大蔵委員会 第19号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/05/09
会議録
○小泉委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律案を議題といたします。 本日は、参考人として社団法人日本証券業協会会長千野宜時君、野村投資顧問株式会社代表取締役社長相田雪雄君及びフィディリティ・ジャパン株式会社代表取締役社長蔵元康雄君に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位には、本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、各参考人から御意見をそれぞれ十分程度お述べいただいた後、委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。 それでは、千野参考人からお願いいたします。
○千野参考人 おはようございます。 御紹介いただきました日本証券業協会会長の千野でございます。委員会の先生方におかれましては、日ごろ証券市場の運営に関しまして何かと御高配を賜りまことにありがたく厚く御礼申し上げます。 御高承のとおり、投資顧問業務は欧米では歴史の古い業務でございますが、我が国においては比較的新しい業務分野でございます。しかし、現在では証券業、投資信託業と並んで、証券市場において大きな役割を果たすほどに成長してきております。 長年証券界に身を置き、関係業界の立場から投資顧問業界の発展に深い関心と期待を寄せてきた者の一人として、今回、投資家保護と投資顧問業務の適正な運営を確立することを目的とした本法案の御審議が行われますことは、同業界の健全な発展にとってもまことに意義深いことであると考えている次第でございます。 本日は、法律案の審議に際しまして意見を申し述べよとのことでございますので、証券市場を預かる者の立場から意見を申し上げ、審議の御参考に供したいと存じます。 まず、最初に、本法律案に対する基本的な考え方について申し上げたいと存じます。 近年、我が国における国民の金融資産は著しい伸びを示しており、昭和五十九年末には個人、法人を合わせて九百二十四兆円と、十年前に比べまして約三倍となっております。 金融資産が増加するに伴いまして、国民の貯蓄の選択基準も大きく変化しております。資産運用に当たっては、収益性重視の傾向が強まり、新しい商品の開発と相まって有価証券への投資が急速に増加しております。 また、金融・資本市場の自由化、国際化の進展に伴い、我が国投資家の対外証券投資は公社債投資を中心としまして目覚ましい拡大を示しております。一方、我が国経済の国際的な地位の高まりを反映して、外国人投資家の我が国への証券投資も着実に増大しております。 このように、国民の有価証券投資の拡大、国際的な資本交流の活発化に伴い、専門家の幅広い知識と高度な判断を有する投資顧問サービスに対するニーズも急速に高まってきております。このことは、証券会社系投資顧問会社の契約資産残高が昭和五十五年九月末に二千七百億円にすぎなかったものが、昭和六十年九月末には四兆五千五百億円と急速な増加を示していることからも回らかであります。 一方、ここ数年来、投資顧問業者と称する一部の悪質な業者による証券投資の不当な勧誘、無免許の証券取引行為等により一般投資家が多大の被害をこうむるという事件が全国的に発生し、これに対する何らかの措置を早急に講ずることが望まれていたところであります。 欧米主要国では、証券取引の基本を律する証券取引法、小口投資家の資産運用にこたえるための証券投資信託に関する法制と並んで、大口投資家をも対象とする投資顧問業に関する法制が設けられており、これらが相まって公正な証券取引、投資家の保護が図られております。 今般、有価証券の投資顧問業に関して新しい法律が制定されますことは、投資家のニーズにこたえるのみならず、投資家保護が図られ、証券市場の今後の発展に大きく寄与するものと存じます。 このような観点から、今回、法律案が提案されましたことはまことに時宜を得た措置であり、本法律案の早期成立が強く望まれるのであります。 次に、法律案の内容の主な点について申し上げたいと存じます。 法律案は、先進主要国の立法例を調査の上、それらとの比較考量を行いつつ、我が国の投資顧問業の実情を十分勘案し、さらに証券取引審議会の審議結果を踏まえて成案を得たものであり、欧米諸国の法制と比べても遜色のない内容であると存じます。 まず、行為規制について見ますと、証券取引行為の禁止を初め、金銭、有価証券の預かりまたは貸し付けの禁止についての規定が設けられております。さらに投資顧問業者に対し、投資顧問契約の締結前に報酬に関する事項、禁止行為等の基本的な事項について書面により開示することとされております。また契約の締結の際には、報酬の額、支払いの方法等契約の具体的な内容について書面で開示することを義務づける規定が整備されるとともに、いわゆるクーリングオフの制度が設けられております。このほか投資顧問業者が行う広告については、自己の投資判断による助言の実績等について、著しく事実に相違する表示や顧客を誤認させるようないわゆる誇大広告についての規制も行われております。投資顧問業者の行為いかんでは投資家の利益が害され、また証券市場の健全性が損なわれることにつながりかねません。これらの規定はいずれも過去に起きた不祥事件の事例を考慮されたものであり、投資顧問業者にこれら一定の行為規制を課すことはまことに適切な措置であると存じます。 次に、開業規制につきましては、投資顧問業の一般的な業務について登録制が採用されております。さらに投資顧問業者のうち財産的基礎、人的構成等から見て適当であると認められるものについては、大蔵大臣の認可により投資一任業務を営むことができることとされております。これは投資家に対する迅速かつ効率的なサービスの提供や海外投資顧問業者との権衡などを考慮いたしますと妥当なことと存じます。また、投資一任業務の認可を受けた業者につきましては、その業務の性格上特に規制を強化し、兼業の制限を行うとともに、顧客の資産の現状についての報告書の交付義務を課していることは適切なことであると存じます。 さらに、投資顧問業に関する細部の規制や業務運営の処理について業界の自主規制にゆだねる法的な根拠を定めておりますことは、投資顧問業の性格や資本取引全般についてデレギュレーションの方向にあることを考えますと現実的な措置であると存じます。 以上、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律案について意見を申し上げた次第でありますが、改めて申すまでもなく、投資顧問サービスは証券会社の営業に関係の深い業務であり、証券市場と密接な関係を有するものでございます。本法律の制定により、我が国においても欧米先進諸国と同様、証券取引法及び証券投資信託法と並んで証券取引あるいは証券市場に関する法制の整備が図られることになるわけであります。これによりまして、我が国の投資顧問業は社会的に明確な位置づけがなされ、新法のもとにそれぞれ特色のある業者が顧客の多様なニーズにこたえ得る業務運営が可能となります。その結果、厚みのある市場の形成が一層促進され、証券市場の拡大、発展が期待されますので、私ども証券界としても大変喜ばしいことであると存ずる次第であります。 さきに申し述べましたとおり、国民の金融資産が増大するとともに、金融・資本市場の自由化、国際化の進展する中で、我が国の投資顧問業の役割はますます重要性を加えてまいるものと存じます。私ども証券界といたしましては、本法律制定を契機として投資顧問業界の発展に一層御協力申し上げますとともに、証券市場が内外の投資家からさらに信頼を得るよう、証券従業員の資質の向上、証券知識の普及など市場機能の強化に引き続き努力を重ねてまいる所存であります。 先生方におかれましては、今後とも、投資顧問業の育成について御指導を賜りますとともに、証券市場の健全な発展のため一層の御支援、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、私の意見陳述を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○小泉委員長 ありがとうございました。 それでは次に、相田参考人にお願いいたします。
○相田参考人 御指名をいただきました野村投資顧問株式会社社長の相田でございます。 本日は、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律案について意見を申し述べよということでございましたので、直接その業務に携わっている者の立場から意見を申し述べたいと存じます。 最初に、本法律制定の必要性でございますが、過去にも法制定是非の議論は何度かあったと記憶しておりますが、今日これが具体化してまいった背景には、金融・資本市場を取り巻く環境が近年著しく変化してきたという事実がございます。今日我が国においては金融資産の蓄積が著しく進み、個人、企業を問わず、その資産運用においてますます収益性志向を強めてまいっております。同時に、金融・資本市場の国際化の進展と相まって、その資産運用方法も国際分散投資の活発化などますます複雑かつ多様化してまいっておるのであります。こうした背景から資産運用について専門家の幅広い知識と高度な判断を求める動きが著しく強まってきております。投資顧問業という業務が存在し、その知的サービスを対価を払っても受け入れようとする社会環境が熟しつつあると言えるのでございます。 しかし一方で、善良なる投資家を欺瞞し暴利をむさぼる悪質な業者が後を絶たぬこともまた事実でございます。今回の法律制定の契機が一部悪質業者の不幸な事件であったことは、我々投資顧問業務に携わる者といたしましてはまことに残念でございましたが、さりとて、この事実をいつまでも放置いたしておきますことは、善良なる投資家の保護を図る上からも一刻の猶予も許されないのでございます。本法律案によりまして、投資家の保護を図るという御当局の姿勢に対し、我々は衷心より賛意を送るものでございます。 ところで、法律案を具体的に見ますに、その目的からして全体的に極めて妥当な内容であり、かつ適切なる措置が講じられているものと存じます。 まず第一に、行為規制の一つとして、投資顧問業者による金銭または有価証券の預託の受け入れ等の禁止の条文が設けられていることであります。過去の投資家と悪質業者とのトラブルを見まずに、業者が金銭、有価証券を預かり、それを結果的に流用してしまうというケースが非常に多いと聞いておる次第であります。投資顧問業者の手元からこれら投資家の財産を切り離し、投資家がみずからの選択において財産の預託先を決定することによりこうしたトラブルの大部分は解消できること等を勘案すれば、これはまことに適切な方策であると存ずる次第であります。 次に、投資家に対して投資顧問業者みずからを開示することを義務づけていることであります。投資顧問業者の経営内容、投資方針などは、はっきり明示されるべきであり、また個々の運用内容、運用成果については正確に当該顧客にディスクローズすることは当然であります。いろいろなことをディスクローズして、投資家に業者選別の判断基準を提供することは何よりも大事なポイントであります。そのことはすなわち投資家サイドの自己責任を明確にすることにつながるのであります。ディスクローズに努めることが投資顧問業信認の王道であると言っても差し支えないと思います。 最後に、投資一任業務が認められますことは、まことに適切な御判断であったと存ずる次第であります。この問題は証取審においても最大の論点であったやに拝聞いたしておりますが、投資顧問業は証券会社のように売買をして手数料をもらうということを収入にする業務ではございません。あくまでも投資顧問料というものを収入とする業務でございます。したがって、投資家も資産運用を任せる対価として投資顧問料を支払っているのだとお考えになっているはずでございます。一部の投資家には投資顧問業者から投資の助言は求めるが最後の投資判断は自分でやるというお方がおいでになるかもしれません。しかし、投資顧問業者をお使いになるお客様は、その最後の投資判断まで投資顧問業者に任せようと考えておられる方が相当数と思われます。かような投資一任サービスを求める声は、資産運用の多様化、複雑化と相まって近年ますます高まってきていると思われます。資産運用の効率性、投資家サービスという観点からも、結局、一任制がなければ投資顧問業そのものの活動がかなり制約されたものになるのではないかと考えておる次第であります。今日、海外からの投資顧問業者の進出も盛んでございますが、欧米におきましては、投資一任業務はごく常識的にとり行われているようでございます。国際的な配慮の上からも、今回の御当局の判断は高く評価されるべきものと存じます。一方で、その業務の重要性にかんがみ認可例を導入するなど、投資家保護に配慮をされていることはまことに適切な措置であると存じます。 以上、今回の法案についての意見を申し述べましたが、証取審の答申にも御指摘のとおり、わが国経済にとって投資顧問業は、証券業、投資信託業等に関連して新しく発展しつつある業域でございます。われわれはこの投資顧問業をすぐれて知的サービス産業ということでとらえたいと考えております。今後いろいろな投資方針、いろいろな運用商品、いろいろな特徴を持った投資顧問業者が誕生してくるものと思います。いずれにいたしましても、投資顧問業者みずからがその専門性、独自性を発揮し、投資家の要望に十二分にこたえられるだけの高度な知的技術を身につけていかねばならないと考えておる次第であります。今後、投資顧問業の国民経済に果たすべき役割はますますその重要性を増してくるものと考えております。私どもとしてはそのことを深く認識いたしまして、投資家保護の精神を年頭に置きつつ、業界の健全な発展に最善の努力を重ねてまいる所存でございます。 諸先生方におかれましても、投資家保護を目的といたしました今回の法案の趣旨をどうぞ御理解いただきまして、一日も早い御審議を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。 最後に、法案の制定に当たりまして、限られた日時であったにもかかわらず、内外の投資顧問業の実情と問題点を詳細に御検討いただき、「証券投資顧問業の確り方について」の答申をおまとめいただいた証券取引審議会の各委員並びに法案制定に御努力いただいた関係御当局に対して、本席をかりまして深く敬意を表したいと存じます。 以上をもってお話を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○小泉委員長 ありがとうございました。 それでは次に、蔵元参考人にお願いいたします。
