社会労働委員会 第17号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1986/05/13
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 社会保険労務士法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。 その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます回 近年、社会経済情勢の著しい変化と進展に伴い、労働及び社会保険諸制度についても大幅な整備改善が行われ、その内容は、極めて複雑かつ専門的なものになっております。 このため、本案は、主として中小企業を中心に、労働及び社会保険関係業務の円滑な処理と労働条件の改善向上に努めている社会保険労務士について、その職務内容の充実、資質の向上等、社会保険労務士制度の整備充実を図ろうとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。 第一に、社会保険労務士の職務内容の充実を図るため、社会保険労務士は、労働社会保険諸法令に基づく申請等について、または当該申請等に係る行政機関等に対する主張、陳述について、事務代理ができるものとすること。 第二に、事業所に勤務する、いわゆる勤務社会保険労務士について、事業所の名称等の登録を義務づけるとともに、その勤務する事業所の事務処理の適正化等に努めるものとすること。 第三に、社会保険労務士の資質の向上を図るため、社会保険労務士会等の行う研修について、社会保険労務士は、その受講に努めるものとするほか、事業主も、勤務社会保険労務士にその受講の機会を与えるように努めるものとすること。 なお、この法律は、昭和六十一年十月一日から施行するものとすること。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 社会保険労務士法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○山崎委員長 これより採決いたします。 お手元に配付いたしてあります革案を社会保険労務士法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山崎委員長 起立総員。よって、さよう決しました。 なお、本案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○山崎委員長 森井忠良君外四名提出、労働基準法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。永井孝信君。 ————————————— 労働基準法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○永井議員 労働基準法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の説明をさせていただきたいと思います。 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました労働基準法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 今や、我が国は経済大国になったと言われておりますが、それを支えている労働者の生活実態を見ますと、欧米先進諸国の水準に達しいているとは、必ずしも言えません。それは特に、労働時間や休日等に端的に見られます。それはまた今日、国際貿易摩擦の大きな要因の一つにもなっており、欧米諸国の厳しい批判を招いているのであります。 労働省の資料で一九八三年の製造業、生産労働者の労働時間等に関する国際比較を見ますと、我が国の年間総実労働時間は二千百五十二時間であるのに対し、イギリスは千九百三十八時間、アメリカは千八百九十八時間、フランスは千六百五十七時間、そして西ドイツに至っては千六百十三時間と、我が国よりも実に五百三十九時間も短いものとなっております。 その最大の要因は、完全週休二日制の普及度に大きな差があることであります。すなわち、欧米先進諸国では、完全週休二日制が社会的に確立し、常識化しているのでありますが、我が国の場合は、完全週休二日制のもとで働いている労働者は、一九八四年の数字でも、四分の一強にすぎません。また、年次有給休暇についても差があり、欧米先進諸国では、その取得日数が二十日ないし三十日水準となっているのに対し、我が国の場合は、一九八四年の数字を見ると、その付与日数で十五日程度、実際の取得日数は八日程度にすぎません。加えて、我が国の場合は時間外労働が異常に多く、それが我が国の悪しき特徴となっているのであります。 このような我が国の長時間労働の実態を、一日八時間・週五日労働で計算いたしますと、我が国の労働者は、西ドイツやフランスの労働者よりも、およそ実に三カ月も多く働いていることになります。 