内閣委員会 第14号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1986/05/06
会議録
○志賀委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、安全保障会議設置法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川仁一君。
○小川(仁)委員 最初に、皆さんからの御質問がありましたけれども、改めて確認の意味を含めて御質問したいことの一つは、安全保障会議に「国家」という言葉が取れております。いろいろの資料を読んでみますと、「国家安全保障会議」とあるべきが至当だという御意見が、自民党内にもあるいは防衛筋にも非常に多いのですが、ここで「国家」という言葉を取った理由をひとつ明確にお答え願いたいと思います。
○後藤田国務大臣 確かに緊急事態は国の安全に重大な影響がある、ということはつまりは国民の安全にとって重大なと同じ意味だろうと思いますが、そういうことを考えれば「国家」という字を入れておいた方がいいのではないかという議論があったことは事実でございます。立法の過程においてもございましたが、私はそれをとらなかった。その意味合いは、それほどの深い意味はありませんけれども、行革審の答申の中でそういう名称を使っていないわけですね。したがって、素直な気持ちで、やはり行革審の答申そのままにしておいた方がよかろう、こういう意味合いで私はこれを採用しなかった、かように理解をしていただければ間違いがない、かように考えているわけでございます。
○小川(仁)委員 「国家」という言葉をつけますと、これはアメリカの国家国防会議の直訳みたいな格好になったり、あるいは内閣機能の強化、外政調整室、内政調整室、こういったようなものを含めた一つの内閣官房の強化、こういったようなものが非常に大きな権力的な構図を浮き上がらせてくる、こういう印象が一つとして存在するわけでございます。したがって、今言ったような内政調整室、外政調整室あるいは情報調査室、こういう関係を官房が一体としていながらも、そこの中に権力的な集中、こういうものは行わない、こんなふうに考えてよろしゅうございましょうか。
○後藤田国務大臣 調整室の方は、安全保障会議の事務組織として安全保障室を置いて、それを内閣の方の内政、外政と合わせてやる、こういうことにしたわけでございますが、別段御説の権力的云々といったようなことはこれは考えておりません。
○小川(仁)委員 これは私の感じだけかもしれませんけれども、内閣機能強化という感じは、やはり内政調整室あるいは情報調査室、安全保障会議、一カ所に官房長官の下へ集まります。これは当然有機的に連仰されるものだと思いますし、長官のもとで適切なそれぞれの対策をとる。こういうことになりますと、緊急班態だけではなくて国防会議の性格も継承しておりますだけに、非常に権力的になっている。しかも何か大統領府的性格を官房が持つ、その上に総理が大統領的に存在する、こんなふうな構図が見え隠れするわけでございます。官房長官の御説明は今までではそういう構図は否定されているようでございますけれども、どうしてもこう見え隠れする感じがして、いつこれが権力的になるか。例えばイギリスの海外国防委員会ですか、フォークランド紛争に、あの委員会だけの決定で、閣僚会議に語らないで戦闘を開始した、こういったような事実が近い時期にありますだけに、こういう心配を持たざるを得ないわけなんです。再三、皆さんこの点御質問のようですけれども、やはり今後の質問をしていく過程の中で、この点きっちりしたお考えをお聞きいたしたいと思います。
○後藤田国務大臣 今回の機構の改正は、しばしばお答えをいたしておりますように重大な緊急事態などが起こった場合に、今までの組織のままでは多くの役所に関連を持つ、ところが、その多くの役所がそれぞれの立場では政府全体としての意思決定がなかなかできない、したがって適時適切な政府の考え方というものが決まらない、これではいけないということで、総合調整機能というものをもう少しきちんとやって、重大な緊急事態等の措置を間違えないようにしよう、つまり従来からのボトムアップの意思決定ではだめだ、場合によればトップダウンの意思決定をしなければならぬ、そのトップダウンの意思決定をする際に間違った意思決定をせられたならばえらいことになるわけでありますから、やはり総理に対するスタッフ組織というものを強化しておいて、日ごろからいろいろな事態を考えながら各省との連携等もやっておいて、いざというときに間違いのない政府全体の意思決定を適時適切にやっていこう、こういうことを考えての内閣機能の強化、その一環としてこれをやっておるわけでございますから、特別に権力的に云々といったようなことはございません。いよいよ実施するという段階になれば各省それぞれの分担に応じてやるわけでございまして、この組織が直ちに実施をするというのではなくて、トップダウンの意思決定を補佐する、それの間違いのないような意思の決定をしなければならない、それがためのスタッフ組織の強化なんだ、かように御理解をしていただきたいと思います。
○小川(仁)委員 重大緊急事態というふうな課題に重点を置いての御答弁ですが、これは国防会議そのものを継承しているわけであります。国防会議の中には四つの項目があるわけでございます。特に出動の可否という問題もあるわけでございます。こういうものも安全保障会議で扱うわけでございましょう。そうなってきますと、安全保障会議で扱うであろう出動の可否、こういったようなものにかかわって私は今御質問を申し上げて、その方向での御見解をお聞きしているのですが、出動の可否、これは日本の国にとって非常に大事な課題でございますから、こういう場合におきましても安全保障会議だけで物を決定するという状況はない、こう考えてよろしゅうございましょうか。非常事態の場合はトップダウンがあったとしても、出動可否の場合には安全保障会議だけで物を決定して発展していくということはないと考えてよろしゅうございましょうか。
○後藤田国務大臣 今度の組織は、国防事態についてはそのまま引き継いでおるということでございますから、そういう点については別段従来と変わっておりません。しかし、いずれにせよ国防事態というものは全部最後の決定は閣議ということになりますから、従来とはいささかも変わるところはない、こういうように御理解をしていただきたいと思います。
○小川(仁)委員 続いてお伺いしますが、内閣の中に総合安全保障関係閣僚会議が設置をされるように、五十六年ですか、当時の鈴木総理の施政方針演説の中にございましたが、現在も総合安全保障関係閣僚会議は存在しているのですか、それとも存在していないのですか。
○塩田政府委員 現在も存在しております。
○小川(仁)委員 現在の活動状況がおわかりでしたら、ひとつお話しを願いたいと思います。
○後藤田国務大臣 名前はございますけれども、活動は全くございません。——今のは間違いで、二カ月ぐらい前にやっているそうでございますから。済みませんでした。
○小川(仁)委員 実は連休前でしたから、私の方の問題点の指摘も十分しておりませんでしたので、その辺幾つかの行き違いがあるかと思います。私もお呼びする方をあるいは落としているかもしれませんが、その点は御了解いただきまして。 さて、この総合安全保障関係閣僚会議の性格ですが、当時の官房長官の御答弁は、恒久性を持つものとしてつくっていくべきではないか、こういう言い方をして、この会議を恒久性を持った一つの重要な会議として位置づけておられるわけです。これと今度の安全保障会議との関係についてお聞かせ願いたいと思います。
○塩田政府委員 まず、安全保障会議の方は従前の国防会議の任務をそのまま引き継ぐわけでございますが、当然シビリアンコントロールという観点からの国防に関する重要事項の審議、それから今度の重大緊急事態への対処体制の審議ということが任務でございます。他方、総合安全保障関係閣僚会議は、経済、外交等のいろいろな諸施策がございますが、そのうち、安全保障の視点から総合性、整合性を確保する上で、関係行政機関において調整を要するものについて協議をするという目的を持って、閣僚レベルの協議機関として設置されておるものでございます。 このように、両会議の目的とか対象におきまして重複する面もございますけれども、元来また違ったねらいもあるわけでございまして、また性格も、片一方は諮問機関であり、片一方は関係閣僚の協議機関であるといったように異なっておりまして、今後ともそれぞれの機能を十分発揮させるという方向で検討を行ってまいりたいと考えております。
○小川(仁)委員 ずっと議事録等を見ますと、この総合安全保障会議について、例えば五十五年十一月十日、衆議院の安保特別委員会で鈴木総理は、「ここで結論が出たことは、国防会議の決定と両々相まちまして、わが国の総合安全保障というものを確保する」ものであります、こういう言い方をしております。ですから、総合安全保障会議というものは、単なる内閣内の連絡調整というふうな見方とは違った御答弁をしているわけです。「結論が出たことは、」という言い方は、やはり一つのものを協議して一つの結論を出し得る可能性を持つものだと思いますが、そういう機関として認識をしていいのでしょうか。単なる閣僚の連絡会議として認識すればいいのでしょうか。これは議事録とのかかわりの中ではっきりしていますだけに、性格をお答え願いたいと思います。
○塩田政府委員 この点は、私どもの理解としましては、あくまでも閣僚レベルの協議機関でございます。その協議をする目的は関係省庁間の調整を要するものについての協議ということでございますから、その限りにおいて、その場において結論が出れば関係省庁間の調整に大いに役立つということはあり得ると思いますから、そういう意味であるいはおっしゃったのではないかと思いますが、法的性格ということになりますと、これはあくまでも関係閣僚レベルにおける協議機関ということでございます
○小川(仁)委員 確かに総合安全保障会議は立法化されていません、法律事項にはなっておりませんが、一連の答弁を見ますと、例えば閣内の委員会としては重要な任務を持つ、こういう言い方をしておられますし、先ほど申したように「ここで」というのはこの総合安全保障関係閣僚会議でありますか、そこの「結論が」、こういう言い方を出したりしているわけです。総合安全という場合には、現在提案されている安全保障会議とは違って、エネルギーの問題とかあるいは食糧の問題、非常にいろいろな経済的に大きく幅広い問題があるわけでございます。この問題を抜きにしての安全保障ということも日本の場合はないと思いますが、これは連絡会議というだけで存在させますと、現在提案の安全保障会議が安全保障に関する唯一という言い方は語弊があるかもしれないけれども権威を持ったものであって、総合安全保障関係閣僚会議ですか、これの方はただあそこでいろいろ集まって話をするというだけで、何か非常に大きく重要な課題に対しての安全保障問題が消えてしまっているような感じがするのですが、この点はどうでしょう。
○塩田政府委員 先ほども申し上げましたように諮問を受けて答申をする機関ではございませんで、協議機関でございますから、そういう意味で、先生から今大きな目的がぼやけているのではないかという御指摘がありましたが、元来これは協議機関として設置されておりまして、それなりに関係各省間の調整をする事項についての意思の調整には効果はあると考えておりますが、あくまでも先ほど来申し上げましたように協議機関であるということは変わりございません。
○小川(仁)委員 そうすると、まだ現在は国防会議という言い方で物を言いますけれども、国防会議の中で一つの方向性が出てまいった場合あるいは一つの結論が出た場合は、この総合安全保障関係閣僚会議の中に提案をしてといいますか報告をして、さらに討議を深めるというような形態はとらないのでしょうか。それから、今後国防会議が安全保障会議の中に包含されたとして、安全保障会議は、そういったような形で総合安全保障関係閣僚会議に対する報告その他を行わないものでしょうか。
○塩田政府委員 御指摘のように、現在の国防会談で議論になった決めた事項、あるいは今後の安全保障会議で議論になり決まった事項を、総合安保の関係閣僚会議に報告するようなことがあるのかというお尋ねでございますけれども、そういう点は考えておりません。
○小川(仁)委員 ちょっと関連してお聞きしますが、この二つの会談の関係閣僚は、メンバーはどんなふうに違うのでしょうか。
○塩田政府委員 総合安全保障関係閣僚会議の方のメンバーから申し上げてみますと、外務大臣、大蔵大臣、農林水産大臣、通商産業大臣、運輸大臣、内閣官房長官、防衛庁長官、経済企画庁長官、科学技術庁長官でありまして、内閣官房長官が主宰する、こういうことになっております。なお、この会議には自由民主党の幹事長、総務会長、政務調査会長が出席をするというふうになっておりますが、このうち、現在の国防会議、今後の安全保障会議のメンバーでない方は、党の役員の方は別にしますと、農林水産大臣、通商産業大臣、運輸大臣、科学技術庁長官、これらの方は現在の国防会談及び今後の安全保障会議のメンバーではない方でございます。
○小川(仁)委員 そういたしますと、総合安全保障関係閣僚会議というのはある意味では単なる連絡機関、協議機関であって、一つの安全保障に対する日本の態度決定とか方向を決定する際の役割を果たしていない、こういうふうに認識してよろしゅうございますね。
○塩田政府委員 役割を果たしていないんではないかということでございますけれども、それなりに各省間の意思の調整には効果があるんではないかというふうに考えております。
○小川(仁)委員 今度の安全保障会議の中には、必要があれば関係閣僚を招集できることになるわけです。だから農林大臣が必要となれば安全保障会議に農林大臣をお呼びできる。こうなってまいりますと、実質はもうこれは用がなくなった、安全保障会議ですべてやれる、こういうふうに理解するんですが、いかがですか。
○塩田政府委員 今度の安全保障会議になりました後も、国防関係につきましては従来の国防会議の任務をそのまま継承するわけでございますし、それに今後重大緊急事態の対処体制の審議が加わるわけでございますが、総合安保関係閣僚会議の方は、先ほども申し上げましたように、さらに経済問題でありますとか外交問題でありますとか、そういったものが対象に取り上げられるわけでございまして、そういった点の相違は今後もあろうかと思います。
○小川(仁)委員 そうすると、官房長官、これは将来も存置する予定でございますか。
○後藤田国務大臣 だんだんお答えをいたしておりますように、片方は法律による総理に対する諮問の機関である、片方は閣僚の協議の機関である。協議機関としての総合安全保障会議、この方は、これは今たくさん関係閣僚会議というものがあるわけで、その中の一種である。したがって大変幅も広いし、そしてまた、今度つくろうとしているもののようないわば一種の緊急性といいますか、そういうものとも意味が違うということでございますから、置いておいてそれなりの役割を果たすかもしれませんが、これは実際は先行きの検討の課題である。今回出す際にも実は内部でこの意見を一度議論をしたことがございますが、現時点においてはそのまま置いておこう、こういうことになっておりますが、私は先行きはこれは検討しなければならぬ課題であろう、かように理解をしております。
