農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/27
会議録
○大石委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。
○鈴木(宗)委員 ことしも乳価の決定の時期を迎えたわけです。そして本日、大臣より審議会に諮問がなされました。 この諮問を見て、もうとにかく僕ら唖然といいますか、驚いているのです。三円九十銭ですか、これだけ下げられるなんということはゆめ考えていなかったものですから、一体どうなっているのかな、今までの諮問で切り下げの諮問というのは初めてですから、農林省あるいは財政当局は本当に農民のことを考えているのかどうか、今僕はちょっと憤りを感じておるのです。 その引き下げの理由として、流通飼料費が下がった、円高・ドル安の話が出てきます。しかし、この円高・ドル安は農民が直接関係した話でないと私は思っています。さらに、自給飼料費、作物もよくとれた、こう言っておりますけれども、これなんかも、農林省の指導よりは、逆に農民が一生懸命頑張った結果がデントコーンなんかの増収につながっている、こう私は考えているのです。 さらにまた、家族労働費の問題なんかを見ましても、三百六十五日、お盆も正月もなく働いているのが酪農家の実態なんです。しかも、朝は五時、遅くても六時からやっている実態を見た場合、もう少し単価アップしてやってもこれは罰が当たらぬではないか、こう僕は考えているのです。そして、今なお負債の金利を払うのにきゅうきゅうとしているのです。躍起になって働いているのです。 そういった状況のときに切り下げをする、これは僕はとんでもない話だと思うのです。このままでは再生産できる状況でないと思っているのですけれども、この点、農水省はどうお考えですか。
○保利政府委員 乳製品の価格につきましては、先生御承知のように、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法、通称不足払い法と申しておりますが、これに基づいて価格を決定いたしておるところでございます。 今、先生からお話がございましたように、昭和六十一年度の加工原料乳の保証価格につきましては、飼料価格が値下がりをしておる、それによって生産費が低下しておるというようなこと、あるいは規模の拡大が進みまして、一頭当たりの乳量の増加がありまして生産性が向上しているというような計算の結果が出ております。それらの事情があるわけでございます。 このような状況を踏まえまして、本日、畜産振興審議会に保証価格の試算値をお示しをしたところでございますが、いずれにいたしましても、ただいま申し上げました法律が定めますところによりまして、生乳の生産条件あるいは需給状況その他の経済事情を総合的に考慮いたしまして、審議会の答申をいただいた上で適正に決定をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○鈴木(宗)委員 諮問をして答申を受ける、その答申というのは諮問の数字より上がったということは今まで一回も例がないのです。だから、こういう諮問をすること自体、本当に愛情ある農政を農林省が考えているかどうか、ここを僕は政務次官にお聞きしたいのですよ。
○保利政府委員 過去の例につきましては後ほど事務当局からお答えを申し上げたいと思いますが、農家に対しまして愛情のある措置を講ずるべきではないかという先生の御指摘はごもっともでございまして、十分にその考え方を胸に入れまして、総合的に勘案をして決定してまいりたい、このように考えております。
○鈴木(宗)委員 特に農家は、政府保証価格という制度がある限り、この保証価格はサラリーマンと比較するならば給料と一緒だという考えを持っているのです。ですから、その根っこである給料が切り込まれるというのはちょっとおかしいのではないか。例えば、景気が悪くなったからといって公務員の給料が下がるかといったら、下がらない。民間企業だって下がるということは絶対ないですから、なぜおれたちだけがやられなければいけないかという素朴な疑問を持っているのですね。これはやはり大変なことだと思うのです。 特に、一つ二つほかの物価と比較すると、生産費所得補償方式を取り入れた昭和四十年から見て見ると、昭和四十年のときの大卒の給料が二万二千九百八十円ですよ。ことしの大卒の初任給が十四万円ですよ。約七倍に上がってます。農家はこういった数字をやはり比較してしまうのですね。生産者米価だって、昭和四十年だと六十キロ当たり六千五百三十八円です。去年は一万八千六百六十八円、米価は三倍になっているのです。 しからば乳価は何ぼかというと、昭和四十一年でキロ当たり三十七円三銭、そして現在が九十円七銭ですから、乳価なんか二・四倍しかいってないのです。たばこと比較してもそうですよ。昔からあるたばこというのはハイライトです。ハイライトは昭和四十年が七十円、現在は百七十円まできています。標準の小売の米にしたって、昭和四十年と現在を比べると、十キロ当たり千百二十五円から三千八百六十七円と三・五倍にもなっているのです。 ですから、僕らが何ぼ役所の説明がわかっても、農家の人は素朴にきちっとこういう数字を見ていますから、何でという気持ちになるのですね。そこは、農林省、どう考えていますか。
○瓜生説明員 結局、畜産物の価格、今の加工原料乳の保証価格については、その生産費の実態を踏まえた決め方になるわけでございます。 単位当たりの価格ということでございますけれども、その際に考慮するのは、そこに投下された労働に対する報酬といいましょうか、それからその経営を行っております酪農家自身の再生産を確保していく、こういうような見地に立って決められておりますが、具体的に酪農経営の発展の過程の中でコストの引き下げというものが行われ、合理化が進んできている、その実態が今までの保証価格に反映され、そして今までの価格の推移になっているということでございます。 したがいまして、今回の価格の決定に当たりましても、そうした生産費の実態を踏まえた対応ということで基本的に価格の算定をやっているわけでございますが、今回の試算に当たりましては、そうした生産費の費目についての詰めを行いました上で、ただ、いろいろ事情の大きな変化がございますので、そういったものも考慮した上で決めて諮問させていただいた、こういうことでございます。
○鈴木(宗)委員 しからば審議官、農民は国の言うとおりやってきたじゃないか。いいですか、国の言うとおりやってきて、価格は切り込まれる、しかも探らせない。では、だれの言うことを聞けばいいのだというのが今の声ですよ。 例えば、近代的な酪農経営の基本的指標に示す飼育頭数規模の推移なんていって農林省は数字を出しているでしょう。第一次が昭和四十年十月、十五頭ぐらい搾りなさいとやったでしょう。昭和四十六年、今度一遍に四十頭、これが酪農経営の最も必要な頭数ですと言って農林省が示したでしょう。六年から七年の間にこれだけの、十五頭のものを四十頭までするといったら大変な規模の拡大ですよ。そして今度第三次、五十一年三月には、専業は四十頭、複合ならば十五頭という新たな乳肉複合を指導もしてきた。全部農林省の言うとおりやってきたのですよ。そして今残っているのは何かと言ったら、過大な設備投資、その負債なんですよ。 だから、いましばらく価格なんか面倒を見てくれ、負債整理、金利の償還も少しずつ楽になったら、我々は我々の責任を果たしますというのが農家の考えなんですよ。農林省の言うとおりやってきて、何で我々だけいじめられなければならぬかというのが農民の本当の気持ちなんですよ。そういう人たちにどうやって説明すればいいのですか。
○瓜生説明員 酪農経営が長期的に発展していく、そしてその経営の基礎を固めていくということを考えます場合の指標といたしまして、かつての酪近、現在の酪農及び肉用牛に関する基本方針の中で経営の指標を示させていただいておりますが、これは長期的に足腰の強い経営として発展をしていくための一つのめどという意味で、この線に沿って経営を強化していくことがこれからの酪農、乳業の需給の事情にもこたえながら発展していく指標になるものだ、そういう意味でございます。 したがいまして、そうした方向を目指すことで多くの農家の方々が努力をしておられるということ、それは私どももよく承知しておりますし、その過程で急いでといいますか、急速にその規模の拡大を図るというために借入金を行っておることも私どもよく承知いたしております。 その結果として、非常に生産性も上がりコストダウンも図られてきているというふうに考えますし、その借入金その他というものも、生産に投下された限りにおいては償却費その他という形で生産費の中に織り込んで私ども価格を見させていただいておりますが、実際に経営によっては苦しい状況というものもあることもございますので、それについての負債の対応もいろいろな施策をとらせていただいておるということで、価格政策とそういったいろいろな指導あるいは融資といったようなものを組み合わせて、全体としての経営の発展を図ってきているつもりでございます。
○鈴木(宗)委員 今、審議官は、酪農経営が苦しいというのはわかっている、そう言ってくれましたね。じゃ、わかっているならば政策としてどんなことをやっていますか。僕は何も価格政策オンリーがいいと言っているんじゃないですよ。価格政策と構造政策を並行して進めるべきだ、それが農民にとって生きていける道なんだ、僕はそう訴えているんです。そんなものは十年前から言っているんですよ。 しからば、農林省の言うとおりやってきて——現実に指標を出したということは、これであなた方は組織におろしたんじゃないですか、団体、系統にも。系統は農民におろしたのですから、各単協におろして、言うとおりやってきて、行き詰まって困っているのは農民なんですよ。そして、あなた方は絶えずくるくると猫の目みたいに変えてきているんじゃないですか。ここまで行けばいい、ここまで行けばいいと三段階も四段階も来ているんじゃないですか。今のあなたの答弁なんていうのはおかしいです。しどろもどろの答弁で、はっきりと僕の質問に答えてない。
○瓜生説明員 今、近代的な酪農経営の基本的な指標についての頭数の示し方の推移についてのお話でございますが、これはやはりそのときどきの経営事情、農業事情あるいは将来展望についての見通し、こういったようなものを踏まえて示してまいっておりますけれども、現在の近代的な酪農経営の指標について言いますと、大筋といたしましては第二次の酪近計画で示しております線というものを基本的なベースにしながら、ややきめの細かい指標を示すということをやってまいっているところでございます。 そしてこれは、計画経済ではございませんので、あくまでそれぞれの経営条件に応じて経営の展開を考えていただく場合の指標としてお示ししているということでございますので、それをそれぞれの経営条件に合った形で自分の経営の展開を図っていただくことを考えているということで、大部分の経営は、私どもとしてはそうした指標をめどにしながらみずからの実態に合わせた経営の展開を図り、規模の拡大をし、生産性を上げてきているというふうに考えております。 また、それについていろいろ技術指導をしたり助成措置を各種の構造改善関連の施策も含めましてやっているところでございますが、いろいろな事情で苦しい状況に置かれている方々に対しては、一般的には自作農資金で対応するとか、特定のいろいろな事情で緊急に対応をとらなければならないような場合について、現在、このところとってきておりました酪農の負債整理の対策とかそういったものを講じ、かつ、価格については生産費をベースにした生産性向上の動向も含めた対応を考えているわけでございます。
○鈴木(宗)委員 審議官、サービスがよ過ぎて、僕はまだ負債整理の質問なんかもしてないし、そこまで入ってないんだ。僕が言っているのは、指導者であるあなた方がこういう指導をしたのじゃないか、農民はそのとおりやってきたのだ、やってきたにもかかわらず、農林省は今回こういうふうに切り込んだということは何事だということの流れで話しているのだから、負債整理のところまでいってないから、余計なサービスは言わなくていいよ。 政務次官、価格の問題はいろいろあるけれども、まだこれから——あしたじゅうに決めるわけですけれども、とにかく温情あるといいますか愛情ある価格の決定をしてもらいたい。これだけは切にお願いをしておくところです。 今審議官が言ってくれました負債整理の問題について質問をさせてもらいます。 五十六年から六十年まで約六百億を投入しまして三千百戸の農家の負債整理をやってきたわけですけれども、その足跡を見ますと、効果が上がってきたことは間違いないと思っています。さらにまた、自作農維持資金でも約百億使って千五百戸の農家が一息ついた、これも事実です。しかし、約一万五千六百戸の酪農家のうちまだ半数が残っているのです。その半数のうち約三千戸くらいが大きな負債を抱えて大変なんですね。この残された負債対策あるいは自作農維持資金から残された酪農家の対策はどのように考えていますか。
○瓜生説明員 酪農経営の負債整理資金につきましては五十六年度から五カ年計画で融通することになっております。六十年度がこの対策としては最終年次ということでございまして、五十六年度から五十九年度までと同様にそれぞれの、六十年度に償還が不能な者については融通をするということをいたしますとともに、まだ六十年度までに経営が安定しない農家につきましては、六十一年度以降六十五年度までに償還期限に達する借入金残高につきまして内容を吟味いたしました上で一括して借りかえる、こういう措置を講ずることといたしておりまして、この措置によりまして経営の安定が図られるようにしてまいりたいと思います。 それから、今の負債整理資金のほかに個別に負債対策を必要とするような場合につきましては、実情に応じてこれからも自作農維持資金の中の再建整備資金の融通をもって対処してまいりたいと考えております。
○鈴木(宗)委員 自作農維持資金は、今限度が一戸当たり一千五百万円ですか、この一千五百万の限度では北海道なんかの場合足りない額なんです。だから、限度額を取っ払って必要に応じて貸すんだというふうに、これは六十二年度の来年度予算に向けてのこれからの動きなんですけれども、検討してもらえませんか。これは経済局なのかな。——構造改善局。
○須藤説明員 先生十分御承知のように、五十六年度八百五十万円だったものを六十年度、今年度に千五百万円に上げたわけでございます。まだこの実績等がつかめておりませんので、この実績等を十分分析して、また、今後の動向等を見ながら対処したいと考えております。
○鈴木(宗)委員 次長さん、これは来年度予算での絡みですから、これは十分検討してもらいたいと思います。予算が通ったらすぐまた来年度予算が始まるわけですから、これは限度額を取っ払って、そして必要に応じて貸すということを検討するかどうかだけはっきり答えてください。
○須藤説明員 六十年の七月からの適用でございますので、その結果を十分検討いたしまして対処いたしたいと思います。
○鈴木(宗)委員 次長、僕がここまで言うというのは、あなたより僕の方が実態を知っていると思うのだよ。僕も農家だし、そして僕は北海道だから、それを踏まえて言っているんだよ。あなた方の見てからなんというのは遅過ぎる話だよ。はっきり言って、あなた方の資料が来たときはもう来年度予算の要求が終わってしまっている話だよ、僕に言わせたら。あなたの方にやる気があるかないかだけしっかりと答えてください。
○須藤説明員 十分検討したいと思います。
○鈴木(宗)委員 ことしなんかは、何か十一年ぶりですか、飲用乳が減少したという数字が出ているそうですけれども、消費の拡大なんかにも思い切って取り組まないといかぬと思うのですね。 去年僕はこの委員会で、消費の拡大については生産者も頑張らぬといかぬ、特に生産者の場合はその指導者である農協なんかもしっかりして取り組まぬといかぬという話をしたのです。そのとき僕は、農協の店舗なんかにはコカコーラだとかファンタを置くな、あくまでも乳製品だとか牛乳一本やりでいけという話をしたところ、当時の佐藤大臣は、これはきちっと行政指導しますという答弁をしているんですね。どんな行政指導をして、どのような実効が上がっているか、どういうところに話をしているのか、ちょっとそれをお答えいただきたいと思います。
○瓜生説明員 飲用牛乳の消費拡大あるいは乳製品全体の消費拡大というものが酪農の発展にとって極めて重要なことであると私どもも考えておりますが、特に、ことし飲用牛乳の消費に陰りが見えるというようなことがありまして、これが構造的なことなのか経過的なことなのか、こういったものを見きわめた上でいろいろ適切な手を打っていく必要があるかと考えておりますので、現在いろいろな対策を考える前提といたしまして、生産者とか乳業メーカーとか販売業者を交えた勉強会を開いて、この議論を踏まえながら消費拡大対策に積極的に取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。 当然生産者の立場としてみずからが生産しているものを大いに売り込んでいくための努力というものも必要だと思いますし、そういった見地から、農業団体の方々がこれに取り組んでいただく気持ちが最近非常に盛り上がってきていると思います。こういったものも踏まえながら対応していくということで、例えば何らかの通達を出すとか何か指示をするとかということではございませんが、機会を見て、そういう意味で関係する人がそれぞれの立場で消費拡大に努力するように私どもお願いをしているところでございます。
○鈴木(宗)委員 瓜生さん、あなたは去年も同じような説明をしているんですよ。去年の三月二十八日の委員会で、あなたは「農協のスーパーでの商品の取り扱い方については、基本的にはそれはビジネスの世界の話」ですから、余り介入したくないと言ったのですよ。それを受けて佐藤国務大臣は、「今先生の御指摘がございましたように、農協には全力を挙げてそのような方向をとらすように指導してまいりたいと思っております。」と言っているんですよ。あなたより突っ込んだ話をしているんです。大臣の言った答弁を実行してくれたかどうかということを僕は聞いているんですよ。 あなたの説明だと去年と同じで、それはこの委員会をばかにしていないか。今までの質問者がそんなとぼけた答弁で納得しておったかどうか知らぬけれども、僕は承知できない。どこの世界に一年前と同じ答弁をするばかがいますか。ばかと言ったら失礼かもしれぬけれども、瓜生さん、あなたはちょっとおかしいんじゃないか。これはばかにしている話ですよ。委員長、そうじゃないですか。
○瓜生説明員 私が去年申し上げましたものは、いわば形式といいましょうか、そのもの自体の性質上の問題として、私どもが強制をしたりすることはできない性質のものであるということを申し上げたのと同時に、大臣からは、それはそれとしつつも、大いに団体の立場として消費の拡大のために努力をしてもらうことを慫慂したい、こういうことを申し上げたんだと思います。 したがいまして、私どもも機会あるごとにそういう意味での消費の拡大について生産者団体にも対応してもらうように申し上げておりますが、具体的に何らかの文書を出す云々ということはまだ行っておりませんし、今申し上げましたいろいろな勉強会を踏まえた対応として、生産者にも、あるいは物によっては生産者と処理をしている人たち、販売をしている人たちが一体となってやってもらう必要のあるもの、それぞれ分担をしてやってもらう必要があるもの等があろうと思いますので、今その点の検討、勉強会をやっている、こういうところでございます。
○鈴木(宗)委員 瓜生さん、あなたと話していると時間がなくなってしまうから困るんだけれども、大臣が「指導してまいりたい」と言っているのに、あなたがなぜそんなことを言えるの。大臣が「指導して」と言ったから、僕はどういう指導をしたかと聞いているんですよ。 政務次官、これは前の大臣が言っているんです。行政なんというのは一貫性がないといけないわけですから、必ずそれは局長通達なら局長通達を出すとか、ともどもやらぬと生きていけないわけなんですから、僕の言っていることが間違いだったら瓜生さんの話でもいいけれども、生産者だって前向きにやらぬといかぬでしょう。PRの仕方は、うちのところの牛乳がうまいから飲んでくださいとかいろんな方法があるのですから。悪いことを言っていないのに、何であなたがストッパーの役をするのですか。政務次官、これはきちっと系統機関にでも局長通達なら局長通達を出す、その約束だけしてください。
○保利政府委員 農協を通じて牛乳の需要拡大をしなければならないということは十分私も承知をいたしておりますし、また農協側もよく理解をしているところだと私は考えております。したがいまして、先生から今御指摘のありました点につきましては十分に私どもでも研究をしてまいりたい、このように思っております。
○鈴木(宗)委員 あともう時間がなくなったものですからちょっとはしょりますけれども、農林省が言っているいわゆる乳肉複合経営の形で、これなんかも、奨励の制度の拡充ですね、もうちょっと広げてもらったらそれなりに僕は定着すると思っているんです。例えば例の初生犢、いわゆるぬれ子ですね、これは現在一頭二カ月で三千円、六カ月で七千円ですね。これを例えば十六カ月から十七カ月に肥育すれば一万五千円ぐらい出しますよだとか、そんなことをしてくれれば、これは相当僕は乗ってくると思うのです。さらにまた、経産牛にしても、今三カ月から五カ月、六カ月飼いならして肉をつけさせる、そうすれば二万円ぐらいの奨励金を出しますよというふうな制度をつくれば、これはこれでまた実効が上がってくると思いますので、これなんかについてはどうですか。
○瓜生説明員 乳用の子牛につきましては、個々の酪農家みずからが大きく肥育して出荷できるという体制も一つの形かと思いますが、現実にはなかなかそういうものが大宗にはなりにくい面があろうと思いますので、ぬれ子について共同で哺育をして、そしてそれを出荷していくような体制をとる場合にしかるべき支援をさせていただいておりますし、それから、そういう形である程度育成されたものが今度肥育農家に出ていく場合についての流通なり価格の安定なりという点については、私ども十分な配慮をさせていただいております。
○鈴木(宗)委員 あすじゅうに乳価は決めますけれども、その関連対策として今のこの二つはしっかりやってもらいたいと思います。 政務次官、最後に価格の問題ですけれども、これは特に適正な再生産ができる、農民が、酪農民がこれならばやっていける、よしと、やはり政治があったなあ、政治が存在したなあという結果だけはつくってもらいたい、このことを強く希望して、質問を終わらせてもらいます。 あと一分だけ時間がありますから、せっかく水産庁長官がお見えですから一つだけ聞きますけれども、畜産とは関係ないのですけれども、例の日ソ・ソ日漁業協定は新聞、テレビでしか我々には情報が入ってきません。大臣が訪ソを要請したとか、いや、断られたとか、そこらはどうなっているんですか、ちょっと簡単に説明してください。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。 一昨日、在ソ日本大使館の丹波公使からソ連外務省第二極東部長のソロピヨフに対して、羽田大臣が訪ソし、本件の決着を図るために閣僚レベルで協議を行うこととしたいという申し入れを行っております。さらに昨日は、同じく丹波公使が漁業省のジラーノフ渉外局長に対して同様の趣旨を申し入れております。 先方は今のところそれに対して回答はいたしておりませんが、カメンツェフ漁業大臣が病気療養中であるということを言っておりまして、ソ連政府部内で検討の上、追って回答するというのが先方の今日の時点での反応でございます。
○鈴木(宗)委員 終わります。
○大石委員長 島田琢郎君。
○島田委員 まず私は、昨日の畜産物価格並びにけさの乳価の政府諮問は極めて不当であり、これを撤回を求めるものです。撤回を求める理由についてはこれからるる質問の中で明らかにしていきたいと思うのですが、その撤回の意思がありますか。
○保利政府委員 農林水産省といたしましては、畜産物価格につきましては、法律に基づきまして再生産が可能な価格ということで算定をいたしましてこれを諮問したものでございまして、撤回をする気持ちはございません。
○島田委員 しかし、きょうの諮問案は、加工原料乳の価格を約四円も引き下げる、これで日本の酪農の将来は心配ない、こう言い切れるのでしょうか。 きょう、同じ時刻に審議会が開かれておりまして、恐らく議論は相当沸騰するのだろう、こう思っておりますが、私と同じような考え方に立って我が国の酪農の将来を憂える人たちは結構たくさんおるわけであります。そうした国民の意思を裏切るような、そういう行為に等しい諮問案を撤回する意思がないとすれば、これは我が国の畜産、酪農の将来に対して、農林水産省が、政府が本当に責任を持っているとは言えないのではないか、私はこう断ぜざるを得ません。重ねて政府のお考えをただしたい。
○瓜生説明員 本日諮問いたしております加工原料乳の保証価格につきましては、これは最近の飼料価格の値下がり等によって生産費が下がっていること、あるいは規模拡大、一頭当たりの乳量の増加、こういったようなことで生産性が向上していること、こういったような事情を踏まえまして試算をしたわけでございます。 この試算をいたすに当たりましては、従来のような推定生産費を積み上げますとともに、酪農家の生産意欲に及ぼす影響等も考慮した形で八十六円十七銭という形の保証価格の諮問をしておりますので、私どもとしてはこの諮問を撤回するつもりはないわけでございます。
○島田委員 それでは聞きますけれども、昭和四十年の当初には酪農家は一体何戸あって、現在何戸なんですか。
○瓜生説明員 酪農の飼養戸数は、四十年度では三十八万二千戸でございます。そして現在は、六十年が八万二千戸ということになっております。
○島田委員 あなた方が示された六十五年度までの見通していえば、一体どの水準にありますか。
○瓜生説明員 今お尋ねのどの水準かということは、現在の酪農家の大宗が基本的な指標で示す経営のいろいろな指標とのかかわりでどの水準にあるかということになりますと、これはミクロの話でございますれば、指標というのはそれぞれの農家がそれぞれの生産条件を踏まえて経営改善をしていく場合の一つのめどでございますので、こういう形の農家が全体でどのくらいの割合を占めて云々ということは、にわかには申し上げにくい点がございますが、こうした経営を目指して、経営の改善のために努力をし、多くの農家が成果を上げているというふうに考えております。
○島田委員 畜産局が出した資料の三十八ページを見てください。 六十五年の長期見通していえば、総需要量は九百七十二万トンを目指しているわけですね。以下、純食料幾ら幾ら、そして乳牛の飼養頭数は二百五十一万頭を目指している、国内における生乳の生産量は八百四十二万トンを目標としている。この目標に対して、その成功率はどうか、こう聞いたわけであります。
○瓜生説明員 この畜産物の需要と長期見通しで示されております数字でございますが、これは昭和六十五年度を見通した一つの数字でございます。現在のところ、年によってこの見通しの線に沿う、あるいはそれを下回るということはあるわけでございますが、長期的なトレンドとして見ますと、おおむねこの趨勢線の延長線上にあるというふうに私ども見ております。
○島田委員 さらに、諸外国との比較で言いますと、正確を期するためにあなたの方でおつくりになった資料をもとにして論議を進めたいと思うのですが、七ページに戻ってもらいますと、あなた方はヨーロッパに追いつけ追い越せ、これを一つの旗印にしてきたのです。この委員会でも、どこを目指すか、こうした六十五年の長期見通しの向こう側に見えているのはどこをモデルに考えているのだと言うと、オウム返しに、それはヨーロッパ諸国でございます、そこに追いつき追い越すというのが目標です、今、乳牛の話だけをしていますが、肉牛も全く同じなんですね。 それから言いますと、頭数はイギリスなんかと比較をすればまだまだ及ばないが、EC全体の平均で言えば決して劣っていないのです。同時にまた、次のページの一頭当たりの乳量で言っても、劣っていないところかむしろまさっている。こう並べてくると、だから乳価を下げるという短絡した方向に行ってしまうわけですが、それにはどんなに多くの犠牲が払われてきたかということを見落としてはならぬわけです。 それと同時に、五千四百四十二キロというこの数字の妥当性はきょうはおいておきますが、我が国の牛乳の成分は世界に冠たるものなんです。そういう成分が正確に織り込まれておれば、牛乳の値そのものはECに比べて決して高くないのですね。むしろ安いぐらいなのであります。コストを安くして生産しているということが一面では言えるわけです。 同時に、ヨーロッパやアメリカに比べると、もうとてもじゃないが酪農の歴史は雲泥の差なんです。我が国の酪農の歴史を正確に言えば何年ぐらいだと瓜生さんは思っているのですか。
