環境委員会 第3号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/04/11
会議録
○柿澤委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行います。 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 何回かごの委員会で質問をしてきたことなので大変恐縮でございますが、世界じゅうにその個体数が三百ぐらいしかいないと言われているキンクロライオンタマリンの問題を質問してまいりたいと思います。 この問題が明らかになってからもう二年半の歳月がたっているわけですが、違法に輸入されたものであり、国内には十二頭まだ残っているという話を伺っております。違法なものだということがはっきりして、しかもその後二年半という歳月が流れている。法治国家としていかがなものかということさえ問われざるを得ない。 私、その意味で去年の十二月三日の委員会で通産省の担当者の御答弁をいただいたわけですが、コストの負担の問題がネックとなっているからということで説明がございまして、返すという方向を確認しながらも今日まだその手だてが尽くされていない、こういう状態でございます。その後どんな御努力をなさったのかということを最初にちょっと伺っておきたいと思います。
○石黒説明員 お答えいたします。 ライオンタマリンの返還問題につきましては、先生今御指摘のとおり、去年の十二月、本委員会におきまして、基本的には返還という方向で関係者との話を進めたい、また専門的、具体的な検討を進めたいというふうに申し上げました。その後本年一月になりまして現所有者、三者おりますけれども、そことも話し合いをいたしまして、基本的には返還をしますという方針もいただいております。 これを踏まえまして、具体的なやり方、いろいろクリアすべき問題がございますけれども、三点ばかりあろうかと思います。第一は現所有者との金銭的な補償の問題、二点目、本返還を実現するに当たっての大前提となります、タマリンを安全、健康状態でブラジルに返すという健康維持管理の問題、三つ目、ブラジル側の受け入れ態勢なりそのタイミングについての意向の確認、この三点が大きな問題だろうと思いますけれども、それぞれにつきまして現在鋭意検討を進めておりまして、早急に返還実現に向けて進んでまいりたいというふうに考えております。
○岩垂委員 外務省に、ブラジル政府との外交交渉の経過などについてお話をいただきたいと思います。
○馬淵説明員 お答え申し上げます。 ブラジル政府との交渉、折衝の経過でございますが、外務省といたしましては、通産省と関係者との話し合いを受けまして、現在、具体的な返還に際しましてはどのような方法が一番いいのか、あるいはまた、ブラジル側の受け入れ態勢がどうなっているのか、それからまた、先ほども御答弁ありましたように、タマリンの健康を維持しつつ返還するにはどういう方法がいいか等につきまして、我が方のブラジリアの大使館を通じてブラジル政府の当局と鋭意折衝中でございます。
○岩垂委員 私がこの前質問を申し上げてから既に四カ月有余の月日がたっているわけですが、そのやりとりというのはそんなに面倒なものなんですか。最初に外務省の方に、ブラジル政府というのは受け入れるという態勢のもとにあるのかどうか、その辺のところの御返答をいただきたい。
○馬淵説明員 先般、我々の方からブラジル政府側に日本側の進捗状況を連絡いたしまして、ブラジル政府は日本側のかかる努力を非常に多としております。ブラジル側としては、せっかく返還されるのであるからこれを最も適当な状態のもとで実現したいということでございます。もちろん気候の問題とか健康の維持の問題とかあるわけでございます。それを今ブラジル側と細かい話をしておるというところでございます。
○岩垂委員 通産省にお伺いいたしますが、今十二頭のキンクロライオンタマリンは健康でいつでも輸送できる態勢にあるというふうに考えてよろしいでしょうか。
○石黒説明員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、健康状態というのは非常に監視をしなければいかぬところでございますが、去年の秋時点で若干注意を要するという事態がございましたけれども、それを乗り越えまして、現時点において健康状態については特段異常はないというふうに承知をいたしておりますが、何せ飛行機に乗せて長旅をする話でございますものですから、人間でも同じでございますが、やはり長旅をする直前に当たっては十分健康状態を確認をして実施すべき話だと考えております。
○岩垂委員 私も自然保護や動物問題にかかわってきているものですから、申し上げるつもりはなかったのですけれども、やはりできるだけ早くブラジルに返すということが必要だというふうに考えてまいりました。ただ、私が政府にそうしろそうしろと言ったってどうしょうもないと思ったものですから、恥ずかしい話ですけれどもポケットマネーを出す余裕はございませんので、キンクロライオンタマリンをブラジルに返還するためのゴルフコンペをやりまして、地元の皆さんにも大変な御協力をいただいて、わずかでございますけれども貧者の一灯ということで通産省にそのお金を届けさせていただきました。 私は、このことを多くの市民に訴えていけばそれはそれとして大きな反響があるだろうというふうには考えていますけれども、この前の石黒さんの御答弁では、暖かくなったら返還が実現されるというふうにおっしゃっているわけで、かなり暖かくなりましたのでどういう態勢でそれを果たそうとなさっていらっしゃるのかということを、率直に、あなたの口から国民に訴える気持ちを込めてぜひ明らかにしていただきたい、このことをお願いしたいと思います。
○石黒説明員 お答え申し上げます。 返還のタイミングにつきましては、先ほど申し上げましたようにタマリンの健康状態あるいはブラジル側の受け入れ態勢の問題との絡みがございますので、いつということを断定はできませんが、私も去年の十二月に御答弁申し上げまして、暖かくなったら返還ができるような環境づくりをしょうということで、関係者との話し合い等精力的にやってきたつもりでございます。 具体的に申しますれば、来週早々にも関係省庁あるいは自然保護団体の御協力も得まして、そういう方々とこの返還に当たっての委員会を開いて、いろいろ返還に際しての技術的、専門的あるいは注意すべき事項等についての議論をいただいて、その返還実現行動の具体的な第一歩にしたいというふうに考えております。
○岩垂委員 委員会をつくるということは結構な話なんですが、どういう構成でお考えになっているのか。これは来週早々にもというお話でございますけれども、できるだけ早くやってほしいのですよ。何回お話ししても目下検討中でございましてとか、あるいは準備をしておりましてというようなことばかりおっしゃっているわけですが、来週会議を開く、どういう構成でどんな段取りでやっていくのかということをきちんとしてほしいのです。そのことが国民の協力をいただく一つの道筋だと私は思いますので、もうちょっと歯切れのいい答弁をいただきたいと思います。
○石黒説明員 来週スタートいたします委員会は、構成員は自然保護団体それから日動水の関係者、それに政府関係省庁、このあたりを構成員にしようというふうに考えております。
○岩垂委員 政府関係省庁というのはどことどこで、自然保護団体というのはどういうところを中心にしてやっていくんだというようなことまであなた検討なすっているのでしょう、来週のことですから。だから、お答えになったらいかがですか。
○石黒説明員 お答え申します。 自然保護団体としましてはWWF、日動水の関係としては上野動物園の園長さん、それに関係省庁といたしましては通産省、外務省、環境庁を予定しております。
○岩垂委員 こういうことを、たかが十二匹の動物というふうにお考えになる方もおられるかもしれませんけれども、私は、WWFの中でも、国際的にも、こういう問題というものが日本の姿勢といいましょうか、あるいは事によったら日本人の国際社会における資質の問題というふうに問われている問題だろうと言わざるを得ないのです。だから、きちんと、いつごろどういうめどでというようなことまで含めて、それがすぐそのとおりできるかどうかは別として、努力の目標を明らかにする。そして、それは単にブラジル政府との外交問題だけでなしに、国際的な、先ほど申し上げた日本人の資質の問題として問われている問題なんですから、もし死んだりなんかしたらどうなるかということをお互い心配せざるを得ないわけでありまして、そうでなくとも、貿易摩擦問題やあるいはエコノミックアニマルなどと言われている指摘があるわけでございますから、指摘を受けて対応するのもちょっと後手なんですけれども、その辺をきちんとしておきたいと思いますので、その点もう一遍御答弁をいただけたら大変ありがたいと思います。どういう姿勢でお返しになるのかということを含めて御答弁をいただきたいと思います。
○石黒説明員 お答え申し上げます。 タマリンの返還問題につきましては、まさにこれを具体的に返還を実現するということが世界から見られているところでもございますし、そのあたりの趣旨も関係者とよく話をいたしまして、先生御指摘のように早期実現という形でこれが進むようにやっているつもりでございますし、今後もそういう形で進めてまいりたいというふうに考えております。
○岩垂委員 念のために、ちょっと細かいことをお尋ねして恐縮ですが、現在の所有者の手を離れた場合、それが相手国の手元に戻るまでの間のいわばその所有権といいましょうか、それは通産省が持つというふうに理解していいですか。
○石黒説明員 お答えを申し上げます。 その点につきましては、通産省が現在の所有者から所有権の移転を受けるのか、あるいは返還の実務を実施する団体が受けるのか、そのあたりにつきましては、このタマリンの金銭的な処理、寄附にするのかどうするのかというあたりと密接に絡まってくる問題で、そこは技術的な問題だろうというふうに考えておりますが、所有者あるいは関係自然保護団体と相談をいたしまして決めさせていただきたいと思います。 ただ、一言申し上げておきますと、そのあたりのやり方について通産省としてイニシアチブをとってやってまいりたいというふうに考えております。
○岩垂委員 キンクロライオンタマリンの輸入を認めたのはほかならぬ通産省なんでございます。そしてワシントン条約の管理当局も通産省なんです。私がなぜそういうことをくどく申し上げるかというと、返還運動の主体はあくまでも通産省が担ってほしい。そうでないと、通産省が何か下請みたいに自然保護団体に任せて、そしてその責任も自然保護団体が背負わなければならぬというふうなことになりますと、この話というのは前に進みません。その意味では、あくまでも通産省が主体になる、政府が責任をとるという原則を明らかにしていただきたいと思いますが、その点よろしゅうございますか。
○石黒説明員 お答えを申します。 先ほど御答弁申し上げましたとおり、通産省として本件を主体的責任を持って処理をしていかなければいかぬ話である、当然、関係省庁とは連携をとらせていただきますが、そういうつもりでやっております。
○岩垂委員 あなたの口から、この問題の責任は通産省がとるということのお答えをいただきました。その上で、そうは言っても税金で払うわけにまいりません。違法な状態を是正するために国民の血税を使うというわけにはいきませんから、そうすると、国民的な募金を通しての協力ということになるだろうと思うのです、実際問題として。そういうことを私は、あなたの口からで結構だから、国民に対してお願いをする姿勢というものがあってしかるべきではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○石黒説明員 お答え申し上げます。 趣旨なり考え方において、返そうではないかという総論においては関係者のコンセンサスはあると思います。それを具体的にどう実現するかという話で、それも相当進んでまいったというふうに理解をしております。 そういう観点から、この具体的な実施のために必要な資金協力といいますか、そのあたりについても、いろいろな関係団体、所有者あるいは輸入者、そのあたりに協力を求めているところでございまして、まさに、趣旨に賛同をいただいて、ぜひ実現しろよという声があるのは非常にありがたい話でございます。
○岩垂委員 課長さんでは無理だろうと思うのですけれども、環境庁長官、にせの輸出許可証で輸入しまして、十五頭入ってきたのですが三頭は香港へ逆輸出して、国内に十二頭いるわけです。これはブラジルの自然保護団体だけでなしに政府関係者も、返してほしい。同時に、専門の医者が動物園へ行って状況を見ますと、これは日本にはなじまない、このままでは心配だということさえ実は診断をしているわけです。 とてもかわいい動物なんです。いろいろな使い方、見せ物ですから、その意味では動物園にとってみれば目玉商品みたいに扱いたいという気持ちはわからぬではないけれども、しかしここまで来た以上、私は、国民の協力をいただいて、日本人の優しい心というものをこの際大きく結集していく必要があるのではないだろうかという意味で、今大変くどいやりとりですけれども、してきたわけです。 私は、最後に課長さんにお伺いしたいのだが、いつごろまでにということも努力目標の中では御答弁をいただきたいのですが、その前に、こういう問題についてぜひ国民の御協力をお願いしたいという環境庁長官の言葉は大変ありがたいと思うのですが、御答弁いただけますでしょうか。
○森国務大臣 私の前任者からこの問題を申し受けまして、岩垂先生が大変な御苦労をなさって、えらいきつい質問もあった、それから、私はゴルフコンペの話も耳にいたしまして、たまたま例のワシントン条約の問題で、小康は得ているものの、根底に今おっしゃったような日本人の本来的な経済優先主義的なものからワシントン条約に対する日本の熱度を海外から批判をされるというようなこともあるかと思いまして、私も小さな胸を大変痛めておりまして、外務省、通産省がいろいろと言っておりますが、そのほかに金の面というのが相当大きな面があるのじゃないかということで悩んでおりましたら、たまたま私のところへ動物を大変好きなある財界人がやってきまして、おれはこの問題で少なくとも所要額の半分くらいは個人で出してもいいんだというような話もつい最近聞きまして、私は大変感激をしております。外務省、通産省等々と、私自身も前向きな意味でこの問題の解決を図ってまいろうと思いますので、よろしくお願いします。
○石黒説明員 お答え申し上げます。 返還のタイミングでございますが、去年秋に暖かくなったらというふうに申し上げましたけれども、これを四、五月というふうに考えておったわけでございますが、そういう考えは今も変わっておりません。 ただ、くどいようですが、相手先のブラジル政府との関係、個体の健康状態の確認等々がございますものですから、それらを総合勘案して、安全確実にお返しするというタイミングを選びたいというふうに考えております。
○岩垂委員 この経過にちょっと時間をかけ過ぎたのですけれども、やりとりをして御理解をいただいていると思うのですが、結局金で解決するという形になっちゃっていることは、これは応急処置というよりも対症療法なんですね。これは原因を何とかしなければいけないのです。 私はかねてから国内法を整備しなさいというふうにお願いしてきました。前の石本長官から急いでやらなければいかぬという御答弁もいただきました。野生生物課なども環境庁にできるそうでございますが、これらに対する対応を急ぐべきだというふうに僕は思いますが、環境庁はこのことだけでなしに、せっかく野生生物課というものをおつくりになる、そういう心遣いの中に当然このワシントン条約の具体的運用の問題も入るべきだと思うし、また入れなければ意味がないと思うのです。そういう意味で、このワシントン条約の国内法の制定についてどんなお考えを持っていらっしゃるか、御答弁を煩わしたいと思います。
○加藤(陸)政府委員 この問題につきましては岩垂先生から非常に御熱心な御質疑をずっといただいておりまして、それを受けましてと申し上げるのも恐縮でございますが、一生懸命にやらさせていただいてまいりました。ただいま御質問の中にも野生生物課というお話もございました。これは言いかえれば野生生物問題、当然その中にはワシントン条約関係も含まれるわけでございますが、体制を整え、つまり体系的に進めていかなければいかぬというふうに考えておる次第でございます。 ただ、何分にも勉強不足な面もございまして、その中身を直ちに完璧にということはなかなか難しいことは恐縮でございますけれども、なるべく早くそういう体制をつくり、それから先生の御質問の中にございました国内での法制も含めた体制をどう整えていくか、これは通産省、外務省その他関係省が入っておられます関係省の連絡協議会も持っておりますので、そういうところで詰めつつございますし、今後も引き続き鋭意詰めてまいりたいと思っておるわけでございます。ぜひそういう基本的なといいますか基礎的なところから整備してまいりたいと思っております。
○岩垂委員 環境庁から御答弁をいただいたのですが、通産省も外務省もこの問題にかかわって御理解をいただいていると思うのですが、ぜひ国内法の制定というものが必要なのかどうかという問題意識を御答弁いただきたいと思います。
○石黒説明員 お答えいたします。 国内流通にかかわる法的規制を早くやるべきだという御質問でございますけれども、これは過般来、中長期的課題の一つの重要な研究課題ということで、関係省庁のお集まりの中で検討していくという形になっているというふうに理解をしておりますし、私といたしましてもまさに本タマリン問題の苦労ということもございますものですから、非常な関心を持っております。 ただ、考え方といたしまして、水際規制というのをきっちり漏れなくやるということでこれが解消できるのではないかという考え方もございまして、そのあたりの水際規制の確立ということについては私どもは責任を負っておりますので鋭意整備をしてきたところでございますので、それとの兼ね合いでどういう法制が新たにできるのかという観点に立った法律的な検討が必要というふうに考えております。
○馬淵説明員 お答え申し上げます。 もちろん外務省といたしまして一たんこのワシントン条約を日本として締結しました以上は、条約を完全実施するということでございます。したがいまして、このワシントン条約の精神をより一層生かしていく、またより一層効果的な実施体制を確保していくという観点から、外務省としても国内体制の整備の問題には強い関心を持っておるわけでございまして、ただいまも両省庁から御答弁がございましたように、これにつきましては連絡省庁会議でこれまで我が国がとってきました各種の対応策の効果を踏まえて検討するということになっておりまして、外務省としても条約の精神をより一層生かしていくという観点からかかる検討作業に積極的に参加してきておりますし、今後ともそういう観点から参加していく所存でございます。 〔柿澤委員長代理退席、戸塚委員長代理者着席〕
○岩垂委員 二年半かかりました。でもまだ結論は出ていません。今環境庁長官からも具体的な御発言をいただきました。私はやはりこの問題をきちっと責任を持って処理をしていくことをぜひお願いしたいというふうに思います。 それからもう一つは、やはり国内法は要るんです。通産省は水際作戦でと言っているんですが、その水際作戦でやったはずのものが現実には――水際作戦の強化はその後だけれども、しかし私はこの事件自体というのは非常に学ばなければならない教訓を私たちに教えていると思います。そういう意味で、ぜひこの問題の解決のために積極的な御努力をお願いしたい、このことを心からお願い申し上げたいというふうに思います。 フィリピンのワニの養殖のことをお尋ねしょうと思ったのですが、時間がございませんし、また後ほどゆっくりお尋ねをしたいと思いますから、結構です。通産省、どうぞよろしくお願いをいたします。 続いて、中公審の環境保健部会の大気汚染と健康被害との関係の評価等に関する専門委員会の報告について質問をいたしたいと思いますが、その前提として、大気汚染と人体影響についてまず大気保全局長にお尋ねしたいのです。 公表されたATSに関する報告書の中にNO2が年平均〇・〇二ppmないし〇・〇三ppmから慢性気管支炎の主要な症状が生じる旨の記述がございますね。これに対して環境庁は、何か新聞の報道するところによれば、現行の環境基準の正当性が裏づけられたというふうなことを語っておられるというふうに私は拝見をいたしました。実はそういう立場というのはちょっと問題があるのではないだろうかというふうに思うのです。 というのは、従来と違って病気が発生しているのです。だから、全国民を対象とする環境基準には、もちろん老人や子供、妊産婦などの弱い立場の人がいるわけですから、それらの人のことを考えたいわゆる安全係数二分の一をやはり掛けるべきだ。そういうふうになると、旧基準の日平均〇・〇二ppmということがまともではないか、こんなふうに思いますが、その点はどんなふうにとっておられますか。
○林部政府委員 お答えをいたします。 私どもの大気汚染健康影響調査の発表に際しまして、報道関係の方に私どもからこの調査の内容についての御説明をいたしております。その御説明は主として、大部の報告書そのものは大変でございますので概要ということで、この調査は、御案内のとおりでございますが、児童に対する調査と成人に対する調査と二つございます。児童に対しまして疫学的な立場からかなり大がかりな調査をしたというのはこれが初めてだと私は思います。従前の調査は成人を中心になされておりますし、硫黄酸化物が非常に高いレベルだという時代には随分たくさんの報告等もございますが、窒素酸化物につきましては、前回現行環境基準の改定に当たりまして俗に六都市調査と言われておるような調査も行われたということがございますが、過去の調査と今回の調査との連続的な関係はどうなるのか、つながりはどうなるのかというあたりにつきましては、調査のスケールが非常に違いますので、率直に申しますと、直にはなかなか比較はできないという問題があると思います。 したがって、先生のおっしゃる安全率に対する私どもの現在の考え方は、これだけ大がかりな調査をやっておりますので、安全係数というのは、余り理論的なものは根拠がなくて、専門家がお集まりになって、調査も不十分だから、健康を擁護するという立場で、俗な言い方をすれば保険を掛けるような意味で安全係数というものを見込む、こういう御発想があったのではないか。したがいまして、今回の調査では私ども安全係数ということについてはそう深刻に考えずに、この調査結果そのものに基づいて物を言ったつもりでございます。 それから現行の環境基準と比べてどうかということにつきましては、報道関係が私の説明いたしました言葉を受けとめてお書きになった表現というのは、それぞれの新聞によって表現は違うと思いますが、今回のこの疫学調査から直ちに現行の基準を変えなければいけないというような所見があるとは私は理解してないのです。そういうふうには受けとめておりません。おおむね現行の環境基準というのは妥当なところではないか。もちろん旧基準をどう思うかとか現行基準をどう思うかとか、いろんなことがございましたけれども、その中で、環境基準というのは厳しいものが理想的であるということについては私は否定はしない、そういう意味では旧基準は現行のものよりより理想的なものである、その点は私は同感だ。ただ、現行の基準が今回の疫学調査から見ればおおむね妥当なレベルのものというふうに思っておるということは申し上げた、そういうことでございます。
○岩垂委員 事実関係として年平均〇・〇二ppmないし〇・〇三ppmから慢性気管支炎の主要な症状が生まれるということ自身の事実関係の確認で、私はあなたとのやりとりの中でこれ以上するつもりはございません。 この前の環境基準の議論のときに、また引っ張り出して恐縮ですが、例のクライテリア議論というものがございました。これはいわゆる健康への偏りということでございましたけれども、現実にはもう症状が出ているわけです。つまり症状というのは健康が損なわれているという実態が出ているわけですから、それ自身は、私は旧基準の考え方というものが理想的だとおっしゃった意味のことはとらえておきたいと思います。と同時に、旧基準の方が人間の健康を守っていく上では非常に重要な一つの基準であるということは、これは論争になっていつまでも長くなってはいけませんから、私は表明だけをしておきたいと思います。 そういう認識に立ってみますと、この報告書についていろいろ意見があっちこっちから出ています。これもこれもそうですけれども、特にこっちの方、経団連の側が、大気汚染の人体影響というのは薄められたという見解を出しています。こういう見解というのは環境庁としてはいかがお考えですか。
○目黒政府委員 先生が御指摘になりましたように、この報告書のポイントと申しましょうか、結論という部分につきましては、次のような表現がなされているわけでございます。 報告書は大体五章から成っているわけでございますけれども、委員会報告のポイントといたしましては、一つは、現状の大気汚染が健康に何らかの影響を及ぼしている可能性は否定できない。しかし昭和三十年から四十年代の四日市や川崎という地域の慢性閉塞性肺疾患……
○岩垂委員 ちょっと待ってよ。その説明を聞く時間はないのだよ。そうじゃなしに、経団連が、あなた方がこれを発表したときに、要するに大気汚染の人体影響というのは薄められているという認識のもとで談話を発表しておられます。これについてどう思うかということだけ率直に答えてください。
○目黒政府委員 それは今これから申し上げるところだったのでございますが、報告書の中では今御指摘のような三十年代、四十年代とは大気汚染の状況が違う、こういうことについては報告されているわけでございます。したがいまして、経団連の方でもそのような考え方があるという御指摘があったのではないかというやに聞いておりますけれども、そういう事実があるわけでございます。
