商工委員会 第2号
- 発言数
- 233 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1986/02/12
会議録
○野田委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。 この際、通商産業大臣から、通商産業の基本施策について所信を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
○渡辺国務大臣 第百四国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し上げます。 第二次世界大戦後、我が国は国民の英知とたゆまざる努力により歴史的にもまれに見る経済成長をなし遂げ、現在では先進国の主要な一員となるに至りました。一億の人口を有する巨大な市場と経済力を持つ我が国は、世界経済に対し、今まで経験したことのない影響力を持つに至ったのであります。他方、このような我が国の経済成長を初めとする第二次世界大戦後の世界の発展の基礎をなしてきた国際システムは大きく変容しつつあります。今後二十一世紀に向けて、我が国としては、我が国の繁栄は世界の平和と繁栄なくしてあり得ないとの基本的認識に立って、国際経済社会の健全な発展と国際システムの円滑な運営に積極的貢献を果たしていかなければなりません。 このような国際的貢献を果たしつつ、我が国経済の活力を維持発展させ、豊かな社会を我々の子孫へと受け継いでいくためには、長寿社会の到来、技術革新と情報化の飛躍的な進展等の変化を先取りし、積極果敢な取り組みを行っていく必要があります。そのような意味において、通商産業行政に課せられた課題は広範多岐にわたっており、私はこれらの政策課題の遂行に全力を挙げて取り組んでまいります。 このような認識のもとに、私が展開しようとしております通商産業政策について以下申し述べたいと存じます。 米国、ヨーロッパ等の主要先進国においては、景気の拡大にもかかわらず、大幅な貿易インバランスの存在もあり、かつてないほど保護主義の高まりが見られ、戦後世界経済の発展を支えてきた自由貿易体制が根底から揺らぐ事態となっております。仮にこのような事態が深刻なものとなれば、我が国の存立がかかっている世界経済の発展基盤を根底から掘り崩すことになりかねません。 私は、次のような点を中心に国際経済摩擦への建設的な対応を図りつつ、さらに国際社会への積極的な貢献を図ってまいります。 第一が、現下の国際経済上の諸課題に対応した適切な通商政策の展開であります。 特に、本年は自由貿易体制を強化し、新たな貿易秩序を形成しようとする新ラウンドの推進にとって重要な年であります。サービス貿易のような新分野の扱いを初め、調整を要する問題もありますが、我が国としては、新ラウンドの準備進展と円滑な交渉開始に向け、積極的なリーダーシップを発揮してまいりたいと考えています。 また、米国、EC等との間の貿易上の諸懸案事項につきましても、相互の協調を基本としつつ、円滑な解決を図ってまいる所存であります。 第二は、世界経済の拡大均衡を通じて貿易摩擦の解決を図るために、内需の振興により我が国の外需依存体質からの脱却を図ることであります。政府といたしましては、昨年十月と十二月に決定をした「内需拡大に関する対策」の着実な実施を図るとともに、円レートの動向をも注視しつつ、機動的な経済運営を行うこととしております。通商産業省といたしましても、内需拡大を図るとともに、二十一世紀に向けて我が国産業社会の活力ある発展を確保するとの観点から、技術革新、国際化、情報化に対応した新産業基盤施設の整備を民間活力を活用しつつ推進していく考えであります。このため、昭和六十一年度からこれら施設に対し特別償却制度等の税制を新たに創設するとともに、事業主体の資金調達を円滑化するための債務保証制度の創設等の諸施策を講じる考えであります。このため所要の法案を今国会に提出をいたします。 また、拡大均衡を通じて貿易摩擦の解消を目指すためには、輸入の抜本的拡大を図らなければなりません。輸入あっての輸出であり、輸入あっての我が国経済の繁栄であります。国民も、また、企業もこのような認識のもとに輸入の拡大に取り組む必要があります。政府としては、これまで輸入品バザールの全国的展開、主要百三十四社に対する輸入拡大要請等各般にわたる施策を講じてきたところでありますが、昭和六十一年度においては、輸入促進のための機械輸入促進税制の創設を初め輸入の拡大に一段と力を入れて取り組む考えてあります。これと同時に、諸外国に対し一層の輸出努力を呼びかけてまいりたいと考えます。 第三は、国際的視野に立った産業政策の展開であります。経済大国となった我が国が、国際社会の中で繁栄を求めていくためには、国際分業の一層の推進、積極的な産業調整政策を初めとして、国際的視野に立った産業政策を進めていくことが肝要であります。 このような産業調整の過程で生じる国内産業への過渡的影響に対しては、これを緩和するため必要な措置を講じることが不可欠であります。 第四に、我が国の技術力、経済力を最大限に活用して世界経済に積極的な貢献を果たすことであります。このため通商産業省としては、発展途上国に対する技術・研究協力を強化するため、昭和六十一年度から新たに発展途上国との間で大型研究協力プロジェクト等を実施するための基本調査を行うこととしております。さらに、先進諸国との間の共同技術開発についても一層その推進を図ってまいります。 今後、我が国が中長期的な活力を維持発展させ、未踏社会に挑戦し国際経済社会への創造的貢献を行っていくためには、発展の基盤をなす技術力の不断の向上を図るとともに、高度情報化社会の実現に向けて情報化の急速な展開を図る必要があります。 私は、技術開発促進のため、昭和六十一年度においては、次の諸点に力を入れたいと考えております。 第一は、昨年十月に発足した基盤技術研究促進センターの運営基盤の強化と事業内容の充実を図り、民間活力の活用による基礎的研究を拡充することであります。このため、昭和六十一年度においては、産業投資特別会計から同センターに対し、二百五億円の出融資を行いたいと考えます。 第二は、将来の成長可能性と波及効果が極めて大きい航空機・宇宙分野での技術開発を促進することであります。航空機の開発は極めて大きなリスクを伴うものであり、従来から国際共同開発を進めてきたところであります。今般、航空機用ジェットエンジンV二五〇〇、民間輸送機YXXの開発の本格化に当たり、必要な資金額が大幅に増加することに対応するため、民間活力を一層活用する方向で開発体制の整備を図ることとし、そのため航空機工業振興法の一部を改正する法律案を提出します。宇宙の分野においては昭和六十一年度から、無重力のような宇宙の特性を利用した無人宇宙実験システムの研究開発に着手いたします。 第三に、エレクトロニクス・情報、新素材、バイオテクノロジー等の諸分野において技術開発を促進してまいります。 第四に、技術開発を側面から支持するため、ペーパーレス計画の着実な推進を中心に工業所有権行政を強化してまいります。 また、昭和六十一年度においても情報化促進のための総合的な施策を引き続き講じる考えであります。高度情報化社会を実現するためには、各分野で情報化を支える人材の育成、ソフトウエアの安定的供給が極めて重要であります。このため情報化促進の中核機関である情報処理振興事業協会におけるソフトウエアの開発と普及を強力に推進することとし、そのため情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたします。 中小企業は、機動性、創造性等その特色を生かして多様な需要分野において活躍しており、国民の価値観の多様化、ニーズの多角化の中でますますその活動の領域を広げております。我が国経済の活力の源泉は意欲ある中小企業にあるのであり、また我が国社会の安定は中小企業によって支えられていると申しても過言ではありません。現在、中小企業には国際化、情報化、技術革新等の厳しい環境変化の波が打ち寄せておりますが、私は中小企業がこのような変化に積極的に対応していけるよう、各般の施策の充実を図ってまいります。 第一は、国際的な環境変化への対応であります。最近の急激な円高は産地中小企業を中心に深刻な影響を及ぼしており、政府としては昨年末、金融措置を主体とする中小企業特別調整対策を実施し、経営危機回避のための緊急措置を講じているところであります。これに加え、既に今国会に特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案を提出いたしました。同法案は、近年の構造的環境変化に対応して中小企業者が行う事業転換を円滑化するための措置を講じ、あわせて、最近の国際経済事情の急激な変化により事業活動に支障を生じている中小企業者の経営安定を図るための措置を講じようとするものであります。事態の緊急性に照らし、何とぞ同法案の速やかな御審議をお願いするものであります。 第二に、情報化、技術革新の進展への対応であります。中小企業が我が国経済社会の情報化の進展に円滑に対応できるよう、中小企業に対する診断・指導の充実、中小企業設備近代化資金の貸付事業の拡充等総合的な施策を講じてまいることとしており、このため中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案を提出いたします。技術開発に関しては、六十年度に制定された中小企業技術開発促進臨時措置法の活用を図るとともに、昭和六十一年度においては、技術パイオニア養成事業を創設し、また、中小企業新技術体化投資促進税制を拡充・延長する方針であります。 第三は、中小企業の経営基盤の安定であります。中小企業の信用力や取引条件面等での不利を是正するため、金融税制面での対策や倒産防止対策、下請企業対策、官公需対策、組織化対策等を積極的に推進してまいります。 第四は、小規模企業対策の拡充、中小商業・サービス業対策の推進、地域とともに歩む中小企業の育成であります。具体的には、経営改善普及事業を充実するとともに、コミュニティーマート構想の一層の推進を図り、また、中小小売業と消費者とのつながりを強めるため、いろいろな催し事の開催を初めとする消費者関連事業を昭和六十一年度から始めます。さらに、地場産業の振興を図ってまいります。 最近のエネルギー情勢を見ますと、国際石油価格は、石油需要の減少とOPEC及び非OPEC諸国の増産圧力という需給緩和状況に、ヨーロッパ諸国の暖冬という一時的要因も加わって、スポット物を中心に相当の値下がりをしております。このような石油情勢の緩和は、第一次石油危機以降の石油消費国の官民挙げての努力のたまものであり、基本的には歓迎すべきものであると考えます。しかしながら、石油資源は有限であり、需給緩和のゆえに仮にここでエネルギー構造変革への努力を後退させるようなことがあれば、遠くない将来に再びエネルギー危機を招く可能性がないとは申せません。そのような認識に立って、安定供給の確保を基本とし、経済性の観点にも配慮しつつ、総合的な資源エネルギー政策を着実に推進していくこととしております。 そのため、具体的には、まず第一に石油の安定供給基盤の整備を図ってまいります。昭和六十三年度三千万キロリットル達成に向けて国家備蓄の積み増しを行う等、石油備蓄政策を推進するとともに、石油の自主開発を推進してまいります。現在、石油の安定供給の担い手である石油産業においては、石油需要低迷の中で設備の過剰が深刻化しており、さらに、本年一月からガソリンの輸入が開始されたことに見られるように、国際化への積極的な対応が必要となっております。このため、過剰設備処理を初めとする石油産業の構造改善努力に対し必要な支援を行い、揮発油販売業の近代化の推進を図ってまいります。 第二に、石油代替エネルギーの開発・導入を引き続き強力に推進してまいります。安全性の確保に万全を期しつつ、原子力発電を推進するとともに、青森県における核燃料サイクル三施設の建設を着実に進めます。石炭につきましては、現在石炭鉱業審議会において本年夏ごろを目途に、第八次石炭政策のあり方について検討が行われておりますが、これを踏まえ内外炭価格差の拡大等新たな情勢に応じた石炭政策を樹立したいと考えています。 第三に、省エネルギーの推進であります。省エネルギーはいわば最も安定的な純国産エネルギーであり、エネルギー需給緩和の中にあってもそれへの努力を怠ってはなりません。 なお、エネルギー構造の改善を進めるため、昭和六十一年度からエネルギー基盤高度化設備投資促進税制を創設する方針であります。 第四に、最近の急激な環境変化に対処し、国内鉱業の経営安定を図るための対策を講ずるとともに、レアメタルについて備蓄を初めとする総合対策を着実に推進してまいります。 技術革新、情報化の進展を中心とする現代社会の変革に対応した新たな産業立地政策の展開を図るため、本年秋に策定が予想される第四次全国総合開発計画との関係を十分とりつつ、昭和七十五年を目標とした新工業再配置計画及び新工業用水長期需給計画を策定することとしております。技術を中核とした地域経済の振興を図るため、テクノポリス母都市機能の強化等によりテクノポリス建設の促進を図ってまいります。さらに、工業の健全な発展と地盤沈下の防止を図るため、引き続き工業用水道の建設を促進してまいります。 消費者保護に関しては、割賦販売法、訪問販売法の厳正な運用、きめ細かな消費者相談及び情報提供、業界の取引適正化努力への支援を引き続き行ってまいります。特に、豊田商事に代表されるいわゆる現物まがい商法の被害の防止策については、法制度の整備も含め現在鋭意検討中であり、適切な対応をしてまいります。 また、昭和四十八年にPCB及びPCB類似の化学物質による環境の汚染を未然に防止することを目的として制定された化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律を、その後の内外環境の変化に対応して安全確保対策の一層の充実を図り、国際的に調和のとれたものとすべく見直しを行うこととしており、同法の一部改正案を提出します。 さらに、より豊かで快適な生活環境を実現するため、集合住宅の耐久性、居住性の向上をねらいとする二十一世紀マンション計画など住宅施策の推進、繊維産業の構造改善を初め生活産業の新たな展開を図ってまいります。 行政改革は、国の基本にかかわる重大な仕事であります。昭和五十八年の臨時行政調査会最終答申で、製品安全協会、高圧ガス保安協会、日本電気計器検定所及び中小企業投資育成株式会社の民間法人化を行うべきことがうたわれておりますが、これを実行に移すため、今国会に消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案を提出します。同法案においては、電源開発株式会社の活性化のための諸方策等についても措置することとしております。 我が国は、いろいろな意味において、今や大きな転換点に差しかかっております。資源に乏しいという弱点を国民の知恵と努力により逆に利点と化し、二度にわたる石油危機をも見事に乗り越え、今日ではたぐいまれな活力にあふれる経済大国となりました。しかし、経済規模の拡大が余りにも急激であったこともあってか、我々は我々がこの世界においてどのような位置に置かれているのか、必ずしも十分に理解していない嫌いがあります。資源の乏しい我が国は、その繁栄を世界の中に求めていく以外にないのであります。 これまで、我が国は経済繁栄をてことして、世界に冠たる長寿社会を築いてまいりましたが、さらに密度の高い、二十一世紀の長寿社会を迎えようとしております。しかし、長寿社会は、一般的に維持にコストのかかる、しかも、経済的活力の低い社会になりがちであります。 したがって、この長寿社会を豊かに維持し、さらに発展させていくことは、決して容易なものではありません。栄枯盛衰はこの世の習いで、国家の繁栄も永久に続くことは過去の人類の歴史にありませんでした。人間の寿命が、栄養、運動、休養のバランスによって、その長短が定められるごとく、国家の繁栄も創意工夫と努力によって新陳代謝が活発になり、相当程度長い年月の持続が可能であると思います。 それこそは、まさに今、前述した主要項目を一つ一つ着実に実行していく以外にはありません。それこそ二十一世紀にこの繁栄を引き継いでいかねばならぬ我々の義務であります。 本日、このような基本的な認識のもとに私の所信の一端を申し述べました。 私は、国民各位の御理解と御協力のもとに、通商産業行政の遂行に全力を挙げて取り組んでまいります。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○野田委員長 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信を聴取いたします。平泉経済企画庁長官。
○平泉国務大臣 先般、私、経済企画庁長官に就任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。 我が国経済は、戦後の復興、高度成長を実現した後、石油危機とインフレの十年という調整過程を経て、今、新しい情報・通信技術の進展、消費のサービス化、国境を越えた経済活動の展開に代表される新しい成長の時代を迎えつつあります。 内外経済の現状を見ますと、世界経済は、アメリカ経済の拡大速度が一昨年半ば以降鈍化したものの、総じて緩やかな成長を続けております。 こうした中で、我が国経済も、物価の安定が続く中で、昭和五十八年春以降、景気は上昇を続けてきました。最近は、景気動向にはばらつきが見られるものの、全体として緩やかな拡大を続けております。 しかし、現在の世界経済には、アメリカの財政赤字と経常収支の赤字の拡大、EC諸国等における高失業の継続、我が国の多年にわたる財政赤字と経常収支の大幅な黒字、発展途上国の累積債務問題、一次産品価格の低迷等、種々の困難な問題が存在しております、 このような内外経済情勢のもと、政府は、特に次の諸点を基本として、今後の経済運営に努めてまいりたいと考えております。 まず、第一の柱は、内需を中心とした経済の持続的成長を図るとともに、雇用の改善を図ることであります。 政府は、昨年十月の「内需拡大に関する対策」の決定に引き続いて、昨年末、予算・税制に係る「内需拡大に関する対策」を決定したところであります。すなわち、財政投融資等の活用により、一般公共事業の事業費につき前年度を上回る四・三%増を確保することとしたほか、住宅減税を行い、設備投資促進のための税制上の措置を講ずるとともに、いわゆる大規模プロジェクトの着手等、民間活力の活用を図ることとし、所要の措置を講ずる等を中心として諸施策を行うこととしました。また、本年一月末には、内外の経済情勢を総合勘案し、日本銀行により、公定歩合が〇・五%引き下げられたところであります。 今後、内需振興を図るに当たっては、機動的な経済運営に努める一方、民間活力が最大限発揮されるよう環境整備を行い、設備投資等積極的な民間投資の喚起を促すとともに、特に、国民の住生活及び住環境の整備・改善について、その促進に努めてまいりたいと考えます。 また、金融政策についても、内外経済動向及び国際通貨情勢を注視しつつ、その機動的な運営を図る必要があります。 最近の急速な円高傾向については、その我が国経済に及ぼす効果には、プラスとマイナスとの両面があり、円高の進行の過程で生じる国内経済への影響を十分考慮しつつ、円高のプラスの面が国民全体に及ぶよう適切な経済運営を行ってまいる所存であります。 このような政府の諸施策と民間経済の活力とが相まって、昭和六十一年度の我が国経済は、実質で四・〇%程度の成長を達成するものと見込まれます。 第二の柱は、世界経済の成長と安定への積極的な貢献と一経済摩擦の解消に向けての調和ある対外経済関係の形成であります。 我が国経済の国際的責任の重大化に呼応して、我が国は、世界経済の成長と安定に対して主要な責任を分担すべきであり、また、各国間において経済上の摩擦が激化している現状を深刻に受けとめ、各国と協力し、効果的な対策をとっていく決意であります。 次回の東京での主要国首脳会議においては、世界経済のインフレなき持続的成長を共通の目標とした国際協調が増進されるよう、最大限の努力を払っていく考えであります。 特に、我が国の経常収支の大幅な不均衡については、政府は、昨年四月の「対外経済対策」の決定、七月の「市場アクセス改善のためのアクション・プログラムの骨格」の策定、九月の五カ国蔵相会議に活ける為替レート適正化のための合意、十月及び十二月末の「内需拡大に関する対策」の決定と、切れ目なくあらゆる努力を傾注し、その推進に努めてまいりました。 今後とも、我が国市場の一層の開放、適切な円レートの維持に努めるとともに、内需振興に努めてまいりたいと考えております。 加えて、新たな多角的貿易交渉の開始に向け、率先して着実な準備進展に貢献するとともに、政府開発援助の第三次中期目標に沿い、今後とも、経済協力の一層の拡充と効果的な推進を図ってまいる所存であります。 第三の柱は、国民生活の安定と向上を図ることであります。 最近の我が国の物価動向を見ますと、極めて安定しており、最近の急速な円高傾向が一層の安定に寄与するものと考えております。 政府としては、今後とも物価の動向に細心の注意を払いながら、機動的な政策運営に努めるとともに、公共料金についても、物価及び国民生活への影響と、最近の円高傾向の及ぼす影響をも十分考慮して、厳正に取り扱ってまいりたいと考えております。 さらに、今後、特に、人生八十年時代にふさわしい豊かな長寿社会を築いていくことが重要課題であり、そのための総合的方策を明らかにし、その推進に努めてまいる所存であります。 また、消費者の安全と合理的な選択を確保しつつ、悪質な商取引への対応など消費者取引の適正化に努め、経済社会の変化に適切に対応した消費者保護施策の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、中長期の経済運営については、昨年暮れに、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」についての第二回目の見直し作業を行い、その結果を、経済審議会報告として公表いたしました。同報告は、対外経済摩擦への対応を初めとする一九八〇年代後半の重要な政策課題を、新しい成長の中で解決していくことが必要であるとして、「拡大均衡の下での新しい成長」をうたっております。 こうした新しい成長の動きを一層促進するためには、規制緩和を初め民間活力を最大限発揮させるための環境を整備するとともに、基礎的・先端的分野での創造的技術開発の推進、高度情報社会の建設等を図ることが必要であります。 このようにして新しい成長の成果を、豊かで余裕のある国民生活の形成に結びつけるとともに、さらに、大都市だけでなく地域社会全般にも均てんさせることが肝要であると考えます。 以上、我が国経済の当面する課題と経済運営の基本方向について所信を申し述べました。 現在、技術革新等を牽引力として日本経済の新たな成長と発展を求める期待が高まっており、この過程において、国民生活の一層の充実・向上を図っていくことが、経済運営の基本目標であると考えます。 我が国経済が、その潜在力を最大限発揮させることにより、世界経済の成長と安定に大きく貢献していくことは十分に可能であると確信するものであります。 本委員会の皆様の御支援と御協力を切にお願いする次第であります。(拍手)
○野田委員長 以上で両大臣の所信表明は終わりました。 この際、田原通商産業政務次官、大坪通商産業政務次官並びに熊谷経済企画政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。田原通商産業政務次官。
○田原政府委員 このたび通商産業政務次官を拝命いたしました田原隆でございます。 渡辺大臣を補佐いたしまして、微力ではございますが、大坪政務次官と力を合わせまして、通商産業行政の遂行に全力を挙げてまいる決意でございます。 委員長初め委員各位の格別の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
○野田委員長 大坪通商産業政務次官。
○大坪(健)政府委員 このたび通商産業政務次官を拝命いたしました大坪健一郎でございます。 田原政務次官ともども通商産業政務次官を仰せつかりましたので、渡辺大臣のもと、通商産業行政に全力を傾注してまいりますので、委員長並びに委員各位から一層の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○野田委員長 熊谷経済企画政務次官。
○熊谷政府委員 このたび経済企画政務次官を拝命いたしました熊谷でございます。 皆様方の御指導、御鞭撻を切にお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
○野田委員長 なお、この際申し上げます。 昭和六十一年度通商産業省関係予算及び昭和六十一年度経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。 次に、昭和六十年における公正取引委員会の業務の概略について説明を聴取いたします。高橋公正取引委員会委員長。
○高橋(元)政府委員 昭和六十年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。 昨年の我が国経済は、世界景気の緩やかな拡大、物価の安定等を背景として、全体としては、昭和五十九年に引き続いて拡大を見ることができました。また、技術革新を背景に情報化が進展し、経済のソフト化、サービス化も進行するなど、経済社会の構造変化には著しいものがあります。 このような中で、民間活力が十分に発揮されるような経済環境の整備を行うことがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争の維持、促進により我が国経済の活性化、効率化を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。 特に昨年は、独占禁止法違反事件の迅速な審査に努めるとともに、広報活動等により予防行政を推進いたしました。また、経済社会の構造変化の過程にあって生じる独占禁止政策上の諸問題に積極的に取り組んだほか、下請取引を初めとする中小企業関係の取引の公正化に努めたところであります。 まず、独占禁止法の運用状況について申し上げます。 昭和六十年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は二百七十七件であり、同年中に審査を終了した事件は百八十一件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為の排除等を勧告いたしましたものは九件、法的措置をとるには至りませんでしたが警告を行いましたものは八十九件であります。また、六件四十二事業者に対し、七億六千三十五万円の課徴金の納付を命じました。 次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和六十年中に千九百二十九件の届け出があり、所要の審査を行いました。 事業者団体につきましては、昭和六十年中に成立居等千二百二十四件の届け出がありました。また、事業者団体の活動に関する事前の相談に対しましては適切に回答を行うよう努めるとともに、相談事例を取りまとめて公表することにより違反行為の未然防止を図りました。 国際契約等につきましては、昭和六十年中に四千五百九十三件の届け出があり、不公正な取引方法に該当するおそれのある改良技術に関する制限、競争品の取り扱いの制限等を含むものについてはこれを是正するよう指導いたしました。 独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載の十五業種について実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。 価格の同調的引き上げに関する報告徴収の業務につきましては、昭和六十年中に価格引き上げ理由の報告を求めたものは、インスタントコーヒー及びマヨネーズ・ドレッシング類の計二品目でありました。 次に、経済実態の調査といたしましては、生産・出荷集中度調査、電気通信産業分野に関する調査、メーカーによる輸入総代理店に関する調査等を行いました。また、流通分野においては、訪問販売化粧品、無店舗販売、灯油等についての実態調査に基づき、独占禁止法及び景品表示法上問題のある行為につきまして、所要の改善指導を行いました。 政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、我が国経済における民間の活力を生かし、経済の効率性を高める見地から、引き続きその見直しのための検討を行いました。 独占禁止法上の不況カルテルは、昭和六十年に実施されたものはありませんでした。なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の数は、昭和六十年末現在で四百二十七件となっておりますが、その大半は、中小企業関係のものであります。 国際関係の業務といたしましては、OECD等の国際機関における会議に積極的に参加するとともに、アメリカ、EC等の独占禁止当局との間で意見交換を行うなど、国際的な連携の強化に努めました。 次に、下請法の運用状況について申し上げます。 下請事業者の保護を図るため、違反の事実が認められた二千八十二件について、下請代金の支払い改善等の措置を指導いたしました。特に下請代金の減額につきましては、減額分を下請事業者に返還するよう指導するなど、重点的に取り組みました。また、親事業者及び親事業者団体に対して下請取引の適正化の要請を行うなど法の周知徹底を図り、違反行為の未然防止に努めました。 最後に、景品表示法の運用状況について申し上げます。 まず、同法第三条の規定に基づき、アイスクリーム類及び氷菓業における景品類の提供を制限する告示を制定いたしました。 また、事業者が自主的に規制するための公正競争規約につきましては、愛媛県及び群馬県における食肉の表示に関する規約二件を認定し、昭和六十年末現在における公正競争規約の総数は百二十四件となっております。 昭和六十年中に景品表示法違反の疑いで調査した事件は三千百二十六件であり、このうち、排除命令を行いましたものは十三件、警告により是正させましたものは七百九十九件であります。都道府県の行いました違反事件の処理件数は、昭和六十年一月から九月末までで四千二百十二件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。 以上簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。 今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。(拍手)。
○野田委員長 次に、昭和六十年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要について説明を聴取いたします。大塚公害等調整委員会委員長。
