商工委員会 第14号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/04/23
会議録
○野田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特定商品等の預託等取引契約に関する法律案及び上坂昇君外三名提出、訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤信二君。
○佐藤(信)委員 通産省にお聞きしたいと思うのですが、本法案は、昨年発生し大きな社会問題となった豊田商事に端を発したいわゆる現物まがい商法による消費者被害の再発防止を目的とし、三月十一日の産業構造審議会の答申を得て成案となったと理解していますが、そういうことでしょうか。 そして、この法案は、自由経済の建前から営業の自由を守るという問題と、一方では消費者被害の防止という問題、それとの兼ね合いをどういうふうに考えてつくられたのか、要するにどちらの方にウエートをかけてつくられたのかという点をお尋ねいたします。
○松尾(邦)政府委員 初めに、この法律を成案として御提出させていただいた経緯のことでございますけれども、先生御指摘のとおりでございまして、具体的な経緯は、かねて関係六省庁会議におきまして検討を進めてまいりましたけれども、その過程におきまして、昨年十一月には消費者保護会議におきまして消費者被害の防止のための方策について法制度の整備を含め検討する旨決定がなされましたが、その後、この決定を踏まえ、かつまた関係六省庁会議の討議を踏まえまして、通産大臣より本年一月産業構造審議会に、いわゆる現物まがい商法による被害の再発防止策のあり方いかんとの諮問をいたしまして、その審議会には関係各界の委員に参加をいただきまして、三月十一日に答申を得たところに従いまして立案いたした次第でございます。 第二に御指摘の、この法案の考え方でございます。 先生御指摘のように、営業の自由と消費者被害の防止との兼ね合い、これは極めて基本的な重要な問題だと私どもも考えております。私どもは、結論といたしましては、豊田商事等のいわゆる現物まがい商法によります消費者被害が社会的に看過し得ないような問題となったことにかんがみますと、営業の自由をある程度制約いたしましても、消費者被害の再発防止策を講ずることは緊急の課題だと認識いたしたわけでございますけれども、もとより当然のことでございますが、他方、過剰な規制によりまして経済社会の活力を損なうような事態は何としても回避する必要がございます。したがいまして、いずれに力点を置いたかとのお尋ねでございますけれども、私どもといたしましては、この法案は両方の要請に立ちまして、消費者保護の観点から必要不可欠な範囲で営業の自由に規制を加えることにいたしたものでございます。
○佐藤(信)委員 そうすると、今の御答弁だと、要するに両方半々のウエートをかけたというように理解していいと思うのですが、今のお話の中でもって各省間で協議したとありますが、六省庁というのは具体的にはどことどこを言うのですか。
○松尾(邦)政府委員 経済企画庁が窓口になりまして、当省のほか大蔵省それから公正取引委員会、法務省、警察庁、以上の六省庁でございます。
○佐藤(信)委員 通産省にもう一回お聞きしたいのですが、消費者の被害防止のためというふうに考えた場合に、この法案の運用に当たってはどういう点に留意するというか、基本的姿勢で臨まれるのか、この点をお聞きしたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 この法案につきましては、産業構造審議会の答申にのっとりまして、この法案で定義いたしております預託等取引業者の悪質な取引行為によりまして預託者に被害が発生することを防止するため、私どもといたしましては、この法律の規制の実効を確保することを何としても考えていかなければならないわけでございますけれども、この法律は、事業規制と申しましても許可制や登録制をとっているわけではなくて、行為規制法になっているわけでございます。悪質な業者に対しては実質的に禁止の効果を持つようなものであることを趣旨として立案されたものでございますので、私どもといたしましては、この法律の規制の実効を確保するよう、まずは機動的な品目指定を初めといたしまして、個々の法文の運用に当たりましては機動的に、かつ万全を期してまいりたいと考えております。 また、若干補足させていただきますと、この法律をそのように機動的かつ万全な運用を図ってまいりたいと考えておりますけれども、同時にあわせて、一般消費者に対するきめ細かな啓発活動につきましても産業構造審議会の答申では御指摘をいただいておりますので、このような悪質な取引に伴う被害の防止につきましては、法の機動的な運用とあわせまして、消費者啓発を車の両輪といたしまして実効を上げてまいりたいと考えております。
○佐藤(信)委員 それでは、この法案の内容について具体的に二、三お聞きしたいと思います。 一つは、この法案においては事業者を許可制だとか認可制をとられなかったのですが、その理由をお聞かせ願いたい。これがまず通産省に対してです。 それから、大蔵省の方お見えになっておると思うのですが、実は今までは、この種の事業者に対しては出資法だとか信託業法によって規制をしていたというふうに思うのですが、本法案とこの出資法、信託業法というものとの整合性についてお尋ねしたい、かように思います。
○松尾(邦)政府委員 先生から御指摘のございました第一の点でございます許可制あるいは認可制をこの法案でとらなかった理由についてでございます。 私どものこの法案の作成に至る過程につきましては、先ほど来申し上げましたように、産業構造審議会におきましても種々御議論をいただいたわけでございますけれども、その議論の中でおおむねの一致を見ました点が、この許可制、認可制をとることにつきましては事業開始段階で定型的な許可、認可基準しかつくれない、そういたしますと、悪質業者を排除することはなかなか難しいのではないかということで、結果的に許可制、認可制ということが悪質な業者にお墨つきを与えることになるのではないかという御指摘が多く、そのような趣旨にのっとったわけでございますけれども、若干敷衍して申し上げますと、許可制、認可制をとることにつきましては審議会でも幾つもの問題の指摘がありました。 例えば第一には、実態上世の中には相当悪質な業者も存在することを否定することはできない取引分野であろうかと思いますけれども、そのような分野におきまして定型的な許可基準によりまして悪質業者を排除しようと思いましても、悪質業者は悪質業者なりにお化粧をして申請をしてまいるということになると思います。そのような場合には、認可基準から見ましてお化粧した姿から直ちに悪質業者を排除するということはなかなか難しいわけでございますので、結果的には許可なり認可なりが行われてしまい、結果としてお墨つきが与えられたことになりかねないということが第一でございます。 第二には、そのようなことで許可あるいは認可を受けました業者につきまして、初めのお化粧がはげてくることにつきましてよく見届けるためには、常時把握、監督をいたさなければならないわけでございますけれども、これにつきましては多大な行政コストを必要といたしまして、今日の課題でございます行政改革の趣旨にももとることになりかねないということが第二でございます。 第三には、また、私どもがこの法案で規制の対象といたしております預託等取引契約というものにつきましては、現時点で考えた場合に、健全に発展させるための基盤を十分有するものかどうか、果たして健全に発展させるための許可制、認可制度を設ける必要性があるかという点になりますと、現時点での評価はその必要性は乏しいのではないか、このような判断になったわけでございまして、そのような判断に即しまして行為規制を各所にわたり講ずることにいたしまして、悪質な事業者にとりましては実質的に禁止の効果を持つことにいたしたいということがこの法案の趣旨でございます。
○坂説明員 お答えいたします。 信託法あるいは信託業法あるいはまた出資法と本件法律案との関係についてという御質問であったかと存じますが、信託法につきましては、本件法律案の中に特定商品等の預託取引の定義のところに括弧書きで「(信託の引受けに該当するものを除く。)」というふうになっておりまして、いわば世界をきちんと分けているというふうに理解しておるわけでございまして、当然のことながら従来どおり信託業法の禁止に当たるようなもの、つまり業として信託の引き受けを行っているというようなことがあれば、信託業法で取り締まりを行うということになるわけでございます。 また出資法との関係でございますけれども、この特定商品等の預託等取引契約に関する法律案と申しますものは、御承知のとおり、特定商品等を預かりまして、また預かることに対応した利益を供与することを約する形態の取引について規制をしようというものだというふうに承知いたしておるわけでございますが、他方出資法の第二条と申しますのは、別の法律により預かり金をすることを認められている者以外の者が業として預かり金を行うことを禁止しておるということでございます。 〔委員長退席、奥田(幹)委員長代理着席〕ここで言う預かり金とは、預金と同様の経済的性質を有するものとされておるわけでございます。個々の取引が預かり金に該当するか否かは、本法案の適用の有無とは独立して、その取引の実態に応じて決まるものであるというふうに考えておりまして、本法案の成立によりまして出資法の適用が排除されたり、あるいはその影響を受けるということはないものと理解しているわけでございます。 なお、出資法というのは預かり金等を禁止いたしておるわけでございますけれども、本法案は特定商品の預託等取引につきまして取引そのものを禁止はいたしませんで、消費者保護の観点から一定の取引規制を課すというふうになっておるわけでございます。そういうふうに違うやり方をしておるということでございますが、私どもといたしましても被害防止の観点から有効なやり方ではないかなというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(信)委員 この法案の第二条でもって、特定商品というものを政令指定する、こういうふうになっておると思うのですが、消費者保護の観点から見ると、被害の後追いだというふうなことが言えるのではないだろうかと思うのですが、この点はいかがですか。
○松尾(邦)政府委員 御指摘のように、確かに第二条におきましては指定商品制をとっておるわけでございますけれども、通常顧客が取引に参加する可能性が乏しいものまでこの法律案の規制に係らしめてしまうことは、過剰規制防止の観点から適切ではない。一方、それでは全部規制対象に一般的にしておきまして、適切でない商品だけを適用除外にするという方法も観念的にはあるわけでございますけれども、そのようなやり方をいたしますときには、規制対象とすべきでないものを網羅して挙げることは立法上困難でもございます。また、新規商品は常に規制対象になるという問題もありますので、私どもといたしましてはその政令指定制を導入いたしたわけでございますけれども、政令指定に当たりましては、先生御指摘のように、消費者保護に遺漏なきよう、消費者相談窓口等を活用いたしましてその情報を迅速に政令に反映させるよう機動的に運用してまいりたいと考えております。
○佐藤(信)委員 もう一つ、この取引に当たって書面の交付ということが義務づけられておる、こういうことですが、書面の内容が単に形式をそろえたものだとか難解な書面を交付された場合には余り意味がないと思うのですが、その点いかがですか。
○松尾(邦)政府委員 業者に書面の交付義務を課しているわけでございますけれども、その内容につきましては、省令におきまして記載事項、書面の様式、活字の大きさなどにつきましてきめ細かく定めることにいたしまして、いやしくも形式に流れることのなきよう、そしてまた老人等を含めまして顧客が見ましてわかりやすいものにいたしたいと考えているわけでございます。そのようなきめ細かな省令の制定を通じまして、御懸念のような点のないよう十分配慮してまいりたいと思います。
○佐藤(信)委員 今言われたように対象となるのがお年寄りが多いということですから、やはり一般と違って非常に具体的にわかりやすく書くように指導していただきたいと思います。 それから、この法案の目玉というべきだと思うのですが、クーリングオフを過ぎても解除ができるということになっておりますが、このいわゆる解除する場合一五%ということになっております。これが契約の期間だとか解約の時期というものとの兼ね合いもあると思うのですが、若干この一五%という数字が高いと思うのですが、この点はいかがですか。
○松尾(邦)政府委員 中途解約が消費者側にとって自由にできるということは、この法律にとりまして基本的に重要な点だと私ども思っておりますが、解除をされた場合に、消費者の利益という観点からしますと、業者が預託者に対して、顧客に対しまして法外に高額の違約金を要求することは厳に避けなければならないわけでございます。他方、取引の法的安定性という観点から考えますと、業者にとりましては返還に要する資金の調達負担等を負うことになるものですから、一定限度までは業者が損害賠償を請求し得るようにする必要があるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように法外な要求をなされることなきょう、合理的な範囲内ということで違約金の上限を一五%と定めたわけでございます。 この根拠は、業者が資金を市中の金融機関から調達する場合のコストでございますとか、通常取引で用いられております延滞利息の水準でございますとか、あるいは豊田商事の例でございますと三〇%の違約金ということで消費者相談窓口へ高過ぎるとの苦情が大変多く寄せられておったなどの事情を総合的に勘案しまして、消費者利益と取引の法的安定性の両者を調整する具体的な水準といたしまして百分の十五を法定した次第でございます。
○佐藤(信)委員 この今の一五%というのをお決めになったのはよくわかりました。しかし、こうした事業者が法を悪用すれば初めから違約金をねらって商売ができるというふうに私も実は思いますので、その点やはりもう少し工夫が要るのではないか、かように思います。 時間がなくなりましたのでちょっと話は飛びますが、この法案が成立をしたというふうに仮定した場合に、今までのこの法案ができた過程からいって、昨年問題になった豊田商事の経緯に当てはめた場合にはどの辺でもってチェックできたのか、どの段階でもって防止できたかという点をお聞きしたいと思いますが、お考え方をひとつお願いしたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 具体的にお答えすることは必ずしも容易ではないのでございますけれども、この法案によります規制は、勧誘行為という早い段階から法律が適用されることになるわけでございますので、相談窓口等に寄せられる案件でもし問題となることが明確であった場合には、例えば報告徴収権、さらに要すれば立入検査権その他の行政的な対応も可能であったと存じますし、この法案全体を通じまして勧誘等の行為その他につきましては罰則もございますし、業務停止命令も規定されておるわけでございますので、これらをよりどころといたしまして、比較的早い段階から実情の把握に即しまして法の的確な適用が可能であったというふうに考えております。
○佐藤(信)委員 もう少し具体的にお聞きしたかったのですが、それでは法務省の方にお聞きしたいと思います。 実は、この法案提出段階においていろいろな団体から、どうもこの法律ができても意味がないし、また、この法律ができることによって今捜査中の案件だとかいうものに悪影響を与えることを心配するのだということが聞かれるのですが、この法案が成立した場合に、果たして係争中の問題だとか捜査中の案件に悪影響を与える可能性があるのかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
○原田説明員 お答え申し上げます。 先生御案内のとおり、具体的事件の処理に当たりましては、当然のことでございますけれども、その事件が発生いたしました当時の法令に違反するものであるかどうかという観点から判断をいたすわけでございます。そういう点で考えますと、今回の法案が成立した場合におきまして、豊田商事関係の一連の事件の処理にこれがそのまま影響を与えるというふうには私ども考えておりません。本法案の立案過程におきましても、先ほど通産当局から御答弁ございましたように、私どもも協議にあずかっておりますし、各般の観点から協議させていただいたところでございます。 この法案につきましては、いわば実体的な取引が行われているという経済界の実情と、それから消費者の保護という観点から、仮に被害が生ずるというようなことがある場合にどういう形でこれを未然に防止していくかという観点から立案されたものと承知しておりますし、そういう観点から考えますと、具体的な過去に発生した事件につきまして、その処理に当たってこの法案が成立した場合に悪影響があるというふうには考えられないと承知しております。
○佐藤(信)委員 そうすると、今の御答弁だと、いわゆるこの法案と今係争中また捜査中のものとは発生の時点が違うから関係がない、こういうような解釈でいい、そうですね。 先ほどの通産省のお話のように、やはりこの法案が通った場合に消費者に対してPRをよくするということが一番大事なのではないか、そういう観点から経企庁にお聞きしたいと思うのです。やはり一番必要なのは、法律をつくると同時に、消費者の啓発や消費者の相談というもの、こうした窓口を充実して消費者の意識というものの向上を図ることが大切だろうと思いますが、この点について今経企庁としては具体的にどういうふうに取り組んでいかれるのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
○河出説明員 御説明いたします。 先生御指摘のとおりに、消費者啓発というものは、消費者被害の未然防止あるいは拡大防止のために非常に重要な役割を担っているわけでございます。私どもとしましても、従来から国民生活センターあるいは全国二百七十カ所の消費生活センターを通じまして積極的な消費者啓発に努めてまいったわけでございます。特に昨年は、豊田商事事件にかんがみまして、高齢者の労相手に悪徳商法に引っかからないようにということで約百万部のリーフレットを作成し、配布したわけでございます。今後ともきめの細かい消費者啓発あるいは消費者相談を行うことによりまして、このような商法から消費者被害が未然に防止されますよう努力してまいりたいと考えている次第でございます。
○佐藤(信)委員 大臣がまだお見えにならないようでございますから、福川局長にお聞きしたいと思うのです。 きょうは大変短い時間で、はしょって質問したのですが、私としては幾つか重要な問題を指摘したような気がいたしますが、総括して、この法案によって今まで発生したような悪徳業者が抑えられる、また、そういうものに対して対応ができるということだろうと思うのです。そこで、通産省として総括してそうした考え方を披露していただきたい、こう思います。
○福川政府委員 事この豊田商事事件、大変社会的な大きな問題になったわけでございまして、私どもとしてもその再発防止策という点については鋭意努力をしてまいったわけでございます。その結果、今日御審議いただいておりますような法律に仕上げたわけでありますが、いろいろ佐藤委員からも御質疑がございました幾つかのポイントを私どもとしても十分念頭に置いて運用してまいらねばならないと思っております。この法律は、先ほど御答弁もございましたように、こういった問題を実質的に禁止するような効果を持つものでございまして、私どもとしてもこの運用の適正を期しまして、このような事件の再発の防止には万全を期すつもりでおります。
○佐藤(信)委員 それでは、この法律が成立した場合の運用をしっかりお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○奥田(幹)委員長代理 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 大臣がもう間もなく着席されると思いますので、質問いたしたいと思います。 実は、長い間悪徳業者に多くの被害者、消費者が悩まされてまいったところでございまして、あの豊田商事を中心とする金現物まがい詐欺取引、別名ペーパー証券詐欺取引とも言われておりますが、まさに老人ねらいの悪徳商法の最たるものでございました。老人や主婦泣かせのインチキ商売を撲滅し、消費者保護を図るという施策につきましては、我々としても大いに望むところであります。 しかし、今回政府が提案をいたしております特定商品等の預託等取引契約に関する法律案は、この金等の現物まがい詐欺取引を禁止するということじゃなくて、むしろ自由に開業できるようにし、行為規制にとどまっておる内容のものであります。これでは、せっかく過去の国会におきましてもたびたび議論を行い、そして今日まで臨んでまいりました我々の考え方と大きく異なるものであります。今日までの多くの被害者の皆さんの立場に立ったものじゃないと断言せざるを得ません。消費者、国民の期待にこたえるものでないと断言せざるを得ません。むしろ、悪徳商法を容認してしまうおそれがあるのでなかろうかと思うのであります。また、特定商品を規制対象とするものでございますから、あの海外商品取引規制法と同じように、いつまでたってもイタチごっこを繰り返すだけで、全く実効が上がらないのではないかという感がするわけであります。 しかし、このような不十分な法律であったといたしましても、せめて昨年の国会でこれが上程されておったならば、緊急避難的な要素の上から、我々の考え方を述べて修正を加えて成立させておったことになるのでなかろうかと思いますし、またそれによってその当時であれば実効が上がっておったのでなかろうかと思うのです。そのことによってあの豊田商法の被害者も、あるいは被害額も半減しておったのでなかろうかということを推測するときに、今この時期に何の緊急性があるということでこの法案が提案されてきたのか。さらには、この法案の対象となる業者は一体今日どのくらいあると推測しておるのか、考えておるのか。この点についてまずお答え願いたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 この法律案を御審議いただくようにした趣旨は、豊田商事に代表されますいわゆる現物まがい商法に関しましては、特に昨年来契約不履行の多発等社会的に看過し得ない問題が現実化して以来、関係六省庁で鋭意検討を重ねました上で、昨年十一月には消費者保護会議の議も経まして、六省庁会議の検討の過程で産業構造審議会に諮問するべきであるとの趣旨の合意を見まして、被害再発防止のために新規立法措置を必要とするという答申を得て鋭意立法化をいたしたところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この答申の中にもございますように、この種商法が再び消費者被害をもたらすことのないように、緊急な課題として立法化の準備をいたした次第でございます。 今先生お尋ねのもう一つの問題でございます、この種の悪徳な現物まがい業者が現在どのくらいおるかということにつきましては、この現物まがい業者という概念も必ずしも明確でございませんから、きちんと定量的に数字を挙げることは容易ではございませんけれども、私どもといたしましては、豊田商事と同様な取引形態をとっていた企業につきましては、昨年の夏消費者相談の窓口等を通じて集まりました情報をもとに調査をいたしました。確かに、昨年以来それらの企業につきましては順次行き詰まりを見せまして、最近では、通産省の相談窓口に寄せられる件数等から見ますとほぼ淘汰されたと考えてはおります。しかし、今後いつまた再発するかもわからないということに対して、いたずらにそれを放置するわけにもまいらないという緊要性につきましては、産業構造審議会の御審議でも強く指摘されたところでございます。 また、いわゆる現物まがい業者は概念が必ずしもはっきりしないと先ほど申し上げましたが、私どもの法律案では、預託等取引契約あるいは預託等取引契約を行う業者について定義をいたしておりますけれども、この定義は、豊田商事そのものの商法に加えまして、脱法行為を防ぐ意味から定義を広目につくっているわけでございます。したがいまして、もしお尋ねの趣旨が、この法律案における預託等取引契約を行う業者とはどういうものかというお尋ねとして考えてみますと、例えば金投資口座あるいは金貯蓄口座の名称で銀行、証券会社あるいはクレジット会社などの一部がこのような業務を行っているところでございます。
