内閣委員会 第11号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1986/04/17
会議録
○志賀委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、安全保障会議設置法案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。後藤田内閣官房長官。 ————————————— 安全保障会議設置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○後藤田国務大臣 ただいま議題となりました安全保障会議設置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、内閣における総合調整機能強化の一環として、重大緊急事態対処体制の整備を図るため、現行国防会議の任務を継承するとともに重大緊急事態への対処措置等を審議する機関として、内閣に安全保障会議を設置し、その構成その他安全保障会議に関し必要な事項を定めようとするものであります。 近年における社会全体の複雑高度化、我が国の国際的役割の拡大と我が国周辺地域の国際政治面での重要性の増大等により、重大緊急事態の発生の可能性は潜在的に高まっておりますが、このような事態に対し迅速、適切に対処し、事態の拡大発展を防止するため、内閣の果たすべき役割はますます増大しております。臨時行政改革推進審議会の答申においても、かかる基本的考え方に基づき、内閣に安全保障会議を設置することを提言しておりますが、政府はこの答申の趣旨を最大限尊重し、これまで慎重に検討してまいりましたが、ここに成案を得ましたので、今回、本法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一は、安全保障会議の審議事項についてであります。 安全保障会議は、現在の国防会議で審議することとされている国防に関する重要事項のほか、重大緊急事態が発生した場合において、内閣総理大臣の諮問を受け、当該重大緊急事態への対処措置について審議することとしております。 また、このほか、国防に関する重要事項及び重大緊急事態への対処に関する重要事項につき、必要に応じ、内閣総理大臣に対し意見を述べることができることとしております。 第二は、安全保障会議の組織についてであります。 安全保障会議は、議長及び議員をもって組織するものとし、議長は、内閣総理大臣をもって充てることとしております。議員は、現在の国防会議の議員である内閣法第九条の規定によりあらかじめ指定された国務大臣、外務大臣、大蔵大臣、防衛庁長官、経済企画庁長官に加え、新たに内閣官房長官及び国家公安委員会委員長をもって充てることとしております。 第三に、現行国防会議事務局を廃止することとし、安全保障会議に関する事務につきましては、内閣官房において処理し、命を受けて内閣審議官がつかさどることとしております。 以上のほか、関係国務大臣その他の関係者の会議への出席、議長及び議員の職務上の秘密保持等につきまして所要の規定をいたしております。 最後に、安全保障会議は、昭和六十一年七月一日から発足することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願いいたします。
○志賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○志賀委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。石川要三君。
○石川委員 ただいまから質問をするわけですが、官房長官が時間が余りないようでありますので、長官の時間もそういう御都合ができるように、できるだけ御協力をしながら質問をいたしたいと思います。 そこで、最初に長官に二、三お尋ねするわけですが、にわか勉強でいろいろとこの内容を勉強してみたのですけれども、今回のこの安保会議の設置というものは、要約しますと、現在の国防会議は存置いたしまして、さらにその上に重大緊急事態への対処措置、こういうことがこの安全保障会議の役割というふうに解釈できるわけでありますが、先般の本会議での野党さんのいろいろな質問に対する総理並びに官房長官あるいは外務大臣等の御答弁を議事録で読み直してみまして、私なりにこれを解釈してみたのですが、後段に二つある重大緊急事態への対処措置、これの内容が私は一つの物差しがきちんとあれば非常にわかりいいのじゃないかと思うのですが、例えばダッカ事件とか大韓航空とかいろいろと事例は出されましたけれども、しかし例えば災害の問題におきましても規模によってはかなり違ってくる、対象になるものもあるし対象にならないものもあるということではないかと思うのですが、抽象的になると思いますけれども、こういう場合にはこうなんだということがもう少し明示できないかと思うわけでありますが、その点についてもう少し詳しくその内容についてお尋ねをしたいと思います。
