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104回国会衆議院1986/05/16

大蔵委員会 第21号

発言数
108
登壇者
12
会派数
5
開催日
1986/05/16

会議録

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 これより会議を開きます。内閣提出、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。竹下大蔵大臣。     ―――――――――――――  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 ただいま議題となりました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  近年、我が国経済の国際化や世界経済における我が国の地位の向上に伴い、我が国金融・資本市場が国際金融センターとして発展していくことへの内外の要請が高まっております。かかる要請にこたえるためには、東京市場をできるだけ規制のない自由な市場とすることが望ましいと考えられますが、我が国の金融制度、税制を前提とすれば、国内市場と切り離したいわゆるオフショア市場という特別な市場を設け、金融、税制上の措置を講じていく必要があります。このような市場が創設されることにより、国際取引における円の使用が促進されるとともに、我が国金融機関の国際業務と外国金融機関の我が国における活動の場が広がることが期待されます。  このような趣旨から、外国為替公認銀行が海外から調達した資金を海外に貸し付けるいわゆる外―外取引を行うオフショア市場を創設するため、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、外国為替公認銀行は、大蔵大臣の承認を得て、非居住者との間で行う一定の預金、金銭の貸借を区分経理するため特別国際金融取引勘定、いわゆるオフショア勘定を設けることができることとしております。  第二に、外国為替公認銀行が行う非居住者との間の金銭の貸借は、現在、届け出を要することとされておりますが、これを特別国際金融取引勘定において経理する場合には、届け出を要しないこととしております。  以上のほか、所要の措置を講ずることとしております。以上がこの法律案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として全国銀行協会連合会会長荒木義朗君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 オフショア勘定の質問に入ります前に、本日の朝刊、新聞の報道でありますから、どこまでが真実であるかどうかは必ずしも正確でありませんが、だれかが何かを言わなければこういう記事にならない性格のものでありますので、ちょっとお尋ねをしておきたいと思います。  けさの新聞が報ずるところによると、渡辺通産大臣は、現在の円高の対策として、政府関係金融機関の金利を大幅に引き下げて困難な立場にある中小企業に貸し付けをするのがいい、そのためには預託金利を引き下げることが必要で、これについては法律で定まっておるので、この法律を取り除くために臨時国会を召集する必要がある、こういうことを言ったと新聞は報道されているわけであります。  そこで、本日は全国銀行協会荒木会長も御出席でありますので、ちょっと理財局長に最初にお尋ねをしますが、今話題になっておる政府関係金融機関で中小企業対策ということになれば、国民金融公庫と中小企業金融公庫が主たる該当するものではないかと思いますが、理財局長、どうでしょうか。

窪田弘大蔵省理財局長

○窪田政府委員 中小企業向けの貸し付けの政策金融機関には、その両公庫並びに商工中央金庫がございます。これが大半だと思います。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 銀行局長見えていますから、商工中金というのは預託金利に直接関係はないと思うのですが、銀行局長、どうでしょうか。

吉田正輝大蔵省銀行局長

○吉田(正)政府委員 商工中金と政府の関係でございますけれども、政府が半額出資を行っており、かつ、商工中央債券を政府が引き受けておるという関係になっておりますので、引き受けるという意味では財投が出ているということになると思います。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 いや、私が今お尋ねしたのは、預託金利を引き下げたら商工中金は貸付金利が安くできるかどうか。私は商工中金は関係がないと思っているものですから、それをお尋ねをしたわけです。

吉田正輝大蔵省銀行局長

○吉田(正)政府委員 商工中金の金利は、政府関係中小金融三機関として貸出金利は基準金利と連動するということになっておるわけでございます。ただ、原資そのものは、先生が御指摘のとおり、債券を引き受けるというところだけで財投とつながっているということになると思います。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 ですから、厳密に解すれば、預託金利を引き下げて金利がストレートに下げ得るものというのは国民金融公庫と中小公庫ではないのかと私は思うのですが、理財局長、どうでしょうか。

窪田弘大蔵省理財局長

○窪田政府委員 ちょっと仕組みをお話をさせていただきますが、預託金利イコール資金運用部の貸付金利でございまして、これを両公庫にお貸しして、両公庫の基準金利は、長期プライムレートと申します民間が自主的に決める長期金利の基準金利で決めるのが大宗でございます。ただ、特利と申しまして、一部財投に連動している金利もございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 最初にこれをやりましたのは、実はオフショアに関係がないものですから先にやっているわけですが、全国銀行協会長にお伺いをいたしますけれども、今日公定歩合は三・五%まで下がっておりまして、何もわずかな資金の中小公庫と国民公庫を低い金利にするために預託金利を格別に下げなくとも民間金融機関で十分安い金利の資金が今供給できるという判断を私はしておるのであります。荒木参考人、いかがでございましょうか。

荒木義朗全国銀行協会連合会会長

○荒木参考人 お答えいたします。  私ども民間金融機関といたしましては、特にこの二、三年の間と申しますか、年間の限界貸し出してはほとんど中小企業が過半数を占めておりまして、そういう意味では中小企業の要資に私ども精いっぱい努力をしているつもりでございます。     〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そうなんでしょうが、お尋ねしたのは、中小公庫と国民金融公庫をうんと安くしたら円高対策になるのか、そんなものはならないと私は思うのですね。要するに、もう民間金融機関で十分処理がされていて、その補完をするべきものが主体になり得るわけはないのでありますから、こういう議論をするのはまさにためにする議論であって素人の議論だ、こういうふうに認識をしておりますけれども、そういうことで臨時国会を開きたいなどというおかしな議論が出ておることについて、私が先週この問題をここでやっておるものですから、全然角度は違うのですが、これは要するに財政投融資というものの将来の展望を含めて見直しが必要だという中長期の話をしておるところが突然何かこれにひっかけた話が出てきている感じがしたものでございますので、私はそんなものは円高対策などにはならない。民間金融機関で十分間に合っているということをお伺いしたい、こう思うのであります。

