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104回国会衆議院1986/04/23

文教委員会 第9号

発言数
286
登壇者
15
会派数
6
開催日
1986/04/23

会議録

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律案及び内閣提出、著作権法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中克彦君。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 質問に入る前に、実は文部大臣に特にお伺いをしたいわけでありますが、きょうは臨教審の第二次答申が公式に行われる記憶に残るべき日になると思います。特に私ども教育に関係する文教委員会にとりましては、これを契機にまた内容等をめぐって活発な議論が行われる、こう思いますけれども、文教行政を担当する大臣として、きょうの日の公式発表についてまず大臣の所感をお伺いをいたしておきたい、こう思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘のとおり、きょう臨教審の第二次答申というのが出ることになっております。第一次答申をいただきましてからきょうまでの間に、臨教審側も二百二十七回にわたって会議を持ち、四回公聴会をし、ヒアリングに至っては百七十九名のいろいろなお立場の方の御意見を聞いて、第一次答申で示されております個性重視の原則というものに沿って、第二次答申では二十一世紀を目指す教育の基本的な方向を示し、教育の目標がまず答申に出てくるものと我々は審議経過の報告等を通じて承知をしておるわけでございますけれども、さらに各般の指摘もなされると思います。  私は、当面起こっております学校のいじめの問題を初めとする教育の基盤をもっと平静なものとするという当面の急務から、やや中長期な目盛りになりますが、心の広い、創造力に富んだ、そして自主・自律の精神を持ち、公共奉仕を大切に考える、そうして二十一世紀にふさわしい国際的な世界の中の日本人として、どのような人々を育成していったらいいかという具体策については、答申をいただきましてから、文部省としてやるべきことはやらなければなりませんし、国会の皆様の御議論を通じて方法を決めていただかなければならぬ問題も出てくるかとも思いますが、厳しい気持ちで受けとめて、国民の皆さんの期待し望んでおられます教育改革の方向に忠実に前進をさせていきたい、このように考えております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 審議概要のその三が発表になりまして、今回の第二次答申というのは大体それを骨子にしたものが最終的な答申として出てくるであろう。その間の議論の経過等も私ども関心を持って眺めておりましたので、従前この委員会でも議論されたこともありますし、新聞、テレビ等の報道を通して私ども承知をいたしておることも多いわけであります。それを考えてみますと、この第二次答申というのは日本の教育史にとっても大きな一つの節目になるのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、ぜひ今後の教育改革の進め方につきまして、この文教委員会等の議論を踏まえて十分国民の意に沿う教育改革の方向を目指して努力をいただきたいことを冒頭お願いを申し上げておきたい、こう思います。  大臣、きょうそのようなことで後半時間がとれない、こういう事情のようでございますので、私は、この著作権問題に入るに当たりまして、冒頭大臣に伺っておきたいということだけを先に質問をさせていただきたい、こう思うわけであります。  実は、昨年の第百二国会における著作権法一部改正案の審議に当たりましては、コンピュータープログラムの法的保護をめぐって大変議論がありました。科学技術の高度に発達した今日、特にニューメディアの分野の進歩は大変目覚ましく、この保護はそのものの持っている特殊性からして著作権法によることがなじむのかどうかという議論もございました。さらには著作権法における「著作物」、つまり著作権法第二条の定義にあります「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」というものに含まれるのかどうか。これに対しまして文化庁の方の御答弁は、人間の知的活動、頭脳労働という形でその人間の努力の精神活動の成果が外部に表現されたもの、つまり人間の精神文化活動によって生み出されたものであるから、著作権法第一条の「文化的所産」に包括されると説明をいたしました。著作権法による保護は妥当であり、諸外国等の法律やあるいは条約との整合性からもコンピュータープログラムの保護は著作権によるものとした、こういうふうに説明をされております。  しかし、そういう一方で、プログラムというのは知的な労作物には違いないけれども、人間の思想や感情を創作的に表現するものとは異なり、機械によって指令を組み合わせた経済的使用を前提とした経済財——文化的著作物とは本質的に違うのではないか。いわゆる工業所有権に属するものではないか。したがって、産業、経済の発展に寄与するために保護する観点に立っての立法論によるべきだという考え方もありましたし、議論もそこに集中をいたしました。  今回の改正案はデータベース及び有線放送等の保護に関するものでありますけれども、ニューメディアの開発進歩が急速に進む状況である上に、この分野の持つ特殊性を考えるときに、著作権法で十分これがカバーできるのかどうか。また、将来カバーできなくなるおそれが生じないか。ニューメディアの保護のためむしろ独立した立法を検討する必要に迫られるのではないか、こういう心配も実はあるわけであります。  今回、データベース及び有線放送の保護について、あえてこの著作権法によって保護するということで改正案として出してきた基本的な根拠になる考え方、これをまず冒頭大臣にお伺いをしたい、こう思うわけです。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御指摘いただきました有線テレビ、ビデオテックス、文字多重放送などのいわゆるニューメディア及びデータベースが近年急速に発展しているところから、著作権審議会の第七小委員会がこの問題について検討を行ってきましたが、昨年九月に最終報告書を提出されたことは先生御承知のとおりでございます。  この中において、データベースの保護の明確化、著作物の送信に関する規定の整備、有線テレビ事業者の法的保護などについては著作権制度上の対応が必要であり、関係各方面の意見を踏まえた上で速やかに対応すべきであるとされておるわけでございます。また、ただいま御議論のございましたプログラムに関する著作権法改正の際、昨年国会の附帯決議におきましても、「ニューメディア、データベースに関する著作権問題については、早急に検討を行い、制度改正を含め必要な措置を講ず」べきであるとの指摘を受けておるわけでございます。このような状況を踏まえまして、これらが急速に発展普及しつつある現時点において、今後の情報化社会の秩序ある発展のため基盤の整備を図るため、これらに関する著作権制度上の対応を速やかに行うことが必要であると判断をいたしまして、今国会にこの法案を提案しお願いをしておるところでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今回の提案の趣旨説明の際に、大要、今大臣申されましたような説明が提案説明としてございまして、私どもそういうことは十分承知をいたしていたわけであります。したがって、これは第七小委員会の提言を踏まえて作成したものだ、こういうことですが、私が質問した趣旨というのは、いわばこういう分野の開発進歩というのが逐次進んでいって広がっていく、いろいろな形で著作権によってプログラムと同じように今後この分野の保護をしていく、こういうことになりますと、際限なく広がっていく、また発展をしていく、そういうものが十分これでカバーできるのか。それから、これでカバーしていくという一つの根拠を持って、そういう基本的な方向を決めて、将来ともこの著作権によってこの分野の保護は図っていく、こういう考え方に立っての提案であるかどうか、そこを私お伺いを実はしたかったのです。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 お答え申し上げます。  著作権の歴史といいますのは、国際的に申しますと一八八六年のベルヌ条約に始まっているわけでございますが、当初条約では、例えば私小説であるとか音楽あるいは絵画等の美術といったような、著作物の範囲も比較的少なく、また利用手段も印刷術によるものあるいは生演奏といったような程度のものが主流でございました。その後、例えば録音の手段によりましてレコードが普及する、あるいは写真術が出てくる、あるいは連続した影像としての活動写真、今でいいます映画が出てまいります、それから時代を経まして放送という手段が出てまいりまして、その都度新しいいろんなメディアが発達いたしますに伴って著作権の範囲というのが広がってまいりまして、また、条約上の対応としましても、録音権を導入するあるいは放送権を導入するという形で権利内容の拡張をいたしてまいりました。さらには、著作物自体にいたしましても、写真という手段が出たときに、これを一体従来の伝統的な小説や絵画と並ぶような著作物であるのかどうか、単にシャッターを押しただけのものが著作物と言えるのかという議論も国際的にあったわけでございますけれども、それぞれ人間の知的活動の所産であるという点で著作物の範囲も広がってまいりました。また、著作物の利用手段というものがいろいろな形態のもの、例えば今申し上げましたような録音であるとか放送であるとか、新しいメディアが出てまいりますと、それも著作物の経済的な利用の中核をなすものという形で権利も拡張されてきた、こういった歴史があるわけでございます。  ところで、先生先ほど御質問ございました、昨年の国会におきます議論、コンピュータープログラムは著作権で保護すべきかあるいは特別立法で保護すべきかという議論もあり得たところでございます。その際の基本的な疑問点といいますか、著作権でいくのはどうかと言われました感覚的な考え方といたしましては、従来の伝統的な著作物と申しますのが、例えば小説、音楽、絵画にいたしましても、いわゆる人間が見ることができる、聞くことができる、感知することができる、そういう意味で人間が直接それを感知して、ある意味では人間の知情意に訴えるような性格のものである。それに対しまして、プログラムといいますのがいわゆるコンピューターを作動さす一種の指令の固まりでございまして、人間が直接はそれを理解できないといいますか、むしろ機械を操作することに意味があるという性格のものであるから、そういうものを従来の著作物概念に入れるのはどうかという点からスタートいたしまして、産業材ではないかあるいは特別体系が必要ではないかという議論があり得たわけでございます。しかしそれは、プログラムにつきましては、人間が可読し得るものであるか、機械のみが読み得るものであるかという、そういった手段の違いがございましても、内容的には人間の知的活動の成果として思想、感情がそこに込められているという従来の著作物理論に合致し得るという考え方が大前提にございまして、それと同時に、コンピュータープログラムの利用につきましても、その経済的利用の態様は今の著作権制度によって十分カバーできるという考え方をとったわけでございます。  今回の提案申し上げておりますデータベース、ニューメディアにつきましては、まずデータベースの問題といたしまして、プログラムのような機械可読形態といいますか、機械に命令をするという性格のものではございませんで、もともとは人間が読み得る論文であるとか数値であるとか図形といったそういう情報の集合物であるということが一つ。もちろんそれを現実にデータベースサービスをいたしますときには〇一〇一の機械的信号に置きかえてはいますけれども、もともととしては人間の感知し得るような素材である。しかも、その素材の集合物であるという点におきましては、例えば百科事典であるとか、国語辞典、新聞、雑誌といった従来の伝統的な編集著作物と類似したような性格を有する。そういった点で、これは著作権法でいくべきか、他の立法でいくべきかというプログラムにおきますような議論はございませんで、素直な感覚として著作物理論の中で受け入れられたのではないかという感じがいたします。  それから、ニューメディアの問題といたしまして、有線送信権の創設であるとかあるいは有線放送事業者の保護というような提案を申し上げておりますけれども、これは、著作物の利用手段といたしまして従来の有線放送権といった規定がございますけれども、そういった態様の中で規定上読みにくいというような問題もありまして規定の整備をしたわけでございますけれども、有線送信という手段、例えばオンラインサービスの問題にいたしましても、著作物をいわゆる公衆に提供するという従来の伝統的な著作物利用権の範囲内で当然認識し得る、理解し得る事柄である。そういった点で、今回のデータベース、ニューメディアに関します法改正につきましては、独自立法でいくべきであるという御主張もございませんでしたし、それは昨年のプログラム権論争の場合とはかなり性格を異にして、素直な意味で従来の伝統的な著作物の範囲あるいは著作物利用権というような考え方で御議論をいただいたというぐあいに理解をいたしておりますし、またそういった視点に立って提案をさしていただいている次第でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 著作権法に十分なじむし、それでの対応で保護は十分可能である、将来的にもそうだという考え方に立ってのお答えてありますから、私どもはそれを素直に受けとめてお伺いするわけであります。  今回の場合も、第七小委員会の報告を受けて、その提言を踏まえた形で今回のデータベース並びに有線放送に対する保護の問題を改正案として出した、こういうことでありますが、従前、著作権問題につきましては、次々に時代の変化に伴って広がってまいります問題について、実は著作権審議会に第八小委員会、第九小委員会と、それぞれ小委員会がつくられまして検討がされているようでありますが、特にコンピューターグラフィックス、自動翻訳等に対する創作物に関する著作権制度上の問題について検討を始めた、こういうふうにこの資料の中にもいただいてありますけれども、このいわば検討の主な内容と、これからこういう問題について今回の改正と同じようにこういう点が問題であってここを直していかなければいかぬということになりますと、その結論を待って新たにまた著作権法の修正の措置というのが提案をされて出てくるということになるのだと思いますが、そうだとすれば、その日程的なめどというのはどんなふうになっておるのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 ただいま先生御指摘ございましたコンピューター創作物の問題につきましては、昨年十二月の著作権審議会総会におきまして、第九小委員会を設置することを決定いたしまして、本年の三月に第九小委員会を発足させまして、第一回会合を開き、コンピューター創作物に関します著作権問題の検討を開始した段階でございます。  議論といたしましては、コンピューターによっていろいろな創作物がつくられてきている。例えば今先生おっしゃいましたようなコンピューターグラフィックスであるとか自動翻訳であるとか、場合によりましてはコンピューターによる作曲であるとか、いろいろな形態のものが考えられるわけでございます。実はこの問題は国際的にも著作権上の難問とされている事柄でございまして、これに関します議論は既に十数年前から国際的にも議論がございました。その難問と申します理由は、従来の著作物理論といいますのが、人間の頭脳活動によりましてその思想、感情が具体的に表現されたものを著作物として保護してまいった歴史から申しますと、いわゆるコンピューターのプログラムによりまして、一定のデータを与えれば、コンピューターが計算した結果としてそこで成果物が自動的にでき上がる。その場合には、一体人間の意思というのがどの程度まで及んでいるのであろうか。そういう意味で、例えば著作権法の問題としましては、卑俗な例を挙げて恐縮でございますけれども、チンパンジーが知能の高いものであれば絵をかくこともあり得るわけでございます。しかしそれは、チンパンジーがかいた絵は人間の思想、感情を表現したものでないということで著作権法上は保護されないわけでございまして、ある意味でチンパンジーが絵をかくといっても、チンパンジーに絵の具を与えそして筆を持たせそしてかかせるというようなこともあり得るわけでございますけれども、そういった例とはちょっと性格は異にいたしますが、例えて申し上げれば、人間の意思が一体コンピューターによってつくられるものの中に反映されているのか、それを支配しているのかという問題があり得るわけでございます。またさらに、その場合に人間の意思が及ぶとしても、その意思の及び方が具体的にどういう形で寄与しているのか。つまり多数の者が、プログラマーもいますし、データをインプットする方もいる、あるいは機械をオペレートする方もいらっしゃいます。その成果としてコンピューター創作物ができ上がったときに、だれが一体著作者と言えるのか、だれがどの程度関与していると言えるのか、そういった諸般の問題もございまして、国際的にも議論が続けられながら、各国ともはてなと首をひねった状態でございまして、それを今回日本におきましては、検討を開始して、この問題をある程度解明し、そして世の中に一応このようなものとして通用するような著作権制度上の対応を考えたいというのが第九小委員会設置の趣旨でございまして、若干の時間は要するのではないか、そう急に議論がまとまるという性格のものではないので、ある程度の時間をかけながら、より合理的で、しかも世界の著作権理論に通用し得るような日本としての考え方をいただきたいということで、審議を開始した状況でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 この際ですから、あわせてお伺いするわけでありますけれども、一方、最近出版物の複写の機会等が拡大するということで、これが、著作権者はもちろんですけれども、出版業界にも大きな影響を与えるということで、また、第八小委員会ですか、これが設置されて検討されているようでありますけれども、この状況もあわせて伺っておきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 出版者の保護の問題につきましては、昨年の当委員会におきます附帯決議等もございまして、昨年の九月に第八小委員会をスタートさせまして、出版者の版の保護の問題を御検討いただいている段階でございます。現在まで五回の会合を重ねて審議をいたしておりますけれども、ただいままでの間は、現状の認識、それに対しますそれぞれの権利者側等の御主張を承り、それをベースに、そもそも版の保護をどういう考え方で取り組んでいったらいいかという議論に入っている段階でございます。  具体的に申し上げますと、最近、いわゆるコピー公害と言われておりますけれども、いろいろな学術雑誌等の出版物が出版されますと、一部購入して部内でコピーをとって何十人の人に回してしまうという結果として、学術雑誌の売れ行きが落ちている、また著作者あるいは出版者にも被害が及んでいるといり状況がございます。この問題は、複写複製の問題として、例えば集中的権利処理機構の設立の問題等もございますが、現在、出版物をコピーすることにつきましての法律上の権利者である被害者はいわゆる執筆した著作者でございまして、まあ学者という形になりますけれども、現実には、その出版物の売り上げの低下等によりまして経済的に大損失を受けているのは出版者であるにもかかわらず、法律上は権利者でないために対応ができないという問題があるわけでございまして、そういった点が社会正義の観点からしていかがであろうかというような事柄。さらには、外国の事例におきましても、イギリスあるいは西ドイツにおきまして、版の保護というのが著作権制度上、一つの著作隣接権的な発想ではございますが、そういった制度が設けられている外国の例もございますので、日本の土壌になじむかどうか、あるいはそれを著作権制度の中で例えばどういう形で保護することができるのか、こういう議論をしていただいている状況でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 それでは、データベースの保護の問題に入って具体的に伺っていきたい、こう思うのです。  データベースといってもいろいろの種類もありますし、データベースのいわば法律的な定義と申しますかそういうものは一体どういうものなんでしょうか。それから、データベースの種類につきましてはどういうものに分けられて考えられるわけですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 提案申し上げております著作権法の一部改正の中では、データベースを定義いたしまして「論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの」といたしております。この規定の仕方は、端的に申し上げますと、いわゆる情報という素材を集めたものであってコンピュータ検索が可能なようにしたものということでございまして、論文、数値、図形というのが一つの情報の代表的な例示でございまして、そういったような人間が必要とする情報をたくさん集めてくる、その集めたものの中の入っております情報をコンピュータを使って検索ができる、つまり必要な情報を取り出すことができるように体系的に組み上げたものという考え方でございます。  そこで、データベースといたしまして現在一般に分類されておりますジャンルで申し上げますと、第一の大きな分野が文献データベースと呼ばれているものでございまして、そのうち、狭い意味の文献データベースといたしましては、例えば文献の題号であるとか著作者名、そういった書誌事項や文献の抄録と申しまして内容の抜粋したもの、簡単にまとめた抄録などを必要なユーザーに提供するものでございまして、例えば文献情報の案内を目的とするというのが代表的な例でございます。それから、今申し上げた文献情報データベースの第二の分類といたしましては、その他の案内データベースというのがございまして、例えば所蔵目録や機関案内など文献情報以外の情報の案内を目的とするものでございます。  それから、データベースの第二の大きな分類がファクトデータベース、つまり事実のデータベースということになりますか、ファクトデータベースと呼ばれているものでございます。この第二の分類をまた細かく分けますと、一つが全文データベースと言われるものでございまして、雑誌の論文であるとか法令などの全文、つまりすべてを蓄積しているものでございます。それから、ファクトデータベースの第二の分類といたしましては、その他のファクトデータベースとして、例えば人名録であるといった、人の名前あるいは住所、電話番号等が入っておりますそういう人名録などの文字情報とか、株価や各種の統計などの数値情報を収録したもの、さらに地図や設計図などの画像情報というものを蓄積して、そういった必要なある分野分野におきます情報、今申し上げた文字情報、数値情報、図形情報といったものをそれぞれ集積したようなものがございます。  大まかに申し上げますと、データベースと言われておりますものを機能的に分類いたしますれば今の二つ、また細かく分ければ四つの分野になろうかと思います。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 先日の委員会にそれぞれ業界の代表の方を参考人として呼びまして、日本データベース協会副会長の名和さんがここでいろいろお話をされたわけでありますが、そのことを聞いておりましても、私どもも大変今まで不認識だった点にいろいろ気がついたわけであります。とにかく日本の今の年商で一千億近く、ここ五年でそれが倍増してきている。ヨーロッパにおいても年商だと今大体日本の三倍あるけれども、やはり同じように五年間で倍増。アメリカの場合は日本の五倍の年商をして四千八百億、五千億近い売り上げをしていて、ここ五年で三倍に伸びているという飛躍的な数字でありまして、しかも、私ども聞いて驚きましたのは、日本の場合には売り上げ一千億の中で、データベースについては輸入が八〇%、国産の分で二〇%ぐらいのシェアで生産がされている、こういうことでございまして、これから日本のデータベース産業界というのはまだまだ欧米諸国に比べれば急速に発展を遂げるであろうし、また遂げていかなければならぬ、こういうようにとらえます。  そうしますと、この業界の状況というのも今後大変な発展が期待される、こう思うわけであります。しかし、今回こういう状況の中でこの時期にあえてデータベースの保護というのを立法の措置として出してきたということは、このデータベースは、今いろいろ種類についての説明がありましたけれども、そういうものからして、データの収集等、あるいはデータベースの製作の過程、あるいはまた著作権とのかかわり合い、こういうものを中心としていろいろな問題がそこに内包されている、こう思うのですね。今日こういう状況で立法の措置をとられたという背景の中には、そういうものをめぐっての紛争やトラブル、そういうような現象は現実に数多く出ていたのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 昨年提案申し上げましたコンピュータープログラムの著作権の問題につきましては、相当数のトラブルがあり、早急な解決を迫られたわけでございますけれども、今回のデータベースに関しましては、データベース自体がそれぞれ開発がなされている、開発途中でもあるということもございます。また、市場流通も緒についたという段階でございます。しかしながら、先生今おっしゃいましたように、日本でも既にデータベースの売り上げが一千億に近くなっているという状況でございまして、その意味では非常に巨大な市場を形成していくであろうということは十分予測できるわけでございますけれども、現時点におきましてはデータベースの盗作であるとか海賊版の作成であるというような事例はまだ聞いておらないわけでございます。  それは、一つには、データベースを蓄積してそういったものの産業が開始されて、それぞれがみんな独自におやりになっているわけでございまして、まだ市場としてもそういう者がデータベースを容易に入手してそれが海賊版をつくってまたできるというような状況にはないのかなという感じもしますが、少なくとも今の時点で大きなトラブルがないということは、将来もないという意味ではございませんで、それが大きな産業に発達していく段階におきましては必ずや人のふんどしで相撲をとろうというのがどうしても傾向的にあるわけでございます。それは過去のいろいろな著作物に関します紛争の例でも見られるところでもあります。そういう意味で、現時点におきましては大きなトラブルはなくても、法制度を整備し、ルールというものが一応確立した上で企業秩序というものが形成されることが望ましいわけでございますので、トラブル以前にこのような形でこれからの急速な発展に対応するための法秩序というものを形成しておきたいという視点から、提案申し上げておる次第でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 さっきからの答弁の中にもありますように、データベースのうちでいわば著作物として認められる、つまり創作性を有するものについては保護されるという考え方に立っていると思うわけでありますが、データベースの著作物というのは著作権法で言うところの第二条に該当する著作物でありますか、それとも、第十二条に言われております編集著作物であるのかどうか、この点と、もしその創作性を有するものが著作物である、それは保護される、こういうことになりますと、創作性を有するということの基準、判断というものはどういうことになりますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 著作物と申しますのは、著作権法二条一項一号に規定してございますように、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」ということでございまして、あらゆる著作物、著作権法上の保護を受けるものはこの定義に該当することが大前提になるわけでございますので、データベースを著作物として保護するという以上は、それは二条一項一号に規定する著作物に該当するということになるわけでございます。同じことはプログラムの著作物についても言えるわけでございます。  そこで、問題は、この定義に該当するか否かということが従来から、それぞれいろいろな新しいものが出ますと、解釈上なるかならないかという議論が出るわけでございまして、その場合に、例えば著作権法第十条で著作物を例示しておりますのは、著作物のうち代表的なものをそれぞれ類型別に書いているわけでございまして、すべてをカバーしているわけでもございません。したがいまして、例示されていないものについては、それがまたなるかならないかというのは裁判所の判断あるいは学説等によってもある程度左右されるという傾向はございます。  ところで、今回のデータベースにつきましては、今申し上げたように二条一項一号の著作物であるということを前提としたものでございまして、その考え方は、例えば編集著作物というのは現在十二条に規定がございますけれども、百科事典とか新聞、雑誌、そういった編集著作物ももともとは二条一項一号の定義に該当するものであり、かつ、それを具体的に第十二条におきましてこういったような編集著作物も著作物として保護されるのですよということを明らかにしているという状況にございます。データベースにつきましても、今回の提案で十二条の二を設けまして規定しました趣旨も、理論的に詰めていけば、二条一項一号の該当する著作物であるけれども、それだけでは判然としない、そういう意味でこういうデータベースというものが著作物として保護されるという趣旨、考え方を編集著作物と並んで十二条の二に規定いたした、そういうような考え方に立っているわけでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 その点はわかりました。  それで、さらにお伺いをしていくわけでありますけれども、データベースの著作物の一部分の複製物が作成されあるいは利用された場合、またはデータベースの一部分が有線送信された場合は、データベースの著作物の全体が公表されたものとみなす、第四条四項でこう決められているわけでありますけれども、これは従前の公表という概念とかなり違ってきていると思うのです。例えば上演とか演奏、放送あるいは口述、展示、上映というような場合、従前の概念で言えば、一部が送信された場合に公表されたものとみなすというようなことは、このデータベースに限っての特徴的な公表の概念になってきている、こう思うのです。そこのところをどういう事情からデータベースについてはこういう場合に公表するとみなすという規定に明確に定めたのかという点をちょっと説明してほしいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 従来の一般的な伝統的な意味の著作物でございますと、先生今おっしゃいましたように、例えば小説が印刷、出版される、あるいは音楽が演奏会場で演奏される、つまり公衆への提供あるいは公衆への提示という状態が極めて判然としているわけでございまして、いつの時点で公表されたかということは比較的容易に確定できるわけでございます。  データベースと申しますものは、先ほど申し上げたように膨大な情報の集合物でございますけれども、まず、このデータベースが市販されて提供されるというような状態が余りございません。そうすると、データベースの公表の形態といたしますれば、いわゆるオンラインサービス等によってデータベースが公衆利用に供せられる事態ではなかろうかと思うわけでございますが、その場合、データベースのオンラインサービスと申しましても、現実にユーザーの手に届く情報といいますのはデータベースの中の部分的な情報でございます。そしてこの場合、個々の情報は提供されていてもその情報の集積物であるデータベースが公衆に提示されたと言い得るかどうかということになりますと極めて問題でございまして、多数の人に対して情報が段階的に提供されていった結果としてデータベースも提供されたと言い得るような状態というのはいつかの時点では来るわけでございますが、それがいつだということを確定することは極めて難しいといったデータベースの特質にかんがみまして、データベースオンラインサービスが開始されてデータが提供される状況になりました場合にはデータベースの著作物そのものが公表されたとみなすという四条四項の規定を設けたわけでございます。その考え方といたしましては、今申し上げましたように、データそのものが段階的に出ていく結果としてそのデータの固まりがデータベースの著作物性を有するものとして評価ができるという時点がいつかは来るはずであるが、いつかというのは、法律は一種のフィクションでございますが、オンラインサービスを開始した時点とみなすことによりまして公表の時点を確定しようという趣旨でございます。  この結果、四条四項の規定によりまして、オンラインサービスが開始されますと、データベースの著作物がまだ公表されていない状態にあるにもかかわらず公表されたものとしての法律上の取り扱いをし、例えば公表時の起算あるいは公表権の侵害の有無はその時点によって判断をしようという、一種の便宜的なといいますか、データベースの特性に見合った合理的な解決策を四条四項で工夫をしているという次第でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 データベースのディストリビューターが、お客さんのために利用の便を図ってもとのデータベースの著作物を確保する、こういうことは普通ケースとしてかなりあるようでありますが、これは付加価値を加えて提供していくというようなことになりますと、その行為に創作性が認められれば二次的著作物の著作として保護を受けることになる、こういう理解が示されておりますけれども、このことについてこの著作権法上の問題が生じないかどうか、その点をちょっと説明してほしいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 データベースといいますものは、つくり上げましても常に新しい情報の追加が必要になる、あるいは更新、変更というのが必要になるというのが、一般的に新しいものを求めるという情報の性格からすれば当然のことでございます。そういう意味で、一つのデータベースができ上がりましても、それに常に更新が行われ変更が行われるというケースがございます。この場合は、データベースが一つの単純なデータの入れかえ等でございますれば新しい二次的な著作物ができたとは言い得ないわけでございますけれども、その内容の変更の度合いによりましては、もとのデータベースを基礎といたしまして新たに二次的なデータベース、二次的な著作物ができ上がったと評価できる場合もあるわけでございまして、それはケース・バイ・ケースによって判断せざるを得ないわけでございます。通常の場合データベースをオンラインサービスするためにデータベースディストリビューターがいろいろな加工をしたり工夫をしたりいたしますけれども、その内容、度合いによって、原データベースであると判断するのか、それは二次的なデータベースと判断するのか事情によって異なろうかと思います。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 さらにお伺いしたいわけですが、法第二十三条二項の規定に基づいて公衆への伝達権があるということになりましたが、これに基づいてデータベースの公衆の利用の用に供するためにされた行為等について新たな権利の設定を考慮すべきだと思いますけれども、これについてはどんなふうにお考えでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 先生今御指摘ございました問題は、第七小委員会の中でもデータベースを検索する権利といったような問題についての議論がございました。これはデータベースを利用させる場合に、それぞれユーザーがいろいろな形で必要な情報を探るわけでございます。この議論の根底にございましたのは何かと申しますと、実はデータベースの利用といいますのは、データベースの中から必要な情報を取り出すことだけではなくて、自分が必要とする情報がこの世に存在するのかしないのかということをアクセスしていく、その結果、実は回答がゼロで、あなたの必要とする情報はございませんというような回答が出る場合もございます。それはデータは提供していないわけでございまして、そういったようなすべての行為についてデータベースの検索権といったようなものは法律上どうであろうかという議論がございました。  ただ、この議論につきましては、今の状況の中でそれほどの必要性がどうかということと、もう一つは、例えばコンピュータープログラムの問題につきましても使用権を設定するかどうかという議論が昨年あったわけでございまして、一種の著作物の内容となるものを具体的にどう使うかということに関します著作権法上はかなり難しい、新しい問題提起にもなりますので、コンピュータープログラムの使用権の問題とあわせて中長期的に解決すべき問題ではないかというのが第七小委員会での積み残し課題となった理由でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 時間がなくなってしまっておりますので、さらに有線放送、有線送信に関して若干伺いたい、こう思うのですけれども、今度の場合、有線による放送の概念を改めて有線送信、こういう形で定義をしているわけですが、この理由はどういうことからですか。それから他の法律との整合性、こういう点についても説明をしていただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 現行法におきましては有線放送という概念だけでございまして、この場合には公衆によって直接受信されることを目的として有線電気通信を行うことを有線放送と定義しておったわけでございます。ところが、今申し上げましたようなデータベースのオンラインサービスのような形態が出てまいりますと、従来の有線放送という概念自体が、例えば有線テレビジョン放送であるとかあるいはミュージックサプライといったような形で、同一の情報が同時に公衆に送り出されるというのを有線放送と言う常識的な考え方であったところへ、リクエストによりまして個別の情報が時間帯を異にして送られていくという、こういったオンラインサービスのような形態のものを有線放送で読むということが、国民の常識的な感覚にそぐわない点が一つ、それから、もう一つは、従来の同一情報を同時に送るという伝統的な意味の有線放送と、新たなオンラインサービスのようなものとが法律上、著作権法上全く同一の取り扱いでいいのかという議論もございまして、したがいまして、そういった点を第七小委員会でも御議論いただいたわけでございます。  今回提案申し上げておりますのは、今申し上げたような有線によって信号が送信をされる形態を二つに分けまして、同一の情報を同時に公衆に提供する従来の有線テレビジョン放送に代表されますようなものを有線放送と概念いたし、定義をし、そしてそれ以外のものであって、例えば個別的に情報のリクエストによって時間帯を異にして個別の情報が送られるものを含めまして有線送信という概念を設け、かつ、権利の動き方あるいは権利の制限といった著作権法上の取り扱いを差をつけるという形で有線送信の概念を導入したという状況でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今度の改正の一つの特徴として、有線放送事業者の隣接権による保護、八十九条の四項ですか決められているわけでありますけれども、この有線放送事業をこれだけ重視をする、そういうことになりますと、この放送事業の現状、あるいはまた隣接権をそれに認めていくという理由、またすべての有線放送に対して隣接権で保護するのかどうか、これは百十二条によって制限もされているわけですから、それとの関係は一体どういうことになるのか、その点をあわせてお答えください。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 有線放送事業者を保護いたします趣旨としましては、現在放送事業者についての著作隣接権が認められているわけでございます。有線放送事業がスタートしました時点におきましては、主として無線放送を受信してそれを再伝達するという形態のものでございまして、私どもスルーと呼んでおりますけれども、原番組をそのまま放送番組を受けて流すという形態のものが主流でございました。現時点におきましても有線放送の受信者世帯数、契約者数が日本でも四百万を超えてまいっております。施設も三万八千ということでございますが、その三万八千のうちの現時点で百四十一の施設がそれぞれ自主放送を行うようになってまいりまして、自分で自分の番組をつくってそれを有線で流す、その場合には、番組の編成という点におきましては、放送事業者の番組編成と同じようなある意味の準創作性が認められるわけでございまして、これは有線であるか無線であるかの違いによって、無線は保護するけれども有線は保護しないというのはいかがであろうか。そういった点で、放送事業者と同じように自主番組を放送する、つまり自主放送を行う今申し上げた百四十一の施設につきましては、放送事業者と同様の著作隣接権を認めようという観点に立って措置をさせていただいているわけでございます。  後段の御質問がちょっと私もよく理解いたしかねましたが、著作隣接権の制限の御質問でございましょうか——といたしますれば、いわゆる著作隣接権の制限といたしましては、著作権に準じた制限規定を設けておりますと同時に、有線放送事業者の制限規定の中には放送事業者の制限規定と若干差を異にした部分もございます。例えば、著作権法四十四条の準用規定でございますけれども、放送番組をつくる場合には一時的に固定ができるという制度を設けておりますけれども、その場合放送事業者のネットワークの関係を考慮いたしまして、原放送事業者が他の放送事業者の手段によって一時的固定をできる制度がございますけれども、有線放送事業者の場合につきましてはネットワークの実態がないことにかんがみまして、自己の手段のみによる一時的固定を認めるという点で差をつけておる状況でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 もう一つの問題は、特に今お話がありましたように、有線放送の番組の制作、編成に放送と同じように準創作性があるということからこれを保護していくということに立っていると思うのですが、この隣接権条約ではまだ有線放送事業の事業者の保護というのは決められていないわけですね。それに対して今回の一部改正によっては日本において初めて保護するということを法律の中に明確に規定をしたということに非常に特徴があろう、こう思うのですけれども、ここで言う複製権、放送権及び再有線放送権あるいは伝達権というようなものを認めていくその事情といいますか理由、そういうものを若干お伺いをしたい、こう思うのです。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 何をもって著作隣接権という概念に包摂するかというのは、それぞれの国ごとのお家柄によっても異なるものであろうかという感じはいたします。  そこで、一九六一年のローマ条約におきましては、実演家、レコード製作者、放送事業者、この三者についての権利を定めておりますけれども、各国の法制が、この三者、隣接権条約加入国はもちろんのこと、加入国以外でもおよそこの三つの権利を保護するというのが世界の大勢でございます。しかし一部の国におきましては、この三者以外のものをそれぞれの国では隣接権という考え方の中でカバーしているものもございます。例えばスウェーデンにおきましては、カタログ一覧表といったような、いわゆる編集著作物ではございませんけれども、単に数字等を羅列したものでありましても、そういうものにつきましては著作隣接権の保護を与える。あるいは西ドイツにおきましては、著作権の存しない学術的な版につきまして、出版者の版について隣接権を認めるといったような、それぞれの国の事情によって隣接権を認めている国もあるわけでございまして、そういう意味では、今申し上げた三者以外の権利を隣接権としてどのように保護するかはその国の立法政策によるものだと思います。  しかし、有線放送の場合につきましては、今我が国が、提案申し上げておりますような考え方というのは、少なくとも各国でもこれに追随して、いずれは隣接権の世界で有線放送事業者の保護が図られるようになるであろう。つまり日本が先端を切り、かつ諸外国がついてくるのではないかという感じを持っているわけでございます。ただ、それが条約の中へ入るかどうかということになりますと、いわゆる条約といいますのは国境を越えて利用されるわけでございますから、有線放送が国を越えて相互に利用されるという形態は余り考えられないという現実から見ますと、条約上有線放送事業者が規定されるかどうかはまだ先の問題としてどうかなという感じはいたします。  いずれにしましても、隣接権条約で規定しております事柄というのは、条約で書いていることを各国でそれぞれ保護し合うというシステムでございまして、それ以外のものを隣接権として保護することを禁止したりあるいは制限したりする趣旨のものではございません。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 実は、有線放送のことをもう少し伺いたいわけでありますけれども、時間が来てしまいまして、ちょっとはしょってまとめて質問いたしますのでお答えいただきたい、こう思うのです。  実は、前にも貸しレコードの問題で、大変著作権との絡みで議論をいたしたこともございますが、今回の場合、現行法において、レコード製作者が商業用レコードの二次使用料を受ける権利は、放送事業者及び音楽の提供を主たる目的とする有線放送を業として行なう者に限定されていますが、改正案では、この二次使用料を受ける権利は音楽有線放送事業者以外の有線放送事業者にも適用されることとしてあって、二次使用料を受ける権利が及ぶ範囲を少なくとも著作権の及ぶ範囲にまで拡大するという考え方で、大変適切だというふうに業界はとらえているようです。しかし、そうでありながらも、商業用レコードを使用して有線送信を行う場合にも二次使用料を受ける権利が及ぶように規定できないものかどうか、こういうふうに業界としては考えているようでありますが、この点についてはどういうようにお考えになっているのか、これが一つです。  それから、若干前の議論でも触れてはおりますけれども、放送事業による一時的固定の問題があります。ベルヌ条約第十一条の二第三項では、「放送機関が自己の手段により自己の放送のために行う一時的記録の制度」と規定され、隣接権条約第十五条1の(C)では、「放送事業者が自己の手段をもってかつ自己の放送のために行なう一時的固定」を保護の例外として規定をしている。現行法による他の放送事業者の手段についても条約上は制限過剰との疑義が持たれるところであり、加えて、放送事業者以外への適用は明らかに条約の規定を逸脱したものと考えられます。したがいまして、一時的固定の制度は少なくとも現行法の放送事業者に限定すべきものと考える、こういうふうに業界としては強く要望するということがこれに出されているわけでありますけれども、この二つの問題について文化庁の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 第一点の、二次使用料の支払い義務に関しまして、有線放送事業者に支払い義務を課したわけでございますが、これを有線送信事業者にも拡大すべきではないかというただいまの御意見でございます。  有線放送事業者に支払い義務を課しました理由といたしましては、先ほど申し上げましたように、隣接権として有線放送事業者を保護するという保護との関係の相関関係におきまして、権利を認めるかわりに放送事業着が支払っておる二次使用料支払い義務と同様な義務も履行していただきたい、そういった権利義務のバランスをとって二次使用料支払い義務に関します範囲拡大をしたわけでございます。そういった点で、有線送信事業者は著作隣接権としては保護をいたしておりません関係上、そういった同様の理由の要請を有線送信事業者に要求するのはいかがであろうかというのが第一点。  第二点としましては、現在のデータベースオンラインサービス等のようなケース、あるいはキャプテンサービスに代表されましたようなビデオテックスの利用形態を見ましても、いわゆるレコードを用いて音楽を流すサービスというものが現時点では余り考えられないという状況もございますし、そういった点で今後の問題といたしましては、有線送信事業者に対します二次使用料支払い義務を課す場合の問題としては、隣接権として保護するのかどうか、あるいは隣接権として保護しなくても実態的に商業用レコードを用いたオンラインサービスというのが経済的に相当ウエートの高い形で利用される実態が出てくるのかどうか、そういった状況を踏まえて検討すべき問題ではなかろうかと考えている次第でございます。  それから、第二点の、有線放送のための一時的固定制度につきまして、ただいま先生の方から条約を援用されました適切な御指摘をいただいたわけでございます。確かに、ローマ条約の十五条の中では、放送事業者が自己の手段により固定する場合を例外として定めることができるという規定がございまして、有線放送事業者については言及をされておりません。しかし、ローマ条約で一応書いておりますのは、条約自体が非常にアバウトなものではございますけれども、固定物の再固定につきまして、もともと権利といたしましては自分が固定したものを再固定をする、つまり一たん許諾を与えた固定物の再固定については隣接権条約が及ばないことになっているわけでございますから、そういう意味では生実演の固定ということに意味があるわけでございます。