社会労働委員会 第14号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/04/22
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 この際、連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。 ただいま運輸委員会において審査中の内閣提出、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案について、運輸委員会に連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時等は、運輸委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせいたします。 ――――◇―――――
○山崎委員長 内閣提出、労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。村山富市君。
○村山(富)委員 いよいよ労災保険法の改正案の質疑もきょうで終結するわけでありますが、この際、今までの討議も含めて確認をしておきたいと思う点がございますので、若干の質問をいたしたいと思うのです。 第一に、今回の改正によって、年齢階層別最低限度額を設定することにしていますが、年功賃金形態になっていない業種については実態にそぐわない面もあるのではないかと思います。しかし、最低限度額が引き上げられる点もあり、一応評価できると思います。 しかし、最高限度額の設定については、場合によっては労働基準法による災害補償を下回るケースも生じることになり、労働基準法上問題があるのではないかと思うのですが、見解を承りたいと思います。
○林国務大臣 今回の年金の給付基礎日額に最高限度額を設定することによりまして、個々の受給者について見た場合には、高額受給者の一部についてその受ける給付の額が結果的に一部労働基準法所定の補償を下回る可能性はあろうかと思います。しかしながら、この点につきましては、過去においても、労働基準法によります一時全体系の給付を年全体系の給付に変更する過程におきまして生じていた例がございますし、給付の長期性という点で年金の有しますメリットが大きいものとの判断に立ちまして、給付体系を全体として見た場合、労災保険法による給付は労働基準法による災害補償に比較してまさっておりまして、制度といたしましては、これに代替している点は今回の改正によっても何ら変わるものではないと考えている次第でございます。 加えまして、今回の改正によりまして最低限度額の設定により給付基礎日額が引き上げられる者が多数にあるということなどを考えますと、今回の改正によりまして全体として給付の改善を見ているものと私どもは考えております。
○村山(富)委員 今回、この最高限度額、最低限度額が設定されなかった休業補償については、季節による雇用量の違いあるいは賃金日額の違いなどにより、同じ会社で同じ賃金を稼いでいる人たちが、認定時期によって一日何千円もの差が生じる事例がたくさんあります。 このように、林業などの業種においては季節的要因等により収入に変動が大きいので、このような業種における労災給付のあり方や給付基礎日額の算定方法等については改善する必要があるのではないか。特に低額な者の引き上げを図る必要があると考えますが、見解を承りたいと存じます。
○小粥(義)政府委員 御指摘の休業補償給付の給付基礎日額のあり方等につきましては、労災保険審議会の中に設けられます基本問題懇談会において今後検討すべき事項の中に含まれておりますので、御指摘の点も含めまして十分検討してまいりたいと存じます。
○村山(富)委員 次に、一部休業一部就労等により社会復帰に努力している被災労働者について、今回の改正によって収入が減るのは問題があるのではないかと思うのです。減額の対象となる者は、療養を行いながら就労する被災者であることを考慮すべきであり、社会復帰の意欲を阻害することのないよう配慮すべきではないかと思うのですが、見解を承っておきたいと思います。 また、企業内において労使が自主的な取り決めによって実施されている上積み給付が今回の改正により影響を受けるおそれはないか、この点は見解を明確にしておいていただきたいと思います。
○林国務大臣 業務上の傷病を克服しまして社会復帰のために努力をしている方々に対しましては、各種の援護措置を活用するなど、その努力が報われるように十分配慮いたしますとともに、社会復帰を一層促進するために、職業安定行政、職業能力開発行政など関係行政間の連携を図りながら効果的な施策の推進に努めてまいりたいと思います。 また、企業内におきまして実施されているいわゆる上積み給付は、あくまでも各企業において労使間で自主的に決定されるものでありまして、今回の改正はそれについてまで影響を及ぼす趣旨のものではございません。 〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
○村山(富)委員 今、大臣の答弁にも、労使が自主的に決めておる上積み給付については今度の改正で影響がないというふうに答弁がございましたから、その点についてはそのように確認をさせてもらいます。 それから次に、収監中の休業補償給付の取り扱いに関しては、法条文を見る限りでは、健康保険法、船員保険法のように未決囚も含めるか、既決囚に限るか、不明確でありますが、未決か既決かで区別するのかどうか、その点を明らかにしていただきたい。 また、いわゆる破廉恥罪はともかくとして、業務上の事故が原因でみずから負傷し、同時にその事故が原因で収監されるようなケースも考えられるが、そうした場合についてまで休業補償給付を不支給とするのは酷ではないかというふうに思うのですが、お考えを聞かしていただきたいと思います。
○林国務大臣 休業補償給付が支給されない対象者は具体的には省令で定めるものといたしておりますけれども、判決によりまして刑が確定した者に限定しまして、いわゆる未決については対象としないとする考えでございます。 また、業務上被災して、そしてまたその事故が原因で収監されるような事例につきましては、支給制限との関係もございましてそのような事例は生じないものと思われますが、具体的に省令を定めるに当たりましては、御指摘のような事例の実態を十分に見きわめながら、当委員会の審議を踏まえ、また、関係審議会の御意見も十分に伺いながら適切に対処してまいりたいと思います。
○村山(富)委員 次にお尋ねしますが、通勤災害の逸脱、中断後の行為が通勤とされる行為の範囲を拡大することになっています。通学等を追加することにしておるわけでありますが、拡大される範囲についてはどの程度になるのか、具体的に明らかにしていただきたいと思います。
○小粥(義)政府委員 通勤災害に関しまして今回拡大をすることとしております内容は、具体的には労働省令で決めることになるわけでございますが、その際には、学校及び公共職業訓練施設への通学などの行為を考えているところでございます。 具体的に申し上げますと、職業能力開発促進法の公共職業訓練施設等、それから学校教育法の高校、大学、または高等専門学校及び専修学校、各種学校のうち、教科内容あるいは時間数などから見まして職業能力の開発向上なりあるいは職業人としての資質の向上に役立つと認められる一定範囲のもの、これらのものを対象とすることを考えているところでございます。 それ以外に、従来長時間を要するということで認められておりませんでした腎臓の人工透析を受ける行為についても拡大される範囲に加える予定にいたしております。