○小川(仁)委員 ではその問題を終わりまして、現在までの国防会議のいろいろな決定の仕方あるいは内部の討議についてお伺いいたしますが、国防会議の開催年月日、事項、閣議手続というふうなものを一覧表でいただきましたが、この中で国防会議で決定したという事項が、「閣議によって了解」あるいは「閣議に報告」、「閣議決定」あるいは「閣議決定なし」、こんなふうに分類されるわけであります。また、国防会議の審議事項につきましてはこれは閣議で一切何もなされておりません。それから、国防会議で了承という事項については閣議に説明をしているわけであります。まず、国防会議決定が閣議においてこのように違う扱いをされております理由をお聞きしたいと思います。
○塩田政府委員 まず国防会議の方の議事の決め方でございますが、御指摘のように国防会議で決定をするというもの、それから国防会議に報告をするというもの、あるいは国防会議において了承をするといったような形、それからさらには、単に審議をするだけといった場合もございます。 それで、その区別でございますけれども、国防会議で決定といいますのは、総理から諮問を受けまして会談が答申をするに当たりまして、国防会談としての正式の意思決定をする場合にこれを「決定」というふうに呼んでおります。「報告」といいますのは、そういう諮問を受けて正式に会議の意思を決定するというものではございませんけれども、事柄によって会議の構成員の了解を得ておくことが好ましいといった事項について報告を受けるといったようなことがございます。さらに、その報告の中で会議としての何らかの意思の表明をしておこうといったような場合に「了承」という言い方をいたしております。それで、国防会談で決定をいたしましたものでさらに閣議に諮ることを要するものにつきましては、これは「閣議決定」をいたしておる、そういう関係になっております。
○小川(仁)委員 事項という問題の中身を見ますと、閣議決定になるものは、「防衛力の整備内容のうち主要な事項の取扱いについて」、これは昭和五十一年の場合ですが「閣議決定」、こうなっています。ところが五十二年になりますと、「昭和五十三年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、非常に同じような命題で、中身を知りませんからわかりませんが、これは国防会議だけが決定をしている。五十四年、今度は「閣議決定」という事項は一つもございません。五十五年も国防会議が審議や決定をしても「閣議決定」というのはありません。こういうふうに名称が同じでありながら、国防会議が決定しながら閣議決定をされないというものは、どういう内容によっての違いがあるのでしょうか。
○塩田政府委員 最初の五十一年の「防衛力の整備内容のうち主要な事項の取扱いについて」といいますものは、これは現在の法律の第五号で、その他国防に関する重要事項で総理が必要と認めたものは国防会議に語る、というふうに決められております。その規定を受けまして、どういうものがここで言うその他国防に関する重要な事項であるかについて国防会議で決定をして、そして、ここに該当するものは今後必ず国防会議にかけることにしようというふうに決められたものが、五十一年十一月五日の主要な事項の取り扱いについてというものでございます。これは「閣議決定」といたしまして、同時に閣議に諮りまして、今後こういうものは国防に関する重要事項であるとして取り扱うということを決めだということを国防会議で決めまして、さらに閣議において御決定を願って運用しておる、こういうものでございますが、一方、第二の「昭和五十二年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、これは元来、各年度の防衛力整術のうちの主要な事項については当然各年度の予算に計上されるわけでございますが、この予算の中で、今申し上げました五十一年十一月五日の取り扱いについてということによって決められましたところに従いまして、予算の中でこれとこれとこれとは国防会議で決定するというふうに決められております。例えば戦車の数でありますとかあるいは護衛艦でありますとか主要な飛行機の整備等については国防会議で決定するように、五十一年十一月五日の閣議決定によって決められております。それに従いまして「昭和五十二年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」という国防会議決定をしたわけであります。つまり、五十一年十一月五日の「防衛力の整備内容のうち主要な事項の取扱いについて」という閣議決定に従いまして、五十二年度防衛関係予算のうちの国防会議に付議すべき事項が定められておりますから、それを国防会議で決定をした、こういうことでございます。 お尋ねの、五十四年度は全然閣議に関係ないではないかということでございますが、今申し上げましたように、この五十一年の閣議決定によりまして、国防会議で審議すべき事項として決められたものは国防会議で審議をしたという経過でございまして、閣議に付議すべきものではなかったということで、五十四年度には閣議決定はない、こういうことでございます。
○小川(仁)委員 では、今まで総理の方から国防会議に諮問された事項は何々がありますか、御説明願いたいと思います。
○塩田政府委員 原則として、国防会議で決定したものというのは、先ほど申し上げましたが総理の諮問を受けたものということでございますが、非常に数がたくさんございますけれども、昭和三十二年五月二十日「国防の基本方針について」、これは諮問を受けたものでございます。以下、三十二年六月十四日「防衛力整備目標について」、三十二年九月十日「P2V対潜哨戒機の整備について」、三十三年四月十二日「次期戦闘機の整備について」、三十四年六月十五日「次期戦闘機の整備について」、三十四年十一月六日「次期戦闘機の整備について」、三十六年一月十三日「次期防衛力整備計画及び陸上自衛隊の改編について」、三十六年七月十八日「第二次防衛力整備計画について」、四十年一月二十一日「F104J戦闘機の追加生産について」、四十一年十一月二十九日「第三次防衛力整備計画の大綱について」、四十二年三月十三日「第三次防衛力整備計画の主要項目」及び「第三次防衛力整備計画の所要経費について」、四十四年一月十日「新戦闘機の整備について」、四十七年二月七日「第四次防衛力整備五か年計画の取扱いについて」四十七年二月二十五日「昭和四十七年度防衛関係予算の修正について」及び「防衛関係予算中の主要項目の取扱いについて」、四十七年四月十七日「自衛隊の沖縄配備について」、四十七年十月九日「第四次防衛力整備五か年計画の主要項目」及び「第四次防衛力整備五か年計画の策定に際しての情勢判断及び防衛の構想」、同日の「文民統制強化のための措置について」、四十八年一月十五日「昭和四十八年度防衛関係予算案中の国防会議付議事項について」、四十八年一月二十五日「第七十一回国会提出防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案中の国防会議付議事項について」、四十八年十二月二十八日「昭和四十九年度防衛関係予算案中の国防会議への付議事項について」、四十九年十一月二十六日「昭和四十九年度防衛関係予算に係る重要躯項の取扱いについて」、五十年一月十日「昭和五十年度防衛関係予算案中の国防会議付議事項について」、同日「昭和四十九年度防衛関係予算に係る重要事項の取扱いについて」、五十年十二月二十日「第四次防衛力整備五か年計画の主要項目の取扱いについて」、同日「昭和五十一年度防衛関係予算案中の国防会議付議事項について」、五十一年十月二十九日「防衛計画の大綱について」、五十一年十一月五日「防衛力の整備内容のうち主要な事項の取扱いについて」、同日「当面の防衛力整術について」、五十二年一月十九日「昭和五十二年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、五十二年十二月二十八日「次期対潜哨戒機の整備について」、同日「新戦闘機の整備について」、五十二年十二月二十九日「昭和五十三年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、五十四年一月十一日「昭和五十四年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、五十四年十二月二十九日「昭和五十五年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、五十五年十二月二十九日「昭和五十六年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、五十六年十二月二十八日「昭和五十七年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、五十七年七月二十三日「P−3Cの取得数の変更について」、同日「F−15の取得数の変更について」、五十七年十二月三十日「昭和五十八年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、五十九年一月二十五日「昭和五十九年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、五十九年十二月二十九日「昭和六十年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」、六十年九月十八日「中期防衛力整備計画について」、同日「P−3Cの取得数の変更について」、同日「F−15の取得数の変更について」、同日「新地対空誘導弾の整備について」、六十年十二月二十八日「昭和六十一年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」であります。 以上が、総理の諮問を受けまして国防会議で決定したものでございますけれども、一番最初に、昭和三十一年十二月に議事運営規則をつくって国防会議で決定しておりますが、これだけは諮問を受けて決定したものではなくて、国防会議の場で議長が提案をされてお決めになったものでございます。
○小川(仁)委員 すると、諮問を受けた事項はすべて閣議に報告する、あるいは説明する、こういう形をとっているわけですね。
○塩田政府委員 必ずしもそうではございません。最近の例で言いますと、先ほど申し上げました昭和六十年十二月二十八日の「昭和六十一年度における防衛力整備内容のうちの主要な事項について」は、国防会議決定をいたしておりますけれども、別段閣議決定も閣議報告もいたしておりません。ですから、国防会議決定をしたものが必ず閣議で決定されるというものではございません。
○小川(仁)委員 そうすると、例えば今あなたが言われたような、諮問を受けて、その中身がかなり大事なものでありながら、閣議で報告も説明も了解も得ないで国防会議だけが独自でそれを進めていく、こういうことが許されるのですか。
○塩田政府委員 その点については事柄によると思うのですけれども、今私がずうっとお読みしました中で、各年度における「防衛力整備内容のうちの主要な事項について」というのが毎年入っておりました。これは、先ほど言いました五十一年の国防会議決定及び閣議決定によりまして、これこれは重要事項として国防会議に語るというふうに決められたものでございまして、それは国防会議に諮っておりますが、それは同時に、先ほどもちょっと申しましたが、実は全部予算の中に入っておることでございます。ただ、その予算の中に含まれておる中で主要なものとしまして、先ほど言いましたように戦車でありますとかあるいは護衛艦でありますとかといったものについて取り出して、これを国防会議決定をしておるというものでございますので、それは特段閣議にかけることはないというふうに取り扱われておりますが、例えば、やはり最近の例で申し上げますと、先ほど申し上げました中の六十年九月十八日の「P−3Cの取得数の変更について」あるいは「F−15の取得数の変更について」、こういったものは、国防会議で決定をして、しかしこれは事柄の重要性を考えまして、閣議了解という形で閣議に御報告をしておるというふうな取り扱いをいたしております。したがいまして、国防会議で決定をして「閣議決定」、国防会議で決定をして閣議に「報告」または「了承」、あるいは国防会議で決定をして閣議には特段何もしないというケースがございまして、それはそれぞれの事柄によって取り扱いを決めておる、こういうことでございます。
○小川(仁)委員 その事柄を決定している基準とか事項というものがありましたら、お示し願いたい。
○塩田政府委員 これも結局閣議一般の話になりまして、閣議というのはどういうものを取り扱うかということになろうかと思いますので、私からお答えするのはいかがかと思いますけれども、一般的に閣議は、内閣としての意思を決定する事項については閣議決定を行うというふうになっておりますが、それ以外に閣議了解、閣議報告というものがございまして、例えば閣議了解について言いますと、各省庁の権限に属する事項のうちで特に重要と認められ、かつ、他省庁にも関係する事案であるというような点から、閣議に付議することを適当とする事項といったようなものは、閣議了解という形をとっている。ですから、先ほど申し上げましたP3Cの取得数の変更でありますとかいったようなことは、国防会議では決定しておりますけれども、こういうものは閣議に報告し了解を求めた方がいいであろうというふうに判断をされたと了解をいたしております。それから閣議報告といいますのは、国政に関する主要な調査の結果等につきまして、あるいは各種審議機関の審議の結果等につきまして、閣議に報告することが適当と認められるものについて閣議報告が行われるというふうに言われておりますが、私ども国防会議の取り扱ったものにつきましても、こういったような基準によって取り扱われておる、こういうことでございます。
○小川(仁)委員 そうすると、あなた方の方には、自主的に、これこれは閣議に報告する、これこれは閣議の了解を得るといったような、具体的な事項についての内規みたいなものはないわけですね。
○塩田政府委員 従来の取り扱いで大体私どももう決まったパターンができておると思っておりますけれども、おっしゃいますようないわゆる内規といいますか、そういうルール的なものはございません。
○小川(仁)委員 私は、国防会議の独走といいますかそういうものをおそれますから、これからの課題の中で、こういうものは最低閣議にかけるんだ、決定をしてもらうんだ、あるいはこういう種類のものは報告、了承でいいんだというふうな、一つの事柄の重要性を前提にした国防会議、今後は安全保障会議になると思いますが、そういうルールを決定なさることが、議院内閣制の本旨であり民主主義政治の基本だと思うので、そういうものをおつくりになるように要望いたしますが、いかがでしょうか、これからの扱いについて。
○塩田政府委員 何を閣議で扱うかということにつきましては先ほど御説明いたしましたが、こういう取り扱いで現在行われておりますので、私どもそれに従って、閣議に出すべきものは出す、あるいは閣議の了解を得るもの、報告いたすもの、それぞれを扱っていきたいと思っておりまして、これをおっしゃいますようなルール化といいますか、そういうことは現在のところ考えておりません。