そういう意味で、有線放送事業の場合に、生実演を有線放送番組に流すために固定をしておく、記録をしておくというようなことが実態的にどの程度のものか、まずケースは少ないのではないかと思われますけれども、現実にそういうことがあり得たといたしましても、いわゆる条約上大きな問題として、つまりこれは実演家の権利を侵害するものとして条約違反になるといったような性格のものではなくて、条約では触れていなくても、私どもの理解では通常、難しい言葉ですが、小留保と呼んでおりますマイナーリザーべーションという形で、各国の法制によって現実的に対応できるようなシステムのものであろうと考えているわけでございまして、有線放送のための一時的固定制度を現実に認めている外国の例もあるわけでございまして、そういう意味では、確かにこの問題は議論の余地はあり得ると思いますけれども、事柄としては、条約との関係で抵触関係あるいは条約違反の状態が出るというものではないと理解をいたしております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 時間が来てしまいましたが、特に隣接権条約につきましては、前の国会でも附帯決議の中で条約締結を促進をすべきだという意見もつけてありますし、なお、イギリス、スウェーデン、ノルウェー、イタリア、アイルランド、西独、フィンランド、デンマーク、チェコ、オーストリアなど、近くフランスも加盟するそうでありますけれども、いわば世界の先進国が加盟している、こういう状況の中にあれば、ましてこういうニューメディアの進歩著しい我が国においても、この隣接権条約の加入を促進をすべきだというふうに思いますので、その点についての御努力を特にお願いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 佐藤誼君。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 大臣がいないようでありますので、大臣に対する質問は後ほどということで……。  二つの法律案が一緒に審議されているわけでございますが、もちろん相互に関連はあるわけでありますけれども、同僚の田中議員が主として著作権法の一部を改正する法律案を中心に質問されたようでございますので、私の方からは、プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律案、これの方を先に質問させていただきたいと思うのです。  まず、このたび提案されているいわゆる登録特例法案の第一条の「目的」に「著作権法の特例を定める」、こういうふうになっておるわけでありますが、なぜプログラムの登録について特例を定めるということにしたのか。それから、それとのかかわりで、登録特例法によらなくとも著作権法施行令の改正で十分対応できたのではないかということ。  それから、関連して聞いておきますが、プログラムは登録しなくてもいわゆる権利が発生するわけでありますけれども、登録することによって特別にメリットがあるのかどうか、この点についてまとめて御答弁いただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 今回のプログラム登録特例法を提案させていただきましたのは、昨年の通常国会におきまして著作権法の一部改正を行い、プログラムに関します登録の制度を、七十六条の二でプログラムの特性に見合った創作年月日の登録の制度を設けさせていただきました。と同時に、七十八条の二におきまして、この登録に関しては「別に法律で定める」という形の法制定をいただいたわけでございます。  そのときの考え方としましては、プログラムの登録に関します各種の手続的な事柄につきましては、著作権法体系ではなくて別の法律で措置をするという考え方をとったわけでございます。  その理由といたしましては、今回提案申し上げております法案の中身にも見られますように、例えば登録原簿の問題、複製物の納付の問題、公示の問題、指定登録機関等の問題、いずれも別個の法律によって対応することが適切であり、また法律に規定することにふさわしい事柄でございます。しかしながら、著作権法の中では、いわゆる権利の性質周辺を書いておりますけれども、今申し上げたプログラムの登録についてのみの特別な手続法でございますので、著作権法体系とは別の法律で制定するのがふさわしいという考え方をとったわけでございます。  なぜ法律でなければならないか、つまり政令でもよろしいのではないかという先生の御意見でございますが、例えば第一点の著作権登録原簿は、法律で、著作権法本体で書いてあるわけでございまして、これは登録原簿自体はバインダー式帳簿によって作成いたしますけれども、それは登録原簿でなくてもいわゆる磁気テープによっても作成ができるのだというつくり方の法律の特例を書くわけでございます。  それから、第二点の、複製物の納付でございますと、本来ならば、そういった各人の所有物を提出させるという権利義務に関するような事柄というのはやはり法律事項で制定する方が適当であろう。  それから、第三の、公示の問題につきましても、本人が希望するか、しないかにかかわらず、そのプログラムに関します一定の事実を世の中に公表するということにつきましては法律をもって制定する方が適当であるということでございます。  第四点の、指定登録機関につきましては、これは当然文化庁長官が行うべき登録を、一定の機関に一種の事務委託的な考え方で行わせるわけでございますので、法律によらずしては、文化庁長官の権限を譲るあるいは民間機関に任せるということは考えられないわけでございまして、いずれも政令に規定する事柄ではなくて法律事項であると判断をして提案をさせていただいたわけでございます。  それから、プログラムの登録に関しますメリットでございますが、創作年月日登録を設けた制度の趣旨ともほぼ合致するわけでございますけれども、プログラムにつきましては、通常、内部使用にとどまる場合が多うございまして、世の中にこれを発行したり公表したりするケースというのは少のうございます。もちろん、パソコンソフト、ゲームソフトのように市販、発行されるものもございますけれども、汎用プログラム等につきましては、企業の内部等で利用されるものでございまして、それは世の中に公表されるという事態がないわけでございますから、登録制度を援用するということが極めて難しいわけでございます。そういう意味で、プログラムに関しましては創作年月日登録を設けることによりまして登録の道を開くということでございます。  この道が開けますと、登録の効果といたしましては、いつの時点でプログラムが創作されたかということを法律上推定する効果を規定いたしておりますが、そのこともさることながら、実質的なメリットといたしましては、登録しておくことによりまして、このプログラムの具体的な著作者はこの人であるということが事実上確定される。それから第二点といたしましては、訴訟上のトラブル等があるいは盗作等のトラブルが起きました場合においては、どのプログラムのどの部分をまねしたのかということを立証するためには、登録しておきますと立証が非常に容易である、そういった訴訟上の便宜もあるというようなメリットもあるわけでございます。そういう意味で、貴重なプログラムが盗作の危険がある、あるいは人からまねされないように、あるいはまねされた場合にそれに有効に対抗するための手段としてこのプログラム登録制度というのは大いに活用し得ることでありまして、一種の保険と申し上げては恐縮でございますけれども、そういう安全弁として、安心料といいますか、登録をしておくことによってこれが盗まれるということは蓋然性が下がるであろうという期待を登録側も持たれるのではないか、そういう意味で登録上の制度としましては、法的な推定制度以外に事実上の観点からの視点から登録制度が活用されるのではないかと期待をしている次第でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 プログラム登録について法律事項にしたという、前国会からの一連の流れについでずっと話があったのですが、前国会等でもこのことは議論されて、先ほどありました七十六条の二という根拠法律規定がつくられたものとは思いますけれども、それはさかのぼる問題ですから、これ以上深みに入った質問はいたしません。  ただ、メリットの関係からいいますと、今も答弁ありましたけれども、訴訟上のトラブルとかいろいろなことを想定しまして、一種の保険料というか安心料というかそういう趣旨の話をされたのですが、それは考えられるとは思うのですけれども、これは後で出てきますが、登録に当たっては手数料とか何か出さなければならぬわけですし、またそれぞれの手数がかかるわけですね。果たしてどういう性格のものか、委託団体に委託してその登録事務をやった場合に、果たして公正にしかも厳正に管理されるのかどうかというような問題やら、また、これは施行してみないとわかりませんけれども、そういうこととのかかわりで、安心の保険料だ、そのことの担保として手数料を払うといっても、果たしてどのくらいの人が登録してくれるのか、またするのか、この辺のところはまだ不確かな点があるわけなんで、これは後ほど関連して質問してまいりたいと思いますが、どうなんでしょうね、この法律が施行された場合に、今の答弁とのかかわりでどのくらいの方が登録されていくというふうに想定しているのか。この間、参考人は、業界としては大いに進めるんだということを言っておるのですが、まずその辺、どう考えますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 ただいまの御質問は予測でございますので、正確なお答えを申し上げるのが極めて困難でございますけれども、私どもが受けております感触としましては、先般、パソコンソフトウェア協会の清水参考人が答弁申し上げましたように、パソコンソフトに関しても数千件の登録を想定されておるようでございますし、汎用プログラムの方がどの程度出てくるのか、これも各会社等に聞いてみますと、余り登録をしない予定のところもございますし、ほとんど登録したいというところもございますので、数字はわかりませんけれども、やはり同様に数千件程度あり得るのではないかというのが私ども現在受けている感触でございまして、従来、プログラム以外の登録の例が年間二百件前後というような状況でございますので、そういう意味から申しますと、レベルの、数の相当大幅に違う登録が出てくるのではないか。そういう意味で、文化庁としては、せいぜい年間二百件程度の登録であるならば文化庁長官がみずから登録事務を行うということを考えておったわけでございますけれども、とてもそれでは対応できないような状況が想定されますために、指定登録機関を設けた事務処理ということを考えている次第でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 これは予測、予想の問題ですから、はっきりお答えしづらいと思うのです。ただ、六十一年一月一日施行のいわゆるチップ法ですか、これは当初の想定としてはかなり登録があるのではないかということも言われたわけなんですけれども、実際ふたをあけてみると予想したほどの雑録はなかったと聞いているのですが、この辺はどうなんですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 半導体チップの登録の問題につきまして、他省所管の事柄でございますので私ども言及するのは差し控えたいと思いますが、外国の例で申し上げますと、実は、アメリカでも登録制度が行われておりますけれども、年々登録の件数が増加して、昨年、一昨年ぐらいの数字でございますか、年間一万件程度の登録があるようでございますので、そういったプログラムの普及度、開発度というものを考えました場合に、日本も同様な傾向をたどるのではないかなと、あくまでもこれは想定でございますし、そういう意味で予想には常にリスクが伴うわけでございますから、指定登録機関をお願いする場合にもその辺の不安材料がないとはいたしませんけれども、先ほど申し上げましたように、現在、業界、関係団体の方からの感触としては、相当程度の件数が出てくるのではないかという感触を得ているということで進めさせていただいている段階でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 それじゃ先に質問を進めますが、プログラム登録法律案によりますと、第三章に「登録機関に関する特例」とありまして、以下第五条からずっと二十八条までありますね。私は登録事務というのは本来国が行うのが至当だと思うのだけれども、なぜこのプログラム登録に限ってここで言う指定登録機関に行わせることにしたのか。この辺はどうなんですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 内情を申し上げて大変恐縮でございますが、文化庁の著作権課はわずか十名少々の人数で、法改正、いろいろな審議、それから登録事務等多般のことを行っておるわけでございまして、実は登録の専任職員と申しますか、かけ持ちで登録の担当をしていただいている職員が二名でございます。そこで、先ほど申し上げましたように膨大な件数に上ると想定される登録事務を行うためには、大幅な定員増が必要になるわけでございまして、現下の国家財政の状況にかんがみますれば、とても定員の大幅増を期待するわけにはいかない。そのような意味合いもございますし、また、登録をいたしますと、どうしても物理的にそれを保管する施設、場所、スペース等も必要になる。そういった状況等を考えまして、指定登録機関の制度を考えたわけでございます。  本来は国の事務であるとおっしゃいました。先生、まことにそのとおりでございますけれども、この登録事務に関しましては、いわゆる工業所有権のように内容を審査するという制度のものではございませんで、登録の書式等の要件が整っておりますれば形式的審査によって登録をする。そういう意味では、公権力の判断によってこれは登録する、しないというような自由裁量の余地の余りないものでございますので、事務的に登録機関に行わすことによりましても、いわゆる国の本来の行政事務の執行を阻害するあるいは公正を害するというようなことは余り考えられない。しかも、そういった公正の執行担保といたしましては、諸般の条件をこの登録法の中で規定いたしまして、監督を十分にするということによって、実質上文化庁が登録するのと同様の効果を上げることができるのではないか。そういった点で、主として行政簡素化の視点に立ったこういった制度の導入を考えたわけでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 大変そつなく答弁されておりますけれども、簡単に言えば、行政改革、中曽根流の民活というふうにさしずめ考えていいのではないかと受けとめざるを得ないのでありますが、そこで、法律に関連したことで若干聞いておきます。  第五条の「指定」というのは法律上とのような行為を言うのか。それから、第三章全体にずっとかかわってきますけれども、今もお話ありましたが、指定登録機関で真に公正な登録が行われるだろうか、本来国がやるべきものを。それから、第八条に「正当な理由がある場合を除き、」とありますが、この「正当な理由」とは何を指すのか。それから、第二十五条、登録に関する手数料等の額はどの程度設定するつもりなのか。「実費を勘案して」とありますけれども、その場合の算定基礎はどの辺に置いているのか。長くなりますから、以上四点、法律に関連して端的にお答えいただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 まず第一点の、「指定」の法律上の性格でございますけれども、一種の行政機関を選定する行為でございますが、内容的には一種の事務を行わせる。指定された者が登録をすることができるあるいは登録をしなければならない立場に立つという意味では、法律上の講学的な意味では難しゅうございますが、一種の特許、特別に許しを与えるという、行政法上の用語で言いますと特許に相当するような行為ではないかと考えております。  第二点の、登録が公正に行われるかどうかということでございますけれども、これは登録を公正に行えるような条件を備えた機関を指定し、かつ、その登録事務に関しましてそれぞれの行政指導が行えるように、法律上各般の報告義務であるとか立入検査であるとか命令であるとか監督といった規定がございますので、それによって担保したいと考えているわけでございます。  それから、第三点の、「正当な理由がある場合を除き、プログラム登録を行わなければならない。」という場合の「正当な理由」でございますけれども、具体的な例としましては、例えば手数料を納めないというようなケースは当然登録は拒否できるわけでございますし、それから、登録の書式が要求したものに適合しているかどうかということで、書類不備、つまり要求した条件を満たさない登録の場合であるとか、それから、これはケースとしては余り考えられませんけれども、明らかにプログラムではないと思われるものを登録するというようなこと、それが客観的に明々白々な場合は「正当な理由である場合」に該当するのではないかと思います。  それから、二十五条の「実費を勘案して政令で定める額の手数料」は幾らぐらいを予定しているのかということでございますけれども、現時点でまだ幾らという考え方、腹案はございませんが、半導体チップの登録手数料が四万円取っているところでございます。それから、先般、参考人でパソコンソフトウェア協会の方からは、四万円は高過ぎるので、せめて二万円以内におさめてほしいという御意見等もあったわけでございまして、そういった感触は受けているわけでございます。要するに、登録件数がどの程度になるのか、それに従事する職員の経費がどの程度になるのか、そういった総合勘案の上で決める事柄になろうかと思いますが、およその相場というものは今申し上げましたような状況と食い違わない数字にはなるのではないかということで、これはまた、今後手数料を納めるにつきましては大蔵省とも協議をいたさなければなりませんので、その辺も十分相談した上で、適切な料金を定めたいと考えております。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 最後の、手数料にかかわる件ですけれども、手数料というのはそもそもどういう性格のものなのかということなんですが、今の答弁から敷衍して想定いたしますと、指定登録機関の登録に係る諸費用、必要経費、こういうものを賄うものやに見られるわけです。もしそうだとすれば、登録する側からいえば、国が登録事務をやってくれれば手数料は要らぬわけですから、わざわざ指定登録機関を設けてやっているために登録するのに手数料を取られる、簡単に言うとそういうことです。登録する側から見れば、登録することによってその都度手数料を取られるのはかなわぬじゃないかということなので、今流に言う、つまり民活というか、民間の方に委託して、国民がそれとのかかわりで経費を負担しなければならぬということにつながる一つの発想と制度になるのではないかと思われるのですけれども、その辺はどう考えているのか。  それから、先ほどの答弁では二百件前後ぐらいであれば文化庁みずからがやれるんだがという程度の話もあったのですが、これからどれくらい出るかわかりませんよ。ただ、二十二条ではこういう場合には文化庁長官が登録事務をやるんだ、こういうことも言っているわけです。ですから、これから登録の件数が少なくなっていけば、場合によっては国の事務として引き受けてやるということも考えられるのではないか、今のような発想からいうと。そうなりますと、登録する側からいえば手数料は要らないし簡便にいく、こういうことにもなるわけで、民間活力の手法とでもいいましょうか、この辺の考え方について、どうなんですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 登録手数料の考え方は、登録を受けることによって利益を得る者から必要な経費を徴収するというのが手数料の趣旨でございます。したがいまして、今回の手数料にいたしましても、例えば、登録事務に要する人員の人件費であるとか、登録機関におきます施設設備の維持管理に要する経費であるとか、そういったものを勘案して定めるわけでございます。  先生おっしゃいますように、確かに登録の件数が少なくなれば、例えば指定登録機関で登録をするために施設を整え、人員を置いていても閑古鳥が鳴くという状態になれば、その指定登録機関の経営自体が成り立たないわけでございますから、文化庁長官が申し上げるより先にむしろ指定登録機関の方で、もう勘弁してください、こんな仕事は大赤字でとてももちませんということは当然あり得るわけでございまして、そういうような事態に立ち至りますれば、それでも強引に登録機関でやってほしい、大赤字でもやってほしいということを文化庁では申し上げにくくはなるだろうと思いますし、閑古鳥が鳴く事態になれば、もちろん件数の数にもよりますけれども、文化庁で十分登録できる体制ならば文化庁みずからが行うことも当然あり得ると思います。  ただ、この登録制度自体は、手数料にいたしましても、登録を義務づけているわけではございませんで、この制度を活用してやりたいという人が、どの程度の料金ならば一種の保険のつもりでやろうという、そういった点は、経費とあるいは登録の効果、実益との相互バランスにおいてそれぞれ登録申請者がお考えになる事柄でもございますし、今後運用の実態を見ながら適切に対応したいと考えておる次第でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 この法律案を見ても、この条文全体が、指定登録機関のことで随分条項が割かれていますね。今答弁がありましたけれども、非常にポイントになる部分の一つだと思うのです。これは登録の手数料がどのぐらいになるか、メリットがどうなのか、そのことによって登録の件数がどのぐらいになるのか、それによって手数料総合計の収入がどのぐらいになるのか、そのことによって指定登録機関が人件費その他を含めて維持できるのかどうか、非常に関連する問題ですね。ただ、考えられるのは、指定登録機関は指定して設けられたが、やってみたけれども赤字になった云云と、こういう場合に国は補助するのかどうか、この辺はどうなんですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 まことに虫のいい答えになるわけでございますが、現時点では国が補助することは考えていないわけでございます。この登録制度自体は、ある意味で権利者サイド、業界等の要望等もございましてこういった制度に踏み切ったわけでございますので、そのためにはそれぞれ登録の実質的なメリットを受ける関係団体、業界等の方からも御協力を願って指定登録機関が成り立つようなことも考えていただかないと、制度は欲しい、金は国で、人も面倒見ろということでは、今の状況の中では対応できない苦しい立場がある。そういう意味合いで、関係団体の方の御協力もお願いしながら何とか皆様方で自主的に成り立つように、もし赤字になるとするならば、そういった応分の御協力を願うこともあり得るのではないかと考えているわけでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 想定も入っていますから、もうこれ以上質問を続けませんけれども、今の答弁などを聞きますと、中曽根流の行政改革、典型的な民活ではないかと言わざるを得ないのですけれども、その程度にとどめておきます。  最後に、一点だけ、プログラム登録のみ磁気テープで登録原簿を調製することにしているわけですが、その理由は。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 現在の著作権登録原簿は、いわゆる紙でつくりましてとじ合わせたバインダー式の帳簿でございまして、一冊のもので何が登録されているということになりますと調べるのも比較的容易でございまして、登録原簿をめくって何ページに何があるというようなことで、それぞれの閲覧あるいは謄本、抄本の請求等にも対応できる状況になっているわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、数千件の毎年の膨大なプログラムが登録されるということになってまいりますと、どのようなものが登録されているのか、あるいは謄本、抄本の請求といったような場合になりますと、大変膨大な事務あるいは手間暇がかかるということもございますし、相当の件数でございますので、磁気テープに格納しておけば、コンピューターによりまして必要な資料、情報がすぐ取り出せる。したがって、関係権利者等利害関係者の閲覧あるいは謄本、抄本の請求等にも十分対応できる機能的なことを考えているわけでございまして、既に特許庁等におきましても、工業所有権に関してはこのような措置が講ぜられているわけでございますので、おくればせながら、コンピュータープログラムの登録関係につきましては磁気テープによる調製を想定したということでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 それでは、もう一つの法律であります著作権法の一部を改正する法律案について質問してまいります。これについては同僚の田中議員からかなり質問されておりますから、若干ダブる点もあるかもしれませんけれども、限られた時間でありますが、質問を続行したいと思うのです。  それで、第一点は、前回、第百二国会の著作権法の一部改正によりまして、プログラムの法的権利保護が明確にされて、今回はデータベース及び有線放送等の権利保護について改正案で提案されているわけです。しかし、これからニューメディア時代を想定した場合に、これらに広く関連する保護について、果たして著作権法の改正で十分対応していけるのかどうか。むしろ、これからニューメディア関係の保護のための独立した法案を検討していく必要があるのではないか。徐々にそういう時期に入ってきているのではないかということも想定されるわけなんです、私から言うと。つまり、広く関連する保護といいますと、プライバシーの問題とか、それからアイデアの問題であるとか、あるいはコンピューター犯罪の問題であるとか、こういうものを広く考えていったときに、この著作権法だけではどうしても壁にぶつかると思うのです。片一方、ニューメディアというのはどんどん進んでいきますから、そうすると、包括的なものがどうしても必要になってくるのではないかということが想定されるわけなんでありまして、今データベース、有線放送等についてようやく改正案を出したのにさらに先のことというふうになるかもしれませんけれども、非常にテンポが速いので、この辺についてどう考えるのか、大臣もせっかくおいでですから、これは大臣も考え方があったら一緒に述べてください。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 大臣がお答え申し上げます前に、ちょっと事務的な観点で申し上げたいと思います。  著作権制度と申しますのは極めてすぐれた制度でございまして、人間の知的な所有権と言われておりますものを大別しますと、工業所有権と著作権制度の二つがあるわけでございますが、著作権自体は頭脳活動の思想、感情の表現というものを著作物として保護をする。そして、著作物の範囲は歴史的にも、例えばかつての小説、音楽、絵画から写真、映画の範囲まで広がってまいりました。そういう意味で、非常に弾力的にいろいろな著作物の範囲も広がり得るというわけでございます。  それから、第二番目には、著作物の利用態様としていろいろなメディアが出てまいりました過去の歴史の中におきましても、録音権であるとか放送権であるとか、それぞれのメディアに対応した権利の設定によってカバーされてきておるわけでございます。今後の技術革新の進歩というのは非常に予測しがたいものがございますけれども、著作物の範囲の拡大、著作物利用権の範囲の拡大ということによって、原理原則的には対応できる事柄が十分でございまして、その場合の特性に見合った措置は、著作権の制限等による規定の整備によってカバーできると考えておるわけでございます。  もちろん、先生がおっしゃいますように、独自立法の方法もないわけではないわけでございますけれども、その場合にはまた改めて権利の内容を書き、どういうものを保護するのか保護の範囲を書き、あるいはそれに対して権利は何が及ぶのか、その権利の制限はどうするのか、つまり、現在著作権法で規定しております事柄をすべて再度全部書き直すといいますか、同じことを書く必要というのが出てまいるわけでございますし、あるいは権利救済の問題についてもしかりでございます。そういう意味では、現時点の著作権制度という非常に弾力的な可塑性に富む制度の中で体制を整備してくるというのが従来のやり方でもございましたし、また現実も対応できるのではないかというのが文化庁が考えている現在の考え方でもありますし、また国際的にもそういう状況にあろうかと思います。もちろん将来の問題は予測不可能でございますから、現在の著作権制度がパンクするというようなこともあり得ないわけではないと思います。  それから、プライバシーの保護の問題その他、いわゆるニューメディアに関連した別途の視点からの制度というのは当然あり得るわけでございまして、ただ、それは著作権制度と同時に結合して独自の体系をつくることがベターかどうかというのはなお一議論あるところではないかというのが、私ども事務屋の考えている事柄でございます。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 ニューメディアの問題は、私自身がまだ、学問的にどの辺までどう発展していくものであろうか、予測する知識すら持っておりませんので、今後どんどんと全く新しいものが限りなく出てくるのかもしれないというときに、先生が今、ではおまえ、この法案の改正で十分それがカバーできるかどうかとおっしゃいますと、私にとっては何とも申し上げかねる立場でございます。しかし、きょう現在の現実で参りますと、せっかく著作権審議会の第七小委員会の皆様が御議論をいただいたその報告の結論でもあり、また国会の昨年の附帯決議におきましても、ニューメディアやデータベースについては早くこの法改正をきちっとやれということも踏まえられておりますので、現段階といたしますとこれでカバーできるのではないか。政府委員が申し上げましたように、そんな判断でおりますので、何もやらないよりはやはりやらなければならぬし、やった方がよりよくなる、こう思ってやっておりますが、全く新しい状況が出てきますときは、また先生方といろいろ御相談させていただきながら、それに対する対応はそれはとらなければならぬもので、未来永劫これでいいなんという考えは毛頭ございません。今日のところこれで十分できるのではないか、こういう考えで提出をさせていただいた、こういうことでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 それでは、質問を先へ進めます。  先般、著作権審議会に第九委員会が設置されまして、コンピューターグラフィックス、それから自動翻訳などによる創作物の保護について検討を開始したというふうに聞いているのでありますけれども、その設置の経緯、それから主な検討事項及び今後の審議日程、この辺がどうなっているのか。私も素人なんですけれども、思うに、今後コンピューター及びその利用技術の開発普及がどんどん進んでいきますと、それに伴ってのコンピューター利用によって作成される著作物の種類もどんどんふえていくと思うのですね。特に、コンピュータープログラムによってプログラムをつくりそれによって新しいものが次々とつくられていく、こういうことも想定されるわけであります。そうなりますと、どのようなものが著作物と言えるのか、それからコンピューター著作物の著作権はだれになるのか、それから、簡単に言えば、人間の手の離れたところでどんどん新しいものがつくられていったときにどういうことになるのか、その辺の問題をどう考えているのか、また、先ほど申し上げた検討の日程などどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 実は、コンピューター創作物の問題につきましては、過去相当長い間の議論があったところでございます。我が国におきましても、昭和四十八年に著作権審議会の第二小委員会から報告をちょうだいしております。この場合には、コンピュータープログラムをどのように保護するのかという問題以外に、コンピューターによってつくられる、アウトプットされる成果物に対する著作権法上の考え方も御議論があったわけでございまして、また、その報告の中でも触れられてはおりますけれども、当時ももやもやとしておりまして、断定的な意見ではなくて、こうも考えられるけれどもこうも考えられるかなというような非常に不明確な判断で今後の検討課題であるとされて、それから十数年経過しているわけでございます。また、国際的にもこの議論は著作権に関します国際会合でも取り上げられますけれども、掘り下げた議論ではなくて、難しい問題であるなどいう問題認識にとどまって、各国それぞれ国内的に首をひねっているというのが現状ではなかろうかと思うわけでございます。少なくとも、その十数年前の時点におきましては、コンピューター創作物というのは、現実につくられる場合といたしましては相当人間の手が入って、まさにコンピューターを手段として使っているにすぎないという形態が多かったわけでございますけれども、現状において考えますと、まさにコンピューターそのものがほうっておいても自動的に翻訳をしてしまうとか、作意的な人間の意思と余り関係なくグラフィックスができるとかあるいは作曲ができるということがあり得る状況になって、いずれはそれが実用化されてくるのではないか。現にかなり、精度はそれほどでございませんけれども、翻訳のシステムというのはだんだん高度化してまいりまして、簡単な学術情報ならば翻訳ができる状況になってまいっております。小説等のような非常に微妙な人間の感覚をあらわすようなものは翻訳にはまだなじまないということでございますけれども、これは時代の進展によってどうなるかわからぬわけでございます。  そういった意味で、こういう状況の中でニューメディア、データベースの法改正を提案させていただいておるわけでございますけれども、今後の大きな課題としてはコンピューター創作物の問題であるということが、昨年のコンピュータープログラムに関します著作権法改正を提案しました時点から審議会でも話題になり議論になっていた事柄でございますし、一応今回の法改正が終わりました後の一つの大きなテーマとしてこれを審議会で審議をしようということで、昨年十二月に第九小委員会の設置を決定し、ことしの三月から第九小委員会をスタートさせ議論が始まりだという状況でございます。  この小委員会におきましては、内容的には、ただいま先生おっしゃいましたように、一体人間がどの程度の関与をしたのか、つくったと言えるのかどうか、人間の意思とコンピューター創作物との関係、つまりその関与の度合い、したがって、著作者がだれになるのか、でき上がったコンピューター創作物に関する権利は果たしてだれが行使をするのかといった問題も当然大きなテーマとしてあるわけでございますけれども、基本的には、今申し上げましたように、人間がつくったものとして現在著作権法上思想、感情の創作的な表現と言っております分野、範疇にコンピュータープログラムによってつくられた創作物を含ましめるのか、あるいは別個独立のコンピューター成果物に関する特別な法制度を設けるのか、そういった点が議論の大中心になるというぐあいに考えておりまして、若干の時間をかけながらこの研究討議を進めていき、かつ、世界をリードする形で、日本の審議会の判断が世界各国にも通用するようなものをまとめていただきたいなと思っているのが現状でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 交通整理をした答弁をされまして、問題状況は少しわかったのですが、これからの新しい分野ですから、しかも、今答弁されたように十分検討しなければならぬ課題だと思いますので、この辺は今後の一つの検討とその成果を待ちたいというふうに思っております。ただ、おくれないようにすることが重要ではないかということだけを私の方から指摘をさせていただきたいと思います。  次に、複写機器の普及に伴って出版物の無断複製が大量に今行われておりまして、著作者の権利のみならず出版者の利益も大変脅かされている現状にあることは御案内のとおりであります。その点、出版者の保護についてどう考えるのか。また、著作権審議会の第八小委員会での検討状況はこのことについてどういうふうになっているのか。また、時間がありませんのであわせて質問しておきますが、昨年の第百二通常国会の衆議院文教委員会の附帯決議の第三項呉「複写複製問題については、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立に努めるとともに、出版者を保護するため出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設について検討を行うこと。」こうありますね。ですから、この辺の関連を含めてひとつ御答弁いただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 版の保護の問題が具体的に提起されてまいりましたのは、先生今おっしゃいました集中的権利処理機構の確立との絡みでございました。と申しますのは、いわゆるコピー公害と言われております現在の複写複製の問題、これは長い間時間をかけて著作権審議会でも議論をし、また集中的権利処理に関する調査研究協力者会議等におきましても御議論いただき、その報告を受けまして、民間におきます特に書籍出版協会を中心とした集中的権利処理機構の設立のための動きがあったわけでございます。  その研究段階におきまして、現実にその被害を受けているのは出版者であるにもかかわらず、現在の法制度上は出版者には権利がない。しかし、こういった集中的権利処理機構をつくっていこうとしますと、学術雑誌の著作者でございますと、例えば大学の教授の方であるとか学術者でございまして、そういった集中的権利処理機構をつくるだけの能力も態勢もないわけでございまして、中心はどうしても出版者にならざるを得ない。ところが、中心になろうとする方は実は権利者ではないというような状況の中で、ジレンマに陥っているわけでございます。  そういった点で、昨年の当委員会におきます附帯決議もありますが、と同時に、昨年の段階に至りまして、春でございますけれども、日本書籍出版協会、雑誌協会等関係団体の方から版の権利を確立するような要望書が提出されまして、そういった動きが加速化されたわけでございます。そういった状況を受けまして、文化庁におきましても、昨年の七月の著作権審議会におきまして第八小委員会の設置を決定していただきまして、九月に第八小委員会をスタートさせ審議を開始したわけでございます。現在まで五回の会議を開いておりますけれども、その検討を重ね、まず出版者等の団体からの意見聴取、現時点におきます国際機関における検討状況、それからそもそも出版者の保護をする必要があるのかどうかという審議を開始して、現在、保護の対象をどうするのか、そういった事柄の審議に入っている段階でございます。  いずれにいたしましても、私どもの長期予測といたしましては、いわゆる複写複製問題に対応する問題解決は、あくまでも集中的権利処理機構をつくっていただいて、そこで使用者側との間で話し合いを進めていただくことが必要なわけでございますから、この集中的権利処理機構を設立する時点までには版の権利というものを確立しておく必要があるわけでございまして、こういった制度面と実態面の両方によりましてこの複写複製問題の対応を急ぎたいと考えているわけでございますし、現在、精力的に第八小委員会での審議をお願いしている状況でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 それでは、次に、著作隣接権条約にかかわる問題で、これは同僚の田中議員も先ほど質問されたわけでありますけれども、この著作隣接権条約にはない有線放送事業者の保護についてこのたび法改正ということで出されているわけです。これは各国に先駆けている点で大変評価されるわけですけれども、そこまで踏み込まれておりながら、なぜこの著作隣接権条約にいまだに入っていないのか。特に昭和五十三年四月、第八十四回国会の参議院の附帯決議、かなり古い附帯決議ですけれども、直ちに加入すべきだという附帯決議も出ているのですね。以来何年もたっているわけですけれども、各方面から言われているけれどもなかなか加盟という状況には立ち至っていない。まあいろいろあろうけれども、どの辺が隘路なのか。特に基本的な問題ですから、この辺の加入について大臣はどう考えるのか。長い課題でありますから、ひとつまとめて御答弁いただきたいのです。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 隣接権条約は、昭和三十六年に実演家、レコード製作者及び放送事業者の国際的保護を図るため、ユネスコ、WIPO及びILOが中心となって作成し、現在二十九カ国が加盟している条約でありますが、我が国の著作権法もこの条約を参考にして著作隣接権制度を導入しておるところでございます。  加入につきましては、先生御指摘の国会の附帯決議でも指摘されておるとおり、文化庁といたしましては、かねてから同条約への早期加入を実現すべく検討してきているところと聞いております。しかし、同条約への加入につきましては、いろいろ関係当事国の一部には時期尚早であるとの意見もあると承っており、関係当事者間の意見調整に努めるとともに、著作権審議会において昭和五十九年五月から検討が行われておると聞いておりますので、この結果を待って対応をしていきたいと思っております。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 これは当然のことながら各界からも強い要望が出ていることでありますし、ぜひ早急に実現しなければならぬ。これは大臣もよく御理解されていると思いますので、海部文部大臣の時代に条約に入るというくらいの決断を持って進めていただきたい、このことを申し述べまして、次の質問に入ります。  このたび提案された著作権法の一部改正案で、有線放送事業者に著作隣接権を認めその保護をする、こういうことになっているわけでありますけれども、将来は有線送信事業者にもこの著作隣接権を広げていくということが考えられるのじゃないか、また検討されていかなければならないのではないかと思うわけですけれども、この辺どう考えるのか。  これは直接かかわりがあるのかどうか私もちょっとわからない点があるのですけれども、この間、日本芸能実演家団体協議会専務理事の小泉博君がここに来ての参考人としての意見陳述の中で、ただ一つ疑問点として、今後、有線放送以外の有線送信によっても商業用レコードが送信されるケースが考えられるため、有線送信を業とする者にも二次使用料の支払い義務を規定しなければならないという点がある、いずれ有線送信を業とする者の法的位置づけが定まった時点で解決されなければならない問題であると考える、こういうことを意見として述べています。ですから、こういう業界等の意見も広く考えたときに、こういう時期が来るんじゃないか、また検討を始めなければならぬのではないかと推定されるのですけれども、この辺についてどうお考えですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 まず、有線送信事業者を著作隣接権で保護すべきではないかという問題につきましては、そもそも隣接権制度がスタートしました一九六一年のローマ条約におきます考え方としましては、著作物の保護だけではなくて、著作物を伝達、媒介する行為につきましても著作物の創作に準じた創作性がある、したがってそれは保護すべきであるという発想だったわけでございます。現実に実演家、レコード製作者、放送事業者の三者が保護されておりますけれども、実演家、レコード製作者はちょっと別といたしまして、放送事業者につきましては、その番組の制作、編成、そして放送番組を流す行為というものにつきましては相当知的な労力なり工夫なり創作性があると考えられる。現実には保護いたしますものは影像信号、音声信号といったものを保護するわけでございますけれども、結果としては放送の番組を実質的に保護する結果となっているわけでございます。そういった視点に立ちまして、今回、有線放送事業者の場合には自主放送を行いますと放送事業者と同様な立場に立つという認識のもとに保護の対象にしようとしたわけでございますが、有線送信事業の場合につきましては、例えばデータベースのオンラインサービスにしましてもキャプテンサービスにいたしましても、今のところ番組を編成といいますか、既存のデーターべースというものがあって、それを単に電気通信の方法によってユーザーに提供する、コンピューターオンラインシステムを利用して送っているということでございまして、送られてくるものが果たして保護に値し、そういったものが録音・録画されあるいは複製されるという状況では現時点ではないわけでございます。もちろん、現在開発段階にございますVRSというのがございまして、この場合には動画までも送ることができるシステムでございまして、そういったものが実用化されてきた場合に、動画の番組編成が果たして有線放送あるいは放送事業と同様な観点に立って保護すべき問題がどうかというのは一議論があり得ると思いますけれども、今の時点では、そういう隣接権制度になじむような保護内容を持つ性格のものかどうかについては、甚だ疑問があるというのが現在における考え方でございます。  それから、第二点の、商業用レコード二次使用料支払い義務に関しましては、有線放送事業者に隣接権を与えることとの関係におきまして二次使用料支払い義務を課す、言うなれば権利義務のバランスをとったという立法理由ではございますけれども、そういった点で有線送信に関しましては手当てをしなかったということと同時に、有線送信行為につきましては、現時点で、例えば先ほど申し上げたデータベースのオンラインサービスあるいは静止画を送るキャプテンサービスの場合には、レコードを使って音楽を流すというような形態のものはないわけでございまして、先ほど申し上げたVRSのように、動画を送る場合にそこで音声としてレコード音楽が流れるなんということは理論的に考えられるわけでございまして、それが実用化され、経済的な利用の度合いが高まった時点で、この問題をどうするかはその時点で検討する事柄ではないかと思っているわけでございまして、もちろん問題意識はないわけではございませんが、現在におきましては特段の手当ての必要はないと考えて、提案申し上げている次第でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 著作権法の一部を改正する法律案についてずっと質問してきたわけでありますが、法案そのものにかかわっての具体的な質問もありますが、時間もありませんので、今までどちらかというと、これに関連して今後検討すべき課題、周辺問題についていろいろ質問してまいりました。  そこで、時間も参りましたので、最後に、大臣にまとめてお聞きしたいのであります。  所見という形になると思いますけれども、今もいろいろ議論されてきておりますけれども、これから二十一世紀にかけてINS、それからニューメディアと呼ばれる高度情報社会に入っていくと思います。それはまさに予測を超えて急速に進むと私は考えるわけです。それは広く科学技術の分野で人類が未踏の世界に入るという時代でもあると私は思うのです。そこで、改めでこのような状況を考えますと、人類は科学技術の進歩と人間の幸せ、それから宇宙船地球号としての人類の共存という課題を問われてきていると思うのです。この辺について、大臣はどのように考え、所見を持っているか。文部大臣として、また文化庁も総括しているわけでありますから、そういう観点で、大臣の御答弁をいただきたい。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 人間の英知によって未来が限りない変化を遂げていくだろう、そのことは私も率直にそう思っております。そして、そういった人間の英知による科学技術の変化、発展、そういったものはやはり人間のために幸せになるような方向に持っていかなければならぬ、そのためにはすべての人が共存していかなければならぬ、お説のとおりだと思います。  文部省としましても、本日臨時教育審議会の第二次答申もまとめていただいて、それを見ましても、やはり「世界の中の日本人」というのを二十一世紀を目指して教育目標の一つに掲げられております。このことは、限りなく変わり行く社会の中にやはり一人一人が自分としての自律、自主、言葉をかえて言えば、個性をしっかりと確立しながら他との共存の間で幸せな社会をつくっていかなければならぬ、こういうことでありますから、今後日本がいろいろ努力をしながら、世界の中のいろいろな立場で相互依存関係を深めていく、そういったことに役立つような一人一人の行く末を目指して教育は頑張っていかなければならぬし、社会との連携もより一層密にしていかなければならぬし、人間の英知が生み出すものは人間の幸せのために我々が享受していくことができるようなそんな環境をつくっていかなければならぬと今心から私は思っておるところであります。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 大臣の考え方はわかりました。この科学の進歩が人間を疎外していくような状況をつくってはならない。つまり、科学の進歩が人間を中心にその幸せのために尽くすような世の中の秩序を同時につくり上げていかなければならぬと私は思うのです。そして、このかけがえのない地球を大切にして、平和の中に緑を守り生態系を守って、人類があすへの幸せな世界をつくって子孫にその地球を伝えていく、これが私は二十一世紀に課せられた大きな課題だと思うのでございます。  私は以上のような考え方を持っておりますが、大臣からもぜひその辺を参酌の上に文部行政をやっていただきたい。このことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十二分休憩      ————◇—————     午後一時九分開講