荒木義朗全国銀行協会連合会会長

○荒木参考人 私どももほとんど中小企業に対しまして融資をいたしておりまして、そういう意味では要資をほとんど賄い得る余力は十分持っておるという現状だと考えております。特に円高の問題とか、要するに円高に伴います苦しい業種といったもので民間がどうしてもできないような部分がありました場合には、民業の補完をしていただくというふうな面もあろうかとも存じますけれども、私、その辺、詳しいことはよくわかりません。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 大臣、今お聞きになったようなことでして、これと臨時国会の召集などというのは完全に無関係だと思いますが、大臣はどうお考えでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 前回もお答えいたしましたが、預金金利はこの半年間で一・〇万引き下げておって、その結果預託金利は六・〇五、三十六年に現行預託金利制度となって以来最低の水準となっております。大体今の預託金利を見ますと、いわゆる民間の長期プライムレートは今回の公定歩合の引き下げ時にも変更されていないという実態にありますから、したがって、今の預託金利というのは妥当ではないか。特別の金融機関で、この間通していただいた法律の中で五%とか五・三%とか、そういうものは別途補給金とか利子補給とかいうような形で措置しておるということでございますので、民間プライムレートというのを見ておらなければなりませんし、それから長期の資金をそれこそ厚生年金から郵便局から扱っておりますので、これを改正するということになるとかなり根本的な問題になるのではないかなというふうに思っております。  大体臨時国会というのは今法案を審議していただいておりまして、しかも、私の担当とさしていただいておるのは、それは反対、賛成はありましても、国会が正常に機能しておりますだけに、今この国会で提出した案件のすべてを議了していただくようにこいねがうということ以上に出るべきものではないと思っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 常識論でありますが、どうもどこかで臨時国会を開きたいとかいろいろおかしな動きがあるように新聞が報道しておりますし、通産省ではできる話じゃないので、これは大蔵委員会マターですから、そんなことは考えられないと思っておりますが、念のために最初にこれを取り上げたわけでございます。  それでは本論に入ります。  最初に国際金融局長に伺いたいのは、ニューヨークのIBFと今度新設される東京IBFの主要な違いはどうなのか。大体同じ方向で物を考えているようでありますが、違いもあるのだろうと思います。その相違点を最初に明らかにしていただきたいと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 いわゆるニューヨーク型のオフショアと私どもが今お願いをしておりますオフショア市場、いずれも外―外取引に限るという意味ではいわゆる内外遮断型をとっておるわけでございますけれども、御指摘のとおり、ニューヨークと私どもが今お願いしておるものの間には若干違いがございます。  まず主な違いでございますけれども、そもそもオフショア勘定を設け得る主体でございますが、これにつきましては、私ども今、外為公認銀行の中でそういう希望を持っておる者は大蔵大臣から別途承認を得てこれを設けるということにしております。ニューヨークの場合は、連邦準備制度に届け出をいたしまして、それが受理されればそういった勘定が設けられる、こういうことになっております。  それから、オフショア勘定の取引の相手でございますが、これは両方とも原則といたしまして非居住者、外国の政府、国際機関ということになるわけでございます。ニューヨークの場合は、非居住者といいました場合に法人のみならず個人も対象になり得るということにされておりますが、今私どもがお願いしております構想の中では、内外遮断それから脱税防止等々の見地から、どうも個人というのは把握がなかなか難しいので、非居住者でありましても個人を除きまして法人に限るということにしておるわけでございます。  それから、証券業務の関連でございますが、私どもお願いしております構想は、これはあくまで預貸業務に限るということで、例えば余資の運用につきましても、有価証券の保有は少なくとも当初認めないということで考えております。ニューヨークの場合は余資運用といたしまして有価証券の売買は認められておるという違いもございます。  それから、税制の関係でございますが、御承知のとおり、私どもお願いしております構想では、まず預金利子に係ります源泉徴収は免除をしていただくように、これは既に租税特別措置法で御承認をいただいておるところでございますが、そもそもニューヨークの場合は印紙税という制度がございませんし、それから地方税につきましても、ニューヨークの州税それからニューヨークの市税について減免措置がとられております。  大体こんなところが主要な相違点ではないかと考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 日本では、税制上、源泉のは免除されているけれども、印紙税、有価証券は扱わないからこれは関係ない、こういうことでありますね。  そこで、地方税も日本の場合は免除になっているのですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 地方税につきましては、そもそもこの勘定が本店とかどの支店に設けられるかということによりまして、東京になるのか大阪になるのかいろいろあり得ると思うのでございます。したがいまして、私どもは、この問題はあくまでそういった勘定が設置されます地方自治体の問題であるということでございますので、今お願いしておりますこの仕組みの中では地方税につきましては一切一言及をしておらないということでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 しかし、地方税があるとないとではこの取引にかなりの影響が起こるのではないか、こう思うのです。大蔵省としては地方税というのは地方がやるんだから知りませんというのでは、これはオフショア市場というものをつくるという立場から見てちょっといかがかと思うのです。大蔵省は自治省と相談をしてどうなるのかという個々の自治体の話じゃないと思うのです、制度の話ですから。今我々はここで制度をやろうと言っているときに、地方税というのはオフショア市場の中で非常に重要なファクターだと思うのに、その点については、触れてないのはわかりますが、何らかのネゴシエーションがされているのか、実際やっていないのかをちょっと伺っておきたいと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 委員御指摘のとおり、もし地方自治体におきましてこういった国際金融取引を地元に誘致するために地方税を含めたいろいろな誘致措置を図る必要がある、望ましいという御意見になられましてそういう御希望が出てまいりますれば、私どももちろんそういったことを検討するにやぶさかではないわけでございます。  また、一般論といたしまして、地方税に限りませずいろいろな幅広い優遇措置がとられればとられるほど、それはこの市場の将来という点におきましてはよいことではあろうかと思いますが、何せ地方税の問題はそれぞれの自治体の事情にもよりますし、また、制度もいろいろと異なってもおりますので、現段階では、私どもはこの地方税の問題につきまして大蔵省といたしまして何か特別の立場をとり、地方自治体に対して何かを申し上げるというようなことは控えておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そうすると、我々でも本店所在地によって地方税がかかるのかかからないのかわからないなんというようなことで、オフショア市場に参入する人たちにすれば、予想も見込みも立たないということです。現段階においては取られると考えて参入するということなのか、取られないという前提で参入するということになるか、その点はどうでしょうか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 現段階におきましては、地方税につきましては優遇措置はないという前提でお願いをしたいと思っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 さっきのお答えの中で、しかしアメリカは法人税を取っていますね、四二%か何か。日本は法人税は非課税でしょう。ここのところはどうなっていますか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 我が国におきましてもこのオフショア勘定を持っております外国為替公認銀行につきましては一般の法人税が同様に課税されるわけでございます。ですから、非課税ということはございません。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこでこの問題、実はオフショア市場ができることは私は大変いいことだと思うのですが、これは細見報告にも出てくるのですけれども、印紙税が取られるということになると、これは常に契約をするたびに税金を払うということになるので、その契約のために税金を払うなら、何も日本の市場を使わなくても、香港でもいい、シンガポールでもいい、こういうことになってきて、まずスタートをするときに、これは、新しくここへ参加する非居住者にとってみれば将来的に魅力が非常に薄いものになるのじゃないか。  私は、先般から国際金融関係についての課税問題というのをやっているわけですが、きょうはその議論が主ではありませんので主税局長を呼んでないわけですけれども、ここらは皆さんは交渉の過程ではどういうことだったのですか、印紙税の問題は。これは個々に契約が行われなければ処理がされない性格の取引ですから、必ずその都度印紙税が取られることになるのだと私は思うのですが、どうでしょうか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 この構想を私ども検討している過程におきましては、ただいま御指摘になりました税の問題につきましても、関係方面と非常に濃密な話し合いを行ったわけでございます。  確かに基本的に、つまりこの市場が将来非常に活発に拡充するという見地から申せば、できるだけ優遇措置は幅広い、手厚いものであればそれはそれにこしたことはないということはそのとおりでございますが、ただ反面、やはりこういった制度を特別のものとしてお願いをする、しかもこれが国内の従来からの金融上、税制上の基本的な原則、あるいは制度の根幹に直接大きな影響を及ぼすというようなことはできるだけ避けたいという要請もございまして、その結果といたしまして、現在お願いしておりますように、税につきましては預金利子に対する源泉徴収の免除ということだけをお認めいただきたいということでやっておるわけでございます  確かに、現在世界にございます、先ほどもニューヨークの話が出ましたが、シンガポール、香港等々ではそれなりにいろいろと優遇措置をとっておりまして、税の面でも日本よりは優遇の幅が大きいという場所があることも事実でございます。  ただ反面、私どもこの東京というものが持っておりますほかの面でのメリット、つまり円取引の中心であるとか、あるいは非常に経済的、政治的に安定している日本の中の市場であるとかというようなことから、必ずしも税制面での優遇の度合いが少ないから東京市場の将来がほかの市場に比べて非常に劣っているということでもないのではないか。むしろそういった東京の持つ他のメリットというものを生かしてこの市場を将来発展させていきたいと考えておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 その次に、実は新聞には「東京オフショア市場 実施要領の骨子」というのが紹介されているわけですね。私ども、この重要な法案を審議する国会の方にはこういうものは全然渡ってない、これはどういうわけでしょうか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 確かに新聞にそういう記事が報道されたということは私どもも承知しておりますが、正直申しまして、実施要領というような正式のものを私どもつくっておるということはございません。  ただ御承知のとおり、本法案につきましては参議院の大蔵委員会におきまして先に御審議をいただくということにお決めいただきましたので、私どもそのためにいろいろ準備をいたしましたし、その御審議の過程でいろいろなことを、質疑の中で申し上げたりしたわけでございます。恐らくそういったいろいろな情報のいわば集積という形で、実施要領というのはこういうものではないかということになっておるのではないかと思っておりますが、私ども別に、事前にこの委員会に発表するのは困るようなことを何か報道機関に発表しておるというようなことは一切ございませんので、その辺は御了解を賜りたいと思う次第でございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 実は、私もオフショアの問題を少し調べてみて、結局法律というのは極めて簡単なことしか書いてないのですね。実際この審議をするためには、新聞が書いておる「実施要領の骨子」というのは大変この法律を理解するために必要なことが書かれておるわけです。ですからその限りでは、きょうはもう本日一日でこの審議を終えるというサービスをしておるのですからあれだけれども、もう少し大蔵省は審議の役に立つそういうものを、もし参議院であなた方が答弁して、私どもも参議院の資料を全部持ってきてやっているわけじゃありませんから、そういうものがこういう形になるような答弁をしておるのであれば、参考資料としてそういうものを事前に私どもに配付することが、私は法案審議の大蔵省の誠意ではないのかと思うのです。きょうのことはともかくとして、今後の大蔵省のそういう問題についての対応――ほかの法案もあるでしょうが、特にどうもこういう国際関係の問題というのは非常にいろいろと影響する範囲が広くて、国内の問題は大体我々も見当がつきやすいのですけれども、見当のつきにくい問題であるので、今後はこういう問題についてこういうことの起こらないということについて答弁をいただいておきたいと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 私ども、法案の御審議をお願いしておる立場でございますから、当然できるだけ十分な御審議のための素材を提供したいということはかねがね考えておるわけでございますので、本法案につきましても同様でございますが、今後につきましても今委員御指摘のような御趣旨は十分踏まえまして努力をさせていただきたいと考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこで、今後の市場の見通しでありますけれども、現在一番大きいオフショア市場はロンドン市場で、その他ニューヨークも高いし、シンガポールもそれなりの取引があるわけですが、今のようないろいろな制約もあるがメリットもあるという状態でこのオフショア市場が開設をされたときには、当初大体どのくらいの取引量になって、やがて三年なり五年なりの中期的な展望ではどんなふうになるということを見通して現在この法案を出されたのか、ちょっと伺っておきたいと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 御指摘のとおり、今世界最大のものになっておりますロンドンのオフショア市場は、全体の規模といたしますと九千億ドル相当額を超えているのではなかろうかというようなことも言われておりますし、約四年半前にスタートいたしましたニューヨークのオフショア市場も、現在では二千六百億ドル相当ぐらいの規模に達しておると言われております。また、シンガポール、香港の場合は、それぞれ千数百億という感じでございます。  私ども、このオフショア市場創設をお願いいたしまして御承認いただきました場合にどのくらいの規模のものになるかということは大変関心を持っておるわけでございますが、御承知のとおり、この市場の主なる機能はこういった非居住者との間の円または外貨で行われます預貸業務ということに相なるわけでございます。  そこで、恐らく現在我が国の外国為替公認銀行が保有しております非居住者に対する資産、負債というものは、その中でこのオフショア取引に向くものがまずこの勘定の方に移しかえられて、それから、この市場の魅力というものが認識されるに従いまして新たなる資産、負債が発生をして規模として広がっていくと想像いたしておるわけでございます。ですからその意味で、本当に当初の規模というのは見通しがなかなか難しいわけでございますが、現在の我が国外為銀行の非居住者に対する資産、負債の現状等々から判断をいたしますと、これは大変に自信のない推測で本当に申しわけないのでございますが、当初の規模といたしましては、ドル換算をいたしまして八百億ドル、八百五十億ドルというところが、多少いわゆるコンサーバティブではないかと思うのでございますけれども、当初の規模かなと考えております。ただ、今お話ししましたように、東京市場の持っておりますいろいろな魅力を考えますと、この規模はその後は相当拡大していく可能性は十分あると期待をいたしておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこで、外為審議会が答申をしております。この答申の中で特にちょっと触れておきたいと思いますのは、「オフショア勘定と親銀行の国内勘定を通じて外―内がつながることに伴い、国内に大きな影響が及ばないよう慎重な配慮が必要である。」というのが外為審議会の報告でありますけれども、これに関連して今のあなたの方の、これが事実かどうかわからないけれども、骨子と言われておる中で、「オフショア勘定とその他の勘定の間に振替勘定を設け、オフショア勘定の取引決済などはその他の勘定を通じて行う」「同日中に精算される資金振替を除き、外―外性確保の趣旨から、オフショア勘定とその他の勘定との資金の流れは遮断する。ただし、オフショア勘定における資金の調達・運用のミスマッチにより、市場に摩擦的事態が生ずることに対処するため、両勘定における若干の資金振替を認める」こういうことが紹介されているのです。これは、取引は動くわけですから、ただ遮断といっても、多少ここの中には調整機能がなければ金融機関側としてはちょっと対応しにくいのじゃないかと私は思うのです。それは後で荒木参考人にお伺いしますけれども、こういう点での皆さんの考え方、要するにオフショア勘定と国内勘定との関連の調整の問題は現状ではどう考えているのですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 このオフショア市場の構想の一番基本的な二つの柱とでも申しますものは、一つは、オフショアといういわゆる外―外の市場でございますので、できるだけ自由な取引ができるようにしたいという要請と、それからもう一つは、その裏になるわけでございますが、そういういろいろな優遇措置を持っておる特別の市場であるから、これが国内の市場とごっちゃになってしまって国内に悪影響が及ばないように、いわゆる内外遮断の措置をはっきりとする、これが恐らく一番大事な二本の柱だろうと思います。  まさに今委員御指摘のとおり、内外遮断という観点から、私ども、オフショア勘定と国内の一般勘定との間では原則といたしましては資金の振替を禁止するという立場をとっております。ただしこれは、まさにこれも御指摘のとおり金融業務でございますので、日々非居住者から預金が集まってくる、それをまた非居住者にあるいは預金なり貸し金の形で運用するわけでございますけれども、これが毎日毎日一銭一厘に至るまできちんきちんとマッチングできるかどうかわからない、もしこのマッチングがうまくいきませんと、もし一切その他の勘定への振替を認めないということになりますと、金融機関といたしましてはこの金を何とか運用しなければいかぬ、そこで無理が出てきて、例えば金利のダンピングだといって怒られるような事態が起こるとか、あるいはもうどうしようもないので無利子のまま自分で抱いてしまって、そのことが銀行の経理に圧迫要因になるというようなことも理屈といたしましては想像できないわけではない。そこで、そういう摩擦が起こりますのを最小限避けるようにごく限定的には国内の一般勘定との間の振替を認めてやろうじゃないか、これが一つの考え方でございます。  ただ、これが野方図になりませんように、現在私どもが考えておりますのは、日々のオフショア勘定と国内の勘定との間の振替の金額につきましては、前月のその勘定におきます対非居住者運用資産の平均残高の五%以内ぐらいのところが日々のぶれの限度である、それからもう一つは、毎日毎日ではそのくらいでぶれがあってもいいけれども、一カ月を通して見た場合にはこのオフショア勘定から国内に入ってきた金額は国内からこの勘定に入ってきた金額を超えてはならないことになっておる。つまりその間には一カ月たって見たところでは、外から中にネットで金が入ったということは一切ないということで、いわば二重の縛りをかけまして、内外遮断の実効を保ちつつ最小限の摩擦回避の手段をとらせていただきたいと今考えております。  ただ、今申し上げましたようなことは非常に細かい話でございますので、実はこの法律を御承認いただければ、その後の段階といたしまして政令、省令、通達というような下衣の措置で決めさせていただきたいと考えておりまして、今鋭意関係方面との協議をしておりますが、最終的には法律の御承認をいただいた後こういったものも決めさせていただきたいと考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 荒木参考人にお伺いいたします。  実は私こういう資料を見ながら、法律を先に通して後から細目をつくるということのようですけれども、細目と法律の原則とが非常に重要に絡み合っているものですから、本当は細目を先に提示して、そうして細目を含めて出してもらわないと、この外為法の改正案というものでは一体何がこれから起こるのかさっぱりわからない、私は率直に言ってそういう感じなんですが、外為銀行の当事者としては、これはどんなふうにお感じでございましょうか。

