公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/05
会議録
○三原委員長 これより会議を開きます。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小沢自治大臣。
○小沢国務大臣 このたび自治大臣を命ぜられました小沢一郎でございます。 選挙の関係につきましては、委員長初め当委員会の先生方には、かねてから格別の御高配にあずかっておりまして、本当にありがとうございます。この機会に厚く御礼を申し上げます。 申すまでもなく、選挙は民主政治の基盤をなすものでございます。民主政治の健全な発展を期するためには、常に国民の政治意識の涵養に努めますとともに、公正かつ明るい選挙の実現に積極的に努力してまいらなければならないと存じております。 私といたしましては、その責任の重要さを痛感いたしまして、最大限の努力を傾注してまいる所存でございますので、どうぞ委員長初め委員、先生方、皆様の御指導、御協力のほどをよろしくお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
○三原委員長 次に、自治政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。森自治政務次官。
○森政府委員 このたび自治政務次官を拝命いたしました森清でございます。 当委員会は、民主政治の基盤である選挙制度について御審議いただく重要な委員会でございます。 選挙の問題につきましては、みずから選挙を体験され、その方面で高い見識をお持ちの皆様方の御指導を仰ぐことがとりわけ大切であります。 私といたしましては、小沢自治大臣のもと、選挙制度の充実に努力してまいる決意でございますので、何とぞよろしく御指導のほどお願い申し上げます。(拍手) ――――◇―――――
○三原委員長 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。 まず、提案理由の説明を聴取いたします。小沢自治大臣。 ――――――――――――― 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法 律の一部を改正する法律案 〔六号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小沢国務大臣 ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。 この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与の改定、物価の変動等にかんがみまして、執行経費の基準を改定し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。 次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。 第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である印刷費その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。 以上が、出会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○三原委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○三原委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 新しく自治大臣になられた小沢さんは、閣内でも一番若い大臣であり、また議院運営委員長という、議会の運営につきましてはベテランとして自治大臣になられたわけでございます。 また、森政務次官も、昨年は定数是正問題で選挙法や選挙のあり方の問題について大変造詣の深い方でございます。 このお二人が、このたび自治省、政府当局となられたわけでございますので、今ごあいさつにございましたように、当委員会は日本の民主主義を守るいわば中心的な委員会でございますので、その意味ではお二人の就任を心からお祝いを申し上げますとともに、国会と国民とを結びます選挙あるいは選挙法というものが正しく民主主義の発展に寄与するようにお互いにひとつ努力をしていきたいと思っているわけでございます。 きょう、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を始めるわけでございますけれども、この参議院選挙の執行に当たりまして、今連日マスコミでダブル選挙のことが言われているわけでございますけれども、二院制のもとにおいて衆議院と参議院、両院が一緒に選挙することが果たして是か非かという問題について自治大臣にお伺いをしたいと思うわけであります。ただ、これは自治大臣というよりも一自治大臣はちょうど私と同じ昭和十七年、小学校は恐らく昭和二十四年ではないかと思いますが、まさに同世代で、戦後民主主義の中に生まれ育った世代、これは中曽根総理と違うのであります。しかも、今後とも民主主義を発展させていくという責任を持っている世代だと思うわけでございますので、そういう意味では自治大臣という狭い範囲のお考えではなくて、政治家小沢一郎、将来はニューリーダーになっていくでありましょう小沢大臣の御見解をお伺いしたいと思うわけであります。 まず、二院制の問題からお伺いしたいわけでございます。――御承知のように、マッカーサー懸法草案というのは一院制で出てきたわけでございます。しかし、日本側としてはぜひ二院制にしてもらいたいといういろいろな議論がございまして、二院制で参議院ができた。しかし、戦前の参議院とは基本的に性格を異にすることは御承知のとおりでございます。一体政府・与党として、自治大臣あるいは政治家小沢一郎として二院制の方がいいと考えておられるのか、あるいは衆議院の委員会、本会議、参議院の委員会、本会議と四つも関門があるのはたまらぬ、一院制の方がより合理的であって民主主義の発展のためにいいと考えていらっしゃるのか、いかがでございますか。
○小沢国務大臣 本来二院制は、我が国で言えば衆議院と参議院、両方とも直接選挙になっておりますけれども、お互いの性格や立場上それぞれの観点に立って、特に参議院は良識の府と言われておりますが、そういう両者の観点からお互いにチェックし合い、あるいは補完、協力し合うことによって政治の理想により一歩でも近づいていこう、そういう知恵の産物として二院制度をとられたものと思いますし、お互いが機能することによって所期の目的に達することができ、そのように機能してきておると考えております。
○佐藤(観)委員 結構でございます。私もずっと戦後の政治を見ていて、これは政府・与党の方と意見が違うかもしれませんけれども、もし日本が一院制であった場合、今のような民主主義の状況だったろうかということを大変危惧しているのであります。衆議院の委員会でかなりの強行採決がございました。もし、これが一院だけだったら、衆議院の委員会で強行採決をして議長のあっせんで法律ができていくということで終わるとしたら、戦後の政治の中で強行採決は恐らくもっとたくさんあったと思います。衆議院の議長のもとでまとめられても、参議院に送るときにそういう状態の中では今度は参議院が通りにくくなるということもございまして、私は率直に言っていろいろな意味で制度が働いたと思うわけであります。 これは全く二院制の一面的な問題でございますけれども、そういった意味で、確かに今大臣が言われましたように、国権の最高機関と言いながら、両院で抑制あるいは均衡と申しましょうか、あるときには地域的な代表、あるときには職業的な代表等々、いろいろな二院制のいい点を生かしつつ今日まで来たのだと思っているわけであります。そういった意味では、二院制の中にはいろいろと問題がございますけれども、今大臣から答弁があったように、お互いにチェックをしながら二院制がより発展していくように努めなければいかぬと思っているわけであります。 ただ、言うまでもなく、日本の二院制の中におきます参議院の位置づけというのはなかなか難しい。極端な言い方をすれば中途半端である。それは言うまでもなく、イギリスのように貴族院といって国王がある程度任命するというような性格のものではない。その意味では戦前の参議院とも違う。さりとて、アメリカのように連邦が集まって合衆国になっているというような国の成り立ちじゃございませんので、ああいった連邦の代表が出てきて審議をするという歴史的なものでもない。いわば連邦型でもない。その意味では衆議院と同じ、国民が選挙をする公選型というのでありましょうか、そういう形でありますから、私も各国をいろいろ調べてみたのでありますけれども、同じ選挙母体、同じ国民が選挙して二つの院をつくるということは、機能的にその違いを発揮するのが非常に難しいところがあるのではないかと思うのであります。したがって、参議院が衆議院のコピーになっていないかとかいろいろ言われているわけでございますけれども、こういった参議院無用論まで出ている状況について、二院制を発展させていくという立場から根本的に、私はいわば選挙母体が一緒であると思っているわけでございますが、簡単で結構でございますけれども、その辺の見解はいかがでございますか。
○小沢国務大臣 先生御指摘のように、日本の場合は両方とも直接国民の選挙によって選ばれている、したがって二院制がとられた本来の機能をいかにして発揮していくかということが最大の問題だろうと思います。したがいまして、これはそもそものあり方ということになると憲法問題にまで発展していくことであろうとは思いますが、そういう憲法の問題は別といたしまして、そのほかに、当委員会でも御議論いただくことでありますが、選挙制度のあり方とか、そういうお互いの議論の中からそもそもの機能が十分発揮できるような知恵を出し合っていくということではないかと思っております。
○佐藤(観)委員 それで、せっかくの二院制なのでありますから、どういう格好で参議院を衆議院と違えるか。これは選挙方法を変えること、あるいは審議のあり方を変えるということだと思うのであります。 選挙方法の方では、昔の地方区、今の何々県選挙区あるいは比例代表制が導入される、そして参議院の改革の方についても審議のあり方を衆議院とはいろいろ変えていて、御承知のように、経済・生活に関する特別委員会とか、法案は扱わないけれども、幅広く長期的な角度で審議をする、あるいは、またこれは実現しておりませんけれども、予算については、一時全部おのおのの委員会で審議をして、そして、それを持ち寄るというやり方をしたらどうかというようなことが出ておりますし、これは私が言うことじゃないかもしれませんが、参議院から大臣、次官を山さないというようなことを検討したらどうか、これも議院内閣制のもとで別の意味でプレスティージというのでしょうか、参議院のあり方としておもしろい考え方だと私は思うのでありますが、余り立ち入りますと、衆議院側としていろいろ波紋がありましょうから、それは別といたしまして、参議院が、参議院のあり方として独自性を発揮しようということで、審議のやり方についてもいろいろ工夫をなさっている。それから、ことし六月の参議院選挙が終わった後にまた参議院の比例代表制のあり方というのもいろいろな形でお互いに検討してみなければいかぬのではないかという問題も起こってくると私は思いますし、旧地方区の方も逆転現象やら、定数も非常にアンバランスである等々がございます。 そういった意味で、大臣も議運の委員長をやられてその辺は大変詳しいわけでありますが、参議院がこういう努力をなさっていることについてはどのように評価されておりますか。
○小沢国務大臣 参議院が現在の仕組みの中でそれぞれその本来の機能を果たすために、あるいは参議院の独自性としていろいろな審議の仕方等について工夫なさっておられること、それは先生の御指摘のとおり、私も承知いたしております。改革しなければならない問題はあったといたしましても、現状においてお互い懸命に努力するということは基本的に最も大事なことであると思いまして、その意味で、参議院のそういった努力に対しましては敬意を表しておる次第であります。
