逓信委員会 第9号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1986/04/17
会議録
○宮崎委員長 これより会議を開きます。 有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松前仰君。
○松前委員 質疑に入る前に、委員長にちょっと一言申し上げたいのですけれども、この法律案はきのう提案をされました。それできょう質問という形でありまして、きのう提案を受けまして、それから政府の皆さんといろいろ話をいたしました。その結果、これは非常にいろいろな問題を含んでいるということがわかりまして、非常に時間が短い中できょう質問しなければいかぬ。それでまた、いみじくも政府委員の方々から話がありましたが、ぜひ視察をしてくださいということを言われました。これは本来ならば、視察をしてじっくりと見て、そして慎重に審議をしなければいかぬというふうに思うわけであります。そういう意味で、今回は決まったことだからしょうがないけれども、こういう提案がありました後、少なくとも一週間はいろいろ調査をする時間をぜひともいただきたいと思うわけでございますが、その辺について、委員長、ちょっと御見解をお願いしたいと思います。
○宮崎委員長 理事会で十分議論をして御返事いたします。
○松前委員 この法律案につきまして、最初は、非常に少ない項目でありますから、それほど問題を含んでいないと私は思いまして対処をしておったのでございますけれども、昨日いろいろと調査をいたしました結果、大変に大きな、将来のCATVの健全な発展という形になってくるということがわかりまして、昨晩遅く私が皆さんに御通告申し上げた質問とちょっと変えなければいかぬということになりまして、そういうことで質問をすることにいたしたいと思います。 まず最初に、法律について細かい点がわからぬものですから、その辺について一つ一つ教えていただきたいことがございますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、有線テレビジョン放送法の第四条「許可の基準」というのがございますけれども、これは前にも、かなり前でありますが、何かここの委員会で議論があったというように承っておりますけれども、第四条の第一項第一号「その有線テレビジョン放送施設の施設計画が合理的であり、かつ、その実施が確実なものであること。」こういうことが「許可の基準」の一つとして入っております。「施設計画が合理的」というようなものはどのように判断をするのでしょうか。
○森島政府委員 有線テレビジョン放送法四条で、有線テレビジョン施設の許可をいたしますときの「施設計画が合理的」であるということの判断はどういうことでやるのかという御質問でございますが、申請されました施設の区域の広さとか形とか位置、それから、そういうものがその地域で予想されます需要に応じたものであるということが一つございます。それから、有線テレビジョン施設におきましては、線が、幹線と中継、増幅器とか出力の端子とかいろいろございますが、そういったものが受信者へのサービスに見合った形で適切になっておるかといったこと、それから、施設の完了予定期日が適当であるかどうか、こういった点が合理的であるということの判断のもとになるというふうに考えております。
○松前委員 そうしますと、この合理的という判断はCATVの側から見たものだけというふうに今私は受けとめたわけでございますけれども、今いろいろと問題になっておりますのは、結局ほかの放送局との間のトラブルということが問題になっている。放送局側の立場に立った立場といいますか、そっちも勘案した内容でその辺は合理的というようなことの判断がなされておったのでしょうか。
○森島政府委員 この施設計画の合理的というのは、今いろいろ御説明申し上げましたように、主としてハード面の問題でございますので、そのほかの事情、例えばその申請と競合するような申請があったもの等の関係、それから、その地域の放送局の関係といったことの総合的な判断が必要な場合の基準は、第四条の第四号にございます「その他その有線テレビジョン放送施設を設置することがその地域における自然的社会的文化的諸事情に照らし必要であり、かつ、適切なものであること。」といった点で判断されることになります。
○松前委員 その今の第四号の中身もまたよくわからないのですが、今おっしゃいました「自然的社会的文化的諸事情」とは一体何なんですか。内容は一体どういうことなんですか。
○森島政府委員 この点は、確かに非常に総合的な判断に資する事情を「自然的社会的文化的」というような言葉であらわしておりますけれども、その地域の比況とか、受信の障害はどうかとか、受信者がどういうふうに分布しておるとか、受信者の需要はどうであるかというようなことがこれに入ってくるかと思います。
○松前委員 余りはっきりしないけれども、先へちょっと行かせてもらいます。 第十三条の方に移らせてもらいますが、十三条の一項、「有線テレビジョン放送施設者たる有線テレビジョン放送事業者」、これはちょっとどういう意味か、教えてください。
○森島政府委員 この「有線テレビジョン放送施設者」と第十三条に書いてございますのは、第二条の方に定義がございまして、有線テレビジョン放送施設を設置することについて第三条第一項の許可を受けた者、これを有線テレビジョン放送施設者、こういうふうに定義してございます。 「有線テレビジョン放送事業者」は、やはりこの第二条の方の定義で、「有線テレビジョン放送の業務を行なう者をいう。」こうなっておりますので、第十二条に言う「有線テレビジョン放送施設者たる有線テレビジョン放送事業者」というのは、この両方の定義に該当する者でございます。
○松前委員 そうすると、大体わかりましたが、要するにケーブルを引っ張る人が有線テレビジョン放送施設者で、それを使って放送する人が事業者、こういうことで、この「有線テレビジョン放送施設者たる有線テレビジョン放送事業者」というのは「たる」という言葉と一体になっておる、こういう感じでよろしいわけですね。
○森島政府委員 そういうことでございます。
○松前委員 それじゃ、もう一つ十三条の一項で、難視のための区域内のCATV、難視の解消のための目的のことが書いてあるわけですけれども、「ただし、郵政省令で定める場合は、この限りでない。」この「ただし」といっただし書き、これは内容はどういう場合なんでしょうか。
○森島政府委員 これは、郵政省令といたしましては、有線テレビジョン放送法施行規則の第二十九条に定めてございますが、四つ定めてございまして、既に義務再送信――この難視聴の地域を対象にして郵政大臣が指定した区域で再送信をしなければならない、これを称して義務再送信と略称しておりますが、既にこの義務再送信を行っているCATV施設が別にあって、その施設の区域内に新たにCATVを施設する、こういうような場合が第一でございます。それから第二に、放送事業者の中継局の置局がまだ行われていないため、このCATVの施設区域が当該放送事業者の放送区域となっていない場合。それから、放送を受信して再送信するのではなくて、放送局のスタジオからケーブルで直接番組を供給されているというような場合。それから四番目が、再送信をしますと当該CATVの料金が高くなるといったようなことのために、郵政大臣が義務再送信を行う必要がないと認めた場合。こういう四つにつきましては、第十三条一項の例外ということにしておるわけでございます。
