法務委員会 第9号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/04/22
会議録
○福家委員長 これより会議を開きます。 お諮りいたします。 本日、最高裁判所山口総務局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福家委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○福家委員長 内閣提出、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 せんだっての質問に対しましてまだちょっと確かめなければいかぬところがございますのでお聞きいたしますが、その前に、法務大臣、けさは靖国神社へお行きになりましたか。
○鈴木国務大臣 行ってまいりません。
○岡本委員 きょうは、中曽根さんの姿は見えなかったけれども、朝から随分公式参拝といいますか、これは次の機会にやりたいと思っているのですが、もしも法務大臣がお行きになっているとちょっと問題だなと思ったからお聞きしたのです。 これから本論に入りますけれども、本法案では、外国法事務弁護士の資格の承認に対しまして日弁連の意見を聴かなければならない、こういうようにこの法律にあるわけです。法務省としては、日弁連の意見を尊重するという姿勢を堅持していく方針に変わりはありませんか、これをひとつ確かめておきたいと思います。
○井嶋政府委員 法務大臣が資格を承認する場合あるいは特定外国の法に関して指定を行う場合、いずれも個別の審査に際しましては日弁連の意見を聴くということになっておるわけでございますが、もちろんこの意見を聴くということは日弁連の意見を十分尊重するという趣旨でございますので、御指摘のとおりでございます。
○岡本委員 法律になぜ日弁連の意見を尊重するというように入れなかったか、この点についてひとつお聞きしておきたい。
○井嶋政府委員 日弁連との検討会その他の場面におきましてこの点につきましては十分協議を尽くしまして、実質的には意見を聴くという意味は尊重する意味であるということも十分説明してまいっておるわけでございますが、日弁連が定めました制度要綱におきましてもやはり意見を聴くものとするというふうに定められておりまして、検討会で私どもが説明いたしました趣旨を十分理解して、制度要綱自体におきましても尊重するという文言は入っていないわけでございます。十分その点については両者に理解があるという前提でこういう書き方になっておるわけでございます。 なお、削除されました旧七条の規定におきましても、当時最高裁判所が外国弁護士資格者に対して一定の業務を承認いたしましたけれども、その際にも日弁連の意見を聴くという条文になっておりまして、今回もその条文の形式を踏襲したというわけでございます。しかし趣旨は先ほど申しましたとおりでございます。
○岡本委員 それでは次に、共同経営の禁止の条項がありますけれども、共同経営と事務所の共同使用の区別を明確にする必要があろうと思うのです。例えば事務所経費の分担あるいはまた収益の分配、これについては非常に中身の調査が難しいようでありますけれども、これについてどういうような考えを持っていらっしゃるのか、またどういうようにするのか、四十九条の二項についての詳しい御説明をいただきたい。
○井嶋政府委員 四十九条二項におきますこの禁止の類型は、精密に申し上げますと二つに分かれるわけでございます。「組合契約その他の契約により、特定の弁護士と法律事務を行うことを目的とする共同の事業」を営むというのが一つの類型、さらに、その他の契約によって「特定の弁護士が法律事務を打って得る報酬その他の収益の分配を受けてはならない。」という一つの類型、この二つの類型に分かれるわけでございます。いずれの類型も、日本法に関する取り扱いを禁止されております外国法事務弁護士に我が国の弁護士と組合契約方式による共同経営を認めますと、外国法事務弁護士の収益が弁護士の収益に依存するというようなこととなります結果、外国法事務弁護士が収益の増大を図るために弁護士の日本法の処理に介入するおそれがあるということからこれを禁止しようとするのがこの法意でございます。 しかし、今御指摘ございましたように、外国法事務弁護士と弁護士がそれぞれ独立して適正な事務所経費を分担した形で一つの事務所を共同して使用するというような形態は、これはむしろ認めた方が適正な協力態勢が築けますし、それによって国際的な法律事務の適正な処理に資することになるだろうということから、こういった適正な経費の配分によってそれぞれ独立した当事者が一つの事務所を共同して使用する形態、これはむしろ認めた方がいいというふうに考えておるわけでございますが、御指摘のように、例えば今の事務所の共同使用の形態でありましても、経費の分担といいますか経費の負担が不適正なものになりますれば、これは別でございます。 これも二面の問題がございますけれども、例えば日本の弁護士が外国法事務弁護士よりも事務所経費を過剰な負担割合によって負担するような合意によりまして事務所を共同使用する場合、これはまさしく四十九条二項の後段に書いてございますように、特定の弁護士の得る報酬その他の収益の分配を受けたことになるという形で、実質的にはこの禁止に触れることになるというふうに考えられます。 他方、これとは逆に、外国法事務弁護士がこの事務所経費を日本の弁護士よりも過剰な負担割合によって負担するというような合意によりまして一つの事務所を共同使用する場合は、そのこと自体は条文上禁止されたようには見えないわけでございますけれども、そういった実態のある場合は、結局外国法事務弁護士が過剰な負担をするという合意の背景に、その見返りとしてやはり何か弁護士から収益の配分を受けるという合意が存するのが通例であろうと考えられるわけでございまして、そのような場合には四十九条二項後段の脱法手段ということに当たるのだろうというふうに考えるわけでございます。 また、外国法事務弁護士が事務所の経費を全部負担するというような形で日本の弁護士と事務所の共同使用を行うということになりますと、これは実質的には日本の弁護士を雇用して日本の弁護士の業務を支配しているような形で共同使用が行われるというような実質と同視し得る場合が考えられますから、こういった場合は、今度は逆に四十九条一項の雇用禁止の脱法手段というようなことでこれも禁止されることになるだろうというふうに考えております。 したがいまして、御指摘のように適正でない経費負担によって、つまり、どちらかが非常に利益を得るような形で共同使用を行うということになりますと、形は共同使用ということでそれぞれ独立した者同士が一つの事務所を使うという形態であっても、実質的に見てこの四十九条の一項あるいは二項に当たる、同じ結果を招来するというような形であれば、これは脱法手段であるということで禁止するということになるわけでございます。 いずれにいたしましても、こういった事務所の経営形態と申しますか業務のやり方につきましての指導監督は、本制度上は日弁連が行うこととなっております。したがいまして、日弁連の指導監督によってこれを規制していくということになるわけでございますが、実質的には必ずこういったものには日本の弁護士が関与するという形になるわけでございますから、比較的容易にそういった実態の規制を行えるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 今お話がありましたように、外国法事務弁護士の懲戒といいますか、これに対するいろいろな規制、これがなかなか 私がこの間も言いましたように、東京に一カ所しかないところの日弁連で全部その調査ができるかどうか。この間、濱田参考人の意見では、外国の弁護士というのは大体チームを組んでやっておるんだというようなお話がございましたから、東京に一カ所であるところの日弁連では、この点について調査し、また懲戒するということはなかなか難しかろうと思うのですが、各単位会が実質的にこの懲戒手続に関与ができるのかどうか、これをひとつお聞きしておきたい。