○佐藤(観)委員 そこで、私は今度、衆参ダブル選挙という問題についてお伺いしたいわけでありますけれども、私の視点は、ただ解散があるかないかという問題ではないのです。一体、二院制のもとで衆議院と参議院というものが両方ともほとんど機能停止をしてしまうということが果たして是か非かという問題について、大臣のお考えをお伺いしたいわけであります。 一つは、国民の側にとって、いわば候補者と有権者という立場から見ますと、衆議院の場合には、四十七都道府県のうち全県一区というのが十あるわけですね。それから、全県二区というのは十九あるわけですね。全県二区というのは県全体を絶えず見ているわけでありますから、そういった意味では全県一区的な考え方と申しましょうか、感じとして、確かに衆議院の選挙区は隣の選挙区だけれども、いろいろな意味で、気持ちの上で全県を一体化している。全県三区となりますと、少しまた感覚が違ってくると思いますが、有権者の意識からいうと、昔の地方区と、全県一区と、一県二衆議院選挙区というのは余り変わりないだろうと思うのです。 そういう意味では、四十七都道府県のうち十九がこういう選挙区だということは、衆議院と参議院の選挙を一緒にやるということはただ定数だけが違うということになるわけでありまして、有権者の側から見ますと、一体何ゆえに二院があるんだということにつながってくるのだと私は思うのです。 もう一つは、憲法上の問題であります。 大臣、衆議院手帖をお持ちでしょうから、憲法のところを見ていただければいいのですけれども、何も難しい話をするわけじゃないのでございまして、一体、憲法というものは、衆参が同時に選挙をやるなどということを想定していただろうかという問題であります。 憲法の五十四条を見ていただきたいのでありますが、五十四条では参議院の緊急集会というのを想定しております。「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。」いわば条件つきで参議院の緊急集会というのを認められているわけであります。 では、この緊急集会というのはどれだけの人数があればいいかということを考えてみますと、第五十六条には「両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」「三分の一以上の出席」と書いてあるのですね。 そうすると、非常に極端な場合でありますが、過去にもあったのでありますが、参議院の任期満了後の選挙ということになりますと、二百五十二人全部議員がいらしたと想定しますと、死亡その他がないという条件のもとでは、現にそのときの参議院議員というのは半分の百二十六人しかいらっしゃらないわけであります。その三分の一で議事が成立をするわけでありますから、その三分の一は四十二名であります。四十二名以上いらっしゃれば、参議院に集まれば議事が成立をし、そして議案も審議できる、あるいは採決もできるという状況が整うわけであります。しかも、その五十六条の後半には「両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。」ということでありますから、いわば過半数でそのことが決せられるということになるわけですね。そうなってまいりますと、四十二名以上の出席があり、最悪の場合を想定しますと、その半分でありますから、半分より一名多い二十二名が賛成をすればこの緊急集会、そういうときには緊急事態でありましょうから、これは成立をする、こういうことになるわけでございます。これはあくまで任期満了後の参議院選挙をやる、そして衆議院も同時に解散をすると想定をした場合でございます。 ちょっと選挙部長、そういうことでよろしいですね、私の憲法上の解釈の問題、今数字を申し上げた憲法上の問題だけで結構でございます。その後の解釈の問題は大臣にお伺いいたしますから。
○小笠原政府委員 今、緊急集会の場合の定足数と申しますか、それと、可決する場合の最少の人数についてのお話がございましたけれども、実はそういうことについて今まで私ども、憲法上の解釈等を見たことはないわけでございます。ただ、この規定を読んでみますと、ただいま御指摘がありましたように、「総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」というふうになっておりますから、この場合の「総議員」というのは、半数の身分が失われておりましても全体の数というふうに解釈するのではなかろうか、このように思っておりまして、出席議員の方の過半数というのは、これはまさに出席をされた方の過半数ということで正しいのではないか、このように思っております。
○佐藤(観)委員 しかし、そのときには、かねてからそういうことも言われていたわけでありますけれども、とにかく現に任期満了になっているわけでありますから、参議院議員の方は半分しかいらっしゃらないわけですね。つまり、身分をもう失っている方を数に入れて、そして、それの三分の一という考え方は、私は一番極端な例を言っているので、こういうことがいいとか悪いとかの問題ではなく言っているわけでありますが、身分を失っている方々をまた入れて三分の一に数えるということは、すべてのものが、何もこの憲法の解釈の問題に限らず、身分を失っていらっしゃる方まであるとして物を考えるというのは、これはおかしいのではないのでしょうか。
○小笠原政府委員 これは突然のお尋ねでございましたので、私どももこの総議員の解釈というものを、まあ今私の判断でそう解釈すべきではなかろうかというふうにお答えを申し上げたわけでございますが、非常に重要なことでもございますので、憲法の解釈の問題は政府部内においては法制局の問題でもございますので、ちょっと確かめた上でまた後ほど説明を申し上げたい、このように思います。
○佐藤(観)委員 大臣、私は逆説的に物を言っているわけでございまして、確かに総議員というのは総定数だという解釈はかねてからあるわけです。ただ、それが正しいかどうかは別。ただ、私は今極端な例を言って、任期満了後の選挙ということを言っているものですから、こういうことも成り立つのではないかということで申し上げたわけでございますけれども、どうも今の解釈は常識論からいって苦しいのじゃないかと思いますが、大臣いかがでございますか。
○小沢国務大臣 これは憲法解釈の問題でございますから、総定数というのを今選挙部長答えましたように、総定数という意味で常識的に解釈するということであろうと思っておりますが、この点につきましては、大事な問題ですので法制局から調べまして答弁させたいと思います。
○佐藤(観)委員 いいのです、それは。つまり、それは憲法そのものが、そういうふうに衆議院が解散をしたときには緊急集会ということで、国権の最高機関としてそういう備えをしていこうという想定をした。しかし、衆議院と参議院が一緒に選挙をやるというようなことは、この憲法は想定をしていなかったと私は思うのであります。緊急集会という一応予備的な措置は考えていたけれども、それはあくまで衆議院が解散をした状況だけであって、参議院も一緒に半分が選挙をやっているとか、半分の方々が任期満了で事実上参議院議員でなくなるというようなことを憲法は想定をしていなかった。ですから、例えば総定数の話にしたって、一いわば二十二名の場合の四十二名ですね、四十二名で決せられるということになるわけでありますが、これは四十二名が多いか少ないかという議論はありましょうけれども、常識的には非常に苦しいのだと私は思うのであります。 私は、今申しましたように、確かに解散というのは、憲法七条によるところの解散あるいは六十九条によるところの不信任案が通過したときの解散等々、その問題も議論がございますけれども、今のように考えてまいりますと、この二院制のもとで両院がほとんど機能を失う、いわば衆議院は選挙中であり、参議院も事によっては任期満了中の選挙で、参議院議員の方が半分しかいらっしゃらないというようなもとでどうするかということは、憲法は想定をしていない。想定をしていないということは、逆に、二院あるのだから、二院が一緒に機能をそういう状況に置くということは、二院制の本来からいってあるべきではないと考えるのが常識的な、民主主義的な考え方であると私は思うわけでございますが、いかがでございますか。
○小沢国務大臣 憲法がそういう事態を予想しているかどうか、これはほかの問題のときにもそういった議論が出るのでありますが、私も、憲法解釈につきましてはしかとした御返事はできませんけれども、衆議院の選挙にしろ、あるいは参議院の選挙にいたしましても、それが政治的空白を生むことは事実でございます。そして、極端な一つの解釈をとって例をとれば、先生の御指摘のような事態もあり得るという解釈もできるわけであります。 ただ、これはいわゆるダブルということを前提の御議論でございますけれども、この解散行為というものそのもの、解散権、権能というものの解釈になりますと、またそれは別な政治の判断の問題になりますので、そういう点について私から、いいか悪いかというような判断を示すのは差し控えさせていただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 私がお伺いしているのは、当面六月にダブルがあるかないかということではなくて、二院制のもとにおいてダブル、衆議院と参議院、国権の最高機関のいわば四分の三というのでしょうかね、その機能をみずから失わせる行為というのは、民主主義のあり方として正しくないのではないかということを私はお伺いしているのでございまして、今度のダブルがあるとすれば、いいとか悪いとかの問題ではなくて、一般論として、本来むしろ避けるべきではないかというふうに私は考えているわけであります。 戦後、衆議院選挙が十六回、参議院選挙が十三回、これは戦後第一回の選挙を入れてでございますが、あったわけでございますが、同じ年に衆議院と参議院が選挙をやったというのは四回しかないんですね。それは昭和二十二年のいわば新憲法下のもとで、衆議院は今の中選挙区制、そして参議院選挙をやったときと、二十八年の、これはばかやろう解散という全く突発的な解散、そして五十五年のダブル選挙、そして前回の五十八年の選挙ということで、私は国会に十七年籍を置かしてもらっていろいろな議論をお伺いしましたが、先輩の方々から、今も覚えておりますのは、ことしは参議院選挙があるから衆議院選挙はない、国民の皆さん方の民意を、同じ年に国政レベルの選挙を二度やるということは、これは二院制をとっている限り、あり方として本来的におかしいものだという考え方を私は持っているわけであります。 そういった意味で、いろいろなそのときの事情を細かに調べなければわかりませんが、今申しましたように、衆議院十六回、参議院十三回選挙があった中で同じ年にやったのは、戦後第一回のことを除けばいわば三回、そのうち二十八年はばかやろう解散という全くとっぴ的な選挙ということを考えますと、私は、本来あり方として、冒頭お伺いしましたように、国民の皆さん方で選ぶという制度で成り立っているこの両院制である限りは、国民の皆さん方にどうでしょうかと民意を問うのは、同じ年に、同じときに問うたのでは、二つある意味が、私は全くとは申しませんが、それに近くなくなると思うのであります。そういう意味では、むしろ同じ年に国政選挙をやるというのは避けるべきである。私は、先輩の皆さん方がそういう知恵を働かしてきたと思っているのであります。 それから、前回の選挙というのは、そういう意味では全く特殊な例であって、戦後、不信任案が可決をされたというのは、吉田内閣で二回と大平内閣しかないわけですね。したがって、不信任案の可決に基づいて、それは退陣という道もあったでしょうけれども、衆議院解散という道をとられたというふうに考えているわけでございまして、確かに憲法その他を読めば、必ずしも、絶対的に同時にやってはいけないとは憲法には書いてございません。あるいはどこかの法律にも書いてあるわけではございません。しかし、今申し上げましたように、憲法の考え方あるいは二院制というもののあり方からいって、私は、ダブル選挙というのはやらないようにするのが本来の政治のあり方ではないかと思うわけであります。これは六月にあるとかないとかの話ではございませんで、本来、民主主義のあり方、二院制のあり方からいってそう考えるべきではないかと私は思うわけであります。法律にないから、憲法に、やってはいけないと書いてないからやっていいというのは、これは豊田商法であります。やはり民主主義である限り、制度の根本、基本的な考え方というものを考えて政治を運営するというのが民主主義の発展のために非常に重要なことだと私は思っているわけでございますが、大臣のお考えはいかがでございますか。
○小沢国務大臣 先生御指摘のように、過去の同時選挙におきましては、それなりのそのときの緊急の事態が生じましてたまたまそういうことになったというのは事実であろうと思います。解散という行為を前提といたしますから、同日選挙ということに大概の場合はなるわけでありますが、そもそもこの解散というのは、国民の何か重大な問題あるいは立法府と行政府との間の対立とかそういう本当に大事な問題で国民の真意を問う必要がある、内閣としてそのように判断したときになされるべきものであろうと思います。したがって、同日選挙ありきという議論ではなくて、解散という行為をもってなおそれだけの必要性があるかどうかという判断がまず第一の前提になってくるものであろう、私はそのように考えております。 したがいまして、先生がもし仮に恣意的にそういうことを目的として同日選挙ということを前提としての御議論であるならば、先生の御意見も御意見として私は十分理解できるわけでありますが、解散という問題はその問題とはまた別な、その必要があるかどうか、国民の判断を求めるべきかどうかの判断が先行するべきものであると当然考えております。
○佐藤(観)委員 そこまでいきますと、七条解散がどうかという問題にも触れてまいりますが、大臣の言われる意味はわかります。ただ、その際にも二院制を重んずる限りは参議院選挙があれば一つの民意が問えるわけでありますので、そうじゃなくても衆議院がにっちもさっちもいかなくなったという場合だって、政治でございますから一般論としてはあるでしょう。しかし、基本的に二院制ということを尊重していく限りは、同日選挙、同日選挙でやっているうちにますます国民の皆さん方から見ると、それなら二つ要らないじゃないか、一緒に民意を問うなら、ほとんど同じ選挙区からやるということならばますます参議院無用論につながっていく。それは二院制そのものを破壊をする。二院制というものは、大臣冒頭に述べられましたように、いい点があるわけでありますから、これは破壊をしていくことになるのではないか、そのことを大変心配をして、政治のあり方、運営のあり方として国政選挙、参議院選挙があるときにはむしろ衆議院選挙はやらない、衆議院と参議院というものは、国民に民意を問うなら別の機会に問う方が本来の政治のあり方ではないかということを申し上げたかったわけでございまして、自治大臣に解散権があるわけではございませんが、冒頭申し上げましたように、民主主義のあり方の問題、議会制度の発展のためにそのことをひとつ十分御留意をいただきたいと思います。 終わります。
