大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/02/21
会議録
○小泉委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国民年金特別会計法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
○沢田委員 大臣の時間がやや制限されておりますので、ポイントだけ伺っていきます。 今度、いわゆる基礎年金勘定をつくりまして、人頭割に各年金からその拠出金を出していくことになった。細かい点は後でやりますが、国民年金それ自身が破産をするような状況にあったものを、国民皆年金というこの美辞麗句のもと、他の各年金の組合員の負担を非常に大きくして、その上に成り立って今度の国民年金特会法の改正が行われた。このことが前の国会の年金制度の改正のときの統一化というものの中に含まれていたのかどうかという点は、極めて疑問とするわけであります。加えて後年度負担を考えますと、七十年度には現在の八千円が六割増しぐらいになる、他の共済の負担が激増する。こういう状況を大臣としては知っていたのかどうか。細かい点は省略したアバウトの話でありますが、国民年金の三分の一負担、結論的に言えば三三を四〇なり四二、三にふやしていくという政治的な選択をしない限り、この問題には極めて危険な状況が含まれる、こういうことにならざるを得ないと思うのであります。これは、これから質問をやるその中身の最後のところなんでありますが、果たして大臣がどういう認識を持っておるのか、突然のことでありますから十分に答えにくいものがあるかと思うのでありますが、こういう格好でいいのかどうか、こういう状況が果たして妥当だと言えるのかどうか、大蔵大臣は承知の上でこの法案を出したのかどうか、その点ひとつお答えいただきたいと思います。
○竹下国務大臣 結論的に申しますと、基礎年金の導入は安定かつ公平な年金制度を確立するという考え方であって、国年を救済するというような発想から出たものではないというふうに私は思っております。 確かに、これまでは職域を単位として分立しておるために制度間に格差が生じておる。したがって、今回の年金改正は、長期的に安定したものにしよう、そこで共通の基礎年金を入れよう、こういうことになったものでございます。制度ごとにいわゆる成熟度が違いますから、基礎年金給付と基礎年金拠出との間には差が生じてくるということは、初めからそういう認識を持って取りかかったものであるというふうに私は考えております。
○沢田委員 大臣、こういう形で今度の特別会計をつくり勘定をつくるということは、極めて危険な発想だということになります。 じゃもう一つ、これは大臣に聞きますが、国民年金に三百万人の免除者、滞納者がいる。他の年金の組合員にはこういうものはないのであります。でありますけれども、それを含めて救済をしていく、こういう形なんでありますから、その辺の分は国民年金会計で勘定を考えていくのか。そうでなければ、その分まで含めて厚生や他共済で考えていかなければならない、こういうことになるわけなんでありますが、こういう問題があるということをきょうの段階では大臣が認識をした、ちょっと手おくれなんですが……。だから、法案は少し待ってもらいたいと思っているのです。だけれども、認識した上で対応してもらいたい、こういうふうに思うのです。 今の段階はどうもちょっとまだ私もおくればせながらという状況でありますが、こういう形のままで果たしてスタートしていっていいのであろうか。これでは、国民年金よりも他の組合員の納める金額の方が多いのですね。ここにありますように八千円も納めるわけなんです。現在そんなに国民年金を納めてはいない。そういう状況が果たして妥当と言えるのであろうかということが言えるわけです。 その点、これもアバウトな話なんですが、大臣、おかしいだろうということぐらいひとつ感じてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○長尾政府委員 大臣がお答えになります前にちょっと申し上げさせていただきますが、今先生お話ございました各制度加入者の基礎年金への拠出金八千六円の金額でございます。この金額は、それぞれの被保険者、組合員の方が保険料として出していただきます分に国庫負担が三分の一加わりました額でございますので、その分は各共済、国民年金同一の金額になっております。
○沢田委員 それは同じことですよね。総合が三三%入っているわけですから、それは同じこと。両方、全部三三%削って議論をしてみても、それよりも多いという絶対値だけは変わりはない論理なんであります。 だから、実際の本人の納める保険金よりも他の共済組合員の実際に納める金額が多い、こういう論理はやはりおかしいだろう、こういうことがまず一つ言えるということなんです。本人のものよりも他の共済で負担する部分が多い、それで国民年金支払いの財源をつくっておる、こういうことは大きな問題がある。 当初、国民年金の統合のときに、共済組合や厚生年金の人たちは、奥さんの分は掛金要りませんよなんという美しい言葉に乗っかっていってみたところがとんでもない話で、何のことはない、国民年金を助けるという格好にしかならなくなってしまった。ここに言うように、国民年金の方は一兆六千五百億もうけて、厚生年金は一兆四千九百億出し前になって、共済グループも三千億出し前になる。国鉄年金で千二十円多く負担したんだというのであれだけ大騒ぎをしたけれども、今度はそんなものどころじゃないのでありますね。御本人よりも余計に他の共済が出しておる。そういう状況の中で五兆四百十七億の支出、これは今度共済組合の組合員も入った支出総額でありますけれども、それで賄っていく。こういう不自然な状況は許されていいものではない。これはやはりもっと適正であるべきものである。言うなら厚生と共済に丸がかりで国民年金というものはこれから育っていく、こういう形を今度の統一という名のもとにつくられた、こういう形になっておる。大臣もだまされたのかもしれぬ、厚生省が上手だったのかもわかりませんけれども、それが本当の統一化ということに値するのかどうか。言うならば人の懐から財布を持ってきちゃって、その分はおれの分だからおれの方で払うよ、こういった格好で、しかも自分の出すものより相手の懐から出したものの方が多い、こういう形でできているというところに基本的な問題があるわけです。自前でできなくなった。当時は説明でも何でも、国民年金が成り立っていかなくなったからだということではなかった。ところが、でき上がってきたら何のことはない、軒を貸して母屋を取られるような状態に今日なってきておる。こういう事実を大臣がどう理解をしているかということがまず一つですね。 もう一つは、こういうことになってつくっちゃったんだから、例えば子供が自閉症であれ肢体不自由児であれ、できた子供が悪いから、それじゃしようがないというので、この分を国が三分の一以上に逐次引き上げていく、三三を三四に、三五に引き上げていって、滞納者の分あるいは免除者の分あるいは厚生、共済グループの負担分との差を縮めていく、こういう努力は必要なんじゃないかというふうに思いますが、この点はいかがでしよう。
○長尾政府委員 今回の基礎年金勘定の各制度別のいわば交付金と拠出金のそれぞれの差し引きについての御説明をさせていただきたいと思います。 基礎年金勘定の歳入部分は、各共済組合、厚生年金、国民年金から保険料として拠出していただきます分と、国庫が直接国民年金勘定に入れます特別国庫負担との両方がございます。先ほど先生のお話がございました八千六円に該当いたします国庫負担は、今私が申しましたものでは拠出金の方に入って計算をさせていただいております。特別国庫負担金と申しますのは、障害福祉年金が今回障害基礎年金になったわけでございますが、この方々に対します国庫負担等は、各制度に割り振るということなく国民年金勘定の方にストレートに入る、こういう形になっておるわけでございます。先生が今御指摘になりました各制度ごとの拠出金と交付金との差し引きという観点では、特別国庫負担金を、先生のお話では国民年金のいわば取り分というような形で計上していただいておるようでございますが、今申し上げたような意味で国民年金は他の制度と違って特別の国庫負担がストレートに入っているということは御理解をいただきたいと思います。 次に、拠出金と交付金との差でございますが、そういう意味で計算をさせていただきますと、国民年金につきましてはこの差がプラスになっておりまして、一兆二千九百五十二億円でございます。厚生年金がマイナスでございまして、一兆四千九百七億円、共済組合全体をひっくるめまして二千九百七十二億円、こういったことになるわけでございます。 この制度にこのような差が出ました大きな原因は、先生の資料でも出ておるかと思うのでございますが、いわゆる三号被保険者、被用者年金の妻の扱いが今回と旧制度と基本的に違ってしまったことによるものが非常に大きいわけでございます。すなわち、従来は国民年金の任意加入ということで、国民年金自身が保険料を皆様の家計から直接いただきまして国民年金勘定の方に保険料収入として計上しておりましたのが、今回は各保険者から基礎年金勘定に入れていただくという仕組みになりましたので、いわば各保険者の方で保険料を一応集めていただいた形で国民年金に移る。国民年金側から申しますと、例えば現役の方は各制度に分けたというような形になっておるわけでございます。一方、給付の面は、六十一年四月前の期間は国民年金の給付に残るという形になっておるわけでございます。そういう意味では、この三号部分を調整して考えていく必要があると思いますが、実質的な差額は、国民年金につきまして四千五百億、それから厚生年金につきまして四千億、共済組合におきまして五百億というふうに考えております。 この差がどうして出たかということは、三十六年四月一日以降の期間につきまして、各制度が共通して費用を負担していただくというのがこの基礎年金の基本的な考え方でございますので、三十六年四月以降の部分にかかわる各制度の成熟度の違いというものがこういう形であらわれたというふうに解釈いたしておりますが、これはいわば基礎年金の基本的な理念の具体的なあらわれということで御理解をいただきたいと思います。
○沢田委員 全然違うのです。国鉄なども成熟度一七〇というような数字になっていますから、それは同じような条件はありますけれども、こういう本末転倒といいますか、本体よりも客体の方の負担の方が重くなっていくということはあり得べき筋のものではない。やはり常識的に言えば三分の二は自分のところで考えて、三分の一は援助していこう、これなら、それなりの提案の仕方があったはずだと思うのであります。妻というものを含めたという発想の中に、言うならば国民年金自前型が破産寸前になったからそれを助けていくためにそれ以上の負担を一般の厚生年金、共済組合員の人たちに求めていった、こういうことに結果的にならざるを得ない、こういうことになるわけだ。原因がどうであろうと結果はそうなる。 今の言葉で了承するわけじゃないのですが、それではこれからどういうふうに他の共済組合なり厚生年金の負担が増大するかというので、厚生省の「年金と財政」で見ると、六十一年度を一〇〇とすると、六十五年度二七%ふえますね。七十年度には六割ふえますね。八十年度には倍になります。こういうふうに一応ピックアップしてあります。この点は否定されますか。さっき説明された金額と私の言っているのとほぼ変わりはないのですから、そのことは同じですから、こういう事実だということだけわかってもらえばいいのであります。今の伸びをこれだけふやしていった場合の掛金へのはね返りはどうなりますか、お伺いしたいと思います。 大臣の方にもう一つ。これも一般常識の問題ですが、通勤手当が標準報酬に入っておる。例えば二万円の通勤費を払って通ってきている職員、二万円でバスの定期を買い、国鉄の定期を買って通ってきております。今その二万円は標準報酬の中に入る。そうなると、実費支弁ですから定期で全部使ってしまって、それにかかる掛金、例えば二万円だとすればその六・三%は千二百幾ら、その分は本俸から掛金として通勤費分を掛けていく。それから、使用者側も二万円の通勤費でいいものをさらにそれに六・三%分を掛けていくと、遠いところから通ってきている人の年金は高くなって、近いところから通ってきている人の年金は安くなる。そういう現象が現在の制度としてあるわけです。遠いところから通ってくる者の年金が高いという論理は年金制度の中には含まれるものではない。 これは住宅手当も同じです。高い家賃の住宅に入っている者の方が自前の家に入っている者よりも年金が高くなる。老後の安定のために家をつくらせようというつもりがあるなら話は別でありますが、年金の建前の議論として見ると、これも年金標準報酬に入れて年金をより多く支給するという論理――通勤用の乗車証は国鉄みたいなところも私鉄も恐らく出ていると思うのです。その場合、一つの有額なものとしてみなすということになれば――恐らくバスは入らないですね、東武なら東武電車の分だけ乗車証で現物支給されるというようなことも起きて年金が下がる、こういうことになるわけです。 これも常識的な話で、国家公務員というのは、通勤手当でばさっと出して適当にごまかす筋のものでもないし、住宅手当でばかっとやるものでもない。そうすると、こういうものを統一していく場合には、通勤手当や住宅手当というものは標準報酬の中から――掛金を余計取りたいという厚生省の気持ちはわかるけれども、そういう上乗せをしたのでは泥棒よりひどいと思うのです、実費支弁でかかってさらに本俸に食い込むのですから。そういう物の発想が許されていいものではないだろう。ただ、通勤費は非課税なので、企業主は、税金のかからない金で、一万円しかかからない者に三万円出そうと考えるという発想がある。通勤費も何も掛金の中へ入れて取ってしまえというこの矛盾した形が年金額を決めているわけです。年金の方では含める、税金の方では非課税という形が今日の矛盾を拡大しているわけです。公務員の方はそういうことができませんから、これが全部入ってくれば、このとおり遠くから通っている人の年金は高くなり、近くから通っている人の年金は低くなるという形が生まれてくる。 時間がないけれども、大臣、そういう問題があるということだけはわかりますか。
○竹下国務大臣 これは要するに年金の大宗をなす厚生年金に大体合わせようという考え方なんです。したがって、通勤手当、住居手当問題というのは前にも議論があったところでありますが、端的に申しますと、厚年の方へ合わせたという感じのものでございますから、これは厚生省と相談していく課題だなという問題意識は私も持っております。
○沢田委員 じゃ、もう一つだけ。 大臣、人生には、とぼとぼと四十年勤めましたという形の人生もある。野球で二軍みたいなところに入っていて早目に寿命が来てしまって、後どうしようかという人生もある。厚生年金が物を考えた発想の原点というのは、どんな職業であろうと四十年働き続けるという前提で考えているわけです。ところが、現実にはそうはいかない人たちが多い。相撲取りだって六十で横綱張っている人はいませんし、野球の選手でもそういう状況はあり得るわけです。それぞれの職業の寿命が違う。それを四十年という長丁場で物を見ていくということは、楽なときもあれば極めて厳しいときが生まれるということを想定しなければいかぬ。そういうことを考えますと、景気のいいとき、楽なときに一度に納めていくという方法を制度として考える必要がある。 お手元の数字にもありますが、今七千円として一年分八万四千円を一回で納めた。それを五%、大臣は公定歩合をどんどん下げていきそうだから、五%として計算してみた。それで、三百円ずつ値上がりしますから、三千六百円ずつは自動的に上がっていく分として計算をして五年目に六百九十四円残る。十年目には八百八十六円、十五年目には千百三十一円、二十年目には千四百四十三円残る。引き上がった部分をそのまま五%で運用して納めると仮定すればそうなる。 それで、問題になるのは五年目ごとに行われる物価スライド。ところが、五%と低目に見ていますから、これからインフレが特別生じない限り、二・三%なり三%ぐらいの物価上昇でいくと仮定すれば、八万四千円納めた金額は二十年目には十万二千三百十一円になる。これもお手元にやってあります。そういう意味で一括納入あるいは部分的に短縮納入。特に三十歳、四十歳の人はどうやってみても満額でもらえないのですよ。三十歳代の人が四十年掛けることはほぼ不可能である。だから、それを詰めて納めることを認めてやる、こういう制度をどうしても考えてもらいたい、こういうふうに思います。これも大臣がすぐ答えられるかどうかわからないけれども、今までの厚生省じゃ信用できないから、大蔵大臣がこの勘定を受け取るに当たってその制度は考えてほしい。第一、大蔵省も助かるし厚生省も助かるはずです。部分的なプラス・マイナスはあるかもしれませんが、そういう職業の多様性を考えてみたときにはこういう制度が考えられてしかるべきでないか。それから、もし著しい物価変動があった場合は、五年目で六百九十四円ですから、六十円でも郵便料金はこの中から十分出てくる金額ですね、十通出しても六百円ですから。ですから、五年目ぐらいになったら、あなたの物価スライド分では結果的には六百九十四円の残にはなりませんよと通知することは不可能ではない。十年目なら十年目になって不可能ではない、こういうふうに思いますので、一括納入、短縮納入が――大臣、あとほんのちょっぴり答えて、予算委員会が歳入委員会に優先しているというのは大体けしからぬと私は思っている。歳入なくして何が歳出か、こう思いますけれども、その点の不満を表明しておいて、大臣から答えてもらって、行ってください。