○瓜生説明員 大変申しわけございませんが、今の何年というのはどういう視点からか、もう一度お伺いをしたいと思います。
○島田委員 我が国の酪農の歴史は浅い、ヨーロッパのように何百年という歴史じゃないのです。したがって、そこに物すごい犠牲があったことを認めないと、単純に我が国とヨーロッパの酪農、畜産を比較しただけでは物事の解決ができない。そういう認識がないから、ちょびっとばかり円高が進めば、四円も下げたって今の酪農は大丈夫だなどとさっきから言い張っているのに裏書きされるように、あなた方の認識は、生産点において非常に苦しんでいる畜産、酪農家の思いとはこんなに乖離してしまうのです。だから、それが一番大事な政治の原点だと私は思うのです。価格を決めるということの意味はそこにあると思うのです。行政が価格を決めるということは、そういう視点に立って価格を決めなかったら、酪農家、畜産農家はたまったものじゃないのです。ですから、先ほど私が触れてあなたが明確におっしゃったように、この二十年間に八万戸の酪農家、八万二千戸というのは去年の今ごろの統計数字ですから、あれから五千戸以上は離農していると私は思いますよ。この二、三年のペースからいいますと、大体そういうペースになると思うのです。もう七万戸台に落ちているのです。 私は長期見通しに戻りますけれども、二百十万頭を超える乳牛、二百五十万頭の肉牛、将来一体何戸の酪農家に我が国の酪農や畜産を守らせようと考えているのか。黙ってほっておけば、今のペースでいったら、五年たったら二万五千戸なくなるのです。四十万戸の二万五千戸がなくなるのとわけが違うのです。七万戸しかない酪農家が今のペースで五年間たったら本当に半分になってしまうのです。二万戸や三万戸の酪農家が二百万頭の牛をどうやって守れると思っているのか。 しかし、政府はその方針を明確にしない。減っていくことに何の疑義も持たないとしたら、我が国の酪農を壊滅させていくという方向をあなた方は容認しているとしか思えない。そして、それに拍車をかけるように、きのうの畜産物価格、そしてきょうの加工原料乳の保証価格。これではやめる者はどんどんやめていけということじゃないですか。その方針を明確にお持ちかどうか聞きたい。
○瓜生説明員 酪農経営戸数は逐年減ってまいっておりますし、先ほど申し上げましたように六十年二月一日で八万二千戸強という形ではございますが、この戸数の減少の中身を見てみますと、比較的規模の小さい階層が酪農からほかの部門にかわる、あるいは酪農をやめられるという形になってきております、こうした規模の小さい農家の方々が酪農をやめる背景は、高齢化の問題あるいは後継者不在の問題、それから、規模が小さいことに伴い経営対応がほかの経営に比べて最近どうしてもおくれをとっているというようなことがあろうかと思うわけでございますけれども、他方、規模の大きい方の階層は少しずつふえてきておりますし、それから酪農全体で見ますとほかの部門に比べると後継者の比率も高いし、やめていく方々がある一方で、まだまだごくわずかでございますが、新しく酪農を始めたいという意向の方々もおりますので、戸数が減ってきてはおるものの、体力のあるといいましょうか足腰の強い経営は育ちつつあると考えておりまして、将来それらが私どもが見通しておりますような乳牛を飼い国民に乳を供給する体制が十分可能であるし、また、そうした方向に向かって全体が進んでいるというふうに考えております。
○島田委員 そうしたら、その足腰の強い農家というのは何戸ぐらいあると思っているのですか。
○瓜生説明員 実質的な話になりますとなかなか一口で申し上げにくい点がございますが、例えば今申し上げました上の方の階層といいましょうか、飼養頭数の多い階層は、三十頭以上層が一万八千戸、二十頭以上ということになりますとそれにさらに二万戸が加わるという形でございます。ただし、この経営の中がすべてそうだということでもありませんし、それからさらに規模の小さいところでも、複合経営という形で、酪農とほかの部門との組み合わせの中でしっかりした経営をしておられる方も非常にたくさんおるというふうに私どもは認識しております。
○島田委員 だから、あなた方は将来、六十五年度の目標でもいいですが、今のようにどんどん減っていく酪農家がどこまで減ったら足腰の強い酪農家が残って、あと二百万頭以上の牛を、そして一千万トンになんなんとする牛乳の生産を担わせるにふさわしい規模と考えているのか。端的に聞いていますから端的に答えてください。ごちゃごちゃ言っていたってわけがわからぬじゃないですか。何戸だと思うのですか。 もう一遍言いますよ。酪農でいえば七万五、六千戸だと思いますよ、現在は。それが、今のあなたのおっしゃりようでいえば、三十頭規模の強いところ、頭数が少なくても結構ちゃんとしているところ、これはわかりました。それを丸めて何戸になるのですか。何戸かになるその人たちに将来とも我が国の酪農をしっかり担わせるという考え方に立っているのかどうか。
○瓜生説明員 今の酪農の経営指標という角度から見ましても、土地条件が恵まれているところあるいは土地条件の制約が大きいところ、専業、複合、これによっていろいろ形が違います。(島田委員「私の言っていることに端的に答えてもらわなければ困るよ」と呼ぶ)したがいまして、例えば端的に酪農専業で四十頭以上の方だけで担うという形で考えますと掛け算、割り算ということになりますけれども、いろいろな経営のタイプのものが組み合わされて生産ができるということになりますので、実はにわかに今その戸数を私ども申し上げられる状況にはないわけでございます。
○島田委員 そんなことを聞いているのじゃない。何戸に担わせるのかと言っているのだ。あなた方は長い間乳価の据え置きを行い、今度四円からの値下げを諮問したわけです。このままで決めるかどうかわかりませんよ、こんなことで決められては困りますが、その諮問に至るまでのお考えの中に、もっと酪農家の選別をやろうとしているのじゃないかと私は思うのです。裏を返せば、この乳価にたえられぬ者はやめろと言っているのでしょう。だからそれなら、たえられなくてやめる者を除いてあと何戸残るのですか、それはやがて我が国の酪農の将来を担っていく人たちなんだから。七万戸に落ちちゃって、もうこれでは、とてもじゃないが日本の酪農の現状から見てこれ以上もう二戸も減らせないところまでぎりぎり来ていると私は思っているのです。だから、こんな乳価を出されて一体何戸生き残れるかということがまず一番先に疑問として出てくるわけです。 そこがきちっとしていないと、乳価をなぜ下げたか、私はこれは不当だから撤回しろと言った、そういう理由を今述べているのですよ。それに対して正確に答えてくれないと酪農家はどうしていいかわからなくなるじゃないですか。先ほども鈴木議員からお話があったように、酪農の近代化を目指して、あなた方はお金も貸してやる、だから牛舎も大きくしろ、牛も買ってこい、土地も広げろ、そうやってどんどん目の前にニンジンをぶら下げておいて後ろからむちをくれて走らせてきたんじゃないですか。そして、政府の言うとおりやった連中が今困り果てているのですよ、どうしていいかわからぬでいるのですよ。あなたは頭数の多いところがいかにも足腰の強いような印象で物を言うけれども、そこが今一番困っているのですよ。 だって、あなた方もこの資料の中で出しているじゃないですか。十五ページを見てください。全国平均でも負債は決して減っていないのです。その利子だって負担が非常に重くなっているのです。いわんや今度の加工原料乳の価格を決めようとする主産地の北海道を見てください、十七ページ。決して収入が落ちているわけではないが、かかり過ぎが非常に多くて農家の使える本当のお金というのはだんだん目減りしているのです。そういう中から、なけなしのその中から、借りた金をやはり第一番目に返していかなければならぬ、生活をさておいても負債を返さなければならぬという、まことにいじらしい努力が続けられているでしょう。やめたくないからですよ。ところが、あなた方はこういう乳価を出して、これにたえられなければやめていけと言わんばかりでしょう。そうだったらあなた方は我が国の酪農の将来をどういう構想で進めようとしているのか聞きたい。 その具体的な一つとして何万戸に日本の酪農を担わせるのか。こんなはっきりしたこと、一番聞きたいことに明瞭にお答えできないとすれば、あなた方がいいかげんな諮問案をつくったとしか言いようがないではありませんか、どうですか。
○瓜生説明員 酪農の担い手としては規模の大きい専業的なものから複合のものまでいろいろな形があって、それぞれに一つの経営の指標として目指すものがあるかと思いますので、酪肉基本方針ではそうした指標を示しておりますが、それがそれぞれに何戸になるかというところまでは私ども数字を申し上げられるようなものをつくっているわけではございません。ただ、それを目指してそれぞれの条件に応じて経営の改善を図っていただきたいということの指標でございます。 他方、価格につきましては、現実の農家の生産費を基礎といたしまして、一定の算定の仕方に基づいて価格を試算し、経営の状況なども配慮した上で今回の諮問をさせていただいた、こういうことでございます。
○島田委員 それじゃ聞きますが、七万戸ほどの酪農家は八十六円十七銭で一戸も脱落せずに酪農を維持していける、そういう確信に立っているのですか。
○瓜生説明員 乳価を決める場合の考え方としまして、やはり平均的な観点に立って試算をいたしておりますし、個々の経営につきましてはこれへの対応が大宗としては私どもできると思っておりますが、経営の状況に応じての個別の問題に関しては、むしろ別途の対応ということでその経営の展開を図っていく必要があるかと思っております。
○島田委員 実に心もとない答弁で、これでは聞いている酪農家は将来真っ暗やみでありまして、政務次官、きょうは酪農のお話をやっておりますけれども、今のお話を聞いていますと今の酪農家は半分になってしまうと僕は思うのですよ。それを是認しながら乳価の積算をした、このようにしか受け取れないのです。平均平均と言うが、私の言っているのは、もうこの期に及んで一戸も脱落者を出すわけにいかないところまで日本の酪農家は追い詰められているのだ。しかし平均で物を考えると言われたら、そうしたら平均以下のところはどうなってしまうのですか。先ほどのお話からいえば、また私が持っております資料等から推測するところによれば、平均以下のところは、恐らく現状の七万数千戸のうちの三割程度しか自立てきない。そうすると三分の二は近い将来店を畳まざるを得ないというところにある階層だというふうに言えるのですよ。 もう今までと違うのだ。今は平均値を出したからこれについてこいと言ったってついていけないのですよ。あと何かといえば、負債整理対策でフォローをどこまでできるかという手もあるけれども、この乳価で我々は借りたお金を返さなければならぬのです。この牛肉の価格で、この豚肉の価格で借りたお金を返さなければならぬのです。いい農家だけのことを言っていたのではあとは助かっていかないのですよ。 だから、何戸が生き残れるのですか。一戸も脱落してはいけないというところから乳価や牛肉の価格や豚肉の価格が決められていかなければいけないのですよ。それがどうしても社会的な諸情勢によってフォローアップできないとすれば、何らかの政策措置を講じてでもこの脱落者を救済していかなければならないのです。その視点がないのですよ。そして乳価を切り下げたんですよ。だからこの乳価で何戸の酪農家が生き延びれるか、確信のあるところをお聞きしたい。瓜生さんと何回これをやり合ったってだめですね。時間のむだなんです。政務次官、お聞きになっていてどうお感じになっていますか。
○保利政府委員 ただいま島田先生からの大変貴重な御意見をいろいろ伺わせていただいておりますけれども、酪農の将来像がまさに先生御指摘ございましたようになかなか難しい、大変だということは私もよく理解をしたところでございます。 ただいまお話がありましたように、今回の諮問価格に関連をいたしまして、平均以下の酪農家がこれではとてもやっていけないというふうには私自身は正直言って考えなかったわけでございます。大部分の健全な酪農家の再生産が可能であるような価格、そのように法律にも決められておるところでございますので、そういった法律の精神に基づきまして算定をした諮問価格だ、このように私自身は受けとめております。 なお、酪農が先々どうなるかにつきましては、これはまた農林水産省としても十分先生の御意見等を勘案しながら研究をし、考えていかなければならないテーマであるというふうに受けとめております。
○島田委員 重ねて申し上げておきますけれども、あなた方の資料によれば、加工原料乳の主要なる地帯の北海道では既に一戸当たり平均三千万の負債を持っていますね。その利子も百五十万になろうとしています。今政務次官がおっしゃっているように、平均以下の農家の負債を完全に返して健全なる経営を続けることが可能だとお考えでしょうか、今度の諮問された乳価で。 現に私どもの耳には本当に悲しい事故が相次いで報告されているのです。それも単なる自動車事故で死んだとかいうような——それでさえも悲惨なことですが、みずから経営の将来に見切りをつけてあたら大事な命を失っている、自殺している人たちが相次いでいるのですよ。つい最近岩手県からもその生々しいレポートが寄せられました。私も本当に胸を痛めておる。先月も一人大事な中核農家が自殺をしたという報告を聞いて、私は本当にこのままで済まされないという気持ちになっていましたら、今月に入ってまた一戸。そして一年間に五千戸といえば毎日何戸やめていますか。十数戸の酪農家が戦線離脱をしているのです。こんな悲惨な相次ぐ不祥の事態に対しても原局として痛みを感じないとすれば、私はそれは政治ではない、行政ではないと思うのです。 岩手県では大変社会的な大問題としてこれが取り上げられました。大型負債を抱える、固定化された負債を多く持っている農家を対象にして過般社会党の岩手県本が調査した結果も私の手元にレポートされてまいりましたし、また現地では連日新聞あるいはテレビがこれを社会的な大問題ととらえて報道しています。 私はある学校を訪問いたしましたら、そこの校長さんが、教育問題をお話しする前に島田さんの顔を見たらまず我々の気持ちをお話ししたいと思って待っていましたが、お話しします、今の酪農どうなるのですかと、学校の先生たちが非常に心配しているのですね。子供たちの表情が日増しに暗くなっていくというのです。教育者の立場でそれはほうっておけるわけはありません。負債を抱えて暗い毎日を送っている家庭の中にいる子供たちは、そうでなくても子供は親の背中を見て育つと言いますから、親の悩みを子供は知らないようでいてちゃんと知っているわけです。そんな暗い思いをさせて毎日学校に通わせている。親として忍びないじゃないですか。それを見た学校の先生、校長さんも胸が痛む、頭が痛い、何とかしてやってくださいよというのが私に対する、教育問題よりももっと、いや教育問題そのものにぶつけてこの深刻な酪農の実態の打開を訴えておられるのです。 あなた方にその痛みが一つもわかっていないんじゃないでしょうか。私はこの委員会で本当に私らしからぬ質問をしているのですよ。こんな大きな声で嫌ですよ。しっかりしてくださいとあなた方を激励するのにもこんな大きな声を出したくない。しかし余りにもわかっちゃいないんじゃないですか。 この岩手県の話に戻りますが、県当局も市も大変頭を痛めてこの対策に取り組んでいるけれども、何しろ出先の乏しい地方財政では救い得る限界がある、やはりこれは国を動かしてこの対策に本腰を入れてもらう以外にはないんだ、こう言っているのですね。県議会のやりとりの中では、二百七十戸がとても今のままでは再建不能だと言っているのです。岩手県の中だけで二百七十戸といったら、五十近い都道府県でこの調子で再建不能で酪農をやめるとしたら大変な数になるじゃないですか。ですから皆さんは、牛肉価格、豚肉価格あるいは乳価の六十一年度の決定に対しては今までと違った非常に強い期待を込めて見ているのです。その期待を見事に裏切っているじゃないですか。だから私は、こんな諮問案は断固として容認できないから撤回しろと冒頭申し上げたのであります。 しかし、負債整理対策というのはあくまでも、主従の関係で言えば往の対策であります。それはもう御自覚になっていると思うのであります。低乳価で抑え込んでいて、あとは負債整理対策で、これは限界がある話でありまして、負債整理対策をやるにしたって、これは私に言わせれば、まずはもとになる農畜産物の価格を正当に、借りた金を返すことのできる価格水準で決めていくということが原則である。しかし最近の、ここ数年の価格決定の状況というのは、乳価に象徴されているごとく、すべてみんな借金を返そうと思っても返せないという仕組みの価格決定になっている。せめて現状を維持するというのならまだ多少は許すところがあるけれども、昨年の九十円七銭でさえも我々は、大問題である、これで酪農家の転落を防げるかと言ったが、防げないで依然ことしだって数千戸の酪農家がやめている。 しかし、審議官の、あるいは保利次官の話を聞いて私は一層幻滅を感ずるのでありますが、今の価格決定で平均以下の酪農家もちゃんとやっていける、そんな自信がどこにあるのですか。来年の今ごろ酪農家がまたもや数千戸も雪崩を打ってやめるような現象が続いているとしたら、私は断固として容赦しない。 私は毎回毎回、昨年の今ごろも同じ指摘をしたのであります。大丈夫だと言いました。大丈夫どころか、きょうは時間がないから個別のことまで言えません。ただ一つだけ申し上げておくが、昨年大変問題になりましたのは、瓜生審議官と私のやりとりの中で、発酵乳の二十万五千トン、これは生乳で見事に消化してみせるとあなたはそこで胸を張ったんだ。現状はどうなっているのですか。何一つ我々が指摘したとおりやっていないじゃないですか。あなた方胸を張ったような実績が出ていないじゃないですか。そのリスクは挙げて生産者にしわ寄せされているのですよ。乳価以外のことで言ったってそうでしょう。 今度の乳価は、四円の値下げは全部酪農家にしわ寄せされている。それだけではない。戦線離脱を余儀なくされる。それはふるいにかけていくんだから仕方がないんだ、後は二万戸になったってゼロになったって知ったこっちゃないというなら話は別であります。負債整理対策、一体どう考えていますか、この点もお聞きをしておきたい。
○瓜生説明員 今、大きな負債を抱えた経営不振の酪農家に対してどういうふうに考えるかという御趣旨だと思います。確かに大きな負債を抱えた経営不振農家が現実として存在しておりますが、その負債発生の要因あるいは経営不振の要因というものは、やはりそれぞれ個別の農家によってかなりまちまちでございます。また、総じて見ますと、そういう農家について畜産経営については改善合理化の余地がかなり残されているというふうに私ども考えております。したがいまして、個々の畜産農家の実情をよく把握して、農家ごとに最も適切な指導を行っていく、そして経営不振農家の経営改善を図っていくということが重要だというふうに考えております。 その考え方に立ちまして、五十六年度から酪農経営負債整理資金の貸し付けを行ってきておりますが、この貸し付けに当たりましても、そうした農家みずからの努力、それから関係団体による指導を通じて経営改善を図ってまいっておりますし、農協等の融資機関の借りかえ資金の条件緩和、指導体制の整備、こういうようなことも図りまして、一連の対策を総合的に進めるということをやることによりまして収益性、生産性が逐年向上してまいっております。 それから、肉牛農家につきましても、こうした経験を踏まえて六十年度から負債整理対策を講じておりますけれども、やはり個々の具体的な経営の実態に合わせた指導というものが相当効果を上げてきている面がありますので、全体のマクロの政策と同時にこういった面について十分な対応をとっていきたいというふうに考えております。
○島田委員 政務次官、私は先ほどちょっと岩手の大型負債を抱えて苦しんでおられる農家の実態を披露しました。これはひとり岩手県だけじゃないです。全国をお調べになってくたさい。大変な数の自殺者が出ているのです。その状態を深刻に受けとめて、出先の地方自治体は、県、市町村それぞれこの対策に制度をつくって取り組んでいます。 今のお話を聞くと、負債整理対策は効を奏したので次のことは考えていないというぐらいのニュアンスに聞こえました。しかし、現地はこういう状態で、むしろ顕在している負債農家の方が救済しやすいわけでしょう。ところが、潜在している農家がどの程度いるかというのがこれから濃密的に調査を必要とする部分であります。その面の調査をやってもらいたいと思いますが、どうですか。
○瓜生説明員 その前に、今岩手県の安代町の話が話題に上っておりましたが、この岩手県のケースの場合は、肉用牛の肥育農家を中心に大型の畜産負債農家が何戸かございまして、これにつきましては六十年度に創設いたしました肉用牛経営合理化資金制度を活用したいという希望がございますので、必要に応じて岩手県を通じて指導をしていきたいというふうに考えております。
○島田委員 それは単なる話を聞くだけですか。今後、負債整理対策はひとり酪農家ばかりではありません、肉牛農家ばかりではありません。しかし、深刻なのは肉牛農家。安代町というお話が出ましたから申し上げますが、きのう安代町の当該者の方がお見えになって大臣にじかに訴えておりました。私も聞いておりまして、その深刻な状況は我々の想像を絶するものがある。例えばお金の取り立てたって、これは農中、農林中央金庫の出先機関だそうでありますけれども、おやじの生命保険を持ってきて払えなどとまで暴言を吐く。あしたにでも牛、土地、財産みんな売り払ってしまえ。まるで恫喝に等しいような強要の返済を迫る場面もあったと聞いている。これは言語道断で人道的にも許せない話であります。おやじの生命保険を持ってきて払えということは、おやじ殺して払えみたいな話じゃないですか。こんなべらぼうな話がたとえ非公式にせよ出てくるなどということは許すべからざることであります。しかし、それほど深刻だということなんです。 ですから、A、B、C、Dなどというランクにされておりますけれども、D層農家お手上げたなどというような話が出てきて、その人たちはむしろ顕在しないで潜在している負債の大型農家なんですね。そしてこの人たちは、紛れもなく今までの畜産、酪農を支えてきた中核農家なんですよ。その負債整理対策、これからも本腰を入れてやるという約束はきょうしてもらいたい。
○瓜生説明員 今までの酪農負債整理資金を使っての改善の経験を生かしまして、個別の農家に対するきめの細かい指導をやっていく、しかもそれが経営の展開につながるような指導をやっていくということを今後とも続けたいと思いますし、特に今の自作農維持資金の中での経営再建整備資金、これまた二百七十五億ほど枠を用意しておりますので、こういったものも活用しながら、経営の改善が図られるように私どもも指導を強めてまいりたいと思います。
○島田委員 そんな段階でないと言っているのですよ。言っていることがわかっちゃいないですね。そんな段階じゃないのですよ。思い切った抜本的な対策を講じなければ、我が国の酪農の将来の担い手たちはもうどんどん雪崩を打って音を立てて戦線離脱するということを僕は警告しているのです。 そういう意味で再度政務次官、この不当な諮問案は撤回されるべきだと私は主張しておきます。
○保利政府委員 ただいま先生から御指摘のございました数々の負債の深刻化の問題につきましては、私どももかねてからよく聞いておるところでございますけれども、なおこの上とも調査をしまして、大臣にもお話があったという先生からの御指摘がありましたので、血の通った負債整理対策というものを今後ともやっていかなければならない、こういうことを申し上げておきたいと思います。
○島田委員 終わります。
○大石委員長 串原義直君。
○串原委員 昨日は肉畜の政策価格の諮問を畜産審議会にいたしました。それからきょうは乳価に対する諮問を示しました。内容は、去勢和牛肉は据え置き、その他の去勢牛肉は二・三%の値下げ、豚肉は五・六%の引き下げ、それから乳価はキロ当たりおよそ四円の引き下げである。引き下げ諮問をしたのは初めてのことであろう、こう思うのであります。 私ども社会党並びにそれぞれの団体の立場から、少なくとも物価上昇率に見合う価格は補償してやるべきである、再生産を保証するだけの価格を決定すべきである、この立場に立って何回か大臣ほか政府に要請をしてまいりました。しかるところ、ただいま申し上げましたような引き下げ諮問が行われた。まあ百歩譲って据え置き諮問ならばまだしも、引き下げということになりますならば、私はまさに後向き農政である、こう言わざるを得ないわけであります。私はどうしても承知することができない、現今の我が国の畜産農家の現状から見て承知するわけにはいかない、そう思います。国内では生産調整をやっておる、しかし、輸入はどんどんとふえてきているという実態である。まさに農家の立場に立ちますならばやりきれない、こういう表現以外にないだろうと思うほどに、大変深刻な事態だと私は思っているわけです。 そこで、ただいま我が党の島田委員から酪農問題を中心に伺いました。なお、後ほど新村委員から酪農問題を中心に伺いますので、私は特に肉畜を中心にして伺ってまいりたい、こう思うわけであります。 まず最初に、豚肉について伺うわけでありますが、農林省御承知のように、養豚農家の倒産が相次いております。私の地元でも、このところ何件も倒産農家ができました。まことに遺憾なことでございます。この原因はどこから来ているというふうに農林省はお考えになっておりますか。豚肉価格の実勢価格、つまり市場価格が余りにも安い、安いところに推移をしているということではないのかというふうに思いますが、その辺を含めまして、私の県だけではなくて九州その他の県でも倒産農家が出ている、この実態、御承知を願っていると思いますが、その原因はどこにあるのか、農林省の見解を伺います。
○瓜生説明員 養豚経営につきましては、全体といたしますと、この数年間豚肉の卸売価格が堅調に推移しておりますことと、それから配合飼料価格が相次いで引き下げられてきておりますので、極めて順調に推移してきているというふうに私ども考えております。ただ、こうした推移の中で、特に配合飼料価格が下がったというようなことでかなり生産が刺激されまして過剰生産の基調になりまして、去年の九月以降、卸売価格が安定基準価格を下回って推移するというような状況で、そういうようなことから養豚経営にとっての収益性が前年を下回るような見込みの状況になっていることは事実かと思います。 ただ、実はそれまでも全体としては養豚経営は収益性という点では非常に好調でございましたので、昨年の秋以降の価格の下げがあったから倒産が続出したということでは必ずしもないのではないかというふうに考えております。特に、最近になりますと飼料価格がまたさらに下がっておりますし、価格も回復しつつありますので、経営内容としては一般的にはそれほど厳しい状況にはないというふうに考えております。 ただ、そうした中でもやはり養豚経営で倒産のケースがあるわけでございますが、これはやはり経営の個別、具体的ないろいろな事情があるものだというふうに考えておりまして、こうしたものについては、個々の経営の実態に応じた指導をしていく必要があろうかというふうに考えておりますし、そうした中で固定化負債を抱えている養豚農家については、自作農維持資金の中の再建整備資金の融通といったようなものも利用して対応をとってまいりたいというふうに考えております。
○串原委員 お話しのように順調に推移した時代もあったことは間違いない、あなたの御答弁のように。それは昨年の夏ごろまでの話です。それとてもそんなに養豚農家は裕福であったわけではない。まあまあという経営が続いた。ところが、昨年の夏あたりから急速に豚価が下がった、市場価格、実勢価格が下がった。したがって、急速に経営が悪化をいたしまして倒産続出、こういうことになったわけであります。農家の皆さんは、この厳しい養豚農家の経営、実情を理解をして少なくとも価格の引き上げを幾らかでもしてもらいたい、こういう期待をしていたのでありますが、先ほど申し上げますように五・六%の値下げ諮問をいたしました。このところの苦しい農家の実情を実際にあなた方は足で稼いで、足で実態調査ということをやったことがありますか、どうです。
