外務委員会 第15号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/05/21
会議録
○北川委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
○高沢委員 大臣、いよいよこの第百四国会も最後の段階になりました。政局がどういう展開をたどるか、非常に複雑な状況になっております。そういう状況の中で大臣、今月二十九日からソ連を訪問されるという御予定も決まっているわけてありますが、その関係が大変私は大臣のお立場で見ても微妙なものがあるのではないのか、こんなふうに思いまして、きょうはその点を主な焦点としてお尋ねをいたしたいと思います。 順序として、先に政局の関連等々についての大臣の御所見をお聞きしながら、訪ソの問題に進んでまいりたいと考えております。 まず、今一つの最大の焦点になっているのは、この国会はあしたで終了する、そしてその後早急に臨時国会を召集する、今こういうお話が出ているわけでありますが、この件について大臣はどのようにお考えでございましょうか、臨時国会の召集の問題。
○安倍国務大臣 それは、お話としては聞いております。臨時国会があるとかないとか、召集するとか反対だとか、いろいろと動きもあるようですし、聞いておりますが、しかしまだ確たる、例えば政府関連の機関で話し合うとか、政府・与党の公式な会議で話し合うとか、そういうところまで行っておりません。ですから、動きとしてはあると思います、実際新聞等でも随分報道されているように。しかし、まだ浮上して表に出て公式に論議されておるということでないわけですから、私も閣僚の一人でございますし、そういう段階でいろいろと物を言うことはかえって誤解を生むことになるのではないか、こういうふうに思います。
○高沢委員 臨時国会を開くという意見の大きな一つの前提は、今円高問題があるからこれに対処するために臨時国会が必要だということが、一つの議論としてあるわけであります。この円高問題のために、では本当に今この通常国会が終わった途端に臨時国会をやるというふうなやり方でやるのがいいのかどうか。後にはもう参議院選挙が来ているわけですから、この臨時国会は非常に限られた時間の中で非常に短期なものにならざるを得ないというふうに考えてみますと、そういう中で本格的な円高対策が本当にできるのかどうか、この辺は、賛否は別として大臣の御所見はいかがでしょうか。
○安倍国務大臣 これは、先般の閣議の際においても総理から閣僚に対して指示が出まして、円高に対する国内対策を各省庁とも大臣を中心にして急いでほしい、そしてこれを早く自分の手元に提出してほしい、こういう指示が出ておりまして、今関係各省庁が大臣を中心に作業を急いでおるのではないかと思います。したがって、恐らくいつになりますか、国会が終わった時点になりますか、あるいはその前になりますか、その辺のところはわかりませんが、いずれにしてももうそうした対策が出そろうといいますか、そういうことになると思います。そうした段階で実は政府としてどうするか、あるいは政府を支えている党がどういう判断をするかということで、政府としてあるいはまた政府・与党としての円高対策についての全体的な意見の集約を図っていかなければならぬだろう、こういうふうに思っております。各省ばらばらにやってもそれは限界があるわけでありますし、総理の言っているのはやはり抜本的なことをやりたいということでございますから、そうなれば果たして臨時国会が必要かどうかということは、そうした対策が出そろった段階で判断する、議論していくということになるのじゃなかろうか、こういうふうに思います。
○高沢委員 今大臣も言われましたが、それぞれ各省が円高の対策をとられて、結局それは最終的には政府としてまとめて何か立法措置をとらなければいかぬ、法案を出さなければいかぬ、あるいはまた行政措置を講じなければいかぬ、そういういろいろな措置の裏づけとしては今度は予算措置も必要になる、補正予算も組まなければいかぬ、こういうふうなことになってまいりますと、それをやる国会は、今申し上げたようなこの国会が終わって参議院の選挙の前の狭い狭いすき間の中でちょっとやるというような国会では、私は到底対応できない。そういたしますと、そういう本格的な円高対策の国会は、参議院の選挙が済んでその後の臨時国会というふうなところで腰を据えて本格的にやるというようなあり方が私は正しいのじゃないのか、こんなふうに思いますが、この点大臣御所見いかがですか。
○安倍国務大臣 まだ何も議論してないのですが、今おっしゃるように参議院選があることは確実ですし、臨時国会を開いたとしても非常に狭いすき間ですから、そういう狭いすき間の中で果たしてどれだけのことができるかという議論もあると思います。同時にまた円高対策、急を要しますから、それではそれを先に延ばして、臨時国会をもっと先に行ってそれで間に合うかというふうな議論ももちろん出るでしょうし、そうしたいろいろな議論といいますか考え方をまだ何も政府の中でやっておりませんし、今の円高の状況というのが経済にどの程度影響を与えつつあるかということも、一般的には報告は受けていますが、立法を進めておる官庁等からの具体的な、深刻な実態というものについてはまだ何も聞いておりませんから、そういうものを聞かなければ判断ができないのじゃないだろうか、こういうふうに思うわけでございます。そういう意味では、今おっしゃるようになかなか判断が困難になってくると考えております。
