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104回国会衆議院1986/04/03

内閣委員会 第7号

発言数
123
登壇者
15
会派数
3
開催日
1986/04/03

会議録

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 これより会議を開きます。  この際、連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。  大蔵委員会において審査中の内閣提出、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について、同委員会に対し連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会の開会日時等につきましては、委員長間で協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。      ――――◇―――――

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 外務省設置法の審議に入るわけでございますけれども、まず法案の方で若干お聞きしましてから、次の問題に移りたいと思っております。  今回の在外公館名称位置給与法案は、スペインのバルセロナに日本国総領事館を新設し、そこに勤務する外務公務員の給与を決めるものでありますが、まず最初に、バルセロナに総領事館を新設する理由及び人員の配置についてお伺いを申し上げます。

西山健彦外務省欧亜局長

○西山政府委員 お答え申し上げます。  バルセロナは、スペイン最大の貿易港を有します産業都市でございます。しかも、歴史的に見ましても、イベリア半島の他の地域が長らくイスラムの支配下にあったのに対しまして、非常に早い段階からフランク王国の支配下に移されたということもございまして、ヨーロッパ諸国とも歴史的に非常に近い関係がありまして、そのような歴史的な背景を基礎に非常に自治的な勢力も強いところでございましたし、商業中心地としても繁栄してきたところでございます。  現在、その重要性はマドリードをもしのぐものとさえ言われておりまして、本年一月一日のスペインのEC加盟と、同国の我が国よりの投資誘致努力によりまして、今後我が国からの対スペイン投資及び企業進出はますます活発化することが見込まれるわけでございますけれども、特にこの地域は優秀でかつ比較的安価な労働力が存在いたしますので、この地域がその活動の中心になることと考えられます。これが第一の理由でございまして、現在、スペインに進出しております我が企業四十二社のうちの二十社が実はこの地域に既に所在しております。  第二には、そのような事情を反映いたしまして、この地方に在住いたします邦人にかかわる領事事務が増大いたしました。これに対応いたしますと同時に、また、その邦人、観光客の増大による事故、盗難被害等に対処するために、政府として迅速有効に対応できる体制を確立する必要があるということが第二の理由でございます。  さらにまた、右のような要素に加えまして、我が国民間進出企業を支援いたしまして、この地域の情勢を把握し、さらに我が国に対する関心が高いこの地域への文化広報活動を強化する、そのためには日ごろから同地方の自治政府と密接な連絡を保ち得る体制を整えることが必要である、このように考えまして、今回バルセロナに総領事館の新設をお願い申し上げている次第でございます。  なお、バルセロナ総領事館の定員は四名でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 在外公館には領事館とか総領事館あるいは大使館がありますけれども、それを設置する場合の基準というものはどういうふうなことになるのでしょうか。

北村汎外務省大臣官房長

○北村(汎)政府委員 大使館、総領事館、領事館を開設いたしますときには、まず、その国あるいはその地域が我が国と政治、経済その他の文化等の面でどれほど緊密な関係にあるかということが一つ。それから、その国あるいはその地域が国際的に見て政治、経済的にどれくらいの重要な地位にあるか、そしてまた、在留邦人がどれぐらいいて、我が国の進出企業がどれだけ出ておるか。また第三国、ほかの国がそこに公館を置いておるかどうか。それから最後に、というわけではございませんけれども、その地域あるいはその国から日本の公館を置いてほしいというような要望があるかどうか。そういうような点を総合的に勘案いたしまして決定をいたすわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 日本とスペインの貿易の主たるものはどういうものがあるか。また日本の進出企業数、在留邦人数はどれくらいございましょうか。

西山健彦外務省欧亜局長

○西山政府委員 スペインと我が国の貿易は、総額にいたしましておおむね過去数年来十二億ドル程度を上下いたしております。  我が国からスペインヘの主要な輸出品目は、VTR等音響家電製品、自動車部品、パソコン等自動データ処理機でございまして、輸入品目は、魚介類、アルミニウムの塊というような非鉄金属、鉄鉱等ということになっております。  他方、我が国の進出企業の数は先ほども申し上げましたとおり現在四十二社が進出しておりますけれども、特に製造業だけをとりますと、現在ECに加盟しておりますいずれの国よりもスペインヘの投資量が大きい、そういう事実がございます。  なお、現在の在留邦人の数はスペイン全土で千八百八十二人でございまして、そのうちこの地域におります数が五百三十九名でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 バルセロナにおける子女教育の実態はどういうふうになっているか。また、六十一年度に日本人学校が開設される予定になっているが、その必要性をどういうふうに認識されておられましょうか。

妹尾正毅外務省大臣官房領事移住部長

○妹尾政府委員 お答え申し上げます。  バルセロナにおります義務教育就学相当年齢の子女の数は、去年の時点の数字でございますが、五十四名おりまして、その一部、十三名が現地校に通っておりまして、四十一名がインターナショナルスクールに通っております。それで、その全員が土曜日にバルセロナ補習授業校に通っておりまして、そこで国語、算数、数学を中心としました日本の教育を受けているわけでございます。  それで、バルセロナに日本人学校を開設する必要性ということでございますが、五十四名というかなりの数の子女がいることに加えまして、まず現地校の場合はスペイン語と全く異なるその地方のカタラン語を使っておりまして、カタラン語の教育を余儀なくされているということで、これは子女にとって非常に負担になるわけでございます。それからインターナショナルスクールの方はもう定員オーバーでございまして、かつ、最初から英語の勉強をするという問題もございまして、両方の意味で問題がありまして、現地としてもぜひともこの際日本人学校を開設してほしいという強い希望があるわけでございまして、私どもとしてはぜひそれにこたえる必要があると考えた、こういうことでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 法案の方はいずれにしても私どもとしても賛成のことでございますので、それでは引き続いて、今若干問題になっておりますマルコス問題についてお伺いをいたします。  当初は、疑惑の問題というよりも、政権の性質とかあるいは法的な考えとかということについてちょっとお伺いいたしますけれども、二十年間続きましたマルコス政権が崩壊をして、民衆の支持するアキノ政権が誕生いたしました。その劇的な政変が行われた、たしか二月二十六日に外務大臣は談話を出されました。非常に長いというわけでもございませんけれども、要約いたしますと、日本政府としては、アキノ大統領が率いるフィリピンの新政権のもとで、フィリピン国民が結束し国づくりを進めていくことを期待するということで、それから最後に、またフィリピンの発展のためできる限りの協力をする所存である、という談話の内容でございます。その時点ではアキノ政権は、革命政権とするかあるいは立憲政権にするかははっきりしていなかったはずであります。ところが三月二十五日、フィリピンのアキノ政権は正式に革命政権であることを宣言したと報道されておりますけれども、日本政府としてはアキノ新政権に対する法的性質についてはどういうふうに見ておられましょうか、このことについてお伺いします。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 私は、二月二十六日に外務大臣談話を発表いたしまして、実際的にアキノ新政椎を我が政府としては承認するという立場を明らかにしたわけでございます。その後、アキノ大統領は、三月二十五日暫定憲法を発表いたしましたが、同暫定憲法においては、新政府はフィリピン国民の権力の直接の行使によって成立したものであって、フィリピン国民のこの歴史的行為はフィリピンの一九七三年修正憲法の規定によらないで行われたとされておりまして、さらに今次暫定憲法を公布する大統領の権限の源泉を国民に求めているなど、従来の憲法の改正手続に基づき策定したとの形はとっておりません。したがってその意味で、アキノ新政府は、その成立の基礎を従来のフィリピンの憲法体制に求めていないと考えられるわけでございます。  それでは革命政権がということになるわけでございますが、これはアキノ新政権がみずからの政権を革命政権とは言っておらないわけで、アキノ大統領の記者会見でもそれは述べておられません。  いずれにいたしましても、アキノ新政権がみずからをどのように呼ぶかはフィリピン自身の問題でありまして、我々が云々する問題ではない、こういうふうに考えておるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 今の外務大臣の御答弁の内容から見ますと、アキノ政権が革命政権というふうに宣言をしていないけれども、内容的にはもう革命政権そのものになるのですね。ということになりますと、日本としてはそういう場合においては正式に承認をするという新たな手続が必要ではないかと思うのですけれども、その点はどうなのか。また、この問題に対しては諸外国ではどのように対処しているか、その点についてお伺いしたい。

小和田恒外務省条約局長

○小和田政府委員 先ほど鈴切委員が御指摘になりましたように、二月二十六日に外務大臣談話を発表いたしました段階におきましては、新しい政権が成立をして権力を掌握したということ、それから、この新政権が国民の大多数の支持を得て実効的な支配を及ぼすに至っておるということははっきりしておりましたけれども、それ以上の国内法的な手続、特に憲法体制との関係においてどういう事態であるのかということについては必ずしも明確でございませんでした。そういう段階におきまして、先ほど御指摘のありました外務大臣談話を発表いたしまして、これと同時に、これは実際上承認に当たるものであるというふうに理解していただいて結構であるという趣旨のことをつけ加えたわけでございます。  したがいまして、御承知のとおり国際法上は、政府の承認という法的な行為が必要であるかどうかということにつきましては、新しくできる政権が憲法体制の枠内において成立するかどうかということが一つの決定的な基準になるわけでございますけれども、外務大臣談話とそれに付随して行われました、これは実際上の承認行為であるというふうに受け取っていただいて差し支えないという政府の立場とをあわせてお読みいただければ、現段階におきましてアキノ政権が日本政府によって承認を受けておる政権であるということは極めて明確である、したがって改めて政府承認という法的な行為は必要ではないというのが日本政府の考え方でございます。  諸外国の政府がどういう態度をとっているかということにつきましては、アジア局長から御説明いたします。

後藤利雄外務省アジア局長

○後藤(利)政府委員 諸外国の反応はどうかという御質問でございますが、暫定憲法が発表されましてから、どこかの国が特段の公式発表をしたということはございません。米国政府は、暫定憲法において、基本的人権あるいは法の支配を認め、大統領の立法権を特定された期間のみに認めているということなどについて、積極的な評価をしている模様と思います。またイギリス政府は、今般の暫定憲法発表等の措置を、アキノ政権が具体的な前進を始めたものだというような形でこれを歓迎、評価しております。さらに、私ども調べました中で、西ドイツ政府も、新憲法制定をしたいとのフィリピンの希望に理解を示しておりますし、またアジアのASEANの諸国におきましても、いずれの国も特に見解を表明していないと承知しております。その他の国においても特段のコメントはございませんが、結論的に申し上げますと、二月二十五日にアキノ政権ができましたときに多くの国が実際上または事実上の承認をしておりますが、その後今回の暫定憲法が発表されましてから、新たな承認的行為または発表を行った国はないと承知しております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 確かに外務大臣は事実上の承認であるというふうにそのとき言われたわけでございますけれども、事実上の承認と正式な承認とは若干違うわけでございますから、そこでもう一度それでは確かめておきますけれども、アキノ政権が革命政府であろうとも立憲政府であろうとも、二月二十六日の外務大臣の談話で事実上承認をしたということであって改めて手続をする考えはない、こういうふうに受け取っていいでしょうか。例えばフィリピン政府から公式に公文書によってそれに対して承認を依頼をしてきた場合においては、やはり日本政府としてもそれにこたえなければならないはずでございますけれども、それもあわせてお伺いします。