○小川(仁)委員 国防会議の性格というのは、ある意味では国民を非常に悲惨な状態に追い込むかもしれないような中身も含めた決定でございます。もちろんここに出されているものはそういうものとはちょっと違いますけれども。やっぱり議院内閣制という課題になりますと、これこれはやっぱり閣議に報告しなければならない、こういったようなものがきっちりでき上がらないと、あるものは国防会議の判断で適当に、適当にという表現は失礼になりますが、会議だけで処理をする、これは大したことがないから国防会議の判断で、ここだけで決定しておこうといったようなやり方をしますと、国防事態ということ、国防・安全保障全体にかかわることを知っている閣僚と全然知らない閣僚とが出てくるわけです。こういう格好になるのは、私は、日本の安全保障ということを皆さんが御討議なさる上で非常に問題だと思いますから、すべてを報告しろとは申し上げませんけれども、当然閣僚に非常に多くのことを報告をし、全閣僚が知っておくあるいはそれに対する意見を述べることができる、こういう状態をつくっておくのがいいのではないかと考えて、こういう質問や意見を申し上げたのですが、この点に関して官房長官、今後の安全保障会議の運営についてどんなふうにお考えいただけるでしょうか。
○後藤田国務大臣 国防会議で決めるような事項というのは事柄それ自身が非常に重要な事柄が多いわけでございますから、私はほとんどが閣議の決定あるいは閣議の報告あるいは閣議の了解、こういったものを必要とする事項が多い。と思います。もちろん国防会議だけで処理をなさるものもあると思いますが、しかしながら、国防会議の仕事そのものが非常に重要性が高いわけでございますから、やはり閣議との何らかの関係を必要とする事項が多いであろう、こう思います。 ただ、小川さんの御質問は大変これは難しいのです。閣議決定あるいは閣議了解あるいは閣議報告、それらの扱いの区分けはどうなっておるのかという基本の問題がございます。これはなかなかやかましい問題でございまして、平たく言えば重要度合いで、政府全体として意思決定を必要とするものは閣議の決定だし、そこまでいかなくても閣議に一応了解だけは、各閣僚、政府全体でしておかなければならないとか、あるいは各閣僚が少なくとも知っておかなければならない、こういうものは報告だとか、こういったいろんな扱いが長い間の慣例で私は決まっておると思います。ただ、御指摘は非常に重要な点でございますので、従来からの扱いその他については、改めて法制局の方から小川さんの方に御説明を申し上げたい、かように思います。
○小川(仁)委員 ぜひ重要な問題、特にこれからさらに国防会議を安全保障会議まで格上げをするという形で運用なさるのですし、そしてこの法律を見ますと、国防会議の中における守秘義務といったようなものが非常に強く要求をされている、しかしやっぱり閣議、いわゆる議院内閣制における閣議の連帯制、内閣の連帯制ということを考えますと、今の問題、ぜひ大事にお考え願いたい、こういうことを申し上げて終わります。 次は、「重大緊急事態」こういう表現が今回の中に出されておりますが、これは行革審の答申、これがそのまま受け入れられてつくり出されたもの、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○塩田政府委員 趣旨においては全くそのとおりだと思っております。
○小川(仁)委員 例えば行革審の答申の中には「緊急事態の対処体制の確立」、こういう形で官房機能の強化、こういう問題が明確に出されております。そういう形の中で、今度は具体的な対処の確立ということも出されております。「緊急事態には、直接侵略等の軍事危機を除いても、大規模地震のような自然災害のほか、大停電、通信網の断絶等のような人為的事故、エネルギー危機等の経済的危機、さらに、領空・領海侵犯や他国による航空機撃墜、政治的意図を持ったテロ・ハイジャック事件、騒擾事件等が考えられる。」こういうふうに言われておりますが、ここに挙げられているようなことが緊急事態の内容と考えてよろしゅうございますか。
○塩田政府委員 先ほど答申の趣旨においてそのとおりだと申し上げましたが、今お読みになりましたように、答申では、地震でありますとか、つまり自然災害でありますとかあるいは人為的事故、こういったものも含めておりますし、エネルギー問題等も取り上げておりますが、これらをずっと見ますと、今度の法律で通常の緊急事態対処体制によって対処し得るものは除くという考え方をとっております。そういう点からいきますと、自然災害につきましては既に対処体制がございますし、またエネルギー等の経済的危機につきましても対処体制がございますし、あるいは領空侵犯などの例を考えてみますと、これは自衛隊法の方に規定がございます。また騒擾事件等につきましても、治安問題として考えれば治安対処体制というのがあるわけでございます。そういうものはここでは、答申の方では広く挙げておりますけれども、今度の立法に当たりましては、私どもは、そういった広く考えられる緊急事態の中で、通常の緊急事態対処体制によって対処し得るものは除くという考え方をとったわけでございます。
○小川(仁)委員 ちょっと話が飛びますが、ソ連のチュルノブイル原子力発電所、この事故で大変ヨーロッパ、北ヨーロッパ全域に被害あるいは不安感を与えたようでございますが、日本にも原子力発電所があるわけでございます。設計や型式はもちろん違うと思いますが、やはり本質的に非常な危険性を内在しておると思います。こういう原子力発電所の爆発などというのは、その時点では想定に入っていなかったかもしれませんけれども、もし仮に起こったら、非常に危険な非常緊急事態というふうに考えてよろしゅうございましょうか。
○塩田政府委員 今回のソ連の場合を具体的に私ども検討する資料がございませんので、ソ連の今回の事態を前提としてお答えすることはできませんけれども、我が国でもし仮に原子力発電所に事故が発生した場合にはどうなるかという一般論でお答えいたしますと、事故の影響が周辺地域に及ぶおそれがあるという場合には、国務大臣を本部長としまして、関係行政機関の職員を本部員とする事故対策本部を設置してこれに対処するということは、中央防災会議で決定されております。したがいまして、一般的に申し上げれば、原子力発電所の事故については既存の対処体制が整っておりまして、これによって対処されるということでございますから、今回いうところの「重大緊急事態」に当たるとは一概には言えないというふうに考えております。
○小川(仁)委員 今回の事故は、国境を越えて他の国にまで影響を及ぼしているようであります。八千キロ離れた日本にも幾らか放射能が落ちた、まあ人体には関係はないようでございますけれども。しかし、大地震とか何よりもまだ影響力が大きくて国際的な関係が多い事故のように考えられますが、これは対策本部だけで大丈夫、こんなふうに考えているわけですね。
○塩田政府委員 結局、もし事故が起こったとしました場合の態様によって判断をせざるを得ないと思いますが、あくまでも事故によって被害が及ぶという場合に先ほど申し上げました対策本部で処理できる範囲のものであれば、これはそこでやっていただくということでよろしいのではないかと思います。よく私どもが申し上げておりますように、大地震の場合でも関東大震災みたいなものになれば安全保障会議で審議することになるだろうというようなことを申し上げておりますが、要するに、当該災害または当該事故の対処体制だけでは対処し切れないという状態になったときに、安全保障会議に語るということになるのではなかろうかというふうに考えておるわけであります。
○小川(仁)委員 科学技術庁の方からもおいでを願っていると思いますが、日本でこういう事故の起きる可能性というものは絶対ありませんか。
○堀内説明員 今回のソ連のチュルノブイル発電所におきます事故の詳細については、わからないところが非常に多うございますが、これと昭和五十四年三月に起きましたTMI、スリーマイルアイランドにおける原子力発電所の事故というものを両方比べて勘案してみますと、ソ連の発電所におきましてはい日本の発電所が備えているような格納容器がまず備えられていない可能性が非常に多うございます。これはまず、北欧その他のところで観測された放射能の量、並びにソ連が発表いたしました破壊されました原子力発電所の写真等から、それと、私どものところにございます当該発電所にかかわると思われます概念図等から判断がされることだと思います。もちろん、さらに詳細には、ソ連政府がより詳細なデータをくれなければならないと思っております。しかしながら、このような情勢から見まして、日本の発電所におきましてこのように多くの放射性物質が環境にばらまかれる事態というのは、非常に起こりにくいというふうに私どもは考えております。
○小川(仁)委員 私が聞いたのは、絶対ありませんか、起きませんかと聞いているのです。
○堀内説明員 絶対にという言葉は非常に難しゅうございまして、いわゆる確率論的な問題でいえば、何がしかの確率があれば絶対ということは言えないということになるわけですが、非常に抱きにくいということしか言えないと思います。
○小川(仁)委員 非常に起きにくい、が、起きる可能性もある。 このごろ巨大技術の事故が随分起きていますね。アメリカでも、シャトルあるいはタイタン、こういったようなロケットの爆発、日本における日航機のああいう状況。巨大技術に対して皆さんも最大細心の注意を払ってつくってはおられると思いますけれども、逆に技術が巨大で事故結果の与える影響が大きいだけに、私はそういうものに対しての一つの自制行為というふうなものが非常に大事だと思うのです。こういう観点からまいりますと、これから原子力発電所を拡大していくといったようなことについては、十分自制力を働かして、取りやめる等の考え方を持たなければ非常に危険だと思うのですが、いかがですか。
○堀内説明員 私どもが技術、特に潜在的な危険性を持ついわゆるリスクをはらんでいる技術というものを我々の社会生活の中に取り入れていく場合におきまして、そのリスクとそれからそれによって得られます利益との最適性といいますか、そういうものについて十分考えていかなければなりませんし、さらにそれに加えまして、安全の面については万全を期していかなければならないというふうに思っております。 特に原子力におきましては、しばしば関係者から申し上げていると思いますが、安全ということをまず最大のテーゼとして掲げましてこれをやっているつもりでおります。したがいまして、大きな事故はもちろんのこと小さな故障に至るまで、私どもは、その原因等の究明に当たり、その中から学ぶべきものを十分に学んで取り入れていくということを続けてきているところでございまして、それの一番の典型は、スリーマイルアイランドのときに事故調査の結果得られましたいわゆるレッスンラーンド、教訓と言われるものがございますが、これによって日本の原子力発電におけるいろいろな改善がされたと思います。 それの一端を御紹介いたしますと……
○小川(仁)委員 いや、いいんだ、そこまでで。 いろいろ安全性についての説明はそれなりにあられると思うのです。ただ、私はやはり、ソビエトと日本の施設・設備の形態その他は違うから今言った安全管理の面で違うものがあったとしても、原子力が持つ基本的なもの、危険性というのは同じだと思うのです。この前ニュースを見ておりましたら、一カ所、例えば東海村の発電所が仮に間違って爆発したという状況があると、雨のときだと五万人以上の人が死傷するだろう、こういうふうにどなたかの意見が出ておりました。そのことがすべて正しいかどうかということじゃなしに、そういう多くの犠牲を払うであろう設備というものに対する管理もさることながら、こういう事態が安全保障会議の中における緊急事態というものの対象として、予防、予測、予知の対象になるかどうかという観点で今お伺いしているわけでございますが、そんな大きな事故が将来考えられるとしても並大緊急事態の対象にはならない、こういうふうに考えてよろしゅうございますね。
○塩田政府委員 結局事故の内容、態様によると思うのですけれども、これは適切な例がどうかわかりませんが、昨年の日航機の事故なんかを見ますと、五百人もの方が亡くなられるという大変大きな事故であります。だけれども、事故対策といいますか、あれは事故対策本部をつくって処理したわけですが、そういう現在の対処体側でできるということであれば、それはそれでやっていただいてよろしいわけで、今の例えば原子力発電所が何らかの事故を起こしたという場合も、それは事故に対するあるいは事故から来るところの被害の排除、復旧ということで対処できる範囲であれば、これは私どもは現在の対処体制でやっていただいてよろしいのではないかというふうに考えまして、その事故の重大性ということがイコール安全保障会議にかかるかどうかではなくて、その態様がいろいろな分野にわたる、例えば震災でいいますと社会的なパニックが起こるといったような別な分野にまで、いわゆる災害対策を超えたもっと総合的な対策が要るというようなところに来た場合に、安全保障会議でその対策が審議されるというふうに考えておりまして、事故がいかにひどい大きな事故であっても、その事故対策として処理され得る限りはその体制でやっていただいていいのではないかというふうに考えております。
○小川(仁)委員 そうなってきますと、それでは科学技術庁の方にお願いしておきますが、非常に危険な状況がありますから、原子力利用のいろいろな装置、発電所響を含めて十二分にとにかく配慮していただきたいということを申し上げて、そちらの方は終わります。 そうすると、重大緊急事態ということは、非常に大きな国民的な事故あるいは損害が起きたとしても、それに伴って社会的不安といったようなものが存在しない限りは重大緊急事態としては扱わない、こう認識していいわけですね。
○塩田政府委員 重大緊急事態の考え方としまして、重大性、緊急性、異例性ということをお答えしてきておりますが、例えば私どもがいつも例に挙げておりますミグ25の事件でありますとかあるいはダッカの事件でありますとか、こういったものは必ずしも社会的パニックだとか社会的不安だということに結びつくものではございません。だけれども、そういう場合でも国としては非常に異例な事態でございまして、やはりああいう事態が起これば今度は安全保障会議にかかるのではなかろうかという例として申し上げておりますから、一概に社会的不安、パニックとだけお考えいただかないで、むしろ今のような異例性というようなことでお考えいただきたい、こういうふうに思います。
○小川(仁)委員 そうしますと、重大緊急事態というふうなものの定義というと語弊がありますが、皆さんが判断する場合の要件というものをもう一遍きっちり御説明願いたいと思います。
○塩田政府委員 答申の中にいろいろ緊急事態の例が挙がっておりましたが、私どもは、この法律におきまして、我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある緊急事態で、国防に関する事態を除くということをまず言っております。それからさらに、先ほど来お答えいたしておりますように、通常の緊急事態対処体制で処理し得るものは除く。それ以外の事態に対しまして、その起こった事態の重大性、緊急性及び異例性といったことを判断して、安全保障会議に諮ることになるというふうにお答えをいたしておるわけでございます。
○小川(仁)委員 そういう中身を行革審の方は、さっき育ったような自然災害のほか、人為的事故、経済的危機、航空機撃墜、領空・領海の侵犯、政治的意図を持ったもの、国際的なかかわりを持ったものというふうに分類をしておりますが、具体的には今あなたのおっしゃったことがこの分類とイコールになるわけですか。
