決算委員会 第5号
- 発言数
- 273 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/04/15
会議録
○角屋委員長 これより会議を開きます。 昭和五十八年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中環境庁について審査を行います。 まず、環境庁長官から概要の説明を求めます。森環境庁長官。
○森国務大臣 環境庁の昭和五十八年度歳出決算につきましてその概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十八年度の当初歳出予算額は、四百四十八億三千三百九十六万円余でありましたが、これに予算補正追加額五千四百九十八万円余、予算補正修正減少額五億四千百万円余、予算移しかえ増加額九千五百六十七万円余、予算移しかえ減少額二十九億四千六百十六万円余、前年度からの繰越額五千六百四十八万円余、流用等減少額二億九千三百三十四万円余を増減いたしますと、昭和五十八年度歳出予算現額は、四百十二億六千五十九万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額四百八億二百六十九万円余、翌年度への繰越額一億四千四十七万円余、不用額三億一千七百四十二万円余となっております。 次に、支出済み歳出額の主なる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。 第一に、公害防止等調査研究関係経費といたしまして、五十九億六千六百九十万円余を支出いたしました。これは、化学物質実態調査等を実施するための経費及び国立公害研究所、国立水俣病研究センターの運営等の経費として支出したものであります。 第二に、自然公園関係経費といたしまして、四十五億八千四百三十八万円余を支出いたしました。これは、自然公園等における管理及び園地、博物展示施設、長距離自然歩道等の整備並びに渡り鳥の観測、絶滅のおそれのある鳥獣の保護対策等の経費として支出したものであります。 第三に、環境庁の一般事務経費といたしまして、三百二億五千百四十万円余を支出いたしました。これは、公害防止を図るための施策推進に必要な調査費、地方公共団体に対する各種補助金、公害防止事業団及び公害健康被害補償協会に対する交付金、環境行政に従事する職員の資質向上のための研修所の運営費並びに環境庁一般行政事務等の経費として支出したものであります。 最後に、翌年度繰越額と不用額について主なるものを御説明いたしますと、翌年度繰越額は、自然公園等施設整備費において、異常気象等によって事業の実施に不測の日時を要したこと等により年度内に完了しなかったものであります。 また、不用額は、退職手当等の人件費を要することが少なかったこと等のためであります。 以上簡単でありますが、昭和五十八年度の決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○角屋委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。天野会計検査院第二局長。
○天野会計検査院説明員 昭和五十八年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○角屋委員長 これにて説明の聴取は終わりました。
○角屋委員長 この際、お諮りいたします。 本件につきまして、本日、参考人として日本たばこ産業株式会社取締役野口正雄君、取締役勝川欣哉君、日本鉄道建設公団理事松尾昭吾君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○角屋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○角屋委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
○新村(勝)委員 まず、東京湾の環境対策、自然保護についてお伺いいたします。 長官には、着任以来、各問題の地域に出張なさる等大変努力をされておることについて、敬意を表する次第でございます。 今東京湾横断道路の工事が計画をされておりまして、近く着工されると思います。さらにまた、東京湾の埋め立てのプロジェクトも計画されているということで、東京湾に関する開発あるいは大規模建設が次々に計画をされているわけであります。 まず、現在計画されておる横断道路の工事に関して、東京湾に対する環境の立場から、あるいは自然保護の立場からいろいろと心配されておる面があるわけでありますが、環境の立場から横断道路がどういう影響を与えるのかということについてお伺いいたしたいと思います。
○岡崎政府委員 先生御指摘のとおり、東京湾横断道路は東京湾の大型のプロジェクトでございますので、これは環境に対していろいろな影響が出るであろうというふうに思っております。 この大きなプロジェクトにつきましては、一昨年の八月に閣議決定されました環境影響評価実施要綱に基づきまして今後事業者により環境アセスメントが行われることになりますので、環境庁といたしましては、それに基づいて公害の防止あるいは自然保護の観点から適切に対処してまいる、こういう手順になっております。
○新村(勝)委員 これから調査をされるということでありますけれども、既に工事は決まっておるわけですね。これは本来ならばもっと早く、この工事の決定前にこの調査をすべきではなかったかと思うわけであります。今後の調査においていろいろ予測数値なりあるいは予想される状況があらわれてくると思いますけれども、そういう状況があらわれたからこの工事をやめるとかやめないとかいうことにはなかなかならないと思うのですよね。ですから、この工事を決定する前にこれはやるべきではないかと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○三谷説明員 お答えいたします。 私、建設省でございますけれども、東京湾横断道路の建設に関しましては、昭和四十一年から建設省、それから引き続きまして昭和五十一年度から道路公団が、環境の問題、それから航行安全の問題等々種々の問題について慎重に検討をしてまいりました。 私ども、東京湾の横断道路の建設に関しまして、その施工のやり方等につきまして、現在、東原湾横断道路の建設に関する特別措置法を御審議されているところでございます。それで、そういうことでございますが、もし仮にこの法律が成案になりました段階におきまして、形といたしましては、道路特借法という制度によりまして許可をしてから工事をするわけでございますが、その前に道路公団が環境アセスメントをいたします。これは、先ほど環境庁の方からもお話がございましたように、閣議決定に基づきました指針でやるわけでございまして、もちろん、環境庁はもとより、種共の関係の方々と協議をしながら進めます。今の予定では大体九カ月でございますが、その環境アセスメントが終わった段階で事業認可をとる、こういうような仕組みになっております。ちなみに、昭和五十一年度以降、道路公団等が主体になりまして自然環境問題についてやっておりました調査をちょっと概略を御説明をいたしますと、まず一つは水質影響の問題、それから二つ目には海洋の生態の問題、いずれも昭和五十一年から専門家の方々から成ります委員会を設置いたしまして、影響等について慎重にいろいろ調査をしてまいりました。その結果を昨年、中間報告ということで公表してまいりましたが、それによりますと、横断道路のこういうものに対する影響は、道路周辺の狭い範囲に限られ、変化の程度も小さい、こういう予測を得ておりますが、先ほど申し上げましたように、成案が出ました段階で環境アセスメントを閣議決定の手続に基づきましてやりまして、それから事業認可を受けて、それから事業に着手する、こういう格好になっております。
○新村(勝)委員 工事に当たって一番配慮しなければいけないことは、東京湾の環境、特に東京湾に生息をしておる生物ですね、これにどういう影響を与えるかということが、やはり一番大きな問題だろうと思うのです。それと関連をして、まだノブの業者等もおりますし、そういう関連が出てまいりますけれども、何よりも環境対策、自然保護という観点からすれば、そこに生息をしておる動物、負あるいは底生動物、こういうものに対する影響が一番基本的に配慮されなければいけないということだろうと思います。 そこで、東京湾の生物の研究ですね。これはこの問題に関連しますけれども、この問題に限らず、特に東京湾というのは場所もいわば首都の一部をなす地域でありますから、当然従来も生物の研究がなされていると思いますね。東京湾の生物研究については、従来どこがやって、どういう経過をたどり、どういう成果を上げておるか、その概略、おわかりであれば伺いたいと思います。
○三谷説明員 私ども、東京湾横断道路の建設につきまして検討しておりますので、東京湾横断道路に関します生物の影響がいかがかということに絞って答弁をさせていただきます。 先ほど申し上げましたように、いろいろな委員会を設けまして、専門家の方々の御意見を外しまして、その結果を昨年、中間報告ということで公表させていただいております。 その内容につきまして、生物の関係について若干お話をいたしますと、先ほど申しましたように、東京湾横断道路海洋生態調査委員会で議論をしていただいたわけでございます。東京湾の生物といっても種類が非常に多うございまして、魚からプランクトン、それからさらには底生生物とか付着生物、こういうようなものがおります。さらにその水質、底質の問題が全部絡んでおります。これらにつきましてモデルをつくって予測をしておりますが、横断道路ができましたときに湾内の潮流あるいは水質はそれぞれの水域におきましてほとんど影響がない、変化が少ないという予測をしております。したがいまして、生息環境にはほとんど影響が生じないことから、湾内の生物相も広域的にはほとんど変化はないというふうに考えております。 なお、漁業あるいは先ほど先生の御指摘がありましたノリ等についても、いろいろ同じような委員会をつくって検討しております。
○新村(勝)委員 東京湾には現在、微生物は別にして、細菌とかそういうものは別にして、普通の魚類あるいは底生動物が約三百種類くらいいると言われておりますね。そこで工事が始まると泥がかき立てられるわけですね。そこでメタンが発生をして、有機物あるいは硫化水素等が発生をして、その化学反応によって海中の酸素を奪って、したがって水中生物が死滅をする、あるいはかなり大きな影響を与えるのではないか、こういうことが言われておりますけれども、そういう点はいかがですか。
○三谷説明員 東京湾横断道路は、今のような環境の問題、それから航行安全の観点から、当初の計画を変更いたしまして、川崎と木更津の間ちょうど十五キロございますが、そのうち川崎からの十キロについてはシールド工法ということで、海底を推進で掘っていくような工事を考えております。したがいまして、海底には全く影響はないかと思っております。 ただ、この十五キロの間に二つ人工島を今の計画では考えております。一つは、川崎側につきましてはトンネルの排気を兼ねるものでございます。それからもう一つは、川崎からちょうど十キロのところでございますが、トンネルでまいりました部分がちょうど海上に出まして橋梁になる、この渡りのところにやはり人工島をつくるということでございます。 それで、先ほど御指摘のとおり、じゃあ工事中の海水汚染についてはどうなるか、こういうことだと思いますが、これはしゅんせつ工事で一遍掘りますが、また埋める、こういうことでございますので、従来の埋め立てなんかに比較しますと、土最としてははるかに少ないわけでございますが、それでも工事中の濁りの問題、こういうものにつきましても、例えば掘削のためのグラフ、建設機械でございますけれども、これを密閉式にするとか、あるいは汚濁防止の幕を周りに張って、中で工事をする、こういうことで最善を尽くしたいと考えております。
○新村(勝)委員 おっしゃるとおり最善を尽くしていただきたいわけです。 それからもう一つ、東京湾内の埋め立ての工事ですけれども、これは従来、千葉県側でかなり大規模な埋め立てが行われまして、その埋立地に工業団地が立地をしたということでありますが、最近もまた新しい計画があるということも聞いております。そこで、東京湾全体を考えた場合に、その将来計画ですね、どの程度まで埋め立てをするのか、あるいはすべきであるのかしない方がいいのか、そういう観点からの東京湾全体の利用計画といいますか、そういうものが当然あってしかるべきだと思います。今までは、埋め立ての計画が出ると、その都度その問題についてだけ検討して許可を出しているというようなことではないかと思いますが、東京湾全体の将来計画を考えて、埋め立て等についても総合的な計画に基づいた許可ということでなければいけないと思うのですが、そういう面での東京湾に対する総合計画があるのかどうか、それを伺います。
○岡崎政府委員 今埋め立てのお話が出ましたけれども、それに関連いたしまして、全体的なきちんとした画一的な計画があるのか、こういう御指摘だと思いますが、構想段階あるいは実際に具体化された段階、いろいろなものが入りまじっておりまして、そういったものを全部ひっくるめた総合的な計画という形のものはあるかないかと言えば、はっきりしたものはないというふうに申し上げられると思います。 ただ、埋め立てのお話、特に東京湾のお話ですと、全体的な港湾計画というものがございますし、さらに埋め立ての場合ですと、公有水面埋立法に基づきまして関係省庁がそれぞれ意見を申し上げ、法定協議をする、こういうシステムになっておりますので、そういう段階では当然のこととしてそれが全体に及ぼす影響ということはチェックいたしますので、そういった意味で実質的にいろいろなかかわりを考えながら埋め立ての問題には対応する、こういう形になっております。
○新村(勝)委員 全体計画はないというお話でありますけれども、埋め立ての方がむしろ東京湾に対する影響は大きいわけであります。これは極端に言えば将来東京湾がなく在ってしまうという事態も考えられるわけでありますから、そういう点から考えて、現在でも埋め立てはかなり進んでおりますけれども、将来どうするのかという東京湾の根本的な環境対策あるいは自然保護の対策になりますが、そういう立場からの将来計画なり構想なりをそろそろおつくりになる時期ではないかと思うわけであります。そういう点で長官はいかがですか。 千葉県の御出身でありますから、東京湾を将来どうするのか、あるいはどの程度まで埋め立てを許していくのかいかないのか、そういう国土計画という観点から、あるいは自然保護という観点から、あるいは環境対策という観点から、いろいろな観点があると思いますけれども、そういういろいろの観点を総合した形での東京湾の将来のあるべき姿、これをそろそろ打ち出す時期ではないかと思いますが、長官はいかがお考えでしょうか。
○森国務大臣 私は漁業の出身でございまして、その意味からも海というものは保全されなければならない、また、環境の点からいっても埋め立てによるマイナスをなるべくこうむらしたくないという気持ちでおるわけでございますが、先生のお話の問題につきましては、これから将来にわたっての問題があると思いますので慎重に対処してまいりたい、こう考えております。
○新村(勝)委員 ぜひひとつ御検討いただきたいと思います。 それから次に、内水面、沼の問題ですけれども、これまた千葉県に関係があるわけですが、千葉県の手賀沼、印旛沼、これは長官は先日視察をされましたけれども、歴代長官も就任をされますと真っ先に宇賀沼、印旛沼をごらんになるということになっておりまして、大変地元は感謝をしております。当局の御熱意は評価をするのですが、効果という点になるとこれはなかなか難しい問題でありまして、急速に浄化を期待することはなかなか難しい状況であります。この内水面、これは手賀沼、印旛沼に限らず、全国にこういう沼はたくさんあると思います。そしてまた、全国で汚染に悩んでいる内水面がたくさんあると思いますけれども、それに対する浄化の対策、まずこのお考えをひとつ伺いたいと思います。
○森国務大臣 詳しくは局長からお話をさせますが、私といたしますと、今下水道の普及率が三三%あるいは三七%、その程度が手賀沼、印旛沼でございます。琵琶湖が一一%ですか。視察してみまして、やはり結論として下水道をともかく早くやらなければならないということは、これは当然の帰結でございますが、手賀沼、印旛沼に関しましては、実はこの二十一日に県知事以下皆さんとお話をして、ともかく千葉県として抜本的に考えてくれないかということを、私は非公式ながら環境庁の長官として、知事以下千葉県の経済界の連中その他にもお話しを申し上げよう、こう考えております。 全体の、閉ざされた湖につきましては、やはり何といっても下水道を高めなければならぬ。殊に手賀沼、印旛沼については住民の意識が大変高うございますので、これは私としても、環境庁としても非常に感謝をしているところでございます。
○新村(勝)委員 手賀沼について見ると、現在はCOD値で二二、三にいっているのじゃないでしょうか、もっといっていますか。そして下水道整備、現在はこの沿線は三〇%、そのくらいであります。仮に下水道が一〇〇%になってもCODの値は七・九ppm程度であろう、これは建設省の推計値だと思います。それから、同時にやっております北千葉導水路の工事が完成して、下水道が一〇〇%になり、さらに北千葉の導水路ができても五・四ppm程度であろうということですから、それでもなお環境基準には達しないという大変難しい環境にあるわけです。ですから、下水道の工事とそれから北千葉の工事を完成させて、さらに何らかの手を打たなければ環境基準には達しない、こういう大変難しい状況にあると思います。 それともう一つは、沿線の急速な開発によって下水道が依然として三〇%、あとの七〇%は自家用というか簡易浄化槽に頼っておるわけです。ところが、実は簡易浄化槽というのが問題でして、簡易浄化槽のためにかえってその下流が汚染されるという現象が起こっておるわけなんです。というのは、簡易浄化槽の機能の問題もありますけれども、その管理がなかなかうまくいかない。そしてまた、その管理が行政指導のとおりになかなかいかないという面もありますし、これを強制するだけの法的な根拠もまだ整備されていないように思うのです。そういう点で、簡易浄化槽の普及がかえって沼の汚染を一層促進しているということが言えると思います。 これらの点について、どういう将来の見通しなり対策をお持ちですか。
○谷野政府委員 ただいま御質問にもございましたが、手賀沼の場合に例をとってみますと、周辺の大変急速な都市化が進んだわけでございます。手賀沼は大きな沼でございますけれども、例えば霞ケ浦とか琵琶湖などのケースと違いまして、周りがほとんど全都市街地化をする可能性があるような場所に立地をいたしておりますので、その周辺におけるいわゆる汚濁負荷の発生長は、都市化された場合には大変大きいというのが実態でございまして、ただいま御指摘がございましたように、全国で最も有機汚濁の進んだ沼であるというのが現状でございます。 これに対する対策といたしましては、そういう生活系の排水が中心でございますので、下水道の整備が第一であるというふうに考えております。既に各御担当の方面でも重点的な地区に取り上げていただいておりまして、年々その普及率は伸びてきております。ただ、ただいま御指摘がございましたように大変東京に近い、かつ土地の値段も、都心に比べればまだ買う方からすれば買いやすい値段にある、こういうことでございますので、市街化区域その他におきまして、下水道のない地区にも建物が現在でもどんどん建ちつつあるわけでございます。 そういう地区におきまして、ただいま御指摘がございましたように、浄化槽でいわば水洗便所にして住居を建てるということになりますと、一つは浄化槽自体の問題。それから、一般の家庭の浄化槽でございますと、これは家庭雑排水と申しておりますけれども、台所の排水とかおふろの水とか、そういうものがそのまま沼の方へ流れていく、こういうことになるわけでございます。計算上はし尿の負荷よりもむしろそういう家庭雑排水の負荷の方が量的には多いわけでございまして、そういうものがそのまま流れていく。また、浄化槽自体につきましても、ただいま御指摘がございましたように、管理が不十分でございますとかなりの負荷を生ずるということがあるわけでございます。 この家庭雑排水の問題及び浄化槽の問題につきましては、私どもも問題意識を持っておりまして、まず浄化槽につきましては、先般国会で法律が制定をされまして浄化槽法というのができたわけでございまして、これによりまして浄化槽の管理についての一定の規制がかかってくる。私どもは、この法律の適正な運用を通じまして浄化槽の適正な管理が進むことを強く期待いたしておるわけでございます。 また、雑排水問題は大変難しい問題でございまして、一つは、湖沼の周辺につきましては、合併浄化槽と申しておりますが、し尿と同時に雑排水を一緒に処理するような浄化槽をどんどん進めてもらいたい、こういうことで、今回の湖沼法の制定の際に、指定湖沼の周辺におきましては、いわゆる小型の団地、二百人以上の団地につきましては法律的に全部合併浄化槽の形にしていただきたいということでこれを規制の対象にする、そういう規制の中で一般の地区よりもできるだけ適正な排水を出すというようなことで、新しく一部規制の対象を広げるようなことをいたしておるわけでございます。 ただ、そうは申しましても、一軒一軒の家のものにつきましてはなかなか難しい問題でございます。千葉県におかれましても、種々これらについて努力をしておられますし、また厚生省、農林水産省においても、そういう問題をモデル的な事業として取り上げていただいております。また、つなぎ的な措置ではございますけれども、各家庭でそういう問題意識を持っていただきまして、家庭雑排水の処理について、細かい話ではございますが、いろいろな前処理をして流していただくというようなことを私どももモデル専業として各地でお願いしておりまして、千葉県におきましても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、大変意識の高い地区もございまして、そういう地区の動きというものを今後全域に次第に普及をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 そういうことをやったらどのぐらいまで、いっきれいになるのか、こういう御質問があったわけでございますが、先ほど御指摘がございました五ppm程度の濃度というのは、私どもといたしましては、将来の目標としては何とかその辺までいければ大変いいのではないだろうかというふうに思っております。もちろん、いいにこしたことはないわけでございますけれども、有幾汚濁の場合には、いわゆる環境基準については類型というのがございまして、当てはめというのをやっておるわけでございまして、手賀沼の場合には上水道の利用が現在ございませんので、上水道の利用がございますともう少しきれいな水ということになるわけでございますが、上水道の利用がない場合にはおおむねその前後の水質というのが一つのめどとなってよろしいのではないかというような感じを持っておるわけでございます。
