物価問題等に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/04/10
会議録
○阿部委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 本日は、参考人として日本瓦斯協会副会長柴崎芳三君、電気事業連合会副会長野澤清志君に御出席をいただいております。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 参考人の各位には、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本日は、特に円高差益還元問題等につきまして調査を行うことにいたしておりますので、参考人の各位にはそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、御意見の聴取は質疑応答の形で行いますので、御了承願いたいと思います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。二階俊博君。
○二階委員 昨年九月の五カ国蔵相会議が引き金となって円高基調は急速なテンポで進んでおり、国内経済にもさまざまな影響を及ぼしているわけでありますが、石油、電力、ガス業界等においては円高差益及び原油価格の低下によって大きな収益がもたらされているのであります。一方また、円高デフレの進行が輸出産業、特に中小企業には大きな打撃を与えていることも事実であります。 そこで政府は、これらの問題に対処するため、早速去る三月二十八日、電力・ガス差益問題懇談会のレポートを聴取し、さらに引き続き去る八日、経済対策閣僚会議において、円高によるマイナス面の緩和を図りながら円高差益と石油の原油の値下がり益の還元を初め、金融政策、公共事業の前倒し、規制緩和、住宅及び民間設備投資の促進、中小企業対策、さらに国際社会への貢献等を柱とする内需拡大による景気浮揚策を正式に決定されたわけでありますが、これらの対策の速やかな実行が期待されております。この際、総合経済対策の実現、実行に当たって、まず平泉経企庁長官の御決意のほどを伺っておきたいと思います。
○平泉国務大臣 おっしゃるとおり今度の円高というものは当初我々が想定しておりましたよりははるかにテンポの速いリズムで起こってきているということで、もちろん円高そのものにはメリットはあるけれども、しかし当面まずデフレ効果というかデメリットの分が非常に強くあらわれてくる、こういうことを私ども大変心配をいたしておるわけでございまして、御指摘のとおり我々としましては、予算成立直後にできる限り時間を置かずに緊急にとるべき措置があるのではあるまいか、かような観点から中曽根総理みずから再三にわたって閣僚に御指示がございまして、私ども事務当局を督励いたしまして、予算の御審議の間にも全力を挙げて対策の成案を得るために努力をしてまいった次第でございます。幸いに一昨日成案を得ることができまして、経済対策閣僚会議において最終的に与党の皆さんからも御了承を取りつけることができ、その結果を閣議に直ちに報告をいたしまして閣議決定をいたした次第でございます。大変広範な内容にわたっておりまして、また、その内部には、例えば電気、ガスの問題のように所定の手続をこれから十分尽くさなければならないという措置もございますが、できるものは即刻全力を挙げまして、せっかく決めました総合経済対策の実を上げるように、関係省庁一致協力をいたしまして努力をする所存でございます。
○二階委員 現下の急激な円高も、そのメリットをうまく活用することによって大臣のおっしゃるような効果もあろうと思います。国民生活の充実、日本経済ひいては世界経済にも与えるいい意味での効果も当然期待できるわけでありますが、一面、中小企業関係者等の不安感も切実なものがあるわけであります。一体円高は我が国にとってプラスなのかどうか。これについて経企庁の基本的な見解をお聞かせ願いたいのであります。
○宮本政府委員 お答え申し上げます。 ただいま大臣も申されておりましたように、円高にはプラスの面とマイナスの面とがあろうかと思います。プラスの面と申しますのは、円が高くなるということは結局我々の労働の成果と申しますか、我が国の通貨の実質的な購買力が上がるわけでございまして、同じ物を買うのにより少ない円で買える、これは私ども交易条件改善効果と申しておりますけれども、それはかなり大きなものがあろうかと思います。 一方、円高のマイナス効果、これはまた明らかでございまして、円が高くなりますから日本の輸出製品が高くなってそれが売れなくなる、輸出が減ってくる。逆に今申し上げましたように輸入品が安くなるわけですから輸入品がふえてくる。この輸出城、輸入増というのは、それだけ日本の生産活動にとってはデフレ効果と申しますか数量的なマイナス効果になるわけでございまして、この両面があるわけでございます。 それがどちらが大きいかというのは、いろいろな景気の情勢、例えば円高によってどれだけ輸出価格を引き上げ得るか、つまり、海外の景気がいいときにはかなりの分をドル建ての輸出価格に転嫁できますから、それだけいわば交易条件改善効果も大きくなるというようなこともございますし、逆にまた、ドル建ての価格を引き上げれば引き上げるほど輸出数量の減が大きくなりかねない面もあるというようないろいろな条件がございますから、なかなか難しいわけですが、私どもがより問題にしておりますのは、それが時間的にあらわれてくるのに時差があるという点と、もう一つはあらわれ方が違った人なり部門のところにあらわれてくる。 づまり平たく申しますと円高のデフレ効果の方が、どうしても輸出契約が減退してくるということで先にあらわれてまいります。それからデフレ効果は輸出関連の関係の方々、特に産地型の中小企業等々に集中的にあらわれてまいります。それに対しましてプラスの効果は、これは平たく言えば物価がそれだけ安定するということを通じて国民経済全般に浸透してあらわれてくるわけでございまして、それだけ時間もかかりますし、またあらわれ方が非常に広がってくる。もちろん、輸入品を原材料として使っておられる部門には直接的にそのメリットが及ぶわけですけれども、それが国民全体に均てんするのに時間がかかる、こういう点だろうと思います。 したがいまして、一概にどちらが大きいかということは申せませんけれども、そういった点を考えまして、私ども今回の総合経済対策には現在やはりデフレが先にあらわれている。しかもそれが中小企業等に集中的にあらわれている。それを円高のメリットをできるだけ前に引き寄せるというか前倒しをすることによって埋めていこう、あわせて、今年度予算に盛られましたいろいろな内需拡大策もできるだけ早期に前倒しできるものは前倒しして、現下のデフレ的な効果を相殺することによって内需中心の景気の維持拡大をより確実なものにしたい、こういう考えで一生懸命やっていくつもりでございます。
○二階委員 総合経済対策の中の電力、ガスの差益還元額がおよそ一兆円程度になるものと見込まれておりますが、為替レートや原油価格について、どのような見通しのもとに算定されたものであるか、通産省にお尋ねします。
○山本(幸)政府委員 お答えを申し上げます。 御指摘の数字は、現状のような為替レートや原油価格の傾向が継続する場合という前提の見込みでございます。具体的な算定根拠でございますが、まず為替レートにつきましては、最近の動向を勘案して想定いたしまして、一ドル百八十円台ということで計算いたしております。また原油価格につきましては、最近の動向を踏まえまして相当低い水準ということで、一バレル約二十二ドル、これはCIF価格を前提として計算をいたしております。 なお、LNG価格につきましては、原油価格に一応連動して低下するものということで想定をいたしたわけでございます。
○二階委員 野澤参考人にお伺いをいたします。電力九社、ガス大手三社、合わせて一兆円を超える差益が見込まれているわけでありますが、電力業界としてはどの程度の差益が生じると考えておられますか。
○野澤参考人 野澤でございます。ただいまの御質問につきましてお答えします。 私ども、円高メリット等の還元の類やその具体的な方法につきましては、ただいまの公益事業部長のお話にもありました線で、実施に向け今後も早急に詰めていきたい、こう考えておる次第でございます。
○二階委員 円城寺委員会のレポートによりますと、基本的な考え方として、この差益は原価主義の原則に基づいて需要家の利益のために還元すべきであると述べられておりますが、その際、すべての需要家に、つまり産業界のみならず電力使用のすべての家庭にもメリットが及ぶように、さらに産業界においては中小企業に対する配慮も十分行われるよう特に望むものでありますが、電力業界の御見解を伺っておきたいと思います。
○野澤参考人 お答えいたします。 ただいま先生の御指摘のとおり、非常に中小企業がこの円高のしわ寄せで御苦労されているという点につきましては大変私どもも胸を痛めているところでございまして、この還元の直接のメリットで何とか方法がないかといろいろ検討したわけでございますけれども、私ども、電気事業につきましては原価主義の原則から、やはり公平に配分しなければならないということでございまして、私どもとしてお役に立つ方法としては、私ども御承知のとおり設備産業でございますので、内需を拡大するためにもっとより多く設備投資ができないものかといろいろ検討申し上げまして、電気事業としまして内需拡大等に協力するために、次の三つの項目を考えておる次第でございます。 まず一つは、供給信頼度向上対策を中心にしました送電、変電、配電設備等の流通設備の一兆円の前倒し投資を考えでございます。それから二番目には、配電線の地中化推進のための二千億円を六十一年と六十二年にわたりまして前倒ししたい。それから三番目には、六十一年度の四−六月期を中心とした上半期への七千億円の繰り上げ発注をしたい。この三つでございます。 第一点の一兆円の前倒しにつきましては、送電とか変電とか配電設備等が中心でございます。これらの工事は、電源設備工事と異なりまして従来からも地元の中小企業が大いに活用されておるわけでございますが、今後ともこの方向で一層努力して、中小企業の方々にメリットがあるような形でやっていきたいと思います。 それから第二点でございますが、配電線の地中化でございます。これも従来は東京中心でございましたけれども、できるだけ地方の県庁所在地あるいは地方の中核都市を対象にいたしまして、実施に当たりましては電気のケーブル埋設工事であるために、これはやや専門的な工事業者を使わざるを得ませんけれども、このほかに穴掘り等いろいろの比較的簡単な土木工事が相当程度ありますので、これは比較的中小規模の地元の業者で十分やれる、こう考えておりますので、地元業者の活用を特に留意していく考えでございます。 第三点といたしましては、六十一年の四月、五、六月というのは御承知のように公共事業の端境期でもございますので、これに対しまして私どもはできるだけ発注を繰り上げまして、この落ち込みを補うことができれば大変によいではないかと考えておりまして、そのような努力をしたいと思います。 以上のような三つの方策によりまして、地元の中小企業が活用される機会が一段と増加するものと考えております。
○二階委員 中小企業に対する御配慮をいただけるということでございますので、ぜひそのことはひとつ積極的に取り組んでいただきたいと思います。 次に通産省に伺いますが、家庭用電灯料金は平均月額五百四十円程度下げるということが報道されています。ガスについても七百円程度と言われておるわけでございますが、円高のメリットが一軒一軒の家庭に均てんされて初めて、円が強くなったおかげで少しは家計が助かった、電気もガスも安くなったと国民は思うわけでございます。できるだけ早い機会に月額幾ら程度安くなるのかということを明らかにすべきでありますが、六月実施を前にいつのころ決定されるのか、料金算出の方式等もあわせて、この際お示し願いたいと思うのであります。
○山本(幸)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の一世帯当たりあるいは一需要家当たりの還元額でございますけれども、これにつきましては、具体的な還元の規模というのは各社別に実施段階において、全体の差益額が確定されたという段階において決まるものでございます。 現在、料金面での具体的な対応策につきまして電気事業審議会あるいは総合エネルギー調査会のガス関係の関係部会で検討中でございます。そういうことでございますので、現時点では具体的な額を見積もることは困難であるということでございますが、御指摘のような具体的な還元の金額につきましては、非常に国民各層の関心が高いということは承知いたしております。 通産省といたしましても、今申しました関係審議会での検討の結果を踏まえまして具体的な対応策の詰めを急ぎたいというふうに考えております。 今申しましたようなスケジュールで進みますので、具体的な実施内容が確定するのは五月上旬ごろかというふうに考えております。
○二階委員 お話のとおりだと思いますが、新聞等に、電気は月額五百七十円、ガスは七百円程度ということがもう明らかにされておるわけでございますから、それを下回ることのないように積極的に取り組んでいただくことをお願いしておきたいと思います。 さらに野澤参考人にお尋ねしますが、料金面での具体的な対応策として、六十一年度に発生が予想される差益をもって料金の暫定的引き下げ措置とともに特別料金制度、三段階料金制度の調整を応急的に暫定措置として早期に実施することが適切であると報告書に述べられています。この料金体系は、電力設備の不足あるいは設備拡充資金の不足また省エネルギー対策等の見地から当時採用されたもので、電力事情が好転している現状から判断して、速やかに対応すべきであると考えますが、これについての御方針を伺っておきたいと思います。
○野澤参考人 お答えいたします。 私どもの考え方も差益問題懇談会の報告と一致しております。六十一年度に発生するメリットで料金の暫定的引き下げを行い、さらに逓増料金制の調整措置を早期に実施することが適当だと考えておる次第でございますので、今後、実施に向けて早急に具体策を詰めていきたいと思っております。
○二階委員 通産省にお伺いいたします。 ガス大手三社については電力のような料金制度面の調整という問題はないと理解していますが、ガスについてはどのような還元方法を考えておられるのか、お尋ねします。
○野々内政府委員 ガスにつきましては、電力のような特に制度面の問題もございませんで、非常に単純な制度をとっております。したがいまして、一律引き下げということを中心に考えたいと思っております。
○二階委員 柴崎参考人にお伺いしたいと思います。 ガスについては、過去のいろいろなガス爆発事故等が発生した経緯があるわけでございます。この際、保安の確保ということが重要な課題でありますが、差益による内部留保を活用して積極的に保安対策の強化に努めるべきであると考えます。業界の対応についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○柴崎参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、ガス事業にとりまして保安対策が致命的な重要性を持っておるわけでございまして、この差益とは関係なく保安対策に対しましては最大限の努力を集中しておるところでございます。 現在、生じました差益で内部留保に向けられる分につきましては、重点的に保安対策を中心にした工事によりまして内需の拡大の効果もあわせて得ようという形で、いろいろ計画を練っておるところでございます。 具体的には、マクロセル対策と申しまして、コンクリートを突き抜ける場合に静電気が発生して電食が生じます、そういう電食に基づく事故というものが最近の家屋構造からいって相当出ておりますので、こういったものを絶滅しよう。それから需要家が集中しております例えばアパートあるいはビルディングというようなところで事故が発生するのを防ぐために、それらを一括した緊急遮断装置というものをつけまして、何らかの異常がある場合は根元で全部ガスをとめてしまうというような対策も考えております。また、個々の需要家に対しましては、安全アダプターと称しまして、ガスが異常に流出する場合には自動的にそれをシャットアウトするというような簡便な器具も開発いたしまして、そういう対策を総合的に現在進めておるところでございます。こういった形で内部留保を有効に活用させていただきたいと考えておる次第でございます。
○二階委員 通産省にお尋ねします。 都市ガスについては大手三社以外に数多くの地方都市ガス事業者がおられるわけですが、地方都市ガス事業者については大手三社とはおのずから経営規模や原料構成等の面で違いがあると思いますが、差益の発生するものについては可能な限り還元すべきであります。プロパンガス関係等につきましても、あわせてその対応についてお考えを伺っておきたいと思います。
○山本(幸)政府委員 御指摘の大手三社以外のガス事業者についてでございますけれども、先生ただいま御指摘のように大変まちまちでございます。大企業が九、中小企業が百六十二、それから公営企業が七十三というふうになっておりまして、規模あるいは経営状況等も非常にまちまちでございます。原料につきましても、大手三社はいずれもLNGを直接輸入して使っているというのが大部分でございますけれども、他の事業者は国産の天然ガスとかLPG、ナフサ等、各種の原料を国内で調達しているということでございまして、円高につきましてもあるいは原油の値下がりにつきましても、その影響は間接的になっているということでございます。このため、一律に差益還元ということで論じることはなかなか難しゅうございますけれども、各事業者の収支状況とか原料の市況等、実態の推移をよく見まして、今度の総合経済対策におきましても、いわゆる公共料金についてはその実態に応じて個別に対処していくようにということでございますが、それに準拠いたしまして対処していきたいというふうに考えております。 それからプロパンガスでございますが、御承知のようにこれは市況製品でございまして、ガス事業のようにいわゆる公共料金で決まっているわけではございません。したがいまして、現在でも市況に従ってある程度の値動きがございますけれども、円高あるいは原油の低下についての差益の一般的な還元という思想に準じまして、そうした市場メカニズムが十分に働いて下がっていくようにということで、今後ともその動きを注視したいというように考えております。
○二階委員 今日、原池価格が低下している状況の中で、私は石油備蓄の積み増しを積極的に行うべきではないかと考えるものでありますが、現在の備蓄水準と将来の計画目標値をにらんで、石油備蓄についてはなお万全の対策をお願いしたいと思います。 同時に、エネルギー環境が好転しているときこそ省エネルギーを着実に進めるべきではないか。省エネの心を忘れてしまっては困るという声があるわけでございますが、省エネキャンペーンについてもここで手を緩めることなくやっていくべきではないかと思うものであります。 同時に、ソーラーシステム等、石油代替エネルギーの機器の開発導入も盛んになってまいりましたが、こうした石油のだぶつき、あるいはまた原油価格の低下という際に手を緩めてしまっては何にもならない、したがって、こういう面につきましてもこの際積極的に推進を図るべきだと考えるわけであります。 なおまた、けさの新聞等によりますと、電力量の四分の一強を原子力発電で占めるようになったというふうに書かれておりますが、原子力発電等も含めて代替エネルギーの積極的な推進について大いに努力をしていただきたい、このように思うのでございます。 最後に、資源エネルギー庁長官の御決意といいますかお考えを伺っておきたいと思います。
○野々内政府委員 御指摘のとおり、エネルギー政策は長期的な観点から進めるべきものという判断をいたしておりまして、一時的な石油の値下がりというものに惑わされることなく着実に推進をいたしたいと考えております。そのために、石油の備蓄あるいは省エネルギーあるいは原子力、ソーラーを含む代替エネルギーの開発、こういうものにつきましても計画どおり取り進めてまいりたいと思っております。 また、国際的な動きにつきましても、現在私どもは、石油情勢の安定あるいは長期的なエネルギー政策の推進が重要であるということで、国際的なコンセンサスが得られるように、各方面に働きかけを行っている現状でございます。
○二階委員 終わります。
○阿部委員長 次に、中村正男君。
○中村(正男)委員 四月八日の日に、いわゆる総合経済対策が七本柱でもって発表がされたわけですけれども、とりわけこの総合経済対策の中での目玉は、電力、ガス料金の差益還元これが最大の課題だというふうに私は思うわけでございますし、同時に、国民全体も厳しくこの成り行きについては注目もしております。さらにまた、今、質問の中で出ておりますが、連日のように各新聞では具体的な還元の金額まで出ておりまして、一日も早くぜひひとつ実施をしてもらいたい、また具体的な金額についても明らかにしてもらいたい、こういう要望が非常に強まっておるというふうに私は思うわけでございます。したがって、具体的な御質問をさせていただきますので、ぜひひとつ通産省並びに参考人の方の方においてもそうしたことに答えていただきたいということを御要望しておきたいと思います。 また本来、変動相場制のもとでは、こうした発生する差益というものは、政府の対策という形でなく自然に還元がなされるものというふうに私は考えるわけです。しかし、我が国の場合、そうもいかないいろいろな制約がございます。したがって、それだけに政府のスピーディーな措置が望まれるというふうに私は思うわけでございます。 まずそこで、長官に最初に御確認をさせていただきたいのです。 今回の電力、ガス差益還元につきましては、円高が急速に進んだのは昨年の九月末以降であります。業界におかれても、あるいはまた通産省内部においても、また国会の中でもこれが取り上げられまして、時には内需拡大のための資金としてこの差益すべてを税金で吸収するとか、あるいは海外経済援助資金にこれを回すとか、いろいろ政策課題としてこれが論議されてきた経緯があったと私は思うのです。しかしその後、差益額そのものが当初予想されておったものよりも大変スケールが大きくなってくるというふうなこともございますし、同時に、円高デフレの傾向が強まる中で、いわゆる国民所得を向上させていくという面から、やはり直接消費者に還元をするのが一番これは正しいのではないか、こういう論議にかなり変わってきたと思うのです。 したがって、長官に御確認をしたいわけですけれども、政府としてこの電力、ガスの差益について特別な政策介入、そうしたことはおやりにならないでしょうね、こう思うのですけれども、改めてそのことをお聞きをしておきたいと思います。 〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