○松前委員 わかりました。 それで、その次ですが、十三条の第二項、この中で、有線テレビジョン放送事業者は、放送事業者の同意を得なければ再送信してはならないとありますけれども、同意を得るというこのものの中には、地域外も地域内も両方ともここでは含んで読むということでよろしいですか。簡単に答えてください。
○森島政府委員 おっしゃるとおり、区域内外両方を含んでおります。
○松前委員 十三条の一項にちょっと戻りますけれども、ここで言う「放送事業者」という言葉があるのです。十三条の一項の真ん中ぐらいにあるのですが、この「放送事業者」はNHKということですね。
○森島政府委員 「放送事業者」はNHK、それと民放、両方でございます。
○松前委員 そこでは、これでは「都道府県の区域内にテレビジョン放送又はテレビジョン多重放送(放送法第九条第一項第一号二に規定するテレビジョン多重放送をいう。)」これはNHKのことを言っているわけですね、日本放送協会の規定でありますから。それ「を行う放送局を開設しているすべての放送事業者」。するとNHKの放送事業を言っているのじゃないのですか。そうじゃないのですか。
○森島政府委員 このテレビジョン多重放送の説明といたしましては、放送法第九条第一項第一号ということを引いておりますが、この後の方に出てきます「すべての放送事業者」ということは、これはNHK、民放両方を指しておるものでございます。
○松前委員 わかりました。これはそうすると多重の方だけに括弧内はひっかかっているんですね。 それでは十三条の二項にまた行きますが、区域外再送信は同意がなされていなければならないとされていますけれども、このところにあります「放送事業者」、これは区域内なのか、それとも、その電波を受けている先の放送事業者なのか、どっちでしょう。
○森島政府委員 これは区域内の放送事業者の場合もありますし、区域外の放送事業者の場合もありまして、CATV事業者が同意を得たいとする相手の電波を出している放送事業者を指しておりますので、区域内の事業者の電波を再送信したいということであれば区域内の放送事業者でございますし、区域外の電波を受けたいということであれば区域外の放送事業者を指すわけでございます。
○松前委員 わかりました。ということは、電波をとにかく受けて再送信している、その電波のもとが全部ここへ入る、それ以外のものは入らないということですね。 それでは十三条の三項で、「前項本文の同意に関し」というところなんですけれども、前の法律によりますと、ここが改正されているわけですが、「当事者の双方又は一方は、」と書いてあります。双方または一方が郵政大臣に対してあっせんの申請をすることができる。「双方又は一方」ですから、放送事業者もCATVも両方なんですけれども、今度の改正では、有線放送事業者のみが裁定を申請することができるということになっております。これはどういう意味ですか。
○森島政府委員 この再送信の同意という行為は、放送事業者が一方的に行う行為でございますので、この放送事業者が個別に再送信に同意するかどうか、一方的な判断で決め得る立場にございます。したがって、この放送事業者側から裁定の申請があるというふうには考えにくいわけでございます。また、再送信同意が出ないということによって困っておりますのはCATV事業者の方でございまして、今回の法改正をいたしたいという目的が、この再送信の円滑かつ適切な実施を図るということにございますので、裁定の申請を行える者を、実際の救済を求める立場にある者ということで絞ったわけでございます。 現在、あっせんの場合は両方から申請できるようになっておりますが、事実上あっせんを求めてきておりますのは、すべてCATV事業者の方でございます。
○松前委員 「協議が調わず、又はその協議をすることができないとき」、これはどんな場合ですか。
○森島政府委員 「協議が調わず、」と申しますのは、CATV事業者が放送事業者に対しまして、この法十三条第二項の同意を求め、再送信の実施方法等の条件について協議を重ねても調整がつかない、結果として同意が得られないということを指しております。 それから、「協議をすることができない」ということがございますが、これはCATV事業者が放送事業者に対し、再送信同意の申請をしましたが、それに対して回答が行われないとか、CATV事業者が誠意を持って回答を促しても、責任者が誠意を持って応対してくれない、こういうような場合を言っております。
○松前委員 それで、さらにまた先に行きますけれども、有線テレビ放送事業者になろうとする者が裁定を申請できるというものが入ってきたんですね、まだCATVをやるかどうかもわからぬという感じの者。この理由は何でしょうか。
○森島政府委員 有線テレビジョン放送事業者といいますと、これは現に有線テレビジョン放送の業務を行っている者を言うわけでございますが、CATV事業者が再送信同意を放送事業者に対し求めますのは、通例業務を計画した時期からでございまして、現にトラブルが生じておりますケースを見ますと、ほとんどがまだ業務を開始していない段階、すなわち「有線テレビジョン放送事業者となろうとする者」という場合でございます。そこでCATV受信者の利益のためにも、業務を開始する前にトラブルが解消されていることが望ましいので、今回「有線テレビジョン放送事業者となろうとする者」を、裁定を申請できる者に含めたわけでございます。
○松前委員 有線テレビ事業者になろうとする者というのは、業務開始前で、それでトラブるんだから業務開始できないんですけれども、これは許可は与えてあるわけですね。
○森島政府委員 これはまだ許可を与える前の段階でございます。
○松前委員 許可を与える前の段階というと、どんなあれなんですかね。それでは、許可を与える前に有線テレビ事業者になろうとするというのは、どういうことで認定するんですか。
○森島政府委員 これは、許可申請するということで、なろうとする者ということがわかるわけでございまして、申請が許可になれば、もう有線テレビジョン放送事業者でございますけれども、申請を出したいという意向、あるいは実際に申請を出せば明らかでございますが、申請書にはそういう再送信の同意をとったかどうかを添付する必要がございますので、申請書を出したいという意向が明らかになれば、これは「有線テレビジョン放送事業者となろうとする者」というふうに考えております。
○松前委員 申請書の中に、同意したかどうかという事項、これが添付されるということですが、今まではそういう同意したという添付はなかったんですね。
○森島政府委員 これは、再送信の同意を得なくても、自主放送だけであれば開始できるわけでございますが、実際には再送信でやっているものがほとんどでございますので、その再送信同意を得られたということが添付書類ではっきりしているものについて、その部分についてだけ許可をしております。