荒木義朗全国銀行協会連合会会長

○荒木参考人 先生御指摘のとおりでございまして、私ども、東京オフショアマーケットができますことにつきましては非常に賛成をして、前向きに取り組んでいるわけでございますが、実はまだ細目がわかっておりません。そういう意味では、例えばコンピューター処理の問題にいたしましても、なるべく早く市場開設までに努力をするという気持ちでいっぱいでございますけれども、私どもこれに携わります者に対しましてはなるべく細目を早くお示しいただくのが大変必要じゃないかと考えております。先生の御指摘の調達と運用との差額がどうしても出てまいりますので、それにつきましては一定幅の調整をお願いしたいという気持ちを持っておりまして、今行天局長さんの御説明をいただきまして、ある程度の幅を持たしていただけるということでございますが、やはりそういう調整も業務上どうしても必要なことだろうと考えておりまして、それによりまして内外遮断が崩れるようなことであってはいけませんけれども、運用上の面におきましても極力円滑な運用ができるような措置をお願いいたしたいと考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 引き続き参考人にお伺いいたしますが、今局長の話では、日々の振替は前の残高を参考にして五%幅ぐらいだ、しかし、一カ月のタームではそれはなくなるような運用処理をしてほしい、こういうことですね。しかし、これを考えてみますと、一カ月のところでこれがゼロになるということなら、私は日日の振替が五%であるということは本当に必要かどうかなと思う。どっちが肝心かといえば、一定のタームの間は多少出入りがあったとしても要するに区切りのつくところでは必ずきちんとなるということであればいい。何も自由にしろじゃないのですよ、本来の原則は原則でありますから。だけれども、それは五%でなくとも、仮に一〇%であっても、それは日々の変動処理で――皆さんの方も変動ができるように運用するつもりじゃなくて、これは結果としてのミスマッチングになるということでしょうから。だから、その場合には二つの絞りがかかっているとすれば、前の方の絞りはやや緩くても、これは銀行の姿勢の問題でしょうから、恐らくこれは日計表が出るでしょうから、監督官庁としては、日計表を見てみれば、どうも外為銀行はお行儀がよくないなとか、これは非常に行儀がいいとかというのはわかるわけです。皆さん方の方も意図的にそういうことをやろうというお考えはないと思いますので、そこらはもう少しフレキシブルにやってもいいのじゃないか。ただし、一カ月というのがどこから一カ月かというのは、これはまたちょっと問題になるわけですが、そういう点を含めて参考人のお考えを承りたいと思います。

荒木義朗全国銀行協会連合会会長

○荒木参考人 まだ発足をいたしておりません、また、規模もどれくらいになるかもわからないものでございますから、今はっきりと五%ではやれないというふうな点を申し上げるほどの準備はございませんけれども、私どもこのオフショア市場に携わる者といたしましては、この立法の趣旨に沿いまして十分御協力していくつもりでございます。そういう意味では、今後細目の詰めの段階におきましてもう少し詰めました上で、もし五%程度ということが非常に無理があるといたしますればまた当局の方にお願いをいたしたいというふうに考えておりまして、今現在五%ではできないかどうかということは、ちょっと私は判断に苦しみます。  しかし、いずれにいたしましても、平残の面で、しかも市場規模がだんだん大きくなりますといろいろと取引の相手もふえてまいりまして、ミスマッチングを防ぐ方向も出てくると思いますけれども、むしろ規模が少ないうちの方が苦しいのではないだろうか、こんなふうな感じも持っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 その次に、アメリカでは法人だけでなくて個人も認めておるということですね。そうすると、アメリカの場合は非居住者であることを確認をするのはどういう方法でニューヨークは確認をしているのでしょうか。これは、原則としてニューヨークでも非居住者のためのオフショア市場でしょうが、しかし、向こうは法人と個人を認めておるというさっきのお話でしたから、そうなった場合に、要するに非居住者の法人、個人であることの確認方法はどうなっているのでしょうか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 日本と米国の場合、この非居住性の確認の問題で一番大きな違いは、委員御承知のとおり、米国の場合は源泉徴収という制度がないわけでございます。日本の場合は、特に迂回取引等によって、あるいはその非居住性をいわば詐称することによって脱税を図るのではないかという心配が非常に大きいわけでございますが、米国の場合は、そもそもそういった必要性がかなり違うということがあろうかと思います。具体的にニューヨークにおきまして個々の銀行がどういう措置をとっておりますか、ちょっと私、完全につまびらかにしないで恐縮なんでございますが、私どもの理解しておりますところでは、どうやらかなりの程度は本人の申告に基づいて銀行がそれを判断して、確かにこれは非居住者であるということのいわば心証を得れば、これはそれなりに非居住者として取引をしておるというのが実態のようでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 細見リポートによりますと、  米国IBFにおいては、金融機関以外の非居住者、米国系企業などから預金を受け入れ、あるいは貸出を行なう際、その取引が米国外の業務に関するものであることを銀行から取引先へ次のような書面で通知させなければならない。また預金者や借入人が米国系企業である場合には、その通知に対し了解した旨の文書を銀行あてに提出しなければならない。  It is the policy of Board of Governors of the Federal Reseve System, 云々。長いですからもう読みませんが、こういう念書というものの取り扱いがされておるようであります。  この問題は、私は、結局外―外取引については源泉徴収の問題以外としてアメリカとしてもそれなりの対応をとるためにこういうものが行われておるのだ、こう考えるわけです。  日本の場合には、今度は逆に個人を排除して、源泉徴収の関係もあって、そこで非居住者だということがわからないところで源泉徴収の関係で問題が起こってくるということになってきたときに、日本における非居住者確認方法というのはどういうことを考えておりますか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 内外遮断の問題に関連いたしましては同じように幾つかの問題がございますが、一つは、取引の相手方が確かに非居住者であるということの確認、それからもう一つやはり大事な問題は、オフショア勘定から貸し出されました資金が意図的にまた国内に還流をしてしまうようなことを阻止しなければいけない、こういう問題があるわけでございます。ただいま委員に御指摘いただきましたその箇所は、後者の部分、つまり貸し出された資金の還流をアメリカではどうやってチェックをしておるかということであろうかと思います。  まず、私ども今お願いしております仕組みの中で考えております非居住者の確認の手続でございますけれども、これも細目をこれから最終的にまとめさせていただきたいと思っておるわけでございますが、例えば銀行が非居住者と取引を開始します場合、例えば預金口座を開くとか貸し付けを行うとかいう場合には、まず相手側から例えば商業登記の写しのような公的な文書をつけた確認書をとって、それを銀行が確認をするというようなことが有効な措置ではないかなと考えております。そのためには、まず銀行側から相手側に一定の書式のものを送りまして、向こうがそれに所要の記載をして、また、今申しましたような公的文書を添付して銀行に送り返してくる、銀行はそれを確認して、OKです、こういうふうに言う、こんなことを考えておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 荒木参考人にお伺いいたしますが、これは銀行の実務になるわけですね。金融関係の諸問題というのは、実は法律とか政令というのは余り役に立たないのですね。私も今日こういう問題でかなりいろいろと意見が述べられるようになりましたのは、ある程度実務がどうなっているかということがわかっていなければ議論のしようがないものでございますから、そこでやや細かい議論をしておるのであります。しかし、やはり一番肝心なのは、実は外―外であることを確認する、あるいは外から内への還流を遮断するということのためには、日本の場合には源泉徴収という一つのシステムがある。私は余り感心しないんだけれども、これは主税局が頑張ってなかなか簡単にいかないという現状です。しかし、オフショアですから、源泉はやりませんよとなると、今度は源泉をとっておる非居住者との関係から見てこれは均衡を保たなければいけない。そうすると、ここでは非居住者であるということがきちっと強調されることが強く求められることになる。今局長が答弁をいたしましたような手続になるのですが、そういう手続は実務的にも可能でございましょうか。

荒木義朗全国銀行協会連合会会長

○荒木参考人 現在まだその確認の方法につきまして細目をお知らせいただいておりませんので、はっきりできないとも申し上げられませんけれども、局長のお話のような書面を取るとかいうふうなことにつきまして私どもの希望といたしましては、御趣旨は十分尊重してやるつもりでございますが、私どもの扱いの立場といたしましては、極力簡素であってしかも余り手続が煩雑でないような方法をぜひお願いいたしたい、こんなふうに思っております。  しかし、この現在のオフショアの外―内を禁止するという趣旨から申しますとやはり守らなければいけない線だと思いますので、この点は今後十分細目を詰めてまいりたいと思っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 もう一つ、これは大臣にお聞きしておきたいと思うのですけれども、今の地方税の問題というのは、私は主たる外為銀行というのは大体東京に本拠を持っていると思うのですね。ですから、ニューヨーク州及びニューヨーク市が地方税を減免しているということであるならば、これは大蔵大臣としても東京都知事に対して、こういう円建ての取引が大きくなることは日本の国益でありますし、同時に、その主たるオフショア市場というのは、今ニューヨーク・インターナショナル・バンキング・ファシリティーと言うように、恐らく東京インターナショナル・バンキング・ファシリティーとこうなるでしょうから、そのためには東京都は、これは向こうのように州と市ではありませんで一つですから――地方税をここで払うとしたら区ですか、都ですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 都税ということになろうかと思います。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 都の鈴木知事と少し相談をされて、ニューヨークがやっているのだから東京がやれないということはないと思いますし、そのことによる地方税というものがそんなに巨額なものになるとも思わないのです。私は、この間から大臣とも論議させていただいておりますけれども、国際金融関係の問題で源泉徴収したりいろいろ税金を取ってみてもそれはごくわずかなもので失うものの方が大きいぞ、だから源泉を外せ、盛んにこう言っているわけです。この前はユーロ円債やその他の問題、今度は短期国債の問題についてこの間からずっと議論をやってきておるわけですけれども、東京都知事とこの問題について、東京もニューヨークIBFのようにやりたい、協力してくれないかというお話をしていただいたら、私は、鈴木知事は必ずしもわずかな税収にこだわらないと思いますが、大蔵大臣いかがでしょうか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 法人事業税というようなことになりますと、今進出しております外銀の中に勘定を設けるわけでございますから、実態としてどういうものがあるか私も今にわかに判断ができませんが、御趣旨の向きは私にも理解できることでございますので、実態の問題を把握した上でお話ししても結構ではなかろうかと思っております。  ただ、原則的に言いますと、いろいろな難しい議論は別として、何としてもやりたい。そこで、我が国の税の哲学といいますか体系がある。あるいは黒い目の外人ができてはいかぬとかいろいろな議論をして、小さく産んで大きく育てよう、これは部内で使った言葉でございますから感覚的にわかっていただけばいいのですが、そういうことででも出発したいというような姿勢であったということは事実でございますので、実態として私にまだ把握できない点もございますが、それらを勉強した上でそのような趣旨に沿うことには私もいささかもやぶさかでございません。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 私も段階論者ですから、最初からすべて完備してやれという気持ちはないのですけれども、非常に重要なポイント、要するにニューヨーク型を志向しているというなら少なくともニューヨークと余り違わないものにすることがスタートの時点でも必要だと私は思うのですね。そういう意味では、全国あちらこちらで課税ということでは大変なんですけれども、東京都だけは地方税非課税ですよということになったらみんな東京で処理することになるのですよ。そのことは東京都にとってもプラスだと私は思うのですね、それだけここで大きな金融取引が行われることは、東京都全体にしても法人税にはね返ってくるわけですから。そういう意味では、私はこの問題に関する利子の地方税の処理の仕方その他の問題は検討が必要ではないかと思うのです。  そうなると、この報告で「地方税の減免措置が講ぜられる場合には、オフショア勘定と親銀行の国内勘定との間における貸借レートの設定、間接経費の費用配分等を、経理上とのように処理していくかが問題となろう。」ということを言っているのですが、こんなことはまさに技術的、実務上の問題ですから、後でどうでも処理ができることです。問題はやはり今のニューヨーク市場を見習うこと。  昨年の九月に「金融財政事情」がこのオフショア市場の事情を調査に行くということで、私にも参加してくれというお話があったのですが、この時期私は石橋委員長と一緒に党代表でモスクワに出張する予定になっておりましたから、武藤山治さんにかわりに行ってもらいました。そのときに私は、オフショア市場というのはニューヨークのオフショア市場しか私は考えていませんよ、だからその考え方をベースにして調査してきてくださいと武藤さんに言いました。ロンドンも回ってこられたのでありますが、私は当初からそういう考えでおるのです。  その考えは、裏返せば、ニューヨークと同じような形のものをつくって、外―外で、やれる範囲をきっちりやる。黒い目の非居住者なんというのは、あってもそれはもう例外的な部分であって、そんなことについては、外為銀行側も今の取引関係先を十分調査してそういうことにならないように努力をされると思いますので、私はこういう制度というのはやはり関係者を信頼するところからスタートしないと――何かやるんじゃないか、税金は脱税するもの、いろいろな取引はごまかすものという前提で制度を考えたりするのは適切でないと思うのですね。ですからそういう意味では、いろいろな問題が今後に出てくると思うのですが、大臣として、小さく産んで大きく育てるということですけれども、成長できるような環境でなければ小さく産んでも大きくならないのですね。やはり環境が整っていることが必要です。その環境として最初からできることだけはちゃんとやっておくということが私は東京オフショア市場の将来に非常に関係があると思っておるのです。  そういう意味で、あとの細かいことは今後の課題としますが、ひとつ積極的にこの地方税問題の処理をしてもらいたいということを特につけ加えて、この法案は、考え方として私は遅きに失しておるというくらいに思っていたわけですから、我が党としてはこれは賛成法案で処理させていただいておるわけであります。今の基本的な考え方を下敷きにして、政府としてさらに一層の地方税問題に対する努力を特に要望しておきたいと思いますが、その点についての答弁をもう一回お聞きしたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 意を体して十分検討し、努力させていただきます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこで、参考人がせっかくおいでになっておりますので、今後の問題について少し御意見を伺っておきたいと思います。  これから十三分ぐらいの時間に、二点伺います。  一点は、今の金融・資本市場の自由化、国際化ということは非常に重要な課題だと思っているのです。それは、日本が今置かれている国際的な環境の中で、貿易収支はいろいろと批判がありますけれども、簡単に減らない。五百億ドルと言われておりますものが多少は減るかもしれませんが、まあまあうまくいっても四百億ドルの上の方程度が精いっぱいではなかろうか。そうすると、今度は経常収支の方はどうなるかというと、油の見通しが非常に大きなファクターになります。これから夏が来るわけでして、秋まではいろんな問題がありましょうけれども、まあまあ十ドルから十五ドルの間くらいのところで推移するんじゃないかと私は思います。そうすると、これはまた巨額な経常収支の黒字がその上に乗っかってくる。よその国から見ますと、ともかく日本は物をどんどん売り込んでもうける、そして今度は経常収支の黒字を貸し付けてもうける。この間、ソビエトと日本がなかったら欧州は大変幸せだという話を何だか聞いたことがあるのですが、確かにソ連というのは防衛上の問題として非常に心配なものが近くにいる、日本はそういう経済的な問題で非常に欧州に対して望ましくない存在だ、こういうことになっているようです。そうすると、私どもがこれから少しでもそういう欧州やアメリカの感情を和らげるためには、国際金融市場というものへ皆さん方が自由に参入し、そして自由にそこで利潤がもたらされるようなものをつくっていくことがどうしても重要な、一番に位する我々の基本対策ではないか、こう思っておるのです。  そこで荒木参考人、今私が申し上げましたような認識に立って、金融界の現場の責任者としてどんなふうにこれをお考えになっているのかをちょっと伺いたいと思います。