○野々内政府委員 御指摘のとおり、昨年末からことしの初めにかけまして、今回の円高、油の価格の値下がりに伴う差益については、何らかの特定の政策目的に活用してはどうかという御意見が大変あちこちから出されております。私どもといたしましては、差益問題懇談会におきましてこれらの論点の整理をしていただきまして、これが三月二十八日に報告書が提出されたわけでございますが、その報告書におきまして、今回の差益については、公益事業本来の趣旨に戻って、需要家への直接還元ということを中心に考えるべきである、政策目的、特に電気、ガスと直接的な関係のない政策目的に用いられるのは適当ではないという方向の報告書が出されておりますので、私どもとしては、その線に沿って今後、電気事業審議会あるいは都市熱エネルギー部会におきまして具体的な方策が御審議されるものというふうに考えております。
○中村(正男)委員 電力・ガス差益問題懇談会の報告書、これは私もいただいたわけでございますが、この内容をずっと見てみますと、今長官の方から答えがございましたけれども、いわゆる今までの通産省の差益還元についての考え方、そのことが今回の報告書では、極端なことを言えば否定をされたのではないか、こういうふうに私は読むわけでございます。 それは、二月二十日の渡辺通産大臣の国会答弁、これを見てみますと、一つは、この差益還元については現行料金制度の手直しに用いる、二点目は、いわゆる将来に備えた内部留保に回したい、三点目は、内需拡大のための設備投資に振り向けたい、大体要約しますとこの三つが渡辺通産大臣の答弁の要旨であったと思うのです。しかし、今回のこの懇談会報告では、極めて内部留保等については厳しい、いわゆる否定的な意見が出された、私はそういうふうに受け取っておるわけでございまして、明らかに今回の報告書は、いわゆる原価主義に立って需要家の利益のために直接還元をすべきである、こういう結論として我々は受け取り、同時にまた消費者もそういう理解に立っているというふうに申し上げておきたいと思います。 そういう前提で、以下具体的なことについて、大変お忙しいところをきょうは参考人の方においでいただいておりますので、お尋ねを申し上げたいと存じます。まず、野澤参考人にお尋ねをいたします。 今日のこの美花還元についての国民の期待、これをどのような受けとめ方をしておられますのか、基本的なお考えをお聞きをしたいと思うのです。
○野澤参考人 お答えいたします。 私どもとしてはかねがね、電気をお使いになるお客様にとって最もお役に立つ方法でメリットをお返しするということを皆さんに申し上げてきたわけでございまして、消費者の皆さんあるいは業界の皆さんからの還元についての御要請に対しましては、常に今のようなお答えをしてきたわけでございまして、この考え方に沿いまして、具体的には、料金の暫定的な引き下げをすることを決意いたしましたと同時に、従来からの料金制度についていろいろの御批判がありました点を、この際少しでも見直しすることができればと、この二点で検討をしているところでございます。 それにまた為替レートあるいは油の価格等が先行き不透明な面もございますので、このリスクに備えまして内部に一部を留保させてもらいまして、先ほどお答えしましたように配電線の地中化等、いずれやらざるを得ない設備投資の繰り上げの原資として活用して、これがまた景気浮揚にも役立つならばと考えておる次第でございます。
○中村(正男)委員 一部を内部留保、さらには設備投資にも、こういうお考えが述べられたわけですけれども、我々としては極力消費者に直接還元をしていただきたいということで、次の質問に入っていきたいと思うのです。 まず還元については、各地域ごとに電力会社があるわけですが、全社が還元をされる、こういうふうに受け取っていいのかどうか。さらにその還元の率といいますか、それは各社別にかなりぱらついたものになるのか、その辺の基本的な考え方を一応お尋ねしたいと思います。
○野澤参考人 これは九電力会社、還元をいたしたいと今、各社とも努力しているところでございますが、メリット額が各社とも幾らになるか、現在の為替レートやあるいは原油価格の動向も不透明でございますが、今後各社とも、その実施に向けて詰めていくところでございまして、各社の燃料費の多寡によっていろいろと格差が生じます。それからまた各社の電源構成が大変に違いますことなどもありまして、やはり還元額については差異が生ずるのはやむを得ない、こう考えておる次第でございます。
○中村(正男)委員 次は、いわゆる五十九年度末までに発生した原価変動調整積立金及び別途積立金、これは我々がいただいておる資料を合計いたしますと約三千四百億円ぐらいに相当するのではないか。それから六十年度分、これもほぼ四千億円ぐらいの同様趣旨の積立金が生じてくるのではないか、こういうふうに思うのですが、数字はこれで間違いはないのかということを御確認したいわけです。同時に、この差益分についてどのようにして直接消費者に還元されようとしておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○野澤参考人 お答えいたします。 昭和五十五年度以降、円高や原油価格の値下がり等によりまして生じた余剰利益を、先生御指摘のとおり別途積立金それと原価変動調整積立金として明確に区分整理いたしまして、これを料金の長期安定のために備えるとともに経営体質の改善に有効に使用させていただいておるところでございまして、数字につきましては、別途積立金は一千七百三十五億円、原価変動調整積立金は一千六百五十一億円でございます。それから六十年度の積立金につきましては今のところまだ計算ができておりません。
○中村(正男)委員 還元については、お答えとしては長期安定的な料金体系の維持、さらには設備投資、こういうふうな答えなんです。通産省にお尋ねをするわけですが、通産省としては、当初こういった差益については還元に向けての別途積み立てをすべきだ、こういうふうに指導されておられたと思うのですが、今、参考人の方にお伺いしますと、いわば内部の内部留保にすべてを回してしまうというふうに受けとめるわけですが、それで果たしていいのかどうか。この分も直接還元すべきじゃないかなというふうに思うのですが、どうでしょうか。
○山本(幸)政府委員 先ほどから御指摘のある別途積立金それから原価変動調整積立金でございますけれども、これにつきましては前回の料金改定以降、五十五年度とそれから最近の五十八年度、五十九年度決算において積み立てたわけでございますけれども、いずれも料金の長期安定という目的から積み立てているものでございます。これらにつきましては私ども、今後とも料金の長期安定に資するということで使っていくのが適切であるというふうに考えております。 それから六十年度発生の差益でございますけれども、これにつきましては先ほど先生四千億円程度とおっしゃいましたけれども、野澤副会長からお話がありましたようにまだ正確には計算できておりませんが、私どもは電気、ガス合わせて三千億円程度かなというふうに見込んでおります。これにつきましては先般の電力・ガス差益問題懇談会の報告でも、六十一年度についての差益分につきましては一定部分を還元し、残りを内部留保するわけでございますけれども、六十一年度の内部留保分と、あわせてこの六十年度分についてもこれを留保分として内部留保の充実に充て、今後の変動に備えることが適当であるというふうに指摘されておりますけれども、私ども、そういうのが適当ではないかというふうに考えております。
○中村(正男)委員 時間がありませんのでもう重ねては申し上げませんが、我々としては、十九条でもって料金の中に適正な利潤が含まれておるわけでありまして、いわゆる為替レートの問題、さらには油の価格が下がったその利益、これらは明らかに経営努力なり営業収益の考え方とは違うわけでありますから、それを内部留保にすべて回すということは消費荷の側からいいますと理解ができない。ぜひこれもしかるべき方法で直接消費者に還元をしていただきたい、こういうことを強く望んでおきたいと思います。ぜひひとつ、まだ懇談会は今月ずっと続けられる予定でございますので、この点についての論議を通産省の方から提起をしていただくように要望しておきたいと思います。 次に、六十一年度分でありますが、これは一兆円規模、こういうことで言われております。もちろんガスを含めてということでありますが、先ほど円レートは百八十円、バーレル当たり二十二ドル、こういう数字が出されたのですが、我々の理解では、それであればもう少し総額としては膨らむのじゃないかな、トータルとして約一兆四千億円ぐらいになるように思うのですが、この数字の違いは一体どこから来ているのか。我々の試算も円レートあるいはドル・バーレル当たり、そのぐらいで考えましても一兆四千億ぐらいになるわけですが、その辺どうですか。
○山本(幸)政府委員 ただいま先生の御指摘のように約一兆四千億円程度になるというふうに私どもも考えております。先般の経済対策閣僚会議の一兆円というのは還元する額を一兆円ということで算定したものでございます。したがいまして先生おっしゃいましたように百八十円台、二十二ドルということで計算しますと、差益の額は電力九社とガス大手三社を合わせますと、およそ一兆四千億ぐらいになるだろう。そのうち、先ほど来議論になっておりますように現在、為替レートについても必ずしも先行き透明ではない、原油価格につきましては非常に変動している、さらにはLNGにつきましてはまだ契約上全く下がってないというような非常に不安定な要素がございますので、そういうことを考えまして全体的な還元の比率につきまして、前回、昭和五十三年度の割引の際の比率は大体七割でございますけれども、それを目安として一応計算をしたということでございます。
○中村(正男)委員 ここでも約四千億円がいわゆる内部留保なり設備投資に取られてしまう。五十九年度、六十年度のいわゆる別途積立金、原価変動調整金を合計しますと、これも約七千億近くあるわけですね。そうしますと単純に合計しますと、内部留保なり設備投資に回る方は一兆一千億ぐらいになって直接還元は一兆円、結局、半分以上は内部留保なり設備投資に回ってしまう、こういうふうに数字的にはなるわけですね。これでは私、やはりちょっと消費者は納得しないんじゃないかなというふうに言わざるを得ないんですね。 そこで試算をいたしますと、新聞ではいろいろな数字が出ておりますけれども、我々としては、一世帯平均年間約七千円、それを十二カ月で割って毎月六百町以上、大体これ以下ではあり得ないんじゃないかと思うのですが、その辺のめどはどうでしょう。もう時間がありませんから、一兆一千億が取られてしまうことは極めて不満ですけれども、低目に見積もって、ずばりこのくらいの数字は絶対返せるはずなんです、どうでしょう。
○山本(幸)政府委員 具体的な還元の額でございますけれども、これにつきましては今後、料金制度のうち三段階料金制度をどういうふうにするのか、あるいは特別料金制度をどうするのかという制度の問題にも絡みます。それから各社別の差益の額によっても、今後、各社別にも相当ばらつくということで、現在のところ全部を含めた計算を私どもはいたしておりません。
○中村(正男)委員 これを下回らないということぐらいはお約束できないですか。新聞では通産省と業界とで試算をして云々というような記事が、これはまあ新聞が勝手に計算したと言ってしまえばそうだと思うのですけれども、やはりそれなりの資料なりが通産省あたりから出ないことには、これは記事にならぬでしょう。だから一方ではマスコミを通じて数字が出ているわけですから、我々が試算したこの数字が妥当かどうか、いや、そんな、とてもじゃない返せないということぐらいは言えるんじゃないですか。
○山本(幸)政府委員 先ほど申し上げましたように、各社別で相当ばらつきがございます。それを全部平均して今の段階で出すというのは非常に難しゅうございます。先ほどから話題になっております新聞での数字でございますけれども、これはいろいろな前提を置きながらいろいろな計算をいたしておりまして、一例を申し上げますと、全平均という場合と、標準家庭というのを、まあこれは例えば東京での標準家庭とかそういうのでいろいろ違いますので、私ども現在の段階で政府として一定の額を想定することはいたしておりません。
○中村(正男)委員 それじゃ確認しておきますが、その具体的な還元方法は、いわゆる単位使用量あたり何円何十銭下げる、こういう形で六月から暫定的に還元をする、こういうふうに受け取ってよろしいですか。 それともう一つ、その六月ということですが、六月一日の検針でやるということなのか、六月一日以降の使用についてこの還元をするのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○山本(幸)政府委員 現在まだ制度内容を検討中であるということでございますけれども、一応の方向としては今、先生のおっしゃった大体の方向であろうと考えております。
○中村(正男)委員 それでは六月一日検針というふうに受け取ってよろしいですね。 時間が参りましたから、最後に六十二年度以降の問題についてお尋ねをしたいと思います。 先ほど来から、先行き不透明要素が多い、したがって明確な方向は出せないということでございますが、八日のこの委員会の論議でも、円はそんなに急激に安くならない、さらに油の価格も軟化基調は続いていく、これは明確に通産省の方から答えが出ております。そういう意味合いで、六十二年度以降の対応について具体的にどのように考えておられるのか。特別料金の逓増率の引き下げ、さらには家庭用の三段階料金の見直し、特に家庭用三段階の見直しについて、これは一つの考え方としてお答えいただきたいのですが、いわゆる平均的な家庭の使用料を現行の三段階の最下限に置くというくらいの思い切った措置がとれるのかどうか。 それから、六十二年四月からの改定に向けて審議会としてこれから作業が行われるわけですが、今言ったすべての料金制度の見直しといったものがいつごろに国民の前に明確に示されるのか、その辺も含めてお尋ねをしたいと思います。
○野々内政府委員 六十二年度以降の扱いにつきましては、先般の差益問題懇談会におきまして「為替レート、原油価格等の動向を見極めつつ、適切な対応をとるべきである。」という御指摘になっておりますが、考えられる方法としては三つあり得るかと思います。 まず一つは、現在のような不安定な状態が続いているという場合、これは若干の手直しということも含めまして暫定措置の延長を図らざるを得ないかと思っております。それからもう一つは、為替レートなり原油状況がかなり安定をしてきたというような状態になりましたら、これは抜本的な料金改定に取り組むべきではないかと思っております。もう一つは、円が安くなり、あるいは石油の値段が上がってきてコストがもとの状態に戻ったという場合には、暫定措置の撤廃を考えざるを得ない。この三つぐらいのシナリオがあり得るかと考えておりますが、いずれにいたしましても、年末あるいは年度末近くになりましてその辺の判断をする必要があると考えております。 なお、電気事業審議会には、とりあえず今回の差益問題への対応について四月下旬までに結論をお願いしたいという依頼をいたしておりまして、その後、料金面についていろいろ検討する必要のある問題が実は起こっておりますので、これについて引き続き検討をお願いしたいというふうに依頼いたしております。 〔武部委員長代理退席、委員長着席〕
○中村(正男)委員 最後に確認をしておきますが、今のお答えでは六十一年度分の差益還元については四月末までに結論を出す、こういうことでございますね。そして一つの数字を、還元額を私の方からお示ししたわけですが、年額大体七千円ぐらい、それを十二カ月に案分して六月一日の検針時点から還元をしていくというふうに受け取っておきたいと思いますが、それでよろしいか。
○野々内政府委員 今後の手順でございますが、四月の下旬には審議会として基本的な方向を示していただきまして、直ちに各社それぞれ計算に入りまして、五月連休明け、上旬には認可申請という形になろうかと考えておりますので、その段階で具体的な各社別の数字が確定をしてくると思います。その段階になりませんと確定はいたしませんけれども、私どもとしましては、六月一日以降検針に適用したいということを今現在は考えております。具体的な方向としましては、今後各社別の差益の算定になりますので、従来マクロ的な計算だけでよろしゅうございましたが、これからはむしろ各社がどれだけの差益があり、そのうちどれだけが料金引き下げに充て得るかという具体的な議論になりますので、数字について今ここで申し上げることはちょっと難しいかと思っておりますが、できるだけ直接還元ということに重点を置いて考えていきたいと思っております。
○中村(正男)委員 これで終わりますけれども、懇談会報告にもありますように、内部留保についてはかなりの論議があったというふうに私は受け取っております。しかし、そのことと、今明らかにされてきた数字上の内部留保なり設備投資に回される額、これは五十九年度の積立金、六十年度の予想される別途積立金、そうしたものを含め、さらには六十一年度に発生する一兆四千億円に対する四千億円余りがそちらに回されるということ、こういうことについてはぜひひとつ改めて、直接還元に多くを割いていくということを強く要望いたしまして質問を終わります。
○阿部委員長 次に、元信堯君。
○元信委員 最近の円高、さらに石油価格の低落によりエネルギーコストが非常に低落をしておる、それをいかに消費者に還元をしていくかということが今、中村委員の質問でも明らかになったわけでありますが、私は反面、石油価格の低落、円高によって、今まで我が国の経済が一生懸命行ってきた石油ショック以来の省エネルギー政策というものが緩むのではないか、そんな心配をしているわけです。いやいやそんなことはないというお答えがあろうかと思いますが、構造的にもいささか心配もあるので、この際、伺いたいと思います。 まず省エネルギー政策、このエネルギー価格の低落の中で基本的にはどういう政策をお持ちか、その点から伺います。
○野々内政府委員 省エネルギー政策はエネルギー政策の基本にあるものでございますので、今後とも着実に進めたいと思っております。ただ御指摘のとおり、これだけ値段が下がってまいりますと一般の企業あるいは国民生活において省エネルギーへの取り組みが緩くなるという懸念は十分あると思っておりますので、今後とも啓蒙あるいは省エネルギーに対する技術の普及あるいは開発の促進、こういうことにつきましては計画的に推進をいたしたいと考えております。 〔委員長退席、中村(正男)委員長代理者席〕
○元信委員 参考人にもお伺いしたいと思うのですが、電力、ガス業界におかれましても今こういう輸入原料価格の低下というものの恩恵を、そう言ってはなんですが満喫されておるわけだと思います。しかし反面、代替エネルギーの開発等にも、これらの恩恵というのは振り向けられなければならない性格のものであろうというふうに思うのです。それを口実に消費者還元がサボられてはいかぬわけですが、今の質問でも、かなりの部分が新規のエネルギー開発に向けられるということですが、今日こういう価格低落が具体的にやってきた状況のもとで、新たにどういう政策をお考えになっているのか、その点についてそれぞれ電力、ガス業界から伺いたいと思います。
○野澤参考人 ただいま石油が安くなって、電力もこれから代替エネルギーについても新しい開発をされるのではないかという期待でございますけれども、御承知のとおり、原油価格の動向につきましては低下傾向にあることは事実でございます。しかしながら先行き不透明でございまして、私どももこの見通しをつけるのに苦慮しているところでございます。そこで仮に今後、価格が低落したとしましても、そのまま安定するかどうかという判断は非常に難しく考えております。さらに我が国の場合はエネルギーセキュリティーの確保ということが極めて重要だと考えておりますが、私どもとしましては現在の代替エネルギーの電源開発の計画を従来どおり進めていく所存でございます。
○柴崎参考人 ガス業界としての考え方を申し上げます。 ガス業界といたしましては、現在の石油の状況が長い間永続的に続くということについては非常に疑問を感じております。恐らく現在の急激な下落というものは、長期的に見ればまた別の反動があるのではないかという基本的な認識を持っておるわけでございます。したがいまして、従来の代替エネルギー政策あるいは省エネルギー政策に関しましては、その基本を揺るがすことは必要ではない。代替エネルギー政策といたしましては従来から石油にかわるLNGを導入しておりまして、現在約七割の部分が代替エネルギーになっております。省エネルギーに関しましては熱効率の非常に高い機器をできるだけ開発いたしまして、需要家の皆さんに省エネルギー効果を十分受けていただける態勢を整えておるわけでございますが、この代替エネルギー政策と省エネルギー政策は、これからも基本的なラインとして進めるべく努力をしておるわけでございます。 また、これと並行いたしまして保安対策という問題が一つあるわけでございますが、この保安対策を慎重に進めることによりまして、需要家の皆さんが安心して使える態勢をつくりまして、代替エネルギー政策並びに省エネルギー政策の浸透をその面からも深めていきたいというぐあいに考えておる次第でございます。
○元信委員 電力業界からは従来どおりの代替エネルギーの開発を行うということでしたが、先ほど円高差益あるいは石油価格の低下に伴う利潤を内部留保するということだったと思いますが、恐らく予算を策定した時点と今日とは随分状況が変わっていると思うのです。こういうときにこそ、そういう差益分を新エネルギーの開発に、しかも長期的な計画を要するものに投入する必要があるのじゃないか、こう思うのです。従来どおりということでいいのかどうか、大変疑問に思います。さらにその開発努力をすべきだと思いますが、もう一遍どうですか。
○野澤参考人 新エネルギー、代替エネルギー開発につきましてはなかなか時間のかかるものが非常に多うございますので、急に方針を変えるということは難しく考えておりますが、こういう際でございますので、先生の御指摘のとおり、これは御承知のように私どもの中には電力中央研究所とか公の場の研究所等もございますので、それらと力を合わせてやらせていただきたいと思います。