○松前委員 再送信についてちょっとお伺いしたいのですけれども、郵政省としてはこのCATVについて、本来なら自主放送でやるべきものなんですけれども、やはり再送信を条件にしないといけないという前提があるわけですか。この法律全体を眺めてみますと、どうも有線テレビジョンを普及させるにはそれが非常に重要な要素だ、こういうように読めるのですが、何となくそういう感じがするけれども、その辺の郵政省の姿勢をちょっと。
○森島政府委員 CATV事業者が再送信をしなくてはいけないということはございませんで、自主放送だけでやることも可能でございますし、また、現に自主放送だけをやっておるCATVも、極めてわずかでございますが、三十一施設ございます。これはCATV施設が全体で三万八千ばかりあるうちの三十一でございますから〇・一%ぐらいでございますけれども、再送信をしなければならないということにはなっておりません。
○松前委員 この辺であれしていると時間を食っちゃうからちょっと先へ行きますが、十三条の四項に、意見書を提出できるというところがあるんですけれども、「相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。」この「相当の期間」という意味をちょっと教えてください。
○森島政府委員 「相当の期間」と申しますのは、有線テレビジョン放送事業者からこの第三項による裁定の申請がありましたときに、その相手方たる放送事業者が再送信の同意に関し意見書を提出するために準備が必要でございますので、その必要かつ十分な期間、こういう意味でございます。具体的には、裁定の申請があった旨の放送事業者に対する通知、それから放送事業者からの意見書の提出等の郵送に要する期間、それから放送事業者が意見書を作成するために通常要する期間等を勘案して決めることとなります。
○松前委員 非常に不明確で、今までずっと聞いていたのは不明確なところばかりだから、それを何とかクリアにしようと思ってやっているんですけれども、なかなかいいお答えがないから、仕方がないので先にちょっと進ませてもらいますが、二十六条の二、裁定するとき、「政令で定める審議会に諮問しなければならない。」審議会に諮問した結果というものは、大臣はそれを守って、結果をもとに裁定するのかどうか。
○森島政府委員 審議会からいただきます答申につきましては、審議会に諮問するといったことの趣旨からいいまして、当然これを尊重して対処すべきものと考えております。
○松前委員 そういう形で裁定が行われるようなんですけれども、今までお聞きしたところではほとんどすべて不明確、はっきりしていない。要するにどっちにでもとれるようなものが非常に多いということなんですが、その辺についてはまだ後でやります。 先ほど、有線テレビ放送事業者になろうとする者が裁定を申請する、それで申請書、同意したかどうかというものを添付するという話があった。また、現在の状況でも同意がなければ許可が与えられない、こういうことをおっしゃった。現在トラブルが二十二件くらいあるとお聞きいたしましたけれども、それは設置許可というものを与えてから起こっているトラブルではないですか。その辺をちょっと。
○森島政府委員 いろいろなケースがございまして、設置許可を与える以前でトラブルが起こっておるものもございますし、それから、設置許可が既に与えられて、再送信も同意を得た部分については行っておる、ただ、それ以外の放送事業者の電波も受けて再送信したいのに、それの同意が得られないという両方のケースがございます。特に、一部の放送事業者の同意は得られているけれどもほかの同意が得られないという例は、区域内は得られておるけれども区域外の同意が得られないとか、それから区域外を再送信するのであれば区域内も同意しない、こういうような例があるわけでございます。
○松前委員 設置許可前にトラブルが起こっているというのは、許可が出せるか出せないかということで、郵政省がそこで判断するわけですけれども、設置許可が与えられた後でトラブルが起こっているというのは、これはちょっとおかしいと思いますね。それは第四条の一号でその実施が確実でないものに許可を与えているということになるし、また第四条の四号の地域の社会的、文化的、自然的事情というものが設置に適切だということになっていないことになるわけですね。要するに、先ほどなぜ第四条を聞いたかというと、この中身はどうもハードウェアの中身なんですね。放送事業者の放送の内容については、第四条では何らうたっておらない。だから、ハードウエアは一応施設することができるけれども、しかしながらハードを施設した後の、いざ放送するというところについては、郵政省は何らチェックをしていないということになれば、当然トラブルが起こってくるのですね。これは非常におかしいですよ。 最初ちょっと申し上げましたけれども、この有線テレビジョンというのは将来が非常に有望視されておる。きのうも政府の皆さん方にお聞きしたのですけれども、今は小さい形のCATVでなかなか伸びが少ないけれども、人工衛星を使ったスペースケーブルネットなんというものを見せていただきましたが、インテルサットを使って外国の放送を国内の放送衛星、番組分配衛星で分配して全国にばらまくと、この時点からCATVは非常に大きく伸びる、大きな事業になってくる、放送局よりもさらに伸びる事業になるんじゃないか、チャンネルはたくさんあるんだから、そういう意味で有線テレビジョンというのは非常に有望な産業だということを力説されておられました。私もそうなる方がいいと思っておりますけれども、今申し上げましたように、今それを支えるこの法律は、設置許可というものがハードウエアだけに偏っている。ここが現在有線テレビジョンのトラブルが起こっている大きな原因じゃないかと私は思いますが、どのようにお考えですか。
○森島政府委員 設置許可は、有線テレビジョン放送法の四条でまずハードの施設についての判断がありますけれども、ハードだけではございませんで、例えば四条の三号には、「その有線テレビジョン放送施設を確実に設置し、かつ、適確に運用するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有する」とか、そういうこともございまして、ソフト面でも判断するわけでございます。 先ほど先生がおっしゃいました、許可のときに再送信の同意のことをはっきりさせないで許可するのかという点につきましては、現在許可しておるもので再送信をしておりますのは、区域内が多いわけでございますが、区域外につきましても、問題なく同意が得られているものについては、それは許可のときにはっきりしております。トラブルが起きます大きなものは、区域内再送信は既に同意を得て、許可も与えられてやっておるCATV施設について、区域外から番組をとってその地域の人が見たいというのに対してなかなか同意が得られない、こういうことでございますので、許可の時点におきましても、再送信を主としてやる施設につきましては、そういう番組面でもちゃんと同意が得られているということは見て許可しているものでございます。