○瓜生説明員 この五十四年以降、生産者団体等で組織されております養豚経営安定推進会議というのがございまして、ここで飼養状況とかあるいは経営に対する意向について農家のアンケート調査を実施して、その実態の把握に努めております。その事務局を務めておりますのが各県の畜産会でございますが、この畜産会がまた経営診断事業を通じて個別経営の診断指導も行っております。そういうルートを通じて私ども状況を聞いておりますのと、それから国の場合は農家経済調査を初めといたします諸調査で実態の把握を行っておりますし、関係者が機会あるごとに実態に接するように、私ども努めているところでございます。
○串原委員 具体的な数字を挙げて質疑をする時間がございませんけれども、申し上げておきますことは、異常に経営実態がよろしくない、厳しい。これは調査の数字が示しているところではありましょうけれども、少なくとも将来の日本の畜産の発展のために、あなた方、少し足で実態調査をしてもらいたい、進めてもらいたい。これは強く要請をいたしておきます。 そこで、まことに豚価がさえないというので、関係団体、関係者が相協議をいたしまして生産調整をいたしておりますことは御承知のとおり。母豚の淘汰等を初めといたしまして調整している。しかし、それにもかかわらず輸入だけは相も変わらず減らない、むしろふえる傾向ではないのか。これは一体どういうことなんだろう。このことに対して農林省は対策を立てていますかということをお答えを願いたい。 殊に、このところの台湾からの輸入の急増というのは、私は何とも理解に苦しんでいるわりです。ここに新聞報道がございますが、五十七年には前年比三九・九%増の二万三千七百九十七トン。五十八年同じく四七・八%増。五十九年は同じく五三・四%増である。つまり、五十九年は五万三千九百三十三トンと飛躍的に増加した。この間、輸入量に占めるシェアも、五十六年の一〇・五%から五十九年には二九・四%、およそ三割になりまして、国別輸入順位も、前は四位であったものが二位に躍進した。こういう報道がありますし、私の手元にも幾つかの資料がございますけれども、ほぼ同様の傾向を示しております。 台湾だけがどうしてこんなに輸入量がどんどんと年とともにふえてきているのか、その理由等について農林省のお考えをお示し願いたいわけであります。
○瓜生説明員 最近の豚肉の輸入の状況について見ますと、差額関税制度のもとで、国内の需給動向を反映いたしまして、実は全体として見ますと六十年の輸入量は対前年比九七・三%ということで若干前年を下回っている状況でございます。ただ、御指摘のように、輸入されているもののうちの台湾産の豚肉の輸入が五十八年以降増加傾向にございます。六十年につきましては総輸入量のうち約三五%という状況になっております。 その理由でございますけれども、これは、五十七年にデンマークで口蹄疫が発生いたしまして、輸入停止措置をとりました。その結果、デンマーク産豚肉との間に輸入の代替関係が働いたことが契機になりまして、台湾がその間に日本への輸出量、日本からいいますと輸入量がふえたということでございます。それがきっかけになって、それからもう一つは、その後の台湾の国内の過剰生産傾向を背景といたしまして、これを輸出に振り向けざるを得ない事情が向こう側にあったのではないかと考えられます。 現在、台湾の国内では生産が増加しておりますので豚肉の価格が下がっているようでございますが、ただ、我が国の豚肉の輸入の制度につきましては、国内の価格安定制度とリンクした基準輸入価格を決めて、その輸入価格が基準輸入価格を下回ることがないような関税を賦課する、いわゆる差額関税制度をとっておりますので、向こうでの価格が安いということがそのままこちらの輸入の増加につながらないシステムになっております。ですから、台湾自身のほかの国との代替関係、競争関係の中で、台湾がシェアをふやしているというふうに私ども考えております。これからも輸入の動向を的確に把握いたしますとともに、差額関税制度の適切な運用に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○串原委員 今お話しのように、デンマークは一時口蹄疫の問題があって輸出がストップした。日本でも輸入をとめたということだから、そのときに台湾は頑張って日本に輸出量を伸ばしてきた。それが続いていると理解をする、こういうことであったのでありますけれども、それも全然ないとは私も思わない。思わないけれども、デンマークの肉は上質なものである、いい肉である、台湾の肉の方がいささか質的には落ちるのではないかというふうに私たちは理解をしているのでございますが、実態は、それほど良質と言えない台湾の豚肉が、昨年一月から十二月の統計等を見ますと、枝肉の場合大変な量が輸入されているわけです。 デンマークは口蹄疫の問題が解決をして輸入解禁になった。輸入ができるようになった。にもかかわらずデンマークの枝肉の輸入量は、昨年一年ほとんどと言っていいほど輸入をされていない。いいですか。デンマークの場合、全然輸入されなかった月が昨年一年で四カ月もあります。輸入ゼロの月が四カ月もある。台湾の場合は毎月大変な輸入量である。これを見ますと、実際は、台湾から輸入がふえてきた、この内容をあなた方は具体的につかんでいるのかどうか、私はちょっと疑問に思うのであります。いや承知をいたしております、そういうことでありますならば、今申し上げました点についてお答えを願いたい。
○瓜生説明員 デンマークにつきましては、ちょうど荷が入ってこなかった時期、あちらで港湾ストがございまして、かなり大きなストがあったということが日本に荷が入らない理由であると承知をいたしております。 なお、台湾の豚肉については、結局日本で輸入をいたします豚肉は、加工需要、ハム等に向ける、そういうものでございますので、ある程度加工側のニーズに応じた斉一性のあるものが、ある一定の規格でコンスタントに供給されることが望ましいわけですが、そういうニーズにかなり台湾がこたえてきているということと、先ほどの例えば口蹄疫であるとかストライキであるとかというほかの国の要因の中で、ニーズにこたえた対応をとりながらシェアを伸ばしているのであると承知いたしております。
○串原委員 先ほども少し触れていただきましたが、豚肉の場合は差額関税制度がありますね。したがって、中心価格、これを中心にいたしました差額関税制度がとられるわけでありますので、安く輸入いたしましても関税を払わなければならぬ、こういうふうになってくるわけでありますから、そんなに台湾豚肉が業者にとってうまみがあるのだろうか、差額関税を支払ってもそれほど利益を生むのだろうか、そんなに業者にとって好ましい条件があるのだろうかと私は理解に苦しむのです。そのことをあなた方はどういうふうにお考えになっていますか。
○瓜生説明員 豚肉の輸入価格という点では、台湾のものがほかの国のものに比べて現実に決して安いものではございません。したがって、価格だけが台湾のものが入ってくる要因であるということも言いかねる部分でおろうと思いますが、いずれにしても、豚肉自体は差額関税制度のもとでございますが、自由化物資であるというようなこともございますので、大づかみの先ほど来申し上げておりますような一つの傾向は申し上げられますが、必ずしも私どもも詳細に実態を把握していないところもございます。
○串原委員 日本の畜産行政を考える場合、それから肉畜の場合でも、需給等々によりましてそれを勘案して政策価格も決めていかなければならぬ、そういうわけですね。したがいまして、この台湾豚肉の輸入の状況や輸入と国内生産とのバランス等々も勘案しながら、常に農林省は目を配っていかなければならぬ、そういうことであろうと思うのですけれども、今の御答弁では、必ずしも承知していないということでは何とも私了解できないわけなんですよ。どういうことですか、そのことは。
○瓜生説明員 全体といたしますと、先ほど来申し上げておりますように、輸入は六十年度は前年に比べて下回っているという、それが一つの需給の数字の問題でございます。 それから質の問題として考えますと、輸入されてくる豚肉というのがどういうものに振り向けられているかということで、これが加工用というものが主体になっている、したがって加工向けのものに合ったものがやはり国内で好まれて、そういうものがまた輸入されてくるということがあること、そしてそういう日本の国内の需要、それから輸出国側の事情、これの組み合わせによって国のシェアが動いている、こういう状況だというふうに理解しておりますし、また、私どものつかんでおりますいろいろな情報ではそういうふうに考えて差し支えないというふうに考えておりますので、そういう中で台湾がシェアを伸ばしているのだ、こういうふうに理解をいたしております。
○串原委員 今の御答弁によりますと、台湾の場合加工用が主であろうという話でありました。それでは輸入量の内容、一つ取り上げて申し上げますが、五十九年の場合は五万三千九百三十三トン、大変な量になってきたわけでございますが、その場合、五万三千九百三十三トンの内訳、枝肉がどの程度でその他の加工用肉がどのくらいということをおわかりになりますか。把握されておりますか。
○瓜生説明員 枝肉が千五百トン程度、残りはロース等であるというふうに承知しております。
○串原委員 そういたしますと、五万三千トン、このうち枝肉は千数百トンであって、あとは加工用である、こういうことですか。
○瓜生説明員 ほとんどがそうだと思います。
○串原委員 そういたしますと、先ほど私が伺いましたように、台湾の加工用豚肉を輸入する場合に、差額関税制度を適用を受けなければなりませんが、それでもなおかつまことに好ましい条件にあるというふうに理解をしなければなりませんが、それはどういうことなんでしょうか。
○瓜生説明員 一般に、これは台湾に限らずでございますが、豚肉の輸入は、現在国内で絶対量が不足しておりますロースなどの高級部位を中心に行われております。これは結局、輸入豚肉の大半がロースハムとかベーコンの原料として使われるということからでございます。加工メーカーがそういう意味で輸入豚肉で原料手当てを行いますのは、我が国の豚肉の消費というのが生食主体でございます。したがって、実は豚の品種とか飼養技術も生食用に合わせて行われているということで、必ずしも加工向きのものが十分に手に入らないということが一つございます。 〔委員長退席、衛藤委員長代理着席〕 それからもう一つは、輸入豚肉の場合は、輸出側がいろいろ調製をするということとかかわるわけでございますが、輸入して直ちに加工工程に乗せることができるような姿で、斉一的な形で持ってくるような形になっておるということもございます。 いずれにしても、日本人の肉の需要の中で特に加工についてはロース等のそういう特定の部位に集中いたしますので、豚の一頭からとれる肉の中でその部分が非常に多く利用されるとなりますと国内で十分に対応できない、こういう状況があって、それが、台湾も含めまして加工用の肉の輸入ということにつながっているわけでございます。
○串原委員 台湾から輸入されてくる、その取り扱う業者、どんなところなんでしょうか。リストがあったら教えてください。
○瓜生説明員 豚肉が自由化物資であるとはいいますものの、AA物資を扱います商社協議会というのがございまして、ここに加入をしているものは把握ができておりますが、未加入を含むすべての取扱業者については把握ができておりません。
○串原委員 そうすると、AA協議会に加盟されておられる業者の中ではどんな業者が台湾豚肉の取り扱いをやっておられますか。 〔衛藤委員長代理退席、委員長着席〕
○瓜生説明員 いわゆる総合商社と言われているところのおおむねほとんどが入っているというふうに理解しております。
○串原委員 だからそれを、この会社、この会社、この会社というふうに言うわけにはいきませんか。
○瓜生説明員 協議会としての、会員に入っているものでございますのでお知らせできますが、大変数が多うございますので、また別途お知らせさしていただきたいと思いますが……。
○串原委員 いや、別途でなくても、この会社とこの会社が特に取り扱いが多いのですというような格好でお示しを願うわけにはいかないのですか。
○瓜生説明員 取扱量その他については私承知いたしておりません。三十何社かのAA協議会のメンバーがそういう豚肉の輸入を扱っているということは承知いたしておりますが、どことどこがというのはちょっと承知いたしておりません。
○串原委員 私は、肉畜の行政を総合的に判断していく上に、それはやはり検討すべき大事な課題だというふうに思う。今、AA協議会に加盟されている業者が取り扱っているけれども個別のことについてはわからない、さらに、協議会に参加されていない業者についてはわからない、こういう御答弁でしたね。私はそれではいけないので、少なくとも台湾からの輸入増というのは、異常という表現がいいかどうかわかりませんけれども、異常と思えるほどに量がふえてきている。これは日本の養豚農家に好ましい影響を与えているとは言えないわけであります。農林水産省の立場からいうならば、この辺についていささか調査検討を加えた後に、対策を講ずることがあるならば講ずべきではないか、私はこう思っているのでございますけれども、今御答弁をいただきましたAA協議会の皆さんと時によれば話し合いをする、と同時に、それ以外の取扱業者の皆さんを調査すると同時に、この台湾問題に対して、日本の国内の養豚農家に好ましくない影響を与えているとするならば、時によれば話し合いをするという必要もあるだろうと思う。輸入調整ということも踏まえて話し合いをする必要が生じてくるだろうと思う。そういうことをやるお考えがありますか。
○瓜生説明員 いわゆるAA協議会につきましては、今の豚肉の需給の動向、いろいろな動きがございます中で、定期的に指導を行っておりまして、輸入の豚肉、ここでは輸入豚肉需給懇談会というのがございますが、その懇談会を通じまして秩序ある輸入が行われるように指導を行ってきておりますし、これからもそういう形で対応してまいりたいと思っております。
○串原委員 それはぜひ続けてもらいたいと思うが、今申し上げましたように、AA協議会に加盟されていない業者の皆さんも取り扱っていらっしゃるようです、あなたの御答弁によりますと。そうであるならば、それらの関係も調査して一定のものを把握されて、AA協議会の皆さんと同じようにこれから協議、話し合いをしていく考えはありませんか、こう聞いているのです。
○瓜生説明員 未加入のところにつきましても把握に努め、必要に応じて指導を行いたいと思っております。
○串原委員 未加盟の業者についても把握をして行政指導をやって、時によれば話し合いもしていきたい、こういうことでございますが、できるだけ早くやってもらいたいと思う。どうでしょうか、いつごろまでにできますか。
○瓜生説明員 できるだけ早くやりたいと思っております。
○串原委員 大蔵省お見えでございますか。——このことと関連しまして大蔵省に伺いますが、豚肉の差額関税問題でありますけれども、五十八年、五十九年、六十年の三年間、この関税額は全体でおよそどのようになっておりますか。殊に今話題にしておりますところの台湾から輸入された豚肉についての関税額というのは、過去三年間どのような推移になっておりますか、お示しください。
○吉田説明員 豚肉輸入の関税額の御質問でございますが、私ども全般的に個々の品目の関税額という統計を出してはおりませんで、全体の関税額、一般会計の関税額それから石炭対策に振り向けられる特別会計の関税額、そういう区別しかしておりませんので、今御質問ございましたが、その数字は持ち合わせておりませんので、御了解いただきたいと思っております。
○串原委員 そうすると、今は持ち合わせていないけれども、後ほど出していただけますか。
○吉田説明員 持ち合わせておりませんというのは、そういう統計をつくっておりませんという意味でございますので、御了解いただきたいと思います。
○串原委員 では、もう一度確認いたしますが、そういたしますと、大蔵省で、差額関税制度が豚肉の場合適用されているわけでありますが、それらの流れがどうなっているかということはあなた方のところでは把握できない、こういうことですか。
○吉田説明員 差額関税制度につきましては、先ほど農水省の方から御説明ございましたような仕組みでやっておりまして、輸入額等につきましては私ども当然のことながら統計をとっておるわけでございます。したがいまして、その輸入額を見つつ、それから差額関税制度がどのように機能しているかという点についてはその輸入の動向を見ながら農水省とも御協議しながら考えていく、運用していくということでございます。 実際上、差額関税制度というのは関税制度の中でも非常に特異なものでございまして、先ほど先生もおっしゃっておられましたように一定の堰どめ価格と輸入額との差額を取ってしまう、そういう意味では保護の非常に厚い制度でございます。そういう意味で、私どもこの制度は非常に特殊なものだと考えておりますが、そういう意味からも非常に関心を持っておるものでございます。 それで、関税額そのものはわかりませんが、輸入額はわかるものでございますから、そういうところからフォローをしていくというのが私どもの姿勢でございます。と同時に、私どもは輸出入の窓口でございますので、税関が窓口になっております。その税関で個々の輸入実態、そういうものに対しては厳正にこの制度を守るということで対応しているところでございます。
○串原委員 実は、本日時間がありませんから、この大蔵省に対する質問というのは改めた機会にすることにいたしますが、いま一点伺いますけれども、そういたしますと、差額関税制度というのは、数字を出すわけにはいかないし、把握できないという御答弁が今あったけれども、制度としては完全に機能いたしておりますということになるのですか。その差額関税制度というものは間違いなく完全にきちっと機能しておるということですか、いかがですか。
○吉田説明員 現在、差額関税制度をとっておりますのは豚肉及びその調製品という非常に限られたものでございます。そういう意味で、私どもとしてはこの制度は十分機能していると考えております。
○串原委員 先ほど御答弁がありましたように、輸入業者のAA協議会の皆さんとの話し合いも進めてもらう中で、さらにAA協議会に参加していない業者についても調査をされて、その上で行政指導等々も行っていきたいという答弁がありましたから、その調査ができた付近でまた改めてこの問題については伺うということにいたします。 次に移らしていただきまして、実は、生体牛の輸入の問題について三点ほど伺いたいわけでございます。 生きた牛につきましては、昭和四十六年十月一日をもって輸入自由化になりました。現在、一頭当たり三百キログラム以下のものは四万五千円、一頭当たり三百キログラム以上のものは七万五千円の関税を支払えば自由に輸入できるということになっているわけでございます。なお、このほかに三百キログラム以下の肥育用素牛については一定頭数に限り無税とするという関税割り当て制度がとられているわけでありまして、全農ほか関係団体にそれが認められているわけでございます。 ところが全農の調べでは、六十年一月から十二月までおよそ一万四千頭程度の輸入頭数になった、こういうふうに言われているわけでございますけれども、伺いたいのは、三百キログラム以下の頭数それから以上の頭数、この内訳、一万四千頭程度だとするならば、今どんなぐあいになっているのでしょう。
○瓜生説明員 生きた牛の輸入につきましては、これは年によって大分消長がございまして、昨年は約一万四千頭ほどの輸入が行われております。過去においてもその水準のことがございますが、今までの水準の中では非常に高い水準になっております。 その内訳でございますが、これも年によっていろいろ動きがございますが、昨年のケースですと、一万四千頭のうち約二千九百頭ぐらいが子牛で、残りが成年でございます。
○串原委員 そういたしますと、一万四千頭のうち二千九百頭が子牛であって、一万一千百頭ぐらいが成年であるとするならば、それはほとんど輸入されて屠場直行、そういう牛になるわけですか。
○瓜生説明員 いわゆる今のお尋ねの屠場直行と言われるものは七千五百頭強でございまして、その他は、三百キロ以上ではございますが日本の国内でもう一度肥育をされてから出荷されているものでございます。
○串原委員 極論するならば、一万四千頭の輸入は、肥育の期間があるけれども、結局日本の国内の内需要になるわけであります、供給されるわけでございます、こういうことですね。 そうしますと、日本国内の肉の価格、需給等々にこの状態がどんな影響を持つ、成年輸入がふえてきたという状態はどうした影響を持つとお考えになっておりますか。
○瓜生説明員 成牛の輸入も含めまして、輸入されたものでも、肉に換算いたしますと国内需要量の〇・四%程度という水準でございますので、牛肉の需給にはほとんど影響がないと思います。ただ、こうやって入ってきましたものについては、いろんな目的で入ってきております。農業団体の経由のものについては、農家の肥育の素牛というのもございますし、それから物によりましてはいわばスーパー等の目玉商品として提供されているというようなもの、多種多様だと思いますが、いずれにしましても、需給という角度からすれば現在のところほとんど影響はないというふうに考えております。
○串原委員 現在のところ影響ない、一万四千頭ぐらいならば影響ないということでありますが、将来輸入が増加していくであろうことも懸念しなければならぬのであります。今あるチェックの機能とすると、検査場の機能がいっぱいであるというような話でありまして、その辺がチェック機能の唯一のものであるような話が伝わっているわけでありますけれども、将来を展望いたしました場合に何とも気になるわけでございます。そろそろ成年輸入につきましてもいささかのチェックの制度、規制のあり方について考えなければならない時期に来ているのではないか、私はこう考えているのです。見解を伺います。
○瓜生説明員 成年の輸入のこれからの動向につきましては、なおまだしばらく見守らなければならない点があろうかと思います。現実に今入っておりますものが価格の面でどうかというような点の議論もあります。必ずしも、これに対応する日本国内の牛肉に比べて著しく安いかどうか、現時点でこれはよくわからない点がありますが、試算してみますとそれほど大きな差がないようにも思われますので、スーパー等のマーケティングの一環として行われているものというのが、特に屠場直行牛なんかについてはそういうことが言えるのではないかと思います。それから外国での、オーストラリアなりなんなりの牛の価格の動向などから見ましても、今後果たして急増するようなものであるかどうか、もう少し推移を見守る必要があるかと思います。 ただ、実務的に、生きている牛でございますから検疫が必要になってまいりますので、そこの扱いの問題ということがございますが、我が国の畜産振興という角度からいたしますと、おのずと検疫の順序について配慮すべき部分があろうかと思います。改良を進めるための種畜の検疫というものを最優先にする、その次には農業団体等が扱っております農家の肥育の素牛になるようなものを扱っていくというような、そういった点の配慮を、限られた検疫能力でございますので、そうした限られた検疫能力を我が国の畜産振興の角度から配慮していく、こういう角度では今申し上げましたような優先順位で扱っていくようにしたい、こういうふうに考えております。
○串原委員 時間が参りましたので終わりますけれども、次官に生産価格の問題について発言できなかったことを遺憾に思いますが、とにかく生産価格引き下げである、これでは農家の生産意欲を阻害をいたします。いよいよ決定はあしたになるわけでありますから、最後の知恵を出して、力を出して、少なくとも農家の皆さんの期待に反する方向、これだけはやめてもらいたい、やめるべきである、このことを声を大にして強調して質問を終わりたいと思いますが、それに対して次官、一言あったらお願いします。
○保利政府委員 畜産物価格、私ども法律に基づきまして諮問価格を出させていただきまして、計算の問題でございますが、適正なものだと考えておるわけでございますけれども、日本の農家が今後とも畜産関係に力が入れられるように、私どもは価格のみでなく、ほかの政策からも手助けをいたしまして畜産政策を進めてまいりたい、このように考えております。
○串原委員 終わります。
○大石委員長 菅原喜重郎君。
○菅原委員 民社党で過般「畜産物価格等に関する申し入れ」を大臣に行ってきたわけでございます。「昭和六一年度の加工原料乳の保証価格及び限度数量並びに豚肉及び牛肉の安定価格については、我が国の畜産・酪農経営を取り巻く厳しい情勢を十分に考慮し、再生産と所得の確保が可能な価格及び数量の実現に務め、少なくとも前年度価格以上とすること。」以下五項目にわたって申し入れを行ってきましたが、今回の引き下げ諮問につきましては全く遺憾に思っているところでございます。 つきましては、どういう考え方で算定したのか、これも一応公表はされているわけでございますが、飼料価格の値下がりを中心としてはおるわけなんですが、しかし、今申し上げましたような「畜産・酪農経営を取り巻く厳しい情勢」からしての農家育成策というものの配慮がこの中にはなかったのかどうか、この点についてお伺いいたします。
○瓜生説明員 今回の価格の諮問に当たっては、畜産物の価格としまして、指定食肉といいますと牛肉、豚肉でございますが、それに加工原料乳、これらにつきまして、生産の動向あるいは生産費の動向、こういったようなものを踏まえまして、食肉につきましては需給実勢方式をとり、それから加工原料乳についてはその生産費を積み上げて、再生産を旨としたことを考慮した上での価格の試算を行ったわけでございますが、この試算を行うに当たりましては、やはり最近の経営の動向あるいは需給の動向、こういったようなものを考慮させていただきました。 殊に、指定食肉につきましてもそれから加工原料乳につきましても、両方に通ずる問題としては、配合飼料費の値下がりというのが非常に大きく効いてまいります。これは特にアメリカを初めとして国際的な穀物市況の下がりと円のレートの上がり、こういったようなものがあるわけでございますが、こういったようなものが現実の生産費調査の中でコストのダウンにつながっておりますし、それからいずれの場合もかなりの生産性が上がっているといいましょうか、労働費が減ってきているような、そういうような状況もございますので、これらを踏まえまして試算を行い、いずれの場合でも再生産の確保を旨として試算を行った結果を諮問をした、こういうことでございます。
○菅原委員 こういう経済的な価格の要因で引き下げがなされる、これも一つの動向なのでございますが、しかし四十年代から五十年代前半にかけまして、国、県が挙げて制度資金の導入等、大規模営農を夢見させて、これらの大型経営に取り組ませたわけでございます。ですから、今その指導によっての、これが原因での営農破綻が本当に深刻なわけでございます。 そうなりますと、一体今後こういう農家に対しまして国はどのように対処をしていこうとしているのか。新しくこういう農業団体から再建のための負債整理対策の要望なども入ってきているわけでございますが、国の今後の方針をお聞きいたしたいと思います。
○瓜生説明員 畜産経営を行っておられる方々それぞれに経営改善のための努力をしておられますが、特に急速に規模拡大を図っておられる方々の中には、ちょうど規模を拡大した時期がコストが非常に上がるような時期、あるいは価格が下がるような時期にぶつかる、あるいはそれぞれのいろいろな事情があって、なかなか経営力といいましょうか、技術力、資金力、こういったようなものも伴わないというようなこともありまして、負債が固定化して、借入金の償還が困難になった者が見られるに至っております。 そこで酪農につきましては、昭和五十六年度から酪農経営負債整理資金という制度を設けておりますし、それから肉用牛については六十年度から肉用牛経営合理化資金を設けまして、償還困難なものを長期、低利な資金に借りかえを行う、そして個々の経営についてきめの細かい経営改善の指導を行うというような対応をとってまいっております。これはちょうど、酪農については五十六年当時あるいは肉用牛については六十年当時に、そうした経営を急速に拡大した方々にとっての負債が固定化するような状況が見られたということとかかわるものでございます。 それから養豚については、これは総じて言いますと極めて順調に推移してきておりますし、配合飼料の価格の引き下げで生産がむしろ刺激されて、過剰生産の基調になって去年価格が下がったというような事態がある。そこで経営が苦しくなったという方もないわけではございませんが、最近卸売価格が回復してきている、あるいはえさの価格がさらに下がっているという状況ですので、総じては養豚経営について特別な対策を講ずる状況ではないかと思いますが、個別の事例としてはやはり固定化負債を抱えている養豚農家もあると思われますので、これは自作農維持資金の中の再建整備資金の融通をもって対処していきたいというふうに考えております。 いずれにしても、固定化負債を抱える農家というのはそれぞれの経営がまたそれぞれの個別、具体的ないろいろな事情を持っておられるわけですので、そうした個別、具体的な事情に着目をした指導を行い、経営改善を図っていきませんとその対策が効果を上げてまいりませんので、そういった点に十分配慮した指導あるいは対応を考えてまいりたいというふうに考えております。