○蔵元参考人 御紹介いただきましたフィデリティ・ジャパン株式会社社長の蔵元でございます。 本日は、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法体案の審議に際し、意見を申し述べよということでございますので、昭和四十四年以来、日本の証券市場を対象として、海外機関投資家に対し投資顧問業務を提供してまいりました経験から、我が国の投資顧問業の健全な発展を切望する者の一人として意見を申し上げたいと思います。 まず、本法案に対する考え方でありますが、我が国では近年、国民金融資産の急速な増大並びに国民の有価証券による資産運用のニーズの著しい高揚が見られますが、かかるニーズの重要な担い手の一つであるべき投資顧問業及び顧問業者については、一部悪徳業者の不当勧誘等の不祥事のため、我が国では従来暗いイメージすらありました。しかし、昨今の急速な金融、資本の自由化、国際化に適切に対処し、世界第二の市場規模にまで育ちました我が国の証券市場の一段の効率化を図り、かつ、上述の国民的ニーズの高まりに対応するには、我が国における投資顧問業の早急な体制整備が緊急事と存じます。 証券市場の最も発達しておりますアメリカでは、一九四〇年に証券投資信託法と投資顧問業者法の二つが一つのパッケージとして制定され、特に後者は詐欺的行為から投資家を保護することを主目的としたものでありました。その後米国では、第二次大戦後、経済の飛躍的発展に伴う資本の蓄積、国民金融資産の増大を背景に、証券市場における資産運用のニーズが著しく高まりましたが、上述二つの法律がこのニーズの充足に果たした役割は大変大きなものがございました。 我が国の今日の姿は、まさに米国のかかる戦後の国民金融資産の形成期、証券市場の発展期をほうふつさせるものがあります。我が国におけるこのような国民的ニーズの受け皿の一つである投資顧問業につき本案が提出されましたことは、大変意義深く、かつタイムリーなことであると考えます。 次に、本法案の中身につき、若干意見を述べさせていただきます。 まず、投資顧問業者を登録制としたことは、一見当該業者の助言能力、運用能力に大蔵大臣がお墨つきを与えたかの感を一般投資家に与える一抹の懸念がございます。この点は第十三条「広告等の規制」によってあらかじめ規制を加えてはありますが、一般投資家の側に投資顧問業者の内容、質につき客観的に吟味、識別する能力が必ずしも備わっていない現状では、投資家保護の観点から、本法案十三条第三項につきまして特に投資顧問業者に十分に周知徹底させることが望ましいと考えます。 次に、投資一任契約の認可の基準、第二十七条でございますが、法案は二つの項目の基準を掲げております。 その第一号については、投資一任勘定の運用という極めて重い責任を伴う業務の遂行には、ある程度の財政的基礎が必要であり、その業務遂行の収支見込みが良好なことも必要でありましょう。特に投資顧問業者の人材の育成、維持のために、会社としての基盤がある程度確立していなければ、継続的に優秀な人材を確保し、また養成することも難しく、したがって、投資一任勘定運用の重責を十分果たし得ないことともなります。ただし、投資顧問業務は、他の金融関連業務と異なり、すぐれて個性的な性格のものでありまして、会社の資本金等財務要件だけを余りに厳しく規制することは、小規模とはいえすぐれた個性的な投資顧問業者の育成に資するとは言えないだろうと考えます。 その第二号におきましては、特に客観的基準づくりが難しいと思われます。特に投資一任契約による運用を公正かつ的確に遂行し得る能力、知識、経験の基準などをどの辺に求めるか。あえて客観的基準と言えるものは、アナリスト、ファンドマネジャーの質と量、すなわち人数、経験年数等ということになりましょうが、有価証券投資ではアナリスト、ファンドマネジャーの数、即運用管理体制の確立とは必ずしも一致しない点を十分考慮して基準づくりを行うことが肝要と思います。欧米でも、すぐれた投資顧問業者の中には、極めて少数精鋭で高い運用実績を長年上げているところも少なくありません。 第三点としまして、本法案第六章は証券投資顧問業協会につき規定していますが、証券投資顧問業協会の目的の一つである投資顧問業の健全な発展に資するためには、投資顧問業者の活動の中心であるアナリスト、ファンドマネジャーの育成、教育訓練の環境づくりに協会自身も参加会員業者とともに積極的に関与することが望ましいと思います。具体的には日本アナリスト協会との提携による社員の通信教育、検定試験への参画等を奨励することがその方策として考えられます。 以上の三点について十分配慮の上、本法案の施行が必要と考えるものでありますが、本法案に盛られました投資顧問業者の開業規制、行為規制等は、特に投資家保護の観点からそれぞれ極めて適正な規定であると考えます。 最後に、我が国における投資顧問業の健全な発展を願う者の一人としまして、直接本法案には触れられていませんが、若干意見を申し上げます。 まず、本法案の成立、施行により、資産運用に関し増大する国民的ニーズにこたえ、かつ、投資家保護の実を上げるためには、その担い手たる投資顧問業者の自覚と研さんが不可欠でありますが、その活動の中核たるアナリスト、ファンドマネジャーの教育、育成につき、その環境づくりが極めて重要となりましょう。 我が国のアナリスト、ファンドマネジャーの養成は、欧米のレベルと比べ客観的に見て質、量ともにいまだかなりの隔たりがあることは否めません。すなわち、有価証券による資産運用規模の急速な拡大に対し、一般投資家の真のニーズにこたえ得る投資顧問業者の育成は十分とは言えない現状にかんがみ、その中心たるアナリスト、ファンドマネジャーの養成、充実が早急に望まれる次第です。 次に、健全な投資顧問業者の育成、発展こそは投資家保護と並び今回の立法の目的の一つでありますが、そのためには、投資顧問契約に伴う報酬の額が適正妥当でなければ、投資顧問業者がその財政的基盤を確立し、アナリスト、ファンドマネジャーの育成、確保も難しくなります。この点、我が国の現状は、欧米の実情と比較して健全な投資顧問業者の発展のためには必ずしも十分ではないように思われます。すなわち、純粋な投資顧問料だけで十分に顧問業者の収支が成り立ち、優秀な人材がこの業界に多数流入するには今の現状はやや不十分の嫌いがあると考えます。 もちろん、投資顧問契約に伴う報酬の額は、契約当事者間で決定する問題でありますので、投資顧問業者サイドもその助言、運用能力を向上させ、十分の社会的信用を築くことが顧客の信用を得、適正妥当な顧問料率に道を開くものであるとの自覚を持ち、一段の努力が必要でありましょう。 上述の努力の結果、将来適正妥当な顧問料率が一般的慣行として我が国で確立されれば、我が国頭間業者の収支基盤が確立され、人材の充実が図られ、我が国資本市場の国際化の中で我が国投資顧問業者の国際的競争力も確保されることになりましょう。 第三に、本立法の目的の一つであります悪徳顧問業者から投資家を保護するという点につきましては、今回の立法措置によりましてかなり満たされていると思いますが、他方、投資家サイドとしましても、投資顧問業者の選択、投資方針、投資態度につき、自己責任原則の確立が望まれます。すなわち、投資の専門家たる投資顧問業者に助言を求める、または投資一任契約の運用をゆだねる以上、投資責任はすべて顧問業者にあり、自分に有利な投資成果のみを時として比較的短期に期待する態度は、投資顧問業者との間にトラブルを生み、投資顧問業の健全な発展にもマイナスとなりましょう。 また、投資家サイドで変動商品たる有価証券への投資につき助言を求め、または投資一任契約の運用をゆだねながら、あたかも確定利率のリターンを求めたり短期的成果を性急に求める風潮は、投資顧問業の健全な発展を長期的に見て阻害するものであり、投資家サイドの自覚と自己責任原則の確立は、投資顧問業者の自助努力、助言能力、運用能力の向上と並んで車の両輪をなすものと言えましょう。 以上で、私の意見陳述を終わらせていただきます。(拍手)
○小泉委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。 —————————————
○小泉委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 ただいま三人の参考人から意見陳述がございましたが、実は、大体私どもの大蔵委員会における法案審議というのは、まず最初に私どもが政府との間にその法案についてのいろいろな問題点について論議をいたしまして、その過程の中で実は参考人の皆さんにお越しをいただいて意見陳述、私どもの質疑を行わせていただくというのが本来の慣例でございますけれども、今回は、審議日程の影響で本日初めてこの投資顧問法の審議に入るわけでありますけれども、この法案について政府の見解を全然ただしてないわけでございます。 そこで、きょうはちょっと時間をいただいておりますので、まず最初にこの法案審議の問題について政府側との間で質疑を行いまして、それを皆さんもお聞きをいただいた上で、その次に私の方から皆さんにお尋ねをいたす、こういう形で本日私の質問を行いますので、事前に御了承をいただきたいと思います。 そこで、皆さんのお手元にお配りした資料がございます。 有価証券の売買一任勘定取引の自粛について (昭三九・二・七 蔵 理 九 二 六 大蔵省理財局長から 各財務局長宛) 標記のことについて、別紙写のとおり日本証券業協会連合会会長あて通知したから、了知のうえ、この趣旨を貴管下証券業者に周知徹底せしめるとともに、この通ちようの実施につき十分な指導、監督を行われたい。 ということで、 別 紙 蔵理第九二六号 昭和三十九年二月七日 日本証券業協会連合会会長 殿 大蔵省理財局長 これを読んでおきますので……。 有価証券の売買一任勘定取引の自粛について 証券取引所の会員が顧客から有価証券の売買取引について売買の別、銘柄、数及び価格の決定を一任されてその者の計算において行う売買取引は、有価証券の売買一任勘定に関する規則(昭和二十三年七月二十四日付証券取引委員会規則第一五号)で制限されているところであるが、最近の証券業者と顧客との間の紛争をみると、有価証券の売買取引について売買の別、銘柄等の決定について顧客から一任されてその者の計算において行ういわゆる売買一任勘定取引に起因するものが多く見受けられる。この種の取引は、その方法のいかんによっては、自己の判断と責任で投資するという健全な投資態度を歪めるばかりでなく、顧客との間の紛争を招き、証券業者の信用をそこなうおそれもあるので、一般に証券業者は顧客のために、この種の取引を行うことを自粛されたい。 証券業者の自粛にかかわらず、顧客の強い要請により、一任の内容に売買の別および銘柄の決定を含む一連のいわゆる売買一任勘定取引(以下売買一任勘定取引という。)をやむを得ず特別に行う場合は、証券業者は下記の手続を遵守することとし、またその役職員が個人の資格で顧客のために売買一任勘定取引を行うことは絶対にないよう十分監督するとともに、今後下記の手続をとっていない取引について顧客との間に紛争が生じた場合には、証券業者が売買一任勘定取引であったという抗弁をすることのないよう指導されたい。 この趣旨を貴会会員に所属する証券業者ならびにその役職員に周知させ、その指導に万全を期するとともに、一般投資者に対しても周知徹底をはかられたい。 ということで、後に「記」として詳しくいろいろな条件が書いてございますけれども、厳しい制限を課する通達が昭和三十九年二月七日に出されているわけであります。 私は昭和三十五年から大蔵委員会に参りまして、証券問題についていろいろな調査研究をし、国会においても論議をいたしておりましたけれども、この一任勘定を含めて紛争が非常に起きて、それは証券会社は知りません、特に、正会員である者の中にすらそういう事故が起きたという歴史が過去にありまして、こういうことでは証券業の健全な発展は望めない、一任勘定をやめるべきである、強く理財局証券部長の方に要求いたしまして、その結果実はこの通達が出されたわけであります。 証取法の改正も、私が田中大蔵大臣との間で、今の紛争をベースにした形では登録業者では今のトラブルは避けられない、少なくとも証取審の答申も出ておるから免許制で行うべきであると、これは昭和三十九年四月八日の大蔵委員会で論議をいたしました。その席上で当時の田中大蔵大臣が、証券部長の加治木さんは大臣ひとつ慎重にお願いしますと盛んに言っておられる中で、今の堀委員の提起については事務当局は極めて消極的でありますけれども、一年や二年でやってもらっては困ると言っておりますが、私は政治家の立場として堀委員の提案に賛成であります、たまたま内閣委員会に証券局の設置法をお願いしておりますが、これが通過をさせていただきましたら直ちに免許制に取りかかります、これが証取法改正の最初の大蔵大臣の発言でございまして、これによって御承知の免許制、あるいは免許制というだけではなくて、業務の、ブローカー、ディーラー、アンダーライターに区分した免許をする、これも私の提案でありますけれども、これらの私の考え方に基づいた証取法の改正が行われることになったのでありまして、法律としては、この一任勘定の自粛制限の問題は旧証取法の百二十七条にございまして、その部分はそのまま新法の百二十七条に移っているのでありますが、これで証券業界に対する一任勘定は禁止と同様の効果をもたらすことになった歴史的な経過があるわけであります。 