○新村(勝)委員 浄化施設の機能の向上とその管理、これについては一層の御努力をいただきたいと思うのです。 次の問題でございますが、騒音であります。 騒音というのは環境問題の中で非常に重要な仲直を占めるわけでありますし、特に最近の都市の騒音というものについてはいろいろな面から論議をされておりますが、その一つの問題として特に基地飛行場の騒音がございます。これは羽田とか成田とかという民間飛行場についても同じでありますが、今申し上げようとするのは極めて人口隠密地帯の真ん中にある基地の問題であります。 この問題は、全国の基地に共通する問題でありますけれども、その中の代表的な例として下総葉地というのがございまして、これは周囲がほとんど都市化をしておる、こういう中で騒音が問題になっております。しかも、近い将来、大型のさらに大きな音を出す飛行機の配備が計画をされているというようなことで、住民は心配をしておるわけです。現在の状況でもなおかつ相当の騒音を薬するわけでありまして、WECPNLの値で八十程度の地域がかなりあるわけです。 下総基地につきましては、八十を超える地域については五十六年に指定をされておりまして、これに対する一定の施策はなされております。それが、八十が七十五に基準値が下げられたということで、最近騒音地域が拡大をされておるわけで成ります。そして、その地域に対しては防音工事等がなされております。しかし、この防音工事につきましても問題がないわけではございませんで、この工事の規模の問題あるいは経費の問題、さらに維持費の問題というようなことがあるわけであります。 そこで、五十六年に指定をされた地域の中でも、防音工事の率、防音率といいますか防音工事の施行率といいますか、これがまだ一〇〇%にはなっていないわけであります。この工事の進捗率は現図どうなっておるのか、それから将来これはどうする気であるのか。もちろんこれは申請によって希望者にやるということのようでありますが、同時に経済的な問題でもありますし、その規格についても一定の規格内ということでありますが、まず、既に指定をしてある地域の工事の現状及び将来についての見通しを伺いたいと思います。
○片淵説明員 先生、今御指摘の昭和五十六年十月三十一日、八十WECPNL以上の区域の指定をしております。この区域につきましては、昭和六十年度までに御希望されました約四百三十世帯につきまして全部完了いたしております。ただ、いろいろな御事情がございまして、まだ工事が未実施の世帯もございますけれども、御要望があり一次第逐次実施してまいる次第でございます。 それから、七十五Wの区域につきましては、昭和六十一年二月二十五日に指定告示をいたしておりますけれども、これにつきましては、六十一年度から御要望に沿いまして計画的に実施してまいりたいというふうに考えております。 それから、経費の問題でございますけれども、あくまでも住宅防音工事の経費につきましては国が十分の十の負担をする、ただし、一部限度額を設けておる次第でございます。
○新村(勝)委員 この工事の質でありますけれども、限度を設けておるわけですが、そうしますと、少し大きい家あるいは広い部屋等については、規格外であるということで対象外にされるというようなこともありますので、その規格についてももう少し制限を緩和していただきたいという希望があるわけであります。 それから、今度七十五Wまで下げられたということでありますけれども、これは環境基準にはまだ達してないわけですよね。ですから、環境基準に達するまでぜひさらに一段の御努力をいただきたいと思うわけです。 もう一つは、経費の点で、工事そのものについては一〇〇%国費ということでありますが、維持費は自己負担であるということです。ですから、維持費についても配慮が願えないのか。それから、特に経済的に恵まれない生保の世帯であるとかあるいはそれに近いボーダーラインの方々、少なくともこういう方々については維持費についても公費で支弁していただけないのか、それを伺います。
○片淵説明員 お尋ねの限度額でございますけれども、あくまでも補助は十分の十でございますが、非常に広いお部屋を住宅防音される場合には一部御負担がかかるわけでございます。この点につきましては、十分所有者とお話し合いの上実施しているところでございます。なお、限度額につきまして、毎年いろいろ検討いたしまして、大幅な物価変動等があれば改定することはやぶさかではございません。 それから、二点目のお尋ねの七十五以下の告示でございますけれども、環境庁告示の航空機騒音に係る環境基準につきまして、その第一条で、第Ⅰ類型としまして、専ら住宅の用に供する区域は七十WECPNL以下にするということになっておりますので、七十WECPNLの区域の住宅防音工事の取り扱いにつきましては、現在七十五以上の区域における住宅防音工事の完了がまだ随分おくれておりますけれども、その見通しがついた時点で、七十WECPNL区域内にございます住宅の構造とか遮音性能及び防音工法の調査研究を行いまして、結論を出してまいりたいと考えております。 第三点目のお尋ねの、住宅防音工事をいたしました際の維持費の問題でございますけれども、自衛隊飛行場等の周辺におきます住宅防音工事の対象世帯数は膨大でございまして、当庁といたしましては、一世帯でも多く防音工事を実施することを目標として努力しているところでございますので、住宅防音工事実施済み世帯に対しましての空調機器の使用に伴います電気料金の補助につきましては、今後の検討課題と考えているところでございます。 しかしながら、先生ただいま御指摘の住宅防音工事実施済み世帯のうち生活保護世帯につきましては、維持費の国庫負担の必要性も十分理解できますので、従前より予算計上に努力してまいったところでございますが、現下の厳しい財政事情等によりまして、昭和六十一年度予算に計上するには至っておりません。今後とも引き続きこれが実現方について最大の努力をしてまいりたいと考えております。
○新村(勝)委員 長官にもお願いしますけれども、飛行場周辺の騒音につきましては、今もお話がありましたけれども、ぜひ七十まで引き下げるように、七十まで防音地域に指定していただくようにお願いしたいと思います。 それから、少なくとも維持費については、すべての世帯に国費で支弁していただくことが望ましいのですけれども、とりあえず生保世帯あるいはボーダーラインの世帯については国で持っていただくように、長官の方からもひとつ御努力をいただきたいと思います。
○森国務大臣 関係省庁によく働きかけまして、誠心誠意努力してまいりたいと思います。
○新村(勝)委員 次に、これも騒音でありますけれども、国鉄さん、いらっしゃっていますか。 最近千葉県では、国鉄さんの御努力によって京葉線が一部開通をいたしました。これは地元として大変感謝にたえないところでございますけれども、実は騒音が意外に高いということで、地元では困っておるわけであります。千葉市の幸町というところに団地がございますが、この団地で四カ所ほど、レールの騒音の測定を地元でやったようでございます。これは線路から二十メートルないし三十メートル離れた団地の住宅でありますが、そこではかりますと、一階、二階、三階と、各階とも八十三ホンから八十五ないし八十八ホン程度まで記録したということが言われておるわけであります。これは自主的に住民がはかった数値だと思います。 そこで、この京葉線の騒音については、国鉄さんとしては現在どういうふうに認識をされていらっしゃいますか。
○村上説明員 ただいま御指摘の京葉線につきましては、沿線地域が急激に宅地化してまいりまして、また京葉地区の通勤通学客が非常にふえてきたということで、総武線とか地下鉄東西線が混雑してまいりまして、それを解消するために鋭意その建設を進めてきたわけでございますけれども、沿線住民の皆様の期待を集めてことしの三月に開案じたものでございます。 その開業に際しまして、私ども騒音を低減するためにできるだけの努力をしようということで、継ぎ目のないレール、ロングレールと申しておりますけれども、そういったものを採用したり、あるいは防音壁といって、線路の両側に壁を設置したり、あるいは線路の両側に道路とか緑地を配置する、そういったような都市計画的な配慮を、地元とともに対策をしてまいっておるわけでございます。しかしながら、開業後、先生の御指摘のように、沿線の一部の方々から、騒音が高いという話が出ておるというふうに聞いております。 これは開業後間もないということで、一部レールと車輪がなじまないというようなこともあろうかということでございますけれども、今後実情を十分調査いたしまして、できるだけ騒音が低減されるような努力をしていきたいというふうに思っております。
○新村(勝)委員 この騒音については、レールの敷設あるいはそれに関連をする工法の問題があると思います。それから環境の問題があると思います。それからまた、レールを走る車両の問題もあるわけでありますけれども、聞くところによりますと、あそこを走っておる車両は、ほかの線から回した古い車両を使っていらっしゃるということを聞いております。恐らくこの騒音は、レールについてはいろいろ配慮されて立派な工事をされておるようでありますけれども、車が古いために車の方から出るんではないかという見方もあるようです。その点はいかがですか。
○村上説明員 先生御指摘のように、列車の走行に伴う騒音につきましては、大きく分けまして、車両のモーターの音とか、あるいはレールと車輪がぶつかる転勤音と申します音とか、あるいはレールを受けております構造物の音とか、先ほど申しましたレールの継ぎ目の音とか、いろいろな要素があるわけでございますけれども、やはり先生おっしゃったように、古い車の転用は確かにやっておるわけでございまして、その辺にも一部この騒音の原因があるかもしれないということは推定されるわけでございます。その辺も今後もう少し詳しく実情を調査して、それなりの対策を進められればというふうに私ども考えております。
○新村(勝)委員 沿線の住民は、早く鉄道をつくってくれということで要望して、できてみたら今度はわがままではないかということをおっしゃるかもしれませんけれども、やはり公共交通は、住民としては全面的にそこに依存をしておるわけでありますから、その鉄道を新しくつくってくれたことについては感謝をするわけでありますけれども、騒音というのは、それこそ四六時中生活環境の中へ入ってくるいわゆる公害、マイナスの要素でありますから、これは決して住民のわがままとか何かではなくて、どうしても環境基準だけは守っていただかなければならないわけであります。 新幹線の環境基準は七十ホンだというふうに伺っておりますけれども、ここではそれをはるかに上回っておるわけでありまして、ぜひともいろいろな工夫をされて、少なくとも環境基準以内におさめていただくようにお願いしたいと思います。
○村上説明員 できるだけ騒音を軽減するような方法をとっていきたいと私ども思っているわけでございますけれども、お言葉を返すようでございますけれども、在来線の鉄道に関しましては、先生おっしゃるような環境基準というものはまだ設定されておらないわけでございまして、この基準どおりというところにはなかなか基準そのものがございませんので、私どもとしてはできるだけ騒音を軽減できる措置をとっていきたいというふうに考えております。
○新村(勝)委員 長官にお伺いしますけれども、今環境基準はないというふうにおっしゃいましたけれども、鉄道の騒音の環境基準がないというのはおかしいと思います。新幹線の基準は七十だというふうに聞いておりますけれども、これは間違いないですか。もしないとすれば、これは至急につくっていただかないと困ります。その事情を……。
○林部政府委員 今御指摘のございました新幹線以外の鉄道の騒音につきましても、新幹線と同じように環境基準が必要ではないかという御指摘は私どもとして理解できるわけでございますが、御案内のように、新幹線以外の鉄道というのは形態も多種多様でございますし、またどのような目安に基づいてということについては設定されておりません。しかしながら、現実の姿としては、新しく鉄道が建設される場合には、地方公共団体のレベルで環境影響評価について条例や要綱が定められておりまして、それに基づきまして騒音等の朴衆目標値が定められるというケースが多うございます。この場合には、先生御指摘の現在環境基準で定められているような数値を目標として新線の建設が行われるというのが現状であろうかと思いますけれども、いわゆる新幹線以外の鉄道すべてに適用する環境基準というものは、まだ定まっておりません。 それは当然のことでございますが、新幹線以外にも騒音対策等を適切に進めていく上では、やはり一定のガイドラインと申しましょうか、ルールというようなものが必要であるという御指摘はもう昔からございまして、私どもも随分以前から必要な調査、検討を進めてきておりますし、そのことに関しましては、従来からこういう在来線問題を抱えている自治体もございますので、そういうところとも現在いろいろと詰めをやっているという段階でございまして、何らかの形で一定のガイドラインと申しましょうか、そういうようなものは定めなければいけないということで、私どももそういう方向で努力をいたしておるというのが現状でございます。
○新村(勝)委員 なるべく早くこの基準を決めていただきたいということ。そして、基準を決めれば全国各地から矛盾というか要求が出てくるじゃないかという心配もあろうと思います。その点はその点でごもっともでありますけれども、少なくとも新しく工事をするところについては基準をつくって、その基準内におさめるということにしないと、京葉線のような問題が出てくるのじゃないか。 それからまた、京葉線についてはまだ全線終わっていないと思いますね、これからやるところがあるわけでありますから。これからやるところについてはその基準といいますか、例えば六十なり七十なりという一つの目安を置いて、それ以内におさまるようないろいろな工夫を願いたいと思うのですが、それはいかがでしょうか。約束することは難しいとおっしゃるかもしれませんけれども、ぜひそのような努力をお願いしたいと思います。
○松尾参考人 先ほどいろいろ国鉄の方からもお答え申し上げたわけですが、私ども、建設いたしたわけでございますが、少しダブるかもしれませんが、京葉線は技術的な施設の音源対策等をいたしますと同時に、関係機関の御協力を得まして種種騒音対策を講じてまいりました。 先ほどもお話がありましたように、高架橋だとか橋梁の基本的な構造を鉄筋コンクリート構造といたしまして、騒音の発生しやすい鉄げたは極力避けております。それから、高架橋の両側には防音壁を設けております。また、継ぎ日のガタガタ音をなくする意味で、ロングレールといたしております。 このような鉄道施設としての音源対策のほかに、これも先ほどお話が出ましたが、京葉線の沿線住宅地区は、京葉線の建設にあわせて建設されました新市街地が大部分でございますので、沿線の土地所有者でございます千葉県企業庁等の関係機関の御協力を得まして、線路の両側に原則として道路や緑地を配置していただくなどいたしまして、環境保全に配慮してまいりました。 先生御指摘の今後の延伸部分でございますが、これにつきましても音源対策を先ほどのような形で実施いたしますと同時に、沿線の関係者の土地利用対策等の協力を得て環境保全に努めてまいりたいと考えております。そして、新しいところにつきましては環境アセスメントを施行いたしまして、今はっきりした数字を覚えておりませんが、そういうある条件を、いろいろ地元からの御指摘がございまして、そのようなことをお話ししながらアセスメントを行ってやっていきたいと思います。そういうことで努力してまいりたいと考えております。
○新村(勝)委員 先般開通した線のいろいろな教訓を、これからの建設にぜひ生かしていただきたいとお願いします。 次に、生鮮食料の問題でありますけれども、生鮮食料というのは本来そのままで食べる場合があるわけでありまして、生鮮食料品に対する色出しあるいは鮮度を新鮮に見せるための化学処理ということは、原則として一切やってはならないはずであります。そういうことで当局も指導をされておるようであります。最近テレビの放映等を見たのですが、生鮮食料品、野菜等について鮮度を新鮮に見せるための化学処理をやっておるということが報道されておるわけであります。こういう野菜、果物等に対する当局の指逆方針をまず伺いたいと思います。
○内山説明員 最近報道されましたレンコンの漂白等に使用されております燐酸等につきましては、現在食品衛生法によりまして特にその使用制限はなされておりませんが、これらを使用いたしましても安全性の面で問題が起こるとは考えておりません。しかしながら、これらの使用が鮮度の判断を誤らせたり、消費者の目を欺くことになるとすれば、これは公衆衛生上の見地からしましても好ましいことではないと考えておりまして、農林水産省に対しましてその是正方を要請したところでございまして、農林水産省では、燐酸等の生鮮野菜類への使用を厳に慎むよう生産者に対する指導を徹底させております。
○新村(勝)委員 食品衛生法の第七条はそういうことを規定していると思いますけれども、現在の規定の方法だけでは、今のような生鮮食料品に対する処理等を完全に強力に禁止する、あるいは指導することについては実効を期し得ないのではないかという懸念があるわけですけれども、その点はいかがですか。
○内山説明員 先生御指摘のように、厚生省といたしましても、消費者に野菜の鮮度を誤認させるような食品添加物の使用方法については好ましいと考えておりませんで、その是正方につきまして関係業界に対しまして指導を行うとともに、さらに野菜の生産等を所管しております農林水産省とも連絡を密にいたしまして、食品衛生上の問題が生じないようにしてまいりたいと考えております。
○新村(勝)委員 この問題については、昭和四十四年の食品衛生調査会からの答申によりまして、着色料、漂白料等の使用は禁止をすべき旨の答申があったはずであります。それに基づいて若干の改正はされたようでありますけれども十分でなかった、そのためにこういう事態が起こってくるのじゃないかと思うのです。例えば、燐酸塩などについてはその使用を禁止していない、規制が極めて不完全であるということがあるわけであります。そういう点で厚生省としては反省される必要があると思いますけれども、いかがですか。
○内山説明員 食品添加物の使用基準におきましては、現在、着色料それから漂白料の亜硫酸塩及び発色剤の硝酸塩、亜硝酸塩につきましては、生鮮野菜等に使用してはならないことになっております。ただいま御指摘のございました燐酸塩等につきまして今後どうするかにつきましては、私どもも前向きに検討させていただきたいと思っております。
○新村(勝)委員 繰り返しますけれども、生鮮食料品はそのまま生で食べる場合が非常に多いわけでありますから、いかなる理由があっても、添加物を添加させる、あるいは化学処理をするというようなことについては全面的に禁止することが望ましいわけであります。そこで、燐酸塩の使用等についてもぜひ検討されて、前向きに対処されることを強く要望いたします。 そして、これは当然一部の法改正が必要だと思いますし、あるいは指導要綱なり政令なりという段階もあろうかと思いますが、とにかく強力に、しかも完全にそういったものを防止のできるような法的な根拠をつくる必要があると思いますが、それについてのもう一回前向きの御答弁をいただきたいと思います。