○高沢委員 私がもし仮に政府の立場であれば、非常に緊急にとらなければならぬ円高対策はまさにそれぞれ行政措置でして、その裏づけは例えば予備費の運用等々もしながら、しかし、根本的な立法措置等々そういうものを伴う抜本的な円高対策は、参議院選の後のしっかりとした国会でやる、私ならばそういう選択をするのが正しいと思います。しかし、そうでなくて、この国会が終わって、参議院選の前のごく狭い間に何か無理に臨時国会を召集する、こうなりますと、これは円高対策が目的ではなくて、どうやら臨時国会を召集して解散することが目的の臨時国会だということになるのではないか。また、実際そういうねらいで中曽根総理は臨時国会を考えておるというようなことも報道されているわけでありますが、大臣、こういう国会のあり方は一体それでいいとお考えか、いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 政府内部も党内部も、そこまで突き詰めて考えるというか議論をする段階にまだなっていないということですけれども、今おっしゃるようなうわさとか推測とかがいろいろ流れておることは事実でございます。しかし、初めから今おっしゃるような解散を目的にした臨時国会ということでもないのでしょうが、やはり円高対策が大義名分といいますか、そういうことで考えられるのではないだろうかと思うわけです。その結果どうなるかというのは、その時点の問題だろうと思います。 いずれにしても、私が考えるわけじゃなくて、中曽根総理を初め本当に考える立場にある人が考えておるかもしれませんけれども、まだ何も相談を受けておりません。しかし、やはりこれは議論をしなければならぬと思います。臨時国会を開くにしても、それはどういう目的で開くのかということについても議論をしなければならぬ。それは、閣僚として我々は大きな責任があると思っております。そういうような意味で、御相談があり、またそのために閣議等が開かれるということになるならば、その中でいろいろな角度から議論を尽くす必要がある、私はそういうように考えております。
○高沢委員 既に自由民主党の金丸幹事長も、そうした早期解散の必要性、この場合の意味するところは同時選挙、こういう発言もされておりますし、また、きのうの新聞等はいずれも同時選挙はどうなんだということで、各閣僚にアンケートを求めるというようなことにもなってきているわけです。したがって、今問題の臨時国会というものは、同時選挙のための臨時国会であるという性格は、幾ら隠そうとしてももう隠せない一つの姿になっております。そういうことの臨時国会が召集となってきたときに、内閣で非常に重要な閣僚である大臣は、この臨時国会召集の方針に対して賛成の署名をされますか、そういう臨時国会は召集すべきでない、署名はしない、こういう態度をおとりになりますか、いかがでしょう。
○安倍国務大臣 全く、まだどうなっていくかわからない状況ですから、今そういう御質問にお答えする立場にもありませんし、そこまで突き詰めて考えておるわけでもありません。とにかく私としましては、解散するにしても大義名分というものがなければできない、これは今までの解散の歴史を見てもそうでありますし、できないということを終始一貫して言っておるわけでございます。もちろん、解散権は内閣にありますし、今の憲法においては総理大臣が内閣を代表して、そしてまた、総理大臣の権限というのは憲法上非常に強いわけであります。任免権を持っておりますから、閣僚が反対をしても総理大臣の決意でもってできるわけでございます。しかし、そうはいっても政党政治、議会政治でございますし、そうした重要な国事行為を行う場合には、閣内あるいは党内の議論を十分尽くして、その上に立って慎重に判断をされるべきであるというのが私の主張でございます。 それには、大義名分が必要じゃないかということを常々言っておるわけでございますし、新聞なんかでも私も聞かれることもあるわけでありますが、我々政府を構成する閣僚であると同時に与党の一員として申し上げれば、解散をするかしないかについても党が一本化しておる、いたずらに分裂状況の中で臨むというふうなことは避けなければならないというコンセンサスが必要じゃないか、こういうことを言い続けてきておるわけでございます。そうした基本的な立場に立って、私はもちろん政治家として、閣僚として臨まなければならない、こういう考えを持っております。
