内閣委員会 第10号
- 発言数
- 359 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/04/16
会議録
○志賀委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。今井厚生大臣。 ————————————— 厚生省設置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○今井国務大臣 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年、疾病構造の変化、人口構造の高齢化、医学を初めとする諸科学の急速な進歩等に伴い、医療内容は著しく高度化、専門化しております。このような状況の変化を踏まえ、国立病院等につきましては、高度専門的な医療を初めとする国の医療政策上特に推進すべき医療、研究及び研修等の推進を図ることとしております。 本法律案は、このような観点に立って、今後の疾病構造の変化等に機動的に対応するため、厚生省設置法の一部を改正しようとするものであり、その内容は、厚生省の施設等機関である国立がんセンター、国立循環器病センター及び新たに本年十月一日から設置することを予定しております国立精神・神経センター(仮称)を国立高度専門医療センターと総称し、その設置目的を特定の疾患等に関し、診断及び治療、調査研究並びに技術者の研修を行うこととするとともに、各センターの名称及び所掌事務は政令で定めることができるようにすることであります。 なお、この改正は、本年十月一日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○志賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○志賀委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。元信堯君。
○元信委員 会期末も大分迫ってきたところでこの法案の審議に入るわけでございますが、まず、法案に入る前に、一つ二つ厚生大臣にお聞きをしておきたいと思うのです。 最近、同日選挙でありますとかあるいはそれに向けての衆議院の解散でありますとか、かようなことが取りざたされておりまして、総理大臣も何かこれに意欲的というように新聞でも拝見いたしましたし、通産大臣でしたか、ばかにそれをあおるようなことを言っておるのもこれまた拝見をしておるところですが、厚生大臣、これに対してはどういう見解をお持ちですか。
○今井国務大臣 解散とか総選挙というのは、私どもがそれぞれの立場で言うことではなくて、やはり総理が決断をされることであろうと思いますから、一閣僚たる私があれこれ申し上げることではないと思っております。
○元信委員 最近の総理大臣、今アメリカにおいででおるわけですが、少なくともアメリカへ行く前の総理大臣の心境というのはどういう心境であると閣僚として推察されておるのか、御見解を承ります。
○今井国務大臣 私も初めて閣僚になりましたものでございまして、総理と毎日お会いするわけでもございませんので、その推しはかるということを私の口からは申し上げにくいということを御了察願いたいと思います。
○元信委員 総理はかねて解放は考えておらないというようなことを言っておったように承知をいたしておりますけれども、厚生大臣は、総理が今でもそういう考え方でおいでる、そういうふうに思っておられますか。
○今井国務大臣 私どもは、先ごろ申し上げたように、一日一日を自分の職責を全うできるように、皆様にお願いをして、一本でも早く、一時間でも早く法律を通していただくということが私の最大の今の念願でございますから、それ以外のことは全く考えていないというのが私の心境でございます。
○元信委員 厚生大臣の御発言はまことにごもっともな御発言だと思うわけですが、先ほど申しましたように、通産大臣ですか、同日選挙は大いにやるべしというような発言をしておるやに聞いておりますが、あなたも閣僚の一員であられるわけですが、同じ閣僚の中でそういう発言を続けるものがある、どういうふうにお考えでしょうか。
○今井国務大臣 それぞれのお立場で御発言なすっているものだろうと思いますが、私はそれに対してあれこれ申し上げる立場に全くないわけでございまして、繰り返しになりますが、私のような初々しい閣僚は、毎日毎日を本当に皆様の御質疑に答えて、職責を全うすることだけを今考えておるものでございます。
○元信委員 まことに仰せのとおりかと思いますが、そういう一部不心得な閣僚がおって、解散をあおるような発言をしておるのはまことに遺憾千万である。この結果が一体どういう形になってあらわれるかというと、厚生大臣ひとつこの議場をごらんいただきたいと思うのですが、どういう御感想をお持ちですか。
○今井国務大臣 審議をお願いいたします私からあれこれ申し上げることは僭越でございますので、お許し賜りたいと存じます。
○元信委員 厚生大臣の与党の席をごらんになると、一体、意欲というものがどの程度のものであるかということがおのずと知れるものであると私どもは言わざるを得ないわけでございますが、きょうのところはそれはそれとして、審議を進めることにいたしたいと思います。 ところで、日程的にも大分苦しくなってまいりましたけれども、きょう提案されました厚生省設置法について、担当大臣としてこの法案を必ず今国会で成立させるという決意をお持ちですか。
○今井国務大臣 これははっきりと申し上げておきたいと思いますが、ぜひお願いをいたしたいと存じます。
○元信委員 御案内のとおり、きょうは水曜日でございまして、内閣委員会の定例日でもなければ予備日でもない。異例中の異例の形で審議を始めている、当委員会も厚生省設置法を何が何でも成立をさせねばならぬという決意があらわれておる、こう御承知を願いたいわけでございますが、それならそれとして、今後の苦しい日程のやりくりの中で、厚生大臣としても今国会の成立に向けて最大の努力をしてもらわなければいかぬわけですが、日程的に今国会で成立可能というふうに見通しをお持ちですか。
○今井国務大臣 私から見通しというわけにもまいりませんが、私の気持ちとしては、この国会でぜひ上げていただきたい、そのようにお願いする一方でございます。
○元信委員 いろいろ御都合があると思いますけれども、厚生大臣としてできる最大の努力をこれに傾注する、その決意をひとつお聞かせください。
○今井国務大臣 重ねて申し上げますが、ぜひこの国会でお上げいただきたいとひたすらお願いするものでございます。
○元信委員 こんなことを聞いちゃ申しわけないですが、日程というのは限りがあるものでもございますし、先ほど言った、解散をあおるけしからぬ閣僚もあるわけでありますから、どうなるかわからぬ。もし仮に今国会でこれが成立しないということになりました場合の実際的な影響というのは、どんなふうに予測されていますか。
○木戸政府委員 具体的には、この十月一日から、六十一年度の予算で認められています(仮称)精神・神経センターというものが発足ができないということになるわけでございまして、このセンターにつきましては、施設の関係者のみならず、いろいろ関係の団体の人たちも成立を望んでおりますので、それができないということになれば、やはり先端的な治療あるいは研究というもののスタートがおくれるということになるわけでございます。
○元信委員 予算的にはどんなふうな影響が予想されますか。
○木戸政府委員 予算の上では、精神・神経センターというのが、従来の武蔵療養所あるいは国立の精神衛生研究所と別の扱いになっておりますので、それが仮に成立しないということになれば、従来どおり、武蔵療養所あるいは精神衛生研究所というところに戻らざるを得ないということになるわけでございます。
○元信委員 一般会計と、療養所勘定あるいは病院勘定、これらの特別会計との間の関係で、もしこの法案が成立をしなかった場合は何らかの補正措置みたいなものは必要になりますか。
○木戸政府委員 予算総則におきまして、もしこの法律が通らなければ、それにつきましては通らない場合の所要の措置ができるということになっておるわけでございます。
○元信委員 今あります精神衛生研究所なり武蔵療養所なり、そういうものは、この法案が通らないとしても、予算的にも法律的にもやってやれないことはない、こういう状態ですね。
○木戸政府委員 現在の武蔵療養所、それから武蔵にございますいわゆる神経の研究所、それから国府台にございます精神衛生研究所、既に実績はあるわけでございますから、それは事実上としては、従来の活動を継続するということは可能なことは可能でございます。
○元信委員 そういうこともあるものと私どもは思うわけでございますが、今日までの厚生省、きょうこの審議を迎えるまでも、どうも法案成立のために熱意が余り感じられなかった、こう言わなければならぬことが幾つかあるわけですが、先ほど大臣は誠心誠意とお話してございましたから、この後の審議日程については最大限の協力をされますように重ねて申し上げまして、次へ進みたいと思います。 ところで、先ほど大臣の提案理由の説明の中で、「国立病院等につきましては、高度専門的な医療を初めとする国の医療政策上特に推進すべき医療、研究及び研修等の推進を図ることとしております。」こういう表現がございましたが、この表現が意味するところというのはどういうものでございましょうか。
○木戸政府委員 国立病院・療養所につきましては、実は再編成計画というものも公表したわけでございますが、他の医療機関がやることが困難な、あるいは適当でない高度の医療、あるいは専門的な医療、あるいはそれに必要な臨床研究、教育研修というようなものが今後の国立病院・療養所に与えられた使命だというふうに我々は考えているわけでございまして、とりわけ従来のナショナルセンター、今度御提案申し上げております高度専門医療センターというのは、その中でもさらにパイオニア的、先駆的な役割を果たすべきものと考えているわけでございます。
○元信委員 今私が読み上げましたところの前に、「このような状況の変化を踏まえ、」ということで、この法律案の提案理由になっているわけですが、このことは、ことしの一月だかに発表されました国立病院の再編成ということを念頭に置いての表現じゃないかなと思って伺ったのですが、大臣、そこはいかがでしょうか。
○今井国務大臣 これは、おっしゃいますように国立病院の再編成というものも踏まえましての意味もございます。
○元信委員 このたびの国立精神・神経センターの新設を内容とする法律案ですが、この国立精神・神経センターの新設についても再編成の中に含まれているわけですね。
○木戸政府委員 広い意味におきましての再編成の中で、やはりこのような高度専門の医療の中核的施設をつくっていく、こういうことでございます。
○元信委員 広い意味でとおっしゃいますけれども、再編成を具体的に幾つか挙げてありますね。その中に含まれているのですね。
○木戸政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
○元信委員 ところで、今回の法改正は、国立高度専門医療センターの設置等を、従来法律事項であったものを政令事項に格下げをし、その手始めとして国立精神・神経センターを新設する、そしてその名称、所掌事務は政令で定めるというふうに書いてございます。名称は仮称で国立精神・神経センター、こうなるのだと思いますが、その他政令で定める事項というものについてはどんなことをお考えでしょうか。
○木戸政府委員 政令では、国立がんセンター、国立循環器病センターと一緒に、(仮称)精神・神経センターの名称を正式に定めることが一つでございます。 それから、所掌事務を政令で定めることになるわけでございます。国立精神・神経センターの所掌事務といたしましては、精神疾患、神経疾患、筋疾患、発達障害及び精神保健に関し、診断及び治療、調査研究並びに技術者の研修を行うというふうに政令で所掌事務を定めることを予定しているわけでございます。なお、がんセンター、循環器病センターについては、現在法律に書いてある所掌事務がそのまま政令で規定される、こういうことにしたいと思っております。
○元信委員 先ほど審議官の御答弁の中で、再編成の中に上がっているということでございますから、再編成との関連の中で以降の質問を続けたいと思います。 「国立精神・神経センターの新設について」という説明の文書をいただきました。設置場所については、東京小平市の現国立武蔵療養所、それから千葉県市川市国府台の現国立精神衛生研究所、これが挙げられておりまして、この二つを組織的に統合して新しい組織に移行する、こんなふうに理解をするわけでございますが、もう一ついただきました説明資料の中に「統合・経営移譲を行う施設の名称及び所在地」というのがございまして、これを見ますと、国立国府台病院と国立武蔵療養所が統合されて、「センター化」こう書いてあります。センター化されて国立精神・神経センターという形で示されておりますが、今回の「国立精神・神経センターの新設について」というのには国府台病院について触れてないわけですけれども、これはどういう事情でございましょう。
○木戸政府委員 国府台病院は現在約七百ベッドでございまして、精神疾患が約半分、それから一般のいわゆる総合診療ということで約半分ということになっているわけでございます。 私どもといたしましては、この国府台病院を新しいいわゆる精神・保健研究所のフィールド病院として使う、そして今後の使命としては、精神の病の中でもノイローゼ等の心身症、そういったようなものに重点を置いてこれをフィールド病院として充実をしていきたいと考えているわけでございますけれども、やはりいろいろ準備の都合もございます。基本的には、今一般診療科がございますし、またベッドも約半分は一般診療のベッドでございますので、この辺をどうするかという点の内部的な検討も必要でございますので、六十一年度の予算では、統合は武蔵療養所といわゆる神経センター、それから国府台の国立精神衛生研究所、この三つの統合ということにして、国府台病院については六十二年度以降ということにしたわけでございます。
○元信委員 そうしますと、「統合・経営移譲を行う施設の名称及び所在地」という文書の中で、武蔵療養所と国府台病院がセンター化されるというのはちょっと正確じゃないんじゃないかなという気がするのですね。今の審議官の御説明ですと、国立国府台病院と国立精神・神経センターができた段階でそれとの間で統合が行われるというふうに理解した方がいいんじゃないかと思いますが、どうですか。
○木戸政府委員 このたびの精神・神経センターというのは、従来のがんセンターや循環器病センターのように要するに単一の施設、単一の研究所で、同じ場所にあるというものではございませんで、武蔵療養所と国府台病院というものも今ではかなり性格が違う面も持っておりますし、いわゆる神経の研究所と精神衛生研究所というのも、片方は生物学的手法、片方は社会科学的手法ということで、目的は脳の機能あるいは脳の発達障害の解明等の共通の面がございますが、かなり違う面があるわけでございます。したがいまして、いわゆる今度のセンターというのはやや複合的なセンターであるということでございまして、まず第一段階として、武蔵療養所と神経センター、それと国府台の精神衛生研究所をまずセンターの中に入れる、しかる後に一定の期間をおいて国府台病院を入れるということで、でき上がった姿はやはりそれぞれが整合性をとった一つのセンターにする、こういうことでございます。
○元信委員 私が聞いているのはでき上がったものの中身のことを聞いているのじゃなくて、この文書でいきますと、考え方として、国立武蔵療養所と国府台病院がセンター化される、統合されるということを示しているわけですけれども、国立武蔵療養所というのはこの法案がめでたく通ればことしの十月一日でなくなるのでしょう。国府台病院は六十二年度以降の話でしょう。そうすると、国府台病院と国立武蔵療養所の統合ということはあり得ぬのじゃないか、こう言っているのです。
○木戸政府委員 厳密に言えばそういう御指摘かと思いますが、統合、そこはやや不正確でございまして、その統合というのは、二つの統合というよりは、厳密には新しい精神・神経センターの中に武蔵療養所も国府台病院も入る、そういう意味ではでき上がった姿はやはり両方ともナショナルセンターの中に入るという意味での統合という意味でございます。
○元信委員 理解を助けるためのこういう文書は正確に表現してくれぬと、こういうところで時間をとってしまうわけですね。 ところで、この精神・神経センターは一般会計の研究所、それから国府台病院は病院勘定、武蔵療養所が療養所勘定でしたね。この三つを組織的には統合するわけですが、統合した後の会計的な区分はどうなりますか。
○木戸政府委員 統合された後の精神・神経センターは、療養所勘定に属するセンターとして処理をするわけでございます。
○元信委員 従来二つございました高度医療センターは、それぞれどういう勘定区分けになっていますか。
○木戸政府委員 従来ございましたがんセンター、循環器病センターは、国立病院特会法の取り扱いは従来と同じように病院勘定の方で区分経理をすることになるわけでございます。
○元信委員 この高度医療センターの中で従来のものは病院勘定、今度は療養所勘定となりますが、今度のセンターだけ療養所勘定になるというその理由をお示しください。
○木戸政府委員 それは、この扱います臨床の患者さんが、精神あるいは神経疾患といういわば非常に長患いの長期慢性疾患の患者さんが対象になっているということから、従来どちらかというと療養所勘定は長期慢性疾患が対象、それから病院勘定の方は一般医療というふうになっておりましたので、武蔵療養所の実態を考えましてこの療養所勘定に属させることになった、こういうことでございます。
○元信委員 国立国府台病院は、先ほどの御説明では必ずしも精神・神経関係の患者さんじゃなくて、半分くらいはその他、こういうことになっておりましたですね。そうしますと、国府台病院を統合すると国府台病院も療養所勘定、国府台病院については病院から療養所勘定に移る、こういう理解でよろしゅうございますか。
○木戸政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
○元信委員 そうしますと、国府台病院の精神・神経以外の診療科目にかかわる患者さんのその後の扱いは何か変わりますか。
○木戸政府委員 率直に申し上げまして、患者さんにとって勘定が変わるからどうということはないわけでございます。ただ、国府台病院を将来どうするかという問題につきましては、私も先ほど申し上げましたように、ここの精神・神経センターに入るわけでございますので、私どもはその精神・神経センターのフィールド病院にふさわしい先ほど申し上げました心身症のような新しい精神の病気を対象にした病院で、しかもそこに総合的機能を付与した病院にしていきたいということを考えているわけでございますが、これにはかなり時間がかかりますので、実際今かかっておられる患者さんが短期間にかかれなくなるということがないように、十分経過措置は講じなければならないと考えております。
○元信委員 そもそも国立病院・療養所に病院勘定、療養所勘定、二つの特別会計が設定されておるということがどういう理由によるのか、それがまた実際的にどういう行政上の効果をもたらしておるのか、その辺について厚生大臣、いかがでしょうか。
○今井国務大臣 先ほどからのお話を聞いておりまして、原則としては、主として精神だとか結核だとか重心だとか筋ジスといった長期の慢性の疾患に対します療養を行います療養所と、それから主として一般医療を行います病院とでは、その経営の実態にかなりの差があるというので、別勘定を設けて経理区分をして、経営の実態を正しく反映しよう、把握しようということでやっているわけであります。 そこで、療養所というものがだんだん病院化してきておりますが、しかしまだ経営実態として相当の差があるわけでありますから、両勘定をこの際直ちに統合してしまうことはいかがなものだろうと思って、やはり今のままにやるべきじゃないだろうかと私は考えております。
○元信委員 示されておりますところの「統合・経営移譲を行う施設の名称及び所在地」、この文書によりましてもかなり病院と療養所が統合されるケースはあるわけですね。この場合の処理の原則的なお考え方はいかがでしょうか。
○木戸政府委員 先ほどもお答えを申し上げましたが、やはり主としてどういう疾患を扱うかという点が中心になるわけでございます。例えば精神のみの療養の方ははっきりいたしますが、問題は真ん中、境目がはっきりしないというようなところがあるわけでございます。私どもは一応はどちらが主となっているかということで、長期慢性疾思が主だということであれば療養所勘定に、それから一般医療が主だということであれば病院勘定にということで、そのリストアップのときにもそういう考え方で整理をしてございます。
○元信委員 最近の医学の進歩というのは大変目覚ましいものがありまして、例えば一時は結核などというようなものは、薬はない、転地をしていい空気を吸い、栄養をつけて静養して、そのうち治るか治らないかやってみなければわからないということでしたが、最近は化学療法でどんぴしゃりと治るようになったわけで、入院すらも必要でないとも言われているわけですね。精神病についても、従来の収容主義といいますか隔離主義、社会から隔離するという考え方から社会に開いたものにしていって、しかもできるだけ収容せずに通院によって治療するということになっている。そういう時代に、密度が薄くて長期にやるということを前提とした療養という概念については再検討の要がありはせぬかと思いますが、いかがでしょうか。
○木戸政府委員 先生御指摘のとおり、現在は医学医術の進歩によりまして例えば結核などは非常に変わっていることは事実でございます。 ただ実態といたしまして、現在ございます精神の療養所でございますとか重心とか筋ジストロフィーの患者さんをたくさん収容しております療養所でございますとか、そういうところを見ますと、それと一般的な急性期を対象とする病院というのは経常実態にかなり差があるわけでございます。両勘定を一緒にしたらどうだという御意見はいろいろなところでございます。まさに先生御指摘のとわりでございますが、その辺は、典型的なものを考えますと経営実態に差があるということでございますので、私どもとしては、少なくともいましばらくは経営実態の差に着目して両勘定を存置するのが適当ではないかと考えておるところでございます。
○元信委員 これを統合した場合具体的にどういうマイナス点があるのか、その辺はいかがお考えでしょうか。
○木戸政府委員 統合したことによりまして、病院勘定に行ってマイナスあるいは療養所勘定に行ってマイナスということは特にないわけでございます。ただ先ほども申し上げましたように、どちらかというとやはり療養所勘定の方が収入に比べて支出が非常に多いという点もあるし、不採算な面が多いわけでございますので、長期慢性疾患を対象としたような施設ということになれば療養所勘定に属した方が実務面で好都合だ、こういうことでございます。
○元信委員 もう一つよくわからぬ話でございまして、行政の簡素化ということも必要なことでありますし、最近の医学医術の進歩によって療養と医療との差が実際上はなくなっていくだろうと思うのですね。片方において漫然と長期に薄い医療をしていく、それでいいというようなことでは断じてないわけでありますし、特に結核などについてはもうそういう時代ははるかに過ぎたわけであります。あちこちにまだ残っております療養所の中でも、その地域において実際には総合病院として機能しているというところがたくさんございますね。そういうところについては少なくとも病院勘定に移していくということ、こういうことはその病院の診療機能を拡張する上でも必要なことではないかと思うのです。 お話しありましたように、病院勘定の方は収支大体相償っている。療養所勘定の方は支出に対して収入が非常に足りない状態にある。そうすると、診療機能を強化していくための投資にしても、療養所と名がついているだけで非常に抑制されるというような事態というのが考えられると思うのです。そういうものについては、採算が合うようなものについては病院勘定にどんどん移していくべきではないか。少なくともそういう措置は、両勘定の統一はできないとしても必要なことではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○木戸政府委員 先生御指摘のことにつきましては、従来からも、療養所であった、ところが結核の患者が減ってきて、むしろ地域の一般医療を担うようになったという場合には、病院に転換したものが数多くございます。そういう面におきまして、今度のリストアップの面におきましても、そこも十分考えて、統合後のものは地域の急性期の医療ということで、あるものは病院勘定に移したということもございます。まさに先生御指摘のような方向で今後運営はしてまいるつもりでございます。
○元信委員 そこで、先ほどの国府台病院の問題についてもうちょっと聞いておきたいと思います。国府台病院は新しくできます精神・神経センターのフィールド病院ということになる、そして今の約半分くらいの、精神・神経以外の診療科目にかかわる患者さんについてはこれから考えていく、そういう前提のもとに国府台病院は組織としてはなくなる、こういう理解でいいわけですね。
○木戸政府委員 組織としては、国立病院というところからなくなりまして新しい高度専門医療センター、いわゆる精神・神経センターの一病院になるわけでございます。
○元信委員 そういうことで、今の一般診療科目の患者さんについては何ら不利あるいは心配がないように配慮をする、こういうことを約束できますね。
○木戸政府委員 先ほどもお答えを申し上げたわけでございますが、現在通っておられる患者さんが不便のないように十分な経過措置、それから、これから医療法に基づく地域医療計画というものができてまいるわけでございますので、その辺は地元の県、市と相談をいたしまして、そういうことのないようにいたしていきたいと思っております。
○元信委員 それでは次へ行きますが、統合・移譲の対象となる施設の中にらい療養所というものが一つも含まれていないわけですね。この含まれていない理由について、らいの患者の皆さんの中には、これとは別枠ではっさり統合あるいは削減をするのではないかという心配もあるやに聞いておりますけれども、らい療養所をこれに含まれなかった理由について承りたいと存じます。
○木戸政府委員 国立のらい療養所は、先生御存じのようにハンセン病患者のみを収容するいわば特殊な施設でございまして、設立の経緯、これは戦前から戦中にかけまして、いわばかなり強制的な収容をしたというような歴史的な経緯もございます。それからやはり、単なる医療でなくてそこが生活の場になっているという、そういういわば患者さんの生活実態、運営方法が違っているというような問題がございます。先生も御存じのように、らいの患者さんというのは最近は新規の患者さんは極めて減ってまいりまして、どんどん減っていく一方でございます。そのような実態を見まして今回は再編成計画からは除外をした、こういうてとでございます。
○元信委員 ハンセン氏病の患者さんは現在七千六百人が国立の十三施設に入所されておる。その他民間にも百人程度の施設がある。さらに新規発生も極めて少なくて毎年二十人程度である。したがって、全体に長期的にいえばハンセン氏病の患者さんは減る傾向にある。こういうことですが、長い間いわれのない偏見に苦しんでこられて、今私も非常に苦しい生活をされている方が大変多いというふうに承知をするわけです。しかも療養期間は極めて長期に及んでおりまして、生活と療養というものが一体のものとなっているというのが実態であろうと思います。したがって、これは将来のハンセン氏病の患者の皆さんの生活を第一に考えて今回の再編成の考え方からは除去されたものと今承りましたが、将来においてもこの患者の皆さんの療養と生活を保障する、これを最優先の考え方として対処をされるものであるかどうか、大臣に伺っておきたいと思います。
○今井国務大臣 おっしゃるとおり、ハンセン氏病につきましては、私も政務次官のころに現地に参りましてつぶさに拝見したことがございますが、これはやはり国が政策医療として責任を持って運営していかなければならぬというように考えております。
○元信委員 それでは次へ参りまして、今回発表された統合・移譲の前のものですね、このケースをちょっと伺っておきたいのですが、群馬県にあります療養所長寿園、これを西群馬病院に統合する問題については、大変難しい問題になりまして、大臣も御苦労されたかというふうに聞いておりますが、この統合のてんまつについてあらましを承りたいと存じます。
○木戸政府委員 御報告を申し上げます。 国立療養所長寿園は、昭和十四年に県立の療養所として設立した七十床という病床数の非常に小さな施設でございます。しかしながら、立地条件が非常に恵まれておりませんで、今後の国立医療機関としての存続は困難だということから、去る四月の一日をもって、近接をいたします結核、肺がん等の胸部疾患の専門医療施設でございます国立療養所西群馬病院と統合したわけでございます。 なお、統合に当たりましては、現在六十二人の患者さんがおられますが、大変年をとった九十歳以上の方も数名おられるし、寝たきりの方も十七、八名おられる、こういうような状態でございますので、入院患者を移送するまでの間、当分の間というふうになってございますが、入院患者を説得をいたしまして患者さんを移送するまでの間は、西群馬病院の病棟の一部として事実上現在の長寿園の病棟の一部を運営するという、いわば人命尊重のための緊急措置を講じたわけでございます。
○元信委員 入院患者についてはわかりましたが、この長寿園に勤務しておりました職員の処遇とか、それからその後の当該地域の地域医療への配慮等いろいろあったように聞きますが、承りたいと存じます。