○三原委員長 山花貞夫君。
○山花委員 先ほど提案理由の御説明をいただきました国会議員の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、まず前段、若干の質疑をさしていただきます。 この基準法改正は、従来参議院選挙がある年、三年ごとに手直しがされてきた、こういうように承知しておるわけでありますけれども、今回も先ほどの提案理由説明にありましたとおり、一定の基準に基づいて若干の執行経費の増額が図られていると理解しております。先ほどの提案理由、三年前山本自治大臣が御提案になりました提案理由と一言一旬、実は違っていなかったわけでございます。二カ所違っておりました。同じ部分、賃金というのが公務員賃金であるところだけ、二カ所だけ違っておったわけですが、なぜ広く賃金から特に公務員賃金に絞られたのかということをも含めまして、積算の根拠、算式、全体としての執行経費関係の増額率、従来の例と比べてどうだったのかということについてお伺いをしたいと思います。
○小笠原政府委員 お答えを申し上げます。 先ほど大臣の方から基準法の改正の御趣旨については御説明があったわけでございますが、それを補足する意味で、積算根拠につきまして説明をさせていただきたいと思います。 まず、積算単価引き上げの主な内容でございますが、第一は、超過勤務手当の単価につきまして、昭和五十八年以降の公務員給与の改定等に伴いまして、平均一六・一%の引き上げを行っておるわけでございます。算定の根拠といたしましては、昭和六十年の地方財政計画及び給与実態調査等を基礎にしておるわけでございます。 第二は、賃金の単価についてでございますが、これは国の予算単価等のアップに合わせまして、実情に即するように平均約六・六%の改善を行おうとするものでございます。 第三は、選挙長、投票管理者、開票管理者及び各立会人に対します費用弁償の額につきまして、平均約一一・五%の引き上げを行おうとするものでございます。 第四は、最近三カ年におきます約七・四%の物価変動等を勘案をいたしまして、ポスター掲示場費、印刷費等を引き上げようとするものでございます。 これらの諸要素を織り込みました執行経費全体では二百九十一億四千五百万円ということでございまして、五十八年、三年前の参議院通常選挙のときに比べまして約三十四億八千万円増、一三・六%の伸び、こういうことになっておるわけでございます。
○山花委員 この間、昭和五十九年五月に都道府県選挙管理委員会連合会から、六十年七月には全国市区選挙管理委員会連合会から、それぞれこの執行基準を含めてのたくさんの要望が出ておりますけれども、これをどの程度参酌し、受け入れられることができたのかということについてお伺いしたいと思います。
○小笠原政府委員 都道府県選挙管理委員会連合会あるいは市区選挙管理委員会連合会等、地方選管からの要望がいろいろ出ております。 その主な内容は、第一は、公務員給与の改定等に伴う各種経費の積算単価である超過勤務手当とか、あるいは投票管理者等の費用弁償の額を実情に即するように引き上げてもらいたい、こういうものでございます。 第二は、諸物価の変動に伴いまして、各種経費の積算単価でありますところの印刷費とか資材費等をやはり実情に即するように引き上げてもらいたい、こういうものでございます。 第三番目は、積算内容についてさらに改善充実を図るべしというような要望でございます。 これらの改正要望につきまして私ども十分検討を加えました結果、今回御審議を願っております改正法を提出することになったわけでございますけれども、積算内容の充実につきましては、なかなか厳しい昨今の財政事情もございまして見送らざるを得なかったのでございますが、第一点、第二点の単価の改定につきましては、それぞれ実情に即するように所要の措置を講じたつもりでございます。
○山花委員 厳しい財政事情の中で御努力した、その点については認めるにやぶさかではないわけでありますが、各選管の要望事項についても中身は大変多岐にわたっておりまして、今度の増額欄を拝見いたしますと、トータルでこれだけは膨らんだということについては理解しやすいと思うのですけれども、一体どれだけどの部分の要望事項について回答があったのかということになりますと、なかなかわかりにくいという問題点があるのではなかろうかと思います。御努力の跡は評価できるわけですけれども、そうした説得力におきましては若干欠けるところがあるのではなかろうかというふうにも思うわけでありまして、伝統的な手法をそのまま踏襲された部分が中心のようですけれども、こうした点においては各選管に対して説得力のあるような算式についても研究していただく必要があるのではなかろうかということについて、二言要請をしておきたいと思います。 さて、今回の改正を拝見いたしますと、例えばいわゆる新公営につきまして、ビラの公営について一枚四円が五円になった、あるいは運転手の報酬が八千円から一万円になったという部分はアップされているわけでありますが、自動車の借り上げ代とかその他の項目については全く触れられていないということですので、なぜこの点だけ取り上げられたのかということが一つ。 もう一つは、新公営に関しまして、従来から国会議員段階で話題となっておりますのは、はがきの印刷代等が、その他いろいろあるのだけれども、抜けているではないか。この点についての充実があり得ないものかという問題点が一つ。 地方議員の皆さんからは、国会議員だけは公営が進んだのだけれども地方議員については依然として全く放置されたままではないか、ここのところが何とかならないかというのが従来からある要請事項でございまして、この点についての御検討があるのかどうか、可能性がどうかということについての現段階での見通しについてお講じいただきたい、こういうように思います。
○小笠原政府委員 お答えを申し上げます。 まず、第一点の今回の改正でビラの作成の公営、運転手の報酬だけが増額されておるが、ほかの点はどうなっておるのかというお尋ねでございます。 御案内のように、このいわゆる新公営というのは昭和五十年法改正で設けられたものでございまして、いわゆる新公営と言われておるものでございますが、まず、その第一の選挙運動用自動車の公営関係につきましては、ただいまお話がございましたように、一括契約方式、ハイヤー方式というやり方と個別契約方式、自動車自体を借り上げる、燃料費を別途支出する、あるいは運転手を別途雇い上げる、こういうような区分があるわけですが、最近の運輸業等の賃金の上昇の三年間のアップ率を見てみたわけでございますが、それから見て運転手の報酬はやはり引き上げなければいけないということで、八千円から一万円に引き上げることにしたわけでございます。その他については、御案内のように、燃料費も最近は上がっておりませんし、これまでの選挙の実績から見て現行の額でほとんど賄われておるというふうに見ておりまして、据え置くことにしたわけでございます。 それから次に、ビラの公営についてですけれども、これにつきましても昭和五十年改正のときのいろいろな経緯があることは御案内だと思いますが、ただ、実際の契約額と公営による負担額との間に現実に相当差が生じておりますので、この際一枚四円から五円というふうに引き上げることにしたわけでございます。 それから、ポスター作成の公営につきましては、契約によっていろいろばらつきはございますけれども、全体としては現行の額でかなりの部分が賄われておるというふうに私ども見ておるわけで、一方でいろいろ厳しい財政事情も勘案しなければなりませんので、今回の改定は見送らざるを得ないということになったわけでございます。 それから、このいわゆる新公営について範囲を拡大すべきではないか、そういう考えはないかということでございまして、はがきの印刷代を例に挙げられてのお尋ねでございますが、御承知のように、我が国の公営というのは非常に拡大をされてまいっておりまして、諸外国に例を見ない程度にまで達しておるわけでございます。それで、こういう公営を選挙運動用のはがきの印刷等までさらに拡大することについては、私どもも検討してみたわけでございますけれども、選挙公営のあり方を選挙制度全体の中でどのように位置づけていくか、どの程度のウェートを持たせていくかというような全体的な問題がございます。選挙公営を拡大すべきという議論もあれば、一面では余り拡大というのも規制との関係で問題があるという御議論もございますし、そういう問題も検討しなければいけませんし、国の財政事情も勘案しなければなりませんので、今後の問題として慎重に検討させていただきたいと思っておるわけでございます。 それから、第三点のいわゆる新公営は今国会議員だけに限られておるわけでございますけれども、これを地方議会議員の選挙にまで拡大することについて検討したかというお尋ねでございます。 この新公営は、先ほど申し上げましたように、昭和五十年の法改正によって設けられたものでございまして、従来のいわゆる管理の公営というのとはちょっとニュアンスが違いまして、負担の公営というか、一種の補助的な公営ということになっておるわけでございます。それで、これを地方議会議員の選挙にまで拡大をするかどうかでございますが、現在でも各種の公営について、国会議員と地方議会議員との間ではいろいろと差が設けられておるわけでございます。したがいまして、基本的に選挙制度全体の中で各種選挙における選挙公営のあり方をどう考えていくかという問題がございますし、さらには地方公共団体の財政事情も勘案しなければなりませんので、これも今後の問題として慎重に検討させていただきたいと考えております。
○山花委員 日本の選挙公営は諸外国と比べて決して引けをとらぬというお話だったわけですけれども、問題は、同時に、選挙資金の位置づけについてもそれぞれの国の比較、そこから考える根本的なテーマもあるわけでありまして、一概におっしゃるように処置するわけにはいかぬのではなかろうかと思います。選挙公営問題は金権選挙批判からスタートした一つのきっかけも我々思い起こすわけでありますけれども、現在でも金権選挙はなくなったのかといえばそうではない。先ほど積算に物価上昇がありましたけれども、物価上昇をはるかに超えるペースで選挙に金がかかるという現状もあるのではなかろうかということであるとするならば、こうした選挙公営問題については一過性の問題ではなく、継続的に議論をしていかなければならない問題ではなかろうかと思っております。地方選挙に対する拡充の問題につきましても、そういう観点からこれからも議論を継続させていただきたいと思います。 次に進みたいと思いますけれども、基準法成立後、各都道府県への指示を含めまして、大体どんな日程でこれから作業が進められるのかという問題と、それと並行して既に参議院の日程もある程度浮かび上がってきているわけでありますが、参議院選挙に向けての自治省、選管の準備の現状、これからのスケジュールは大体どんなぺースで進むのかについて、あわせてお話しいただきたいと思います。
○小笠原政府委員 ただいま御審議をいただいております執行経費の基準法が成立いたしました場合には、早急に、改正内容を示した施行通達を各都道府県の選挙管理委員会に出すことにいたしております。都道府県及び市町村の選挙管理委員会におきましては、既に予算案も出ておることでございますので、おおよその見込みで参議院議員の通常選挙の予算を計上しているところではございますけれども、やはり法律の成立を受けまして、しかも施行通達を受けまして、具体的な選挙の執行計画を立てまして準備を進めていくことになるわけでございます。 ところで、具体的にどういう準備を進めておるかということでございますけれども、ただいまのところはまだこの法律の成立のためのお願いを申し上げておる段階でございまして、具体的な作業、準備は進めておらないわけでございます。 ただ、前回の例で申し上げますと、四月になりまして、この法律の成立等の後に、先ほど申し上げましたように、通知を出すとか、あるいは各種の会議を四月、五月に設定をいたしましてその準備の態勢に入ることにいたしておるわけでございます。 それから、これは前回の参議院の通常選挙から初めて行われることになったのでございますけれども、比例代表選挙に政党の名称の届け出という制度が設けられたのでございまして、これが実は任期満了前九十日から一週間以内に届け出るということになっておりますので、計算をいたしてみますと、四月八日から一週間以内に行われることになるわけでございます。この受け付けは、中央選挙管理会において行うということにもなりますので、こういうことから実際上の事務がスタートしていくということになろうかと思っておるのでございます。 具体的な日取り等については、これからのいろいろな動きを見ながら考えなければいけないわけでございまして、私どもとしては、どういう時点においても万全の態勢がとれるように、各都道府県の選挙管理委員会等と連絡をとりながら準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○山花委員 ここで大臣にお伺いしておきたいと思うのですけれども、実は今、参議院選挙の準備を中心にして伺ったわけですが、もし仮に衆議院の選挙も重なるということになりますと、前回ダブル選挙の際にもこの選挙事務上大変御苦労なさった経過があったと伺っておりますけれども、同時に、今回の問題点の一つは、仮にということで、この解散問題、あちこちで議論されている中、この定数是正が実現すれば解散である、あるいは実現しなくとも解散である、こういう議論がされております。定数是正法案が実現しない、成立しなくて解散ということにつきましては、これはもう私は違憲の議論でありますから論外といたしまして、これは横におきますが、仮に今後、例えば一定の期間に定数是正法案が成立したといたしましても、その選挙の準備ということだけではなく、合区、分区、さらには境界変更等あったりした場合には、選挙を行うといたしましても、衆議院選挙の場合、ある程度の周知期間と申しますか、どうしても必要なんじゃないだろうか。これは選管の準備の関係では、まあダブル選挙の経験ありますからがむしゃらにやればということがあったといたしましても、候補者の立場あるいは有権者の立場からいたしましても、新しい選挙制度ができた、選挙の区域がこう変わった、候補者の顔ぶれがこう変わる、こういうことですと、これは当然相当の準備期間というものがないと実際には法案ができても難しいのではなかろうか、こういうように思うわけでありますが、この点について大臣の所見を伺いたいと思います。