○和田(貞)委員 今審議官もお答えになったように、豊田商事に類似する悪徳業者はほとんど壊滅の状態なんです。だから先ほど申し上げましたように、これが今の時期じゃなくて、少なくとも昨年の通常国会で出しておれば評価に値するものである。もうガンもカラスも飛んでしまってから、今の時期にこの法律を提案して法律ができたとしても、これは一体何をするのですか。今まさに消費者が悪徳商法によって困っておるのは何なんですか。この前の国会でも議論してまいりましたように、例えばマルチは取り締まってもマルチまがい、ネズミは取り締まってもネズミまがい、いわゆるまがいという既成概念の商いというものは全面的に悪である、そういう考え方に立つべきじゃなかろうかと思うのです。そういう悪徳業者を今取り締まってほしい、これが国民の声であり、消費者の声であります。そういうようなことに対応した法律であればいざ知らず、こういう法律がないよりもある方がましだという考え方で出してくること自体が、通産省がいつまでたっても後追い、後追いの行政を繰り返して、消費者の保護という立場に立つ、そういう行政でないということを言われてもやむを得ないじゃないですか。その点、もう一度お答え願いたい。
○松尾(邦)政府委員 豊田商事等のいわゆる現物まがい商法が社会的に大きな問題を起こしましたことに対する課題といたしましては、一つは、もとより被害者の救済ということもございますけれども、もう一方におきまして、やはりいわゆる現物まがい商法の再発防止ということが緊要の課題である。これはかねてから各方面から御指摘のあったところでございまして、産業構造審議会におきましても、いつまたこれが再発しないとも限らない、緊急な課題として早急に再発防止の措置を講ずべきである、このような御意見を踏まえて立法化させていただいたわけでございます。 しかし、先生御指摘になられましたように、悪徳な商法というものはいわゆる現物まがい商法に限らないのではないかということについては、私どももかねてからいろいろな御意見があることを承知いたしておりますし、産業構造審議会の答申におきましても、とりあえず緊急な課題であるいわゆる現物まがい取引に対する立法措置を講ずべきであるけれども、御指摘のございましたいわゆるマルチまがい商法につきましても、引き続き鋭意検討を進めるようにとの御指摘をいただいているところでございます。 この点につきましては、産業構造審議会の中でもいろいろ御議論がございましたけれども、いわゆるマルチまがい商法につきましては、この対応を検討するに当たりまして幾つかのまた異なった問題点を有しているわけでございます。つまり、現在訪問販売法で規制されておりますマルチ商法におきまして、一般消費者が大量の在庫を抱えるという具体的な被害が問題とされる場合と異なりまして、いわゆるマルチまがい商法による一般消費者の具体的被害というのは、態様が必ずしも一様ではなく、この点についての実態の十分な把握が必要でございますし、また取引形態が多様なことから、それに応じた適切な実態分析、把握も必要でございますし、また通常の訪問販売等正常な商慣行に対する慎重な配慮も必要だ、このような指摘が産構審でもなされたわけでございます。このような観点から、慎重な検討を要しますけれども、答申での御指摘のように、私どもといたしましても鋭意検討に努めてまいりたいと考えております。
○和田(貞)委員 少なくとも、この法案が成立して法律ができた、こうしても、これはあなたが今言われたような緊急性というものはないじゃないですか。少なくとも今後再発することを予期して、予測してということを言われているのですから、緊急性というのはないじゃないですか。したがって、そのような緊急性というものがない限りにおきましては、過去の多くの被害者や、あるいはそれらの被害者を弁護して、今それぞれ国を相手取ったりあるいは加害者の企業を相手取ったりして各地で訴訟をなされておられる、あるいはそういうようなことをいろいろ心配をしておられる消費者、国民の立場に立つならば、いわゆる現物まがいだけでなくて、すべてのものにつきましてもこのまがいということが現存しないような、安心できるような、そういう法律を何とか実現してほしい、これが消費者、国民の大きな願望じゃないかと思うのです。 そういうことであるならば、簡単に、短時間の間に、形としては審議会の流通部会・消費経済部会の審議を経て、答申を得て、その答申にこたえてこうやったんだ、こういうように言っておりますけれども、これは形式的です。もっともっと慎重に審議をして、脱法行為が出てこないようにできるだけ立派な法律をつくる、これが政府にとっても課せられた責任であるし、我々立法府としても、そのことが課せられた責任であると思うのです。 この「いわゆる「現物まがい商法」による被害の再発防止策の在り方について」という答申ですが、この答申を出した産構審の流通部会・消費経済部会へあなたの方が諮問をして、その答申までの間わずか二カ月。その二カ月の間に、私たちが仄聞するところではわずか三回程度の会合でその答申をつくって、その答申に基づいてこの法律を出してきている。逆に言うならば、後追い行政の汚名を、何とか形式的にもやっているんだ、そういうことをにおわせるために、この法律を出すためにそのような答申を形式的につくり上げさせてきたというように言われてもいたし方ないじゃないですか。したがって、私は、この法律が出されてまいるこの経緯、そして今消費者、国民が願望しておるものに大きなギャップがあるように思えて仕方がないわけであります。 この法律ができたといたしましても、まさに形式的な法律であって、実効性を伴うような内容のものでない。法案の上程の趣旨説明では効果をもたらすためということを言っておりますけれども、実際的にこの法律が成立いたしましてもそのような効果が上がらない、このように思っておるわけであります。 私は、上坂議員から昨日趣旨説明のありました社会党の訪問販売法の一部を改正する法律案の提案者の一人でございますから、このことを質問することはできませんけれども、一体、上坂議員外三名の提案をいたしました訪問販売法の一部を改正する法律案とあなたの方から出してきたこの法律案と、消費者の現時点におけるところの立場に立つならば、どちらの方が役立つと考えておられるのか、お答え願いたい。
○松尾(邦)政府委員 私どもが提出させていただきました法律案につきましては、昨年来、関係各界からも早急に再発防止の措置を講ずるようにという要望も出てまいっておりました。かつまた関係六省庁の会議、あるいは先ほど申し上げましたように消費者保護会議での議などを経まして産業構造審議会に御審議をお願いしたわけでございますが、産構審におきましても、五回にわたりまして各界の代表の委員の方々の御意見を十分踏まえましたし、かつまた、その過程で提出されました意見書につきましても審議の場において御披露するなど、私どもとしては審議を十分尽くして進めさせていただいたつもりでございます。 なお、私どもといたしましては、この法律の内容につきましては、答申にもございますように、行為規制という形で、実質的に、悪質な取引を行う業者に対しましては実質禁止の効果が出るような、そういうきめ細かな、配慮の行き届いた法案を用意するようにという答申でございましたので、それに即して立法化をいたしたつもりでございます。 ただいま先生お触れになりました社会党案につきましては、私どもとしては、訪問販売その他大変広範な対消費者取引についての改正を内容とするものと承知いたしますが、訪問販売等の取引につきましては、御高承のように一方におきましては消費者の利便の増進あるいは流通近代化というところに資する面もあるわけでございます。したがいまして、健全な取引にまで悪影響を及ぼすことなく、効果的に取引の適正化を図る必要があることは申し上げるまでもないわけでございます。 このような観点から御提案の法案を拝見いたしますと、訪問販売等の規制対象の拡大あるいは規制内容の追加等につきましては、私どもといたしましては、以上のような点から見まして、つまり健全な取引に対する影響というような点から考えまして、慎重な対応が必要だと考えているわけでございます。しかし、私どもといたしましても、いろいろ多様にわたるいわゆる悪徳商法ではございますけれども、先ほど申し上げましたように産構審の答申を踏まえて、現物まがい取引に続きましてマルチまがいの商法についての検討も進めますし、また今後とも経済企画庁等関係省庁とも連携をとりながら、いろいろな消費者保護のための施策のきめ細かな体系的な実施によりまして、消費者トラブルの防止には最大限努力を払うことにいたしたいと考えておりまして、この法案、それから消費者啓発、関係省庁との連携体制のもとに、消費者保護に遺憾のなきよう期してまいりたいと考えているところでございます。
○和田(貞)委員 この法案を提案するに当たって、関係六省庁で協議をしてこれを提案してきたということをあなたの方は言いますが、この関係六省庁で協議をする際に、この法案を提案するまでに、これも前々から言われておるように、今の出資法で悪徳商法を取り締まるということはできないだろうか、できないとするならば出資法を今日の時点に沿うような改正をする必要があるのじゃないかとか、あるいは詐欺ないしは詐欺まがいの取り締まりに対して刑法を発動してこれを取り締まるということができないかとか、そういうような議論はなかったのですか。
○松尾(邦)政府委員 関係六省庁の会議におきましては種々の角度からの議論が行われまして、例えば豊田商事が具体的な事案として現在詐欺あるいは出資法違反で問われているわけでございますが、もとよりこれらの問題につきましては司法当局あるいは警察当局の厳正な判断にまつべきものであるということでございますけれども、関係六省庁での議論を通じて得られました大きな基本的な方向と申しますのは、個別の豊田商事そのものにつきまして、あるいはそれに類似の企業につきましては、そのような現行法における厳正な適用による対応ということも当然必要なことでございますが、いわゆる現物まがい商法につきまして消費者保護の観点を踏まえた一般的な法律が用意されておらないということが一番問題ではないか。その際どのような法体系が望ましいかにつきましては、出資法というものは今後どんな展開があり得るのかという御議論も当然ございました。しかし、関係各省庁での間の基本的な方向といたしましては、いわゆる現物まがい取引の特殊性にかんがみまして新たな法理的な対応が必要なのではないかということになりまして、私どもは産業構造審議会に諮問をし答申をいただくという合意を得た次第でございます。
○和田(貞)委員 遠くは昭和五十七年に東京都の知事からの要望書、あるいは同じように関東地方知事会からの要望書、これには訪問販売に関する法律を何とか現行に合うような法律の内容に改正してほしいという要望が出ておりますし、国民生活審議会の報告も訪問販売法を洗い直すべきであるという意見が出ております。その他被害に遭って非常に困っておる消費者団体なりあるいは市民団体の方からも、この訪問販売法を何とか改正して消費者を保護するようにという声が多くございますが、なぜ訪問販売法を改正しようとしないのか、わからないのであります。その点お答え願いたい。
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘のとおり、訪問販売にかかわる消費者トラブルの防止を図るように所要の措置を講ずべきである旨の各方面からの御要請というものは、私どももたくさんちょうだいいたしているところでございます。この訪問販売の取引につきましては、御案内のように昭和五十九年に訪問販売法と割賦販売法の改正をしていただきまして、ここでいろいろ先ほど御指摘のような各団体から要請のございました割賦販売におきますいわゆるクレジット販売、割賦購入あっせんの契約に関します規制の強化、消費者保護の強化、あるいは無条件解約権、いわゆるクーリングオフの延長、あるいは役務に附帯する商品につきましての対応などにつきまして種々の措置をこれまでに講じてまいったところでございまして、私どもといたしましては、まずこれら関係法令の改正を受けましてその厳正な運用と周知徹底に努めてまいりたいと考えているわけでございます。 なお、今後の点につきましては、先ほども申し上げましたけれども、訪問販売等の取引というのは、一方におきまして消費者の利便の増進あるいは流通の近代化等に資する面がございますので、健全な取引にまで悪影響を及ぼすことのない効果的な取引の適正化を図る必要があると考えておりますので、そのような観点から訪問販売法そのものの改正につきましては慎重な対応をすべきものだというふうに考えているわけでございます。
○和田(貞)委員 関係六省庁との協議の中で、大蔵省はなぜこの出資法を悪徳商法取り締まりのために改正することに反対をしておるのか、お答え願いたいと思います。
○坂説明員 お答えいたします。 豊田商事等の現物まがい商法と呼ばれるような非常に遺憾な取引、そういうものを防止するということは非常に重要なことであると私どもとしても考えているわけでございますけれども、これを出資法の改正で行うことにつきましては、禁止というふうになっておりますので、その悪質なもののみ的確に法文上取り出しまして規定するということが、技術的に見て非常に難しくて可能か否かという問題があるのではないかというふうに考えている次第でございます。 他方、それでは広く禁止してしまってはどうかということになりますと、物を預かるという行為全般にまで禁止がかかるようなことにもなってしまうわけでございまして、経済活動に対する規制としては広過ぎるのではないかというふうにも考えているわけでございます。また出資法と申しますものは金銭の預かりや出資を規制する法律でございまして、物に着目した規制というものとはなじまない面もあるのではないかというふうに考えておる次第でございます。 そのようなわけで、特定商品等の預託等取引契約に関する法律案は、特定商品の預託等取引につきまして消費者保護の観点から一定の取引規制を課すというものでございますけれども、被害防止という観点から見ますと、こういうやり方も有効な方策ではないかというふうに考えた次第でございます。
○和田(貞)委員 大蔵は消費者の立場に立つという認識が非常に薄いのです。現在の出資法によって悪徳商法を取り締まることはできないとするならば、それに見合った出資法の改正を考えたらいいじゃないですか。それをなぜ考えぬかと言うのです。我々、健全な預託取引の業をしておる者を全面的に取り締まれということを言っておるんじゃない。健全な業者は保護し育成していく。しかし、極めて悪質なそういうものと分離をして、悪徳業者によって消費者に被害を与えるような預託等の取引をやっておる者についてそれを絶滅させていくという考え方に立って、上坂議員外三名提案の法律もそういう趣旨になっておるのです。したがって、あなた方の方は、もっと積極的に出資法を改正するという考え方は今なおないですか。
○坂説明員 お答えいたします。 繰り返しのようになりますけれども、出資法の改正で行うということは、先ほど申しましたように出資法といいますものは金銭の預かりというものに着目しているわけでございまして、これを物の預かりということにするのにはちょっとなじまない面があるのではないかという点と、それから先生御指摘のように悪質なものとそうじゃないものとを法文上分けることは、非常に難しいのではないかというふうに考えておる次第でございます。私どもとしても消費者の保護ということにつきましては研究をいたしたいとは思っておるのでございますけれども、そういう技術的な問題点があるということから、今回の法律のように物の預かりということに着目して、禁止はしないけれども、悪質なものは実質的に禁止できるような工夫というのが一つのやり方ではないかというふうに思っている次第でございます。
○和田(貞)委員 大蔵省が、出資法にかかわらず証券法の問題についても、やはり問題があれば積極的に改正をして、悪徳業者を締め出すという考え方に立ってもらえないことを非常に残念に思うのです。 警察は警察として、また一部最近でも大阪で大和信用債券、これは豊田の商法と同じことをやっておる、しかも豊田の残党がかかわっている悪徳業者でありますけれども、これを出資法で摘発したということは非常に好ましいととでありますが、なぜ全般にわたって今まで出資法に基づいて、あるいは刑法を発動して悪徳業者の取り締まりをやってこなかったのかということをお尋ねすると同時に、昨年の商工委員会におきまして私が取り上げましたジャパンライフの問題につきましても、あの時点で当時会長であった山口隆祥が会長を退いて、後に別の流通経済研究所あるいはJL販売株式会社というようなものを設立しておるわけでありますが、内容は同じようなことをやっておる。ところが、このジャパンライフにつきましては、昨年指摘いたしましたように警察のOBが非常に多く関係しておるのです。今回も、ついこの間の四月一日に、山口隆祥が設立して同様の仕事をしておる流通経済研究所、JL販売株式会社の浜松の大会に、これまた新しく前に警視総監をやっておりました福田勝一氏が出席いたしまして激励しておるというようなことを仄聞するわけでありますが、あれほど警察とジャパンライフの関係をやかましく言い、問題に、なってきたのに、またその肩書を利用されてしまうというようなおそれが新しい分野で起こってくるのではないか、こういうふうに思うわけであります。警察当局はこの事実を知っておるのかどうか、お答え願いたい。
○上野説明員 お答えいたします。 最初の御質問の方に、なぜ取り締まらないのかというのがございましたが、豊田商事のケースですとか、今先生から御質問のありました大和信用債券のケースにつきましては現在捜査中でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいところでございますが、一般論で申しますと、私ども警察として見れば国民の保護と申しますが、その中で社会的弱者、社会的に弱い人の方に重点を置いているわけですから、そういう面でいいますと、現場の警察官としていろいろな被害に遭ったお年寄り等に会ってみて非常に歯ぎしりをさせちれるようなことというのはよくあるわけでございます。しかし、そういう場合を見ましても、当事者は法の裏の裏までよく研究しております。違法、合法すれすれのものを行うとか取引の過程で明確な証拠を残さないというようなことがありまして、現行制度の中では取り締まりが容易でないということがよくあるわけでございます。そういう面で、今までもいろいろな新しい法律をつくっていただきまして取り締まりを強化させていただいたわけですが、関係者につきましてはさらに悪知恵を働かせてくるということがありますので、ある面ではそれにまさを取り締まりの方法を開発していかなければというふうに日々努力している次第でございます。
○和田(貞)委員 一つお答えがなかったわけですが、前警視総監の福田勝一氏が四月一日に元のジャパンライフの会長をしておった山口隆祥が経営しておる新しい分野の企業の会合に出て激励したという事実はどうですか。
○安藤説明員 先日発行されました業界紙に、御指摘のように福田氏が出席したという記事を掲載しているのは承知しております。ただ、その事実関係については確認はいたしておりません。
○和田(貞)委員 事実関係を確認してほしいと思う。事実関係を確認して、少なくとも警察のOBがそういう悪徳業者にかかわって、それがために悪徳業者を取り締まることができないというようなそしりを受けぬように私は確認をしてほしいと思う。改めて質問いたしますが、ひとつ調査してください。
○安藤説明員 今後その点について調べてみたいと思っております。ただ、御指摘の流通経済研究所の性格あるいは活動自体についてはいまだ十分に把握しておりませんので、この時点でまだちょっと当否を判断するに至っておりません。
○和田(貞)委員 委員長、ひとつ調査をさせてください。いいですね。 通産省、今上程されておる法律が成立したと仮定いたしまして、今困っておる、先ほども述べましたマルチまがい商法による被害者を救うことができますか。そして今、これから問題にしようとしておるところの、新しい分野で悪徳商法の手が伸びてきておる抵当証券の訪問販売による被害者が最近非常に続出しておるわけですが、これを取り締まることができますか。海外商品先物取引による被害者の被害を防止することになりますか。あるいは、悪徳業者が次から次へと悪徳商法を積み重ねていく、今ジャパンライフの山口のことを言いましたけれども、次から次に新しい分野を開拓していくそういう悪徳者の還流防止対策が全くしり抜けになっておるわけでありまして、それを阻止するということになりますか。 今取り上げた中でも、抵当証券を扱っておる会社というのは昭和四十八年に日本抵当証券株式会社というのが一つあっただけです。これが今日、日本抵当証券協会に加入しておる業者が二十七社、抵当証券懇話会という組織に加入しておるのが四十五社、約百社に近い抵当証券業者ができてきておるのです。しかも、その半数はまさに素性がはっきりしない業者だということを業界の責任者が言っているくらいなんです。それによりまして受ける被害者というのは非常に多くなってきておるわけです。その素性のはっきりしない業者というのは、大方がサラ金業者から転業していっている、そういう者たちです。これは全く法規制というのがないわけでありまして、通産省は、後追い行政、後追い行政ということをやっていきますと、これがやがてはあの豊田商事の二の舞が近い将来に必ずあるということを私は警告したい。そういうようなものを今何とかしてほしいというのが消費者、国民の望みであり、我々の言い分である。 あるいは、海外商品取引の問題についてでありますけれども、四月の二十一日付の朝日新聞によりますと、神奈川県の茅ケ崎市の主婦の方、これは身体障害者である。そしてその夫も聾唖者である。その身体障害者の方が焼身自殺をしたという、そういう記事が掲載されておることを私は見ました。その自殺の原因というのは、この海外商品取引をやっておる住友セントラルという業者によって被害をこうむっておる。その被害を受けたその方が、主人に申しわけない、せっかく、耳も不自由、口も不自由というそういう主人が蓄えたものを自分の軽率なことでその業者にかっぱらわれていったということで自殺をしていっておるわけであります。 そういうようなことをこの法律によって取り締まり、法律によってこれを防止するということになりますか。それを私たちが何とかしてほしいというのが今まで通産省に言ってきたことでありますが、そのようなことをやることの法律というものをつくる限りは、いずれにいたしましてもこの悪徳商法というのは、抵当証券の悪徳業者についてもあるいは海外商品取引業者にありましても、すべて訪問販売から出発してきておるのです。だから少なくとも、先ほど産構審の部会の答申ということを言われましたけれども、この産構審の答申の部会で審議をする中で多くの方々から、やはり訪問販売法を見直す必要がある、見直してこれらの悪徳商法を未然に防止するというようなことをやらなければいかぬという意見を出した方もあるでしょう。そういうようなことを抜きにいたしまして、ただ一部のものだけをとらえて出してきたのがこの法律じゃないですか。一体全体通産省というのは何を考えておるのですか、お答え願いたい。
○松尾(邦)政府委員 この法案を立案いたしました経緯は、先ほどから申し上げたことになるわけでございますけれども、豊田商事を代表といたします現物まがい商法によります被害の多発に伴いまして、この再発をいかに防止するかということが緊急な課題であるという関係六省庁の会議、あるいは消費者保護会議における議を経まして、産業構造審議会にお諮りし答申をいただき、これに沿いまして早急な立法措置を講じさせていただくようにいたしたところでございまして、私どもといたしましては、確かに先生御指摘のようにいろいろな消費者に被害をもたらすような悪徳な商法が世の中に存在していることについては認識いたしておりまして、産構審の御審議の中におきましてもいろいろな議論が出たのは事実でございます。その代表的なものがマルチまがい商法でございましたので、それにつきましては先ほど来御説明申し上げましたように、引き続き産構審において検討を行うことになっているわけでございます。 それから個別のお話を申し上げて失礼でございますけれども、抵当証券につきましては、これは必ずしも私どもが抵当証券そのものを所掌しているという意味で申し上げるわけではございませんけれども、この法律案の定義におきまして商品というものの中には有価証券を含む概念でございますので、もしこの抵当証券につきまして一定の期間預かりそれに対応する利益の供与があるという取引形態の目的物になる場合には、預託者保護のためにこの法律案における規制対象になることは妨げられておらないわけでございますので、必要に応じた対応が図れる仕組みになっているわけでございます。 それから先ほどの海外先物法との関連で御指摘のありました点につきましては、昨日公布されまして五月一日から施行されますいわゆる海先法、海外商品先物取引規制法におきまして、御指摘の事件に関係のありますニューヨークのココアの先物取引については規制の対象にすることといたしたところでございます。 いずれにいたしましても、そのほかにもいろいろな形態のものがあるいは新分野として出てくる可能性ももとよりあろうかと思います。私どもといたしましては、そのような今後多様に出てくるかもしれないいろいろな悪徳商法も含めまして、今後とも関係省庁とも連携をとりながら、各般の施策のきめ細かな実施を図り、また消費者の啓発にも努めまして実効を上げてまいりたいと思っておりまして、その態様が多様であるだけに一律の規制にということにはなかなかまいりませんけれども、先ほど申し上げましたこととの関連になりますが、訪販法、割賦販売法、海先法、消費者啓発、消費者相談窓口の活用等々あらゆる手段を駆使いたしまして、このような事態に遺憾のないよう対処いたしてまいりたいと考えており、今御審議いただいておりますこの法案につきましては、その中の現物まがい商法につきまして、再発防止が特に緊急な課題であるとの認識のもとに御審議を賜っているところでございます。