○高沢委員 今大臣は、解散に当たっては堂々たる大義名分が必要であるということと、党が一本化してなければいかぬということを言われたわけですが、私の拝見するところ、短期間の臨時国会、そして解散して衆参同時選挙、こういう持っていき方については、与党のいろいろな方の発言や行動を見ると到底一本化しているとは思えない。先ほど雑談で、ここでお名前を出して失礼ですが北川外務委員長は、そうした解散のやり方は断じて反対であると非常に強い見解を表明されておりました。そしてまた、その他にも自民党の有力な方々も、そういうやり方は絶対にやってはいかぬという御意見があり、私は、党は一本化しているとは到底言えないと思います。同時に、同時選挙に持っていく場合に一体どういう大義名分があるのか。私は、むしろ正当な議会政治のルールを踏みにじる、大義名分の逆の不当不法の前例をここでつくることになるのじゃないか、こんなふうに考えます。そういう臨時国会、そういう解散は到底あるべきではない、こう考えますと、仮定の問題ではなくて、そうなったら私は署名しない、こういうはっきりした態度が大臣から出ていいのじゃないかと私は思います。いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 これはやはり、十分議論を尽くす必要があると思うのです。おっしゃるように党内のいろいろな意見もありますし、閣内だって意見があるわけですから、日本は民主主義の国ですし、議院内閣制でありますし、総理大臣の権限がいかに強大であるとはいっても、この強大な権限を実行するに当たりましてはコンセンサスというものが政党政治では必要じゃないだろうか、私はそういうふうに思っていますから、とにかくこれからどういう形になっていくのかわかりませんけれども、閣内においても議論を尽くさなければなりませんし、また党内においても議論はしなければならぬ。そういう中で納得がいくということが大事でありますし、同時にまた一つの意見の集約が生まれるということも、これまでの議会政治、政党政治の歴史を見ても、いろいろ混乱をしても、最終的には一つのコンセンサスが生まれていって、それによって問題を決めておるわけでございます。これはひとり自民党だけではないと思っております。そうしたコンセンサスづくりのための議論を尽くすことがまず大前提だろう、その結果としてどういうことになるか、これは意見の集約の方向を見定めなければならぬというふうに思います。
○高沢委員 私の先輩である大臣に、過去の歴史などを申し上げるのは大変失礼でございますが、あの吉田内閣、ワンマンと言われて、何事もやろうとしてやれないことのなかった吉田総理も、昭和二十九年の年末に、当時緒方副総理との意見の対立の中で解散をやろうとしたけれども、とうとうできずに総辞職ということになって、その後を受けた鳩山内閣が改めて新しい内閣として信を問う、こういう解散をやられた、こういう前例があります。私は、今中曽根総理は無理やりに解散をやろうとするということの性格は、この吉田内閣の末期の状態とそっくり同じとは言わないけれども、一つの非常に似た状況というものがあるのじゃないか。あのときに、緒方副総理の断固たる反対で吉田総理は解散ができなかったということを考えてみますと、閣内の最重要閣僚である大臣が、そうした不当不法な解散はやるべきでない、非常に断固たる態度をあらかじめ示されておられれば、そうした暴挙は中曽根総理もできない、断念するというふうなことになるのじゃないのか。 また、特に大臣の場合には、大きな先輩としても福田元総理もおられるわけです。福田元総理は、かねがねそういう不法不当な解散はやるべきではない、こういう立場をとっておられますが、こういう意味において、今の非常に複雑微妙なその問題をこれからどう決めるのかという、見なりあるいは閣議としても非常に重要な決断をこれからしようとするときに、私は、大臣からそうした間違った決断にならぬようなそういう方向へのはっきりとした意思表示をきょうはここでお示しいただければ非常にいいのではないか、こう思いますが、どうですか。
○安倍国務大臣 お話のことは、お気持ち、筋論についても私もわかるわけでございますが、しかし、あの当時の二十九年の吉田内閣末期の状況と今回と歴史的には同じような事実あるいは環境というものはあるでしょうけれども、そのままそっくりだとも思いませんが、しかし、政治家のとる態度というのはどういう事態においてもそう変わらない、こういうふうに思います。そういう中で、これはこれからどういうふうになっていくか全くわからない、私自身もよくわからない状況ですから、そういうものを想定して言うことは非常に早計だと思いますけれども、先ほどから申し上げましたように、私は終始一貫をした立場をとっておりますし、そして重大な決定がなされるに当たっては閣僚の一人、特に今お話しのように、重要な閣僚の一人として私の一つの決意に基づき、また、私の政治家としての判断に基づいて筋の通った出処進退はしなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでありまして、これはこれからどういうことになるかというのは全く想像できないような状況にあるわけであります。
○高沢委員 今大臣、出処進退と言われましたけれども、仮に私が安倍大臣の立場だったらこういうふうにやりたい、またこういうふうに言いたいと思います。中曽根総理に向かって、あなたはどうも解散をやりたいようだ、やりたいようだが、もうあなたは既に任期が半年もないのだ、したがって、あなたが今ここで国民に信を問うて、その信を問うたことを実行する時間がないのだから、あなたは解散をやる資格はない、それは総理としての解散の権限はあるかもしらぬ、政治的に言えば解散をやる資格はあなたはない、そして早急に、あなた、安倍大臣、私に交代しなさい――あなたは今三人のニューリーダーと言われる中で、かつて総裁選挙に挑戦したただ一人の経験者です。三人の中であなたが一番ポスト中曽根の、総理・総裁を担う適任者だと私は思います。したがって安倍大臣、解散は私が総理・総裁を受け継いで、その新内閣のもとで新たに国民に信を問う、それは私がやります、中曽根さん、あなたはやる資格がない、こうはっきり言うべきではないですか。これは大臣という立場よりも、この日本を担う政治家の立場でその見識を示してください。いかがですか。