しかし、先ほどから参考人がお話しになっておりますように、欧米の状態を見ましても日本の国内におきましても、国民の金融資産が次第にふえてまいりまして、あるいはまた企業年金その他厚生年金基金というようなものがだんだん大きくなってまいりまして、今参考人がお述べになったような投資顧問業というものに対するニーズが高まってきたわけであります。 そこで、私はこの問題を提起して言うなれば一任勘定が行えないように問題を処理したものでありますから、適切な時期にこういうシステムをもう一遍法制化する必要がある、こう考えておりましたが、大蔵省の人事というのは、銀行局という局はかなり優遇されておりまして銀行局長が一年でかわるなどということは大体ないのでありまして、最低二年長いときは三年いるということでありますけれども、証券局長というのはどういうわけか任期が短くて、吉本証券局長以来、その後の証券局長は全部一年ずつなのであります。局長が一年ということになりますと、その局の専門的な知識を持っておれば別でありますけれども、おおむねその他の局から来る方は、局長として仕事をなさるためには半年以上が勉強のためにかかります。あと半年では法案の整備はできないのでありまして、私は公式にこの委員会の中で証券局長を二年にしろ、それでなければ法律ができぬじゃないかと、投資顧問法をやってもらおうと思うために何回かここで論議をいたしました。 私も長年大蔵委員会におりますので、この人が一年しかできないか二年いけるかは年次を見れば大体わかりますので、たまたま佐藤徹さんが証券局長になりましたときに私は佐藤局長に、佐藤さん、あなたこれなら大体二年いけるぞ、だから、見通しが立ってからでないとまずいが、見通しが立ったら、あなた投資顧問法をやってくださいよ、こういう話をしておりました。そこで、昭和五十九年の人事異動の前に見通しが大体固まってきましたので、佐藤さんに、大体間違いない、あなたは二年目に入ったら直ちにこの投資顧問法の作業にかかってくれ、こういう話をしたわけであります。 実は、この投資顧問業法の中の今の二十四条に関する一任契約の投資顧問業だけが当初私の頭の中にあったのでありますが、御承知のように昭和五十九年八月に投資ジャーナル事件が起きてマスコミが大々的に取り上げたものですから、そうすると今の、問題になっておる投資顧問業を無視して一任契約だけを法制化するのは無理があると判断いたしました。そこで、五十九年十一月にアメリカに参りまして、ニューヨークでアメリカの投資顧問業を詳しく視察いたしまして、そうしてこの問題についての考え方をまとめて、大蔵省の皆さんに大体こういう方向でひとつ投資顧問法をつくったらどうでしょうかという提案をさせていただいたというのが、実は今日までの経緯でございます。 そうしてきょうここでこの法案を初めて審議をするに当たって、ですからこの法案は二つの問題を含んでおるわけであります。一つは、要するにベースになっております投資顧問業者、これはこの法律第四条で「登録」を書き「登録の申請」その他の条件ををずっと書きまして、少なくとも一般的などこれまで言われておる投資顧問業、今の一任契約にかかわりのないものをベースに、ずっと法律は書いてあります。この法律がベースに書いてあるものが一つでありますね。 大蔵省にちょっとお尋ねをしますけれども、現在、今の一任契約でない投資顧問業というのは、完全にはなかなか把握できないと思うのでありますが、大体どのくらいあるというふうに承知いたしておりますか。
○岸田政府委員 現在は法律的に投資顧問業を監督いたしておりませんので正確な数字はわかりませんが、財務局を通じまして調べたところでは約四百ぐらいということであります。また、年々非常に増加の率が高くなってきておるという現状でございます。
○堀委員 今証券局からお答えがありましたように、四百ぐらいのものがいわゆる投資顧問業として現存しておりますが、法律がありませんから登録でも何でもありませんので、正確にはなかなかわからないと思います。しかしこれは明らかに問題が起こる余地のある状態でありますので、これをまず規制することは当面必要でありますが、そういう一般的な投資顧問業と、それから二十四条で私が当初法案として考えておりました一任契約に基づくところの、要するに欧米型の投資顧問業というものと、実はここに二つのものが一つの法律に書き込まれているわけであります。 そこで、これは法律でもこの二つのものに差があるということがいろんなところにずっと出てくるわけでありますが、今の片方を私は投資顧問業者、片方を投資顧問認可法人、こういうふうに何か区別をしませんとわかりにくいので、片方は投資顧問業者、片方は投資顧問認可法人——一任契約を認められるものは法人しか認められておりません、法律として。普通の投資顧問業者の方は個人、法人とも認めておりますから、基本的に差がありますので仮にそういうことで呼ぶとして、この二つの法律上における違いをちょっと証券局の方で答えてもらいたいと思います。
○岸田政府委員 基本的には、投資一任ができますのは認可という行為があるというふうに、非常に大きな違いがあるわけでございます。 この二つの区別でございますけれども、法律上では、これは投資顧問に登録しましたときに、認可法人であるか普通の登録業者であるかというのは付記をいたしまして、明記をさせるということで違いをさせておるという状況でございます。それからまた、いろいろな面で取り扱いについて区別をこれからは行政的にやっていきたいなというふうに考えております。 例えば標識でございますけれども、これは投資顧問業者であるかどうかということは基本的には標識によって区別をさせるわけでございますが、そのときの、認可法人と顧問業者とではその標識の方式を変えていきたいというようなことも考えているわけでございます。それからまた、広告宣伝の場合に、普通の一般業者につきましては、これが証券取引行為ができないということを明記させるというような方法も考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、この二つの種類があるということを一般的に周知徹底させなければいけないと考えておりまして、法律を成立させていただきました途端にこのPRにかかりたいというふうに考えている次第でございます。
○堀委員 実は、これは法律的にもかなり違いがございます。現在のこの法律の三十三条「準用規定」というのがございまして、これは法律用語でありますから大変わかりにくいのでありまして、「第十二条から第十六条まで及び第十八条から第二十三条までの規定は、投資顧問業者が第二十四条第一項の認可を受けて投資一任契約に係る業務を行う場合に準用する。」こう書いてあって、いろいろあるのであります。 ちょっとわかりにくいので少し整理をしてもらったのでありますけれども、この整理をされたものの中で非常に重要なのは、要するに一任契約を受けるものにつきましては、この十八条に「投資顧問業者は、その行う投資顧問業に関して、顧客を相手方として又は当該顧客のために証券取引行為を行ってはならない。」こういうふうに書いてあるのでありますけれども、この一任契約の認可法人の方は、前段の方は同様でありますけれども、後段の「又は当該顧客のために証券取引行為を行ってはならない。」という点については外されているわけでありまして、ですからそういう意味では基本的に非常に性格が違う。さっきもお話がありましたけれども、兼業が認められないというようなことを含めて、法律の体系そのものの中でかなり性格が違うことが明らかになっておるわけであります。 そこで、今局長の方から、法律そのものはなかなか国民が読むわけではありませんから理解がしにくいのでありますが、一番問題なのは、二つの中で厳しく規制をしておりますのは、投資顧問業者というふうな形で一般的に書かれていて、今証券局長の答弁で約四百ぐらいあるだろうと言われておるものが投資ジャーナルその他の問題のベースになったものでありますので、ここのところと今の認可法人になっておるものとが、国民の側から見るとよくわからないわけです、率直に言いますと。ですから、これは違うものだという認識が国民の中に浸透しないと、今の蔵元参考人がお話しになった、ちょっとこれは大蔵省が登録をすると何だか格が上がって安心なものになるのではないかという心配があると言われましたけれども、確かにそういう懸念が生ずるおそれもあると考えるわけであります。 その限りにおいて、私はこれらの問題の中で、今の「標識の掲示」とか「広告等の規制」だけではなくて、この四十二条の「証券投資顧問業協会」の部分が、少し考え方を追加する必要があるんじゃないか。というのは、四百名の投資顧問業者の協会になるんだと思うのですね、これらを含めて。ところがここは、さっき蔵元さんが言われた、アナリストやファンドマネージャーとそれはもちろん無縁ではありませんけれども、アナリストやファンドマネージャーを大いに育成してどうこうしようということが、この四百もある投資顧問業者にとってそれほど緊要なことであるかというと、私は、アナリストの方は多少関係があるかもしれませんが、ファンドマネージャーというのは一任契約に関するものにおいて最も重要なのでありますから、そこでやや異質のものを一つの協会にまとめるというのは問題があろうかという気がします。 ですから、法律はこのままでいいのでありますけれども、やはりこの際は、証券投資顧問認可法人協会というような、少なくとも私が当初に考えておりました、主体として考えた方の二十四条に言うところの投資顧問業というものの方がこれから日本経済の中では非常に重要な役割を果たす部分でありますから、そういうものの設立がどうしても必要ではないかというのが、実は私がこの法案を読んでみての一つの私なりの結論であります。 ですからここは、何も新たに証券投資顧問認可法人協会というものをつくってはならぬという規定を法律はしてないわけでありますから、これはまた別個に一つそういう協会がつくられて、その中で、蔵元さんがお話しになったようなアナリストなりファンドマネージャーの育成や——その他いろいろな問題があると思います。というのは、手数料といいますか、フィーの決め方についても認可法人の中での話が一つあって、顧問業は顧問業でまた別の手数料になるわけでありますから、そこらは質的にも異質であるし、量的にも異なってくるのが相当な問題ではないのか。こう考えますと私は、システムとして証券投資顧問業協会、全国のものもあっていいのでありますが、後の方の認可法人協会の方は幾つもつくる必要はないので、東京に一つあればそれで用が足りるのではないか、こんな感じもいたしますので、これらは証券局として今後、法律が通過をした後に、この法律の運用について今私が取り上げましたような問題をひとつ整理をしていただいて、必要な政省令を整備しながら、本来の投資顧問認可法人というものを育成強化しながら、もちろん投資顧問業者も勉強してもらって、適切な助言が投資家に与えられることは大変望ましいことでありますからその面も必要でありますが、より大きな必要があるのはどうもこの二十四条の投資顧問業者だと私は考えますので、その点をまず最初に政府当局に要請したいと思います。 ちょっとこれについて答弁をしていただいてから、参考人の皆さんと質疑をしたいと思います。
○岸田政府委員 先生御指摘のように、具体的な問題につきましては法案の成立後検討したいと考えておりますが、協会の問題につきましても、先生御指摘の点を十分わきまえて今後検討してまいりたいと考えております。
○堀委員 それでは、参考人の皆さんに今ちょっと申し上げたような問題を下敷きにしながらこれからお伺いをいたしたいと思うのでありますが、問題の性格上、先に投資顧問会社の方からお尋ねをして、後でひとつ証券業協会長にお尋ねをするという形にさせていただきたいと思うのであります。 そこで、実は資料を見ておりますと、証券系の投資顧問会社というのが現状で十四社あるようでありますけれども、一番歴史の古いのは、設立年月日とすれば、山一投資顧問株式会社が四十六年十一月二十二日ということで大変古いようであります。その次が大和投資顧問、四十八年六月一日、その次が新日本投資顧問、五十一年七月、あとは、野村投資顧問が五十六年一月八日にできて、大体それ以後ずっとふえている。岡三投資顧問というのが五十年に入っていますね。こういう形で専業の投資顧問会社が生まれたと思うのであります。ずっと資本金なんかを拝見しておりますと、大変ばらばらでありまして、五千万円ぐらいの資本金のところから、大和投資顧問の八億、野村投資顧問の七億五千万円というのが六十年十月末の調査で出ておるのであります。陣容におきましても、多いところで大体百人、実際には六、七十人というのが大宗でございます。 そこで、お伺いをいたしたいのは、今日まで法律でなしにやっておいでになって、さっきちょっと蔵元さんの方では、日本の場合手数料でありますか、それらの問題が少し低いのじゃないかというような話もありますが、今日まで野村投資顧問の例で結構なんでございます、結構これは成り立つ業務として運営がされてきたと思うのでありますけれども、当初は必ずしも収益が上がってないかもしれませんが、大体今日の状態では今の投資顧問会社というのは収益上はどんなことでございましょうか。今の手数料の状態で大体何とかやれるということなのか。やはり今後、人数をふやしたからといってこれは収益に関係しませんので、やはり能力のあるファンドマネージャーがやらなければ収益は伸びないと思うのですが、そこらについての御判断を相田参考人からちょっと伺いたいと思います。
