予算委員会 第2号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1986/02/03
会議録
○小渕委員長 これより会議を開きます。 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田邊誠君。
○田邊(誠)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、当面する重要な政治課題について中曽根総理以下閣僚に質問をいたしたいと思います。 時間が限られておりまするから、私も一昨年、昨年と当委員会で質問をさせていただきましたし、そしてまた本会議におけるところの質疑応答もございましたから、端的に要点を質問いたしますので、どうかひとつ総理もそのようにお願いしたいと思います。 そしてまた、今回の改造内閣をこう見渡しますると、私どもと一緒に国会の中でいろいろと仕事をされた方々も多いわけでございますが、中にはなかなか雄弁の方もございます。国鉄の問題、教育の問題あるいは貿易摩擦の問題、それぞれ担当の皆さん方、なかなか雄弁の方が多いのでございまするが、ここは弁論大会ではございませんから、どうかひとつ私の質問に対してイエスかノーかということを簡単に御答弁いただくようにあらかじめお願いしておく次第でございます。 しかし、新しく入られた方々の中には将来やはり日本の政治の中核に入る方々が多いわけでございまするから、せっかく勉強されることは大変結構でございまするし、ニューリーダーの方々もまたそれぞれの御所信をお持ちでございましょうから、その都度お伺いしたいと思うのでございます。 総理、あなたの今国会におけるところの施政方針演説をお聞きをいたしまして、なかなか中曽根哲学もちりばめまして、三年間やってこられていよいよ任期があと九カ月、いわば総仕上げという、こういうお気持ちでいろいろと発言をされてきたと思うわけでございます。言葉の中には、私がなるほどと思うこともございます。そして、その前後にあなたが発言をされておるいろいろな発言の中身も拝見をいたしまして、なるほどと思うことがございます。 たびたび引用されました国連総会におけるところのあなたのいわば名演説――園田、当時の外務大臣の演説も非常に評価されましたし、それからまた安倍外務大臣の国連演説も評価されたのですけれども、中曽根総理の演説というのは、私はあれを見る限りはなかなかのこれは名演説だ、こう思っておるのでございますが、果たしてその演説と中曽根内閣がやってこられた今までの政治のやり方あるいはその手法、政策、こういったものが一体合致をしているかどうかという点が国民の一番知りたいところだろうと思うのでございます。 私は、実はこの一月に私どもの党の仕事始めの際に、ことしは非常に重要な年だ、特に日本の平和の行く末にとってはことしは非常に意義のある年になるんじゃないだろうか、そうしなければならない、軍縮、特に核軍縮について我々は具体的なアプローチをすべきだ、こういうことを実は私はあいさつでいたしたのであります。そしてまた、政治的にも経済的にも、特に経済的には今までのありきたった経済政策を転換をしなければならないときじゃないだろうか、こういうことを実は言ったのでございます。これは一野党の私が言った言葉でございまするから影響が多いわけではございませんでしょうけれども、私はそういう心がけでことし一年政治家は取り組まなければならない、こう思っておるわけでございまするが、そういった点から見て、中曽根総理のこの発言に対して、私どもとしては非常に注目をいたしております。やはり施政方針演説なり今私が申し上げた一連の演説というものは、その政治に対する心構えとしては今もお持ちである、このように確認してよろしゅうございますね。
○中曽根内閣総理大臣 国連総会で日本国民の総理大臣として演説しましたことは、私の真意であり、また私の念願であり、かつ日本全国民の悲願である、そういうふうに考えまして強く訴えたところでございます。 施政方針演説におきましては、自民党、新自由クラブを基盤とする中曽根内閣としての姿勢について私の所信を申し述べまして、いろいろ御批判、御鞭撻をいただきたいと思いまして、よろしくお願い申し上げる次第でございます。
○田邊(誠)委員 そういう実はあなたの発言の舌の根の乾かないうちに、我が党の石橋委員長の質問に対するあなたの答弁を見まするというと、既にトーンが落ちている。そしてまた、いわば言いわけをしている、釈明をしておるということが多いわけであります。 今の国連の演説ですね。「私は、核兵器の廃絶を望む全国民の声を代表いたしまして、国連でも演説をし、訴えてきたところでありますが、政治の現実としては、我々は常に、現実的な立場に立って冷厳に事態を直視しつつ、着実に一歩一歩前進していかなければならない、そのように考えております。」 言うなれば、この国連演説は、今あなたもちょっと言われましたが、願望といいましょうか、これを述べたのであって、これはまあそっちへ置いておいて、現実の政治の方はそうはいかないんだ、こういういわば趣旨の答弁をされておるわけでございまして、どうもやはり、言ってみたものの自分のやってきたこととは余りにもかけ離れているし落差が多いものだから、どこかでもってその落差をたんたんと縮めていかなければならぬなという、こういう気持ちだろうと思うのですね。若干この本音をかいま見た気がいたすわけでございまするが、私は、やはりあなたが言ったことは責任を持つという立場でもって政治に取り組んでいただきたいというふうに思っておるのでございます。 第一に、国際情勢のいわば見方と今後の日本の外交のとるべき道について若干質問をいたしたいと思います。 国際情勢をどう見るかということは、さまざまでございます。しかし、総理も言われているように、昨年から世界の潮流が幾らか変わりつつある、こういうことを感じられたと言われておるわけでございますが、私どもも、いわば対立が長く続いた世界情勢というのが何らがこの話し合いへと向かいつつあるんじゃないだろうか、緊張激化の中でもっていろいろな実は事態が起こってまいりましたけれども、この緊張緩和への動きというのが指し示されつつあるんじゃないだろうか、いわば冷戦からデタントへと向かうような機運があるんじゃないだろうか、こういうように言われておるわけであります。しかし私は、もちろん楽観をしてはならないと思うのです。今までの国際情勢の厳しさを我々はもちろん肌に受けとめてきたわけですから、そういった点で、にわかな楽観的な見通しを立てて対処するわけにはいかない、これはそのとおりだろうと思うのでございます。 しかし、米ソの首脳会談にいたしましても、六年半ぶりのいわば冷戦から話し合いになってきた。これにはいろいろな背景がございますね。私はやはり米ソ自身の持つところの国内的な、国際的な状況、経済的な行き詰まりもありましょうし、そしてまた米ソ自身がそれぞれの同盟国と言われる国々に対するいわば影響力の度合いというものがあるいは下がってきたかもしれないということ。そして一番大きな問題は、何といってもこのままで緊張激化あるいは核戦争へと向かってはならないぞというところの世界の平和への動き、そして核兵器の精密度、正確度、こういったいろいろな要素が実はあったと思うのです。 私は米ソ首脳会談をとらえてみて、会談自身の結末というのは、これは我々は、過去においても米ソ首脳会談があった、十四回もあったけれども、その後不幸な事態が次から次へと起きた、アフガンの問題にしても、グレナダの問題にしても、いろいろな問題が起きたという経験からいって、今後の事態を眺めなければならぬと思いまするけれども、しかし我々は希望が持てるというのは、今後継続的に話し合いをする、米ソの首脳部が相互に訪問するという、こういう継続性を持っているということ、これはかなり希望を持つ一つのファクターじゃないだろうかと私は思っておるわけでございますが、世界を動かそうとしているところのこの米ソ首脳会談について、あなたの感想をまずお聞きしたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 米ソ首脳会談が昨年十一月にありまして、ソ連の方もアメリカの方もともかく核兵器を減らしていく、そして廃止まで持っていこう、そういう大きな目標については一致しておるようです。私はこれを大歓迎するものであります。しかし、現にこれだけ膨大な核兵器があって、それに携わっておる軍人やら科学者が膨大な数があって、そして何千億円、何千億ドルという膨大なお金を両方がかけてきてこうなっておる現実を、できるだけ早く事態を解消する方向へ持っていくについては、やはり相当の時間がかかると考えるのは常識であります。 そういう意味で、ゴルバチョフ書記長も紀元二〇〇〇年までにやめようというようなことを言っておるというのは、やはりソ連の最高首脳部にある方として、自分の国の内部やらいろいろな構造を見ておって考えた上の発言である。またレーガン大統領にいたしましても、ソ連の案に対してアメリカの案を今度出しまして、同じように半分に減らそう、しかしそれについてもいろいろな段取りというものをお互いが考え合っていこう、そういうことであるというのは、一挙にこれはいかない。その間にかりそめにも大きな力のバランスの変化があるというと何が起こるかわからぬし、自分の関係している友好国が非常に心配をする。世界のどこかでまた変な事件が起きる危険性もある。そういうような全世界的な責任も考えて、そうして一歩一歩着実にこれを廃止の方向へ持っていこうという現実的手段をとっておるのであります。 私はそういうことを言っておるのであって、何も一遍に急にできるとは田邊さんもお思いじゃないと思います。我々も同じように現実的にやる。その一番有力な大事な仕事は、お互いが確かめ合って、そして、ああなくなったな、ああ減らしたなということを安心し合うということがまず大事なんで、私はこうしましたよと一方的に通告しただけでそれが済むという状態では安心できないわけであります。したがって、一歩一歩そういうふうにお互いが安心し合えるような、お互いが確かめ合うとか、いろいろな方法をもっと深めていって、そうして減らしていく、私はそういうことが現実的であり、日本はそれを言っておるわけなのでございます。したがいまして、私が昨年国連で演説したこともそういう精神に基づいてできるだけ速やかにそういう方向へ前進させようということを言っておるのです。 それで、レーガン大統領も新しいスタートと言っております。ゴルバチョフさんも二〇〇〇年までの三段階の計画を出したのです。その中には希望の持てる因子もなきにしもあらずです。今言った確かめ合うということについてソ連が多少前進してきつつあります。内容はまだわかりませんけれども、一応前進してきつつある。あるいは中距離弾道弾兵器、INFというものについて何か特別の考えを持っているらしい気配もあります。あるいは化学兵器の廃止についてもそういう兆候もございます。 そういう一、二の例を申し上げましたが、そういう点でもともかく糸口を早く見つけ合って、そして両方がテーブルに着いてそれを深め合って解きほぐしていく努力をやっていくべきである。我我はそういう意味においてはレーガン大統領を支持し激励していきたい、そう思って誠実に我々はこの道を進めていきたいと考えておるのであります。
○田邊(誠)委員 今総理の言われた実は力の均衡の中で確実なレベルダウンという話については私からまた質問いたしまするけれども、施政方針演説でもそしてまた国連演説でも平和と軍縮について言われたわけでございまするが、その中で実は特に今言われた核の軍縮ですね、核兵器の廃絶に向かった着実な一歩前進の。これを言われておるわけでございまするけれども、一体我が国はそれに対して何をしようとしておるのですか。何をされてきたのでしょうか。まあ総理演説の中では核拡散防止条約への加盟の呼びかけというのはございましたけれども、一体我が国自身が何をしてきたのか。ことしは国際平和年。国連も実はこれに対して各国がいろいろなことをやってもらいたい、国内調整委員会を設けてもらいたいというようなこういうことを提案をしておるわけでございますけれども、我が国はこのいわば核軍縮という問題に対して核兵器のいわば悲惨な体験を経た最初の国としてこの機会に一体何をしようとされておるのか、具体的なことがありましたならばお開かせいただきます。
○中曽根内閣総理大臣 まず大事なことは、米ソ会談、レーガン・ゴルバチョフ第二回会談、これを成功の方へ持っていくために、さっき申し上げましたように糸口を見つけてそしてそれをさらに切り込んでいく方向へ推進する、我々は側面からそのように協力してまいりたい、これがやはり一番大事な世界的関心事であると思います。それから、国連軍縮会議等におきまして今申し上げた査察、検証等の方法について、日本は地震国でございますからそういうものに対する科学技術もかなり進んでおります。そういう面で貢献できるという点についても我々は深くきわめてまいりたいと思います。そういうような具体的な一つ一つをもちまして努力してまいりたいと思うのでございます。
○田邊(誠)委員 その辺は言葉が非常に小さいのでございまして、無理はないのでございます。特別な施策というものを世界に先駆けてやろうというようなこういった意気込みがないことは、これは我々もわかるわけでございまして、総論はいつも立派でございまするけれどもなかなか各論というのができないというのが中曽根内閣の性格ですから、これはやむを得ない。 そこで、あれでしょうか、あなたは核兵器の地上からの追放ということを言われておるのですけれども、一体核兵器というのはいわば人類にとって絶対悪、こういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 私は、業の兵器である、そう申し上げておる。これは何回もここで申し上げたとおりであります。つまり、一たんこういうものが世の中へ出てきてしまうと、今度は相手がやはり対抗上持たざるを得ぬ。相手も持って両方が対峙してくるというと、両方疑心暗鬼でいつどうなるかわからぬ。そういうことで結局は均衡状態をつくり出しておいて、そうして相手がやってきたらこっちもやってしまうから相手がやれない、そういうことで均衡と抑止という議論がここで生まれてきて、戦争が起こらない状態にしている。そういうことでこの四十年間、核兵器が使われないで平和も維持されてきた、そういうことがやはり冷厳な現実でございます。 しかし、大体八千発とか一万発とかというそんな大きなものが出てきたら、それは大同小異ですね。核兵器というものは膨大なる殺傷力を持っているわけですから、もう大同小異なんであって、それをできるだけ――私に言わしむれば一万発とか二万発なんとい誰無意味な数字ですよ、仮に均衡を維持するにしても。しかし、相手がふやしていくのだからやむを得ずという形で両方がふやすという危険性があるわけで、そこへ両方が思いをいたして、もっと減らそうや、そういうことになってジュネーブ会談になったので、これは非常な前進であります。 ですから、思い切って減らす量を大きくしてもらう、私に言わしむれば無意味なんですから。そうして、それからさらに第二段階、第三段階でゼロにしていく、そういうことにもっていってもらいたい。私はそういう意味で業の兵器で、日本はこういう業の兵器に手を出すようなことはしない、前から申し上げているとおりです。
○田邊(誠)委員 そこが、前の鈴木総理大臣は、これは絶対悪である、こう言ってきたに比べて、あなたは必要悪と実は呼んでいるところに、中曽根さんという人の持っておる人間性、いわば政治家としての姿勢、これをうかがい知ることができるのですね。 あなたは抑止ということを言われたけれども、抑止とは何ですか。