○内山説明員 今先生御指摘の使用基準の改定につきましては、これは時日のかかることもございますけれども、今後いわゆる使用基準の改定の際に検討させていただくということで御了解いただきたいと思います。
○新村(勝)委員 次に、これまた環境と関係がございますけれども、たばこの問題です。 現在、たばこが肺がんの原因になるということは、ほぼ認められている因果関係ではないかと思います。この問題については、医学者、医学界でもほとんど定着している因果関係ではないかと思います。しかし、その一方で喫煙ということが広く我共の生活の中に浸透していることも事実であります。 最近の統計によりますと、がんの発生は、胃がんについては下降状態である。これは治癒ということではなくて、発生、発病ですね。胃がんの発病も下降線をたどっておる。女性の子宮がん等についても下降の線をたどっている。その中で特異な現象として、肺がんだけは急速にふえつつあるということが統計では指摘されております。あと数年でがんのうちで肺がんがトップになるだろう、これは間違いのないところだろうと言われておるわけです。こういう中で一方では、我々人間の間に喫煙に対する強い嗜好があるわけですけれども、そこで大変矛盾を感ずるわけであります。 そこで、たばこ会社さんにお伺いするわけですが、こういう問題は大変答えにくいと思いますけれども、たばこの害については否定できないと思います。そこで、今すぐにたばこの製造をやめてしまえということもなかなか言えない。しかし、喫煙と肺がんには明らかに因果関係があるということでありますから、その辺をどう認識されているのか。それから、たばこの製造あるいは販売についてもその辺の考え方を、たばこ製造、販売の政策といいますか、そこに何らかの形で反映をさせていかなければいけないのではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○野口参考人 お答え申し上げます。 喫煙の健康に及ぼします影響につきましては、統計的、疫学的には、ただいま先生御指摘ございましたように関連性があるということになっておりますけれども、しかしながら、病理学的に見ますと、肺がんの発生とそれから喫煙との間には、因果関係等についてはまだ十分に解明されていないというように把握をいたしております。 喫煙と健康の問題というものは、簡単に結論づけられる問題ではないと承知しておるところでございますけれども、ただいま先生のお話にございましたように、喫煙と健康の問題というものは非常に重要性のあるものでございますので、日本たばこといたしましては、専売公社の時代から、喫煙と健康の問題に関しまして、肺がんとの関連のみならず、広く心身の健康に対する影響につきましての科学的な研究を実施してまいったところでございます。これからも喫煙と健康の問題の解明につきましては努力をいたしてまいりたいと思います。 また、喫煙と健康問題に関します社会一般の関心の高まりに対応する手段といたしまして、私どもといたしましては、まず低ニコチン、低タールのたばこの開発とその提供ということに努力を払っておりますし、毎年ニコチン、タールの含有量の公表をいたしたりしております。また、包装に対する注意の表示ですとか、あるいは広告、宣伝の規制、それから未成年に対する禁煙の運動あるいは喫煙マナーの向上等の措置をとってまいってきておる次第でございます。
○新村(勝)委員 病理学的に証明されない、がんの発生の因果関係は明らかでないとおっしゃいますが、がんの発生の病理学的証明はほかの発がん物質についてもできないですね。それができればがんを退治するために大きく前進をするわけですが、それがまた病理学的にはできないということについては、ほかの発がん物質についても同じだと思います。ただ統計的にはこの因果関係は否定できないということでありますので、たばこ会社さんには大変申しにくいのでありますけれども、やはりその辺を認識をされる必要があるのではないか。 それからまた、たばこ製造のために相当な剰余金も出ておりますので、その豊富な資金でがんの徹底的な研究をされるとか、あるいはたばこの人体に対する影響等について研究をされる、研究機関をおつくりになって徹底的な研究をされるという、そういうお考えなり計画はございますか。
○野口参考人 ただいま先生のお話ございましたがんに対する研究のことでございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、専売公社の時代から、昭和三十二年以来、私ども、がんに限らず、喫煙とその心身の健康に与える影響につきまして委託研究を実施してまいりました。毎年毎年増強をいたしてまいったところでございます。その研究の成果を踏まえて、このたび私ども会社になりましたのを契機にいたしまして、財団法人の喫煙科学研究財団というものが各方面の方々の御協力によりまして設立されました。これからの喫煙と健康に関する科学的な研究というものは、その財団が中心になって行われるものと思われますけれども、私ども、こちらの研究がますます充実発展が図られるように努力をいたしてまいりたいと存じております。
○新村(勝)委員 たばこ会社さんでは、「たばこは大人になってから」とか「ちょっとした心遣いも味のうち」とか、いろいろ標語をつくって宣伝をされておりますが、その中で、吸い過ぎをするなとか、喫煙について注意を喚起するような宣伝、これは販売政策と逆行するから難しいとは思いますけれども、たばこが人体によろしくないんだということを会社が言うことは矛盾ではありますけれども、そういうことも愛煙家に知ってもらうということは必要じゃないかと思いますよ。そういう喫煙に対する害といいますか、これについてもそれを喚起するような何らかの形なり言い方なり――言い方はいろいろあると思いますけれども、考える必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 それから、低ニコチンのたばこを研究されているということであります。ニコチンが発がん物質というふうに見られているわけですから、ニコチンをできる限り徹底的に抜いてしまう、低ニコチンを徹底させるということも一つの方法だと思いますけれども、その辺はいかがでしょう。
○勝川参考人 私どもの立場といたしましては、大変お言葉を返すようでありますが、たばこにつきましては、いろいろの健康上の問題もありますが、一方で、長年にわたって親しまれてきたものでありまして、やはり精神的な安らぎとか緊張の緩和とか、そういうふうな面での効用もあるといろいろな学者も言っておられますし、私どももそういうふうに考えております。 ただ、やはり薬と同じで、いかなるものであっても度が過ぎれば非常に害が出るということでありまして、この点につきましては、健康と喫煙の問題につきましては専売公社時代に大蔵省の審議会で大変御議論をいただきまして、その結果、我が国としましては、研究の現状にかんがみまして、過度の喫煙は健康に害があるというのが最大公約数の結論であるということになりまして、現在、たばこの包装にはすべて「健康のために吸いすぎに注意しましょう」という表示がなされております。また、テレビ等の宣伝におきましては、必ず「未成年者には喫煙は禁じられております」という広告を掲示はすることになっておりまして、私どもとしましてもそのラインで対処をしておる次第であります。
○新村(勝)委員 終わります。
○角屋委員長 次に、渡部行雄君。
○渡部(行)委員 長官にお伺いいたしますが、今度の会計検査院の報告を見ますと、五十八年度環境庁決算は違法あるいは不当と指摘されることが全然なかったことは本当に立派なことだと思います。しかし、環境庁も相当の予算を使って環境行政を進めておられるわけでありますから、一つの目標というものがなくてはならないわけで、最近の環境についての考え方というのは、ただ一国内でだけそれを考えるのではなく、グローバルな考え方、全地球的な一つの立場で、環境という問題を人類全体で考えるという一つの考え方が必要になってきているのではないか。 そこで、人類が生存していくために理想的な環境とは一体どういう状態を指して言うのか、ひとつ長官のお考えをただしたいと思います。
○森国務大臣 先生のおっしゃるように、環境というものは自分の国だけで守れるものではございません。殊に私どもアジアに位置する者にとりましては、いろいろな面でよほどこの環境問題に目を向けていかないとえらいことになるという感じがいたします。そういう見地から、昭和五十五年に私どもの環境庁が音頭をとりまして、地球的規模の環境問題に関する懇談会というのをつくりまして種々検討を進めているわけでございます。五十八年でございますか、原環境庁長官がUNEPの管理理事会に出かけまして、いろいろと活発なる発言をいたしまして、二十一世紀を展望した地球的規模の地球環境の理想像の実現のための会議をしておるわけでございます。 そういう意味におきまして、先生おっしゃるように私どもは一つの理想を持たなければならない。その思想は何かといったら、私は軍隊におりましてこういう経験をしばしばしました。夜寝るときに、子供のころ育った環境、それは例えば海のにおいがしてくるとか空気が甘い、あるいは止みたいな山に登ると事いきれがする、そういうものを遠く離れた外地でもってよく経験したことがございますが、そういう自然をいかにして保全していくか、また化学物質等による汚染をどうして防いでいくか、あるいは騒音の問題等文ございますが、ともかく相なるべくは自然を自然のままの姿で子供や孫に残しておきたい。しかし、自然を残す問題と経済の問題、いろいろな問題点があります。そういうところを私ども環境庁といたしまして、なるべく損なわれない自然、そしてこれから子供や孫へ残す環境づくりをしていきたい、こう考えております。
○渡部(行)委員 環境を世界的に見た場合に、ただ自然を保全するというだけでは問題にならないのではないか。人間が生存していく上で必要欠くべからざる要件というものをどういうふうにつくり上げていくか。そういう点では、人間だけの社会という見方ではなくて、地球上の生物あるいは地下にある鉱物、そういうもの全体が一つのつり合いを持ったものでなければならない、そういう考え方がむしろ要求されてくると思うのです。 そうすると当然に、失われたものは補てんしていくということが必要になってくる。例えば今アマゾン流域の開発が進められて、地球上の緑はもちろんのこと、空気の中の酸素まで心配されてきておるような現状では、そのことをやめろと言うだけでなくて、それに対して地球の人類はどういう責任を果たすべきか、そういうことをこれからは考えていかなければならないのではないか。ブラジルの方々は、我々はアマゾン開発をしないでいれば結局食うに困っていくのだし、しかし一方ではアマゾンの森林が世界に酸素を供給しているのだから、その酸素代を支払ってもいいではないか、こういう議論をしておるとさえ聞いておるのですが、それも私は一考を要するのではないかと考えるわけです。 そこで、人間が健全に生存していく一つの必要欠くべからざる条件というのは一体何だろうか、その辺をどのように把握しておられますか、お聞かせ願いたいと思います。
○森国務大臣 今おっしゃられた問題につきましては、将来の人口の増、食糧問題等々勘案いたしまして、いろいろな分析ができると思います。現在、国連環境特別委員会におきまして、二十一世紀を展望した環境問題に我々は一体どういう戦略で向かおうかという検討をしております。来年の三月にはそれが出るはずでございますので、報告書を採択しながら今後の環境に対する最大限の保全の努力をしていきたい、こう考えております。
○渡部(行)委員 そこで、私はもっと具体的にお伺いいたします。 人間が生きていくには空気も必要だし、水も必要だし、あるいは居住条件がどうなっていくのか、食糧はどうか、衛生は、また地球上の温度はどうなのか、こういうように条件をいろいろ検討していった場合、当然そこに一つのあるべき基準というものが考えられていいのではないか。環境庁がもしそういうものを研究し、データ等によって掌握しているとすれば、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○古賀政府委員 これからの地球の環境は一体どういうふうになるのであろうかということがまず考えられるわけでございます。先生御案内と思いますけれども、UNEP、これは国連環境計画という国連の機関でございますけれども、その予測によれば、森林は毎年日本の国土の半分以上の面積に当たる二千万ヘクタールの割合で減少しておる、西暦二〇〇〇年までに現在の一割以上の森林が失われるというふうに言われております。また、砂漠化につきましては、毎年四国と九州を合わせた面積である六百万ヘクタールの割合で拡大するということでございます。また、全米科学アカデミーの予測によりますれば、大気中の炭酸ガス濃度は毎年〇・四%上昇をいたしまして、二十一世紀中ごろには二十世紀初頭の二倍となりまして、地球の平均気温が一・五度Cから四・五度C上昇するために、降水パターンの変化でありますとか海面の上昇がもたらされる可能性があるというふうに言われております。さらに、酸性雨の増加でありますとか海洋汚染の進行によりまして、森林資源や水産資源が大きな損害を受けるであろうということも警告されておるわけであります。これらのことは現在の環境汚染の傾向がそのまま続くことを前提としたものでありますけれども、ここに描かれた将来像といいますか、地球の未来像というものは、人間の英知と努力によって何としてでも回避しなければならないということでございます。 先生の生存の条件というのは、なかなか的確にそのものずばりでお答え申し上げることは難しゅうございますけれども、このまま放置すれば地球環境というのはますます悪化する、人間の生存を非常に脅かすに至るであろう、それを人類が回避をするための努力をこれからしていかなければならないというふうに考えております。 〔委員長退席、新村(勝)委員長代理着席〕
○渡部(行)委員 今温度の上がるお話がございましたが、この温度は大体何度ぐらいまで一つの限界と言えるのでしょうか。
○古賀政府委員 人間の生存に適した温度ということでございますが、これはなかなか私ども今ちょっと即答いたしかねますので、調べました上でお答えをいたしたいと思います。
○渡部(行)委員 環境庁は今UNEPの資料を出されましたが、やっぱりそれだって、全部が全部どういう方法でその数値を出したかということになると、いろいろな見方が出てくると思います。日本は日本で、いろいろなそういう世界的なデータを蓄積しながら自分の国独自で調査を進め、研究を進めるべきだと思いますが、そういう点ではどうでしょうか。何か政策的に考えておりますか。
○古賀政府委員 地球的規模の環境問題は、やはり国際協力が不可欠であると思います。そのためには、先ほど大臣が答弁されましたように、有識者を集めた懇談会を設けまして、五十五年以降鋭意検討を進めておるわけでございますし、それからUNEP、OECD等の国際機関に対する協力も続けておるわけでございます。それから、先ほども御答弁のありました国連環境特別委員会、これが来年の三月に、二十一世紀に向けての対策、処方せんというようなものをつくるわけでございます。そういうように我が国も、例えば国立公害研究所等におきましても基礎的な研究も進めておりますが、国公私立を問わず、我が国の各試験研究機関がそれぞれの試験の成果というものを結集しまして、それを国際的な協力の場に供するということが必要かと思います。
○渡部(行)委員 それはもちろんのことですが、日本の環境庁として何かそういう特殊な一つの研究所というものを設けて進めるあれは具体的にないのでしょうか。ただ外国の資料にばかり頼って、もちろん情報交換は何よりも大切ですが、それだけでなくて、これからこういうふうにしてみたいとか、日本の中でもその一環として進める、そういうものは考えていないのでしょうか。 〔新村(勝)委員長代理退席、委員長着席〕
○岡崎政府委員 私ども、附属機関といたしまして国立公害研究所というのを持っておりまして、ここの基礎研究におきましては、テーマの一つといたしましてそういった地球的規模の問題に取り組むために、どうやって現在の大気等の状況が動いていくかというようなものをどうやってとらえようかというような勉強も始めておりまして、基礎的な地球的規模の問題へのアプローチは、そういう形で勉強を始めておるところでございます。
○渡部(行)委員 なぜ私がそういうことを言うかと申しますと、現在産業開発というものは、そういう環境というものを考えないで、ただ独自に開発を進めるという傾向が強いわけですよ。科学技術もそうですが、どんどん原発をつくりあるいはこれから核融合炉をつくってエネルギーの生産に邁進するわけですが、そういう中で大気圏に放出する熱量というものを一体どのように考えているのか、そういう問題が当然に付随して出てくるわけです。 そうした場合、そのように科学技術が進歩し、産業が進歩する上で、それを許容できる一つの条件というものを今から考えておく必要があるのではないか。そのために、その環境をどういうふうに人為的につくっていくか。ただ保全するという思想ではなしに、むしろ均衡のとれた環境を人工的につくっていくということも一面非常に重要なことではないか。私はこういうふうに考えますので、その点についてひとつ御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○古賀政府委員 確かに環境と申しますのは、あるがままの姿をそのまま残すということもまた必要でございますけれども、環境をさまざまな形で利用して生活と文化を築き上げていくということが必要であろうと思います。そういう意味から、人間のさまざまな諸活動によってもたらされる環境汚染を初めとする環境問題、それに対しては、我が国ももちろんでございますけれども、国際的な協力のもとで対策を講じていかなければならない、こういうことだと思います。 先生今御指摘のありました大気圏における熱の放出、それを地球的な規模でどのようにして抑え、または許容限度といいますかそういうものを設定するか、またはする必要があるのではないかというようなことだと思いますが、これは極めて大きな問題でございますし、やはり国際的な協力のもとでの解決策を見出していく必要があるのではないかというふうに考えております。
○渡部(行)委員 国際的にもちろん協力してやらなくちゃならないけれども、しかし日本は日本の国土の上でまた一つの条件というものをつくる必要があると思うのです。その条件をどういうふうに維持し、あるいはつくっていくかというその政策があってしかるべきではないか。例えばこの列島の上の二酸化炭素や二酸化窒素、そういうものの大気の中における含有量はどうなっておるのか、どういう速度でその密度が進んでいるのか、そういうことを掌握しておいて初めてその他の火力発電所とか化石燃料の問題とかが、一方からは抑制されたりあるいはコントロールするというようなことが考えられてくるわけだと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○林部政府委員 先生の御指摘になっている国際的な規模ということではございませんで、私ども国土の中での健康に影響を与えるような幾つかの物質につきましては、その動態がどのような状況になっているかということで、実際に計測をいたしております。 一例を申しますと、例えば硫黄酸化物につきましては全国に約千六百カ所の測定局がございますし、それから窒素酸化物につきましては千三百カ所、それから浮遊粒子状物質につきましては現在七百カ所程度でございますが、降下はいじんにつきましてもやはり千五、六百カ所というようなことでございまして、そういった動態を見ながら、規制の面からは、固定発生源、それから移動発生源というものに対しても段階的に規制を強化してきたという歴史がございます。 国土の中での問題ということになりますと、そういう問題はやはり地域的にはそういった人口の多く集まっているところとか、企業の立地が濃密に行われているところとか、自動車が多く集まるところとか、いわゆる都市形成をしているようなところがどうしても濃度的には高くなるわけでございます。そういうところをできるだけコントロールする意味で、過密な地域に対しましては一般的な規制のほかに総量規制のような制度を設けてできるだけ低減を図ってまいる、そういうようなことが逐年続けられてきているというのが現状でございます。
○渡部(行)委員 最近、規制があちらこちらと緩和されている面も見受けるのですけれども、そういう点は環境庁としてはどういうふうに受けとめておりますか。