○塩田政府委員 これは行革審で答申される場合に、行革審の考え方としてこういうものを例示されたのだろうというふうに思います。それを私どもがどういう形でつかまえて立法化するかということで、先ほど申し上げましたような規定を設けた、こういうことでございます。
○小川(仁)委員 科学技術庁、もういいです。 ここに書いてあるようなことを含めて、具体例としては幾つかお考えになっていないのですか。これはもう捨象されて、観念的にさっき育ったような要件だけで立法化したということですか。あなた方の方は具体的事例は予想しないということですか。
○塩田政府委員 具体的な事例としましてどういうことが考えられるかということになりますと、将来どんな事態が起こるかもちろん想定はできないわけでございますから、具体的にこういうものというふうに積極的な規定というのはなかなか難しい。そういう意味で、今までお答えしてまいりましたのは、過去の例としてどういうものがあるかという形で、過去の例としては、ミグ25でありますとかダッカの事件でありますとかあるいは大韓航空機のような事件が起こればこれに該当するのではないかというふうに申し上げてきたわけでございまして、具体的にはそういう過去の例でしかこれはちょっと答えのしようがないのではないかというふうに思います。
○小川(仁)委員 行革審の方でははっきりと自然災害、人為的事故、こういうふうなものを例証として挙げておるのですが、あなた方の方は大規模地震のような自然災害は対象にならないと言うの、なると言うの。それから、人為的事故が重大緊念事態の対象になると言うの、ならないと言うの。例えばここに挙げている大停電、通信網の断絶、経済的危機、政治的意図を持ったテロ・ハイジャック事件、騒擾事件、こういうものは想定の中に入っているの、入っていないの。
○塩田政府委員 この点も何度がお答えしておりますけれども、自然災害については、先ほど来申し上げておりますように、現在、通常の緊急班態対処体制の一つとして中央防災会議以下の制度がございますから、そちらで対処するということで、そういう意味では今回の対象にはならないということを申し上げると同時に、その場合であっても、関東大震災みたいな地震が来て、ああいう社会的パニックといったような状態になった場合には、通常の緊急事態対処体制では対処し切れない面が出てくるのではなかろうか。そういう場合には、事柄としては地震であっても、安全保障会議にかかることもあり得るでありましょうということを申し上げております。 その次の人為的事故についても同様でございまして、通常の事故対策によって処理される限りは安全保障会議にかかることはないというふうに考えております。 エネルギー等の経済的危機についても同様でございます。 ただ、最後にお話のございました政治的な意図を持ったテロ・ハイジャック、これは先ほど来の例で申し上げますとダッカの事件なんかがその一つの例でございますが、もしこういうものが将来起こるとすれば、単なるハイジャックではなくて、高度な政治的目的を持ったテロ・ハイジャックといったようなことが起これば、これは安全保障会議の対象として取り上げられることになるのではなかろうかというふうに考えております。
○小川(仁)委員 そうなると、これは政治的意図を持ったものに対してだけ重大緊急事態というものをあなた方としては予想している、こういうことですね。
○塩田政府委員 ハイジャックについて言いますと、通常の——通常のハイジャックというのも定義があるわけではございませんけれども、要するに通常のハイジャックであれば現在対策本部を設けてやるという体制ができておりますので、それでできるのではないかというふうにも考えておりますが、例えて言えばダッカのような事態になりますと、これは今度の安全保障会議といったようなところにかかるのではないかという例として申し上げましたが、一般的にすべて、政治的な問題が絡んで初めて安全保障会議にかかるという意味で申し上げたわけではございません。 例えて言いますと、ミグ25の事件でありますとか大韓航空機のような事件、これはいわゆる政治的な意味とはまた違った意味の問題であろうと思いますし、それから、関東大震災級の大地震があって通常の対処体制では処理し切れない事態というものを考えれば、これも必ずしも政治的意図を持っている事案であるというふうには考える必要はないわけでございまして、そういうものも安全保障会議の対象になり得るというふうに考えているわけであります。
○小川(仁)委員 何か重大緊急事態というのが、よくわかるようでわからなくなってきましたね。私は、因民の生活に非常に大きな影響を与えるような状況、そういうものが重大緊急事態だという国民の立場から、例えば原子炉破壊事故とかあるいは自然災害、人為的事故といったものを含めた係累のものも政府としてそういう非常事態として対処するのかと思っておりましたら、そうではなくて、政治的な意図、こういうものが中心だ、こんなふうにだんだん聞こえてきたのです。 例えばダッカ、これは確かにある意味において国内の現在の法秩序を超法規的に解釈しなければ処理できなかったものであります。そういったように、国内の法体制を超法規的に変えなければ処理できないような性格のものに限定されるわけですか、この緊急事態というのは。
○塩田政府委員 国民の立場から見て、国民の安全に影響のあるものを取り上げるべきではないかという御指摘は、私どもそれはそのとおりだと思っておりますが、何回も申し上げているように、そういった事態であっても、現在既に政府にある対処体制が有効に機能する限りはそれでやってもらうという意味において、今度の安全保障会議にかける必要はないだろうということを申し上げているわけでありまして、そのように御理解いただきたいと思います。
○小川(仁)委員 ここには「緊急事態には、直接侵略等の軍事危機を除いても、」と書いてありますが、これは除くわけではなくて、一番の本命だろうと思いますから、行革審の方の言い方を、表現の仕方がなかなか巧みだなと感じておりますが、「直接侵略等」の「等」には、間接侵略という考え方がございますか。そしてまた、国防会議には間接侵略という考え方、こういうものは安全保障会議の一つの対処要件として存在しますか。
○塩田政府委員 軍事的危機と言われる場合には、直接侵略のみならず、間接侵略もあり得るというふうに考えております。
○小川(仁)委員 間接侵略というのは、具体的にはどういうふうな場合のことを考えておられますか。
○西廣政府委員 外国の教唆扇動によりまして、治安上いろいろな重大な問題が起きているという事態を間接侵略と考えております。
○小川(仁)委員 今まで日本にそういう例がございましたか。
○西廣政府委員 自衛隊発足以来、間接侵略と認定したことはございません。
○小川(仁)委員 自衛隊発足以前は。違った形を言えば、神武以来だ。
○宍倉政府委員 自衛隊法で「直接侵略及び間接侵略」というふうに書いてございまして、その「間接侵略」について御説明を申し上げたわけでございます。したがいまして、自衛隊法の前では「間接侵略」というような自衛隊法で決められているような概念があったかどうかということについては、ちょっとお答えする立場にない、こういうことでございます。
○小川(仁)委員 間接侵略というのは向術隊が決めた用語であって、一般的な概念ではないのですか。自衛隊法に決めたことしかないのですか、間接侵略というのは。
○宍倉政府委員 自衛隊法上の「間接侵略」の話は先ほど申し上げましたが、自衛隊法で言っている「間接侵略」ということではなくて、一般的に間接侵略という言葉があるかどうかということでございますが、ちょっと字引を調べてみないとわからないと思うのですが、それはあり得ないことはないだろうと思います。
○小川(仁)委員 間接侵略という概念は自衛隊法で決めるものだというふうに考えられると、自衛隊も随分思い上がった物の言い方をしているものだなと思いますが、間接侵略と言われるものの概念を、外部からの教唆あるいは干渉によって日本の国内で起こされる内乱あるいは騒擾というふうに考えますと、そういう類似の事態が自衛隊発足以前にあったかどうかということを聞いているのです。
○塩田政府委員 調べてからお答えすべきではないかと思いますけれども、今お尋ねを受けまして考えた限りでは、思い当たるものはございません。
○小川(仁)委員 私も思い当たることがないような気がしたのでお聞きしたのですが、そうしますと、神武以来間接侵略という状況は日本になかったが、将来起こり得るとすれば、どういう事態における間接侵略というのをお考えでありますか。
○西廣政府委員 具体的な事例を想定しているわけではございませんが、例えば外国等から武器等が搬入される、あるいは工作員が潜入してきて騒乱等の扇動をするといったような事態であろうと考えております。
○小川(仁)委員 そうすると、「外国等から」ということなんですが、具体的にどこの国を考えておられるのですか。
○西廣政府委員 特定の国を想定しているわけではございません。
○小川(仁)委員 特定の国を想定しなくてもいいが、この国がやりそうだというふうな状況が存在しなければ何も間接侵略なんというのは要らない言葉なんですが、想定があるのですか。
○西廣政府委員 繰り返すようになりますが、特定の国を想定いたしておりません。
○小川(仁)委員 それでは間接侵略という言葉は、想定の対象にはあるいは考えとしては要らないわけですね。
○西廣政府委員 先ほど来申し上げておるように、外国の教唆扇動によってその種の事案が地球上の他の国でも発生をしておることは事実でございまして、(「ニカラグア」と呼ぶ者あり)そういったことも含めまして、我が国としてもそういう事態が全くないことではないということで、自衛隊の任務として間接侵略に対応することが求められておるわけであります。
○小川(仁)委員 だから、今まで世界的に間接侵略の例があるようでございますが、今ニカラグアというお話も出ましたけれども、そういう事態を考えておられるわけですか。
○西廣政府委員 繰り返すようになりますが、具体的にどのような事態ということが必ずしも想定されるわけではございませんが、今申されたようなこともあり得るものという一つの中に入ろうと思います。
○小川(仁)委員 そうすると、それに対する予防、予測、予知という考え方があるわけでありますが、間接侵略に対する予防、予測、予知といったような、回避をさせるための措置をとっておられますか。
○西廣政府委員 その種の事案に関しての平素からの主体的な任務というものは、警察なり海上保安庁なりそういった治安当局が担当しておるわけでございます。
○小川(仁)委員 そうすると、自衛隊としてはあるいは国防会議としては、そういう事態に対しては一切タッチしていないということですね。
○西廣政府委員 御承知のように、自衛隊といたしましては平素の任務としては領空侵犯対処等を行っているだけでありまして、それ以外については、通常の活動の中の調査活動の一環として監視等の任務についておるわけでございますが、今申されたような治安維持という面で具体的な任務についておるわけではございません。
○小川(仁)委員 外国からの教唆とか干渉じゃなくて、例えば国内で非常に大きく治安が問題になった騒擾事件というのは私の記憶では二・二六事件なんですが、これは間接ではないでしょうけれども、騒擾事件としてはこういう種類のものを考えておられるわけですか。
○塩田政府委員 二・二六のような場合は最も大きな騒擾事件でありまして、抽象的に申せば、ああいう事態が起こって現在の治安維持の体制で対処し切れないという事態であれば、ここで言う重大緊急事態ということになろうと思います。
○小川(仁)委員 これは間接侵略じゃないのですが、当時の軍隊の騒擾事件なんです。今の体制の中で、自衛隊の中にああいう状況が起こったときはどう対処しますか。
○西廣政府委員 自衛隊につきましては、現在日本は議会制民主主義のもとにありますので、そういった点で国民の民意が十分くみ上げられておるということで、自衛隊がその種の反乱を起こすというようなことは全く考えられないところであります。したがって、我々として、自衛隊がその種行動に出るということを前提としたことでいろいろな対応策を練っておるわけではございません。
○小川(仁)委員 当時の軍隊もやはり同じように考えておられたのじゃないでしょうか。もし違うとすれば、当時の軍隊は騒擾事件を起こした事態というものが現実にあるわけですが、今の自衛隊にはそういう事態がないわけですけれども、どこがそういう事態が起こる、起こらないの違いか、お答え願いたいと思います。
○西廣政府委員 基本的に違う点は、大きく申し上げて二つあると私は思います。一つは、現在、国自体が議会制民主主義ということで、国民に選ばれた国会によってまた選出された政府が統治しておるということで、民意が十分に反映された政治がなされているということがあろうと思いますし、もう一つは、自衛隊といいますか、そういう実力機構の管理そのものについてシビリアンコントロールというものが十分に行き渡っているという二点であろうかと考えております。
○小川(仁)委員 あの場合でも、一つの部隊が起こしたのであって、上層部の最高の統制機関の上にある部隊が命令したものじゃない。下の部隊です。そこは、現在の自衛隊でもシビリアンコントロールが行われていない、制服が命令すれば動ける状況があるわけでありまして、違わないじゃないですか。
○西廣政府委員 非常に違うと思うのです。一つは、今の自衛隊員そのものが民主主義教育を十分受けてきておるというものでありますし、先ほど来申し上げているように、政府が民意を十分に反映した政治を行っているということでございますので、したがって部隊がその種の実力行動に出ようとしても、一人の不満分子、単なる自分の不満とかそういうことではだれもついてこないということでございますので、いい政治が行われており、自衛隊員それぞれが民主主義教育を受けておる状況ではそういうことは考えられないということで、当時とは全く状況が違うと考えております。
○小川(仁)委員 そうすると、当時の政治はよほど悪かったのですな。しかも、あの場合には、絶対の天皇というものが存在して「反乱軍」と指名したからおさまったというふうに書いている人もありますけれども、今国民が置かれている状況というものと当時の状況とでは、民主主義の状態から政治の状態まで今の方が当時よりとは非常に違う、あるいはそういう政治の事態の食い違い、こういったものについての認識はどうですか。
○加藤国務大臣 二・二六事件は、私が生まれる前のことでございますので答弁申し上げるのが的確かどうかわかりませんが、あのときの社会というものは、一般国民が自分たちの意見を明確に反映するチャンネルを持っていなかったというような不満が根底にあって、特にまた農村地帯における疲弊等幾つかの問題が社会的な基盤としてあったろうと思います。それがいわゆる軍の中の下部の方に郷里の話として伝わり、また家から来る手紙として伝わり、こういった政治の状況を打破するためには何らかの非常的な手段を用いなければならないのじゃないかという気持ちが、かなりあのときにあったのだろうと思います。 防衛局長がお話ししましたように、現在の我が国におきましては、自分の意思を表明するチャンスが十分にあり得るわけでございまして、また、軍のいわゆる防衛力の運営にいたしましても、ここの内閣委員会で現実にやっておりますように大変なシビリアンコントロールを、国会の統制を受けておるわけでございまして、そういう中で、いわゆる自衛隊員の中で、民主主義教育を受けた者が全く世の中の流れと違った動きを示すことはないと私たちは思っております。私は政治家として防衛庁におりますので、その辺につきましても、今防衛局長が申した点につきましては十分責任を持って、政治家の目で見ても、そういうことは絶対あり得ないのだという現状認識を持つに至っております。御安心いただいて結構だと思います。