○安倍国務大臣 どうも御激励をいただきましてありがとうございますが、やはりそれぞれの考え方、立場もあるわけです。私は私なりに、先ほどから申し上げましたように政治家としてこれまで歩んでまいりましたその一つの基本に立って、何事によらず筋道を通して出処進退はしなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
○高沢委員 外務大臣の大事なソ連訪問のことに触れる時間がなくなってはいけませんから、そちらの方へ移したいと思います。 今度ソ連を訪問される、これは相手側でも歓迎、こういうふうなことになっておりますが、今言いましたような非常に激動的政局の展開になったときに、この訪ソは予定どおりおやりになるのか、あるいは状況によってはこれを中止する、延期するというふうなことになるのか、この辺はいかがでしょう。
○安倍国務大臣 これは、やはり何といっても国と国との約束でありますし、今回私が行くということについては両国の合意ができておりますから、政局がどういうことになりますか、問題がいろいろと複雑になっても、どういう事態が起こっても、私としては外務大臣である以上は、何としても約束は果たしていくということが日ソ間の今後のことを考えても極めて必要な重要なことである、このように思っております。
○高沢委員 国際信義を貫くという大臣の御決意に敬意を表します。また、本当に御苦労さまでございます。 それで、訪ソされた際に当然一つ出てくる具体的なテーマとしては、文化協定の今度調印になるというふうなことも伝えられておりますが、その辺の見通しはいかがですか。
○安倍国務大臣 文化協定につきましては、何とか私が行きましたときに調印したいものだという気持ちは持っております。実はシュワルナゼさんが一月に来られたときも、そのとき何とかしたい、調印したいものだ、両国ともそういう気持ちであったわけでございますが、なかなかこういう協定については両国間の立場というのがありまして、折衝を重ねてまいったのですが、最後まで合意を見るに至らなかったということであります。さらにその後の協議、折衝が続いておるわけでございまして、問題点はまだ残っておることは御承知のとおりでございますが、その問題点も何とか私の訪ソの際に解決したいということで、両国で今誠意を持って努力を重ねておるわけでございます。しかし、これはやはり日本は日本の立場、両国のそれぞれの立場、日本は日本の国益を踏まえた立場というのがありますし、ただ何が何でも行ったときに調印をしなければならぬ、そういうことでもないわけでございまして、できればそういうことに持っていきたい、こういうことで努力は重ねております。
○高沢委員 日本とソ連のそれぞれのお国柄とかあるいは社会のあり方が非常に違いますから、その中で文化協定を両者がともにいいようにまとめるのは、大変御苦労されていることはよくわかります。いずれにしても、せっかく訪ソされた中で調印ができれば大臣訪ソの大きな具体的な成果になる、こう私は思いますので、ぜひ御成功をお祈りしたいと思います。 それから、もう一つ訪ソの課題として言われております北方領土のビザなしの墓参の問題ですが、この辺は見通しはいかがでしょうか。
○安倍国務大臣 これも、実は一月にシェワルナゼ外相がお見えになったときに私の方から提案をしまして、これは領土問題ということではなくて、いわゆる人道問題として、十年も、日本に引き揚げてきておるところの北方四島の居住者の方が先祖の墓にも参れないという事態が続いておるので、痛切な思いを皆さん持っておられるので、何とかその道を開いてもらいたいということを強く要請をいたしまして、これに対してシュワルナゼ外相も、それは人道的な面からよく理解できる、これはあなたがモスクワへ来られたときにさらに話して、何とかいい方向で解決したいものだというような趣旨の御発言がありまして、私は、これまでとはソ連の態度としては違った一つの希望の持てるお話であった、こういうふうに思っております。 そこで、これはもう実は私が行く前にできれば決着をしたい、そして行って、そこで両国の外務大臣同士で最終的な合意をすることができれば大変結構だと思って努力したわけですが、ソ連はソ連の立場もあるわけですし、いろいろの関係省庁等の関連もあるのではないかと思いますが、そこまでまだ至っておらないわけでございます。これはやはり私としましては、見通しがはっきり立っておるわけじゃございませんけれども、一月の会談のときの雰囲気もありますから、今度行ったときに何とか道をつけてまいりたい、またそれは可能性としてはある、しかしそれは私が行くことだ、こういうふうに考えておるわけでございます。最大の努力をする決意であります。