小和田恒外務省条約局長

○小和田政府委員 お答えをいたします前に、一言政府の立場について正確を期するために申し上げておきたいと思いますが、鈴切委員御指摘になりましたように、事実上の承認というものと法律上の承認というものは国際法上違いがございます。二月二十六日に外務大臣談話を発出するに当たりまして政府が申しましたのは、事実上の承認という国際法上の制度としての承認を行うということではございませんで、外務大臣談話をもって実際上政府承認行為を行ったものであるというふうに受け取っていただいて差し支えないということを申し上げたわけでございまして、その場合に申しております政府承認というものは法律的な承認のことでございまして、事実上の承認を行ったということではございません。  そういう前提で申し上げたいと思いますが、二月二十六日の外務大臣談話というのは、通常黙示の形で法律上の政府承認を行うときに用いられると同じ表現を使いまして、ただフィリピンにおける国内の憲法体制の状況が必ずしも明確でないという段階にございましたので、先ほど申し上げましたような説明を行ったという経緯がございます。したがいまして、今般のフィリピン政府の宣言によって、今回の政府交代がフィリピンの憲法体制の枠外で行われたものであるということを同政府自体が明らかにしたというふうに判断されます状況のもとでは、先ほど申し上げました経緯からも明らかなように、我が国としては新政府を同国を代表する資格を持った政府として法律上の承認を行っているというふうに御理解いただいて結構でございます。したがいまして、これ以上さらに何らかの承認措置というものは必要ではないというのが政府の考え方でございます。  第二の御質問につきましては、そういう状況でございますので、正常な外交関係が我が国政府とフィリピン政府、現在のアキノ政府との間に存在しておって、公文書の授受等に関して何らの問題もないということでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 次に、今世上を騒がせておりますマルコス政権の不正蓄財と、円借款に絡んでのリベート問題について伺ってまいりたいと思います。  自民党と野党四党の国対委員長会談で、自民党側が対フィリピン援助について十年分の資料提供をすると約束をしましたが、二十九日の参議院予算委員会で外務大臣は、援助の相手国と企業の契約を明らかにすることはできないという趣旨の発言をされております。それでは真相解明ということは全くおぼつかない。ここのところ、どうも政府の考え方が次から次へと後退をするようにガードがかたくなっているという状態である。となると国民は、何か政府にもやましいことがあるのじゃないだろうかというようなことを考えざるを得ないような状況でございます。私はそういうことはないだろうと思いますけれども、公表資料を限定しようとすればするほど、マルコス疑惑というものは霧の中に隠れて、国民の政治に対する不信感というものは増大する一方でございます。となりますと、その点外務大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃいましょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 政党政治でございますから、公党間の約束は守られなければならぬと思います。自民党の約束したことに対しまして、政府としても誠意をもってこの約束を実行するために努力をすることは当然だろう、こういうふうに思います。そういう意味で、政府として国会に対してでき得る限りの情報の提供とか資料の提供はしだい、こういうふうに思っておるわけでございます。  ただ、今お話しの企業名、いわゆる受注をした企業名については、これは政府がしばしば答弁しておりますが、相手国政府、すなわちフィリピン政府と企業との関係で発注をし、そして受注をしたという状況にあるわけでありますし、さらにまた、フィリピン政府そのものが現在の政府も含めてその企業については公表しないという立場をとっておるわけでございます。そういう立場でございますし、これは公表している国もあるわけでございます、公表してない国もありますが、日本としましてはそうした二国間の関係というものを重んじていかなければならぬわけでございますので、相手の国が公表しないリストを日本政府が公表するということは差し控えさせていただきたいということで答弁をさせていただいておるわけでございます。ただ、マルコス文書等に日本の企業等の名前も出ております。そうしたマルコス文書に出ているところの記述については政府としても十分承知をしておりますし、それはそれなりの重みを持つものである、こういうふうに受けとめておるということを参議院の予算委員会でも答弁をいたしておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 外務大臣は、各政党間の約束であるからできるだけ資料を出したいというお話でありますけれども、その公表をする資料について、今あなたがおっしゃるように国会にできるだけ多く提出をしたいというわけですが、具体的にはどんな規模をお考えになっているのですか。そして、調査特別委員会も間もなくできるでしょうけれども、そういうところにどういう資料を考えておられるのですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 これは、ただ外務省だけの問題ではなくて政府全体の問題だと思います。例えば円借なんかの問題、援助そのものが四省庁で共管してやっておるということもありますし、外務省はもちろん対外的な窓口に当たっておるわけでありましてそれなりの責任はもちろん痛感をしておるわけでございますが、そうした関係各省庁との連絡もしながら、今の、国会でいろいろと審議が行われて国会等の要請もあれば、それなりの政府の持っておる資料は、相手国との関係もありますからそういうものも踏まえながら、できる限りの協力、提出はしなければならぬということはしばしば申し上げているとおりであります。例えば、マルコス文書等につきましてもアメリカの議会で発表されました。早速、発表された分については外務省が入手をいたしまして、こうした入手した文書等を国会に提出をさせていただく、こういうことであります。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 公表資料を出しますよというお話なんですけれども、例えば第一次から第十二次のフィリピンヘの円借款の内容とかあるいはまた金額とかいうものは当然出すわけでしょうし、それに付随する企業名とか金額とかというもの、これは当然一つの流れとして明らかに公表資料として出さなくちゃならない問題じゃないですか。それがなければ公表資料なんて言えないのですから。  今外務大臣は、これはフィリピンの方が第一次的に公表をとおっしゃるのですけれども、今日本でこれだけの疑惑めいた問題が大きく噴き出ているわけですから、政府は何をやっているのだろうかということが盛んに言われる状態なんですね。となれば、当然日本政府からフィリピン政府の方に、少なくとも円借款に伴うものについては企業名並びに金額については公表しますよ、公表していいですかと言うのは当たり前じゃないですか。その点はどうなんですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 これは相手の国が、フィリピンが公表するということで公表されれば、その限りにおいてはもちろん公表ですから公表された分を日本政府が発表するということはできるわけでございますが、フィリピン政府が公表もしないのに日本政府として公表はできないというのが政府の立場で、これは外交上の問題でございますから、その辺のところは御理解いただきたいということを申し上げ続けておるわけです。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 ただいま外務大臣から御答弁いたしましたところに尽きておりますけれども、補足して御説明させていただきますと、貸付契約を下しましたものは、第一次から第十二次までの円借款でございますが、各プロジェクト名、プロジェクトの概要、供与限度額、これは交換公文で政府間で合意をしておりますものでございますのでその都度発表しておりますし、また便宜一覧表にして御提出を申し上げるということは可能でございますし、今までも国会の御要望に応じましていろんな編集方法を用いまして御提出を申し上げております。  それから、委員の御提起になりました後半の部分でございますけれども、企業名及び受注金額、契約金額、これはただいま外務大臣の御説明にもございましたように、相手国の政府が当該企業と行っている契約でございまして、日本政府は当事者ではございませんので、日本の政府が公表するという立場にはない、公表されるとすれば相手国政府が公表される問題であるというのが屡次政府として御説明を申し上げている立場でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 だからその問題について、やはり第一次的にはフィリピンが公表をするということなんでしょうけれども、しかし日本政府も、これだけの問題を今抱えて国民の皆さん方は血税をどう使われたのかということで大変に関心があるわけでしょうから、となれば、フィリピン政府に、この問題については少なくとも日本政府としてはぜひあなた方の了解を得て公表したいということを申し出たらいいんじゃないですか。調子を合わせないで申し出たらどうなんですか。その点どうなんですか。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 公表されるとすれば契約の当事者ないし発注者でございますフィリピン政府がなさることでございまして、我が国の政府は契約の当事者ではございませんので、公表する立場にはないということでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それじゃまるっきりその内容についてはノータッチであり、知らないということですか。知っておるけれども、しかしそれは、公表ということについてはまずフィリピン政府の方の考え方を主体に置きたいというのですか。内容を知らないというのですか。知らなければ聞く以外にないじゃないですか。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 入札の評価を行いまして落札者を決定いたします際、及び落札者が決定されましてフィリピン政府との間で契約が結ばれました後に、円借款の場合でございますけれども、我が国の海外経済協力基金にそれぞれ書類の提出がございまして、それを審査して承認をするという行為を行っておりますので、私どもは承知をしております。ただ当事者ではございません、こういうことでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いや、知っているならば当然それはフィリピンに了解をとって直ちに公表するということをやるべきですよ、外務大臣。そういうふうにまず私の方からもその点を申し上げておきます。  それから、外務大臣が三月二十九日参議院予算委員会で、対フィリピン円借款事業の受注企業名や金額について、非公開の場ならば公開する用意があると考えを明らかにした。それで外務大臣はこういうふうに言われた。「私もなぜ出してはならないのか、出すべきだと思うが、相手国と企業との契約だから、公然と明らかにするのは差し控えたい」ということなんですが、これは明らかに非公開ならば出すということでいいわけですね。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 だんだんマルコス文書等も出ておりますし、この中身はそう難しい絶対的な極秘の問題ではないと思うのです。交換公文等でもきちっとしておる面についてはちゃんと出すわけですし、企業名といいましても、政府は公開はできないという立場をとっておりますけれども、しかし、そうこれが何か霧の中に包まれてどうにも明らかにならないというふうなあれじゃないと思うのです。私も、これはいろいろと審議していただく以上はやはり表に出してやっていただいた方が公明正大にやれるのじゃないかという気持ちを単純に持っておったわけでありますけれども、しかし、やはりこれまでの円借なんかの経緯を見てみますと、各国との関係もあって、公開していない国については、これは日本政府としては、相手がやることですから、これを公開するということはやはり日本と相手国との外交の立場からどうしても困難だ、外交上の立場からできない、こういうことで、私もそれはやむを得ないというふうな感じを強く持ったわけで、国会で答弁しておりますが、公開はできません、公開はいたしかねますということを申し上げた次第でございます。  問題は、できるだけ我々は円借を初めこれからの援助というものをきちっとやっていかなければならぬ、私も全くそういうふうに思っております。それだけに、やはり国会の審議等も十分していただいて、明らかにすべき点は明らかにしていただきたい、これは非常に大事だと思っておりますので、協力できる点は協力はしていきたい、こういうふうに思っておりますが、公開できない分はできないという点については、外交上の問題として御理解していただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 外務大臣が今言われたことは一歩前進だと思うのですが、これから調査特別委員会なんかが持たれますから、恐らく真っ先にその問題等の資料を出せ、出さないという問題が出てくるでしょう。出てきた場合において、外務大臣はそういうお気持ちであるということであるならば、公開はできないけれども、非公開の場所においてはやはり何らかそれなりに対処しなければならないということについては私は理解はできるわけですけれども、三月一日フィリピンのラウレル副大統領が、「対フィリピン円借款に絡む日本企業とマルコス前大統領の手数料疑惑に関連して、日本政府が必要とすればフィリピン側資料を引き渡す用意がある」と言明をされた、そのように言われております。また一方、行政管理委員会の「最高幹部の一人は「日本政府から要望があれば、日本側に引き渡すことも可能」との意向を表明した。」とありますけれども、政府として真相を究明するには、やはりできるだけ多くの資料をフィリピン側に要請して解明を図るということが私は必須の条件ではないだろうかと思うのですけれども、その意思がございましょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 フィリピンの要路の人のいろいろの発言につきましては、私たちも参考の情報としてはこれをできるだけ多く集めたい、こういうふうに思っておるわけでありますが、まだフィリピン政府そのものが、日本政府に対して正式にそういう趣旨の話し合いというものは行われていないわけでございますし、今の企業名の問題については、これは公開するかどうかというのはフィリピン自体の第一義的な問題でありまして、やはりあくまでもフィリピン政府の判断にゆだねるべきであるというのが我々の考えでございます。したがって、今それ以外のいろいろの情報については我々としてもできるだけ入手すべく努力はしておるわけでございますが、先ほどから問題になりました点については、改めて政府としてフィリピン政府に申し入れるということは考えておりません。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 ラウレル副大統領が、日本政府が必要であればフィリピン側の資料を引き渡す用意がある、また行政管理委員会の言うならば最高幹部の一人が、日本政府から要望があれば日本側に引き渡すことも可能だという意向を示したということは、これは今外務大臣は、それなりに自分としても相手方がそういうことを言っているのは関心があるというわけなんですけれども、こういうふうに向こうで言っているものに対して、外交チャンネルで、ぜひそういうことであるならば、そういうふうな資料があるならば、どういうふうな内容の資料なのか、そういうものを含めて、日本の方にも協力を願いたい、こういうふうに言うのが外務省の、言うならば外交チャンネルを持っているところの立場じゃないでしょうか。相手方が言っていることを傍観するようなことではいけません。少なくともそういうことであるならばこれは確かめる必要があるのじゃないですか。どうなんですか。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 今のラウレル副大統領の御発言、たしか四月一日の御発言かと思いますけれども、具体的にどういう御発言をなさったのか、私どもも確認をする手段がございませんが、現在までのところ、私どもといたしましては、公表されております資料を研究し、関係各省が集まりまして検討しているという状況でございまして、この問題についての特定の資料をフィリピン側に対して云々ということは考えておりません。これは今大臣が申し上げたとおりでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それはおかしいですね。フィリピンの方の副大統領が、必要があるならば資料を日本側にお渡ししましょうと言っているものを、公表されたアメリカの公文書だけを今手作業しているなんて、そんな古いことでこの解明はできるはずがない。あなたはどうも、後退後退の発言というか答弁が多いですね。  中曽根総理大臣は四月一日に、この集中審議でこういうふうに言っているのですよ。中曽根総理大臣は、「真相究明に全力を挙げたい」と言うのですよ。あなた、全力じゃないじゃないか。それでは、総理大臣の答弁をあなたが打ち消すのですか。総理大臣は「全力を挙げたい」ですよ。「全力を挙げたい」ということは、それはアメリカの発表された疑惑の公文書、それからもちろんフィリピンにある文書、それも全部含めて「全力を挙げたい」というのを、あなたはそれに対して打ち消すのだ。そんな権限をあなたはお持ちか。いつそんな権限を持ったのだ。(「全力を挙げて後退しているのじゃないか」と呼ぶ者あり)