○小沢国務大臣 仮にのお話でございますが、解散の問題につきましては、先ほど佐藤先生のお話について申し述べましたけれども、どのくらいいわゆる周知徹底期間が必要なのかということは、もちろん法律で定まっておるわけでもありませんし、いわゆる常識的な判断の問題になると思いますけれども、今日のように、今も国会で最大の課題、焦点として定数問題が取り上げられておりますし、また、テレビやあるいはその他のマスコミの手段も大変発達しておるわけでございますので、そういう意味における周知徹底というのはそれほどの期間を置かなくてもお互いに国民として理解できるものではないか、そのように考えております。事務的な問題としてはないということでありますが、実態としても私はそのように考えております。
○山花委員 大臣はお考えの基本が選挙を執行する立場、こういう立場が強いわけであります。しかし、その受ける立場、国民の立場からすると、とてもそうはいかないのではなかろうか。あるいはこれは定数の是正がどういう形で行われるかということと関連してくると思います。これまでは全県二区に分かれてやっておったんだけれども一区になったとか、新しく境界変更をしたならば新しい地域の面積が従来の倍あるとか、いろいろなケースがあったりいたしますと、大臣のおっしゃったようなわけにはいかないのではなかろうかと私は思っておりますけれども、次の質問がありますので、この点にとどめます。 引き続いて大臣に、これは御所見を重ねて伺っておきたいと思うのですが、国会における定数是正問題だけではなく、去る二月二十六日、都議選につきまして東京高裁で違憲の判決が出されました。地方議会選挙で許される格差は原則として二倍である、あるいは、もし是正なしにして次の選挙が行われた場合には即時無効判決とならざるを得ない、さらには、この「無効判決をする裁判所としては、主文において無効を判示するのみならず、申立により、当事者から示された配分規定に基づき、適法な配分規定を判示する権限と責務を有するものと考える」、ここまで踏み込んでいるわけでありますけれども、この判決、お聞きになりましての大臣の御感想、いかがでしょうか。
○小沢国務大臣 先般の判決は、東京都議会、地方選挙のものでございまして、また高裁段階での判決でございますが、これは地方、都議会あるいは衆議院、参議院、それぞれ別の要請あるいは観点から選挙というものが行われておりますし、その意味におきましては、ストレートに現在問題になっている衆議院定数問題に結びつけるものではないと思っておりますけれども、いずれにしても、御指摘のように、判決の内容は大変厳しいものであると受けとめております。
○山花委員 大変厳しい、そして、そこからは司法のいら立ちが見られる、こう一般に言われているわけでありますけれども、同時に、これはその裁判所の姿勢がどうかということをちょっと横におきましても、国民の気持ちのいら立ちを代弁している、こういう面もあるというように受けとめなければならないと思いますし、そこでは我々に降りかかる責任というものも改めてかみしめなければならないものだ、こういうように思います。 議論ということになりますと、だからこそ我々は、従来から与野党の障害となっている二人区問題について自民党が撤回されるということで一気に壁を乗り越えて速やかに是正を、こういう主張になるわけでありますけれども、きょうは定数問題ではありません、いずれ機会があると思いますので、改めて議論をさせていただきたいと思います。 最後に、残された時間、もう一つだけ、恩赦の関係について伺いたいと思います。 せんだって、二十八日の新聞に出ておりましたけれども、総理が恩赦について前向きの姿勢である、選挙を控えて研究をしている、特にこの夏の選挙を考えれば、国政選挙の実動部隊として選挙違反にひっかかっている人の資格を回復するということが非常に重要である、こういうことで出ておったものですから、我々、大変関心を持っているところであります。 一応私の方で、従来からロッキード事件その他で恩赦問題が議論されておりましたので、集めた資料をちょっと見ているわけでありますけれども、第二次大戦終局に当たっての二十年十月十七日の恩赦、二十一年十一月三日の憲法公布以降、正確には、私、九回と一言うべきだと思うのですが、四十七年五月十五日の沖縄復帰に至るまで九回の恩赦あるいは減刑令の修正含めてなされているわけであります。 この中で大変特徴的なことは、だれが一体一番救われているかということになりますと、圧倒的に選挙違反についての資格回復ということになっているわけでありまして、たくさんある中で、特に国連の場合などは政令恩赦該当人数が六万九千六百二十七名、うち選挙違反関係者が六万九千五百、九九%選挙が救われた、こういうことになっているわけであります。 その他ずっと振り返ってみると、選挙関係が一番多い。もちろん政治資金規正法その他もたくさんありましたけれども、選挙違反関係で公民権停止を受けた方たちが恩赦によって救われる、これに期待する声も大きいわけでありますが、今回果たしてどうなのかということにつきまして大臣の所見を伺いたいと思うのです。 実は、私、この数字、最高裁の方から、現在の時点です、第一審における有罪人員の公民権の停止と不停止の数についてちょっと調べてみたわけでありますけれども、五十六年は有罪人員千九百三十二、公民権停止が千九百十二、五十七年が有罪人員千二百二十二、公民権停止が千二百七、五十八年が、選挙ありましたから、有罪人員一万三千四百五、公民権停止が一万三千三百七十四、五十九年が有罪人員五千九百九十七、公民権停止が五千九百八十四、昨年は有罪人員が八百二十八、公民権停止が八百二十四。公民権停止は、若干短縮される場合もありますけれども、通常自動的には五年。五年間とってみますと、有罪人員が二万三千三百八十四、公民権停止が二万三千三百一。既に三年ぐらいで切れた人もいるかもしれませんけれども、最大この二万三千三百一、これに若干の数減らした方々が公民権停止復権の対象になるのではなかろうか、こういうように一応推測をするわけでありますけれども、恩赦の問題は、閣議で大臣も署名されまして政令が出るわけでありますから、そういう意味ではこの問題について大臣も直面するというテーマであります。 選挙を執行する立場から、こうしたケースにつきまして、大臣としては恩赦問題についてどういう御見解を持っているか、そして今回のこの天皇在位六十年を記念しての四月二十九日恩赦実施、こういう新聞報道などでこれから議論になってくると思いますので、この際、法務省外では一番直接的な該当の大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○小沢国務大臣 恩赦の件につきましては、私はまだ何も聞いておりませんのでわかりませんけれども、本来、先生は法律の専門家でありますから何ですけれども、恩赦というものも刑事政策上の立場から判断して行われるべきものであろうと考えております。ただ、たまたま結果的に先生の御指摘のような事実もあったかと思いますけれども、これは選挙違反者を救うという観点からされるものではないであろうと私は考えております。
○山花委員 ちまたの新聞報道を見ておりますと、解散ムードをあおるんだとかあるいはダブル選挙になった場合の実動部隊を確保するんだ、こういう、いわば今大臣がおっしゃったような刑事政策的な観点ということだけではなくて、いろいろ政治的な判断が入ってくるということでは実は困ると思うわけでありまして、今後議論になる場合にはその点大臣としてもぜひ慎重な態度をとられますことを要請する次第であります。 以上をもちまして、質問を終わります。
○三原委員長 伏木和雄君。
○伏木委員 小沢大臣は自民党の総務局長も御経験があるし、あるいは前国会におきましては議運の委員長というお立場で議長見解作成に当たって御努力をされた、私どもこのように考えております。 このように選挙法に従来から関心の深い大臣を選挙担当大臣として迎えまして、私も、この大臣なら積極的に、民主主義の原点である選挙法が本当に国民の立場に立って公平な改革ができるのではなかろうかとひそかに期待をいたしているわけでございます。 衆議院の定数是正問題は、せっかくのお骨折りによって議長見解も示され、今、議長周辺でさまざま作業がされていることでございますので、中身にわたって御質問することは避けるといたしまして、少なくとも大正十四年に中選挙区制に改正された現行法、六十年間国民の中に定着した現行制度、三人から五人のこの中選挙区制についてどのようにお考えか、これだけまずお伺いしておきたいと思います。
○小沢国務大臣 俗に、我が国の経過の事情から、中選挙区制と呼ばれておる選挙制度が現実の問題として長い間施行されてきまして、そして国民の間にそれなりに定着しておるということは先生の御指摘のとおりだと思います。
○伏木委員 今回の最高裁の判決によりまして与野党一致しているところは、この判決に基づいて緊急是正をしなければならない、こういう立場に立ちまして、あくまでも定数の是正を最高裁から要求されているということでございまして、この制度の改革につきましては、今、大臣が申されましたように、長い開国民の皆さんの中に定着をしている制度、この前提を崩してはならない、私はこの点だけは申し上げておきたいと考える次第でございます。 もう一点、この作業がなかなか困難な状況でございます。選挙担当大臣といたしまして一体どのようにお考えになっているか、この点もあわせてお伺いしておきたいと思います。
○小沢国務大臣 選挙法、定数配分の問題は、いわゆる国権の最高機関の院の基本的な土俵づくり、院の構成に関することでございますから、第一義的には院にありまして各党の合意のもとに改正されるべきものであろうと考えております。ただ、もちろん政府は各般の行政に責任を持っておるものでございますし、その意味におきましても私どもも真剣に勉強しなければならない、そのように考えております。 今国会におきましては、前国会の議長見解のもとに各党党首がお集まりになりまして、その結論を今日の国会において各党で協議をしている最中でございます。私どもといたしましては、この各党の協議の結果に即しながら、どのような状況になりましても対応できるだけの勉強はしておらなければならない、そのように考えております。
○伏木委員 衆議院の選挙につきましては、議長周辺で御議論されておりますのでこの辺にいたしまして、それでは参議院選挙区の定数是正についてはどのようにお考えになっているでしょうか。
○小沢国務大臣 参議院の定数配分の問題につきましては、先生も御承知のように、衆議院と参議院とはその性格を異にいたしておりますので最高裁の判断も違うわけでございますけれども、そういった問題等につきましても、主として参議院の問題は参議院の中において今後協議されていくべきものであると考えております。
○伏木委員 どのように改革するかは別といたしまして、選挙担当大臣として現在の定数不均衡についてこれをよしとしておられるのか、参議院の選挙区もあわせて定数の是正は行わなければならないとお考えになっているのか、この点をお伺いいたします。
○小沢国務大臣 衆議院の場合は最高裁の判断がもう出ております。参議院におきましてはその意味での司法の判断があったわけではないと思います。基本的には、選挙は、人口ということを大きな要素として定数配分がなされるわけであります。参議院は衆議院の場合と本来的にかなりその性格を異にしておると考えております。したがいまして、もちろんそういったアンバランスにつきましては常日ごろから考えていかなければならないであろうと思っておりますけれども、参議院の特殊性、参議院の院として各党、各議員間で判断し、それを改正するならするということで第一義的には出てくるべき問題であろうと考えております。
○伏木委員 大臣が言わんとするところはわかるような気もいたしますけれども、司法の判決が出ないからこれでいいのだという考えは立法府としてとるべきではないと思います。ということは、衆議院の定数是正にいたしましても、このアンバランスについては長いこと議論し、当委員会でも絶えず議論してきたわけでございます。ところが、遅々として進まない。そのうち司法の方で憲法に違反するというきつい判決を出されるようになった、慌てて立法府としてがたがたしなければならない。確かに衆議院の選挙法と違いまして、参議院の定数には人口でこれを定めるという附則はついておりません。しかし、先般行われました国勢調査の速報値によれば、神奈川県と鳥取県は六・〇三倍、六倍という差が出ているわけですね。仮に地域代表だというのであるならば、なぜ参議院制度ができたときに各県によって定数をさまざま変えたのか、当初出発するとき何を基準に定数を定めたのか、この点をお伺いしたいと思います。