○村山(富)委員 次にお尋ねしたいのですが、これは先般の質疑の中でも意見が述べられておったようですが、最近単身赴任者が増加をして大きな社会問題になっているわけです。これらの者が家族の居住地と赴任先との間を定期的に往復する、いわゆる土曜日に帰って月曜日に行く、こういうことが繰り返されていると思うのですが、そういう往復の途上において事故に遭う例がしばしばあるのではないかと思うのです。労災保険としても、これら単身赴任者のいわゆる土帰月来途上の災害についても保護を図るべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○林国務大臣 単身赴任者のいわゆる土帰月来行為につきましては、労災保険審議会におきまして検討をされてまいりましたけれども、本来的に使用者の管理外の行為である上に、職務との関連性や単身赴任者及び土帰月来行為についての範囲の限定などに関する技術上の問題もある、こういったことから、引き続き検討されることとされているところでございます。したがいまして、当委員会におきます御論議の趣旨を労災保険審議会に報告いたしますとともに、今後の労災保険審議会の検討結果を踏まえまして対処してまいりたいと思います。
○村山(富)委員 次にお尋ねしますが、従来から中小下請企業においては、いわゆる労災隠しといったようなことがしばしば起こっておるというふうに聞いておるわけです。それは親企業の圧力によって行われているケースもあるのではないかと思うのですが、今回、メリット制を拡大することによってそうした労災隠しがさらに促進されるのではないかというふうなことが懸念されるわけです。今後の指導監督によってそういうことが起こらないようにすべきだと思いまするけれども、今後の対応策について承っておきたいと思うのです。
○林国務大臣 いわゆる労災隠しと言われますものは、本来あってはならないものであると私どもは考えておるわけでございまして、そのようなことのないよう労働安全衛生法に基づきますところの死傷病報告の徹底などにつきまして従来から監督指導を行ってきたところでございます。しかし、今回、メリット制の改正を契機といたしまして、さらに一層積極的に行ってまいりたいと思っております。その際には、親企業に対しましても十分な監督指導を行ってまいりたいと考えております。
○村山(富)委員 特に労災隠しの問題等については、いろんな企業の内部の事情や社会的関係もあってそうしたことがしばしばあるように聞いておりますので、特に監督指導を強く要請をいたしたいと思います。 それから次に、これはある意味では今度の改正の中では関係者から一番注目されておる問題点ではないかと思うのですが、今度の改正で新しく事業主の意見具申し出ができるようになりました。その問題について若干お尋ねをしておきたいと思うのですが、事業主の意見具申し出を認めるようにしたのは、日経連等の側から使用者にも不服申し立て適格を認めるべきではないか、こういう主張が強く行われておったように聞いておりますけれども、そうした主張に沿うものであり、これにこたえるものではないか、こういうふうに私どもは受け取れる面もあるのですが、その点についてはどうなのか。 それから次に、労災認定に当たって、現行でも事業主から資料の提出、事情聴取等十分に意見を聞く機会もあるわけでありますが、新たに意見具申し出を認める必要が一体あるのかないのか、なぜそういうことにする必要があるのか、こういった問題について明らかにしておいていただきたいと思うのです。 それから、今日、労災認定に当たって事業主が事業主証明を拒んだり、会社としては労災として認めるわけにはいかぬといったような抵抗があるようにも聞いております。そういうことから認定おくれが出るケースも少なくないというふうに思うのですが、意見具申し出を認めることでさらに認定がおくれるケースが多くなるのではないかということも心配されますので、そうした点についての見解も、この際承っておきたいと思います。
○小粥(義)政府委員 お尋ねの事業主の意見具申し出につきましては、昨年暮れの労災保険審議会の建議の中で指摘をされている事項でございまして、今後の取り扱いとしては省令の改正によって対応していきたいと考えている事項でございますが、今お尋ねのございました点につきまして、まず第一点の日経連等からの委員の働きかけによるのではないかという点につきましては、今回の労災保険審議会のいろんな制度改善のための検討の中で、保険給付請求事案について事業主の不服申し立ての適格性を認めるべきであるという強い要求が使用者側委員から出され、審議会においてこの点をめぐっての論議がいろいろあったことは事実でございます。しかしながらその結果としては、審議会では、保険給付請求事案につきまして事業主が有する利害関係、これはいろんな意味の利害関係があるわけですけれども、それはあくまで事実上のものであり、法律上の利害関係を有しない以上、事業主に保険給付請求事案に関し不服申し立て適格を認めるのは困難であるという結論に達したものであります。 しかしながら、事業主は労働者の健康管理に責任を有する立場にあるといったことなどを考慮しまして、同審議会の建議では、事業主の意見具申し出制度を設けることを適当としているものでございます。なお、事業主の意見が出された場合に参考資料として活用されるものではございますけれども、支給決定はあくまで行政が主体的に行うものでございまして、事業主の申し出のあった意見に拘束されるものでないことは当然でございます。 なお、事業主の一部には労災事故にかかわります事業主証明を拒む例が従来あった事例も聞いております。今回この意見具申し出制度を設けることによりまして事業主に別途その意見を申し出る機会が確保されるといったことにもなりますので、ゆえなく事業主証明を拒み、結果として支給決定が遅延するような事態はむしろ減少する可能性も出てくるのではないかというふうにも考えておりまして、そのように今後指導に努めてまいりたいと思っております。
○村山(富)委員 労災認定というのは、これまでも私どもたくさん事例を聞いているわけですけれども、災害を受けてから認定されるまでの期間がもう相当かかる。これはやはり、一方は事故を受けているわけですから、できるだけ早く認定ができるようにしてあげるべきであるというふうに思いますので、今の事例等も十分受けとめて、そして結論が早く出るようにやるべきではないかと思いますので、その点はまた強く要請をしておきたいと思うのです。 それから次にお尋ねいたしますが、特別加入制度が設けられておりますけれども、特に今回の改正で健康診断書の提出を義務づけることにしているわけですね。この加入時に健康診断書を義務づけることに関連をして若干お尋ねをしておきたいと思うのですが、特別加入をして働く意思のある者について健康診断を義務づけ加入をさせないという発想は、労災保険法の目的からしても問題ではないかと思うのですが、なぜ加入時に健康診断書を新たに導入する必要があるのか承っておきたいと思うのです。 それから、健康診断書の義務づけについては、全員について義務づけるのか、あるいは範囲を限定して義務づけるのか、限定するとすればどの範囲を求めておるのか、また既に特別加入をしている者については対象となるのかならないのか、こういう点についても明らかにしておいていただきたいと思うのです。 それから、健診によって異常が認められた場合、特別加入は認められないのかどうか、この点も明らかにしておいていただきたいと思うのです。 さらに、健診に要する費用については一体どういうことになるのか。 以上の点について明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