○中曽根内閣総理大臣 戦争を起こさせない力であります。
○田邊(誠)委員 抑止というのは、相手が攻撃をしてくる、それに対して、やはり相手を壊減させるという能力を持っておる、持つ、そういう核兵器を保有しておって、そしていわば報復の手段をいつも持っておって、その態勢をつくっておくということによって相手を威嚇する、こういうことが核戦争におけるところの抑止でしょう。そうじゃないですか。
○中曽根内閣総理大臣 広島で第一発があってから、今までにないような非常に大量殺りくの兵器ができた。そうすると、ソ連の方も負けまいとして、不安ですから、つくった。そうして両方がにらみ合った。そうして相手がふやすんじゃないか、こっちも用意しなければならぬ、そういう猜疑心のうちに、何年か何年がいろいろ経験しているうちに、ともかく同じぐらいの力を両方が持ち合っておけばやらない、そういう形で均衡、それによって戦争を起こさせない、そういう力が現に。作用しておると思います。これが抑止であると思います。
○田邊(誠)委員 これは、あなたの言っている言葉は、結局相手がこれだけ持っているから、いわばそれにつれて持たなければならない、相手はそれをまた破壊できるような科学兵器を開発する、これが結局核軍拡につながるという、この理論をあなたは認めたことになる。 私がここで多くのことを言わなくても、ここに科学者京都会議におけるところのこういう声明があります。そしてそれを受けて湯川秀樹博士がこういうふうに書いておるのですね。これをちょっと耳を澄まして聞いてもらいたい。「かりに短期間そういう状態が実現したように見えても、それは極めて不安定な状態であります。なぜかといえば、両者はそれぞれ相手を知り尽しているわけではありませんし、また相手の状態を一〇〇%の確実さで予測することもできません。従って、自分の方の安全のためには、自分の方の軍備を、現在推定できる相手の軍備よりも僅かであっても優位に置こうとします、相手もまたそうしようとするでありましょうからこそういう中で「核軍備に関して、双方が無限大を指向することを意味します」、湯川博士は看破しているのですね。 その後、一九七五年にまた京都でもってシンポジウムが開かれておりまするけれども、朝永振一郎博士は、「核兵器やそれを運ぶミサイルに関して技術突破があると、抑止論の第一前提である釣り合いがとたんに破れてしまうことです。……そのたびごとに釣り合いを取り戻すような何か新しいものが作られる。……つまり抑止論はほとんど必然的に核体系の恐しい巨大化を引き起こすのだと結論せざるを得ないのです」と言っておるのでございます。どうでしょう。そういうことになっていくんじゃないでしょうか。 ですから、抑止というのは何か均衡をとっておってそれをだんだんレベルダウンするような、こういう考え方をあなたたちは一応持っておるわけですけれども、今の発言のように、相手の実は威力はわからぬのですから、相手の状況はわからぬのですから、少なくともそれよりもふやそうとする、こういう心理が働くことは当然なんです。それが無限大に核拡散へと、こういう現実の姿になってきたということから見て、今やあなたの言う抑止と均衡という理論というのが、この被爆国日本において総理大臣としていわばとるべき態度であるかどうかということになったら、私は断じてそうでない、こういうふうに言わざるを得ないと思うんですね。 そこで今、アメリカの核の傘に守られていると思うけれども、そうでしょうか。この核の傘というのは永久不変なものでしょうか。アメリカは最近、いわばこの核戦略というものを変えてきたんじゃないでしょうか。アメリカの都市がやられる、それに対する報復をしなければならぬということでなくて、いわばその前線基地の中でもって核戦争が起こる、アメリカの本土は安泰だ、こういういわば限定核戦略とい多方法をとろうとしている。この前線基地はどこですか。一つはヨーロッパであり、一つは極東じゃないですか。そういったことを考えたときに、このアメリカの戦略が変わってきた今日の状況の中で、この核の傘という論理、このもとでもって実はこれから先も日本の安全をいわば保っていこうとする、こういうことになるんでしょうか。私は、そうならない。核の傘というのは、いわば核兵器を呼び起こすところの磁石の役目、これをする。極東はそういう役目をしてはならない、日本がそういう役目になってはならない、こういうふうに我々は考えておるのでありまして、そういうことを考えたときに、このアメリカの核戦略が今変わりつつあるという現状の中で、核の傘というものを依然としてあなたは尊重するのか。しかし、いや、そうでない、核兵器の廃絶に向かうという立場から言えば、そういうアメリカの選択の変更ということについては、当然これはあってしかるべきだ、こうお考えでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 核兵器がふえてくるという現象は一時ありましたけれども、しかし、ある限度までくると、これはもう無意味である、何とか話し合いしなければならぬ、こういうわけで第一次戦略兵器制限交渉、いわゆるSALTⅠというのが米ソ間で行われ、それからニクソンさんのときにSALTⅡ、第二次戦略兵器制限交渉でICBMの数をたしか千五百発程度に両方抑制する、そういうような形でやはり限度は生まれてきておったわけです。しかし、それを今度さらにまた下げようという方向に力が動いてきている。私は、やはり人間には英知があり、政治家は、米ソともにそういう大きなものの愚劣さかげんといいますか、そういうものに気がついて減らしていこうということになっている。我々も、そんなものはできるだけ減らしなさい、そういう形で、そしてなくしましょうということを言っておるので、その方向に動いてきつつあることは慶賀すべきことであり、今後も努力していくものです。政治を預かっている以上は、国民の皆さんが安心して眠れるような保障措置をとっておかなければ、これは政治にはならないのであります。夢や願いだけを言っておるのでは、これは現実の政治にはならないのであります。そういう意味で、田邊さんでも総理大臣におなりになれば私と同じ心境になっていただけると確信しておるものであります。 それからもう一つ、我々は広い意味においてアメリカの核の傘のもとにある、そう思います。また、アメリカはいざというときにはあらゆる手段をもって日本を守る、そういうことも言明しておるのであります。我々は日米安保条約のもとに両方の友好、協力関係を堅持しておりまして、それはまさに信頼することができる。私自体も、そういうあらゆる手段をもって日本を守るという言葉は何回も間いておるところでございます。そういう意味において、広い意味においてアメリカの核の傘のもとに我々はある。しかし、我が同自体は非核三原川を持って、核兵器を持たない、つくらない、持ち込まない、そういう原則を堅持してやっておるという形になっておるのであります。
○田邊(誠)委員 もう核の傘は破れ傘であります。アメリカ自身が実はそういうふうに戦略方針を変えてきているのですよ。あなたはレーガンの言うことだけを信頼して、日本の国民を核戦争のその真っただ中に陥れるということは、これは私は副本の総理大臣として許せない。私が総理大臣になればそういう方法をとらない。今必要なのは、核の傘でなくて、いわば非核保有国、核を持っていない国々がどれだけいわば大きな傘を広げて、お互いの連携を保ちながらその立場というものを広げていくか、守っていくかということが私は必要じゃないかと思うのです。そういった意味合いでは、私はやはり非核武装、非核地帯の設置というのは、日本にとって重要な意味を持っている確実な、現実的な政策である、このように私は考えておるのでございます。 昨年、我々は結党四十年を記念して、女性によるところの反核・軍縮の国際フォーラムというのをやりまして、これは非常に成功いたしたのでございます。これはもう世界各地でもって、この非核地帯をたんたんと広げていこうという、そういう動きが今出てきておるのです。これは何も世界の動きだけでなくて、国会におけるところのたびたびの決議によって、これは国会の意思であることも総理は御承知のとおりでございます。非核武装地帯構想というのが世界の維持に重要な意義を持っている。こういうことにかんがみて、いわばこの地帯に対しては核保有国によるところの核攻撃が行われない保障を取りつける。こういう保障を取りつけるような外交折衝をあなたはしたことがございますか。したことはないですね。こういったことを確実にやること。そして日本の安全保障を、安全保障というのは何も軍備をふやすことじゃない、核兵器に寄りかかることじゃないのだ。日本の安全保障というのは、いかにこの日本の体験からくるところのいわば条件というものを生かして世界にそれを広げるかというところに大きな意味を持っている、こういうふうに私は考えておるわけであります。 これは国会の決議もありましたし、また審議の際におけるところの当時の宮澤外務大臣が、この非核武装地帯、これは我が国が非核三原則を持っていまするから当然そういう結果になるのでございますというふうに言っている。一定の地域が非核武装地帯になるということは、構想として、私は考え方として決して間違っているというふうには考えておりませんというふうに宮澤さんは言っておるわけでございまするが、そういった点から見て、この非核武装地帯というものに対して、あなたが一体どのようにしようとするのか。我が国は非核地帯ですね。
○中曽根内閣総理大臣 非核地帯をふやすことについては、私は賛成であります。 それで、我が国は核拡散防止条約にも入っておりまして、この間も国連総会の演説で、核拡散防止条約に入っていない国はできるだけ早く入って、この条約加盟国をふやそう、入っていない国はぜひお入りなさい、そういう演説も実はしておりますし、インドのラジブ・ガンジーさんあるいはパキスタンのハク大統領とお会いしたときも、何か情報によると核開発、核兵器の開発をしているような情報もなきにしもあらずであるけれども、これはよくない、両方の国々に、また両方の方々に核拡散防止条約に入って、核兵器を持たないそういう仲間に入ってもらいたいということも私は言っておるのでありまして、この非核地帯をふやしていこうという努力は社会党に負けずにやっているということを御了承願いたいと思います。
○田邊(誠)委員 あなたの実際の言葉と政治というものの違いというのは、私はここでちょうちょうするまでもございませんで、世界各地におけるところの非核地帯の実現のために非常に努力をしているということをひとつよくごらんになっていただきまして、そのための日本政府としての努力をぜひお願いしたいと思います。これは非常にいいフォーラムの本でございますから、土井副委員長が主宰をいたしましたこのフォーラムをあなたに上げます。 そこで総理、今世界各地だけでなくて全国各地で非核都市宣言というのをやっていらっしゃることは御承知のとおりだと思います。私の方で申し上げますると、大体、昨年の十月一日現在で三千三百二十三の自治体のうち七百十一がこの非核都市宣言をやっている。昨年の暮れになりますると推計で八百八十ぐらい、現在では九百になんなんとする都市がこの非核都市宣言をやっているということになりまして、人口で言いますると約半分ぐらいの都市というものが非核都市宣言をやっておる。これは喜ぶべきことでしょうか。あなたの論理からいって、抑止と均衡という論から見て、このような動きが拡大するのは余り好ましくないと実は本心では思っていらっしゃるのではないでしょうか。どちらですか。
○中曽根内閣総理大臣 これは本会議でもお答えいたしましたように、それは自治体が自分でお決めになって決議をなすったので、それなりに参考にいたします、しかし、我が国は既に内閣あるいは議会の決議その他においても非核三原則というものをはっきり決めてやっておるのでありまして、自治体においてそういうことをおやりになっても心配する必要はありません、ちゃんと国の基本でそういうふうにもう決まってやっておるのですから、どうぞ御心配なく、そういうふうに申し上げたいところであります。 自治体がおやりになるのは、それは地方自治の本旨に基づいておやりになるのは自由でありますけれども、大体自治体の仕事というのは身の回りのことを自分たちでやる、そういうことで、やはり国防とか外交とかあるいは貨幣とかというものは中央政府の所管事項なんですね、元来。ですから、元来から言えば、それは国会とか政府の大きな仕事なので、それを我々は一生懸命やっているのですから、どうぞ御心配なく、そういうふうに申し上げておるのでございます。
○田邊(誠)委員 それがあなたの、後で指摘をいたしまするところの、何か内閣総理大臣はオールマイティーであり、すべてを支配するような、そういう錯覚を与える。地方自治の本旨に基づいたところのそれぞれの自治体の動きに対してあなたが何か制約するような、そういう言動というものは私は慎んでもらわなければならない。非核三原則は既に空洞化されているんじゃないか、日本は核のいわば脅威にさらされているんじゃないか、こういう危険があるから、そのためには、やはり地方自治体が自分たちの都市を守るために、自分たちの住民の暮らしを守るためにはどうしてもやはり非核の重言をしなければならぬという、このせっぱ詰まった気持ちに対してあなたが水をかけるようなそういう言動は慎むべきである、こういうように私は思います。 もう一度あなたの御発言を求めると同時に、本当にそういったことをやることをあなたは忌み嫌うのですか、それは余分なことだと言うのですか。そうでなくて、それはそれなりに意味がある、それは尊重していこうとするのですか。はっきりしてください。
○中曽根内閣総理大臣 それは、今申し上げましたように、自治体が自治体の固有の権限や見識に基づいておやりになることは御自由であって、我我がそれを何も制肘しようなんて一言も言っておらない。それで、そういうふうに決議なすったことについては、これは参考にいたします、しかし、国においては政府も国会もその点については一生懸命やっておるのですから、どうぞ御心配なくと政府としては申し上げたいところである、そういうふうに申し上げたのであります。
○田邊(誠)委員 非常にきわどい発言で、どうもあなたの本心は、そういった余分なことをやってもらっちゃ困る、今中曽根内閣がやろうとするところの核の傘でいわばアメリカとの共同作戦をどんどんとやっていこうとする政策から見ると、これはどうも逆行するという気持ちがあらわれているんじゃないかと思うのでございまして、そういったあなたの本心をのぞかせるようなそういう自治体への牽制というのは、これは断じてやるべきでないということを警告しておきます。 それで、東京サミットは非常に重要にされておるわけでございます。経済的ないろいろな実はこれに対するところの対応が必要になってくることは後ほど申し上げたいと思うのでありまするけれども、しかしせっかく国際平和年に先進国首脳が日本に集まられるということであれば、どうでしょう、総理、この核軍縮の原点に返る意味からして、この東京サミットに来られたところの各首脳をあなたが広島に案内していかれたらどうでしょうか。これは国際平和年の一大イベントとしても私は大変意味がある、こう思っておりますけれども、あなたはそういう気持ちはおありでございませんか。
○中曽根内閣総理大臣 サミットは二日有半にわたりまして非常に濃密な会議をやっておるので、今までほかへそういうふうな形で見学に行ったというようなことはないのでありまして、今回もやはり濃密な会議をもって終始する、そういうことになるだろうと思います。