○元信委員 ぜひ積極的な取り組みないし投資をお願いをしておきたいと思います。 次に政府にまた伺いますが、昭和五十八年十一月十八日閣議決定に係ります長期目標というのですか「開発及び導入を行うべき石油代替エネルギーの種類及びその種類ごとの供給数量の目標」こういうのが策定をされているかと思いますが、このうち石炭、原子力、天然ガスそれから水力ぐらいまでは、これが七十年度の目標に対する達成率を見てまいりますとほぼ順調な達成率ではないかな、こう考えますが、地熱それからいわゆる新エネルギーですか、その他の石油代替エネルギーという部分ですね、これの達成が極めておくれているというふうに思います。地熱はごくわずかですからともかくといたしまして、特に石油代替エネルギー、ソーラーとかそういう新エネルギーの開発が、いっときは非常な熱意を持って進められたのですが、このごろとんと停滞しているように思われて仕方がない。非常に達成がおくれているという現状をどういうふうにお考えになっているのか、あるいはまたどういう対策をお持ちなのが、そこの点、伺います。
○田中説明員 お答え申し上げます。 今、先生お話しになりました石油代替エネルギーの供給目標と申しますのは、昭和五十八年に現在のものがつくられました。根拠法律は石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律ということで、閣議決定をもって決められております。 〔中村(正男)委員長代理退席、委員長着席〕 昭和五十八年に改定されました目標は、昭和七十年度におきます新エネルギーの供給目標ということで、全体のエネルギーの五一%を供給することを目標に決められておりまして、石油換算で申しますと約二・七億キロリットルでございます。それで現在、達成状況が全体としまして昭和五十九年度を見ますと約一・八億キロリットル近くになっておりまして、全体といたしましては御指摘のように着実に進んでいるというふうに私ども考えております。 各エネルギーの種類によりまして、ばらつきは当然あるわけでございまして、御指摘の地熱あるいはその他の新エネルギーというものが少ないというお話でございますが、昭和四十八年の第一次オイルショックが起こったときと比べてみますると、例えば地熱でございますと約六倍まで上がっております。全体としては大変小さいものでございますが、六倍まで上がっておる。あるいはそのほかの新エネルギーを、太陽初め整理いたしますと約二倍ぐらいまで上がっておるということでございます。これらの二つのエネルギーはかなり技術開発要素というのがございまして、現在、地熱につきましては、例えば蒸気のみならず熱水の利用でございますとか、そういうものについて技術開発を行っているものが多うございます。それから御案内のように太陽のエネルギーにつきましては、熱あるいは光というものにつきましても、これから研究しなければならない要素というのも相当ございます。さらに、ほかのものにつきましても、新エネルギーと申しますのは、計画から申しますと私どもとしては着実に進んでいるというふうに考えておりますが、なかなか実用化まで持っていくのに時間がかかるものが多うございます。したがいまして、そういう成果があらわれてまいりますときに、だんだんに導入が図られていくのじゃないかというふうに期待しております。 なお、政策的に緩んできたのではないかという御指摘もございますけれども、予算など十分、現在の開発に合わせまして確保しておりまして、決められました目標に向かっては特別に緩めているということはございません。
○元信委員 この閣議決定の中には、この目標は、エネルギーの需要及び石油の供給の長期見通しそれから石油代替エネルギーの開発の状況その他事情の変動のために必要があるときは改定をするというふうに定められているものでございますが、昨今の石油価格の低落あるいは為替相場の円高への傾斜ということは、ここに言われておりますところの事情の変化に当たる、すなわち見直しが必要なものというふうな御認識でありますかどうか、承ります。
○田中説明員 現在生じております石油価格の低落というのは、いろいろな見方があるかと思いますけれども、私ども、供給目標を定めております長期のエネルギー需給見通しの改定をする重要な要素になったかどうかということは疑問に思っておりまして、そのもとになりますエネルギー需給見通しというのはまだ改定の必要はないものというふうに考えられておると思います。したがいまして、私どもは供給目標の方で申します。そういう情勢の変化は特にないというふうに考えております。
○元信委員 私は、特に新エネルギーの開発がおくれているということを大変心配をするわけでありますが、今お話のありましたように、新エネルギーというのは全く新しい技術を開発する、これが実際のエネルギー供給に参入をしてくるのには時間がかかるということはもちろんわからぬではないわけですが、そうはいいましても実際に今のペースで昭和七十年度に全体の三%に当たります石油換算千五百万キロリットルにまでこれが達するかどうか、今日の開発の状況は甚だ心もとないのではないかと思うのです。例えば太陽熱の問題にいたしましても、四国の仁尾ですか、あそこで実験をしておったのももう打ち切りになったというふうに聞いておりますし、その後実用に向かって進みつつある技術なのかどうか。ここのところはよほど大きな研究投資をしない限り、今のようなピッチでいきますと、技術の開発予測から見てもこれが目標達成できるかどうか疑問に思いますが、この目標達成のために個々の技術というものをどういうふうに評価しているのか、この際、承りたいと思います。
○田中説明員 石油代替エネルギーの主要なものといたしましては、当然石炭あるいは原子力等これまで大量に使われているもの、あるいは既に使われつつあるものがございます。新エネルギーのうちで特に太陽エネルギーがございまして、太陽エネルギーの中の熱につきましては、熱によります発電の研究段階というのは一応終了したことになっております。ただ、この導入につきまして、例えば熱でございますと、例えばお天気に相当左右されるのももちろんございますけれども、それを現実の電気供給に結びつけますには相当な、例えばコストの問題でございますとか、そういうことで問題がございます。したがいまして、技術研究あるいは研究開発というものの成果というのが直ちになかなか導入に結びつかないという一つの難しい点がございます。それは同じように光発電というのが現在研究段階でプラントの運転段階にことしから入っておりますけれども、これも実際に導入いたしますには相当な努力と申しますか、そういう次の段階の問題もございます。 現在、先生御指摘の研究開発につきましては、私ども先ほど申しましたように予算的にもあるいはそのテンポにいたしましても、所期の計画に沿ったものというふうに考えております。ただ、導入の段階というのはそのほかにいろいろな要素がございまして、今の経済性の問題のほかに、いろいろな制度との整合性の問題とか、そういうことも相当出てまいります。かつ、導入する人たちは、私どもの方でなくて今度は事業者の方なりそういう実体の経済を担当する方の方になるわけでございますので、そちらにどういう形で導入させていくかというところが大きな問題になろうかと思います。その点につきましては、先ほど申しました法律でも、私どもも努力するようになっておりますので、研究開発が進みましたものから順次できるだけ早目に導入していただけるように持っていきたいというふうに考えております。
○元信委員 もちろん努力はしていただかなければならぬわけですが、手ぶらでは努力はできないわけです。このための財源として石油及び石油代替エネルギー勘定の中に石油代替エネルギー対策というのがあるかと思いますが、この特別会計の財源は何が充てられているわけでしょうか。
○山本説明員 御説明いたします。 代替エネルギー対策の財源は主たるものは石油税でございます。御承知のように石油に四・七%の税、LNG等に一・二%の税を課しておるわけでございます。
○元信委員 財源は石油及びLNGに対する税でありますが、四・七%というのは従価税ということですか。
○山本説明員 そのとおりでございます。
○元信委員 そういたしますと、昨今のように石油価格が低落してきますと、ここのところにかなりの変動が生じるのじゃないか、具体的には歳入欠陥が生じるのではないかと思います。まず、六十一年度予算に見込まれました石油代替エネルギー勘定の財源たる石油税の積算の基礎になっております石油価格それからLNG価格、これをお示しいただきたいと思います。
○山本説明員 昨年暮れに政府の経済見通し、予算案が決定いたしましたが、その際、私どもとしましては、その当時の石油価格をほぼ二十七、八ドルそれから円レートは二百円強というような数字をもとに算定いたしました。
○元信委員 現在、スポット価格が十ドル割れ、これはスポットですから、予算あるいは経済見通しは恐らくアラビアン・ライトでつくられたのだと思いますが、それにしても二十八ドルそれから円レート二百円というのは、この場合で言うと期待しなければならぬわけですが、この後ちょっと期待できそうもないと思います。その辺の見通しはどのようにお持ちでしょうか。
○山本説明員 円レートにつきましては、私ども専門家じゃございませんが現時点では百八十円前後と聞いておりますが、今後の動きは全く私どもとしてもわかりませんし、かつ石油の価格につきましては、一月はまだ二十七・七七ドル・パー・バーレル、二月は二十七・五七ということでございました。三月、ごく最近二十二、三ドルの数字を集計しつつございますが、先ほどもございましたように今後の見通しが全く難しい状況でございますので、私どもとしては現時点では、いろいろな心配をしながらでございますが、状況を見守るということになろうかと思います。
○元信委員 見通しはさっぱりということでありますから、金額については出てこないと思いますが、それにしてもかなり巨額の歳入欠陥が生ずる可能性はある。この歳入欠陥が生じた場合は、補てんされるものなんですかどうなんですか、どういう仕組みになっていますか。
○山本説明員 石油税の税収は一度、一般会計に入りまして一般会計から特別会計に繰り入れるという仕掛けになっております。そういう意味でバッファーはございます。それから昨年度までの、あるいは前の年までの繰越金等を財源として使うこともできます。
○元信委員 これを大蔵省の総務課長に言うのはちょっと気の毒かと思いますけれども、制度の理解としては代替エネルギー勘定の財源は、今のお話ですと、繰越金あるいは一般会計がバッファーに入っているから確実に保証されている、こういうふうに見ていいのですか。
○秋山説明員 お答えいたします。 今、資源エネルギー庁の総務課長の方から答弁がありましたように、石油税は一たん一般会計に入りまして、それから特別会計法の規定に基づきましてこれを目的税という形で一般会計から特別会計に繰り入れる、こういう形になっております。六十一年度予算でいえば、一般会計から特別会計に幾ら繰り入れるということが一般会計の予算に計上されておりますが、その金額につきましては、特会法の規定によりまして特会の歳出に必要な範囲でということになっておるわけでございまして、一般会計、特別会計、財政状況をにらみながら予算練成をしていく、こういう形になっているわけでございます。
○元信委員 予算編成はそうでしょうけれども、大幅な石油価格の変動によって歳入欠陥が生じた場合に、この後、補正等によってどういうふうになるのか、そこのところを聞いているのですよ。
○秋山説明員 先ほど山本総務課長の方からも答弁がございましたように、円レートの問題あるいはオイル価格の問題、現時点でその見通しが非常に不確かである、また、それによりまして輸入量がどうなるのかというのも見通しが非常に不明瞭である。六十一年度に入りましてまだ十日しかたっておりませんので、我々としても六十一年度の石油税収の見通しを今論議できる段階ではない、そういう歳入欠陥があるかどうかということを我々としては今議論できないわけでございます。歳入欠陥があった場合という仮定の論議についてはちょっと御勘弁いただきたいと思います。
○元信委員 私は、恐らく歳入欠陥は仮定じゃなくて既定のことじゃないかと思うのですね、今の調子でいくと。ですからこれについては一般会計がバッファーに入っているというのであれば、必ずこれを全うしていただくように申し上げておかねばならぬだろうと思います。 そこで、代替勘定を見てまいりますと、細かいことはちょっと時間の関係で省きますが、特に財政投融資にかかわるものとして日本開発銀行の代替エネルギー利用促進融資、これが大きな役割を果たすのではないかと考えます。現在の公定歩合の大幅な引き下げ局面などで、これの金利についても見直しの必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○田中説明員 ただいまの開銀から出しております代替エネルギーの導入促進のための融資制度では金利を五%ということで開銀の通常の利率は現在たしか六・四%だったと思いますが、それに比べますと大変有利な金利を設定していただいています。この金利は、ほかの通利あるいはほかの特別な融資というもの全体の体系の中で決められております。したがいまして私ども、現状ではこの金利で十分活用していただけるのじゃないかというふうに考えております。本年度まだ始まったばかりでございまして、実際の需要動向などは当然これから見ていかなければならないと思いますけれども、現状では十分やっていけるのではないかというふうに考えております。
○元信委員 今まで見てまいりましたように、石油の価格の低下によって、そのプラスの面もありますけれども、マイナスの面として、当然ですが石油税が減ってくる、これを財源とします代替エネルギーの開発がどうも抑制されるのではないかという心配を持つわけであります。好機といいますか、こういうときに進めておかないと全体としては緩みがちになるのではないか。事業者ベースで申しますと、何もそんなものに投資をせずとも、安い石油があるときはそれを使えばいいじゃないか、当然そんなことになろうかというふうに考えるわけでありまして、そういう意味ではより積極的な施策が必要である、こんなふうに考えますが、どうも事態の方が急ピッチで進んでおって、お役所の皆さんはなかなかこの事態に適応できないように思います。 そこで、最後にお聞きをしておきたいと思いますが、石油価格の低落によって、我が国の鉱工業生産に占めるエネルギーの割合といいますか、エネルギー弾性値と申しますか、こういうものを少し見直しておく必要があるのではないかと思いますが、それの変動の動向についてはどんなふうにお考えでしょうか。
○林説明員 お答え申し上げます。 私どもの現在のエネルギー政策は、昭和五十八年に総合エネルギー調査会需給部会の策定した長期見通しの線に沿って実施しておりますけれども、需給部会の見通しにおきましては、GNPの成長率が四%程度、これは五十七年から六十五年の数字でございますが、それに対して一次エネルギーの供給量が年率で二・二%程度というふうになっておりまして、弾性値が〇・五五ということになっております。御指摘の見直したらいかがかというお話でございますけれども、現在のところ日本のエネルギー需給はほぼこの総合エネルギー調査会の策定した線に沿って動いておりまして、私どもといたしましては、石油価格の低下が長期的にどういう影響を持つかということを注視している段階でございまして、現下のエネルギー情勢はほぼこの需給見通しの線に沿っているというふうに考えておりまして、当面この見直しは考えておりません。
○元信委員 全体に対応がどうも鈍いのじゃないかという気がしてならぬわけでありますが、これはある程度時間を置いて見てみないと何と至言えぬことでもありますから、また別の機会に、そういうことでよかったのかどうか議論をしてみたいと思います。 終わります。
○阿部委員長 次に、武部文君。
○武部委員 参考人の皆さんには、大変お忙しいところをありがとうございました。 先ほど来いろいろと同僚委員から今回の円高及び原油の値下がりに伴う差益の還元について具体的な数字を述べての質疑が行われ、答弁がございましたが、私もまず最初に、この問題から入っていきたいと思います。 問題は、還元額の算定の基礎をどこに求めるか、ここで数字に非常に大きな食い違いが出てくるのではないだろうか。今、新聞報道その他でいろいろと金額が出ておるわけでございますが、それは、六十一年度のこれからの原油の相場の推移なりあるいは円レートの見通し等に基づいて、六十一年度に多少のリスクがあっても、これこれの計算が成り立つので還元をしたい、こういうことのようであります。 私どもの方で算定をいたしました基礎は、六十一年度だけではだめだ、先ほど中村委員からもお話がございましたように、既に円高が進んだので、これに伴って円高やあるいは原油の値下がりに伴う差益というものは国民の皆さんの前にガラス張りにする必要があるのじゃないか。こういう点は、かつて何年も前にこの委員会でいろいろやりとりいたしました。田中六助通産大臣のときもそうでございました。まあ昔の話は言いませんが、彼は、まことにもっともだ、そのとおりだ、ガラス張りにして、この為替の差益なんというものは何も努力して出たものじゃないんだから、そういうものはきちっと別枠に積み立てて、そして国民が納得いくようにしたらどうだ、こういう話をしたことを覚えておりますが、その結果、この原油の値下がりに伴う差益金を原価変動調整積立金として積み立てられた。さらに、円高が進んだり、あるいはまた円安になったり、そういう関係から、これを別途積立金に積み立ててきちんとしておこう、こういうことで先ほどお話しになった金額どおりのものが九つの電力会社と三つのガス会社にそれぞれございますね。その金額の総計は三千三百八十六億円、これは大体間違いなく皆さんもお認めになった。 一体このものを、だれが、どういう理由で、いつ使うのか、こういう点ははっきりしていない。これを経営安定のためにお使いになっておるんだ、こういう答弁がございましたが、これからの円高の推移あるいは原油の値下がり、そういうものを想定した場合に、この積み立ててあるこれも今回の還元額の際に考慮に入れるべきではないか、こういう考え方を我が党は持っておるのであります。したがって、まず還元額の中に乙の金額を一つ想定することができる。 六十年度の問題についても、よくわからぬという答弁が先ほどございましたが、これはもう既に円レートはちゃんと実績上出ておるわけでありますし、それから、原油の輸入単価の実績もちゃんと出ておるわけでありますから、これで計算すれば六十年度の差益は、円高差益は二千八百億円、油益は千百億円、合計約四千億円というものが原油の値下がりと円高の推移によって九電力で出ておる。それを何とか還元したらどうだということをやっているうちに、もたもた、もたもたしているうちに、三月三十一日が来て税金で二千億円取られてしまった、こういうことになったのですよ。これはやむを得ぬと思います。しかし、二千億円税金で取られたが二千億円は残っておるはずだ、この二千億円を先ほど言った積立金の二つに合わせていったらどうだ、こういう考え方を私どもは持っておるのであります。 さらに六十一年度、これから皆さんが還元のもとにされる六十一年度も金額に若干の相違があります。これから申し上げますから、皆さんの方で、我々の金額が間違いならば指摘をしていただきたいのであります。 確かに円は百八十円とおっしゃった。我々の方は、リスクを若干見て少し余裕を持った設定ですが、百九十円という計算をいたしましたから、皆さんが百八十円ということになればさらにこの利益は多くなりますが、仮に百九十円と見て五十円高でありますから、これは約六千億円の円高差益が生じます。バレルは同じ二十二ドルで計算をいたしました。五十五年の改定の際のバレルは三十二ドルでございましたから、これで十ドル。一ドル下がると九電力で大体八百億円の利益が出る、こういう算定は通産省もしておるようでありますが、これで八千億円、合計一兆四千億円という六十一年度の金額がここで想定されるわけでございます。 したがって、この三つを合計すれば一兆九千四百億円という数字が出てまいります。一兆九千四百億円であります。しかし、九電力にはそれぞれ内部留保の金も要るでしょうし、設備投資の金も要る。それは賃上げの金も要るでしょうし、いろいろな点で内部留保も必要でございましょうから、このうちの約四千四百億円を内部留保に回して一兆五千億円還元できるのではないか。これは九電力だけてあります。 現在の電気の総消費量は五億キロワットアワーですから、これで単純に計算すれば一キロワットアワーで三円という金額になります。二百七キロワットアワーが標準家庭の一カ月の消費量ですから、これを大体二百キロワットアワーと見て六百円という数字が先ほどの中村委員の発言の根拠であります。六百円、十二掛けて七千二百円、こういう金額が出てくるのであります。ですから、あなた方と私どもとの間の還元額の違いというのはここにあるわけです、何も六十一年度のこれから想定されるものだけに限定しないで、そういうものがあるんだから、これを一緒にしてこの機会に消費者に還元をしたならば、例の五十五年度のときに五〇%も値上げをしたああいう問題が発生したのですから、この機会に通産省はそういう指導を九電力との間にされたらいかがか、こういうふうに思うのですが、まず最初に、この点をお伺いしたいのであります。
○野々内政府委員 武部先生の計算は、それはそれなりに正しいと私は思います。ただ、先生の計算はいろいろな条件を捨象なすっておるものですから、私ども現実に、これからいろいろな計算をいたしますときには、そういうものを次々に組み込んでまいりますので、なかなかそのとおりにいかないわけでございます。したがいまして、基本的にそういう点が問題であろうかと思っております。ただ、大体先ほど公益事業部長御説明申し上げましたように、百八十円台、二十二ドル程度で計算をいたしますと一兆四千億ぐらいになって、前回約七割還元いたしておりますから、そうすると大体一兆円ぐらいになる、トータルの数字としては似たような感じかなというふうに思います。次に、これの還元方法につきまして、今まさにこの点を審議会において御議論いただいておるわけでございますが、この場合に、ガスの場合は制度上の問題がございませんので使用量に応じて一律という計算が非常にしやすうございますが、電力の場合には特別料金あるいは三段階料金というような制度上の問題もございますので、これにある程度のものを充て、それから大宗を一律に充てるということになろうかと思っております。したがいまして、単純に五億キロワットアワーで割るという形にはならないかと思っておりますが、できるだけ公平に広くメリットが行き渡るようにしたいというふうには考えております。 それから過去の内部留保の活用につきましては、実は内部留保いたしましたときに、私どもは基本的には燃料費というものは非常に不安定なものであるという前提に立っておりまして、したがいまして、将来どうなるかわからないときに備えたいというのがこの内部留保の目的でございます。したがいまして私ども、今回の措置は六十一年度における差益についてどうするかというふうに考えておりまして、従来からとっております不安定なものに対する内部留保というものは従来どおりそのまま持っておりまして、将来の値上がり——もちろん六十一年度において急激な値上がりなり円安になればまた話は別でございますが、将来の値上がりに備えてこれは内部留保としてとっておいた方がいいのではないか。今回の差益問題については六十一年度において発生をするものについてこれをどうするかという観点から処理いたしたい、六十二年度以降につきましては、この六十一年度の処理の済んだ後で具体的な検討を開始したい、こういうふうに分けて考えておるわけでございます。