○小粥(義)政府委員 お尋ねの特別加入制度について健康診断書の提出を義務づける件は、これも昨年暮れの労災保険審議会の建議の中で指摘をされ、労働省令で対応したいと考えている事項でございます。 お尋ねのございました四点につきましてお答えいたしますと、まず、こうした制度を設ける趣旨でございますが、現行の特別加入制度は、希望するときに任意に加入できることになっておりますために、加入後短期間でじん肺症であるとか振動障害などのいわゆる遅発性の疾病にかかっていることが確認されたり、また既にじん肺症等にかかっている者が加入して直ちに保険給付の請求を行うようなケースが見られるわけでございます。これらの場合は、保険加入時に既に罹患している疾病について保険給付を行う結果になるわけでございまして、言うならば保険の原理に反する形も見られるわけでございます。したがって、今回の特別加入時の健康診断はこれらの不合理な点を是正しようとする趣旨によるものでございます。 〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕 それから二番目の、健康診断書の提出はすべての加入者に義務づけるものではありませんで、新たに特別加入しようとする者のうち、過去の業務歴から見てじん肺、振動障害等の疾病にかかるおそれのある者に限定することを考えております。 それから第三点としまして、健康診断書により特別加入制度に加入する時点で既に疾病が療養補償給付の対象となる程度に進行していることが明らかとなり、かつ一般的な労働に従事することができないとされている程度にその疾病が進行している方については、これは特別加入は認めないこととする考え方でございます。 なお、異常は認められたけれども、一般的な労働に従事することができる者、すなわちじん肺の健康管理区分が管理Ⅲであるとか、あるいは振動障害の管理区分がC1またはC2のような方々については、特別加入自体は認めるわけでございますけれども、当該疾病に既に罹患していることが明らかでありますので、その疾病についての保険給付は行わないことにしたいというふうに考えている次第でございます。 四番目に、健康診断に要する費用でございますが、その費用の負担が特別加入の阻害とならないように十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
○村山(富)委員 最後にお尋ねしておきたいと思うのですけれども、じん肺や脊損等により長期にわたって療養を行った後死亡した場合、その死因と業務上の傷病との間に直接的因果関係がないということで業務外とされるケースが多いように聞いておるわけです。例えば疾病治療のための投薬が原因と見られる死亡あるいは高血圧症等による死亡との間に因果関係が認められないとは言われないようなものもあるのではないかと思うのです。したがって、死因とその傷病との間の因果関係のあり方についてはもう少し検討を行う必要があるのではないか、そういう因果関係がいろいろな意味で判断されるものについては当然業務上と認めるべきではないかというふうに思うのですが、こういう問題に対する今後の見解についてお尋ねしておきたいと思うのです。
○林国務大臣 労働災害によりまして重度の障害を受けた労働者の方が長期間にわたって療養を行った後に死亡した場合でありましても、その死亡と業務上の傷病との間に相当因果関係が認められないものにつきましては、労災保険の対象とすることは建前上困難であろうかと思います。しかしながら、先生御指摘のようなじん肺、脊損等によりまして長期にわたる療養中に併発いたしました疾病と原疾病との医学的な因果関係につきましては、知覚神経の喪失あるいはまた投薬の影響など、なお解明をしなければならない点があるものと考えられますので、今後とも医学情報の収集、研究など進め、医学専門家に検討をお願いすることとしたいと考えております。
○村山(富)委員 以上で質問を終わりますけれども、今度の改正に当たっていろいろな関係団体も、不安や心配を持っている方もたくさんあるかと思うのです。これは何よりも業務上で災害を受けたわけですから、その罹災者の立場というものはやはり十分配慮される必要がある。同時に、今度の改正で、労災の給付のあり方等にあるいは承認の仕方等について、少なくとも不利になることがないように誠意を持って扱ってもらう必要があるというふうに私は思いますので、その点を強く要請して私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○山崎委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○山崎委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山崎委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○山崎委員長 この際、稲垣実男君外五名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合六派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。池端清一君。
○池端委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、所要の措置を講ずべきである。 一 最近における高齢化の進展を踏まえ、高齢被災労働者の介護施策について、積極的に検計を進めること。 二 最近の技術革新等労働環境の複雑多様化に即応して、職業性疾病の認定基準の見直しを進めるとともに、労働災害防止対策の充実を図ること。 三 被災労働者の社会復帰施策については、職業訓練、職業紹介等の分野との連携をとりながら、その充実に努めること。 四 労働災害の防止、給付事務処理の迅速化等を図るため、必要な職員の確保に努めること。 五 メリット制度の適用の拡大に伴い、多発のおそれのある「かくし災害」等の防止に努めること。 六 給付水準については、諸外国及び他制度の動向を勘案しつつ、今後ともその改善に努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○山崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 稲垣実男君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山崎委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。林労働大臣。