荒木義朗全国銀行協会連合会会長

○荒木参考人 日本経済そのものが非常に国際化いたしておりまして、そういう点から申しましても、世界の中の日本と申しますか、今までのような形だけでは生きていけないということにつきましての国民の認識も非常に大きくなってきていみと思います。そういうふうな折でございます。今為替も大分円高になっておりますけれども、それだけで解決する問題でもないと考えております。しかし、一方また、経済構造その他の問題につきましても、そう簡単にすぐ変わるものでもないということも事実でございます。そういう意味では、政府が打たれました総合経済対策というのが出ておりますけれども、金融政策の弾力的運用から始まりましていろいろと出ております。私は、そういうふうに今考え得る施策としましては十分出ているように考えております。例えば金融面で見てまいりましても、公定歩合は三次にわたりまして下がっておりますし、戦後最低の水準になっているという意味では逐次着々と手を打たれつつあるというふうに理解をいたしております。  そういうふうな点での施策は打たれておりますが、同時に、本日御審議になっておられますオフショア市場の問題というふうな面につきましても、海外から、日本の金融機構あるいは金融の仕組みについてもいろいろと自由化とかその他の意見も出ておるわけでございまして、そういうものに一つ一つこたえていくということがやはり非常に大事じゃないかと思っております。同時に、現在我が国の輸出関係では四〇%弱が円ベースでございますけれども、輸入は相当部分、九〇%以上がドルベースということ、また、保有通貨の面で見てまいりましても、円はまだ五%台だというふうなことで、できることなら早く円の国際化が進みまして、世界の金融マーケットにおける日本のウエートが高まっていくということが非常に大事なことじゃないかというふうに考えているわけでございます。そういう点から見てまいりましても、先生の御指摘のように、市場が初めは小さくても、だんだん大きくなっていくような施策をなるべく早く打たれることを私どもも願っているわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 もう一つの問題は、実は先般、当委員会でもちょっと論議をいたしたのでありますけれども、国際協調のための経済構造調整研究会というところが前川報告と言われる報告書を四月七日に出していらっしゃるのです。「金融・資本市場の自由化と円の国際化」という点は、今もお述べになりましたし、私も全く同感なんですが、「貯蓄優遇税制については、非課税貯蓄制度の廃止を含め、これを抜本的に見直す必要がある。」実はこういうふうに触れておられる。  私、この間は、税制調査会の小倉参考人にも御出席をいただいてこのことをお尋ねしたのですが、貯蓄優遇税制という問題が確かに一つあります。しかし、郵便貯金というのは一つのシステムなんですね。金融機関における優遇税制というのは金融機関のシステムじゃないのです。後で私どもが付加した部分でございまして、本来の金融システムはそういうことにはなってない。片方の郵便貯金は非課税だというシステムが長きにわたって構築されてきておるわけです。ですから私は、この非課税貯蓄問題が議論されるときに、郵便貯金というこのシステムをどうするかという問題が先に解決をされない限りこの非課税貯蓄の問題を議論する必要はないという認識なんです。  非課税貯蓄はこのままでいいかというと、それは問題がいろいろあります。かつて私はグリーンカードの問題を推進をして、竹下大蔵大臣の提案に基づいて法律がきちっとできたわけです。私どももこれで日本の貯蓄優遇税制というものはリーズナブルなものになったなと安心をしておりましたところが、また同じ竹下大蔵大臣が、これはちょっとやめよう、こう言うのですね。日本のこういう制度で同じ大臣がつくってやめたなんて、それも実行しないうちにやめたなんというのは歴史上前代未聞なんですが、まあこれはいろいろな事情があったから仕方がなかったと思うのであります。  ですから、私がぜひ全銀協会長にお願いをしたいのは、ともかく郵貯けしからぬとかという話ではなくて、日本の全体の金融システムの中で民間金融機関はこういう役割で処理をしたい、郵便貯金はこういう形でやってください、全体のバランスがとれるようにするためにはどうしたら一番国民のためにいいのか、私は、金融機関も郵政も、郵政のためや金融機関のためにあるのではなくて、国民のために存在するサービス機関だ、こう思っておりますので、国民の立場から見て最も望ましい共存関係というのはどういう関係になるのかということをひとつ全国銀行協会の皆さんが御検討をいただきたい。  何しろ郵便貯金けしからぬから足を引っ張って何とかしようなんという話ではもう問題の発展はない、こう思っておるのです。しかし、私も郵便貯金が百兆を超えるような状態がいいとも思っておるわけじゃありません。やはり双方が相互の立場を尊重しながら、日本の今後のこういう預貯金制度をどういうふうにしたらいいのか、金利の自由化も進んでまいりますし、いろんな問題が郵政省にも求められているわけでありますので、どうかそういう観点で、これから郵便貯金問題というのを税の問題という意味ではなくて金融システムとしてひとつ全国銀行協会も御検討いただきたいと思いますが、参考人いかがでございましょうか。

荒木義朗全国銀行協会連合会会長

○荒木参考人 郵便貯金の問題につきましては、今言われております税制上の問題からも出てまいりますし、また、私ども金融界が進めております金融の自由化という面で必ず出てまいります小口預金の自由化という面におきましても必ずぶつかる問題でございます。そういう意味で、郵便貯金の問題につきましては非常に重大な関心を持っております。  私は前にも郵貯懇あるいは臨調あるいは行革審の小委員会でも出ておりましたように、私は郵貯を否定はいたしませんけれども、やはり官業は民業の補完という基本の線だけは将来のためにぜひ貫いていただきたいものだと思っております。そういうふうな基本理念のもとにおきまして、郵便貯金が現在もう既に個人預金の三二%を占め、金額も巨額になっておりますので、そういう点ではこれ以上の肥大化をしない、そしてやはりそれぞれの補完というふうな意味での立場で郵便貯金というものがあっていただきたいというふうに思っているわけでございまして、今後私どもも決して郵貯憎しというふうな観点でなく、むしろ国民経済的あるいは金融構造としてどうあるべきかということを踏まえながら解決していきませんとなかなか解決できない問題だと思っておりまして、先生の御趣旨を十分踏まえまして今後とも勉強してまいりたい、こんなふうに考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 ありがとうございました。終わります。

