地方行政委員会 第7号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/27
会議録
○福島委員長 これより会議を開きます。 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福島委員長 御異議なしと認めます。 それでは、安田修三君を理事に指名いたします。 ――――◇―――――
○福島委員長 内閣提出、参議院送付、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。小沢自治大臣。 ――――――――――――― 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小沢国務大臣 ただいま議題となりました消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 昭和五十八年三月の臨時行政調査会の答申で、一定の特殊法人等について、その業務が制度的に独占されていないこと、国等からの出資が制度上及び実態上ないこと、役員の選任が自主的に行われていること等の自立化の原則に従い、民間法人化するとの基本的方策が提言されたところであります。 この法律案は、このような臨調答申の趣旨を踏まえ、日本消防検定協会及び危険物保安技術協会について、検査制度の適正な運営を維持しつつ、その経営の効率化を図るため、役員の選任、財務等についての政府の関与を縮小するとともに、日本消防検定協会に対する政府出資の制度を廃止するほか、検定対象機械器具等について指定検定機関制度を導入する等の所要の改正を行うものであります。 また、あわせて、住民生活の安全を確保するため。救急業務の対象となる傷病者の範囲及び応急の手当て、消防が行う人命の救助に係る活動の基準並びに移動タンク貯蔵所に係る事故時の応急措置命令等に関し所要の改正を行うものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、消防法の改正であります。 まず、日本消防検定協会及び危険物保安技術協会の経営の効率化に関する事項として、役員の選任について、自治大臣による任命制を廃止し、協会における選任に対し慣治大臣が認可するものとしております。また、資金計画及び借入金に係る自治大臣の認可、財務諸表に係る自治大臣の承認等に関する制度を廃止することといたしております。 次に、日本消防検定協会につきましては、政府出資に関する制度を廃止するとともに、日本消防検定協会のほか、自治大臣の指定する者は、検定対象機械器具等についての検定等の業務を行うことができるものとし、その指定の手続、要件等を定めることといたしております。 そのほか、両協会の目的及び業務について所要の規定の整備を行うこととしております。 その他の事項といたしまして、次の三点について所要の改正を行うものであります。 第一点は、救急業務についてであります。 近年、救急業務の対象は、災害や事故による傷病者のみならず、急病人も大きな割合を占めてきていること等にかんがみ、その対象に、生命に危険等のある急病人で医療機関等に迅速に搬送する手段のない者を加えるとともに、救急業務には、傷病者が医師の管理下に置かれるまでの間において応急の手当てを行うことを含むものといたしております。 第二点は、移動タンク貯蔵所についてであります。 最近における移動タンク貯蔵所の火災及び事故の実態にかんがみ、市町村長は、許可をした移動タンク貯蔵所以外のものについても、貯蔵または取扱基準の違反に対する基準遵守命令及び危険物の流出その他の事故が発生したときの応急措置命令をすることができることといたしております。 第三点は、消防が行う人命の救助についてであります。 火災その他の災害時における人命の救助活動は消防の重要な任務の一つでありますが、市町村によって救助体制に格差が生じている現状にかんがみ、市町村は、人口その他の条件を考慮して自治省令で定める基準に従い、人命救助に必要な特別の救助器具を装備した消防隊を配置するものといたしております。 そのほか、罰則その他について所要の規定の整備を図ることといたしております、 第二は、消防組織法の改正であります。 消防庁の事務として、消防が行う人命救助活動の基準の研究及び立案、指定検定機関の指定及び監督並びに所掌事務に係る国際協力に関する事項を加えることといたしております。 また、都道府県の消防に関する事務として、消防が行う人命救助活動の指導に関する事項を加えることといたしております。 なお、これら消防法及び消防組織法の改正は、一部を除き、昭和六十二年一月一日から施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○福島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました、 ―――――――――――――
○福島委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
○細谷(治)委員 最初に消防庁長官にお尋ねします。 六十一年度、いろいろな面において多角的な活動をするわけでありますが、どこに重点を置いて予算措置をしたのか、どういう点に重点を置いて推進しようとしているのか、端的に言いますと六十一年度の消防の重点施策、こういうものをちょっと挙げていただきたいと思います。
○関根政府委員 六十一年度の消防の重点施策といたしましては、いろいろな項目が掲げられておりますが、まず、消防の神経ともいうべき情報伝達機能あるいは無線施設等の住民に対する周知連絡機能、こういったようなものの整備促進を積極的に図っていきたいということが挙げられます。そのために、全体としては消防補助金が一割削減の対象になりまして百六十億から百四十二億円に減額されましたけれども、その中で、防災無線等につきましては二億円の増額を図っているところでございます。 また、新規予算項目といたしまして消防緊急情報システムといったようなものを補助対象に加え、消防のいわば神経というものをますます強く鋭敏なものにし、緊急な事態が発生いたしましたときに、消火活動は当然のことでございますけれども、効率的な救助活軌なりその他の消防活動を的確に行えるようにしていきたい、これが一つの大きな柱にたっております。 それから次は、地域の実情に応じまして消防力の強化なり災害対策を進めていくために、防災まちづくり事業というものを積極的に展開していきたいということでございます。国の財政が大変厳しいものでございますから、予算がだんだんと減少傾向をたどっております。こういう状況の中で、消防力の強化拡充ということは大変必要な分野であると私どもは認識いたしておりますので、その実施をどうするか、そのための財源をどうするかということでいろいろ検討を重ねてまいりましたけれども、財政局の協力をいただきまして、地方財源をできるだけ積極的に活用してこれを実施していくという方法を、主として起債を中心にいたしましてその元利償還段階において交付税措置を講ずるという手法を講ずることによりまして、昭和六十一年度以降積極的に消防力の整備を進めていく。しかも、その進め方は、補助金によりまして全国一律にというか画一的な整備ではなしに、地方団体がそれぞれ創意工夫をしながら地域の実情に応じて災害に強い体制ができる史うな手法をとっていきたいということでございます。 そのほか、消防団の活性化問題、従来から議論されてきた問題でございますが、そういったものにも力を入れていきたい。 すべてを尽くしておりませんけれども、以上が来年度消防行政の中で重点的に取り組んでいきたいと考えておる事項でございます。
○細谷(治)委員 予算というのは六十一年度の消防施策の顔と言ってもいいと思いますけれども、この予算を拝見をいたしますと、大体消防の予算は前年比一〇%落ちの九〇%ですよね。経常経費については前年から一〇%を切るというのがシーリングであったのですが、そのとおりですよね。その中において、長官おっしゃるように消防防災無線通信施設整備、これが言ってみますと一〇・七%伸びておるのですよ。どういうわけか知りませんけれども、後に少し詳細にお尋ねしたいわけですけれども、都道府県分が三三%、市町村分が三・五%前年比伸びておるわけであります。全体としては九〇%、こういうことですね。 それから、あなたの方の「近代消防」という本の紹介によりますと、科学分というものについてかなりの重点を置いた、確かに五億程度の増でありまして、これは四〇%ばかりふえておるのです。この苦しい予算編成の中においてなるほど頂点らしく予算が計上されておるところに対しては、私は関係者の努力に敬意を表します。 それからもう一つ、この本にもありますけれども、最近新聞を読みますと、地震が近づいてきた、それも浅いところから深いところの地震だ、こう二、ご戸前の新聞で報道されておる。今そういうことがどうかは別として、いずれにしても備えなければいかぬ、こういう状況は間違いないわけてありますから。そういう点で防災まちづくりを取り上げている。そして、避難道路あるいは通信網を重点的に取り上げようとしているところに対しては、そのアイデアはいい、ぜひこれを物にしていただきたいと思うのです。予算を見ての私の印象で、それぞれについて法律内容について掘り下げたというところまではいきませんけれども、少し個々について具体的に質問を展開してみたいと思います。 最初に質問いたしたいところが、消防検定協会とかあるいは法律に基づいてつくられておる防災関係の機関がありますけれども、最近臨調の意見等に基づいてこういうものをしゃにむに民間に移していく。そして、今の検定協会は特殊法人でありますけれども、この法律では四十九条で特殊法人であるべき規定を外しておるわけです。それからもう一つ、危険物保安技術協会、これは認可法人ということになっております。この法律の中では、民間に移していく以上は指定法人もつくらなければいかぬだろう、そういうものを法律で規定しております。一体、特殊法人、認可法人、指定法人、どこがどういうふうに違うのか、どういうメリットとデメリットがあるのか、これは読んでみてもわからぬわけです。その辺を、余り長く説明していただかぬで絡構ですから、教えていただきたいと思います。
○関根政府委員 特殊法人と認可法人につきましては、必ずしも法制上こういうものが特殊法人だという明確な定義規定のようなものはないというふうに承知をいたしております。ただ、従来からの私どもが理解をしております大体の考え方といいますか理解の仕方といたしましては、やはり法律に根拠がありまして、法律で組織、財務、その他の問題につきまして詳しく規定がなされておる法人でありまして、国から出資なりあるいは財政援助なり、そういうものを受けているもの、そういうものが特殊法人であるというふうに理解をいたしております。それから認可法人につきましては、必ずしも出資等はなくて、しかしその法律に基づいて、その法律に従った組織をつくりまして、それを行政官庁に認可をお願いいたしまして認可をもらって存立しているもの、そういうものが認可法人である、こういう理解をいたしておるところでございます。
○細谷(治)委員 それでは、今まで特殊法人であった検定協会は特殊法人ではなくなるのですか、認可法人に格下げになるのですか、どうなんですか。
○関根政府委員 説明が必ずしも十分でなかったと思いますけれども、出資そのものの存在というのは特殊法人であることの決定的な理由にはならないと考えております。したがって、法制局等と法案作業をいたしまして、その過程でずっと詰めてきた私どもの結論といたしましては、今回、従来から特殊法人と言われておりました検定協会の出資を引き揚げることになりますけれども、それでもなお依然として特殊法人としての性格は存続するものというふうに理解をいたしております。それは、やはり業務の内容等につきましての国の規制、そういうものが大変きちっと整備をされた形で国のコントロール下に置かれておる、そういう意味におきまして特殊法人としての本来的な性格を失うものではない、こういう理解だと思います。
○細谷(治)委員 今度の検定協会については、今まで出資がありましたね、出資は取り上げてしまうわけですよ。土地をやっておったのを土地も取り上げてしまうのですよ。あなたの最初の言葉では、それが特殊法人だ、こう言っておりましたけれども、今度は認可法人と変わらぬでしょう。出資は取り上げる、それから土地も取り上げる、土地を買うのかどうか知らぬけれども、八千万円ばかり取り上げるのでしょう。どこが違うのですか。それは確かに認可しなければやれないというのは認可法人でしょう。特殊法人というのは、その特殊法人はこの四十九条で「総務庁設置法第四条第十一号の規定並びに同条第十三号及び第十四号の規定は、適用しない。」チェックは少なくなるわけでし弍う。例えば、この十一号というのは審査ですか、それから十三号というのは調査、十四号というのは苦情ですよ。こういうものが、総務庁の権限、ないわけでしょう。監督官庁、ないわけでしょう。そうすると、これはどこが違うのですか、認可法人と特殊法人。認可法人なんですか、特殊法人なんですかとあなたの方に聞きますと、特殊法人ですと言うのですよ。認可法人と一つも変わらぬでしょう。だから何かメリットがあるのですかということを私は聞いている。 それからもう一つ、危険物保安協会、これは認可法人ですから出資がありません。それなら同列にしていいはずですけれども、そして後の方では、特殊法人であるところに対しても独占的ではなくて指定法人を設けてもいいということになる、指定法人は、民間に移行する以上は養別をしてはいかぬから門戸を開いたということだけで、大臣が指定しなければやはりこれは独占ですよ。だからどこがどう違うのか、わざわざこの法律を変えている意味が私はわからない。 この「近代消防」というのを見ますと、大体もともとこれについては臨調が答申しておりますけれども、あなたの方はこれには余り賛成ではないようですよ、格好だけやっているのじゃないか。この「近代消防」のあなたの論文、書いているのを見ても、特殊法人としてあるべき姿、認可法人としてあるべき姿とちゃんと書いてありますよ。一つも論理性はないわけですよ。読んでもいいですけれども、そこに資料があるようですから。おかしいのですよ、もうちょっとはっきり素人にもわかりやすく教えてください。どうですか。
○関根政府委員 最初にも申し上げましたように、きちっとした法律上の定義があ亙言葉ではないものですから、なかなか説明が難しいのですが、一番基本的な違いは何かと言われますと、法律によってつくられるものが特殊法人である、認可法人というのは法律によって直接つくられるものではなくて、何らかの民間の行為等がありまして、そこから認可申請が出まして、それに対して認可が与えられて初めて存立する、そういうことになる、その辺が特殊法人と認可法人との本質的な違いかなという感じがするわけでございます。 特殊法人の中には法律上当然に設立するのではなくて、一定の設立行為を経て設立されるものもありますが、それらの設立規定そのものが大体法律に規定がありまして、いわば自動的にと申しますか、認可申請によって初めて存立するというのではなくて、いわば法律に基づいて当然のことのように、あるいは自動的に存立するようになる、そういうものが特殊法人ということではなかろうかと思います。今回の検定協会と危険物保安技術協会とを比較いたしましたときに、そういうことが特に言えるのじゃないかと思います。 というのは、検定協会の方は、これはもう要するに、消火器等の消防用機材、機械というものを売るためにはどうしても検定を経ないと売れなくなる。ですから、国として必ずその存立を保証しておいてやらなければいかぬ、一つは必ずつくっておいてやらなければいけない、そういう性格を持っているのが検定協会ではなかろうかというふうに理解をしているところでございます。
○細谷(治)委員 言葉だけがあって中身がない、こう私には受け取れる。 では、今度逆にお尋ねします。大臣、今度法律に基づいて、この検定協会なりあるいは保安協会に代行できる指定法人ができるわけです。開かれるわけです。これは書類が整って中身があれば、幾らでも指定をなさるのですか、どうですか。
○関根政府委員 ちょっと技術的な内容も含みますので、私から先に御答弁させていただきたいと思います。 確かに今回の改正によりまして、経営の効率化を図ろう、そういう一つの大きな目的を持ちまして、いろいろ制度の仕組み等を考えたものですから、その経営の合理化を図り効率化を図っていくというためには、やはり競争原理の導入というものを導入していった方がいいのではなかろうか、そういうことで、検定協会につきましては、指定検定機関という制度を導入したわけでございます。しかし、私どもといたしましては、当然、検定という仕事の公共性なり、公共的な必要性なり、また仕事そのものは厳正、公平にやっていかなければいかぬという性格にかんがみまして、それをなし得るだけの、そういう要請にこたえ得るだけのちゃんとしたものでなければ、やたらめったら指定していくというようなことは全く考えておりません。 また、危険物保安技術協会の方につきましては、今回、競争原理を導入したのではございませんで、従来から一応屋外タンク貯蔵施設の審査は独占的に協会に行わせていたものではなくて、何か他に適当な機関があってそういうことをやるというのであれば、そういうものに市町村長が委託をいたしましても、必ずしも法律違反になるとかそういうものではなかった。制度といいますか、仕組みといたしましては、前からそういう競合性はあってもよろしい、業務独占はしていなかった、こういう解釈であったわけでございます。それを今回変えるものではございません。