○竹下国務大臣 これも恐らく年金設計の問題ですから、民間なら考えられることでございますが、将来の保険料の額が変動するというようなことを考えてみると、私企業なら別ですが、そういういわば年金設計あるいは保険設計というのは、私素人でわかりませんけれども難しいのじゃないかなという気がいたします。その程度の知識です。
○沢田委員 じゃ、どうぞ行ってください。難しくない、できると私は思いますが、できるように考えてもらうことをお願いして……。 問題はまたもとへ戻りますけれども、一つは、先ほどいろいろと述べましたが、これは厚生省の方に聞くのですが、要すれば今度の基礎勘定で、各年金から拠出をする金額は五兆四百十七億、国民年金が自分で出している金は一兆八百七十三億、これの差し引き勘定は、結果的に見ると、滞納者、免除者、こういうものもその原因の大きな一部になっているのではないかというふうにまず第一に思います。 それから、もともとが三分の一ではこの構成が無理だ、やはり三三%では無理で、極端に言えば五割支給を国がやらなければ成り立っていかない、こういうことになっていっているのではないかと思いますが、その点は厚生省はどう考えておられますか。時間がありませんから簡単に答えてください。
○長尾政府委員 先ほど基礎年金勘定のそれぞれの収支につきまして、基礎年金勘定の上での国民年金勘定の部分が非常に受け取り超過になっているのではないかという御指摘がございまして、その部分の大きな理由は、被用者の妻の扱いが今回の基礎年金勘定の計算の基礎になりました新制度と旧制度と大きく違っておるということを申し上げたわけでございますが、今先生の御指摘は、国民年金の被保険者の中で免除を受けておる者がおって、その者の拠出がないことから国民年金勘定の負担が少なくなっているということではないかという御質問かと思います。 現在国民年金の免除を受けておられる方は、五十九年度の数字でございますが、三百十九万人となっておるわけでございます。国民年金は、先生御承知のように、被用者年金に加入しておられないその他の二十から六十歳の国民総員ということでございますので、この仕組みの中では、例えば生まれつき体が御不自由であるといったことでお勤めができないという方々や失業中の方、こういう方々も全部含めておるわけでございまして、全就業年齢のうち一部の就業できない方々はすべて国民年金の被保険者という扱いになっておるわけでございます。三百万という数字は大変多いという御指摘かと思いますが、この点は、こういう事情にあるということも御理解をいただきたいと思います。 免除の実態につきましては、適正に運営をするようにという御指摘を国会からいただいておりますが、私どもはその方針に沿って、免除の適正な運用ということには努力させていただきたいと思っております。
○沢田委員 国鉄でも、他の組合に迷惑をかけているからということで、職域年金なり職域加算はゼロにしているわけですよね。やはりこれからの年金制度の統合化を進めていくとすれば――私は事情の説明を求めるのではなくて、そのものに矛盾があるのじゃないのかということを言っておるわけですが、例えばお勤めになっておられる奥さんがこの基礎年金に入ってプラスがあったのかどうか。離婚のときだけぐらいなものでしょう。それ以外のときには、遺族年金なんかにしたって二分の一は今までもらっていた、基礎年金プラス四分の三にしてみたってそれほどの違いは出てこない。だから、一般の勤め人の奥さんが強制的に加入をさせられたのは負担の増大をもたらしただけだということになっているのが現状ですね。喜んでいる人はそれほどいない。ただ、自分の年金が満期になれば五万円、年六十万円が確保される権利が発生した、離婚をしてもその分は自分にくっついていくという場合。まあ離婚が多いからそういう政策もあっていいとは思いますよ。しかし、それならそれなりの独自の政策を確立すればいいのであって、今言われたような形で強制加入をしたことによって国民年金全体の年金財政を助けるための財源に充てるという方法は邪道と言わなければならぬのではないか。それならば、そのような提案の仕方があったのではないのか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○長尾政府委員 基礎年金の仕組みでございますが、基礎年金は、各年金制度の赤字分を補てんするということではございませんで、各保険に加入しておられる方に同じ拠出をしていただきまして、将来その拠出に基づきまして給付の権利が約束される、こういう仕組みになっておるわけでございます。国民年金で、今所得がないということで免除を受けられた方につきましては、免除を受けられた期間に相当する部分は国庫負担相当しか給付の上で反映をいたさない、こういう形になっておるわけでございまして、基礎年金の基本的な仕組みがこういうものであるということは御理解をいただきたいと思います。 それから、婦人の年金の問題でございますが、今回の改正前に、女性の年金権のあり方については各方面からさまざまな御意見をいただいたというふうに承知をいたしておりますが、その中で、奥様方についても独自の年金権をというのは大方の共通した御意向であったというふうに考えるわけでございます。それにこたえた形の今回の改正でございますし、そういう意味で、奥様方の年金がそれぞれの独自の年金として保障されたということがこの改正の大きな効果であると思います。 もう一つは、負担の面では、従来個々の家計の中から負担をしていただきましたものが各保険者の団体として負担をしていただくという仕組みに改まりましたことも、それぞれの御家庭にとってはプラスになっておるということは申し上げられるのではないかと思います。
○沢田委員 説明はもうこの前の国会のときに出ていることであって、私はその中での矛盾点を実は指摘しているわけでありまして、厚生年金から二兆九千五百七十億を国民年金勘定へなぜ払わなければならないのか。その中には、新規裁定者の分は五千億くらいありますね。だけれども二兆九千億も厚生年金から拠出している。いわゆる奥さんの強制加入がさっき言ったように厚生年金の負担がだんだんふえていく一つの大きな要素になっておる。一方では国民年金は一兆円ぐらいしか繰り入れないで、言うならば五兆円の二〇%にしか相当しない、残りの八割は言うならば他の共済が背負っていく、こういう形になっておる。そのこと自身に御理解をいただきたいと言ってみても、果たしてそれは国民が本当に知って理解をしたと言えるのであろうかどうか。そういう話ではなかったはずだ、国民年金は国民年金として成立をし、加えて共済年金やその他の人たちも国民年金の上にプラスする、それは八千円もプラスして出しますよということを約束したものではない、私はこういうふうに判断をするわけです。ですから、これはもう説明を求めません。その点については社会労働委員会でやってきたことでありまして、それにけちをつけることが果たしてどうなのか、同じ衆議院の中ですから問題はあるだろうと思いますけれども、いずれにしても、この収支勘定を見ましても、国民年金からは一兆四千億、厚生年金からは二兆九千億、各共済組合からは六千四百四十六億、こういうものを出して、歳出としては、国民年金勘定に二兆七千億、厚生年金に一兆四千億、そして各共済組合に三千四百七十四億を払う、この数字には間違いないですね。
○長尾政府委員 大まかな数字で間違いがないというふうに考えます。
○沢田委員 こういうことでこの矛盾を継続しておくことは望ましい状態ではないというふうに思いますが、当たり前だと思っていますか、これは望ましい状態ではないと思っていますか、どちらですか。
○長尾政府委員 この点につきましては、先ほど先生から御質問がございましたように、今後こういった基礎年金勘定の財政がどういうふうに推移をしていくかということを全体を見ていただきまして御評価をいただきたいと思うのでございますが、先ほど申し上げましたように、基礎年金勘定でいわば対象といたします給付は三十六年四月一日以降の給付、その基礎年金見合いの給付ということでございます。したがいまして、現段階では各制度に成熟化の差がございますが、これが時間の経緯とともに、各制度ごとにならされていくという事情があることは御理解をいただきたいと思います。したがいまして、現在のそれぞれの持ち出し、それから受け取り超過といったような各制度間の差は、将来におきましては変化をしていくということであることは御理解をいただきたいと思います。
○沢田委員 だから、変化がだれにプラスでだれにマイナスか。「誰がために鐘は鳴る」という言葉じゃありませんが、そういうことになるのであって、その辺の問題を指摘をしておいたのです。 そこで、さっき言ったこの数字は、六十一年度を一〇〇にして、六十五年度は一二七、七十年度は一六〇、八十年度になると倍になる。これは拠出する側の立場がこういうことになりますが、大まかに言って、この傾向はこのとおりだと理解してよろしいですか。
○長尾政府委員 これは、基礎年金給付費全体の総枠の将来の見通しについての先生の御指摘ではないかと思います。先ほど申し上げましたように、基礎年金給付費といたしましては、三十六年四月一日以降の期間は各被用者年金の方で本来の基礎年金は出ていくという形がふえていくわけでございますので、総額としては先生おっしゃるようにふえていくということはそのとおりでございます。
○沢田委員 順次詰めていきます。 徴収免除者の認定は、どういう基準に当てて免除しているのか、その基準だけひとつお知らせいただきたい。
○長尾政府委員 生活保護を受けておられるといった法律上免除になる方はございますが、先生の御質問は、いわば法律上ではなくて、私どもが認定をする場合の基準かと思います。 市町村民税が非課税になっておられる方、これは世帯の全員について考えるわけでございますが、全員の方が非課税になっておるという場合にはこれは免除をいたしております。それから逆に、世帯全体の中で所得税を課税されておられる方があれば、これは免除の対象になりません。問題は、この間の層の方でございますが、この点につきましては一定の基準をつくりまして、例えば災害を受けて昨年収入がないといったようなものを勘案いたしまして認定をするというのが大まかな原則でございます。
○沢田委員 時間の関係で次へ行きます。 先ほど大臣に述べましたけれども、厳しい生活に追い込まれている人は、同情をするにやぶさかではないと思うのであります。しかし、その人が一生そういう状態であったのかどうかというと、そうでないかもしれないのであります。必ず華やかな時期もあっただろうと思うのであります。それで、一括納入という制度をそのときには採用できるようにしたらどうか。苦しくなれば滞納である、免除である、楽なときには素知らぬ顔をする、こういうことでなしに、楽なときにできれば納めておく。それが今私の若干の数字的な計算でいってみても、三百円の値上げの分に見合っていく分は十分間に合う、あるいは通知する郵便費用の分も十分賄うことができる、あとは物価上昇のスライド分がどうなるか、こういうことだけである。だとすれば、もし七千円が八千円であるにせよ、あるいは一万円であるにせよ、そういうことによって、よかったときに将来の分、年間十万円なら十万円を見て、二割のいわゆる弾性値を見ておく。二割の弾性値を見れば、五年ぐらいだったら日本の政府は日本の政府で今経済の見通しを出しているわけです。その見通しで物価上昇は大体考えられる。今のところは二・三%、こういうような状況ですから、それで物価上昇分を出すことは不可能ではない、こういうふうに思いますが、その採用についてはいかがですか。
○長尾政府委員 国民年金について保険料を、例えば全期間前納させるということをやってはどうかという御指摘かと思います。 先生御承知のように、実は国民年金は昭和四十八年前には保険料の前納という制度がございました。これを廃止をいたしたわけでございます。四十八年に自動スライド制を導入いたしましたので、保険料がいわば自動的に上がるような仕組みになったわけでございますので、前納されますと、追加分を後で払っていただかなくてはいけないという仕組みになるわけでございます。今先生から、その分を払わせるということでできるのではないかという御指摘もあったのでございますけれども、実際問題としてこれはなかなか難しかったようでございまして、したがいまして、その分を給付の上で例えば減額するとか、これは実は厚生年金にもあったわけでございますけれども、四種でございますが、そういうような措置をとったわけでございまして、先生の御指摘、確かに人生の中には保険料負担ができる時期とそうでない時期がございますので、大変ありがたい御提案だと思うのでございますが、事務上はなかなか難しい。それから現実問題といたしましていろいろ混乱があるということではないかと思います。現実には後納ですね、保険料免除をお受けになっておられて、後で収入があった場合に前の期間を追納するということは現在の制度にもございます。
○沢田委員 今のコンピューター時代に、これだけの人数がコンピューターに入らないなんということはないので、そのあきらめたときというのはコンピューターがなかった時代なのです。だから今の時代には通用しないのでありまして、今はそこを番号で探せばぱさっと出てきて、あなたは何年で幾らマイナスです、プラスですとすぐ出るわけですよ。一つの欄に三十人分ぐらいずつ出てくるわけです。だから、今はそういうことが全然不可能な時代ではない。もしそうだとすれば、あなた方、コンピューターを知らないんだ。だから、そういうことでコンピューターに入れればそれは簡単に出てくるわけであるから、そういうことで、現在の状況において、個人個人の五年後あるいは七年後の過不足が皆わかるようにもうできるはずですよ。ですからぜひ採用して――どうもあなたが女性だから、つい強いことを言えなくなってしまって、そうでなければもう少し激しく言うのだけれども、どうもそうも言えなくなるので困るのだけれども、気持ちの上では相当きちっとした答えをしてもらいたい心情で物を言っているのでありますから、そのつもりでひとつ答えてください。
○長尾政府委員 現実には保険料額を納めていただいたものについての記録の管理は適正にやらせていただいておると思います。先生御指摘のような形で全期間前納していただきますと、足りない保険料を追加納付していただくわけでございますけれども、従来の経緯でございますと、その差額を納めていただくということがなかなか難しくなりまして、そうしますと、前に納めていただいたものを前の方に集めるという形をとらないといけないわけでございますが、そうすると、どの期間が納入されたかということによって給付の上でいろいろな仕組みが違ってくるといったような技術的な面もございますので、そういう面で廃止をさせていただいたという経緯でございます。なお勉強させていただきたいと思います。