○松前委員 番組面などを見て許可していると言う割には、余りにも紛争が多過ぎますね。私は、第四条の許可の基準なんか見ますと、ハード的な方が多い、経営とかそういう点だけであって、ほかの放送とのバランスとか調整とか、そういうようなものについては余り考えられてないと見ます。そういうところだけで設置許可がおろされてしまう。もし地域外再送信をやるということがその後で出てくるということになれば、これは設置の基準には何にも該当しないでそういうことをやることができるということになってまいりますね。地域外再送信をやるならば、どうせアンテナをつけなければいかぬ。ハードウエアという面であれば、そういうものがちゃんと書かれておらなければいかぬのに――私はそれは書かれてあると思うのですよ。それを郵政省が許可をするということだと思うのです。もしそれがどこにも書かれてないということになれば大問題ですね、CATVをきちっとした運用をさせるという方向にはならない法律になってしまいますから。要するに、でっかいアンテナ、MATVですか、マスターアンテナをつけなければいかぬのですから、そういうものはちゃんと入っているはずなんですね。そういうものに対して設置許可を与える。 設置許可を与えてしまったら、郵政省は何が何でもこのCATVをやらせなければいけません。地域外再送信などの同意を与えざるを得ないところに入っちゃうわけですね、設置許可を与えているんだから。それで同意をしないで、同意をだめだと言って、これは地域外再送信やめなさいなんということは、もう郵政省としてはできないですね。だから、これは同意なんてものじゃないのですよ。あっせんだなんて言ったって、このあっせんは、すべてやらせる、全部CATVの言うとおりやらせるという方向に入り込んでしまっている。要するに、設置許可というところは一番問題があると私は見ているのです。 だから、すべて私は聞きました、このいろいろな争い、これについての例をお聞きいたしましたけれども、それは全部設置許可が一番最初に立っている。設置許可を昭和何年何月何日に与えました、それから後、同意を一生懸命得ようとしても同意が得られない。それは当たり前ですよ。つんぼ桟敷に置かれた民放が、CATVができちゃってから、同意してくださいと来られても、こんなことはだれも、つんぼ桟敷に置かれた側としてはとんでもないことですよ。そして、ある幾つかのエリアの受信者をとっていかれるということになれば、これはやはり怒るのは当たり前であって、民放側が悪いと私は全然言えないのでありますけれども、そういう形でトラブルが起きていると私は思っております。その辺について、そうでないというならば、そこでお答えいただきたい。
○森島政府委員 CATVが許可を得る時点では、再送信を行うCATVにつきましては、その同意の得られた再送信だけで十分CATV事業が成り立つ、こういう判断で許可を与えておりますので、施設の面におきましても、その同意を得られた再送信をするためのアンテナだけについての許可でございまして、それ以上に、例えば区域外、遠いところの電波を受けるというような施設を、またその同意が得られた後になってつけるということであれば、これは変更の許可ということをまた行っております。 また、CATV事業者が再送信の同意を得たいという点では、相当早くから民放の事業者とも接触しておりますので、民放がつんぼ桟敷に置かれるというようなことはないというふうに考えております。
○松前委員 だから、随分前から接触をしているというなら、接触をしていていろいろトラブルが起こっている、そういう中で設置許可を出しちゃうんですね、郵政省は。それはおかしいですよ。民放はノーと言っているのに、郵政省の方はオーケーを出してしまったということになれば、やはりこれは怒りますよ。つんぼ桟敷ということが違うならば、今度はそういう形でもって大きな問題があるわけですよ。ここで私、「郵政省」と書いてあるので、皆さんからいただいたものだけれども、全部これは設置許可をしてから後トラブルが起こっておって、これに対して全部民放側に再送信同意を出すように言っているということなんですね。再送信の同意を出せ、こういうことを命令をしている。これはもう郵政省側でCATVをうんと普及させたいことは十分よくわかります。私だって、このCATVを秩序正しく普及させるということはどうしてもやるべき事項だと思っておるので、やはり秩序正しく普及させて、本当に健全な情報化社会にするということは、私はどんどんやりたい。ただ、こういうことがあれば、健全な情報化社会の発展にならない。これはもう全国全部トラブルばかりでだめになってしまいますよ。 私は、この情報化社会を本当にきちっとやっていくには、ここでこの法律をもっと……。こんなところで裁定なんというようなことでやると、裁定だったらもっとひどいですね。今度は強制ですからね。あっせんだって、今まではあっせんじゃなかった。同意を得るようにあっせんをするなんて、あっせんじゃなかった。今度はあっせんじゃなくて裁定で、強制と少しも変わりゃしない。ただ「裁定」という言葉に変わったというだけですよ、今までのやり方を見ると。こんなことでは有線テレビは恐らく日本では将来全くだめだと思う。自由競争の場にわあっとさらされるだけであって、そしてあっちこっちトラブルばかり発生して、結局は情報化社会はだめだったということになる。郵政省がそのためになる一番の大もとをつくっているということになりますよ。 だから、もっとしっかりしてもらいたい、そんなに大きな有線テレビということが予想されるならば。私もそうなると思います。外国のテレビが、アメリカだけではなくて、全世界のテレビがCATVにばあっと入れば、こんなにいいことはない。これほど日本国民にとって、いろいろな情報を見ることができる機会を与えられる――一編集の場でもって編集された情報だけしか見られないというのではなくて、自分で判断できる情報が見られるわけですからね。たくさん見られる、そこから選べるのですから。そういうようなものがくれば、必ず大きく発展することは間違いない。大きく発展するならば、有線テレビジョン放送法というのは、放送法のような形に直さなければいけないでしょう。放送局開設基準というのがきちっと決まっているわけです。有線テレビジョン放送の開設の基準というのがないじゃないですか。 裁定の基準というのを示してください。
○森島政府委員 そのCATV、確かに先生おっしゃいますように、私どもも将来は大きな発展を遂げるだろうと思っておりますが、何分にも現在はいわば揺籃期でございまして、まだまだほかの方の番組を再送信する、それで成り立っているというものがほとんどでございます。そういうところでCATVもやっていくためには、民放の事業者と両方がお互いによく話し合って解決するということが本来望ましいわけでございまして、従来もあっせんで、事実上私どもも両者間の話がうまくいくように非常に努力をしてきたわけでございますけれども、なかなかそれが進まないという場合に、やはりこの裁定というような制度で一つけりをつける手段を置いておけば、お互いの話もそういうことを見ながら促進されるだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。 それで、この裁定の基準は何かという御質問でございますけれども、裁定の申請がありますと、放送事業者からは、同意をしないのはなぜか、こういう理由が意見書の形で個別具体的に示されることになりますので、その場合、一般的に再送信を行う場合の流し方とか、それからその放送のチャンネルをほかに再送信で流した場合に、ほかの放送にチャンネルをまぜて流すとか、あるいは放送区域がこのCATVで放送される場合どこなのかとか、こういった点がこの当事者間の協議のポイントとして考えられまして、こういう個別具体的な理由を見まして、放送とCATVとの調和を図る、こういう観点で、同意をしないということが正当な理由に当たるかどうかを、両方の意見を十分聴取して、個別に判断していくということになるわけでございます。また、その判断の際、審議会への諮問というような厳正な手続を踏んで行うということにいたすように御提案しているわけでございます。