○木戸政府委員 職員でございますが、私どもといたしましては、現在、本人の御希望もございますが、患者さんもそちらの方に移っていただくということでございますので、原則としては西群馬病院に職員も移っていただくということを考えているわけでございますが、そこは本人が特別の希望があれば他の近接の施設ということも事情が許せばそれはしたいというふうに考えているわけでございます。 それから、いわゆる地域医療の問題でございます。この長寿園にも現在十七、八名から二十名ぐらいのいわゆる外来の方というのが三月末まではおられたわけでございまして、この長寿園を統合するに当たって、地元の吾妻町なり群馬県と一番問題になったのは、実際に今現にそこで外来診療というものをやってくれているのを一体どうしてくれるのか、これが焦点でございました。この点につきましては県ともよく相談をいたしまして、吾妻町に国と県で補助金を出しまして、五床でございますが診療所というものをつくったわけでございます。そして、この診療所は当面四月一日から国がとりあえず運営をしておりますが、これは将来は、近くに原町日赤という二百床ばかりのかなり充実した病院がございますので、そこに経営をお任せしたいというふうに考えておるわけでございまして、私どもといたしましては、一般的な後医療としては、今申し上げました町立て近く日赤に委託する日赤の診療所、それから原町病院、それから特に結核等の専門の方は西群馬病院の方に行っていただく、そういうような地域医療体制で臨んでいきたいというふうに考えているわけでございます。
○元信委員 長寿園そのものは組織的には西群馬病院に統合されたけれども、先ほどお話のありましたような事情によって、とりあえずそこの病棟といいますかブランチの扱いで残っておるものと承知をするわけでありますが、患者さんは何人ぐらい残っておられるのか。それから、その人たちの医療を保障するためには職員も当然残さなければならぬと思いますが、どんな形でどれくらい残っているのか。あわせて伺いたいと思います。
○木戸政府委員 現在患者さんは六十二名がおるわけでありまして、職員も現在のところは三月末までのままでございます。 これで患者さんが西群馬病院の方に移行するということになれば職員も移行してもらうわけでございますが、ただ、どうしても患者さん一度には西群馬病院の方に移れませんので、その間は、その患者さんたちの医療あるいは介護に必要な職員というものはやはり現在の場所に残って勤務をしてもらう、こういうことになるわけでございます。
○元信委員 そうすると、四月一日の時点では、患者さんの数も職員の数もそのまま何も変わっておらぬ、こういうことなんですね。
○木戸政府委員 そのとおりでございます。
○元信委員 これから統合・再編成を進めるお考えでしょうが、これはなかなか難しい問題なんですね。とりわけ患者さんの問題、それから地域医療の水準の保障の問題、そうして職員の取り扱いの問題、どれを見ましても大変難しい問題だと思いますが、これは徹底的に話し合いで解決をせねばならぬ、間違っても強行するなどというようなことはあってはならぬことだと考えます。そういう意味で、長寿園の紛争解決のやり方というのが今後の一つのモデルケースになろうかと思いますが、そういうふうにお考えでしょうか。
○今井国務大臣 この問題は、先生お話しのように、やはり地域の方々、それから病院を取り巻きますいろいろな方々との十分な合意が必要であります。これはおっしゃるまでもなく私もそう考えておりますが、しかし、この問題はどうしてもある一定の期間にやらねばならないという側面もあるわけでございますから、粘り強く対話を重ねながら、私どもはこれをやり遂げたいと思っておるわけです。 しかし繰り返し申しますが、私どもが何を考えてどうしようとしているのかということを真心をもって積極的に話し合いを続けてまいりたいと思っておるわけでございまして、私はよく冗談めかして言うのですが、人間何でも真心をもって話し合えばわかってもらえるはずだ、またわかってもらえるように何遍でもこちらから足を運んで話をしようじゃないか、こういう基本的な考え方を持ってこの問題については対処をいたしたいと考えております。
○元信委員 真心をもって何度でも話し合う、話し合いがつかないうちはこれは強行するなんていうことはあり得ない、こういうことなのですね。
○今井国務大臣 真心をもって話し合えば必ずわかっていただけるというふうに、私は確信を持っているものでございます。
○元信委員 それではその真心をぜひ信頼をして、トラブルにならないようにお願いを申し上げまして、先へ行きたいと思います。 再編成の方針として、移譲でありますとかあるいは統合でありますとか、統合のやり方も、先ほどの精神・神経センターのように今までの施設を組織的には統合するけれども施設そのものはそのままであるというケース、あるいはA、BがあるのをAに吸収するというケース、あるいはまたA、Bそれぞれとは別にCというところに新設をしてA、Bを廃するというケース、いろいろあるわけでございますけれども、この統合する場合に、どちらかを廃する場合、その廃した跡地といいますか、土地なり施設なりというものは残るわけですけれども、こういうものの処理方針というのはいかがでしょうか。
○木戸政府委員 先生、先ほど後医療の問題が重要だという御指摘がございましたが、まさに私どもも、一般原則といたしまして、統合して仮にAという施設がそこからいわばなくなるという場合には、後の医療をどうするかということが大きな問題でございます。私どもといたしましては、やはり地域にとってその施設を医療のために活用していただくのが適当だ、希望も多いという場合には、できるだけそういう御意思に沿って処理をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○元信委員 地域によっていろいろ事情はあろうかというふうに思うのです。例えば大都市部でAという病院、Bという病院があって、それを廃してCという病院をつくる。ここにはそこからの職員、スタッフもそろえ集中をして高度な機能を持った病院をつくる。そしてその廃した後へまたそれぞれ同じ機能を残すというのは、これはなかなか難しいことではないかなというふうに思うのですね。そういう場合は、これはなかなかその後の引き受け手というものも見つからないというケースも出てくると思います。そういう場合はどうされますか。
○木戸政府委員 再編成後の医療のあり方という場合は、一般的には再編成というのは、当該施設というものに着目すれば、その施設単独ではやはり今後の国立病院としての高度の医療あるいは専門の医療ということが適当でないということで統合になるわけでございますから、そういうふうにいわばあるところから立ち退くという場合には、その地域にとって必要な医療というのは、むしろ国立としての医療というよりは地域にとって必要な一般的な医療ということになろうかと思うわけでございます。これはいろいろなケースがあるわけでございます。この計画を発表いたしましてから、先生御指摘のようなケースもいろいろ問い合わせ等がございますが、私どもといたしましては、施設がなくなることによってその地域の医療が困るということがないように、やはりその土地、建物というものを活用していくということが必要であると考えております。
○元信委員 それはわかりますが、そうは言ってもそうならぬ場合もあるだろう。例えば、提案理由の中にでしたか、少なくとも今の我が国の医療はマクロ的にはほぼ充足をされている、こういう御認識があるわけですね。マクロ的にというのは、地域によってはまだまだ医療水準が必要な水準に到達していないというところもあるけれども、その反面、地域によっては医療機関の方が過多になっているところもあるというふうに思うので、そういうものに対する対策ということもあっての今度の再編成だと思うのですよね。そうしますと、当然そういうところでは再編成した後の処理というようなことが問題になるわけでありますけれども、その場合について、それは努力は努力でわかりますよ、あなたたちの立場でそう言わなければならぬということはわかるけれども、そういがなかった場合について何か考えておく必要はないのですか。
○木戸政府委員 当該地域におきましてもう他に医療機関がいっぱいある、終局的にはそこには少なくとも医療施設は要らないんだということであれば、それは国有財産の跡利用の一般原則に従って、例えば医療施設は要らないけれども、福祉施設とかあるいは健康増進のための施設とかそういうような活用の方法もあるかと思うわけでございます。
○元信委員 そこで、今度の再編成計画の特徴といたしまして、公的な医療機関へ地方自治体を含めて譲渡をする、しかも経営移譲の場合には、経営を移譲する場合とそれから組織を移譲する場合というふうに分けて考えられているようですね。その内容についてお示しいただけますか。
○木戸政府委員 再編成の特別措置法、この国会にこの設置法とは別に出さしていただいているわけでございますが、その法律案によりますと、いわゆる土地、建物の利用の方法としては移譲と譲渡という分け方をしてございます。移譲と申しますのは、施設のみでなく職員があわせて引き継がれる、つまり有機的な組織体として引き継ぐというものを考えております。ただ、具体的にどれだけ職員が行けば移譲なのかということは政令で定めることとしてございます。実際問題としてはその中間的なケースというものも非常に多いと思うのでございますが、一応今私ども考えておりますのは、当該国立医療機関の職員の少なくとも過半数が譲渡後の医療機関で勤務をすることとなる、こういうことを基本的な要件といたしたいと考えております。
○元信委員 国会でまだ提案理由の説明は受けてないわけですが、国会に送られていることは間違いかない。いろいろ問題があるわけですが、大部分はそういうふうに政令にゆだねられているところが多いと思いますが、大臣、これは閣議決定の段階で政令要綱としてかなり明らかになっているのじゃないかと思うのですが、どの程度のことが政令要綱として決められているのですか。
○木戸政府委員 大変申しわけないわけでございますが、その再編の特別措置法につきましての政令については、今関係各省と詰めているところでございまして、まだ要綱としてお示しができるという段階には至ってないわけで、至急今詰めているところでございます。
○元信委員 この委員会はそっちの法案を審議しているのじゃないからまあいいわけですが、しかし、ちょっと考えてみても、そこのところを詰めてちゃんと同時に示さないと、いろいろ問題があると思うのです。例えばさっき私が言いましたA、BをやめてCにするという場合、その後の跡地を譲渡にするのか移譲にするのか、これはそこの区分がはっきりしなければ何とも言えないわけなんですよね。AとBとをやめてCにするときに、五〇%以上の人がもとへ残るなんということはちょっと考えられないということになりますと、地元の自治体は移譲を受けるんじゃなくて譲渡を受ける、こういうことになるでしょう。金を払ってやってくれなんて言ったって、国立がとても経営が成り立たなくて言うなればやめちゃった、しかもそのスタッフをよそへ連れていって高度の新鋭病院をつくります、そしてその後をやってもらうのに金を出してそれをやれだなんて、ちょっとやるところはないと思いますが、いかがですか。
○木戸政府委員 後医療の問題、いろいろ困難な問題もあるかと思うわけでございますが、一応私どもの方といたしましては、やはり職員ごとの場合とそれから職員が行かない土地、建物の譲渡の場合というのは、区別をつけざるを得ないということでございます。
○元信委員 それはそうでしょうけれども、それは丸ごと譲渡という場合はそういうことも考えられるかと思いますけれども、今私が指摘したようなケースの場合は僕はそんなことじゃ引き受けるところはないと思いますよ。その辺どう考えておられるのか、大臣ちょっと聞かしてくださいな。
○今井国務大臣 これは一般的な問題もさることながら、やはりケース・バイ・ケースでいろいろ問題があろうと思いますね。今一般的なことを言えと言われますのも、まことに私もちょっと極めて申し上げにくいような状況でございます。
○元信委員 今厚生省の設置法の審議をしている、そのベースには国立病院の再編成がある。この国立病院の再編成の方針を踏まえて審議をするために、そこら辺の政令にゆだねるという部分についてもかなり整理された考え方というものがないと、率直に言って非常に審議がしにくいわけですね。法案で骨組みだけ決めて、肉をどれだけつけるかということは法案成立後にやることだから今は答弁できないというのは、法案提出の立場からいうとちょっと誠意に欠けるんじゃないかなと思うのですね。この設置法の場合は、私がさっき政令の中身を聞いたのはこのことがあったもので聞いたわけですが、これは非常に明確で結構でございました。しかし、後の方の再編成に関する法案の中でも、そこらのところは原則的に、法案を出す立場としていかなる場合にでも受け答えができるような、やってみなくてはわからないとか一般原則がないとか、そんなことでは法案提出というのはできぬと思いますよ。どうですか。
○今井国務大臣 これはお説のとおりでございまして、やはり政令は極力煮詰めまして、御審議のときにきちっと全体を、精細なものはわからぬまでも、やはりそれをお示しすることが極めて大事だろうと思いまして、そのような努力をいたしたいと思います。
○元信委員 それは法案を国会に提出するときまでに努力をしていなければいかぬわけであって、今から努力をいたしたいじゃちょっと手おくれだと思いますが、おかげで審議がおくれているものだから今からでもあるいは間に合うかもしれませんから、しっかりやってください。 それでは先へ行きますが、いわゆる人づきの問題ですね、移譲の問題ですが、今指摘しましたようにいろいろな個々を見ると細かいケースがあって、五〇%ということだけでは単純に線が引けないということがおわかりいただけたかと思いますが、一般に民間に移譲あるいは譲渡した場合、後どういうふうに使われるかという一つの規制をするといいますか指導をするといいますか、何らかしなければならぬと思いますが、およそどういうものを、これも政令で定める、こうおっしゃるのでしょうけれども、規制の内容を、何年ぐらいやるのか、どの規模でやるのか、その辺のお考えを伺いたいと思うのです。
○木戸政府委員 私どもといたしましては、移譲あるいは譲渡後十五年は医療施設として使ってもらいたいということを、譲渡あるいは移譲の際の契約ではっきりさせたいというふうに考えております。これは実は昭和二十七年に特別措置法がございました際にもそういう扱いになってございますので、このたびもそのような扱いにいたしたいというふうに考えております。
○元信委員 年数十五年ということは承りましたが、医療を続ければいいということでは済まないと思うのですね。その医療の質といいますか、例えば診療科目をどういうふうに維持するかとか、そういう中身の問題についてはどんなふうにお考えでしょうか。
○木戸政府委員 この特別措置というのは、要するに従来国立がやっておりました医療をかわって地域にやっていただく、それを円滑にやれるための措置ということでございますから、例えば移譲の場合、移譲先とかあるいはどういうことを移譲先にやってもらうとかいうことは契約で決めていかなければいけないわけでございまして、そこでできるだけ詳細に決めて、それが結局は地域医療の確保に資するわけでございますから、できるだけそこは移譲の際にきちっと詳細に決めていきたいというふうに考えております。 ただ、今まで国立がやっていた診療科目をそのまま引き継ぐのがいいのか、そこはむしろ後医療という観点から見てどういうものがいいのかという観点もかなり重要なウエートを占めるのではないかというふうに考えております。
○元信委員 契約で決めるのは当然といたしまして、そのガイドラインみたいなものをあらかじめ法案審議のときには示しておく必要があるんじゃないかなと思うのですね。それはそこへいってみて相手にもよりけりでございますと言うけれども、こういう法律でもって規定をすることについては、審議をする段階でそこらのことがわからなければ審議ができないという意見が出るでしょう。これはやはり政令事項になるわけですか。
○木戸政府委員 それは政令で決めるということではございませんで、いわば特別措置法の解釈、運用の問題でございますので、そこは法律の施行の基本的な通達等で明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
○元信委員 そこが一番重要なポイントになるところだろうと思うのですね。移譲したわ、あるいは譲渡したわ、しかしその後十五年間どういう医療が地域に対して行われるのかは非常に問題になるところでして、それがすべて通達だの、運用だの、解釈だのということではなかなか安心して任せられないなという気もするわけですが、その点はまた再編成の法律の方でじっくり論議をしてもらうことといたしまして、ひとつ聞いておきたいのですが、その後の医療の確保等について、契約はするとしてもその契約の担保は何になりますか。
○木戸政府委員 そこは、契約というのは相互信頼でございますが、しかし、どうしてもそれを途中で守らない、つまり最初の締結時の信頼関係を根本的に覆すようなことがあればその契約を取り消すということもあるかと思うわけでございますが、ただ、この後医療の問題につきましては、移譲先あるいは統合後の後医療については、県あるいは地元の市町村も入りまして十分に協議をいたしまして、具体的に診療科目とか病床数とかそういうかなり詰めたところまで決めていくことによりまして、そのように譲ったけれども後でどうもうまくいかなかったということがないように、そこは締結時にきちっといたしたいと考えております。
○元信委員 いや、私は、何を担保にするか、担保するのはどういう力によるかということを聞いているわけです。きちっと契約すれば、世の中は何でもきちっといけば、担保などという考え方は必要がないのですね。あるいはこういう場合は施設の譲渡がくっついているわけですから、買い戻し特約等がたれが考えてもすぐ考えられることでありますが、そういうことを契約の中に入れられるお考えがあるかどうか伺います。
○木戸政府委員 先ほども御説明を申し上げましたが、私どもは、やはり契約の相手方というものもきちっとしなければいけないということで、現在考えておりますのは自治体とか日赤、済生会等の公的医療機関、さらには社会福祉法人とか学校法人とか、つまりかなり公的な支配が及ぶ、いわば相手方としてきちっとしているというところを選ぶということがございまするし、その上に、今申し上げましたようないろいろな、移譲の際あるいは譲渡の際に地元の地方自治体にも入ってもらってかなり詳細なところまで決める、こういうことでございますので、買い戻しの特約とかなんとかそういうことは考えておりません。
○元信委員 それでは担保はなしでいく、こういうことなんですか。そうすると、以前の内閣委員会でも伺いましたし、今審議官の話にもありましたが、社会福祉法人などというふうなものもあるわけですが、公的とは言いながら、やたらに公的という言葉を乱発するのもいかがかと思うわけですが、これなどは要するに早い話が公的機関じゃないでしょう。公的規制はあるとは言うけれども、法人というのは多かれ少なかれそういうことがあるわけですよ、監督官庁というのがあるのだから。そうなると、これは公的とは言いながら民間団体なんですね。民間団体というのは、そう言っては何だけれども、場合によっては倒産だってあり得るわけですよ。それから定款によれば解散することだってあるでしょう。そういうものに対して何ら担保を取らないという契約は不当だと思いますが、どうですか。
○木戸政府委員 地方公共団体以外の団体については、実際の運用に当たりまして、移譲を希望する団体が安定的かつ継続した事業運営を長期的に維持していけるかどうかという点について厳しく審査をしなければならないと考えておりまして、御指摘のような事態が生じないようにしなければならないと考えておるわけでございまして、先生がおっしゃるようなそういう法律によって買い戻しの特約等をつける前に、相手方については、契約締結時に慎重な審査をいたしたいと考えておるわけでございます。
○元信委員 きょうは厚生省の社会局長もおいでいただいていますが、社会福祉法人というのは倒産したりするようなケースはございませんか。
○小島政府委員 一般にございません。
○元信委員 いや、一般にじゃなくて、前例として全くないですか。
○小島政府委員 理事者にいわばいろんな不正行為があって非常に運営が苦しくなったケースはございますが、その後立ち直りを図っておりまして、社会福祉法人で倒産したという例はございません。
○元信委員 特殊法人で例えば特養ホームとかそういうところで経営が行き詰まった例というのは、私どもは倒産に至ったかどうかは知りませんが、相当あるでしょう。そうしますと、我々が国有財産を譲渡をするあるいは移譲するわけですから、そういうところに対してあらかじめ事前の審査、といっても十五年も間があることですから、十五年先まで審査することなんてできないと思うのですよ。ですから、買い戻し特約くらいのことをつけておいてもお互いに何にも困らぬわけですね。ちゃんとやるということであれば、それくらいのことをしておかなければとても国有財産を譲渡できないと思うのですが、買い戻し特約をつけられない理由というのはありますか。
○木戸政府委員 国有財産につきまして従来の例によりますと買い戻し特約というのはつけていないような例があると思いますが、先生の御指摘の点につきましては検討の課題とさせていただきたいと思います。
○元信委員 かようなことは非常に疑惑を招きやすいもとでありますから、どこから言われてもちゃんと答弁ができるようにやっておいてもらいたいと思うのです。私は買い戻し特約くらいつけたって何にもおかしいことはないと思うのですよ。 移譲と譲渡の違いというのは職員をつけるかどうかの差である、こういうお話がありました。これも今の担保の問題と関連をするわけですが、何の担保もないということになりますと、職員つきの言うところの経営移譲をした場合、その後の経営事情の変化によって職員の労働条件が大幅に変わってくる、あるいは合理化等によって職が保障されない場合というのが出てくると一般的に予測されるわけですけれども、その場合の対応については何かお考えでしょうか。
○木戸政府委員 職員の処遇の問題でございますが、まず、移譲あるいは譲渡で一部行く場合でも、その対象となる職員が移譲後あるいは譲渡後の施設に移るか、引き続き国家公務員として他の国立医療施設で勤務するかについては、あくまで職員の希望を尊重したいという点が第一点でございます。 それから、今先生のおっしゃったように、経営が悪くなったために後で非常に不利をこうむることがないか、こういう御指摘でございますが、その点につきましても、移譲対象施設の選定の際に、適切な経営管理を行う能力を有しているかどうかについて十分注意を払っていかなければならないと考えております。
○元信委員 移譲なり譲渡なりの相手方が公共団体のようなところでは、今申しましたような危惧というのは余り当たらないだろうと思うのです。ただ、今度の公的医療機関の範囲というのがかなり広範なものに及んでいる、こういうふうに聞き及んでいるものですから、これから実際問題として移譲の話をする場合に、職員の皆さんは、移譲の時点ではいろいろ結構なお話もあるいはあるかもしらぬ、しかしその後は何ら法律の庇護下に置かれないということになりますと、非常な困難が生じるというふうに考えるわけですね。しかし、今の御答弁ですと、厚生省としてはその後のことについては打つ手はない、こんなふうに聞こえました。そんなことにならぬように事前の注意をあれこれするということは先ほどからやかましく聞いていますが、その後のことについて伺っているわけでして、今私が申しましたように、法的に言えばその後の問題については何ら厚生省の指導なり規制なり監督なりは及ばない、こういう理解でよろしゅうございますか。
○木戸政府委員 純粋法律的には先生御指摘のとおりでございます。
○元信委員 人の問題は以上にいたしまして、あと施設の問題ですけれども、移譲あるいは譲渡を受けた施設を、移譲を受けた団体、公的医療機関がいろんなふうに利用を考えるかと思いますけれども、その利用の範囲ですね。医療施設とするということになろうかと思いますが、ここで出てまいります医療施設というものの範疇についてお示しをいただきたいと思います。
○木戸政府委員 この再編特別措置法案におきます医療施設でございますが、私どもといたしましては、医療法の上の病院とそれから今御審議をいただいております老人保健法に基づく老人保健施設、これはこの再編の特別措置法に言う医療機関の範囲に該当する、こういうふうに考えておりまして、福祉施設、例えば特別養護老人ホームのような福祉施設は医療機関には該当しない、これがこの法案を作成する過程で各省折衝あるいは法制局等で打ち合わせた解釈の結果でございます。
○元信委員 老人保健法で言う施設というのはいわゆる中間施設、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○木戸政府委員 先生の御質問のとおりでございます。
○元信委員 最近、老人保健あるいは老人医療の需要というのは非常に高まってきている。したがって、これからの国立病院の再編成に当たっても、この医療需要というものをどういうふうにカバーしていくかということが大きな課題になろうかというふうに思うのですね。そこで問題になるのは、今お示しのあった境目といいますか、その辺の施設がなかなか難しいと思いますが、例えば老人の医療に欠かせない施設と思いますがリハビリ施設ですね。リハビリテーションのための施設というようなものもいろんなものがあろうかと思いますが、こういうものは含んでいくべきではないかなと考えますが、いかがですか。
○木戸政府委員 リハビリテーション施設についての御質問でございますが、リハビリテーションについてもいわゆる医学的な管理を主とした医学的リハビリテーションと、その段階を終わりました生活適応、生活訓練のためのリハビリテーションというようなものも段階的にあるかと思うわけでございますが、私どものこの措置法におきましては、やはり医療機関ということでございますので、いわゆるリハビリテーションの機能につきましても、それは医療としてのリハビリテーションの機能の範疇に入るというものしかこの対象にはならないということでございます。
○元信委員 そこの境目が何によって線を引かれるかが問題になろうかと思いますが、これは当該のリハビリテーション施設というものが医療法によって定義されるものであるかどうかということが具体的にはその境界になるわけですか。
○木戸政府委員 医療法に言う病院あるいは診療所で行うリハビリテーションということであれば、それはこの法律の対象になるということでございます。具体的には、だから医療法の対象となるものであればこの措置法の対象となるということでございます。
○元信委員 国立病院は、歴史的に見ますと、かつて結核診療所であったり陸海軍の衛戍病院であったりというような歴史的ないきさつだろうと思いますが敷地が非常に広大であるということから、病院を核とした地域の老人保健医療、そういうものとして構想されるケースが今後非常に多いのではないかなというふうに思うわけですね。そういう場合に、今お話がありましたリハビリ施設などというようなものも非常に狭く考えられるようでございますし、さらに社会福祉施設というようなものについては対象にならない、こういうことでございます。そういたしますと、広大な用地を移譲されてもこれが十分活用されないおそれというものがあるのではないかなというふうに思うわけなんですね。 そこで、むやみにその敷地いっぱいに病院にするというようなわけにいきませんし、せっかくの敷地でありますから有効に活用せねばならぬ。そのための一つのあるいは便法ということになろうかと思いますが、敷地を分割して、その直接医療にかかわる部分についてはこの法律の適用をして移譲ないし譲渡の扱いにする、そうでない場合はこれは普通財産の払い下げと申しますかそういうものにして、こっちは言うところの時価でお代をいただくというふうにしてやれば、その部分については利用は事実上自由ということになろうかと思うのですね。ただ、それがそうやって分割して内容を分けて、しかし、敷地としては一つの固まりとして一緒に払い下げを受けたけれども、後でそっちの部分を売り払ってしまったというのではせっかくの配慮も何にもならぬわけでありますが、そういう配慮をしながらそういう有機的な運営の仕方というものもあるいはあり得るのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○木戸政府委員 先生御指摘のように、老人を対象とした総合的な施策を行う施設というのは考えられると思います。具体的な運用につきましては個々の事例に即して判断をするよりほかございませんが、御指摘のように割引譲渡を行うのは医療施設として使用する範囲というふうにいたしまして、他の部分については時価ということは可能でございます。
○元信委員 ひとつ弾力的な取り扱いをお願いをしておかなければならぬと思いますが、最後に、「運営に要する費用を補助することができる。」こうあるわけでございますが、運営費補助に対する基本的なお考えを承っておきたいと思います。
○木戸政府委員 特別措置法案の運営費の補助でございますが、これは実は、一応前例として頭に置きましたのは、国鉄の特定地方交通路線のいわゆる経営体質改善のための転換交付金というものを頭に置いて関係各省折衝をしたわけでございまして、一応は収支の赤字につきまして五年間、その二分の一を補助するというのが基本線でございます。 ただ、私どもといたしましては、この移譲にはいろんなケースがございます。そして、なかなかローカル線のように簡単に交通手段を切りかえるということもできませんので、その辺の点をどういうふうに考えるかという点について、今申し上げました基本的考え方を出発点といたしまして、各省と今いろいろ詰めておるところでございます。
○元信委員 運営費補助というのは移譲についてのみ適用されることで、譲渡については適用されないのですか。
○木戸政府委員 先生御指摘のとおり譲渡については適用されません。
○元信委員 どういう理由でそういうふうに分けてお考えになりますか。
○木戸政府委員 先ほども御説明をいたしましたが、この運営費補助というのは体質改善のための転換交付金という性格が基礎にございますので、これは人が行っていわば物と人が一体になった有機的組織体が移譲される場合に運営費補助を考えるという考え方でございます。
○元信委員 先ほどの話に戻って恐縮ですが、公共団体等が移譲で受けたいと思っても、人の五〇%という問題から譲渡にならざるを得ない場合などがあるでしょう。そういうときに、そういう境目にあるからといって運営費補助も出ないということになると、ますます引き取り手がなくなると思います。その込もう少し弾力的な考え方が必要なのじゃないですか。