○沢田委員 何とか検討して採用できる方向で、例えば私は何年度から何年度分をというふうにすればそれも不可能ではないだろうと思うんですよね。ですから、例えば三十歳から四十歳ぐらい、こういうふうな年齢を挙げましたが、いわゆる四十年の満期に達しない人の年金額というのは大体二万円ぐらいになりますか、最低は一万七千円ぐらいになるでしょうね、三分の一ですから。そういうようなことになるので、そういう人たちには、そこで足らない十年分を納めて満期にするという方法の措置は講ぜられる、考えられる、こういうふうに理解してよろしいですか。
○長尾政府委員 保険料の免除を受けられた方につきましては、十年間の追納の制度がございます。それから、保険料を全く納めなかったという方につきましても、六十歳から六十五歳の間は任意加入ということで、追納ではないのでございますが、その部分を納めていただくということはできるわけでございます。
○沢田委員 だから、三十歳なり、四十歳くらいの人は満期にならないからその足らない分を納めるということの方法はできますか。
○長尾政府委員 保険料の徴収の時効は二年でございますので、いわば被保険者であった期間に滞納されていたものを追納するということは二年間しかできないということでございます。ですから、今先生のお話のように人生の半分くらいは滞納されておられたということでございますと、今申し上げました六十歳から六十五歳の間に五年間加入していただいて満たせるかどうかということになるかと思います。
○沢田委員 たかる、それでは金額がうんと少なくなってしまうのですよね、結局掛金を納められた期間で計算する以外にないのですから。掛金を納めた部分の期間で計算をするということは、結局四十年掛金を掛けるという実績がなければ四十年に相当した年金額は保障されないのですね。ですから私が言おうとしていることは、いろいろな事情はあるでしょう、しかし、四十年に満たした金額が欲しい、ここで言えば月五万円を確保したいという人は――いわゆる二年の時効も実は問題があるので、苦しいときもあるだろうし、あるいはどこかへ行っていたときもあるだろうし、いろんな事情があるだろうと思うのですが、これは別の問題にします。とにかく、いずれにしても四十年納めることが可能な方途を講ずる、どういう理由であるにせよ、どういうケースがあろうと、とにかく四十年完納する道を開く努力をしてもらいたいというのが今私の言っている主張なんです。適宜、最初に納める人もおれば途中で納める人もあってもいいじゃないか、いろいろでこぼこはあるでしよう、物価スライドの問題とか五カ年ごとの財政再計算があるから。原則をそこに置いて物を考えてほしい、こういうことを言っておるわけです。それを前向きに考えていってもらいたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○長尾政府委員 国民年金も社会保険の基本的な考え方に基づきまして成り立っておりますので、保険給付をお受けになる時点になって保険料を逆算してお支払いになるという、保険の言葉でいわゆる逆選択的な仕組みは、制度としてはとり得ないというふうに思います。 したがいまして、納めていただけない期間は、例えば免除申請をしていただいて免除という期間にしていただきますと、先ほど申し上げたような形で十年間の追納ができるということになっておるわけでございます。
○沢田委員 前の方になれば財政再計算で不安がある、後ろになれば逆算しろ、両方だめだということなんだよ。だけれども、とにかく一応そういう人たちは今悩んでいるのです。婦人は婦人で分けられてしまったから、そういう人たちは悩んでいるわけですから、そういう四十年働くことの不可能な状況の人、あるいはとても四十年満たないという人は、何らかの方法で四十年満たせる道を見出してほしい、こういう希望が多いわけです。そういう道を開くようにしてほしいというのが私の要望です。 逆算して納めるということはなかなか難しいだろうと思う。だけれども、最初は財政再計算がわからないから難しい、それじゃ両方だめになってしまうので、そういうことじゃなくて、あとは再計算のずれはずれとして、あるいは減額支給をするとか何かの方法もあるわけですから、一括納入なりあるいは五年分短縮してまとめて納めたというような場合についてはそれなりの措置を講ずる方法を検討してください。よろしいですか。
○長尾政府委員 研究させていただきます。
○沢田委員 ようやく研究にいくまでにこれだけかかるのだから、実現にはなお遠いな。 大部分の時間をここでとってしまったが、さっき聞いていた通勤手当と住宅手当。あなたも公務員の一人でいらっしゃれば、そういう点はおわかりになられるだろうと思いますし、周りの部下の人なり何かもそういう立場の人がいろいろいるわけですね、案外距離は近いのですけれども、いろいろな乗りかえ、乗りかえで通ってくるとすぐ三万円くらいになってしまう人もある。遠くても直線の場合は案外安い。そういうような例もあるし、この通勤費を掛金の算定に入れるということは見直す段階に来たのではないのか。それからもう一つは、住宅手当についても再検討する時期に来たのではないか。 もし非課税の分で企業がごまかしをするというならば年金額がそれだけ減るということになるのであるから、それは因果応報の結果が出てくるはずなんですね。ですから、その点はきちんとして、昔のように脱税の方に重点を置いていわゆる年金の給付の方を軽く見るという発想ではなく、老齢化社会を迎えていますから、これからはやはり年金の方に重点を置いていく段階に来ている。だからそういう発想は転換していいのではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○山内政府委員 先生の御指摘の点は共済の報酬制度に関する点であろうかと思うのでございますが、実は先生も再三援用なさいましたように、厚生年金でやっております標準報酬の決め方がこの前提になっておるわけでございます。 これは今もお話の中にございましたように、民間企業の場合にいろいろな企業もあり、手当の種類もいろいろありますものですから、どうしても一々実費弁償であるかないかを事業所ごと、個人ごとに精査してやるということはできないというところから、少なくとも今日までの厚生年金の標準報酬は通勤手当、住宅手当も入れたものを掛金の対象にする。ただしその反面ではもちろん年金の給付額の算定にも使っていることは、今先生御指摘のとおりでございます。やはり事業主側では、いろいろな企業がございますし、保険料算定の基礎は労使の負担、事業主の負担も絡むものですから、どうしても厚生年金の場合は手当類を外すという原理を立てますとそちらへやはり実質的な報酬を逃がしていくという傾向が出てくると思いますので、今後とも厚生年金の方はこの建前をとらざるを得ないと考えております。
○沢田委員 そうすると、人事院も来ていると思いますが、人事院で給与の勧告をした場合に、通勤手当が標準報酬に入れば、現在六・三、国鉄なんかでいけば一〇・二、こういう一割に匹敵する部分、通勤手当の分は丸々通勤費に使ってしまって、その一割分はほかの給与の分から差し引く、こういうことは人事院の方のいわゆる給与算定の場合の根拠に含まれているのかどうか。通勤手当を含めて取るとすれば、通勤費プラス六・三というものを加えてやらなかったならば正確な通勤費とはならない、こういうことになります。でなければ、通勤費をごまかせということですか、きせるか何かやらせて。そういうことで六・三分をごまかさなければ通勤費に見合ったものにはなっていかないのですね。その辺の整合性はどうとらせようとしているのですか。これは厚生省と人事院と両方に聞きます。
○鹿兒島政府委員 まず人事院からお答え申し上げたいと思いますが、私どもが給与の比較をいたします場合には、それぞれにつきまして官民の比較をいたすわけでございますけれども、その際、最終的に給与額を勧告します場合には、いわゆる公租公課の負担でありますとかあるいは掛金の負担でありますとか、こういうものにつきましてはそれを差し引いて計算をするというようなやり方はいたしておりません。御承知のとおりでございます。
○山内政府委員 社会保険全般がそういう考え方になろうかと思いますが、やはり事業主側も個人側も一定のルールで決められた掛金を負担し、その負担した額が年金給付につながるという点では、やはり一つのバランスがとれた考え方ではないかと思います。 先生がおっしゃる意味は、個々の通勤手当の額、住宅手当の額に食い込むではないかということになれば、それはその他の給与部分でやりくりをして掛金を賄うという説明をせざるを得ないかと思います。
○沢田委員 それは矛盾は感じませんか。例えば、あなたも通っておられるのだろうけれども、公務員にはそう甘い通勤費は出ないから、最寄りの駅から最寄りの駅ということで出るのだろうが、それで定期を買って、だから庶民の知恵というのは、一カ月分の通勤手当から、六カ月定期を買ったり三カ月の定期を買ったりしてその差額をもうけて、もうけていると言っては悪いが差額を浮かしているのが現状かもわかりません。しかし、それにしてみてもその分に年金分がプラスされることは矛盾じゃないですか。その分だけプラスされて掛金を納めるということは、通勤費でもらっている分がマイナスになるわけですからね。その点は制度として矛盾じゃないですか。それから使用者側も、通勤費をちゃんと支弁しているのにさらにまたそれに掛金分を支弁するということは矛盾じゃないですか。
○山内政府委員 私個人が公務員として矛盾を感じるかどうかは別としまして、やはり社会保険というのは事業主が支払う報酬に着目して負担能力を見るというルール、それからこの問題は、冒頭に申し上げましたように、非常に数多くのいろいろな種類の企業のございます民間の厚生年金制度ではどうしても採用せざるを得ないという前提がございますので、そこは率直に申しまして、共済各制度においてもそれに倣った建前をとらざるを得ないのではないか。他省の所管になりますが、私学共済、農林共済は既に厚生年金と同じような措置をとっていらっしゃるということもございますので、そこはやはり割り切らざるを得ないのではないかと私自身も考えております。
○沢田委員 人事院の方は、手取りのことは関係しません、名目の支給だけが人事院の管轄範囲内で手取りの分は関知しないんだ、こういうことで勧告をしているんだというふうに理解していいのですか。
○鹿兒島政府委員 ただいまお話しの問題につきましては、昨年国家公務員等共済組合法の改正の審議の際にもいろいろ議論になったことは私どもも重々承知をいたしております。先ほど大臣の方からもお話がございましたとおり、厚生省ともいろいろお話し合いがあるようでございますから、その成り行きを見守っていきたいと思っております。
○沢田委員 人事院としてどう考えるかということを聞いているのですよ。手取りは議論の対象じゃないんだ、それは税金がどう変わろうと、社会保障費がどうふえようと、どういう形になろうとそんなことは問題じゃない、名目支給だけが人事院の管轄の範囲だと解釈しているのかどうかということを聞いているわけです。
○鹿兒島政府委員 公租公課でございますとか掛金、これは一つの給付全体を対象として課せられるというぐあいに考えております。したがいまして、個々にその内容を分割いたしまして、それぞれについて公租公課とか掛金、こういったものの目減りと申しますか、いわゆる考えられる減額分をどう補てんするかということは、私どもとしては考えておりません。
○沢田委員 これはまた後でやるとして、あと大蔵省の方に聞きますが、通勤費が非課税だというのはどういう意味で非課税ですか。
○保田政府委員 私は歳出の方の担当でございますのでなんですが、常識的に考えましてやはり実費弁償だということから課税の対象外となっているのだと思います。
○沢田委員 どこにいってもやはり矛盾は残るようですが、では、例えばさっき言ったように、東武さんなり西武さんなり国鉄なりで、自分の列車を利用して乗車証を発行して出したものは有償の通勤手当と見る、こういうことですか、それともそれは別なものなんですか、どちらなんですか。
○保田政府委員 先ほど申し上げましたように実費弁償である、費用であるというふうに判断をするとすれば、それは純粋な意味での報酬と言えるかどうか多少疑問であるような気がいたします。
○沢田委員 社会保険庁の方は、それは通勤費として有価証券という形で出されているものであるから、そうすると当然みなしの収入と見て負担をする、今までの論理でいけばこういうことになりますね。
○長尾政府委員 先ほど申し上げましたように、現物給付がいろいろな会社の実態に応じてあるわけでございますけれども、それについては公平という観点からいって全部を一応金銭に評価し直して対象に入れております。
○沢田委員 そうすると、今の表現は、そういう場合も、有価証券という言葉がいいかどうかわかりませんが、現物支給としての現金支給と同じ種類のものである、こういうことで対応するという意味に解釈していいですね。
○長尾政府委員 そのとおりでございます。
○沢田委員 ただし、この通勤費、住宅手当については、先ほど述べたように高い家賃の家に入っている人と自前の家に入っている者との違い、それから遠くからというよりも物すごく煩雑な通勤網で通ってくる人のいわゆる通勤の収入ともらえる年金とのずれ、こういうものが職務内容以外のものとしては大変重要なアンバランスを生む材料になっておると考えます。その点は、公務員関係、共済組合関係ではそういう印象が強いのでありますが、民間はどういうふうにやっているか別として、私の言う説は公務員には当てはまると思いますが、それは厚生省はどう思いますか。
○山内政府委員 厚生省としてその問題にお答えするのはいかがかと思いますが、私ども民間の厚生年金をお預かりしている立場では、給付の面でも今度は大きな意味では改正があったわけでございますが、負担の面でも、比較のできるシステムはそれなりの合理性があるのではないかと考えております。
○沢田委員 あなたの言っていることは庁内の公務員の中では通用しない論理だ。恐らく赤ちょうちんかなんかに行って、あんなばかなことをあいつは答えたけれども、とんでもない話だというふうにあなたも言われるだろうし、おまえの方が遠くの方から来ているから年金をもらうのは多くなってしまう、仕事はおれの方がずっとやっているのだというふうな議論がこれからはちょいちょい出てくることになるし、あるいはそのことが恨みつらみになっていじめにもつながるかもわからない。そういうことをよく考えて厚生省としては対応してもらいたいということを要望しておきます。 続いて今度は恩給法で、五・三%の恩給改定の法案が出されております。とりあえずは物価スライドということに年金がなっておりますから、二・三%くらいの物価スライドというのが今の状況でありますが、この前の国会の論議の中では、少なくともこの問題については総理府としても再検討をして年金の物価スライドについては歩調をそろえよう、それでさらにいろいろ意見が出されて、賃金スライドも加味していく方法を共済年金にも採用するべきだ、あるいはする方が望ましいという附帯決議も出されているわけであります。この際、恩給の分が賃金スライドを適用するということは、一回の間違いでは済んでいかない、この後も引き続いて同じ問題が起きてくることになると思いますが、その点はどのように考えているわけですか。これは総理府ですね。
○鳥山説明員 ただいま先生御指摘のとおり、六十一年度の恩給のベースアップについては従来どおり前年度の公務員給与の改善を基礎としてやらせていただいたわけでございます。そこで、従来から私どもが重大な課題であるとして検討を続けておる問題、つまりスライドのあり方、これはただいま先生おっしゃいましたように、物価スライドに切りかえるということで検討しているというわけではございませんで、従来どおり賃金スライドでいくかあるいは他の公的年金と同様に物価スライドに移行すべきかというその検討をいたしておるわけでございます。 そこで、共済年金におきましてスライド規定が入りましたが、これが具体的に始まりますのが六十二年度からでございますので、その時点までには私どももその腹固めをすべきではないかということで鋭意検討を続けているわけでございます。
○沢田委員 そうすると、本年は従来の賃金スライドでいくけれども、一応六十二年度を目途に、どちらになるかは別問題としても、いずれにもその段階で各種年金との均衡、調整、こういうものを図っていく方向で検討していくんだ、こういう意思だというふうに解釈してよろしいですか。
○鳥山説明員 そのとおりでございます。