堀之内久男自由民主党・新自由国民連合

○堀之内委員長代理 荒木参考人には、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。  坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 オフショアの問題に入らせてもらいます前に、補正予算の問題につきまして、先ほどもちょっとお話が出ましたが、一言だけ私も触れさせていただきたいと思うわけでございます。  先日、総理が参議院の本会議で補正予算という言葉を口にされまして、そしてまた衆議院の方でも先日お話がございました。お話をよく聞いてみますと、補正予算という言葉は口にされますが、しかし現在可決され、これからいよいよ執行されようといたしておりますこの当初予算の中で解決のつかないような事態になったときには補正予算ということで、よく聞けば、当然といえば当然の話でもあります。しかし、当然とはいいながら、補正予算という言葉を口にされますのとされないのとは、そこにまた多少の違いはあろうかと思うわけでございます。     〔堀之内委員長代理退席、笹山委員長代理     着席〕 先日、大蔵大臣はこの委員会で、予算案が通過をして関連の法案が審議されている途中でもあり、今補正予算という言葉を軽々に言うべきときではないという意味の御発言をなすったと思うわけです。しかし、その発言を聞きました後でまた総理大臣が衆議院の本会議で補正予算という言葉を使われたものでございますから、やはり多少、総理大臣のお考えとそれから大蔵大臣のお考えの間には、微妙な違いではありますけれども、ニュアンスの違いがあるというふうに感じないではないわけであります。前回どなたかの質問でお答えにはなっておりますけれども、改めてもう一度お考えをお聞きをしたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 まず一つは、普通の場合でございますけれども、それはもう大人の議論だからそう窮屈に考えるべきじゃない、こういう意見の人もございますが、実はけさ成立したわけでございますけれども、先般まだ財源確保法が議論されておるときに補正予算出しますと言えば、当然この財源確保の法律出し直してこいという議論にこれは原則的にはつながるわけでございます。したがって感覚的に、必要とある場合はあらゆる措置を行おうとすればそれは補正予算も入るということになりますけれども、その辺は、内閣一体の責任で出した予算とはいえ大蔵大臣だけはやはりこれは言わぬ方が常識だろうと思っておりました。  現在でもそう思っております。が、それは、財源確保法が通過してしまいますと、何といいますかかんぬきが少しずつ外れてきたという感じがないわけでもございません。しかし、まだ国鉄関係の今年度分に値するものあるいは老人保健法とかそういうものが残っております際に補正予算ということはどういうふうな判断をすべきものかなと思って、実はきょうも参議院の本会議場でちょっと考えておりました。  が、今までの総理が御発言なすったのを全部整理しますと、今いみじくも当たり前のことをおっしゃっているとおっしゃったように、とにかく最終的には経済情勢を見てあるいは補正予算等も含むことをその時点で考えることもあり得る、こういうことに整理すればなっておりますけれども、経済学とは心理学でございますから、今からそういうことを言った方が国民の皆さん方に心理的な幾ばくかの安心感を与えるかという気持ちもあられるのでございましょう。  したがって、整理してみますと、大体だれもが考えなければいかぬこととして、当面は成立させていただいて裏づけのできた予算の執行を着実に行い、その執行はもちろん公共事業に限るならば七七・四%というまさに可能な限りの執行を行っていく、そしてその状態を見て、下期の経済情勢等どうしてもここで必要な場合には補正予算等も考えられる、こういうのが、当たり前のこととおっしゃったことのニュアンスも含めて、そこのところまでが常識的なことではなかろうかなというふうに思っております。それは災害のある場合もございますし、予備費である程度充当ができるものもあるにいたしましても、やはりその時点の、下期の経済情勢等の推移を見ながら考えるべきものである、公式的に言えば現在補正予算を提出する考えはございません、こういうふうに言うのが常識ではないかなと思って、当たり前のことを言っていらっしゃるのですが、そこのところの、何といいますかトーンの相違が、新聞の字面になると大分変わってくるなというような感じでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 総理の心境の解説はよくわかりましたが、総理の心境とそして大蔵大臣のお考えとの間に微妙な差があるのではないかなというふうに感じましたので御質問を申し上げたわけで、総理の方の心境の解説は、十分解説をしていただきましたのでよくわかりました。  その途中で、当たり前のことであるとはいいながら、しかし当たり前のこととして言うならば補正予算というのも考えなければならないときもあるという途中でのお話は、それは大蔵大臣としてのお話だったのですか。あるいは、それも総理大臣の解説の中の一部だったのですか。大蔵大臣のお考えの一部なのか、総理大臣の解説であったのかというのがどうもちょっとわかりにくかったのですが、もうちょっとだけひとつ。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 総じて言えば、総理の心境を推察しての解説を行った、こういうことになるのでございましょうが、当たり前のことを実際は言っていらっしゃるなと。  ただ大蔵大臣の場合は、仮にお尋ねになる側がそれを期待していらっしゃる場合は、答弁を財源のことまでは求められない。しかし、期待していない方が質問されたとしたら、それじゃ財源は一体どうするか、こういう議論に当然なってくる。そうするとそこに慎重たらざるを得ない。だからやはり正姿勢で臨んでおるというのが一番冷静な対応の仕方かなというようなことをきょう考えておったところでございます。必要とあらばあらゆる手段を講じ、もとよりその中には補正予算も存在しというのは、演説としては非常によろしゅうございますが、一つ一つ、じゃ財源をどうするのか、プロの議論をするとそこへ行きますから、やはりせっかく通していただいたこの予算がどのように経済の中に機能していくかということを見きわめた上で、その時点で考えるべきであるというのが優等生答弁じゃないかなと思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 わかってわからないようなところがございますが、財源確保法案も成立をいたしまして、前回の大蔵大臣としての御答弁ときょうの御答弁を比較いたしますと多少の違いはあるように感じました。大分違ったという声もございますが、かなり違ったようにも受け取れます。  私がこの問題をお聞きいたしましたのは、総理が発言をされましたときにはこの財源確保がまだ成立していないときでございました。大胆といえば大胆なことであったと思うのですが、そのお気持ちの中には、いよいよ予算が成立をしてこれから関連の法案が成立をしようというさなかではあるけれども、現在の円高問題等の環境の中で当初予算だけで果たしていけるかという自信のなさみたいなものがその一端にうかがわれて、ああいう発言になっているのではないかな、そうも感じるわけであります。大蔵大臣はお立場もあって、そこまではいわく言いがたいということであったろうと思います。しかし、そういう外向きの話は別にいたしまして、財源をどうするかとかそういう詰めた話も、また、そこまではいかないことではございますけれども、財政を預かっていただく当事者としての大臣としてはやはりいろいろお考えになっているのではないだろうか。その先の先までのお話は別といたしまして、現在のお考えの一端をお聞きしたいというのが私の趣旨でございました。  これを余り聞いていますとオフショアのことをお聞きする時間がなくなってしまいますので、これだけにいたしますが、ただ、これは注文でございます。こういう話は当然委員会ではなかなか思い切っては言いにくい話でございますけれども、委員会におきましては貝のごとく口を閉ざし、外における演説会におきましては小鳥のさえずるごとく、こういうことで、言いたいほうだいみたいな形で補正予算がどうだ、臨時国会がどうだというような話が出てくるのもまた困ったものでございまして、むしろ、慎重であることはよくわかりますけれども、やはりこの委員会で本当のお話をしていただくというのが筋道でございます。大臣も筋道のお話をされましたので、私も筋道のお話をして、この項は結ばさしていただきたいと思います。  本論でございます。オフショアの話でございますが、先ほど堀先生の方からも内外遮断のお話がございました。現在金融の自由化が進みつつありまして、あらゆる内外の壁が取り除かれておる最中でございます。その取り除かれておる最中に、今度は外―外取引とはいいますものの、ここに内外遮断ということが入ってくるわけで、これを見ましたときに多少の異和感を感じないわけではないのです。内容をよく見せていただきますと、やむを得ざること、そうせざるを得ないのかな、そう思いますが、全体の流れとしては自由化の方向に流れているわけですね。そこにたとえ小さいとはいいますものの一つの戸をたてる、遮断の小さな戸をたてるということになるわけであります。しかし、よくよく考えてみますと、先ほどの議論にも少し出ましたか、本当に内外遮断できるのかなという気持ちがあるわけです。  例えば、アメリカに支店があります場合には、支店は取引には参加できないということですね。ところが、子会社はできる。アメリカにできましたある会社の子会社が外―外取引で東京オフショア市場を利用するという場合に、例えば一般の日本におきます金利が非常に下がっていて、そして自由金利の方が高かったような場合に、オフショア市場を利用しようと思いますとアメリカの子会社なら子会社から取引をさせて、そして利用するということだって、これはしようと思えばできることなんですね。それから、先ほど堀先生のお話にもございましたように、今度は、では借りた方のお金を何に使うかということにつきましても、どこまでしてはいかぬということもこれはなかなか言いにくい問題だろうと思うのです。これも使い方によってはどういうふうにでも利用できるということで、内外遮断というふうに言いますが、遮断はなかなかできにくいことではないかな。税制の問題もございますけれども、遮断をします最大の原因はやはり金利を自由にするということなんだろうと思うのですが、これは内外遮断というものを明確にそこまでしなければならぬのかな、そこまでしなくてもあるいは将来はいけるのではないかな、むしろ、日本の自由化がさらに進んでいけばそんなことをする必要もなくなってくるのではないかなという気もしないではないのですが、その辺のところはいかがでございましょう。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 まさに今委員御指摘のとおり、このオフショアの仕組みの最大のねらいと申しますのは、こういう自由な市場をつくることによりまして我が国の金融全体の自由化、国際化を図る、それからまた円の国際化を図るということでございますけれども、同時に、国内におきます税制上、金融上の秩序というのがございますし、いろいろな政策もございます。そういったものへの影響をできるだけ少なくして、その本来のねらいを果たそう、こういうことでございます。  実は、米国におきまして同じような制度がつくられましたときも、どうも同じような議論がやはりあったようでございます。その場合に一番関心を集めておりましたのは、金がこういうオフショアと国内の間を自由に出入りしてしまうと、国内におきます例えばマネーサプライの管理というような金融政策の有効な運用というのはできなくなってしまうのじゃないかというような疑問もございましたし、それから税金の問題もあったと思います。そこでいろいろな手だてを講じまして内外遮断ということを図っておりましたし、私ども実は全く同じような気持ちでいろいろと内外遮断の措置を講じさせていただこうと思っておるわけでございます。  余り内外遮断をうるさく言うとかえって自由化の逆行になるのじゃないかという御指摘につきましては、確かに一般論といたしますと規制というものはない方がいいという議論もあり得るかと思いますけれども、同時に、先ほど申しましたように、まず日本の金融市場というものをできるだけ国際的に便利な、みんなが使いたがるようなものにしたい、円というものについても同じような国際化を進めたいということから考えますと、そういう市場をつくるためには、少なくともまず内外遮断ということをはっきりしてやらないと市場そのものが発展しないという面もあるわけでございます。