○細谷(治)委員 そうしますと、あなたの言葉を裏からとりますと、今度は、検定協会は特殊法人だか認可法人だかわかりませんけれども、格下げになったことは間違いないのですよ。そして、門戸は開かれるわけですよ。競争原理は働くことになるわけですよ。そうなってまいりますと、指定機関というのは、体裁が整えば、内容があれば指定しなければいかぬ。その内容があればということは、あるものについては得意だけれども、あるものはだめだ、都合のよさそうなものだけを虫食い状態で、これはやりたいからこれを指定してくれと来た場合にやったら、これは検定協会はもちませんよ。それは官僚的だからもたないという問題じゃないのですよ。問題があります。 そしてしかも、これを読む限りにおいては、よくわかりませんけれども、保安協会に対しては準危険物も今度は扱わせるわけでしょう。検定協会については若干の業務範囲を広げますけれども、具体性はないのですよ、読んでみる限りにおいては。何か検定協会が堅実にやっていけるような手配はしているかというと、法律ではちょっと範囲を広げたような格好になっておりますけれども、ないですよ。一 そうなってまいりますと、この検定協会を見てみますと、ちょっと資料を見ていきますと、検定協会は大体において十億円ぐらいの仕事ですよ。その中に働いている人は、確かに人数は百三人です。この百三人の生活の問題にかかってくるのですよ。そうなってまいりますと、どうもこの検定協会については、競争原理が働くようにしておって、そして、余り仕事範囲も広げないで、やってみい、困っても知らぬよ、こういう態度ではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○関根政府委員 検定協会というのは大変重要な機関であるというふうに私どもは考えておりまして、この検定協会が健全な経営のもとに、しっかりした財政基盤を保ちながらきちんとした業務展開を続けていっていただくということは、消防行政上にとりましても大変重要なことでございますから、そういう方向で私ども検定協会をいわば育てていかなければいけないものというふうに考えております。 一方、競争原理の導入との兼ね合いで、いわば業務量がそれほどふえないのに、そこへ新規参入をしてくると仕事が少なくなるではないか、こういうお話でございますが、確かに虫食い的に新しい、いいところだけを検定するような指定機関ができるということになりますと、そういった問題が起こると思いますけれども、私どもといたしましては、今のところ、検定項目の中で特定のものだけを選び出して、それについての検定を行う機関を指定する考え方は全く持っておりません。 それから、確かに業務量の範囲を今度の法律改正によりまして少し拡大するようにいたしました。具体的にそれじゃどんなものがあるのかといいますと、そんなに大きなものがあるとは考えておりません。ただしかし、問題は、例えばあそこでは大変な技術屋さんたちもいますし試験研究施設もあるわけでございますから、民間の関連の法人等から委託研究でありますとか、あるいは試験の委託でありますとかといったようなものを積極的に受けてくる、こういったような意味での業務の拡大ということは、必ずしも私は不可能ではないんじゃないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、今回の制度の改正によりまして、検定協会の縮小をもたらすということはないように、私どもとしても実際の運用を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○細谷(治)委員 言葉はわかりますけれども、検定協会の内容を見ますと、現在、一本所三部八課、支所一カ所で三課、現在人員が百三人、主な仕事というのが検定対象機器――そのうちの重要な動力消防ポンプなどというのは外されている、吸い込み管も外されているわけですね。吸い込み管は、信用するわけじゃないけれども、専門家である消防関係が使うから大体ごまかしはないだろうと言うけれども、わかりませんよ、これだって。通産省のエリート官僚がつかまったり何かしているのだから、わからぬよ、これは。 そういう点で、あなたの言葉を聞きますと少しは文章として広げるようになっておりますけれども、大した具体性はない。そうして指定機関ができる。指定機関が虫食いのようなことをねらってくるとするならば、これはあなたが言うように完全に保証できるということになりませんよ。 大臣、指定法人にする場合の指定が大臣の権限なんですよ。その場合に、虫食いになったりあるいは書類がそろったから出すとかいうことじゃなくて、今までずっと消防のために努力精進してきた検定協会というものの存立を危うくするような指定は、おやりにならない方が秩序を維持するためにいいんじゃないか、こう思う。そのことが、とりもなおさず検定協会が確実に成長していく、技術の向上をしていく、そこに一生懸命働いておる人の身分も守れる、生活も守れる、こういうことになると思うのですよ。 現実に、検定協会が三十八年か九年にできてから、栄枯盛衰とは申しませんけれども、やはり山、谷があるわけです。五十九年度は赤字になっているのですよ。どうして赤字になったかといいますと、資料にありますけれども、六十年度の三月三十一日では費用が十億四千万、そして収益は合っておりますけれども、当期利益は千八百六十万。設備投資をしたので赤字になっちゃったというあれがあるのですよ。非常に零細な中小企業みたいなものなんです。ですから、消防庁長官がつぶそうとするのならば、いつでもっぶれるぐらいの状態なんです。指定をやりさえすればいいのですから。 ですから、これは非常に難しい問題で、言ってみますと自治大臣の責任は一段と大きくなった、こう言っていいと思うのですが、大臣、この点について皆さんが安心できるような――大体そういうふうにしたのがおかしいと思っているのですけれども、してしまった以上は、その辺の運用に誤りないようにしなければならぬと思うのですが、いかがですか。
○小沢国務大臣 競争原理云々のことにつきましては、長官からお話がありました。しかし、今御指摘のように、いわゆる検定の業務そのものについてはもちろん自治大臣、自治省が厳しく厳正にやっていく、また指定検定機関の指定につきましては、その業務の内容を十分備えたものであることは当然必要でございますし、また民間というよつな要素から考えていけば、需要の余りないところにいっぱい競争させて競争が成り立つわけがないのでありますから、そのような意味におきましては、そういったことも法の運用に当たって十分考慮に入れながらしていかなければならないであろう、そのように考えております。
○細谷(治)委員 三十八年以降今日までの検定協会の歩みを見ますと、余り消長はないのですよ。それはやはり特殊法人であったことが大きく影響していると思うのです。ところが今度は特殊法人じゃない、特殊法人らしいけれどもとにかく総務庁のあれはない、そしていつでも競争原理を導入できるようになっているということですが、その一つの見本として危険物保安技術協会、これは最盛期は六十三名おったのですね。そうでしょう。今は六十一年の一月になりますと三十八名しかおらぬのです。半分近くになってしまった。収入も今大体五億円くらいしか稼げないのですね。ここには市町村からも出ておりますし東京都からも出ておりますし、自治省からも行っているしその他からも行っているのですね。そして、そういう人は減ったのがどこへ行ったか、首を切らぬでやった、もとの官庁に戻っているわけです。三菱の水島のオイルタンクが不等沈下で大変な問題が起こったときにこの保安協会ができた。これほど盛衰があっているわけですから、これは心配です。そしてそれについて具体的には、準危険物というものの業務範囲を広げるというけれども、その準危険物というのがどういう見通しになるかもはっきりしていない。こういうことで、私は、この危険物保安技術協会の盛衰、山谷を見ながら検定協会の将来というものを心配するものですから、あえて指摘をしているわけですよ。 ですから、これについてきちんと対応していっていただきたい。恐らくこの保安協会に自治省の古手も行っているかもしらぬ、自治省の現役も行っているかもしらぬ、それを本省に戻せばいいじゃないか、そんなことで出発してもらっては困るわけですよ。いかがですか。
○関根政府委員 御指摘をいただきましたように、保安技術協会、やや経営状況は乱高下をいたしておりまして、設立をいたしました五十一、五十二年度におきましては、設立当初だったものですからちょっと赤字が出ました。その後比較的順調に推移をいたしましたが、石油ショック等が端的にあらわれまして、石油ショックといいますよりはタンクの増設が頭打ちになった昭和五十八年の終わりごろから五十九年にかけまして大変大きなショックを受けまして、大赤字を出したわけです。しかしその後、将来の見通し等も踏まえまして経営の合理化といいますか、できるだけ省力化を図りまして経営の立て直しを図りました結果、昭和五十九年におきましては、あるいは先ほど年度を間違えたかもしれませんが、五十八年度におきまして八千九百万の大きな赤字を出しましたが、五十九年度におきましてはほぼ収支とんとん、多少でございますが黒が出ております。六十年度も大体どうにか黒字決算ができそうな状況でございます。 将来の問題でございますが、御承知のとおり屋外のタンク貯蔵所におきます新設でありますとか計画変更でありますとかあるいは保安の検査、こういったものを中心に危険物保安技術協会は仕事をいたしております。タンクの数も一万を超える、特定のタンクの数もございますし、こういったようなものが順次計画変更なり定期保安検査なりそういうものが入ってまいりますので、私どもは、切り講めました現在の陣容であれば将来急に経営が苦しくなるというようなことはない、大体安定的な経営は可能であろうと思いますし、またそういう形で運営をしていくように私どもも努力をしていきたいというふうに考えるところでございます。
○細谷(治)委員 少しややこしくなりますが、通産省関係で高圧ガス保安協会出資金を回収するのです。これは一億円ですよ。そうしますと、今度は検定協会からも八千万円以上のものを引き揚げるわけです。政府の雑収入に入っていくわけです。八千万円ということになりますと一年間の仕事のほぼ一割です。一割を取り上げるわけです。十年間でだんだん払ってくれということじゃないのです。ちゃんとこれは大蔵省の歳入に入っているのです。六十一年度入っているんだ。一遍に取り上げるということになると、稼ぎ高の一割を、今まで出資しておったのを民間に行くんだから返せ、これも私は随分酷だと思うのです。その酸を克服することで協会自体が無理をする。 私は聞きました。一体、準危険物でそんなに仕事がふえるのかと聞いてみた。準危険物は何かと聞いたら大したことはない。例えば通産省の高圧ガス保安協会だという。この保安協会も特殊法人だが、認可法人になるという別の法案が出ているわけです。すなわち、他の法人の仕事の方へ侵出するというのです。本当ですか。通産省のやっておる高圧ガス保安協会の方の仕事の一部に侵出して取ってやる計画だとおっしゃる。恐ろしいことですよ。それは通産省と自治省は違うから、自治省の方の保安協会が立っていくためには、そっちへ侵出する、攻め込むということもあり得るのでしょうけれども、今の段階でそんなことを考えておったら話になりませんよ。そんな計画では困ります。長官、本当ですか。そんな言葉を担当の人から私は聞いたのですよ。大臣、そんな考えはやめてもらいたい。よくない。保安協会、高圧技術というと高圧のものですよ。ここに技術者がおるでしょう。高圧技術については免状が要りますからやれるでしょうが、人の領分を侵してまで民間に下げるなんというのは混乱を来すと思いますが、念のためこの点も一つはっきりしておいていただきたい。
○関根政府委員 まず検定協会の八千万の資本の引き揚げといいますか、国の出資の廃止でございますけれども、これは従来の積立金等を取り崩しをいたしまして、おかげさまで比較的順調な経営で推移をいたしましたので、何とかなるのではなかろうか。その出資金を引き揚げることによって直ちに検定協会の経営がおかしくなるということはないものと考えておりますし、またないようにしていきたいと思います。 それから、今の後段のお話でございますけれども、確かに民間法人化といいますか、経営の効率化を図りますためには、やれる業務の範囲を余りきつく締めておきますと臨機応変と申しますか、わりかし経営に資するような仕事があったときに手が出せないということがあってはいけないという一般原則に従いまして、今回危険物保安技術協会の業務の範囲も、例えば民間の普通の会社等からいろいろ試験研究の委託をやりたいという場合にはできるようなものを考えまして門戸を少し広げた、業務範囲を広げているわけです。それと同じ規定が、今お話のありました高圧ガス保安協会におきましても何か入っておるということを通産省から私ども聞いております。しかし、これは高圧ガス保安協会におきましても、私どもの方が危険物保安技術協会についてやったのと同じような考え方でやられたものと考えております。まさに私どもの方が高圧ガスの方に取りに行き、また向こうが我が方に取りに来る、そんなことを考えてやったものではございません。ただ、多分そういうお話がお耳に入りましたのは、例の保安四法の関係でできるだけお互いに、一つの窓口に検査を依頼しに来た場合にはほかの検査機関の分もできるものについては一緒にやれるようにしたらどうか、こういう前からの臨調でのお話等がございますし、これは答申にもなっておるわけでございますし、またできるだけ保安四法の運用を簡素効率化していこうという政府の考え方のもとにも入っているわけです。しかし、これはすべて、例えば高圧ガスの方に仕事をやってしまうんだとかそういうことではございませんで、相互乗り入れといってもなかなか簡単にはいかない話でございます。そういう方向をできるだけ目指しながら、これからそういう体制をとっていこうではないかということを言っているだけのことでございまして、仕事をお互いに取り合いっこするということを考えているものではございません。
○細谷(治)委員 これで随分時間を食ってしまったんですよ。今、通産省の領分を保安協会が侵すとか――通産省の方に法律上それは書いてあるのかもしれませんよ、一方に書いて一方に書かぬとおかしいですから。従来の特殊法人であるものが、新しい意味の特殊法人か認可法人がわかりませんけれども、そういうものになるに当たって業務範囲を広げる。とにかく、あなた方、安心できるようにしてやるといっても、両方せめぎ合っては困るのですから、そういうことがないようにする。それぞれ設けられたのが一つになれば別として、現在は二つになっているというわけです、通産省の高圧ガスと一般の保安ということですから。これは技術者がおるからということで、そんな領分の奪い合い、日本の政府の中で戦争ごっこはやめていただきたい。そしてそんなことをやらなくても立っていけるような対応をしていただきたい、私はこう願っておるのですよ。大臣ひとつ。
○小沢国務大臣 本法の改正に当たりましては、経営の効率化、能率化、それを目指して、検定協会にしろ危険物の協会にしろ、まさしく新しい組織にするわけであります。したがいまして、本当にその目的を達成して、十分その役割を果たしていくことができるように、自治省といたしましても指導し育成していかなければならない、そのように考えております。
○細谷(治)委員 そういうことを念を押して申し上げておきますから、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 そこで、話をちょっと変えまして、長官、文芸春秋の四月号、これをお読みになりましたか。――お読みになったんですね。これを読んだ印象はいかがですか。
○関根政府委員 あの文章全体を流れます目的意識というものは、要するにできるだけ人命の救助をいたしますための体制と申しますか、消防の体制を含めて強化をしていかなければいけない。また受け入れる病院サイドにおきましても、そういう受け入れ態勢をしっかりしていかなければいけないということを意図した文章ではないかというふうに考えます。そういう意味におきまして、論旨にはおおむね賛成でございますし、また事実の経過関係につきましては大体大きな間違いはない、私どものつかんでおります事実関係と大きく違っていないと思います。 ただ、一つだけ問題がございます。一つだけと申しますか、大きな問題として一つありますのは、その中で、消防に特定の病院に交通事故の患者を運んでもらいたいために病院サイドから何か働きかけがあるというようなニュアンスの記事がありますが、消防サイドといたしましては、消防全体はそんな物の考え方をしておりません。まじめに救急業務を遂行いたしておりますので、私どもとしてはやや不穏当な内容であるというふうに理解をいたしております。
○細谷(治)委員 その辺だけは不穏当だと言うけれども、大体認めている。しかし、それはあるんですよ。交通事故は一番もうかるわけだ。ですから、あなたがないと断ってもやはりあるんですよ。ですから答えは要らぬ。 それで、これは真神博というジャーナリストが書いております。私も読んでみましたけれども、例えば「不可解な〝手術拒否〟」これもセンターの資格を持っている大学の病院ですよ。それから「五番目の病院も拒否」、それから「電話を受けた記憶がない」電話したと言っているのに、電話を受けた記憶がない。それから「十八病院のたらいまわし」、これは滝口君のあれではないが、十八病院のたらいまわし、「救命救急センターの資格」、「国立系病院の消極性」国家公務員が行く国立病院系統の消極性、「儲かる交通事故患者」、こういうことで具体的に書いております。私も一〇〇%正確だということは申し上げませんが、大体においてこれが事実だろう、こういうのが私の読後感であります。 大臣、これは大変重要でありますので、新刊の文芸春秋にジャーナリストが書いたものですから、一度読んでいただきたいと思います。 そこで、長官が先ほどおっしゃった六十一年度の消防防災無線通信施設整備、これはとにかく六十一年度に限って破格の予算がついた。全体としては一割減なのにこれだけは一割増。それでは、この消防防災無線通信施設の整備というのに重点を置いているが、六十年度末、現状はどうなっているのか、これをひとつ御説明いただきたいと思います。