○沢田委員 続いて、まだ国共審等の審議は終わっているかどうかわかりませんが、特に今、三月末を目前にして、やめていかれる方には所得制限の問題は極めて心配の種の一つであります。これは、厚生年金とも非常に問題がある課題でありますが、共済年金関係のいわゆる所得制限、併給調整、こういうものについて若干メモったものもありますが、一応現在の段階にどの辺まで進んでいるのか、また発表できる中身はどの程度なのか、お答えいただきたい。
○門田政府委員 ただいまお尋ねがございましたのは、退職共済年金等の受給権者が再就職して厚生年金の被保険者等となった場合のケースの話でございまして、これは政令で定めるところによりまして、給与所得の高低に応じましてその退職共済年金の一部を支給停止する、こういうことにいたしておるわけでございます。 ただいま御質問がございましたように、実はこの関係は今国共審に提出いたしまして、御検討、御審議をいただいておるところでございます。結論は近日中に出るかと思いますが、まだ検討、審議の段階でございます。 ただ、せっかくのお尋ねでございますので、その大きな方向を申し上げますと、基本的には、再就職後の給与所得とそれから共済年金額の合計額が国家公務員の標準的な給与とバランスがとれるようにする必要があるであろう、こういう観点に立ちまして、具体的には、国家公務員の標準的な給与程度の給与所得を得ている人につきましては年金額の二分の一を支給停止する、そうしてそれより所得が高くなる人につきましては停止率を高めまして、最高停止率は百分の九十、つまり九割支給停止する、高所得者につきましてはほとんど停止してしまう、低い方の方はもっともっと停止割合を低くする、こういう方向で審議が進んでおるところでございます。近日中に結論を得ることができると考えております。
○沢田委員 今、近日中ということになると、前年度所得で一応測定をするわけでありますから、実質的な施行を考えますと、去年はもう過ぎているわけですね、これは暦年でいくと考えますから。そうすると六十二年の段階にもう入っちゃっているわけですから、結果的に実質的な施行は六十三年からでなければ発動しない。それまでは現行の制度が継続する、こういうふうに解釈できるような気がします。この点は、まあこれはまだ決まってないということでしょうけれども、そういう方向に物理的になるんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
○門田政府委員 御指摘のとおりでございまして、六十一年四月からの改正施行でございますから、この関係は六十三年度からの適用になってまいる、こういうふうに考えております。
○沢田委員 年度と言われるが、これは暦年なのか年度ですか。これはもう一回そこを、四月一日から翌年の三月三十一日までですか、それとも、税金の申告の暦年ですか、どっちなんです。
○門田政府委員 これは対象になりますのが一年間の所得でございますから、六十二年中の所得に基づきまして六十三年からの実行がなされるということで、暦年でございます。
○沢田委員 暦年ですね。そうでないとなかなか把握しにくい面があるだろうと思うのであります。 そこでもう一つは、期末手当、ボーナス、これは厚生年金から外れているということで、九万円以下、今、第二の人生をいっている人は七万とか八万の給料にしておいてボーナスで七十万出すとか百万出すとか、そして年俸は二百四十万に合わせるといったような方法が厚生年金ではとられているという現実がある、現在の段階は。そういう方向については承知していますか。
○山内政府委員 端的なデータとしてはちょっと把握したものはございません。
○沢田委員 考え方としてそういうことが通常厚生年金の中では行われる要因を持っておるし、また当然、勤める人も六十四歳まで年金ゼロになっちゃうのでありますから、結果的にはその制限額以下で通常月給を支給して、そして通勤手当まで掛けることなんかしないで、それだったらボーナスで把握する方が逆に妥当じゃないかとさえ私たちは思うのでありますが、その辺はどういうふうに考えておられるわけですか。
○山内政府委員 確かにボーナスの問題、国際的に比較しますと我が国固有の面もあるようでございますが、やはり中長期の課題としては、むしろ、先ほど言いました、ボーナスを社会保険がどうつかまえるかということが懸案になってくるだろうと思っております。
○沢田委員 つかまえ方と言うけれども、源泉徴収票を出すんですから、これはつかまえ方も何もないので、全部はっきりわかるんじゃないんですか。脱税している期末手当というのは余り聞かないですがね。
○山内政府委員 つかまえるという言葉は捕捉という意味ではございませんで、社会保険料の対象に制度的にどう取り入れるかということは課題になるだろうというふうに申し上げたわけでございます。
○沢田委員 今言ったような総合所得制というものに視点を置いていくことが社会保障制度の物の考え方の中には妥当性がない、そういう根拠はどこにあるんですか。
○山内政府委員 妥当性がないというよりも、やはり本来的なボーナスそのものは、業績によって出るという意味で、恒常性がないものでございます。それから、いろいろな企業の中にはもちろんボーナスの出方の多いところ、少ないところもある点がございますけれども、一般的な生活慣習の中で、そこまで年金掛金の対象にすることはという国民生活的な感情があろうかと思いますので、まだそこまで踏み切っていないということでございます。
○沢田委員 そこで今度は、国家公務員なり共済組合の方は、聞くところによれば、これを、今言われた数字は年間の総収入である、少なくとも給与であり総収入であり、そういうものによって分別していく、こういう物の発想だというふうに聞き及んでおりますが、そう解釈してよろしゅうございますか。
○門田政府委員 先生おっしゃいましたように、従来この年金の世界では、毎月の給与等、こういうものを中心にいたしまして掛金を取り、年金額を算定しておった、こういう実態があるわけでございますが、今おっしゃいました総収入制といいますか、これも確かに一つの観点であるというふうに思います。外国の文献等見ましても、そういう考え方も大いにあり得るわけでございます。ただ、現実にそこまで我が国の場合にはいっていない、こういうことでございます。 ただいまの私どもの所得制限の方の話は、これはやはり生活実態といいますか、そういったものから見て、現役の年金掛金を負担する公務員等と、それから年金を受給する方が第二の職場で同時に所得も得ているその生活実態、この実態のバランスが必要ではないか、こういう観点に立っておりますので、おっしゃいますように今言われた言葉では、いわば総収入あるいは少なくとも所得、こういった考え方になっておりまして、毎月毎月の給与等という考え方はとっていないわけでございます。そこは確かに御指摘のとおりでございます。
○沢田委員 では、これはまだ未定の問題もございますので、これ以上追い詰めて聞いていきましてもいろいろ問題があるだろうと思いますし、時間も迫っておりますので、その辺で終わります。 最後にまた一番当初の問題に戻りまして、これはお願いをするわけですが、国民年金の六十一年度はこういう計算になりました、では、六十二年度の想定というものは計算できるのかどうか。そして、国民年金の積立金残は現在二兆七千億ぐらいだと思いました。そのぐらいありますけれども、六十二年度については、新規裁定分がこれでいくと五千億ぐらい入ってくるわけでありますが、それが出たと仮定して、六十二年度の想定あるいは財政再計算をする五年後の想定、そういうものをつくることは可能だと思います。今の中期経済計画を参照してすれば不可能ではない。私でもつくればつくれるというような気もしますが、あなた方が専門家なんだから、来年、そしてこの五年後はどうなるのか、その表は出していただけますか。
○長尾政府委員 特別会計のいわゆる勘定収支という形で、社会保険庁のそれぞれのいわば事務ベースに乗りました形での収支状況につきましては、来年度の状況について、このくらいの細かさという意味でございますが、お出しすることは困難でございます。 将来基礎年金の給付費がどういう形で動いていくのかという点につきましては、先生も先ほど御質問がございましたように、今回の全体の改正の際に、基礎年金給付費の将来見通しを改正法に乗りましてお示しをいたしておりますので、その観点で、例えば六十五年度において基礎年金給付費が現在の価格でどれくらいの規模になるかということは申し上げられるということでございます。
○沢田委員 では、それは後でひとつ書類で御提出をお願いしたい、こういうふうに思います。 最後になりまして、国鉄の年金の一〇%を抑えてありまする問題について、恩給が五・三%賃金スライドするということになりますと、今までに大体九%か七%程度までは抑えられてきたということになりまして、いわゆる旧制度の抑えてある分、ほぼ一〇%の制圧といいますか、いわゆる最後の号俸でやっていた部分を一年分にならすというやつの一〇%部分は復活をする段階に来たというふうに解釈してよろしゅうございますか、ほぼそういう段階に来たと。
○門田政府委員 国鉄共済の職員の場合の話でございますが、お話にありましたように、既裁定者は一〇%程度の水準に落ちるところまでスライドの停止をされる、それから四月以降の新規裁定者は、いわゆるみなし従前額という制度はありませんかわりにスライド停止ということもなくて、通常どおりスライドはされる、こういうバランスになっております。そうして、実際のこの改正の影響というのは数%程度にとどまるということであれば、おのずからその辺はバランスがまあまあ落ちついておるのではなかろうか、こういう考えに立っておるわけでございまして、スライドがこれを機会になくなるのかどうかという点につきましては、これは既裁定の話でございますから、やはりスライド停止というものは当初の方向どおり継続される、こういうことでございます。
○沢田委員 若干問題があるし不満もありますが、時間の関係で終わらしていただきます。
○小泉委員長 坂口力君。
○坂口委員 きょうはひとつ政務次官にしっかりお聞きをさせていただきたいと思います。 答弁をしてもらう方はそう言っては失礼でございますけれども、聞きます方は、予算委員会の方に一軍は全部行ってしまいまして、二軍とは申しませんが一軍半できょうは質問をさせていただきます。ひとつ十分な答弁をお願い申し上げたいと思います。 できる限り話は大きい話でしたいと思いますが、今も沢田先生のお話で、私さらに聞きたいと思っておりましたことの議論がございましたので、それは飛ばさせていただきまして、進みたいと思います。 国民年金制度は、昨年改正をされまして基礎年金部分に相当することになったわけでございます。この国民年金制度というのは、厚生省の方にお聞きをしたいと思うのですが、国民年金制度としてこのまま育成をされていくおつもりなのか、それとも、国民年金制度というのはもう年金の一元化の中で基礎年金部分になるんだから、できる限り縮小をしていきたいというお気持ちなのか、その辺をひとつ先にちょっとお聞きしたい。
○山内政府委員 端的に申しまして国民年金、特に一号被保険者と申しております自営業の方々の年金としては、これは大いに育成しなければならない制度というふうに考えております。
○坂口委員 例えば国民年金に現在入っておみえになります人の中でも、将来また厚生年金の方に行かれる人もあるし、また逆の場合も個人個人ではあるわけですが、その個人ではなくて、例えばグループに入っておみえになる方がありますね。例を挙げますと、例えば理容組合なら理容組合という一つの組合がありますね。そして理容組合は、組合として年金だとかあるいは医療保険だとかを一律にひとつやっていこうというような足並みをそろえておみえになります。 私が今例として挙げました理容組合が本当に強固なものかどうか、それは私はちょっとわかりません。一例として挙げたわけですが、そういうグループがあって、そして皆さん方が検討されて、このグループは非常にしっかりしている、これは一つの企業ではないけれども一つの企業にみなし得るだけのしっかりしたものであるというようなことになってまいりました場合に、それは厚生年金の加入者として将来扱うことができるのかどうか。その点どうですか。
○山内政府委員 今の、例をお挙げになりました同じような業態の方、しかし経営の実態は自営業の方でございますが、厚生年金の適用を考えますと、やはり保険料負担は事業主分を持つという制度があれば可能かと思いますが、今のところ端的には、被用者年金の仕組みである厚生年金に取り込むことは、ややというか、かなり難しい問題じゃないかと思っております。
○坂口委員 例えば、理容組合なら理容組合を例に挙げましたが、理容組合が組合費として一定限度の額を集められる。そしてそれとは別に、年金なら年金の額も集められるということになって、その使用者側の分も組合で出しますよ、それは。個々人も出すが、しかし、いわゆる会社としての出し分はその組合で出しますよというふうになりましたときに、厚生省の方で、どんな組合でもそれはいいというわけにはいかないと思いますけれども、これは結構です、この組合ならば会社並みにみなして大丈夫だということであればそれはなるのかどうかということをお聞きしたい。
○山内政府委員 立法論の前提に立ちました、何と申しますか、一つ理論の問題としてはあり得るとは思いますが、やはり現在の国民年金と厚生年金の違いに着目しますと、例えば、端的に言えばどの程度の標準報酬の稼働者と見るかとか考えますと、非常に難しいと思います。 それから、先ほど私は基本的に一号被保険者に着目した国民年金は育成しなければならないと申しましたが、実はそれにはいろいろ問題があるからこそ、あえて言葉を強めて育成しなければならないと申し上げたつもりでございます。厚生年金の場合は、厚年の基金というような制度もございますけれども、やはり一定の数の従業員が集まればその人的要請も大体十年単位で永続するということが保証されるわけでございますが、先生が今おっしゃったような例、確かに現時点で自営業者の生産活動としては非常に信頼度の高いグループがあると思いますが、それが果たして厚生年金適用事業所のように三十年、四十年、もっと長い時間の単位で永続性のあるものと判断できるかどうかになると、やはりかなり難しい点が出てくるのではないかと思います。
○坂口委員 例えば会社でも、五、六人の会社でも厚生年金に最近は入れますね。私も一つ会社ございますけれども、従業員五人でございますけれども厚生年金に入っているわけでございます。そんな小さな会社のことを思いますと、しっかりした組合であればその方が私はがっちりしておるようにも思うのですね。 そういたしますと、会社であればできるのならば、そういう同業種、あるいは異業種もあるかもわかりませんが、この集まりもそれは認めてもいいのではないかな。例えば医療保険の場合に、組合健保なんかにできるだけ幅を広げて入れていこうというような動きがございますね。そうしたことが年金にもあってもいいのではないかなというような気がするわけであります。 と申しますのは、国民年金には基礎年金部分だけで比例年金部分がありません。ですから、国民年金に入っておみえになる皆さんの中にも、将来これでは少な過ぎる、何とかして厚生年金並みの年金にならないだろうかと思ってみえる方がたくさんあるわけですね。その人たちは、掛金は私たち当然掛けます、会社側が出す分も負担しろと言われれば負担いたします、そうしたらそういう年金になりませんかという御意見はかなりあるわけです。しかし、現在の制度ではそういうことは不可能になっておるわけですね。その人たちに対して将来どうするか。 ですから、厚生年金並みに二階の部分を将来国民年金にもつくりますよ、こういうことならばそれは一つの方法だと思うのです。前回の年金の議論のときにもその意見は出ましたし、まして厚生年金や国民年金の統合の社会労働委員会におきましてはそういう意見は随分たくさん出ただろうと思うのですが、改めてもう一遍お聞きをしておきますけれども、その将来の方向性というのはあるのかどうか。いや、今はないけれども近いうちにそれはやろうとしているのだということならば、それも一つの方法ではないかと思うのです。 初めにお聞きいたしましたように、国民年金制度というものを育成をしていく、これはどうしてもしなければならないということであれば、そういうふうに国民年金そのものの内容も高めていかなければならない。そうではなくて、これは基礎年金だけの部分であって、国民年金はそう拡大はしていかないのだということであるならば、先ほど申しましたようにそういうグループ、グループに対しましても厚生年金に入る道もひとつ考えていかなければならないし、そうなれば二階建てはそうつくっていく必要もないし、こういうことになるのではないかと思うのですが、その点どうでしょうか。