○大塚政府委員 公害等調整委員会が昭和六十年中に行いました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整等土地利用の調整に関する事務につきまして御説明申し上げます。 初めに、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。 これは、各大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定するものでありますが、昭和六十年中に当委員会に係属した事案は十四件であります。これを請求理由別に見ますと、ダム等の施設の保全に関するもの十二件、環境保全に関するもの二件であります。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問等所定の手続をとるとともに、地形、地質、鉱床等の状況及び一般公益の具体的な内容について詳細に検討する等審議を進め、三件について処理を完了いたしました。 第二は、鉱業法、採石法、砂利採取法等に規定する特定の処分に対する不服については、専ら当委員会が審査庁として裁定を行うものでありますが、昭和六十年中に当委員会に係属した事案は四件であります。これらの事案は、鉱業法、採石法等の規定による通商産業局長及び知事の処分に対するものであります。 これらのうち、一件については取り下げられ、残り三件については審理中であります。 第三は、土地収用法等の規定に基づき、収用裁決等に対する不服申し立てについて主務大臣が裁決等を行う場合には、当委員会の意見を聞かなければならないこととされておりますが、昭和六十年中に当委員会で処理をしたものは七件であります。 以上が昭和六十年中に公害等調整委員会が行ってまいりました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整等土地利用の調整に関する事務の概要でございます。 今後ともこれらの事務の処理に当たっては、法の趣旨にのっとり、審理を進めてまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○野田委員長 以上で両委員長の説明は終わりました。 ————◇—————
○野田委員長 次に、内閣提出、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。 ————————————— 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○渡辺国務大臣 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年の中小企業を取り巻く環境は、国際面におきましては、新興工業国等における国際競争力の向上、諸外国の保護主義の高まり等によりその厳しさを増しております。また、国内面においても急速な技術革新、情報化の進展等著しく変化してきております。これらに加えまして、近時の円相場の高騰は、輸出型産地中小企業を中心に極めて大きな影響を与えるとともに、外国製品に関する市場開放の促進とも相まって競合品の輸入を増大させ、中小企業に大きな影響を与えることが予想されます。 政府といたしましては、中小企業が持ち前の活力を発揮し、このような環境変化に積極的に対応していけるよう所要の対策を講ずることにより、我が国経済の国際経済環境と調和のある健全な発展を図っていくことが重要であると認識しております。このような観点から、昨年十二月二日以来、とりあえず、円相場の高騰により大きな影響を受ける中小企業の経営を緊急に安定させるため、特別融資制度を柱とする中小企業特別調整対策を実施し、また、本年に入り特別融資制度の貸付金利を五・五%とする等その充実を図ってまいりました。 しかしながら、さらに、この中小企業の緊急経営安定対策を一層拡充強化して、中小企業の環境変化への対応に時間的余裕を与えるとともに、かかる厳しい環境変化への適応を円滑にするため、中小企業に対する人材の養成等の近代化施策の推進に加え、特に中小企業の事業転換への自主的努力を強力に支援する必要があると判断し、本法案を提案申し上げた次第であります。 次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。 まず、貿易構造その他の経済的事情の著しい変化によって影響を受けている中小企業者を「特定中小企業者」として定義し、かかる「特定中小企業者」に対して事業転換、緊急経営安定等のための対策を講ずることとしております。 第一に事業転換対策であります。特定中小企業者が事業の転換を行おうとする場合または特定中小企業者を構成員とする組合等が構成員の事業転換を円滑化するための事業を行おうとする場合には、それぞれ事業転換計画、事業転換円滑化計画を作成し、都道府県知事の承認を受けることができることとし、かかる承認を受けた特定中小企業者及び組合等に対して金融上及び税制上の措置を講じます。措置の具体的内容は、付保限度額の別枠設定等中小企業信用保険の特例措置、組合等及びその構成員に対する試験研究関連税制の特例措置並びに特定中小企業者に対する事業所税等の特例措置であります。 第二に緊急経営安定対策であります。特定中小企業者が円相場の高騰等最近の貿易事情その他の国際経済に係る事情の急激な変化によって影響を受けている場合には、都道府県知事の認定を受けることができることとし、かかる認定を受けた特定中小企業者に対して、経営を緊急に安定させるため金融上及び税制上の措置を講じます。措置の具体的内容は、中小企業設備近代化資金の償還期間の延長措置、付保限度額の別枠設定等中小企業信用保険の特例措置及び法人税の繰り戻し還付についての特別の措置であります。 このほか、特定中小企業者が国際経済環境等の変化に円滑に適応できるよう、近代化施策の推進、資金の確保、雇用の安定、事業転換等の実施に関する指導及び助言について規定するとともに、特に影響の大きい産地について施策面での配慮を行うこととしております。 なお、現下の国際経済情勢にかんがみ、この法律に基づく措置を実施するに当たっては、国際経済環境等に対し十分配慮することとしております。 以上が、この法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○野田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 この際、暫時休憩いたします。 午後一時二分休憩 ————◇————— 午後六時開議
○野田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤信二君。
○佐藤(信)委員 通産省の方にお聞きしたいと思うのですが、昨年の九月二十二日に先進国蔵相会議、いわゆるG5というものが開かれた。そのときは、当時二百四十円台だった円が一挙にして二百二十円台に突入した。そしてその後円高傾向は強まるばかり、大体現在は百九十円を突破しているということになっております。この円高は産業界、輸出関連、特に中小企業には大打撃を与えて深刻な問題となっていることは言うまでもございません。 そこで、このG5以後いつごろから円高の影響によっていわゆる不況、倒産、休業、こうした兆候があらわれてきたのかということ、いわゆる現状をお聞きしたいと思うのです。そして、ついでにというか、それに対して今日まで通産省当局はどのような対応をしてこられたかということと、あわせて今後の見通しをお聞きしたいと思います。
○木下(博)政府委員 昨年九月のG5以降、急激に円高が進行したわけでございますが、その過程で私どもとしては、特に輸出関連の中小企業産地に直接的な影響が出るのではないかということで、早速十月に入りましてから調査を始めましたところ、十月の中ごろ以降の時点におきまして、円高がどんどん進みますので将来円がどのくらい高くなっていくかわからないというようなことも手伝いまして、輸出契約がなかなか進まないという状況が既にその時点であらわれたわけでございます。そういうことでございますので、私どもは各地の状況を十分把握するとともに、そういうことのために年末に向かって金融情勢等で非常に苦しくなる企業が出てくるおそれもあるということでございますので、そのために万全の措置をとる必要があるだろうというふうに考えたわけでございます。 そういう意味で、特に輸出関連の産地につきましては、十月あるいは十一月、それから十二月から一月にかけてということで三回に分けて調査をやりまして、その調査をやりますたびごとに影響の受け方が大きくなってきているというような状況でございました。そういうことがございますので、十月から十一月にかけまして、中小企業関係の金融機関に対して、円高によって影響を受ける中小企業の方々に対しては融資の面で機動的な運用をするようにというような通達を出したわけでございます。 それと同時に、円高でもう一つ影響を受けます下請中小企業者に対しましてもそれに対する対応策が必要であるということで、通商産業大臣と公正取引委員長の連名で六千社の親企業に対して通達を出す、同時に、十二月に入りましてからは親事業者団体の主要な団体の会長を呼びまして、円高のしわ寄せを下請中小企業に直接寄せないようにというような要請を行ったわけでございます。 それと同時に、円高がどんどん進んでまいりますので、十一月の終わりには、とりあえず年末の緊急対策ということで、関係閣僚会議の決定によりまして、十二月の初めから六・八%の緊急経営安定措置を行うということを実施したわけでございますが、六・八%という金利に対しては中小企業の方々から必ずしも十分な安い金利ではないという声もございましたので、年末の予算折衝におきましてその金利を引き下げることを大蔵省の方と合意いたしまして、その結果、一月二十日にその金利を五・五%まで下げる、下げた上で十二月の初めまでさかのほるというようなことを決定いたしたわけでございます。 ただ、金融面で中小企業金融公庫等の融資の措置をするだけでは必ずしも十分ではございません。と申しますのは、円高によりまして影響を受けております中小企業者の中には、担保力が十分にない企業もあるというようなことがございまして、信用保証の面でも特例措置を設ける必要があるだろうということを考えたわけでございますが、そのためにはどうしても立法措置が要るというようなこともございまして、そのような情勢に基づいて、今後円高等が続いていく場合には事業転換というようなものもあわせて同時に円滑に進むようにする必要があると考えまして、今回の法律を御提案申し上げたという次第でございます。
○佐藤(信)委員 実は、私自身がこの質問をつくらしてもらったのは一昨日。その時点では、東京の為替終わり値が百八十九円九十銭たったのです。一日休みを置いて、きょうの先ほどの夕刊を見たら、きょうの十一時現在で百八十六円二十銭、午前中の終わり値が百八十六円五十銭、こんなにも変わっているのですね。ですから事態がますます悪化しつつあるというか、円高傾向が強まっているということだと思うのです。 この法案そのものをつくられた時点で研究された時点というのは、大体どれくらいの円高ということを想定されてつくられたのですか。また、円高が進んでもこの法案の持っている効果というものは変わらないのかどうか、その点、お聞かせ願いたいと思います。
○広海政府委員 法案を準備していましたころはレートは二百円でございましたが、先ほど申し上げました産地調査でも、これから二百円で続く場合と、それからさらに百九十円ぐらいまで円高になった場合どうかという見通しの調査もあわせてやっておりますが、法案の準備過程では、その時点ではレートはほぼ二百円ぐらいでございましたけれども、さらに円高が進行するということも予想いたしましてこの法案の準備をした次第でございます。
○佐藤(信)委員 先ほど長官の方から大体この法案の目的というものをお聞かせ願いましたが、この法案の中には二つ意味合いがある。言うまでもなく、一つは緊急経営安定対策という緊急的なものと、そしてもう一つは事業転換対策、二つを含んでいるわけでございますが、この二つのうちでどちらの方にウエートがかかっている法案と考えていいのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
○木下(博)政府委員 御提案申し上げております法案では、今先生御指摘のように二つの内容があるわけでございますが、私どもといたしましては二つとも非常に重要であると考えておるわけでございます。と申しますのは、今回の円高は必ずしも一時的なものだというふうなことは考えられないわけでございまして、現在の経済、貿易情勢を見ますと、今のような円高の状況が今後もずっと続いていく可能性があるということでございますので、そういうようなことでございますと、むしろそういう定着した円高の情勢を考慮に入れた上で今後の中小企業政策を進めていかなくてはいけないということもございます。それと同時に技術車新等も急速に進んでおりますので、中小企業を取り巻く環境は大きく変わっております。 そういう変わった経済環境のもとにおいて中小企業が今後どうすべきかというようなことの一つの方策として事業転換というものが考えられるわけでございますし、ただ、事業転換を進めるにいたしましても、それまでの間に中小企業者が倒産の危機にさらされることがないよう、金融面等を中心といたしまして緊急的な安定措置が必要であるということで、その緊急経営安定対策というのをもう一つの柱として設けたわけでございます。
○佐藤(信)委員 今の最初の方の緊急経営安定対策という中でお聞きしたいのですが、いわゆる円高基調によって中小企業は大変困窮しているという現実、これを分析すると、一つは直接輸出でもって打撃を受けたということと、もう一つはやはり大手の下請ということで、いわゆる締めつけということで非常に困窮するということ、それから三番目には同じような品質のものが外国から円高によって入ってくる、いわゆる輸入品との競合ということ、この三つの問題が考えられるのです。 それで、この法案そのものはやはり直接の輸出をやっておるものに対してのいわゆる救済策ということだと思うのです。先ほど長官自身も、大手に対しても昨年下請を圧迫しないようにというふうな通達をお出しになったとお聞きしたわけですが、三番目の問題ですが、輸入品との競合についてはどういうふうに対応されるつもりですか。
○木下(博)政府委員 我が国が現在大幅な貿易黒字を出しておるということが世界経済の面から見ても非常に大きな問題になっておりますし、今後貿易立国でいかなくてはならない日本にとっても非常に重要な問題になってきておるわけでございますので、昨年以降、アクションプログラムというようなことによって製品輸入の促進を図ろうというのが我が国の政策の一つの大きな柱になってきておるわけでございます。 そういうようなことで、輸入が今後ふえる可能性があるのに加えまして、最近の円高によりまして特に中小企業産品の中で輸入品が急増するものも出てきておりますし、鉱産物等においてもそういうものが出てきておりますので、そういう輸入関連で、輸入が増大することに伴いまして影響を受ける国内の中小企業者に対する経営安定対策も、輸出産地に対する対策と同じようにそれを講じていく必要があるだろうというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(信)委員 先ほど長官の方からの発言でもって、この円高というものは一時的な問題じゃないんだ、こういうようなお話がございましたが、この円高によって輸出が抑えられるという問題は、これはやはり別問題じゃないだろうか。私はある程度一時的な問題ではないかと思うのです。それは、我が国は輸出を国是として、そして日本経済が躍進してきたわけですが、その背景というのは、価格面もございますが、国時にやはり品質の優秀性ということが挙げられると思うのです。今御指摘のようにさらに新製品の開発だとか製品の高級化を図るということになってくると、輸出そのものもそんなに悲観する材料が多いばかりではない、こう思うのですが、こうした矛盾を一体どういうふうにして解決するかというので、また輸出が伸びれば必ず外国からいろいろな苦情が出る、こういうことですね。 それでこの際、どうしてもやはりこの構造的なものをやりかえるということでは、内需の振興ということに力を入れていく以外には道がないんだろうと思うのですよ。だからこの法律の二番目の事業転換の方ではそういうところがねらいですけれども、事業転換というと別に内需だけではなく、いわゆる国内依存でなくても輸出依存でも事業さえ転換すればいい、こういうことになると思うのですよ。ですからその点をはっきりしていただかないと、こうして事業転換法が成立しても、実際問題としてなかなか転換が難しいと思いますが、いかがお考えですか。
○広海政府委員 円高を含めました今の大きな経済環境の変化のもとで、先ほども申し上げましたように、事業の転換というものも手助けしていこうというのがこの法案の一つのねらいになっているわけでございますが、今輸出しております、この法案の対象として考えております特定中小企業者というものにつきましてこの事業の転換を手助けしていくにいたしましても、今後円のレートが例えば百九十円なら百九十円あるいは二百円なら二百円という事態がずっと続いていくといたしますと、この事業転換というのは輸出に向くものも制限、排除するわけじゃございませんけれども、全体として考えれば、この事業転換を手助けしていきましても、全体としては輸出に向いていく分は減ってくるのではなかろうか、外需に依存して商売するというのは非常に厳しいことになってくるのではないか。そうしますと、やはり内需に向いてくる部分がかなり多くなってくるのではないか、このように考えております。
○佐藤(信)委員 内需振興をしっかりお願いしたいと思います。 時間がございませんので、次の議題に移りたいと思います。 それは、今申したようにこの円高によって輸出関連企業、中小企業が打撃を受けている一方では、いわゆる円高による差益を生じておる企業があると言われております。その代表的なものが電力、ガスということになると思いますが、不確定要素があるにしても、公益事業という会社の性格からいっても、大きな差益を生ずればこれを何か有効な活用というものを考慮する必要があろうかと思うのです。しかし、五十三年のときの差益の還元を直接消費者にしたということで、当時電力としては一世帯に二百七十円四十銭ぐらい料金を下げたのですが、すぐ五十五年には大幅な料金の改定、値上げをしたという苦い経験があるわけです。 そこで、今回の対策についてはこのような点を十分に配慮しながら、国民が納得するような方策が肝要かと思います。そしてまた同時に、円高と同時進行しておるのが原油の値下がりという問題でございますので、この値下げのメリットというものも非常に大きいということで、電力、ガスの差益額についてはいろいろ言われておるわけですが、現時点ではどれぐらいの差益が生じているというふうにお考えでございますか。エネ庁にお聞きしたい。
○山本(幸)政府委員 お答え申し上げます。先生御質問のように、円高につきましても、それから油価の動向につきましても現在動いておる最中でございまして、そういう意味では非常に不透明な情勢でございます。 これにつきましてある一定の想定を置きまして計算いたしますと、まず円高でございますが、これにつきましては、約四十円の円高が一年間続くといたしますと、九電力合計で約五千億円程度の差益が生ずるというふうに計算されるわけでございます。 なお、ガス事業につきましては、大手三社ということで見ますと、大体電力の一〇%程度という差益でございます。 なお、原油につきましては現在の段階では非常に動きが激しい。さらに、原油が下がってもそれが電力なりあるいはガスなりのコストに実際に影響してくるには大変時間がかかります。そういう意味では、今後その動向を見てさらにその影響を算定いたしたいというふうに考えております。
○佐藤(信)委員 今お話しのように、まず現時点では明確な金額というものがなかなか把握できないだろうと思うのです。しかし、四十円下がると四千八百億、大変な金になることが予想できるので、こういうことが予想される以上、前広に対策を考える必要があろうかと思います。 既にこの問題については昨年の臨時国会から今日までいろいろ議論がされているわけでございますが、その意見を集約してみると大体五つぐらいに集約できるのです。一つは、料金制度を見直すのだ、いわゆる料金の値下げをするのだという一般的な話ですね。二番目には、料金の長期安定を図らなければいけない、長期安定を図るためには内部留保の積み立てをしろという意見。三番目には、内需振興のための設備投資の積み増し。これは御存じのように内需振興ということで一応一千億の投資を電力がされるようですが、それをさらに積み増したらどうか、こういう意見。さらには、ほっておいても収益の半分は税金で持っていくのだ、だからやはり税金で持っていかれた方がいいのだ、いわゆる国庫、地方の徴税の確保を図るべきだ。そして五番目には、それよりかやはり特別課税徴収によって今困っている中小企業の対策かODAへ充当するのだ、実はこうした議論が錯綜している状況でございます。 責任官庁である通産省としては、早急かつ具体的な対策の検討に入られていると私は思いますが、これに対してどのように取り組まれていて、そして既に取り組まれているとしたらその基本的な方針というものをお聞かせ願いたいと思います。これは大臣からお願いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは予算委員会などでもいろいろな御意見がございます。ございますが、最初のうちに佐藤議員が話をしたような思想は私、賛成なのです。これはまだ非常に不安定な面がありますということが一つ。しかし、円レートはこの部分については逆戻りをそんなにしないだろう、そういうふうにも思っておりますから、そろそろ何か基本的なものを考えていかなければならぬなというように思っておりまして、今内需振興、内需振興ということはもう各党全部強く言っておられる。これにはだれも異議がない、しかし財源も国にはない、そういう状況下にある。 しかしながら、電気の料金というのは受益者といいますか利用者との関係も密接不可分でございます。そこで考えられることは、差益の一部についてはまず現行料金のひずみといいますか、そういうものを中心に還元するというようなことが優先されるべきじゃないかな。それから次には、課税後の分について、やはり今後の原価の変動ということもあって、この前のようにもう下げたり上げたりなんというようなことは二回繰り返したくない、したがってそれらの内部積み立てということも必要だと思います。それから、今言ったように内需拡大のための設備投資のための積み増しというようなこと、この辺が基本的な物の考え方になると私は思います。 なお、ガス事業につきましては、電気事業との料金制度の違い、これもありますから、そういうものも勘案しながら、電力に準じたような考え方で今後少し勉強をして進めていきたい、具体的問題は今後勉強していきたい、そう思っています。
○佐藤(信)委員 大臣、ありがとうございました。今大臣のおっしゃった基本的な方針は理解いたしますので、そして賛成いたしますからよろしくお願いしますが、さらにこの具体的な検討をこれから進められると思うのです。そのときに、四点ばかり要望させていただきたい、それをお考え願いたいと思います。 一つは、今基本的な話の中でもって現行料金制度のひずみを是正したいのだ、こういうふうに言われましたが、ちょうどオイルショックのときにつくった特別料金制度というものがございます。これは工場の地方分散だとか設備投資について障害をもたらしているというのが現状ですから、当面の景気浮揚、内需の振興の見地からいうと、まずこれを見直していただきたい。 そして二番目には、いわゆる三段階料金というものがございますが、家庭における平均的電力の消費量が増加している現在においては、これも同様に見直していただきたい。 それから三番目には、一方産業界においても電力コストの低減についての要望が大変強いわけですから、この点についても御配慮を願いたい。 そして、先ほど言われた基本的の二番目の方に関して、税引き後の内部留保分に関して、これについては例えば電線の地中化といったようなこと、これは私が言うまでもなく都市の美観の改善というものを図り内需の振興に貢献するということで、中小企業へも均てんするような政策だろうと思います。 ですから、以上四点を具体的な検討の際にぜひともお考え願いたいと思います。いかがですか。
○渡辺国務大臣 今もお話がありましたが、石油が入らないために余り使うなよ、そういうことでブレーキをかけよう、新しいビルをつくったら高く料金を取るとか、そういう制度は、今内需振興でだんだんたくさん民間の施設をつくってくれというときですから、確かにこれは考えなければならない問題点だ。あなたは専門的な立場から具体的に四つ言われましたが、一つの立派な御意見として今後検討する上に十分参考にしてまいりたい、そう思います。
○佐藤(信)委員 今までこうした問題についての検討の時期というかタイミングについては、六十年度の決算が明らかになった段階とか、また六十一年度の収支の見通しが立った段階、こういうふうに言われていたわけでございますが、今のままでいくと、円高がいつどういうふうになるのか、いつ定着するのか、さっぱりわからない。しかし、国民経済への影響は大変深刻だということからいって、この対策を実は速やかに立ててもらいたいと思うのです。また、そうしてもらわなければいけないと思いますが、どのようなタイミングでもって今のおっしゃったようなことの検討というものを進められようとしているのか、このことをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 私は委員会で、決算が終わってそのうちに世の中のこともわかってくるからそのころまでに、こう言ってあるのです。結果的にはそういうようなことになるかもしれませんし、やはり動きを見なければなりません。しかし、内部的な検討は、表へ出す出さぬは別として、それは早いうちに検討は進める準備を、いろいろありますから、そういうふうなことでやっていきたい、そう思っております。
○佐藤(信)委員 どうもありがとうございました。終わります。
○野田委員長 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案について、若干の考え方を述べさせていただきながら質問いたしたいと思います。 まず、この法案の提出過程、そしてこの法案の内容についてでございますが、その基本的な考え方として少し無理のある法案の内容を持っておるんじゃないかと思うのです。というのは、一つは円高による緊急経営安定策でありますし、一つは国際的な競争力の極めて弱い、円高に見舞われようがそうでなかろうが、中小企業の事業転換対策というのはどうしてもその転機にあるのでなかろうかという気がするわけであります。したがいまして、緊急を要する経営安定策というのはあるわけでございますので、きょうもこのような夜を徹しての審議ということになっておるわけでありますが、一方の事業転換対策というのは、私は、緊急は要するものの、やはり今日の中小企業の実態、日本の産業構造の状況、将来に向けての日本の産業構造の転換ということを考えたときに、もっと時間をかけて内容の充実したものをつくり出していく必要があるのでなかろうかと思うのであります。 そこらが、緊急だ緊急だというものの、その最も大事な事業転換のことについて、ただ中小企業者の自主的な努力に対して支援をするとか、あるいは独自企業の転換策について援助を加えるとかということだけに限られておることを非常に残念に思うわけです。したがいまして、これらの内容についてなぜ一緒に一つの法律にして出さざるを得なかったのか、なぜ一つの法律にして出してきたのかということについてお尋ねしたいわけであります。これが一つ。 もう一つは、経営の安定というものが必要ではございますが、それとともに欠かすことができない、事業転換によって余儀なくされる雇用問題。特に産地の場合は産地の雇用によって経済が成り立っている。そういう地域性というものを考えたときに、雇用の安定対策というものが余り重視をされた法案になっておらないような気がするわけであります。 例えば、確かに法案の十五条には雇用の安定等についての内容が具体的に明記されております。しかし、それは産地中小企業対策臨時措置法の第八条そのままをうたっておるだけにすぎないわけです。この一条の目的に、事業転換の必要性、そして緊急経営安定対策の必要性とともに、今日的な中小企業にまつわる雇用安定というものをもう少し重要視するならば、一条の目的の中に雇用安定対策を含めた法律であるということを明記する必要があったのでなかろうか、こういうように思うわけですが、それを二点としてお尋ねいたします。
○木下(博)政府委員 まず第一点の、二つの内容をなぜ一本の法律にしたかという点についての御説明でございますけれども、これは二つの内容が非常に関係が深いということがございまして一本にさせていただいたわけでございます。この法律の目的に書いてございますように、構造的な最近の経済変化、特に中小企業をめぐる情勢は非常に厳しくなっておりますが、そういう構造的変化の中で一番大きな変化が貿易構造の変化ということでございます。例えばアクションプログラム等によりまして製品輸入の拡大を図っていくということも日本経済にとってぜひ必要なことでございますし、また最近の円高は、現在の日本の貿易収支の状況を考えますと、今後今のような状況がずっと続いていく可能性が非常に強いということになりますと、そういう円高の定着を一応所与の条件として私どもは中小企業対策を考えていかなくちゃいけないということもあるわけでございます。 それと同時に、技術革新も非常に早くなっておりますので、そういうようなことに伴って中小企業をめぐる情勢は大きく変わっているというようなところがございますので、そういう面を全部含めまして中小企業の新たな方向づけをやっていく必要があるわけでございます。 そのためには、当然技術開発あるいは設備の近代化、製品の高級化というようなこともやっていかなくちゃいけないわけでございますが、それと同時に、そのような条件下で、中小企業の場合に、今までの仕事をやめてほかの方向へ転換していくという必要性も今後ずっと高まってくるのではないかというような感じがいたしまして、そういうような中小企業がおられます場合には、そういう中小企業の方々をできるだけ支援できるようにしていこうという趣旨で、この事業転換関係の規定を置かせていただいたわけでございます。 ただ、そういうことをやりますためにも、その間において特に円高等の急激な変化で中小企業者の方々で倒産の危機に瀕するような企業もどんどん出てくるわけでございますので、そういう企業に対しては別途緊急経営安定措置が必要だということで、この二つの組み合わせた形で施策を進めるのが、今後のこういう大きな経済変化の時代においてそれらの施策を円滑に進めていくためにぜひ必要だと考えて、一つの法律とさせていただいたわけでございます。 それから雇用の安定の問題についてでございますが、先生御指摘のように十五条におきまして、訓示規定ではございますが、雇用の安定に十分配慮しなくてはいけないという規定がございます。それで、私どもとしては、事業転換なりそういう緊急経営安定措置なりを進める場合において、雇用についても十分配慮するということで考えておるわけでございますので、直接の目的は事業の転換導をスムーズに進めていくことが目的でございますので、目的の規定からは外させていただいております。 ただ、層内の問題を十分重視しなくてはいけないということは全く御指摘のとおりでございまして、例えば事業転換計画をつくるに当たりましても、企業がつくる事業転換計画の内容として、労務に関する事項を入れるということが第三条の二項の四号に入っておるわけでございます。そのようなことを十分配慮した計画を企業がつくることによりまして、その計画を都道府県知事が承認していくということで、雇用問題は十分頭に置きながらこういう事業転換というものを進めていくというふうな形で施策を進めていくのが適当であろうというふうに考えて置いたわけでございまして、決して雇用の安定の問題を軽視しているわけではございません。