○小笠原政府委員 お答えを申し上げます。 参議院議員の地方区の定数配分が何を基準に行われたかというお尋ねでございますが、参議院議員の地方区の制度がスタートいたしました時点におきましては、各県の人口を基礎にいたしまして人口比例によって配分をいたしたわけでございます。ただ、御案内のように、半数改選でございますので偶数の配分をいたさなければならない関係上、格差は当初から二倍を超えておったように記憶いたしております。
○伏木委員 確かに格差は二倍を超えておりましたけれども、人口で配分したことは事実でございますし、根底に人口という考え方があった上での配分であった、これも間違いないと思います。したがいまして、一県に二人ずつ配分するという関係から、その格差が二倍以下という線にすることは技術的に不可能であるとしても、四倍以内あるいは三倍以内と、努力することによって幾らでも定数の是正はできるわけでございます。 したがいまして、ここまで格差が出てきた参議院においては、選挙を担当する大臣として当然この是正を考えなければならない、このように思うわけであります。これをこのまま放置しますと、またこういうところからも政治不信が起こってくるということにもなりますし、選挙民の投票意欲という問題にもかかわってまいります。片方は十万票台で当選する、片方は六十万の票を取らなければ当選できないというようなことをいつまでも放置することは許されないことではなかろうかと考えるわけでございます。したがいまして、当局としても早急にこの検討に入るべきではないか。最高裁から判決が出ても衆議院の方はなかなか進んでおりません。逆に、判決が出ないから余計進まないと言えばそれまでかもしれませんけれども、そういうことで許される問題ではなかろう。第一、人口比例というのは民主主義の原点ではなかろうかと私どもは思います。代表制民主主義である以上、国会の議決によって法律が施行される。そういたしますと、国民はいや応なしにその法律に従わなければならない。その議決権を持つ議員さん、その議員がアンバランスで選出されてくるということであっては、ごく少数の発言によって法律が決められ、多数の人間がその法律に従わなければならない、こういう事態を放置したままでは民主主義の進展はあり得ないと考えるわけでございます。当局の積極的な御意見を承りたいと思います。
○小沢国務大臣 参議院におきましても、その定数配分における人口の占める要素というのは非常に大きいものであるということは先生御指摘のとおりでありますし、経過につきましては選挙部長からもお話があったとおりでございます。したがいまして、私どもといたしましてもこれは非常に大きな課題であるという認識を持っております。ただ、参議院は人口だけでないいろいろな違った要素も持っておりますので、どのくらいのアンバランスが許されるか、どの程度がいいのかということは一概には言えないと思いますけれども、私ども政府といたしましても、そしてまた議員一人といたしましても、先生おっしゃるようなことを常に念頭に置いて対処していかなければならない、そういう問題であると考えております。
○伏木委員 次に、政治資金について若干お伺いをいたします。 政治資金規正法は、五十一年の改正の際に五年の見直し規定を附則として盛り込んでおります。この五年経過した後の見直し規定がなぜつけられたか、大臣は御理解をしているかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○小沢国務大臣 その見直しの点につきましては、文書を読んで承知いたしておりますけれども、その経過等につきましては、私、済みませんけれども承知いたしておりません。
○伏木委員 これは昭和三十九年ですか、例の共和製糖の汚職事件がございまして、それに関連し、いろいろな政治資金にまつわる問題が出てまいりました。それで、第五次選挙制度審議会といたしまして、緊急に是正しなければならないということを緊急提案事項といたしまして答申を出されました。その答申の中に、政治資金については個人に限るべきである、個人に限ることが望ましい、しかし現在の状況からいって、一挙にそうすることは難しい、したがって枠を定めて法人、団体の献金を認めるようにする、ただし五年間その努力をして、五年たったならばこれを見直しすべきである、こういう選挙制度審議会からの答申が出されておりまして、そういったものを受けて、四十二年に政治資金規正法の改正の話が出てまいりました。なかなか与野党話がつかずに、それで五十一年の法改正ということになってきたわけであります。 その際、この五年の見直しという問題も含まれておったわけでありますが、五十一年の改正後、昭和五十六年で五年の経過がたったわけでありますけれども、そのとき私は自治大臣に同じような質問をいたしました。その際、大臣からの御答弁の中で、次の通常国会には検討してお出ししたいというお答えをいただいております。したがいまして、それからもう五年をまた経過をしてきてしまって、法律が出されてからもう十年経過をいたしたわけでございますが、中曽根さんは、今度の衆議院の定数是正におきましても第三者機関にゆだねた方がいい、第三者機関の御意見をいただこうではないか、議員の活動に関連することだから、自分みずからよりも第三者機関の意思を受けようではないかという御発言もあるようでございますが、せっかくこのように第五次選挙制度審議会から、政治資金については個人の方向に進むべきである、こう言われ、しかも五年の経過措置をとるべきではないか、こう言われて、法律に附則までついている以上、当然当局として、これは議会の問題じゃないと思う、自治大臣として当然踏み切らなければならない問題ではなかろうか、こう考えますが、この点についての御意見を承りたい。
○小沢国務大臣 今日の政治資金規正法の改正のありましたときの経過、趣旨につきましては先生のお話でわかりましたけれども、この政治資金のあり方という問題は、各政党あるいは各議員、そのよって立つ基盤、あるいはそういった問題と密接に関連しておる問題であると思います。それから、広く言うと、いろいろ選挙制度の問題等にまで議論が展開していく面もあると思います。非常に難しい問題でございますが、私どもも、もちろん過去の経過を受けながら、どういった形で本来政治資金というものがあるべきかということは十分検討しなければならないことはそのとおりであると思っておりますけれども、ただいま申し上げましたような現実の問題がございますので、そういう点につきましても、各党間においても合意を得るような状況になりませんと、なかなか言うべくしてできないという実態としての面があるのではないか、そのように考えております。私どもといたしましては、大きな関心を持ってもちろんこの問題につきましては対処していかなければならない、そのように考えております。
○伏木委員 この答申につきましては、政府が選挙制度審議会をわざわざ設置してつくって、そうして、この問題を議論してもらい、そして改正をいたします、このとおりお受けいたしますということで審議会の答申を得たわけです。したがいまして、今回もよく選挙制度審議会の問題が出ましたけれども、お受けする人がいないのではないか。この選挙制度審議会から何ぼ答申を出しても全然国会は受け付けようとしない。第六次選挙制度審議会では、参議院の定数是正については、このアンバランスをなくせという答申が出ております。三県ふやして三県減らして、三・三の増減によって定数のアンバランスを是正せよという答申が出ております。これも踏みつぶしてしまったわけです。 このように、政府がせっかくつくって諮問をし、そこから答申を得ておりながら、今度は国会へ来ると、各党間のお話でございますと、そこへ逃げ込んでしまう。それでは、今回の衆議院選挙で中曽根総理が第三者機関というようなことを口にしておりますけれども、これも単なる逃げ口上というか、隠れみのにして時間稼ぎにするという結果にならざるを得ないのではないか。もう少しこの答申というものを素直にとったらどうだろうか。ましてや、先ほどから言われておりますように、議員個人にかかわる問題ということであるとするならば、なおさらこの第三者の意見というものは尊重されなければならない。したがって、やはり民主主義の原点を担う選挙担当の大臣として勇断を振るわなければ、決断をしなければ政治の浄化というものはできないのではないか、こう私は考えるわけでございますが、いかがでございましょうか。
○小沢国務大臣 先生の御意見、筋道としてはそのとおりであると私も考えております。ただ、とにかく現実の問題として、特に我が国の場合は、議院内閣制という中で立法と行政とは密接な関連にあります。したがいまして、もちろん私どももそういったせっかくの答申の趣旨あるいはさまざまな勉強を通じて積極的に対処していかなければならないのは当然でございますけれども、立法府の中における現実の、具体的ないろいろな話し合いあるいは各党間の合意等、そういったものが、特に各議員や政党やその問題に直接関連してくることでございますので、やはりそういう意味におきましても、各党間の話し合いというものを進めていっていただかなければ、なかなか言うべくして現実の問題としては非常に難しい、そのように考えておる次第であります。 基本的に先生のお考えにつきましては私も理解するところでありますし、今後とも十分勉強して対処してまいらなければならない、そのように考えております。
○伏木委員 それでは、時間もございませんから、執行経費のことについて若干お伺いをしたいと思います。 この執行経費に関しまして、先ほどもちょっとお話ございましたが、市区選挙管理委員会連合会から要望書が出ておりますが、これは膨大なものが出ておりまして、私もこれを見るたびにああと思うほどでございますが、大臣、これお読みいただいたでございましょうか、この要望書。もっとも予算ができてしまってから大臣に就任されたんで何とも言えませんが、ひとつお読みになっていただきたいと思います。 いろいろ御苦労されて要望が出ておるわけでございます。この基準法に関係する要望といたしまして投票所経費等七経費に関連して四十項目も列挙されております。その内容は、投票立会人や開票立会人の報酬については市町村の条例で定める額を国から市町村へ交付してほしい、こんなことは、私は当然のことじゃなかろうかと思います。市町村で条例を持っておる。報酬を条例で決めておる。したがって、法律で国会議員の選挙は全額国で持つという以上、市町村がつくっておる条例に基づいて交付しなければならない、私どもはこう考えるわけでございます。あるいは投票所の設営のための運搬費が認められない。それから、投票所の臨時電話とか開票所に雨天体操場などを使いますので、下ヘビニールマットを敷かなければならない、そういった経費も認められていない。数を挙げるとたくさんありますけれども、私はこの要望、一々もっともであろうかと思います。 したがいまして、大臣の提案理由にもございましたように、物価の変動あるいは給料の上昇によって今回改正すると、こうありましたけれども、積算、報酬について要望がたくさん出ているわけでございます。こういった要望が削られているということは、その経費が非常に少ないんではないか、こう考えるわけでありますけれども、執行に当たって市町村が相当の負担になっているんではないか、こう考えますが、この点いかがでございましよう。
○小笠原政府委員 ただいま御指摘がありましたように、地方の選挙管理委員会から執行経費の基準法の積算内容の見直しについていろいろたくさんの要望が出ておることは確かでございます。私どもも、それぞれ一つ一つそれなりの理由があるというふうに理解をいたしておるわけでございますけれども、ただ、一つ一つはそれぞれ各地方の選挙管理委員会によって事情が違うわけでございます。先ほどおっしゃいましたような臨時電話の問題にいたしましても、つける必要があるところもありますし、そうでないところもございますし、ビニールマットを敷いて床を保護しなければいけないという会場もありますし、そうでないところもございます。それから、立会人等の報酬にっきましても、これはそれぞれの団体の条例で自主的に決めていただくということでございますが、その額は自主的に決めるものですから各団体によっていろいろばらつきがあることは事実でございます。 そういうことで、それぞれの団体の立場からの要望がいろいろ出ておるわけでございますけれども、私ども、全体として執行経費の基準法は、一つ一つ特殊な事例までも含めて全部積算内容に織り込んで対応していくということではなくて、標準的な内容をもとにしまして、標準的な事務の管理、執行ができるということに重点を置いて経費の積算をし、予算措置もいたしておるわけでございまして、全体的には円滑な管理、執行に支障はない、そういういろいろな要因がございましたら、全体的な経費の中で彼此流用していただいて対応していただきたい、このようにお願いをしておるわけでございます。もちろん、要望の一つ一つについて、今後、合理的なものがあり、また全体としてどうしても措置しなければいけないというものがありましたら、それは、いろいろ厳しい財政事情でございますのでなかなか認められにくいというようなこともあろうかと思いますけれども、検討し、努力はしてまいりたいというふうに思っております。