○林国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。 ―――――――――――――
○山崎委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○山崎委員長 次に、内閣提出、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。多賀谷眞稔君。
○多賀谷委員 まず、本承認案件から質問をいたしたいと思います。 戸畑公共職業安定所が分室に降格する理由はどういう理由であるか。この点は、北九州市議会からも存続を求める意見書が出ておるわけであります。一体どういうようにお考えであるか、まずお聞かせを願いたい。
○白井政府委員 お答えいたします。 臨調以後、行革の一環としまして公業職業安定所の縮小、統廃合が求められていたわけでございますが、労働省といたしましては、スクラップだけではなくて、新たな観点から必要なところにはビルドも行うということで検討を進めていたところでございます。 今般、戸畑の公共職業安定所を小倉公共職業安定所の戸畑分室とすることといたしましたのは、北九州市には、これはもう先生よく御存じのとおりでございますが、戸畑所のほかに若松所、八幡所、小倉所及び門司所と、計五所が設置されておりまして、全国的に見ましても労働市場圏の規模に比べて安定所数が著しく多いこと、それから昭和五十六年九月に行政管理庁の勧告を受けたわけでございますが、この北九州市の五所について再編することを求められていること、それから戸畑所はこれら五所の中で比較しますと業務量が少なく、小倉、八幡、若松、三所のいずれの安定所にも大体所要時間二十五分くらいで近接していることなどから、戸畑の公共職業安定所を分室とするということを計画いたしたわけでございます。
○多賀谷委員 確かに人口も減っておるわけですけれども、労働者の失業率はふえておる。でありますから、職業安定所の任務の面からいうと降格する必要はない。むしろ、人口比で物を考えるというのは労働行政としては一体いかがなものか、私はこういうふうに考えるわけです。 北九州は、合併をいたしましてから今日まで、残念ながら人口はむしろ減っておる。その中で殊に戸畑は、昭和三十八年二月に合併いたしましたときには十一万三千六百九人いたのですが、五十九年の十月には七万七千二百四十八人、さらに今日はそれよりもずっと下がっておるということであります。 殊に一番大きい問題は、八幡製鉄がその合併当時は四万三千いましたのが、今日一万三千である。そして御存じのように、近く第三技術研究所と設備技術本部千二百名。いわば頭脳集団が君津に行く。こういうことで大変不安を持っている。殊に一番影響を受けているのは戸畑である。でありますから、逆に職業安定所の機能からいいますと、人数は少ないけれども密度としては非常にサービスの濃い密度を要求される安定所である。そういうところにただ人口比で行革をやられるというのは不当ではないかと私は思うのですね。行き届いたサービスというのが職安の任務ではないか、こういうように思いますが、どういうようにお考えですか。
○白井政府委員 お答えいたします。 確かに、先生御指摘のとおり、失業者が多数おられるところを一概に人口比で決めるのは問題があるというふうに思いますが、しかしこれはそれぞれの考え方でございまして、行政の効率化、それから現在求められております簡素化の面からいいますと、全体的にはやはり公共職業安定所の数を減らしながら、そして効率化を図っていくということが求められているのが一つの観点でございまして、そういうところから見てまいりますと、確かに人口比だけで行っているわけではございませんが、この北九州市の五所の場合につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、それぞれの近接距離その他から見まして、戸畑公共職業安定所を縮小することが一番適当ではないかというふうに見たわけでございます。 以上のような観点から、従来はその廃止が論議されたわけでございますけれども、地域住民サービスの面を考慮いたしまして分室として存続させるということにしたものでございまして、特に管理部門等を小倉本所へ統合いたしたいというふうに思っておりますが、業務の取扱範囲の再編成等につきましては十分に検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○多賀谷委員 北九州の求人倍率、それから五十五歳でもいいですが、それの求人倍率、その中における戸畑安定所における求人倍率と五十五歳以上の求人倍率はどうなっておりますか。有効求人倍率です。
○白井政府委員 今手元に先生の御質問に的確にお答えする資料はございませんが、九州全体の有効求人倍率が……(多賀谷委員「九州はいいよ。北九州だけ」と呼ぶ)北九州の分はちょっと手元にございませんで、後で御説明したいと思います。
○多賀谷委員 職業安定所を降格するというのにその安定所管内の求人倍率――これは質問通告しなかったのですが、これは当然ですね、物は求人倍率からいくわけですから。ですから、有効求人倍率がどのくらいになっておるか、殊に五十五歳以上の求人倍率はどうなっておるか、これはもう当然前提条件ですよ。私はひねくれた質問をしているのじゃなくて、まともな質問をしておるつもりですから、私の質問時間まだ二十分くらいありますから、至急問い合わせてください。 とにかく、人口が二十年ちょっとの間に四万人も減っておる異常な地域なんですよ。異常な地域で、言うならばそれだけに有効求人倍率は著しく低下をしておる。そして、具体的に言いますと、今八幡製鉄の話をいたしましたけれども、明治製糖という非常に伝統的な名門の製糖会社がある。これが、御存じのようについに戸畑工場は廃止したわけですね。そうしてアルミの子会社を持ってきたのですが、そのアルミサッシの子会社が、今度は言うならば倒産ということで、私は倒産という意味がわからないのですが、破産の申し立てをしておる。そこで従業員の方は身分保全の仮処分をしている、こういう事態になっておるのです。名門の明治製糖ですらもうなくなってしまった。そうしてその子会社のアルミ会社もついに破産の宣告をして閉鎖しようとしている、こういうのが、今、戸畑の実態ですよね。 ですから、労働者が減るのは当たり前ですよ。それは、数字からいうと労働者の数は必ずしも減ってないとおっしゃるけれども、それはパートが入っておる。ですから、製造工業における従来の正規職員というのは著しく減っているのです。 ですから、そういう特殊な地域における安定所を廃止するというのは、住民にとっても大変に大きな打撃なんですよ。今いろいろな誘致運動が起こっておるのに、誘致どころか今まであるものが廃止される。これはまさに特殊的な特殊事情ですけれども、それは職業安定機能としては十分考えなければならぬ問題じゃないか。一人就職させるのでも、これはよその地域から比べると数倍の力が要るのですね。どうも行政が平均行政、一律行政になっておりはしませんか。これをお聞かせ願いたい。