○関根政府委員 私どもといたしましては、防災無線の整備に一生懸命力を入れてきたつもりでございますが、残念ながら現状は必ずしも満足すべき状態になっておりません。市町村数が六十年度末で三千二百七十六あります、これは年度末でございませんで、年で申し上げておりますが、そのうち、同報系の無線が整備されているところが千十五でございまして、整備率が三〇・九%ということでございます。六十一年の九月現在では今の数字が、整備率が三一・七%ということで、三割程度しかいってないというのが実情でございます。
○細谷(治)委員 重点でこれから急速度で整備していこうというのに三一%。何年から重点で始めたのですか。
○関根政府委員 補助金の交付を開始したのは昭和五十三年度からということでございますが、同報無線の必要性そのものはもっと前から叫ばれておりますし、消防庁としては、できるだけ整備の促進を図るように指導はしてきたものと考えております。
○細谷(治)委員 ちょっと指を折ってみたら八年かかって三〇%。するとあと十五年くらいかかりますね。どうなんですか。計算上はそうなるでしょう。
○関根政府委員 今までのペースでいきますと大変な年数がかかるというふうに考えておりますが、私どもはこれではいかぬということで、ことしから、防災まちづくり事業というようなものの中でも防災無線の整備を対象として取り上げていきたい、こういう施策も講じ、また補助金等につきましても、今後もできるだけふやしていきたいと考えておりまして、今までのペースよりももっと速いペースに持っていきたいものだと考えておるところでございます。
○細谷(治)委員 苦しい答弁ですね。八年かかって三〇%、しかもそれが今日の財政状況からいって破格の扱いを受けて予算措置されているのですよ。そうなってまいりますと、これから十年以上かかる、こういうことになりますが、大臣、重点ではありますけれども、重点と世間に誇らしく言うにはおこがましい、こういう感じがいたしてなりません。そういう感じを大臣お持ちでしょうから、これはひとつかなりの努力をしていただかなければならぬと思いますが、いかがですか。
○小沢国務大臣 消防はとにかく国民の生命、財産を守る基本的任務であります。そのために、この防災無線等々の事業を特に力を入れてやろうとしておるところでございます。しかしながら、率でいえば今回一〇%ふえたということでありますが、これでもちろんいいというものではございませんし、本当に全力を挙げてこの点につきましては、特に消防全体も事の本質からそうでありますが、予算の充実に努めたいと考えております。
○細谷(治)委員 大臣がそうおっしゃっていますから……。 きょうは厚生省が見えておりますからお聞きしたいのですが、この文芸春秋にも書いてありまして、おたくの方の補佐の方がああいう病院のやり方はおかしい、こういうことを言っておりまして、それを直させるように指導するというのがこの文芸春秋に書いてあります。どういう指導をなさっているのか、どこがおかしかったのか。恐らくこの文芸春秋に書いてあるものについてかなりの実態なんだということを認識されてやったことだと思うのですが、いかがですか。
○入山説明員 滝口さんのようなケースにつきましては受け入れに非常に時間を要したといったことでございまして、私ども遺憾なことと考えているわけでございます。 いろんな問題点があったわけでございまして、一つには病院内の連絡体制でありますとかあるいは救急患者の受け入れ対応責住者がはっきりとしていなかったといったようなこともあったわけでございます。また、空床がないといったようなことに上りまして患者の受け入れができないといったような病院もあったようでございます。そのほか、当直医が手術中でありますとかあるいは医療スタッフが不足であるといったようなことで収容できなかったといったようなところもあったようでございます。そういったことを踏まえまして、私ども各都道府県に対して今申し上げましたような点について十分に改善するようにという指導通知を出したところでございます。
○細谷(治)委員 厚生省で指導しているこういう救急センター等について二百億近い予算をつぎ込んでおると言われているのですね。百七十億ぐらいの予算を毎年つぎ込んでいる。この文芸春秋にもそれほどの金をつぎ込んでおるのにこのていたらくでどういうことなんだ、こういう指摘もございます。その辺いかがですか。
○入山説明員 確かに救急医療体制につきましては厚生省といたしましても百六十億を超える予算を計上しているわけでございます。救急医療体制につきましては五十二年、三年以降に私ども計画的に整備を進めてきているわけでございます。一応システムとしてと申しますか制度としては水準に達しておるというふうに考えているわけでございますが、何しろ人が運用する制度でございますので、今回のような運用の面で遺憾な点があるといったこともないわけではないわけでございます。そういった点を私ども十分に反省をいたしまして、先ほども申し上げましたようにそういう運用の面で十分に制度が生かされるような形で各関係の機関を指導してまいりたい、このように考えているわけでございます。
○細谷(治)委員 確かにおっしゃるように運用の問題、人の問題、こういうことになるわけでございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、新聞によりますと、あの滝口君をたらい回しでとうとう死に至らしめた、泥棒をっかまえてやった学生が亡くなったのですが、たらい回しをやって六回目の病院に行ったときにはもう死んでおった、こういうことなんです。同じような状況が昨年の十二月中に二十件あった、消防庁が十二月分の調査をしたら二十件あった、こういうふうに新聞で報道されております。 こういうような実態にかんがみまして、東京都の方では、これじゃ困るじゃないか、国も一生懸命百六十億、百七十億の巨費をつぎ込んでおるけれども、もっと都としてやらなければいかぬじゃないかということで、救急病院、東京消防庁、医師会代表を集めて協議した結果、重体専門の救急病院と東京消防庁との間でホットラインを設けよう、こういうことになってこれが具体化しておるというふうに新聞では報道されております。 これについて東京都のとった措置はかなり積極的、意欲的だと私は思うのですけれども、消防庁、簡単にその状況を御説明いただけますか。
○関根政府委員 御指摘をいただきましたように、東京都としては特に鈴木知事が陣頭指揮をするような形で救急患者の受け入れ態勢、また消防機関と医療機関との間の連絡を濃密化するための施策を立て、かつそれを既に実施いたしているわけでございます。 簡単にということでございますが一通り説明したいと思いますが、一月二十三日に救命救急センター等の三次救急医療施設との関係者会議を開きまして、次の五点につきまして確認をし合ったわけでございます。 まず、災害救急情報センターから直通で通報できるようないわゆるホットライン、これを至急に設けるということでございます。この点につきましては既に整備が終わりまして、三月二十日運転開始に至っております。 それから二番目の申し合わせ事項は、三次救急医療施設内に、その施設の中におきまして迅速な連絡体制及び責任体制を確立するということでございます。 三点目は、救命救急センター等の運営に当たりまして、重篤な患者が来た場合には必ず受け入れる、それが原則である、そういう考え方に基づいて運営に当たるということの確認でございます。 四番目が、今後定期的に東京都消防庁と東京都衛生局及び三次救急医療施設間において会議を持つということでございます。 それからもう一点ございます。五番目といたしまして、東京都救命救急センター設置運営要綱及び東京都の救急医療センターの運営基準を見直す。 以上五点につきましての関連の規定の見直しということでございまして、それぞれ着実に進められているもの、こういうふうに考えております。
○細谷(治)委員 東京都、かなり意欲的であるようです、私も敬意を表しているのですけれども、これは消防庁としても側面的というよりもむしろ一つの流れの、筋の柱になるくらいのつもりでこれに取り組んでいただきたい、こう思います。 そこで、最近脳死問題とかいろいろ出てきておりますけれども、二月十六日の、この夏に輸送緊急車というものを配置しよう。それは申すまでもなく死体腎、腎臓移植、これが五十八年には百七十九件の手術があっている、こういうふうに書いてございます。アメリカの状態はどうかといいますと、これもサンケイ新聞の二月十四日に、腎臓移植が一九八四年に六千九百六十八件あった。大変なものです。日本では大体百八十、これも急速にふえてきている。こういう状況でありますから、いよいよこの面の救命救急、緊急輸送ということが大きな課題になってくると思うのです。そうなってまいりますと、これに対してどう対応していくのかというのが厚生省の任務であり消防庁の任務であり、また、消防の車が走ろうとしても、たらい回しは言語道断ですけれども、道路がふさがってどうにもならぬ、こういうこともあり得るので道路交通法の問題等も出てくるかと思うのですが、これについて、それぞれ担当のところでひとつ的確なお答えをいただきたい、こう思います。まず厚生省から。
○草刈説明員 医学、医療の進歩に伴いまして、近年我が国においてさまざまな臓器の移植が実施されあるいは試みられております。医療技術として確立して、また対象となる患者数が多い等の理由から、政策的にその促進を図っているものといたしましては目、角膜と腎臓の移植がございます。角膜移植は近年において年間二千件程度実施されております。五十九年末までの累計は一万三千五百三十五件でございます。一方、腎移植は近年において年間五百件程度実施され、五十九年末で累計は三千四百七十一件でございます。 腎移植は、慢性の腎不全患者に健全な腎機能を付与するために唯一の根治療法と考えまして、我が国では約六万人の腎不全の患者さん、結局その患者さんたちは週二、三回、人工透析装置は一回四、五時間かかりますが、それを受けながら生命を長らえております。このうち現段階でも、腎移植を希望しておられる患者さんだけでも約六千人を超えました。これに対して我が国厚生省といたしましては非常に取り上げている次第でございますが、まず実態を申し上げます。 我が国の腎移植は年間約五百件にすぎません。しかも、その約七割程度は肉親の情に依存する生体腎の移植によっていること等の問題がありまして、私どもといたしましては、腎移植、特に健全な腎臓をお持ちの方の死後において、本人の生前の遺志、あるいは遺族の申し出に基づいて行われる善意の腎臓の提供、献腎による移植を、今後一層推進していく所存でございます。
○関根政府委員 人命の救助というのは消防の任務のうちの極めて重要な部分でございますので、腎臓移植等臓器移植の必要性でありますとか緊急性等の見地から、消防が手伝うべきといいますか、応援を要請されたような場合には積極的に消防としても協力していきたいと思います。 既に、東京消防庁におきましてヘリコプターを出し、またヘリポートから病院までの間は救急車を出して搬送したというような事例もありますので、今後ともそういう必要なケースには協力を惜しまないつもりでございます。
○八島政府委員 お答えいたします。 現在、警察におきましては、移植用の腎臓の搬送につきまして病院からの要請がございますと、パトカーによって先導をいたしております。移植用腎臓を搬送する自動車そのものを緊急自動車としますことにつきましては、パトカーの先導といいましてもパトカーが到着するまで何がしかの時間もかかりますし、そういう意味で、車そのものを指定することにつきましては前向きに検討いたしてまいりたい、かように考えております。
○細谷(治)委員 局長さん、緊急のそういう臓器移植の場合よりもっと手前の一般的なあれも、交通事故で救急車が走れないということがしばしばあるようです。それで時期おくれになっちゃうこともあるようです。その辺の問題も含めて、緊急の時は緊急のときらしくまた対応する、こういうことで、道路交通法も出ておりまして、これからこの委員会で審査することになっておりますけれども、ひとつこの道路交通法の中で、あるいは道路交通法の中で対応しようとしたが不十分ならば、これを十分なようにやっていただかなければならぬ、こう思いますが、この点いかがですか。
○八島政府委員 この問題は、道路交通法の場だけで解決できないような場合には、他の法律等も含めまして総合的に検討してまいるべきものと考えますので、御指摘の線に沿いまして今後検討させていただきたいと思います。
○細谷(治)委員 今、厚生省の方から難病に関連してお答えがありましたが、アメリカの例でも角膜が一番多いようですね。八四年の例をとりますと、アメリカでは角膜移植が二万四千件あったと報道されております。その次には腎臓移植のようです。これは新聞の報道に基づいて申し上げておるのですが、大体間違いないですか。
○草刈説明員 移植学会の専門家の方から伺った情報によりますと、ほぼ間違いないようでございます。
○細谷(治)委員 私は素人ですから医学のことはわかりませんけれども、渥美和彦という東大の医学部の先生がおるのです。その人が、「医学はこれからこうなる」という、このくらい厚い本を書いておる。これは先生が編集したものです。 この本によりますと、臓器移植というのは、亡くなった人の臓器を取って、取る時間がかかる。それから運ぶ、移植が終わる、そして動き出す、こういうことになるわけでありますけれども、大体において臓器移植は実験から実用化の段階に入ってきているのだけれども、腎臓は大体四十八時間から七十時間くらいのうちに切り取って、取りつけて、動き出すまでやっておかぬとだめだというのですね。それから、肝臓は八時間から十二時間だ。心臓は三時間か四時間だ。心臓と肺臓は一時間か二時間だ。膵臓は十二時間から二十四時間だ。こう渥美先生の本の中に書いてあるのです。 私は素人ですから、これは専門家の言うことですから大体間違いないだろうと思うのですが、そうなりますとこれは寸刻も猶予できないという事態で、かなりの体制がなければ、二十一世紀の医学はこうなるなんて言っておったって間に合わぬ、こう思います。よほどの決意をして取り組まなければいかぬ。特に厚生省とそれから人命、財産を守っていくという自治省、消防庁の責任は重いと思うのですが、大臣、これについてはどうですか。閣僚の一人として、国務大臣という観点からもこの問題についてひとつやっていただきたいと思います。
○小沢国務大臣 医学の技術が進歩すればするほど、そういう形で貴重な人命が助かるというケースがどんどんふえてくると思います。そういう事、人命に関する問題でございますので、消防庁あるいは摩生省あるいは警察、各省庁云々ということではなくて、本当に全国民の、全人類のと言ってもいいかもしれませんが、そういうような考え方、基本に立ちまして遺漏なきように今後十分取り組んでいきたいと思います。
○細谷(治)委員 問題は、そうなってまいりますと、これはやはり消防といっても消防庁が警察のようにたくさん人間を持っているわけではありませんから、言ってみますと自治体消防、これは原則でありますからかなりこれに頼らざるを得ない。そうなってまいりますと、自治体の財政問題、こういう問題が出てまいっております。 私の住んでおる福岡県の大牟田市では、毎年毎年消防の方から救急隊、今二隊ありますけれども、救急隊を三隊にしてもらわなければとてもじゃないが対応できない、こういう声があるのですけれども、市長さんが金がないというわけで三隊にしないんですよ。どうしてしないのかといいますと、三隊にしますと、車買うのは大したものじゃないのですけれども、必ず人間が最低六人つくわけです。人間が六人つきますと、四百万かかるとして六人で二千四百万、毎年毎年かかるということになります。大変な負担なんですね。これはやはり自治体財政の問題ですが、この次に交付税法のあれをやりますけれども、交付税法では一般論になっちゃいますから、それほど財政問題というのが、消防にとっても、こういう問題について対応する場合に真剣な問題になってまいります。恐らく大臣、消防については交付税で十分カウントしているとお答えになると思うのですけれども、実態は自治体にとっては大変な負担になっておるんですよ。私のところに、消防けしからぬじゃないかと言っておったら、財政の方から、いや、もう消防の方に対してはよ過ぎるぐらい見ておりますよという返事があるのですが、どういうふうに解決したらいいのでしょうか。長官からまず答えますか。長富が答えると、我田引水の議論になるんじゃないですか。