○高沢委員 もう一つの問題としてはチェルノブイルの原発の事故の問題がありますが、当然これは大臣行かれれば話題に出ると思います。ソ連側もだんだん時間の経過の中で、あの事故の性格等等いろいろ発表はしてきておりますが、しかしまだ全体的には、なぜああいう事故が起きたかということが解明されていない、こういう状況です。そういうことを解明する、あるいはまた、今度我我の側で言えば、日本も原子力発電しておりますから、ああいうふうな事故がいつ、どこで起きるかもしれない可能性がやはりありますから、そういうときの対応の一つの国際的な協力体制というようなこと、これはかなりグローバルな国際的協力体制が必要になると思います。 しかしその前提としては、例えば日ソとかあるいは日米とか、それぞれの二国間の関係におけるそうした事故に対する対応の協力体制というふうなものが必要になると思いますが、そういうところまで突っ込んで今度の訪ソでお話をされる、そして、日ソ間の専門家同士の協議を具体化するとかいうところまでお話しになるお考えがありますか、そういう御予定がありますか。
○安倍国務大臣 まだ議題としては、そこまで合意しているわけではございませんが、私としましては、何といいましてもチェルノブイルの原子力発電所の事故というのは、世界的にも大きな反響を呼びましたし、サミットでも取り上げられましたし、また日本も重大な関心を持っておるわけでございます。これはソ連の問題じゃなくて、おっしゃるように世界全体、人類全体の問題にもなるわけですから、やはり国際的な協力体制をつくっていかなければならぬという考えは強く持っております。 恐らくソ連も、ゴルバチョフ書記長の演説等を見てもそういう考えもあるように思いますから、日ソの外相会談においては、私は何とかこれを取り上げて率直な意見の交換をして、今おっしゃるように何か国際協力への道をお互いに探ってみたい。同時にまた、日ソで協力関係がこれに関してできるということになればこれは大いに協議をして、そういう道が生まれるような可能性があればひとつそういう方向でやってみなければならぬ、こういうふうに思っております。 今、我が国としましてもソ連側に対して、例えば医療協力とかいろいろ申し入れもいたしておるわけでございます。あるいはまたIAEAの国際会議で、ソ連も入っていますからいろいろと協議をしょうということも、今国際的にもそういう枠組みの中で話し合いも進みつつあるのじゃないかと思います。そういう意味では、私の行くときがちょうど一つのチャンスじゃないだろうか。議題として今決まっているわけじゃありませんけれども、ぜひともこれは取り上げたい、こういうふうに思っておるわけです。
○高沢委員 今申し上げたようなそれぞれ個別の、しかし非常に重要な課題がありますが、同時に大臣と相手のゴルバチョフ書記長の会談、そういう場が当然セットされると思いますが、そういうときに大臣としては非常に高度な次元でこれからの日ソの関係のあり方、そのためには両者からどういう積極的なアプローチをするのがいいか、こういう次元のお話も恐らくされるだろうと思います。その辺の大臣の一つの構想といいますか、そういうふうなものがあったらお聞かせいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 いずれにしましても、日ソ間にはまだ平和条約が締結されてないという状況にあるわけでございますし、日本外交の基本は領土問題を解決して平和条約を結びたい、こういうことであります。幸いにして、ことしの一月の日ソ間の定期外相会議で平和条約交渉を継続していくということになっておりますから、この日本側の基本姿勢というものは伝えてまいる。同時にまた、日ソの対話というものを強化していくということが、これは日本にとりましても、ソ連にとりましても、あるいはまたアジアにとりましても、世界にとりましても非常に重要なことであろう、こういうふうに思っておりますし、そうした対話の継続強化、そしてまた最終的には日ソ間については、平和条約の締結ということに向かっての日本のはっきりした立場を伝えてまいりたいと思います。同時にまた、世界の平和という観点から、東西問題、特に米ソの首脳会談に向けてのソ連側の努力あるいはまた平和、軍縮に向けてのソ連の努力というものを強く求めたい、こういうふうに思っております。
○高沢委員 軍縮に向けてのソ連の努力というお話が今大臣から出ましたが、御承知のとおり先ごろゴルバチョフ書記長からは、ひとつアメリカと核実験を停止するそういう協議をやりたい、それはヨーロッパのどこかでもいいが、また日本の広島でやりたいというふうな表明があったわけです。これはもし、本当にそういうことをやるとすれば、当然また日本とソ連、日本とアメリカの外交ルートの話し合いが必要になると思いますが、ただ、この呼びかけについては広島の市長も非常に歓迎するというふうな表明をされておりますし、また、今日の世界の核戦略に関係するようなそういう国の指導者は、必ず日本の広島、長崎を訪問して、核戦争というものはどういう結果をもたらすかということをよく認識をした上で軍縮の話し合いを進めるべきだ、これはもう恐らく日本の国民の総意である、こう言って間違いないと私は思います。