物価問題等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/06
会議録
○阿部委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸田文武君。
○岸田委員 まず最初に、原油の値下がり問題を中心とした一連の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 サウジがネットバック方式をとったというようなことが一つのきっかけになりまして、最近原油の値下がりが急速に進んでおります。昨日の新聞を見ますと、北海原油で、スポットが十一ドル台というような数字も出ておるなどしておりまして、非常に大きな問題のように思うわけでございます。 そこで最初に、今原油の値下がり傾向はどういうふうな状況になっているのか、そして、これが一体どういうふうにおさまるものであるか、この辺の見通しについてお答えをいただきたいと思います。
○田辺説明員 岸田先生御指摘のとおり、最近におきましてスポット価格、特に北海のブレントという油、あるいはドバイといったスポットの原油の価格が非常に揺れ動いております。大変低下傾向にございます。特に、サウジのネットバック価格による我が国への輸入、これがこの一月三十日に決着いたしまして、それを機にスポット価格の低下を軸にして、全体として原油価格が軟化傾向にあり、かつ急激に減少しつつあるわけでございます。今後、OPECあるいは非OPEC諸国間の話し合いあるいはその動き等を私どもも注意深く見ていく必要があると思っています。なかなか市況製品でございまして、市場の動きを予測することは非常に困難でございますけれども、現在の暴落の雰囲気だけで先行きを判断するのはやや危険かと思われます。 また、私ども我が国への輸入に関しまして申し上げますと、二十八・〇八ドル、これが昨年の暦年の平均でございます。通関ベースでの価格でございましたが、一月には二十七・七七ドルとやや低下傾向にございました。しかしながら、現在の市場に見られるほどの暴落は起こしていない。二月になりまして二十五ドルくらいに下がってきました。そして、三月、四月とこの状況が続けば、さらに軟化が強まるものと思われます。
○岸田委員 今の御報告によりまして、我が国の輸入価格という姿でとらえてみますと、一月ぐらいからだんだん下がりかけてきて、これからまた下がるのではないか、こんなふうに受けとめられるわけでございます。一体輸入価格というのは国内の製品価格等の市況に響いてくるのはどのくらいかかるものか、そして、そのタイムラグというのはどういうふうな理由によるのか、御説明いただきたいと思います。
○田辺説明員 現在、原油を海外から購入する場合に、輸送にまず相当の時日を要するわけでございます。中東からは大体三十日くらいを見ておりまして、まずその三十日のタイムラグがあるわけでございます。我が国に入着いたしましてからちょうど九十日間の備蓄を義務づけておりまして、現在ちょうど九十二日くらいの在庫を持っているわけでございます。いろいろな計算方法がありますが、その九十日間の在庫期間のために、実際問題としてはコストに効いてまいりますのは三カ月、入着してから三カ月後くらいが本格的に安値原油のコストダウン効果が出てくると私どもは考えております。
○岸田委員 以上で大体現状の認識を承ったわけでございますが、以下少し影響の面についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず、企画庁にお伺いをいたしますが、昨今の原油の価格の値下がり、これが世界経済にどういう影響を及ぼすか。いろいろな見方があるように思います。成長をむしろ加速するプラスの要因であるという受けとめ方もございましょうし、あるいは産油国の中には非常に打撃を受けるものがある、世界経済にもマイナスの影響がある、こういうような見方もあろうかと思います。この辺の見方について、企画庁の考え方をひとつ御説明いただきたいと思います。
○丸茂政府委員 今お尋ねの、原油価格が低下することによります世界経済への影響でございますが、御指摘のように、先進国、主として石油の純輸入国でございます先進国、それから石油を産出しない発展途上国、いわゆる非産油途上国、こういうところでは、申すまでもありませんが、輸入価格が下がりますので、貿易収支が改善される、あるいはそれを通じて物価が一段と安定をするということがございまして、結果的に経済の成長率が高まるということが期待されると思います。また、こういうことで先進国の経済成長率が高まりますと、それによりまして原材料に対する需要も増加をいたしますので、これが一次産品を主として輸出しております発展途上国にプラスの効果があるというふうに考えられると思います。 これに対しまして、産油国につきましては、もちろん輸出が減少いたしますから、経済が厳しい状況になります。また同時に、特に発展途上国の中で石油を産出し、しかも累積債務が大きいというような国々につきましては、輸出の減少を通じまして国際収支問題が一層厳しくなるというような影響が考えられると思いますが、世界経済全体として見ますと、やはり物価の安定あるいは先進国の拡大テンポの増大というごとで、プラスの影響の方が大きいと考えております。
○岸田委員 それでは続いて、国内への影響という問題に移りたいと思います。 まず、これだけ油の値段が下がってくる、そういう中で差益の問題が非常に浮かび上がってまいるわけでございます。これがどの程度になるものか、油の価格自体の行方が明確でないだけに、今の段階でなかなかお答えにくい面もあることはよくわかるわけでございますが、一つの仮定を設けて試算をしていただくようにお願いをいたしておきました。そのお答えを承りたいわけでございます。 すなわち、仮に原油価格がバレル二十ドル程度、そして為替レートが一ドル百九十円程度で今年一年間続く、このような仮定を設けた上で、この結果、原油代金の支払いが昨年に比べてどのくらい減るものだろうか、この数字を明らかにしていただきたいと思います。
○田辺説明員 ただいま岸田委員御指摘の一つの仮定を想定いたしますと、二十ドルが一年続く、百九十円が一年続くということでございまして、その土台は、昨年の為替レートが、一年間の平均が二百四十円でございます。つまり五十円円高になるということでございます。それから、昨年の輸入平均価格が二十八・〇八ドルでございますが、二十八ドルとして計算いたしました。そして、それが一年間フルに継続し、原油の輸入量が昨年と横ばい、約十二・五億バレルでございましたが、それで計算いたしますと、三兆六千億円の原油値下がり及び円高による支払い減がございます。これは日本経済全体としてそういうメリットが出てくるということになろうかと思います。
○岸田委員 いわば一つの仮定の上に立った数字でございますが、昨今のスポットの動きを見ますと三兆六千億という膨大な数字、あるいはまた、これよりさらに大きくなるかもしれない、こういうような予感もいたすわけでございます。 そこで、三兆六千億という輸入代金の支払い額の減少が国内の各般の面にどういう影響を及ぼすか、いわば各分野への還元が一応どういうふうな見通しになるかということをお答えいただきたいと思いますし、その中で中小企業には一体どの程度の還元が行われるか、この辺の見通しもあればお聞かせをいただきたいと思います。
○田辺説明員 この値下がり、円高によるメリットが日本の産業なり消費者、経済全体にどのようにしみ渡るかということでございますけれども、まず石油製品の需要構造を見ますと、大変にさまざまな分野に行き渡っているわけでございます。例えば自動車関連の消費者あるいは業界、トラック業界等も含めまして三割ぐらいとか、あるいは鉱工業が一七%ぐらいとか、それから家庭用、業務用が一五%とかいったような形で、このメリットがさまざまな産業界あるいは消費者に市場メカニズムを通じて還元されていくということであると思います。 御指摘の中小企業につきましては、直接的にはこれらの各産業における中小企業の方々がメリットを得るということでございます。例えば鉱工業用の石油の需要家の大体四割ぐらいが中小企業でございます。さらに、産業用ではございませんが、自動車用、つまり自動車のドライバー、トラックの保有者あるいは家庭、業務用という形で、さらに大きく中小企業へのメリットが広がっていくことと推定されます。
○岸田委員 三兆六千億のうち中小企業の関係は大体お聞かせいただいたわけでございますが、主な分野というのはどんな分野かということをもう一度御報告いただきたいと思います。
○田辺説明員 御説明いたします。 三兆六千億がいろいろ還元されていく分野でございますが、自動車関連分野が約三割でございまして、このうちガソリンドライバー、ガソリン使用者に一八%ぐらい、それから軽油を中心に、これはトラック業界も含めますが、一二%ぐらいの需要構成になっております。それから、さらに大きいのは鉱工業でございまして、一七%ということでございます。鉱工業の中には灯油あるいは重油、LPGといったような油種が使用されているわけでございます。電力が二割ぐらい、それから家庭用、業務用が一五%といったところかと思います。
○岸田委員 それでは、このような油の値下がりが日本経済全体にどういう影響を及ぼすか、この辺のところを企画庁からお伺いいたしたいわけでございます。 経済成長にどのくらい寄与するのか、物価の安定にどのくらい寄与するのか、国際収支にどのくらい響いてくるのか、まず総括的なことを長官からお伺いし、もし必要であれば、事務方から御説明をいただきたいと思います。
○赤羽政府委員 ただいま御指摘の仮定的な例、仮説的な例について申し上げますと、一年間の輸入代金の節約が三兆六千億円に上る、こういうお答えがございました。昨年、暦年ベースの日本の経済規模、これは名目GNPであらわしますと大体三百二十兆円弱だと思います。三百二十兆円に対しましてこの三兆六千億円というのは一・一%強になります。それだけ国民所得がふえるということになります。名目GNPと申しますのは、日本人が一年間一生懸命働いてつくり出した、生産された国民所得の総合計ということになりますけれども、それに対しまして三兆六千億円付加されるということになるわけでありますから、成長率に対するプラスの影響は一・一%程度ある、こういうふうに考えていいのではないかと思います。 物価に対する影響はまた物価局長の方から御説明があるかと思いますが、先ほども申しました生産面から見た国民所得、つまり名目GNPと申しましたけれども、日本は資源のない国でございます。石油もないということで、生産活動に必要な石油を買っておるわけでありまして、そのために支払いをしなければいけない。自分でつくり出した生産所得のうちから産油国に対して支払いをするわけでありますけれども、この支払い代金が三兆六千億円減るということになります。つまり経済全体としての生産コストがそれだけ減少する、一・一%コストが減少する、こういうことになるわけでございますから、これは多少の時間はかかりますけれども、全体としてそれに近い額の物価に対する好影響がある、こういうふうに考えております。 それから経常収支、貿易収支という面で申しますと、この三兆六千億円、それだけ支払いが減るわけでありますから、黒字要因になるということだと思います。
○岸田委員 この輸入代金の値下がりは、各般の面で差益の問題につながってまいるわけでございますが、そういう中で、こういう問題に関連をしまして、この際むしろ石油に関連をして税金でも取るようにして、それを経済協力その他日本経済のために使う工夫はないか、こういうような議論も出ておるように聞いておるわけでございます。また、現にアメリカでも、この輸入石油に関する新しい課税の問題が浮かんでおる。これらについてどう考えておられるのか、ひとつ考え方を聞かしていただきたいと思います。
○田辺説明員 石油政策の立場から今岸田委員御指摘の問題に関しまして御説明させていただきます。 御指摘のような原油価格下落、円高に関するメリットを税等で還元すべしという議論につきましては、具体的内容につきましてはいまだ私ども承知をしていないというのが現状でございます。 石油製品につきましては、この価格は市場メカニズムで決定されております。需給バランスで決定されております。したがいまして、原油価格下落等に伴うメリット、これは市場の中で広範なユーザー、中小企業、需要家、消費者に還元されるものと考えております。 原油価格が低下したから新たに課税という点につきましては、産油国との関係とか消費国間の協調維持という観点等から問題が多いと考えております。先般来訪いたしましたヤマニ石油大臣も、強く消費国における課税に関して危惧の念を表明していたわけでございます。 それから、米国における石油輸入税等の動きでございますが、私どもの承知いたしておりますところでは、現在四本の関連法案が議会において提案されているということでございます。しかしながら、レーガン政権は基本的には課税に反対という強い姿勢を貫いておりまして、今後その行方を私ども注目しているところでございます。先週末に、日米エネルギー作業部会が政府ベースでございまして、アメリカのウォリス国務次官も来訪したところでございますけれども、会議の席上、米国側から、米国政府としてこの輸入税構想に強く反対であるという言明をしております。 以上でございます。
○岸田委員 なおお伺いしたいことがたくさんございますが、時間が限られておりますので、少し先へ進ましていただきます。 今年の一月六日から特定石油製品輸入暫定措置法が施行され、それに伴って今まで輸入のなかったガソリン、灯油、軽油、これらの輸入の道が開かれたわけでございます。一体その輸入の実績がどうなっているのか、御報告をいただきたいと思います。
○田辺説明員 御指摘の点につきまして、一月十四日にガソリンの第一船が各国から到着いたしまして、順調に輸入が進んでおるところでございます。 私ども、この一—三月の第四・四半期の供給計画上の見通しといたしまして、ガソリンが四十六万キロリッター、これは内需の五%程度でございます。灯油が二十万キロリッター、軽油が三万キロリツター、これは各社の希望をヒアリングいたしまして積み上げたわけでございます、見込んだわけでございますが、二月末の実績でガソリンが三十三万キロリツター、これはちょうど見通しに対する適正なテンポで輸入が進んでおるかと思われます。灯油は実は二十万キロリッターの見通しが七十万キロリッター既にもう入着をしております。軽油が三万キロリッターぐらいになっております。灯油の輸入量が大変著しくふえておりますのは、厳寒に対する安定供給への対応ということで、輸入によってそれを担保しているということでございまして、私ども通産省といたしましても、万全を期して輸入の手配をするよう業界を指導しておるところでございます。今後、市場動向に応じて石油業界の自主的な輸入は順調に進むものと私どもは考えております。
○岸田委員 私が想像していたよりかなり輸入が行われておる。特に灯油がかなり順調に入っておる。そういう数字からいいますと、ことしの冬の灯油の方は大体大丈夫ではないかなというふうな感じもいたすわけでございます。 それに多少関連があるわけでございますが、ガソリンの市況の問題、去年の夏ごろから見ますと、既にガソリンスタンドにおける値段というものがかなり下がってきておるわけでございまして、百三十円台の数字が見受けられる。私、さっき御報告をいただいた段階では、輸入価格はこれから下がるというような状況に伺ったわけでございますが、既に先取りをして値下げが行われておりますし、また、これから一層下がっていくかもしれない。下がることは一面ではうれしいことでございますが、この業界の体質で過当競争になり、経営基盤が揺らぐということもまた心配されるわけでございます。この辺、まず公取の方に、ガソリンスタンドの正常な市場価格の形成という問題についてどういうふうな立場で考えておられるのか、ひとつ御意見を聞かしていただきたいと思います。
○厚谷政府委員 ただいま先生御指摘の点につきましては、公正取引委員会といたしましては、何と申しましても公正かつ自由な競争のもとで価格が形成されることが基本的に大事なことだと思っております。しかし、揮発油販売業におきまして不合理な取引慣行というものが認められまして、これを含めまして構造改善を進めていくということが非常に重要になってくるというふうに考えております。 この点につきまして私どもが非常に大事なことだと思いますのは、何と申しましても資源エネルギー庁と十分意見を交換し、そのもとで公正かつ自由な競争が市場において行われるようにすることが非常に大事なことではないか、このように考えております。今後、石油業界の実情を踏まえまして適切に対応してまいりたい、こういうことでございます。
○岸田委員 ついでに、通産省のこの問題についての所見をお伺いしたいと思います。
○鳥居原説明員 ガソリン市場を正常化することは、行政の立場からいたしましても非常に重要なことだと考えております。石油産業全体の構造改善にとっても、流通の構造改善が一つのポイントだろうというふうに考えておりまして、行政の立場からもいろいろな手法でもって構造改善を推進しておるところでございます。 一、二の例を申し上げますと、一つは中小企業の近代化促進法という法律に基づいてガソリン等の販売業者の構造改善を現在推進しておるわけでございます。そのほか、ソフト面での構造改善も必要ということで、いろんな場を設けまして、業界を初め学識経験者等関係者の間で構造改善についての積極的な議論を展開しておるところでございまして、行政も、この問題につきましては今後最大限の努力を払っていきたいというふうに考えております。
○岸田委員 時間が限られておりますので、少し話題を変えたいと思います。 円高の時期になりますといつも問題になるものとして、国際電信電話の料金の問題、それから国際航空運賃の問題等があるわけでございます。この国際航空運賃は、申すまでもなくIATAの決定をベースにして決定をされる、こういう仕掛けになっており、そして発地国の通貨建て運賃制度というものが採用されておるわけでございますが、これに関連をいたしまして、為替レートの変動に伴ってこれが非常にアンバランスを生じておるという問題、ひとつこの辺についての所見を伺いたいと思うわけでございます。 まず先立ちまして、ひとつ日本とフランスとの間の関係におきまして、この両国の往復運賃、往復の航空券を日本で買ったならばどのくらいになるか、それからフランスで買ったならば何フランであり、円に直すとどのくらいになるか、事実をお答えいただきたいと思います。
○黒野説明員 ただいま御指摘の運賃でございますが、日本発、日本円で買いますと八十一万八百円でございます。フランス発、フランスで買いますと二万三千百六十フラン、これを昨日現在の為替レートで換算いたしますと日本円で六十万八百円ということになりまして、仮に日本発運賃を一〇〇といたしますと向こう発が七四という比率になります。
○岸田委員 どうもかなりの差ができておる。これは国際運賃の決定制度自体にもいろいろ問題があるのではないかというような気がするわけでございます。この辺を運輸当局としてどう考えていくのか。もう既にいろいろ是正のための措置に手をつけておられるようにも聞いておるわけでございますが、今後のこれに対する方針というものをお伺いいたしたいと思います。
○黒野説明員 実はこれは非常に難しい問題で、私どもも頭を悩ましておりまして、まさに先ほど先生御指摘のとおり、現在の国際運賃は出発国ごとの原価に基づいて出発国の通貨建てでそれぞれ認可を受けて設定されております。したがいまして、為替レートが変わりますとそれに応じて格差が生ずるというのは、いわば必然的な状況になっております。これを仮に改善というか抜本的に直すといたしますと、今の東京とパリの間を例にとりますと、例えばフランス・フランで設定したものに対してそのときどきの為替レートで日本の運賃を変えるということにすれば、これは格差はゼロになります。ただ、我が国に直接関係ないフランスの経済状況に応じて日本の国民なりあるいは日本の企業なりが左右されるということは、これは必ずしも歓迎すべきことではないと思います。反面、フランスに日本円に合わせると言ってもこれはまた無理な話ということで、この辺は、私どもだけではなくて、世界の航空企業、世界の航空関係の政府機関、いずれも頭を悩ましておるところでございます。 例えば、国際的な統一基準がありまして、それを基準に両国の運賃を設定するということになりますれば格差はなくなるでしょうが、かつてドルが基軸通貨として国際的な尺度としての評価を与えられていた当時は、一ドル三百六十円ということでドル建ての運賃をそのまま日本円に換算するということで問題が解消されておりました。しかしながら、現時点においてはそのような尺度がない。一つにはSDRを一つの尺度にしようかという議論もありますが、これも必ずしもまだ国際的な尺度として十分に機能されるかどうか明らかでないという状況でございます。 しかしながら、現象といたしましてこのような事態が生ずることは、私どもといたしましても決して好ましいことではないと十分認識しておりまして、まさに今御指摘の日本とヨーロッパの間につきましては、できるだけ早い時期に何らかの措置をとりたいということで、現在航空企業を指導いたしているところでございます。
○岸田委員 先ほどのお話によりますと、買うところによって料金が三割も違うとどうも割り切れないような気もいたしますが、これは大きな問題としてひとつ運輸省の方でしっかり対応策を考えていただきたいと思っております。 実は、きょうは電力の差益の問題をとっくりとお伺いいたしたいと思ったわけでございますが、時間が限られておりますので次回に譲ることにいたしまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○阿部委員長 次に、浜西鉄雄君。
○浜西委員 先般の企画庁長官の所信表明、これを中心に大体順序を追って質問したいと思います。言葉の上だけで意味合いがよくわからないものを質問していきたいと思っておりますので、できるだけ親切にお願いしたいと思います。 まず、初めの辺に言われておりますところの内外経済の現状、この中で「新しい成長の時代」を迎えつつあるということを言われておりますが、現在まで、貿易依存というか、輸出を中心に非常にもうかっておる、つまり成長を遂げておる、そのことから見た場合に、ここで言われておる「新しい成長の時代」とは何を指すのか、どのようなことをこれからの成長過程で想定されておるのか、まずこれをお伺いしたいと思います。
○及川政府委員 新しい成長の要因として、大きく言ってまず三つ考えております。 第一は、マイクロエレクトロニクスを中心とする技術革新、情報化の展開による産業構造の高度化であります。従来の重化学工業中心の成長ではなくて、新しい技術革新と情報化の展開による成長が、まず新しい成長の核であるというふうに考えております。 それから第二に、新たなサービス需要の拡大、情報化とも関係いたしますが、ソフト化された新たなサービス需要の拡大に見られるような新しい需要の拡大を要因とする成長であります。物を中心とする成長ではなくて、ソフト化を中心とする成長というふうに考えております。 第三に、技術が国際的に移転する、多角化する、特に太平洋地域の経済発展が新しい世界における成長の核というふうに考えておりますが、太平洋地域経済との連帯と成長を考えた新しい成長の時代に入るというふうに考えております。 政策的にはこれらの成長の芽を育てていくことが非常に大事であるというふうに考えております。
○浜西委員 今言われましたところの新しいサービス問題、物でなくしてそういうサービス問題、つまりソフトの部分とか情報化社会、こういったものを想定して発展をしていく、その過程で成長するというのは抽象的にはわかりますが、私の質問する意図は、ここの項には触れておりませんが、「第二の柱」の中では触れられておりますが、経済摩擦、言葉をかえれば貿易摩擦、そういう貿易摩擦については、これからますます外圧には非常に厳しいものがあると私は思っています。したがって、中曽根総理がずっと今日まで言ってきておりますところの内需拡大と新しい成長というものは、今回答のあった情報化社会、マイクロエレクトロニクス、ソフト化、こういうものを駆使して、地域産業というものにもそういう新しい、今言ったようなことがずっと適用されていく。つまり、それは言葉をかえて言えば地域の産業の発展にも通ずるし、内需の拡大ということにも結びついていく。それが新しい成長というものじゃないかと私は思っておったのです。そういう新しいソフト、情報化、いろいろなものを駆使してやりますが、あくまでそれでやった、生産をしたそのものが、貿易中心の経済摩擦とわかっておりながらも、今までどおりの輸出型依存の成長というものを想定しておるのではないかと思われるから、その辺が聞きたいところです。
○及川政府委員 先ほどの御答弁は、新しい成長の芽ということだけを申し上げましたけれども、そのような新しい成長は拡大均衡の中で進められなければならないということを第二の考え方として持っているわけであります。 今の不均衡は二つの点であろうかと思います。一つは対外的な不均衡であります。それからもう一つは国内的な不均衡であります。これもの不均衡を拡大均衡の中で解決していく方策が必要であるというふうに考えております。 国際経済との調和を図りながら拡大均衡のもとで新しい成長を遂げていくということは、当然内需中心の成長であり、それから国内的な不均衡という問題に目を向けますれば、財政不均衡という大きな問題がありますが、それ以外にも中央と地方とのいろんな形での不均衡が拡大する兆しが出ておるわけでありますから、当然のことながら、地域経済の均衡ある発展ということを目指しながら均衡ある成長、新しい成長の道を進めていくことが大事であるというふうに考えております。
○浜西委員 ちょっと話はかみ合わぬと思うのですが、私が言っておるのは言葉を極端に縮めていきますと、現在私どもの国が大変景気がよく、もうかっておる。国際収支は大幅な黒字である。結構なことなんですが、これはオイルショックを受けて急速に省エネだとかあるいは軽薄短小という言葉が生まれたように、非常に先端産業に力を入れて、そういう方向へどんどん進んでいった結果、非常に生産力が高まって製品も世界的に優秀なものができている。それでそのことが外国、特にアメリカとの関係では物すごくアンバランスになっておるわけですが、そういう貿易収支のアンバランスの問題が今世間で言われておるところの貿易摩擦の原因となり、輸出偏重のやり方について国際的に批判を受けておるわけです。だからその問題について、「新しい成長の時代」というのは今までとより違った、国内的にはこういう政策に具体的に切りかえていきますよ、こういうものがあってしかるべきだと私は思うのです。 例えば「第一の柱」の問題にちょっと移りますが、ここに「まず第一の柱」と書いてありますね。「内需を中心とした経済の持続的成長を図るとともに、雇用の改善を図る」、つまりこれは現在まででは内需拡大になっていない。日本のいろいろな技術は進んだけれども、それで得た製品、生まれた製品は輸出しておる。貿易で日本は勝っておる、もうけておるということだけでは国際的にはもう立ち行かなくなったから、内需拡大ということが「第一の柱」として長官の所信の中に出てきておるのではないか。そういう結びつきの中で私は質問しておるわけです。 それでは「第一の柱」の「内需を中心とした経済の持続的成長を図る」ということは、具体的にはどのようなことなのか。この後ちょっと質問いたしますけれども、国土総合開発の問題から第一次、第二次、第三次全総と言われる、そういう地域社会に対するところの、国土建設という言葉を使っておりますけれども、この中には産業の発展、国民生活の安定の問題など含まれておるわけですから、そういう一連の問題とこの「第一の柱」の「内需を中心とした」云々という言葉はどのように結びついておるのか、どういう構想があるのか、これが聞きたいわけですから、最初の質問とこの「第一の柱」の内需中心、雇用の改善という問題について、もう少し具体的にお願いしたいと思います。
○及川政府委員 経済演説にあります「第一の柱」の「内需を中心とした経済の持続的成長を図るとともに、雇用の改善を図る」ということは、新しい成長の促進の中でこのような道をとっていきたいというふうに考えているわけであります。 内需中心の成長は、御存じのとおり内需には二つの大きな柱があるわけであります。一つは国内の投資であり、一つは国内の消費であります。国内の投資を拡充するために諸種の条件整備を行い、民間活力を活用する等の措置をとったわけでありますし、あるいは住宅減税の措置を拡大する等の措置をとったわけであります。さらに、個人消費の拡大のためにも、経済審議会報告にもありますように、経済発展の成果を賃金と休日増、労働時間短縮へ適切に配分すること等を通ずる個人消費の拡大の必要性を大臣も何回も申し述べているところであり、その環境整備のために努力をいたしており、さらに物価の安定が実現されるような環境整備を進めているところであります。 このような形で成長の成果が国民生活の向上に振り向けられることが必要であるということを述べているところでありますし、さらに地域の関係につきましては、第四次全国総合開発計画等の策定の準備が進められているわけでありますけれども、中央、地方を通じ、全国土にわたる均衡ある開発、発展が進められるような方策を中長期的な観点から進めていくということを考えているわけであります。 さらに公共投資につきましては、本年度終了いたします八本の公共事業計画について、やはり社会資本、住宅環境等を計画的に、着実に整備していく必要があるということで、五カ年計画を新たに策定することを内定する等、それらの環境条件も整備してまいりたいというふうに考えているわけであります。 これらによりまして、内需中心の新しい成長の道を拡大均衡の中で進めていくということが、中長期の経済運営の基本として考えているところであります。