○岩垂委員 どうも何を言っていらっしゃるのかよくわからないのですが、昭和三十年代などと比べればよくなったということを殊さらに強調することをねらっているというふうに思わざるを得ないのです。確かにそれは三十年代から改善されていることは事実ですよ。だけれども、そこのところを人体への影響が薄められたというふうに簡単に割り切ってしまうことはいかがなものかと私は主張しているわけです。だから、それはまあいいです。ここのやりとりをしても平行線になってしまうでしょうからやりませんが、昭和五十九年度に東京都の環境保全局が自動車の沿道測定結果というものを発表しています。これは環境基準達成率が前年度三六%あったものが二〇%に下がってしまっています。これだけ実は悪くなっている。 特に大型車の増加、そのための公害対策の技術的な限界というものがやはりある。こういう状態で沿道の自動車公害は三十年代に比べると非常にひどくなっている、こういうふうに私は指摘をすることができると思うのですが、三十年代よりも改善されたというのは一般環境のことであって、自動車沿道についてはもっとひどくなっているという事実関係の認識をお持ちでございましょうね。その点はイエスかノーかお答えください。
○林部政府委員 お答えいたします。 窒素酸化物のレベルの議論につきましては、現在の沿道における状況は、環境基準を達成できない状況でございますから、その意味では決してよくなっているということはございません。
○岩垂委員 よくなっているなどという程度のものではないのです。悪くなっているという認識を持っておられるかどうかと聞いたのです。くどいようで恐縮ですが。
○林部政府委員 私の申し上げた意味は、三十年と比べてとおっしゃったものですから、現実に自動車に対する規制が、四十八年以降ガソリン・LPG乗用車に対する五十三年度規制を含め強化されてきていますので、その意味では改善の傾向も認められるけれども、その環境基準を達成できていないという点ではよくない状況だ、そういう意味で申し上げたつもりでございます。
○岩垂委員 今、東京都の例を申し上げたのは、三六%まで環境基準をクリアしていたものが二〇%に下がっていますよ、つまり環境は悪くなっていますよ。それは大型車がふえていることや技術限界もありましょう、そういう事情でむしろ悪くなっているという事態を指摘したわけでございます。まあいいでしょう。 この報告書でNOxの健康被害というのは灰色だというふうに書いてございました。新聞もそうですし、そういうふうに言っているわけでございます。確かにそういう面も否定するものではございませんけれども、やはりNO2というのは複合汚染の引き金の役割を果たしている。だから、各種の汚染物質の総合指標としてこの問題を取り上げていかなければいけないな、これは学会などでもそういう見解に大体なってきていると思うのですけれども。そういう複雑な大気のメカニズムの中で、しかも低濃度長期暴露について灰色だというものが出たことは画期的だと私は指摘をしておきたいのです。したがって、この報告書に、NO2についてはますますその対策の重要性が強調されているものだというふうに私は理解したいのですが、その点はやはりそのように環境庁もお考えでございましょうか。
○林部政府委員 御指摘のように、窒素酸化物対策が現在私どもの最重点課題であることはそのとおりでございますから、私どもとしては現在以上に窒素酸化物対策、特に移動発生源対策を充実していかなければならない、そのような認識に立ちまして努力しているというような状況でございます。
○目黒政府委員 ただいまの先生の御指摘でございますが、専門委員会の中では、報告の中にも一部そういう形で触れていることは事実でございますが、表現といたしましては、局地的汚染の影響という形で先生方としては御議論があったという事実があるわけでございます。
○岩垂委員 局地的というのは沿道のことを言っているのですよ。こんなことは言うまでもないと思うのですが。その点、違うのですか。
○目黒政府委員 この専門委員会の御報告の中で、局地的汚染についてということでございますが、これは沿道のほか、ビルの谷間等々の問題とか、局地的に固定発生源からも出てくるものもあり得るということで、そういう沿道なり局地的な汚染の問題が従来の調査等ではひっかかってこないこともあり得べしということで、今後の研究課題ということで専門委員会では触れておられるわけでございます。
○岩垂委員 この委員会の答申を受けて、今度は制度検討委員会に入るわけですね。そのメンバーを明らかにしてほしいと思います。人選の背景みたいなものを御説明いただきたいと思うのです。
○目黒政府委員 このメンバーでございますが、中央公害対策審議会の環境保健部会におきましてお決めいただいたわけでございます。これは、従来の医学を中心といたしました専門的な科学的な委員会とは相異なりまして、制度面の検討が中心に相なろうかということから、法律とか経済とか行政といったような三者で構成をいたしたものでございまして、こういうことのほかに、鈴木委員長、専門委員会報告の委員長には随時御出席をいただくというふうな形でなろうかと思っております。
○岩垂委員 背景を申しますと、専門委員会のメンバーは入っていませんよね。鈴木さんが随時ということだそうですけれども、そういう委員会の構成でいいのですか。つまり、委員会の審議の継続性みたいなものは損なわれないのですか。
○目黒政府委員 これもあくまでも環境保健部会の御議論の結果でございますが、鈴木委員長が医学の専門委員会の全体的な取りまとめ役ということで、総括して随時お入りいただくということで十分反映されるのではなかろうか、このように考えておるところでございます。
○岩垂委員 やはりちゃんとどなたか入って、そういう議論の経過をその委員会の中でも、つまり専門的な研究ですからね。私は新しいメンバーが専門的でないと申し上げるつもりはございませんけれども、そういうことはきちんと継続的に対応していくことが絶対必要だと思うのです。 私、個人の名前を申し上げるのは恐縮ですが、加藤寛先生を初め、多くの人たちが新しく入りました。個人のことを言うのは恐縮ですが、加藤先生が出てくるとどうも国鉄の民営・分割と同じように行革というイメージしか出てこないのです。この公害対策の方もまた行革なのかなというふうに思うのですが、それはそれとして、どういうお立場で御参加をいただいたわけですか。
○目黒政府委員 やはり、先生は経済学部の教授でもございます。したがいまして、先ほど申し上げました法律、経済、行政等の中の経済の面も加味いたしまして、広く学識経験ということでお入りいただいているわけでございます。 なお、先ほど先生から御指摘ございました継続性の問題でございますが、やはり当然、医学の専門委員会の報告を踏まえまして、十分この中で御審議がいただけるものと考えているところでございます。
○岩垂委員 諮問事項はどんな内容になりますか。
○目黒政府委員 これは先生御承知のことと思いますが、五十八年の十一月に環境庁長官が中央公害対策審議会に対しまして、我が国の大気汚染の態様の変化を踏まえまして、公害健康被害補償法第二条第一項に係る対象地域、いわゆる大気汚染系の疾病に係ります第一種地域の今後のあり方について諮問をしたわけでございます。
○岩垂委員 この制度検討委員会、もう委員は、金沢委員長初め、発表なすっているわけですか。
○目黒政府委員 委員につきましては発表になっているわけでございます。
○岩垂委員 小委員会の検討期間はどの程度のことをお考えになっていらっしゃいますか。
○目黒政府委員 検討期間につきましては、この事柄の内容等を踏まえまして、慎重にかつできるだけ早い時期に御検討いただきたい、このように考えておるわけでございます。
○岩垂委員 例えば来年度予算というようなスケジュールを頭に置いてということは考えなくてよろしいですね。
○目黒政府委員 私どもは、現在の段階ではまだ、作業小委員会といったようなものにつきましてもこれからお諮りしなければならない状況でございますし、できるだけ早くということを考えているわけでございますが、あくまでもこれは部会あるいは小委員会のお決めいただくことではなかろうか、かように考えているところでございます。
○岩垂委員 にもかかわらず、委員会というのは週何回というようなことが大体ルール化されているわけですが、六月か七月に結論を出す、早くお願いをしますというようなことを申し上げようとはしていないことを御答弁いただけますか。つまり、そんなに拙速ではないということだけは保証できますか。
○森国務大臣 この問題は現在の環境庁にとりまして最大の課題だと考えております。そういう受けとめ方をいたしまして、私といたしますと、私の在任中にはどんなことがあっても結論を出したいという気持ちで今おりますことを御承知願いたいと思います。
○岩垂委員 そこが問題になってくるのだ。同時選挙があるのかどうかわかりませんけれども、環境庁長官いつまでやっていらっしゃるのか正直なところ私にもわかりません。私の開かんとした意味は、予算の編成というのは大体大蔵との交渉を含めて六月ごろまでに結論を出してほしい、そして来年度からというふうなことになりはせぬかということが心配なんです。問題は、委員会ができて、大体週何回というルールがあって、そして慎重にということになれば相当長い期間を私は考えるわけですけれども、片方でいうと、今長官が在任中ということになりますと、六月選挙があったらどうなるかということを私も考えざるを得ないわけです。だから、来年度予算ということは考えなくていいのですねと私は申し上げたのです。
○目黒政府委員 先ほど申し上げましたように、その点も含めましてできるだけ早くということを私ども申し上げているところでございます。
○岩垂委員 何か予算に縛られて、そしてまた政治的な介入ということを申し上げるつもりはございませんけれども、政治的に科学を処理していくというふうなことのないように、慎重にきちんとやっていただきたいということだけは申し上げておきたいと思うのです。 これは環境庁の基本的な姿勢というものを私は伺っておきたいのですけれども、委員会に任してしまうと言われればそれまでなんです。しかし、にもかかわらず、どうも産業界から非常に強い要望が出されていて、SO2を要件としている以上はそれが基準以内となったのだから指定を解除しろあるいは緩和しろという議論が現実に起こっておるわけです。これに対して環境庁としては、これは私の仄聞でございますが、現行の認定患者に対する措置は維持するということを言ってこられたように思います。その点は確かかどうか。 それから、そうなりますと、どうも私の憶測かもしれませんが、新規の患者の抑制というふうに道を開いてしまうのではないだろうかという感じも私としては受けとめざるを得ないし、そういう見方もございます。その点はどうかということと、その場合に抑制の手段として、業界の意向を受け入れて、SO2の基準達成地域についてはこれを外していく、そしてNO2については環境基準を指標として、結果的にはこの新しい方式でもってだんだんSO2の方は解除してしまうというふうにやっていこうというもくろみがあるのではないだろうかという受けとめ方を私もするわけですが、その点について、三点にわたっての明快な御答弁を煩わしたいと思います。
○目黒政府委員 先生御指摘の三点につきましても、これは極めて大切な問題であるというふうには考えておるわけでございます。しかしながら、この辺につきましては、また先生御指摘の点についても御意見の一つというふうに私ども承っておるところでございますが、いずれにいたしましても、この制度にかかわります問題につきましては、この間出ました専門委員会の報告を踏まえまして環境保健部会で御検討をこれからいただくところでございます。 したがいまして、環境庁といたしましては、この中央公害対策審議会の御答申をいただいた上で適切に対処してまいりたい、こういうふうな考え方でいるわけでございまして、御指摘の三つの点につきましても、これは皆制度面の問題ということでこれから私ども審議会の御審議をお待ちしていく、こういうような状況でございます。
○岩垂委員 しかし、公式であるか非公式であるかは別として、今までの患者については解除するようなことはしないということも言ってこられたように思いますが、いかがですか、環境庁の今までの姿勢として。
○目黒政府委員 私どもの方といたしましては、いろいろそのような御指摘を含めました御意見があるということについては承知をいたしております。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、これは大変重要な問題でもございますので、私どもはそれにつきまして明確な考え方というものをこれまで出していないというふうに考えておるところでございます。あくまでも今後の問題、こういうふうに考えておるところでございます。
○岩垂委員 専門委員会の報告書の中で、沿道対策に留意するようにというふうに指摘をされています。現在、沿道の基準達成というのは非常に困難であるということもはっきりしてきました。それだけでなしに、その被害もまことに憂慮すべき事態に至っているというふうに言わなければなりません。 実は、三月二十六日の朝日新聞で東京都の衛生局の調査の結果が明らかになっています。それは「大気中の二酸化窒素が人体に与える影響について、都衛生局が、都心部と郊外部の児童らの健康状態を比較調査した結果、汚れのひどい都心部ほど肺機能が低いなど、車公害が子どもの健康を害しているという事実が明らかになった。」これは細かい数字を私は申し上げるつもりはございませんけれども、こういうふうに被害がはっきりしてきているわけですね。これに対して環境庁はどんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○目黒政府委員 ただいま御指摘の東京都の調査でございますが、これはまだ全体的なものとしてきちんと取りまとめられてはいないということで、公表の時期等もまだ明らかになっていないというふうに承知をいたしております。しかしながら、中間報告という形で報告をされた部分につきましては、この一部は専門委員会においても十分に御検討いただいたところでございます。したがいまして、私どもの方といたしましては、この点につきましてもあくまでも、中間報告ではございますが、専門委員会の御報告の中にディスカッションとして入っており、その結果としての御報告が出たというふうに私ども考えておるところでございます。
○岩垂委員 私の伺うところによると、ちょっと見解が違うわけですね。私は吉田先生に聞いたんです。この結果というのは正確だ、確かに中間報告という面はあるけれども、一つの結論は出ているというふうにおっしゃっています。それから余り申し上げたくないのですけれども、これは先生ではないのですが、都庁のお役人さんが、国から圧力がかかっていますので急いでやるということは余りしませんというようなことを公言していらっしゃるということも、私、直接個人の名前を出しませんけれども、言われています。だから、今あなたからこういう結果というものを反映しているということを伺ったので、それはそれなりの対応をなさっていらっしゃるなとは思うものの、今みたいなことを聞きますと、やや否定的なものとして対応しているんじゃないだろうかと言わざるを得ない面もございますものですから、これからの検討過程も含めて、こういうものを可能な限り配慮していただきたいなということだけ注文を申し上げておきたいというふうに思います。 そうなりますと、いよいよこれは沿道といいましょうかNO2といいましょうか、そういう問題がかなり重要な要素を占めてくるわけでございまして、これはやや技術的な問題に関係をするわけですけれども、かねてから私、この委員会で何回か指摘をしたことをもう一遍指摘をしてみたいと思うのです。率直に言って、沿道の被害救済というのは今や差し迫った問題だという認識を持っておられますか。
○目黒政府委員 私どもは、先ほど大気保全局長の方からお答え申し上げましたようなことも踏まえておりますけれども、この救済その他につきましてはこれも大変重要な問題でもございますので、作業小委員会等の御結論を待ちたい、このように思っておるわけでございます。
○岩垂委員 被害が出ているんです。救済の方法はどういう方法があるかは別として、それに対する手だてを放置するわけにはいきません。その意味では、環境庁としては被害が出ている現状に対して対応しなければならないという認識に立っておられるかどうか、この点だけはお答えをはっきりいただぎたいと思います。
○目黒政府委員 私どもの方といたしましては、大変重要な問題でございます。したがいまして、救済ということにつきましては私ども現時点では作業小委員会の結論あるいはこの環境保健部会の答申を待って適切に対処してまいりたい、このように思っておるところでございます。 しかしながら、いずれにいたしましても大変重要な問題であるということでございますので、直接的な明言は差し控えさせていただきたいと思っておるところでございます。私ども、現在の時点では小委員会の御意見待ち、それから医学の専門委員会の中での御意見もあるわけでございますので、そういうものを踏まえまして今後対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○岩垂委員 私は、好むと好まざるとにかかわらずという言葉をまくら言葉につけますが、救済の手だてを講じなければならない時期が来ているというふうに判断します。 その場合に、これは委員会でこの前も申し上げたことがあるのですが、これは林部さんにも申し上げたのですけれども、例えば沿道の被害地域の自動車排ガス測定点というものを設置する場合に、借り上げができる、できないの条件がありまして、事実問題として、適当でないと言えばおかしいのだけれども、本当にねらったところから離れたところに測定点を置かなければならないという事情が現実に現場にはあるわけです。私は、これでは正確なデータというのは反映できないと思うのです。そういう点で、被害を救済する、しないという前提に立たなくても、少なくとも測定点の設置などの問題を含めて測定体制というものを一層強化しなければならぬ、こんなふうに思います。これが第一点です。 それからもう一つは、NOからNO2への変化、あるいはそれが低煙源から排出されて沿道のどんな範囲でどのように汚染が広がっているかということを割り出す調査というのは今やどうしても必要になっていると思うのですが、環境庁はこんなことについてはどんなふうに配慮されておられるか。これは具体的な施策としてこれから当然必要になってくると思うのです。その点についての御見解を承りたいと思います。
○林部政府委員 お答えいたします。 測定体制の問題でございますが、その前段として、実は現在、交差点近傍も含めまして、車道局、自動車排ガス局と呼ばれておるものがございます。これは先生御承知のとおりでございます。そういう交差点とか自動車沿道周辺の測定局の一つ一つの属性というものについて、実はもう足かけ二年ぐらいになるのですが、私どもいろいろと内部的に検討もいたしておりました。 その問題につきましては、昨年四月に窒素酸化物の対策を進めなければいけないということで検討会を発足させたことは御案内のとおりでございます。昨年の四月から十二月までの作業の段階でも、結局沿道の測定局についてはその属性というものについてもっと十分検討する必要があるのではないかということが一つの検討のポイントになっております。これは昨年中期展望で私どもが一つの予測と一つの政策の方向というものをお示しした時点でも、将来に残された課題ということになっております。したがいまして、窒素酸化物対策検討会は別に解散したわけでもございませんし、現在も動いておりますので、今御指摘のありました体制強化ということ、そのものずばりではありませんけれども、沿道での窒素酸化物がどういうような分布をしているのか、どういうふうに拡散していくのか、それはモデル化した場合にどういうふうに考えられるのか。これは結局、最後はシミュレーションモデルの問題に戻るわけでありますけれども、そういう点では沿道局というのは一つ一つが非常に特色がございますし、それから周辺の建物が変わるとこれまた変わるということでございまして、東京、神奈川、大阪の自治体でも今いろいろと蓄積がふえつつありますけれども、いわゆる一般局のような形ではシミュレーションモデルにのせて予測するということはなかなか難しゅうございます。そういう意味では、今先生御指摘の体制強化ということも当然含まれるわけでございますけれども、自動車排ガス局、車道局も含めて道路周辺の測定局の属性については現在まだ検討しておるということでございます。 それからNOxについて、つまりこれは自動車から出るときは大部分がNOでございます。それが空気中のオゾンを取り込んでNO2に変わっていく。これもここ十年来知見が徐々に蓄積されてきておりまして、そこら辺の結果は昨年の予測の段階でも予測モデルの中に若干取り込んでおりますけれども、沿道でのNO2の生成過程につきましては、モデルでどのように予測するかということも含めて、これも中期展望の中の今後継続して検討すべき課題ということに挙げられているわけでございます。 ですから、今どう考えているかという御指摘でございますが、その二点は、私ども大気局の行政は予防行政でございますから、将来に向かって健康を担保していくための対策でございますが、そういう点ではおっしゃるように測定体制の強化は必要でございますし、将来対策が本当にうまくいっているかどうかというのを見きわめる上でもモデル化して予測をすることは非常に重要でございます。そういう意味ではその辺はまだ検討を続けているという状況でございます。
○岩垂委員 私、正確に記憶していないのですけれども、去年東京で大気汚染協議会というのが開かれたときに、たしか横浜の公害研だったと思うのですが、百五十メートルだか二百メートルだか正確に覚えていないのですけれども、沿道の両側に汚染が広がるという報告があったように思うのです。たしかそういう報告が横浜の公害研のデータとして報告されていますが、こういうことについては大気保全局長はどういうふうにお考えですか。
○林部政府委員 先ほどるる御説明申し上げました中にもお答えが入っていると思いますが、まだモデル化して予測ができるというところまではなかなか難しい問題がございまして、個々のケースレポート的な形でいろいろなお立場での発表は学会にはされておりますけれども、各自治体のレベルでもまだこういうような測定局はこういうふうに予測できるというようなところまではいっていないと思います。
○岩垂委員 私がなぜそういうことを申し上げたかというと、これから沿道の問題、窒素酸化物の問題、そのことを放置することはできないと思いますので、それにはそれなりの科学的なきちんとしたデータをもって、無論時間もかかりますけれども、対応しなければいけないときが来ている、こんなふうに思います。そういう問題点を指摘した上で、沿道の被害住民に対してこの健康被害補償法の制度というものを適用する必要があると私は強調したいと思います。 つまり総合測定室中心の地域指定を沿道にまで広げる、これは技術的にはかなり難しいことがあることは私もわかります。わかりますが、どこで切るか、切らないかというような議論を含めて、その技術的な困難さにもかかわらず、あえて基本的方向としてはこの制度を沿道そしてNO2というものに広げていく必要があるなど私は思います。その点は長官にお尋ねしてもよろしいと思うのですが、いかがでしょうか。
○目黒政府委員 御指摘の点につきましても、先生の御意見は一つの御意見ということで私ども承っているところでございます。また、このような御意見も今後審議会の中で議論をされているもののうちに恐らく当然一つ入るのではなかろうか、こういうふうに考えているところでございます。
○森国務大臣 待ちに待ったという言葉を使ってもいいと思いますが、ようやく専門委員会の報告が出てまいりました。先生先ほど拙速ではいかぬとおっしゃっておりましたが、この部会でワーキンググループによって作業がこれから進められると思いますが、おっしゃるようになるべく早く、この席で言っていいかどうかわかりませんが、私は同時選挙反対の河本グループでございますから、私は十月まで生命があると思っておりますが、一刻も早い時期に、予算という問題ではなくて、早い時期に結論を出して国民の皆さん方にいいお答えをしたいと考えております。
○岩垂委員 予算ではなくてできるだけ早くという御答弁で私は結構だと思うのです。やはりどうもファイナンスの方に縛られてしまって、急げ急げといってとにかく切り捨ての方向でやられたのではたまったものではない。しかし、被害の状況を考えるならばできるだけ早くやる必要があるという点で、長官の答弁で私は大変安心をいたしました。まだ半分しか安心していませんけれども、理解をしたいと思います。 今、経団連の中でも固定と車の負担割合の八対二というものを改善をしろ、車をふやすべきだというような意見もあります。実はこれはもう私、専門家にいろいろ聞いてみたのですが、東京では大気汚染の発生割合というのは車が八で固定が二だというのですね。ところが、寄与率でいうと大まかに見てフィフティー・フィフティーだというのです。私はちょっとこれはびっくりしたのですが、外からの流入も含めて大体こういう方向になるというのです。そういう調査結果があるとすれば、このパターンをもとにして当面フィフティー・フィフティーにすることも因果関係説から見て考える価値のあることだなという感じもしますが、これも委員会待ちですか。そんなに委員会得ちばかりでなくて、環境庁が基本的なスタンスというようなものをここでは示していただきたい、このことをお願いをいたします。
○目黒政府委員 やはり第一種の地域にかかわります費用につきましては、先生御指摘のように大気汚染の主たる原因である工場の煙突等の固定発生源、それから自動車、それぞれ大気汚染の寄与度に応じて負担を求めるということにしてあるわけでございまして、汚染者負担の原則を踏まえた仕組みになっていることでございます。したがいまして、固定発生源については、細かな点にもわたりますけれども、前年のSOxの総排出量に応じて、地域の大気汚染の状況に応じて決められた料率を乗じまして、それぞれの事業者から徴収をしているというふうな現状にあるわけでございます。しかしながら、今先生の御指摘の点につきましても、これはやはりいろいろな御意見があるということについては私ども承知はいたしておるものの、これを実際にどのような形で持っていくかということ等につきましても、これまた大変重要な問題でもあり、審議会の結論を待って対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○岩垂委員 そういうふうに審議会審議会とおっしゃるわけですが、それではもう一遍戻らなければいかぬことがあるのです。この検討委員会の中に加害者は入っているが被害者は入っていないという問題がやはりあるのです、中公審のメンバーの中でですね。特にまたこの委員会の中で、被害者をきちんと入れてそういう議論にかかわっていただく、意見を述べていただくというようなことをストレートに受け入れるならば、私はそれなりの結論が出てくるなというふうに思いますが、その点はどうですか。私は何回か委員会のたびにそれを言っていますから、改めてこの辺で色よい御返事をいただきたいと思うのです。