○田邊(誠)委員 そういう心構えを持ち、そういったことができるという立場でもってあなたが発想されることが、日本の国民を安心させ、先ほど、それぞれの都市が非核都市宣言をいたしましたこのいわば危惧の念から救うという、こういう意味合いからいっても非常に私は大事な発想じゃないか、こう思って提言をいたしたのでございまして、ひとつぜひ一考を煩わしたいと思うのであります。 時間が経過をいたしておりまするから、日ソ交渉。 外務大臣、大変御苦労さんでございました。これは私はいろいろな意味でもって今後にいわば備えられるところの素地をつくった、こういうふうに思っておるわけでございます。総理は何か、ソ連に行かれることについて、この国会の中においては、日本の総理は既に四回行っておる、今度はゴルバチョフさんが来る番だというようなことを言われたようでございまするけれども、私はそんなことでこのことは律すべきでないというふうに思っておるわけでございまして、総理は、国連総会に出られた際にニューヨークで、みずから訪ソしてもいい、こう言われたのですね。これはあなたの一流のスタンドプレーですか。そうじゃないのでしょうか。いわば今はいろいろな形におけるところの外交のやり方がある。ただ単に役人同士がいろいろな、行って素地をつくって、その上に乗っからなければできない、いわば儀典外交、招待外交、こういったもので外交が進展するはずがない、こう思っておるのでございます。昨年の九月に我が党の石橋委員長が行って、ゴルバチョフと会談をしてまいりました。そういったことが今回の日ソ会談の一つの素地をつくったということは、これはもう御承知のとおりでございまして、我々は野党外交というもののあり方について一つのいわば例を出した、こういうふうに考えておるわけでございまするが、あなた、必要であれば訪ソすると言ったこの言葉は、これはやはりあなたのいろいろな情報をいわば集めた結果によるところのあなたの真意でございますか、決断でございますか。それともちょっと言ってみただけだ、要は向こうが来る番だからそれを待っているんだ、こういうのでしょうか。そうじゃないと思うので、やはり中曽根さんらしい、ひとつみずから先頭に立ってやるぞ、こういう意気込みを示したのでしょうか。どちらですか。
○中曽根内閣総理大臣 アメリカで日本の記者団の質問がございまして、私がそれにお答えしたのは、外務大臣同士で定期協議をやっておるのであるから外務大臣がまずやる、それでもし必要あらば自分が行くことも辞さない、そういうふうに申し上げたのであります。 日本へ帰りましてから、国会でいろいろ御質問をいただきまして、また新聞記者団からも外で御質問いただきまして、元来、筋からいえば、日本の総理大臣は鳩山さん以下四人も行っているけれども向こうからは一人もまだ来ていないのであるから、これはもう外交の筋からいっても今度は向こうがお越しになる順番になっておる。現に外務大臣同士の話でも、今度はグロムイコさんが来る番だというので我々は何回も何回もやって、ゴルバチョフ時代になって今度はシェワルナゼ氏が来たわけであります。やはり外交慣例といいますかそういうものがあり、国民感情もございます。日本の総理大臣や外務大臣ばかりが向こうへ行く、向こうは一回も来ないというのは、国民から見たら情けないことだと思うに違いないと思います。やはり国民感情というものも非常に大事なのでありまして、それを私は大いに尊重していきたい、そう思っておるのです。ですから今度は、向こうの外務大臣が来ましたから今度は日本の外務大臣が向こうへ行く。それでその話をして、いろいろ話の結果、今度は私が行く、向こうから招待状ももらっていますが。しかし、そういうことであっても、元来向こうが今度は来る順番になっておるのですから、どうぞゴルバチョフさんいらっしゃい、大歓迎をいたします、そういうふうに申し上げて、向こうが来るというのが外交上の慣例であり、国民感情である。私は国民感情を大事にしたい。 しかし、そう言っておっても、もし万一、私が行くことによって非常にそれが日本の国益にかない、国民が喜び、そして非常に意味があるということがあるならばそれは考えてもいいですよ、そういうふうに申し上げておるので、まあ、外務大臣が行ってどういう結果になるかあるいは向こうからどういうような話が出てくるか、そういうものを見ておるという段階であります。
○田邊(誠)委員 中曽根総理は、アメリカに対しては運命共同体的なこういう立場でもって何回も行かれる。対ソ外交というのはアヒルの水かきというような形でもってこれはひそかにやっていらっしゃるという格好で国民には見えない。そして今重要な時期に差しかかっているということから見て、あなたの訪ソについて私は促したいと思います。 そして、この領土問題でございまするが、今回の日ソ外相会談においてもいわばこの問題が一つの焦点になったことは御承知のとおりであります。そして、昨年の石橋訪ソの際に委員長は、領土をぜひ返してほしいというのは自分の意見だけではないぞ、これは日本国民の総意だ、こういうようにゴルバチョフに訴えたのですね。そしてゴルバチョフ書記長は、従来ならば木で鼻をくくったようにニエット、ノーと、こう言ったのですけれども、今度はそうじゃなかったですね。微妙な変化というものを我々は感じ取ったのであります。これが今度の日ソ外相会談の一つの兆候になったんじゃないか、私はこう思っておるわけでございます。 そこで、日ソ外相協議の場所でシェワルナゼ外相は、日ソ両国の見解は異なるけれども、日本側が平和条約交渉で領土問題を提起することを禁止する権利はソ連側にない、こう言ったというのですね。したがって、平和条約交渉で領土問題が話し合いをされることについて拒否しないという立場をとったように示唆をされておる。ところが一方において記者会見では、領土問題は解決済みだという態度を、変化する可能性は絶対ないということもあわせて示唆しているというのでございまするが、このソ連の言うところの、領土問題は解決済みまたは存在しないという中身は一体何なんでしょうか。これはわかっているようで実はなかなかわかっていない。この解決済みということは、これは千島列島と歯舞、色丹を含めて返還の意思が全くない、こういう意味で解決済みなんでしょうか、領土問題は存在しないと言っているのでしょうか。いや、そうじゃない、千島列島は返還する理由はないけれども、五六年の日ソ共同宣言で約束したとおり、歯舞、色丹を返還することは守るという意味を含めて解決済み、こう言っているのでしょうか。 これは非常に重要なんですね。我々はこの二島だけ返還すればいいとは思っていません。歯舞、色丹、国後、択捉、そして全千島、これがやはり我々の念願であるということは当然でありまするけれども、このいわば今までの交渉の中における解決済み、領土問題は存在しないというような、こういうことをソビエト側が言っているこの中に歯舞、色丹というのは入っておるのですか、そうじゃないのでしょうか、どちらでしょうか。
○安倍国務大臣 今回の日ソの外相会談におきまして、領土問題につきまして約三時間やり合ったわけでありまして、我が国としての領土問題に対する立場、これは明治の当初以来の我が国の千島列島、さらにまた国後、択捉、歯舞、色丹、四島に対する日本の基本的な立場を歴史的に説明もし、戦後のいろいろな経緯も説明をいたしまして、ぜひとも北方四島は日本の領土としてこれを返してもらいたい、そのために話し合いのテーブルに着いてもらいたいということを強く主張したわけでございますが、それに対しましてシェワルナゼ外相からソ連の立場が説明をされまして、そういう中で、領土問題についての一九七三年十月十日のいわゆる田中・ブレジネフ会談以後の、共同声明以後のソ連のとった立場、すなわち領土問題は日ソ間には存在しない、あるいはまた解決済みだということについては、これはいわゆる国際情勢の変化の中におけるソ連の政策のあり方、むしろこういうふうな説明があった、私はそういうふうに受けとめておるわけでございます。 北方四島については、我が国はあくまでも日本の領土である。それに対してソ連としては、今お話しのように、基本的には領土問題についてはもはや解決済みである、こういう姿勢は依然としてソ連は今も堅持しておる。ただ、この領土問題を平和条約の交渉の一つのテーブルにつけて話をするということについてはこれは拒まない。今回も共同声明におきまして、平和条約交渉を行ったということをはっきり明記したわけでございます。その中には、三時間領土問題を論議したわけでございますが、ただその点については、日ソ間において今回も行い、そして今後もこれを継続していく、領土問題をテーブルにつけて話し合うということについては、日ソ間の合意がはっきりできたというふうに考えております。
○田邊(誠)委員 ですから、あなた方が交渉した際に、領土問題について、いわゆる日本とソビエト社会主義共和国連邦との共同宣言、「ソヴエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソヴエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。」こうなっておるのです。これは生きておるのですね。これは生きておるのですか。
○安倍国務大臣 それは恐らく一九五六年の合意でありますが、この点については、当時両国間の共同宣言として合意したということについては、ソ連もこれははっきり認めております。
○田邊(誠)委員 そうしますると、平和交渉の際にこの歯舞、色丹は既に日本に返還するということについて両国は合意しておる。したがって、今後我々が交渉するのは国後、択捉、全千島という点である、こういうふうに解釈していいのですか。これは非常に重要なんです。これは今までやられてきたようだけれども、実は非常にあいまいで、いつもこの点が確認されていない。これは両国の共通認識ですか。この共同宣言は今でも生きておるのですか。その後これは破棄されたということは聞いていない。この点ははっきりしないのですよ、あなた。いかに日ソ外相協議をやっておるとか、総理大臣は、ソビエトというのはまだちゅうちょしておるなんて言っておるけれども、こういったことがきちんと確認をされて両国の共通認識になっておれば、今後の平和条約交渉はまた一段と進むんじゃないですか。一段と要求がまたできるのじゃないですか。これすらもあやふやだとすれば、領土交渉というのはなかなか進展をしないのですよ。一体、日ソの協議というのはこういった重要なことについてちゃんと確認をしてやっているのですか、どうですか。
○安倍国務大臣 一九七〇年代の後半から、この点はもう書記長もよく御承知のとおりでありますが、一九七三年のいわゆる田中・ブレジネフ共同声明におきまして、未解決の諸問題を解決して平和条約を結ぶという項がありますが、それに対して領土が含まれていますねということで、ブレジネフさんがダーダーと言ったということがいわゆる口頭了解ということになっておるわけでございますが、その後御承知のように、日ソ関係あるいは世界情勢の急激な冷却化の中で、日ソ間にはもう領土問題はない、解決済みということをソ連が言い出し、そして日ソの外相会談が行われるたびに、この問題については話し合う意味がない、テーブルに着く必要はないということを言い続けてきたわけであります。 私も実はグロムイコ前外相と二、三度会ったわけでございますが、その際におきましても私から、領土問題についてぜひともこれは話をしよう、一九五六年の日ソ共同宣言もあるじゃないか、それから七三年の共同声明もあるじゃないか、日ソ間にはこうした歴史的な経緯を経て領土問題を協議したという厳粛な事実があるし、我が方としては、北方四島は日本の固有の領土であるということを考えておるので、ぜひともこの問題については、あなたの方の解釈が変わってきて話に着かない、平和条約を締結するためのテーブルに着く考えがない、領土問題を話し合う意思がないというのは困るのだ、話を、とにかくテーブルに着こうじゃないかということを私は主張し続けてまいりました。これに対してはニエットというのが実はソ連の返事であったわけでございますが、今回のシェワルナゼ外相との会談におきまして、共同声明に見られるように現実に平和条約交渉を行い、その間に三時間の領土に対する論議を行ったわけです。で、これは継続しようということになったので、初めてソ連が領土問題についていわゆるテーブルに着く、領土問題に関してテーブルに着くということを合意したということが今回はっきりしたわけでございます。これはいわば第一歩であって、これからいよいよ本格的に我々としては腰を据えて論議をしなければならない、そういう事態に入った、こういうふうに思っております。
○田邊(誠)委員 安倍さん、あなたは非常に努力をされて、二枚腰、三枚腰でやられたことについて私は敬意を表したいのです。しかし、一番基礎になるところのこの日ソ共同宣言、既に両方でもって合意をしておることについてなぜソビエトがいわばその後態度を変更したか。私もそれは知っております。安保改定その他のいろいろな日本に対するところの考え方の変化というものがあったということは御承知のとおりである。しかしだ、交渉する際に、これから先のいろいろな平和条約交渉をする際に、実はこの共同宣言というものがもとになることは事実でしょう。それに対して共通の認識、共通の確認というものがこれはあってしかるべきじゃないですか。だから私は、中曽根さん、あなたソビエトへ行きなさいよと言っておるのですよ。こういう重要なことについてあやふやな態度をとってきたことに、日本の国民は実は非常に切歯扼腕しているのだ。どうでしょうか、これはちゃんと確認をされているのですか。破棄されたということは聞いていませんね。その後いろんな状況はあったでしょうけれども、破棄されていない以上は今日有効である、生きている、これは両国の共通認識である、確認である、こういうふうにきちんと我々の前に明らかにしてもらいたい。
○安倍国務大臣 これは共同宣言ですから、両国間で歴史的にははっきり確認されて今日に至っておるわけでございます。これはいわば国家間の約束事ですから、確認されて今日に至っておるわけですが、その間、よく御承知だと思いますが、一九七〇年代の後半からソ連の態度が一変して、そして領土問題は存在しないということになったわけでございます。 私も、この点については実は論議の中で詰めてみました。ソ連側としてもこの共同宣言が存在しておることは確認しておるわけでありますが、しかし、その後の変化については、ソ連の態度がどうして変わったかということについては、日本をめぐる諸情勢、日ソ関係、そういうものの変化によってソ連の政策自体の変更である、こういうふうな説明とも受けとめられる説明が実はあったわけでございます。 したがって、日ソ間において共同宣言が儼乎として生きていることは、これは国家間の約束でありますから、日本としてはそういう立場であくまでも臨まなければならない、こういうふうに我々は確信をいたしております。
○田邊(誠)委員 委員長、これは国会として、この問題に対する一つの、一定の認識を持たなければ国民に対して申しわけない。したがって、この日ソ間の共同宣言というものは、両国の間において共通認識になっているか、両国の間でもって確認をされているかどうか、これをきちんとしてもらいたい。
○小渕委員長 条約局長。(田邊(誠)委員「いやいや、政治的な問題。条約局長じゃない」と呼ぶ)