○和田(貞)委員 例えば本案の十五条と産地中小企業対策臨時措置法の八条は全く同文である。中小企業事業転換対策臨時措置法、前の、古い事業転換法、この九条には「職業訓練の実施等」ということで、若干本文の内容の一部が書かれております。特定業種関連地域中小企業対策臨時措置法、これには一条の目的に「失業の予防、再就職の促進等の措置と相まってこということが明確にうたわれておるわけです。したがいまして、雇用の問題というものは切り離すことのできない問題であるということで重視をするならば、もちろんこの法律は雇用問題を柱にした法律ではないといたしましても、やはりこの法律自体が雇用の問題については重視をしているのだということを一条に明記してしかるべきでなかったのか、このように思うわけであります。 この法案の作成過程におきまして、中小企業近代化審議会に意見具申を求めておるわけでありますが、この中小企業近代化審議会の委員、あるいは審議会の部会の構成メンバー、あるいはさらに原案を作成する最も重要な小委員会、これには、部会の方には労働代表が構成されておるのですが、肝心かなめの原案中の原案を作成する過程において、小委員会の構成に労働代表が入っておらぬ、こういうところに、この法案が作成過程で今御指摘をしておるようなことになってきておるのでなかろうか、こういうふうに思うわけであります。何もかもすべての小委員会に労働代表を入れるということを私は言っておらないわけでありまして、このように雇用問題は切り離すことのできない大事な措置である、そのための法案であるという以上は、せめてその小委員会の構成に労働代表を入れておったならば、ここで指摘をするようなそういう法案の内容になっておらなかったのでなかろうか、私はこういうふうに思うわけでございますが、その点についてお答え願います。
○木下(博)政府委員 先生御指摘の産地法、あるいは現在までありました事業転換臨時措置法の中で書かれております雇用に関する規定は、今度御提案申し上げておりますこの十五条とほぼ同じような内容でございます。ただ、特定業種関連地域中小企業対策臨時措置法というものでは、目的の中に雇用に関する表現があるのは御指摘のとおりでございます。 ただ、先生御承知のように、この法律はいわゆる構造不況業種につきまして、その不況業種の工場が特定の地域において閉鎖されるというようなときに、その関連の中小企業者の方々に対する対応策を考えていこうということでございまして、そのような場合には、工場の閉鎖や縮小に伴う雇用の減少というものが当然の前提として考えられておったわけでございます。したがいまして、この法律の目的におきましても、「雇用事情が著しく悪化している状況にかんがみ、」「別に講じられる失業の予防、再就職の促進等の措置と相まってこということが書いてあるわけでございまして、当然雇用に悪化があるのが前提の法律であったから、そのような規定が入ったわけでございます。 ところが、私どものこの事業転換法というのは、でき得る限り雇用には影響がない形で中小企業の方々が新しい分野を開拓していくのをできるだけ支援申し上げようというような形で考えておるわけでございますので、そのような意味で、十五条に雇用についての規定を置けば、それを十分頭に入れて政府及び都道府県知事が施策を進めていけば十分であろうというふうに考えていたわけでございます。 それから、中小企業近代化審議会の総合部会におきまして、この事業転換等に伴う国際経済調整措置に関する中間答申を去年の暮れにいただいたわけでございますが、その委員会の中には労働関係の代表の方にも入っていただいております。
○和田(貞)委員 部会には、入っておったけれども、小委員会の構成には入っておらぬわけです。答弁し直してください。
○広海政府委員 小委員会のメンバーにも入っていただいております。この中間答申の中にも、雇用問題につきましてこういう措置をとれということが書いてございます。
○和田(貞)委員 入っておるとしても、私の言うのは、極めて関連の深い地域の、業種の、そういう中小企業の労働代表が入っておらないということを言っておるのでありますから、形式的に入っておるからということでそらさないようにしてもらいたいと思うのであります。私の言っているのは、やはり関係の深い、必要性のある労働代表をこの種の委員会構成にはぜひとも入れるべきだ、済んだことは言いませんが、ぜひともそういう点は今後配慮すべきである、こういうように思います。 〔委員長退席、奥田(幹)委員長代理着席〕 なお、今御答弁いただきましたことにつきましては、雇用問題については非常に甘い考え方を持っておられると思うのです。 今日、例えば非鉄金属の鉱山の場合、円高によりましてほとんどの鉱山が大変なことなんです。しかも一山一事業所というような鉱山、あるいは中小の鉱山というのは、もう既に全国的に十七、八の鉱山に合理化、首切り、現実に生首を切らにゃいかぬという状態になってきておるわけでしょう。産地の中小企業の場合、まさに事業の転換をする能力のない、事業の転換ができない、そういう自助努力を持たない企業がたくさんあるわけです。産地全体が壊滅してしまう、そういうことも予測されるわけですよ。 そういうときに、事業転換が雇用の問題については心配がないように援助するんだというような物の考え方は極めて甘いじゃないですか。過去の、旧事業転換法によりましても、あなたの方が把握しておる数字は、この事業転換の資金を借り求めた数字を二百九十何ぼだと言っておるけれども、そのことさえもできなくて、もう転換どころか倒産している企業というのはその数字を把握してないわけでしょう。それ以上多くの事業転換ができない中小企業が存在しておった。今度の場合も同じことなんです。したがって私は、法文に一たん出したのだからということでそれにこだわることなく、私らの方は修正案を出しておりますが、ぜひとも委員長、事業転換に伴って極めて重要視しなくてはならない雇用の安定の確保の問題については、一条の条文に入れていただくようにひとつ理事会で処理してもらうことをこの際申し上げておきたいと思うわけであります。 時間がありませんので次に進みたいと思うわけでございますが、次に、円高の影響あるいは輸入の拡大に伴うところの影響、あるいは国際的な、国内的な環境の悪化によりまして今日の中小企業というのはどういう状況になっておるかということを考えれば、この法律で事業転換が可能であるというような甘い考え方は出てこないと私は思うわけであります。まず、雇用の問題とともに、いわゆるメーカーの下請単価切り下げ、そういう姿で中小企業に犠牲を押しつけるという、この点についての配慮というものが明確でないわけであります。私はこの機会に企業の名前を出して言いたいわけでありますが、ここで企業の名前を出しますと必ずしっぺ返しがある、そういうことを恐れますので、企業の名前を出さないで二、三の例を列挙したいと思うわけであります。 まず一つの例といたしまして、競争力の強い輸出メーカーが、一部を輸出価格に上乗せをしながら便乗してなお下請に単価の切り下げを押しつけておる、そういう元請企業があります。しかもこれは、単価を切り下げてもらうことに応じないのであれば韓国製のものに切りかえざるを得ない、こういう脅迫じみた物の言い方で単価の切り下げを迫っておる、そういうような例がございます。あるいは輸出がダウンすることによりまして業界の各社が国内向けに力を入れざるを得ない。そうなってまいりますと、国内市場におけるダンピングというのが起こってくるわけでありますが、これも下請に対しまして単価の切り下げを迫っておるというような問題も出てきておるわけであります。あるいは高炉メーカーが国内価格の維持のために、例えば国内ではトン当たり八万円、輸出がトン当たり四万円、アメリカから輸入するのはトン当たり六万円、こういう数字を見ますと、どうもやみカルテルが結ばれておるというような気がしてならないわけであります。 これらにつきまして、公正取引委員会、何とかひとつこの問題についで、私は具体的な企業の名前を出さなかったために具体的に取り組んでもらえないと思うわけでございますが、この点についての対応の仕方をおっしゃってもらいたいと思います。
○利部政府委員 親事業者が、円高を理由として既に決められている下請代金を減額したり、あるいは発注単価を一律に切り下げるというような行為を行うことが予想されるわけでございますが、円高に対応するために必要であるという理由であっても、既に決めている下請代金を減額したり、あるいは発注単価を同種の発注単価に比して著しく低い額に定めるということは、下請法違反行為でございます。こういう行為がないようにということで、公正取引委員会といたしましては、最近の急激な円高に関連いたしましてこういうことが行われることのないよう、通商産業省と共同いたしまして昭和六十年十一月十九日付で親事業者と親事業者の団体に対して要請を行ったところでございます。 その後公正取引委員会は、親事業者団体がこの要請に基づいてとった措置の報告を求めるとともに、円高移行に伴う下請取引の実情を把握するために、ことしの一月、資本金三千万以上の製造業者のうち四千四百社以上でございますが、これに対して特別調査票を発送いたしまして実態の把握に努めております。また同時に、これらの親事業者と取引している下請事業者のうち約三万社を対象にいたしまして、円高に関連して下請代金の引き下げや減額等の不当な行為が行われていないかどうかを調査するために、下請事業者から直接アンケート調査をやりまして、実態の把握をすることとしております。さらにその後も残りの親事業者、約五千社以上の親事業者とその取引先下請事業者に対して何様な調査を行って実態の把握をするつもりでございます。 それからまた、こういう下請法違反、下請事業者の利益を不当に害する行為を未然に防止することが肝要であるというふうに考えまして、親事業者団体を通じて下請法を遵守するようマニュアルをつくる等の行為を要請しておりますし、特に輸出関連産業のうちで電子機械分野では、そういう措置をとって自粛に努めておるところでございます。 このように、公正取引委員会では、円高に関連いたしまして下請法に違反する行為が生じて下請事業者が不利益を受けないよう下請法による指導の強化を図っておりますし、さらに具体的にこういう行為に接した場合には、法の規定に従い厳正に対処するつもりでございます。 先ほど先生御指摘の、なかなか具体的な個別企業に関する実態が出てこないおそれがあるではないかということでございますが、確かに下請関係にそういう懸念がございますので、公正取引委員会といたしましては、下請事業者の申し出があればもちろんですが、申し出がない場合でもそういう申し出がしやすいように、円高で悪影響、不利な影響を受けるおそれのある業種にねらいをつけて、実態の把握に努め所要の措置をとるつもりでございます。
○和田(貞)委員 残念ながらこの企業の名前を言えないわけでございますが、業種別の業界をこの際挙げておきますから、ひとつ参考にしてやってもらいたいと思うのです。 今挙げましたのは一つの例でありますが、ある機械メーカーが減速機を納入しておる。その減速機を納入するメーカーに対しまして一五%の単価切り下げを示してきておるわけです。申し上げましたように、それが不可能であるならば韓国製の減速機に切りかえるというように脅迫してきているわけですね。納入している減速機の中小メーカーも、これは何とか単価の切り下げに応じなければならないだろうなというように弱腰になっておるのであります。しかし、韓国製の歯車というのはもともと日本の方から技術を輸出したわけでありますので、この韓国製の歯車は性能、品質、日本と同じものが製作されておるわけなんですね。そうすると、この納入メーカーは今後歯車を使うのに韓国物を使わざるを得ない、こういうような状況になるということを言っておるのですが、そうなってまいりますと、歯車業界というのはたちどころに壊滅してしまう、こういう状態になりかねないわけなんです。その点を一つ申し上げておきたいと思うのです。 もう一つは伸線の二次加工メーカーです。伸線の二次加工業界は、やはり輸出がダウンいたしておりますのでどうしても国内向けにしていかなければならぬ。国内向けにしてまいりますと、どうしてもダンピングの中で下請にしわ寄せがあるということでありますので、この線材の二次加工業界、これも一つの例として参考に申し上げておきますので、ひとつ厳重に対処をしてもらうようにつけ加えておきたいと思うわけであります。それはどうですか。
○利部政府委員 ただいま御指摘の問題、御指摘の業種を十分念頭に入れた上で、実態の把握、調査をして所要の措置をとりたいと考えます。
○和田(貞)委員 このように雇用問題、下請問題というのは大変なことなんです。申し上げたように、事業転換ができるところはまだしも、できないところに対して一体どうするかということが全然言われておらないわけなんですね。あくまでも個別の企業に対して事業転換の支援を行う、あるいは中小企業の事業転換への自主的な努力に対して支援をする必要がある、だからこの法案を出してきたんだ、こういうふうに明記しているわけですね。自主的努力でどうにもできないところがたくさん存在しているわけです。 特に産地です。どうにもこうにもならぬです。もともと産地というのはその地場産業である中小企業が支えておるのです。その地域の企業が全滅して、そしてこれから先に見通しのある、国際競争力の強い親企業なら親企業、大メーカーがあるならば、それに対応した事情転換の指導というものもあなたの方はやっていけると思うのです。それもないのです。したがって、事業転換というのはやはり企業に任じて、企業の自主的な努力によって事業転換をさしていくということだけじゃなくて、そのことができる企業はそれでいいといたしましても、できないところについては、政府がそのために都道府県と協力して事業転換ができるような政策というものを打ち出して対処していく、こういうことがなければ、法律ができても事業転換ができない危惧があるわけです。そういう点について、せっかく新通商産業大臣がおられるわけでございますので、先ほど所信表明を十分お聞きいたしました、中小企業の問題については誠心誠意やると。いう決意をお聞かせいただきました。今申し上げましたような実態に即応した対応というものについて、大臣としてひとつ考え方を述べてもらいたいと思います。
○渡辺国務大臣 なかなか口で言うほど簡単に事業転換はできませんよ。しかしながら、何らか生きる道を探していかなければならぬわけですから、我々といたしましては、将来の事業の見通しとか転換先の分野、需要の動向とか技術の問題とかいろいろなことについて助言をしたり情報を与えたり、それで極力できるものについては事業の転換を進める。中にはそんなことをしてまで事業を転換しても仕方がないから廃業してしまいたいという人もあるかもしらぬ。これはやはり自由経済の社会でございまして、一つ一つの企業が最終的には自己の責任において決めることでございますので、これもそれぞれの企業の選ぶ道しかないわけであります。このような国難で、日本はもっと国際分業化をしなさい、日本が将来栄える道にとってそれ以外ないというような大きなことになってまいりますと、確かに一部のそういうような苦しい状態の場面が想像される、私はそう思っております。 それにつきましては、やはり労働省等ともよく連絡をとりながら、問題はそこの従業員の問題、一番大事なのは転職をしなければならぬという問題ですから、そういう方の企業訓練あるいは保険、失業保険とかそういうようなもの等も含めて失業者がふえないように政府全体としても万全の措置をとってまいりたい、そう思っております。
○和田(貞)委員 大臣、一般的な答弁としてはそれでいいわけなんですが、産地全体が事業転換するにもどうにもこうにもできないという地域、しかも産地の中小企業の労働者というのは極めて高齢者が多いわけです。そういうこともある。また、転換をする職種が見つからない、業種が見つからない、あるいは企業が倒産をいたしまして他に就職を求める場所さえもない、こういうようなことになってまいりましたら、その産地の地域というのはもう暗やみですよ。今大臣が言われたようなことにならないわけなんです。 だから、やはり企業ですから企業の自助努力によって事業転換をやる、それに政府が支援をする。できるところはいいわけです。できないところについては、例えば国が都道府県と協力してその地域に先端技術の将来性のある、国際競争力のある企業を配置する、そういう政策を出して努力するということがなければ具体にならないわけなんですよ。そのことを私は言っているわけなんです。おわかりいただけますか。
○渡辺国務大臣 ですから、極力できるように、どうすればできるのか、その地域性それからその企業体の能力、意思、そういうようなものをいろいろお聞きをした上で府県と一緒になってやりましょうということを我々言っておるのでありまして、どうしてもできないという場合は、それはないとは限らないと思いますよ、他の業種だっていっぱいあるわけですから。例えば農業の場合でも、八郎潟、あれほどの干拓事業をやってお米をつくってもらうと始まった。ところがこういう時代になって、米過剰になった。だから減反をしてください。ところが何をやるんだ。米づくり以外は考えたこともないし、今さらやりようもないという場面もそれはあるわけですよ。ですから、それはそうおっしゃられてもこれも仕方がないことである。ですから、やはり我々はできるだけ別な道をお勧めをしたりなんかしますけれども、できないという場合が全くないということは私は考えられない。あるかもしれません。まことに残念なことではありますが、その場合には個々の従業員がやはり再訓練を受けるあるいは失業保険を受ける、他に就職のあっせんをする、こういうようなことで、社会保障の問題とも絡んだことで、それは我々はできるだけ手を尽くしていくということ以外にはないのじゃないか。 だから、完全に全部を転換を義務づけて政府にやらせろと言われましても、これも自由経済のことで、自由な企業がそれぞれの道を選んでやってきたわけでありますから、それはもう完全に全部を転換をさせるんだと言っても、これも私は理屈としてはわかりますが、極力努力はするが一〇〇%転換させられるのかと言われても、そこまでの保証はしかねるかもしれません。しかし、最大限の努力は誠心誠意やっていきたいということを申し上げているわけであります。
○和田(貞)委員 例えば大臣、私の選挙区、大阪の泉州海岸ですね。関西国際空港が、まだ漁業補償はできておりませんが、いずれはできる。いわば日本一の新しい情報源ができるわけです。この泉州路というのは綿、タオル、毛布、線材あるいはワイヤロープというようなそういう産地なんです。そこには将来性のある先端技術企業というのは見つからないわけなんですね。 何やらポリス、かにやらポリスということで自治体が企業を誘致することができる可能性のある地域もこれはあります。私も一昨年だったですか、大分の方にも寄せていただいたし熊本の方にも寄せていただいたわけですが、何と飛行場の近くに坪単価で四万円、五万円の土地がある。県が誘致をするということは可能なんですね。ところが、例えば今私が言っておるような大阪というようなところは、そんな安く土地を求めようと思ってもないわけなんです。それをその自治体で、絵としてはつくっております。絵としてはつくっておりますけれども、絵にかいたもちに近いわけなんです。 そういう場合にやはり、後から同僚の渡辺議員もこのことについてはもっと明確に議論をすると思いますけれども、例えばこの今回の法律では、特定商工組合に対しまして組合として国が八百万、県が八百万の助成措置をやって、そして云々ということが計画されておるんですが、それもそれです。しかし、もっと産地を抱えておる県に対しましては、国と県が力こぶを入れた事業団なら事業団というものをやはりつくって、そしてその事業団でノーハウを提供するなり、あるいは転職、転業を可能にしていくような具体な指導をやっていくというようなことも考えられてしかるべきじゃなかろうかということを私は言っているわけです。そういう政策を裏づけた事業転換政策でなければ、中小企業が、特に今日置かれている中小企業は事業転換をするにも力がないという中小企業の方が多いわけでございますので、あえてその点を指摘して質問をさせていただいたわけなんです。
○木下(博)政府委員 ただいま大臣の御答弁にもありましたように、事業転換というものがそうたやすくできるということは私ども全く考えておりません。過去の何十年もの間一つの事業をやっていた方が、急に新しいところにかわっていくといってもなかなか難しいし、またそこで働いておられる方々が新しい仕事を身につけるというまでにも大変に時間がかかる問題でございまして、大変に難しい問題でございます。過去におきましても、事業転換がそういう意味で、言うはやすく行うほかたしということでなかなか順調に進まなかったという例は、確かにおっしゃるとおりございます。 ただ、日本をめぐる経済情勢が大きく変わっておる状況下で、過去の企業の姿勢のままで事業を続けていくということは実際上難しくなっているという面が非常にふえておるわけでございまして、そういう企業に対しては、私ども中小企業施策を進めていく上におきましていろいろ持っております政策ツール、例えば中小企業事業団による高度化融資とかあるいは中小企業大学校における研修というようなもの、すべての施策手段を投入していろいろな形での助成を私どもとしてはやっていきたい。そういうものの裏づけの中で、今先生おっしゃいましたように、事業転換をやろうという企業がおられたらその方々に対してもできる限りの支援をやっていきたいというふうに考えております。 ただ、ひとり中小企業施策のみでは不十分ではないかという御指摘もあろうかと思います。その場合には、通産省におきましても企業の立地政策というようなことでいろいろな施策をとっておりますので、そういう面の施策とも十分協力し合いながら全体の施策を進め、それをバックにして私どもはこういう施策を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○和田(貞)委員 ぜひともひとつ政府自体のそういう企業の立地政策を含めて事業転換に向けて積極的に対処してもらいたいと思います。 ちょっとお尋ねしたいわけなんですが、この法律の施行に伴って対象業種ですね、昨年の二月に低利融資の対象にした業種が五十業種でありますが、この法律施行に当たってこの業種にどの程度の業種がつけ加えられようとしておるのか。今の時点で結構でございますので、お答え願いたいと思います。
○広海政府委員 どの程度の業種がつけ加わるかという点でございますが、業種の指定に当たりましては審議会の意見も聞かなければならないし、それからまた都道府県知事の意見も聞いて決めるということになっております。かつまた、今各種のデータを取りそろえましてせっかく検討中でございますし、そういう手続もございますので、現段階で、幾つぐらいの業種がつけ加わるか、あるいは指定業種の数がどうなるかということは申し上げられないわけでございますけれども、おおよその見通しとしましては、特定中小企業者の方の業種指定でございますけれども、これは現行転換法の業種指定の数が百二十六でございますけれども、大体その数を少し上回ることになるんではないか。 それから、九条の方の国際経済環境の変化に伴う緊急経営安定措置の対象業種でございますけれども、こっちの方につきましては、五十三年当時の円高対策法のときの第一次業種指定の数とそう違わないような数になるだろう、こういう見通しを持っているわけでございます。しかし、これはあくまでも極めてラフな見通してございまして、先ほど申し上げましたようないろいろな検討、それからいろいろな手続を踏みまして業種の数は確定されますので、その点をお含みいただきたいと思います。
○和田(貞)委員 これは結果的にはそういうことにならぬわけでございますが、本来やはり法律案について審議する場合に、例えばこの対象業種というものはこの程度のことを考えておるんだということは出してもらって、そこでこの業種が抜けておるじゃないか、この業種も入れなくちゃならぬじゃないかということを我々が言える立場にしてほしいんですよ。法律ができてから省令や政令であなた方の方で決められる。これじゃ余りに国会の審議権というものを軽視したやり方じゃないかと言われてもいたし方ないと私は思うんです。やはり本来できる限りそういうようなものを出してもらって、そして一緒に審議するということにしてもらいたいと思うわけでございますが、今のところで答弁がその程度のことであるとするならば、ひとつできた政令あるいは省令というものに余りこだわって、これは省令に入っておりません、これは政令に入っておりませんというんじゃなくて、やはり大事な法律であるわけですから、この際柔軟に対処できるように考えてもらいたいということを意見として申し上げておきたいと思うわけであります。 なお、この機会に、先ほどちょっと長官の方からございました三条の二項の四に「事業の転換に伴う労務に関する事項」というのがあるわけですが、これはどの程度の労務に関する事項、どういう内容なのかということがつまびらかでないわけです。私は、この際つけ加えさせていただくならば、この「労務に関する事項」というのは、これは労働組合があるところはやはり労働組合と話し合って、協議をして、そして協定を結んだその協定の写しを添付するとか、あるいは組合がないところは、従業員の半数以上を代表する従業員の皆さんと事業転換について話し合いをして、協議をして協定を結ぶ、その書類をつけるとか、あるいは一つの企業に複数の労働組合があるとするならば、その複数の労働組合すべてと協議をし協定をして、その書類を添付するとかいうようなことがこの「労務に関する事項」だというように私は思うわけなんですが、そういうように解釈していいですか。
○広海政府委員 実際問題としまして、事業転換がうまくいくためには従業員の協力が極めて重要でございます。これは申し上げるまでもないことでございます。したがいまして、経営者と労働者が互いに力を合わせまして、新しい分野でよりよい経営をして働く機会を得る形に持っていくということが極めて大切なわけでございます。こうした意味から、現行事業転換法のもとにおきましても、事業転換計画の承認を都道府県知事が行う場合には、今先生が指摘なさいましたようないろいろな面を含めまして労働者との関係がどうなっているかということをよくチェックしてください、こういうふうに都道府県知事にお願いしているわけでございます。 現行転換法のもとで二百九十二件あったわけでございますけれども、その従業員の方がどうなったかという点をフォローしてみますと、結局従業員の数は減ってございません。転換して今まで以上の、転換前以上の従業員を確保して、それで経営をしておられる、こういう結果も出でございます。今度、本法案におきましても、現行の転換法と同様に、こうした事業転換計画の承認に当たりましては、労働者との協力がどういうふうになっているか、こういう点をよくチェックしてその上で承認を与えるように、こういう指導をしてまいりたいと思っております。 〔奥田(幹)委員長代理退席、委員長着席〕
○和田(貞)委員 申し上げたような意見が生かされるように、なお都道府県に指導してもらいたいと思います。 中小企業の皆さんは極めて急激な円高によって参ってしまっておるのですね。しかもその中小企業の皆さんが異口同音に、今回のこの円高は政府の介入によっての円高である以上は、政府が責任を持って被害者である中小企業に対して責任のある対策を講じてほしい、こういうように言っているわけなんです。 そこで、為替レートの安定というのはどの業種も非常に望んでおるわけです。大蔵省としては大体幾らぐらいの為替レートが適正だというように考えておられるのか、あるいは幾らぐらいで為替レートの安定を望んで、これまた介入をしてでも安定させようとしておられるのかどうか、お答え願いたいと思います。
○金子説明員 円高の水準が一体どういう水準にあれば適正か、それから相場を安定させるためにどういうふうな段階で介入をするのかという御質問でございますが、確かに昨年の九月のG5会合以降かなりのドル高是正が進展しておりまして、確かに昨年の九月のG5におきましては、為替相場が各国の経済のファンダメンタルズをよりよく反映することが望ましいということ、それから、できれば秩序あるなだらかなドル安が望ましいという合意ができまして、それに伴って各種の政策協調を行いますとともに、協調介入を含めまして協力をすることとしたところでございます。 本年一月、ロンドンで同じくG5の会合が行われまして、その会合で昨年の九月以降の為替相場の進展というものをレビューしたわけですが、そこで、それまでの為替相場を含む進展は満足すべきものである、そしてそのような進展の成果を無にしないようにというのが合意されたところでございます。ただ、それはあくまでも一般論でございまして、特にどのような水準が望ましいか、そういうことを念頭に置いて考えたものではございませんで、最近の為替相場につきましても、どちらかと申しますと市場の実勢を反映いたしました、市場の自律的な動きを反映したもの、そういうものになっておるわけでございます。したがいまして、一体どういう相場が望ましいかということを特に念頭に置いているわけではございませんで、また、事実私たちがどういう相場が望ましいと言うこと自体為替市場にいろいろな思惑を呼び、影響がございますので、そのようなことを述べるのは適当ではないのではないかと考えておるところでございます。 ただ、先生御指摘のとおり、為替相場というのは基本的に安定した方が望ましいということも私たち重々わかっておるわけであります。ただ、一般的に申しますと、為替相場というのはやはり為替市場が決めると言わざるを得ないわけでございまして、介入につきましては、もちろん基本的には為替市場が無秩序な状態になる、あるいは各国が有用であるというような合意ができますれば適時適切に介入する、こういう基本方針は変わらないわけでございますけれども、一体どのような相場水準になれば、あるいは現在入るか入らないかあるいは将来どうするのかというようなことにつきましては、やはり為替市場への影響もありますので、御答弁を差し控えたいと思います。
○和田(貞)委員 業種によって異なりますが、中小企業の皆さんの約六〇%までが大体二百二十円ぐらいで安定してほしいなという希望を持っておるわけですね。しかし、それはとっくに過ぎ去ってしまっておるわけです。ひとつ中小企業のために、いわば中小企業がそんな悪いことをしたのかといったら、何の悪いこともしてないのですね。悪いことをしておらない中小企業が大きな犠牲を強いられているわけですから、これは中小企業の立場に立って、適当な時期に中小企業の望みをかなえるような介入もやはり考えてもらいたいものだということを意見として申し上げておきたいと思います。 総理がおられませんので、通産大臣おられるのですが、将来総理大臣になってもらわないといかぬですが、昨年政府が先ほども言われておったアクションプログラムを決定されて、そして輸入拡大に努力されたわけなんですね。そして、中曽根総理は国民一人当たり百ドルの外国製品を買おうというように呼びかけたわけですね。当時たしか百ドル二万五千円でしたね。通産大臣、どの程度外国製品を買われたかわかりませんが、我々国民は今もなお二方五千円の外国製品を買うようにしむけられているのか、あるいは一万九千円を割ったもので外国製品を買い求めよというように呼びかけておられるのか、それはどちらですか。
○渡辺国務大臣 総理大臣が外国製品を買いましょうと言ったのは政治の姿勢を示したものだ、こう御理解いただいて結構でございます。 私なども四極会議や何かに参りましても、誤解に基づいた摩擦というのもかなりあるのですよ。日本人は今でも上から下まで愛国心がいっぱいで、国産品愛用運動でもやっておるのじゃないかというくらいに思っておる人がかなりいることも事実。したがって、総理大臣としては、そんなことはありませんよ、私が先頭を切って国民に外国製品を愛用しましょうということを言っているのですということを私はお答えをしました。そんな国はないわけです。日本は決して閉鎖的でなくて、総理大臣が外国で外国の物を買いましょうなんという、サッチャーさんにしたってミッテランさんにしたって、そんなことを言っている人はない。だから日本はもう決して閉鎖的じゃないのです、それを示そうという政治の姿勢だ、こう思ってもらえば結構であります。
○和田(貞)委員 円高によって国民が生活の上に潤いを来すのではなかろうかという一面の期待を持った面もあるわけなんです。ところが、輸入食料品だとか洋酒だとか外国たばこだとか革製品だとかセーター類だとか、牛肉もそのとおりですが、国民の皆さんは期待外れなんですね。 経済企画庁、この円高によっての国民生活へのメリットはないわけなんですが、輸入品は一体どれだけ値下げしているのですか。
