環境委員会 第5号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1986/05/20
会議録
○柿澤委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行います。 戸田菊雄君外五名提出の環境汚染及び道路損耗を防止するためのスパイクタイヤの使用の禁止等に関する法律案を議題といたします。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。戸田菊雄君。 ————————————— 環境汚染及び道路損耗を防止するためのスパイ クタイヤの使用の禁止等に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○戸田議員 委員長初め各党の理事の先生方の大変な御協力をいただいて、心から感謝をいたしております。 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました環境汚染及び道路損耗を防止するためのスパイクタイヤの使用の禁止等に関する法律案について、提案理由の御説明を申し上げます。 冬の間、スパイクタイヤを履いた車がもたらす粉じん公害や、わだち掘れによる道路の損・摩耗の被害が、北海道や東北地方などの積雪寒冷地で共通した大きな社会問題となっていることは、委員各位がすでに御承知のとおりであります。 これらの地方において積雪・凍結路上の車の走行に際し、安全性と利便性が喧伝されて、一九六〇年代の初めより急速に普及したスパイクタイヤではありましたが、それは同時に騒音や粉じん公害をもたらし、道路標示を消失させたり、わだち掘れをつくって交通障害を生み、道路の損・摩耗による補修費を年々増加させて、国や自治体に財政的圧迫を加えるなど、安全性と利便性の効力だけでは補い切れない否定的な影響を、スパイクタイヤは今日ではもたらしていることが明らかになっているからであります。 中でも、かたいスパイクタイヤのピンが道路の舗装部分を容易に削り取り、ピンの細かい破片や道路標示ペイント成分の粒子や、道路舗装アスファルトの破片などがまじり合って粉じんが空中に飛び散り、大気を汚染し、その結果もたらされる人体への健康被害はまことに深刻なものがあります。 仙台市は、この問題について、一九八二年、道路粉じん健康影響調査専門委員会を設置し、肺磁界装置を応用した道路粉じん吸入の人体影響の調査を積み重ねております。それによれば、スパイクタイヤによる高濃度の粉じんを長期間吸入した場合、気管支炎症や肺機能障害を起こし、ひどい場合にはじん肺症などを引き起こしかねず、それもお年寄りや子供たちに被害が広がっていく可能性の高いことが検証されており、事態の深刻さを物語って余りあります。 このように、スパイクタイヤと粉じん公害などの環境汚染とその人体への健康影響や、道路の損・摩耗等の被害の因果関係は極めて明白なものがあります。したがって、この問題の解決に当たっては、その発生源対策、すなわちスパイクタイヤの使用を全面的に規制することをおいてほかに、抜本的な対策を確立することは困難なのであります。その際、喧伝されているスパイクタイヤの持つ安全性と利便性を十分に代替できる冬用タイヤがほかにあればよいわけですが、それをスタッドレスタイヤの普及によって求めることは可能です。 宮城県は、本年をもって、四月一日から十一月三十日までの制限期間を設けて、スパイクタイヤの使用の全面禁止を条例化し、各方面から注目を集めました。宮城県条例化の運動が積雪寒冷地の他の自治体に広がっていくことはもとより望ましいことであります。しかし、これが関係者の長期にわたる数々の先進的かつ地道な努力の大きな成果であるにもかかわらず、制限期間外の状況が以前とは変わらないことや、車という広域移動発生源を規制の対象としていることで、他県との協同体制が確立されていなければ実効性が上がらないことと相まって、被害の実態は相対的に軽減されることはあっても、問題の全面的な解決には至らないことは言をまちません。 受忍の限度を超えて深刻化する被害の実態から見て、自治体に問題解決の責任を押しつけたままでいる状況は早急に改善されなければなりません。スパイクタイヤ問題の全面的な解決に向けて、国が主導的役割を果たさなければならない段階に現状はあります。そのために、本法案を提出した次第です。 以下において、この法律案の概要を御説明申し上げます。 第一は、この法律案の目的でありますが、それを、スパイクタイヤ装着車の運行に伴う粉じん、騒音、道路損耗等が人の健康、生活環境に被害を生じさせ、道路の交通に危険を生じさせていることにかんがみて、スパイクタイヤの使用を禁止することにより、人の健康の保護及び生活環境の保全を図るとともに、道路の交通安全に資することとしております。 第二に、この法律における「スパイクタイヤ」、「自動車」、「道路」のそれぞれについての定義を行っております。 第三に、緊急自動車その他の政令で定める自動車を除く、スパイクタイヤ装着車の道路運行の禁止を規定しております。 第四に、スパイクタイヤの使用の禁止に伴い、その条件整備のための除・融雪対策等の、積雪・凍結路の車の運行に際しては、その安全かつ円滑な通行の確保のための措置をとることを道路管理者に義務づけております。 第五は、タイヤメーカー及び国に対して、スパイクタイヤにかわるより良好な冬用タイヤの研究、開発に努めることとしております。 第六に、この法律に違反した者に対する罰則を設けております。さらに、この法律が実施され、スパイクタイヤの使用が禁止されるに当たっては、社会的なPRや必要な条件整備のため、三年間の猶予期間を設けることを附則において規定いたしております。 以上、何とぞ十分な御審議の上、速やかに御賛同くださいますようにお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。 ありがとうございました。(拍手)
○柿澤委員長代理 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○柿澤委員長代理 請願の審査を行います。 本日、公報に掲載いたしました請願日程四十一件を一括して議題といたします。 まず、審査の方法についてお諮りいたします。 各請願の趣旨につきましては、請願文書表等により既に御承知のことと存じます。また、先刻の理事会におきまして慎重に御検討いただきましたので、この際、各請願についての紹介議員の説明等は省略し、直ちに採否の決定をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柿澤委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 採決いたします。 本日の請願日程、環境保全等に関する請願四十一件の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柿澤委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柿澤委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○柿澤委員長代理 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしておりますとおり、都市の水環境の保全等に関する陳情書外一件であります。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○柿澤委員長代理 閉会中審査の申し出の件についてお諮りいたします。 第百一回国会、馬場昇君外二名提出の水俣病問題総合調査法案 第百一回国会、岩垂寿喜男君外二名提出の環境影響事前評価による開発事業の規制に関する法律案 戸田菊雄君外五名提出の環境汚染及び道路損耗を防止するためのスパイクタイヤの使用の禁止等に関する法律案並びに環境保全の基本施策に関する件 公害の防止に関する件 自然環境の保護及び整備に関する件 快適環境の創造に関する件 公害健康被害救済に関する件 公害紛争の処理に関する件以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柿澤委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣承認申請の作についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託され、委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣地等その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柿澤委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十一分散会 ————◇—————