○浜西委員 抽象的な感じで、私はどうもまだ納得できぬのです。決して今言われたことを否定するわけではない、そういう方向でやってもらいたいわけですが、一つ具体的なことを申し上げます。一まず四全総が今日段階で策定が確実にできてないというのは、一体どういうことなんだろうかと私は考えるわけですね。そこに非常に今の地域開発というか、内需拡大というものに関連をした難しさ、悩み、そういうものがあるのではないかと私なりに想定するわけですが、まず一つは四全総というものがどういうところが詰められておるのか、どういう内容を持っておるのか、わかればこれを教えてください。それが一つ。 それから雇用の改善ということになりますと、今までのように都市型集約、工場地帯集約というようなものではなくして、やはり分散型というか、地域に開発をずっと誘導していくというか、そういうものが必要になってくるのではないかと思います。例えば、今さっき言われましたハイテク時代、ハイテク産業、こういうものは現実に、既にそれぞれの特色でもって、水のきれいなところ、空気のきれいなところでやっている。あるいは軽薄短小であるから持ち運びというか輸送も非常に便利になる。いろいろな新しい利点が出てきて、例えば事実上九州がシリコンアイランド、こういうふうに言われておるし、それからさらに東北がシリコンロードというふうに呼ばれておるように、半導体関連の企業はこれからそういう方面へ進んでいくことは否定できないと思うのです。そういうものを内需拡大にうまく合わせて——地方の時代でもあるぞと言われてきましたが、そういう産業関係でも地方の時代は本当は生まれていない。そういうものもあわせて、四全総という構想の中で、いろいろ内需拡大、内需型に切りかえていくということが真剣に考えられておるのか、それが知りたいために私は質問しておるわけですから、それに関連して、ひとつ四全総の中身、現在もしできてなければなぜそれができないのかなと、わかっている範囲内で結構ですから教えてください。
○及川政府委員 四全総につきましては、現在、国土庁が中心になって国土開発審議会等の審議を経ながら鋭意策定に努力中であり、現在計画部会という部会で審議中であるというふうに了解いたしております。途中段階で審議経過が部会から何回か報告されておるわけでありますけれども、国土庁のそのような作業に対して、経済企画庁としても経済政策運営全般の調整を担当する立場からいろいろと連絡調整に当たっているところであります。 現在までのところ、確定的なことは私どももそういう意味で申し上げられませんけれども、三全総が定住ということを柱にしたのに対して、四全総の現在の審議の過程は、私の承知している限りでは定住と交流ということにより重点を置きつつ審議が進められているのではないかというふうに考えております。そして国際化の中で世界に開かれた国土の形成、あるいはより多極分散型の国土の形成、さらには交流可能性を全国土に拡大する等々の方策について、現在、国土審議会におきまして鋭意検討が進められ、できればこの秋を目途に計画案の策定を進めたいということで作業が進められているというように承知をいたしているわけでありますが、そのような方向で政府部内でもさらに調整をしていかなげればならないというふうに考えているわけであります。 さらにお話のありました新しい成長、新しい技術革新、ソフト化の技術革新が地方分散型に特に向くのではないかというお話は、まさにその通りかと思います。九州がシリコンアイランドと呼ばれ、あるいは東北がシリコンロードと呼ばれておるような形で、新しい産業がそれらの地域に立地が非常に進んでおるということはそのとおりでありまして、特にそのためにも、交流といいますか、高速交通体系の整備がそれらの地域において望まれており、それに対応しつついろんな産業の地方分散が行われつつあるかと思うわけであります。 ただ、その中で情報の大都市集中が非常に進んでおることが非常に問題となって、地域からいろいろ意見を出されておるわけでありまして、いかに情報格差を地域との間で縮めていくかということも検討しながら、交流可能性を全国土に拡大し、多極分散型国土をいかに形成していくかということが内需中心の成長を全地域の国民に均てんするために非常に大事な点であろうかというふうに思っているわけであります。 いずれにしても、四全総あるいは地域開発問題につきましては、現在国土庁を中心に国土審議会において鋭意検討が進められておるわけでありますので、私どももそれと協力しながらその結果を見守りたいというふうに思っているわけであります。
○浜西委員 それじゃ四全総はまだ今いろいろ策定中ということで受けとめておきます。これは意外に大事なことでありますので、これから先もこの問題についてお互いに注目しながらいきたいと思っております。 さてそこで、これも関係するわけですが、いろいろおっしゃいました中で、長官の言葉の中にあった「大規模プロジェクトの着手」、これは先般の国会に提案されたあれを指すのかどうか中身がよくわかりませんが、民間活力の活用を図るというその物の考え方、大型プロジェクトとは大体どんなようなものを指しておられるのか、これをお聞きしたいと思います。
○赤羽政府委員 大規模プロジェクトにつきましては、昨年の十二月「内需拡大に関する対策」ということで、東京湾横断道路及び明石海峡大橋の建設に着手するとともに、関西国際空港につきましても本格着工をすることを決定いたしました。こういったようなプロジェクトを指しておりますけれども、こうしたいわゆる大型プロジェクトに限りませず、民間活力活用によるいろいろな施設の整備事業の促進やテクノポリスなど地方におけるプロジェクトの着実な推進、こういうものも広く含めて大型プロジェクトの着手等ということになっておるわけでございます。
○浜西委員 この大型問題にはいろいろ異論のあるところですが、きょうはその中身の討論ではありませんから、素直にそういうものを指しておるということで受けとめておきます。 その中に、これはいろいろな委員会その他で既に出ておる問題なんですが、社会資本を拡充強化する意味合いからも、これから先の新しい情報化社会などを展望することにも関連いたしますが、共同溝の設置というものが今の大型プロジェクトの中に入っておりません。私が言いたいのは、例えば東京湾なら東京湾、この周辺といえば、大変景気もよくなるし、便利もよくなるし、新しい意味での工場移転も始まるかもわかりません。しかし、それは日本列島全体から見れば局部的であり、一部だ。したがってそれに携わる業者も一部であって、全国的に今不況にあえいでおるところの中小企業者あたりがその余波を受ける、影響を受けるということはまず考えられない。今私が言ったところの共同溝は、ガス、水道を初めとしてこれからの新しい時代での通信網を建設する場合も含めて、地下の一つの溝の中に埋めれば、都市開発というか再開発も含めて大変やりやすくなる、美化にも通ずる、あるいは交通を立体交差する場合に、やはり電線が邪魔になっておる、電話線、電柱が邪魔になっておる、それらがなくなるわけですから、そうすると道路網の整備にも大変いい影響を及ぼす。素人が考えてみても大変いいことなんですが、この共同溝の設置に本格に取り組めば、内需拡大に物すごく寄与するし、社会資本の充実強化にもなる、これが国民生活の向上にも大きく寄与する、こういうふうになるわけですが、大型プロジェクトの中に共同溝設置というものが全くないのか、どの程度考えられておるのか、これが知りたいわけです。
○赤羽政府委員 配電線の地中化等につきましては、昨年の十月十五日に決定をいたしましたいわゆる内需拡大策の第一弾に、向こう三年間に、電力業界におきまして一兆円の設備投資をする、その中に電線の地中化等の措置が含まれておりますけれども、これは必ずしも共同溝という方式によってやるというよりは、もう少し簡便な方式でやる、このように聞いております。 御指摘のように、共同溝というのは大変すぐれた施設、すぐれたアイデアでありますけれども、これにつきまして現在の大規模プロジェクトの中にそういうものが一つの柱として含まれているのかということになれば、まだその段階に来ていない、こういうふうに理解をしております。
○浜西委員 わかりました。今の段階での大型プロジェクトという意味の中にそのことはまた入っていないということですから、これはひとつ要望みたいになりますが、将来、それこそ大事業でありますが、まずこれの設置について本格的に取り組んでもらわなければいかぬと思っております。きょうのところは、入っていないということですから、それはそれなりに理解いたしますが、さて次は、「民間活力」ということを言われております。 これは「最大限発揮されるよう環境整備を行い、」この「環境整備」とは具体的にはどういうふうなことを考えるのか。それから「設備投資等積極的な民間投資」、こうなっておる。だから例えばということで一例、二例、そういった例があれば、こういうこともその中に入るとかというふうに一つのヒントを与えてもらいたい。どんなものがこの民間活力の環境整備なのか、これを教えてください。
○赤羽政府委員 民間活力を発揮するためには、民間活力の発揮を妨げているようないろいろな制度でありますとか、その他の政府の介入といったようなものを除去するということが必要だと思います。それに加えまして、さらに民間活力の発揮について若干、それほど大がかりなものになりますと民間活力になりませんので、しかしながら、若干のプラスの積極的な援助をする、こういうこともまた必要ではないかと思います。 それで、具体的に申しますと、まず民間活力発揮の妨げになっておりますいわゆるいろいろな公的規制、これについての見直しを行ってきております。昨年の十月の「内需拡大に関する対策」におきまして、こうした規制の緩和ということにつきまして措置をとるということが、内需拡大という観点から必要であるという認識が決定になりました。さきの国会で許可、認可等民間活動に係る規制の整備及び合理化に関する法律というのが成立いたしまして、既に施行されているところでございます。 もう一つ民間活力を公共事業的な分野において積極的に引き出していこう、こういう観点からは、新しい仕組みということで、関西国際空港株式会社を設立をいたしましたほか、いろいろな大規模プロジェクトあるいは民間活力活用による特定施設の整備事業の促進のために、所要の法律案をもう既に提出したものもございますし、またこれから提出するのもある、こういうことで積極的に引き出していく措置をとろうということが具体的に申しまして主要な点かと思います。 さらに、それに加えまして土地信託の制度なども導入をするということで、国有地あるいは公有地等につきましても所要の法律案が提出される予定になっております。
○浜西委員 今言われましたことはそれなりに意味合いがありますが、やはり本気で民間活力ということになりますと、現在までのやり方ではとてもじゃないがかなり実現できないと私は思っておるわけです。冒頭言いましたように、大資本の輸出型のそういう貿易でもうけていくという成長で来たわけですから、地域の活力を引き出すというのは、つまり本格的な内需拡大になると大変なことになると思うが、法律的にやるかやらぬかは別として、行政的にそれをやる中で、例えば地域の特色を生かした潜在的な成長力といいますか、そういうふうなものを改めて点検をして、きちっと整理をしていく、地域資源の掘り起こしということになると思います。 それから、一時期にはUターン現象があって、田舎の方にもぼつぼつと工場ができたりそういうこともありましたが、一つの例でいきますと、私の山口県ではアルミ産業の工場がありましたが、完全に昨年つぶれました。いろいろ問題はありましたが、円満解決と言ってはおかしいのですが、やむを得ないということで、そういう哀れな結末となったわけですが、完全に引き揚げたわけです。 一時期にはそういう地域の時代という芽が出てきたわけですが、今日では、都市集約的な方向へ生産力が集中されておる、こういうことであります。特に鉱山企業と言った方がいいと思いますが、きのうも商工委員会の方で田舎のそういう関係者の参考人から意見を聞いて、そういう山間僻地、山村というか、農村部では、とてもじゃないが今の状態では成り立っていかないという悲痛な叫びとも言えるような参考人の意見陳述があったわけですが、それらを見てもそういう問題についてもっと真剣に考えなければならぬと思うのです。 それから、地域分散型というか、地域にそういう産業が興るようにしむけていくためには、かなり大胆なことが必要になってくるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。 したがって、ネットワークづくりというか、それぞれの職種で同業種でやるのか、地域ごとにやるのか、お互いにまだその点確たるものはありませんが、新しい情報化社会を展望してそういうネットワークづくりをやりながら地方に仕事を分散させていく、工場を移転させていくというふうなことをやらない限り、とてもじゃないが地域の振興——四全総を今度計画立案するについても、その辺が問題になると私は思いますが、本当の意味で内需拡大の基盤づくりというか、そういうものにはなかなか到達できないと思います。 この中にあります「国民の住生活及び住環境の整備・改善」、こういうものも、この「民間活力が最大限発揮されるよう環境整備」とくっついておる話だと私は思います。それがなければ地域の言ってみれば環境整備、住宅整備ということはないわけです。やはり同じ世代ばかりが集中して後は途切れるんじゃなくして、地域でおじいさんから息子、息子からさらにその孫というふうに、労働者がそこへ参画して、地域として一つの安定をした、つまり安住というか定住というか、そういうものが生まれてくると思うものですから、そのもとになる日本の産業の構造的な転換、内需拡大的なものが本当に実施されない限りは、幾ら口の先で国民の生活、住生活あるいは住環境を何とかすると言っても、それができない以上はやはり都市集中型に油断をすれば戻ってしまうというおそれがありますが、そこまでいろいろ検討されておるのか、その辺までいろいろ考えた上で当面これでいくと言われているのか、もう一遍その点をお願いしたい。
○及川政府委員 我が国の地域ないし国土の問題は非常に長い歴史があるわけでありますけれども、御存じのとおり第一次全国総合開発計画は、地域格差是正のために拠点開発、新産業都市という考え方で行ったわけであり、第二次全国総合開発計画は、大規模プロジェクト、日本列島の骨格を新たにつくり直すということであり、第三次全国総合開発計画は、おっしゃるような定住構想、地域に定住の環境をつくるということを重点にやったわけであります。そして地域に大都市から人々がUターンしていくという状況があったわけでありますが、現在、おっしゃるとおりUターンの芽が若干とまりつつあるわけでありまして、新しい情報化、技術革新あるいはサービス化の進展等々を踏まえて、こういう状況のもとで長期的に日本をどう持っていくかということについては、先ほど申し上げましたように、四全総で国土の問題については検討されているというふうに承知いたしておるわけでありますけれども、新しい情報化に即応した、定住のみではなくて、ネットワーク社会をつくり上げる必要があるということが一つの眼目になっていると承知しております。そして、定住と交流と先ほど申し上げましたけれども、定住と交流ということを中核テーマとする一つの構想をどのように打ち立てていったらいいのかという検討が行われているというふうに承知をいたしているわけであります。 もちろんその中で、民間活力がそれらの定住と交流に各地域で活用されることが必要であり、各地域の住宅環境整備が行われることが必要であり、そういう意味で民間活力の活用が東京や大阪における大規模プロジェクトだけではなくて、それぞれの地域の草の根的な民活も推進しようというような形で新しい法案等も用意されているわけであります。 そしてさらに、民間活力は一般的に言えば、企業の採算性に合う大都市においてより適合するものでありますから、大都市で民間活力を活用した環境整備がより強く行われるならば、いわゆる租税を中心とした公共事業については、より多くが地方に配分されることも可能になってくるということも含めて、中長期の指針を検討しながら当面の対策として来年度の予算なりいろいろな施策なりが検討されているというふうに御了解をいただきたいと思うわけであります。
○浜西委員 まだ中身的に固まっていない問題もありますし、ここでこれ以上は避けますが、結論はやはりこれから先、二十一世紀を展望して、地域社会のニーズというか、そういうものを先取りをして、それにこたえ得るような意味でのハードなりソフトなりの設置もどんどんやっていく、つまりインフラの段階で地域格差があってはならない、将来を想定して今からまんべんなく設置をしていく、投資をしていく、計画的にそれをやらせるという姿勢がなければいかぬと思うのです。つまりインフラストラクチャーの地域格差をなくするという立場で考えてもらいたい。全国的にはネットワーク型の国土建設、国土創出、こういうふうになろうかと思いますので、さらに御努力を願いたいと思います。 さて、円高の問題です。「円高のプラスの面が国民全体に及ぶよう適切な経済運営」、私は非常に難しいと思うのです。言葉の上で言っても、具体的には一体何をするのかよくわからないのですが、一体長官とすればどの辺のことをどう考えておられるのか、これを聞かしてもらうといいのですが。
○斎藤(成)政府委員 円高の活用の問題でございます。私から申すまでもございませんけれども、一般の商品について申しますれば、市場原理、競争原理が働きますから、ある程度時間がかかりますと円高がだんだん浸透してまいりまして、物価は当然に下がってまいります。私どもは、その物価に対する浸透が円滑に行われるように、まず十分監視をする必要があると考えておりまして、一月末の各省の物価担当官会議でそういった一般の物資について十分調査を行い、それについて円高の浸透が阻害されるような事由があればそれに各省が取り組む、こういうことを決定をいたしております。 それから公共料金につきましては、これも申すまでもありませんけれども、特別の措置をとらない限り公共料金というのは動かないわけでございますから、これだけ円高になって、公共料金をその円高の効果を反映するように改めるということが必要であろうと思っております。ただ、これにつきましてもどのくらいの効果が出てくるか、ある程度時間の経過がないとその円高のメリットというものをとらえるのも難しいわけでございますから、各省十分そういう点を心得て公共料金の改定に取り組むということを決定をいたしております。 一番話題になります電力及びガスにつきましては、御存じのように通産省で既に六人の委員から成る懇談会を設けておりまして、検討いたしておるところでございます。それ以外の公共料金につきましては、各省で今いろいろ検討を行っておる、私どもはそれができるだけ早く進むようにプッシュをしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○浜西委員 物の考え方としてはわかりますが、当面、円高で企業努力なしにもうかったところもある。自分は何にも悪いことをしていないのに、一生懸命従業員と協力してやっておる中小企業の人たちが円高によって倒産、あすはもう店じまいしなければいけぬというような状態が起こっておるところもあるわけです。これは自助努力をしようにもやりようもない。片方では企業努力は別にしてないけれどもごっそりもうかった。こういうことについての政府として調整機能を果たすような気持ちはないかというのが、私のこの質問した心の底にある要点なんですね。 言葉の上では適切かどうかわかりませんが、例えば格差補給資金というような特別会計でもって無利子にしてやるとかなんとかいろいろあると思うのです。いずれにしてもそういう調整をやって、もうかったところからはそれなりの理由をもっていただく。つまり企業努力してない部分でもうかった場合ですよ。企業努力している人、これはもう手を出しちゃいけませんが、そういう調整機能を果たすようなことをもって国民の生活にプラスになるようにという、何かそんなような気持ちはないのかというのが私の問いの基本なんですが、ちょっとその辺、あるかどうか。
○斎藤(成)政府委員 御指摘のように、俗にウインドフォールプロフィットと申しておりますけれども、そういった思いがけない利益について、円高の犠牲と申しますか、デメリットを背負うことになった企業対策に使ったらどうかという御意見は世の中に存在するわけでございます。ただ、これにつきましてはいろいろ賛否の分かれているところでございまして、例えば、円高になったことによってもうかった部分を吸い上げて、損害をこうむったところにつき込むとするならば、逆の事態が出てきたときもやるのかとか、いろいろ議論が今紛糾しているところでございます。そういう意味で、私どもは御指摘のような御意見があるということはよく承知しておりますけれども、現在通産省において検討しております懇談会の意見の結論を待ちたいと思っているわけでございます。
○浜西委員 はい、わかりました。私どもは、これから先も特に中小企業者を殺してはならぬ、何とか立ち直らせるという意味で、そういうものにも円高差益の方を使う必要があると考えていますので、これはまた後々までもいろいろやっていきたいと思います。 さて、問題の六十一年度の成長率ですか、これは論議すればいろいろ時間もかかることですが、端的にお尋ねいたします。 実質で四・〇%見込んでいらっしゃいますね。私は周囲の人、関係する人といろいろ雑談で日ごろ話しているのですが、だれも四%と思っていないのです。まあ素人だからかもしれませんが、本当にこれは四%なのか、何を根拠に、どういう確たる自信を持って言われておるのか、わかりましたらこれをちょっと説明してもらいたい、四%問題。
○赤羽政府委員 六十一年度につきましては、政府見通しにおきまして実質四・〇%の成長を見込んでおるのは、今仰せのとおりでございます。この四%の成長をどのようにして実現可能か、特に最近の急速な円高との関係でそうした見通しというのが今でも実現可能か、こういう問題意識かと思います。 まず四%の成長でありますけれども、四%の成長は専ら内需で達成される、こういう見通しになっております。外需はむしろ成長の足を引っ張る、〇・二%、わずかでありますけれども成長の足を引っ張る、こういう見通しになっております。外需につきましてマイナスの成長を見込んでおりますのは主として円高の効果でございます。したがいまして、四%成長が実現されるためには内需がそれだけ伸びなければいけない、こういうことになります。 まず、内需の項目のうち家計部門の需要というのは、これは円高の効果等もございまして、物価が安定をして家計部門の実質所得がふえる。これに加えまして、さらに原油の値下がり、こういったようなことで、交易条件と言っておりますけれども、この交易条件の改善が一層進むという状況のもとでは、家計部門の実質所得は堅実な伸びをするだろう、これが、消費及び住宅といったものの伸びが六十年度よりも六十一年度の方が高くなるだろう、こういうふうに考えている根拠でございます。 それから設備投資につきましては、確かに円高に伴う輸出による企業利益、これが圧縮されるということがございます。そういったような面で、製造業におきましては若干弱くなるという面はありますけれども、そうした製造業におきましても、なお、第三の技術革新、第三の産業革命と言われますように、最近ハイテク産業を中心としての技術革新の大きな盛り上がりの時期に入っている、こういう認識のもとで、技術革新投資は引き続き堅調である。加えまして、非製造業、三次産業を中心として設備投資は引き続き好調な推移を続けるだろう、こうした見通しに立っておるわけでございます。 政府需要、これは国家財政、非常に苦しい状況にございますので、一般会計の公共事業費は当初予算ベースで前年度比二・三%のマイナスということになっておりますが、種々の工夫をいたしまして公共事業の事業量は前年度比四二二%の増加、こういったような工夫をすることによって、政府需要もまた成長に対してプラスの寄与をするもの、こういうふうに認識をしているわけでございます。その上で、この四%の成長率が内需を中心に達成されるものと見込んだわけであります。 その後のより一層の急速な円高、それから、さらに明白になりました大幅な原油引き下げの効果ということでありますけれども、円高につきましては、プラスの効果とともにマイナスの効果がございます。特に過去五カ月間の円高というのは余りにも急速に起こった。それによって企業として対応の時間的な余裕がない、物理的に対応できない。それからさらには、余りにも急速に上がりましたために、どこでストップしてくれるのだろうか、どこで安定を見るのか、こういう不安がある。企業不安、心理的な不安、これもまた景気に対してマイナスの効果を持つ、抑制的な効果を持つ、こういう問題点はございます。しかしながら、円高自体はむしろ経済にとって差し引きプラスの効果、少なくとも中立的な効果ではないか、こういうふうに考えられます。 と申しますのは、確かに輸出の面での数量減ということはございますが、輸入の面での輸入支払い代金の節約、それから輸出におきましても、企業はそのために大変苦しい思いをするわけでありますけれども、ドル建ての輸出価格を引き上げる、一月ごろの時点で申しますと、日本銀行の聞き込み調査によりますと、大体六割の輸出企業が円高が始まります前に比べまして一〇%程度のドル建ての価格引き上げをしている、こういうことでありますので、輸出収入というのは確かに減りますけれども、その減り方は輸入でのプラス、輸入支払いの減少のプラス、これによってほぼ相殺される、こういうことでございます。 それに加えまして原油の値下がり、先ほども機械的な仮定を置いての計算だというお話がありましたけれども、二十八ドル、二百四十円のものが百九十円、二十ドル、こういうことで三兆六千億円の輸入支払いの減少というのがあって、これは大体成長率に換算をいたしますと一%強になるということを申し上げましたけれども、それだけの収入増加、国内の購買力の増加というのが期待されるわけでございます。 そういうことを考えますと、円高によりますところの生産活動の停滞を補って余りある国内需要の増加の要因がそこにあるということであります。そうした国内購買力の増加というものが、一〇〇%直ちにそれに比例をして国内需要をふやすかどうか、これは若干なお見きわめなければいけないと思いますけれども、この基礎と申しますか、そうした要素はそういう形で出てきている、こういうふうに認識をしております。したがいまして、現在の時点で仮に円高というものが当初の見通しよりも一層進んだ状態が続くということでありましても、この四%の見通しというのは変える必要がない、こういうふうに認識をしております。
○浜西委員 見方によっていろいろ違いますから、これできょうの段階で論争する気持ちはありません、四%というものを見込んでおる物の考え方を聞いただけでありますから。内需拡大というか、あるいは今は春闘の時期でありますが、やはり賃金というものを懐に入れて消費を中心とした経済活動が活発にならない限りは、私は、購買力の増加というものはとてもじゃないがそこまで期待できないと思っていますが、いずれこれが途中で下方修正にならぬように期待をしておりますし、きょうの段階ではそういう物の考え方で一応受けとめておきたいと思います。 そこで、「適切な円レート」という言葉があるわけですが、「適切な」、これも難しいわけです。今の段階で「適切な」というと、限度きりぎりどのぐらいを考えておられるのか。「維持に努める」というその考え方と「維持に努める」という努め方、具体的に言えば、経済企画庁としてはどのような機能を持ってそれができるのか、その円レートの適切な維持と、額はどの辺がということと、それを調整する機能というものは経企庁とすればどのようなことでやっていこうとされるのか、これを聞いておきたいと思います。
○赤羽政府委員 過去五カ月間の円高の状況というのは、先ほども申し上げましたように、余りにも急速であった、スピードが速過ぎる、そのため、に企業としては対応の余裕がない、対応が物理的に不可能である、さらには将来に対する不安、企業心理が悪くなる、こういうことを申し上げました。そういう意味で、余りにも急速な円高といったような点は弊害の方が大きい、こういうふうに考えますけれども、しからば円高自体あるいは特定の水準というものが果たして適切かどうか、これはいろいろな観点から判断されるし、また立場によって違う、こういうふうに思います。 例えば輸入企業、もっぱら輸入で商売をしている、そういう立場の人から見れば、円は高い方がよろしい、その方が外国から安く買えるわけでありますし、それだけもうけも多くなる、こういうことでありますけれども、また輸出に立脚しておられる方にとっては、今だってやっていけない、こういうことでありますので、いろいろな観点、それからさらには経済の状況によって違うと思います。そういうことで、具体的なレベル、金額、数字といったような形でどれが適切だということは言えないのではないか、こういうふうに思います。 為替レートの安定といったようなことについて経済企画庁として何ができるかということでありますけれども、直接この為替市場に介入するといったようなことは私どもの仕事ではございません。私どもとしては、日本の経済成長を安定した経済成長にする、日本に対する外国のいろいろな経済関係の人たち、これは政府もありますし、またビジネスマンもありますけれども、そういう人たちが日本の経済に対する確信を持って経済の適切な運営を図っていく、そういう形で日本の経済の実力、いわゆるファンダメンタルズというものを反映した為替レートというのが形成されていく、そういうことを念頭に置いて適切な経済運営をしていく、こういうことじゃないかと思っております。
○浜西委員 もう時間が来ましたから飛ばしまして、「第三の柱」の問題をひとつだんごにしてお尋ねいたします。 公共料金、これはそれこそ国民生活に大変影響のあることなのですが、この公共料金をなるべくなら上げない、上げないという物の考え方がここに言われておると思うのです。公共料金に対して、経企庁としてその辺に及ぼす機能ですね、例えば、国鉄運賃ならば運輸省がやってみたりいろいろあるわけですね。たばこそれから電信電話、授業料、いろいろある。そういう、公共料金を上げさせない、国民生活に影響のあるようなことをさせないという物の考え方が発表されておるわけですが、これに対する具体的な機能というのはどこまであるのか、私よく知りませんから、その辺の考え方を一つ。 それから、消費者保護の問題も言われております。豊田商事のようなああいうまがい商法、悪質なものがありました。情報で聞きますと、それなりに法律をつくって、その辺のことに対する歯どめをかけるようなことも聞いておりますが、できれば未然に防ぐという方策というものが私は欲しいのじゃないかと思う。そのためにはお年寄りの方々に対して、あるいは消費生活センターを通じてか、地域の町内会を通じてか、いろいろ方法があるでしょう、何回も私は今まで言ってきたつもりですが、テレビのコマーシャルの間々にこういうまがいがあるからひっかからないようにと言うぐらいのことはひとつ全国的にやってもいいのじゃないかという気もいたします。これは私の勝手な思案ですが、そういう消費者を保護するという物の考え方、これは、具体的にどんなことを考えているのか。最後に、長官にも総括的にお願いしたいのですが、私は多少意見めいたことも言いました、こういうふうなことをしたらどうだろうかという。せっかく長官が所信表明をやられたわけですから、それに対して私は、基本的には賛成する意味で補強的な意見を申し上げましたから、そういったものについて最後にお答えを願って終わりたいと思います。