○小川(仁)委員 安心できないから質問しているのです。それは、前に防衛庁の若手将校たちが研究して出した、あれは「防衛研究」でしたか何かの本の中にこういうのがあった。西欧民主主義を対象とする現在の政治形態が、社会党やあるいは共産党が政権をとった場合は否定される。そういう場合に自衛隊がどういう行動をとるべきかについて、こういう討論が行われて、それが物の本に書かれている。その中には、クーデターを考えるかもしれないような、クーデターという言葉は使っていませんでしたが、それが果たして西欧民主主義の政党であるかどうか、政治形態であるかどうかを十分研究した上で、自衛隊としては態度をとるべきだ、こういう文章が載っていたのです。こういう考え方が自衛隊の中にあるのです。こういう事態をどういうふうに考えますか。
○加藤国務大臣 民主主義国におきましての政権の交代というものは、よほどの社会の変動がない限り非常に連続性を持って行われるものであろうと思っております。したがいまして、ある日突然自衛隊を全く認めないような、また自衛隊を全く破棄しなければならないというようなとんでもない大きな政策変換がこの日本で近々起こるわけではないし、あり得ないわけだし、それから、そういうことがあってもそれなりに政策の調整が行われて、民意というものが反映していくものだと思います。 繰り返しますけれども、基本におきまして、現在の自衛隊の運営というものは、この日本の中における民主主義における意思の表明の基盤の上に、スムーズに乗っかっておると言っていいのではないかと思います。
○小川(仁)委員 今のお話の中で、「ある日突然」というふうな表現を使いましたけれども、自衛隊を認めない、こういう政権が出ると自衛隊はどうするのです。
○加藤国務大臣 国民の意思の反映というものの中にあくまでも我が国の防衛政策が乗っておるわけでございまして、どのような意思の表明が国民の判断によって、投票によって行われるかは、予測はもちろんつかないことでございますけれども、突発的な大きな変動がこの国に今予見されない以上、私たちはスムーズな政策の調整・移行ということが行われていくものだと信じております。それほど私たちの国は高度に民主化された国だと自信を持っていいのではないかと思います。そういう中で国会がどのような政策をとるか、その政策によって我が国は、シビリアンコントロールに基づいて防衛庁、自衛隊は運営されていくものでございます。
○小川(仁)委員 あなたのお考えはお考えとしてお聞きしますが、今自衛隊の中で先ほど私が申し上げましたような研究あるいは討論が行われているという事態に対して、今後そういう事態を、あるいは研究を、あるいは話し合いを、何かの、それこそシビリアンコントロールといいますか、民主主義的な方法で抑えるといいますか、取りやめるということはお考えになっておられますか。
○加藤国務大臣 どういう形でどういう研究が行われているか、また先生が御指摘なさっている研究がどういうものなのかよくわかりません。 いずれにいたしましても、自衛隊の中でいろいろな意見もございます、また防衛力の整備のあり方につきまして、ある者は陸を重視せいとか海を重視せいとかいろいろ議論は自由にいたしておりますけれども、そういうものを全部収れんいたしまして、私たちとしては自衛隊、防衛庁全体の合意のもとに運営されております。したがって突然変なことが起こるということはございません。また、いろいろな意見を自衛隊の中、防衛庁の中で自由に聞いたりしておりますけれども、これはいつか申し上げましたように、異なった意見もいろいろ聞いて、そしてその勉強していく中で、また議論していく中で、現在の私たちが行っております政策についての自信がより強靱なものになっていくものだと思っております。
○小川(仁)委員 武器を持っているのは自衛隊しかないのです、日本の国内では。国民が持っているものはというと、せいぜい何々組というような人たちがピストルを持っている、あとは猟銃を持っているくらいなものですわな。したがって、強力な武器を持っている自衛隊の中における意見の自由ということは、非常に危険だと私は思うのです。武器を持っていなければ思想の自由、意見の自由があるとしても、武器を持っているがゆえに二・二六のような事態が出てくる可能性を持つわけなんです。 したがって、自衛隊の中における意見の自由というのはおのずから制限があると思います。また指導としても限界を設けて指導しなければならないと思いますが、その制限とか限界についてのお考えがございますか。
○宍倉政府委員 ちょっと御質問で聞き取れなかった点がございますので、もしも不十分な点がございますれば、改めてもう一度答弁させていただきたいと存じます。 今伺った限りにおきまして、自衛隊の中で意見等にわたって制約はあるのか、こういうお尋ねだったかと思いますが、それは、私ども自衛隊員は、自衛隊法によりましていろいろな制約が課されておることは、法律上幾つかあるわけでございます。それは、自衛隊員というその特別権力関係の中でそういう制約が課されているわけでございますからして、私どもの意見の表明等に当たりましても、おのずとその基盤といいますか、その制約といいますか、それの影響は受けざるを得ない、こういう関係にあろうかと思います。
○小川(仁)委員 いろいろな歴史を見ましても、クーデターというのは軍が中心になっているのが世界の中のほとんどの国の状況でございます。間接侵略などというふうな先ほどからの御答弁ですと、日本では予想できない、こういったような印象の問題よりも、私は、騒擾事件としての国内の武器を持った人たちの行動というものが、歴史的に見てみましてもあるいは世界史的に見てみましても一番大きな問題だと思いますので、この点についての防衛庁長官や官房長官の、細心にしてしかも日常性を持った予防、予知、予測というものを徹底してもらいたいし、そういう状況に陥らないような教育、隊員教育というふうなものを特に要望しておきたいと思います。よろしゅうございましょうか。 じゃ、その次に入りますが、今度の安全保障会議で、設置法の第二条第三号「前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱」というものは、今まで国防会議ではできておったのでしょうか。できておりましたらその内容を御説明願いたいと思います。
○塩田政府委員 できておりません。
○小川(仁)委員 なぜやらないのです。
○塩田政府委員 この規定は、前号のつまり「防衛計画の大綱」ができました場合に、それに関連する「産業等の調整計画の大綱」、こういうことでございますが、例えて申し上げますと、自衛隊が使う燃料でありますとか弾薬でありますとか、そういったようなことが民間の産業との関係において調整を要するといったような事態が考えられます場合には、あらかじめその間の調整をしておく必要がある、こういうことでございますのでこういう規定がございますが、現実に我が国の経済状況を考えてみました場合に、今の状態で、つまり平時の状態で、自衛隊のそういった燃料等について民間産業との間に調整を要するというような必要性がまず現実にはないということで、実際にはつくられておりません。ただ、有事といったようなことを考えます場合にその必要性はあり得ると思いますけれども、現実にはそういうことでつくられていない、こういうことでございます。
○小川(仁)委員 これは昔の産業総動員といいますか、国民総動員といいますか、そういうふうな内容を持つ結果になるでしょうね、これをつくったら。そうじゃないですか。
○塩田政府委員 規定の趣旨は今申し上げたような趣旨でございますから、いざという場合に何らかの形で民間産業との間に、いわゆる昔の言葉で言えば軍・官・民の間の調整ということになろうかと思いますが、燃料等についての調整が必要であるということはあり得るということでこの規定が設けられておりますが、それが昔のいわゆる軍需動員といいますか物資の動員、そういうものに該当するかどうかということになりますと、まあ現実には随分違った形といいますか、現在の我が国の産業の規模等から見ましてそう大きな問題ではないんじゃないかというような感じがいたします。 ただ、思想といいますか考え方としては同じ系列のものではあろうと思います。
○小川(仁)委員 これは当分といいますか、ここしばらくといいますか、とにかく戦時にならないうちはつくらないものだ、こういうふうに認識してよろしゅうございますか。
○塩田政府委員 必ずしも戦時と限定できるかどうかわかりません。といいますのは、直ちに戦時に至らなくても、いわゆる国際的な緊張が続くといったような事態もあり得るわけでございますが、そういった事態でこういうものが必要になってくるかもしれませんので、いわゆる戦時と限定して考えるわけにはまいらないと思いますけれども、いずれにしても平常の事態においては現実には考えられない、こういうことでございます。
○小川(仁)委員 じゃ今は全然手もつけていない、研究も何もしていない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○塩田政府委員 実際問題として何もいたしておりません。
○小川(仁)委員 同じように、これは防衛庁において有事立法が研究されているようでありますが、有事立法の中のいわゆる第三分類と言われる部分がございますが、この第三分類というのもまだ研究の対象になっておらないでしょうか。
○宍倉政府委員 第三分類の研究につきましては、これは政府全体として検討を進めていく必要がある性質のものではないかということでございまして、まだ具体的に検討する項目等について明らかになっている状況ではございません。
○小川(仁)委員 この第三分類とそれからこの第三号とのかかわりはございますか、ございませんか。
○塩田政府委員 直接のかかわりはないと思っております。
○小川(仁)委員 じゃ、今度は第三分類についてお聞きしますが、この読売新聞の一九八五年八月二十四日号によりますと、第三分類、いわゆる三分野に分けたその第三分類の中で十項目ほど検討の対象にしておられるようですが、例えば国民に直接かかわりのあるのが民間防衛で、住民の避難や疎開、灯火管制、民間防衛組織づくり、あるいは自衛隊の作戦区域に一般住民の立ち入りを制限する、あるいは航空、船舶、気象、電波使用などの統制等が挙げられ、捕虜の待遇を含むジュネーブ四条約の国内法制化、こういったようなことが検討の対象になったようでございますが、それは関連ございませんか。
○宍倉政府委員 今先生御指摘のように、確かに昨年の八月にそういった報道がございましたが、実際問題として、防衛庁としてはその辺の整理をいたしているというわけのものではございません。 検討の対象項目としては、昭和五十九年の十月に第二分類についての中間報告をいたしました際に、その報告書の中で触れておりますが、有事における住民の保護、避難、誘導を適切に行う措置、それから民間の船舶、航空機の航行安全を確保する措置、電波の効果的な使用に関する措置等々、幾つかの項目が例示として挙げられてございます。その挙げられていることとそれから今先生御指摘の新聞の記事の内容とそう違ってもいなさそうでございますし、それから、ここに書いてあるようなことは、私どもが見ましても検討するに足るような事項もあるだろうなというふうには思うわけではございますが、この辺のところを具体的にし私どもが今整理をしているのかというと、そういうことではございません。
○小川(仁)委員 こういうのを第一分類から第三分類まで見てみますと、有事というのは、日本本土内において、この国土の中で起きるというふうな想定に立った有事法制研究のようでございますが、前提はやはり日本本土内における有事というものを想定しておられるのですか。
○宍倉政府委員 我が国の場合は専守防衛でございますから、事が起こるということでございますと、我が国の領土、領海、領空の中ということになる可能性は非常に強いというふうに考えざるを得ないと思います。
○小川(仁)委員 可能性が強いんじゃなくて、海外では有事法制ということは考えなくても済むでしょうが、本土内決戦ということが前提のあらゆる法制研究でございますね。
○宍倉政府委員 まあ、全く本土内だけということでもないだろうと思います。例えば日本の庭先の公海で有事が発生する、要するに船舶などが意図的、組織的に攻撃されるというようなこともあり得るだろうとは思います。ただ、そういったことを除いて大方の話ということでおっしゃられることでありますれば、日本は専守防衛でございますから、日本の領土、領海の中で有事が起こる、そのことに対処して物を考えざるを得ない、こういうことだと思います。
○小川(仁)委員 じゃ、本土で有事ということを想定する防衛庁の常識といいますか考え方というものは、国民をどう考えておられるのですか。国民の存在、国民の生命、国民の健康、そんなものをどんなふうに考えておられるのですか。昔は、昔じゃない四十年前か、本土決戦というものを前提にした軍の作戦に対して、天皇が敗北を認めた、そして戦争をやめると宣下された。こういう事態が四十年前の歴史的事実としてあるわけでございますから、そういうことも含めて、本土を戦場に想定して有事法制を考えるという、この場合のいわゆる国民に対する安全その他に対する防衛庁の考え方をお聞きしたいと思います。
○西廣政府委員 御承知のように、我が国は憲法によりまして自衛権の範囲内で国を守っていこうということでございますから、必然的に専守防衛ということになりますので、国土防衛を中心にした防衛を考えざるを得ない。これは極めて難しいといいますか苦難の選択でありますけれども、その中でいかにして国民の生命の安全を守っていくかということが一番難しいところでございまして、そのためにもやはり有事法制なりあるいは今話が出てまいりました国民の避難誘導とか、そういったことが非常に重要な要素になろうかと考えております。
○小川(仁)委員 まあ終わりますけれども、本土を戦場に考えて避難誘導を考えられるような有事思想といいますか、有事態勢といいますか、専守防衛といいますか、そういうものは国民としては真っ平御免だ、こう申し上げて終わります。
○志賀委員長 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ————————————— 午後二時一分開議
○志賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。日笠勝之君。
○日笠委員 いよいよ東京サミットも大詰めに来たわけであります。官房長官も裏方で大変御苦労のことと思いますけれども、当初の明るい希望の東京サミットに比べて何かしら薄暗いような感じがする、前向きでないといいましょうか、日本にとりましてこのサミットいかがなものなのかな、というふうな声もちらほらし出してきたわけであります。 その一つは、国際テロということでリビアを名指していろいろな措置をとっていくという問題。それから円高の方もなかなかうまく話がまとまらずに、ニューヨークの方でも百六十五円とかヨーロッパで百六十四円とか、円高がさらに進んでおるようでございます。舞台はよし、季節もよし、役者もよし、ストーリーがちょっと予定どおりでなかったのじゃないか、こういうふうにも思うわけでございますが、官房長官の今現在の率直な御感想、いかがですか。