○井嶋政府委員 日弁連内の議論におきましても、あるいは私どものこの間の検討会におきましても、この点はいろいろ議論が出たところでございますが、結論的には本制度上は懲戒権は日弁連に専属させるということになったわけでございます。その議論の過程におきまして、今御指摘のように日弁連一本でそれだけの負担ができるのか、こういう議論も確かにございました。しかし他方、単位弁護士会によりましては、ほとんど外国人である外国法事務弁護士の懲戒ということになりますと、言葉の問題でございますとか、そういう意味ではいわゆる翻訳の問題も付随するわけでございますが、そういったような問題、その他懲戒手続、調査あるいは審査を進める上におきまして、日本の弁護士と比べて手続が非常に煩雑であり、難しいというような問題、さらには、単位会が懲戒権を持つことになりますと、本制度で審査の公平性を担保するために外部委員を政府職員を含めて入れるというような公正担保のシステムをつくっておりますけれども、そういったものをそれぞれ単位会につくるというのもなかなか過重ではないかというような議論がございまして、むしろ単位会によっては、調査をしたい単位会は調査ができる、調査をすることをしないで直接日弁連に懲戒の審査をさせた方がいいと考える単位会はその道もとれるというような、いわゆる折衷と申しますか、そういったような形で解決するのが一番いいだろうというのが結論的な会内の議論でございまして、本制度では日弁連に懲戒権は専属させましたけれども、単位会でもやろうと思えば調査をし、そして懲戒の必要があると思えば懲戒請求を日弁連にやるというシステムをつくることにいたしまして、単位会がどちらの道を選ぶかということが選択できることになったわけでございます。
○岡本委員 この点はっきりしておきませんと、大体認定は日弁連の意見も尊重するけれども、法務省でどんどん外国法弁護士を認定していく、あとの懲戒は、処罰する方は日弁連でやるということですからね、はっきりした規則をきちっとつくっておかないと、そこに訴訟が起こったり将来トラブルが起こるんではないか、これがまた国際的に問題になってくるんではないか、こういうように考えますのでお聞きしたわけです。 そこで、この法案は二年以内に政令でということで、この間もちょっとお聞きしたのですけれども、それについて日弁連や単位会で会則を制定することが必要であろうと思うのです。この間も日弁連の御意見では一年程度でできるんじゃないか、こういうことでしたけれども、最後には、まだいろいろ詰めておりません、総会を開いたりいろいろしなければなりませんので、会則についてはこれから非常に苦慮するところだというような御意見があったように思うのですけれども、これについて相当の日数を要するのではないかと思うのですが、政府はどのようにお考えになっておるのか、またその根拠についてひとつお聞きしておきます。
○井嶋政府委員 先般の日弁連の竹内参考人の意見あるいは質疑に対する答弁の中でも出てまいったわけでございますけれども、これから日弁連はこの法案の施行の細則を定めます会則の制定作業を行うことになるわけでございますが、この会則を策定するにつきましては、既に日弁連内に会則案文等検討小委員会というものを設けてこの四月三日に第一回の会合を行ったというような御説明があったと記憶いたしております。いずれにいたしましても、日弁連におきましては、この施行の細則を定めることとなる会則につきましては、早急に対応を考え作成しなければならないという考え方を持っておられることは確かでございます。 外国法事務弁護士に関します会則につきましては、この法案におきまして、「会則で定めるところにより、」というような形で何カ条か会則を定める義務を規定しておるわけでございますけれども、この会則は、現在の弁護士に対して定められております会則、あるいはいわゆる準会員、旧七条で資格が認められその後経過措置として活動が認められております外国弁護士資格者を準会員と申しますけれども、この準会員に対して定められております会則、これは準則と申しますが、そういったような既に一種のモデルがございますので、そういったモデルを参考にしながらこの法案の目的、趣旨を具体化して会則を定めていくわけでございますので、いわば新しい会則を書きおろしていくというふうなものではないと考えておるわけでございます。 そこで、前回の竹内参考人の御意見でも、会則そのものをつくるのはそんなに時間がかからないのだ、むしろ会内の手続と申しますか手順と申しますか、理事会だとか代議員会だとか総会といったような各機関の決定を経なければならないという点に日時を要することになるのだ、こういう御説明だったと思いますが、私もまさにそのとおりだと思います。 どういう手順、手続によりましてこの会則を制定をされるかということは、これはすぐれて日弁連の自治に絡む問題でございますから、現在の執行部がどういう手順でやられるかということについては、まだ私どもと協議をしておるわけではございませんけれども、実態はそういうことでございますので、竹内参考人が言われたように一年ぐらいあれば会則は制定できるんではないだろうかというふうに思っておりますし、また私どもも、この国内準備が整いませんとこの法律の施行ができませんので、そういった意味で、できるだけ早く国内整備を図る意味で、会則制定はできるだけ速やかにやっていただきたいという希望を持っておるわけでございます。 なお、付言いたしますと、会則と同じようなレベルでこの法律の施行細則として私どもも省令をつくる義務がございますので、私どもも同じような意味で省令の作成作業に法案成立後直ちに取りかかるというつもりでおるわけでございます。
○岡本委員 この法律は二年以内にということで政令委任するわけですから、その点がきちっと整わないことには大変だと思いますのでお聞きしたわけです。日弁連も今度は執行部がかわりましたし、相当いろいろな批判もあるところもありますから、ひとつよく話し合って、これは立派に二年以内に仕上げていくというようにひとつ御努力をいただきたい。 〔委員長退席、太田委員長代理着席〕 そこで、法務大臣の提案理由の説明の中で、国際的法律事務が増大していると。確かに企業が外国からも来ますし、また日本からもどんどんこれから行くと思うのですけれども、そういうことで、本制度は政府と日弁連が協力し合って国際的な視野に立って運用していくということが大切であろうと思うのですが、これについてひとつ御意見を承りたいと思います。
○井嶋政府委員 提案理由説明でも述べておりますように、今回つくります外国法事務弁護士制度は、我が国の弁護士制度の問題でありますが、それとともに増大する国際的な法律事務に的確に対処する、その充実に資するという目的を掲げておるわけでございますので、そういった意味で我が国の弁護士制度という観点からだけではやはり一方に偏するということになろうかと思います。そういった意味で、広く国際的視野に立って運用されるべきだという御指摘は、そのとおりであるというふうに考えております。 ただ、そうは申しましても、この外国法事務弁護士の制度は、御案内のように日弁連の自治の中に外国法事務弁護士を組み入れて、日弁連の指導監督のもとにこれを弁護士に準じて律するという側面を持っておるわけでございますので、そういった意味で、今後ともこの運用につきましては、日弁連の自主的な意見と申しますか、これも十分尊重するという姿勢で運用してまいるということが必要であろうと考えておりまして、今後ともそのような方針でまいりたいというふうに思っております。
○岡本委員 法務省としても、この間の参考人の東大の先生あるいはまた濱田参考人の話を聞いていると、今までの日本弁護士連合会の閉鎖性というようなことを随分攻撃をしておったようでありますけれども、それと国際的立場、この指導といいますのは非常に難しかろうと思うのです。したがって、この外国法事務弁護士、これは弁護士制度の根幹また秩序、いろいろ運営については非常に難しかろうと思うのですけれども、その点はよく指導しまた誘導して、トラブルのないようにスムーズにいけるようにお願いをいたしたい、こう思います。 次に、法案の第一条に「外国における日本法に関する法律事務の取扱いの充実に資する」、こういうようにございますが、相互主義でありますから、この間からの指摘によりますと、アメリカとの問題ではニューヨーク州、ワシントンDC、ミシガン、カリフォルニア、ハワイ、こういうものが本法施行のために必須条件であるというように御答弁をいただいたわけであります。そのうちニューヨーク、ミシガン、ワシントンDC、これは開放されたと聞いておりますけれども、あとカリフォルニア、ハワイ、これについてはどういうように努力なさるのか、あるいはまた見込みがあるのか、なおこの上に、日弁連の方のお話を聞いたときにはテキサスを入れてもらいたいというような話がありましたけれども、この三州についてひとつお聞きをしておきたい。
