかどうかというのには、私も、そこまで出るものであるかどうかは、臨調のように相当程度下回るというような表現は別といたしまして、その問題ということになりすと、まさに国会の問答等を通じながら国民のコンセンサスがどこにあるかという政策選択としていわば我々が見定めていかなければならぬ課題ではないかというふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると総理、あなたは思い切った減税を春にやられる、そして秋に答申を受けて財源についてお考えになる。そうすると、考えられる財源としては、これはどういうようなものが選択肢として考えられるわけでしょうか。これは何も税調の答申がなくたって考えられるはずですよ。これはどれをとるということを私は聞いているのじゃないですよ。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 それも税調に諮問しておるわけですから、税調の答申を待っている、そういうことは前から申し上げているとおりであります。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 いやいや、税調に諮問していることを聞いているのじゃない。それはわかりましたよ。だから、減税をするのにはそれを埋め合わす財源が必要だ、これはわかるでしょう。その財源として考えられるものについてはこういうものとこういうものがあるではないか、これは考えられますわな。そのうちどれをとるかはまた別の話、その後の話かもわからぬけれども、どういうものが考えられるかということは当然出てくるのじゃないですか。だから、大蔵大臣はこむ財政演説の中で「国民各位の御理解と御協力のもとに、その幅広い支持に基づく新しい税制を確立し、安定した歳入構造を確保することを目指して検討を進めてまいる所存であります。」こういうふうに言っていますわね。そうするというと、安定した歳入構造、これは当たり前の話ですわな。一番不安定なものと言えば法人税ですわな、税の中では、大体。この起伏が激しいでしょう。そうすると、安定した歳入ということになってくるというと一体何があるわけですか、考えられるのは。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 税制の一番根本議論には、税がやはり国家財政あるいは地方財政の主幹的役割を持つものであるから、それが安定的に対応できる仕組みでないといかぬ、こういうことが大前提にあるわけでございます。したがって、その大前提をこの財政演説で申し上げたわけでありますが、さて、さようしからば仮にニュートラルということにいたしましょうか。そうすると、およそいろいろ議論がなされるでございましょう、今二百三十五万七千円の課税最低限がいいとか悪いとかの議論もございましょう、あるいはこの税率の刻みがいいとか悪いとかという議論もございましょう、国会でもあれだけの議論があるわけでございますから。したがって、またその議論が出た後で、さあ税調でどういう議論が出るかというのは今から予測できませんが、従来の税調で中間答申ももらったり、その都度都度いろいろな答申をちょうだいしておりますが、そういうものが議題になるのかなという感じはございますけれども、今からこうしたものがございますということを予見を持って言うよりも、むしろ稲葉さんと私との問答を税調に正確に伝えた方が、よりその正確な判断をしていただける素材として供することができるではなかろうかと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 もうさっき竹入さんの質問を引用しましたけれども、あれは三つのことを挙げました。第一は有価証券取引税の改正の問題でしたね。それと二番目が利子配当軽課の問題等不公平税制の是正、三が納税環境の整備、この三つでしたね。今お話がありました、私が聞いているのは、税の中で安定的な歳入というものは一体何なんだろうと考えたときに、さあ総理は思い切った減税をやると言いましたね。問題を戻しますよ。今までの質問の中で、私がずっと質問してきた中で、五%を一般消費税に掛ける。これは食料とかいわゆる一般消費を除いた場合に、五十四年度の答弁の中では、五十一年のものを五十四年度に引き直したときに三兆円だという答弁が、高橋主税局長ありましたね。それからその後、その一%というのはたしか四千三百億だという数字もずっと出てきております。去年梅澤さんが答弁しているのは、その五十一年と六十年とを比べてみるというと、その分母ですね、分母というか掛けられるものというかな、それは倍になっておりますという答えをしておるわけですね。そうすると、私は、だから三兆円なら六兆円じゃないかと、これはちょっと間違って聞かれたんですけれども、五十四年度分と六十年とを比べなきゃいかぬわけですから、そうするとそれは四兆四、五千億円になるというのが当然数字として出てくるわけです。これが四兆五千億までいくか、四兆三千億か四千億かちょっとはっきりしませんけれども、そこら辺のところですね。出てくる。これが一番安定した収入ということに、税収ということに今一番なるんではないでしょうか。  あなた方は所得税の減税をやると言っているならば、その財源としてこれ以上公債をふやすのですか。どうするんですか。それはもうできないでしょう。歳出カットと言ったって、防衛費を切るわけにもいかぬでしょう。そうなってくりゃあなた、安定的収入という、税収ということになれば答えは出てきているんですよ、これ。EC型付加価値税をやる以外ないという結論にだんだん近づいてきつつあるんじゃないですか。だから、あなた方の方の、例えば前の主税局長の書いたものを読んでも、名前は挙げませんけれども、ここにいらっしゃる税の専門家の方のものを読んでも、まずその税制を改正するときに増収を目的として税制改正をやってはいかぬ、これをやったら失敗しますよということをはっきり言っておるのですよ、皆さん方はね。そのとおりなんです。もう、だから当たり前の話ですけれども、だからあなたの方では税制の抜本的改正ということを言うのですよ。税収を上げるということを言わない。言ったらこれは失敗するのです。今までの例がみんなそれで失敗しているのです。どこの国でも失敗しているでしょう。今私の申し上げたのから見るというと、この新しい税制を確立し、安定した歳入構造の中でこれに最もふさわしいものは一般消費税であり、あるいはインボイスを伴ったものであればEC型付加価値税、こういうことにならざるを得ないんじゃないですか、あるいはそれが一つの選択肢に入ってくるんじゃないでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 これは従来とも税制調査会で、五十四年の際は五十五年度税制のあり方についてという答申の中でございましたか、いわゆる一般消費税(仮称)というものが取り上げられておる。そしてその後の議論の中でいわば幅広い間接税のあり方についての引き続いての検討が指摘されておるというようなものがございますから、私は税制調査会の大部分のお方がそのまま継続しておやりになっておるから、それは将来——将来と申しましてもこの春以後の課題になって取り上げられる可能性は私もあるだろうと思っております。  ただ、稲葉さんおっしゃったように、正しい認識は、増収を何ぼしたいから税制をいじってくれという諮問の仕方というのは本来の税のあるべき姿を問うときに適当でない、これは同感です、私も。実際そうであらなきゃならぬと思うのです。その上でどう組み合わせていくかというのは、その後の政策選択の問題でありますが、稲葉さんは恐らくいわゆる消費税、一般消費税とも申しませんが、ヨーロッパ的EC型付加価値税的なものは、言ってみれば物価というのはそう大きな変動がないから安定的な税収というものの安定的な税源としてこれは位置づけられるものだというお考えが稲葉さんの頭にもあるんじゃないか。私も、いわゆるそういうものは安定的な税源としての学問的な位置づけはできると思っておりますが、それがどういうふうな経過でこれから審議の中へ入っていくかということはこれからの問題ではなかろうかと思っております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると、今誤解してもらっては困るのですけれども、私はEC型付加価値税をあれしろと言っているんじゃないのですよ。いいですか。うまく誤解されちゃ困るのでね。大変なことになっちゃうからね。いやいや、ここにあなたの財政演説に書いてあるから、私は聞いているのでね。そうすると、今竹下さんのお話を聞いていますと、あなたの頭の中にEC型付加価値税、インボイスを伴うものというものが安定的な歳入の一つとして考えられておる、こういうふうに承ってよろしいでしはうか川ここのところ、ちょっと余りだめ押ししない方がいいかもわからないと思うのですけれどもね。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 それは理論的にあり得ることであるが、私が今それを念頭に置いておるとすれば、これはまさに公正、公平な立場で御審議いただく税調に対して予見を与えることになるから、避けるべきではなかろうかと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 だけど、ここに書いてあるでしょう、あなた。だって、「新しい税制を確立し、安定した歳入構造を確保する」んだと書いてあるんだもの。これに一番ふさわしいものが今私が申し上げたものじゃないですか。それ以外ないんじゃないですか。私はそう思いますよ。思い切った減税をやるならば、これ以外ないんです、財源は。それはあなたはお認めにならざるを得ないんじゃないですか。ただ、それを今言うのはぐあいが悪いというならば、それはあなたの立場もわかりますけれども、少なくとも否定はされないはずですよ。だから、総理はこの前も、社会党がいろいろ税制を言うのなら、財源を示しなさいというふうにあなたは言われた。そうでしょう。中曽根さん、言われたでしょう。この前、社会党もそういうふうに言うのなら、いろいろ財源を示しなさいと言われた。財源は幾らでもあるのですよ。「月刊社会党」二月号にちゃんと書いてあるんだから。これをあなた読んでいただければ一番いいんだよ。これに書いてあるよ。私らの方もちゃんとある。だから、「さしあたり廃止すべきもの」としていろいろなプレミアム非課税とか受取配当の益金不算入とか、いろいろ見てこれが一兆七千三百四十二億。それから「改正すべきもの」として引当金の問題ですね。引当金七種類あるのですよ。これは日本は独特なんですよ。引当金、僕はいつも問題にしますけれども、これは会計学上はあるのですよ、ヨーロッパなんかでも。税法上認めておるのは日本だけじゃないですか。貸借対照表の負債の部に計上しているのでしょう。これはおかしいですよ。日本だけ、どうもそうらしい。七つある。退職給与引当金だけで八兆円あるでしょう。貸倒引当金は三兆幾らあるでしょう。貸し倒れのうち実績というのは一兆幾らでしょうが。そうすると、二兆幾ら利益留保するじゃないですか、だれが見たって。いろいろ考えられていますけれども、そういうふうなものだけでも少なく見積もって約二兆四千億ある。それから「他の制度とともに改廃すべきもの」として一兆七千幾らあるから、六兆近くあるのですよ、やろうと思えば。  そこで、率直に言うと私にもこれはわからないので、今すぐというわけじゃないのだけれども、専門家の人で大蔵省で研究してもらいたいのですが、日本銀行調査統計局で昭和六十年六月に、「日本経済を中心とする国際比較統計」というのを出しているのですよ。この八十七ページ、八十八ページで「租税及び税外負担」というのを見ますと、法人で直接税と税外負担というものを分子にして法人所得で割ると、日本が四〇・五%ですね。それからアメリカが四六・七%、イギリスが六九・一%、西ドイツが六三・六%、フランスが八二・二%、こういうのが出てきているのですよ。これは日本銀行のあれですからね、今ここですぐ答えるという意味じゃなくて、大蔵省に専門家がいますから、主税局でよく研究しておいていただきたいと思うのです。私も直ちにこれがどうだというふうにはちょっとあれなものですから、よく研究しておいていただきたい、こういうふうに思うわけです。  そこで、ちょっと西ドイツの話が出たものですから、江崎さん、江崎さんは答弁は初めてですか、予算委員会。今度は初めてですね。——ああそうですか。  ことしの「自由民主」の新年号に、国際経済対策特別調査会長として、「先進国病への危惧−日本にも危険が近づいている−」こう言われているのですが、しかし、大臣になる前のことですし、西ドイツが先進国病だとかなんとかということをここで言うこともあれですから、このことについては私もお聞きしませんが、その中でこういうふうに言われているんだな。財政政策をあれされまして、「政府は数年来、国家財政の再建を急ぐ余り、超緊縮予算をとり続けている。」こう書いてあるのですよ。これはあなたがお書きになったのでしょう。これはどういう意味ですか。大臣になる前だから気楽に言ったのかどうか知らぬけれども、どうなんですか。