ニューヨークの場合も、それじゃああいういろいろな内外遮断措置をしたことがどこまでマイナスになっておるか、あるいは内外遮断措置というのは本当に有効であるかということについてはいろいろ議論がございますが、今までのところ私ども、ニューヨークの場合、内外遮断が十分に行われない、いろいろ漏れがあるために不都合なことが起こっておるという話は聞いておりません。  したがいまして、私どももまずできるだけ厳密かつ有効な内外遮断措置というものをとらせていただいて、もちろん将来日本国内自体の金融自由化がどう進んでいくか、世界的な金融の状況がどう変わってくるかということでこのオフショア市場も当然それに対応した変化は遂げなければならないのだろうと思っておりますが、出発に当たりましては、まず日本の現実を踏まえて内外遮断という大きな原則にして始めさせていただきたいと考えておる次第でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 現在の段階では日本の金利の自由化はまだそこまで進んでいないわけですから、スタートの段階としてはやむを得ざることだと思うわけですが、これからどういうスピードで金利の自由化が進むかわかりませんが、完全に自由化されてしまうという時代になりましたら無用の長物で、内外遮断のこの項目がなければならないという必要性はなくなってしまうのではないかという気もするわけであります。ただ、こういった内外遮断というものをして区別するということをやってしまいますと、今度は逆にそれを利用して無理な外―外取引をしようという思惑もまたそこに働いてくる可能性もある。居住者、非居住者のことにつきましても、申告によってそうだという心証を得ればそう決めざるを得ないという御答弁がありました。確かにこれも一々どこまで調べられるかわからないという面もございますし、内外遮断というのも言うはやすく、現実問題これを確実にやるということは難しいと思うのです。したがいまして、この辺のところは時代の流れとともによくお考えいただいて、流れからはみ出していくような制度ではないように今後とも御検討いただきたいと思うわけであります。  それから、このオフショア市場の創設が対外金融摩擦の解消という問題とどういうふうにリンクしてくるかということも非常に興味の深いところでございますので、この辺のところもお聞きしておきたいと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 我が国におきましては、過去数年にわたりまして日本の金融の自由化、国際化のために鋭意努力が重ねられていることは委員も御承知のとおりでありますが、現実の問題といたしますと、我が国とその他の世界の金融・資本市場、特にロンドンとかニューヨークという金融センターとを比較した場合、依然としていろいろな面で差があることも否定できないわけでございます。こういった差の存在のために、現在でも一部海外から我が国の金融制度なり金融市場は十分自由になっていないという不満があって、これがいわゆる金融摩擦ということで言われる場合もあることは御承知のとおりでございます。  そこで私ども、今お願いしておりますオフショア市場のようなものができました場合に、これがそういう海外の金融機関なり企業にどういうプラスになるだろうかということを考えてみますと、この市場は御承知のとおり税制あるいは金融面におきましていろいろ国内とは違った自由な制度を導入させていただきたいと思っておりますものですから、海外の金融機関が日本の東京なら東京に参りますと、そういった自由な仕事ができるようになるという意味でいわば彼らの活動の範囲を広げられるという面も確かにあろうかと思いますし、それから海外の企業等につきましては、この市場で従来より自由に円による資金の調達、運用ができるというメリットも期待しているわけでございます。したがいまして、このオフショア市場の創設の問題につきましては、海外からもぜひそういった制度をつくるべきじゃないかという意見が現にいろいろ出されておりまして、その意味で、こういった制度がつくられ、それが健全に発展していきますならば、恐らくいわゆる海外との金融摩擦というものの解消にもそれなりに貢献できるのじゃないかと私ども期待をしておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 あと一問、大臣にお聞きして終わりにしたいと思うのですが、円高がかなり進んでまいりまして、そして内需拡大が叫ばれているわけですが、これもなかなか一朝一夕には進まない話であります。国民の消費を見ましても、現在の情勢から見まして賃金の方もそう上がるわけではない、また税制もそう急激に大きな改革がされるわけではない。総理も来年の税制改革は言っておみえになりますが、これも国民の側からいたしますと実際にどれだけ負担が減るのかということはよくわからないわけであります。そういたしますと、収入の方の増加は望むべくもない、そして減税あるいは税制改革の方もそう望むべくもないというこの段階においてどれだけ消費をふやすことができるかということを考えますと、もし物を買うとするならばローンで買う以外に方法がないわけでございます。したがいまして、もし内需拡大ということになってくればこのローンをいかにしやすくするかということ。それは、ことしの住宅に対する税制でも一部ございました。あれも一つではあろうかと思いますが、こうした方法でも考える以外に当面の方法はないという感じがしているわけでございます。この内需拡大に対する大蔵大臣としてのお考えをこの際お聞きしておきたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 円高によりまして大変なデメリットが出ておるというところは、私どもも承知いたしております、いずれにせよ、円高だけで経常収支問題が解決できるものではない、したがって日本の経済全体の構造を変えていかなければならぬ、すなわち外需志向型から内需志向型へ、こういう一応の決まり文句があるわけであります。したがって、その内需志向型へ転換いたすにいたしましても、かなり中長期の問題としてとらまえる問題が一つ、それから今坂口さんおっしゃったように、むしろ当面の問題としてとらまえる問題とあるでございましょう。  そこで、当面の問題ということになりますと、税制の抜本改正は、政府が考えておるのは六十二年。といたしますと、ことしの場合、今度決まった電力、ガス料金の還元というのが一口に言えば一兆円の減税と言えるのではないかな、それらが幾ばくかの消費を刺激していくであろうということが一つは考えられます。  いま一つの問題はいわばメリットの方、あるいは円高だけではない、原油価格低下に伴うメリット。確かに私も感心しました。二月の平均が二十七ドルの原油で、それから三月が二十二ドルで、四月は十六・四五でございますか、現状は十四ドル台、半値になっております。円高が効いておりますから恐らく半値以下、こういうのが、今度は市場のメカニズムを通じて物価の安定あるいは下落、こういうことで消費者のいわば実質購買力が上がってくるではないか、タイムラグはあるにいたしましても、それは考えられることだなというふうに考えます。  賃金の問題は、労使によって決まることで、私は、ことしは適切に決まったと思っておりますし、実質購買力がふえるというのはさらにいいことだなというふうに思うわけであります。  そこで今の、新しい角度からのローンの問題、いわば確かに消費者金融でございます。住宅金融については幾ばくかの措置を施した。消費者金融についても、言ってみれば金利が低下をしておる今日において、各金融機関も消費者金融に眼を余計注ぐようにというような指導、あるいはそういう傾向が出ておることは事実でございます。  これから先になると、私の知識の限界を超えますのは、例えば割賦販売とかそういうことが、環境は改善されておりますけれども、どういうふうに機能していくかということになりますと、私も所管でもございませんし、自信を持ってお答えする立場には今ございませんが、消費者金融そのものが拡充されていくいい機会であるというふうには問題意識として持っておるところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 円高によりましてマイナスの企業もございますし、今おっしゃいましたようにプラスの企業もあるわけです。それを全体で見ましたときに一体どうなるのか、とりわけ昭和六十一年における税収が一体どうなるのかということが最大の関心事ではないかと思うのです。これによりましては、来年度予算はそれこそ大変なことになる可能性もありますし、今メリットの方をかなり強調されましたが、もしメリットの方が予想外に大きかったということであれば幸いでありますけれども、輸入よりも輸出の方により大きな力をかけてきたという日本の今までの経緯から見ますと、やはり輸出によってマイナスになる面がかなり大きい。そういたしますと、それによる税収が落ち込んでくる、こういうことにならざるを得ないわけで、全体の税収が落ち込む可能性はないかどうか。これも、これからの円高の推移によりましてかなり変わることでありますから一概に言えないことではありますが、もし百六十円台の円高が、今後、ことしずっと維持されるというふうに仮定をいたしました場合に、その税収不足がかなり深刻になりはしないかという心配をするわけでございますが、その辺に対するお考えを聞いて終わりにさせてもらいたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 近くは六十年度の税の問題、今のところはまあまあ。ところが、法人税の約三分の一を占めるところの三月期決算、これがどうなるか、この集計ができるのが七月、こういうことになるわけですが、これについて今、これは部内の話でございますけれども、先般四千五十億、赤字公債の増発をさせていただいて補正をお願いした。しかし、現在千三百億ぐらいまだ発行しないでおる公債がありますが、これらも今見ておりますのは、大体税収がそれを発行しなくても済むようだったら、本当は出納整理期間内発行をお許しいただいているのですからここのところは決めなければいかぬ問題の一つだなと思っておりますが、私なりに今報告を聴取しているところでは、剰余金をとんとんにしておいたらいいわけですから、六十年度税制は仮にさらに若干の三角が立っても不用とか節約とかいうようなことで対応できはしないかな、対応してほしいものだな、こういう期待をしております。  それで今度、六十一年税制。明瞭に今のままが進んだ場合に、ちょっとだれが考えても減るであろうというのは従価税であります石油税、これは値が下がればそれだけ減るわけでございますから確実に減るというふうに、将来また上がっていけば別でございますけれども、これは言えるなというふうに思います。同じ石油製品としても、ガソリン税は従量税でございますからこれは余り減らぬな。  が、大宗を占めるのは、恐らく全体の経済、景気の中で動いていくであろうところの法人税、こういうことになろうかと思うのであります。したがって、デメリットのある法人税、これもこの間の電力、ガス料金の還元問題、あれは還元しなければ五千億法人税が入っているわけですよね。しかしそれは還元する、こういうことにしたわけですが、他産業の中でどういう影響が出てくるかということになりますと、今の段階ですと、まだ数字は一つもない段階でございますので、はっきりした見通しを申し上げることは困難だと言わざるを得ない。  ただ、振り返ってみますと、五十七年は、結局最終的に三兆幾ら赤字公債を増発しました、当初予算から見て。五十八年、五十九年は、当初計画よりはわずかながら減したわけです。ことしは四千五十億余計出させてもらった。実績がどうなるかは別としまして、いずれにしても余計出させてもらった。だから五十六年、五十七年みたいに三兆だ、六兆だというような歳入欠陥になるというふうにはもちろん私は思いませんけれども、結局下半期の円高あるいは原油価格の低下等によるところの企業収益がどれだけ改善されていくものかということが、タイムラグはございますが、最終的にはポイントではなかろうか。それについては、にわかに企業収益の改善に資するものがこれぐらいあるだろうという判断はまだできないというのが現状でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 終わります。