○目黒政府委員 これにつきましては、私も何回かお答え申し上げておりますように、環境保健部会の委員のメンバーは学識経験者ということでございます。そしてまた、環境保健部会のメンバーの中には大気汚染と健康の影響にかかわる研究者あるいは実際に認定にタッチしておられる先生等も含まれているところでございます。したがいまして、私どもの方といたしましては、当然患者の方々の御意見というものもこの審議の中に踏まえたものが行われるであろう、こういうふうに考えているところでございます。
○岩垂委員 行われるであろうと思いますじゃなくて、環境庁としても、きちんとやはり被害者の意見を委員会の中に反映させるために御努力をいただきたいということを申し入れていただけますね。
○目黒政府委員 環境保健部会の中でも、前に審議会の中で一度患者さんたちの代表が入って、代表の一部の方から御意見を聞いたということがあるというふうに私ども承知しているところでございます。また、今回も当然被害者であります患者さんの代表の方々の御意見をこの審議会としても聞くための場をつくるというふうなことはなされるであろうというふうに考えております。
○岩垂委員 私はこの問題を議論していく負担の問題というのを考えると、自動車の負担というものを考えると、どうも揮発油税方式あるいはメーカーが負担をするというふうな方法も考えていかなければいけないなというふうに思います。それは意見だけでとどめておきますが、そういう総合的な施策というものが必要になってくるな、しかしそれは固定発生源の負担を免罪をするものではないということを前提にしながら考えているところでございます。 沿道問題で最も必要なのは、やはり大気汚染の改善対策だと思うのです。林部さん、この前からやりとりをしてまだ決着がついていないのですが、NO2の環境基準の達成の手段とそのスケジュール、とりわけ沿道対策について、絞って結構ですから、もし対策とそのスケジュールがございましたら御答弁いただきたいと思います。
○林部政府委員 方向につきましては、もうごらんをいただいております中期展望の中でお示しをいたしております。それから、具体的な取り組みとしては、中期展望より先に、これはトラックを中心ということになるわけでございますが、既に中公審の大気部会に御諮問申し上げまして、単体規制についてお取り組みをいただいておりまして、二月の下旬から三月いっぱいにかけて、既に発足をいたしております専門委員会が、メーカーサイドからのヒアリングも一応一通り終わっております。そういう意味では、ディーゼルトラックが主になるかと思いますけれども、そこら辺の問題はこれからそういうヒアリング等の結果も踏まえて専門委員会の中で御議論がだんだん詰まっていくだろう、そこで方向が出てくれば当然それは部会の方に、つまり単体規制の問題としては出てくると思います。 それから、一方いわゆる量のコントロールの問題でございますが、これは従来から自治体レベルでもいろいろな試みがなされておりますし、東京都も最近その取り組みについて一つの方向を、また私どもの中期展望も踏まえてお出しになったようでありますから、我々としては、関係の省庁、運輸省とか警察庁とか建設省とかいろいろあるわけでございますが、そういうところとも調整をしながら、いわゆる物流の効率化と申しますか、輸送の共同化と申しましょうか、そういうようなことも含めて輸送の効率化問題、物流の効率化問題というものについてどの程度具体化できるのかというのがもう一つ課題になってきております。 これは従来から自治体レベルでいろいろやられていることが依然として続いているという一面がありますから、そういう意味ではこれは継続をいたしておりますが、これをさらに計画的に進めるためにはということで、私ども具体的に運輸省と研究調整費を用いまして、いわゆるテストケースとして限られた範囲内での合理化、効率化というものがどの程度までできるかということについての見きわめをしたいということで、その調査研究が今進行中でございます。そこら辺がもう少し固まってくれば、そういうものを実際にシミュレーションモデルの中にほうり込んだ場合にどのくらい効果が上がってくるのかということも当然出てくるわけでございますから、そういうことも見きわめた上で十分関係者に納得をいただいた上で具体化を図っていかなければならぬ、こういうことではないかと思っております。 単体規制と全体に対する取り組みというのは大まかに申しますとそういうことになっております。
○岩垂委員 今単体規制の全体のことは伺いました。しかし、大型車の技術限界というのはおのずから明らかだと私は思うのですね。同時に車がどんどんふえているわけです。そういう意味では、やはり総量規制という考え方に立たなければもはやどうにもならないというふうに私は思いますが、その辺のところは、そういう問題意識が頭の中にかすめることはございませんか。
○林部政府委員 もう既にモータリゼーションが形成されておりますし、それから我が国の物流の中に占めるトラック輸送というものも非常に大きな形で既に存在しております。また、大都市の住民は非常に多様化したニーズをお持ちでございますから、いろいろな物資が全国から集められてくる、その集められることに絡んでいろいろな物価の問題等もございます。 そういうようなことを考えますと、かなり定着したものを取り上げるということはよほど御納得のいただける形でないとなかなか実現ができないというふうに思っておりますので、今私が申し上げたことの意味は、先ほど申しましたように、具体的に総量削減的なことを行った場合に、それが現実に環境基準の達成にどのくらい効き目があるのかということについてもある程度は、これは非常に厳密な意味で言うと、定量化して説明するというのは難しいのですけれども、少なくとも単なる定性的な議論よりは、もう少し定量化できた議論というものを踏まえて納得いただくように努力をいたしませんと、なかなか御協力がいただけないということもございますので、そういう意味で先ほど申し上げたようなお答えにとどまらざるを得ないということでございます。 おっしゃるように、もうそれは総量規制というものが簡単にできるのであれば恐らく有効だと思います。御案内のように、例えばお正月なんか非常にきれいになるのですから、絶対量が減ればよくなりますし、それともう一つは、渋滞問題をどういうふうに解決するかということももう一方で考えなければいけないということがございますから、今のままで、沿道がはかばかしくないから直にすぐ総量規制するのだというふうにはなかなか直結はしないのではないかと思っております。
○岩垂委員 今東京湾の横断道路というようなことが問題になっております。一日三万台とか四万台とか言われている。率直に申し上げて、関東一円の道路網もこれを軸にして大きく動く気配がございますね。私は、やはりそういうときにこそ自動車の交通量というものを削減していくなどを含めた手だてを考えなければいけないと思うのです。 実は、かつて環境庁で自動車交通量削減検討委員会とでもいいましたか、そういう委員会で答申を行ったことがございます。林部さん御記憶がどうか――やはり私の方が知っているのかな。そういう中で大型車の低公害走行ルート、つまり住宅から離れたところへ大型車を走行させるようなルートを考えるべきだということの問題指摘もございます。私は、これは非常に重要だと思うのです。その今の検討委員会の答申だけでなくて、今日の条件の中で、つまり関東一円の道路網というものが、外環などを含めて非常に大きな転換をしようとしている、こういうときに、事前に今のような大型車の公害を抑えるための走行ルートみたいなものも頭に描いて考えていく必要があると思います。環境庁長官、これが決め手ですよ。決め手というか、これが非常に重要な要素ですよ。その点についていかがお考えか、御答弁をいただきたいと思います。
○森国務大臣 実は東京湾横断道というのは私の地元の問題でございまして、これは環境庁長官になる前からずっと常日ごろ考えておることでございますが、房総半島の自動車がそのまま東京に入ってきたらえらいことになる、したがって、木更津のあの近辺に大きな駐車場をつくって、そこまではそれぞれ車で来ても、後、バスに乗って東京へ入っていくとか、そういったことを千葉県としては考えなければいかぬなということを私はいつも知事に話しておるわけでございます。 今おっしゃることはよくわかりますが、時間がちょっと長くなって恐縮でございますけれども、当局は、やはり自動車から、殊にディーゼルエンジン車から窒素酸化物が出ていくという問題につきまして、私どもは、もとを少なくしていかなければしようがない、先生おっしゃる入ってくる車の台数を減らすこともさることながら、ともかくもとを減らさなければならないというような意味で、最近自動車工業会の幹部を呼んで、ともかく自動車メーカーの試験研究費の最重点費目にこれをやれということをよくお願いをしよう、こう考えておりますので、あわせてお話を申し上げます。
○岩垂委員 千葉の選挙区でございますから横断道路に大変積極的な姿勢をお示しになるのはわかりますが、受け皿の方は私ども神奈川の川崎でございまして、三万台の車が川崎に入ってくる、これは率直に言って排気ガスをどうするのか、交通渋滞をどうするのか、交通事故をどうするのか、こうなりますと、川崎はウナギの寝床みたいなところですから、そこに受け皿の道路をつくりましたら公害と渋滞と交通事故だけいただくことになるわけです。これはメリットがどれだけあるのかという議論も地元では今それなりに行われております。 しかし、それをここで議論をしても議論になるわけではございませんけれども、そういうふうにまさに町の状況が非常に変化するときに、やはり削減を含めた手だてというものを一方で考えなければいけないと思います。単体規制の努力を強めていく、同時にやはりそういう車が走るルートを考えていくというふうに何段階かで考えていかないと、どうにもならぬのではないだろうかというふうに私は思います。これは環境庁の最大の課題だと思います。そういうことを認識をいただきたいと思うのです。 ところが、これは御答弁は要りませんけれども、今みたいに議論をしていきますと、東京で九五%というのは自動車が輸送の部分を負担していますね。九五%です。やはり国鉄を使ったらいいのですよ。貨物を使ったらいいのですよ。ただ、それさえなくしてしまうというのでしょう。率直なところ、やっていることが道なんです。あるいは今、林部さんおっしゃったように、道路計画、都市計画の見直しというものも含めて発展していけば、そのニュアンスにたどりつかなければうそだと私は思うのです。 今いろいろな対策が示されているわけだけれども、大気汚染防止法という環境庁所管の法律、それからもう一つ、運輸省でいえば運輸省所管の道路運送車両法、ヤドカリみたいな状態だと言っている人もいますが、言ってしまえばこの二つしかないのですよ。だから、どうしてもやはり都市計画や道路計画というものを進めていく場合に一それに対してきちんと勧告をしていくような自動車公害防止法みたいな法律をつくって、今言っている道路運送車両法だとかあるいは大気汚染防止法だとかいう縦割りの法律をきちんとまとめた上で、やはり全体計画、都市計画や道路計画というものをチェックしていく、そういう全国土をカバーする法律が私はどうしても必要だと思うのです。そういう認識を環境庁長官、政治家としてお持ちじゃございませんか、御答弁を煩わしたいと思います。
○森国務大臣 政治家として検討してみたいと思います。
○岩垂委員 もう時間がなくなってしまいましたから、健康福祉事業のことについて申し上げたい。 これはもう既に指摘されていまして、補償制度の中だけで処理するのじゃなくて、補償から予防へという考え方というのはみんな定着をしてきていると思うのです。だから、予防と回復というところに心がけていく対策を進めていかなければならぬというふうに思っています。 そのためには、例えば汚染地域について言えば、私ども川崎もそうなのですが、行政が対応していますけれども、定期的な一斉健診をやるとかあるいは軽症の患者を早目に掘り起こして予防あるいは回復を図るというふうなことがどうしてもやられなければならぬ。あるいは汚染地域の学校に空気清浄装置をつける、これはかなり進んでいるところがございますけれども、そういうこともやっていかなければならぬ。それから、保健所からヘルパーを派遣するというような保健所を使ったシステムをつくる必要があるのじゃないか。そして、健康管理をそういう形の中で指導していくというようなことも必要ではないだろうか。それから、リハビリテーションセンターというようなものができていますが、これをもっとふやして多くの患者がそれを利用できるように、転地療養ができるような手だてを講じてあげることが必要ではないだろうか。あるいはぜんそくの病院を設けなければ、一般の総合病院だけでは対応が不十分だということも患者の皆さんから聞いています。そういうグローバルな対策というものを考えていく必要がある。 これは実は日本環境会議などからも提案されているのですけれども、例の地域環境保健計画、基本的なものは国がつくって、地方自治体がそれを地域に見合ったものをつくって、公害防止計画と同じように内閣総理大臣の裏づけというか、そういうものを背景にしてやっていくべきだという意見もございます。こういうことなども今後の委員会の議論の中でせひお考えいただきたい。そして、業界の負担金をいわば基金にしてそういう財源に充てていくというふうなことをやっていけば、私は今の対策というものはますます前進をするのではないだろうか、こういうふうに思います。 それから、どうも最近は行革行革と言うものだから人減らしばかりになるわけですけれども、この仕事をやっていく受け皿としてはどうしても公害の健康に対応する行政組織というものをきちんとしなければいかぬ。人減らしばかりが能ではない。そういうこともこの場合には考えてみる必要があるし、同時に厚生省と環境庁の縄張りというようなものもあるわけでして、この関係をもっと密接にして総合的な施策ができるようにしていかなければならぬことがたくさんある。 こういう問題を含めてぜひ委員会の中では、単に部分的な問題でなくて総合的な行政として国のレベルで全体として取り組んでいく、そういう姿勢でお考えいただきたいと思うのですが、その点についての御答弁をいただきたいと思います。
○目黒政府委員 先生御指摘の日本環境会議の御提言等も私ども承知をいたしているところでございます。そのようなことにつきましても私ども御意見の一つということで承っており、この環境保健部会におきましても当然そのようなことについても御審議いただけるものというふうに考えているところでございます。
○岩垂委員 ちょっとお尋ねしますが、新規の有害物質の提言の中でアスベストが入っていますね。これは何か聞くところによると、東京都というのは町の構造からいうとこれから十九万棟くらいビルを壊したりしていくことになるんだそうですね、何かの書き物で見ましたけれども。これを放置するわけにはいかないと思うのですが、これはどんな手だてを考えていらっしゃるわけですか。
○林部政府委員 お答えいたします。 アスベスト問題に関しての私どもの取り組みについて申し上げることになるかと思いますが、五十年ごろから少しずつ取り組んできておりまして、ある程度蓄積を踏まえて、五十六年の時点で発生源対策というようなことで検討会を設置いたしまして本格的にいろいろと調査いたしました。この調査結果は昨年の二月に取りまとめて御報告をいたしております。つまり、現状の汚染状況の把握ということでやった調査でございます。現在の時点では、それぞれの地域地域の特性がございますから、そういうところで、バックグラウンドとして考えられるようなところとか発生源としてある程度頭の中に入れなければならないようなところの周辺とかといったことでいろいろ数値は違いますけれども、私どもが把握した範囲内では、昨年発表いたしましたように、現在のレベルが直ちに非常に危機的だというレベルではないということは既に昨年報告いたしております。 ただ、今先生御指摘のように、これは使うとどんどんそこに蓄積していきますから、それが散らばると困る。だから、用いられる場合にはできるだけ散らばらない形で用いていくというのが一つの原則になりますし、代替する物質ができているのであればできるだけ代替できるものにかえていくということが基本になると思いますが、過去に随分使われているものもございます。そうすると、それは古い建物を解体するときに散らばらないか。その場合に一番問題になるのは、解体の作業に従事する労働者の方が一番暴露を受けますから、上から水をかけたりして壊したりしていますように、要するに飛ばないようにする、そういうようなことが現実には行われております。 ただ、我々としては昨年の結果を踏まえまして、いろいろなところで継続的に監視をして、そのレベルの動きを追っかけていくということが一番現実的ではないか。今のレベルではトラスチックな規制をするほどのレベルではございませんので、いわゆる長期モニタリングということから手をつけていくというのが私どもの取り組み方でございまして、既に予算化しておりまして、六十年度で全国的に六十カ所近くのところでモニタリングを開始いたしております。そういう形で取り組んでいくというのが現在のスタンスでございます。
○岩垂委員 EPAのことは申し上げるつもりはございませんけれども、ILOなどもことしの秋ぐらいの議論の非常に大きな問題点になるということも聞いていますが、それは余り聞いておりませんか。 実は私ども横須賀なんかでそういう影響が出ていることがデータとしてはっきりしているわけです、健康被害の面で、しかも退職者を含めて。追跡をほとんどやってないのですけれども、追跡をやってみたらもっと広がるのじゃないだろうかというふうに言われていますので、その辺などについてももし御見解がございましたら御答弁をいただきたいと思います。
○林部政府委員 ILOはまだ各国の意見調整が最終的にできていないので、条約案がまだ継続審議中であると私理解いたしております。 それから、今先生御指摘の横須賀の問題、これは職域での暴露の議論ということになると思います。それの追跡といいますか、最近大阪でその辺の報告がされたということを新聞で拝見もいたしましたし、産衛学会の短い抄録も拝見をいたしましたけれども、まだ、そういう意味での長期間の追跡の調査研究というのはこれから少しずつ蓄積がふえていくという段階のものじゃないかと思います。何分にも特定の個人を長期間追跡して調べるということでございますから、私も実は昔労働におりましたので、ずばり申しますと、そういうような暴露を受けた可能性のある方に背番号をつけて一生追いかけることがお許しいただけるのであればそれが一番いい八ですが、それは基本的な人権の問題に触れるということで追跡調査は非常に険路がございます。ですから、そういう意味では大阪でなさったお仕事などというのは非常に貴重なデータだと思いますが、そういう非常な制約の中で、そういう個人の追跡が少しずつ行われて結果が出てくれば、これはこれで非常に有益なものだと思います。 ただ、アスベストの発がん性はもう既に周知の問題でございますから、可能な限り用いないようにしていくというのが基本的なスタンスということにはなると思います。
○岩垂委員 時間が来ましたからもうこれでやめますが、衆参両院の環境委員会では「最近における都市型複合汚染に対処するため、窒素酸化物等についても健康被害との因果関係を究明し、その結果に基づいて地域指定の見直しを行うこと。」という公害健康被害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議が何回か採択をされております。それで、私が今自動車の問題、とりわけ沿道の問題に絞って申し上げた意味は、これらの事態というのはもはや放置することが許されない。現実に周辺住民の健康に対してはかり知れない影響を及ぼしているだけではなくて、それがさらに深刻な事態になろうとしていることを強調したかったのであります。そして、この専門委員会の報告によっても、複合汚染という状態を考えてみるならば、灰色と言っていますけれども、これは率直に言えば黒であるということなども含めて、NO2の問題、地域指定の問題を真剣に考えていくべき時期に来ている、私はこのことを強調しておきたいと思うのです。 被害者の皆さんが本当に寒いときに暑いときに国会の周りや環境庁に、自分たちの健康を顧みずにも何とか自分たちの気持ちを生かしてほしいということを一生懸命に訴え続けている、そのやむにやまれない気持ちもしっかり受けとめていただきたい。何となく、財界が、業界が、お金の負担が多くなったからこんなものは面倒見れない、だから打ち切るという、いわば臨時行政調査会の発想からこの問題が続いているというふうに考えざるを得ない面も私どもにもあるわけでございまして、そういうことではなくて、純粋に科学的な結論に従って、被害者の皆さんに対して苦しい思いをこれ以上させない、せめて気持ちの上だけでも安心ができるような手だてを、環境庁として誠心誠意努力をしていただきたいというふうにお願いをいたします。 長官から最後に御答弁をいただければ、これでやめたいと思います。
○森国務大臣 今の先生のお話、例えば私ども環境庁が財界に対して遠慮するのではないかというようなおもんばかりにつきましては、環境庁というものは十五年たって、ようやく別の意味で雄々しく立ち上がっていかなければいけないいろいろな問題を内在していると私は考えております。したがいまして、そういうことは全くないということをこの委員会で私ははっきり申し上げたいと思いますし、やはり我々生きている限り、公害によって傷つけられたいろいろな国民の皆さんに対しては、金銭面では果たしてできるかどうかは別にしても、心から同情申し上げながら行政を進めていきたいと考えておるところでございます。
○岩垂委員 ありがとうございました。
○戸塚委員長代理 岡本富夫君。
○岡本委員 先ほどから公害健康被害補償法についての質疑がされておりましたが、私もこの問題に触れてみたいと思うのです。 この公健法はたしか四十八年でしたか、私はちょうど四十二年から当委員会におりまして、その後公害国会を乗り切って、そして、非常な公害の問題を解決しなければならぬということから、患者の問題を解決しなければならぬということで提案をいたしまして、こういう法律ができたわけです。 初めは、公害というのは何だということで、公害対策特別委員会という委員会でありましたが、公害対策並びに環境特別委員会になり、やっと常任委員会になっておるわけでございます。 私、その間をずっと見ておりますと、環境庁の姿勢が弱い。三木副総理が環境庁の長官になってから非常に環境庁の力が出たような感じで、例えば国道四十三号線の一車線をつぶしてグリーンベルトをつくったとか、こういうことも三木さんのときに初めて進んだと思うのです。したがって、今度はその系統といったら悪いのですが、森長官が環境庁長官になられて、私は非常に期待をいたしておる。僕とよく一緒にやってきた社会党の島虎さんという人がおりまして、この人が、特に御婦人の政務次官のときには、北海道に熊は何匹おりますか、そういうことをよく最初に質問されておりましたが、そのあたりから二人で環境については随分頑張ったわけです。 先ほどから話を聞いておりましても、硫黄酸化物は若干減ったけれども、窒素酸化物の被害が非常に出ておる。これは、一つは窒素酸化物の環境基準が改定された。すなわち、財界の力によって〇・〇二ppmが〇・〇四から〇・〇六になった。このあたりも環境庁が押し切られた一つの例です。これは森長官と違いますけれども。こういう一つの姿勢もありますし、それから、せっかく環境庁で決めたところのアセスメント、これも財界の圧力によってとうとうこの国会にも法案を出すのをやめてしまったということで、今、先ほどから話がありましたように窒素酸化物の被害で患者がまた続出してきておる、こういうことを考えますと、環境庁の姿勢をぴしっとやっておけば後の患者がふえなくて済むし、国民の健康も守られる。 厚生省は別として、国民の健康を守るのに一番国民の期待があるのがこの環境庁なんです。環境庁長官、ひとつ長くやっていただきまして、立派な環境行政に立て直してもらいたい、これをお願いいたしますが、まずその決意を承りたい。
○森国務大臣 私が決意を述べます前に、岡本先生がたしか昭和四十二年だったと思いますが、まだ環境庁が発足する前から、環境関係委員会でいろいろな御質問をされている、また大阪国際空港の問題では環境庁に何回となく足を運んでいろいろと御注意をいただいている、そういったことに対しまして、環境庁を代表して心から感謝を申し上げる次第でございます。 今おっしゃられましたように、やはりあすの時代を築くためには、教育問題と環境問題の二つに絞られる、私はこう考えます。その意味で二つのうちの一つである環境行政につきましては、環境庁というものが本当にしっかりしてこのリーダーシップをとってやっていかなければならないというのは御指摘のとおりでございます。一生懸命頑張ってやることを申し添えます。
○岡本委員 そこで、四月八日に公表されました中公審の公害健康被害補償法の制度の見直し、この発表を私は新聞で読んだわけですけれども、これは公害健康被害補償法の第一条「目的」、これに沿っておやりになるのでしょうね。この点をひとつ確かめておきたい。
○目黒政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、我が国の大気汚染の様態を踏まえまして、今後における公健法の第二条第一項に係る対象地域のあり方に対して、公害対策基本法第二十七条第二項第二号の規定に基づき諮問をしたということでございまして、私ども当然公健法の精神の中でこういう諮問を行っているところでございます。
○岡本委員 巷間伝えられるところの産業界の要望から制度の見直しになったというのではないですね。その点だけはっきりひとつ。
○目黒政府委員 あくまでも我が国におきます大気汚染の態様の変化というものがございましたために、私どもはこれに踏み切ったわけでございます。