○塩田政府委員 今もお話がございましたように、重大緊急事態の定義の問題でございますけれども、必ずしも具体的でなくて抽象的な表現に法律上なっておるわけでございますけれども、考え方としまして、我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある事態という一つのつかまえ方をしまして、それから二つの除外を設けております。と申しますのは、第一は国防事態でございまして、考え方によりますと我が国の安全に重大な影響を及ぼすものの最たるものが国防事態であるということになるわけでありますが、国防事態につきましては現在の国防会議、今後の安全保障会議の第二条第一項の規定として対象になることが明記されておりますので、そういう意味でこれを排除します。さらに第二の排除としまして、今もお話にございましたけれども、通常の緊急事態対処体制が現在いろいろございますが、そういうことによって通常に対処できるものは今回の重大緊急事態からは排除してよろしいではないかという考え方で、例えば自然災害につきましては中央防災会議あるいは事態が発生した場合の災害対策本部といったような現在の制度がございまして、そういったもので対処できる体制ができております。また、エネルギー等の問題につきましても国民生活安定緊急対策本部といったような制度がございまして、それに対処するという形が現在できております。そういったものを除いて、それ以外のもので総理大臣が必要としたものが安全保障会議の審議事項になる、こういう考え方でございます。 それでもなおかつ抽象的ではないかということでございますが、将来起こり得るいろいろな事態を、どんなことが起こるかわからない事態を具体的に書くということは大変困難でございまして、私どもとしましては、今申し上げた法律の規定以上には、過去の具体的な例でこういった例が該当するではなかろうかというふうにしか具体的には申し上げにくいわけでありますが、その例としまして、例えばミグの事件とかダッカの事件とか大韓航空機のような事件がもし今後起こるとすれば、それはこの安全保障会議の審議の対象になるのではなかろうかと考えておるところでございます。
○石川委員 今の答弁に対してさらにこれを続けて質問したいのですが、何か大臣の日程もあるようでありますから、順序を変えまして官房長官に特にお尋ねしたいのです。 私の知るところによりますと、国防会議が設置されたのはかなり前だと思いますが、ある人の話によりますと、その国防会議を国会で通すときには大変な時間と日数をかけて議論された、本当かうそか知りませんが、総理も三回ぐらいこの委員会に臨んでいろいろと質疑があったということを聞いております。そのような大変なエネルギーを消費してようやく国防会議が誕生したのだと思うのです。しかし、国会の本会議での質問の中にもありましたが、その後の国防会議の実際の運用を見るとそんなに重要な場ではなさそうな感じもするというふうに私には感じられるのですね。でありますから、今回それを継承するというのだから、それをただ継承したんじゃどうも重大なことじゃないかと私は思うのですけれども、そういう運用を誤ると大変なことになる。過去のことばかりにとらわれるわけじゃございませんが、一体国防会議というのは何回くらい、本当にどんなものを内容にやられたのかということをまず一点聞くと同時に、そういうことを継承するならばせっかく仏をつくっても魂を入れずということになってしまったら大変だと思うわけです。ですから、今後のそういう運用などについてはどんなふうに考えられているのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○塩田政府委員 お尋ねの中に今までの回数のお尋ねがございましたので、その点私から先にお答えいたします。 国防会議としましては、現在まで七十二回、それ以外に……(石川委員「年間どのくらいですか」と呼ぶ)約三十年間で七十二回でございますから、単純に割れば二回強ということになりますが、これは非常に偏っておりまして、例えば去年、六十年なんかは一年間に十一回開いております。と申しますのは、そのときのテーマによりまして、例えば五十一年の「防衛計画の大綱」をつくった年なんかも相当回数を開いております。それ以外には余り開いていない年があるといったことで偏っておりまして、単純に平均すれば二回強という格好になっております。それ以外に国防会議の議員懇談会というのがございまして、これが今までに七十一回開かれております。 回数は以上のような状況でございます。