○小和田政府委員 このたびの安倍外務大臣とシェワルナゼ・ソ連外務大臣との間の外相間の協議に参加いたしました事務当局の一員として、経緯について……(田邊(誠)委員「事務当局がだめなんだ。確認されたかどうかという点を聞いている」と呼ぶ)何があったかということとその背景について簡単に申し上げます。 一九五六年の……(田邊(誠)委員「そういう経過を聞いているのじゃないんだ」と呼ぶ)
○小渕委員長 御説明をお聞きください。
○小和田政府委員 一九五六年の日ソ共同宣言の内容は国際条約を構成するものであって、日ソ間を拘束しておるということにつきましては、我が国の立場は前からはっきりしておりますし、今度の交渉におきましてもその点は明確にいたしました。 他方、田邊委員が御指摘になりましたように、一九六〇年の一月にソ連政府の対日覚書というものがありまして、そこでこのソ連政府の約束の実現を不可能とする新しい事態がつくり出されておるということをソ連側が通告をしてきたことも事実でございますが、それに対しまして我が方は、同じく一九六〇年の二月六日に、それは認められないということを反論をしておるわけでございます。そういう立場から、今度の交渉におきましても、日本政府の立場は歴史的な経緯の中においてきちっと説明をいたしました。 で、結論的にソ連側が申しましたのは、そういう問題を含めまして、日本側の立場というものについては十分耳を傾けまして、そこで日ソ共同声明において確定した合意に基づいて、この条約締結に関する交渉を行ったという形で共同声明にまとめられたわけでございます。その過程においてソ連側は、一連の国際情勢の変化等によってソ連側のこの問題についての立場というものは、先ほど外務大臣が御説明をしたような立場であるということを申しましたけれども、そのことを含めまして、今後さらに平和条約交渉という場で協議をしていく、こういうことになったわけでございます。 したがいまして、当然これはソ連側に確認するまでもなく、国際約束に基づいて日ソ間で合意していることでございますから、ソ連側がそのことによって拘束されているということは当然のことでございますが、そういう歴史的な背景を踏まえてこの条約の締結に関する交渉を継続する、こういうことで共同声明ができているわけでございます。
○田邊(誠)委員 ですから、今の経過を聞いていると、これは非常にあやふやなんだ。一体、日ソの外相会談をやって、経済的な面やその他今後いわば一つの雪解けの中でロン関係が改善されようか、進展されようかと我々は注目している。しかし、その一番根底は何といっても領土問題である。これは各党、私はそんなに異論はないと思うんですよ。その領土問題の一番の出発点であるところの共同宣言――共同声明というようなことを言ったけれども、そうじゃない。私が言ったのは、国際条約上の共同宣言、これが日本とソビエトの共通の確認、共通の認識、こうなっているかどうかという点が問題なんだ。そうすれば我々はこれから先へ、平和条約交渉にしても、歯舞、色丹はこれはもう返ってくるんだ、はっきりしている、両国とも。そうすれば、国後、択捉はどうするのか、全千島はどうするのか、こういうふうに領土問題についての交渉がさらに進展するじゃないかということを考えるから、我々としては、この点に対してははっきり確認することが必要だ。 そこから始まるんでしょう、外交交渉というのは。それはイロハのイの字でしょう。それがきちんとしないような形でもって幾らやっても、これは実は進展はない。だから。重要な問題があるじゃないか、今こそ役人に任せておけないじゃないか、中曽根さんだってソビエトへ行く価値があるじゃないかと私が言っているのは、そういった点なんですよ。ですから、そこは確認されているのですか。いや、確認されていないというなら、それは確認されていないでやむを得ない、現状がそういうことでありとすれば。そこをきちんと説明してください。
○安倍国務大臣 今条約局長が答弁いたしましたのは、実は日ソ外相会談で非常に重要な条約上の解釈があるものですから、常に条約局長をそばに置きまして交渉したものですから、お答えをさせたわけでございます。 今お話しの一九五六年の共同宣言、確かにこれは国家間の約束ですから、まさに条約と同じことであって、それに基づいて実はその他の二島の交渉が継続されなければならない。歯舞、色丹は返すという約束をしたわけですから、国後、択捉については今後継続をする、交渉で継続するということが共同宣言になっておりますから、そうでなければならなかったわけでございますが、残念ながら、御承知のようにソ連のその後の態度の変更があった。例えば日米安保条約が結ばれた、そういうこともありまして、結局態度を変更した。 それからまた、田中・ブレジネフ会談で一応七三年の共同声明というものが出されまして、戦後の未解決の諸問題を解決して平和条約を結びましょうという共同声明になったわけで、その中には領土問題も含まれるのですね、ということに対しては、一応の口頭了解があったわけでございますが、しかし、その後またさらに領土問題は含まれないということに、解決済みだということをソ連が主張するようになって、全く領土問題につきましては日ソ間の見解が合わないで、話し合いのテーブルにすらのらないという状況になったので、何とかソ連側をやはりテーブルにのせなきゃならない、そして今おっしゃるように、まさに根幹は一九五六年の共同宣言、そこから出発して、両国が議論し合って、そして円満な解決を図っていかなきゃならない、こういうことで、とにかくテーブルに着いて話をしようじゃないか、それを妨げる権利はあなた方ないじゃないかということで、実は長い間粘って、結局ソ連側としても、それじゃテーブルに着くことについては異存はない、日本側が、あなた方が領土問題を主張するのはそれは日本側の自由だろう、しかし、我々は我々の領土問題に対する立場はあります、こういうことで、テーブルに着くということについて実は合意ができたわけですが、問題はこれからだということを私は今申し上げているわけであります。
○小渕委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○小渕委員長 速記を始めて。 外務大臣。
○安倍国務大臣 我々は、今度の外相協議それから共同声明によりまして、やっと領土問題を含めて平和条約交渉を、今回も行ったしこれからも行う、そういう合意ができたわけでございますから、その合意を踏まえて、日本としてはあくまでも一九五六年の共同宣言を出発点として、日本の主張を通すために全力を尽くしてまいりたい。ソ連側としても、この共同宣言を否定しておるということは我々の話の中ではありませんでしたから、我々はそういうことを踏まえてこれから領土問題について話を進めたい、こういうふうに考えております。
○田邊(誠)委員 私は、安倍外交がいろいろな面で粘り強い努力をしたことについて、その努力は多としまするが、肝心のところのいわば共同宣言についてはっきりした確認を得られてない、こういうことについては非常に遺憾だと思います。そして、私が中曽根総理の訪ソを促すというのも、今ようやく出発点に立ったとおっしゃったとすればひとつこの確認ということをやはりやるべきじゃないか、そして今後の平和交渉に備えるということにすべきじゃないか、私はこう思うのです。平和交渉の際には何か幻想として、歯舞、色丹はもう既に返ってくるものだ、こういう幻想を持っておったのでもいけない。 しかし我々としては、相手方がどうであれ、そういった共同宣言というものを遵守すべき、こういう国際間の約束事である以上、ソビエトに対してこれを明確にさせるということは私は政府の当然の任務である、務めである、こう思っておるわけでございまして、遺憾ながらその点が明確でないということについては、この際遺憾の意を表しておきまするけれども、政府は今の私の発言は是なりとされるだろうと思うわけでございまするから、したがってその上に立って、さらに具体的な交渉への道筋を開いてもらいたいということを強く要求しておきます。 次に、ちょっと外交問題から政治姿勢の問題に関連をして、司法のオーバーラン発言、これはいろいろと言われておるのですけれども、その後で言いわけもしておるわけでございまするが、中曽根さん、これはあなたの持論なんですね。私はよく知っていますよ。あなたが国会に出られた当時、全国各地で首相公選論という大きな柱を立てて、総理大臣は直接投票でと訴えたですね。これはいつの間にか泡のごとく消えてしまったけれども、今は別の形でもって自民党総裁・総理大臣を選ばれるという形になったわけですが、あなたの若き血をたぎらかせたこの中に、やはり大統領的総理、こういうことは前からあったのです。したがって、立法府も司法もいわばおれの下だ、おれが絶対なんだ、この発想というのがあったんですね。それがいみじくもこういうときぱっと出るんですね。 何も、正月の記者会見でそれが出たのではないのでありまして、昨年の定数是正に関係をするところの自民党総裁の書簡の中にも出ていますね。「自らの改革能力を証明しえない立法府が強く糾弾されるものと言わざるをえません。もしそのようなときは、私は与党党首としてこれは自民党総裁としての書簡ですからいいんですけれども、その後に「また内閣総理大臣として、かかる立法府のあり方に憂慮せざるをえません。」と、こうある。これと司法のオーバーラン発言というのは、やはりあなたの一貫した思想の中にある言葉だろうと私は思うのでございます。 これはしかも、何も一般的、抽象的に言ったんじゃないですね。この記者会見で新聞記者が、いわば定数是正について、国会運営について一体今後どう考えるかという質問に対して、その答弁として出てきたというところに大きな問題があるわけでございます。一体、これはどういう真意から出たのかということをいろいろとうがって見られておるわけでございまするが、定数是正について最高裁の判決があった、これを是正しなければどうも解散権を制約される、こう見ておったんではないかというのが大体大方の意見です。まあ、これはあなたも、腹の中そうでしたね。そういう中でもって、この司法のオーバーラン発言が出てきたということでございましょうが、今はどうお考えでございますか。
○中曽根内閣総理大臣 今も昔も変わっておりませんが、要するに、民主主義の日本の憲法における構造というものは、三権の調和でいくべきである。すなわち、立法、司法、行政、そのおのおのが、三権がうまく機能して調和していくところに国家の統治というものがうまくいく、そういう原則でできておるので、その三権おのおのが機能を果たして調和を保っていけるように,すべきである。我々も、戦後四十年たってみていろいろな経験をしてきた。この四十年の経過を振り返ってみて、そうして三権おのおのがその分に応じ、また適切な機能を果たしているかどうか、もう一回自分たちだけでも点検しよう、そういう意味で申し上げたので、別に、特にどの問題をどうすると、そういうような意味で言っているのではありません。
○田邊(誠)委員 司法のことについて我々が言うべき立場にないけれども、学者や言論人の意見でいくと、違憲立法審査権あるところの最高裁も、どうも少し物を言わな過ぎるのじゃないか、抑制し過ぎているのじゃないだろうか、憲法判断についても、行政の追認をしがちじゃないだろうか、こういう側面があるということを言われておるぐらいでございまして、司法がオーバーランなんということは、いわば今日的にないというふうに我我は言わざるを得ないのであります。 そして中曽根さん、やはり解散権について触れられるのが一番嫌なんですね。解散権は何かいわば総理の人権だというようなことをおっしゃっているけれども、これは勝手にやっていいはずはないですね。私は、この問題について多くを語る時間はありませんけれども、ひとつぜひお願いしておきたい。 それは、さきの衆議院議長保利茂さんがいわば遺言として残した「解散権について」という書簡がありますね。これをもう一度読んでもらいたい。それは、そう簡単にあなたが解散権を振り回せるようなことはできないはずだ。特に立法府と行政府との緊張関係、対立、国政が麻痺するような状態、こういうことの非常手段と考えるという、このいわば保利遺訓というものは、私は今日も生きている、こう思っておるわけでございますが、今のこの状況の中で、定数是正の問題等が真剣に論議をされているという中で、解散というのは絶対あり得ない、これはそうでしょうね。
○中曽根内閣総理大臣 解散については前にも申し上げましたように、憲法上内閣に認められておる最も重要な機能でございまして、そして、政局の情勢によって民意を問う、そういう必要が出てきた場合に、内閣が自己の責任において民意を問うという、そういう一番重要なときの機能であります。これについては、憲法上、ほかに制約するという条文はないのであります。しかも、やはり憲法は法律に優位している、そういうところでございますから、法律によって憲法が支配され、拘束を受けるということはないのであります。そういう面から見ても、政府の解散権は、私が申し上げたように重要な機能として内閣に留保されている、そのように申し上げておる次第なのであります。
○田邊(誠)委員 この論争は後で稲葉さん等に譲りまするけれども、あなたが言われることを百歩譲って認めても、それだからこそ、また一面においては解散権の乱用は政治権力者としては慎むべきである。水田三喜男さんのように、七条解散というのはだめだという意見も一部あるのであります。 いずれにいたしましても、実は重要な案件というものを、我々が国会の中で審議をしている今日の過程の中で、解散というのは現時点においてはあり得ない。何か定数是正問題について、与野党の意見が合わなければ解散に持っていってもいいんじゃないかというようなことを言った大臣が、そういうような人もおるわけでございまするけれども、また、与党の幹部の中にそれらしきことをにおわせるような発言もあるように聞いておりまするけれども、我々はそういったことは断じてとるべきではない、こういうふうに私は思っておりまして、内閣の恣意によるところの解散というのは、今日の国会のこの状況の中では私どもはあり得ない、こう思いますが、これは念のために聞いておきましょうかね。現在はそういうことはあり得ませんね。あなたの頭の中にありませんね。
○中曽根内閣総理大臣 私は、解散は今考えておりません。しかし、解散権に関する解釈は、厳然として私が申し上げたとおりであります。
○田邊(誠)委員 厳然としてない。まことに恣意を持ってこのことを考えているというから、私どもは実は大変心配しております。解散権に対する保利遺訓をあなたは拳々服膺してもらいたいということを、私は特に要望しておきます。 この問題と関係をいたしまして、定数是正について、いろいろ経緯がありましたから、もうこれは申し上げる必要はないのであります。 最近、総理は、この行き詰まっているところの定数是正、我々は護憲の党として定数是正しなければならぬ、具体的な案も提示しているという状況の中でありまするけれども、何かあなたの方も何もやらぬですね、政府は。一切、国会任せ。大体、最高裁の判決が下ったけれども、一番先、これに対して責任を負うのは政府なんですよ、あなた。行政府なんですよ。そのことは何にも口をつぐんで言わないで、もう国会にお任せしました、どうか衆議院議長さん出てください、これで衆議院議長のもとに第三者機関を設置するということが言われておるのだそうですね。我々は聞いてないけれども、言われておる。賢人が集まってもらっていろいろと相談したらどうかという。どういう機関なんですか。あなた、どういう機関を考えていらっしゃるの、衆議院議長のもとで。 これは、法律的にそういう機関ができるとお考えなんですか、あるいはそうでなくて何か私的諮問機関があなたお好きだけれども、今度は衆議院議長のもとにも私的諮問機関みたいなものをつくって――いつか給与の問題でそういったものをつくったことがありますよ、私も国会運営をずっとやってきたから。しかし明確な法律をつくって、それでもって第三者機関に任せるというようなことは、これは一体できるのでしょうか。そういったことがあり得るのでしょうか。そういった方法があるのでしょうか。どういう立場であなたはそれをおっしゃったのですか。