○松前委員 大臣、今のを聞いてどうですか。裁定だなんていったって、全然何の裁定の基準も決まっていない。今、ああだこうだおっしゃいましたけれども、その場限りのことになるという感じがするのですね。こんな状態でこの法律が提案されて、そして通ってしまったら、これは大変なことになりますよ。 放送法においては、きちっとその辺が全部基準として決められているのです。さっき申し上げましたように、放送局開設の基準、そして放送法第六条には、「放送事業者は、同意を得なければ、他の放送事業者の放送を受信して、その再放送をしてはならない。」再放送についてもきちっとそういうことがうたわれておるし、それを現に実行している。著作権の問題もそうであります。今まで長いこと議論して、きちっと全部放送の方ではなっておる。それが今、大きくこのCATVが発展しようという段階において、揺籃期だなんという言葉で逃げたのでは、将来のCATVの発展は全くないと私は思いますよ。この時点にきちっとしなければいけない、やはり放送法ができたときの最初の時点の歴史をもうちょっと振り返ってみなければいかぬと思うのですね。今の裁定の基準がこれでは全然だめなんで、こんなことで裁定だなんて持ち込まれたら、一体どういうことになってしまうか。これは裁定じゃなくて、民放に同意を与えるという強制ですよ。そんなことでは、この法律はもう全く公平ではない。 そういう意味で、私は、裁定の基準というものをきちっと出してもらわないと審議することができないので、その辺、委員長、よろしく取り計らい願いたいと思います。
○森島政府委員 この有線テレビジョン放送法におきましても放送法の準用をいろいろいたしておりまして、その基準につきましては、この裁定の場合は、やはり個々のケースによって出てきます問題を判断しなければなりませんので、一律にどうということは申し上げられませんけれども、放送事業者側が同意をしないということについては、やはり放送の意図がCATVの方で再送信することによって曲げられるとか、こういうことがあっては同意すべきではないということになるわけでございますので、そういうことをもとにしまして、個々のケースについて十分判断していくことになるわけでございます。
○松前委員 幾らやっても私の納得する答えが出てこないので、ちょっとこれは質問を保留させていただいて、次の機会にまた時間をとっていただいてやらせてもらいたいと思います。よろしいですか。
○宮崎委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○宮崎委員長 速記を始めてください。 松前君。
○松前委員 お答えは今すぐはできないと思うので、大臣にちょっと御答弁いただきたいのですが、要するに、今のようにいろいろとCATVが大事業に発展していくということになれば、法律のきちっとした整備がどうしても必要になってくる。放送法というのはかなりきちっとしておりますから、それと同じような形に将来は持っていく努力をしていただかないと、これは大変な情報化社会の乱れ、混乱が来ますので、その辺の決意をちょっとお聞かせいただいて、私の質問を終わらせてもらいたいと思います。
○佐藤国務大臣 有線放送が将来だんだんと発展していかねばならないし、また大衆も、国民の皆さん方も、多数のチャンネルを持って、希望するチャンネルによっていろいろな情報を入手したい、こういうような性格を持っているCATVでございますので、原則的には、放送事業者との間に再放送の話がうまくできていくということで国民のニーズに応ずる、これが基本であると思います。 しかしながら、現実においてはなかなかそれができませんので、話し合いがどうしてもできない場合においては、一歩前進して、郵政大臣が裁定をして、そうして国民のニーズに応ずる、こういうことで、その後に起こるいろいろな発展過程における問題については、我々は十分配慮しながら、有線放送の将来の発展に向かっての一歩前進の姿でございますので、何とぞ御理解をいただきましてよろしくお願い申し上げたい、こう思っております。
○松前委員 もう一つ。結局そういうことなんで、今、現時点は揺籃期という言葉を使われましたけれども、現時点のこの法律が提案されている。それで、先ほどから議論しましたように、この基準というのがどうも不明確だということで、このままでいったらちょっとこれからトラブルはさらに大きくなると思いますので、その基準というものはやはりきちっとつくる努力を約束していただきたいと思うのです。
○佐藤国務大臣 今先生の言われたその点については、一つの基準をもう少し明確にして、先生の御理解を求めるような態度で努力していきたい、こう思っております。
○松前委員 では、終わります。
○宮崎委員長 竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 今回の有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案ということで今も論議が行われましたが、有線テレビジョン放送事業者と放送事業者との間で協議が調わない場合の措置として、郵政大臣のあっせんの制度にかえて裁定の制度を設ける、こういうことでございます。このあっせんと裁定の明確な違いをもう一度御答弁いただくのと、今までCATV事業者と放送事業者とのあっせんですね、郵政省として過去にどんなあっせんがあったのか、具体例をまず挙げていただきたいと思います。
○森島政府委員 まず、あっせん制度と裁定制度の違いでございますが、あっせんも裁定も、紛争が生じましたときに、その紛争の解決を図るために第三者がその仲介等を行うという制度ではございますが、あっせんと裁定との違いは、あっせんが単に両当事者の話し合いを円滑に進めるために、その仲介を行うためだけでございますのに対しまして、裁定の場合は、この両当事者の争いの主張を十分に聞いた上で、結論を裁定として出すわけでございます。したがって、あっせん案に対しましては両当事者はこれに拘束されないということに対しまして、裁定の場合にはこの両当事者が法的に拘束されるということになるわけでございまして、この点が相違点というふうに考えます。 それから、あっせんをやった例は過去にどういう例があるかということでございますが、再送信につきまして各地で話し合いがまとまらないというケースが起こっておりまして、これに対しまして地方の電気通信監理局におきまして事実上のあっせんという形で繰り返し話し合いの促進を図ってきたところでございまして、現在係争中の約二十のケースにつきましても、すべて地方の電気通信監理局において事実上のあっせんを一生懸今やっておるところでございます。 