○和田(貞)委員 現物まがいが緊急性を伴っておらぬということをさっきから何回も言っておるでしょうが。あなた自身も、豊田事件以来、今直ちにこの法律ができたら対象となる業者の名前さえも、何件ぐらいあるかということもお答えできないぐらいでありまして、これは、将来再発するということを防止するためにこの法律が必要だということであれば、緊急性というものは何もないですから、むしろ緊急性というのは、やはりマルチまがいによって受けておる被害者、あるいは抵当証券の訪問販売によって受けておる被害者、海外商品先物取引によって受けておる被害者等々、まがいを含めた悪徳商法というものを包括的に何とかここで取り締まりをする、あるいは防止をするということが緊急性を要するわけでありまして、この法律ではどうにもこうにもならぬと私は思うわけであります。 幾ら言ってもあなたと意見が平行になるわけでありますけれども、私はこの法律というものは緊急性は伴わないというように断定せざるを得ないわけであります。この法律はあった方がないよりもましたという認識は極めて危険なものでありまして、むしろこの法律ができることによりまして既成の事実が生まれて、そして悪いことをしようというやつは、どれだけ囲いをしてもはみ出す方法をやはり考えてくるわけでありまして、むしろそのことによりまして、これはもう法律によって容認された商売だ、事業だということで、肩を怒らして堂々と自由開業をやって、そしてまたその業者がふえてきて、損をし被害を受けるのは消費者であり国民だけじゃなかろうかと思うのであります。 このことについて、これをごり押しに押して、何が何でも通すんだ、何が何でも成立さすんだというようなことでなくて、きょうから議論に入ったわけでありますが、いろいろな意見を踏んまえて、より消費者の願望に沿うような内容に修正をしてでも消費者の立場に立って何とかというお考えにあるのかどうか、これはひとつ通産大臣にお答え願いたいと思います。
○福川政府委員 私どもとしては、もとより豊田商事事件が大変社会的に大きな問題になったことも認識し、このような再発防止という点については、非常に重要な問題であると受けとめております。 今お話のございましたように、確かに悪徳商法というのはいろいろな形でまた出てくる可能性はなきにしもあらずでありますが、私どもとしては、まず営業の自由の問題と消費者保護の問題の権衡を十分考え、また法律的に規制が可能であるかどうか、また法律の適用、施行が十分可能であるかどうか、いろいろな点も考え、消費者の保護には十分を期さねばならない、かように考えておるわけでございます。 今御指摘のいろいろな問題については、それぞれの法律の体系の中で最大努力をしてまいりたいと思っておりますが、現物まがい商法、この問題については社会的にも大変問題になったことでもあり、また、こういった行為規制をやることによりまして実質的に再発を防止し得るということでございますので、私どもといたしましては、御提案いたしましたこの法律について、一日も早く成立させていただき、私どもとしてはその運用の厳正を期して、消費者保護に万全を期してまいりたいというのが私どもの考えでございます。
○渡辺国務大臣 これは非常に難しい議論なんです、実際のところ。人を規制するということは非常に困難、やはり行為を規制するということしかない。 これは別な話ですが、よく市町村に立候補するので右翼なんかが郵便で立候補しちゃうとか、こんなのはだれが見たって何とか規制できないのかと思う。何というのか、供託金でもうんと高くしちゃって、五十票か三十票しかとらないんだから、そして没収しちゃったらどうだ、そうしたら立候補しないだろう。いろいろな議論がありますね。ところがやはり人権の問題とかいろいろな問題というようなことで、これもなかなか規制一〇〇%とはいかない。 今審議官が言ったように、自由主義経済というのは経済取引は原則自由、特別なものについて許可制とか認可制とか、そういうのをやっております。みんな許可にすると、許可されたものが金看板になっちゃいまして、それで、おれは政府のマル公を持っているんだ、許可を持っているんだというようなことで、むしろだましやすいような問題も出てくる。したがって、やはり販売行為等における必要最小限度の規制しか現実にはなかなかできない。全部に網をかけてしまうと、自由経済の中の一般の営業活動に非常な問題というか不便が起きる。保険の外務員というのを一つ考えてみても、あれも役務の提供だからやはり何かうんと規制しちゃえというようなことにすると、これまた実際問題として、前の日から予約をとっておいた者しか打っちゃいけないよとかいったら恐らく商売にならぬじゃないか。しかし保険の外務員はいいんだ、物を売る方だけだめなんだということになると、今度は商売について結局不均衡というか片手落ちな問題が起きる。 そういうようなバランス問題等もいろいろ考えて、まあ完全かと言われればそれは完全ではないかもしれぬ。ないかもしれませんが、やはりある一定の基準をつくって、それを守らないのは営業停止処分にかけるとか、営業停止処分にかけたにかかわらずまた再犯で再びやると懲役にする。二年以下の懲役と書いてありますね。また罰金をかけるとかいうことにしておけば、これはかなりブレーキになるんじゃないか。幾ら法律をつくって、詐欺はもちろんいけませんよ、あるいは人を殺したら死刑あるいは無期懲役だ、そういう規制が現在あっても人を殺す者は世の中におりましたりして、一〇〇%できるかというと、なかなかそれはできません。できませんが、一方でやはり消費者の啓発というか消費者教育というか、あらゆる機会にそういうことをやったり、特に弱者で、老人とかなんかで世の中のことにも疎いという人は一番だまされるわけですね。ですから、そういうところに絞りまして、いろいろテレビその他でも日ごろの教育をするように国全体として、これは一つの社会教育ですから、社会全体でだまされないように守ってやるということも大切だろうと私は思います。 この法案については、社会党の案がいいのか政府の案の方がいいのかと言ったって、それはお互いに自分の出した方がいいと言うに決まっているのですよ、実際は。ですから、私にどっちがいいかと言われたって、それは政府が出した方がいいんですと言わざるを得ないんですね、だれだって。あなたの方も同じことだ。だからそういうようなことで、不完全な点もございましょうが、完璧というわけにはなかなかいかない、いろいろなものを組み合わせて豊田商事のような問題を事前に抑え込むようにしてまいりたいと思っております。 どうぞそういうことで御賛成を願います。
○和田(貞)委員 私は提案者の一人でありますので上坂議員に質問することができないのは残念に思うのですが、どっちがいいか悪いかということよりも、これは上坂議員外三名提出の法案も、私が言ってなにですけれども一〇〇%じゃない、しかし政府が今提出しておる法案よりも、現時点で多くの悪徳商法に困っておる被害者を救うためには少なくともいい、客観的に見ていただいたらそのことはだれしも否定することはできないと私は思うのです。 そういうようなことでありますが、時間も参りましたのできょうのどころはこの程度にとどめまして、改めてもう一度私の与えられた時間の中で議論をいたしたいと思いますので、これで私の質問を終わらせていただきます。
○奥田(幹)委員長代理 浜西鉄雄君。
○浜西委員 まず冒頭に、四、五日前でしたか、訪問販売の国際シンポジウムが開かれました。国会開会中でありましたが、私も商工委員という立場から一時間ほど顔を出しました。 国際的にどのような問題が論議されるか、中身には入らないで最初のそれぞれのごあいさつの場面で引き返しましたから詳しいことは知りませんが、アメリカの訪問販売協会の倫理綱領監察官ウィリアムス・W・ローガンさんという人のあいさつの中に、訪問販売はいろいろお客とのトラブルも発生しやすいから、業者みずからが倫理綱領監督官というものをつくって指導し、自粛し、健全な訪問販売活動をやることに努めておる、こういうことがあって、私は一つの参考になるのではないかと思うわけです。その際、通産省からたしか次官が出席されたと思うのです、紹介がありましたから。 こういった国際的なシンポジウムの中で、豊田商事など訪問販売に対する我が国のいろいろな問題があるわけですが、こういったことに対する何か受けとめ方があったか、そのような報告があったか、それをちょっと聞いておきたいと思うのです。
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘の訪問販売国際シンポジウムにおきましては、世界各国の訪問販売業界の方々が出られて、その取引の適正化のための自主的な努力をどのように進めておるかという現状、それから今後の訪問販売業界のあり方につきまして積極的な討論がなされたと承知いたしております。その中では、先生御指摘になられましたように、アメリカでは倫理綱領監督官制度というのが大変整備されておりまして、権威を持ち、かつ所要の改善措置を講じ得る権限を付与されておるということも伺ったところでございます。 我が国の訪問販売業界におきましても、これまで倫理綱領の策定でございますとか、訪問販売員、つまりセールスマンの登録制度の実施などを自主的に行ってまいっておりますけれども、今回のシンポジウムを契機といたしまして、このような自主規制をより実効性のあるものにすることが業界の真の発展にもつながるのではないかということを認識いたしまして、業界挙げて今後一層取引適正化のための自主的な努力の強化に取り組むことを私どもといたしては強く期待いたしておりますし、これに対する業界の努力に対しましては私どもといたしましてもできる限りの支援をしてまいりたい、かような感じでいるところでございます。
○浜西委員 そのような国際的な会合の中から学び取るものは学び取ってもらって考えるということでそれは結構な話ですが、警察の段階でも生活経済課というものができてそれなりに活動されておるようですから、以前豊田商事がいろいろ問題にされて会長がまだ生きておったころなどから見ると、その対応は一歩進んでおると私は思います。 今さっきも出ましたように、大和信用債券、この会社が約二十億円ばかりのそれこそ詐取を働いておるわけですね。既に大阪の警察の生活経済課が手を入れたときにはこれだけの手おくれになっておるわけです。このことを考えてみると、やはり豊田の残党がどこかに潜んでいて、そして悪知恵をさらに巧みに利用してまた新しい商法を始める、こういうことが一つの典型的な例として出てきておると思うのです。 通産省の中にこの種の関係について、今警察の場合は生活経済課というものでそれなりの取り組みをするという体制ですから、それでも二十億円を詐取されて、既に発見したときには遅かったわけでありますが、先駆けて、悪徳業者であった人のリストはむしろ通産省で握っておって、それを追跡監視するというか調査するというか、そういう人たちが新しい会社をつくって許認可申請が出てきても厳重なチェックをする、仮称ですが、経済生活オンブズマン、そのようなことを私は以前にも提起したことがあるのですが、そういうものをこしらえて、未然に悪質業者、悪知恵を働かす人がばっこできないような抑え込み方、チェックの仕方というものを考えておられるのかどうか、これも聞いておきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘になられましたように、例えば一たん豊田商事のような業者に参加した者が再びこの種の悪質な商売を始めるということがあり得ることは、私どもも心がけておらなければならないことだと存じます。しかし、そのゆえをもってその者を行政庁が常に監視するということは一般的にはなかなかなじみがたいことでございます。 私どもとしましては、昨年八月に、いわゆる現物まがい商法の被害の多発にもかんがみまして、各通産局に寄せられます相談窓口のトラブル情報、これを消費者トラブル情報として迅速な対応が図られるような体制を整備しまして、消費者トラブルが起こりました案件につきましては、毎月毎月本省の課長レベルで分析し、所要の対応を図るという体制を整備いたしたところでございます。今後とも、消費者トラブルの新規案件、頻発案件につきまして適切な把握と対応をいたしたいと考えておりますし、他方、訪問販売法におきまして消費者トラブルについての情報の公開制度を設けて、悪質な手口、やり口を消費者にも十分啓発をしてまいるということで、行政面、それから消費者への啓発面を通じまして、御指摘のような点についての対応を図っているところでございます。
○浜西委員 そういう考え方でこれからもっと具体策を出してもらわないと、精神規定だけではこの種の悪質な業者はなかなか抑え込むことができないと思うのです。 そこで、今回の法案の作成に当たっていろいろ苦心はされたと思うのです。社会党としても出ておるわけですから、これは後ほど質問いたしますが、この政府案をこしらえる段階で、今まで幾多のまがい商法があって被害者が出て、それを救済する弁護士さんその他いろいろな関係者がおるわけですが、そういう関係者から、この法案策定以前に意見を聴取したり、あるいは法案の骨子などに、これはどうなのかという一つのやりとりをする場をつくったとか、そういう具体的なものがあったのか。この法案提案に際して、豊田商事だけに限らず、いろいろな過去にあった、私が言うまでもないと思いますが、そういう関係者の意見を、被害者はもちろん、弁護士、そういった人たちの意見を聞いて、今回この中にどの程度そういう人たちの意見が入れられておるのか、私はちょっとその辺が心配ですから、通産省としてはどのような対応をされたか、これを聞いておきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 今般の法案を立案するに当たりましては、産業構造審議会の審議を十分に踏まえて作成したわけでございますけれども、さかのぼりますれば、これは関係六省庁の会議で昨年の六月以来鋭意検討を進めてまいり、また政府関係機関、関係各省を網羅いたしました消費者保護会議におきましてもこの件についての検討を行いまして、そのような流れの中で産業構造審議会の審議が行われてまいったわけでございます。 審議会での議論につきましては、構成メンバーという点におきましても、通常の学識経験者のほか消費者代表、弁護士、産業界代表、ジャーナリストなど、広い範囲にわたる委員の方々に密度の濃い御審議をいただいたわけでございますけれども、先生がただいま御指摘になられましたように、その審議に当たりましては、この審議会の議論を十分幅広く行うために、弁護士団体でございますとかあるいは被害者弁護団などから通産省に寄せられました意見書なども逐次審議会の席上委員に御紹介をいたしまして、それを踏まえて御議論をいただいて答申をまとめていただいたわけでございます。 また、答申をまとめる過程及び法案を作成する過程におきましては、関係の弁護士の方々と私どもの担当課長との間での意見交換も累次にわたりまして行ってまいったところでございます。
○浜西委員 もしそれを本当にやっておれば、今回の提案の中にこれほど問題点の発見はなかったと思うのです。私もそういった被害者あるいは実際に弁護に当たられた、救済に当たられた弁護士会の人から、箇条書きでありますけれども、いろいろな意見とかいうのをもらっておりますから、そういった意味では同じだろうと思うのです。同じものを受けておりながら、実際に出てきておるものはかなり違うものが出てきておるということになる。今からそれを質問いたします。 これは今いみじくも言われました産構審の答申ではこういうふうになっていますね。「今後の類似商法の展開は予測し難い面もあり、今次の措置の施行状況を踏まえ、随時検討を加えることが不可欠と考えており、政府において、消費者被害防止のため適切かつ機動的に対応していくことを期待する。」これは基本的にそういうことが出ております。そういう物の考え方と、今回答のあった関係弁護士さん方あるいは被害者の意見を聞いたということ、それがこの法案のどの部分に特徴的なのか、どの部分に生かされておるのか、これをまず聞いておきたいと思うのです。
○松尾(邦)政府委員 産業構造審議会の議論におきましても、このような現物まがい商法をどのように規制していくべきか、どのような対応が望ましいかということにつきましてはいろいろな御議論がございまして、例えば許可制を導入してはどうかというような御議論もございましたが、やはり許可制を導入することにつきましてはいろいろ問題があるので、行為規制によるべきではないかというような御議論などいろいろあったわけでございますが、結論的には、許可制によることにつきましては、悪質企業もお化粧をして出てきますと許可を受けざるを得ないということで、お墨つきをかえって与えてしまう等々の理由から、悪質な業者にとっては実質的に禁止となるような内容を持った行為規制法が望ましいという御議論が大方の集約された意見になりましたので、そのコンセンサスを踏まえてこの答申が作成されたわけでございます。 ただ、ただいま先生が御指摘になられましたように、審議会におきましては、今後の類似商法の展開は予測しがたい面もあるので、今次の立法措置の施行状況を踏まえ随時検討を加えていくことが不可欠である、そして政府におきましては、消費者被害防止のため適切、機動的に対応していくことを期待する旨の指摘があるのは先生おっしゃったとおりでございますけれども、このことは、私どもとしましては、この法律の成立を見た暁には、基本的にいつも銘記しておくべき大事な心構えとして念頭に置いておくべきことだと考えておりますけれども、この旨の指摘があるということ自体は、法律案自身を十分なものではないあるいは問題が多くて適当でないということを意味しているわけではございませんで、先ほどもちょっと申し上げたことになりますけれども、今後の類似商法の展開は予測しがたい面もあるということにかんがみまして、有効、適切な対応をしていくために随時検討を加えていくことが不可欠だというような趣旨で指摘を受けたものでございます。私どもとしては、今後ともこの御指摘を十分念頭に置いて当たらせていただきたいと考えております。
○浜西委員 今回の法案の提案された目的そのものは、もし間違いがあったら訂正してもらいたいが、今さっき言っておるような豊田商事、鹿島商事、こういった現物まがい商法を取り締まるために、わかりやすく言うとやっつけるために、そういうことをさせないために、そういうのが目的だと私は思うのです。だとするならば、そのような形の営業も認めますよという提案になっていますね、いろいろ手続等で形の上で整っておれば。むしろ、そういうことよりか、豊田商事、鹿島商事のようなたぐいのものをばっこさせないということが目的ならば、これは出資法できちっと取り締まれるというふうに私は考えるわけですが、目的というものが、何回も言うようですが、豊田商事、鹿島商事のような現物まがい商法で皆さんを苦しめたわけですから、これをなくするため、これが前提だ、目的の中心だと思っておりますが、その点、私の言うことが間違いかどうか。
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘のとおり、私どもがこの法律案を立案いたしました趣旨は、豊田商事に代表されますいわゆる現物まがい商法によります消費者被害の再発を防止するということにあるわけでございます。ただその際、先生が、しからば直ちに禁止しないで行為規制にしたことが悪質な事業を認めたことになるのではないかという点になりますと、私どもとしては次のように考えるわけでございます。 豊田商事に代表されますいわゆる現物まがい商法の規制に当たりましては、やはり豊田商事そのものが行いました商法に加えまして、脱法行為を防ぐ趣旨から、第二条の定義にもございますように、預託等取引契約という概念を広目に書いてあるわけでございます。したがいまして、この中には健全な取引が行われる場合が含まれておるわけでございますので、私どもといたしましては、このような健全なもの、悪質なものそれぞれが、この法律の規定によりまして、健全な商活動は妨げられない、しかし、悪質な事業を行う業者にとりましては実質的に禁止の効果を持つものを法規制として考えたわけでございまして、私どもとしては、このようなことで悪質な事業が実質上禁止されているという規定になっている以上、この法律の規定をもって悪質な事業者を政府が認めたとか、そういうようなことには一切ならないというふうに考えている次第でございます。
○浜西委員 そこで、社会党の方から提案されていることに対して質問いたしますが、細かいことは後ほど政府案の質問の間に関係するものを入れながら質問いたしますが、冒頭に、党が提出しておるところの今回の法案の意義、目的、これを総括的に述べてください。
○上坂議員 お答えいたします。 私どもが提案をいたしました訪問取引法、いわゆる訪問販売法の一部改正案でありますが、これは、現在問題になっている豊田商事事件、この豊田商事事件は訪問販売の手口から起きたものであるということを踏まえまして、しかもその豊田式商法というものは、いかに今自由経済の段階にあっても、これは国民経済あるいは国民生活が健全に発達する上で許すことのできない商法である、この世の中に存在させてはならない商売、取引である、したがってこういう取引をやる企業は排除をしていかなければならない、こういう観点に立って、従来の行為規制法と言われております訪問販売法、これを拡充いたしまして、その中で取り締まっていくという方向でこれを提出したわけであります。 〔奥田(幹)委員長代理退席、与謝野委員長代理着席〕 今まで、御承知のように天下一家の会といったネズミ講は既に禁止をされております。また、マルチ商法も訪問販売法の中で禁止をされております。したがって、国民の生活あるいは消費者の生活を危殆に陥れるような、そういう取引方法というものは全面的に禁止をすべきである、こういうふうに考えておりまして、そういう精神が今までずっと流れてきていると思います。 ところが、だんだん訪問販売の手口が巧妙になってまいりまして、物を売ってそこで取引をするということ以外に、いわゆる役務であるとかサービスであるとかというものを利用する、あるいはゴルフ等の会員権あるいは財産権といったものを利用して、これによっていわゆる現物詐欺まがい商法と言われるような商法が現出をしている。あるいはペーパー商法とも言えるでしょうか、そういう取引というものを抑え込んでいかなければ、とてもマルチにいたしましてもマルチまがい商法あるいは現物詐欺まがい商法にいたしましても、これを規制することができない、そういう考え方の上に立ってこの法律を提出をしたわけであります。 一言政府案に触れさせてもらいますと、今の政府案では、先ほどから問題になっておりますように、これらのものを放置することになってしまいます。したがって、今豊田式商法については既に当分の間再起できないような状況に置かれているけれども、マルチあるいはマルチまがい商法につきましてはどんどん出てくる可能性があるし後を絶たない。一体これを放置しておいて国民の消費生活を守れるのかということになりますと、これは到底不可能であります。そこで、どうしても訪問販売法の改正に取りかからなければならない、こういうことが一般的な国民の世論でありますし、地方公共団体あるいは消費者団体、近くは関東知事会議等からも要請をされていることでありますので、私たちは、この意向を酌みまして法律を提案をした次第であります。 なお、今まで現物まがい商法という言葉が使われておりますが、こうした定義すら間違いであると私は思います。なぜならば、商品取引の基本というのはいわゆる品物を買うという行為、これは現物商法であります。現物まがい商法と言った場合には、現物の取引そのものが悪であるという形になってしまうのであります。例えばマルチまがい商法と言ったときには、マルチというのは、これは明らかに段階的な階層を踏んだいわゆるマルチ商法と言われるものでありまして、これは悪いものであります。したがってそれのまがい商法も悪いという意味でマルチまがい商法という言葉は通用いたしますけれども、現物は、これは取引の基本であります。その取引の基本である現物にまがいなどというものはあってはならない。したがって私は、現物を利用した詐欺、現物詐欺まがい商法という形で抑えなければ本当の豊田式商法を抑えることはできないと思う。 産構審におきましても政府案におきましても、そうした定義から既に、まあ誤っているとは言い切れませんけれども、検討がまだまだ不十分である。そういうことで、拙速主義で法律を提出するということもこれはやはり検討を加えなければならない、反省をしなければならない問題であるというふうにつけ加えさせていただきたいと思います。