○中曽根内閣総理大臣 定数是正の問題については、裁判所の判決もありまして、焦眉の急の問題であると考え、また国民も強くそれを期待しておるわけであります。先般の国会におきまして、いろいろ各党も案を出されまして、六・六案とかいろいろありまして、しかしそれがついに成立を見なかったのは、甚だ遺憾でございます。 しかし、事は重大で焦眉の急を要する問題でありますから、最終的に国会が決議を行い、また議長見解というものが表明されまして一定の方向は示され、しかも、できるだけこれは「速やかに」と書いてありました、速やかにこれを解決するということを約束したわけでございます。したがって、その線において、今国会において速やかに解決さるべき性格のものであると、我々はそういう意味におきましても一生懸命協力も申し上げ、努力もしたい、そう思っておるわけであります。 しかし、昨年の国会以来、院の決議があり議長見解というものが出されまして、こういう状況になりますと、院を、衆議院を中心に、国会を中心に、各党各派が協議をして、そして議長の御方針、見解に合う方向で協力すべき性格になってきておると、私はそう考えております。そこで昨年、予算編成につきまして党首会談をいたしましたときに、民社党及び公明党の御意見の中にそういう第三者機関的発想の御意見がございまして、私は、これは非常におもしろい、検討に値する御意見である、私もこれは非常に興味があり、また大事な意見であると思いますから、こういう考えでもひとつ研究してみたいし、もしよろしければ、こういう方向でやれるものならやりたいものだ、そういうことを申し上げた。社会党の案にはそういうものが書いてなかったから、社会党との党首会談にはそれは申し上げなかったけれども、ほかの公明、民社の場合には書いてありましたから申し上げた、そういうことでございます。 事はもう衆議院の問題でございますから、やはり衆議院の各党各派において寄り寄り協議していただいて議長さんをお助けして、そうして適切な対策を至急講ずべきものである。自民党が突出して、ああするこうするというようなことは、これはできるだけ避けた方がいい。衆議院全体のグラウンドルールをつくることですから、みんなで持ち寄って、そしていい案をみんなでつくるというのが好ましい、そういうふうに考えておるわけであります。
○田邊(誠)委員 あなた任せ、そして具体的には何も案がない、こういう状況の与党党首を持っておるのですから、なかなかこの問題は進まない、これは当然でございますね。 そして、二人区の問題が一番大きな問題になっていますね。我々は、二人区は小選挙区制につながることであるから、限りなく小選挙区に近いという形でもって、これはとるべきでないというふうに言ってきたのですが、政府が議員の質問主意書に対して答弁書を最近出しているようでございますが、その政府見解においては「二人区は小選挙区ではない」、こういうふうな見解を出したと承っておるわけでございます。 ところが、これはもう御承知のとおり、歴史的に見て、明治二十二年法においても一人区が二百十四、二人区は四十三、大正八年法においても一人区が二百九十五、二人区は六十八、これはいずれも一般的には小選挙区制と言われてきたんですね。ですから、大正十四年の選挙を従来の制限選挙から普通選挙に大改正をした、そういうときに、この中選挙区、三人区から五人区と定めて、二人区以下、そして六名以上というのを例外を設けなかったのは、中選挙区の主義を徹底するためであるというふうに当時の政府は実は提案をいたしておるわけでございます。したがって、一番焦点になっているところの二人区に対して、政府はこういう歴史的な経緯も踏みにじった形でもって、これは小選挙区でないなんて断定されることは、これはやはり国会の審議を非常に渋滞させるゆえんであるし、今までの政府がとってきたところのいわば見解と大きく踏み外したものである、私はそういった見解を出すべきではない、こう思っておりまするけれども、なぜそういう措置をとられたのでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 最近の憲法学者の本を調べてみますと、小選挙区というのは、一つの選挙区から一人を選ぶのが小選挙区で、それ以外は大選挙区と書いてある。小林東大教授の本にもあるいは佐藤功教授の本にも、調べてみますとそういうふうに書いてある。これが学界の通説であります。我々はそういうふうに学界の議論というものは承っております。
○田邊(誠)委員 そこで、実は今後の国会審議のために私は踏み込んだ質問をいたします。これは自治大臣でも結構であります。 さきに自民党は通常国会で六・六案を出された。臨時国会までこれを引き継いだ。これはついに廃案になったという事態でありまするが、議長見解にもございまするように、十二月に出されましたところの速報値に基づいて、次の原則で速やかに成立を期してもらいたいということで書いてございます。五百十一の総定数は変更しない、選挙区間の議員一人当たり人口の格差は一対三以内とする、小選挙区制はとらない、こう議長さんは言っておるわけでございまするが、そうしますると、自民党の今までの考え方を演繹してみますると、今度は、速報値によって三倍以内というのは十・十かあるいは九・九か、際どいところがありますが、という形でございまするけれども、これはやはり、引き続き選挙区は動かさない、そして二人区は暫定措置としてとる、我々は二人区反対でございますが、ということを考えざるを得ないというふうに思いますが、それはそうですね。
○小沢国務大臣 小選挙区制の問題につきましては、ただいま総理の御答弁のとおりだと思います。 あと、二人区以上は、通常大選挙区制、中選挙区制という中で呼ばれておるわけでございます。したがいまして自民党としてどう考えるか、それは党としてのいろいろな論議の中で出てくる問題であろうと思いますけれども、政府としてどのように考えるかということにつきましては、それは、これも総理御答弁のとおり、前国会の経過もこれあるわけでございまして、政府が先行いたしまして、二人区問題あるいは政府の案あるいはそういう考え方、それを出すのは適当ではない、そのように考えております。
○田邊(誠)委員 自治大臣、無理だと思いますから、自民党総裁としての総理大臣、これはあなたも突出しないと言うけれども、自民党としてどう考えるかということがこれから問題なんです。私の考え方で言えば、自民党の六・六案をそのまま引き直して言えば、今度十・十なら十・十になる、とすれば、そこはやはり二人区を暫定的につくらざるを得ない、こういうことになりますね。そういたしますと、二人区はそれに基づけば六つばかりできるということになる、この考え方は私はとらざるを得ないだろうと思うのです。そうでなくて、境界変更でいくということになれば別ですよ、これは。自民党としてはそういう考え方で来ているわけですね。それは、そうでしょう。どうでしょう。
○中曽根内閣総理大臣 やはり先般の国会における議長見解及び国会決議をスタートラインとして、そして各党各派でよく御協議願うべきことで、自民党だけで突出するということは避けたい、そう考えております。
○田邊(誠)委員 これは、考え方の基礎を聞きたいのです。なぜかといいますると、私は次に実は質問したいのは、暫定案、十・十案なり九・九案というのは、あなたの方は選挙区を動かせない、したがって二人区は必然的にできざるを得ない、こういう考え方なんです。それならば、この秋に確定値が出ていよいよ抜本改正となった際に一体どうするのか。これが明確でなければ、実は幾ら国対委員長会談、書記長・幹事長会談やっても、野党は二人区反対、自民党は、二人区はやむを得ない、こう言っているだけでは平行線なんですよ。これは私は断言します。それ以上進まない。いかに知恵者がおっても。 そこで、一体抜本改正の際に、これはもう二人区は戻しますよ、三人区から五人区という中選挙区の本来の姿に戻します、したがって境界変更はいたします、そういった形における抜本改正がやはり考えられなくちゃなりません。こういう実は将来のことについての自民党なり各党からの考え方が出てこなければ、この問題は一歩も進まない。これが進む、いやそうでなくてほかに知恵があるというならひとつ教えてください。私は知恵者でないから。私以外の野党の皆さん方なり与党の皆さん方で、いや、それ以外に知恵があるというなら言ってください。これはもう知恵がないのですよ、去年もずっとやってきて。 とすれば、私どもは二人区は絶対につくってはならぬという考え方の基礎に立っているけれども、抜本改正の際に暫定的につくったところの二人区、これはまた前に戻しますよ、三人区と五人区という中選挙区に戻しますよという将来展望というのが自民党にあるのかないのか。これはみんな痛いから実は触れたがらないのですよ、それぞれ。しかし、ここに触れるのでなければ、この国会においてこの定数是正の問題については解決の道はない、私はこう思っておるのであえて踏み込んでお聞きをするわけでありますが、自民党総裁としての中曽根さん、どうですか。お考えありましたらお示しください。
○中曽根内閣総理大臣 先ほど来申し上げましたように、これは衆議院のグラウンドルールをつくることですから、自民党だけが突出するのは適当でない、こういう考えに立ちまして、議長見解及び先般の国会決議というものをスタートラインにして、各党各派でよく懇談をし、いろいろ解決策を見つけていただきたい、こういう態度で一貫しておるということを重ねて申し上げる次第であります。
○田邊(誠)委員 そういう将来展望も何もありません。あるいは逆に言えば、抜本改正と言われるときには、今の中選挙区制を動かして小選挙区制導入も考えざるを得ないという一部自民党の中における発言がある。それを実は我々は予測するから、断じてこれは譲れないと言っているのです。ですから、あなたのような今の言葉だけでは、この定数是正についての与野党の審議、話し合いというのは一歩も進みませんよ。これはあなたの方に責任がある。私の方は、将来展望についても指し示してきている。自民党がいわば抜本改正を含めて、これに対するところの見解をいまだに明らかにしない。これはいわば小選挙区に対するところの疑心暗鬼を生む、こういう結果になっているわけでございますから、そういった点で話し合いを進めることはできない。非はすべて自民党にある。そうでないと言うのなら言ってください。そうでないと言うのなら、何か思惑があったら言ってください。これはざっくばらんに言ってくださいよ。
○中曽根内閣総理大臣 私は、小選挙区制というのは考えていないと前にも申し上げたことがあります。中曽根内閣というものは小選挙区制は考えていない、これは前も今も変わってはおりません。
○田邊(誠)委員 定数是正について我々としては引き続き積極的に対応してまいりたいというように考えておりますけれども、我々の現在の態度、将来に対するところの考え方というものを自民党は一体受け入れるのか受け入れないのか。それに対するところの自民党の考え方があるのかないのかということを示していただかない以上、私自身としては、この問題に対してにわかに話し合いをすることはできないということを申し上げておきます。 靖国問題については、臨時国会でもって我が党の同僚議員からしばしば質問がありました。特に違憲の問題については発言がありました。ですから、私もこの問題、触れたかったのでありまするけれども、時間の関係で触れませんが、これはもう政教分離を厳しく規定した憲法違反であるということは今日も明白であります。これはもう国会において、違憲の疑いを否定できないと政府が統一見解で述べてきたことは今日もやはり私はそのとおり解釈をすべきであるというように思っておるわけでございまして、官房長官の一私的諮問機関において何らの権威のない形でもってこの報告書が出たということを考えたときに、これに基づいて政府が靖国の公式参拝に踏み切ったということは、私は憲法上からいってもこれを認めることはできないというふうに考えておるわけであります。実はこの報告書の中身についてもいろいろと言及をしたかったのでありまするけれども、これは省かせていただきます。 そこで、総理、あなたは昨年の八月十五日に靖国神社に戦後の総理大臣としては初めて公式参拝をされましたけれども、あなたは公式参拝をされたときに、靖国神社には数多くの戦争で亡くなられた方々がおる、私もその心情は酌み取らなければならぬと思います。私の姉の相手も沖縄で亡くなった。私は沖縄へ行って、あの土と石を拾って仏壇に供えた。そして、本人の合意あるなしにかかわらず、靖国神社に合祀されているとすれば、そこに肉親がぬかずきたいという気持ちは私はあると思う。しかし、それと総理大臣の公式参拝とはこれは全く違うんだ。中曽根さん、あなたが靖国神社に公式参拝されたときに、この靖国にはA級戦犯が合祀されていることを知っておりましたか。そのことを念頭に置いてあなたは参拝されましたか。
○中曽根内閣総理大臣 それは念頭にはなかったのです。
○田邊(誠)委員 なぜなかったのですか。知らなかったのじゃないですね。どうなんでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 八月十五日に、靖国懇の我々に対する意見もあり、かつまた全国民の大多数が総理大臣が参拝することを望んでおり、また靖国神社というものはそういう追悼施設、中心的施設である、そういうことも考えまして、全国民の大多数の要望にこたえて参拝をした、そういうことで、それは追悼と平和に対する我々の誓いを新たにした、そういう意味でお参りしたのであります。
○田邊(誠)委員 そこに東条以下のA級戦犯が祭られていることはあなたの参拝の支障になりませんでしたか。
○中曽根内閣総理大臣 参拝するときには本当に頭にはありません。私が頭にあるのは、やはり大勢の第一線で亡くなられた、戦争で亡くなられた方々に対して私は追悼したのでございます。
○田邊(誠)委員 今はA級戦犯が祭られていることについては承知していますね。
○中曽根内閣総理大臣 今は知っています。