○白井政府委員 お答えいたします。 繰り返しになりますが、確かに先生のおっしゃるような観点もございますが、それは安定所は多ければ多いほどいいと思いますけれども、行政の効率化の観点もございまして、その両者どう歩み寄るかということでございます。 したがいまして、やはり効率的に行政を進めていくためには、管理部門とかそういうところを縮小すべきものは縮小して、しかも住民のサービスが従来に劣らないようにしていくということが必要ではないかということで、戸畑の公共職業安定所につきましては、全体から見ますと、求人倍率は出ておりませんが、先ほどちょっと申し上げようと思ったわけでございますけれども、事業所数、これも先生のおっしゃるとおり確かに減ってきておりまして、八幡の安定所管内では二万二千九百あるのが戸畑では五千、それから労働力人口も八幡の管内では二十一万ございますのが戸畑では三万七千というような数字になっておりまして、そういう面から、やはり北九州の一地域に五所あるということは、全体の目から見ますと数が多いということでございますので、そのうちの戸畑を分室にしていこうということを考えた次第でございます。御了承いただきたいというふうに思います。
○多賀谷委員 就業者数も三十八年の二月から比べると一万以上減っていますね。それにさっき言いましたように、パートなどもかなり入っていますから就業者数だけでは考えられないのです。殊に、製造工業中心の町ですから、製造工業における就業者数がどのくらい、そのうち正規のものがどのくらい、こういうような観点から調べていかないとこの問題の解明にはならない、こういうように思います。 そこで、後から有効求人倍率を出していただきますけれども、利用者は一体どういうようにかかわり合いになるのか。例えば雇用保険というものは扱われるのかどうか。その分室はどの程度の分室になるのか。現在おります人数が分室になるとどのくらいになるのか、これをお聞かせ願いたい。
○白井政府委員 現在、戸畑公共職業安定所は職員数が十六人でございます。したがって、管理部門を除きますとどれくらいになるかでございますが、御存じのとおり、福岡県全体の安定所の配置ということを考えておりますので、福岡県において現在どういう人数でどういうふうに対処するかということを検討してもらっております。 先生から御質問があるということもございまして、先週末に、ほかの用事もございましたが、福岡現地、現地までは行きませんでしたが、福岡県に参りまして、福岡県の安定課長以下といろいろ相談してきたわけでございますけれども、管理部門を除いてあとどういう業務を戸畑の分室に残すかということで、その点を地元との話し合いの上で十分詰めますとともに、それに必要な職員数及び相談員の数を確保することを検討してまいりたいということで、きょうは二十二日でございますからきょうでございますけれども、きょう以後、福岡県の職業安定行政内部にプロジェクトをつくらせて検討を進めさせることにいたしております。 その案ができる過程におきまして、地元とよく相談を進めるということにいたしている次第でございます。
○多賀谷委員 雇用保険の受給はどうなっていますか。
○白井政府委員 雇用保険の受給者実人員は、五十七年度から五十九年度の三年間平均で一日二十人……
○多賀谷委員 今から、分室にして雇用保険の受給はできるのですか。
○白井政府委員 その点も含めまして、地元とよく相談して検討するようにさせております。
○多賀谷委員 国会で承認を求める際は、その程度はやはりはっきりしてもらわないと、我々は了承するかどうかの判断ができないでしょう。今から協議をいたしますじゃ困りますよね。もう我々は行政に白紙委任状を出したようなものです。少なくとも雇用保険はそこで給付しますとか、何かもう少しはっきりした答弁をしていただかなければ困るのですが、どうですか。
○白井政府委員 お答えいたします。 前向きの方向で検討させるということでございます。 それから、求人倍率が出ましたので、これは新規求人倍率でございますが、八幡が〇・四五倍、小倉が〇・五七倍、戸畑が〇・四九倍、若松が〇・六〇倍、それから門司が〇・三五倍。それから五十五歳以上の資料につきましては、所別の資料が本省にございませんので、ちょっと今、手元に至急取り寄せることができませんでした。
○多賀谷委員 この有効求人倍率、私が知っている範囲から見ると著しく高いですね。大体〇・二くらいですよ。何ですか、これは。新規ですか。
○白井政府委員 新規でございます。
○多賀谷委員 あなた方が発表する〇・六五とかというのはそうじゃないでしょう。要するに、労働省は常に発表しましょう、有効求人倍率は。全国平均が〇・六五とか〇・六、これに対比したものは幾らですか。
○白井政府委員 今調査させています。
○多賀谷委員 毎月発表になるでしょう。今おっしゃったのは、我々の常識から見ると倍以上ですよ。それはいつの時点ですか。新規というのはどういう意味ですか。それがちょうど四月を前にした採用時であれば高いですよね。二月ぐらいの時点をとれば非常に高い。ですから、大体どのくらいなのかちょっと見当がつかないですね。
○白井政府委員 求人倍率は新規と有効と両方とっておりまして、新規も附属的に申し上げておりますが、閣議等に報告いたしているものは有効の方でございます。 それから、本省の方へ上がってくる統計は、県全体の集計で上がってきておりまして、各所別のはそれぞれ県が持っておりますので、今電話で問い合わせたりしておりますが、各所別のものは実際には持っていないわけでございます。 それから、先ほど申し上げました新規求人倍率は四月のものでございます。
○多賀谷委員 四月は月にしたら一番高いときですよね。私は新規を聞いているのじゃないのです。有効求人倍率は幾らですかと聞いているのです。しかも、年齢の問題は一年に一回しか調査しないでしょう。最近のものでいいですよ。これは政令都市ですから大体わかるはずです。最近は筑豊が〇・一五程度、これに対して北九州全体でようやく〇・二〇から〇・二一程度。ですから、戸畑はどのくらいかと聞いているのです。こういうものが十分把握されないで承認案件をかけること自体が大体おこがましいよ。これは特に私が質問するのではなくて、だれもが疑問を持っているのです。
○白井政府委員 求人倍率のことにこだわっておられるようでございますけれども、求人数とか一日の取扱数とかいうのが実際の業務量でございますので、そういう数字で検討しておるということでよろしくお願いします。
○多賀谷委員 有効求人倍率のいいところは、割合に手間がかからないのです。求人倍率の低いところは職員が非常に努力しなければならぬ。それを、有効求人倍率は余り関係のないような話をされると大変なことになる。職業安定所は機能をそれだけ喪失した、必要性を認めない、職業紹介はやらないのだ、雇用保険だけ払うのだ、あなたの議論を押し詰めていけばこういうことになるでしょう。そういう本質的なことを聞いているのですよ。
○白井政府委員 求人倍率を全然無視するということではございませんけれども、有効求人倍率の高いところも低いところも、取扱件数の多いところが安定所としては仕事の忙しいところでございまして、そういう観点から業務量というものが出てくるということを申し上げたわけでございます。ただ、手間が少し余計にかかるということはもちろん認めます。
○多賀谷委員 山田市の場合はどういうようになっているのですか。分室にして雇用保険支払いは何ぼですか。