○木戸政府委員 先生御指摘のような点につきましては、各省でいろいろ協議をしたときにも御議論がございました。運営費補助の性格は何であるかという点を詰めてまいりますと、先ほど来言ったような経営体質の改善のための交付金ということであれば、職員が一緒に行くという場合に限定せざるを得ないという考え方で今回の法案はまとめてあるわけでございます。
○元信委員 時間も参りましたから以上で終わりたいと思いますが、今回の法案の基礎になっております再編成の問題についても、今申し上げてまいりましたとおり、細部にわたってまだまだ調整といいますか、国会で審議するまでに固めてこなければならぬ点がたくさんあったかと思うのです。とりわけ国民の財産であります国有施設を公的医療機関と言いながらも民間を含めて譲渡するということについては、もっと詰めた考え方、しかも国民に対して責任の持てる考え方が整理されておらなければ、とても議決はおろか審議も難しいのではないか、そんな印象を受けました。 一般的に言えることですけれども、法案を出すときには必要な政令案なんというものはきちんと具体化して審議に当たられますようにお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○志賀委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 —————・————— 午後一時七分開議
○志賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。日笠勝之君。
○日笠委員 厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、早速でございますが、何点かお尋ねをしたいと思います。 今回は、国立がんセンターとか国立循環器病センター等のいわゆる法律事項になっておりましたものが、高度専門医療センターということで政令事項に落とされるわけでございます。これは例えでございますけれども、文部省管轄の国立学校設置法を見ましても、大学の学部または短大、それから大学附属研究所または工業高等専門学校におきましても、それぞれの所在地、また国立大学の共同利用機関を含めた研究所等、全部これは法律事項で事細かく定まっておるわけなんですね。それを今回、高度専門医療センターをつくるということでこの国立がんセンターや循環器病センターまであわせて政令事項に落としていくというのは、どういう意図があるのでしょうか、まずそこからお聞きしたいと思います。
○木戸政府委員 お答えを申し上げます。 今般の設置法の一部改正は、本年十月設置を予定しております国立精神・神経センターの設置を機会に、このセンター及びがんセンター、循環器センターを国立高度専門医療センターと総称いたすわけでございますが、今後の疾病構造の変化等に機動的、弾力的に対応して、国立にふさわしいこのような専門医療センターを弾力的に設置ができるように、その名称及び所掌事務を政令で決めるというふうにするものでございます。これは、行政需要の変化に対応した行政組織の機動的、弾力的な編成、運営を図るという五十八年の臨調答申の趣旨にも沿うものと考えております。 なお、高度専門医療センターということで、国立病院・療養所と一緒に、その基本的、一般的な性格につきましては、従来どおり法律で規定をさせていただくということでございます。
○日笠委員 機動的、弾力的にとおっしゃいましたけれども、先年国家行政組織法が改正になりまして、いわゆる政令事項に落としてどんどんと行政府の方で弾力的、機動的にということでやっているということも耳にしておりますけれども、どうもその一環ではないか。と申しますのは、機動的、弾力的にやる必要があるのかどうか。後で再編成・統廃合・移譲の問題も若干お聞きいたしますけれども、人命尊重の医療機関でございますから、慎重にやる必要があるわけでございます。それが機動的、弾力的にどんどん勝手につくったり廃止してみたりというふうなことも考えられるわけでございますが、その辺の心配はないのでしょうか。
○木戸政府委員 今もお答えを申し上げましたように、高度専門医療センターとしての一般的な性格というのは、国立病院、国立療養所と並んで引き続き法律に規定していくわけでございますので、そのような御心配がないように私どもやってまいりたいと思っております。
○日笠委員 この高度専門医療センターが順調に発展していけば問題はないと思うのですが、いわゆる赤字問題等々でやはりこれは改称すべきだ、あるいは廃止した方がいいのではないかということになれば、政令事項でありますから、別にこういう委員会で審議しなくても、大臣のお考え一つでできるということにもなりかねないわけですね。そういうことから考えましても、この機動的、弾力的に行うことについては、確かに性格とか定義は法律事項としても、各センターについては、文部省の方では国立大学や短大や附属研究所まできちっと法律事項として掲げておるわけでございますし、国立大学設置法との横並びのことから考えましても、やはりこれは法律事項にあえてとどめおくべきだ、かように思うものでありますが、もう一度お答えをお願いします。
○木戸政府委員 国立高度医療センターは、国立病院・療養所の中から、立地条件、スタッフ等もそろっておりまして臨床研究あるいは教育研修、高度先駆的な医療をやるいわば優等生が高度専門医療センターになるわけでございますので、決して先生御心配のように、なったけれども、ある日突然高度専門医療センターが病院でも療養所でもなくなったということはないと思いますし、私どももないようにしていきたいと考えております。
○日笠委員 それから、今回の法律案を提出されました理由の中には、いわゆる赤字問題については一切触れられていないのですが、その辺との絡みはないのですか。
○木戸政府委員 国立高度専門医療センターと申しますのは、高度の先駆的な医療、臨床研究あるいは教育研修というようなことをやるわけでございまして、私どもとしましては、たとえそれが不採算でございましても、やはり国立医療機関としてやるべき最も重要な機能でございますので、この点につきましては、一般会計から必要な経費を繰り入れてもその充実強化を図ってまいりたいと考えております。
○日笠委員 この高度専門医療センター、ナショナルセンターでございますが、考えておられる範囲で結構でございますが、具体的にどういうものをいつごろ創設するのか、御説明願いたいと思います。
○木戸政府委員 御存じのように、昭和三十年代に国立がんセンターができて、四十年代の後半から循環器病センターができたわけでございます。それで、六十一年度から法律を通していただきまして精神・神経センターをスタートさせる。これ以外に、再編の中で、国立医療機関としてこれから強化すべき機能は強化するということで考えておりますのは、今東京の世田谷にあります小児病院と大蔵病院を中心といたしました母性・小児のナショナルセンター、あるいは現在の国立医療センターと国立療養所中野病院を中心といたしました国際医療協力に関するナショナルセンター、あるいは国立佐倉病院を中心といたしまして腎移植とか腎に関する高度の機能を持ちます腎移植に関するセンター、そのようなものが当面私どもが考えているナショナルセンターでございます。
○日笠委員 ナショナルセンターの今の基本的な将来計画をお聞きしましても、ほとんど関東、東京近郊ですね。大阪に循環器病センターがあるわけでございますが、今後はナショナルセンターと称するものはどうしても関東、東京偏在になっていく方向ですか。
○木戸政府委員 私ども最初から関東とか東京とかというふうに決めているわけではございませんが、当該医療、当該研究、当該教育研修をやるのに適当な場所ということになりますと、結果として現在がんセンターは東京に、循環器病センターが大阪にあるわけでございます。ただ、高度専門医療センターというのは単体としてあるわけではございませんで、例えば国立がんセンターが東京にありますれば、各ブロックにも都道府県立の成人病センター、がんセンター等を含めましたがんに関するブロックセンターというものがございますし、循環器につきましても、大阪の循環器病センターだけではなくて、全国的にブロックにも循環器病センターというものもあるわけでございます。それから今度の精神・神経のセンターでございますが、これを頂点といたしまして、各ブロックにもこれに準ずる機能を持った高度の医療あるいは臨床研究ができるいわゆるブロックセンター、あるいはブロックセンターに準ずる基幹施設といったものはこれから各地方にも置いてまいりたいと考えておるわけでございます。
○日笠委員 地方の時代とも言われております。ナショナルセンターを、必ずしも関東、東京近郊でなくてはいけないということじゃないわけでございますから、それをよくにらみながら、地方にもつくっていいものがあればできるだけそういう方向で検討していただきたいと思うわけでございます。
○今井国務大臣 今審議官から御答弁申し上げましたが、ナショナルセンターはおっしゃいますようにがんセンター、国立循環器病センターというふうに、在来ありましたものをそれぞれ両巨頭のような形でいたしますが、基幹施設として、地方のがんセンターというふうなものはそれぞれの地方に置いて、地方の医療レベルを高めるということは当然やっていかなければならぬことで、先生の今の御意見を十分踏まえました上でやってまいりたい、こう思っております。
○日笠委員 この法案を外れますけれども、いわゆる国立病院・療養所の再編成・統合・移譲の問題について何点かお伺いしておきたいと思います。 まず、これは大変失礼なんですが、今井厚生大臣、愛媛県は三つございますね。全然対象じゃございませんですね。これは一月九日に一応発表になりましたですね、もう大臣になっておられたわけですけれども、何か恣意的なものが——お聞きしますと、選挙区も定数が減るとか減らないとか、特に宇和島の御出身でございまして、宇和島にもございますが、これは厳然と残りますね。公平無私に日本の将来の医療行政のあり方ということから考えられたとは思うのですけれども、三つとも残っておるということから、どうも何かあるのじゃないかと思うのです。どうでしょうか。
○今井国務大臣 お言葉を返すようでありますが、私が大臣になりましたのは去年の暮れでございますけれども、こういうものの編成の考え方というのは厚生省でずっと多分進めておったのだと思うのです。 それで、これは今宇和島とおっしゃいますが、残りましたものはちょっと私の宇和島市でございませんで、少し離れた町でございますが、これは実は特殊な重度心身障害児者というのを抱えておりまして、もう数年前になりますが、一病棟でありましたが、一病棟ではいけない、病棟をふやそうじゃないかということで、二病棟に私どもはしてもらいまして、それで愛媛県のみならず高知県もそうです、それから四国の大半の方々がそこへ来て病を治されているわけでございまして、決して私がおりましたから愛媛県が三つも残ったとかいうことについては神にかけてございません。
○日笠委員 やはり行政改革の一環でもこれあるわけですね。臨調、行革審から指摘されておることでもございます。やはりみずからのところから血を出していかなければ、なかなかほかの県へこういうことをお願いするというのは難しいわけです。もし厚生大臣が、どこかの県の移譲なり統合なりするところの県知事さん等とか市長さんにお会いしたとき、大臣のところは三つも残っているじゃありませんかと言われたら、これはなかなかやりにくいことではないかと思うのですね。ましてや厚生政務次官もやられたわけですから厚生省には大変パイプがあるわけですから、たまたま一月九日発表になったのだというふうにおっしゃいましたけれども、それ以前から根回しは幾らでもできるじゃないかというふうなことも勘ぐればできますが、先ほどおっしゃったことを私も素直に信用しておきたいと思います。 そうなってきますと、今度は長寿園の問題にもなってくるんですね。これも中曽根総理のいらっしゃるところです。これは残ったことについて私は何ら異議を唱えるわけじゃございませんし、大変結構なことだと思うのです。当初は長寿園につきましても統合する、西群馬病院でございましたか、こういうことでしたけれども、当分の間は人命尊重ということで存続する、こういうことでございます。これも総理の地元でありますから、一応そういう花火を打ち上げたけれども、あとは総理の政治力でもってこのようになったんだというようなことで、こういうことが政治的な政争の具に使われたのではいかぬと思うのですが、当分の間というのは大体いつごろの期間を考えておられるのですか。
○木戸政府委員 長寿園の問題でございますが、この施設は四月一日に組織としては西群馬病院と統合したわけでございまして、組織としては長寿園はもう廃止になっているわけでございます。しかしながら、この施設はややへんぴなところにございまして、かなりお年寄りの方がたくさんおられた、こういうことで、やはり患者の命を大切にするという観点から、いわば応急、緊急的な措置として当分の間、長寿園、いわゆる前の長寿園の病棟の一部を事実上残す、こういう形にしたわけでございます。 なお、当分の間と申しますのは、患者の病状等から判断をいたしまして、患者が病状がよくなる、あるいは何とかここにおりたいという気持ちがおさまって説得を受けて西群馬病院の方に移転をする、そういうまでの間ということで、あくまでこれは無制限とかそういうことではございませんで、今申し上げましたような患者の病状、患者の生命というものを考えた臨時・応急的な措置でございます。
○日笠委員 六十一年度に八県十八施設の統合に着手することになっておりますね。そういう十八施設の中で、先ほどおっしゃったのと同じようなへんぴなところ、他の医療機関がないというところ、だけれども、この長寿園の場合は診療所も四月一日オープンになっておるわけですけれども、へんぴなところであり、人命尊重であり、病状が余り芳しく回復しない、本人はいたい、他の医療機関に行きたくないという、もしこの十八の施設がそういうふうな長寿園と同じような形であれば、これは残れる可能性はあるというふうに考えればいいんでしょうか。
○木戸政府委員 今申し上げましたようにあくまでも臨時・応急的な措置でございますので、私どもといたしましては、国立病院・療養所の再編成というのはやはり国立病院の体質強化のためにぜひやらなければならないということで、十カ年計画を発表し、それから同時に、六十一年度の着手分を公表をしたわけでございます。六十一年度は予算も通りましたので着手をいたすわけでございます。私どもとしましては、地元の理解を得ながら、具体的にいろいろ御相談をしながら、やはり再編成というものはきちっとやってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○日笠委員 ですから、そういう長寿園と同じような状況にあれば残る可能性もあるのですかと聞いておるわけです。決意じゃなく、その可能性はあるわけですね。
○木戸政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、長寿園が組織として残っているわけではございません。もう既に西群馬病院と組織は統合いたしました。しかしながら事実として患者さんが残ったということで、残った患者さんをどうするか、こういうことでございまして、現に患者さんがおられれば、やはり患者さんの医療、健康というものがあるわけでございますので、いわば暫定的、緊急的な措置として現在事実としてそこで診療をやっている、こういうことでございますので、組織として残っているわけではございません。
○日笠委員 いや、組織として残っている。実態はあるわけですよ。名前がなくなっただけですから。そういうことから考えれば、何回も申し上げますが、十八施設については——これは大臣にお聞きしましょうか。この長寿園と大体同じような状態にある施設については、先ほど言いましたように長寿園は一応残す、名前はないけれども実態は残しておくわけだから、そういうようなこと、も、八県十八施設に着手するわけですけれども、そういう形のものも、イレギュラーでしょうけれども出てくる可能性はある、いたし方ない、こういうふうに考えておられますか。
○今井国務大臣 まず長寿園でございますが、長寿園は、先生御存じのように入っていらっしゃいます方々の年齢構成が極めて高いわけでございまして、例えば九十歳以上の方が七名おられるとか、それから八十歳以上の方が十九名とか、しかも寝たきりで動けない方などもありますことなどを考えまして、その方々を無理にある日突然動かしますことには、もし万が一のことでもありましたら大変なことでございますから、やはりそういうことも考えて、ひとつ説得をしつつ、御納得いただいた方を順繰り順繰りやっていこうじゃないかというふうにした、これはいわば便法でございます。したがいまして、この便法がほかでも全部通用するのかという今のお尋ねであると思いますが、私はこれは必ずしもそうは考えておりませんので、ケース・バイ・ケースになろうと思います。長寿園と同じようなケースがほかにあるのかどうか私はつぶさに存じませんけれども、全部が全部そうじゃないと思いますから、よく話し合いをしながら、話し合いをしてやっぱり移っていただくという基本的な考え方はあくまでもそうしたいと思っております。
○日笠委員 ケース・バイ・ケースということですね。わかりました。 再編成した後の国立病院・療養所の機能及び配置の原則というのが出ておりますね。ナショナルセンター、基幹施設、高度総合診療施設、総合診療施設に専門医療施設ですね。例えば基幹施設の中で王子、立川両病院を統合して、立川基地に広域防災医療センターという構想もあるようでございますが、これはこれでいいんでしょうか。
○木戸政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
○日笠委員 そうしますと、今ある王子と立川の両病院は、これは売却して立川基地のところに新しくセンターをつくる、こういう意味ですか。
○木戸政府委員 現在の立川病院、それから現在の王子病院はそれぞれ移転をいたしまして、新しい病院は第三の地域、これは国立立川病院から少し北の方に行きました、いわゆる広域防災基地の中にできるわけでございます。したがいまして王子病院と立川病院は国立医療施設でなくなるわけでございます。しかしながら、王子病院は立川病院とかなり離れておりますので、王子病院についてはやはり後の医療をどうするかという大きな問題が課題として残るわけでございます。
○今井国務大臣 先ほどの長寿園のことでちょっと私も発言漏れをしておりますが、もしも誤解があるといけませんので。 長寿園は、とにかく施設そのものは四月一日から現実にないわけでございます。(日笠委員「施設はある、名前がない」と呼ぶ)いや、長寿園は移っているわけでございます。ただ、実態があるわけでございます。しかし長寿園は統今されているわけでございます。それは今後そういうことがあり、極めて便法でございまして、入っていらっしゃる方がお年寄りなものですから、ある日突然全部移すことによって万が一のことがあってはいけないということは先ほど私が申し上げたとおりでございまして、長寿園が存続されているわけではないことだけは、先ほど申し上げることを失念いたしておりましたので、この際誤解のないように申し上げておきたいと思います。
○日笠委員 審議官、さきの問題に戻りますけれども、そうすると、第三の場所に基幹施設等々で新しくつくる場合、国有地を売る場合もあるわけですね。国有地は、地価の高騰の問題であるとか場所もいいところにあるようでございますし、前から国会で何回も論議されておりますように国鉄用地も公平、公正に売却しなければいけないわけですけれども、こういうように基幹施設等々を建設、移設していく上で、今ある現実の病院なり療養所を売却ということも考えられるわけでございますので、その辺の疑惑を招かないように、建物も含めた国有地の処分について、省内へ何か委員会でもつくって慎重にやっていこうというようなことは考えてはおられないのですか。
○木戸政府委員 国立病院・療養所の再編成につきましては、現にあった施設がなくなるということで地域医療に非常に重大な影響があるということでございますので、私どもは、そのショックをできるだけ緩和して再編成がスムーズにいくようにということで、このたびの国会に再編に関する特別措置法というのを出して、再編成によって後医療が必要だ、あるいは職員ごとその施設の移譲が成るという場合には譲渡価額について特別な措置などを講ずることにいたしておるわけでございます。 それから処分について、先生御指摘の点はまことにごもっともでございます。私どもも、そのようなことがないように、国立病院・療養所の再編成につきましては、省内に再編成の対策推進本部というものもつくってございますので、先生の御指摘につきましても、そのような場を十分活用いたしまして検討に取り組んでまいりたいと考えております。
○日笠委員 続いて、移譲問題についてお伺いします。 かつて、昭和二十七年に地方への移譲ということで六十カ所の候補地が挙がりましたけれども、結論としては十カ所しか地方に移譲できなかったわけです。現実に、五十カ所というのは計画倒れだったわけです。私も生まれてまだ七歳か八歳のころで当時の状況はよくわかりませんが、どうしてできなかったのでしょうか。六十分の十ですから、六分の五は移譲ができなかったわけですね。そういう意味で、ほとんどができなかったわけですが、どういう理由で当時は移譲がスムーズに進まなかったのでしょうか。
○木戸政府委員 移譲問題が起こりました当時の諸情勢でございますが、一番大きいのは、地方財政の窮迫等の基本的な問題があったと思うわけでございます。譲り受けていった後にそのものを維持していかれるかということについては、地方財政が非常に貧弱であったということが第一だと思います。 その次に考えられますのは、当時の病院の病床数と国立病院・療養所の病床数を比較してみますと、現在は病院の病床数は全部で百四十七万床あるわけでございますが、その大体六%程度ということで八万八千床でございます。記録によりますと、当時は国立病院・療養所のベッドの数が九万三千床ぐらいあった、ところが当時の九万三千を全体の比率で見ますと約三割を占めていた、こういうことで、国立病院・療養所への依存度が極めて高かったという客観情勢がその背景として考えられると理解しております。
○日笠委員 このいただいた資料を読みますと、「協力病院の設定」ということがございます。「経営移譲対象施設については、受入先が決まるまでは従来どおり国立医療機関として存続させるものとし、その間、医療内容が低下しないよう医療スタッフ等については協力病院を定め、支援するものとする。」 ということは、私は岡山県の出身で津山病院がございますが、その津山病院が、例えばお医者さんが定年で一人やめられたとか転勤でほかへ行かれた、看護婦さんが同じく定年とか転勤でほかへ行かれた、医療スタッフもそういうことがあったという場合は、新規に入れるのではなくて、どこか協力病院をつくっていただくわけでしょうから、そこから医療スタッフの支援等で医療サービスが低下しないようにやっていただける、こういう意味にとらえればいいのでしょうか。
○木戸政府委員 今先生が御指摘のように、移譲までは医療水準を落とさないということでございますので、協力病院の方から医療スタッフに応援させるという体制でいきたいと思っております。 〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕
○日笠委員 そうすると、これはからめ手というのですか、外堀を埋めていくような方式じゃないかというふうにも私は勘ぐるのです。例えば国立の津山病院のお医者さんをあえて転勤させる、そして後の受け入れ手がない、また看護婦さんがやめたけれどもあえて入れないというように、外堀を埋めて医療サービスを低下させ、協力病院から来るわけですから、岡山の場合でしたら岡山南病院か岡山病院しかないわけで、来るだけでもはるか二時間半ぐらいかかるわけですから、実質的には医療サービスをだんだん低下させて、地域から、もうあそこの病院はだめだという感じにさせておいて、せっぱ詰まって、それじゃ地元公共団体として受け入れざるを得ない、地域住民の反対も強くなってくる、こういうからめ手というか外堀を埋めるようなやり方の体制ではないかと勘ぐるのですが、どうなんでしょうか。
○木戸政府委員 協力病院は、移譲になったということで、もう移譲だから国立はどうせ余り見ないのではないかという心配がございますので、それをないように、しかるべき近いところの大きな施設から医療スタッフを応援に出す、こういう考え方でございまして、むしろ私どもとしては、そういう心配がないように、医療水準を維持するようにという措置でございます。
○日笠委員 また話が戻りますが、先ほど私が読んだように「受入先が決まるまで」ですから、受け入れ先が決まった後ではないのです。「決まるまでは」「医療内容が低下しないよう医療スタッフ等については協力病院を定め、支援する」というわけですから、審議官が今おっしゃったのは、受け入れ先が決まった後ということでしょう。決まる前はそういうことで、どこに移譲するか十年間かかってやるわけでしょうから、受け入れ手がない、それじゃあそこの病院のスタッフを一人抜いてやれ、お医者さんも抜いてやれ、そしてサービスはだんだん低下する、地域住民から反対の突き上げが来る、とうとうしようがない、地方公共団体として受け入れざるを得ない、こういうからめ手、外堀を埋めていくための協力病院の設定じゃないのかと言っているわけです。ちょっと話が違いますよ。
○木戸政府委員 協力病院と申しますのは、これは移譲になるまでの間いわゆる立ち枯れのないようにということで応援する、こういうことでございます。それから移譲後についても、基本指針の方で申し上げておりますように、そこが医療スタッフの非常に得にくいところであると医療機能の低下、さらには経営効率の低下になりますので、その場合にも出向等の形で医療スタッフを派遣する、こういうふうに考えておるわけでございます。
○日笠委員 ですから、あえてここにこういうふうに書かずに、今までどおりでいいわけです。国立病院があるわけですから、受け入れ先が決まろうと決まるまいと、近隣の協力病院から医療スタッフ等については支援をしていただいて、医療内容が低下しないようにやっていくということで。こういうふうな資料をいただきますと一番心配をするわけですね。受け入れるまでは応援をしましょうというふうに一応見せかけておいて、実際は当該医療施設のスタッフなんかが退職したとか転勤させた後は入れない、実質的には医療内容を低下させていく、こういうふうに考えられる素地もあるわけですね。私、人間性が悪いからそう考えるわけですよ。我が地域の大事な病院が移譲対象になっているわけです。 そういう意味におきまして、もう一遍確認しますが、そういう外堀を埋めるとか、からめ手でだんだん立ち枯れをさせて、とうとう地元に受け入れざるを得ないような状況をつくるための協力病院の設定、こういうことは絶対ないということですね。
○木戸政府委員 先生が今御確認になりましたように、絶対ございません。
○日笠委員 それでは次に、先ほど二十七年当時は地方財政も厳しかったとおっしゃいました。じゃ今日、地方財政はどうなのか。私、具体的に国立療養所津山病院の移譲問題についてお伺いしますけれども、この津山市の財政状態、経常収支比率は八〇・八%、これは地方財政に詳しい方は御存じのとおり、八〇%を超えると悪いわけですね。公債費比率一九・二%、岡山県平均は一四・一%ですから、五ポイント以上も津山市においては公債費比率が高い。地方債の許可制限比率一六・八%、これは一五%を超えると管理要注意ということです。どこから見ても津山市の財政状態は芳しくない。黄信号か赤信号がそろそろともるという状況です。そういう中にあって、津山を中心とする美作一市五郡を含めても、組合立ということもあるのでしょうけれども、特に中核である津山市に、こういう財政状態である公共団体に移譲で何とか受け入れてもらえないかといっても、こういうことは二十七年当時と何ら変わらないということであれば、当時六十カ所の予定が十カ所しかできなかったということであれば、地方の財政状態が悪ければこれは移譲は不可能である。 ましてや、昨年の六月六日に自治事務次官から、「昭和六十年度地方財政の運営について」という通達が出ております。それを見ましても、「国立病院及び療養所の再編成・合理化に当たって、その統廃合とともに地方団体等地の経営主体への経営移譲も検討されているが、各地方団体は、病院を取り巻く厳しい経営環境、地方財政の現状等にかんがみ、経営移譲の問題については慎重に対処すること。」「慎重に対処」でございまして、受け入れとは一言も書いてない。 当時これが新聞等で発表されたときには、自治省は反対である、赤字団体が多い中、また公的病院はほとんど赤字であるということも含めて、赤字の病院を引き受けるのは余り好ましくないということで、「慎重に対処」しなさい。「対処」ということは受け入れということじゃない、拒否してもいいということであります。そういう財政状態をかんがみないでこの経営移譲、譲渡も含めてでありますけれども考えられたということ。臨調の答申においても、「地方の実情に応じ」、と、こういうのを明確に書いておるわけなんですね。そういう意味におきまして、この「対処」について、そういう地方の財政状態、またもちろん地方の各公共団体を含めて九十以上の公共団体が反対をしておる、移譲・統廃合反対の決議をしておる、こういうふうなことから見ましても、特にこの津山の病院で結構でありますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○木戸政府委員 今回の国立病院・療養所の再編成は、五十八年三月の臨調の答申と、これを受けた五十九年一月の行政改革大綱閣議決定等によって実施するものでございまして、再編成を推進することにつきましては政府部内で不調和があるわけではないわけでございます。ただ、行革というのは国、地方を通じての行革でございまして、単に国が都合が悪いから地方に一方的に赤字を押しつけるということであってはならないということでございまして、私どもも、今回の再編成というのは、経営効率というものはもちろん頭にはございますが、やはり国立としてどういうことをやるのがいいか、それから地方自治体等とどういうふうな守備領域を分けるのがいいかという機能分化論に立って、このたびの案を考えたわけでございます。 先生御指摘のように津山市がそういう財政状態にあるかとも思うわけでございますが、私どもは必ずしも津山市がこの国立療養所津山病院を直接引き受けてやっていただくということを直ちに期待をしているわけではないわけでございまして、その辺は、計画の実施に当たりましては、移譲先、それから例えば津山市が関与するといたしましても、どういう形で関与するか等につきましては、地元とよく御相談をして円滑に行くようにしてまいりたいと思っております。