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 私ども不眠不休で作業、仕事をしておりまして、後退でございますとか、総理ないし外務大臣がおっしゃった御発言を打ち消すないし後退するような仕事ぶりはしておりません。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それでは、いいですか、今やっているのは二千ページに及ぶ公文書の解析を各省庁でやっているのですね。それはわかっているのです。わかっているのですけれども、フィリピンからさらに日本の政府にもそういう協力をしょうというのですから、全力を挙げるということは、そちらの分までも全部、やはり外務省としては一度、どういう御内意なんでしょうということを聞かなければいけない。――これは外務大臣、あなたがその責任者だから言わなければ、それは当たり前のことだと。全力を挙げて後退していたのではしようがないので、これは外務大臣が言いなさい。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 これは私も、やはり援助というのは日本の国際的責任を果たす非常に大きな問題ですし、これも今後倍増しようということですから、こういう段階で少なくとも援助に関して疑惑が持たれる、国内においてもあるいは国際的にも持たれるということはたえられないことでありまして、やはり明らかにするところは明らかにして、そして本当にこの援助が、相手の開発途上国に対して信頼され、理解をされ、そして支持されるような形に持っていかなければ、これは日本の責任は果たせないのですから、そういう意味では、この問題はフィリピンというマルコス前大統領を中心にして起きたことですので、非常に残念ですけれども、この疑惑というのはできるだけ明らかにして、これはやはり次の援助への新しい建設的な一つの方向に向かっての礎石にしなければならぬ、私は本当にそういうふうに思っております。  したがって、政府は政府なりにいろいろと努力をしますし、また国会に委員会ができればできるだけの協力はしだい、そういうふうに思います。ただ、外交上の立場があるわけでありまして、その辺はやはり理解をしていただきたい。ラウレルさんの話もまだ外交ルートを通じての話ではないわけです。ですから、情報としては私も確かに受けとめておりますけれども、外交ルートを通じての話でありませんし、そしてまたフィリピンも、この公開されるかどうかというのは第一義的にフィリピン政府が判断をされることであって、そういう中で我々としては、そういうことになればこれは明らかに日本政府としても別に国際的に外交的にどうということはありませんけれども、まずその辺が問題であって、それをやっぱり、フィリピン政府自体の問題について日本政府としてどうだこうだということは、今フィリピン政府もいろいろと問題を考えておられると思いますが、フィリピン自体が第一義的に考える、判断し、そして行使する問題を、日本政府が合いろいろとこれに対して申し入れるということは、私は今の段階では外交的にも避けた方がいいんじゃないかという判断でおるわけでございます。  しかし、いずれにいたしましても、今後とも、いろいろな面から調査とか情報収集が行われておりますし、そういう中で次々とやはり解決といいますか解明の方向へ進んでいくだろう、私はこういうふうに思っておりますし、そういう中では、多少の時間もかかるでしょうが、できるだけの協力はしなければならぬという気持ちは決して変わっておらないわけであります。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 伝えるところによりますと、ダザ委員長代行が、マルコス夫妻へのリベートは贈収賄の容疑が濃い、しかも日本の企業がかかわった数社に対して刑事罰の対象として調査しているし、政府開発援助の関係で証拠が明らかになって云々と伝えられておりますが、これは犯罪につながるおそれがある以上、捜査当局としては放置をしておくことはできないだろうと私は思うのですけれども、どういうお考えなんでしょうか。

津和孝亮警察庁刑事局国際刑事課長

○津和説明員 お答えいたします。  事案そのものがフィリピン国内で行われているようなことでございまして、一義的にはフィリピン側の捜査にゆだねられるのではないかというふうに考えられております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それじゃ、日本の捜査当局はもう全く関知しない問題でしょうか。それとも、かなりこの問題はやはり重要な問題だということで受けとめて、情報の収集とかいろいろの犯罪の構成とか、そういうもの等も調査というか研究をされているんでしょうか。

津和孝亮警察庁刑事局国際刑事課長

○津和説明員 お答え申し上げます。  警察といたしましても、巷間いろいろ伝えられておるようなことがございますので、事態掌握のために関連情報の収集には努めているところでございます。ただ、外国での犯罪ということになりますと、日本人が外国で行った行為について必ずしも直ちに日本国内でも罪であるというふうには言えないこともございまして、関連の情報収集に鋭意努めておる状態でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 日本の刑法は属地主義ですか属人主義ですか。属地主義ということになると向こうの方の裁判ということにはなるんでしょうけれども、それかといって日本の方の刑法との絡みもやはり出てくるはずですけれども、その点はどうお考えでしょうか。

津和孝亮警察庁刑事局国際刑事課長

○津和説明員 お答えいたします。  刑法の二条、三条あたりに「国外犯」、「国民の国外犯」というものが規定されておりまして、刑法典に載っております犯罪行為のうちの幾つかについて、日本国民が外国で行ったものであっても日本でいろいろと捜査し、かつ、裁判もするといったような規定がございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 私は、これは一般論としてぜひお聞きをしたい問題が四つばかり実はございます。  例えば円借款による事業で、日本企業が適正マージン以外で、事業量見積もり額の一五%ないし二〇%をリベートとしてある国の高官やそれに関連する人物に渡し、私腹を肥やす役割をしたことになると、日本の刑法ではいかなる罪に問われるのでしょうか。また、いわゆる企業といっても全部日本の中に本社を持つ企業だということで、その点については、その絡みはどうなんでしょうか。一般論としてお聞きしましょう。