○斎藤(成)政府委員 私は公共料金の問題についてお答えを申し上げます。 公共料金は、御存じのように各省がそれぞれ所管をいたしておりまして、それぞれの収益の状況を見ながら公共料金の改定を行っているわけでございます。ただ、そういった各省だけの立場で公共料金を決めるということになりますと、例えば、公共料金の改定をやる省庁が幾つも出てきたような場合それが国民生活にどういう影響を及ぼすかということについては、どうしても各省それぞれでは判断が十分でない。また日本の経済全体を見て、それについてそれらの公共料金の改定がどういう影響を持つかということにつきましては、経済企画庁が経済全体を見る立場にある。そういうこともございまして、発生的にですけれども、各省が公共料金を改定するときには、主なものについては経済企画庁と相談をした上で決める、こういう建前になっておるわけでございます。ですから、そういった物価とか国民生活に及ぼす影響について、企画庁としては十分考慮して、そしてその場合にも経営の徹底した合理化というのが前提となった公共料金の改定案であるということを要求しているわけでございます。 公共料金というのはそもそも市場に任せては困るのだというのが建前でございますから、そういう意味では、ある前提を置いて算定した金額で固定をするわけでございます。ですから、そういう意味では、先ほど御指摘もありました一般の価格というのは、市場原理でそのときどきの需給などに応じた変化が可能になるわけでございますけれども、公共料金はそういった影響を受けないわけでございますから、そういう意味で四囲の情勢の変化に十分着目をして、その公共料金について必要があれば改定を認める、こういうことが必要になるだろうと思います。 従来は、公共料金の改定は一般的には値上げの方向ばかりでございましたから、私どもは特に実施の時期とか改定幅について極力調整をしてまいりましたけれども、今後、例えば現在議論されております電力料金の改定などの問題の場合には、これは今の見通しては方向としては下げる方向だろうと思いますから、そういう場合には、その四囲の情勢に即した料金であるかどうか、そういうことで検討してまいりたいと考えております。
○横溝政府委員 消費者保護の問題についてお答え申し上げます。 先生おっしゃいますように、豊田商事の現物まがい商法などの悪徳商法問題があるわけであります。これを法的に規制するだけではなくて未然に防止するためのPRが大事ではないか、そもそも消費者保護についてどういう考えで取り組むかという御質問の御趣旨だったかと考えますが、まさに先生おっしゃるとおりであると私ども考えます。 事業者と消費者との関係というのは、申すまでもないところでございますけれども、消費者の方に情報を集める能力とか技術的な知識とかいろいろそういうのが不十分なために、どうしても消費者が弱い立場にある。したがって、行政としましても、消費者に情報を提供し、消費者啓発に力を入れて、そういう悪徳商法等に巻き込まれないようにするということの重要性は、御指摘のとおり私ども重要であると考えておりまして、テレビやラジオを通じる消費者啓発あるいはパンフレット等を使った文書によるPR、あるいはそういうものだけではなくて、ホームヘルパー等福祉関係のチャンネルを使いまして直接お年寄り等に口から口に伝わるような格好でPRをする等、いろいろなルートを通じて消費者啓発にも引き続き大いに努力をしていきたいと考えております。
○平泉国務大臣 浜西委員には、現在の経済企画庁の直面している重要な問題にほとんど全部タッチされて、大変奥行きのある質問をしていただきまして大変感銘を受けているところでございます。 今の日本の経済の大きな問題は、内需振興といい、新しい成長といい、いずれも付加価値が非常に高い、新しい付加価値の奥行きのある産業をつくっていこうということと、国際収支の天井という我が国経済を長年にわたって苦しめてきた問題からほぼ完全に解放されたのだということをこの際国民全体に周知徹底させていく、政府自身もそういう気持ちになっていくということが大事である。この二つが大きなかなめでございまして、この意味で今の経済企画庁というのは国民と手をつないでやっていかなければならぬ、非常に大きな転回点であるという点を委員が御指摘をいただいたと思うわけでございまして、その辺は我々十分踏まえて日夜研さんをしていくつもりでございます。
○浜西委員 ありがとうございました。終わります。
○阿部委員長 次に、武部文君。
○武部委員 同僚委員から所信表明に対する具体的な問題についていろいろ質問がございまして、私も、重複する点があるようですからできるだけ避けたいと思いますが、長官の所信表明の中で、今最後にございました実質四%の経済成長の達成の問題は、今のままでは大変問題があろうかと思います。 先ほど企画庁の答弁の中に、この四%達成のためには内需の伸びが必要である、それには当面今起きておる円高の効果というものが大変大きな要素を持っておる、言うならば家計部門の実質所得の伸びが期待できるし、それによって消費が拡大する、これで四%の経済成長に大きく寄与する。確かにそうだろうとは思います。私は、後で具体的な円高の問題を申し上げたいのですが、今のようなやり方でまいりますと、対策が大変おくれておるので、そう簡単に効果があらわれてくるとは思いません。したがって、所得税減税とか賃上げというものは直接消費の拡大につながる、これは言うまでもないことでありまして、そのことが今申し上げたものよりも急ぎの対策ではないだろうか、さらに効果はその方が目に見えて上がる、このように思うのですが、長官の所信表明のときに、そういう点には触れておられなかったわけであります。所得税減税は大変大きな政治課題になっておりますが、さらには当面をする賃上げの問題、そういうものについて長官自身はどんなお考えを持っておられるだろうか、最初にそれをちょっとお伺いしておきたいと思います。
○赤羽政府委員 まず減税でございますけれども、これは予算委員会などでもしばしば大蔵省あるいは総理大臣以下御答弁がございますように、現在税調において抜本的な税制改正について審議をしておるということでございまして、六十一年度当初予算の段階において大幅な所得税減税といったようなことは、そういう事情から盛り込まれていないということだと理解をしております。 賃上げにつきましては、政府の立場は、従来からも申し上げておりますように、これは労使の自主的かつ良識ある交渉の結果、合理的な賃金形成が望まれる、それに対しまして、政府としてどちらかの方の肩を持つようなことを言う立場にはないということを申し上げておりますし、この点はことしにつきましても変わりがないもの、こういうふうに考えております。 ただ、経済成長の成果、いわば生産性向上の成果、こういったようなものは、労働側の労働条件、つまり時間短縮と賃金、それから企業側でいいますとそれは将来の発展のための原資であります企業の利益、さらには生産性の成果というものを市場のメカニズムを通じまして消費者に還元をする物価安定、こういうふうなところに配分をされるべきである、こういう観点から適切な分配ということがいい、こういう基本的な考え方を示しております。具体的にことしの春の賃金交渉について何が望ましい、こういったような点につきましては、従来申し上げているとおりの立場を堅持しているということだと思っております。
○武部委員 後の質問の参考のためにお聞きしておきますが、貿易黒字、貿易摩擦、これが円高を引き起こしたところの最大の原因だと私は思っておりますが、アメリカとの貿易黒字で五百億ドル、こういうことでございますが、六十年の国際収支を見ますと、我が国の対外証券投資は五百九十七億ドル、約六百億であります。これは十二兆円ですね。二百円レートにして十二兆円の金が対外証券投資として流れていった。国民の側から見れば、貿易黒字で日本は大変な金をもうけておる、ところが一体その金はどこへ行ったのだろうか、こういうことをこの間も新聞に投書をしておる方がおられました。貿易黒字で大変な金もうけをしておるのだから、それが日本に還流して日本の経済を潤しておるだろう、こういうふうに普通の人なら見ておると思うのです。この六百億ドル、約十二兆円の証券投資は、アメリカとの金利の差がこれをもたらしたことは当然だと思いますが、だんだんアメリカの金利も下がりまして今一けた台ですが、それでも日本との間には四%ぐらいな金利の差がある。一説ではトヨタ自動車は余裕金を一兆円持っておる、こういうことが言われておりますが、貿易黒字、特にアメリカとの黒字は証券投資にほとんどが回っておるじゃないか、したがってこれは日本の生産には何にも関係がない、こういうふうにとれるのです。経企庁としてはこの約十二兆円の証券投資というものは貿易の黒字とはどんな関係を持っておるというふうにお考えでしょうか。
○赤羽政府委員 貿易の黒字に対応いたしまして、資本収支の赤字というのがあるわけでございます。もし黒字が発生をし、しかしその反面、資本収支の赤字が発生しない、こういうことになりますと、お金の流れと物の流れというのは逆方向ということになります。したがいまして、黒字のみ発生して資本収支の赤字が発生しない、こういうふうになりますと世界経済の金融循環といったものがなかなかうまくいかないということがあろうかと思います。 そうした面から、黒字があれば当然資本収支の赤字が出てくる、こういう面があることは間違いないと思いますけれども、そうした資金の還流が主として短期的な利ざやを稼ぐいわゆる財テク、こういったような形でいくという点については、若干の問題点が指摘され得る、こういうふうに考えております。むしろ直接的に企業が進出をする、そういう形で、相手国、主としてアメリカでありますけれども、アメリカに限らず進出国において雇用を創出する、そういったようなことが望ましい、あるいは途上国に積極的に仕事をつくっていく、こういうことが望ましいということはそのとおりであります。 そうした面から見まして証券投資、ポートフォリオインベストメント、こういう形で利ざやのみをねらう、しかも、短期的に利ざやをねらうために出入りが非常に激しく、金融市場それから為替レートに対する不安定要国になる、こういったようなことは望ましくないという問題点は確かにあろうかと思います。 ただ、そうはいいましてもアメリカ側の立場あるいは受け入れる立場からいたしますと、直接投資であれそういう証券投資であれ必要な資金調達という形態になっている。日本からの流入がない限り他方で経常収支の赤字を出しているわけでありますから、その赤字の支払いもできないし、また、国内での必要な事業に対する資金の調達もできない、そういうことではないかと思います。要するに世界経済という一つの全体の経済を考えてみますと、やはりお金の面の流れと物の流れ、その収支じりといったようなものは世界経済全体としては全く差し引きゼロになる。これは国別に見ますと、両方とも黒字という国は余りないと思いますけれども、そういうことで一方の黒字を上回る他方の赤字があるということは起こり得るし、日本は現在そういう状況にあるということだと思います。
○武部委員 日本の経済は貿易黒字で金が余っておるにもかかわらず、物が動かない、デフレになった、そうして内需が落ち込む一方だ、先ほどからお話しのとおりですね。ということは、もうけた企業がマネーゲームをやっておる、これが最大切原因ではないか。最大というよりも大きな原因の一つだ、私はそのように思います。 この国際収支の長期資本収支は六十年度で六百四十八億ドルですね。そのうち対外証券投資は五百九十七億ドル、こういうことで金利あさりをやっておる、こういうことが数字の上からあらわれておるということを私は一つの問題点として指摘をしておきたいのであります。 きょうは円高の問題を皆さんとちょっとやりとりしてみたいので、時間の関係で先に行きたいと思います。 こういう数字があります。これは私の数字を述べて、大体間違いないというふうにお考えでしょうか。五十九年度の日本の総輸入額は千三百四十五億ドル。これは一ドル二百三十八円で換算いたしますとちょうど三十二兆になるのです。日本は輸入国ですから、五十九年度当時の円レート二百三十八円で計算すると大体三十二兆円、こういう格好になります。今回の円高、さっきから五十円五十円ということを言われますから、五十円で仮に計算して百八十八円のレートで一年間続きますと、輸入額は二十五兆円で済むのです。去年払っておった輸入額よりも今の円レート、五十円の円高によって日本の輸入支払い金額は差し引き七兆円減る。こういうものはぱっと算術計算で出ますが、こういうところは大体間違いありませんか。
○赤羽政府委員 単純に計算すればそういう数字になると思います、私、今計算をして確かめたわけではありませんけれども。
○武部委員 はい、わかりました。 先ほど、バレル二十八ドルが二十ドルになり、これが一年間続いて、円レートが五十円高の百九十円で三兆六千億、こういう話が出ました。これは今の七兆円の中に入っているというように私は思いますが、いずれにしても円高はこういう効果を生むのです。ところが現実に今、円高で騒いでおるのは不況になったところばかりが騒いでいる。損した損したということがしきりに出るが、もうけたのは知らぬ顔の半兵衛だ。つっつかれれば仕方がない、これは出るわけだから、そのときには渋々答弁しておるけれども、自分からこれだけ支払いが減った、もうけが出たから下げましょうと言い始めたのは、KDDが電話料を少し下げようと言い出したぐらいで、ほかのところは一向に手を挙げない、これが日本の企業の体質だと思うのです。とすると、責任官庁である経済企画庁は、この円高の効果の面を国民の皆さんの前に具体的に示して、それを日本経済の活性化に活用できるような政策を先取りしていくということをやっていかなければいかぬと思うのです。 かつて、昭和五十二、三年に円高問題が出たときに、当委員会は二年間に実に十六回円高差益の問題で委員会を開いて具体的な問題をやりとりいたしました。当時、長官は私どもと同じ委員会に所属しておられたので御存じだと思うのですが、十六回やったのです。そして、具体的な品目、私、一覧表をつくってもらってここに持ってきましたが、これは肉、小麦、木材からありとあらゆる円高差益の問題をここで取り上げたのです。経企庁もこのことには真剣に取り組まれて、当時三十六品目の追跡調査をした。私、そのことをよく記憶しておりますが、今、これだけ前回の五十二年、五十三年よりもさらに円高の状態が起きてきておるときに、前回のような三十六品目の追跡調査をする意欲が経企庁にあるだろうか。何か一月三十一日に七年ぶりに各省庁の物価担当官会議とかいうものを開かれたと聞きましたが、一体どういうことをおやりになったのですか。それをちょっと聞かせてください。
○斎藤(成)政府委員 円高の効果についていろいろ試算が出ておりますけれども、円高について議論する場合、それが物価にどういうふうに波及していくかというのが一つの問題だろうと思います。過去の経験から申しましても、波打ち際で安い物が入ってきてそれがだんだん末端に浸透するまでにかなり時間がかかるわけでございまして、大体九カ月とか十カ月かかっているという状況が一つございます。そういう意味で、市場原理が働く結果としてだんだん末端の方まで安い物が売られ、値段が下がってくるということでございますけれども、現在の状況がどうなっておるかということにつきましては、卸売物価の動き一つである程度流れというものがわかるわけでございます。 御存じのように、需要段階で見ますと、最初の素原材料がまず下がって次に中間財、最後に最終消費財に行くという動きがございます。一月の卸売物価の数字で見ますと、ラフな見方でございますけれども、素原材料は、昭和五十五年を一〇〇としたとき大体力〇まで下がってきております。これが円高あるいは原油安の影響しているところでございます。原油は下がってくるものが入着するという期待でございますから、今後まだ下がるだろうと思いますけれども、素原材料は九〇前後のところまで下がってきた。中間財で申しますとまだ九五くらいでございます。最終材になりますとまだ一〇三ということで、五十五年に比べてもまだ少し高い水準でございます。過去の経験から申しますと、月日を追うに従ってこの数字がだんだん下がってくる、最終消費財の方も下がってくるということで、過去の経験の時間というのも参考にしなければいけませんけれども、私どもはだんだん下がっていくことを期待いたしております。 ただ、じっと期待しておればいいかというと、そうはまいらない。これは武部委員御指摘のとおりでございまして、一月末に各省の物価担当官が集まりましてこれについて調査を行うことを取り決めたわけでございます。 七年ぶりという話がございましたけれども、物価担当官会議というのはしばしば行っておりまして、例えば公営バスの値上げがあるとか国鉄の料金値上げがある、そういうときは会合をいたしております。七年ぶりという前提をつけるとすると、これは円高に取り組んだ物価担当官会議が七年ぶりだということでございまして、そういう意味では円高自体が出てきたのが七年ぶりであると御理解いただきたいのでございます。 各省物価担当官の間で意見が一致しておりますのは、当然に円高あるいは原油安が十分物価に浸透してこなければいかぬけれども、それをどういう格好で監視するのがいいかということでございまして、各省それぞれ、俗に所管物資と呼んでおりますけれども、自分のところで責任を持つ物資がございますから、それについて各省自分のところでまずウォッチをしましょうということを決めておるわけでございます。 前回はそのとき調査の品目を決めて、その品目も注目する、それ以外は余り取り上げない、裏からいうとそういう感じでございましたけれども、今回はまだそういった特定のものだけ見ればいいという認識ではございませんで、各省自分のところの所管物資についてはできるだけ広く見ようじゃないか、ただ、一方で浸透に時間がかかりますから、焦って政府が下がらぬ下がらぬと言って直接的な介入のようなことを言うのは、これはまたいろいろ反発を買うもとでございますから、十分ウォッチをして、下がってしかるべき状況にもかかわらず下がらないということがあれば原因を調べようじゃないか、そしてその原因にいかにして取り組むか、これが今後の課題だと思っているところでございます。 普通にいけば当然下がっていくはずなのですから、下がらないとすればそれこそやみカルテルとか別の需給要因が働くとか何らかの原因があるはずでございますから、それを調べる。最終的にどうもおかしいということになれば、物によっては消費者にその価格の状況を情報提供しよう、こういうことをせんだって決めたわけでございます。 各省にその後の状況を聞いておりますと、徐々に浸透はしておるということで、調査項目七の他の整理をやっておるようでございまして、恐らく三月には一斉に調査に入るのだろうと思います。その結果につきましても、必要があれば公表もしていきたいと考えておるわけでございます。武部委員御指摘のように、円高をいかに浸透させていくかということが最大の仕事と現在私ども考えておりまして、そういうことで各省連携をとりながら取り組んでおるという状況でございます。
○武部委員 五十二、三年のころと今回の状況では、次の点が違うと私は思うのです。 五十二年、三年のころは乱高下がありました。今回は乱高下がないのですよ。それから、緩やかな上昇ではなくて、極端な急上昇ですね。五カ月間に六十円も上がるというようなことはいまだかつて経験したことのない為替レートの動きです。こういう点を考えると前回とはいささか情勢が違う。あのときでさえ私どもは、輸入農水産物あるいは木材、さらには輸入たばこ、国際航空運賃、輸入牛、肉、輸入の小麦、大麦、そういう問題をここでやりとりしたわけです。食管会計が赤字だから、逆ざやだからと言って消費者米価の値上げをする、あるいは麦価を値上げする。片一方では小麦は大変な黒字になっておる。消費者米価を上げないでパーセントを下げたらどうだと言ったら農林省は何と答えたかというと、麦の会計と米の会計は別々で、麦の黒字を米に使うわけにはいきませんというようなことを言って逃げておりました。こんな状況があった。現実に小麦会計というのはこれだけの円レートで大変な黒字になっておるのです。そういう問題。さらには肉、これは畜産振興事業団が一手に握って、本来下がらなければならぬ肉がわずかだけれども上がっておるじゃありませんか。こんなおかしなこと、国民の目から見たら、これは一体何だということになるでしょう。畜産振興事業団は金をためて、笑いがとまらぬほどもうけておるじゃありませんか。そういう問題はやはり追跡調査をして国民の皆さんの前に明らかにする義務が経済企画庁にあると私は思う、あの十年前やったのですから。 したがって、今いろいろお話がございましたが、調査品目をある程度限定して、追跡調査をして、こういう状況になっているということをやはり発表しなければならぬと私は思うのですが、それをおやりになりますか。
○斎藤(成)政府委員 ただいま御指摘の小麦とか牛肉、これは御存じのようにいろいろ支持価格制がございまして、そういう意味で直ちに動かないのはむしろ当然のことでございます。ただ委員御指摘のように、これだけ輸入価格が下がっているときにほっといていいのかというのは私ども同感でございまして、農水省にそういった公共料金、一種の公共料金だと思いますけれども、これについて、現在の状況に即した格好はどうあるべきかということについて検討を求めているところでございます。 ただこれは、いわば支持価格制を四囲の変化があったときにどうするかという問題でございますから、輸入価格が下がったから直ちにこちらも下げるということにはならないだろうと思います。ただ私どもとしましては、先ほど来御指摘のありましたような円高あるいは原油安をできるだけ国内に反映させていくことが必要だと思っておりますので、委員の御指摘の方向で話をしているところでございます。
○武部委員 もう一つ、先ほど同僚委員から、長官の所信表明の中にありました「適切な円レートの維持」、こういう点の質問がございました。確かに円レートのことについては、大蔵大臣もだれもがこの場所で幾らがいいとかいうようなことは差し控えたいという発言がずっと続いておりますから、あえてそのことは申し上げませんが、既にアメリカ側では、百四十三円以下を米国の学者が主張したとか、あるいは銀行、業者は百五十円前後でいいとか、あるいはアメリカの調査機関がアメリカの議会に対して提出した報告書には百六十八円程度だとか、いろいろなレートが既に出ておるわけであります。現実には百八十円、けさは百八十一円でしたか、そういうことになっておるわけです。円高がこれだけ急速に進んで、それが経済成長の足を引っ張るということは、四十九年度のときに初めてたしか〇・二%のマイナス成長になった、こういうことがございましたが、あのときと大体同じような傾向になるのじゃないかという危惧があるのです。この点についてはどういうふうにお考えでしょう。 現在余りにも急激だという御意見もあるし、きのう商工委員会に出てきた参考人の皆さんの意見を私はテレビで見ておりましたけれども、それを見ると、全く迷惑至極だ、円レートは二百円ないし二百二十円ぐらいにしてもらわなければとても企業はもたぬ、こういう切々たる発言が商工委員会であったようですが、一体経企庁としては「適切な円レートの維持」ということについてはどういう御見解が、ひとつもう一遍重ねて説明してください。
○赤羽政府委員 どのレート、どの水準が適切かということについては、先ほどお答え申し上げましたとおり、いろいろな立場によっても違うし、また、経済情勢によっても違う、こういうことで、具体的な水準を述べることは不可能であるということでありますけれども、アメリカのいろいろな研究機関とかあるいは学者、あるいはアメリカの政府機関の人たちがいろいろな数字を発言しており、中には先生御引用のような非常に高い水準があるということも事実でございますけれども、大変なばらつきがあります。ということは、どれが適切かわからぬ、こういうことの一つのあらわれではないかと思います。 〔委員長退席、中村(正男)委員長代理者席〕 それはともかくといたしまして、円高につきましては、そのスピードとそのレベル自体を分けて考えることも必要だ。過去数カ月の間の円高は余りにも急速過ぎる、それによって企業としては対応ができない、こういう点が大きいと思います。もう一つは、先ほども申し上げましたけれども、心理的な不安、どうなるんだろうか、こういうことだと思います。そういったような点から見まして、過去五カ月の動きは余りにも早過ぎるという意味において適切ではないということは言えると思いますけれども、現在の百八十円前後の水準が、だからそれによって適切を欠いた水準である、こういう認識にはならない、しかしそれでは百八十円がいいのかという点は、先ほども申し上げたとおりではないか、こういうふうに考えます。
○武部委員 きのうの商工委員会の参考人は、今の円高は人為的円高だ、迷惑至極だ、こういう発言なんです。一般の人はそう見ているのです。これは五カ国蔵相会議でいわゆる政治介入、政策介入、円高誘導、こういう言葉が新聞に出ますね。やはりこの人が発言されたように、人為的円高だと見ておると思うのです。そういう意味で、現実にデメリットの出ておるところでは、適切だというこの言葉がどこが適切なのか、なかなかこれは難しいところでありますが、そういう面での円高に対する経済企画庁なり日本政府の善処を求めておるわけです。百四十三円、百五十円、百六十八円とかいろいろなことが外国で言われる、向こうの銀行の、金融界の親玉がちょっと発言するとぱあっと円高になる、日本の蔵相がちょっと発言するとさっと円高になる、こういうことが現実にあるのですから、そういう点を考えると、これは非常に大きな問題だと思います。この点はこれだけにとどめておきたいと思います。 そこで、具体的にこの円高差益の還元の問題で、電力とガスのことをちょっとお尋ねしておきたいと思います。 けさのテレビのニュースを見ておりましたところが、通産省と電力業界との間に円高差益の還元について大体話が煮詰まって、次のような方向で円高差益を還元する、こういう大変詳細な、具体的な内容が報道されました。速記をとっていたわけではありませんから的確でないかもしれませんが、中を見ますと、大体一兆円ちょっと超す金額のようでありました。内容は、約五千億円を直接還元するような内容と、料金の見直し、あとは税金及び設備投資、具体的には需要家、消費者ですね、家庭に月二百円を一年間還元する、こういう報道でありました。前回の還元は、一年では長過ぎるというので半年に縮めて、月二百七十円で六カ月還元したことを私どもは知っておりますが、今回は一年という具体的な期間で、月二百円ですから大体二千四百円、前回は千六百二十円になりますか、それよりもちょっと金額が多いようでありますが、そういう具体的な報道がけさのテレビニュースで流されました。間違いありませんか。
○川田説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生お述べになりましたような内容の方策につきまして具体的に政府とか業界とが決定をしたというような事実は全くございません。今までいろいろな議論が行われているものを報道機関の方でおまとめになったものではないかと思います。 実情を申し上げますと、現在私どもは二つのポイントでいろいろ検討いたしておるところでございます。第一は、まず円高とか原油価格低下の実際の差益がどのくらい発生するものであるかという事態をよく見きわめることが必要でございます。先ほど来出ておりますように、円高がどこで落ちつくのかを見きわめる必要がございますし、原油についてはこれからの問題でございます。それから、我が国の電力が使います燃料の中で非常に大きな割合を占めておりますLNGの価格は、契約上当然には下がらないという仕組みに相なっておりますから、それが今後どうなっていくのかといったような実情の見きわめが一つ重要なファクターでございます。 ただ、かなりの円高の発生が見込まれます以上、具体的な対応策について検討を進める必要があると考えておりまして、これも先ほど出ておりましたが、公正中立な少数の方々に集まってもらいまして、今までいろいろなところで出ております議論の整理とか基本的方向などについて論議をし始めていただいたところでございまして、第一回目の会合を去る三日に開かせていただいたわけでございます。私どものつもりでは、その後電気事業審議会などの関係機関ともよくお話し合いをし、意見を聞きながら具体的対応策の検討を進めていきたいと考えておるところでございますので、決して現段階で方針を決定したりはいたしておらないということを申し上げさせていただきたいと存じます。
○武部委員 全くおかしな話でありまして、一カ月に二百円とか、一年とか、総体の金額とかをみんな言っている大変詳しい報道がされたので、大体そういうところに行きつつあるのかなと思ったのですが、肝心かなめの通産省が全くそれはないと言う。これはどういう根拠の報道なのか私もちょっと戸惑うわけでありますが、否定されるわけですから、それはそれとして聞いておきましょう。 今のお話の中にLNGの話が出ました。確かに今電力にしろガスにしろ、原油からLNGに転換しつつありますから、LNGは相当の量でふえつつあります、その価格は私どもは原油に連動するというふうに聞いておったのですが、今のあなたの説明ですと、契約上全く関係ないということですけれども、もう一遍説明してください。