○白井政府委員 飯塚公共職業安定所の山田出張所の問題でございますが、これも分室にさせていただきたいということでお願い申し上げているわけでございます。 雇用保険の問題でございますけれども、実はここも数字その他からいけば廃止すべきものであるという観点があるわけでございますが、地域住民に対する急激なサービスの低下その他を考え合わせまして分室とすることにいたしたわけでございまして、管理部門を飯塚本所へ統合いたしたいと思っておりますが、業務の取扱範囲の再編等については十分検討してまいりたいと思っております。特に雇用保険の支給につきましても前向きに検討してまいりたいと考えている次第でございます。
○多賀谷委員 雇用保険の支払い業務については、ぜひその地域で今までどおりやってもらいたいと思います。 きょうはせっかくの機会でありますから、先般経済企画庁から出ました「技術革新と雇用」とか、国際協調のための経済構造調整研究会の意見書、通産省が出しました「二十一世紀産業社会の基本構想」、これらについて質問をしてみたかったのです。きょうもテレビでやっていましたでしょう。マツダが海外に出ていくについて、その下請の不安、雇用がどうなるのだろうかという問題。こういうように今職安行政というのは大変な転換期を迎えつつあるわけですよ。そうして、経済企画庁が委託いたしました報告書でも、最終的には高齢になっての就職はだんだん難しくなる、そしてそれには生涯教育が必要である、学習の成果が職業生活に反映されることが要件である。これが難しいのですよ。 職業と関係なく趣味だけでやれるならば、それはできる。ところが、定年制が六十歳で実施されても六十五歳までどうするか。それで、生涯教育が職業生活に関連のあるようなことが要件であるというならば、一体どういう生涯教育をやるのか。一体、労働者はそういう時間がどこにあるのか、どういう種目があるのか、こういう非常に大きな問題を今労働大臣は抱えておるわけですよ。この方向性をどういうようにするのか。きょうはこれ以上質問いたしませんけれども、極めて大きい問題です。まさにそういう転換期に来ておるわけです。今から上る産業と言われるのは、残念ながら国内には投資しない、海外に投資するでしょう。そうすると、国内の雇用はどうなるかという問題ですよ。一流国家になった、一流国家になったと言ってはやし立てている。現状は、人間とか雇用という問題をネグレクトされておるでしょう。サービス産業は増大すると言うけれども、雇用が吸収でき、それらが生活できる賃金が払えるかというと、非常に問題がある。 そこで、私はこの問題は別の機会にやりたいと思いますけれども、労働大臣の所見を承って質問を終わりたいと思います。
○林国務大臣 ただいま先生御指摘のように、これからまさに新しい産業構造時代が来るわけでございます。労働省といたしましては、そういったことも今後の研究の課題ということで今鋭意取り組んでいるさなかでございまして、そういった時代の変遷、移り変わり、進歩におくれをとらないような対策を講じていかなければならない、こういったことを申し上げまして、言葉は足りないかもしれませんが、御答弁にかえさせていただきます。
○多賀谷委員 終わります。
○山崎委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 行政のむだを省いて効率化していこうという行革の基本的な考え方について反対する者はいないと思うのです。当然、政府の行革方針について我が党は賛成でございまして、きょうの承認案件の内容も、行革の内容にはなっておりますものの、具体的に個々の問題を見た場合、特に我々の地域から見た場合、これは問題だなというところがございまして、これにどうしても賛成するわけにいかぬという気でいっぱいです。 そこでお尋ねしますが、職安行政は、求人あるいは求職者を初め地域の住民に極めて密着した重要な行政でありまして、労働者の職業の安定あるいは雇用の確保という職安の使命というものは、いよいよ重要性を増してきていると私は思うのでございます。そういう現状におきまして、整理統合していくのは問題ではないか。特に北九州の雇用失業情勢は、今も多賀谷先生から細かく質問があっておりましたように、例えば求人倍率にしましても全国平均をかなり下回っております。六十一年の一月でしたか、〇・二四倍でございまして、全国平均が〇・六〇倍ということですから、〇・三六ポイント下回っている現状でございまして、職安の必要性というものはこういうところにあるのではないか。職安の必要性と行政に対する期待は極めて大きいというのが北九州の現状でございます。 今回の内容を見ていきますと、それに逆行するような姿でございまして、この整理統合は職安行政の自殺行為だという声すらあるわけでございますが、基本的な考え方をまず大臣に求めたいと思います。
○林国務大臣 職業安定行政は、地域の住民に対しまして職業紹介、雇用保険等の業務を通じましてサービスを提供することを基本といたしているわけでございますが、最近の職業安定行政につきましては、高齢者や心身障害者など就職の困難な方々に対するきめ細かな専門的な相談、援助や、これらの方々の雇用促進のための事業主指導などによりまして行政サービスの内容を質的に向上させていくことが一層重要なことであろう、そういうような状態になってきておりますので、組織の一層の効率化を図りながらこれらの行政需要にこたえるよう努力してきているところでございます。 今回の再編整理につきましては、行政改革の一環といたしまして、また地域の実情の変化に対応いたしまして、円滑に、そしてまた効率的な行政体制の整備をするといったような観点から行うものでございまして、スクラップ・アンド・ビルドを中心といたしまして、行政需要の動向など地域の実情に即しました公共職業安定所の配置がなされるように進めてまいる考えでございます。これによりまして行政の後退を招くようなことにならないようにしなければならないと考えております。 また、統合などがなされます地域については必要な事務処理体制をとることといたしておりまして、再編整理によって住民に対する行政サービスが大きく低下をしないよう十分に配慮してまいる所存でございます。
○大橋委員 大臣の御答弁を集約しますと、再編整理していくけれども、後退を招くようなことにならないように配慮しているという話でございますが、今回の再編統合案を見てみますと、特に福岡県の場合を取り上げたいと思うのですけれども、福岡市と北九州市の均衡を図るという考え自体は私も理解できないわけではないのですけれども、問題は、業務指標のみで物を見ているのではないか、生産都市と消費都市の違いもやはり十分考慮すべきでありまして、これらを軽視した立場での再編統合というのは後退につながるのではないか。特に戸畑職安を降格するということは問題ではないかと思うのでございますけれども、いかがですか。
○白井政府委員 お答えいたします。 先ほどもお答えを申し上げましたとおりでございまして、戸畑の公共職業安定所につきましては、小倉公共職業安定所と統合いたしましてその戸畑分室としたいということでございます。 その理由は、先ほど申し上げましたように、北九州市には戸畑所を含めて五所あるわけでございますが、全国的に見ても、労働市場圏の規模に比べて安定所数が多い。それにつきましては、行政管理庁からの全国全体を見ての勧告の中で、北九州市の再編成について求められている。それから、先ほど申し上げましたような業務量の問題等からでございます。 以上のようなことでございますが、戸畑所を分室化するにつきましては、管理部門その他で効率化を図ってまいりますが、必要な業務の取り扱いの再編成等につきましては、これも先ほどお答え申し上げましたように、内部のプロジェクトをつくりまして、地域の方々の御意見を十分参酌しながらサービスの低下を招かないように努力してまいりたいと考えている次第でございます。