○森国務大臣 これは渡部先生の御質問に合うか合わないかわからないのですが、私の現在思っている結論をちょっとお話をさせていただきたいと思います。 環境庁ができたのは昭和四十六年。それまでほうはいとしていろいろな環境問題が、イタイイタイ病、水俣病を中心にして起こってきた。そういうときに環境庁というものができて、環境庁ができてから行政で一つ一つそれをつぶしていった。そこで、環境庁ができて十五年、今先生がおっしゃるように、もう環境破壊がなくなったんじゃないか、そういう規制を緩めてもいいんじゃないかというような声も確かにあるにはあります。 しかし、これからが環境行政の正念場だ。つまり、例えば先端産業の地下水の汚染の問題とか、あるいはNOxの問題とか、あるいは粉じんの問題とかいろいろある。それを一つ一つ片づけていかなければならない。これが何か四十六年以前を第一期とし、この十五年を第二期とすれば、第三期に向かってやる環境行政というものは、大きなものではなくて、一つ一つを真剣につぶしていくところにそのもとがあるような気が私はいたしますので、先生のおっしゃることと当たっているかどうかわかりませんが、お答え申し上げます。
○渡部(行)委員 大臣、今まで環境アセスメント法というものをつくろうということで、大分環境庁は努力を重ねられたようでございますが、これが何か最近立ち消えになってしまって、出てくるのかなと思って待っているのですが、さっぱり出てくる気配もないのですが、それは一体どういう理由に基づくのでしょうか。
○岡崎政府委員 環境アセスメントにつきましては、過去、環境庁が一つの法律としてまとめまして、環境アセスメントの手続を整合性のある一本化したものとして行うのが環境影響を評価するためにもよろしかろぅという考え方を持ちまして、関係者といろいろ相談をし、推し進めてきてはまいったところでございますけれども、環境庁のそのような考え方を、現段階では必ずしも十分に関係者の方々に御理解が得られませんでした。したがいまして、そういう状況を基礎といたしまして、ともかく、そうは申しましても、できるだけ環境アセスメントを整然とやることは大切なことであるということで、法律にかえまして一昨年の夏に閣議決定を行いまして、閣議決定に基づく実施要綱というものをつくりました。 政府全体といたしましては、その閣議決定に基づく実施要綱に基づきまして、大きなプロジェクトはアセスメントをやる、こういうことで基本的な方針を定めまして、今度は、今その手続面を整備をいたしております。既に整備も終わりました事業もかなりございまして、大体本年中には全体の規定が整いまして施行の状態になるというのが現状でございます。
○渡部(行)委員 そうすると、環境アセスメント法というものはあきらめて、閣議決定で個々にケース・バイ・ケースで指導していく、こういうふうに受けとめていいのでしょうか。
○岡崎政府委員 ケース・バイ・ケースに個々の事業ごとにという考え方ではございませんで、あらかじめ事業の種類に応じましてアセスメントの手続内容を定めます。その定めた手続内容に基づきまして、個々のプロジェクトが出てまいりましたときにそれを当てはめてアセスメントをする、こういう手法でございます。
○渡部(行)委員 そうすると、実態としては結局法律化したのと余り変わらない、環境アセスメント法というものを法律としてつくらなくとも実態としてはそういうものに沿ってやっていくんだ、こういうふうに受けとめていいのでしょうか。
○岡崎政府委員 私ども、内容といたしましては、できるだけそういう内容に沿うものとしてつくり上げておりますし、法律の要綱と現在の実施要綱とを照らし合わせてごらんいただきまするとわかりますけれども、内容的にはほとんど変わりございません。ただ、片や法律でございます、片や実施要綱でございますので、法的な規範あるいは規制を要する点については、それほ閣議決定の方が緩いというのは限界として申せるかと思います。
○渡部(行)委員 私は、具体的に尾瀬分水問題を一つ取り上げても、何か環境庁ほ産業界の方を見て遠慮しているんじゃないか、そんな感じがしてならないのですよ。だれもが知っているように、あの尾瀬ケ原というのは日本に二つとないすばらしい大自然の環境ですね。これを関東の方面では、分水しろということで毎年陳情が出ておるようです。また、福島県と新潟県では、絶対反対だということで陳情が出ておる。これはもう大変な期間を要しているのですが、依然として結論が出されないまま放置されて、どっちにするのかさっぱりわからないというのが現状なんです。 なぜこれは結論が出せないのでしょうか。建設省が結論を出せないなら、環境庁あるいは文部省がこれに対してはっきりした態度をとれば、私は住民はもっと安心するものと思うのですよ。同じ国民ですよ。両方の利害を常にぶっつけさせて、何も必要でない陳情を繰り返させて金を使わせて、そういうことを何十年も続けているということは、私は国の行政としては許されないと思う。そういう点について大臣、どうお考えですか。
○森国務大臣 先生おっしゃるように、これが財界寄りだとかなんとかという立場では決してないと思います。とにもかくにも、私どもとして結論が出せないのほ、おまえだらしないじゃないかとおっしゃられると困るのでございますが、厳正な保護をするということで御了解いただきたいと思います。
○渡部(行)委員 建設省、来ていますか。 建設省はひとつ今の動きについて説明していただいて、建設省の考え方を出してください。
○廣瀬(利)政府委員 尾瀬分水ほ、首都圏内の各地の用水の水資源確保の上から、また発電の観点から一つの方法だというふうに理解をいたしております。一方、先生御指摘になっておりますように、尾瀬の自然保護問題が非常に重要であるというような認識もいたしておりまして、この調和並びに流域変更という問題も含めまして、いろいろ検討していかなければならないと思っております。 この問題につきまして、関係県から意見書あるいは陳情等が出ておることもよく承知しておりますので、関係県の意見を十分尊重しながら全般的な利水計画を検討していくべきである、このように考えております。
○渡部(行)委員 大体そういう古い頭だから困るんですよ。今電力にあれほどの大自然の水を使うなどということを考えること自体おかしいじゃないですか。今原子力が一番ウェートを占めて、その次が火力ですよ。水力なんかちょっぴりですよ。エネルギーの生産方法がずっと変わってきておるというこの歴史的な流れから考えても、あの環境を破壊してまで水力発電所をつくらなくちゃならない理由がどこにありますか。
○廣瀬(利)政府委員 ただいま申し上げましたように、尾瀬分水を現段階におきまして決定をしたということではございませんで、いろいろの社会情勢等を踏まえながら、関係県等の御意見をよく尊重しながら計画を見詰めていきたい、このように申し上げているわけでございまして、現段階におきまして、先生が今お話しになりましたように、発電事業を開始するということを決定したということではございません。
○渡部(行)委員 仮にあの分水によって発電をしたとすると、何万キロワット生産されるのですか。
○廣瀬(利)政府委員 発電だけということになりますと、いろいろの三ルートがあろうかと思いますが、その三ルートをどのように開発するかということを具体的にまだ建設省といたしまして検討したことがございませんので、数字を申し上げる段階にはございません。
○渡部(行)委員 その水量から推理すれば、当然出てくるでしょう。今までに水力発電所というのはあちらこちらにできているんだから、そのくらいの計算はできるんじゃないですか。
○廣瀬(利)政府委員 発電量でございますから、水量と高さを掛けまして、それに十倍をするというのが大体の発電量でございますので、ただし、どれぐらいの水量を分水すべきだとか、どれぐらいの高さに落とすべきだというような個別具体的なことが構想としてまだ検討いたしておりませんので、私、発電量としてどの程度の規模かということは申し上げる段階にない、このように申し上げているわけでございます。
○渡部(行)委員 とにかく只見の水力発電所を見てさえ、三十七万キロぐらいしか生産できないですよ。大きな発電所でそのぐらいですから、私は、分水して発電をさせても知れたものだと思うのです。今これから軽水炉の高度化による原子力発電の想定されているのは、百三十万キロワットぐらいの発電所が想定されているのですから、そういう時代にあの大自然を破壊してまで水力発電所をつくるなどということは、もうすっぱりとあきらめてもらいたい。 それからもう一つ、この発電だけでなくて、いわゆる関東の飲料水に利用するというような話もございますが、一体東京をどれだけの人口にふやすつもりなんですか。これ以上人口が東京に集中したら、私は大変な問題が出てくると思いますよ。そして、これは国際的にも指摘されているのです。こんなに人口をふやしてはだめだということですよ。そういうのを四全総で片っ方は計画をつくって、今度河川の方ではまるっきり別なことを考えているのですか。これは建設省の政策というものが全然ちぐはぐだということになりませんか、その点、ひとつお聞かせください。
○廣瀬(利)政府委員 首都圏あるいは東京都の人口規模をどのようにするのかという点になりますと、私の範囲外でございますのでお答えしづらいわけでございますが、先生先ほどお示しになりました四全総でありますとか、ほかの省庁の計画でありますとか、そういう計画とよく平仄を合わせまして、どれくらいの水資源開発が必要であるのかというようなことを想定いたしまして、その水資源開発が適切に行われるように河川行政を進めていきたい、かように考えております。
○渡部(行)委員 そうすると、この問題は大体いつごろまでに決着がつきますか。
○廣瀬(利)政府委員 先ほど申し上げましたように、私は、社会情勢等を見ながら推移を見ていきたいということを申し上げておりますので、どの程度の段階になりましたら尾瀬分水を考えなければならないのかというようなことは、今申し上げる段階にございません。
○渡部(行)委員 これは恐らく大臣の権限内だろうと思いますが、ひとつ長官も環境を守るという立場で、強くこの尾瀬の保全ということを訴えていただきたいと思います。
○森国務大臣 この地区は特別保護地区になっておりますので、これは環境庁としますと一番守らねばならないものでございますので、その点は十分含んで行政してまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 ひとつよろしくお願いします。 河川局も余り河川の立場てはかり考えないで、そういうものをもっと全般的な人間の幸せという面から考えていただきたいと思います。 さてそこで、建設省が出てきたから、それに関連して今大きな問題は、地盤沈下が非常に起こっておるわけですね。その地盤沈下の原因は何かと申しますと、地下水をくみ上げ過ぎている、こういう批判があるわけですが、地盤沈下防止対策としてはどういうことを考えておるのでしょうか。
○谷野政府委員 地盤沈下の問題につきましては、先生御指摘のように、全国の幾つかの地区で大変厳しい実態が十年以上前からあったわけでございます。これの原因は、ただいま御指摘のように、地下水のくみ上げの問題が一つの大きな原因になっておったわけでございまして、逐次法制の整備が図られてまいりまして、工業用水及びビル用水につきましては、現在法律によりまして地域を指定いたしまして、一部の地区につきましてはそのくみ上げにつきまして厳しい規制を行っておるところでございます。また、こういう規制を行います一方では、代替用水の供給ということも大変重要でございますので、そういう規制と代替用水の供給というものを組みにして、従来から施策を行ってきているわけでございます。 この問題につきましては、かねてから何らかの法制が必要ではないかという意見がございました。私どももそういうことを一部考えたわけでございますが、この問題につきましては現在なお検討中でございますが、過般の閣議決定によりまして、一部の地域につきましては、ただいま申し上げましたような規制と対策を組み合わせたような要綱を逐次つくっておるというのが現在の段階でございます。
○渡部(行)委員 水というものは、なるべく地下に浸透するような方法を考えるべきじゃないか。特に最近の都市計画なんかを見ると、都市の中を流れておる溝、小さな側溝というのは、ほとんど両壁と底が全部コンクリートで固められて、水は全然地下に浸透しない、そういう形で、ただ大地の上を通過するだけになっているのが非常に多いわけです。そして、東京都の上はほとんど全部コンクリートで密閉されているようなわけで、ここに降った雨は皆どこかにただ流れてしまう。そういうやり方だから、地下水がなくなるのは当然だと思うわけです。 そこで、例えば東京のような都市については、十アール当たりに一本の深井戸を掘って、そこに雨水を流すような方策を考えるとか、あるいは底だけはコンクリートを禁止して、それは何も全部やらなくても、両壁が外部の土で押されないように、さえ対策すればできるわけでございますから、そういう何らかの方法を考えていいのじゃないか。それが全然考えられないで、三方皆コンクリートの川にされてしまったのでは、これはもう地下水がなくなるのは当然過ぎるほど当然だと思うのですが、この点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○廣瀬(利)政府委員 先生、河川は三方がコンクリートで固められているという御指摘でございますけれども、大変失礼でございますけれども、私どもの行政の中の河川ということをちょっと御説明させていただきたいと思います。 私ども河川局で所管しておりますのは、いわゆる法に基づきます河川でございまして、先生御指摘のような三面張りということをやっております河川は小さい河川で、かっ河道の勾配が急で河床の変動が著しく、また最近の情勢でございますけれども、環境上特に必要があるという限られたところだけ三面張りをいたしておりまして、ほかの区間は、大部分と言っていいほど、決河川につきましては三面張りを実施いたしておりません。それですから、先生御指摘のように、三面張りをしたために地下水の浸透が悪くなって地下水の函養が悪いということは、当然ほとんど考えられないのが実態でございます。しかしながら、個々具体的な事例で、三面張りをしたために地下水に著しい影響があるところでございますれば、いろいろの工法として対応もございますので、そのように実施いたしたいと思います。それで、決河川以外の小さい溝というものは、街路事業であるとかほかの事業でやっているものを先生ごらんになっているのではないか、大変失礼ではございますけれども、追加させていただきたいと思います。
○渡部(行)委員 確かに河川法による河川というとそういうふうになると思いますが、私は、水の流れているのを大ざっぱに河川と言ったのですけれども、そういう意味では今おっしゃられたとおりでございます。私はそうでなくて、むしろ大きい河川はそうどこにでもあるものでないし、そうでなくて、広い都市の中を流れておる小さな滝といいますか、専門語では何と言うかわかりませんけれども、そういうところが皆三面張りになっているということです。ですから、地下に水が浸透することは全然ない、こういう状態をなくさないと地下水の枯渇は免れないじゃないか、こういうことです。
○萩原政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘の水の流れるところというのは、例えば道路のそばの側溝であるとか、あるいはもう少しそれの大きな都市の小河川、そういうものであろうと存じます。確かに三面張りのところ、例えば側溝などは全部三面張りでございますが、これらは流通可能の能力、流下能力を増すために三面張りをいたしております。また、こういうところはどうしても流れる水がきれいな清水ではございませんので、これがきれいな形で流れませんと環境上もまた非常に問題が出るということで、このような構造にいたしておるわけでございます。 しかし一面で、このような三面張り、あるいはおっしゃいますように東京を全部コンクリートで覆ってしまいますと、雨が降りましたときに流出が非常に大きくなる、そして例えば低地では浸水を起こすために、何とかこの降った雨を地中に戻しまして、その流出を抑えると同時に一部地下水の涵養にもなるという希望的観測でいろいろな雄策を行っております。現在いろいろやっておりますが、特にやはり大きい面積は道路が大きな面積になりますので、歩道に透水性の舗装を採用する施策であるとか、あるいは先生さっきおっしゃいましたように、升から水を地下に戻す方策であるとか、いろいろな方策を今試みているところでございます。これはどちらかといいますと、流出をむしろ抑え、それと同時に、街路樹など非常に水が吸えなくなるわけでございますから、そこら辺の涵養のためという別の目的もございまして、多目的でございますが、そのような施策を講じているところでございます。
○渡部(行)委員 三面張りのコンクリートの溝というのは、速く流すということと汚物がたまらないということだと言われましたが、汚物の流れるのは汚物でこれはきちっと分けてもらったらいいんじゃないかと思うのですね、汚物でない雨水まで一緒に流れてしまうわけですから。そうでなくて、汚物は汚物だけで土管のようなもので流してやるとか、天然の雨水はその地下に戻してやる。そうするには、むしろ私は、かえってコンクリートでない方が水の浄化作用が出ると思うのですよ。それは砂利とか秒とかを通っていくと、変なごみ類はそこに吸収されるし、水はむしろ流れに従ってきれいになっていくと思うのですが、そういう点はどう考えているでしょうか。
○萩原政府委員 先生おっしゃいますように、水のろ過の最も原始的な方策は、そのような方策をかつてとっておったと存じます。ところが、この砂利とか砂は、流れできます水が常にかなりの程度きれいであればよろしいわけでございますが、それを底に敷き詰めましても、いわゆる土砂がどうしても通常の道路あたりから流れてまいります。それによりましてその砂利、砂の目が詰まってしまいまして、その浄化能力はなくなってまいります。したがって、それをある年間いつも入れかえるというような維持作業をやりますれば、これはその機能が維持できると存じますが、現実の問題としてなかなか難しいのではないか。 それともう一つは、底だけをそういう土にいたしておりますと、場合によりましてはだんだんと底が洗掘をされてまいります。そして、その側壁が逆に洗掘をされて倒れてしまう、こういうようなおそれの場合もございますし、いろいろな観点から、現在都市内のそのような溝のようなもの、あるいはちょっとそれより大きい河川というものは、やはり三面張りで維持せざるを得ないのではないかなというふうに私どもは考えております。
○渡部(行)委員 それは確かに流れるんだから底がえぐられる場合もありますし、それによって側壁が倒れるというようなのは、小さな側溝とかそういうものの場合は十メーターおきくらいに橘をかけたみたいにちょっと突っかい棒をしていけばそんなものは防げるのだし、やる気なら幾らでもやれると思うのですよ。私は、そういう点で今のあり方に一考すべき点があるのではないか、こういうふうに思うのですが、そういうことは技術的に簡単でしょう。あるいは、流れの急なところは落差工をつくっていけばいいじゃないですか。そういうふうにしてやっていけば、幾らでも私はそんな問題解決できると思うのですが、どうでしょう。
○萩原政府委員 確かに落差工という物の考え方もあろうと存じます。しかし先生、落差工をつくりましたときに、一つこうありますね。そうすると、落差ですからここから水が流れますね。そこが今度洗掘されるのです。そこをまたコンクリートにしていくということになってまいりまして、これは場所によっては当然でき得ると存じますけれども、それを例えば都内全部にするというのは、ちょっと御無理ではないかと存じます。