具体的な例として一つ、こういうふうに事実上あっせんしたという例で申しますと、あるCATV事業者とそれの再送信の同意を得たい放送事業者とが、話し合いをCATV側から申し込んでもなかなか会ってさえもらえないという状態が続いておったのに対しまして、地方の電気通信監理局の局長、それから部長、課長、こういういろいろなレベルでこの民放の事業者の社長とか取締役に対しまして、局に来ていただくとか、こちらから民放を訪問するとか、それから民放とCATV事業者との打ち合わせの場を設定するというようなことを繰り返しまして、これが七回ぐらいあったというような例がございます。 そういうように指導、あっせんをいたしまして、これは実際に出向いたり来てもらったりという回数でございますけれども、そのほかに、担当の部長からは民放に対しまして、電話によって四、五回、同意を出すように指導するとか、こういうことを繰り返したわけでございますが、それによってこの区域内の再送信について同意が得られるところまで来た。しかし、区域外の再送信につきましては、その区域外の電波を出しております事業者、といいますよりはその区域外の再送信をやられては困るという地元の民放局側が難色を示しまして、今言ったような繰り返しの指導にもかかわらず、区域外再送信は事実上断念してCATVを始めざるを得ない、こういうような状況がこの例ではあるわけでございます。似たような例が幾つもございますが、一つだけ、回数でもこのくらい事実上のあっせんを行っておるという例を申し上げたわけでございます。
○竹内(勝)委員 今回の裁定の制度を設けるに当たりまして、民放連側の主張を来週聞くように伺っておりますけれども、まず、郵政省として、民放連との話し合いは今までどういうふうにしてきたのか、そして民放連の主張はどんなものがあるのか、それから、その背景に関しても御説明をいただければありがたいと思います。
○森島政府委員 私どもは民放連に対しましても、こういったCATVに対する再送信の同意がスムーズにいくように、民放連側としても努力していただきたいということをたびたびお願いしているわけでございますが、民放連側の主張といたしましては、最近、二月に意見書というような形で民放連から出ておりますけれども、民放としては、CATVの区域内の再送信とか番組のソフトの提供とか、こういったことについて、CATVに対してできる限りの協力を行うにやぶさかではないが、ただ再送信の同意条項ということは撤廃するべきではない、こういう意見を出されております。 この背景を考えてみますと、番組のソフト供給等については民放とCATVとが積極的に協調し、共存するという考え方があるというふうに考えられますけれども、一方、CATVが将来民放の競争相手になり得るという認識が民放にあるのだろうと思われまして、そのようなことになった場合に、民放の事業経営という側面から、この再送信、とりわけ区域外の再送信について問題視しているというふうに見ております。
○竹内(勝)委員 CATVの歴史でございますが、これはアメリカでも日本でも、考え方としては最初は難視解消というものであったように伺っておりますし、今も局長から御答弁いただきましたように、区域外再送信とか自主放送のモアチャンネル、こういったものの追加、いろいろと今後このCATVが形成されていくわけでございます。さらに将来は多くのすばらしいニーズにこたえる、そういうものが出てくると考えられますが、まず郵政省として、このCATV事業を推進する目的は何にあるのか、郵政省としてのその目的というものをはっきりとここで確認しておきたいわけですが、いつまでに、どのように郵政省の目的として持っていきたいのか、その辺のことをここで明確にしておいてください。
○森島政府委員 郵政省といたしましては、CATVは地域密着型のメディアであるというふうに考えておりまして、たくさんのチャンネルで各種の情報サービスをその地域に提供できる、新しい公共的な総合メディアになるだろうということで、高度情報社会において非常に重要な役割を果たすことを期待しておるわけでございます。また、こういうCATVの設置が進みますと、民間の活力の導入とか内需の拡大といった面でも寄与するところが大きいというふうに期待しているわけでございます。 そこで、このCATVを今後展開していく上におきましていろいろネックがございますけれども、この辺が、特に番組ソフトの提供といった面の問題が大きくありますけれども、本格的な衛星通信時代というものが到来しますと、衛星通信による番組のCATVに対する供給という手も出てくるというふうに考えまして、アメリカ製の通信衛星が日本でも事業として始まる昭和六十三年の春、こういった時点ではCATVの促進の非常に大きなポイントになるだろうということが考えられますので、そういうものをにらみましてこのCATVの環境条件の整備に努めておるわけでございます。施設の設置とか業務の運営とかいった面でもいろいろ環境を整えなければならないということで、これは郵政省としてもいろいろやることがございますし、今回著作権法といったような面でもいろいろ他省庁にもお願いしておりますけれども、そういう環境条件を整え、これからのCATVの普及、促進に努めていきたいと思っております。
○竹内(勝)委員 いつごろ環境条件を整え、そしていつごろ本格的にCATVをやるのか、その時期も明確にしていただきたい、こういうことです。
○森島政府委員 時期は、もう今からそういう環境を整えなければならない時期でございますが、都市型のCATVというものの設置がこれから始まりまして、さっき申し上げました六十三年の春ごろからソフト面も非常に充実してくる、こういうことで、時期的にはことしから今後数年にかけてそういう面が大いに促進されるのではないか。それから、CATVという施設、これはやはりハード的には十年とか十五年使えるものでございますので、将来十年、十五年を見て、私どももそういった普及促進策を考えていきたいと思っております。
○竹内(勝)委員 そこで、CATVがいろいろな形で今後国民のニーズにどうこたえていくか、非常に重要なものでございます。特に現在の実態をもう一度ここで確認しておきたいのですが、例えばアメリカで発展していった。ここに資料がございますが、アメリカでは一九八五年十一月現在のニールセン調べで、全米のCATV加入世帯は三所有世帯の四六・二%、それだけのものがあるわけですね。これはアメリカという国土の広さ、それから今までのテレビが発展してきたそういう経緯やらいろいろなものがあると思いますけれども、日本として、確かに今局長が、今後そういう環境条件を整えて、そうしてできるだけ早い時点でCATVの需要にこたえられるものを発展させていきたい、こういうことでございますが、まず現在の日本のCATVの普及率はどうなっておりますか。
○森島政府委員 昭和六十年三月末でございますが、我が国のCATVの受信契約者の総数が四百二十七万世帯でございます。これはテレビジョンの受信世帯に対しまして約一四%ということでございます。
○竹内(勝)委員 今回提出されたこの法案の趣旨とは全く逆の現象の、CATV事業者が、放送事業者が出す空中波を再送信することが義務づけられているという米国のマストキャリールールというのがございますね。このマストキャリールールというのは、一体詳細にはどういうことなのか、ここで御説明をいただきたいわけでございます。