○日笠委員 先ほどから申し上げていますように、財政状態をどう把握しているかということも大事なことでありましょう。それから協力病院の件も、先ほど言いましたように立ち枯れをさせて、いたし方なく移譲を受けざるを得ないような状況づくりをするための一つの方策ではないかとも勘ぐられる。こういうようなことでございまして、これは十年かかってやるわけでしょうけれども、今後この十年間に財政状態が飛躍的に好転するとは考えられないわけでありますし、何回も申し上げます臨調答申どおり「実情に応じて」という項目をしっかりと頭に入れていただいて、決して地元の医療サービスが低下することのないように、これだけはひとつお願いをしておきたいと思うわけでございます。 それで、ちょっと話が腰砕けになるかもしれませんけれども、例えば、じゃ移譲を受けようか、もしもこういうふうになった場合、それは津山市というわけではありませんよ、県立病院ということもありますし、どこかの民間団体がやるかもしれませんが、そのときに、先ほどここでも御質問ございましたけれども、運営的な面において赤字が見込まれた場合は運営補助金を出す。これは移譲の場合は二分の一、譲渡の場合はゼロということでしたね。その移譲と譲渡の境目は、おおむね過半数の職員がついていった場合が移譲である、それ以外は譲渡である、こういうことでよろしいんですね。もう一遍確認しておきます。
○木戸政府委員 移譲と譲渡の区別については、先生の御指摘のとおりでございます。
○日笠委員 これは半分というと物すごい、ゼロか半分ですからね。そうなってくると、おおむね半分ですから、四五%はどうするんですか。あるいは四三%の人が残った。その辺のガイドラインというのはあるのですか。おおむねじゃなくて、明確に。五〇%以上が残ればこれは二分の一の運営補助金を出す、五〇%をちょっとでも欠ければこれは出さないのか。これはやはり地元との話し合いなんでしょうか。
○木戸政府委員 政令におきましてどういうふうに規定をするかというのは、現在各省と詰めているわけでございますが、やはりどこかで線は引かざるを得ないということでございますので、今お答え申し上げましたように、職員の過半数が行った場合には一応移譲であるというふうに、そこはどこかで線を引かざるを得ないというふうに考えているわけでございます。引く線は過半数で引くということで、今いろいろ各省と検討しておるところでございます。
○日笠委員 いずれにいたしましても、国立療養所津山病院は、昭和二十六年開設以来、特に岡山県北の不採算医療の中核医療機関としての重要な役目を果たしてきました。中国自動車道の中間都市としても、その緊急病院としての使命も大きいわけでございます。どうかひとつ熟慮の上、慎重な御対処をお願いして、この問題は一応終わりたいと思います。 続きまして、私が今大変力を入れておる問題、未成年の飲酒、アルコール対策問題でございます。 昨年厚生省の公衆衛生審議会から、推定ではございますが少なく見積もって二百二十万のアルコール依存症が存在する、こういうふうな大変ショッキングな報道もなされたところでございますが、特に最近、ある市民団体ではございますけれども、未成年の飲酒のアンケート調査をとったところ、驚くべき実態が掌握されたわけでございます。いわゆる月数回飲むという子供たちが中学生で二割、高校生で五割、こういうデータが出ております。恐らく皆さん方は、そういう未成年の飲酒のアンケートなんか一回もやったことはないのですから首をかしげるかもしれませんが、これが正しいとも正しくないとも言えないが、実際にやったところがあるわけですから、それをひとつ正しいものと前提をして、まず厚生省さん、この未成年の飲酒についてどのように認識をされておられるか。
○仲村政府委員 アルコール問題につきましては、私どもも健康障害要因の一つとして大変重要視しておるところでございます。特に、今御指摘の未成年の飲酒につきましては、御指摘のような例示で挙げられましたような数字もございますことですし、私どもといたしましても、未成年のうちから飲酒の習慣のつかないような方向をとっていかなくてはいけないというふうに考えております。
○日笠委員 お酒の方の監督官庁であります国税庁さんは、酒税の徴収の方に大変御尽力をされておるわけでありますけれども、売るばかりじゃいけないわけでございまして、アフターフォローが大事なのですが、未成年の飲酒についてどういうふうに現状を認識しておられるか、国税庁さんの方から。
○宗田説明員 酒類はアルコール飲料でございまして、また致酔性飲料とも申されておりますので、その販売に当たりまして無秩序であってはならない。無秩序な販売等をいたしますと社会的ないろいろな弊害もあるということで、私どもといたしましては、免許業者に対しましてその社会的責任を十分に認識するように、こういうことで指導いたしておるところでございます。
○日笠委員 そうすると、次は青少年対策本部ですね。いろいろ対策は総務庁の中にもあるわけでございますし、厚生省、国税庁、文部省、警察の方も含めた調整機関として、青対の方でこれはいろいろと考えていただかなければいけないと思いますが、まず青少年対策本部としてはこの未成年の飲酒の状況についてどういうふうに把握されておられるか、お聞きしたいと思います。
○倉地政府委員 総務庁といたしましては、従来から主として関係省庁の非行対策の総合調整を行うという立場から、この未成年者の飲酒問題についても関係省庁と連携をとりながら対処してきたところでございます。 一例を申し上げますと、非行防止対策推進連絡会議におきまして未成年者の飲酒につきまして補導の重点事項として取り上げましたり、また、この三月の非行防止対策推進連絡会議におきましては厚生省からアルコール関連問題対策について御説明を願い、それについて意見交換を行うなどをしてきたところでございます。先ほど厚生省からも少し御答弁がありましたけれども、公衆衛生審議会におきましてアルコール関連対策問題に関する意見具申が行われましたので、厚生省としていろいろ今後検討されることと思う次第でございます。 私どもとしましては、今後十分厚生省と連絡をとりましてこの問題につきまして対処してまいりたい、そのように思っております。
○日笠委員 皆さん、いつもそういう大変模範的な答弁をしてくださるわけでありますが、現実的には一気飲みで急性アルコール中毒で亡くなる方、また、学校の先生を中学生が飲んだ勢いで殴り殺したということも青森の方でございましたね。また、飲酒の上での交通事故、全部未成年のですよ。そういうようないろいろな問題が惹起されております。 きょうは私はスウェーデンの方のポスターを持ってまいりました。大臣、見えますか。これはスウェーデン語でございます。私もスウェーデン語は読めませんので、御説明申し上げますと、サッカーの試合に勝った十六歳の男の子だそうでございます。この子が「コーチ、ワインを買ってくれない。仲間と騒ぎたいんだ」、こう言ったと書いてあるのだそうでございます。スウェーデン語ですから読めません。訳はそうです。そうすると、その下が答えになっております。この答えは「酒飲みのサッカープレーヤーにはいい選手はいないよ」、こういうポスターです。これが酒屋さんの中に張ってあるのだそうです。それからもう一枚、これは同じくパーティーに行く準備をしている十九歳の女の子だそうでございます。「ママ、パーティーにワインを持っていきたいの。買ってちょうだい」という意味のポスターだそうです。答えは「若い女の子にはデメリットの方が大きいのよ」、こういう答えが書いてあるそうであります。これはスウェーデンのお酒屋さんにこれが張ってありまして、こういうパンフレットが全部その下に置いてあるそうです。それにはもっと詳しく医学的に、教育的に飲酒についてのことを書いてあるのだそうでございます。 なぜスウェーデンがこういうふうにやったかといいますと、昭和四十四年当時、スウェーデンの男子中学生で月数回以上お酒を飲むという中学生が五七%もいたわけです。高校生で八五%。これは大変だということで、スウェーデンでは三つのことをやりました。一つは、学校教育の場でアルコールについての医学的な見地からの教育。二つ目には、一般大衆への情報提供、政府広報等、政府の広告でございますね。それから三つ目は、アルコールの過度な広告の禁止、ぐいっと飲んでいるようなテレビなんかがよく出てきますけれども、そういうものは例えばゴールデンタイムの七時から九時の間は行わないとか、有名タレントは使わないとか、そういう過度な広告の規制。この三つを十六年間一生懸命、地域ボランティアの方々とともに政府も腰を上げて取り組んだわけでございます。その結果、昨年六十年度のことでございますが、男子中学生の場合は五七%が二〇%に激減しておるわけです。高校生の場合は八五%飲んでおった子供が六五%と、やはり二〇%減でございますけれども。かように学校教育、地域の方々、そしてまたアルコールの広告となりますとこれは業者がやるわけでしょうから業者、こういうふうに三者が連携を保って、未来の二十一世紀の宝と言われる未成年の飲酒対策を進めてきた、その一つの政府広報のポスターがこれなわけです。 何かバナナのたたき売りみたいになりましたけれども、私がここで申し上げたいのは、最近そういう事件、事故が大変多くございます。これは厚生省も関係あるでしょうが、これから文部省にもお聞きしますが、文部省にも関係があるでしょうし、国税庁さんもあるでしょう、そういう意味では青少年対策本部にもあると思いますので、お互いが連携を保って、政府としてやることはどういうことができるだろう、また地域の地方公共団体を含めてやっていただけることはどういうことがあるだろう、また業界のメーカーだとか小売の皆さんには、免許制度でございますからどこでもかしこでも売れるわけではありません、特殊な致酔性の飲料ということでございますが、そういう意味ではどのようにして業界の皆さんの協力を得てやればいいだろうか。そういう意味におきまして、ぜひ一度皆様方が一堂に会して、このことについていろいろと論議をしていただき、審議をしていただき、しかるべきガイドラインをつくっていただけないだろうか、かように考えるわけでございます。 そういう約二百二十万のアルコール依存症がいる。アルコール依存症になる年齢もだんだんと若年化しておる。早く飲み始めたから若年化しておるわけでございます。先ほどのデータ、中学生でも二割、高校生でも五割ぐらいの人は月に数回以上飲む。コンパだとか期末試験の打ち上げたとか、何だかんだといって盛んにそういうふうな事件、事故が起きておるわけでもございますし、未成年者飲酒禁止法という法律があるからだめだというのではなくて、これは医学的な見地に立ってもやはり未成年のうちに飲酒をたしなむということはよくないことなんだということを教えていく必要があると思いますが、とりあえず先ほどからの一貫した話の中でこの問題についてどのようにお取り組みいただけるだろうか、まず厚生大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○今井国務大臣 先ほどからずっと先生の御質問の内容をお聞きしておりまして、全く同感でございますね。これはどの省がやるとかやらぬとかいうことではなくて、日本の将来の青少年のことを考えますと、決められたことはきちっとやるということは極めて大事なことでございますから、これは一遍ぜひ今の御所論を適当な機会にまた各省と打ち合わせをいたさせまして、先生の御意見がきちっと守られるような形の段取りを考えてみたい、こう思います。大変ありがたい意見でございます。 〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕
○日笠委員 もう質問を終わってもいいぐらいですが、まだ時間がありますから……。 青少年対策本部、最近課長さんクラスの皆さん方とこのことについてヒアリングというのでしょうかやられたということですが、やられたのでしょうか。倉地次長さん、どうでしょうか。
○倉地政府委員 先ほども少しお話申し上げましたけれども、三月二十五日の非行防止対策推進連絡会議でございますが、これは一応局長レベルということになっている次第でございます。そこで厚生省においでいただきまして、公衆衛生審議会から意見具申が行われたわけでございますので、その概要とか今後の厚生省の対応の状況などについて御説明願った次第でございます。そこで各省からいろいろ質問、意見の交換などを行った次第でございます。
○日笠委員 そこで、何点か各省に提案を申し上げたいと思うのです。 まず文部省さん、先ほど申し上げましたように、中学生時代から月に数回以上飲むというお子さんが二割ぐらいいらっしゃるわけです。中学校の保健体育の学習指導要領を見ましたら、たばことか麻薬、覚せい剤のことについては配慮するようにということで明記されているわけですが、アルコール飲料についてはないのですね。なくても自主的に教科書会社の方がやっておるということで、いろいろ出ておる教科書の写しもいただきましたけれども、やはり明確に中学校の指導書にアルコール飲料のことについて明記すべきときが来たのではなかろうか、かように思いますが、いかがでしょう。
○下宮説明員 お答えいたします。 今後、学習指導要領におきまして飲酒の問題をどういうふうに取り上げるかということにつきましては、現在教育課程審議会におきまして教育内容のあり方についての検討がなされているところでございます。文部省といたしましては、次の教育課程の改訂の際に十分検討してまいりたいと存じます。
○日笠委員 それからもう一つ、これは札幌市の学校保健会が発行しております中学校一年生用のリーフレットでございます。これはたばことシンナーとお酒の医学的な見地からの勧告をするといいましょうか注意を喚起するパンフレットでございます。同時に先生用のテキストもできております。地域においてはこのように一生懸命取り組んでおられますが、まず文部省さんとしては、学校保健会なんかは管轄じゃないかと思うのですけれども、こういう一つの例もありますので、全国的にこういうようなものをつくって各学校に配付するというふうなことは今のところお考えはないでしょうか。また考えられないでしょうか。
○下宮説明員 学校におけるそういった児童生徒の飲酒につきましての指導資料でございますが、現在日本学校保健会でつくるということは予定してございませんが、今後十分検討してまいりたいと存じます。
○日笠委員 それから国税庁さんに、この前の分科会でも提案いたしましたけれども、コマーシャルですね。先ほど私が言いました七時から九時のゴールデンタイムには放映しないとか、有名タレントを使わないとか、ぐいぐい飲んでいるような場面は放映しないとか、小売の組合員の皆様方も過度な広告は自粛すべきだというふうにも同じ業界の中からも意見が出ておりますが、国税庁さんとしては、私も竹下大蔵大臣にそのことをお願いいたしましたら、繰り返して再度要請をしたい、こういう答弁もございましたが、その後、業界の皆さんにどういうふうにお話をしていただいておりますでしょうか。
○宗田説明員 先ほども申し上げましたように、酒類と申しますのは致酔性の飲料でございますので、その広告、宣伝に当たりましても、過度に飲酒を誘引するとかあるいは未成年者を飲酒の方に誘う、こういうような広告は慎まなければいけない、こういうことで、私どもはかねてより酒類業界に対しまして適切に対応するように指導してきたところでございます。それで、まだ一部の業者ではございますけれども、自主的に新聞広告には、未成年者の飲酒は法律に禁じられております、こういうのを表示したりとか、あるいはテレビのコマーシャル等も、子供さんが主として見る番組とか時間帯ではなるべくお酒の関係のコマーシャルは避ける、こういうようなところもぽつぽつ出てきておるということでございます。
○日笠委員 国税庁さんの方は、約二兆円ぐらいの酒税が入ってきますけれども、そういう意味の政府広報をする予算はないわけですね。どうでしょうか、国税庁さんも政府広報の割り当ての枠は取れるはずなんですね。申請すれば取れるのです。そういう意味では、一度少しかっこのいい広告、広報を打ってみたらどうでしょうかね。 例えばアメリカなんかでは、飲酒運転の防止ということでございますが、スティービー・ワンダーという大変有名な盲目の歌手がおりますが、その人のポスターがアメリカにいっぱい張ってあるわけです。どういう意味のポスターかというと、飲酒運転をやめよう、あなたがお酒を飲んで運転するくらいなら私が運転しましょうという、非常にかっこのいいポスターなんですね。ひとつそういうナウいポスターで、先ほどお見せしたようなのも含めて、二兆円ぐらい酒税が入っておるわけですから、政府広報で未成年の飲酒対策、アルコール依存症対策を本当にやってもらいたい、わずか六千四百万ぐらいしかアルコール関係の予算はないのですから。そういうことから見ましてもぜひこれはお願いしておきたいと思います。 それから青少年対策本部の方にお願いしたいのは、国税庁さんも入れてぜひひとついろいろと審議してもらいたいと思うのです。各省庁の関係の局長さんなり課長さんが集まっても、これはやはり本家本元の監督官庁の国税庁さんが入らないと画竜点睛を欠くと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○倉地政府委員 先ほど来お話し申し上げております非行防止対策推進連絡会議と申しますのは、総合的かつ効果的な関連施策を推進するということや、関係機関相互の事務の緊密な連絡ということを目的としまして設置されているものでございまして、直接青少年行政を担当しております十二省庁から成っている次第でございます。ただ、そういうことで運営されている次第でございますけれども、必要に応じまして関連する行政機関も入ることは可能になっている次第でございますので、今後取り上げる問題によりまして機動的にその辺は考えてまいりたい、そのように考えております。
○日笠委員 厚生省さんに提案申し上げたいのですが、先ほどお見せしました学校保健会のリーフレットでありますけれども、やはり国民の健康を守るということは厚生省さんの所轄だと思いますので、どうでしょうか、副読本、たばこはあるそうですが、お酒の、未成年の飲酒を含めた副読本というのは余り出回っていないようでございますが、副読本であるとかリーフレットとかこういうものをつくっていただいて、できれば文部省さんの方へ差し上げて、それを学校の保健体育の現場の教育の中で医学的に進める。日本の場合教育効果は非常に上がると思うわけです。日本人はそういう民族でもありますので、そういうふうなお考えはないでしょうか。例えば社団法人のアルコール健康医学協会ですか、ここらあたりにお願いをしてそういう専門のリーフレット、副読本をつくっていただく、それを文部省さんの方に差し上げて、それを文部省さんの方は活用する。これは例えばの話ですが、そういうことも含めてどうでございましょうか。
○仲村政府委員 昨年の十月に、先ほどからお話に出ております公衆衛生審議会から、未成年者の飲酒防止等に重点を置きましたアルコール全体の対策の意見をいただいたことは、先生も御承知だと思います。その中で、特に未成年者に重点を置いて予防対策をしろという御指摘がなされております。それを受けまして、ただいま御質問、御答弁の中でもありましたような動きがございましたわけでございますが、私どもといたしましても、健康という観点から、やはりアルコール中毒についてもっと前向きに取り組むべきだということが、先ほど大臣からも御答弁ございましたけれども、あるわけでございます。 今お尋ねの、お尋ねと申しますか御提案のございましたアルコール健康医学協会でございますが、これはそういう観点から昭和五十五年に設立いたしましたけれども、残念ながらおっしゃるような形での活動はまだ十分なされていないと私ども考えておるわけでございます。ブックレット、パンフレット等若干印刷をしておりますけれども、保健所を通じて医療機関でございますとか、余りそういう意味での先生が御期待されているような活発な活動をしていないという御指摘も、当たらずといえども遠からずということでございますので、今先生が御提案なさいましたような方向もできないかどうかを含めましてぜひこの財団とも相談をいたしまして、やはり教育、広報活動というのは重点だと思いますので、その方向での充実も今後図ってまいりたい、このように考えております。
○日笠委員 大変前向きな御答弁をいただきまして、私も大変感激しておりますが、同時に公衆衛生審議会、これは八条機関でございますが、厚生大臣に出された意見書というものは大変重要な示唆に富んでおる内容があるわけでございます。先ほどから申し上げておるコマーシャルだとか広告の件、自動販売機の作等も明記されておりますけれども、これをひとつ業界の皆様方に、こういうふうな公衆衛生審議会から厚生省としては御意見をいただいておるのですよ、これに沿ってひとつ御協力いただければ幸甚ですということで、この意見書を業界の皆さんにお送りするなり差し上げるなりして側面からの協力を求める。これは国民の健康を守るという意味から、本来はこれは国税庁さんかもしれませんが、しかし国民の健康を守る立場からこういう提案をいただいたのでこれをひとつ参考にしてくださいと。こういうことはどうでしょう、可能でしょうかね。現実に、もう既に業界の皆さんにこういうものを正式に厚生省さんとして差し上げたというか、お渡ししたことはあるのですか。なければ、今後の対策としていかがですか。
○仲村政府委員 先ほど国税庁さんからもお答えいただきましたけれども、例えば自動販売機の時間の関係の通知をお出しいただいた際には、私どもの公衆衛生審議会の意見書についての引用がなされております。私ども役所間ではこういうことでお配りしてございますし、先ほどの、お酒を飲む場所で若い方に、未成年者には提供しないようにということの通知は、私どもの生活衛生局というところが環境衛生同業組合を所管しておりますので、その連合会の会長さんにも、この全文を引用していただいたわけではございませんけれども、未成年者にできるだけアルコール飲料を提供するのを自粛するようにという通知はお出ししてございます。関係の省庁にはこの意見書自体はお配りしてございますけれども、さらに徹底を図るような工夫もさせていただきたいと思います。
○日笠委員 ぜひ業界の酒造会社の方、つくる方、メーカーさんの方に。広告は大体メーカーさんがほとんどでございます。小売店や卸屋さんがするということはほとんどない、あっても小さい広告でございます。テレビコマーシャル、新聞の一ページ大の広告、週刊誌の一ページ大の広告、これはほとんどメーカーさんですのでそちらの方へ、こういうふうな意見も出ておりますのでひとつよくお考えの上云々と、こういうことで出せることは出せるのじゃないかと思いますので、ひとつ前向きに御検討していただければと思います。ありがとうございました。 続いて、基準看護の件につきましてお伺いをしたいと思います。 基準看護につきましては、近年いろいろとマスコミ紙上にも取り上げられ、国民の皆様方の医療費の負担ということで、大変これは大きな話題を呼んでおるところでございます。昭和五十年ごろにこの基準看護につきましては問題。となりまして、それなりの是正はされたようでございますが、あれから十年たちました。最近では特二類、特一類と一類、二類、三類と五段階ありますけれども、特三類を新設してもらいたい。夜勤の場合の手薄な状態等もあるし、また医師の医療業務のお手伝いといいましょうかこういう方向へだんだんと、テレビのモニターであるとか高度医療機器であるとか、こういうことで特三類の新設という声もありますけれども、この点について、基準看護、いろいろと話題を呼びましたけれども、現状はいかようになっておりましょうか。それからまた、特三類の新設についてはどのようにお考えでしょうか。
○谷説明員 基準看護につきましては、病院における看護の充実を図っていくというようなことから、昭和三十三年にこの制度が設けられたわけでございます。ただいまお話しございましたように、その後、特一類の新設ですとか特二類の新設というようなことで順次制度の拡充を図ってきております。 この基準看護病院におきます看護力の確保を図るというようなことから、ことしの四月からの医療費の改定に当たりましても、看護料の引き上げですとか基準看護の料金の引き上げというようなことを行ってきたわけでございます。そのほかに、特に重症者の多い病院においては看護の負担が大きい、また看護を充実をしていかなければいけないというようなことから、五十六年の六月から重症者の看護の特別加算制度といったようなものを導入をいたしまして、先ほど申しましたこの四月の改定におきましても、この基準の枠の拡大というようなこと等を通じましてこの内容の充実を図ってきているわけでございます。 今、特三類についてのお尋ねがあったわけでございますが、確かに現在特二類まででございますので、特三類というようなものを設けてはどうかという御意見があることは承知をいたしておりますが、私ども、特二類が現在あるというような現状におきまして、一律に看護婦の数をふやす、いわゆる特三類をつくるということよりは、やはり病院の重症者の割合ですとか、そういうような病院の実態に合わせた形でこの重症者看護の特別加算というものを充実をしていった方がいいのではないかというようなことで、先ほど申しましたようにこの四月の改定におきましても、重症者の特別加算制度、従来基準看護病院の中で病床数の五%までということで限定をいたしておりましたけれども、今回の改定におきましてこれを七%にまで拡大をする。またその取り扱いについて、従来とかく現場の看護婦さんの方からいろいろ問題が指摘されておりましたこの運用のやり方につきましても改善を図ったわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、私ども現在の基準看護制度というものを先ほど来申し上げたような方向でさらに改善を図っていきたいというふうに考えている次第でございます。
○日笠委員 御尽力をされておることは重々承知をしております。昨年いろいろ問題がありましたね。問題があったというかマスコミ等で取り上げられたということでヒアリンゲ等を行いまして、また日ごろ問題と言われておる病院につきましては実地調査等されまして、二十四の病院が取り消しになった、十の病院がランク下げ、二百五十の病院が是正をさせられた、約一割くらいの基準看護の病院については何らかのやはり問題点があったということでございました。 私は、つい最近も、ある方から、これは基準看護の病院でありますけれども、病院の方から付添婦さんをつけてくださいと言われたということで、この方は親一人子一人ということでございまして息子さんは働いておるわけでございますが、それにしても毎月二十五万円も付添婦の方の給料が要るわけですね。病院の方からそれを言われたというのです。ですから、恐らく医療課長さんは、そういうことはない、こうおっしゃりたい気持ちはわかるのですが、現実に私はそういうことがあると思うのです。現実にまた、そういう基準看護の病院の前に行きましたら家政婦さん紹介の看板がいっぱいある。こういうようなこともありますし、年一回監査等を、実地調査というのですかやっておられるようでございますが、これは既に前日か二、三日前に通告をして、行きますよということで行かれるわりです。ですから、先ほど申し上げた人なんかでも、監査か実地調査みたいなのがあって、その日は付添婦さんは、何月何日はとにかく朝からいないでくれ、どこかへ行って夕方に帰ってきてくだされば結構です、こう言われておるわけです。それで一日中外でぶらぶらして帰っていく。現実にあるわけですよ。どこの病院か言えといったら言えますけれども、まあニュースソースは大事にしなければいけませんので。 そこで、最後にもう一つお聞きしたいのですが、監査というものはやはり抜き打ちでないと、つまり実地調査ですね、そうしないと余り効果がないんじゃないか。書類がそろわないとか何とかで急に来られたら困るということもあるでしょうけれども、大体、監査とか検査とかいうものは抜き打ちかせいぜい一時間前とか二時間前ぐらいでないと、全部おぜん立てが済んだ上でぱっと行ったのでは見つかるものも見つからないといいましょうか、そういう基準看護に違反しておるかどうかということはなかなか見つけにくいのではないか、かように思うのですけれども、今後はどうされますか。
○谷説明員 ただいまお話しございましたように、昨年この基準看護病院の問題につきまして幾つかの問題がございました。その結果、昨年の秋に全国的な点検を行いまして、先ほどおっしゃったように取り消しをしたもの二十四、あるいは指導等を行ったものが二百五十といったような結果になったわけでございます。 基準看護病院につきましては、毎年少なくとも一回は実地調査、点検を行うということになっているわけでございますが、これにつきましては、やはり医療機関とのいろんな信頼関係の問題というようなこともございますし、また現実問題といたしまして、医療機関の中に立ち入って職員なりあるいは管理者からお話を聞くなり、あるいは必要な書類、帳簿等、あるいは看護婦さんの場合ですと免許証等々を実際に見せてもらってそれで調査をするといったようなことでございますので、抜き打ち的というか、突然行くというのは現実問題としてはなかなか難しいのではないかというふうに思っておるわけでございます。 ただ、この基準看護病院につきましては、先ほども申しましたような昨年におきますいろんな事件というのもございましたので、今後とも十分な指導なり監査、監視を行うということで私ども指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○日笠委員 きょうは総務庁からも来ていただいておりますが、この基準看護の制度につきまして、いろいろと先ほどからもお話がありますように、北九州の老人病院を含めた問題が多いこと、私も現実に二人も三人もそういうふうなことを聞いております。こういうものは行政監察の対象になりますでしょうかね。どうでしょうか。