江崎真澄自由民主党・新自由国民連合総務庁長官

○江崎国務大臣 月刊「自由民主」を愛読していただいてありがとうございます。  これはもちろん閣僚になる前の原稿でございますが、私は、特にここで言いたかったのは、アジア問題研究所が挙げた「生産性をあげることは、労働者にとってよいことだと考える」という質問に、西ドイツの労働者は「よいことだ」と肯定した答えが二一・八%、それから「よいことでない」と否定したドイツ人は七二・八%ということ、そういうことが言いたかったのですよ。  そこで、どうしても、党におりますと、これは率直に申しますが、こんなに公共事業の枠が狭められたりいろいろしてまいりますと、つい建設公債くらいは怖くないくらいの議論を私もしたことがございます。確かにあります。しかし、この職務についてみて、しみじみ国家財政を検討し今後のことを思いますと、よくぞ今まで「増税なき財政再建」というものを中曽根内閣やり通してきたな、やはりこれは自分の考え方を改めるべきだという反省に立っておるわけです。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 それはいいですが、そこで、あなたがシュミットさんの日本批判論文を紹介しておられるわけですね。紹介しておられる中で、自分で傍点を打っておられるところなんですよ。これはよくわからないのですが、こういうふうに言っておられるのですね。「しかし、防衛・政治面での日本の対米依存は、日本の外交政策上の行動の余地を、欧州におけるドイツに比べ、極めて限られた狭いものにしていることは重大である。」これはあなたが傍点を打っているわけです、わざわざ御自分で。これはことしの新年号ですよ。そして、「日本の弱点や痛いところを一国の責任者が、これほど簡明率直にはっきりといってのけた論説は重要である。」特に傍点を加えた点は重要だというようなことをあなたは言っておられるわけですね。これは大臣になる前だから気楽に言ったといえばそうかもわかりませんけれども。これはどういう意味なんでしょうか。日本の対米依存云云というのは、行動の余地が欧州におけるドイツに比べて限られた狭いものになっている、とれはどういうことを言っておられるのですか。これは訂正されるのですか。