○川田説明員 LNGの価格はまさにぴたりと原油に連動しておる、ところがその原油の価格というのが、GSPと申しまして政府の公式販売価格というものを基準にすることになっているわけでございます。現在の状況を見ますと、どうもGSPよりはかなり離れた取引が行われ始めたようでございますけれども、GSPそのものは全く変わっておらない、こういうことでございます。 そのGSPが変わるかどうか、あるいはそのほかのフォーミュラ、価格決定の方式が考えられるかどうかということです。当然のことながら電力業界、ガス業界などLNGを買っているところは、それぞれ取引先とそういう交渉を始めておるようでございますけれども、今までは逆にGSPにリンクしておった方が買い手にとって有利だったという状況もかなり長期間あったようでございますので、それが直ちに変更できるかどうか。GSPと実際の取引価格との乖離が非常に大きくなれば、やはりそこは何らかの交渉ができなければならないはずだと私ども思うのでございますけれども、現在のところは、関係者は努力していると思いますが、そこのめどが立っておらない、そういうことで申し上げさせていただいたわけでございます。 〔中村(正男)委員長代理退席、委員長着席〕
○武部委員 わかりました。 そこで、これからいよいよ具体的に、認可料金としての電力料及びガスの料金の円高差益の還元の方法について、協議の結果一つの方向が恐らく決まるだろうと思います。確かに五十二年、三年のときの円高差益の還元については、結果的に見ていろいろな反省すべき点があったことは我々もよく承知しておるのでございます。しかし、差益を還元した直後にまさかあの大きな石油ショックが来るなどとはあのときだれも予測した者はなかった。それによって、還元はしたが直ちにその直後において五〇%の値上げをしなければいかぬというようなことになるとは想像もしていなかった。したがって、あのときはあのときなりに、認可料金である電力、ガスに差益が出れば需要家に還元するのだという一つの道筋を決めたこととしては効果があったと私は思っております。結果的にはいろいろな批判があったことはよく承知しております。 今回はけたが違う。金額においても全く違う。さらに、これからもどんどん出てくる。また、これまでの間に積み立てた積立金が二つありますね、油が下がったものの積み立てと為替レートの利益に基づく積み立てと。為替変動に伴う別途積立金、これは現在九電力で千七百三十五億円ございますね。それから原価変動調整積立金、これは原油が値下がりしたものですが、現在九電力で千六百五十一億円、これだけございますね。これに円高の差益がプラスされて、きちんとガラス張りに、九電力三ガスそれぞれ国民の前に明らかに示される、こういうふうに理解していいですか。九電力それぞれ別途積立金これこれ、原価変動調整積立金これこれと、一覧表があるわけですから、我々が要求すればそれは当然私どもにお示しになる、こういうふうに見ていいですか。
○川田説明員 今、先生のおっしゃいました五十五年に積み立てました別途積立金、それから五十八年度、五十九年度に積み立てております原価変動調整積立金というものの実態は、これは有価証券報告書上などにも出ておるところでございますので、そういうものをお出しすることに問題があるとは私ども考えておりません。
○武部委員 わかりました。 為替差益及び別途積立金、原価変動調整積立金の使途についていろいろなことが言われておりますね。例えば開発途上国に援助しろ、これは経済同友会の会長の発言であります。設備投資に回せという意見があります。さらに、直接還元をしろ、社会的還元だ、あるいは内部留保をして、料金がこのままの値段で将来ともずっと上がらないように使え、こんな意見がある。余計なことに使うよりもとにかく料金を下げるという意見もある。こういういういろな意見が出ておるのであります。 経済企画庁は、この膨大な差益、特に政府が認可した料金の中で出たこれだけの大きな差益、これが還元されるというならば、それは当然日本の経済の活性化、内需の拡大、こういうものに影響を与える、効果があるものに使うべきだと主張されると思うのですが、この円高、さらには原油の値下がりに基づく膨大な差益の還元については、基本的にはどういうお考えを持っておられますか。
○斎藤(成)政府委員 御指摘の差益の利用でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、電力、ガスにつきましては、現在通産省で六人の学識経験者から成る懇談会を組織して、そこで検討しておられますから、私どもとしてはその検討の結果を待ちたいと思っております。基本的な考え方としては、従来から原則として需要者、ユーザーに還元すべきものというふうに考えております。ただ、原則としてと申しますのは、多くの方々の合意が得られればそれ以外の使い方もあり得る、そういう程度でございまして、基本的には、ユーザーが払ったものであるからそれはユーザーに返すのが筋ではないか、大筋はそう考えております。
○武部委員 そこで、私は長官にちょっと要望しておきたいのですが、いずれこの問題は閣議で取り上げられる問題だと思うのです。いろいろな意見が出ておることも間違いありませんし、閣僚の中にも全く違った意見を述べておられる方がある。これは報道を見ればわかることです。いろいろな意見が出ておることは事実でございますが、現実に今特別料金制度というものがありますね。それから、三段階料金制度もとっておられる。当時は確かにそれが必要であったかもしれないけれども、今日は、これだけの差益が出れば、特別料金制度も三段階制度も見直す時期ではないだろうか、このようにも思います。先ほど答弁に、原則的にユーザーが優先だ、これは私は基本的に賛成であります。そういう方向でぜひひとつこれが内需の拡大、経済の活性化に有効に使われるような、そういう還元方法をぜひ平泉長官としては閣議の席でも発言をしていただきたいし、早急に国民の納得できるような方向で還元をしてもらいたい、そういう方針を決めてもらいたいということを特に長官に要望するわけですが、平泉長官の見解をひとつお聞きしたいのであります。
○平泉国務大臣 円高の問題は通貨の問題でございますから、ほかの要素をできる限り介入させない、通貨の価値がそのまますべての物価に反映される、こういうことでなければならぬという点で、御趣旨に賛成でございます。
○武部委員 いずれこの円高差益の問題というのは、先ほどから申し上げるように、多くの輸入品の具体的な問題を私どもは取り上げてみたいと思っておりますが、きょうは時間の関係もございますから、この問題だけにとどめておいたわけであります。 そこで、時間が参りましたので、最後に私は消費者保護の立場から、先ほども同僚議員からございました悪徳商法の問題について、特に国民生活を担当する国民生活局に要望をし、見解を承っておきたいのであります。 かつて我々が、ここで、七省庁の皆さんにお集まりをいただいて、いろいろと悪徳商法について論議をいたしました。訪販法、マルチ、いろいろな点についての取り締まりの立法化について要請をしたわけでありますが、残念ながらこの七省庁は、この法律の制定に対して非常に消極的とはいいませんが、どうしても法案提出というわけにはいかないというまことにじれったいことが長く続いた。したがって我々は、いっときも放置できないというので、議員立法によって御承知の無限連鎖講の防止に関する法律というものをつくったのです。これは議員立法でつくった。これによって天下一家の会は壊滅をし、ネズミ講はこの法律によって相次いで摘発をされ、影を潜めておるのであります。しかし、現実にはこの網をくぐって豊田商事なりあるいはダイヤ商法、この間問題になりましたベルギーダイヤモンド、そういうものが次から次と出てきて、無知な老人を詐欺的を商法で苦しめておる、こういう状況が相も変わらず続いておる。こういう状況を見ると、何とか法律によってこれを取り締まることはできぬだろうかということを、議員立法した者の一人として特に今ごろ痛感をしておるわけであります。 確かにだまされた者が悪いといえばそうかもしれませんが、今日、長寿社会になって、老後の生活を自分の手でつくっていかなければいかぬという老人にとっては、少しでも利殖になりはしないかと考えることは、私は当然だと思うのです。そういう老人の心につけ込んでやってくるのが曲田商事の商法であり、ベルギーダイヤモンドの商法であった、こういうふうに思うのです。 そこで、新しい法律をつくることがなかなか難しい、時間がかかるということならば、我々が議員立法でつくった無限連鎖講の防止に関する法律の裏をかいておるわけですから、この法律を手直ししてそういう連中を取り締まることはできぬものだろうか、このことを考えるのですが、消費者保護の立場にある経済企画庁として、今後こうした法律の取り扱いをどのように考えておられるのか、この無限連鎖講の防止に関する法律では取り締まりは全く不可能と思っておるのか。 例えばベルギーダイヤモンド商法は、無限連鎖講の防止に関する法律のたしか第二条だと思いますが、その一定の金額というのが公判維持で問題だというので、警察はせっかく検挙し起訴までしたわけですけれども、ついにこの問題はうやむやになってしまった、こういう経過があります。私どももその詳細を聞いて、大変残念に思っておるのですが、この一定の金額だからということでネズミ講は捕まったのですが、ダイヤモンドは三十万もあれば五十万もある、十六万もあるというので一定の金額ではない、ここが抜け穴でこれをついに召し捕ることができなかったということならば、この一定の金額というのはある種の金額と読みかえることによってこれを召し捕ることができたのではないかという意見もあるわけです。 出てしまってから捕まえたってしようがないので、何とか出てくる前に捕まえなければならぬ。そういう点を考えると、経済企画庁としては、何か省庁の代表がアメリカに調査に行って向こうの法律を勉強しに行ったというようなことを新聞で見ましたが、それは一体何を調査しに行ったのか、それをどうしようとしておるのか、これをひとつ聞かしていただきたい。何か統一詐欺的取引慣行法というアメリカにある法律を勉強して帰ったというようなことを聞いておりますが、これはどういうものなのか、そういう点をちょっとここで聞かしていただけませんか。
○横溝政府委員 まずベルギーダイヤモンド事件につきまして、無限連鎖講の防止に関する法律の適用問題の御質問がございましたが、今、先生から適用不可能になったというような御指摘がございましたけれども、この点につきましては現在検察当局で捜査中と私どもは聞いておりまして、この法律の適用ができないという結論が出たとは承知しておりません。検察当局の検討を、事態の推移を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 それから、このベルギーダイヤモンド事件が御指摘のように無限連鎖講に関連するかどうかというような性格の問題でありますが、豊田商事自身の、金の現物まがい商法をどうするかという問題もあるわけでありまして、これもやはり先生御存じと思いますが、こういう現物まがい商法の被害防止策については、現在通商産業省が事務局をやっております産業構造審議会で検討しておるところでございます。 法律関係はそういうことでございますけれども、一般的にこういう悪徳商法対策は関係各省、私どもも含めましてできるだけの措置を講じて被害の未然防止に努力するのは当然でありまして、国民生活センター等における苦情相談あるいは各種のPR等を積極的にやっていこうと考えております。 それから、その次に御指摘になりましたアメリカに調査に行った件でございますが、これは豊田商事問題が起きましてから関係六省庁でこれへの対応をいろいろ検討してまいりましたけれども、アメリカに大体こういうたぐいの悪徳商法的な事例が多いという話をよく聞きますので、そういう商法の実態とか、あるいはそれをどういうふうに規制しているか、規制のやり方とかいう点を今後の被害防止の参考にするために、六省庁のメンバーで一月に調査に行ったわけでございます。 現在、調査結果については鋭意取りまとめ中でありまして、近くまとまりましたら公表したいと考えておりますが、ちょっとまとまっておりませんので、具体的な内容をここで詳細御報告できないわけでございますが、私が口頭で報告を聞いたので印象に残った点を一、二申し上げますと、一つは、アメリカでもこういう簡単にもうかるというようなセールストークで消費者を巻き込んで、実際にはその実体がないという、要するに悪徳商法的なものがいろいろあるようでございます。 そういうのをどういうふうに取り締まるかということなんですが、アメリカの連邦政府レベルでは、証券取引法関連で規制するというやり方が一つあるように考えられます。日本の法律で規定されております証券は、非常に個別に何が証券というのが決まっておるわけでありますけれども、アメリカの場合は、お金を出してそれで何かもうける、お金を出したことによって利子を生んだり何かでもうける、要するに投資的な行為に関連する契約等は大体広く証券という格好でとらえるということのようでありまして、それについては虚偽の内容で勧誘をしたらいけないとかいろいろ規制の体系ができておりまして、証券取引委員会というところが二千人ぐらいの非常に多いスタッフを抱えて、そこには弁護士とかいろいろ法律的な専門家もたくさん抱えて規制をするというようなやり方が一つあるようでございます。それ以外にもちろん詐欺罪というようなものでも取り締まることができるようでございます。 それから、御指摘になりました統一詐欺的取引慣行法というのがございます。これは、連邦法ではなくて州法レベルで、統一詐欺的取引慣行法というのは一つのモデルみたいなもののようでありますけれども、それを具体的に幾つかの州で州法で取り締まるということをやっているようでございます。 そのようにいろいろな方法でやっているようでありますが、これ自身は非常に参考になるところでございます。しかし、依然としてこういう悪徳商法的な被害はアメリカにおいても後を絶たないということのようでありまして、調査に行った人たちの話をいろいろ聞きますと、やはり消費者がそういうものに巻き込まれないような意識をちゃんと持つということも大事なので、消費者教育の重要性というものをかなり強調された話を聞いてきたということであります。 具体的な内容は近々まとまりますので公表するつもりでありますが、ちょっと印象に残った点を御紹介申し上げました。
○武部委員 もうこれで終わりますが、今のベルギーダイヤモンドのことが私どもと認識がちょっと違うのですね。去年の十月ごろに態度が大体決まったと聞いて大変残念に思っておるのです。愛知県警外十一県警が摘発いたしましたね。それで書類送検まで持ち込んだ。ところが、検察と法務が法適用がちょっと無理で公判維持が困難だということで、これの起訴を断念したということが報道されまして、私どもはどうしてかと思ったら、さっき言ったような一定の金額がひっかかった、こういうことを聞いたので、それは、さっき言ったようなことで読みかえて考えればいいじゃないだろうか、これの適用ができぬものだろうかということを考えたのです。しかし、あなたは今、それはまだ別に起訴を見送ったものでもないとかいうようなことをおっしゃっておるが、私どもの認識とちょっと違うのです。ひとつ法務省の方で調査をしてもらって、別途、情勢を報告いただけませんか。それならば大変結構なことですからやってもらわなければいかぬのですけれども、そのことだけ申し上げて、時間になりましたから終わります。ありがとうございました。
○阿部委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後一時二十一分開議
○阿部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村正男君。
○中村(正男)委員 六十一年度の経済成長率の見通しにつきまして御質問したいと思います。先ほど来、同僚議員の方からかなり詳しく質問がされておりますし、また具体的な答弁もなされておるわけでございますが、基本的な点に限ってお尋ねをしたいと思います。 名目五・一%、実質四・〇%、内需で四・一%、外需でマイナスの〇・一%、こういう結論になっておるようでありますが、民間の多くの調査機関の大方の見通しは、相当これを下回った形で成長率を見込んでおるわけです。しかし、最終的な政府の見通しはこういった数字になったわけですが、果たしてこれが達成可能かどうかということでございます。結論をまとめて言うならば、過大な見通しに過ぎるのではないか、その一つの考え方として、高目の成長率を見込まないことには六十一年度の予算そのものが組めないということで無理をした成長率ではないか、私はこういう気がするわけでございます。 五十七年度の予算編成の段階におきましても、当時大蔵大臣は渡辺現通産大臣、経済企画庁長官はたしか河本さんであったと思うのですが、両者の間で成長率をめぐってかなり論議があったというふうにお聞きしております。大蔵大臣の方は比較的慎重な見方で終始されておったよってありますが、河本長官は持ち前の経済理論から高目を主張され、結局名目八%を超える成長率を設定されました。結果として、それが税収に影響を及ぼし、五十七年十月段階で既に歳入欠陥が六兆円も生じてくるという事態になりまして、大蔵大臣が辞任を考えるということがあったのはついこの前でございます。ちょうどことしも、この六十一年度の予算編成の段階、また今の国際環境、国内の経済状況を考えますと、当時とかなり相似点があるのではないか、五十七年度に大変大きな見積もり違いをしたその後悔がまた今年度起こってきはしないか、そういう危惧があるわけです。 竹下大蔵大臣にこのことをただしてきたわけでありますが、大蔵大臣はそのことに対して特別なお考えはございませんでした。ただ、税収面、歳入欠陥については、その後の円高の推移等からして確かに危惧があるということであります。特に、六十一年度は四十兆五千六百億円という大変な税収の伸びを置いておられるわけであります。六十年度は既に四千五十億円の歳入見込み違いが生じております。大きな歳入見込みでありますから一%前後の誤差はお許しをいただきたい、こういうことを大蔵大臣はおっしゃっておられるわけですけれども、この六十一年度の高目の強引な成長率の設定は、最終的に六十一年度の税収にかなり大きな影響を及ぼすと私は思うのです。 そこで長官、後がお忙しいようでございますが、今回の予算編成で、この成長率をめぐって政府部内でどんな論議があったのか、大方の閣僚の御意見がこれで大丈夫だというその上に立って経済企画庁長官として最終的な判断を下されたのが。予算を提出し、しかも成長率を見込んだ当の長官にそんなことを聞くのはやぼかと思いますけれども、今まさにそのことが大変危惧されておりますので、率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○赤羽政府委員 六十一年度の経済見通しに関しまして、高過ぎる見通してはないか、その結果、五十七年度の歳入欠陥の悪夢^これがまた再現することはないのか、それから、見通し作成の作業段階におきまして政府部内でどのような論議が行われたのかといったような点でございます。 まず六十一年度の経済見通しにつきましては、名目五・一%、実質四%ということで、四%前後の安定した成長が実現する、しかもそれが内需中心で実現する——内需中心で実現する場合の根拠はといったような話はこれから申し上げますけれども、まず、こういった点についての政府部内の意見であります。 これは、大蔵省、通産省、経済企画庁が中心になって原案をつくった上で各省庁に御意見を求めるわけでありますけれども、この原案をつくった段階におきましても各種の疑問点、質問点は出てまいりましたが、実質四%、名目五%強というものにつきましてはこの省庁の間で意見の一致を見たということで、特に異論はございませんでした。 五十七年度の歳入欠陥の悪夢、これが一番悪夢でありましたのは財政当局にとってであります。そうした五十七年度の経験をもちろん踏まえた上でさらに大蔵省当局としても四%成長が必要であり、かつ可能である。必要であるという意味は、拡大均衡を通して経済摩擦の解消を図るという観点から、苦しい財政事情のもとではありますけれども、できるだけの工夫をして内需の拡大をする。昨年の秋と、年末に作業が行われました六十一年予算、この両方の内需拡大のプラスアルファの効果を試算してみますと、名目成長率のベースで申しまして〇・六%くらいプラスになる、これだけの効果があると私どもは考えておりますけれども、〇・六%くらいの拡大策を前提にして、実質四%、名目五・一%は十分に可能である、こういうことであります。必要性は、拡大均衡を通じて経済摩擦の解消を図る、それを可能にする手段をいろいろな工夫をしてつけ加えた、こういうことであります。 先ほど民間との違いというお話が多少出ましたけれども、実際に作業いたしましたのは十一月の後半から十二月の半ばにかけてでございます。その当時、その前後に発表になりました民間見通し、三十幾つございますけれども、これを単純に平均してみますと三%の成長ということになります。一番低いのが二%、一番高いので三・九%、平均で三%。平均でありますから、実際は半分よりも少し多いものが二%台の成長ということでありました、三%を下回る成長ということでありました。どうしてそういう私どもの方から見れば低い成長になるのだろうかということで検討してみました結果、次のような点がほぼ共通しているのではないかと思われました。 まず、円高のデフレ効果というのを厳しく見る反面で、プラスの効果についてはほとんど織り込んでいないように見受けられるものが多かったというのが第一点であります。第二点で申しますと、世界経済、特にアメリカ経済についての見方が非常に慎重と申しますか悲観的であるということでありました。大体二%台の前半あるいは一%台、こういうことでありました。ヨーロッパの経済などについての見方は余り示されておりませんでした。 それ以外にもございますけれども、そういったようなところが大きかったのではないかと思っております。 それに対しまして私どもの政府の見通しにおきましては、円高には当然マイナスの効果がある、デフレ効果を軽視することは間違いであるけれども、またプラスの効果も正当に評価されるべきである、プラスの効果というのは、日本経済の交易条件が改善をする、交易条件の改善によって実質所得がふえる、その効果というのは主として内需にあらわれてくる、そういうことで内需中心の成長が可能になるだろうと考えたわけであります。そういう点で、円高のプラスの効果をもうちょっと正当に評価をしていただければな、こういうふうに感じました。 それから、アメリカの経済でありますけれども、大体三%程度の見通しをしておりました。ヨーロッパ経済につきましては、昨年主要国の平均をいたしまして大体二%半ぐらいの成長でありまし。たけれども、それを三%近い二%台の上半分、こういうことで若干成長率が高まる、こういうのが私どもの見通してございました。そういうことで、世界経済につきましても若干民間の見通しは控え目と申しますか悲観的であったということだと思います。 その後、現在三月の初めまでに起こったことで申しますと、円高がその当時想定されました以上に進みました。当然マイナスの方も効果が大きくなった、その反面でプラスの効果が大きくなっている、こういうふうに考えます。それに加えまして、けさほども御議論がございました原油の値下がりの影響が非常に大きいということで、そちらの面からのプラスの効果がつけ加わる、こういうことだと思います。また先進国経済、特にアメリカやヨーロッパの経済などは、今の時点になりますと、私どもが想定しておりましたアメリカ三%、ヨーロッパの主要国平均して二%台の上の方、これなども普通の平均的な見通しか、むしろ若干慎重ながらも楽観論、こういうことになってきたと思います。 したがいまして、現在の時点で日本経済について申しますと、円高が一層進んだという点は当時の前提よりは確かにマイナス要因を強めるということでありますけれども、それ以外のところでは、むしろ年末の作業時点よりも状況は改善している面が多い、こういうふうに思っております。そういうことで、四%の成長見通しというのは、その当時もそうでありましたけれども、今の段階で申しましても、政府部内で達成の可能性についての大きな危惧はないものと考えております。
○平泉国務大臣 この「昭和六十一年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」というのは大体一月に閣議決定をされる。これは翌年度の予算案を国会に提出するという関係におきまして、我が国の経済運営の基本的な政策の枠組みを明らかにする、そういうふうな政策をやっている中でどういうふうな経済が実現できるであろうかという見通しをする。そこのところは私ども申しておりますのは、「上記のような経済運営の下において、昭和六十一年度の経済見通しは、おおむね次のとおりである。」このように政府として一つの見通しを立てる、こういうことでございます。もちろんその後に、「我が国経済は民間活動がその主体をなすものであること、また、特に国際環境の変化には予見し難い要素が多いことにかんがみ、これらの数字はある程度の幅をもって考えられるべきである。」こういうことを申しております。これはもちろん当然のことでございますが、我々政府としましては、こういう成長率といったものは、我々の経済運営全体の基本的な政策そのものの結果としてこういうことになるようにという一つの目標であり、同時に皆様にそれをお示しいたしまして御批判もいただいてまいる、こういう一つの基本的な姿勢であるわけでございます。その意味におきまして、いろいろな客観情勢の変化というものももちろん見ながら、我々としてはこの成長率を確保するということに努力すべきものであると考えているわけでございます。
○中村(正男)委員 長官、後の時間があるようですから退席していただいて結構であります。 今それに向かって努力をしていく、こういう答えがあったわけですが、今この春の賃金交渉がかなり詰まってきております。日経連の方では生産性基準原理というものをさらに持ち出しまして、この成長率といいますか、生産性の範囲の中、三%がアッパーだ、定期昇給程度だ、こういう考え方が出ておるわけでございます。さらに減税も今もって明確に実施が約束されてない等々を考えますと、むしろ内需拡大に占める個人消費が果たして予定どおりの数字を示していくのか、最終消費支出がきちっと実現できるのか、大変危惧するわけですが、その辺の関係をお聞きしておきたいと思います。
○赤羽政府委員 経済見通しにおきましては個人消費、民間最終消費支出の実質の伸び率を三・六%と見ております。今年度、六十年度の実績見込みは三%ということでありますから、これに対しまして〇・六%程度実質の伸び率が高くなる、これによりまして内需中心と申しますか、もっぱら内需に依存する四%成長の大きな柱になるだろう、こういうふうに期待しているわけであります。 そうした場合、その考え方といたしましては、まず物価の安定ということがございます。この物価の安定によって実質所得がふえるというわけでありますけれども、特にことしの場合の物価の安定、六十一年度の場合の物価の安定というのはむしろ円高の好影響といったようなものが大きな役割を演ずるわけであります。国内的な要因によって物価が下がる、あるいは物価の上昇率が非常に低くなるという場合は、恐らくは需要と供給の関係で供給過剰になる、物が売れない、その結果値下がりをする、こういうことでありますから、当然そこで働く勤労者の所得も減っている。所得が減るのと物価の上昇率の低下、これが両立するわけでありますけれども、六十一年度に予想されます状態はむしろそうではなくて、外国から買うものの値段が安くなる、その結果国内の物価も下がってくる。これは主として原材料を通ずる効果でありますけれども、そういうことでありますから、物価上昇率の低下というのはむしろ実質所得の増加に結びつく。実質所得に結びつけばそれに応じて消費も伸びてくる。 さらに、所得がふえた場合の効果、特に物価が安定して所得がふえた場合の効果につきましては二つの見方があると思います。物価が安定するということになりますと消費者はみんな喜ぶわけでありますし、消費者の気分は好転する、こういうことでありますけれども、一つの見方は、同じだけの消費をしながら貯蓄がふえてうれしい、それからもう一つは、同じだけの貯蓄をした上で余分に消費ができてうれしい、こういうことになると思います。実際にはそのどちらの方に近いかということでありまして、専門家の間でも若干意見が分かれるところでありますけれども、私どもの見通しは、むしろ物価上昇率が落ちつくことによって必要な貯蓄をした上で消費をふやすことができる、そういう面で見ますと、消費性向に対してもプラスの効果がある、こういうふうに考えているわけであります。 そういうことで、実質所得の増加と消費性向におきます若干のプラス、そういうものを考慮に入れますと、六十一年度の消費というのは六十年度の消費を若干上回る実質の伸びを実現できるもの、こういう考えで見通しを作成したということでございます。
○中村(正男)委員 円高のメリットがこれから出てきて消費を活発にしていく、こういうお話でございますが、そこで、この円高の問題、これも朝方から論議がございました。デメリットの方は本当に深刻で、しかも早くやってくるわけですね。ところが、メリットの方はタイムラグがあって、実際に消費者、国民がそのメリットを享受するといいますか、それには相当な時間がかかる。 今、国民の側からしますと、円高とは一体何なのか。我々の仕事を奪い、職場がなくなっていく、それだけじゃないかという思いしかないと思うのですね。基本的なエネルギーの問題、さらには電力料金の問題は朝方論議がございましたから、私は端的に、消費者が直接毎日の生活の中で円高メリットを感じる、とりわけ輸入食料品の問題についてお聞きをしたいと思います。 農林水産省、食糧庁お見えでございますので、まず輸入食料品、これは総括的なことで結構でございますが、全体の額が五年前と比べて今日どのくらいになっているのか。また、それこそ主要品目で結構ですから、主なものがどのくらいの額になっているのか。そして新聞紙上で見かけるのでは、かなりいろいろな商品の値引きが始まっている、デパートで値引き商戦が展開されているとか、洋酒が下がっているとか出るわけですけれども、体系的に見てそれぞれ主要品目、現実にどの程度の具体的な値下がり状況になっているのか。消費者の側からして一番関心のあるものからぜひひとつ今の実態をお聞きしたいと思います。