○相田参考人 私どもの収支状況、そういう御質問だと思うのですが、今までのところ大体収支は私の会社の場合にはきちっと合っておりまして、公認会計士の監査も受け、健全経営の線に沿ってやっていると思います。 ただ問題は、これから先、人を十分に我々蓄えていかなければならない、それからコンピューターに伴う投資をどんどんしなければいけない、いろいろな要因がございまして、コストはやはり高まっていくだろうと思いますので、契約資産をふやすことと、先ほどもちょっと出ておりましたが、投資顧問料そのものを若干上げていくというふうなことに我々の努力を積み重ねていくことによって、経営は十分に成り立っていくだろうと考えております。 以上であります。
○堀委員 蔵元参考人、本来会社がアメリカの会社でありますから今の手数料その他はアメリカ式なのか、日本のその他と同じようなのか、私詳しくは承知いたしておりませんが、皆さんのところの過去の経過ではどんなぐあいでございましょうか。
○蔵元参考人 今の先生の御質問でございますが、先ほど意見陳述で申し上げましたように、私のところは海外の機関投資家に対しましてのみ投資顧問業をやっておりますので、日本のお客様はおりません。ですから、直接にはわかりませんが、例えば海外分散型とか、そういう付加価値のある、特にポートフォリオといいますか、資産運用については一般の料率より高いとかということがございますが、一般的に言いましても、アメリカの料率でございますが、例えば日本におりまして五十億までが例えば運用資産の〇・六%、五十億を超える部分、百億までが例えば〇・五といたしますと、国際的に分散するようなポートフォリオの場合にはそれよりおおむね二割ぐらい高いということもございますが、日本では直接私どもやっておりませんのでちょっとお答えできません。申しわけございません。
○堀委員 そうすると、要するにアメリカの機関投資家のあれを日本の株式で運用するという形の投資顧問会社なんでしょうか。
○蔵元参考人 さようでございます。
○堀委員 わかりました。それではちょっと投資家が違うわけですから、アメリカの投資家はアメリカのシステムでこういうフィーだという式で認識されておりましょうから、日本のものとはちょっと重ならないというのはわかりましたが、私は、この投資顧問業の問題を提起しましたときに、国内的な問題もさることながら、金融市場の中における国際性という問題をこれから非常に強く求められる時代になってきておると考えているわけであります。一昨日もその問題に関連して、大蔵省がこの二月、三月に発行しました短期国債について源泉徴収を取ることになっているのですが、私は、短期金融市場の商品に源泉徴収などを取るというのは非常に市場の拡大にマイナス要因だ、こういう認識であるものですから、そういう意味でこれを少し国際均衡にすべきだ。前川報告でもこの点については、短期金融市場の育成は喫緊の事態だが、税制の問題が非常に問題になっているということを触れているのであります。 そういうところで、実はこれは後で千野参考人にもお尋ねをすることになるのでありますが、外国から日本の市場に参入したいという金融機関というのがいろいろな形であるのでありますが、日本の金融機関構造というのは大変固いシステムになっているものですから外国の業者がなかなか参入できない。この前、信託銀行の問題についていろいろと大蔵省が信託協会との間で話をして、入行の新規参入を認めると言っていたのですが、いろいろの関係で九行を認めなければならぬ。そうすると、信託協会とすれば、八つという約束が九つになるのじゃ困るというのでいろいろ意見があったと思います。そうすると、それなりのフェーバーを信託銀行の方に与えようということでまあまあと、こうなるわけですね。これは後で伺いますが、証券業者も東京証券取引所の正会員になりたいといっても、それはなかなかなれない。あらゆるものがなかなか市場参入できない。これが、今の貿易収支の黒字だけでなくて、経常収支の黒字もだんだん大きくなる中で、日本はすべてが市場閉鎖ではないか、アンフェアだ、こうなってくるわけでありますね。 私は、投資顧問の会社ができるときに、これは実はこちらにシステムがないわけであります。ですから、新しい金融機関というようなものができるわけですから、これはどうぞひとつ——これまで大変国内では証券業と銀行とがこうこうやっている。今もありますが、そういうような問題でなしに、この問題は証券の皆さんもどうぞおやりください、銀行もおやりください、生命保険であれ何であれ、外国からも、どうぞおやりください、まさに参入の自由をこれで確保できるのではないか。そういう意味では、今の新しい法制化をすることによって、外国からの参入に道を開くという意味でも国際化のために大変役に立つ法律になる、私はこういう考えを持って問題を進めておるのであります。 しかし、そうなってくると、相当競争が激しくなるということが前提になるわけであります。確かに運用資産はだんだん大きくなってきますが、しかし参入者が、まだ現状はそんなに多くないのですが、これからだんだんふえてくるということになると、まさに競争原理でありますから、いいところは収入がふえますでしょうけれども、そうでないところは必ずしもふえない。いいところはそのときに手数料を適切に上げてくれるといいのだけれども、これがちっとも動かさないとなると、これは格差ができてきて下の方は大変まずいことになるので、これらの問題というのが、さっきお話がありましたけれども、私は非常に今後の問題点になってくるのじゃないか、こう思うのですね。 しかし、さっきもお話がありましたけれども、今の資本主義社会というのは自己責任の社会ですから、これはどこかが決めるということではなくて、相対契約で問題が処理されるのでありますからこれこそ契約で決めていただけばいいのでありますけれども、競争がこれから激しくなるという前提では国内における手数料水準というものはなかなか簡単に上げにくいんじゃないだろうかというふうな気もするのですが、相田参考人、そこらはいかがでございましょうか。
○相田参考人 今先生手数料というふうにおっしゃっていますが、私どもは投資顧問料というふうに申し上げたいのです。 確かに、事の実情からいいますと、海外の方がかなり先行した歴史的な位置づけを持っておりますので、今先生のおっしゃった意味の手数料ですが、投資顧問料のスケールにつきましては、いろいろの業者、多面多様的な業者がありまして、それにふさわしい認知を世間もしておりますし、お客さんの方もそういうことで手数料いわゆる顧問料を払っておる、こういうのが実情でございます。国内は何にも法律もありませんし経験もない中で各社おのおのスタートした経過を持っておりまして、現在ばらばらではありますが、大体落ちつくようなところに今数字が出ておるわけであります。それで、やはり競争があるものですから、競争の結果なかなか顧問料を上げにくいという、一般的な話ですが、あると思います。 それから最終的に申し上げたいのは、この投資顧問業というのは、どこまでもパフォーマンスがどういうふうに示されるかが最後の決め手でございまして、そのものの言うなれば競争、勝負、それが最後のレーゾンデートル、存在理由になるのじゃないかと考えております。したがって、これからの外国業者の参入、また日本の中でもいろいろな形の参入が出てくると思いますが、いずれにしても、いい意味での競争が行われることは私どもは歓迎でございます。その中で切磋琢磨をして立派なパフォーマンス、運用成績を上げるような形の会社になりたい、それが私どもの悲願でありまして、恐らくこれから認可を受けて進む業者は、ほとんど間違いなくそういう自覚と覚悟を持っておるのではないかと私は考えております。 以上であります。 〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕
○堀委員 ここに大蔵委員会の調査室が「顧問料体系」ということで例を出しておるのでありますけれども、五億円までの金額は三百万円の年間顧問料、五億円超十億円までの金額は〇・四%、ずっと〇・三、〇・二とあって、最高百億円超の分について〇・一%、こういうふうな率が実は出されておるわけであります。 アメリカでは、こういうような一種の金額についての顧問料もあるのでしょうが、成功報酬もたしかあるのじゃないでしょうか。蔵元さん、お答えいただきたいと思います。
○蔵元参考人 今の先生の御質問でございますが、先ほど触れました一九四〇年の投資顧問業者法に対する規則の二百五条の三というのが昨年の十一月十四日に制定されまして、それによりまして、御指摘のように顧問業者の成功報酬制が認められるようになったわけでございます。
○堀委員 アメリカも長い間成功報酬を認めてなくて定額で処理をしてきた、その背景その他は私はよく知らないわけであります。今どういうふうになっているか、私もまだつまびらかにしてないのでありますけれども、定額のものがあって、その上で何か一定の水準を超えて運用益が出た場合には成功報酬と、こういうふうになるのか、とれは全然別建てのものなんでしょうか。ちょっとそこを、どちらの方でも結構ですが、お答えいただければと思うのです。
○相田参考人 先生もいろいろ御存じだと思いますが、アメリカで去年、成功報酬を一定の資格、一定の条件で認めるようになりました。それまでは長い経過、禁止しておったわけです。 それで、その形はこういうふうになっているんだそうです。八五年末、SECは一定のルールのもとで許可することを決定した、こういうことでありますが、対象顧客は運用資産が五十万ドルあるいは純資産が百万ドル以上の大口顧客に限る。それから計算の基準、これが御質問のポイントだと思いますが、マーケットインデックスを一定率以上上回る、その額掛けるX%、これがインセンティブフィーだと思います。それでよろしゅうございましょうか……。
○堀委員 日本の場合には、今の顧問料は、相対契約ですから、この法律では何も規制をしていないわけですね。ですから、今の問題は将来的には、私は、大体日本ではアメリカがやったことというのは、すぐはなりませんけれども何年がおくれて日本でも行われるという格好になると思うので、確かに今の成功報酬というのは運用に対するインセンティブをさらに強くするということがありますが、運用収益が高いということは裏返すとリスクもあわせて高くなるということでありますから、これは今後の検討課題として、私どもも今後のアメリカのデータ等を取り寄せて少し勉強したいと思うのであります。 投資顧問業でない証券業協会の証券業者の立場から、今の成功報酬というアメリカの新しいやり方についてどんなふうにお感じになっているか、千野参考人から伺いたいと思います。
○千野参考人 証券会社の手数料における成功報酬……(堀委員「いや、違うのです。投資顧問会社の話です」と呼ぶ)投資顧問会社の成功報酬について証券会社としてどういうふうに考えるかということでございますと、同じ証券業に従事する顧問会社ではございますが、成功報酬を取ったからといって証券会社の株式営業、有価証券営業に大きな影響が出るとはちょっと思えません。やったことがありませんので皮膚感覚で申し上げるしかないのでありますけれども。 といいますのは、証券会社はいわゆる投資顧問会社のような一任勘定を持っておりません。一任勘定を持っていないということは成功報酬をやりませんので、一個一個の商いの都度決められた手数料をちょうだいするということで商いが完結いたします。したがいまして、成功報酬というのは顧問会社の専用物のように思われます。
○堀委員 私が伺ったのは、証券業は直接関係ないのですが、やはり同じ証券を扱う立場として、証券業はブローカーの手数料ですから、後で触れますけれどもそういう一つのルールがあるわけです。アメリカもこれまでは一定のフィーということできたのですけれども、新たに成功報酬というものが、ロットが非常に大きいのがふえてくるということに関連するのではないかと思うのですが、出てきた。そういう投資顧問に関する成功報酬が導入されたというようなことは第三者としての証券業者の立場としてはどんなふうに思われますかということなんで、証券会社にかかわりのあるという立場で伺っているわけではないのであります。
○千野参考人 皮膚感覚で申し上げますと、私が聞いている範囲では、成功報酬制度を導入する契約は固定手数料がかなり低くなっているのではなかろうかと思います。
○堀委員 今の問題はそこまでにいたします。 そこで、今度この投資顧問業法ができますと、現状では四割は海外での運用、六割くらいが国内運用だというふうに聞いておるのでありますけれども、今後この四割、六割という投資顧問業の対象運用資産はどういう方向に行くと思われますか。相田参考人にお伺いします。
○相田参考人 運用の対象、内容は非常に多種多様でございます。恐らく投資顧問会社ができてまいりますと、おれのところはこうする、あなたのところはこうするというふうに、いろいろな形の投資方針を持ち、かつ哲学を持った会社が出てくるだろうと私は思います。 余り周りのことは存じませんので私の方の感じだけで申し上げますと、私どものお客様からの認知は、まず日本の株式なり有価証券の運用者としてのプレスティージといいますかパフォーマンスを上げることが要求された。その次にアジア、英語で言うといろいろな言い方がありますが、そういった意味での専門業者、運用業者というふうな意味づけがあります。それから、その次のステップがアメリカを除く国際的な場面、その中にはアジアのマーケット、いずれ韓国なども入るかもしれませんがそういう部分、それからヨーロッパ、イギリス、ドイツ、オランダというふうな主要なマーケットを我々の運用対象にする、これはもう入っておりますが、そういった時期がある。最終的な目標は、何年かかるか知りませんが、グローバルなインベストメントのマネーマネジャーになりたいというのが悲願でございまして、そこまで行くにはかなり時間がかかります。 それで、運用の対象は徐々に広がると思います。恐らく通貨の分類、通貨のアロケーションからマーケットの分類から、いろいろな意味のコンビネーションがこれから出るわけでございまして、同時に、株式といいましてもいろいろな種類の株式、転換社債等を含むいろいろな場面があるのではないか、そういうふうに考えております。 以上であります。