○井嶋政府委員 ただいま委員が御指摘になりましたように、この法律の目的の一つとして日本法に関する法律サービスの充実、これは特に外国における日本法に関する法律サービスの充実というものを目的としておるわけでございます。そのてこになりますのがこの法案で相互主義を掲げておる理由になるわけでございますけれども、そういった観点から、特にアメリカのような連邦国家の場合には、できるだけ多くの州に開放してもらうことが我が国の国益にかなうんだというふうに従来とも私どもは主張をしてまいっておりますし、アメリカ側も、できるだけ多くの州があいて国対国との関係でも実質的に均衡が保てるようにすべきだという我々の要望については十分な理解をしておるところでございます。 そんなことでございますので、従来ニューヨーク州だけ一州しかあいていなかったものが、最近ミシガンあるいはワシントンが開いたというような動きになったものだというふうに私も思っておりますが、現在残りました二州、カリフォルニアとハワイにつきまして、アメリカ側の情報によりますとドラフトが既にでき上がっておりまして、州の最高裁判所と州の弁護士会とでいろいろ検討、協議をしているという段階であるというふうに聞いておるわけでございます。そして本年中は間違いない、この夏ぐらいまでには開くのではないかというような予測も伝えてきておるわけでございまして、私どもは少なくとも日弁連が関心を持っておられるこの五州につきましては早晩開放をするのではないかというふうに期待をいたしておりますが、なお今後いろいろなチャンネルでこの開放に向けて努力をしてまいるつもりでございます。 それから日弁連は、この五州は必須といたしましても、さらにテキサスあるいはイリノイといったところにも関心があるというような会内からの要望も伝えてきていただいておるわけでございますけれども、テキサスにつきましては、最近の情報ではテキサスの弁護士会が検討に着手したようであるというふうに聞いておりますので、これもぎらにその動きを注目しながら要望を続けてまいりたいというふうに考えております。イリノイにつきましては、実は昨年一たんでき上がりました改正案が拒絶されたといういきさつがございまして、近い将来直ちにそれがもう一度復活するかどうかという点については問題があるやに聞いておりますけれども、しかし、やはり開放に向けての検討はなされたという事実があるわけでございますから、さらに日本サイドからのいろいろなチャンネルによる説得というものが功を奏せばイリノイもまた考えが変わってくるのではないだろうかというふうに考えるわけでございまして、いずれにいたしましても、できるだけ多くの州があくことを基本原則といたしまして、今後とも政府としても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○岡本委員 日本は全国全部ですからね。地方は余りないだろうということでありますけれども、これは地方にも外国企業が進出してくるということになりますとわかりませんが、アメリカの方は連邦でありまして各州の規則で決まるわけですから、各州の力が非常に強いわけで、米国政府と話をしたところでなかなからちが明かぬだろうと思うのです。そういうことで大変交渉は難しかろう、こう思うのですけれども、ぜひひとつ各州が、特に日本企業の多いところに対しては開放できるように最大の努力をお願いしたい、こう思います。 そこで、この間も私が指摘いたしましたのですけれども、米国の弁護士は現在六十五万人ですか、今度は七十何万人になるだろう、それらの弁護士が本制度ができた場合に我が国に大量に流入してくる、こういうおそれはどうなのか。また、その外国人の弁護士がきちっとした、日本で適正に業務を行える見込みがない、それなのにたくさん流入してきて国民に損害を与える、よくアメリカなんかでも聞いておりますと、すぐ弁護士を連れてくるとか、国会でもすぐ弁護士を連れてくる、こういうようないろいろな状態がありますから、弁護士もいろいろあるらしいのですけれども、そういうことで国民に損害を与えるということのないようにする、そういう点についてどういうようにお考えになっているのか、これを聞いておきたい。
○井嶋政府委員 今度の制度におきましては、外国法事務弁護士の職務範囲が我が国の弁護士と比較いたしまして狭められておりますことは御案内のとおりでございますが、法廷活動ができない、それから行政官庁における手続の代理等もできない、あるいは一定の規定されております文書の作成もできないというような中で、原則として原資格国の法に関する法律事務を行うものだというような職務範囲を持っておるわけでございますので、そういった意味合いにおきまして、まずこの職務範囲の点から、日本におきます外国法事務弁護士の法律サービスにもおのずから一つの限界があるだろうというふうに考えるわけでございます。 そしてさらに、東京とか大阪、名古屋といったような我が国の大都会に進出してくることが考えられるわけでございますけれども、そういった都会における事務所の開設あるいは住居の設定といったような、いわゆる開業に伴いますいろいろなコストといったものもまことに高いと言われておるわけでございまして、そういった経費を十分賄えるだけの人がそんなにたくさんいるだろうかというような問題も一つあるわけでございます。 それから、アメリカ弁護士は、日本へ進出することのみを目的としているわけでなくて、諸外国にも出ておるわけでございますけれども、ヨーロッパでは、例えばロンドンでは約百五十人ぐらいいると言われておりますし、フランス・パリではコンセイユ・ジュリディックとして登録されておりますのが八十八名、その他加えましても百名から百五十名ぐらいの間と言われております。さらに、西ドイツに至りましては十五名程度だと言われておりますし、ベルギーにおきましては二十六名程度だということ、これはいずれも日弁連のヨーロッパ調査の際に調査された数でございますけれども、そういった数でございまして、いわゆる大量にアメリカ弁護士が各国へ進出しているという状況にはないということも一つ参考といたします。そういたしますと、今申しましたようないろいろな要素から考えまして、御指摘のように六十五万人いるから大量に来るのではないかというような御懸念は私は必ずしも持っておりませんで、せいぜいやはり合理的な範囲内での数になるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、適正でない者が流入してきては困るという点はもう御指摘のとおりでございますので、この法案の十条の一項三号におきましてその承認の基準として掲げておりますことを御説明さしていただきますが、この一項三号にございますように、外国法事務弁護士となる資格を承認してもらうためには、「誠実に職務を遂行する意思並びに適正かつ確実に職務を遂行するための計画、住居及び財産的基礎を有するとともに、依頼者に与えた損害を賠償する能力を有すること。」という基準がございます。つまり、我が国におきまして適正に業務を遂行する意思と、それから財産的な基礎といったものがあり、依頼者に不測の損害を与えた場合にはそれを賠償する能力というものも立証させるというようなことを考えておるわけでございまして、そういった基準にパスすることが資格を承認される前提でございますから、私どもはその辺の運用につきましては、委員御指摘のような懸念を生じないように適切にやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 この間も私お話ししましたように、例えばイギリスでは入国審査に当たって自国民の雇用関係に支障がないかとか、西ドイツでもやはり需要充足の可能性なんかを許可条件にしておるのでありますから、許可については各国を見ますと非常に厳しいわけでございます。したがいまして、この間の答弁では、なかなか雇用条件ではちょっと難しいのだというようなお話でございましたので、いずれにいたしましてもその点については適正な審査をしていただきたい。 そこで、最後に、きょうは入管の小林局長さんおいでになっていますが、よく日本へ観光ビザで入ってきまして、そしていろいろ仕事をしている、バイトのような仕事をしながら入っているというのが雇用関係から想像されるわけです。したがいまして、こういう場合、観光ビザで来てこっちで働いた人、これは見つかったらどういうように今までなさっているのか、今後もするのか。同時に、この事業主、これがわかりながらそういうのを使うというのが多いようですが、この二点についてひとつ御答弁いただきたい。