○浜西委員 定義の問題もありまして、お互いに心がけてそういった間違った認識でないように、現物を利用したまがい、詐欺というか、これはきちっと整理しておかないと、通常の現物売買まで何か愚物扱いされるわけですから、これは十分今の説明でわかりました。 そこで、もうちょっと一、二点聞いておくのですが、幾ら最良の規制をした法律でも、やはり上には上があるもので、悪徳業者というものは違った形でまたぞろ出てくると思うのです。そういう場合に、そういう悪質業者の違法行為に対する行政側の機敏な対応、こういうものを促すというか対応させるというか、そういう方法はないものかどうか。 それからもう一つは、そういうものを直ちに退治できるというか規制できる、抑え込むことができるためには、立入検査というものが必要だと思うのですが、その辺について、細かい話ですが、具体的に考えがあれば述べてもらいたいと思います。
○上坂議員 私どもの提出いたしました法律案では、第九条の四に「悪質な営業方法の規制」ということも出してありますが、これらについて、例えば消費者の住居において長時間にわたって勧誘することとか、余り長いこと電話をかけてはいけないとか、それから、路上で執拗につきまとって勧誘をしてはいけないとかといろいろありますが、大体七項目ほど挙げておるわけであります。これらについての、電話をかけたら長い時間の電話は一体何時間だとか、上がり込んだら幾らだというようなことは、これは常識的な形で判断をしていかなければなりませんけれども、常識的にやってはいけないと思われるようなことはやはり勧誘としてやってはいけないということで、これを規制しております。 この規制に違反をいたしましてどんどんやるような商売が出てくるとするならば、そのことについては、これはやはり消費生活センターとか生活センターであるとかというところに相談することもいいでありましょうが、消費者の側、消費者またはその団体がこれに対しては、何とか取り締まれ、あるいは実態を調査しろというような形で主務大臣に対して措置請求のできるような形をとりたいということで、第十八条の主務大臣に対する措置請求、こういうことを提案しまして、一項から四項まで挙げてあります。これに基づいて主務大臣が措置をすればこれはできるであろうというふうに私は考えております。 それから、もちろん立入検査の場合には特に預託等の取引の件について立入検査をやりまして、そして未然に、もし問題があればこれに対しては注意をし、そして一時停止もやらせるというような項を設けておりまして、これによって迅速な対応ができるのではないかというふうに考えております。
○浜西委員 そこで今度は通産省に伺いますが、今回の提案のこの法案は規制対象というものを政令で個別規制をとるような形になっていますね。なぜそのようなことを今回提案したのか。我々とすれば、包括規制ということでそのことを抑え込まなければいけない、規制しなければいけないと思う。なぜかというと、海外商品取引、この中ではいろいろあの手この手で、手をかえ品をかえ場所をかえ、それを逃れていって、いまだにそういう悪質な商品取引が横行しておる、こういうことですから、やはり包括的に規制をすべきだと思うが、なぜそういうものが今回のような政令で個別規制というふうなことだけに終わったのか、それらの事情を聞いておきたいと思うのです。
○松尾(邦)政府委員 私どもの法律案は、御指摘のように預託等取引契約というものを規制の対象にいたしておりますけれども、その契約の目的物には政令の指定制度というものをとっているわけでございますけれども、この点につきましては、通常消費者あるいは顧客が取引に参加する可能性が乏しいものまで預託等取引契約の目的物として本法律案の規制を全般的に網をかからしめるということになりますと、過剰規制防止の観点から適切ではないのではないかと考えられます。他方、先生御指摘のように、いかなる物品等でありましても原則として規制対象にする、どうしても対象とすることが適切でないものは適用除外として掲げてそれを指定する方法というようなものもあるのではないかということをあるいはおっしゃられるかもしれませんけれども、規制対象とすべきでないものをすべて列挙することは立法技術上なかなか難しい点が多々ございますし、また世の中に新規の商品があらわれるといたしますと、それはもうおのずから規制対象になってしまうという点にも問題があるわけでございます。したがいまして、政令指定制を導入することにしたわけでございますけれども、私どもといたしましては、政令指定に当たりましては消費者の保護に遺漏のないよう機動的に消費者相談等の窓口を通じて情報を把握いたしまして対応いたしてまいりたい、そのようなことを通じまして消費者保護上問題のないように機動的な運用をなしていけるものと考えている次第でございます。 〔与謝野委員長代理退席、野上委員長代理着席〕
○浜西委員 今の状態ではとてもじゃないが取り締まれないと思うのですよ。海外商品取引規制法はあるけれども、とてもじゃないが、それぞれうまく逃げられて、結局今と同じような状態になるおそれが、今の答弁でいきますとあると思うのです。 そこで、ちょっと話の角度を変えますが、今回提案されたこの法案の対象となる、現在既に活動しておるところの現物まがい業者というものはどの程度あるのですか。これをちょっと聞いておきたい。
○松尾(邦)政府委員 先ほどもちょっと申し上げたのでございますけれども、いわゆる現物まがい業者というのは必ずしも概念が明確でないわけでございますが、豊田商事と同様な取引形態をとっていたものは十数社、私どもとしてもいろいろ調査をいたしましたけれども、これらにつきましては昨年の夏以来順次経営の行き詰まりを見せ、倒産をする筆あるいは事業を廃止する尊いたしまして、私どもの相談窓口に寄せられる件数等は現在は非常に僅少なものになっているわけでございますけれども、私どもがこの法律案で対象として考えております預託等取引契約につきましては、豊田商事の商法そのものに限りませず、産業構造審議会の答申にもございましたように、脱法的な行為も取り締まる観点から、豊田商事の商法に加えてその周辺領域についても対象に加えているわけでございます。そのような観点から、この法律案の対象となっております預託等取引契約というものを現に行っている企業はどういうものかというお尋ねになりますと、銀行や証券会社あるいはクレジット会社の一部でもこのような契約を行っているものが存在しているということになるわけでございます。 なお、豊田商事のような企業が、先ほど申し上げましたように昨年夏以来順次行き詰まりを見せてはおりますけれども、私どもとしては、このような悪質な業者というものは今後もいろいろな手口で新たにまた問題を起こしてくることは十分考えちれるところであり、この点につきましては私どもとして被害の再発を防止するための手当てを講じておくことが必要だという観点から、法案を御審議いただいている次第でございます。
○浜西委員 同じような営業をしておる、そして違反をした、そういうふうな場合でも、例えば日興商事だとか今回の大和信用債券だとかいうものは、新聞でも報道されておるように出資法違反ということで摘発されておるわけですね。そういう類似したものが、片方で豊田商事のようなことになると出資法違反ということにならなかった。その辺のこれから先の対応の仕方にも影響があるわけですが、その差というか、その違いというものはどういうところにあったわけですか、これを聞かせてください。
○松尾(邦)政府委員 具体的な事例につきまして、ある案件の場合には出資法に触れ、あるものは触れないということにつきましては、私どもお答えする立場にはございませんけれども、私どもといたしましては、いずれにいたしましても豊田商事等いわゆる現物まがい取引によりまして消費者に多大の被害をこうむらしめた企業につきまして、現在警察あるいは法務当局において出資法あるいは刑法の詐欺罪等の適用について厳正な御審議をなさっていられるところと承知しておりますので、その御判断を待ちたいと存じております。
○浜西委員 大変その辺が不明確で対応の仕方もばらばら、そのときどきの気分のような格好に受け取れるわけですが、これははっきりしておかないと、これから先問題になるわけです。出資法違反行為は完全禁止。ところが今回提案されておるこの法案で見ると、これは行為規制。これからそれらを取り締まるために考えられた、そういう悪質な営業をさせないために出てきた法案であるのに、あるときは出資法違反、あるときはそうでない、そんなばらばらな対応でできるわけがない。したがって、行為規制ということの今回の提案が、出資法違反とどういうかかわり合いを持ってこれから法を適用させていくのか、その整合性は一体どういうことになるのか。 それからどの程度までが、こんなことをやったら禁止であって、この程度ならば行為規制だ、そんなような区分というか、そういう分け方というのが実際できるのかどうなのか、その辺についてお尋ねしたい。
○松尾(邦)政府委員 私どもの法律案につきましては、商品等を預かることに対応して利益を供与する、そういう形の契約を規制しているわけでございます。先生御指摘の、出資法で禁止いたしております預かり金にこの私どもの規制対象たる契約が該当するのかどうかということにつきましては、この法律案の適用の有無とは独立して、その個々の契約の実態に応じて決定されることになるわけでございます。したがいまして、私どもの法律案の成立によって出資法の適用が排除されたり、または影響を受けるものでないことはもとよりでございますけれども、出資法の解釈の法的な範囲ということにつきましては、御所管の大蔵省からお答えいただくのが適当かと存じます。
○浜西委員 大蔵省来ておるのですか、来てないでしょう。 それで、まだたくさんあるのです。これは時間を見るととてもじゃないが済みそうにありませんが、今の問題点も大事なことなんです。この辺がぼかされて、おかしな解釈で適用を誤ると、これは本当に何のことはないですから、大事なところですから、ここの関係については、きょうたまたま大蔵省来ていないようですから、この問題については私もまた後日改めて十分質問いたします。これは留保しておきたいと思うのです。 そこで、これと多少関係するので上坂議員にお尋ねいたしますが、現在の法制の中でいわゆるマルチまがい商法を規制できないのかどうか。新しい法案じゃなくて、できないのかどうか。それから、マルチ商法もマルチまがい商法も、いわゆるネズミ講と同じように絶対禁止とすべきではないかと私考えるのですが、その関係について意見があれば聞かせてください。
○上坂議員 現行法ではマルチは当然規制することになっております。しかし、非常に巧妙な手口でありますから、まがい商法となりますとこれがなかなかつかまらないというところに問題があります。特に、これに役務的なものが入ってきたり、あるいはペーパー商法、媒介商法それからまた紹介、取り次ぎというような形になりますと、これがなかなか該当しないということで、マルチまがい商法がまかり通っているのが実態でございます。 先ほど、消費者から品物を預かってやる商売の問題、いわゆる預託等の契約の問題でありますが、これについて出資法との整合性がどうなるかということになりますと、今の段階では政府案としましてはこの整合性を求めることができない。私どもは、ぴたりと合わないまでも、少なくとも整合性を求めることができるということを信じております。なぜならば、御承知のように、第二章の二の預託等の取引契約に関する条項におきまして、金融機関あるいは保険会社等とこういう預託等の取引をする業者は委託契約を結ばない限りは営業ができない。ところが銀行や会社がそういう業者と委託契約を結ぶことになりますと、十分に調査をして、もしそれに該当しなければ契約は結びません。ですからこの取引に参入することはできなくなります。また、本当に今自由な経済の段階でありますから、西武関係の企業がいわゆる金のそういう預託の契約等をやっておりますけれども、そうした社会的に認められ、社会的に信用があって健全な経営、営業姿勢あるいは資産、資本をもってこれをやるならば、それは金融機関ないしは保険会社は喜んでこれと契約を結ぶ。したがって、これらを排除するものではない。十分に営業ができるということをもって、私たちは今の健全な営業を育てることができると信じております。 したがって、そういった意味で、禁止という形にはいたしませんけれども、実質上悪徳な、不正な、世にはばかってはならない商法はこれを駆逐いたしまして、健全な経営の企業を育成していくということにおいては十分可能であるし、そういう意味では出資法との整合性は十分確保していると信じております。
○浜西委員 ついでに、わかりやすい質問をするのですが、社会党の案で、ベルギーダイヤモンドのような商法はどうなるのか。それから、ジャパンライフのような形態のものは、社会党の法案でいくとどのような取り締まり対象でどのような結果になるか。その辺の考えがあったら述べてください。
○上坂議員 御質問のベルギーダイヤモンドの問題でありますが、これはダイヤモンドを購入してメンバーになれば、それ以降メンバーがダイヤモンドの購入者を紹介した場合一定の紹介料を得るという商法になっているわけであります。これをやりますと再販売の形になるのではないかというtとで、特にベルギーダイヤモンドにおきましては紹介販売をここへ取り入れまして、店舗へ連れていって店舗でベルギーダイヤモンドの商法をさせることによって訪問販売の法の規制にひっかからない、いわゆる店頭販売という形で販売をさせたというところに問題があります。 そこで私たちは、こうしたものをほうっておいたのでは被害が非常に大きくなるから、現在の訪問販売法の第十一条を改正いたしまして、この中に、販売の媒介、いわゆる紹介というようなものも、特定利益あるいは特定負担をするという形の中でこれが行われるならば、これはやはりマルチ商法としてつかまえなければいけないという考え方の上に立ちまして十一条を改めたわけであります。これによりましてベルギーダイヤモンドを把握できる、規制できると私どもは信じております。 それから、ジャパンライフの場合でありますが、ジャパンライフの場合の問題は、大体代理店とかあるいは製造業者との間に問題が起こっているものであります。必ずしもジャパンライフがつくった品物が悪いということで消費者との間に問題が起こっているのではないというところに特徴がございます。しかし、こうした形でジャパンライフのような商法が広がっていくとすればこれは問題があるということで、これに対してもどうにか規制できないものかどうかということで私たちはいろいろ苦心をいたしまして、十一条の改正によって、連鎖販売取引に該当し得るものであるという考え方の上に立ちまして、この商法は委託販売という形をとっておりますが、この委託販売も、こうしたジャパンライフのようなやり方による委託販売については規制の対象にしなければならないということでこれを取り込んだわけであります。ジャパンライフにおきましても、やはり特定利益あるいは特定負担というものは必ずこれにつけ加わっているということを御承知いただきたいと思います。 また、私たちこうした法律をつくる上において一番問題になりますのは、先ほどから言われている健全な商法を圧迫するものではないかという形になりますが、そこのところは十分考慮いたしまして、決してそうではない。大体取引というのは、人間の生活を豊かにするために私どもは物品を購入し、そのことによって生活の嗜好を満たしあるいは充実を図っていくものであります。したがって、品物を売る方は立派な商品を消費者に提供することによって成り立つというのが取引の基本であろうと私は思います。それをごまかした手口を使って売り込んでみたり、あるいは特定の利益を誘導して商売をやったり、あるいはニーズに合わないもの、生活を豊かにできないような悪質な商品を提供するというような商法は、商法の基本から外れているというふうに私たちは考えなければならないと思います。そういう商法がまかり通ってきたために健全な訪問販売業者、訪問販売業界というものは今社会的な評価を非常に低下させております。これを回復させまして本当に訪問販売業界というものが立派な業界であるということに位置づけられるようなことにしていきませんと、健全な国民の経済発展はできない。国民の経済発展を健全ならしめるためにはどうしても今直ちに訪問販売法の改正に取りかからなければだめである、こういう観点に立っているわけであります。
○浜西委員 その点はわかりました。 今度は通産省に、法案の中身の部分に触れるわけですが、特定商品とはどのようなものを考えておるのか、例示してください。これから政令指定でいくわけですね、個別規制で。そうなると海外商品取引規制法に見られるような、そういう手をかえ品をかえ次々にやるわけですから結局イタチごっこみたいになるのじゃないかということがあります。まずその点。 それから政令指定の追加、将来いろいろ出てくるわけですが、どのような条件でどのような環境でこれは行われるのか。ついでに海外商品取引規制法の規制対象の政令指定の追加、この場合の条件、環境というか、これをどういうふうに考えておるのか、どうなっておるのかを聞きたいわけです。
○松尾(邦)政府委員 この法律案の規制の対象とすべき商品、あるいは施設利用権の対象として政令で指定すべきものについてのお尋ねでございますけれども、私どもといたしましては、この法律案によりまして預託者となる消費者の利益の保護を図る必要があるものにつきましては機動的に指定してまいりたいと考えているわけでございまして、現時点におきまして私どもとしまして何を頭に描いているかということになりますと、特定商品という面では豊田商事とその類似企業がその商法の目的物といたしてまいりました金、ダイヤモンドなどを考えております。また施設利用権ではゴルフの会員権の指定を考えているわけでございます。 今後の追加指定は、そのときどきの実情に応じて消費者相談窓口に出てまいります状況を機動的にとらえて、消費者被害の懸念のあるものにつきまして逐次機動的に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○浜西委員 物事はもっときちっと整理をしてかからなければいけないと思うのですが、時間の関係で先へ進みます。 これも今の答弁ではどうもならぬと思うのですか、施設利用権をつまり預託する方式、そういうものも本法案の対象になるというふうに思いますが、これはなるのですね。具体的には今言われましたように会員権の問題があります。そういうものはどのようなものがあるのか、それだけ並べてみてください。 それから、第二条に書いてある政令で適用除外する預託等取引業者、これはどのような状態のものを考えておるのかを説明してください。 〔野上委員長代理退席、委員長着席〕
○松尾(邦)政府委員 法律案の第一項第二号にございます施設利用権といたしまして政令で定めることを現在考えておりますのは、先ほど申し上げましたようにゴルフの会員権でございますけれども、例えばレジャークラブだとかその種のものがいろいろあり得るだろうと存じます。もとより何を指定するかということになりますと、被害が発生する蓋然性というものが指定の際の基準になると考えておりますので、現段階で何を具体的に指定するかにつきましては確定的なことを申し上げるわけにはまいりませんけれども、先ほど申し上げましたように、消費者相談の窓口等の実情に応じまして機動的に政令指定をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 それから第二の御質問の、第二条第二項の政令で適用除外にする対象でございますけれども、私どもといたしましてはその対象としては銀行、証券会社などが想定されるわけでございますが、具体的にはこの第二項にも書いてございますように、その業種を監督、規制しております法律の規定あるいはその運用を含めまして預託者の保護が確保されることが確かなものを政令で定めることにいたしたいと考えております。具体的な政令の内容は、今後法案の成立を待ちまして政府部内で検討してまいることにいたしたいと考えております。
○浜西委員 そうすると、これもちょっと問題がある。一応きょうずっと聞いておきまして、後日いろいろやります。 それから次は会員権販売のやり方ですね。訪問販売。これは恐らく訪販法等に関する法律の規制対象外と思うが、この種の一番問題になるトラブルの多いところの役務の訪問販売、そういうものはそれこそきちっと規制しておかないといけないと思うのですが、その点の考えはどうですか。
○松尾(邦)政府委員 御指摘のございましたような例えばゴルフの会員権等、これは役務の取引ということになろうかと思いますけれども、このようなものにつきましての訪問販売をどのように取り扱っていくかという御指摘かと思います。 御承知のように、役務の取引につきましては商品の売買と異なりさまざまな形態が存在するわけでございます。したがいまして、果たしてさまざまな異なった形態の役務の取引につきまして商品と同様に指定制をとることがなじむものかどうか。その辺の実態の把握も十分必要でございますし、また役務の場合には一回の役務の提供で済んでしまうというような一過性、あるいは何回か使う権利があるものでそのうちかなりの部分を使ってしまうというような消耗性、そういったような特性を有しているわけでございます。そういうわけで、役務の提供と同時に消費されてしまうという役務の特殊性なども十分考えてまいりませんと、例えばクーリングオフの規定を適用しようと思いましても、事実上意味がなくなってしまうというような問題があり得るわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてはこのような役務取引、さまざまな形態がございますけれども、これらを十分に把握いたしましてそれを踏まえた上で対応のあり方を十分検討したいと存じております。ただいま産業政策局の中に役務取引適正化研究会というものを設置いたしまして、役務取引の実態把握に努めているところでございます。今後はその研究会の成果も踏まえまして対応を検討してまいりたいと考えております。
○浜西委員 役務の問題もこれは多分にトラブルがあり、後々だまされたりいろいろあるわけですから、これはまたきょうは時間がありませんからいろいろ聞いておいて、次回にそれなりに問題を絞って質問をいたします。 そこで次へ飛びますが、問題になっておりますところの抵当証券の訪問販売。この抵当証券法は昭和六年にできておるわけですが、これは結局預かり証をもらって、実際はその債券をお客さんには渡さない、簡単にいえばそういうやり方です。このようなやり方の抵当証券の訪問販売を規制するような法律が現在あるのかどうなのか、それが一つ。 それから、今回の提案された法律の中でその規制が考えられて提案されておるのか、この点について。
○松尾(邦)政府委員 現在のところ、抵当証券の訪問販売を規制する法体系は存在しておりませんが、私ども、この法律案で申します第二条にござはます商品には有価証券を含む概念でございますので、抵当証券について、この第二条の規定にもございますように、一定の期間預かりまして、それに対応する利益の供与があるという取引形態の目的物になりました場合に、預託者保護のために必要とあればこの法律案において規制対象にすることは妨げられないところでございますので、私どもといたしましては、事態に応じて本法律案の施行を見た暁には機動的な対応が可能な状態になっておるということでございます。
○浜西委員 時間が終わりましたから、最後に一つだけ。これはもうここで打ち切っておかなければしようがないと思うのですが、特定商品とかそれから施設利用権ですね。こういうもので集めた現金の運用、それから金地金の保管、そういう問題については、契約者であるお客に、専門用語で言うと開示させるというか、それを見せる、そういうことをやるべきだ。今までそれがなかったから問題になったのですが、この提案されておるところの第三条の書面の交付云々という中にそれは含まれておるのかどうなのか、これを最後に聞きます。