○伏木委員 今の御答弁でございますが、全体の経費の中で流用してということになると、全体の経費がたっぷりあればいいですよ。そうすれば幾らでも流用できますけれども、出ていく経費がぎりぎりなんですから、流用のしようがないわけですよ。そういう点で、やはり積算方式の改善、ただ物価にスライドする従来の方式だけではなくて、選挙事務においても相当変わってきているわけです。例えば、学校を使う場合、大体階段がある。となりますと、身障者の車いす、これはスロープをつけなければなりません。こういう従来なかったことが全国的に行われるようになってきているわけでございますので、ひとつこの次のときにはこの積算方式、これも御検討いただいて、当然これは積算に入れるべきだというものは入れていかなければならない、このように考えるわけでございます。 次に、これは基準法に関係したことではござませんが、選挙人名簿をコンピューターでつくってもいい、容認してもらいたいという要望が、これまたこの要望の中に出ております。現在、選挙人名簿はカード式の原本を手作業で加除しておると言われておりますが、これは少し時代おくれではないか。これだけコンピューターが発達したときに手作業でやるカードを原本としなければいけないというのは少くおくれているのではないか。住民基本台帳も昨年の改正でコンピューター化の道が開かれたわけでございます。住民基本台帳とリンクしてできている選挙人名簿をやはりコンピューター化すべきではないか、このように考えるのです。これで選挙事務も地方は大変楽になるのではないか、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○小笠原政府委員 ただいま御指摘がありましたように、選挙人名簿は法律によってカード式名簿とするということにされておるわけでございます。昭和四十年代の初めにそういう制度が設けられて今日まで来ておるので、今ほとんどの団体が電算化しておるんじゃないかという御指摘でございます。私どもも、いろいろ地方からの要望も聞き、また実態も調べておるわけでございますけれども、確かに電算処理をしておる団体は相当、数がふえております。ふえておりますが、一方やはり相当大きな団体でも電算処理をしてない団体も見受けられるわけでございます。そこで、仮にその電算処理を法律化いたす場合におきましても、すべての団体を通じて電算処理をする、義務づけるというわけにはいかないわけでございまして、従来のカード式の名簿と、ほかに電算処理による名簿をつくってもよろしい、こういうようなことになろうかと思うわけでございます。 それで、これも先ほど御指摘がありましたように、基本になる住民基本台帳の方が、昨年の法律の改正によりまして電算処理をする台帳をつくってもいいというようになりましたので、私ども、この改正の趣旨を踏まえまして、選挙人名簿の方につきましても積極的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○伏木委員 終わります。
○三原委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 小沢自治大臣には先般予算委員会でも質問さしていただく機会がございまして、大変ありがたかったのでありますが、あのときに申し上げたと同じようなことが実は昨日、渡部前厚生大臣、理事からお話が出まして、なかなか評判のいい人だなと思って非常に感心しておるのであります。その話というのは、小沢さんと農水大臣になりました羽田さんとが非常にいいお友達で、同志であって、前、大臣に就任というチャンスがありましたにもかかわりませず、二人が同時でなければ大臣には就任しないと言ってきっぱり断られたというようなエピソードを伺いまして、本当に立派な人たちだなと思って感心をしておるのであります。また、そういう人であるだけに、私どもが自治大臣としてお迎えするのに本当に誇りだと私は高く評価をしておるのでありますが、ただ一つだけ心配があるのです。 それは、もう予算は組まれてしまっておりますけれども、しかしながら創政会に属していらっしゃいますね。そこで、これから地方自治の確立という問題につきましては、これは税の問題では税調と、もちろんその上に立ちます大蔵省と正面からぶつかり合うようなところがこれからどんどん出てくると思うのですね。また、許認可の権限移譲の問題、機関委任事務の問題、相当たくさんの問題が衝突するような材料が出てくると思いますが、信頼すべき小沢自治大臣でございますから、たとえ相手が竹下さんであろうとも断固として地方自治確立のために頑張っていただけると私は信じておりますが、決意のほどはいかがでございますか。
○小沢国務大臣 たとえ創政会の会長であろうとも、私は今、自治大臣としての職務を断じてやっていかなければならない立場にございます。それとこれとは別でございますので、先生方の御指導をいただいて一生懸命頑張りたいと思います。
○岡田(正)委員 大変立派な決意をいただきまして安心をいたしました。ひとつ今の言葉どおり頑張っていただきたいと思います。 それでは、もう随分質疑を繰り返しておられるのでダブるところは省いていきたいと思いますが、まず第一の質問です。 これは予定をしていなかったので、あるいはお答えができぬかもわかりませんが、参議院の総執行経費というのは二百九十一億四千五百万円と、これは前回に比べて三十四億八千万円の増でありまして、一三・六%の伸びであるというふうに聞きましたが、そのとおりですね。ですから、このことはもうお尋ねをいたしませんが、衆議院選が、年内にやるだろうというようなことが随分流布をされておるわけであります。衆議院選がもしことしあるとするならば、どのくらいの経費で上がるのでありましょうか。また、ダブル、ダブルということがこれまたおもしろおかしく話の種になっておりますが、ダブルになった場合、両方ひっくるめてどのくらいになる見込みでありましょうか、お教えいただきたいと思います。
○小笠原政府委員 衆議院の経費について申し上げると、何か衆議院のことについて考えて予定をしておるかのように受け取られるとちょっと困るわけでございますけれども、衆議院の予算にっきましては、これは任期満了がその年に予定される場合は別といたしまして、いつも予備費で措置をされるわけでございます。その予備費で措置をされるにいたしましても、任期満了の場合に当初予算等で措置をされる場合におきましても、一応その時点における執行経費の基準法をもとにしまして基本的には積算をし、予算措置をされるわけでございます。 参議院の積算内容と衆議院の積算内容とでは若干の相違はございますけれども、基本的には、投票所、開票所等大部分の経費につきましては共通をいたしておりますので、従来、参議院の経費につきましても衆議院の経費につきましても、大まかに言いまして大体同額程度が必要であるというふうに私ども経験上考えておりますので、そのように御理解をいただきたいと思っております。
○岡田(正)委員 衆議院の経費については、今回出ておる参議院の経費とおよそ同額であろう、さよう心得てもらいたい、これはわかりました。 ダブルのときはいかがですか。
○小笠原政府委員 衆参同日選挙の例は昭和五十五年の場合だけでございますけれども、その当時は、参議院について積算された予算の上に衆議院について別途積算された予算を追加計上して両方の予算で執行をしたということになっておるわけでございます。それで、結局両方必要であるということで措置をされたわけでございます。 中身につきまして、一緒にやれば合理的にその経費が安くなるのではないかというお考えもあろうかと思いますけれども、確かにそういう面もある反面、やはり投票箱等はそれぞれ倍必要でございますし、従事する人数も当然ふえてまいりますし、それから急にいろいろ発注したりなんかしなければいけないというような事情も重なりまして、経費的にはやはり同じように必要なんではないかというふうに私ども見ておるわけでございます。
○岡田(正)委員 さすれば、まあ同じぐらいの経費がかかるものと考えますと、ざっと考えて、参議院で三百億、衆議院で三百億、プラス六百億というくらいの程度のものはかかる、こういうふうに心得でいいのではないかと思うのでありますが、違っておったら後で御訂正ください。今、小学校、中学校の義務教育の教科書代が四百億円程度であると承っておりますので、何とまあ大きな経費が要るものだなという感想だけ申し上げまして、次の質問に移らさせていただきます。 この経費の改正によりましても地方団体がなおかつ超過負担をするという実態があるのではないでしょうか。
○小笠原政府委員 昭和五十八年暮れに行われました衆議院選挙の直後に、私ども、全都道府県、それから指定都市、それから主な市及び町村等につきましていろいろ実態調査を行って、その点こういうふうな実情になっておるか調べてみたわけでございますけれども、ほとんどの団体におきまして、執行経費の予算の範囲内で措置ができたというふうに理解をいたしております。その後の物価上昇等を勘案いたしまして今度の基準法の改正もお願いいたしておりますし、また予算措置も講じておるわけでございますので、現在の状態で特段の超過負担というような問題がなくて円滑に執行していただけるものというふうに思っております。
○岡田(正)委員 よくわかりました。超過負担はないものと、五十八年のときの調査から考えて、思っておる、こういうことでありますが、もし超過負担があるとしましたら――これは挙げてある項目以外ですよ。執行経費のいろいろな小さい費目がありますね。そういうもの以外のことを私は言っておるのではないのであって、この費目の中において超過負担がもしあったらどういうふうに措置されますか。五十八年にお調べになったときに、超過負担という実態がないかどうかということを調べられたのは非常に適切だと思います。そのときにも、やはりもし超過負担をしておったら措置しなければならぬなと考えて調査をされたのではないかと思うのでありますが、超過負担がもしあったらそれは措置する、こういうふうに理解をしてよろしいかという意味であります。
○小笠原政府委員 地方公共団体の超過負担の問題は、この執行経費の基準法の審議の都度いろいろ御論議があるものでございますから、私どももやはりそういうことがあってはならないという立場から実態を調査いたしておるわけでございます。 今御質問の中で、一つ一つの積算について超過負担があった場合どうするのかというお尋ねではなかったかと思いますけれども、先ほどもその点、執行経費の基準法というのは確かに細かく投票所の経費は単価幾ら、開票所の経費は単価幾ら、事務費はこうだというふうに積算はいたしておりますが、それはあくまでも標準的な団体を想定いたしまして、全国統一的な考え方で積算をいたしておるわけでございますので、いろいろそれぞれの地方によって、ある経費は若干足りない、しかし、ある経費は工夫することによって予算的には余裕が出るというようなことはあろうかと思うのです。それは全体の交付された経費の中で工夫をしてやりくりしていただいて、超過負担が生ずることのないように対応していただく、こういうことでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○岡田(正)委員 それでは、法務関係といいますか、警察関係の方にお尋ねをいたしておきますが、選挙がありますと、違反というのがどうしても出てくるという現象があります。その違反対策といたしまして予算でどのように組んでいらっしゃるか、また、その予算の内容について、どういうものであるかということについてお答えいただきたいと思います。
○国松説明員 お答えを申し上げます。 参議院議員通常選挙の取り締まりに必要な警察庁関係経費につきましては、昭和六十一年度予算案に三億三千百万円を計上いたしまして現在御審議をいただいているところでございます。その中身は活動旅費、捜査費、それから警察装備費などでございます。
○則定説明員 検察庁関係の参議院選挙違反取り締まり経費につきましてお答えいたしますが、六十一年度の一般予算の中に一億三千九百八十一万九千円を計上させていただいております。これまた警察庁の御答弁と同じように、中身といたしましては直接選挙違反事件の捜査あるいはその内偵、その活動に要する諸経費というものの経費でございます。
○岡田(正)委員 これはつまらぬ質問かもわかりませんが、一応例年の実績があるわけですから、それに基づいてそれぞれ三億三千百万円とかあるいは一億三千九百万円とかいうふうに計上なさっていらっしゃるようでありますが、この予算をオーバーした場合にはどういうような措置をとっておられますか。
○国松説明員 先ほどお答え申し上げました警察庁関係三億三千百万円という予算につきましては、五十八年に行われました参議院選挙の実績を踏まえまして、それに必要な経費の値上がりその他を全部勘案いたしまして要求申し上げているところでございます。したがいまして、現在御審議をいただいております、計上しておりますこの額をそのままお認めいただければ、これをオーバーするというようなことは決してないというように、十分な予算措置をとっていただけるものというように考えております。