○後藤田国務大臣 このサミットは、明るい展望を切り開くために、現在の厳しい国際経済政治情勢の中で開かれたわけでございます。今日笠さんおっしゃるような記事等もちらちら見るわけでございますが、私は実際はさようには受け取っておりません。 今の国際テロの問題は、確かにリビアという国名が入っております。これは各国、私どもの想像以上に大変厳しい態度でございます。ただ、しかしそうは言いながらも、やはり日本は独自の中東政策を進めておる。それから同時に、いわゆるテロという問題は従来から日本政府も厳しい対応をしておるわけですから、そういう対応をしながら独自の中東対策を進めておる、こういう立場がございます。 そこで、リビアの問題については、実はあの問題だけ切り離して特別宣言といったような強い主張すらあったのは事実でございますがしかしそれはよくないだろうということで、一般的な国際テロの中でリビアにイスペシャリーということで同名を触れた、こういう緩和の措置をとったわけでございます。しかしこれは国際法の枠内、そして同時に、それぞれの国の管轄権の中においての措置ということによって、それぞれの国の措置はそれぞれの国の考え方によってとるわけでございます。なるほど協同してとらなければならぬような項目がありますけれども、ある面については日本の場合はリビアについてこれ以上つけ加えてやらなければならぬといったような問題はない、私はかように理解をいたしております。したがって、一部いろいろ論ぜられておりますけれども、私はさような心配はないと理解をし、しかしながら同時に、ああいうことが伝えられますと中東諸国も大変心配するでしょうから、諸般の事情は説明をする必要があるだろう、かように理解をしております。 それから、もう一点の方の介入の問題は、これは何しろ基礎的なファンダメンタルズがあるわけでございます。しかし同時に、何といっても五、六百億ドルの黒字が一方にあるといったことに対する、日本のやり方に対する各国の厳しい批判があることは事実でございます。しかしながら、最近のように余りにも急激な円高ということになると、日本としてはいろいろな面で不都合が生じることも事実でありますから、これらについては、首脳会議あるいは個別の蔵相会議等で日本側としては日本の強い主張を述べ、各国の理解を求めておるわけでございます。したがって、構造調整その他の問題もございますが、通貨問題についてはG5をG7に拡大をする、しかしながらそのコア、中核はG5である。それがもう少し経済政策等で影響があるということになればセブン、つまりカナダ、イタリーを入れる。こういうことを書きながら、同時に、ウィリアムズバーグのサミットで決めてございました介入、この「介入」というのは、単独介入はどこの国でもやれるわけですから、介入という言葉がある場合にはこれは協調介入になるわけですけれども、協調介入については、これも状況によってはやるんだということをちゃんとうたうようにしてございます。 なお、これらについては、私は、もうあと二時間ですから、詳しく申し上げているのです。余り詳しく言いますといけませんけれども、きょうの四時から発表をすることになっておりますので、私は、それほど伝えられるようなものではない、時間の経過とともによくおわかりがいただける、かように理解をいたしておるわけでございます。
○日笠委員 時間の経過とともにどういう評価になるか、後のお楽しみにしておきたいと思います。 さて、安全保障会議設置法の審議に入る前に、これはひとつ確認をしておきたいと思うのですけれども、いわゆるSDI、戦略防衛構想でありますけれども、第三次の官民調査団が帰ってきまして報告書を出されました。外務省以下四省庁が現在鋭意進めておるということでございますが、今までの国防会議の所掌事務といいましょうかこれを見ましても、また今度の安全保障会議の諮問すべきものの中にも、これは同様引き継ぐわけでございますが、その中の一番初めは「国防の基本方針」というのがあります。それから五点目が「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要班項」とあるわけですけれども、このSDIの最終的な態度というのは、四省庁が協議をされ、最終的に総理が決めるということになるんでしょうか、どうでしょうか。
○後藤田国務大臣 SDIの問題はかねがね政府が申し上げておりますように、ともかくアメリカの説明は、これは防御の兵器であって非核の兵器である、終局的には大陸間弾道弾のごときものがなくなるということを目指しておるんだ、こういう説明でございます。しかし実態がわかりませんので、我が国としては一応理解は示しておりますけれども、これに参加するかどうかということはいろいろ調査をしなければならない。同時にまた、向こうから来て説明も受けなければならぬということで、今日までその調査をいたして、たしか三次の調査回がついせんだって帰ってきまして、その報告を聞いて、関係閣僚が随時さらに詳しく今までの経過の説明等を専門家等から聞き、打ち合わせた上で政府としての最終の方針を決めていこうというところまでが現在決まっているわけでございます。したがって、いつこれを受け入れるのか受け入れないのか、受け入れるとすればどういう条件なのかといったようなことはまだこれからの課題でございますから、現時点は、調査をした上で関係閣僚で十分協議する、こういうことでおるわけでございます。
○日笠委員 最終決定をする前に、今で言えば国防会議ですね、今の予定でいくと、法案が通れば七月から安全保障会議になるわけでしょうけれども、今で言うところの国防会議に諮られるものかどうか、SDIに参加するとかしないとかいうことを。そういう諮問をされるのでしょうか、されないのでしょうか。
○後藤田国務大臣 SDIの中身そのものはもう少し勉強しなければわかりませんから、今の段階で国防会議に語るのか語らぬのかというお尋ねにはお答えいたしかねますけれども、私は、今の時点で申し上げれば国防会議に語るようなことではなかろう、かように考えております。
○日笠委員 国防会議に諮る事項ではないということですね。ところが、国防会議に語らなければならないことで、先ほどから言っておりますように「国防の基本方針」、これは恐らくこれにもひっかかるのじゃないかと思いますし、また「国防に関する重要事項」というものにもなると思うのですね。これはSDIといえば、アメリカの研究開発に参加する、しないということは結局日ソ間の問題にもなってまいりますし、そういう意味においてこれは官房長官どうなんですか、これは国防会議に諮るべき重要等項ではないか、かように思うのですが。
○後藤田国務大臣 これは今考えられている中身がはっきりしませんけれども、いずれにせよ開発、配備なんという段階ではありませんね。研究に加わるか加わらぬか、こういうことでございますから、今の段階で国防会議に諮る必要があるのかないのかといえば、もう少し事態が経過してみないと何とも言えませんけれども、今答えると言えば、私はそんな必要はないのじゃないか、かように理解をしておる、こういうことです。
○日笠委員 中身の方へいきたいと思います。 いろいろ先輩の委員の皆さんが今まで何回も当委員会で議論をほとんど尽くされている感があるわけですけれども、しかし、どの委員の皆さんも取り上げられるのがいわゆる重大緊急事態のことなんです。例えが悪いかもしれませんけれども、ちょうどのどに刺さった魚の骨みたいなもので、皆さん質問されると必ずこれが出てくる。こういうことで、私もこの重大緊急事態とは何ぞやというところから、もう一度皆さんの議論を踏まえながら、整理をしてみながら、また確認もしながら、何点かお伺いをしたいと思うわけでございます。 これは塩田事務局長にお伺いいたしますけれども、重大緊急事態とは重大性、緊急性、異例性、この三つとも満足した場合がいわゆる重大緊急事態である、このようにとらえてよろしいのでしょうか。
○塩田政府委員 そのとおりだと思いますが、その場合の三つが必ずしも同じウエートである必要はない。例えば非常に異例なことであるというようなこともあります。しかし、それでも重大性、緊急性がもちろんなければなりませんが、非常に異例性がある、あるいは非常に重大性があるというような、それぞれのニュアンスの差はあるかもしれませんが、いずれにしてもこの三つの要素を考えて判断をする、こういうことでございます。
○日笠委員 そうしますと、具体的にどういうものがあるかということになりますと、予見しがたいものが多いわけということですね。例えとしては四つ出されました。ダッカであるとか、ミグ25であるとか、それから大韓航空機、関東大震災に匹敵するような大災害。それからきょうは、小川先生の御質問では二・二六のようなものもあり得るということで、騒擾ですね。今大体五つくらいが過去の例から見て考えられる、そのほかには今のところ想定できない、こういうことでしょうか。
○塩田政府委員 将来のことでございますので、想定をして申し上げるのはなかなか難しいというふうに申し上げたいと思います。
○日笠委員 そうしますと、今回の安全保障会議設置法を提案されましたのは、いわゆる六十年七月の行革審答申にのっとって法案を提出された、これはよろしいですね。これは先ほどの御質問もございましたけれども、再確認でございます。
○塩田政府委員 そのとおりでございます。
○日笠委員 そうしますと、七月二十二日の行革審答申でございますけれども、「安全保障会議は、現行国防会議の国防に関する事項に係る任務のほかこれは今までと同じでございます。それに新たにつけ加わるわけですが、「重大緊急事態に関する次の重要事項について平常時から調査審議し、必要に応じ内閣総理大臣に対して意見を述べる任務を有する機関とする。」十四ページですかにございますね。その中の第一に、「重大緊急事態対処の基本方針」こうございます。その次が「情勢分析及び重大繁急事態の想定」とありますね。「想定」ということは四つや五つが想定されるのじゃこれは「想定」にならないと思うのですけれども、やはり皆さんが心配されて、本会議でも私も公明党を代表して質問させていただきましたけれども、どうしてもここのところが、重大緊急事態とは何ぞや、定義が不明確。過去の例を出せと言っても三つ四つしか出てこない。どうしてもこれが、先ほどから言っておりますように何となくのどに刺さった魚の骨みたいなものでございます。どうしても最後にここに来てしまうわけですね。この法案は別に大した、国防会議をそっくり引き継ぐわけで、それに一つプラス重大緊急班態というのが入ってきているわけです。そこにどうしてもひっかかるものが出てくる。 こういうことで、平常時から調査審議しろというのですが、その重大緊急事態を想定しながら平常時からの調査審議となりますと、いろいろなケースを考えておかなければこれは平常時から調査審議できないわけです。そういう意味におきまして、もう少し何か具体的に考えておられるのじゃないか、このようにも思うのですが、やはり四つ、五つぐらいしかないわけでしょうかね、過去の例をとりましても。
○塩田政府委員 私どもとしましては、この法案の提出に当たりまして、過去の我が国で起こったいろいろな例を調べてみましたし、参考になるかならぬか別にしまして、外国の例をいろいろと調べてみました。その中で、先ほど来お話しの三、四例あるいは五例ぐらいを、こんなものじゃなかろうかということで挙げておりますが、何といいますか、いろいろな事態がございますから、ティピカルなものを選んでいくというような意味では大体今の四つ、五つ、挙げたところでそんなところじゃなかろうかというふうに申し上げております。 ですから、例えばハイジャックみたいなものは今後もそれは起こり得るでしょうし、いろいろな過去の例もあったわけですが、そういう例で言いますと、「例えばダッカのような例」というようなことで例示として申し上げております。そういう意味で、今のところ、この今申し上げたような四つ、五つの例で御説明するのが一番いいのではなかろうかというふうに思って御説明しているわけであります。
○日笠委員 ですから、想定をして平常時から調査審議しなさいというけれども、四つ、五つしかないということですね、典型的な例は。そういうことになりますと、この行革審が言っているのは、その前のページにもございますね、大停電、通信網の断絶から含めて、エネルギーの問題から領空・領海の侵犯の問題から、いろいろなものを挙げまして、私は、これを踏まえて、そういうものを想定して平常時から調査審議しなさい、こういうような続きで行革審は言っているのじゃないがと思うのですけれども、先ほどの質疑をお聞きしていますと、通常体制でできるもの、それはカットするんだということになってきますから、四つ、五つぐらいしか出てこないわけですね。そういうことから、前の文章の絡みからいきますと、やはりそういう国民生活に不安を与え、重大というのはこれは大変大きい、広い範囲に広がる、緊急ですから急を要する、そういうものは全部踏まえて、一度それは想定をして調査審議をしてみなさいという行革審の答申じゃないか、かように理解するのですが、そういう理解は理解不足でしょうか。
○塩田政府委員 私は、行革審の考え方なり行革審の答申は今先生がお話しになったような考え方ではないかと思います。 したがいまして、かなり広くといいますか、いろいろな例を挙げて、そういう例について研究しなさい、こういうことを言っておるわけです。ですから、それは行革審としてはむしろそういう考えてお出しになった。それを受けまして、我々が立法化するに当たりまして、先ほど来申し上げておりますような、その中でも既に体制があるもの、これも、その体制があるといいましてもいろいろな形で、もう言ってみれば十分なものからあるいはまだ不十分なものがあるかと思いますけれども、ともかく、現在既に体制があるものはそれでやっていこうという考え方をとりましたものですから、そういう意味で御説明してまいっておりますが、行革審の趣旨はそういう先生のおっしゃるとおりでございますし、私どもの考えでおりますことも、通常体制でできるという限りでは、行革審の趣旨から外れておるわけではないというふうに理解しております。
○日笠委員 要はマニュアルをつくられるわけですね。 それで、大韓航空機の撃墜事件がございまして、これは後藤田官房長官大活躍をされた、歴史に残るようなお仕班だと思うのですけれども、官房長官は、大韓航空機の撃墜事件のときこの委員会でもおっしゃっていましたね、いろいろ対処方法が大変だったんだと。私ども、そういうことを踏まえて行革審に諮問された、このようにも聞いておるわけなんです。大韓航空機事件の対処の経験にかんがみて、中曽根総理の意を受けて、当時の後藤田行政管理庁長官が、五十九年五月七日に行革審に対して、内閣の総合調整機能の強化、危機管理体制のあり方について検討の上、意見を提出するよう要請した、こういうことですね。それで出てきたのが行革審答申。こういう筋書きでよろしいのでしょうか、長官。