したがって、今度訪ソされた際に、そうした米ソの核実験をやめるという話し合いを広島でやるということの、ひとつ積極的な実現の方向を目指しながら大臣はソ連とお話しになるのがいいのじゃないのか、こんなふうに思いますが、いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 これはまさに米ソの間のことであって、たまたま今広島という具体的な地名が出たわけであります。そして、確かに広島が原爆の洗礼を受けた世界の初めての都市であることは言うまでもないわけでございますけれども、日本に対してはそういう打診というのもなかったわけでありますし、米ソ間で何でも合意ができれば大変結構だと私は思うのですけれども、今の状況を見ますと、第二回の米ソの首脳会談を開いて軍縮問題、地域問題、東西間の問題、第一回に引き続いて包括的な米ソの協議をしよう、そういう合意があるわけです。これは我々としては、ぜひとも早くやってもらいたいと思っていますが、残念ながら今ゴルバチョフ書記長が提案しておられるような核実験全面禁止についての米ソ間の首脳会談というようなものについてはアメリカ側はこれを拒否しておる、そういうセパレートしていろいろな問題をやるのではなくて包括的にやろうじゃないか、そういう合意があるのではないかということでアメリカ側はソ連に回答いたしておるわけですから、ゴルバチョフ書記長の提案は提案として、これはやはり非常に具体性といいますか可能性のない、相手が受け入れないという状況でございますし、むしろ私は、非常に確実な可能性を持った第二回米ソ首脳会談を早く開くということが必要なことじゃないか、日本としてはそういう立場で日本の姿勢は明らかにしてまいりたいと考えております。
○高沢委員 もう時間が参りましたので、この一間で終わります。 今の米ソのそうした首脳会談あるいは米ソの核軍縮の話し合い、今度行かれてソ連にいろいろこうすべきだというお話をされる、一方ではまた、当然アメリカに対して日本の立場として核軍縮のためにこうしてほしい、こうすべきだという話をされる、その両者の関係で今度は米ソの合意が成り立つというふうに両方がら持っていく役割を、今日本こそ一番やるべきだと私は思うわけです。 したがいまして、昨年八月からソ連の方では一方的に核実験をやめるということでずっと今日まで一応来ていますが、その間にどうもひそかにやったらしいというあれは何もないわけです。そういう意味においては、やめるとなれば確かにやめる、そしてまたその一つの検証措置ということが出てくるでしょうが、検証措置についても話し合いをしていいんだということをソ連も言っています。そういう意味においては今度はアメリカに対しても、そういう提案が出たら途端に断るというのではなくて、やはり一度テーブルに着いて、この実験をやめるということについての米ソの話し合いをやったらどうだということをアメリカにも言われるというふうな形で、促進をされるのが非常に必要じゃないか。 核の軍縮と一口に言っても、具体的には実験をやめるとか、あるいは日本のような非核三原則を各国に広げるとか、幾つかの具体的措置の積み重ねで初めて全体的な核の軍縮が実現していくと思いますから、その意味では今現に出ている具体的に実験をやめるというこの第一歩を本当に実らせるための、日本がその先頭に立つ努力をなさるべきだと私は思いますが、最後にその御所見を聞いて終わりたいと思います。
○安倍国務大臣 米ソ間には、いろいろのルートで軍縮問題も話し合っておるわけで、今のジュネーブの軍備管理交渉なんかまさにその一つの大きな舞台であります。さらにまた、米ソとも両首脳がいろいろと具体的な案をお互いに出し合っておるわけでございまして、ただソ連が案を出してそれに対してアメリカが一方的に拒否しているということじゃなくて、検証問題等についてはレーガン大統領からも具体的な提案があるわけであります。あるいはINFの問題につきましても、ゴルバチョフ提案に対してレーガン提案というものもあるわけでございます。その辺については、今後とも米ソ間で建設的にこうした軍縮、特に核軍縮についての合意が確立するように、これからの協議が進んでいくことを私たちとしては願っておりますし、そのために日本もそれなりの役割を果たしていかなければならぬと考えております。 日本の立場は非常に明らかでございますし、日本は核も持っておりませんし、つくってもいないわけでありまして、核の廃絶、そして核実験の全面禁止というのは、日本もこれまでずっと主張し続けてきたわけでございますから、この基本路線というものは踏まえて、これからの世界、特に米ソの核軍縮交渉あるいはまた米ソの首脳会談等にも日本の立場を明らかにして、日本なりの努力は重ねてまいりたいと考えております。
○高沢委員 大臣のソ連訪問が大きな成果のあることをお祈りをして、質問を終わります。
○北川委員長 次に、玉城栄一君。
○玉城委員 外務大臣にお伺いいたしたいのであります。 先日、この委員会の控室で、例の沖縄の米軍用地二十年強制使用、大臣御自身もお会いになられて要請文も受け取られたわけでありますが、来年六十二年から向こう二十年間、昭和八十二年まで、西暦では二〇〇七年、二十一世紀にまたがって駐留軍特措法によって米軍用地を強制的に使用したい、こういうことは極めて容認できない暴挙だと私は思うのですが、大臣はどのようにお考えになられるでしょうか。