○武部委員 ここの辺が根本的に違うのです。ですからかみ合わぬわけですけれども、あなたが内部留保ということをおっしゃる、これから恐らく設備投資の話もしなければいけませんが、内部留保、これは私は否定いたしません。これがなければ不安定ですから、これは必要だと思いますが、それならば、五十五年の値上げのときに原子力の稼働率の問題が出ました、私はこれを申し上げたいのですが、五十五年のあの大幅な値上げのときに原子力の稼働率を五四・五%から五五・八%に上げて、そして燃料費を減少したい、下げたい、こういう説明があったのであります。現実には、五五・八に上げたいと言ったのが実績は五十五年に六〇・八%になった。それだけ原子力の稼働率は高くなったのです。六十年度、去年度の原子力の稼働率は七六%になっております。六十一年度、ことしの一月の原子力稼働率は実に八二・一%という高い数字を示しておるのであります。一こういうことになると、一体それならばどういう利益がここで生まれてくるだろうか。これを計算すると、原子力の稼働率が一%上がると百九十億町負担が減になるという説明がございました。今私が申し上げた数字の原子力稼働の上昇率と百九十億円を掛けてごらんなさい。これで三千八百三十八億円という、原子力稼働の上昇に伴って、言うならば利益の発生要因が既にあらわれておる。これは恐らくや九電力会社の内部留保になっておもと思う。ですから殊さらに内部留保、内部留保といって差益の中から切って、そちらの方に積み立てる必要はない、このように私は思うのです。今、私が申し上げた原子力稼働率のことについて通産省はどうお考えですか。
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように原子力の稼働率が当初見込んだよりも非常によくなっておるということはおっしゃるとおりでございます。過去のそうした原子力の稼働率によって増大した利益というものでございますが、これにつきましてはその年度、年度において逆にコストの増大する面もございまして、例えば資本コストとかあるいは人件費、その他そのとき渇水であるかどうか等々によりましていろいろコストの増大要因もございます。そうしたプラス面、マイナス面を全部総合したものが先ほど申しました電力会社の決算になっておりまして、その結果、電力会社につきましては決算はガラス張りでございますので、そうして得た利益が全部積み立てられているわけでございます。そうした意味で、過去の稼働率の上昇によって得た益というものは、その年度、年度におきまして、逆に言えばコストのアップを補ったり、あるいはそれが補って余りあれば利益として計上されて、それが現在先ほど言いましたふうな準備金となって残っているわけでございます。 さらに原発の稼働率について申し上げますと、一%向上すると百九十億円という数字を先生おっしゃいましたけれども、これは非常に流動的でございまして、要するに原子力の稼働率が上がれば、それによって油をたく分が減る、それから利益が出るということでございますので、逆に言いますと油の価格がどんどん下がりますとこの数字は下がってくるということで、この数字自体はその年、年によって流動いたします。特に昨今、先生御指摘ございましたように大変風子力の稼働率がよろしいわけでございまして、これは私ども非常に意を強うしておる点でございますけれども、昨年で見ますと新規稼働の発電所が非常に多かった、そのために稼働率が非常に高かったというような特殊現象がございますので、こうした稼働率についてはある程度の稼働率の予測をいたしまして、そうした予測によって次の年の原子力の稼働率の計画値をつくっております。それにつきましては御承知のように年々だんだんにその稼働率の予想値を上げております。
○武部委員 その百九十億円は確かにおっしゃるとおり固定したものじゃありません。これは確かに上下がありますし、むしろ下がるでしょう。このことはわかります。しかし、そう大きな差はないわけですから、私は三千八百三十八億円という数字を言いましたが、大体ほぼこれに近いような計算が出てくることは間違いない。したがって通産省がこれから電力業界と相談をして、あるいはガス業界と相談をしてお決めになるであろう還元額の根拠について我々は三つの点を指摘をしておる。皆さんの方は一つの六十一年度だけだ、こういう点で大変な食い違いがあるわけであります。そこで、これは見解の相違だとかいろいろなことがございますから、恐らく私が次に申し上げることとも関係いたしますから先に進みたいと思います。 その前に一つだけ申し上げておきたいと思いますが、先ほどもお話がありましたように、中小企業の問題というのは非常に深刻であります。したがって、この六十年度の円高差益が出たときに、想定できるときに、この金を使って中小企業の不況に大変苦しんでいるところに何らかの還元をしたらどうだという話が出ましたが、これは本末転倒だとかいろいろな意見が出まして、そのままになって大蔵省に税金で入ってしまった。したがって二千億は大蔵省が持っておるわけであります。本来もっと早く話が進んでおったら、中小企業の方に案外行ったかもしらぬけれども、もたもたしているうちに三月三十一日が来たわけですから、これはやむを得ません。したがって、大蔵省が吸い上げた二千億というものは、これをぜひ中小企業対策に使ってもらいたい。これは私どもの要望でありまして、通産省には、はいとかうんとかいうようなことは言えぬと思いますから、要望ですから聞いておいてもらって結構です。こういうことが、少なくとも円高においてメリットを受けるところ、デメリットのところ、そうしたものにまんべんなく対策上、手が打たれるのだということに国民の目に映るわけですから、そういう政策が必要だなということを我々の党としては特に強く要請をしておきたいのであります。 もう一点、先ほど来ちょっと問題になりました原価変動調整積立金と別途積立金、さらに渇水準備積立金というのがありますね、これは今のところ別な仕組みになっておるようであります。私は特にここで通産省に要望したいのでありますが、これから原油の値下がりがほとんどで、値上がりというのはほとんどないと思いますが、これが起きてくる。円も大体百八十円ぐらいのところで固定化するかもわかりません。これは全く前途はわかりません。しかし、先ほど申し上げるように、この問題はもう何年来この委員会でガラス張り、ガラス張りということを言ってきたわけです。ですから為替相場によって起こる差損、差益、そういうものは九電力あるいは三ガスともそれぞれ全部、別途勘定で積み立てておく。今も積み立てておりますが、これを制度にすることはできないか。原油の値下がり、これも別途積立金ですから、これを制度上のものにきちんと法的に位置づけをして、そしてそのものの使い方についてはまだ別途の考え方によって国民の前に明らかになるようにしたらどうだ。経営上、今、九電力も三ガスもとの積立金は自由に使えるようになっていますね。そういうことではなくて、はっきりとガラス張りのものにして、この使い道もきちんとしていけば、円安になったときには当然この中から円安対策としてお出しになる、円高になって利益が出ればそこに積み立てる、こういうやり方の方がきちっとして、まことにきれいなやり方だと思うのですが、これを制度上の問題として制定する意思は通産省にないだろうか。これはいかがでしょうか。
○山本(幸)政府委員 大変興味深い御示唆でございますけれども、コストのうち、ある部分だけを特に特定してしまうということになりますと、先ほど言いましたようにコストの中には資本コスト、人件費その他ございまして、そういうコストから成り立っておりますけれども、そのコストのうちの燃料費の部分だけ一定の特別扱いになるということになりますと、これは全体の経理の考え方が非常に変わってくるということでございますので、なかなか難しい問題があるように思います。 なお、これに関連しまして、五十三年度の同じような円高差益の議論のときにも、円高分についてはこれをオートマチックに連動させるというようなことはどうかという議論がございまして、このときも、一つのコストの分だけにそういう特別な扱いをすることは、電気事業あるいはガス事業の全体の経理のゆがみを生じるということで、適当でないというふうになった経緯がございます。
○武部委員 それはちょっとおかしいじゃないですか。原価変動調整積立金、別途積立金、こういうものをちゃんとつくって、そして例えば東北電力は原油が何ぼ下がってこれだけ利益があった、毎年毎年ちゃんとこれを積み立てていますね。二つきちんとしておるじゃありませんか、そういうものがあるでしょう。これからつくるんじゃないですよ、現実にある。しかし、それはあなたの方で勝手に自由にほかのものに使えるようになっておる。そうではなくて、円安だ、円高だというときにはこっちの別途積立金を使う。幸いなことにバレルで今二十二ドルですが、また下がるかもしれないが、上がるかもしらぬ。上がったときには、この金額をこっちから引き出す。そういうふうにしてきちっとしておけば、だれの目にも明らかじゃありませんか。ないものをつくれというのじゃないですよ、現実には二つつくられておるのですから。そういうものを制度化したらどうだ。制度化することについてはかくかくのデメリットがあっていかぬならいかぬと教えてください。なぜいかぬのですか。
○山本(幸)政府委員 現在積み立てております原価変動調整準備金につきましては、あの当時、五十八年、五十九年のときの収支決算をいたしまして、その結果生まれた利益について積み立てたものでございますが、その際には各電力会社ごとにいろいろな経理の状況がございまして、必ずしも先生おっしゃったように円高の利益そのものだけをそこに積んだのではなくて、その経理の際に、収支決算して配当もして生まれた利益のうち、その年の分については原価変動が大きかっただろうということで積んだわけでございまして、例えば円高なら円高で生まれた利益そのものを積んだというわけではございません。そういう意味では、趣旨としては先生おっしゃるようになっておりまして、ああいうふうに積んだものは今後、原価変動があったときに崩そうということになっておりますけれども、きちっとした制度になりまして、円高なら円高あるいは油益なら油益ということで連動して、それを別途セットアサイドするということになりますと、制度的には非常に無理が生ずるのではないかというふうに考えたわけでございます。
○武部委員 こんなことで時間をとってはいけませんので、これは私どもはこれからの懸案事項にしたいと思っております。いずれまた改めて論議をするチャンスを持ちたいと思います。 そこで今度ガスの関係についてお伺いいたします。ガス協会の柴崎さんにちょっとお尋ねをいたしますがLNGであります。今三ガスともほとんどこのLNGに転換をしておられると聞いておりますが、今、大体例%ぐらいをLNGを原料としておられるのか。 それから、LNGは原油と連動をしてすぐ相場が上がったり下がったりするのだろうと我々は思っておりましたが、何か長期契約のようでございます。しかし、それでもLNGの国際相場は相当下げる必要があるし、当然そういう要求をすべきだと思うのです。したがってガス協会としてはLNGについて価格交渉を今行っておられると思うのですが、現在のその状況と見通し、これによってはまた大きく収益にも関係するわけですから、これをちょっとお知らせいただけませんか。
○柴崎参考人 お答え申し上げます。 現在LNG大手三社の原料の中に占める比率は約七五%でございます。 それからLNGの価格でございますが、これは歴史がございまして、スポット物が非常に上がるときに連動いたしますとLNGの価格が高くなる、これはもう非常に不便でございますので、その当時、GSPスライドという制度を産油国との間で結びました。ガバメント・セーリング・プライスでございます。そうなりますと当時はGSPスライドでLNG価格は非常に安定的でございました。ところが今度は逆の局面に入りましてスポット価格が非常に下がってきた、ところがGSPはほとんど動かないということになりますと、実勢よりは大分高いものを買わされるという事態が現在生じております。これは需要者にとって大変不便でございますので、現在、産油国との間で鋭意交渉を進めておりますが、産油国は産油国でそれぞれの事情がございまして、現在国際収支の悪化に悩んでおりますので、なかなか一概に踏み切ってくれません。ただ、現在の制度のGSPスライドをそのまま残すということは、世界のエネルギー状況から見まして到底不可能でございますので、ある程度、産油国側も歩み寄りを示してはおりますけれども、現在まだはっきりした線が出ておりません。なるべく早い時期にこれを実勢に合わせた形で実現したいということで現在努力しておる最中でございます。
○武部委員 もう一点お伺いいたしますが、これは還元ということにつながるかどうかよくわかりませんが、例えば新しく家を建てた、したがってそこに電気を引くという場合に電力会社はこれに対して相当な支出をしておる。もちろん本人たちの負担もあります。五十五年の料金改正のときに工事費の負担金を電力会社は四十二万円の負担の限度を六十万円に引き上げたということを聞いておるわけであります。電力会社の負担が四十二万円から六十万円にふえたということは、百万円かかって電柱二、三本引っ張って新しいうちに電気が引かれた、そのうち六十万円は電力会社が負担する、四十万円は新築した電気を引く人が払う、こういうことになって上がったのです。ところが、ガスの場合はこういうときには一体どうなっておるのか。例えば本管、枝管というものがありますが、そういうときの負担は一体どうなっているのでしょうか。
○柴崎参考人 お答え申し上げます。 工事負担金に関しましては、新規の需要家に対して供給する場合の本枝管の敷設に要する費用を、あらかじめ認可料金を設定いたしますときに、ある部分原価要素として入れておるわけでございます。これは条件がいろいろ違いますので、その原価に繰り入れた要素よりもプラス分は工事負担金として需要家からいただくというシステムになっておるわけでございますが、東京ガスの例で申しますと、五十五年の料金改定のときには会社負担で織り込んでおる金額が平均八万円でございまして、したがってそれをはみ出す分は工事負担金としていただくというシステムになっております。 ただ現状から考えますと、この点につきましては種々検討を要する問題がございますので、今後何らかの形で基本的に原価を洗い直す時期が来れば、また新しい観点に基づきましていろいろ検討をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○武部委員 八万円会社の負担だとおっしゃったわけですが、前は三万円だったわけです。三万円を八万円、電力会社は四十二万円を六十万円、こういう金額になっていますね。東京ガスで結構ですが、今ガスを引く場合に本人負担は一件当たり大体どのくらいの費用がかかりますか。
○柴崎参考人 東京ガスの場合、本枝管を延長してガスを引かなければならない場合の実際の工事額は大体十四、五万円という数字が出ております。
○武部委員 それは本枝管のところだけでしょう。屋内工事が要るのでしょう。この金だってばかにならぬですよ。したがってそういう意味では、利益が出たら需要家に、電力もある程度見ておるわけですから、ガスの方もそういう新しく需要家になられる方ですからやはり負担をしてあげて、本枝管さらに屋内の設備にも金がかかっているわけですから、八万円というような金額ではなくて、それをもっと引き上げるという検討をしていただきたいものだと私は思うのですが、いかがなものでしょうか。
○柴崎参考人 先生御指摘のとおりの問題が現在あるわけでございますが、ただ八万円をさらに上げるということは、原価を全部洗い直しまして料金のすべての点について検討をし直さないと変更不可能なことになっておりまして、現在の問題になっております差益還元とは若干性格が違っております。差益還元でそれを見るということは制度上ちょっと許されませんので、将来の問題として先生御指摘の点は十分考えさせていただきたいと思います。
○武部委員 通産省にちょっとお伺いしますが、ガスのことです。先ほども保安対策の話が出ました。確かにガスは保安対策というのは大変必要なことでありまして、ほかの事業と違うわけですから、人命に関係をいたしますし特に保安対策は必要だということは私も率直に認めるわけであります。しかしガス会社の内部留保の金額あるいは今日までの設備投資、そういうものをずっと見ていきますと、新しく三つのガス会社がそれこそ内部留保を使って新しい設備投資をするというようなことはもうなくなってきたのじゃないか。確かに研究開発費とかあるいは保安対策費に若干の金が要ることは当然ございましょう、認めます。しかしそういうことを考えますと、今後の設備投資については電力と違った面を持っておるのじゃないだろうか。電力は原子力の問題もございますし、燃料転換もございますしいろいろございます。二つは違う。ところが料金改定も何もいつも一緒でしょう。ですから電力とガスとは内容が異なってきた。したがって同一歩調で同じ時期、同じような方法で料金改定を考えるということは、もうそろそろこの辺で考え直す時期に来ておるのじゃないだろうか、こういうことを考えるのですが、野々内長官どうでしょうか。
○野々内政府委員 料金コストの動きが電力とガスで異なるかどうかという問題であろうかと思いますが、従来は電力は燃料費のウエートも非常に高こうございましたので、大体電力とガスが同じに動いておりましたが、今後、原子力発電の比重が高まってまいりまして、むしろ資本費の方がウエートが多くなるということでありますと、必ずしも燃料費の動きが電力とガスと同じようになるかどうかということは疑問な点もあろうかと思っておりますので、必ずしも両方一緒に動かす必要はないだろうと思います。今後、実情に合った手を打っていきたいと思います。
○武部委員 もう二、三点お伺いいたしますが、これも先ほど申し上げた還元の金額と実は関係があると私は見ておるのですが、設備投資の関係であります。設備投資の関係で今日までの経企庁を中心とした景気対策を見ますと、昭和五十五年に八千億の繰り上げ発注、五十七年に一兆六千五百億円これまた繰り上げ発注、五十九年に六千二百億、そのうち千百億円が繰り上げ発注、六十年は設備投資四千億、こういう莫大な金が景気対策として発表されてきました。一体、九電力の設備投資計画こういうものと実績はどうなっておるだろうか、これを調べてみました。確かに設備投資は燃料転換とかあるいは自動制御とかいろいろなものに莫大な金が要ることはよくわかります。しかし現実に、この年度の当初計画に比べて実績はいずれも下回っておるのであります。五十七年度に至っては八九%、五十五年もそうであります。ですからこれは毎年消化不良です。 確かに景気対策だ景気対策だといって政府の景気対策が出ると、いつも電力に設備投資何千億円、やれ一兆何ぼと麗々しく出で、金額は大きいものですから見ばえは非常にいい。何だ景気対策でこれは大したものが出るというようなことは表面上は出ておるが、現実には消化不良であります。こういうふうにして実績は一〇〇%にはるかに足らないのであります。これはちょっと言葉は悪いですが、政府が景気対策の目玉にして、余りやりたくもない九電力に押しつけておるじゃないか、とういうふうにしかとれないのですね。この実績を見ればそうなんです。 今度もまた金額の大きなものを出して、景気対策はこんなふうにして、いかにも日本の内需は拡大するというようなことを麗々しく発表しておるようですが、この一事をもってすれば、これはちょっとおかしいなというふうに私は感じます。還元額の金額が違う、そうするとそれは内部留保に入れて設備投資に回さなければいかぬ、こういうことが言われるわけですから、ここにも関係がないとは言えないのであります。設備投資、設備投資とおっしゃるけれども、現実にもつの電力会社の供給予備率を見ればどうなっておりますか。ほとんどみんな一〇%を超しておる。一〇%を割っておるのはたしか一電力か二電力しかありませんよ。あとは一一、一二なんという供給予備率があります。大体電力の供給予備率の限度、適正な数字というのは八%ぐらいだと私どもは聞いておるのであります。その適正な予備率を上回った予備率が現実に九電力の間にちゃんと設定されておる、それに加えてさらに設備投資にどんどん金をつぎ込む必要があるだろうか、また消化不良になってくる。こういうことを考えると、設備投資、設備投資、内部留保、内部留保と言うことは私は非常に疑問を持つのです。そういう意味からいって還元額の方に利益を出すというふうにしたらどうだ。先ほどちょっと原子力の稼働率の金額を言いましたが、あの金額だって三千幾らありますよ、三千八百億ぐらいある。ですから内部留保の金というのは決して少なくないのですから、そういうことを考えると、この設備投資について見直す必要があるのではないだろうかと思いますが、通産省どう思いますか。
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のまず第一点でございますが、設備投資の追加あるいは前倒し発注をしても余りふえてないではないかということでございます。この点につきましては先生も御承知のように、過去の電力の設備投資を見ますと、いつも当初の計画に比べて実績額が低いという傾向にございます。これは電源開発につきましては地元の調整等の問題がございますけれども、一応そうした調整を要するものにつきましても計画としては見込むということで、毎年毎年一〇%程度実績と計画が乖離する傾向がございます。これに対しまして、先生おっしゃいましたような五十三年とか五十八年ということで大幅に設備投資の追加を政府としてお願いしたというときについて見ますと、計画値よりは実績値が少ないということにはなっておりますけれども、その減り方が非常に少のうございまして、例えば五十八年でいえば、大体毎年一〇%ぐらい乖離があるのが、この年は二%ぐらいの乖離になっているとか、あるいは五十三年の場合でも五%ぐらいということで、前後の年に比べまして著しく乖離の差が小さくなっているということがございます。 なお前倒し発注の場合につきましては、事の性質上、発注を前倒すということでございますので、設備投資の額そのものに余り顕著にはあらわれていない、その年の中で前倒しでやっていくということでございます。