江崎真澄自由民主党・新自由国民連合総務庁長官

○江崎国務大臣 これはシュミットの言っておるものに私が同感の意を表した傍点と、こう理解していただいていいと思います。これは、ドイツは御承知のように、西独の場合は東独と分裂国家、これは第二次世界大戦の一番悲惨な犠牲を受けておる国ですね。そういう点で、なおかつ防衛費にも四・三%、私の記憶が間違いなければ、一昨年計上しているわけです。昨年は三・七%くらいですか。そういうようなことなどあって、そして去年は御承知のようにドイツには珍しい反核デモが行われましたね。しかも、この反核デモはいわゆるソ連のSS20に対する脅威を排除しよう、こういうデモであったことは御存じのとおりだと思います。そして、日本の場合は、これに「政治面での日本の対米依存は、日本の外交政策上の行動の余地を、欧州におけるドイツに比べ、極めて限られた狭いものにしている」という意味は、端的に申し上げれば、日本の反核運動というものは、もちろん世界の核を廃絶しよう、こういうことにおいて社会党とも共産党とも全部一致しておることは間違いございません。しかし、デモそのものをとってみますと、ややもすればいわゆるアメリカの核に対する反対デモ、こういったものが多くて、既に北方領土にも移動性の中距離弾道ミサイルのSS20が二基ぐらいは配備されておるということが常識的に言われておるわけですが、これに対しての脅威とかこれに対しての反核デモというものは余り見られませんね。そういったことについての傍点を私は加えたわけですが、その後すぐ続いて、それを前提にして、日本は「経常収支インバランスの改善」「住宅事情の改善」それから「ODAの対GNP比率の引き上げ」この点などももっともなことであるということで、これを御紹介したというわけであります。     〔中島(源)委員長代理退席、委員長着席〕

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 あなたが大臣になる前に書かれたことですからここで論議するのもあれしますが、今いろいろお聞きしておって、総理の施政方針演説の中で「対外経済摩擦の克服と拡大均衡の下での新しい成長」こういうふうなのがあるんです。この中に「経済の拡大均衡を通じて対外経済摩擦の解消を目指すため、」に云々というのがあるんですが、この「経済の拡大均衡を通じて」というのは具体的にどういうことを言われるわけなんですか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 基本的には新しい成長への道ということを言っておりまして、それが「展望と指針」の一つの基本的な考え方にもなっておるわけです。それを敷衍した意味で「経済の拡大均衡」ということを申しておるので、縮小均衡に対する言葉であります。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると、当然のことながら、縮小均衡政策というものは、緊縮財政というような形をとるとしても、縮小均衡のあれはとらない、こういうことでございますか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 現にとっておりませんから、四%の実質成長を月指してことしもやっていると申し上げておるとおりです。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そこで、内需の拡大の問題について、具体的に今度経済企画庁のあれを見ても五百十億ドルが出ているわけですけれども、原油が例えばどのくらい下がるかという見通しを立てたときに、どのくらい下がるか、例えば一バレル六ドルなら六ドル下がる、こうしたときにGNPにどういう変化があるか、あるいは卸売物価、あるいは輸入、あるいは経常収支、こういうふうなものにどういう変化があるというふうに見たらいいんでしょうか。その六ドル減が正しいかどうかは別として、あなたの方の計算では何ドルぐらい見て、一応私は六ドル減ということで計算したのがあるのですが、どうでしょうか。

平泉渉自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○平泉国務大臣 お答えいたします。  今石油の価格が非常に動揺しておりまして、ちょっとすぐはわかりませんですが、非常に重要な問題でございますから、けさも私指示いたしまして、日本の経済全般に与える影響が、どういうふうになるか、ひとついろいろ試算をしてみる必要があるのじゃあるまいか、こういうふうに申しております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると、少なくともこのことによって五百十億ドルをもっと超えて、きのうあたりは大体六百億ドルぐらい経常収支が黒になるんではないかと言う人もあるし、それに近いところの黒を言う人もおるわけですね、人によっては。そうすると、少なくとも五百十億ドルよりもふえることは間違いないですわな、あれが変わってくるのですから。もちろんその内容によっていろいろ違います、バレルが下がったとしても違いますけれども、それは実際にはどのくらいの経常収支の黒がこのままいくと出る、どういうふうにお考えなんですか。  私は、経常収支の黒をどうやって減らしていくかというときに、それをことしはこれをやる、来年はあれをやる、どのくらい減らすとかということを明らかにするということは、これは間違いだ、間違いというか、かえって逆に大きな問題を起こして国益を損なうおそれがある。だから、そのことについては私は聞かないし、要求いたしませんけれども、具体的にどのくらいになるという見通しを立てて、どうしたらいいというふうにお考えになっているのですか。これはだれが答えたらいいのかちょっとわかりませんけれども。企画庁ですか。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○赤羽政府委員 石油価格が一バレル当たり一ドル下がりますと、輸入のための支払いが大体十二、三億ドル節約になります。他方、石油の価格が下がりますと産油国の収入が減ります。したがいまして、産油国に対する輸出もまた困難になるだろうと思います。ですから、差し引きいたしましてどのくらいかというのは、ちょっとよくわかりません。ただ、輸入代金の節約は今申し上げたことだろうと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると、そういうふうに、経常収支がどんどんふえてくるという形の中で、これは経済政策として内需を振興していこうということですな。そのためには、日本の場合に一体何が一番いいというふうに考えられるのですか。例えば日本の場合に、賃上げと減税、その他ありますな、一体それをどういうふうに組み合わせていったら一番いいというふうに考えるのが、これが一つでしょう。  それと、日本は資源の少ない国ですね。約六億トンの原材料を輸入して、九千万トン輸出してやっていくということで立っている国でしょう。だから、そこで内需の振興といっても、それを究極的に内需の振興ばかりやっていったんでは日本は立っていかないわけですよ。そっち中心になり過ぎちゃったのでは輸出がだめになってしまうから。一体どの程度をやっていったらいいのか。あるいは、とりあえずは今の状況を、経済摩擦を防ぐために、そのために内需の振興ということをうんと力を入れていこうというのか、そこら辺のところは、実際問題としてはどうなんですか。  あるいは内需の振興ということについて、それは今の状態を避けるために強く言わなければいけないけれども、それは全体として、その最終的な段階まで内需の振興ばかりやっていたのではだめなんだ。しかし、そのことについては、数字的にそこまではっきり言うということはいろいろな面で困る、こういうことならば、それも一つの返答が、こう思うのですが、どういうことなんですか、これは。