○山内政府委員 確かに前回国民年金法等の一部改正をお願いいたしましたときに、わざわざ附則におきましても、将来の問題として国民年金の所得比例制の導入について検討するようにということは国会の御意思でもあるわけでございます。 結論的に、私どもは今御指摘のようなことも確かに考える場合の一つの方法だろうと思いますが、所得比例型の保険料を導入することの問題点は、これはたびたび申し上げていることでございますので繰り返しませんが、どういう段階をつくり、またどういう方に強制的に所得比例部分をお願いをするかという問題では、かえって非常に難しい問題もございます。 そんなことで、率直に申しまして我々は、こういう形の議論がなければ私が冒頭に申しました国民年金を将来にわたって育成するということの裏づけがないことでございますから、このことは十分検討の項目にしたいのでございますが、一言だけつけ加えさせていただきますと、先ほどの議論にもございましたように、国民年金の加入者にはもう一つの面もございまして、やはり四十年の全期間にわたってなかなか稼働収入が保証できないという面もございます。 そんなことで、私は先生の御提案に、厚生年金に加入するという道にちょっとちゅうちょを感じますのは、率直に申しますと、国民年金というグループの中でそういう方だけを厚生年金にいわば取り込む形をとっていきますと、果たしてその他の一号被保険者の方の年金としてどういう設計をしていけばいいのかということが非常に念頭にあったものですから消極的な言い方をいたしましたが、おっしゃるように国民年金のあり方を育成するという前提では考えなければいかぬ一つの眼目だと思っております。
○熊川政府委員 ただいまの坂口委員の御意見は非常に示唆に富むものではないかと私は思っております。年金制度が一階部分いわゆる基礎年金だけでなしに、いわゆる二階部分とか階層を重ねるについても、なるべく同質化の方向を目指すことがやはり理想ではないかと思っております。 ただ、御指摘いただきました特殊の業界というようなものも、会社のように法的に強固な組織が規制されているもの、そしてまた雇い主と従業員との関係のように、報酬あるいは身分などについても強い法的保障、こういうものが形成されれば、そのような社会的実態になれば、むしろそのように近く、厚生年金に準じるような扱いをしていかなければ年金の本来の制度に矛盾しないかなと思いますが、各種の特殊な組合、クリーニングとかいろいろありますが、そういうものはそこまでいっていない組合が相当多いかと思いますので、そのような組合を充実させる側面と、充実した場合においては御指摘のようなものを導入するという方向に行政上も鋭意指導し、そうなった場合には厚生年金と同じように扱うのが理想ではないか、こんなふうに、検討に値する非常に感銘深い御意見ではないかと思っております。
○坂口委員 御賛同いただきましてまことにありがとうございます。例えば弁護士会あたりはどうなのでしょうか。
○熊川政府委員 弁護士会は一人でやっている独自性の強い方が割合いて、団体としての拘束力というのは案外少ないのです。したがって、年金でも、弁護士とか税理士さんは国民年金の方が割合多いのが実態でございます。
○坂口委員 先ほど厚生省の方から所得比例部分の強制というお話がございましたが、これは強制にしなければぐあいが悪いのですか。 例えば今お話がありましたように国民年金部分の中で、弁護士さんが、僕は五万円ぐらいの年金は要らないと言う人もあるでしょう。けれども、中には五万円では心もとないからこの所得比例部分が欲しいという人もある。その人たちに選択をさせるということはできませんか、全部が全部強制的に所得比例部分に入れというのではなくて。
○山内政府委員 ある意味ではそこが公的年金の基本的な点でございます。確かにおっしゃるように、現時点で自分はこれに入っておきたい、自分は普通の基礎年金でいいということは成り立つように受け取られやすいのでございますが、これが四十年先あるいは年金をもらう四十五年先になって約束された給付をもらうためには、先ほど議論がございました被用者年金からの拠出金も含めてその時点での加入者から財源をいただかないといけないわけでございます。そういう意味で、私が強制と言いました意味は、何かある時点に選択して一定の保険料を払っておけばその運用収益ですべて自分の老後の年金が支払われるという計算ではございませんために、国民年金でもし所得比例保険料を導入するならば、何万円以上の所得がある人はやはり今後とも続けて負担していただかないと財政再計算ができないという点が基本なのでございます。
○坂口委員 それはわかります。ひとつ御検討ください。お願いします。 次に、二十四日からでございますか、公定歩合が引き下げられることになります。そういたしますと、今までの例から申しますと資金運用部資金への預託金利も当然引き下げということになるのであろうと思います。 〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕 厚生省の方はできるだけそのままでおいてほしいという気持ちもあるかもしれませんが、そうもいかないのではないかと思います。これは今まで六・八でございましたのが今度はどのくらいになりますか。六・三ですか。
○窪田政府委員 十九日、一昨日の資金運用審議会で、二月二十四日から〇・五%引き下げ、六・三にさせていただくように御承認をいただいたところでございます。
○坂口委員 年金資金の運用の問題につきましては、私何度か申し上げて理財局長さんに大変御迷惑をかけているわけでございますけれども、資金運用部への預託金利が下がりますと、当然のことながら国民年金の将来の計算にも響いてくるわけでございます。公定歩合がこれからどんな経緯をたどっていくか、ことしの後半あるいは夏ごろにでももとへ戻ってくるとかいうことであれば問題ないわけでありますが、現在のような状態が続いたと仮定してずっと六・三で続けていかなければならないというような状態になりましたときに、今までの計算どこの新しい事態の計算と一体どう変わるのか。最初の計算は六・八でされておりましたか、それとも七・〇ぐらいでされておりましたのか、それもお答えいただきたいと思いますし、新しい事態で今後これがずっと続くと仮定いたしました場合に、一体どんなことになるのか。
○山内政府委員 端的に申しまして、現時点での私どもの年金の将来に対する見通しは、七%の運用利回りももちろん計算しておりますが、六・五の場合あるいは七より高い場合という幾つかのモデルを想定しております。 ただ、この問題は、給付の方が将来どのくらいのスライド率で上がっていくかにも絡むものですから、七%の運用利回りで、給付の方は少なくとも五年ごとには五%ずつ上がっていくという計算をしております。 そういった意味で、先生の前提とされましたこういう預託金利の状態が非常に長く続くという事態は、私どもはある意味では給付水準のアップ率にも一つの違った見方をする必要が出てくるものじゃないかと思っておりますので、率直なところ六・三になった場合の計算はしておりません。私どもとしては、これは政府部内でまたいろいろ相談しなければいけないことでございますが、何らかの方法で年金資金が少しでも有利な利回りになるようにということも期待しつつ、また、今申しましたように年金の給付率を将来どういう長期見通しを立てればいいかも考えながら対処していかなければいけない、ある意味では深刻な問題だと考えております。 ちなみに申し上げますと、現時点では確かに新しく預託金利が〇・五下がるわけでございますが、今までのところは厚生年金の五十兆近い年金積み立ての運用利率が七を超えた運用が続いておりますので、すぐに急激な預託金利の減少要素が出てくることはないと一応考えております。
○坂口委員 これは理財局長さんの方にお聞きした方がいいのかもしれませんが、今まで資金運用の問題を何度かやってまいりまして、景気の動向によりまして預託金利もかなり上下させなければならないわけでございますが、こういうふうに下がりました場合には年金にはかなりな負担になってくることは間違いないと思うわけでございます。年金に対しましては国庫補助もございますけれども、少なくとも年金について一括運用をしなければならないというお立場を貫かれるのであれば、金利の低下分については、大蔵省の方で年金に対するお金を出す場合にその分だけは上乗せすることができないのであろうか。それが一つのルールとしてできれば、率直に申しまして利子運用の問題をこれほどやかましく言う必要ないのです。やかましく言いますのは、その辺のことがあるものですから言うわけなのです。預託金利だけではなくて、もう少し高い金利で見るだけのものが上乗せされればそれにこしたことはないわけでありますが、そんな議論は皆さんの方では出ていないのでしょうか。
○窪田政府委員 年金の積立金が将来の給付に関係する重要な財源であることはよく認識をいたしておりますが、預託金利も金利でございます以上、全体の金利水準の大きな変化に合わせて調整していかざるを得ない、これはやむを得ないことであろうと思います。 その場合、年金の財政がどうなるかということはまた年金の収支計算の問題としてあるわけでございますが、十年ほど前、私が主計官をしておりましたときは、予定利率は例えば五%ぐらいでやっていた時代もございますし、やはりそのときどきの金利の水準を反映して計算をせざるを得ないものでございますから、その金利が下がった分を国庫で補てんするというようなことは難しいのではないかと思います。
○坂口委員 政務次官、年金の財政につきましてはいろいろ議論があるわけなんですが、できればもう年金の財源は目的税か何かで、年金税あるいは福祉税という名前でもいいけれども、主に税金にしてしまったらどうだという意見もあるのですよ。今のように、保険料として出していただいて、そしてそれはもう一括運用だということで運用されていくということになれば、なかなか自主運用というのもままにならない。そうすると、せっかく皆さん方から保険料として出していただきながら、それが十分に運用ができないということであるならば、もうそれでは目的税にしてしまったらどうだろうか、福祉税にしてしまったらどうだという意見も中にはあるわけなんです。 これは大きな問題でして、政務次官、ここでどういうふうに言われたから後でどうのこうの言うようなことはもちろんいたしません、自由に発言をしていただいて、一致すればよし、一致しなくてもよし、ひとつ自由に発言をしていただきたいと思います。
○熊川政府委員 お答えいたします。 ただいまの御意見も確かに一つの将来を見きわめるについての重要な御意見だと思いますが、御案内のとおり、目的税というようなものは固定化されてその目的に拘束される、こういうものであると同時に、今の基金の方法、給付の方法、特に今回お世話になり審議を仰いでおりますこの基礎年金を導入したところの新しい勘定をつくりまして、クリーンにして、入ってくるのもまた出ていくのも明確にしているというところであれば、現段階においてはこの程度でしばらく様子を見させていただくというのがありがたいなと思っております。
○坂口委員 それじゃ、それはその程度にしておきます。 もう一つ、国鉄のお話。これは皆さん方の方に言ってないのですけれども、国鉄の共済年金が非常に大きな赤字を抱えたままでいるわけで、これの救済をどういう形でしたらいいかということで、それは共済グループの中でだけやるべきなのか、あるいは厚生年金まで広げてくることなのか、そして少なくともこの数年の間は国の方が見るということで、この前も決着がついたわけですけれども、それだけではなくて、各年金間の助け合いというのはどうしたらいいかというのが、この前の共済年金のときの一つの宿題であったわけであります。 それから多少月日がたったわけでありますが、それ以後、この国鉄共済の問題についての前進があるのかどうか。ありましたら、それについてひとつお答えをいただきたいと思います。
○門田政府委員 どうも私の守備範囲だという感じじゃございませんが、お答え申し上げます。 昨年の臨時国会の御審議をちょうだいしました際に、政府統一見解ということで六十四年度までの考え方、六十五年度以降の考え方、こういうものを御披露いたしたわけでございますが、六十四年度までは国鉄の経営形態等の動向を踏まえつつ、国鉄の自助努力と国の負担を含め、諸般の検討を加えて支払いに支障のないようにしていく、六十五年度以降分につきましても、その後速やかに対策を講じて支払いの維持ができるようにいたします、こういう御答弁があったわけでございます。 その後の具体的な運びなんでございますが、実は関係者が、この共済年金改正法が成立したばかりで、四月実施に向けて今その準備作業を鋭意行っておる段階でございまして、この作業が終了次第、早急にお約束しておりますこの問題につきましても検討を行っていく、こういう段階でございます。
○坂口委員 そうしますと、この問題はまだそれ以後前進していないということですね。
○門田政府委員 そういうことでございます。
○坂口委員 それはそうなんでしょうけれども、それ以後、それじゃ何にも検討されていないのかといえば、そんなことはないんだろう、いろいろ検討されているんだろうと思います。その辺のところ、きょうは二軍の練習場みたいなものでございますから、ひとつ気楽に御発言をいただいて、ここでそう言われたからどうこうということは決して申しませんが、その以後の経過みたいなものを少し、ありましたらつけ加えていただけませんか。四角四面のお話はもうよくわかりました。先ほどのお話で十分でございますので、それ以後の経過をつけ加えてください。
○門田政府委員 これは率直なお話を申し上げたいと思いますが、その後、関係各省ございますので、内閣官房を中心にいたしまして何回か会合を持ちまして、この問題について協議をいたしております。特に、今後の運び方をどういうふうにしていくべきかを中心にいたしまして、話し合いが行われました。 ただ、関係係者が、今申し上げましたように大変また忙しい時期に入りましたものですから、その集まりもちょっと中断しておる、こういう状況でございます。
○坂口委員 じゃ、最後にもう一つだけ、これは厚生省の方にお聞きしたいと思いますが、あるいは長尾さんがお見えになったら長尾さんにお聞きをしなければいけなかったのかとも思いますが、先ほど沢田先生の中にもありましたように、拠出の算定対象額の伸び率がございますね。 昭和六十一年を一〇〇といたしますと、昭和七十年には一六〇ぐらいでしたか、六割増しになる、拠出の方は。それで今度は、それに対する年金額の方の伸びは、先ほどのお話で何か計算をしておみえになるという御答弁だったのかどうか、ちょっと僕その点を聞き漏らしましたが、今度は額の方はそれにつれて大体どうなっていくのでしょうか。例えば七十年だったら拠出の方が六割伸びましたから、年金も五万円が六割で八万円になるのですか。端的に申しますと、そういうことでございます。
○山内政府委員 先ほど保険庁のお答えしましたように、確かに六十一年、現時点を一〇〇としまして――金額で申し上げた方がわかりやすいかと思いますが、五十九年度価格で六十一年五兆九千億の満年度の基礎年金給付費を念頭に置いているわけでございますが、これが昭和七十年には九兆二千億ばかりになります。 これはあくまで五十九年度の価格でございますので、この計算の数字の意味は、四十年フル年金で五万円という価格は変わらないという前提の価格で、実は、受給者の増の要素が主として大きな原因でございますが、それだけで五兆九千億が七十年度九兆二千億にふえるという計算でございます。
○坂口委員 これは、物価上昇分は加味されているのですか。
○山内政府委員 今申しましたように、この金額はあくまで五十九年度価格に固定した場合の財政見通しでございます。したがいまして、言いかえますと、先ほどの沢田先生のお話にもありました意味は、一人当たりの負担額も現在を一〇〇とすればその時点ではほぼ六割増しになるという計算で、これは、国民年金の保険料が今六千円から七千円べースでございますが、一番ピーク時には一万三千円までなりますということを申し上げてきたことと符合しておるわけでございます。国民年金の保険料は大体そのほとんどが基礎年金の拠出金に相当するという形になりますので、この財政見通しはあくまで静態的な見通しでございます。