○小林(俊)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、最近特に目につく現象といたしまして観光査証、観光を主とする短期査証でございます、四−一−四と言っておりますが、この査証を持って入国しながら実際には報酬を伴う業務に従事するというケースが激増いたしております。この摘発状況を一べついたしますと、昨年一年間でいわゆる資格外活動、業務に従事する活動をもって摘発されましたのが総数二百十八名でございます。この数は極めて少ないというふうにお感じになるかと思いますが、これは資格外活動という形で摘発された者が二百十八名ということでございまして、このほかに極めて多数の不法残留という形で摘発された者がございます。すなわち実際に与えられた十五日であるとか三十日であるとか六十日であるとかといった期間を超えて我が国に半年、一年あるいはそれ以上も残留いたしまして本来の目的である査証発給の目的を超えて業務に従事していたという事例でございます。この数、すなわちこういう資格外活動絡みの不法残留ということで摘発された者が昨年一年間に実に六千三百七十三名に上っておるのであります。この六千三百七十三名の内容を一べついたしますと、極めて多い、すなわち七〇%弱がフィリピンからの入国者でございます。この入国者のうちほとんどが女性でございまして、いわゆる水商売に従事していた人々であります。しかしながら、最近男性もかなりふえておりまして、これらの男性はほとんど肉体労働に従事する人々でございます。フィリピンだけについて見ますと、四千三百十七名が不法残留で摘発されておりますが、この約一割足らずが男性でございます。男性の出稼ぎケースがふえておるというのが最近の状況でございます。 こうした状況にございます中で、これらの人々を雇用していた者についてどういう処置がとられるかという御質問でございますけれども、現行法のもとにおきましては、不法残留者あるいは資格外活動者を事情を知りながら雇用したというだけでは、これを処罰する規定がございません。したがいまして、将来の立法論といたしましてはこれを処罰の対象にする、独立した犯罪とするということは考慮の余地の大いにある問題でございます。しかしながら、現在のところはこれは独立した犯罪としては処罰の対象となっておりません。ただ、概念的には、理論的には、例えば教唆罪あるいは幇助罪ということで刑法総則の規定によりまして処罰することは可能でございます。しかしながら、これはあくまで正犯、すなわち資格外活動あるいは不法残留といった正犯が成立して初めて処罰の対象となる犯罪でございまして、実際のところは、実際にはこれを立証することが極めて困難であるということから、ほとんどこれが適用された例を承知いたしておりません。したがって、これは理論的には処罰は適用であるけれども、実際には雇用主が処罰されるということはほとんどないと言ってよろしい現状であるわけでございます。ただ、この観光査証ではなくて興行査証を持ってきて、そして実際には歌うたいが歌を歌うことなくあるいは歌を歌っても売春に従事するといったような資格外活動のケースもございます。この場合には、公開興行の場合には招聴者、エージェントあるいはプロモーションというものがございますので、これらの者に対して行政指導を行う、あるいは不良プロモーターリストをつくって今後の招聴を認めないといった行政指導的な制裁は加えております。しかしながら数としては極めて少のうございまして、ほとんどの資格外活動あるいは不法残留は先生御指摘の観光ビザによる入国者であって、その現況はまことに憂えるに足る状況にあるということでございます。
○岡本委員 終わります。
○太田委員長代理 松浦利尚君。
○松浦委員 最後の質問に入る前に法務大臣にちょっとお尋ねをしておきますが、実は新聞の報道等ですからわかりませんが、この撚糸工連の事件に関連して横手代議士が検察当局から事情聴取を受けた。それで、この連休前には特捜部はもう結論を出したいというようなことで何か動いておるという話なんですが、新聞で承ると、検察当局は事前に法務大臣に全くそういったことについては連絡なり相談というのはなかったんでしょうかね。そういうシステムになっておるんじゃないですか、全く初めから。自由に特捜部は、法務大臣に報告することなくやれる、こういうことではないでしょうかね。もちろんやってもいいんでしょうけれども、そういう慣行になっておるんでしょうか、ちょっと聞かせていただけますか。
○根來政府委員 所管局長は刑事局長でございますが、出席しておりませんので簡単にお答えさせていただきます。 検察庁の運営上いろいろな問題、大きな問題がございましたら大臣に報告する、検察庁から自主的に報告するということになっております。それは所管局の刑事局を通じて大臣に報告する扱いになっておりまして、本件につきましても大臣のお耳には入れております。
○松浦委員 それでは官房長、今のは事前にあったというふうに理解していいんですね。
○根來政府委員 検察庁の方から大臣にお耳に入れてくれという話がございまして、その取り調べの前に大臣に報告しております。
○松浦委員 今、連休前にこの問題の一切の処理を終わりたいというようなうわさがずっと流れているわけですよ。そういう問題に関連をして、それでは事態の発展について、もうここで終わってしまうのか、それともさらに新たな発展に進むのか、そういったことについては、内容的なものは別です、そういうことについても一応事前に検察を通じて、刑事局長を通じて耳に入っておりますか。
○根來政府委員 差し出がましく申し上げますけれども、まだそういうことについて検察庁から刑事局の方は報告を受けてないと承知しておりますので、大臣のお耳には入れてないと思います。
○松浦委員 いや、きのうからそういううわさが国会周辺やら私たちの会館周辺に非常に広がりまして、そういうふうになってくると何か政治的な意図で特定の人だけがやられたというような感じを私は受けるものですから。そうでなければいいです、そういう報告がないということですからね。こうした問題については国民の疑惑を少なくとも途中であいまいにしないように、真相を明らかにしていただかなければなりませんから。だから、もしそういうことが耳に入っておるとすれば私は大臣にそのことのお願いをしようと思いましたけれども、そういうことがお耳に入っておらぬということですから、それでは結構です。この前ここでお話しになりました大臣の決意で臨んでいただきたい、それでよろしいですね。——大臣、こうしておられるからいいということですな。わかりました。そういうことでお願いをいたします。 それでは本題に入らせていただきたいと思うのですが、赤羽調整局長、この法案に関連して後でお尋ねしますが、その前に、きょう、ちょっと気にかかるものですから。 御承知のように公定歩合、アメリカとの間で協調利下げに踏み切ったのですが、円の安定化をねらった協調利下げであったし、そのために日銀が介入したといううわさも流れておるのですね。にもかかわらず百七十一円八十銭という最高値を更新しておる。海の向こうでは、購買力平価からいくとやはり百六十五円くらいまでは妥当なんだ、場合によれば百五十円という説も流れておるのですね。一体ターゲットゾーンというのは、ここで話はできないと思うのですが、こういう急激な円高というのはますます中小企業、特に輸出関連企業というのは耐えられない状況に来ておると思うのです。ですから、円高デフレというのは本当に厳しくなってくると思うのですが、そういう点について、この法案とは関係がありませんけれども、あなたは専門家ですから、官庁エコノミストのエキスパートですから、ひとつ簡潔に教えていただけますか。