平泉渉自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○平泉国務大臣 今のその最後のところですけれども、今の問題、非常に重要な問題ですが、まさに日本としては輸入国、非常に輸入しなければならない物資がたくさんございますから、輸入を賄うための輸出であろう、こういうふうに思います。そういう点では今のちょっと輸出が多い部分は少し過大であろう。そういう意味でこれは減少を図っていく。これはやはり内需を振興させていくということが重要である。将来にわたって、これは輸入さえ賄えれば大体いいわけでありまして、あとそれ以上に外貨が必要だとすれば対外援助、こういうことが必要な面が一つございます。それから外国に対する資本供与、いわば国際公共財の提供というふうな、そういうふうな意味のものの外貨の需要というものは賄っていく力は十分必要じゃあるまいか。しかし、基本的にはやはり日本は内需振興でいく、内需中心の経済である、これが本来の姿であろう、こう我々は見ております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 いろいろ財政といいますか、そうした問題についてお聞きをいたしたいこともあるのですけれども、これはほとんど他の同僚なり先輩の議員の方がこれをお聞きになりたいところだ、こういうふうに思うわけです。これ以上のことはと思うのですけれども、ただ、企画庁でさっき赤羽さんが出られましたから、経済の専門家ですから、シャーロック・ホームズの研究でも非常に有名な人ですけれども、聞きたいのは、一体日本の場合、賃上げやるでしょう、賃上げやって内需の振興になるかならないかというところが一番難しいところなのですよ、これは。貯蓄にみんな回っちゃうでしょう。なぜ貯蓄に回るかというと、いろいろな理由があるけれども、社会保障が将来どうなるかわからないということですよ、これは。社会保障の目安がつかないものだから結局貯蓄にした方がいいということになっちゃうわけですから、そこら辺のところをどうするかということのためには、社会保障を切り捨てるということとか減らすということは逆に貯蓄をふやすだけの効果であって、内需の振興にはならない。結局、経常収支がふえるだけ。そして、一金利が大体三%の差があればどんどん外国に流れますからね。二%の差の場合には大体リスクで何とかということでいかないということも考えられるのですけれども、そこら辺のところを一体どういうふうに考えたらいいか、こういうことを含めて、これは赤羽教授、ひとつもう少しちょっと話をしてください。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○赤羽政府委員 まず、石油の情勢が先ほど御質問のようなことでございますけれども、これは物価が下がるという形で消費者に対しましてはプラスになる、こういうふうに思います。そのプラスになった場合に消費者がどういうことで喜ぶのか。まず、同じだけの貯蓄をしながら消費をふやすことができる、こういうことで喜ぶ。それに対しまして、同じだけの消費をして余分に貯蓄ができる、そういうことで喜ぶ。二つの考え方があるだろうと思います。私どもは、そうした場合に真理はその真ん中のどちらかにあるということだと思いますけれども、やはり消費がふえる、こういう方向に近いのではないか、こういうふうに考えているわけであります。そういうことで、物価の安定を通じて消費が刺激されるだろう、これが私どもの公式の見方でございます。  他方、そういうことではありますけれども、現在貯蓄率が高いことも事実であります。この貯蓄率が高いものが金利差によりましてアメリカを中心とする海外に流出している、これもそのとおりだと思います。しかしながら、世界経済の面から見まして、インフレがおさまっている、こういう条件のもとでありますから、次第に金利を下げるという条件が整ってきていると思います。そうした場合に、一方的に資本の流出、こういう状態は、先ほど先生がおっしゃいましたように、金利差が縮まるに応じてなくなっていくだろう、こういうふうに考えております。そういたしますと、いわゆる財テクで運用するよりは実物投資をする、こういう方向に相対的に有利になっていくだろう、こう考えております。したがいまして、実物投資に向かう方向というのがこれからは期待できるだろう、こういうふうに考えているわけでございます。したがって、私ども、六十一年度の経済見通しを立てるに当たりまして、設備投資につきましても比較的好調が持続する、こう考えております一つの理由が、今申し上げましたようなコンテクストと申しますか、そういう理屈で考えておるわけでございます。  要するに、物価の安定を通じて消費もそれなりに回復をする、それから金利差その他を通じまして実物投資に有利になってくるだろう、こう考えている次第でございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そのためには賃上げと減税という二つのものがどうしても必要になってくる、こういうふうになってくるのじゃございませんか。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○赤羽政府委員 賃上げというのは生産性の向上を反映をする、そのことによって実質所得の増加に結びつく、こういうことでございます。必ずしも名目的な賃上げ率の高さ、高低によりましてそれがすぐそのまま実質所得の増加になるわけではない、こういうふうに考えます。したがいまして、物価安定という条件のもとで生産性の向上の成果が実質所得の向上に当然結びつき、それが実質消費をふやすだろう、こういうふうに理解をしております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 一応財政なり経済といいますか、その問題についてはあれしまして、国民生活を中心とする問題二、三についてお伺いをさせていただきたいというふうに思うわけでございます。  実はシベリアに抑留された方々がいろいろ補償を求めて活動を続けておられるわけです。一方において裁判をやっておられる方もあり、そうでない方もあるわけですけれども、その中で一つお尋ねをいたしたいのは、条約第二十五号というので、捕虜の待遇に関する千九百四十九年八年十二日のジュネーヴ条約というのがございます。これは昭和二十八年十月二十一日に公布されたものなんですが、第六十七条で「第六十条に従って捕虜に支給される俸給の前払は、捕虜が属する国に代ってされる前払と認める。その俸給の前払並びに、第六十三条第三項及び第六十八条に基いて抑留国が行ったすべての支払は、敵対行為の終了の際、関係国の間の取極の対象としなければならない。」こういうふうなのがあるわけでございます。  ところが、この六十七条の条文の中の「抑留国」というのはこれは誤りである、誤訳である。そしてそれは所属国というのが正しいのだ。抑留国というとソ連、所属国というと日本になるわけですが、これに対して同僚の渡部行雄議員から質問主意書が出たのですが、それに対しては、よくわからない、事情がよくわからないからとかなんとかいうごとですが、「更に調査を行う必要があると思料され、最終的な結論を得るに至っていない。」これが答弁なんですけれども、この間の経過をひとつ御説明をお願いいたしたい。  ということは、これは所属国とあるべきところを「抑留国」と訳してしまった。これは英語でもフランス語でもそうなるのですが、そこら辺のところからくる誤訳といいますか、だというふうに考えられるのですが、これは外務省の方からひとつ御説明をお願いしたいと思います。