○武部委員 そこで野澤参考人にちょっとお尋ねいたしますが、地中化のこと、それから六十一年度の設備投資のことを、さっき金額を挙げて一兆円の前倒したとかいろいろなことをおっしゃっておりました。先ほど私は各年度の例を挙げて不消化ということを言ったのですが、地中化をする場合に千メートルでたしか五億円ぐらいかかるとか言っていることが出ていましたが、これは大体間違いないと思います。これはほかの設備投資と違って時間がかかるのです、簡単にどこでも掘って埋めてしまえというわけにはいかぬ、これは時間がかかるのですよ。ですから、今まで不消化だったのは、そういう他の面と違った複雑な問題があるのです、この電力の地中化といったところで。それから原子力発電にしたって、これは補償の問題もあるでしょうし、いろいろなことに時間もかかるでしょうし、そういう面でこんな莫大な設備投資を電力会社としては本当に消化する自信があるだろうかという点についてちょっと疑問に思うのです。先ほど参考人が一兆円の前倒しだとか二千億とか七千億の繰り上げ発注だとかおっしゃっておりましたけれども、それは消化する自信はございましょうか。
○野澤参考人 確かに先生御指摘のとおり、私どもの電力事業の設備投資は年間三兆円余でございまして、実績も悪いときで八九%というようなときもありましたが、まあ九〇%以上、我々としては毎年毎年いろいろの地元の調整もございます、それから、先ほど御指摘の地中化のような場合はいろいろな官庁の手続も経なければならない、それから地元の皆さんの御了解も得なければならないということでなかなか難しい面がございますので、今回の設備投資に当たりましては、関係の官庁はもとよりでございますけれどもぜひとも地元の了解もとるような努力を進めていかなければならないと思います。過去の実例は、今公益事業部長からお話もございましたように、需要の逼迫で電源の工事が非常に多かったということで、電源の工事となりますと、先生御指摘のように非常に反対の形が多うございましたのですが、それでも我々は五%から一〇%くらいの未消化はやむを得ないのではないか、こう思っておるわけでございます。 過去の実績をいろいろ弁解するよりは、これからの決意のようなお話でございますので、今後は需要もそれほど伸びない。それから予備率をもう一〇%が限度ではないか、したがって、この限度を維持していけばよろしいではないかという先生のようなお話もありますが、むしろ昨今の情報化社会の進展等によりまして電力に対する非常に強い要請がございますので、信頼度の向上という面で電力の質の向上を目指していかなければならない。したがいまして、今度の設備投資の中には、地中化はもとよりでございますけれども、送電線の関係、配電線の関係あるいは変電所の関係というように流通部門の整備を非常に多くしたつもりでございます。したがって、これはもちろん供給力の増大にもなりませんし、比較的地域の協力も得られるものと思いますので、今回は何とが着実に計画どおり実施していきたいと思っている次第でございます。
○武部委員 別に答弁は要りませんが、経企庁長官に聞いておいていただきたいと思います。 景気対策の名のもとに、やれ繰り上げ発注だとか積み上げたとか、いろいろなことがその都度発表されまして非常に高い金額が国民の前に明らかにされました。電力の需給の実績と見通しということを、ついせんだって日本電力調査委員会というのが発表しておりました。それを見ますと、昭和四十九年から五十九年、十年間の需給の平均伸び率は四・二%あった。ところが、これからの七十年までの見通しは、同じ十年間で二・八%となっておるのですよ。下がっておるのです。四・二%あったものが今後の十年間の需給見通しが二・八%くらいになっておるのですよ。そういうときに設備投資だ設備投資だといって莫大な、消化もなかなか難しいようなものに、圧力というのは言葉はちょっと悪いかもしらぬが、電力会社に、景気対策だ、おまえのところはたくさん利益があみのだから使えというふうに、できもせぬことにどんどん圧力をかけて、見ばえはいいかもしらぬが、そういうことをして仮に消化した場合は後年度負担になって、国民にツケが回ってくるんですよ、これは。そんなことを考えたら、やはりこの設備投資というものは、実績を見ながら将来の需給の展望に立って政府は電力会社に対して要請すべきだということを、ぜひひとつ政府側としては考えておいていただきたい、このことを申し上げでおきだいのであります。もう時間がございませんので、もう二つ質問をしたいことがあります。プロパンのことであります。これも五十三年にここで我生やりとりいたしました。今プロパンガスめ輸入量は年間大体千百万トンですね。この千百万トンが五十九年から六十年にかけてトン当たり大変下がっておる、これは通産省、認められると思いますが、大体どのくらい下がっていますか、一年間に。
○鳥居原説明員 お答えいたします。 LPGの輸入価格につきましてはサウジの輸入価格が代表的な例だと思います。FOBベースで、例えば六十年四月ではトン当たり二百六ドルでございます。六十一年の三月にそれが百八十ドルになっておりますが、LPGの輸入価格につきましては、原油価格と必ずしもすぐスライドして変動するという性格を持っておりませんので、少し原油価格よりも低下する傾向が、テンポが遅いかと思います。
○武部委員 ここに資料がございますが、今おっしゃったのは国際相場でありますね。そこで国内におけるLPGのトン当たりの動きを見ますと、五十九年はトン当たり六万一千円、六十一年一月は大体五万一千円、十二月は五万円です。トン当たり一万円の差があるのです。これはお認めになりますね。
○鳥居原説明員 はい。
○武部委員 そういたしますと千百万トンですからね。トンに一万円で千百億円、ここで利益が出てくるのですよ。当然そのものは還元される原資にこれはなる、どんずばりそうじゃありませんがね。その間に若干の差はありますが、一年間のうちに前と後ろとでは一万円違うのですよ。したがって六十一年度の、これからLPガスのトン当たりの金額は五万一千円ぐらいで推移するというふうに見ていいでしょう、いかがですか。
○鳥居原説明員 先生御指摘のようにCIT価格につきましては約二万円ぐらいの差がございます。したがって、今後このCIF価格がどういうふうに推移するかはあれでございますが、今の状況でいいますと、おっしゃるような方向で推移するものかと思われます。
○武部委員 ところがプロパンガスの小売の値段というのは一向に下がらぬのですね、これは。むしろ少しずつ上がっておるような統計が出ておるのです。 私は、ちょっと時間の関係で、通産省にこれからのプロパンガスあるいは簡易ガス、そういうものについての差益還元の問題でちょっと最後にお尋ねをするわけですが、プロパンガスは需要家が大体千八百万かう千九百万世帯と言われておりまして、大変利用者が多いのであります。したがって、このプロパンガスについても当然、為替相場の変動なりあるいは国際相場の変動に基づいて値下がりが起きるだろう、利益が出ておるわけですから。しかし、現実にはなかなか末端では値動きがない。しかし、大手の日本ガスという会社が、いち早く八万世帯のプロパンガスの需要家に対して、これだけ利益が出たので還元をするといって、通産省が指導したわけじゃありませんよ、別にあなた方が指導したわけじゃないが、自発的に五、六、七の三カ月間に限って還元すると発表しましたね、この間。これは大変立派なことだと思う。しかし、利益の四分の一なんですよ、残念ながら。ですから、これは全部還元したとは言えませんが、それにしても四分の一を、月に四百円ずつ三カ月間還元する、これはいち早く発表いたしましたね。恐らく七月以降もそういうことをこの会社はやるだろうと思います。しかし、この会社は八万軒のプロパンガスを持っておるが、もう一つ七万世帯の簡易ガスを持っていますね。ところが簡易ガスの方は、あなたの万の認可料金だものだから、あなた方から言われなければこれはできないのです。あなた方がにらんでおる以上これは勝手にできない。こういう非常に矛盾しておるのですよ。七万と八万と両方の世帯を日本ガスは持っておるが、片一方は値下げをするが、片一方はそのまま知らぬ顔をしておうなければいかぬ、こういう矛盾が起きておる。これはお認めになりますか。
○山本(幸)政府委員 大手三社以外のガスとしますと、いわゆる地方都市ガスとそれから先生御指摘の簡易ガス、ございます。この両者とも大手三社の動向、今後、還元対策が決まりますけれども、それを見ながら、それに準じて指導していきたいと思っておりますけれども、御指摘のようにこれは千差万別でございまして、地方都市ガスは大部分が中小企業、それから簡易ガスの場合は例外はございますけれども大部分はほんの零細企業が非常に多いということでございますので、その実態に応じた指導をしていきたいというふうに考えております。
○武部委員 指導をしておられないようですね。まだこれからのようでございますが、それならば五十三年のときのことをお互いにもう一遍思い起こさなければいけません。五十三年のときに、やはりそのことが問題になったのです。そして私はここに持っていますが、あの五十三年のときに公益事業部長名で、当時のガス協会の安西会長に対して「地方ガス事業者の円高差益の取扱いについて」という文書をお出しになりました、ここにございますが。そうして資源エネルギー庁公益事業部長名で各通産局長に対して「地方ガス事業者の円高差益の取扱いについて」という文書をお出しになって、円高差益で利益が上がっておるが、これをできるだけ還元するようにと通知されました。しかし、この内容は余り感心した内容じゃございませんでした。円高メリットによって生じた余裕利益金を不当に社外流出させるなというようなことを書いてあるものだから、勝手に向こうに解釈されると、不当に社外流出させないで自分のところにためておいて使うようにこの文書はなっておるのです。したがって、こいつを逆手にとって地方ガスの諸君は利益を還元しなかったという事態が当時ありました。こんな文書はいけません。これから前回と比べて相当利益は高いの、です。五十三年よりも高い。ですから二百四十何社ありますね、そういうものに対して、これは油種の値下がりと円高の差益と両方ダブルに来ておるわけですから、相当な利益があるはずですから、この点については前回と同様に早くエネルギー庁としては業界に対して、この差益還元の取り扱いについてという指導をやるべきだ、このように思います。 同時に、さっきのプロパンガスについては、石油部長名で、これまた同じ五十三年に各業界に対して「プロパンガスの価格について」という指導がされておりますね、通達が。この内容は公益事業部長よりもこの方が立派です。「末端価格に反映され、消費者に還元されるよう貴会傘下の会員に趣旨徹底方お願いします。」と、こっちの方が大分前進しています。公益事業部の方は、何かおまえの方で勝手に、よそに持っていかずにうまいこと使えよというような内容ですが、これはいただけません。石油の方は、まあちょっと立派です。こういうものはいまだにお出しになっておらぬ。ですから、一日も早く、もうどんどん利益は出ておるのですから、これは遅く出せば遅く出すほど還元はおくれるのです。ですから、この五十三年の二つの通達を参考にしていただいて、早急に地方のガス業者、簡易ガス及びプロパンガス業者に対して差益の還元、油種の値下がり、これに基づく消費者への還元もやるべきだと指導すべきだと思いますが、いかがでしょうか。野々内さん、ひとつあなたから聞きましょう。
○野々内政府委員 五十二年とはかなり事情も違っておりますから、そのまま当てはまるかどうかにつきましては私もまだ判断はできかねておりますが、大手三社以外のガスにつきましては、都市熱エネルギー部会におきまして実は扱いについて御審議をお願いいたしておりますので、大手三社と同様に扱いたいと思っております。ただ、二百四十八社それぞれ事情が違いますのと、簡易ガス、全国で千六百六十社ございますが、これも事情が違うので、事情に合った対応が必要かと考えております。プロパンにつきましては、これは自由価格でございますので、政府として介入はなかなか難しゅうございますが、実は保安経費、流通経費が八割ぐらいかかっておりまして、CIFの変動そのものが直ちに末端に及ぶということではないかと思っておりますが、ただ、最近のCIFの動きから見まして、末端価格につきましても十分注意してまいりたいというふうに思っております。
○武部委員 それじゃ時間が来ましたので、最後に一つ、これは円高差益の問題についての私の要望であります。 五十三年以降になると思いますが、電力、ガスの値上げが起きましたときに弱者救済ということが話題になりました。我々いつも主張しておるのですけれども、当時、東京ガスが具体的に旧料金据え置きということをおやりになった。たしか六カ月間だったと思いますが、そういうことをおやりになった。この実績があるわけでございます。当時、東京ガスがおやりになった弱者救済のための旧料金据え置きというのは、対象が生活保護世帯が三万二千二百三十九人、社会福祉施設が三百二十六施設、更生保護施設が十九施設、合計三万二千五百八十四件、六カ月間料金を据え置かれた、これは私どもは大変評価できると思います。今度も相当な額が利益として計上されるわけですから、弱者救済のためにこれを使ってもらえないものだろうか、こういう要望を持っておるわけであります。特に、旧料金に据え置いたのは四十九年、五十一年、五十五年と、三回にわたってこういう実績があるわけです。ですから、いまだかつて一遍もなかったというようなことは通じないのです。おやりになっておるのです。したがって、生活保護世帯とか、そういういわゆる弱者の方に、今回のような特異な差益が生じたときには、これを料金の面で救済することは考えられないものだろうか。 これを調べてみますと、全国でもしこれを実施した場合は、生活保護世帯、身体障害児者、精神薄弱児者及び原爆被爆者、合計三百五十三万人という数字が厚生省の発表の数字であります。さらに生活保護施設がありますし、それから老人福祉施設もございまして、この合計が約三千七百六十四カ所と出ていますが、これに料金の値下げをやっても、岩ほど大きな金額にはならないと思うのです。私は、かつて東京ガス等がおやりになったそういう弱者救済ということが、料金の値下げをこれから討議される場合に十分考えて、こういう面にも配慮をしてもらえないものか、こういうふうに思うのですが、これは両参考人と通産省から聞いて、私の質問を終わります。
○野々内政府委員 原価主義の原則からまいりますと、特定の方に特別な扱いをするというのはいかがかという感じがいたしますが、そのときは多分、値上げという状態の中で何らかの激変緩和措置をとったのだろうかと思っておりまして、今回は値下げでございますので、同じような理屈が適用できますかどうか、私としては難しいのじゃないかと思っておりますが、そういう御意見がございましたことは審議会の方にお伝えいたしたいと思います。
○柴崎参考人 先生御指摘の点につきましては、私その場で武部先生と安西会長との質疑応答も十分お伺いいたしまして、武部先生の御要望が非常に強いということは身にしみて感じておる次第でございますが、当時の状況から考えますと、これは国の方で非常に強力に指導が出まして、特に福祉施設その他については予算時期が大分迫っておりまして、予算がないとかなんとか、そういうことで、ぜひこれは見るべきであるというようなことで、実はガス業界としては泣く泣く踏み切ったといったような事情があるやに記憶しております。 この点やはり原価主義ということで経営が行われておりますので、今後、通産省の御指導に従いまして適宜対策を考えていきたい、かように考えております。
○野澤参考人 ただいまガス業界からのお話もありましたし、私どももよくその事実は存じておりますけれども、ただいまのような理由で、予算措置が講じられなかったことでの暫定措置と聞いておりますので、改めてまた通産の御指導を得て善処していきたいと思います。
○武部委員 終わります。
○阿部委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○阿部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小谷輝二君。
○小谷委員 急激な円高、去年の九月以降また本年に入りましても急激な円高と、それに合わせて石油の原油価格の低落、こういう状況は過去にも余り例のない状況のように思うわけでございますが、日本経済に与える影響、非常に大きな影響がございます。そこで経済企画庁長官に、今後の推移、見通し等につきまして最初にお考えがございましたらお聞かせをいただきたい、このように思います。
○平泉国務大臣 為替のことについて今後を語るというのは大変大それたことでございまして、私どももそういうことはなかなかできないことだと思いますが、ただ、私ども政策当局といたしましては、やはりこの円高というようなもの、為替レートの急激な変更、今、委員もおっしゃったわけでございますが、取引の安定を害するわけでございますし、また各企業それぞれにとってみれば、本当に商売の見込みというようなものに非常に不安感を与えるわけでございます。そういう意味におきまして、私どもは為替レートが何とかして安定をしていってもらいたい。また私、昨日も実は関西の財界との懇談会、正式に経企庁から参ったわけでございますが、その折も関西の財界の代表者から、まあレートはともかく、ちょっととにかく中休みしてもらいたいな、またその先少しあれでもいいが、とにかくこうのべつ幕なしては困りますよというようなお話がございました。まさに実感のこもったお話であると承った次第でございます。いずれにせよ、今後の為替レートが余り急激な変化を起こさないように、これはもう各国の通貨当局とも十分そういう点でお話し合いをすべきものではあるまいか、かように思っておる次第でございます。問題は大蔵大臣の主管でもございますから、大蔵大臣ともよろしくその辺のことは協議をしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○小谷委員 経企庁は円レートが百八十円ということでその計算の上に立って、六十一年度の政府の経済見通しの中での実質四%の成長これは十分達成できる、このような見解のもとに今回の総合経済対策をお決めになったように承っておるわけでございますけれども、さらに円高のメリットが三兆五千億、この減税に匹敵する効果、これがあるやに一部報道されておるわけでございますが、果たしてこれが物価の安定また内需の拡大等に対してどのような効果があらわれるか、まずその点と、なおその根拠なるものは何か、経企庁にお尋ねをしておきたいと思います。
○平泉国務大臣 ただいまちょっと事実関係では、私どもこの経済見通しをつくりましたのは昨年の十一月でございますので、その当時、私どもは、円レートは当時のインターバンクレートということで、前提としておりました為替レートは現在のような値段ではございません。二百四円という前提を置いたわけでございます。ただ、その後の為替レートの変更にもかかわらず、私どもといたしましては、円高のもたらす実質所得の増大ということが経済の全体の成長率を高める効果もある、そういう意味におきまして、当時二百四円を前提としてつくった経済見通しを現在の段階で変える必要はない、かように考えておるわけでございます。 そこで、それじゃ交易条件の改善によるどのような効果が出てくるのか、こういう御質問でございますが、なかなかこれは難しい問題でございまして、いろいろな試算はできるわけでございますが、何にいたしましても仮に申せば企業にすれば買う物が安くなった、個人にすれば物価が下がっておる、今お話もございましたけれども、卸売物価は大変な勢いで下がっておるわけでございます。今、物価局長も来ておりますので具体的に御説明を申し上げますが、殊に外国からの輸入品というようなものは着実に下がっておる、消費物資についても下がっておる。こういう大きなトレンドには全く変わりがございません。そういうことが実質のGNPの増大につながるために、実際には企業活動が盛んになる、消費活動が盛んになるということが伴ってこなければならないわけでございまして、その辺はなかなか予測が難しい面もございますが、私どもといたしましては、何としてもこの円高メリットというものを心理的にもまず国民の皆様に大いに御理解を賜りまして、どうかひとつこのデフレという、どうも輸出がうまくいかないということからくるショックの方を、これを乗り越えていかなければならぬ、そして円高経済というものを新しく構築していかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。 詳しくは物価局長から最近の物価の動静についてちょっと御報告申し上げます。
○斎藤(成)政府委員 卸売物価にあらわれております数字を御披露いたしますと、この三月中旬の値が、総合卸売物価指数が、これは五十五年を基準にしておりますけれども、現在九二・九というところで、五十五年一〇〇に対して一割近く下がっておるという状況にございます。これは昨年の九月は九九・一、大体一〇〇ぐらいでございますから、それと比べましてもかなり大幅に下落をいたしております。 また、特に顕著に下がっておりますのが、当然のことでございますけれども輸入物価、これは輸入物価指数という形であらわしておりますけれども、同じように五十五年を一〇〇といたしましたときに、三月中旬の値は六八という下げ方でございます。前年の同月と比べましても、輸入物価指数は三二・二のマイナスということでございますから、卸売物価を中心にしてかなり物価は下げているという状況にございます。 消費者物価の方は、御存じのように商品で占めるウエートが半分ぐらいでございますから、マイナスにはなっておりませんけれども、御存じのように二%をもう既に割る状況に来ておりまして、全体を通してみまして、大変安定しているという状況でございます。
○小谷委員 政府の経済見通しが、円レートが二百四円という時点での試算で実質四%の成長ということのようでございますけれども、百八十円という現時点においても、なおかつ実質四%の成長は十分達成できる、こういうことですか。