○赤羽政府委員 ただいま御指摘のように、昨日史上最高値をつけました円は、きょうの寄りつきでは百七十円十銭、こういうことでさらに値上がりをしております。これにつきましては西ドイツが今回の公定歩合の引き下げに追随しない、こういうふうに観測をされておりまして、その関係もありましてドイツ・マルクがさらに高くなるだろう、それとの関係で日本の円が割安感が出た、ここで投機が出た、こういう見方もあるわけでございます。 過去の経験から申しますと為替レートが急激に動く場合には、ある地点まで行ってまだかなり反落をするという経験もございます。そういったようなこともまた起こってもらえれば、こういう期待もあるわけでありますが、当面はなお円の上げ趨勢と申しますか、上げ機運が強いというのが状況だと思います。 こういう事態に対しましてどういうことにするのかということでありますけれども、四月八日に総合対策というのを打ち出しましたけれども、これなどできるだけ早くかつ着実に実行していくということが私どもといたしましてはなすべきことだろう、こう思います。 御質問にございました購買力平価でありますけれども、これはいつの時点を基準にして計算をするのか、あるいは購買力平価と申します購買力を消費者物価で考えるのかあるいは貿易に関係があるということで工業製品の卸売物価で見るのか、こういうことでいろいろ違うと思います。中にはGNPデフレーターというので計算をするというのもございます。日本の経常収支それからアメリカの経常収支がほほ均衡しておりました一九八〇年ごろを基準にいたしまして購買力平価を計算すると大体百八十円あるいは百九十円、二百円近い計算ができるわけであります。それに対しまして例えば変動相場制に移行した昭和四十八年の春くらいを基準にしてしかも貿易に関係があるということで卸売物価の工業製品、これで計算をしますとやはり百六十円とか、あるいは今で言いますと百五十円よりも上になるということは百四十円台、こういう計算にもなるわけであります。そういうことで購買力平価というのは余り決め手にならない、こういうふうに考えておりますけれども、いずれにしても円の先行きがさらに上がるのではないかという不安感がある、こういう状況のもとで企業心理、特に輸出関連の中小企業に対する困難な状況、これが大変に憂慮されるところである、こういうことだと思います。 協調利下げがこういった事態を招いたのではないか、こういうことが一部心配されておりますけれども、本来はこうした円がまた高くなるという事態を避けるという意味で協調利下げをした。向こうが利下げの必要があると言うものですから日本側も協調して利下げをした。したがいまして、アメリカと日本との相対関係は変わらないはずだったんですけれども、こういうことになった。日銀当局も昨日かなり大規模な介入をされましたけれども、それにもかかわらずきょうまた寄りつきで高くなっている。こういうことから、やはり投機の流れが円を高くする方向に向かっている限り、相当な努力といってもなかなかすぐには効き目がないのかな、こういう状態ではないかと思います。 いろいろ申し上げましたけれども、結局内需拡大のための総合対策を着実にかつできるだけ早く実行していくということと、あとは金融当局のそれぞれの御努力を待つほかないというのが状況かと思います。
○松浦委員 この問題は本題じゃありませんし、きょうの本会議で緊急質問等で当然各党討論をされることですから、また機会を見て議論させていただきたいと思います。 そこで、きょうは事前にいろいろございましたけれども、今度の外弁法案そのものが貿易摩擦の中からクローズアップされまして、そしてアクションプログラムの中に入れられた。これは明らかにサービス部門というか、あるいはそういう制度そのものが日本の文化的な範疇に入るのか、我が国独特の弁護士法という法律の誕生してくる素地、そういった意味でそれぞれ国、国によって違うと思うのですね。ところが、そういう違いを乗り越えて何で貿易摩擦の一つの対象としてこの問題が登場してきたのか。その点について、当時は経済企画庁の金子前大臣がこの所管だったそうですから、それで経済企画庁の方からおいでいただいたんですが、その本当のいきさつは一体何だったんですか。やはり経済摩擦なんでございますか。
○赤羽政府委員 サービス貿易の自由化という問題意識というのは十年余り前、七〇年代の前半から特にアメリカ側の主張によって広まってきた、こういうふうに理解をしております。それ以後、相互にサービス貿易の自由化を進めよう、こういう機運が強まってきた。特にことしの九月に交渉開始が予定されておりますガットのニューラウンド、これにおきましてサービス貿易の自由化というのが非常に大きなテーマとして取り上げられる、こういうこともございまして、サービス貿易自由化という問題にさらに焦点が当たっている、こういうことではないかと思います。 しかし、このサービスの分野といいましてもこれは極めて広い分野であります。交通、通信サービス、あるいは観光、さらにはいろいろな知的財産権、弁護士あるいはお医者さんなども含めました専門職業、こういうものに至るまで極めて広い経済活動でございまして、さらにサービスというものの生産活動はこれを消費される場所で行われる。普通の商品でありますと、アメリカで生産したものを日本で輸入をしてこれを消費する、こういうことが可能になりますけれども、サービスというのは生産の場所で消費される、こういうのが特徴でございます。したがいまして、それぞれの対象国の歴史的、社会的背景あるいはそれぞれの国のいろいろな制度の違い、こういったようなものも非常に大きい分野であるということだと思います。したがいまして、自由化を推進する、こういうことでありましても、これら非常に広い、多種多様な経済活動を一般的に扱うということは困難だということでございまして、個々の分野の諸事情を考慮して対応する必要がある。ただし、そうした場合に、経済全体の国際化あるいはそれぞれの国におきますところの取り扱いの透明さといったようなことに気をつけて対処しなければいけない、こういうことでございまして、アクションプログラムにおきましてサービスの分野が取り上げられた意義というのも、今申し上げましたような観点から、そういう意義を見出して取り上げたということでございます。
○松浦委員 これは大臣にお聞きしてもいいと思うのです。法務大臣であると同時に国務大臣でございますから、大臣からお答えいただいてもいいし、局長からお答えいただいても結構ですが、こういう形で全く制度の違うものについてまで貿易摩擦ということで持ち込まれて、そしてそれに対応するように法律を、受け入れ態勢を我が方でつくるという一つの突破口ができますと、御承知のように今アメリカの方で外国人居留者に対する健康保険の適用という要求が出されておりますね。そうすると、当然のように弁護士から今度は医者、国家試験である医者についても当然自由化の対象にすべきだ、歯医者についてもやれ、いろいろ日本という一つの風土の中ででき上がっておるサービス、そういったものをどんどんアメリカから無理に、私はこれは率直に言って無理難題を持ち込んできて、そしてこれが一つの起爆剤になりまして、弁護士ですら日本はこういうふうに対応したじゃないか、これはまた後でいろいろ議論しますけれども、それじゃ今度はお医者さんだ、歯科医だ、そういうふうに次々と、要するに貿易摩擦というものを持ち出しさえすれば日本は何でもかんでも受け入れる。確かに国際的な視野に立たなければならないし、日本の経済は国際を抜きにしては存在しない大きなものになりましたけれども、しかし、だからといって何でもかんでも経済摩擦で次々とこんな形で持ち込まれたのでは、専門業を職業とするものについては大変なことになると同時に、日本国民もこれによる被害を受けてくるのじゃないかと思うのですね。私はこれはもう法律が出されるので、これで結構です。しかし、これ以上どこまでいくのか、中曽根内閣はどこまで自由化しようとするのか、そういう点についてわかっておられたら教えていただきたいと思うのです。 ところが、説によると、アメリカから要求が出た段階で、お医者さんであればそれは厚生大臣がどうするか議論をすればいい。金曜日のレクチャーでは、そういうお話だったんですよ、総理府の方で。私はてっきり総務長官だと思ったら、いや総務長官は関係ありませんと。だから、アメリカから要求が出た段階で日本政府は対応するのか、それともアクションプログラムをつくった段階で、もうここまでですよ、これ以上は少なくとも拡大をしない。だからその限度ですね、どういうふうに議論されているのか、その点をちょっとお聞かせください。