中平立外務省国際連合局長

○中平政府委員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘の点につきましては、条約の成立、作成経緯等を含めましてあらゆる面から総合的に調査しておりまして、この調査に基づきまして慎重に判断をしたい、こう考えておる次第でございます。  現在調査中でございまして、最終的な結論にまだ至っておりませんけれども、最終的な結論を得次第またお諮りしたいと思うわけでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 私が質問をいたしておるのは、ここに「抑留国」と訳してありますね。これは間違いであって、所属国というのが正しいのである。言葉の解釈から英語でもフランス語でもそうなっています。だけれども、その経過がよくわからない、わからないから調べるのだという答弁ならば私も納得するのですよ。それを前提をわかったようなわからないようなことを言っているのじゃこれはだめですね。どうなっているのです。

中平立外務省国際連合局長

○中平政府委員 お答えいたします。  この点が誤訳であるか否かを含めまして現在慎重に調査中でございますので、その結果がわかり次第お諮りしたいと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 いやいや、誤訳であるかどうかを調べると言うのだけれども、じゃどうして誤訳であるかどうかということが問題になるのですか。これは誤訳でないと言うなら調べる必要は何もないので、英語で読むとどうなるんですか、フランス語で読むとどういうふうになっているんですか。ちょっと説明してください、この字を。直訳してください。直訳ですよ、意訳は要らない、直訳してください。

小和田恒外務省条約局長

○小和田政府委員 お答えいたします。  ただいま国連局長が御説明しましたように、外務省としては、今検討しておりますのは、この言葉を抑留国と訳すのが正しいかあるいは所属国と訳すのが正しいか、現に今存在しております訳は「抑留国」となっているわけですが、そのいずれが、正しいかということも含めて検討せざるを得ない状況にあるわけです。  なぜそうであるかということについて簡単に御説明いたしますが、この六十七条は、先ほど稲葉委員が御指摘になりましたような規定があるわけでございますが、そこでこれに該当する言葉は、英語で申しますと「ザ セッド パワー」となっておるわけでございます。「ザ セッド パワー」というのは、文字どおり訳せば当該国と申しますか、抑留国とか所属国とかいう具体的なことではなくて、そういう一般的な形で示しているわけでございます。したがって、全く文法的にあるいは語学的にそれをどっちに訳すのが正しいかということは必ずしも決められないわけでございまして、中身から見てそれがどっちを指しているというふうに考えるのが正しいかという、ある意味では条約の解釈、適用にわたる部分に入って考えなければならない、こういうことになるわけでございます。  ところで、経緯について簡単に御説明したいと思いますが、委員御承知のように、この条約は一九四九年にジュネーブで採択をされまして、まだ日本が占領下にある時代でございます。その後、講和条約が発効いたしまして、日本がこの条約に入るようにということを講和条約のところで合意がなされまして、我が国が、この条約に可及的速やかに、一年以内に加入をする、こういう一方的な宣言を出して入ったわけでございます。  したがいまして、事は一九四九年、昭和二十四年という今から三十年以上も前のことでございますのと、それから日本自身が参加している会議ではございません。そこで、会議自体の案文作成の経緯、あるいはその採択会議における審議の模様というようなものは、日本自身が参加していなかったということ、それから、その後日本がそれに加入するために行った加入の手続というものが、三十数年前のことでございます。さらに、この条約の解釈、適用に関して各国がどういうふうな考え方を持っており、あるいはどういう国家慣行をやっているかというようなことまで全部正確に調べまして、慎重に判断をして結論を出したいというふうに考えておりまして、今作業をしております。  結論は必ず出しますし、出した上で御報告いたしますので、もうしばらく御猶予をいただきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 これが抑留国とあるのと所属国とあるのとで、一体どういうふうに違うのですか。

小和田恒外務省条約局長

○小和田政府委員 六十七条は先ほど稲葉委員が御指摘になりましたように、給与の前払いでございますとか、あるいは損害に関して補償の問題でございますとか、その他ここに書いてありますような事柄について関係国の間の取り決めの対象にするということを規定しているわけでございます。関係国と申しますのは、いろんなケースがあると思いますが、直接的に申しますと抑留をしていた国とそれから所属をしている本国と、これが一番中心的な関係国になるわけです。その間で取り決めの対象にするということを六十七条は規定しております。  その関連におきまして、抑留国が行った支払い、あるいは所属国が行った支払いというようなものがその取り決めの対象になるということでございますので、六十七条そのものをとってみれば、これは両者の間で話し合いをしなさいということを規定している条文でございまして、これがどちらであるかということによって、六十七条自体の問題としては、その結果に法律的な意味での大きい影響が出てくるというふうには私ども判断しておりません。  しかし、いずれにしても、これは事は訳語の問題でございますので正確を期したい、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 そうすると、このシベリアに抑留された方に対する——捕虜の方の賃金や何かの支払いが現実に行われておる場合があるのですね。ビルマであるとかシンガポールであるとかグアムであるとかオーストラリアというようなところでは、賃金に対する補償が行われておるのですね。これは、ここに名前もありますけれども、名前を出すのはあれですから、その日本人の名前が出ていますけれどもちょっとこれは御勘弁願いますけれども、そういうふうなことが行われておりますというと、この解釈が違ってくると、所属国が行ったというふうになると、これはそこから第一次的に日本に責任があるということになるのではないか、私はこう思うのですが、それはまあしばらく——その点についても今の話だと何かちょっとはっきりしないようですけれども、私そういうふうに思うのです。  そこで、これは外務省ですか、やはり大蔵省なのか、どこがあれなのかな。例えばオーストラリアとかその他のところに対しては、日本の捕虜の方に対する労銀を日本が支払っているんですね。それはどことどこへどのくらい支払っておるんですか、それでなぜソ連の場合は支払わないのか、そこはどういうふうになっておるのですか。だれに聞いたらいいんですか、これは。総務庁ですか。