○赤羽政府委員 四%の経済見通しでございますけれども、これを実際に作業いたしましたのは昨年の十一月の後半から十二月の前半にかけてでございます。そのときに見通しの前提となります為替レートというのは、昨年の十一月平均の二百四円というのを採用いたしました。これは六十一年度中二百四円で推移をするという見通しではなくて、作業の前提ということになっております。こうしたやり方というのはOECDなどの国際機関も採用しております、いわば慣行的な作業前提でございますけれども、それが二百四円ということでございます。現在、先生が御指摘になりましたように百八十円前後になっておるわけでございまして、前提条件とそれから現実の為替レートが違っておるということはそのとおりでございます。 円が当初の前提よりも高くなりますと、まず円高のデフレ効果というのはさらに強まるだろうということが想定されます。ただ円高には、その反面におきましてメリット、プラスの効果もございます。このプラスの効果は、円が予想以上に高くなっておるわけでありますから、その限りではプラスの効果も当時考えたよりは大きい、こういう点がございます。ただ、経済成長率といったような観点から考えました際に、プラスの効果とマイナスの効果、これだけを比較してどちらが大きいのかという点は、そのときどきの経済情勢によって違うと思いますけれども、どうもこの円高の効果だけで見ますと、ややデフレ効果が方が強い可能性はございます。この点が三カ月、四カ月ほど前の作業時点との情勢の変化だと思います。 しかし、それ以外の条件につきましても変化がございます。その点は、一つは世界経済の中での日本経済ということでございまして、日本経済を取り巻く他の経済、特に先進国経済の見通しがどうなっているのかという点が一つの要素だと思います。この点について申しますと、三カ月前、四カ月前当時の見通しに比べまして、アメリカやヨーロッパの主要国の経済見通しはかなり明るくなっている、こういうプラスの要素があります。 さらに、これに加えまして原油の値下がりが起こるであろう。二月までは、この原油の値下がりというのは統計上あらわれておりませんでしたけれども、三月以降急速にあらわれてくる、こういう状況になっております。この原油の値下がりというのは、世界経済全体から見ますといろいろデメリットもございますけれども、日本経済という一つの個別経済、これを考えますと圧倒的にプラスの要素が多い、メリットが大きい、こういうことで、その当時想定したよりもまたプラスの面もあらわれている、こういうことであります。 もう一つ要因がつけ加わると思います。それは金利の低下の余地というのが、その当時考えたよりも大きいのではないか、こういうふうに思われます。 したがいまして、これは今まで申し上げましたところをまとめますと、前提条件よりも為替レートが高くなったことによる円高のデメリットは大きくなっているだろう。しかし、プラスの効果でありますメリットの方も少し大きくなっている。それに加えて欧米主要国の景気見通し、これがその当時よりはかなり明るくなっている。さらには、その当時想定をしておりませんでした石油の値下がり、これもかなり大幅に値下がりをするだろう、こういう要素が加わります。それに加えて金融面におきましても、その当時よりはさらに金融政策の機動的、弾力的な運営の余地が広まっておる、こういうことでございますので、その当時考えました見通し、これは基本的に変える必要はない、こういうふうに考えております。
○小谷委員 経企庁の考え方はお聞かせいただいたわけでございますが、先般、日経新聞の総合経済データバンクシステムこれを使った、かなり幅広い資料を整えて日本経済を分析しておるわけでございますけれども、その内容は、一つは六十一年度の実質経済成長率は一・九%、要するに二%を割るであろう、このように言っております。二点目は、円高のデフレ現象が広がって製造業を中心に生産活動が停滞するであろう、さらに企業の業績は大きな減収となる、こういうふうに試算をして、政府の経済見通しを見直す必要があるのではないか、このように予測しているわけでございます。また、この予測は今説明された内容とはかなり大きな開きがあるわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
○赤羽政府委員 日経NEEDSの試算でございますけれども、余り詳細な資料が手に入らないという点はございます。ただ私ども、新聞などで拝見をしたところで考えましたのは、円高のデフレ効果、これをかなり大きく見ているのではないか、こう思います。もちろん円高のデフレ効果、これを軽視することは許されません。しかしながら、これを過大に考えるという点はどうなのかな、こういう感じもいたします。シミュレーションの結果と申しますけれども、もう少し詳細に資料をいただいて検討しないとよくわからない、こういうふうに考えております。 私ども経済企画庁といたしましては、先ほど申しましたように、四%の作業をしたときと条件は確かに変わっているけれども、一方でマイナスの条件はありながらプラスの条件もまたふえておるということで、今の時点で経済見通しを本質的に変える必要はない、そう考えております。
○小谷委員 この日経新聞の見通し、分析だけではなくして、経済界の方もいろいろな分野で、輸出産業への打撃はもうはかり知れない、また製造業においては上場企業においても百社のうち十社は赤字となる、あとの九〇%は大きな減益ということになるであろう、また、これ以上円高が続けば、中小企業のみならず大企業でも経営に重大な支障を来す、こういうふうに非常に危機感を述べておるわけでございます。これは日本の大手企業、経済界等の意見なんです。これはいかがですか。
○赤羽政府委員 円高になりますと輸出収入が目減りをいたします。これは目に見えて減っていくわけでございます。従来一ドルの輸出収入から二百四十円稼いでいたものが百八十円しか稼げないわけでありますから、こういうことで輸出に関連している企業は売上高が減っていく。こうした売上高の減少分というのは主として利益を圧迫する、こういうことでありますから、輸出関連の企業に関する限りは、中小企業のみならず大企業におきましてもこれは大変な収益の低下、あるいはこのままいっていれば企業の存立さえおぼつかない、こういう状況が出るのは当然のことだと思います。 しかし他方、輸入面での企業、それで商売をしておられる企業、これは同一の一ドルの品物を買うのに、これまで二百四十円払っていたものが百八十円で買えるわけでありますから六十円ですね、これだけ収益増になるわけであります。 輸出というのは主として製造業の製品、商品でありますから、製造業におきましては収益の目減りが起こる、重大な影響が起こるというのはそのとおりだと思います。しかし経済全体として見ますと、また輸入代金の節約という大きなプラスがあるわけでありますから、したがいまして経済政策として行うべきことは、このプラスの面、輸入代金の支払い節約によりましてそれだけ経済全体として利益がふえているわけでありますから、これを、被害を受けておりますところへできるだけ速やかに、このメリットを均てんさせることである、こういうことではないかと思います。 先日の経済対策閣僚会議で決めていただきました総合経済対策、この一つのねらいが、円高のデメリットと円高のメリット、実はデメリットというのは即時に発生をいたします、メリットが経済の隅々まで均てんをしていくには時間がかかる、こういうことでありますから、そういう意味でいえば、メリットの方は遅く感じられるようになる、こうしたデメリットが早く、メリットが遅く出るという、そういういわば谷間に橋をかけると申しますか、これが先日の総合対策のねらいの一つである、こういうことだと思います。
○小谷委員 先日発表されました総合経済対策については、経済対策閣僚会議で正式にこれが決定となって、その内容は見せていただきましたが七項目が柱となっておるようでございますけれども、その中で電気、ガスにかかわる部分の内容をちょっと御説明いただきたい。
○山本(幸)政府委員 先般の経済対策閣僚会議で、電気、ガスの差益につきましては差益還元額は一兆円ということで、それを六月に還元するということで決定されております。その具体的な若干の試算を申し上げますと、差益額が一兆四千億程度だろう、それに対して還元額として一兆円を還元するということでございます。
○小谷委員 電力、ガスで還元額約一兆円、それで時期は本年の六月から還元ということですが、これは総合経済対策の決定ということのようでございますけれども、この還元額を一兆円、このように決めた基礎ですね。これはもちろん差益の見込み額については非常に立場上難しい点もあろうかと思いますけれども、この還元額を約一兆円と決めた、要するに総合経済対策としてこのように決められたことについて、きょうは業界を代表して電事連の野澤副会長また日本瓦斯協会の柴崎副会長、御苦労をいただいておるわけでありますが、順次このことについての業界代表としての考え方をお尋ねしたい。
○野澤参考人 お答えします。 総合経済対策にうたわれております一兆円につきましては、私どもも一定の前提において計算されたものと承っておりますが、具体的なメリットの還元額につきましては、私ども各社、実施に向けて今後早急に詰めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○柴崎参考人 総額一兆円につきましては、ガス協会といたしましてはこれは政策目標を政府で発表されたというぐあいに解釈しておるわけでございますが、その具体的な算定基礎につきましては、まだ詳細な御指示を受けておりませんので、電気、ガス合わせて一兆円という政策目標に向かいまして今後詳細に数字を詰めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○小谷委員 通産省は、電力九社、ガス三社の差益の見込みを合わせて一兆四千億、このように計算されておるようでございますが、これを還元して残りは内部留保ということになろうかと思いますけれども、これを設備投資前倒しとかいうふうな形で考えておられるのだと思いますが、このことについてエネルギー庁はどのようにお考えですか。
○山本(幸)政府委員 今、先生御指摘のように一兆四千億円程度出る差益につきまして、その一兆円を還元すあという考え方でございます。残りにつきましては、実は今回、為替レートあるいは原油価格さらにはLNGの価格につきまして非常に不透明な段階でございますけれども、一定の想定を置いて算定するということでございますので、今後それがいろいろ情勢によって変化することがあるということで、これに対応するリスクをカバーするということで内部留保とするということでございます。この内部留保したものの半分は税金で取られるわけでございますけれども、残りにつきましては、電線の地中化とか、あるいはガスの場合であれば保安投資というようなことで必要な投資を行い、内需振興にも寄与したいということでございます。
○小谷委員 三月二十八日に電力・ガス差益問題懇談会から報告が出ておるわけでございますが、この内容に、今説明がありましたように為替レート、原油価格、これは先行き非常に不透明なところがある、したがって軽々に見通して差益の規模を想定することは非常に危険性を伴う、したがって内部留保の確保が当然必要である、こういう意見がついておるわけですけれども、これはどのくらいのものを内部留保せよという内容ですか。果たして、このような差益問題懇談会の意見の中で今おっしゃった三〇%が適当なのかどうか、これはどのようにお考えですか。
○山本(幸)政府委員 御指摘の電力・ガス差益問題懇談会の報告でございますが、その中では為替レート、石油価格、特にLNGの価格の先行きが不透明であるということで、その分についてはリスクに対応するために内部留保する必要があるというふうに指摘されておりまして、その際、比率といいますか、何割ぐらいをどうということは書いてございません。ただ全体のトーンとしては、できるだけ多くの部分を還元する、その残りについては先ほど申しましたようにリスクヘッジのために内部留保するということが指摘されておりまして、その内部留保を活用して電線の地中化、ガス保安対策等々に、あるいは技術開発に積極的に対応することが有意義であるというふうに指摘しております。したがいまして、比率そのものを数字であらわしてはございません。
○小谷委員 電事連の方から、またガス協会の方から、この内部留保の額、差益問題懇談会の意見もありますから、この点については三〇%という今、数字的には出てきたわけですけれども、これはいかがでしょうか。
○野澤参考人 具体的なメリットが、まだ今後実施に向けて先ほど言ったように早期に詰めていくという段階でございます。私どもも今、電気事業の体質は、御承知かと思いますが依然としてまだ脆弱なものだと思っております。これは資本金が多いためもありますが、他の企業に比べまして自己資本比率が一五%というように非常に少ない、そういう点で事業そのものは非常に大きくても脆弱な体質でありますので、ぜひとも今回の差益に当たっては一部を留保させていただきたいと思いますので、その額等については私どもとしては、政策的にお決めいただければ、それを受けて有効に電気事業の将来の長期安定のために活用させていただきたいと思っております。
○柴崎参考人 三〇%という率についての考え方でございますが、この点には別にこれでなければならないという客観的な基準はないのではないかと考えております。幾ら返し、幾ら内部留保にするかというのは、それを決める決定的な要因は政治的な目的、政策的な配慮というぐあいに私たち考えておりまして、前回の場合には返す割合が六割ないし七割というようなところでございまして、これは一つの前例になろうかと思いますけれども、その辺は今後通産省の御指導を得まして、協会あるいは業界として、できるだけの範囲内で政策に御協力申し上げるという形で考えたいと思っております。
○小谷委員 今回の還元が、前回七〇%還元したということで前回に倣ってということかもわかりません。それが前回は五十三年に還元、五十五年に値上げ、このような結果に事実なったわけです。だから、そのようなことに今回はなるおそれはないのか。一部に危惧の意見があるわけですから、これは電事連いかがでしょうか、それからまたガス協会の副会長さん。
○野澤参考人 御指摘のとおり非常に不透明でございますので、私どもは内部に留保させていただきまして、これに対応できるような万一の場合に備えさせていただきますので、前回のようなことのないように留意するつもりでございます。
○柴崎参考人 前回の轍を繰り返したくないというのは業界といたしましても心底から望んでおることでございますが、前回の状態を反省してみますと、当時は為替レートは非常に円が強くなりましたけれども、原油の価格はどちらかといえば上がりぎみでございまして、現在の状態に比べまして若干違ったファクターがございました。そういう点から見ますと、私たちの想像では恐らく前回よりは安定度は高いのではないかという感じはいたしますけれども、この点についてはまだまだ不透明の要素が多分にありますので、今後また慎重に対応策は考えさせていただきたいと考えております。
○小谷委員 内部留保の問題についていろいろな意見があるわけでございますけれども、これの活用について事業の関連設備投資の前倒しとか、また中小企業対策、また前倒し等によりまして内需の拡大に貢献するというふうな点で大きな期待が寄せられておるということで、そこに力を入れるときではないかという意見も中にはあるわけでございます。この点について通産どうですか。
○野々内政府委員 料金というのはあくまでも原価主義に立脚をして決定されるべきであるというのが現在の法律の基本でございます。したがいまして、内部留保につきましても自由に政策的に決め得るというのではなしに、将来見込まれるリスクに対応して内部留保は決められるべきであろうと考えております。この内部留保は、それを活用して設備投資等に使うということでございまして、それを特定の政策目的にそのまま使い切ってしまうということはいかがかというのが差益問題懇談会の結論でなかろうかと思っております。私どもは内部留保はあくまでも内部留保である、しかし、それを活用して設備投資等によって内需振興に寄与する、そういう考え方がしかるべきではないかというふうに考えております。
○小谷委員 電力会社の方で昨年発表された、十年間で一千キロの電線の地中化、こういう計画があったと聞いておるわけでございますが、今回これに対して、今回の差益の内部留保の金で上乗せをしていくという考え方があるのかどうか、またその他設備投資の、差益を利用しての上乗せ、前倒し計画はあるのかどうか、この点はいかがですか。
○野澤参考人 非箱に社会的要請の強い配電線の地中化につきまして、我々としましては六十一年と六十二年の両年度で総額ではそれぞれ各年度一千億程度を上乗せして、いわゆる前倒し投資を行う予定になっておりますので、六十一年度の当初の施設計画では八十キロ、四百億という予定を二百八十キロ、千四百億、それから六十二年度は施設計画によりますと四百五十億で九十五キロでございましたものを一千億乗せますと三百二十キロで千四百五十億、両年度加えますと二千億円の四百三十キロの前倒し投資を行う予定でございます。
○小谷委員 日本瓦斯協会の方は、要するに今までの安全または保安対策の投資として計画なされておった、それに今回の差益によっての上乗せ、前倒し、これはどんな事業がございますか。
○柴崎参考人 ガス業界の場合には大体年間の設備投資額が二千億ないし二千二、三百億程度でございまして、電力に比べて大体十分の一あるいは十二分の一ぐらいの規模になっておるわけでございますが、昨年の十月、内需振興ということで三年間に一千億の設備投資ということを政府の方で決められまして、その方針に従いまして現在努力しておるところでございますが、その設備の内容は大体七五%から八〇%が保安関係の対策になっております。具体的な内容といたしましては、大分時間が経過いたしまして傷んできた導管の取りかえ、あるいは電食防止のためのマクロセル対策あるいは緊急遮断装置等々の工事が内容になっておるわけでございます。 今回の差益還元でどの程度の内部留保が残されるのか、まだ具体的な数字は不明でございますけれども、設備投資といいましても、むだな設備投資をやることは企業経営上許されませんので、できるだけ有効な投資で前広にやって効果が上がるもの、あるいは一年の終わりごろに考えておりますのを前倒しで若干時期を早めて先にやるものというようなものが主たる対象になってまいるわけでございますが、内部留保はそれに対して資金繰り上の問題になってまいりまして、設備投資をやる場合に、内部留保でやる場合、借入金でやる場合、いろいろあるわけでございますが、内部留保があればそれだけ資金繰り上非常に楽になりまして、設備を実際に建設する場合に速度が速まるという効果があるわけでございまして、そういう意味で、今回の内部留保の範囲内で、できるだけ前倒しあるいは有効な保安対策というものを従来の一千億という上乗せの範囲内で鋭意実行したい、かように考えておるわけでございます。
○小谷委員 差益の還元についてでございますけれども、六月から実施するということでございますが、具体的な方策としてどのように考えておられるのか。これは総合経済対策の中では「暫定的料金引下げ等の形で」というふうに内容的にちょっと見ればそうなっておりますが、六月以降の使用量に応じて還元する、こういうふうに判断していいわけですか、どうですか。
○山本(幸)政府委員 電力、ガスの還元につきましては現在、具体的内容は検討中でございますけれども、基本的な考え方といたしましては、使用量に応じて暫定的に引き下げる分、それから電気の場合につきましては現在、三段階料金制度と特別料金制度というようなものがございます。これは昭和四十九年に導入された制度でございますけれども、現在の段階で若干は現状にそぐわない点がございますので、その調整がございます。したがいまして、先生の御指摘のようなキロワットアワーに応ずる引き下げの部分と制度の調整の部分との組み合わせになるかと思います。なお、ガスにつきましては、そうした制度の調整がございませんので、一律の還元ということになると思います。
○小谷委員 これから電気の方は電気事業審議会料金制度部会ですか、ガスの方は総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会、ここらで検討されることになろうかと思いますが、この還元は早期還元が非常に期待されるところでありますし、またその波及効果等も期待されるところでございます。ところが、こういうふうなそれぞれの部会の検討を経て、電力、ガス両会社側として六月から実施できるような対応、準備が果たしてできるかどうか、六月実施が可能なのかどうか。これは各企業の方は大変なことであろうと想像はつくわけでございますが、いかがでしょうか。
○野澤参考人 御指摘のとおり、非常に手続もございますし、料金制度部会の方でまだ審議中でもございますけれども、私どもとしては早期実施という点の御要請が非常に強いことを十分承知しておりますので、ぜひとも六月実施に向けて準備を進めていきたいと思っております。
○柴崎参考人 総合エネルギー調査会の都市熱エネルギー部会における審議は、通産省からのお話によりますと今月の二十日前後に結論が出るやに伺っておりますが、そこで具体的な方針が決められまして業界の方に御指導いただければ、六月一日から実施するのには時間的には十分間に合うと存じます。ただ、やはり非常に手間がかかりますので、その間の能率のいい仕事の進め方という点につきまして現在準備を整えておるところでございます。
○小谷委員 今回の還元は暫定的措置という考え方で進められるようでございますけれども、どうなんですか、これは抜本的な見直しというふうな考え方に改めて料金改定をした方がよいのではないか、こういう一部の意見があるやに承っておるのでございますが、総合経済対策では「暫定的料金引下げ等の形で」こういうふうに一方的に決めつけてあるわけですけれども、これは企業の皆さん、いかがでしょうか。
○野澤参考人 今回は御承知のとおり暫定的であり、これは非常に社会的に早期の御要請がありましたために、緊急かつ暫定的な措置であると思いますけれども、その後の扱いにつきましては、供給コストを取り巻く諸条件の推移等を慎重に見守りながら、私どもとしては十分検討していきたいと考えております。
○柴崎参考人 暫定的な割引措置という考え方につきましては、これはやはり早期にお返しするための一つの最も有効な方法として恐らく懇談会あるいは政府でもお考えになっておる線であろうかと存じます。 返し方といたしましては先生御指摘のように抜本的な洗い直しという点も確かにあるわけでございますが、相当時間がかかりますこと、早期の返還ということにはどうもそぐわないという客観的な状態があるのではないかと想像しておるわけでございます。ガス業界といたしましては、この辺も政府の政策的な配慮が非常に強く出ておる問題でございますので、そういう御指導に従っていきたいと考えておる次第でございます。
○小谷委員 電気、ガスの需要者、企業も含めて還元されることになろうかと思うのでございますが、そうすれば、例えば製造部門におきましてもサービス部門におきましても料金としてかなり還元されるわけですから、それだけ使用料、要するに光熱費、ガスまたは電気、ずっと原価は落ちますね。そういうことになるわけでございますが、その分だけ製品とか原価とか、すべてのものが一般に安く提供されるような状況にならなければ、一般消費者といたしましては余り意味がないと思うわけです。その点についての追跡調査、こういうことは可能なのかどうか。これは経企庁ですか。