○坂口委員 そうしますと、この数字に対してさらにまたプラスしまして物価上昇分が加わるわけですか。
○山内政府委員 その間に物価スライドが採用されますれば当然加わってまいります。現に五十九年度価格でございますので、実は六十一年度予算で申しますと、御案内のように三・八%という物価率をこれに掛けてお示ししなければいけないわけでございますが、これは五十九年度時点でお示ししております。一年度、一年度といいますか、五十九年から現在年度までで三・八%の物価が上がったという形になっております。
○坂口委員 これは本当は年金のときに議論しなければならないことだったのですが、年金額の方は――出す方はわかりました。それに対して、今度は受け取る側の年金額は一体どういうふうに経過をしていくのか。物価を固定されて考えましたときには五万円でいいかと思いますけれども、年金額の方は物価上昇分だけが上がっていって、そして拠出金の方は物価上昇だけではなくて、それ以外に十年間で六割も上がっていきますよということになれば、最初の私の質問に戻りますけれども、国民年金の環境はほかの年金に比べましてだんだん悪くなるわけですね。今でも厚生年金と国民年金とを比較いたしますと、厚生年金の方はどうしても会社側の持ち分がありますからよろしいのですけれども、国民年金は全部個人が持たなければならない。そしてそれもこれから非常に厳しくなっていきますから、十年先には六割増しになる。その中に物価上昇は含まれておりません、物価上昇分はそれに対して三・八なら三・八掛けたものになりますよ、そうしますと十年先には倍ぐらいな額になるかもしれません。そういたしますと国民年金の環境はだんだん悪くなっていくと思わざるを得ないわけですね。それに比べて五万円の方も、上がっていけばよろしいですけれども、そうはなかなかいかないということであれば、環境は次第に悪化をしていくと言わざるを得ないわけです。そうしましたときに、国民年金を一体今後育成していくのかどうかという基本的な問題にまた突き当たってくるだろうと私は思うのです。今のままで拠出金の方を倍額にして、そして年金は同じ五万円でございますというのでは、だんだん国民年金離れをしていくことはもう目に見えていると思わざるを得ません。 そういうことがございますので、この国民年金の基本的なあり方をひとつ十分に御検討いただいて、そして、きょうのこの法律にございます特別勘定の中に云々のことは、それに含めた中でひとつ御議論をいただきたい。きょうのこのかかっております法案そのものはさしてそんな大きな問題のあるところではございませんけれども、その基本になります国民年金に対します基本的な物の考え方をきょうはお聞きしたわけでございまして、これをもちまして終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○中西(啓)委員長代理 簑輪幸代君。
○簑輪委員 大臣のお時間がちょっと制限されておりますので、最初に大臣にお伺いしたいと思います。 昨年の国会で、国鉄共済年金の破綻に伴うその支払い等について大変問題になりまして、最後、政府見解ということになりましたけれども、この中で、六十四年まで国鉄の自助努力と国の負担を含めて支払いに支障のないようにするということですが、同時に、六十五年度以降分についてはその後速やかに対策を立てて支払いの維持ができるようにするとなっているわけですね。 大臣ですから、今後の大きい方向づけについて、六十五年以降の財政調整についてどのような基本的スタンスで臨むべきであるのか、その姿勢について最初にちょっとお伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 これは、統一見解にありますように、五カ年計画の終わる六十四年度までは、政府として国鉄の経営形態等の動向を踏まえつつ、国鉄の自助努力と国の負担を含めて支払いに支障のないようにしますよ、が、これについては六十一年度中に結論を得ますよ、その後が今度は、六十五年度以降分についてはその後対策を講じて支払いの維持ができるように措置しますよ、ここまでいったわけでございます。 そのときの議論でも、国鉄の自助努力とは何ぞや、こういう議論がありまして、それは財産処分とかいろいろなことが考えられましょう、そこのところまでいって、そこで今、実は年金を通していただいて、今度国鉄の皆さん方が、これから退職勧奨とかいろいろなことがありますから、いつの時点でやめたら有利なのか、不利になりはしないかとかというような問題もございますので、いわば政省令について今一生懸命でやっているところです。その政省令が国家公務員等共済組合審議会まで持ち込んだということで、本当のところそれに手いっぱいでございまして、したがって具体的なことを今申し上げるにはちょっと時間が早いという感じでございます。 しかし、いずれにせよこの問題は早急に解決しなければ、四月一日から共済、先般審議していただいたものが、変わった形で動いていくわけでございます。したがって、それまでにその問題をやらなければいかぬ。そして今度は国鉄共済側とも相談してやっていかなきゃならぬ。六十五年度以後になりますと、今いろいろ言われておるのは、おまえはときどき労働者連帯なんて言うから、六十五年度以後は地方公務員も皆一緒にしてやるのじゃないかという心配の向きもございます。それは労働者連帯とかいうのはいいことでございますが、それぞれの生い立ちがございますから、そう軽々に労働者連帯、オールジャパンというようなことはなかなか難しいことだなというくらいな問題意識であるというのが現状でございます。具体的には、今とにかく政省令の詰めの最中でございますので、プロにもちょっと時間がないという感じがしてそばから見ております。
○簑輪委員 大臣みずからおっしゃったように、しばしば労働者連帯とおっしゃるわけで、将来の方向としては六十五年度以降共済と厚生年金等が一本化されて、そういうふうに他に負担を広げながら解決をしていこうとする、そういう心配というのは本当にかなり強いわけですね。 大臣がこの席で、六十五年までに共済と厚生年金の一本化ということは考えてないとおっしゃればまたこれは明確だと思うのですけれども、六十五年というのは先のことのようでいて案外すぐ来る問題ですので、その辺のところでの大臣の基本姿勢として、六十五年までに被用者年金の一本化ということについて、私どももちょっと今日の時点での大臣の明確な姿勢をお伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 国鉄の自助努力というのが幾らくらいになるか、こういうことも現時点では言えませんし、また国の負担についても理屈のつくものじゃないと出せぬだろうということにもございます。 よく申し上げる労働者連帯と申しますか、今おっしゃった他制度との連帯は理論的にはあり得ると思いますけれども、私は、強いて言えばそれは今の時点で念頭にはないということです。それはいろいろ変化もするものでございまして、国鉄共済を救済していただいた法律のときも、最初審議会あたりに出たときに本当にできるだろうかという気がしました。ところが、まさに労働者連帯でできたのですから……(簑輪委員「無理無理に」と呼ぶ)いえ、無理無理じゃないですよ。本当にありがたいことだと涙が出るほど、日本の労働者連帯は世界に冠たるものあり、率直なところ、こういう感じがしました。そういう印象が僕に強過ぎるから労働者連帯というのが少し余計出過ぎるという嫌いはあるかもしれませんけれども、現時点でそれを考えておるということ、強いて言えば、今の時点では考えておりませんということでございます。
○簑輪委員 七十年に年金の一元化という方向が指し示されている中での六十五年までの年金がどうあって、その後がどうなっていくのかということが年金については非常に問題になるわけですね。大臣として、その七十年の一元化というのはどんな形を考えておられるのか、今までもいろいろ議論もありましたけれども、余り明確にされてないと思うのです。大臣が七十年の一元化ということで理解をしておられる点をひとつお述べいただきたいと思います。
○竹下国務大臣 これはやはり本当は年金担当大臣を中心にこれからいろいろな議論をしてみようということですから、私のような素人にこの構想が必ずしもあるわけではございません。しかし、七十年というと私も七十一歳になるわけですから、簑輪さんもそれより十八歳下ですから相当なものになるわけでございます。しかしそうはいっても、そうのんべんだらりとしておってはいけないという問題意識はありますが、これはやはり今で言えば厚生大臣、年金担当大臣を中心にしていろいろな議論を尽くしていこうという域を出るわけにはちょっといかぬなという感じがします。
○簑輪委員 何か方針だけがあって、そしてその内容が漠としてわかりにくいということが大臣の今の御答弁でも明らかになったと思うのです。年金というのは長期的なものでもあり、一度それができると容易に変更もできないものでもございますので、そういう点で、これはもう少し明確になって論議されていかないとおかしいのではないかと重ねて申し上げておきたいと思います。 それで、続いてお伺いいたしますけれども、今度年金制度が変わったことに伴って新たな問題の一つにいわゆる五人未満の零細企業の問題があると思うのです。 最初に中小企業庁にお伺いいたしますけれども、現在、中小企業、零細企業の置かれている状況をどのように把握しておられるでしょうか。
○新関説明員 御説明申し上げます。 中小企業庁、それから中小企業事業団の中小企業景況調査によりますと、最近の中小企業の景況は、円高の影響等によりまして弱含み基調でございます。また小規模企業についてもほぼ同様な動きとなっておりまして、小規模企業の状況は厳しいものがあります。小規模企業、特に製造業の最近の動向を個別の景況指数、DIと言っておりますが、そういうもので見ますと大体次のようになると思います。 まず、売り上げでございますが、六十年の下期に入りまして急速に悪化しておりますし、景況感も次第に厳しくなっておりますし、経常利益等は次第に悪化しておる。雇用の面では大きな変化はございません。それから資金繰りも大きな変化はございませんが、悪化企業の割合が好転企業の割合を上回っている、そういう状況になっております。
○簑輪委員 中小企業と一口に言ってもいろいろあると思うのですが、その中で特に零細企業については顕著な御判断ございますか。
○新関説明員 御説明いたします。 先ほどちょっとお話ししましたように、中小企業の中でも小規模企業の状況は一般的には厳しいものがあるということだと思います。
○簑輪委員 社会保険庁にお尋ねいたしますが、昨年九月、健康保険、それから厚生年金保険適用状況調査というのをなさったと思いますけれども、その結果わかったことをお教えいただきたいと思います。
○長尾政府委員 今、調査の集計と解析作業を進めておるところでございますが、主要項目につきましての速報値をお答えさしていただきます。 未適用事業所のうち、常雇の者五人以上の事業所数は六万三百事業所、常雇者数は七十六万五百人、常雇五人未満の事業所数は十九万八千四百事業所、常雇者数は五十万九百人ということでございます。その合計数といたしましては、事業所数二十五万八千七百事業所、常雇者数百二十六万一千四百人というふうに推計いたしております。
○簑輪委員 未適用事業所が大変たくさんあるということが明らかになっているわけですけれども、これからそれを適用していくという作業も、非常に困難をきわめるのではないかというふうに思います。 特に零細企業にとってはさまざまな負担ということがどのような結果をもたらすのかという点についても疑問がありますが、幾つかお尋ねしたいと思いますのは、例えば平均標準報酬月額が二十万円の労働者を三人雇用した場合、企業主の負担は一体幾らになるのか、年当たりでお答えいただきたいし、また、医療保険なども同時に払う場合には一体幾らになるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
○長尾政府委員 今先生がお話しになりました月収二十万円の者の負担増でございますが、一応全部男性ということで、通常のボーナスが支払われているという前提で計算をさせていただきますと、厚生年金の保険料額は四十四万六千四百円でございます。健康保険は三十万四千七百十円でございまして、合計といたしまして七十五万一千百十円ということでございます。
○簑輪委員 この際、ちょっとお尋ねしておきたいと思いますけれども、医療保険も、五人未満の事業所等について国保から健保にかえるという方向が厚生省で示されているというふうに伺っておりますが、その点はいかがでしょうか。
○長尾政府委員 これは、先回の改正、健康保険法の改正法におきましてそのような法律改正がなされておりまして、年金と健保と同時実施ということでございます。
○簑輪委員 そうしますと、新たに先ほど私が申し上げました条件で支払いをするということになれば、その事業主は年七十五万一千百十円の余分の出費を、余分の出費というと変ですけれども、新たな出費を強いられるというふうに理解してよろしいわけですね。 〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕
○長尾政府委員 事業主の方といたしましてはそのようなことになるかと思います。
○簑輪委員 零細企業にとっては、これだけの負担というのは非常に大変なことだろうと私は思うわけです。現に私がいろいろと業者の方々からお話を伺いましても、そういう点についての新たな負担というのは営業にも重大な支障をもたらすという声も上がっているわけですけれども、厚生省と中小企業庁で、このような零細企業についてこうした新たな負担をもたらす措置を実施するに当たってどのような協議が行われたのか、それぞれお答えいただきたいと思います。
○長尾政府委員 今回の適用拡大に際しましては、年金の場合には政府提案で改正が行われておりますが、国会提出に際しまして、中小企業庁に対しまして適用拡大の考え方等につきまして十分御説明をいただきまして、御理解をいただいたと思います。その際、社会保険庁からは、今回の適用拡大が国会等の決議によりまして今後の年金の大きな課題というふうな御指摘をいただいておりました経緯、法人に絞った理由、具体的な適用拡大の方法等につきまして説明を行いまして、中小企業庁さんからは、状況を見ながら段階的に実施されるということを踏まえた上で、新たに発生する事業主の事務が中小企業の事業活動に支障を与えないような配慮をしろ、それから、具体的な実施については商工会議所等と緊密な連携をとりながら進めるということについて、私どもに御注文をいただいたというふうに考えております。
○新関説明員 御説明いたします。 五人未満の事業所等の適用拡大の問題に関しましては、この改正法案の国会提出に際しまして、社会保険庁とその内容につき協議を行ったところでございます。 その結果としまして、五人未満の事業所等への適用につきましては、企業の負担をもたらすことのないようその状況を見ながら段階的に適用するものとされておりますので、そういうことを踏まえまして、その内容につきまして了解をしたところでございます。 なお、残る問題としまして、適用拡大に伴います事業主の事務が小規模企業の事業活動に支障を与えないように十分配慮を行う必要があると考えたことから、その旨の意見を申し上げたところでございます。
○簑輪委員 中小企業が置かれている状況から見て、このような新たな負担というのが、段階的に行われるということはあるにいたしましても、個別企業にとっては大変な問題であるという指摘もあるわけですが、その点について、今後法人ではなく個人にまでこの適用拡大を図るというのが将来の方向として示されているわけですけれども、社会保険庁としては、こうした方向を進めていくに当たりまして、五人未満の未適用法人について、例えば六十二年、六十三年という段階で大体全体としてどの程度の実効性を見込んでおられるのか、わかる範囲でお答えいただきたいと思います。