○関根政府委員 大牟田市の救急隊も大変活躍をしていただいておりまして、年間出場件数も二千五百九十五件ということですから、大変な活動をしていただいております。そのためにもう一隊ぜひとも欲しいという消防サイドの要請が出ているようでございます。でき得れば市長さんにもよく理解をしていただきまして増強をお願いをしたいというのが私どもの消防としての偽らざる心境でございます。 問題は財政的な問題でございますけれども、私どもも毎年交付税の算定に当たりましては、できるだけ一般財源の消防費としての需要の増加をお願いをいたしております。それに大体財政当局はよく協力をしてくれているというふうに理解をいたしております。ただ問題は、これは先生まさに御専門の分野でございますが、交付税でございますから、ああ使え、こう使えという指示を出すということは、これはやはり慎まなければならないものというふうに考えております。ただ、そうはいいましても、せっかく財源手当てをいたしましたのが、もし仮に期待ほど使われていない地方団体があるとすれば、できるだけそういった標準なり基準なり、あるいは交付税の積算の意図しているもの、そういうものも御理解をいただいて必要な支出はやっていただきたい、必要な経費支出については対応していっていただきたいというふうに考えておるわけです。その一つのあらわれといいますか、考え方の筋の上で防災まちづくり事業というものを私どもは考えたわけです。必ずしもひもっき的な運用をするという意味ではございませんけれども、今一般財源がなければ起債を充当するなど、できるだけそういうこともやりながら積極的ないろいろな整備をやっていただきたいということをお願いしております。今の先生御指摘の人件費の問題は、これは起債にはなじみませんけれども、救急車を買うとか、あるいはほかのいろいろな物的設備をするという場合にはそういった防災まちづくり事業というようなものも大いに活用していただいて、その結果として一般財源も後々元利償還の段階において必要になってくる、それをまた交付税で措置をする、そういう形で消防費の支出というものを充実さしていきたいと考えておるところでございます。
○細谷(治)委員 長官、あなたは今使う方だからいいけれども、ないそでは振れないということがあるでしょう。そうでしょう。今の国の予算もそうでしょう。一兆一千七百億円のカットをしたのも、ないそでは振れないということからきたのでしょう。ですから、あなたはほかの方を工面して出してもらいたいという願いがありますけれども、その限界を既に多くの地方自治体は通り越している。それはやはり公債費負担比率を見てももうはっきりしているのですよ。これは財政のときの議論になりますけれども。そういうことでありますから、ちょっと工面をしてもらいたいというものではなくて、あるいは消防については基準財政需要額で十分見ておりますよ、大体消防庁よ過ぎるですよ、こういうふうに言われるのならば、むしろ実態について算定の仕方なり補正の仕方なり何らか工面して財政のサイドからも協力してやる、こういうことが必要だろうと思います。大臣、いかがですか。
○小沢国務大臣 自治体の現実の財政のいわゆるやりくりの中におきましては、先生御指摘のように、できるだけ消防というものに対しまして理解を持って対処しなければならないと思っております。本来国が国民の生命、財産を守っていく、外にあっては国防、内にあっては消防、警察、これが基本的な国の政策の前提となる問題であろうと思います。原則として、今自治体消防という形で自治体の自主的な運営に任されておるわけでありますけれども、今申し上げましたように、基本的な仕事でございますから、やはり我々の意識におきましても、関係者全員消防というものに対してはそういう意識の中でとらえていかなければならないのではないか、そのように考えておるところでございます。
○細谷(治)委員 そういうことで、ひとつ積極的に、取り組んでいただきたい。 もう私の持ち時間は余りありませんから、最後に、関根長官が防災まちづくり事業で、銭がなかったらそれでやってくれ、それで地域総合整備事業債というものを二百億円準備しているよ、それは必要とあれば交付税でも元利償還を見てやるよ、非常にいいアイデアで私も賛成です。私も賛成ですけれども、この中を見ますと、例えば計画の中では、消防防災施設としてコミュニティー防災センター、それから防災緊急情報システム、それは先ほど言ったあれと密接不可分な問題でしょう。さらに防災基盤整備として避難路、避難地。大体東京で大地震が来た場合に、一体あそこに火が走っていってどこにどういうふうに逃げたらいいのかわからぬですよ。恐らく地震になったら、この間のシンガポールのように何か地震もないのにぱたんと六階建てのビルがつぶれちゃったというようなことは日本ではないでしょうけれども、これは道路が逃げられるような道路がわからぬですよ。ですから、避難道路とかなんとかというのは非常に重要です。こういう問題で対応しようということは大変結構でありまして、これは今の地方債計画の中でも重点なのが地域総合整備事業、まあ四、五千億あるでしょう。これをひとつ活用していただきたい。二百億円というのは、私は知りませんけれども、全体を見ると、日本列島広いですからちょっと少ないのじゃないか。しかもけちですよ、紹介を見ると。どういうことかというと、事業債の特別分ですね。「特別分の地方債の元利償還金については、交付税措置を講ずることとし、その措置額は、原則として、従来の国庫補助金制度による補助金額を下回ることのないようにしている。」そういうことを言葉平たく言いますと、補助金のカットがありますから、そのカットで減った分だけは埋めてあげますよ、こういうことで重点であるように言って、その補助金がカットされる前の正常な状態にプラスアルファくらいにしてこの問題をやりますよという積極性がないのですよ。どうですか。 私はこれを読んで、結構であるけれども、何かお茶濁しの月並みなあれで、もっと積極性があってほしい、それでなければ。この問題は片づかぬよ。しかも新聞は毎日のようにだんだん地震が近寄ってきている、浅いところから深いところに入ったよ、こういうことを言っておりますからね。やはり備えあれば憂いなし、覚えているときに災害が来る、こういうような体制づくりをしておくことが必要じゃないかと思います。これをひとつ大臣、お答えいただきたい。
○関根政府委員 防災まちづくり事業、確かにそういう、今お話のありましたような説明もなされているわけでございますが、財政当局にも私どもこれからもできるだけ手厚い措置を講じていただくように、さらに引き続き折衝を続けていきたい。いずれにいたしましても、災害もいろいろな形の新しい災害も出てきておりますし、先日の熱川の火災のような火事そのものにつきましても、消防力の強化の必要があるという時期になってきておりますので、そういった意味におきまして、できるだけ消防力の強化を図っていかなければいけない、そのための財源措置、財政措置につきましても、強化充実をしていくように私どもなりの努力を最善を尽くしていきたいと考えております。
○小沢国務大臣 防災のためのまちづくり、先生のおっしゃるとおり、備えあれば憂いなしということわざのとおりでございます。この点につきましては、今後ともさらに一層充実するように、私どもも十分心がけていきたいと思います。
○細谷(治)委員 終わります。
○福島委員長 宮崎角治君。
○宮崎(角)委員 初めに、消防法等の改正案についての質疑をいたします前に、一昨日、三月二十五日に発生しました火炎弾による皇居とアメリカ大使館へのゲリラ事件についてお伺いしたいのであります。 この事件は、天皇陛下の在位六十年の記念式典または東京サミット、そしてそれに続く国公賓の来日を控えまして警備態勢の強化がなされているときに、まさに最重点の警備態勢、いわゆるその対象施設がねらわれたという点で、大変な社会問題となってクローズアップしてきているわけであります。さきの国鉄ゲリラのときにも本委員会で、私は次回への態勢強化を勧告していたところでありますが、今回のこのゲリラ事件の概要と今後の対策につきまして、警察庁にお伺いしたいと思います。
○三島政府委員 お答えいたします。 一昨日に発生いたしました事件でございますが、これは午後一時十五分ごろであります。二件のゲリラ事件がほぼ同時に発生をいたしたわけであります。 その一つは、皇居の半蔵門付近において発生いたしました。普通乗用車のトランク内に設置をいたされました時限式の発射装置によりまして火災物が三本発射されたものと考えられておりますが、現実にはそのうちの二本が半蔵門の中に入りまして、そのうちの一個が火を発したということであります。発しました火そのものは大したこともなく直ちに消しとめられたという状況でございまして、ちょうどその半蔵門の中は広い敷地になっておりますので、したがって建物等がなかったという点もございまして、被害は全くなかったという状況であります。 それからもう一つは、アメリカ大使館に向けましてその前の道路上から発射されたものでありますが、これも同じく乗用車のトランクから、時限装置によりまして三個の火炎物が発射をされた、こういう状況でございます。この三個はそれぞれアメリカ大使館の敷地の中に落下いたしておるわけでありますが、そのうちの一個が発火をいたしております。これも地面上で発火をしたということで、被害が直接的な、具体的な建物あるいは人的な被害等がなかったという状況でございます。いずれもこの二台の自動車は盗難車両でございました。 それから、さらにその後二時三十分ごろでありますが、東名高速道路の港北パーキング上におきまして、ちょうどこの二件のゲリラに使われたと同じような発射装置をセットいたしました乗用車を発見いたしたわけであります。これも盗難車でございましたが、そのトランクの中にやはり三個の発射装置がございまして、それに火炎物がセットをされておった、こういう事態でございました。 この発射をされました火炎物というものでありますが、これは一部報道にはロケット弾といったふうな言い方がされておりますが、ロケットというのは、御承知のとおりそのもの自体が噴射をいたしまして、その噴射力によりまして前へ推進されていくものがロケットでございます。その意味では、今回使用されましたものは、概念的に申し上げますと発射式の火炎物というのが一番正しかろうと思います。といいますのは、頭の部分が約二十センチ、それから直径が六センチくらいの円筒部分がございます。それが金属及びプラスチックでできているわけでありますが、その中に発火性の液体が入っている、こういうものであります。そしてその下に三十五センチくらいの木の柄でございますが、これは二センチくらいの太さの木の棒がついている。その棒を、中の直径がほぼ二センチくらいの鉄パイプに刺しまして、その鉄パイプの底で火薬を発火させることによりまして、その勢いで前へ飛び出させるというものであります。したがいまして、これは従来我々は発射式火炎瓶と称しておるものでありますが、今回は瓶ではございませんので、火炎物というふうに申し上げているわけであります。 そして、実は同じようなこういう発射式の火炎物及び火炎瓶は昨年一年間に五件、成田空港との関連で発生をしているわけでありますが、そのいずれもが戦旗荒派という極左のグループによって敢行されているものであります。今回のこの発火物を見ますると大変にこれに類似をしている、こういう状況であるわけであります。 この事件が発生いたしまして直ちに警視庁では緊急配備等を発令いたしまして犯人の追及をしたわけでありますが、同時に特別捜査本部を警視庁内に設置をいたしましてこれの捜査を現在鋭意推進をしているところでございます。同時にまた、神奈川県下におきましても先ほどの自動車が放置してございましたので、県警におきましても同時に捜査本部を設置して、その関連性について捜査を推進中であります。 この事件に対する対応ということでございますが、ただいま申し上げたようにこの事件に対します捜査を今後とも徹底して推進をしてまいりたいと思っているところであります。先ほど申し上げました戦旗荒派の事務所でございます戦旗社に対しまして捜索令状をとりまして、けさ捜索を実施いたしたところであります。さらにまた、残されました物あるいは周辺の聞き込み等々によりましてさらに捜査を強力に推進してまいりたい、かように思っているところであります。 それから、対応の第二といたしましては、このようなゲリラ行為を敢行いたします極左に対しまして徹底した取り締まりを行うのが何としても重要であるというように考えているところであります。例えば、昨年一年間も極左暴力集団につきましては七百九十人の者を検挙いたしておるわけであります。本年に入りましてからも八十一名を検挙いたしておりますが、今後ともこのような検挙を徹底的に行っていくということが第一。それから第二といたしましては、彼らがこのようなゲリラの拠点に使っております各種のアジト、こういうものを徹底的に摘発することが大事だと思っております。昨年は八カ所のアジトを摘発いたしておりますが、本年も既に二カ所のアジトを摘発してきているところであります。このような極左暴力集団そのもののゲリラ活動を封圧するべき諸対策というものを進めてまいりたい、かように思っております。 それから第三点といたしましては、現場におきますところの警備措置でございますが、いろいろなゲリラ事件に対応するべき警備態勢をとっているところでありますが、現にこのような事件が発生したわけでありますので、このようなゲリラ事件につきましても対応できますようにいろいろな観意から改善検討を加えまして今後の警備態勢というものを強固なものにして、今後もう目前に控えております天皇御在位六十年記念式典及びサミットの警備等につきまして万全を期したい、かように思っております。
○宮崎(角)委員 わかりました。国際的に恥部を露呈しないように、ひとつ万全の措置を要望しておきたいと思います。 続きまして、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案につきまして順次時間の許す限り御質問いたします。 一つは、「政令で定めるもの」というわけでありますが、これは消防法の改正案の第二条の九項にございます。「政令で定めるもの」の中身について生命に危険のある急病人で他に搬送手段のない者を加えると聞いておりますが、その政令改正の具体的中身はどうなっているのか、これは消防庁の方に、ひとつ長官なりお答えを願いたいと思います。
○関根政府委員 御指摘をいただきましたように、二条の九項の規定を改正をさせていただきまして、救急業務の対象範囲を拡大をするといいますか法文上拡大をしていきたいと考えております。 その具体的内容は政令をもって規定をきれることになるわけでございますが、現時点において私どもが考えておりますのは、家庭内あるいは職場、会社等でございますが、そういう屋内におきまして発生をいたしました急病人、急に腹が痛くなったとか頭が痛くなったとかあるいは血圧が上がったり下がったりする、そういった急な症状を呈します急病人を考えております。ただ、急病人もすべての急病人ということまで広げるわけではございませんで、ほかに運搬手段があれば、自分の自家用車なりあるいはタクシーで行っていただけるという人はそれはもうそれで行っていただくということになりますから除外をいたします。それからもう一つは、急病人とはいってもそれほど急に大変なことになるという心配のない者、そういう者は除外したいと考えておりますので、書き方といたしましては、例えば放置をいたしますと生命に危険が及ぶとかあるいは症状が著しく悪化してしまう、そういう場合は搬送対象にいたしますよ、こういったような書き方になろうかと思います。いずれにいたしましても、従来法文上は対象になっておりませんでした家庭内あるいは職場内における急病人というものを考えていきたいと思います。
○宮崎(角)委員 そうしますと、生命に危険のある急病人という一項が追加されました、その追加規定した意図というのがまだよくわからぬわけです。ねらいというものは何であったのかということ。また、生命に危険のある急病人といういわゆる判断、例えば観察してあるいはまた手で触れて見てという、こういった判断はだれがするのか、この辺についてひとつ定かに願いたいと思います。
○関根政府委員 すべて急病人を対象としないということにした考え方は、最近あちこちで言われておりますように、救急車をタクシーがわりに使う、やはりこれはおかしいのじゃないか。特にこれは経済的な財政面からも言われるわけですけれども、そればかりではなしに、おのずから救急車には数の限りがございまして、おる軽症患者が使っておりますと、そのときにたまたまよそのところで重篤な患者が出た、大変危険な患者が出たという場合に救急車を使うことができないという問題が起こってくるわけでございますので、そういう意味からできるだけ救急車というりは限徒してといいますか、本当にそれを必要とする人たちが有効に使えるような形で使っていただきたい、こういう観点が一方であるわけでございます。そういう意味におきまして今申し上げましたような、先生も後指摘いただきましたような、ほかに搬送手段がある、あるいは放置をいたしておりましても大して病状が悪化したりするような心配がない、そういう者については、これは制度としては除外をさせていただきたいと思います。 そこで問題は、生命に危険があるのかどうか、あるいは悪化するおそれがあるのかどうか、これはだれが判断するのかとういうことでございますが、現場に参りました救急隊が判断する以外にないというふうに考えております。
○宮崎(角)委員 そうしますと、こういった規定を置きますと救急車の利用の現状から見まして運用が狭隘、狭められていく、そういうふうにならないのかという懸念が一つあります。 もう一つは、では救急車の運用の現状を変えよとする意図があるのか、その辺の真意がよくつかめないのであります。先ほどもタクシーのないところというような話もございましたが、例えば田舎などでタクシーがなかなか呼べないところとかそういったところについては、また非常に産気づいたお産などについてはどのような考え方でおられるのか、ひとつ定かに答弁を求めたいのであります。