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。池田克也君。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 公明党の池田克也でございます。  著作権の問題についてお伺いするわけですが、私は著作権思想の普及ということを一生懸命考えておりまして、ぜひとも平易な表現で、著作権というものが身近なものである、そしてまた現実にこうした法改正が国民の生活にどういう点で利便を与えるか、こういう観点からお伺いをしたいと思いますので、その趣旨を御理解をいただきたいと思うわけでございます。  最初に、今回の二つの法律改正の位置づけでございますが、このところ毎国会に著作権関連の法改正が出ております。貸しレコードの問題がございましたし、あるいはプログラムに関する法律改正もございましたし、今回は、登録についてあるいはデータベースについて、それだけ聞くだけでも頭が痛くなるという人がいるくらいで、なかなか流れがよくわかりません。今後出版版面権なども出てまいりますが、著作権法というものの置かれている状況、そして時代の変化にそれをどのように合わせて法律を整えていこうとしているのか。概括的ですが、著作権法と生活というような感じなんでしょうか、どんな流れで、今どこまで改正が来た、あと何が残っている、こういう問題について御説明をいただければと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 著作権法の性格といたしましては、著作者がつくり出した知的な創作物に関します権利を保護する結果、その作家に対して経済的な利益が還元され、それを受けてまた創作意欲を燃やし、新たな文化創造が行われるということを期待しているわけでございます。  したがいまして、人間がいろいろな形でつくり出すものという創作物の範囲も広がってまいるわけでございますし、歴史的に見ましても、著作物の世界に写真が入り、映画が入っていったというようなこともございます。また、利用の仕方につきましても、かっては印刷物だけであったあるいは生演奏だけであったというような時代から、録音の手段ができ、レコードがこの世に出現いたしますれば録音権、あるいは放送というメディアが出てまいりますれば放送権という形で権利を拡張することによりまして、その著作物を使って経済的な利益を上げる人があれば、その経済的利益の一部を作家に還元してほしいというのが著作権制度の趣旨でございます。したがいまして、著作物の範囲あるいは著作物利用手段が、特に技術革新等によって拡張してまいりますれば、新たな著作物を使ってそこで利益を上げる、あるいは具体的な利益ではなくて、それを使うことの結果、作家の方に本来入るべきものが入らなくなるという消極的な損害も含めまして、そういうものを体系的にどのように著作者の利益を保護していけばいいのかというのが著作権制度上の課題でございます。  近年におきまして、先生今御指摘ございましたように、これはニューメディアと申しますよりは、貸しレコードの問題は、レコードというものを貸与することによって貸しレコード業者が利益を上げる、その利益は一切著作者に還元されていなかった、そういった不公平を是正するための措置が一昨年の貸与権の創設でございますし、また昨年段階では、いわゆる〇一〇一の信号でコンピューターに命令をするという人間の知的な所産でありますコンピュータープログラムを著作物として保護して、その著作者であるコンピュータープログラムのメーカー、製作者に利益が還元されるようにするという制度改正が行われたわけでございます。  今回提案申し上げておりますのは、その中で、プログラム登録法につきましては昨年の法の手続的な積み残しの技術的な法律でございますけれども、著作権法一部改正は、データベース及びニューメディアということでございまして、データベースに関しましては、これもプログラムとちょっと似たような面はございますが、データベースという新たな著作物と認められるそういう知的生産物が開発され普及してまいっておるという事態に対応いたしまして、データベースの製作者、データベースの著作者を保護しようという発想に出たものでございますし、また、データベースのオンラインシステムあるいはキャプテンサービスといった新たな有線送信の手段が出現してまいりましたものに対して、著作権法上いかなる権利の及び方をするのが適当であるかという観点に立った措置でもございます。さらに、著作権法の中で著作隣接権として有線放送事業者を保護しようといたしますのも、放送事業者と同様な観点から、その自主番組の制作に準創作性を認め、それを保護する結果としてよりよい有線放送番組ができるように期待をしたいという趣旨もあるわけでございます。  こういった形で時代の流れに即しながら対応を進めるわけでございますが、なお、大きな積み残し課題はたくさんございますし、先生の御指摘がございました出版者の版の保護の問題、あるいはコンピューター創作物をめぐる著作権問題、そのほかこれから新たにどういうものが出てくるか予測しがたいわけでございますけれども、その出てきた時点でまた対応を考えていく。つまり、時代の進展におくれないように息を切らしながらでもついていかなければならないというのが著作権制度の宿命であると考えておるわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私はこう思うのですね。著作権というものの影響が及ぶ国民の数というものが非常な速度でふえている。かつては、印刷物が中心だった。したがって、新聞などは著作権の問題、報道に関しては例外規定があるようですが、読書家あるいは書物を具体的に自分の日常引き寄せて活動する限られた、と言うと語弊があると思いますが、そういう印刷物を中心とした著作権の動きが、今度は音に広がり、絵に広がり、このところ高齢化社会なんという話がございまして、急速に高齢者がふえてその対応を福祉行政で迫られている、それに伴って莫大な予算というものが必要になっている、その財源措置の問題がいろいろと国会でも議論になっている。私は、この著作権法のとらえ方を、対象人口の急速な増加という角度から見るべきじゃないか。従来、余り活字のことには関心を持たれなかった、昔なら喜んで聞く、また現実問題、本を読む、あるいは升目を埋めて著作物をつくるという活動と違った形で、また違った好みを持った人たちが大量にこの著作物というものの恩恵を受ける。あるいはまた、影像などにしても、後ほど触れますが、有線放送などの活用分野が、都市におりますとそれほど実感を持たなかったのですが、地方におきましては大変な有線放送の具体的な進展が見られる。これは数で私がちょっと今この場でお伺いしてもお答えいただけないだろうと思いますが、概略の感じで、急速にその恩恵を受ける人たちがふえてきている。したがって、政府としてもそれに十分対応するだけの著作権思想の普及とか教育とかいうものが伴わなければ、法律を幾らつくっていてもそれはそれで、具体的な生活に密接していかない。交通法規は、直接それを犯せば現実に免許停止になったり、あるいは罰金が科せられたり、いや応なしに交通というものは教習所で法規を教わるわけで、国民の身辺にあるわけですが、著作権というものがこれだけ普及し、そしてまた、我々も一生懸命改正を議論しながら、国民に遠い存在じゃないかな、これについては、大臣後ほどお忙しいと思いますので、冒頭、政治家として、この著作権を所管する大臣として、今加戸次長が御答弁になった著作者にそういう適切な報酬を与えるという、これは確かに原則的な狭いとらえ方ではなかろうか、ある意味ではもっと広範にとらえていくと、国民の倫理感の養成、人がつくった創作物というものをきちっとした礼を尽くさずに拝借して恥じないという、これは大国の中で日本が一番おくれているように思うのですが、そういう面の礼儀とか倫理感とか、言うなれば、そういうところも押さえた法律であって、これは非常に重要なことで、学校教育でもこの問題はしっかりしていかなければならないと私は前から主張しているのですけれども、お立ちになる前に、この問題でちょっと御意見を伺いたいのです。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 ただいま御指摘の著作権、これは目に見えない権利でありますから往々にしておろそかにされがちであるとか、もっと正直に言いますと、私も午前中からいろいろと、著作権の内容とか発展とか将来などということの議論を聞いておりますと、ときどきよくわからなくなることがあるほどわかりにくいことでもございます。けれども、もう一歩進みますと、世の中が変わって著作物、著作権の範囲が広がっていくと、対象とされる人がますます多くなることも先生御指摘のとおりですから、権利として守るべきものは何か、権利は侵してはならないものだという、権利思想と申しますか、あるいは、これは広い意味で言えば基本的人権になり人間と人間の関係を律することになるわけでありますから、教育の場においても著作権というものを、児童生徒の発達段階いろいろありますからどの段階でどのような教えをしたらいいかということはちょっと研究し勉強させていただかなければなりませんけれども、例えば学校で基本的人権とか権利義務とか、特に最近、他人のことを考えるとか、自分だけで人に迷惑をかけなければいいなんてことはだめだということを私はよく言うのですけれども、相手の立場に立って考える、相手の権利ならば大切にしていくという思想も教えていくことが大切である。また、それがしっかり確立されていくことが民主主義の世の中の一つのルールであろう、こうも思いますので、先生のせっかくの御指摘でございますから、我々もよくこれを受けとめまして、学校教育の中でどのようなレベルでどのような段階で教えていくことができるのか、ただいまのところは何か高等学校の商業科の段階で著作権という具体的な権利の名前が出てきて指導されているようでありますが、小中の段階では民主主義のところで権利義務でやっておるのですから、何かその辺のところをうまく研究して、御期待に沿うような結果が出てくるように頑張ってみたい、こう思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 これは急な質問で恐縮ですが、大学で著作権法の講座を持っているところが幾つくらいあるのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 私ども承知しております限り、今の大学で著作権法の講座を持っているものは一つもないと理解をいたしております。ただ、民法の講座あるいは無体財産権法といったような講座の中では当然著作権法は取り上げられて講義をされているということは承知いたしております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 これは、大臣どうですか、国立大学に入試の問題ばかりじゃなしに少しお願いする。文化の基本的なものに位置づけられているので、例えば学芸大学のような教員養成の大学でも著作権の講座が必要だろうと思いますし、ある意味では教員養成の大学よりも放送大学の方がいいかなという感じもする。放送大学は新しい大学ですから、長年の経緯はあろうかと思いますが、御専門の先生方はたくさんいらっしゃると思うのです。講座として著作権の専門家を養成することは大変なことだそうです。加戸次長は数少ない我が国の著作権法の権威者で、五本指だそうですけれども、文部省内にもあるいは他の役所の中にも著作権に詳しい高級官僚と申しましょうか、そういう方々がもっともっといてしかるべきだ、そのように私は思うのです。郵政省にもあるいは通産省にも、著作権に詳しくなければこれからやっていけない時代が来るのじゃないか。この辺、国立大学の方でどうでしょうかね。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 学校では民法の時間に著作権のことをいろいろと指導しておるようでございますが、著作権に非常に御関心をお持ちの先生のせっかくの御提言でございますので、私も一遍よく勉強させていただきます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 総論みたいなお話を少しさせていただいたのですが、具体的な問題についてお伺いしたいと思います。  二つの法律なんですが、プログラムの方ですが、「プログラムの著作物に係る登録の特例に関する」と出ております。なぜ特例なんでしょうか。これは当たり前のことを当たり前に決めていくので、別に特例でも何でもないのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 著作物の登録につきましては著作権法本法の中で措置をしているわけでございます。そのうちプログラムの登録に関してだけは一般の著作物の登録と異なる取り扱いをする、つまり著作権法で規定しておりますと違う体系を定めようとする、そういう意味で登録の特例に関する法律という題名にさせていただいたわけでございます。  具体的には、帳簿は従来のバインダー式帳簿ではなくて磁気テープでもつくってよろしいとか、一般の著作物に要求されてない複製物の納付義務を定めるとか、あるいは一般の著作物では公示制度を採用しておりませんが、プログラムの登録については公示制度を採用する、それから一般の著作物の登録は文化庁長官が行うこととされておりますが、プログラムの登録については指定登録機関をして行わせることができる、こういう本法の体系と違う制度を定める法律でございますので、登録の特例に関する法律という名前で提案をさせていただいておる次第でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 今までの著作権法と違う系列だ、そのとおりなんです。この法律はたしか一時通産省が所管しようとして用意したくらいの法律の体系だったかと思うのです。通産省と文部省の間で話し合いがあったと思いますが、通産省はどんな言い分であって、文部省はどんな言い分であって、そして結論は文部省側になった、文化庁側になったと思うのですが、その辺の経緯を、古い話ですがちょっとお聞かせいただけますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 昨年の段階におきまして、それまで約一年半以上にわたる文化庁と通産省の考え方の違いがあったわけでございます。基本的には、文化庁といたしましては、プログラムは著作物として著作権法による保護でカバーをし体系を整備すべきであるという考え方、これに対しまして通産省としては、プログラム権法という特別立法によりまして著作権制度ではない工業所有権的な発想を入れた独自の法体系によって保護したいという違いがあったわけでございます。  この問題は、いろいろ理論的な差、実務的な差、あるいは国際的な流通関係、そういった諸般の状況の中にありまして、文部省と通産省が鋭意調整しました結果、文化庁の考える著作権法の体系でいくことについて通産省も了解したわけでございます。ただ、その了解に際しまして、もともとプログラム権法構想を出されましたときには、通産省の発想として権利の保護とあわせてユーザーの保護という視点が入っておりまして、その中には、例えば二重投資の防止あるいはプログラムの流通の促進といったような観点から、プログラム権法では登録制度を採用するという考え方であったわけでございます。そういう通産省の考えている流通の促進、二重投資の防止、あるいは権利の保全といったような色彩のものを著作権法体系の中で取り入れてもらえないかというお話がございまして、両省庁間で協議しました結果、現行の著作権法体系の中で通産省の言い分をカバーできるものとして、プログラム登録制度、特に創作年月日登録制度を設けることによりまして、結果として、例えばユーザーの保護に資する二重投資の防止であるとか、流通の促進であるとか、あるいは権利保全の実効性を確保するというような効果を実際上の登録制度の運用によって達成することができると考えまして、昨年、創作年月日登録制度を設け、登録の手続に関しましては別に法律で定めるという形で落着をした、そういった経緯があるわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 保護期間の長さについて、通産省と文部省の間に食い違いといいましょうか、著作権のベースでいくと長い、あるいは流通促進やそうした仕事という面に立脚した通産省の主張は短い、この違いはどんなふうだったでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 私どもといたしましては、プログラムを著作物で保護するといたしますれば、日本が加盟しております国際的な著作権条約である一八八六年のベルヌ条約におきましては、保護期間は五十年を最低限の義務とされているわけでございまして、日本も五十年の制度を採用しているわけでございます。したがって、プログラムの著作物については保護期間を五十年より短くするということは条約に違反するおそれがあるという形で五十年を頑張ったわけでございます。  一方、通産省の方といたしましては、保護期間は今のプログラムの日進月歩の時代に年々改変をされていく、しかも投資効果を回収するまでの期間は短くても十分足りる、また、こういった技術進歩、社会の発展のためにもプログラムを早い期間に開放する必要があるというような観点から、保護期間を、具体的な名称にいたしませんでしたけれども、十年とか十五年とか二十五年とか、いろいろな五十年を下回る保護期間ということを想定されていたわけでございます。  しかしながら、プログラムを著作権法で保護するという形で通産省が了解いたしました時点で、五十年でいくということは当面の措置として了承はするけれども、条約上の制約があることはわかるので、今後条約改正の機会があれば、その保護期間につきましては、例えばベルヌ条約の中でも応用美術と写真につきましては二十五年の保護で足りるという規定もございますし、そういったケースもあるわけでございますから、プログラムについても例えば二十五年ということは考えられ得るわけでございますから、条約改正に際しては、日本政府の対応としても、保護期間の問題は再度五十年ということに固執することなく検討してもらいたいというようなお話もございまして、中長期的な観点から保護期間は検討するという課題として積み残されているということでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 プログラムの問題はそのくらいにして、著作権法の一部を改正する法律案の方についてお伺いをしたいと思うのです。  データベースというのが随分出てくるのですが、データベースというのは邦語訳をするとどういうことになるのですか、