○赤羽政府委員 サービス分野の自由化の推進という点に当たりましては、確かに外国からの要求というのが一つのきっかけになる、こういうふうに考えておりますけれども、基本的には世界経済の相互依存関係と申しますか相互浸透関係、これが非常に強まっておる、こういう状況のもとで、むしろそうした必要性が、やはり経済のいわば下部構造と申しますか実態と申しますか、そちらの方から出てきている、それにこたえるということも必要なことではないか、このように理解をしております。 先ほども申し上げましたように、非常に広い、多種多様な経済活動でございますから、これを一般的にこうだということは言えないと思います。したがいまして、個々の分野の諸事情を踏まえて慎重に対応する、こういう必要があるというふうに理解をしております。 お尋ねのアクションプログラムに取り上げた分に限られるのかという点でございますけれども、これはそれに限定されるということは言えないのではないか、こういうふうに思っております。お医者さんの例を挙げましたけれども、日本人が外国人のお医者さんにかかるということではなく、日本に来ていろいろ活動しておられるビジネスマンとかその家族とかこういう人たちは、日本のお医者さんではどうも日本語ができなくてうまく診てもらえない、こういうのに主として対応するための需要である、こういうことではないかとも思います。 そういったようなことで、先ほども申しました経済活動というのが相互に依存関係あるいは相互浸透関係が深まっている、そこに実態的なそういう要請の出てくる基礎があるわけでありますから、きっかけは外国の要求でありますけれども、国際化の中での日本経済の立場から、そのメリットあるいはデメリットを考えて個々に対処すべきものであると理解しておる次第でございます。
○松浦委員 そうだとすれば、従来我々が理解しておった法というものが、今の局長の御答弁によると、これから受け入れるための法改正というのがどんどん進む、そうすることがより我が国の経済発展にとってプラスになるのだというふうに我々は理解をすべきなんでしょうか。その点はどうでしょうか。
○赤羽政府委員 我が国の経済あるいは我が国の社会にとって利益になる、そういう形のものは当然受け入れるべきでありますし、デメリットの多いものは、その個々のケースにつきまして個々の分野ごとに事情を判定して対処すべきだ、こういうふうに理解しております。
○松浦委員 それでは、昭和四十八年でしたか公正取引委員会がOECDの勧告を受けて我が国で調査をした規制がありますね、政府がコントロールしておる部分にかかる数字、そういったものについては将来はもう全部コントロールを外す、それに対応する法体系をつくるということがやはり正しいのだというふうに結論づけて、理解してよろしいですか、あれは四十三年でしたか四十八年でしたか忘れましたが。
○赤羽政府委員 それも個々のそれぞれの分野ごとに判断すべき問題であると思います。
○松浦委員 それでは、法務省の方にちょっとお尋ねをいたしますが、この法律は、御承知のように弁護士会の方で会則をつくることになっていますね。先ほど岡本さんも発言されたのですが、その会則の内容が、外国の弁護士にとっては非常に不満足であるという会則が出た場合には、トラブルが起こり得る可能性があるのじゃないですか。ですから、そういうトラブルが起こらないためには、会則をつくる段階で外国の弁護士なり代表を入れて会則をつくるというような構想が弁護士会の方にあるのか、あるいは一方的に我が方の弁護士だけで会則をつくる、それでは、その会則ができたときのトラブルはどのように処理をされるのか。 例えば一つの例ですが、外国の弁護士を懲戒処分する場合ですね。その方法は、要するにこの外国弁護士というのは所属弁護士会及び日弁連の会則を守る義務がある、それを守らない場合は懲戒事由となる、懲戒処分を受けることがある、日弁連から登録を取り消される場合がある、法務大臣から承認を取り消されるというような手続を踏んでいくわけでしょう。それじゃ、その弁護士会の会則で外国弁護士が懲戒事由に該当するという、その懲戒事由ですね。その点について事前にある程度こういう点は懲戒対象になるんですよというような話し合いかないまま一方的に決めていけば、当然その会則というのはトラブルの対象になると思うんですよ。会則ができなければ、この法案というのは実効を持たないわけですね。そうでしょう。その会則というのはどこまで現実に進んでおるのかを一つお聞かせいただきたい。それでそういう会則に対するトラブルはどのように解決しようとしておるのか。 それから、そういうふうな重要な会則が決まらないのに何でこんなに急いでこの法案を上げなければならぬのか。私は何も上げないと言っておるんじゃないですよ。上げるのに賛成です。大臣や部長さんの言われるのに賛成ですよ。しかしどうもその点が附に落ちないんです。何でこんなに急ぐのか。会則なんかもちゃんと準備して、我々国会議員みんなに会則はこうでございますよと出されて、そして会則も含めて議論をされて法案というものが審議されるというのが私はまともな国会審議だと思う。通したって、これは発効しないわけだから。通っただけのことなんですから。その三つのことについてお答えいただきたいと思います。
○井嶋政府委員 まずその日弁連がつくります会則の意味合いということでございますが、これは政府がつくります省令と同じような意味で本法を施行するための細則を定めるものでございます。そういった意味で、実は私どもの法務大臣が担当いたします事務が資格の承認及び特定外国法の指定という事務でございますけれども、この事務を行います細則につきましての省令も実はまだでき上がっておりません。本法が成立いたしましたら直ちにその作業に着手することにいたしておるわけでございます。同じような意味で会則につきましても本法の施行をよりスムーズ、円滑に行いますためにつくるものでございますけれども、これもやはり本法が成立後直ちに着手するという性質のものであろうかというふうに思っております。 そこでこの作成作業の現状でございますけれども、日弁連内では既に外国弁護士対策委員会の中に設けられました会則案文等検討小委員会が発足いたしておりまして、ここが作業に着手をしておるということでございますが、この会則は、今申しましたようにこの法律の目的に従いましてこれを実施するにつき必要性のありかつ合理的な範囲内でつくるものでございますから、あくまで法律を離れて委員のお言葉のような非常に規制的な会則ができ上がるというものではないというふうに考えておりますけれども、他方この会則、外国法事務弁護士に関してつくられます会則は、現在ございます弁護士に対する会則あるいは準会員に対する準則といったようなものがモデルになるわけでございますので、そういった意味におきましても、極めて特異な会則ができ上がるということは、先ほど申しましたこの会則の性質上あり得ないのではないだろうかというふうに考えております。 しかしながら先ほども御指摘のように会則を守る義務がございまして、それに違反をいたしますと御指摘のような手順で懲戒処分になったりあるいは日弁連の登録の取り消しになったり、また除名処分というようなことになりますれば、これは法務大臣の資格の承認の取り消しという手続にも進むわけでございますから、そういった意味で、この会則がどのような内容を盛り込むかあるいはその会則についてどのように周知徹底をするかということが重要であることは御指摘のとおりだと思います。 そこで私どもは、本法を施行いたしますまでにできるだけ早く私どもの省令と会則をつくりまして、それを英文その他の外国語に翻訳をいたしまして、できるだけいわゆる手引書みたいな形にいたしたものを当該申請者に交付するというような事前準備も考えておるわけでございまして、施行までにはそういったものの周知徹底も図るということを考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、省令、会則ができ上がりませんと本法の施行はいたしませんので、そういった意味においては白紙規定のまま施行に入っていくということだけは絶対にございませんことを申し上げておきたいと思います。