○岡本委員 そうしますと、当然、この第二条の四項に「内閣総理大臣は、」「政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、」中公審「並びに関係都道府県知事及び関係市町村長の意見をきかなければならない。」したがって、中公審で決めたからあるいは専門委員会で決めたからといってすぐそのまま施行するのではなくして、関係市町村あるいは知事の意見を聞かなければならぬ、こういうことですが、との知事やあるいは市町村長が反対をすると 反対というとおかしいけれども、意見を言ってそれではぐあい悪いということになると、当然そこに環境庁としてのお考え方は、その知事や市町村長の意見を入れるのでしょうね。これはいかがですか。
○目黒政府委員 やはり今先生の御指摘の条項に基づきまして、関係市町村あるいは都道府県知事の意見を聞かなければいけないという範囲内において私ども対処してまいるということでございます。
○岡本委員 嫌なことを言って悪いですけれども、審議会というのは、今まで見ておりますと僕の経験の上では非常に隠れみのになっておる。したがって、こういう審議会にいろいろ出す資料はほとんどその担当の省から資料を出す。環境庁なら環境庁の意見というものを踏まえて審議される。こういうことですから、今度のつくられるところの環境保健部会ですか、ここに対するところの意見というものは、やはり環境庁の意見が非常に用いられるだろうと思うのです。 先ほどから聞いておりますと、患者の意見も聞きました。それで私が心配しますのは、この中公審の中には学識経験者という名目で経済界の代表が何人か入っているのですね。そういうことになりますと、やはり被害を受けている患者の代表、患者の中からだれか適当な人を選んで審議の場に参加させるということはできないものだろうか。ただ意見だけを聞くのではなく、こっちは入っておるわけですからね。こういうこともいかがかと思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
○目黒政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、この環境保健部会の委員というものはいずれも公害対策に関する学識経験ということから選任をしたということでございますし、また大気汚染による健康被害についての研究とかあるいは患者の認定等に従事しているお医者さんも入っておられる、そういうこともございます。そういうことのほかに、先ほども御説明を申し上げましたが、患者さんの意見というものも当然反映される、意見についても患者さんの意見が審議されるというふうには考えておるわけでございます。 御指摘のことでございますが、御指摘の方々につきましては、当事者の実態に非常に詳しい学識経験者、こういうことで入っていただいているわけでございまして、いろいろこの制度にかかわる検討に必要な学識経験者、こういうことでお願いをいたしているところでございます。 〔戸塚委員長代理退席、中馬委員長代理者 席〕
○岡本委員 昔からよく帽子をかいて、次の人がまたその帽子を写してかいて、ずっと何人か続いたらしまいには黒パンをかいておった、こういうことで、伝え聞いた話というのは非常に曲がることがあるんですね。ですから、私は、この保健部会、これがよくひとつ患者の皆さんの いろいろな人があると思うのですね。だからその人たちの意見を十分反映できるような、こういう配慮をひとつお願いしたい。それでなければ非常に後退したものが出てくるのじゃないか。 それから、指定地域にいたしましても、先ほど話をいたしましたように、ただ硫黄酸化物がなくなった、今なくなっても前に吸っているんですね。きょう吸うてあしたぱっと病気になるのじゃない。したがって、この指定地域というものも、これはもう外すということは非常に考えなければならぬ。私は尼崎を、その当時一番最初入ってなくて、それで皆さんにお願いし、また環境庁にお願いして入れてもらったことがあるんですね。尼崎は市で独自でやろうとしておったのですけれども、結局市の独自の対策というのは非常に弱い。それで、環境庁の直轄の中に入れてもらってやっとうまく動いておるわけです。 そこで、一つだけ実態を話したいのですが、この制度よりも大事なのは、やはり認定のあり方ということもここで一遍考えなければならぬと私は思う。私がある病院へ行きましたら、看護婦さんでもない人が出てきてどうぞどうぞ、そういうのがいたりしまして、それで一人だけのお医者さんがぱっぱっとやっていましたが、やはりきちっとした制度といいますか、そのかわりその認定された者は十分補償していくというような面も、私はそういった運営の面もここで一遍検討しなければならぬと思う。公正な立場から私は申し上げる。 そこで、先ほど岩垂委員からも話しておりましたが、窒素酸化物すなわちNOxの環境基準を緩めた。そのためにこの沿道にもたくさんな被害が出ておる。これは私は環境庁としてやはり責任を感じてもらわなければならぬと思うのですね。最初自動車の排気ガスの規制、随分抵抗ありました。アメリカのマスキー法が出ましてそれに合わせて私たち随分やったのですが、なかなか抵抗があった。各自動車会社からもどんどん陳情があり、また各省から随分、これはできないと。ところが日本の技術というものは要求があればできるのですね。世界で一番立派な車ができるようになった。したがって、この狭い国土でこれだけたくさんの車あるいはまた利用する人が大分できてきておるわけですから、今車というのはとめてもなかなかとまらないでしょう。ということになりますと、総量規制も必要でしょうけれども、発生源対策をやるには――発生源対策をするのは何かといいますと、結局環境基準からくるわけですよ。 私は当委員会で、公害対策基本法、これを変えなければいかぬ。公害対策というのは後追いなんです。したがって、環境基本法、環境対策基本法をつくれば環境から基準を決めてくるから、例えば環境基準にしましても、世の中には自浄作用というんですか、昔は水が三尺流れたらきれいになるのだという自浄作用があるわけですから、こういったところから基準を決めればこれが若干厳しくてもこれに対応していく、こういう英知は日本は持っておるのですね。これが今日の世界一の車の性能になった。 こういうことを考えますと、その基準を緩める、こういうようなところに今日の国民の健康被害のふえた原因があるだろうと私は思う。全部が全部でありませんでしょうけれども、その一因になっておるのではないかということを長い間環境行政に携わった中から感じておるわけです。一つ一つどうだったということはなかなかそこまでの調査はできませんけれども。 したがって、こういうことを考えますと沿道の方も非常に厳しいところは指定地域に入れていく、そして救済していく、こういうことが望ましいと思うのです。ひとつそれに対する御答弁をいただきたいのですが、そうするとあなたの方は大概、これはまた環境保健部会から答申が出てきたらそういうようにいたします、おなかの中はこう簡単に答えようとなさっていると思うのですよ、そう顔には書いてないけれども。だから、とにかくそういうふうな意見はきちっと部会の中に出していただく、そうすれば議論の余地があると私は思うのですが、こういうのを部会の中に環境庁として出していただけるかどうですか。
○目黒政府委員 各方面からいろいろな形の御意見があることも事実でございますし、先生がただいま御指摘いただいたものにつきましても数ある大きな問題として取り上げられている意見の中の一つということで私ども理解をしているところでございます。また、こういういろいろな角度からそれぞれの関係者から意見を聞きながら慎重に審議をするという考え方を環境保健部会は持っているというふうに私ども考えておるところでございます。したがいまして、先生のただいま御指摘いただきましたことにつきましても、この御発言のことにつきましても当然この部会の中で審議されるもの、こういうふうに考えていることでございます。
○岡本委員 環境保健部長さん、審議されるものと思ってますじゃなくして、私が今言いましたように いつもそういうあやふやな答弁をもらう。僕がそれを突くとみんな後で、岡本さん、あんなことを言うんじゃないよと言う人もいましたけれども、そうじゃなくして、目黒さんですか、その中にきちっと意見として入れます、こういうふうにきちんと御答弁をいただかぬと、審議されると思いますじゃこれは話にならぬ。
○目黒政府委員 やはりこの点につきましてはあくまでもあの環境保健部会の御意見ということになろうかと思う次第でございますが、先生の御発言につきましてはそういう御発言がありましたということについてお伝えをしておきたい、このように思っておるところでございます。
○岡本委員 本会議がありますの」でちょっとはしょらなければいけません。 それで、先ほど岩垂さんからもちょっと話がありましたけれども、最近の大気汚染の健康被害の中にはアスベスト、これは当委員会で随分何遍もやったことがあるのです。労働省お見えになっておりますか。石綿、アスベストを扱う工場の対策、これはどういうようになさっておるのか。大阪の北部の石綿工場が既に閉鎖されておるわけですね。あそこだけでなくほかにもあるだろうと思うのですが、ここの従業員に対するところの対策、これはどうなっておりますか。
○冨田説明員 アスベストそのものは発がん物質という評価がなされておりまして、労働省はそれを踏まえまして、特定化学物質等障害予防規則の中で、石綿の発しん防止のための設備の設置、定期的な作業環境測定の実施、あるいは関係労働者の健康管理の上で定期的に特殊健康診断をするように義務づけるとともに、発がん物質という観点からそれらの記録について三十年間保持するように事業者に義務づけて、関係者の対策について従来から指導しているところでございます。 また、大阪の件でございますけれども、現在、新聞報道等、あるいは産業衛生学会等で発表された事案について、その関係から申し上げますと、従業員で死亡が確認された十五名のうち石綿による病気と判断された七名について労災補償請求がなされているか否か、現在調査中でございます。しかしながら、これら七名の死因となった疾病である石綿肺とかあるいは肺がんとかあるいは中皮腫につきましては既に石綿との因果関係が医学的に明らかにされておりまして、労働基準法施行規則別表第一の二に業務上疾病として掲げられている疾病でございますので、調査の結果を踏まえて対処してまいりたいと考えております。
○岡本委員 アスベストの問題についてはもう随分前から当委員会でもまた労働省もこうしてなさっている。ところが、これは四月八日の仙台市で開かれた日本病理学会の発表もある。それから、これは国立療養所の近畿中央病院の診療科医長ら医師チームの手で発表しておるわけですね。これが今ごろ新聞に出て発表されるということは、労働省がふだんそういったアスベストを使用している工場についていろいろ調査をし、あるいはまた報告を受け、そういう点検をしてなかったのではないかと思わざるを得ないのですが、この点いかがですか。
○冨田説明員 アスベストの取扱事業場、現在我々が把握している数が約三千ございます。関係労働者の数が約三万。それらの労働者のアスベストによる健康障害の予防対策につきましては、従来から行政の重要課題の一つとして取り上げまして、重点的に取り組んできているところでございます。今後とも一層その対策の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○岡本委員 うまいこと答弁だけで済ませてもだめですよ、やってもらわないと。環境庁も一遍調査なさったらどうでしょうか。全国のアスベストをやっているところ、三千ですか、それを一遍総点検をして、そこから、報道ですけれどもアメリカでは既に石綿の全面禁止方針を打ち出しているのですね。非常に厳しいものを打ち出しておるわけですから、米国に次ぐところの大量消費国の日本でも規制強化の検討が迫られているのではないか。なぜかといいますと、この公害健康被害補償法のこういうところに、結局患者になった人は補償してあげなければいかぬ、片方で野放しでどんどん患者をつくっておいて、片方でお金を出している。病気になる方はたまったものじゃない。こういうことを考えますと、ぜひこの総点検をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○林部政府委員 御指摘の調査の問題でございますが、私ども五十六年以降発生源ベースの調査をやっております。ただ私どもは労働と違いまして職域ベースというのではなくて、一般環境ベースで調べるということが主体になるわけでございますけれども、発生源として問題のあるようなところの周辺は調べております。既に昨年二月にその結果発表をいたしておりますが、その三年間の調査、もちろん自治体の御協力を得てやっているわけでございますけれども、七百検体から結果を得まして、私どもは昨年把握したレベルでは、直ちに問題になるというレベルではないという結論を下しております。 しかしながら、このアスベストは使用された場所にどんどん蓄積されていくものでございますから、どういうレベルで推移しているかということを継続してきちんとつかまえておく必要があるということで、六十年以降継続的な監視を行うということで、継続的監視という枠組みの中で、全国六十カ所弱ぐらいでございますけれども、そういうレベルを追跡しておる、こういう形になっております。 それから、先生のおっしゃる意味がいわゆる健康への影響のようなものを調べよということでございますと、これは非常にレベルが低うございますので、アスベストによってそういうものが起こってくるということが立証できる調査はなかなか難しゅうございます。先ほど先生御指摘ございました大阪の事例なども、職域のように比較的高濃度暴露を受けていたような方を追跡していってそういうものを蓄積して答えを出されたのではないかというふうに、まだ私も十分精読いたしておりませんが、そういうようなものを追っかけて答えを出されたというふうに思っております。健康影響の問題になってまいりますと、一人一人をかなり厳密に追っかけていかないと、そこら辺の、これは職域の問題でございますが、因果関係の立証はなかなか難しいというような性格のものでございますから、一般環境中の一般住民の中から石綿の暴露によって発生するかどうかということは、現実には疫学調査という形ではなかなか難しいという問題があります。 もちろん、いろいろな症例報告的なものが積み重なっていってそういう知見を踏まえて判断するということでございますけれども、先ほど労働省の方から御答弁ありましたように、アスベストの発がん性あるいは中皮腫ができるということは医学的には既に認知されているわけでございますから、確かにアメリカが言いますように全面的に使用しないで済むということであれば、それはもう使用しないのがいいに決まっていますけれども、なかなかそこまで移行が難しい場合には、私どもが現在とっておりますような長期的に継続監視をして、いろいろな場所でどういうレベルでアスベストの濃度が推移しているかというのを見ていくのが一番適切な方法ではないかと私どもは考えております。
○岡本委員 そこで、私は素人だからあれですけれども、この四月八日、仙台で開かれた日本病理学会で発表された記事が出ておるのですけれども、「昭和三十年から昨年までに新潟大病院で死亡し、病理解剖した四十歳以上の男性千百三人について、腕組織一グラム中に含まれる石綿小体の本数を調べた。対象者の大部分は特に石綿を扱う職業ではなかった。」こういうのを参考にして一遍取り組んでもらいたい。これは私だけじゃないのですよ。あなたも吸っているのです。ここにおる人はみんな吸っているんだから、どこでどうなっているかわからぬわけですから、日本の国民の健康ということを考えますと、こういう事例が出てきたときは検討に値するのじゃないか、こう思うのですが、規制強化までもすぐいかぬかわからぬけれども、その点について一遍取り組んでみたらどうですか。
○林部政府委員 御指摘のような点を踏まえての知見の収集ということは非常に必要でございますし、私ども今までも収集に努めてきておるつもりでございますし、これからもそういう点、大いに力を入れてまいりたいと思っております。
○岡本委員 もう本会議がありますから、時間ですからいいところでやめますけれども、これはまず環境庁にお聞きいたします。 いろいろ環境基準を出されておるわけですけれども、この基準は目標であって達成しなくてもいいというのが出されておるのですか、これはいかがですか。水質汚濁にしましても大気汚染にしましてもいろいろ環境基準を出されておるけれども、こういうものは達成しなくてもいい、ただ基準なんだ、こういう考えなんですか、どうですか。
○林部政府委員 私ども大気保全関係、騒音の問題もございますが、環境基準は達成するために設けているものでございますから達成に向かっての努力は続けていかなければなりませんし、達成をするということが目標でございます。ただ、現実には定められた目標がいまだに達成できない事態が多く存在するということも御指摘のとおりかと思います。
○岡本委員 そうすると、その環境基準に向かって努力するということは大事だということですね。まだできてなくても、これは努力するということが大事だ、こう認識してよろしいですね。首を振ったからそうでしょう。 そこで、運輸省来ていますか、空港周辺の対策について、一般の地域ではWECPNL七十五以上を民防の対象にあなた方はしていますね。ところが、環境庁から出しておるところの環境基準は、住宅地域は遵守すべき基準というものはWECPNL七十ですね。今までの対策を見ておりますと七十五以上は一般の民家も対象にしておるけれども、七十四から七十までの間は対策なしですか。いかがですか。
○松浦説明員 航空機騒音に係ります環境基準では、先生おっしゃいますように「専ら住居の用に供される地域」として地域類型Ⅰというものにつきましては七十WECPNLとして定められておるということは十分承知しておるわけでございまして、その達成に向けて努力をいたしておるわけでございますけれども、その方法といたしましては、例えば低騒音機の導入を積極的に民間エアラインに図っていただくとか、あるいは騒音軽減運航方式の導入といったようなまず音源対策、音の対策をすることと同時に、騒音激甚地区におきます移転補償とか緩衝緑地の整備とか、あるいは周辺環境基盤施設整備事業といったような、地域整備あるいは周辺整備事業、こう申してもいいかと思いますけれども、そういった二つの方法によりまして総合的にいろいろ努力をいたしておるところでございます。 したがいまして、環境基準の早期達成に向けて努力をしておるということでございますけれども、屋外環境基準につきましては御承知のように十年を超える期間内に可及的速やかに達成をするということで、十年の期間が五十八年十二月に参ったわけでございますけれども、それ以降も先ほど申しましたような施策によりまして鋭意努力をいたしておるというような状況でございます。
○岡本委員 音源対策はいつごろ終わるのですか。それから地域の整備をやったところで昔は減らないですよ。公園をつくったら音が減った、そんなばかなことはないですからね。音源対策については相当やっていることはわかっていますよ。しかし、依然として七十五以下のところ、七十の間、これに対するのはそれでは飛行機の音が小さくなるまで待たなければ仕方がないわけですか。いかがですか。
○松浦説明員 現実にそのW七十の区域が年々縮小してまいってきております。例えば具体的な事例で申し上げさせていただきまして大変恐縮でございますけれども、大阪国際空港の周辺に幾つかの固定監視点を設けて毎年観測しておるわけでございますけれども、尼崎市の武庫東小学校という固定監視点がございます。これは第一種区域のちょっと内側のポイントでございますけれども、この点におきまして年々はかっておりますところによりますと、五十七年ではW七十五でございましたのが五十八年ではW七十四・五それから五十九年ではW七十二・三まで下がってきております。こういうふうに毎年下がってきておりますので、そういうW七十の区域の縮小の状況というものをよく見きわめながら、総合的に検討しなければならない課題ではないかと考えております。
○岡本委員 七十五とそれから七十二、三、四、余り昔は変わらないのですよ。ここから先は民防でやってもらったりして対策してもらう、こっちの方は全然対策なし。今おっしゃるように音源対策なんかやられて少しは地域が狭くなってきておる。この地域のコンターの変更、再調査はいつごろやるのですか。
○松浦説明員 コンターの変更をやるかやらないか、あるいはいつごろどうするのかということにつきまして今決定したものを持っておりません。
○岡本委員 ということは結局何もやらぬということになるのですよ。飛行機の音が小さくなるまで待たなければ仕方がない、これではたまったものじゃないですよ。森環境庁長官にひとつお願いをしておきたいのですけれども、あなたの方から出されたところの環境基準は、今説明がありましたように一般住宅、専ら住宅に供されるところの地域については七十以下になっておるのです。ですから一日も早く七十以下に、七十に持っていけるように運輸省として努力するように、あなたの方には勧告権があるんです、ひとつ運輸省に勧告をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○林部政府委員 ちょっとその前に御説明させていただきますが、先生御指摘のように環境基準からいけば七十までやるべきではないか。もちろん屋外達成ということでもって完璧を期することが前提でありますが、屋外達成の困難な場合には防音工事によって対応するということで解決に向かって今まで進んできているわけでございますが、そのプロセスについてどう評価するかということが今先生御指摘の勧告という形を行使するかどうかということにつながるのではないかと思います。 これは先生、地元でございますから私どもより十分御存じの上での御質問と思いますが、四十八年から五十八年に至るまでの私どもの把握しておりますこの飛行場での騒音影響区域の広がり、また実際にレベルを見ますとかなり下がってきておるように思いますし、それから五十三年以降、低騒音機の導入が行われてきておりまして、五十三年当時半数程度だったものが現在はもう九〇%近くにいっているのではないか。それから低騒音機そのものも、より低騒音のものへというふうに移行してきている、そういう状況がございますので、私どもとしては、御指摘の点はまことにごもっともでございますし、環境基準が達成されなくてもよいのかと言われれば、やはり環境基準は達成しなければいけないと思っておりますし、そういう方に向かって努力してもらうべく、私どもの方から五十八年の期限の参りました後にも五十九年の春に要請もいたしております。 ただ私どもは、その十年間の流れの中で、防音工事につきましては昔引きました七十五のコンターの中はほとんど済んでいる、それからコンター自身も少しずつ狭まってきている、もちろん七十は達成はできておりませんが、低騒音機への移行というものもかなり行われてきておるというところで、改善に向かって努力をしてきているということは認めてもいいのではないかというような認識を現在持っておるということでございます。
○岡本委員 今、長官もおわかりにならぬと思うのです。代々の長官は必ず大阪空港とか四十三号を見てもらったのです、それで現実にこうだと。今、大気保全局長、あなたは努力しているからいいだろうと。確かに七十五以上のところは相当よくしてもらった。それはよその家、AとBとあるBの方は何にもしてもらっていない。あそこをしてもらったらもうこっちは結構ですよとは言わない。住民の感情というのはそんなものです。ですから、随分長い間かかりました、こうして一つ一つやってきたことはよくわかりますけれども、こうしなかったらこれはもう大変なことですからね、訴訟もあったわけですから。だから、あとの住宅地域、ここに対するところの努力は今のようなんで余りやる気がないわけですよ。もうこれで終わった、ということは整備機構も小さくしまして、行革の問題もありますけれども、大体これで終わったというのが運輸省の考え方なんです。このままほっておきますともう運輸省は終わり。こんなに対策しました、相当金額もかけましたと言っても、こっちの方はかけてもらったけれどもこっちの方は全然何にもならない。 したがって、ひとつ賢明なる長官にお願いしておきますことは、この住宅専用地域に対してもひとつ早急に手を打ったらどうかと閣議でも発言していただきまして、勧告権というようなものもあるわけですから、ひとつ御配慮をいただきたい、こういうように思うのですが、いかがでしょう。
○森国務大臣 運輸省を含めまして、監督諸官庁と連携をとりながら努力をしてまいる所存でございます。
○岡本委員 あと地熱の問題があるのですけれども、きょうちょうどこれから本会議が招集されておりますので、きょうはこれで終わります。また次の機会によろしく。
○中馬委員長代理 この際、休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ――――◇――――― 午後三時十四分開議
○柿澤委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。竹村泰子君。
○竹村委員 環境庁にお尋ねをいたします。 環境庁国立公害研究所では四年前から六回にわたって摩周湖の環境を調べておられるということが最近一部新聞に出まして、透明度日本一である摩周湖がBHCで汚れているということであります。私の住む北海道でございまして、特にここはバイカル湖と並んで世界で最もきれいな湖として名高いところです、御存じと思いますけれども。それがBHCによって汚されているという報道がされたわけでありますけれども、これはなぜ四年前から六回にわたって摩周湖にねらいをつけて調査をされたのでしょうか。
○岡崎政府委員 私どもの公害研究所で、地球的規模あるいは全国的規模で環境汚染の状況を調査、フォローするのには、どういう場所でそういうものを観測するのが一番よいだろうかというような観点から、その開発の手法も含めまして研究を続けておりますけれども、それの候補地として、人為的になるべく汚染をされていない、また現状から見て周囲から汚染の可能性の比較的少ないところがそういう観測をする地点として一番適当であろうという判断基準のもとに勉強いたしまして、ひとつ摩周湖で観測をしてみようということで摩周湖を研究対象として取り上げたものでございます。