江崎真澄自由民主党・新自由国民連合総務庁長官

○江崎国務大臣 事務当局から御説明させます。

水田努厚生省援護局長

○水田政府委員 お答え申し上げます。  引揚者の持って帰りました外国のお金を、帰りまして日本円と交換するわけですが、これは日銀の窓口でその交換をしまして、それに要した費用は厚生省の引揚民対策費で払っておりまして、今お尋ねの俘虜期間中に得た収入金についての交換につきましては、当時大蔵省の管理局長から厚生省の引揚援護局の総裁に要請がございまして、同じく引揚民対策諸費から日銀の交換したものについて払っております。この間の金額は、一般引き揚げの分と、それから今申し上げました捕虜の収入のものの、内訳はわかりませんが、昭和二十二年度から二十七年度までの間、一億九千二百万円の支払いをいたしております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 この問題は、今外務省が答弁されまして、この翻訳が合っているか合っていないかということについて、いろいろな問題が出てくるのですよ。  そうすると、例えば間違っていたときに一体どうやって訂正するのですか。

小和田恒外務省条約局長

○小和田政府委員 先ほども申し上げましたように、この問題についてまだ結論が出ておりませんので、間違っていたときにどうするかということについて、私どもまだこの点につきましても答えが出ておりません。したがって、お答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、もしそれが間違いであるということであれば、きちっとした形で訂正の必要があろうかと思います。  ただ、先ほども申し上げましたように、一九四九年の条約に一九五三年に日本が入りました。その過程におきまして出された訳文というものについて、それが間違っておるという結論を私ども出しているわけではございませんので、もう少し検討させていただきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 これは当時の外務省の条約局関係の人で、名前を申し上げませんけれども、意識的にこれは直したんじゃないかという疑いすら持たれているのですよ。私も断定いたしませんけれどもね、今の段階で。著名な人物ですからあれしませんけれども、そういう疑いすら持たれておるのでして、外務省の方で調べられるというのですから、それは調べられて、その結果で、また私どもは追及するというか、そういう形をとっていきたい、こういうふうに考えております。  これは私のところへも、総理、この前、瀬島竜三さんのお話を聞いていろいろ私も得るところがあったのですけれども、このシベリア抑留者の補償で、とにかくこの問題が片づかなければ死ねない、生きているうちに何とか解決してくれというはがきが全国から段ボールに二箱ぐらい私のところへ来ているのですよ。もう大変な問題でして、その過程の中でこれは出てきたのですよ、この訳が間違っているんだというふうなことが出てきましてね。二月四日に裁判があったのですけれども、外務省、恐らく今言ったような理由で答弁を待ってくれということで答弁してないんだと思うのです。  いずれにいたしましても引き続いて真相を追及しますし、それらの方々の、何と申しますか本当の苦しみというものをよく知って、何とかこれを善処していただきたい、こういうふうに考えるのですが、総理はいかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 よく実情を調べまして、そり上で慎重に考えていきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 国民生活の第二の問題は、病人の方々のために非常に大きな問題なんですが、今、国立の療養所それから病院の統廃合が大きく出ておるのですが、統廃合についての対象数が百二十二カ所、経営移譲については三十四カ所、こう言われているのです。そこで、これは恐らく皆さん方のところでも、議員の方々、大臣の方々もそうですが、病院の統廃合それから経営移譲の問題が各地で起きて、大きな今後の問題になってくると思いますので、重大な関心を持ってお聞き願いたいというふうに、思うわけです。——渡辺さん、栃木県でもあるのだ。それから、塩原のあれが移譲になる。  それでこの問題、これは皆さん全部聞いていてくださいよ、いいですか。これはまず疑問に思いますのは、全部で百七十万、ベッド今あるわけでしょう、厚生大臣。それを百万、ベッドにするというのですか、これは。どうしてそういう必要性が今あるのですか。これがまたわからないのですよ。どういう目的でこういうことをやられるのか、あるいはその全容、これについてひとつ厚生大臣からお話をしてください。

今井勇自由民主党・新自由国民連合厚生大臣

○今井国務大臣 お答え申し上げます。  先生御案内のように、との国立病院・療養所の再編成の問題は行政改革の一環としてやるわけなんでございますが、現在、国立病院または療養所を見てまいりますと、だんだんと当初の設立当時のものとその様子が大分変わってまいっているものもございます。また、町のお医者さんだとかあるいは公立の病院だとかいうものもだんだん出てまいりましたものですから、国立の療養所にふさわしいような、そういう機能を持たそうじゃないか、こう考えて、機能といえば、広域を対象にして、しかもまだ高度な専門医療と申しましょうか、難病だとかいうもの、そういうものだけではございませんが、ほかの一般の医療機関ではなかなかできないものをやっていこうというわけなんです。  ところが、今日の国家財政を考えてまいりますと、人員、器材ともに、同じように、一様に増強するということがなかなかできがたいものですから、この際やはり再編成ということをやりまして、残すべきものはきちっと残す、そのかわり人員、器材もそこに集中していこうじゃないかというふうにしているわけでございます。  それで、この再編成の問題というのは、一口に再編成と言いますけれども、これは大きな問題でございまして、先生おっしゃいますように、その関係者の方々、地域の方々は大変な大問題だと思います。私もそう思いますので、この実施に当たりましては、地元の関係者と十分に話し合いましで、御納得の上でやっていこうということを現実にいたしてまいろうと思っております。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 百七十万ベッドを百万ベッドにしなければならないという理由は一体どこにあるのですか。

木戸脩厚生省大臣官房審議官

○木戸政府委員 お答えを申し上げます。  百七十万床と先生おっしゃいますが、それは、全国の病院のベッド数というのは百四十七万床でございまして、それに有床診療所のベッド数を入れれば百七十万ということになるのかというふうに思います。  私ども、医療供給体制全般というものを考えてみますと、もちろん辺地とかいう地域偏在の問題はございますが、今の段階になりますと、今後は適切かつ効率的な医療供給体制というものを考えていかなければならない、そういうことからいえば、量から質へ、こういう時代に入っているというふうに考えているわけでございます。  その中で国立病院はどういうものを受け持っていったらいいのかというのは、実はこれは地域医療体制の中で国立病院は何をやるのか、こういう問題であろうかと思うわけでございます。実は昨年の十二月に医療法を通していただきまして、現在各都道府県では地域医療計画というものを立てているわけでございます。厚生省といたしましては、その全体の地域医療計画を各県につくっていただくとともに、国立病院につきましては、やはり他の私的な医療機関あるいは他の公的な医療機関がやらないような高度専門の医療、具体的に申しますと、都道府県全体を対象、あるいは県が広い、いろいろな立地条件で二つ、三つというところもあるかと思いますが、一般的な日常生活圏というふうなものでなくて、都道府県単位あるいは都道府県を二つなりに分けたそういう広域を対象とした高度専門の医療に重点を特化しよう、こういうことで国立病院の再編成というものを考えていっているわけでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 今あなたは臨調のことを言われましたが、これは一般会計からの繰り入れが今は千二百億ぐらいですか、それを減らすためにこれだけの国立の病院なり療養所というものを統廃合してベッドの数を減らし、そして地域の患者の方方に非常に大きな不便を与えて、そしてそこの職員に対して不安というか動揺というものを物すごく今与えているのでしょう。それまでして千二百億円のお金が、一般会計からの繰り入れがどうなるのですか今度は、これをやれば。