○松尾(邦)政府委員 先生お尋ねの部分のうち商品等の保有の状況につきましては、産業構造審議会の答申でも指摘されているところでございますので、交付される書面の内容に含めるよう省令で所要の規定を設ける予定にいたしております。 ただ商品等の運用の方法ということになりますと、業者は経営環境の変化などを踏まえまして時宜最適の選択を目指して行動することになろうかと思いますので、あらかじめ消費者との間で一義的、客観的に運用方法を確定的にぴしっと定めておくべき性質のものではないと存じますので、その点につきましては書面の内容には含まれないとは存じます。 しかし、この法律の中では、契約をいたした後にいろいろ企業がどのような業務及び財産の状況になっておるかということにつきましては、第六条にもそのような企業の状況につきまして消費者がいつでも情報を求めることができるという規定もございますので、これらの規定を総合的に活用することによりまして、先生の御指摘の点についての対応は可能じゃないかと考えております。
○浜西委員 時間が来ましたから、途中ですが終わります。
○野田委員長 午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ――――◇――――― 午後零時三十四分開議
○野田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村巖君。
○中村(巖)委員 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案について御質問を申し上げるわけでありますけれども、冒頭指摘を申し上げたいことは、今回こういう法案が出されてまいりましたけれども、これは一つには大変に対症療法的な法案ではないかということ、それからもう一つは遅きに失している、こういうことであるわけでございます。遅きに失しているという点では、既に御承知のように豊田商事事件という大きな事件が起こって、お年寄り等を中心とする弱者が極めてひどい被害に遭っている、こういうことでありまして、そういう状況が既にもう一段落をしている、その中で出されてきたということであるわけでありますし、また対症療法的であるというのは、この豊田商事事件というものが起こったということを機縁に、豊田商事の商法、そういうものだけを規制しようという形でこういうものが出されてきたわけでございます。 あの種の悪徳商法というものは、やはり豊田商事の商法だけが唯一の商法であるわけではないので、それに類似したところのいろいろな形態の商法が出てくる可能性というものがあるわけでありますし、今回のような法案が出されてまいりましても、それを潜脱するような格好でもって脱法的なやり方というものが次々に考案されてくるのではないかということが考えられるわけです。したがって、モグラたたきみたいに、あっちをたたけばこっちが出てくるというような形になりかねないわけで、その意味で、こういうような対症療法的な法案というものは必ずしも有効ではなかろう、もっと抜本的に豊田商事に類似したところの、かなり広範な範囲での悪徳商法というものを規制するような法案というものがつくられなければならないというような感じがしているわけであります。 通産大臣は、本会議におきまして、この法案ができることによってこの種の商法というものがもう実際に現実に行うことができなくなるのだというような御趣旨の趣旨説明をせられておりましたけれども、その点についてまずお尋ねをしておきたいのですが、この法案が成立することによってその極悪徳商法を根絶することができるのかどうか、その点についてまず大臣にお伺いをしておきます。
○松尾(邦)政府委員 先生から御指摘のありました、この法律で実効を期し得るかという点につきまして申し上げますと、産業構造審議会の審議等を通じまして、先ほどもいろいろお話に出てまいりましたけれども、何と申しましても、豊田商事に代表されます現物まがい取引の被害の再発防止が緊急の課題である、それに対しまして有効な手だてを講ずる必要が緊急な課題なわけでございますが、そのためにとるべき手だてといたしましては、悪質な事業者にとりましては実質上禁止の効果を持つような厳しい内容であることが必要であるということから、この法律案の内容ができ上がってきたわけでございます。 私どもの立場から見ますと、この法律案は、契約締結前それから契約締結時、契約締結後の各段階にわたりまして消費者の利益を保護するための規定を盛り込んでいるわけでございます。例えば契約締結前でございますと、この契約をすることによってどういうリスクを顧客たる消費者がこうむる可能性があるのかということについても十分開示をするようにいたしておりますし、契約締結時においても同様、書面においてこの内容が明らかにされるわけでございますし、さらに契約を一たんしてしまった後におきましても、十四日間のクーリングオフはもとよりのこと、これは解約した方がいいのではないかと消費者が判断した場合には、いつでも解約ができるような仕組みをつくっているという点において、非常に私どもとしては消費者の立場に立った権利が確保されることになると思いますが、あわせて、同時に行政の面から見ましても、報告徴収、立入検査、業務停止命令を設けることによりまして、機動的に行政面からこれを発動することによりまして、悪徳な豊田商事的ないわゆる現物まがい商法の対応ができるというふうに考えているわけでございます。 先生から、悪徳商法、いろいろな種類があることについての御指摘もございましたけれども、先ほど来申し上げておりますように、本法律はいわゆる現物まがい取引を対象にいたしておりますけれども、その他の悪質ないろいろな取引につきましても業態がさまざまでございます。それぞれさまざまな内容につきましては、訪問販売法、海外先物法あるいは割賦販売法その他関係法令及び消費者行政、啓発、相談等によりまして健全な商活動と消費者の保護とのバランスを十分考えながら、しかし消費者の保護には万遺憾のないよう今後とも関係省庁と連携をとりながら進めてまいる、そういう考えのもとにこの法律案を御審議いただいている次第でございます。
○渡辺国務大臣 今までほとんど野放しになっておったものが、今審議官が言ったようにいろいろな規制がかけられる。特に顧客の中途解約権というようなことは今まで例がないことでございますし、それから業務停止を命令できるとか立入検査もやるとか、それから罰則も、私はこの罰則はかなりきつい罰則だと思っています。したがって、こういうようなもので業界としては、一部にそういうものがあったから全体のイメージダウンになったということで、この間も世界のシンポジウムというようなこともやったり、申し合わせをしたり。幾ら法律をこしらえましても裏口をみんなで探して逃げようということになればそれはなかなか追っかけ切れるものじゃない、実際は。しかし、業界が大体みんなでひとつそういうものをなくしていこうというムードになってきましたし、現実にはそうなると、こういうことは業者は仲間同士が一番詳しいのです、だれがやっておるということは。役所なんかなかなかわかりはせぬからね、それは全部張っておるわけじゃないのだから。苦情が来て初めてわかったという程度の話ですよ。業界はすぐわかる。しかし、みんながそういうことで排除しようという気持ちになるから業界からすぐ情報が上がってくるというような点で、私はこれでもう後は絶対起きませんとは断言できませんが、今までとはさま変わりになるだろう、そう思っておるわけでございます。
○中村(巖)委員 悪徳商法、いろいろあるということを今申し上げましたけれども、それらの問題についてもこれは規制をしなければならないところがあるわけでありまして、本年三月十一日の産業構造審議会の答申の中でも、今回は現物まがい商法に限っての規制を答申するのだけれども、連鎖販売取引に類似した取引についてもやはり規制の必要があるのじゃないかというようなことも指摘をされているところであるわけであります。確かに大臣がおっしゃるように、なかなか追っかけても追っかけても追っかけ切れるものじゃないと言われればそれまででありますけれども、やはりできるだけ包括的にそういうことが起こらないようにすることが必要であろうと思うわけでございます。 一つの意見といたしましては、今回のような法案をつくるのではなくて、少なくとも現物まがいと言われる商法、つまり物品だとか施設利用権というようなものを販売してそれを預かって運用するような取引、そういう取引自体を、信託の引き受けに該当するものは信託業法で規制できるわけでありますから除くといたしまして、そういう取引一般を禁圧するような法律をつくればいいじゃないか。何でそういう取引業というものを認めておくのかという意見があるわけであります。認めて規制するよりも、その種の営業方法それ自体を禁止すればいいじゃないか、こういう意見に対しまして通産省としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 私どもの提出させていただいております法律案で規制対象としておりますのは全面禁止にしてはどうかという先生の御指摘が今ございましたけれども、私どもといたしましてはそれは適当でないと考えたわけでございます。これは審議会の答申でもそのような御指摘があったわけでございます。 理由は、この法律案で規制対象といたしております預託等取引契約には、悪質業者により行われることもあり得る行為も含まれておりますけれども、答申にもございますように、脱法行為を防ぐために豊田商事そのものが行いました行為よりも広い範囲で定義を定めているわけでございます。したがいまして、この法律の対象としている取引自体が反社会性を有するという性格のものではないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてはそれを禁止するということではなくて、悪質な業者にとりましては実質上禁止の効果のある行為規制によりまして対処するというのが適切な道であるという答申の趣旨に従って立案化いたした次第でございます。
○中村(巖)委員 じゃ、端的に伺いますけれども、要するにこの種の商法でもって悪質でないもの、それがこの世の中において許されていることが、社会的に有益なその種取引というものがあり得るのかどうか、こういうものがあるんだという具体的な想定が通産省におありになるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 この法律の規制の対象とする契約につきましては、第二条の定義にもございますように、一定の期間以上にわたりまして特定の商品あるいは施設利用権を預かり、そして預かったことに対しまして財産上の利益を供与するということを約する契約を対象に取り上げているわけでございますけれども、産業構造審議会の答申にもございましたように、脱法行為を防ぐ趣旨から、預かった品物をそのままお返しするのではなくて、金銭その他これに代替する物品を返す場合も含む、あるいは返す際には、いろいろな期間経過後、一定のルールによりましてある価格を決め、その商品を買い取ることを約するものも含むというようなことまで広げて規制の対象にしているわけでございます。このような対象の中で考えてみますと、現在銀行で行われております。あるいは証券会社でも行われております金投資口座、金貯蓄口座のようなものもこの概念規定の中には入ってくるわけでございます。あるいは一部のクレジット会社でも同様の投資口座を設けているところがあるわけでございまして、そのような健全な商活動を行っている者に対してまで禁止等の厳しい規制をすることは、かえって健全な商活動を妨げる面もあるということで、悪質な業者にとりまして実質上禁止になるような、契約締結前、契約締結時、契約締結後の諸規制を通じて目的を達そうというのがこの法律案の趣旨でございます。
○中村(巖)委員 今の銀行と証券会社が行うものについてはそれぞれの業法があるわけでありますから、もともとそういう危険性は生じないわけでございます。そういう銀行あるいは証券会社が行うようなものを除いて社会的に有益であるこの種取引というものは、なかなか想定はしがたいと思うわけでございます。 そのことはとりあえず別としまして、今回の法案の契機になりましたところの豊田商事の関係についてお伺いをしてまいりたいと思っております。 まず最初に、通産省が豊田商事の被害というものをどういうふうに理解しているか、その豊田商事の被害の全貌をお聞きをしたいわけであります。 今、豊田商事関係につきましては破産事件になっておりまして、裁判所でその破産の管財事務が進行中であるわけでありますけれども、裁判所に出ている限りでは、届け出られたファミリー証券関係の債権額が千百十五億、こういう金額になっているわけでございますし、また現在の管財事務の進行過程におきまして創設された財団というものが約四十億ぐらいである、こういうようなことになっているわけでありますが、現状のもとにおいては被害者に対する救済というものは破産事件を通じては十分に行われ得ない状況になるわけでございます。一千百十五億の、あるいは労働債権そのほかを入れれば一千百五十四億という総債権額、それに対して四十億何がしの財団ということになりますれば、配当にいたしましても四%、つまり四%に達しない三%、例えば百万円の被害者が三万円しか金が返ってこない、こんなような状況であるわけです。しかし、その全貌たるや、全部のファミリー証券債権者が届け出たというふうにも思われないので、今通産省が把握している限りにおいてこの被害の全貌ということはどういうことになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 豊田商事にかかわる消費者被害の状況につきましては、私どもといたしましても、現在民事の手続が進んでいるところでございますので、その手続に従った情報を有しているにすぎませんけれども、豊田商事の場合につきましては、先生も御指摘なさいました工うに、二万七千八百件余りの件数が債権の届け出をなされており、金額にして千百億円余という金額になっているわけでございます。そのほかの企業におきましても、同様の手続が進んでいるものにつきまして、例えば日本相互リースでございますと千五百七十人の届け出があり、約五十億の金額に達する債権の届け出がなされている等々の状況を把握いたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、このような消費者に被害が多数発生したことについては大変ゆゆしいことだと考えておりますけれども、手続的には現在民事的な手続を待って処理されるものと考えております。
○中村(巖)委員 豊田商事、さらにはゴルフの会員権の関係をやっておりました豊田商事関連の鹿島商事、そういったような関係があるわけでございますけれども、これのそういった被害の実態について通産省としては特別に調査というようなことはやっておられないのでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 私どもといたしましては、豊田商事の場合でございますと、御案内のように昨年は豊田商事一一〇番というものを設けまして被害者の方々の御相談に応じたわけでございますが、これによりますと、約一万件の方々からの御照会、御相談等があったわけでございます。なお、その豊田商事一一〇番以外に、平時から設けておりました消費者相談室に寄せられております相談件数は、五十九年度で見ますと豊田商事は八百八十二件、鹿島商事等のゴルフ会員権は十九件ということでございました。 そのような相談の内容は、勧誘が非常に不当であるあるいは解約がなかなか難しい、それから違約金が高過ぎる、あるいは老人等からの相談がその中でも特に目立った、こういうようなことが私どもの窓口を通じて見ました消費者の被害の状況でございます。
○中村(巖)委員 それは消費者相談を通じて把握しているところは当然あるでしょうけれども、それ以外に、この種商法の実態というようなもの、それから現実に起こった被害というようなものを通産省としては特別に調査をして、そういうプロジェクトを起こして調査をして、それを分析するというようなことをしなければならぬのじゃなかろうかというふうに思うわけです。そういうものに立脚して初めて法案ができてこなければならぬ。確かに豊田商事の問題につきましては、今の消費者相談の問題あるいは新聞紙上に出ているところから被害があったということは事実だから何とかする、そういう安易な形で立法されるということではおかしいのではないかというふうに私は思っているわけでございます。 それと同時に、この豊田商事の問題につきましては、やはり豊田商事それ自体を規制する法案が従来なかったのかということが問題になるわけでございまして、恐らく通産省としてはなかったから今度こういう法案を出すのだということかもしれませんけれども、本来、もう少し早い段階で何らかの既存の法律による規制というものが考えられてよかったのではないかというような気もするわけでございます。 そこで、まず刑事制裁の関係というようなものについて伺いたいわけです。これは法務省にお伺いするわけですが、現在、豊田商事関係についてどういうような事件が立件をされておるか、恐らく告訴そのほかあると思いますけれども、そして、その事件についてどういう数に上っておるのか、その処理状況はどうなっておるのか、これをお伺いしたいと思います。
○原田説明員 お答え申し上げます。 現在法務省におきまして把握しているところでは、豊田商事関係で刑事事件ということで扱っている事件の概要とその現在の状況は次のとおりでございます。 まず、豊田商事関係者によりまして、これは民事の関係で強制執行が行われようとした際に不正免脱をしたという事件がございます。これは大阪地方検察庁におきまして、警察当局から役員、従業員五名の送致を受けまして、昨昭和六十年八月にそのうち二名を大阪地方裁判所に起訴をいたしました。その余の三名については情状により不起訴処分にしております。起訴しました公訴事実の要旨は、被告人らは共謀の上、豊田商事の預金口座に対する強制執行を免れる目的をもって昭和六十年六月三日、新たに個人名義の別口座を設けて、以後豊田商事各支店からの送金をこの口座あてにさせるなどいたしまして、合計八億四千八百六十一万円余を隠匿したというものでございます。この起訴した二名のうち一名につきましては現在なお一審係属中でございますが、他の一名につきましては昨年十二月、懲役一年二月の実刑判決の言い渡しがございました。現在これは、被告人側の控訴により控訴審係属中でございます。 それから、豊田商事関係者によりまして外国為替及び外国貿易管理法違反事件というものがございました。これは、昨年十月十一日に神戸区検察庁が関係者をこの法律違反で起訴いたしまして、神戸簡裁は昨年十月、罰金刑の言い渡しをいたしております。その内容は、外国法人に対して無届けで金銭を貸し付けしたという事案でございます。 また、大阪区検が昨年十二月二十六日に豊田商事の常務取締役等を同じ法律違反で起訴いたしまして、大阪簡裁は罰金刑の言い渡しをいたしております。その事実は、本邦通貨を外国に無許可で持ち出したというものでございます。 それから次に、豊田商事の関連会社と言われておりますベルギーダイヤモンド社の関係者に対する、いわゆるネズミ講防止法と申しておりますが、無限連鎖講の防止に関する法律違反被疑事件につきましては、昨年十月以降、名古屋地方検察庁ほか十四の地検が警察当局から事件送致を受けまして、全事件を一括して移送の上捜査中でございましたが、これにつきましては、本年四月十五日本起訴処分という処分がなされております。 次に、姓田商事及びその関連会社と思われております鹿島商事の商法が詐欺あるいは出資法違反に該当するということで告訴、告発を受けている事件におきましては、現在大阪地検等におきまして捜査中でございます。その事件の数といたしましては、大阪地検に十件、福団地検二件、その他の地検、千葉、神戸、岡山でございますが、各一件ということで現在捜査中でございます。
○中村(巖)委員 今の、被害者からするところの出資法違反あるいは詐欺による告訴の事件の関係でありますけれども、今現在捜査中であるということですが、法務省あるいは検察庁としては、やはり一般的な法律解釈論として詐欺あるいは出資法違反というものが成立し得る余地があるというふうにお考えなのかどうか、いかがですか。
○原田説明員 現在なお捜査中でございますので、今この段階で見通しを明らかにするということにつきましては差し控えさせていただきたいと存ずるのでございますが、いずれにいたしましても、詐欺あるいは出資法違反ということになりますと、それぞれの構成要件に該当する事実ということを立証し尽くさなければなりません。その観点から、関係者多数を調べた上事件の全貌を明らかにいたしませんと、最終的に構成要件に該当する事実があるということで認定することはできないわけでございますが、何分にも事件の実態からいたしまして、直ちにこれらの法律に違反する事件が明白になるかどうかという点については、相当困難があるのではないかという感じがしておりますが、その方面から事件として取り扱える点があるのではないかということで、なお鋭意捜査中ということで御了解いただきたいと思います。
○中村(巖)委員 詐欺なり出資法違反ということで早期に検察庁なり警察なりが動いておれば、今日のような状況、豊田商事の被害状況というものは、ある程度はやむを得ないにしても、起きなかったのではなかろうかというふうに思われるわけでございまして、やはり豊田商事の商法というものは、実際に金(きん)がありもしないのにあるかのように、現物まがいでありますけれども、そういったような形で金を集めた、そして集めた金を運用して利益を図るということであるわけでありますが、現実に利益を図れなかったわけであります。運用がでたらめであったわけでありますけれども、その限りでは、やはり詐欺あるいは出資法違反ということでこれが処罰されてしかるべきものだというふうに思うわけでございます。 それともう一点、今ベルギーダイヤモンドの関係をお話しになりましたけれども、これは無限連鎖法の関係で不起訴処分になっているということであります。ベルギーダイヤモンドの商法というものはどういう中身というふうに理解をされているのか。そして、これは何で不起訴になったか。無限連鎖法との関係で、それに当てはまらない、犯罪の嫌疑がないんだということになるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○原田説明員 お答え申し上げます。 ベルギーダイヤモンド社に係ります事件と申しますのは、ごく簡単に申し上げますと、ダイヤモンドの販売契約がございまして、その販売契約に基づきましてダイヤモンドを買う。その買い方といいますか、その数量等によりましてそれぞれランクがつけられてまいりまして、それが他の者を誘い込むといいますか紹介して、売れるということになりますと、その結果に基づいて一定の手数料が支払われているというものでございます。 それにつきまして、この無限連鎖講の防止に関する法律違反に問えないかということで鋭意検討したようでございますが、いずれにいたしましても、この無限連鎖講、つまりネズミ講防止法というものの基本的な考え方は、その組織が金銭の配当組織であるということが認められませんとこの法律の構成要件を満たすということになりませんので、種々検討いたしたのでございますけれども、この組織の全般につきまして物品の販売という実態をなくしてしまって、それをいわば単なる隠れみのということで用いて、実質が金銭配当組織であったということまでの立証をすることはできなかったというふうに理解しております。
○中村(巖)委員 それじゃ法務省は結構です。 ベルギーダイヤモンド商法と類似の商法として、関西方面でいわゆる観音竹商法というようなものが言われて、警察関係での捜査が行われているようでありますけれども、観音竹商法というものの内容と今の捜査の状況、これを警察庁の方へお伺いをしたいと思います。