○吉川説明員 お答えいたします。 輸入品が値下がりいたしました場合の卸売物価なり消費者物価への影響につきましては、私ども過去の円高時期の経験によりまして判断するほかないわけでございますけれども、国民生活に一番関係の深い最終消費財といった段階で申しますと、例えば五十三年などの場合には、やはり輸入原料ベースでの値下がりがありましてから三・四半期程度の時間がかかっております。ただ、その間実際に輸入品の定価がどのように流通経路を経まして最終消費段階の値下がりにつながっていくか、それにつきましては十分監視してきておったところでございます。 したがいまして、私所管ではございませんけれども、先週も物価関係の各省の担当の方に集まっていただきまして、今後その辺の輸入関連商品の値下がりのぐあいにつきまして追跡調査をやってまいりたい、こういうことを考えておるところでございます。
○和田(貞)委員 時間がありませんので、ひとつしっかりやってもらいたい。円高によって損するだけ、それによって国民生活に得するものは得するもので見つけ出してもらって与えてもらわないと、一体政府は何しておるのだ、こういうことですから、ひとつ頑張ってほしいと思う。 時間が参りましたので一括して申し上げて、お答え願いたいと思うのです。 通産大臣の諮問機関である産業構造審議会、この総合部会の企画小委員会が二月六日に中間報告を発表されておるわけです。これによりますと、海外に対して直接投資の拡大を図っていかなくちゃならぬ、あるいは製品輸入の拡大を図っていかなくてはならぬ、そしておわせて日本も国際的な水平分業化を目指していかなくてはいかぬ、こういうようにうたっているわけですね。それに伴うところの系列下請企業あるいは部品メーカー等の中小企業、産地の中小企業というのは、先ほども若干触れさせていただいたわけでありますが、そのことによってもこれは大変なことになっていくということが予測されるわけです。経済同友会の方もあるいは日経連の方も、これに似通った報告とか提言をしておることも事実であるわけなのです。 そういうことを考えましたときに、今日中小企業の置かれている実情というものを考えると、経済企画庁のことしの経済見通しというのは非常に甘い見通しを立てておられるわけですね。内需によって経済見通しをよくするのだ、五・一%、実質四%にということを上げて予算も組んでいるわけですね。 ところが、この内需の拡大策というのは、私はどうも見つからないわけなのです。例えばことしの公務員の賃上げの原資がゼロ。大蔵当局がいつか、ことしは人事院の勧告の手間取りをしてもらわなくても公務員の給与改定はできるのだというようなことを言われたのを新聞で見ました。それは民間企業の賃金が五%以上に上昇しなければ勧告の必要性がないということは、ひいてはこの春の民間の賃上げを五%以内に抑えようとかかっておるのではないかというようなうがった見方もされるわけなんですね。そういうこととともに、六十一年度の税制改革で所得税が減税がゼロ、法人税の減税もゼロというようなことで、内需刺激策、内需拡大の政策の見通し、経済の見通しというのが私はどうも見つからないわけなのです。 そういうところから、内需拡大ということ、これこそは今日の中小企業を救う道であり、中小企業がいかに事業転換しよう、あるいは経営の安定化を図ろうと思いましても、内需の拡大がない限りにおきましては、これは絵にかいたもちになるかと思うのです。そういう点でひとつ内需拡大のための経済企画庁としての抜本的な対策というものをお聞かせ願いたいと思いますし、あわせて最後に大臣の方から、それらを含めて今後円高あるいは国際、国内的な経済の変動、環境の変化に伴って中小企業が生きていく道、そしてそこに働く労働者の雇用不安を一掃するという考え方の決意を述べていただきまして、質問を終わりたいと思います。
○吉川説明員 現在の景気局面を見ますと、景気は緩やかではございますけれども拡大傾向にございます。確かに輸出の方では高水準ではございますけれども横ばい傾向になっておりますが、その他のいわゆる内需につきましては、なお緩やかな拡大が続いておる段階でございます。景気は、今回の上昇過程でほぼ三年を経過しておりますが、いわば成熟段階といった段階で、なお拡大傾向というふうに私どもはとらえておるところでございます。しかしながら、昨年末の円高その他需要の今後の先行きにつきまして懸念材料はないわけではないという観点から、去年の十月にも内需拡大策を実施し、そして年末には予算、税制関係で措置をしたところでございます。 いわば第二弾に当たります内需対策につきましてでございますけれども、これははっきりと予断をすることはできませんが、例えば最近の住宅金融公庫の募集状況とか、さらには十二月の公共工事の請負金額の増加とか、それなりの効果が出ておるのではないかと考えております。しかしながら、なお来年度につきまして、今の景気の拡大基調を維持するという観点から予算、税制の方でも三つばかりの柱を立てまして対策を立てておるところでございます。 一般公共事業につきましても、これまで三年間マイナスといったことでやってまいりましたけれども、来年度は公共事業費につきまして四・三%の増加とか、その他税制面でも住宅減税、設備投資減税も措置しております。 さらに、民間活力の導入につきましても幾つかの措置も講じでございます。これは四月よりの対策になるわけでございますけれども、そうしたものが予算の成立等をまちまして効果をあらわしてくるということを期待しておるわけでございます。 需要項目につきましていろんな見方があることは事実でございますけれども、基本的にそういう政策の効果、それからさらには円高につきましても、これは影だけではなくて光の面もあるということで、ただ最初にどうしても影の面が出ざるを得ないということで、今後数四半期を経まして、その光の部分も物価の低下といった形であらわれるのではないかということを期待しておるわけでございます。
○渡辺国務大臣 当面の問題点については、今企画庁でるる説明をいたしましたから、省略をさせていただきます。 世界の経済はつながっておりますから、日本だけが特別いいような経済を営むといっても、それはなかなか言うべくして難しい問題であります。やはり日本は資源のない国として繁栄してきたのは貿易であります。しかしながら、現在貿易摩擦という問題があって、ややもすると保護貿易の風潮が非常に強くなる。その風潮が強くなればだれが一番損をするかというと、資源のない日本のような国が一番被害を受けるということでありますから、当面これらを解決していかなければならぬ。そのためには、これはいろいろ苦しいこともございます。ございますが、我々としては、限られた選択ではありますけれども、その中で最善を尽くしていく。 通産省関係の問題としては、きょうの私の所信表明の中でるる申し上げましたので、それをよく見ていただければある程度御納得いただけるのではないか、そう考えております。 内需拡大の問題等についても、これはやはり税制の抜本改正等を踏まえてやらなければなかなか解決が難しいなと思われるような点も確かにある、私はそう思っております。今後一緒になりまして、最大限の努力を政府としてもやってまいりたい、そう考えております。
○野田委員長 渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案について質問をいたします。 まず第一に、現在のこの円高が進んでおる中で、九月二十二日のあのG5以来、主要経済指標はどのような変化をしてきたか。法人の企業動向を経済企画庁の資料によって見てみますると、七、八、九の四半期は、全産業で前年対比一五・七%、これが十、十一、十二の四半期は六・八%、このように大変な低落をいたしております。あるいはまた失業率につきましても、一時かなり回復して二・四、二・五という状態でありましたが、十一月になってから二・九、そして十二月も二・九、こういう高水準を維持しておるわけです。 機械受注、鉱工業生産等々につきましても、この十、十一、十二がどのように変化をしてきたか、御説明いただきたいと思います。 〔委員長退席、与謝野委員長代理着席〕
○広海政府委員 鉱工業生産の速報値でございますけれども、十一月が前年同月比でプラス〇・四%、十二月が同じく一・七%、それから前月比でございますが、これは季調済みでございますが、十一月がマイナスの一・一%、十二月がプラスの〇・七%というふうになっております。
○丸茂政府委員 機械受注の実績について申し上げます。 民需の中の船舶、電力を除くという系列で申し上げますと、十月は前月に比べて一・九%減、十一月は三・三%減と二カ月連続して減少いたしましたが、十二月は一六・三%増とかなり大幅にふえております。この結果、十−十二月三カ月をその前の三カ月と比較いたしますと、二・五%程度の増加ということになっております。
○渡辺(嘉)委員 先ほども経済は拡大基調を堅持しておるという御答弁があったわけです。今の指数によりましても、十二月は若干持ち直しておるというのが出ておるのです。ところが、これは十二月における一つの年末という現象、もちろんそれは前年対比ですから、昨年もそういうことはあったわけですが、いろんなことから考え合わせますると、今のこの一、二月に入ってきた実情から判断すると、この円高による経済が拡大基調を緩やかながら持っておるということは到底考えられない、こういうふうに私は思っておるわけです。これはもう少し計数が出てきてからのことなんですけれども。だから、もし経済企画庁その他において拡大基調にあるんだからということになりますると、この対策はなまぬるくていいんです。ところが実態はそうでないとするなら、対応にもかなり精力的なエネルギーを使わなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えます。 そこで、しからば今日、この円高によって、先ほども話がありましたが、メリット、デメリットの面があることは否定できないのです。メリットにつきましては、倒産しない、むしろもうかるわけで、いいわけです。ところがデメリットのところは、倒産、廃業という深刻な問題が起き出すわけですね。 そこで、今回のこの円高をつくり出したものは、これは先ほどから何回も出ておりますが、G5によるところの政治の介入による、財政の介入による円高誘導が原因であると思うのですが、この点については間違いありませんか。
○渡辺国務大臣 円高の問題は、もちろんそれは原因がございます。ございますが、実は、G5で集まったというだけで円が強くなった、不思議だとみんな思っておるのです。これは人によっていろいろ説をなす者があるのですが、アメリカ経済の今後の見通しについて、やはりドルは過大評価されておったということが一つ言われます。それから、円は投機筋によってまたこれも過大評価されておったが、投機筋が各国が共同介入という意思決定を行っただけで手を引いたために、この投機的な機運が非常に少なくなって実勢に近づいたというようなことも言われておるわけであります。 いずれにいたしましても、円高はなるべくしてなったものだ。ただ、それが非常に急速に早く来たということが、こんなに早く四十円も強くなるとは夢にも思っていなかった入が多いと私は思うのですよ、私もその一人ですから。そこに多くの戸惑い、反作用が出ておっていろいろな混乱をもたらしているということは事実だろうと思います。
○渡辺(嘉)委員 今大臣からそんな答弁を聞くとは私は思わなかったのですけれどもね。G5で集まっただけで円高が誘導されて、そしてドルの過大評価が実勢に近づいてきたんだ、意思決定をしただけだ。そんなことはないですよ。大蔵だって日銀だって、そしてアメリカだって、それぞれ介入しようじゃないかと介入したじゃないですか。この点、私の記憶が違うのか、それとも大臣、意思決定をしただけで、ちょっとも介入せずに、アドバルーン上げただけで実勢に近づいたのですか。
○渡辺国務大臣 私も大蔵大臣のとき、介入は随分やったのですよ。やったけれども、あの程度の介入では焼け石に水でして、実際のところ何にもならなかったと言っても過言ではなかった。ところが、今度は日本だけでなくて——我々のときは日本だけなんです、イギリスもアメリカも介入は絶対反対ですから。しかし今回は、みんなで介入しようというようなことが一つの政治の決定として表に出た。このインパクトの方が実際の介入よりも非常に強い陰の力が働いた、私はそういうふうに分析をしておるのです。
○渡辺(嘉)委員 今の意思決定だけ——こんなことにこだわっておると後やっていけぬので、ぼんと飛びますけれども、今大臣がおっしゃったアドバルーンも大事なんです。五カ国協調したということも大事だったけれども、しかし五カ国協調し、アメリカも介入したというふうに私どもは情報で聞いておるわけですね。だからこれが実際に下がったんだ。そうすれば、アドバルーンだけではないはずなんです。手を下したはずなんです。手を下したとすれば、これは政治によって行われた円高なんです。だから、それを今度は政治の場で、そのデメリットの部分、日陰に当たった部分の方々をどう救済するか、ここに問題が移ってくるんじゃなかろうか、こう思うから、こういう観点で私は質問いたしますので、その点をお含みをいただきたいと思います。 かつて十一月に私がそれと同じことを質問したときに、村田通産大臣は、現在は円高が始まったばかりで五十日目だから、今しっかりしたことは言えぬけれども、十分調査をして、そして誠実に対応いたします、こういうふうにお答えになったのです。その誠実に対応するというのが、十一月十三日の私の質問に対する御答弁をちょうだいをいたしたわけですが、今日はその円高が五十日どころじゃない、三カ月有余たちまして、二百四十円からもう一気に百八十六円というところまできょうは来ておるわけです。事は、緊急性と重大性はあのときよりもっと大きくなったわけです。だから、そういうような意味で、この円高対策を政府は進めていらっしゃるというふうに受け取ってよろしいか。
○渡辺国務大臣 円高対策を政府が直接的にうんと進めているというわけではありません。
○渡辺(嘉)委員 そんなことないですよ。日銀だって大蔵大臣だってはっきり円高は好ましかった、私は円高大臣だと言っているじゃないですか。誘導しておるじゃないですか。
○渡辺国務大臣 それは二百四十円台のときでありまして、それで澄田さんが、G5で二百四十円から二百十五円ぐらいに上がったときに、本当にこれがそこで落ちつくのだろうか、またもとへ戻るのだろうかという心配もあったのでしょう、そこで金利の高目誘導というものを発表いたした。これも事実です。ですから、これは円高に持っていこうという意図がそこで働いたことは、私は事実だろうと思いますよ。しかし、あんなに高目誘導だけでもってさらに十円、ここ二、三日でですね、三日か四日ですか、それだけ強くなるとは予想はしていなかったのじゃないかという気がいたします。 それ以降、二百円前後になりましてから公定歩合の引き下げを行いましたが、これは円高にしようと思って公定歩合を引き下げたというわけじゃない、私はそう思っています。公定歩合を引き下げるということは金利を下げるということですからね。ですから、それは円高とは別な現象を起こすのは当たり前なんですから、今ここへ来てさらに政府は百八十円台、百九十円を割るというような状況の中で急激な円高を望んでいない。これも私はそうだと思いますよ。それは成り行きに任せるということでしょうが、急激にこれ以上なるということは非常に副作用の方が大きい、私はそう思っています。
○渡辺(嘉)委員 今御答弁の中で、いみじくも最初にしかけたのは政府であり、政治であったことは、これはもう否定されなかったわけですね。そのとおりだ、ただ予想以上だった、こういうことですね。それがまた加速して、二百円から急に百九十円を割ってしまった。これは予想外だったかもしれない。しかし、もちろんこれは公定歩合がもっと下がるんじゃないかと思っておったやつが余り下がらなかったとか、あるいはまた外国の諸事情が反映をした結果ともこれは考えられます。 そこで、こういう円高の結果によって、私どもも各地を調査させていただき、私の地元にも各地にあるわけです。そういう地域へ行きますと、実に深刻なんですよ。この深刻な実情というのは、時間がありませんからもう事例は全部外しますが、ただ一つ、この十五年間、私の岐阜県でも、東濃地域で高額所得者で年間に一億から一億五千万申告利益を上げていらっしゃった方が、税務申告をしていらっしゃった方が、この秋の成約がそういう関係でできなくなってしまった。春の仕事も見通しがつかなくなったわけです。百人ぐらいの従業員を持っていらっしゃるのですが、とうとう去年の暮れ、一カ月休業せざるを得なくなった。一月になってぼそぼそ始めたけれども、春の見通しがつかない。だから、もうこのままでいけば、この十五年間一億から一億五千万申告していらっしゃった優良企業、まさに廃業されるのか倒産なのかというところまで今来ておるわけです。 組合の関係者を調べてみますと、二百五十の事業のうちで、陶磁器の関係ですが、半分くらいそういう瀬戸際にあると今私どもに報告が来ておるわけです。あるいはまた、モザイクタイルの関係も百四十事業所あるわけですが、これも五割からの輸出依存度でございましたもので、これが二二%から下がりますと、もう大体ここらの利益は五%前後が標準とされておうたわけです。そうすると、五%の利益を食い込んでも一五%まだ足らない。合理化で下請もお願いして下げてもらったけれども、それでも一〇%までであった。あと五%は何ともならない。もうこのままでいけば赤字だ。これが百九十円なんていったらもうどうしようもない。そこへもってきて、また深刻なのは、春の成約に入っておるときに、この一月の下旬から二月にかけて春の成約に入るわけですが、そのときに百九十円、百八十円ときたものですから、成約そのものが凍結、見送りになってしまった。そうすると、これでもし春の成約ができなければ、上半期の仕事ができなくなってしまう。これは大変なことが起き出すのですね。 こういうような意味で、こういうような深刻な、もうどうするかというところの瀬戸際まで来ておる人に今度この法案を出されたわけですね。こういう企業に対しては、簡単でよろしいから、どういうふうに指導されますか。
○木下(博)政府委員 ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、急激な円高というのはいろいろな意味での副作用を生んでおるわけでございます。それに対しましては、私どもとしては緊急避難的な意味での緊急経営安定措置というのは極めて重要だと考えております。 産地の実情については、今先生がおっしゃいましたように、幾多の産地におきまして新規契約ができなくなっているということで、資金繰り等がこの年度末にかけて相当苦しくなるという産地がずっとふえております。したがいまして、私どもといたしましては、金融措置を中心といたしまして、その緊急的な経営安定のための対策、それで倒産を起こさないような対策をぜひ進めていきたいと考えております。
○渡辺(嘉)委員 中小企業庁長官、今御答弁いただいたわけですが、そういうような緊急融資をもってまず対応しよう。ところが、借りた金は返さなければならぬ、利息も払わなければならぬ。もうまさに倒産直前まで来ておる企業が、あと二月や三月どうするか。仕事がない。これだけの急激な円高なものですから、成約ができなかった。ところが緊急に融資をされた。このことはいいんですが、十二月の二日におやりになったのですが、あのときに緊急融資一千億、六・八%と出たときには私どもは唖然としたのです。これは緊急融資じゃない。市中金利でも六・八ぐらいならざらにありますよ。そういうようなことから見て、これは政府は本気なのかどうなのか、私ども疑った。 岐阜県、愛知県は、政府が六・八でおやりになったけれども、緊急に五%でやったのです。やらざるを得ない。あるいはまた、土岐なりその他の各市町村は、それに一%また補助をして四%にしたのです。そうせなかったらつぶれてしまうのです。つないでいけないのです。そういう意味において政府の姿勢がちょっと無責任じゃないか。無責任と言ったら失礼かもしれないけれども、ちょっとよその火事のように思っていらっしゃるのじゃないか。こういうふうで取り組みが一つ甘いのじゃないか。何だったらもっと本当に真剣に現地を調べてみて、倒産寸前の苦しんでおる社長の話も聞いて、そこの労働者の意見も聞いて一みずからが深刻な瀬戸際に立って対応しないとこういう甘いことができるのじゃないか、私はこういうふうに思うのです。 そこで、これを五・五%に下げたことは私は結構だと思うのです。しかし五・五%でも、もちろんそれは住宅金融公庫の金利と一緒だからいいじゃないか、こうおっしゃるかもしれませんが、これでも今では大変なんです。私どもは、この際、この緊急融資で本当に救おうということなら、三%ぐらいにしてあげないと不可能だということを、瀬戸でも岐阜でも福島でも大阪でもどこへ行っても聞いた話はそれなんです。この点についてどうでしょう。
○木下(博)政府委員 緊急経営安定措置として私どもが実施しておりますのは、いわゆるつなぎ的な運転資金の融資でございまして、その融資自身は、本来このような急激な円高がなければ必要としなかったようなものかもしれないと思っております。しかし、その融資をやりますのは中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫等、いわゆる政府関係金融機関が郵便貯金の金を使って融資するものでございまして、そういう内容の融資につきましては、五・五%の金利でも通常の融資よりははるかに安い水準でやっておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、今回の緊急性にかんがみまして、そういう金融機関がやります金利としては一番低い水準で特別に利子補給をやりながら実施したいということで進めているものでございます。 〔与謝野委員長代理退席、委員長着席〕
○渡辺(嘉)委員 五・五%、本当にありがたいとは思っておりますが、今申し上げたように、焦眉の急の危機的立場にあるところへは、これでは緊急融資としての条件にはまだ実態とかけ離れておる。だから、私はこの際三%以内ぐらいにするような大英断をされることを、この機会に望んでおきたいと思います。 と同時に、先ほどの経済企画庁からの話を聞いておりますと、レートなんてものは市場原理に任せておく方がいいんだ。それは私も一概に否定はしませんけれども、しかし、今度は政治が誘導してここまで来たのです。予想以上にいっただけなんです。予想以上に加速しただけなんです。とすれば、先ほどから申し上げておるように、レートが動きますと、成約に入りかけてレートが動くと、また凍結で見送られるのですね。この際私は、一番大事なことは、もうレートはこれだ、日本の実勢から見たらこれなんだ、あるいはまた日本の経済を守るためにはこのレートが好ましいんだ、このくらいのことを明らかにしないといたずらに混乱するだけだ、こう思うのですが、これを市場原理に任せておきますわというような学者のようなことを言っておったのでは、日本経済を守る立場にある日本の行政の姿勢ではない。二百円なら二百円でいくんだということを、これに向かって政治目標を立てるんだというぐらいのことを明らかにすべきだと思うのです。この点について経済企画庁、どうです。
○赤羽政府委員 現在の為替レートは、変動相場制のもとで為替市場の需給関係によって決まる、こういうふうになっております。この点、都合が悪いじゃないか、こういう先生のお話でございますけれども、実は従来は固定レート制ということでございました。固定レート制といっても絶対に変更しないということではなくて、いわゆる国際収支の基礎的な不均衡がある場合にはこれを改める。なかなか切り上げということは少なかったわけでありますけれども、切り下げる、こういうことで経済の実力、その国の産業の国際競争力に合わないような場合にはこれを変更することができる、こういうことでやってまいりました。 ところが、こうした戦後三十年近くにわたりまして維持されておりましたいわゆるガット、IMF体制、そのもとでの固定レート制といいましても、変更可能な固定レート制というのは、アメリカの圧倒的な経済力に支えられて初めて可能であったわけです。ところが、そのアメリカの経済力が衰えてきた。それぞれの経済力、日本などは経済力が強くなってまいりました。世界経済におきましていろいろな力の強い核あるいは弱い核、こういうものが出てきたときに、固定レート制が維持できなくなった。そういう意味で、仕方なく変動相場制へ移行した、こういうことだと思います。 したがいまして、今は為替レートというものは、やはり市場メカニズムで決定する以外に、それ以上のいい方法はないというよりは、むしろいわゆるより少ない悪の選択として、レザーイビルの選択として行われている、こういうことだと思います。 そうした場合にありましても、先ほどから大臣の御答弁にもありましたように、この円高、円高それ自体というよりは、これはなるべくしてなった、むしろ余りにも急激な円高であるという点に問題がある、こういうふうに思われます。成約ができないというのは、これから先どのように変わるかわからない、こういうことで、売り手の方もそうでありますけれども、買い手の方もよう手を結ばない、こういうことだと思います。そういう点からいきますと、確かに副作用はございます。しかし、副作用はありながらも、これ以外に方法がないということが、この市場メカニズムによらざるを得ない点だと思います。 そうはいいましても、できるだけこの為替レートの急激な変動を少なくする、こういう意味でのいわゆるスムージングオペレーション、こういうのは時に応じてとられているのは事実でございますけれども、やはりこれは、何といいますか、市場の需給関係から動くわけですし、需給関係の中でもいろいろな要素がございます。その中で特にスペキュレーションといったような要素があるものですから、これはいわば望遠照準つきのライフルでねらうように、このところへおさめるということはなかなか難しい、こういうことだと思います。そこで、やはり急激な変化ということが問題でありますから、先ほど通産御当局の方からも答弁がございますように、いろいろ緊急的な経営安定の措置、そういったようなもので補完する、こういうことだろうと思います。
○渡辺(嘉)委員 どうも腹へ入らぬし、ましてや僕は英語に弱いものですから、英語を二つ三つおっしゃったものですから、そのオペレーション何とかというのは意味がわからぬです。今後は私に対してはひとつ日本語で御答弁をいただきたいと思います。 そこで、私も焦点を合わせるような二百円だとかという言い方をさっきしましたけれども、変動相場制ですから幅があることは当然なんです。ただ、二百円で上下五円ずつで二百五円と百九十五円ぐらいだ、この間で上下しておれば、それほどのことはないのです。ところが、こういうようなことが起きますとなんですから、日本経済の好ましい姿としては、私は、経済企画庁かくあるべきだ、こういうようなことを大胆に打ち出していかないと、評論家じゃないのですから、だからその点を行政担当の特に経済企画庁に、尊敬しておるものですから、そういうような意味でひとつ日本経済のリード役として進めていただきたい。その点、先に答弁をいただいておきます。
○野田委員長 赤羽局長。日本語で答えてください。
○赤羽政府委員 どうも先ほどは失礼いたしました。 スペキュレーションというのは投機、思惑、こういうことでございます。それからレザーイビルと申しましたのは、悪いものの間で悪さの少ない方の選択、こういうことでございます。どちらも好ましくない副作用を持った、そういう選択が幾つかあるわけでございますけれども、その中で一番悪さの少ない、害の少ないもの、そういう意味で使いました。ですから、変動相場制自体にいろいろな問題がある、副作用が大きいということはそのとおりでございますけれども、これを今の時代に固定することが不可能である、あるいは固定した場合の害悪の方がよりひどい、そうした場合に被害の少ない方を選んだ、こういう意味でございます。この点、大変失礼いたしました。おわびいたします。 それから、二百円なりなんなりを目指して、まあいわば一種の目標圏のような形で設定できないのか。そういうことができればよろしいと私どもも考えますけれども、それはなかなか維持できないし、維持するためのコストがまた大きい、こういうことがございまして、なかなかそちらの方向を——みんなその可能性、それを実現するための研究をしておりますけれども、まだなかなかそこまで、こうすればできるというところができないのは大変残念なことだ、こう思っております。 それとともに、二百円という水準、仮に二百円ということを考えた場合、これが適正水準であるといったようなことを言う場合、どういう観点から適正という判断をするのか、これは非常に難しいと思います。もし経済摩擦を解消するような観点から黒字の解消を為替レートの調整だけで実現しよう、こういうことになれば、二百円では到底不可能であると言えるだろうと思いますし、そういったことでいろいろな要素を考えませんと、またいろいろな観点からいたしまして、これが望ましいという為替レートというのは非常に違うと思います。一つのことだけを頭に置いて、特定の水準というものを望ましい水準だ、こういうこともまた難しいし、正しいことではない、こういうふうに考えます。
○渡辺(嘉)委員 もちろん私も、一つを見てこれだけだと言うほど単純に質問したわけじゃないのです。あらゆることを考えながら、しかしもうここまで来たときには、ある程度はっきりしたことをしなければいけない、こういう意味で申し上げたわけです。と同時に、それができないと、売る場合でも買う場合でも両方とも一緒なのです。両方ともできない。停滞してしまうのですね。この方がこわいのです。だからその点を御認識いただいて、そして早急にこれの可能性を追求するとおっしゃったから、可能性を選択して、実効ある措置をひとつお願いをしておきたいと思います。 それから次に、今度輸入の立場から質問いたしますが、今ガラスの原料は珪砂ですが、愛知県の瀬戸で全国の半分ぐらいを産出しておるわけですが、特に板ガラスは三分の二ほどをここの瀬戸市の珪砂で賄っておるわけです。これが今度の円高によって、途上国その他東南アジア諸国からがばっと入り出したのですね。特に十一月ごろからは、今まで年間五十万トンベースの輸入が百万トンベースぐらいで入り出したのですね。そうすると大手商社、いわゆる三菱商事だとかトーメンだとかは、これはもうかるということで、この人々がどっと買ってどっと入れ出したのです。こういうことをすれば、瀬戸の珪砂協同組合を初めこれに集まっておりまするところの二百数社の企業は、これは当然パンクしてしまいます。 こういうような、これから途上国との輸入の関係でいろいろな問題が出てくることも、これも否定できないわけですが、だから今度この輸入について、こういうものについて、またこれもいろいろな副作用が起きますけれども、しかし農産物その他においても実施しておるわけですから、ある程度のことをやっておるわけですから、ある程度の規制をしながら保護できる、コントロールできる方法はないものかどうか。また何とかしてやらなければ、これらの企業はまさに廃業に追い込まれるのです。もうどうしようもないのですね。こういうところを救うために、今申し上げたような、乱暴な言い方をすれば輸入規制ができないかどうかということです。何らかの方法でこれができないか。 それから、こういう業者のいわゆる円高による経営の危機、これを測定する場合に、今度指定業種の中へ入れる、そのときにどういう基準でこれを認めて入れてやるのか、この点についても承っておきたいと思うのです。
○野々内政府委員 御指摘の珪砂は、名古屋地区で日本の大半を供給いたしております。最近は確かに輸入が非常にふえておりまして、十一月一カ月間だけでも前年に比べて倍以上に輸入がふえたという状態でございます。珪砂鉱業は、御承知のように最近鉱山周辺の宅地化とかいろいろな問題から生産上の制約というようなものもできてまいりましたし、それから輸入物と国内物との間の品質の差というようなこと等加えまして、その上に円高になったということで、特に最近の輸入の増大が多いようでございます。 ちょっと輸入規制となりますと、御承知のような国際環境でございますので、慎重な対応が必要かと思っておりますが、先ほど大臣もおっしゃいましたように、やはり激変緩和的なことで何か知恵がないものかということを私どももいろいろ勉強いたしておりますが、まだ成案を得るに至っておりません。今後もよく現地との情報交換を通じて御一緒に考えていきたいと思っております。