○白石説明員 輸入品全般の動向について御説明させていただきます。 食料品につきましては、為替レートだけではなくて、農産物を初めとします需給実勢等いろいろな要因がありまして、そういったものが総合されまして価格決定がなされております。 それからさらに、最近の円高というような観点から申しますと、輸入契約をいたしましてから現物が日本に入ってくるまでに相当時間がかかりまして、また在庫調整にもそういうタイムラグの問題がありまして、先生おっしゃいましたように、本格的に円高の効果が出てくるのにはかなり時間を要するわけでございます。 ただ、こういうような事情にあるわけでございますが、昨年九月以降の円高後の輸入食料品の価格動向を見ますと、輸入契約の期間が比較的短い生鮮食料品、例えばレモンとかバナナとかエビとかいったようなものでございますが、そういうものについては弱含みで推移してございます。 先生から御質問がありましたのは、五年前に比べてどうかという問題で、数字はあるわけでございますけれども、ただ、それを比べてみますと、その間にいろいろコストの上昇とか何かありまして、確かに五年前と比較すれば非常に安いものもあるわけでございますけれども、やはり現在の観点からいたしますと、昨年九月以降の状態が関心事じゃなかろうかと思うわけでございます。 私ども円高に非常に関連しますものを十二品目ぐらい調べてみますと、九月以降二月まででございますが、この間に下がった品目が十三品目中十品目ぐらいあります。それから横ばいの品目が一品目でございます。農産物の場合は豊凶変動がありますから、中には上昇しているものもございますが、それが二品目でございまして、先ほどお答えいたしましたように弱含みで推移しておるという情勢でございます。
○中村(正男)委員 五年前の件は、五年前と比べて輸入食料品全体の総額がどのくらいに変わったのか、それをお聞きしたいのです。そういう数字はありますか。
○白石説明員 総合的にとるとどこまで含めるかという問題がありまして、それを掌握するのはなかなか難しいわけでございます。私どもが行っておりますのは、大体、円高に関連するものにつきまして、小売価格はどのように変化しておるかとかそういうようなものを小売物価統計等で把握しておるわけでございます。
○中村(正男)委員 私の質問の趣旨がちょっと不十分な形で伝わっていると思うのですが、お聞きをしたいのは、今我々、円高が進行する中で結局、日常食料品の中で輸入食料品がどんどんふえてきているだろう、五年前に比べて輸入食料品の総額が今日現在どのぐらいに膨らんでいるのか。これは後で経済企画庁に質問する意味においてもお聞きしたかったわけですが、要は、その総額はわからないのですか。
○白石説明員 甚だ申しわけございませんが、ただいまその総額を持ち合わせておりません。
○中村(正男)委員 また、後ほど資料があればいただきたいと思います。 経済企画庁にお尋ねをしたいのです。 今、そういう弱含みで推移をしている、こういうお話でございますが、ことしは物価は鎮静をしていくだろうということなんですが、この輸入食料品のそうした価格低下というものの効果が消費者物価指数に具体的に出てくるのは、いつごろになればその寄与率というものがはっきりしてくるのか、大枠。全体として六十一年度の消費者物価指数を引き下げるウエートとしてはどの程度の寄与率があるのか、その辺、もしわかればお聞きをしておきたいと思うのです。
○斎藤(成)政府委員 お尋ねの点でございますけれども、輸入品が日本の国内市場に入りましてからいろいろ加工をされるということになりますと当然に時間がかかってまいります。ですから、国内での加工過程の長いものというのは末端価格に浸透するのにどうしても時間がかかる、ところが途中のプロセスが短い場合には早く末端価格は安くなる、これが一般だろうと思います。ですから、御指摘の輸入食料品について申しますと、国内での加工プロセスが余りないものについては比較的早く出て当然なわけでございます。 国内でどのくらいかかるかというのは、平均的に過去の経験で見たものがあるのでございますけれども、輸入素原材料価格に影響してくるまでには一カ月ぐらいかかり、加工段階を経て最終消費財に及ぶものに九カ月から十カ月ぐらいかかるというのが過去の経験値でございます。これは全体を平均しての数字ですので、お尋ねの輸入品の中でもそれほど加工度がないものについては当然もっと早く影響が出てくるものと思っております。 現在、卸売物価の統計でそういういろいろなプロセスがあるものを全部区別をしないで見た場合に、素原材料から中間財まで影響しつつあるということで、去年九月末からでございますからあと四、五カ月もすればかなり影響が見られるはずだと思っております。
○中村(正男)委員 厚生省からお見えいただいていますから、健康食品の問題をお聞きしていきたいと思います。 時間の関係から詳しい質問はまた次回にさせていただくことにしまして、一、二基本的なことだけお聞きしておきたいと思います。 まず、いっとき健康食品ブームということでかなり喧伝されたわけですが、私の感じでは今やや鎮静しておるのじゃないだろうかと思います。そういうことに対して現在どういう状況にあるのか、お聞きしたいと思います。
○大澤説明員 消費者あるいは国民の健康食品についての受けとめ方、対応ぶりが以前と今日とでどう変わったかという御質問でございますが、私ども、食品衛生法という法律に基づいて、食品衛生という観点から直接監視なり指導をしているわけでございます。全体の健康食品についての販売なり消費なり製造というものを直ちにつかんでいみわけではございませんので、今の御質問には的確にお答えできないわけでございますが、感覚的に申しますと、先生がおっしゃるような状況に現在あるようには思っております。
○中村(正男)委員 厚生省にそういうことをお聞きしても今のようなお答えであれば、全体像をつかむについては一体どこへお聞きしたらいいかという感じなのですが、経済企画庁の関係でもおわかりにならないでしょうか。同時にまた、この被害状況も、国民生活センターにいろいろ苦情が持ち込まれておりますけれども、今日現在それが一体どういうふうな内容になっているのか、今の厚生省の答えではわかりかねますのでその辺をお聞きしたいと思います。
○横溝政府委員 手元に資料がございませんので、数字的に的確なお答えができないのでございますけれども、健康食品は消費者問題との関連でかなり重要な問題と私ども考えておりまして、昨年十一月の消費者保護会議におきましても、これについての適切な行政の対処というのは重点項目として取り上げまして、厚生省、農林水産省等と連携をとりまして適切な対処をしたいと考えております。
○中村(正男)委員 次回にまた厚生省なり経済企画庁に具体的に質問をしていきたいと思いますので、そのときにはよろしくお願いしたいと思います。五十九年度の実績で見るならば、四千五百億円から五千億円の市場と言われておりますし、その商品数も約二千種類ある、メーカーは約一千社、こういった数字もあるわけです。だから、厚生省なのか経済企画庁なのか、そのあたりもう少し的確な数字をぜひお調べいただきたい。 同時にまた、国民生活センターに寄せられた苦情についても、五十九年度は二百六十七件、全体としてはそのくらいの苦情が寄せられておりますし、その中で一番大きいのは化粧品に関する苦情だということも出ております。さらには中毒症状があらわれたというのも八十九件あるというような報告も出ておるわけですし、次回には詳しくお聞きしていきたいので、きょうのところはそういうことを要望して、終わりたいと思います。
○阿部委員長 次に、草川昭三君。
○草川委員 平泉長官は、二月十八日の閣議後の記者会見で、最近の円の急騰について、市場が投機的になっており、異常な雰囲気だと述べておみえになるわけであります。円高のピッチが速過ぎることに対する警戒心を示したといわれておりますけれども、市場が投機的になっているという点は、私どもも大変興味を持っているわけでございますので、その点についての経過を御説明願いたいと思います。
○平泉国務大臣 私の記者会見での発言についての御質問でございますから私からお答えいたします。 投機的というのは、いろいろな相場の動きを見ておりましてそういう印象を私が持ったということでございますが、基本的には、今度の円高をめぐりまして、相場の問題よりもむしろ速度の問題が非常にダメージを与える。通貨の問題というのは対外的な相互の価値の関係でございますから、基本的に経済そのものの実体に直接影響を与えるものではございませんが、速度が非常にディスタービングであるというか、不安定要素になる、こういう意味でございまして、それを助長する、あるいはそれで投機的な動きが出てくるということになりますとさらに警戒すべきものがある、そういう意味で私もそういう発言をいたしまして、市場に警戒を呼びかけるという意思もあったわけでございます。
○草川委員 昨年のG5ですか、いろいろと大蔵大臣もそれなりに根回しをしていっておみえになると思うのでございますが、その点長官としては、昨年来から今日に至るスピードが少し速過ぎるのではないかという危機感を持っておみえになる。これはわかったわけでございますが、昨年のG5の時点に戻ってみると、どのように予測をされておみえになったか、その点についてお伺いをしたいと思うのです。
○平泉国務大臣 より適切には通貨担当者の答弁があるべきかと思いますが、私個人の個人的なことをちょっと申しますと、もちろん私は昨年本職にはおりませんけれども、私どもがその後集めました情報などによりましても、なかなかこの通貨に対する対策というのは、今のような変動相場制のもとではどの程度うまく、仮にある意図を持って行動いたしましても、それが果たして市場にどのように反映されるかということにつきましては、昨年当時、既に相当いろいろ御心配もあったのではあるまいか。それがしばらくの間はかなり順調というか、余り極端な速さでなく調整過程に入ってきた。ある段階から少し速くなり過ぎたな、そういう辺の難しさがあったというふうに見ております。
○草川委員 経済企画庁としては、経済白書なりいろいろと経済の成長率等を予測をするお仕事があるわけでございますが、長官としては、日本のこの産業界の現状を見ていて、どの程度が一番適切な水準か、率直な見解を賜りたいと思います。
○平泉国務大臣 為替のレベルの問題というのは、私はこれはなかなか言いがたい問題があると思うのでございます。言うまでもなくその分だけ輸入品は安く入ってくるわけでございますし、いわば全体のレベル、デノミと性格は違いますけれども、やはりどこかそういうふうな名称というか交換の形が変わってくるということでございますから、実体経済の意味からいって、幾らでなければならないというのは、これはなかなか難しい議論になるのではあるまいか。市場言われているファンダメンタルズから見て大体この辺が購買力平価ではどうだとか、いろいろ議論がございますが、必ずしも相場はそのとおり動くわけでもございませんので、私どもとしましては、どの辺のレベルということを申し上げるのはちょっと困難ではないかと思っております。
○草川委員 また私どもも、地元の中小企業の率直な見解等は、後ほど特定中小企業者事業転換の問題について触れたいと思いますので、そこでもう一度御質問をしたい、こう思います。 今、ドルの相場の問題をめぐりましてアメリカの方では、いわゆるボルカーFRB議長の見解をベーカー財務長官が否定するやに聞いておるわけでございますし、アメリカの方は、一体このドル安を今後とも誘導をしていく方向に行くのかどうか。これは必ずしも経済企画庁に対する的確な質問になるかならぬかわかりませんが、米国の情勢をどのように把握をしてみえるか、お伺いをしたいと思います。
○丸茂政府委員 アメリカにおきましても昨年の初めごろまでは、政府筋では、ドルが高いということはむしろアメリカ経済の力が強い、あるいはそれに対する信認のあらわれであるということで、むしろドル高は結構なことだというような発言あるいは考え方が多かったと思いますが、御承知のように一昨年の秋ぐらいからアメリカの成長率が非常に低くなって、しかもその大きな理由が、ドル高による輸入の増大で国内需要がふえてもドルが外へどんどん出ていってしまう。一方で経常収支の赤字が千億ドルを超えるというような状況が続いている。あるいはアメリカの農業で非常な困難な状況が生じている。こういうことが一つございます。 それからもう一つは、千億ドルというような大きな赤字が経常収支で続いてまいりますと、いずれやがてはアメリカの経常収支を改善するといいますか、赤字を縮小せざるを得ない。幾らアメリカでも千億ドルを超える赤字を永久にといいますか長年にわたって続けることはできない。市場の見方もそういうふうに変わってきたということで、昨年の二月ぐらいが頂点になりましてドル高が徐々に修正をされてきて、そこで、その過程におきまして御指摘の昨年秋の五カ国蔵相会議を契機にいたしまして一段とドル安が進んでいるということでございます。それ以後、ドルとして円に対してだけではございません、ほかの西欧主要通貨に対しましてもかなりのドル安になってきているわけでございます。 御指摘のように二月の初めごろでございましたか、ボルカー連銀議長とそれからベーカー財務長官とがややニュアンスの異なった発言をしたということもございましたけれども、その後議会の証言におきまして、両者は基本的には変わらないんだという証言もあったように承知しております。私ども、アメリカ政府あるいは当局内部の詳しい事情をもとより必ずしも的確に把握できないわけでございますが、先ほど申し上げましたような状況を考えますと、アメリカとしては、緩やかにドルが下がっていくということは、大幅な経常赤字を改善していくためにどうしても必要であると考えていると思います。ただ、五カ国蔵相会議の発表文にもございましたように、秩序あるドル安ということが必要だというふうに考えていると思われます。したがいまして、現在の水準をアメリカ政府当局あるいは中央銀行当局がどう見ているかということは必ずしもはっきりはいたしませんけれども、秩序ある姿で徐々にアメリカの大きな経常収支赤字が均衡化に向かう方向に行ってくれることを期待しているというのが恐らくアメリカの当局の考え方である。ただその中で、貿易を担当しております通商代表部でありますとか、あるいは商務省でありますとか財務省でありますとか、それから通貨問題を主として担当している連銀等の間に全く意見の差異がないとは思いませんけれども、そういうものが今御指摘のような発言になってあらわれているのであるというふうに私どもは理解をしております。
○草川委員 ドル安の容認論と警戒論というのはそう簡単に調整がつくものではないと思うんですね。基本的な対立になると思うし、それがアメリカ経済運営にどういう形で反映をするのか、我が日本としても非常に重要だと思うのです。 そういう意味で、話がまた前へ戻るわけでございますが、経済企画庁は、いわゆる六十一年度の見通しについて、実質経済成長四%と策定をしたわけですね。この四%を策定をした少しざっくばらんな経緯を我々も聞きたいわけでございますが、一つは、民間経済研究所等におきましては政府見通しよりも低いことは事実ですね。私どもの地元の東海銀行なんというのは二%ですから、一番かたいところですね。それから三菱総研等でも二・一%、住友銀行も二・五%、野村が三・三%、国民経済研究協会等におきまして三・八%、こういうことでございますが、私は、民間が低くて政府が強気だというところに非常に大きな特徴があるような気がしてならぬわけであります。 私どもいろいろと漏れ承りますと、当初は経済企画庁の方もかなり三%台を唱えてみえる方が多かったようだ。しかし、サミット等もあり、いわゆる内需刺激、内需喚起というような立場に立つならば、強気で見通しを立てようではないかというようになったと我々は聞いておるわけでございますが、ひとつこの四%を設定された背景についてお伺いをしたいと思います。
○赤羽政府委員 六十一年度の経済見通しにつきまして、いわゆる民低政高、こうなったその事情の背景について御説明せよということでございますので、若干申し上げたいと思います。 確かに、御指摘のように民間機関は二%台の見通しが多いことは事実であります。三十幾つかの民間機関の見通しを単純平均いたしますと三%ということになります。低いのは御指摘の二%から三・九%まで分布しておりますけれども、三十幾つかのうちの半分よりちょっと多い二十近いところが三%を下回る見通しになっております。 それで、先ほども申し上げたところでありますけれども、どうしてこんなに低いのだろうか。政府の四%という見通しとの関連で見てみますと、民間の見通しはやや慎重に過ぎる、あるいは悲観的に過ぎるという面がその当時考えられました。まず、二%台の見通しと申しますのは、あるいは三%を下回る見通しといいますのは、実は過去三十年間において一回だけしかございません。このときは昭和四十九年度でありまして、第一次石油ショック後の狂乱物価、この狂乱インフレをおさめるために、非常に厳しい財政金融面での引き締め政策、こういうことでマイナス成長、マイナス〇・四%の成長ということになりました。戦後最大の不況であったわけでありますけれども、それ以外の年で一番低い年は、二番目に低いということになりますけれども、昭和五十七年度の三・二%ということであります。私どもは、今回の円高によりまして戦後二番目の低い成長率が実現する、こういったようなことはないもの、そう考えました。というよりは、戦後二番目の低い成長率になる、これは余りにも悲観的に過ぎる、こう考えたわけであります。 どうしてそうなんだろうかということで見ますと、いろいろ御説明は違いますけれども、円高のマイナスの効果というのを非常に強調されている反面で、プラスの効果というものを考えていただいていないという点があろうかと思います。それからさらに、ことしの世界経済の見通し、これについてやはり慎重論が支配的であったと思います。 アメリカの経済見通しでありますけれども、その当時アメリカの専門家は大体三%近いあるいは三%を若干上回る見通しというのが多数説でありましたけれども、置かれております環境としてのアメリカ経済、これは、日本の民間の見通しにおきましては大体二%台の下の方か、あるいは一%台ということであります。このあたりのところが悲観的に過ぎたのではないかと思います。 私ども政府の見通しにおきましては、その当時からアメリカの成長率は三%を前提にしておりました。ちなみにヨーロッパの見通しでありますけれども、昨年一九八五年は主要国を平均をいたしますと大体二%の半ばくらい。それが二%台の上半分に若干ながら成長率が高まる。これに対しまして、特に一次産品発展途上国、これは一次産品価格の低落といったようなことで、平均いたしますと去年よりは若干成長率が低下をする。こういうふうな見通しでございまして、世界経済全体として見ると、去年よりはことしの方が若干のプラス、こう見ておりました。これに対して、先ほどアメリカ経済について申し上げましたように、民間の方は見通しが悲観的に過ぎた、こういうふうに考えます。 それからもう一つの点といたしましては、政府が四%の成長ということを六十一年度について掲げておるわけでありますけれども、これは経済の拡大均衡、特に内需の振興を通じましての経済の拡大均衡、これによって経済摩擦を解消するあるいは軽減をする、このためには、やはりできるだけの内需拡大の工夫をすることを通じて高めの成長、実現可能でなければいけませんけれども、高めの成長を目指すべきである、こういう基本認識は当然あったわけでございますけれども、そうした見通しに沿って、昨年の秋及び暮れの予算編成の過程で、六十一年度の予算あるいは税制改正の中でいろいろな工夫をした。一つ申しますと、一般会計の公共事業費は前年度比二・三%のマイナスにならざるを得ませんでしたけれども、財投やそれから地方なども含めました公共事業費の事業量の伸びは前年比四・三%。このほか住宅減税とかそういったようなことを織り込みまして、政府の内需拡大の効果、これを、六十一年度につきましては名目成長率ベースではありますけれども〇・六%のプラス、こういうふうに考えました。このあたりのところを民間の御評価は非常に低かった、こういったような点が違うのではないかと思っております。 いろいろ経緯なり事情なりを申し上げましたけれども、その後二、三カ月もう既に時間がたっております。作業をした時点から比べまして三カ月足らず時間がたっておりますけれども、その後の展開で申しますと、確かに円高は一層進みました。六十一年度の経済見通しの前提としての円高の想定、円レートの想定は二百四円でございましたから、さらに円が一割高くなっているわけであります。その面からいいますと、円高のマイナスの効果、これは当時予想したよりも大きくなっていると思います。しかし、プラスの効果もまた大きくなっているということだと思いますし、さらに原油の価格、これは二十七ドル余りの価格を前提にして予想しておりましたけれども、これがその後急速に下がるということでありました。こうした原油の値下がりのプラス効果がさらに加わることで、前提以上の円高のマイナスの効果は十分に相殺される、こういう状況ではないかと考えております。 アメリカ経済、ヨーロッパ経済などにつきましては、最近ますます外国の専門家の見通しは明るくなってきている、こういうことでございまして、その当時、政府の見通しは外国経済、世界経済の見方がちょっと強いのではないかと言われましたけれども、今の時点で見ればむしろ慎重ながらも楽観説ぐらいの程度になっている、こういうことでございまして、その当時考えました基本線というのはますます確かになっている。少なくとも現時点でこれを改めて下方修正するような必要はないというふうに考えております。
○草川委員 今バックデータというのですか、内外の情勢の説明があったわけでございます。経済は非常に複雑でございますから、簡単に数字の遊びをするわけではないわけで、我々も自信があるわけではありませんが、どうやら内需刺激というのですか、四・一、外需でマイナス〇・一、差し引き四%という設営の仕方が今の答弁では自信がある、こうおっしゃっていますが、私ども今からいろいろな例を申し上げるのでございますが、必ずしもそのようにうまくいくのかどうか心配があるわけであります。 そこで長官、この経済見通しについて長官はこういうことを言ってみえるのです。「最近の急速な円高傾向については、その我が国経済に及ぼす効果には、プラスとマイナスとの両面があり、」「円高のプラスの面が国民全体に及ぶよう適切な経済運営」を行っていきたい、こう言っておみえになるわけです。今の答弁にも引き継いでこの言葉が生きてくるわけでございますが、例えば具体的に、午前中からも議論になっておりますが、電力、ガス、このようなものの国民還元をどのように理解をしておみえになるのか、お伺いをします。
○斎藤(成)政府委員 御指摘の円高によるメリット、その最大のものは、やはり輸入品の価格が安くなるということであろうと私ども思っておりまして、そういう意味で、午前中にも申し上げましたけれども、この円高による安い物価、それが国内の物価として——入ってくる段階は原料その他で入ってくるものが多いわけでございますけれども、これが末端にできるだけ早く浸透をするように画策をしてまいりたい。それから公共料金のように、ほっておいたのでは動かないものについては、できるだけ政府内部で速やかに検討してこの有利な円高というものを公共料金にも反映するように努めてまいりたい、こう考えているわけでございます。
○草川委員 たしか、けさのNHKのテレビだと思いますが、かなり具体的に電力料金の還元について報道しておったようでございますが、経企庁としてはどのように把握をしておみえになるのか、再度お伺いをします。
○斎藤(成)政府委員 先ほど資源エネルギー庁の担当課長がここで御説明を申しておりましたけれども、最近政府内部で、あるいは電力業界との間で決めたという事実はなかった、したがって、御指摘のニュースは必ずしも現実の動きとはマッチしてないという話がございました。 私どもは、けさの報道で、約半分を需要者に還元をする、それから残る半分のうち、そのまた半分つまり全体の四分の一ぐらいを法人税にする、最後の四分の一は設備投資その他でする、こういうのが報道だったと思いますけれども、そういう考え方はもちろん一つの考え方としてあり得るというふうに思っております。 ただ、それが唯一の正解であるということではないわけでございまして、現在資源エネルギー庁で有識者六人で懇談会を開いて検討しておるということでございますから、私どもとしてはその懇談会の結論を待ちたいと思っております。
○草川委員 次の問題に移りますけれども、前川委員会というのがあるわけです。国際協調のための経済構造調整研究会、今これは毎週非常に熱心な御論議を願っておるようでございますが、これに対する期待は、実は我が国の内部よりも諸外国の方々の方が大きな関心を持っておみえになるようです。特にサミットで具体的な提案をする材料にもなるわけでございまして、我々も非常に前川委員会の報告というものには関心を払っておるわけでございますが、何せ担当の総理府に聞いてみましても、非公開だということでなかなかその内容がわかりません。しかし一部の報道機関では、国際還元を図るべきではないだろうかというような提案が出るのではないだろうか、あるいは産業構造の調整、国際分業を具体的に提案をするのではないだろうかとか、非常に重要な提案というのですか答申というのですか、そういうものについてのそれぞれの立場からの関心があるわけであります。 そこで、きょうは通産省にも来ておみえになっておりますので、この前川委員会とは関係なく、例えばの話ですが、今原油が相当値下がりをしている、そのことが将来我が国にとってメリットがあるのか、デメリットになってはね返ってくるのではないか、国際的な価格安定が優先なのか、ただ安い油を買うということで喜ぶべきなのか、いろんな問題があるわけですが、それを水際で何かの形で円高によるメリットとして金額的に捕捉をする、つかまえる。それを、例えばの話ですが、国際還元するというようなことが起きたとするならば、我々は一体どういうようにそれを評価していいのか。非常に難しい問題だと思いますが、ひとつ通産省の立場から答弁を願いたい、こう思います。
○田辺説明員 原油価格の低下によりまして、日本に入ってまいります石油の輸入価格が低下しつつあるわけでございます。実態につきましては、一月の段階でまだ二十七・七七ドルでございましたが、二月それから三月と軟化の傾向が強まっているわけでございます。通産省といたしましては、石油製品の原油価格引き下げによるメリット、これは基本的には、市場メカニズムで広くたくさんの需要家に還元されていくということが基本であると考えております。石油製品の需要につきましては、例えば三割が自動車関連、あるいは二割が鉱工業、それから一六%が業務用あるいは一般家庭といったように分かれております。そういう形を通じて私どもの経済生活に貢献していくことになると思います。 また、原油価格低下に伴って、課税あるいはその他の手段によりまして還元をする、あるいは他の目的に使うという点でございますが、具体的内容につきまして私どもまだ承知をしているわけではございませんが、考え方といたしましては、そういう場合に産油国との関係あるいはアメリカ、イギリス等消費国との関係、その協調維持という関係から問題が多いと考えているわけでございます。サウジアラビアのヤマニ石油大臣が来られましたときも、消費国のそういう対応に強い懸念を表明していたところでございます。そういう中でしかるべき石油価格の安定が図られていくかどうか、これから注目していきたいと思っているわけでございます。
○草川委員 同じような質問でございますが、きょうは外務省からも来ていただいておりますので、外務省はどのような御見解がお伺いします。
○東郷説明員 お答え申し上げます。 ただいま通産省の方から基本的な考え方等お話がありましたが、若干補足して申し上げさせていただきますけれども、申し上げるまでもないことかと思いますが、ただいま日本が抱えております対外経済関係での非常に大きな問題というのが、日本の大幅な貿易収支の黒字ということでございます。そこで、今回の石油価格の下落ということに伴いまして、もちろん価格がどの辺に落ちつくか等いろいろな要因によって具体的にどのくらいになるかということを計量するのはなかなか難しい面もございますが、我が国の貿易収支の黒字がまたふえるという側面もあるわけでございまして、今一部の諸外国からは、この追加的な貿易収支の黒字というのを日本はどういうふうに考えているんだ、これを国際的に還元するという気持ちはないんだろうかというような声もちらほら聞こえ始めているというところでございます。 しかしながら、今回の石油価格の下落に伴って発生する黒字の性格というものは、例えばOPEC諸国が石油価格高騰のときに直接自分の国庫に入った金を開発途上国の方に回したというようなことができたのに比較しまして、日本の方は、先ほど通産省の方から御説明がありましたように、その黒字を捕捉するということだけでも非常に難しい問題があるということでございまして、諸外国がそういうことを言ったからといって直ちに何か国際晦な還元のメカニズムが出てくるというわけではございませんで、この辺非常に難しい問題があるかというふうに考えております。 ただ、最初に申し上げましたように、今日本が抱えている非常に大きな問題というのは黒字の問題であるということにかんがみますと、外務省といたしましては、これを国内に向かって最善の形で還元といいますか使っていくと同時に、国際的な形でもどういうふうにするのが一番いいかということについては真剣に考えなくちゃいかぬというふうに考えておりまして、関係省庁とも十分にこれから議論を尽くしていきたいと考えております。
○草川委員 今それぞれ両省のお考え方が出たわけですが、ここで長官にぜひお伺いをしたいわけでございます。 前川委員会というものは、経構研、経構研という形で新聞に最近も非常に強くアピールをされておりますが、中曽根総理が非常に力を入れておみえになる委員会ですね。私が一番最初に申し上げましたように、我が国内よりも実は国際的な関係者の方々が非常に重大な関心を持っている委員会なんです。私どもも二、三、国内における大使館の人とお話をすると、二言目には、草川君よ、その前川委員会はどうだ、こういう話の方が多いのです。それだけに全く注目をされておるわけでございますが、また総理も力を入れておみえになりますし、サミットという問題を考えると、どうしても国際還元というような形の答申案が出る可能性もあると思うのですね。しかし、今答弁がありましたように、じゃ産油国の立場から考えてみたら、いいかげんにしてもらいたいよというような声が産油国の方からも出てくるかもわかりませんね。これは非常に複雑な要因をはらんでくるわけでございますが、前川委員会の報告があるないは別として、ひとつこの際長官にお伺いをしたいと思うのです。 今プラスとマイナスの両面があるが、プラスの面が国民全体に及ぶよう適切な経済運営をしたいと所信では表明をされておみえになりますが、もし国際的な諸関係から円高差益の国際還元という問題提起があった場合に、経済企画庁としてはどういう態度をとられるか、お伺いしたいと思います。