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 データベースは今回の提案で定義をいたしまして、「論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。」という書き方をいたしております。この苦心をしております事柄は、データベース、特にデータベースに限りませんけれども、例えばコンピュータープログラムあるいはコンピューターソフトウエアも同様でございますが、これに的確な訳語というのがつくられていないわけでございます。明治時代でございますと、西洋文明を輸入しますときにはいろいろな造語というのができました。著作権の世界でも、コピーライトというのを福沢諭吉先生は版権という言葉をつくり出されまして、また明治三十二年には水野錬太郎博士が著作権という言葉を造語としてつくられました。そういうようなことで、現在の西洋文明、特に横文字文化の輸入に伴いまして、それをストレートに使うというのが日本の風潮でございまして、データベースにつきましては、日本語訳の試みもなければ、また現実にそういった翻訳を見たことがないわけでございます。  したがって、直訳すればどうなるかということでございますと、情報集積物とか情報集合物とか、強いて翻訳するとすればそういうことにでもなろうかと思いますけれども、データベースという言葉をそのまま使われているというのが実情でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 だから大衆化しないのですよね。私が言いたいのは、こういうときにやはり上手な表現というのを、ニックネームのようなものを一つつくる。確かに情報の集積物なんですよ。けれども、大衆にわからせて法律を守らせていこうという発想が足りないんじゃないかと思う。そういうことの知恵のある人はいっぱいこの世界にいるのですね。著作権を保護してもらいたいという人たちは、創作活動をし、作詞をし、音楽をつくり、演奏をし、多彩な人がいっぱいいて、その人たちが著作権を守ってほしい、そこからなるべく収入を得たいと言っているわけですね。  私はこういう機会に、予算でもよく何かごろ合わせをしますよね、政府予算を発表するときに。データベースという言葉も、私はちょっと名案を持ちませんけれども、例えば資料群——資料群では余りぴんときませんけれども、資料塊でもいいですよ。お料理には何とかベースというのがありますけれども、要するに、それをいろいろ変形していろいろの社会に有用に動かしていく一つの根っこである。あるいは資料のルーツでもいいです。要するに、データベース、データベースと言ってみても、まず皆さん方ぴんとこないし、今度はデータベースがこうやって保護される、何のことやらさっぱりわからないということがずっと積み重なっていくと、結局新聞にお書きになる方もよくわからないし、記事にはならない。要するに大衆化にはほど遠い形でいってしまうんじゃないかと思うのですね。私は、大体著作権という言葉も別の形でいい表現ないものかと思って、皆さん方にお願いして、チャンスがあったら全国民からそういう懸賞募集ぐらいしたらどうだと思っているんですけれども、これは私の主張としてお聞きおきいただけばいいと思うのです。  さて、「データベースの著作物」というふうに法律案説明要旨にはございますが、「データベースの著作物」というのはどういうことになるのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 お答えの前に、造語の問題で、実は文化庁も国語課を所管しておりまして、国語課の中でいろいろ議論しましても、今の日本人の造語能力の欠落というものを憂えているわけでございます。例えばテレビジョンという言葉を、まあテレビ、テレビで使われておりますけれども、例えば中国でございますとそれを電視台と訳しております。これは非常に適切な訳語なんですけれども、そういうかって日本人が持っておりました造語力というものが今完全に失われてきておる。それは国語の問題としても文化庁は真剣に考えなければならないのじゃないかというような意識もあるわけでございまして、先生の御指摘をまことに私どもも真剣に受けとめているわけでございます。  ところで、「データベースの著作物」という言葉を使わせていただきましたのは、これは著作権法の法体系としてでございまして、例えば音楽というのが現実に現象として存在するわけでございますけれども、著作権法の上では「音楽の著作物」という言葉を使います。映画という言葉はございますが、著作権法上で保護されるのは「映画の著作物」「写真の著作物」、昨年の法改正によりましても「プログラムの著作物」という使い方をいたしております。と同様に、データベースというものが実社会に存在するわけでございますが、著作権法上で創作的な表現として保護する対象は「データベースの著作物」ということでございまして、実務的に申し上げれば、データベース、イコールほとんど大部分のものがデータベースの著作物であり得ると思いますけれども、法律上の用語として「データベースの著作物」という使い方をしているわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 よくわかりました。  さて、そのデータベースの著作物を保護するということになっておりますが、保護しない場合はどういう場合か。今まで保護しなかった、今度保護する。著作物が保護される場合、特にデータベースの著作物が保護される場合とされない場合を例示していただければと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 現行法におきましても、データベースの取り扱いを第七小委員会で議論いたしました際に、現在の著作権法十二条の「編集著作物」で読めるものが多いのではないかという議論がかなり有力でございました。それは一種の百科事典であるとか国語辞典であるとか新聞、雑誌といったものに類似性を求めていたわけでございまして、そういう意味では、解釈上データベースは著作物として保護されるものが多いのではないかというのが有力な説ではございました。したがって、今回の法改正によって今まで保護されなかったデータベースが突如として新たに保護されるという考え方はとっていないわけでございます。しかしながら、解釈上の疑義は解消し、明確に保護されるということになるわけでございますから、訴訟上のトラブルその他などは、まずそういう意味の前提の議論はなくなるだろうという実益があるわけでございます。  それから、データベースと申しましてもすべてが著作物になるわけでございませんで、単純な数字を単に集めてその必要な数字を引っ張り出すという場合に、一種の編集体系あるいは検索のシステム等の創作性がなければ、それはデータベースではあっても著作権法上の保護されないデータベースになり得るわけでございますから、その場合には法の規制が及ばないあるいは著作権が動かないという形になるわけでございます。そういった単純なデータベースで著作権法上の保護を受けないものがあるとすれば、それにつきましては、例えば無断でコピーをしようと、無断で送信をしようと何ら規制を受けない、そういう関係になろうかと思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 さて、データベースにいろいろ種類がある。先般たしかこの委員会に参考人としておいでになった方からこういうプリントをいただいたのです。このプリントに「データベースの種類」とございまして、参照データベース、原情報データベースというふうに大きく二つに分かれているわけです。参照データベースは書誌データベース、その他の案内データベースの二つに分かれている。それから、原情報データベースには数値データベース、辞書データベース、画像データベース、全文データべース。これは一般の国民に見せられても一体何やらわからない。ちょっとこのことについて解説をしていただければと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 午前中の質問でお答え申し上げましたが、私どもは文献データベースと全文データベースという分類で御説明申し上げました。先生今おっしゃいました参照データベースが文献データベースに該当するものでございますし、原情報データベースが全文データベースと言われる分野のものでございます。  これは概念的にどういう名前を使うかの違いがあるわけでございますが、文献データベースあるいは参照データベースの特質といたしましては、人間が必要とする情報のすべてではなくて、その情報のエッセンスとかインデックスというものを必要とする場合に、こういった参照データベースあるいは文献データベースを利用される。つまり、ある事柄についてだれが書いたものであるいはどこにあるのか、それは簡単にどの程度のものであるのかという情報はこの参照データベースから引き出される。そして、それによってじゃあこの人の書いた論文を読んでみようということになれば原文献に当たっていくというので、インデックス的な、全体構造、鳥瞰図を見ようというのが文献データベースの目的、性格でございます。それに対しまして、全文データベースあるいは原情報データベースと呼ばれておりますものは、まさに情報のすべて、そのものが入っている。したがって、その情報を引っ張り出せば自分の必要とする情報はすべて得られるという意味におきまして、ここにございますような数値であるとか判例といった人間が必要とする情報がすべて入っているものが全文データベースという形で、入っているデータが何であるか、利用意図が何であるかによってデータベースがこのように分類されているということでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 同じ表にデータの著作物性の有無というのがございまして、書誌データベースの中には、公文書、特許、書籍、論文、これは著作物性がない。それから同じく、抄録のあるもの、今のは抄録なしなのですが、抄録のあるものは著作物性がある。つまり公文書や特許、書籍、論文などの抄録のある場合に著作物性があるとしているわけです。それから、その他の案内データベースでは、研究課題目録、図書目録、案内篇、催事案内、時刻表などのデータ、これは著作物性がない。それから、数値データベースの方では、統計、観測・実験データ、信用データ、市況データ、これには著作物性がない。辞書データベースの方では、用語集、シソーラス、これは著作物性がある。職員録、電話帳、分類コード、これは著作物性がない。画像データベースでは、設計図、地図、写真、これは著作物性がある。全文データベースでは、法令、判例、規格表、新聞記事の雑報は著作物性がない。百科事典、新聞記事の署名記事はある。これもこう見ただけではちょっとよくわからないのです。少しわかるような気もしますが、官庁が発表しているようなデータは余りない、何らかのアイデアを含めてそこにつくり上げたものはあるというふうに受けとめるのですけれども、これについても解説をしていただけますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 名和参考人がつくられた資料でございまして、こちらで解説が的確にできるかどうかわかりませんが、このデータベースの中に入っておりますデータの著作物性のある、なしの問題につきまして、私なりの判断を申し上げさせていただきます。  まず、書誌データベースの中の抄録のない公文書、特許、書籍、論文についてはデータの著作物性がないと申しますのは、入っておりますのは何年何月に何省から出た何というタイトルの通達であるという程度のものでございまして、これについては著作物性、つまりそのデータはまさに著作物性を持たないものである。したがって、データの著作物性なしと書いているわけです。  それから、次に、抄録ありと申しますのは、そういった通達の中身を要約といいますか、もっと短く、このエッセンスはこういうことを言おうとしているのだよということで文書を、抄録をつくりますから、つくられた抄録そのものは著作物であり、著作権がある可能性がある。そういう意味でデータの著作物性があり、つまり、ありといいますのは、抄録の部分について著作物性がありという意味であろうと思います。  それから、もちろん時刻表その他図書目録というようなものは著作物ではございませんという意味であろうかと思います。もちろん、時刻表そのものも実は著作物性があり得るものがございますから、このある、なしというのは、一般的におおむねないという分類であろうかと思います。  それから、データにつきましてはこれはないのが当然でございます、単なる数値でございますから。  それから、辞書データベースの場合に、用語集、シソーラスといいますのは、それぞれ用語集なりシソーラスというのは創意工夫を凝らして分類し体系づけてつくるわけでございますので、おおむね編集著作物あるいは一般の著作物性があるという意味だろうと思います。  それから、職員録、電話帳、分類コードになりますと、これは単にそういった職員の名簿その他、電話の番号その他が入っているだけでございますので、おおむねなし。  それから、設計図、地図、写真は、それ自体が著作物として保護されるものでございますので、画像データベースについておおむねあり。  それから、全文データベースの場合はちょっと特殊な例でございますけれども、法令、判例といいますのは実は著作物ではございますが、著作権法上法令、判例の著作権を否定しております。したがいまして、著作物性はあるのですが著作権がないという意味だと思いますので、著作物性なしというのは間違いでございます。著作物性はあるけれども、著作権法上著作権は認められていないという意味でございます。  それから、百科事典、新聞記事等につきましては、これは当然立派な著作物でございますので、あり、そういうような分類をされているのではないかと思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ちょっと話がさっき触れられたことに戻るのですが、いわゆる著作権法上の十二条「編集物でその素材の選択又は配列によって創作性を有するものは、著作物として保護する。」先ほど、このデータベースが全く新たな概念ではなしに、従来からも十二条で保護されていたけれども、はっきりさせるために今度はこういうようにしたのだとおっしゃる。ちょっとあいまいで裁判になったようなケースを私も幾つか聞いたことはあるのですが、この際、何か一つの具体的な例として、こういうものが一番争いになった、そして今度はこの法律ができたのでこの部分がはっきりするという具体的な案件があったら教えていただきたいのです。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 第七小委員会におきましてこの議論がございました中に、編集著作物を規定しました十二条で読めるではないかという意見もかなり有力ではありました。これはまさに意見であり解釈でございます。現実には、私ども承知しております限り、データベースの著作物性をめぐって訴訟なりトラブルなりが起きたということは聞いておりませんで、そういう意味では具体的な事例を申し上げることができないわけでございます。しかしながら、今回の立法の趣旨といいますのは、十二条でこう書いてあるけれども、もともと十二条の編集著作物というのは、素材の選択または配列に創作性があるものを保護するといって、例えば百科事典でございますように、いろんな項目を、書いてもらうのかという取捨選択をし、そして書いてもらった項目を載せるその載せる並べ方、あるいは新聞にしても雑誌もそうでございますけれども、配列、レイアウトといったものに相当な創作性があるわけでございます。  一方、データベースと申しますのは、材料を集めてくる点ではまさに素材である情報の選択という行為があるわけでございますが、中には、例えば全文データベースのような、判例を全部集めるということになりますと、これは情報の選択の余地がなくてあるものすべて入れるわけですから、その辺に創作性があるとは言いにくいものも出てくる。ましてデータベースの場合には、集めたデータを配列する必要はほとんどないわけでございまして、アトランダムに入っておりましてもコンピューター検索で引っ張り出せるわけでございますから、その配列の工夫というのは必ずしも必要がない。そういう意味で考えますと、十二条の編集著作物で読むについては、疑わしい段階は無理して読めるけれども、それよりはすっきりした方がいいのじゃないかというのが十二条の二を創設した趣旨でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 雑誌の目次ばかり、雑誌を三百冊ぐらい集めてきまして、それを印刷して、たしか昔「目次三〇〇」とかいう雑誌が出たことがあるのですよ。それは裁判で決着がつかなかったかもしれませんが、ちょっともめたことがあったのですね。私は大変興味を持っていた。確かに便利なんです。三百ぐらいの雑誌の目次の部分だけ全部そろえた。これはある時期では非常に考えたなと。それで、雑誌をつくるメンバーからはかなわぬよということになったのですが、いろいろ議論がありました。これはどんなふうにお考えでしょう。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 先生の今おっしゃいました雑誌の目次集につきましては、聞き及んだこともございます。これは非常に微妙な問題でございまして、要するに、雑誌の目次、通常は一ページか二ページ程度のもので、タイトルがあり作家名がありページ数が書いてある。もちろん並べ方にも創意工夫がございますけれども、単純な目次でございますと著作物とは到底言いがたい。しかしながら、目次の中にありましても、大きく見出しをつけるあるいはサブタイトルをつける、あるいは並べ方もページ順ではない、読者が購読意欲を燃やすことができる相当な創意工夫がされております。それが思想、感情の創作的な表現として言い得るものというのは、私ども直感的に申し上げると、数は少ないけれども、目次だからといってすべて著作物性を否定するわけにはいかない。場合によってはこれは著作物であり得るものもある。そういう意味で、例えば目次集をつくる場合には著作物である目次が入る可能性もある、それを取っかかりとしてクレームをつけることはあり得ると思いますけれども、これはかなり判断の難しい事柄ではないかと思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうすると、先ほど私は表を出してお伺いしたのですが、データの著作物性のあるかなしかということが、著作権法の改正でデータベースが保護されるという状況で、もともとに著作物性があるということとないということにどういう違いが出てくるのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 データベースが保護されるかどうかは、そのデータの、例えば情報の収集、選択といった行為に創作性があるか、あるいは情報の加工、分析に創作性があるか、あるいはキーワードの付与その他の体系的な構成ということに創作性があるのかどうか、この辺の視点から判断される事柄であります。その場合の原情報であるデータそのものにつきましては、著作物であるかないかを問わないで、そのデータの編集性、選択性、あるいは体系的な設定に創作性があれば、データベースを著作物として保護するということになるわけでございます。  ただ、異なる点は、そういったデータベースの著作物として保護された場合、中に入っているデータそのものは、著作物であればまた別個にそのデータの著作物として保護されます。データが著作物でない単なる数値であればその数値そのものは保護されませんという違いはございますけれども、データベースそのものに関して言えば、データベースの材料が著作物であるかないかを問わないでデータベースの著作物になるということでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 なかなか頭の痛いところで、よくわからないのですけれども、例えば、先ほどの御答弁では、コンピューター処理されてそれがすぐ取り出せるようになったものが今回のデータベースで保護されるものである、こう考えていいのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 データベースの本来の性格といいますのは、コンピューターで検索をして情報が取り出せるようにしてあるものをデータベースと言うわけでございます。ただ、今回保護しようとしておりますデータベースの著作物は、〇一〇一の信号に置きかえられてコンピューター操作によって直接出てくるような形態のものだけではなくて、それ以前に、データを集め、キーワードをつけ、いわゆるデータベースとしてでき上がったものは、まだ機械可読状態、〇一〇一の信号に置きかえられていなくても、それは当然置きかえられてコンピューターが検索できるようにすることを目的としてつくられているわけでございますから、生の材料の段階、つまり人間が可視的に見ることができる状態に置かれているものもデータベースの著作物と言うわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 これはまた後でもう少し議事録をひっくり返して読まなくちゃわからないのですけれども、例えば大宅文庫というのがあります。これは大宅壮一さんが長年かかって築き上げた雑誌の図書館なんです。何年か前、私はこの委員会で、それを保護してくれという話をしたことがあるのですけれども、図書館法上はほかの図書館を保護できませんと言われました。民間の図書館。雑誌が集まっておりまして、古い雑誌、全部。それも、一項目ごとにカード化されている。例えば「中曽根総理大臣」というカードをばっとあけますと、いろんな雑誌のいろんなところにたとえ一行でも総理について触れた記事なら、カード化されて出てくるわけです。こういう作業、これは抄録じゃないのです、現実に見出しだけを集めたものです。我々から見ますと非常に便利なものです。例えば「マラカニアン宮殿」というのをばっとあけますと、いろんな雑誌、いろんなところに出てきたものがカードとして出てくる。これはコンピューターじゃない。引き出しに入っている。引き出しに入っている紙なんですけれども、これはデータベースの今度の法律で保護されないのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 ただいま御質問ございましたようなケース、つまり書誌カードがつくられて図書館の利用サービスに供されているというものにつきましては、データベースとは考えておりません。データベースたり得るためには、そういった書誌カードをもちろん取捨選択して、それをコンピューターが検索できるようにキーワードをつけ、分類をし、そして組み上げたもの、体系的な構成がされたもの、それをデータベースと呼ぶわけでございまして、いわゆるオンラインサービスに供することができるような目的でつくられてはいないし、書誌カードそのものの著作物性は別としまして、それ自体はデータベースたり得ないと考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうすると、これはそれ自体に値打ちと申しましょうか、文化財的な値打ちというものが——コンピューター処理されたものが認められ、そうじゃないものはまだそこまで至らぬと。引き出しなんですが、結構便利に出てくるのですよ、コンピューターじゃないのですけれども。これはどうなんでしょうか。私はその辺、今回の法律が出てきたときにぱっと思い浮かんだのは、これはどういうことになるかなと思ったのですけれども。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 先生が今おっしゃいました書誌カードは、当然に、例えばAという政治家の演説である、Bという政治家の演説集であるというような形で、その場合に、Aの方には一、Bの方には一とか、それから事項が政治であれば1、経済であれば2とか、一の1、二の2とか、そういうような数字もつけて分類されていると思います。したがって、その書誌カードを一つのその図書館における蔵書目録のような感じで体系的に組み上げて印刷した出版物があるとするならば、それはそれとして著作物として保護される可能性があると思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 それから、さっき全文データベースというのと抄録というのとのお話が出たのですが、抄録には著作物性があるという御答弁でしたけれども、抄録というのは本人が書く抄録と第三者が書く抄録と二つあると思うのですね。私は、本人が書く抄録の方は一つのものをベースとしたものであって、これは著作権法の十八条がなんかに規定されている二次的な著作物ということがありますが、必ずしもこれは抄録とは限らないと思いますけれども、私思いますのは、自分が書いた抄録ならば納得できますが、第三者が抄録を書く場合に、いやこれは自分の言っていることとはちょっと趣旨が違うという、そこにずれが出てくる場合がありはしないか。どうなんでしょうか、抄録というものを独自に著作物としてお認めになっているようですけれども、これはもともとになった原著作物と抄録との間に、本人が書いたものでない場合争いが出るおそれがあるのじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょう。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 御質問にお答えする前に、著作権の世界で使っております用語の説明をさせていただきたいと思います。  ある一つの文献内容をわかりやすくするための方法が二つございまして、著作権的な世界では要約という言葉と抄録という言葉を使います。要約と申しますのは一種のダイジェストでございまして、例えて申し上げれば、桃太郎の物語を要約するといたしますれば、昔々から始まるところの物語でございますと、おじいさんは山へ行き、おばあさんは川に洗濯に行き、川に桃が流れてきたのでそれを拾って育てて桃太郎ができたというようなものが一種の要約になるわけでございます。抄録といいますのはアブストラクトとも呼んでおりますけれども、この桃太郎の物語はおばあさんが川で拾った桃を割って桃太郎を育てた物語であるというような表現をするようなものが抄録と呼ばれるものでございます。  そこで、法律的な意味で申しますと、今のダイジェスト、要約に相当するものは原著作物のリライトという意味で、例えば難しい過去の古典を子供向きに、児童向けに書き直したようなもの、こういうものは一種の要約ということで、著作権法でいいますと二次的な著作物になる。つまり、もとの文献をもとに書き直して短くわかりやすくした、そういうような性格のものは二次的著作物である。一方、抄録の場合には、この本には何が書いてありますよ、だれそれがどこで何をしたことを解説したものであるというような内容を書いているだけでございますから、原著作物との連続性はございませんで、全く新たなものである。したがって、その場合には原作の著作権は動かない。二次的著作物でもない。ただ、抄録そのものに著作物としての価値がある場合もございますので、抄録のつくり方によっては独自の著作物として保護される、そういうような関係になるわけでございます。  ただ、今申し上げましたのは一般的な意味でございまして、要約といっているから著作権が及び、抄録といっているから著作権が及ばないということではなくて、名前のつけ方ではなくて、どのような形で要約してあるか、どのような形で内容をつまみ出しているのかという具体的な事例によって判断することになりますけれども、一般的な意味ではそういうことでございます。  そこで、問題は、その抄録を第三者がつくる場合でございますけれども、この場合には、先ほど申し上げたように、要約に相当するような抄録でございますれば原作者の許諾が必要でございますけれども、そうじゃない、いわゆる純粋にアブストラクト、抄録と呼ばれておりますものであれば、著作者の意向いかんに全くかかわりなく、この本は何を書いてあるというだけのことでございますから、作者の了解を必要としないわけでございます。  問題は、そのときに原作者の書いていることとは違う抄録、つまり本当はこういうことを書いてあるのに間違って抄録をつくった、しかも第三者がつくったという問題でございまして、これは著作権法とはかかわりのない世界でございますけれども、その抄録の仕方によって本人のつくった作品の意図が誤解されているあるいは名誉が傷つけられているというようなことは、一般的な民法上の人格権の問題として争う余地のあり得ることかなと理解いたします。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 一つの著作物のあらわし方に要約と抄録があるというお話でしたが、題号もまた抄録をもっと煮詰めた表現ですね。新聞でいうと見出しという言葉を使っております。著作物の場合、題号と見出しというのはなかなか混同されがちです。混同されるというか、かなり同一視されているわけです。私も随分前にこのことで随分苦しみました。見出しが気に入らないということで裁判で随分苦しんだことがありました。  この法律には、著作者人格権の中で、第二十条でしょうか、題号の同一性を保持する権利、つまり著者が題号を変えられたくない場合には主張できる、こういうことがうたわれているわけです。そうすると、今の抄録もぎりぎり煮詰めていくと題号に近くなっていく、この問題をどう理解すればいいのか。二十条における題号は著作者が主張できる。今のお話によると抄録は著作権が及ばない。ここのところはすれすれかなと思いますけれども、トラブルを生む要因があるのじゃないかという気がするのです。いかがでしょう。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 著作物の題号それ自体はひとり歩きをすることに余り意味がないわけでございまして、著作権法で想定いたしておりますのは、例えば一つの出版物を出す場合に、著作者がつけた題号と違う題号で大向こう受けをねらって、あるいは新しい著作物であるかのごとく題名を変更して出版する場合には、それは著作者の同一性保持権を侵害します。つまり、著作物と一体として使われる場合の題号の改ざん、変更を禁止したのが著作者人格権、同一性保持権の趣旨でございます。したがいまして、その題号だけを取り出した場合におきましては著作権法上の保護があるわけではございません。ただ、それは事実が間違っているということになるわけで、例えばある人が出した出版物の紹介をするときに、この題名を変えておけば全く意味がなくなる、その人がつくってない本の題名になっているわけでございますから。ただ、そういったような実務上の問題はありますけれども、著作権法の同一保持権が及ぶ事柄ではなくて、また別途の観点から間違いだらけのものあるいは意図的に題名を変えたものである。題名といいましても著作物とリンクしていない題名である、そういうような問題であろうかと思います。  それから、抄録の問題が、要約すれば題号に近くなるということは御指摘のとおりでございますけれども、それは今申し上げた著作物と切り離された意味での問題でございますので、これは題号の変更と同様な観点で論じられる事柄かと思います。具体的な、題号がよく変更される例といたしましては、例えば新聞で、映画の番組がございます。そうすると、本来の原題では視聴者が見てくれないので、少しサブタイトルみたいな解説をつけたような題名で、実は見ると、ああこれはああいう映画だったかなんということがよくありますけれども、そういうような事例はございますが、一般的に申し上げて、題号自体の独立した使用ということについてはちょっと著作権法の及ばない範囲であると思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私の苦しんだ実例というのは、題号のないインタビュー記事だったのです。これに編集者が見出し、つまり題号をつけたのです。そのつけたものを著者が否定した、こういう案件で三年苦しみました。これは裁判所もそこのところがよくわかってない。本来著者がつけるものをつけなかった。著者が何か考えていたであろう、言うならば題号が著者の頭の中にあって、具体的に文字に表現されていなかった。こちらの方は時間の余裕もなく、またいろいろな状況の中で、抄録のまた抄録という感じで見出しをつけた、ここが食い違ったということの争いであったわけです。  この問題は、この二十条の問題とそれから今おっしゃる抄録の問題、そしてデータベースにおけるところの抄録の問題、絡まり合ってくる問題で、裁判所も著作権に明るい人は余りいないように私は思うのですが、弁護士さんでもそうだと思います。なかなかこの著作権の争いというのは判例の少ない難しい分野です。しかしそれだけに、これからいろいろ争いがあるときに、こういう国会審議の場でこういう問題を一つの具体的なやりとりとしてはっきりさせておくことも世の中のためになるんじゃないかと思って私は伺っているのです。この辺はどうでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 ただいま先生が御披露なさいましたような事例について、私の感想でございますけれども、題号と申しますものは、本来著作物とは一体のものとして著作者がつけたものを題号と呼ぶわけでございます。したがいまして、後世の人がある著作物に特定の名前をつけても、それはその著作者にとってみれば自分の著作物の題号ではないわけでございます。例えて申し上げれば、ベートーベンの交響曲第五番がございまして「運命」と呼ばれておりますけれども、この「運命」は後世の人がつけたのであって著作者であるベートーベンがつけたわけではない。そうしますと、この「運命」という言葉が削除されたとか変えられたといって、それは著作者人格権の問題にはならないわけでございます。ただ、交響曲第五番というのは五番目につくった交響曲ということでございますから、それを勝手に交響曲第五番を第六番と直してしまえば、それは題号の変更という形になると思います。  そこで、例えばインタビューの記事でございますと、題名がなかったわけでございますから、もともと題名のないものに編集者が別個の題名をつけた、それは著作権法に言う題号ではなくて、その著作物を称する際に、編集者はあるいはこの雑誌はこう題号というかこの著作物の見出しをつけたにすぎないのであって、その著作物の題号ではあり得ないと私は理解いたしております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 わかりました。この問題は一つの記録にしていただいて、これからこの問題はいろいろな形で具体的な生活にかかわってくるだろうと私は思っているのです。  さて、問題を少しかえて有線放送の問題に移してお伺いをしたいと思います。  郵政省、お見えになっていらっしゃいますか。先ほどちょっと触れましたが、有線放送というのは、私の認識不足もあるかもしれませんが、非常に多彩にいろいろ展開しているようでございます。現時点における有線放送というのがどういう状況になっているのか、種類とかあるいはそれを受けている人々の数とか、そんなものから手短に概括的な状況をお知らせいただきたいと思います。