○渡辺(嘉)委員 ぜひひとつ善処と努力をお願いしたいと思います。 次に、土岐の、東濃地域のある業者ですが、これは陶器をやっていらっしゃる方が事業転換をやろうということで、国、県、市等の指導もいただいて陶器からガラスに転換しようとした。ところが今までの設備を廃棄してしまわなければならぬ。今度新しくつくる設備は一億五千万から二億かかる。これまた大変なことだということになったのですね。 そこで、今度質問したいことは、この国際経済調整対策等特別貸付制度の中に、先ほどの五・五%ですね、緊急融資の五・五%の中に、運転資金の緊急経営安定資金とそれから普通言う設備融資、設備資金といういわゆる事業転換計画に基づく設備等の資金も当然この中に入っていると思うのですね。両方とも五・五%なんですね。両方とも五・五%ということは、これはやはり無理じゃなかろうか。運転資金ならどうする、設備についてはどうする、こういう点についてはお考えがありますか。
○広海政府委員 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほど珪砂につきまして、これが本法の対象になるかどうか、こういうお尋ねがございましたので、その点につきまして……。 本法案の第九条一項の一号に、物品に対する需要がこれと競合関係にある物品の輸入の増加により減少し、もしくは減少する見通しがあるため事業活動に支障を生じている場合は対象とする、こういうふうになっておりまして、前回の円高対策法とは違いまして、輸入も、輸入によって影響を受けるのも対象にしていこう、こういう考え方でございます。したがいまして、お尋ねの珪砂の業界の実態にもよりますけれども、考え方としては入る、こういうことでございます。 それから、特別融資制度でございますが、従来の事業転換に対する貸し付けは、金利が六・八%、十五年、こういう条件でやっていたわけでございますが、今回は金利を五・五にするということでございまして、この期間につきまして最大限二十年にしよう、それだけ返済を楽にしてあげよう、こういうことを考えております。 緊急経営安定対策の方の金利、緊急経営安定のための運転資金の融資の方でございますが、これは金利は五・五ということで同じ」でございますが、期間は原則的には五年ということでございまして、この返済期間の面で、設備という点に着目いたしまして相当優遇した条件を用意しよう、こういうふうに考えております。
○渡辺(嘉)委員 設備の方は期間を二十年にしよう、運転資金の方は五年に、私は期間としてはもうこれでいいと思うのです。ただし、この設備に関する限りにおいては、中小企業事業団等で行っておりまするあの高度化事業並みに二・七%くらいにしてやらないと——あの高度化資金は、新規性を追求し共同化を追求して二・七にしたのですね、政策目的が。とすれば、今度の円高によって事業転換していくわけですから、貿易摩擦を減らしていくわけですから、やはり大きな政策目的があるので、私は高度化並みの二・七が妥当ではないか、こういうように思いますので、この点と、それから、それでは転換をする場合に、仮に一〇○の仕事をやっておる、そのうちのどの程度をどれだけ転換したらこの対象になるのか。一〇〇%全部転換しなさいということではないと思うのです。だから、五年間なら五年間にどれだけ転換します。それから転換の中身ですが、製造業からサービス業までがらっと変わってしまえというのか、同じ製造業でも新規性があったり目先が変わったりすればいいのか、あるいはまた製造業が今度販売部門を併設したからそれでもいいのか、そういう中身等について、転換の条件ですね、御答弁いただけませんか。時間がありませんので、簡単に。
○広海政府委員 まず高度化資金は、御承知のとおり、複数の中小企業者が協力いたしまして集団化を行うあるいは事業を共同化するあるいは協業化する、こういう複数の中小企業者が集まってそれで高度化を図っていこう、その場合に、御承知のとおり、集まって仕事をするというのは非常に難しいことでございますので、かつその政策の効果も大きいということで、そういう集まってやる場合に限りましてこの高度化資金を融資すみ、こういうことになっておるわけでございまして、これを個別の中小企業者が転換するその設備資金に出す、こういうふうにはできないわけでございます。高度化資金をそのまま個別の中小企業の転換の融資という形には使えない、こういうことになっているわけでございますけれども、ただいろいろ工夫を凝らしてありまして、今度の法案では従来の転換法と違いまして、組合が個々の中小企業者が転換を円滑にできるようにということで円滑化事業をする、その場合に、例えば組合がその円滑化事業のために設備を購入する、そういう場合には高度化資金を組合に対して融資をします。この場合は従来ですと二・七%の金利でございましたが、今回は設備の融資につきまして無利子にしよう、それから組合の円滑化事業に運転資金という形で借りたいという場合には、この二・七%で融資をいたしましょうという工夫を凝らしているわけでございます。この運転資金につきましては、高度化資金で運転資金を融資するということは極めて例外的なケースでございますけれども、あえてそのようにしようということを考えているわけでございます。 それからまた、転換する事業者が、こういう例も今までないことではないのでございますけれども、例えば共同工場をつくって転換する、そういう形で集団化して転換する場合には、この高度化資金を使えるようにしよう。さらに組合が円滑化事業をやりまして、その成果を体化した設備を一括購入いたしまして、そしてその組合の構成員、転換する人たちにリースをする、こういう場合には高度化資金を使えるようにしようということで、現行の高度化資金制度の枠組みの中でできる限りの工夫を凝らしまして利用する道を開こう、こういうことでございます。 それから、お尋ねのどの程度転換をすれば対象になるかということでございますが、これも相当程度従来の事業を縮小いたしまして、新しい事業に転換していくということでございまして、この相当程度というのはどのくらいか、こういうことになるわけでございますが、大体三分の一くらいというのを一つのめどにしております。 それから、事業転換の中身でございますけれども、違った業種に転換するというのは当然事業転換ということになるわけでございますが、同じ業種の中でも相当高付加価値化をする、同じ商品でも相当の高付加価値化をする、あるいは製法を相当変える、そういうことによりまして設備も相当変わる、こういう場合には、同じ業種の中でも本法の運用に当たりましては事業転換ということで対象にしていこう、このように考えております。
○渡辺(嘉)委員 先ほど申し上げました事業転換について、個々の特定中小企業者が行う事業転換を私は高度化の対象にしろというのではなくて、設備の部分については高度化並みの二・七%の金利にしてやったらどうか、またすべきではなかろうか、こういう意味で申し上げたわけです。私も混線したわけではないし、答弁も混線はしていらっしゃらぬと思いますけれども、そういうような意味でございますので、五・五を設備については二・七にならないかということと、それからこれと関連しますから続いて申し上げますが、第十条では、中小企業の設備近代化資金につきましては五年町の期間を三年以内延長する、八年になるわけですね。その他ずっとある。これはいいと思うのですが、当然今度は、今申し上げておる高度化資金を借りていろいろやっているところもある。これは転換しなければならぬ。いろいろなところがあるわけですね。だから、これは中小企業事業団から融資を受けておるそれらのものも当然延長の対象にすべきではなかろうか。あるいはまた国民金融公庫、中小企業金融公庫、あるいはまた商工中金等々からいろいろな資金の融資を受けておる方もある。もちろんあくまで貿易に関係しておる部分ですよ。その部分についても延長してやらないといけないんじゃないか。なぜ近代化だけにしたかということです。
○木下(博)政府委員 中小企業事業団からの高度化資金を利用していただく場合には、先ほど計画部長から御答弁したような金利が適用できるわけでございますが、同じような金利を中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫から出すということは、その原資が郵便貯金等を利用したものでございますので、それほど大幅な利子補給をやってやるということは必ずしも適当ではないんじゃないかという感じがいたしております。中小企業事業団を使った場合には、一般会計の出資等を使った原資をベースにしておりますので、しかもその政策目的がより高度な事業をやるということであれば、それだけの低い金利を適用するということも可能かということだと思います。 それから、猶予の期間の問題でございますが、実は高度化資金で融資しております事業で円高等によって影響を受けました場合に、例えば今年度それを返すのが非常に難しいというようなものにつきましては、既に通達を出しまして猶予できるような形にしておるわけでございます。現在の高度化資金は十二年とか十五年とかという非常に長い期間でやっておりますので、それを三年延長して、ほんのちょっと薄めてやるよりも、むしろ今払えなくなったものを一年延長した方が企業にとってははるかに有利ではないかという感じが私どもはしております。 それから、中小企業金融公庫や国民金融公庫あるいは商工中金の融資をしましたものについて、円高等の事態で金をなかなか返せなくなったという事態が起こってくることもあるわけでございますので、それは一つの金融機関のやり方として、従来からもそういう場合には個々の事例に応じて返済猶予等をやっておることもあるわけでございます。そういうことがございますので、今回もそういう機関に私どもの方から指示をいたしまして、特に円高等によって影響を受ける企業の場合には、返済猶予等を十分機動的にやるようにということを指導しておるわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 次に、事業転換計画の作成等についての件ですが、いろいろな円高その他に伴う中小企業それ自体のしわ寄せを諸施策で解消しよう、少しでも緩和しよう、こういう努力が出ておるわけですが、この機会に今度は働く労働者の立場にも立ってみたいと思うのです。やはり中小企業はそれだけで成り立っておるわけじゃない。そこに働く労働者もいるわけですから。そこで、まず事業転換計画の作成については、そこで働いていらっしゃる方の声も聞くべきではなかろうか。 この件につきましては、もう既に御案内のとおり、先日も申し上げましたけれども、特定産業構造改善臨時措置法に基づきますと、これは第一条では明らかに「雇用の安定及び関連中小企業者の経営の安定に配慮しつつ」、こういうふうに目的の中で明らかにし、そして第十条では、これらの措置を進めるに当たっては、その「事業所における労働組合と協議して、その雇用する労働者について、失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」こういう法文を入れて、そして雇用の安定を図ろうとしておるわけですね、この法律において。ところが、今度のこの法律には雇用安定のお題目は入っているけれども、こういう具体的なことは入ってこなかったんですね。雇用の安定に努力するという表現だけであって、実際にはやらなくたってそれで済んでしまうわけですね。 今度のこの大変な円高によって、時には企業がつぶれればいやでも町にほうり出されて失業するわけです。あるいはまた事業転換する、ところが事業転換についていけない。こういうような人々はいやでも離職しなければならないわけですから、事業転換計画をつくるときにはいやでもこれは労働者の意見も聞く、そこに労働組合があるなら労働組合の意見も聞きなさい、こういう条項をなぜ入れなかったのかということを、中小企業庁にまずお聞きするとともに、労働省もこれは当然事前に協議があったと思うのですが、労働省はなぜこういうことを入れなかったのか。労働省はもっと主張をして、こういうことを入れてくれ、これには入っているじゃないか、こうやるべきだったと思うのですが、両方から。
○木下(博)政府委員 事業転換がうまくいきますためには、先生おっしゃいましたように、当然労使双方の協力があって初めて可能だということだと思います。そういう意味で、事業転換を進めます場合に、経営者の方が雇用問題について十分な配慮を行うべきだということは当然の前提でございます。この第三条の二項の四号におきましても、したがいまして企業が事業転換計画をつくります場合には「事業の転換に伴う労務に関する事項」というものを書かせることにいたしておりまして、そういう点を十分配慮してやろうということでございます。 いわゆる産構法につきましての御指摘がございましたが、確かに法律には雇用についての規定がございますけれども、これはその産構法自身、例えば造船というようないわゆる構造不況業種につきまして、過剰設備の発生あるいは工場の閉鎖、縮小ということが不可避であるというような業種につきましての事業をやろうということでございます。したがいまして、失業の発生あるいは配置転換ということが当然前提とされるような分野のものについての対策を講じたものでございますので、特にそういう点についての規定が入ったわけでございます。私どもとしては、できるだけ雇用には影響を与えないような形で、中小企業の方々が事業転換をスムーズにやっていくようにできる限りのお手伝いをしたい、そういう見地から、十五条において雇用に対する訓示規定を置いて、それで十分労働省とも協議しながら、また都道府県知事とも協議しながら、事業転換をスムーズに進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○井上説明員 先ほど答弁ございましたように、事業転換計画は都道府県知事が承認することとなっておりまして、その承認に当たりましては、労務に関する事項を含む各事項が適当であること等がその条件になっております。さらに、計画の実施に当たりましては、都道府県知事は企業者に雇用の安定等にも配慮するよう指導助言を行うこととなっておりまして、関係中小企業では、雇用の安定に配慮しつつ事業転換を進めるものと考えております。 今後、労働省といたしましても、関係都道府県を通じまして雇用の安定が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
○渡辺(嘉)委員 それは、そんなこと言っておったって、企業は企業の立場がある。これもまた土台石まで一つ間違うとすっ飛んじゃうんですよ。背に腹はかわらぬぎりぎりなんです。労働者は労働者で、町へほうり出されたら失業で、これもまたぎりぎりの線がくるのですよ。そういうときに、雇用の安定が図られるよう配慮されると思いますなんというようなことでできるものじゃないのですよ。この認識が甘いから、現場ではいろいろ混乱が起きたり、強い者勝ち、いわゆる共存共栄というのは、強い者が残り強い者が栄えるという十強存強栄」になるのですよ。この点を十分御理解いただくと、産構法にあるように、この際そういう労働組合あるいはまた労働者の意見を聞いて、協議して事業転換計画をつくりなさい、そうしないと、この第三条第二項第四号で出てくる「労務に関する事項」は本物じゃないと私は思うのです。事業の立場だけからのものが出てくる、こういう危険を憂えますので、この点ひとつきちっとして対応していただくことをお願いをしておきます。 それからいま一つは、具体的な問題に入ってきまするが、今度は離職した場合ですね。事業転換した、ついていけない、やむなくやめざるを得なかった、こういう人も出てくるわけですね。そういう場合には中小企業退職金共済法に基づくこれはストップしてしまいますから、職業訓練中の場合だとか、あるいはまた失業手当をもらっておる間はこういうものはつないでいけるのかどうか。何とかそういうことも考えるべきじゃなかろうか、あるいはまた失業手当の延長等も考えるべきではなかろうか。この点については、一定の条件のもとに六十日延長するということも聞いておりますが、これを全体に適用しながら、同時に、これが自然離職だとまたもらうのが非常におくれますので、そうでなしに、これは解雇扱いと同じようにして、この失業手当が即出るようにしてやるべきではなかろうか。それから職業訓練所に随時入所できることも考えてやらなければならぬのではないか。こういうような諸問題がありますが、この点、労働省の方から御答弁をいただきたい。
○渡邊説明員 退職金の関係について御答弁申し上げます。 御質問のように、企業の事情によりましてやむを得ず退職をしたというケースにつきましては、二年以内に再就職をしまして再び中小企業退職金の制度に加入をしました、こういうケースにつきましては、前後の期間を通算するということができるようになっております。
○渡辺(嘉)委員 だから、二年以内といったって、できない場合もあるし、いろいろな事情があるから、そういうところを十分配慮してやっていただき、その間は何らかの措置によってつないでおく。つなぐというのは、どこかが掛銭を掛けてやれということなんです。国なりあるいはまた企業なり、それだけは義務づけて掛けてやれ。そうするとつながっておりますから。単なるつながっておるのではなく、掛銭を掛けてやれ、こういうことを言いたいわけですから、その点後ほど……。 それから、もう時間がありませんので、貴重な時間ですし、延長しちゃいかぬそうですから、もう一つだけ申し上げますが、円高によって日の当たる場所もあるのです、先ほどから何回も出ておりますが。私は、仮に電力を取り上げても、原油の値下がりによるメリット、それから円高差益によるメリット、これは性格は違うと思うのです。原油の値下がりは、原油を出す国の犠牲において値下がりしてきますから、日本国民の中では特段の犠牲はない。円高の場合には、メリットがあった反面にはデメリットで損する人が出てくるのですね。だからそういうような意味で、電力料金一つ取り上げても、一般的な値下げということを円高差益において考えるよりも、むしろそういうしわ寄せを受け、日陰になった、そういう中小企業、その救済のためにそういう円高差益の還元は図るべきではなかろうか。先日、大臣が予算委員会で、もう五月ごろには円高差益について何らかの具体策を考えたいと言われたことを私は新聞で拝見したわけですが、こういう点につきましては、この隣どう的確に円高差益を還元して、そしてやろうと考えておるのか、これをひとつお聞かせいただきたい。 いま一つは、この法律が、こういう円高に伴う緊急対策と、事業転換という長期にわたる事業とが一緒になってミックスした形で法案になって出てきましたもので、私はこの法案につきましては、大臣もおっしゃったように慎重審議を要求されたわけですが、慎重審議するにしては、五時間半や六時間では私は足らないと思うのですね。私ども社会党でも二時間二十分しかないのですから。ですから、そういうような意味で、これは本当は分離すべきではなかろうか。なぜこういうミックスをしてしまったのか。 そして、今までの転換法に基づくと、十年間で二百九十件、そのうちで二十一件やめておりますから二百六十九件しかないのですね、うまくいったところは。こういうようなところから見ましても、この事業転換というのは大変至難な問題ですから、この点を考えると、ミックスされたことは好ましくないが、なった以上はやむを得ないので、じゃそれについて万全を期すためには、何らかの指導助成の機関を国でつくっておいて、都道府県もそれの受け皿をつくっておいて、そしてきめ細かく転換を指導助成してやらないと、結局またアドバルーン倒れになりはしないか。私はこういう危険を考え、せっかくいい施策ですが、実行できないことを恐れるものですが、これについての万全の御所見があれば承りたい。 そして、余りアメリカにばかり気兼ねして、アメリカがああ言うからこれをこういうふうにしたのだというようなことじゃなしに、やはり日本の通産大臣ですから、日本の経済を守り、日本国の国益の立場に立って法律をつくり、主張していただければ結構ではなかろうか、私はこういうふうに思います。そして何といっても内需拡大が先決ですが、財源は先ほど申し上げたように、円高差益その他のことをそういうふうに考えれば不可能ではない、こういうふうにも考えまするので、それらの点を一括して、最後に大臣から御答弁をいただきたい。
○渡辺国務大臣 法律を一本化いたしましたのは、非常に急いでやるということが必要であったこと、それから、ただ単に、何か輸出で競争力が負けるから、競争力をつけさせるために政府が助成をして輸出にドライブをかけているのじゃないかというようにとられることは、これは困ることでございます。したがい良して、我々は一時緊急避難的なものはいたします、同時にまた、決して輸出にドライブをかけるというようなことはいたしません、どうしても競争力が持てないものは、これは転換を面倒見るのは当たり前のことじゃありませんかというような思想で、この法案を実はまとめてきたのでございます。 それから、労働組合の意見をちゃんと承認事項に入れろ、産構法か何かのまねをしてやれというお話でございますが、事情が少し違うものでございますから、それは入れないことにいたしました。しかしながら、組合員の協力なくして転換がうまくいくわけがない。したがって、その労使がうまくいっているかどうかということを、事業計画を承認する段階で知事がきちっとチェックをするということに取り扱ってまいりたいので、意見はかなりきつく反映をされるのではなかろうか、そう思っております。 それから、円高によってもうかった電力等の利益を還元をして、そういう円高で困っている企業の対策に使え、簡単に言えばそういうふうにとったわけでございますが、私が今考えておることは、先ほども佐藤議員の質問にお答えをいたしましたとおりであって、基本的には現行料金制度のひずみの是正というものをやはり優先をしなければなるまいな、それから残りについては、原価の変動に応じて内部留保の積み立てを行い、これを内需拡大のための設備投資の積み増し等に活用する、こういうようなことを電力の問題については基本的に考えていくことがいいのじゃないか。 それから、まずこれから有識者の意見も聞きまして、皆さんの意見も随分聞いていますから、数多くの意見を聞いた上で、さらにどういうふうに具体的に決めていくかということについては関係機関、関係審議会の意見を聞いて具体的な対策を決めていきたい。したがって、有識者の意見、どんなメンバーがいいか、そこいらのこともいろいろ考えていますが、国会議員の皆様から聞いたのもちゃんと私は有識者の意見と思っているんですよ、全部。いろいろな意見がありますから。そういうものも参考にしてやっていきたい。 それから五月末というのは、ちょうど決算も出てまいりますし、六十一年度の収支の見通しも、円高の落ちつき方あるいは石油の値段もとの辺で落ちつくのか、大勢が大体決まってくると思いますね。そうすると、その後の見通しの、どれくらい差益が出るかということについてもほぼ見当がつく。そういう時期になりますから、そのころを一応めどとするのがいいだろうというように今考えているということを申し上げて、お答えにさせていただきます。
○渡辺(嘉)委員 終わります。ありがとうございました。
○野田委員長 木内良明君。
○木内委員 急激な円高の影響、またこれまでの市場開放策等これあり、我が国の中小企業は今塗炭の苦しみにあえいでいるわけであります。また、こうした関係の中小企業に対しましてその活性化を図り、蘇生を促し、もってこれまでの、我が国の経済発展に寄与してきた屋台骨とも言える中小企業を守る施策というものが真剣に講じられなければならない現今の情勢であります。予算委員会で補正審議が行われているこの時期、まことに異例とも言えるこの時間帯に本法案の審議を行うわけでありまして、これは政府はもとより、本委員会におきましても重大な決意で、実り多い議論を進めていかなければならない、このように考えているわけであります。 一つに、中小企業の問題は、イデオロギーや、あるいはよって立つ政党政派のスタンスの違いによって左右されてはならないと思います。いわば国家的な課題として、中小企業の活性化を図るための施策が総合的な施策の一環としての本法案の位置づけでなければならない、このように考えるわけでありまして、いわば国を挙げてこの総合政策の推進を図ってまいりたい、こういうふうに思うわけであります。したがいまして、仮にも国際経済環境のインパクトによって政府当局、通産当局のこの法案の成立あるいは運用に対する気迫がそがれたり、あるいは政府部内の不統一によって足並みが乱れるようなことがあってはならない。こうした観点から、まず対外的な問題を私はただしてまいりたい、こういうふうに思います。 昨年末、MOSSに出席するため来日いたしました米通商代表部のスミス次席代表が、この一連の国際経済調整対策等特別貸付制度、あるいはまた本法案提出の動きに対しまして、対米輸出力を補助するような政策をとるのは適当ではないというふう祖コメントを出しているわけであります。この際、通産省は外交ルートを通じて対策の趣旨を説明し、米政府もこれを了解したといういきさつを私は仄聞をしているわけであります。 そこで、まず聞くわけでありますけれども、このときのスミス次席代表の発言内容がいかなるものであったか、また、これに対する、一つは通産省の対応はどうであったか、あわせて外交ルートの主体者たる外務省の対応はどうであったか、以上三点を聞きます。
○木下(博)政府委員 昨年の十二月から緊急経営安定のための低利融資を実施したわけでありますが、それに関連いたしまして、先生御指摘のように、米政府等からその内容についてやや懸念を表明してきているのは事実でございます。スミス次席代表もそういう趣旨のことを申しましたし、それ以外にも、いろいろな場でアメリカ側から質問等がなされているわけでございます。 アメリカ側が一番気にしております点は、せっかく円高によって貿易収支バランスが改善する方向に向かう期待が出てきたのに、日本政府が中小企業に対してそのような対策を講ずることによってせっかくの円高の効果を無にする、あるいは効果を減殺するということになるのではないか、それでその低利融資が、先生おっしゃいましたように、輸出補助金的効果があるのではないかというような点でございます。それに対しましては、私どもの方からいろいろなルートで説明しておりますし、外務省、在米大使館を通じてずっと現在まで説明をしてきております。 私どもの立場は、この法律自身は、そのような円高が定着をしていく過程において急激にそれが行われたために、中小企業者に倒産の危機等の事態が生じている、そのような中小企業者に対して、将来の経営の方向を変えていくためにはどうしても時間的余裕が必要なんだ、その時間的余裕を与えるためには、やはりどうしてもつなぎの資金的な融資をする必要があるということで融資しておるわけでございまして、そういう意味から、私どもは今度の法律についても、事業転換対策とこれを組みにした対策を一つ考えておるわけでございますが、そのようなことをやっていくための緊急融資であるから、それは実質的に輸出補助金的効果は全くないということを説明しておるわけでございます。本来であれば、このような急激な円高がなかりせば借りる必要のなかった資金を借りざるを得なくなっている。したがって、幾ら低い金利で融資をしても、その金利分の負担はその企業にとってはプラスアルファの負担になっているということでございますから、それが輸出補助的効果を持つものではないというような説明をしておるわけでございます。そういう説明をしておりますので、私どもは米国政府も十分それに対して理解をしてくれるものと期待をしておるわけでございます。
○美根説明員 ただいまの通産省からの御説明に私どもの方からつけ加える点は余りございませんけれども、私どもの方からも、ワシントンその他の場所におきまして、機会あるごとに今回の対策、それから考えられております対策の目的等を説明いたしております。特に今回の対策が、資金繰りが逼迫し倒産の危機に陥っている中小企業者に対し、倒産を回避しながら事業転換、内需転換等の企業経営の調整を行っていくための激変緩和の措置であって、緊急避難的な措置であるという趣旨の説明をいたしております。
○木内委員 今私は、スミス次席代表の懸念に対する外交ルートを通じての我が国政府としての説明がいかなる内容であったか聞いたわけです。木下長官の方からはるる御説明がありました。了解をいただいたものと判断をされている。同じように外務省もそういう判断でよかったわけですか。判断されたわけですね。先ほど日本語と英語の議論がありましたけれども、英語でどんな言葉で了解ということが認知されたのですか。
○美根説明員 私どもが承知しております説明内容につきましては先ほど御説明したとおりでございますが、具体的にどういう言葉を使ったかということにつきましては、現在手元には必ずしもございませんが、趣旨といたしましては先ほど御説明したとおりでございます。 それで、これに対してスミス次席代表あるいはアメリカ側がどう反応したかということにつきましては、これも御質問の内容でございましたら、この点につきましても先ほどの通産省からの御説明につけ加える点はございません。私どもも同じようにアメリカ側の態度を見ております。
○木内委員 次席代表に対する我が国政府の説明は、今の答弁でよくわかるわけであります。実は本年に入りまして、竹下大蔵大臣がロンドンのG5に出席した後米国に立ち寄った。ここでベーカー財務長官と会談をした折に、やはりまた同じような趣旨の懸念が表明をされている。申し上げるまでもなく、ベーカー財務長官はレーガン大統領に極めて近い側近の一人であります。アメリカ政府における金融財政政策の最高責任者でもある。このベーカー財務長官から同じように、中小企業の日本における円高対策費は五十億ドルにも上っていると聞くけれども、輸出競争力をつけるとすれば好ましくない、こういうコメントになっているのですね。五十億ドルというこの数字にも不正確さが一つあらわれでいるわけでありますけれども、昨年末に次席代表を通じて外交ルートで説明をして、なおかつまたベーカー財務長官からこういう発言が我が国の竹下蔵相に対して行われている。私はどうも風通しの悪さを感じるわけなんです。この点につきまして外務省はどう考えておられますか。先に中小企業庁の方から。
○木下(博)政府委員 私、先ほど私どもの考え方を御説明しましたときに、アメリカ側がそれに対して理解をしてくれるものと期待しておりますということを申し上げたわけでございますが、完全に了解したということな言っておるわけではございません。竹下蔵相とベーカー財務長官との間で同じような懸念の表明があったというふうに私どもも聞いておりますけれども、これはアメリカの財務省が昨年の九月以来のG5の担当であったというようなことから、特にこういう問題について関心を持っておるからというふうに私どもは考えておるわけでございます。 ただ、先ほども申し上げましたように、日本側の措置は、そういうつなぎ融資的な低利の金融対策でございます。金額も、来年の三月末までに一応三千億円の融資規模ということでございますから、ドルに直しますと十五億ドルになるわけでございます。そのために必要とする予算は、六十一年度の予算として十一億円要求しております。十一億円というのは五百五十万ドルでございますし、それから、昨年の十二月以来五十業種の輸出関連業者に対して低利融資を行うということを発表いたしましたけれども、その五十業種の輸出額というものは六十数億ドルに達しておるわけでございます。したがいまして、その分だけで計算いたしましても、五百五十万ドルの利子補給というものは極めて微々たるものでございまして、簡単に計算いたしますと〇・〇六%ぐらいにしかすぎない。ところが、円が一円上がる、あるいは下がれば、それによる効果は〇・五%ぐらいのものでございまして、そういう円の変動に対して極めて微々たる額にしかならないし、しかも私どもはそれは輸出補助的なものであるとは考えていないわけでございますので、そういう意味で私どもが、私どものやっております低利融資の内容を十分に説明すれば、アメリカあるいはほかの国にも理解してもらえるものというふうに考えておるわけでございます。