○竹村委員 その結果、どういう報告がされてこういう報道がされたわけでしょうか、簡単にお答え願います。
○岡崎政府委員 この研究自体はまだ研究中でございまして、国立公害研究所の特別研究と申しておりますけれども、五十八年度から六十二年度までの研究でございます。 先生のお目にとまりました新聞記事及びその研究に従事しております。一人の研究員が個人の研究論文としてまとめたものは、研究の途次で集められましたデータを中心にある程度取りまとめ、個人的な見解も含めて個人論文として発表したものが、新聞にも要約して、あるいはその際に取材もあったようでございますけれども、そういうことを含めてお目にとまったということでございます。 その内容につきましては、大気中の汚染状況を調べるためには、一つの手法といたしまして、それが雨となって湖水に流入するというところに着目いたしまして、湖水の水質を分析するということを定時的に行うということの結果として、微量ではございますけれどもBHCが入っていたというのが極めて大要でございます。
○竹村委員 今おっしゃったのは、同研究所水質計測研究室の大槻晃室長がお出しになった個人的なものとおっしゃいましたけれども、これは「環境汚染モニタリングステーションとしての湖沼」、私もここに持っておりますけれども、これによりますと、「摩周湖は流入、流出河川をもたず、また集水域面積に対する湖表面積の割合が大きいため、大気圏からの降下物およびガス状汚染物質の表水層中への供給量の推定を可能にするはずである。」というふうなことを言っておられます。つまり、摩周湖というのはどこからも入ってくる川がないわけです。 そうして、こういった今度の事実が大槻先生の発表の中にもあるわけでございます。大槻先生のレポートによりますと、「今日の大気中にはいまだα-BHCが含まれており、降水等を通して湖水中に蓄積されつつあるのか明らかでない。しかしながら、α―BHC濃度は明らかに九月表層に高い。このことは、今日の大気中にいまだα-BHCの供給源があることを示している。」というふうに書いておられますね。 湖水中にどのくらいのBHCが――今、微量とおっしゃいましたけれども、それほど大量ではなくても、一リットル当たり平均三十二ナノグラムですか、そういうBHCが出てきた。これは私たち自然保護、環境保護を考える者にとりましては、大変大きな問題と見ざるを得ないわけなのです。 ちょっと雨についてお伺いいたします。 今、世界的に酸性雨のことが問題になっておりまして、この環境委員会でも何度か取り上げられていると思います。これは産業社会が招いた地球的規模の大きな問題となっております。幸いにして日本ではまだ歴然としたそういう顕著な例がないようですが、群馬県の一部では、杉の木の上の方に酸性雨の影響による枯渇が見られると聞いております。 ただ、これはアメリカですとかドイツ、特にドイツではシュワルツワルトと言われる黒い森の滅亡といいますか、そういう深刻な問題として取り上げられ、またスウェーデン、オーストリア、それからカナダなどでも影響が出ている。で、緑を救え、森を救えという地球的な大きな声が今沸いてきているわけです。ドイツのシュワルツワルトなどは被害面積五〇%と言われ、大変なことです。 日本は幸いにしてまだそうなってはいないけれども、大変な工業国と自負している日本の国で、酸性雨と言われるものが近い将来必ずあらわれるのではないかと思えるわけですが、我が国では酸性雨の被害がどのくらい報告されているか、お聞きしたいと思います。
○杉戸説明員 お答えいたします。 先生最初に御説明のように、我が国では森林とか湖沼とか、欧米各国におきますような酸性雨による顕著な被害というものはこれまでのところ報告を受けておりません。 ただ、先生御説明の群馬県あるいは埼玉県などの杉枯れのことでございますが、この現象につきまして、これは昨年の十一月に群馬県の衛生公害研究所から発表があったものでございますが、この調査内容につきましても、これが直ちに酸性雨と結びつくかどうかは結論は出されておりませんで、広く酸性雨も含めました酸性降下物との関連の疑いがあるというような調査結果でございます。 ほかに我が国といたしましては、これは酸性雨ではなくて湿性降下物と申しましょうか、酸性度の高い霧とか雨などによりまして目や皮膚に刺激を受ける、そういう事件が、これは昭和四十八年から五十年にかけましてやはり関東一円で生じたことがございます。そのほかは酸性雨のそういう被害という報告は受けておりません。
○竹村委員 環境庁の中には酸性雨の対策室がありますか。どんな対策をしておられるか、聞かせてください。
○杉戸説明員 顕著な被害は我が国では今まで報告は受けておりませんが、しかし酸性度の非常に高い雨が観測されております。 そこで、こういった欧米諸国におけるような被害をできる限り未然に防止をするということが重要でございますので、そういった観点から、五十八年度から酸性雨対策検討会を設けまして、その内容といたしましては、酸性雨の幾つかの地域におきます実測調査、そして発生のメカニズムの解明、さらには土壌とか陸水に及ぼす影響調査、そういったことを検討いたしておるところでございます。 それから杉枯れの問題につきましても、これも環境庁としては非常に重要な関心を持っておりまして、これは林野庁とタイアップいたしまして、ことしから早速その調査に取りかかっておるところでございます。
○竹村委員 酸性雨に対する調査をされたことがありますかとの私の事前のお尋ねに対しまして、調査結果一覧表をいただいているのですが、これは関東地方における雨水の状況ですね。今のところ、これまで面への対策についてどんな研究、調査をしてこられたか資料をいただきたいという私のお尋ねに対して、出せるものはこれだけですか。ほかに資料を提出できませんか。
○杉戸説明員 これまでにまとまったデータ的なものといたしましては、これが最初のものでございます。そのほかの調査につきましては、現在みんな進行中でまだまとまったデータが整っておりませんので、これはまとまり次第中間的にも発表したい、そのように思っております。これは、昭和五十年度から五十四年度にかけての関東地方におきます雨水のpHを調べたものでございます。
○竹村委員 これしかないわけですね。酸性雨が世界的に問題になり出したのはもうかなり前からなんですが、日本の環境庁の対策というのはまだこれだけの結果しか出せない。途中経過だということですが、大変おくれている。幸いにしてまだ被害が出てこないけれども、被害が出てからでは遅いのでして、やはり急いで調査をしていただきたいし、また結果も知らせていただきたいと思います。今言っても無理ですから、調査をされたものがまとまりましたら、ぜひ国会に資料を提出していただきたいと思いますが、よろしいですか。
○杉戸説明員 資料がまとまりましたら提出させていただきます。
○竹村委員 ありがとうございます。 次に移ります。 今度、私たちが世界一美しいと思っている摩周湖、特に北海道の人は大変誇らしく思っている摩周湖にBHCが蓄積していたという非常にショッキングなニュースを聞いて、道民は大変びっくりしているわけです。BHC、ベンゼンヘキサクロイドというものですね。これは日本では昭和四十六年から使用禁止になっているわけですが、どういう毒性があったから使用禁止にしたのですか、厚生省にお尋ねします。
○内山説明員 四十六年のときに使用禁止にしましたのは、主として残留性の問題で禁止しております。 それから、今先生お尋ねのBHCの毒性でございますが、これにつきましてのがん原性というのは、最近、一九八二年のIARC、国際がん研究機関のレポートによりますと、BHCの動物に対する発がん性は、マウスでがん腫瘍が認められているが、ラットと犬などでは評価にたえる十分なデータはなく、動物種によって差があるようでございます。本物質は、IARCの分類では、総合的に見て人に対する発がん性の疫学的証拠はないとされているグループに属しております。 以上でございます。
○竹村委員 牛乳からBHCが検出されたということが新聞にも報道されましたし、私たちも非常にショックに思って見たわけですが、牛乳からBHCが出るというのは、やはり稲わらから出てきたということになるんでしょうが、禁止をされましたのは農水省ですから、農薬取締法改正ということで取り締まられたわけですね。このときの農水省のBHCについての御見解をちょっと伺いたいと思います。
○田中説明員 御説明申し上げます。 農林水産省といたしましては、BHC剤につきまして、先生も先ほど申されましたように、昭和四十四年末全国の牛乳がBHCによって汚染されているということが厚生省の調査で明らかになったこと、それから、この農薬が残留性の点におきまして残留の程度がやや高いというようなことからしまして、使用方法によりましては農産物を汚染するおそれもあり得るということでございまして、四十六年三月に政令でもちまして農作物に残留しやすい農薬ということで残留性農薬に指定しまして、その使用を森林病害虫の防除というような狭い範囲に限定しているということがございます。 その後、このBHCにかわります代替農薬としての有効な剤も開発されたというようなことがございましたので、昭和四十六年十一月三十日の農林省令でもちまして四十六年十二月三十日からその販売を全面的に禁止するというふうにした経緯がございまして、農林省としては今申し上げましたような経緯からその販売を禁止することにしたと承知しております。
○竹村委員 厚生省、農林水産省両方にお伺いしたいのですけれども、どんなことが人体への影響として心配をされたわけですか。
○内山説明員 当時これを禁止に持っていきました主なものは、やはり残留するということで、それが殊に牛乳に残留するということを大きな問題としたわけでございます。
○竹村委員 だから、残留するのはわかりましたけれども、残留したら人体へどういう影響があると判断されたわけですかとお聞きしているのです。
○内山説明員 当時の動物実験のデータでございますけれども、そのときには肝臓とか腎臓に影響が見られたようなデータもございまして、そういうようなことについての安全性ということで問題視したわけでございます。
○竹村委員 非常に軽くおっしゃいますけれども、BHCというのは発がん性もあるということで当時非常に問題になったわけですよね。私たちも、消費者としては、子供を育てている母親としましても、牛乳や母乳からまで農薬が検出されたということはゆゆしき一大事、人類の末路ではないかと、本当にそう思ったわけですね。ですから、そこまでおっしゃりたくないのでしょうけれども、そういう非常に大変なことがわかったので使用禁止されたのだろうと思います。 林野庁にお伺いいたしますが、BHCを使用禁止にされたとき、処分方法の通達があると思いますけれども、お聞かせください。
○杉原説明員 お答えいたします。 今御指摘のように、四十六年当時、関係機関と打ち合わせの上、林野庁長官通達をもちましてBHCの処分につきましての指導をいたしております。 中身は、分散して土の中に埋めるということを基本にしております。特にBHCについては、乳剤の場合は土壌等とかきまぜて消石灰に吸収させる、それから粉剤につきましては、十倍程度の土壌と攪拌して埋める、こういうことを基本にしております。
○竹村委員 「乳剤は、その百倍量程度の粉剤、土壌または消石灰に吸収させて埋没する」、そして「粉剤は、十倍量程度の土壌とよく温和して埋め込む」ということになっているわけですね。これは別にコンクリートの箱に入れるとかビニールに包むとかということはなかったわけです。じかに埋めて、あるいは流しているわけですね。 私がどうしてこのようなことをお聞きしますかというと、少し前に、ダイオキシンを含む2・4・5Tの非常にずさんな処分が全国各地で見られました。私の住んでいる北海道でも例外ではなかったわけです。私もこの調査に参りました。夕張と恵庭という二つの営林署の管内に調査に参りました。 夕張の方はダイオキシンとは直接関係はないのですけれども、塩素酸系の薬剤を散布をするということでその地区の住民が反対をしている。というのは、この住民千五百人が飲用水に利用している川がこの山のすぐそばを流れている。その川は子供たちが飯ごう炊さん、炊事遠足に使っているわけです。そういう川に流れ込むおそれがある。それで十五日間にわたる反対運動、座り込みが行われていたわけです。それを営林署はわざわざ百キロも遠回りをしまして、座り込みを避けて、湖のそばの細い道を通ってまで塩素酸系の薬剤を散布しに行っている。強行したわけです。 営林局の人たちは薬の安全性を主張されますけれども、林野庁が一九六〇年に出している本の中には、2・4・5Tよりもむしろ塩素酸ナトリウムについての取扱注意が記されているわけですわ。創業であるから次の六つの法規に従うべしとして、毒物及び劇物取締法、消防法、危険物の規制に関する政令、危険物の規則に関する総理府令、労働基準法、労働安全衛生規則などを挙げていらっしゃる。しかし、BHCやDDTだって、ごく一般的な薬として以前はふんだんに使われていたわけですよね。なぜ、安全なものを、このように、今になって塩素酸系の薬剤をこういう注意をもってしなければいけないと言っておられるのですか。 そしてもう一つの夕張営林署管内の真谷地というところ、ここにはダイオキシンが含まれるという2・4・5T系粉剤が一度に六百キロも埋設されているわけです。御存じのとおり、ダイオキシンの処分については一カ所に埋め込む量は「三百キログラム以内」、それから「十倍量程度の土壌とよく混和したうえ、セメント一、水〇・六、土壌四~五の重量配合で練り合わせ、コンクリート塊としてビニール底の上に埋め込む。」こと、こういう規定まであったのですね。 ところが、私たちはその当時の作業員を証人としてお願いをしました。そうしますと、北海道の十二月、雪もちらちら降ってくる寒い季節、夕暮れになって作業を急ぎ、慌てて穴を掘ってそこにほうり込んだという事実が証言されたわけですね。 それと同時に、林野庁がいらっしゃいますから申し上げておくのですけれども、営林署が埋めたとおっしゃるところとこの証人が埋めたと言っているところとは六百メートルも差があった。そしてあくまでもそちらですと言って頑張られる。私たちの強い要求で、後日、営林局はこの証人の言った場所を掘りました。そうしますと、そこから、ダイオキシンこそ出てこなかったけれども、2・4・5Tとおぼしき塊が出てきた。そういう事実があるのですね。ずさんな処理だけでもこれは大変な大きな問題である、人命にかかわる問題であるわけですけれども、その上にこういう虚言を弄して、埋めない、ここじゃないとうそまで言って、十三年たった今になってごまかそうとする。そういうことは許せないのじゃないかと、私たちはこのとき非常に怒りを持って調査をしたわけです。 BHCの処分方法についてもこれでよかったのだろうか。じかに土に乳剤を薄めて流し込んだ、そして粉剤は土とよくまぜてそのまま埋め込んでしまったというこの事実ですね、果たしてよかったのだろうかと私は疑問に思いますけれども、林野庁はどうお思いですか。
○杉原説明員 お尋ねのBHCの処理方法につきましては、先ほど関係機関というぐあいに申し上げましたが、農林省を含めまして関係機関と当時打ち合わせをした上での処理方法でございますので、適正だったというふうに考えております。
○竹村委員 何でも、後になって、この2・4・5Tの場合もそうだし、DDTの場合もそうだったし、BHCの場合もそうだったし、後になってあれは間違いだったと言ってみたって、そのために被害が出てしまったらこれは仕方のないことでして、こういうことでは困るのです。 私は、ここで要求をしたいのですけれども、BHCの処分方法をもう一度調査していただきたい。少し前のことですから非常に難しいとは思います、書類なんかも残っていないかもしれないけれども、人命にかかわることですから、もう一度調査をしていただきたい、そして、わかる限り国会へ報告をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○杉原説明員 お答えいたします。 御指摘のとおり、五十九年の2・4・5Tの埋設に関します全国での調査の際、BHCにつきましても当時の記憶をたどって一応の現地からの聞き取りをやっておりまして、ほぼ適正であるというふうに聞いております。 今、先生お尋ねのように、再度ということでございますので、おっしゃるように大変古い話でございますので書類は多分ないと思いますが、当時の関係者等を少し当たらせていただきまして、現地での処分箇所等につきましての確認を検討してみたいと思っております。
○竹村委員 それでは、そのことはぜひ強くお願いを申し上げておきます。そして、わかる限りの資料を提出していただきたいと思います。 次に、環境庁にお伺いをいたしますが、農薬大気汚染の調査をされたことがありますでしょうか、どうでしょうか。
○岡崎政府委員 農薬の大気汚染という調査は、それを目的としてしたことは今のところございません。
○竹村委員 実は、この農薬の大気汚染というのは、摩周湖のBHCに関連して、もしかしたら中国から運ばれてきた雨によるものではないかという説が出ているわけですから、そのことで今、農薬の大気汚染ということは非常に緊急性を持つのではないかと思って私お聞きしているわけです。 農薬の散布がどんなに大気を汚染しているかということが、横浜国大の調査、これは環境庁もごらんになっているかと思いますけれども、その調査によって出ております。農薬を散布した農家の近くの住宅地も非常な高濃度になっているという事実があります。農薬が田畑などで散布された後も、空中に揮発拡散し、長時間にわたって住宅地や小学校の大気を高い濃度で汚染している。こういう事実を、大臣今いらっしゃらないので残念ですけれども、環境庁ぜひつかんでいただきたい。 そして、これは横浜国立大学の環境基礎工学研究室の加藤先生たちが研究をしておられるデータですけれども、クロルピクリン、PCNB、スミチオンなどの農薬について調査をされております。これらの農薬は、御存じのとおり、いずれも発がん性や遺伝子を変異させる性質を持つ。中でもクロルピクリンは、その猛毒性から、毒ガス兵器として使用されたこともあるという非常に恐しい薬ですね。PCNBも、体内の残留性が問題となっており、一般の大気からは検出されないのが普通である、こういう農薬。調査の結果、いずれも大気の汚染度はかなり高いことが発覚した。 まず、恐ろしい毒ガス兵器として使われるクロルピクリンにつきましては、群馬県北群馬郡のコンニャク畑で測定した。そうしますと、農薬を土の中に注入後、畑の表面をビニールシートで覆っているにもかかわらず、散布日には、畑の北西に隣接する住宅地で一立方メートル当たり最高九十六マイクログラムが検出された。これは、マスクなどをつけて防備した作業環境でもかなりの危険性がある数値である。 それからまた、高原キャベツの産地であります群馬県の吾妻郡、ここで、PCNBについては、畑から一キロも離れた小学校の校庭で一立方メートル当たり六百三十ナノグラムを検出している。測定値から地域住民の摂取量を試算したところ、環境庁の告示による残留農薬基準内の上限まで汚染された野菜九十グラムを毎日食べ続ける量に相当した、こういうことが研究の成果として発表されているわけです。 また、前橋市の種苗会社の周辺からは、一立方メートル当たり最高百八十五ナノグラムものPCNBが検出されている。 スミチオンについても、高崎市の観音山でヘリコプター散布を行った後調べられたけれども、市が住民に影響のないようにと午前四時半ごろに散布しているにもかかわらず、実際には付近の住宅地などでは汚染濃度が、散布直後より約半日後、約十倍の濃度にはね上がっている。 農薬による空気の汚染については、農薬中毒死、これは自殺、他殺を除いたもの、逃げられない、自然に中毒死してしまうものですが、これが年間三百人近くにも上っているということで、横浜国立大学の加藤先生は、奇形やがんという具体的な人体被害が出てからでは遅過ぎるのですと警告しておられるわけです。 環境庁は農薬大気汚染の調査をしたことがないとおっしゃったけれども、こういうことをどういうふうにこれからなさるおつもりか、大臣にお聞きしたいのです。
○谷野政府委員 お答えいたします。 ただいま先生が御指摘の報告につきましては、私も承知をいたしております。ただいま御指摘のものと、先ほど来お話がございました、例えば酸性雨のような、雨に一般的にまじってくるものとは、私どもはかなり意味合いが違うのではないかと考えております。 ただいま御指摘のものにつきましては、農薬の散布を行います際にいろいろな注意事項があるわけでございます。農薬というのは、申すまでもなく例えば細菌でございますとか虫でございますとか、そういうものに作用がある、こういうことで使われるわけでございますから、そういうターゲット以外のものについてもそれなりの作用があるということは当然予想されることでございまして、これにつきましては、いろいろ残留の問題でございますとか、あるいはその他の動物でございますとか人間に対します影響につきまして、その使用を含めまして、その使用の方法が必要なものについては定められておるということになっておるわけでございます。 ただいま御指摘がございましたものにつきましては、それぞれ研究者の方がお調べになったわけでございますが、したがって、私がここで一々コメントをするのは適当ではないと思いますけれども、全体として申し上げますと、農薬の使用に関する注意事項というものが今申し上げましたようにあるわけでございますが、そういうものが十分守られるということがまず大変大事なことではないだろうかというふうに思っております。 私どももそういう問題につきましては大変関心を持っておりまして、その点につきまして、さらに農薬の使用について指導監督をしていただいております農林水産省と十分相談をしてまいりたいというふうに考えております。
○竹村委員 農薬の大気残留汚染についてぜひしっかりとこれから調査をしていただきたいですけれども、大気保全局長お見えになっていますね。どうお考えですか。
○林部政府委員 私、農薬大気汚染という言葉、今初めて聞きました。それは今、本局長の方から御答弁申し上げましたように、農薬の使用に伴って農薬が散布されるわけでありますから、散布後何らかの形で周辺に広がる可能性が当然あるわけで、それは、農薬の使用という、実際にそれは農民の方がお使いになるわけでありますから、そういうような農薬を散布する際の注意すべき問題の中で一元的に行う問題でないかというふうに私は理解いたしております。空気中に何でも飛べばそれは全部大気汚染であるということには必ずしもならないのではないだろうかと思いますが……。
○竹村委員 空気というのは、ここは農業の空気です、ここは林野の空気です、ここは海の空気ですというふうに分けられないでしょう。大気保全局長というのは、そういう大気を安全に守るお役目でしょう。お役所というところは何でもそうやってセクト、セクトで、ノット・マイ・ビジネスでお分けになるのですよ。空気まで分けないでいただきたいです。どうですか。 農薬の大気汚染というのは初めて伺いましたというのも大変なお言葉だと思いますけれども、空気中に飛んでいるものを何でもかんでも自分の責任だと言われては困るというような暴言を吐かれては困りますよ。命にかかわる、これはBHCとかDDTとか、まあDDTはもう今はないでしょうけれども、非常に有毒な、さっきも申しましたように毒ガス兵器にまで使われる、そういう農薬まで空気中に飛んでいるわけですから、そんなこと私は知りませんと言われては、これは大変なことですよ。大臣はどうお思いになりますか。
○森国務大臣 本問題につきましては、前向きに検討させていただきたいと思います。
○竹村委員 前向きに検討というのはよくおっしゃる言葉ですけれども、本当ですか。本当に約束していただけますか。
○森国務大臣 私は自分自身、大変立派な環境庁長官と考えておりますから、私の言葉にうそはございません。
○竹村委員 それでは、空気を分けるようなことはなさらないでくださいね。 いろいろお聞きしたいことがあるのですけれども、時間の都合もありますので……。 今私はお役所のセクト主義というようなことを申し上げましたけれども、もう一つだけ申し上げておきたいのは、都合の悪い資料、情報を包み隠そうとされるのですね。例えばダイオキシンのジベンゾフランなどが検出されたときも、イギリスの「ケモスフィア」という雑誌にだけ先に発表をされておられる。日本の国民にそれを早く知らせようとはしない。こういう環境、公害、命を脅かす地球的な大問題であるわけで、非常に立派な環境庁長官とおっしゃいましたけれども、包み隠したり、あるいはこれは私の仕事ではありませんというふうなことをおっしゃらずに、ぜひ調査し、そして命にかかわる問題について、空気を保全する、水を保全する、そういう大切なお仕事をしておられるわけですから、きちんとお願いしたいと思います。 摩周湖の汚染は、これは一つの例にすぎないわけですね。全国的に湖の調査をされる気がありますか、どうですか。また、この対策をどうなさるつもりですか。
○岡崎政府委員 今摩周湖の話から出てまいっておりますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、摩周湖のBHCの出たそのレベルと申しますのは、私、さっき極めて低いと申し上げてちょっと先生にたしなめられたわけでございますけれども、科学的に申しますと極めて低いレベルでございまして、それをもって直ちに全国的な調査をしなければならないというふうには考えておりませんけれども、摩周湖につきましては、先ほどの調査の目的からいたしましても、今後とも濃度を測定して、長期にわたっての動きというのは十分モニタリングをしていくというふうに思っております。
○竹村委員 中国からのBHCが飛んできて雨となって降ったのではないかということですけれども、私の持っております。ある資料によりますと、先進諸国においてはもう使われていない。一九六八年ぐらいまで、例えば我が国ではBHC、DDTで代表される有機塩素系殺虫剤が主力を占めていたけれども、七七年ごろから有機燐系の殺虫剤や殺菌剤の占める割合が高くなっている。我が国では幸いにしてそうなんですけれども、しかし開発途上国ではこの傾向がおくれる、また事実おくれている。というのは、有機燐系の農薬に比べて有機塩素系の農薬は安い。しかも残効性が高い。開発途上国においては食糧需給問題が環境問題よりももっと大切な重要な問題ですから、有機塩素系の農薬が今後とも増加を示すことになるのではないかと心配されるわけです。 中国でどのくらいのBHCが使われているかわかりますか。