○関根政府委員 私どもは、今回の改正につきまして消防の救急隊の活動範囲を狭めようという考え方は全くございません。それでは積極的に広げるのかというと、必ずしもそうでもございません。むしろ今までの法制上、家庭内あるいは職場内で発生をいたしました急病者を運ぶということが法律の対象になっていなかったわけでございます。そんなことを申し上げますと何か実態にそぐわないじゃないかというおしかりを受けるのですけれども、それが実は法制上の実態であったわけです。それをこの際きちっと法律で定める救急活動の搬送対象にそういう急病人を入れますよということで明確にしてやった。これは救急隊員の士気にも関係することでございますので、自信を持ってといいますか、救急隊員が自信を持ち誇りを持って一生懸命そういう急病人の搬送ができ得るようにしてやる。そういう意味におきましては法制上は大変拡大をしたということになると思いますけれども、実態面では既にそういう急病人も運んでおりますので実態を変えるものではないというふうに考えております。 また、タクシー等が全然ない山の中等におきまして急病人が発生したという場合には当然搬送対象にしていくという考え方でございます。 それからお産のときの問題でございますけれども、通常のお産そのものは大体予定日がありまして順調にいくわけでございますから、あらかじめ自分で段取りをつけて病院なり医院なりに行ってお産をしていただきたいと思いますけれども、急に産気づいたとかあるいは何か異常分娩のような事態になったということで必要なときには救急車はどんどん出動をさせていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、救急車を呼ぶときには、呼ぶ人は本当に真剣に、大体慌てて呼んでおります。そういうときには私どもは、従来もそうですが、これからも救急隊はすぐに現場に飛んでいく、そういう体制をとっていきたい、助けてくれといったときにはすぐに現場へ急行する救急隊として運用していきたいと思っております。
○宮崎(角)委員 迅速、果敢、的確といった対応につきましては、私も身内に起こった問題としてよく認識して評価しておるわけであります。 さて、救急車の出場のうちで、いわゆる病院間の転送の問題があるのじゃないかと思います。病院間の転院に使われる例は全国的にどれくらい掌握されているのか、転院に使われていることについて消防庁としてはどのようなお考えなのかが一つ。 それから、私の認識では病院から病院の転院という問題は消防の範購外ですが。例えば、地域の実態とか医療機関との協調関係等を考えると使わせないわけにはいかないのじゃないかと思うのでありますけれども、この辺についての明快な答弁を求めたいのであります。
○関根政府委員 病院から病院へ患者を搬送する、いわば転院の実態でございますけれども、昭和五十九年中におきます件数は十七万九千件でございます。救急出場件数は総件数で二百二十五万件ほどでございますので、その七・九%を占めているわけでございます。 私ども、病院から病院への患者の転送というのは、病院の中に一たん収容された患者の問題でございますので、その病院なり医療機関が責任を持って他の病院へ送っていただく、自分のところの救急車などをお使いになるなどいたしまして病院でやっていただくことを期待しているわけでございます。しかし、たまたまその病院なり医療機関に適当な救急車がない、寝たまま行けるような救急車がないというような場合もあるでしょうし、容体が急に悪化して緊急を要するというような場合もあるでしょう、そういう場合には、人命救助のため必要があるときは救急隊によって搬送することもやむを得ないと申しますか、協力をすべきものと考えております。 〔委員長退席、平林委員長代理着席〕
○宮崎(角)委員 非常に緊急やむを得ないときのいろいろな協力体制という消防庁長官のお話でございますが、転院が十七万九千件とか、出動するのが二百二十五万という極めて大変な労力と回数でございますが、現状では消防でやらざるを得ない。病院間の転院について、医療機関サイドでもっときちっと整備し、やらねばならぬ問題じゃないかというお話でございますが、この点について厚生省はもっと努力していくべきじゃないか。厚生省がその辺についての見解をどうお持ちなのか、ひとつ明快に答弁を願いたいと思うわけであります。
○入山説明員 従来から緊急性の乏しい場合に救急車を安易に利用することのないように指導してきているところでございますが、今後とも機会をとらえまして医療機関に対して適切に指導してまいりたい、このように考えております。
○宮崎(角)委員 よくキャッチしてきちっと聞きおく程度にしておきたいと思っておりますが、これからまた私もきちっと洞察していきたいと思っております。 さて、前回もそうでございましたが、今回、きょう特に消防庁長官に、また厚生省にお伺いしたいのは、ドクターカーの導入についてでございます。今回の改正で応急処置ということが告示でなく法律で規定されることになったのでありますが、今度の法律案には応急処置ではなく「応急の手当」とされているのです。これは救急隊員が現行よりも広い手当てをすることができるようにというねらいなのか、このように解していいのか、その辺についての明快な答弁を求めたいのであります。 もう一つは、次の問題になるのでありますけれども、消防庁の救急業務ヘリコプター活用システム研究会、先ほどもちょっと細谷先生の質問にも出ておったようでありますが、これが昨年四月に僻地、離島の急患の輸送にヘリの活用を提言しているのであります。その中でドクターの同乗の必要性を強く指摘してあるわけでありますが、消防庁はこの具体化についてその後どのように処置してこられたのか、またそういったところの接点について細やかに答弁を願いたいのであります。
○関根政府委員 今回の改正案の中に、搬送の内容といたしまして、必要な場合の患者に対する応急の手当てを搬送業務の中に含むということを明文をもって書いていただくことにしたわけでございます。そういう改正をお願いしたわけでございますが、これは従来からも応急処置はやりてまいりましたけれども、どうも必ずしも根拠が明確でない。先ほどの病人の場合と同じでございます。しかも、この問題につきましては、医師法との兼ね合いで救急隊員が応急処置なりあるいは応急の手当てをやることは適法行為になるのかといったような、むしろ疑問も持たれたというようなことがあったわけでございます。こういうことでは本当に士気に影響をいたしますので、この際明確に規定をさせていただきたいということでお願いをいたしております。 そこで、言葉の問題でございますが、私どもはできるだけ幅広く規定をお願いしたいという意味も込めまして「応急の手当」という言葉にしたわけです。処置という概念よりもやや漢といたしますけれども、範囲としては広い概念ではなかろうかと理解をいたしております。ただ問題は、それではすぐに応急手当ての範囲を具体的にどんどん広げていくのかということでございますが、これは隊員の訓練の問題もありますし、お医者さんとの兼ね合いの問題もあるわけでございますから、現状程度の手当て、そういうものを充実していくことではなかろうかと考えます。 それから、次のヘリの問題でございますけれども、これは民間レベルにおきましても各方面から、いろいろな実験的なヘリ救急搬送というものが特に静岡、愛知県等を舞台にして行われておりまずし、その実験報告などもなされております。また、我が方におきまして消防庁の中に研究会を設けまして、ヘリの広域的、多面的活用というよヶなことについての研究成果が発表されているわけでございます。 ただ問題は、そういうヘリを活用いたしましての救急体制を組むということにつきましては、医師の確保の問題でございますとか、経費が大変かかる問題でございますから経費の問題、そもそもヘリコプターを配置するということになりますと大変な財源を必要とするということもございまして、いろいろとなお検討していかなければならない問題が多いものでございますから、出されました答申なり意見を直ちに実施に移すという段階まで残念ながらまだ来ていないわけでございます。いろいろの問題につきましてさらに引き続き積極的に解決をし、できるだけ早く現実の過程にのせていくように私どもとしては努めていきたいと思っておるところでございます。
○宮崎(角)委員 厚生省に二点だけ。 今長官の方の話もありましたが、離島、僻地で急患が発生した場合、海上自衛隊、そういった自衛隊機のヘリでドクターを同乗させまして急患を収容して都市の病院へ運ぶ。我が長崎県では離島が全国で一番多いわけでありますが、その長崎県にもそういったケースが非常に見られるわけでございます。最近はドクターが不足のためにヘリの出動を見合わせているというケースがふえているということを聞いているわけでありますが、この点について厚生省の方では実態を把握されているのかどうか、ひとつ答弁を求めたいのであります。 それからもう一つは、厚生省が六十一年度の予算で救急出動のヘリに医師が添乗した場合に、その実績に応じまして特別手当などの経費を補助することを要求した。しかし、結局予算がつかなかった。どうしてこういう予算がつかなかったのか、非常に危惧を感じるわけでありますが、来年度以降もぜひこういった問題については強く要求をしていってほしいと思うのですが、その見込みについての答弁を求めたいのでございます。
○入山説明員 第一点目でございますが、ヘリコプターが各地で救急その他の業務のために使用されているということにつきましては私どもも承知いたしております。先生おっしゃいます、医師がいなかったがために不都合があったというようなことにつきましての調査は実はいたしておりませんので、現在のところその数字等についても把握をいたしておりません。 それから第二点目でございますが、ヘリコプターに乗っていただく医師の確保、手当てということにつきまして私ども実は予算要求をさせていただいたわけでございますが、御指摘のように今年度は計上するに至らなかったわけでございます。今後とも私ども、添乗医師の確保方策につきましては引き続き検討してまいりたい、このように思っているわけでございます。
○宮崎(角)委員 引き続き検討じゃなくて、私が聞いているのは、ぜひ強い要求をしていってほしい、そういった決意なり見込みはどうなのかと聞いているのですから、ひとつ質問したとおりに答えてもらいたい。 さて、きょうは国土庁も来ておいででございましょうか。 今の厚生省の御答弁から推して、またいろいろなプロセスを通して考えることは、国土庁では五十九年に福島県で山村におけるヘリによる救急医療体制の整備のために医師搭乗による実験を行ったと聞いているのですけれども、その後この研究はどうなっているのかというのが一つ。同じく国土庁に、皆さんの方は将来このシステムを具体的に地方団体に実施させるために補助制度をつくるお考えはないのかどうなのか、この二点についてお願いします。
○中澤説明員 国土庁でございます。 国土庁は山村振興ということでございまして、先ほど御指摘いただきましたように、山村地域におきましては急患発生等の場合に救急搬送、特に山村から高度医療機関までの陸上輸送ということになりますと大変時間もかかるというような地域がかなりあるわけでございます。そういうことで、山村振興なり山村におきます住民の生活条件の改善というようなことで関係省庁の御協力をいただきながら、陸上の救急輸送を補完するということでヘリコプター活用によります救急輸送システムの確立とさらにその普及ということで五十九年度から実験事業を実施してきておるわけでございます。五十九年度におきましては、先ほど先生の方から御指摘ございましたように福島県におきまして実験事業を補助事業ということでやっていただいておるわけでございます。 福島県におきましては、推進会議におきまして実験計画の検討なり具体的に医師も添乗いたしましてヘリコプターを飛ばしまして事業を実施したわけでございます。六十年度、今年度もこの五十九年度の事業の成果を踏まえまして手引書を作成いたしております。それから福島県にもまた事業の継続実施をお願いしておりますけれども、そのほか三県におきましてヘリコプター活用による救急輸送システムの実用化ということで具体的な方策の検討をお願いいたしております。 今回六十年度は活用主体の育成というのを主眼にしてやっておるわけでございます。活用主体と申しますのは、ヘリコプター活用につきましてはいろいろな問題がございます。先ほどお話がございましたように医師の添乗の問題でありますとか費用負担の問題でありますとかそうした問題がありますので、それぞれの市町村がばらばらに対応するのではなかなかうまくいかないということで、例えば協議会のようなものを設けて一緒になっていろいろ検討していくという格好にした方がいいのではないかということで、そのための実験事業ということで事業をやっておるわけでございます。六十一年度、来年度でございますけれども、この二年間の実験事業の成果を踏まえまして学識経験者等によります検討会を置きまして手引書で一応のシステムはっくったわけでございますけれども、さらに先ほどの活用主体の問題でありますとか費用負担の問題でありますとかそうした点についてさらに突っ込んだ内容の検討をいたしまして、システムの一層の改善を図りたいというふうに考えております。 二点目の国土庁として何か助成事業のようなものをやらないかという点でございますけれども、国土庁はいわゆる事業実施官庁ではございません。やはり関係の各省において、例えば医師の手当ての問題でありますれば厚生省でありますとかそういうところでおやりをいただきたいというふうに思っておりますが、このヘリコプターの活用の関係では国土庁が一応中心になりまして連絡会議のようなものを設けております。その場を通じまして関係省庁とより密接な連携をとりながら対応してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○宮崎(角)委員 概要よくキャッチできましたが、海上保安庁は昨年の十月に社団法人日本水難救済会本部ですか、こういった本部に洋上救急センターなるものを設けましてドクターの搭乗による船上の急患輸送を実施しているということで、私は大変感心をしているわけでございます。海の仕事に携わっている人たちにとって大変心強いシステムであろうかと評価するわけであります。現場では大変な御苦労をされているのではないかと思いますが、うまく育っていっていただきたいと願っております。 このように海上では既にこういうシステムができている。離島、僻地についても早急に医師搭乗による救急システムを実現すべきであろうと思うのでありますが、救急業務所管の自治大臣の所見を伺っておきたいのでございます。
○小沢国務大臣 先ほど、国土庁からもそのシステムをつくって各省庁協力してやらなければならないという話がございました。私どもといたしましても、特に離島、僻地なんかにおける問題につきましては本当に生命にかかわることでございますので、何とかしてこのシステムをつくり上げていかなければならない、そのように考えておるわけでございます。現実、体制を整えるにはいろいろな問題があると思いますけれども、各省庁協力いたしまして、できるだけ充実させていくことができるように今後とも努力したいと思います。 〔平林委員長代理退席、委員長着席〕
○宮崎(角)委員 自治大臣の御答弁を煩わせていただきましたが、厚生省と消防庁にお伺いしたいのですけれど、急患輸送によるドクターの搭乗の必要性というのは何も離島や山間僻地、それだけではなくて、都市、これも全く同様な問題があるわけであります。前の国会で私の質問に消防庁長官もドクターカー方式は「救急体制としては非常に望ましいことである」と答弁をいただいたわけでありまして、現在の救急告示病院あるいは診療所、これは知事が告示するのでありますが、及び救急医療体制のもとの各医療機関では、医師を常駐しておかねばならない、こういうふうになっているわけです。この医師を救急車に乗せることができないのかというのが一つ。つまり現在の制度では医師の常駐、固定化を前提としているのでありますが、これを移動化する制度、言ってみれば移動救急医療体制、こういったものをつくれないのかどうなのか、これは厚生省と消防庁にお伺いしたいのであります。 また、厚生省には、私は提言したいのでありますが、医師の搭乗が直ちに無理というのであれば、看護婦やあるいはまた看護士のベテランを再教育するなどして搭乗させることができないのか。最近はシルバーセンターとかいって大変そういったことの活用がなされているわけでありますが、この点についての明快な答弁を願うわけでございます。 また、最後に自治大臣にお尋ねしたいのは、六十二年度の予算でこのような移動していく救急医療体制といいますか、つまりドクターカーのモデル地区、そういったものを設ける必要があるのではないか、こういったことを大臣に褒言したいのでありますけれども、あわせて消防庁、厚生省、大臣の答弁を求めたいのでございます。
○関根政府委員 ドクターカーの導入につきましていつも先生から大変御熱心な御提案を拝聴いたしているわけでございます。私どもといたしましても、いろいろな条件整備を図りましてできるだけ早くそういう体制をつくっていきたいというふうに考えておりますけれども、何せ常時お医者さんを確保しておかなければいかぬというような問題でありますとか、比較的広範囲にわたって患者の輸送というものが起こるものですから、なかなか特定の消防機関だけでやっております救急隊の活動範囲とかみ合わないというような問題もあります。絶対できないと言っているわけじゃございませんが、そういう問題もあるし、財政面の問題もあるわけでございます。そういうことで、全国一律にそういう制度を導入していくことにはなお相当な検討を要する問題もあるし、時間もかかると思います。しかし、私どもとしては十分検討していきたいと思います。 それから、移動救急体制というような形で今救急病院等にいるお医者さんに乗ってもらったらどうかという御提案でございますけれども、まさにそれが私はドクターカーであろうと思います。ただ、今いる人をそのまますぐ使えるかということになりますと、その救急医療施設はやはりお医者さんをそこに置いておかなければいかぬ、それが果たして救急車に乗ってしまった場合にうまくいくのかなという問題もなおあるわけでございます。いずれにいたしましても、ドクターカーの整備の問題として検討させていただきたいと思います。 それから、最後にお話がございましたドクターカーのモデル地区を設けてこれを推進したらどうかという御提案でございます。私どもも、むしろ全面的にできないならば拠点的にやっていくという方法が一つの有力な方法であろうというまさに先生の御指摘の考え方に即しまして、既に全国で三カ所実験的な都市としてやっております。宇都宮でありますとか松本市そありますとかやっておりまして、特にこの松本市あたりは大変な成績を上げておるというふうに考えております。これらのモデル地区につきましては、さらにこれを一挙に何十というふうに広げるということはいろいろな面で難しいと思いますが、できるだけ数も、希望をするような都市がありますれば広げていくことにつきましても検討していきたい、前向きに取り組んでいきたいと考えております。