○上野説明員 お答えいたします。 御指摘の事件は、関係者が全国観音竹愛好家協会と称する団体をつくり、会員という名前のもとに数千人のお客さんを集め、それぞれの客から一口三十万円以上、期間一年間、元本及び年利二〇%の保証、解約自由と称して昭和五十八年の末から昨年の夏ごろまでに合計数十億円を集めていた事件でございます。 この場合、金の集め方といたしまして、観音竹という観賞用の植物がございますが、これの販売の形態をとっております。その鉢を売り、いずれその鉢を買い戻すということで約束をしているものでございます。この集め方で申し上げますと、会員の場合、さらに五名以上の会員、そして三十鉢以上の観音竹を販売しますと、その組織の中で理事に昇格し、さらに売り方によって常任理事、幹事、現役園主、OB園主というふうに順次昇格していくというシステムになっております。したがって、たくさんの会員を集めれば集めるほど自動的に会費の一部が自分の手元に手数料として入ってくるという仕組みをとっているわけでございます。 ということで、この会の行為に対しまして、和歌山県警で、預かり金を禁止します出資法違反ということで昨年来捜査を継続中でございます。今日まだ捜査をしているわけでございますが、本件につきましては、捜査の技術的な面でも、あるいは法律の解釈の面でも幾つか難しい問題が残っておりまして、まだ最終的な結論を出せず、捜査をしている段階でございます。
○中村(巖)委員 今の観音竹商法ですけれども、和歌山県警でおやりになっているのは、出資法違反という容疑で捜査をされているということですか。
○上野説明員 そのとおりでございます。出資法のうちの預かり金禁止の規定でございます。
○中村(巖)委員 私の申し上げたいことは、今回の法案が必要になってくるその背景としては、今まで出資法なりあるいは刑法上の詐欺なりの運用というものが必ずしも十分に行われていなかった、そのためにこういう法案が必要になってきたのではないかということでございまして、その辺の既存の法律の十分な活用ということも必要ではなかろうかということでございます。 今回の法案につきましては、やはり通産省としてはいろいろな他の法律との関係というようなものをお考えになっておられると思いますけれども、抽象的に伺って恐縮なんですが、この法案と出資法との関係あるいはこの法案と信託業法との関係、このことについてどういうふうにお考えになられて今回の法案を立案されたのか、伺いたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 出資法との関係につきましては、私どもといたしましては、この法律案の対象といたしまして商品あるいは施設利用権を預かることに対応して利益を供与する形態の契約を規制するという考え方にのっとっているわけでございます。したがいまして、出資法に言うところの預かり金に私どもの対象とするような契約が該当するかどうかということにつきましては、個々の契約の実態に即しまして、この法律案の運用とは別個の問題として当該契約の実態に応じて決定されるものでございます。したがいまして、この法律案の成立によりまして出資法の適用が排除されたり影響を受けるという種類のものではないというふうに理解をいたしているわけでございます。 それから、信託及び信託業法との関係でございますけれども、信託につきましては私どもの第二条の定義の中で含まれる可能性もあるわけでございます。したがいまして、その点については、信託法及び信託業法におきまして消費者の保護という観点も踏まえまして関係当事者の法的な枠組みというものが別途設定されているものをあえて重複適用する必要はないという考えに立ちまして、第二条の定義の中で信託の引き受けに該当するものを法律上除外いたしているところでございます。
○中村(巖)委員 それから、本法案と訪販法との関係でございますけれども、訪販法というものは訪問販売をもとより規制をしているわけでございますけれども、豊田商事事件なんというものを見てまいりますと、これは主として訪問販売を通じて多くのいわゆる悪徳商法というものがなされるという関係で、訪問販売法を強化すればいいじゃないかという意見もあり得るわけでありますけれども、訪問販売法をそのままにしておいて今回の法案を提出するというのはどういうお考え方か、お答えをいただきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 私どもが御提出させていただいております法律案におきましては、豊田商事などの商法の実態に即しまして考えてみました場合に、必ずしも訪問販売の形態に限られたものではなく、店頭取引によるものもあったわけでございます。 〔委員長退席、野上委員長代理着席〕 したがいまして、再発防止を考える際には、訪問販売形態だけに着目した訪問販売法の改正により対応することは適切でないという考え方でございまして、そのために別途の法律案として今回御提案を申し上げさせていただいたわけでございまして、この法律案によりますと、取引が行われる場所のいかんにかかわらず、勧誘段階から契約締結後に至るまで広く各種の規制を講ずることが可能なわけでございます。あわせて、訪問販売法で種種設けられております書面の交付の義務とかクーリングオフ等の規定についてもこの法律案の中に取り込んでいるということになっておりますので、豊田商事などの現物まがい商法に関する限りは、この法律案で十分訪問販売部分も含めて、かつまた訪問販売以外の部分も規制の対象にいたしていることになるわけでございます。 なお、確かに悪徳な商法として消費者に被害を及ぼすものについてはいろいろな形態のものがあり得るわけでございます。そこで、関係方面からも訪問販売にかかわる消費者トラブルの是正について各種の要望がございました点は私ども承知いたしております。その点で昭和五十九年には訪問販売法と割賦販売法の改正が行われまして、種々の消費者保護の規定の充実が図られたところでございますが、まずはこの改正法令の厳正な運用、周知徹底も行ってまいりたいと思います。あわせて、先ほど来御議論にございますような例えばマルチまがいの商法につきまして、これをどうするかということについて、産業構造審議会でも業の実態等に応じました今後の考え方を早急にまた検討するようにという宿題をいただいているわけでございますので、そのような点につきましては引き続き鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
○中村(巖)委員 今お話が出ましたので、先ほど私も指摘をしておるわけですけれども、いわゆる連鎖販売取引に類似する取引、マルチまがいの取引についての規制法、こういうものは通産省としては近い将来制定をしたいという考え方で準備を進めておられるというふうに伺ってよろしいですか。
○松尾(邦)政府委員 先ほど申し上げましたように、産業構造審議会の答申におきまして引き続き検討を行うようにという指摘をいただいているわけでございますけれども、その審議会の答申の中におきましては、あわせてマルチまがい商法の検討に当たっての留意点も指摘をいただいているわけでございます。 つまり、マルチ商法として現在法律で規制されているものにつきましては、大量の在庫を消費者は抱え込むということになりまして消費者に大変大きな被害が生ずる場合があったわけでございますけれども、いわゆるマルチまがい商法の場合でございますと、一般には消費者が具体的に在庫を大量に抱え込むという被害が生ずるというような形の被害は出ていないわけでございまして、消費者への被害の具体的な態様がまちまちであり、具体的にさらに精査をする必要がある。さらには、取引形態の多様性からいたしまして適切な実態の分析、把握も必要である。さらには、通常の訪問販売等正常な商慣行に対しまして慎重な配慮をいたしませんと、いたずらに健全な商活動を阻害するような、例えば健全な商活動でありながら一方的に消費者に解約権を認める、つまりクーリングオフを認めるというようなことになりますと、あらゆる商売について法的な安定性が損なわれてしまうということにもなりかねないわけでございますので、その辺について慎重な検討が必要であるということを御指摘をいただいているわけでございます。 しかし、私どもといたしましては、マルチまがい商法につきまして種々御指摘をいただいているのも事実でございますので、鋭意検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。ただ、時期につきまして確約して申し上げるとか必ず法律にするかどうかということになりますと、この点については審議会での御審議の結果を踏まえて適切な対応を図ることにさせていただきたいと考えております。
○中村(巖)委員 マルチまがい商法の話になりますと、先ほど出てまいりましたベルギーダイヤモンドの問題、あるいはまた世上いろいう言われているジャパンライフの問題であるとか、あるいはまたいろいろないわゆる健康食品や化粧品等について、通産省に対しても、消費者からの多くの苦情、相談というものが寄せられているところだろうと思うわけで、その意味で、それをそのまま放置しておくということは大変に片手落ちであるということを言わざるを得ないわけでございます。それは指摘するにとどめまして、今回の法案でありますけれども、まず第二条の関係でございます。 ちょっとお伺いしたいのは、そこでは省令でもって定める期間以上の期間にわたり政令で定める物品、特定商品の預託を受けるものについて記述をしているわけでありますけれども、省令でもって定める期間というのはどのぐらいの期間を考えておられるのか。さらに、指定商品あるいは特定商品というようなものとしてはどういうものを現在通産省としては考えておられるのか、その辺のことをお聞かせをいただきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 第二条で先生の御指摘のありました省令で定める期間といたしましては、結論から申しまして、三ないし六カ月程度を一つのめどにして省令を定めたいと考えているわけでございます。この理由は、預託あるいは管理ということを一定期間以上といたしませんと、極めて短期間の契約まで含むということになりますと、いろいろな一般の健全な商活動に対しての過剰な規制になる可能性があるわけでございます。また、社会通念に照らしまして、余り短い期間の契約でございますと、そこで運用益を生むということは一般の方々も信じることはまず考えられない。それからまた、消費者の権利が長期間不安定な状態に置かれるからこそ非常にいろいろ問題が起こってくるわけで、極めて短期間であればそのような問題も比較的生じにくいということでございますので、余り短期間に規制をする必要もないであろうということを考えますと、一応、当面三ないし六カ月程度を一つのめどとして省令で定めることが適当だと考えたわけでございます。ただ、このような考え方で省令を定めましても、万一いろいろな脱法行為が見られるようなことがあります場合には、機動的な対応によりまして、そのような事態に即した省令の改正というものを考えてまいりたいというふうに考えております。 それから、第二の御指摘の、特定商品等としての対象として政令で定めることを考えております品物といたしましては、何と申しましても、この法律案によりまして預託者となる消費者の利益の保護を図る必要がある物を機動的に指定していくというのが基本的な立場でございます。現時点におきましては、私どもとしては、豊田商事とその類似企業が商法の対象にしておりました金でございますとかダイヤモンドでありますとか、あるいは施設利用権の関係で申せばゴルフ会員権、こういったものを指定してまいる考えでございますし、さらに消費者相談等の実情に応じまして、被害の発生の蓋然性の高いものが出てまいりましたら、機動的に追加指定をいたしていくことも当然考えることにいたしたいと考えております。
○中村(巖)委員 特定商品の関係、指定商品の関係では、これをかなり広範囲に定めておかなければ非常にまずいことになるというふうに思うわけで、例えば訪販法の関係においても、指定商品として金延べ板というようなものが全然なかったということが非常にこの豊田商事をはびこらせた一つの原因になったわけでございますし、あるいはまた観音行商法という、観音竹なんという私どもから考えれば奇想天外なものが商法の対象になるというようなことでありますから、かなり広範囲に物品あるいは施設利用権、施設利用権といいましてもいろいろなものがあるわけで、ゴルフ場合具権からさらにはスポーツ施設の利用権あるいはホテル等の利用権というようなものも考えられるわけですし、あるいはレジャーランドの利用権というものも考えられるわけですから、これを広範囲に御指定にならなければいたし方がないんだろうというふうに思うわけで、この辺のところが一つの大きなポイントで、これを広範囲に定めることによって、ある程度全面的にこの種の商法に対する規制をかぶせていくことになっていくことになろうかと思います。 次に第三条の関係でございますけれども、三条の関係では「預託等取引契約の内容及びその履行に関する事項であって通商産業省令で定めるものについての当該預託等取引契約の概要」さらには「預託等取引業者の業務及び財産の状況に関する事項であって通商産業省令で定めるもの」これはそれぞれ三条の一項の一号、二号に省令で定めるということがありますけれども、これについてはどういう内容をお考えになられておるのでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 今御指摘の通産省令で定めることを予定しておりますものにつきましては、まず第一号の省令でございますけれども、この点につきましては、預託等取引業者の名称、住所、あるいは契約の対象になります商品の種類、数量、価額、あるいは施設利用権の内容、価額、それから業者が商品等の預託等を受ける期間、あるいは供与される財産上の利益の内容、供与の時期、方法、それから業者が手数料を徴収する場合にはその手数料率、あるいは契約の解除ができる旨及びその際の違約金の額、さらには預託者がこうむることのあり得るリスクに関する事項、こういったことを書面の記載事項として定めることを予定しております。 さらに、第二号の省令におきましては、会社の設立年月日から始まりまして、資本構成、営業の概要、財産及び損益の概要、あるいは業務、財産状況に関する書類を業者の事業所で閲覧できる旨、これは第六条の規定に関連するわけでございますけれども、そのような点につきまして書面の記載事項として定めたいと考えております。
○中村(巖)委員 そうすると、三条一項一号の関係は契約を締結する前の段階ですけれども、それは二項の関係の締結したときに交付する書面の内容とほぼ同じようなものを交付させる、こういうことになるわけですか。
○松尾(邦)政府委員 仰せのとおり、おおむね同様のものを考えております。
○中村(巖)委員 次いで第四条、五条の関係でありますけれども、それぞれ禁止行為が書いてあるわけでございまして、重要なものについて故意に事実を告げず、または不実のことを告げるようなことをしてはいけないとか、あるいはまた、重要なものについて解除を妨げるために不実のことを告げてはいけないというようなことがある。第五条には三号まで禁止行為があるわけでございますけれども、これらのうち、まず第一に、四条の関係の重要なものとして政令で定める事項というのはどういうことを内容にするのかということでございます。 それから、あわせまして、四条、五条の関係の違反、これについては後の罰則にも何もないわけで、これについて刑事罰が科せられるということはないわけでおりますけれども、これについて刑事罰を科さないというのはどういうわけかということをお伺いします。
○松尾(邦)政府委員 最初に四条の政令で定める内容でございます。 故意に事実を告げない、あるいは不実のことを告げる行為をしてはならない内容に関して申しますと、何と申しましてもこの種の契約に係るトラブルの原因は、取引にふなれな一般の消費者が誤ったあるいは虚偽の情報、あるいは不十分な情報で契約についての判断をせざるを得ない場合があるということに対応した規定でございますので、消費者が取引に入るか否かの判断に影響を及ぼすようなもの、言いかえますと、そのことを告げられなかったり、事実と違うことを告げられたりすることによりまして顧客たる消費者に重大な不利益をもたらすおそれのある事項を政令で定めたいと考えておりますが、具体的内容につきましては法律の施行までに政府部内で検討してまいるつもりでございます。例えて申しますと、金なら金の価格に関する情報、現在相場がどうなっておるとか、そういったことについて当然消費者に知らしむべきものだと考えますので、そのようなことを政令で定めてはいかがかと考えているわけでございます。 それから、罰則の点でございますけれども、第四条にはこの法案の十四条にございますように直接罰則の規定も適用がございますし、業務停止命令もかかるわけでございますけれども、第五条につきましては確かに直接の罰則の規定はございませんで、業務停止命令をかけ、それに違反した場合に罰則が適用になる、こういうことになるわけでございます。この理由は、第五条に掲げてございます行為自体は、もちろん商業倫理上は極めて不当な行為でございますけれども、刑事法的に見ますと罰則を適用していく違反行為というものについて構成要件をきちんと書くことはなかなか難しい面があるという立法技術的な制約もありました。また、他の立法例におきましても、このような種類のことにつきましては罰則を直に設けないというのが通例になっております。したがいまして、私どもといたしましては、このようなことで第五条の目に余る行為がありました場合には業務停止命令を発動いたしまして、それに違反すれば罰則を適用してまいるということによって対応いたしてまいりたいと思っておりますし、それによって十分な効果は上げ得るものと考えております。
○中村(巖)委員 さらに、四条、五条の関係につきまして、こういうような違反行為に基づくところの取引については私法上の効果、民法上の効果がどうなるのかということであります。民法には詐欺、強迫による行為、あるいはまた錯誤あるいは公序良俗違反の契約というようないろいろややこしいことがあるわけでありますけれども、一般的に法規に違反するような取引行為というものについて、この法律に関する限り私法上の効果についてどういうことをお考えになられて立案されているのか、お聞きいたします。
○松尾(邦)政府委員 この法律案におきます各種の禁止規定は、いわゆる取り締まり規定ということでございます。したがいまして、その禁止規定に反すればもちろんこの法案に基づきまして罰則とか業務停止命令の対象になるわけでございますけれども、しかし、これが直ちに民事上の効力といたしまして影響が及ぶというものではないわけでございます。これはやはり、民事上の問題につきましては民法に基づく処理が原則をなしているわけでございまして、この法律に基づく規定に抵触し、それに伴って罰則や業務停止命令を受けたからといって、直ちに民法上の効力に影響が及ぶわけにはまいらないわけでございます。先生も御指摘になられましたように、民法上の関係から申しますれば、詐欺とか錯誤、公序良俗違反あるいは過失相殺といろいろな消費者の保護に役立つ規定もあるわけでございまして、これらの一般の民法の規定によりまして取り消しとか無効とかの種種の民事上の主張をすることが別途できることになると考えております。
○中村(巖)委員 時間がないので次に進みますけれども、第十条の関係でございますが、第十条に「報告及び立入検査」ということが規定をされておりますけれども、実際に通産省においては、この種の報告を受ける機構あるいは立入検査をする機構というものがあるのでしょうか、あるいはまたそういうものを新規に設けるというお考えなのでしょうか。どういうところがこの衝に当たるということになりましょうか。
○松尾(邦)政府委員 基本的には、この報告、立入検査につきまして特別な行政組織を設けることはございませんけれども、それぞれの所掌に応じまして報告徴収、立入検査の実効が上がるようにいたしてまいりたいと考えております。 ちなみに、六十一年度の機構改革におきまして商取引指導官というものの設置を図ることにいたしておりまして、このような機構面の充実もこのような規定の実効を上げる上で効果があるものと考えております。
○中村(巖)委員 さらにお伺いをしますけれども、クーリングオフの期間について十四日という日数を定められた、この辺は確かに訪販法よりも日数を長くしているわけでありますが、豊田商事に見られるように、契約しちゃって、あっこれはしまったという人もあるかもしれませんが、実際問題としては、一定の利益を得られるわけですから長い間それについて信用して疑わない、したがって十四日間なんというのはすぐ経過をしてしまう、こういうことが実態であるようであります。それにもかかわらずここに十四日間という期日を定めたのはどういうわけであるか、それをお伺いします。
○松尾(邦)政府委員 第八条のいわゆるクーリングオフの規定につきましては、御指摘のように十四日間ということにいたしておるわけでございます。これは、消費者たる顧客にある程度の判断期間が必要であるということでございますけれども、他方、法的な安定性という点の配慮も欠かせないところでございます。と申しますのは、クーリングオフは、業者に対しましては損害賠償の請求も認めていないわけでございます。したがいまして、おっしゃいますように、確かにこの期間は消費者の立場から見ますとある程度長いことが必要かと思いますけれども、一方におきましては取引における法的安定性にも配慮いたしませんと、いつまでたっても結んだ契約が一体効力があるのかないのかわからないという状態になるのも、正常な経済活動を阻害する面において問題があろうかということで、他の法令の中では一番長い十四日ということにいたしたわけでございます。 他方、これはあるいは先生から別途御指摘があるところかもしれませんけれども、クーリングオフはこのように十四日間にいたしてございますが、第九条の規定によりまして、消費者はいつでも一定の手数料を払えば、この十四日間を経過した後におきましても将来に向かって解除を行う規定を盛り込んでおるわけでございますので、そのような形で八条、九条相まって消費者の利益を確保するということにいたしているのがこの法案の趣旨でございます。
○中村(巖)委員 今お話がありました九条の関係でありますけれども、確かに従来、豊田商事関係につきましても、相手方に契約違反がなければ契約解除ができないということで非常に困った部分があった。それを、相手方に契約違反がなくても契約解除ができるんだ、こういうことを定めたという意味だと思いますので、大変その点では進んでいるということは言えると思いますけれども、その場合に、この価額の百分の十五に相当する額を違約金として請求してもよろしいんだ、百分の十五以内ならよろしいんだ、こういうことでありますけれども、やはり百分の十五取られるということは大変大きい率であるわけでありまして、何で百分の十五というようなことをお定めになられたのか、その根拠はどういうことなのか伺います。
○松尾(邦)政府委員 確かに第九条の規定によりまして、消費者がいつでも将来に向かって解除できるということは、私どもは消費者の保護のために極めて必要なことだと思いまして、この規定を設けることにいたしたわけでございますが、この規定については、消費者サイドの考え方とやはり業者の立場と両方を総合的に勘案して、この規定を具体的なものにしていかなければならないのではないかというふうに考えております。 消費者の立場から考えますと、もちろんできるだけ解約に伴う手数料というのは低い方がよろしいわけでございまして、法外に高い違約金を要求されることになりますと、消費者の利益のために設けた規定が結局ちっとも消費者の役に立たないということになるわけでございますけれども、他方、一般的な経済取引の法的な安定性ということにかんがみますと、極端な話をいたしますと、非常に安い手数料でございますと、安易にこの法的な安定性が阻害されてしまうということにもなりますし、業者にとりましては、急に消費者から解除を行うと言われましたときには、それなりに返還に要する資金の調達手当てもしなければならない、こういうことになるわけでもございます。したがいまして、その辺の兼ね合いということを考えなければならないわけでございます。 その際、百分の十五という数字を規定いたしましたときの目安といたしましては、一つは、業者が市中から資金を調達する際に要するコストでございますとか、あるいは通常の取引で行われております延滞利息の水準でございますとか、あるいは豊田商事の場合に定められておりました三〇%という違約金について消費者が大変高過ぎるという多くの苦情を寄せられましたという点、これらのことを勘案いたしまして、消費者利益と取引の法的安定性の両者を調整する具体的な水準として百分の十五を法定いたした次第でございます。
○中村(巖)委員 時間が参りましたので、私の質問はこれで終わらせていただきますけれども、冒頭に申しましたように、やはり私としてはこの法案は大変不十分な法案であるということ、極めて場当たり的というか対症療法的な法案であるということを申し上げざるを得ないわけで、やはりこれが制定されたからといって豊田商事由法に類似した商法を根絶することはできないだろうということを御指摘を申し上げざるを得ないわけであります。 質問を終わります。