○斎藤(成)政府委員 御指摘の点でございますけれども、ユーザーの側で料金の引き下げは直ちに反映してまいりますけれども、それがどういうふうにさらに影響してくるかということがお尋ねの趣旨かと思います。従来からこういう問題につきましては理論上の計算というものは可能でございまして、いろいろ前提を置きまして、ある程度時間がかかって影響するわけでございますけれども、その時間を無視して大体どういうふうになるだろう、こういう想定作業はやっております。ただ、具体的に現実にどういうふうに動いているか、つまり価格が変動した場合に、その変動の中の電力料金あるいはガス料金の引き下げ分がどのくらいであるかということになりますと、これは具体的にはなかなか把握が困難でございまして、全体としての価格が電力料金、ガス料金の引き下げによってどういうふうに変わっていくかということを大づかみな形で把握するということが限界だろうと思います。私どもとしましては、そういう問題についても今後十分把握をしていきたいと思っております。
○小谷委員 今回の総合経済対策で内需の拡大については大きな期待があるわけでございますが、中曽根総理もその効果のほどを数字でまとめるように、このように経企庁の方に指示した、こういう新聞報道がなされておりますが、その効果のほどの見通し、非常に難しいところであろうかと思いますけれども、最後に長官にお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
○赤羽政府委員 一昨日の経済対策閣僚会議の席上、総理から今回の総合経済対策の特に上期中における効果を試算しなさい、こういうふうな御指示がございました。現在、作業をしているところでありましてまだ数字は出ておりませんけれども、一両日中にはまとまる、こういうふうに思います。今のところまだ数字が固まっておりませんので、今の時点では御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○小谷委員 ありがとうございました。
○阿部委員長 次に、永江一仁君。
○永江委員 参考人のお二人の方、御苦労さんでございます。また経企庁長官も御苦労さんでございます。 円高差益還元問題につきまして若干質問をさせていただきたいと思いますが、せっかく参考人の方がお見えでございますから、参考人の方を中心にお尋ねをいたします。ただ、午前中以来私も聞いておりまして、残念ながら我が党は四番バッターでございますから重複するところもかなりあったわけでございますが、党の立場もございますので、重複する点も若干は省略をいたしますけれども質問させていただきますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 まず冒頭に、この差益問題につきまして、いわゆる電力・ガス差益問題懇談会が答申を出され、それに準じて今、政治的な目的も持って還元問題がいろいろ政治問題化しているわけでございますけれども、このいわゆる懇談会の答申といいますか見解につきまして、業界としてどのような感想なり所見をお持ちになっておるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○野澤参考人 お答えいたします。 電気事業といたしましては、かねてより円高メリットについて広く皆様の御意見をお伺いしたりいたしまして、お客様に最も役立つ方法で活用してまいりたいと考えておったわけでございます。したがいまして、先般の懇談会の御報告は大所高所からの極めて貴重な御意見であると我々は評価しておりまして、私どもの考えとも一致していることから、これからの対応に生かしていきたいと考えております。
○柴崎参考人 ガス事業の経営は原価主義が基本になっておるわけでございまして、今回の答申の骨子も、原価主義に基づきまして還元を考え、あるいは内部留保を考え、他の目的のための流出というものは余り好ましくないというような趣旨で全体がまとめられておるわけでございまして、ガス業界が従来から考え、また従来から主張しておりました線を総合的に取り上げていただいた意見といたしまして高く評価しておるわけでございます。
○永江委員 野澤参考人にお尋ねいたしますが、その中で指摘されておりまして、先ほども若干質疑がございましたが、この報告書には、いわゆる特別料金制度及び三段階料金制度の調整を行うべきである、こういう点が指摘されておるわけでございますが、この点について業界としてはどう受けとめておられますでしょうか。
○野澤参考人 一つは料金の暫定的引き下げを実施することでございますし、一つには制度の見直しを検討していきたい。さらに、一部を内部留保しまして、配電線の地中化等いずれやらざるを得ない設備投資の繰り上げの原資としても活用しまして、景気浮揚にも役立てていきたいと考えております。
○永江委員 私の質問の趣旨は、いわゆる三段階料金制度といいますか、こういったものの調整を行うべきであるという指摘も出ておるように思うのでございますが、この点はいかがでございますか。
○野澤参考人 六十一年度に発生するメリットで料金の暫定的引き下げ、料金制度の調整措置を早期に実施することが適当と考えておりますので、今後、実施に向けて早急に具体策を詰めていきたい、こう申し上げてございます。
○永江委員 通産省にお尋ねいたしますけれども、料金制度の抜本改正の問題にかかってくると思いますが、この点については、これからの一つの方向としての位置づけはどういうふうにお考えでございますか。
○野々内政府委員 今回の差益問題懇談会で指摘されております三段階料金、特別料金につきましては、四十九年に設定をし五十五年に改定をしたときと状態がかなり変わってきておりますので、今回の差益の一部を利用して手直しをいたしたいと考えております。そのほかに料金制度上は今後いろいろ考えたいこともございますので、電気事業審議会に対しましては、今回の差益問題が片づいた後、各種の制度上の問題点について審議をお願いしたいということを依頼いたしておりますので、今後、制度面について引き続き検討を続けていきたいと考えております。
○永江委員 審議会にということで逃げられるかと思うのでございますが、これは基本に触れることだと思うのです。省エネという観点の中から料金体系というものが、普通、物はたくさん買えば買うほど安くなるのですけれども、電気に関しては使えば使うほど高い値段。これは省エネとの関連で裏腹のことですから、どちらがどちらとも言いがたいことは私はよくわかっておるのですけれども、今日のような、言うならば原油安という形の一つの流れの中で、こういった問題も浮かび上がってきたと思うわけです。これはやはり総合的なエネルギーのあり方との関連において基本的に維持すべきなのか。たくさん買ってくれた人には普通は安くなっていくのが経済の原則として普通ではないかという意見も非常に強いわけですけれども、これは通産省としてはどうお考えでございますか。
○野々内政府委員 設定いたしました当時、新しく建設する発電所のコストが従来のものに比べて相当高いということで、すべての需要家に対して非常に高い発電所から出る電気のコストを振りかけるということについては問題があったこともあり、また、省エネ的観点もございまして、ああいう制度をつくったわけでございますが、確かに御指摘のようにその後、事情もいろいろ変わってまいりましたし、また発電コストについてもだんだん平準化が行われておりますので、例えば特別料金につきましてはローリング的に一部基準料金に繰り入れるというようなことも従来から行ってきております。実はこれは非常に基本的な問題でございますので、これをなくすかどうかについては基本的な政策の一環として今後引き続き検討していきたいと思っておりますが、今回とりあえず可能な範囲で一部手直しを行いたいというふうに思っております。
○永江委員 これからの問題でございますから、きょうはその程度にとどめておきますけれども、料金制度の抜本的な見直しということがこれからの大きな課題になるんじゃないかと思います。 次に、これもたびたび先ほどから出ておりますが、総合経済対策の中で一兆円の差益還元、そして午前中からの質疑で私も大分理解が深まりましたけれども、本来は一兆四千億の差益が出るが一兆円を返す、四千億は内部留保。それで一つお尋ねしますが、電気、ガスともに一兆円と十把一からげに言っておりますが、ガスと電気とはどのくらいの比率になるのか。 それからもう一つは、この四千億の内部留保これを内需拡大に使う、半分は税金に取られる、こういうことですけれども、これが前回のいわゆる電力、ガス特別別途積立金とか原価変動調整積立金という形での積み立てになるのか、この内部留保のことについてもう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
○山本(幸)政府委員 先生から御指摘ありましたように、差益額が電気、ガス合わせて約一兆四千億円程度、還元額が一兆円ということで算定いたしております。その電気とガスの振り分けはどうかということでございますが、実は今回の数字は、異常に為替の相場あるいは原油価格の動向等も不透明でございましたけれども、その中である程度割り切りまして出した数字でございます。したがいまして、電力とガスを余りはっきりとした具体的な振り分けはしてございませんけれども、従来からの大体の傾向として見ますと、ガスは電力の大体一割程度ということでございます。 それから四千億の件でございますが、先生御指摘のように半分は税金ということで、残りは内部留保でございます。この内部留保につきましては、従来は原価変動調整準備金という形で整理いたしましたけれども、今回につきましては、それをどういう形にするか今後検討したいというふうに考えております。いずれにしましても内部留保として今後の変動に備えるとともに、それを活用して電線地中化その他の設備投資の方に大いに原資を振り向けたいというふうに考えております。
○永江委員 そうしますと前回のいわゆる原価変動調整積立金的な形はとらないということですか。私、この辺の理解がもう一つできないので、お聞かせください。
○山本(幸)政府委員 今後具体的に検討いたすわけでございますけれども、前回の原価変動調整積立金と似たような性質のものになるというふうに考えております。
○永江委員 いずれにいたしましても円高差益一兆円、中曽根内閣が華々しくやっておるのでございますけれども、ガスと電気会社の捻出だけで国自体はそれらしきものがないということで、昨日の新聞等も皮肉たっぷりにたくさん書いておりましたけれども、これは経済企画庁長官も何となくおわかりいただけると思うのでございますが、どうもガス会社と電気会社からだけ搾り取って、それをばらまいて、いかにも善政をしいたという、こういうまやかしがあると私は言わざるを得ないわけでございます。 いずれにいたしましても、そういったもので内需拡大をやる、それはそれで結構でございます。しかしながら午前中から議論を聞いておりましても、例えば電力会社はいわゆる地中化をする、確かにいろいろ内需拡大のためにおやりになっていただくことは結構でございますが、聞きましても、なかなかそう簡単に、やると決めたらすっといくというものでもないわけですね。そういう点で、例えば地中化の問題につきましても、いろいろな関連した仕組みといいますか、制約もあると思うのでございますが、そういったネックになるようなこと、予測される点について野澤参考人にお聞きいたします。
○野澤参考人 先生御指摘のとおり、前倒しの早期確実な効果を期待するために地中化を推進するに当たりましては、道路専用許可を初めといたしまして、さまざまな許認可手続の簡素化、迅速化あるいは掘り返し規制等の諸規制の緩和が必要不可欠でございます。したがいまして関係省庁へ、これらの条件整備について私どもとしましても既に要望しておるところでございますが、本店をおかりしまして再度、関係背の御理解と御協力を強く要望する次第でございます。 なお、地元調整につきましても関係各方面の、特に先ほど申し上げましたが地方都市の場合、地方自治体の御認識、御協力を得なければならないと存じておりますので、あわせて御説明申し上げました。
○永江委員 今、御指摘がありましたが、地中化といいましてもそう簡単にいかない、いろいろな制約がある、こういうことでございます。それを一つ一つ聞いておりますと時間がたちますので、きょうは建設省からは来ていただいたと思うのでございますが、こういう地中化にしましても、道路管理これの手続をとるだけでかなり時間がたつ、そう簡単に内需拡大というのはやろうと思ってもできないいろいろなネックがあるわけでございますが、建設省は緊急を要するという観点からどう対処されるのか、お答えいただきたいと思います。
○布施説明員 電線の地中化につきましては、私ども道路管理者の側からも大変重要な事業だというふうに認識をいたしておりまして、既にキャブシステムといったようなものを開発いたしまして試験施工をやったり、現在モデル事業をやったりということをやっている実情でございます。 それで、この地中化を円滑に進めていくためには、やはり関係者一同が協力する態勢をつくることが大切だということは今御指摘のとおりだと存じております。このため現在、各地のブロックごとに、私どもの出先の地方建設局単位でございますが、地中化のための推進協議会というものをつくっておりまして、現在、計画の策定に努めているということでございます。しかしながら、計画ができましても実際に事業を進めるに当たりましては、今御指摘のございましたような占用の問題でありますとか占用許可の手続の問題あるいは占用する掘り返しの頻度の問題といったようなものがございます。したがいまして、私ども道路管理者といたしましても、今の占用の手続等は当然できるだけ速やかにやるように、既に内部的にもいろいろ勉強しているところでございます。それから掘り返しの頻度につきましても、かなり古うございますが、三十年代に閣議了解された基準がございますけれども、こういう事業を進めるに当たりましては弾力的に考えてまいりたい、かように存じております。
○永江委員 地方自治体との関係もあって、本当は自治省からも聞かなければいけないわけでございますけれども、全部聞いておりますと時間がありませんから、きょうは建設省だけお呼びしましたが、これの総合的というか、経済企画庁になるのかどうか実はわからないのですが、電力会社が内需拡大に協力もしよう、こういうことであっても、いわゆるお役所の壁の中で遅々として進まない、こういうことが随分たくさん出ると思います。こういう点で、内需拡大という観点から経済企画庁としてどう対処していかれるのか、お答えいただきたいと思います。
○赤羽政府委員 内需拡大というのは現下の課題でございまして、それにこたえようということで、今回の対策におきましても関係省庁の御努力によりましてこの問題を最大限取り上げることができた、こういうことでございます。この対策の文書におきましても、さらに「関係行政機関はこれを積極的に支援する」こういうことでわざわざ合意をしていただきました。経済企画庁といたしましては、関係行政機関の積極的な御支援、御協力によりまして事業が一層円滑に推進されることで内需拡大の効果をできるだけ早く経済全体に及ぼす、それによって円高デフレがいささかでも中和される、こういうことを大いに期待もし望んでいるところでございます。
○永江委員 今の局長の御答弁では、何となく望んでおるというような少し第三者的な御答弁のように聞こえぬでもなかったのでございますけれども、そういうことで中曽根総理以下お役所が内需拡大、しかもこの上半期に。下半期は円高のメリットがあらわれるから、そんなに心配せぬでいいと長官もおっしゃっておられるわけでございますが、やはり前半が問題だ、こう言われておるのです。許認可の問題も含めてお役所の壁というのはかなり厚いわけでございますから、こういった問題についてはぜひとも積極的にやっていただきたいということを強く要望しておきます。 同時に前倒しという問題もよく出てきまして、通産省あるいは経企庁あたりも含めて政治的に、内需拡大を前倒してやる、そういうことで円高差益を使えということで、恐らく電力業界、ガス業界にそういう圧力というか誘導があると思います。これは経済全体のために必要だと思いますし、私たちも少しでも公共事業の前倒しということを主張しておるわけでございますけれども、ただ電力業界の個々の実情を調べてみますと、そう簡単に予算がついたから仕事ができるのかどうか。電力会社の従業員の数の問題もありますし、仕事が幾ら来たからといってもそうこなせるのかどうか。そういったことが一部において非滝に労働過重になるのではないかという心配が実はございます。今まではどこか発電所だけよということでしたけれども、先ほどお話のあったように今回地中化も含めて線というか面にわたっての投資といったことが言われておるわけでございます。そういったことが従業員に対する非常に過重な労働につながるのではないかという不安が一部言われておりますけれども、どうお考えでございますか。
○野澤参考人 御指摘のとおり、追加設備投資さらにはその前倒しによりまして業務量は増大していることは事実でございます。既にそのために従業員にはいろいろと御苦労をかけているところでございます。労働組合、従業員とも電気事業の立場、果たすべき役割、責務についてよく理解をいたし、一生懸命頑張っていただいておる点、私ども非常にありがたく思っているところでございます。しかし、経営としても従業員にとって過度の負担とならないよう十分配慮するとともに、特に安全、健康管理には万全を期していきたいと考えております。
○永江委員 ここのところは経企庁長官にもよく聞いておいていただきたいところなんでございますが、電力における人件費の割合というのは約一兆円、全支出の八・六%でございます。これは本当に合理化も進め、そういうことについて従業員もあるいは労働組合も非常に協力をしながら、日本の電気産業、確かに円安とかあるいは特に油の値段が非常に乱高下の中で苦しんではきましたけれども、安定的に全国民に電気を供給するという中で非常な努力をしてきたということです。全体の人件費が八・六%しかない。 きょう、いみじくも昭力労働者に対する賃上げも回答があって、私はまだ数字ははっきり聞いておりませんけれども、砲事連の皆さんに要求することではございませんから、各会社のことだということはよく承知しております。しかしながら、そういう形の中でとにかく円高差益があるのだから賃金も抑える、もう何か高い回答をすると円高差益でもうけておるようにとられるというふうな逆手に使う中で賃上げも抑える。そして仕事は国からの要請で前倒しだ、やれ内需拡大だということで、それがやたらにつき込まれて労働過重になってくる。まことに電気産業に働く者は危険が伴うわけでございます。それでなくとも、今日までそういった合理化の努力の中で経営をよくしてきたわけでございますから、その分は賃金としてはね返らせるのは当然でございまして、円高差益まではね返らせろとは一つも言ってないわけでございます。しかしながら、努力したその収益まで何か円高差益の一部のような誤解の中で抑えられるということはまことに許されないことなのでございます。 そういう点から、前倒しのあり方につきましても、これは国家的要請としてはわかるのでありますけれども、その点の配慮をぜひしていただきたいということを強く要望いたしておきたいと思います。経済企画庁からでも御答弁があれば、ひとついただきたいと思います。
○平泉国務大臣 大変貴重な御趣旨をよく拝聴いたしまして、公益事業というものの置かれている立場も十分私ども経済政策運営の上で反映をさせてまいらなければならぬと思っております。
○永江委員 次に原油価格の低下ということで、今回もこのように電気料金を値上げの問題ではなくて下げることについて国会で議論するということは、基本的にはこれは大変喜ばしいことでございます。そういうことで今回電気料金を下げていくということになるわけでありますが、ただ先ほどの省エネの問題も含めて、日本のような資源のない国にとりましては実はこういう姿の方が珍しいのであって、かつては逆に原油の非常な高騰の中で電気代を上げざるを得ない、こういう苦しみをずっと日本国民は味わってきたわけでございますが、そういうことから石油代替エネルギーというものが先ほどからもかなりここでも議論されておるわけでございます。しかしながら、どうも人間というのはのど元過ぎればと申しますか、石油が安くなれば、そう急いで代替エネルギー開発をせぬでもいいじゃないかということになりかねない。午前中も元信議員が質問しておりましたけれども、そういう中で私はやはり原子力発電というものがコストの面あるいは将来性において優位にあるというふうに考えておるものでございますが、この点について通産省はどうお考えになっておるのか。もう石油が安くなったから原子力発電については少しペースを落としてもいいと思うのか、あるいはそうではなくて今後の将来性において必要であるとお考えになっておるのか、お答えいただきたいと思います。
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、電源開発につきましては長期的観点に立ってやることが一番基本でございます。特に経済性あるいは供給安定性というようなことを総合的に勘案して長期的観点に立って行うということでございます。電源開発の場合についてはリードタイムが大変長うございまして、特に原子力の場合につきましては十年あるいは準備段階も入れれば十五年というように非常に長くかかるわけでございます。そういうことを考えますと現在のような短期的な原油価格の動きその他によって、基本的な電源開発の中核でございます原子力の開発について影響を与えることはないというふうに考えております。また現在、石油価格が落ちておりますけれども、かなり石油価格が落ちても、基本的には原子力発電の経済性、優位性というのは保たれているというふうに考えております。
○永江委員 次に、ガス協会の柴崎参考人にお尋ねいたしますが、これも午前中、武部先生の御質問にもありましたが、我々も電気、ガスと十把一からげに考えるものですから、原油が下がれば当然かなりの差益があると考える。しかしながらいろいろ聞きますと、円高はもちろん差益があるけれども、原油については、LNGの価格というのがGSPとの連動の中でそう簡単に下がらない、こういう仕組みになっているということをお聞きいたしました。恐らく各ガス会社としても、これだけ原油価格が下がっておるわけですから手をこまねいておるとは思わないわけでございますけれども、そうすると実際に現在LNGの価格は、原油に換算した場合にどれくらいの値段なのか、そして、これからそういった交渉の中で、これを少なくともどのくらいまで安くするように頑張って一つの目標を立てておるのか、お答えいただきたいと思います。