○田邊(誠)委員 このことは中国を初めとする諸外国から鋭い指摘を受けておるわけでございまするけれども、極東裁判においてA級戦犯者が平和に対する罪として実は起訴され裁かれた、そしてその平和条約十一条を我が国は受諾をいたした、こういう厳然たる事実があるわけでございます。このA級戦犯が靖国に合祀されるかしないかということは、これは靖国神社そのものが決めることである、こういうふうに我々は思っております。しかし、その根拠になったものは何かと言いますると、この靖国神社の「合祀対象」という中に、主として公務に基因して亡くなった方というようなことがずっと列挙してありますが、その中に、「平和条約第十一条により死亡した者」、こういうものがその後加わったのであります。これがなぜ加わったかといいますると、パールハーバーを攻撃させたところの最高責任者であるところの東条以下のA級戦犯、これに対して公務死亡の認定を実は厚生省はしておるのでございます。そのことによって実は靖国神社はこの合祀対象にするという根拠を見つけて、そして合祀対象にしたという経過があるわけでございます。 実は、当時の国会におけるところの論議の経過をつまびらかに反復をいたしますると、確かに、B級、C級等の戦犯の遺族、家族が困窮している、これを救わなければならぬという形の中でもって、この戦傷病者戦没者遺族等援護法のいわば提案の中でもって議員修正をされたという経過があることを私は知っておるのでございます。しかし、それはあくまでもいわばB、C級の戦犯に対して一体どうしたらいいかという気持ちが実はあったのであります。したがって、そのことを受けて、内閣委員会におけるところの恩給等の改正の際に、我が党の議員はいわばこのA級戦犯の問題についてこれに言及して反対している、実はこういう議事録も載っておるわけでございます。これを厚生省は法律の改正を受けて、A級戦犯の人たちを公務死亡に認定する、こういう措置に出たのですけれども、この行政措置というのは余りにもいわば法を変えたところの趣旨とかけ離れている、こう私は思っておるのでございまして、この公務認定、死亡認定というのが靖国にA級戦犯合祀のいわば一つの基準づくりになったということを考えると、この行政措置について我々としては一考を煩わせなければならぬ、こう思っておるわけでございますが、いかがでしょう。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 援護法は御承知のとおり二十七年に制定されまして、翌二十八年に、いわゆる平和条約十一条に基づきまして裁判にかけられて拘禁中に死亡したり刑死した人の遺族については社会保障的にこれを救済すべきではないかということが法案の審議の際に指摘されまして、これに対する国際的な影響等につきましても、外務省から省議で、社会保障的にこれを行うのならば特に国際上問題は生じないという回答もなされ、超党派でいわゆる先生の御指摘のとおりの修正が行われ、私どもは、戦犯の御遺族の方に社会保障的にこの給付をなすことについては、A級であろうとB級であろうとC級であろうとそれは差がないものと考えて、給付をいたしたところでございます。
○田邊(誠)委員 これは多く論じている暇がないから後の方に譲りまするけれども、この法律改正の際におけるところの修正は、「平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁された者が、当該拘禁中に死亡した場合で、かつ、厚生大臣が当該死亡を公務上の負傷又は疾病による死亡と同視することを相当と認めたときは、その者の遺族に遺族年金及び弔慰金を支給する。」こうなっている。したがって、行政の措置がその間に入っている。法の改正の趣旨はそこにない、こう我々は考えざるを得ない。我々は非常に、その人の罪を憎んでその人自身を憎まないという、こういう日本人的な考え方があります。当時、いわば平和条約を結んだ直後ですから、いろいろな感情があったというように思います。したがって、B、C級の戦犯者の遺族に対しては何らかの措置をしたいというのは、私は国民感情としてはあった、しかし、それをA級戦犯まで同視するというような行政措置を許しているとは思わない。これは、その後の恩給法の改正等の経緯をずっと私がつまびらかに見ました際においてもこれはそう考えるということでありまして、この点に対して、委員長、どうかひとつ、行政的な措置についてもう一度再検討することをお願いしておきたいと思うのです。
○水田政府委員 援護法の法的な構成について御理解をいただきたいと思いますが、擁護法は、公務死そのもの以外のみなし得るものについては全部厚生大臣の認定または援護審査会の議決によるということによっている単なる立法例にすぎないのでございまして、厚生大臣の認定というのは他の案件についてもすべて同様に事務的、機械的に行っているものでございまして、A級、B級、C級でありましても、御遺族の方について社会保障的に給付するということについて差異を設ける理由は私ども全くないものと考えております。
○今井国務大臣 ただいま局長の述べましたとおりでございまして、B、Cであろうが、Aであろうが、やっぱり社会保障給付をなすべきものというふうな判断でございます。
○田邊(誠)委員 ひとつ再検討をしてもらうことを強く要求します。 そして、総理、あなたはもう靖国神社の公式参拝はこれから以後いたしませんか。
○中曽根内閣総理大臣 これは別に制度化したものではございませんが、それはそのたびごとによく検討して行いたいと考えております。
○田邊(誠)委員 したがって、公式参拝はあり得るということでございますか。それによって中国を初めとするところの諸外国は相当な強い態度に出るだろう、私はこういうふうに考えざるを得ないのでありまして、これに対しては、公式参拝は今後一切取りやめるべきである、こういうことを私は強く要求しておきたいというように思っておるわけでございます。時間がございませんので、小倉さんにはおいでをいただきましたけれども、ちょっと午後に回りまするから結構でございます。 そこで、もう午前中の時間がなくなりましたので、防衛費のGNP比一%問題は私はもうおととしも去年もやってきましたので、ここでまた改めて言うことはないわけでございますが、臨時国会で衆参の予算委員会で非常に熱心に論議をされたわけでございます。それに対するところの合意、政府見解ということが出ておるわけでございまするから、これをひとつ、総理、私ずっと読みましたけれども、これは非常にわかりづらいのですね。「私の真意はあくまでも昭和六十一年度の予算に係る編成においても一%枠を守るということであります。」という参議院で最終的に我が党の矢田部委員に対する確認答弁としておるわけでございますが、これは平たく国民がわかるように説明をいたしまするというと、三木内閣の防衛費に係る閣議決定については、その趣旨を尊重し、補正予算を含めて六十一年度予算に係る編成においても一%枠を守る、すなわち六十一年度中は一%枠を守る、こういうように解釈するのが、大体この解釈としては当たっているんだろう、こう私は思いますが、私がそういうふうに解釈してもよろしゅうございますね。
○中曽根内閣総理大臣 三木内閣の閣議決定の趣旨というものは、これを尊重して守りたいと念願をいたしております、そういうふうに答えておるのでございます。
○田邊(誠)委員 いや、それはもう国会答弁はそういうふうに言っていませんね。これは「一%枠を守るということであります。」だめですよ、そんなこと言っちゃ。あなたは時々変わっちゃうのだよ。風見鶏だといってそう変わっちゃいけない。だめです、これは。ちゃんと言ってください。
○中曽根内閣総理大臣 いや、最近の衆議院の本会議及び参議院の本会議におきましては、今申し上げましたように私は答えておるのであります。これを尊重して守りたいと念願いたしておりますと、ちゃんと頭の中で記憶しております。
○田邊(誠)委員 それは議事録と違う。あれほど臨時国会において各党の議員が質問をした結果合意をした中身と違う。(中曽根内閣総理大臣「最近は……」と呼ぶ)最近どうであろうと、国会において確認をしたことなんだから、これは。あのあなたの、念願をするということを我々は認めているわけじゃない。本会議は一方交通だからあなたは言い放っただけであって、そういったことを認めているわけじゃない。これはひとつ多くは論議をしないで、もう私も二年間やってきたから、もう論議の中身は別として、ひとつ六十一年度中は一%枠を守りますという、こういうふうに読み取れるわけですけれども、それは間違いなんですか、臨時国会におけるあなたの答弁は。それだけ言ってください。
○中曽根内閣総理大臣 六十一年度の当初予算においては一%の内部におさめました。たしか〇・九九三ぐらいだったと記憶しております。一%の中へおさめたので、これは約束どおりやったと思うのであります。 それで、今後の問題についても、今度は本会議におきまして、予算編成後の本会議におきまして、衆参両院において、尊重し守りたいと念願しております、そういうふうに申し上げました。
○田邊(誠)委員 それは国会においてあれだけあなた確認をして、衆参の予算委員会で確認をしておるのですから、これが一番のあなたのやはりいわば最終的な答弁と受け取るのは当然でしょう。その後どんな発言をしたかということまで私どもは今言及しているんじゃない。これは、確かに本会議におけるところの答弁はまことにあやふやな答弁をしていることは私も承知をいたしております。だから、ここはきちんとしてください。これは、六十一年度中は守るという、こういうことの意味じゃないんですか。どうなんでしょうか。これは予算委員会における確認答弁ですから、委員長、これははっきりさせてください。
○中曽根内閣総理大臣 六十一年度予算編成においては守りました、そして今後におきましても守りたいと念願しております、そのように申し上げておるわけであります。(田邊(誠)委員「だめ、そんなことはもうわかっているんだから」と呼ぶ)
○小渕委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ――――◇――――― 午後一時五分開議
○小渕委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。田邊誠君。
○田邊(誠)委員 先ほど理事会で預かっていただきました防衛費GNP比一%枠の問題、すなわち、昨年の臨時国会における衆議院予算委員会、参議院予算委員会におけるところの総理の確認答弁、「私の真意はあくまでも昭和六十一年度の予算に係る編成においても一%枠を守るということであります。」これが参議院におけるところの最終的な確認答弁でありました。これはこのとおりでございますね。
○中曽根内閣総理大臣 六十一年度予算編成におきましては一%以内にとどめたところでございます。三木内閣の一%以内にとどめたいというあの閣議決定は、尊重し、守りたいと思っております。
○田邊(誠)委員 あなたはいつも最後のところ、一番都合の悪いところは小さな声だから、今思っていますというようなことですが、そういう願望だのということじゃなくて、現にあなたは大統領的総理大臣だなんていうことを夢見ている人だ。オールマイティーだなんて思っている人だ。それが、そういうことになると念願をしたり思ったりということでもって他人事のようなことを言うのじゃ困るのです。これは平たく言えば、六十一年度中は守りますということですねと私は聞いたのですから、そのとおりと答えればそれでいい。
○中曽根内閣総理大臣 去年どことしは多少状況も違ってきていると思うのです。時代も違いますし、あるいはGNPや経済動向がどうなるかという点も非常に違ってきつつあります。そういう諸般の状況も考えつつ答弁しなければならぬのが総理大臣のつらいところであります。 私は先ほど来申し上げましたように、三木内閣の決定を尊重して守りたいと存じます、あるいは守りたいと思っております、どちらでも結構です。
○田邊(誠)委員 どちらでも結構でない。これは長い積み上げがあって、GNPが変わることはわかっている、GNPが膨らんできているから、したがって、そういう状況の中で、この一%は守っていくことが国の大方針です。これは長い間の積み上げでもってそうなってきたのです。きょうは実は私は中身の論議をしようと思わない。ですから、これは昨年の臨時国会における衆参の予算委員会における答弁、平たく言えば、六十一年度中も一%枠は守ります、こういうことですねと聞いているのです。そうじゃありませんと、そうですと、どちらですか。
○中曽根内閣総理大臣 簡単に申せば、尊重して守りたいと存じます。
○田邊(誠)委員 繰り返しての総理の答弁ですけれども、これは本当に国会におけるところの長い論争の末、最終的な国会における確認というのは、これは昨年の臨時国会の衆参の予算委員会における各党が協議した上に立っての総理の確認答弁、これが国会における政府のいわば最も権威のある国会の合意の上に立ったところの答弁、こういうことでございまして、それ以外のものについては私は了承いたしません。したがって、ずっといろんな答弁の仕方があって、あやふやなんですけれども、しかし、いずれにいたしましても、最終的に昭和六十年十一月二日の参議院の予算委員会における中曽根総理大臣の合意文書の点について、この答弁を確認をいたしたのでございまして、これ以外のことについては私としては了承できませんので、この点に対しては私の持ち時間をとっておきますから、したがって、理事会においてさらにひとつ明確な解釈と結論を出していただくように予算委員長に要求いたしますけれども、いかがですか。
○小渕委員長 理事会で検討いたします。
○田邊(誠)委員 それでは、時間がございませんので、実は外交問題、まだ引き続き質問をすることが残っておりまするが、一応、経済、財政関係について若干質問をいたします。 それで、大蔵大臣も言っているように、この六十一年度予算、いろいろな使命があるけれども、大きく分けて、財政再建の道筋からいって、本年度の予算はどういう役割を果たすのか。 もう一つは、総理がいつも言っているように、世界の中の日本、世界経済は今非常に混迷をしておる、こういう状態の中で、世界経済の再生のために日本の果たす役割というものは一体何だ、こういう私は二つのものを持っていると思うのです。――ところが、残念なことに、この政治の顔と言われる六十一年度の政府予算というのは、これはどちらの役割も実は果たしていない、極めて中途半端な形になっているということを、これはどなたも指摘をいたしておるわけでございます。私だけじゃないわけでございます。現に与党の有力な藤尾政調会長も、この手法はもう六十二年度以降はとれないぞ、竹下大蔵大臣も、どうも来年度以降財政再建に向けてのこのやり方というのは実はとても困難になってきた、六十五年度赤字公債脱却というのはなかなか難しい、こういうふうに言っておるわけでございます。 私は、この際、やはり日本の持っているところの潜在的な成長力、これを一体どうやって活用するか、そして、中期展望の中でもって安定成長を遂げていくにはどうしたらいいかということを考えなければならぬところに来ていると思うのです。そのためには実はどのくらいの成長率が適当かということについては論議があるでしょうけれども、やはり四%から五%、できれば五%の実質成長というのが望ましいのじゃないだろうか、こういうふうに実は我々は見ておるわけでございます。 そこで、総理も言われたししまするが、内需拡大が必要だというのは、まあこれはだれしも言っているんですね、だれに言っても。しかもこれは国際的な約束だということは、実はウィリアムズバーグ・サミットにおけるところの内需拡大の約束、昨年のG5におけるところの公約、こういった点から考えられるわけでございまして、各国とも悩みながら、実はかなりそれに対応しているんですね。アメリカも財政均衡法などというものをつくって財政赤字をなくそうと努力しておる。ヨーロッパもかなり内需拡大への拍車をかけている、こういう状況になってきたわけでございまして、したがって、我々もこの円高の中で、かなり円高デフレも出てきているという状態でございまするが、やはり内需拡大をしなければならぬということでございまして、名目五・一%、実質四%の成長を見込むと言いますけれども、これを決めたときに安倍さんも、実際、これは達成困難ではないかというふうに懸念を表明されたというのですけれども、これは外務大臣だけじゃなくて、民間の調査、どれを見ても、実質成長は大体二%から三保八%という状態でございまして、相当無理なのです。