○入山説明員 重篤な救急患者につきましては、できるだけ早く医師の管理下に置くことが必要であろうというふうに私どもも考えているわけでございます。しかしながら、各医療機関に勤務しております医師もそれぞれ診療に従事しているわけでございますので、そういう要請を受けて直ちに出動するということは現実的にはなかなか困難な場合が多いだろうというふうに私どもは考えております。
○小沢国務大臣 ドクターカーの問題につきましても、長官から答弁がございましたけれども、これが実現すれば本当に救急医療の効果を上げることができることは御指摘のとおりであります。今試験的にやりながらそのいろいろな問題点の把握に努めておるところでございますが、今後とも十分検討してまいりたいと思います。
○宮崎(角)委員 大変前向きな答弁を受けてありがたく思っておるわけでありますが、近年、国民の医療事故に対する関心は非常に高まっております。救急医療に対する見方も厳しいものがあるようでございます。先般の滝口さんも、もし医師が同乗しておればあるいは助かったかもしれないと思われる向きもキャッチしているわけでありますが、私の手元にある統計によりますと、五十九年度中に救急車で搬送したもののうちに医師の初診時に死亡した者が三万一千五百九名とされております。早く診ておればという気持ちがしないでもないわけでありますが、医師の過剰時代、五十八年に十万人対百五十八人は達成したわけでありますが、過剰時代といわれている現在、もちろん地域による偏在の問題もありますけれども、医師の新しい活動分野の開拓という意味でも消防庁と厚生省はよく相談をして、今申し上げております移動救急体制の具体化をぜひ図ってもらいたいと思うのであります。これも最後に大臣のコメントをひつとしっかと受けておきたいと思うわけでございます。
○小沢国務大臣 事、生命に関することでございます。そういう体制が整っていさえすれば助かったであろうにという、後で言っても始まらないことでございますので、これにつきましては先生御指摘の、御指導のとおり厚生省とも十分協議をいたしまして救急体制の万全を図るよう最善を尽くしていきたいと思います。
○宮崎(角)委員 時間になりました。終わります。
○福島委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 日程外でありますが、ただいまの質問に続いて、関連をしてちょっとお尋ねをさせていただきます。 日本の救急体制の中にヘリはありますか。
○関根政府委員 消防機関として持っておるヘリは、消防専用が十八機、それから消防防災という幅広い――これは県で持っておるものでございますが、二機、合計二十機でございます。これらの消防関係のヘリは当然のことながら多用途に使うわけでございまして、災害があればその状況視察なり救援に出ていく、と同時に僻地離島等で急患等が起こりましたときにはそれが搬送の用に立つように活躍する。特に東京都では伊豆七島等離島部分を持っておりまして、重篤な患者で本土の病院へ搬送する必要があるものにつきましては、毎日というとちょっと言い過ぎでございますが、しょっちゅう出動しておるということでございます。消防の中ではそういう形で既に実用化されているわけでございます。ただ、全国をカバーするだけの網にはまだなっていないわけでございます。
○岡田(正)委員 全国で二十機あるということでございますが、現在要望が出ておるのがありますか。
○関根政府委員 昭和六十一年度におきましては、一機購入の希望が出ております。
○岡田(正)委員 もう一言。それは購入できますか。
○関根政府委員 具体的な都市名は、大阪市からの希望表明があるわけでございます。現在御審議をいただいて、衆議院は通過させていただきましたが、六十一年度予算の中で一機分の手当てをしているところでございますので、実現可能であると考えております。
○岡田(正)委員 そこで、ヘリに関連しますのでちょっとお答えが難しいかもわかりませんが、サミット用に外国の要人を運送するということで三機購入することにいたしましたね。あれの所管は防衛庁になるのかどうかよく知りませんけれども、今後の所管と運用の仕方というものは何か聞いておられますか。わからなければわからぬでもいいです。
○関根政府委員 私ども詳しくは伺っておりませんけれども、政府の要人の輸送等にお使いになるという形で、直接私どもの所管しておる救急患者の搬送等についてそういう連絡は受けていないところでございます。
○岡田(正)委員 先般、何かの新聞に載っておりましたが、中曽根総理が座席に座ってみられて、ああなかなかよか気持ちである、これはいいものが入った、どういう名前をつけようかということで全国から名前を募集している。「さくら」にするか「すみれ」にするか、なかなか春うららの感じがするのであります。 さて、要人の運送はそれで無事に済むことでありましょうが、その後何に使うのかということです。政府の要人の運送ということもあると思います。あると思いますが、私は、あのヘリというのはほとんど使うことなしに眠ってしまうのではないかという感じがするのです。そこで自治大臣としては、緊急の場合にはこれが使えるように――そんな立派ないすを汚すわけにはいかぬでしょうけれども、それは簡単に取りかえもきくことでありますから、そういうふうにしてでも、今度はふだん国民の生命を守るために、いざというときにはそれが使えるように、決して万全とは言いがたい日本国全体の救急体制の現状から顧みて、それを担当する自治大臣としてはこの際その運用の方法について一言あってしかるべきというふうに思うのでありますが、いかがでありますか。
○小沢国務大臣 サミットの使命を終えた後の使用目的につきましては、私、まだ聞いておりませんからわかりません。それぞれいろいろな考え方があると思いますが、先生御指摘のように、特別毎日使うような用事でもない限り、当然救急体制のためとか災害のためとかいろいろ活用の方法は検討されてしかるべきだと思いますので、その点につきましては私の方から今後のことを問い合わせまして、もしそれに活用ができるようなものであるならばそのようにしてまいりたいと思いますので、協議検討いたしてみます。
○岡田(正)委員 率直なお答え、ありがとうございました。大臣は中曽根さんの信任が大変厚いようでございますから、ひとつ直言をしていただきたいと思います。 さて次に、今回の改正の中で、消防庁の事務としまして国際協力に関する事項というのが加えられましたね。具体的にはどういう事態を想定していらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○関根政府委員 実は、これは新たに組織法の中に書き込んでいただく改正案をお願いしているわけでございますが、実態内容といたしましては既に消防庁の所管業務の中で国際協力をやってきております。最近におきましては、ブラジルに消防の訓練用の訓練棟など含みました訓練センターをつくりまして、実際それを使いましての消火技術訓練等の指導を専門家を派遣いたしましてやっております。あるいはシンガポールに職員のチームを派遣いたしまして、シンガポールの火災予防体制の確立のための相当濃密な調査、ないしは提言をしてきております。また、コロンボ計画に基づきます十一カ国十名の研修生を二カ月間にわたりまして研修受け入れをいたしました。また、消防大学校へは、昨年韓国の学生二名を本科生として、六カ月過程でございますが入学をさせております。こういったものが、現にやっておりますし、大体これからも国際協力の主な項目になってくるもの、外国への専門家の派遣とか研修生の受け入れ、留学生の受け入れ、こういったものについて努力をしていきたいと考えております。
○岡田(正)委員 昨年のメキシコの大地震あるいはコロンビアの大災害、ああいう災害が起きた場合に具体的に現在派遣は可能であるのかないのか。それから、その場合、消防庁として協力される場合にはどのような協力ができるのか。
○関根政府委員 現在、仮に日本の近隣諸国におきまして大災害が起こった、そのために緊急に救助を要するのですぐに来てくれということでありますれば、私ども日本の消防隊としては各都市の協力を得ましてすぐにでも出せる体制はつくってあります。 ただ問題は、事、外国に消防隊を出すということでございますから、外交関係の配慮を十分しなければいけない。したがって、現地の政府からの要請、それを受けての日本国の外務省との連絡、そういうものをきちんと経なければいけませんし、またそれについての政府全体としての判断というものもあるでしょう。そういうものに従って私どもは出したい。事実上の実力としては、派遣するだけの力は十分持ち、準備もしておるということを申し上げておきたいと思います。 それから、消防としてはそういう体制整備を何が何でも早く整えておきたいということで、既に協力をいただける都市の意向調査をいたしておりますが、現在までに三十三消防本部、三百九十名の特別救助隊を出し得るという協力の申し出をいただいております。また、これらのものにつきまして、ただ人数をそろえるだけでは困りますので、合同して訓練をする必要もございますので、近くやや大がかりなしっかりした合同訓練をやりたいということで準備をしているところでございます。そういう意味において、消防庁としては、この問題につきましては積極的に対応をしてきたつもりでございますし、これからも対応していきたいと思っております。
○岡田(正)委員 ちょっと立ち入ってお尋ねをいたしますが、今まで海外の方から外交関係を通じて協力の要請、いわゆる出動の協力ですね、要請はありませんでしたか。
○関根政府委員 正式な要請は受けておりません。私どものところまで届いた要請はございません。
○岡田(正)委員 それでは、現実には他国からも盛んに応援が行っておりますね、ああいうところというのは外交上のルートを通じて応援を申し込まれたから行ったのでしょうか、自発的に応援に行ったのでしょうか。
○関根政府委員 詳しくは私ども存じませんけれども、大体ああいうものは現地の在外機関というものとの連携を密にしながら、一実力を持った部隊でございますから、そういうものの派遣はなされるものというふうに理解をいたしております。
○岡田(正)委員 そうすると、我が日本といたしましては外国から要請があれば出動できる態勢もとっておるし、準備もできておる、だがしかし、要請がないから出ない、これが今日の状態であゑこういうふうに聞こえました。ということになれば、どちらかといえば世界じゅうで金をもうけた、もうけた、もうけ過ぎておるという非難を浴びせられておる我が日本としては、むしろ困っておる人に対しては手を差し伸べるという姿が本当じゃないんでしょうか。だから、日本の方からむしろ、お困りでしょう、必要なことがあれば応援に参りますというような積極的な応援の手を差し伸べる姿勢というのが、これはもう世界の第二の国になった日本ですから、ぜひとも欲しいと思うのですが、それはやはりできませんか。
○関根政府委員 防災の責任を持っている消防といたしましては、日本で仮に日本の消防力だけで対応し切れない、対応できるにいたしましても外国の応援をお願いをしたいという場合があり得るかもしれない、そういうことを想定いたしますと、私ども消防の責任としてはやはり外国で何かあったときに出ていけるだけのそういう対応をすべきだと考えているわけでございます。 しかし、それは消防がそういうふうに考えているだけでございます。消防が勝手に考えたわけじゃありませんで、私どもの方でいろいろと救急なり災害なり関係のある学者の先生でありますとかあるいはお医者さんの関係に御協力をいただいております。そういう方たちが災害現場へ参りまして帰ってまいりまして、消防は対応した方がいいよ、対応の必要があるよという話を常に私ども聞かされてきたわけです。特に、昨年のメキシコの地震のときに現地へ参りました医学の専門家の方でございますけれども、そういうお話をいただきまして消防としては対応をしているわけでございます。 しかし、やはり消防も一つの実力部隊でございますから一つの人間を外国に、しかも地方公共団体の職員でありますから公務員を一つのまとまりとして外国へ出すということになりますと単独で出ていくというのはいかがなものか。きちんとした外交ルート、そういう外交関係の配慮もしながら、そういう了解のもとに、また政府としてもきちんとその辺のけじめをつけて出るのが筋であろうというふうに私どもは考えているわけでございます。そして、そういう方面の話というのは消防庁が直接やるというのはおかしい話でございまして、今外務省が中心になりまして関係各省の連絡をとりながらそういう体制整備を進めていただいているものと考えております。
○岡田(正)委員 そこで、大臣、私はお願いしておきたいのですが、ああいうコロンビアの大災害とかメキシコの大地震とか世界各国で大変注目を集めて同情を集めておるような大災害のときに大国日本が外国の要請がなければ出動しないというのではなくて、これはまあ消防だけでそんなこと単独にはできるわけございません、それはよくわかっておりますが、少なくとも政府として積極的に、お困りでしょう、何かやることはありませんか、やらせてもらいます、こういう姿勢をとって、やはり日本は対応が早いという称賛を世界から受けるような行動をとってほしいんですよ。もうあのとき各新聞をごらんになって、全国民が、日本というのは対応が遅いな――中曽根さんというのは背も高いし英語もできるし格好いいですよ。だから人気度もいいですよ。人気はいいけれども、そういう肝心なやらなければいかぬことが抜けちゃおらぬかと私は思うのです。そういう批判は大臣にお答えせいと言ったって、それは無理でございますが、しかしそういう悔しさ、いら立たしさというものをやはり日本人は持っていると思うのですよ。だから、ちょうど今回こういう法律案を審議しておることでございますから、やはり総理に対してもあるいは外務大臣に対しても直言をしていただきまして、やはりよその国が困っておるときにはどこの国よりも真っ先に援助の手を差し伸べていくという姿勢を貫いてほしい、目に見えるようにやってもらいたいということを直言してもらいたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○小沢国務大臣 我が消防につきましては、長官が言ったようにやる気満々で有事即応の態勢をとひておるわけであります。ただ、先生の御指摘のようにこれは政府全体の国際国家としての国際協力の取り組みの姿勢の問題だろうと思います。したがいまして、今いろいろ法的なものの整備は外務省を中心にやっておりますし、実際も外務省が窓口になるケースが当然だろうと思います。したがいまして、外務大臣あるいは外務省当局に対しましてもその点は十分意を伝えまして、そして今先生の御指摘のように積極的に日本が国際的にも役割を果たしていくという形にしていきたいと思っております。
○岡田(正)委員 ぜひお願いします。 そこで、今回の救急業務の対象の中で、先ほど来いろいろと論議をお聞きしておるのでありますが、事故以外の事由による一定の要件に該当する急病人の搬送を加える、こう言われましたね。先ほどから議論を聞いているのですが、一定の要件というのは一体具体的に言ったら何でございますか。
○関根政府委員 まず、他に搬送の手段を持っていないということが一つでございます。それからもう一つは、そのまま放置をいたしますと生命に危険を及ぼすとかあるいはそこまでいかなくても病状が著しく悪化するおそれがあるとか、そういういわば緊急性、重大性といいますか、そういうものを持っている場合には搬送対象にしたい、こういうふうに考えております。
○岡田(正)委員 それから、先ほどの議論を聞いておりました中で、そういう生命が危なくなるあるいは病状が悪化するというときなんかがあってはいかぬのでそういうことを一定の要件の中に加えた、それから急病人等ということを今回入れておるということは、今まではいわゆる事故を対象にしておったんで実際は今でも急病人を運んでいる、二百二十五万件くらいやっておるうちの百万件くらいは急病人の対象でやっておるんです、現在やっておるものを、いわゆる責任感と職務の熱意を盛り上げるためにはっきりと法制化して出しておこうということであります。そうすると、そういう御説明の中で必要な条件を満たしたときというのを判定するのは、電話がかかってきたら飛んでいくわけですから飛んでいったその人が判断をするのである、こういうことですね。これは実際に現実にできることですか。
○関根政府委員 現実に消防隊員がそこで冷静な判断をしていただきたいと思いますが、現実の問題として、お医者さんは軽症だと思っても本人は、電話をかけて早く来てくださいと言っている人は、自分は大変な病気だと思っている場合が多いのです。そういう場合には、現場へ行きましても本人が重大だということを訴えればそれは当然搬送の対象になるもの、消防の救急隊員というのはそういう判断をするであろうと私は思いますし、そういう判断をして対応する。明らかに、どう見ても、だれが見ても何でもない人が仮に電話をしたとすれば、それはともかく余り緊急ではないし、そのまま置いておいても悪化するおそれはないしということで搬送を拒否する場合も、中にはあるかもしれませんけれども、それは極めて例外的な場合であるというふうに私は考えております。