○谷野政府委員 外国の統計につきましては、私ども公表統計以外に直接調査をするすべがないわけでございますし、また、それぞれの国でどういうものを農薬として許可をするかというのもこれまた各国の判断でございますので、その点につきましてはいろいろと外国の事情を知るのには制約があるわけでございます。 ただ、いろいろな報道でございますとか、あるいは国際機関に提出をされました報告等を総合いたしますと、ただいまおっしゃいましたように、いわゆる発展途上国におきましては現在なおBHCの使用を行っておる国があるということは事実のようでございます。 中国につきましても、かつてはかなり大量に使われておったようでございますけれども、最近の中国の新聞報道を見ますと、そういうものについては今後急速に減らしていく、これから将来へ向けては使用を中止する方向でやっていくんだというような報道も見られるわけでございます。逆に申しますと、今までは使っておられたということになるわけでございます。
○竹村委員 私の持っております資料は、ちょっと前、八一年なんですけれども、中国ではBHCを生産、使用しており、最近ではその生産量も瀋陽化工工場だけで年産二万トンに達すると言われている。日本では既に使用禁止したけれども、過去には四十万トンが使用されている。このような状況から、BHCの使用は東部及び南部のアジア大陸に集中していると考えられているわけで、私は今ちょっと時間がないのでもうこのことには余り触れられなくなりましたけれども、マレーシアでは、これは環境委員会で昨年の十一月に草川委員が質問しておられますけれども、日本側が四八%出資して合弁企業をつくっているわけですね。ここでBHCを製造しているという事情があるわけです。このときは外務省にも聞いておられますけれども、外務省は、十分に調査をいたしまして前向きにというふうに答えていらっしゃるのです。日本の国内で禁止すればそれでいいというものではない。実際には、開発途上国では必要だからといって半分のお金を出して日本がこういう恐しいものをつくらせている。お金も随分出していますよ。マレーシアトルで千六百七十五億というふうに言っておられます。 BHCに関する開発途上国及び中国とかアジアに対する日本の資料提供あるいは毒性研究の報告、そして使用禁止の申し入れ、国際的な問題になりますけれども、大変立派な環境大臣いかがですか、そういうことをやる気がおありですか、どうですか。
○森国務大臣 ありがとうございます。 環境問題というのは今や地球的規模でやらねばならない。殊に私は、いわゆる東南アジアというのですか、インドまで含めたアジア圏の開発途上国と私どもは真剣に話し合いながら悪い環境をお互いになくしていかなければならない、お互いに協力し合わなければならないと考えております。
○竹村委員 協力をし合わなければならないというお返事では私は納得できないのですが、日本の使用禁止をしたデータとか、人体へどんな影響があるから日本は禁止をしたんですとか、先進国であればそのくらいのことは言ってもいいと思いますよ。そして環境庁長官として、非常に地球的な規模の汚染が今認められているわけだから、これは使用禁止へ向けて一緒に歩み寄ろうという申し入れ、そして、現にこうして摩周湖にさえBHCが降ってきたのではないかと言われているわけですから、これは対岸の火じゃないわけでしょう、日本の問題でもあるわけでしょう、地球の中に日本もあるわけですから、これはぜひ中国あるいは東南アジアヘ申し入れをしていただきたい。そういうお願いをしておりますけれども、再度。
○岡崎政府委員 今先生がおっしゃられました、いろいろ私どもの今までの経験でございますとか勉強の結果等につきましては、いろいろ国際交流もございます。なお、国際機関でも、例えばバンコクにはUNEPの東南アジアの事務局もございます。そういったいろいろ多角的な交流の中で知識、情報等をお伝えするということは十分可能でありますし、また、今まででもそういう御関心のある向きにはいろいろやってきたところでございます。 ただ、今先生おっしゃいました禁止を申し入れるとかそういうところはかなり政治的、外交的な問題でもあり、それの健康に及ぼす影響について、量の問題とも絡み合いますが、いろいろそれぞれの国の御判断がありますから、申し入れるとかそういうきついお話につきましては非常に慎重な配慮が必要であろうと思います。 それから、大変蛇足でございますけれども、先ほど来からの私どもの公害研究所の研究員の論文で、もしこれが中国から参ったものと確定をしてお話をされているとすれば、それはちょっとミスリードでございまして、そこは可能性の一つとして推論をしておる、なおかつ国名を名指しておるわけでもございませんので、これは可能性のお話としてということで受けとめていただきたいと思います。
○竹村委員 よくわかっております。決して私も中国から飛んできたでしょうとは言っておりません。そういう可能性があるではないかと言っているわけです。ですから、特別に中国へ申し入れをされることがなくても、国連の世界環境会議とかいろいろな機会を通じて、ぜひ日本のお役目としてそういう大事な発言あるいは進言をしていただきたい、そういうふうにお願いを申し上げております。よろしいですか。
○岡崎政府委員 今後十分配意してまいりたいと思います。
○竹村委員 それでは、四月八日に中央公害対策審議会環境保健部会にお出しになりました大気汚染と健康被害との関係の評価等に関する専門委員会の報告について二、三お尋ねしたいと思います。 これは二年四カ月にわたる調査、実験による報告ですね。非常に貴重な報告をお出しになったと評価しております。しかし、これは環境庁の公害健康被害補償制度の見直し、検討のために出されたとお聞きしております。そしてまた、審議会中の専門部会でもあり、環境庁の公害健康被害補償制度を見直そうじゃないか、そういう時期が来ているのじゃないかという世論の圧力もあったようですし、そういうことで検討がされたとお聞きしております。 今、全国で四十一地域が指定されているわけですね。全部言っていただくと、とても時間が惜しいので、例えば大まかに、第一種と第二種とどんなふうな地域が指定されているのか、ちょっと教えていただけますか。
○目黒政府委員 お答え申し上げます。 ちょっと御説明申し上げますと、第一種地域というのは、「相当範囲にわたる著しい大気の汚染が生じ、その影響による疾病が多発している地域」でございます。そして、気管支ぜんそく等の指定疾病としての因果関係が明らかでないような非特異的疾患で定められているというのが第一種の地域でございます。それから第二種地域といいますものは、「相当範囲にわたる著しい大気の汚染又は水質の汚濁が生じ、その影響により、当該大気の汚染又は水質の汚濁の原因である物質との関係が一般的に明らかであり、かつ、当該物質によらなければかかることがない疾病が多発している地域」ということでございまして、第一種の場合には東京の各区の中で十九、あるいは川崎市とか大阪市等とあるわけでございます。第二種の地域といたしましては、熊本県、鹿児島県、新潟県あるいは富山県など五地域に指定されているところでございます。
○竹村委員 補償費用及びその財源はどういうふうになっておりますか。
○目黒政府委員 この全体の金額でございますが、六十一年度予算におきましては約一千三十四億円を計上いたしておるところでございます。
○竹村委員 一千三十四億円を全部政府が出しているんですか。
○目黒政府委員 失礼いたしました。この財源につきましては、それぞれ大気汚染の原因者ということで、固定発生源といたしましてはそれを出す企業が出すことにいたしておりまして、その他は移動発生源ということで自動車重量税の方から出しているところでございます。なお、その比率は二対八ということで、固定発生源が約八〇%、それから移動発生源については二〇%ということでございます。
○竹村委員 この硫黄酸化物を排出する企業が補償費の八割を出しているわけですね。そして、その残りの二割を自動車排ガスの寄与分として自動車重量税から出しているわけですね。 そういうことから、つまり四日市公害裁判なんかで敗れた産業界では、全国の大気汚染地域で次々裁判を起こされてはかなわない、公害裁判がどんどん起こって、そしてこの補償制度がある限りどんどん補償しなければならない、もう企業負担が膨らむばかりであるということから、見直しについて強い要望が出されていたと聞きますけれども、どうですか。
○目黒政府委員 この諮問をいたしました時期には、やはり大気の態様の大きな変化というふうなものから、私どもは五十八年十一月にこの見直しについて諮問をいたしたものでございます。それ以後二年余にわたりまして医学の専門委員会の中で検討をいたしてきているところでございますが、先ほどお話のございましたように、四月の八日に環境保健部会に報告をされたものでございます。当然その前後におきまして各関係方面からそれぞれの御意見があることは事実でございます。
○竹村委員 経団連の出しておられます「制度の問題点と改正についての産業界の考え方」というのがありますね。それで、経団連では次のような「考え方の骨子」を出しておられます。それによりますと、「現在のわが国の大気汚染レベルにおいては、もはや大気汚染の影響による疾病の多発はありえないものと考えられも。大気汚染が総合的にみて、しかも相当期間にわたり改善された現時点においては、すでに解除要件を満足しているものと考えられ、指定地域を全面的に解除すべきである。」そのほか多々ございますけれども、既に「SOx単位排出量当たりの賦課料率の逆比例的増大によって、総賦課金額は増大し続ける」であろう、そういうふうな計算もありまして、非常にこのことを警戒しておられる。この考え方についてどう思われますか。
○目黒政府委員 ただいまの先生の御指摘の件につきましては、これは経団連の方で、八日に報告が出ました専門委員会の報告の中のその一部を引用してきたというふうに私ども理解をいたしておりますが、いずれにいたしましても、その報告を読んで、そして経団連の方で、財界の方でその御意見を出したのであろうと私ども思っているところでございます。 これらの御意見につきましては、環境保健部会の中に新たにつくりました作業委員会、ワーキンググループの中でこの基本問題に触れて制度について御審議がいただけるもの、このように考えているわけでございます。
○竹村委員 この専門委員会の御報告を見ますと、「現状の大気汚染が持続性せき・たんの有症率に何らかの影響を及ぼしていると示唆される。」というふうに第四章の中に書いてあります。医学的な非常に貴重なデータを多々載せておられまして、実験も調査もされておられますけれども、その結果、終わりの方にこういうまとめをしておられますね。「しかしながら、環境庁の」「持続性せき・たんの有症率では大気汚染物質との間に有意な相関が認められていない。」そういうことも書いてございます。そして、そのほかデータとして、「大気汚染濃度と有症率との相関」ということで、既に一般にはもうSO2、二酸化硫黄は一時に比べて非常に減っているんだからもうそのことは考える必要はないじゃないかというふうな声もあるけれども、この環境庁の出しておられるグラフによりますと、「持続性せき・たん 持続性たん ぜん息様症状」というところでもNO2、SO2ともにその影響が認められるという平均値がある、そういうグラフも出ておりますね。 それからまた、同じく第四章の後の方ですけれども、「我が国の大気汚染と慢性閉塞性肺疾患の評価に伴って、本専門委員会は次のことに留意すべきであると考える。」一としまして、「検討の対象としたものは、主として一般環境の大気汚染の人口集団への影響に関するものである。したがって、これよりも汚染レベルが高いと考えられる局地的汚染の影響は、考慮を要するであろう。」それから二番目に、「大気汚染に対し感受性の高い集団の存在が注目されてきている。そのような集団が比較的少数にとどまる限り、通常の人口集団を対象とする疫学調査によっては結果的に見逃される可能性のあることに注意せねばならない。」こういうふうに言っておられますね。これは非常に良心的な誉言葉を出してくださっていると思いますけれども、もう二酸化硫黄が大幅に改善されたのだから指定地域を解除すればよいとか、もう公害は終わったんだ、そういうふうな言葉はどこにも書いてない。 その辺を、今後この部会としては早い時期に答申を出したいと言っておられるそうですけれども、大臣にお聞きしましょう。このいろいろな民間からの声、それからこの公害審の出しました報告書、もうごらんになっていると思いますけれども、答申をどのようにしていかれるおつもりでしょうか。
○森国務大臣 五十八年の十一月に諮問を出して以来、各方面からいろいろなことを言われております。おかげさまで御承知のように専門委員会で結論が出まして、そして今部会にかかっておるところでございます。私は、専門委員会のあの結論というのは大変含蓄のある立派なものだと考えておりますが、恐らくその線に沿ってこれから部会でもってワーキンググループによって検討されてくると思います。 先ほど岩垂先生にも申しましたように、何とかしてこの問題、私は、私の時代に結論を出したいということで今一生懸命やっておりますので、しばらくお待ち願いたいと思います。
○竹村委員 期待をしたいと思いますけれども、私が今申しましたように、もう公害は終わったとかSO2の被害はなくなったとか一そういうことは決して言えないわけでして、大気汚染でも気管支ぜんそくや慢性気管支炎といった病気への影響を否定できないとこの報告書も言っております。そしてまた、アスベストのような大気中に含まれる発がん物質の存在、そういうことを考えますと大気汚染と肺がんなどの関係についても今後予防的観点からの注意が必要だと警告をしているわけですね。そして環境行政が新しい局面を迎えているということをきちんとこの報告書は出しております。 最後に大臣にお伺いしたいのですけれども、私たちは今、仙台、札幌そのほかの地域での粉じん公害ですね、スパイクタイヤがアスファルトを削っていくこの問題について、調査団を出したりいろいろと苦労をしているわけでございます。先日、大臣は非常に敏捷に行動をされて仙台に視察においてくださったと聞いて、私たち感激しておりますけれども、私の住む北海道でも非常な粉じん公害で、雪は白いものではないのです。真っ男なんです。三月、四月の雪は真っ黒です。建物も人間も粉じん公害によって真っ黒になります。 それで、このことはこの報告書には出ておりませんけれども、これもやはり新しい公害、粉じん公害ということも、そして医学的にもいろいろな、犬の肺を解剖したり、実験的に気管支ぜんそくとか肺がんなどへの警告ということが出されております。そういうことを考えまして新聞を見ておりましたら、環境庁長官がスパイクタイヤにかわる新しいタイヤの開発を最重点として取り組む、そしてスパイクタイヤは世の中から消えてなくしたいと言ってくださった。全面禁止に向けて非常に力強いお言葉をいただいているわけでございますけれども、そういうこともお考えの中に入れていただきまして、新しい環境行政の局面、こういうことで疑わしきは見逃さないという姿勢でしっかりと環境行政を監督していただきますように。いかがでしょうか。
○森国務大臣 タイヤ業界を呼びましていろいろ聞きました結果は、氷の道の坂を登るところだけがスタッドレスタイヤの劣るところだということなのでございますので、近々タイヤ工業会を呼びまして、その問題を何とかして今先生がおっしゃられたように最重点で解決してくれという強い要望をするつもりでございます。ともかく一刻も早くスパイクタイヤというものを世の中からなくしたいというのが私どもの悲願でございます。
○竹村委員 期待しております。ありがとうございました。
○柿澤委員長代理 小川新一郎君。
○小川(新)委員 環境庁長官の所信表明についてお尋ねするわけでございますが、きょうは私は非常に大事な問題で、騒音賠償の問題の裁判についてお尋ねをしたいのでございます。 極めて公共性が高い、極めて政治的な配慮を必要とする公害、例えば日米安保条約だとか日米共同訓練だとか、一公害の問題として新幹線公害だとか大気汚染だとかという我が国だけで問題が解決でき得る公害でなくして、多くの国際的な問題または防衛上の問題、こういった問題の絡み合う中での公害発生というものは非常に多角的に議論しなければならないと思います。しかし、公害基本法で定められる平和憲法下における個人の生命の尊厳、また、そういったあらゆる国民一人一人の健康や財産や生命を守るという憲法上の問題、平等不差別という問題の中から、一部の政治的配慮を必要とする、また極めて公共性の高いという外国との絡みの中での公害という問題は、一体どう把握したらいいのか、この問題について大臣にお尋ねしたいのでございます。 これを具体的に申し上げますと、厚木の騒音問題でございます。この厚木の騒音問題について、軍用基地の爆音から静かな生活を守ろうとして司法に救済を申し立てていた住民の期待が完全に裏切られたということでございます。 これは、米軍と海上自衛隊が共同使用している厚木基地、神奈川県の航空機騒音をめぐって周辺住民が国を相手取って夜間飛行の差しとめと騒音被害に対する損害賠償を求めていた裁判でございますが、一審においてはこの騒音公害訴訟の中の賠償については認めておった、しかし東京高等裁判所は九日、住民側に対してすべての面において敗訴の判決を下した。これは大変な問題でございますが、裁判所の役割とは一体何かという、司法救済の限界という問題も改めてここで議論されるわけでございますが、極めて政治性の高い、国家統治の基本に関する裁判所の審査権が及ばない問題、日米共同使用の基地が極めて高い公共性を持っているという問題、こういう問題において公害基準で定められた騒音を上回った場合については、住民は我慢しなければならないのですか。
○森国務大臣 先般の判決につきましては、私ども何らコメントする立場にないということは御了解いただけると思います。 ただ問題は、やはり私どもが考えなければいけないのは人間の健康、生命、これは大変大切なものだと私ども認識をしております。
○小川(新)委員 大臣、もし仮に大臣が厚木の基地のところに御家族がおられて、かわいい孫や息子さんがおられて、三万回にも及ぶ百二十ホン以上の人体の健康、生命に影響を与えるような騒音を発しているところに住まわれておったら、これはコメントするという立場でないから言えないという御答弁でございますが、公害を発生することを防がなければならない環境庁の立場としては、一体コメントするとかしないとかの問題で済まされるのですか。裁判所に対して文句を言っているんじゃなくて、百二十ホンというとどうなんですか、健康上にどういう影響があるか、しかも夜間、人間が眠るときに百二十ホン以上の騒音が出たとき、ここは我慢していると言うのですか。
○森国務大臣 したがいまして、私どもといたしますと防衛庁に対しまして住宅の防音工事や移転補償等々の促進、これを図っていくことが重要なことだ、そういう意味で環境庁としてできるだけのことを防衛庁にやらせたい、こう考えておるわけでございます。
○小川(新)委員 そうすると、防衛庁に言っていることは、そこの住民の公害発生を防ぐために防音工事をやっている――防音工事は完了したのですか。
○林部政府委員 判決の内容に関係なしに、私どもは環境基準の達成に向かって御努力をいただかなければいかぬということはございますから、今までも防音工事の実施や移転補償の促進について要請をしてきているところでございます。確かに御指摘のように住宅防音工事はまだ完了はいたしておりません。したがいまして、私どもとしてはその促進について要請をしてきているというのが現状でございます。
○小川(新)委員 要請って、どこに要請しているのですか。そんな無責任なことを言っちゃ困るのです。何%それができ上がって、予算がどうだと。ミッドウェーから飛んでくる艦載機の百二十ホン以上の騒音、これはもう限度を超えているわけですよ。五十ホンとか四十ホンだって夜間だったらうるさいのですけれども、それは我慢しているわけですよ。我慢の限度を超えているものについては損害賠償だとかまたは差しとめだとか、今後、未来についてどうするかという問題を環境庁が真剣になってやらなければ、環境庁の存在の意味がないじゃないですかということを言っている。それじゃ何にも意味がない。何割達成されて、あと何年でそれは完了してこういう苦情が出てこなくなるのか、これを明快にしなきゃしようがないでしょう。 これは大臣、中曽根内閣の一番の表看板は、生命の尊厳、民主主義の原点を守るということを言われている、平和憲法を守ることにある。その最も大事な一人一人の国民が、住民が、その地域にあって、国家の大計、国家の安全のためにはおまえたちは我慢しろ。これは昔の、私たちが兵隊に行ったころの発想と何ら変わらない。お国のためにおまえたちは満十九歳から二十歳になったら徴兵するんだ、お国のために戦え、戦死をしたら靖国神社に祭ってやる、戦の神様にしてあげる、そして国家が、天皇陛下が、すべてがこれを尊敬してお守りしてあげるんだから、勇んで天皇陛下のために、国家、日本のために死んでいけという発想、そこまでとは私は言いませんが、やや近い。 この地域にいる方は、国のために、日本の安全保障のためにはこの程度の被害についてはひとつ目をつぶってくれ、だから損害も賠償しませんよ、差しとめもだめですよ、こういうことを司法が言っているわけですよ。そして司法は我々のことは何と言っているかというと、定数是正で何と言っているかというと、憲法違反だと言っている。行政、立法、司法の三権分立という立場において、お互いに批判することは慎まなければならないが、国民の一人一人の生命、財産、基本に関する問題について憲法上の疑義が出てきたから私はこの質問をしているわけで、その肝心かなめの、大もとの、本家である、取り締まらなければならない、指導しなければならない、改善しなければならない環境庁が、コメントもできない、こんなばかげた情けない話はない。何もコメントができない。何のためにあるんだ。 国民は泣きの涙で泣いて、この住民はどうしようもないから裁判に訴えた。訴えたら全部却下ですよ。しかも、一審では賠償までは認めてくれたのを、それまでも高裁ではゼロにしてしまった。これはいかに何でもかわいそう過ぎる、悲劇過ぎる。しかもこの問題について、最高責任者である環境庁長官は一言も発言できない。そんな中曽根内閣なんですか。
○森国務大臣 小川先生、何か誤解があるような気がいたします。現在係争中でありますので私どもコメントできないということで、この問題が最終決着を見た暁には、当然私どもは私どもなりの決断をするべきだと考えております。
○小川(新)委員 では、一歩、百歩、千歩下がって、御感想はいかがですか。
○森国務大臣 ノーコメントでございます。
○小川(新)委員 重大な問題について、私はコメントというよりも、一人間として、こういう百二十ホンもの高い数値の騒音が出たときは、普通の状態だったらどうなっちゃうのです。もしもこれが厚木じゃなかったら、新幹線が夜間百二十ホンで突っ走っていたら、そういうときは環境庁は何かコメントするでしょう。それはどうなんです。
○林部政府委員 事が裁判に関することでございますので、その内容にかかわり合いを持つ内容の発言は差し控えたいということで、コメントを差し控えさせていただきたいというふうに申し上げておるわけでございます。
○小川(新)委員 聞いているのは違うよ。何言っているんだ。違うところで百二十ホンも出ている、新幹線とか他のこういうものでないところでこんなものが出たら、環境庁はどう言うかということを聞いているのですよ。何もこれを言ってやしない、例えて言っているんだよ。
○林部政府委員 先ほども申しましたように、私どもとしては環境基準の達成のために努力をしていただくように要請してきておると申し上げましたが、同じように改善について要請をすみということになると思います。
○小川(新)委員 民間の企業に対しては環境庁は厳しく指摘するということを言われているのですが、こういった高度な政治的配慮をしなければならない立場になってくると、今係争中だからコメントができない、だがこの問題は環境庁としては重大な関心を持っていただかなければならないと思います旧重大な関心をお持ちですか。
○森国務大臣 もちろん重大な関心は持っております。
○小川(新)委員 よろしくお願いいたします。これ以上ここで議論してもどうしようもありませんが、私はきょうは非常に不満でございます。 次に、ことしの所信表明において昨年に比べ新しく盛り込まれました水質の次期総量規制、環境教育と国民の自主的環境保全活動、野生生物の保護について、どのような施策を進めていくのか聞いていきたいのでございます。 その前に、これは新聞に報道されておったことで私もまだ確認はとっておりませんが、何か東京湾の水質の基準だとか伊勢湾等々の基準について環境上は上乗せをして発表したとかしないとかという記事が載っておりましたが、この事実はどうなっているのですか。
○谷野政府委員 ただいま御指摘がございました新聞記事についてでございますが、この点につきましては先般の環境委員会でも御指摘があったことでございます。 事実関係といたしましては、現在の水質総量規制の実施をいたします際に、昭和五十四年が基準年でございますが、その年度の全体の負荷量をどのように見積もるか、それからそれをベースにいたしまして将来どの程度削減をするか、こういう数字をつくったわけでございます。その場合に、現在は水質の総量規制が行われておりまして各企業に測定義務を課しております。したがいまして、その測定義務にのっとりまして数値が上がってくるわけでございますが、当時はまだその制度がございませんでした。各企業は濃度の一定の測定は持っておりましたし、その他のデータもあったわけでございますけれども、そういう総量に関するデータというものをその当時私どもとしては持っていなかったわけでございまして、かなりいろいろな推定をいたしましてそのデータを作成せざるを得なかったわけでございます。 それで水質の総量規制の制度が導入をされまして、各排水口にメーターがついたり、あるいは測定義務を課しまして数量を測定いたしましたところ、その数値が当初推計で見込んでおりました数値よりも低かったということが判明をしたわけでございます。 私どもといたしましては一そういう制度発足当時の事情でございまして、測定はその後は確実に行われたというふうに思っておりますので、現在では次期の総量規制を考えてまいります際には測定に基づいたデータをベースとして使ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小川(新)委員 そうすると、新聞で言っているような、東京湾の水質データを操作したとか汚染値をわざと高くして改善目標を楽にしたとか、こういうショッキングなことは全くないんだ。我が方はそれに従って基準のとおりきちっとやっていて、ただただ改善すべきところが多々あった。 要するに、長官の言うところの水質の次期総量規制についての問題点は、前の長官とは違う、昨年に比べて新しく盛り込まれた水質の次期総量規制と環境教育と国民の自主的環境保全という関係の絡みの中で出たように理解してはまずいのですか。