国松孝次警察庁刑事局捜査第二課長

○国松説明員 お答えを申し上げます。  商取引の過程でいろいろとリベートが支払われるということはよくあることのようでございます。そのリベートが支払われましたことにつきまして、商取引上と申しますか民事上と申しますか、あるいはさらには道義上どういう評価を受けるかということはともかくといたしまして、それが刑罰法令に触れるようになってくるものであるかどうかということは、そのリベートを払いましたときのいろんな状況、払ったあるいは受け取った方のその主観的な意図、そういうものを相当総合的に勘案をいたしませんと何とも申し上げかねるものでございます。  今のところ、そういう本件につきましての情報は、私ども今収集中でございますが、具体的な事実の把握にまだ至っておりませんので、ちょっと御答弁をいたしかねるというのが現状でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 私は一般論でいろいろお聞きしているわけですから、その点やたらに頭を回さないでいただきたい。あなたにはいわゆる刑法の解釈の上から、またいろいろやられる点についてのことをお聞きしているわけですから。  次は、円借款にまつわり私腹を肥やしたと見られる外国の高官が、日本の政党、派閥あるいは政治家個人に政治献金を贈ってそれを何らかの形で受け取った場合、または円借款にまつわり私腹を肥やしていた外国の高官が、日本の企業を通じて政党、派閥、政治家個人に献金を贈ったことが判明した場合、いかなる罪に問われるのでしょうか。

国松孝次警察庁刑事局捜査第二課長

○国松説明員 政治資金規正法の第二十二条の五によりますと、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」ということになっております。先生の御質問もこの点に関するものと存じますが、私どもといたしましてはまだ具体的な事実を把握いたしておりませんので、ただいまの法文をもって答弁にかえさせていただくような次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いや、もうそれはわかっているんですがね。となると、そういうふうな事実がもし出てきた場合においてはどういうふうな罪に問われるということなんでしょうか。

国松孝次警察庁刑事局捜査第二課長

○国松説明員 仮定の問題につきまして私どもとしてはいかんともお答えいたしかねるわけでございますが、(鈴切委員「一般論」と呼ぶ)一般論といたしましては、そういう事実があれば私どもとしてはそれなりの対応をしなければならないのであろうというふうには思われます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 円借款によるプロジェクトを受注した企業が、適正マージン以外にリベートとして渡した金額が公の書類に記載されずに、虚偽の申請や不正行為がなされた場合にはどういうふうになるのでしょうか。

国松孝次警察庁刑事局捜査第二課長

○国松説明員 まあ書類作成上いろいろそういうことがあるということはそれはあるのかも存じませんけれども、それが刑罰法令との関係でどういうことになるかということにつきましては、やはりこれもそのときの具体的な状況がどうであるかということになりませんと、何になるのかちょっと私としてもお答えいたしかねるところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 円借款にまつわる蓄財に絡んで支払われたリベートということが明らかになった場合、相手方のトンネル会社や代理人に現地において支払われたとか、日本から送金されたとか、さらには他国を経由して支払われたとか、日本において代理人に手渡されたとか、いろいろなケースが出てくると思いますけれども、不正リベートの支払いの態様がいかなるものであろうが、犯罪を形成するものになるかどうか。また、今私が申し上げた態様それぞれに違いがあるとするならば、一般論としてお答え願いたい。

国松孝次警察庁刑事局捜査第二課長

○国松説明員 先ほどお答えしたところでございますが、リベートが支払われだということが直ちに刑罰法令に触れるものとは私ども考えておりません。具体的なそのときの状況がございますればそれは何らかの刑罰法令に触れることがあるかもしれませんが、行われたときの状況、行為者の意図、そういうものが具体的にわかってまいりませんと、触れるものであるのか触れるものでないのか。果たしてもし刑罰法令に触れるとして、どういうものになってくるのかということについては、ちょっとお答えをいたしかねるところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 これは普通の商取引と違うのですよ。いいですか、円借款という国民の税金を使っての言うならばプロジェクトに対する企業と国との間の取引で、そういうリベートというものがあること自体がおかしいのでして、フィリピンの国内法でリベートを取るということは、調べてみたって何にも書いてありません。いいですか。ですからそういう問題は、公の国民の税金を使っての問題だから、普通の商慣習の手数料とかリベートというのとは違うということを頭に入れておいていただかなければならぬと思うのです。  今、あなたはどうも歯切れの悪いことを四つ言ってしまった、実際には。一般論として言ったのにかかわらず、何か非常におびえているような状況で、もう少し詳しく言っていただいてもよかったと思うのですけれども。  そうなると、今回のフィリピンの問題等も、こういうふうな問題は非常に関心のあることだというふうに御判断なのでしょうか。

国松孝次警察庁刑事局捜査第二課長

○国松説明員 私どもといたしましても、このいろいろなリベートの問題などにつきましては、それは普通の商行為、商取引に基づくといいますか、それにまつわるものではなくて、円借款という問題が絡むものであるということで、そういう意味で現在大変問題になっておるということは理解をしておるところでございます。  しかし、私どもは刑罰法令の運用というのが任務でございますので、その円借款にまつわるリベート、つまりそのリベートの支払いというのが、そういう円借款との関係でどういう判断がなされるのかということは別にいたしまして、私どもとしては、それが刑罰に触れるものかどうかということを追及する立場でございますので、そういう立場からだけ先ほど来お答えをしておるわけでございます。また、私どものそういう立場からいたしましても、この問題につきましては大変関心を持ちまして、一般的な情報収集を現在鋭意行っておるところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 かねてから政府開発援助については疑惑がささやかれておったわけですが、ほとんど証拠も出ずに立ち消えになっております。今回はフィリピンではかなりの証拠が残されている。第一は借款によるプロジェクトを請け負う企業からの献金であり、第二は輸出入品からのかすりを蓄財してマルコスは私財をふやしたというふうに言われております。そこまで不正のやり方が明らかになっている以上、これからの証拠に基づく事実関係が明らかになることにもなれば捜査当局でも無関心ではいられないだろうということで、捜査当局も、これについて証拠、情報をある程度収集するということでフィリピンに派遣をされるということはないのでしょうか。

津和孝亮警察庁刑事局国際刑事課長

○津和説明員 お答えいたします。  情報収集等の方法は種々あるわけでありますけれども、我が国におきます刑事事件捜査のためにとり得る方法というのも、例えば外交ルートでお願いする、あるいは国際刑事警察機構等を通じてお願いする、いろいろなことがあるわけでございます。ただ、現在の時点におきまして、いろいろと情報収集等を行っておるわけでありますけれども、我が国の刑事事件、刑罰法令に触れるかどうかといったようなことの捜査のために、現時点でまたそのような段階にまで至っていないといいますか、さらに情報収集に努める必要があろうかと考えておるところであります。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 アキノ政権はマルコス前大統領の資産調査に着手しているわけでございますが、資産づくりがフィリピンの国内法で訴追される可能性が出てきているわけでございます。もし国際捜査共助法に基づく協力要請があれば、日本政府としては進んで協力をすべきではないかと私は思うのですが、外務大臣、その点はどうでしょうか。