笹山登生自由民主党・新自由国民連合

○笹山委員長代理 米沢隆君。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 余り質問することもありませんが、簡単に御質問を申し上げます。  近年我が国経済の国際的な地位の高まりの中で、円の国際化の必要性が叫ばれて、当局としても着々と円の国際化に向けて努力をなされつつ今日に来たのでありますが、当局は、現時点における円の国際化の進展の度合いはいかなる状況にあると思うのか、どのような認識かをまずお聞かせいただきたい。特に、マルク、フラン、ポンドと比べて円はどういう地位にあるのかという点について御説明いただきたい。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 円の国際化につきましては、近年におきます我が国経済の非常に顕著なる発展、それからまた、御指摘のとおり、我が国の側におきましていろいろと自由化の努力が行われだということを反映いたしまして、相当の程度進展をしておると評価をしておる次第でございます。ただ、ドルとの比較というようなことで申しますと、まだ依然として極めておくれたものでございます。  例えば、現在世界の通貨当局が外貨準備といたしまして保有しております通貨の比率をとってみますと、依然としてまだドルが六五%、つまり三分の二ぐらいを占めておりまして、これにドイツマルクが一二%、円はその次で、五・二%という数字もございます。  それからまた、我が国自体が行っております海外との貿易関係におきましてどのくらい円が使われておるかというような点をとってみましても、円の場合は我が国の輸出全体の中で、これは昨年の数字でございますけれども、まだ三五・九%しか円建てになっていない。それからまた輸入の方につきましては、さらにこの比率が少のうございまして七・三%。これをドイツと比べてみますと、ドイツでは大体輸出のうちの八〇%以上はドイツマルク建てでございますし、輸入につきましても四〇ないし五〇%がマルク建てというようなことでございます。  もちろんドイツの場合は、御承知のとおりいわゆるヨーロッパ共同体の中での話でございますので、単純な比較は無理でございますが、それにいたしましても、まだ円の国際化というのはかなり進展はしたものの、ドルに比べれば非常におくれておるし、マルクに比べてももう一息という感じではないかというのが現状の認識でございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 今般、この円の国際化を一層推進するという立場から東京オフショア市場を開設しようということでありますが、ところで今回のオフショア市場の開設によって、これは具体的にはこれからの進展の度合いにもよりましょうし、どのような効果をあらわすか、今後の推移を見守っていかねばなりませんが、一部には円の国際化に資するにはちょっとほど遠いのではないかという声があることも事実でございます。そういう点からいいまして、今、円の国際化がかなり進んだけれども一部にはというお答えがありましたが、そのあたりが一体どういうような形で、今後どの程度に円の国際化が推進されるのか、そのあたりについての御見解をまず第一に聞かせていただきたい。  それから、いろいろ皆さんも御努力いただいておるわけでありますが、行政サイドにおける円の国際化に向けての努力、これは今度の措置でほぼ終わるというふうな感じで見ていらっしゃるのか、それともそのほか、今後克服されねばならぬ課題がまだまだたくさんあるというふうに見ておられるのか、これが第二点。  もしこれからの課題があるとするならば、一体どういう問題がこれから克服しなければならぬ課題なのか。そしてまた、その課題を解決されるためにどういう方策を今考えておられるのか等々について、見解を聞かせていただきたい。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 このオフショア市場は、御承知のとおり必ずしも円だけに限られたものでもございません。円以外のドルであるとかドイツマルクであるとか、どのような通貨が使われてもよろしいわけでございますけれども、私どもの期待といたしましては、せっかく日本にこういうものがつくられる、とすれば当然、日本の通貨でございます円というものの取引がその中心になるであろうと思っておるわけでございます。  そこで、円の現状での国際化のぐあいにつきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、まだ足らざる部分、つまりどうしてもっと日本の貿易の中で円が使われないのであろうか、あるいはどうして外国がもっと円を保有しないのだろうかということを考えてみますと、これはいろいろと難しい背景があろうかと思いますけれども、一つ大きな原因は、円というものの取引についていろいろとまだ規制があって不便な面がある。だからどうしても外国の人にしてみますと、円を使うよりはドルの方が便利だなというような要素もあろうかと思うわけでございます。  そこで、まさにそういう点での不便さを解消するために、このオフショア市場というものをお願いいたしまして、そこでは源泉徴収についての免除を図るというような税制上の特例措置もお認めいただき、それからまた金融面につきましても、金利規制、預金保険あるいは準備預金といったような規制も控除させていただきまして、いずれにしましても全体として円が外国人の立場からいたしましても自由に便利に使えるような、そういう場をつくりたいと思っておるわけでございます。  そもそも国際化といいますのは、こちらの側で無理やりに外人に向かいまして円を使えといってもできる話じゃございません。あくまで私どもができますことというのはそういった環境づくりということになるわけでございますが、今度のオフショア市場というのは、まさにそういう意味で海外が円をできるだけ容易かつ有利に使えるような、そういう場をつくらせていただきたいということでございます。  そういった努力の上で、このオフショア市場の創設というのは私ども非常に大きな役割を果たすと思っておりますが、しかし、かといって、これでもう円の国際化が完結するというわけではないことは十分おわかりいただけると思うのでございます。別にこれをつくりましたからといって、例えば日本の貿易が一挙に全部が円建てになるというわけでもございませんでしょう、もっともっとほかの原因もございますから。それからまた、急にドルを超えて円が国際的に利用されるということでもなかろうかと思います。その意味では、従来からの環境整備の努力というものはこれからも続けていかなければならないと思っておるわけでございます。  ただ、オフショア市場の仕組みそのものといたしましては、私どもといたしましては少なくとも出発点といたしましてこういう形が一番現実的でもあり、望ましいだろうと考えております。その意味では、この創設をお認めいただけますれば、何かまだ課題が残っておるというふうには考えておりません。これはこれでひとつ新しいマーケットとして発展をさせていただきたいと思います。  ただ、長い将来の話になりますと、これはもう日本の国内の金融自由化も一層進むと思われますし、また世界の金融環境も刻々と変わってまいると思いますので、もちろんこのオフショア市場につきましても、将来の時点におきましてはさらに改善を図る必要があり、またそういった改善が可能になる事情も出てまいると思いますが、少なくとも当面の問題といたしましては、現在お願いしておるような形でスタートをお認めいただければ、その後何かまだ当面の課題が残っておるというふうには考えておらない次第でございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 次に関心がありますのは、今般のオフショア市場の開設が我が国の金融市場に対してどのような影響をもたらすか、あるいは我が国の金融政策に対してどのような影響をもたらすか、ひいては我が国経済に対してはどういう影響をもたらすか。いろいろと言われておりますけれども、当局はどういうふうに考えておられるのか、その功罪について明快に御答弁いただければと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 このオフショア市場の我が国国内金融政策に対する影響という御質問でございますが、非常に基本的に申しますと、私ども、このオフショア市場の創設は我が国の国内金融政策には直接の影響はないというふうに考えております。  と申しますのは、そもそも先般来るる申し上げておりますように、この仕組みの根幹になっておりますのは、これはいわゆる外―外取引であって、内―外におきましては原則的に遮断が行われておるということでございます。したがいまして、確かに一部こういうオフショア制度というようなものが日本の国内で発足すると、両者の間に資金の予期せざる出入りが行われて、これが例えば国内のマネーサプライの管理等に悪影響を及ぼすのではないかという御心配もあるわけでございますが、私どもそういったことが起こらないようにいろいろと有効な、かつ現実的な遮断措置を考えておりますので、その意味におきましては、このオフショア市場の創設が直接国内の金融政策に影響を及ぼすことはないだろうと考えております。  そこで、もう少し大きな問題、つまりこの市場の創設が日本経済全体としての発展にどういう関係を持つだろうかという点でございます。これはまさしくこの市場の創設、発展によりまして、日本の金融市場が例えばロンドンとかニューヨークと並ぶ本当の意味での国際的な金融センターに発展する、あるいは円が現在以上に国際的な通貨として大いに活用されるということになりますれば、そのこと自体は日本経済にとって非常に大きなプラスになるだろうと思われますし、そのことが我が国の金融の効率化を通じて企業や一般国民の金融環境にもいい影響を及ぼすことになるだろうと思いますし、現実には、雇用の問題その他で直接的なプラスの効果も出てくることを私どもといたしましては期待をしておるわけでございます。  したがいまして、功罪という御質問でございますが、罪の方につきましては確かにそういうことを御心配になる向きもございますが、私どもといたしましては、できるだけその罪が現実のものにならないようにいろいろな手だてを考えさせていただいてその実行を図りたいと思っておる次第でございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 特に、金融の自由化というものに対してはどういうインパクトを与えるというふうにお考えですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 我が国の金融自由化は、既に国内におきましては金利の自由化あるいは各種金融市場の開放、発展、それから海外の金融機関の国内への参入の促進といういろいろな分野で行われておりますし、また国外におきましてはいわゆるユーロ円市場の秩序ある発展という形でも行われてきておるわけでございます。  このオフショア市場は、ある意味では現在でも既にロンドン等を中心に活発に行われておりますユーロ取引というものを、日本の国内でも行われ得るようにするという意味を持っておるわけでございます。そこで、先ほど申しましたように、私ども、直接にこのこと自体が日本の国内の制度、慣行に影響を及ぼすわけではございませんが、ただ、ユーロ市場におきますような非常に自由な取引が国内でも別の勘定のもとでは行われ得るということが、間接的な意味で我が国の金融自由化に前向きの影響を与えるということは考えられますし、また、もしこの市場が当初の期待どおりに市場や円の国際化に役立つということであれば、それだけまたそのことが日本の国内の金融の自由化の促進材料にもなろうかと期待をしておるわけでございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 今回のオフショア市場の仕組みを見ますと、まず、先ほどから議論になっておりますように、基本的にはニューヨーク型の内外分離型市場、いわゆる外―外取引に限定しておられるわけでありますが、特にCDの発行ですね、昨年九月の外為審議会の専門部会報告ではこれは前向きにとらえておるような答申になっておったのでございますが、CDの発行は認めない、それから、アメリカのIBFでは許されております非居住者発行の有価証券の保有は認めないというようなことがございます。それから、これはオフショア市場からの資金のリーケージといいましょうか、脱漏、漏出を防ぐためだと思いますが、最低預入期間は非銀行で二日、預入額は一億円以上、こういうようなことも決められるやに聞いております。  そういう意味では、このあたりが今回の特色だと私は思っておりますが、やはり世界のほかのオフショア市場でもこんな、同じような規制がしてあるのかどうか。このような規制を設けた理由は、特に特別な理由があるのかどうか、御説明をいただきたい。  また、このような限定されたものになったという意味では、在日外銀あたりにはかなりの反発があるとも聞いておりますし、将来、欧米諸国からの新たな金融摩擦の火種になるのではないかというような話も新聞等には出ておりますが、そのあたりの問題提起といいましょうか懸念に対してどういうふうに思っていらっしゃいますか。  それから、今後特に外―外取引、それからCDの発行、非居住者発行の有価証券の保有等について、将来的には変更を加えられる用意があるのかどうか。あるとすれば、それぞれの条件はいかなるものが達成されたらそうなるのか。  特に、東京オフショア市場は、債券売買の仲介を証券会社に認めるかどうかをめぐりまして銀行と証券サイドが対立をして、結果的には債券運用そのものは当面禁止されるということになったというふうに聞いておりますが、証券会社に市場参加を認めない、したがって証券業務を許さないということであれば、本来のオフショア市場として不完全ではないかという声が依然としてあるというふうに聞いておるわけでございますが、債券運用についてはこれからどういう決着を図られていこうとされておるのか。  以上の点について御説明をいただきたい。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 ただいま御指摘がございましたオフショア勘定によるCDの発行、それからまた余裕金の運用といたしまして非居住者発行の有価証券の保有を認めるかどうかという問題は、実はまさに御指摘のとおり、この構想を過去一年以上にわたりまして議論をしてまいった段階で大きな焦点になっておったことは、御指摘のとおりでございます。  ただ、結論を申しますと、そもそもこのオフショア市場というものは、やはり内外遮断を原則とした外―外の市場として発足をしようということになりました次第でございますので、このCDの問題、有価証券保有の問題もそういった観点から、少なくとも発足の当初におきましてはこれを認めるのは適当ではないということになって、こういった問題はいわば将来の検討課題として残されておるというのが実情でございます。  特にこのCDの問題につきましては、委員も御高承のとおり、現在ユーロ市場で一般的に発行されておりますCDというのは持参人払いの有価証券でございます。これに対しまして我が国で国内で発行が認められておりますのは、いわゆる指名債権譲渡という形のものでございますので、一体、日本のオフショア市場においてどういうCDの発行が現実的であるか、また、その発行が行われた場合に、非居住性の確認等果たして十分な悪用防止措置がとられるかどうかということが現段階ではまだちょっと確信が持てないということもその理由でございましたし、それから有価証券の保有につきましては、現在、日本の国内におきまして証券業務とそれから通常の銀行業務との間には制度的な違いがございます。そういったことを背景にいたしまして一つの金融制度というものが存在しておるものでございますから、このオフショア市場というものがいかに国内市場とは切り離された市場であるとはいえ、どうしてもそういった問題について全く国内事情を無視して行うというわけにもいかないという現実もございます。それやこれやございまして、まさに冒頭に申しましたとおり、この問題はいろいろと真剣な議論が行われたわけでございますけれども、少なくとも発足の段階におきましてはこれを認めない形で発足し、将来の検討課題にしておこうということでございます。  これは将来一体どうなるのだという御質問でございますが、今お話ししましたように、まさにこの問題は、日本の国内の制度、慣行が将来どういう形で発展をしていくか、それからそれを取り巻きます国際的な環境というものがどうなるかということに大きな影響を受ける話でございますので、将来そういった日本の国内市場の自由化の進展あるいは国際環境の変化というようなことを踏まえまして、私ども、この問題は将来の検討の課題として十分注意を払って見守ってまいりたいと思っております。  在日外銀等がこの問題につきまして非常に不満を持って、そのために金融摩擦がかえって激化するんじゃないかという御質問がもう一つございました。ただ私ども、そういったことはあり得ないと思っております。確かに理想を申しますと、在日外銀にしてみれば、例えば自由に国内から資金を調達してそれを国外で使うとか、あるいは逆に外から金を持ってきて自由に国内に使えるような制度ができればそれにこしたことはないと思っておるかもしれません。しかし日本の現実を考えますれば、そういったいわゆるロンドン型のオフショア市場というものがすぐできる環境にないことは十分理解をしておると思います。その意味で私は、在日外銀といたしましても今回のオフショア市場につきましては一つの大きな一歩であるという評価はしておりこそすれ、このことによって何か不満が高ずるということはあり得ないことではないかと思っておるわけでございます。  ただ、金融摩擦の問題はいろいろと複雑な要素がございます。私どもの努力の不足でなかなか日本の実情が理解されていないという面もございますし、同じく先方の努力不足で理解が足りないという面もございます。これは蛇足でございますけれども、私ども今、主要各国との間ではいわゆる二国間の金融協議というものを毎年行って、そういった場を利用しまして両国それぞれの国の国内の金融市場の問題、制度の問題等について忌憚のない意見交換を積み重ねていくことによってこういった国際的な金融摩擦を徐々に解消してまいる努力を続けておるわけでございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 終わります。