○谷野政府委員 ただいま申し上げましたのは数字の経緯でございますが、制度といたしまして総量規制の制度は目標年次を定めることになっておりまして、昭和五十九年度が第一期と申しますか現在までの目標年次になっておるわけでございます。これは一年間を通じての計測をいたしますので、そのデータが上がってくるのに時間が多少要るわけでございまして、そのデータがやがてそろってまいります。 私どもといたしましては、現在の東京湾あるいは大阪湾、伊勢湾というような閉鎖性の水域の水質の状況を見ますときに、現在の総量規制をさらに続け、将来にわたってこの総量規制の制度の中で水質の改善をさらに図ってまいらなければならない、こういう判断をいたしまして、昨年の秋に中央公害対策審議会に諮問を申し上げたわけでございます。 現在、中央公害対策審議会の部会、専門委員会で鋭意御検討をいただいておりまして、本年はそういう問題につきまして方向を定める年である、こういうことでございまして、所信表明にその項目が入っておる、こういうことになるわけでございます。 〔柿澤委員長代理退席、中馬委員長代理者席〕
○小川(新)委員 長官、よろしくお願いいたします。 そこで、私どもの埼玉県の例を引いてまことに申しわけないのでございますが、そちら様からいただきましたこ、の「水質総量規制に関する中央公害対策審議会への諮問について」という環境庁水質保全局が出したデータによりますと、東京湾地域において、生活系、五十四年、五十六年、五十九年、産業系、五十四年、五十六年、五十九年とございまして、五十四年が合計して一日当たり四百六十二トン、五十六年が四百二十四トン、五十九年が三百九十六トンと漸次減っておるわけですね。これはまことに結構なことでございます。ただ、東京湾地域に限って、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の四都県について調べますと、埼玉県は五十九年度ではCODが一日当たり百二十トン、千葉県が六十八トン、東京都が百四十四トン、神奈川県六十三トンとございます。これはCODを五十九年度だけ見たのですが、埼玉県は人口が五百七十万から五百九十万ぐらい、東京は一千万を超えております。子葉、神奈川は埼玉県より多いか少ないか、それぞれ差がございますが、千葉と神奈川は六十八トン、六十三トン、我が埼玉県は、自慢ではございませんが、百二十トンなどというまことに威張れないCODの垂れ流しを東京湾に行っております。これの原因は、下水道の普及が足りないということでございます。 そこで、このような状態の中で、人口が東京の半分、産業基盤等においては十分の一程度の埼玉県が、なぜ百二十トンという東京にやや近い数字が出てくるかということを憂えている一人でございますので、この問題について環境庁は埼玉県に何らかの指導、改善、予算の配慮、こういうことをやってくれておるのでしょうか。
○谷野政府委員 ただいま御指摘の数値は私どもが既に計算をいたしまして公表しておる数字でございまして、御指摘のとおりでございます。 埼玉県につきましては、ただいま御質問にもございましたように、下水道の普及率が他の府県に比べましてかなりおくれておりまして、人口全体で申しますと東京の半分ということでございますけれども、下水道の普及していない、つまり下水道の入っていない地区の人口は、推計でございますが三百九十五万ということで、東京の三百三十五万人よりも多いというようなことでございまして、一つには生活系の下水道普及率が大変少ない。それからもう一つは、やはり産業系におきましても中小企業がかなり多いという事情がございまして、これらにつきましては制度上もまた実際上も対策の点でいろいろ難しい問題がある、こういうふうに考えております。 また、対策といたしましては、ただいま御指摘のように、下水道の普及が生活系については極めて重要でございますので、この点につきましては、既に第六次の下水道の計画の閣議決定の際にも、閉鎖性水域に流入いたします地域につきましては予算の執行上格別の配慮をしていただきたいという旨を環境庁長官から閣議で特段お願いする等、私どもとしても鋭意努力をしておるところでございます。
○小川(新)委員 長官、自分の住んでいる県のエゴ的な質問でまことに恐縮でございますが、こういう実態でございますので、どうか閣議で埼玉県の下水道進捗についての御発言を、今してくださるというお約束でございますが、お願いいたします。
○森国務大臣 先般、閣議で強く発言いたしました。
○小川(新)委員 ありがとうございます。その結果について期待をいたしております。 そこで、次の問題に移りますが、埼玉県南における東北新幹線と埼京線沿線の環境空間等用地の問題についてお尋ねいたします。 東北新幹線の開通に当たって、騒音と振動の対策として、沿線両側に幅二十メートル、距離で約十五キロ近い緩衝緑地帯を設けるということが条件の一つとなり、国鉄側はこの用地を買収してくださいました。しかし、この用地をめぐる国鉄と県南三市、埼玉県浦和市、戸田市、与野市、この三市で今問題になっていることは、これを都市施設整備用地として認めるのかどうかということで、公害発生はただいま新幹線七十ホン、この新幹線の騒音、振動を防ぐために二十メートルの幅で国鉄さんが用意してくださった用地のあり方をめぐって白熱をいたしております。御案内のとおり、来年の四月から国鉄が民営になって分割する。そうすると、こういう問題を解決しないまま、何鉄道株式会社というのか知りませんけれども、この私どもの住んでいる埼玉県の十五キロの空間地についてどっちが責任を負って、これは大変な金額なんですが、お金の額にして五百五十億、これをどっちが持つかで今大騒ぎしておりますが、この問題についてお尋ねをしたいのでございます。 この用地をめぐる国鉄と県南三市との譲渡に関する問題が依然として解決しておりませんが、この問題の解決はどのようにつけるつもりでございますか。また、有償なのか無償なのか、有償であれば金利その他当時の買収価格にどれくらい上乗せをするのか、この問題は国鉄が民営になったときも持続すると思いますが、この辺のところをお尋ねします。
○福岡説明員 お答えいたします。 埼玉県下の大宮以南の東北新幹線建設に当たりましては、与野、浦和、戸田、この三市が、新幹線及び埼京線の両側に沿いまして、環境保全を考慮して、道路、公園、緑地などの都市施設を計画いたしまして、昭和五十五年に国鉄に対しましてそのための用地を国鉄の事業用地と同時に確保するよう要請がございました。この要請を受けまして、国鉄は当該用地を有償で都市側に譲渡することを前提に、国鉄の事業用地の取得とあわせて同時に取得をしてまいったわけでございます。 こういうことですが、私どもはこの用地を都市施設用地、こう称しておりますが、これの都市側への有償譲渡につきましては御指摘のように難航いたしております。しかし、昨年の七月でございますが、このうちの一部でございますけれども、埼京線の暫定駅前広場の整備に係る用地につきましては、都市側に対しまして有償で譲渡する協定が締結をされております。しかし、残余の都市施設用地につきましては、相当膨大でもございますので、二年を目途に譲渡に関する協定を締結できるよう引き続き協議しようという確約を得たところでございます。国鉄といたしましても、今後とも有償で都市側に譲渡する方向でできるだけ早期に解決すべく、関係機関の協力を得るなどして努力をしてまいりたいと考えております。
○小川(新)委員 ここで大臣に御所見を承りたいのは、ただでさえも財政貧困な小さい地方公共団体が、線路の沿線に二十キロも、公園だ何だ、そんなものをつくる必要はないですよ。公園をつくるだとかなんだとか、都市整備だとかどうだこうだというよりも、自分の住んでいるところの真ん中に公園をつくりたい、線路のわきに公園をつくったってしようがないのですよ。公園じゃないのです。さっきも言ったように、騒音、振動が出るから緩衝地帯でここをあけておきましょう、それを条件に国鉄新幹線を通すことを約束して、もう一つは埼京線、併用して大宮から池袋を通って新宿まで行く通勤新線を埼玉県の西側に通すということで妥協した。そのときはお互いに新幹線を通すということでピッチを上げましたから、その土地の代金のことまではお互いにうやむやで、政治的な配慮というか、腹芸というか、あうんの呼吸というか、日本人のいいところ悪いところを全部さらけ出して解決した。今になったら今度大騒ぎになってきた。現実問題になってきた。環境庁としては、こういう問題は都市施設空間地と見るのか、環境を守るための、公害、振動という地方公共団体の言うところの環境空間地ととるのか、どうなんですか。
○森国務大臣 大変不調法で申しわけございませんが、この話を実はけさ聞きまして驚いている次第でございます。至急検討してみたいと思います。
○林部政府委員 どちらかということについては必ずしも明確にお答えはできないようにも思うのでありますが、都市施設用地というようなことが先ほど言われておりましたが、環境保全に資するものであるということは間違いないと思います。 したがいまして、私どもとしては基本的には、その費用負担の問題はできる限り当事者間の話し合いによって解決をするということがやはり基本的な考え方になるのではないかというように理解いたしております。
○小川(新)委員 環境庁というのは、本当にもうちょっと頑張っていただかなければならない点が多々ある。新聞に、東京湾水質データを操作したとかしないとか、本当かうそか知りませんがそんなことを書かれてみたり、高度な政治問題になっちゃうとコメントもできなかったり、今度は鉄道の沿線にどうだこうだといったら当事者でやれ、おれは知らない、これが天下に名立たる環境庁であると、本当のことを言って私も環境委員会に来るのが嫌になってしまうのだ、こういう答弁では。もう少し実のある答弁をいただきたい。日本の環境行政という、国家、国民の生命、財産の基本に関する重要な行政にプライドをもっと持ってもらいたい。防衛庁何するものぞ、大蔵が何だ、通産、運輸、国鉄が何だというくらいの主導権を持った森長官が御就任になったと私は陰ながら拍手をしたのですが、きょうから拍手をやめますよ、もうこうなったら。 よろしくお頼みします。あなたは東京湾の橋を渡すことばかり一生懸命になって、そっちの水質の方だけやって、埼玉県のことは知らない。さっきも言ったように、しっかり発言をして――埼玉県の下水道の普及が悪いから倍になっちゃっておる、千葉県は私のところの半分なんだ、今話したとおり、CODが。銚子の方の太平洋側へ流れたのも相当あるからかもしれない。だから、私は千葉県と埼玉県の下水道の普及率がどっちがすぐれているかなんということはここで言いませんけれども、本当にひとつ頼みます。 もっと腹が立つことがある。これも環境庁ひとつ頑張ってもらわなければならないのは、財産相続税が厳し過ぎて埼玉県の林がどんどんなくなってしまっているのです。緑と清流を守るなんて知事がうまいこと言っているけれども、緑がどんどんなくなっている。私たちの武蔵野の雑木林が、子供や孫のためにとっておきたいという緑が、相続税がかかってきたためにそれを泣く泣く不動産屋に売りつける。 不動産屋なんというのは物すごいですよ。環境庁の役人さんが見たらぶったまげるような資料を持っていますよ。市役所に行って、いつだれが死んだということをちゃんと記録して、死んでお通夜の晩からもう財産相続の話に行くのですから。それでこの山をおれに売れと言うのですから。その真剣さについては涙が出るほど本当に私はびっくりしてしまう。これが今民間の激烈な競争です。だから民活をやろうというように中曽根さんもおっしゃっているようですけれども、本当にこの環境行政の中で緑を守らなければならない立場にある私たちが、その緑を税金の面でなくしてしまうのです。どう考えていますか。
○森国務大臣 そんなことおまえやったって九牛の一毛だよと言われるかもわかりませんが、私どもナショナルトラストという活動をやりまして、それは天然、自然を守っていこうということで、これでもって大蔵省に対して財産税、所得税、その他云々のこの税金の優遇措置を今やっております。これが成功しますと、随分そういう意味での自然というものは守られていくのじゃないかと思っております。
○小川(新)委員 大蔵省来ていますか。――ナショナルトラストでどれくらい成果が上がったか言ってください。
○瀧川説明員 ナショナルトラストの件でございますけれども、まず所得税の面で昨年度の税制改正におきまして認めた、それから相続税の面で、ことし相続財産でナショナルトラストに贈与した場合の財産につきましては非課税にするという措置を認めたばかりでございまして、ナショナルトラストを今後指定されていくというように考えておりまして、環境庁の方とも今十分詰めております。
○小川(新)委員 全くこれも言うの嫌なんですけれども、埼玉県でナショナルトラストがあった例というのは私は余り聞いてないのです。それというのは、小さいから、個人の小さい山だと余りないのじゃないかと思います。これもないとは言いませんよ。何かないのじゃないかと私が言うと、そんなことないという顔になったけれども、そういうことを私が言うとすぐ反論したがるのですが、現実には私の頭のものようにどんどん薄くなっているので、埼玉県はもう木がなくなってしまうのです。ゴルフ場はどんどんできるわ、財産相続税では山は売られるわ、近郊都市の最も住宅の必要な地域としては調整区域さえも今緩めようとしております。 大臣、今度調整区域を緩めるというのは本当なんですか、これは。それでまた木を失おうとしているのですか。これはどうなんですか。通告しないと答えられないですか。
○加藤(陸)政府委員 今お尋ねのお話、ナショナルトラストの話とまた変わりまして、今のお話の件はちょっと私どもの方でお答えは……(小川(新)委員「できない」と呼ぶ)はい。
○大久保説明員 御説明申し上げます。 我々としましては、なかなか強い宅地需要があるということからいろいろ考えておりますが、もとより都市計画といいますのは、調整区域を含めた全都市計画区域について土地利用のあり方というものをいろいろ勘案して、その中で市街化区域、市街化調整区域というようないわゆる線引きを行っておるわけでございます。昔、この制度をつくります際には、保全区域というようなものも設定したらどうかというようなお話も出ておりましたように、今私が申し上げたように、全体を見てどういうふうな土地利用がいいかということをいろいろ考えておるわけでございます。 それで、縁の保全につきましては、都市計画法の政令で、環境の保持等のために保全すべき緑地については市街化区域へ入れないというようなことが書かれております。また、現実にどういう場所がそういうことに当たるのかというような点につきまして、緑のマスタープランというようなものを各公共団体に策定をしてもらいまして、そういう緑の守り方、どこを守るべきかといったようなことについても、十分検討した上で線引きの変更というようなことをやっておるわけでございます。 なお、市街化区域に入りましたところにつきましても、都市防災の観点とかレクリエーションの観点あるいは都市環境の維持保全の観点というような点から、御存じのとおりの公園とか緑地とか緑地保全地区あるいは風致地区というような制度を設けまして、それぞれ緑の維持保全に努めているところでございます。
○小川(新)委員 御苦労さまでございます。ひとつよろしくお願いします。 そこで、もう時間が来ましたから、大臣、まことにおもしろいというか、妙なものが出ているのです。大気汚染と健康被害との関係の評価等に関する専門委員会報告、昭和六十一年四月、中央公害対策審議会環境保健部会に報告書が出ているのですが、その中の二百五十ページに、大気汚染の中の二酸化窒素それから二酸化硫黄、大気汚染とぜんそくとの関係性を述べておるところがあるのです。 その中に、ちょっと読んでみますと、「成人の持続性せき・たんの有症率は、環境庁では男女とも、喫煙、室内汚染、職歴などの因子を考慮しても人口密度の高い地域に有症率が高くみられ、」高く見られますね。「また、環境庁では女のみが二酸化窒素と二酸化硫黄との間に有意な相関がみられ、現状の大気汚染が持続性せき・たんの有症率に何らかの影響を及ぼしていると示唆される。」これは女性の場合ね。ところが、今度は逆に男の場合 守は違っちゃうのですよ。これと同じようなことが二酸化窒素がどうのこうの、二酸化硫黄がどうのこうのと書いておって、「男の持続性せき・たんの有症率では大気汚染物質との間に有意な相関が認められていない。」というんだな。女性の場合は示唆されている。ところが、男性の場合にはそれが認められない。「以上から判断して、現状の大気汚染が地理的変化に伴う気象因子、社会経済的因子などの大気汚染以外の因子の影響を超えて、持続性せき・たんの有症率に明確な影響を及ぼすようなレベルとは考えられない。」という。 要約して言えば、今のままの大気汚染が何だか知らないがある、それが女性にはせきだのたんだのに関係があるんだけれども男にはないんだ。不思議だな、私はまことに。同じ大気汚染の下に暮らしていて、せきとかたんとかぜんそくに、どうして男と女の人がこう違うのですかね。とすると、男は倒れないで女はばたばた倒れるのですか。これはどう理解するのか。
○目黒政府委員 御指摘の点は、先般医学専門委員会において出た報告の一部でございますが、この専門委員会では、御指摘の点は疫学の調査の一部というふうに私ども理解をしているところでございます。そして、専門委員会といたしましては、さらにこのATSも含めて幾つかの疫学の調査の中身につきましてもいろいろ御議論があったことも事実でございます。これは正確に、そのデータ自身が御指摘のような形の趣旨で出たことも事実でございます。 このデータを踏まえましてこの専門委員会は、医学の総合的な観点からということから、動物実験とか疫学的な研究とか、人への実験的な負荷研究とかあるいは臨床医学的知見とかを総合的に判断をいたしまして、そしてこの先般の報告が出たもの、このように理解をしておるわけでございます。したがいまして、先生が御指摘になりました点につきましても、これはこの調査の中の一つのデータでございます。そしてまた、御指摘のような点についても、やはりこの低濃度で、いろいろな因子のありますこの病気との関連の中でいろいろなデータが出るということについても御議論があったことは事実でございます。 したがいまして、これは極めて高度の専門的なものにかかわるものでございますので、私どもの方といたしましては、やはり、まとめた形で最後に専門委員会が評価を出しておられるわけでございますけれども、こういう形の評価ということで受けとめているところでございます。
○森国務大臣 小川先生は驚くでしょうが、私の該博なる知識では、これは、男は外で活動するからだそうでございます。女性は家の中にいる。そういう関係がデータにも出てくるということだそうでございます。
○小川(新)委員 そうすると、男は外にいるから――逆でしょう。女性は中にいるから大丈夫だというんだけれども、これには女性が大変だと書いてある。何言っているんだ、あなた、逆じゃないか。
○目黒政府委員 男性は極めて行動半径が、勤務場所その他を含めまして女性に比べますと比較的外の大気に触れて、またいろいろな形の大気に触れることも事実でございます。それから、女性につきましては、家庭から、パートタイム等々ございますけれども、一つの中のものに触れているということでございます。それで、この調査の目的は、喫煙とかそういう室内の問題、そういうものを排除しまして、一般的な大気ということで御結論をいただいたというふうに私ども承っております。 いずれにいたしましても、極めて高度かつ専門的な御議論をいただいた結果でございまして、私どもも今後大いにこれを勉強させていただき、今後の施策に対処させてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○小川(新)委員 どうも大変長いことありがとうございました。最後は何だかわけのわからない話で終着しまして、男と女がどっちが強いかということの問題になってしまいましたが、本当に大事な健康問題でございますから、もう少し勉強して、きちっとした答弁を出していただきたい。また、大臣の言っていることは何か逆なことを言っているんじゃないかというふうに聞こえてしまったのでございますが、きょうはこの程度でやめさせていただきます。 ありがとうございました。
○中馬委員長代理 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 最初に、大臣にお答えをいただきたいわけです。 大臣は、所信の中で「国民の健康を守り、環境を保全し、よりよい環境を創造していくために、課せられた使命を果たすべく全力を尽くす所存であります。」こういうふうに述べておられるわけです。私はこの言葉どおりに、ぜひとも情熱的な大臣の取り組みということを心から期待をしておりますが、その立場でお伺いをしたいわけです。 そういう大臣のお気持ちを、本当に、口先だけで終わらせていかないためにも、ぜひとも公害患者の皆さんに会っていただきたい。けさも公害患者の皆さんが随分たくさん傍聴に来られました。今もこの後ろに公害患者の皆さんが来ておられます。 私はここに十四歳の川崎市に住む少女の訴えを持っておりますが、三つのときから風邪を引くとゼロゼロというぜんそくの発作を繰り返し、現在でも気管支ぜんそくという病名で国の認定を受けている。発作はほとんど一年じゅう、しかも夜中あるいは夜明けに起こって、そして呼吸が苦しくなって眠っていられないような状態になる。六年生の修学旅行にみんなと一緒に行けなかった。だから、みんなとその修学旅行の話について語り合うこともできなければ、写真の中にも自分はいない。もしこれが大臣のお嬢さんだったら、大臣はお父さんとしてどう思われますか。 もう一つ訴えがあります。四十八歳の東京都豊島区に住まれる御婦人です。十七歳のとき秋田から東京に出てきて、働くことが大好きで、そして妹たちの面倒を親がわりとなって見て、妹たちを片づけて、そして頑張り続けてきた。しかし、この人は十六、七年前に結婚することになり、子供も宿ったけれども、ぜんそくがひどくなってとても強い注射や薬を使ったために、お医者さんからまともな子供は産まれないからあきらめた方がいいよと言われて、やむなく処置をしたというのです。六カ月の赤ちゃんを宿しているといえば、これは母親としてはもう十分お腹の中で子供の生命を感ずる状態です。その小さな命をあきらめなければならなかったという女の気持ちがわかりますか。今この御婦人は、健康だったら幾らでも働けるし、働くのは今でも嫌いじゃないから働きたいと思うけれども、そういう状態になく、公害健康被害補償制度のもとで補償費を受けて暮らしている。しかし、指定地域解除がされるとか補償法がなくなるとか聞くと、もう心配で二日も三日も眠れないような夜が続いてしまう。「新しい患者がだんだん増えているのは、空気がきたないからだと思います。 だから指定地域解除をするというようなことは絶対にいわないでください。」と最後に訴えています。 私は、環境常任委員を務めてからもう足かけ五年になりますけれども、この仕事をしていつも思うのは、やっぱり現地に足を踏み入れなければだめだ、やっぱり被害を受けている皆さんの声を聞かなければだめだ、読み物を見ているだけでは理解ができないなということをいつも思っているわけです。もし大臣が患者に会っていただけたら、大気汚染をなぜ改善しなければいけないのか、公害患者の皆さんがその被害の中でどんなに苦しんでいるか、その救済がどんなに大事か、大臣は所信でも言われておりますけれども、そのお言葉に誠、魂が入るというふうに私は思うわけです。ぜひ会っていただきたいのです。お答えください。
○森国務大臣 藤田先生の涙ながらのお話、私も人の子の親として胸を打つものがございます。 陳情について具体的なお申し出があれば、時期、内容等については、状況を見ましてその都度判断してやっていきたいと考えております。
○藤田(ス)委員 申し入れがあれば、時期、内容について検討してこたえていきたいというふうに聞きましたけれども、つまり、もう少し短く言えば、患者の皆さんから申し入れがあれば大臣は会ってくださる。それは、午前中からも出ておりましたけれども、何だか、六月まで首がつながっておればとかそういうことじゃなしに、スケジュールというのがありますから私はむちゃくちゃ言いませんけれども、しかしスケジュールが許す限り、患者会から申し入れがあれば会ってくださる、そういうふうに聞いておいていいわけですね。
○森国務大臣 時期とか内容とかの状況を見まして、その都度判断してやってまいりたいと思います。ただ、御承知のように今までは予算委員会等々ございまして、なかなか時期等もつかめなかったのでございます。これから先、どのくらい私の任期があるかわかりませんが、その意味で、その都度判断してまいりたいと思います。