小和田恒外務省条約局長

○小和田政府委員 国際捜査共助法はいろいろな要件を規定しておりますけれども、その要件に照らして妥当なケースであれば、その法律の定めるところに従って処理をするということになるであろうと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 我が国の政府開発援助、ODAは年間一兆円規模にまで伸びておって、さらに新年度から七カ年で倍増する計画も決まっておるわけでありますけれども、ODAにかかわって私腹肥やしに利用されたのではないかと言われているのが今回の事件の特徴になっております。となりますと、政府の経済援助のあり方についての見直しを行うべきではないかと私は思うのですが、具体的にはどうするつもりなんでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 援助は、これまでも三年倍増、五年倍増をやってまいりました。今後とも日本が世界的な役割を果たしていくためには援助を増強していかなければならぬ、そういうことで七年の倍増計画をつくったわけでありまして、これは国際的にも非常に評価を得ておりますし、積極的にやっていきたいと思っております。  ただ、援助のあり方についてはいろいろと検討する必要があるのじゃないかと私も考えております。例えば、今は量的にはアメリカの半分で世界では第二位ですが、質の面で見ますと、DACの中でも非常に低い順位にあるわけでありまして、日本の援助はどちらかというと無償が中心ではないわけで、円借等が中心になっております。諸外国はどちらかというと無償が中心になっておるわけでありますが、これからはそうした無償部門といいますか、そういう厚みのある援助体制に持っていくのが筋ではないだろうか。それから、技術援助とか人づくり援助とかそういうところに相当重点を置く必要もあるのじゃないだろうか。こういうふうに思っております。同時に、援助の相手国とのいわゆる援助の協議につきましても、これまでのフィリピン問題等もいろいろと反省の材料にいたしまして、援助が実際に相手国の国民の手に届くといいますか、福祉の向上、経済、国民生活の安定に直接資していくという形をとるということが大事なことではないだろうか。今までも日本の援助は割合きちょうめんにやっておると私は思いますけれども、さらにこうした問題を契機にしてもっときめの細かい、そしてフォローアップも強化するという形できちんとやるような、そういう行き方を求めていく必要がある。ですから改善する点は私はあると思っております。その点は国会の御意見も聞き、また政府自体も考え、有識者の意見も徴して、そうした改善すべき点は改善をしてまいりたいし、また改善しなければならぬ面がある、私はそういうふうに考えて取り組んでまいる考えてあります。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 経済援助の中で交換公文を交わしながらやっているわけですから、水も漏らさぬような状態で政府はやってきたと思っておられるでしょうけれども、今回こういうふうな問題があったわけですが、見直しをするには、やはり原因というものをどう考えておられるかということが一つの大きな問題になりまして、それを改善しなければならないわけです。その点、これは事務局の方でいいのですが、どうしてこんなふうになったのか。原因はどこにあったのかということについて御答弁願いたい。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 ODAの供与体制、特に円借款の供与体制につきましては、ただいま外務大臣から御説明申し上げたとおりです。  今委員が御指摘になっておられるいわゆるマルコス文書等にあらわれております問題でございますけれども、委員もよく御承知のとおり、政府ベースで交換公文締結、その後、それに従いまして相手国政府が公開入札を行うという義務を我が方で課しておりますので、公開入札を行いまして、相手国政府としましては一番よいものを一番安い値段で落札者に与える、それで契約を結びます。  現在起こっておりますお話は、この契約を結びましてその円借款自体が動き出すというのとはちょっと別で、落札した企業が、仮にこれを日本の企業Aといたしますと、そのA社がフィリピンにありますある企業B社との間で、それを我々真正と認めているわけではございませんが、今度明らかになりました契約では、自分たちが仕事をするに際しては、このBというフィリピンの会社にフィリピンにおけるすべてのサービスの対価としてFOBの価格の一五%を支払うという契約があった、それに基づいて支払いが行われた、これが今実は問題になっておるわけでございます。  そうしますと、こういう代理人契約と申しますかコミッションを払うという契約があった、それが果たして、先ほど関係当局から御答弁がございましたように、商慣習と申しますかそういうものからいって適当なものであるのかどうか、日本の国内で違法性があるのかどうかという問題が一つあると思います。  それから先方の、いわゆるフィリピンの中でいろいろな活動をしたことに対して一五%の報酬を得た代理店というものが、その一部分ないし大部分をフィリピン側の政府高官の方に実は贈っていたのじゃないか、こういう報道があるわけでございますが、それはフィリピンの中で一体どういう法的な意味を持つのか、違法性があるのか。これは先ほど来も警察の方から御説明がございましたようにフィリピンの国内法の問題でございますし、その真偽を確かめるということもフィリピン側がやっていただくべき問題なのだろうと思います。  したがいまして、もちろん事はODA、特に円借款の制度を改善していくことによって防ぎ得る、ないしは抑し得る部門もあるかと思いますけれども、ODAのシステムの若干外にある問題というものもかなりあるのじゃないかというふうに私どもも考えております。  したがいまして、総理もただいま外務大臣もおっしゃいましたように、いやしくもこのようなことで、国民のODAに対する信頼感が揺らぎ、かつ、疑惑を生むようなことがあってはならぬということで、私どもができ得る範囲のことで一体何が改善できるかということで、今いろいろな案を出しまして、今大臣からも御回答がございましたような評価の徹底化でございますとか、事前の調査をもう少しきちっとできないものなのかということで、鋭意関係当局間で検討を進めているというのが今の状況でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 今言われましたいわゆる援助の入札の適正運用とか事前調査とかということがありますけれども、さらに必要な問題は、やはり事後調査という問題もあると思うんですね。毎年百件近くの事後調査というものが行われているのでしょうけれども、なぜその間において、これだけ長い間行われていたいわゆるリベートといいますか、これ自体の実態がわからなかったのかということに僕は非常に問題があると思うのです。  例えて言うならば、やはり企業である以上は適正なマージンというのが必要なんですよ。そんな出血してやるなどということはあり得ないわけですから。だから見積もりを水増しするかあるいは、例えばバラスを入れるにしてもバラスを半分にしちゃって道路に敷くために、当初の援助をする内容としては少なくとも十年間は十分に保つことができるだろうと思っていたのが、雨が降ってきたり何かして基盤が弱いためにもう既に崩れてしまうとかいうことはフィリピンでは非常に多いと言われているのですよ。そうなると私は、事後調査という問題について今までのやり方ではとても――できたものを見ればそれは一通りの形は整っているわけですが、実際にそれだけの厚みのバラスが入っているかどうかということになるとこれは非常に問題になるんじゃないでしょうか。だから、事後調査というものについてなぜそのときに不正が判明できなかったのか、その点は問題があるのじゃないですか。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 おっしゃいますように、事後調査と申しますか評価調査を年間百件程度行っております。フィリピンにつきましても、我が国の供与しました援助が果たして効果的、効率的に運用されているかどうかという観点からの評価活動を行いまして、評価の結果としましては、もちろんいろいろ問題点、改善を要すべき点という指摘はされておりますけれども、おおむねそれぞれのプロジェクトが所期の目的を達しつつあるという評価を得た事業が多いという状況でございました。  今委員の御指摘のとおり、仮にその援助の実施の過程におきましていろいろ疑惑を招くような状況があり、それが援助事業の効果的な運用に影響を及ぼしていた、それを見抜けなかったのはおかしいんではないかという御指摘かと思いますけれども、その点をも含めまして、評価調査というものをより徹底、改善していく必要があるんではないかということは、大臣からも御指摘を受けまして、今この評価の手法の改善も含めまして、第三者的視点の導入でございますとか、手法の改善等に鋭意取り組んでいるのが現在の状況でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 事後調査というよりも――いわゆる交換公文に基づいていろいろの事業がなされているわけです。それに対して、少なくとも日本の国民の税金であるお金がフィリピンヘ援助として行っているわけですし、フィリピンの発展のため、あるいはフィリピンの国民の福祉のためにこれは使われなければならないわけですから、そういう点において、もう少し目を光らせて事後調査もその途中における調査もやっていかなくちゃならぬと思うのですが、その点がまず第一点。  それから、ラウレル副大統領が、今後の日比の借款の適正な運用のために、日比両政府が特別協議会を設置することが望ましいと述べているわけです。これはやはり、これからの運用についてはぜひガラス張りにしていかなくてはならない。フィリピンもそういう姿勢で取り組みますよということで、先ほど外務大臣は、ラウレル副大統領が直接のチャンネルを通じて言ったのじゃないから、その点については関心はあるけれどもと言うのですが、向こうはかなり建設的な、いわゆる特別協議会を設置してこれからやりたいと言っているわけですから、その点はどうお考えになっているのか。  また、第十三次のフィリピンの借款の問題については、今現在、いろいろと問題になってきていることもありましょうけれども、これは別枠としてこれからどんどんフィリピンと詰めていかれるのかどうか、その点についてはどうなんでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 援助するといいましても、相手は主権国家でございますから、お互いに十分納得ずくでやらなければならぬと思います。今フィリピン政府も日本の援助を非常に強く求めておりますし、これからの援助が、本当にフィリピンの国民生活の安定、経済の安定に役立つように、我々も協力を申し上げたい。その間には、今おっしゃるようにできるだけ公明に行うことが大事だと思っております。これはこれから話し合いで十分詰めてまいりたいと思っております。  それから、アキノ政権の一番大きな問題はフィリピンの経済の回復だと我々は思っておりますし、それには日本の役割は相当大きいと考えております。そしてできるだけ協力しなければならぬと思っております。十三次の実施も含めて、さらに今後の協力関係もあわせて、当局間でこれから具体的な話し合いに入りたいと考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 我が国が経済援助をしている発展途上国はかなりの数に上っているわけです。発展途上国というのは、議会制民主主義じゃなくて一部の権力者による支配が比較的行われているわけでございますけれども、フィリピンのように一部権力者が私腹を肥やして経済援助が当初の目的から外されてしまっているところもほかにあるのじゃないだろうか、日本が経済援助をしている中にあるのじゃないだろうかということで、そういう心配があるかどうか、在外公館を通じて一応総点検をして確かめてみる必要があると私は思うのですが、大臣どうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 確かめるというよりは、これは大事な援助でございますから、相手の国の国民に直接裨益するようなものでなければならぬと思います。そういう意味で、交換公文をつくる場合あるいはまたいろいろと援助を実施する場合において、日本も援助する側でございますから、相手国に対してそれなりにきちっと申し上げることはしなければならぬと思いますし、またフォローアップ等は、先ほど局長も答弁しましたように、第三者、学識経験者等の御協力も得てこれからさらに積極的に行ってまいりたい、そして、いろいろと問題があれば外交ルートを通じて相手国に対してきちっと注文をつけていかなければならぬと思うわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 会計検査院が来ておられるでしょうか。――マルコス前大統領の不正な蓄財ぶりを示す文書が米議会で多数公表されました。その中で、日本の企業が円借款事業の受注をめぐってマルコス政権を相手にリベート合戦を演じていたことが判明いたしました。となると国民の税金が不正に使われたことになるわけでございまして、公金の不正使用ということになれば会計検査院もこの問題について無関心ではいられないはずだと思います。会計検査院としてこの問題を調査する考えはないのか。どうですか。

深田烝治会計検査院第五局上席調査官

○深田会計検査院説明員 お答えを申し上げます。  海外経済協力につきましての今回の事態について、私どもといたしましても深い関心を持っております。  現在、担当行政庁でございます外務省、経済協力基金等において見直し作業を行っておられるということでございますので、私どもといたしましては、その結果について十分な検査を行いたいという考えでございます。現在、私どもといたしましては、各種情報、資料の入手等に努めているところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 今まで、会計検査院として円借款について不適正な支出と指摘したことはまず記憶にないわけです。今回、ODAにまつわる多額な税金の使途に不正の疑いが提起されている以上、手をこまねていてよいのかということなんですが、そういうのをチェックする機構とか人員とかそういうシステムになっていないところに問題があるのじゃないかと私は思うのですけれども、会計検査院、その点どうなんですか。

深田烝治会計検査院第五局上席調査官

○深田会計検査院説明員 お答えいたします。  今回指摘されております円借款について申し上げますと、私どもの検査対象といいますのは海外経済協力基金の会計経理でございます。したがいまして、現在、海外援助の担当行政庁でございます外務省、あるいは実施機関でございます海外経済協力基金等で行われております見直し作業の結果について私どもは十分な検査を行う、そういう中で検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 会計検査院というものは、国民の税金がどのように使われたかということについて適正な調査、そして判断、こういうことで会計検査院の置かれている第三者機関としての立場があるわけで、それは本当に中立的であると同時に、大変に権威のあるものであると私は思うのです。思うのですけれども、今回の問題は、海外援助について今までもずっといろいろ言われてきたが、しかし、証拠がないとかでそのうちに立ち消えしてしまったということで、ほとんどと言っていいくらい不正な支出の指摘がなかったわけですから、今のようなやり方でいって果たして会計検査院としてチェックが十分にできるかどうか。これはできるものなら当然もうやっているはずなんです。できなかったからこういう問題があったわけでしょう。これは会計検査院として大変恥ずべき行為である。それなりにやってこられたにもかかわらず不正に使用されているということについては、本当に反省しなくちゃならない。反省すると同時に、どうしようかということについてもう少し前向きな対処の仕方を考えなければだめじゃないですか。この点どうですか。

深田烝治会計検査院第五局上席調査官

○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたように、私どもの検査対象といいますのは、円借款について申し上げますと海外経済協力基金でございます。海外経済協力基金が行っております作業自体が検査対象でございますので、その検査についてでき得る限り努力していきたい、そういうことでございます。(「同じことを言っちゃだめだ」と呼ぶ者あり)

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 もう一回答弁。それじゃだめだ。会計検査院がそんなことでは、今までも指摘できなかったのがまた指摘できない。だから、反省していると同時に、前向きに取り組むためにどう機構をまた新たにしながら人員も配置するかということについて、もうちょっと前向きの姿勢でなければ、これはまた国民の税金がこういうところで不正に使われるという形になりますよ。だからもう一回答弁してください。