○後藤田国務大臣 国防会議は申し上げるまでもないので、文民統制という上から見て私は非常に重要な機関である、かように理解をしておるのですが、今日までも防衛の基本の方針、第一次から第四次までの防衛計画、さらには「防衛計画の大綱」、そして中期業務計画の策定、それぞれの段階段階で私はそれなりの役割を果たしてきたと考えておるわけでございます。 しかしながら、この国防会議のあり方をめぐっては過去随分古くからいろいろな御意見がございます。その御意見の中の一つに、石川さんの今の御質問のように、年に二回ぐらいしか開いておらぬ、しかもそこに二十数名の職員がおる、何をしておるのだといったような手厳しい批判があることも事実でありますが、しかし同時に、この制度があること自身が、シビリアンコントロールの上から見て重要な存在であるし、それなりの意味を十分に果たしておる、私はかように考えるわけでございます。そこで、今回の改正の際には、こういった国防事態に対してはそのまま引き継いでいくということをまず考えております。 いま一つは、警察であれば非常事態宣言がございます。しかし、これは、公安委員会がそれぞれ管理しておる警察を、公安委員会を、その事態には配慮して総理大臣が直接指揮命令できるというだけで、実態的には何らの変わりはない組織でございます。あるいはまた、災害であれば災害対策本部ができるし、エネルギー等の場合には国民生活安定緊急対策本部というものができます。しかし、実際は、これらでは処理できない事態発生の危険性を絶えず内包しているのが日本を取り巻く内外の情勢だろうと私は思う。国内的に見れば高密度の工業社会でございますし、国際的に見れば世界的規模で日本と諸外国との関係が非常に緊密化しておる、その世界の情勢がいつ、いかなることが起きるかわからないということでございます。それらの影響は、国の安全なり国民の安全に直接重大な影響を及ぼすという事態が当然考えられる。 ところが、その際の日本の政府としてのそれに対応する対処方針をどう決めるかというのが、どうも国防会議の対象事項ではない。そして同時に、今まである非常事態宣言あるいは国民生活安定緊急対策本部であるとか災害対策本部といったようなことだけでは処理し切れない場合があるわけですが、そのときには、各省の関係が当然のことながら幅が非常に広くなるわけです。ところが、日本の行政組織の中の今までのあり方は、ボトムアップのコンセンサス社会になっております。ボトムアップでございます。そうしますと、各省の意見がまとまらないのがあると、私は実際に官邸で三度ですか勤務をしておりますが、これは容易でありません。官邸の中というのは秘書官以外おらぬものですから、本当にてこずるのが実態なんですね。そうすると、各省の意見がまとまらない場合、適時適切なる少なくとも方針だけは決めなければならない、その方針が決まらないということによってそういった日本の重大な事態に対処するあり方が時期おくれになる、うまくいかない、結局は国民に大きな被害を及ぼすおそれが多分にある、これが日本の行政組織全体を見た場合に今最大の欠点であろうと私は考えるわけでございます。 そこで、今回の行革審としては、それらを検討しながら、国防事態の方は国防事態で従来のものを引き継ぎなさい、今までの審議の状況等から見てこれには十分な余力があるでしょう、しかし同時に、その前の段階で処理しなければならぬ事態を処理させる必要がありはしないのか、それで、ここで従来の国防会議を廃止して一緒に合わさって安全保障会議を設けて、従来から抜けておるところを所掌する組織につくりかえなさい、この組織は内閣総理大臣のスタッフ組織を強化するものである、つまり物によってはトップダウンの政府の意思決定を得なければ間に合わないわけですが、そのトップダウンの政府の意思決定を間違ってやられては大変なわけでありますから、どうしても日ごろから各省との連携あるいは情報の収集を完全にやっておいて、そういった事態に適時適切な指導方針が決まるようなスタッフ組織を強化しておけ、それで実施はどうなるかといえば、これはそれぞれの所管において基本方針さえ決まれば各省はみんなやれるわけですから、それに従ってやっていこうというのが今回の改正の趣旨でございます。 したがって平たく言えば、うっかりしてほっておけば有事のような状態になるおそれがある、しかしここで適切な処理をすれば有事に至る前の段階で有事に至らしめないような国全体の政府の方針というものが的確に決まっていくのではないのか、このことは国防会議の国防事態というものと合わさることによってある意味においてつながりはありますから、実態の対象は違いますがつながりが出てくるおそれがあるわけですから、シビリアンコントロールという意味合いにおいても十分な機能を果たすことができるのではないかということ、これが一つ。 もう一つは、形式論ではありますけれども、シビリアンコントロールをやらなければならない国防会議が、防衛庁設置法の中にあるという法体系は一体いかがなものであろうかということ。私が基本的に考え、また言っておるのは、国防会議は決して自衛隊の出店ではありませんよということなんです。これは自衛隊の出店になったのでは意味がないわけですから、こういった考え方のもとにきちんと整理することによって、本当の意味でのシビリアンコントロールを広い意味でも果たさせたいという意味でございます。 やや長くなりましたが、立法の趣旨その他についてあわせてお答えしたわけでございます。御理解願いたいと思います。