○木内委員 先ほど外務省に対しまして風通しということを申し上げたわけであります。私は一昨年、約一月にわたって訪米をいたしました。ワシントン、ニューヨーク、テネシーのナッシュビルからデンバー、ロス、サンフランシスコ、いわゆるサンベルト地帯、フロストベルト地帯、ずっと回ってまいりました。それぞれの地域でいわゆる対日感情の差異というものを感じ、また、そうした中で我が国の在外公館の外務省のスタッフの方が大変に御苦労されておられる実態というものも、十分この目で見てまいりました。その御苦労のお立場、よくわかるわけでありますけれども、今美根国際機関第二課長からもお話があったように、通産省と同じ立場に立って今後対応していくという御決意の一端が述べられましたので、私はぜひその発言というものを尊重してまいりたいし、我が国の中小企業を守り経済を守るという立場からの御努力を、今後とも引き続いて続けていただきたい、このように思うわけであります。 実際にこの後具体的に触れていくわけでありますけれども、今回のこの法案というものは必ずしも完璧なものではない。むしろ内容的に、金利の面であるとか、雇用対策であるとか、業種指定であるとか、税制であるとか、こう申してはなんですけれども、まだまだ不備不徹底な点があることは否めません。しかし、許される範囲の中でできるだけのことをやろうじゃないか、日本経済のいわゆる屋台骨になってきた中小企業の方々を救おうじゃないかということで、今一丸となって取り組んでいるときであります。これはどこの国においても同じことだと思います。いずれアメリカがこの事態になれば、あるいはイギリスがそうなれば、フランスが、西ドイツがそうなれば、これはそれぞれの国の政府が一体となって、この程度の最低の措置を講ずるのは当然であろうと私は思うのでありまして、ぜひ外務省におかれても、さらにこの真意を伝えて、そうして日米関係の中でこの法律というものが、特に我が国の国情の中で生きるような手助けを願いたい、こういうふうに思うわけであります。 一言で結構ですから、答弁願いたい。
○美根説明員 先生御案内のように、我が国の経済環境にはまことに厳しいものがあるわけでございますけれども、今回の対策の対象となっておりますような事態、すなわち中小企業者が資金繰りに困り、経営困難に陥るといったような場合に、各国においてどうするか、こういうことにつきましては、我が国と外国との客観的な状況が違うので簡単に比較することは困難でございますけれども、いずれにしましても、今回の対策の対象となっておりますような事態が発生した場合に、適切な措置を講じるのは当然のことであろうと外務省も考えております。その場合に、先生も御指摘になりましたように、その本当の趣旨というものを相手方、関係国に理解してもらうように努力を尽くすのは、これまた当然のことだろうと思っておりますし、外務省といたしましても、その方向であらゆる努力を払って関係国の理解を求めたい、このように考えております。
○木内委員 あらゆる努力を払ってということでありますので、強く要望をしておきます。 特に、各国の国情に応じたいわば客観情勢というものがあるという言及がありました。OECDが、需要の変動などに応じて事業転換を進める積極的産業調整政策、いわゆるPAPに合意をしているわけであります。私は、今回の中小企業円高対策は明らかにPAPの一つと言えるのであって、国際的にも極めて正当な意味を持つものである、こう確信もし、判断もしでいるわけであります。この点、明確な通産省の認識、並びにPAPにリンクしてというか、PAPに基づいた正当な我が国の施策であるという確認をあわせて外務省からも願いたいと思います。
○木下(博)政府委員 OECDで議論されておりますいわゆるPAP、積極的産業調整政策というものの定義が各国において完全に意見一致しているかどうか、私ども直接の担当じゃございませんのでわかりませんが、私どもとしては、PAPというような思想に基づいて積極的に産業調整をしていくということが、今の国際経済情勢下における日本としては進めていかざるを得ないものだと考えておるわけでございます。したがいまして、先日、産業構造審議会の企画小委員会で取りまとめられました「二十一世紀産業社会の基本構想」におきましても、そのような積極的な産業調整というものは、非常に痛みを伴うものであるけれども、やっていかざるを得ないものだということを提言しておるわけでございます。
○美根説明員 先生御指摘のOECDにおいて宣言されました積極的産業調整政策の中の重要な原則というものは、一つは透明性、一つは合目的性、それから時限性、このようなものであると私どもは承知しておりますが、今回の措置はこのような原則に合致したものであると私どもは考えております。
○木内委員 外務省の方からそういう確認ができました。先ほどの答弁のようにぜひ強力なスタンスで、さらに真意の説明に当たっていただきたい、このことを要望いたしまして、外務省、結構です。 なお最後に、今いろいろと外務省と通産省にお聞きしたわけでありますけれども、通産大臣の対外的な配慮といいますか、対応に対する御決意を一言伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 今お話がありましたように、彼らは最初誤解をしておったという節もございます。大変神経過敏になっているのですね。日本はもう全部で日本列島株式会社、政府が非常に輸出促進策をやっているんじゃないかという誤解がまず先走ってありますから、そうじゃないんだよと、今それぞれの担当官が言ったようなことを私からも実は申し上げたわけであります。今後も言うべきことはきちっと言って、誤解が摩擦を生むようなことは一番困ることでありますから、そういうことのないようにしていきたいと思っております。
○木内委員 次に、この法案の中身でありますけれども、緊急安定対策についてお伺いします。 急激な円高の進行で、輸出依存型の産地中小企業の現場では、新規成約がストップする、あるいは採算の悪化から操業短縮や廃業、あるいはまた倒産という極めて深刻な事態を今招来しているわけであります。こうした円高の直撃に加えまして、今ちょうど時期的にこれから年度末を迎えるわけでありますから、資金繰りの悪化が予想されておりまして、今こそ緊急な行政面からの施策が充実した形で進められなくてはいけない、こういうふうに思います。 私どもは一月の二十日、党の矢野書記長を団長とする現場の視察団を組みまして、党の長田商工部会長あるいは商工委員会のメンバー、そのほか関係国会議員編成のもとに、岐阜県の多治見、先ほども出ておりましたけれども、陶磁器の産地中小企業の実態を調査をいたしてまいりました。聞きしにまさる深刻な事態であります。それは、例えば円高の影響調査の数字にも出でいるのでありますけれども、全国モザイクタイル工業組合の数字でありますが、輸出の成約状況が昨年の九月、対前年比すなわち一昨年に比べて五二・三%、十月が同じく五二・三%、十一月が五一・五%。また在庫の状況というものも、九月で前年比一四七、指数で。十月で一七八%、十一月で二一一。こうした数字からも明らかなように、極めて異常な、深刻な事態が今、産地の現場では起こっているわけであります。 また、同じく我が党の調査団はつい先日、二月の八日でありますけれども、広島の針製造業の実態を調査しに赴いております。ここでの現場の話は製造業者の方からでありますけれども、輸出単価を二割から三割もう既に値引きをしている、恐らくこれにとどまらないであろう、あるいは売り上げが昨年十月期に比べ六〇%にダウンをしている、こうした窮状を切々と訴えながら、この状態がもし野放しにされるならば、これは死ねということと同じだ、早急な救援対策を切望するものであるという、まことに切々たる要請を私どもは受けたわけであります。 こうした全国的な不況の実態は、想像をまことに上回るものでありますけれども、まず通産当局はどうこれを認識しておられるか、初めにお聞きします。
○見学政府委員 通産省といたしましては、円高が急激に参りましたのは昨年の十月の初めでございましたが、それ以来三度にわたりまして、特に輸出型の産地に対しまして調査を行ってきているわけでございます。 一番新しい調査としましては、五十五産地につきまして、六十年の十二月から六十一年の一月中旬までの間の影響が特にあらわれている調査内容でございますが、その結果によりますと、御指摘のように輸出向けの新規成約等がストップした企業が出ている産地が三十六産地に及ぶ。あるいは成約ができたとしても、前年同月を値段として一〇%以上下回らざるを得なかったというような産地が三十四ございます。さらには、受注残としましても適正水準を大幅に下回っている産地が非常にふえておりますし、なかんずく適正水準を五〇%切ってしまったというように、被害の大きい産地が三十七産地と大きさを示しております。 資金繰りにつきましても、既に一月中旬までに資金繰りに影響が出ている産地が三十九産地とお聞きしておりますし、今年度中に資金繰りがさらに厳しくなるとする産地が、加えて十一ほどあるというような状況下にございます。
○木内委員 数度にわたる産地調査があったわけでありますけれども、これは全部輸出比率二〇%以上ということでよろしいですか。
○見学政府委員 御指摘のとおりでございます。
○木内委員 輸出比率二〇%以上が一応の物差しとして調査の対象にされているようですけれども、二〇%以下の産地については、調査あるいは実態の掌握はどういうぐあいになっていますか。
○見学政府委員 御質問のとおり、輸出比率二〇%以上の五十五産地につきましては、数字的な継続性等もありまして連続的に調査しているところでございますが、このほかに輸出型産地以外の産地につきましても影響が懸念されているところから、各通産局におきまして、現地ヒアリングを含めました調査を実施しているところでございますし、通産局長会議等でるるその話を伺っているところでございます。 さらに、中小企業庁及び中小企業事業団が四半期ごとに行います景況調査、これは対象企業数としまして製造業五千五百社を数えますが、こういったところにも網の目をめぐらせまして、産地企業を含む中小企業の動向について把握に努めている次第でございます。今後とも円高の情勢の把握に十分を期して参りたいと思っている次第でございます。
○木内委員 二〇%以下のところについて、今各通産局を通じて現地ヒアリング中心の調査が進んでいるということでありますが、これがいつ始まったのか、そして今どの程度進んでいるのか、この集計はいつ出るのか、お答え願いたいと思います。
○見学政府委員 定型的に資料を配って書き込んでいただくような調査ではございませんで、ケース、ケースに応じて事情を聞き取っておるということでございますので、集計等になじむものではございません。そういう形でのヒアリングをさせていただき、状況把握に努めているということでございます。
○木内委員 こうしたいわゆる円高不況の問題というのは、本委員会で本日限りになるものではありませんので、ぜひひとつ二〇%以下のところについても、いわば審議の材料になるような、言ってみれば計数が出るような、データに基づく審議ができるような調査が行われるように要望しますけれども、中小企業庁長官、いかがでしょうか。これは後ほど触れますけれども、二〇%というのはあくまでも業種別生産額分の業種別輸出取引額ということになっているわけでありますから、この周辺についてもやはり重大な意識を持っていきませんとならないと思うのです。どうしても議論のときには一定の数字以上のところだけに日が当たりますから。ところが、そのいわゆる予防効果ということ、あるいは健全な体、がん細胞がむしばむ前の段階でこの予防効果の措置が講じられなければ、またまた重大な事態を招来してしまう、こういう視点からぜひこれは要望申し上げたい。いわゆる心情論でなくて、具体的な提案として申し上げたい。
○木下(博)政府委員 先生御指摘のように、輸出比率二〇%以上であれば影響を受けて、それじゃなければ影響を受けないというものではないわけでございまして、私どもはあらゆる手段を使いまして実情の把握に今後とも努めてまいりたいと思います。 商工中金とか中小企業金融公庫とか、そういうところは毎月いろいろの中小企業の景況調査をやっておりますし、それから実際の窓口においていろいろの仕事をしておりますので、具体的な声も聞かれるということはございます。そういうことを初めといたしまして、また地方通産局あるいは都道府県のそういう商工関係の部署におきましても実情を把握してもらうようにお願いしてありますので、そういうところからの状況を十分見ながら対応策を進めていかせていただきたいと考えております。したがいまして、本調査におきましても、特定中小企業者という定義を行います場合に、単に業種だけではなくて、場合によっては個々の企業であっても、同じように影響を受ける方に対しては、必要な場合には助成策を講じていこうということを考えておりますのは、そういう趣旨からでございます。 それから、ちょっとここでお許しをいただきたいと思いますが、先ほど私がアメリカからの懸念の表明に対して御説明申し上げましたときに、去年の十二月の初めに低利融資を行った五十業種の輸出総額を六十数億ドルと申し上げましたけれども、私の間違いでございまして、八十数億ドルであったということで訂正をさせていただきたいと思います。
○木内委員 二〇%以下の業種、地域についての調査についてはここまでにいたしますけれども、ぜひ私の提案の趣旨を踏まえて、今後審議の台になるような調査結果が出るような形になるように御検討を願いたい、このことを要望を申し上げたいと思います。趣旨は長官、御理解いただけると思います。先ほど見学次長が言われたようなヒアリングのみで私は納得しないので、これはぜひ趣旨を踏まえてください。いい結果が出るように期待をいたしております。答弁は結構です。 為替相場が一ドル二百円で定着した場合、三十二産地で休業する企業が出る、二十五産地で廃業、十九産地で倒産が増加すると予測をされ、それが一ドル百九十円になれば、その影響は当然加速度的にふえるであろう。休業が三十六産地、廃業が三十一産地に増大、倒産は十九産地を大幅に上回る、こういう見方も強いわけでありますけれども、この深刻な事態に対する為替相場の変動に対するいわば見通し、倒産、廃業等の事態はどのように推移するんだろうか、この見通しをどういうふうに持っておられますか。
○見学政府委員 為替相場の見通しそのものについてはなかなか私ども判断がつきませんが、前回の調査によりますと、二百円で推移した場合ですらかなりの倒産の発生の予測を産地では見ております。具体的に言いますと、六十年度下半期につきまして十九産地で倒産の発生が見込まれると言っておりますが、百九十円前後になった場合にはそれが三十一産地で倒産が出てくるのではないか、このような見通しを言っております。
○木内委員 そうした悲惨な事態になる前に、総合的な施策を講じなくてはならないと思います。その総合施策の一環が、本日審議をしているこの事業転換等臨時措置法であるわけでありまして、それだけでは不十分であると私は思うのであります。すなわち、政府のいわゆる行政施策に加えまして地方自治体、金融機関あるいは関係大企業の協力、支援というものが欠かせないのであります。 いわば企業経営というものが自己責任によって立っているということは私もよく知っているわけでありますけれども、御案内のように我が国の中小企業は、これまでの経緯を考えても、大変真剣な努力をしていながら、環境的な要因、他律的な要因によりまして余儀なく倒産に追い込まれたり、あるいは不況の実体をさらけ出す、こういう体質を持っているわけでありますから、総合的な施策というものがどうしても必要である。 先ほど来の質疑も聞いておりました。まず金融機関に対して、今回のこの不況への救援措置、これを通産省は今までどのように手を打たれてきたのか、あるいはさらにその延長上にどんな具体的な対策を考えておられるのか。
○木下(博)政府委員 民間金融機関あるいは大企業等に対する協力ということが重要な点は先生のおっしゃるとおりだと思います。私どもは民間金融機関に、単にその融資面での協力を呼びかけるだけでは必ずしも十分ではないと考えておりまして、むしろ中小企業者の場合、特に経営で苦境に立っておる中小企業者の場合には、担保力等が不足しているというようなことがございます。担保力がなければ、民間中小企業金融機関が幾ら金があってもなかなか貸せないという状況でございますので、担保力を補完する意味から、信用保証協会による保証を別枠でやれるようにしようということで、今回の法律の改正で別枠保証措置ができる体制をつくっていただきたいということで御提案を申し上げているわけでございます。 それから、民間大企業の場合には、下請企業を持っております大企業に対する協力というのが非常に重要でございまして、幾ら円高によって大企業自身の輸出が難しくなったといっても、そのしわを下請の中小企業に寄せてはならないという感じで私どもいるわけでございまして、昨年の秋以来通達を出し、あるいは関係企業団体の長をお招きしまして、そこで大臣から直接、下請中小企業へのしわ寄せをしないようにというような要請を行っているということでございます。
○木内委員 大臣からの親企業への要請が行われて、その後の状況はどうですか。
○木下(博)政府委員 下請代金の問題につきましては、その後下請振興協会によって状況を調査いたしますと、やはり現実は円高によってしわ寄せを受けているという意識を持っております中小企業が七割ぐらいを占めておりまして、またその中で四割ちょっとは、その代金の引き下げの要請を受けているというようなことがあるわけでございます。したがいまして、私どもは下請代金支払遅延等防止法に基づきまして、できる限りそのようなしわ寄せが行われないように、個々の大企業、個々の中小企業について十分な調査をやり、適切な立入検査等による措置を行っていきたいというふうに考えております。
○木内委員 今四割程度の具体的なケースが調査によってチェックされている、そしてこの下請代金支払遅延等防止法あるいはその精神を踏まえての対応をして対策を講じているということですが、この四割というのは大臣の要請の後ですか。
○木下(博)政府委員 大臣の要請は昨年の十二月十六日に行ったわけでございますが、下請振興協会の調査は十二月から一月にかけて行ったものでございます。
○木内委員 ということは、今なお大臣の要請にもかかわらずそうしたケースが頻出と言うと言い過ぎかもしれないけれども、その程度あるわけですね。この事態に対してはどう対応されますか。
○木下(博)政府委員 下請企業に対するしわ寄せというのは、振興協会で調査したものはその一部のいわゆる抽出調査でございますし、非常に抽象的な形での質問に対して答えているということでございますので、それだけの事実によってすべての企業が下請代金支払遅延等防止法の違反をやっているということになるわけではございません。しかし、そのような協力要請的なものがあるというような話は聞いておるわけでございますので、できる限り私どもとしては、法律に基づく調査、検査というものを厳正に実施いたしまして、そのような影響が起こらないよう、また法律違反の事実が起こらないようにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○木内委員 これは長官、実態を全部御存じだと思うのですけれども、私は大臣が要請をする、大企業が協力をしようじゃないかと言う、ところが調査をしてみると、なかなか要請にかなったような実態になっていないという事実もあるわけですね。また同時に、この下請代金支払遅延等防止法、いわゆる法そのものの運用というのは非常に難しい面があるのです。言ってみれば親企業と下請企業というのは特殊な取引関係でありますから、この下請代金支払遅延等防止法に基づいて下請がお上に言っていったぞ、結構だ、おまえのところはもう取引停止だ、これが実は実態なんですね。 それで、私は聞くところによりますと、定期調査なりあるいは臨時調査というものが今進められている。これは親企業に対してターゲットを絞って、その調査票に基づいて、こういう事態が推測されるので下請代金支払遅延等防止法に基づいた支払いを行うように、下請いじめをしないように配慮をされたらどうか。例えば当局なりあるいは関係機関から親企業にいった場合には、この下請代金支払遅延等防止法の運用によらずとも、その前段階で効果が出るというケースも実は多くあると聞いているのですよ。 ですから、私はそのための環境づくりが、今大臣の要請これあり、さらに、今なおそうした事態が続いているならば、引き続いてこの要請は関係大企業に向けて行うべきではないか、こういうふうに思うので申し上げているわけですけれども、今のこの法律運用の前段階での効率的ないわば運用と言っていいのだろうか、警鐘を乱打するような形で下請いじめを事前に食いとめるという法律の存在と生かし方というのもあるのではなかろうか、こういうふうに思うのです。広海計画部長、いかがでしょう。
○広海政府委員 今の御質問に答える前に、先ほどの長官の答弁につきまして若干補足いたしたいと思います。 去年の十二月十六日に通産大臣が、親企業の主要な団体の代表にお集まりいただきまして、特に今の円高で下請いじめをしないように、くれぐれも下請代金支払遅延等防止法に違反するような不当値引きあるいは買いだたきといったような行為は絶対にやめてくれ、こういう要請を行ったわけでございます。これはもう極めて異例なアクション、異例なことでございまして、そういう要請を行った。 それで、先ほど引用いたしました下請企業振興協会の調査でございますが、この調査は、単価の切り下げがあった、あるいは受注量の減少があった、こういうものを全部収録してみたわけでございます。それで、程度のいかんを問わず、かなり出ているあるいは若干出ている、こういうものを全部足しまして約七割くらいあった、こういうことでございまして、確かに親も円高の影響を受けてそれを負担するけれども、一部下請企業にも負担を頼んでいる、こういうケースも全部含めまして七割ということでございまして、異例な措置として通産大臣から直接関係方面にそういう要請をするということの効果というのはそれなりに相当出ているのだろう。したがいまして、この調査の結果は、軽微なものも含めて七割ある、だからといって効果がなかった、こういうふうには考えておりません。 それから、今の下請代金支払遅延等防止法その他に基づきましてどういうことをやっているかということをちょっと御説明したいと思いますが、親事業者というのは全部で約六万五千くらいあるわけでございます。それで公取の方と手分けをいたしまして、毎年一回は必ず全部チェックする。その場合に、親事業者だけを調べたのは必ずしも全貌をつかめないということで、下請事業者の方からも調査をするということでそういう悉皆調査を毎年シラミつぶしにやっているわけでございます。 その結果でございますけれども、調査をいたしまして、違反の容疑がありそうだというのが約四分の一あるわけでございまして、それで容疑が出てきますとよく調べる。よく調べて、本当に改善すべき点があれば改善してもらうというのがその四分の一の三分の一ということで、毎年措置ということで上がってきますのが約三千弱くらい出てきているわけでございます。 こういうことを毎年やっているわけでございますが、今回は円高で非常な厳しい状態にあるということで、これもいまだかつてやってないことでございますが、下請代金法の法律に基づく検査ということを発動いたしまして、今特別調査をやっている状況にございます。その結果はまだまとまっておりませんけれども、三月に入って結果が出てくるだろうと思いますが、今申し上げました毎年シラミつぶしにやるのに加えまして、臨時、異例の措置としましてこの特別の調査をやっている、こういうことでございます。
○木内委員 広海部長、今何か私の質疑に誤解があったようなんですが、大臣の要請があって旧来に比べて恐らく減ったであろう、しかしながらそれでもそれだけあったのだ、さらに対策を考えてほしい、こういう趣旨ですから、御理解いただけますね。加えて今の調査、異常な事態に対応するための調査ということでございまして、この数字はまた後ほど、三月ということでありますので、ぜひお示しをいただければと思います。実行効果の上がるような調査であり検査である、こういうふうに期待をしたいと思います。 この緊急安定対策でありますけれども、ある産地の中小企業者に聞いた話を率直に申し上げると、融資条件や審査が厳しくて、とにかく話を持っていって申請しても全部門前払いになってしまうケースが同一業者についてあるのだ、あるいはまたある業界ではその五〇%が外されてしまった、先ほど長官の方から担保力の話、信用保証の話もありましたけれども、実態は本当に小口の融資を受けたいのだけれども受けられない、その経営内容に先行き非常に暗さがある、あるいは融資をしても焼け石に水であるというような判断のもとに却下されてしまうケースが、実はその業界では非常に多いのだ、こういうわけであります。 私は、この融資条件の緩和ということはぜひ今後具体的に進めてまいらなくてはならないということでありますから、要望いたしますとともに、特にこの経営安定資金につきましては、貸付利率の話は先ほど来ずっと本委員会でも質疑が続いておりますけれども、やはり年三%程度として、償還期間につきましてもさらに延長してほしいという要望が関係者の大多数を占める強い意見でありますので、ぜひ検討を願いたい、同時に答弁をお願いします。
○木下(博)政府委員 確かに、制度をつくりましても実施する機関が非常に憶病になってなかなか融資をしない、信用保証をしないということではまずいわけでございまして、昨年の秋以来政府関係金融機関あるいは全国各地にあります信用保証協会に対しましては、円高によって影響を受ける中小企業の方々に対する融資あるいは信用保証は十分その実情を勘案して機動的にやるようにという通達を出しておるわけでございます。したがいまして、今度の法律を制定していただきました暁におきましては、信用保証等の別枠については十分法律の趣旨を生かして運用するように指導してまいりたいと考えております。 それから、金利につきまして御指摘がございました。確かに追加の資金負担になるものにつき、しかも経営状況が悪いときに、できるだけ低い金利の融資を受けたいという中小企業の方々のお気持ちはわかるわけでございます。ただ、現実に政府関係金融機関も金利のついた金を運用しておるわけでありますので、財政状況非常に厳しい折、やはりほかの政策融資とのつり合いを考えた金利でいかざるを得ないという点も御理解いただきたいというふうに考えております。 それで、そのような融資が焼け石に水になりませんように、私どもとしては、事業転換も一つの方法でありましょうし、それ以外に製品の高度化、近代化、技術開発という面で中小企業施策の総力を挙げて企業の方々の生き延びるための努力に対して支援を行っていきたいと考えておるわけでございまして、そういうことをバックに融資がスムーズに行われるように今後も運用していきたいと考えております。
○木内委員 あわせて小規模事業者のための無利子、無担保、無保証融資制度の創設を私は提案するわけです。というのは、信用力が特に弱い、しかも金利負担が重荷となる小規模の事業者、特にこれは限定して構わない、従業員三人以内とか五人以内で結構です。あるいは商業やサービス業については二人以下。こうしたごくごく小規模というか零細、最小のユニットたる零細事業者に対しましては、緊急に必要とする生業資金については、社会政策的な見地から、多額とは言いません、二百万程度で結構だから、無利子、無担保、無保証融資制度を、すぐには無理でしょうけれども、財政事情を勘案しながら、いずれこの検討が許される時期が来たならば、実現に向けてぜひひとつ前向きな検討を願いたいということを申し上げておきます。 それから、下請中小企業手形割引融資制度、下請中小企業の保有する手形を担保として低利の融資を行う手形割引融資制度の創設を特にこうした審議の際に私はあえて訴えておきますので、いずれということでも結構ですから、前向きな答弁を願いたいと思います。
○照山政府委員 信用力に乏しい中小企業に対しましてどういうふうに融資をしていくか、その信用力をいかに補完していくか、これはただいまも長官が御答弁申し上げましたように、今度の法律案でも信用保証の特例を設けるというような措置もとりたいということが私どもの考えでございます。 ただいま先生御指摘の、特に小規模企業でございますが、おっしゃいますように小規模零細企業は特に信用力、担保力が弱いということで、これに対しては何らかの措置をとるべきではないかという御指摘でございますけれども、実は無担保、無保証の小規模企業者に対する融資といたしましては、現在これは有利子でございますが、無担保、無保証の小企業等経営改善融資制度、これは俗にマル経資金と申しておるわけでございますが、その制度がございまして、零細企業に対する信用力の補完措置として実施しているものがございます。 これは有利子でございますので、先生おっしゃいますように無利子ということではないわけでございます。確かに零細企業、単に担保力の問題だけではございませんで、特にこういう厳しい環境の中では資金コスト負担力もまた弱いということでございますから、金利はできるだけ低い方がいいという点は私どももそのように考えるわけでございますけれども、これまでのほかの御審議でも金利引き下げについて申し上げましたことと共通して、繰り返して大変恐縮でございますが、これは原資が財投から入っております。したがいまして、今日でも予算面におきまして一般会計の貸付金、それから一般会計からの補給金をもちましてコストを補てんいたしまして低利で貸し出すという制度をとっておるわけでございまして、先生おっしゃる金利引き下げの必要性につきましては私どもも異論はないわけでございますが、現実問題として無利子というのはなかなか難しいというふうに申し上げざるを得ない次第でございます。 なお、いずれにいたしましても無担保、無保証という零細企業にとっては非常に有効な制度でございますので、今回の環境変化に伴う困難を乗り切っていくためにも、実は昨年の末に商工会それから商工会議所に対しまして、このマル経資金融資制度をこの際機動的、弾力的に活用するよう周知方を私どもの方で指示をいたしたところでございます。
○野田委員長 広海計画部長。簡潔に願います。
○広海政府委員 御提案の下請中小企業手形割引制度でございますが、これは親事業者が振り出した手形だ、それに信用力があれば当然市中で相当安い金利で割り引いてもらえるわけでございますし、もし下請事業者の信用力に問題があって割り引けないということであれば、信用保証制度というものもあるわけでございます。かつまた、今回の円高等という環境に対応した措置としましては、先ほどから申し上げております低利融資制度で対応しよう、このようにいろいろと考えているわけでございますが、せっかくの御提案でもございますので、下請中小企業手形割引制度の内容、これは今聞いた限りではわかりませんものですから、よく内容もお聞きしながら今後の検討課題ということで検討させていただきたいと思います。
○木内委員 相当に否定的な答弁かと思っていたら、最後に内容によってはあるいは検討できるぞということですから、また機会をとらえて思いや、時間がないから結構です。前向きの答弁ならお願いしますよ。
○広海政府委員 検討をしてみたいということでございますが、今承った限りではいろいろ問題がありそうだと思います。したがいまして、前向きというふうにそのままとっていただくのはちょっと問題でございますけれども、いずれにしましても検討します、こういうことでございます。
○木内委員 時間がないから非常に残念ですけれども、いずれこれは提案として聞きおいていただきたい、このことを申し上げます。 次に、事業転換法の問題でありますけれども、五十一年施行の事業転換法に基づいて二百九十二件の事業転換が実績として残っているわけであります。これが立法の趣旨に照らして妥当な数であったかどうか。これは申し上げるまでもなく、予想に反して極めて少なかったということが言えると思います。それで、私も当時の本委員会における審議の会議録をいろいろ見てみました。岸田中小企業庁長官は、この事業転換法に基づいてどの程度事業転換する企業が出るだろうかという質疑に対して、要するにはっきりは言えないのだ、この立法趣旨が趣旨でございますから、なるべくうまくこの法律を生かして活用していきたいと思いますと、極めて不透明な答弁になっているのだけれども——長官、それは結構です。 それで、私は、今回のこの臨時措置法における数の見通しがまずどの程度であるか、それからもう一つは、五十一年から今日まで十年間にわたって実施されてきた事業転換法、この反省点をどのように本法に反映されているのか、これを承りたいと思います。