○堀委員 かつて一任勘定をやめようというようなときは証券会社も主として株式だけの時代だったわけでありますけれども、今日、債券取引というものが大変大きなウエートを占めてきて、証券業者は未曾有の好決算というふうに新聞で伝えられております。それは大変いいことなのでありますけれども、この非常に収益が上がったというのは、多分に債券取引が非常に大きなウエートを占めてきたことに関係があると私は思うのです。千野参考人、いかがでございましょうか。
○千野参考人 堀先生の御指摘のとおりでございます。
○堀委員 そうすると恐らく、アメリカでもそうですし、日本はどうなっているかまだわかりませんけれども、投資顧問の中には、主として株式、それも成長株を主として扱うとか、いろいろなことをおやりになるのでしょうけれども、主たるものはこうやりますよというので債券を主にするところもかなりあるのではないかと思うのでありますが、傾向とすれば債券の取引というのはこれからますます大きくなっていく。株式の方は、大きくなるでありましょうけれどもロットとしてはそんなに急激には拡大できない、こういうことになるのではないかと思うのであります。 最近見ておりますと、ボンドトレーダーの優秀なのを大変高い給料を払ってでも皆さんお雇いになっておるようでありますけれども、こういう傾向、やはり伸びていくものを運用する方が収益にもプラスになる、こういうことでは投資顧問業も証券業もやや共通している部分があるのではないかと思うのですのその点、今後の投資対象、地域ではなくてですね、これまではやや株式の取引が多かったと思うのですが、債券の取引に関する投資顧問の分野というものが今後どうなるか、相田参考人からちょっと伺っておきたいと思います。
○相田参考人 一言で申し上げますと、お客様のニーズ次第だろうと思います。 お客様の中には、ハイリスク、ハイリターンでやってもらえないか——表現が非常に粗っぽいですけれども、ハイリターンが先でしょうか、ハイリターン、ハイリスクでもいいからやってくれ、こういう御要望もあるわけであります。一般的にはより保守的でございまして、そこそこのところでうまくやってくれというお客様が多い。また、主として日本の株でやってくれ、あるいはもうちょっと広げた形の、英語で言って恐縮ですがエクイティーで勝負してもらいたいというお客様もあります。それから、有価証券の中でのいろいろな種類をよくバランスさせる、債券でも国際的なもの、やや広がった債券類、また期間も多様でございますので、そういったものをよくバランスさせて、バランス型の運用をしてくれないかというようなニーズもございます。 ですから、一概にこういった方向で行けるというふうなことは現時点ではちょっと言いにくいだろうと思いますが、とにかくお客様の方の希望といいますかニーズといいますか、それが逐次変化していることは事実でございまして、それに即応した運用態勢をとっていかなければいけない、こういうふうに考えております。
○堀委員 そこで、今度は少し証券業の問題に入りたいのでありますけれども、大変未曾有の好決算ということでありましょうし、今後も債券取引というものはさらに拡大をしていくのじゃないか。さっき申し上げた短期国債その他の問題も、そういう短期金融市場をつくるということは海外との関係でさらに望ましいというのが私の基本認識でありますから、その場合に、やはりだんだん国際化をしてきますと、一つは実は今の株式の売買手数料という問題がどうしても国際均衡を求められるということになりがちになってくるのじゃないか、こんなふうに思います。 この前、売買手数料のことをちょっと調べたのですけれども、小口はどうもアメリカに比べて日本の方が少し安いようですが、大口はどうもアメリカの方が大分安いというようなことであったのです。この間私は、四月の第一週にアメリカへ参りまして、証券取引委員会の委員長にも会いまして、アメリカのこともいろいろ聞いたのでありますけれども、やっぱりだんだん自由化という方向に迫られるのじゃないかなという感じがするのですが、そこは千野参考人いかがでございましょうか。
○千野参考人 どうもお釈迦様にお話し申し上げるようで甚だ恐縮でございますが、御指摘のように、小口手数料はアメリカの方が日本よりいささか高くなっておりまして、大口手数料の方は日本の方がいささか高くなっております。 委託手数料、株式手数料の国際平準化ということは徐々に行われてくる時代の趨勢であろうと思っておりますが、その国際的な平準化の中で、アメリカのように完全自由化でいくのか、日本のような固定手数料率の中での見直しでいくのか。これは選択もあるだろうと思いますし、証券業界の中でもまだ蓄積の小さいところもございますので、もっと幅広の議論をさせていただかなければならないと思いますが、しかし、手数料の国際平準化というのは常時ウォッチしておかなければならないことだろうと思っております。
○堀委員 今の国際化の問題でもう一つは、私この前、振替決済制度の問題をやりましたときにちょっと触れたのですが、システムの話は対大蔵省の話でありますので別なんですけれども、この間アメリカの会員業者が少しできましたね。しかし、現状のままでは入り口が狭くて欧州からはなかなか入れない、こういうことのようです。これもシステムを変えれば話は簡単なんですが、システムを変えるのはなかなか難しい。言うなれば、恐らく世界の証券取引所というのは大体みんな会員制になっているのじゃないか。私は、どうもこれはギルドの名残みたいなもので、極めて前近代的だ、こう思っているのですけれども、一つの全体の流れがそうであるのはある程度やむを得ないと思うのです。 しかし、私自身は、前回の証取法改正のときに、正会員と非会員というものがあって、証券業者としての主たる業務である証券売買について売買手数料が違う、同一の免許を与えて、主たる業務でそういう手数料その他の差別があるというのはこの証券業の正会員、非会員の問題だけで、あと金融界には何もないのですね。免許を与えられた者は皆、与えられた免許については同一の待遇を受けているわけですから、これはおかしい。それをきちんとするために甲種免許、乙種免許と免許を二つにして処理するならばまだ話はわかるけれども、それが、同一の免許であって手数料が違うというのは主たる業務についてはおかしいというのが基本的な考えだったものですから、それのもとは会員制取引所というシステムにあるから、これを公益法人の取引所にして、免許が一つならば対等の原則だということにしろというのが当時の私の考えでございました。 ですから、あのときやりました証券取引法の改正というのは第一ラウンドだった。第二ラウンドをその次にやれと言っておったのですが、当時の証券局の皆さんが、もうこれをやるだけでも大変だったのです、もうしばらく待ってください、そのかわり森永さんに理事長に行ってもらいますし、公益理事をふやしますから、先生ちょっと時間をかしてください、こういう話で、実は二十年から時間をかしてきておるというのが現状です。 しかし、今のシステムでは新規参入というものは非常に困難だったということになっているわけです。これについては、皆さん方はもう少し新規参入の門を広げるべきだと私は思うのです。アメリカからは相当入ってくるけれども欧州はだめですよということは、裏返せば日本から欧州に出てくるのは困りますよということなんです。銀行、証券会社の六十五条に関係する問題が欧州にはありますから、こちらは多少別ですが、しかし、これもだんだん欧州との関係という点では考えなきゃいかぬ問題になってくるんじゃないかと思いますので、これについての対応はいかがでございましょうか。
○千野参考人 昨年秋にアメリカの証券会社が三つ、ヨーロッパの証券会社が三つ新しく東京証券取引所の会員になりました。で、会員組織の国際化あるいは取引所の国際化ということについては、方向といたしましては全く同感でございまして、今後ともある時期を見ながら、また取引所の物理的な広さなども勘案しながら国際化の線に沿っていくということはあるかと思いますが、去年せっかく認可になりました新しい会員業者の中でまだ営業を開始できない状態にありますのが幾つかありますので、そのような外国の業者の日本における取引所の会員としての実際の活動状況を見ながら、国際化の流れにどう対応していくかということは証券界としては次の大きなステップではなかろうかと思います。
○堀委員 だんだん時代が変わっていくのですが、私はこの間もこの委員会で申したのですが、日本の貿易収支というものは為替がああいうふうになっても簡単に減らない、こう認識をしておるわけであります。そうして油はちょっと下がってきた、まあやがていつかは上がるのでありましょうけれども、そうすると経常収支は大変な黒字になる。大体七百五十億ドルくらいの経常収支の黒になるんじゃないかとも言われたりしているわけであります。それで、アメリカなり欧州から、日本というのはともかく自分一人よければいいんだ、フェアでない、市場が閉鎖されている、こういういろいろな意見が出るわけです。しかし、この間のサミットのころにNHKテレビが連続してやったのを見ましたが、なるほど確かにいろいろ問題はあると思うのです。その問題は問題としながらも、商品輸入というのは非常に難しいと思ったわけです。 私はこの前アメリカへ行きましたときに、ヤイターUSTR代表にもこういうふうに言ったのですよ。アメリカの皆さんは日本が市場を閉鎖しているとかいろいろ言われるけれども、アメリカは二億人の市場があるから、アメリカの生産企業で初めからよそへ輸出しようと思って設備投資をしているようなところがありますか。皆さんのところは国内で十分売れる大きな市場なので、大体そういう考えじゃないですか。アメリカの自動車で日本に来ているのは、ハンドルは全部左ハンドルで、右ハンドルのアメリカの車は見たことがありませんよ。私どもは設備投資をするときから、国内だけの市場では十分でないから、その分、輸出を含めて設備投資をやっているのです。そのためにマーケットリサーチをしっかりやって、相手国民に喜んで買ってもらえるものをつくっているのです。だから今日、日本の商品というのは非価格競争力でアメリカの皆さんが買ってくださっているんだ。あなた方は単に市場が閉鎖されているというような表現で考える前に、あなた方自身がどういうものなら売れるのかということを考えられなければ、押し込もうといったって、一般の国民が買いたくないものは輸入できるはずがないのです。だから、そこはひとつヤイターさんよく考えてくださいよ、こういう話を率直にしたわけでありますけれども、しかし、なかなかそう簡単にいきません。 そうすると、どうしたって圧力が来るわけですから、金融取引関係というものをできるだけ国際均衡で窓を広げて、どうぞここへはどんどん来てしっかり皆さんももうけてくださいという形のものにすることが今日非常に重要な課題だ、私はこう思っておるものですからそれなりにやっているのですが、私の受ける感じでは、どうも税制がいろいろな点で障害になっておるということが大変気になっておるわけであります。 今後徐々に大蔵省当局にも要請をして、そこのところを調整をしながら金融取引をふやしていく、その一つの入口としてさっきも申し上げました投資顧問業の間口を広げておくということが今後に非常に重要だと思っておりますので、そういう意味で今日これが設けられましたことは私は大変結構だと思うのであります。 そういう点で、これからの運用については、今岸田証券局長がお答えをしましたようにこれからひとつ考えましょう、こういうことでありますから、どうかひとつ業界の関係の皆様も、最も望ましいことについて、私もきょう少し述べたわけでありますが、大蔵省の方に、証券局の方に進言をされて、この法律の運用に皆さんも納得がいき、行政としてもこれならいいなというもの、そして投資家も喜んで参加ができるような業界ができることを希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 どうも御苦労さまでございました。
○堀之内委員長代理 坂口力君。
○坂口委員 参考人の皆さんには、大変お忙しいところをきょうはお出かけをいただきまして、まことにありがとうございました。 先ほどから御意見をお聞かせをいただきまして、一、二だけお聞かせをいただきたいというふうに思います。また、証券局長さんも御出席でございますので、その間に少しお聞きをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 投資顧問だけに限った話ではなくて、もう少し広い範囲の話を先に少しお聞きをしたいと思うわけですが、御承知のとおり、金融業界に自由化の大きな波が参っておりまして、これは当然証券業界にも及んでくる話でございます。現在まだその途上でございますので、何とも言いがたい状態にございますが、全体の大きな流れといたしましては自由化の方向に向かっているわけでございますから、その波の大きさが大きいか小さいかは別にいたしまして、遅かれ早かれこれがさらに証券会社にも来ることだけは間違いがないと思うわけでございます。 この自由化の中で考えられますことは、証券業界とその他の金融業界との間のいわゆる垣根とよく言われますけれども、そうした問題が一つございますし、それから証券業界の間のいろいろの問題、例えば先ほどからお話しになっております手数料の問題等、これを本当に競争原理のもとにやっていくのか、それとも一定の範囲内でやっていくのかというような問題、いろいろあろうかと思うのですが、まず一番最初に、証券局長さんに自由化の進みぐあい、とりわけ証券業界における自由化の問題が大体どういうふうな状況でこれから進んでいくかということをひとつ先にちょっとお話をいただけませんか。