無理なんだけれども、政府としては対外的にこれだけは宣言しなければならぬというところへ来ているんでしょうね。そういった意味からいいましても、私はかなり内需拡大について本腰を入れなければならぬ。 しかし、残念なことに、いわばその目玉というのは何かといえば、最終消費である。消費拡大ということについて、政府は楽観的な見通しを立てているけれども、これまた、実はなかなか困難。GNPの大体六〇%を予定するところの消費拡大、これがなかなかできない。減税がなくて、いわば累進課税の中でもって段階が上へ上がりまするから、実質的な増税、非消費支出がどんどんとふえている。契約的な資金支出もふえているという状態でございまして、一々数字を挙げませんけれども、これは大変な状況になってきているということでございまして、五十四年から五十九年の世帯別の実質消費支出を見ますると、この間、わずか〇・二%しか上がっていない。ほぼゼロ。GNPの伸びはこの間、平均三・五%、結局は、消費支出が抑制されている、可処分所得が伸び悩んでいる、こういう状況でございました。 そういうことになってまいりますると、手っ取り早く財政がこれに対して対応できるものは何か。 竹下さん、あなたは毎年毎年、言いたくないことだろうけれども、財政が経済に対する寄与率は中立だ、ゼロだ、こう言ってきた。これはとても疲れて、政府も疲れたろうし、国民も疲れている。これは私が言うのじゃありませんよ、中曽根さん。ある新聞論調によると、一体政府というのは何の役に立ってきたんだ、経済無策の三年間じゃないか。六十一年度も無為に終わるか、とこう酷評しているのですね。だから、いろいろなことを考えてこれでやってきたなんと言うけれども、私も余り難しいことはわかりませんけれども、しかし、だんだん役人が積み上げたものをただやっているだけでは政治ではございませんので、したがって、この際、ひとつ我々としてはこの発想を転換をしてもらいたい。 という状況の中で、まず一つやるべきことは、大幅減税。総理は、春に減税で、選挙をやりましてからそれから秋に増税、こういうふうに税調に頼んでいる。小倉税調会長に聞きたかったのだけれども、こんなやり方はないですよ、実際に。シャウプ勧告以来の税制改正をすると言っているけれども、これは私が言うまでもない、シャウプ税制というのは、所得税を確かに竹下さんの言うように七〇%から下げる、しかし総合課税の問題がある、それから所得税の補完税としての富裕税の創設というもの、これまでひっくるめて実はどうするかということを言っているのでございまして、そういった点から見て、どうも総理の作為的な、まず減税ありき、そして選挙をうまくやってから増税、こういう、これは本筋じゃないですね。私は、減税その後増税というのじゃなくて、増税は一応置いておく、これは。まずひとつ迂回作戦をとって、大幅減税をやってみる、そしてパイを大きくして、税収もふやしていくという方法をとれませんか。これは国民が今願っていることじゃないでしょうか。 しかし、そうなってくればなれが出る、一たん膨らましたらなかなかそれは縮められないと、こういう意見は私は知っています。官房長官もこの間国会計論会でそう言っておった。しかし、そうやって毎年毎年来たから、実はこの問題に対して財政再建もできない、そして本当の意味におけるところの内需拡大によるところの景気の浮揚もできないという状況になってきたのだと私は思うのです。 ですから、この際思い切って、総理も減税をやると言っているのですから、減税をやって、そしてひとつその後景気の状況を見ましょうや、経済の状況を見ましょう、そういうことでなければ、この三・六%と予定しているところの個人消費は、実際は昨年もできなかった、当初予算に比べてできなかった、修正せざるを得なかった、三%。ことしはもっとひどいですよ、今の状況は。というところから見て、とてもこのあなた方の見込みは達成できない、国際公約も果たせない、世界経済に対するところの、経済大国になったと自負しているところの中曽根内閣のこの経済政策は結局無為に終わる、こういう形になるだろうと思うのでありまして、この際、ひとつ思い切って大幅減税、私は二兆三千億と言ったけれども、もっと多くてもいいんです。大体三年間で五兆円ぐらいは必要だ、そうでなければ景気浮揚できない、こう思っておるのでございまして、どうでしょう、五兆円ぐらいの三年間でやるということの目標を立ててやってみたらどうでしょうか。 経済に対してあなたはいつも責任を負わない。外交ではお得意だと言っているけれども、経済は非常に声が弱い、主導権をとらない。それは大平内閣も、大型間接税導入で五十四年の選挙で大敗を喫した、四十日抗争になった。鈴木内閣も、五十九年度の赤字公債発行ゼロの公約が破綻して、いわばこれも引き金になって退陣せざるを得ないという状況になった。ということから見て、経済に対して中曽根総理が大統領的権限を振るわないということもわかりますけれども、あなたが経済に弱いことも知っておりますけれども、しかし、この際ひとつ大型な減税、この減税に踏み切るというちょうど時期ですよ、あなた。九カ月の残された期間の中でもってあなたがやれるとしたら、この大幅な減税、こういうことにならざるを得ない、こう私は思っておるわけでございますが、総理の決意をひとつ端的にお聞きをしたい。
○中曽根内閣総理大臣 減税したいのはやまやまでありまして、私は大きな減税法案をいずれ国会に提出したいと思っておるのです。 しかし、田邊さんも二兆三千億円というようなお考えをお持ちのようでありますが、問題は、その財源をどうするかということであります。赤字公債でやるのか、あるいは共産党が言うように軍事費をみんな切ってしまってやれというのか、ともかく問題は、財源をどうするかということが大事なのであります。 赤字公債あるいは公債依存率というものをできるだけ減らそう、六十五年赤字公債依存体質脱却を実現しようというので、自民党もまた政府も一体になって今まで歯を食いしばって努力してきまして、ようやくGNPにおける公債の率というものは四八%ぐらいからことし四三%ぐらいまで下げることができました。予算の内部における公債の比率というようなものも大体二二%から二〇%に下げてきて、やはり成績は顕著に今出てきておるわけで、その上、物価は今のように二%、一・九%というふうに超安定という状態である。住宅がどうであるかといえば、大体百二十万戸程度は今やっておるわけであります。 私は今が一番いい、そういう思い上がったことは申し上げませんが、外国から比べてみると、物価がこれだけ安定して、そして失業率においても二・八。イギリスは一三%ぐらいです。アメリカでも六・九から七ぐらいです。そういうような情勢を見ますと、比較的経済も私は外国から比べればまあまあという情勢で動いておる。この上に減税をやろうという気持ちで今税調で進めておるところでございます。 しかし、やはり税の問題というような問題については国民の欲するものをまずやる、出す。それで後始末はその後でやる。順序からいったらそうなる、私はそう思っておる。今までややもすれば大蔵省が誤解を受けたのは、税金取りというものはともかく先に取ろう、さもないと安心して寝られない、そういうようなところから、先に取ろう取ろうという意欲が見えるから国民の方から非常に反発を呼んできておる。そういうようなやり方は政治家のとるところではない。やはり国民が何を欲しているかということをまず手をつけて、そしてそれを懸命に追求するというのが政治のやり方として正しい。そして最終的には、あわせて、一体となって財源措置も考えてやっていく、これは当然のことでございますが、そういうようなスケジュールで進めておるので、私はそれがやはり政治家としてのやり方であろう、こう考えておるのであります。
○田邊(誠)委員 赤字公債六十五年度脱却、これはもうできないことはあなたも知っておるでしょう、幾ら経済が弱いといったって。これから先一兆三千億ずつ毎年減額することはできない、そうでしょう。ですから、このことを私はきちんと踏まえたときには、これは発想の転換、経済政策を転換しなければならぬところに来ていると思うのですよ。 そのことの意味でもって、まずひとつ減税をきちっとやって、それでもって景気の浮揚を図るということをやってみてはどうですか。そのことを私はあなたに要求しておるわけでございまして、まだ時期がそれに至らないというようなことですけれども、自民党もかなり党主導でもってたばこ消費税値上げ等を政府税調に語らないで大胆におやりになったりするわけですから、やはり中曽根主導ということでもってこの減税について思い切ってやるということが必要じゃないか、私はこう思っておるわけでございまして、この点に対してひとつ強く主張しておきたいと思うのであります。時間がありませんので、本日はこの点については主張だけにとどめたいと思います。 個別課題についていろいろございます。社会保障の問題あるいは教育の問題等ございますが、この国会におけるところの一つの大きな政治課題は国鉄の改革ということでございまして、政府もこれに対していろいろと準備を進めていらっしゃるということでございますが、私、この問題に対して基本的なことについていろいろとお聞きをしたい点もあるわけでございます。 何か公社制度が全部悪くて、これは全然いわば経済性というものを持たなくて、民営化すれば途端に経済が重視されて今度は公共性が全く没却される、こういうような二者択一的な発想というのを国鉄再建の中でややもすれば考えがちということについて、我々はそうでない、民営的な手法をとらなくちゃならぬ。私ども社会党が国鉄再建に対するところの案を出しましたことは総理も御承知と思います。我々はこの国鉄の公社組織を特殊会社にしようというふうに考えておるわけでございまして、そういった点についてひとつ民営的な手法、市場のメカニズム、こういったものを十分我々は入れていかなければならない。しかし、その中でも公的機能、公的な役割というのは当然負っておる、私はこう思っておるわけでございまして、そういった視点でもって国鉄再建をやらなければならぬというふうに思うわけでございます。 これは後で実は三塚運輸大臣ともいろいろと意見を交換したいと思うのですけれども、きょうは余り時間がございませんから、この基本的な考え方について私から申し述べておいた次第でございます。 そこで、政府は、国鉄再建に当たっていろんな要素がある、経営形態の問題、そして、長期債務の処理の問題、実はいろんな問題があるということで、それに対して、国鉄再建監理委員会の答申に基づいて今実は基本方針を決め、国会に対するところの法案提出の準備をされているということでございまするが、この中で国鉄再建監理委員会の答申が何か金科玉条、不動のものだ、もう既に国鉄民営・分割ありき、長期債務ありき、余剰人員ありきというふうな、何かこういう前提の上に立って物を処理しようというふうに考えているんですね。 せっかく運輸大臣も努力されているんですけれども、余剰人員対策というものですね、現在の状況の中で一体余剰人員というのはどのくらいあるのか、それから将来どのくらいになるかということは、なかなか予知しがたい要素が多いわけです。まあどんどん整理をして合理化を進めようということを国鉄当局は育ってきたわけでございまするが、これらについても私は慎重な配慮が必要だろうと思うわけであります。現在働いている人たちというのが、何か国鉄に残るのも地獄、去るのも地獄なんという考え方でなくて、やはり安心して、そして使命感に目覚めて国鉄再建に従事するという方針をぜひとっていただきたい。三塚さん、その点はいろいろと今までも関与されてきた専門家ですから、それらの点について十分各方面とも相談をされ、組合とも話し合いをされて進められるということを私は強く望んでおきたいと思います。あなたも話し合いをされていることについて私も承知しておりますが、そういった点について私は期待をしたいと思うのでございます。 政府は、一月二十八日に、国鉄の長期債務の処理の基本方針ということをお決めになったようでございまするが、これは結局は、旧国鉄に残るところの長期債務を最終的には国の責任で処理する、こういうことのようでございます。一体これは、国鉄再建監理委員会では、どのくらい長期債務があって、その中でいろんな方法でもってこれを差っ引きまして、そして最後は国の責任、すなわち、まあどういう方法をとるかわかりませんけれども、国民の負担という形にやるということでございまするが、亀井さん、あなたの方で出されているところのこの長期債務の中身というのは一体どういうものでございましょうか。
○亀井参考人 お答え申し上げます。 私どもが整理をいたしました来年の三月末における国鉄の債務、直接間接総合計をいたしまして三十七兆三千億という数字になりました。 内訳は、長期累積債務が約二十五兆四千億、それから年金のファンドとして用意すべきものが約五兆円、それから青函トンネル、本四架橋あるいは上越新幹線等鉄建公団並びに本四架橋公団との関係が約五兆二千億、それから余剰人員の整理に要する費用が九千億、それから三島に対する基金というものを合計いたしまして、総計三十七兆三千億というふうに推計をいたしております。
○田邊(誠)委員 そこで、長期債務として残されたのは二十五兆九千億である、こう言われておるわけでございまするが、あなたの発表されているところでは、そのうち土地の売却で約五兆八千億、新幹線のリース料の収入で二兆八千億、その他含み資産等の今後の処理でもって六千億、合計九兆二千億をそういった形でもって処理をして、その残りの十六兆七千億というものがいわば国の責任で処理をしてもらう、こういう試算だということをあなたは言っておられますね。そのとおりですか。
○亀井参考人 新しく生まれ変わります旅客会社、貨物会社、これが三十年かけて返済をする。そのほかに土地の売却並びに株式の処分ということでぎりぎり結局十六兆七千億残りますので、これは結局、国鉄の借金というものは、これは日本国有鉄道、国民の財産でございますから、やはり借金も結局は間接的には国民の借金ということになるので、これを国において処理をしていただきたいというのが私どもの意見でございます。
○田邊(誠)委員 まあ実は十六兆七千億という膨大なものを国の責任、すなわち、どういう方法をとるかは別といたしまして、国民の負担という形でございまして、国民一人当たりにして約十四万円という膨大なものになるわけでございます。これはぎりぎり十六兆七千億だ、こう言われたのですが、したがってその前提となるところのいわばいろいろな処理をすること、今申し上げたような新幹線のリース料等の収入等も当て込んでおるわけでございまするけれども、その大部分は土地の売却でございまするが、これを五兆八千億と見込んでおるということでございました。この五兆八千億を見込んで、これはかなり見込んだ、したがって、あとはぎりぎりとまあ表現をされたが、十六兆七千億だということでございまするけれども、この土地の売却の五兆八千億というのは、実はどういう根拠でもって、どういう資料に基づいて出されたのでございましょうか。この資料をひとつお示しをいただきたいと思います。
○亀井参考人 土地につきましては、国鉄が現在約二億坪の土地を持っておりますが、大部分は現在の鉄道運営のために使用されておる土地でございますが、明らかに既に使っていないという遊休土地がございます。それから、将来の鉄道とかいみいろ事情を考えれば、明らかに、多少は使っておっても大部分は非利用土地というふうなものもある。そういうものを一々推定をいたしまして、合計二千六百ヘクタール、合計五兆八千億という数字を出した次第でございます。
○田邊(誠)委員 その資料をここにお出しいただきたい。