○渡部(行)委員 いや、私が言ったからといって、底は全然コンクリートにするなということじゃないのですよ。そういう落差の水がどんどん当たるところはコンクリートにするなり、それはいろいろな弾力を持った解釈の仕方があると思うのです。この問題はこの程度でやめますが、ひとつ御考慮を願いたいと思います。 その次に、やはり環境というものをよくしていくには、何といっても空気の浄化が大事じゃないかと私は思うのです。そこで、先ほども言ったように地球上では緑がどんどんなくなって砂漠化がされている。そうなると、これはやはりこういう先進資本主義国と申しますか、先進国ではことさらに都市計画等の場合に緑を失わない都市をつくるということが大事じゃないかと思うのです。 そこで、最近は非常によくなって街路樹も植えられておりますが、私はこれを一つの法律で義務化してはどうか、特にこれからつくる道路については義務化する、そして緑を少しでも多くして自動車の排ガス等を浄化していく、こういう考え方を持ってはどうかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○萩原政府委員 先生御指摘のとおり、道路の緑化、特に都市内道路の緑化というものは、道路の空間機能を保持するためにもあるいは景観の保持のためにも、さらに先生おっしゃいますように、空気の浄化のためにも必要不可欠のものであろうと考えております。 現在、道路はかなり延長がございますが、そのうち国道、都道府県道の二つを足しますと、緑化を必要といたしますようなそういう路線が合計で三万五千四百キロと私ども算定をいたしておりまして、そのうち現在緑化が完了いたしておりますのが八千四百キロでございます。約四分の一しか実は緑化ができていないのでございます。あと四分の三は、幅員が狭いその他の理由のために、ここに緑があったらなと思うような路線でございましても、残念ながら緑化ができないという実態になっております。 それで、先生おっしゃいますように、既存の道路はなかなか無理だろうけれども、これから新設するときはぜひ緑化を義務づけたらどうだ、こういう御指摘でございますが、私どももその観点から、五十七年九月に道路構造令というものを改正をいたしまして、そのときに新たに、四種一級と私ども言っておりますけれども、いわゆる四車線以上の道路をつくる場合には、必ず幅員一・五メートル以上の植樹帯を両側に設けるようにという構造の規定を入れさせていただいております。これを入れまして、今後とも新設の幹線道路についてはぜひこの植樹帯を入れて緑化に努めてまいりたいと考えております。 また、既存の道路についても、いろいろ工夫をいたしまして、高木は植わらないにいたしましても、灌木のような緑化というようなことを今後ともさらに進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○渡部(行)委員 四車線以上となれば、これは非常に限られてくると思うのです。そうでなくて、耕しくつくるのは何ぼ狭くとも恐らく二車線以上になると思いますけれども、それは全部歩道をとらなくても緑があるだけでいいと思うのですよ。木なんというものは太くなったってこんなものですからね。それ以上太くなったら切ってまた植えかえればいいのであって、だから何もそう四角四面に考えなくともいいのではないか。 つまり、ドライバーが車で走っていて、下ライバーばかりでなくてお客さんもそうだけれども、車で道路を走ることが楽しみになるような環境をつくることが大事ではないかと思うのですよ。環境というのは、何も物質的なものばかりじゃなくて、精神的なものが私は一番大事だと思うのですよ。きれいなところだな、そう思っただけでストレスは相当解消できるし、人間の健康にとって最も重要だと思う。そういう見た目から入るもの、そして鼻からにおうもの、耳から聞こえるもの、そういうものを整備していけばすばらしい環境になると思うのです。ただ格好をつくれというのじゃないのですよ。 本当にいいな、この都市は本当に緑の都市だな、例えば局長も行ったかもしれませんけれども、あのブダペストに行ってみてください、まさに芸術品ですよ。あるいはモスクワだってそうですよ。パリだってそうですよ。日本の都市を見てくださいよ。全くコンクリートを散らばしただけのような都市じゃないですか。こういうことに私は本当に心配を感じるのですよ。そして、イギリスからはウサギ小屋などと言われて、私はそう言われてヨーロッパに行ってみたら、なるほどこれは本当だわい、そう思ったのですようそじゃないのです。ヨーロッパから日本に帰ってきた途端に、日本の建物が余りにも貧弱だ。それで世界第二の金持ち国であると言っていたって、どうなんですか、これは。そういうのが今建設省で一番考えなくてはならないことじゃないか。 社会資本をどんどんと充足させて、そして財の蓄積をしなくてはだめですよ。フランスに行って、あるいはイギリスに行って橋一本とってごらんなさいよ。あのすばらしい彫刻の塔が立っているじゃないですか。日本にそんなところ、どこにありますか。一つもないでしょう。大理石の彫刻の立っている橋なんか一つもないでしょう。なぜそれが考えられないのか。しかもそれは、あなた、何百年も前にヨーロッパの方々が考えてつくっているのですよ。それを今日の文化時代に考えられないなどというのは、私はよほど怠慢だと思う。そういう点についてはどうでしょうか。
○萩原政府委員 先生おっしゃるとおりでございまして、我が国の社会資本の整備が非常におくれておる、特に道路の整備がおくれておるというふうに私ども認識をいたしております。それはなぜか。我が国の場合は、いわゆる馬車の時代を経ていないわけでございます。ヨーロッパ諸国では、馬車の時代が中世からございまして、道路というものはかなり広くつくられておる。我が国が本格的な道路整備にかかりましたのは、戦後昭和三十年からでございます。やっと三十年たちまして、懸命に道路整備を続けてまいりましたけれども、大変残念ながら、現在需要の方が供給を上回っている状況にございます。その間におきます自動車台数の伸び、それはまさに天文学的でございまして、そこら辺で、現在供給を需要に追いつかせようということで懸命の努力をいたしておりますが、大変残念ながらまだ追いついていないという実態にございます。 その間におきましても、新しい視点の、非常に景観のよい道路あるいは利用しやすい道路というものについて順次整備を何とか進めておりますけれども、御指摘のようにヨーロッパ各国から見れば非常におくれておる、まことにそのとおりでございまして、これは道路整備全体の中で考えていきたいというふうに考えます。 それから、緑化につきまして私ども非常に苦しんでおりますのは、ヨーロッパは、御承知のように緑というものは買わなければ、金を出さなければ緑はできません。これは日照時間あるいは両あるいは温度その他の問題で、緑というものはわざわざ植えまして、しかもそれを育てていかないとうまくいかないというものでございます。しかし、非常に価値のあるものです。ただし、我が国の場合は非常に気候が温暖でございますので、緑というものがただという概念になっておる。私どもは今いろいろ道路の緑化を進めておりますが、一番頭を痛めておりますのは、その維持管理の問題でございます。建設は簡単でございます。しかし、それを維持管理いたしませんと、ぼうぼうのものになってしまいまして、なるべく維持管理の要らない樹種を選んでもなかなかうまくいかない。いろいろな悩みがございますが、先生の御指摘は私どもも十分理解しておるつもりでございます。また今後とも努力させていただきたいと存じます。
○渡部(行)委員 維持管理費は、今度防衛庁から飛行機一機くらいもらってやってください。 それでは、時間がありませんので次に移りますが、環境庁は、科学技術的な環境というものについては、何か我関せずというふうに私は感じてならないのです。そこで、これからのエネルギーの最も注目されておる核融合という問題でございます。 これは理化学研究所の槌田敦という学者が書いた論文ですが、そういう点では非常に古いわけですけれども、「核融合は未来の灯ではない」、こういう題目で核融合に対するいろいろな所見を述べられているのです。科学技術庁は莫大な金を使って今核融合の研究に取り組んでおられるのですが、これはどうなんでしょうか。つまり、核融合というものは理論的に可能である、それはみんなが認めているのです。問題は、核融合が完成した暁に、そのこう既に地球上の熱量に制限が加わって、結局は使い物にならなくなるんじゃないか、環境上許さない条件ができるんじゃないか、こういう理論ですが、これについてひとつ科学技術庁の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○松井説明員 お答えいたします。 核融合につきましては、将来実現した暁には人類に多量のエネルギーを供給できるという形で期待されているわけでございます。ただ、現在核融合の研究につきましてはまだ非常にステップがございまして、一応今考えられておりますのは、まず科学的実証の段階というのがございまして、それはサイエンスとしての実証、それからその次にエンジニアリンクスとしての実証、工学的実証段階、それから商業段階、その三つのステップを経て核融合が実現するというふうに考えてございます。 それで、現時点におきましてはまだ科学的実証の段階でございます。現在日本、アメリカ、EC、それからソ連、四つのブロックが科学的実証ということを目指しまして、それぞれ装置を持ちまして鋭意やっている次第でございます。恐らくこれは来年ごろには科学的実証という段階に達するのではないだろうか、こういうふうに大体言われております。 理化学研究所の槌田先生の論文等も私も拝見いたしました。それで、核融合が実現した晩についてはいろいろな問題があろうかと思いますけれども、いずれにしろ、これは将来の人間のエネルギーの需要という問題に対して供給できる有力なものであるというふうに考えて、私どもとしても今研究開発を進めているという段階でございます。
○渡部(行)委員 この核融合は、無限の資源があると言われております。実際、重水素とか三重水素というだけの問題なら確かにそうですが、それを生産するには、また核融合炉を運転するには、ヘリウムとかニオブ、リチウム、こういうものが絶対に必要だと言われているのですが、それは本当でしょうか。
○松井説明員 核融合につきましては現在そういう段階でございまして、いろいろな研究開発がなされているということがまず前提でございます。 現在私どもで考えております点を申し上げますと、まず先ほど御指摘があったようにリチウムでございます。これはトリチウムをつくるためのエネルギーのもととなる燃料となるものでございますけれども、リチウムにつきましては現在推定埋蔵量が約八百万トンというふうに言われでございます。それで、先の話でございますけれども、一応私どもで必要とする量につきましては、百万キロワットの核融合炉を例えば三十年間運転するというふうに想定いたしますと、大体六百トンから七百トンぐらいというふうに言われております。なお、リチウムにつきましては、これ以外に海水に無限に入ってございます。そういう意味では、リチウム資源については将来の問題としては問題がないだろうというふうに我々は現在は判断しております。 それから、その次のニオブでございます。これは核融合炉をつくるときの構造材の一部になるというふうに言われでございます。ただ、例えば今のJT-60、日本にある核融合炉の実験研究施設でございますけれども、これについてはニオブは使っておりません。将来使う可能性はあると思います。ただ、ニオブにつきましては、まだ資源量、それからその代替の金属材料等々もいろいろと研究されてございまして、これについても私どもは余り問題はないだろうというふうに考えてございます。 次に、ヘリウムでございますけれども、ヘリウムについては現在アメリカに偏在してございます。現在既知分として約四百万トンと言われてございますけれども、これについて使用する核融合としてはまだ十分の量があろうというふうに考えてございますけれども、何分ヘリウムはその他のいろいろな用途を持っておりますもので、そういう意味では、ヘリウムの今後の問題についてはやはり注目する必要があるだろうというふうに考えてございます。 以上でございます。
○渡部(行)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、最後に長官から、こういう科学を十分進歩発展させられる環境を、やはりこれから環境庁の中で考慮していかなければならぬじゃないかと思いますが、そういう点についてひとつ総括的な御答弁をお願いしたいと思います。
○森国務大臣 まさにこれからの原城行政は、こういった化学物質等々に対する我々の方針を確立すべきときだと考えております。
○渡部(行)委員 どうもありがとうございました。終わります。
○角屋委員長 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十一分開議
○角屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。春旧暇明君。
○春田委員 私は、本日の環境決算委員会で四点だけ質問させていただきます。 まず第一点は、先月の三月二十七日、熊本地裁で、水俣病の認定申請を棄却された患者四人が、熊本県、鹿児島県両知事を相手に棄却処分の取り消しを求めた行政訴訟の判決が言い渡されましたけれども、患者側の勝訴となっております。環境庁はこれをどう受けとめ、両県に対していかなる指導をしているのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○目黒政府委員 お答え申し上げます。 今回の判決につきましては、司法の一つの御判断であるというふうに考えているわけでございます。 水俣病の病像につきましては、従来から県知事側が主張してきたことが入れられていないといったようなこと等ございまして、極めて遺憾であるというふうに考えているところでございます。
○春田委員 水俣病の現在の認定患者数、中術者数、棄却者数、未処分者数のおのおのの数を述べていただきたいと思います。
○目黒政府委員 昭和六十一年の二月末現在で、申請者の数は、三県一市全部合わせまして一万六千五百七十八人でございます。また、認定をいたしました数、被認定者数は二千七百八十八人でございます。なお、未処分者の数は六千五十三人でございます。
○春田委員 そうしたら、棄却者は何名になりますか。
○目黒政府委員 棄却者の合計は七千二百四十六名ということに相なっておるわけでございます。
○春田委員 この判決以後、同じような棄却処分の取り消しを求める裁判等は起こっておりませんか。
○目黒政府委員 この種の裁判につきましては、現在合わせまして約十二の裁判が進行中でございますが、棄却処分等に関しましては、現在たしか二つであったかというふうに記憶いたしております。
○春田委員 ただいま御説明あったように、認定患者が申請者数全体の一七%しかないわけです。これはこの認定の基準の条件が非常に狭く、厳しいのではないか、こう私は思います。この熊本地裁の判決におきましても、水俣病像の認定基準につきましては、症状が水俣病と同一症状である場合、専ら水俣病以外の疾病に基づくことが明らかである場合を除いて、水俣病に起因することが否定できないとする認定基準によるべきである、このようにいわゆる判決でも指摘されているわけでございまして、そういった点でこの基準の見直しという点が、基準が非常に厳しいという点でこれを見直すべきではないかという意見もあるわけでございますが、どうお考えになっていますか。
○目黒政府委員 今の基準の点でございますが、昨年十月にこの水俣病に関します専門家の会議を開いていただきまして、その会議におきまして、専門委員会におきまして、この水俣病の現在の病像あるいは現行の先生御指摘の判断基準というようなものにつきましてもいろいろ御審議をいただいたわけでございます。その結果、現行の判断基準で変える必要はなかろうという御意見もございましたので、環境庁といたしましてはそれを受けて、この現行の判断基準は変えないという方向を昨年十月に出したわけでございます。したがって、現在の時点におきましても、私どもその判断基準を変えるという考えは持っていないわけでございます。
○春田委員 この水俣病の認定基準については医学界が必ずしも一本にはなっていない、考え方がいろいろ分かれているみたいに私も聞いているわけであります。そういった面で私は、患者の立場に立った認定基準に考え直すべきであろう、このように主張をしておきます。 また判決では、認定か棄却の判断を全員一致制から多数決にすべきという意見も判決の中で出されているわけでありますけれども、環境庁はこの点とう受けとめているのか、また、この両県に対しましてどう指導しているのか、お答えをいただきたいと思います。
○目黒政府委員 現在の審査会の進め方と申しますか、判断の仕方等についてでございますが、全員一致制その他ということについては私ども特に指導していないわけでございます。また、これはあくまでも県の段階の審査会といったようなところでお決めいただくべきことと考えておるわけでございます。したがいまして、この認定審査会の運営は、この認定審査会の先生方がその中で決めていただいておるのが現在の状況でございます。
○春田委員 水俣病は、熊本、鹿児島、新潟、そして新潟市の三県一市で争われている裁判でございます。環境庁は、先生方や県や市に任せるだけではなくて、やはり行き詰まっている問題には積極的に乗り出していく姿勢が大事ではないか、私はこのように思います。先ほども香ったように、公害においては、一方的に犠牲を強いられているのはいつの世にも被害者でございます。こうした観点から、公害行政は常に被害者の立場になって物を考えるべきであろう、また施策を論ずるべきであろう、その被害者の立場に立って物を考えるのが環境庁であろう、私はこのように思うわけでございます。この問題について環境庁長官の御所見をいただいて、この問題については終わりたいと思います。
○森国務大臣 先生のようなお考えがあろうかとも存ぜられますが、私どもといたしましては、昨年決めた決定に基づいてやっていこうかと考えております。
○春田委員 森長官になりまして、環境問題については非常に積極的にやっておられるという評価を受けているわけでございますので、今の水俣病については私も残念でたまらないわけでございます。この問題については数十年の歴史がたっているわけでございますけれども、どうかひとつ患者の立場になって進めていただきたい、これを強く要望しておきます。 第二点は、公審防止事業団の問題につきまして、時間がございませんので若干お聞きしておきたいと思います。 行政改革審議会の小委員会が昨年十二月、公害防止事業団を廃止する考えを示されたわけでございますが、環境庁はこれをどう受けとめておるのか、また、長官の御所見をあわせてお伺いしたいと思います。
○岡崎政府委員 現在の行政改革審議会の検討状況についてお話しいたしますと、先生おっしゃいましたように、昨年の秋以降、行革審の中の特殊法人を検討する小委員会で公害防止事業団もその検討対象の一つとして取り上げられまして、私どもも公害防止事業団の業務の内容あるいは私どもなりに考えていることにつきまして、二回ほどヒアリングを受けております。現在行革癖の方では、そういったヒアリングの内容等も含めまして取りまとめの段階に入っておるというふうに承っておりまして、まだ結論が出ているという状況ではございません。 いずれにいたしましても、私どもは公害防止事業団というのは環境行政上非常に大切な役割を占めておるものだという基本認識のもとに、御理解をいただくべく努めておるところでございます。
○森国務大臣 私、赴任以来、公害防止事業団のあり方についていろいろと研究してまいりましたが、ともかく現在ある事業団は大変重要な中核的な存在でございます。今後もなお一層これを充実強化していかなければ環境行政の後退になるという意味で、今真剣に前向きの検討が続けられているところでございます。御理解いただきたいと思います。
○春田委員 行革審の結論はまだ出ていない、ヒアリングの段階であるということでございます。この二回のヒアリングで、環境庁としては当然事業団の存続を強く打ち出しておられると思うのですが、この感触はどのように受けとめておられますか。
○岡崎政府委員 ヒアリングの質問の主題は、御存じのとおり、事業団は融資業務と建設譲渡業務の二つの業務を二本柱にしてやっておりますけれども、そのそれぞれの現状について、過去に比べてもうそろそろ役割が薄らいできているのではないかといった観点からのいろいろな御検討がございました。 これに対しまして私どもは、まだまだ環境保全あるいは環境改善のために公害防止事業団を活用するという側面は多々あるわけでございますので、そういう点を力説しているわけでございます。
○春田委員 公害防止事業団が設立されたのが、昭和四十年の十月であります。約二十年の歴史と実績があります。この間、公害防止のための融資や建設譲渡に大いに貢献したことは御承知のとおりであります。 行政改革は、余分なぜい肉を取り、人や金減らしをすることが目的であることは言うまでもありません。その意味で、必要なものは当然切る必要もあります。しかし、残すものは残していかなければならない。さらに、大臣がおっしゃったように充実強化していかなければならないと私は思います。しかし、この行革審の意見も傾聴に仮するものがありますので、若干大臣がおっしゃいましたように制度見直しを含めて検討していく必要があろうと私は思っております。 公害防止事業団を廃止するということは、公害は既に終わったという風潮にもつながっていくわけでございますので、当然これは残していかなければならない。既存公害の後遺症も残っておりますし、また新たな公害が出てくることも予想されております。現在、IC工場から出る化学物質あるいは廃棄物等の融資、交通公害、湖沼の水質浄化等環境問題で山積している問題もあるわけです。これらに対応するためにも公害防止事業団の役目はますます重大であろうと思っております。したがって、公害防止事業団は断じて廃止してはならないと私も強く主張する次第であります。 この問題につきまして、再度大臣としての御決意をお伺いしたいと思います。
○森国務大臣 先生おっしゃいますように、ともかく公害防止事業団の存在価値というものは、環境行政になくてはならないものでございますので、廃止等々は毛頭考えておりません。
○春田委員 この小委員会の答申が出まして、行革審の最終答申というのは大体いつごろ出る予定になっておるのですか。
○岡崎政府委員 向こう様の内部のスケジュールでございますので、私どもも十分承知はいたしておりませんが、行革審自体が法律で規定されておりまして、その法律がたしか六月末に切れるというふうに承っておりますので、いずれにいたしましてもそれ以前には完全にまとめたものが出るものであろうというふうに理解しております。