○菅原委員 私は、今までのこういう大型経営の指導の中で大きなウイークポイントになっているのは、自給粗飼料の確保、この点がウイークポイントではなかったかと思います。こういう点では、今後日本の健全な畜産農家育成のためにはどうしても飼料作物の育種等の研究あるいは自給率の向上ということが必須でございます。ぜひ万全を期さないと、畜産経営はいつでもこういう倒産に追い込まれる、そういう危険性があるわけでございますので、国にこういう自給飼料、飼料作物の対応を強化していただきたいということを要望するわけでございますが、この点について大臣はどのように取り組ませようとしているのか、お聞きしたいと思います。
○保利政府委員 大臣にかわりまして御答弁をさせていただきます。 先生御指摘の飼料作物の育種の問題でございますが、大変重要な問題だと私どもも考えております。我が国畜産業の今後の発展を図りますためにはどうしましても大家畜の飼料生産基盤の強化が必要である、このように考えておりまして、草地試験場を中心とした試験研究機関におきましても、我が国の気象でございますとかあるいは土壌条件に適した、日本の自然環境に適した飼料作物の優良品種を育成していくということ、それからまた、さらに効率的な飼料の生産調製技術、放牧家畜の飼養管理技術の確立など、飼い方でありますとかあるいは調製、つくり方でございます方とか、そういう技術的な面につきましても研究を続けて推進をしておるところでございます。 そして六十一年度におきましては、特にバイオテクノロジーを使いました飼料作物の育種法の研究開発に関する試験研究体制の強化を内容といたしまして、草地試験場の組織の再編を予定をいたしております。今後とも飼料作物の育種に関する試験研究に積極的に農林水産省としては取り組んでまいる所存でございます。
○菅原委員 次に、牛の枝肉規格改正の方向、今後のスケジュールを聞くわけでございますが、枝肉切開部位の統一についてはどうなっているのか、あわせてお尋ねいたします。
○瓜生説明員 牛の枝肉の取引規格の改正の件でございますが、最近の牛肉をめぐる事情の変化に対応いたしまして牛枝肉取引規格の見直しが必要と考えられましたので、中央畜産会に規格見直しの検討を依頼いたしました。これを受けて中央畜産会が食肉取引規格の検討会を設置いたしまして、昭和五十八年の八月から五十九年度にかけまして検討が行われたところでございます。 この結果、中央畜産会から枝肉取引規格見直しの検討結果の報告を受けたわけでございますが、この規格見直しの基本方向については、新たに歩どまり基準を入れること、従来の総合評価方式から分離評価方式へ移行するということ、それから脂肪交雑評価適用基準を緩和する、それから枝肉切開部位を第六−第七肋骨間に統一をすること等の三項目から成っておるわけでございます。 この規格見直しについては急ぐ必要があるということで、日本食肉格付協会で具体的な作業に入ってもらっておりまして、この協会が生産者団体、卸、小売団体、学識経験者で構成いたします委員会を設置しまして、これを中心に規格改正の検討に着手して、必要なデータの収集、分析方法の検討、あるいは食肉中央卸売市場におきます枝肉段階の脂肪交雑別の頭数の分布状況の調査、あるいは部分肉処理場における歩どまりの程度の調査、そしてこれに並行した新しい規格の枠組みの検討等を行っております。ただ、規格改正の時期については、項目ごとに検討に要する時間が違いますので、結論を得たものから逐次改正をしたいと思っております。 そこで、枝肉の切開部位の統一につきましては、現に市場によって切開部位は異なった事情にありますので関係者と意見調整に手間取っておりますけれども、なるべく調整を急ぎまして来年度には実施したいというふうに考えております。
○菅原委員 大体今までこの東北の枝肉の切開部位、格付されるところの部位が上の方、五、六番目と聞いております。これが下がると、霜降りは肩の方から入ってくるので結局価格も下がることになるというわけでございます。こういう点も配慮いただきまして、余り東北地方の牛肉価格に変動のないようにぜひ指導をお願いしたいと思うわけでございます。 もう一つ、私は、本来赤肉生産をすることを国として奨励すべきだし心がけるべきだ、こういうことを主張してきたわけでございます。そうなりますと、今回のこの価格の引き下げになったのは、むしろ赤肉のつくられる分野が引き下がっているわけでございます。こういう点も全く価格そのものが、今のような哲学をもって価格を見るならもうちょっと配慮されていいんじゃないか、こう思いますので、ひとつこのことも要望しておきます。 次に、牛乳の引き下げ諮問でございますが、新聞によりますと加工原料乳保証価格が五%下げというようでございます。今これは答申されようとしているわけなんでございますが、乳業家にとりまして今全く大変な時期になってきているわけでございまして、何とか長期的な立場からこの価格が、現在の価格がやっと息がつけそうになった、現在のこの価格が幾らかでも先延ばしされるなら健全な近代化対応のできる酪農、畜産基盤を築くことができる、こういうような要望が強いわけでございます。こういう中での引き下げは全く痛いわけでございますが、今後こういう乳業家の育成のために、引き下げをするのでなく、また消費拡大のためには大きな施策を講じてもらわぬといかぬ、こう思うわけでございますが、これに対してはどのように取り組んでいこうとしているのか、お聞きいたします。
○瓜生説明員 酪農の安定的発展を図る場合にはやはり牛乳・乳製品の消費拡大がぜひとも必要だと私ども思います。こういった見地からこれまでも、学校給食における牛乳・乳製品利用の推進、あるいは幼稚園、老人ホーム等における牛乳の集団飲用の推進、それから牛乳に関する基礎知識の普及宣伝、消費者啓発などにつきまして、関係団体に対して指導を行い、あるいは助成を行ってきております。 これらに加えまして、今牛乳の消費に非常に陰りがあるのではないか、これは一時的なことか構造的なことか、こんな議論が行われておりますので、これからの消費拡大の具体策を検討するために生産者、乳業メーカー、販売業者等を交えました勉強会を開いておりまして、この勉強会での議論を踏まえながら関係者が一体となって消費拡大対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○菅原委員 それでは最後に要望だけ申し上げます。 私は前に、玄米フレークスの研究開発をすべきだ、そしてこれに各種ジャム、牛乳を朝食、昼食にはとらせ、夕食には白米の日本食、これは現実的でございますからディナーとしてとらせるような努力をすべきだということを要望しておきました。ひとつこの食改善に対しましても国で前向きな姿勢をとっていただきたい。それから草地基盤強化資金、新しい目を起こそうとして起こし得なかったわけでございますが、このことについては来年度ぜひ強力に取り組んでいただきたい、こういうことを要望いたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○大石委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○大石委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。新村源雄君。
○新村(源)委員 農林水産省は、昨日は食肉、そしてきょうは原料乳の保証乳価の諮問をいたしました。きのうの諮問では、豚肉、さらに去勢牛肉の引き下げ、そしてまたきょうは保証乳価の引き下げという、まことに現下の酪農、畜産農家の実態に合わない、そういう引き下げ諮問をしたわけでございます。 そこで、この「畜産局長説明」という中で、特に「酪農経営の動向」の中で、「五十一年以降水稲を上回って推移。」をした、あるいは「酪農経営の負債額は増加したが、これを上回り資産額、貯蓄額が増加。一頭当たり負債額は、北海道では五十七年度、都道府県は五十五年度をピークに減少傾向。」にある、こういう見通しを立てているわけです。 そこで、まず最初に、今、日本の酪農が二百十一万頭の飼育頭数に対して、頭数は横ばいである。しかし、戸数が年々五千戸規模で減少していっているわけですね。一体こういう状態で健全な日本の酪農、畜産というのが営まれているとお考えですか。それから、これはどういう事態でこうなっているとお考えですか。
○瓜生説明員 酪農経営の戸数は比較的規模の小さい階層を主体に逐年減少しておりまして、六十年二月一日現在では、前年に比べて五・七%減の八万二千戸となっておりますが、酪農の主産地でございます北海道での減少は鈍化する傾向にあるように私ども見受けております。 このような戸数減少の背景には、労働力の高齢化とかあるいは後継者の不在とか、あるいは経営合理化の手の打ち方のおくれ、こういったようなものがございますが、全体として今規模の小さい階層を主体に減少していると申し上げましたけれども、他方、三十頭以上の階層では漸増を示しております。それから、別途農業調査等を見ますと、酪農の場合、後継者のある農家の割合は単一経営全体の比率に比べて非常に高こうございます。全体の平均が五二%であるのに対して酪農は六二%ということで最も高い状況でございますし、それから、全体として農業の新規参入はそう多くございませんけれども、その中では酪農が比較的高い割合を示しているということで、明るい要素もございます。 したがいまして、これからの酪農経営の発展を図るためにいろいろな手当てを施すことによって、今後また経営の展開の展望はあると考えております。
○新村(源)委員 昭和六十年では生乳の消費が若干減ったと言われていますが、ここで、日本とアメリカ、フランス、イギリス、西ドイツ等の先進国家の乳製品や生乳の消費率を見てまいりますと、日本を一にすると、アメリカ等は飲用乳で実に三倍、バターで三・五倍、チーズは十四・一倍、比較的低いと見られるイギリスでも飲用牛乳が三・四倍、バターが七・九倍、チーズが八・三倍、こういうように、日本からすると比較にならぬくらい牛乳・乳製品が高いわけですね。 私はかつて帯広畜産大学の学長をやっておられた大原久友さんという方に聞いたのですが、オリンピックの選手で優秀な成績を上げるのは、こういう牛乳・乳製品の消費率の高い国がオリンピックにおいても非常に上位の活躍をしている。したがって、日本人の牛乳・乳製品の消費というのは非常に低い、もっともっと伸ばさなければいかぬ、こういうように言っておられます。 日本の牛乳・乳製品の消費も、一時的には伸び率がダウンしたりしていますけれども、しかし確実に伸びてきていることは間違いないわけですね。そうすれば、昭和六十年度で輸入と国産とで約一千万トン、そのうち約百万トンくらい滞貨をしていると見られておりますから九百万トン、こういうことで、少なくともこの倍になっていくということになれば、全部外国から輸入しようとするのか、あるいは国内の酪農、畜産農家の健全な発達を促してこれを補てんしていこう、供給していこうとするのか、この点について政務次官、どういうようにお考えになりますか。
○保利政府委員 畜産物、とりわけ肉、それから牛乳、先生今御指摘は牛乳の方だったと思いますが、国内で生産可能なものはできるだけ国内で生産をしていくというのが大原則であろうかと思います。 輸入をするという発想は、これは私自身いつも思いますが、外貨があって初めて輸入ができるということでございますので、外貨が不足をするような事態を考えますれば、国民の食糧というものはできるだけ国産で賄っていく。必要最小限というのが基本的な考え方でございますので、そういった考え方に立ってこれから酪農、畜産の振興を図っていかなければならない、このように思っております。
○新村(源)委員 そういうように国産でできるだけ対応していこうということになれば、先ほど瓜生審議官の言われたように、小さい酪農はどんどん切れる、しかも、八万二千戸のうち五千戸規模で切れていく。というのは、相当数のものが切れていくといいますけれども、上の大体五、六十頭規模のところはもう経営的には大体搾乳業としては限界に来ている。そうすれば、そういう対応をしようとすれば下の農家を上げてこなければならないわけですね。それが、今示されておりますように乳価を切り下げていく、こういう中で一体そういう歯どめはきくと思いますか。
○瓜生説明員 これからの牛乳・乳製品の需要というのは、かつてのような高い伸びではないとは思いますけれども、安定的に伸びてくれることが長期的には期待できると思います、短期的にはいろいろ波があるかと思いますが。 したがって、そういった需要の動向を踏まえてこれからの日本の酪農の発展を図っていかなければならないというふうに考えておりますが、やはり消費者のニーズにこたえた形で安定的に供給するためには、酪農の経営体質が非常に強いものでなければならないということでございますし、そういう見地から基本方針の中で経営の指標を示しているわけでございますが、具体的には個々の農家がそういったものを見て対応していくということですので、全部が大きい経営になるということでもないと思います。 場所によりましてはほかの作物と酪農との結びつきというような形で発展が図り得るものもあるかと思いますので、例えば三十頭とか四十頭を全部目指すということで、生産量をその規模で割った戸数に将来なるというふうには私ども考えておりません。小さいながらそれに対応していける経営が十分残っていけるだろうというふうに思っておりますし、価格を決める場合に当たっても、そうした意味では酪農を営んでおられる農家全体の動向を踏まえた対応をとっているつもりでございます。
○新村(源)委員 今の審議官のお話では、到底これは納得できる答弁ではございません。 国土庁が四全総の計画を進めているこの段階で、二〇〇〇年には今の農家戸数がさらに三分の一減っていく、そして残された農家の高齢化がどんどん進んでいって八五年では二九・一%のものが二〇〇〇年では六十五歳以上の高齢者が五四%にもなるであろう。そして、このために耕地の二〇%である百万ヘクタールというのは放出される、何かに変わっていく、こういうように言っておるわけです。そうすれば、今、酪農、畜産を初めとして日本農業というのはどんどん後退していく、こういうことが現状から見て指摘されておるわけですね。 こういう中で、農林水産省は一体農業の将来の展望というものをどういうふうに求めようとしておりますか。
○吉國政府委員 国土庁の四全総の作業の一環として先般の計画部会に提出されました資料につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたようなことが言われております。 実は農林水産省の方でも、やはり六十五年時点を見通しました現在の長期ビジョンが作成されました段階におきましても、後継ぎのない高齢農家等の農地が相当程度放出されるということを想定をいたしておるわけでございまして、私どもといたしましては、こういう農家を中核農家にできるだけ集中をさせていくという形で農業全体の構造改善を進めていく、さらにまた、それに見合った。後継者、担い手というものを確保していく、技術力を確保していくということが必要でございますし、また、国土庁の指摘の中に、地域によってはその地域で担い手が見つからないというような場合には新規参入等も含めた広域的な取り組みというものが必要ではないかということが指摘をされておるわけでございますが、この点につきましては、私どもとしましても今後政策運営に当たりまして十分注意をしていく必要がある事項ではないかというふうに思っておるところでございます。
○新村(源)委員 そういう答弁はもう何回も聞いています。何回も聞いているけれども現実はそういうことではなくて、農業がどんどん追い込まれてきているというのが現実でしょう。もし今答弁のあったようなそういう方向で農業に魅力を持たせようとすれば、今度諮問したような乳価は出てこないはずです。 今度諮問した乳価は、後で具体的に言いますけれども、こじつけをして値下げをするということを前提に置いて、そうして試算されているという気がしてならないわけです。こういう点については、瓜生審議官、どうなんですか。
○瓜生説明員 この乳価の算定に当たりましては、客観的に調査結果を踏まえ、それからその調査の行われた時点以降の動きを織り込んで試算を行い、経営の状況なども念頭に置いた値を本日諮問した次第でございます。
○新村(源)委員 それでは、この中で言っているように、北海道では五十七年度をピークにあるいは都道府県では五十五年度をピークにして年々負債が減少されてきておる、こういうように言っていますけれども、これはどういう資料を使ったのですか。
○瓜生説明員 これは、形態別に見た農家経済といういわゆる農家経済調査の結果でございます。
○新村(源)委員 これは、北海道の酪農草地課でまとめた農林統計等から拾ったものを見てまいりますと、借入金の推移で、昭和五十二年度では一千百六十四万四千百円、それが毎年毎年ずっと着実に上がって、今この中にありますように、五十七年度をピークにして下がったと言っていますけれども、五十七年が二千五百四十六万四千円、五十九年が二千七百六十一万五千円、こういうように着実に上がっているのですよ。着実に上がっているのに減少しているというのはどういうことですか。
○瓜生説明員 私どもの負債の状況あるいは資産の状況について申し上げておりますのは、農林水産省の農家経済調査で調査した結果でございますが、今お話がありました北海道の調査といいますのは、これは北海道庁が経営改善対策の検討、確立を行うという見地から、専業的な農家のうちの七千戸を抽出した結果、そのうちの酪農が千三百五十戸というふうに承知しております。それについての結果ではないかと思いますが、私どもとしては、またこれは道庁の方で取りまとめが行われているというふうに聞いております。
○新村(源)委員 それは道庁の取りまとめかもしれませんが、しかしこれは着実に上がっている。 さらに、北海道の酪農主要地帯である根室管内の農協の全体の調査で出てきているのがある。これも今おっしゃる五十七年と対比をいたしますと、五十七年では三千六十万七千円、五十九年では三千百十万五千円、この調査でも確実に上がっているのですよ。こんなでたらめなことがありますか。着実に上がっている。
○瓜生説明員 私どもが負債額が前年に比べて減っているというふうに申し上げております場合には、酪農経営、これはいろいろな規模のものがございますので、これを搾乳牛一頭当たりにした場合の値として減っているというふうに申し上げておりまして、一月当たりということで見ますと、五十八年−五十九年、負債額はふえております。それから資産額もふえております。全体として規模の拡大という傾向もございますので、その意味で、そういう経営の諸元ともいうべき負債額、資産額、借入金等、いずれもふえている、こういう状況でございます。
○新村(源)委員 審議官、だから私が前段に言ったように、値下げをしよう、こういう考え方に立ってやればそれは都合のいい方にとれるわけですね。一頭当たりといえば、酪農家というのはいつも頭数がきちっと決まっていない、大型の酪農家になれば五頭や七頭の頭数は常に動いているわけです。そういう不確定なものをもって減少したなどということは言えないでしょう。どうなんですか。
○瓜生説明員 結局、経営の大きさというものがいろいろございますものですから、それを共通して見るという意味で一頭当たりに直して見ているということでございます。
○新村(源)委員 いいですか、そうすれば、これから多頭化を目指してまず入れ物をつくらなければならぬわけでしょう。当時二十頭だった、それが多頭化の方向に進むからどんどん頭数がふえるでしょう。そうすれば負債がふえることは当たり前でしょう。しかし農家の経営客体というのは一戸単位でしょう。そんなでたらめなことがありますか。
○瓜生説明員 今、経営の規模の拡大を行います場合の対応としましては、借り入れあるいは自己資金を利用しましてその規模拡大に必要な投資を行いますので、負債の面の増もございますが、それと同時に、いわばその生産に投入される資産の額の増加もあるわけでございまして、そういう意味では、全体としての経営の状況を見る場合に、資産の動向と負債の動向とをあわせて見ていく必要があろうかと思います。 そういう見地からいたしますと、一戸当たりという角度、この場合はいろいろな形のものが含まれておりますけれども、その場合でも負債額が、例えば五十八年から五十九年にかけて一戸当たりで見ますと二・九%の増になっておりますが、資産額の方も八・二%の増加ということになっておりまして、全体としてはそういう規模拡大の過程での資産、負債の増加であろう。それを、今度さらにその中で頭数がふえていくわけでございましょうから、それを一頭当たりにどれだけの資産あるいは負債を持った形になるかというような形で平均をしてみますと、相互に比較しやすいという意味でそういう対応をとってみますと、今の五十八年から五十九年にかけて見ますと、資産額が二・七%の増、負債額は二・三%の減、こういう結果が統計の調査の結果としては出ているわけでございます。
○新村(源)委員 そういう統計の数字を操って、農家一戸の経営が非常に苦しくなってきているということを理解しようとしない、そういうことについては承服できません。 さらに、きょうの畜産局長の説明の中で、いわゆる「家族労働報酬は、五十一年以降水稲を上回って推移。」している、こういうふうに言っているわけですね。ところが、これも農林統計を基礎にして北海道庁でまとめた数字を見ますと、酪農経営は農業労働十時間当たり九千三百八十五円、稲作経営は一万三千六百二十二円、畑作経営は一万二千四百六十三円、こういうように酪農の労働報酬が少ないということが明らかになっているのですが、どうしてこんなことが出てくるのですか。
○瓜生説明員 私どもの一日当たりの家族労働報酬について言及しておりますのは、これは農林水産省が行っております畜産物の生産費調査でございますとか、あるいは米及び麦類の生産費調査でございますとか、こういったようなものから算出したものでございまして、これによりますと、数字の上ではということで御指摘があるのかもしれませんけれども、そういう数字の上では六十年度には北海道の一日当たりの家族労働報酬は八千三百十八円、こういう値になっているわけでございます。
○新村(源)委員 これは農林統計を使って北海道の酪農草地課でもって試算をしたものが、こういうふうに明らかに出ているわけなんですね。これは現場の数字なんですよ。しかもこれは一般的な農協とかそういうところの資料ではなくて道庁が取りまとめている資料なんですよ。明らかにこういうようになっているのに、稲作農家よりも一日当たりの労働報酬が高まっているなんというのは、これもでたらめですよ。
○瓜生説明員 実は私どもが家族労働報酬について水稲を上回って推移しているというふうに申し上げておりますのは、これは全国ベースの数字でございます。ちょっと北海道ベースの数字をもう一遍点検させていただきたいと思いますが、全国的な水稲農家の家族労働報酬、それから酪農家の一日当たりの家族労働報酬、これの比較で見ますと、先ほどちょっと触れましたような「五十一年以降水稲を上回って推移。」しているという数字があるわけでございます。
○新村(源)委員 審議官、そういうことではこの内容をどうしても納得できないですよ。今、全国平均の水稲の農家とおっしゃったでしょう。北海道とはおよそ規模が違っているということははっきりしているわけでしょう。加工原料乳というのは北海道は八〇%以上でしょう。そういうものを使って北海道の乳価を決めていいのですか。 重ねて問いますけれども、今度の乳価の算定に当たっては、これは前からの要求なんですが、家族労働報酬は全国五大規模以上の労働賃金をとってくれ、こういうように言っているのですが、農林水産省は依然として北海道の五大規模以上のものをとっているでしょう。どうなんですか。全国のものと北海道のものとを混同して、そんなでたらめなことでやるのですか。
○瓜生説明員 先ほどの労働報酬の問題につきましては、これは統計上の約束で全部共通した計算の仕方でやっておるわけでございますが、今御指摘のありました点は、むしろ具体的な乳価の計算をする際の労働費の換算の仕方の問題であるというふうに考えます。 そういう意味から飼育労働費の問題について見ますと、不足払い法自身の趣旨からいたしましても、「生乳の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として定める」、こういうことになっておりますので、保証価格の算定の基礎となっております生産費調査その他の調査もすべて主要加工原料乳地域のものを用いて計算をするということにいたしておるわけでございます。 統計上相互比較をする場合には、一般的には地域の農業雇用労賃が使われておりますが、乳価の算定に当たりましては、その地域の家族労働を製造業の労賃に評価がえをするという形で、ただその場合にも、主要加工原料乳地域の製造業の労賃をもって評価することが妥当であるという制度の趣旨から見て、そういう判断でそういう対応をとらせていただいているわけでございます。
○新村(源)委員 計算方式としてそういうふうにやっているとすれば、まことに実情に合わない。 そこで私は政務次官にちょっとお伺いしたいのですが、バターをつくる、あるいは脱粉をつくる、チーズをつくる、これはまず生産者が牛乳を生産するわけです。そしてこれが乳業工場で加工されて、そして完成品として出てくるわけですね。てん菜にしてもあるいは牛乳にしても、これは一つのセットである。したがって、原料を生産する者が安い賃金で、そしてこれを製造している者が高い賃金というようなことは、今日の社会では許されないと私は思うのですが、こういう点についてはどうですか。
○瓜生説明員 労働費の算定につきましては、労働の性質といったようなものに着目した対応で今の算定をしておるわけでございますが、一般には生産費調査、その他の場合には地域の農村の労賃というものをベースにしてやっておりますし、飼育労働などの場合には、その特殊性から製造業五人以上の場合をとるというような形で労働の質に応じた対応をとらせていただいております。
○新村(源)委員 労働の質とおっしゃいますけれども、今、一人前の酪農家になろうとするときは、今日既に企業的な形態になっていますから、まず企業的な能力を持たなければいかぬでしょう。そしてその上に、体力的にも優秀な労働者でなければならぬ、あるいは家畜を管理する場合には家畜衛生学的な勉強もしなければならない、そして多様な機械を使っていくためにはいわゆるオペレーターとしての勉強もしていかなければならぬ、これらのものが全部備わって初めて立派な経営者になるわけです。そうすれば、労働の質なんというのは、これは工場労働者の皆さんが悪いという意味ではなくて、単純に一カ所で働く人と、常にそれだけのものを持って目の前にある仕事に対応していかなければならない、そういう労働の質と、どっちが高いと思いますか。
○瓜生説明員 特に家畜の飼育管理労働というものが、年中無休といいましょうか非常に拘束性が高いというようなことがございますので、その地域における製造業労賃をもって評価がえをさせていただいておるのは、今先生の御指摘のようなそういう飼育管理労働の持っている性格に着目しているわけでございます。
○新村(源)委員 私は先ほど北海道における酪農、稲作、畑作の十時間当たりの賃金を申し上げました。農林水産省が今とっておりますのは、いわゆる北海道の五大規模以上の製造業、これが千百五十四円四十五銭、そして全国は千四百七十一円十三銭、こういうようになっておるわけですね。千百五十四円を設定したけれども、実際には九百三十八円よりないということです。ですから、農業団体の要求する全国の五大規模以上の製造業の賃金をとってくれ、こう言っておるのですね。それがいまだに北海道の五大規模以上、こういうことになっておる。 もしこれを全国の五大規模以上に直すとすれば三百十六円六十八銭の差が出てきます。百キロ当たり一・八五時間を要するということになっておりますから、これを掛ければ百キロ当たり実に五百八十五円八十五銭値上げしなければならないわけです、正しく労働評価をするとすれば。これを見ただけでも今の諮問された乳価がいかに矛盾があるかということがわかるでしょう。こういう点についてはどうですか。