○勝又説明員 基準看護制度自体につきまして仮に問題があるとすれば、行政監察の対象となり得るわけでございます。ただ、基準看護制度につきまして問題があるといたしましても、当然のことでございますが、所管官庁でございます厚生省におかれましてまず第一義的に対応いただくということが当然だと考えておるわけでございます。 現在、厚生省におかれましては、基準看護制度の厳正な運用につきまして、基準看護を実施しております医療機関を指導しておられるとかあるいは基準看護制度の拡充に努力されておるとか承知しておるわけでございますので、総務庁といたしましては当面推移を見守ってまいりたい、かように考えております。
○日笠委員 今後もそういう問題が起きればそれを端緒として行政監察はできる、このように考えてよろしいですか。
○勝又説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
○日笠委員 じゃ医療課の皆さん、総務庁の皆さん結構ですよ。 では厚生大臣、昨年、我が国山県にらい療養所愛生園、光明園というのがございます。長島という島にこの二つの療養所がございまして、長島という島の名前をとりまして長島架橋ということで、人間回復の橋ということで、大変全国の十六カ所の私立、国立入れまして療養所の患者の皆さんからも、待ちに待った我々の人間回復のシンボルであるということで、全国紙にも大きく取り上げられたところでございます。 一つ、ここで私がお願いしたいのは、せっかく立派な橋ができても、この光明園から愛生園に行く島内の道路でございますが、これがまだルート決定をしていないというようにお伺いをしております。いずれにしても、島内の道路が立派に整備できないとせっかくの橋が半減をするわけでございますが、ひとつ島内道路の今後の見通しといいましょうか整備といいましょうか、どのようにお考えなのかちょっとお聞きしたいと思います。
○今井国務大臣 実は私も大臣になります前、政務次官のころでございましたか、長島へはお邪魔をいたしまして島内をつぶさに拝見をしたこともございます。そのときに拝見をしました道路でございますが、あれは何か最近は、曲がっておりますのを真っすぐにしてくれという意見がありますことを私も存じておりまして、それで六十一年度は調査をしなければいかぬだろうというようなことでお金をつけまして、地形だとか地質の調査を今させておるわけでございますが、それで一応ルーティングをやりまして、六十二年度に島内の道路の建設費を少しつけてやっていこうじゃないかということで、来年度の要求をひとつぜひ考えたいと思っております。 いずれにしても、これは三キロ以上あったと思いますが、一遍にはできませんが、せっかくの御要望でもございますので、橋がかかりますのでございますから島内道路もひとつ直していきたいな、こう思っております。
○日笠委員 もう一つ、これは大臣から面接お考えをお聞きしたいのですけれども、橋の名前です。長島架橋という略称で起工式も行われましたけれども、ネーミングの問題ですが、どうでしょうか。全国で十三の国立、三つの私立の療養所、施設がございますが、そこの患者の皆さんでも結構でありますし、また地元の岡山県なら岡山県の皆さん方でも結構でありますが、何か格好のいい名前で、長島大橋じゃないでしょうし、ヒューマン・リカバリー・ブリッジでもちょっと長いようですし、ルネッサンス橋でも結構でしょうが、ネーミングの公募をする。正直言いまして、地域の一部の方には感染するのじゃないかということもありまして、まだ無理解な点もあるのですね。ネーミングの公募等を通しまして、大いにその辺の御理解を願う推進にもなるかと思いますが、ネーミングの公募という件はどうでしょうか。
○今井国務大臣 あの橋は長年の要望でもございますし、あの橋を一生懸命推進された例の三者協議会というのがあるわけでございますね、厚生省と県と邑久町でございましたか。そういう方々がもしなさるにしましても、私どもが旗を振ってやるのではなくて、三者協議会という形でネーミングを公募されるという形をとっていただくことが非常にいいのではないかと私は思っております。
○日笠委員 わかりました。いずれにしても厚生省さんも入っておるわけですから、そういうときには御尽力いただくということでお願いしたいと思います。 次に、献血のことについてお伺いしたいと思います。この四月から四百ccの採血が可能になってきたわけでございますが、時間もありませんので、次のことをお聞きしたいと思います。 献血は、延べ約九百万弱の皆様方の、臓器移植とも言われておりますけれども貴重な血液をいただいて、日本の血液事業が循環をしてうまくいっているわけでございますが、まだまだ無理解な点もございますし、もっとPRしてもいいと思います。 昭和三十九年の閣議決定においても、「国及び地方公共団体による献血思想の普及」云々ということで、はっきりと閣議決定もされておるわけでございます。予算的にも大変少ない予算で頑張ってはおられますけれども、私が一つ提案申し上げたいのは、二十の献血、愛の献血ということが今大変定着をしてきておるようでございますが、高校生の十六歳から献血はできるわけなんです。その十六歳献血ということだとか、また運転免許を取ったときには、交通事故を起こす、起こされるということで血液がどうしても要るという場合もあるかと思いますので、運転免許を取ったら献血をというようなことだとか、学校教育の場において献血の重要性を教えるということ、以上のようなことを含めて大いにPRをしなければいけない。学校のことについてはまた後ほど言いますが、PRについてどのようにお考えか、お聞きしておきたいと思います。
○松村説明員 献血の啓蒙普及につきましては、これまで国、都道府県、市町村及び日本赤十字社が十分に連携をとりつつ、ポスター、テレビ、ラジオといった各種の媒体を用いてその推進に努めてきたところでございます。特に昭和六十一年度におきましては、従来から実施してまいりました二百ミリリットルの献血のほかに新たに四百ミリリットルの献血、それから成分の献血といったものを始めることといたしておりますので、厚生省といたしましても、これまでの活動に加えて新しい事業をいろいろ考えてまいりたいと考えております。
○日笠委員 十六歳から献血できるわけですが、一部の高校の先生の中では、今の高校生は貧血の人が大変多いということで、ヘモグロビンを検査すれば貧血だとわかるのだけれども、比重はクリアしている、比重だけを見れば献血してもいいということで、ヘモグロビンとか赤血球数とかいうものも検査しなければ献血してはならないのではないか、こういうことで、私どもは十六歳献血というものは大変進めていただきたいけれども、学校教育の現場の先生の一部からそういう反論も出ているようにお聞きしております。厚生省のこのことについての正式な見解はどうなんでしょうか。大丈夫でしょうか。
○松村説明員 高校生の年代にある方々は、確かに発育成長期にございます。そういうところにはございますが、現在、我が国で行われております献血の際に行っておりますように、比重検査のほか、医師による血圧測定、問診等を慎重に行った上で適切に行うことができれば、高校生の方々の場合でも二百ミリリットルの献血は健康上問題はないというように考えております。
○日笠委員 そういう意味では、二十の献血と並んで十六歳の献血というものも安心なんだということで大いにPRしていただきまして、ぜひお願い申し上げたいと思うのです。 高等学校の保健体育の学習指導要領を見ますと、献血のことは言葉としては出てきません。「国際赤十字社、ユニセフなどの活動にもふれ、」云々ということだけでございます。教科書の写しももらいましたけれども、献血についてはそんなに詳しく記述されておるとは思えないわけでございます。「がん治療などにつかう血液が不足している状況を救うのにたいせつな活動で、」云々ということで、がん治療などの手術だけのような記述でもございます。何か現時点の血液事業、献血事業にそぐわないような表記ではないかと思うのですけれども、いかがなものでしょうか、今後、血液センターが各県に大体ありますが、そういうところにも見学に行きながら、この献血の重要性というものを、これはボランティアの精神でございますけれども、やるやらないは本人の自由でございますけれども、そういう献血の重要性というものを学校教育の場で教えるということ、それからもう一つは血液センター等に見学に行くように何らかの方策はできないだろうかということ、このことを文部省にお聞きしたいと思います。
○下宮説明員 お答えいたします。 献血の意義や重要性につきましては、教科の保健体育におきまして、中学校では「個人の健康と集団の健康」の中で、高等学校では「公衆衛生活動と保健・医療制度」の中で指導することとしているわけでございます。先生御指摘のように教科書においては一部触れてございますが、学習指導要領においてこういったことを今後どのように取り上げるかにつきましては、教育課程審議会において教育内容の検討も現在やっているところでございますので、次の教育課程の改訂の際に十分検討してまいりたいと存じます。 また、血液センター等の見学ということでございますが、これは教育活動の実際の展開でもございますので、各学校において適切に対応すべきものだというふうに考えます。
○日笠委員 最後に、腎移植の件についてお伺いしたいと思います。 人工透析患者の皆さんにおきましては、腎移植は大変重要なテーマでございます。最近は非常に技術的にも向上いたしまして、死体腎を、いわゆる遺体から腎を取り出しまして、十時間以内であればこれは何とか移植が可能というふうに長足な進歩を遂げたわけでございますが、しかしながら、医療スタッフが死体腎を運ぶ場合高速道路等で非常に混雑しておって間に合わなかったという例も過去にあるそうでございますが、これは時間との競争なんです。何とかスタッフの皆さんが間に合うような、これは警察庁等の道路交通法での問題があるかと思いますけれども、一刻も早く緊急輸送車を配置できるような方向で考えていただかなければ、皆さん大変心配をしておるわけでございますが、この点今後どのような方向で緊急輸送車といいましょうか配置を考えておられますか。最後にこれをお聞きして、終わりたいと思います。
○仲村政府委員 腎移植の推進ということにつきまして、私どもも今後その方向をさらに充実していきたいと考えておりますが、死体腎の搬送の問題、御指摘のようにまだ緊急自動車に判定されておらないわけでございまして、関係者から要望がございましたこと、十分承知しております。 そこで、私ども、腎移植を実施した全国の医療機関、四十ぐらいでございますけれども、その機関に移植のための腎臓がどのような搬送状態であったかを今実態を調査しておるところでございまして、その結果を踏まえまして、警察庁等関係方面の御協力を得ながら円滑な搬送体制を実現するようになお努力してまいりたいと考えております。
○日笠委員 終わります。どうもありがとうございました。
○志賀委員長 滝沢幸助君。
○滝沢委員 委員長、御苦労さまです。大臣、どうも御苦労さまです。 私から、今提案されております厚生省設置法の一部を改正する法律案、またそれにまつわる問題についてお伺いさしていただきます。 この提案の理由を拝聴しますと、最近の疾病構造の変化、人口構造の高齢化、医学を初めとする諸科学の急速な進歩等に伴って医療内容が著しく高度化し、専門化しているという観点に立って、元来の国立がんセンター、また循環器病センターというものに加えて、精神・神経センターというものを含めていわゆる国立高度専門医療センターというものに改組しようという御提案と理解するわけでありますが、基本としてはこれを私たちは評価するものであります。ただ、ここで、行政改革が言われている今日の状況でありまするから、いわゆる組織の上積みに終わらないように、人的配置そのほか、行政改革の実を上げるようにひとつ御配慮をいただきたいというふうに御注文を申し上げておきます。 なお、これに関連しまして国立病院等の関係もございまして、これらのものとの有機的な協力関係というものを重視してちょうだいしたい。特に今国立病院等の再編計画が進められている状況でありますが、これは今どのようなところまで進んでおりますものかどうか。願わくは、これは地元との協力、協議というものも万全を期して所期の目的を達していただかなければならぬと思うのでありますが、いかがなものでございましょうか。
○今井国務大臣 お説のように、この国立病院あるいは療養所の再編成という問題は、行政改革の一環といたしまして、国立病院とか療養所は国立の医療機関にふさわしいような指導的な役割を果たせるよう、そういった質的な強化を図りたいということを目的にいたしておるわけでございまして、再編成というのは避けて通れない道であると私は考えております。 この再編成問題は一年や二年でとてもできるものじゃありませんから、今後十年をかけてひとつ実施をしようという、言ってみれば長期的な重要な政策課題だと思っております。したがいまして、この問題につきましては、厚生省としましても、先般の三月二十四日でございましたか、事務次官を本部長といたしまして実施推進本部をつくらせまして、省を挙げて取り組もうというふうにしたわけでございます。 こういうことで、この国立病院あるいは療養所の再編成というのは極めて大きな問題でありますし、またこれに関係をされます公共団体の方々あるいは地元の関係者の方々、そういうものがよくこの事情を御理解を願って、よし、それなら協力してやろうというふうなお気持ちがなければなかなかこれはできないものでございますので、一方的に何月何日これをやめますというようなことでできることとは私は思っておりません。したがって、こういう方々との十分な話し合い、御納得というものを積極的にいたそうと思っております。そして、一度でいけなければ二遍、二度でいけなければ三遍、何遍でも同じことを繰り返して、そして皆様方に、そうだ、それならひとつ協力してやろうじゃないかというふうな形でぜひ御協力をいただくように、私を初め全職員が取り組むつもりでございますので、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思うものでございます。
○滝沢委員 このことは予算委員会の分科会でも大臣にるる申し上げたことでありますから、どうぞひとつ、しかるべく政治力を発揮して成果をおさめてちょうだいしたいと御期待を申し上げます。 ところで、国立がんセンターということも出てきますので、関連してお伺いをすることでありますが、がんはまさにこれは今日の病、あるときは結核は亡国病と言われまして、御存じのごとく日本じゅうが結核におののいた時代がございました。きょうは委員長には志賀直哉先生と長塚節先生を合併したような博学の委員長を迎えておりますからでありますが、私は、「ストマイを買い得ず逝きし兄を持ち公費医療の陳情を聞く」という一首を残したのでございましたが、そのようなことを思いますると、まさに今日、肺結核は完全に克服された感がありまして、思えば昔日の感を深くするということでございます。 ところで、今がんは人類最後の病、こういうことを言う学者もございました。しかし、本当は生者必滅、決してこれが最後で、後死ぬということがないということはございません。しかし、加賀千代女なんかが、あれはしかし加賀千代女の句であるかどうかも疑わしいそうでありますが、「やがて濡るる海女も蓑着る時雨かな」というのでありますから、これは、人間はしょせん死ぬるものだと思いながら、やはり目の前にある病気を克服して命を長らえようとする努力はこれは当然必要なことでありますから、そういう意味でがんに対して、今国を挙げてと言っていい、これは国家的命題として取り組んでいくべきだろう、私はこういうふうに思うのでございます。 そこで、今日、がんというものに対していかなる状況にあると役所としては理解しておいでなのか。それとあわせまして、学界といたしましては、今どのような可能性を持ってこれを見つめて努力しておいでなのか。こういうことをまずお伺いしてみたいと思います。 あわせまして、これは具体的になりますが、丸山ワクチン、これは言われて久しいのでありますが、いかがなところまでこれが議論されておりますか、この状況を。そして、大変がんが不治の病という意味におきまして、これを本人に告知すべきかどうかというのもいろいろと言われているところでありますが、これら二つのことを含めて、学問の世界としての状況とお役所、厚生省としての御理解とをお願いをしたいと思います。
○今井国務大臣 まず、私から、がん対策の最近の状況について総括的なお答えをいたしまして、残余の問題につきましては政府委員から答弁させることをお許しいただきたいと思います。 まず、先生おっしゃいますように、がんによります死亡というのは、お説のとおり昭和五十六年には国民の死亡順位のとうとうトップになりました。したがって、がんを何とかしろという国民の要望というのは極めて強いわけでございます。そこで私どもはいろいろな問題を取り上げておりますが、五つの柱を今挙げておるわけでございます。 その一つは、国立がんセンターといったようながんの診断や治療を行います専門医療機関を整備したい。それから第二点は、がんの診断や治療に従事します専門技術者の養成、訓練。それから三番目は、がんを早期発見する、あるいは早期治療を目指しました胃がんあるいは子宮がん検診の促進。それから四番目は、がんについての正しい知識とか予防思想を普及すること。それから五番目が、発がん機構と申しましょうかがんのそもそもの究明をするということ。それからそれに対しまして、どう治せばいいのかという治療方法の発見、研究といいましょうか、そういう極めて基本的な研究の推進というふうな五本の柱のもとで、今いろいろな施策を講じているところでございます。 さらに、政府といたしましては、御案内のように総合的にがんの対策に取り組むということで、昭和五十八年六月にがん対策関係閣僚会議におきまして、対がん一〇カ年総合戦略というものが策定をされまして、この十年を目途にがんの本体の究明を図ることを目標としまして、その成果を予防だとか診断、治療に反映させようというものでございまして、それから五十九年度からは日本とアメリカ、日米を中心といたしますがんの研究者によりますプロジェクトの研究というものの事業を推進しておるわけでございまして、そこでは既にがんの遺伝子の発見といった幾つかの成果を上げておりますことは極めて着目すべきことだと思っております。 あとの問題は局長から答弁をさせます。
○仲村政府委員 学界の動向ということのお尋ねでございます。 必ずしも全貌を私なりに把握しているとは申しませんが、ただいま大臣からも最後の方で研究に触れられましたけれども、対がん一〇カ年戦略も、がんの本体の解明が非常に近いということで、特に政府が力を入れるということで施策化したということで御理解いただきますと、がんの研究で現在一番力を入れられているのは、やはり本体に近づこうということだろうと思うわけでございます。 発がん遺伝子というものが一九八二年に発見されましたけれども、それ以降分子生物学レベルで学問の進歩が非常に進んでいることは御承知だと思いますけれども、日本の場合でも、日本人に非常に多い胃がんの新しいがん遺伝子が発見されましたり、新しい治療法といたしましては温熱療法でございますとか、免疫の新しい知見を活用いたしましたモノクローナル抗体の治療法でございますとか、あるいは治療薬の開発ということではTNFでございますか、その他各種の治療薬が盛んに開発されているところでございます。 あるいは予防対策といたしましても、学問レベルで発がん物質の解明でございますとか、一般的な予防と申しますか第一次予防といたしまして、食生活をどのように改善すべきかというふうなことで、学界といたしましても、他の分野に抜きん出て、このがんにつきましては研究が非常に盛んだというふうに私ども考えているところでございます。
○小林(功)政府委員 御質問の中の丸山ワクチンについてお答え申し上げます。 先生も御承知のように、丸山ワクチンにつきましては、昭和五十六年八月に、中央薬事審議会におきまして「提出された資料をもってしてはその有効性を確認することができない」という趣旨の答申が出たわけでございます。その際に「附帯意見」がつきまして、その「附帯意見」を踏まえまして、その後三年間にわたりまして試験研究が実施され、その結果が五十九年十一月に提出されたわけでございます。ところが、そこの段階でもまだ承認審査を行うに十分な資料が得られていないというように判断されました。ただ、その際、この丸山ワクチンが既に多数の患者に使用されているという現状も勘案しまして、さらに三年間治験の延長が認められたものでございます。 そこで現段階でございますが、現在はこのメーカーでありますゼリア新薬工業におきまして、医薬品としての恒常性を確保し得る規格及び試験方法の設定に向けまして引き続き作業が進められておりますほか、ヒトへの至適用量を設定するための検討が現在行われている、そういう状況でございます。
○竹中政府委員 がん患者につきまして、がんであるかどうかということを告げる、いわゆるがんの告知の問題でございます。 先生も御承知のように、かつては告知しないのが一般的であったわけでございますが、近年は医療技術の進歩等によりまして、例えば子宮がん、こういった治癒率の非常に高いものにつきましてはだんだんと告知がされるようになってきておるということでございます。 このがんの告知の是非につきましては、患者の心理あるいはその後の治療への影響等の観点から見まして、告知することが本当にその患者さんのためになるかどうかという点でございまして、個々の患者の病状あるいは人生観によりましてその場合の判断が異なってくると考えられるわけでございまして、一概にこうだ、こういうわけにはいかないだろうと思います。 厚生省で生命と倫理に関する懇談会、これは昨年の九月に報告がなされたわけでございますが、この懇談会におきましてもいろいろ御議論がございまして、今申し上げましたような観点から一概に告知が望ましいと判断することは難しい、こういうふうに報告書で述べられておるわけでございます。なお、日本医師会におきまして今年度から生命と倫理に関する懇談会を新たに発足されると聞いておりまして、その場でもがんの告知の問題については恐らく御議論がなされるだろう、何がしかの御意見なり結論が出されるのではないかと期待をいたしておるわけでございます。 この告知の問題につきましては今申し上げましたようなことで、基本的には個別のケースに応じて判断すべき問題でございますので、厚生省が何がしかの方向を明示しまして、こっちの方がいいとかどうだというふうな行政がそういうことをするのはいかがなものかな、今そういうふうに考えております。
○滝沢委員 一つは、今いろいろと学界の研究も進み、また政府の対策も充実してきているというお話でありますが、国としてがんのために総じて幾らの金を使っていこうとしていらっしゃるのかお伺いをするとともに、丸山ワクチンにつきましては、いろいろと学問としての立場がございましょうが、現実にはおっしゃっていただいているとおりたくさんの方がこれを使ってこれに命を託しているわけであります。そういうことを考えますと、これをひとつ前進的に理解をして、より安く供給できるような体制、言うなれば医薬品としてこれが利用できる状況をつくってちょうだいしたいと思います。 さらに告知のことでありますが、がんというものは非常にかわいそうな病気でありまして、知らぬは本人ばかりなり、みんながもう死ぬる日を指折り数えているときに本人は治ると思っている。大変不見識な話でありますが、私は弱い候補者とがんの病人は同じだと言うのでありますが、希望を持っているのは本人だけというような場合がたびたびありますが、そういう意味ではこれに対して、告知の賛否の話は今承りました、当然でありますが、問題は家族がどのような方法でこれを妻に、主人に、親に知らせるべきか。むしろ私は、この家族の者が主治医より言われたときに、そのことを伝えるべきか伝えざるべきか、伝えるにしてはいかなる方法がよろしかろうという苦しみこそ、病人その人の苦しみよりも苦しいと言って過言ではなかろうと思うのでありまして、どうかひとつ、こういう点につきまして、行政が結論を出すのはいかがかとおっしゃいますけれども、何しろがんというものは民族としての大きな課題、人類の敵という言い方はちょっとどうかと思いますが、そういうものでございますから、であるとするならば、やはり教えるべきや否や、あるいは教えるとすればこのような方法もよかろうというような御指導も私はちょうだいすべきではないのかと思いますが、この三つを総じていかがなものでしよう。
○仲村政府委員 まず第一点のがん対策の関係予算のお尋ねでございますが、政府全体といたしまして昭和六十年度は四百十一億の予算を計上しておりましたが、六十一年度につきましては四百六十一億ということで約一二%の増を図ったところでございます。この中には厚生省、文部省、科学技術庁等が入っておりますけれども、厚生省に関して申し上げますと、丸い数字で二百八十二億が昭和六十年度予算でございましたけれども、六十一年度におきましては三百二十四億ということで、対前年度比一一五%ということで計上させていただいております。
○小林(功)政府委員 第二点の丸山ワクチンの件でございますが、先ほど申しましたように、メーカーが中央薬事審議会で付されました「附帯意見」を踏まえまして、今懸命に努力をしておる最中でございます。現に、前回から見ましても、一部ではございますけれども進んだ部分もございます。したがいまして、私ども行政といたしましても、早い時期にその研究成果がまとまるように必要に応じて助言を行ってまいりたいと考えております。
○竹中政府委員 本人に対する告知、それから主治医が家族にお話をした場合に、家族が御本人にどういう接触の仕方をするか、先生の御質問の御趣旨は十分私どもも理解をいたすわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、その個々のケースによりまして、はっきりお伝えした方がいいかあるいは非常に間接的な形で伝えた方がいいかあるいは伝えない方がいいか、なかなか難しい問題でございますので、今の先生の御質問に対しまして、一般的な問題として役所側としてどうするという点につきましてはなかなかお答えをしづらいというのが現状でございます。
○滝沢委員 次に進みますが、火事は最初の何分間ですか、五分間か三分間か知りませんけれども、何々は最初の何分間とがよく言いますが、このがんも早期発見さえできれば、これは本当に簡単な病気と言っても私は過言ではないと思います。私は若いとき痔で苦しんだときに、寝ていていろいろ研究しましたら、やはり人類最後の病は痔だと思いまして、(やまいだれ)に寺と書いてこれはお寺に行くまで治らぬということでありまして、そこへいくと、がんというものは (やまいだれ)に品が山ほどという、四角いこぶが山ほどと書いてあるのでありまして、これを除去すればこれはなくなるというものでありますから、早期発見をすればがんはやすきものということになりますから、何といっても早期発見の体制、それには検診ネットワークを全国に網羅して、検診に力を入れなくてはなりません。ところが現実を見ておりますと、この検診の体制が私は不十分ではないのかと思います。 そこで私は、この検診をよりよくしていくためには、今国が六百六十一億出していただくお話も承ったのでありますが、市町村等も協力して、そしてできるだけ個人の負担を極めて軽減してあげるということが何といっても大事ではないかと思うのでありますが、このようなことはいかがなものでありましょうか。市町村の本当の意味の協力体制がどうしたらとれるか。しかも願わくは、企業、学校、特に最近は農山村にがんが多いとされているわけでありますから、農協などあるいはまた各民間団体の協力、そして非常に大切なのはマスコミの協力であります。これはマスコミさんがおられるとちょっとなにでありますが、どうも書かない方がいいことはたくさん書いてちょうだいして、書いた方がいいことは余り書いていただかない嫌いもありまして非常に困る。これが言論統制ができている政治体制の中でありますと、国家目的というものに対して全面的に協力しますからその点はあれでありますが、いじめの問題にしろ、どうも書いたためにかえって傷が深くなるという面も多々ありまして、しかし新聞社さんに決して恨みがあるわけではございませんが、そういうことで、私はマスコミの協力というのががん対策においては非常に必要だ。これは重ね重ね、繰り返し繰り返し、がんに対する国民的認識を深め、知識を深めていただく必要があると思うのでありますが、そういう面につきまして、今申し上げた市町村を初め各種団体と企業ないしはマスコミ等に対して意見、広告等をたくさん出すというようなことも含め国が思い切った財政負担をしなくちゃならぬ、こういうふうに私は思うのですが、自治省は来ていただいておりませんけれども、交付税というような面で考えるなど工夫をしていただきたいと思うのでありますが、大臣いかがでありましょう。
○黒木政府委員 御指摘のように、がんにつきましては早期発見あるいは早期治療が極めて重要だと考えております。こういった観点から、老人保健法におきまして保健事業ということで、がんの検診を、五カ年計画に基づきまして、市町村を実施主体にして、これに対して財政援助を行いながら取り組んでいるところでございます。五十九年度におきましても胃がんの検診で受診者数が二百六十三万人、子宮がんの検診の受診者数が二百九十九万人という検診の状況になっているわけでございます。さらに六十一年度予算におきましては、これが強化を図るため、胃がんにつきましては受診者数を百十四万人ふやす、子宮がんにつきましては百四十九万人の増をする。あと検診車等の整備も図ることにいたしておりますが、今後とも早期発見、早期治療のための検診事業ということで、計画的に検診体制の強化を図ってまいりたいと考えております。 なお、御指摘のようにマスコミの協力は非常に重要でございまして、検診をやりましても住民の方が検診に来てくれないという面もあるわけでございますから、そういった面も含めまして、今後ともマスコミの協力を得ながら、あるいは各種団体さらには御指摘のように企業の協力も得ながら、国民ひとしく検診をし、がんについて早期発見、早期治療ができるような体制に持っていきたい、その方向で努力をいたしたいと考えております。