木戸脩厚生省大臣官房審議官

○木戸政府委員 お答えを申し上げます。  先生御指摘の千二百億円というのは六十年度の一般会計の繰り入れかと思うわけでございます。私どもはできるだけやはりむだは省いていかなければならないということは考えますが、一方でやはり国立医療機関としてやるべき仕事というのはあるわけでございます。それはハンセン病でございますとか重症心身でございますとかあるいは結核でございますとか、やらなければならないものについてはやらなければいけない。そのものについて一般会計から繰り出す、いわゆる赤字が出るというのはやむを得ないと思っておるわけでございます。  だから、私どもは単なる赤字の解消のためにやるということではございませんで、私どもできるだけ倹約すべきは倹約はいたしますが、千二百億円が再編成によって幾ら減るかというようなことについて今見通しを持っているわけではないわけでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 だけれども、千二百億円を幾らかにしろ減らすために結局こういうことをやるのでしょう、これは。おかしいじゃないですか。それは考え方がおかしいですよ。人間の命の問題を、わずか千二百億円という金を、どのくらい減らすのか知りませんけれども、そのためにこれだけの病院を統廃合して、そしてベッドを減らし、そして患者や何かに不安を与える、そういうようなことは、これは十年計画でやろうというらしいですけれども、これはもう当然考え直さなければいかぬ問題ですよ。これは恐らくほかの方々も、超党派でどんどん質問なり何なりが出てきますよ。恐らく皆さん方はずっとそういうことをあれされて、地元の方からいろんな御要望が出てくるんだ、こういうように私は思いますよ。  そこで、もう一つの問題は、経営移譲というのですけれども、三百床未満三十カ所、三百床以上が四カ所かな。相当山間僻地、離島でしょう、対馬、壱岐、こういうところのまでそれを全部やめちゃうんですか、これは。こんな無医村で、せっかく国立のものができて、そして住民の方々が命が助かると非常に喜んでおられる、そういう山間僻地、離島、そういうところのまでやめてしまって、中曽根さん、それで中曽根内閣というのは愛情のある内閣だ、こう言えるのですか。どうなんですか、これは一体。そんなのはおかしいじゃないですか。いや、厚生大臣、答えてくださいよ。今井さんは、あなたはいろいろ難病対策や何か前から一生懸命やっていてくださって、私もよくわかっているので、余りあれしたくないのですけれども、それはそれとして答えてください。

木戸脩厚生省大臣官房審議官

○木戸政府委員 大臣からお答えをいたす前に、私から考え方を御説明をいたしたいと思います。  御指摘のように、今度の三十四の移譲施設の中には、対馬とか壱岐とかそういう施設はあるわけでございます。私ども僻地医療はやはり国にとって大切な医療だというふうには思っているわけでございます。ただ、それを直接国が担当するかどうかというのは別の問題ではないか。  例えば例を挙げますと、対馬の病院は今移譲に出しているわけでありますが、対馬にほかに二つ離島医療圏組合の病院というものがあるわけでございます。それを統括して後ろからバックアップしているのは、国立長崎中央病院という病院があるわけでございまして、そこに対しましては、医師を定期的に派遣する、難しい患者を受け入れる、あるいはMEを使って診断をする、こういうようなかかわり方をしているわけでございます。だから、私どもといたしましては、直接その医療機関を担当するのは、やはり地域に密接したものに担当していただいて、そしてそれを後ろから高度の専門的な、そして総合的な機能を持った大きな国立病院がバックアップをしていく、こういう体制に切りかえていきたいというふうに考えているわけであります。  ただ、経営移譲でございますが、これはもう相手方が見つかるまではちゃんと国として面倒を見ていくということで、医療水準は下げないように、適切な経営移譲の相手方を探す、こういうことにしているわけでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 これは今井さん、あなたがこうした問題について非常に理解のある方だということは、私は今まで直接お会いして話したことはないのです、ですけれども、よく各方面から聞いておりますから信頼をしているのですけれども、これはよく、何といいますか、各方面の意見を聞いてちゃんとしてくださいね。それでないとこれはえらい問題になりますよ。  そこで、時間の関係もありまして、最後の問題になるわけですが、常日ごろ大変いろいろお世話になっているといいますか、難病対策の問題なんですが、これは患者の方々といろいろお話をしてみますと、これは竹下さん、聞いていてくださいね、患者の方とお話ししていますと、大蔵省の主計官、主計官なのか、主計官の下に、何というのですか、主査というのですか、何とかいろいろいるでしょう、ああいう人たちが言った何げない言葉、何げない言葉が本当にずしりとその患者の人たちの胸を刺すのですね。これは大きいものなんですよ。私もちょっとそういう点は不用意な発言をする癖があるものですから、これは人を傷つけることが相当あるものですから、申しわけなくて反省をしているんですが、これは本当ですよ。なぜかと言いますと、例えば今難病患者の特定疾患を一つふやしてもらうわけですね。ことしの三月になりますか、懇談会がありますから、今、浜松医大の先生ですが、今度かわりまして筑波医大の先生が長になるわけですけれども、そうすると、そこで特定疾患が今度は二十八になるから一つふえますね。そうすると、今までずっとやってきたもの、昭和四十三年でしたか、ずっとやっているわけですね。だからもう古いのはいいじゃないか、いわゆる卒業という言葉を使うのですよ。一つふやすから古いものは一つ卒業させたらいいじゃないかというようなことを大蔵省の人たちが不用意に言うんですよりそれを聞いて真っ青になって飛んでくるんですよ。だから、実にそういう点は注意をしなくちゃいけないというふうに私は思うのですが、そこでお尋ねをするのは厚生大臣と大蔵大臣。大蔵大臣、いい答えをしてくださいよ、いいですか。  それで聞くのですが、一体今後難病対策についてどういうふうに推進していくのか。それから、特定疾患を今度は一つふやすわけでしょう。ふやしていって、そのことによって今まであるものを削らないのかどうか。削らないという約束をしていただいて、そしてそれを受けて大蔵大臣もお答えを願いたい、こう思うのです。