笹山登生自由民主党・新自由国民連合

○笹山委員長代理 正森成二君。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 今度の法案の対象になっておりますオフショア市場というのは、今まで各委員が言われましたように内外遮断型、ニューヨーク型ということになっております。本邦企業の海外子会社を通じたオフショア勘定との取引が自由に行われるために、金融引き締め時などに金融政策上しり抜けになるおそれがあるのではないかという心配があります。これは審議会などでも触れられておるところでありますが、この点はいかがかという疑問であります。  これについては先ほど、たしかに堀委員に対する御答弁だったと思いますが、念書といいますか、確認書というものをとりまして内外遮断を保証するというような御意見があったと思います。しかし物の本を見ますと、この念書に仮に違反したとしましてもそれは外為法上違法であるというだけで、私法契約上債務不履行というような問題は生じないのではないかという意見もあり、違反した場合には債務不履行の効果が発生するんだということを念書の中に入れていく必要があるんではないかという意見もございますが、それらの点について御答弁をお願いします。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 内外遮断の重要なポイントといたしまして、この勘定から非居住者に行われました貸し付けが、意図的にまた日本に持ち込まれまして国内の貸し付けに転化をするということは防がなければならないと思っておるわけでございます。そのための手段といたしましては、これは今後、法案を御承認いただきました後、政令、省令、通達という段階で細かい手続を決めていかせていただきたいと思っておりますが、基本的な考え方は、今委員御指摘になりましたように、オフショア勘定を持っております銀行が、相手方、つまり借入人であります非居住者に対しまして、この資金は日本の国内には還流させない、使わないという確認書を徴求するということを考えておるわけでございます。  この確認書が私法上どういう効力を持つかという点につきましては、確かにいろいろと御意見があることは私どもも承知しております。一体この確認書にどういう事項を記載するかというようなことにつきまして、そういう観点から今後十分詰めさせていただきたいと思っております。     〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕  ただ、現実の問題といたしまして、そもそもの趣旨がこういう国内還流を防止するということでございますし、その点におきましては、この確認書の授受ということで少なくとも外為銀行と非居住者の間では一つの信頼関係が生まれる。ですから、もし相手方がその信頼を裏切ってその確認書に違反したことを行った場合には、私どもの感じでは、その外為銀行の方はいわば信用できないお客ということでございますから、将来の取引関係には当然影響がございましょうし、また仮に今度は外為銀行の方がそういうことを知りながらあえて金を貸したということになりますれば、これは明らかに外為銀行の側におきます法律上の義務違反でございますから当然法的な制裁が加えられるということになるわけでございますので、実際問題としては、何とかこういうやり方で内外遮断の実効を上げていきたいと考えておるわけでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 参議院における四月二日の竹田委員の東京オフショア市場の規模はどのくらいかという質問に対しまして、国金局長は大体八百億ドルないし八百五十億ドルぐらいというのが当初の規模ではないかという答弁をされまして、ニューヨークが四年間で二千六百億ドルぐらいに拡大しておる、シンガポールのオフショア市場の規模が今大体千五百億ドルという答弁をされております。そういう点から考えますと、東京オフショア市場の八百ないし八百五十億ドルというのは当初であって、非常に早い時期に少なくともシンガポールぐらいまでは追いつくであろうと思われます。そうしますと、内外遮断措置について、先ほどの同僚委員の質問に対しましても月平残ではネットで押さえて過不足がないようにするということですが、個々の取引については資産、負債残高の回ないし五%ぐらいというものはアローアンスがあるといいますか、許されるという御意見と承りました。  そうしますと、当初でも八百五十億ドル、近い将来恐らく一千億ないし一千五百億ドルということになりますと、邦貨にしまして大体二十兆とか三十兆ということになります。それの四、五%といいましても大体一兆五千億円というような相当に大きな額なんですね。これが結局内外遮断というのから免れるといいますか、灰色のケースになるということになってまいりますと、これが預金準備率をかけるのかどうかというような点でも非常に大きな違いを起こしてくるし、金利の点でも違ってくると思うのです。この点はいかがですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 オフショア市場を経由いたしまして外からの金が国内にリークするのを防ぐということは非常に大事なポイントでございますので、今委員御指摘のとおり、私どもといたしましては今後の細則を詰めます段階で、毎日毎日の振替の限度といたしましては、前月の対非居住者の運用資産の平均残高の例えば五%以内のぶれを限度にするというようなことも考えておりますし、また毎日毎日にはそういうぶれはあるにしても、一カ月を通して見た場合には外から中への資金の流入というのはネットでゼロにするというようなことも考えておるわけでございます。  その規模がどのくらいになるかは、まさしく御指摘のとおり市場全体がどのくらいになるかということに関係するわけでございます。私どもも、先ほど申し上げたのでございますが、基本的には内外遮断の実を上げるということと、同時に、さはさりながら少なくとも金融取引の摩擦を回避するための最小限のアローアンスは認めていこうという趣旨でございまして、どのくらいのパーセンテージにするかその他につきましては、実際に金融業務を行っておられます方々の御意見等も聴取しながら必要最少限のものというふうに考えておるわけでございますので、私どもといたしましては、そういったアローアンスが認められたからといって外から中への資金の流入という問題が非常に深刻になるというふうにも考えておらないわけでございます。もちろん、振りかえられまして中の勘定に入っておる部分につきましては、国内の準備預金が課されることは当然のことでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 外為法上の有事規制について伺います。  オフショア勘定を通じた取引の場合も法律上は外為法二十一条の有事規制の対象になっていると思われますが、有事規制を発動しなければならないときにオフショア取引も規制することになるのかどうか。それとも細見第二次私案などで言っておられるように、有事規制の対象外とするという考えも述べておられますが、その点についてはどういうふうにお考えですか。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 現行の外国為替管理法は五十四年の改正以来、原則自由例外規制という建前になっておるわけでございます。したがいまして、資本取引につきましても常時許可を要するというものは限定列記されておるわけでございますが、俗に言われております有事規制というのは、まさに緊急異例の事態が起こった場合には、こういうふうに常時許可制のもとに置かれておる資本取引以外の資本取引についても同じように制限ができるんだ、こういう制度でございます。  この緊急非常事態と申しますのは、まさしく緊急非常事態でございます。我が国の国際収支の非常に大きな問題であるとかあるいは通貨価値の問題であるとか非常に緊急異例の事態でございますので、こういう事態が万が一起こりまして外為法上の有事規制が発動された場合に、そのオフショア取引は外―外であるから全くその規制の外であるというわけにもまいらないのじゃないかと私どもは考えておりまして、その意味では、もしそういう有事規制を必要とするような事態が起こった場合におきましてはオフショア取引もこの例外ではないだろうというふうに考えております。  ただ、そもそもこのオフショアをつくりました最大のねらいが、できるだけ自由な市場をつくろうということでございますから、そういう意味ではこの有事規制の発動についてもますます慎重な考慮は必要になってくるだろうというふうに考えております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 参議院における議事録を拝見いたしますと、四月三日に同僚委員鈴木委員の質問に対して、東京オフショア市場の将来について「その意味での考え方というのは、俗な言い方でございますけれども、小さく産んで将来大きく発展することを期待していきたい」という表現の答弁がございまして、それを受けて竹下大蔵大臣は、「きょういみじくも行天局長から私どもが平素話しておる表現でお答えがありました、小さく産んで大きく育てる、非常に観念的な表現でございますが、そういう気持ちで対応をしておることは事実」という答弁が出ております。  これは非常に象徴的な表現でありますが、私どもが資料を見ますと、これと全く同じ表現をしておる方がおられるのです。これは東京銀行会長の柏木雄介さんでありまして、ことしの二月二十一日に「東京オフショア市場の創設」という題でホテルオークラで講演をしておられます。  それを見ますと、この中で「法人税の面での優遇措置はなく、地方税や印紙税の減免も差し当り予定されていません。わが国の地方税法六条によりますと、「公益上その他の事由」が存する場合には地方公共団体が地方税を非課税とすることが認められており、今後十分検討されることが望まれます。」ということで、ニューヨーク州税あるいはニューヨーク市税の例を挙げまして、そのほかにCDの発行から非居住者発行の有価証券への投資とかいうようなものをずっと挙げて、その最後に「今後大切なことは、「小さく生んで大きく育てる」という喩のとおり、」云々、こうなっているのです。  そうすると、あなた方の言われる小さく産んで大きく育てるというのは、この柏木雄介さんの考えておられるような、こういうこともやってほしい、ああいうこともやってほしい、税金ももっと免除してほしいということを将来はやろうということで小さく産んで大きく育てると言っておられるのかどうか、伺っておきたいと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 オフショアの創設に当たりまして、率直に申しまして二つの相反する要請があることは事実でございます。一つは、できるだけ自由な市場をつくりたい、もう一つは、しかしながら国内の現実というものを無視するわけにいかないし、またこれが国内の秩序に対して悪影響を及ぼすようなことは避けなければならない、この二つでございます。  私どもが小さく産んで大きく育てたいということを申しましたのは、そういった現実の制約の中で生まれましたこの市場というものは、まさにねらいでございます金融の自由化、円の国際化の促進というものに役立っていくために国内の自由化というものが今後もっともっと進むことは当然期待されますし、また仮にそれが進んでいけば、先ほど申しました相反する制約要因というものもだんだんと変わってくる可能性はあるのだろうと私は思っております。また、そういったことは必ずしも日本の国内だけで考えられる問題でもございません。現在の日本の経済の国際的な立場を考えますと、国際的な金融の変化というものもそういうものに影響を及ぼすことは、今までもそのとおりでございましたし、今後もそういう事態は続くのであろうと思います。ですから、私どもはあくまで、将来特に何を具体的な要望として考えておるという意味ではなくて、この市場が一たん生まれた後、それがまさに世界の金融の進展と日本の国内市場の自由化を反映いたしまして一層所期の目的にかなうようなものに発展していってほしいという願いを込めまして、大変俗な言葉でございましたけれども、小さく産んで大きく育てたいということを申し上げた次第でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 円の国際化が進みましてユーロ円市場が大きくなってまいりますと、その市場を通じて各種の取引が行われ、円に対する投機が起こってくることは避けられないことである。しかもオフショア設立によって自由に動き回るユーロ円が大きくなれば、為替相場に大きい影響も避けられないのではないかというように思います。  これは四年ほど前の「金融財政事情」でありますが、日本銀行外国局長の太田さんが、「東京オフショアセンター創設は慎重に対処せよ」という題の論文の中で「自由に動き回るユーロ円が、オフショア設立によってふえることになれば、為替相場に対する影響は避けられなくなってくる。」というように書いておられます。今、円の為替相場が非常に問題になっておりますときに、こういう問題についてどういうようにお考えか御所見を承りたいと思います。  なお、先ほどの問題についても後で大蔵大臣から一言御所見を承りたいと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 私どもは、オフショア市場の創設によって期待どおり円の国際化が進む、つまり円というものがより有効、有用な国際通貨として幅広く使われることになる、そういうことが円の為替相場に悪影響を及ぼすとは思っておりません。確かに、円の取引が拡大するということは、円と外貨との間の為替取引の量がふえるということになるでございましょう。しかし、現に東京の外国為替市場というのは毎日毎日五十億近い直物取引が行われておりますし、恐らくそれに倍するスワップ取引が行われていると思いますので、それだけとりましても既に年間で何兆ドルという規模の金が動いているわけでございます。したがいまして、私どもは、このオフショア市場の結果そういった円と外貨の取引が量的に相当ふえたとしても、それが直ちに円相場に悪影響を及ぼすということはない。むしろ、もしこういった制度、仕組みによりまして円の国際化が進み、より多くの海外の機関あるいは人々が円を持つということになりますれば、大体相場といいますものはあくまで需給関係でございますから、投機というものがあってもそれに反する取引は必ずあるわけでございますから、取引の量が多くなればなるほどある意味では市場全体としての安定性は増すということも考えられるわけでございますので、現にユーロドルにつきましても、一兆ドルを超える市場になっておってもあのユーロドル市場があるためにドルの相場が非常に乱れておることはないだろうと思いますので、私は、その意味におきまして円の国際化のために役立つとすれば、それは広い意味では円の相場というものが正しく日本の経済の実態を反映するようになるという意味では安定材料にこそなれ、不安定材料になるわけはないと思っています。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 時間でございますので、最後に、オフショアセンターにおける租税問題に関する情報交換についてどうお考えか、伺っておきたいと思います。  ここに八五年十二月三十日の日経でございますが、「SECはこのほど、英国の貿易・産業省に対し、情報交換の合意を求める書簡を出した。」ということで、不正防止についての情報交換ということが言われておりますが、日本の財政当局はこういう点についてどういう御所見でございますか、承りたいと思います。

行天豊雄大蔵省国際金融局長

○行天政府委員 このオフショア内外遮断を実効あらしめるために、区分経理をするということが非常に重要になるわけでございます。この区分経理を具体的に技術的にどういう形でやるかということにつきましては、この法律を御承認いただきました暁に鋭意、できるだけ早急に細目を決めてまいりたいと思っておるわけでございますが、その際、こういった制度が迂回取引等によって脱税に利用されることを防ぐということが大きな眼目になるわけでございますので、私ども、従来からこの問題につきましては税務当局の意見も十分聞きながら検討を進めておるわけでございます。したがいまして、今後とも税務当局との間の協力は必要に応じましてできるだけ緊密にやっていきたいというふうに考えております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 大臣、ございませんか。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 いわゆる小さく産んで大きく育てる、その中の要素として税の問題も、それはだんだんやっているうちに出てくると思いますが、これは国内税体系というものとのぎりぎりの接点で今日小さく産んでいただきつつあるわけでございますから、いろいろな要求が出ると思いますけれども、基本的にはその情勢の推移の中で、これは可能だとか、可能でないとかという変化は将来あるであろうと思います。  それから二番目の問題は、ちょうどきょう、例えば百六十四円五十五銭で引けて二十六億弱出ているのですから、市場はむしろ大きくなったほど安定するんじゃないか、私はこんな感じでおります。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 終わります。

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 これにより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

小泉純一郎自由民主党・新自由国民連合

○小泉委員長 次回は、来る二十日火曜日午前十一時理事会、正午委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時三十五分散会      ――――◇―――――

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