○長尾政府委員 今回の五人未満事業所等への適用拡大は年次計画をもって実施をいたすということにいたしておりますが、まず最初に、法人である五人以上の業種によります未適用業種につきましての適用を開始いたしたいと思っております。その次が本来の、法人等の五人未満事業所でございますが、これを段階的に実施する方法につきましては現在まだ決定をいたしておりませんが、いわば規模別に考えていくということを考えておるわけでございます。 法律の御趣旨は、法人の五人未満事業所については一〇〇%適用できるように実施をしろということであると思いますし、私どもといたしましては、できる限りその方向で努力をさせていただきたいと思っております。
○簑輪委員 努力はもちろんでございますけれども、実際にどの程度のという見込みが今の段階ではお答えいただけなかったわけですが、現状を考えてみますと、非常に困難が予想されると私は思います。 そこで、零細な企業に対して法律の適用に当たって、事実上困難な場合、もしそれが支払われなかった場合は、例えば罰則規定を適用するなどというような強硬なことは決してしてはならないだろうというふうに思いますが、その辺のところはどのようにお考えでしようか。
○長尾政府委員 この点は、五人未満事業所を強制的に適用していくということの問題点という御指摘であるかと思いますが、今回、五人未満事業所等につきまして適用拡大しろというような御決定がありました趣旨は、やはり被用者は被用者保険の体系でカバーして年金の保障を考えていくということが基本であるという御決定であったというふうに思います。先生は、確かに事業主の方の負担が重くなるという点の御指摘をいただいておりますし、それはまことにごもっともだと思うのでございますが、一方、被用者の方々にしますと、個々の方々の年金の保障ということも大きな、私どもとして守っていかなくてはならない権利であると思うのでございます。そういう意味では、法律の趣旨に沿いまして事業主の方に御協力をいただくという方向で私どもとしては事務を執行させていただきたいというふうに思います。
○簑輪委員 もちろん、被用者の方々にとってこの適用拡大が向上につながるということは私どもも当然認めた上で、あえて中小零細業者の困難について問題を指摘したわけですので、その点を御理解いただきたいと思います。 続いて、今回のこの法律ですけれども、実は従来と方向が変わって基礎年金勘定というものが設けられたわけです。そして、この基礎年金勘定において過不足問題を調整するということになっておるわけですけれども、そういたしますと、今後の年金の運用に従って支払いに困難を来した場合にはこの会計において独自に借入金を行うなどということになるわけですが、結局のところ、最後はこれが保険料の引き上げという形で国民にはね返ってくるのではないかということがこの法案の改正の中で重要な問題点であろうというふうに思います。従来の一般会計での措置と違って、こうした新しい勘定独自で借入金制度を設けるということは非常に問題があるというふうに私どもは考え、これが保険料の引き上げということに即つながるという懸念の中で、そういう心配は果たしてないのかどうか、その辺のところをお尋ねしたいと思います。
○長尾政府委員 基礎年金勘定の財政は、各制度に加入しておられます被保険者、組合員の方のいわば頭割りで、今回の予算で申し上げますと全体としてその五兆円の規模のものを頭割りで平等に御負担していただく、いわゆる賦課方式的な財政設計をとっております。したがいまして、これは財政の収支のバランスを一年で一応とるわけでございますが、先生御指摘のように、見込みました頭割りの方がおられないで収入と支出のバランスが崩れるということは摩擦的な意味ではございますが、例えば二年間でその部分の調整をするという形で私どもとしては処理をいたしますので、本来この会計が何か長期に借入金をするというような設計にはなっておりません。
○簑輪委員 そうしますと、こうした基礎年金勘定を新たに設けたことによって将来その基礎年金勘定の破綻などがもたらされて、それが結局保険料の引き上げということには絶対にならないと断言されるわけですか。
○長尾政府委員 基礎年金勘定は、基礎年金の給付費が将来ふえてまいりますので、いわばお年寄りがふえていく、それから基礎年金が三十六年四月一日以降の期間にかかわるものでございますから、当然各制度ともその期間が受給者の中でふえてまいりますので、給付としてはふえてまいりますが、そのふえてまいりました各年度に予想されます総給付費を今申し上げた意味で頭割りで負担をしていただくという仕組みでございます。ですから、頭割りの額自体は今の給付費がふえますに従いましてふえるという要素はあるのでございまして、その点は御理解いただきたいと思います。
○簑輪委員 今のお話を伺っておりますと、結局のところ、その基礎年金勘定自体の問題ということではなくて、支払われる方の部分で保険料の引き上げを招くということはあり得る、そのように承りましたけれどもよろしいのでしょうか。
○長尾政府委員 今回の改正の際に国民年金、厚生年金いずれも将来の財政見通しをお示しいたしておりますが、それぞれある一定の経緯を持ちまして保険料の上昇ということは予定されておりますし、その際基礎年金の部分についての負担金がふえていくということは予想しております。
○簑輪委員 従来はいざというときには一般会計で賄っていたものが、最後は結局この基礎年金勘定自体で、そしてさらにまたそれらが各保険の間で調整されるという形で保険料の引き上げを招くというふうに思わざるを得ないわけですね。したがって、今回の基礎年金勘定を設けだということは、単に技術的なものではなくて私は非常に問題があるというふうに指摘をしたいと思います。 それから最後に、三号被保険者のいわゆる無業の妻の問題ですけれども、この場合、みずから保険料を支払わずに基礎年金の受給権を持つという非常に世界にも珍しいケースですが、そういうことによって婦人の年金権を確立したと再三国会で述べておられますけれども、実は、実際の手続等になりますと、届け出をしないとその権利がないわけですね。その場合に、国民年金法の附則七条の三など見ますと、届け出が行われるその前の二年間という部分のみ保障して、もし届け出がおくれた場合にはそれ以前の部分は権利がなくなるというふうに読めるわけですけれども、無業の妻という地位についてはずっと続いているとするならば、手続を忘れた、届け出を少しおくらしたというふうな場合でもその無業の妻の地位は期間保障されてしかるべきではないかというふうに思いますが、その点はどうなんでしょうか。
○山内政府委員 私の言っております第三号被保険者の届け出につきまして、御指摘のように二年以内に届け出られた者を対象とするという規定になっております。このことは基本的には三号被保険者がいわば被扶養者であったかどうかといった収入に絡んだような認定を伴う概念でございますので、私どもとしては法的な安定性と申しますか、また一面事務処理の適正化の観点からも、これは直接は保険料納付のグループではないのでございますが、保険料は二年間で時効になるといったような仕組みとの均衡も考慮して二年間とさせていただいたわけでございます。 配偶者である実態があれば相当長い間でもさかのぼることができるではないかという点であろうかと思いますが、今申しましたように、収入による扶養関係を認定する場合にはどうしても事務的な限界がございますので、私どもとしてはこの二年間という限度の中でこれからの適用業務をやらせていただきたいと考えているわけでございます。
○簑輪委員 そうすると、無年金者をなくすとはいうものの、結局のところこういう手続上の問題も含めてかなりの脱落者も予想されるのではないか、婦人の年金権を保障したとはいっても無年金者が随分出るのじゃないかということを心配をいたします。ぜひともその周知徹底、漏れのないように厳密にやっていただくようにお願いをしたいと思います。 時間もありませんので、今回のこの法律については先ほど申し上げたような問題点があります。そして今政府からは国鉄の問題についても将来の点については余り明確な御答弁をいただけませんでしたし、それから零細企業の問題についても大変な心配も予想されます。 あわせて、国保から健康保険に被用者を移すというような方向も示されているわけですけれども、そういう方向も、この際考えてみますと、結局国庫補助を国保の三八・五%から健保の一六・四%に切り下げるという姿勢だと思わざるを得ません。やはり働く者の福祉の向上という点から考えてみても、年金の問題全体、健康保険の問題もあわせて国庫負担というものをきちっと確立していく方向を示さない限り、国の負担を削減して国民の負担に転嫁することは非常に問題であるということを強く申し上げて、終わりたいと思います。
○小泉委員長 玉置一弥君。
○玉置(一)委員 きょうは簑輪先生に御無理をお願いして順序を変えていただきました。一番最後の質問でございますので、時間が当然制限されておりますので、その範囲でお聞きをしたいと思います。 いよいよことしの四月から年金のいわゆる基礎年金部分と報酬比例部分という新しい制度がスタートするわけでございますけれども、それまでいろいろな年金の論議がございまして、今厚生省の方では昭和七十年に向かって統合ということも計画されているわけでございますが、我々の年金に対する考え方を一言で申せば、やはり長期的な安定、これは老後に対する不安をなくすために、最終的には定年後の生活保障の部分もあるわけでございますし、そして定年と年金支給をつなげていくということが最終的には一番いいのではないかと考えているわけでございます。ただ、今の国の財政から見ても、自分たちの負担が今までどおり少ない負担で続けていくというのは非常に無理だと思うわけでございますが、各委員会あるいは本会議の質問等でよく出ておりますように、国の負担それから国民の負担それぞれ適正なレベルというものがあるわけでございまして、ある程度のところは時代に合った改定というものが必要だと考えているわけでございます。やはりできるだけ負担が少ない方がいいわけでございますから、少なくて長続きするぎりぎりのところがどこにあるか、そのためのいろいろな手法があるわけでございまして、そういうことを前提にしていろいろな質問をいたしていきたい、かように思います。 そこで、年金の積立金の自主運用ということで毎年毎年お願いしているわけでございますけれども、一説によりますと、積立金の運用の利率、これが〇・一%違っただけで約四百億運用益が変わってくるということが従来から言われております。積立金は現在既に五十四兆円という大変大きな数字になっているわけでございますから、その運用の利率が積立金そのものの増減にかなり響いてくることにもなるわけでございます。 今回六十一年度予算におきましては、三千億程度の自主運用といいますか、実際は還元融資の範囲ということで、その事業の中の資金という形で自主運用がなされるということが提案されておりますけれども、この内容について大蔵省あるいは厚生省はそれぞれどういうふうにお考えになっているかをまずお聞きして、話に入っていきたいと思います。
○窪田政府委員 今、玉置先生、自主運用とおっしゃいましたけれども、自主運用の問題は、大蔵、厚生両大臣折衝で、今回はお認めいたしかねます、ただ、今後引き続き検討ということにさせていただいたわけでございます。今おっしゃいました三千億円は、年金福祉事業団の還元融資でございます。 年金制度が始まって資金運用部に預託していただくようになりましてからいろいろな変遷がございましたが、還元融資という制度で広い意味での加入者の利益を図るという制度がございますが、それでかねがね年金保養基地の建設でございますとか住宅ローンとか、そういうことをやってまいりました。しかし、時代によっていろいろ問題がございますが、今回はその還元融資の枠の中で有利運用という一種の事業を、あくまでも還元融資の一環として、その業務を将来にわたって安定的に実施するための資金を確保するということでいたしておるものでございまして、年金の自主運用とは全く別のものであると理解をいたしております。
○山内政府委員 厚生省としましても今、理財局長お答えのとおりでございまして、長期的に見ますと還元融資の資金枠が果たして今程度保証できるかどうかはっきりしない面もございますので、そういった将来の還元融資事業の安定に資するためにもこの事業を採用してみたいということで、事業団において取り進めることにしたわけでございます。
○玉置(一)委員 今回の場合は還元融資事業の資金確保ということで、従来から言われております自主運用とはちょっと性格的に違うと思うのですけれども、一つの考え方として、共済年金の場合には三つほど運用の方法がある。福祉事業に対する運用あるいは財投、そしてもう一つあると思いますけれども、その辺の自主運用に対して、大蔵省がなぜここまで運用を拒むのかということについてお聞きしたいと思います。
○窪田政府委員 運用を拒むとおっしゃられると非常にあれなんでございますが、国が特別会計を設けていろいろ事業をやっております。その国の財政の仕組みを通じて生み出された資金はやはり国において統合して運用する、これが今の資金運用部資金法の建前でございますし、また、私どももこれが一番合理的ではないか。毛利元就の三本の矢ではございませんが、ばらばらにやればやはりそれほど有利な運用もできませんし、あるいは公共的に使う場合にも限界がございます。 昨五十九年度あたり財政投融資資金にかなりゆとりが出まして、こういう状況では自主運用をしてもいいではないかという御批判もございましたが、六十一年度では内需振興のために財政投融資を大変活用させていただいておりまして、年金の五兆円の資金、これがもし他に自主運用をされるようなことになりますと、財投の編成そのものが困難になる事情にあるわけでございます。したがいまして、私どもとしてはやはり従来どおり統合して運用する仕組みをとらせていただきたい、こう考えておる次第でございます。
○玉置(一)委員 今は全く財投に使われておりますけれども、財投金利が六・八から六・三%に今度下がりましたですね。二月二十四日ですか、まだですか。今度下がるということですね。郵貯も利率が大分下がってまいります。〇・五%下がってしまうということで、それこそ〇・一%で四百億という数字でございますから約二千億ですか、運用益として変わってくる。こういう大変大きな金額が動くわけなんですね。そういう面で考えていきますと、確かに国内景気対策とかいう意味での財投金利の上がり下がりが公定歩合とともにあるわけですけれども、それで逆に年金財源の将来に不安を覚える、こういう形になっているわけです。この辺については大蔵省としてはどう考えておりますか。
○窪田政府委員 確かに御指摘のように、お預かりしている金利を下げるということは年金の積立金の運用にとっては大変な問題であると思います。しかし、全体の長短金利が今非常に下がっている時代でございますし、そういう金利情勢の大きな流れに沿った一つの水準の改定でございますので、これはやむを得ないのではないかと思っております。 過去においても、もっと低い、六・〇五%にまで下がった時期が五十三、四年度にございますし、やはり高くなるときはそれに応じて高くなる、安くなるときは全体の金利の水準に合わせてある程度引き下げをお願いせざるを得ない、こう考えております。
○玉置(一)委員 五十九年くらいから財投資金がだぶついてきている。というのは、それだけ優良なというか、そういう貸し出しをする先が減ってきているということ、それから郵貯なり年金財源が非常に拡大をされてきた、この両面があると思います。 これはちょっと管轄が違うかもしれませんけれども、将来財投そのものが見直されなければいけない、あるいは第二の予算というようなことが言われておりますけれども、そういう状況の中で、資金運用部資金に全部預けて財投に回されていく、この状態がいつまでも円滑にいくとは思えないのです。この辺の見通しについてはどのようにお考えですか。
○窪田政府委員 確かに今財投が大きな曲がり角に立っておりまして、いろいろ問題が出てきていることは御指摘のとおりでございまして、現にこの大蔵委員会でも財政制度・財政投融資小委員会を設けていただいて、いろいろ御審議をいただくことになっております。そういうことで、いろいろ今後私どもとしても本当に真剣に勉強していかなければならないと思っております。 ただ、一つ言わしていただきますと、戦後の復興期あるいはその後の高度成長期には、民間部門の資金不足が非常に多うございまして、それに対応するために財政投融資制度あるいはその財投機関というものが大きな役割を果たしたことは否定できないことだと思いますが、現在はむしろ民間部門の資金不足は縮小いたしまして、公的部門の資金不足が拡大をしております。したがいまして、六十一年度の財政投融資をごらんいただいても、例えば地方債の引き受けあるいは国債の引き受け、その他新しいいろんなプロジェクトに対する融資というふうなものの芽が出ておりますので、今後ともこの公的金融というものの役割はそれほど不要になることはないんじゃないか。ただ、それを時代の要請に合うように考え直していくということは必要であろう。今後よく御意見を承って勉強してまいりたい、こう考えております。