○瓜生説明員 先ほども申し上げましたが、加工原料乳の保証価格というのが「生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として」ということでございますので、この算定の基礎に使われるものもそうした地域の数値をとる、その意味で飼育労働費についてもその主要加工原料乳地域の製造業の労賃をもって評価がえをしているわけでございます。
○新村(源)委員 それは制度としてはそうでしょうけれども、あなた方が言っておるように、今日酪農が稲作よりも生産性が高まった、あるいは借金も減ってきた。しかし現実はそうではなくて、酪農、畜産農家というのはどんどん苦しくなっている。それが冒頭申し上げたように酪農家がどんどん切れていくということになっているわけです。私の町にも、牛飼いはやりたいのだけれども、労働力の都合によって今搾乳をやっておれない、こういうことで搾乳をやめられる農家の方がいらっしゃいます。 酪農というのは、私も五十年やっていますけれども、盆も正月も、いかなることがあってもいわゆる飼育、搾乳、管理というのは欠かせない。今の職業の中にこんな職業ありますか。同一労働力でもって一年じゅう休めない、どんなことがあっても休めない、親が病気だって休めない、こんな職業ありますか。ですから、一たん搾乳から足を離した方が搾乳に戻るというケースは私は見たことがない。一たん足を離したら酪農家には戻ってこない、こういう実態なんです。 ですから私が冒頭に言ったように、日本の酪農をもっと発展させようとすれば、営々として乳を搾っている酪農民を大切にしていかなかったら日本の酪農はつぶれてしまう、こういうように申し上げたわけですが、こういう点について政務次官はどういうようにお考えになりますか。
○保利政府委員 先生から御指摘のとおり、酪農の作業は大変拘束性も高い、あるいは、いろいろ機械設備等がそろってきた昨今では技術性も高いということは、私もそのとおりだと思います。
○新村(源)委員 さらに、金利の問題も非常に矛盾があるわけですね。自己資金は四・〇七%、借入金は五・三八%。私はこれを、先ほど申し上げました北海道の酪農家の負債に各資金別に金利を当てはめて計算してみましたら、平均金利が六・六七%、私は実態はもっと高いと思いますが、ある資料によって資金ごとに金利を計算してみましたら六・六七%、これも実態に合ってないでしょう。一つの限られた方式によって金利を計算する、したがって酪農の現場とは食い違ってくる、それが借金が増高していることにつながっているわけでしょう。どうですか。
○瓜生説明員 酪農の場合の特に借入資本の適用利率につきましては、私どもの方は五十八年度の生産費補完調査というものがございまして、その補完調査の結果から割り出しますとこれが五・三八%になりますので、保証価格算定の借入資本の適用利率についてはこの五十八年度の調査結果に基づいたものを使っております。この調査は、酪農に係る借入資金について借入先別の借入金の金額及び借入利率等を調査いたしまして酪農借入資金の平均利率を計算したものでありまして、私どもとしては現在調査して把握している限りにおいて適正な数字であると考えております。
○新村(源)委員 私はそんないいかげんな数字を使ったんじゃないのですよ。北海道庁のまとめたいわゆる制度ごとの金利を掛けて、そして割り返してみたらそういうことになるのですよ。五十八年のものを使ったなんて言わないで、もう一回、後でゆっくりやってみてください。 これはそういうことにして、時間がなくなってきましたけれども、負債整理、これは前農林大臣の佐藤守良さんから、悉皆調査をしてその結果について対処しましょうという約束があったわけです。ですから、これについては約束を実行してもらう。 さらにもう一つ、どうしても言っておかなければならないのですが、輸入ですね。昭和四十五年当時には百二十二万トンだった。それが昨年は二百六十六万五千トンでしょう。毎年毎年輸入がふえてきている。そしてこれに対する適切な対策を行っていない。これが全体のいわゆる酪農問題の悪循環につながってきておるわけです。生産調整もしなければならぬ、価格も上げられない。今の乳価というのは、日本の弱い酪農民を邪魔者だからどんどん切り捨てていけ、こういうことに何らの適切な対策を行っていない、農林水産省みずからが農業の後退に拍車をかけていると私は指摘せざるを得ないわけです。こういう点について、特に輸入の問題についてどういう対策をやっていきますか。
○瓜生説明員 今の輸入のお話でございますけれども、乳製品の輸入につきましては、バター、脱脂粉乳等の指定乳製品を畜産振興事業団の一元輸入品目といたしますとともに、その他の主要品目も輸入割り当ての対象といたしまして、国内の需給に悪影響を及ぼさないように措置いたしております。 六十年の乳製品輸入の動向を見ますと、生乳換算ベースで二百六十三万トンということで、前年に比べると六%の増加になっておりますが、この増加の内訳を見ますと、一つは、畜産振興事業団が輸入いたしまして保管中の脱脂粉乳が八千トンございます。これは一昨年夏に脱脂粉乳が足りない事態が一時的な現象としてございました。それのために事業団が持っていた脱脂粉乳を放出しておりますので、それを積み増す、そういう意味で入れたもので、これまた臨時のものでございます。それが一つございます。 それから、これはむしろ畜産農家の方々に使っていただくという意味でえさ用の脱脂粉乳が七万六千トンほど入っておりまして、これが大きなウエートを占めております。 そのほか沖縄用あるいは学校給食の関連の脱脂粉乳等がございますが、こういったようなものを除いたもののうちの非常に大きい部分がナチュラルチーズでございます。ナチュラルチーズについては、関税割り当て制度の中にあるものにつきましては国産のチーズと抱き合わせでプロセスチーズをつくる、こういう意味のものでございますので、これが一つございます。それから直接消費用のナチュラルチーズがかなりふえてきております。ただ、かつてほどの高い伸びではございませんで、ちょっと鈍化してきております。 いずれにしてもそういうチーズの輸入がふえておりますが、ナチュラルチーズについては既に自由化されておりますので、これの輸入制限をきつくやることについては、やはり国際関係も配慮しなければいけないと思いますし、これと国産のナチュラルチーズと組み合わせたプロセスチーズという一つのマーケットを考えますと、これの適正な輸入ということは一応念頭に置いていく必要があろうかと思います。ただ、今申し上げましたようなチーズの需要の伸びということがありますので、これは国内での対応というようなものも生産者の間でいろいろ検討は行われているようでございますので、私どもとしても関心を持ってそれを見守ってまいりたいと考えます。 それから、そのほか調製食用油脂とかココア調製品等の乳製品がございますが、調製食用油脂については事前確認制をとるとともに、実需者に自粛してもらう、あるいは輸出国にも自主規制をしてもらう、ココア調製品についても実需者に輸入の自粛をしてもらうというような対応で、輸入の水準は比較的安定的に推移していると考えております。
○新村(源)委員 まだいろいろな点でお伺いしたいことがございましたが、時間が参りましたので、最後に、私が今指摘をしてまいりましたように、労賃をとりましても、金利をとりましても、酪農の実態に合っていない、そのことが、今日酪農がまさに崩壊の一途をたどっている、こう言って差し支えないと思います。 したがって、この諮問された金額については再計算をされ、そして、農民の要求とは言いませんが、酪農が発展していけるような、そういう保証乳価をつくっていただくこと、保利政務次官にその決意をお伺いして終わりたいと思います。
○保利政府委員 先生から御指摘をいただきました数々の点につきましては、十分に考えまして、そして、将来の酪農民が希望を持てるようにやっいきたいと思っておりますが、当面、審議会に提出いたしました諮問価格につきましては、これはそのとおりにさせていただきたい、このことを御理解をいただきたいと思います。
○大石委員長 上西和郎君。
○上西委員 まず、私は、農水省の首脳部の皆さんにお聞きしたいのです。 けさほどいただきました畜産振興審議会の答申書、「下記のとおり答申する。」とありますが、この下記の「記」の一行目半ばから後、これは具体的にどういうことを意味するのか。甚だ意味深長な表現がとられているのでありますが、わかりやすくかつ具体的に御説明いただきたいと思います。
○瓜生説明員 今御質問がありましたのは、昨日答申のありました指定食肉の安定価格に関する答申のことかと思います。 この答申では、「去勢和牛肉については、安定価格を据え置くことはやむをえない。その他の去勢牛肉及び豚肉については、」ということで、その後でございます、「試算に示された考え方で安定価格を決定することにつき賛成又はやむを得ないとする意見」、それから「現行で据え置くべしとの意見があったが、」ということで、この審議会で各委員からの意見の開陳の中で、むしろ諮問の線を積極的に賛成をされる方、あるいは、いろいろな事情もあるけれどもこの線でやむを得ないとおっしゃる方がありましたが、他方、やはりことしの水準で据え置くべきだという御意見の方もありましたので、そうした事実関係がここに書かれているわけでございます。 それと同時に、この価格を決定をするに当たっては、「生産条件」、実際に今の肉牛なり豚なりが生産されている条件、その中には、今の生産費が下がっているような要素もありますし、また、経営上のいろいろ難しい問題もあろうかと思います。それから、「需給事情」、特に今豚については非常に需給が不均衡な状態になって、それの是正の努力をしておりますから、結局需給均衡を回復するという見地からの価格政策が必要だというような議論もありましたので、そういった点についての配慮も要るだろう。それから、「消費の動向」につきまして、やはり今の需給と絡むわけでございますが、例えば、豚肉については家計用の消費が今停滞をしているというような状況もございます。それから、個々の「畜産経営の実情」という見地からいたしますと、えさが下がってきている、あるいは養豚で一貫経営が進んでいる中でかなり経営の上での合理化が進んでいるという面もございます。他方、去年の秋からの価格の下げということもあるし、肉牛についても、繁殖系での子牛価格の動向あるいはえさの動向、肥育系についてはその子牛価格の動向は繁殖系とは逆に動くかと思います。こういったようないろいろなことが話題になっておりまして、そういう「経済事情を考慮し、かつ審議の経過を踏まえて」ということでございます。 この審議の中で、今のような状況についていろいろな御意見があったところでございますが、特に肉については価格の安定帯の幅がございまして、実際の価格がその中に実現するような政策をとる必要があるという意味では、結果的にどんな水準に決めてもそれを大きく割り込むような事態になることは好ましくないだろうというような御意見がかなり多うございました。 それから、賛成、反対というのは、これは本来審議会で決をとったわけではございません。何対何ということではございませんけれども、賛成、やむを得ないという御意見の方がかなりいらっしゃった、それから、強く反対する方がいらっしゃったという、そのことを踏まえて、それから今の、これからのいろいろな経済事情を踏まえて適正に決定するようにと、こういう趣旨でございます。
○上西委員 それでは端的にお尋ねしますが、農水省は結論を出したのですか。
○瓜生説明員 農林水産省といたしましては、諮問をいたしますに当たっては、この諮問案の水準が一番妥当であろうと思って諮問をいたしました。昨夜遅く答申をいただきましたので、この答申を踏まえて今検討をし、最終的に適正に決定をしたいということでございます。
○上西委員 瓜生さん、僕が聞いているのは、結論を出したのですかと聞いておるのだ。今検討中なんですか、結論が出たのですか、答申を受けて。それをずばりお答えくださいと言っておる。
○瓜生説明員 私どもとしては、この水準で決めたいということで審議会の御意見を承って、それで今のような答申をいただきましたので、その線を踏まえて早急に決定すべく検討中でございます。
○上西委員 早急に決定すべく検討中ですね。 では、けさのマスコミの報道は一体何ですか。豚肉値下げ、こう全部一斉に報道している。農水省のスポークスマンはどこだ。マスコミにだれが発表したんだ。そのことだけはっきりしてほしい。
○瓜生説明員 これはむしろ、審議会の答申ということでございますので、審議会の部会長からその内容の説明があったというふうに理解しております。
○上西委員 そうすると、全然違うでしょう。今あなたが御説明なさった——これは日本語だ。僕だって読めますよ。両論併記だ。どっちが強いとも弱いとも書いてないですよ。それなのに、けさ僕は、きょうの質問があるから、五時からラジオを聞き、六時からテレビをずっと回して見てみた。全部共通して、豚は下がる。しかし、下がっても、農水省の発表によれば直接消費者の物価に響くのは一定期間かかるという解説つきで全部報道されている。一体この答申書はどこへ消し飛んだのですか。あなたはここでは早急に決定すべく今作業中だとおっしゃるが、マスコミには決定したと朝六時から流されてはたまらないのです。その辺、一体どうなっているのですか。
○瓜生説明員 私、その発表の場に立ち会っておりませんので正確であるかどうかという点ございますが、この答申の趣旨、特に全体の文章の趣旨について、審議会の起草をなさった委員の方々の説明の中でいろいろ解説があったと思いますが、賛成があり、反対もあった、あるいは審議経過を踏まえてということはどういうことかというと、かなり多数の委員は賛成であったということのお話があったのではないかと思います。それを受けとめた報道としてそういう形の報道が行われているのだと思います。正式には役所の手続がとられて決まるということになりますが、そういう方向だという受け取られ方になっているのだというふうに理解いたします。
○上西委員 これ以上のことは申し上げません。委員長もかつてはマスコミでその禄をはんでいた方だ。次官、あなたはきょう大臣代理で出ておられるけれども、今のようなことが現にけさ、深夜から早朝にかけてあったわけですね。私たちは、審議する一国会議員の立場として極めて不信を抱かざるを得ないのですよ。答申はこう出ましたという報道ならこんなことは言わない。あたかも決まったように、消費者物価にこのように響いていくなんて解説までつけられてはたまらない。うんと上の方で今日本の政治を自分では牛耳っているとお考えの方がとかく公私混交の審議会をおつくりになる傾向がありますが、日本の古い伝統を誇っている農林水産省は、きちっとした審議会の答申を受けてきちっとした作業を進めていき、そしてそれらに最大の関心を持っている関係のすべての方々に信頼を与えなければだめだと思うのです。 そうした意味合いで、今後農水省自体のこうした答申の取り扱い、マスコミに対するそれぞれの発表の仕方、こういうことについて細心の注意を、とりわけ次官、あなたを含む農水省の高官の皆さん方にお願いしておきたいと思うのです。 さて瓜生さん、午前中からただいままで、我が党の同僚議員からそれぞれの角度で御質問がありました。私、お尋ねします。農業者年金保険料は幾ら上がっているか、ずばりお聞きします。
○瓜生説明員 大変恐縮でございますが、今手元に資料を持ち合わせておりません。
○上西委員 私はこんなひっかけるような発言をするのは好きではないんですよ。 あなた方の出されたデータというのは、先ほどからいろいろ言われているように、極端に言えば統計の魔術を巧みに駆使して、一見摩訶不思議な現象が起きるようなことを平気でやられている。現に農業者年金保険料は毎年一月改定でしょう。ことしだって一人当たり六百六十円上がっているのです。ほとんどの畜産農家は夫婦でしょう。これははね返っていきますよ。来月からは国民年金が確実に上がる。国民健康保険税もまた間違いなく上がるわけでしょう。実生活の上で毎月の支出を余儀なくされるものが間違いなく上がってきている。 そうした実生活の生活感覚というものが何も計算に入れられずに、ただ飼料が下がったから云々といった形でやられますと、本当に政府を信頼し農林水産省の指導に従って、畜産だ、酪農だとやってこられた農家の方々は、今大変な負債に苦しんでいますよ。あなた方も知っているはずだ。それにもかかわらず、ちょっと明るくなって、ああ、これなら大体予定どおり負債も返していけると思ったら、いや、えさが値下がりして生産費に響くんだからばっさりだ、こういう冷酷非情なやり方がまかり通っているから、私は一言、それでは農業者年金も安くなったのですかとお尋ねしただけなのです。 所管が違うから手元にないのはわかりますよ。しかし、毎月、生産農家の方々は、畜産だ、酪農だといろいろやっている方々は、確実に日本政府に召し上げられているのだ。その金はふえていっている。(「年金を政府が召し上げているとは何だ」と呼ぶ者あり)その生活感情、実態を無視して、あなた方の優秀な頭脳でひねくり回して出てきたそうした値下げ案というのは到底納得できないから、撤回をと言わざるを得ないのであります。その点についてどうですか。
○瓜生説明員 今のお話の経営の苦しい農家の方々がいらっしゃることも、私どもいろいろな機会に伺ったりそういう経営に触れておりますので、そういう方々はそういう方々なりの経営の改善の努力をしていただく、それに対して私どももいろいろ援助していくということになるかと思います。 生産費ということになりますと、やはり現実にそういう生産費の調査の実態を踏まえた対応ということになります。また、負債といいましょうか借入金がある農家の方々の場合もこういう調査の中で調査を行っておりますし、その借入金なり自己資金で投資された畜舎であるとかいろいろな機械、施設といったようなものの償却は、この生産費の中で算定を行っております。それから借り入れの金利につきましても算定を行う、あるいは自己資本の金利についてもいろいろ見ている、自分の土地の地代についても一応そういう擬制計算をしているというような形で、全体として再生産が確保できるような配慮の中で私ども試算を行っているわけでございます。 ことし試算をいたしました数値につきましても、その意味では従来と同じような方式で計算をいたしますとともに、今の経営の状況なども念頭に置いた上での試算値を最終的にまとめましてけさ畜産振興審議会の酪農部会に諮問したわけでございまして、生産費を踏まえ、かつその経営の状況も踏まえた値としてこれを実現したいということで、私ども諮問しているわけでございます。
○上西委員 瓜生さん、私はあなたのおっしゃることを否定しないのですよ。ただ、今言った例えば農業者年金、国民健康保険税、国民年金、そして子供がいれば高校の授業料、大学の入学金、授業料、みんな上がっているわけでしょう。要するにそうした生活の実態が計算に当たって余り考慮されていない。全然と言うのはちょっとお気の毒だから、余りと言うのですが、それで幾らやられても、農家の皆さんは納得しませんよ。そこを僕は言うのです。理詰めで本当に納得するのなら別だけれども、あなた方のやっているのは帳面づらだけ合わせて……(発言する者あり)失敬なことを言うな。私は生活の実態からは授業料から何から全部出てくるのだということを言っているので……(発言する者あり)
○大石委員長 静粛にしてください。
○上西委員 政府がお召し上げになっているという表現が何が悪いか後から自分でおっしゃってください。 そういった意味で、毎月の生活費は確実に支出増になっている。このことを抜きにしてこの諮問が行われたことを私は指摘しているので、そういったことをこれからも十二分に御考慮いただきたい。そういう意味で私は少なくともあなた方のその案の撤回を強く要望し、質問を変えていきたいと思います。 では、角度を変えて、私の選挙区であります鹿児島県の志布志湾に進出を企図している世界でも有数の総合飼料メーカー、カーギル社の問題について、現在の状況、農水省の考え方、対応策、こうしたことについて簡潔に御説明いただきたいと思います。
○瓜生説明員 鹿児島県が志布志湾に造成いたしました工場用地に、国内の幾つかの飼料会社、それからカーギル・ノースエイジア社、アメリカの会社の関係する会社で一応内国法人でございますが、これが飼料工場をつくりたいということで工場用地の分譲を申し込んだわけでございます。 カーギル・ノースエイジア社に対する分譲についてはまだ県当局の判断が出ておりませんので、その県当局の判断を踏まえ、農林水産省といたしましても、南九州の畜産及び飼料需給に問題が生じないような配慮をした上で適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○上西委員 カーギル社の進出問題については、私は地元ですから痛いほどわかるのです。生産農家の方々は、出てくれば飼料が安くなるのではないかという期待がやはり大きゅうございます。地元の自治体その他は、出てくれば雇用が若干でも増大するのではなかろうかと期待する。また県当局は、せっかく造成した土地が売れていくということで期待もある。そういったことがあることはよくわかるのです。 ただ、いろいろ討議をした結果、我が党としてはこの進出に反対という態度を決めておるのでございますが、一つ気になることがあるのですよ。これは農水省の皆さん、とりわけ次官に特にお願いしておきたいのです。 従来、この種の大企業が、特に総合飼料で進出してきた。東北から関東からあちこちありますね。当初はたしかカーギルも十五万トンでしょう、今の計画では。全国の消費が二千万トンだから一%もないからいいじゃないかということでありますが、そうした過去のいろんな実績を見ていきますと、いつの間にやらその進出した企業なり工場が直販体制をとって、まあ表現が不適当かもしれませんが、養鶏でいえばやみ増羽、そうしたことがのべつ幕なしやられて、これが卵価の低迷につながっていった、こういう過去の実績がありますね。そうして農林水産省は立入調査権もない。 こういう現実を見ますと、出てきたときはやっぱりしおらしく、まあ新婚早々の花嫁さんみたく花も恥じらう様相、こう言うけれども、三年ぐらいたって地金が出てくるというか、本音むき出しになったら大変怖いんではないか。とりわけカーギルは、伝え聞くところでは豚が主だと聞いております。私の選挙区大隅半島は日本でも名立たる養豚地帯。そうなりますと、一歩誤ると大変なことになりますが、そうした懸念は全く私の杞憂に終わるのか。いやいやごもっともであります、我が方もこう考えておりますというお考えがあるのか。その辺について少しく御見解をいただきたいと思います。
○瓜生説明員 先ほど申し上げましたように、カーギル・ノースエイジア社に対する鹿児島県側の分譲ということについては、今県当局において検討が進んでいる模様でございますので、私どもとしましてはこれについてどう考えるかということで、南九州地域の飼料の需要量、供給量、こういったようなものを踏まえた対応が必要であるというふうに考えておりますので、これは事務的に検討を今始めているところでございます。私どもの方からも、そういう意味で、鹿児島県なり南九州の家畜の飼養頭羽数の見通しであるとか飼料の需要量の見通し等について、県の方に照会をして必要なデータを集めているという段階でございます。 飼料工場が進出することによって地域の畜産にメリットも出てまいりますが、動き次第によってはいろいろ心配なことがあるという点もよくわかりますので、こういった点は十分に念頭に置いて対応してまいりたいと思っております。
○上西委員 瓜生さん、最後の方が何か気のせいか語気が弱く感じられたのですが、やっぱりざっくばらんに言って、養鶏団地のやみ増羽、この対応については農水省の中でもいろいろ御意見があったようでありますが、結果としては全国の養鶏農家に卵価の低迷という打撃を与えたことは厳たる事実です。だからカーギル社についても、鹿児島に初上陸だと言われていますね。やっぱり関係者にはその結果がどうなるかという不安があるのですよ。その不安を、日米貿易摩擦その他もこれあり、我が農水省は、県の結論さえ出れば受け入れるにやぶさかでないという態度をお持ちならお持ちで結構。しかし、それならそれで、そうした不安を払拭するだけのきちっとした歯どめといいますか、態勢があるのかどうかということぐらいは明快にお答えいただきたいと思います。
○瓜生説明員 これは何もカーギル社に限らずでございます。国内の飼料メーカーでやはりこの志布志湾に進出を計画しているものが全部で五社ございますから、この五社も含めまして、したがってここの地域に進出をすることになる各社全体が、今先生がおっしゃっているような意味で、地域にとってメリットがある企業であり、かつ全体のえさの流通あるいは畜産物の生産、流通に混乱を起こすようなことにならないような配慮ということが必要になるわけでございますので、これ全体について私どもきちっとした指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○上西委員 くどいようですけれども、きちっとした指導というところをあと一歩突っ込んで具体的に御説明いただけませんか。やみ増羽がどうしても頭にひっかかるのですよ。あのとき農林水産省は、表現は悪いかもしれませんが、極端に言えば、手も足も出ないでやみ増羽をやりっ放しじゃなかったかという不信感が僕たちには残っているのですよ。だから、今のところをもうちょっと具体的にきちっとしたものが欲しいのです。
○瓜生説明員 今やみ増羽の話がございましたが、今までの指導の過程でもいろいろ御議論がございました。昨年の夏以降、特に鶏につきましては、実際に養鶏家の方々の飼養羽数その他の把握について従来よりもさらに力を入れた調査などもやりまして、その結果について、ひなの段階あるいはえさの段階、こういったようなものも結びつけた形で今指導を行うための基礎づくりをやっておるところでございますので、そういう畜産物の需給の安定という角度から、それに関連のあるところに対する指導は従来に増して徹底してやっていくということを考えております。この地域についての配慮もやはり同じ考え方に立って対応していきたいというふうに考えております。
○上西委員 私たちの党がこのカーギル進出に反対ということを決めた大きな理由は、やはりそこにあるわけですよ。その不安が完全に消えればまた変わってくるのです。ですから、今審議官のおっしゃったことが、大臣以下農水省挙げてきちっとした指導、規制の徹底ということが保証されるようなことで、その方向への一層の努力をお願いをしておきたい。こういうことでカーギル社については一応終わらせていただきます。 私はきょう、せっかくの機会でございますから、昨年十一月から南九州に、激発と言えましょう、多発をしている牛の異常分娩、このことについて少し突っ込んだ御質問をしたいと思っておるのですが、まず、最新の異常分娩の状況について数字その他を明確にしていただきたいと思うのです。
○瓜生説明員 今御質問の異常分娩の件でございますが、昨年の十一月から鹿児島県の曽於郡に端を発しました原因不明の牛の異常産がございます。これがその後の調査で、鹿児島県を中心としまして宮崎、熊本、大分でも発見されております。それからまた、数頭程度でございますが、長崎県、佐賀県、福岡県においても発見されております。その結果、現在手元にあります集計では、二月末現在でございますが、総計約千七百頭の発見が報告されております。 このようなことから、過去において同じような症状を示すような異常産がなかったかどうか、現在全国的な調査を行っておるところでございます。それと同時に、原因の究明を図るために、農林水産省の家畜試験場の総力を挙げまして異常産牛からのウイルスの分離を試みておりますけれども、残念右がら現在までのところ特定のウイルスの分離には成功いたしておりません。 それから、異常産に関与するとされているウイルス及び病原性等の不明なもの二十種類を使いまして、免疫学的な方法によって今回の異常産と関係があるかどうかを検査したところ、最近我が国で分離され、その分類、病原性等が不明なウイルスがこの病気との関係を示唆するような成績も得られておりますので、目下その性状等について検査を継続して実施するとともに、異常産牛からウイルスを分離するということが大事なことでございますので、それに全力を挙げているというところでございます。
○上西委員 私、先月の二十日にもこの問題について、とりわけ早急な原因の解明をということでお願いしたのです。ところが、その役とどまるところを知らないのです。今千七百頭とおっしゃったけれども、私が三月十五日時点で選挙区で調べたところでは、肝属農業共済組合で三百六十頭、曽於の農業共済組合で七百五十二頭、そのときお隣の宮崎県の都城で既に二百五十二頭、こう聞いておるのです。もうそれだけで、大隅半島だけで千百頭を超えちゃっているのですよ。鹿児島県下でまだほかにも出ているのですよ。この前も言ったように、最初は曽於郡だけだ、そしてそのとき、離島は幸い出ておりませんと言ったけれども、離島も出ているのですね。熊毛郡で、種子島で出ている。 そうなりますと、生産農家は不安でたまらないのですよ。どうして病原体が確定できないのか。今のところ、あなた方は鋭意努力されている、その努力の結果で、大体いつごろになったら何とか確定できる、そのことすらきょうは明らかにできませんか。まずそのことから聞きましょう。大体いつごろ病原体を確定できるか。