○松浦委員 会則を守る義務が規定づけられているんですね。そうすると、守る会則がないのに、我々国会議員だって守る会則というのはどういうものかわからないのに、要するに守れという義務だけをここで議論をして法律を通す。そうすると、あとの会則というのがえらい大変な会則をつくり上げてしまった、そういうことはないかもしれませんが、結果的にそのことが逆にまた経済摩擦の原因をつくり出した、何だと。御承知のように電気通信機器の基準・認証ですね、これが経済摩擦の対象になりまして、それでこのJIS規格を制定する委員会に電気通信機器については外国企業の代表を入れなければならぬというふうに追い込まれたでしょう、日本政府が。それと同じようなトラブルが起こってくるんじゃないですか。それを心配するのですよ。そういうことがないという保証をそれじゃどのようにして担保するのか。だから電気通信機器の技術基準・認証のように外国の弁護士を事前に入れて会則をつくっていけば問題ないでしょうけれども、そういう指導をやろうとされるのかどうか。 もう一つ、さっきお答えがないのですが、何でこんなに急ぐかというのです。会則がゼロ、白紙でしょう。会則が全く議論されておらないのに何でこの法案だけ、本体だけ先に通さなければいかぬのか。ちょうど国鉄の分割・民営と一緒ですよ。法律が通らぬのに、もう既成の事実のように分割・民営、分割・民営というのをあっちこっちで始めておる、それと同じことです。こっちは法律は通ったけれども肝心かなめの会則ができないうちに、おまえ義務だけは守れと。何だ、義務ってどんな義務かと聞かれてもわからない。これじゃやはり国会の信用にも影響することだと私は思いますよ、トラブルが起こったときには。おまえら何を議論しておったんだ、日本の国会議員というのはと。そういうことを恐れるがゆえに、私はくどいようですけれども質問するのです。 ですから、そのことと、何でこんなに早く急がなければいかぬのか、この二つを教えてください。
○井嶋政府委員 会則の持ちます意味合いは、先ほど申しましたように会則を守る義務との関連におきまして重要な問題であるということは、もう委員御指摘のとおりでございます。そこで、日弁連が会則をつくりますにつきましても、その会則の作成作業に私どももともに協力をして作業をしようという合意ができておりまして、私どもの省令をつくりますにつきましても、やはり私どもの省令で分担する部分というのは日弁連の指導監督とも密接に関連する部分でございますから、私どもの省令をつくるにつきましても同様にやはり日弁連とも協議しながら進めていこう。それから日弁連のつくられる会則につきましても、本来はその自治の問題でございますけれども、私どもも政府も協力してやっていこうという話し合いができておるわけでございまして、今後そういった形で省令、会則の作成作業を進めてまいりたいと思っております。そういった意味合いで外国法事務弁護士が懸念を持つような形にならないものを担保するというようなことも考えておるわけでございます。 それから、最初につくります原始会則は、これは外国法事務弁護士がまだ入ってこない段階でつくらざるを得ないものでございますから、そういった意味で外国法事務弁護士が直接これに加わるということはもちろんできないことでございますけれども、本法にもございますが、この外国法事務弁護士に関する会則の制定あるいは改廃につきましては、外国法事務弁護士も総会に出席し、質問し、議決権を行使するという道が開かれておるわけでございますので、将来、会則の改廃といったような問題につきましては、外国法事務弁護士に関する会則に関してはそういった形で参加ができるということで一つの道も開かれておるわけでございます。そういった意味で、御懸念のようなことのないように私どもも最大限の努力をしてまいりたいと思っております。 それから、どうしてそんなに急ぐのかということでございますけれども、先ほど申しましたが、省令あるいは会則というものはこの法令の施行細則に当たるものでございますから、法案を作成しますと同時にそういった施行の細かい決めを行うのも一つの方法がと思いますけれども、法案が成立してからそういった施行の細則をつくっていくというのも従来の手順かと思います。そういった意味で、法案で大きな枠と申しますか考え方と申しますか、基本を示していただくことによりまして、それを具体的な実施細則に移していくという作業が後で追随するというようなのが常態ではないだろうかと考えるわけでございます。 ただ、法案をなぜ急いで出すかということでございますけれども、これは貿易摩擦の問題ということで提起されまして、それが契機となりましたが、現在の国際的な法律事務の増大の状況にかんがみますれば、できるだけ早くこういった制度を構築することが我が国の司法制度にとってあるいは我が国の弁護士制度にとって必要だろうという考え方から法案を提出させていただいたわけでございまして、この原則といいますか門戸開放をお認めいただきますれば、それは一つのインパクトになって我が国の弁護士制度の国際化にも資することになるだろうということでございますので、省令もつくらずにあるいは会則もつくらずに法案を出したという御指摘でございますけれども、そういった従来の経緯でお願いをしたということでございますので、御理解いただきたいと思います。 〔太田委員長代理退席、委員長着席〕
○松浦委員 理解せよといえば何もこだわる理由はないのです。ただ問題は、出発が経済摩擦という枠組みの中から出てきた内容ですから、しかもアメリカの弁護士制度と日本の弁護士制度というのは根本的に違うわけですよ。日本の場合は、もう弁護士会自体に自治権というものが認められていますね。ですから、全然制度の内容が違うものですから、どんなにうまく調整をしてみても必ずトラブルが出るのですよ。この前の参考人がお話しになったように、日本の弁護士会が保守的であるといえば保守的かもしれません。しかし、日本の弁護士制度というのはそういう制度の中で、そういう土壌の中で育ってきている制度なんですよ。ですから、必ずアメリカの、極端に言うと雑貨屋の御主人も弁護士だというような、日本からすれば圧倒的に多数の弁護士がおるというお国柄と、司法試験という国家試験を通じて弁護士になるという制度の難しさの日本とは雲泥の差があるわけですね。そういうものをどこかで融和させようとしても必ずトラブルが起こるのです。 結局、今度の会則問題も初めは外国人弁護士がおらぬのだから、会員でない者が参画する資格はないんだといえばそのとおりです。しかし、さあつくってみた、実施した、それがトラブルの対象になってまたぞろ貿易摩擦、経済摩擦の対象として日本政府に持ち込まれてくるというようなことになりかねない要素を持っているから。そうすると、結局ここまでくれば完全自由化、もう何もこんなしち難しい外国弁護士による法律事務の云々という特例措置なんか要らぬじゃないか、もう自由にしてしまえというようなところにずっと日本政府が腰砕けで追い込まれていくのですよ、結果的に。それが心配だから私はくどく言うのです。防波堤になって、これでもう終わりです、これ以上は大丈夫ですよというところでとまればいいですよ。ところが、日本の制度そのものが完全に崩壊して、もう自由だというような方向に窓口を開くことになるんだ、結果的に。それは五百六十億ドルも黒字を稼いでおったら、すごいものですよ。かつてのオイルダラー以上ですからね。これはえらいものです。それが心配だから私はくどいように聞くのですよ。それはもう絶対にない、経済摩擦の対象として再登場することはないと断言できますか。断言できるならここで断言してください。 それから大臣にお尋ねします。 きょう本会議で討論がありますけれども、何かロン・ヤスの間柄で一国の総理大臣、日本の国を代表する人が経済摩擦に関連をしてアメリカと約束をする。これは外交上相手に対しては公約です。そういうようなことが次々に行われていくわけです。そうするとまた、これはせっかく我々が苦労して苦労して、いろいろあったけれどもある意味では日本弁護士会を説得してここまで来た。来たけれども、会則をつくってみたらまたぐっと押し切られて、だんだんアメリカの力にこちらは一歩一歩後退するというようなことになりかねないのじゃないかという気がしてならぬのです。ですから、そういうことに絶対にならぬ、これ以上は相手側からそういう摩擦の対象として行わないという保障はとれるんだというふうに約束できるなら、部長さんと大臣からお答えいただきたいと思います。