深田烝治会計検査院第五局上席調査官

○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたように、今回の事態については、私どもといたしましても深い関心を持っているわけでございます。当面は、外務省あるいは経済協力基金において見直し作業を行っておられるということでございますので、私どもとしてはその結果につきましてあとう限りの十分な検査を行いたい。当面、私どもといたしましては、部内の検査体制を整備いたしましたり、あるいは手持ち資料の整理点検、それから各種情報資料の入手ということに努めている次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 余りわからないですが、ここで指摘された以上、会計検査院としても、もう少ししっかり部内においても研究をしてください。  実は四月二日に、マルコス資産疑惑を追及しておりましたアキノ政権の政治倫理委員会のダザ委員は、民社党の調査団一行に、経済協力に関連して少なくとも五つの日本企業がマルコス不正蓄財にかかわり合いを持っており、二企業は法律的に、不正な証拠が明白だとして刑事罰適用の可能性を示唆をしておりましたけれども、その後フィリピンの経済新聞の報道によりますと名前が出てまいりました。これは丸紅とトーメンの二社ということで名前が明らかにされたようでございます。  私ども公明党のいわゆる調査団がやはり調査した資料によりますと、ここに一番から十番まで受注第十位ということで出ている中に、確かに一位は東陽通商だ、それから二番が酒井重工業だということと同時に、丸紅とトーメンというのも名前が出ているわけでございます。  この丸紅とトーメンについては、米側で公表されたマルコス文書のリベート支払い企業リストには登場していないわけです。  そこで通産省の方にお聞きしたいわけでございますけれども、通産省としては、この二社のフィリピンのODA関係についてのかかわり合いというものをやはりただしてみる必要があるのじゃないだろうかというふうに思うのです。既に通産省は、名前が出たということについてはいろいろとお呼びになって事情をお聞きしているということが再三報道されておりますけれども、これも名前が向こうの経済新聞等に出てきたわけですからその必要があると私は思うのですが、その点についてはどうでしょう。

安達俊雄通商産業省通商政策局経済協力部企画官

○安達説明員 御指摘の報道については十分承知いたしておりますが、丸紅及びトーメンの二社に関しまして、具体的にどのような時点で、どういう具体的なプロジェクトについてどのような問題があるのかといった、報道で指摘されているような疑惑の内容というものが明らかではございませんので、企業を呼んで聞く以前に、まず真相究明のためにそれなりの分析が必要ではないかというふうに思っております。  いずれにいたしましても、フィリピンの援助に関して疑惑を招きかねないようなうわさが種々伝えられているわけでございますので、その真相究明のために、通産省としても四省庁の一員として最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうかた苦しくお考えにならなくてもいいんじゃないかと私は思うのですね。丸紅とかあるいはトーメンという大手の商社の名前がぼんとこう出ます。出ますと、これは商社の社会的責任とそれから信用というものがあるわけですから、そういうことから考えますと、企業の元締めである通産省としてはやはり情報収集をすることは当然でしょうけれども、あなたのところでは名前が出たけれども、フィリピンの円借款に絡んでどういうようなやり方をやっているのかということについていろいろ事情を聞く必要があるだろうと私は思うのですが、それまでできないのですか。

安達俊雄通商産業省通商政策局経済協力部企画官

○安達説明員 公開文書の分析に全力を挙げているところでございますが、分析を行ったところで、その結果として必要があればヒアリングを行うことも考えていきたいと思っております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 最後です。外務大臣、いずれにしても、今回のマルコス疑惑については、政府の方も国民の方も、国民の税金である以上は正さなければならないものはやはり真剣に正さなければならないというふうに思っておりますし、少なくとも相手の援助国が発展をし、そしてそれがその国民の福祉のために使われるというのが法の趣旨ですから、これに対して全力を挙げるべきだと私は思うのですが、これについて最後に外務大臣の御見解を伺いまして、私の質問を終わります。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 国会での公党間の約束事もありますし、これから調査特別委員会もできるわけでございます。政府としてもこれはできるだけ御協力を申し上げなければならぬと思いますし、そのための情報や資料の入手等もできるだけ行っておるわけでございます。  いずれにしても、経済協力問題、これをこれからも強化していかなければならないわけでございますから、この際に、やはり国民に対しましても疑惑の点については解明をするとともに、本当に信頼されるようなそうした援助体制というものを確立するために力を尽くしてまいりたいと考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 以上をもって終わります。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 和田一仁君。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 在勤法につきまして若干御質問させていただきます。  我が国が世界の平和に積極的に寄与し、さらに繁栄のために努力するということは、これはもう我が国外交の大前提だと思います。そのために具体的に外交実施の体制を強化していこう、こういうことは極めて当然なことでありまた大切なことである、こう思います。  今度のこの在勤法は、スペインのバルセロナに総領事館を新設するということでございますが、適切なものである、こう考えております。  そこで、このスペインは一月にECに加盟をいたしました。これによってさらに従来以上に我が国との貿易や経済交流は活発になっていくのではないか、こういうふうに予想いたしておりますけれども、スペインとの経済交流の実態、そしてこれからの見通しにつきまして、外務省としての基本的な見方について、簡単で結構でございますけれども、概要の御説明をお願いしたいと思います。

西山健彦外務省欧亜局長

○西山政府委員 ただいま御指摘のとおり、スペインは本年の一月一日からECに加入いたしました。ECはこの二月末、三つの条約改正ないし条約案から成りますところの政策パッケージというものに署名いたしまして、これから各国国会の批准を得る手続を経るわけでございますが、その一つの中に、一九九二年までに国境のない単一市場をEC内につくるという目標が掲げられております。したがいまして、スペインがそのようなECの中に一月一日をもって加入したということは、将来我が国が、ECとの貿易ないしECに対する投資を通じてこのEC単一市場の中に入っていく、また向こう側が日本との交流を深めていく、そういう非常に大きな見通しが開かれるものというふうに考えております。  もしもよろしければ若干の数字を申し上げますが、現在日本―スペインの貿易額は、これは八五年の数字でございますが、輸入が三億五千万ドル、輸出が七億四千九百万ドルでございます。こういうわけで、片貿易でございます。  これを何とか解決するためには投資ということが必要でございまして、そのためにスペイン側も非常に日本の投資を望んでおります。一九七九年以来は、日本の商工会議所とスペインの商工会議所の間で経済合同委員会というようなものがつくられております。昨年九月にはゴンサレス首相も日本に来られ、双方の経団連の会長も交流するというようなこともございまして、先方の対日投資招聘といいますか、そういう意欲が大変強く感じられている次第でございます。その結果、ここ三年ばかりの間に飛躍的に日本の対スペイン投資は増大している次第でございます。これも冒頭に申し上げましたような視野の中で行われていることでございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 その総領事館は、設置するのは政令で決めるのでしょうけれども、いつごろに開設をされるのか、準備の状況はどうなのか。具体的に言って、建物やあるいは館員の宿舎等の手当てはどうなっているのか。そしてさらに、現在はマドリードでスペイン全部をカバーしている。そのマドリードの大使館から人を割くということにでもなると、これはそちらの大使館の方の活動が低下するおそれはないかどうか。そういったことについてお聞きしたいのと、大変小規模の総領事館でしょうけれども、少人数で新設されたところで仕事を始めるのですから、今度は、こういうところでの外交活動が非常に効率よくいくように、ぜひ通信施設であるとかあるいは中の事務機器の近代化、省力化といったことを徹底的に考えてやっていただきたい。日本は経済大国でハイテクの国であると言われながら、在外公館の実態を見ていますとこんな機器もまだ入っていないのかとびっくりされることが非常に多いと聞いておりますので、今度新設の場合にはそういうことのないような配慮を十分していただきたいものだと思います。お尋ねいたします。

北村汎外務省大臣官房長

○北村(汎)政府委員 まず開設の時期でございますけれども、来年の一月一日をめどに開設の準備を進めております。  開設後、当面の間は適当な物件を借り上げまして事務所あるいは公邸に充てたいと考えておりますが、その後将来適当ないい物件が見つかりましたらこれを国有化していくということも考えております。  それから人員の点で、四人の定員の公館でございますが、今回新規に二名につきまして、あとの二名は、一名はマドリードの大使館から、もう一名はラス・パルマスの総領事館から回すということになっております。これは、例えばマドリードの大使館では従来からバルセロナ関係のいろいろな領事事務がふえてきておりまして、これに大体一名の人員の事務量があったわけでございますので、今度総領事館の方に移りますとその人間を一緒に回す。それからもう一つのラス・パルマスの総領事館では近年漁業関係の領事事務が多少減ってきておりますので、その辺のところをあんばいするということで、両方とも事務に支障を来すというようなことはないと思います。  それから先生御指摘の通信施設、そういうものの近代化は本当に外務省も鋭意これに努めております。科学技術の発展に伴っていろんな通信施設に改善を加えていかなければならないのでございますが、この点も財政当局の御理解を得ながら進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 最近は、きょうの報道でもまた飛行機の爆発事故があったというようなことを報道されておりますが、国際的なテロが多発しているという大変憂慮すべき状態でございまして、そういう意味では我が国の在外公館は絶対安全だという保証はどこにもございません。そういう意味でも、治安対策といったものに対して十分配慮をしていただかないといかぬ、こう思います。  私、昨年訪中をいたしましたときに、広州の総領事館だったと思うのですが、お訪ねをいたしました。これは新しいホテルの一角を借りてやっておりますが、ホテルの裏に行けばきちっと国旗が掲げられて、そして警備員というのか兵というのか、ちゃんと立っておりました。しかしホテルの中だものですから、ホテルの正面から入った普通の利用者がドア一つあけるといきなり領事館の廊下をうろうろできる、こういう状態でございまして、警備上も管理上も十分でないなという気がいたしました。したがって、さっきのお話のように、適当な物件があって国有化という方向を一日も早くやった方がいい。借り上げの中では十分なことはできないかもしれませんけれども、治安対策についてひとつ手落ちのないようにしていただかなければいけないな、こう思いますが、いかがでしょう。