○春田委員 いずれにしましてもことしの六月に切れるわけでございますから、近々そういう答申が出されると思いますけれども、それまでにもどうか長官並びに局長からも、先ほど言ったような理由でこの事業団の廃止に反対されて、制度見直しをやりながらますます充実強化を図っていただきたい、このように主張して、この問題については終わりたいと思います。
○角屋委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時五十七分休憩 ――――――――――――― 午後二時三十一分開議
○角屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。春田重昭君。
○春田委員 第三点目の質問は、カネミ油症の事件でも御存じのように、環境汚染と生体への影響で大きな社会問題となりましたPCBの問題について御質問いたします。 PCBには、一つ、液状のPCB、二つ、電気PCB、三つ、紙PCBが製品として社会へ既に出回っているのでありますが、有害物となってから今日まで、このPCBの処理体制について政府としてはどう対応してきたのか、これは通産省でございますか、お答えをいただきたいと思います。
○岡崎政府委員 PCBが問題になりましたのは昭和四十七年でございますけれども、それ以来、PCBに対する汚染対策につきましては、関係省庁が、これは九省庁でございますけれども、PCB汚染対策推進会議というのを設けまして、各省庁がそれぞれの役割分担をいたしまして、それに基づいてPCBの汚染対策を推進してきているというのが処理体制の状況でございます。
○春田委員 カネミ油症事件が発生したのが昭和四十三年、そして昭和四十七年にはPCB及びその使用製品の生産中止、製品の回収が行われた経緯がございます。そこで私は、紙のPCBのノーカーボン紙の問題について、特に後処理問題について御質問を展開したいと思います。 昭和四十七年時点でのこの生産最及び処理量また未処分の量、この量は一体どれぐらいあったのか、まず量をお示しいただきたいと思います。それで、処理したのがあるわけでありますが、いかなる方法で行ったのか。また、未処分のものはいかなるところで保管されているのか、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○香田説明員 お答え申し上げます。 現在、PCB入りのノーカーボン紙の生産は行われておりませんが、過去生産いたしましたノーカーボン紙の処理につきましては、昭和五十二年から五十四年にかけまして、ノーカーボン紙の製造メーカー四社の自己保存分につきまして、約千八百トンにつきまして試験焼却を含めまして洋上焼却を行っております。 また、残りました数量につきましては、当時これを実施しておりました団体が一括洋上焼却をするという考え方を持っておりました関係上、チェックいたしましたところ、その当時の数字で約千七百トン、もう少し細かく申し上げますと、五十四年当時の保管量の数字としましては、中央官庁等が七百トン、都道府県等が四百八十トン、一般事業者等が四百八十トン、計千六百六十トンという確認が行われております。 今後の問題につきましては、私どもとしましては、いわゆるこのPCB入りのノーカーボン紙を持っておる保有者が法律上の一義的な責任があるわけでございますけれども、御承知のように、PCBを含む物質の処理につきましては非常に難しい技術的な問題がございますので、通産省としましては、こういう事業者を監督しているという立場から、各関係省庁の御協力を得まして問題の解決に努めてきたわけでありますが、引き続き現在行われています廃PCBの処理体制の整備状況等を見つつ、具体的な方策について検討してまいりたいと考えております。
○春田委員 ただいまの説明では、約三千五百トンが当時において生産されまして、うち千八百トンが洋上で焼却された、残りが千七百トン、正確に言ったら千六百六十トンが現在未処分の量として保管されている、こういうことでございます。この千六百六十トンを中央官庁または地方自治体、一般事業者は今どこに保管されているのですか。
○香田説明員 私どもは、先ほど申しましたように五十四年当時の数字をつかんでおりますけれども、現在の段階での保管状況につきましては、厚生省の方で調査をするというふうに伺っております。
○春田委員 厚生省の方は後で質問をいたしますけれども、まず、この千八百トンの洋上焼却というのは、これは法に照らして適正に行われたのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○香田説明員 当時の洋上焼却につきましては、五十二年八月から五十三年七月まで旧ノーカーボン紙協会によります試験焼却、その後、約八百トン近くはメーカー四社による自己処理が行われたわけでありますが、その結果を見ますと、廃掃法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づきます処理基準を満たしていることが確認されております。
○春田委員 当時は法に照らして適法であるということでございますが、現時点ではどうなんですか。
○香田説明員 その後、計画によりますと、洋上焼却を引き続きやるという計画でございましたけれども、残念ながら地元の理解を得られなかった等の理由でこの計画が中断したというか断念しておりまして、現在その処理が行われておりません。
○春田委員 地元の反対があったということでございますが、法に照らしてみた場合、どうなんですか。法に照らして適法なんだけれども、地元の団体等の御理解がいただけなかったから現在はできない、こういうことなのか、それとも、これは法に照らして違法である、当時はよかったけれども現在の法に照らしては違法である、だからできないのだ、どちらなんですか。
○横田説明員 焼却の実験につきましては、当時から廃棄物処理法に基づきまして、施設の届け出かどの手続は不要であるという考え方でございましたけれども、地元の自治体には計画を十分説明して行うようにということで、旧ノーカーボン紙協会及び通産省に意向を伝えておりました。 また、自己処理につきましても、実験結果を踏まえまして適正な処理あるいは必要な手続をとるように自治体を指導しておりまして、いずれも問題なく実施されたというふうに考えております。
○春田委員 新聞報道には、横浜の自治体の方には一切届けはなくて、後で事実がわかったということで大問題になったという形で報道されておりますけれども、その辺、どうなんですか。
○横田説明員 お答え申し上げます。 地元自治体には十分計画を説明するようにということで、私ども指導しております。
○春田委員 いや、指導しているんではなくて、地元自治体の方には事前に十分通告して焼却したのかどうか、このことを聞いているのですよ。こちらの質問に的確に答えてくださいよ。これは通産省じゃないの。どうなんですか。
○香田説明員 今厚生省の方から御説明のあったとおり、私ども当時の記録を見ましても、地元地方公共団体に通知をした上で処理しておるという記録が残っております。
○春田委員 事前に地方団体には届け出るということは、はっきりと文書で残っているのですね。もう一回確認をします。
○横田説明員 協会及び通産省の担当者の方には、私ども厚生省の方から市に説明に行っていただくようお話ししていたところであり、相前後して担当者の方が説明に行っておられるはずであります。また、厚生省、通産省、横浜市の担当者によります打ち合わせ会議というものも、昭和五十二年七月十五日に、持っております。
○春田委員 その打ち合わせは持っているのですけれども、地元自治体の了解を得て焼いた、これは断言できますね。地元の自治体の了解を得ているのですか。それははっきりしてください。七月十五日やったというのだけれども、打ち合わせやったのでしょう、やったのだけれども、それは地元自治体の了解を得てやったのか。
○横田説明員 事実関係、必ずしもはっきりしておらないのですが、私どもはあくまでも自治体には十分計画を説明するようにということで指導しております。
○春田委員 計画を進めるようにとか指導とか、そんなことじゃなくて、事実、地方公共団体の確認をとったかと聞いているのですよ。はっきり答えなさいよ。現状がわからないならわからないで答えなさいよ。
○横田説明員 通産省の方にはそのような意向を伝えております。
○春田委員 だから、あなたの出番じゃないんだ。通産省が答弁したらいいのだよ。通産省、はっきり言いなさいよ。現状でわからなかったら、後で調査して出しますとか、はっきりしなさい。
○香田説明員 先ほどから申し上げておりますとおり、焼却に当たりまして一応横浜市に通知をした上で処理が行われております。
○春田委員 その通知というのはいつですか。何年何月何日ですか。いずれにしても、ちょっと時間がございませんので、この問題についてはいつ地方自治体に申請したのか、そしていつ許可がおりたのか、それを明確に書類として提出してください。委員長、よろしくお願いします。
○香田説明員 私どもの残っておる記録によりますと、五十二年の半ば当時から関係省庁との協議が行われ、さらに横浜市を通産省関係者が訪問し、説明し、通知をした上で処理をしているということになっております。
○春田委員 だから、五十二年の何月何日、それがわからないのですよ。それをはっきりして書類で提出してください。委員長、よろしくお願いいたします。
○角屋委員長 後ほど質問者の方に資料を必ず出すように。
○春田委員 厚生省にお尋ねしますけれども、本年三月二十七日の通達で、六月三十日までに各都道府県並びに政令指定都市に保管状況を提出するように指示されていますね。この保管状況でございますが、かつて通産省が昭和五十四年にアバウト的に調査したわけでございます。その時点で約千七百トン、千六百六十トンと今報告がありましたけれども、推定確認されています。なぜ七年経過した現時点において再調査する必要があるのかどうか。この点、お答えいただきたいと思います。
○横田説明員 さきの国会におきまして、PCB入りのノーカーボン紙の保管につきまして適正に行われていないのではないかという指摘を受けましたことを踏まえまして、何分保管が長期にわたっていることもありますので、一部の事業所におきましてはこれにかかわる管理意識の低下が見られるということにかんがみまして、再度PCB入りノーカーボン紙につきましての適正な保管がなされるよう指導の徹底を図ることにいたしたわけでございます。今回の調査は、その指導の一環といたしまして、PCB入り旧ノーカーボン紙の所在を明らかにするということのために行うものでございます。
○春田委員 ただいま説明があったように、マスコミの調査で保管状況のいいかげんさが指摘されているわけでございます。毒性の強いPCB含有のノーカーボン紙の扱い、保管が全く野放しになっている状態であると報道されました。そこで、厚生省としてはおくればせながらの再調査になったのであります。 ところで、その保管されていなければならないノーカーボン紙が一部の自治体においては焼却炉で一般ごみと一緒に焼却された疑いがある、こういう報道もありますけれども、これは確認していますか。
○横田説明員 新聞に出ておりましたところにつきましては事実確認をしておりますけれども、実際、一部報道と違って、焼却していないところ、あるいはまた焼却したといったところも、昭和四十七年あるいは昭和五十年といった、まだノーカーボン紙を産業廃棄物として指定する政令改正を行う五十一年以前というような早い時期に焼却したという話を自治体から聞いております。
○春田委員 PCBは、燃焼温度が千二百から千四百度以上であれば、分解されて無害になると言われております。自治体の焼却炉の燃焼温度は約七百度から八百度であると言われております。この温度では、むしろ有毒の、有害のガスが発生され、非常に危険であると言われておりますけれども、この点、環境庁はどう思いますか。
○林部政府委員 PCBを分解するためには、先ほど御指摘がありましたような高温が必要であるというように一般に指摘されておりますので、温度が十分でなければ完全に分解するということは難しいかもしれません。
○春田委員 要するに、完全に分解されないで有毒のガスが発生される、そういう事実になるのですか。
○林部政府委員 私ども、そういう事実を確認したということはございませんが、先ほどの御指摘のような形でもし焼却が行われれば、そういうことはあり得るというふうにお答えできるかと思います。私どもはそういう事実を確認しているというわけではございません。
○春田委員 いずれにいたしましても大問題であると私は思いますけれども、厚生省、この問題につきましてとう受けとめておりますか。
○横田説明員 いずれにいたしましても、一般廃棄物処理施設からのPCBの環境中への排出ということにつきましては、今のところ環境保全上問題ないというふうに思われておりますが、今後とも処理施設におきます排ガス、排水のモニタリングにより、環境保全に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○春田委員 PCBそのものは検出されていないとしても、今の大気汚染というのは複合汚染になっているわけです。そういった面で、このPCBのいわゆる焼却というものが大気中を汚染することは間違いないわけですから、PCBが検出されないから問題ない、そういう形で簡単に片づけられる問題ではないと私は思っております。 通産省にお伺いしますけれども、このノーカーボン紙に含有されるPCBの量は大体どれぐらいとされているのですか。
○香田説明員 紙の重さの約三%というふうに承知しております。
○春田委員 約千七百トンのうち三%ということは、これが全部一般焼却炉でもし燃やしたとなれば、五十トンのPCBのガスが、いわゆる有毒ガスが出ていくということで、まことに危険な状況になろうと私は思っているわけでございまして、この問題はひとつ慎重に扱わなければならないと思っているわけであります。 そこで、お尋ねします。 先ほども若干答弁ございましたけれども、未処分の千六百六十トンの焼却でございますが、今後いかなる方法で行うのか、それからちょっと答えてください。
○香田説明員 現在の私どもの立場は、関係省庁の御協力を得まして、どれが適正な方法か具体的に方策を探っておるわけでございますが、現在進行中の廃PCBの処理体制の整備状況等も考慮しながら具体的な検討をしてまいりたいと考えております。
○春田委員 その結論は、大体いつごろ出るのですか。
○香田説明員 現在検討中でございまして、私の立場としましては、今いつまでということはちょっと申し上げられませんので、御容赦いただきたいと存じます。
○春田委員 いずれにいたしましても、この洋上焼却が昭和五十二年から五十四年の段階でされたわけです。そして、六年経過した昨年の十二月、鐘淵の高砂工場で液状PCB焼却の実験がやっと開始されたと伺っているわけでございます。これは事実ですか。
○林部政府委員 今先生の御指摘の点につきましては、昨年地元の県、市からの要望がございまして、この液状の廃PCBの高温熱分解に関しましてテストを行うということになりまして、具体的にそのテストが行われたのは御指摘の時期の十二月でございます。
○春田委員 一体この約六年間、通産省としては何をしていたのですか。
○香田説明員 先ほども申し上げました洋上焼却の一括焼却の計画が地元の理解を得られなかった等のことで計画が中断して以降、私どもとしましては、その実施しました旧ノーカーボン紙協会を含めて今後どういうふうな具体的方策があり得るか、調査研究等の指導に努めてまいっておるところでございます。
○春田委員 いずれにいたしましても、昨年の国会で問題にならなければ、また新聞で報道されなければ、これは野放しの状態で今日まで来たわけでございます。それが昨年指摘されて、こういう形で厚生省は保管状況のいわゆる実態調査とか、また環境庁におきましてはそういう液状PCBの試験等をやっているわけであります。いずれにいたしましても、相当年数が経過した段階で今やっと腰を上げたのが通産であり厚生省であり、また、公害を未然に防ぎ再発防止に全力を尽くさなければならない環境庁のこの対応ではないか、非常に遅い、このように指摘せざるを得ないわけであります。 環境庁にお伺いしますけれども、この実験結果というのは大体いつごろ発表できますか。
○林部政府委員 お答えいたします。 昨年十一月時点で試験実施計画が策定されまして、地元の御承認を得た上で十二月に試験を実施いたしました。本年の三月をめどに結果をまとめるということで作業を進めてきていたところでございますが、なお若干検討、調整を要するということで現在も作業が続けられておりますが、近いうちに報告書としてまとめ、公表することになるのではないかと考えております。
○春田委員 近いうちにとは、今月か来月早々にはできる、こう理解していいのですか。
○林部政府委員 三月末をめどでございますから、近いうちにまとめて報告できるように今努力をしておる、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○春田委員 ところで、このPCBのいわゆる環境基準です。大気汚染防止法、また水質汚濁防止法でそれぞれ定めていると思いますけれども、環境基準を御説明いただきたいと思います。
○林部政府委員 私どもは、焼却に当たっての暫定的なものとして、四十七年の十二月に、PCB焼却処分に伴う排ガス中の暫定排出許容限界というものを定めておりますが、具体的には、先ほどいろいろと御指摘ございましたけれども、この暫定基準が、具体的な処理が余り行われていないというようなことがございまして、そういう基準は定めたけれども、実際にはほとんど動いてないというのが実態でございます。
○谷野政府委員 公共用水域、つまり水の基準でございますが、これにつきましては、私どもの基準の別表一というところで、PCBにつきましては「検出されないこと。」というのが公共用水域の環境基準となっております。
○春田委員 この排出の暫定許容限界ですか、これは大体どれぐらい定めているのですか。数字がわかったらちょっと説明してください。
○林部政府委員 お答えいたします。 四十七年にお示しをしました内容でございますが、これはいずれも焼却する場合の排ガス中の量、こういうことになっておりまして、液状の廃PCBにつきましては排ガス一立米につき平均〇・一〇ミリグラム、最大〇・一五ミリグラム、その他の場合につきましては排ガス一立米につき平均で〇・一五ミリグラム、最大で〇・二五ミリグラムというふうに定めております。
○春田委員 そうしたら、このノーカーボン紙の場合には一立米中に〇・一五ミリグラム、これが要するに環境基準という形で理解していいわけですか。
○林部政府委員 先ほどから御議論ございましたが、適正な処理の方法が技術的に確立されているということになれば、今先生の御指摘の基準が、暫定的なものではありますけれども、目安ということになろうかと思います。
○春田委員 ただいまそういう形で鐘淵の高砂工場で試験をされているみたいでございますが、こうしたいわゆる環境基準、これは十分クリアできる自信はございますか。
○林部政府委員 昨年十二月に行いましたテストでございますが、これは現在の高温熱分解処理技術としましては最高のレベルのものとして行っておりますので、私どもが四十七年に定めました排出許容限界の十分の一という〇・〇一ミリグラムを目標といたしましてテストを実施をいたしまして、テストには合格をいたしております。
○春田委員 この処理体制が決まった場合に、費用負担はどこが負担するのですか。通産省からお伺いします。
○石田説明員 御説明申し上げます。 先ほど来御説明にも出ておりますように、PCBを含みました廃棄物のような産業廃棄物につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりまして、当該廃棄物を排出した者に処理義務が課せられることになっておりまして、費用負担につきましても、原則として当該廃棄物としてのPCBの含有物件の排出者が負うことになるわけでございます。
○春田委員 そうしたら、メーカー四社の薮用負担は一切ない、こういうことですか。
○石田説明員 ただいま御説明いたしましたような原則の中で、現在処理の方法あるいは処理の体制につきまして鋭意検討を行っているところでございまして、処理費用の負担につきましても、この処理の体制とも一体となる問題でもございますので、繰り返しになりますが、排出者負担の原則の中で検討が行われてまいるというふうに理解をいたしております。
○春田委員 いずれにいたしましても、環境庁、通産省、厚生省、三省ともにPCBの処理体制は今日まで野放し状態であり、全く手ぬるいと言わざるを得ないわけであります。あれだけ社会問題になったPC頂に対する認識が甘いのか、それとも風化してしまって忘れてしまったのか、三省とも深く反省してもらいたい、このように強く要望いたします。 三省を代表して、環境庁長官のこのPCB問題につきます後処理問題につきましての決意をお伺いして、この問題について終わりたいと思います。