浜田弘二郵政省放送行政局有線放送課長

○浜田説明員 お答え申し上げます。  従来、有線テレビ、CATVでございますけれども、山間辺地における難視聴対策とかあるいはまた都市におけるビル陰等の難視聴対策施設、つまり難視聴の対策メディアとして発展してまいったわけでございますけれども、最近におきまして自主放送というようなものも相当ふえてきておるところでございます。ただ、今までの発展の経緯からいたしまして、今日段階で我が国のCATV施設、約三万八千あるわけでございますけれども、自主放送を行っております施設はまだその一%にも満たない百余りでございます。  この自主放送といいますものは、大きく分けて二つの種類がございます。一つは、CATV局みずからがそのスタジオ等で番組をつくる、いわば自主制作放送というものが一つございます。これは非常に地域に密着した放送をやるということで、地方公共団体の行政情報とかあるいは地域における各種行事、これらの情報などを中心として放送する機能を持っております。いま一つは、これは専門の番組供給事業者の方から番組の供給を受けてそれを流すという形態でございます。現在は広告代理店とかあるいは新聞社を中心といたしまして番組供給事業者の方がおられるわけでございまして、番組内容といたしましては、映画とか音楽とかあるいは教育番組とかニュースとか、そういうようなものがあるわけでございます。ただ、現時点におきましては、これらの番組供給事業者の方からCATVオペレーターへの番組の供給の伝送手段はビデオパッケージによるというのを主流にしております。これはアメリカなどではもう既に十年も前から通信衛星を使って番組供給というのが行われておるわけですが、我が国においてはまだそのような状況でございます。  一つ具体的なイメージというようなところの参考のためにお話し申し上げますと、自主放送で、最近の事例でございますけれども、長野県の諏訪にレイクシティ・ケーブルビジョンというのがございます。これはCATVの業界で我が国第二位の大手のところでございまして、加入世帯が約二万八千ございます。この諏訪の場合ですが、御案内かとも思いますけれども、諏訪大社というのが七年に一度の大祭りをいたします。御柱祭と言われておるわけですが、この祭り、上社と下社というのがございまして、この両方の山出しがあるわけで、それぞれ三日間祭りが繰り広げられるわけです。この祭りを諏訪のレイクシティ・ケーブルビジョンでは六日間にわたりまして極めて多くの時間を割いて中継放送を行ったわけです。例えば一日六時間の生放送をして、それを五時間に少し縮めましてまた夜にビデオで流す、こういうようなところを六日間にわたって放送したわけですが、専門の視聴率の調査機関に委託してこの視聴率をとりましたときに、上社の場合で平均視聴率が八九%、それから下社の場合では何と九八%という視聴率が得られておるというところで、非常に地域に密着したメディアであり、地域に特有の行事を流すことによって地域の中で非常に愛されておる、そういうメディアになっておるというところで、あえて一つ例を申し上げたところでございます。  それから、先生ただいま受信者の数というお話でございますが、先ほどCATVの施設約三万八千というふうに申し上げたわけでございます。全体的に見ますとCATVの加入者数は約四百三十万でございます。一つのCATVオペレーターにとりますと、日本で一番大きなところで山梨県の甲府にNNSというCATV局がございますが、ここが五万四千世帯の加入世帯を持っております。第二番目が先ほど申し上げました長野県の諏訪のレイクシティ・ケーブルビジョンで、ここは約二万八千、そういう状況でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 音楽だけを流す有線放送というのは私どもよく聞くのですけれども、いわゆる有線放送ということにはならないのでしょうか。今の御答弁ですとテレビが中心に御答弁ですが、こちらの方はどんなふうですか。

浜田弘二郵政省放送行政局有線放送課長

○浜田説明員 有線放送ということで端的な例としてCATVの例をお話し申し上げたわけですが、正確に申し上げますと、有線放送、二つございます。テレビとラジオでございます。先生御指摘のラジオの方も有線放送でございまして、これは全国でただいま約一万ほどの施設がございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 今人数を伺ったのですが、なぜ甲信越にこれだけ多いのですか。ほかの地域はそれほどでもないのですか。

浜田弘二郵政省放送行政局有線放送課長

○浜田説明員 CATVの発展の経緯があるわけなんですが、ちょうど甲府とか長野といいますのは東京タワーからの電波が辛うじて山の上等で受けられるわけでございます。したがいまして、それを受けまして、もちろん電波を発信されておる局の同意を得てでございますが、発信されているのを受けまして、そしてケーブルの加入世帯に流しますと、地元の甲府とか長野の場合に空中波ですと東京の民放の局のテレビが見えないわけでございますが、CATVに入れば、モアチャンネルといいますか、そういう番組が非常に見れるというふうなところが大きなインセンティブとして甲府とか長野でCATVが相当先進的に発展をしてまいった、そういうふうな経緯を私ども承知いたしております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうすると、今回の法改正で新しく有線送信という概念が入ってきたわけですが、従来の、いろいろ法制があったんでしょうが、これとどう違って国民の側から見ればどういう利便が新しく加わったと考えていいのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 今回有線送信という概念を導入いたしましたのは、従来の有線放送という概念では実際上は今郵政省の方から御紹介のありましたような有線テレビであるとか有線ラジオというものを想定していたわけでございます。ところが、データベースオンラインシステムあるいはキャプテンサービスのようなビデオテックス、こういうシステムが出てまいりますと、同一の内容の情報を同時に送るのではなくて、個別のリクエストによりまして個別の情報が異時に送られる、こういった性格のものを有線放送という概念で呼ぶことは社会的に一般常識にも反するというような意味合いもございます。と同時に、従来の伝統的な有線放送と新たな有線送信というものの著作権法上の権利関係は全く同じにしていいのかどうか、そういったメディアの態様によりまして権利を認めるあるいは権利を制限する、著作権法上の取り扱いに差異があってしかるべきではないか、そういった二つの点から、今回改正をいたしまして、有線放送を狭い概念の伝統的なものに限定し、オンラインサービス等も含めた広い概念として有線送信という概念定義をすることにし、かつ権利関係を異にしたわけでございます。このことの結果、実態的な今の社会秩序に適合した著作権法制度上の運用のルールが確立されるということでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 これは郵政省にお伺いしたいのですが、従来の有線放送のやり方では、要するに固定してはいけないということがあって、もとの放送局から流されたものをそのまま受けてそのまま流すということのようだったのですが、なぜそういうことなのか。例えば、一週間分のあるドラマを固定して有線なら有線の加入者に、忙しい人もいるでしょうから、三十分のドラマなら一週間分三時間かければ続けて見せられるというような、いわゆる編集というものがそこに加えられてもしかるべきではないか。それがいろいろな意味での利便に供することになるのじゃないかと思うのですが、そういう形になってなかった。今回もまたそういうふうにはなってないらしいのですが、そういう発想というのは出てこないものなのでしょうか。

浜田弘二郵政省放送行政局有線放送課長

○浜田説明員 ただいま先生の方の御指摘のございました点というのは、著作権法の問題というよりは、有線テレビジョン放送法の再送信同意の方の問題かと思います。放送事業者の方からCATV事業者が同意を得まして再送信します場合に、通常の場合といたしましてビデオテープにはとらないこと、要するに、放送された電波をそっくりそのまま何ら変更を加えずして同時に流すようにという条件つきで同意を得るわけでございます。したがいまして、放送事業者との再送信同意の関係でもってそういうビデオテープ化がなかなかしがたいという問題で、著作権法の問題ではないのじゃないかというふうに従来思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 それはそうなんですけれども、そこのところは利用者の側からいけば、そういう編集上の工夫もあってしかるべきじゃないかな、どうして右から左に同じものを流していかなければいけないように郵政省が所管している法制はなっているのかな、こう思うのです。

浜田弘二郵政省放送行政局有線放送課長

○浜田説明員 これは、CATV事業者と無線の放送事業者の間の秩序といいますか、そういうような放送秩序から来ておるところでございまして、相当経緯のある問題になっておるところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 本当はその経緯を聞きたいところなんですけれども、時間もありませんので、先へ進みましょう。  著作隣接権の対象として今度は有線放送が保護されるということですが、従来とどこがどう違ってくるのか。自主制作番組が一つの権利として保全されるというふうに御説明をいただいたのですが、具体的な事例として御説明いただけませんか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 現行法では有線放送事業者に著作隣接権は認めておりません。したがって、現在の有線放送について、極端なことを申し上げますと、それを録音・録画しようとあるいはそのコピーを頒布しようと自由なわけでございます。もちろん、その場合に番組の中に著作物が入っておれば著作権を侵害することになりますけれども、有線放送事業者の権利を侵害したことにはなっていないわけでございます。今回提案申し上げております有線放送事業者の著作隣接権といたしましては、録音・録画、写真的複製を含みます複製権、有線放送を受信して放送する権利、放送権並びに有線放送を受信して再有線放送する権利、さらに、そのテレビジョン放送を受信してこれを公衆に伝達する権利、以上の四つの権利を著作隣接権として認めておりますので、有線放送事業者の了解なくこれを録音・録画したり、あるいは、現実には考えられませんけれども、放送局がその有線放送を受けて放送するとか、ある局の有線放送を別の有線放送局が有線放送をするとか、さらにはそのテレビを受けて公衆にお金を取ってワイドスクリーンで見せるというようなことについては原有線放送事業者の許諾を必要とするということになるわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 これは郵政省にお伺いしたいわけですが、出版物とか、マスコミュニケーションとして大衆に伝達されるケースで、大きな局がいろいろ電波を出す。その問題番組などと言われるような風俗的な部分であるとか子供たちの教育上問題があるような番組、そういうものの倫理規定がいろいろとやかましく議論されました。私も予算委員会で、いじめ問題等についてそういうテレビの影響という問題も郵政大臣に伺った経過があるのですが、今日このような権利を有線局に与えたということは、有線放送局が言うならば公式に認知され、自主番組がつくられ、その権利が保護されるということですから、当然その倫理というものが問われるようになるだろうと思うわけです。人事的な構成とかその規模だとかさまざまな問題の中で、有線局というものがそういう社会的な状況にきちっと成長しているだろうとは思うのですが、数、規模、問題はないのかどうかお伺いしたいと思います。

浜田弘二郵政省放送行政局有線放送課長

○浜田説明員 先生御指摘の点非常に重要な点だというふうに思っております。  法律的に申し上げますと、有線テレビジョン放送法という法律があるわけでございますが、この法律の中で、番組基準の内容等につきましては原則といたしまして放送法の番組基準の内容等を準用しております。また、CATV局につきましては、その中に放送番組審議機関というようなものも設置を義務づけておりまして、先生御指摘の点につきましては私どもとしても今後とも配意してまいりたいと思っておるところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 CCTVというのでしょうか、ホテルの中だけでのそういうテレビがありますし、また自主番組もあるようでございますが、これについては今度の法改正で保護されているのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 これは現行法でもそうでございますし、今回の改正案でも同様でございますけれども、今回の提案に係ります有線送信の定義といたしまして、「公衆によって直接受信されることを目的として有線電気通信の送信を行うこと」を有線送信と定義しながら、その中で「有線電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内にあるものによる送信を除く。」というのがございまして、今申し上げましたCCTVつまりクローズド・サーキット・テレビジョンを発信する場所がホテルの中であり、それを受信するのが客室である場合には、つまりそのホテル経営者の実質的な法律上の占有に係る部分、両方とも同一でございますので、それは同一の構内におきます有線電気通信でございますために、いわゆる有線送信の概念にも該当しないし、有線放送の概念にも該当しない、こういうことになるわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 これもまたいろいろ議論しなければならないのですけれども、ちょっと時間の関係で別の問題について伺います。  このCATVの番組にかかわる著作権処理の問題です。CATVにはいろいろなケースがあると思うのです。番組ソフトの供給というのが円滑に行われる必要があると思いますし、親局から流れてくるそのままというもの、あるいは自分のところで自主的につくるもの、いろいろな種類の形態に分かれていると思うのですけれども、このお互い同士の著作権処理というのはどんなふうな形になっているのか。特に映画的な処理と番組的な処理との間にちょっとした違いがあり、芸能関係の方からはどうもそれがよく理解されていない。はてな、自分は出ているのだけれども何もお話もないし収入もない、それは片っ方は映画的処理らしい、片っ方は自主番組らしい、どうもこのところがはっきりしないということを俳優さんから聞いたことがあるのですが、この辺はどうなんでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 現在まで、有線放送に関します著作権あるいは著作隣接権の処理につきましてもいろいろな方法が講ぜられております。  まず、放送の同時再送信でございます放送の有線放送につきましては、音楽著作権協会、放送作家組合、シナリオ作家協会、文芸著作権保護同盟、芸能実演家団体協議会という五つの権利者団体が、日本放送作家組合を窓口団体としまして、個々の有線放送事業者にブランケットで、包括許諾を与えるという方法によりまして著作権、著作隣接権の処理がなされております。  それから、いわゆるCATV等の自主放送につきましては、音楽とそれ以外の著作物あるいは隣接権の扱いが異なるわけでございますが、音楽につきましては音楽著作権協会が一括した包括許諾を個々の有線放送事業者に与えることによって処理をされております。それから音楽以外の著作物等につきましては、放送事業者から供給を受けるいわゆる放送番組の場合につきましては、これは固定物による、パッケージによる放送でございますけれども、放送作家組合、シナリオ作家協会、文芸著作権保護同盟、芸能実演家団体協議会、日本レコード協会という五つの団体が、これも同じく日本放送作家組合を窓口団体として、包括許諾を個々の有線放送事業者に与えているという状況にございます。  なお、映画会社等から供給を受けますいわゆる映画の有線放送につきましては、まだ権利処理のルールが確立されていないという状況にございます。  こういうCATVの発達普及に伴いまして、これから権利処理関係が重要になるという観点から、文化庁におきましても、ニューメディアにおける著作権等の処理の在り方に関する調査研究協力者会議というものを昨年四月に設置しまして、一応九月に中間的な取りまとめを行っております。その中間まとめにおきましては、供給番組については有線放送事業者に番組を供給する者が原則として権利処理をする、それから権利者の窓口をできる限り一本化することが望ましいといったような指摘がございまして、現在、この考え方に基づきまして、権利者や番組供給者の団体におきまして権利処理のルールづくりの検討が進められている段階にございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 放送大学ができて、その評価についてはこれからなんですが、私は放送大学が重要だと思っている立場から、先ほど来お話が出ている各地域における有線放送などは、放送大学からそうした映像等を持ってきてその地域の青年に大学教育をする、これは正規の学生にはなり得ないかもしれませんが、聴講生くらいにはなれるんじゃないか。これは恐らく郵政省の問題、文部省の問題との協議が必要だと思いますけれども、一説によると、そういうCATVによる放送大学番組の活用という計画があるように聞いておりますが、状況はいかがでしょうか。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 放送大学の番組をCATVによりまして有線放送するという件でございますが、いわゆる難視聴対策ということも含めまして、昭和六十一年四月十八日現在で関東甲信越地方で既に六百十九件の同意をいたしておりまして、該当いたします受信世帯数は四十七万四千余という数に上っておるわけでございます。ただ、このうち、対象地域外の隣接地域でございます山梨県、長野県、静岡県等につきましては、特に放送大学の番組の有効活用という点で大きい意味を持っているのじゃないかと考えておるところでございます。  そこで、放送教育開発センターでは今年度から長野県の、先ほど郵政省から御紹介がありましたのと同じCATVの局でございますが、そこといわば協力をいたしまして、放送大学の番組を活用いたしましたレイク諏訪放送大学講座というようなものを開設する計画を進めておりまして、既に受講者その他の準備もすべて整っておるわけでございますが、大体五科目につきまして諏訪の市民会館を活用いたしまして、スターリングの講師も信州大学等の御協力をお願いし、また放送大学自体も通信指導等の協力をいたしまして、実験的にCATVの利用による放送大学の充実した視聴ということについて一歩踏み出そうとしておるところでございます。今後このような実験、研究の成果等も踏まえまして、放送大学が今後発展をしていく上での一つの有効な手段としての活用方法を積極的に考えてまいりたいと思っておるところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 大崎局長、今お話が出たのと関連があるのですけれども、私は前から、一般の大学でも放送大学で授業をしているビデオというものを使えないものかということについて、いろいろと著作権の処理などもあると思いますけれども、非常にいい番組もありますし、こういうことができれば大学教育に新しい風を吹き込むこともできるのじゃないかと考えておりまして、たしか前には研究中であるという御答弁をいただいたこともあるのですが、その後の経過はどんなものでしょうか。

大崎仁文部省高等教育局長

○大崎政府委員 放送大学と一般の大学との交流、協力というのは非常に重要な事柄でもございまして、前回御質疑がございました時点以後の状況を御報告申しますと、いわゆる単位互換という観点では、産業能率短期大学の通信教育部との間に正式に単位互換ということでの協定が成立をいたしておりまして、実施に移る段階になっております。その他の大学につきましてもいろいろ動きがございますので、引き続き前向きに話を進めるよう放送大学にお願いしておるところでございますが、これは単位互換ということでまいります限りは、放送大学の授業自体にいわば他大学の学生が参加をするということでございますので、著作権の問題は一応生じないわけで既に処理済みになっておるわけでございます。さらに、それを放送大学の授業ということではなくて、放送大学の番組自体をビデオ化あるいはテープ化等しまして一般に貸し出す、あるいは大学その他の利用に供するということになりますと、著作権処理が当初放送大学の授業の範囲内に基本的に限られておりましたために、追加の措置が要るわけでございます。その後鋭意、放送大学学園、放送教育開発センター等を中心に関係団体間で検討が進んでおりまして、大体現時点では、ことしの秋を目途に、比較的著作権処理ができやすい科目で、かつかなりな需要が見込まれるものをある程度特定をいたしまして、それにつきましておっしゃったような授業が実施できるように現在努力いたしております。何とか本年度中には実現を見るように、私どもといたしましても働きかけてまいりたいと思っておるところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 関連したことを少しお伺いしたいと思いますが、二つでございまして、一つは、版面権の問題がどの程度進捗しているのか。もう一つは、芸団協等からいろいろと御意見がございました賦課金、特にテープにしかるべき賦課金を課して権利の侵害に備える、この二つの具体的な動きがあったわけでございますが、今年度は法制化されておりませんが、その進捗状況について聞かせていただければと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 版の保護につきましては、昨年の当委員会におきます附帯決議を受けまして、昨年の九月から第八小委員会をスタートさせ、現在まで五回の会議を重ねております。権利者側、出版者側の御意向を十分聴取し、特に国際的な状況あるいは現状分析、それから法理論的な問題の資料の提供等を行いまして、現時点ではまず何をどういう形で保護するのか、保護する理念、考え方というような審議を行っている状況でございまして、鋭意詰めてまいりたいと思っております。  それから、私的録音・録画の問題につきましては、これは昨年から余り進展していないことをおわび申し上げなければならないわけでございますけれども、その後の状況の変化といたしましては、本年に入りまして、例えば西ドイツでは磁気テープにも賦課金を課する、あるいはフランスでも法改正をいたしまして賦課金制度を導入する等の新しい措置が行われて世界の潮流が流れでいっている方向にあるわけでございますし、現在は、御承知のように、第五小委員会の五十六年の報告を受けた形で、著作権資料協会に置かれます著作権懇談会で鋭意二十数回の検討を重ねておるわけでございますが、安閑としてはおられない状況でもございますし、私どもの気持ちといたしますれば、本年または本年度中に著作権懇談会としての一応の結論を出していただきたいという考え方で審議の促進をお願いしている状況でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 最後の質問になりますが、貸しレコードの問題でレコード業界と貸しレコード業界がかつてはかなり争っていた。最近は余りそういう話を聞きませんが、法改正をいたしましたがまだ課題は残っているように思いますが、現状と課題などについて、現在の状況をお聞かせいただければと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 貸しレコードの問題につきましては、一昨年の本委員会におきまして貸与権を創設していただいたわけでございまして、これに基づきまして、昨年の六月の時点で日本音楽著作権協会と各貸しレコード店の間に契約が締結されまして、著作物使用料規程に基づく使用料が徴収されているわけでございます。  また、隣接権団体でございますレコード協会と芸能実演家団体協議会も、昨年六月に貸しレコード側の中央団体でございますレコードレンタル商業組合と合意に達しまして、その合意に基づいて約二千軒の貸しレコード店と契約し、使用料を徴収している段階でございます。  なお、コンパクトディスクにつきましては、本年の三月までは貸さないという形で申し合わせがあったわけでございますけれども、四月からは貸し出して、使用料の方の話し合いもほぼついて、動き出しているという状況にございます。  それから、問題は、昨年におきましては一定の寡作のレコードあるいは新人アーチストのレコードにつきましては、一定期間を限りまして、個別に各メーカーが貸与権を行使して特別許諾による上乗せの使用料を徴収しているということでございますが、その期限が五月の末で切れるわけでございまして、六月からの取り扱いにつきましては、これからの話し合いでございますけれども、今のところ、レコードメーカー側と貸しレコード側との間に意見の大きな対立がございまして、なお今後ちょっと調整を要する事柄ではないかと考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 終わります。