○則定説明員 お答えいたします。 検察庁関係につきましてもほぼ同様でございまして、過去の実績等を踏まえまして合理的な予測の上に計数計算をさせていただいておりますので、予想外な事態が発生いたしません限りほぼ大丈夫であろう、こういうように考えております。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。 在外邦人の選挙制度の問題については法案がまだ未成立でございますが、この法案が成立しないことを願っておるのではないはずでありますから、成立をしたとしてもこれをやろうと思うと一年ぐらいはその教育や訓練に時間がかかりますよということをかねてから聞いております。現在その準備をしておくべきではないかと私は思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○小笠原政府委員 在外選挙制度を実現するための公職選挙法の一部改正案を国会に提案をいたしまして御審議をお願いしておるわけでございますが、その法案の附則でも規定をいたしておるわけでございますが、御可決いただきました場合には公布の日から起算をして一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する、そして、その中でさらに具体的に在外投票する場合につきましてはさらに一年、すなわち公布の日から起算して二年を超えない範囲内で政令で定めみ日から施行するという考えになっておるわけでございます。 そこで、この法案が成立をいたしました場合には、そういうふうに相当な準備期間を見込んでおるわけでございますので、その期間内に国内においては都道府県選挙管理委員会と一体となって周知徹底に努めますし、事務の指導も行ってまいりますし、また国外におきましても、特に在外法人の多いような国を重点といたしまして、外務省と協力をして在外公館の職員に対する指導であるとかあるいは在外法人に対する周知だとか、そういうことをやってまいりたいというふうに考えておりまして、やはり成立してからそういう準備にかかればいいとは思っておりますけれども、私どももいつ成立した場合でも直ちにそういうことに取りかかれるように、内部的な検討なり準備なりということはやっておるわけでございます。
○岡田(正)委員 失礼しました。法務省と警察庁の関係は結構でございますので、ありがとうございました。 次にお尋ねをいたしますのは、新聞にも出ておりますけれども、職務執行命令、代執行規定の改正に当たりまして選管の選挙事務というのはもう全然別ですな。途中ちょっと混乱がありましたけれども、後藤田さんは別だ、こういうふうにおっしゃっておりますが、自治省ではどう考えていらっしゃいますか。
○大林政府委員 現行の代執行は、御案内のように、知事及び市町村長に委任された事務に限られております。今回改正を予定しておりますのも知事及び市町村長の機関委任事務に限定をして考えております。
○岡田(正)委員 自治省におきましては不在者投票という制度があるのでありますが、これがまことに余り評判がよろしくないのですね。こういう不在者投票でもいろいろな制度があります。私は、特にここで取り上げるのは、言葉に出して言うのはちょっと都合がありますから申し上げないことにいたしますが、非常な不評を買っておる不在者投票制度がありますね。これはもうそれを言っただけでおわかりだと思いますが、そういうものに対してどのような施策を行っておるのか、また行おうとしておるのかということについてお答えください。
○小笠原政府委員 お答えを申し上げます。 選挙は公正に行われなければならないわけでございまして、これは不在者投票のみならず、選挙の全般にわたる手続とか執行面においてそういうことが第一の要請でなければならないと思っておるわけでございますが、不在者投票制度につきましては、特に投票当日投票所に行って投票するという原則に対する例外でございますので、特に公正を確保するという観点から選挙法ではいろいろ細かい厳密な手続を規定しておるわけでございます。そういう手続に従って公正に行われるように、絶えず選挙管理委員会あるいは不在者投票管理者等への指導あるいは周知ということは努力してきておるつもりでございます。
○岡田(正)委員 この問題は余り言わぬことにいたします。だんだん生臭くなってきますから避けることにいたしまして、次に大臣にお尋ねをいたします。 今、暫定是正、それから抜本是正とよく論議をされておりますね。このことにつきまして、定数協が今やっているのだから私の答える範囲ではないよとお思いになるかもわかりませんが、楽な気持ちでお答えをいただければと思うのですが、大臣としては抜本是正というような場合は、格差は何倍以内ぐらいにあるべきじゃないかなというふうに思いますか。
○小沢国務大臣 特に衆議院の定数是正の格差の問題につきましては、先生御承知のとおり、最高裁の判断も示されておるわけであります。そして、前国会以来議長見解におきましては一対三という見解が示されまして、それも各党御理解の上で今国会に引き継がれておるものと思います。あの中で、さらに確定値が出た段階では抜本是正に取り組もう、これも各党で合意しておるわけでございまして、今私も何倍までがいいのか、あるいはどうなのかという問題については、私の立場から答えられるものではないと思いますので、各党の協議の中からいい知恵を、案を出していくというふうになることだと思っております。
○岡田(正)委員 大臣としてはなかなか答えにくい質問であろうかと思いますが、以下お尋ねすることは大臣がお答えになるのはまことに今都合が悪いと御判断なさるようでしたらあるいは選挙部長その他の方でも結構でございますから、これまた部長さん、余りかたくならずに、楽な気持ちでひとつお答えをいただければと思うのであります。 先般、東京高裁が都議選の問題について二倍以内だよ、とんでもない話だ、二倍以内に是正しなければだめだよというような非常に厳しい判決をお出しになりましたが、あの問題については、今議長見解によって一対三ということで定数協が活動を始めておりますけれども、二倍以内なんというのはあれは地方議会のことよ、国会は別よというふうに理解をしておられますか。それは全部の選挙がそのとおりだと理解をしておられますか、どちらですか。
○小笠原政府委員 この投票価値の平等の問題といいますか、定数不均衡の問題といいますか、これは選挙制度の仕組みと密接に関連をしておりまして、その仕組みのいかんによって結果的にはいろいろ差異が出てくるのではないかと思っておるわけでございます。 そういうことで、今までも最高裁のこの問題についての判断が、衆議院と参議院とで異なっておるように私どもは理解をしておるわけでございますが、地方議会については、先ほど御指摘になりましたのは東京高裁の判断で、東京高裁は一対二までが合憲である、それ以上超えれば違憲であるという明確な判断をお示しになったようでございます。これは地方議会の問題でございますが、地方議会については公職選挙法の十五条におきまして、選挙区の設定の仕方あるいはそれに伴いましての議員定数の配分の仕方についていろいろ規定がございますので、その規定によってこういう問題は判断をされなければならないのではないかというふうに考えております。
○岡田(正)委員 その程度しか現在はちょっとお答えができぬでしょうね。 そこで、これは大臣にぜひお尋ねをしたいのでありますが、三倍以内というので今十増・十減がな、あるいはかつかつ九・九かなというようなことが論じられておるのでありますが、この十増・十減にいたしましても、これを実施した場合、北海道のように六人区というのが出てくるのですね。こういうような場合どう思われますか。現在の中選挙区制度という中におきまして、六人区ができたら六人区でいいじゃないか、わざわざ分割せぬでもいいじゃないか、三、三に分けぬでもいいじゃないかというふうにお思いになりますでしょうか。いかがでしょうか。
○小沢国務大臣 これは従来の経過からは、例えば分区をいたしたりというようなことで、ほぼ三―五の範囲内で改正がなされてきたと思います。ただ、今回は、仮に十増・十減なり九増・九城なりすることになれば、六人という問題も出てくるわけでありますが、制度論としてそれではいけないとかどうということはないと思います。したがいまして、従来の経過等も踏まえながら、院の協議の中で判断されるべき問題であろうと思っております。
○岡田(正)委員 それでは、最後にお尋ねいたしますが、できましたら大臣の方からお答えいただきたいのであります。 今、中曽根総理を初めとして、第三者機関に委任したらどうかという言葉がよく出てまいります。委任するといたしましても、第三者機関というのをつくった方がいいと思われるか、つくるとすればその性格はどのような第三者機関がいいと思われるか、できた第三者機関で行われる協議の内容はどういう範囲内でなければならぬと思うかということについて、もしお答えできたら。
○小沢国務大臣 第三者機関をつくってその中で論議していただくというのも一つの考え方であると思います。ただ、今各党で協議を進められておるわけでありますが、それぞれ調整、合意もなしに、この党はこうしなければいけない、この党はこうでなければだめだよという形では、たとえどんな人がメンバーになりましても案をつくることは不可能でございますから、各党が一定のところまで合意して、あとは任せようとか、いろいろな形は考えられると思います。したがいまして、もちろん第三者機関でやる以上、議長のもとに置くという考え方もあるかもしれませんし、それとは全然別個の形にした方がいいというかもしれませんし、さまざまな考え方があると思いますが、各党合意の上でそのような形にしようということになりますれば、それは第三者という公正、厳正な立場でやっていただくことに相なると思いますので、それも一つの方法ではないかとは考えております。
○岡田(正)委員 これをもって終わります。ありがとうございました。
○三原委員長 野間友一君。
○野間委員 在宅投票についてお伺いしたいと思います。 当委員会でも何度も論議されておりますが、国民の代表として公務員を選ぶということは憲法で保障された当然の基本的な権利であります。昭和二十五年に設けられた在宅制度が、一部の不正を口実にして二十七年に廃止された。四十九年に一定の復活はしておりますけれども、非常に範囲が狭く、常に問題になっておるところであります。 そこで、四十九年五月二十二日に当委員会におきまして附帯決議がなされております。「政府は、その実施状況の推移を勘案して今後さらに拡充の方向で検討すること。」これに対して当時の町村自治大臣が、「その御趣旨を十分尊重して今後検討してまいりたい」、こういう答弁を当然のことながらされております。つまり、当時から国会の意思として在宅についてはさらに拡充していかなければならぬというのが統一した考え方であります。 このことについては現在もそのまま維持発展させなければならぬと思いますが、まず大臣の所見を伺いたいと思います。
○小沢国務大臣 できるだけ多くの国民に、本当はすべての国民が選挙権を適正に行使することができるようにしなければならない、それは当然のことであると思いますし、そういう意味におきまして、私どもも、だれでも投票ができるようにしなければならない、そう努めなければならないと理解いたしておりますし、今後とも最大の努力をしなければならない、そのように考えております。
○野間委員 今申し上げたのは四十九年五月ですけれども、自治省も、十分尊重して今後検討したいということを、積極的な意思表示をされておるわけですが、その後どういう分野でどのような検討が進められておるのか、お答えいただきたい。
○小笠原政府委員 先ほど大臣から御答弁がありましたように、できるだけ多くの方々に選挙権が行使できるように保障してあげなければいけないということは私どももよく理解しておるつもりでございますが、一方、選挙の公正の確保という視点からもこの問題は考えなければならないわけでございまして、先ほど御指摘のありました四十九年五月の附帯決議もあり、在宅投票制度の改善について私どももいろいろ検討してまいっておるわけでございます。 特に拡充という意味で一番論議がありますのは、今は身体障害者手帳を持っておられる一級、二級、そういう重度の障害にランクづけされておる方に限っておるわけでございますけれども、家で寝たきりになっておって、しかも身体障害者手帳は持っていない、そういう方が投票所に行けないではないかということがございまして、この問題について私ども、何とかそういう方々の御要望にこたえられないものかという検討をしておるのでございますけれども、御指摘のありましたように、かつて昭和二十六年の統一地方選挙の時代に、その当時は対象範囲が非常に広うございまして、病気とかお産その他一時的な障害でも在宅投票ができることになっておりました関係上、本当はそうでない方々がこの制度を悪用して在宅投票をされたということがありまして、いろいろ混乱等もあったのでございます。そういうことで、この制度を復活するときにはその対象者をどうするかということが非常に大問題になりまして、検討して、いわゆる公的に証明された方に限って復活することにした経緯があるわけでございます。 寝たきり老人の方については統一的な制度がございませんで、その数字はいろいろと挙げられておりますけれども、客観的に認定することが今の段階では非常に難しゅうございまして、それを選挙管理委員会が認定しろというのもちょっと無理でございますので、今後こういう寝たきり老人の方々に対しての全国的な制度ができるものかできないものか、担当の省庁の問題もございますけれども、そういうこととの関連におきましても検討は続けてまいりたいと思っております。
○野間委員 四十九年当時から全然前へ出ていない。同じことを言われておるわけですね。数字を調べてみましても、高齢者は大概投票率が高いわけです。しかし、その高齢者の中で棄権をした割合を調べてみますと、病気というのが約半数になるわけですね。つまり、投票の意思がありながら行けないというのが棄権の理由の約半数なんですね。非常に深刻なんです。 選挙部長、今寝たきり老人の問題を挙げられましたので、その点についてお聞きしますけれども、寝たきり老人、せめてこれは定義等については御存じだろうと思いますけれども、前のときの答弁では、制度としてまだ十分確立していないとか云々言われておりますけれども、厚生省はきっちり定義をして、しかも実態を把握しておると思いますが、その点について、どの程度まで自治省は検討しておるのか、お答えいただきたい。