○斎藤(成)政府委員 円高差益の問題でございますが、仮に電力に絞って議論をいたしてみますと、どうしてそれだけ差益が生じたかといいますと、本来公共料金としての電力料金を決めたときの金額より安く物が買えるようになったということの結果でございますから、そうするとその料金、その差というのはだれが払ったかということになりますと、基本的にはユーザーが払ったということになると私は考えます。したがいまして、電力に限らず公共料金における差益の問題というのは、やはりユーザーが負担した以上、基本的にはユーザーに返すのが筋ではないか。ただ、そう言ってすべてを律するのがいいかどうかということになりますと、これは議論の余地もございましょうから、私どもは学識経験者六人の懇談会の結論を待って考えたい、こういうふうに考えております。基本は、くどくなりますけれども、消費者還元、ユーザー還元というのがあくまでも原則であろうということでございます。
○草川委員 経済企画庁としては当然そういう御答弁だと思うのです。 そこで長官、これは一つの哲学というのですか、哲学というほどのことではない、次元が違うかもわかりませんが、総理はいわゆる国際協調のための経済構造調整研究会という私的諮問機関を非常に高く評価をされて、議論をお願いをした。本人も御参加をなすっておみえになる。そこで今申し上げたように国際還元という問題がかなり具体的に議論になっておるやに伝えられておるわけです。いずれこの問題は出てくるわけですね。その場合に、今の局長の答弁を踏まえた上で、長官としてどうお考えになられるかお伺いをしたい、こう思います。
○平泉国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、我が国の経済は長い間国際収支の天井ということが非常に気になる経済で、ちょっと経済成長が速くなりますと国際収支の天井にぶつかる、そういうことの繰り返しでまいりました。ようやくそれを脱却したと思ったら、今度は石油危機で、石油価格が第一回、第二回いずれも上がりますとまた経常収支が赤字になる。そういうことで、産業界も輸出力をつけるということで非常に力がついておるわけでございまして、今回内需中心型の経済ということを私ども申しておるわけでございますが、なかなか産業界全体はそういう向きにするというのにいささか時間がかかる。その辺が我々として構造改善に全体として大きな努力を払わなければならぬ、こういうことで、総理自身のもとでああいう研究会が設けられておる。 内容につきましては、これは非公式のものでございますが、大変真剣な討議が行われておりまして、我が国の経済の今後のあり方について本当に突っ込んだ各界からの意見があるわけでございます。ただ、私どもといたしましては、できる限り内需振興の経済ができる、国際収支の天井から解き放された経済の発展ができるということは、根本的に見て我が国経済の長い歴史の中で見ましても大変にいいことであると思います。どうかひとつそれが可能なような運営、しかし大きな転回点でございますから、国民の皆さん全体が、それこそ経営側の方も労働側の方もすべてがこの点について認識を一致して持っていく必要がある。経済企画庁はその辺をぜひ国民の皆さんにPRをし、どうかひとつ新しい成長の時代を切り開こうじゃないか、こういうことを申しておるわけでございます。 それから、国際的な面を委員御指摘でございますが、いろいろ内需振興ということを申しましても、我が国の産業の国際競争力が甚だ強うございまして、かなりの期間経常収支の黒字が出るのではあるまいかということも私どもは想定をいたしております。これは国民が優秀だとか技術が高いとかいうことだけではなしに、今我が国の労働人口の形成率が、たまたまいわゆる従属人口といいますか、年寄りと若い者の数が減っておりまして、働き盛りが多い。これからまただんだん年寄りの数がふえてくるわけでございますが、そういう時期からいいましても、今の日本は社会構造的に見ましても経済の力が、生産力が非常に高い、効率が高い、こういう時代でございますから、経常収支の黒字がかなりの期間出るのではあるまいか。そうなりますと当然、経常収支の黒字というものは、これは国際的には債権でございますから、そういったものを十分に国際社会のために役立たせていく、こういう政策も必要になってくる、かようなことも頭に入れまして経済運営をやってまいりたいと思っておるわけであります。
○草川委員 ユーザー還元が、国際的な対応をどうするかということをもう少し聞きたいのですが、時間がどんどん過ぎていきますので、この問題はこれで終わります。 それで通産省、もう一人お見えになっておられますので、例の特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法、この国会にかかっておるわけでございますが、アメリカの政府がガットの方へ通告をした。けしからぬじゃないか、こう向こうが言っておるようでございます。たまたまこれは経企庁長官の所信表明の中でも、経済摩擦の解消について調和のある対外経済関係を形成したい、こう言っておるわけでございますが、その点はどのような対応をなされるのか、通産省からお伺いします。
○長田説明員 お答え申し上げます。 私どもがやっております、いわゆる円高に伴って影響を受けます中小企業者に対する特別融資制度、これにつきまして、アメリカの政府がガット上の輸出補助金に該当するのではないかという点から懸念を表明してきております。実は先般東京で開かれました日米の高級事務レベルの会合等におきましてもこれがかなりの話題になりまして、私どもとしましては、この制度が輸出補助としての効果を持つものではないんだ、すなわち、急速な円高によりまして倒産の危機に瀕している、資金繰りがつかない、こういう事態に対処しまして資金繰りをつけるための融資を行うことがその中心なんだということをるる説明をいたしました。この結果、アメリカサイドの理解もかなり深まったと私どもは考えているわけでございます。そして、さらにこれからも引き続きこの制度の内容を実務的にも米国政府にいろいろ説明してまいりまして、そして理解を得ていきたい。そういうことによりまして、せっかく二月の十五日に先生御指摘の法律は国会で成立をさせていただきまして、先月二十五日に公布、施行いたしておりますが、こういうような措置を通じまして中小企業対策に万全を期していきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○草川委員 これは少し議論をしてもいいのですが、結局、私どもも地元に零細な瀬戸の陶磁器業なんかを抱えておるのでこの法律については非常に期待をしておるわけで、アメリカの方がどうしてそういうことを言ってくるのか、一体どういう情報が向こうへ流れていくのか、私どもも非常に戸惑いを感じておるわけでございますので、ぜひこれは各省挙げて誤解を解くように努力をしていただきたいということで、この問題は経済企画庁の方の答弁はやめておきます。今までの関係の省庁の方、どうぞお帰りください。 そこで次は、具体的にこの円高が消費生活にどのような影響を与えるかという意味で、大豆の輸入とそれからバイクの問題を今から取り上げていきたい、こう思います。 そこで、大豆の価格というのは、輸入でございますから本来ならば大幅に下がらなければいけないと思うのでございますが、実際、大豆を加工した食用油の一般の末端価格の推移を見ますと、これは農林水産省の方から私が事前に得た数字でございますから御確認願いたいと思うのですが、例えば昨年の九月、シカゴの大豆の定期相場、ブッシェル五百十五セントがどういう形になってきておるのかといいますと、六十一年一月、二月は五百二十七セント、五百二十七セント、相場が上がってきておるわけです。これはなかなか難しいところがあるのですが、どういうことになるのか。食用油、それを加工しててんぷら油やフライパン等につける油でございますが、これは総務庁発表の小売価格で見てまいりますと、六十年九月は七百グラム当たり三百八十二円、これが三百七十円から今ようやく二月に三百六十七円と少し下がっておるのでございますけれども、円高のメリットというのはなかなか見受けられません。 しかし、東京の穀物取引所におけるIOM大豆の、これは私の言い方が必ずしも適切ではありませんけれども、十月限、十二月限、二月限の先物取引価格を見ますと、六十年九月、六月限で三千二百九十円、これがことしの三月四日、二千四百九十円に下がってきておるわけです。先物市場が下がってきておる割には食用油の小売価格が下がってきていない。なぜ円高のメリットが台所に還元されてきていないのか、その背景について農水省にお伺いしたいと思います。
○増田説明員 食用油価格につきましては業務用と小売、家庭用のものとがございまして、業務用価格につきましては、六十年九月の十六・五キログラム三千八百二十五円から六十一年二月には二千七百七十五円とかなり大幅に下がってきているわけでございます。小売価格につきましては、下がってはいるが多少緩やかな下がり方ということで、家庭用品につきましては原材料取得の段階から消費者の手に渡るまで加工、流通と幾つかの段階を通るときのタイムラグを考えますと、円高の効果がちょっとおくれた形で浸透してきているのではないかと考えておりますので、今後円高の効果が次第に出てくるのではないかと考えております。
○草川委員 今もおっしゃいましたように、日経新聞による業務用価格というのは、六十年九月には十六・五キログラム三千八百二十五円だった。これが三月四日の時点では二千六百二十五円、千二百円も下がっておるわけですから三十数%、こういうことになります。これは業務用ですからきちっと国際価格がそのまま反映する、あるいは先物取引市場の暴落、そういうものが反映するのですが、それにしても小売価格がなかなか下がらぬというのは消費者はわかりませんね。スーパーへ行って、缶の中に入っている油、円高だからもっと下げたらどうだと幾らスーパーと話をしても、なかなかそれは反映しません。やはりメーカーというところがあるわけです。そのメーカーに対して指導をする役所はどこかということになりますと、例えばこの食用油の場合には農水省ということになりますので、農水省も小売価格について業界に、価格の推移は消費者は非常に敏感に感じておるのだから適切な対応をしろというような指導はあってしかるべきだと思うし、経済企画庁も、国民生活局という局があるわけですから、実態調査をするとか円高のメリットが一体どの程度庶民に及ぶのか、例えば食料品あるいは鉱工業生産物、いろいろなものがあると思うのですが、立入調査というと言葉にとげが立ちますけれども、いろいろな意味で現場に行ってアクションを活発にしていただく、それがやがてはメーカーなり小売価格に反映してくることになると思うので、私はそういうことを強く要望したいと思うのです。その点、経済企画庁の国民生活局としてどう判断されるか、お伺いいたします。
○斎藤(成)政府委員 消費財の価格問題になりますと私の方で担当しておりますから、私から答弁をさせていただきます。 御指摘のように、円高が十分末端に浸透していくように関係各省は指導していく必要があると私ども考えております。その場合に私どもが気にしておりますことが一つございまして、市場原理にもう少し自信を持って見守っていいのではないか。 例えば大豆油についても、一社が製造しているわけではなくて幾つもの製造業者がありまして、これがいかにしてたくさん売るかということでそれこそしのぎを削って販売に力を入れているわけでございます。ですから、安いものが原料として入ってくれば当然に末端まで浸透していくはずでございます。 ただ、仮に原料が安くなりましても、国内での需給関係が変わるとか、何か別の要素で価格が予想したように動かないということもあり得ます。また、あってはならないことですが、やみカルテルというようなものがあれば、これはあるところで価格がくぎづけにされてしまうという問題もございます。ですから、私どもは、先ごろの物価担当官会議で、円高の状況を踏まえて各省、商品価格の調査、ウォッチをやりましょうということを申し合わせておりまして、それに基づいて各省動いて、問題があればそれに取り組むという姿勢をとっております。方向としては、原料が下がれば当然に末端の価格は下がるものと考えております。
○草川委員 大豆と食用油という具体的な問題提起をしたわけですが、今局長がおっしゃったように必ずしも市場原理が反映して食用油が値下がりするという満足すべき傾向ではない、こういう点で消費者としてはどこへそういう声を持っていったらいいのか。ほど遠いところにしか影響が及んでいないわけですから私は今のような提案をしたということでございますので、いろいろな意味でのフォローアップ、対応を立てていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 次に、今度は超大型二輪車の問題でございますが、公正取引委員長は所信表明の中で「政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、我が国経済における民間の活力を生かし、経済の効率性を高める見地から、引き続きその見直しのための検討を行いました。」ということであります。私は言葉じりをつかまえるわけではございませんし、経済企画庁の方も同じように、民間活力を活発にしなければいけないとか国内の消費を高めなければいけおいということを言っておみえになるのですが、今非常に若い人たちに要望のございます七百五十cc以上の大型の二輪車が、日本の国内メーカーでは生産をしておるのですけれども国内で販売できないという問題を、改めて通産省と運輸省とそれから中小企業庁、中小企業庁というよりも通産省になりますね、自動車課の方にお伺いをしたい、こう思うのです。 これはどこの省庁でもいいのですが、国内販売ができないという理由は、警察庁から何か意見が寄せられておるために自主規制になっておるのかどうか。運輸省か通産省がどちらかから答えてください。
○黒田説明員 ただいま先生から御指摘のございました大型二輪車の問題でございますが、私ども特別に規制をしているということではございませんけれども、二輪車メーカー、二輪車業界におきまして、交通安全対策上あるいは暴走族対策等につきましての関係省庁からの御見解、御要請等を踏まえまして、二輪車メーカーの方で自主的に自粛をしているというふうに承知をいたしております。
○草川委員 ですから、今若い人たちが日本で七百五十cc以上のバイクを買おうと思うと、輸入品を買う以外にはないわけですね。その輸入品というのは、日本の国内のメーカーが生産したものが一たん輸出をされたものを買う。例えばこのモーターバイクを使って、故障してパーツを交換をする。日本の国内のメーカーのところへ行けばそのパーツがあるのですが、そのパーツは一たん輸出をされたものを再び輸入をして部品交換をしなければいけない、こういうことになるのですが、そういう状況になっておるかどうか。今度は運輸省からお伺いしましょう。
○神戸政府委員 お答えいたします。 大きな排気量のオートバイにつきましては、先ほど通産省の方からお話があったとおりでございますが、現実には輸入という車につきましては、私どもやっていますのは保安基準に適合した車については行政的に処理いたしまして、相当数の車が日本国内を走っている状況でございます。そういうことを踏まえまして、私ども大きな排気量の国産車を規制するつもりは持ってはおりません。 ただ商売的に、今私どもそういう流通の方の行政を担当いたしておりませんので、部品の流通がどうなっているかということについては、私どもちょっとお答えできない状態でございます。
○草川委員 流通は私が言ったとおりですからそれはここではいいのですが、ここでどうでしょう、経済企画庁ちょっと関係がないと思っておみえになるのかどうか知りませんが、日本の国内で非常に希望者が多い、ユーザーがたくさんいる。それをわざわざ輸出をして、それは輸出の統計に出てきますね。当然数字が上がってきますね。だから、その分だけまた輸入するから差し引きいいじゃないかと言うのですが、それは私は、今の日本の貿易摩擦だとかいろいろなことを言われている状況の中で、その暴走族対策で日本の国内で売るなよと言われたからこういうような処置をとらざるを得ないというのはおかしいと思うんですよね。そんなものは、日本で売るものは売る、どうせ乗りたい人は乗るわけですから。しかも全部が全部暴走族じゃないと思うのです。今の若い人たちはメカに強いんです。それで、安全教育ということを徹底的にやる。安全教育を徹底的にやることによって正常な運転ができればいいと思うんですね。またそういうように、各省それぞれが連絡をし合って、若い人たちの大型の自動二輪の教育訓練施設はかくあるべきだということを指摘をすることが今非常に必要だと私は思うのです。 こういう現状について経済企画庁は御存じでしょうか、お伺いをします。
○斎藤(成)政府委員 私のところで直接所掌しておるかということになるとちょっと問題があるかもしれないのでございますけれども、私のところは流通には一応責任がございますので、私から簡単にお答えを申し上げます。 御指摘のような点はまことに不合理な問題であるというふうに私どもも考えます。現実にそういったいろいろ不適切な規制がある結果として国内の物価を不当に上げているというのがほかにもあるわけでございまして、私どもは、物価に取り組むという見地から申しますと不適切な規制はできるだけ取り除きたい、まさにデレギュレーションというのをやっていかなければいかぬと思っております。 今、御指摘の二輪車についてそういう問題があったということは、私どもちょっと不勉強で承知をいたしておりませんでした。先ほど来御答弁がありましたように、運輸省なり通産省で関与しておられますので、両省とよく御相談をして解決のために努力をいたしたいと思っております。
○草川委員 大変結構な答弁で、これで問題は警察庁ということになりますが、きょうは警察庁は免許課長がお見えになっておられるので、今の点は私、実はあした分科会で総理府所管でこの問題を取り上げますので、今の答弁は速やかに警察庁の方に上げておいていただきたいと思うのです。 そこで警察庁は、先ほども触れましたように、大型二輪車は暴走族だと決めつけておみえになるようですね。ですから免許が非常に厳しいわけです。全国で受験をしている方々が半期で十一万人いるんですね。中型から大型を取りたいというので。ところが、この合格率というのがわずか七・三%なのです。非常に厳しいのです。 例えば和歌山県の例を挙げますと、二百十二人が半期で受験をしたのだけれども、合格者はわずか一人なのです。徳島県も百四十人の方が受験をしたのですが、合格者はわずか七人なのです。石川県の場合も三百九十三人若い人たちが受験をしたのですけれども、合格者はわずか六人なのです。一・五%です。非常に難しいわけですね。これはひょっとすると白バイ隊員以外には許可しないのではないかとも言われておるんですね。若い連中は顔を見ただけでもうだめだ、こう言うんですね。靴の履き方が悪いとか、ちょっとした、頭の毛がどうのこうのというのがどうも受験の基準になっていると言われるくらいに厳しい。 しかも、もっとひどいのは、自動二輪の大型の練習場というのはないんですね。ないと言うと極端でございますが、正規の、公安委員会等でいろいろ現地でかわりに受験をさせるというのがありますね。そういうところはほとんど外されておりまして、例えば埼玉県にございます一つの学校等も最近中止をしたわけですね。なぜ中止をしたかというと、どうも警察庁の方から、暴走族を育てるようなそういうのはいかがなものかというようなニュアンスの何か働きかけがあったと伝えられておるのです。ですから、今全国的に自動二輪の大型練習場というのは非常に少なくなってまいりまして、いつどこでも練習ができるという機会がありません。 結局、全国で今申し上げましたように非常にたくさんの方々が試験を受けられに行くわけですね、十一万の人が。しかし、この十一万の人がどこで練習をするかというと、練習をする場所がないわけです。どこで練習をするのかわかりませんけれども、とにかく免許が欲しいから行くわけですね。そうするとその都度はねられる。自動車の免許証もお互いに苦労して取るわけでございますが、殊のほか自動二輪というのは、嫌がらせに近い試験方法ではないか、こう言われておるのですが、免許課長どうでしょう。私が今言ったようなことはどのように判断をなされるか、お伺いします。
○村井説明員 お答えいたします。 ただいま先生の方から、大型二輪車の運転免許は極めて取りにくいという御指摘がございましたけれども、昨年、昭和六十年中に大型自動二輪車の免許を取得した者は、限定解除も含めますと一万八千四百四十七人で、前年に比べまして一七%ふえているわけでございます。そしてまた、合格者は年々ふえているという状況にございます。 その一方で、先生御指摘のように合格率が非常に低く、昨年、六十年中は七・六%の合格率でございました。これは他の免許に比べますと低いわけでございますが、これは、大型二輪車は御承知のように車両重量が非常に重くてかつ馬力も大きいことから、カーブや道路の通行等の際に相当高度な技術を要するというためにそういう結果になっているわけでございます。 以上でございます。
○草川委員 私どもも警察の年始の警察始めというのに招かれて行くわけです。白バイの隊員が、スネーク蛇行というのですか、非常に足場の細いところを非常にゆっくりとしたスピードで走る。ハイテクニックというのですかね、私は、ああいうのを若い人たちに見せるべきだと思うのですよ。君たちやってみろ、このスネーク蛇行というのは簡単にやれるようだけれども、本当に体の安定感だとか、それから交通法規というものを熟知をしながらやって初めて白バイ隊員がやるようなことができるんだよというようなことを若い人たちに教えることが、私は今の暴走族をなくすことだと思うのです。若い人は、今おっしゃいましたように十何万人欲しいというのです。そういうニーズがあるわけですよ。それを、何か我々が先入観を持って、大型二輪車というのは危ないという形で抑えていく、あるいは学校なんかでも三ない運動といって、とにかく取らせないという形で、今の学校にいる間はとにかく免許証を取らせるな。でも、社会に出たらいいんだという形ですから急に出てしまう。だから、暴走族という問題が起きるわけですよ。私はこれは根本的に、青少年教育の問題を含めましても、今の自動二輪に対する教育という問題が非常におくれておると思うのです。 ですから、私は自動二輪については、全国の教習所で自動二輪の訓練ということでもっとどんどん取らせる、それからメーカーにも協力をさせて安全教育ということをやる、そういう中で初めてモーターバイクというものを安全運転させる、そのことによって利用させるということになると思うのですね。そういうことにしないと、今のように日本の国内では売るなと言う、売るなと言ったってわざわざ高いものを買わなけれがいけない、こういう悪循環になると思うので、この点は、きょうは物価問題特別委員会でございますので、あしたもう一度警察庁の方にもそういうことを申し上げますので、ひとつ十分な対応を立てていただきたいということを申し上げておきたい、こういうように思います。 モーターバイクの大型二輪の問題については以上で終わります。関係者の方は、どうぞ御退席をください。 そこで、時間が三時になりまして、あとわずかよりございませんので、今度は公正取引委員会の方に質問をいたします。 過日、公取が学習塾の調査を行いました。これは、非常に多くの報道機関にも紹介をされまして、大変興味のある内容になっておりますが、公取がこの問題に取り組まれた見解というものをお伺いをしたい、こう思います。
○厚谷政府委員 公正取引委員会が教育産業についての調査を取り上げましたのは、近年我が国経済の中における割合が増大しつつあるというサービス産業でございますので、そこでサービス産業について実態調査を行わなければいけない、こういうことでございまして、サービス産業の中におきましても教育産業のウエートが近年著しく伸びておりますし、また教育に対する社会的関心も高まっております。特に、塾産業につきましては、競争政策の観点から見ましても表示をめぐる問題が指摘されておりますし、異業種との提携あるいは大規模な塾の企業といいますか、その進出というような特徴的な面も見られましたので、そこで教育産業の中でも学習塾を中心に取り上げた次第でございます。
○草川委員 同じようなことになりますが、文部省は文部省として、今の乱塾というのですか、こういう問題についての調査もなすっておみえになると思うのですが、ひとつ公取の今回の結果ですね、いろいろな問題提起がございますが、どのような見解を持っておみえになるのか、お伺いをします。
○林田説明員 お答え申し上げます。 いわゆる学習塾等でございますけれども、これは御承知のように、今の学校教育法上に定められた教育機関ではないわけでございますが、このような学校外におきます子供たちの学習活動が子供たちに与える影響は非常に大きいということは私どもも考えておりまして、関心を持って注意しておるところでございます。既に昭和五十一年度には、文部省といたしましても学校外学習活動に関する調査というものもいたしております。通塾の実態でございますとか、学習塾の実態につきまして調査をいたしたわけでございます。 実態を申し上げますと、学習塾にもかなりいろいろな種類があるということもわかったわけでございます。基本的には、学習塾などはいわゆる私教育という部類に属するわけでございまして、これへ子供たちを通わせるかどうかということは親の判断にゆだねられるという面もございまして、国が直接にかかわることに対しては慎重な検討が必要であろうと思っておるわけでございますけれども、文部省といたしましては、できるだけ学習塾へ通う必要が薄らいでいくような努力をすべきだという判断で、従来、入試制度の改善でございますとか、学習指導、進路指導の充実というふうなこと、それから教師が学習塾の教員になっておるというようなこともございましたので、こういう点での教師の自覚を促すということで努力をしてまいったわけでございます。 今回公正取引委員会で調査をされました内容を私どもも関心を持って見せていただいておるわけでございますけれども、かなり通塾者が多いというふうなこと、それから経費の負担につきまして非常に重いと感じていらっしゃる方も多いというふうなこと、それから学習塾につきまして過度の競争が見られるというふうなことも今回の調査からうかがわれるわけでございます。 現在文部省といたしましても、昭和六十年度に昭和五十一年度にやりました調査とほぼ同様の調査を再度実施をしておるわけでございまして、近々この結果も発表する予定にしておりますけれども、こういうものを踏まえまして、今後文部省としてこういうものに対してどう対応していくか検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
○草川委員 今度は公取にもお伺いをしたいと思うのですが、過度の競争だとか誇大宣伝があるという指摘もあります。そこで、公正競争基準の設定等を塾経営者に呼びかけるのか、塾というそういう業界の連合会があるのかないのか私もわかりませんけれども。今のまま放置をいたしますと、いずれそういう事態が来ると思うのですが、その点はどうお考えになっておられますか。
○厚谷政府委員 広告活動なんかを見ますと、私どもが運用しております景品表示法上の問題になるようなものがあるかというような点がやや見受けられますので、公正取引委員会としましては、誇大な広告による不当な誘引行為を防止するあるいは学習塾間の公正な競争を確保するという観点から、表示の適正化の基準というものを設定するように関係の業界を指導してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○草川委員 もう一つ。これはどこに質問してもきょうの役所では答弁できぬと思うのですが、この公取の報告の中に、「家庭教師派遣業」という新聞広告で優秀な家庭教師を我が事務所には何人か抱えておりますよといって広告する。そうすると、家庭のお父さん、お母さんは、数学の教師とか英語の教師をそこへ申し込む。そこで、その派遣業というのは、あらかじめまた学生なんかにPRをして、簡単なテストを行うことによって登録させる。それを派遣するわけですね。 これは人材派遣業になるのかといって労働省にお伺いをしましたら、労働省は、雇用関係あるいは指揮命令関係等がないのでどうも人材派遣にはならぬ、こういうわけですね。では単純に、ユーザーというのですか家庭の方から電話がかかってきて出すということならば、いわゆるピンはね業務になるのではないか。それで、いわゆる家政婦派遣業とかありますが、それと同じような位置づけができないのかと労働省に聞いたら、それもやはり指揮命令関係なり雇用関係等の問題があってできない、こういうわけです。 家庭教師派遣業というのは、全く今、法の網がかからぬ業界です。現実にはどういうことをやっておるかといいますと、お父さん、お母さん、家庭の方からはとにかく一時間か二時間で一万円なら一万円だという契約をして取る、学生には実際は五千円か六千円しか払わぬ、こういうわけですね。こういうのが一つの業としてどんどん今後もふえていくとするならば、それは一体どうかという問題があります。資格の問題もあるだろうし、あるいは約束をしたような内容で子供に教えないという問題もあります。非常に難しい問題があると思うのですが、そういうことまで含めて公取は今後フォローアップをされる気があるかないか、あるいは文部省としても今のような問題提示をどう受けとめられるか、それぞれお答えを願いたい、こう思います。