○井嶋政府委員 御指摘の会則の制定につきましては、諸外国、アメリカあるいはEC諸国におきましても関心を持っておることは間違いございません。そういった意味で、先ほど申しましたように会則、省令等を作成いたしました上では、諸外国との調整と申しますか話し合いと申しますかあるいは説明と申しますか、そういったものも十分行いまして、省令、会則等に関する不満といったものが起こらないように十分施行までに国際的な調整をするというのも私たちの準備手順として考えておるわけでございますので、そういった場を通じて、諸外国がこの会則等についての要求をエスカレートさせないようにする手だてというものは十分とってまいりたいと考えておるわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、この法案自体に盛り込まれております制度の中の基本問題につきましても、依然として現在、外国にこれはまだ不満だという言い分があることは事実でございますから、そういったものが将来要求の形で出てくることはあり得るだろうということでございまして、これは現在の段階で否定できないだろうと思うわけでございますけれども、門戸を開放いたしまして外国法事務弁護士と我が国の弁護士とが共同で仕事をするというようなことが始まりますれば、またその中にお互いの協力を通じて相互の理解といったようなものも生まれてくるだろうし、そういった中で現在持っておる不満といったようなものもそれなりに緩和されていくという面もありましょうし、また逆に国際化がより進んで外国の言う方が正しいということで日弁連が変わっていくこともありましょうし、将来の予測でございますけれども、門戸が開かれて共同してやるという下地ができ上がっていけば、そういった問題についてはまだ変わった観点からいろいろアプローチされていくのではないだろうかと私は考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、委員御懸念のような問題提起を外国からエスカレートさせないための手順、手当てと申しますものは、施行までに私どもは十分行うつもりでございます。
○鈴木国務大臣 たびたび御心配いただいておりますように、貿易摩擦の問題としてこれは出てまいりましたけれども、毎度御説明申し上げておりますように、国際交流等の現況を考えて日本の司法制度なり弁護士制度との関連で協調し得る、両立し得るという観点から案をつくったことは御承知のとおりでございます。さようなことでございますから、日本の司法制度なり弁護士制度の根幹を揺るがす、あるいは心配させるようなことのないように、これから細則その他の点においても私どもはやってまいらなければならぬと思います。 さらにまた、先生から先ほど御指摘をいただきました、これを突破口にしていろいろな問題が出てくるのじゃないかということ、ECの問題をお取り上げいただいたようでございますが、これも企画庁の方から御答弁申し上げましたように、何でもかんでも自由化だというふうには考えられないと思います。日本の国益を考え、国の状態から許される範囲内で、しかも、いろいろな制度があるわけでございますから、日本の文化あるいは制度というものとの調和ができる範囲内で許されるものだと私は考えております。
○松浦委員 アメリカの弁護士は要するに日弁連の指揮監督下に初めから入ったくない、日本の弁護士の方は我が権益を守ろうとする、そこにおのずから立場の相違があるわけですから、その調和点を求めるということは、口では簡単だけれども、なかなか難しいですよ。だから、会則をつくってはみたが、また経済摩擦の対象になって、またぞろ日米交渉とかなんとかに持ち込まれていってずるずるということが必ず出てくるような気がするのですよ。 ですから、今大臣も部長も言われた、そのことをちゃんと守って、一線だけは守ってもらわないと、いつの間にかそれが突破口でずるずるといってしまう、そのことがいいというなら、それでいいのです。そういう方向が我が国益だというなら、そういう方向で誘導するからいいのですよ。しかし、今のところそうじゃないから、そういう点は今御答弁がありましたからこれ以上申し上げませんが、ぜひお願いしたいと思います。 それから、最後になって大変恐縮ですが山口局長さん、遅くなって済みません。自治権を持っておる弁護士会、弁護士さんたちについて、憲法第七十七条第一項、これを受けた弁護士法第四十九条「最高裁判所の権限」、この関連についてどういうことを今までなさっておられるのか、今後どうなさっていかれるのか。それと同時に、新たに外国関係の弁護士さんが入ってきますが、そういう関連で最高裁としてはこれからどのように対応されるのか、従来どおりでいいのかどうか、そういう点についてお答えいただきたいと思います。
○山口最高裁判所長官代理者 憲法の解釈につきまして私どもの方からお答え申し上げるのはいかがかと存じますけれども、せっかくのお尋ねでございますので、ごく一般的なことを申し上げますと、憲法七十七条で最高裁判所に規則制定権が与えられましたのは司法権の独立をより一層保障するという意味合いでございまして、訴訟手続を初めといたしまして広い意味での裁判に関する事項につきまして、その実態に通じている裁判所に実際に適した規則を定める権限を与えたものであると言われているわけでございます。七十七条で弁護士に関する事項も規則制定権の対象にされておりますが、それにつきましては、弁護士さんはその職務の性質上、裁判所による司法権の行使と密接な関連を有しているから、弁護士に関する事項についても規則を定める権限があるのだ、こういうふうに解釈されているわけでございます。 ただ、これは法律との関連でいろいろ問題がございまして、現在では弁護士さんの職務資格等一般的なあり方については法律で定めなければならないというふうに考えられておりまして、そういう趣旨で現在の弁護士法がつくられているわけでございます。それで、弁護士さんに関する最高裁判所規則といたしましては、外国弁護士資格者承認等規則それから沖縄の復帰に伴う特別措置に関する規則がございますが、こうした一般的な定めとは別に、各種の裁判手続における弁護士のあり方につきまして、手続に関する事項といたしまして多数の規定が置かれているわけでございます。弁護士法四十九条で最高裁が日弁連等に対して調査を求める権限が与えられておりますのも、今申し上げました訴訟手続あるいは弁護士に関する事項について規則を定める権限を有しておりますので、これを適切に行使するために必要な事実関係についての報告、調査の依頼等について規定を置いたものである、こういうふうに考えられております。 ただ、先ほど申しましたように、弁護士に関する事項についての規則制定権の範囲はかなり限定されておりますし、裁判手続については私ども裁判所自身が実情について相当把握できるわけでございますし、弁護士会の活動についても種々資料が出されているところでございますので、弁護士法四十九条の規定を働かせて調査、報告を求めるということはこれまで余りなかったわけでございます。今回の外国法事務弁護士につきましては、憲法の七十七条で定められております弁護士というのはいわゆる法廷活動をする弁護士であるというふうに解釈されておりますので、私どもといたしましては、今回の外国法事務弁護士さんの関係での規則制定というような事態は今後は考えられないというように思っております。 その他の事柄につきましては、慎重に事態の推移を見守りながら、必要適切な措置は講じてまいりたい、こういうふうに考えております。
○松浦委員 それでは、どうぞお帰りください。 私の質問はこれで終わりますが、くどいようですけれども、この問題がまたぞろ経済摩擦の対象として大きくクローズアップしないように、くれぐれも会則等の制定に当たっては御注意いただきたいということを最後にもう一遍申し上げて、私の質問を終わります。
○福家委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○福家委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○福家委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福家委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕
○福家委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会