○岡田(正)委員 私は、今のお答えの範囲ではわかるのですよ。お答えの範囲ではわかるのでありますが、もしそこへ行って、電話をかけられたから救急車を持って行った、持って行って本人を見たら、本人はけろっとした顔をして歩いて救急車に乗ろうとしたというような場合、将来あってはならぬことですが、何でもないじゃないかといって、もしそういうことで一定の要件を満たしていない、これは違うというので、あなた大したことないからやめときなさいといって、救急車が帰ったその後にばたっと倒れて死んだというような事故が起こりかねないと思うのですよ。そういう、現実に行く救急隊員の直接の責任になってくるような文言というのは入れない方がいいんじゃないかな、これは将来罪づくりはせぬかなと私は思っておりますが、どう思われますか。
○関根政府委員 制度というのは、やはり制度をつくるときの意図と実際の運用とがうまくかみ合いませんと、本来の意図したとおりの実効を伴わない、大変おかしな結果になってしまう場合があるわけでございます。私どもといたしましては、そういうことのないように十分救急隊員の教育等もしっかりやっていきたいというふうに考えております。 ただ問題は、現在法律に急病人の搬送ということが全然対象になっていないということが大変な問題であろうと私は思うわけです。もちろん、職員の士気にも影響しますし、そもそも、救急車の利用について国民に理解をいただこう、これが大変必要なことだと思いますが、国民に理解をいただくときに、その理解をいただく方法といいますか、理解をいただくPRをしようと思っても、PR文書に何と書けばいいのか、そこも実は現在決まってないわけでございますから、救急車といいますのは、今お願いをしております法律で言っておるようなそういう人を搬送するためにあるのですよ、それが的確に機能できるようにひとつ御利用をいただきたい、そういうPRもしたい、そういう制度としてきちんとしていきたいということで、またその必要もあるものですから今お願いをしておるわけです。しかし、それが余りしゃくし定規になりまして、今先生の御指摘のような、中に病気を持っていて表面がお元気だ、それを拒否するなんということは、これはあってはいけません。したがって、観察能力についての教育も必要でございますし、と同時に、ただそういう能力を持っているだけじゃなくて、現場での適切な運用をするようにやはり運用面での職員の教育も必要であろうというふうに考えているところでございます。
○岡田(正)委員 時間がないようでありますから、せっかく厚生省からお越しいただいておりますので、厚生省の方にお尋ねいたしたいと思います。 先ほど来からお話が出ておりますように、いわゆるお医著さんを救急車に乗せておけば助かったのにということは随分事例があります。アメリカでは実行しておりますね。日本は金がないから、貧乏国ですから実行しておらぬわけですが、そういういわゆるお医者さんを乗せた救急車の配置、体制の整備というものをとってもらえばいいがなということが先ほど来から繰り返されておりますが、それはちょっと、なかなかできない。できないということの原因はどういうことなのか、厚生省側からいったらどういうことなのか、消防庁からいったらどういうことなのか、両方からお答えください。
○入山説明員 救急車の出動件数につきましては年間二百万を超すという数字になっているわけでございます。その際に、その都度医師が同乗するということにつきましては、それぞれの医療機関におきまして各医師は必要な診療に従事しているわけでございますから、現実にはそういう自分の患者を置いておいて救急車に乗るということは非常に困難なケースが多いだろう、こう思っているわけでございます。私どもといたしましては、この問題につきましてはそれぞれの地域ごとに消防機関、それから医療機関との間で十分な話し合いを持って、それぞれの地域に適合した協力体制を築いていったらどうであろうかというように考えているわけでございます。
○関根政府委員 ドクターカーにつきましては、これを一律的に実施をするということになりますとお医者さんの確保が非常に難しいという問題、それから財政的な負担もあり、それからお医者さんを果たしてそういう――地域地域によって違うと思うのです。東京のような大都市はある程度そういうことも確かに必要がなと思いますが、例えば過疎地域でそういうドクターカーの出動の頻度との兼ね合いでどうなのかという問題もあろうと思います。したがって、いずれにいたしましても今、全国三地域におきまして試行的に実験的な運用をしているわけでございます。これらの実験都市の状況等も見、また、希望があればこういったものも少しふやしていくことについても検討していきたいと思っております。そういうものを通じましてさらにこれを前進させるための方策を私どもとしては検討していきたい、今すぐはなかなか難しい問題ですということです。
○岡田(正)委員 これは話がちょっと飛び過ぎるかもわかりませんが、自治医大の卒業生というような問題、これは私、資料を持ってきておりませんけれども、自治医大を各自治体の協力で自治省があれしてやっておりますね。ところが、実際には卒業をなさった方が大半と言ったら言い過ぎになるかわかりませんが、ほとんどの人がどこかへ行ってしまう、授業料は返しますというようなことがあるのですか。――それはない。ああ、よかった。それじゃ、その自治医大の卒業生の実態を教えてください。
○井上政府委員 突然の御質問でございましてデータもございませんが、たしか七、八百人の卒業生を既に出しております。しかし、ただいま先生が御指摘になりましたように、本来の僻地医師としての使命を放棄してしまった学生は大体十名程度と聞いておりまして、大変少のうございます。 それから僻地病院に勤務しております医師の数でございますけれども、これはかなりの率に上がっております。ただし、一定の期間、研修をやるということで、勤務いたします病院の場合にはやはり都市的な病院もございます。そういうものを除きますと、大部分の卒業生はやはり僻地病院あるいは僻地診療所あるいは僻地中核病院、こういうところに勤務をいたしておりまして、本来の役割を果たしておると承知いたしております。
○岡田(正)委員 幸いにいたしまして今、僻地勤務を放棄してしまったというのが七、八百人のうち十名ぐらい、非常に安心をいたしましたが、それにいたしましても腹立たしい話ですよね。今、僻地におきましては一人のお医者さんを確保するために莫大な労力と金を払っております。そのことを考えてみたら本当に腹立たしい気がするのでありますが、この自治医大の充実にさらに努めてもらって、やはりアメリカでできておることがなぜ日本でできないのだろうかということを考えていただいて、将来少しでも前進ができますように、今三つの地域で試行しておられるという話でありますから希望をっないでおるのでありますが、ぜひこの問題が進展をするようにお願いしたい。 この間の滝口さんの問題についてさらに質問をしたかったのでありますが、滝口さんの問題でも、私が事前に聞いたところでは、実際には病院をずっ止回って、病院で断られ、断られ、断られしてたらい回しをされたのではないんだ、一カ所にとまっておって電話連絡をとって、どの病院もだめ、あの病院もだめと言っておるうちに時間がたってとうとう亡くなられた、こういうことですね。ただ救急車が病院を回らなかっただけの話ですね。それにしても私が非常におかしいと思うのは、現在ぐらい救急体制が整っておると言われておるこの大都市の中において、救急センターで、そこへ救急車からぼんと電話を一本かければもうそこにはちゃんとランプか何かついておって、どの病院に行けという指令が出るものと、私だけが思っておるのじゃないと思いますよ、ほとんどの国民が思っておると思うのですよ。それがその病院がなかった、そのために間に合わぬで死んだ、これはもう滝口さんのようなああいう非常に立派なことをされた人の命がなくなっていくというのは、私は本当に見逃しにできない大事件であるというふうに考えておりますので、より一層の救急体制の整備に努力をしていただきたいと思いますが、大臣に答弁をいただいて終わりたいと思います。
○小沢国務大臣 事、人命に関することでございます。そういうお互いの協力があれば助かり得た人がとうとい命をなくすというような事例があるわけでございますが、そういうことのないように全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。
○福島委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 最初に、先日起こりました東京電力の送電線用の鉄塔の事故についてお尋ねいたします。 この事故で、県道を走っておった乗用車が直撃をされて重症を負ったとか、それから住宅二十六棟が被害を受けたとか、百万戸を超える停電があった、こう言われておるわけですが、これは、東京電力の場合、離着雪リング、雪がたまらないようにするリングですが、これはつけておりましたか。
○末廣説明員 先般の雪害の事故でございますが、送電線の鉄塔倒壊という事象があったわけでございますが、ちょうど昭和五十五年、東北地方におきまして鉄塔倒壊ということがございまして、これまで各電力会社におきましては、特に湿った雪の降る機会の多い地域であって、かつ鉄道とかあるいは幹線の道路などの横断箇所等につきまして、順次離着雪リングの取りつけを中心といたしまして雪害対策を講じてきておるところでございます。例えば、今回鉄塔倒壊のありました神奈川県内につきましても現在約一五%には離着雪リングを取りつけているところでございます。ただ、今回鉄塔倒壊の発生しました送電線の部分につきましては、この地域におきますこれまでの気象状況、積雪の状況等から見まして、離着雪リングの雪害対策はとられていなかったというのが実情でございます。
○経塚委員 今回の事故の電線にはつけておらなかった、神奈川県下では一五%ぐらいということでありますが、これは五十五年十二月、東北電力で百四十三基倒壊だとか破損があったわけでしょう。その直後、これは通産省も入られて、それで電力流通設備雪害対策特別委員会を設置して、もう五十六年七月に報告書が出ているのですね。このリングといいますのは極めて簡単な装置だと思うのですね。これは大臣も後で報告書をごらんになったらわかると思うのですが、この電線のねじれの溝に沿って雪がたまっていく、これをリングをつけておれば、リングで雪がとまりますからここで雪が塊になって落ちる、したがって電線には付着をしない、これはもう北海道で効果を上げておるということで、五十六年の七月に既に報告書として効果は検証されておるし、つけなければならぬということになっているのですね。これをつけておれば、今回のような事故も起こらなかったであろうことは明白でありますが、これ、指導されるのは通産省になるのですか。
○末廣説明員 通産省におきましては、五十五年の東北電力におきます雪害事故以降、こういった離着雪リングの取りつけということについて指導してきておりますが、送電線該当箇所が非常に多いものですから、先ほど申し上げましたように、特に湿った雪の降る機会の多い地域であって、幹線道路等の横断箇所等を中心に、重点的に順次取りつけるよう指導してきております。 したがいまして、五十五年以降、通産省としても鋭意指導してきているわけでございますが、ただ、この離着雪リングにつきましては、すべての雪害に対して有効というわけではございませんで、その取りつけに当たりましても、そのおのおのの地域におきます雪の質だとかあるいは積雪量等を総合的に勘案する必要があるわけでございます。したがいまして、今後もこの離着雪リングの採用につきましては、そういった地域の特性を十分勘案しながら、取りづけについて指導していきたいと考えております。
○経塚委員 効果があるということは、この報告書の中でも明確にうたわれておるわけですよ。それですから、最近は鉄塔が建っていたところの周辺へ住宅開発が進んでおるという傾向もあって、これは確かに非常に危ないのですね。それで一つ倒れれば連鎖反応的に連れもって倒れるということになってしまうわけですし、今回の場合は重傷を受けた方の数はそんなに多くはございませんけれども、それでも住宅など二十六棟が被害を受けているわけですから、これはやはり早急に対策を講じさせる必要があると思うのですよ。これ、大臣いかがですか。 この間、地方税の審議のときに私、申し上げましたけれども、送電線だとか変電所など九電力で固定資産税三百億円まけてやっておるわけですから、そこへ円高でもうけているわけでしょう。ですから、こういう簡易な、しかも効果の大きい対策は早急に講じていただかなければならぬと思うのですが、大臣の方からもしかるべく強くこれは要望していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○小沢国務大臣 電力に関しましては、直接的には通産省がいろいろ指導、今も答弁があったとおりでございます。私からも通産大臣にも、そのような先生の御意見があったことにつきましてはお伝えいたして、善処をお願いしておきます。
○経塚委員 通産省、結構です。 次に、この検定問題についてお尋ねをいたします。 細谷委員の質問に対する御答弁を聞いておりましても、どうもその御答弁を聞けば聞くほど私も疑念が募るばかりなんですが、この検定協会の役員の大臣の任命制を廃止して、協会が選任したものを大臣が認可する。協会が選任したものを、それはあかんやないかと言って言える立場にもなかろうと思いますから、選任されたとおりにこれは認めざるを得ぬだろうと思うのですね。それで、出資は引き揚げる。一体、これ、国の責任、国家検定でしょう。本来、国が直接やるべきものなんでしょう。もとは強制ではなかった時代でもやっておったわけなんでしょう。これは特殊法人に切りかえて、それで国の関与を挿入してやってきておったのでしょう。何で出資も引き揚げるのか。それで人も選任したものを認めるということに変えてしまうのか。自立化と言うけれども、これは結果的には国の責任の国家検定という制度に対する後退じゃないですか。どうなんですか、その点は。
○関根政府委員 消火器等消防用の機器につきまして品質等を国家の立場から保証をしていく、そういう責任は今回の法改正をお願いしております後におきましても当然のことながら従前と同じように持続し、その責任を全うしていかなければいけないというふうに考えております。 要するに、今回の改正は、できるだけ経営の自主制を尊重することによりまして経営の効率化を図っていきたい、そこに主眼が置かれているわけでございまして、検定の内容あるいは検定の水準と申しますか、検定を通りました機器等の安全性というものにいささかも影響を及ぼすものではないわけでございます。そのために、例えば規格そのものにつきましては従前と同じように省令によって定めますほか、検定に従事する職員の資格でありますとかあるいは業務方法警につきましての認可権でございますとか、こういったいわば管理監督につきましては従前と同じような国の監督下に置いて適正な業務が行えるようにしていくということでございます。
○経塚委員 その消防庁の御答弁ですけれども、昭和三十八年二月十九日、検定が強制検定に変わったときに国会の地方行政委員会でいろいろ論議をされた。そのときの藤井消防庁長官はこう答えているでしょう。 この際やはり思い切って、検定業務については特殊法人の検定協会というものを設立して、これに行なわせる、そのかわりその検定がおざなりなことになってはむろん困りますので、これはあくまで特殊法人として特殊な監督をやる、国の意思というものが十分浸透するような組織と機構を持ったそういう機関をつくって、それに検定をやらせて、検定の円滑を期していくこう答弁されているのですね。という立場から、人については大臣が任命しますよ、金については国は出資いたしますよ、こうして人と金を押さえて、そして借入金等々の問題についても目を行き届かせるような仕組みにしたわけなんでしょう。それで、これはまだ前提があるのですね。「国がやはりあくまで全責任を持ってやっていく、」これが本来なんだ、ただし大蔵省と交渉したけれども予算が思うようにとれぬ、それからもう一つは検定対象の事務がどんどんふえてきて、それで消防署の職員を直接当たらせておくということになるとそれに手をとられてしまって、もう一方の側のいろいろな研究体制も食われることになる、そこでいわゆる特殊法人をつくって人と金を押さえるんだ、こういうことなんですよ、このときの答弁は。そうすると、そういう趣旨で人と金を押さえて体制を特殊法人でつくったのに、今度はそれを自立性という名目だけでもって引き揚げる。それは確かに協会の自立性は強化されるけれども、国の関与、責任というものは従来と内容は変わらぬというけれども、体制が変わるのですからこれは当然変わる危険性を持たざるを得ぬと思われるのですが、その点はいかがですか。
○関根政府委員 確かに役員の任命等についてはより自主性を認める方向で改正をいたしますが、やはり認可権そのものは留保しておくわけでございますので、協会の適正な運営が期待できないような人の就任ということは排除されるようになっているわけでございます。また、出資の面につきましては、確かに今回引き揚げるといいますか国の出資制度をなくすわけでございますけれども、この出資がありますとどうしても出資した資金の保全と申しますか管理といいますかそれに万全を期しますために国が必要以上にいろいろと関与してくる。例えば資金計画等につきましても細かいところまで見る、あるいは予算についての所管省以外の省庁もそれに関与するというようなことになりまして大変能率を阻害する。そういうことでございますから、特殊法人でありましても能率的な経営をするということは、これは一方必要なことでございます。業務の適正さを保持するという範囲内におきましてできるだけ経営を効率化していく、そういう接点というものを見出しまして今回の法律の改正案の内容としたところであるわけでございます。 こういった改正をいたしましても、検定水準の内容そのもの、それから業務につきましての監督でありますとか監督上必要な命令というものは依然として監督官庁であります大臣に留保されておりますし、また業務の状況が適正に行われているかどうかを判定するための立入検査権等につきましてもあるわけでございますので、こういった権限を留保し、かつ必要に応じて行使することによりまして適正な検定業務というものは確保され得るものと考えます。