○広海政府委員 まず、本法によりましてどのくらい事業転換が出るか、こういうお尋ねでございますけれども、この法案はあくまでも自主転換、特定中小企業者が行う自主転換を側面から助成していこう、それが円滑にできるように助成していこう、こういうことでございますので、手を挙げる企業がどのくらい出てくるかということはにわかには申し上げられないわけでございますけれども、今回の法案では、現行転換法の実績を踏まえまして、後で申し上げますいろいろな改善を行っております。それからまた、客観情勢もこれからは相当厳しくなる、こういうことを踏まえて考えますと、現行転換法の実績よりは相当上回った数の企業がこの本法によりまして転換をしていくことになるだろう、このように考えるわけでございます。 それから、どういう改善をしたかということでございますが、一つは、事業転換というのは非常に中小企業にとっては大変な事業であるということで、やはり一つ一つの中小企業の能力を超える問題もある。例えば技術開発だとか需要の開拓だとか人材の養成だとか、あるいはいろいろと難しい問題があって、ひとつまとまってそういう問題に対応しようというそのシステムを導入しようということで、現行転換法にはない組合の転換事業円滑化制度ということを盛り込んでいるわけでございます。 それから第二番目といたしまして、現行転換法では、例えば、かなり弱ってからでないと法律の対象にはならない、こういうような運用をしているわけでございますが、転換ということになりますと、ある程度やはり体力のあるうちに転換しないとなかなか成功しないだろう、こういうことでございまして、そうした点等につきまして適用基準をかなり弾力的に運用しよう、こういう改善もしているわけでございます。
○木内委員 今の答弁にあった中で、特に余力あるうちの転換ということが極めて重要である、末期症状を呈する前に予防医療を行うような、こういう行き方が必要であろう、こういうふうに思うのですね。したがって、体力が弱ってから事業転換というこの大仕事はなかなか企業にとってできないことがある。生産額や売上高が増加していても、構造的な変化の中で今のうちに事業転換をしておいた方がよいと思って事業転換を決断した企業があれば、それを本法案の支援措置の対象にしてよろしいのではないか、こういうふうに思うのです。 ところが、これには財源が絡むわけでありまして、大蔵省にもきょうおいでいただいているわけですけれども、この点お聞きしたいと思うのです。
○秋山説明員 ただいま通産省の方から説明がありましたように、この事業転換につきまして大きく分けて二つの対策をとろうとしている。そのうちの組合等が事業転換円滑化計画をつくっていくという場合に、いろいろ新商品あるいは新技術の開発等々、そういう事業をやる場合に新しく補助金の制度を創設した、それからもう一つは、個別中小企業者が事業転換をする場合に税制面あるいは金融面での援助をしていこう、大きく分けてこういう二つの事業転換対策が考えられているわけでございますが、まず最初の特定商工組合等が行う事業転換円滑化事業というものは新しい補助事業ということでございますけれども、これはまさに今先生御指摘のように、体力が弱ってからというよりも余力のあるうちにいろいろと青写真を描いて転換をスムーズに進めていくという新しい制度ではないかということで、これが効果的に活用されることを期待しているわけでございます。 御質問の個別中小企業者の事業転換に当たっての基準、それについて、今までのやり方だと、もう弱っちゃってから事業転換をさせようということでなかなか進まないのではないか、多分こういう御指摘かと思いますが、政策あるいは新しい措置については、大変厳しい財政事情の中でも予算を使ってやっていくわけでございますので、それを重点的に、あるいは効果的に進めていく必要があるということで、どうしても基準はつくらざるを得ない。例えば生産額ですとか、あるいは売上高ですとか、そういうものが増加している、あるいはなお増加するといったような企業がなるほど体力があるのかもしれませんけれども、なかなかそこまで手が回らない。しかし、現在の基準ですと生産等の五%減ですとか、あるいはマイナスの見込みといったものが基準になっているわけでございまして、なかなかこれではその事業転換もスムーズに進まないのではないかということで、通産省とも今相談をしておりますけれども、この基準をより余力あるうちの転換をスムーズにするような方向で検討を進めております。
○木内委員 今大蔵省の答弁にありましたように、余力のあるうちの転換ができ得るような措置をぜひお願いしたい、こう思います。 今の答弁の中の重点的かつ効果的というものは、長期的に見ればいわばそうした厳しい事態に立ち入らない措置でありますから、むしろそれこそが長いタームで見れば効果的な措置である、このように考えるわけでありますから、ぜひ精力的に通産省も打ち合わせに臨み、大蔵省もこれにこたえていただきたい、このことをまず要請をしておきます。 それから、事業転換について、これはある業界の話なのでありますけれども、事業転換を目指したらどうかという示唆をしたときに、この業界は分業化が進んでおりまして、プレス機械や電子関係あるいはモーター関係等はほかの業種からの注文が営業努力によってとれるけれども、大多数の会社は本来いままでやってきた仕事しかできないためにつぶしがきかないんだ、したがって、このまま百九十円あるいはそれ以上の円高が推移していけば倒産するしかないために非常に困っている。これは私はいろいろな意味であらゆる業界に通じることだと思うのです。 先ほど来の質疑がありますから答弁は結構ですけれども、いわば向こうから相談に来るような意識のところはまだいいわけで、どうしたらいいかわからない、どこから一体相談をしていいのかわからないというような企業者の方が多いわけですから、こうした方に対するいろいろな行政機構というものはあるけれども、さらに当局はあるいは関係団体は、現場に乗り込んでいって、そこで問題を拾って血の通った指導ができるような対策を考えていただきたい、このことをまず一点要望を申し上げます。 それからもう一つ、これは私の提案でありますけれども、事業転換というのは、先ほどから触れておられるように技術開発あるいはまた情報の収集、加えて事業転換した後の製品の販売が可能かどうか。未開拓市場の開拓といいますか、非常に難しい隘路が横たわっているわけでありまして、企業者にとってはこれが成功するかどうかはまさに企業の根底たる生命線にかかわることであります。特に問題になるのは販路の開拓だということを指摘する業者も多くございました。その意味から私は、本制度に大きな魅力をつける意味から、今通産省が一生懸命イニシアチブをとって政府部内で進めておられる官公需の発注を適用されたらいかがか、こう思うわけであります。 すなわち、事業転換が成功したこうした業者に対しては優先的に官公需の発注を行っていくことも可能であるし、また、そうした制度というものをつくりながら、それじゃ何とかやってみようじゃないかということ。これは恐らく量的には微々たるものであるかもしれないけれども、業者にとっては意欲をかき立てるエネルギー源ともなり呼び水ともなるような、そうした政府から業者に対する施策である、こう思うわけでありまして、このことをぜひ進めていただきたいと私は要望いたします。
○広海政府委員 御承知のように官公需法は、予算の適正な使用という会計法の原則にのっとりつつ中小企業者に受注機会を提供しようというものでございます。御提案のごとく事業転換を行った中小企業者に官公需の優先的な発注を行うということにつきましては、こうした原則との調整が必要になってくるわけでございます。ただ、毎年度官公需法に基づきまして閣議決定しております国等の契約の方針におきましては、かかる原則の範囲内で会計法令の規定に基づく随意契約制度あるいは特定品目制度の活用等を図ることとしておりますので、事業転換した中小企業者に対しましては、かかる制度につきまして十分な情報提供を行い、その活用を図ることを通じまして、極力官公需の受注機会を提供するように努めていきたい、このように考えております。
○木内委員 私の質問時間が参りました。今言われたように情報提供を初めとしてそうした企業者に対する配慮を加えていっていただけるということですから、提案の趣旨はある程度生かされるのではないかと期待を申し上げたい。 最後に、雇用の問題で城下町法等の関連で労働省にもきょうはおいでいただいておりましたが、時間がありませんのでおわびをいたします。 以上で私の質問を終わります。
○野田委員長 青山丘君。
○青山委員 事業転換法に入る前に、政府系の中小企業金融機関につきまして若干お尋ねをまずしておきたいと思います。 今日中小企業が置かれております問題については先ほど来いろいろと質疑がなされておりまして、格別厳しい状況にある、こういう認識においては一致しております。そこで、中小企業は御承知のように資金調達能力においては劣る。何といっても信用力も担保力にも問題がある。そういう中で経営安定のための資金調達、政府系の中小企業金融機関から融資を受ける、こういうことに対する期待は非常に強いものがあるわけです。 そこでまず最初に、基本的な認識でありますが、中小企業者に対する政府系の中小企業金融機関の役割をどのように認識しておられますか、お尋ねをいたします。
○木下(博)政府委員 中小企業対策は、中小企業基本法にもございますとおり、中小企業者の自助努力を側面から支援するというものでございまして、そういう意味から金融対策というものが極めて重要な役割を占めておるわけでございます。政府関係金融機関は、商工中金、中小企業金融公庫、国民金融公庫というような機関より成っておりまして、そういう機関からの融資がスムーズに中小企業に行くように、特に一般の市中金融機関からはできないような種類の融資を質的にあるいは量的に補完するという役割を担っておるわけでございまして、そのための資金は一般会計あるいは財投資金によって賄うということで、毎年その必要資金量を十分確保するように私どもとしては努力しておるわけでございます。 最近、政府関係金融機関の利ざやの縮小に伴いましてそれらの機関の経営は非常に苦しくなっておりますけれども、特に中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫に対しましては出資あるいはその利ざやの縮小に伴う補給金というものを出すことによりまして、これらの機関が順調に経営をすることができるように取り計らっているところでございます。 〔委員長退席、与謝野委員長代理着席〕
○青山委員 近い将来財投金利が下げられるであろうと私は見ていますが、これまで貸出基準金利に対して財投金利が非常に高い、そういう状況が続いてきた。今おっしゃられたように利ざやの幅が狭い、そういうことで政府系の金融機関の経営状況がなかなか厳しい状況だということでございますが、政府系の金融機関の経営状況というのは一体どうなっていますか。 それから、政府系の中小企業金融機関の経営基盤を強くしていく必要がある、そのためには六十一年度の予算でどのような措置を考えておられるのか。
○広海政府委員 中小公庫、国民公庫の経営状況は、先ほど長官の方から答弁がございましたように、原資コストである資金運用部資金の借入利率が高とまりしている、他方長期プライムレートに連動いたしまして基準金利が低下する、こういうことで経営状況は極めて厳しい状況にございます。 このため、六十一年度予算におきましては、収支差補給金といたしまして中小公庫に二百三十二億円、それから国民公庫に三百四億円を計上するとともに、自己資本充実に資するということで、中小公庫に対しまして産投会計から四十億円の出資ということを計上しているところでございます。中小公庫等への収支差補給金は厳しい財政事情のもとで他の中小企業対策予算を圧迫しているという面もございますので、私どもとしてはこの財投金利の引き下げ、適正化がぜひとも必要だ、このように考えております。
○青山委員 ぜひひとつ財投金利を下げていただいて、政府資金の大幅な投入をしていただいて、貸付条件をいろいろと緩和していただきたい。そういう意味では中小企業者から最近種々の要請がなされております。今お話がありましたように、政府系の中小企業金融機関に対して財政投融資などの政府資金を大幅に出して貸付原資といいますか、まず貸し付けの資金量を確保していただきたい、あるいは財投金利を下げて貸付金利の方をもぜひひとつ下げていただきたい、特別貸し付けももっと図ってほしいというような要望が出ておりまして、貸出条件の緩和をもっともっと図っていただかなければいけない。そうでなければ市中金融機関と何ら変わりがないではないかという不満が中小企業者から多く出ております。こういう中小企業者からさまざま出ております要望に対して、中小企業庁の態度、方針について、この際ひとつぜひ申し述べていただきたいと思います。
○木下(博)政府委員 中小企業金融機関に対する資金量の確保の問題でございますが、六十一年度におきましては、中小公庫が対前年度比二%増、国民金融公庫〇・四%増、商工中金は純増ベースで一二・三%増を予定しておりまして、それらの機関に対する資金需要には十分応じ得る資金を確保し得ると私どもは考えております。 それから、今後はこのような政府関係金融機関の機能といたしましては質的な面での補完をやる必要があるというふうに考えておりまして、六十一年度の質的補完面での拡充という意味では、まず貸付限度を中小公庫の場合二億五千万円から二億七千万円に引き上げる、国民金融公庫の場合はそのちょうど十分の一になりますが、そのようなことをやりますと同時に、貸付期間を延長いたしまして、例えば中小公庫の設備資金期間につきましては、原則十年であるというようなものを、それから必要な場合には十三年ということになっておりますものを、必要な場合には十五年に上げるというようなことでやっていきたいというふうに考えておりますし、それから、もし長期プライムレートが下がるというようなことになれば、当然それに応じて貸出金利も引き下げ得るというようなことでございます。現在のような金融緩和基調におきましては、大企業向けに対する融資金利と同じような融資金利が中小企業者も享受できるように今後とも努力してまいりたいと考えております。
○青山委員 ぜひひとつこうした声を率直に受けとめていただきたいと思います。 中小企業者は、今申し上げましたように信用力も担保力も乏しい。その点では信用補完制度が、担保力の乏しい、弱い中小企業者の金融に対して今日まで大きな役割を果たしてきております。ただ最近は御承知のように返済が滞っておりまして、代位弁済もふえておりますし、御承知のように地方公共団体においても財政状況が非常に難しい、厳しい、そういう状況でありますから、信用補完制度そのものも円滑な運用そのものに支障が来るのではないか、そういう心配が出ております。そこで中小企業信用保険公庫の保険準備基金であるとか融資基金あるいは信用保証協会の基金のための国庫補助金、こういうものをもっともっとぜひひとつふやしていただきたい、こういうふうに思います。この点についてどうでしょうか。 それからもう一つ、輸出型産地を抱えております信用保証協会、この地域における信用保証協会にとっては、中小企業の経営安定のための保証件数というのがどんどんふえてくるでしょう。同時に、こういう地域における保証協会のリスクというのはどうしても避けられない、こういう状況にきっとなってくるだろうと思うのですが、しかしそれであればなお、そういう地域における、輸出型産地にある信用保証協会に対する特別の措置、これはやはりきちっとやっていかないといけない、ぜひそうしていただきたいと思うが、いかがでしょうか。
○広海政府委員 まず第一点の信用補完制度の拡充という点でございますけれども、六十一年度予算案におきまして、中小企業信用保険公庫保険準備基金ということで二百九十億円、それから融資基金として百億円、それから信用保証協会基金補助金としまして三十一億円というものを計上いたしまして、その制度の拡充を図ろう、こういうふうに考えております。 それからお尋ねの第二番目でございますが、輸出型産地を抱えている信用保証協会に対しまして、この今申し上げました信用保証協会に対しまする基金補助金の配分の問題でございますが、これは限られた財源を有効に活用しよう、こういう観点で各保証協会の経営基盤というものを見ながら、特にこういう時期でもございますので、輸出型産地を多く抱えている保証協会に対しまして重点的に配分をしていきたいというように考えております。
○青山委員 ぜひひとつその方向で進めていただきたい。 大変前向きな答弁をいただいたから、私余りこれ以上質問することもないかと今ふっと思ったけれども、しかし事業転換についてもちょっと触れておきたいと思いますから、もう少し……。 よく私どもに言われることなんですけれども、中小企業への融資制度というのが大変複雑で多岐にわたっている。このために、中小企業者が融資をしてほしいと思うときに一体どの制度を活用していけばいいのか、いつも使っているあの制度、こういうことで、つい新しい制度があっても実は知らなかった、あるいはそんな制度があったのかというようなことをよく言われます。そこで私は、やっぱり融資制度の整理統合をひとつぜひこれから研究していっていただかなければならないのではないか、利用する人が利用しやすいそういう融資制度をひとつぜひ進めていただきたい、こうした利用者の声をぜひ聞いていただきたいと思うのですが、中小企業庁のお考えを聞かしてください。
○広海政府委員 中小公庫及び国民公庫の特別貸付制度につきましては、従来から資金の効率的、重点的配分等の観点に基づきまして、中小企業者のニーズに応じまして制度の改善、見直しに努めていたところでございます。 昭和六十一年度におきましても、両公庫の特別貸付制度も政府体系に沿って再編するなど所要の整理統合を図ることとしております。今後とも必要に応じまして、融資制度の整理統合を行っていく所存でございます。 なお、今回の特別融資制度でございますけれども、いずれこれはわかりやすいパンフレットにいたしまして各方面に配布をするなどいたしまして、その周知徹底というものを図っていきたいと思っております。
○青山委員 最近の急激な円相場の変動に対して政府は、これは政治的な国際経済調整——対策を打たなければいけないということで、先月早々に特別融資制度が設けられました。実は私どもも、あのG5の直後からいろいろと検討もし実情調査もし、一次、二次の申し入れを政府にいたしてまいりました。それに対してこういう対応をしていただけたものとして評価をしておるんです。 ただ、その融資対象者には、先ほど来お話が出ておりましたように、輸出比率が二〇%以上、また、おおむね最近三カ月間の生産額または取引額が前年比一〇%以上を減少しておること、かつ今後とも減少する見通しがあることということになっておりますが、その基準というものをどこに置かれたのか。輸出比率が二〇%を切ってきた場合、ある地域では、私どもは一八%であったということで、せっかくこの対応策がとられても私どもはこの恩典が受けられないという人たちも、実は率直に申し上げてありました。したがって、ぜひひとつこの基準を弾力的に運用していただきないと思いますが、いま一度この点について、もう既に質疑がなされておりますけれども、私の方から尋ねておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 中小企業国際経済調整対策特別融資制度につきましては、本法案の成立を待って融資対象の決定基準を見直すとともに、制度内容の充実を図っていく所存であります。したがいまして、決定基準等については、それに関係する、影響を受ける中小企業者のいろいろな対象の比率等について大蔵省などとも調整を図っていくため、目下折衝中であります。
○青山委員 ぜひひとつ進めていただきたいと思います。 さて、中小企業事業転換対策について少しお尋ねをいたしたいと思います。 中小企業者が新しい経済環境に対応するためには、技術の改善や経営合理化だけにとどまらず、新製品を開発していかなければならない、製品の高級化を図っていかなければならない、こういう状況でありますが、しかし、それもなかなか難しい。この際、思い切って事業転換をしていかなければならないのではないかという思いに駆られている人たちはたくさんあります。 そこで、最近の中小企業の事業転換の状況とい まうのは一体どうなっておりますか。また、現行法に基づくところの事業転換の実績に対する御見解はどうでしょうか。
○広海政府委員 現行転換法に基づく転換の実績はこれまで二百九十二件でございます。それから、およそ全体の転換の状況がどうなっているかという点でございますけれども、昭和五十八年のデータでちょっと古いのでございますが、昭和四十八年から五十六年までに製造業の中小企業が他の製造業へ転換した実績は、約一三・二%の中小企業の製造業者が転換しているということでございまして、事業転換そのものは相当の規模で進んでいる、このように認識しております。
○青山委員 企業の戦略的な立場から進んで事業転換をした場合と、このように追い詰められてやむを得ず、つまり同業他社との競争の中では勝ち抜いていけない、やむを得ず事業を転換していかなければならない、したがって現行法が何とか活用できないものか。ところが実際は、今お話がありますように二百九十二事業所、まことに少ないわけで、これは基本的には事業転換そのものはそうたやすいものではない。事業転換そのものがなかなか大変なことだとは思いますが、同時に、現行法の事業転換計画の認定作業が非常に厳しいものであったのではないか、こういう点が少し懸念されるところですが、その辺はいかがでしょうか。 それから、今後の事業転換の計画の認定についての方針について少し弾力的な運用を望んでおきたいと思いますが、その辺の御見解を伺いたい。 〔与謝野委員長代理退席、委員長着席〕
○広海政府委員 現行転換法に基づく転換の実績は二百九十二件ということで比較的少なかったということは、御指摘のとおりでございます。その原因として考えられますことは、一つは、客観的な経済情勢がこれから予想するほど厳しくはなかったというのが一つのベースになっているだろうとは思いますけれども、同時に助成措置と申しますか、その点がやや薄かったという点もございます。また、転換する事業者が現行事業転換法の対象になるためには、相当弱っているということでなければその対象にならないというような運用基準だとかそういうものがあったことも事実だと考えておりまして、今回の法案では、この運用基準につきましても、余力があるうちに転換するものも対象にしようというようなことで運用基準を緩和する、あるいは組合が事業転換円滑化事業を行う場合にそれを助成するというような制度も導入いたしまして、今後はより事業転換が円滑にいくように措置したいと考えております。
○青山委員 私の地元の方でも事業転換を希望している人たちが実はあるのです。あるけれども、中小企業者ですからなかなか豊富な情報を持っていない。つまり、一体どの事業に転換すればいいのか、転換先の事業の情報をなかなか得られない、そういう不安を持っているわけです。それから、転換のためには一体どんな技術が必要なのか、また今持っている技術がどれだけ活用できるものか、あるいは転換先の事業の需要をみずからどうして切り開いていけばよろしいのか、こういう不安を持ちながら、しかしもう転換しか道はない、こういう気持ちでいる人たちがたくさんありまして、私の地元の方の例えば陶磁器製造業者の中でも、自己の技術を何とか生かしていきたい、みずから持っている技術を生かして事業転換をすることができるのかどうか、その辺なかなか深刻な不安の中で悩んでいるわけですが、こうした人たちに対する指導が一体これからどういう形でとっていかれるのか、その辺の方針をぜひ聞かしていただきたい。
○広海政府委員 私どもの調査でも、事業転換が成功するための要因といたしまして重要なことは、技術、それから販売チャネルという問題と並びまして、情報の入手という点が非常に重要な要因であるという回答になっております。したがいまして、この情報の提供あるいは助言、診断、指導という問題は、極めて重要な問題であるというふうに認識しております。 この情報の提供につきましては、中小企業事業団に中小企業情報センターというのがございますが、このデータベースをできる限り拡充していこう、それからまた各地方にございます地域情報センターも整備していこう、そういうことを通じまして情報の提供というものを円滑にしていきたい、こういうふうに考えております。 また、診断、指導の面につきましても、現行約三万八千人の経営指導員あるいは技術指導員というのがいるわけでございますが、全体的な経営指導、技術指導をやる中で、事業転換をしたい人に対しましても診断、指導というのを行っていくわけでございますけれども、県の中小企業指導所というのがあるわけでございますが、そこに来年度特に事業転換のための診断事業という制度も創設いたしまして、こうした面での強化も図っていきたい、このように考えております。
○青山委員 ぜひひとつ求める人に対してこたえられる体制というものを進めていっていただきたい、そういうふうに思います。 それと、ぜひ弾力的な運用をこの機会に申し添えておきたい。事業転換であるからということで基準が非常に厳しくて、それは事業転換に当たらないというようなケースが往々にしてあると思うのです。その点についてはひとつぜひ弾力的な運用を、これもひとつ求める人たちに対してこたえられる体制というものをきちっと整えておいていただきたいというふうに思います。いいですね。 それから、中小企業大学校について少しお尋ねしたい。 中小企業者が厳しい経済社会環境の中で健全な発展を遂げていくための努力ということで、人材を確保していく、そして育てていくことは、大企業と違って中小企業はなかなか難しい。それからまた、時代の大きな変化に対応できるような新しい経営戦略を組み立てていくための人材を育てていく、こういうこともなかなか容易な状況ではない。そういう中で、研修体制というものをぜひ整備して拡充していっていただきたいと思いますが、来年度の一般会計予算の中で中小企業関係予算は対前年度比マイナス五・一%、こういうことになっておりますが、人材養成のための来年度の研修関係予算はどのようになっていますか。とりわけ中小企業大学校関係予算についてはどのような状況でありますか。
○遠山政府委員 厳しい経済環境あるいは経済環境の変化に中小企業が即応していきますために、人材の養成というのは非常に重要でございます。 御指摘のように、中小企業大学校の整備拡充を進めているところでございます。六十一年度予算案におきます人材養成関係の予算でございますが、大きく分けますと、中小企業大学校のほかに都道府県がいたします研修事業等がございますけれども、いろいろ細かいのがございまして、中小企業大学校の関係の予算の総額でございますが、三十五億六千万円、前年度予算が二十八億でございますから、かなりの増加になっております。 この中小企業大学校予算の中で大きなのは中小企業大学校地方校の整備でございまして、東海ブロック校、それから中国ブロック校の建設促進のための予算、これが二十二億六千万ほどございます。そのほかは、研修コースの充実等につきまして、情報化指導担当者あるいは中小企業者技術研修、そういった面での拡充を図るということで、この面の予算が八億六千万ほどございます。そういう状況でございます。
○青山委員 中小企業大学校東海ブロック校、東海校と私はよく言うのですが、これの建設状況についてお尋ねしたい、これが第一点。 それから、中小企業大学校東海校に関係する中京地域には、それなりにあの地域において蓄積されてきた技術というものがあるのですが、こうしたものがさらに向上するための研修機関になっていくのかどうか。研修内容について、地域の特性、地域の実態に合わせた研修内容というものが研究、検討されているのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○遠山政府委員 第一点の東海ブロック校の建設状況でございますが、六十年度におきましては土地の取得を行いまして、また施設につきましての基本設計、これも年度内に終える予定でございます。六十一年度につきましては土地造成、それから実施設計を行う、こういう予定にいたしております。 研修内容につきましては、御指摘のように地域の特性、特にその地域の中小企業の状況等を十分踏まえ、またブロック内、この地域内の中小企業者の研修ニーズ等も十分考えて検討してまいりたい、こういうふうに思っております。
○青山委員 ぜひひとつお願いします。 それから、中京地域におきましては、地域の主要産業であります自動車関係あるいは工作機械関係、これはかなり成熟期に達してきております。ただ、将来展望の開けているといいますか、期待されている先端技術産業の分野がこの中京地域にはまだまだ弱い、こういうことが指摘されておりまして、この地域の将来の発展のためにはファインセラミックス産業の育成が要望されてきております。それからもう一つ、「八〇年代の東海北陸地域産業ビジョン」においては、東海環状テクノベルト構想なるものが出されてきております。 この東海環状テクノベルト構想についてもニューセラミックスの産業の育成についても、これは地元の中小企業の参加がなくしてはなかなか成功するものではないと私は思います。ところが、現状この地域における中小企業の人材はどうかといいますと、とても対応できるような状況ではないと私は今の状況では思っているんです。 そういう意味では、近く開校が予定されている中小企業大学校東海校の研修内容の中に、こうした環状テクノベルト構想であるとかあるいはファインセラミックス、ニューセラミックスの産業の育成であるとか、こういった問題についての研修内容の絡みといいますか、関係というのをひとつぜひ研究していただかなければならない問題であろうと私は思うのですが、その辺いかがでしょうか。
○遠山政府委員 東海ブロック校におきまして具体的にどういうふうな先端技術産業についての研修を行うかということにつきまして、現段階で具体的に申し上げる状況にはないわけでございますが、先ほど申しましたように、その地域の研修ニーズ等も十分踏まえ、これから検討して、開校までに検討してまいりたいと思っております。ただ、大がかりな実習設備を必要といたしますような技術研修というのは、地方校では施設の利用効率等の問題もございましてなかなかできないわけでございまして、施設負担の比較的小さく、またニーズの高いような施設を利用した研修ならばやり方としてはできるのではないか、こういうふうに思っております。 いずれにいたしましても、中小企業の経営者、管理者を対象にいたしました技術研修、特に先端技術の動向あるいはその活用方策といったようなことにつきまして、その地域の研修ニーズを十分踏まえて必要な検討をしてまいりたいと思いますし、その場合に、開校の時期に合わせましてニーズ調査あるいは関係者によります検討委員会みたいなものも設けまして検討させていただきたい、こういうふうに思ってはおります。
○青山委員 中小企業大学校が中小企業者の人材を養成する場として、あるいは技術の向上、情報の集積の場として、地域の経済力に大きな活力を与えてくれる研修の機関として、私はぜひひとつ成功させていただきたい。そのためにも、地元の業界の協力もまた求めていきたいと考えておりますし、連携をきちっととって、中京地域の経済力の活力の源泉になっていくような大学校として、ひとつぜひ建設をしていただきたいと要望しておきます。 それから、先ほど来融資について申し上げておりますことは、やはり弾力的な運用をひとつぜひ心がけていただきたい。制度がこうなっているからとにべもなく断っていくような血の通わない行政ではなくて、中小企業者からすれば、せっかくこの制度をつくってくださった、ああありがたい、こう思っていても、目の前でにべもなく断られできますと、がっくりと失望してくるわけです。ああこれが政治なのかと失望を与えていくようなことではいけませんから、ぜひひとつ弾力的な運用を心がけてくださるように切に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○野田委員長 野間友一君。