○瓜生説明員 この種の異常産については、その原因の究明等が非常に難しいものがございます。これは推定になりますが、実際にこの異常産の原因になる病気に感染したと思われるのが、むしろ最近ではなくて、去年の夏とかかなり前にそういうものに感染した、結果として生まれてくる子供が異常であるということでございますので、そのウイルスの分離とか特定というものが、こういう異常産そのものの事柄の性質として非常に難しいということでございます。 したがいまして、家畜衛生試験場から県のいろいろな組織、総力を挙げて今究明をいたしておりますけれども、残念ながらいつということをまだ申し上げられる段階にないわけでございます。
○上西委員 私、自分の選挙区をあちこち回ってみました。そうしますと、出てくる声は、飼料ではないか、そういう強い声が一つありますね。それから、出ているけれども海岸地帯は比較的少ないということも事実として確認できますね、大隅半島を回ってみますと。それから、共同で牛舎を管理していて、比較的清掃といいますか清潔度合いが高いところは余り出ていないとか、それぞれの生産農家の方々がいろいろなことを話をし、持ち出し、そして本当に一日千秋の思いで病原体の確定を待っている、こういうことなんですよ。 だから、少なくともあなた方は、飼料ではないならないとか、それとも蚊かプヨか何かわかりません、そういった媒体によるものじゃないかとか、何らかの形で、ある程度安心できる、ああそれなら後を待とうというようなものを何か示さないと、やはり畜産農家は不安でたまらない。極端に言えば夜も眠れぬ。お産が近づいているけれども、どんな牛が生まれるかわからない、こういうことになると思うのですが、その辺すら明確にできないのですか。
○瓜生説明員 今のところ原因がわからないわけでございますけれども、例えば今の、えさではないかとか、ほかのことによるのではないかとか、いろいろ原因として考えられるものがございましたけれども、現在までのところの原因究明の中で、ウイルスの感染に特有の所見が見られるということ、それから異常産の発生、これは発生の状況というのも、過去の発生の分も含めて今調査をしているところですからまだまだ全貌がつかめておりませんけれども、現在のところでは、発生の状況とある特定のえさとか薬とかとの関係というものは原因としては考えられないというふうに思いますので、そうしますと、ウイルス系のものとして早急に原因を究明するというのが本筋であろうと思います。 この予防対策を講ずるには、とにかく原因がわかりませんとワクチンもつくれませんし対策も講ぜられませんので、早急にそういう意味での原因究明をいろいろやるということが一つございます。 その原因究明の協議というので、今月の上旬にも国とか県の関係者の出席を得て検討会を行いましたが、その結果あるいはその後の家畜衛生試験場の研究成果からいたしますと、どうも異常産は妊娠牛が去年の夏に何らかのウイルスにやられたということに基づくものであろうというふうに推定される。そうなりますと、母牛は既に免疫を獲得していることになりますから、これからの経営という考え方からすれば、飼養者が早期にまた授精をさせて子供を生産するというのもこれからの一つの具体的な対応になろうかと思います。 それから、ウイルスの媒体になる可能性のある吸血昆虫などの防除というようなことは、これからさらにまた発生することの防止になろうかと思いますので、こういったようなことの指導も行っておりますが、とにかく原因の究明を急ぐということが基本だと思いますので、そういう点に力を入れていきたいと思います。
○上西委員 それでは、原因究明と治療対策の確立にさらに一層の御努力をお願いします。 少し角度を変えますけれども、この異常産牛のことについて一つ大きな問題が出てきているのです。 昨年この委員会で農業災害補償法の改正が通った。そのときに子牛共済は大幅に改善されたわけですね。従来生後六カ月以上しか補償しなかったのを妊娠八カ月以上にした、これは大改善なんですね。ところが、今月いっぱいに死ねば適用されない。施行日は四月一日でございますから、四月一日以降なら補償がつく、こういうことになる。この辺について、いわゆる農業災害補償変わりますよ、子牛共済変わるよと聞かされていた農家の方々は大変なショックを受けている。これが一つある。 もう一つは、四月一日以降に生まれたら何とか対象になるかと思って私チェックしてみたら、現行共済の満期が来ないと切りかえが不可能、そのときに子牛共済上乗せ、こういうことで、例えば、私の地元の鹿屋市では十二月が切りかえ月なんです。農業共済組合は、農水省の指導もこれあり、行政区別に契約日を統一していますから。例えば、そういった農家の一番多い曽於郡八カ町は、九、十、十一、十二、四カ月で契約をきちっと町別に区分しているのです。だから九月にならないと法律の適用が受けられない、こういう現実があるんですね。まさに仏つくって魂入れずと言いたい。 こうしたことについて、これだけの大災害、私たちの推計では既に実数大体三千頭を超えていると思うのですよ。大変なことですよ。次官、あなたの選挙区でも出ているわけだから。九州一円に広がっているこの異常な大災害について、農水省としては単なる子牛共済の枠にとどまらず、大きな立場から、生産農家の意欲を維持するためにも抜本的な対策のお考えありや否やとまずお尋ねしたいと思います。
○後藤(康)政府委員 今お尋ねございましたように、昨年御審議をいただきました農業災害補償法の改正によりまして、肉牛の子牛等につきまして、共済の対象にすることにいたしたわけでございますから、牛の異常産につきましても、子牛の共済に加入をしておりますれば今後は補償の対象となるようになるわけでございますけれども、四月一日以前のものあるいは四月一日以降でも子牛共済に切りかえていないものにつきましては制度の対象外ということでございまして、この制度が法律に基づきます保険という仕組みをとっております限りにおきまして、やはり補償の対象にすることは共済制度上は難しいということでございます。 ただいま家畜共済の契約期間の切りかえのお話がございました。従来の共済関係と今度の子牛なり胎児も含みました共済関係では、共済関係の内容の質を異にしておりますので、やはり契約の切りかえがどうしても必要でございます。 地域によりまして、大体町村単位とか組合単位で切りかえの時期を特定をして、便宜上一括してそろえているというようなケースが多いわけでございますけれども、ただ、法律上、例えば組合員等から既に成立をしております共済関係を解消をするという旨の申し出がなされました場合に、それをもいかぬということはないわけでございまして、解消いたしまして改めて加入申し込みがございました場合には、申し込み家畜の健康検査を行いまして、その結果に基づいて引き受けの諾否を決定するという道はあるわけでございます。こういった方法によりますれば、年度途中からでも新制度に切りかえることは可能だというふうに考えております。
○上西委員 共済の理論構成と今の局長のお答え、よくわかるのです。 だから、私が先ほどちょっと。お尋ねしたのは、この子牛共済の枠を超えてでも、今大変な被害が出ているわけですから、農林水産省として、畜産農家の生産意欲を維持し高めるために、何らかの方策をお考えではありませんかとお尋ねしている。次官、その辺、内部検討があったのかなかったのかを含めて、御自分のところに火がついているわけだから、しかとこういうことについてはお取り計らいいただきたいと思うのですが、直接はなんでしょうから、御検討はあったのですか、どうなんですか。
○瓜生説明員 この病気が発生した農家がこれによって経営状況が非常に悪くなるというような状況がありますれば、それは何らかの対応が必要だということになるかと思います。今、関係県を通じて実情把握に努めておりますが、その結果としてもし経営維持の上で問題がある場合には、農林漁業金融公庫による自作農維持資金の中に再建整備資金というのがございますので、これの円滑な融通が図られるように関係部局と十分連携の上で対処していきたいというふうに考えております。
○上西委員 では私も言いましょう。私が今回っているところでは、農業共済組合が、法施行以前の大災害だということで幾ばくかの見舞い金を出そうじゃないか、畜連も出そう、経済連も何とか協力しよう、地方自治体も幾ばくか出そう。県から上へ行きますと、国が出さないと県は出せませんという声が返ってくるのです。ただし、私も知事さん以下に当たったわけじゃないですよ。そういう声が地方公務員のサイドから聞こえてくるわけですね。だから、チャンスがあったら農水省がわずかであっても見舞い金を出す、そうすると県あたりも動きやすくなる。そうすると、実質三十万の保険料で、二〇%で六万円になるとかいろいろありますから、それに見合う程度のものは農家の皆さん方に弔慰金を払い、見舞い金を差し上げて、引き続き頑張ってください。そういうことをやることが大きな意味で日本の農業を支えていくのではないか、全九州を覆っている今の不安感を幾ばくかなりともぬぐっていくことになるのではないか、そういうことで私は御要望しているのです。 その点について次官、きょうは大臣代理ですから、明確な御見解をいただきたいと思うのです。
○保利政府委員 牛の異常産につきましては私も大変気にかかっているところでございまして、先生から今いろいろと御指摘いただきました点については重大に受けとめておるわけでございます。 私どもとしては、一刻も早くこの病原体と申しますか、ウイルスであればウイルス、ほかの原因であればほかの原因を突きとめることに最大の力を使いたい、このように思いますし、また、その対策等につきましては、今先生から共済の問題について御指摘がございましたけれども、それも含めまして、どういうことができるのか、よく省内で検討していきたい、このように思っております。
○上西委員 どういうことができるのかというのじゃなくて、次官、あなたは何といったって政界で言えばサラブレッドなんですから、あなたがこうしたことをやろうということでお諮りいただかないと、国家公務員の方は優秀だけれどもとかく法律、規則、慣例に縛られがちですから、それを乗り越えていくのが民間で大変豊かな御経験をお持ちの次官の果たすべき役割じゃないか、私はこう考えます。何をなすべきか、何ができるか、こういうことでぜひ前向きにお取り組みいただきたい、これをお願いしておきます。 最後に、一つ要望、一つお尋ねです。 一つは、冒頭お尋ねした豚肉を含む値下げ諮問。私は当選してからよく鹿児島で言われるのは、地元ではサツマイモのことをカライモと言うのですが、サツマイモの値段が下がらないからつくれるというのが率直な気持ちなんです。十円でも下がったらつくりたくなくなる、これは人間の感情なんですね。だから重ねて、値下げ諮問、値下げなどというのは全面撤回ということを強く要望しておきます。 と同時に、あと一つここでお尋ねなんですが、盛んにマスコミで日ソ漁業交渉の行き詰まりが出る、そして羽田農相訪ソ、こういうことがしきりに取りざたされております。羽田孜、それこそ全会一致で待望久しき大臣と、日本農業新聞にはヨイショの合唱だ、こう書かれましたけれども、私は、期待されている羽田農水大臣がいつ行かれるのか、そのことによって日ソ漁業交渉が打開されるというみんなの期待がありますので、もし差し支えなければ、行かれるのか、行かれるとするならばいつごろになるのか、このことをここでお答えいただきたい、こう考えるのです。
○保利政府委員 日ソ漁業交渉の問題は、先生御承知のとおり大変難航いたしておりますし、ある意味では国難とも言えるような状況でございますので、いつの日か大臣が参りまして、いつの日かと申しますとちょっと長いような感じがいたしますけれども、時を選び、そして事務当局の折衝の状況を見ながら、タイミングをはかって訪ソするということもあり得る、私はそのように考えております。
○上西委員 それでは最後に重ねて、重ね重ねと言いましょうね、値下げ案の撤回を強くお願いする。 カーギル社の進出については、やはりいろいろな角度から持たれている不安感を一掃することについて最大限の努力をお願いしたい。 あわせまして、今九州全域に広がっていることがこの場で明らかになった牛の異常分娩、これの原因究明と、生産農家に対する補償とまで言いません、見舞い、生産意欲を維持するための方策、これについて前向きにお取り組みくださいますことを心から御要望申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大石委員長 吉浦忠治君。
○吉浦委員 党を代表いたしまして畜産問題についてお尋ねをいたします。 ただいま畜産振興審議会で審議されている最中でありまして、この値下げが諮問された中で委員会の審議をするというのはどういうことか、時期をちょっと失したのじゃないかというふうに委員長、私は思います。例年こういう機会はなかったわけでございまして、私どもが審議をしたその後に審議会が開かれて諮問するという段階を踏まえておりましたが、時間もなかっただろうというふうに思います、きょう私は理事の代理で出ておりますから私も責任はあるわけでございますが、この決めたことについては私、聞いておりませんものですから、こういう時間はひとつ考慮して、次回からはこういうことのないようにしていただきたい、こういうように要望をいたして質問に入りたいと思います。 昨日、大臣の方に党として申し入れをいたしたわけでございますけれども、現下の畜産、酪農を取り巻く情勢というものは極めて厳しい状況でございます。すなわち、生産農家が計画生産を余儀なくされている中で、畜産物への需要は停滞をし、減少傾向を示しておる。その中で、加えて、円高等の影響で購入飼料価格が下がって生産コストが割安になっているとはいえ、畜産物の輸入圧力は一段と激しさを増している現状であります。万一このような事態を放置するならば、我が国の畜産、酪農は縮小再生産への方向へ進まざるを得ないという厳しい状況下にあるわけでありまして、世界の食糧情勢から見ましても、中長期的に見ても楽観できない状態であります。我が国畜産、酪農経営の健全な発展は極めて重要な課題であると言わざるを得ないというふうに思うわけであります。そこで、昨日大臣と直接お会いして八項目にわたる重点事項を申し上げたわけですけれども、一々取り上げませんが、心してその施策を講じていただきたい、こう思うわけであります。 特に、畜産物の価格については、畜産農家の所得と畜産物の再生産を十分に確保できる水準で決定さるべきでありまして、さもなければ我が国の畜産、酪農は縮小再生産の方向に進まざるを得ないというふうに思うわけでありまして、現在その岐路にあるというふうに思うわけであります。その点でどのようにお考えなのか、まずお答えをお願いしたいのです。 けさから私ずっと審議を聞いておりまして、大変厳しい情勢でありますので、答弁等伺っておりますと、審議官は大変まじめな方でいらっしゃいますから、非常に勉強もなさり、まじめな態度、私は日ごろからよく知っているわけでございますが、語尾がはっきりいたしませんで、だんだん声が小さくなって、心臓にも悪い影響を与えたのじゃないかなと思うくらい、まじめな態度はよくわかりますけれども、どうか政府の責任として、語尾をはっきりした答弁をいただきたいと思うわけでございます。 この第一の点についてお答えいただきたい。
○保利政府委員 先般八項目のお申し入れを大臣にされたことに対しましてお答え申し上げたいと思います。 農家が再生産を確保できるようなレベルの価格を設定すべきであるという御意見が主体であろうかと思います。 御承知のように、畜産物の価格につきましては、畜産物の価格安定等に関する法律というのがございまして、そこに「安定価格は、原料乳又は指定食肉については、これらの生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、これらの再生産を確保することを旨とし、指定乳製品については、その生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮して定めるものとする。」というような記述がございまして、法律上の条文になっております。したがいまして、この法律を守るというのが私たちの仕事でございますので、これを念頭に置きまして六十一年度の指定食肉の安定価格をつくったわけでございます。 この決定に当たりましては、飼料価格の値下がり等によりまして生産費が低下をしているという計算が出ているということ、それから規模の拡大が進んでまいりまして生産性が向上しておるという数字が出ておるということ、それから豚肉につきましては、六十年度に入りまして大幅な生産過剰になりまして、昨年暮れからは母豚の淘汰並びに調整保管を実施しているような状態、それらのことを踏まえまして、昨日、畜産振興審議会で御審議をいただいて答申を得たところでございます。この答申の趣旨を踏まえて適正に決定をして、政府の告示を行うということになろうかと思います。 それから六十一年度の加工原料乳の保証価格につきましては、本日諮問案を提出いたしまして、ただいま御審議をいただいているところでございますけれども、同様に飼料価格が値下がりをしたということ、あるいはそれに基づきまして生産費が低下をしておる、あるいは規模の拡大が進んで一頭当たりの乳量が増加をして生産性が向上しているなどの事情がございまして、このような事情を踏まえまして、本日、畜産振興審議会の酪農部会に保証価格の試算値をお示し申し上げたところでございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、法の定めるところによりまして、生乳の生産条件や需給事情その他の経済事情を総合的に勘案をいたしまして、審議会からの答申をいただいた上で適正に決定をして告示に至りたい、このように考えております。
○吉浦委員 今次官の答弁のように、法のもとにおいて畜産農家の所得と再生産の確保が十分できるような体制で、法だけじゃなくて実際の運用がそうなるようにお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 次に、我が国の畜産業の将来見通し、いわば将来像について少しばかり伺っておきたいわけであります。 なぜこのようなことを聞くかといえば、我が国畜産農家が年々数%ずつ確実に減少しているという事実があるわけでありまして、統計によりますと、昨年六十年二月一日現在で、各畜種別の飼養戸数は軒並みに四・二%から九・二%というふうに減少している。 例えば、ちょっと細かいのですけれども数を挙げてみますと、乳用牛八万二千四百戸が対前年比九四・三%、五・七%の減。肉用牛二十九万八千戸が対前年比九四・七%、五・三%の減。豚八万三千百戸が対前年比九〇・八%、九・二%の減。採卵鶏十二万三千百戸が対前年比九二・三%、七・七%の減。ブロイラー七千二十五戸、対前年比九五・八%、四・二%の減。このように減少しているわけであります。その一方で、飼養頭羽数は横ばいないしは若干の伸びが見られるわけでありまして、統計上こうなっておりますが、この戸数減の反面、規模の拡大並びに大規模経営化が進んでいることが読み取れるわけであります。 こうした異常とも思える畜産農家戸数が減少していることは、今後、我が国の畜産業の発展を考えた場合に問題ではないかと思うわけであります。なぜこのような著しい減少を来しているのか、またこの状況を踏まえてどのように農政を展開されようとしているのか。また、ある地域では畜産農家が一定の割合で減少しているという事実を見てまいりますと、こういうことが及ぼす心理的影響というものははかり知れないものがあろうと思うわけであります、これでは優秀な後継者も育ちませんし、またこういう心配が数多く残るわけでありますけれども、こういうものも含めてお答えをいただければと思うわけであります。
○瓜生説明員 今、各家畜の種類ごとの飼養戸数の減少状況についてのお話がございましたけれども、これは各畜種ごとにいずれもそうなんでございますけれども、減ってまいっておりますのは、ある意味では非常に規模の小さい階層、語弊があるかとは思いますが、いわば副業的に飼っているような農家の方々のケースがやはり多うございます。また、そういう農家の方々は、実は鶏も飼っているけれども水もやっているとか、酪農とほかの作物を組み合わせるというような形の農家の方々でございますので、減というのが必ずしも農業から離れる、あるいは土地を離れるということではないかとは思いますが、いずれにいたしましても、規模が小さくて、そのコストその他から見て、将来を考える場合にはほかのことをやった方がいいという選択が働いてやめていっているんだろうと思います。 他方、全体として見ますると、残っている方々の場合は規模の拡大を図ってきておりまして、ずっとこれまでのトレンドを見ましても、規模の拡大を図ると同時にその経営の内容も逐次よくなってきているということがございますので、酪農は酪農、肉用牛系は肉用牛系、養豚は養豚、養鶏は養鶏なりに、いわば将来にかなりの展望が期待できる経営も育ってきているというふうに考えます。 ただ、非常に短期間に規模拡大をいたしますと、経営の上でのいろいろな重荷が出てまいりますので、こういったようなものについては経営の改善を図っていく努力に国もいろいろな支援をしていくということを今後とも続けてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、畜産物につきましては、年によってその需要の動向に波はございますけれども、ほかの食物に比べますとまだまだ需要の伸びが期待できる部門でございます。それからまた、経営の体質改善を要する部分があるということは、逆に言えば、そこが直れば将来展開をする可能性を持っているということでもございますので、今後とも畜種ごとそれから経営ごとのいろいろな事情に合わせたきめの細かい政策を進めていきたいと考えております。
○吉浦委員 今の答弁で内容はわかります。中小の従事者の方々の対策を切り捨てるというふうな形で進めようと政府はなさっていないことは私はよくわかるのですけれども、減少しているというのは副業的なものが減少しているのではなくて、やはり今のような答弁でない方が間違いがないのじゃないか。政府としては、そういうものを育てていく方法でなくちゃならぬと私は思うのです。ですから、後継者確保の問題あるいは定着化等を中心とした生産体制強化対策というものがなくてはいかぬと思うのですが、こういう点でどういうふうにお考えなのか。
○瓜生説明員 特に畜産経営におけるこれからの担い手をどう確保していくか、あるいは後継者の確保をどうしていくかということでございますけれども、畜産経営の場合、年間を通じて安定的な所得が期待できるという面がございますけれども、また他面、家畜を飼うという意味で年間を通じた労働力が必要である、あるいは高度かつ多面的な技術が必要であるということで、後継者を確保することが経営を維持し、存続し、発展させていく上で非常に重要であると考えております。 昭和五十九年の農業調査の中で単一経営における後継者の有無を調べたものがございますけれども、後継者があるとする農家の割合は、単一経営全体が五二%であるのに対しまして、酪農で六二%、肉用牛四七%、養豚五二%、養鶏五二%ということで、酪農が平均より高く、養豚、養鶏が平均、肉用牛がやや低いという状況になっております。ただ、既に後継者が農業に従事しているという農家の割合を見ますと、これは単一経営全体の平均に比べましていずれの畜種についてもかなり高い水準にありますので、畜産の将来を考える場合には明るい要素であろうかと思います。 また、後継者が喜んで経営に残ってそれに取り組んでいくというためには、経営の安定が大事であることは当然のことでございますので、そういった見地から、消費の拡大を図りながら需要に見合った計画生産を推進するとか、あるいは経営体質を強化するための技術指導を図っていくとか、あるいは今の価格の適切な運営、あるいは生産の資材となる配合飼料の価格の適切な水準になるような対応といいますか、指導をやっていくことが基本的には後継者を確保する上で大事だと思いますが、より具体的に、後継者の対策といたしましては、現在も協同農業普及事業の中におきます農村青少年に対する研修教育の促進とか地域の集団活動、あるいは農業後継者育成対策事業の実施等々の対策によって、後継者の経営への取り組みがしやすいような条件をつくっているところでございます。
○吉浦委員 AA品目でありますナチュラルチーズの国産振興について伺っておきたいのです。 生産者団体は三・一%の原料乳の減産をすることを決めておりますが、その消費拡大が何よりも優先課題となっておりますけれども、価格の点がネックになっておるわけです。チーズ一キロ生産するのに生乳十キロを使うことから、ナチュラルチーズの国産振興は十分に検討されるべきであると考えるわけであります。 また生産者団体からも国産生乳によるナチュラルチーズの抜本的振興対策の要請が出されているわけです。五十九年度のナチュラルチーズの輸入を見ますと八万七百トン、それに引きかえて国内生産は一万八千五百七十七トンと聞いております。この関係を何らかの形で逆転させることになれば、その消費拡大に大いに貢献するものと思うわけでありますけれども、政府は五十四年度、酪農電化センターに畜産振興事業団から助成を行いました。四国の乳業あるいは北海道の乳業等へも事業団から出資を行った経緯があります。農水省内にチーズ研究会を発足させて、振興方針を示したと聞いております。そうした経緯を踏まえまして今回生産者団体から本格的な要請が出たと思うわけでありますが、政府は生産者団体の要請にどのように対応されようとなさるのか。また、ナチュラルチーズの国産振興といっても、国内におけるチーズ消費の量の伸びについての見通しがはっきりしなければならないわけでありますけれども、その消費拡大をどのように進めようとなさるのか、その点も含めてお答えをいただきたい。
○瓜生説明員 牛乳・乳製品の需要がかつてはいずれも高い伸びを示しておりましたけれども、最近では伸び悩みのものがふえてまいっておりますが、この中で最近消費者嗜好の多様化とか高級化とか、そういう傾向に対応いたしましてナチュラルチーズの需要が着実に増加してまいっております。ただ、ナチュラルチーズのままの形で消費されているものの大部分が現在輸入に依存しているということになります。それからプロセスチーズにつきましては、御承知のように、関税割り当て制度で、国産一に対して輸入二の原料用となるナチュラルチーズが無税で輸入できることになっておりまして、これがある意味では国産のプロセスチーズ原料用のナチュラルチーズの消費拡大に役立っている面がございます。 ただ、何としてもチーズについては、まだ日本の国民の嗜好という点からいいますと必ずしも食生活の中に十分入り込んでいるものでございませんので、この点についていろいろ生産の面でも振興策を講ずる場合には、どのようにこれからナチュラルチーズが消費されていくであろうかという見きわめが必要な点がございます。それから、お話がございましたような、原料乳価の水準をどう考えたらいいかという点がございます。ナチュラルチーズは既に自由化されておりますので、国産のナチュラルチーズをつくる場合には輸入のものと正面から競争していかなければならないという面がございますので、こういった点への配慮も必要になってまいるわけでございます。 かつてナチュラルチーズを含むチーズ全体の振興策が検討された経緯がございますし、その当時畜産振興事業団の出資等によってチーズに関する技術の研修等を行う体制づくりなども行っておりますが、当時研究会が組織されていろいろな議論が行われ、その報告書などもまとまったわけでございますけれども、まだ当時としてはチーズを大いに伸ばすだけの環境条件がなかったために今日に至っているという状況でございますので、今の時点でもう一度チーズの将来性について私どもも大いに勉強していかなければならないと考えております。それから、生産者の方々の間でも最近そういう意味でのチーズに対する関心と期待を込めていろいろな論議が行われるようになってまいっておりますので、これからのチーズ対策、先ほども触れましたような需要の動向への見きわめ、あるいは輸入ナチュラルチーズと対抗するための対応策、こういう点の見きわめをした上で幅広い検討を行っていく。それから、チーズがそういう意味での消費拡大の大きな目になるような手を少しずつ打っていくということが必要な時期になってきているというふうに考えております。