○森島政府委員 アメリカにおきましては、世界で最もCATVが発展を遂げておるわけでございますけれども、CATVが放送番組を再送信する場合に放送事業者の同意は不要ということになっておりまして、逆に先生おっしゃいますように、CATV側が地元のすべてのテレビジョン放送の再送信を行わなければならないという義務が課せられておりまして、これがいわゆるマストキャリールールと呼ばれておるものでございますが、どうしてこういうルールができたかと申しますと、このCATVの受信者がローカルの放送局、これは公共放送局とか、それからアメリカのネットワークに加入していない独立のUHFの局とか、こういったローカル放送局の放送番組を見ることができる機会をCATVの受信者に確保することによって、ローカル放送局としても受信者がふえるということで、ローカル放送局の保護を図るためにマストキャリールールが一九六六年に設けられて、それ以来続いてきた制度でございますが、一九八五年、昨年の七月にワシントンの連邦高裁によりまして、こういったルールは、言論の自由を保障したアメリカの修正憲法第一条に違反するという判決が下されたというふうに聞いております。この判決を受けまして、現在関係者の間で地元放送の再送信をどうするかという協議が続けられているというふうに聞いております。
○竹内(勝)委員 アメリカのこのマストキャリールールは、日本の郵政省におきましても最近までこういう考え方で進めてきたわけですね。したがって、今回ここで裁定などというものが出てこなければならないということ自体――本来共存共栄、そして国民のニーズにこたえられていく、そういう方向にスムーズに発展していかなければならない。こう考えるのは私だけではないと思いますけれども、日本ではなぜそういうものができないのか、その方向が変わったのか、その点を伺っておきたいのです。 まず大臣に一言伺っておきますが、先ほどもお伺いしましたように、CATVというのは難視解消、ここから始まって、そうして再送信、それからモアチャンネル、こういった形で進めていったのは御承知のとおりでございます。日本の都市型CATVの立ち上がりの最大の要素は、民放やNHKのテレビ番組の再送信を欠かすことができないというものでありますね。そして、あるCATV業者が言っておりました。これは今後どのようなソフトが出てくるかが、CATVが今後発展するか否かのかぎを握っているのではないか、こういうように言っておるCATV業者がございます。それからNHK、民放とCATV業者との協調がいかにスムーズになっていくか。ここが大事でございますが、このCATVを発展させていくのと同時に、民放テレビ業者を初めNHK等のテレビ放送業界の将来の方向づけについて、大臣としてどのような所感を持っておるのか、まずお伺いしておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 先生御指摘のとおり、CATVの発展のためには、例えば番組の面においても、とにかくNHK、民放との協調体制がつくられていくことが前提条件だと私は思っております。 実は今から三年前になりますけれども、残念ながら私はCATVの内容というのがよくわかりませんで、政府・与党連絡会議に私が党の広報委員長で出て、CATVの話、アメリカの実態の話をしましたときに、実はCATVというのは一体どういう内容のものかということで、私を含めて深い理解がなかったのが現実でございました。その後、アメリカの状況をずっと見てみますと、CATVが市町村単位でローカルの行政を流したり、そうして大衆に大変愛されている。しかも、きょうは気象情報だけを見たいといったら気象情報だけ見れる、きょうは一日映画だけを見たい、映画だけを見る、それが三十も四十も五十も六十もチャンネルを持っておるという実態を知りまして、これは双方向の、リクエストしてアンサーしてくれる内容のものであるということが理解がてきたことが、非常に残念ながら二、三年前でございました。 そういうことで、日本の方は御承知のとおりNHK、民放というのが各県に割り当てられて、そして四波体制にしていきたい。ところが、あっせんをするんだけれども、十四、五年ぐらいたっても、割り当てるけれどもなかなか話し合いがつかないのが現実でございますが、それはそれとしてCATVというのが、今許可しているのが本当に小さな小さな集団で、伸び悩んでいるという現実であることは、もう先生御承知のとおりでございます。そこで、その地域の民放なり放送業者とうまく話をしてやっていくようなあっせんというものを努力してやってきておるのですけれども、CATVを国民のニーズに応じて一歩前進させるために、このたびの法案の内容になっているわけでございまして、原則としては民放、NHK、既存の放送業者と話し合いで同意が得られて再送信ができる、こういうのが原則であると私は思います。 今度の法案の内容の、法的な根拠を持つ裁定ということはなるべくしない、そういう考え方で今度の御審議をしていただければ一歩前進するんではないだろうか、こういうことで御理解をお願いしているわけでございます。
○竹内(勝)委員 難視聴対策、そういう意味でのCATVとして、我が国の辺地の難視聴地域におけるテレビの共同受信施設と都市部における受信障害の解消のためのテレビの共同受信施設という二つの再送信事業としてCATVは発展してきた。難視解消のCATVは現在どれぐらいあるのか、またその施設の規模はどうなのか。受信契約者数、運営主体別にその数をまず御答弁いただきたいと思います。
○森島政府委員 難視聴解消を目的としたCATV施設は約三万八千施設ございまして、現在のCATV施設のほとんどが難視聴解消の目的と考えていいと思います。 難視聴解消を目的としたCATVに加入している世帯数は約四百十二万世帯でございます。CATV全体の加入世帯数が四百二十七万でございますので、これもほとんどが難視聴解消の施設に加入しているというふうにお考えいただいていいと思います。 また、運営主体別に見ますと、NHKがこの三万八千のうちの約三割、それから地元の住民でつくっております任意団体が同じく約三割、その他公益法人とか営利法人、地方公共団体、こういうふうになっております。
○竹内(勝)委員 今まで難視対策のためにどんどん力を入れてきました中継局とCATVの発展とは非常に密接な関係にあると思われます。そこで、衛星時代を迎えていくに当たって、CATVを伸ばしていくならば、このミニサテ、中継局のあり方もあらゆる角度から総合的に見直しする時期ではないか。これは場所の面においても費用の面においても相当なものがつぎ込まれてきましたね。これは将来の方向として、衛星が打ち上がっていって、それがCATVとドッキングして完全に網羅されていくと必要なくなってくる。そのときにこの中継局をどうしていくのか、その辺の総合的な見直しをする考え方があるのかどうなのか、その点を御説明いただきたいと思います。