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 中野寛成君。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 著作権関係二法について質問いたします。かなり技術的なこともございますし、既に行われました同僚議員と同趣旨の質問も重ねて申し上げることがあろうと思いますけれども、質問の組み立て上お許しいただいて、お答えをいただきたいと思います。  まず最初に、文部大臣に一度だけお尋ねをいたします。  プログラムを著作権法で保護することについて、これまで各国々がどういう対応をするかで議論があったようでありますが、今日、世界的な動向をどういうふうに把握しておられますか、お答えいただきたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 お答え申し上げます。  第一に、アメリカ合衆国におきましては、一九七六年、一九八〇年の二度の著作権法改正により、プログラムが著作権法上保護されることを明文の規定で明らかにいたし、また、プログラムが著作物である旨の判例も多数出ておると聞いております。  ハンガリー、オーストラリア、インドにおきましても、プログラム保護のための著作権法の改正が既に行われておると理解しております。  イギリス、西ドイツ、フランスでは、それぞれ一九八五年に著作権法を改正し、プログラムの著作権法による保護を明確にいたしております。  カナダにおきましては、一九八四年に著作権法改正のための白書が政府により議会に提出され、プログラムを著作権法により保護する方向が示されており、そのほか、スウェーデンなど北欧の四カ国、オランダ、スペイン、アルゼンチンでは、著作権法によるプログラムの保護を明確化するための法改正がただいま検討中であると聞いております。  一九八三年に開催された工業所有権の保護に関するパリ同盟の第二回ソフトウエア法的保護専門家委員会におきましては、ソフトウエアの保護は著作権法によることができるとする国が多数を占め、また、一九八五年に開催されたコンピューター・ソフトウエア保護に関するWIPO・ユネスコ合同専門家会議におきましても、大多数の国がコンピュータープログラムの著作権保護を適当とし、世界の大勢がコンピュータープログラムを著作権により保護する方向であることが確認されております。  以上でございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 当初いろいろな議論が行われて、プログラムというのは一体どこでやるのか、それこそ委員会でも、文教委員会でやったらいいのか商工委員会でやったらいいのか、いろいろ議論もございましたが、今の御答弁で、プログラムは国際的にも著作権法で保護するということがおよそ定着してきた、こういうことであろうと思います。  大臣、お忙しそうですから、どうぞ結構でございます。  それでは、続いて質問に入りたいと思います。  今回出されておりますプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律案、第三条では、プログラムの登録申請に当たり複製物の提出義務を課しているわけでありますが、それはなぜ必要なんだろうか、企業秘密との関係で果たして問題はないのか、また、どういう配慮がなされているのかということについてお尋ねをいたします。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 従来の一般的な著作権の登録におきましては、だれがどのような著作物をつくったのか、著作物の題号とか概要を書いて提出していただくだけで登録を認めていたわけでございます。しかしながら、今回のプログラムに関します創作年月日の登録につきましては、プログラムといってもいろいろな、例えば給与を計算するためのプログラムといっても、プログラムそのものは多種多様あるわけでございまして、これに関して書いた論文であるというような従来のパターンとは全く異なり、同じ目的を持つ、同じ内容を持つプログラムとしても多種多様のものがあり得るということで、他の著作物と違って、これがこの人のプログラムであるということは、文章を見ただけでは申請のプログラムを特定することができないという、極めて技術的な困難な問題があるわけでございます。  特に創作年月日登録の場合につきましては、登録申請者が申請する際に、これは私がいつつくりましたという登録をするわけでございますから、プログラムが存在していることが必要で、極端なことを申しますと、まだプログラムを開発中であるにもかかわらず、つくったと称して登録されるおそれもあるわけでございますので、現実にプログラムが完成しているということを確認する必要がある。そういった点にかんがみまして、プログラムの複製物を提出していただいて、今申し上げたプログラムを特定すること、現実に作成されていることを確認することによりまして、プログラム登録の実効性を図りたい、そういう観点から第三条の規定を設けたわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 今のことと裏表の関係になると思うのですが、それでは、指定登録機関は、登録の際に、果たして登録されるプログラムの内容を実質的に審査することになるのか、こういうことになりますね。そしてまた、もし逆に審査できないなどということになりますと、虚偽の登録申請があった場合にも登録を認めなければならぬということになる。これは今の御答弁とも関連すると思いますが、この辺のことはどうなんですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 通常想定しております登録につきましては、多くは、例えば〇一〇一の記号で表記をされたオブジェクトプログラムのコピーではないかと思うわけでございますが、これが著作物性のあるものであるか、あるいは新たにつくられたものであるかというような内容の実質審査をすることは不可能でもございますし、また、そういった審査をする考えもございません。言うなれば、登録されたもの、登録しようとするプログラムについてコピーが提出されておれば、それを一応正しいものと信じて、形式的に様式が整いコピーが提出されるということであるならば、特許における審査のような内容に立ち入って審査をするということではなくて、まさに形式審査でございまして、所定の手続なりコピーなりがそろっているなということを確認すればいいわけでございます。  ただ、そういたしますと、ではにせものの登録があり得るじゃないかという御指摘はまことにごもっともでございますけれども、それは著作物の登録すべてについて言えることでもございますが、そこを判断する力はございませんので、もしにせものの登録、つまり自分のつくったものでないプログラムの登録がされるとするならば、刑法百五十七条で公正証書不実記載の罪というのがございまして、いわゆる公文書偽造罪のような形で刑法上の罰則がかかるわけでございますので、そういったリスクを冒してまですることが考えられるかどうかという問題だろうと思います。  また、この登録自体が、本来登録したから権利ができる、登録しないから著作権が発生しないという性格のものではございませんで、まさに、後世訴訟が起きた場合、私が先につくったプログラムでこのプログラムをまねされていますよということを立証する手段として、一つの有効に活用する手段として登録するわけでございますから、登録する場合にはまさに自分に権利保全をしたいというプログラムを登録するに違いないという考え方に立っているわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 そうしますと、虚偽の登録申請があった場合に、盗まれた方が訴えたときに初めて訴訟等によって内容が明確になってくる。受け付けたからといってそれは、言うならばこの指定登録機関が公認をしたとか、虚偽ではない、ちゃんと独創性のあるものだと認めたということは全く別だ、こういうことですね。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 おっしゃるとおりでございまして、登録いたしますと、登録されているコピーに係るプログラムが登録された日付で、創作したと言われる日付で創作されたものと法律上は推定する、その効果のみでございますが、現実の問題といたしますれば、その人が登録したプログラムのコピーが指定登録機関に保管してありますということによりまして、以後トラブルが起こる可能性、あるいは現実としてトラブルが起こった場合にはいつでもそこへ照会をすればこのプログラムの現物がこれでありますということが確認できる、そういう安心感といいますか、将来の権利保全をする際に使い得るというメリットがあるわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 次に行きます。第四条で言うところのプログラムの登録の公示はなぜ行うのであろうか、どういうメリットがそのことによって発生するか、逆に、その公示を行うことによって他の企業やその他の人たちにヒントを与えることによってデメリットが起こるというようなことは考えられないのか、素朴な質問ですがお答えいただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 このプログラムの登録に係ります公示制度を設けた趣旨といたしましては、プログラムの著作権に係る紛争を防止するためには、登録の公示機能をさらに強化し、積極的に登録があったことを一般に知らせることが必要という観点から提案をさしていただいておるわけでございます。しかしながら、この表面上の提案理由のほかに実質的な意味といたしましては、昨年の著作権におきましてプログラムを保護することとした通産省との合意の内容といたしまして、通産省側が主張しておりましたいわゆる二重投資の防止であるとか流通の促進、言うなればユーザー保護のような視点も著作権法の中で措置できればしてほしいという申し出があったわけでございまして、この公示制度を活用することによりましてどのようなプログラムができているのかということがわかれば、二重投資を避けることの役にも立つでございましょうし、あるいはこんなプログラムがつくられたのかという形で、そのプログラムをぜひ使いたいという流通の促進にも資する、そういう副次的な効果もねらっておるわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 その場合に、プログラムの内容をどの程度明らかにするのかということ、どういうおつもりなのかということと、公示の内容は企業の希望に沿ってどの程度公示するかを弾力的に対応できるようにするのかどうか、この二点お尋ねをいたします。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 公示の仕方につきましては、第四条で「文部省令で定める」ことといたしておりますが、現在のところ、もちろんプログラムの題号であるとか、プログラムの著作者であるとか、創作年月日という事実関係は記載いたしますが、と同時にプログラムの概要を公示することを予定いたしております。プログラムの概要と申しますのは、これは指定登録機関がつくることは実際上は不可能でございますので、申請者が書いてきましたプログラムの概要を多分そのまま載せることになるケースが、もちろんページ数が膨大であれば圧縮するということはあり得ましても、一般的には登録申請者が書いてまいりましたプログラムの概要を記載して公示をするという形になろうと思いますので、登録申請者側の意向によってある程度弾力的に、現実的にはこれは人には知られたくない、この程度ならという御意向に沿った形で運用ができるものと考えております。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 そうすると、弾力的に対応ができるようにするということでございますから、運用の妙を図っていただきたいと思います。  さて、そこで、この法律が施行された場合に何件くらいのプログラムが登録されるだろうか。これは何か企業によっても見通しがまちまちなようですが、どのように予想しておられますでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 予測は極めて不安定、不確定のものでございますが、先般の参考人質疑のときにも、パソコンソフトウェア協会の清水参考人の方からは、年間数千件等をパソコンソフトウェア協会としては考えているという御発言がございました。このほか汎用プログラムにつきましてどの程度のものかというのは、団体としての考え方は直接はお聞きしておりませんが、各メーカー等の意見によりましては、登録をぜひ大量にしたいというところもございますれば、余り登録はしないという見込みのところもございますので、これも何件という数字を申し上げることは適切でございませんが、少なくともパソコンのソフトだけに関しましても数千件は想定されている。従来の登録件数に比べれば飛躍的に大量の登録があるのではないかという想定をしているわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 その辺の想定が立ちませんと、指定登録機関を決める場合も引き受け手がないのじゃないかという感じもしたり、余計な心配かもしれませんが。  そこで、その指定登録機関というのはまだ決まってないとこの前ちょっとプライベートにお聞きしたときには言っておられたと思うのですが、いつごろまでに決めようと思っておられるのか、今後どういうふうに対応していかれるのか、それからもし指定登録機関の申請がなかった場合には文化庁で直接おやりになるのか、その辺のことはどういうふうに見通しを持っておられますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 提案申し上げておりますプログラム特例法の施行は来年の四月でございますが、指定登録機関の指定のために必要な部分の規定につきましては本来の十月から施行することを予定いたしております。したがいまして、本法律案が国会で成立いたしますれば、できるだけ速やかに適当な団体について見通しを得まして、指定登録機関が登録事務を行うための準備期間等も考慮しますれば、今秋以降の適当な時期に指定をしたいと考えているわけでございます。ただ、現時点ではまことに白紙でございまして、十分それまでの見通しが得られるかどうかという問題があるわけでございますけれども、仮定の話でございますが、来年の四月までに登録業務を開始できるような指定がもし行えないという事態が起こりました場合には、文化庁で直接登録をするという事態にならざるを得ないわけでございまして、これが大量の件数が想定されますものですから、文化庁としては最大限の努力を払って、指定登録機関の見通しをつけたいと考えているわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 この指定登録機関というのは大体どういうところが考えられるのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 法律で考えておりますのは、登録にふさわしいそれぞれの人的規模をそろえ、経理的な基礎を持つということで抽象的に書いてございますけれども、具体的には、ある程度プログラムあるいは著作権に理解を持っている職員でなければなりませんし、また団体もしっかりしていなくてはいけない、そういう意味で、どれということは申し上げられないわけでございますけれども、     〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕 財政的基盤がしっかりしている団体、例えばでございますけれども、日本音楽著作権協会のような団体もございますが、これはちょっとプログラムの登録に向くような機関ではないし、また例えば著作権資料協会というようなまさに著作権向きの機関がございますが、財政基盤あるいは人的組織等においてはどうも対応できるかという不安もございますし、そのほかソフトウェア関係のいろいろな公益団体等もございますけれども、いずれも現時点で見ます限りは帯に短したすきに長しでございますので、もちろん指定するためにはその団体の定款、目的を変更していただかなければならないし、また体制も整えてもらわなければいけない。そういう意味では、既存の団体から選ぶか、場合によっては新しい団体をつくっていただくことをお願いするか、その辺は、関係団体とも十分相談をしながら今後詰めてまいりたいと思っております。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 登録手数料ですが、安いにこしたことはないというお考え方と、ある程度取らなければちょっと、やっていけないといったらおかしいですけれども、取るべきだという考え方があると思うのですが、どのくらいになるのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 これはまだ計算をいたしておらないわけでございますが、手数料は実費を勘案して政令で定めることになりますので、実費と申しますのは登録に要する経費、つまり登録事務に従事する職員の人件費あるいは登録の施設設備の維持管理に要する経費等でございます。過去の先例といたしましては、昨年半導体チップの回路配置権の登録に関する事務を行う場合の登録手数料が一件四万円という規定は先例としてございますけれども、先般の参考人陳述の中でも、四万円は高過ぎるので、今回のケースはせめて二万円程度には抑えてもらいたいというような御発言もあったわけでございますが、その辺の範囲でなお詰めていきたいと思っております。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 そうすると、二万円から四万円の範囲かなという感じですが、中をとって三万円などとならないように、その辺はひとつ大いに慎重に御検討いただきたいと思いますが、法律の目的に照らした手数料が決められるものであろうと思います。十分関係者の御意見も聞いていただきたいと思います。  そこで、次に、この申請に当たっての複製物なんですけれども、マイクロフィルムを考えているということでございました。そこで、その場合の手間や費用について業界はどのようにお考えなのか。  それから、もう一つ、簡単なものは、さしてボリュームがないというようなものはマイクロフィルム等に限定しないで他の方法も例外的に認めていくということも考えていいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 複製物は、現在マイクロフィルムの提出を考えております理由は、磁気テープにいたしますればその保存性に問題がございます。と同時に、保管も大変であるということがあるわけでございます。それから、紙で出していただきますと、ステップ数にもよりますが膨大な量の紙、ペーパーになるわけでございますし、そういった点から、保管の問題等を考えたときには、マイクロフィルムが一番保管に適しているという考え方で、関係団体の意見も聴取しましたときにマイクロフィルムで結構である、それでお願いしたいという御意見が強かったわけでございますので、現時点ではそういうような考え方をとっております。  ただ、先生おっしゃいますように、非常にステップ数の短い簡易なプログラムの場合にまでマイクロフィルムを要求することは適切かどうかという問題もございますから、もちろんペーパーにした場合の保管の煩雑さとかというようなことがなければ、そういうものも認めることもひとつ検討はしてみたいと思っております。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 いろいろなケースを想定して御検討をいただきたいと思います。  次に、著作権法の一部改正についてお尋ねをいたします。  これから我が国のデータベース、急速に進んでいくと考えられるわけでありますが、現状と将来の見通しをどうお考えでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 現状は、外国からの輸入データベース、日本で独自に開発したデータベースを含めまして、昭和五十九年度におきましては千二百四十二のデータベースが商業用データベースとして実際に利用に供されているというぐあいに承知をいたしております。このデータベースの実数も、例えば五十七年度では六百でございましたのが、わずか二年間で倍増したわけでございますし、そういう意味では、これからの高度情報化社会、特に情報を必要とするいろいろな職種等もふえてまいるでございましょうし、また企業もそのデータベースの開発に力を入れてまいっている状況にございますので、極端なことではございますが、倍々ゲームのような形でこの数量というのはふえていくのではないか。また、金額的に見ましても、データベースの日本におきます売り上げが約一千億弱と言われておりますけれども、これも数年の間に二倍増、三倍増という形でふえてきたわけでございますので、過去のトレンドから見ます限り、データベースの需要並びに供給というものにつきましては大幅な伸びが見込まれるのではないかと考えております。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 そこで、さっきはプログラムについて大臣にお尋ねをいたしましたが、この諸外国におけるデータベースの法的保護の現状はどういうふうになっておりますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 現在諸外国におきまして、著作権法の中でデータベースという言葉を明記した著作権法制はございません。  ただ、アメリカの法制におきましては、その支持媒体のいかんにかかわらずかくかくしかじかの編集物を保護するというような規定がございまして、これはデータベースを念頭に置いた規定でございます。そういう意味ではデータベースはアメリカにおきましては解釈上も明らかに保護をするというシステムになっておるわけでございます。  それから、さらにオーストラリアにおきましては、コンピュータープログラム改正のときでございますけれども、人間可読形態であるもののみならず、つまり機械可読形態のものであってもかくかくしかじかのものは保護するというような文芸著作物の定義を設けておりまして、データベースを想定して当然保護の対象としているわけでございます。  今申し上げたアメリカ、オーストラリアの場合はデータベースという直接の用語は用いておりませんが、文面上データベースがはっきり読めるような改正をしておる国でございます。  それから、イギリスにおきましては、法改正は行っておりませんけれども、政府が出しましたグリーンペーパーの中でデータベースは著作物として保護されるということの見解が述べられているわけでございます。  今回、日本の場合におきまして、データベースを法律上明記をするという形になりますれば、私どもの個人的な観測でございますけれども、諸外国におきましてもデータベースという明文をもって規定をする国は陸続として出てくるのではないかという考えを持っているわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 結局そこで、似たような議論とか質問を去年もしたと思うのですが、著作権法で言う「著作物」の定義でありますが、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されているわけであります。データベースの場合には、何か単純にこの文章を読んだら含まれるのかいなというふうに思ったりいたします。物事の解釈、定義づけというのは、その気になればいろいろ解釈できますけれども、どういうふうにお考えでございますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 二条一項一号では「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」を「著作物」と定義いたしております。  そこで、データベースを考えてみますと、「論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、」「電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの」を「データベース」と今度定義づけたわけでございます。そこで、データベースというものを考えてみますと、データベースが、まず各個別の情報を取捨選択するという行為におきましては、知的な活動、つまり人間の思想があって、そこでしかも創作的に、これは必要である、これは要らない、こういう形でというような、素材の選択あるいはデータベースそのものの体系的な構成という点におきまして、同じく人間の思想がそこで創作的にあらわれてきている。つまり、知的な活動の所産であることは疑いないと思うわけでございますが、問題は、多分先生の御質問の趣旨は、それがデータベースに対する人間の思想、感情の表現がどこに出ているのかという御質問ではないかと思うわけてございます。  具体的な編集物の場合でございますと、新聞にしましても雑誌にしましても、見れば、ああなるほど、いろいろな材料をうまく料理して並べてあるな、なるほど立派な編集物だというような感覚で見られるわけでございますけれども、データベースの場合には、どちらかと申しますと、見ただけと言うと言葉は憩うございますが、いろいろな素材が山のように入って、そこにキーワードがつけられ、コンピューターを使えばうまく検索がいろいろな体系でできるようになっているけれども、可視的な状態でその編集性とかあるいは体系の設定の創作性というのが一見できないような状況になっている。しかしながら、アウトプットをしてみればあるいは検索をしてみれば、創意工夫が十分にその成果として出てくるようなものである。そういう意味では思想、感情を創作的に表現したものという著作物の定義に全く当てはまるものであると私どもも考えておるわけでございます。  こういった著作物であるかないかの定義ということの解釈は非常に難しいわけでございますけれども、既存のデータという素材を用いて加工したものであるために、その加工された成果物、データベースというものは、どうしても素材面から見た場合に素材が著作物であるかないかという議論がよくあるわけでございますが、素材のいかんを問わず、でき上がった成果物は、データベースとしてそのものを考えるときには二条一項一号に言う「著作物」であると私どもは確信をしているわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 大変詳しく論理明快に御説明いただいたように思うのでありますが、一般人の解釈からすると、なかなかにもって、今次長がおっしゃるので大変明快におっしゃられているように感じますが、だれでもそれだけの説明が簡単にできるものだろうかと思ったりもいたします。近い将来、この著作物についての定義づけをわかりやすく明快に単刀直入に検討し直して考えるなどということはお考えでございませんか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 著作物と申しますのは、例えば英米諸国におきましてはこれをワークスと呼んでおりますけれども、日本語に翻訳すれば作品でございます。世界の国々の中で著作物についての定義をしている国はほとんどないわけでございます。また、著作権条約上も定義をしておりません。ある意味ではアプリオリに著作物というのは何ぞやというのが頭にあって、それは学者の間でなのか実務界でかわかりませんけれども、もう百年以上もこういうものが歴史的、伝統的に著作物という言葉、例えばワークスでございますけれども、続いてきて、しかも定義なしで使われている。非常に不思議な世界だと私は思うわけでございます。日本の著作権法で定義をしましたのは、日本人の性格として、何が著作物であるかというのはやはり分析しブレークダウンしてないと不安である、やはりよりどころが必要だ、解釈によって幅が出ては困るという点が二条一項一号を設けたゆえんでもございますけれども、二条一項一号自体も過去の大審院判例等に用いられました表現を現代風に工夫して書いたということでありまして、そのことが著作物を完全に定義したかどうかということにつきましては、私どもは甚だ自信は完璧ではないわけでございます。そういう意味で、一般的に言われております著作物というのが、人間の知的活動の結果としてそこに具体的な表現を伴ったものというのが国際著作権界におきます通説でございますので、それをよりどころにしているわけでございますけれども、新たないろんな範囲のものが出てきた場合に、今の二条一項一号で未来永劫にカバーできるとは私ども必ずしも考えておりません。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 そもそも文化庁の「文化」という言葉の意味さえもある意味ではわかりにくいわけですから、これ以上言葉の遊びになってはいけませんから申し上げません。むしろ厳格な定義づけをしようというのが日本人的性格、民族性なのかもしれません。そういう意味でこれ以上申し上げませんが、時代の変化によって、またいろいろな文化や技術の進歩によって、無理やりに厳格な定義をつけようと思えばいろんな苦労をすることになるであろうという想定はされると思います。  そこで、第十二条の二の規定によりまして保護されているデータベースの著作物とは、今度は定義ではなくて、どのようなものがあるのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 十二条の二で、情報の選択または体系的な構成に創作性があるものをデータベースの著作物として保護することを規定したわけでございまして、データベースと言われるものの大部分はこのデータベースの著作物として保護されるであろうと考えております。  問題は、ではそのデータベースにどのようなものがあるかということでございますが、午前中の質問でもお答えしましたけれども、いわゆる文献データベースと全文データベースと私ども分けておりますけれども、言うなればインデックス的な意味で、いつ、どこに、だれの、どんな情報があるのかという情報のしるべといいますか、情報を引き出すための前段階の短い情報を捜す文献データベース並びに情報そのものの全部が収録されている全文データベース、大きく言いますとこんな二つのパターンがあろうかと思います。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 またこれからいろいろなことが想定されて、内容によってまたそれが分類されていくのだろうと思いますが、これはこれ以上聞きません。  次に、ちょっとここで総務庁にお尋ねをしたいのですけれども、今話をしておりますようなさまざまなデータベースが、今後流通をし普及をしていくのだろうと思うのです。そこで、問題になりますのは、個人のプライバシーの保護が重要なわけでありますが、総務庁は既に検討されていると思うのでありますが、どういう対応をしていかれますか。

瀧上信光総務庁行政管理局管理官

○瀧上説明員 お答えいたします。  個人情報の保護につきましては、臨調最終答申で、行政情報処理の高度化とともに行政機関の保有する個人情報の保護について積極的に対応すべき旨を指摘をされているところでございます。これを受けまして政府といたしましては、行政機関の保有する個人情報の保護について法的措置を含め制度的方策の具体的検討を行い、速やかに政府としての方針を取りまとめるよう努めるというふうなことを、昨年の十二月の閣議決定で政府の方針として決めております。総務庁としましては、この閣議決定に基づきまして、政府部内におきまして行政情報システム各省庁連絡会議等との連絡調整を図力つつ、また学識経験者の御意見等も聴取しつつ、各般の観点から現在検討を進めているところでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 役所のデータベースとともに、最近よくテレビの番組なんかでも何か特集を組んだりしてやっておりますのが、民間のデータベースとプライバシー保護の問題ですね。こういうことについてもいろいろ問題があるということで、テレビ用語風に言いますと恐ろしきデータベースということでいろいろと報道がされたりいたしておりますが、今の御検討とあわせまして、最終的にプライバシー保護法を制定するお考えはありますか。

瀧上信光総務庁行政管理局管理官

○瀧上説明員 お答えいたします。  ただいまの民間企業等の保有します個人情報の保護につきましても、昨年十二月の閣議決定におきまして、それぞれの関係省庁において所要の連絡調整を図りつつ検討を進めるというふうなことを決めております。そして、このための例えば立法化というふうなことでございますが、ただいま申し上げましたように、現在総務庁としましては、法的措置を含めてその制度的な方策を検討しているところでございまして、現段階におきまして具体的にどのような措置が必要かというふうなことにつきましての結論を得るという段階には至っておりませんが、総務庁として、この面につきましてはまた鋭意検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 法制定も含めて検討しているということですから、プライバシー保護法を制定するかどうかも含めて検討されているのだろうと思います。私どもの考え方としては、やはり明確な規定が必要だろう。ここまで来ますと随分混乱もいたしておりますし、そういうものがないところにかえって何かそこにつけ込んで悪質な商法まで横行するということでも困るわけでございますし、積極的に御検討をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。結構です。  それでは、文化庁に戻ります。ニューメディアの中で、ニューメディアといってもこれは広うございますし、いろいろ大変ですが、有線型のものに限って規定を整備するのは一体なぜであるのか、あわせて、他のニューメディアの中で今後規定の整備が必要になってくるものはどういうものが想定をされますか、以上お聞きします。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 今回の提案のベースとなりました著作権審議会第七小委員会におきましては、ニューメディアとしまして三つの事項を審議していただきました。一つが有線系ニューメディア、二つ目が無線系ニューメディア、三つ目がパッケージ系ニューメディアということで、それぞれの分野につきましての議論をしていただいたわけでございます。  その中で、とりあえず今回提案申し上げさせていただきましたのは有線系ニューメディア、特に有線送信の関係の事柄が中心になったわけでございます。それと同時に、CATV等の有線放送事業者を保護する、この二つの考え方が今回の改正の大きなポイントでございますけれども、これらは当然、現時点におきます利用状況も普及が進んでおり、また商業化もされ、経済社会の中でも相当な地歩を占めているというものでございます。  ところで、無線系ニューメディアにつきましては、現時点におきまして十分な開発が進められてまたそれが商業化をされるという段階にもまだ立ち至っていないし、どういう形でそれが利用されていくのかということがちょっと予測困難な面があるという点で見送りになったわけでございますが、今後の課題といたしましては、例えば、想定されるものとして一つの例はファクシミリ新聞でございます。現在のような、家庭に新聞が配達されるということではなくて、オンラインによってその日その日の新聞がファクシミリで流れるというような形態が出てきた場合に、一体新聞の発行業と有線送信という形で完全に毅然と区分けをした権利関係でいいのかどうか、まさに手段方法は違うけれども、結果としては新聞が配達されて読むのと同じ状況ではないかという議論もあったわけでございます。これらの問題は、例えばファクシミリ新聞の今後の発達、実用化の段階に向けての時期には当然検討しておく必要がある事柄でございますし、また対応も迫られることではないかという一つの考え方があるわけでございます。  さらに、衛星通信のケースがございまして、いわゆる放送衛星の場合にはパラボラアンテナをつければキャッチできて、一般の放送と同じように原理としては理解できるわけでございますけれども、通信衛星の場合には、あるA地点からB地点への通信であるにもかかわらず、一般受信者が受信しようと思えば同じ電波ですから受信が可能になる、そういった場合をどう考えたらいいのかという問題もあるわけでございます。これらの点が将来の課題として残されたことではないかと考えております。  なお、パッケージ系二ューメディアにつきましては、例えば、一般的にはビデオディスクのような問題等もございますが、従来のビデオテープ、ソフトといったものと同様な扱いをすることで当面の対応は可能と考えているわけでございますけれども、実演家側の御希望としまして、ビデオディスクに無断で実演が、例えば映画の一こまが取り入れられるというような状況について、実演家に何も権利がないのはおかしいという問題提起がされたわけでございます。これは映画の著作権の絡みが出てくるものですから大問題ではございますが、それ単独の問題ということではなくて、関連した御希望も出ておりますので、パッケージ系ニューメディアとしては将来それらを考える材料もあるというぐあいに考えているわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 目下、有線系のものに限って行われるわけでありますが、有線系といえどもまたいろいろなことが今後想定される、ましてや無線系に至っては、そのときの検討というのはまた随分複雑であろうし大変であろうと思います。その今後の見通しというのは、科学技術を文化庁が勝手に推しはかるわけにはいきませんけれども、これから著作権法の改正というのはしょっちゅうあるものでしょうか、このことについてお尋ねいたします。     〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 一昨年貸しレコードを中心といたします貸与権の設定で改正をさせていただき、昨年コンピュータープログラムの著作物の著作権による保護のための改正がございまして、今回ニューメディアとデータベースに関連します法改正と、三年続いたわけでございます。将来のことは確言できないわけでございますが、現在著作権審議会におきまして出版者の版の保護の問題を審議しております。さらにコンピューター創作物の著作権問題も審議いたしております。このほか課題とされております事柄としては隣接権条約加入の問題がございまして、これに関連する法改正も考えられますし、さらに、私的録音・録画問題の取り組みといたしまして賦課金制度を導入するとすれば、これまた法改正が当然必要なわけでございまして、抱えております課題だけでも四つ、五つと課題が続いているわけでございますから、毎年連続がどうかはともかくといたしまして、著作権法改正は毎年あるいは毎年に近い形で続々と御審議をお願いすることになるのではないかという考えでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 続々と来るのであれば、私どももまたそれなりに覚悟をしなければならないと思いますが、次に行きます。  さて、現在、三十八条におきまして、非営利かつ無料の有線放送等は著作権者の許諾がなくても自由に利用できることとなっているわけでありますけれども、この趣旨はどういうふうに解釈したらよろしゅうございましょうか。  それから、もう一つあわせて聞きます。今回の改正で一部の有線放送については著作権者の許諾がなければ利用できないこととなっているわけでありますが、改正の趣旨、その具体的内容についてお伺いをいたします。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 著作権法、現行法が制定されましたのが昭和四十五年でございまして、その時点におきましては、当時の有線放送としてございましたのが、例えばミュージックサプライのような音楽のラジオ放送、それからCATVといたしましては難視聴地域解消のための放送番組を受けて流す有線テレビ、それから農村におきます告知放送といったような性格のものでございまして、その中で非営利、無料と言われますものにつきましては、特段権利者の権利を害するような実態にもないし、また公益上の必要性もあったものでございました。  ところが、CATVの発達普及で、最近におきましてはCATV自体も大規模化し、あるいは多チャンネル化し、場合によっては双方向化ということも言われておるわけでございまして、そういった経済的な利用の価値が高まってまいりますと、言うなれば無線放送と同じような地歩を占めるに至ってきている。そういった点で、御承知のように著作権法の三十八条の一項におきましては、放送は例えばNHKのいわゆる非営利放送であっても著作権は動くことになっておるわけでございまして、有線放送につきましても、今回有線放送事業者に対して隣接権を付与するという制度を認めると同時に、その扱いも著作権法上なるべく放送にそろえていきたいという考え方から、非営利かつ無料の場合につきましては、従来どおり、放送を受信して行う再放送は非営利かつ無料の場合には許容されるけれども、自主番組の放送等につきましては非営利かつ無料の場合であっても一応著作権をクリアしていただくということで、立て方として放送に合わせた形での法改正をさせていただいたということでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 そこで、郵政省にお伺いをいたします。  有線放送の自主放送の規模、件数の実態は果たしてどうなっているのか、そしてこれについての今後の見通しはいかがであろうか、郵政省としてどういうふうに把握されておられますか。

浜田弘二郵政省放送行政局有線放送課長

○浜田説明員 有線放送の中で多チャンネルで双方向特性、いわゆるニューメディア特性を有しておりますCATVについて御説明申し上げたいと思います。  経緯的にCATVは、御案内のとおり、山間辺地とかあるいは都市部におきますところの難視聴対策メディアとして発展をした経緯がございます。したがいまして、今日段階で切った数字では、CATVの施設、全国で三万八千ございますけれども、この中で百余りしか自主放送をしておる施設はございません。一%にも満たないわけですが、これを傾向として見ますと、最近この数がふえてきております。  次に、自主放送の内容でございますが、これは大きく言って二つに分けることが可能だと思っております。  一つが自主制作番組、すなわちCATVの施設でみずからのスタジオ等で番組を自分でつくるというようなものが一つでございます。内容といたしましては、例えば地方公共団体の広報とかあるいは地域社会に密着した行事のニュースを流すとか、あるいは市町村議会の中継等、これらの番組を流すというようなところで自主制作がなされております。しかし、これはチャンネル的にいっても一チャンネルを賄うのが精いっぱいというような実力でございます。  いま一つは、番組供給事業者という方がCATV事業者とは別におられるわけですが、そういう方々から専門的な番組の供給を受けるという形でもって、それを自主放送として流すという形態でございます。内容といたしましては、映画とか音楽とか教育番組もございますし、それからニュースを受けるというようなものもございます。こういうようなものを現在はビデオのパッケージでもって番組供給者から受けておるところでございます。  ところが、CATVの非常に先進国でございますアメリカにおきましては、もう既に今から十年前の一九七五年からこういう番組ソフトを通信衛星を使ってCATVに供給するという形態が続出してきております。これによって非常にアメリカでCATVが発展したわけでございます。アメリカで現在非常に有名な人気のある番組として、ケーブル・ニューズ・ネットワークという二十四時間番組のニュースがございます。これはアメリカの東の方のジョージア州のアトランタというところから番組が出されておりまして、アメリカの国内衛星に上げられて全米各地のオペレーターに二十四時間ニュースが流されておるというところです。  実は、このCNNというニュースが日本にも入ってきております。アメリカの方からインテルサット経由で茨城県のKDDの地球局までオンラインで入ってきております。そこから、番組供給者が東京六本木におられるわけで、そこまで地上回線でやはりオンラインで来ております。問題は次でございまして、そこではアメリカからオンラインで入ってきた二十四時間ニュースをビデオテープにとります。ビデオテープにとって、そして契約をしておるCATVオペレーターに宅配便で配るというのが我が国の現在の実態でございます。例えば、筑波に研究学園都市コミニティケーブルサービスという加入者数約二万を持ったACCSというオペレーターがございますが、東京から筑波までも宅配便でもってビデオテープで届けるというのが実態です。  ただ、我が国におきましても、アメリカから十数年おくれましたわけてございますけれども、二年後、一九八八年、昭和六十三年の春から、いよいよもって衛星を使った第一種電気通信事業者が登場されるというところになりますと、衛星とCATVのドッキングというのが我が国でもいよいよ始まり得る。そうなりますと、ただいまのようなケースも、これは事業者の方のお考え次第でございますが、システム的には、アメリカからオンラインで入ってきたものをいま一度日本の方で日本の国内衛星に上げて、そして全国のCATVのオペレーターにオンラインで配る、こういうような形も可能になってくるかな。そうしますと、日本におきましてもCATVの飛躍的な発展もあるいは期待できるんじゃないか、そういうふうに私ども期待をしておるところでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 ありがとうございました。我々も何かいろいろな夢を描かせていただけるような気がいたします。  次の質問に移ります。今回の改正は有線放送事業者に対して放送事業者と原則的に同様の保護を与えようとするものでありますが、両者の保護内容に差は果たしてあるのかどうか。また、なぜ有線放送事業者に強制許諾制度を導入しないのか、二点についてお尋ねをいたします。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 今回有線放送事業者に著作隣接権を認めました。ほぼ放送事業者の著作隣接権に準じた内容でございますが、基本的に違いがございますのは、放送はすべての放送に保護が与えられるのに対しまして、有線放送の場合につきましてはいわゆる自主放送のみでございまして、放送番組を受信して流す有線放送は保護いたしておりません。これは、放送事業者の保護によって実質的にカバーしているわけでございまして、放送事業者の場合には、自己の放送を受信して有線放送する場合のみならず、自己の放送を受信して行われる有線放送をさらに受信して行われる複製その他の行為につきましても放送事業者の権利といたしております。したがって、自主放送の有線放送につきましては、その有線放送を受信して複製をしたり伝達をする行為は有線放送事業者の権利でございますけれども、具体的に放送番組が受信された有線放送が流されて、その有線放送を無断で録音する行為等につきましては、放送事業者の権利のみが動き、有線放送事業者の権利は動かない、この辺が大きな違いでございます。  それから、著作権法の六十八条では、放送のための協議が調わないときに文化庁長官の裁定を受けて著作物を放送することができる旨の規定がございます。これを強制許諾制度と呼んでおりますけれども、この制度は有線放送には適用いたしておりません。と申しますのは、この放送の強制許諾の規定は、沿革的に申し上げますと、昭和の初期にドイツ人のプラーゲ博士という方が参りまして、外国の著作権を代理したと称してべらぼうに膨大な額の料金を要求したわけでございまして、そのために一時放送が、音楽が全くストップしたというようなケースもございまして、公益目的のため公共性の強い放送については著作者の一方的な言い分で放送ができなくなる事態を避けたいという形で、六十八条のベースとなる強制許諾制度が導入されたという経緯がございまして、放送の公共性を担保するために、放送の世界から音楽その他の著作物の放送ができないということになると放送の死命を制するというような考え方もあったのではないかと思いますけれども、ただ、これは伝家の宝刀でございまして、制定以来まだ一度もこの規定が適用された事例はございません、ある意味では抑止力にはなっているんじゃないかと思いますけれども、そういった経緯もございます条文で、有線放送を考えましたときに、例えば料金の折り合いがつかないからそれでは放送させないというような場合に、それを文化庁長官の裁定をとって必ずそれは有線放送に使わせろとまで裁定制度を用うべき積極的な公益上の理由もないのではないか。また、現実に有線放送の場合には包括一括処理ということで、現在におきましても権利者五団体と有線放送事業者との間にいろいろな話し合いも進められております。そういった団体間の話し合いで料金等の折り合いがつくケースでございますし、個々のケースで有線放送がストップするという事例も考えられません。そういった点で六十八条の規定を有線放送には広げなかったということでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 わかりました。  最後に、ここにありますが、昭和六十年の十一月に調査をされた「個人録音・録画に関する世論調査」というのがございますが、これにつきまして、総理府が実施したわけですけれども文化庁の方でおわかりだと思いますからお聞きをいたします。  その調査の内容、ねらい、それから著作権に対する国民の認識度はこの調査の中でどういうふうに出てきたのか。それから、著作権思想の普及のために文化庁がどのような施策を講じているのか。そして、私的録音・録画による作曲家、演奏家などの経済的損失に対し補償金を支払うべきであると答えた人、いわゆる理解をしている人はどのくらいいたのか。また、昭和五十三年に同様の調査をされておりますけれども、どのような意識の変化がこの調査の中から読み取れましたか。以上、最後にお尋ねをいたします。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 ただいま先生がおっしゃいました総理府の世論調査は、文化庁からお願いをして実施をしていただいたものでございまして、五十三年の調査に引き続く二回目のものでございます。  この中で、著作権に対する認識度の問題でございますが、著作権という言葉を知っている方が、今回の調査によりますと七七%、昭和五十三年の調査が六九%でございますから約八%の増加ではございます。ただ、著作権思想といいましても、著作権という言葉を知っているということでございますから、日本国民の四分の三の方は著作権という言葉は知っているという意味でございまして、中身を理解し、著作権はこんなものだということを理解している度合いは極めて低いのではないかと思います。いずれにしても、著作権という用語を知っていただいただけでも文化庁としては幸せな気持ちでございますが、せめて言葉だけは一〇〇%の方に知ってもらいたいという気持ちもございます。  次に、補償金の支払いの問題に関しましては、昭和五十三年度の調査で、いわゆる賦課金等の補償金を支払う必要があるとお答えいただいたパーセンテージはわずか一〇・六%でございまして、今回の調査では払う方が望ましいと思うという御意見、払う賛成側でございますけれども、補償金賛成派が三一・四%と約三倍に大幅に増加いたしております。それから、補償金を支払う必要がないと思うと答えられました方が、昭和五十三年の調査では四二・五%でございまして、いわゆる賛成派に対しまして反対派が四倍という数字でございましたが、今回の調査では、支払う必要がないという判断を示されました方が三五・三%でございまして、賛成派に比べまして約四%近く反対派の方が多うございますが、トレンドといたしましては、今申し上げましたように、補償金の支払いに好意的な回答をされた方が三倍にふえ、補償金の支払いに否定的な考え方の方が減ったという形でございまして、そういう意味では、今回の調査の結果というのは、私的録音・録画の問題に関します国民の認識は、かつてよりはかなり意識は高くなってきているというぐあいに理解しておるわけでございます。これだけの単なる調査の中にありましても、事情をよく知らない、普通、国民の場合には、自分の支払いが結果的にはふえる可能性のある賦課金問題というのは拒否的な回答が圧倒的に多いのが通例ではないかという意味で比べますと、支払った方がいいのではないかという回答がこのようにふえたということに対し、国民の意識の変化を読み取れるような気がしておるわけでもございますし、今後の私的録音・録画の問題に対応する場合の一つの大きなよりどころにはさせていただけると考えております。