○野間委員 今回の円高による中小企業の深刻な実態、影響等については、もう既に同僚議員の方からもるる述べられました。本当に異常であります。 そこで、私はまず最初に、数字の上で輸出の実態についてお尋ねをしてみたいと思います。 統計上、一九八四年度の我が国の総輸出額が円ベースで一体幾らなのか、その中で鉱工業の上位の十社、そして上位の五十社、この輸出額を円ベースでそれぞれ示していただきたいと思います。
○黒田(真)政府委員 お答えいたします。 大体輸出の総額が四十一兆円でございますが、上位の十社の輸出額というものは、これは有価証券報告書から拾ったものでございますけれども、約十二兆円、三〇%程度という数字でございます。
○野間委員 上位五十社ではどのくらいになっておりますか。
○黒田(真)政府委員 五十社について算出をいたしておりませんので、まことに申しわけございませんが、お答えできません。
○野間委員 時間の関係もありますから、こちらの方で申し上げたいと思います。 「プレジデント」の去年八月号に輸出ランキングが記載されておりますが、それによりますと二十三兆二千七十億円、総輸出額の中で占める割合を調べてみますと、上位十社で二九・七%、上位五十社で五六・四%になっております。 ところで、中小企業関係についての輸出ですが、白書によりますと、産地の中小企業全体の輸出額が書いてありますけれども、一九八三年度で一兆七千二百八十億円、輸出の中で占める割合はわずか四・八%になっております。まず、これを確認したいと思います。
○見学政府委員 五十八年度の実績で算出する限り、先生の御指摘のとおりでございます。
○野間委員 さらに、上位十社の八三年度の輸出額を調べてみますと十兆六千三百八十億円、これは間違いがあれば後で訂正していただいたら結構なんですが、調べではそうなっております。そういたしますと、八三年度と八四年度を比べて、一年間で上位の十社だけで一兆五千九百一億円も輸出額をふやしておるわけです。つまり、この一年間でふやした分に相当するものが、わずか十社だけで産地の全体の輸出額に匹敵するということになるわけです。これは間違いないと思いますが、いかがですか。
○黒田(真)政府委員 私どもで調べた数字も、今先生御指摘の数字と同じでございます。
○野間委員 結局、貿易摩擦とか収支の悪化、黒字の問題について言いましても、わずか十社あるいは五十社で相当大きな比率を占めておる。ところが中小企業は、特に産地は、今申し上げたように総輸出額の中で占める割合がわずか四・八%、にもかかわらず今回の円高の中で大変深刻な打撃を受けておるということになろうと思います。 G5あるいはそれに基づく日本とアメリカの介入によって円高がつくられたわけでありますけれども、中小企業のあちこち、産地に行きましても、もうとにかくどうにもならぬ、直下型地震に遭ったようなものだ、我々は今まで努力してきたけれども全く関係のないところでこういうことをやられた、しかもこれが急激にやられたということで、大変深刻な事態に見舞われておるわけであります。 これは間違いのないところですが、五十二、三年の円高の中小企業に対する影響と比べてみますと、私ども考えますのは、一つは、当時はまだかつて中小企業も余力と申しますか、力が今よりもあったと思うのです。また、今よりも消費の点で見ましても深刻ではなかった。しかも、これがなだらかと申しますか、要するにかなり長期にわたって円高がかつては作用したわけです。ですから、五十二、三年の円高のときに比べて、今回の円高による中小企業の打撃、被害は一層深刻だということは明らかだと思いますけれども、認識の程度を伺いたいと思います。
○見学政府委員 五十二、三年当時の円高と今回の円高の比較でございますが、円高に至る上昇のスピードといった点につきましては、前回に比べ急激であったことは間違いのないところでございます。前回の場合には景気の回復局面にあったというような点についても様相の違いが片方であるわけでございますが、他方で、五十三年十月には百七十五円台等の異常なる円高を一回経験したという意味では、前回は完全に未経験であった、今回は学習効果があったというような差異もあろうかと思います。総合しまして、いずれ劣らぬ影響の度合いの大きさであろうかと思っております。
○野間委員 ただ、かつての円高というのはなだらかに、しかも一過性ですね。ずっと回復しましたね。ところが、今回は構造的なもので非常に長期にわたるということ。今百七十円台云々とありましたけれども、これもずっと進みますと回復しておりますね。今回と全く違うわけでしょう。ですから、それによって輸出型産地の中小企業はどんな深刻な影響を受けたか、これは前回と比べても、今回また調査されておりますけれども、一層深刻だということが数字の上でも出ておるのじゃないでしょうか。
○見学政府委員 御指摘のとおり、今回の円高調査におきましても、深刻な影響が出ているということは事実でございます。
○野間委員 その中身については先ほども言われたわけで、私も時間の関係で重複は避けたいと思いますが、成約が全面ストップ、あるいは価格がうんとダウンするとか、あるいは受注残の動向、これは適正水準をはるかに下回るとかいろいろ書いてありますね。しかもほとんどの企業が赤字になる産地、これが百九十円ベースでは十一産地。五〇%以上赤字になる企業の産地、これが百九十円のケースでは三十八産地等々ですね。しかも資金繰りにもう既に相当影響が出ている、これは三十九産地。廃業、休業あるいは倒産の発生が見込まれる、これも相当大きな産地の数が出ていますね。特に、私は和歌山ですけれども、ボタンとか漆器が五十五産地の調査の対象になっておりますが、ボタン等については特に産地の名前を挙げて深刻だということが言われております。 そうだとしますと、こういう深刻な状況の中で果たして緊急対策が、実際にこれによってこの窮状、苦境を打開することができるかどうかということが問題になってくると私は思います。端的に言いますと、大変不十分であるというふうに言わざるを得ないと思うのです。百八十六円、ここまで上がっておるわけでしょう。恐らくこの法案をつくられたころは、二百円ぐらいが頭というか下敷きにあってつくられたものじゃないかと思うのです。 そこで具体的に聞きますが、国際経済調整対策等特別貸付制度、これについてであります。 今申し上げたように、円高によって中小企業は大変な打撃を受ける、しかもこれはもともと政府みずからがつくり出したものであるという点から考えて、金利について本来無利子であったってしかるべきじゃないかというふうに私は思っておるわけですね。六・八が高利貸し並みじゃないかというふうに言われて、これが五・五%にされました。私も長官のところにも行ったわけであります。しかし、これでも非常に高いのですね。 五十一年、五十二年の二百海里の漁業水域制定の関連融資あるいは激甚災の被害者融資が三%ということでありますが、せめて三%に引き下げるべきである。決してこれは無理ではないと私は思います。また、返済期間についても、せめて三年据え置きの十年返済、これも決して無理ではないというふうに私は思います。これについてお聞かせをいただきたいと思います。
○木下(博)政府委員 現在の五・五%という金利につきましては、他の政府関係金融機関の特別の融資制度の金利と比べて、相当に思い切って低くした金利になっておるわけでございます。もちろん、激甚災害等の特別の場合には三%というような融資も実行されておりますが、一般的には六%台の金利になっておるわけでございまして、政府の政策金融の金利水準としては、五・五%というのは相当のところに来ていると私どもは考えております。 それから、融資期間につきまして、現在のところ、運用では一年据置期間を含めまして五年間ということでやっておりますけれども、今度の法律が実施されました際に、私どもとしてはこの金融措置についても見直しを行うというふうなことを考えておりまして、据置期間の延長あるいは全体の融資期間の延長についても検討していきたいと考えておるわけでございます。
○野間委員 大変不満であります。特に公定歩合が〇・五%下がったでしょう。これは政府として、今私の要求はせめて三%にしろということですが、公定歩合に連動してと申しますか、この下げによってもっと五・五を安くするということは、そのくらいならできるのじゃないですか。
○木下(博)政府委員 公定歩合の〇・五%引き下げに伴いまして、市中の短期貸出金利は同程度のものが下がるようになってきております。それから、預貯金金利につきましても〇・五%程度今月の終わりから下がるというふうに言われております。 ただ、政府関係金融機関の融資の対象となります基準金利といいますものは、長期のプライムレートに連動した形になっておりまして、長期プライムレートが同じような格好で下がるかどうかという点は、もうちょっと様子を見ないとわからないわけでございます。現在までのところ、短期金利が比較的高目に推移して、長期金利が金融緩和傾向を反映してどんどん下がってきていたというのが現在までの状況でございまして、今回の公定歩合引き下げは、そういうやや異常になっている状況が正常に戻る方向に向かったものだというふうにも考えられるわけでございます。
○野間委員 ですから、もう本当に生きるか死ぬかという瀬戸際なんですよ。決して輸出の余勢とかそういう性格のものじゃないということは、政府みずからよく御存じのとおりだと思うのです。せめてこのくらいのことをしたって罰は当たらぬと私は思うのです。 先ほど同僚議員の方からも岐阜の特別融資の問題について言及がありましたけれども、岐阜では県単で五%の緊急融資制度をつくっているわけです。これは十二月末まででちょっと調べてみますと、百二十五件、十二億円、既に貸し出しが行われておるわけです。ところが、政府のこの特別貸付制度、これは六十一年一月までで全国で二百八十八件、七十三億、こういう状況です。やはり高いですよ。 今生きるか死ぬかという瀬戸際なんです。そこへもってきてこういう金利ではどうにもならぬというのが実態なんですよ。これはどこへ行きましても、もっと金利を下げてほしい、せめて三%、これはほかに例がありますから、そのくらいは政府だってできるのじゃないかという声が非常に強いのです。通産大臣、いかがですか。
○木下(博)政府委員 確かに県単融資で五%台の融資をやっているところも各地であるわけでございますが、金利だけはそういう条件でございますが、例えば貸出規模とか貸出期間ということになりますと、必ずしも政府関係金融機関の条件には見合わないというものもあるわけでございます。 それで、現在までの政府関係金融機関からのそういう低利融資の実績について、先生御指摘ございました。確かに現在までのところは御指摘のとおりの実績でございますが、実情を聞いておりますと、新規契約の停止等によりまして資金繰りが悪化しますのは、この二月から三月にかけてという企業が割に多いようでございまして、一月の後半以降比較的申し込みの数もふえてきているという状況でございますから、五・五%の金利に下がったということも手伝いまして、今後は実績も上がっていくものと考えております。
○野間委員 申し上げたように、一月末までで全国で二百八十八件、七十三億でしょう。岐阜県の場合には、一県だけで百二十五件の十二億円。ですから、のどから手の出るほど借りたい人はうんとあるわけですね。ですから、岐阜のようにこういう数字が出ておるわけです。やはりせめてこのくらいのことを検討することが非常に大事だと思うのですね。これは強く要求して、もう時間がありませんから次に進みます。 融資について、実際いろいろと制度融資、これは借りたらいいと言われますが、赤字企業を初めとして借りたい人への融資あるいはその信用保証、これらが今まで円滑、スムーズに要求どおりいっておるかというと、決してそうじゃない。現場でいろいろ業者の声を聞きますと、非常に厳しい、冷たい、制度融資はむしろ市中の銀行よりも厳しい、冷たいという声が非常に多いのですよ。 ですから、私はこの点について運用上いろいろ問題があると思うのです。どういうふうにお考えになるのか。私は、法律で、赤字だからといって貸さないということは絶対許さないというような制度をきっちり設けるべきであるという立場から質問するのですが、いかがですか。
○木下(博)政府委員 赤字であるから貸さないというような運用は、やっていないと私どもは考えております。もちろん、赤字の企業でありましても、将来の見込みがあれば通常の金融機関でも十分に融資をするわけでございますし、政府関係金融機関あるいは各県の信用保証協会における信用保証におきましては、赤字であるからやらないというような運用は当然やっておりませんし、今後事業転換、あるいは事業転換じゃない場合でも、新たな方向へ企業が経営努力をしていこうというものであれば、中小企業庁としては各般の施策でそれを援助していく予定でございますし、そのような意欲のある企業が努力していくのであれば、十分にそういう政府関係金融機関からの融資あるいは信用保証協会からの保証は受けられるというふうにお考えいただいてよろしいかと思います。
○野間委員 先ほども話がありましたが、実際現場ではそうじゃないのですよ。これはそういうことのないように、運用上も厳しく指導をされるのが当然だと思うのです。 特にこの影響調査の中で、赤字になる企業が五〇%以上になる産地、これは二百円のケースでも三十四産地、百九十円では三十八産地、ほとんどの企業が赤字となる産地、これが二百円では五産地、百九十円では十一産地、こうありますね。しかも資金繰りは非常に困っておるということがずっと出ております。 ところが、金融機関へ行きますと、赤字だからというようなことで、運用上いろいろ言われますけれども、実際にはなかなか貸してくれないというのが実態なんです。だからこそ、我々はやはり法で制度的にそういう保障をする必要があるのじゃないかというふうに考えて今度修正案を出しておりますけれども、こういうことのないように、これは保証できますか。
○木下(博)政府委員 緊急経営安定の融資といいますものは、当然あくまでもつなぎ的な措置でございまして、私どもとしては、中小企業者がそのような融資を受けながら事業転換等新たな方向を求めていくということを期待しておるわけでございまして、それに対する助成は別途やっていくわけでございますから、そのような方向づけをやっていき、またそれが実現できる可能性のある企業に対しては、現在幾ら苦しくても、信用保証協会あるいは銀行等からの融資は行われ得るというふうに考えております。 ただ、それを保証しろというお話でございましても、個々の件について私どもがこの場で保証申し上げるということはできないわけでございます。
○野間委員 緊急経営安定対策というのは、急場にこれをどうして倒産を防ぐかという緊急の手当てですね。だから事業転換とは関係も、時間的にも違いますね。しかも、今申し上げたように、窓口ではこれがなかなかうまくいかないというのが実態です。一遍実態をぜひ調べていただきたいと思います。 それから、返済猶予について、中小企業事業団の高度化資金あるいは政府系の金融機関ですね、これについても返済猶予を法できっちり保障してほしい、するべきである、これが私たちの立場であります。これも実態は非常に冷たいわけですね。なかなかその要望にこたえてくれないというのが実態でありますが、これについてどういうようにお考えでしょう。
○広海政府委員 昨年の十月と十二月に、政府系三機関に対しまして、中小企業庁とそれから大蔵省銀行局から、円高の被害を受けております中小企業者の既往債務の返済猶予につきまして配慮するよう指示したところでございます。また、中小企業事業団の高度化融資につきましても、既往債務の返済猶予につきまして弾力的に措置するよう指示したところでございます。
○野間委員 そう言われますけれども、これもまた今申し上げたように、貸し出しと同じように大変なことですよ。これは私も具体的に幾つか承知しておりますけれども、きょうは出しませんけれども、これまた今後も大変問題になると思いますが、せめて法律ではきっちりこの中に入れるべきだというように我々は考えておりますが、政府はなかなかこれにこたえてくれませんがね。そうであるとすれば、これはほんまにみんな業者の要望にこたえるような形で運用をやる必要があるのじゃないかというように思っております。 時間がありませんので次に進みますが、事業転換対策についてであります。 この近代審の中間報告を見ますと、事業転換そのものが企業にとっても戦略的な意味を持つのだ、あるいは社会的、国際的に重要な意義を持つのだ、こういうことが書かれておりますし、今度の法案を見ましても、事業転換——私は決してその必要性を否定するものじゃありませんけれども、仰せこの事業転換も、だめな場合にはもうとにかく事業転換しろというようなことで、今の仕事そのものの重要性というか、そういうものを否定して、事業転換で何でもしろというふうにとられるというか、そういうふうに受けとめられる危険性が非常にあると思うのですね。私はそのことを非常に問題にするのですけれども、特に、今の中間報告を見ましても、社会的、国際的に重要な意義を持つとか、日本の産業構造自体の問題でもあるとか、これできっちりやらぬことには市場開放とかその他うまくいかないのだというようなことまで書いてあるわけであります。 ですから、端的に言いますと、ほとんど、おまえたちは事業を切りかえて、特に内需を中心とした事業に切りかえろというようなキャンペーンじゃないかということを言う人もあるのですけれども、その点についてどういうふうにお考えでしょう。
○木下(博)政府委員 円高の定着、あるいは技術革新、それから製品輸入の拡大というようなものは、ある意味では必然の勢いということでございまして、日本経済が国際経済社会の中で生き延びていくためには、そういう状況をある程度受け入れていかざるを得ないという状況下にあるわけでございます。そのような状況下におきまして、中小企業の経営が今までどおりでいいということはなかなか言えないわけでございまして、当然分野によっては構造変革を迫られてきておるわけでございます。 現在提案申し上げております今回の法律では、すべてのそういう中小企業者に対して事業転換を強制するものでは全くございませんで、いずれにしても経営の方向転換を迫られておるわけでございますから、そういうものの中で事業転換を自主的におやりになろうという企業であれば、それに対してできるだけの助成をやっていきたいということでございますし、それ以外の体質強化策、あるいは技術開発、人材の養成ということで従来から中小企業庁で実施しております政策は今後も続けていきまして、そういう中で中小企業者が生き延びていけるような助成を行っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○野間委員 事業転換の円滑化の問題についてお聞きしますが、転換円滑化計画というのがありますね。これは組合等がサポートする場合ですが、この事業転換を行う場合の中身についてでありますけれども、これは組合員が積極的にこういう事業に転換したいというようなことはないけれども、組合として何とかしなければならぬというような場合に、組合が、個別の組合員の具体的なそういう転換の計画はともかくとしても、やろうというようなことで計画を立てるという場合も、これはこの円滑化の計画の中に含めて考えておられるのかどうか、その点どうなんですか。
○広海政府委員 この組合の行います事業転換円滑化事業と申しますのは、その構成員の事業転換を円滑にできるように組合としてやっていこうというものでございますので、そういう趣旨に照らしまして、そういうものであれば本法の対象となっていく、このように考えております。
○野間委員 事業転換そのものは申し上げたように決して否定はしないわけですけれども、この中間報告によりますと、「単なるコスト切り下げのための合理化や新製品の開発、製品の高級化等に止まらず、新たな事業分野への進出等事業の転換まで行わなければならない場合が多い」、これが戦略的な意味を持つんだというようなことを書いてあるわけですね。 しかし同時に、私は円高の調査にも回ってきたわけですけれども、産地法ですね、これをどうしても延長してくれという、これは圧倒的なんですね。これは非常に評判がいいのです。私、かつてこの場でやったことがあるのですけれども、非常に評判がいいのですね。これについては恐らく通産省は、デザイン開発については予算措置をとっておる、こういうふうに言われます。これは一年限りなんですね。あるいは中小企業技術開発促進臨時措置法、これで新技術の開発の促進をやっておるのだ、こう言われますけれども、これも先端技術にうんと絞りがありまして、なかなかこれに乗っかれない。むしろ、今まで例えば江戸時代あるいは明治の初年から地場産業を営々として育て発展させてきた、そういうものを産地法のように助成して、これをさらに発展させるということをどうしてもやってほしいというのが非常に強いわけですね。 今度の法案の中ではこの産地法がなくなる、そういう方向のように聞いておるのですが、もうとにかく事業転換が非常に大きな柱、中心になっておるわけですね。これでは従来の伝統的な産地、そういうものの振興にはならないから、これをぜひ残せという希望があるわけですね。これについて私はそういうふうに延長の要求をしますけれども、いかがですか。
○木下(博)政府委員 産地中小企業対策臨時措置法は、ことしの七月に期限が来て失効することになっております。中小企業庁といたしましては、今先生御指摘ありました中小企業技術開発促進臨時措置法というのを昨年この委員会に御提案を申し上げて成立したわけでございますが、中小企業者の方々が今後生き延びていく場合には技術が一番重要だということで、これは産地の中小企業者に限らず、全国すべての中小企業者にとって共通の問題でございますので、それを大いに促進していこうということで法律をつくらせていただいたわけでございます。 それと同時に、地場産業につきましては、法律によらない形で地場産業振興センターの設立、あるいは最近の予算措置といたしまして新地場産業集積圏構想、そういうような予算をとりまして、各地における地場産業の振興策をやっておるわけでございまして、こういうものは今後ともますます拡充強化していきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、今度の法律でも、十七条におきまして「産地への配慮」という規定が書いてございまして、特に特定中小企業者の数が集中しております産地に対しましては、国及び都道府県が十分な対策を講じるようにというふうなことを言っておりますので、そのようなことで産地に対する対応策は十分を期していきたいというふうに考えております。
○野間委員 言われましたけれども、地場産業振興センター、これは入れ物、器の問題ですよ。これは幾つか目にしておりますけれども、大体、地場産業についての予算をずっと見てみますと、やはり減っていますよね。 それから、産地法はなぜ必要かといいますと、これはビジョン、計画を立てて五年間助成するわけでしょう。こういうものがなくなるわけですよ。先ほど言われたように、デザイン等については予算措置云々言われましたけれども、これは一年限りでありますし、法の裏づけがないわけですね。ですから、ぜひ残してほしいということを強く要望をして、最後に大臣に聞きたいと思います。 先ほど申し上げたように、今度の円高の中での特に産地を中心とした中小企業の実態というのは相当深刻な事態で、生きるか死ぬかという状況にあるわけですね。その中で、今申し上げたように、緊急安定対策と事業転換というものを二つの柱にしたこの法案が今かかっておりますけれども、いろいろな切実な中小企業の要望からして、非常に不十分であると言わざるを得ないと思うのです。 中小企業庁みずからが調査されたその深刻な事態に対応できるという確信があるのかないのか、私はもっといいものをつくらなければならぬ、こういうふうに思いますけれども、その点についての所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 いろいろな調整を各省内でもいたしまして、現段階においては最善なものであるからぜひとも成立をさしていただいて、そして皆さんから御要望のあった金利を除いたいろいろな緩和、その他の貸付条件の緩和等については十分に配慮をしてまいりたいと考えております。
○野間委員 終わります。
○野田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○野田委員長 この際、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案に対し、工藤晃君外一名から、日本共産党・革新共同提案による修正案が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。工藤晃君。 ————————————— 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案に 対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○工藤(晃)委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 今回の円高は、昨年九月のいわゆるG5合意に基づき政府の政策として行われているものであり、被害を受けているすべての中小企業者に対し、政府はその救済の責任を負うべきであります。しかし、法案の緊急経営安定対策は、産地中小企業者等の要望と実情に十分こたえるものとはなっていません。 円高や貿易構造その他の経済的事情の変化に直面し、困難に陥っている中小企業者への対策として、法案は、事業転換対策を大きな柱としておりますが、中小企業の基盤強化、振興対策を抜きにした転換策だけでは、中小企業の今日の困難は打開できません。 これとの関連で、政府が本年七月一日で期限切れとなる産地中小企業対策臨時措置法を自然消滅させようとしていることは重大であります。このいわゆる産地法は、前回円高時の円高対策法を継承発展させて制定されたものであり、これまでに、百九十八産地を指定し、各都道府県による振興ビジョンの策定とその実施などによって少なくない成果を上げているものであります。本法の継続、拡充を求める声は、切実かつ圧倒的であります。 以上の理由により、本法案の内容を補強するための修正案を提出する次第であります。 次に、修正案の主な内容について御説明申し上げます。 第一は、緊急経営安定対策の拡充であります。 前回の円高対策法同様、政府の特別貸付制度を法律に明記し、かつ、その金利は現在実施されている年五・五%を三%以内とするものであります。これは、二百海里漁業水域関連融資や激甚災害特別被害者融資など当事者の責任に属さない事情によって被害を受けた場合に実施されたものと同様の措置をとることとしたものであります。 また、既往貸し付けの返済猶予については、政府案の近代化資金に加えて、国民金融公庫など政府系四金融機関の貸付金、中小企業事業団の高度化資金等についても三年以上猶予するものとし、これらを法律に明記して徹底を図ろうとするものであります。 さらに、保険料率を現行の二分の一以下に引き下げ、信用保険の特例措置の拡充を図るものです。特定中小企業者にとって保証料の負担は大きいものがあり、既に一部地方自治体が保証料を肩がわりしている例からすれば当然であります。 第二は、産地中小企業等の振興対策であります。 国及び都道府県は、産地中小企業者等の特定中小企業者に対し、その事業の転換対策のみではなく、振興対策と事業基盤の強化対策を積極的に図らなければならないこととし、あわせて、産地中小企業対策臨時措置法を七年間延長するものであります。 最後に、本法案の実施に当たって、国及び都道府県は、小規模事業者の経営及びその雇用する労働者の生活の安定に特に配慮するものとしております。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○野田委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があれば発言を許します。渡辺通商産業大臣。
○渡辺国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府としては反対であります。 —————————————
○野田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、工藤晃君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○野田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○野田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○野田委員長 この際、本案に対し、佐藤信二君外三名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、昨年来の急激、かつ、大幅な円相場の高騰等、内外の厳しい環境下にある中小企業、とりわけ輸出型産地中小企業者の深刻な実情にかんがみ、情勢の推移に応じ施策の見直しを行い、その拡充強化に努めるとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 特定中小企業者に関する業種指定等に当たっては、今後さらに事業転換が要請される構造的要因の変化をふまえ、実態に即しできる限り広い範囲の中小企業者が対象となるよう配慮すること。 二 事業転換の円滑な遂行とその成果を期するため、転換計画の承認について弾力的な運用を行うとともに、転換に当たっては、当該中小企業者に雇用される労働者の意見が反映されるよう指導すること。 三 緊急経営安定対策の対象となる特定中小企業者に関する業種の指定等に当たっては、輸出産地や業種の実情に応じ、弾力的な基準に基づいて行うよう配慮するとともに、認定を受ける特定中小企業者の認定基準についても弾力的に定めるよう留意すること。 四 特定中小企業者の金融の円滑化を図るため、国際経済調整対策等特別貸付制度の貸付条件の緩和に努めるとともに、中小企業高度化資金貸付金、政府系中小企業金融機関等の貸付金の返済猶予についても中小企業者の実情に応じ弾力的に措置するよう検討すること。 五 特定中小企業者の事業転換及び円高等による経営への影響は、当該特定中小企業者に雇用される労働者の利害に重大な関係を有するものであることにかんがみ、雇用の安定、生活の安定等に最大限の措置を講ずるよう努力すること。 以上であります。 私ども日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合は、本案に対する修正案を用意しましたが、時間の関係もこれあり、本案の早期成立を期する立場から、修正点を附帯決議案に盛り込んだものであります。 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○野田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 佐藤信二君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○野田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺通商産業大臣。
○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。 —————————————
○野田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○野田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後十一時三十八分散会 ————◇—————