○亀井参考人 資料でございますが、土地につきまして、例えば管理用地であるとかあるいは貨物用地であるとかというふうな項目につきまして、既に衆議院並びに参議院の御要望に対し申し上げまして、資料を提出しておる次第でございます。
○田邊(誠)委員 五兆八千億と明確に亀井さんは言い切ったのでございまするけれども、この根拠はどうかということを私は実はこの委員会に示してもらいたい。 というのは、けさの朝日新聞にも出ておりまするけれども、かなりの内容をそれぞれ積算をいたしまして五兆八千億という、こういうものを出しているのですね。もういわば報道等でもって明らかになっておるわけでございまするけれども、この根拠は一体正確なのかどうか。すなわち、五兆八千億は土地を売れますよ、その他のものも幾らかありますよ、しかし、もうぎりぎりあと十六兆七千億は国民の負担を願わなければならぬということを前提にして、いわばこの民営・分割というのは方針を決められ、これから進められるわけでしょう。この根拠が明らかにならなければ、これから国鉄再建問題について国会でもって審議することはできない、こう私が思うのは当然でしょう、委員長。 ですから、これは売ろうとしているところの各所別に資料を出してもらわなければ、私はその積算根拠というのが正確であるのかどうか、それに基づいて政府が処理方針について閣議決定をされたのが一体正しいのかどうか、その上に立っての国鉄再建というこの方法というのは一体これから国会の審議に値するのかどうかということが明らかにならぬと思うのですよ。ですから、我々としては、ひとつ明確なこの箇所づけをいたしましたところの資料、これをぜひお出しいただきたい、こう言っているのは無理でございましょうか、委員長。
○亀井参考人 田邊先生が御指摘ございました二千六百ヘクタール、そして少なくとも五兆八千億というものを生み出すようにという意見を私どもつくったのでございますが、その根拠につきましては、やはり遊休土地、あるいは将来を考えての非利用土地というのはいろいろ個々に当たりまして、そしてそれにつきまして、その公示価格、その周辺の公示価格あるいは時価等を勘案をいたしまして、五十八年現在の数値をもとに計算を出したということでございます。 個々の土地につきまして、私どもはもちろん勉強いたしました。しかしながら、これをお出しをするということは、一つには、現在でもいろいろな思惑があり、あるいは市場価格の混乱とかいうふうに、まだ確定はされてない、私どもの推計のものでございまして、非常に市場撹乱要素というふうな危険もあるように思いますこと、まだ現在私どものそのアドバイスに基づきまして国鉄がそれを具体的にさらに確定すべく作業中でございますので、不確定なものをお出しするわけにはいかない、そういうふうに存じます。
○田邊(誠)委員 亀井さんは外部の方ですから、この人が中心になって出された答申が絶対だというふうに私は思っておりませんけれども、政府の方はそれを尊重してと言っているのですが、これは出せないとおっしゃるけれども、出せないはずはないのです、国会のルールからいって。 大蔵省は既に「民間活力活用可能土地の選定について」というのでもって資料を出しておるのですね。昨年の九月十日に出しておる。民間活力の活用可能地、これはみんな箇所づけまで出しておる。総理府は北海道開発局のどこそこというふうに、坪数まで全部出しておる。これはこういうガラス張りにして初めて実は今後の処理方針が決まるのですよ。こういったことをやらなければならぬところへ実は今来ているから、いわば国有地について民間活力を願うための可能地を出しているのですね、大蔵大臣。 これは出せないはずはないです。どうでしょうか。運輸大臣、これは出せますね。亀井さんは出せないと言うが、あなたの方は出せるわけだ。
○三塚国務大臣 これは、今監理委員長報告が一つの基本方針を言われたわけです。昨年の九月の国会におきまして、今お手元に五兆八千億という一、二、三、四、五という仕分けをさせていただいた一枚紙を差し上げました。これはどういうことかといいますと、貴重な財産を今整理をいたしまして、国鉄の自主努力によりできるだけのものを出ささしていただく、その作業の進行中であります。それで監理委員会は、積み上げてこれを精査された、こういうことになっておりますですね。今亀井委員長言われたとおりであります。それで亀井委員長の方は、監理委員会として今出す時期にはございません、こういうことでありますし、国鉄は国鉄として、当事者として、この監理委員会の答申を受けて真剣な作業に今日入られております。また、運輸省は運輸省として、この作業を見守りつつ申し上げておりますことは、二月十四日の予算関連、基本的な改革法は三月十四日一括として八本でありますけれども出ささしていただく。御審議が始まりますれば、当然、書記長言われますように、具体的な書類について、資料についてお出しをいただく、こういうことになるわけでありますから、それまでに間に合いますように作業を急げ、こう言っておるわけであります。今膨大な全国の地点にあります二千六百ヘクタール、筆数にいたしますと相当な数のようであります。ですから、それを精査を申し上げております作業中でございますものですから、しばらくこれを見守っていただきたい、こういうことであります。
○田邊(誠)委員 とにかく国鉄再建はなぜしなきゃならぬか。これは何といっても膨大な借金を背負っておる、これをこのままでおいたのではどうにも脱却できないという形でもって国鉄再建というものが実は俎上に上ってきた。 そして、この再建をするために一体どうしたらいいのかといえば、この中でもって長期債務というのがこれだけありますよ。どうしてこれだけあるということを判定できたのですか。そして、その長期債務を処理するためにいろいろな手法をとるけれども、その中のかなりのファクターとして土地の売却が五兆八千億ありますということで、それで、したがって国の負担、国民の負担というのが十六兆七千億にもなるのです。これはひとつしょってください。これをしょってもらい、その上に立って国鉄再建をするためにはこういう形をとらなきゃならぬというのが、これが国鉄の分割・民営化と言われる政府の考え方でしょう。そして、いち早く国鉄再建監理委員会の答申に基づいて政府は一月二十八日に長期債務に関するところのいわば処理方針というのを決めたという形になっているわけですから、これはもう政府も決めている。再建監理委員会の資料に基づいて、その算出に基づいて、そして政府は処理方針を決めている、こういう事態でございまするから、どんどんと先へ進んでいるのですよ。既定事実をつくっているのですよ。そして、それが全部正しいというふうに思わしているのですよ。その一番最初の根拠というのが、これがもし間違っておったとすれば大変なことじゃないかというふうに思うのです。 あなたの方は今出せませんと言ったが、しかし、事実そこにある。そして、合計でもって三千十ヘクタール、六兆一千六百億とはじいた。これは一平方メートル当たり幾らですか。二十万円なんですね、算術計算をしますと。これを六十二年度の当初の価格に引き直して七兆一千三百億、それから撤去や移転等の費用を除外して六兆二千八百億、その中でもって旧国鉄が引き継ぐものは約二千五百五十五ヘクタール、これが五兆八千四百億円、一平方メートル当たりの単価は二十二万円であります。 ところが、この土地というのは、これは再建監理委員会の意見によって国鉄当局が指示したものは何かといえば、これは駅の周辺に位置して資産価格に対して低効率に利用されているところの用地、非常に価格は高いけれども今効率的に運用されてない、これは駅の周辺ですよ。それから第二は、都市部に位置しているところの潜在的な資産価格が高いもの、すなわち地価が高いもの、これを売却の予定地と考えている。それで、最初は国鉄は再建監理委員会に対してこの何分の一か出したけれども、それじゃ足らぬぞというので、国鉄の本社の付近の土地を初めとしたいろいろな土地をいわば集めました結果というものが今申し上げたような形になってきているわけですね。一平方メートル二十二万円。大体東京の、大都市の地価については御承知のとおりであります。私は全国の全部の土地のリストを持っている。これはあなたの方は出さないと言うけれども、私は持っている。 それで、ちょっと念のために言いますが、この中でもって例えば汐留ですが、それは新聞に出ている。これはどのくらいでしょう。大体私どもが土地鑑定士にいろいろと依頼して推しはかっていただきますると、鑑定していただきました確かな状況でいって、この二十ヘクタール、時価でいいますると子二百十二万円ぐらいするだろう。そうすると、汐留だけで二兆四千三百六十一億。そうすると、この仕分けで言いますると、汐留、新鶴見、新宿、武蔵野、梅田北、湊町、笹島、こういったことを全部入れて、そして七百八十六ヘクタールでもって二兆五千九百億となっているけれども、これの四十分の一の土地であるところの汐留二十ヘクタール、これで既に約二兆五千億になんなんとするという状態である。こんなべらぼうな違いというのが許されていいはずはない。 もう一つ念のために指摘をいたしますが、池袋と大井工場。後で池袋については売却をしないというようなぐあいに変更されたと聞いておりますけれども、この出された算出根拠に基づけば、池袋と大井工場、これは二カ所だから確定できる、ほかは数カ所あるけれども、池袋と大井工場だけは二カ所である。これで三十ヘクタールで約二百億円と言っておるのでございますけれども、しかし、池袋はどうですか、総理。この池袋の駅の、こちらが西武百貨店、こちらが東武百貨店、予定されたのはこの隣ですよ。この約一ヘクタール、時価にいたしまして最低見積もっても一平方メートル八百万。これだけでもって八百億で売れるというんですよ、八百億。大井工場を含めて両方で二百億。大井の工場もあります。これでもって大体三百億以上になるだろう、大井工場も。 そうすると、この政府が考えておるところの土地の売却、合計で五兆八千億というのは、まさにこれは的外れもいいところである。これが二倍に売れる、三倍に売れたらば一体どうなるのですか。国民の負担のいわば十六兆七千億というのは直ちにこれは減少されるじゃありませんか。こういったことを考えたときに、このようなまことに不正確な、まことに基準として我々がとることのできない、これを根拠にした形でもって、政府がこの処理方針を決め、そして国鉄再建に向けるところの、いわばゴーのサインをせずに作業を進めるということは、全く砂上の楼閣である、こういうふうに言わざるを得ない。したがって、資料を出してもらいたい。
○三塚国務大臣 ただいまの御質問の基本は、考え方とすればそのとおりでありまして、高い値段で売れますることを私どもも実は期待をいたしておるわけであります。十六兆七千億が十五兆になり、十四兆に相なりますことを願う、当然その分だけ国民の負担が少なくなるわけでございます。 そこで、ただいまの御議論は、」監理委員会が二年余にわたる精査の結果の答申をお出しをいただいたわけです。政府はこれを尊重する立場にございます。よって、国鉄もこの答申を受けまして、具体的な国鉄用地の点検に入りまして、非事業用地、事業用地、これの識別を今いたし、そして非事業用地としてピックアップいたしたものが果たしてどれだけの価格に相なるであろうか、こういうことどもを含めまして作業をいたしておるというふうに聞いております。 現実に運輸省はこの国鉄自身の作業を見守っておる立場でございまして、私どもは私どもとして、政府の立場でございますから、それぞれの機関、研究機関の中でどうあるべきかということでスタートを切る、こういう態勢にあります。法律が通りますれば直ちに第三者機関を設置をいたしまして、書記長の言われますような具体的な指摘に対し具体的にお答えを申し上げ、国民の皆様にいささかも御不満のない形で御提示できる。しかし、これも法律が成立した後でございませんければ第三者機関としての政府の作業に入れません。 しかし、今前段申されました、いわゆる閣議決定の中でこれが行われておるのではないか、こういうことであります。これは監理委員会法の法律にもうたわれておりますように、監理委員会の答申を出されましたならば、政府としてこれを尊重するというのが法律の建前でございますから、これを受けて長期債務の処理のあり方について閣議決定をいたしたということであります。 ですから、総理も本会議において答弁されておりますように、国鉄の自主努力、これにまちまして、その結果、どれだけ国民負担が必要なのか最終的に決めてまいりたい、こういうことで、その基本方針を国民の前に明示をいたしたわけでございまして、どうぞ、さような意味におきまして、具体的な内容につきましてはただいま作業中ということでございまして、できるだけのものは、この予算委員会にお出しできるものは出しますように、監理委員長及び国鉄に申し上げますけれども、作業の進行状況をこれからよくお聞きを申し上げつつ、また、監理委員会の委員長の立場もございますものでありますから、よくお聞かせをいただきまして、そういうことで御審議に供したい、このように考えておるところであります。(発言する者あり)
○小渕委員長 三塚運輸大臣。
○三塚国務大臣 お答え申し上げます。 先ほど来申し上げておりますとおり、最終最善の案ではないことだけは明確なんです。それと監理委員会、法律に基づいてやられて、答申を出しましたのが五兆八千億程度、売却をしてそれができるのではないか、こういうことでありまして、これを受けて国鉄がおやりをいただいておる。運輸省は、衆参両院の運輸委員会に提出をいたしました、この程度の話を受けておるわけです。 ですから、実行部隊がそういうことでありますから、先ほど私が申し上げましたとおり、法案の御審議をお願いをするべく、先ほどは三月十四日と申し上げましたが、財政関連法案もございまして、二月中旬、できるだけ早い時期に御提案をさせていただく、これには十分御審議が間に合いますようにお出しができ得ます、こういうことであります。そんなことで御理解を賜りたい、こういうことであります。(発言する者あり)
○小渕委員長 運輸大臣が答弁を求めておりますので、これを許します。
○三塚国務大臣 ただいま理事間の協議のお話を承りました。 先ほど来申し上げておりますことは、基本的に御理解をいただけるとは思うのでありますが、ただいま、これ以上に詳しい資料をと、こういうことで国鉄総裁にもお話を申し上げたところであります。 今、精査をいたしております中の、それでは、概数、箇所、その他ということについては、なかなか、最終的に決定をいたしておらない箇所もあるようでありますから、それをさらに深めた形の、ただいまの段階で出し得る限りのベストのものを委員長に御提示を申し上げ、それで御協議をいただく、そういうことにしたいというふうに思っております。そういうことでございます。 それと、五兆八千億の閣議決定の条項について、若干私の答弁で誤解があるようでありますから申し上げますと、これは、監理委員会が五兆八千で売れ、こういうことの御指示、これを受けて、監理委員会によれば五兆八千、政府はこれにできるだけ上乗せを図る、こういうことで閣議決定をいたし、それを運輸省、そして国鉄に命じておる、こういうふうに御理解いただきますれば正解でございます。 よろしくお願い申し上げます。(発言する者あり)
○小渕委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後二時十六分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