北村汎外務省大臣官房長

○北村(汎)政府委員 今回も、事務所、公邸を選定する場合には、周辺の安全性を十分検討いたすことはもちろんでございますけれども、入居に先立ちまして警備員を雇い入れたり、それから門の扉とか受付の部門を強化して侵入されないようにする、そういう人的、物的な両面から警備対策を講じる所存でございます。  御指摘の広州の総領事館は例の新しいホテルに移ったわけでございますけれども、これは適当な物件がなかったためにホテルの中に入っております。ただ、あのホテルは先生も御指摘のように人民武装警察が一応警備をしております。それで、中へ入った者が自由に入ってくることもあり得るのですけれども、その場合にはこの総領事館の出入り口には十分物的な対策をとるように努めてはおります。まだ決して十分ではない点はあろうかと思いますけれども、そういうことは努めてまいりたいと思っております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 大臣、今スペインの話でちょっと思い出したのですが、今話題のマルコス・フィリピン前大統領、アメリカにおりますけれども、スペインに行きたいといってまだ実現しておりません。また再度、何やら米政府を通してスペインに行けるような折衝をしておるというか打診中のようでございますけれども、大臣どうですか、行けそうな雰囲気がございますか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 スペインはかつてフィリピンを植民地にした国でありまして、そういう意味ではフィリピンとなかなか因縁の深い間柄のように承知をしております。そういう中でマルコス前大統領もスペインに行きたいという希望を持っておるようでございますが、果たしてスペイン政府が受け入れるかどうかということは、まさに我々も注目はしておりますが、その見通しについては何とも言えないという段階でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 在外公館というものは日本の外交の最先端にありまして、やはりその外交がスムーズにいくようにいろいろな情報を収集し、またそのための努力も現地においてしなければならない、こういう大変大事な使命が与えられていると思います。  そこで、ことしも日本の予算が大変厳しい中で、海外協力に対して、これは日本が世界の繁栄のために何としても貢献していかなければいけない、貢献しなければならないという立場から、ODAについても中期目標、先ほども大臣おっしゃっていました七年で倍増という予算を組んだわけでございまして、世界各国がちょっと援助疲れの中で、日本は今申し上げましたように今年度がODAの中期目標として七年倍増の初年度に当たる、こういうことで大変注目を受けているのではないかと思います。  そういったことから、このODA、経済協力全体ですね、大臣はかつて、最近のいろいろな情勢の中からアジア政策の見直しも必要ではないかという意味の発言をされておりますけれども、そういうお考えと絡めて、この経済協力全体についてどういう御見解で進めていこうとされているか、その辺をお伺いしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 日本の開発途上国に対する援助は、日本が国際的にこれだけの力を持ってきた、経済力を持ってきた以上は、これをさらに強化していくということが日本の国際社会に対する責任を果たすゆえんにつながっていくであろう、こういうふうに思います。そういう立場で政府はこれまでも援助を拡大してまいりました。そして、ことしから七年間にわたって倍増計画を世界に向かって公表をいたしまして、初年度のスタートを切ったわけでございます。  先ほどお話しのように、今世界の先進国では援助疲れという空気があります。そういう中で、日本の援助拡大という一つの世界への公表は非常に大きな評価を得ていると私は思っております。これはどうしても実行をしていかなければならぬ。そういう中でも、やはり実行はしなければなりませんけれども、援助のあり方については、これは相手の国、特に国民が本当に喜んでいただけるといいますか、国民の福祉の向上あるいはまた経済の安定に直接資するものでなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。  日本は、援助の量は大変多いわけですが、質の面についてはこれまでもいろいろと言われておる問題があります。あるいはまた、援助のあり方についても、今回フィリピンの問題でいろいろと疑惑も持たれて大変残念に思っておるわけで、この点は我々は解明をしながら、同時にまた、援助全体についてこの辺でひとつ全体的に見直しをしながら、本当に援助が開発途上国の発展に資するものである、国民の安定に資するものである、そういうつながりを持った形でこれから援助を拡大していく必要がある。ですから、改善をするところはやはりこの際改善をする必要があるということを感じております。いろいろな面で今検討を図っておるわけでございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 今のお話ですと、相手の国民が喜ぶような、望むような、そういう経済協力でなければならない。そして、今大臣の方からも触れられましたけれども、対比援助のようにこういった疑惑が持たれるようなものについては、いろいろ考えて究明しながら改善すべきものは改善。こういうお話のようでございました。  そこで、今の対フィリピンの援助問題について最近大変な大きな問題が出てまいりました。新聞や報道機関あるいは国会で問題にされているそういう点の一番のもとは、マルコス前大統領がフィリピンをお出になって、そのとき持っていかれた文書、私有文書をアメリカの行政機関が押さえまして、それをアメリカの議会で公表する、こういう形になったわけですね。そういうあり方について、これはそのことを契機に日本にも非常にかかわりの深いいろいろなことが報道されておるわけですけれども、私はよくわからないのは、行政機関の中で持っていたはずの文書がダイレクトに議会の中で公表された、この辺がよくわからないのですが、こういうことが事前に外交ルートで何か連絡があったのかどうか。これは日本だけでなくOECDのすべてのかかわりのあるところとしても、そういったことがぼこぼこあるということは外交的な配慮がないような気がちょっとするのですが、何か事前にございましたでしょうか。     〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

後藤利雄外務省アジア局長

○後藤(利)政府委員 マルコス前大統領がハワイに入りましたときに持ってきました資料が公表されたのは一体どういう経緯かという御質問でございますが、米国におきましては、連邦議会の各委員会とか小委員会が、調査のために必要な書籍とか記録またはその他の書類を提出せしめるという一般的な権限を有していると承知しております。したがいまして、ただいまの御質問の件につきましても、下院外交委員会の東アジア・太平洋小委員会、有名なソラーズ委員会でございますが、においてかかる権限を行使しまして、税関より資料を入手して同委員会の判断として公表したということで、アメリカでは議会がそういういわゆる書類を税関その他政府機関から出さしめるという権限を持っているということでございまして、この点につきまして、私どもとしては、事前にそういうことを渡すというような通報を米国からは受けておりません。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 大臣、アメリカはこういうことできるのですよ。日本の国会は、やはりそういう意味で、必要とする資料を、行政が入手している資料を求められたら出して当然だ、これは出せないものも当然あるでしょうけれども、差し支えないものなら当然出していいのではないか、こう私は思うのです。  今度の公表されましたいろいろなプロジェクトの中身、そして受注企業、それから手数料のパーセント、こういったものがずっと出ております。これについて政府としては、そういうものであるというふうにお認めになっておるわけですけれども、大臣そうですね、これは。全く違うんだという否定はされていなかったと思いますが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 政府としましては、国会でこの問題について究明をされる、それに当たりましてできるだけ協力をする、資料についてもでき得る限りの資料の提供を行うことは政府の責任の一つでもあろう、こういうふうに思っております。ただ、外交上の問題で、外務省としてもなかなか提出については外交上の配慮ということもあってできないという面もあることは、これはしばしばお話し申し上げている点で、この辺はひとつ御理解をいただきたい、こういうふうに思っております。  今、マルコス文書等でいろいろとアメリカの議会等で明らかにされております。その内容については既に外務省で翻訳もしまして国会にも提出をいたしておるわけでございますが、今これを直ちに確認する、したということではなくて、今その問題についていろいろな角度から政府自身としても検討し、調査もしておる、こういうことでございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 このマルコス文書については、それなりの重みがあるというふうに先ほどの御質問の中で御答弁になっておられましたし、また、これからの援助をきちっとしていきたいために明らかにすべきものは明らかにしたい、こういう御答弁も先ほど伺いました。  そういうことを考えまして、私は、外交的配慮から公表ははばかるというお話で、果たして、これからの援助のあり方を検討したり、あるいは先ほども言っていましたきちっとしたものにしていくために明らかにすべきものは明らかにしたい、こういうお話を考えますと、これは外交的配慮をもっと積極的に逆に相手国のことをもっと考えて、向こうの国民自身がもっとはっきりしたい、これからの援助のあり方は今までと違ったものできちっとしたものにしてほしいのだ、援助は欲しい、援助は欲しいが、今までのようなものでない援助にしてほしいという声があるのですから、そういう声を背景に、新政権との間でこういったものについてお互いに話し合いながら、もう少し積極的に、国民の前に明らかにしましょうと、逆にこういう配慮をしていただかなければいけないと私は思うのですが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 主として相手国にかかわる問題で、相手国が公表しない資料を日本政府が相手国の公表しないにもかかわらずこれに先立って発表するということは、まさにこれは外交的に問題がある、こういう立場から公表は差し控えさせていただく、こういうことを申しておるわけでございます。これはあくまでも相手国の問題でございまして、相手国が公表されればそれは当然日本においても公表されてしかるべきであろう、こういうふうに考えておるわけです。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 ですから、そこのところがどうも受け身で、向こうが発表するならこちらも発表できるというのではなくて、向こうの国民がこういうことでない新しいきちっとした援助にしていきたいという背景の中で、疑惑を、真相を究明していこうというならば、もう少し政府間で話をして、そして早い時期にこれは公表にこぎつけていただきたい、こう思います。これは要望いたしておきます。  もう一つ、私がお尋ねしたいのは、今度のこのことで明らかになったのでちょっと驚いておるのですけれども、この文書の中に対外商取引文書というか、フィリピンにとってのプロジェクトに関係して、例えば横浜から船積みされた三菱の道路工作機械の船積み書ですね、こういうものが住友商事からフィリピン中央銀行あてに送られた、そういう書類があるとか、あるいは丸紅や函館ドックとフィリピン企業との造船契約、船を二隻つくる、そういう文書とか、こういうものがいわゆるFM文書と言われるマルコス文書の中に私有文書として入っているというのです。これはどういうところでそういうものが入ってきたのかよくわからないのですけれども。こういった商取引文書のこんなものから大事なものまで入ってくる。これは、国の行政行為というものとマルコスさんという全くの個人と大統領であるマルコスさんというのとが非常にごちゃごちゃになっているような感じがするわけなんですが、従来、経済援助やら外交をなさっていながらこういった点について、少しそういったけじめがないというようなことは考えたことはございませんでしたか。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、私どももいわゆるマルコス文書というものを見まして、どうしてこんな書類が遠路はるばるあそこまで運ばれて公表されたのか、非常にいぶかしく思うものが多く含まれていることは事実でございます。ただ、どうして持っていかれたのか私もよくつまびらかにいたしませんので、特に私としてコメント申し上げる立場にはございません。ただ、あれだけいろいろな種々の細かい問題まで大統領のところまで上がって決裁をとられたり何かしているということでは、フィリピンの大統領は非常に御多忙だったのだろうなという感じがいたしました。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 御多忙過ぎてこれはびっくりするぐらいですが、私は、それだけにこの文書の中には極めていろいろな重要なものが入っているのじゃないかと思うのですよ。二千三百ページですか程度のものが持っていかれたのですが、そのうち二千八十九ページだけが公開されまして、まだ二百ページぐらいのものが未公開である、こういうこと。それからもう一つ、サロンガ委員長がアメリカのアジア・太平洋小委員会に提出したスイス銀行を舞台にしたところのリベート工作の文書というものがあるわけですけれども、これも未公開、こういうことです。この未公開文書について、私はこれはなぜ未公開なのか。ほかのもの、私たちにとっては大変びっくりするような重要なことがいっぱい公開されたのですが、ここは公開されてないということは、これ以上に大変重要な内容であるからちょっと今すぐ公開をはばかっている、こういうふうに理解をしなきゃならぬと思うのです。何でもいいものだったら全部出すはずですよ、どうでもいいものなら。私は必ずこの未公開というものの中には大変大きな重要な部分がある、こう思うわけなんですが、この未公開文書を公開してくれという要請をする意思があるかないか、これをぜひお聞かせいただきたいのです。  というのも、ちょっとこれは大臣にお聞きしたいのですが、大臣は真相究明には徹底的にやるという姿勢を示されております。私は当然そうなけりゃならないと思うのですね。これを我が党の塚本委員長も、今フィリピンに参りまして、いろいろと要人とお話をしております。そういう中で、この問題についての究明をお互いに力を合わせてやろう、こういうような合意がだんだんでき上がっております。そういう中で私は、こういった未公開部分、これを外交ルートの中で正式に話し合って明らかにしていくということは非常に大事だと思うのですが、大臣いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 米国政府及び議会の関係当局によりますと、マルコス前大統領が米国に持ち込んだ書類で米国議会において発表されなかった部分があることは、これは事実であると思います。が、同部分には日本企業に関係するものは含まれていない、こういうことでございます。したがって、この実情にもかんがみまして、米国側が公表していない文書を我が方が要求することは必要でもなく、また適当とは言えない、こういうふうに考えられるわけで、こちらに対して文書の内容を知らしてほしいという要請はいたさないということに方針を決めておるわけであります。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 今ちょっと大臣の御答弁の中で、これは未公開部分の中身は御存じなんですか。これについては日本の関係はない、こうおっしゃったように今聞こえたのですが、ということは、見たけれどもない、こういうことですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 これは公開部分を向こうからこちらの要請によって受け取ったときに、向こう側の説明として、米国政府側の説明として、日本企業に関する問題はこの中には、隠されたといいますか未発表の部分には含まれていないという話があったということで、今申し上げた次第であります。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 それでは、サロンガ委員長が提出したというスイス銀行の関係の、リベート工作があったという文書、これについてはいかがでしよう。