○岸田政府委員 資本市場の自由化の問題でございますけれども、これは、ある意味では金融市場よりは先に進んできているのではなかろうかなという感じがいたしております。これからますます資本市場の関係は国際的に、例えばニューヨーク、ロンドンという大市場と交流がますます深まってまいりますので、自由化の流れというのは我々としては真正面から受けて立たないと日本の市場というものが国際的にも立ちおくれると考えておりますので、着実にこの自由化のテンポは進めていきたいというふうに考えております。
○坂口委員 最初に千野さんにひとつお聞きをしたいと思うのですが、着実に進めていきたいという証券局長さんの話でございますけれども、とりわけ証券関係内の競争原理というものがそういうふうになってきますとかなりこれから過酷になる可能性もあるわけであります。日本の国だけではなくて、外国との関係もいろいろございますし、非常に難しくなる。もしおよろしければ、自由化に対してどういうお気持ちをお持ちになっているか、どういう御要望をお持ちになっているか、一言先にお聞きをしておきたい。
○千野参考人 ただいま岸田局長からお話がありましたとおり、国際化は避けて通れません。また、日本の置かれた立場からいっても、かなりなテンポで国際化は進んでいくと思いますが、資本市場の担い手である証券会社として今後どういう点に注意しなければならないかということは、海外の有力な証券会社と十分競争できるための資産内容のより一層の充実がどうしても必要だと思います。 次には、やはり我々証券業に従事する役職員のレベルアップといいますか、国際化といいますか、それへの勉強が非常に大事になってくるのではなかろうかというふうに思います。 非常に大所高所の御質問なので、お答えするのも一言では言い切れないと思いますが……。
○坂口委員 相田さんの方ですね、投資顧問業をこれから正式にスタートをしていくわけですが、今申しましたように、投資顧問業も自由化の中でこれから進んでいかなければならないと思うわけです。蔵元さんの方は、既にもうそうした波の中で仕事を今までやっておみえになったわけでございますが、そういうふうになりますと、先ほどからも議論がございますように、例えば手数料の問題でございますとか、投資顧問料とおっしゃいましたですか、投資顧問料の問題にいたしましても、日本国内だけではなくて海外との絡み等も踏まえながらこれは決定されていくのではないだろうか。これがどのレベルにあるのが一番いいのかということは、そうした中で自然に決定されていくものかな、そんなふうに思います。投資顧問料としてはもう少し高いところにあるのがいいんだというようなお話も先ほどあったようでございますが、特に投資顧問料に限ってで結構でございますけれども、その辺をどんなふうにお考えになっておりますか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○相田参考人 先ほどもちょっと触れましたけれども、極めて競争原理の働く、最も働く社会ではないかと思いますので、今御指摘の投資顧問料のあり方もその中で決定されていくべきものであります。 現時点では、私どもの会社の例で申し上げますと、先ほどの蔵元さんの会社にやや近いところがございまして、海外関係四分の三くらいの活動をやっております。その過程で見ておりますが、投資顧問料というものはその競争の中でおのずから決まると考えておる次第でございまして、レベルで言いますともう少し高い水準があってもいいのかなというのが現在の考え方でございます。 いずれにしましても、国際的な自由化と門戸の開放の中で、かなり厳しい対応を迫られるのではないか、こう考えております。
○坂口委員 蔵元さん、もし御意見がございましたらお聞かせください。
○蔵元参考人 競争原理ということもさることながら、実はアメリカなどでは、私ども投資顧問業者の運用能力を客観的に評価するような格付機関のようなもの、そういうコンサルタントの業者もございます。多種多様な運用方法、多種多様な資産構成、ポートフォリオと言っておりますが、この組み合わせがございますので、それに伴ってパフォーマンス、運用能力、運用体制などを客観的に調べてこれを顧客にアドバイスする専門のコンサルタント業者もいずれ日本に上陸してまいりましょうから、料率一本やりの競争から、運用の仕方、運用のユニーク性あるいは日本だけの株の運用なのか日本だけの有価証券の運用なのか、海外も含めるのか東南アジアまでなのかアメリカもヨーロッパも含めるのか、そういうことによりましていずれは複数の顧問料体系ができまして、日本ではややもしますとサービス、弁護士先生でありますとかいろいろなことに対して聞くだけではお金は払わないという社会慣習がございますので、その辺サービスというものにも値段があるのたといいますかそういうことで、徐々に自由化されまして、それにふさわしい料率、国際的な、欧米のレベルにいずれは近づく方向にあるのではないか、こう考えております。
○坂口委員 この投資顧問業を見ましたときに、周辺の業種との間の役割分担と申しますか、どの範囲を守るべきかということが不明瞭な点があるわけです。今まで、証券会社業務と投資顧問業、先ほどお話の出ました投資一任契約に係る業務、それから証券投資信託、信託の委託会社、こうしたものが、どこまでがどの業種かということが見ておりましても非常にわかりにくい面があるわけです。この点は、これからこの法案審議の中で詰めていかなければならないのだろうと思いますが、いつも一つの業種ができ上がりますと、できるときはさほど問題にならなくても、後の方になって境界線がどうだとか、この部分は情報が重なる部分だとか、いや、これは我々の業界の分野だとかいうような争いと申しますか、意見の衝突が起こるのが常でございまして、今までにも国会におきましてそういう業種の法案が出てまいりますと、我々も非常に困ることがあるわけです。今回この投資顧問業の法律ができるに当たって、将来そういうことが余り起こらないように、最初のときにある程度明確にしておかなければならないという気がするわけであります。一つのこういう業種として認知されるわけでありますから、そうしますと、例えば今まで証券会社の方がおやりになっておりました分野でも、新しく投資顧問業ができるのだからここはきちっとけじめをつけなければならないというような問題もまた起こってくるのじゃないかと思うわけです。 例えば代理業務と取次業務一つをとりましても、投資顧問業というのは取次業務と代理業務と両方を受け持つのかそれとも一方だけなのか。特に蔵元参考人に後でお聞きしたいのですが、物の本によりますと、アメリカあたりでは投資顧問業は代理業務と取次業務をやっておみえになるということが書かれております。そうした問題もなかなか難しいと思うのですけれども、先に証券局長の方から交通整理をしていただきましょうか。
○岸田政府委員 まず最初に、代理と取り次ぎの問題についてお答えいたしたいと思います。 今考えております法律案では、取り次ぎも代理も投資顧問業はできるという形にいたしておりますが、実際の運用としては、取り次ぎの場合は本人の名前が出てまいりませんといろいろ問題がございますので、代理だけに限って運用したいと考えております。 それから、各業種間の灰色の部分と申しますか、なかなかはっきりしない部分があるではないかという御指摘でございます。 法律的には、「「投資顧問業」とは、顧客に対して投資顧問契約に基づく助言を行う営業をいう。」という形で観念的には割合はっきりいたしておるわけでございますが、実務といたしまして証券会社のアドバイス、また一方投資信託との実際上の内容自体で必ずしも明確でない部分が今後生じてくるかもしれません。この点につきましては、証取審でもそういう問題が起こるのではないかという点で十分譲論をいただいたわけでございますが、今後、実際上の投資顧問業界の指導、運用につきましては、この点十分配意してまいりたいと考えております。
○坂口委員 そうすると、今おっしゃったのは、投資顧問業も投資一任契約に係る業務の方も、両方とも代理も取り次ぎも認めるという意味ですか。
○岸田政府委員 いささか説明が不足いたしまして、申しわけございません。 一般的な投資顧問業者につきましては証券取引行為を禁止いたしておりますので、一般の投資顧問業者は代理も取り次ぎも一切できないという形になっております。できますのは、いわゆる認可法人といいますか投資一任業務を認められているものにつきましては、法律上は取り次ぎも代理もできる、ただし実際の運用上は代理だけに限ってまいりたいと考えております。
○坂口委員 その辺のところ、混乱が起こらなければそれにこしたことはないのですが、我々個人の場合にはそんなにたくさんの株をやるわけじゃありませんから投資顧問業の皆さんにお世話になることはないのですけれども、時々お話を伺ったりする範囲内におきましては、証券業界の方のお話の中にも、今までの経験からいきまして、現在こういうふうな状況であります、この株についてはこういうことが将来予測されますというお話は当然ございますね。今度は投資顧問業ができまして専門にそれをおやりになる方ができてくる。そういたしますと、その辺の話は、証券会社の皆さん方もおっしゃるし、投資顧問業の方もおっしゃる。証券会社の方はそれはサービスとしてその中に含まれてくるし、そういうことを言ったからといってそれでその手数料は入らないのだろうと思うのですが、投資顧問業はそれを業としておやりになるわけですから、それに対する投資顧問料があるわけですね。客の立場からいたしますと、顧問料を払わなくても済むのなら払わなくてもいいところへ行こうじゃないかということになる可能性もあります。そうすると、業として認めた以上はこの分野はこの業種でなければできないぞということにしておかないと、その分野はほかの分野でもやれますよという形にしておいてその業種を認めるというのは少し認める側としては無責任ではないかという気がいたしますが、局長、その辺はどうですか。
○岸田政府委員 確かに、証券会社も実際の株の売買の場合にはアドバイスをいたしているわけでございますが、基本的には、証券会社は株の売買を行うということになるわけでございまして、そこにおきます助言というのはある意味では付加的なサービスでありまして、料金はあくまでも委託手数料としていただくということになっているわけでございます。 一方、顧問業者の方は、まさに助言ということについての対価の顧問料という形で、法律的ないし実質的にも割合明確に分離できるのではないかというふうに私どもは考えております。
○坂口委員 大蔵省としては明確に区分はできるかもわかりませんが、お客さんの側からすれば、その辺は、明確な区分はなかなか難しいのではないかという気がしますね。ですから、例えば投資一任契約に係る業務をなさる人は代理業務は行うけれども取次業務は行わないとか、何かその辺に一線があれば非常にわかりやすいですけれども、両方とも同じようにやってもよろしいよということにおいて一つの業種を——しかも一任契約に係る業務の場合には許可ですから、届け出、登録、許可、免許、こう並べましたときに、許可というのはかなり重いわけですね。許可まで与える業種をつくっておきながらその辺を不明確のままでおいて、将来問題にならないかということを私は心配をするわけなんです。その辺はいかがでしょうか。相田さん、何か御意見ございますか。
○相田参考人 先生のおっしゃる意味は私よくわかりますが、結局、私ども現在の投資顧問業者が、今度の法律ができますにつきまして賛意を表し、かつ、その方向でやっていきたいと思っておりますのは、非常にくだけていいますと、日本の中のお客様、投資家のサイドに、我々のサービス、つまり助言サービスにお金を払ってもいいよというニーズが起こってきているという大前提がまずあろうかと思うのですね。ですから、投資顧問会社なんか使わないよ、そんな余計な金を払って売買するなんていうのはばからしいから私はどこどこ証券へ行って買うよ、売るよというようなお客様は、それで素直におやりになればいいし、お金を払ってもいいからどうしてもだれかの助言をもらいたいという方がやはりいらっしゃるんじゃないかというふうに実は思っているわけです。それで、大きな流れといたしましては、そういう実需が今起こっておるというふうな認識を私は持っておるわけです。 その先にある代理あるいは取り次ぎという行為につきましては、これは今岸田局長がお話しなさいましたような内容に基づいて、将来の展望はともかくとして、現時点では今度の法律に基づく行政その他の中で我々は仕事をしていけば当分の間はいいのではないか、こういうふうに考えております。
○坂口委員 そういう御決意を持っていただいておればそれにこしたことはないと思いますが、これは他の業種でございますけれども、そうしたことがこの国会でも常に問題になってくることでございますので、この法律の審議に当たりまして多少心配をするわけでございます。 もう一つだけお聞きをしておきたいと思いますが、蔵元参考人が教育のお話をされました。我々、投資顧問業なる人たちにどういう教育が必要なのかということはそんなにはっきりわからないわけですが、これからさらに専門家を養成していくという意味で、教育というのは具体的にどんなことが一体必要なのか。それは、いわゆる分析能力なのか、言うならばコンピューターなのか、それとも、分析よりも勘が必要なものなのか。コンピューターなのかカンピューターなのか、その両方なのか。もしもカンピューターということになると、その教育というのもなかなか難しいのじゃないかという気がいたしますが、教育が必要だとおっしゃるのはどんなところにあるのかということをもう少しお聞かせいただけませんか。