○滝沢委員 ありがとうございました。これは国が思い切った財政負担をしないことには成功しないと私は思いますので、今後ひとつ各省間で話し合って、閣僚会議等も持たれているわけでありますから頑張っていただきたいと思います。 ところで、さきに申し上げました診療体制、検診体制ともに充実しなくてはなりませんけれども、その中で私は何といっても大事なのは、各町村の末端の地域をめぐりまして検診していただいている移動検診車、これの充実だと思っております。特に乳がん、子宮がん等についてはそれが言われているわけであります。ところが、そういう面につきましてもPRが十分でなければ、いわば半義務的に検診をしていただくということにならなくちゃならぬと思うのでありますけれども、ただそこの中で、各地域より訴えていただいておりますことを申し上げるならば、検診車で検診を受けまして、これはちょっと要注意、大きい病院に行ってもう一度診ていただくようにという指摘を受けるわけであります。そうしました結果、なるほど大きい病院でまた診ていただきましたら、いや、本当に早く見つかってよかった、あるいはまた大変遅きに失したとか、いろいろのケースがございます。そしてもう一つありまするケースは、喜ばしいことではありますけれども、再診の結果は何でもなかった、お帰りください、これは喜びにあふれます。しかし、その間に受ける精神的ショックは並み大抵のものではございません。それとともに見逃していけないことは、実はそう言われたのだけれども、日々の仕事が忙しい、ないしは東北地方等の山間僻地に行きまするともう日帰りでは検診が受けられない状況の地域もあるわけでありまして、それらこれらを考えますと、経済的負担もまたこれにまつわるというようなことが現実の問題として大変苦労の種になってまいります。そういうことを思いまするときに、二つのことがここで指摘をされていいと私は思います。 一つは、一番最初の検診においてもう一〇〇%に近い確率で患者さんを掌握できるように、つまりは非常に性能の高い器材器具を配置していただかなくちゃならぬ。これはやはり財政負担にかかわりますが、重ねて申し上げるならば、移動検診車等をもっと性能の高い、そして、検診技師か何か知りませんけれども、そういう衝に当たっていただく職員の方々も高度な知識と技術を身に体していただかなくてはならぬということになると思うのであります。これが一つであります。これに対してどのような対策がありますか。 もう一つは、これらの人がさっき申し上げましたとおり要注意となりまして、一日がかりでないしは一泊の予定で都会の大病院に検診に行くということになりますると、そのときに送迎車の体制ないしは幾分なりとも交通費といいますか、そういうものを持っていただくとか、そういうこともやはり地域の状況によりましては市町村等との協力の中で考えていただかなくてはならぬのではないかと思うのでありますが、いかがなものでございましょうか。
○黒木政府委員 お尋ねの第一点は、がんの検診の精度を上げるように何か手だてを努力すべきではないかということだと思います。この点につきましては、御案内のように私どもはできるだけ多くの人を幅広くスクリーニングする必要があるということで、御指摘のように検診車等によりまして集団検診という方法で検診を実施しているわけでございますから、この検診の精度をどう高めるかということが非常に重要なテーマだと思っております。 このための対策でございますけれども、都道府県に成人病管理指導協議会というものを設置いたしまして、そこの検診に当たる人々に研修を行いまして、例えばフィルムの読影あるいは細胞診検査等の精度管理を高めるような指導・研修をやっておるということでございまして、このための予算措置につきましても対前年度比四八%増ということで、大幅に予算措置を増額をいたしているところでございます。 第二点の、検診を受けた結果、要精密検査、医療機関でがんであるかどうかということを検査確認をしてもらう必要が生じるわけでございますけれども、このために行く交通費等を援助してあげたらどうかという御指摘だと思います。確かに検診を受けた後、要精密ということになりますと、医療機関でさらに詳しく検査、診断を受けるわけでございます。この医療機関の検査は医療の一環として他の疾病と同じように医療として取り扱われておるわけでございますので、どうも現在のところはこれに対して特別な財政援助をする道は非常に難しいと考えております。
○滝沢委員 ですから、行政の立場におきまする発想の転換が必要なんですよ。私は大体ゼロシーリングとかマイナス一%のシーリングとかいうようなことが大嫌いなのであります。そのときそのときの目標と必要に応じて倍にするものは倍にしたっていい、ゼロにするものはゼロにしたっていい、もっと国の財政負担というものはそのときそのときの必要に応じて凹凸があっていいんじゃありませんか。それを各省庁、各部局に分かれている立場から言うと、それぞれことしはマイナス一%、ことしはプラス一%、ことしはゼロというものを基準にして考えますから、三十何%ふえていると随分ふえたという感じであります。しかし、がんを本当に国家を挙げて対策しようとするならば、倍にしたって決しておかしくないじゃありませんか。そういうようなことで発想の転換が必要だ。 例えば、今おっしゃいましたとおり、あなたは病気じゃありませんとなったのですからこれは出す道はない、保険はきかぬというような話、これはもっともであります。だから申し上げているのでありますから、そういう点が足りないよという意味で提案をしているわけでありますから、発想の転換がないことには、このことをも含めて国の一切の課題は解決しないもの、私はこう思うのでありますが、大臣いかがですか。
○今井国務大臣 今、現実の問題としてがん検診云々を局長が答弁いたしましたが、これはその道々で答弁をさせていただければそのとおりだと思いますが、今先生のお話しのようなこと、確かに大事なことでございまして、がん撲滅の対策をやろうじゃないかということを内閣が決めておるわけでございますから、今の御意見を十分踏まえましてひとつ検討させていただきます。
○滝沢委員 ところで、たばこはがんに、特に肺がんに影響すると言われておるようでありますが、これは学問的立場からいっても肯定できますか。
○仲村政府委員 たばこは特に肺がんに関係があるということで学問的にはもう既に定説になっておりますが、たばこは肺がんに限らず他のがんとの関係も言われておりますし、他の疾患との関係についても有害であるということが言われております。
○滝沢委員 たばこは体にいいなんておっしゃった大臣さんもいらっしゃったからお伺いしたわけではありませんけれども——そこで、先ほども未成年者のお酒飲みの話が出ておりました。私は少し観点を変えてこのことについて申し上げさせていただきますが、御存じのように、未成年者の飲酒禁止法と未成年者の喫煙禁止法というものが厳存じでございます。ところが、ことし私はある市の成人式に出席いたしました。初めの方はがんにもたばこにも関係ありませんけれども、この成人式で、市長の大演説を聞いておる者はだれもおりません、がやがやで終わりました。来賓席では、あの市長はばかだから、軍人恩給の団体へ行っても、区長さんの会合へ行っても、こういう若い人たちの会合へ行っても、同じようなことを言っているものだから聞かないのだと言うのですが、私は非常に不満でした。市長がばかか利口かは別として、これから投票権を得ようとする者が、市長が、あの道路はこうする、この体育館はこうすると言うのですから、これは耳をそばだてて、今まで大人だけがやっていたものがどうなんだという態度かと思ったら、そうでありませんでした。がっかりしました。そして私たちは、やじられるのも聞かれないのも困るから、簡単にあいさつをして来賓退場となりました。真ん中の通路を市長を先頭にして出てきました。扉を排して廊下へ出ました。私はそのとき驚きました。金欄緞子の長そでをめくり上げて、たばこをすっぱすっぱと吸っていたのはほとんど全部女、それが数十人の群れであります。成人式にはいろいろな方式がありまして、成人にことし一年のうちに達する者を祝うところもありますし、既に達した者を祝うところもあります。しかし私は、これらのお嬢さん方は成人に達せざるうちに随分とたばこを吸っていらっしゃった方々だな、こういうふうに思いました。来なければよかったな、これを見なければよかったなと思いました。 そこで、私はちょっと古い意識かもしれませんけれども、酒とたばこはやはり未成年には毒だという観点でこの二法が制定されている。悪法も法なりと言うのでありますが、私はこれは悪法ではないと思うけれども、悪法もまた法なりという精神は、大体悪か善かということは、自分に都合の悪い法律は悪法と言い、自分に都合がいいものは善法という。でありますから、よく労働組合の方で悪法だと言うと会社側では善法だということを言うのであります。しかし悪法も法なり、これを守る。これに対して信念や根拠があって抵抗するならば、本当は法の改正を叫んで改正になってからそれをやればいいのだけれども、せめて法の改正を叫びながら法を犯しているというならば多少は考える余地もございましょうが、法律のことは全然気にしない、そしてこの法律を恬然として破っている。それなのにどうして君は田中ロッキードを攻撃できるのでしょうか、私はよくこう言うのであります。これはいけない。これは破ってもいいということはありません。 そこで、私は、本当はきょうはこのことだけで費やそうと思ったのでありますが、警察庁からもおいでになっております。なぜに青少年が法を無視する状況にあるのだろう、このことをどのようにお考えでしょう。ひとりこの酒とたばこだけではありません、交通法規も破る者はほとんど若き者じゃありませんか。こういう点を思いますとき、私は非常に残念に思いまするのは、科学技術の水準が高まってくれば高まってくるに従って、ないしは経済の水準が高まれば高まるに従って、道徳の水準は下がっていくということであります。道徳の水準というのは何か、私はよく表現できませんけれども、罪に対する意識、悪に対する認識じゃありませんか。聖書にはこう書いてあります。人を殺すなど言われてきた。しかし私は言う。人を憎めば殺したと同じである。犯さないけれども、犯そうと思ったら犯したと同じだ、こういう水準に達すればこれは大変な道徳社会と言わなければならぬと思うのであります。ところが最近は、昔だったら絶対許せないことがまかり通るじゃありませんか。罪が値下がりしている、これは大変なことだと私は思うのですよ。そういう意味で、ひとつ警察庁におかれて、酒とたばこが今未成年にどれだけ消費され、そういうものをどれだけ補導してきているか。しかし、恐らくは補導されている量というものはまさに氷山の一角。 私は若い教師に聞きました。学校の先生の仕事の半分は、廊下やトイレに捨てられてある生徒が吸ったたばこの吸い殻の拾い方だそうでございます。事ほどさように教育界は荒廃している。なぜいじめですか。なぜ教育の荒廃ですか。酒やたばこは飲んじゃだめなのに飲まして、自分でそのたばこの吸い殻を拾っているような状況のふがいない教師のその中にあるんじゃありませんか。文部省からおいで願ったら、何か体育局長と学校保健課長、本当は道徳教育を担当する局長に来ていただかなければならぬと思ったのでありますが、そこら辺あわせましてお答えください。
○根本説明員 先生の御質問、大変広範囲なので私からお答えできる範囲は限られておると思いますが、第一番目にお答えしたいことは、未成年者が酒とたばこを飲んだり吸ったということでどのくらいの数を補導しているか、こういうことでございます。 昨年、六十年中でございますが、喫煙で補導しました少年の数は五十九万人ほどでございます。それから酒を飲んでいたということで補導いたしました未成年の少年は四万人ほどでございます。 それから、昔であればだめであった犯罪を最近になって大変社会が許容する。この原因でございますけれども、原因についてはいろいろな論議がございますが、この酒に限らずあるいはたばこに限らず、例えば万引きだとか自転車盗、こういった昔であれば大変高価でそういうことはなかったものが、社会的に大変ふえてきているという現実にございます。 そういうことで、この問題は大変難しいわけでございますけれども、今のお酒だとかたばこの問題については、一人一人の少年に、これはいけないことだ、法律にもいけないと書いてありますし、自分の健康にとっても悪いのだということをできるだけ認識させるような補導を私どもとしてはしております。ただ、私どもの力には限りがございますので、基本的には学校あるいは地域、それから保護者、こういう人たちに対して、みんなで子供たちを注意していかなければいけないといういろいろな啓発活動も行っております。
○下宮説明員 お答えします。 未成年者の喫煙対策でございますが、学校においては、日常における生活指導や生徒指導のほかに、家庭の協力も得まして、児童生徒の喫煙の早期発見と早期指導に努めているところでございます。また、最近の各種の調査によりますと、喫煙の低年齢化が指摘されていることもございますし、さらに、児童生徒の喫煙は健康に悪影響を与えるばかりではなく、非行など他の問題行動につながることもございますので、学校においては、教科の保健体育、特別活動の学級指導、ホームルームなどにおいて、たばこの有害性に関する指導の徹底を図っているところでございます。
○滝沢委員 そこで、先ほどもお話がありましたが、自動販売機をこのままにしておいていいのですか。お店の人は子供が買いにきたならば売らないようにしろという指導をしていらっしゃるのでしょう。ところが、自動販売機は年齢を問いません。そういう意味では、国は大変税金を取っていらっしゃるから大変魅力のある相手かもしれませんけれども、あのようなものは機械文明が人間をむしばむ一つのものだと私は見ているのであります。 私はよく知りませんけれども、コロンブスはアメリカ大陸を発見した、けれども性病とたばこを文明社会に持ち込んだと言うのだそうであります。ゆえにコロンブスは功罪相半ばすると言うのですけれども、アメリカ大陸をスコップを持っていってつくったわけじゃありませんから、ただ西洋人で初めて見ただけですから、その功績はほとんどゼロと言ってもよろしい。たばこと性病を文明社会に持ってきたのが本当にコロンブスの一団だとするならば、コロンブスの罪は万死に値するのであります。 そういう意味で自動販売機なんかは、悪法じゃありませんが悪機でありますから、ああいうものはやめにした方がいい、こういうことでありますが、いかがですか。
○根本説明員 酒とたばこは、未成年者飲酒禁止法あるいは喫煙禁止法、この二つで見ますと、自動販売機は機械でありますから相手が少年であるかどうかということはわかりません。そういうことで法の適用ができませんので、私どもの立場からいうと大変好ましくない状況だろうと考えております。 しかし、自動販売機が文明の利器だということで、今日の社会生活にとって不可欠になってしまったという事態もございますので、酒あるいはたばこの製造の方、それから販売の方に対して、子供ができるだけそういうものを買わないように、手に入れられないようにする自主規制をしてもらいたいということを、私どもとして関係省庁等を通じて今申し入れているところでございます。
○滝沢委員 自主規制にまつほど事態は甘くはないと思います。先ほども申し上げましたとおり、大体このことには役所みずからもルーズだが、学校もルーズなんです。それは何かというと、道徳の水準が下がったからであります。昔は、児童生徒がたばこを吸ったということは退学の対象となる。父兄が学校に呼びつけられて大変なおわびをして、謹慎を命ぜられるということでございました。今は、たばこを吸った経験のない児童生徒がいたならば、これは表彰に値するのじゃありませんか。それを見て見ないふりをする学校の状況、見て見ないふりをする自動販売機を置いておいていただく商店等の立場ということになるのじゃありませんか。これを自主規制だけで事態が好転すると本当に思っていらっしゃるならば、これは甘きに過ぎる。ここの場を逃れればいいと思って答弁されるならば無責任に過ぎると私は思う。企業がもうけようがために、国が税金を上げようがために青少年の肉体をむしばみ、心をむしばんではいけない、こういうふうに私は申し上げたいと思うわけであります。 なお、男の成人の方のたばこをやめなすった例は非常に多い。しかし最近は、女と少年の喫煙飲酒が非常に盛んだということを見ますと、なぜにこの子が二十歳になるまでに、お父さんもお母さんも学校の先生も先輩も、酒やたばこはどのように毒なのかを身をもって心を尽くして教える大人がいなかったものかと思いまして、その子供がかわいそうで、その子供を取り巻く周辺の大人の無責任を糾弾したい気持ちに私はなるのであります。 このようなことを踏まえまして、これは本当は文部大臣にきちんと答えてちょうだいすればいいのですが、おいでになりませんので、体のことだけをやっていらっしゃる下宮さんでありますけれども、大臣にこのことをひとつつぶさに御報告していただきたい。そして、ここでもう一言これらに対するお考えのほどを承りたい。あわせまして、これはしょせん青少年の健康にまつわることでありまして、厚生省として関係ありませんとは言えないことでありますので、そしてまた、子供をこうしておきまして、後で大人になったときに早期検診、そして肺がんを早期に発見しましょうと言ってもだめじゃありませんか。そういう意味で、厚生省からも一言お答えいただきたいと思います。
○下宮説明員 お答えいたします。 未成年者の喫煙飲酒の問題でございますが、先ほどもお答え申し上げたとおり、学校教育の面でも大変力を入れているわけでございまして、従来から酒、たばこの有害性につきましては、教師用の指導資料として、生徒の問題行動に関する基礎資料を作成するなど、さらに講習会等を通じて、教員の専門的知識や飲酒喫煙防止のための指導方法の向上にも努めてきているところでございます。特に喫煙の防止に関しましては、昨年度から三年計画で、小中高等学校別に教師用の禁煙指導の手引きを作成することとしておりまして、現在その作業を進めているところでございます。 今後とも、これらの指導資料の普及を図りながら、児童生徒にたばこや酒の有害性に対する認識を深めさせ、喫煙飲酒を防止するよう指導の充実を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○今井国務大臣 未成年者の喫煙等の問題、先生おっしゃるとおりでございまして、私どもが小さかったころと今の子供たちとは全く本当に違っているなという感じがします。それも一つは、やはり子供をしっかりとしつける親の考え方等々が随分変わっているのだろうと思うのです。そういう意味では、先生の先ほどの御所論、まことによくわかりますので、今後一層私ども先生の御注意を本当に受けとめまして、この問題について真剣に取り組んでまいりたい、このように思っています。
○滝沢委員 青少年対策本部としまして、本当に真剣にこれら青少年の心と肉体の健康を守る、よってもってこの青少年をして法を守らしめ、その中で合法的に健康に生きるという基本の考え方を植えつけるために、どのような情熱を持ってこれから取り組んでいただけるか、お示しを願いたいと思います。
○高岡説明員 御説明申し上げます。 青少年の飲酒や喫煙が青少年の健全育成上、まことに好ましくない問題であるというぐあいに私ども考えております。基本的には、こういう考え方から、総務庁といたしましては、昭和五十七年に非行防止対策推進連絡会議という関係十三省庁からできている会議がございますが、ここにおきまして非行防止対策の推進について申し合わせを行いまして、いろいろな国民運動等を通じまして、関係省庁と密接な連絡、協力関係のもとに、その防止に努めてきたところでございます。さらに、最近におきましては、昨年の二月、また本年の三月におきまして、これらの申し合わせ事項の中から三つの重点項目を選びまして、さらに関係省庁で、こういった重点項目について、鋭意それぞれの立場において協力して運動を進めていこうということで申し合わせをしたところでございます。 それから、飲酒問題につきましては、先ほど来いろいろお答えがございましたけれども、厚生省の方で審議会の答申を受けられましていろいろと検討しておられるという段階でございますので、私どもといたしましても、厚生省と十分連絡をとりながら対処してまいりたいと思っております。 なお、ちょっと余計なことになるかもわかりませんけれども、喫煙につきましては、私ども総務庁、それから日本たばこ産業株式会社、それから警察庁等と連名で、毎年三回ポスターをつくりましてこれを全国的に配布するなど、こういった具体的な活動もやっているところでございます。 いずれにいたしましても、先生先ほど来お話がございましたように、最近の青少年の規範意識が低下しておるということは私どもの調査結果からも明らかになっているところでございますが、地域社会の教育機能あるいは学校あるいは家庭において、それぞれの立場において私どもそれぞれの対策を講じてまいりたいと思っておりますので、またいろいろと御指導賜りますようよろしくお願いいたします。
○滝沢委員 文部省学校保健課長さん、それに青少年対策本部次長さん、御苦労さまでした。警察庁さんも御苦労さまでした。 さて最後に、これは実は分科会でも申し上げさせていただいたことでございますが、大臣、児童館に大変精力的に取り組んでいただきまして、ことしは何か九十館の建設を予定していただくそうでありますが、既に今まで合わせれば百二館運営されているそうであります。これに対して、分科会でも申し上げましたが、建築費の補助に該当することのできなかった児童館、しかし市町村長さんの立場において判断すればどうしてもこれは建設しないわけにはいかない、これが地域の生活の実態から来る要望だというときに、市町村長さんが御判断されてみずからの力でこれを建設をされた場合に、建設費の補助金が査定漏れになったために運営費の補助金もちょうだいできないということは余りにも酷ではなかろうか。むしろ役所的な見解からいうといろいろあるのでありましょうが、世俗的な立場から判断すれば、建設費の補助には残念ながら該当することはできなかった、ならばせめて運営費の一部分なりともお手伝いしようじゃないかというふうになるのが世の常識というものだろう、こういうような気持ちで分科会で申し上げさせていただいたのでありますが、そのとき大臣からも局長さんからも、前向きにひとつ検討しましょうというお答えをちょうだいしているわけでありまして、これを伝えましたところ、関係者もこれに対して大変期待を持っておいでなのでありますが、重ねましてこれに対しての御見解、そして具体的にどのような方向にこれを検討してちょうだいできるものか、承らしていただきたいと思います。
○坂本政府委員 児童館の運営に対する補助の問題でございますが、国といたしましては、各地域において行われております児童館の運営に対し、児童の健全育成の立場から奨励的な補助を実施しておるわけでございます。 そこで、今児童館の運営費補助について御提言がございましたが、私ども、過日衆議院の予算委員会分科会においても先生からその御提言をいただきましてお答えしておりますとおり、六十一年度におきまして運営費の補助については見直しを行いたいと考えておりまして、実際に各地域においていろいろな面で有効に活動をしておられる児童館については、できるだけ補助を実施していきたいということを主眼に検討を進めているわけでございます。 具体的にどういう考え方で検討しているかということでございますが、補助の対象とすべき児童館といたしましては、例えば家庭環境あるいは地域環境などにいろいろ問題があって特に指導すべき児童の多い地域でございますとか、あるいは留守家庭児童が非常に多い地域、あるいはその活動の内容において健全育成上極めて有効な活動が熱心に行われているような施設、あるいは児童厚生員が二人以上配置されていてやはり児童の健全育成について熱意を持って運営されているというような施設、あるいは開館時間につきましても各地域の実情に応じてその配慮がなされているような施設、こういうところというものはやはり児童館といたしましてできるだけ助成をいたしたいと考えておりますので、ただいま先生から御提言がありましたような方向について実施ができるよう検討を進めておるというのが現在の段階でございます。
○今井国務大臣 今局長から答弁いたさせましたが、この運営費の補助につきましては、先生からも御質問を受けまして、六十一年度におきましては全面的な見直しを行いまして、そして、今いろいろ申しましたが、一定の条件のもとでひとつ皆さんの御要望にできるだけ沿えるようにしようじゃないかということで、今地域の実情に応じた対応に努めておるところでございますので、ひとつそのような御理解をいただきたいと思っております。
○滝沢委員 大変前向きの御返事を重ねてちょうだいしまして、喜ばしく思います。どうかひとつそのようなことで、今市町村が置かれている財政的な窮状にかんがみ、さらには具体的に、それがいかほどの経済の援助につながるかどうかは別としまして、いわば精神的にも厚生省は市町村の苦労を十分にわかっているんだよという姿勢を示していただく意味におきましても、できれば年度内に結論を出していただきまして、補正というようなときにおきましてでも若干なりともその恩典に浴し得るように、ひとつそんなことでいわば認知をしていただきたいというふうに希望申し上げまして、私からの質問を終わります。 委員長、御苦労さまでした。大臣、どうも御苦労さまでした。和田委員にかわらせていただきます。
○志賀委員長 関連して、和田一仁君。
○和田(一)委員 この際、若干脳死問題等についてお尋ねしたいと思います。 最近ライフサイエンス、生命科学というものが大変急速に進歩をいたしておりまして、特にバイオテクノロジーというような分野では我々の命の一番根幹である遺伝子の組みかえ技術、こういうものも非常に急速に開発をされているようでございます。一体、命とは何だ。命とは何か物質の集合体である。デオキシリボ核酸、こういった物質の集合体であり、そのDNAを見る限りにおいては、我々のDNAもあるいは大腸菌のDNAも皆同じようなものであって、そのDNAの組みかえいかんによって非常に新しい分野が開拓されていく。こういうような時代でございまして、遺伝子組みかえ等について伺いますと、我々素人では一体どうなっていくであろうかというような危惧の念を非常に抱くほど急速に、また生命倫理の根幹に触れてこういった問題が開発されている、こういう時代でございます。 そこで大臣、国民の一番大事な健康や医療の問題について担当されておられるお立場から、医療技術がこういった背景の中で急速に進歩していくということは大変喜ばしいことだと私は思います。従来非常に難しいとされていた病気も、こういったことによって克服されて、病者に新しい希望を与えるということは大変結構なことだと思うわけでございますが、その一つの中に臓器移植ということが非常に盛んに行われるようになってまいりました。臓器を入れかえることによって、今まではだめとされていた者も健康を取り戻して社会活動がまたできる、こういうようになりつつあるわけですが、このいわゆる臓器移植の時代になりつつある今日、こういう時代に、こういった移植をさらに進めるために、今いろいろ言われている脳死の問題であるとかあるいは医の倫理の問題であるとか、こういう基本的な問題について厚生大臣としての基本的な御見解をまずお伺いしたいと思います。
○今井国務大臣 まず、私の基本的な考え方を申し上げたいと思います。 科学技術の進歩及びこれに伴います医学医術の進歩によりまして、これまで助からなかった命が救われるといった、こういう恩恵ははかり知れないものがありまして、今後ともこの傾向が続くものだと私は考えております。 ただ、今の根源にかかわります問題についてまで人の手が及ぶということにつきましては、これはさまざまな意見もありますことから、こういった問題につきましては、国民の考え方が十分踏まえられた形で進んでいくことが極めて望ましいというふうに基本的に考えているものでございます。
○和田(一)委員 そういった時代の中にあって、従来日本では人の死、個体の死ということについて、これをきちっと定義をしている法律上の規定というものは我が国にはないというふうに私は理解しております。では現実にはどうなっているかと言えば、お医者さんが脈をとりながら、いよいよ御臨終でございます、こう言って宣言をすることによって死が認定をされている。お医者さんが書く死亡診断書の日時がそのまま法律的にはその人の死となる。つまりそれで人の一生の終わりとなる、こういうことで来ていると思うわけですね。そのお医者さんが御臨終でございますというその判定をする基準というのはいわゆる心臓死、つまり心停止、それから呼吸の停止、さらには瞳孔の散大、いわゆる対光りの反射の喪失、こういった三つの徴候を総合的に判断して、御臨終でございますということになっていたと思うのですね。そこで最近は、この死、いわゆる我々が感じております死というものと違って、脳死という言葉をよく見聞きするようになりましたけれども、一体脳死というものはどういうものなんでしょうか。
○竹中政府委員 先生お話しのように、従来はいわゆる死の三徴候ということで死亡が判断をされておったわけでございます。御承知のように展近の医学医術の進歩によりまして、特にレスピレーターを使うことによりまして、いわゆる脳死の状態の人がなお心臓が動き、呼吸が続くというようなことになるわけでございます。脳死は脳幹を含みます脳全体の不可逆的な機能停止、これが一般的に脳死ということの定義でございます。
○和田(一)委員 それはいわゆる死と考えてよろしいのですか。
○今井国務大臣 脳死の定義は今局長が御説明したとおりでございますが、私は、脳死をもって人の死とすることができるかどうかという問題については、これは国民の各層におきます非常に広範な議論の結果として、国民的な「そうなんだ」という合意がそこに必要だろう、基本的にそう考えております。
○和田(一)委員 確かに一般的に、我々は死というものに対しては、お医者さんとしての専門の立場から判定を下しておって、それで国民としてはそれを死と認めてきているわけですが、新しい科学技術やいろいろな医療機器が発達することによって、今局長が説明されたような、さかのぼって回復することのない、いわゆる不可逆の状態に入るということは非常にふえてきたわけですね。そういった状態をすべてのお医者さんがそういうものは心臓死と同じような状態なんだということになると、これは死になっていくのでしょうか、どうでしょう。それをお医者さん全体がそういうふうに一致した見解を持つようになれば、これは今の心臓死と同じようなことになるのかどうか。