後藤利雄外務省アジア局長

○後藤(利)政府委員 サロンガ委員長が、スイスに何かマルコス資産があるのじゃないかという報道はありますけれども、私どもとしてはそういうものについては正式には確認をしておりません。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 それでは、余り時間がないものですから、対比経済協力の援助の中で、従来のプロジェクトの中で一番大きかったというか、モデルケースになるプロジェクトというのは何でしょうか。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 成功例のモデルケースということでございましたら、各分野におきまして非常に赫々たる成果を上げているプロジェクトはございますけれども、額の点で非常に大きなものという御質問でございましたら、カガヤン渓谷の電化事業等はその意味では代表的なプロジェクトであるということが申せるかと思います。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 カガヤンバレーの電化事業はプロジェクトの中では一番大きいし、中心的なものであったと思うのですが、成果はどうなんですか。これは規模としても大変大きいけれども、こういう大きなものにもこのマルコス文書から見ると一五%というような大きなリベートがついているのですよ。この成果、評価はされているのかどうか、お伺いいたします。

藤田公郎外務省経済協力局長

○藤田(公)政府委員 カガヤンバレーの電化事業は三回に分けてありまして、円借款の供与を行っておりますが、この電化事業の開始前の七七年、当該地域の電化率は一二・二%、まあ八戸に一戸が電化している、電気が行っているという程度でございましたが、それから事業がだんだん進みまして、一九八〇年をとりますと六戸に一戸、一六・四%に電化率が高まりまして、完成いたしましたのは一九八二年でございますが、完成時において三戸に一戸、すなわち三一・三%の電化率になっております。  その後、フィリピン側もこの電化事業を継続いたしておりまして、御承知のとおりの経済困難でございますので、計画どおりそれが進捗するかどうかは若干危ぶまれますが、本年は七割ぐらいまでこの電化率を高めていこうという計画でみずから進めているというふうに承知いたしております。これに伴いまして、家庭の電化にとどまらず、雇用機会の創出でございますとか、農業生産の向上効果等も得られたというふうに承知しております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 三次にわたってやっているようですが、その真ん中にありましたカガヤン農業開発というのも、外務省の経済協力局で出している評価報告書を拝見いたしますと、必ずしもこれは十分な成果とは言えない評価ですね。私は、こういう評価を踏まえて次のプロジェクトに取り組むということが基本的になければならないと思うのですが、その辺、いわゆるプロジェクト方式の技術協力、これが生かされていない、こんなふうに思うのですよ。だからそういう点で、本当に喜ばれるような経済協力がこれから行われるかどうかが非常に大事だ、私はこう思うわけです。  それで、時間がありませんからはしょってお尋ねいたしますけれども、民社党の塚本委員長がアキノ大統領とお会いいたしまして、こういった問題についても忌憚のない意見交換をしたようでございます。そして大統領は、不正蓄財問題については徹底的に究助していきたい、こういう御意向のようでございまして、これには諸外国政府の協力が必要であるということから、日本政府の協力も求めたい、こういうことを我が党委員長におっしゃっているようでございます。それから、これからの経済協力についてこれはぜひ早急な援助が欲しい、こういうお話もあったようでございました。そこで塚本委員長が、その援助をこれからやっていく場合の効果をきちっとしていくために、チェックするためにも、両国の官民合同の評価委員会、こういうものを設置してはどうかという提案をいたしましたところ、ぜひひとつそういう形できちっとした援助にしていきたい、こういうような御意向の同意があったと私ども聞いております。これから経済協力を続ける場合にぜひこういった意向を尊重していただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 塚本民社党委員長がフィリピンを訪問されまして、アキノ大統領ほかフィリピンの要人と積極的に意見交換をしていただいているということに対しては、心から敬意を表したいと思います。  いろいろと、会談の内容につきましては大使館を通じまして承っております。また、塚本委員長を通じまして、フィリピン政府が日本との強い協力関係を確立したいという意欲を持っておられることも承っておるわけでございます。いろいろな会談の内容等も十分踏まえまして、政府としましても、フィリピン政府との間で、具体的にどうしたら、これから日比の友好関係を前進させるとともに、フィリピンの経済に対して日本が貢献できるかということについて、これから建設的に話を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 ぜひこれは、さっきからもくどいように申し上げておりますが、相手国の国民が喜ぶ、望むような効果を上げていきたい、こういうことでございまして、今までの援助の実態の中で、どうか日本は我が国への援助を少し待ってほしい、日本からの援助は我々フィリピン国民のためになっていないのだ、むしろこのことは大統領周辺のそういう人たちの私腹を肥やすものになってしまっているので大変な問題なんだ、こういう声がかつての援助の途中であったわけですね。そういうものであったのではこれからの援助は全くいけない、こう私は思うのです。本来ならば在外公館はそういう情報をきちっと集めて、そして日本の大事な外交の中にあるこういう問題について、こういう問題が起きないようなチェックをきちっとしていかなければいけなかったと思うのですね。それが非常に足らなかったと私は思う。そういう能力がなかったとすればこれは怠惰だったのだし、知っていた、情報としては上げてきたけれども無視したというならばこれまた問題である、こう思うわけです。  それで私は、そういう意味で、相手国の国民、大統領がそうしてほしいというような評価委員会というものが、向こうがそういうことであるならばぜひひとつ、両国間においての新しいやり方ではありますけれども、こういった官民合同の、あるいは議員のルートを通して、両国の議員のルートを通してでも結構ですが、そういう新しい評価委員会というものの設置について前向きにひとつお取り組みをいただきたい、こう思います。大臣いかがでしょう。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 いろいろと反省すべき点は反省しなければならぬと思います。しかし、私は、基本的にはフィリピンに対する日本のこれまでの援助はフィリピンの経済の安定に大きく寄与したと思っておりますし、あるいは今のアキノ政権の要人の皆さんもやはり日本の援助に対し一定の評価をしておられる、こういうふうに考えております。しかし、改める点があればこれは日比相相談をして改善する必要もある、こういうふうに思いますが、いずれにいたしましても、これからの援助が本当にフィリピン経済、そしてフィリピン国民の福祉の向上に資するように、十分両国間で話し合いを建設的、積極的に行って具体的な方向を早く打ち出さなければならない、こういうふうに思っておるわけであります。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 我が党の調査団が行きまして、いろいろお話をしている中で、やはり向こうが今度の問題について真相究明している中で、フィリピンのいわゆる法律に触れて犯罪行為として処罰の対象になる、反汚職・贈賄法と刑法に違反している、こういうような見解が示されてまいりました。こうなってくると、やはり贈賄も収賄もフィリピンの法律では同罪というふうに伺っておりますけれども、贈賄とされるような疑惑を持たれたそういう日本の企業に対して、やはりいろいろな調査の依頼があろうと思うのですね。また日本もこの真相を究明していくためにはあちらに協力を求める、そういうことも当然必要になってくると思いますが、そういった場合に司法の共助、これが今行えるのかどうか。行えないとするならば、至急にこれは真相究明のためにそういう手だてをこの際やはりきちっとしていかなければならない。そういうことは外務省として非常に大事な仕事だと私は思うのですけれども、この司法共助、協力ですね、これについて御見解を伺いたいと思います。

小和田恒外務省条約局長

○小和田政府委員 現在の状況のもとで、具体的にこれがどういうふうに発展していくかということとの絡みにおいて考えなければならない問題であろうというふうに思いますが、一般論として申し上げれば、我が国における法令違反の事実があるかどうかという問題と、フィリピンにおいてフィリピンの国内法上の法令違反があるかどうかという問題があるわけでございますが、フィリピン側がその法令違反の容疑に対して我が国の協力を求めるというような場合には、国際捜査共助の問題が出てくるであろうというふうに考えております。これは御承知のとおり国際捜査共助法というものがございますので、その要件に従って我が方の関係当局が処理をするということになるであろうと思います。逆に、我が方の国内法令の違反というような問題が問題になりまして、フィリピン側の協力を得なければならないというような事態が生ずる状況におきましては、それなりの手続が日本とフィリピンとの間にとられなければならない、こういうことになるであろうと思います。  現段階におきましては状況がまだそこまで発展しておりませんので、それ以上具体的なことをお答えすることは適当ではないと思います。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 時間が来てしまいましたけれども、今あるところのそういった国際法の中でやり得るものであるならばそれで結構ですが、それを超えて、どうしても外交ルートとしてもう少し強力な司法共助の道をつくっておかないとできないという場合には、ぜひそれに向かって対応していただきたい。御要望申し上げて、質問を終わります。

宮下創平自由民主党・新自由国民連合

○宮下委員長代理 次回は、来る八日火曜日午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十六分散会

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