○玉置(一)委員 今の状態のままでいきますと、まあ予測としては昭和八十年ぐらいあるいは七十五年ぐらいが積立金の一応ピークだ、それ以降はもう増加していかない、こういうような数字が出ておるということでございます。私たちが長期的な安定を目指すために、それぞれの資金の積立金の中でやはり有利な活用をしていきたいというのは当然の気持ちだと思うのですけれども、その問題ちょっとさておきまして、今、年金繰り延べの予算措置がとられていますね。前回まで国庫負担の四分の一ということでずっとやってこられまして、六十一年以降若干方法を変えて、ある程度一つの歯どめといいますか、無限に拡大するということじゃなくて、ある程度の金額ぐらいでという一つの歯どめの方向にはなっているわけですけれども、これが今のところは六十三年まで続けられていく、こういうことになっているそうでございます。 現在でも、六十年度現在で計算をいたしますと一兆七百七十五億円という金額がもう既に年金繰り延べの累計として、これは利息も含めてですけれども一応出ている。六十三年までいくと大体二兆数千億円になると思いますけれども、考え方からいきますと、年金積立金に組み入れられるわけですから、当然そのお金そのものがある程度プールされておりますから、急にはいかないということでそのうち返せばいいのじゃないか、こういうふうな感じを受けるのですね。 そのときのいろんな約束事といいますか、これにはいろいろ話があったと思いますけれども、一応どういう性格のもとにこの年金繰り延べ措置がとられてきたか。これは大蔵省と厚生省が当然最初に話し合いをされてやっていると思いますけれども、その辺から今後どうなるのかという不安も持っているわけで、どういう約束をされて年金の繰り延べ措置をとられてきたのか。それから今後の計画ですね。要するに六十三年まではとりあえず借りるという話は出ているわけですけれども、返す話がないわけですから、その辺について含めてお聞きをしたいと思います。今というか前に、一番最初に話をされたときと今の話と含めて、どういう話から出始めて最後をどうするのか、こういうことをお聞きしたいと思います。
○長尾政府委員 六十一年度の厚生年金保険特会の繰り延べでございますが、この措置は今回法律が変わりまして国庫負担の仕組みが全く変わるわけでございますが、厚生年金の持っております経過的な特別の国庫負担、つまり三十六年四月一日以前の期間にかかわる国庫負担につきまして、その額の二分の一相当を減額して繰り入れるという形の措置になっております。この措置がこの三年間において講ずることができるということでございます。この件につきましては、本年度三千四十億という形でございますが、来年度以降この今の二分の一額というものを上限といたしましてできる限り少なくするということが大蔵省と私どもとの間で一応の取り決めとしてなっております。 それからこれの利息でございますが、この利息につきましては、ただいま先生が御質問ございましたように、本来でございますと資金運用部に私どもが預託をいたしておりますので、預託をしたならば得られるであろう運用収入相当というものを返還の際に一緒に入れるということが法律上規定されております。具体的な返還の時期、返還の方法、例えば元利均等という意味の方法でございますが、こういったものについては現在まだ両省間で取り決めておりません。 返還の開始時期につきましては、特例公債依存体質脱却後両省で協議をいたしまして、具体的なスケジュール、具体的な方法を決めていくということにつきまして両省同意をいたしております。この際は、六十年度までの行政改革特例法によります繰り延べ分、これは従来の国庫負担の仕組みの中で五%を減額していた部分でございますが、これについても一緒に返済計画を考えていくということで両省間の話し合いが決まっておるわけでございます。
○玉置(一)委員 今のお話だと、年金財政に支障がない限り請求しないみたいな感じを受けるわけですね。年金財政に支障がないと請求しない。何となく今の財政状態から、大蔵省がぼつぼつ返していいよと言うまで返さない、こんな話に受け取れるのですけれども、いかがですか。
○長尾政府委員 この点につきましては基本的に年金財政に支障を与えることのないような返済計画を考えるということで一致をいたしておりまして、この趣旨は、いつまでも返さなくていい、財政がよければ返さなくていいということではございませんで、特例公債依存体質脱却後、具体的には例えば五年とか十年とか十五年とか、こういうものを相談していく。そのときに、その五年、十年、十五年、その中の方法等を御相談していくときに、国の財政事情及び年金の財政事情、両方を勘案しつつやっていく、こういう意味でございます。
○玉置(一)委員 今大蔵当局では昭和六十五年を国債脱却というふうに決められておりますけれども、最近大蔵大臣の御発言等を聞いておりますと、何となく六十五年非常に難しい。この前は七五三で延びましたけれども、今度また何かで延びるんじゃないか、こういう気がするのですね。 先ほどもちょっと言いましたように、年金財政からいきますと、七十五年から八十年ぐらい、この辺が一番のピークになって、それからどっちかというと悪化していく状況でございますけれども、年金財政からいくとその辺まで我慢できるのかなと思うわけです。ところが、いいうちから積み立てておかないと悪化するのが早くなるわけですから、その辺も考えてみますと、先ほども運用益の話が出てまいりましたけれども、今厚生省ではたしか四兆円ぐらいの枠で自主運用したい、これはまあ、ちょっと性格違いますけれども、特会に入ってないというかそういうものですが、自主運用ですね。さっきの続きですけれども、自主運用だと四兆円ぐらいしたい。ところが、六十三年まで二兆円ちょっとの金額が特会の部分に繰り入れが行われないという状態ですね、性格はちょっと違いますけれども。そういう面で考えてみたら、運用益の部分がそれだけおくれてしまう。後で財源もらいますけれども、実際補てんをするような形にはなっていますけれども、実際のところ、運用という面で考えていきますと、できるだけ早く戻していく、あるいは安定させて状況が悪くなるのを後ろに持っていく、あるいはそれ以降になるとまた回復するという話ありますけれども、その部分を乗り切るためにできるだけ早くいろんな資金を返してもらうような手だてをとっていかなきゃいけない。その辺から考えて、昭和六十五年が一つのめどだと思いますけれども、この辺について六十五年と考えていいのか。 これは大蔵省に聞かないと、ちょっと厚生省では答えられないと思いますけれども、まあ返済計画を立てて返済に移っていく時期ですね、さっきのお話だと、その時期が来たら話し合いをする、こういうふうに私は受け取ったんですけれども、実際はもうその辺から始めていかないといけないわけですから、一つの区切りとして、今政府の方針で出されている昭和六十五年、これをもとにやはり返済計画というのを考えるべきじゃないかなというように思いますが、その辺をちょっと確認しておきたいと思います。
○保田政府委員 先ほど来厚生省当局の方からお答えいたしましたように、厚年の繰入金について、従来一般会計からの繰り入れをカットしてきた部分について、これは当然返さなければならない。その時期につきましては、先ほど御答弁がありましたように、国の財政状況を勘案する、それから年金の財政の安定も考えなければならないということでありますが、政府としては、特例公債の依存体質から脱却した後に返済に入りたい、速やかな着手に入りたい、こういうことであります。 結局、現在のような繰り延べ措置を講ぜざるを得ないのは、御承知おきのような財政事情が非常に極度に悪いからであります。したがって、その特例公債依存体質からの脱却を六十五年度に目標を置きまして鋭意努力をする、それができた段階で計画的な繰り戻しの計画をつくる、こういうことでございます。何よりもやはり特例債依存体質の脱却、これがその返済の前提条件になろうと思います。
○玉置(一)委員 要するに、国民年金の方の国庫負担平準化措置というのがございまして、これは昭和六十五年から七十二年まで返済することが決められている、こういうことでございますね。片方が決められていて片方が決められていないというのはこれまたおかしな話でございますから、ぜひある程度の時期に約束をしていただくように、これは努力をお願いするということで終わりたいと思います。 あと一つでございますが、これもまた毎年お願いしている話でございますけれども、年金基金の特別法人税、これ一%かかっているわけでございますけれども、用途からいきましてもいわゆる年金基金にやっぱり資するというか、基礎部分と報酬比例部分がありまして、それにプラスアルファをできるだけつけていこうということでいろんな運用をしているわけでございます。これに対して特別法人税一%ということでございますけれども、税金がかかるというような形になっているわけで、これを何とか廃止をしてほしい、こういうことで従来からお願いをしているわけでございますが、この問題について厚生省、まずどういうふうにお考えになっているか、お聞きをしたいと思います。
○山内政府委員 厚生年金基金の積立金に対します税制のあり方は、御指摘のように、基金そのものを普及します上で非常に大きなポイントでございます。 私の立場を申し上げさせていただきますと、今後における基金の役割を、だんだん重要性を高めると同時に、また中小企業その他に普及、広げていくという必要性もあるわけでございますので、少なくとも課税強化にならないような、何か今の基準にかわるような非課税基準をつくる必要があるんじゃないかと考えて、従来とも大蔵省と相談しているわけでございますが、今回の時点では、今後税制全般の見直しの関連の中で廃止の問題も含めて総合的に検討を加えるということの一致しか得られておりませんので、私どもとしましては何とか現行のような状態を維持できないかということを念願にしておるということを申し上げたいと思います。
○大山政府委員 特別法人税の課税につきましての大蔵省の考え方でございますが、御案内のように、企業の掛金の支出の段階でこれが損金算入になっておる、一方受け取る側、これは年金受給時に課税になるわけでございまして、その間の課税の空白が生じます。その部分に対するいわば遅延利子というような考え方でこの課税をいたしておるわけでございますが、これは御指摘のように、基礎年金の部分でございますとかあるいは国家公務員の給付水準に至りますまでは課税をしない、それを超える部分について課税をいたすというような仕組みになっております。 この基本的な考え方というのは税理論上も維持されてしかるべきだと考えておりますが、今回国家公務員の給付水準の変更もございますし、はたまた現在税制の抜本的な見直しということで、年金課税のあり方を総合的に検討している時期でもございます。こういったような御審議を踏まえまして、厚生当局ともよく御協議をいたしまして今後詰めてまいりたいと存じております。
○玉置(一)委員 いろいろまだお願いしたいこと、言いたいことがあるのですけれども、時間の関係であと一つだけお話を聞いていただいて、考え方を聞いて終わりたいと思います。 今の年金基金でございますが、年金基金の設立というのは千人以上の規模ということで限定をされております。御存じのように、最近特に大企業と中小企業の賃金格差というものが出ております。年金基金あるいは企業年金、こういうものが非常に普及をしてまいりましたけれども、そういう面から見ると、ますます賃金で差がつき、年金で差がつく、中小と大企業どこの辺の格差が出てくるわけでございまして、一つは、今回健康保険の条件が千人から七百人に引き下げられましたけれども、その規模に応じてそういうふうな措置がとれないかどうか。それから、賃金格差とともに開いてまいります年金格差、この辺について厚生省としてはどういうふうにお考えになっておるのか。これを聞いて終わりたいと思います。
○山内政府委員 まず、厚生年金基金が現在加入員一千人を要件にしておる点、将来に向かってこれを少し緩和できないかという点であろうかと思います。 確かに現在の企業の実態を見ましても、従来の人手で企業活動を支える時代から比べますと、いわゆるOA化というのでしょうか、いろんな意味での人の関係も変わっておりますので、実は今のところ私どもとしては、七百人程度のラインまでこれを緩和することを検討していいんじゃないかということで、かなり具体的に政府部内で関係省と御相談をしている段階でございます。ただ、健保組合はもちろんそのような方向にあるわけでございますが、何しろ長期にわたる年金の設計でございますので、この人数の要件は、単に緩和するかしないかだけではなくて、先ほども申しましたように長きにわたって年金財政を支える集団としていかがであるかという点があるわけでございますので、単にこれは緩和すれば足りるというものじゃないという前提で私ども今後の運営に当たってまいりたいと思っております。 二番目に、中小企業については賃金の上での企業の格差があり、さらに年金の面でもという点は、私どもが現段階で申し上げるとすれば、このような厚生年金基金制度を、いわゆる単独企業ではなくて総合型の基金で採用する点もございますので、そういった条件緩和も考えていきたいと考えております。
○玉置(一)委員 終わります。どうもありがとうございました。
○小泉委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○小泉委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 国民年金特別会計法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小泉委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○小泉委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、中村正三郎君外三名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。野口幸一君。
○野口委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、案文を朗読いたします。 国民年金特別会計法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について十分配慮すべきである。 一 国民年金の保険料免除及び保険料収納については、制度の趣旨にかんがみ、その一層の適正化を図ること。 一 基礎年金勘定の運営に当たっては、勘定創設の趣旨にかんがみ、将来に向かつて、基礎年金勘定の財政の充実を図るため、適正かつ公正な経理処理を行うよう努めること。 一 今回の年金制度の改革は、全公的年金制度にまたがる抜本的な改革であるので、必要な事務手続等について広く国民に周知徹底を図り、公正な新制度として円滑な実施が確保されるよう配慮すること。 以上であります。 何とぞ御賛成くださるようお願い申し上げます。
○小泉委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小泉委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
○竹下国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして、配慮してまいりたいと存じます。ありがとうございました。 ―――――――――――――
○小泉委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小泉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○小泉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十三分散会