○竹中政府委員 脳死をもって死とするかどうかということであろうかと思いますが、脳死をもって死とするかどうかということは、単に医学医術だけの問題ではないわけでございます。せんだって研究班でつくっていただきました脳死の判定基準でございますけれども、これは脳死であるかどうかということを医学的に判断をするその基準というわけでございます。脳死をもって死とするかどうかということにつきましては、今申しましたようなことで、医学以外に宗教、哲学あるいは遺産相続の問題その他、いろいろの問題が関係をするわけでございますので、私どもといたしましては、まずもって医学者、医師の間で脳死をもって死とするというコンセンサスができるということが一つの問題でございますけれども、やはりそれだけでは脳死をもって個体の死とするわけにはいかないのではないか、国民全体のコンセンサスが要るのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 私はそこをお聞きしたわけで、今の心臓死についても、国民にとっては専門ではありませんからわからないですね。お医者さんが御臨終ですと言っても、まだ足の裏が温かいとか死んでないのではないかという疑念を持ちながら、専門家が宣言をすればそれに従っているというのが一般的ではないかと思うのです。同じように脳死というのが医界としてお医者さん全体に認知されるような、例えば今おっしゃったようなこういう報告書に書かれるような一つの基準がきちっと定められて、そしてお医者さんとしてそれはもう脳死だという判定ができるということになって、はい、脳死ですよ、こう言われたときにはこれは心臓死と同じですよ。お医者さんの世界で全部それが死だというふうになってきたときには、これは国民としてはコンセンサスとならざるを得ないのではないかという感じがするので、そこをお聞きしたわけなんですが、どうですか。
○竹中政府委員 心臓死につきましては確かに先生のおっしゃるような面もあろうかと思います。しかし、人間が死ぬというのは心臓がとまって呼吸がとまるんだというコンセンサスというものは、従来、医師だけでなしに国民の間にあったと思うわけでございますし、また、心臓がとまる、呼吸がとまるというのは割合一般の方々にも理解をしていただきやすい事柄であろうかと思うわけでございます。 ところが、脳死につきましては、御承知のようなことでレスピレーターを使うわけでございますけれども、なお心臓が動いておる、あるいはレスピレーターを通じて呼吸は続いておるという状態でございますので、医師の判断、医師のコンセンサスと国民のコンセンサスというものが、心臓死の場合に比べてさらに乖離をする可能性があるのではなかろうか。そういう点で、先ほども医学医術、つまり医師のコンセンサスだけでは足りないので、国民全体のコンセンサスというものが脳死を死とする場合に必要ではないか、心臓死の場合よりもより必要ではないかということを申し上げたわけでございます。
○和田(一)委員 大臣、さっきから答弁されたいような雰囲気ですけれども、大臣には大臣のお考えがあるのではないかというような気がするのです。——それでは、厚生省の脳死に関する研究班はどういう目的でこういう研究をなさって発表されたのですか。
○竹中政府委員 脳死という問題が新たに生じたわけでございまして、脳死をもって死とするかどうかという国民のコンセンサスがどっちへ動くかということであるわけでございますが、私ども行政当局といたしましては、国民に判断をしていただくための材料というものを十分提供する必要があるのではないか、その一つが生命と倫理の懇談会、これは昨年九月に報告書をいただいたわけでございますが、その懇談会におきまして、脳死あるいは臓器移植といった問題について、現状はどうであるのか、それからまた問題点はどういうところにあるのか、どういう意見があってどう対立しておるのかということを整理していただいたわけでございます。それから、脳死をもって死とするかどうかという最も医学的な基本になりますのは、脳死というものが医学的にきちっと判断できるものであるかどうかということが一番問題でございますので、現時点において脳死の判定基準というものがきちっとつくれるのか、つくれるとすればその内容はどういうものであるかということを研究班にお願いをいたしたわけでございます。医学的な問題と同時に、国民が議論をされコンセンサスが生まれていく材料をきちっと提供する、そういう二つの目的を持ってこの研究班にお願いをいたしたわけでございます。
○和田(一)委員 私は、厚生省が予算をつけてこういう研究班をつくって、脳死問題についての基準やら一つの指針、ガイドラインを示した、こう思うのですね。行政がそういう指針を国民に示した。国民に対して、こういうものを国民が見ることによって、脳死が医学的に一つの死として認められていくというその判断材料に出したのか。そうすると、今臓器移植をすれば助かるのだという病者がいるわけですね。そういう人たちにとっては、こういう状態を役所が判定基準として出しているということになると、その判定に合格しているケースであるならば臓器移植が可能なのかという希望を持つのじゃないかと私は思うのですね。 例えば私が今死んだ場合に、自分の心臓、肝臓、腎臓、角膜、こういったものを提供したいという臓器提供の意思をはっきりしておいたといたしますね。遺族もそれをとめないということにきちっと合意しておいて、そして不幸にして私が脳死になったときに、私の意思は、今の状態ではどなたにもこの心臓を差し上げるわけにいかないのでしょう、肝臓を差し上げるわけにいかないのでしょうが、今役所が脳死というものをきちっと基準を決めて、判定者にこういう判定をしなさいということまで決めてくると、そういう提供者のあることを待っている病者は、間もなくそういうことになるかなというふうに感じはしないかと思うが、いかがでしょうか。
○竹中政府委員 今回の研究班の脳死の判定基準は、先ほど申し上げましたように、医学的に脳死と判定するにはこの基準によるのがよいということでございまして、先生お示しのごの研究報告書の中にも、この報告はそういうことであって、脳死をもって個体の死とするかどうかというのはこの研究班では研究の対象の外である、それはこれからの問題であるとはっきり書かれておるわけでございます。 私どもも全くそのとおりに考えておりまして、今回は脳死の判定はこれによる、したがって各医療機関あるいは大学等でこれが脳死であるかどうかという判定をされる場合には、この基準に準拠をしていただきたいということを申し上げておるわけでございまして、これでもって脳死を個体の死とするということでは決してない、それはこれからの問題であると考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 大臣、こういった臓器移植が世界ではどんどん行われるような状態の中で、我が国の臓器移植について諸外国と同じような方向にいくものかどうか。いかがなものでしょうね。
○今井国務大臣 私も、この問題については最近随分いろいろな意見を聞いておりまして、まず普通の角膜だとか腎臓のような、心臓死の段階の問題については先生はお尋ねでなかったですから、これは大体政策的に皆さんが納得されて推進しているわけでありますが、今の脳死の状態でないとできない例えば心臓などの移植の場合でございますが、これはやはり脳死についてまず国民の過半数の合意が得られて、皆さんがそうだとおっしゃらないとなかなか、にわかにするということについてはいかがなものだろうという感じは私は持っております。
○和田(一)委員 私は、やはりそれはそのとおりだと思います。医学的に判定する死というものと、それから我々個体の死ということとは必ずしもイコールのものではないという御見解のようで、やはり背景には国民のコンセンサスが必要だ、これは私もそのとおりだと思います。 ただ、最近の医療技術が非常に発達してきて、脳死状態になって、これは脳死ですと家族がそう言われて、しかし生命維持装置をすれば呼吸作用は続いているときに、人間としての尊厳死の問題も含めて、脳死ならば、先生、もうどうぞその生命維持装置は外してくださいという遺族がふえつつある。現に現場では約二〇%ぐらい、そういう意味で遺族の意思によって生命維持装置が外されているということも聞いておるわけなんで、そうなると、それはそれなりに、生命維持装置を外したから殺人行為であるというようなことにはつながらないと私は思うわけです。そういう意味で、脳死判定の基準を示された中では、臓器移植ということも次第に真剣に考えていかなければいけない時期ではないかと思うのです。 そこで、この間、総理府が一万人もの人に対していろいろなアンケートをとったようでございまして、新聞で拝見いたしました。その中で、大体国民の脳死に対するとらえ方等が出てきております。それはそれとして、もう時間がありませんので一つだけお聞きしたいのは、自分が死んだら自分は自分の臓器を提供していいか悪いかという調査に対して、いわゆる臓器提供者、ドナーになるという意思を回答した人は四一・三%ですか、という数字が出ておりました。これだけの人がやはり自分が死んだならば自分の体の一部が新しい命のために役立つならば提供していい、こういう人たちがあるわけですが、そういう人たちがあるにもかかわらず、現実にドナーカードできちっと自分の意思をあらわしておる人の数が、伺うと非常に少ない。国民全体からいえばわずかO・何%というような数字だと聞いておるのですけれども、そうであるならば、もう少しこういった意思の人々にその意思がきちっと伝わるようなドナーカードのつくり方等について啓蒙的な行政をやるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○仲村政府委員 腎臓移植の問題は、確かに我が国は非常におくれておるということで私ども考えております。それから、ただいま御議論のございました脳死とは直接関係なしに腎臓の場合には移植が可能でございますので、おっしゃったような問題は私どももまだPRが足りないというふうにも考えておりますし、腎臓バンクの数の問題もございますし、そういうことを全部含めましてさらに私どもなりのPR活動を深めていかなくてはいけないと思っております。 その一環でもございますけれども、今年度から移植の推進月間、仮称でございますが、それを設けまして今のような周知徹底の方法も図るようなことも工夫しておりますので、今後できるだけ腎臓移植について私どもは普及を図ってまいりたい、このように考えております。
○和田(一)委員 アメリカあたりではこういうことに対してはもう少しやり方が工夫されていて、免許証の裏にドナーカードに匹敵するようなシールを本人の承諾で貼付してあれば、これはそういう意思の人だということがわかるようにもなっておることも聞いておりますので、できるだけ献血運動と同じように、そういう人たちがいるんですから、積極的に、どうしたら自分がそういう立場になれるかを、献血運動も日赤を中心にああやって街頭に出てまでも献血のやりやすいような方法をとっておるわけなので、そうでないと日本人は血までよそから買って医療をやっているというようなことになってしまうので、こういう腎バンクについても、US腎というのは最近は少なくなったようですけれども、そういう提供者になりたいという人は多いのですから、それに対して行政としては積極的に取り組んでいただきたい。 大臣、どうぞひとつ予算の面で足らなければ大臣に頑張っていただきまして、そういう面での施策を進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。私、大臣にお尋ねして終わりたいと思います。
○今井国務大臣 今までの御議論を踏まえまして、今後私なりに努力をしてみたいと思っております。
○和田(一)委員 ありがとうございました。終わります。
○志賀委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 今井厚生大臣にお尋ねをいたします。 今回の厚生省設置法の一部改正案は、さきに厚生省が発表した国立病院・療養所の縮小再編成を行うための法律的な条件整備を行うものでありまして、到底容認することができないものであるということをまず最初に申し上げておきたいと思います。 政府は、国立病院・療養所二百三十九カ所の施設を統廃合して、十年間で百六十五カ所にするという国民医療の切り捨て計画を発表しておりますが、国立病院等の再編成に伴う特別措置法、これが病院の資産や財政面からこれを促進する、この厚生省設置法の一部改正が行政機構の面からこれを促進しようとしているものでありまして、まさにこの二つの法律案は国立病院等の統廃合促進の車の両輪とも言うべきものであります。この点につきましては次回に柴田議員が質問をいたしますので、私は、この法案の附則で児童福祉法の改正が盛り込まれておりますので、この点について最初に若干御質問をいたしておきたいと思います。 現行の児童福祉法の適用を受ける肢体不自由児と重症心身障害児、この委託は国立医療では国立療養所だけに限られているわけですね。これを今回の改正で、大臣が指定する国立病院また国立高度医療センター、こういうところでも委託ができるようにするという法律改正と理解しているのですが、それでよろしゅうございますか。
○坂本政府委員 お尋ねの附則における児童福祉法の改正の趣旨は、現在重症心身障害児あるいは筋ジストロフィーの肢体不自由児を実際に入所させて治療を行っております国立療養所におきまして、この設置法の改正案の中で、例えば具体的には国立武蔵療養所が組織上は国立高度専門医療センターとなるということに伴いまして、児童福祉法の方でも現在の重症心身障害児あるいは筋ジストロフィーの入所の根拠を明確に関連づけて支障のないようにいたしたい、こういう考え方で行うものでございます。
○三浦(久)委員 筋ジスや重心の患者というのは非常に長期の治療が必要ですね。そして児童には教育を受けさせなければなりません。療養所というのは一般的に言えば病院よりもかなり広い、そして環境もいいので、教育とかそういうものには病院よりもまさっているのじゃないか。いわゆるビル型のああいう中に突っ込んで治療する、教育をするというよりも、環境ははるかにすぐれているのじゃないかというふうに思うのですけれども、病院の方が療養所よりも環境がよく、患者のためになるというふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○木戸政府委員 一概には申し上げられませんが、今まではすべて重心、筋ジスの患者の方々は国立療養所におられたわけでございます。今後、国立病院・療養所の再編成によりまして、地域の実情によりましては、国立病院の中でそういう患者さんたちをお預かりするということがあるわけでございますが、病院の場合の方が一般的な医療が受けやすいという面はあるかと思うわけでございますが、一概に病院だから環境がよくないというようなことはありませんし、また、これからはそういうことがないようにしていかなければならないというふうに考えております。
○三浦(久)委員 今回の国立病院・療養所の統廃合では、重心や筋ジスが併設されている療養所、これと病院を統合するというケースがありますね。それからまた療養所と療養所を統合する、そして病院にしていくというケースがありますね。それぞれ具体的にどういうケースがあるのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○木戸政府委員 このたびの病院・療養所の統廃合によりまして、重心を持っております施設が関係するところが全部で二十八あるわけでございます。その中には、療養所と病院の統合によって病院になるというのが五カ所あるわけでございます。
○三浦(久)委員 では、もういいでしょう。例えば郡山病院と福島病院が統合するとか、具体的にいろいろあるでしょうが、それはもう御返事いただかなくてもいいでしょう。 結局、この児童福祉法の改正というのは、筋ジスとか重心の児童の受け入れ先を拡充するというようなためではなくて、病院、療養所の統廃合を行う場合に、委託先を療養所だけに限定をしてしまいますと統廃合の障害になる、それで大臣が指定する国立高度医療センターとか国立病院、そこにも委託できるようにしたものだ、いわゆる統廃合促進の一環だというふうに理解しているのですが、それでいいわけでしょう。どうですか。
○木戸政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
○三浦(久)委員 大臣、私は昨年の五月のこの内閣委員会でも、国立病院・療養所の統廃合問題について質問をいたしております。 それで私は、この国立の医療を高度・先駆的な医療とか政策医療とかそういうものだけに限定をしてしまって、そして地域的な医療を切り捨てるということは、これは国民の健康と命にとってゆゆしい重大事だということで質問をいたしたわけでありますが、今度またこの全体計画がことしの一月九日に出てきましたね。これを見ますと、私どもが懸念したとおり、戦後、国立病院・療養所がずっと担ってきたこういう地域医療、僻地医療をばっさり切り捨てているのですね。これには私も本当に憤りを禁じ得なかったわけであります。 もちろん私どもは、この高度・先駆的な医療とか政策的な医療というものにうんと力を入れるということは当然のことだと考えています。だからといって、地域医療から撤退するというような方針をとるなどということは、全く政治というものを何と考えているのか、国民の健康や命というものをどう考えているのかということですね。 それで、皆さんたちも今までずっと言っておったように、国立病院また療養所というのは、その地域における医療の中核的な役割を果たしてきていたわけです。現にそこには、一つの病院に何百人と入院しているわけですよ。そして多くの地域の人々が、ああ、近くに国立があるから困ったときはすぐ飛び込める、そういう安心感も持っている、非常に信頼をされて国立病院とか療養所というのは今まで運営されてきているのじゃないですか。そういうものを、まさに生木を裂くというような生易しいものではないですね、廃止して寝ている病人をどこかへ送り込んでしまおうというわけですから。こんなことは私は絶対にできないと思うのです。 例えば、皆さんたちが三月三十一日に廃止しようとした長寿園、これでも七十歳以上の患者さんたちがあれだけ大きな抵抗をしましたね、地域の人々もあれだけ大きな抵抗をした。皆さんたちが予想しなかったような大きな抵抗だったろうと私は思う。ですから、名前は変わっても、組織変更はあっても、今のまま当分存続をせざるを得ないということになっておるのです。あの闘争の中で、長寿園のお年寄りたちは何と言いましたか。僻地に住む年寄りは死んでいいというのが政府のやり方だ、人殺しの行政改革じゃないか、こういう叫び声を上げたのですよ。私は、大臣、こういう長寿園の患者さん、またあの長寿園の廃止に反対をして闘った多くの地域の人々、こういう人々の闘いについてどういう御感想をお持ちになっていらっしゃるのか、まずお尋ねしたいと思います。
○今井国務大臣 私は、長寿園の問題については地域の住民の方々の御意向もよく承っておりますが、やはり今度のこの国立病院・療養所の統廃合というの陰、現在の極めて厳しい行政改革等の問題もこれありますが、やはり現在の国立病院・療養所が抱えております現在人員あるいは機材の中で、それをどういうふうにしてうまく皆さんの御要望をかなえていくことができるか、この新しい医療、新しい技術等によってどんどん世の中が変わっていくわけですが、それに対してそれをどうマッチしていくかということを考えるときに、現在のままの形でそれをやっていくことはなかなか難しかろう、何となれば人員、機材等についてもなかなか我々が思うとおりにこのごろ調達できないわけでございますから、そういう環境からいえば、やはりその整理統合といいましょうか、ひとつ持てる力を集約して大事な問題だけはどうしても国がやる。そして、特に最近の一般医療というものは戦後の状況から考えれば随分変わってまいりました、そういうふうなものをあわせ考えて、国がやらねばならない問題は何と何だろうかということをきちっとふるい分けをして、今度の問題について私どもが決断をしたものでございまして、その一環として今の問題が出てきたというふうに御理解をいただきたいと私は思っております。 しかし、この問題は、地域の医療に大変になれ親しんでいただいた皆さん方に十分御理解を得なければいけませんから、随分私は繰り返して皆さんによく御説明をし、また御納得いただくように努力をさせたつもりでございますが、それについての御理解がなかなか最後まで得られにくかったということもあろうかと思いますが、しかしそれは私どもが努力しなかったわけではないのであって、した結果でありますが、今までの愛着を非常に強くしていただくことによって、なかなかぴしゃっとした御理解が得られなかったということであろうと思います。 しかしながら、私どもは、その問題についてはやはり住民の方々と話し合いながら今後ともやっていかなければいかぬだろうというふうに考えておりますので、本体は移しましたが、後医療の問題で皆さんの御意見を承りながら引き続いてやってまいろう、皆さんとお話し合いをしてまいろうという形でおさめたものでございます。
○三浦(久)委員 大臣、大臣は国の医療としてもっと大事なことに力を入れるのだと言われたが、すると地域医療というのは大事じゃないのですか。現実に病院に入院している人がいるんですよ。外来患者もいっぱいいるんですよ。それが大事じゃないなんということは私は絶対言ってはならないことだと思う。だから後医療という問題だって皆さんも考えられているわけでしょう。その地域にその医療が必要だからこそ、皆さん方は後医療ということも考えていらっしゃるわけだ。ですから、何で国立の医療としてその地域医療ができないのかということですよ。ましてや現在入っているのですから、入院しているのですから。 私、弁護士時代にこういう経験があります。北九州市が第二松寿園という結核の病棟を廃止する、こう言う。そして、朝七時ごろ職員三百人ぐらいをバスで連れていって、強制的に患者さんを一つの棟に運び入れようとしたんですよ。私らそういう情報を聞いておりましたので、弁護士として私もすぐ駆けつけました。そして、事務所にいる弁護士とも連絡をとりながら、ついに昼ごろですけれども、強制的に患者を病棟の外に搬出してはならない、そういう仮処分をとったことがありますよ。こんな仮処分は前代未聞だと思います。しかしこれは、現在療養でもって入院している、病気で入院しているそういう人々を病棟から追っ払うということが、いかに非人道的なことかということを裁判官自身も認めたからだと私は思うんですね。ですから、地域の人にうんと親しまれているそういう地域医療の中核としての病院、療養所、こういうものを統廃合するというのは全く命よりも金だ、そういう論理があるからだというふうに私は思わざるを得ないわけであります。 大臣、今自治体のほぼ九割に当たる二千九百三十六の自治体が、療養所また病院、こういうものを統廃合するのは反対だという決議を上げていますね。これは御承知だと思いますが、こういう自治体が地域住民ぐるみ反対をしている、そういうことについてどう思われますか。この自治体の決議というものをどういうふうに尊重されていかれますか。
○今井国務大臣 私は先ほどから地域医療が大事じゃないなんということを一言も言っていないつもりでございますから、先ほど地域医療を軽視するようなお話がございましたが、私は地域医療が決して軽いもの、どうでもいいものなんということを言ったつもりはさらさらございません。その点については私もはっきり申し上げておかなければいかぬと思います。地域医療は極めて大事でございます。 しかしながら、全部を国がやるのはなかなかできません。これは人員、器材の問題等でだんだんと難しくなってきております。そこで国立あるいは公立、私立が適当に役割を分担していかなければならぬ、そういうふうにだんだんなってまいってきておりますので、国はやはり国らしいものをやっていかざるを得ませんということを申し上げたつもりでございます。 それから全国知事会の要望等でございますが、やはり再編成に当たりましては地元と十分に協議したい、協議いたしますということを私は再三再四申し上げているわけでございまして、私どもの意向をよく皆さんにもお話しをして、そして地元の方々の御納得をいただいてやってまいりたいと思います。ある日突然やるなんということをするつもりはないということを私は繰り返して申し上げたつもりでございます。
○三浦(久)委員 地域医療を国の医療機関が全部やる、そんなことは不可能でしょうね。大臣、私はそんなことを要求しているのじゃありません。私は今、国立病院としてやっている地域医療から何で撤退するのだということを言っているのです。 それから、全国知事会の問題を今言っているのじゃないのです。もちろんそれもありますよ。しかし、全国の九〇%を占める二千九百三十六の自治体が議会でもって反対の決議を上げてきているということ、このことについてどうお考えになっていらっしゃるのかということをお聞きしているのです。
○今井国務大臣 これはやはり国立の病院、療養所が随分長い間地域の方々になれ親しんでかわいがっていただいた、そういう愛着の気持ち等々がありまして、皆さんがこれはやはり守ってほしいというお気持ちであろうと思います。しかし、先ほどから申し上げますように、この厳しい情勢下でありますと、それぞれが全部並立して国として十分な医療活動ができるかどうかとなりますと、それが極めて難しい事情でございますので、やはり幾つかを統廃合することによってより皆さんに喜んでいただくものにしたいということでやっているわけでございます。
○三浦(久)委員 それがちっとも住民が喜ぶものになっていないのです。十カ年計画をつくるなら、今の病院をちゃんと地域医療の中核として育成しながら、同時に、高度先駆的な医療とか政策的な医療とかに力を入れていけばいいじゃないですか、十年間あるのですから。それを、こっちの高度先駆的な医療とか政策医療に力を入れる、それで地域医療から撤退だなんて、そういう方針というのは全く間違っておる。財政事情が厳しいといったって、どんどんふえているものがあるでしょう。軍事費なんというのはどんどんふえていっているわけですから。ですから、国民の傘とか健康というものに直接関係しているこういう病院の統廃合なんというのは、私は絶対にやってはならないと思う。 大臣は大臣ですけれども、大臣も私も同じ国民から選ばれた代議士という点では一つ共通点がありますね。大臣は、御自分の出身地である愛媛県は統廃合の対象になっていないとさっきおっしゃいました。それは、おれが大臣をやっているからじゃないのだ、こうおっしゃいましたけれども、私もそうだと思います。しかし、愛媛の国民だけが国立病院を必要としているのじゃないのですよ。多くの国民、全国各地の国民が、この自治体の決議に見られるように国立病院は必要だと考えているのです。それから僻地なんかどうしますか、離島はどうしますか。そういうものまで金がかかるからといって切り捨てるなんということは、政治家として絶対にやるべきことじゃない。そういうところに、全国的な観点でもって予算を組み、そしてきっちりと国民の命や健康を守っていくというのが政治家としての役目だというふうに私は思う。ですからこそ、多くの国民が、残してくれ、残してくれと悲痛な叫びを上げているじゃありませんか。こういう国民の悲痛な叫びに対して大臣はどう思われますか。
○今井国務大臣 先ほどから申し上げますように、私は皆さんの声に耳をかさないと言っているわけでは決してないのです。皆さんと話し合いをしましょう、しかし国家財政上、私どもはできることとできないことがいろいろあるものですから、そういうことを御説明をしてこれは納得していただかなければならぬということを私は絶えず申し上げているところでございまして、一方的に、ある日突然、起きてみたら病院がなくなっていたなんということをするつもりはさらさらありません。やはり話し合いでいこう。これは何遍も繰り返して言っていることです。 私どもはやはり、こちらが本当にやらなければいかぬことを真心を持って御説明をし、後医療はこうしますということをよく御説明して御納得をいただく。私は十分御納得いただけるものだと思って一生懸命やっているわけで、一遍にできなければ二遍、二遍でできなければ三遍やりたいと思います。
○三浦(久)委員 それではお尋ねしますが、昨年の三月の基本方針の中で、「国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていかなければならない。」ということを言われておりますね。この「国立医療機関にふさわしい役割」というのは、具体的にはどういうことなんでしょうか。
○今井国務大臣 具体的にとおっしゃいますから申し上げますが、例えばがんであるとか循環器病といったような分野におきます、よくあります言葉では高度先進先駆的医療、それから結核であるとかハンセン氏病など、国が中心的な役割を果たさなければならぬということが歴史的にもまた社会的にも要請されている疾病に対しまして実施する医療、あるいはいわゆる難病、原因が何かわからなくて悩んでいらっしゃる難病等の医療、それから国際医療協力、そういった政策医療を実施することがまず極めて大事なことでありますが、そのほかにも、臨床研究であるとかあるいは教育研修と申しましょうかそういうこと。いわゆる国立の医療機関としてふさわしい役割を果たすべきものはそんなものであると私は考えております。
○三浦(久)委員 何か一つ忘れていはしませんかと言いたいことがあるのです。さっき大臣は、地域医療というのは非常に大事だとおっしゃいましたね。今の御答弁の中には地域医療というのは入っていませんでした。地域医療は国立医療機関の本来の役割ではないのですか、どうなのですか。
○今井国務大臣 地域におきます医療供給体制の中で、一般的な医療の提供というのは基本的には公的な医療機関あるいは私的な医療機関にゆだねたい、私はそのように思っております。
○三浦(久)委員 そうすると、国立医療としてはこの十年の間に撤退するということでしょう。そうすると、今までの国立医療の役割を変更しようとしていることなんですね。国立医療機関としては地域医療の役割を果たしていくということは必要ないとお考えになっているのですか。