○野上委員長代理 次に、宮田早苗君。
○宮田委員 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案、この案について質問をいたします。 最初に要望申し上げるのはどうかと思いますが、この法律案そのものも非常に難しいといいますか、わかりにくいわけでございますが、問題はこの法律を消費者の皆さんによくわかっていただかなければ意味がないわけでございますから、案そのものもこういう表題でございまして、やむを得ぬかもしれませんが、わかりやすいような解釈をして徹底をしていただきたいということをまず申し上げ、また、これから私が質問をいたします場合、その答弁もできるだけわかりやすくお答えをしていただきますように、まず要望いたします。 最初にお願いいたしますのは、昨年の国会論議を通じまして、必ずしもこの法制化に積極的とは見えなかった政府が、豊田商事関連の訴訟問題や捜査が完結していない段階で、この法律案提出に踏み切られた理由についてお伺いをいたします。
○松尾(邦)政府委員 豊田商事の問題をめぐりまして大変消費者に被害が多発いたして、社会的にも看過し得ない事態となってきたのは昨年の夏前だったと思いますけれども、昨年六月から関係の六省庁で、この問題につきまして、一体どのようにして消費者の被害を救済するか、あるいはこのような事態を二度と起こさないようにするための再発防止策をどのように講じたらいいかということにつきまして鋭意検討を重ねてまいったところでございます。 その際には、現行の法律では適用可能なことはあるのかないのか、そういったことも十分議論いたしました。しかし、だんだん議論を深める過程におきまして、昨年十一月には、総理大臣が座長を務められます消費者保護会議も開かれまして、各省庁を網羅した場で議論をいたしましたところでも、やはりこの問題に対処するためには立法措置も含めて検討する必要があるのではないかという結論を得まして、その後、関係六省庁でさらに引き続き検討したところ、この再発防止は緊急の課題である、そのためには産業構造審議会に諮問をして早く答申をいただき、新規の立法措置を講ずべきではないかということで、今回この法案を提出させていただいたわけでございますけれども、もとより、現在いろいろ刑法上の詐欺でございますとかあるいは出資法の違反等で争われている案件につきましては、これは厳正な判断が別途司法当局等によって下されることになると思いますけれども、やはりよく考えてみますと、品物を預かり、預かったことに見合って財産上の利益を供与するという種類のいわゆる現物まがい商法に代表されるような預託等取引契約につきまして、消費者の保護に配慮した一般的な法律がやはり再発防止を防ぐために欠かせないことじゃないかということから、このような立法をお願いいたした次第でございます。
○宮田委員 政府は昨年の六月以降、この関係六省庁、公取、警察それから法務、経企、大蔵、通産で既存法令の適用問題等について検討されておったようですが、その経過と結果の説明をひとつお願いをしたいということと、また六省庁連絡会議の今後の活動方針、この問題についてお伺いをいたします。
○里田説明員 先ほど通産省の方から御答弁ございましたように、六月以来回を重ねて慎重に検討をしてきたわけでございますけれども、現行の法律の適用できるかできないかにつきましては、これは最終的には裁判所が御判断になることでございまして、私どもが結論を得るわけではございませんけれども、現行法では非常に難しいということも事実でございました。やはりこういう問題に対して的確に対応するには新しい法律が必要だろうということでございまして、それで、先ほど御報告ございましたように、消費者保護会議で法的措置を含めて早急に対策を講ずるという決定を見たわけでございます。そういうことを含めまして、今回通産省の方で法律を提出をしていただいたということでございます。 こういう悪徳商法といいますのは、先生も御案内のとおり、お金を集めますとすぐ逃げてしまう、倒産などというような形ですぐ逃げてしまうということがございまして、やはり機敏な対応ということが法律と同時に必要であろうかと思います。そういう意味で、私ども経済企画庁でも、国民生活センター及び全国の都道府県の消費生活センター等ございますし、関係各省もそれぞれ相談窓口を持っておられまして、こういうような被害についてはそれぞれ情報のチャンネルがあるわけでございます。ひとつ関係省庁がそういうチャンネルから得られました情報を定期的に交換をいたしまして、そういう問題で非常に問題があるものについては機敏に対応するという仕組みを今までもそれなりに講じてまいったわけでございますけれども、今後なお一層そういうことが重要になるのではないかと思います。今度新しく出していただいた、現在御審議いただいております法律をバックアップするという意味で、早急にそういう対策について関係省庁と御協議して、一層対策に万全を期してまいりたいと思っております。
○宮田委員 ことし初めに、六省庁で構成をして、調査団がアメリカの悪徳商法の現状と規制状況を調査するために派遣されたわけでございますが、その結果をまず説明していただきたいということと、特に、日本と比較したアメリカにおける現物まがい商法とかマルチまがい商法の実態等、これに対しまするところの規制策の実情等についてお聞かせ願いたい、こう思います。
○里田説明員 ことしの一月に、先ほど御紹介いただきました調査団が、アメリカに関係六省庁の担当官で参りました。私もその一員として参ったわけでございますけれども、向こうの方でもやはりこういう悪徳商法というのは非常にたくさん発生しておりまして、それに対して政府も積極的に対応しておられるようでございますけれども、なかなか被害は減っていないというのが実情のようでございます。 手口等を見ますと我が国と非常に似ておりまして、非常に多様であるということでございまして、先物取引あるいはマルチまがいのもの、現物まがいに類似したものというものが非常にたくさん発生しておるということでございます。 こういう問題につきましてアメリカの政府が対応しておりますのは、多様な対応手段を用意するということが一つあろうかと思います。それから、そういう対応手段に基づきまして機敏に対応するということが二番目にあろうかと思います。そして三番目に、やはりこういうものはどうしても規制でやるにはおのずから限界があるわけでございまして、消費者の啓発といいますか消費者教育が非常に重要だ、こういうような主要な三点について主としてあちこちの機関で指摘されたことでございます。 それで、多様な対応手段という点でございますけれども、この点につきましては、我が国の法律とアメリカの法律と対照しましたときに一番欠けているのが、現物まがい商法に対する対応部分ではないかというぐあいに思います。他の方につきましてはそれなりに対応がなされておりますけれども、この分野は非常におくれているということがよくわかったわけでございます。その分につきまして今度通産省の方で法律を提出していただくということは、今後のこういう問題の対策に対しては非常に有効な手段ではないかというぐあいに私どもは思っているわけでございます。 ただ、アメリカの実例を見ましても、やはりこういうものは法律を一つつくれば取り締まれるというものではございませんで、彼らも次々と悪知恵を働かして新手の商法を考え出しできますものですから、どのような法律をつくっても、一つの法律で取り締まるというのは非常に難しいというようでございます。それだけに、あらゆる政策手段、対応手段というものを用意しながら機敏に対応していくということが非常に大切ではないかというぐあいに思ってございます。 同時に、消費者教育の重要性ということはアメリカでも非常に強調されておりますので、これは私どもとしてもできるだけ、特に老人を、これはアメリカでも老人が中心にねらわれておるものですから、老人を中心とした啓発ということに一層きめ細かく努力をしていかなければならぬと思っております。 ただ、マルチまがいの商法につきましては、これは法律の制度が日本とアメリカの場合は基本的に違っておりますので、アメリカのものをそのまま日本に持ってくるということはできませんけれども、アメリカの方は、どちらかといいますと取引の実態に即した規制がなされているかに思います。こういう点につきまして産構審の答申等では、さらに我が国においてもマルチの取引につきまして検討していただくという御指摘がございますので、我々としてはそういう検討に対して大いに期待して見守っておるということでございます。
○宮田委員 経企庁の方は結構です。 通産省がこの新規立法の制定の方針を固められましたのはいつごろか、お聞かせ願いたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 私どもとしましては、昨年の十一月の消費者保護会議におきまして、立法措置を含め検討するという決定を見ておりましたことを踏まえ、かつまた、関係六省庁会議におきまして立法措置を考えてまいるという前提で、産業構造審議会への諮問も行われているということでございますけれども、これはやはり審議会での御結論を得てから具体的な立法ということに踏み切ったことになるわけでございます。したがいまして、形式的に申しますと、審議会の答申をいただいてそれから立法化を正式に決定したわけでございますけれども、流れといたしましては、昨年十一月の消費者保護会議以来立法に向けての努力をしてまいった、こういうことに御理解いただきたいと思います。
○宮田委員 この豊田商事のような構造的な悪徳商法に対しては全面禁止の構造規制にすべき、こういう意見もございますが、政府のお考えはどういうお考えか、聞かせていただきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 確かに私どもも、豊田商事の悪質な商法そのものずばりでございますれば、これはもう禁止さるべき種類のものだと存じます。しかしながら、豊田商事そのものに限って禁止法を仮につくりましたといたしましても、どうせ悪質な業者のことでございますれば、いろいろ悪知恵を働かして、その法律の目をくぐっていろいろな脱法行為が行われることは必定であろうと考えるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、豊田商事の商法そのものだけではなくて、それのいろいろなバリエーションと申しますか、いろいろな変形した形も含めて、その周辺分野も含めて規制の対象に取り込む。そのかわり取り込みました以上は、健全な商取引も対象になってまいります。そうすると、それまで禁止するわけにはまいりませんので、悪質な業者にとりましては実質的な禁止の効果が出るような、契約前、契約時あるいは契約後、種々の規制の規定を盛り込むことによりまして、実質的には禁止と同様の効果を出す、そういうような立法措置を講ずることにいたした次第でございます。
○宮田委員 せめて許可制にすべきという意見、特に日弁連の意見も強いようでございますが、許可制を採用しなかった理由、これについて説明をしていただきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 確かに私ども、審議の過程で許可制をとったらどうかという御意見があったことは十分承知しておりますし、審議会でもその点についての御議論はいただいたわけでございます。 しかし、許可制をとるということになりますと、一応許可の基準というものを当然のことながら書くわけでございますけれども、法定された許可基準というものは、悪質業者からいたしますと、お化粧をして出てまいりますと、その許可基準でシャットアウトすることはなかなか難しゅうございます。結局悪質業者は、入り口はお化粧をして通り抜け、通り抜けた後で変身をいたしまして悪質なものに変わっていく、これが悪質業者の手だと存ずるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしまして仮に許可制をとって、そのようなお化粧をした悪質業者を、法形式上は不許可にするわけにまいらずに許可をすることによってかえってお墨つきを与えるようなことになっては、かえって消費者にとっての被害防止どころか被害拡大につながる危険さえもあるのではないか、そのようなこと。あるいはまた、許可を受けた業者が、先ほど申し上げたように、最初お化粧をしていたのがだんだんはげて悪質なものに変身をしてまいるところを常時監督、把握しようということになりますと、これは大変な行政組織をもって当たらなければならないわけでございますけれども、今日のような行革の時代に、なかなかその趣旨に合わない点があるのではないか。それからまた、許可制とか登録制とかという制度をとっております業の一般的な考え方は、健全に発展させていくという趣旨も含まれてとられておるのが通例でございます。ところが、本件につきまして考えてみた場合には、これを国民経済上健全に発展させていくべきものという評価を現段階で与えるものではない。以上のような点からいたしまして許可制をとらなかったわけでございます。
○宮田委員 産構審の答申では、この種の取引は現時点では健全に発展させるための許可制を設ける必要は乏しいとしているが、育成の必要がないのならなおさら原則禁止にしてもよい、こういう意見もございますが、その辺はどうですか。
○松尾(邦)政府委員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、先ほど申し上げましたように、豊田商事ずばりのような商法、こういったものについては禁止されても差し支えないと思いますけれども、脱法行為を防ぐという観点から、答申では、豊田商事由法そのもの以外のものについても規制対象に取り込んでおくことが法の実効を上げるために必要だ、こういうことになったわけでございます。 そのような観点で今度は内容を考えてみますと、現在でも銀行や証券会社あるいはクレジット会社の一部では、この対象に取り上げるべき預託等取引契約という定義の中に当てはまる健全な商活動も幾つか入っているわけでございます。したがいまして、私どもとしては、そのような健全な商活動まで禁止をしたりあるいは厳しく規制するのは過剰な規制になるということでございます。そこで、消費者保護と健全な商活動とのバランスを適正に保つという観点で、悪質な業者にとっては禁止の効果はある、そのような法的な内容を今回立案させていただいた次第でございます。
○宮田委員 特定商品の指定には現時点では何をお考えになっておるかということと、また、施設利用権についてはどのようなお考えを持っておいでなのかということをお聞きします。
○松尾(邦)政府委員 一般的に申しまして、特定商品あるいは施設利用権につきましては、この法律案によりましてとにかく消費者たる預託者の利益の保護を図る必要があるものを機動的にどんどん指定していくことが必要だと考えております。 現時点では、私どもとして考えてみますと、豊田商事あるいはその類似企業が商法の目的にしておりました金ですとかダイヤモンドですとかゴルフの会員権、こういったものが指定の対象になると考えておりますけれども、しかしこれだけに限らず、今後消費者の被害の発生の蓋然性があるものにつきましては、全国に張りめぐらしました消費者相談の窓口で十分アンテナでキャッチいたしまして、機動的に商品の指定を行ってまいることによりまして、この法律の目的を十分達成してまいりたいと考えております。
○宮田委員 現物まがい商法にとりましては商品は問題ではないわけですが、また何が出てくるか予測がつかないので、ネガティブ方式を採用するのも一つの方法と考えますが、これは技術的に採用は難しいかどうか、この辺もお聞きいたします。
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘のように、確かに消費者保護という観点を突き詰めて考えますれば、とにかく全般的に対象は全部規制しておく、しかし適切でないものは適用除外する方法があるではないかというのも一つの考え方でございます。しかし、現実に立法技術あるいは経済の実態から考えてみますと、ではまず何を規制対象から外すかということにつきまして、既存の商品の中からどれとどれを取り出すかについて、落ちこぼれのないように法律上列挙することはなかなか立法技術上難しいということが一つございます。 もう一つ問題なのは、やはりこれから世の中がどんどん変わってまいります。私どもの想像もつかないような品物が次から次へ生まれてくるわけでございます。そのような新規商品につきまして自動的に規制の対象になってしまうということになりますと、いろいろなこの法律に基づく規定の中で例えばクーリングオフですとか解約権ですとか、法的な安定性という面から見ますと、健全な商活動の上から無条件に取り入れていいものかどうかという点について考えざるを得ないものになるわけでございます。 もちろん、消費者保護の観点から、被害の発生の蓋然性が高いものについてこういうことの規定を取り入れることについてはやぶさかでないわけですけれども、何でもかんでもそのように法的安定性を害しても、これはかえって健全な経済活動を阻害する面が強く出てしまうおそれがあるわけでございます。したがいまして、そのような観点で私どもとしては、消費者に被害の発生する可能性のあるものにつきまして過剰規制防止の観点を踏まえながら機動的に政令指定をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○宮田委員 被害が出てから追加指定しますと後追いになるわけです。また、被害の再発防止という立法の趣旨に反するおそれもある。それで、機動的な指定ができる体制になっているかどうかということについてもちょっと説明を願いたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 機動的な指定のためには全国にアンテナを張りめぐらしておくことが必要だと思いますけれども、先生御高承のように、通産省の本省それから通産局に消費者相談の窓口がありますのはもとよりでございますけれども、国民生活センターあるいは各都道府県におきましてもそれぞれ消費者相談の窓口を設けているところは多数ございます。それらのアンテナを有機的に活用いたしまして、関係省庁の連携体制のもとに、前広に消費者被害の発生の蓋然性を把握いたしまして機動的に対応してまいることが可能だと思っておりますし、通産省の組織といたしましても、昨年の夏から消費者トラブル情報につきまして情報を一元的に毎月収集いたしまして、担当課長が全部集まりまして、この問題についてどのように対処したらいいかということを真剣に検討する連絡会議も設けて対応いたしておりますので、このような全体的なネットワーク、それから省内の検討体制と相まちまして、遺憾のないように機動的な指定をしてまいりたいと考えております。
○宮田委員 預託等取引契約の定義の中の省令で定める一定期間、これはどの程度を考えておいでになりますか、説明を願いたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 現在私どもといたしましては、これは余り短い場合には消費者にとってさほど権利の保護という面で問題は生じないのではないか、逆にまた、余り短い期間にそんなに収益が上がるようなことが世の中にあるとも消費者も思わないだろうという感じがいたしますので、大体私どもとしては、三ないし六カ月程度以上の期間にわたるものについて対象にしてはどうかと考えているわけでございますが、ただこれは私どもの一つの目安として今考えているところでございまして、やはりいろいろな脱法的な行為があったり消費者被害がいろいろ生じてまいるということになるおそれがある場合には、機動的に省令の改正によりまして実態に合うようにしてまいりたいと考えております。
○宮田委員 もう一つは、預託等取引業者、この定義において、他法令でカバーされているものとして政令で除外する現実のものに例えばどんなものがあるか、ひとつお知らせ願いたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 現在私どもで考えておりますのは、銀行でございますとか証券会社でございますとか、そのように個別の法律で、この第二条の第二項にも書いてございますように、このような預託等取引契約の締結とか履行の公正、あるいは預託者が受ける可能性のある損害の防止が十分確保されているというような法体系ができ上がっているものについて具体的に政令で定めていきたいと考えておりまして、今例示的に申し上げたような銀行、証券会社等がこれに当たることになると思いますけれども、具体的に何と何かということにつきましては、政府部内で法施行までの間に十分検討いたしたいと考えております。
○宮田委員 本法案におきまして信託業法との調整はどのように図られていかれるものか、お知らせ願いたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 この法案の第二条の定義の中におきまして一定期間以上の期間にわたって特定の商品の預託を受けるという概念の中には、御指摘の信託の引き受けに相当するものも含まれる可能性がございます。しかし、この信託につきましては別途信託法におきまして関係者間の法的な地位、手続等がきちんと定められておりますし、また、この信託の引き受けを業として行う者につきましては信託業法によりきちんとした規制が行われているわけでございますので、あえてこの法律と重複して適用する必要性も乏しいのではないかということから、この定義の中で信託の引き受けに該当するものをすべて外すことにいたして、それぞれの信託法及び信託業法にゆだねることにいたしたわけでございます。
○宮田委員 これで終わりますが、最後にもう一つだけ。 豊田商事の商法はまずテレホンガールによる電話勧誘から始まっておったわけですが、この電話勧誘は本法の規制措置の対象となり得るかどうか、この辺をわかっておるなら説明していただきたいと思います。
○松尾(邦)政府委員 電話による勧誘行為がいろいろあったことは私どももよく承知いたしております。しかし、私ども第五条でそのようなことに関連いたしまして、業者が例えば威迫する言動を交えて契約の締結、更新の勧誘をしたり、解除を妨げたりすることをしてはならないという規定を置いておりますし、さらに第三号にはその他預託者の保護に欠けるようなものにつきましては省令で定めることにいたしております。したがいまして、この省令で何を定めるかというのは今後の課題なわけでございますけれども、ただ、電話をかけてきたということだけをもって直ちにこれを業務停止命令の対象にするとかいうこともなかなか難しい点がございます。電話をかけただけでなくて、電話をかけた後にまた訪問をいたしまして、その上で勧誘行為を行ったというのが通例だと思います。電話のみということに着目した規制というのはなかなか難しいことかと存じます。引き続き検討はいたしますけれども、恐らくは訪問をした上でいろいろ第五条の各号に規定しておりますような、非常に威迫する言動を交えたり、あるいは言うべきことも言わない、あるいはやるべきこともやらない、こういうものを取り締まるのが本筋じゃないかと考えておる次第でございます。
○宮田委員 あとはこの次にします。
○野上委員長代理 工藤晃君。
○工藤(晃)委員 本法案についていろいろ質問してまいりますが、現物まがい商法ということでは、豊田商事では数万人の被害者、数千億円の被害額、それから三和信託、その後今は日本相互リースと言っているのですか、やはり数千人の被害者、数十億円の被害額、そのほか非常に大きな被害があると思いますが、私の事務所が立川にある関係上、またここに豊田商事も三和信託も大きな店を構えていた関係上、どちらの被害者の救済にもいろいろ携わらせていただいてまいりましたが、ただ被害額が多いとか被害者が多いというだけでなしに、被害に遭った人が本当に老後の設計をそれに託していた資金をも完全に巻き上げられるとか、家庭におられる主婦の方が亭主にないしょでやれというようなことを言われて、そしてだまされてお金を取られると同時に家庭内の大きな悲劇を生むというようなことで、まさに大勢の家庭を破壊し、経済上だけでなしに精神上も大きな打撃を受けた、こういう驚くべき事件であり、また会社ぐるみあるいはグループぐるみの犯罪であります。 それで私も昨年当委員会で取り上げたことがありますけれども、いつも感じるのは、こういう問題を取り上げても、これは通産省、大蔵省もそうですし法務省もそうなんですが、いろいろなぜこれを取り締まらないかと言うと、いやなかなか法律上難しい難しいということばかり言って、そしてみすみす被害が大きくなってきたことは極めて遺憾である、このことを私は初めに言いたいと思います。そして被害に遭った方々が言うのは、日本は法治国家なのに何でこんなことが平気でやれるのだ、こういう怒りをぶつけているのは当然だと思うわけであります。 そういうことで最初に大臣に伺いたいのは、豊田商事などのこういう被害を二度と起こさない、再発防止ということをかたく決意してこの法案を出した、あるいは法案を出すというだけでなしに今後対処していくという決意がおありなのかどうか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 豊田商事のような悪徳商法は未然に抑え込んでいく、そのためのとりでにするつもりでこの法案を出したわけであります。