○吉浦委員 先ほどから質問が出ておりましたが、豚肉の問題でちょっとお尋ねをいたしたいのです。 豚肉は需要供給の関係が大きく崩れておりまして、価格が異常な低落状況下にあるわけでありまして、生産農家は本当にこれは困っている状態であります。その豚肉が、AA品目ながら、差額関税制度が防壁となって、国内価格が低迷しているときは輸入が抑制される仕組みになっているのでありますが、現下の低落状況下に台湾から大量の輸入がなされておりまして、昨年は前年対比二四・一%もの急激な伸びを示しているわけであります。これは常識で考えられないことが起きているわけでありますが、一部では輸入業者が相当の赤字を覚悟で輸入しているのではないかというふうな指摘もされているわけであります。 こうしたことは、いわゆる国内の需給事情から極めて問題があるというふうに思うわけでありますけれども、その原因と対応方針というものをまず伺っておきたいのです。
○瓜生説明員 豚肉の輸入につきましては、今お話がございましたように差額関税制度のもとで行われております。そして、六十年の輸入量は、全体といたしますと前年よりもちょっと減っているぐらい、九七・三%という状況でございますが、台湾で生産された豚肉の輸入は五十八年以降非常にふえております。これは、日本に対して豚肉を輸出している国相互間の競争と、その中で特に非常に大きなシェアを占めておりましたデンマークで口蹄疫が発生したり、あるいはストライキが発生したりという中で、台湾がシェアを大きく伸ばしてきているということでございます。 台湾に限らず、日本に入ってまいります豚肉の大宗はハム、ベーコン等に使う加工用の肉でございまして、この加工に使われる豚の部位自身が日本の国内では需要に応じ切れない点があるためにこれが輸入という形になっておりますので、国内の豚の生産を行っている方々にとってこの輸入が大きな影響を持つものではないというふうに考えておりますし、それから、そもそもこの豚肉の輸入については国内の価格安定制度とリンクした基準輸入価格が定められまして、これがいわゆる堰とめ価格となって、輸入価格が基準輸入価格を下回っては国内に入らないことになっておりますので、この点で国内での豚肉の需給に悪い影響が出ないようなシステムとなり、また、それを的確に運営をすることによって国内の豚肉の安定的な生産が可能になるというふうに考えております。
○吉浦委員 生体牛についてお尋ねしておきたいのですが、四十六年以降輸入自由化されて、一定の関税を払えば自由に輸入することができるようになったわけであります。動物検疫の関係から、検疫のための一定期間、係留場に係留しなければならないことになっているわけでありまして、係留場のスペースから急激な輸入はできないというふうに思われてきたわけですが、一部には例年の二倍入っているという話も聞いているわけであります。 三百キロ以下の生体牛は主に肥育用として向けられておりまして、三百キロを超えるものは屠場に直行して国内のマーケットに牛肉として出回るというふうに考えられますが、牛肉はいわゆるIQ品目でありまして、畜産振興事業団が一元輸入を行って制限していることは周知のとおりであります。 いわゆる生体牛輸入が、肥育と屠場直行の比率はどのようになっているか。場合によっては国内生産の圧迫要因となりかねないという心配をいたすわけであります。まずこの実態はどうなっているか。また、その影響はどうなのか。一方では制限しておきながら、一方では野放しにしておくという、多くの点で整合性に欠けているのではないかというふうに私は思うわけでございますけれども、この点についてお答えをいただきたい。
○瓜生説明員 成年の輸入については自由化されておりまして、年々輸入の頭数は日本国内の事情に応じて大分動きがございます。しかし、最近では成年——成年だけではなくて、子牛もそれから成年も両方とも輸入されておるわけでございますが、屠場に直行するようなものが六十年度で七千五百頭強、成年と言われているものでもさらに肥育されるものが三千四百頭程度、それから子牛で入ってきまして肥育されるもの、これが二千九百頭弱、こういう状況になっております。 特に、この成年の輸入につきましては、スーパーの目玉とか客寄せ商品という形で五十年以降見られるようになっておりまして、従来ですと、平均的に年間三千頭程度だったと思います。しかし、六十年の輸入はこれが七千頭台になっておりますが、これは、特に去年の前半までは子牛価格が全体的に低迷をしておりまして、そういう意味では実は子牛の輸入が余りない状態でございました。実は子牛についてはTQ制度に基づく輸入で、生産者団体がこれを受け入れて肥育をするという、そういう性質の牛だからでございますが、そうなりますと、国内の子牛価格が安ければ、外から入れてこないで国内の子牛が肥育農家の手に渡って肥育されるということになりますので、これが外から入ってこないということになりますと検疫のスペース等がありますので、それを利用して屠場直行向けのものがかなり入ってきたということでございます。 ただ、六十年に輸入されたものでも正肉にいたしますと千八百トン程度でございまして、国内需要量からいきますと〇・四%程度でございます。その意味で牛肉の需給にはほとんど影響がないと思いますし、その見地からいたしますと、牛肉の輸入制度との関連では余り影響がないという意味で問題がないというふうに考えております。 これからの対応といたしましては、子牛価格が大分回復してまいっておりますので、肥育農家のニーズにこたえた素牛の輸入というものもまたふえてまいると思いますので、動物検疫所の対応も、種畜それからそういう意味での肥育素牛の輸入、こういったようなものを優先して考えていきたいというふうに考えております。
○吉浦委員 酪農家の負債対策について伺っておきたいのですが、主として北海道を中心として多額の負債を抱えている酪農家が多くあるわけてあります。五十六年度から酪農経営負債整理資金の融通措置がとられてきたところでありますが、それが、先ほどの質問で出ておりましたように六十年度で切れたというふうに思うわけでありますけれども、この措置が必要がないほど好転しているのかどうか。生産者団体は三・一%の大幅な減産を計画しているわけですけれども、これは、これまで経営改善を進めてきたことに水を差す結果にならないかどうか。特に現在、酪農経営負債整理資金の償還中であるわけで、こうしたことが経営環境の悪化をもたらして、再び負債の増加を招くのではないかという危惧をしているわけであります。冒頭に私が、再生産が十分確保できる水準で価格を決定というように申し上げたのもそのためでございます。 そこで、酪農家の経営の実態がどのようになっているのか。今後酪農家の負債解消あるいは経営安定のためにどのような施策を講じようとなさっているのかどうか。その負債の大事な点、どのような対策を講じられるのか、お伺いをいたしたい。
○瓜生説明員 今のお話にもありました五十六年度から始めております酪農経営負債整理資金につきましては、これは償還期限に来ても償還が困難な、そういうものを長期低利の資金に借りかえるとともに、農家みずからが経営、家計全般にわたる合理化努力をしていただく、あるいは関係機関の指導と相まって、金を借りかえるというだけではなくて、これを契機に経営内容の改善のために関係者が一体となって全力を挙げて内容を改善していくという、そういう仕組みのものでございまして、この対策の結果として、償還が困難な、そういう負債を抱えてこの対策の対象になっている農家の戸数というのは逐年減少しつつございます。 その意味で、私どもなりに対策の効果は上げ得たと思っておりますが、ちょうど六十年度というのが本対策の最終年次でございますので、今までと同じようにこの六十年度に償還をしなければならないけれども償還ができないような負債を抱えている農家のその部分のみを融資するだけでなくて、ことしじゅうに経営の安定の見通しのまだない農家につきましては、内容をよく吟味いたしまして、六十一年度以降償還困難な借入金については一括して酪農経営負債整理資金に借りかえる措置を講ずることにいたしております。この措置によって経営安定が図られるように対処してまいりたいというふうに考えております。
○吉浦委員 先ほども質問が出ておりましたので重複いたしますが、穀物メジャー、カーギル社の鹿児島進出計画について伺っておきたいのです。 これは元来、飼料流通の世界は四十四年の農林事務次官通達で今日までスクラップ・アンド・ビルドでやってきたわけであります。今回、カーギル社の鹿児島進出計画を認めることは、その政策に重大な変更をもたらすのではないかというふうに思うわけでありますが、数年前に、八戸に飼料基地が完成した後に、お決まりの供給過剰となったわけであります。業界は大混乱をいたしまして、飼料の売り込み先を確保するために、新たな畜産計画を立てて供給過剰の飼料を解消しようとしたわけであります。後にまたまとめて質問いたしますけれども、養鶏やブロイラーの無断増羽となった事実が現にこの飼料進出にあったわけでありまして、九州は東北以上にその系列化がかたいというふうに私は聞いておるわけであります。進出を認めるようなことになれば、またやみ増羽を生む結果になるわけでありまして、農水省の見解を承っておきたいのですが、さっき実は大臣に直接申し入れをいたしましたが、この見解というものを公の席上できちっとしておいていただきたいと思うのです。
○瓜生説明員 今お話がありました四十四年の次官通達でございますが、これは「配合飼料工場の新増設等に関する取扱いについて」という通達でございまして、配合飼料工場の新設に当たりましては、この通達に基づく事前届審査基準によって審査をいたしております。この審査基準の第一項によりますと、「当該工場の新増設等による生産能力の増加が、飼料の需給事情および畜産の動向からみて、著しく過剰とならないこと。」となっておりまして、従来から、飼料需給事情等から見て著しく過剰とならないように配慮するという形で審査を行ってまいっております。 この場合に、よく使われております表現としてスクラップ・アンド・ビルドの原則というのがございますが、これは飼料の供給が著しく過剰とならないようにするためには、原則的には、工場の新設に当たってスクラップを伴った方が好ましいということを象徴的に示すために用いられているものでございまして、正確な意味でのスクラップ、すなわち新設に見合う工場あるいは設備が廃棄されなければ新設が認められないということまで求めているものではないというふうに考えております。したがいまして、スクラップになる工場がない場合でも、この審査基準から見て問題がない場合であれば工場の新設が認められないわけではないと考えておりますし、現実にそういった運用をしてきているつもりでございます。 それから、そういう点で、今の八戸のお話もありましたけれども、配合飼料の工場の新設に当たりましては、飼料の需給事情及び畜産の動向から見て著しく過剰とならないような配慮という形でこの八戸についても対応してまいったつもりでありまして、これからの対応といたしましても、畜産物の需給に悪影響が及ぶことがないように十分配慮してまいりたいと思っております。
○吉浦委員 ちっとも質問に答えてくださらないのですけれども、その進出の点について、どのように認められるのか認められないのかという点、一点だけ。
○瓜生説明員 今の志布志の件につきましては、これはカーギル社が鹿児島県に対して土地の分譲の申し入れをしており、そして鹿児島県としてこの分譲については今検討が進められているところでございますので、私どもとしては県当局の判断を踏まえた上で、さらに南九州の畜産及び飼料の需給に問題が生じないような配慮をしつつ、これはカーギル・ノースエイジア社だけでなくて、あの地域に進出を予定しております会社が五社ほどございますので、これら全体の動きが、やはりすべて地域の需給への悪い影響が出ないような配慮が必要になるわけでございますので、全体としてそういう飼料の需給に問題が生じないような配慮の上で対処をしてまいりたいというふうに考えております。
○吉浦委員 何かはっきりいたしませんけれども、次に進みます。 養鶏問題で少しばかり詰めておきたいと思いますが、無断増羽についての質問をさせていただきたいのです。 鶏卵需給調整協議会が昨年の十一月羽数調査を行いましたところ、全国五千羽以上の飼養者で、いわゆる無断増羽の数が約一千万羽、とりわけこの無断増羽の九〇%以上が五万羽以上の大規模養鶏のやみ増羽者による、こうなっているわけです。五万羽以上では、協議会へ登録している羽数より全体で二七%もオーバーしておりまして、五千羽から一万羽までの小さな、いわゆる小規模の農家は逆に登録羽数より減少しているわけであります。この結果、政府が推進してまいりましたいわゆる全国養鶏農家が希望している鶏卵の計画生産は、大規模企業経営の方々が破壊しておると言っても過言ではないわけでありまして、いわゆる計画生産政策の推進にかかわらず、中小の養鶏農家はますますつぶされているのが現状であります。 そこで私は、第一に、昨年まで農水省当局は、全国の無断増羽が減少し、行政指導の効果が上がっているというふうに私の質問に対して答弁がございました。野明局長のときだと思いますけれども、無断増羽は全国でわずか三十から四十、羽数では百三十万羽、こういうふうに言われた。ところがどうして、その十倍近くの、いわゆる一千万羽の無断増羽、こうなったわけであります。その理由と、昨年十一月調査の詳しい結果という点を御報告していただきたい。
○瓜生説明員 鶏卵の計画生産につきましては、需要に見合った安定的な供給体制を整備するということで、昭和五十六年に局長通達を出しまして、全国及び都道府県の飼養羽数枠を決めまして、枠内で生産を行うように関係者が一体となって推進をしてまいったわけでございますが、卵価が、昨年夏ぐらいまででございましょうか、低迷をしている中で、どうも無断増羽者がかなりいるのではないかというようなお話もございました。私どもといたしましても、計画生産を一層推進するためには実態をきちっとつかまえなければいけないというふうに考えまして、そして、去年の七月に、大規模飼養者に対する飼養羽数の調査、指導については、国、県の職員も加わって実施するというようなことを内容にいたしました局長通達を出したわけでございます。 その結果として、通達施行後の最初の定期調査がまず五千羽以上の飼養者を対象といたしまして昨年の十一月下旬に行われまして、飼養羽数は一億九百万羽ということで、台帳記載羽数に比べて約一万羽多くなっております。今回の調査結果は、前回までの市町村の鶏卵需給調整協議会から報告のあった調査結果を大きく上回っておりますけれども、これは、卵の生産量等の趨勢から見ますと、総体としての実羽数が急増したということではなくて、まず、大規模飼養者の調査には国、県の職員も加わって綿密な立入調査が行われたということと、それから、今回、無断増羽者も含めて生産者が調査に大変協力的であったということによって、今の台帳記載羽数をかなり多く超える羽数が把握できたのだというふうに考えております。 そこで、この台帳記載羽数を超えて飼養していた者に対する是正指導につきましては、必要に応じて国、県の職員が加わって今鋭意実施しているところでございますけれども、結局、これらの飼養者も今後計画生産の枠の中で対応をしてもらうことが必要でございますし、その意味で、まず、この人たちが今の状況を踏まえ、そして、それに合った対応を自主的にとってもらうことの指導を現在進めているところでございます。
○吉浦委員 質問にきちんと答えていただきたいのですよ。 これはあなたを責めてもしようがないのですけれども、無断増羽の約一千万羽の中で、五万羽以上の経営をするものが九五%を占めているという実態が明らかになっているわけですね。そこで私は、なかなかあなたは示しにくいでしょうけれども、五万羽以上の経営をしているものの実態というのを、各経営体ごと、企業体ごとに明らかにする必要がこの時点であるんじゃないかというふうに思うのです。これが第一点。 もう一つは、ブロック別の数字が出されて私も資料をいただきましたが、この各ブロック別の資料では、行政指導をなさる場合に的確な指導というものはなかなか難しいんじゃないか。少なくとも県別にその数字を本委員会に提出すべきであるというふうに私は思うのですけれども、これだけの数が出ているわけですから、企業体ごとは別としても、各県別ぐらいの数字は本委員会に提出する意思はございますか。
○瓜生説明員 この取りまとめは、県別にまとめたものをさらにブロック別にまとめて集計をいたしましたのでそういう姿になっております。したがって、この数字は県ごとの数字の積み上げでございますので、ブレークダウンは可能でございます。 ただ、個別の経営の問題になりますと、これは、個々の経営を全体の需給調整の計画の枠の中で行動させるようにまず指導し、誘導していかないと、これが外に飛び出してしまって全体の需給の均衡にとって波乱の要素になるということは好ましくない結果になりますので、私どもとしては、個々のそういう養鶏家については、この枠の中で行動をすること、そしてそのために必要な調整をとることの指導を実施するということをまず当面やりたいと思っておりますので、個々の経営についての公表は差し控えさせていただきたいと思っております。
○吉浦委員 そうすると、県別の資料は提出していただけますね。
○瓜生説明員 取りまとめてお渡ししたいと思っております。
○吉浦委員 今日の無断増羽が一挙に大量に出たことは、これまでの行政指導に大きな欠陥があったというふうに私は思うわけです。毎回これは指摘をいたしておりますが、計画生産がきちんと推進されて、それによって養鶏業界が安定することを希望してきたわけであります。県なり地域で計画生産の指導に当たってきた県なり市町村職員の多くの人すら、大規模無断増羽者を行政指導で従わせるのは無理であるというふうに言われておりまして、法による計画生産も要望されてきたところであります。 そこで私はお尋ねいたしたいのですけれども、一千万羽になった無断増羽に対して、行政指導によって本当に是正が可能かどうか、特に、大規模養鶏業者への指導がどういうふうになされたか、この点をお尋ねをいたしたい。
○瓜生説明員 これからの行政指導を強化していくための基礎という意味でも、先ほどお尋ねのありました調査を実施したわけでございますが、今後、こうした結果を踏まえて、計画生産の趣旨の徹底と減羽計画の作成、実行を、個別にあるいは集団的に行うように指導してまいりたいと思います。 そして、これも行政指導として行うという意味は、その対応も弾力的に対応しつつ、全体の計画生産の枠組みの中に皆さんが入っていただくということがあってこういう行政指導でやることにしておりますので、無断増羽があったからといって直ちに強硬な手段をとるということはとっておりませんが、今後十分に指導をしてもこうした計画生産に非協力な者に対しましては、卵価安定基金及び配合飼料価格安定基金の対象としない、それから制度融資及び補助事業の対象としないということにしております。それからなお、これは六十一年度からになりますが、ひなの供給面から、特に五万羽以上の飼養者に対するひなの供給羽数を調査いたしまして、これと台帳記載羽数を比べて大幅に超えるひなの供給がある場合には、ひなの業者及び飼養者を指導するというような形で、いろいろな角度からの指導を通じて計画生産が達成できるようにしてまいりたいと考えております。
○吉浦委員 時間がありませんので細かい点が詰められないから別な機会にまたお尋ねをいたしますが、今審議官の答弁でもありますけれども、卵価なり飼料の両基金から除外する、こう言っても、大規模無断増羽者は現時点では痛くもかゆくもない。これは外れてしまうとこの基金がもう成り立たなくなってしまうのです。入っていてもらわなければならぬという点があるのです。これは本当の是正ではないわけなんですね。どういうふうに考えているのですか。
○瓜生説明員 この卵価安定基金あるいは配合飼料価格安定基金は、卵の価格の安定あるいは配合飼料の価格が暴騰したような場合には大変重要な役割を果たしておる基金でございますので、大規模な飼養者もこれにかなりの人たちが加入をいたします。特にえさの方についての加入がございます。したがって、ここの点での規制というのが一つのポイントになりますのと、それからひなの面での対応というのがもう一つのポイントになるかと思います。それから、かなり大きな者でもやはり国の融資とか補助とか、それとのかかわりを持っている者が多うございますので、そういったような面での対応も可能であると考えております。現在、そういう意味では、かなり大規模な者につきましても卵価安定基金あるいは飼料基金に加入している率はかなり高い状況でございますので、これがこれからの計画生産を行う場合の一つのてこになると私ども考えております。
○吉浦委員 私、企業名をなるべく挙げたくない一人でございますけれども、これはもう既に新聞に出ておりますから挙げさせていただきます。 イセグループに対する指導についてお尋ねをしたい。日経産業新聞の本年一月一日の報道によりますと、イセグループのイセファームは五百万羽の鶏を持ち、全国五十カ所に散らばっている農場を数カ所にまとめたいということで、一カ所平均大体五十万羽の農場をつくりたい、こう言っている。そのイセグループは我が国最大規模の養鶏企業でありまして、アメリカにも進出をしておるわけです。過去、計画生産のもとで大規模無断増羽が生産者の間から問題にされたときも、国会でも何回も何回も追及されたところでありまして、我が国最大級の養鶏企業が行政指導を無視して自分勝手に行動しているわけです。幾ら指導の強化という点がありましても、これは実効が期待できない。しかも、養鶏協会理事会等でも最近のイセグループのやみ増羽問題が取り上げられておりまして、養鶏農家の多くはイセグループに対する指導について重大な疑問を持っているわけです。 そこで、イセグループが鶏卵需給協議会に届け出ている羽数はどれだけあるのか。また、養鶏協会で問題になっているような事実はどのような面があるのか。本当に指導ができるのかどうか。この点、明確に答えていただきたい。
○瓜生説明員 御質問の養鶏場について、従来話題になった経緯もありまして、今回も国、県の職員による調査が行われております。ただ、これは一般論としてでございますが、台帳記載羽数を超えて飼養していた者というのは、今回の調査で特定の地域あるいは特定の経営者というふうに限られた者でございませんで、各地に見られるものでございますので、これらについてはそれぞれに指導を行いながら養鶏の生産者組織の中に位置づけていこう、そしてその枠の中で今の計画生産を守らせていこうという努力をしているところでございますので、今、個別の調査内容を公表するということは、是正指導への対応の点で、特定の養鶏者だけでなくてその他の養鶏をやっておられる人たちも含めた全体の是正措置に対する対応、あるいはこれからの計画生産の枠組みの中に入って行動してもらうための対応を考える場合にやはりいろいろ問題があるかと思われますので、特定のところの内容について公表することについては差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、いずれにしましても、全体の計画生産が行われて需給の混乱が起きないようにするために、今回の調査でわかった無断増羽の人たちも基本的には是正をする、そして枠組みの中に取り込んでいくということで対応をしてまいりたい。どうしてもだめなものについては、先ほども触れましたようないろいろな手を打っていくということにしたいということで今鋭意努力中でございますので、特定のところについての発表は差し控えさせていただきたいと思います。
○吉浦委員 時間になりましたので終わりますけれども、一言だけ、政務次官よく聞いておいていただきたい。 この問題については私、もうずっと長い間取り上げてきた問題です。御承知のとおりです。私ずっとこの十年間見てきておりますけれども、しっかり担当した担当の役人は、余りにも正確にやった役人はあなたたちは勝手に次々と首を切ってしまって、飼料メーカー等と結託したようなこういう企業はあなたたちは羽数も明かすことができない、そういう実態では行政指導とは言えないのです。こういう委員会の席上で明かすこともできない。私、また皆さん方の役人にも聞いてみたけれども、カーギル社等の問題について説明に来たときにも、やみ増羽の行政指導はできませんと、こうはっきり役人が言っている。あなた、この公の席上で明かさないけれども、そういう点で私は納得できない。 したがって、私どもが出しました立法化の問題についても、業界等においてもこの必要性は十分認めてきました。今まではこの業界は無視しておりましたが、立法も必要だ、生産者も業界も守るためにも、消費者を守るためにも立法も必要だ、こういうふうに態度が変わってきております。協力的であります。そういう面で、時間がありませんから答弁は求めませんけれども、もう少しまじめな態度で答弁に臨まなければいけない、企業を守るような答弁だけでは納得できませんと申し上げて、質問を終わります。
○大石委員長 中林佳子君。
○中林委員 私は、まず、今回の畜産価格決定に当たりましての政府の諮問、乳価にいたしましても、豚肉、牛肉にいたしましても、それぞれ引き下げ諮問ということで、全く今の農家の経営実態からはかけ離れたものであるということで、強い憤りと、そしてこの諮問を撤回されるよう強く要求をいたします。 そこで、加工原料乳の保証価格の問題について質問をいたしますが、初めに政務次官にお聞きしたいと思います。 そもそもこの政府の保証価格は、二十年前の昭和四十年に制定された加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づいて、畜産振興審議会の意見を聞いて農水大臣が決めることになっているわけです。この法律はいわゆる不足払い法と言われているものですが、その目的においてこのように述べております。「この法律は、」「生乳の価格形成の合理化と牛乳及び乳製品の価格の安定を図り、もって酪農及びその関連産業の健全な発達を促進し、あわせて国民の食生活の改善に資することを目的とする。」このようにうたいとげているわけですけれども、この法の目的に言う立場は、今回の価格決定に際しても貫かれているわけですか。
○保利政府委員 先生御指摘の法律につきましては私も六法全書で見ておるところでございまして、その目的に沿った答申案であるかどうかという御質問かと思います。 私ども法律を執行する立場にございますので、当然この法律に基づいた計算を重ね、でき得る限りの資料を集めましてこの価格を決定いたしたものでございまして、不足払い法に言われております目的にかなったものである、私どもはそのように考えております。 ちなみに、六十一年度の加工原料乳保証価格につきましては、不足払い法の定めるところによりまして、生乳の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮しながら、再生産の確保を旨として定めることになっておるわけでございますが、再生産が可能であるという数字を出しておるわけでございます。また、具体的な試算値につきましては、本日畜産振興審議会の酪農部会でお諮りを申し上げておるところでございまして、その答申をきょうちょうだいいたしました上で適正に決定をしてまいりたいと思っております。 そして、その法律に言われております目的でございます国民の健全な食生活を守るという意味での乳製品を供給するという目的でのいわゆる不足払い、この目的は達しているものだと考えております。
○中林委員 これまでもこの委員会で保証価格のあり方をめぐっては繰り返し論議されているわけですけれども、それを聞いていて思うのは、政府の答弁というのは、この法の目的に照らしてどうあるべきかということの論議ではなくして、専ら政府の算定方式に当てはめるべき指標をどう見るかという、いわば目先の狭い論議になっていることに大変残念な思いがいたします。 すなわち、政府は、一つ、飼料価格が円高やアメリカ産穀物の大豊作で下がっている、二つ目に、金利も低下している、三番目に、一頭当たりの生乳生産量が伸びているなどという理由で、従来の算定方式上は価格を下げざるを得ない、こういうふうに言って、その結果が、再生産はちゃんとできるんだ、こういうふうに繰り返し答弁をされているわけですが、しかし一方、生産者の要求は、政府の算定方式そのものに問題がある、家族労働対価を正しく見ていないとか、これまでの長年にわたる飼料を初め生産資材の高騰や乳価の据え置きのツケがたまっていて経営は苦しく、これ以上引き下げられたらやっていけない、むしろ保証価格や限度数量は引き上げていくべきである、この声はもう十分聞いていらっしゃるはずだというふうに思います。この生産者の要求には大変道理があり、我が国の酪農の実態を直視するならば、農水省としても当然価格引き上げの方向を打ち出すべきである、私はこのように思います。 先ほど引用した法の目的でも、酪農の健全な発達を促進する、このように述べております。政府が毎年決定する保証価格や限度数量は、酪農の健全な発達を促進させるものでなければならない、法の目的で言えば当然そうですけれども、重ねてお伺いしますけれども、現状において保証価格を引き下げることが我が国の酪農の健全な発達を促進させることにつながる、このように考えていらっしゃるわけですか。