○木戸政府委員 医療法との関係で若干御説明をしたいと思います。 先生御指摘のように、地域医療は現在の国立病院もやっておるわけでございます。それから、残ります国立病院も地域医療を全くやらないかといえば、やらないということはないわけです。ただ、大臣が申し上げましたのは、いわゆる一般的医療のみを行う国立病院・療養所というものは今後はなくしたいということでございます。 実は医療法が昨年の十二月に改正になりまして、医療法の上で医療計画というものを県が立てる、その場合に医療圏というものを二つ設定する。基本的な医療圏、つまり一般医療でございますね、一般医療をやる医療圏。それから国立が担当するという三次の高度の医療圏。この二つの医療圏があるわけでございます。一般的な医療圏というのは、私どもの現在のもくろみによりますと大体四百ぐらいの数になるわけでございます。国立病院は現在、らいの療養所を入れましても二百五十幾つでございます。いわゆる一般的医療をやっておりますのは狭義の国立病院と若干の国立療養所だけでございますので、地域医療は大切でございますが、国立病院・療養所が地域医療のみを担当するというのは数的にも非常に難しい、こういうことでございます。
○三浦(久)委員 あなたたちの考え方、私は国民の側にとって大分危険な考え方を持っていると思うのです。国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針というのがありますね。これを見ると「今後国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていかなければならない。しかし、国立病院・療養所の機能、要員等の現状及び国家財政の長期にわたる窮迫等を考えると、国立医療機関として維持すべき施設について機能強化を図るためには、その一方で、統廃合又は他の経営主体への経営移譲が適当と考えられる」、こう言っているのですね。全体計画の中では、先駆的医療など国の医療政策上特に推進すべき医療の面で機能の充実強化を行うことが強く求められている。そして、国立病院・療養所を現在数のままにしておいて国民から期待されている国立療養機関にふさわしい機能を発揮するには、医療スタッフの増強と施設、設備の充実を図る必要があり、そのためには多額の国費と要員を投入しなければならない。だから、やはりみずから金をつくり出さなければならぬから統廃合だ、こう言っているわけでしょう。 そうすると、国立病院・療養機関としては、高度先駆的な医療やその他の政策的な医療に重点を置いてうんとやらなければならない。しかし、また同時に、地域医療も本来はやらなければならないんだ。しかし両方やっていたんでは要員、金がかかって大変だ。だから地域医療の方は撤退をしていきましょうということじゃないんですか。どうなんですか。
○木戸政府委員 先生のおっしゃった面も多々ございまして、要するに国立病院・療養所が現在担当しております医療の中に地域医療もございますが、現在あります国立病院・療養所を全部機能を強化して地域医療もやる、その上に高度先駆的な医療もやるというのは、理論的には可能ではございますけれども、何せ限られた定員、限られた予算、特に定員事情というのは非常に厳しいわけでございます。その中で国立病院が担当していく役割はどうするかということになりますれば、また一方、現在は他の医療機関も一般的には非常に整備をされてきておるわけでございますので、私どもとしましては、適切かつ効率的な医療供給体制という国民的課題の中で、国立病院・療養所は、他の医療機関がやらないような高度の医療あるいは専門的な医療、こういうことに踏み切ったわけでございまして、それが基本指針にあらわれているわけでございます。
○三浦(久)委員 あなたは木戸審議官でしたね。あなたはことしの三月七日の予算委員会の分科会でこう言っているのです。「現在ある国立病院をそのまま残してそれで済むというなら、私どももこれだけ反響の大きいことはあえてやらないで済ませたいという気持ちはあるわけでございますが、」、こう言っているのですね。ですから、やはり本来は両方やるのが当たり前なんだ。しかし財政事情が悪いから地域医療の方は我慢してもらいましょう。あなたの予算委員会での答弁を見てもこういうことじゃないですか。ですから私は、あなたたちが今やっていることは、本来国立医療機関のあり方としてはやってはならないことをやっているんだということを強く指摘しておきたいのです。あなたたちだって地域医療から撤退することをいいとは考えていないだろう。それはそうですよ。あんな小さな、と言っては失礼だけれども、六十人そこそこの患者さんが入院している長寿園の廃止という問題だって、あれだけの大騒ぎですよ。これからよく話し合いをして納得をしてもらってやるなんと言っているけれども、納得する患者さんなんかだれ一人おるものですか。ですから、かなり大きな抵抗に遭うということをあなたたちは覚悟すべきだろうと思います。 それから次に、移譲の問題について承りたいと思うのですけれども、移譲先が見つからなかった場合、この移譲施設は受け入れ先が決まるまでは従来どおり国立医療機関として運営していく、こういうことが全体計画の中に出ておりますね。これはそのとおりですね。
○木戸政府委員 先生御指摘のとおり、移譲先が決まらない場合には、決まるまでは従来どおり医療の水準を落とさないように、医療機関として運営していくという点は間違いございません。
○三浦(久)委員 そうすると、三十四カ所の移譲対象施設がありますが、大蔵省、総務庁にお尋ねしたいのですけれども、それでは、交渉しているけれども移譲先がないという状態のときに、国立医療機関として維持していくために今までどおりの通常の予算措置、または定員措置というものはおとりになりますか、どうですか。
○中島説明員 国立病院の再編成の問題につきましては、私どもといたしましても、その基本的考え方、方針というものを支持しておるところでございますが、個別具体的には毎年の予算編成の過程で厚生省とも十分協議しながら適切に対処していきたいと考えておるわけでございます。 経営移譲の問題につきましても、私どもといたしましては、予定に沿って円滑に経営移譲が進むことを期待いたしておりますけれども、これには地元との協議等々さまざまな条件が整わなければ現実には進まないわけでございまして、私どもは毎年の予算編成の過程でそういった状況も見きわめつつ厚生省と協議しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○菊地説明員 ただいま厚生省、それから大蔵省からの御答弁がございましたが、基本的に定員問題につきましても、各年度の厚生省からの御要求、これを踏まえまして措置をするということになろうかと思います。したがいまして、経営移譲を行うまで今までの既存の定員措置というのは続けられると思います。
○三浦(久)委員 総務庁と大蔵省、お帰りになって結構です。どうもありがとうございました。 厚生省にお尋ねしますが、大臣、そうすると、移譲先がまだ見つからないという場合には国立医療機関として運営していくんだというのですが、これは三十四カ所全部について同じ考えですね。
○木戸政府委員 そのとおりでございます。
○三浦(久)委員 私の手元にこういう文書があるのですよ。これをちょっと見てください。 これは、厚生省の出先である関東信越地方医務(支)局というところから恐らく群馬県に出されたものではないかと思うのですが、ちょっとその内容を説明していただけませんか。
○木戸政府委員 今、先生から私の手元に届けられてまいりました資料について御説明をいたします。 これは統合・移譲ということで、関東信越地方医務局から、一月に入りましてから県に、移譲対象である渋川病院について、渋川病院は移譲であるということを通知をいたし、どういう理由で選定したかということで、「同一市町村に公立病院がない。」「立地条件等からみて機能付与することが適切でない。」こういう選定理由で選定をした、こういうことでございます。 なお、備考のところでございますが、これは実は基本指針の中には、三年ないし五年ごとに疾病構造の変化、他の医療機関の整備状況等によって計画を見画すということがあるわけでございますが、そのときのまさに見直しの中身ということではあるわけでございますが、実は渋川病院につきましては、私どもとしては第一義的にはこういう移譲ということで出してございますが、同時に統合、近接の高崎病院なり沼田病院とも比較的近距離にあるということでございます。 それから、私どもといたしましては、先ほどから大臣が御答弁申し上げておりますように、再編成による統廃合とか経営移譲というのは、ある程度施設を集約してそれで残余のものを強化をする、こういう基本方針でございまして、私どもといたしましても、渋川病院につきましても移譲先がなければ適当な時期に見直しをいたしまして、高崎病院と沼田病院との統合ということもあり得る。それは今回のいわゆる内示の正式の中身ではございませんけれども、そういうこともありますよという、いわば見直しのときのコメントのようなものでございます。
○三浦(久)委員 この備考欄に、「計画の見直しの時点までに相手方がなければ、(国立病院高崎、国立病院沼田)と統合」と書いてありますね。あなたたち、こういうことを検討されているんだね。内部で検討しているだけじゃなくて、群馬県にもこういう通知を出しているわけだね。 私はこれはちょっと問題だと思うのですが、こういう内部検討というのか、こういう予定、あなたたちが、引き受け手がなければ廃止ですよという予定の施設というのは幾つぐらい考えていらっしゃるのですか。
○木戸政府委員 先ほど内示は渋川についてしたわけでございますが、そのほかに統合の要件にも該当するという、いわば折衷型ということで、同じようなコメントをつけましたものが、秋田、塩原温泉、渋川、習志野、横須賀、浜松、泉北、加古川、岩屋、三朝温泉ということで、合計十カ所でございます。
○三浦(久)委員 これはちょっと問題じゃないですか。あなたたちの全体計画によれば、統廃合と経営移譲しかないのですよ。そうでしょう。統廃合を行う施設の選定基準というのがありますね。もう一つは経営移譲を行う施設の選定基準というのがありますね。それともう一つは再編成計画の実施期間及び見直しというのがありますね。あなた、この見直しでもって、引き受け手がなければ廃止するのだ、統廃合するのだ、こういうふうに決めたのだというけれども、これはインチキでしょう。見直しというのは、三年ないし五年ごとに計画の見直しをするのでしょう。それを今やっていいのですか。その点ひとつ聞きましょう。
○木戸政府委員 先ほども申し上げましたように、ある施設が統廃合の基準とともに経営移譲の基準に合致するというものがあるわけでございます。そのようなものにつきましては、いわば見直しのときに考えるべき点として、やはりそういうことがあり得るよということは、特にコメントをしておいた方が地元にとったはいいという判断でそういうコメントをしたわけでございまして、決して基本指針に反しているというふうには考えておりません。
○三浦(久)委員 冗談じゃない。統廃合を行う施設と経営移譲を行う施設と、この二つしかない。あなたたちがピックアップしているの、みんなそうでしょう。そうしてあなたたちは、少なくとも経営移譲を行う施設の選定基準、この選定基準を厳格に適用して、そして、地域の一般的医療を確保するためには不可欠だが、病床数、診療機能、診療圏などを総合的に見て、国が直営するよりも地域と関係深い地方自治体などがやった方がいいのだ、こういうことで選定したわけでしょう。だから残した方がいいのだ、この地域の一般的な医療を確保するためには不可欠なんだという判断であなたたちはこれを選定しているんだよ。それを今あなたは何と言った。統廃合と競合する。そんなものは競合しないよ。やめてしまった方がいいということと、ずっと存続させなければならぬということとが競合するのですか。矛盾しないかね。そんなでたらめなことを言ってもらっちゃ困るよ。 だから、あなたたちとしては、経営移譲を行う施設の選定基準、これによって、これは地域の一般的医療を確保するために不可欠だ、しかし国立がやるよりも自治体にやらした方がいいと考える、そういう判断のもとにこれを移譲対象施設にしたのでしょう。そして見直しというのは三年ないし五年後。その中には、引き受け手がない場合には統廃合するというような基準がどこに書いてありますか。どこにも書いてないじゃないですか。見直しの基準としてあなたたちが言っているのは、疾病構造の変化、医療ニーズの動向、各種医療機関の整備状況、こういうものを三年後ないし五年後にいろいろ考えてやりますというのでしょう。これは三年たたなければわからないことでしょう。今はあなたたちの判断は、それを医療機関としては残していかなきゃならぬ、それで移譲対象施設にしているんだから、それを今の時点で、さあ、引き受け手がなければ統廃合だ、廃止だ。そんなことはどこに書いてあるんですか、この全体計画の中に。違反じゃないですか。違反じゃなければ、この基準自体が国民を欺瞞するものだということでしょう。だます道具だということでしょう。どうなんですか。
○木戸政府委員 何遍も申し上げているように、統廃合の基準と同時に経営移譲の基準に合致するものはあるわけでございます。しかし、先生御指摘のように、今回のリストアップの場合は経営移譲か統廃合かどちらかということで出したわけでございますが、やはりそういう二つの要素に合致するという面もあるので、見直しの時点におけるあらかじめのコメントとしてそういうことを出したわけでございまして、私どもとしてはやはり、地元が今後どうなるんだろうかというその先を見通す上では、むしろそういうコメントをつけた方が有益だというふうに思ったから出したわけでございます。
○三浦(久)委員 それはとんでもない話じゃありませんか。あなたたちが公式に国民に発表しておるのは全体計画でしょう。全体計画をあなたたちは国民の前に示して、そして、こういうふうにやりますよと公表しているわけじゃありませんか。そうすれば、これは移譲施設ですよというふうに言われれば、ああ、そうかと、国民は、ああ、これは移譲なんだな、この病院はなくならないんだなとみんな思うでしょう。それなら、国立から別のものになっても、経営主体が変わっても少しは安心だと思うでしょう。それをあなたたちが勝手に、こういう国民の前に公表した全体計画とは全然別なことをやろうとしている。そういう腹を今持っているということでしょう。そんなことは許せないじゃないですか。そんなことはこの全体計画に違反しているじゃないですか。 大臣、どうですか。こんなばかな話ないですよ。
○木戸政府委員 統廃合といっても経営移譲といいましても、再編成であることに変わりはないわけでございまして、統廃合の場合も後の医療をどうするかという問題もあるわけでございまして、地域の医療の確保という面では、やはり統廃合の場合も私どもは当然移譲の場合と同様に配慮をしていかなければならないというふうに考えているわけでございまして、私どもはやはり先をできるだけ明確にしておくということが必要だと思いましたので、そういうコメントをつけたわけでございます。ただ、計画の見直しの時点までは何も経営移譲を統合にするということではないわけでございますので、私どもとしては決して基本指針に違反しているということではないと思っております。
○三浦(久)委員 それは詭弁だよ、あなた。今あなた何と言ったの。自分で言った意味がわかるかね。あなたが今言ったのは、統廃合も移譲も同じ、再編成だから一緒だ。一緒なら何で区別するんですか。法律的な効果は全然違うでしょう。あなたたちは、統廃合の場合には後医療の問題をやると言う。それはそうでしょう。しかしそれは、できなかったらやらないということでしょう。引き受け手がなければやれないでしょう、施設にしても何にしたって。ところが移譲対象の場合には、引き受け手がなければそのまま国立医療機関として残るということが違うでしょう。全然効果が違うじゃないですか。それが再編成だから一緒なんだ。何たることを言うんですか。法律効果が全然違っているんですよ。これはあなた、ちょっと重大問題じゃないですか。 国民に対してはこの病院は移譲ですよと言っている。移譲だと選定されたものは、さっきから何回も言うけれども、この全体計画の中で、地域の一般的医療を確保するために不可欠だ、だからなくせないのです。そういうことです。そういうふうにはっきり認定して移譲対象施設にしておきながら、さあ三年後にないしは五年後に引き受け手がなかったら統廃合だと言う。では、そんな基準はどこにあるのですか。あなた、聞きますけれども、引き受け手がない場合には廃止するのですという基準はどこにありますか。この見直しの基準の中にありますか、どうですか。
○木戸政府委員 何遍も御説明するように、見直しの基準の中には書いてございませんが、いわば統合にも合致するし移譲のタイプにも合致するというものがあるからこういう扱いにした、こういうことでございます。
○三浦(久)委員 統合、統合と言うけれども、統合したら片一方はなくなるんだよ。そうでしょう。統合して片一方はなくなるんですよ。廃止なんだよ、片一方から見れば。廃止と存続と両方、これは存続すべきである、同時に廃止すべきである、そういう二つの要件に合致しているなんて、そんなばかな話ができるのですか。私はどうもそういう話は全くうなづけない。統廃合、廃止対象の要件にも合致し、存続しなければならない要件にも合致している、それは一体どういうことなんですか、説明してください。
○木戸政府委員 何遍も御説明いたしますように、例えばそれは……(三浦(久)委員「説明するなら人がわかるように話してくれよ」と呼ぶ)統廃合の基準と移譲の基準の両方に合致するものはあるわけでございます。それから統合した場合にも、後医療というものはやはり必要な場合にはこれは措置をしなければならないわけでございますので、そういった意味におきましては、後医療の確保という面では統合も移譲も同じような配慮をする必要がある、こういうことでございます。
○三浦(久)委員 だから、もう全然だめだよ、それは。さっき私が言ったとおりでしょう。後医療という問題だって、こっちは引き受け手がなければそのまま国立病院として残るというわけなんだから。統廃合の場合には、それはあなたたちは後医療の問題をいろいろやるかもしれない、努力するかもしれない、しかし引き受け手がなかったらそのまま廃止でしょう。廃止じゃないですか。そこが全然違うのですよ。そこをあえてそういう強弁をするというのはよくないですよ。あなたたちの言い方を聞いていると、何か自分たちが勝手に廃止したいものを廃止するということじゃないですか。 私、もう一回聞きますが、移譲対象施設で引き受け手がない場合には廃止する、またどこかと統合する、そういう見直しの規定はあるのですか。ないでしょう。ないのに何で勝手にやるのですか。国民に公表したものと全く違った選定基準を適用するなんというのはけしからぬ話じゃないですか。大臣、どう思いますか。
○木戸政府委員 何遍も御説明をいたしますように、統廃合の基準と経営移譲の基準の両方に合致するものがある、こういうことでございまして、見直しの時点に特に留意をすべきことということで、あらかじめコメントをしたということでございます。
○三浦(久)委員 もう何か壊れた蓄音機みたいに同じことばかり言っていますから時間がたってしようがないのですけれども、今あなたが言ったことはもう私に論破され尽くしているわけでしょう。そんな答弁じゃ私は納得できませんよ。 それで、大体、こういう三年ないし五年の見直しの時点で相手がなければ統廃合ですよというようなのは、自治体に対するおどしでもあるわけでしょう。あなたのところで引き受けなければ廃止しますよ、それでいいのか、引き受けなさい、そういうことを言っているに等しいのですよ。そういう意味ではあなたたちは二重、三重に国民を愚弄しておるよ。実際けしからぬ話だと思うのです。こういうでたらめな全体計画、全くでたらめですね。選定基準、あなたたちが内部で十カ所も、移譲施設については引き受け手がなかったら廃止するんだというようなことを決めているというんだから、そうしたらこの選定基準というのは全くでたらめということなんだ。そんなでたらめな選定基準に基づいて統廃合のリストをつくったのだから、こんな全体計画それ自体を撤回すべきだ。大臣、どうです。
○今井国務大臣 要するにこれはあくまで適用でございますから、ケースとしては統廃合、移譲の二つしかないわけです。これははっきりしているわけですね。ところが、やってみて、移譲をするということでやるわけですが、その見直しの時点までにまたいろいろ動く可能性もあるだろうということも含めまして、そのときにはこういうふうにしたいというコメントをしたというふうに理解をしているわけですね。だからやはり本文は、備考の前段までが本文でございまして、これはコメントでございます。そういうふうに御理解いただく以外にはないと思います。
○三浦(久)委員 ですからそれは、この選定基準、いわゆる見直すということはこの中で言っていらっしゃいますから、見直すのは結構なんですよ。しかし、見直すのは何をどういうことを見直すのかといえば、疾病構造の変化がどういうふうにあったかとか、医療ニーズの動向がどう変わったかとか、各種医療機関の整備状況がどうなったかということを勘案して、三年ないし五年ごとに計画を見直すというわけでしょう。そうですね。そうすれば、引き受け手がなければ廃止だというような見直し基準はどこにもないのです。だから国民は、ああ、これは引き受け手がなければ国立医療としてずっと残るんだなと思うでしょう。それをあなたたちが勝手に、いや、それは引き受け手がなければ廃止なんですよと言う。これは国民をだます、愚弄するものでしょう。そこをどういうふうに解釈するのですか。 これは、私はこのままじゃちょっと質問続行をできませんよ。委員長、次回に残る質問をさせていただけませんか。時間を食っちゃってしようがない。まだ私は田川の新生病院の問題もあるしね。
○志賀委員長 三浦委員に申し上げますが、ただ、三浦委員の持ち時間は五時十六分まででございますので、実際問題としてあと二分でございます。この次、この二分間だけおやりになりますか。
○三浦(久)委員 だって答弁ができないのですから。
○志賀委員長 でも、所要時間は所要時間で決まっているわけですから……。
○三浦(久)委員 しかし、今委員長もお聞きのとおりもう答弁ができないわけですね。国民を納得させるような答弁ができないわけですから、それは廃止も存続も一緒だなんてそんなばかな答弁をしたり、後医療をやるんだから一緒だとか、全くもう支離滅裂な答弁なんですから。ですから、これはもう少し統一的な見解を厚生省としてお出しいただいた上で、私の方で残る質問をさせていただかないと、これはもう進展しないと思うのですね。
○木戸政府委員 それでは、最後に答弁をさせていただきます。 三浦先生の、移譲の場合は残るんだ、確かに移譲の場合は相手方が見つかるまでは残るということでございますが、それでは再編成計画が、その計画実施期間が過ぎたときに残ったものはどうするかというのは、これはまた別の問題であるわけでございまして、今からその問題について私の方から言う段階ではございませんが、私どもとしては、経営移譲というのは、一般医療をやっている、だから非常に必要だけれども、国立としてはそこを担当するのが適当でないというふうに考えたわけでございまして、私どもは、再編成計画の計画期間が終わった後もその移譲相手方がなければ残すというふうに決めているわけではございませんので、そこは、移譲の場合は当然その再編成の計画期間後も残る、こういうことではないということだけをつけ加えておきたいと思います。
○三浦(久)委員 それはあなた、またすりかえの論理なんだよな。あなたたちはこの中で、この群馬県に出した渋川病院の問題では再編成期間の十年後の話をしているんじゃないでしょう。「計画の見直しの時点までに相手がなければ、」と言っているじゃないですか。十年後とは言ってないのだよ、あなた。そんなでたらめなことを言ってはいかぬ。再編成計画は十年でしょう。それを十年後はどうなるかわかりませんから、そんなことを言っているんじゃないじゃないですか。見直しの時点でしょう。「三年ないし五年」と書いてあるでしょう。あなたたちが出したものを私らは信用して議論する以外にないでしょう。国民だってそうでしょう。だから、この全体計画というものをこれが正しいものだという前提に立ってあなたたちと議論をせざるを得ないのですよ。「三年ないし五年」と書いてあるじゃないですか。どうなんですか。
○木戸政府委員 三年ないし五年の計画の見直しの時点までにこれは移譲ということで出したわけでございますので、移譲先がない場合にも、それは計画の見直しの時点までは国立医療機関として維持存続をしてまいります。
○三浦(久)委員 だからおかしいと言っているんだ。引き受け手がなければ見直しの時点でもう三年ないし五年で廃止ですよと言っているから、この全体計画と矛盾しているじゃないかと言っているんですよ。そんなことをあなたたち恣意的にできるのですか。これはあなたたちが公に発表したものなんだから、これに基づいて選定であるとかそういうものをやっていかなければいかぬでしょう。この基準に基づいてこれは移譲にする、これは統廃合にするという選定をしていかなければならぬのじゃないですか。それに反していると私は言っているんです。反しているじゃないですか。あなた、十年先のことまで持ち出すというのはどういうことですか。
○木戸政府委員 私が十年先までと申し上げたのは、要するに移譲は存続である、統合は廃止であるというふうに先生の方からお言葉がありましたので、存続というのはそれは計画期間内のことを言ったわけでございまして、私どもとしては基本的には、とにかくこの計画を推進しなければ今後の国立病院・療養所の生々発展というのはないというふうに考えておるわけで、そう申したわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもは、三年ないし五年の見直しの時点まではこの発表したとおり移譲は移譲先を探すということでいくわけでございます。
○三浦(久)委員 しかし、あなたはさっきそれと矛盾することを言いましたね。十の移譲対象施設については、秋田とかいろいろ言われたでしょう。十ぐらいあなたは挙げられたね。それは見直しの時点、三年ないし五年たって移譲先が見つからない場合には廃止するのだ、そういう予定なのですとあなたは言ったから、あなたが今言ったことと違うのだよね。移譲先が見つかるまではずっと国立医療機関として運用をしていくのですということと違うじゃないですか。それを私は言っているのですよ。
○木戸政府委員 御説明をいたしますが、何遍も御説明しておりますように、とにかく移譲で出した施設でございますから、次の計画の見直しの時点までにはそれは移譲ということで移譲先を探すわけでございますが、ただ、次の見直しの時点のときには、今コメントをしたように統合の要件というものにも該当してくるから、そこで改めてこれは統合だよという、変更ということがあり得るよという意味でコメントをしたわけでございます。
○三浦(久)委員 だから、それは今してはいけないことでしょう。今の時点ではしてはいけないことじゃないですか。そんなことがわからないのですか。これは三年ないし五年後のさまざまな変化を見た上で見直すということでしょう。さっきから何回も同じことを言わせるけれども、例えば疾病構造の変化だとか、変化というのは変わるということなんだ。医療ニーズの動向、これも動くもの。各種医療機関の整備状況、こういうものも変わるものです。そういうものを勘案して、さあどうするかということを決める、三年後のそういう変化を見て決める。そういう変化を見ないうちに今決めていいのですか。そんなことは決めてはいかぬでしょう。
○木戸政府委員 別にそういうふうに決めているわけではございませんので、それですから、別にリストの中に載せたわけではございません。ただ、そういうふうなことが考えられますよという意味でコメントをしたわけでございまして、決して移譲そのものを否定するという意味ではございません。
○三浦(久)委員 決めていないと言うけれども、そういうことを検討しているというのはけしからぬ話じゃないですか。そして、それをもうあなたたちは公文書で外部に出しているんだよ、群馬県に。決めてないのを何であなた方は出せるのですか。あなたたちは、決めでないものを何で、相手方がなければ統合なんということを備考欄に書くのか。あなた方は外部に対してこういう公文書を発送しているんだから、それを決めてないとかそんなことをどうして言えるのですか。決めてないのを勝手にやれば首だよ、それは。
○木戸政府委員 備考と申しますのは、これは一月九日に公表したわけでございますが、公表いたしましたのは、どことどこが移譲、どことどこが統合ということでございまして、このコメントというのは、あくまでも地方医務局を通じまして県に内示をいたしましたときのコメントでございますので、厳密に言えばこれは内部資料ということになるわけでございます。
○三浦(久)委員 だから、あなたたちが内部で検討しているということ自体も、この見直しの基準、これから見たらおかしいじゃないですかと私は言っているのですよ。 まず、今の時点でそういう変化を予想しているということ。今から変化を予想できない、三年ないし五年たってからどう変わったかという、その時点でまずそういう見直しをやらなければならぬということ。だから、まず時点が全然違っているということ。もう一つは、引き受け手がなければ統廃合という見直しの規定はないんだよ。引き受け手がなければ統廃合という規定はない。それをあなたたちは、こういう公表されたものと違って、勝手に内部でそれを検討しているということは間違いだ。どうなんですか。 委員長、これは何回やっていてもだめですね。ですから、ちゃんと文書で、この問題についての統一見解を厚生省として出していただきたいと私は思うのです。どうでしょう。それと若干の時間ですね。(発言する者あり)
○今井国務大臣 どうも大変時間をとらせて申しわけありませんが、今のようなことで再三再四御答弁しているわけですが、どうもかみ合わないようでございますから、一遍十分検討をいたしまして、言っていることは私は割にわかるのでございますが、おわかりにならないようでございますから、これはひとつよく検討させて、十分おわかりいただけるように御説明申し上げたいと思います。
○三浦(久)委員 それでは、その御説明、統一見解をいただいた上で、若干時間をとっていただいて、また質問をさせていただきたいというように思います。(発言する者あり)
○志賀委員長 次回は、明十七日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十六分散会 —————・—————