○経塚委員 納得はいかぬわけでありますが、検定の中から不合格の不良品ですね、これは項目はたくさんありますけれども、三つだけちょっと聞きましょう。消火器、消火器用消火薬剤それから火災報知設備ですね、これは感知器及び発信器、これの不合格品の率はそれぞれどうなっていますか。
○関根政府委員 昭和五十九年度におきます実績におきましては、消火器の不合格率が一%、消火器用消火薬剤が二・四%、火災報知設備につきましては一・三%となっております。
○経塚委員 これは不合格品がかなりな数になると思いますね。消火器の検定申請の個数が五十九年三百四十九万でしょう。そうすると不良品が三万四千九百個、消火薬剤が四万個でしょう。火災報知機が六万九千個になるわけですね、数からいくと。頼りにしていた消火器が不良品だとか火災報知機が作動せぬとかということになってきたら大変ですがな。これは協会の方も、社内の詰めが足らぬとか、いろいろ「協会だより」でこの実態を明らかにしておるわけでありますが、こういう状況なればこそ――協会の側にとってみれば黒いろいろ関与するのはうるさいかもわからぬけれども、もともと国家検定なんですよ。JISマークなどと違うのですよ。国がやるべきものなんですよ。それはうるさいのは当たり前ですがな。そんなものうるさいうるさいというんだったら返上したらええわけですがな。これはうるさくて当然なんですよ、人命に責任を持たなければならぬわけでありますから。だから単に自立ということだけでは役員だとか金の問題を引き揚げるというような理由にはならないと私は思うわけであります。 そこで、引き続いてちょっとお尋ねしたいわけでありますが、五十七年七月の臨調第三次答申の中では「検査・検定自体の廃止、民間の自主規制への移行」、こう言っているのですね。一方では国の関与が外されていく、そして一方では別の検定機関をつくることもできる。そうするといわば検定機関同士の競争がそこで激しくなってくる。細谷委員の質問でできるだけそういうことにならないようにということでありますが、法令上別の検定機関を認めることができるということになれば、これは収支決算を見ますと採算が合っておりますから、もうかるということになればこれはもういろいろ設立して認可せい認可せいということになってきますよ。何で認可せぬのだということもやかましく言われるようになるでしょう。そうすると、一方では競争の原理で激しくなる、一方では国の関与が外される、そうして手数料は実費に応じてということでこれは上げることも自由にできるというようなことになっていくと、明らかにこれは自立性の名のもとに採算性が持ち込まれ、そしてこれが優先されるというようなことになりかねぬわけですね。そうすると今の検定協会の存立にも影響が来るわけなんでしょう。そうすると、やがてはそれがいわゆる自己認証制度へ移行をしていくということに道を開くのではないかと危惧するわけでありますが、絶対にそんなことはあり得ないと断言できるのですか。
○関根政府委員 今回の改正の主たるねらいは、検定協会の経営の効率化を図ることによりまして全体としてのコストの低減を図るということが目的でございます。そういう意味におきまして私どもといたしましては、もちろんこれから関係者の努力も必要でございますけれども、できるだけ能率的な経営を行うことによりましてコスト引き下げを図っていきたいというふうに考えます。 また、自己認証のお話がありましたけれども、私どもといたしましては現在の検定品目につきましてこれを自己認証に移行するという考え方は現時点においては持っておりません。
○経塚委員 持っておりませんとおっしゃいましても、この臨調の答申から見ていけば今のは移行くの経過的段階としての判断が生まれてくるわけですよ。役員は自由だ、出資は引き揚げる、そしていわば特殊法人としての形は残るけれども内容は民間法人化ですわ。それで別の検定機関もできる可能性も法令上は制度として認められてくる。そうすると、国家検定というものは本来国の機関が国の責任において一つあればいいわけです。これが、国家検定といいながらその検定機関が別につくってもいいというようなことが認められてくると、これは変質をしていく経過的段階だと受け取らざるを得ないということになるんですよね。だからどうも今の御答弁では了解できないわけでありますが、時間の関係もございますので、最後にちょっと予算の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。 きのうも族館が火事で三人死亡しておりますが、そちらの資料によりますと、これは危ないですな、全国の有名な温泉地が。別府温泉、適マークが二五・八%でしょう。白浜はちょっと高いんですが四一%。熱海が、これも危ないですな、二八%。熱川は四七・九%ですから。鬼怒川、これも三六・五%ですね。それてそれぞれの消防署の消防力基準から見ますと、別府などは全国平均を下回っているんですね。消防車が七〇・六、はしご車が六六・五。白浜などは救急車も基準の半分ですね。それで特に職員の数に至りましては、主要温泉地は全部全国平均七六・八%より皆低いわけでしょう。熱海だけが若干二%ほど多いんですか。白浜なとは五〇・七%ですね、消防力基準の。 ところが、一方では消防の予算は、先ほど来も質疑、御回答がございましたけれども、五十六年から年々減ってきて、五十六年二百二十四億八百万、これが六十一年度は百六十一億千三百万でマイナス二八%ですね。これ、どないしまんの。これで充実できるんですか。特に職員の数は、これは充足しておらないところかあべこべに、五十三年七七・八、五十六年七七・九、五十九年七六・八でしょう。下がってきておりますがな、職員の数は。そうすると、この前、火災問題でお尋ねをしました止きに消防庁長官は、適マーク対象施設以外のところについても何らかの対策を講ずると、こういう御答弁がございました。ところが、それをやるにつけても、まず必要なのは人でしょう。人ですよ。これがこういう状況では対応できないでしょう。これは一体どういうふうにされるつもりですか。
○関根政府委員 確かに御指摘がありましたように消防補助金の金額というのは、昭和五十六年をピークといたしまして年々予算編成のマイナスシーリング等の影響を受けまして減ってきております。ただ問題は、消防の施設整備というのは補助金だけによってやっているわけではございませんで、起債もございますし、また一般財源といたしましては地方交付税によりまして必要な額の措置をいたしておる。そういったものによりましてできるだけ強化を図っていきたい、充実を図っていきたいというふうに考えております。特に昭和六十一年度からは起債を充当いたしまして、消防力の整備を積極的に進めていただきますために防災まちづくり事業といったようなものも積極的に始めていきたいというように考えておるわけでございます。そういうものを通じまして、引き続き消防力の整備を行ってまいりたいと思っております。 また、職員数につきましては、確かに現有車両に対する職員数の比率は率といたしましては減っておりますが、職員数そのものは、地方公務員全体が減っております中で消防職員の数というのはふやしてきているわけでございます。今後とも、できるだけ省力化を図るということは時代の要請でもございますけれども、必要な消防職員の配置につきましては私どもとしては努力をしていきたいと考えておるところでございます。
○経塚委員 補助金だけではない、消防力の充実は、起債等もあるじゃないかということでありますが、さほど地方自治体の財政状況は裕福ではございません。やっぱり何といったって根幹は補助金ですよ。それですから、あえてお尋ねはいたしませんけれども、大臣の方にもそういう消防力の実態をよく御認識の上予算の増額にひとつ精励されんことを要望いたしまして、終わります。
○福島委員長 これにて質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○福島委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。経塚幸夫君。
○経塚委員 私は日本共産党・革新共同を代表して、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。 まず、今回の改正が、国が責任を負うべき検定制度の緩和に道を開くことになることであります。 火災発生という緊急時に、消防用機械器具等が確実にかつ安全に機能を発揮することは、人命や財産を守る上からも絶対に不可欠のことであります。消防機械器具等の検定制度は、こうした機械器具の品質、機能、安全性を国の責任で保証しようとするものであります。 ところが、今回の改正案では、日本消防検定協会等、国にかわって検定業務を行っている両協会の役員の自治大臣の任今、資金計画及び借入金に係る自治大臣の認可、財務諸表に係る自治大臣の承認等の制度を廃止するとともに、日本消防検定協会の政府出資は引き揚げ、さらに検定業務を競い合わせるために新たな検定機関を自治大臣が認可できる指定検定機関制度を採用し、検定手数料は実費を勘案して徴収できるように改正しようとしています。しかし、これは検定業務に採算性と競争原理を持ち込み、機械や器具の品質、安全性よりも協会運営の経済性、効率性を重視することとなり、ひいては国の検定制度に対する国民の信頼を損なうことにもなるのであります。このことは「検定対象機械器具等の性能の確保を図ること」という日本消防検定協会の目的が、「火災その他の災害による被害の軽減に資すること」と一般的な規定に改められようとしていることからも明らかであります。 本来、消防用機械器具等の検定、屋外タンク設置に当たっての審査等は、採算性よりもまず国民の生命と財産の保全を中心に考えられるべきであります。だからこそ、従来国が直接検査を実施するとか、それができない場合には、国の全額出資あるいは役員の任命を自治大臣が行うなど、国の意思が十分浸透するような組織、制度にして、国の責任で国民に安全を保証してきたのであります。 今回の改正案は、こうした本来のあり方に逆行し、国民の生命財産の安全よりも経済効率を優先するとともに、臨調答申で言われているように「検査・検定自体の廃止、民間の自主規制への移行」に道を開くものであります。 改正案には、救急業務における急病人の明文化、危険物移送中の事故に対する通過地市町村長の措置命令等、現状に即した必要な法整備も含まれております。我が党は、これらの改正については是とするものでありますが、両協会の民間法人化等は容認し得るものではないことを明らかにいたしまして、討論を終わります。
○福島委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○福島委員長 これより採決に入ります。 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○福島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○福島委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、平林鴻三君外四名より、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党一国民連合及び日本共産党・革新共同五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。平林鴻三君。
○平林委員 私は、この際、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同の五党を代表し、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について所要の措置を講ずべきである。 一 日本消防検定協会の民間法人化に当たっては、検定制度の適正な運営の維持に十分配慮すること。 二 救急業務については、救急医療機関における医師の受信応待について更に整備を図るとともに、救急自動車への医師の添乗について検討努力する等救急医療体制の充実強化を図ること。 三 救急業務の実施体制を整備するため、財政措置について配慮すること。 四 最近における火災による死者の現状にかんがみ、防煙対策の充実のほか、防火対象施設における防火管理体制、消防用設備等の整備及び違反是正の一層の推進を図ること。 五 防災無線通信施設の整備の促進及び防災まちづくり事業の推進を図ること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
○福島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○福島委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、小沢自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小沢自治大臣。
○小沢国務大臣 熱心な御審議を賜りまして、まことにありがとうございました。ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、今後善処してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○福島委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○福島委員長 内閣提出、道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。小沢国務大臣。 ――――――――――――― 道路交通法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小沢国務大臣 ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。 この法律案は、最近における道路交通の実情にかんがみ、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り及び道路交通に起因する障害の防止に資するため、新たに時間制限駐車区間に関する制度を設けるほか、違法駐車車両に対する標章の取り付け措置及び指定車両移動保管機関制度を導入し、駐車に関する規定を整備するとともに、道路使用適正化センターの指定に関する制度を新設し、あわせて、罰金の額及び反則金の限度額を引き上げ、並びに反則通告制度の適用範囲を拡大すること等をその内容としております。 以下、各項目ごとにその概要を説明いたします。 まず、第一に駐車に関する規定等の整備であります。 これは、最近の都市部における駐車問題の深刻化にかんがみ、時間制限駐車区間に関する制度を新設するとともに、駐車違反車両に適正に対処する措置を講じ、あわせて、駐車に関する相談、照会等に関する業務を有効に行おうとするものであります。 その一は、公安委員会は、時間を制限して駐車できる区間を指定して、従来のパーキングメーターのほか、パーキングチケット発給設備を設置、管理することができることとし、その区間において駐車する場合は車両にパーキングチケットを掲示しなければならないこととする等その区間における駐車の方法等について定めるものであります。 その二は、違法駐車車両に対する措置として、現場に当該車両の運転者等がいないときは、違法駐車車両を移動させるべき旨及び移動した場合は警察官等または警察署長にその事実を申告すべき旨を記載した標章を車両に取り付けることができることとし、あわせて、これを破損し、汚損し、または取り除いてはならないこととするものであります。 その三は、違法駐車車両の移動保管を効果的に行うため、警察署長の行うこれらの事務の全部または一部を指定法人に行わせることができることとするものであります。 、その四は、駐車及び道路の使用等に関する相談、照会及び広報活動等の事業を行うものとして全国及び都道府県ごとに道路使用適正化センターを指定することとするものであります。 第二に、罰金の額及び反則金の限度額を、それぞれおおむね二倍に引き上げることとするものであります。 第三に、速度超過について反則行為とされる範囲を拡大する等反則通告制度の適用範囲を一定の範囲で拡大しようとするものであります。 その他本法の改正に伴う所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律の施行日は、昭和六十二年四月一日としております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同を賜らんことをお願いいたします。
○福島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る四月三崎理事会、委員会を聞会することとし、理事会、委員会の開会時刻につきましては広報をもってお知らせいたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後七時二十七分散会 ――――◇―――――