しかも、一九七三年のいわゆる石油ショック後の動向を見ますと、欧米諸国においては、その経済的困難の中で、むしろ、失業者の増大に対処し、社会的ワークシェアリング、つまり仕事の分かち合いを推進する観点からも、労働時間の短縮が行われてきたのに対し、我が国の場合は、石油ショック以前には少しずつ労働時間の短縮が進んできておりましたが、その後は、足踏み状態になり、むしろ逆に、やや増加する傾向さえ見られることは、見過ごすことができません。その一方で、我が国の、いわゆる完全失業者数は、一九七三年の六十八万人から一九八五年には百五十六万人へとふえ続け、また完全失業率も、一・三%から二・六%へと高まっているのが実情であります。 国際貿易摩擦は一向に解消せず、我が国に対する国際的批判がますます高まり、輸出依存型から内需拡大型に我が国産業構造、経済構造を転換する必要があるという声が各方面から上がっている中で、最近の政府関係審議会等の報告などにおいても、労働時間短縮の必要性が指摘されております。例えば、この四月二十四日に発表された国民生活審議会の「人生八十年時代の経済社会システム構築の方向」に関する報告は、二〇〇〇年までに年間労働時間を千八百時間程度に短縮する必要がある、としています。労働時間の短縮については、今や、まさに我が国世論の一致するところとなっているのであります。 我が党は、このような状況にかんがみ、完全週休二日制等の実現のために、労働基準法の改正を提案する次第であります。 次に、この改正法案の内容について御説明申し上げます。 第一は、週休二日制についてであります。 この改正法は、労働者に対して、毎週、少なくとも連続した二日の休日を与えなければならないものとすることといたしております。現行法第三十五条は、「毎週少くとも一団の休日を与えなければならない。」と定めておりますが、これを「連続した二日の休日」と改めるのであります。 また、これに伴って、第三十二条の過労働時間は、現行の「四十八時間」以内を「四十時間」以内に改めることにいたしております。 したがってまた、第六十条第二項の、満十五歳未満の年少者の過労働時間についても、現行の「四十二時間」を「三十五時間」に改めることにいたしております。 第二に、時間外・休日労働等の賃金割り増し率の引き上げについてであります。 この改正法は、第三十七条の、時間外労働の賃金割り増し率を、現行の二五%から、五〇%に引き上げるものとすることといたしております。 また、休日労働及び深夜労働の賃金割り増し率については、現行の二五%から、一〇〇%に引き上げるものとすることといたしております。 第三に、労働時間及び休憩の特例の廃止についてであります。 既に昭和五十六年二月六日付の労働省令第五号により、第四十条に基づく特例のうち、労働時間については基本的に廃止することとされ、順次廃止されてきておりますが、休憩についてはそのまま残されております。これを全面的に削除することにより、第三十二条の労働時間及び第三十四条の休憩に関する規定の別段の特例を廃止することといたしました。 最後に、この改正法は、中小企業における完全実施のための準備期間について配慮し、一年後の昭和六十二年四月一日から施行するものとすることといたしております。 以上、この法律案の提出理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。 なお、この際、特に付言しておきたいのでありますが、今回我が党が提出いたしました労働基準法改正案は、既に八年前に我が党が提出いたしましたものと、ほぼ同じ内容のものであります。当時、労働時間短縮の機運が高まってまいりましたのに対応して、我が党は、それ以前に提案しておりました労働基準法改正案について、完全週休二日制等に絞ったものに改めて提出することとし、以来、繰り返し提出して、各党の御賛同をお願いいたしたのでありますが、残念ながら、今日まで、その成立を見ることができませんでした。しかし、その後の推移、今日の諸情勢をかんがみれば、労働基準法の改正による完全週休二日制の実現等は、我が国緊急の課題であると考えます。 労働基準法については、次の通常国会において、労働者の概念、労働契約や就業規則のあり方、退職手当の支払い確保のあり方等を含め、その抜本的改正が論議される日程になっていることは、周知のことであります。また、これに対応して、労働時間法制については、労働四団体等の統一改正要求がまとめられていることも聞き及んでおります。 しかし、完全週休二日制の実現等は、先ほども指摘いたしましたように、我が国緊急の課題であります。こうした事情について、ぜひとも御賢察され、また、この法律案が、労働団体のみならず、未組織の労働者を含む我が国の四千三百万労働者とその家族の切実な要望にこたえるものであると同時に、我が国に対するさまざまな国際的批判にこたえ、我が国経済社会のあり方を転換するために欠かせないものであることをも十分に勘案され、御審議の上、速やかに御可決あらんことを心からお願い申し上げる次第であります。
○山崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時十三分散会 ————◇—————