○保利政府委員 今回の諮問案は、不足払い法の定めるところによりまして政府で計算をいたしまして作成したわけでございますが、いろいろな条件、えさの価格が下がった、あるいはいわゆる生乳の生産条件あるいは需給事情あるいは経済事情などいろいろ勘案をいたしました上で、再生産が可能であるという判断の上に立って諮問を申し上げておるわけでございます。 以上でございます。
○中林委員 答弁になってないと思うのですね。健全な発達というものがこの価格引き下げで本当にできるのか。それが法の目的を守るということになるのでしょうか。それはどうなんですか。端的に答えてください。
○保利政府委員 いろいろな計算の要素を重ね合わせまして引き下げという数字になってしまったわけでございますが、これは再生産が可能であるという数字になるようにつくられたものだと考えておりまして、十分に再生産は可能だと考えております。
○中林委員 非常に歯切れが悪いのですね。計算方式をいろいろ操作させながら価格を引き下げるというのは、米価のときでも同じですけれども、それで本当に再生産確保などできていないということは、もう政務次官やその他の関係の政府委員も御存じのとおりだと思うのです。 農家の人たちはどういうことを言っているか。今度の引き下げの一つの要因になっております円高還元で国民の理解を得たい、こういうふうにおっしゃるならば、まず政府としてやるべきことがあるのではないか。直接農林水産業にかかわる分野もありますけれども、農林水産省としての仕事ではないかもわかりませんけれども、政府としてやるべきこと、例えば電力料金の引き下げの問題など本当にすぐやらなければならない円高差益の還元をやらないでおいて、えさが下がったということでこういう乳価の引き下げは真っ先にやっていく、こういうことではまさに本末転倒ではないかというのが農家の方々の本当に大きな怒りの声になっております。 実態は、多くの酪農家は政府の進めてきた大規模化奨励のもとで営農規模を拡大した結果、莫大な借金であえいでおります。その上に、生産の減産体制に加えて保証価格の引き下げとなれば、かつてない規模の倒産が起こることはもう必至な状況です。酪農家の経営の厳しさはこれまでもいろいろ論議されてまいりまして、この十年間で酪農家が半減したという農水省の統計からもそのことははっきり読み取ることができます。 私の地元の島根県大田市で酪農を営む青年からも話を聞いたわけですが、この青年は現在搾牛五十頭、育成牛五十頭を飼って酪農を中心に営農しておる人です。一日約九百リットル、年間にして約三十万リットルの生乳を生産、出荷しております。島根県下では個人酪農としては大規模な営農をやっている人です。生乳のほとんどを飲用牛乳として経済連を通じて出荷しております。この青年は早くから酪農を始め、最初のころは施設整備などで借金も多かったけれども、地道な努力が実り、ようやく経営が軌道に乗ってきたところなんです。同じ酪農青年の仲間の中には不良債権を抱え込んで酪農をやめていった人も多い、こういう実態の中におります。 ところが、これから頑張らねばと思ったやさきに加工原料乳の保証価格引き下げをやられたのでは将来への意欲が全く失われてしまう、このように言っております。既にメーカーあたりは経済連を通じて、飲用牛乳向けの良質分から発酵乳へ振り向けるよう要求を強めているということです。発酵乳向けは飲用向けより価格が安くなる、そのため発酵乳向けがふやされてくるともうやっていけない、こういうことを言っております。ですから、もう長い間借金で苦しめられていた分をこれから少しでも取り返さなければというときに下げられたのでは、とても将来に展望が持てない、このように言っているわけです。 きょうは本当は大臣にお聞きしたかったわけです。実は大臣が、ことしの三月に出されている「政界春秋」というところで農政を語っておられるわけですが、その中で「若い人たちに「将来性のある産業なんだ」ということと、農・林・水というものが「産業なんだ」ということを自覚してもらい、自立できるようにきっかけをつくることが、大臣になった私のしばらくの間の使命じゃないか、と考えています。特に、農村にお嫁さんがこないという話もありますが、これなども生産環境などを整備するだけじゃダメなんで、「農業が将来性のあるものなんだ」ということを知らせることができれば解決するんじゃないでしょうか。」と、立派な抱負を述べておられます。 しかし、今私が具体的に島根県の酪農後継青年のことをお話しいたしましたけれども、こんなことをやられたのでは将来見通しが全くなくなる、こう言っているわけです。大臣の発言ですから本当は大臣にお聞きするのが筋ではございますけれども、大臣の代行をなさっている政務次官に、かわってお聞きしたいと思うのです。同じお考えをお持ちだと思いますのでお聞きしたいと思いますけれども、保証価格を下げて酪農に展望が持てますでしょうか。
○保利政府委員 御引用いただきました大臣の抱負はまさにそのとおりだろうと思います。私自身もそういうつもりで農政に取り組んでおるわけでございます。 それで、今回の加工原料乳の保証価格引き下げ諮問が果たしてそういうものにつながるのかどうか、そういった明るい農政につながっていくのかどうかという御指摘でありますが、私どもといたしましては、畜産振興審議会に諮問をする価格をつくるという作業の中で、できるだけ詳細な計算データを駆使いたしましてこの加工原料乳の保証価格について出したわけでございます。私どもではできる限りの正確さをもって算定をしておりまして、先ほども申し上げましたとおり、再生産は可能だというふうに考えておるところでございますが、この諮問案は畜産振興審議会において討議に付されておるわけでございまして、畜産振興審議会の中でもいろいろな意見が闘わされて今般の答申に結びつくものだ、このように考えておるわけでございます。 その御答申をいただいた上で、十分に考えまして乳価の告示に持っていきたい、このように考えておるわけでございます。
○中林委員 やはり胸を張って後継青年に展望を語ることができないやり方だ、今おっしゃった裏返しはそうおっしゃったと思うのです。やはり言えないのじゃないかと思うのですよ。いろいろ算定方式をやってこういう数字になったとおっしゃいますけれども、その算定方式さえも実は従来からはその要素などを変えてきていらっしゃる。そういうことを考えるならば初めに引き下げありきなんですよ。ですから、胸を張ってちゃんと青年たちに将来ついてこいと言えるような状況では決してないと思います。実はこれは諮問しただけで、答申を待って決定するのだとおっしゃいますけれども、確かにルールはそうですが、諮問ということにおいて決定される要素というのは、過去の例をとってみても大きいわけです。そういう逃げの答弁でしかあり得ないというふうに思います。 今回の保証価格を下げる根拠にされている飼料価格の問題ですけれども、この値下がりは円高とアメリカの大豊作という二重の値下げ要因を言われるわけです。しかし、末端に行けばそんなには下がっていない。円高要因の強い期間に限って配合飼料について調べてみますと、全畜種用平均で一トン当たり昨年の八月末で六万八千二百円であったものが、六十一年二月末には六万二千五百円で八・四%の引き下げになっております。また、乳牛用配合飼料の価格も、いただいた資料を見ますとほぼ同じような比率で下がっている、このように見えるわけです。 この間の円のレートというものはどうなっているかと見ますと、六十年八月末では二百三十七円十銭であったものが、六十一年二月末には百八十円四十五銭で二三・九%の円高になっているわけです。もちろん円が上がればすぐにそれが飼料価格にはね返るものでないということは私もわかりますし、その六万何がしの一トン当たりの価格も、運賃代だとかいろいろなものがそこに含まれているということですべてこれが円高の影響というふうには申しませんけれども、それにしても私は円高差益はもっと還元されるはずだというふうに思うわけです。農水省として飼料価格に対する円高還元はどのような御指導をなさっているわけですか。
○瓜生説明員 配合飼料の価格につきましては、その原材料の価格の動向というものを踏まえた適正な価格が形成されるように、それがまた畜産農家にとって非常に大事なことでございますので、これは絶えずそういう意味での指導を進めてまいっております。 特に最近の配合飼料の価格につきましては、まずその飼料穀物自身の国際相場が動いておりますのと、船賃、フレートも動いております。それから為替相場が組み合わされてまいっておりますので、かなりの下げの要素があったということが言えるかと思います。その意味でこれまでもそういう一連の動きに応じた引き下げが行われてまいっているわけでございますが、例えばトウモロコシならトウモロコシの動きだけをとらえて、あるいは円の相場とトウモロコシだけをとらえてこの下げ幅を推定しにくい面がございます。といいますのは、配合飼料には非常に多くの原材料が使われておりますし、副原料の中では、例えば大豆油かすとかあるいは魚粉とか、これはかなりの金目になる部分でもございますし、これらは、特に魚粉等は国内からの供給に依存して円高メリットは余りきいてこない部分になります。そういうような点もございますので一律に計算しにくい点はございますけれども、今出ております穀物の相場の動きなり為替相場の動きなりが配合飼料の価格に反映されるように、私どもずっとこれまでも指導してまいっております。 実際の統計の数字等を見ましても、全農等の飼料メーカーの下げとそれから農村の物賃等でとらえられております価格が、おおむね合ってといいましょうか、若干のタイムラグがございますが連動して動いているというふうに私ども考えておりますし、そういう意味で、農家の方々にそうしたメリットが還元されて経営の改善に役立つように、指導をこれまでもしてまいっておりますし、これからも適正な価格形成が行われるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○中林委員 私は、今も指導しているのだからこれで指導の結果だというふうにお見受けしたわけですけれども、本当に厳しく差益還元の指導というのは徹底していただきたいというふうに思います。 あわせて、この配合飼料の問題では、実はもっとやり方によっては下げられるという方法もあるわけです。 濃厚飼料のうち配合飼料が八五・五%を占め、この配合飼料の生産量は全農と商系配飼メーカー上位十社で大体七七・四%を占めております。特に全農は三六・四%のシェアを持って、配合飼料価格のリーダー的な位置にあります。それだけに私は、全農初め商系配合飼料メーカーに、この円高差益還元の問題だけじゃなくて、ちょっと具体例を挙げて御指導をお願いしたいと思うのですけれども、実は今、千葉だとか群馬だとか山梨、愛知などで農民飼料というものをつくっている団体がございます。今までは一般的に配合の内容というのは非公開になっていたわけですけれども、ここでは配合内容をすべて明らかにすることと、その原料費、安定基金、加工費、目切れ、手数料、運賃、すべての原価内容を需要者に公開し、配合内容は生産者の総意によって決定するという方途をとっております。 この農民飼料の肉豚用の配合飼料価格、これを調べてみますと、六十一年の一月から三月期、ここでは何と四万八千七百円です、トン当たり。それが全農の肉豚用の配合飼料価格は、同じ時期で五万六千六百円ということで、その差が何と七千九百円の開きがあるわけですね、トン当たりで。そうすると、毎月三十ないし四十トン使用する養豚農家にとっては大体月三十万円の収益差がそこに出てくるわけなんですね。 ですから私は、これまでこの飼料の問題で何とかメスを入れて価格が下げられないものかということは我が党も何度か追及をしてまいりましたけれども、こういう農民飼料というものをつくっているところから学んで、もう少し配合の内容だとか、それからそれぞれにかかった費用を公開しながら、やはり一定のマージンは取らなければならないことは言うまでもないことですけれども、それにしてもこれだけの開きがあるわけですから、私は商系配合飼料メーカーだとか全農に、もっとこの飼料の価格を引き下げるようなそういう指導を徹底していただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○瓜生説明員 飼料、特に濃厚飼料の調達及び給与の仕方といたしましては、いろいろな形があると思います。一つは、完全な形といいましょうか、いろいろなものが入っているそういう飼料を買ってきて、それをそのまま家畜に給与するという形、それから、自分のところでいろいろ材料を調達して、そしてこれを自分のところの経営に一番合った形で配合して給与するというような形、また、その中間形態等があるかと思います。 恐らく、材料の調達コストとして考えれば、自家配合ということが可能な経営についてはそれがかなり安いことになるのだろうと思いますが、継続して同じ成分の内容のものを供給を受けるということ、それから自分のところで配合する手間が省けるということ、そういうようなことで、非常に多種多様な内容が含まれている配合飼料を選択している農家もあるのだろうと思います。 これはそれぞれの経営の実態に対応した選択ではありますけれども、やはり経営の改善にとって、自家配合あるいは今のような形で地域で自主的に配合していくようなことが可能な条件のところについては、そういう選択も一つの経営改善の方法であろうと思います。私どもも少しその辺、もう一度勉強させていただきたいと思います。
○中林委員 次に、生産者と同様、今度の保証価格引き下げで大きな影響を受ける牛乳の小売販売業者にかかわる飲用牛乳の問題について質問したいと思います。 保証価格は加工原料乳についてだけで、飲用牛乳はいわば自由取引で生産者と処理メーカーの取引がされております。生乳は計画生産されているとはいえ、加工原料乳の保証価格が下がったり限度数量が下がってくると、生産者としても飲用乳への出荷志向が非常に強くなります。その結果、現状でも消費が伸び悩んで過剰ぎみとなっている飲用乳がさらにだぶついてくることになって、大手処理メーカーによる生乳買いただきが起こってまいります。 牛乳の廉売問題というものがここ十年来大きな社会問題になっておりまして、国会でも商工委員会を中心に何度か取り上げられております。消費者にとって牛乳が安く飲めるというのは一見結構なことのように見えるわけですけれども、実際は、廉売によって一たび生産、流通に混乱が起こってきますと、生産者や中小販売業者の倒産を引き起こして牛乳の安定供給体制が崩壊してしまいます。その結果、消費者は数年後には高い牛乳を買わされることになるわけです。 牛乳は確かに主食ではありませんけれども、今や一兆円産業と言われているように、準主食的な重要な農産物であります。しかも私、婦人の立場でこの牛乳問題を見ますと、妊婦や乳幼児の栄養源確保という点で、新鮮な牛乳を安定的に供給するというのは極めて重要な問題であろうと思います。 そこで確認しておきますけれども、生乳が果たしている社会的役割というか、その中でも宅配制ですね、その果たしている役割、これをどのようにお考えになっているのでしょうか。
○瓜生説明員 今のお話、飲用牛乳というふうに考えてよろしゅうございましょうか。——牛乳・乳製品と一口に申しますが、やはり生活の中で飲用という形で摂取される牛乳、乳というものは、非常に今の日本の食生活の中で大きな位置を占めておりますし、消費の中でも非常に大きなウエートを占めておりますので、これが安定的に拡大していくということが酪農にとっても非常に大事なことだというふうに考えております。 その意味でこの飲用牛乳の消費の拡大ということを大いに推進する必要があるわけでございますが、現実に販売される過程でいろいろな混乱がありますと、消費者がそういう混乱を見てほかのものを選択するということにもなりかねませんので、その意味で、一つには、先ほどお話がありましたような乱売というようなもので流通が混乱しないようなそういう体制づくりが必要だということになりますし、それからもう一つは、宅配の位置づけについての御質問でございますけれども、毎日一定量が確実に消費されるという意味では宅配の持っている役割というものも非常に大きいものがあろうかと思いますので、その宅配とそれからスーパー等での量販と、それぞれの機能を果たしながら消費の拡大が図られることを期待いたしております。
○中林委員 そういうふうに意義はお認めになっているのですけれども、実際はどうなっているかというと、販売のところではかなり混乱が起きているわけですね。大手スーパーなどでは非常に安売りがやられております。農水省も指導、改善を約束されて、一定の指導、改善はなされていると思いますけれども、五十八年、五十九年には百八十円以下の店頭価格が二〇%から一五%へなっているのに、六十年には再び一八%から二二%へ、とても一般の小売店ではやっていけないような価格になっているという状況がまたふえつつあるのですね。そういう意味では、これまでも国会で大分論議されておりますので、こういうことが起きないよう、ぜひ一層の指導、改善を要求しておきます。 あわせてですけれども、こういう廉売の問題などをいろいろ見てみますと、ややもすると生産者のつくり過ぎが根本原因のような言われ方がされているわけです。しかし、これまでの論議を通じても、輸入のうちの一割を規制すれば、生乳に換算すれば、日本での生産調整などそんなにやらなくても十分やっていけるんだと言われているわけです。ですから、輸入規制をぜひ強力にやっていただきたいという点が一点です。 それとあわせて、こういう価格引き下げを諮問されたわけですけれども、その前に農水省としてもっとやるべき施策をやってないのじゃないか。例えば消費拡大の問題では、学校給食用の牛乳の助成単価を引き下げていらっしゃるわけですね。こんなことをやっていて価格引き下げなどということはもってのほかだと思うのです。 ですから、輸入規制の問題と、学校給食などの補助金は今度は引き下げないでむしろふやしていって消費拡大にするんだ、こういう決意がおありなら、その点を伺っておきます。
○瓜生説明員 乳製品の輸入につきましては、バターあるいは脱脂粉乳等の指定乳製品につきましては畜産振興事業団の一元輸入の対象といたしておりますし、それからその他の主要な品目も輸入割り当て制度の対象として、牛乳・乳製品の国内需給に悪影響を及ぼさないようにしているところでございます。今後も引き続きこういう基本的な考え方のもとで適切に対処していきたいと思います。 ただ、輸入されているものの中で、当初国内で生産される可能性は余り予想しておりませんでしたナチュラルチーズについては既に自由化されておりますし、その他新しいいろいろな製品で孔とかかわりのあるもので自由化されているものがございますが、これらについては、特にチーズに関しましては、今関税割り当て制度をとって、国産のナチュラルチーズとの抱き合わせという形で国産のナチュラルチーズの拡大と結びつけた対応をとっております。それから、調製食用油脂等の以前予想していなかった新しい製品に関しましては、自主規制とか輸出国側の対応というようなことで、輸入が事態の混乱のもとにならないように配慮いたしているところでございます。 それから、消費拡大との関連で学校給食用の牛乳の補助金についての御指摘がございましたけれども、これは今の財政事情を念頭に置くのが一方でございますが、もう一つ、この補助単価を下げることによって消費に影響が出るか出ないか、この辺いろいろ検討いたしましたし、過去において下げたときの状況なども検討いたしますと、そういう今回の引き下げが学校給食事業に悪影響は出ないであろうということで引き下げを行いました。現実の実施に当たっても、これが供給量の低下等につながらないように関係者や都道府県を指導してまいりたいと考えております。 〔委員長退席、島村委員長代理着席〕
○中林委員 次に、豚肉価格の問題に移りたいと思うのです。 私はこの委員会でも、昨年豚価の暴落に当たってそれなりの対策を要求してまいったわけですけれども、生産者団体が生産調整を行っているという状況にもかかわらず、現在の価格というのは安定基準価格を回復してないという現状ですね。それから、先般発表になりました肉豚の養豚農家の所得は昨年比で三五・三%のマイナスになっているという実態の中で、今回の引き下げというのは本当に納得がいきません。 私は神奈川県の養豚農家に話を聞いてみたわけですが、母豚六十頭、そして七百頭の飼養を夫婦二人でやっていらっしゃるわけですけれども、その農家の方は農協の購買共済口座の通帳を私に見せて、昨年九月までに数カ月かけて以前の借金返済にやっとめどがつきそうになった、その途端に豚価の暴落で、見てくださいということで、それ以降ことしの三月までマイナスの連続で、既に三百五十万円の借金になっているという実態なんですね。養豚農家の方々はほかに預金があるわけでもないし、本当に基準価格が上がらなければどうしようもないということを切実に訴えられましたし、私の地元でも同じような訴えがあるわけです。 ですから、御答弁を聞いても同じ御答弁しか返ってきませんので、このような引き下げ諮問は撤回をされるよう再度強く要求をしておきます。 それで、養豚農家の病気対策のことで一点お聞きしておきます。 オーエスキー病対策の問題ですが、これは倒産病と言われるほど養豚農家では大変恐れられているわけですけれども、実はその病気を持っている豚の発見件数というのが年々ふえているわけです。ですから今一番必要なことは、オーエスキー病に対する有効な総合的な対策を国として確立することだというふうに思うわけですけれども、実は情報などの把握が非常に難しい、各農家はえさ屋さんから聞いているという状況にあるわけですね。そういう農家の恐れている実態も含めてですけれども、このオーエスキー病に対する有効な総合対策をどのようにおやりになろうとしているのか、お聞きしたいと思います。
○瓜生説明員 豚のオーエスキー病の検査につきましては、家畜伝染病予防事業などで昭和五十九年度に約十一万頭、それから昭和六十年度には約十七万頭について実施しておりますが、全体としてこの病気の全国的な浸潤状況を把握するために、昨年の六月から七月にかけて全国四十七都道府県で四万三千頭の豚を対象にして調査を実施いたしましたところ、関東地方を中心に七都県で四百五十頭の抗体陽性豚が確認されました。一部の地域に集まっていることがわかったわけでございます。 この病気を防ぐ基本といいますのは、抗体が陽性である豚を早く発見してそれを隔離し、計画的に淘汰するということ、それから、この病気から正常な素豚の導入を図るということ、この二つになります。 そこで、一つには、汚染地域で家畜伝染病予防事業によって抗体検査を行って早期発見に努めますとともに、来年度の予算として、この病気が常在していると考えられております地域に重点的に、地域ぐるみの計画的な淘汰を一層促進するための事業を実施すべく、予算を要求をしているところでございます。 それからもう一つは、この病気から正常な素豚の供給体制を確保するために、全国家畜畜産物衛生指導協会という協会がございますが、そこが優良雌豚の供給農家の繁殖豚について抗体調査を行いまして、その農場が正常であることを証明する事業を実施いたしております。 以上のような諸対策を総合的に実施することによりまして、この病気による被害を最小限度にとどめ、さらには撲滅を期したいというふうに考えております。
○中林委員 時間が参りましたので終わりますけれども、専門家の人たちの意見をお聞きしますと、今やらなければ取り返しがつかない状況だ。まだそんなに範囲が広がっていないこの時期に、本当に撲滅していくというやり方を総合的に検討して——予算もつけられたということは評価はできますけれども、それでもまだ少ないというふうに思いますね。一頭につき一万円という話ですけれども、イギリスなどの例では、一頭につき三万ないし四万円ということでほとんど完全に撲滅してきたという経緯を考えれば、本当に今この時期を逸しては、禍根を将来に残すか否かの分かれ目だ、このようにも言われておりますので、オーエスキー病対策を本当に強めていただくことを強く要望し、そして、このような価格の引き下げ諮問などというようなやり方で養豚農家を初め畜産農家をいじめないで、本当に日本の農業の将来に展望が持てるようにするよう強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○島村委員長代理 串原義直君。
○串原委員 ただいままでの質疑を通じて明らかになりましたように、我が国の畜産農家の経営は危機的状況にあります。その中で政府は、豚肉、牛肉の安定価格、乳価の引き下げ諮問を畜産振興審議会にいたしました。畜産農家、農業団体は、まさかと思っていたのに驚いた、腹の底から怒りを覚えると強く反発いたしております。我々の受けとめ方もまさに農家の皆さんと同様です。 したがって、本日の質疑の中で各委員が強調いたしましたように、引き下げ諮問案は直ちに撤回すべきものであると考えるのであります。 その立場に立って、私ども、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同の四党は、共同提案によって農林水産委員会決議案を作成し、自由民主党・新自由国民連合に、全会一致をもって決議が採択されるよう話し合いをいたしました。しかるところ、一致できない事項もあり、数次にわたり話し合いを重ねてきたところでありますが、まことに残念ながら、自由民主党・新自由国民連合の賛成を得られませんでした。 したがいまして、ここに、四党の共同提案による決議案を朗読し、我々の意思を明らかにしたいと思います。 案文を朗読いたします。 畜産物価格等に関する件(案) わが国の畜産は、長期にわたる政府の価格抑制と生産制限、経営の合理化政策の押しつけなどによって生産農民が返済不能の負債に苦しめられるなど危機的状態に直面している。さらに農畜産物の輸入自由化、枠拡大等の政策によって畜産物の輸入は拡大する一方となり、国内の畜産危機に追い打ちをかけている。 よって政府は、昭和六十一年度加工原料乳保証価格及び豚肉、牛肉の安定基準価格等の決定に当たっては、左記事項の実現に努め、畜産の安定的発展に万遺憾なきを期すべきである。 記 一 加工原料乳保証価格については、生乳の再生産を確保することを旨として、保証価格が実質的に据え置かれてきた期間の物財費、労賃等の上昇を反映させた生産費・所得補償方式により算定し引き上げること。 また、加工原料乳の限度数量については、牛乳・乳製品の消費拡大に努め、生産者団体の要求に基づいて、国内生産の振興を図る観点から適正に決定すること。 二 豚肉、牛肉安定基準価格については、再生産と所得が確保できるように引き上げるべきである。 なお、豚肉価格の低迷の現状にかんがみ、豚肉の輸入抑制、需給調整等の徹底を図り、価格が維持されるよう努めること。 三 畜産農民の負債が増大する一方にあるので、超長期低利の融資制度を確立するとともに、返済不能の固定負債等については抜本的な負債対策を講じその解消を図ること。 四 乳製品、偽装乳製品、肉牛生体、豚肉、鶏肉等の輸入を規制し、農畜産物の輸入自由化、枠拡大は行わないこと。 また、醗酵乳向け等生乳取引の促進、消費者の求める牛乳の成分・内容表示を行い、あわせてナチュラルチーズの国産化を図るなど牛乳の消費拡大を図ること。 右決議する。 昭和六十一年三月二十七日 日本社会党・護憲共同 公明党・国民会議 民社党・国民連合 日本共産党・革新共同 以上でありますが、重ねて申し上げます。 この決議案の意思を受けて、政府におかれては、諮問案を撤回し、畜産農家の再生産を確保でき得る価格と政策を決定するよう強く求めるものであります。 この際、政府当局の所見がありまするならば承りたいと思います。
○保利政府委員 ただいまの御意見につきましては、本日も委員各位から種々御議論をいただいたところであります。 現在、畜産振興審議会酪農部会におきまして、諮問を申し上げて御審議をいただいているところでもございますので、この答申を踏まえまして、速やかに適正な価格決定を行うなど、適切な措置をさせていただきたいと存じます。
○島村委員長代理 次回は、来る四月一日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十八分散会