今井勇自由民主党・新自由国民連合厚生大臣

○今井国務大臣 難病について大変御関心をいただきまして本当にありがたいことでございます。私も従前から難病の問題に取り組んでまいりましたが、患者御本人や家族のことを思いますと、全く心が痛む思いがするわけでございます。  そこで、今お尋ねのことですが、今度一つ疾患がふえます。しかしながら、私は、従来からありましたものについて、それを減らすというつもりはありません。これはやはり、その疾患につきまして、治療法なり、あるいはそういった原因なんかがはっきりしないままにこれを減らすなんということは、とても考えられないと思っておりますので、一日も早くそういう原因を究明する、あるいは治療法を研究するということは、これは極めて大事なことでありますから一生懸命やりますが、それが決まった後にいろいろ考えるべきものだろう、私はそう思っております。これは一つ追加するから一つ減らすというようなことを今考えておりません。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 私の乏しい知識でありますが、今、今井厚生大臣がお答えになったことはもっともだな、こういう感じで私も聞いておりましたので、よく相談をさせていただきます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 これは大蔵大臣とそれから厚生大臣にお願いして、そういうことのないようにしていただきたい。これは卒業という言葉を使っているのですよ。ちょっと大蔵省の人が言うらしいな。卒業と言うんだな。コメンスメントというのかな、卒業という言葉を使うんですね。そういうことのないようにしてください。  そこで、難病の認定が非常に厳しいのです。これは医学的難病と社会的難病とこうあるわけでしょう。それで、例えばリューマチの方がおられるわけですね。今度朝日新聞の社会福祉賞かな、島田さんですね、御婦人の方が受けられて、重いリューマチにかかった方が本を書かれておられるわけですね。「流」という雑誌なんか出しておるんですが、そういう方の本を読んだり何かしてみますというと、殊にリューマチの場合は重くて悪質でないと認定しないのですよ。だから今二千五百人ぐらいじゃないですか、リューマチの難病患者の認定というのは。ですから、それはもう少し緩やかにしていただいて、もっと温かい気持ちで接していただきたい、私はこう思うのです。本当に厳しくやるためにリューマチの患者の方々が非常に困っているのですよ、これは。そこら辺のところを、厚生大臣どうですか。

仲村英一厚生省保健医療局長

○仲村政府委員 リューマチについてのお尋ねでございますが、リューマチにもいろいろのタイプがございまして、私どもが取り上げておりますのは、いわゆる悪性リューマチという中身でございまして、一般の他の関節炎等の軽度のリューマチとは区別して研究も進めておりますし、医療も見ておるわけでございまして、そういう点で他の難病と同様にやはり重いものということで私ども考えているわけでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 重いものというのはわかっているのですよ、それは。だけれども、その認定をもう少し人間的な温かみを持って緩やかにしてあげなさいということを私は言っているので、重いものというので本当に厳格にやるというと少なくなっちゃうのですよ。今たしか二千五百人ぐらいだと思いますけれども、リューマチで困っている方方はどのくらいおられると思いますか。

仲村英一厚生省保健医療局長

○仲村政府委員 先ほど申し上げましたように、一般の関節リューマチを含めますと、かなり多数の患者さんがおられると思いますが、この難病対策で取り上げますのは、他の難病と同様の重度で原因が非常にわかりにくい疾患ということで取り上げておりまして、現在二千七百人ぐらいということでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 今お話ししましたように、難病の問題について、リューマチの場合でも重いものしか認定しないわけですね。そうして今度全体のあれで、予算を減らして補助率を減らそうという動きをしているわけでしょう、これは。そういうふうなこと全体を含めて、それはやめなければいかぬと私は思っておるわけですけれども、日本の医療体制全体というものを、これはいろいろな考え方がありますけれども、直していかなければいけないのじゃないか、私はこういうふうに思うのです。  殊に難病対策というのは、これは非常にチームワークを必要とするし、相当なあれがかかるかもわかりませんけれども、もっと温かい目を持って向かってほしいということを私は念願をしておるわけなんですね。ことしなんか予算を減らしちゃったでしょう。一時予算をふやしましたよね。去年あたりからこれは減っちゃっているのですよね。これなんかはもっと考えてもらわなければいかぬわけですよ。これは大蔵大臣もしっかり考えてほしいのですよ。これは前には私も直接大蔵省へ行って頼んだこともあるのですけれども、そういう点について、厚生大臣から政治的な形でのしっかりとした返事をしていただきたい、こういうふうに思います。

今井勇自由民主党・新自由国民連合厚生大臣

○今井国務大臣 難病につきましては、厚生省の担当しておりますものについては、研究費を含めまして予算は減っておりません。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 いやいや、厚生省の担当じゃなくて全体の治療費、研究費、それらを含めまして、いろいろなグループをつくっているでしょう。その予算は全部を含めまして一時ふえたわけですよ。五十七年ごろから八年ごろふえて、その後に五十九年、六十年というふうに減っておるんではありませんか、全部を含めて考えるというと。

仲村英一厚生省保健医療局長

○仲村政府委員 お答えいたします。  先ほど大臣からお答えいただきました内容は、先生がおっしゃいましたいわゆる狭い意味の難病対策ということで、それにつきましては一疾患もふやしますし、予算額もふえております。それから補助率もいじっておりません。もちろん患者さんの自己負担につきまして、治療、研究費という名目で自己負担をゼロにしておるということについては変わっておりません。先生のおっしゃいましたのは、その他のいわゆる難病のカテゴリーの中へ入れました更生医療でございますとか育成医療その他のところの補助金が変わりましたので、補助金実額では多少減額をしておりますけれども、今お尋ねの難病については従前どおりでございます。

稲葉誠一日本社会党・護憲共同

○稲葉(誠)委員 狭い意味のそれについては減ってないわけです。全体として見たときのあれは減っている、こういうことを私は言っているわけなんですが、それはそれといたしまして、そういう社会的な、言葉は何といいますか弱者といいますか、総理、そうした方々に対して温かい気持ちで接してあげて、そしてそれに対する処遇をするということが、これは何党であろうと政治をやる者の本当の心すべき一番重要なことではないか、こういうふうに私は考えて、そのことのために今後も一生懸命やっていきたいというふうに思っているわけですが、そういうことについて総理の最終的なお答えをいただいて、私の質問を終わらせていただきたい、こういうふうに思います。

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○中曽根内閣総理大臣 社会的な弱者に対しましては、思いやりの気持ちでいろいろ政策をやることは大事だと思います。

小渕恵三自由民主党・新自由国民連合

○小渕委員長 これにて稲葉君の質疑は終了いたしました。  次回は、明六日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時十五分散会

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