○蔵元参考人 今の御質問でございますが、投資の仕方は各人各様、多種多様でございまして、私ども投資顧問業者の中でも、これが一番いいというような方法は特に確立されておりません。 例えを申しますと、私どもは日本語で物を言っておりますが、これは文法を習わなくても日本人としてしゃべっているわけでございます。例えば先生が英語でお話しなさる場合には、まず私ども日本人はお互いに文法を習ったわけであります。文法を習いましたけれども、朝起きて外人とあいさつするときに、文法を頭に入れてあいさつする方はいないと思うのです。ですから、今の例えば、基本的な教育訓練といいますか、アナリストとしての証券分析、あるいは広い意味の経済の知識なり業界の知識、業界の動向についての広い知識、これが言うなれば文法に当たります。 投資の方は、今コンピューターかカンピューターかとおっしゃいましたのがまさに英会話の部分でございまして、兜町のことわざにも、例えば「まだはもうなり、もうはまだなり」というのがございます。これはコンピューターでは、投資家の心理状態といいますか、高くなりますと皆さん非常にかっとして買いたくなる、安くなると、もっと下がるんじゃないかという恐怖心から売ってくる、そういうようなものはコンピューターだけではなかなか秤量ができないわけでございまして、今の英文法と英会話の例にございますように、基本は、やはりアナリストとしての基本的な勉強、これは日本アナリスト協会で現在やっておりまして、わずか五、六年のうちに受講者が大変な数になっておりますが、それを踏まえた上で、あとはコンピューターの助けもかり、あるいは勘に大いに依存をする、それぞれの方法があろうかと思います。
○坂口委員 ありがとうございました。 最後にもう一つ証券局長にお聞きをして終わりにしたいと思いますが、最近になりまして投資顧問業にかかわる残念な事故も幾つか出たわけです。今回この法律案ができ上がって、今審議中でございますけれども、これがもし通過をして法律として正式にでき上がった暁においては、いろいろの規制もございますから今までのようなことはでき得ないとは思います。しかし、悪いことをする人間というのは、法律がございましてもその下をかいくぐるものでございますから、できたからといってなかなか安心はでき得ない。まじめに業界を背負って、そしてそれを発展させようと思われる皆さん方にとりましては、そうしたところが最も気がかりなところじゃないかと思うわけであります。したがいまして、この法律ができ上がる以上は、やはりそうしたことが二度と繰り返されないようにしなければならないわけであります。ただ法律ができたからというだけではなかなかいけないと思いますので、あと、それこそ業界の育成、教育あるいは協会の設立、いろいろな問題があると思いますが、その辺のところは具体的にどのように進めていこうと局長さんとしてはお思いになっているのか、それをお聞きして終わりにしたいと思います。
○岸田政府委員 先生御指摘のように、従来この投資顧問業界というのは全く法律のない世界だったわけでございまして、この法律の成立をいただきます限りにおいては、大きな一つの方針が固まるわけでございます。 私ども、確かに御指摘のようにこれに安住することなく、この法律をいかにうまく効率的に活用するかにつきましては、今後十分考えていきたい。具体的には、この法律の内容自体をいかにPRし、また協会その他をどういうふうに活用していくか、今後十分具体的な問題について検討してまいりたいと考えております。
○坂口委員 ありがとうございました。 終わります。
○堀之内委員長代理 玉置一弥君。
○玉置(一)委員 参考人の皆さん方には、大変お忙しい中当大蔵委員会に御出席をいただきましてありがとうございます。 ようやく待ちに待った、今までの事件に対応できる法律案が出てまいりまして、我々もこの法律に対して大いに期待をしているところでございます。 もともと、投資家というのは自分が持っている資産を活用してこれでいかに利益を確保していくか、いわゆる資金運用による利益確保を図るということでございまして、当然ある程度のリスクはついて回るわけでございますが、ただ、余りにも投資家を利用した悪い事件というものがたくさんありまして、これを守っていかなければいけないということで、本来の弱者救済とはちょっと違ったニュアンスで投資家保護の法律ができていくわけでございます。 今までのいろいろな事件を見てみましても、いわゆる単純な詐欺的な事件とか、あるいは自分たちが情報を提供しないために大変な被害を相手に負担をさせた、こういうこともあるようでございまして、大きく分けると大体二つぐらいの形にいろいろな事件が類別されていくと思うわけでございます。 証券業界も、昭和五十年代の半ば以降大変大きな成長を続けてこられました。特に、十年ほど前から急激な伸びを示しておるわけでございますが、証券会社に関する人たちでもう十万人を超えている状況でございますし、また、今回の問題になっております投資顧問会社、これも各証券会社のいわゆる子会社としてもう既にあるわけでございまして、このような法律ができるまでに、自分たちのいろんな自主規制、こういうことも当然図られてきたと思います。 そういう面で、何で今までこの投資顧問に関する法律ができなかったのか。これはむしろその業界に長くおられる皆さん方の方がよく御存じだと思います。それは自分たちの内部のことでもございます、業界の中でございますから、いろいろな規制をされるよりはむしろ自主的にやっていきたいということがあったのではないか、こういうようなことも考えるわけでございますが、そういう観点から今回出てきた問題点につきまして、これは一つの疑問でございますけれども、なぜ今まで置き去りにされていたのか、放置されていたのか、この問題が一つ。 それから、それぞれの立場で、自分たちの業界は今までどういうことをやっていわゆる自浄努力というか浄化を行ってきたか、あるいは自主規制を行ってきたか、この辺についてそれぞれお聞きをいたしたいと思います。 それでは、千野参考人の方から順にお願いをいたしたいと思います。
○千野参考人 お答えいたします。 投資顧問法の設立が今日までかかったことについては、私どもも非常に長い間、行政当局、立法府の皆さんにもお願いしてまいったわけでありますが、やはり時間がかかりまして、それと不幸な事件が相次ぎましたので、なおさらにこの法の成立が急がれるような環境になったわけです。もう一つは、不幸な事件とは別に、国際化の進展が非常に早くなりまして、諸外国で一般に行われている投資顧問業というのが日本にもないと国際市場の国際平準化という観点からもやはりぐあいが悪いということで、投資顧問法のニーズについての内外の意見の一致を見たということが今日提出を見るに至った理由ではなかろうかと考えております。 それから、では、証券業界は何をやっていたのだという先生の御指摘でございますが、結局、証券業界が一つの業界といたしましてお客様、投資家の信頼を受けるということは、商売、ビジネスの基本でありますので、いろいろなチャネルを通じまして、また施設を通じまして証券事故の防止を図るとか、あるいはお客の注文執行に関するトラブルを発生させないような注意、教育ということをしぱしば行ってまいりましたが、御指摘のように遺憾な事件がないわけではございません。 それで証券業協会では、今申し上げましたような法令の規制のほかにも、何せ十万人からの従業員がおりますので、さらに自主的な従業員に関する規制を設けたり、あるいは機会あるごとに社員研修の場を通じて法令の遵守、顧客の信頼の確保、投資勧誘態度が適正であるのかないのかに関する反省というようなことをやっております。 また、証券会社自身でも、社内におのおの管理体制を強化いたしまして、内部牽制のシステムを確立しております。受け渡しとか保管管理についてはコンピューターが発達しておりますので、以前よりも管理監督が厳重に行われるようになりました。証券界としても今後ますます一般投資家、大衆投資家の信頼を得るような姿勢を貫いていきたい、このように考えております。 どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
○相田参考人 今まで、証券業界と違いまして投資顧問業界というものがあったのかなかったのか、実をいうとはっきりしていないのであります。私は、実はこの会社に着任二年目なのでありますが、これから業界をつくっていかなければならないというスタートに当たっているのではないかと思います。 いずれにいたしましても、資本市場関連業界といいますか、証券市場周辺業界といいますか、呼び名はどのようにでも言えますけれども、新しい業界をつくっていかなければならない、今そういう立場でございます。 それで、今までなかなか法律という形にまでいかなかったのは、いろいろ理由があると思うのですけれども、やはり一番のポイントは、日本の金融資産の蓄積の成熟度合いにかかっていたのではないかと思います。やっとここへ来て金融資産が蓄積の時代から運用する、ためることから少し効率よく運用するというふうな時代に、法人、個人の金が性格変化を来してきたのではないかという度合いでありまして、そこに投資顧問という業務があり、それにお金を払ってもいいというふうな成熟が見えてきたのではないかというのが経緯でございます。 それから、業界がないと申し上げておきながら、何となく表現としてはおかしいのですが、私の会社の例で申し上げますと、内部の監査その他は極めて厳重にやっておりまして、ポートフォリオの運用を基本にして投資リスクをいかに抑えるかということに注力をしております。そのためには、常識的な言葉でありますが、業種の分散とか銘柄の分散が非常に必要でございますし、社内ルールでは、株式の場合、一口座で十業種以上、十銘柄以上に分散することを実は決めております。社内組織上にも、それらを監査する言うなれば内部監査組織を設けておりまして、パフォーマンスポートフォリオのチェックを絶えず行っておりますことをつけ加えさせていただきます。
○蔵元参考人 昨今になりまして急にこの法案が浮かび上がってまいりました一番大きな背景は、相田参考人も申し上げられましたし、私も先ほど意見を申し上げましたが、国民的なニーズの高まり、特に、例えばGNPに対します国民金融資産の比率、これなどつい昨今までは、アメリカあるいはイギリスに比べまして非常に低うございましたが、あっという間に米英先進国を抜きまして、大変な額になったわけでございます。それに伴いまして、経済自体が、家計部門も企業部門も、フローの時代からストックの時代に入ってきた。しかもそれを少しでも有利に運用したいという収益性重視の傾向が急速に高まったのではないかと思います。 もう一つ、アメリカの例で申し上げましても、先ほど申し上げました一九四〇年法の制定のきっかけは、やはり詐欺的な行為がアメリカで四〇年以前に非常に目立ったわけでございまして、それをきっかけにアメリカで一九四〇年法ができたわけでございますが、我が国におきましても、そういう国民的ニーズがここ数年のうちに爆発的にふえまして、人間ですから少しでも有利にという欲がございますので、それにつけ込んだ一部の悪徳業者の跳梁に対してやはり網をかぶせる必要性が急に出てきたということが今回の法律案ができた背景であろうと思います。
○玉置(一)委員 先ほどのお話の中で、それぞれ業界の中では、これからの部分もありますし、また社員教育、適性度調査とか、こういうことでやっているということでございますが、坂口委員の方からもお話がございましたように、法人化して届け出をした場合には、今回の規制の中で十分、外からも見えるようになるわけでございますけれども、私は、特に証券業界の職員の方で、個人的に指導というか投資相談されている方が非常に多いように思うわけですね。業法では、断定的に勧めてはいけない、こういう規定もございます。ところが、これは幾らぐらいまで上がりますから買いなさいとか、あるいは今売った方がいいですよとか、そういうのがかなり執拗にあるわけですね。そういう面から考えていきますと、今度は投資顧問会社の類につきましては、いろいろな規制といいますか、整理された中で運用されていくということでもございますが、証券会社の職員の方たちが個人的に、それはお客さんのことを考えてと思いますけれども、しかし、結果的には人から預かった株券を独断で売買をするとか、こういうことも多々あるわけでございます。この辺に対して、やはりもっと厳しい指導をしていかなければいけないと思うのです。これについて、今回の法律を機会に、またむしろ逆に内部的な浄化作用をこれからもっと強化していただきたいと思いますけれども、私の今申し上げたことに対してどういうふうにお感じになりますか。 今まで投資顧問会社という業界については今の法律を適用していきましょうという動きでございますが、個々の職員の方が今やっておられる内容について、今度こういう法律ができたのだからそういう個人的な動きもある程度制約されていくべきだ、こういうふうに思うのです。本来やっちゃいけないことになっているわけですね。そういう面で、業界として、特に証券業界ですけれども、社員の方たちの見直しをしていかなければいけないと思いますが、千野参考人にお聞きをしたいと思います。
○千野参考人 ただいま御指摘の株価の予測とか予想とか断定というのは、なかなか判断が難しいのでございます。断定というのはしてはいけないことになっておりますが、アドバイスということはあり得るわけでございます。この株価が何月何日に何円まで上がるというような意味での断定ということは証取法上違法でありますから、そのようなことのないように日々教育しているところでございますが、御趣旨の点に沿って、株価予測については、適切なるアドバイスはともかくも、予想株価について断定的な発言をすることのないようにさらに一層戒心していきたい、このように思います。 〔堀之内委員長代理退席、委員長着席〕
○玉置(一)委員 今は断定だけの話でなくて、職員の方たちが顧客に対して一種の投資顧問会社的な動きをなさっている。先ほどのアドバイスについては私はいいと思いますけれども、株券を預かって一任をされたり、これが顧客の了解を得ないで売買をされるということもこれまた大変多いですね。この辺について、業界の中の浄化をより図っていかなければいけないのじゃないかということを申し上げたわけで、これについてはいかがでありますか。