○森島政府委員 テレビの中継局につきましては、放送の区域をカバーする上で必要な場所に置局するという指導をしてきておるわけでございますが、中継局を置いたそのエリアの中にCATVの施設ができますと、確かに機能として両方が重複してくるものが生ずることも事実でございます。ただ、このうち衛星放送というようなことを考えましても、特に民放につきましては、衛星放送によって地域内の民放の難視がカバーできるわけではございませんし、やはり今後もできるだけ地上で中継局を設置することで難視聴を解消するということは必要だと考えております。CATVでカバーできるところがあれば、その分中継局の役割をそちらで負担していただくということはできるわけでございますが、中継局の意義はなくならないと考えておりますので、これからも中継局の置局の指導は続ける必要があると考えております。
○竹内(勝)委員 そこでお伺いしておきますが、現在、CATV事業者に供給しているいわゆるソフトの供給会社がございますね。どのようなものがあり、供給ソフトの具体的な内容はどうなっておりますか。
○森島政府委員 CATV事業者に番組のソフトを供給しておりますいわゆるソフト業者は、現在では広告代理店とか新聞社とかいったものが中心でございまして、その主なもので二十社程度あると承知しております。 また、供給されておりますソフトの内容としましては映画、音楽、英語のニュース、文字ニュース、教育番組、こういったものがございます。
○竹内(勝)委員 第一種電気通信事業との絡みでちょっとお伺いしておきたいので、その質問をさせていただきます。 この電気通信事業法が改正、施行されて一年になりました。今まで第一種通信事業の業者として許可申請が出され、許可されたその状況、先般も私ここでお伺いいたしましたが、その後変化があったか。変化がなければ今までのものは結構でございますが、今後出されると予測されるそういったものがございまして、それをキャッチされておりましたら、第一種電気通信事業に関しての御答弁を局長の方からお願いしたいと思います。
○澤田政府委員 第一種電気通信事業の許可をいたしたものは地上系三社でございます。それ以上その後許可をしたものはございませんが、地上系につきまして、第一種電気通信事業の分野で今後新規参入として考えられますものは、これは報道等にも出てまいりましたが、電力系の会社が市内網までも含めた面としての参入というものを考えている。それから、これは今後の問題になってまいりますが、自動車電話あるいは高機能を持ったポケットベル、こういった移動体通信への参入がこれから考えられるのではなかろうか。こういったものに対しても参入しやすいように、また参入の出てまいりましたときには適切に対処してまいりたいと考えております。
○竹内(勝)委員 ローカルの近距離通信を主体とした第一種電気通信事業計画については、その計画しておるTTN、東京通信ネットの会社設立、これは若干おくれているようですが、先日私ども党内におきましても視察をしてまいりました、長野県の諏訪にございますLCV、レイクシティ・ケーブルビジョン、ここから第一種電気通信事業の申請が昨年の十二月二十五日に出されたと伺っておりますけれども、どうなっておりますか。
○澤田政府委員 先生のお話のとおり、レイクシティ・ケーブルビジョンから昨年の十二月二十五日、第一種電気通信事業の許可申請書の提出がございました。ただ、申請の内容等に不備な点がございましたので、この点について指導をしまして、同社で申請書の補正と申しましょうか、そういうことを今行っているわけでございますが、なおレイクシティ・ケーブルビジョンの方ともいろいろ連絡をとりながら目下指導を行っているところでございます。
○竹内(勝)委員 そうすると不備なものがあった、その不備な中身がもしわかったら御説明いただくのと、不備なものがあるということは、申請を受ける前なのかどうなのか、それをまず御説明いただきたい。 それと、LCVの第一種電気通信事業の計画は、既存のケーブルテレビ施設の余剰分を通信用に利用しようとしておりますが、現在の電気通信事業法で対応できるのかどうか。それから、その不備な点が整えばこれは許可になるのか、その点もあわせて御答弁ください。
○澤田政府委員 申請の不備の点でございますが、こんな点があったということでございます。事業計画書が添付されていなかったとか、あるいは電気通信役務の種類の誤りとか事業収支見積書の期間、項目、こういったものについての不備があったわけでございます。したがいまして、そういう意味では申請をまだ受理したという形ではございませんが、記載内容等の不備につきましては検討を進めておりまして、同社との打ち合わせが大体終わりの段階に来ているかな、こういうところでございます。 いま一つレイクシティの場合もそうでございますが、CATV事業者がこの第一種電気通信事業に参入する場合に、CATV自身が持っておられる既存のCATV施設を利用する場合というのが多かろうと思います。したがいまして、こういう場合でありましても、電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業ということであれば、電気通信事業法の適用を受けることになるわけでございまして、申請が出てまいりました段階で事業法に照らしまして、私ども適切に対処してまいりたい、こういうふうに思っております。
○竹内(勝)委員 そうすると、現在の電気通信事業法で対応できるということでよいのか、もう一度確認しておきます。 それから、CATV事業と第一種電気通信事業の技術基準と保守の問題とはどうなるのか。CATV事業者の基準でクリアできるのか。それをもう一度ここではっきりしておかないと、今後の問題として、これができてくると、CATV今もう一四%ということで、アメリカの例では、テレビ受像機を持っておる中での約半分にCATVが普及したということは、日本におきましても、今後の郵政省の取り組みいかんでCATVというものは相当発展していく。今後の取り組みいかんでございます。そうなると、そのCATV事業者がいわゆる電話や第一種電気通信事業もできる。こうなってくると、これまた業界の中でのいろいろな混乱までいくのかどうなのか。あるいは国民にとってはいろいろな面で非常に便利な面も出てくるでございましょうし、その対応に迫られていきますので、今私が申し上げた点をぜひクリアさせておいていただきたい。これをお願いします。
○澤田政府委員 CATV事業者も、第一種電気通信事業を行うことになりますれば電気通信事業法の許可を受け、電気通信事業法の適用を受けるわけでございますので、したがいまして技術基準の関係でございますが、CATV事業者の施設が第一種電気通信事業の技術基準をクリアしなければ、第一種電気通信事業という形でこれをとらえるわけにはまいりません。この点は、第一種電気通信事業を行うためには、第一種電気通信事業で決めております例えば電気通信設備の安全信頼性対策とか、あるいは適正な品質確保、こういったことに関する設備技術基準というものを満たすことが必須でございます。 このほかに、CATVと違いまして、電気通信設備の工事とか維持、運用に関しましては、こういった作業が適正に行われるように管理規定の制定というようなことを義務づけておりますほかに、電気通信主任技術者の選任という義務を電気通信事業者には義務づけているということでございますので、これらの点をクリアをしてもらわなければならないということになるわけでございます。
○竹内(勝)委員 終わります。
○宮崎委員長 次回は、来る四月二十二日水曜日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十九分散会