○柴崎参考人 お答え申し上げます。 現在、LNGの占める比率でございますが、大手三社の輸入原料の中の九割がLNGでございまして、原油は現在は一切使っておりません。若干ナフサあるいはLPGを使っておるという状況でございます。 それでLNGの価格でございますが、二月の実績を見ますと原油のCIFの値段が大体二十七ドル四、五十だと思いますが、それに対してLNGは換算いたしますと二十八ドル程度でございまして、二月の実績に関しては若干原油よりも高く出ておる。先ほども御説明申し上げましたようにGSPスライドになっておりまして、GSPが全然動いていないということでございますので、将来どういう形になるかまだ予測困難でございますが、ただ現在のGSPスライドというのは余りにも現実離れした制度であることは間違いございませんので、需要サイドといたしましては、産油国を相手に懸命に交渉を続けておる最中でございまして、必ずしも現在の制度がそのままずっと残るという状態ではございません。しかし、どの程度の幅で、どういう形で原油の値下がりに対して対応していくか、その辺まだ現在でははっきりした見通しを持っておりませんが、懸命に努力しておる最中であるということを御報告させていただきたいと思います。
○永江委員 そういう点について御説明いただいて、ある程度わかるのでございますけれども、我々素人で見ておりますと、原油がこれだけ下がっておる、だから一方的にガスは、LNGがほとんどであるということは大体このごろは常識になっておるのですけれども、その値段がそういう原油価格等実勢と全く連動しておらないということはなかなか理解に苦しむところなんでございます。これは長い歴史の中で、先ほどおっしゃったように原油価格が高騰したときに逆に守るためにこれをやったと思うが、守るためが逆に足かせになって下がらないということだろうと思いますけれども、恐らくこれからの世界の原油価格の一つの流れとしてはこれは下を向いておる、こういうことからもぜひこれは大いに努力していただきたいのでございますが、これは通産省ですか、経済企画庁、これはやはり会社独自の努力にまたざるを得ないでしょうか。それぞれの、少なくとも三大ガス会社が企業努力でしかこれはできないのかどうか。というのは、相手がGSPというのは、先ほどもお話があったように産油国の政府が決めておる値段との関係だという、そういうことから考えていかがなものでしょうか。そういうのは全く企業サイドだけの努力でできるのか、何か政治的な援助というかそういうものが必要なのか、どうお考えでございましょうか。
○柴崎参考人 これは全く企業の問題でございまして、交渉する当事者はガス会社並びに電力会社、むしろ野澤さんからお答えいただいた方がいいかと思いますが、全体の八〇%近くは電力会社が使っておられまして、二十数%をガス会社が使っておるということでございますので、電力とガスの会社が懸命に交渉中であるということでございます。 それからGSPスライドのガバメント・セーリング・プライスは、要するに売る方がそういう政府価格を決めておるわけでございまして、日本政府は一切関係ございません。全部民間会社のコマーシャルベースで交渉しているというのが実態でございます。
○永江委員 大体おぽろげにわかりました。もちろん私も、日本の政府が干渉しておるとは思っていないわけで、相手側がやはり政府という形の中での価格決定、そしてそれにスライドされておるということから、何らかの日本政府の政治的な役割を要求する面があるのかなと思ってお尋ねしたわけでございますが、これはあくまでもコマーシャルベースということであれば、国民のためにもぜひこのLNGの値下げについては努力していただきたいと思うわけでございます。 もう時間が参りましたので、最後に、これも先ほどから出ておりましたけれども、内需拡大に努力していただくことは結構でございますが、余りにもむだな設備投資を行って、これが将来の料金算定に高目にはね返ってくるということであれば全く意味をなさないわけでございます。そういう点で、ひとつ電気業界も、あるいはガス業界も公益企業という立場に立って、全国民的な視野から今後ともそういったものに取り組んでいただきますように心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○阿部委員長 次に、藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 一昨日の総合経済対策で電力、ガス料金の割引措置が決められましたが、額は一兆円であります。私どもはいつも言っておりますが、一ドル百八十円、一バレル二十ドルで計算したら差益額は二兆円になるはずだ、その半分ですから随分少ないというふうに言わざるを得ません。 そこで、まず両参考人にお伺いをしたいわけですが、電気事業法あるいはガス事業法は、その基本を「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」ということを据えております。こういう状態でなくなったときは事業者の自主的な料金改定の申請を原則に据えているわけですが、その自覚はおありでしょうか。
○野澤参考人 ただいまの質問にお答えします。 電気事業法十九条は、電気事業者が電気を供給する場合に、料金その他の供給条件について、原価主義等に基づく供給規程を定め、通産大臣の認可を受けなければならない旨が規定されておりますことは承知しております。
○柴崎参考人 ガス事業法は十七条に同様の規定があるわけでございますが、ガス事業者といたしましても、この条項に従いまして、厳正な経営を常日ごろ心得ておる次第でございます。
○藤田(ス)委員 御両人とも極めて自覚をしておられるということを明らかにされました。 これまで消費者団体はもちろん、我が党もことしの一月に、円高差益、原油値下がりの還元を十九条、十七条に基づいて行っていただきたいということを申し入れたはずであります。なぜ今日までその料金値下げの検討をなされなかったのか。そして今、暫定的ということをしきりに繰り返していますが、それでは今後、十九条、十七条に基づく料金改定、値下げの申請はいつされるおつもりなのか、御明確にお答えをいただきたいと思います。
○野澤参考人 今回の還元のように、先行き不透明な情勢の中で社会的な御要請にこたえ、早期に措置してまいりますためには、緊急かつ暫定的な措置を第一義として考えていくことが大切だと思って処理していくところでございます。
○柴崎参考人 最近の為替の変動あるいは原油価格の変動というものは、だれも予想できなかったような非常に急激な変化でございまして、果たしてこの状態がどういう形で継続するのか、非常に不透明な部分が多いわけでございます。ガス料金につきましては、一つのファクターといたしましては安定性ということが非常に重要なファクターになっておりますので、もう少し先をはっきり見きわめませんと根本的な対策については根拠が薄いというぐあいに考えておる次第でございますが、一方、消費者の皆さんからは、差益が出るのだからなるべく早く返したらどうですかという大変強い御希望もございまして、その辺の二つのファクターをあわせますと、やはりガス事業法では二十条のただし書きによりまして、暫定的な割引という形が一番時宜に適した方法ではないか、かように考えておる次第でございます。
○藤田(ス)委員 私は、今後いつ料金改定の値下げ申請をされるのか、その時期を明確にしていただきたいということをお尋ねもしているわけですが、御答弁はありません。多分、非常に先行き不透明だということで今回暫定的措置をとった、つまり先行きの透明感がだんだん出てくれば改定をするのだというふうにお聞きを一応いたしますけれども、しかし、それにしても今、先行き不透明じゃないのです。少なくとも円高が大幅に反落するというような情勢じゃない、これは政府がはっきりと申しております。それから原油価格につきましても国際的に……(「それはわからない」と呼ぶ者あり)わからないことはないわけです。原油価格についても、先行きこれがますます値崩れをする方向に進んでいるということ、これは私が独断で言っているのじゃないのです。一昨日の政府の答弁ではっきりととっておりますから、申し上げておきます。さすれば私は、事業者の自主的な料金改定申請を原則にして、速やかにその時期も明確にされるべきだというふうに言わざるを得ません。 差益額についても非常に大きな問題があります。還元額は、電力、ガス総額で一兆円、こんな少ないはずはないわけです。あなた方は、現行料金、今現在私たちが払っている料金ですね、それの査定基準が一バレル三十二ドル強、一ドル二百四十二円ということは御存じだというふうに思います。幾ら一年原価だといっても、現在の料金水準は、消費者の側からいえばちっとも変わってないわけですから、この査定基準で円高差益や原油の値下がり益を計算するのが、あなた方が先ほどからしばしば繰り返されている原価主義というものじゃないでしょうか。今回通産省が採用いたしました数字、一ドル百八十円台、一バレル二十二ドルということを前提にして計算をしても、一兆六千六百八億円になるはずであります。値上げをするときは原油価格の上昇を大変大げさに言われ、あわてて早うやれということになり、過大なコストの見通しをつくって、値下げをするときはいろいろ理由をつけて、そしておまけに差益まで過少に見積もられるというようなことは、私は公益事業としてあっていいんだろうかというふうに思わざるを得ませんが、御答弁をお願いいたします。
○野澤参考人 私どもとしては、あくまでまだ見通しが不透明でございますので、実施に向けては今後早急に詰めていきたいとお答えいたします。
○柴崎参考人 ただいま先生御指摘のとおり、現在のガス料金のコストといたしましては、為替レートは二百四十二円それから原油の価格は三十二ドルということで織り込まれておることは事実でございます。ただ、これは五十五年一年間の原価計算期間というものを目標にして設定した算定基準でございまして、その後の推移をトレースしてみますと、五十六年度には原油の価格が非常に上がりまして、織り込みは三十二ドルに対しまして三十六ドル九十四、これは年間平均でございます。そこまで原油の価格は上がった時期がございます。それから為替レートも、五十七年度には最も円安の時期で一ドル二百七十円という時期もございました。しかし、そういう時期におきましても織り込まれた算定基準の範囲内でガス事業は経営を続けてまいったわけでございます。 その後、現在のような状態になっておるわけでございますが、その間、厳正な経理をいたしまして、所要利益を上回るものにつきましては原則として別途積み立てをする、それから五十八年度からは原価変動調整積立金に一括いたしまして区分経理をいたしましてはっきりさせておるというのが現状でございます。このような経営をやってまいりましたので、先生の御指摘になっておられます原価に基づいた公正な経営という点につきましては、一点恥じるところがないと自負しておるわけでございます。 それから金額の問題でいろいろ御指摘があったわけでございますが、藤田先生からいろいろ私、データをいただきまして、詳細に検討いたしました。若干当方の数字と違う点がございますが、一番大きな違いと申しますのは、やはり将来六十一年度に関しましてはLNG価格に対する見方の相違でございまして、この辺楽観的に見るか悲観的に見るかによりまして金額的には非常に上下の大きな幅が出てまいります。ガス事業といたしましては、やはり相当安定的な料金あるいは安定的な経営というところにも配慮をいたさねばなりませんので、おのずからガス事業者としての見方が出てくる、その辺の差が金額として表現されておるのではないかと想像するわけでございます。
○藤田(ス)委員 一年価格だといっても、現在私たちが払っている料金はこの査定水準で決められているんだということを重ねて申し上げておきたいと思います。その後、円レート並びに原油の価格に変動があったことを私は否定するつもりはありません。しかし内部留保は現にふえているということは、そういう変動があったとしても利益は非常に大きく積み増しされてきている。LNGの問題について深く突っ込みませんけれども、これは原油の価格に連動するものであるということは常識であります。 そこで、電力、ガス業界の内部留保の問題についてお尋ねをいたしますが、もう既に五十九年度決算で、五十九年度利益処分後で、電力の方は五千七百七十一億円、ガスで千三百九十八億円の原価変動調整積立金、別途積立金並びに次期繰越利益が出ております。この金額の水準がどの程度かということを私は計算をしてみましたら、電力で見れば、円高が現在の一ドル百八十円から一ドル二百二十八円まで戻っても一年間しのげる額であり、ガスに至っては、一ドル百八十円が一ドル二百四十二円に戻っても一年半以上しのげる額になっております。一体これ以上何を積み増す必要があるのか。一昨日通産省にそのことについでもただしました。そしたら、幾ら内部留保をするか、理論的な根拠はないというふうに答えられているわけであります。あなた方は現在の内部留保になお積み増ししなければならない合理的な根拠をお示しいただきたいわけであります。
○野澤参考人 お答えします。 電気事業というものは他の産業に比べますと、企業体質というのはまだまだ極めて脆弱でございます。非常に設備産業でもございますために、設備投資をやはり電源開発を中心にしてやっていかなければならないのでありますし、そのためにはまだ自己資本率が他の産業に比べて非常に低いということでございますので、しかも、これからもし為替レートあるいは原油価格が変動すると、その影響を非常に大きく受けやすい企業でございますので、やはり私どもは相当な内部留保はさせていただきたいと思います。
○柴崎参考人 ガス三社の五十九年度末の積立金でございますが、先生のおっしゃるとおりでございます。これをどこまで積むのが合理的かというお話でございますが、これはLNGとか、あるいはナフサとか、そういう原料のための積立金ではございませんで、名前のとおり原価変動調整積立金で、原価全体の変動に対する備えになっておるわけでございます。したがいまして、ただいま先生のおっしゃいました計算で、為替の率だけで何年間というような計算対象としては、ちょっと不適当ではないかというぐあいに考えるわけでございますが、いずれにいたしましてもこの原価変動調整積立金は原価の変動に応じまして何らかの形で消費者にお返しする、消費者に最も有利な形でお返しすべく、せっかく積み立てておるものでございますので、その辺は企業の一つの経営の方針というものもございますので、ぜひ御了解願いたいと存ずる次第でございます。
○藤田(ス)委員 公益事業である電気事業なりガス事業なりが脆弱というようなことは世の中に全く通用いたしませんで、皆さんほど競争相手がない安定した企業はないというふうに考えるわけです。いずれにしても消費者に有利な形でお返しをしたいという言葉は、私はそれはお約束としてここでお受けをしておきます。ただ、合理的な根拠を皆さんの今のお話でも示しておられない、私はそういうふうに言わざるを得ません。 六十年度の差益は三千億円です。六十一年度は、先ほど指摘をいたしましたように差益の過小評価分を六千六百八億円、そこも内部留保に積み増していくわけですから、一兆円弱の数字になってくるわけですね。私は、公益事業がこんなつかみ金的発想で進められたら、消費者の方はたまったものではないというふうに思わざるを得ません。消費者にぜひ還元をすべきであります。 次に、このような電力、ガス業界の体質があらわれているのが関連会社の問題なんです。 電力、ガス会社には、国民が聞けば驚くような子会社がたくさんありますね。ここでは電力関係だけしか申し上げる時間がありませんが、例えば電力会社には、関電には関電産業、東電には東電不動産管理といった不動産会社があるわけです。これらは不動産業界では、関電産業はベスト七位です、それから東電不動産管理という企業、これはベスト十七位です。大どころの不動産会社の中でも非常に上の方にランクをする、そういう巨額な利益を上げております。 そこでお尋ねをいたしますが、電力会社が設備投資をするとき、例えば東電でいえば東電工業、関電でいえば関電興業といった各電力会社の子会社に仕事をやらせておりますね、いかがでしょうか。
○野澤参考人 仕事をやらせております。
○藤田(ス)委員 私は、この電力会社の設備投資と関連子会社の経営状況について調べてみました。そして実に驚くべきことに、前回の電力料金認可時以降この六年間で十八兆六千億円を超える設備投資の急増、年間に直すと三兆円強ずつ急増していく中で関連子会社の経営は非常に急上昇しております。例えば東電工業は、五十九年三月と五十五年三月を比較すると税引き利益で二・四倍、同様に北電興業が三・八倍、関電興業が一・八倍、北陸電気工事が二・三倍、北陸発電工事が三・〇六倍、四国エンジニアリングが一・九四倍、四国計測工業が二・八四倍、九州高圧コンクリート工業が三・四五倍、九州電機製造が四・三八倍。物すごい数字になっているわけです。これは円高不況で苦しんでいる企業からすると夢のような利益の伸びと言わなければなりません。この電力会社の設備投資と関係子会社の経営状況についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○野澤参考人 電気事業は非常に巨大な産業でございますので、やはり平素、設備投資も進めて電力の安定供給を目指して計画的に行わなければならない使命を持っております。年度の経営収支で極端にふえたり減ったりしているわけではございません。これらの計画は毎年通産大臣に届けを行いまして公表しておりますし、したがいまして関連会社も、今申されましたような急激な発展というようなことでございますが、一定して、極端な増減はないようになっておるはずでございます。
○藤田(ス)委員 電力の安定供給に寄与するといえば何でも事が進められるというに考えないでいただきたいと思います。 さらに関係会社には、電力会社の役員が兼務で役員を兼ねているところが、これまた非常に多いわけです。この関係会社の役員の電力会社の役員の兼務状況は、九電力合計で延べ二百五十八名の役員がおられます。この二百五十八名の役員が子会社役員を兼務しておられるわけです。だから単純な言い方をしたら、九電力の役員の方お一人が関連会社一社を兼務しているということになるわけですが、それは単純な言い方でして、例えば北陸電力は二十四名の役員数に対して関係会社の兼務役員数は三十七名、関西電力は三十六名の役員数に対して関連会社の役員数は五十三名、九州電力は二十八名の役員数に対して関連会社で三十二名というふうに兼務しておるわけですから、一人で三社や四社の関係会社、関連会社の役員をかけ持ちしている人も少なくはないわけです。当然報酬も受けておられるでしょう。 しかし、このような電力会社の役員の兼務のあり方は公益事業としては妥当なものなんだろうか。ましてや、さきに見たように関係会社に非常な利益を保障するような状況下では極めて不明朗だと言わなければなりませんが、この点はいかがでしょうか。
○野澤参考人 今、数字をたくさん挙げられましたが、関連会社までの数字は用意してきておりませんので具体的にいろいろお話しできないわけですが、非常に一般的な話でございますが、役員が関連会社の非常勤の勤務をして指導しておる立場でございますので、これは必ずしも給料をもらっているわけでもございませんし、その辺はひとつ御了承願いたいと思います。
○藤田(ス)委員 必ずしも給料をもらっているわけではないということは、給料をもらっている方もあるというふうに聞かなければなりません。例えば大トー、これは関電と関電産業が四〇%近い株を持っている会社なんです。そこの役員の紹介欄「役員系列」というところを見ますと「役員の主な前歴」というところで関電の出身の方が三人、それから「役員の主な兼務先」というところでは実に七人入っておられるわけですね。これは社長以下常務あるいは取締役、監査役というような大どころで座る。何とこの会社の十二人の役員のうち関電関係が現職で七人、そして元というので三人、もう全部関電の役員で占められているわけなんです。 私たちは三年前に電力会社の役員の高額退職金問題も明らかにしました。今、電力会社本体だけでなく子会社、関連会社全体の中で役員報酬、退職金の問題について公益事業としてのチェックが要るのじゃないかと考えます。それは子会社、関連会社の利益の急増の事実があるだけに、ますます急務の問題であると考えるわけです。 通産省にお伺いいたします。電力会社の設備投資における工事単価や電力計などの製品の納入単価についてはきちんとチェックしておられるのか、また子会社、関連会社の役員の兼務について公益事業として妥当なものと考えておられるのか、この点をお伺いしておきたいわけです。
○山本(幸)政府委員 お答えいたします。 電気事業者が設備投資を行う際の工事の発注単価でございますけれども、これは第一義的には、電気事業者みずからの責任において十分にチェックが行われるべきものと考えております。一方通産省としましても、電気事業者の事業運営が適正かつ合理的に行われるかどうかということをチェックするために、電気事業法の百五条という規定がございますが、これに基づいて監査を実施しておりまして、各種の施設の建設価格等についても、当該設備の建設のために有効かつ適正なものであるかどうかということが監査の対象となっているわけでございます。 もう一つの御指摘でございます電力会社の役職員がその子会社、関連会社の役員を兼務している問題についてでございますが、私ども、電力会社の関連会社というのは電気事業に密接に関連する事業を専門的に分担しているものだというふうに考えております。電力会社の役職員がこれらの関連会社の役員を兼務するということは、電気事業の経営の円滑かつ効率的な遂行の観点から適正であるというものもあるというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 これで最後にいたしますが、電気事業者みずからの責任ということではなしに、通産省としてこの際チェックをしていただきたい。それから関連会社は電気事業に関連するものであるので役員の兼任というのはある意味ではやむを得ないというふうにおっしゃいますけれども、何で不動産会社が電気事業と関連するのですか。そんなことがわからないから、私はこの点についてももっと厳重な通産省の対応を求めておきたいわけです。 両参考人の皆さん、きょうは本当に御苦労さんでした。最後に、私は一つだけお願いをしておきます。 電力、ガス会社の役員が関係会社とどういう兼務状態になっているかということをお示しいただきたいのと、報酬をそこから受け取っているかいないかということを明らかにしていただきたい。これは通産省の方も責任を持って、その資料の提出をお願いして、私の質問を終わります。
○野澤参考人 これは個人の問題、プライベートな問題にもなりますので、ちょっと御返事をしかねます。
○阿部委員長 今の藤田委員の質問については、理事会でも検討して、後刻通知をいたします。
○藤田(ス)委員 ありがとうございました。
○阿部委員長 参考人の皆さん方には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。お礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十七分散会