○藤田(ス)委員 大臣も私も議員です。合しきりに国会の中で解散解散と言われておりますけれども、国民から選ばれている私たちは、間違っても解散風をいろいろ云々考えて仕事を怠るというようなことがあってはならないと思います。患者会の皆さんが訴えを聞いてほしいというのは極めて単純明快なものでありまして、何か内容で非常に難しいことを申し入れたいというわけじゃないわけです。私もお願いしているのは、私が先ほど御紹介したようなことをぜひともじかに大臣の耳に聞いてほしい、そういう立場でございますので、申し入れがあれば受けていただくというふうに解釈をいたしまして、ぜひそれを実行していただくことを重ねてお願いをして、次に移りたいと思います。 環境庁は五十三年七月、国民の反対を押し切って、NO2の環境基準を二倍から三倍に緩和をいたしました。このとき環境庁は、まず、日平均が〇・〇六ppmを超える地域にあっては、少なくとも〇・〇六ppm以下を達成するとし、六十年度を達成期限に決めて、東京都、横浜市、大阪市などの大都市、交通量の多い幹線道路に面した地域においてもおおむね達成は不可能ではないと明言されたわけです。しかし、総量規制三地域でのNO2の達成基準が達成できないことが、もう既に昨年の四月の時点で確実になりました。その主な原因は、自動車排ガス、とりわけディーゼル車の増加ということはもうはっきりしているわけです。 にもかかわらず、政府は、東京湾横断道路だとか首都圏中央道あるいは東京外環状、大阪では関西新国際空港、これに関連するアクセス道路など大型プロジェクト、さらに大阪市なんかには火力発電所というとんでもないものまで建設を強行しようとしているわけです。これではとてもNO2の汚染はよくならないばかりか、一層拡大され、NO2の環境基準の達成は永遠のかなたに追いやられてしまうのではないかと思わざるを得ません。 七年前に約束されたNO2の環境基準は一体いつまでに達成されるおつもりなのか、ここで私は長官から御答弁をいただきたいわけです。
○林部政府委員 初めに私から若干御説明させていただきます。 達成の時期がいつなのかというお尋ねかと思います。 もう既に先生御案内のことと思いますが、昨年末に中期展望をまとめまして、その時点で二酸化窒素に係る環境基準が未達成となりました原因を明らかにいたしますとともに、五十八年度を基準年次といたしまして、中期予測モデルを用いまして五年後の六十三年度の状況についておおむね予測をいたしました。その中ではまだ環境基準の達成はできないということはお示しをしたとおりでございます。この中で、四月以来極めて短時日ではございますけれども、データ整理、数値シミュレーションによる予測を含めて検討を行ったわけでございますが、達成の時期は明示することはできませんでした。 しかしながら、今後は対策の効果というものも期待ができるということもございますので、さらに新たな対策を追加することによりまして、できるだけ早く達成できるように努力してまいりたい、それで対策の方向等もそこにお示しをしているということでございます。
○藤田(ス)委員 「六十三年度時点では達成局数の増加はあまり期待できない」、これが中期展望でいろいろの対策を書きながら、最後に言われている大変印象的な言葉になっていることは先ほどの御説明でも明らかになっているわけなんです。 大臣、わかってください。私は、これは余りにも無責任だ。何が彼女をそうさせたかという話がありますが、何が今日NO2の環境基準の達成をおくらせたか、それは一にかかって環境庁がかつての環境基準を二倍から三倍に緩和をしたこと、これが環境基準の達成をおくらせ、今日の困難を招いたというふうに考えるわけですが、大臣はいかがお考えですか。――大臣にお伺いしたいわけです。
○林部政府委員 達成を困難にした原因につきましては、先ほど申しました中期展望の中に示されているとおりでございまして、それは一口で言えば、ディーゼルトラックを中心とした物流についての見込みというものが総量削減計画の当初計画策定時点で考えていたものと違っていたということ、また、段階的に自動車に対して単体規制をやってきておりますけれども、その代替がはかばかしく進まなかった、そういうようなことが記されているわけでございまして、私どもは、達成のできなかった原因としては今申し上げましたような中期展望の中に示されていることが原因であるというように理解いたしております。
○森国務大臣 六十年の十一月にこの問題を諮問をしたわけでございますが、緩めたのがいいとか悪いとかということを別にいたしまして、私どもといたしますと、従来この問題の解決をどうしたらいいかということに頭を痛めていたわけでございます。 最近になって、私はやはりディーゼルエンジン車が一番原因の一つではないかということを考えまして、一昨日ですか、日産の工場へ行ってまいりました。それなりの努力をしていることは私は認めたわけですが、じゃ、果たして本当に日産自動車挙げてNOxの排除をやっておるかどうかということについては、一時間、二時間見た事態ではわかりません。そこで、近々に自動車工業会のメンバーを環境庁へ呼びまして、ともかく全力を挙げてこのNOx問題を最重点にやってくれという命令に近いような要請をしてやっていこう、こう考えております。そういうように逐次やっておりますので、ひとつその点も御理解いただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 ディーゼル車の問題は私も臨時国会で取り上げましたし、非常に大事だとは思っています。私が、環境基準を大幅に緩めたことが今日の基準達成の困難さをさらに招いてしまったと言うのは、それは極めて政治的な問題として指摘をしているわけであります。 ところで、私はきょうはもう中期展望についていろいろ議論をする時間がありませんので、次の問題に移らざるを得ませんが、後日もう一度この中期展望の問題については追及をしていきたいと思います。 環境庁は、五十五年から五年間にわたり、先ほどからもお話にありましたように、大気汚染、特にNO2の健康に与える影響について、二十八都道府県三十二万人の児童と成人を対象にした大気汚染健康影響調査を実施し、せんだってその結果が発表されました。かつてない非常に大がかりな調査であります。しかも子供たちを対象にしている、さらに、慢性気管支炎だけではなく、気管支ぜんそくという調査内容をとっているという点でも私は画期的な意義のある調査だというふうに考えております。 この調査は、大気汚染の健康影響の解明あるいは被害者の救済あるいは汚染の防止など、今後大いに環境庁として役立てていくことが、この大がかりな調査に協力をしてくださった皆さんに対しても、また環境庁自身の努力に対しても、より一層生かしていき意義のあるものになっていくと考えますが、この点について環境庁の御見解をお伺いしたいわけです。
○林部政府委員 今御指摘ございましたように、私ども非常に長年月をかけまして大がかりな調査を行ったわけでございます。私どもも、この調査につきましては、結果は既に大部の報告書をお手元にお届けしておりますし、結論と申しますか、まとめといたしましては、その三百六十九ページに、もうここでは読み上げませんが、その「まとめ」という形でこの調査を要約いたしておりますので、結果としてはこういうようなことかと思います。 もちろんこの疫学調査というのは、従来とは随分スケールも違いますし評価も違う、また、今御指摘がありましたように、子供につきまして行いました初めての調査というようなこともございますので、この結果がいろいろな形で今後の私どもの大気保全行政を進める上で有意義なものになってほしい、また国際的にも認めてほしいものだというふうに私は思っております。
○藤田(ス)委員 それではこの調査の中身について若干お伺いをいたしますが、NO2の濃度区分が高くなるにつれて有症率が高くなる傾向が見られる症状として、概要の中では、男児の「持続性ゼロゼロ・たん」、同じく女児の「持続性ゼロゼロ・たん」、成人男女の「持続性たん」、ここでNO2との関連が認められたとしておりますが、これは間違いありませんか。 もう一つ、その環境基準を超えると有症率が非常に高くなるという症状では、男児と女児の「ぜん息様症状―現在」、それから男児の「ぜん息様症状」というふうになっておりますけれども、これも間違いありませんか。確認です。簡単で結構です。
○林部政府委員 お答えいたします。 今先生おっしゃったことに一つ一つお答えすると非常に時間がかかりますから……。 私は、先ほど報告書の三百六十九ページと申し上げました。私どもは最終的に、単に単相関で有意であったということだけではなしに、例えばアレルギー素因がありとなしに分けた場合にその相関係数がどういうふうに動くかとか、あるいは呼吸器疾患の既往歴があるかないかということで全体を分けてみた場合に有意の相関係数が消えるとかいったような、そういうようないわゆる交絡因子というものを頭の中に置いて最終的なまとめのところからは除いているものを先生ちょっとおっしゃったように私聞こえたのですが、私どもは、そういうようなことでいわゆる疫学統計という立場から比較的厳密にセレクトをして確実に言えることを一番最後の三百六十九ページに記した。 ただ、その評価については必ずしも最終的な答えを出しているわけじゃございませんで、従前の健康影響指標として考えているものと、今回の調査で新たに出てきたものがありますよ、そういうようなことで書き分けて事実を記載しておる、こういうことでございます。
○藤田(ス)委員 何かえらい難しい表現をして、物事をすぱっと何でそういうふうに言わはらへんのかなと思うのですよ。 私は、そういういただいた三百何ページじゃなしに、概要の「まとめ」というところで、ここにこう書いてあるのをそのまま取り出して言っただけで、私の言っていることが間違っているか間違っていないかということを聞いただけなんですよ。間違っていないですね。ちゃんとこう書いてあるのをこっちに取り出して言っただけですから。もう余りややこしいことを言わぬといてほしいわけですわ。私の言うことは間違っておりますか。
○林部政府委員 三百六十九ページに書いてあることを取り出しておっしゃったということであれば、それは間違いはないと思います。
○藤田(ス)委員 たいがいしんどい話やなと思うのです。 これに対して日本科学者会議の方は、環境基準以下でも濃度区分が高くなるにつれて有症率の増加がある症状には、環境庁の指摘以外に、女児の「持続性せき」、成人女の「持続性せき」「持続性せき・たん」「ぜん息様症状」「ぜん息様症状―現在」の五つの症状にもその傾向が見られると指摘をしておりますし、それからさらに、この環境基準を超えると高い有症率が見られる症状としては、環境庁の指摘したもの以外に、男児の「持続性せき」、女児の「ぜん息様症状」もあるというふうにしておられます。これは別に日本科学者会議が作為を持って何か数字を勝手にいらったのではなしに、環境庁の出された資料を、単純に、もう少し別の並べかえをしてみればこういう結果になったと言っておりますから、そういう点では環境庁の「まとめ」というのは幾らか控え目ではないかと私は思わざるを得ませんが、御答弁いただいていたらもう次へ進めませんから……。 いずれにしても、大気保全局のこの調査に対して各紙が一斉に報道したように、「NO2は低濃度でも健康に影響を及ぼす」ということが確認されたわけです。これは調査の結果そうなんです。先ほど、男の人に何で影響がないんだ、こういうふうに言われていましたけれども、二十四時間そこに暮らす者こそその影響が強いということも今度のこの調査の中で明らかになっているわけです。同時にまた成人女性それから児童は、NO2だけではなしにSO2、もう解決されたというSO2も影響を与えているということが明らかになりました。 そこで、私はお伺いしたいわけです。私はここに五十三年七月十一日「二酸化窒素に係る環境基準の改定について」という、事務次官通達の補いの説明文として環境庁が出された文書を持っております。この文書の中を見ますと、「環境基準の改定によって、国民の健康保護に問題の生ずるおそれはまったくない。」こういうふうに言っているわけです。「これを超えたからといって直ちに疾病又はそれにつながる影響があらわれるものではない。」こういうふうに言い切ってもおります。しかし、今回のこの環境庁御自身の調査の結果を見れば、もはやそうは言えないのじゃないでしょうか。私は調査結果とこの文章とは非常に大きな矛盾を抱かざるを得ないわけですが、いかがでしょうか。
○林部政府委員 お答えいたします。 御指摘の点は、例えば児童のぜんそく様症状の場合など三一PPb以上の濃度区分のところの有症率が高くなっているということを指しておっしゃっていると思いますが、これは三一PPbを超えると急速に上がるということをあらわしているわけではございませんで、こういう区分で分けると三一PPbより上のグループがごらんのように急に高くなっている、こういうことでございます。
○藤田(ス)委員 結局同じことですよ。三一PPbを超えると、その上のグループがこういうふうに高くなっている。つまり環境基準を超えるとにわかに影響があらわれている。しかし、五十二年の七月十一日に環境庁が「これを超えたからといって直ちに疾病又はそれにつながる影響があらわれるものではない。」といって書いているから、矛盾を感じないかということを聞いているんですよ。私は物すごく矛盾を感じるのです。物すごく言っていることと違うなと思って私はこれを見たんです。だから聞いているんです。矛盾を感じられませんか。超えたからといって直ちにそれにつながる影響があらわれるものではないと言っているけれども、あらわれているじゃありませんか。認められたじゃありませんか。
○林部政府委員 私が立ち入ってお答えをするとまたおしかりを受けるかもしれませんが、濃度のレベルと有症率との間の量-反応をこれは直にあらわしているものではございませんで、一定の濃度の幅でグループ分けをしているわけでございます。その意味では、三一PPb以上のところのものがこの中に含まれているわけでございますからそのグループが高くなっているということで、超えると直ちにという意味ではないというふうに申し上げたつもりでございます。
○藤田(ス)委員 そういうのを世の中で詭弁て言うんですわ。私は、二倍から三倍に環境基準を緩められるとき、国民にこれで大丈夫だよ、影響はないんだと、人々はみんなびっくりしたのに、いや、でも大丈夫なんだということで出されて、非常に厳しく言い切っておられるこの文言が、今日覆されたというふうに言わざるを得ません。 まだありますよ。去る四月八日に発表された中公審環境保健部会の専門委員会の報告でも、留意事項の中に、「感受性の高い集団の存在が注目されてきている。」「疫学調査によっては結果的に見逃される可能性のあることに注意せねばならない。」その「感受性の高い集団」というのは、つまり子供であり、お年寄りであり、そして常日ごろ体の弱い人、そういう人はこういう調査でもなかなか出てこないけれども、そういう人にこそ配慮が要る。つまり、そういう人たちだけを対象に調査をしたら恐らくこのグラフはもっと変わっていたのではないでしょうか。 私は、そういうふうに考えて、またこの文章を読んでみたんです。そしたら、こう書いてあります。「安全率をかけるべきとの意見がある。」が、改定した基準には「十分安全性が考慮されていること、」から、「これ以上に安全性を見込む必要はないと判断した。」こう書いているんです。しかし、今回のこの調査は、十分安全性が考慮された、改定された基準は国民の健康を保護し得る、そういうふうに言い切れますか。
○林部政府委員 お答えをいたします。 安全率の問題でございますけれども、この点は、当時と今回とは調査そのものが、規模も違いますし、今回は子供について初めて行ったというものも加えられているわけでございまして、前回、当時としては非常に最善のものであったと思いますけれども、データそのものが今回の調査に比べれば小さいものでございますから、データがそれだけのものであるだけに当然安全率というものを相当見込まなければならなかったということであろうと思います。 もちろん今回はその意味では非常に規模の大きな調査でございますから、私どもは今回の調査では安全率を掛けるということは考えておりませんし、また、安全率そのものには決して科学的な根拠があるわけではございませんで、当時不十分な面を補う意味で専門家が御判断をされる場合にそういうことを加味して御判断をされたのだというふうに私は理解をいたしております。
○藤田(ス)委員 大変微妙な言い方をされましたね。当時としては調査そのものも非常に小さいものであった、そういう言い方をされて、そして安全率の科学的な裏づけがないとか、そういうことも言われているわけですが、環境基準を少しでも超えるとこれだけ有症率が高くなる、こういう結果を見れば、私はこの環境基準はそれこそ一線を超えると非常に危険なものであるというふうに考えざるを得ないわけです。 そうすると、逆に言えば、それは安全率が見られていないとこの文章の中でも言っているわけですから、十分安全性が考慮されているとは言っておりますけれども安全率は掛けていないということもまなこの文章の中で言っておりますから、だから私は、今のこの環境基準ではここで言われているように国民の健康を十分保護し得るものではないということを、この調査は雄弁に物語ったというふうに言わざるを得ないわけです。 大臣もこの調査をごらんになりましたでしょう、環境庁が出しました調査。大変失礼ですが、大臣まだ御存じないかもしれませんから、これを一度読んでみてください。まあ本当に大見えを切るような、そういう文章がるる並んでいるわけです。しかし、この文章はもう今のこの調査結果では通用しなくなりました。私はそのことを大臣にこの調査から判断をしていただきたいということで、こういうふうに非常にやかましく言っているわけであります。大臣、いかがですか。
○森国務大臣 勉強させていただきまして、委員会はなかなか開かれないと思いますので、先生の方へ御連絡申し上げます。
○藤田(ス)委員 そういうことでしたら、また次の委員会のときにもお尋ねをしていきたいと思いますし、私はここで改めてNO2の環境基準をもとに戻すべきだという主張だけはしておきたいと思います。 次に、大気汚染と健康被害との関係の評価等に関する専門委員会報告についてお尋ねをいたします。 大変引用が長くなりますから辛抱して聞いてほしいのですが、重要なことを言っておりますので、これはぜひ大臣にもう一回復習をしていただけたらと思いまして読み上げてみます。 今回のこの報告の特徴は、現在の大気汚染のもとでも慢性閉塞性肺疾患に対して大気汚染が悪影響を及ぼしていることを明らかにしているわけです。報告ではこう書いています。「我が国の最近の大気汚染は、二酸化窒素と大気中粒子状物質が特に注目される汚染物質であると考えられる。」とした上で、「現在の大気汚染が総体として慢性閉塞性肺疾患の自然史に何らかの影響を及ぼしている可能性は否定できない」、こういうふうに結論づけております。 すなわち、慢性気管支炎では、「成人の持続性せき・たんの有症率は、男女とも、喫煙、室内汚染、職歴などの因子を考慮しても人口密度の高い地域に有症率が高くみられ、かつ、おおむねどの大気汚染物質との間にも有意な相関がみられ、また、女のみが二酸化窒素と二酸化硫黄との間に有意な相関がみられ、現状の大気汚染が持続性せき・たんの有症率に何らかの影響を及ぼしていると示唆される。」さらに、「慢性気管支炎の基本病態の一つである気道粘液の過分泌状態との関連で持続性たんの有症率が二つの調査で共通して二酸化硫黄、浮遊粉じん及び二酸化窒素と有意な相関が認められたことが注目される。」と述べられています。 気管支ぜんそくについても、「児童のぜん息様症状・現在については、環境庁の二つの調査に共通した結果としては、児童のぜん息様症状・現在の有症率は男で二酸化窒素と、女で二酸化窒素と二酸化硫黄との間に、持続性ゼロゼロ・たんの有症率は男で二酸化窒素と二酸化硫黄と、女で二酸化硫黄との間に、それぞれ有意な相関を示した。さらに、ぜん息様症状・現在及び持続性ゼロゼロ・たんの有症率は、人口密度の高い地域ほど、有意に高い有症率がみられた。」 「アレルギー素因ありの群はなしの群に比べ、持続性ゼロゼロ・たんは男女とも、ぜん息様症状・現在は男で二酸化窒素と二酸化硫黄との相関が有意となる傾向が示されている。また、受動喫煙の有無別、暖房器具などによる室内汚染の有無別、家屋構造別などに層別化して検討しても、男女とも持続性ゼロゼロ・たんは二酸化窒素との間に有意な相関が認められることが多かった。」「五十歳以上の女で二酸化硫黄との間に有意な相関が認められている。」「以上から判断して、現状の大気汚染が児童のぜん息様症状・現在や持続性ゼロゼロ・たんの有症率に何らかの影響を及ぼしている可能性は否定でさないと考える。」 私は大分あちこち飛ばして、重要な指摘だと思うところを読みましたが、これは明らかに現在の大気汚染が人体に悪影響を及ぼしていることをせんだっての専門委員会も認め、そしてその危険性を明確に指摘をしていると考えますが、いかがでしょうか。
○目黒政府委員 先生が今御指摘なさいました部分につきましては、報告書の中の御指摘のとおりの部分でございます。 しかしながら、その後に続きまして全体の評価というものがついているわけでございます……
○藤田(ス)委員 それで結構です。 そう言われるだろう、こういうふうに思っていましたから、私はその点についてもちゃんと考えてきたのです。 この報告では確かに部分的にはそういうふうに「以上から判断してこういうところで非常にあいまいな表現が使われているし、科学的なデータと矛盾する文言が確かに織り込まれています。しかし、そのことは全体の論旨を変えるものになっていると思われますか。あれをまじめに読んだら、あそこの部分は大分、やはりいろいろな人が専門委員会に入っていて無理していらっしゃるなということを感ぜざるを得ないわけですが、全体の論旨は、危険だということを指摘し、大気汚染と健康の関係を否定しているものではありません。しかも、肯定している部分と否定をしているかに見えるその部分との間には非常に脈絡がありませんし、説得力はありませんし、整合性は欠いておりますし、そういう点ではいろいろ物は言いにくかろうと思いますけれども、私は、環境庁はやはり「以上から判断して、」というその上の部分、全体の論旨というものをしっかり押さえてこれからの環境行政に生かしていくべきだ、こういうふうに考えるわけなんです。
○目黒政府委員 大変高度かつ専門的な内容のものでございますが、先生の御指摘の点につきましては、これは疫学の調査というものが中心になった御意見というふうに私どもとっているわけでございます。 この調査の報告書全体を眺めますと、やはりこれは動物実験とかあるいは人体への負荷研究とかあるいは疫学研究、それから臨床医学的な知見、そういうものを踏まえまして最後の結論に至っているものでございます。したがいまして、部分的に見ますとある方々は先生の御指摘のとおりのようなお考えの方もおいでになりますし、あるいはまた全く逆の考え方をなさる方もあることは事実でございます。 したがいまして、私ども、この研究報告というものを踏まえまして、先般八日に環境保健部会におきまして新たに作業委員会を設けておりますので、そこで十分な御論議がいただけるもの、このように考えているところでございます。
○藤田(ス)委員 作業委員会で議論をされるということは私はよく承知をしているわけです。しかし、この専門委員会の報告というのは環境庁自身がまだまだ我々はやらなければならないことがたくさんあるなというふうに受けとめなければいけないんじゃないか、そういうことを考えるから私はこの専門委員会の報告についての環境庁としての見解を聞いているのです。 私はこれを読みましたときに、もう本当に大きな声で、だから言ったじゃないか、公害健康被害補償制度は見直すべきではないよ、財界はSO2が解決してそしてもう公害がなくなったから公害健康被害補償制度を見直せと言うけれども、この文章を見たらだれがそういうことを言えるだろうかと、本当に窓をあけて大きな声で叫びたいような気がいたしました。しかし、私はそのことをここで何万通繰り返したってあなた方が今同じような答弁を繰り返されるにすぎないことをわかっておりますから、そのことを言っているわけじゃありません。 しかし、本当に環境庁が、大臣が所信で言われたように国民が安心して暮らせる環境を取り戻していくという立場に立つならば、この専門委員会の報告というのは謙虚に受けとめて、そしてもう一度原点に立ち戻った気持ちで環境行政に取り組んでいくべきじゃないか。 留意事項では、特に局地的な汚染の影響、感受性の高い人たちへの注意、そしてさらに疫学調査や動物実験の面でも研究を深めよ、大気汚染のより精密なデータを収集し充実を図れ、アスベスト、ベンツピレンと肺がんとのかかわりについて長期的予防的観点からの調査を実施せよと九項目の課題の検討も求めているわけです。そういうことについて、環境庁はこの専門委員会の報告を謙虚に受けとめて取り組んでいくべきだということを申し上げているわけなんです。
○森国務大臣 先ほどから何人かの御質問の先生にお答え申し上げましたが、私は、先生の御指摘の問題まで含めまして環境行政のこれが最大の解決しなければいけない問題だと考えておりますので、この問題はこの専門委員会の出したデータをもとにして恐らく部会でお考えいただけると思いますので、私の任期中に一生懸命この問題の解決に前進してまいりたい、こう考えております。
○藤田(ス)委員 口答えをするようで大変恐縮ですが、大臣、何も任期中に慌てて見直さんならぬことないわけです。この専門委員会の報告書というのはそのことを言っているんです。深く読んでください。専門委員会の責任者である鈴木先生が記者会見の中で、疑わしきは見逃さないでほしいと言われたあの言葉の中には、恐らくお医者さんとして、専門家として言いたい思いをいっぱいその中に込めておられる、それを環境庁は十分酌み取るべきだ、それは公害患者の皆さんも願っておられることなんです。 だから、任期中に何も解決せんならぬことないわけです。それは沿道地域を指定の中に入れるとかいうならともかく、何も財界が言うのに任期中に解決する解決すると言って慌てぬでも結構ですから、最後に私は長官の決意を聞かせていただきたいと思います。
○森国務大臣 私はけさから何度も私の任期中に政治生命をかけてやろうという決意を述べたわけでございますが、藤田先生はやらなくてもいいとおっしゃること、このことは私は私の耳の中にとめておきます。
○藤田(ス)委員 公健法の見直しをするところか、NO2の環境基準の見直しこそ急ぐべきだと私もまた最後に大臣に申し上げて、質問を終わりたいと思います。 きょうは私は三宅島の問題も質問するべく担当の方にお願いをしておきながら、大変失礼をいたしました。次にさせていただきますのでお許しをいただいて、時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。
○中馬委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十六分散会