○小笠原政府委員 私ども、寝たきり老人の定義あるいは実態等につきましては、厚生省等から聴取をしておるわけでございますけれども、定義としましては、病気などで日常生活でほとんど寝ている状態にあり、常時介護を必要とする老人ということでございまして、その定義に当てはまる方で、六カ月以上寝たきりの、しかも六十五歳以上の老人の数というのも、総体で四十七万六千人おられるというふうに厚生省の調査で承知をいたしておるわけでございます。 ただ、この定義自体がまだ非常に抽象的でございまして、具体的には、やはり個々人の方がこれに当てはまるかどうかということについてはいろいろと難しい問題もあるように聞いております。 それから、今数字を四十七万六千人というふうに申し上げたのでございますけれども、この中には養護老人ホーム等の施設に入っておられる方が相当おられまして、象におられる方はその中の二十六万人程度というふうにこれもまた厚生省の調査で承知をいたしておるわけでございます。病院とか老人ホーム等におられる方は、それぞれ指定施設でございますれば、そこで不在者投票ができるというふうになっておるわけでございます。 なお、私どもこれで十分だとは決して思っていないわけでございますので、在宅で寝たきりの方々に、何とか常時客観的な証明制度というようなものができないものだろうかというようなことで、いろいろ検討いたしておるわけでございます。
○野間委員 もうちっとも進んでないわけですね。総論よし、各論は全然ゼロです。先ほど定義で言われましたが、確かに、六カ月以上病気などで日常生活ほとんど寝ている状態にあり、常時介護を必要とする老人、これは厚生省の資料で二十五万人。このような方々が非常に多く、投票する意思がありながら実際にはできないということで、この対策が急務だということは当然のことであります。こういう寝たきり老人に対して、これについては、台帳があって市町村が整備をし、保管をしているということは御存じでしょう。
○小笠原政府委員 寝たきり老人に対しまして、いろいろ国の措置なり、あるいはそれぞれの団体でいろいろ福祉政策上の措置が講じられておるように聞いておりまして、そういうことの施策の推進上、必要ないろいろな書類が整備されておることも当然かと思います。
○野間委員 ですから、市町村に寝たきり老人の台帳がある。ここではきっちりみんなつかんでおるわけですよね。それをどう活用していくのか、厚生省は厚生行政の目的からこういうつかみをしておりますが、自治省もこれらと連動しながら選管の方でこれをつかむということは容易だと思うのですね。つまり、これすらまだ検討していないということは、在宅制度を広げようとする国会の附帯決議の意思あるいは当時の自治大臣の決意にも反するものだと私は言わざるを得ないと思うのです。なぜこういう市町村にある台帳と連動させて自治省が在宅投票制度を拡充することができないのか、どこに際路があるのか、私はさっぱりわからぬわけですが、いかがですか。
○小笠原政府委員 現在定められておりますような全国共通の法律、政令等に基づきます認定制度といいますか、それに基づいて手帳を交付するというような客観的な統一的な制度がございませんので、確かにそれぞれの福祉政策の必要上、いろいろな台帳なり書類等がそれぞれの団体にあるということも当然かと思いますけれども、全国的に政令等あるいは規則等でこういう段階の人には手帳を交付する、どこにそういう方が行かれても認定が非常に容易であるというようなことには実はなってないように承知をいたしておるわけでございまして、その点も含めまして、今後の問題として研究させていただきたいと思っております。
○野間委員 研究とか検討とかしょっちゅう今まで論議の中で言っておられますし、全然それから進んでいない。これは実際、保健所とか市町村、こういうところと連動させればつかめるわけでしよう。そんなに厳格に、この人、果たして投票所に行けるかどうかということを厳格な証明でしなければ在宅投票はできないというようなものじゃないわけでしょう。緩くたって構わないわけでしょう。違うんですか。 つまり、一人一人の選挙権は大事にするということが基本でなければならぬ、これは自治省の考えの基礎に置かなければならぬ。しかも、先ほど言われたように、幾つかのいろいろな行政の目的でつかめる方向をつかんでおる、台帳まで整備されておる。私ここに「居宅ねたきり老人台帳」のサンプル、厚生省からもらったものがありますけれども、かなり詳細に書くようになっておりますね。こういうところとなぜ連動できないのでしょうか、いかがですか。
○小笠原政府委員 先ほど御答弁を申し上げたことを繰り返すようで恐縮でございますが、私ども、厚生省等からいろいろ聴取しております過程では、確かにいろいろな施策を行っておりますから、その対象になる人はこうだというように書類等が整えられておるだろうと思いますけれども、ただ全国共通して寝たきり老人はこうである、したがって対象は正確にこうであるということは、厚生省自体も完全に把握はしていないというふうに答えを聞いておるわけでございまして、私ども、やはりこの制度は、不在者投票制度の中でも特にお一人で記載をして投票されるという制度でもございますので、その範囲なりあるいは手続等については慎重を要するのではないかという気がいたしておるわけでございます。 しかしながら、これでいいとは決して思ってはおりませんので、今後、十分検討を続けてまいりたいと思っております。
○野間委員 厚生省は、昭和四十四年五月の社会局長通知「ねたきり老人対策の実施について」、これを受けて老人福祉課長通知で各都道府県指定都市あてに、四十四年五月十七日に通知を出しております。これでは全国統一をした様式もきちっと決めてやっている、こういうこと御存じでしょう。
○小笠原政府委員 具体的な書類等、私は見たわけではございませんけれども、実態として、非常に細かい数字を求めた場合などは、大まかな数字はわかるけれども正確に全国統一してのこうだという数字は把握してないんだというお答えだと私は聞いております。
○野間委員 結局、検討とか勉強とか言われますが、それすら伝聞でしかここでお答えにならない。これは大変だと思うのです。何度やったってちっとも前進しない、これは姿勢が問題だと私は思うのです。自治省として、そういう制度をさらに拡大するということになれば、もっと真剣に考えて、各省庁と協議しながら本当に具体化するということが今は何よりも必要じゃないかと思うのです。これは政治的に考えて大臣としていかがでしょうか。
○小沢国務大臣 実態としてはいろいろ難しい点が、努力しているんだけれどもあるということは選挙部長の答えたとおりだろうと思います。ただ、最初に私が申し上げましたように、一人でも多くの人に選挙権の行使の機会を容易にしてやることは最大の務めであると思っておりますので、先生御指摘のように、真剣に検討させるようにいたしたいと思います。
○野間委員 樹の連絡というか、各省庁間で十分把握の仕方等について協議をしていただきたい。これは私の提案なんですけれども、いかがですか。「
○小笠原政府委員 今までも対象者等について、いろいろ制度の改正等もございますし、私ども厚生省と絶えず連絡をとり、また改善のときの知恵等もおかりしなければならないということで協議をいたしているわけでございますが、これからも御趣旨に沿って、連絡を密にして努力をしてまいりたいと考えております。
○野間委員 何遍も同じことばかりやるのもあれですから、頼みます。時間がありませんから次に進みますが、これは実際外国の例でも非常に、ルーズと言ってはあれですけれども、かなり厳格な考え方じゃないわけですね。ぜひ参考にしていただきたいと思うのです。 次に、歩行の困難な視力障害者の在宅点字投票です。これは何回か論議されまして、請願も九十六国会で採択されているわけです。これも五十八年二月に岩田さんが、もう少し勉強させてほしい、こう言っておられます。 もう一つ、最高裁の裁判官に対する国民審査についての視力障害者の点字での措置の問題ですが、これについても、罷免を可とする裁判官があるときはその裁判官の氏名をみずから記載しなければならない、こうなっていますね。つまり、カタカタ言わせながら点字で投票所で名前を打たなければならない仕組みになっているわけですね。これもおかしな話で、これについても将来に向かって検討させていただきたい、こう言っておるわけです。 この点について言いますと、罷免を可とする裁判官の名前を覚えていかなければその場で意思表示ができないわけでしょう。選挙部長、今十五人の最高裁裁判官の名前をあなた全部知っていますか、どうですか。
○小笠原政府委員 裁判官の名前を知っておるかということでございますか。そうではなくて、今のお尋ね全体についてのお答えですか。(野間委員「全体について」と呼ぶ) まず、在宅の視覚障害者に対して点字投票を認めるべきではないかという第一点のお尋ねでございますけれども、これはもう国会でも何度か論議をされておりますので、私ども従来から真剣に検討もし、現在も検討を続けておるのでございますけれども、何といっても自宅で、投票管理者や立会人等のいないところで投票されるという、日本の投票制度の中では一番例外的な制度になっておりますので、どうしても選挙の公正を確保するために、一番最初に証明をもらっていただく段階とか、あるいは投票用紙を請求していただく段階とか、あるいは投票用紙が送られてきた段階それぞれにおいて本人の署名を求めることによって、間違いなく本人の意思によって投票が行われだということを確保したいと思っておるわけでございます。これにかわるいい本人確認の制度がないかということでいろいろ考えておるのでございますけれども、現在のところ、これにかわるべき制度が見当たらない、いい工夫がないということで、まことに申しわけない、前進しないお答えになるのでございますけれども、現状はそういうことでございます。 それから、最高裁判所の国民審査におきます点字投票につきましては、一般の方々と違って、裁判官の名前を点字で打たなければならないことになっているのは御指摘のとおりでございまして、これまた私ども、よく要望がございますように、あらかじめ裁判官の名前が点字で打ってある投票用紙が準備できないかということで検討もいたしておるのでございますけれども、これまた一定の選挙期間内、不在者投票を含めますと、特に選挙期間が短くなるわけでございますけれども、その間に全国漏れなくそういうものを用意するということについてはいろいろ技術上の問題点があって、完全にそこまで今踏み切る自信がないというのが正直なところでございます。
○野間委員 時間がありませんのであれですが、これは実際不合理でしょう。書くとしても、あらかじめ点字で、全員が対象となったところで十五名でしょう、十五名の名前を書いておけばいいわけでしょう。そこで、私が聞いたのは、一体あなた、最高裁判所の裁判官の名前を今知っておるかということですよ。知らぬでしょう。プロでもそうなんです。ですから、名前まで書くことを強制する、そうでなかったら有効な投票にならない、そんなばかな制度はないですよ。そうでしょう。十分検討してください。
○小笠原政府委員 先ほどの在宅投票制度における点字投票の問題も含めまして、視覚障害者の方々に何とか改善の道が開けないかという観点に立ちまして十分検討を続けてまいりたいと思います。
○野間委員 最後に一点だけ、選挙権の二十歳の年齢を十八歳に切り上げるという要求ですが、これも我が党の不破委員長が本会議で中曽根総理に要求もしたわけですし、青年の政治参加、特に昨年は国際青年年の年ですね。これは調べてみますと、十八歳以上というのは、議会のある国が世界百十七のうちで百一カ国、以下も含めますと百八カ国です。米、英、西ドイツ、フランス、スウェーデン、オーストリア等々であります。逆に二十歳以上に限定しておる国は、日本も含めて、わずか二十二カ国だけなんです。これはぜひ年齢を引き下げて十八歳、こうすべきだというのは、これも非常に緊急かつ大事な問題だと思うのです。この点についての姿勢をお伺いすると同時に、ぜひ近い時期に実現をされたい、こういう要求ですが、いかがでしょう。
○小笠原政府委員 十八歳以上の青年に選挙権を認めるべきではないかという御意見があることは私どもよく承知いたしております。ただいまお挙げになりましたように、外国の状況も、相当の先進国におきまして十八歳選挙権が実現しておることも承知いたしております。ただその場合、私どもの調査によりまして、若干の例外がございますけれども、選挙権が十八歳になっておる国におきましては、同時に、ほかの民法上の成人年齢とか、あるいは徴兵年齢というのも十八歳になっておるわけでございまして、この選挙年齢の問題はそれだけ単独で考えるべき問題ではなくて、やはり諸外国にもありますように、民法上の成人年齢とか刑法上の取り扱いとか、そういうようなものを総合して考え、また世論の動向等も考えながら慎重に考えていかなければならない問題ではないかと思っております。
○野間委員 大変不満ですけれども、時間が参りましたので、これで終わります。
○三原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○三原委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○三原委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十一分散会 ――――◇―――――