○千野参考人 言葉足らずでございましたが、御指摘のような、要するに一任勘定まがいの行為とと無断売買まがいの行為とかいうことは、今後とも十分に社員教育、証券マンの最低のモラルとして教育していきたい、このように考えます。御指摘の点、全く同感でございます。
○玉置(一)委員 今、大蔵省から出ているのか、どこから出ているのかよくわかりませんけれども、いわゆるキャピタルゲイン課税という話が出ておりまして、証券業界を通じたいろいろな資本の動きを見ておりますと、かなりの金額になってきているわけですね。特にここ五年間、これは逆に言えば資金流動がちょっと過剰ぎみかどうか知りませんけれども、急激に膨らんできておりまして、キャピタルゲインもかなり大きくなってきている。ここに多分目をつけたのだと思いますけれども、この課税は、これまた課税方法も非常に難しいと思いますけれども、こういうお話が今出てきております。この件について簡単にそれぞれ御意見を聞いて、終わりたいと思います。
○千野参考人 御質問のキャピタルゲインにつきまして、昭和二十八年に有価証券取引税が設けられ、今日に至っておりますが、この有価証券取引税は、キャピタルゲイン課税が原則非課税となりましたことの代替として設けられたものと理解しております。また、政府の税制調査会の答申でも、このキャピタルゲインにつきましては、段階的に課税の強化を図っていくことが適当であるとされておりますが、この課税の問題については、有価証券取引税の創設の経緯とか証券市場への影響などを十分に考慮して慎重に検討していただきたい、このように考えておりますので、どうそよろしくお願いいたします。
○相田参考人 税金の問題でございまして、今証券業協会会長の千野さんがお話しなさった趣旨のとおりでございます。 私見というものもないわけじゃありませんが、あえて私見を申し上げれば、キャピタルゲインタックスというのは、同時にマイナスのキャピタルロスというふうな配慮も均衡しなければいけないのじゃないかと思っております。いずれにいたしましても、証券市場をめぐる課題の一つなのかもしれません。先ほど協会長の話した趣旨のとおりでございます。
○蔵元参考人 これは私見でございますけれども、欧米ではキャピタルゲインタックスがあって日本にないという現状がございます。ただ、アメリカなどでもキャピタルゲイン課税を緩和といいますか、一つは証券市場の再活性化を図るためにそういう方向がとられているわけでございますが、外国の投資家などの立場から見ましても、やはり日本に投資する一つの大きなメリットといいますか魅力は、キャピタルゲイン課税がない、あるいは将来できるとしても、聞き及ぶところによりますと、段階的なものだ。その辺、我が国の証券市場は世界第二位になっておりますが、さらにこれの活性化、効率化、これは企業にとりましても政府にとりましても大変大事な資金調達の場でございますし、そういう点から見ましても、私見ではございますが、アメリカなどでも緩和の方向にございますので、現状が望ましいのじゃないかと私は思っております。
○玉置(一)委員 終わります。 どうもありがとうございました。
○小泉委員長 簑輪幸代君。
○簑輪委員 参考人のお三方にはお忙しいところ御苦労さまでございます。 今度法案の中で見ますと、投資顧問業の中で投資一任業務を認めるということが非常に重要な部分を占めていると思うわけです。この投資一任業務を認めるといろいろな弊害があるということで、これまでその問題が論議されてきたやに聞いておりますけれども、今回認めるという方向が出されましたが、投資顧問業務そのものについて利益相反という問題点が挙げられています。今度の法案ではこの利益相反を避けるために、投資顧問業者に自己取引を禁止し、それからまた証券会社、銀行など関連会社からの人的つながりを断ち切る措置をとるようにしているようです。けれども、この法案自体で関連会社との資本のつながりを何ら規制してないということがありますので、証券会社や銀行等の子会社である投資顧問会社が、例えばみずから、あるいは密接なつながりのある関連会社が保有している不利な銘柄を顧客に売却するような場合とか、あるいは証券会社系の投資顧問会社の場合、不必要な売買頻度を重ねて系列証券会社を不当に利することがあるという懸念もあるのではないかと思うわけです。 相田参考人にお尋ねしたいと思いますけれども、証券系投資顧問会社というのは証券会社と二人三脚でやってきたという指摘もあります。実際に顧客に参考銘柄として示す銘柄と投資顧問が買う銘柄との関連がないと言えばうそになるというお話もあるようですし、さらにまた、二人三脚という問題でいろいろな心配がされております。野村投資顧問会社としては従来、親会社である野村証券への発注比率を九二%まで低下させたというお話もあるようですけれども、今日発注比率というのはどんな状況になっていて、それで、この二人三脚問題についてはどのようにお考えなのかという点で相田参考人の御意見を伺いたいと思います。
○相田参考人 お言葉をちょっと返すようですが、二人三脚という言葉は私ども使ったこともありませんし、そういうふうに思ったこともございません。要するに資本系列が同じであるということで、御質問の趣旨は、利益相反することをどう考えるかということではないかと考えておりますが、この点は、私どもの業務の本質から見て、利益相反の問題を置いたままでは我々業界の存在理由がなくなるという最終目的に従って行動する限りその懸念はないと私は考えております。 具体的に先ほど発注量の指摘がございましたが、発注量が仮に一〇〇%であっても、そのことが果たして今先生の御指摘の二人三脚に当たるのかどうかはこれはまた後のパフォーマンスがどういうふうに示すかによるわけでございますから、一概に断定はできません。諸外国の例を見ましても、資本の系列とその会社の独立性、インデペンデンスといいますか、独立性とのバランスははっきり確定しておりまして、そのことによる世間の認識がおかしくなっているという事例はございません。親会社、この場合は親証券ですが、親証券の営業政策のために顧客に不利な銘柄の売買をアドバイスする、恐らくそういう意味が御質問の中にあると思いますが、そのような行為はまさに自分で自分の首を絞める話になると思うのです。だからそういったことは、私どもが独立性を保っていくという主体性を保つ限り懸念はないと考えております。そもそも証券会社の方は、投資顧問料という収入じゃなくて、手数料の会社でありますから、最終目標が違っておるということで御理解いただきたいと思います。 以上であります。
○簑輪委員 証券会社は手数料ということなので、その手数料をどれだけたくさん稼ぐかという点について顧問会社が協力するという心配もないことはないだろうと思うわけです。実際は資本関係ということでいうと、独禁法で他の会社の株式の五%以上を所有することはできないということになっていますので、直接的な資本という点ではわずかだろうと思うのですけれども、その他さまざまな方法で、別の子会社を通じて保有するということなどによって実質的にほとんど親会社が株式を保有するというケースもないことはないだろう。そういう点からの懸念というのは、今相田参考人は心配ないとおっしゃいましたけれども、資本の面からいうとそういう点で何か大丈夫だろうかということがどうしても残るわけです。その点はいかがでしょうか。
○相田参考人 基本的には、資本と経営の分離ということをどこまで貫くかということだろうと思います。御懸念ということでありますが、確かに懸念はないわけじゃないと思うのですけれども、私の会社でいいますと、野村証券が五%、野村投資委託が五%、野村総合研究所が九〇%であります。それを逆にひっくり返しますと確かにマジョリティーが野村グループということになりますが、関連会社というものがいろいろな企業にあると思うのですけれども、余り関連会社との、言葉の遊戯になって恐縮ですが、関連会社との関連をすべて悪い方に持っていく話では必ずしもない。もう一度繰り返しになって恐縮ですが、私どもが顧客の利益を、パフォーマンスを上げることに最重点を置いて、それでなければ私どものサービスに対する対価をいただけないという業種でありますだけに、売買の頻度を高めて、親証券に言うなればリターンをするということが第一義的にあったのでは、本来の目的がだめになる、その結果私どもの会社がだめになるということでありますから、そういうふうにはいかないと考えております。
○簑輪委員 蔵元参考人にお尋ねしたいと思いますが、さっき自己責任の原則の確立ということをおっしゃいまして、投資家の水準、意識というものの向上みたいなものを喚起される発言があったかと思うのですけれども、有価証券の運用という点についてはかなりなリスクが伴ったり、あるいはまた逆に運用収益が大変大きくなったりという点では、投資家自身がその辺を十分認識した上で行わなければならないだろうと思うのです。 現状、日本の投資家が投資一任業務を行うに適合したような状態で自己責任意識が高まってきているかというと、その辺でちょっと疑問があるやにも受け取られるわけですけれども、これを高めていく方法としてどういうことをお考えになっていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○蔵元参考人 お答えします。 今の御質問の投資一任業務の場合でございますが、現状では特に企業とか金融機関さんに非常にお金がたまっておりますから、その運用を投資顧問会社に任せるという例が今の残高ベースでも多うございます。言うなれば貸し付けの変形のような感じで、リスクはとりたくない、ある一定以上のリターンをとるように努力しようというような面もあろうかと思いますが、最終的にはやはり投資顧問業者の方とお客様が相対で投資顧問契約をされるときに、投資の方法、投資方針、投資のスタンス、その辺をよく話し合って、そのときに投資顧問業者の方の自己啓発によって投資家にリスク、リターンの関係を、ポテンシャルリスクということについても十分御明申し上げて、そこである意味でそういうお客様を教育といいますか、ガイドするという方法が現状では一番現実的な方法ではないかと思います。
○簑輪委員 千野参考人にお伺いしたいと思います。 金融の自由化、国際化が進展しているという状況で、証券業としても過当競争というものが進んでいるように思われますが、その中で労働者が非常に過大なノルマという重圧で残業等も行われてきているように聞いております。特に営業利益を追求していくためには手数料をふやさなければならないということで、無理をすれば顧客とのトラブルも起こってくる。この三月には東京証券取引所で史上最高の株式の出来高を記録されたわけですけれども、その前後で、男性の場合は徹夜、あるいは女性でも十一時、十二時と深夜に至るまで残業が行われていたというふうにも聞いたわけです。過当競争が非常に進行しますと、こういうふうにして労働者の中に大変な問題が起こってくるということで、業界全体としても力を合わせて自粛していくという方向で取り組まなければならないのではないかというふうに思いますけれども、証券業協会の会長さんとしてどのようにお考えでいらっしゃいますか、お尋ねしたいと思います。
○千野参考人 まず、ことし史上最高の出来高ができましたその前後数日間非常に残業があったということでございますが、御指摘のとおりです。それ以外はコンピューターが発達いたしまして定時には帰れているのですが、あの日は、ちょうど関東大震災が起こったみたいな、六十年に一遍くらいのことが起こったものですから、取引所の方のコンピューターがパンクしてしまったのです。そして取引所の出来高の通知が当方に遅くなりましたので当然遅くなってしまったのです。言ってみれば急患を担ぎ込まれたような感じでありましたので、御了解を願いたいと思います。ふだんはコンピューターで、バックオフィスがそんなに遅くなるということは今はございません。 もう一つ御指摘の営業体における過当競争、私の方は切磋琢磨と称しておるのですけれども、言葉がちょっと違います。しかし、このごろは若い人たちが証券業務の担い手になってまいりましたので、各自自分の家庭というものを大事にしながら証券業をやろうというヤングがふえてまいりました。御指摘のとおり、毎日毎晩残業では優秀な社員が寄ってこないということで、我々も適当な労働時間の中で適正な利潤を上げていこう、最大の利潤を上げながら時代に適合した労務管理、人事管理、採用をやっていきたい、このように考えております。
○簑輪委員 続いてお伺いしたいと思いますけれども、大蔵省の証券年報によりますと、証券事故の指摘があります。もちろん皆さんの御努力で年々減ってきているという指摘でございますけれども、一件当たりの金額が逆にふえてきているという問題があるわけです。この証券事故の内容は、顧客の口座等を利用した自己思惑売買や受け渡しのため顧客から預かった有価証券等の横領などが指摘されておりますけれども、業界としてこのような事故を根絶していくためにどういう改善をしなければならないとお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○千野参考人 公的な立場でございますが、そのような証券事故が起こりましたことについては、証券界の名誉に関することでもあり、甚だ申しわけなく思っております。 今後どうするかということなんですが、これは今後に限らず常時やっていることでありますが、証券事故の発生を防ぐ、あるいは顧客とのトラブル——考えてみますと、ほとんど同じパターンを繰り返される場合が多いのです。こんなケースはというのは余りありませんで、私が言うのも申しわけありませんが、同じことの原因で同じような性質の事故が発生しておるのです。これは一に我々証券会社側の社員教育を徹底する以外にないな、このように考えておりますので、御指摘の事故が少し多くなっているではないかという御注意とともに深く銘記しておきたい、このように考えます。
○簑輪委員 終わります。
○小泉委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十九分休憩 ————◇—————