中野寛成民社党・国民連合

○中野委員 著作権について知っている人が四分の三。文化庁の存在を知っている人も大体そのくらいかもしれませんね。ひとつ文化庁も一〇〇%国民に知られ、かつ大いに御活躍をいただきますように期待をいたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 藤木洋子君。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 私は、今回の著作権法改正案の質問に入ります前に、昨年の改正案の審議の際に取り上げました私的録音・録画問題といわゆるローマ条約加盟問題につきまして、これは先日の参考人質問でも芸団協の代表の方も訴えられたことでございますけれども、いま一度お尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、私的録音・録画問題でございますけれども、こうした行為が音楽家や映画制作者の著作権を侵害していることは疑問の余地のないところでございます。解決の方策として、文化庁は賦課金方式を基本に機器及びテープ両方のメーカー側と話し合っていると当委員会でも述べてこられました。話し合いは昨年の段階から今日までどのくらい進行しておりますでしょうか。また、どういう点が今なおネックになっておりますか御説明をいただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 昨年の時点から今日に至りますまで遅々たる歩み取りでございまして、大変恐縮に存じているわけでございます。  著作権懇談会等におきましてもそれぞれの話し合いが行われながら、議論は全くのすれ違いからどうやら両者土俵入りといいますか、仕切りに入れるような空気になっているのではないかという期待を持っているわけでございます。今までの段階におきましては、両者でそれぞれ例えば認識の問題としまして独自の御調査をなされまして、補償金の支払いの必要性の有無に関する意識アンケート等もそれぞれの立場で行われたりしました。それぞれの立場ではまた違うわけでございますけれども、そういった状況の中で大きな変化が出てまいっておりますのは、実は昨年、西ドイツで法改正が行われ磁気テープにも補償金を支払うようになった、あるいはフランスの法改正が行われまして賦課金制度が導入されたというような、二大国におきます法制度の変化という、外国の状況としては大きな状況変化があるわけでございます。そういった中におきまして、長い間著作権懇談会で議論をしておったわけでございますけれども、懇談会自体の空気といたしましても、そろそろこの問題につきましては一応の考え方なり方向づけなりを本年または本年度中に出そうというような空気になっておるわけでございます。文化庁としてもそれを強くお願いしておるわけでございますし、そういった考え方が完全にまとまると思いませんけれども、一つの方向性なりはある程度示していただけるのではないかということで、それを踏まえた上での文化庁の対応を考えていきたいというのが現時点の状況でございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 話し合いは実に五年にも及んでおりまして、なお具体的な方向が見出せないというのは、文化庁の責任が問われているのではないか、大変厳しい言い方ではございますけれども、そのように感じないわけにはまいらないのですね。この問題については、当委員会におきまして昨年も附帯決議を採択しております。文化庁ではこの決議の軽視があるのではないか、こんなふうにも思うのでございますけれども、その点はいかがでございますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 私ども行政の立場といたしましては、国権の最高機関でございます国会の附帯決議はまことに真剣に受けとめているわけでございます。  この問題につきましては、先生のおしかりを受けまして私ども文化庁の非力をつくづく反省をしているわけでもございますけれども、事柄はお金を払ってもらえるのかもらえないのかというストレートな話になるわけでございまして、どうしても支払うべき立場に立つ方は支払いたくないわけでございますし、また、心情的に理解いたしましても、日本の場合にはテープレコーダーあるいは磁気テープ等の大量輸出国でございます。言うなれば、外国におきましてそういった賦課金制度が導入されればまたその負担を負う立場にもあるわけでございまして、そういった輸出国である日本において賦課金制度が導入されれば、それは外国に波及して、つまり日本国のみならず相当量輸出に頼っている業界の立場としても苦しいことがあるというのは、経済的な負担だけでいえばある程度理解はできるわけでございます。  しかしながら、こういった現状の中にありまして、このままでは済まされない、おさまらないということについては、国会の附帯決議等も関係団体、特にメーカー団体の方にも御説明申し上げておりますし、文化庁の苦しい立場もるる御説明申し上げているわけでございます。日本的な風潮の中では理解を得ながら進めるということでございますけれども、今までの流れ自体が、昭和五十六年に審議会第五小委員会の報告、国民的な合意を得るように関係者同士の話し合いを進めるようにという報告を受けた形で、現時点で懇談会が設置され動いているわけでございますので、一応その懇談会にお願いをした建前上は、懇談会におきます一つの考え方なり方向づけなりが出てからの対応ということにならざるを得ないわけでございまして、先生のやきもきするお気持ち十分わかるわけでございますけれども、文化庁自身もやきもきしながら何とか対応を進めたいと考えている次第でございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 くどいようでございますけれども、先ほどの他の委員への御答弁の中でもおっしゃっていましたが、ことし二月に発表されました総務庁の「個人録音・録画に関する世論調査」を拝見させていただきました。VTRの保有率は約四割に達しておりますし、私的録画が頻繁に行われているということもうかがえるわけでございます。一方、国民の著作権に対する理解は、作曲家、演奏家などへの補償は必要ないというのが四二%ございましたのが三五%に減っている反面、必要だというのが一一%から三一%へ急増しております。ですから、七年前とは非常に大きく変化をしてきているということが言えると思うのですね。昨年加戸次長さんは、「世界各国がそういう立法化なりあるいは立法化への動きというものを行っておりますのもうなずけるわけでございまして、しかも、世界的に録音・録画機器、機材の有力生産国である日本が立ちおくれている状況の中でそれを放置していいのかという問題は、私ども極めて深刻に受けとめておるわけでございます。」というふうに私におっしゃってくださったわけですね。もしこのことを忠実に実行されようということでありましたら、具体化への第一歩を踏み出すという御決意をひとつ述べていただきたい、こういうふうに思うのでございます。先ほどの御答弁の中にもかなり苦しいながら非常に一生懸命取り組んでいらっしゃるのだということはわかったのでございますけれども、もう一つ積極的にやっていただくというお返事をここで伺いたいのです。いかがでございましょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、流れといたしまして、五十六年に報告を受けて、報告にございますように、国民的合意の形成あるいは関係当事者間の話し合いということをベースとして著作権懇談会が、長い期間ではございますが、話し合いを続けているわけでございますし、その考え方、方向づけというものをひとつ年内または年度内にお出しをいただくという形でお願いを申し上げておりまして、そういう方向に進んでおりますので、文化庁がお願いをしてできました懇談会でございますので、懇談会の結果を受けて文化庁としての対応ということになるわけでございますので、あとしばらくの時間的余裕をおかしいただきたいと思うわけでございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 それでは、今年あるいは年度内ということで私も期待をさせていただきます。ひとつよろしくお願いをいたします。  次に、ローマ条約、隣接権条約への早期加盟についてお尋ねをいたします。  昨年は、著作権審議会第一小委員会で審議中であり、関係団体からのヒアリングを終わり問題点の整理に入っているという段階だと伺いました。現在はどこまで進展しておりますか、文化庁にお答えをいただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 この問題は、御承知のように放送事業者側にとりまして長年強い反対をしてきたわけでございまして、そういった状況の中にありまして、国会の附帯決議等も受けまして五十九年五月に第一小委員会でこの隣接権条約加入問題の検討を開始させていただきまして、急テンポでは進んでおりませんけれども、双方の論点といいますのはおよそ出尽くしているわけでございますから、問題は、具体的な条約加入のめどをいつに持っていくのか、あるいは加入した場合におきます例えば二次使用料の外国実演あるいは外国レコードに対します支払いの増加というものを、急激な変化を持たせないでどの程度権利者側が納得できるのかといったような、そういう具体的な条件の詰めという形で持っていけるのではないかと思っておりますし、また、現在第一小委員会におきまして、この問題をいつまでも放置はできませんので、めどを立てていただくという形で御審議をお願いしている状況でございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 ここで大臣にお伺いをいたしますが、一九六一年にローマ条約が制定をされて以来、約四分の一世紀が経過をしているわけでございます。にもかかわらず、未加盟であるために我が国では多くの外国の実演家、レコード製作者のレコードが無制限に無償で使用されてまいりました。したがって、このような習慣になれてしまっている放送事業者からは、加盟に対しては当然強い抵抗が予想されるところでございます。しかし、文化の国際交流ということを強調していらっしゃるわけですから、相互が著作権を尊重するという立場に立たなければならないわけですね。諸外国からの批判が高まってやっと重い腰を上げるというようなことではなくて、昨年の附帯決議にもありますように、加入への検討を急がなければならないというふうに思うのですけれども、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 文部省で著作権のことに一番精通しております加戸次長が詳しく御答弁を申し上げましたように、文部省といたしましては、著作権法もこの条約を参考にして著作隣接権の制度というものを導入しておるわけでありますし、今御指摘のように、相互の依存関係等を高めていくためにも、なるべくこれには加入を実現した方がいいという気持ちで検討をしたり努力を続けておるようでありますが、御承知のように、関係当事者の一部には時期尚早であるとの意見もまだ強くあるようでございますので、これから審議会の検討の結果を待ちましてさらに一層努力を続けてまいりたいと考えております。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 なるべくとかできればということではないと私は思うのですね。先日、文化庁の方から、データベースを著作権法で明確化するというのは世界に先駆けてのことだというふうに伺ったわけでございます。それよりも、私的録音・録画問題やローマ条約加盟といった懸案事項で世界から随分おくれをとっている諸問題を抱えているわけですから、こういったことこそ真っ先に力を注ぐべきであるということを指摘させていただきたいと思います。  そこで、今回の著作権法改正案についてでございますけれども、まず、今後急速な発展が予想されておりますニューメディアのうち、有線テレビ放送、CATVに対しまして、今回放送事業者と同様の著作隣接権を認め、これを法的に保護するとともに、商業用レコードの二次使用料の支払い義務を課するなどとしている点は妥当な内容だと評価できる、このように私も考えております。  ところで、今日劇場用映画やテレビ映画がビデオディスクあるいはビデオテープによって市販され、CATVで有線放送されましたり、あるいは公衆に貸与されましたり多様に利用されるようになっております。しかし、映画の場合、実演家は何ら権利を主張できません。この点につきましては、著作権審議会の第七小委員会の報告にも実演家の保護という点で欠けるのではないかという意見があったとされております。パッケージ系ニューメディアと著作権を考える場合、この問題は先に解決を要する問題ではないかと思いますけれども、文化庁として現状をどのように認識されていらっしゃるのか、また改善のための検討のおつもりはどのようにしていらっしゃるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 確かに、第七小委員会におきましては、今申し上げたビデオディスク等におきます実演の取り扱いについて、実演家に何らの権利が認められていないことにつきましては実演家の保護に欠けるという御意見は実演家の代表の方からございまして、その旨は少数意見というか、その方の御意見ではございますが、報告書に記載をさせていただいたわけでございます。  この問題は歴史的にも非常に難しい問題でございまして、いずれの世界諸国におきましても、あるいは条約上におきましても、実演家が行いました実演が収録された映画につきましては、権利は映画制作者に帰属をして、映画制作者が独占的に権利行使をするという体制になっておりまして、これは多数の権利者が関与した一つのものが市場流通する際に、多数の権利者が錯綜していては到底映画の流通ができないというような視点に立った制度でございまして、歴史的、伝統的、沿革的にこのような形で取り扱いが行われているわけでございます。そういう意味で、従来から映画につきましては、実演家の権利は当初の出演ギャラだけで後のフォローがなかったわけでございます。これは日本のみならず世界各国共通の事例でございます。ところが、新しくビデオソフトができてまいりまして、映画がビデオソフト化され、いわゆる劇場用映画としての流通ではない状況になってまいりますと、例えばレコードの流通と同じようなものではないかという意見が特に日本国内でも強くなってまいりまして、我が国でも芸能実演家団体協議会がこの問題を運動方針の相当大きな目標として掲げて活動を展開されておるわけでございます。心情的には十分理解できるところもあるわけでございますけれども、問題は、ビデオソフトを映画と見ないのか、ビデオディスクを映画と見ないで別の取り扱いをすることが条約上可能であるのかどうかということになりますと、ちょっと国際的コンセンサスは得られにくい状況でございまして、そういう意味では、新しいパッケージ系ニューメディアの発達に伴った対応が著作権の世界ではおくれている、おくれているがゆえに実演家についてもそういった対応がなかなか難しいというのが現状でございます。そういう意味で、この問題はなお検討すべき課題でございますけれども、事柄は、映画の著作権をどうするのかという、我が国のみならず条約上の問題との関連において議論する事柄でもございまして、難問ではございますけれども、今の実演家の抱えております課題として、実演家側の御希望なり御意見なりは十分理解できるところでもございますし、一つの課題として受けとめさせていただきたいと思っております。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 確かに、映画俳優は契約に基づいて出演料をもらって役を演じている、それは確かでございます。それはあくまで特定の映画、特定の作品の役を演じていらっしゃるわけですね。カラオケビデオに見られますように、カラオケのいわばバックグラウンドピクチャーとでもいいましょうか、そのようなものを演じるために役づくりをしてこられたわけでは全くないわけですから、これは明らかに俳優の人権、人格権の侵害になっているわけですね。早急に対策が立てられるように私は強く要請を申し上げたいと思うわけです。特に、国際的なコンセンサスが得られるかどうかという難しい問題だと言われましたけれども、これこそ世界の先鞭を切って日本の文化庁が道を切り開いていただきたいということを強く御要望申し上げたいと思います。  次に、データベースに入ります。  まず、現状について通産省にお伺いいたしますが、お越しいただいておりますか。——我が国で利用できるデータベースは外国で作成されたものが多いと伺っております。どれくらいの割合を占めるものか、お知らせをいただきたい。そして、あわせて、中でも特に多いのはアメリカのデータベース産業の日本への進出だと思いますけれども、その歴史的な経過について簡潔に御説明をいただきたいと思います。

越智謙二通商産業省機械情報産業局企画官

○越智説明員 我が国において利用可能なデータベースでございますが、昭和五十九年に私どもが調べました範囲で申し上げますと、総数が千二百四十二、このうち海外企業製のものが千三十四、約八割強でございます。このうちかなりのものがアメリカ製でございます。  次に、歴史でございますが、昭和四十年代の後半から米国内でデータベースを検索してその結果をテレックス等で日本に送ってくるというサービスは行われておりましたけれども、本格的にオンラインでサービスを供給するようになったのは昭和五十五年以降と承知しております。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 次に、科学技術庁に伺いますが、今日本で一番利用されているのは化学の分野で、その分野で最大の情報を持っているのはアメリカのデータベース、ケミカル・アブストラクトだそうでありますけれども、今そこでSTNインターナショナル構想というのが進められ、問題になっております。この構想の概要についてお述べいただきとうございます。また、我が国から見ましたSTNインターナショナル構想の評価はどのようなものになりますか、お伺いをいたします。

佐藤征夫科学技術庁振興局管理課情報室長

○佐藤説明員 STNインターナショナル構想、国際科学技術情報ネットワークは、科学技術庁の特殊法人でございます日本科学技術情報センターが欧米の科学技術情報関係機関と国際的なコンピューターネットワークを構築いたしまして、情報の国際的流通に役立たせるという構想でございます。  日本科学技術情報センターは、昭和六十一年度予算におきまして必要な電子計算機等を導入いたしまして、昭和六十二年度からアメリカのケミカル・アブストラクツ・サービス、それから西ドイツのFIZ・4、やはり情報センターでございますが、そこと総合的に提供サービスを開始する予定でございます。これによりまして、我が国の研究者等が欧米の科学技術情報を容易に活用できるばかりでなく、欧米から我が国の科学技術情報を容易に利用できることになりますので、情報の国際流通に大いに寄与するものと期待しております。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 しかし、西ドイツでは、FIZ・4をSTNインターナショナルに提供し、西ドイツ独自のセンターのソフトウエアを放棄しているという問題が出ております。今現在、日本はJICST自身のオンラインと二本立てで加盟することが認められていると伺っておりますけれども、国際的な通信ネットワークについてアメリカは日本に圧倒的な優位を持っているということから見るならば、JICST独自のオンラインも早晩CASにのみ込まれる可能性は十二分に考慮しておかなければならないのではないかと思うわけです。  そこで、この現行著作権法において第十二条で編集著作物の規定が既にあり、データベースもこの範疇に入るとされていたのを、今日なぜ急いで改めて著作物として明確化したのか、その理由と背景はどこにあるのか、文化庁にお尋ねしたいと思います。科学技術庁はもう結構でございます。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 昭和四十五年の著作権法制定に際しまして、今後新たな著作物利用手段の急速な開発に対応して時宜を失することなく制度の対応を進めることという附帯決議を受けているわけでございまして、いろいろなニューメディア、著作物利用手段等の発達に伴いまして著作権審議会で御審議をお願いしながら、いろいろな制度の対応を段階的に進めてきているわけでございます。その中にありまして、一昨年は貸与権、昨年はプログラムの法的保護という対応をしたわけでございますけれども、それに引き続く事柄といたしましては、目下、情報化社会と言われております中においてデータベースの開発、形成、普及が行われ、かつ商業化の段階に至っているという状況もございまして、データベースの性格づけ、著作権法上の位置づけが必要になってきたわけでございます。  そこで、第七小委員会を設置いたしまして、ニューメディアと並びましてこのデータベースの保護についての御議論をいただいたわけでございまして、現行法の十二条でデータベースを編集著作物として保護することも不可能ではないし、また現行法で対応できるという考え方もあったわけでございますが、事柄といたしまして、データベースの本質といたしますものは、単なる素材の選択、配列にあるのではなくて、もちろん情報の選択も必要でございますけれども、と同時に、その体系的な設定というところに知的創作活動の意味があるわけでございますので、無理して十二条で読むというよりも、新たな十二条の二でデータベースを編集著作物とはまた異なった意味における創作物として保護することが適当であるという判断をちょうだいいたしましたのを受けて、今回の法改正を提案させていただいておるということでございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 しかし、国際科学技術情報ネットワーク、STNインターナショナル構想にJICSTが組み込まれていくというのが、先ほどの科学技術庁のお答えでもありましたように、予算の裏づけもできて来年度からいよいよそのサービスを開始するというタイミングとしてはまさにそのタイミングに出てきているわけです。ですから、そのためにこの著作権法の一部改正が必要になってきているのではなかろうかという思いをするわけです。そうなりますと、CASとJICSTにとってこそ最大の保護を保障するというのがその理由の一つになるのではなかろうか、こんなふうにうかがえるわけでございます。  そこで、データベースの情報に対してその価値を認め、創作者の権利及び利益を保護することは文化の発展普及にとって必要なことだと私どもも考えておりますが、しかし、今見てまいりましたような状況の中で、しかも、現行著作権法の体系の中で保護を行うことはもっと慎重でなければなるまいと思っております。その第一の問題点は、五十年という長い保護期間の問題でございます。この点について文化庁はどのような検討をされてこられたのか、御説明いただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 データベースの保護期間につきましては、データベースを著作権法上の著作物として保護するという考え方に立ちます以上は、ベルヌ条約との関係におきまして五十年が義務づけられているわけでございます。そして、この五十年ということにつきましては、データベースもそれぞれデータの追加、更新等もございますし、変化していくもので、古いものは利用価値がなくなるわけでございますから、データそのものが古くなれば使われないというふうに考えますと、五十年の耐用期間を持つデータベースは現実には存在し得ないのではないかという感じは持ちます。しかしながら、五十年を保護することにより弊害が起こるとは考えられませんし、また、現実問題といたしましても、この例はぴったりではございませんけれども、百科事典にしても国語辞典にいたしましても、新聞にしても雑誌にいたしましても、いわゆる編集物すべてが五十年の保護を受けているわけでございますから、それよりも高度な知的創作活動が行われているデータベースについて保護期間の差をつけるということは適当でもございませんし、現在の五十年の保護体制の中へ組み入れることについての問題はないと考えたからでございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 しかし、私は、第一にこの五十年というのは実態に合ってないというふうに思うのですね。さきに参考人として意見を述べられました日本データベース協会の調査によりますと、データベースの開発コストの回収期間というのはおおむね五年ないしは十年とする意見が多数を占めたということになっております。多数を占めたということは、十年以上があったということではなくて、ほかの意見というのはそれ以下だったということなんですね。幾ら権利と利益を保護すると申しましても、五十年は長過ぎるのではないかという感を免れないわけでございます。  第二に、長期にわたって多様なデータベースの発展を阻害しかねないということを感じるわけでございます。著作権審議会の第七小委員会の報告は、この点につきまして、「データの構築方法、編集方針等をそれ自体保護するものではないので、」「同様のものを作成することは保護期間内であっても権利が及ぶところではなく、五十年間の保護期間で特に支障はない」としております。観念的には可能だといたしましても、現実には困難だと思うのです。さきの第七小委員会の報告の中でも、「先行データベースに独占的地位を与えることになりかねないか」という意見もあったというふうに記録をされております。この「先行データベースに独占的地位を与えることになりかねないか」という意見が出たあたりを少し詳しく御説明いただきたいのですけれども、いかがでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 確かに、データベースの問題につきまして第七小委員会の中でそういう発言がございました。具体的に申し上げますと、データベースは独占性が強く競争が成り立ちにくいという性格があるため、産業政策的な見地からしてある程度の競争を維持するためには五十年の保護はどうであろうかというような発言はございました。その趣旨が報告書の中でも、「という意見も出されたが、」という形で短く要約はされております。  この考え方も一つの発言としてわかるわけでございますけれども、ただいま先生もおっしゃいましたように、データベースの保護といいますのは、データを集めた集合物を保護するのであって、そのデータベースの構築のシステム等、アイデアを保護するわけではございませんから、そのデータベースの保護と申します場合には、具体的な素材を集めること、そしてその素材を加工し、あるいは体系を設定して、キーワードを付与して、一つのコンピューター利用が可能なものにつくり上げるわけでございますので、同じようなものは別途の方法で幾らでもつくり得るわけでございまして、独占ということは、つまり政情報、データを独占しているからといってデータベースが独占できるわけではございませんし、また情報、データというのは、もちろん秘密のデータなら別でございますけれども、世の中に公開されている多数の情報をどうやって集めてくるか、そしてそれをどう取捨選択するかという物理的な作業、手間暇、時間がかかるというような点を除けば、競争というのはそういう意味では頭の競争としては成り立ち得る事柄である。ただ、一つのデータベースができた場合に、それと同じものをまたつくるというむだはしないでしょうということはあり得ても、保護期間の長さによってデータベースの開発が阻害されるとか、あるいはデータベースの利用度が停滞するとかいうことはちょっと考えられないのではないか。そういう意味で保護期間の五十年というのを採択した理由でもございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 しかし、もう一つの問題点があるように私には思えるわけですね。その第三番目といいますのは、実質的には半永久的な独占権を与えてしまうことになるという点でございます。第七小委員会の報告によりますと、情報の「追加、更新後のデータベースは、元のデータベースの二次的著作物となり、その保護期間の起算点は、当該二次的著作物の公表の時となる。」というふうにしてございますね。情報の追加、更新はデータベースにとって本質的なものでございます。したがって、そのたびごとに二次著作物となるのでありますと、その結果、保護期間はその都度更新され、いわば半永久的に独占が可能となるというように考えられるのですけれども、そうじゃございませんでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 単純なマイナーな部分の追加、更新でございますと二次的著作物とはなりませんので、ある程度の大幅な場合、あるいは相当程度の情報の追加、更新がなされた場合には二次的著作物となり得るわけでございます。この原理は編集著作物の例と似たようなところがございまして、例えば、一つの国語辞典にいたしましても、英和辞典にいたしましても、何年かごとに改正が行われて第何版何版という形で歴史は繰り返されていくわけでございまして、その都度これは新しいものと評価され、つまり二次的なものと評価されれば、そこからまた五十年の保護期間が始まるわけでございますから、一つの国語辞典にいたしましても、あるいは英和辞典にいたしましても、半永久的に保護されるという点では似たようなところがあるわけでございます。  そういう意味で、データベースについてはそれは切るべきであり、国語辞典の場合には半永久的に続いてもいいというような差異を設ける理由は出てこないのではないか。もちろん、そういったデータベースのもととなりますデータの追加、更新によって新たにつくり上げられた二次的な著作物がつくられた時点からの勝負であるということでございまして、母体となるものは全く保護されなくなるわけでございますから、そういう意味で、古いものを使おうと思えば使うことができる。問題は、そのデータベースの保護がいかにあればいいのかというものは、私どもは理論上も正しいし、実務的にも支障がないという観点に立っているわけでございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 しかし、辞書などの場合と違いまして、著作権者そのものが全然質が違うわけですね。  いずれにしても、私はやはり長過ぎる保護期間というものは文化の発展の足かせとなってくるであろうということを思わないわけにまいりません。特許法が独占的所有権を十五年としておりますのも、産業の発展という公共の利益、こことのバランスを考えてのことと思われます。データベースについても、一定の開発コストとそして一定の利益を保障するという期間が過ぎましたら、文化の発展という公共の利益のために公開されるのが当然だと思うんですね。それから後というのは、社会的な財産つまり国民的財産とすべきだろうという見解を持っております。  第二番目の問題点といたしまして、職務上作成する著作物の著作者及び著作権者はだれであるのが適切なのかという問題でございます。現行法では、契約もしくは勤務規則などで定めておけば、実際にデータベースを創作した法人等の従業員も著作者になれることにはなっております。けれども、従業員とその雇用者である法人との現実の力関係を考えてみますと、こういったケースがあり得るというのは極めてまれではなかろうかというふうに思うわけですね。  昨年の改正のとき、私はこの点について、現実に創作に携わった従業員が著作者となる道をストレートに保障すべきであるといたしまして、再検討を求めました。これに対する文化庁のお答えは、第十五条一、二項の規定の適用の推進を見きわめた上で今後の検討事項になり得る問題だ、要約しますと大体こういうようなお答えをいただいたわけでございます。その後の検討はどのようにされましたか、お伺いをいたします。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 昨年、確かにそのようなお答えをさしていただきました。ただ、法施行後と申しますのは、本年の一月一日から施行されているわけでございまして、その後の状況を見きわめる期間もございませんし、また具体的な問題提起もございませんし、私ども申し上げましたのは検討材料とはなり得ようということでございますけれども、現時点ではまだ検討すべきあるいは検討するに足るような材料は持ち合わせていないということでございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 そういたしますと、国際的にはどうなっているかというあたりもぜひお調べをいただきたいと思うのですが、実際にこの著作物の創作をした者と法人の関係につきまして、諸外国の著作権の帰属の例はどのようになっておりますか、お答えをいただきとうございます。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 我が国と同様に、法人等が著作者そのものになるというような規定をしております国は、アメリカ、オランダ、エジプト、リビア、トルコ、フランス等の国がございます。それから、著作者ということではなくて、法人等の使用者が著作権者であるということを明定しております国が多数ございまして、オーストラリア、バングラデシュ、ブラジル、カナダ、エルサルバドル、グアテマラ、リベリア、ニュージーランド、パキスタン、パナマ、ペルー、フィリピン、ポルトガル、南アフリカ、タイ、イギリスといった国でございます。それから、法人等の使用者に著作権が移転されたものとみなす国といたしまして、アルジェリア、キプロス、ケニア、マラウイ、マルタ、ザンビアといったような国がございます。それから、明文の規定は全く持っておりませんけれども、現実問題としては、運用上は法人等が著作者あるいは著作権者として扱われている例の方が圧倒的に多いのではないかというのが私どもの推測でございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 国会図書館が昨年の九月に出しましたレファレンスの内田論文を拝見いたしますと、大多数の西欧諸国及びソ連、東独などは、「雇用契約に基づく職務上の著作物についても、著作物を創作しない法人等の使用者は、著作者とはなりえないとされている。」というふうに紹介されてございました。使用者が得るのは、通常の業務の範囲内で利用する権利ということではないかと思うのですけれども、この場合、いかがでございましょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 我が国と異なりまして、西欧諸国等の場合にはかなり契約関係が確立されておりまして、将来のトラブルを避けるために、その雇用契約の中におきまして著作権の帰属等を定めている例は多かろうと思います。そういう意味で、我が国はどちらかというと、ルールであるいは契約できちんと縛るということは余りしないといいますか、余り例がない国ではないかと考えられます。しかしながら、いずれにいたしましても、制度上著作者として認められるか認められないかという違いがあることは事実でございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 そうなりますと、西欧諸国の場合は、労働者が雇用者との対等な関係をほぼ獲得しているということもまた裏づける一つの指標になろうかというふうに、私お聞きしながら思ったわけでございますけれども、それにいたしましても、西欧諸国の多数及びソ連、東独などの国では、著作物の創作者の権利が基本的に尊重されているわけでございます。我が国著作権法も、基本的には著作権者は自然人であり、法人等は映画など例外とされてまいりました。ところが、前回のコンピュータープログラムに引き続きまして今回のデータベースは、事実上著作物の権利と利益はすべて法人のものにならざるを得ないということになるわけでございます。昨今の著作権法の改正は、著作者は自然人であるという原則を形骸化するもので、法人などの著作権保護は例外的な規定とされている同法の本質をゆがめて、コンピュータープログラム、データベースの保護をもっぱら法人著作によって処理しようとする道を進めるものと言わざるを得ない、このように思うわけです。かつてこの点につきまして、検討課題となり得るかと言ってこられたわけですけれども、今回の改正案の提出に当たってこのことが明確にされなかったというのは極めて大きな問題ではなかろうか、こんなふうに思います。引き続きこの点は真剣に御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 データベースの法人著作に係る問題も第七小委員会で御議論いただいたわけでございまして、多くのケースとしては、データベースの構築というのは大変な手間暇、人員、作業を伴うわけでございますので、多数人がデータベースの構築に関与しているであろうと思われます。そういう場合のあり方としましては、どうしても企業としてあるいは法人がデータベースをつくるという実態にあると解きざるを得ない場合が多いわけでございますし、また、現実にデータベース、現在商業用に利用されているものもいわゆる法人名義のものでございまして、個人がデータベースをつくるというような実態にはないと私どもは理解しているわけでございまして、そういう意味で、今回の法提案に当たりましても、社会的な実態からすれば、現在のデータベースに手当てをしなくても、法人著作の規定一般で現実に適合した運用ができるのではないかという考え方を持っておるわけでございまして、先生のお考えとはいささか異なる点があることを恐縮に思います。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 しかし、文化庁でございますから、労働者の権利を本当に守るという立場に立って初めて文化のバロメーターが示されるわけでございますから、ひとつその点は御検討いただきたいことをお願いいたします。  第三の問題点でございますけれども、これはプライバシー保護との関係がどうなるのかという問題でございます。  データベースの開発普及、これは個人のプライバシー侵害の危険性と切り離せませんけれども、文化庁はこの点をどのように検討されたのでしょうか。また、政府はこれから個人データのプライバシー保護にどのように早急に取り組んでいくつもりでおられるか、その点をお聞きしたいと思いますので、文化庁、総務庁からお答えをいただきたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 プライバシー保護の問題につきましては、総務庁等を中心に関係省庁で連絡協議がされているというように承知をいたしております。このプライバシー保護の問題も、文化庁としては、データベースの場合の一つの議論の材料ではあり得たわけでございますけれども、もともとプライバシー保護と申しますものは著作権法制とは全く異質なものでございまして、著作権審議会におきます御議論は著作物性を持ったデータベースというものの法的な保護をどうするかという視点のものでございまして、データベースに含まれております個々のデータが内包するプライバシーの問題というのは、情報の流通の問題あるいは情報におきます人格的な取り扱いの問題でございまして、著作権法制にはなじまない事柄である。しかしながら、文化庁といたしましても当然プライバシーの保護につきましては関心があるわけでございますし、総務庁等を中心として検討について重大な関心を持っていきたいと考えております。