○安倍国務大臣 日米安保条約に基づく米軍の存在は、我が国の平和と安全ひいては極東の平和と安全に寄与しており、政府としては、我が国における米軍施設、区域の円滑かつ安定的な使用が、日米安保条約の目的達成のために緊要であると考えておるものでございます。こうした観点から、政府としましては、今後とも日米安保体制の中核である米軍による我が国施設、区域の安定的使用のため、条約上の義務を果たしていく所存でありまして、防衛施設庁において現在進められておるところの駐留軍用地特別措置法に基づく措置も、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用上妥当な措置である、こういうふうに考えております。
○玉城委員 妥当な措置であるということをおっしゃられたわけでありますが、これはとんでもないことだと私は思うわけであります。 それでは条約局長にお伺いしたいのですが、日米安保条約というのは、これは純法律的に言って、いわゆる無期限の条約なのか、あるいは改正といいますか有効期間がある条約なのか、その辺はいかがでしょうか。
○小和田政府委員 御質問の意味は、これは用語の定義の問題だと思いますが、御承知のように、日米安保条約は当初特定の期間、具体的には十年間の期間を設けまして、それ以降は一年間の廃棄通告をもって終了せしめることができる、こういうことになっておるわけでございます。したがって、通常無期限の条約と申しますのは期限の全く定めのない条約のことでございますから、そういう意味でこの日米安保条約がそれに当たるかということになりますと、今申し上げたような規定でございますから若干違うということはございます。他方、一方が廃棄通告をしない張りにおいてはこの条約は終了しないという意味においては、具体的な期限の定めがある条約ではないということになると思います。
○玉城委員 いわゆる無期限の条約ではない。ですから、極端に言いますと、これは締結後十年は経過しておるわけでありますから、あしたにでも終了通告をすることは理論的にできるわけですね、条約上は。そして、一年後失効していくということですね。うなずいていらっしゃるから、そういうことですね。 この安保条約というのは改正することもできますか、純法律的に言って。
○小和田政府委員 二つの点についてお尋ねでございますが、純粋に理論的に申し上げれば、安保条約の規定に従って一方の締約国が廃棄の意思を通告すれば、その後一年で終了するということはあり得ることでございます。 第二の点につきましては、改正についての特段の規定は設けられておりませんけれども、一般国際法上、両当事国が合意をすればその内容を変更するということは、常に理論的には可能でございます。
○玉城委員 日米安保条約六条に基づく地位協定についても改正することはできるわけですね、やる、やらないは別にしまして。
○小和田政府委員 純粋に理論的な問題としては、同じことが言えると思います。
○玉城委員 そうしますと、この日米安保条約並びに地位協定というものは現状のままいりまでも固定化されたものではない、いろいろな情勢の変化等によって当然変化もあり得るということは言えますか。
○小和田政府委員 具体的な状況によることでございますので、一般論として申し上げるのは適当でないと思いますが、理論的に言えば、先ほど申し上げたとおり、国際約束の改正、内容の変更ということは、当事国の合意によって行うことが可能でございます。
○玉城委員 この駐留軍特措法によって、これは大臣にもう一回確認したいわけでありますが、二十年という長い、二十一世紀までまたがる形で、その母法である条約は、そういう固定化あるいは確定的にずっと半永久的にするものではないわけですね。いろいろな国際情勢の変化あるいは日米間のいろいろな都合等によって、ましてや二十一世紀なんというのはいろいろなことも考えられるわけですね。ところが、片一方では法律によって、米軍用地については二十年間強制的に使用するんだ、こういうことが許されるのかどうか。 大臣、政府の立場になりますと、五年ごとというならばわからないでもないわけです。といいますのは、従来五年ごとに、四十七年に沖縄が返還されて、四十七年から五年で五十二年、さらに五年延長し、さらに来年までこの特措法によって五年単位で延長してきたわけですね。ですから、そういうことであればわからないでもないわけでありますが、来年からぽんと二十年間も、二〇〇七年まで軍用地については確保するんだ、これは暴挙としか言いようがないのですが、大臣は長いと思いませんか。
○安倍国務大臣 我々は安保条約につきましては、日米間のいわゆる安全保障を確保するため、特に日本の安全保障を確保するための基本的なものである、基本的な条約であると考えておりますし、これを今後とも永続して続けていきたい、そしてこれについては改正するということも考えない、むしろ今の条約を永続したいというふうに思っております。そういう方向でいろいろな体制を整備し、効果的な活用を図っておるわけでございますし、そうした観点から、特別措置法についてもこれを踏まえた形で進めておるわけでございますから、私としましては、決してこれは不都合なことでもないし、日本政府としての意思という面からいけば、そういうことは当然許されてしかるべきことではないだろうか、こういうふうに思います。