○森国務大臣 先ほどうちの政府委員が申し上げましたように、四十七年からPCB汚染対策推進会議を環境庁が取りまとめ役でやっております。この機能を発揮しまして、関係省庁と力を合わせてこの対策を推進してまいりたいと思います。
○春田委員 それでは、最後の問題であります。 公害健康被害補償制度の見直しを環境庁は検討しています。せんだって、中央公害対策審議会環境保健部会の専門委員会の報告が公表されました。この報告に対する環境庁の御所見をまず承りたいと思います。
○目黒政府委員 この報告書は、昭和五十八年の十一月十二日に中央公審対策審議会に諮問をいたしましたものに対しまして、その後回審議会の中で専門委員会をつくって、そして五十八年の十二月から四十二回にわたって慎重に御審議をいただいた結果の報告でございます。したがいまして、各委員の先生方には大変な御努力をいただいたところでございまして、私ども深く感謝をいたしておるところでございます。 また、その内容につきましては、医学的な見地というところから大気汚染と健康被害に関する極めて価値の高いものであるわけでございます。
○春田委員 最終的に環境保健部会から中公審、そして環境庁へ答申がされる時期は大体いつごろとお見通しされているのか、お答えいただきたいと思います。
○目黒政府委員 先ほど申し上げましたように、この公害健康被害補償法の第一種地域のあり方、これにつきましては、これからこの専門委員会の報告を受けまして、環境保健部会及びその環境保健部会のもとに設置されました作業小委員会におきまして、先ほどの報告を踏まえてこの審議が慎重に進められていくというふうに考えております。環境庁といたしましては、この作業小委員会及び部会において十分審議を尽くしていただく必要があると考えておりますが、できるだけ速やかに答申をいただきたい、このように考えておるところでございます。
○春田委員 この検討にかかったのが五十八年十一月でございますので、既に約二年半たつわけであります。できるだけ早くと今御答弁ございましたけれども、これは年内報告できるかどうかということですが、どうなんですか。
○目黒政府委員 これはあくまでも中央公害対策審議会の環境保健部会で御審議をいただくことでもございますが、私どもといたしましては、できるだけ速やかにというふうに現在の時点では考えているところでございます。
○春田委員 どういう形で報告されるか、今非常に注目を集めているわけであります。 そこでお伺いいたしますけれども、現在第一種の指定地域は全国で四十一カ所あります。認定患者も約九万二千人と言われております。私は大阪の守口市に住んでおりますけれども、守口市でも患者数は三千二百四十八名という形で認定されております。 経団連は、SOx、硫黄酸化物の減少で、全国四十一カ所の解除を求めています。こうした経団連の要求に対しまして、環境庁はいかなる基本姿勢をお持ちなのか、お答えいただきたいと思います。
○目黒政府委員 先生御指摘の第一種地域のあり方等につきましては、これは各方面からいろいろな御意見があることは事実でございます。したがいまして、ただいま先生が御指摘になりました経団連の方の御意見につきましても、この幾つかの御意見の中の一つというふうに私ども受けとめておりまして、これらの意見を踏まえまして、恐らくは審議会の中で慎重な審議が続けられるのではなかろうか、このように考えておるところでございます。
○春田委員 専門委員会の報告のみで断定はできませんけれども、環境庁はこの報告を、指定地域、いわゆる第一種の四十一カ所の縮小ないし解除につながっていくと見ているのか、それとも、この中間報告、専門委員会の報告の中では、道路沿いまた工場の近隣地域も新たな指定地域にする等の意見も出ているわけでありますけれども、そういったことでさらに広がっていく、拡大していくと見ているのか。現時点ではまだ最終答申が出ていないわけでございますので、難しいお立場にあろうかと思いますけれども、現時点では環境庁はどう御認識をなさっておりますか、お答えいただきたいと思うのです。
○目黒政府委員 この問題につきましては、先生御承知のとおり大変重要であり、かつまた各方面の関心の深いものでもございます。そしてまた、先般出ました専門委員会の報告も踏まえ、また作業小委員会におきましていろいろな資料等を集めまして慎重な御審議が行われるものと私どもは考えているところでございます。したがいまして、私ども、この部会の答申を待って適切に対処してまいりたい、このように考えているところでございまして、現在の時点で先生の御指摘のような点については私どもの方としてはなかなか難しい、何も申し上げられないというふうな状況でございます。
○春田委員 中公審というのは公正申立て御判断をいただけると思いますけれども、患者団体としては非常に懸念をしているわけであります。先ほど言ったように四十一カ所が解除になるか、また縮小されるということで非常に強い懸念を抱いているわけでございます。そういった面でこの中公審というものが、確かに時代の流れは変わってまいりましたけれども、私は、経団連や財界側の隠れみのとは言いませんけれども、決してそういうことになってはならない、あくまでも環境庁はそういった中公審のみを隠れみのにして患者団体の意見というものを無視してはならないと思います。環境庁はあくまでも患者団体の側に立って、言うべきときは強く言っていただきたい。当然、中公審に依頼しているわけでございますからその答申を待つべきであろうと思いますけれども、環境庁は環境庁なりの立場でこの問題をむしろ拡大する方向に持っていっていただきたい、私はこのように強く要望、主張をしておきます。 そこで、今回の報告の中でも、二酸化窒素、NOxと浮遊粒子状物質を総体的な大気汚染の中心と位置づけておりまして、複合汚染の視点から健康への影響を灰色と評価しております。この点を環境庁はどう受けとめておりますか。
○目黒政府委員 この御報告、ただいま先生の方から灰色という御意見がございましたけれども、私どもの方といたしましては、あくまでもこれはかなり高度の専門的な議論でもございますし、それから報告の内容等も専門の方々に慎重に御審議いただきたいという考え方で現在いるわけでございます。
○春田委員 この問題について長官の御所見をいただきたいと思うのです。いわゆる経団連は縮小、患者団体は当然残すべきであり、さらに拡大すべきである、こういう意見がございますけれども、環境庁長官は基本的にはどのようなお考えをお持ちですか。
○森国務大臣 先般御報告いただいておりますこの専門委員会の結論というのは、私は非常に高く評価しております。と同時に、中公審での作業につきましても大いに期待しているところでございます。 私は、先般環境委員会でも申し上げたのでございますが、これは大変重要な問題でございますので、先ほど時期の問題を政府委員に問うておりましたが、私といたしますと、私の任期中にどうしてもこれはやり遂げたいというかたい決意で今やっておりますので、ひとつ御期待いただきたいと思います。
○春田委員 ただいまの長官の高く評価しているという御答弁でございますが、もう少し突っ込んで御答弁いただきたいと思うのです。どんな面で高く評価されておりますか。
○森国務大臣 決して偏らない、例えば先ほどからのお言葉にあります財界寄りなどということは毛頭ないという判断を私は高く評価しております。
○春田委員 いわゆる患者団体の意見を十分酌み取って、この四十一カ所をさらに拡大していく、そのように私は理解しておりますので、長官もそういう形でひとつお働きをいただきたいと思っております。 時間がございませんけれども、最後に大気汚染対策についてお伺いしたいと思います。 運輸省の方に御出席をいただいておりますが、この大気汚染対策としてメタノール自動車の実験が今行われておるように聞いております。窒素酸化物がディーゼル車の四分の一程度である、また黒煙が出ない、こういった点でガソリン車系統に比べて排ガス対策上非常に有能である、このように言われておりますけれども、運輸省としてこのメタノール車の普及についてどう対応されているのか、お伺いしたいと思います。
○浅見説明員 お答えいたします。 ただいま先生御質問ございましたように、運輸省におきましては、都市におきます交通公害の防止、特に自動車の排出ガス中の窒素酸化物あるいは黒煙の排出量の削減という観点、それからもう一つ運輸部門におきます石油代替エネルギーの導入といった観点から、メタノールを燃料といたします自動車の都市部におきますトラックあるいはバス部門への導入を推進しているところでございます。 具体的に運輸省はどんなことをやっているかということでございますが、例えば学識経験者あるいは関係業界等によって構成されます検討委員会でいろいろ調査研究を進めるとか、あるいは国際エネルギー機関といった機関がございますが、そこに共同研究開発計画というのがございます、そこに関係団体を参加させる等によりまして諸外国との情報交換を行っております。それからさらに、日本メタノール自動車株式会社というのが設立されておりますが、ここが、私ども運輸省の指導のもとに、運送事業者等関係事業者の協力を得まして、都市内におきます集配用のメタノールトラックあるいはメタノールバスの市内走行試験を実施するということで準備を進めております。なお、この一月から、運輸省の導入計画の一環といたしまして、東京都によりまして一部走行試験が開始されております。 以上でございます。
○春田委員 既に地方自治体では東京が、また大阪もそういう形で試験化するみたいであります。このメタノール車につきましては、燃料の供給体制等の問題点もあるやに伺っておりますけれども、都市の自動車排ガス公審一掃のためにも非常に有能であるということも聞いておりますので、実用化について私は強く望む次第であります。 続いて、建設省にお伺いいたしますけれども、大気汚染対策としては当然緑をふやす、また緑を守る、保存する、これも大事であります。昭和六十五年には大阪で花と緑の博覧会が開催をされます。私は、これを一つの契機として、都市緑化の推進を提案したいと思うのです。 ヨーロッパ等ではいわゆる造園博とか花と緑の博覧会とかが盛んでございます。そういった博覧会を契機に相当緑化の推進が図られている、こう聞いております。西ドイツのミュンヘンでは、造園博覧会を契機に都市緑化が物すごく進んだという話も承っております。 大阪市等でも、家庭に一鉢運動ということで、議会等でも提案がされているように聞いております。国としても、仮称でございますけれども、緑化推進十カ年計画等々のことを考えて現在各省でそれぞれ組んでおられますけれども、ばらばらでございます。 そういった面で、都市の緑化というのは、これから公害対策上も非常に大事でございます。こういうことで、私は、建設省が中心となりまして一本化してこういった計画等を考えてはどうか、実施してはどうか、このように提案するわけでございますけれども、どんなお考えですか。
○坂本説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、一九九〇年、昭和六十五年に大阪市で国際花と緑の博覧会と称します国際園芸博を開催することが先般決まりました。なお、これにつきましては、これまでヨーロッパを中心としまして盛んに開催されてまいりまして、跡地は大体公園といたしまして広く一般の利用に供する、都市の緑化なり公園整備の一環として長く残されるというふうなことで開かれております。我が国でも、これまでヨーロッパの園芸博には何回か参加してまいったわけでございますが、今回は我が国で開くということになったわけでございます。 今回大阪で開きますものの目的といたしましては、人間生活と花と緑のかかわりというものを抽象的にとらえまして、これに関します技術の進歩ですとか関連産業の活性化などを図りますとともに、二十一世紀に向けまして都市緑化に関する意識の高揚を図る、あるいは都市緑化活動を醸成、活発化させる、そういった契機に大いにしていきたいというふうに考えておる次第でございます。 なお、一般的な緑化の推進についてでございますが、建設省におきましては、かねてから、都市計画区域単位ではありますが、緑のマスタープランというものの策定を進めてきていただいております。 また、建設省所管の公共施設に関しましては、植樹等五カ年計画というものを定めておりまして、これによりまして計画的な緑化の推進をしておるところであります。 このほか、公園緑地の整備等を進め、また植樹等五カ年計画などに基づきまして、所管公共施設の緑化の推進を図りますとともに、地方公共団体に対しましては、さらに都市の過半を占めます民有地の緑化が都市緑化の推進上不可欠でございますので、民有地の緑化を含めました都市緑化推進計画というものの策定をお願いしてきておるところであります。 このようなことを通しまして、総合的な都市緑化の推進を図ってきておるところでありますが、この国際園芸博の開催を契機といたしまして、二十一世紀に向けましてより一層都市緑化を積極的に推進してまいりたいと考えておる次第でございます。
○春田委員 長々と答弁があったわけでございますが、的確な御答弁をいただけないように思うのですが、これは時間がございませんので、また改めて建設省所管のときに御質問したいと思います。 地方自治体の東京の練馬、板橋、また宮城県の仙台等では、緑化基金を設けて、相続税や開発で緑が消滅するのを自治体が買い上げて、緑の保存に供しているという実態もあるわけでありまして、こういった点では交付税も考えながら積極的に緑の保存に政府としても対応していただきたい、このように私は要望しておきます。 最後になりますけれども、米軍住宅の建設に反対し逗子の自然を守る運動というのが、市長や市議会のリコール運動まで発展していったわけであります。環境庁は、この逗子の緑と生息している野鳥を守るためにいかなる対応をされてきたのか、お答えいただきたいと思います。
○加藤(陸)政府委員 ただいま都市関係の緑の問題につきまして先生いろいろと御質問されました後でございますので、その関連も含めましてお答えいたしたいと思います。 環境庁といたしましては、都市、特に都市近郊の緑地の保全ないしその活用ということで、実は各種の施策をやってきております。自然観察の森の整備とか母と子の森の整備、あるいは小鳥のさえずる森づくり等々の施策を実行いたしてきておりますし、また、これに対応して各自治体、特に市、大きな町の場合、市長さんも熱心にやっていただいておるわけでございます。 関連いたしまして逗子のお話もあったのでございますが、この問題につきましては、環境庁直接にといいますより、今申し上げましたような一般的な対策としてはもちろん関係はございますけれども、この問題そのものにつきましては、前々からお答え申し上げておるわけでございますが、その計画をしておられますのは防衛施設庁でございます。施設庁におきまして十分地元と調整を行い、かつ自然環境の保全にできる限りの配慮をしながら進められるものと理解いたしておるわけでございます。
○春田委員 私は、この問題は防衛庁だけの問題とか地元の問題だけで済まされる問題じゃないと思うのですよ。当然環境庁としては、環境を守る立場から、同じ政府機関である防衛庁にも物申しても決しておかしくない。環境庁は、自然公園法とかいろんな法の範囲外のことであるということで、非常にこの問題、私は実は逃げ腰であると思うのです。そういう縦割り行政でなくして、環境を守る立場で、この問題についても当然神奈川県や防衛庁にも、環境庁は環境庁の立場で物を言っても、私は決しておかしくはないと思います。長官、どうですか、これは。
○森国務大臣 現在の仕組みは、今加藤局長の言ったとおりでございます。 私は、環境庁長官という前に国務大臣という役がついておりますので、国務大臣の立場から、今先生がおっしゃったようなことをいろいろと関係省庁と話し合っていきたいと考えております。
○春田委員 そうしたら、本日は四点につきまして御質問させていただいたわけでございますけれども、時間の制約もございますのでこれで終わりたいと思いますが、いずれにいたしましても、どうか環境庁、各政府機関の連絡調整機関という、そんな消極的な考え方、立場でなくして、環境を守り、公害を絶滅するまでは矢面に立って頑張っていただきたい。森長官の御活躍を心から念願いたしまして、御質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○角屋委員長 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 国立公園、県立自然公園における大規模スキー場開発問題でお聞きいたします。 御承知のように、これらスキー場の開発行為は、まさしく資本の論理そのまま、もっと上の方へ上の方へと競い合う傾向にありまして、それはそのまま環境破壊競争の観すら呈しております。これまでは考えも及ばなかった第一種特別地域、第二種特別地域はおろか、今では国指定の特別保護地区にさえ踏み込もうとしていることは重大だと思います。一体どこで歯どめをかけるのか、このままではずるずるといってしまいかねない現状だと思います。 そこで、まず環境庁にお伺いするのであります。国立公園や都道府県立自然公園内でのスキー場等の開発行為は、それぞれ環境庁自然保護局長通達、例えば国立ていいますと五十四年四月一日、県立公園では五十四年二月八日、この通達を基本方針として運営されていると思いますが、いかがですか。
○加藤(陸)政府委員 お答えいたします。 先生おっしゃいましたとおり、国立公園の中においてスキー場を初めとする各種の利用施設を計画いたします場合には、自然公園法の規定がもちろん第一にかかりますけれども、それと、それの具体的な段階になりますと、公園計画の作成につきまして留意すべき事項などを通知いたしました俗に国立公園の公園計画作成要領などと申しておりますが、こういう定めに従って行われておるわけでございます。
○中川(利)委員 つまり、基本方針は通達の線に従ってやられているのだということですね。 さらにお聞きしますが、その中で特別保護地区というのがありますね。これは一切開発や人工の手を加えてはならない、いわば山にとって最高の聖域だと考えておりますが、よろしいですか。
○加藤(陸)政府委員 特別保護地区でございますね。特別地域がございまして、その中に特別保護地区がございます。これは国立公園と国定公園の制度にあるものでございますが、おっしゃるとおり、これは最も厳正に保全していくべきところという位置づけのものでございます。
○中川(利)委員 今、青森県の八甲田山群の最高峰大岳の山頂付近を通過し、八甲田山中央部を東西に横断する長大なロープウエー計画が実現に向かって大きく足を踏み出しているわけであります。ここは特別保護地区に差しかかるのは当然だと言われているわけですね。仮にこのような計画が現地青森県から申請された場合、国はお認めにならないですか、なるのですか。簡単に、一言でいいです。
○加藤(陸)政府委員 お尋ねのような構想につきましては、実は新聞報道等で若干承知はいたしておりますが、青森県からは説明等を受けておりませんので、詳しい内容については承知していないのが現状でございます。 現段階でそのことについて言及することは差し控えさせていただきたいのでございますけれども、ただ、一般論として申し上げますと、先ほどお答え申し上げましたとおり、特別保護地区は国立公園の核心部でございます。そこでのスキー場の建設は、国立公園の保護士著しい支障を及ぼすおそれがあるという一般的な考え方は従来から持っておるところでございます。
○中川(利)委員 一般論としてはお認めにならないということで理解していいですね。 それでは、今秋田県で起こっている問題を申し上げます。 県立公園森吉山の大規模スキー場開発は、大変フィーバー状態が現地で起こっているわけであります。現地は深刻な過疎と老齢化、おまけに不況に苦しむ、まさにわらにもすがる思いで現状からの脱却と町の再生を願っているわけであります。それで、スキー場開発によって少しでも町が潤うならこれに越したことはないと私は思うわけでありますが、しかし、なぜこの森吉山のスキー場開発問題が全国的にも大きく注目されているのかといいますと、県立自然公園の中で最高の聖域として県が自分で指定した第一種特別地域がある千三百メートル台、そこではなくて、それより二百メートル下がった千百メートル地点にやってほしいという一方の要請に対しまして、第一種特別地域に踏み込まなければ開発メリットはないんだ、そんなことをしたならば、せっかく乗り込んでくる予定の特定企業が逃げてしまうのではないか、そういうことが最大の論点になっているのです。いわばスキー場の賛否ではなくて、その地点をどこにするか、第一種に踏み込むのかどうかということが問題の焦点であります。 ところが、おかしいことに、現地の空気は、第一種特別地域を残したスキー場開発をやってほしいという意見に対しては、あたかもスキー場開発全体の反対者だという扱いを受けまして、例えば森吉出頂部をスキー場開発から守る会というものがございますが、この会の皆さんが現地で集会を開こうとしても、一たん借りることを予定した会場を拒否される、あるいは自分たちの考えをチラシに折り込んでいろいろ人々に訴えようと思えば、新聞の折り込みさえも拒否される、こういうまさに異常というほかない状況がございます。森吉山が国民の公共物であり、県民すべての山であるだけに、私はこのことを非常に恐ろしいことだと思うわけであります。 今度は林野庁にお聞きします。 森吉山国有林の所有主として、こうした現地の状況をお聞きになっていらっしゃるかどうか、まずお聞きいたします。