○石川委員 今の長官のお話で、国防会議は防衛庁の出先であってはまずいという御見解、なるほど私も全く同感でありますし、そのとおりだと思います。 ただ、これはまた前後してバックしてしまうような質問になるかもしれませんが、国防会議は政府も相当のエネルギーをつぎ込んで設置した割には、何か失礼だけれども、全く盲腸のような感じが私はせざるを得ないのです。ですから、その上にまた今度は違う要素も入れてつくるのですから、盲腸というのはついておるのです。今までなら盲腸みたいなものでも、それを継承していくというのだから、せっかくできたものもまた第二の盲腸になりはしないかという心配をせざるを得ない、こういった角度から質問したわけでありますから、どうかその点を十二分に、せっかくつくられた仏ですからしっかりした魂を入れてもらいたいという念願をして質問したわけであります。 もう一つの心配の要素は、重大緊急事態への対処でございますが、これは非常に重大しかも緊急ですからゆっくり考える時間がないわけですから、そういう内容のものを、これは諮問機関でありますけれども、それにかけて、そしてまた、その一つの結論は多数少数ということでなくて、一つの結論を総理がそこから得るわけですから、間違ったものでは困るわけです。ですから、そういう裁断をして結論を得た、それを閣議にかける、時によると何か緊急なるがゆえにこれがそれだけの効果を発揮できるかどうかという、そういう緊急性と慎重との関係、そこいらをどのように御判断されているものか。場合によれば閣僚会議の中でそういうものを十二分に検討することだってできないのじゃないか。どうしてもこれが必要なものかどうかということで、場合によれば、閣僚会議にかければ余り大勢だから議論が百出してまとめられないということもあるかもしれません。しかしそれは運用でもって、何も多数決でやらなくてもいいのですから、関係閣僚に一任するとかという方法もとれるとは思いますが、しかし、もしもそういうことならば、私が心配している第二の盲腸論的な存在になりはしないかという心配からすれば、こういうことをやると結局緊急事態に一体対応できるのかしら、こういうふうに心配するわけですが、その点長官はどんなふうに御判断されているかということを聞きたいのです。
○塩田政府委員 緊急を要するということでありながら閣議との関係でかえって時間がかかるのではないかというような趣旨のお尋ねだったと思いますが、閣議との関係につきましては、基本的には現在の国防会議と同じ関係でございまして、現在の国防会議も安全保障会議もともに総理に対する諮問機関であります。総理に対して答申をするわけでございますが、その中で閣議にかけるべき必要な事項については当然閣議にかけていく、この点は今後も変わらないわけでございますけれども、その点今後の重大緊急事態の場合を考えますとそれでは時間がかかって遅いではないかという御指摘は確かにあるわけでございますけれども、かけるべきものはやはりかけていかざるを得ません。これは当然のことだと私どもは理解いたしております。したがいまして、案件によりましては閣議にかけないで処理できる案件ももちろんございます。そういったものは総理に答申し次第総理の指示を受けて各省がそれに従って動いていく、こういうことになろうかと思いますが、その辺はまた実際の運用の問題でもございまして、御指摘のとおり緊急の事態に速やかに対処するという要請につきましては当然我々も考えていかなければなりません。ただ同時に、閣議にかけるべきものはやはりかけていく必要がある、このように理解しておるところでございます。
○石川委員 この安全保障会議というものは、要するに一つの事件というものが発生して初めて作用するのですか。その以前、これはまた解釈が非常にあれで、対象が制限できませんからなかなか予測もできないかもしれませんが、例えば北朝鮮と韓国との関係が非常に怪しくなってきた、それに対する日米の間のいろいろな関係からまた非常に憂慮すべき事態も想像される、予知されるという場合、リビアとアメリカはちょっと地理的な関係があるからこれはどうかわかりませんが、そういういろんな国際紛糾の中で日本の安全等も脅かされることが予知される、その予知されることが十分顕著なんだけれどもという場合、そういうときにもこの会議については作用できるのですか。
○塩田政府委員 安全保障会議は、原則、事態が起きた場合にこれにいかに対処するかということについて、その対処措置について審議をし、総理に答申をするということが任務でございます。平素どういうことをしておるかという点につきましては、これは答申にもございますけれども、いざ何か事態が起こった場合の政府の中の連絡調整のあり方でありますとか、その情報の収集の仕方でありますとか、そういった調整の仕方について平素勉強をしておく、マニュアルをつくっておくということはやっておく必要がある、これは答申にもそういう指摘がございまして、我々もそういうふうに考えております。動くといったらあれかもしれませんが、原則、事態が起こったときにこれにいかに対処するかというのが任務であることは変わりはございません。