瀧上信光総務庁行政管理局管理官

○瀧上説明員 お答えいたします。  個人情報の保護の問題につきましては、昭和五十六年三月に設置されました臨調においても取り上げられまして、その最終答申におきまして、「行政情報システムの進展、国民意識の動向を踏まえつつ、諸外国の制度運営の実態等を十分把握の上、法的措置を含め個人データ保護に係る制度的方策についても積極的に対応する。」こういうことが指摘をされまして、政府としましては、この答申を踏まえたいわゆる行革大綱に基づきまして、現在、行政機関の保有する個人情報の保護について速やかに政府としての方針を取りまとめるべく、制度的方策についての検討を進めているところでございます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 大臣、お聞きいただきましたとおりでございますけれども、立法化への道のりは遠いという感を免れませんね。  既に、アメリカではプライバシー法、フランスでは情報処理、蓄積と自由に関する法律など、OECD二十四カ国中、十二カ国にまでプライバシー保護法が制定されております。その他の国々でも準術段階に入っております。全くプライバシーに対する保護について着手していないのは、アイルランドとトルコだけということになっております。しかし、残念ながら日本がこのアイルランドとトルコと同じレベルに今あるということは、まことに情けない現状ではなかろうか、このように思うわけです。プライバシー保護法制もないままに個人情報に関するデータベースが作成をされ、著作物として保護されるという危険性は今さら指摘するまでもないことでございますけれども、私は、一日も早く国民の知る権利を保障するため、行政が持つ情報の公開を進めるとともに、個人情報は個人の管理すべきものといたしまして非公開とし、プライバシー保護法を制定すべきものと考えますけれども、この点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 ただいま御議論になっておる問題とプライバシー保護の問題と、これ両方とも大切な問題でございまして、やはり個人のプライバシーはきちっと保護されなければならぬ、基本的に全くそうだと思います。これをどうするかこうするかということなど、私、余りその道の専門家じゃございませんので、よく勉強させていただきまして、日本がどこかの国とたった三カ国だけしかプライバシー保護法のない国だと言われますと、何かその面では大変におくれておるような感じも今率直にいたしますので、一遍よく勉強してみます。

藤木洋子日本共産党・革新共同

○藤木委員 ぜひその点は認識を新たにしていただいて、いろいろと御調査もいただき、お力添えをいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  本法案は、データベースを著作物としてはっきり法的保護下に置くということをうたったものでございますけれども、小説、音楽、映画といった従来の著作物とは全く異質の著作物を、調査研究も決して十分とは言えないまま、世界に先駆けて前回のコンピュータープログラムに続いて著作権法に持ち込むものだというふうに思います。保護期間の長いところから文化の発展を阻害するおそれもございますし、その上、先行データベースを極端に優遇して半永久的独占権を与えかねません。また、その一方、今後ますますふえるであろう職務上の著作物は事実上法人等に帰属をさせて、実際上の著作者である従業員の権利は消し去るものとなっております。  つけ加えるならば、データベースを明確化し法的保護をすることに当たって、当然このプライバシー保護法制化の見通しも立てるべきでございますけれども、それすらめどが立っていない、こういうような状況になっております。このように本日の審議を通じまして、ますますこの問題点が明らかになったと私は感じております。ニューメディア部分につきましては、不十分さはあるにしろ、有線放送事業に著作隣接権を認めるというのは一定の前進であり、これは賛成できるわけでございます。したがって、このデータベース部分を分離して提案することはできなかったものであろうかと非常に残念に思っております。  もう一つ、プログラムの著作物の登録に係る法律案につきましては、さきの著作権法の改正案の審議、このときにプログラムの著作物としての性格、保護期間、法人へ権利が帰属するなどという問題がございまして、私たちは反対をしてまいりました。この際、我が党の基本的な考え方を明らかにしてまいりましたので、時間の関係もございまして、今回は割愛をさせていただき、これで私の質問を終わらせていただきます。

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 江田五月君。

江田五月社会民主連合

○江田委員 プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律案の方を考えてみたいと思うのですが、おさらいを一つだけしておきたいと思います。  この登録の特例に関する法律ができるに至った事情として、著作権法が改正になって、その中で別途法律をつくることが決められていたわけですね、その著作権法改正のときにどういう改正があったかということをおさらいすると、コンピュータープログラムが著作物であることを確認的に明確にしたんだ、そういうことだったですね。さらに創作年月日の登録を認めた。これでよろしいんですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 我が国は無方式主義を建前としておりますべルヌ条約に加盟しておりますので、権利の発生、存続ということを登録に係らしめることはできないわけでございます。ただ、現実に、例えば一定の事実を確認し、あるいは将来の権利保全の実効性を確保するために、実名登録あるいは第一発行年月日登録あるいは第一公表年月日登録あるいは著作権の移転登録等のような登録制度はございましたけれども、コンピュータープログラムにつきましては発行、公表という事例が少ない点にかんがみまして、創作年月日登録の制度を導入することによりまして、いわゆる権利の保全の実効性を確保する一助とさしていただくという観点で法改正を行い、それに関連します手続その他問題につきましては別に法律で定めるという形で、今回プログラム登録特例法を提案させていただいた次第でございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 今のお話ですと、コンピュータープログラムについても第一発行年月日あるいは第一公表年月日の登録というのは理屈としては成り立ち得ることになりますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 おっしゃるとおりでございまして、プログラムの中にもゲームソフトのように市販され一般に流通するものもございますから、その場合には第一発行年月日登録あるいは第一公表年月日登録をすることが可能なものも多数ございますし、あるいはケースとしては無名で発行されたプログラムについて著作者の実名を登録することも当然あり得ますし、もちろん著作権の移転を第三者に対抗するために登録することも行われております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 そういう第一発行年月日の登録、第一公表年月日の登録、あるいは権利の移転、処分の制限などの登録をコンピュータープログラムについてやろうとした場合には、著作権法七十五条以下でやるのですか、あるいは今度のプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律でやるのですか、どちらでやることになりますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 登録の根拠規定は著作権法本法に基づいて、実名登録、第一発行、第一公表年月日登録、さらには創作年月日登録も著作権法本法に基づいて行うわけでございますが、プログラムの登録に関しましては、今までのすべての登録にっきましてプログラム登録特例法の規定による手続によりあるいは指定登録機関によって登録をする、こういうことになるわけでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 コンピュータープログラム以外の登録は依然として著作権法の七十五条以下で行うというわけですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 そのとおりでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 なぜそういうふうにコンピュータープログラムについてだけ登録に関する別の法律をつくらなければならぬのかということがちょっとはっきりしないのです。この著作権法の中でその他の登録と同じようにコンピュータープログラムの登録についても規定してしまえばいいんじゃないかという気もするのですが、その点はいかがですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 今回提案しておりますのは、大変法技術的な問題もあるわけでございまして、言うなれば一種の登録手続法というような性格のものでございまして、しかも内容としては、例えば複製物の納付であるとか、あるいは帳簿は磁気テープで作成できるとか、あるいは公示を行うとか、指定登録機関をして登録を行わせるとかいった、コンピュータープログラムの登録についてだけの特殊な取り扱いを定めるという観点のもので別に法律で定めさしていただくことにしているわけでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 その他の著作物と違ってコンピュータープログラムにはこういう特殊性があるんだということを少しまとめていただければと思うのです。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 例えば、バインダー式帳簿を磁気テープで作成すると申しますのは、コンピュータープログラムの特性と申しますよりも登録が膨大な件数来るであろう、そういった検索のためには従来の帳簿では対応できないという意味で、プログラムの特性というわけではございません。むしろ、複製物の納付を定めましたのはこのプログラムの特性に基づくものでございまして、通常の著作物であれば、これがだれのつくった著作物だと認知することは極めて容易でございますけれども、このプログラムにつきましてはだれがそのプログラムをつくったのかということを確定することは極めて困難でございますので、プログラムのコピーを出していただかなければ登録をするによしないということで、これはまさにプログラムの特性に基づくものでございます。さらに、公示制度と申しますのも、例えば結果的になりますけれども、二重投資の防止であるとか流通の促進といった、まさにプログラムの特性に見合った一般ユーザーのための便宜という点から申し上げればプログラムの特性に基づくかと言えようかと思います。  それから、指定登録機関の問題につきましては、これはプログラムの特性と言い得るかどうか若干疑問がございますが、むしろ大量の案件処理ということを想定したわけでございますが、どちらかといいますと、あとはコピーの保管の問題等も若干プログラムの特性に関連したということは言って言えなくはない、そんな感じでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 まとめてみると、コンピュータープログラムの性格に由来するものとして複製物の提出とか公示制度がある。コンピュータープログラムの登録の大量性という特性に基づくものとして磁気テープによる処理と指定登録機関による事務を行うということがある、そういうふうに理解をすればいいですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 ほぼそのように言えるかと思います。

江田五月社会民主連合

○江田委員 ほぼというのは、多少違うということですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 純粋にコピーの納付と公示は特性に基づき、それ以外は基づかないというわけでは截然と分けられるものではないという意味で、ほぼと申し上げさせていただきました。

江田五月社会民主連合

○江田委員 大量の事務処理になるということですが、現に現在でもコンピュータープログラム、創作年月日ではありませんが登録ができるわけですね。この登録の特例に関する法律が動き始める以前にも登録はできる。その登録は現に行われておって、これは非常に数が少ないと聞いておりますが、どの程度ありますか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 プログラムの登録件数は、第一発行年月日の登録並びに著作権の移転等を含めまして、五十八年度には三件、五十九年度には七件、六十年度には八件という数字で、極めて少のうございます。と申しますのは、実はこのプログラムの中でもビデオゲームのようなゲームソフトにつきましては、プログラムとしての登録ではなくて、そのビデオのゲームの画像を主体と考えまして、いわゆる映画の著作物としてビデオゲームを登録している件数が多数ございまして、この件数は五十八年度は五十三、五十九年度は七十八、六十年度は四十九という数字になっております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 その五十八年三件、五十九年七件、六十年八件という登録の中には、排卵日を忘れないようにするための登録とかコンピュータープログラムとかというようなものまで入っているということのようですけれども、それを聞きたいんじゃなくて、それにしても数が非常に少ないですね。映画の方の登録ということで行われているものを含めてみても非常に少ないんだけれども、これが一体どの程度までこういう登録の特例に関する法律をつくると膨れ上がるというふうに推測をされておるのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 先生御承知のように、プログラムをいかなる形で保護するかということにつきましては、一昨々年来通産省と文化庁で考え方の違いがあったわけでございまして、プログラム権法という独自立法によるか著作権法改正によるかというような意見の対立があったわけでございまして、昨年国会で法律を制定いただきまして、本年の一月一日からやっと著作権法上プログラムの著作物ということが明示されて施行されたわけでございますので、それまで著作権による保護があるのかないのかという不確定な状況のもとでございましたから、件数が極めて少なかったということが言えようかと思います。本年、法律の施行に伴いまして、かつ今度の特例法の制定によりまして、現在のところ関係団体等からの御意向を伺っておりますと、例えばパソコンソフト協会のみで数千件の年間の登録を見込んでいるということでもございますので、相当膨大な量のプログラムが登録を受けるのではないかと見込んでおります。

江田五月社会民主連合

○江田委員 そうすると、従来の著作権法の中で規定されている登録制度では、とてもコンピュータープログラムはなじまなくて、こういう新しい登録制度をつくることによって登録件数はどっとふえるであろう、数千件になるであろう。つまりそれだけこの新しい法律というものが必要とされているんだ、そういう理解でよろしいのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 プログラム自体が通常価値のあるものといいますのは、企業の中であるいは特定のコンピューターに使用させるためのものという形で、一般には発行されたり公表されたりするケースのものは少ないわけでございますので、創作年月日登録という制度の導入によりまして、発行しなくても、公表しなくても、登録の道が開かれたということによりまして登録の件数がふえるであろうということ。それから、いわゆるプログラムはだれがつくったものだということを確定することが極めて困難なものでございますので、公的な機関にコピーが保全、保管されておれば、将来後々のトラブルがあった場合の安全担保になり得る、そういう見込みからではなかろうかと考えております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 複製物の提出が義務づけられておりますが、複製物はどういうものを予定されておるのですか。どういう形で複製物を提出させようとお考えになっておるのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 どのような複製物を提出すべきかは政令によって定めることとなっておりますが、現時点での考え方としましては、関係団体等との御相談も重ねてまいりまして、おおむね現時点では、ソースプログラムであるかオブジェクトプログラムであるかは問わず、そのコピーをマイクロフィルムで提出していただこうという考え方でおります。

江田五月社会民主連合

○江田委員 マイクロフィルムで提出をさせるということは特に何か理由があるのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 通常、プログラムの場合には、ぺーパーでソースプログラムをつくりあるいはオブジェクトプログラムをつくるケースはございます。と同時に、実際にオブジェクトプログラムは磁気テープに格納される、そしてそれが実用に供されるというケースが多いわけでございます。その場合、磁気テープにいたしますれば、非常に長期間権利保全をしようと思いますと磁気がうせるという危険性があるわけでございます。一方、紙の場合には、これはステップ数にもよりますけれども、相当膨大なペーパーになりますので、保管場所の点から考えまして大きな倉庫をつくらないと到底対応できないという物理的な問題もございまして、マイクロフィルムでお願いをしようということでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 ただいま、一つは長期間にわたるために保存のためにはマイクロフィルムでなければならぬ、もう一つは量が膨大であるからということをおっしゃったのですが、それは複製物の保管に由来する必要性ですね。提出自体は別にマイクロフィルムでなきゃならぬという理由にはならないと思うのですが、この提出はひとつマイクロフィルムまでになっていないもので受け付けて、そして指定登録機関の方でこれをマイクロフィルムにして保管をするというような要望も弁理士会などからあるようですが、そういうことは考えられませんか。そういうふうにすると逆にこういう不便が出てくるとかいろいろあるかもしれませんが、教えてください。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 例えばペーパーで御提出いただくといたしますと保管ができませんから、それをマイクロフィルムに焼き直すということを指定登録機関がいたしますれば、それだけの経費がかさむわけでございまして、マイクロフィルムで出した方は損をし、ペーパーで出した方は得をするというような不公平な差が出てくるわけでございます。そういう意味で、できればそろえていただきたいという気持ちでございますし、今問題としましては、どうしてもマイクロフィルムはそんなに高い値段じゃございませんけれどもお金がもったいないからぺーパーで出したいというようなケースがあり得ても、保管の問題は今申し上げましたが、ただ現実問題として、例えば個人がつくったプログラムを登録したいといったような、企業じゃない場合の問題等考えますれば、短いステップ数のもので大してペーパーの枚数がかさばらないというものにつきましては、そういう取り扱いを設けるということは検討する価値があると思っております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 ゲームプログラム、高校生あたりが創作したものさえ今出回っているというような時代で、高校生がお小遣いがあるかないかというのはこれは一つ議論のあるところとは思いますが、どうもそういう子供たちが一生懸命開発をする、これに対してまでマイクロフィルムにしなければ登録できないよというのはちょっと酷かなとも思うのですが、もっともマイクロフィルムというのがどの程度の値段のものか私も存じ上げておらないし、また指定登録機関の方でマイクロフィルム化することによって手数料がはね上がるということになっても困るわけですが、マイクロフィルムというのは、ごく普通のコンピュータープログラムの場合に大体どのくらいかければつくれるのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 プログラムはそれぞれのステップ数の違いがあるわけでございまして、例えばCOMシステムと申しまして、マイクロ化する場合に継続的に大量に外注しました場合には一万ステップ当たり千円でマイクロ化ができるということでございますけれども、単発的な場合につきましては、例えば五万ステップ以下のものでございますと一万円くらいかかるというような状況でございまして、結局はそのステップ数の大きさ小ささによって値段は違ってこようかと思います。

江田五月社会民主連合

○江田委員 登録の手数料の方はどの程度のことをお考えですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 前例といたしましては、昨年通産省の方で半導体チップの回路配置権に関します登録制度を導入して、指定登録機関に行わせております。この手数料が一件四万円でございます。そこで、先般の参考人質疑のときはパソコンソフトウェア協会の方から、チップ並みの四万円は高いから二万円程度まで下げてもらうとありがたいというような御発言もございました。そういった状況を踏まえ、現実にどの程度の件数が見込まれるか、経費的にどれくらいかかるのか、実費を勘案して政令で定めるということになろうかと思います。

江田五月社会民主連合

○江田委員 複製物は、これは閲覧とか複写とかというようなことはできるのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 例えば、登録されましたプログラムの題号であるとか製作者であるとかプログラムの概要という申請書につきましては公示をいたしますけれども、プログラムのコピーは閲覧、交付は認めない考えでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 しかし、自分の開発しようとしているプログラムが何かあって、どうもいろいろ調べてみると同じようなプログラムがあるらしい、それをちょっと見せてもらえば自分がそこであえて新たな投資をして同じものをもう一遍つくらなくても済むんだがというようなケースもあって、二重投資を防止するというような必要からすれば、この複製物の閲覧、複写を認めてもいいかなという気もするのですが、そうはいきませんか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 二重投資の防止は、既存のこういうプログラムがあるということを知ればそれを利用すればよろしいわけでございますので、問題は、今回のプログラム登録につきましては、企業、メーカー側が一番気にいたしますのが秘密の保持でございまして、したがって、今回のプログラム登録法の中でも十六条で公務員並みの秘密保持義務を指定登録機関の職員にかけているわけでございます。そういった観点から、秘密の保持という観点からプログラムのコピーの閲覧、交付は一切認めないという対応にさせていただいているわけでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 一切ということですか。例えば裁判所からの調査嘱託——調査嘱託は複製物自体は関係ありませんね。文書送付嘱託というようなものがあった場合にはこれはどうするのですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 民事訴訟法あるいは刑事訴訟法等の規定に基づきまして調査嘱託あるいは文書送付嘱託がございますれば、公的機関として当然これに対応する必要があるわけでございますので、その場合には権利者の利益を害さない範囲において対応することになろうと思います。

江田五月社会民主連合

○江田委員 裁判所の手続の中での文書送付嘱託ですから、そうでたらめなものがあるとは思いませんが、しかし、必ずしも裁判所のチェックが複製物の秘密の保持というような観点から行われるものじゃありませんので、そこはひとつ実際の運用については十分に慎重な協議をお願いをしておきたいと思います。  それから、指定登録機関というのは一体どういう団体を予定をされておるのか。半導体チップの登録機関、JPCCですか、ありますが、これを活用するのか、それともまた別のものをつくるのか、どういうお考えなのか聞かせてください。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 指定登録機関としては、登録事務を遂行するに足る人的組織あるいは経理的基礎を持っている必要があるわけでございますので、そういう意味では現時点ではまだ白紙の状態でございます。著作権的に私どもの文化庁の守備範囲で申し上げれば、経理的基礎はしっかりしていてもちょっとプログラム登録にはなじまない性格のものもございますし、あるいはプログラム登録になじむものであってもいわゆる経理的な基礎、人的組織が不十分でございますので、帯に短したすきに長しでございまして、今ごろ世間を眺め回している状況でございますし、場合によりましては新たなこのための登録機関となるべき法人をつくっていただくということも必要になるかもしれない。いずれにいたしましても、法成立後早急に対応したいと考えております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 申請書類の様式ですが、この法律がプログラムの著作物に係る登録についても細かなことを決める法律ですから、したがって、申請書類の様式などについてもこの法律の中で規定をしてしまった方がいいんじゃないかという意見もあるようですが、いかがですか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 著作物一般の登録につきましては政省令で定めております。と同様に、このプログラムの登録様式につきましても政省令で定める考えでございまして、事項としては、プログラムの題号であるとか、製作者であるとか、創作した年月日であるとか、プログラムの概要がどの程度のものであるとかという程度の問題でございまして、それほど一般の著作物と取り扱いを異にするものではないと考えております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 まだまだいろいろ伺うことがあるのですが、どうも時間の方が来たのでちょっと先に行きます。  前回、この著作権法の一部改正のときに附帯決議がついておりますが、この附帯決議でなお残っているものが、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立、それから出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設、私的録音・録画問題について賦課金制度の導入、それから著作隣接権条約への加盟、こういうものがありますが、これは一体今どういう状態にあるのか、簡単に教えてください。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 まず、版の保護の問題でございますが、これは集中的権利処理機構の設立と深くかかわっている事柄でございまして、著作権審議会に第八小委員会を設置いたしまして、現在まで五回の審議を重ねておるわけでございます。  それから、隣接権条約加入の問題につきましては、一昨年第一小委員会にこの加入の方向での検討をお願いしておりまして、審議ははかどってはおりませんけれども、鋭意関係両当事者間の御意向を伺いながら一定の方向を見出すべく努力中でございます。  それから、私的録音・録画の問題につきましては、第五小委員会の五十六年報告を受けまして、著作権資料協会に置かれました著作権懇談会において十分、二十数回にわたる討議を重ねているわけでございますが、いろいろな世界の情勢等の中にありまして日本が立ちおくれている事態にもございますので、本年または本年度内に懇談会としての一つの考え方を出してほしい、結論的なものを出してほしいとお願いしておりまして、そういう方向で進んでいるわけでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 最後に、文部大臣に伺います。  これは極めて技術的な細かな法律ですけれども、もっと大きく見ていって、著作権といった知的創造物、こういうものをもっともっと大切にしなければいけないんだという思想が我が国に普及しなければいけないと思うのですね。今コンピューターゲームは小学生でも熱中して、小さな子供たちがプログラムさえつくるという時代ですから、今までの既成の概念にとらわれていてはいけないので、学校教育などでも、例えば教科書でもこうした知的生産物についての権利性、その保護といったものを扱って、これからもっと著作権思想の普及を行っていかなければならぬ、若い皆さんにもどんどん普及していかなければならぬ、そういう時代だと思います。そういう時代を迎えての文部大臣としての基本的なお考え、覚悟を聞かせてください。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 御議論になっております著作権の問題は、権利者を保護し、同時に文化創造の基盤を確保していくために、この著作権法は大変重要な役割を果たす法律であり、やはり必ずしもすべての国民の皆様に深い御理解がいただけているとばかりは言えない面もありますので、文化庁といたしましては、著作権思想の普及ということについてはこれまでよりも一層努力をしなければならぬのは当然のことであります。また、コンピューターゲーム等の普及によって、小学生、中学生の間にもいろいろこういったものに直接触れる状況が出てきております。学校教育の場で教えるとなりますと、無体財産権の理屈か何かから入っていきますと、正直言って、私がここで朝からやりとりを聞かせていただいておっても、わかることとわからぬことといろいろあるわけでありまして、小学校、中学校のレベルで果たしてどのような指導の仕方が妥当なのかは研究調査を要するところでありますが、とにかく、他人の権利を大切に尊重していくことなどは、これらのことを例に引きながら教えていったら小学生にも中学生にもぴんとくるのではなかろうかと今御議論を承りながら思ったところであります。そういう他人の権利を大切にするという角度からこの著作権の問題なんかも適宜適切な指導が行われるようになったら、著作権の権利意識の普及という面からいっても有意義ではなかろうか、こんな気持ちを持っておりますので、研究させていただきます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 他人の権利を大切にする、同時に、知的生産物というのは権利の対象なんだ、そこがこれから普及させていかなければならぬ考え方だと思うのですね。どうぞよろしくお願いいたします。  終わります。

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、採決に入ります。  まず、プログラムの著作物に係る特例に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、著作権法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 この際、ただいま議決いたしました両案に対し、町村信孝君外四名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び社会民主連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤徳雄君。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいまの両法律案に対する附帯決議案について御説明を申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律案及び著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。  一 プログラムの登録については、その登録事務が円滑に行われるよう適切に対処すること。  二 複写複製問題については、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立に努めるとともに、出版者を保護するため出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設について検討を進めること。  三 著作隣接権保護の徹底を図るため、現在行っている「実演家、レコード製作者及び放送事業者の保護に関する条約」への加入についての検討を急ぎ、適切に対応すること。  四 私的録音・録画問題については、国際的動向にかんがみ、録音・録画の機器・機材に対する賦課金制度の導入など抜本的解決のための制度的対応について検討を進めること。  五 コンピュータ創作物に係る著作権問題については、今後における技術の発達普及に十分対応できるよう配慮しつつ、検討を進めること。  六 プログラムの権利保護の在り方については、国際的調和に留意しつつ、今後とも中長期的観点から検討を行うこと。  七 ビデオディスクの発達等により録音・録画された実演の利用が多様化している等の実態を勘案して、実演家の権利の適切な保護等について検討すること。   右決議する。 以上でございます。  その趣旨につきましては、両案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。  何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。  以上です。

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 起立総員。よって、両案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。海部文部大臣。

海部俊樹自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○海部国務大臣 ただいまの御決議につきましては、御趣旨を体しまして、今後努力をいたしたいと考えております。     —————————————

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 なお、ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  文教行政の基本施策に関する件調査のため、来る二十五日、参考人として臨時教育審議会会長岡本道雄君及び会長代理中山素平君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正久自由民主党・新自由国民連合

○青木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来る二十五日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時九分散会

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