○厚谷政府委員 先生御指摘になりました家庭教師の派遣業でございますが、その実態、私ども先日公表しました資料では、大体全国に五百五十七業者ぐらいおるんじゃないか。特に東京ですと、またその規模も非常に大きくなってきておるようでございます。 それで、そのような業者を規制するかということでございますが、私どもができますことは、独占禁止法に違反すること、あるいは先ほど申しました景品表示法に違反することがございましたならばこれは私どもの方で規制してまいりますけれども、業界全体をどのように規制するかというような問題は、私どもではちょっとできかねるのではないかと思っております。
○林田説明員 文部省といたしましては、現在、このような児童生徒の学校外学習活動に関しまして、この実態を踏まえてどういう対応が考えられるかということにつきまして調査研究の会議を設けて検討しておるわけでございます。その中で御指摘のような点も関心を持って調査をしてまいりたいと思ってはおりますけれども、この雇用の関係等につきまして、文部省として直接かかわっていくというふうなことにつきましてはいろんな問題点もあろうかというふうに思いますけれども、そのような実態につきましては関心を持って研究してまいりたいと思っております。
○草川委員 この塾の問題は以上で終わります。 最後になりますが、これも公取ですが、一昨年の十一月に公取は「訪問販売化粧品の取引に関する独占禁止法上の考え方」を発表しております。その中で、販売員についても独禁法上の事業者と認められるという項があるわけです。その要件は一体何か、簡単に御説明願いたいと思います。
○利部政府委員 お答えいたします。 御指摘の訪販化粧品についての考え方で訪問販売員の事業者性云々を言いましたのは、問題になりましたのが、訪販の企業が言うには、訪問販売員というのは事業者でないのだからその販売価格を本舗のメーカーの方が拘束しても独禁法違反にならぬではないかというようなことを言って規制を逃れる面がありましたところから、訪問販売員といっても実態によっては事業者になるのがあるんだ、事業者になった者については事業者としての責任を負うんだから、その者の価格を拘束したりすると独禁法の再販売維持行為になります、そういう趣旨で言ったわけでございます。 その場合の訪問販売員が独禁法上の事業者と認められるかどうかについては、まず、その商品の販売行為を反復継続して行っているかどうかということ、それからその販売行為による収益やリスクがその訪問販売員に帰属するのかどうか。その収益やリスクがメーカーの方に帰属するのか、その販売員の方に帰属するのか、こういうところが判断の基本的な基準になろうかと思っております。
○草川委員 では、認定されるとするならばどのような責任が生じてくるか、ここをひとつお答え願いたいと思います。
○利部政府委員 事業者ということになりますと、一般的に申しますとその者の責任で事業活動を行うわけでございますから、その事業活動に伴って不当な販売活動なんかを独自に行いますと、その行為の主体者として法律上の責任を問われることになります。 しかし、訪販化粧品メーカーが誇大広告等の不当な販売活動を行った場合には、それを訪問販売員を通じて行ったとしてもそれはメーカーの方の責任であって、そのメーカーの責任が訪販員に転嫁されるということはございません。自分の商品を扱っている、それから販売方法なんかを指導しているその訪問販売員が不当な行為を行っている、あるいは誤った宣伝行為を行っているという場合に、それを知りつつ訪販化粧品メーカーが放置しておったりしますと、やはりメーカーとして、メーカーの方が責任を問われるということになろうかと思います。
○草川委員 非常に重要な御答弁で、事業者扱いになった場合とそれからメーカーの責任、今具体的な一つの見解が出たわけでございますので、我々も今後、訪問販売の販売員活動のあり方あるいはメーカーの責任、これは十分見守っていきたい、こう思います。 そこで、国税にも来ていただいておりますが、言わずもがなの話でございますが、いわゆる事業者としての認定をされた場合に税の捕捉はどう取り扱われるのか、お伺いします。
○加藤説明員 お答え申し上げます。 訪問販売員にはいろいろな形態がありますけれども、会社との間に雇用契約がある場合には給与所得ということになります。雇用契約もなくて独立した形で訪問販売が行われている場合には通常事業所得となります。 その形態としては、販売実績に応じて手数料を得るというような場合と、小売業と同様に商品を仕入れてその差益を得るものと、そういうタイプに大別できるわけでございますが、このうち手数料を得るものにつきましては、いわゆる外交員報酬でございますが、源泉徴収が行われており、確定申告で精算をするということになっております。それから商品を買い取り、訪問販売する場合には、一般の小売業と同様に、納税義務がある場合には確定申告を行うということになっております。 訪問販売員が事業所得となる場合の課税につきましては、販売実績に応じて手数料を得るものにつきましては、今言いました源泉徴収制度を裏打ちするものとして外交員の支払い調書というものが提出を義務づけられております。それから、小売業と同様に商品を仕入れてその差益を得るものにつきましては、我々の方として積極的に資料、情報の収集に努めておるところでございます。 いずれにしても、課税の適正化にそういうことで鋭意努力をしております。今後とも、申告をしなくてはいけない人が申告漏れになっているとかあるいは源泉徴収に漏れがあるような場合には、調査、指導等を通じて適正に是正してまいりたいと考えております。
○草川委員 時間が来ましたので、最後の一問をして終わりたいと思います。 いろいろときょう議論をしてきましたが、公正競争規約というものを、先ほどもちょっと触れたわけですが、現在相当件数ができておると思うのです。問題は、公取としてこの実施機関に対する指導をどのようにやっているのか、いわゆるフォローアップの問題になると思うのです。たくさんありますけれども、実際、有名無実と言っては悪いんですが、そういうのもあります。あるいはまた、新聞販売等のように何回やってもだめだとか、きょうは薬の問題を取り上げる予定でございましたが時間がないのでやめますが、添付問題等いろいろとまだ残っております。全国公正取引協議会の連合会が社団法人であるようでございますが、こういうものをもう少し強化をして、公取も、直接の規制ではなくて間接的にも十分目を光らせる、そういう中でこの自主規制がうまく効用を果たすような努力をすべきである、こう思います。 以上の点について答弁をもらいまして終わりたい、こう思います。
○利部政府委員 先生御質問のとおりで、公正競争規約、それに基づく公正取引協議会が、公正競争維持のためあるいは一般消費者の利益に資するような仕事の面で寄与するあるいは寄与し得る点は非常に多いと思っております。現在百二十五の公正競争規約ができておりまして、このすべてに目を光らせていくというのは、おっしゃるとおりなかなか大変なことでございます。公正取引委員会といたしましても、いろいろな方法を工夫いたしまして、また御指摘の連合会を通じての指導ということも考えまして、公正競争規約制度が本来期待しているところの公正な競争を通じての業界の発展、消費者の利益の保護という目的が実現できますように行政として工夫していきたいというふうに考えております。
○草川委員 以上です。
○阿部委員長 次に、永江一仁君。
○永江委員 午前中から大体私聞いておりまして、同僚議員の質問に重複する点が少しございます。できるだけそれは省略いたしたいと思いますが、やはり党の立場もございますので、一、二重複いたしますけれども御質問させていただきたいと思います。 まず第一点は、消費者保護の問題についてでございます。 昨年来、この物持委で豊田商事問題等がなり議論されておったということで、私も聞いておりますが、先般も地元の兵庫県立神戸生活科学センター、これは昭和四十年にできまして、全国でこういうセンターとしては一番最初にできたところでございますが、そこへ行っていろいろ私なりに調査をしてまいりました。今日、市民、国民のこういった消費問題に対する意見というものは、従来はやはり物に対するいろいろな不満、添加物の問題とかあるいは電気器具の不備な点とかそういう苦情が多かったのでございますが、今もないわけじゃないのですけれども、何といっても訪問販売とか契約販売あるいはテレビショッピング、こういうことへの不満あるいはそういった駆け込みとでも申しますか、そういうことがやはり最近は圧倒的に多い、こういうことでございます。 そこで、いろいろ国会でも議論になり、その法の規制ということが今日的な問題になっておるわけでございますが、まず第一といたしまして、きょうは通産省の方にもおいでいただいておるつもりでございまして、通産省が主宰をする産業構造審議会の特殊取引問題小委員会が去る一月二十四日に第一回の会合を持っておるというふうに聞いておりますけれども、この小委員会の現状はどのようになっておりますか、お答えいただきたいと思います。
○山下説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のとおり、豊田商事問題の再発防止対策ということが従来からいろいろ御議論ございました。私どもとして関係各省庁の会合などへ参加をし、いろいろ議論してまいったわけでございますけれども、具体的などういう規制措置が必要か、望ましいかということを本格的に勉強していただく場ということで、一月十四日に大臣から産業構造審議会の会長あてに再発防止対策のあり方を諮問いたしまして、それを受けて先生御指摘の特殊取引問題小委員会というのを発足さしていただいた次第でございます。 この委員会は一月二十四日に第一回を開催いたしまして、一昨日、三月四日までに四回ほど会合を重ねてきております。また、来週早々に次の会合を予定しておりまして、そこで鋭意対策の、特に法律規制の中身、どういうことが望ましいかということを御議論いただいておる段階でございます。
○永江委員 通産省としては現在この委員会で検討中であるということだから、通産省としての意見はなかなか出ないと思いますが、そこで経企庁にお尋ねいたしますが、消費者保護という観点から、この法制化についてはどのような御見解あるいは指導をされようとしておるのか。基本的な点についてお答えいただきたいと思います。
○横溝政府委員 一般的な問題ではなくて、今の御質問は、豊田商事関連の法的規制の問題と理解してよろしゅうございましょうか。——この点につきましては今通産省から御答弁がありましたように、豊田商事の問題が昨年六月ごろは世上非常に大きな問題になってきまして、関係六省庁で豊田商事問題への対応を議論する場を設けましていろいろ検討してまいったわけでございますけれども、そのときの議論も踏まえまして、今通産省から御答弁がありましたように、ああいう現物まがい商法に対する消費者被害防止策について産業構造審議会で検討していただくということになっておりますので、その内容につきましては審議会の御検討結果を待つということになっておるわけでございます。 若干それに関連いたしますが、私どもが事務局をしております国民生活審議会の消費者政策部会の中に約款適正化委員会というのを去年の九月ごろから設けまして、こういう現物まがい商法の約款上の問題を検討するというようなことをやってまいったわけでございますが、二月十九日にこの約款適正化委員会の報告を一応取りまとめていただきました。この場では、要するに約款という民事的な次元での問題点もいろいろあるわけでございますけれども、それだけではなくて、やはりいろいろ法制度の整備を含めて検討する必要があるという御提言をいただいておるわけでございます。 その内容といたしましては、豊田商事的なああいう構造的、詐欺的な商法は二度と繰り返されてはならない商法だという判断でございますけれども、ああいう資産形成にかかわるいろいろな商法というのはこれから出てくる可能性があるわけでございまして、それが適正に行われて消費者の利益にそぐうようなものは別にあっても構わないわけですから、そういう場合に消費者の利益が確保されるためには、投資判断に必要な情報、例えば会社の業務内容とか受け入れ資産の運用方法、運用益の配当の有無とか会社の資産状況などを消費者にわかりやすい方法で開示させる必要があるとか、契約の内容は違約金の制限や資産の返還期日の明記など所要の消費者保護措置を備えたものにする必要があるとか、これから消費者がそういうことを契約する場合に契約の内容についてよく消費者に事前に知らせなさいということ、あるいはその契約の内容自身が消費者の利益にそぐうような内容になっていないといけないということ、あるいはそういうことを事業者が明示しましても経営内容が本当にそうなっているのかというチェックは消費者にはできませんから、そういうことが適正にチェックできるような体制の整備をする必要があるとか、いろいろ問題が起きた場合に早い段階で情報収集して消費者に提供して、消費者がそういう悪質な商法に巻き込まれないようなシステムを整備するとか、この辺は別に法律の問題ではなくて、行政庁の既存の体制でできる問題もあるわけです。そのほか、消費者の啓発、教育をちゃんとやるべきだとか、そういう内容の御提言をいただいておるわけでございます。 こういう考え方も参考にしながら法的整備等、被害者防止策ができ上がっていくことを期待しておるわけでございます。
○永江委員 今のお答えを聞いても、どうもよくわからないのですね。 確かに消費者教育というものは必要である。ただ取り締まるといっても内容的になかなか難しいことは、私もよくわかるのです。中身に大変問題があるということはいろいろ報道もされておるわけですし、変な法律をつくるとかえってお墨つきを与える心配もあるとか、いろいろな要素があることはわかるのですが、消費者センターの第一線の現場の責任者の話を聞けば、若い人とお年寄りが引っかかるそうでありますが、特にお年寄りを守るという点から何らかの法改正が必要だということを盛んにおっしゃるわけなのです。かつてサラ金問題も、法改正、抜け穴だらけだとかざる法とか言われましたけれども、それなりの効果が上がっておるわけです。こういうことは試行錯誤がつきものでございますから、何らかの法改正によって足らざるところは議論していくということが必要じゃないか。ああでもない、こうでもないと言って今御答弁いただいたけれども、全くよくわからないという繰り返しであっては消費者を本当に護していくことにはならないと思うわけでございます。 そういう点で、消費者保護の一番の監督官庁と言われる経企庁とか通産省、先ほど通産省からお答えいただいたわけですが、こういった小委員会で今やっておられるわけですけれども、ここに対して経企庁として何らかの意思表示なり二つの意見を、しっかりしたものを持ち込むことが必要だと思うのでございますが、いかがでございますか。
○横溝政府委員 繰り返しになろうかと思いますが、豊田商事問題への取り組みにつきましては、経済企画庁が事務方といいますか事務的な役割のもとで六省庁会議というのをやってまいりました。これは通商産業省、大蔵省、公正取引委員会、警察庁、法務省等もそのメンバーでございますけれども、ここでいろいろ法律上の議論をしてまいりました。その辺の議論を踏まえた上で、現時点においては通産省において産業構造審議会で法的整備も含めた再発防止策を検討していただいておるわけでございますので、そこはそういう意味でつながっておるということが一つ。 もう一つは、国民生活審議会でこの種の問題について考えるべき要素をさっき申し上げました幾つかの点で約款適正化委員会から御報告いただいておるということでありますが、どっちにしましても何か法的整備を図ってこういう被害防止策をちゃんととらなければいけないという点は共通の認識になっておりまして、それは今まさに産業構造審議会で検討されておるわけでございますから、我々としてもその審議結果を得て、関係省庁連携をとってその実現方に向かって努力いたしたいと考えておるわけでございます。
○永江委員 共通の認識として法改正ということがあるというお答えでございましたからそれで結構だと私は思いますが、せっかく通産省の方おいでいただいておりますのでもう一点だけ。 先ほど現状の報告がありましたが、今後そういうことでの法改正に向かっての見通しはどのようなものでございましょうか。
○山下説明員 先ほど申し上げましたように、次回の会合を来週予定しておりまして、なるべく速やかに審議会の御意見の取りまとめをお願いしておるところでございます。それをおまとめいただきましたら、私どもとしては法律改正を頭に置いてやっておるわけでございますが、速やかに国会の方にもお願いしたいという手順で考えております。
○永江委員 拙速主義はいけないという御意見、それは慎重にやっていただきたいのですけれども、一つの法改正によって消費者を保護していく。何といっても今日そういった地域においては被害者が非常にたくさんいる、豊田商事に限らずいろいろな訪問販売等を含めての問題があるということでございますから、ぜひそういう方向で御検討いただきたいと思うのでございます。 もう一点、別の角度から御質問いたしますが、この問題はただ法律でがんじがらめにすればいいということではないということも私はよくわかるわけでございます。ある意味で賢い消費者をつくらなければいかぬ。やはりだまされる方に若干の問題もあると言わざるを得ません。いろいろ聞いてみますと、こういった被害者は老人と若者が多い。若者というのは、女の方がひとりで寮にいる、そういうところへ電話がじゃんじゃんかかってきて何となく乗せられていく、こういうケースが随分あるそうでございます。そういう点で、消費者保護の第一線に立っていらっしゃる方の切実な声といたしましては、消費者教育をもっとやってもらいたい、特に学校あたりでも取り上げてもらいたいということが強いわけでございます。 きょうは文部省の方にも来ていただいておると思いますが、そういった言うならば賢い消費者、日本人はどちらかというと契約というものにはなかなか嫌うございまして、人間と人間との関係でいく、しかし、時代の変遷の中で契約というものの意味について、学校教育というところから賢い消費者を育てていくことが必要であると思うのでございますが、文部省はいかがお考えでございましょうか。
○林田説明員 お答えいたします。 消費者保護とか正しい消費のあり方を学校教育の中で正しく教えていくということは重要なことであると私どもも考えております。小中高等学校におきまして、それぞれ児童生徒の発達段階に応じて適切な指導を行うことにしておるわけでございます。 ただ、具体的に契約という概念になりますとかなり高度な概念にもなるわけでございまして、現在の学校の教育内容について国の基準を示しております学習指導要領におきましては、高等学校の商業の商業法規というようなところでは具体的に契約というようなものを掲げまして教えることになっているわけでございますけれども、小中高等学校の段階では社会科の中で消費者の保護というふうなことを教えるように国としては基準を示しておるわけでございまして、これに基づきまして教科書が書かれ、具体的な教室の中では教師のそれぞれの工夫によりまして消費者の保護というふうなことに関連をした教育を行っておるということでございます。このような中で、おっしゃったような社会の実態に合わせた教育が行われるように今後とも私どもも考えてまいりたいと思っております。
○永江委員 ぜひ、そういった要望が強うございますので、文部省の方といたしましても、そういった消費者保護の問題についての教育というか、賢い消費者をつくる、こういう観点からの学校教育にひとつ力を入れていただきたい。交通問題も同じようなことでございまして、交通違反あるいは交通事故も法律で取り締まる。取り締まると言ってもなかなかこれは限界があるわけであって、そこにやはり幼児時代からも含めての交通法規の教育ということが言われてきたわけでございますが、今日のこういった、物から契約社会へというか、新しい時代の変遷の中で、こういう契約上の問題あるいはいろいろ訪問販売、キャッチセールスなどというようなことの中で泣き寝入りする人が随分ふえてきた。こういう被害者が多いということの中から、私は交通教育と同じように受けとめたのでございますけれども、ぜひともそういう観点からそういった消費者教育というものに力を入れていただきたいと思います。文部省と通産省の方、結構でございます。 それでは、せっかく長官がいらっしゃいますので、この消費者保護という観点で、経企庁の最高責任者といたしましてのひとつ御所見をお聞きいたしたいと思います。
○平泉国務大臣 消費者保護会議といいますか、消費者の問題を協議します関係省庁の会合の責任事務当局というのを経済企画庁の事務方がやっておるわけでございますから、このような問題につきまして、経済企画庁としても庁全体で大きな問題として取り上げてまいりたいと思います。早急に御心配のようなことのないようにひとつ頑張ってまいりたいと思います。
○永江委員 次に、経済見通しについてでございますが、これは午前中からたびたび繰り返されておりますから、できるだけ私は重複する点は避けたいと思いますけれども、冒頭申し上げましたように党の立場もございますので、一、二お伺いいたしたいと思います。 午前中来いろいろ言われておりましたように、四%の経済成長達成というのが本当に可能なのかどうか、いろいろ御答弁も私ずっと聞いておりまして何となく少しは希望が持てるのかなと思わざるを得ないのでございますし、願わくはそうあってもらいたいわけでございます。しかしながら、いろいろな指数あるいはこういう資料等を検討していきますと、同僚議員がいろいろ御指摘になっておったように大変厳しい面がある。しかも東京サミットを控えて、若干政治的なさじかげんの中でこういった数字が出てきたのじゃないかなという心配がないわけじゃございません。 ただその中で、円高の問題がプラスに転ずるかマイナスに転ずるか、これは私は非常に微妙なところがあるのじゃないかと思うのでございますけれども、私個人としては、基本的には円高は日本経済の一つのバロメーターとして強くなったという証左、先ほど長官お答えになったように、若干そのタイミングが余りにも速過ぎたという問題があるという御指摘、私はうなずけるのでございますけれども、基本的に言えば、一ドル三百六十円時代に育った者といたしましてはこれはやはり日本経済の強さのバロメーターとして評価したい、個々にいろいろ問題があることは十分承知しておるのですが、大ざっぱに言った場合、それは基本的には評価をしたいと思っておるのでございます。 ただ問題は、このことによって黒字幅五百十億ドルが本当に減るのかどうか。理屈から言えば、円が高くなれば海外から物がどんどん、安くなったからたくさん入るはずだ、こういうことですけれども、しかしながら原油で言われたように、幾ら安くなっても入る量は決まっておるわけですから、結局それは逆に日本の黒字幅をますますふやすのじゃないかという心配があるのですけれども、この点はいかがでございましょうか。
○赤羽政府委員 六十一年度の経済見通しにおきまして、経常収支の黒字はドルベースで申しますと五百十億ドル程度と見込んでおります。これは前年度であります昭和六十年度とほぼ同じ金額、こういうことで、黒字は減らないけれどもふえないということに見通しをしております。他方、円ベースで見ますと、十一・五兆円程度の六十年度の黒字が十・四兆円程度の黒字ということで、一兆円程度黒字は縮小する、こういうことになります。円ベースで見るべきか、ドルベースで見るべきかという問題でありますけれども、まず、政府の見通しというのが一国の政府の公式数字であるということでありますと、これは自国通貨建てで見るのが当然ということになりますが、その問題を別にいたしますと、経済に対する影響という面から見れば、当然円ベースで考えるべきだろうと思います。 それに対しまして貿易摩擦、特にアメリカとの関係での摩擦ということで見ますと、向こうの人たちは円ベースというのを理解してくれませんので当然ドルベースである、こういうことになります。円ベースでは黒字が減るのに、ドルベースでは黒字が減らない、こういうことになっておりますのは、当然一ドル当たりの購買力が下がっている。同じ五百十億ドルでありましても、見通し作成の前提となっております円レートは、六十年度が一ドル二百二十五円、それから六十一年度が一ドル二百四円となっております。つまり六十年度に比べまして六十一年度は、六十年度が二百二十五円の購買力のあった一ドルで五百十億ドル、それに対して六十一年度になりますと、同じ一ドルでありましても二百四円の購買力しかないもので五百十億ドル、見せかけ上は黒字は減っていないのですけれども、実質購買力はやはり減っている。これを適正にあらわしているのが円ベースの黒字縮小、こういうことになるわけです。 ただ、見通しの作業が行われましたのが昨年の暮れでございまして、それ以来三カ月ぐらいたっております。その間にドルレート、円レートはさらに円高・ドル安になっております。これがどのように見通しに対して働くのか。さらにもう一つ、これに加えまして石油の値段が急速に、かつ大幅に下がるだろう、こういう見込みがますますはっきりしてまいりました。その点をどのように考えるのかということでありますけれども、まず、円レートが見通し以上に進んだことの効果というのは、輸出の数量減というのを激しくするだろう。しかし他方、輸入におきますところの支払いの節約、円ベースでの支払いの節約というのを大きくする、こういうことでありまして、輸入の面では黒字はさらにふえる可能性がある。しかし輸出の面では減る可能性がある。しかもこれに加えまして、石油の価格の大幅な低下というのはまさに黒字をふやす、こういうことになろうかと思います。 経済に対する効果ということで申しますと、特に石油価格の低落という要因もあわせて考えますと、総体といたしましてむしろプラスの効果、差し引きプラスになるのではないかと考えますけれども、黒字という面で申しますと、やはり見通しの時点から比べますとふえざるを得ないな、こういうふうに評価をしております。ただ、そうはいいましても、為替レートが非常に大きく変動いたします。したがいまして、現在の水準をそのまま前提にして物事を考えるということについてもリスクがある、こう考えております。
○永江委員 まことに私たちの若い時代は、これは本当は貿易が黒字になることを願ってずっと日本人はやってきたわけですが、今お話しのように円が強くなればなるほど、しかしながらドル建ての貿易黒字が減らない。今のお答えのように、これは五百十億ドル以上になりそうだというお答えでございますね。 今日、日本には日本の言い分があるわけですけれども、国際環境の中で、特にアメリカ等からの強い圧力いわゆる貿易摩擦はまさに数字だけでやっておるわけでありまして、今局長のように、いや、円ではと言ってもなかなかこれは通用しないわけで、この五百十億ドルの黒字をどうしてくれるという実に単刀直入な圧力、これが我々日本人、日本の政府としても大変頭の痛いところだと思うのでございます。 そこで、貿易という国際経済の中からいたしますと、日本の経済が強くなる、このことはいいんですが、なかなか黒字が減らない。そこで、やはり行き着くところは、この間の予算委員会の集中審議でも出ておりましたように、内需拡大によってこれを何とかしのいでいかなければならない、これは論理の帰結として来ておるわけですね。そこで、これも先般来内需拡大対策がいろいろ議論されておるわけでございますが、なかなか決め手になるようなものが出てこない。そういうことで、四%の経済成長の問題も含めて、今ここで議論になっておるわけでございます。 いろんな視点がございますが、私どもの立場からいたしましても、やはり内需拡大については、国民が消費という方向に向かっていかなければいかぬ。そういう意味でのこの春の賃上げ、減税ももちろんそうでございますが、あれもこれもの御質問はきょうはやめますが、少なくとも賃上げの問題についても、政府のいろいろなリボルビングの報告等を見ましても、これは公平な分配、こういう書き方の中で、言うならば賃上げを少しでもふやす、そのことによって内需拡大にという傾向が出ておるわけでございます。先ほど来も、経企庁としてはどれくらいかということはなかなか答えられないということでございましたけれども、賃上げの中で国民の収入がふえるということは、基本的に今日の経済のあり方からして歓迎すべきことだと思いますが、いかがでございますか。
○及川政府委員 委員が引用されました経済審議会の報告では、「GNPの約六割を占める個人消費の拡大を図るため、技術革新など経済発展の成果を賃金と労働時間短縮に適切に配分すること等」というようなことが提言されているわけであります。 国民生活の観点からいきますと、可処分所得がふえるということが消費をふやすための最も大きな大もとでありますから、適切な配分によって賃金が上昇するということは妥当だと思うわけでありますけれども、それが具体的にどの程度の賃上げであるかということについては、毎回御答弁申し上げておりますように、それぞれの労使が諸般の事情に配慮しながら自主的な話し合いを通じて適切に解決することが基本であるというふうに考えておりまして、政府としては適度な経済成長や物価の安定あるいは週休二日制の促進等環境の整備を進めていくことが必要だというふうに考えているわけであります。
○永江委員 労使で決めよ、これは一見もっとも、当然の御答弁のようには見えますけれども、しかしながら、かつてあの高度経済成長のときには、政府も含めて、労働組合の賃上げを抑えるような言動によって何となく誘導したという経緯もあるわけであります。今回、経済の基本的な立場から見てもそういった公正な分配が必要だということですね。まあこれでもある程度応援しているという言い方もできるかもわかりませんが……。 経企庁長官、なかなか言いにくいかもわかりませんが、景気は気からというように経済は気分もかなり左右する、こう言われておるわけでありますから、この際はひとつそういった労働組合の後押しじゃございませんが、賃上げも少しは大いにやれと言うくらいのハッパかけが、ひいては内需拡大に非常に有効じゃないかなと私は思うのでございます。ひとつ景気のいい雰囲気にしていく。私が先ほどから言いましたように、内需拡大でなければ今日の経済は行き詰まっておるという対外的な問題も含めて、今いよいよシーズンでございますから、この点について経企庁長官、いかがでございましょうか。ひとつ景気の気がよくなるような答弁をしていただきたいのです。