○大橋委員 戸畑区というところは、先ほどもお話があっておりましたように、また私も先般当委員会でもその疑問を投げかけたわけでございますが、新日鉄の頭脳集団の大量移動という計画がはっきりしているわけですね。そういう意味からいって、職業の安定あるいは求職の問題、雇用の確保の問題、いよいよ必要に迫られているところであるわけですね。それが廃止されるなんということになると、本当に後退に次ぐ後退ではないかと言わざるを得ないわけでございますが、今のお話によると、戸畑の分室は残すということですね。 では、その分室において、例えば戸畑の中小企業の皆さんが雇用保険等の手続をしたいという場合は、その分室で可能なんですか。その点はいかがですか。
○白井政府委員 お答え申し上げます。 それらの点につきましては、先ほど申し上げましたように、今検討させているところでございますが、先生の御指摘の点等も含みながら前向きに検討してまいりたいと思っている次第でございます。
○大橋委員 この辺が非常に大事でありまして、もしそういうことがなければ、戸畑の人は小倉に行くかあるいは八幡に行くかということで、職安の一般的なサービスも非常に低下するということにつながりますので、本当に前向きに検討願いたいと思います。 時間の関係で次に移りますが、洞海労働公共職業安定所についてでございますが、ここは、昭和四十年、港湾労働法施行に伴って発足したものだと理解しておりますが、港湾労働者、日雇い労働者、失対諸事業の開就あるいは緊就、特開、一般等を含めまして、労働関係の専門の安定所であるというふうになっているわけでございますが、これまではそれなりに雇用の安定あるいは調整機能、就労の確保を図って福祉の向上を進めてきたわけでございますが、この洞海労働公共職業安定所の管内と申しますか、それは三つあると思うのですけれども、それぞれ今どの程度の労働者が関与しているのか、お尋ねをしたいと思います。
○白井政府委員 お答えいたします。 日雇い求職者は、それぞれとおっしゃいましたが、全部合わせまして、現在、五十九年度の数字でございますが、二百九十五人、四十五年度には八百八十六人あったわけでございます。
○大橋委員 これは私の理解がちょっと誤っているかもしれませんけれども、洞海労働公共職業安定所というものは、若松の一般の職安の中に併設されていると思うのです。それから、その職安の中に八幡出張所もあり、戸畑出張所もあるのだというふうに私は理解しているわけです。それで、それぞれに人数はどうなっているのですかとお尋ねしたいのですが、いかがですか。
○白井政府委員 個別は、ちょっと調査させます。
○大橋委員 時間が非常に限られておりますので、それは委員会が終わった後で結構ですから教えてください。 特に、戸畑の出張所が廃止されるわけでございまして、ここにもかなりの人数が関与しておると思うのでございますが、その業務は一体どうなっていくのかということをお尋ねしたいと思います。
○白井政府委員 お答えいたします。 戸畑出張所廃止後におきましては、同出張所の業務は小倉公共職業安定所において継続することとなります。当分の間は、廃止前の場所におきまして詰所として業務を行うこととしております。そういうことで利用者に不便をかけないようにしたいと考えている次第でございます。
○大橋委員 私が調べてきたところでは、八幡出張所だけでも千三百四十三人、これは昭和六十年五月現在の数字ですけれども、これはもともとの八幡の職安の中に八幡出張所という、ちょっとややこしいですけれども、これが入っているわけですな。その関係だけでも千三百四十三人おるし、戸畑にも、それまでの人数はいないと思いますけれども、かなりいるのではないか。その業務が果たしてどうなるのだろうかというのが非常に心配でお尋ねしたわけです。
○白井政府委員 お答えいたします。 先ほどの数字、ちょっと間違えまして、二百九十五というのは洞海本所のみでございます。それで、八幡出張所では約千七百、それから戸畑出張所で二百三十九でございます。 それで、洞海公共職業安定所につきましては、先生先ほどおっしゃいましたように、若松公共職業安定所の同じ建物にございますので、本所は若松公共職業安定所の労働課として設けまして、業務はそのまま取り扱っていくということになります。 それから、戸畑の出張所の場合には、先ほど申しましたようなことになるわけでございます。 それから、洞海公共職業安定所の八幡出張所につきましては、本所の洞海所が先ほども申しましたように若松公共職業安定所の労働課になりますので、これを八幡公共職業安定所の八幡労働出張所というふうに名称を変えまして、そのまま存続していくという考え方でございます。
○大橋委員 与えられた時間がもう迫ってきましたので、最後に、職安行政は先ほど申しましたように地域に密着しているだけに、関係市町村の関心は当然高いわけでございまして、住民の廃止反対あるいは署名運動が盛んに今展開されているわけですが、市議会等でも次々と廃止反対の決議、存続を求める意見書が提出されております。北九州市もそうでございますし、飯塚職安の山田出張所、これなどはもう早々と、一月二十日市議会で廃止反対決議、一月三十日には市長さんとか議長さん等が上京して意見書を提出しているはずでございますし、我々のところにもその陳情に参られました。また、戸畑職安関係でも自治会あるいは適用事務所、団体、労働組合、地元商店街、学校等々、反対の署名活動が大々的に展開されておりまして、現在、戸畑出張所だけでも団体が二千、個人約三万四千名分、飯塚職安山田出張所でも団体約八百、個人で約一万名分が集まっているというような反対の大きな展開がなされているわけでございますが、こういう自治体等の意見書が提出されていることに対してどのように受けとめられているか。私は、尊重すべきだと思うのでございますが、いかがですか。
○白井政府委員 お答えいたします。 今、先生御指摘のとおり、今回の福岡県の再編整理案に対しまして、北九州地区を中心としました戸畑公共職業安定所及び洞海公共職業安定所や山田出張所の存続を求める意見書が提出されていることにつきましては、私たちも承知いたしております。 しかし、公共職業安定所の再編整理につきましては、先ほど大臣が冒頭に御答弁申し上げましたように、近年におきますいろいろな行革体制その他労働市場の状況等から効率的な組織体制のあり方を見直さなければならないというようなことで、スクラップ・アンド・ビルドによって行うということで今回のような措置をいたしたわけでございまして、それぞれ縮小される地域についてはサービスの低下のないようにしていかなければならないというふうに思っております。 なお、この安定所等の配置につきましては、都道府県区域全体の適正配置という観点から都道府県知事の意見を聞いているところでございますが、福岡県知事からは、今回の再編整理案は安定所の新設等も含んだものとなっており、全体としてはやむを得ないとの回答を得ているところでございまして、いずれにしましても、整理統合後、地域につきまして、当該地域の実情にも配慮しながら住民へのサービス低下が起こらないように極力努力してまいりたいと思っておりますので、どうぞ御了承いただきたいというふうに思う次第でございます。