○後藤田国務大臣 私は、五月七日に行革審にお願いに行ったことは事実でございますけれども、私の頭の中には必ずしもKALの事件だけがあったわけではありません。私は四十七、八年にも官房副長官をやっておりますし、それから従来から警察庁の長官とかそういうものをやっておりましたから、いろいろな重大な緊急來態にしばしば遭遇いたしております。そういったときになかなか各省の意見がまとまらない、それがために適時適切な措置がとりにくいという経験を私は持っておるわけでございます。したがってかねがね、これらについては今の日本の行政制度、組織の中では何か欠けているものがあるということは痛感をしておったわけでございます。たまたまKAL事件等があって、あの際も、実際に中身を一々御説明するわけにはいきませんけれども、これはよほどしっかりした補佐の体制もつくるし、取り扱う機関もきちんとしていないと、私は、国としてはうっかりすると重大な結果になるおそれがあるということを大変心配をしておったわけでございます。 そういうようなことで、五月七日に、せっかく第二臨調でこういった関係を御審議しながら、事柄が難しいというようなことで、国土庁に何か単なる防災関係の局をつくればよろしいなんというような中途半端な御答申はおかしいじゃありませんか、もう少し根本的に、この問題は古くからの重大課題としてあるのだから勉強していただきたいということを申し上げた結果、行革審で本格的な御討議が始まって御答申をいただいた。そこで私は、せっかくの御答申であるならば、答申のままに我々としては必要な立法措置を講じましょうということで今回御提案を申し上げた、これが経緯でございます。
○日笠委員 そうすると、大韓航空機撃墜事件についてはもうマニュアルはほぼできておるわけですね、経験があるわけですから。こういう問題があって、それに対してはこういう対処をすればいいのだということを、官房長官はもう既に御経験済みなわけですね。そういう意味では大韓航空機撃墜事件についてはほぼマニュアルはできておる、平素から調査審議しなくても過去に経験があるわけですから。それでいいのでしょうか。
○塩田政府委員 マニュアルといいますのは言ってみれば教範的なものでございますから、どの事件ということでなしに、平素から、どういう事件が起こっても大体こういう仕組みでやろう、こういうものがマニュアルでございます。もちろんしたがって、実際の起こった事態によって応用動作が当然要るわけでございますが、その基本になる教範的なものがマニュアルでございます。ですから、今お話しのように大韓航空機事件が既にあったからそのマニュアルができておるかと言われましても、それは経験があるから今度マニュアルに生かすときには大いにその経験は参考になるであろうというふうには思いますけれども、それによってマニュアルができているという性質のものではないというふうに考えております。
○日笠委員 そうしますと、きょうは国土庁の方からも来ていただいておりますが、関東大震災級の災害が起こった場合国土庁としてはどのような対処をされるか、法的根拠に基づいて御説明をいただければと思います。
○竹本説明員 お答えいたします。 非常災害が発生した場合におきましては、それに対する災害応急対策を推進する必要があります。このため、必要がございますときには、中央防災会議に諮問いたしまして、非常災害対策本部を設置することとしております。この本部を中心にいろいろな対策を具体的に推進していくことといたしております。 さらに、災害が例えば関東大震災に匹敵するほどの大きなものであって、国の経済や公共の福祉に重大な影響を及ぼすような異常かつ激甚な災害である場合におきましては、災害応急対策を推進するため特別の必要があると認められるときには、中央防災会議に諮問いたしまして、閣議にかけて災害緊急事態の布告を行うとともに、緊急災害対策本部を設置して所要の対策を推進することといたしております。この本部によりまして、災害情報の収集あるいは警報の発令・伝達、避難の勧告・指示等々の指示を行って、災害対策の総合調整を図ることといたしております。
○日笠委員 その中には、いわゆる安全保障会議でもこの問題を諮問するというふうに先ほどから申し上げておるとおりでございますけれども、そういう治安関係、治安問題についてはこの中央防災会議等では一切考えない、こういうことでしょうか。
○竹本説明員 この本部では、緊急災害対策本部ないし非常災害対策本部では各省庁が集まりまして、各省庁のとり得る施策の総合調整を行っておりますので、ミニマムといいますか、ある程度のことは担当省庁、例えば警察等で対応することになりますが、今例に挙げましたようなそういったことがすべてできるというものではございません。おのずから限度がございます。
○日笠委員 そうすると、今もし万が一関東大震災級の災害が起きた場合は、今の中央防災会議や緊急災害対策本部では対処できない、災害対策基本法ではそういうことは想定していない、こう考えればいいのですか。そうしたら欠陥法じゃありませんか。第百五条には「非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、」云々とあるわけですね。ですから当然、公共の福祉であるとか経済とかになりますと、そういう治安の問題も中央防災会議であるとか緊急災害対策本部では検討しなければいけない。メンバーがちゃんといるわけですね、国家公安委員長とか。どうなんでしょうか。
○竹本説明員 緊急災害対策本部におきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、避難の勧告・指示、消防・水防活動等を行うとともに、犯罪の予防、交通の規制等、社会秩序の維持が調整の対象となってございますが、これらはあくまでも災害応急対策を推進していく上で実施するものでございまして、社会的大混乱に対処することを予定しているものではございません。
○日笠委員 そうすると、今もし起こった場合はもう全然手が出せない。安全保障会議はできていません、重大緊急事態対処についてはまだこれからやろうかというわけですから。そういう欠陥法なわけですか、この災害対策基本法というのは。今言いましたね、秩序を守ると。どうなんでしょうか、今起こったらどうするのですか、手をこまねいて待てということですか。それとも警察法によって、災害、騒乱等の緊急事態に際し、治安維持のための緊急事態を布告して出動する、こういうことと両方重ねていくということでしょうか。
○塩田政府委員 今関東大震災級の震災が起こればどうかということでございますが、当然、今の国土庁の方で御説明になった対策本部ができまして処置されると思います。それは当然なさるわけでございまして、それがさらに国土庁の方の体系を超えるような社会的大混乱といった事態になった時点で安全保障会議の方で取り上げることがあるだろうということでございまして、震災対策あるいはそれに関連します今お話がありましたような経済秩序でありますとか公共の福祉でありますとか、そういうことのための措置は当然災害対策本部の方でおとりになるというふうに考えております。
○日笠委員 そうすると、安全保障会議は関東大震災級の災害が起こった場合は何をするのですか。中央防災会議に任せておけばいいじゃないですか。会長は総理大臣ですよ。
○塩田政府委員 結局、関東大震災級というのが具体的にどういう事態がということにもなってくると思いますけれども、私どもが関東大震災級のと、こう言っておりますのは、震災そのものももちろん激甚でございましたけれども、それを超えていわゆる社会的なパニックが起こった、社会的大混乱が起こったという事態をつかまえまして、そういう事態になれば安全保障会議で対策を審議するだろう、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○日笠委員 何となくわかったようなわからないような、何か屋上屋を築くような、中央防災会議ではちっとやればできるだけの法的根拠もあるでしょう。それで、この安全保障会議でも同じ総理大臣が議長、こちらは防災会議の会長。屋上屋を築き、何か一つのことを両方からからめ手でやっていくような感じに受け取れますね。官房長官は首を振っておられますが、もう一度。
○塩田政府委員 先ほど来お答えいたしておりますように、災害対策自体は緊急災害対策本部の方でおとりになる、これは従来からお答えしておるとおりでございます。関東大震災級ということになりますと、必ずしも災害対策だけでない分野が必ずといいますか起こってきたのではないか。いわゆる社会的な不安でありますとか社会的なパニックでありますとか、そういったようなことが関東大震災の場合にはあったというふうに承知いたしておりますので、そういう事態になれば現在の緊急災害対策本部だけでは対処し切れないのではないかという意味で、安全保障会議にかかると申し上げておるわけであります。
○日笠委員 そうすると、もう一度国土庁さんにお伺いしなければいけないのですけれども、そういうパニックが起こるようなことは全然想定をしていない、緊急対策本部も中央防災会議もそれは想定していない、別個である、あくまでも災害の復旧だけである。付随してそういうパニックも起こる可能性があると言われましたね。それはどういうことでしょうか。全然想定していないのですか。中央防災会議を見ましても、国家公安委員長も防衛庁長官までも入っておられるわけですね。やろうと思えばここで何でもできるわけですよ。ここでそれこそマニュアルをつくって、そういうパニックが起これば、先ほどの法的根拠もあるわけですからそういう面もできるし、警察法第七十一条でいけば国家公安委員長もおるわけですね、中央防災会議には。何でもやろうと思えばできますよ。ですから、そういうことを全然想定していない中央防災会議であるのかどうかということですね。
○竹本説明員 災害対策基本法では、具体的に申し上げますと、第五十条の一項の七号でございますが、「犯罪の予防、交通の規制その他災害地における社会秩序の維持に関する事項」、こういうことができることになってございますが、要するにこれは一言で申し上げますと、災害対策に万全を期するために、それに付随して必要となる今申し上げたような事項について、既存の対処体制で対処できるということでございます。
○日笠委員 そうするとできるんですから、安全保障会議で何をやるのですか。屋上屋で二つも、何もこんなに忙しい事態のときに——官房長官、きょうも高輪宿舎からバスに私たち十人ほど乗ってきたんですよ。首相官邸の下でバスがとめられて、ちょっと待ってくれ、無線で聞かなければあなた方が本物かどうかわからないというんですよ。五分間待たされましたよ。あなた方、本当の国会議員がどうかわからぬ、ちょっと待て、結局そういうことで緊急だ、さあ重大だと言ったって、我々が国会へ駆けつけるんだって、待てと。それは警察の方もお疲れでしょう。バッジも見えないかもしれない。高輪宿舎行きのバスのステッカーも見えないかもしれません。お疲れだと思うのですけれども、そういう急がなければいけないときに、こちらでは安全保障会議に諮問しなければいかぬ、こちらでは中央防災会議をやらなければいけない、「二兎を追う者は一兎をも得ず」ではありませんが、それでどちらも総理ですよ。中央防災会議は全閣僚、おまけに日赤の社長から全部こちらへ来ている。こちらはわずか数名のメンバー。 関東大震災級でも、既存の通常の中央防災会議、緊急災害対策本部をつくれば対処できるんじゃないですか。そういうことをやろう、やろうと言うから、何となくパニックが起こって、そちらの方に何か力を入れて、この隊とばかりということで、先ほどから言っているように、重大緊急事態というご上がどうものどに刺さった骨で何となくそれがすっきりしないから、皆さんも声を上げて、私なんかも平素おとなしいんですけれども、大きな声を張り上げて言わなければいけない。どうですか。もう一度、今度は塩田事務局長。中央防災会議では以上言われたことは対処できない、だからこっちでやるんだ、こういうことですか。
○塩田政府委員 中央防災会議なり緊急対策本部の方は、その起こった事態に対しまして対策を推進いたします。これは任務として当然推進されるわけでございますが、その対策を推進されるに当たって、当然法律で決められた権限がございますから、その範囲において推進される、これは当然でございます。その場合に、今私ども申し上げておりますように、社会的大混乱でありますとかパニック状態になったといった場合にこの安全保障会議で取り上げるという意味は、安全保障会議でそういう事態に対してどう対処したらいいかを審議して答申しまして、それを受けましてさらに関係機関がいろいろ実施をされるわけです。その実施面では当然今の緊急災害対策本部の方も実施される分野があるわけでございますし、その間、警察もなさるかもしれません、あるいは自衛隊も救助活動をやるかもしれません。そういうようなそれぞれの推進分野については、それぞれの担当省庁が推進されると思います。そのうちの今の緊急災害対策本部も、当然その任務に基づいて推進されます。したがいまして、それが安全保障会議へかかるという意味は、総合的な立場からどういう方針でこの事態に対処したらいいかという方針を安全保障会議で審議をして、実施はそれぞれの担当省庁あるいは緊急災害対策本部で実施される、こういう形になるわけであります。
○日笠委員 結局、マニュアルを決めてトップダウン方式で指示をしていくわけですね。それが中央防災会議から流れてくる。安全保障会議からも流れてくる。こういう緊急事態の連絡は一本でなければいかぬですよ。ちゃんと次の行革審答申でもおっしゃっていますが、「(連絡責任者、連絡ルート、二十四時間体制等)を早急に整備し、そのマニュアル化を進める。」それを二本からぱっと来たら、受ける方は大変ですよ。そういう意味では、私は、例えがなくて苦し紛れで関東大震災級とおっしゃったのじゃないかというふうにも理解をするのですが、関東大震災級が起こっても今対処できないという問題ではない。この第五十条の災害応急対策の七項にも「犯罪の予防、交通の規制その他災害地における社会秩序の維持に関する事項」とあるわけですから、やろうと思えばできるわけです。 国土庁、どうですか。この「災害地における社会秩序の維持」ということは、パニックも当然含まれていますね。社会的不安も含まれていますね。それはやらないのですか。できないのですか。それは安全保障会議にげたを預けるということですか。どういう意味なのか。
○竹本説明員 お答えします。 我々の方でやりますことは、災害対策に万全を期するために、こういう本部をつくって各省庁にいろいろな指示をして、各省庁がみずからの権限でやれることをやらせて災害の総合調整を図っていこう、こういうことでございますので、今例に挙げられましたようなことにつきましては、ちょっと仮定が非常に難しゅうございますので、そういう意味では答えにくいわけでございますが、少なくとも言えますことは、災害対策に万全を期するために必要な警察権の行使とかそういうことができますので、それに伴って、例えば小さいパニックとかそういうものはおさまることも当然あり得るのかなというふうに考えます。
○日笠委員 小さいパニックは想定をする、大きいパニックはできないというのは、何となく中央防災会議、緊急対策本部の方は、きょうは官房長官も来られておるし、遠慮をされておるのじゃないかと思うのですね。本来できるはずですよ。だって、関東大震災が起こったわけですし、それからできた災害対策基本法でしょう。まさかあれはできないという、それ以外のものの災害対策基本法じゃないはずなんです。これはやろうと思えばできるはずです。 屋上屋を築く、また連絡ルートが二本になってくる、複雑怪奇になってくるわけです。そういう意味では、私は、安全保障会議で関東大震災級とおっしゃるけれども、中央防災会議または緊急災害対策本部をきちっと設置をし、内閣官房がいろいろな調整機能があるわけですからそこで応援をしていけばできる、こう思うのですけれども、どうしても関東大震災級については安全保障会議に諮問する、局長そういうことでいいのですか。