○工藤(晃)委員 さて、そういうことでこの法案の内容について伺っていくわけですが、ここでは預託等取引契約ということがとらえられておりますが、これは産構審の三月十一日の答申ですか、これによりますと、「いわゆる「現物まがい商法」には、従来確立した概念はないが、豊田商事の取引内容や類似企業調査の結果を踏まえると、取引形態の主たる要素は、次のとおりと認められる。」と言って、「①商品及び施設利用権等の権利を販売する②商品等を一定期間預かり、その運用を約する③預かることに対応した利益の提供を約する」こういうふうに書いてありますが、第二条の預託等取引契約というのは、この産構審の答申のこの説明にほぼ合致するものかどうかお答えください。
○松尾(邦)政府委員 基本的には、先生の御指摘にございました産業構造審議会の答申で指摘している三点を規制の対象として念頭に置いているわけでございます。 ただ、脱法行為を防がなければならないという観点から、先生ただいま御指摘のありました第一点、商品等の販売をするという部分はこの法律の第二条の定義から外しております。それはつまり、実は販売したのではなくて、販売は別の人にやらせまして、預かるところから私は始めましたというようなことを言いますと、その人はこの法律の適用はないということになったのでは被害の防止に実効を期することはできませんので、自分が売ったものであるか売ったものでないかにかかわらず、一定期間預かって運用を約して、そうして利益提供を約する、この二番、三番で法律の規定をつくることは被害防止のために最も実効のある道ではないかということでさようにいたした次第でございます。
○工藤(晃)委員 いずれにせよ、それならば豊田商事や三和信託などの現物まがい商法の取引内容、そのときの契約書がありますが、それは大体今言った預託のあれの中に含まれることになりますか。 〔野上委員長代理退席、与謝野委員長代理着席〕
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘のような豊田商事あるいはその類似企業の商法については広く含まれるものと考えております。
○工藤(晃)委員 それではあのとき豊田商事は、私もここに持っておりますが、純金ファミリー契約と同時に純金注文書ですか、今の説明ですと純金注文書の方は外して考えるようです。それから三和信託の方は「三和信託すくすく」とか「みのり」とがあって、そのほか純金購入註文契約書というのがあるわけで、この純金購入註文契約書は外すとして、それで今の答弁で、豊田商事も三和信託の取引内容も大体この中に含まれるという答弁なんですが、私はそこに強い疑問を感ずるわけなんです。 豊田商事にしろ三和信託にしろ、たしか契約は金の注文の契約とか購買の契約とか、それからもう一つはいわゆる賃貸借の契約で、これが純金ファミリーだとかいろいろ名前がついておりますけれども、そういうものであるけれども、それは実際は見せかけ上の契約であって、問題は相手から、こういう契約でやりますと言いながら、ともかく預金をおろしていらっしゃい、何々を解約していらっしゃいと言って金を巻き上げて出させて、それを勝手に運用するというのがこの豊田商事や三和信託の実際の取引の形態なのではないでしょうか。だとすると、産構審を読んで、豊田商事なんかの取引形態をだんだんいわば抽象してその特徴を取り出すとこういうことになる。これを預託契約というふうに言うのだけれども、実際やっている豊田商事とか三和信託の取引の内容は、専らこれを見せかけにしてそして金を巻き上げるのが彼らのやり方なのですから、これを取り締まると言いながら、いわば的外れのことをやっているというふうにしか考えられないわけです。 それで、実際やっていることは、これを見せかけにして、金を買いなさい、それで金(きん)を預かって、利益が出ますよということを言って実は不特定多数からお金を出させるわけですから、これは出資法の禁止していることと全く同じなのではないですか。ですから、そもそもこの預託契約という取り出し方向身が豊田商事由法を取り締まるのには全く的外れだと私は思いますが、いかがでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 豊田商事の場合には、確かに初期の段階では預かった金(きん)を返していた場合もあったようですけれども、だんだん御指摘のような見せかけだけ預かったことにしてお金を巻き上げるという形になっていったという点について、私どもまことにゆゆしいことだと思っておりますけれども、この法律の定義の関係で申しますと、特定の商品の預託を業者の方が受けること及び相手方たる消費者がこれを預託することについて約する契約というものを対象に取り上げているわけでございます。したがいまして、契約上品物を預かるということが約されておるものにつきましては、仮に現実に物の引き取りが、預託があるかないか、その辺のところはこの規定ではいずれも読めるように定義したわけでございますので、現実に物が預託された場合も、あるいは約されたけれども預託されない場合も読めるようになっておりますので、御懸念の点は心配ないというように考えております。
○工藤(晃)委員 そんなのは言いわけにならないと思うのですよ。そもそも「みのり」だとか「すくすく」だとか、あるいは純金ファミリーだってちゃんと契約上は預かるということになっているのですから、何年で返すとなっているのですから。それで、さっき言ったように、こういう豊田商事や何かの契約を煮詰めていくとこういう要素になるといって出したのだから、そもそも大もとは純金ファミリーだとか豊田商事の契約なのですよ。だから、そんなことは言いわけにならないので、この法案の第一の矛盾点というのは、籍田商法の取引形態というのはこういう預託業取引形態であるとして、ともかく営業は自由にやりなさいと言っていることはもう極めて矛盾している、これが第一です。 それから第二に、こういう豊田商事由法というのを取り締まろうと言いながら実はこういう形で取り出すと的外れになっているということで、これはこの法案の出発点がそもそも大変研究不足である。率直に言って、まだ産構審で十分やってないのではないですか。本当に被害者と苦しみをともにしていろいろ法のあり方や対策のあり方を検討した人、それから豊田商事や三和信託なんかのやり方を研究した人の声が十分まだ入ってないのではないですか。そう断ぜざるを得ないわけであります。 その次にちょっと伺いたいのは、商品の預託というわけですね。それで、私の知っている三和信託でも三年とか五年という契約なのですが、商品というのはそもそも腐ってしまうものが多いし摩滅してしまうものが多いわけなのです。三年、五年たってそのもとのまま返せるといったら大体どんな商品ですか。やはり金、銀、こういう貨幣商品か宝石類か有価証券、大体こういうことになると思いますが、いかがでしょうか。もっとあるなら言ってください、野菜だとか果物だとか。
○松尾(邦)政府委員 特定商品として考えられるものとして先生が今お挙げになりましたものは、私どもとしてもそのとおりだと思っております。 〔与謝野委員長代理退席、委員長着席〕
○工藤(晃)委員 そうすると、例えば金(きん)というのはもともと貨幣なのですよ。そうじゃありませんか。昔は兌換券で、それで金(きん)になるのですから。ですから、金(きん)を三年間預かるというのは、まさに銀行に定期預金を入れるのと全く同じぐらい預ける人が保護されなければならないことを意味しますね。あるいは株券にしろ有価証券にしろ、預かってそれを運用するというのであるならば、これはやはり信託業と何ら変わりないわけですね。ところで、銀行というのは銀行法に基づきまして営業の免許ということがありますし、信託業の方は信託業法でやはり営業免許ということになっている。同じように、金(きん)とか有価証券を預かると言いながら、片一方はただもう自由に商売やりなさいということをこの法案では認めていくわけですか。おかしいとは思わないですか。
○松尾(邦)政府委員 私どもの法律で対象にいたしております預託等取引契約というものは、先ほど来御説明申し上げておりますけれども、脱法行為を防ぐために、豊田商事そのものが行っている商法に限らず、概念規定といたしましては後ほど買い取ることを約して預託を受けることなど、周辺の分野につきましても規制の対象にいたしているわけでございます。したがいまして、例えば銀行、証券に限りませず、クレジット業界などでも、一部におきましては金投資口座、金貯蓄口座というような名前で健全な商活動を行われているものも現にあるわけでございます。したがいまして、私どもは、出資法におきますような金銭の受け入れそのもの、あるいは元本の返還が約されているもの、そういった出資法の預かり金に該当するものとは別の品物を預かって、その預かったことに見合って運用利益を渡すことを約する、そのような形態のものが現に存在しているということを前提に、しかしながら悪質なものについてはこれを何とか実質上禁止しなければならない、そういう考え方のもとに法案を作成いたした次第でございます。
○工藤(晃)委員 もう少しまともに答弁していただきたいのです。 一等最初に言ったのは、豊田商事なんかは契約上は金(きん)を預かるとかなんとか言っているけれども、実際はそれを見せかけにしてお金を巻き上げる点では出資法で厳しく取り締まられる対象になるではないかということに加えて、金(きん)とか有価証券を三年も五年も長期に預かる、それは定期預金にも匹敵するとかあるいは信託業にも匹敵して、それにふさわしい保護を消費者が受けなければならない。にもかかわらず、いわゆる銀行法とかあるいは信託業法にあるような営業の免許とかそういうことはない。今あなたが言っているのは、銀行が金の投資口座を開いているとか、それは今問題にしておりません。そうじゃなしに、銀行業者とかなんとかでないところがこういう営業をやるに当たって、営業の免許も何もなしに自由にやれるというところには少し矛盾がありはしないか、大きくあるのではないか、そういうことにあなたは十分答弁していないので聞いたわけです。
○松尾(邦)政府委員 先ほど来申し上げました私どもの法律案の定義に従いますと、銀行、証券に限りませず、特別の業規制を受けておりません。一般のクレジット会社におきましても、このような定義規定に該当します商活動を健全な形で現在も既に行っているわけでございます。したがいまして、それについてまで禁止をする必要もないというのが私どもの基本的な考え方なわけでございます。もとより信託でございますとか銀行につきましては、それぞれの立法理由によりそれぞれの規制が行われているわけでございますけれども、私どもの規制の対象としておりますように、物を一定期間預かりそれに対して運用の利益を供与するということにつきましては、先ほど申し上げたように、悪徳なものもありますれば健全なものもある、そういったものにつきまして、悪質なものについてだけ実質上禁止ができるということが消費者被害救済のために一番必要なことであると同時に、健全な商活動についてはそれを阻害しないということになるのが私どもの立場から申し上げられるところでございます。
○工藤(晃)委員 だからさっき言ったように、金(きん)とか有価証券を長期間預かるのは、まさに銀行の預金に匹敵するとか信託銀行が金銭信託をやるのに匹敵するように重要な消費者の保護がなければならないにもかかわらず、こういう商品の預託だけはなぜルーズなままでいいかということを聞いたのですが、あなたが十分答えないわけですから、先へ進みたいと思います。 もう一つは、こういう問題がありますね。金(きん)を預かって、床の間に置いておいたってこれは太るわけじゃありませんね。どうするんですか。金が確実に三年間なり五年間上がる時代なら床の間に置いておいたっていいですよ。五年後倍になっているといったら、その半分ぐらいは相手に返したって利益は十分出るわけでしょう。ところが今はそんな時代でないことは皆さんよく御存じなんで、だから結局何をやるかというと、金市場に投入するという場合もあるかもしれないけれども、これはなかなかもうけないでしょう。結局、金(きん)を最初に本当に預かったにしろ、預からないにしろ、現金を巻き上げたにしろ、ともかく現金にかえちゃっていろいろ運用するわけでしょう。そういうことをやるわけでしょう。そうすると、この運用ということが今度の中にはそういう形で認められているのですか、どうなんですか。
○松尾(邦)政府委員 この預託等取引契約につきましては、預かりました商品等をどのように運用するかというところまでは立ち至っておりません。したがいまして、これは業者がそのときどきの経済情勢に応じまして最も適当と思う方法で運用を行うことになると思います。 したがいまして、その点に関連して申し上げますと、例えば銀行に定期預金をするのとはもちろん違います。違います趣旨は、したがって高い配当益があり得るということを一つはセールスポイントにする場合があろうと思います。しかしそれについては、当然のことながらリスクも大きいということが伴っているからこそハイリターンがあり得る。ハイリスクだからハイリターンがあり得る、こういうことを前提にして消費者に取引をしていただくことが必要なわけでございますので、契約の締結前、契約締結時、契約締結後にわたりまして、消費者には消費者がこうむることのあり得るその辺のリスクについて十分認識していただくことを確保できるような規定を置いて対応しておるわけでございます。
○工藤(晃)委員 これは大変重大な問題なんですね。例えば三和信託というところがやったのは、あの契約書の二十五条というところに第三者にこれを委託して運用してということまで承認させるとあって、その第三者は何かと私は直接三和信託に聞いたけれどもどうしても答えなかった。しかし、出てきたのはレブコというような大変怪しい会社で、三和信託から約三十数億円を受け取り、四億円を金先物取引に、その他の金は立川市内の遊技場、ホテル建設、名古屋その他の地方の不動産に投資した、こういうやり方でしょう。これをやるわけですよ。 だから、金(きん)を預かるといったって、金(きん)は途端に現金になっている。あるいは最初から金(きん)はないかもしれない。そしてこういうところに運用するのですが、今リスクが大きいと言ったように、これは先物取引にしろ何にしろ物すごくリスクが大きいわけです。リスクが大きい運用であるにもかかわらず、これまでの三和信託にしろ豊田商事にしろ確定利益分配方式ですね。信託などの場合は実際に出た利益に従って分配するというのに、契約上確定利益ということを約束していますね。そうでしょう。それが特徴でしょう。それだからお客は契約するわけですね。年八%、一〇%、今低利になるとだんだん魅力があるということですね。だから、こんな危なっかしい先物取引や何かして、リスクが非常に大きいにもかかわらず三年間も五年間も相手からお金を出させて運用して、確実にこれだけ利益を分配しますという契約自体、これは本当言って詐欺ですよ。 だから、この産構審の中にもこう書いてあるのじゃないですか。「一般的にも、商品等を預かり、運用するという事業を健全に行い、顧客に安全に高収益を提供することは極めて困難であると言える。」こんな「極めて困難である」ということを今度認めるわけなんですか。それから、これは商工委員会調査室のものですが、「このシステムにおいては、業者が顧客に対して支払うべき運用益相当分の収益の確保が可能かどうか見込めないまま、常に運用益を支払うシステムとなっている。こうしたシステムは安定的に継続される保証はなく、顧客への支払が捻出し得なくなる危険性の高いシステムであり、」極めて危険性の高いシステムと言っているのです。 ですから、もう一度整理すると、金(きん)の預託とかなんとか言うけれども、実質的にはお金を出させてそれを運用するわけでしょう。そして運用した場合に、確定利益分配方式で年一〇%とかそういうことを約束している。しかし、運用にはこのようなリスクを伴うという場合、この契約自身、確実に出せますよということ自体一種の詐欺行為に当初からなりやすいし、なっていくと思うのです。それが一つ。 それから、事実上三年も五年もお金を預かってこうやって運用するなら、信託業とどこが違うのですか。なぜ信託業の方は信託業法で厳しい規制を受け、これは預託という名前だからほっておかれるのですか。この辺の説明は全然つかないと思いますが、どうでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 悪質業者のやり方についてはいろいろな場合があり得ると思います。先生御指摘の事例の中には、あるいは出資法に抵触するものもあるかと思います。あるいは詐欺罪の適用対象になるものもあろうかと思います。出資法あるいは刑法の適用が積極的に行われる分野については、ぜひそのようなことでやっていただきたい。しかし、刑法なり出資法の適用がなかなか困難なものも当然あり、現物を預かりそれを一定期間運用して利益を供与する契約の中には健全なものもありますが、いずれにしましても、消費者保護の立場から一貫して法律的、体系的に規制対象を絞り、規制を行っていくというような法体系がないという現状を踏まえまして、それではいかにしたらよいか。再発防止のためには、先ほど申し上げましたように、契約の締結に際しまして、締結の以前の段階から消費者はこれは危険なものだなということを十分認識される、それから契約締結時にもこれは危険なものかどうかについて十分認識する、そして契約締結後におきましても、これが本当に危険なものだと消費者が察知いたしましたならば、直ちに契約を解除するということでいつでも危険なものから逃げ出せる、そういう仕組みの中で消費者がそれをどう選択するかということをこの法律で考えているというのが一点でございます。 それから、信託の関係で申しますれば、信託法及び信託業法におきましてお説のようにいろいろな関係者の法的な関係を規定いたしております。この場合は、基本的に申しますれば、信託を受ける人は善良な管理義務をもってこの信託業務を行うわけでございますが、その際には、果たして一体どのような配当が行われるかについては、まさに善良な管理を行う信託を受ける者との信頼関係にかかっているわけでございます。その点においてこの法律とは体系を異にしているものと考えております。
○工藤(晃)委員 そもそも豊田などで被害に遭った人はお年寄りが多いとか家庭の主婦が多いということで、しかも、この金の取引だとか有価証券の取引だとか極めて複雑な商取引の形態になれていないことから、たとえお年寄りでなくても、私も知っておりますが、結構経済面で活動してきた人でも、全然知らない金取引の世界とか先物の世界とかということになると、ころっと錯覚に陥っちゃってというのが常なので、ましてお年寄りの場合は第一、契約書の意味もよく理解できないということですから、少々書面をどうするとかいったってこれは本当の防止にはならないと思います。だから書面ということでは、私手元に持っておりますけれども、大体ここに書いてあるような書面は豊田商事も三和信託も出しているのです。「すくすく」契約、「みのり」というのはこんないい内容だといって説明して仕事の内容を見せて、契約書には大体そんなこと書いてあるから、こういう書面で何かが防止できるというふうに考えるのは、それはもっと単純な商業の行為だとかそういうことであって、こういう複雑なことになるとなかなか難しいということもあります。そういうことなので、実際にこれまでの被害の実態を踏まえた立法になっていないということを私は強く申し上げたいわけです。 もう一つの点として、例の九条の問題で十四日間のクーリングオフですが、ペナルティーを一五%認めるというのはどういう理由からなんでしょうか。
○松尾(邦)政府委員 第九条におきます一五%の解約の際に支払うべき手数料につきましては、これは一方におきまして消費者の保護から考えますれば、ただに近ければ近いほどよろしいわけでございますが、一方、業者にとりましては法的な安定性という意味において何らかの手当てが必要である。具体的に申しますと、業者が急遽消費者から解除を申し出られた場合には、これに対して一定の資金を市中金融機関から調達して賄わなければならない。そのためのコストのことも考える必要がございましょうし、あるいはまた、通常取引で行われております延滞利息というものの水準も一応参考にすることも必要だろうと思います。いずれにいたしましても、消費者の利益の保護と取引の安定性、そのバランスの上にこの水準を具体的に設定いたしたわけでございます。 なお、恐縮ですがもう一言だけ申し添えさせていただきますと、先ほど御指摘の書面の点につきましては、一つには省令で老人等にも見分けやすいようなものをきめ細かく規定いたしたいと思っておりますし、あわせて、この法律と同時に消費者啓発を特に老人層にもきめ細かく進めてまいることによりまして、御懸念の点がないように十分留意してまいりたいと考えております。
○工藤(晃)委員 さっきの産構審の説明あるいは商工委員会調査室の説明にあっても、お金を預かって高収益を確実にやりますというのは極めて困難でまずまずできない。こんなことできますというのは詐欺に等しいと私は言ったわけですが、そのことも実際上認めていると思うのです。したがって、先ほども非常にリスクが大きいということを言われましたね。リスクが大きいから、リスクが大きいということを当初よくよくお知らせするのだということが一つと、リスクが大きいから、リスクがあるなと思ったらぱっと逃げられるのだ、そういうことを言われたのですけれども、私はこういう形で法律で認めてしまうと、そんなことにはいかないと思います。今度は、この法案が法律になったら、これで認められましたということで堂々として、そんなリスクなんてありっこないですよ、こういう商法がまたはびこります。これははっきりしています。これは商品の先物でも何でもそうです。ですから私はいろいろ疑問を出したわけです。 しかし、時間もなくなってまいりましたのでさっきの一五%の問題について言いますと、これは私こういう経験があるのです。三和信託やりますと最初は割合簡単に返すのです。返すのですが二〇%とか三〇%控除して返す。豊田商事のニュースが高まれば高まるほど解約はふえてそれでも次次と返す。あるところへいったら返さなくなってしまいましたが、それを見て、ああ一カ月か二カ月預けて二〇%取れれば、こんなうまい商売あるだろうかと本当に思いました。今度もそうですよ。十四日といったって十五日で一五%取れるわけでしょう。少し頭を働かして二人の業者がいて、一人の業者が次々とお客をとってくる。もう一人の業者がその契約をしたお客のところへ行って、あの業者は危ないよと言って歩く。途端にそれが十五日目だから一五%取られてしまう。こうやって商売を進めるようなことさえ認めることになりますよ。そうすると年に三六〇%というまさに高利貸しの商売がこの法律によってできるということになってしまう。これだけ見ても大変大きな問題があるわけです。そういうことで私はこの点を指摘します。 最後に、社会党案を出されておりますので、上坂さんに、今までの論議で何か気づかれたことがありましたら一言だけ。
○上坂議員 私は、政府案というのは健全な業界とか健全な会社とかということでそこへ絞って焦点を当てる。そうではなくて、被害者のところに焦点を当てて消費者を本当に保護していくという立場に立たないと、この法律は生きてこないという観点を持っています。その意味で、先ほどから言われているいろいろな信託法であるとか出資法というような問題も、私の方の法案はそれに該当できる法案であるということを自信を持っておりますが、政府案は全然だめだということであります。 最後に指摘されました一五%取るということも、これは新しい悪い業者を育て上げるものにしかなっていないというふうに考えます。こんな法律をどんどん出されたのでは、消費者は全く助からない。これは本当に大変な、だから産構審にしましても先生おっしゃったようにまことに勉強不足、研究不足であると指摘せざるを得ません。同時にそれを受けて立つのですから通産省はなおさら悪い、こういうのが私の結論であります。
○工藤(晃)委員 これをもって終わります。
○野田委員長 次回は、来る二十五日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十七分散会