○大橋委員 終わります。
○山崎委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 まず、大臣にお尋ねをします。 公共職業安定所の仕事の中心は職業紹介だと思うのでありますが、最近、職業紹介を業務とすることを認められる組織がどんどんふえ、さらに就職情報の雑誌が次々に発行される中で、職業紹介に対する国民全体の需要の中での職安の比重が急激に低下しているのではないかと思われます。多くの第一線職員が今後の職業安定所のあり方について不安を感じておるようでありますが、この際、責任のあるビジョンを示していただきたいと思います。
○林国務大臣 職業紹介業務は、基本的には国の職業安定機関が行うのが中心でございまして、これを補うものといたしまして、民間の職業紹介事業、そしてまた今回制度化されました労働者派遣事業などがあるものと考えておりますが、我が国全体の労働力の需給の調整が円滑に行われることを確保する必要がありますので、このような観点から民間の労働力需給調整システムなどに対しまする適切な指導監督を行ってまいりたいと考えております。 また、公共職業安定所の職業紹介機能や雇用職業情報提供機能の一層の強化を図りますために、求人求職などに関します情報をコンピューターで処理をする総合的雇用情報システムを昭和六十一年度に首都圏地域東京都、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県に導入いたしまして、昭和六十二年度には全国導入をいたしますように今進めているところであります。今後とも公共職業安定所の機能の強化に全力を挙げて努めてまいりたいと考えております。
○小沢(和)委員 臨調の最終答申に基づいて労働省の出先機関を五年間で六十カ所廃止する方針が今強行されており、今回の提案はその三年目に当たるわけであります。私は一般的に地域ごとの経済情勢の変動などを見ながら全国的な立場で出先機関の配置を再編成することはあり得るとは思うのです。今行われているように、初め六十カ所の廃止が決まっているような再編成は全く認めることはできません。そのしわ寄せが、私の地元で言えば戸畑職安の廃止などという形であらわれているのではないでしょうか。庁舎も五十五年に建てかえたばかり。今新日鉄などの人減らし合理化で失業者も多発している。むしろ存在意義が高まりつつある時期ではないかと思うのです。ここを廃止するということは地元のだれも納得しないと思うのですが、いかがでしょうか。
○白井政府委員 お答えいたします。 行革で行政の効率化を図るということで、先生御指摘のとおり六十カ所の廃止が言われているわけでございますが、我々としましてはスクラップだけではなくて労働市場全体の状況を見ながら、行政改革の一環の中ではございますが、ビルドをつくっていこうということで努力をいたしているところでございます。 そういうような観点から今回の地域の実情その他から先ほど先生方にもいろいろ御答弁申し上げましたが、北九州市全体の五の安定所の数は行管庁等が全国的に調査いたしましても密集しておるという指摘があるわけでございまして、そういうような部分についての検討を進めまして、取扱件数その他から今回戸畑の安定所を廃止するのではなくて分室として縮小してまいりたいというふうに考えている次第でございまして、統合がなされた地域につきまして、事務処理体制の整備等によりまして行政サービスの低下が起こらないように十分配慮してまいりたいということを考慮しながら検討をお願い申し上げている次第でございます。
○小沢(和)委員 結局、今の答弁を伺っていると、いろいろなそういう政治的な圧力でつぶさざるを得なかったというふうにしか聞こえません。だからこそ地元でも今回の廃止に反対する運動が大きく盛り上がっておるわけであります。 既に政府には、福岡県知事の意見書を初め地元北九州市、山田市などの市議会からも意見書が提出されております。私はここにその写しも持ってきておりますが、また住民の署名運動も展開され、北九州市では二千四百五十七団体、四万二千百五名、山田市では千四百七十一団体、二万九百三十二名の署名が提出されております。政府は本当にこれを真剣に検討したのかどうか。
○白井政府委員 お答えいたします。 これも先ほど申し上げましたように、これらの意見書が提出されていることは我々も承知いたしております。政治的圧力その他で今回の整理統合をやるのではなくて、行政の全体の統廃合、効率化を図るということは社会全体のコンセンサスではないかと思います。 その観点から、労働市場全体で適切に配分して組織体制を整備していくということで考えてきたわけでございまして、スクラップ・アンド・ビルドで行うことの中で今回の措置もやむを得ざるものというふうに思っておる次第でございます。そういうことで、その後の事務処理体制を十分配慮してまいりたいということを考えますとともに、なお安定所等の配置につきましては都道府県知事の意見を聞いたところでございまして、福岡県知事からは、先ほども申しましたように全体としてはやむを得ないという回答を得ている次第でございます。
○小沢(和)委員 時間も来たようですからこれでやめますけれども、これらの意見書は、統廃合によって住民サービスが後退することになるというので反対をしておるわけであります。昨年も北九州の労基署の統廃合でやはりこの点が大きな問題になり、若松は著としては廃止されましたが、住民はこれまでどおり旧若松署の窓口に行けば用が足りる状況が確保されたわけであります。これはこれで我々は評価しておりますけれども、今度も戸畑職安あるいは山田出張所とも機能的には後退させない、つまりそこに行けば職業紹介とか保険金の支払いなどを受けられるように措置するのかどうか。先ほどから前向きだとかいろいろ言っておられるのだけれども、今私が挙げた二つの機能を抜きにしては大きな後退だと思うのです。だから、この両機能は残すということくらいここで言明してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○白井政府委員 お答えいたします。 今回の整理統合によりまして対象とされる所は、管理部門が本所へ統合されるということは当然でございますが、必要な業務の取扱範囲につきましては現在プロジェクトをつくって検討させておりまして、その案等につきましては地元と十分相談しながら案を作成していくように指示いたしているところでございます。今後とも十分配慮してまいりたいというように思っております。
○小沢(和)委員 納得いかないけれども、終わります。
○山崎委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○山崎委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山崎委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○山崎委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十八分散会