○石川委員 大臣の時間の御都合は、もう退場しなければならないようなことを聞いておりますが、よろしゅうございますか。(後藤田国務大臣「まだ大丈夫です」と呼ぶ) もう一つお聞きしますけれども、今度の安保会議というものは、申し上げるまでもなく行革審の答申からこのような設置になったということでありますが、内閣官房の強化の一環として外政調整室というものができるわけでありますが、これと外務省との関係につきまして、二元外交ができるのじゃなかろうかというような角度から、先般本会議でも二、三の方から質問がありまして、これに対して総理並びに安倍外務大臣からの答弁が出ているわけでありますが、この議事録だけを読んでみてもこれについては非常に簡単に触れているのです。 例えば総理の答弁でございますけれども、「外政調整室の問題については、これは内閣レベルの総合調整機能を強化しようとするものでありまして、対外的な接触を必要とする問題は、外務省と協議の上、正規の外交チャネルを通じて行われるものでありまして、二元化のおそれはありません。」これだけで終始しております。それから安倍外務大臣の答弁につきましても、「外交関係の処理に必要な国内調整は、第一義的には外務省が行います。その上で、内閣としてその統一保持上必要な場合に、所要の総合調整を行うことが外交調整室の主たる任務であり、」これだけです。これはどの方の質問に対しても同じように、ちょうど判こを押したような答えが返ってきておりますが、これだけではちょっとわかりにくいし、余りにも何かお役人さんがメモ的に読んだという印象が強いのですが、この点についてはもう少し内容について親切な説明をひとつ承りたいと私は思うのです。
○後藤田国務大臣 この案は、行革審の審議の途中からも、外交二元化のおそれを生ぜしめるようなことがあってはならない、こういう御意見がございました。したがって、それらの点については十分配慮した上で行革審の御答申もあったと思いますし、また、政府が作案する過程でもその点については十分配慮しておるつもりでございます。対外関係の処理について外務省の頭越しに対外折衝をやるということはあり得ざることであって、これはやはり外務省が外交一元化のもとにやるべきものである、そういう線でこれを運営いたしたいと思います。 ただ、問題はどういうことかというと、今日の日本の行政を進める上において、外交の案件というものが直ちに内政に影響するわけです。今までであれば、普通よく言われることは、内政の延長線上に外交というものがあるのだ、これが常識論でありまして、まさにそのとおりだと思います。しかしながら、最近の我が国を取り巻く状況から考えますとそれだけでは不十分で、外交の頭を持って内政のかじ取りをやらなければ国政はうまく進まないという実態が出てきていることも事実なんです。外交の案件が即、したがって内政との調整がうまくいかないと、とてもじゃないが対外関係の処理ができないという実態があるわけですから、そこでその際に、外務省が外国とは折衝はいたしますが、しかしながら、外交の問題を国内的にどうこなしていくかというときに、外務省だけではとても各省が言うことを聞きません。そうしますと日本の意思決定というものはできないわけでございますね。そういう事例が非常に多くなってきておる。 しかもそれが緊急性を帯びてきたとき、普通の事態であれば時間をかけて従来のようにやればそれは一向かまいません。しかしながら、これが緊急な事態の場合にはどうにもならないということがございますから、そういった総合調整をやるときに、政府全体としての意思決定はこれは官邸でやらざるを得ない場合が出てきます。そういうときに、やはりふだんからの補佐組織というものをきっちりしておかないと、間違った調整をやられたのじゃこれは大変な事態になりますから、やはり外政調整室というものを置きながら、絶えず外務省なり通産省なり経企庁なり大蔵省なりともよく連絡をしておきながら、そういった事態が起きた場合のその調整について、普通は普通のやつでやりますから、しかしながらどうしてもこれはそれでは処理ができないというときには、政府の意思決定を早急にやる、そのときの政府の決め方について間違いのないように補佐をする必要があるということで、外政調整室と内政調整室を置いて絶えずその二つの連絡をさしておく、こういう仕組みに考えているわけでございますので、御理解願いたいと思います。
○石川委員 いろいろとお話を聞いておりますと、確かに今回の安保会議の設置をする必要性というものはよく理解をされるわけであります。問題は、ただ、国防会議のようにせっかくこれが設置されてもどうも今までのように、何か我々の期待から見て非常に希薄な存在のようなものにならないように、ぜひひとつ、せっかくできるこの会議を十二分に、我が国の真の安全保障のために機能を十分に発揮できるようなそういう運用を積極的にお考えをいただきたい。そのことを切に要望いたしまして、質問を終わります。
○志賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十二分散会 —————・—————