○塩田政府委員 あくまでも関東大震災級の震災があり、社会的大不安が起こったという場合には安全保障会議に諮問することもあるだろうというふうに申し上げておるわけでございますが、その前提としまして、あくまでも発生しました事態に対しまして、先ほど来国土庁からもお答えになっておりますように万全を期して対策の措置をとられることは当然であります。その上で、なおかつ緊急対策本部で対処し切れない事態が起こった場合に、安全保障会議でそれを取り上げて基本的な対処措置を審議しよう、こういうことでございます。 現在の法律で、今国土庁からもお話がございましたが、もちろん警察も関与いたしまして、犯罪の予防でありますとか交通の規制その他、災害地における社会秩序の維持に関する事項というのがございまして、そういうことは現在の体系の中でもおやりになるわけです。これでできる限りはそれでおやりになっていただいて結構でありまして、それを超えるような事態があった場合に安全保障会議で取り上げることになるでしょう、こういうふうに申し上げておるわけであります。
○日笠委員 押し問答になりますから、次にいきましょう。 安全保障会議で我が党の市川委員がおっしゃった超法規は考えない、こういうふうにおっしゃったと思いますが、それでよろしいのでしょうか。
○塩田政府委員 そのとおりでございます。
○日笠委員 何となく事後相違してくるのですけれども、じゃ有事の第三分類、これについては安全保障会議で検討されるお考えがあるかどうか。どうでしょうか。
○塩田政府委員 この点については従来からもお答えいたしておりますけれども、第三分類に限らず、第一でも第二分類でも第三分類でも、それが研究が進んで立法化されるという事態になった場合に、その立法化に当たっては当然現在の国防会議、将来の安全保障会議、閣議を経て提案をされる、こういう形になるのではなかろうか。つまり、第五号で言うところの「その他国防に関する重要事項」として申議をされることになるのではなかろうか。これは一、二、三類に限らず、そういう国防に関する重要事項に当たるような法律改正というのは当然該当するのではなかろうかと思います。 そうではなくて、安全保障会議で第三分類を担当するのかというお尋ねの趣旨は、その成案に至る、その案をつくる過程でございますね、それを一体どこが担当するのか。これについては第一と第二ははっきりしておりますけれども、第三分類についてはどこが担当するのかはっきりしていない。第三分類というのはこういう事項でございます。そこで、それをどうするかという点につきましては、これは安全保障会議というよりも内閣として、つまり今度で言えば安全保障室の方でこれは当然割り振りといいますか調整をして、どの省庁が担当すべきかを明確にしていく必要があるだろう。そういう意味では、今度できます安全保障室の方の任務としてはそういうことに当たることになるのではなかろうか。これは将来できますことを私が今の時点で申し上げにくいのですけれども、政府として取り上げるということは当然内閣としての仕事でございますから、内閣としましてはどの省庁が担当すべきかを調整する必要があるだろう、こういうふうに思っております。
○日笠委員 そうしますと、私たちもぜひ知りたいことがあるのですが、きょうは防衛庁も来ておりますけれども、財団法人平和安全保障問題研究所、猪木正道元防衛大校長が理事長をされておられます研究所でございますが、毎年一回防衛庁から委託を受けまして、有事に関する研究を行っておられますね。そのうちのただ一つの非公開文書となっております五十五年度版「我が国の危機管理に関する軍事的側面」、これは公表はできないのでしょうか。
○宍倉政府委員 突然のお尋ねでございまして、ちょっと今調べておりますので、多少時間的に御猶予をいただきたいと思います。
○日笠委員 じゃ先に進みましょう。 マニュアルは、先ほどから言っておりますように今後いろいろと検討をされるわけですけれども、当季貰会の委員の皆さんの御審議をお聞きしますと、これは広く国民には公表しない、閣僚全部にも公表しない、総理大臣と官房長官のみに報告する、こういうことなんですか。
○塩田政府委員 一般的には公表はされないというふうに考えております。というのは、今からつくるものを私がこの時点で申し上げるのはどうかと思いますけれども、事柄の性質上、言ってみれば事態が起こったときの政府の手順といいますか手の内を書いてあるわけでございますから、一般的には公表されないと思いますが、内部で官房長官、総理大臣だけかと言われますと、これは当然のことながら関係省庁にはすべて合議をした上でつくられるものでございますから、そういう意味で、総理や官房長官だけであるということではございません。
○日笠委員 では、閣僚の皆さんには当然知らせるわけですね、秘密規定もありますけれども。ですから、閣僚の中でも会議のメンバーだけということですか。
○塩田政府委員 いわゆる議員であるメンバーは当然でございますけれども、議員であるメンバー以外にも事態によっていろいろ関係が出てまいりますので、考えられる関係大臣にはすべて合議をすべきではなかろうかというふうに思っております。
○日笠委員 それでは防衛庁さん、まださっきの答えは出ませんか。——では、何となく靖国神社の問題にいくのですが、じゃ後でお頼いしましょう。 また暑い夏がいよいよ参ります。そうなってくると、どうしても八月十五日の靖国神社の公式参拝のことでございますけれども、いわゆる靖国懇が報告書を出しまして、それを最大限に参考にされて公式参拝に踏み切ったわけでございますけれども、きょうはひとつその理由、法制局工藤第一部長、その理由ですね。いろいろ言われておりますが、一つは一拝、一回だけ礼をしたということで宗教色を薄めたからいいのだとか、社会通念にのっとってやったからいいだとか、いろいろ言われていますけれども、そういうことでいいのでしょうか。
○工藤(敦)政府委員 我が国の憲法で禁止しておりますのは国の「宗教的活動」でございますが、昨年の八月十五日に行いました参拝は、これはこれまでも繰り返し申し上げておりますように、国民や遺族の多くが、靖国神社が戦没者追悼の中心的施設であるとしまして、その靖国神社におきまして総理、閣僚が戦没者の追悼を行うことを望んでいる、こういう事情を踏まえたということが第一点でございます。第二点は、専ら戦没者の追悼という、宗教とは関係のない目的で行うものであるということが第二点。さらに、その方式につきまして神道儀式によらずに、かつ、追悼の行為としてふさわしい方式、これで追悼の意をあらわす、こういうことでございまして、客観的に見て、そういうことで昨年八月十五日に行われました参拝が、宗教的意義を有するとか、あるいは靖国神社に対する援助、助長の効果を有するとか、そういうふうなことにはならないもの、かように判断したわけでございます。
○日笠委員 まず第一点、「参拝」という意味ですが、これはもう広辞苑か何か辞典を引かなければわからない。「参拝」とは「社寺に参って神仏を拝むこと」なのです。ですから追悼じゃない。公式参拝と名がつけば「参拝」ですから。これは帰って広辞苑を見てください。「社寺に参って抑仏を拝むこと」、これが公式参拝という意味なのです。ですから、これは追伸じゃない、公式参拝というのですから、公式に靖国神社に参って神仏を拝んできたということですね。国語じゃありませんけれども、しっかりとした意味を踏まえながら公式参拝を云々と言っていただかないと、これは「参拝」という意味も何となく手を合わせて頭を下げてという意味じゃないと思うのです。「神仏を拝むこと」とはっきり広辞苑に出ております。 それからもう一つ、玉ぐし料はやめて供花料ですか供花料、こういうことですね。これは別に問題ないのですか。玉ぐし料を供花料に変えれば問題ない、こういうことなのですか。
○工藤(敦)政府委員 お答え申し上げます。 昨年八月十五日の参拝に際しまして、靖国神社に対しまして供花料ということでございまして、今先生の御指摘のようなことでございますが、いわゆる供花は戦没者に対します政府としての追悼の気持ちをあらわす、こういうために行ったものでございまして、玉ぐし料といったような宗教的意義を有するものではない、かように考えております。
○日笠委員 もう少し正確な言葉を法制局ですから使っていただきたいと思いますね。これは大漢和辞典を引いてみてください。これは供花料となっています。供花。花を供える供花とか供花とか言うのでしょうけれども、一応正式には供花。これはどういう意味か。仏教用語である。「花を仏に供べること」を供花という。ですから、供花料というからにはこれは宗教儀式そのものです。花を仏に供える。これは遺族会の方、怒っております。靖国神社は神社だ。供花料とは何事か。これは仏様に供えるのじゃないか。私たちの神様になっているんだ。神仏混交もいいかげんにしろと怒っている。もう少し法制励の皆さんは正確に「参拝」とは何ぞや「供花」とは何ぞや、こういうことを知った上でやらないと、神仏混交、供花料の意味もわからない。大漢和辞典だとか広辞苑の辞典をまず引っ張ってもらいたい。それが国民の意識ですから、大体辞典を見て調べるわけですから。 そういう意味では完全に、どういう言い回しをしようとこれは公式参拝であり、これは宗教的儀式を薄めたとか宗教活動はないとかおっしゃるけれども、「参拝」という言葉を使い、供花料を払ったと言えば、これは完全な宗教的活動であり、儀式に参加した、こう断ぜざるを得ない。 それからもう一つ、これは「神社新報」論説、参拝した後の去年の八月二十六日に出ております。いわゆる一礼一拝ですね、最敬礼。このことによっていわゆる神道の二社二拍手一礼という正式な儀式を踏まなかった、宗教色を薄めたのだ、こういうことですが、それでいいんですね、法制局。
○工藤(敦)政府委員 昨年の八月十五日に総理等が靖国神社に公式参拝いたしました際、国の宗教的活動に当たらないように、かような検討をいたしました結果、この昨年の八月十五日の方式によるならば問題はない、かように考えたわけでございますが、ただそれは、単に参拝の方式が一礼方式であったということだけでそのようなことを申し上げているわけではございませんで、先ほど申し上げましたように、まず第一に戦没者追悼の中心的施設である、かように靖国神社を国民や遺族の多くが考えているというような事情、あるいは戦没者の追伸という非宗教的目的で行ったということ、あるいはそういう方式を神道儀式によらずにやった、こういうふうなことで総合的に勘案した結果でございまして、決して一礼であったからいいんだ、かように申し上げていることではございません。
○日笠委員 中心的存在と言うけれども、これは厚生省——きょうは厚生省は来ておりませんが、厚生省がいわゆる祭神として、戦没者の名簿を集めて、国費で出してそこへ置いたということですね。だから中心的施設だとおっしゃる。国が全部やっておいて中心的施設だとおっしゃっている。それはきょうは時間がありませんからできませんけれども。 じゃあ最敬礼、一拝。聞くところによると中曽根総理は二拝したという説もあるし、陰の方でぽんぽんと二拍手したという説もありますよ。これは官房長官、そこに三時ごろ行かれて、後で行かれて、うまいこときょうは答弁ができないわけでございますけれど、もう一回聞きましょう。 宗教的儀式、宗教色を薄めたということは、一礼したということでこれは薄まったというふうに、この前の答弁では、ここで小川先生が質問されて藤波官房長官はそうおっしゃったじゃないですか。一礼によって宗教的意味を薄めたんだ、本当は正式に言えば二礼二拍手一礼なんだ、こうおっしゃった。それが一礼になったのだ、こうこの場でおっしゃったのですよ。知っていますか、去年の八月の内閣委員会の藤波官房長官の答弁。どうですか、もう一遍。一礼は宗教色を薄めた、儀式を薄めたということでいいのですか。
○工藤(敦)政府委員 当時の藤波官房長官が、一礼によった、神道色を極力排除した、こういうことを申し上げたことは事実でございますが、それは先ほど申し上げました幾つかの要素のうちの一つとして申し上げたのであって、それのみをもっていわゆる憲法上問題ない、かように申し上げたことではございません。
○日笠委員 防衛庁、来ましたか。
○志賀委員長 この際、西廣防衛局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○西廣政府委員 先ほどのお尋ねの防衛庁からの委託研究でございますが、我が国における危機管理の軍事的側面ということで、都内の勉強のために外部に委託調査をお願いをしております。したがいまして、特段公表すべきものではございませんが、同時に秘密でもございませんので、御必要があればいつでもお貸し出しをいたします。
○日笠委員 では、ぜひひとつ資料を要求したいと思います。 それから靖国の件、もうあと一分しかありませんけれども、要は一礼ということで、一拝ということで、当委員会で藤波官房長官は、もう宗教的儀式を薄めた、薄めたと何遍もおっしゃいました。それが頭にあります。それは実は「神社新報」論説によりますと、そうじゃないんだ、一礼でもきちっとした、非難されるけれどもこれは正しいやり方だという意味のことが載っております。ですから、何回も言いますように、一礼でもこれは宗教的儀式になるし、まさに供花料なんというのは、神仏混交でありますけれども花を仏に供えるという意味であるし、「参拝」という言葉自体がもう神社に参って神仏を拝むということでもある。要は行くこと自体が、これはもうどこから見てもいわゆる宗教的儀式であり、活動になるわけなんです。 また暑い夏が来ますけれども、最後に官房長官、金丸幹事長が呉学謙外相と中国で会われて、宗教的色彩のない施設をつくりたい、努力したい、こうおっしゃった、それについてのお考え。それから八月十五日今度はどうされますか。二つ最後にお答えしていただきます。
○後藤田国務大臣 金丸幹事長が、いろいろな意味で公のために命をささげた人の追悼の施設を別につくったらどうかという意見を言ったということは、承知をいたしております。御案内の前官房長官の、靖国懇の中でもそういう意見が一部あったことは事実でございますが、しかし、当時の懇談会としてはそれは任務でないということで、具体的検討はいたしておりません。それと同時に、金丸幹事長が言われたような意見が国民の中の一部にあることも事実でございます。 しかしながら、これは先ほど来法制局からるるお答えをしておりましたが、今日日本国民の大多数は、戦没者を追悼する場としては靖国神社が望ましいんだという多くの国民の気持ちがある。もちろん一部にそれは反対だと言う方がおることもそれは私、知っていますよ。しかし大部分の方がそう思っている以上は、追悼のものを別の場所につくるということは班ほどさような簡単な議論ではなかろう、これはよほど慎重なる配慮と検討をしなければ早々にわかに結論を出すべき筋合いのものではなかろう、私はかように理解をいたしております。 それから、八月十五日はどうするんだ、こういうことでございますが、これまたしばしばお答えしておりますように、御案内のとおりにこれは別段制度化したものではございませんから、そのときどきの総理あるいは閣僚の判断によってその時期に至れば決めていくもの、かように理解をいたしております。
○日笠委員 終わります。
○志賀委員長 次回は、来る八日木曜日午前九時四十分理事会、午前九時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四分散会