○平泉国務大臣 ただいまおっしゃるとおり、経済企画庁の大きな仕事というのは、国民の皆様に、それこそ経営側にも労働側にも、日本経済の置かれている現状をできる限り正確に、そしてわかりやすくお伝えするということでなければならぬと思います。それぞれ経営者の側に立ちますれば、あるいはそれぞれ労働組合の立場ですと、おれの会社は大丈夫かな、こういう御心配が先に立つと思うわけであります。そういう意味で、日本経済全体の成り行きというものをできる限り正確にお伝えをしまして、不必要な御不安はないように、また不必要な御心配はないということで、ひとつ十分正確にお見積もりをいただきたい、こういうことを申し上げることが経企庁の重要な仕事であると思っておるわけでございます。
○永江委員 経企庁長官としてはそれ以上の御答弁はなかなか難しいと思いますけれども、今時期が時期だけに、内需拡大といっても公共投資もできない。予算もこれですね。減税もしない。そして我が党は、少なくとも建設国債ぐらいの増発と言っておりますけれども、これもなかなか難しい。そうなると、やっぱりここは少し労使の分配の中で賃上げでもして、そしてそのことが内需拡大へという方向、一つの残された道はもうここしかないんじゃないかとさえ思うのでございますね。そういう点で、ぜひとも今後とも経企庁長官あるいは経済企画庁としては、別にこれが労働者の方に特に肩入れをするという意味ではなくて、日本の経済動向のあり方の中から少しは景気がよくなるようにそれとなく発言もしていただきたいということを最後にお願いをしておきたいと思います。 次の委員会と若干重なりましたので、私の質問はこれで終わらせていただきます。
○阿部委員長 次に、藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 それでは、始めたいと思います。 所信について御質問をいたしますが、もうきょうはほとんどの委員が円高問題を取り上げております。しかし、私もまた円高問題に限って質問をしていきたいわけです。 一ドル百八十円にもなる円高、また一バレル二十ドルに近づきつつある原油価格、まさに日本経済が大きく揺り動かされているわけです。円高についてもG5以降一ドル六十円と急速でかつ大幅なものになっており、政策的に進められているものです。原油価格についても、OPEC諸国と非OPEC諸国とのシェア争いの中で第二次オイルショック以前の原油価格水準に戻る方向になっておりまして、これも構造的なものと言えるのではないでしょうか。 では、このような大きな経済変化と国民生活はどうなっているかと見ると、これは何度も指摘されておりますが、輸出に依存している産地中小企業あるいは下請中小企業は、円高の急速な進行の中で絶望的な状態になっています。私の地元も、自転車あるいは伸線、敷物、繊維というふうな関係の中小企業が多いわけですが、私の耳にはそれらの企業のつぶれていく音が聞こえるような気がするわけです。にもかかわらず、政府は有効な手だてを打てない状況になっておりますし、一方、円高と原油の値下がりで巨額な利益を上げている石油、電力あるいはガス業界はいまだにその還元も行わずに、石油業界にあってはことし灯油の値上げを一部消費者に押しつけるというようなありさまで、国民生活にはマイナスの要因こそあれ、メリットは何にもないじゃないかというような状況であります。 経企庁としてこのような状況をいつまで放置していくおつもりなのか、そこを明確にしていただきたいわけです。 五十三年のあの円高のときに、政府は円高物価対策の手だてをとりました。今回はそのスピードと規模においてはるかに上回る状態にあるわけですから、五十三年時を上回るような強力な円高物価対策をとるべきであると考えますが、御所見をお聞かせいただきたいわけです。
○斎藤(成)政府委員 御指摘のように、円高の効果をできるだけ早く日本経済に浸透させるというのは私どもの仕事の一つと認識をいたしております。 五十三年の例が出ましたので五十三年のことについて申し上げますと、あの段階——あの段階と申しますのは、五十三年の九月に実は総合対策というのをやりまして、総合経済対策というところでこの円高差益の還元を強調したのがありますが、恐らく五十三年とおっしゃるのはあれを指したものと思いますけれども、五十三年九月にこの総合経済対策を立てるまでの為替の動きというのをもう一度思い起こしていただきたいのでございます。 円高に移り始めましたのが実は五十一年の暮れぐらいからでありまして、五十一年の暮れから、多少円安に振れた時期はありますけれどもずっと基調としてどんどん円高に動いていった。したがって、五十一年の暮れ、例えば十一月は二百九十四円九十五銭というのが為替レートでございます。(藤田(ス)委員「大体わかっていますから、できるだけ簡単にしてください」と呼ぶ)わかりました。五十二年の九月、対策を決めたまでにおよそ百円ぐらい強くなっておりますけれども、大変期間が長い。なぜ期間が長いかということをいいますと、午前中来申し上げておりますように、円高の効果が浸透していく時間というものを考慮して、そして逐次その途中でも浸透のためにいろいろな措置をとってきているわけですけれども、そういう措置を繰り返しながらやって、公共料金の改定を含む経済対策を五十三年九月にやっている。 そういうことでございまして、今回はいろいろ御指摘がありますように大変急激に円高に移っておりますけれども、時間的な経過というのは前回に比べると大変急激であるために、末端価格までまだ十分浸透していないのじゃないか、こういうふうに考えております。ですから、私どもは浸透の度合いというのをにらみながら、それをなるべく促進させて円高の効果を十分日本経済の中に浸透させたい、こう考えております。
○藤田(ス)委員 時間的にも、それから円高の変動も非常に急激であるがゆえに国民への影響は深刻であるので、やはり機敏に対策をとっていくべきだということを言っているのです。それはもう消費者の生活、中小企業の実態を十分御承知のはずですから、やはり経企庁として国民の暮らしを守るという観点からもっとしっかりした物価対策をとっていっていただきたいということを申し上げて、具体的に聞いていきますが、石油業界はもう既に円高差益で三千六十億八千五百五十六万円といういわゆる仕入れ差益を上げております。 これはどういう計算をしましたかといいますと、十月から一月まで三千六十億円の仕入れ差益を手に入れているわけですが、例えば十月を見ますと、十月の精製用原油輸入量は一千四百五十六万一千八百七十七キロリットルです。それを九月の原油価格と十月の原油価格の差で掛け合わせますと、すなわち四百五十一億四千百八十一万円。こういう同じ計算で十一月、十二月、一月と推移を計算をしてまいりますと、三千六十億八千五百五十六万円という差益を手に入れているわけです。今後三月までにさらに二千億円以上の差益を積み増すことになりますと、合計五千億円の差益を手に入れることになるわけですが、一方、その差益還元については、これは小売物価統計調査に基づいて計算をしましたが、国民向けには十月から一月の四カ月間でわずか七百三億円しか還元されていないわけです。 どういうふうに七百三億円という数字の根拠をつくったかといいますと、ガソリンの場合、九月値そして十月値の差をとって、販売量にその違いを掛けて還元額をはじいてみました。そうすると、ガソリンの場合は十月から一月までの間で還元額百二十二億三千五百四十五万円、灯油の場合は十月からことしの一月までの間で五百八十一億三千二百二十一万円、締めて七百三億六千七百六十六万円の還元額にしかなっていないのです。しかも、十二月と一月の灯油とガソリンの販売量が全燃料油のうちの四〇・五%を占めているわけです。ところが、この二つの油種には、先ほどの計算で計算をしていきますと、円高差益額のわずか二二・九%しか還元されていないわけです。 私はこんなばかなことがあっていいのかというふうに考えますが、経企庁と通産省の御答弁を求めます。できるだけ簡単にしてください。
○田辺説明員 藤田委員御指摘の点でございますが、今御試算されました数字につきまして私ども明確に記憶をしてございませんけれども、円高の差益が石油産業に仕入れの差益として入っていることは事実でございます。 石油産業は、まずは昨年の九月末の段階におきまして大変な赤字の収益状況下にありまして、私どもの試算では約千七百億円の経常損失を出していたと記憶しております。そのような状況の中で、石油製品の価格は、ガソリン、灯油を含めまして、市場メカニズムを通じて、需給関係を通じて決まっていっております。基本的には市場メカニズムの中で消費者に還元されていきつつあると思っております。厳密に何円と何円で対比いたしますと、その辺は需給関係から決まってまいりますのでコスト減が必ずしもそのまま反映しないという面があろうかと思いますが、先生御指摘の、市場の中で今後とも軟化傾向をたどっております灯油あるいはガソリン価格でございますので、消費者に還元されていくと考えているわけでございます。
○斎藤(成)政府委員 差益額、それと還元額の計算につきましては、ちょっと私どもも何とも申し上げかねますけれども、御指摘のように、全体の流れといたしましては輸入の原油の価格が下がりつつあるわけでございますから、それに応じた価格の引き下げというのが当然あるべきもの、あってしかるべきものというふうに考えております。 ただ、市場原理を通じて還元されていくというのは、計算上一対一の対応できっちり同じように下がっていくというものでもございませんし、通産省の話にもありましたように需給関係の問題もありますから、もう少し長い目で大きくとらえていきたいと思っております。その上で当然市場原理を通じて還元されるものと期待をいたしております。
○藤田(ス)委員 私は大変甘いというふうに思わざるを得ません。例えば五十四年の平均原油輸入価格は三万三千五百二十六円でした。六十一年の一月はそれより二千円だけ上がって三万五千二百九十八円です。それに対してガソリンの売り値を見ますと、五十四年当時は百二十四円八十銭、今は百四十三円でしょう。これはリットル当たりで二円の差、それがこういうふうに上がっているわけです。灯油の場合は九百四十四円が今千三百九十六円。こういうことを考えますと、もっと国民の納得がいくように還元額を指導されることを求めたいわけです。今後六十一年に入ってから石油業界には原油の値下がり益と為替差益がダブルで入ってまいります。原油の値下がり益は一ドル値下がりするたびに、一ドル百八十円に換算しますと二千二百六十八億円入ることになり、一バレル二十ドルの水準まで行くとすれば一兆五千八百七十六億円という差益が出てくるわけです。円レートもそうです。六十一年度一ドル百八十円で推移すれば、六十年の平均レートが二百四十円ですから一円円高で四百三十億円の差益が入ることから考えますと、二兆五千八百億円の円高差益が生ずることになります。両方合わせましたら年間で実に四兆円の利益がもたらされる。 そこへ、公定歩合があります。この利下げで一番利益を得る、恩恵を受けるのはこれまた石油業界です。こういう四兆円にも上る差益が先ほど見たような不十分な還元であるならば、国民に対しても背信行為だと考えざるを得ません。五十三年の円高のときには、石油製品については家庭用灯油価格等に関して効果が適正に反映されるよう必要に応じ関係業界に要請を行うというふうに、その点でははっきりした姿勢をとっておられるわけです。だから、もう一度経企庁に国民の立場に立って、現在の情勢の中で厳しい指導を求めていきたいわけです。
○斎藤(成)政府委員 灯油の話が出ましたので、灯油について申し上げます。 五十三年当時は灯油価格について政府がいろいろ行政指導をいたしておりまして、価格の決定に当たっては資源エネルギー庁がいろいろ指導していたという背景がございまして、言うなれば公共料金に準じた形として、総合経済対策の中でこれの取り組みを指示しているわけでございます。 その後、資源エネルギー庁が灯油価格につきましては一切行政指導をやらないということで方針転換をいたしましたから、今や灯油価格は全都市場原理にゆだねている、政府が全く関与しないという立場にございます。ですから、五十三年のころと今とでは灯油に対する扱いが違うとおっしゃるのは、そういう政府の関与の仕方が違うということが原因であると御理解いただきたいと思います。
○田辺説明員 御指摘の灯油の問題でございますけれども、私どもも灯油の安定供給の確保という点につきまして日ごろ業界を指導しているところでございますが、藤田委員御案内のとおり、毎年秋には六百七十万キロリットルの在庫積み増しをしているわけでございまして、それが安定供給を担保しているということでございます。さらに、本年一月、ガソリン、灯油、軽油の自由化が特定石油製品輸入暫定措置法のもとで行われまして、この厳寒の中で灯油の逼迫が憂慮されていたわけでございますが、在庫について万全を期しているということと輸入がさらにそれを償って万全の供給体制を保っていると私ども感じております。 一月に供給計画を変更いたしまして、灯油の輸入を二十万キロリットル程度見込んだわけでございますが、既に二月末の段階で七十万キロリットルの灯油が輸入されまして、安定供給、市況の軟化、価格の安定と申しますか、市場メカニズムの中で大変貢献していると思っているわけでございます。
○藤田(ス)委員 行政指導方針が変わって市場原理にゆだねるという中で、消費者は損をしていますね。それは先ほど私がお示しした数字でもはっきりしています。私は、それにしても適正な消費者への還元という問題に取り組んでいかなければ経企庁としての役目は果たせませんよということを重ねて申し上げておきたいと思います。 量の確保について私は質問をしたわけじゃありませんが、大変御親切に御答弁をいただきました。次の寒い時期の量の確保について十分対応していただきたいということを御質問するつもりであったのですが、ただいまの答弁を聞いておりまして、来年の量の確保にも十分関心を持って取り組んでいかれるであろうと理解してあえてお尋ねをしないことにしますが、量の確保の対策が十分とれるようにしていただきたい。うなずかれましたので、それを答弁と受けとめて次に移ってまいります。 次は、電力、ガス問題についてです。 五十五年の値上げ認可の条件は、原油価格が一バレル当たり三十二ドル強、為替レートは一ドルについて二百四十二円、燃料の重油換算価格は六万二千五百六十円、そして原発の稼働率が五五・八%。現在はすべて認可時と大きく異なってきていると思います。大臣、電気事業法の十九条には「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」と書いてあります。現状は明らかにそれに反していると思われませんか。そして、二十三条には供給条件の変更の認可を申請することを命ずると書いてあるわけですが、これを生かすべきではないでしょうか。これは大臣にお伺いしたいわけです。
○川田説明員 先に私の方から御説明させていただきます。 昭和五十五年には一年間の原価算定期間をとりまして、その間における原価につきまして公正かつ厳正な査定を行って料金が設定されたところでございます。私ども、その料金をできるだけ長期に維持してもらいたいということで、それが現存にまで至っております。 先生御指摘のように、そのときに置いた原価のいろいろな項目の数値については現在までにかなり変わってきております。そのときよりも低くなっているものもあれば、かなりふえているものもございます。私どもとしては、そういうものを総合的に見て、それが著しく不適当と言えるかどうかということについては必ずしもそうは言えないと現時点では考えておるところでございまして、電気料金改定の法律的側面は先生御指摘の十九条第一項あるいは二十一条のただし書きあるいは二十三条とあるわけでございますが、本則はやはり事業者が自発的に認可を申請してくるという仕組みで、それを最終的に担保するものとして二十三条というような規定が準備されているものと考えておりますが、現在までのところではそういう状態ではなかったのではないか。今後円レートの定着があり、原油価格もまさに現実の問題として大きく下がっていくというようなことになりますれば、それは何らかの所要の措置を講ずる必要があるというふうに考えておるところでございます。
○藤田(ス)委員 大臣の御答弁をいただく前に、今の御答弁に私は異議がありますので、はっきりしておきたいのです。 値上げを認可するときの条件というのは、原油価格、為替レート、燃料の重油換算単価、原発の稼働率、これが一番でしょう。そうでしょう。それで適正な価格というものを計算するわけですよ。そうしたら大臣、原油価格は一バレル三十二ドル強でした。今は二十ドルで、さらにもっと下がっていこうとしているわけです。それから為替レートは二百四十二円、今百八十円でしょう。重油価格は当時六万二千五百六十円、今は四万九千九百円。原発の稼働率というのは五五・八%、今は七三・六%、随分上がっているのです。稼働率が上がるということは、それだけ効率的になっているということです。そうすると、「適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」というこの最も認可条件の原則的なところで照らしてみれば、状況ははっきり変わっているじゃありませんか。大臣どう思われますか。私、大臣にわかってもらおうと思って、さっきから一生懸命——ちょっと大臣、一遍ぐらい物を言ってください。
○川田説明員 まず私から、また説明をさせていただきます。 先生が御指摘になりました原油の価格あるいは為替レートあるいは原子力発電の稼働率、そういったものはすべて燃料費の関係の、燃料費を規定する要因になるようなポイントであることは事実でございます。しかしながら、電力の原価と申しますのはすべてを対象として論議いたしておりますので、設備に関する減価償却費とか、それから借入金の金利とかいうようなもろもろの経費がございます。そのうちで燃料費につきましては、かなり今までも変動いたしてきておりまして、これからかなり大きく安くなっていくだろう。ところが今までの状況は、減価償却費とかそれから借入金などはかなり増大をしてまいっております。そういうことを先ほど申し上げたわけで、燃料費がかなり大きなウエートを持つ項目であること、そしてその動きがかなり大きい、特に今後についてはそういうものがかなり出てくるのではないか、こういうことは御指摘のとおりですが、燃料費だけが決定要因ではございません。
○斎藤(成)政府委員 御指摘のように四囲の条件というのが随分変わっているというのは、私どももそう考えるわけでございます。ただ、今通産省は、こういう状況で電気料金をどうしたらいいかということで、差益の問題を含めまして、懇談会を開いて学識経験者の意見の調整をやっているところでございますから、それをやる前に今から法律に基づいてどうこうというわけにはまいらないだろうと思います。私どもは資源エネルギー庁でやっておる懇談会が結論を出すのを見守っていきたい、こう考えております。
○藤田(ス)委員 電気料金の問題の中で、燃料費というものが非常に大きな部分を占める、しかしそこの状況は大きく変動しているということを認められました。私は、その他の問題については大いに反論があるのですが、大変残念ながら時間がありません。私は、この前の臨時国会の最後のところでこの問題について少し掘り下げて質問をしておりますので、何でしたらもう一回あの議事録を読み返してください。私は、あなたのさっきおっしゃった利子だとか設備投資だとかそういう問題は大いに反論したいところですが、我慢をして、次の質問に入ります。 現在の円高一ドル百八十円は、電力、ガス料金の認可基準の二百四十二円に比べると、何度も言いますが、六十二円の円高です。これだけで電力業界は年間七千四百四十億円の円高差益、ガス業界は八百六十八億円の差益を得ることになるわけです。また九電力で見ますと、原油価格についても現行二十七ドル、認可基準三十二ドル強と比較をしますと五ドルの原油安ですから、これで年間四千億円です。そして原油価格が二十ドルということになってくれば、これは年間九千六百億円、こういう原油値下がり益になるわけなのです。そうなりますと、一ドル百八十円、原油価格を一バレル当たり二十ドルというふうな計算を前提にしますと、よって電力業界は年間一兆七千四十億円ものもうけになると私は計算をいたしましたが、これは確認をしておきます。違いますか。随分計算は違いますか。
○川田説明員 先ほど来申し上げておりますように、今後どういうことになるかというのは今後の問題もございますから、大体諸元を申し上げますと、十円の円高が一年間続きますと九電力会社合計で、一定の前提を置いて機械的試算をいたしてみますと、千二百億円の収支好転要因になる。それからバレル当たり一ドルの原油価格の低下がございますと、私ども、この場合は二百円の為替レートを前提に置いておるのですが、八百億円の収支好転要因になるということは試算をいたしているところでございますが、為替レートを現実に幾らの水準で見きわめるかという点はいま一つわからない点でございます。 それから原油価格についても、これから現実にどのくらい下がっていくのか、それから、特に午前中も御説明申し上げましたが、輸入燃料の四割、石油系燃料の五割近くはLNGでございまして、このLNGが今後どういうふうに動いていくかというようなまだ不確定要素もございまして、数字のきちっとした試算は現時点では行っておりませんので、先ほどの数字についての責任ある御回答は御容赦いただければと存じます。
○藤田(ス)委員 私が確認を求めたことに対してただいまお答えになった数字で逆算をしますと、私の数字とそんなに大きな隔たりはないというふうに思うわけです。 そういうことを前提にして、この九電力の販売電力量で一キロワット当たりどれぐらいの割り引きになるかということをまた計算をしていきます。そうすると、一キロワットアワー二円四十銭、そういう数字になったわけです。これは販売電力量に対して年間一兆七千四十億円という数字ではじいていったわけですが、そういうふうに計算が出されました。 これを私は、今度はちなみに「家計調査報告」でどれぐらい一家庭に還元になるのだろうかというふうな計算をしてみたわけです。そうしますと、これは政府の調査ですが、一家庭当たりで電気料金は年間八万五千三百七十一円になる。一キロワットアワーの値段が二十七円四十二銭ですから、それが三円四十銭安くなるとしたら、一家庭年間で一万五百八十五円の還元になる。 さらにガス代についても、一ドルを百八十円、原油は二十ドルを前提というふうに計算をしますと、円高差益で八百六十八億円、原油の値下がり益で千八十億円、締めて千九百四十八億円というメリットが出ることになるわけです。それをまた三大ガスの販売ガス量で割って、五千キロカロリー、一立米当たりどれくらいになるかと計算しましたら、十一円四十五銭という数字になりました。それを、さらにまた家庭でどういう影響になるかというふうに計算をし直しました。例えば、私大阪ですから大阪で計算とりますが、大阪市の一家庭のガス代は年間七万六千二十六円です。それで、一立米当たりの単価は六十七円五十九銭。それが十一円四十五銭安うなるわけですから、年間一万二千八百七十九円。つまり、電気代とガス代と、これだけの還元を合わせると年間二万三千円という還元額になるわけです。 もう、絶対今度は大臣に答えてほしいのですがね、こうなりますと、八四年のときに七年ぶりの所得税減税というのがありましたね。年収三百万円の四人世帯で減税額は一万五千五百円でした、あのときは。それを上回る還元額になるわけです。だから私は、内需拡大というなら、本当に国民の購買力を高めていけというなら、消費者に直接還元するのは全く愚策だというようなそういう何というか国民を愚弄したような議論もありますけれども、しかし、一世帯当たり二万三千円という所得税減税を上回るような効果、あのときたしか八千億円の減税でしたかね、七千六百五十億円の所得税減税で一万五千五百円、それに対して今回、原価主義をとれば一世帯当たり二万三千円もの還元ができるわけですから、所得税減税を上回るわけです。私は、これが家庭にとってものすごく大きな潤いになり、かつ中小企業に至るやもっとですよ。 繊維業界の新聞を持っていますが、これは去年の十二月十日の非常に控え目な計算ですが、繊維業界は円高だけで、当時まだ二百四十二円の計算が今回二百三円になったというそういう時点で計算をして、一キロワット当たり一円の差益を還元できるはずだと指摘をし、その場合どういう効果になるかということは、「化繊、紡績、織布染色をあわせて九十億円、撚糸、ニット、縫製を加えると百十億円」、それだけの還元になるんだということで、救済融資以上に差益の還元を求めたいと、繊維業界も中小企業も今円高差益の問題を非常に求めています。 内需拡大を国民本位に本当に考えておられる経済企画庁長官なら、大臣、はっきり御答弁ください。もう、ほかの方結構ですから。
○平泉国務大臣 私の選挙区の福井も繊維業界の非常に多いところでございまして、お話の筋はよく承知いたしております。 もちろん、今度のようにエネルギー価格が非常に安くなってきておるということは天下公知の事実でございますから、当然原油価格の値下がりということから派生しなければならない円高差益の国民への還元ということはだれも全く異論のないところでございます。法の定める手続によりまして十分な還元が行われることを我々は確信をいたしております。
○藤田(ス)委員 時間がなくなりましたので、最後にまとめてお尋ねをいたしますが、円高差益は電気、ガス、石油だけではありません。先ほどからもありましたように、輸入品全般に発生をしてくるものであります。農民は、円高差益の還元という立場では配合飼料の値下げを非常に求めています。これも、配合飼料の全部を輸入しているわけじゃなしにい五六%と、半分の輸入なんです。しかし値下げ率は今八・三%にしかなっていない。円高率は二五%なのに、どうして値下げ率は八・三%にしかならないのかと大変疑問を持っているわけです。これが、一つです。 大豆は先ほどの御質問にもありました。私は、熱波があったあの時代に農水委員をやっておりましたので思い出しておりますが、ことしは熱波だと言われた途端に大豆値が上がりました。私たちが市場へ買いに行って売っているてんぷら油だとかサラダオイルだとかがたちまち上がったのです。熱波だと放送されただけで値上げされていった。それに比べると何と円高差益の還元は遅いものかと言わざるを得ません。これが二つ目です。 三つ目。せっかくお願いをいたしましたので、運輸省に。航空運賃についても、ジェット燃料を使っていて、円高差益と原油値下げ益、当然それを料金に還元すべきじゃないかと考えます。また、方向別格差の是正ということも求められているのじゃないでしょうか。 国際電信電話料金、これもアメリカから日本に電話をかける方が日本からアメリカにかける料金よりも安くなっているという格差が生じています。KDDの社長はもうすぐ値引きをするということですが、これはやはり大きく引き下げて国民の納得のいくようにしていただきたい。 最後にそれだけお伺いをして、質問を終わります。
○茶谷説明員 先生の配合飼料の価格の引き下げに関しましてお答えを申し上げたいと思います。 配合飼料価格につきましては、為替相場のほかに、飼料穀物の国際価格でありますとかフレート等の動向に基づきまして、原則として六カ月ごとに価格設定が行われているわけでございます。最近の配合飼料価格につきましては、国際価格の低下でありますとか為替相場の円高等から、一昨年の七月以降連続五回にわたりまして値下げが行われてきております。六十年の十月以降は、急激な円高傾向に対処いたしまして、特に円高差益の還元を含めまして合理的な価格形成が行われるように強く指導してきているところでございます。この結果、六十年の十−十二月期につきましては約四・四%、トン当たり三千円の値下げが行われたのに加えまして、トン当たり千二百円の配合飼料価格安定基金への積み増し、それからことしの一−六月期につきましてはトン当たり二千七百円、約四%の値下げも行われたところでございます。 先生の御指摘のありました、円相場の上昇率と配合飼料価格の値下げ率が必ずしも一致してないのではないかということにつきましては、ただいま御指摘もございましたように、配合飼料価格というのは、数多くの種類の原料が使用されておりまして、必ずしも全部が輸入されているわけでもございません。それから、国際市況にも影響されるという面もございますし、この価格には、為替相場とは直接関係のない労務費等の製造経費とかあるいは卸、小売り段階の流通経費等も含まれておりますので、この値下げ率を考える場合にはこれらの要素も考慮に入れる必要があるわけでございます。 しかしながら、いずれにいたしましても私どもといたしましては、配合飼料価格につきましても、今後ともできるだけ合理的な価格形成が行われるよう適切に業界を指導してまいりたいと考えております。
○増田説明員 植物油についてお答えいたします。 食用油でございますが、これは業務用と家庭用とございまして、業務用の方につきましては為替円高を上回るテンポで値段が下がっております。家庭用につきましては、先生御指摘のようにテンポは遅いわけでございますが、昨年秋以降下落傾向にございまして、円高の効果が次第に浸透しつつあるものと思われます。原材料の取得の段階から消費者の手に渡るまでのタイムラグということを考えますと、今後円高の効果は次第にあらわれていくのではないかというふうに考えております。 サラダ油につきましては、民間の取扱物資でございますので、市場における自由な競争を通じて、円高差益の還元も含めて適切に価格が形成されるよう、今後の価格の動向につきまして十分注視してまいりたいと思います。また、業務用と家庭用の下がり方に大きなギャップがあるということにつきまして、やはり業界団体等を通じてメーカーに十分注意を喚起していきたいと考えております。
○黒野説明員 航空運賃でございますが、現在石油事業者との間で価格交渉をやっておると聞いております。その点を注意深く、重大な関心を持って見守っております。
○品川説明員 先生御指摘のとおり、KDDにおきましても今秋を目途に値下げの努力をしたいと申しております。郵政省といたしましても、これからますます国際通信は重要になってまいります、最大限値下げの努力をするよう指導してまいりたいと思います。
○藤田(ス)委員 終わります。
○阿部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十二分散会