○塚本説明員 森吉山スキー場の開発計画をめぐりまして、現地において開発方法等につきましていろいろ意見等があることにつきましては、林野庁といたしましても承知いたしております。
○中川(利)委員 林野庁は承知しておるということでありますが、それでは環境庁にお聞きいたします。 人間にとって、首がなくなれば人間じゃなくなるわけです。単なる死体ですね。山にとっても一番大事な第一種、県立の場合は第一種ですね、こういうものがいわば最後の聖域です。地元の人々から言いますならば、御神体に属するものであります。いわば人間の首にかかわる問題だと思います。それだけに、山頂部は人間の首に当たるものじゃないだろうかと思うのでありますが、この点について環境庁はどのように考えていらっしゃいますか。
○加藤(陸)政府委員 先生十分御承知のことでお尋ねになっておると存じますが、県立自然公園の場合についてのお話でございますので、原則論だけちょっと一言だけお断りしておきたいのでございますが、県立自然公園は自然公園法に根拠を持っておりますけれども、都道府県の条例で定めておられるものでございます。特にその中での地種区分も、されておる場合とされておらない場合といろいろありますので、一概には私、断言はできませんが、確かに、一種、二種、三種と分けておられる場合には、第一種というのはその中でも大事なところということになると存じますけれども、この辺は県知事が県の条例に従って定められ、さらに県内の所要の審議会等の御意見も伺って運営されておるものと承知いたしておりますので、その辺の実態に合わせたお考え方がとられるものと思うわけでございます。
○中川(利)委員 何もそんなこと聞いていません。一般論でいいです。人間にとって首がなくなれば人間じゃなくなる。死体なんだ。山にとって山頂部、一番てっぺんのところがなくなった場合、それでも山と言えるかどうか。あなたの論法でいけば、県はこうやる、あれはこうやるで、歯どめも何もないような答弁になるわけでありますが、あなたは、自然を守る環境庁の立場としてはどうかということを聞いているのです。一言でいいです。
○加藤(陸)政府委員 お答えをしておるつもりでございますが、例え話でおっしゃいますけれども、これはなかなかそれだけで割り切れるものかどうか、いささか問題があろうかと思います。
○中川(利)委員 そういう答弁を環境がしている限りにおいては、日本の山は守っていかれないんだと私は思うのです。 それではお伺いします。同じ環境庁にお聞きするわけでありますが、私の調査によりますと、秋田県を除いて、北海道、東北地方の道県立自然公園におけるスキー場、いわば日本のスキーのメッカに属する地域ですね、その中で昭和六十一年四月現在、私の調査では、県立公園内におけるスキー場は十三カ所あります。この中で第一種特別地域をスキー場にしているところはございますか。
○加藤(陸)政府委員 現時点では、県立自然公園の中のスキー場で、第一種地域をスキー場にされておられるところはないように承知いたしております。
○中川(利)委員 北海道、東北県立自然公園の中で第一種をやっているところは一カ所もないということですね。秋田県がそれをやっていこうということは、まさに乱暴なこと、そういう計画であるということ、死体になると思うのですけれども、同時に、私一番恐れるのは、秋田県がそうした意味で全国の突破口となって第一種特別地域がどんどんつぶされていく、こういうことが全国に波及した場合ということを私は非常に恐れるわけですね。これは環境庁、県がやることだから、それは県が何とかおやりになるだろうなんて済まされないことですよ、あなた。まずその点、はっきり確認しましたね。秋田県以外ないんだと、そういう計画持ったり、そういうふうにやっているところはね。 それでは、今度は林野庁に、お聞きいたします。 昭和五十九年六月六日、秋田県観光物産課長あてに秋田営林局企画調整室長さんが「森吉山スキー場開発計画について」という文書を出しているのですね。この文書を拝見いたしますと、一番の問題、「スキー場の運営形態について」というところにはどう書いてあるかといいますと、「その運営に当たっては地方公共団体等又はこれらが参加した第三セクターであることが原則とされています。」こう言っています。「スキー場の開発計画の検討について」というところには、「このようなすぐれた自然環境を有する森吉山にスキー場を建設することについては、十分なかっ多角的な調査(自然環境調査及び環境影響調査)を行いながら、計画を固めていくべきものと考えていますが、現状の進展をみると、まずはスキー場を建設するという考えが何事にも優先しているように思われます。」こう指摘していますね。それから、「山頂部及び稜線部のスキー場開発について」という箇所では、「この箇所をスキー場として開発することは、極めて困難であると考えております。」こう指摘しておるのですね。 これは、それなりに中間報告だということになっておりますものの、私はこういう文書が出た背景というものは、まことに道理ある指摘だと思っているわけであります。やはりこれも、昭和五十五年六月三日の林野庁長官から各営林局長にあてたそういうスキー場の取扱要領の趣旨に基づいて出されたものだと思いますが、確認いたします。
○塚本説明員 ただいまの文書の内容についてでございますが、これはスキー場開発に関する林野庁の原則的な考え方を踏まえまして、当該地域の開発についての秋田営林局の考え方、意見を述べたものというふうに理解いたしております。
○中川(利)委員 結構でございます。 それでは、環境庁へまたちょっと戻りますが、ゴンドラなどの索道の問題でお聞きいたします。 この県の構想、環境影響評価書並びにその他のものでありますが、構想によりますと、この第一種特別地域をスキー場にしようとしているだけでなくて、この中にゴンドラを通して、駅舎、レストハウスをつくることになっております。この県の報告書によりますと、上段のゴンドラは標高千二百九十メートル付近ですね。それで、「ゴンドラ上駅には駅舎内にレストハウスを併設する。」と書いてあります。 ところが、環境庁自然保護局長通達、五十四年四月一日によりますと、国立公園ではスキー場にゴンドラのような普通索道を設けるということは、通達第四・Ⅲ・1・(2)・ア・(イ)の地域、つまり通常、特別保護地区、第一種特別地域のような大事なところには、新設することは原則として禁止されているとなっておりますが、いかがですか。 〔委員長退席、渡部(行)委員長代理者 席〕
○加藤(陸)政府委員 国立公園の公園計画策定の際の一つの原則といたしまして、先生がおっしゃいました普通索道は、原生的な自然環境を保全していく地域であるとか、高山帯、亜高山帯、あるいは崩壊しやすいような地形であるとか、そのほか一、二ございますけれども、そういうところには計画しないようにという方針を示しております。
○中川(利)委員 国立公園の関係はそういうことは禁止されておるわけですね。県立公園の場合はどうなっているかということで、私は私用県からその関係の書類を取り寄せまして、今ここにありますけれども、まさに同じものなんです。皆さんの標準指導例といいますか、何といいますか、その範囲内でやっておるのであって、全く一字一句違わないものが秋田県の運営方針のあれになっておるわけでありますね。ですから、森吉山の山頂部はまさに索道をつくってはならないということになると思いますが、何かほかのあれはあるのですか、まだまだ抜け道が。これは明らかに抵触するものと私は思いますが、いかがですか。
○加藤(陸)政府委員 お答えいたします。 抵触するかしないかということにつきましては、先ほど来先生も御理解され、私も再三申し上げておりますように、県立自然公園については県が、もちろん私どもの通達を参考とされることはございますけれども、それぞれ県の実態に合わせまして、県の責任において実行されるものであるという点は申し上げなければならぬと思います。その点、御理解いただきたいのでございますが、考え方は同じようなお考え方をとっておられるという今のお話でございますので、条文の書き方等、私、今手元で確認しておるわけではございませんけれども、しかし運営の仕方はそれぞれの県のそれぞれの特徴があり得るかと思いますので、一概に一緒と言うことは、断言は差し控えたいわけでございます。
○中川(利)委員 あなた、ばかなことは言わないでくださいよ。県の実態に合わせて県が独自で何でもやっていいんだ、参考にすればいいんだ、国の標準でね。それは県の責任でやるから何でもないのだという言い方でありますが、国立公園でさえも禁止されておるものを県がやって構わないんだということになるというのは大変なことなんですね。 それで、これが「国立公園の公園計画作成要領」ですね。こちら側に「都道府県立自然公園の指定及び公園計画の作成について」、これは国からもらったものなんですよ。いいですか。おたくからもらったものです。これは県からもらったものなんです。表題から何から一言一句皆同じなんです。この外側の何かがない限り、県が独自に自分の責任においてやったと言ったって、そのとおりなんですよ。これでも抵触しないと言い切れるのですか。こういうことは、いかに無謀で乱暴であるかということの一定の証明になろうと思いますが、いかがでしょう。 〔渡部(行)委員長代理退席、委員長着 席〕
○加藤(陸)政府委員 先ほどから払お答えいたしておりますのは、県の条例に基づきまして県の知事さんがおやりになっておることでございますので、それを自然保護局長という立場で、こうするああするということを直截に申し上げるわけにはいきませんということをお答えしておるわけでございます。
○森国務大臣 中川先生と私は、思想的には全く違います。ただ、先生のモットーとされている、戦争のない、そして貧乏人のいない世の中づくりということには大変敬意を表します。ただ、私はもう一点、豊かな環境づくり、これを私はモットーにいたしておるものでございます。したがいまして、県から御相談があれば、私どもは積極的に御指導申し上げたいと考えております。
○中川(利)委員 積極的に御指導というのは、何の御指導ですか。大いにやりなさいという御指導ですか、それとも、そういうことは国でさえも認めていないのですよ、どうだということを御指導が、中身のお話がなければ、せっかくの大臣のお話でございましてあれでありますけれども、その点、後でまたまとめてお聞かせいただきたいと思います。 それでは、なぜこうした一見乱暴な、しかも不明朗なことがやられているのかということでありますが、その一つは、県が独自の公園計画事業としてこの森吉山のスキー場開発を位置づけてやってきたわけですね。しかし、これが明らかに矛盾しているということは、みずから指定した第一種特別地域に踏み込もうとする、そういう踏み込む計画になっているということでありますから、普通の常識では考えられないわけです。 何があるだろうか、こう思いますと、その背景には特定の観光資本の肩がわりあるいは水先案内の役割がはっきりしているということでありまして、今度の報告書を見ましても、いまだに構想の段階であるにすぎないんだと言っていながら、あれこれの資本との関係、経過、そういうものを一切県民には秘匿して見せていないわけでありますね。しかし、それにもかかわらず、その事業者がだれであるかを含めて、今どこまで仕事が進んでおるかを含めて県民周知の事実になっているわけであります。だけれども、そのために先ごろ公表された環境影響評価書、それが前例を見ないむちゃくちゃなものだ、アセスの正常の、普通の手続さえも無視したとんでもない代物だということになりましたならば、おのずからこれはやはり正さなければならないと私は考えるわけであります。 これは秋田の代表的な新聞であるさきがけ新聞の四月十五日付、きょうの朝刊であります。それに何が書いてあるかといいますと、「森吉山開発の環境アセス 原報告を無断善き換え」、ちゃんとした報告、原報告だね、もとの報告を無断書きかえた。「「保護必要」が正反対に 専門家から信頼性なしと批判」、こういうことを書いていますね。若干読んでみましても、とにかく全く反対のことを書かれているのですよ。時間もないから、私、一々詳しく言うことができないのが残念でありますが、原報告を無断で書きかえている。保護必要が正反対のものになっている用後でひとつこれをごらんになっていただきたいと思いますが、こんなことが許されていいものかどうか。 しかも、この計画そのものが、二年の調査をして四百万円の県民の税金を使ったということになっておりますが、実際調査したのはたったの二カ月なんです。まさにこれは素人のものだということで、せんだっての県の自然環境保全審議会自然保護部会では大問題になって、とうとうまとまらなかった、こういう状況であります。しかも本来アセスというものは、計画アセス、これは県が公園計画事業でみずから位置づけたならば自分でやっても結構なんですよ。しかし、事業者がはっきりしたならば、やはり事業者側の責任において事業アセスというものをやらなきゃいけないというのはイロハのイの字だと思いますけれども、それを全部ごちゃまぜにして、こうした不備なものを一回でクリアさせようとして、今いろんなことがやられていることも毎日のように新聞に出ておるわけでありますが、こういうことは私はあってはならないことだと思います。 それだけではなくて、今現地住民、私のところへきのう秋田県阿仁町という、ここが一番のところですけれども、町長以下二十人ばかり私の事務所へ団体でそろって陳情に参りました。そこには何と書いてあるかといいますと、「県では、自然保護と調和のある開発を進めるため慎重な環境影響調査を実施し、それをもとに県環境保全審議会にスキー場を諮問すると伺っており、私達は全幅の信頼のもとその推移を見守っているところであります。」町の人が全幅の信頼をもってこの環境影響評価のあれを見ているときに、それを裏切るものになっているということですね。こんなことが許されるかということです。 改めて私は大臣にお聞きしたいのでありますが、自然公園法第四十七条、これは必要な報告を求めたり必要な助言や勧告をすることができるということになっておりますが、ぜひともこの際に、こういう誤ったことがやられないように大臣は指導、助言を強めることが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○加藤(陸)政府委員 ただいまのお話、県内の非常に具体的なお話でございます。私、ただいまお話しになりました新聞、まだ拝見いたしておりませんが、ただ、先生最後におっしゃいましたのは、環境庁が自然公園法の全体運用の立場で都道府県にも必要な場合には指導をすることがあるのか、あるいは指導したらどうか、あるいは相談があったら指導するか、こういう御趣旨と承ってよろしゅうございましょうか。
○中川(利)委員 一々、二回も三回も言わせないでください。あと時間がないですよ。当面今の問題について、こういう実態があるから、おれは国だから県のことは知らないよじゃなしに、この四十七条から見れば、やはり必要な調査と勧告、助言をすることが必要じゃないか、こういうことを聞いているわけです。
○加藤(陸)政府委員 具体的なケースによりますけれども、状況によっては御相談に乗るなりあるいは御指導申し上げるケースもあるかと存じます。
○中川(利)委員 私は具体的に問題を聞いているのです、こういう状態になっているということを客観的に。これについて大臣いかがですか、私はその必要あると思いますが。
○森国務大臣 先ほど申し上げました先生のモットーの、戦争のない世の中と貧乏人のいない世の中、恐らくこのスキー場計画等々は、地元の人たちが過疎地帯対策でやっているんじゃないかと思いますが、私どもは直接聞いておりません。しかし、そういうことなので、私は、先ほど挙げました先生のスローガンのほかに、環境の保全、豊かな自然を保護しようという気持ちはございますので、あるいは先生の御方針に反するかもわかりませんが、地元に対して、御相談があれば一生懸命環境の保全に努めよう、こう考えておる次第でございます。
○中川(利)委員 あなた、戦争のない世の中と言います。私も戦争の犠牲者で、この右の腕がきかないのです。これはぶらんぶらんです。私、もともとが柔道七段ですが、しかし戦争なんというもののためにこういうふうな状態になった。せめて戦争のないいい世の中をつくらなきゃいかぬということは、あなたには一歩も負けないつもりであります。 昔から、山の住民というものは、山を大事にしながら、山の恩恵を代々子孫に伝えてきたという歴史がありますね。貯金でいえば元金ですね。元金を大事にしながら、利息を上手に使いこなしてきたということだと思うのです。だから、またぎなんかでも、鉄砲で、クマを発見しても、身ごもった、腹に子供を持ったクマを撃ってはならないとか、山菜でもキノコでも全部とり尽くしてはだめだとか、それなりの生活の知恵を働かしてやってきたのが一つのあれですね。 だから、今回の森吉のスキー場開発でも、その最後の一線であるところの第一種特別地域、山の頂がやられるとするならば、まさにそれが私企業の手でやられることがはっきりしておりますので、そうすると、私は、元金を食いつぶすことになるんだ、それが特徴なんだ、これは後世にわたってやはり責任を持たなければならないことだと思うわけでありまして、こういうことがあってはならない。 国会議員である私の立場からも、県当局に対して少し事情を説明してくれと何回も申し上げた。そのうちに先生のところへ上がりますから、上がりますから、上がりますからと言って、実際は時間稼ぎをして、一回でやってしまおう、こういう格好になっているんだね。だから私は、一般の県民がこの真相については全く隠されたままだと言っても言い過ぎではないと思うのです。そういう点で、私もスキー場はやっていただきたいということは述べたいと思いますけれども、今までの経過を見るならば、これ以上の言いなりは私はもう許されないと思うのです。企業の言いなりでなくて、本当に地元の要求というものを尊重した、重視したやり方でないと大変なことになるのです。 なぜかと言えば、そうなれば宿泊施設、民宿を、大変だ、間に合うようにつくらなければいかぬとかあるいはどうだというような格好で、物資の供給問題でもみんな準備して心待ちしているという、わらをもつかむ思いでいるだけに、そういうものが実態としてそうじゃないということになれば、二重にも三重にも住民を欺くものになると私は思うわけでありまして、そういう意味からいたしまして、冬も大いにやった方がいい、だからといって、夏や秋は閑古鳥が鳴いて一人も人が来ないというようなことになれば、これは経済そのものが一層いびつになりますね。そういう点で、元金を大事にしながら夏、冬を通じて、スキーはスキーでやったらいいでしょう、こういう格好でバラエティーに富ませなければ、今後の本当の意味のそういう過疎地帯の発展はないというふうに考えますが、この点は大臣、いかがでしょう。
○森国務大臣 先ほどから申しておりますように、過疎地帯対策に対して、私どもは環境を守る意味で、御相談があれば環境を保全したいという指導をしよう、こう考えておるわけでございます。細かいことは、相談がございませんから、これ以上のことは私ども言える立場でございません。
○中川(利)委員 では、最後に私は重ねて申しますが、自然公園の中にそれでもスキー場をつくっていただきたいと思っているのです。だからといって、核心部をぶち壊したならば月山や蔵王と同じになるということです。そういう点で、やはりスキーを通じてみんなに愛される山、胸を張って後代に残す山でなければならないという意味で申し上げているわけであります。 というわけで、待ち時間三十分、リフトではっと四、五分で上って、ばっと滑ってくる、ああいうゲレンデスキーというのはもう時代おくれだということが、最近のいろいろな傾向の中ではっきりしてきたわけであります。その反省から、今は歩くスキーだ。環境庁でさえも、妙高高原なんかに見られますように、スキーによる自然観察、こういういわゆるクロスカントリーの問題が大きく見直されてきておるわけでありまして、いわば特色あるスキー場づくりですね。そういう意味では、やはり一定の線から以下のところはゴンドラ、リフトもみんないいと私は思うのだ。しかしまた、一定の線から上は自分の足で登る山岳スキーのメッカにするとか、あるいはそういう自然観察による雪に親しみなじむ、そういうものにするというふうな方向がこれからのあるべき姿ではないかと思うのでありますが、最後に環境庁長官からその点について伺って、私の質問を終わります。
○森国務大臣 今のスキーのお話も、私も子供のころやっておりましたが、まさにそれが本当のスキーのだいご味だと思います。また先生と同じ意見であります。
○中川(利)委員 終わります。
○角屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三分散会