○玉城委員 二十年というのは長いと思うのですよ。十年一昔と言いますけれども、二十年というのはこの二階ですから、今時に国際情勢の変化なんというのは非常に激しいわけですから、しかも二十一世紀までそういうことだけはきちっとしておこうなんということは、絶対に許されない。 施設庁の方、本土に在日米軍基地を二十年間強制使用している例はありますか。
○風間説明員 お答えいたします。 本土におきましては二十年間の使用はございませんが、昭和二十七年、特措法の制定当時から三十八年にかけまして使用した例はございます。それが約四十九件ございまして、そのうち収用いたしましたのが五件でございます。期間につきましては最長六年でございますが、一件ごとの処理では二年半というのが一番長うございます。
○玉城委員 そういうものと比べましても、この二十年というのは本当に暴挙だと思うのですね。ああそうですかと、ここで納得する方がおかしな話です。 施設庁に伺いますが、あなた方が強制的に二十年間使用しようとする場合、地主に対するいわゆる土地の使用料は毎年払っていくのですか。
○風間説明員 お答えいたします。 特措法に基づきまして使用をいたします場合には、特措法の十四条の規定によりまして土地収用法の適用を受けまして、九十五条によりまして補償金を支払うことになりまして、二十年分を一括払いすることになっております。
○玉城委員 二十年間強制使用するという場合は、その使用料については一括払いする。そうしますと、いわゆる一般の契約された地主については毎年支払っていらっしゃいますね。ところが、今回、二十年強制使用するについては最初に一括払いでぽんと支払う、こういうお話ですが、この間あなた方からいただいた米軍用地使用料の資料を見ますと、四十八年から五十九年について毎年地料というのは、その年の時価相場でアップしているわけですよ。最初は全体の二・三倍アップしていますね。二十年一括払いする場合、これはどうなるのですか。当然、同じ状態の土地を使用する場合、一般の契約者の使用料と強制する使用料と、使用料は合致しませんね。合致しないということは、ここに不公平という問題が出てくるでしょう。公平の原則というのはどういうふうに貫くつもりですか。
○風間説明員 契約をいただいている方々につきましては、その年の実情に応じまして、毎年借料をお支払いしていくわけでございます。これにつきましては、駐留軍への提供施設が存在する映り、必要な限り使わせていただくという契約になっております。 今、先生御質問の特措法が適用された場合でございますけれども、これは一括払いということでございますが、その二十年間分ということでございますので、二十年間分をいわゆる前払いする形になりますので、複利年金現価率という率を乗じまして適正な価格を算定していくということでございます。これは土地収用委員会におきまして、申請者側の意向あるいは土地所有者側の事情等慎重に判断いたしまして適正に算出するということでございますので、損失補償の理論で不公平だということはないと思いますが、特に一括払いされる場合には一度に多くの補償金をいただくわけでございまして、そういう場合には運用等いろいろな面で利用ができると思いますし、一年一年所有者の方がもらっておる少額の借料でございますればそれを運用するというわけにもいきませんし、一概にどちらが得でどちらが得でないというふうには申し上げられない、こういうふうに思っております。
○玉城委員 最初に一括払いでぽんとお金を上げるのだから、それを運用すればというお話でしょうけれども、毎年毎年支払いをする側については、そのときの時価相場というのを算定して地料を支払いしているわけでしょう。それを二十年間やりますね。強制使用される方と一般の使用される方との地料の差は、当然これは相当出てくるわけですね。こんな不公平なことが、今指摘しているところにも問題があるわけですね。 それで、今度は逆に、いわゆる二千名余の契約をしていない未契約地主の方々が、二十年間も強制使用される、しかも使用料についてはそういう形の不公平があるということで、では契約に応じましょう、そのかわりその使用料については交渉しましょうというふうに、皆さんのところに二千人の方々が一斉に来た場合は、あなた方はどうされますか。
○風間説明員 仮にそういう事態がございましたら、契約していただくという方向で検討させていただきまして、契約させていただきたい、こういうふうに思っております。
○玉城委員 それは、契約もしようというわけですから、皆さん方は応じなくちゃいけませんよ。しかし、二十年間というこういうむちゃくちゃなやり方については、その未契約の方々も、我々にも考えがある、契約には応じましょう、しかし使用料については、例えば坪年間千円だったものを、いや、五千円を私たちは要求する、そういうふうに一斉に来られた場合、皆さん方としてはそれに対応できないでしょう。できますか。
○風間説明員 多くの方々がそういう御意向を示されても、私どもは全力を挙げまして、契約に御協力いただくように努力いたしたいと思います。
○玉城委員 あなたはそうおっしゃいますけれども、これは物理的に不可能ですよ。ですから、今度は逆手をとられて、大臣もさっきおっしゃいましたいわゆる安定的使用、円滑使用ということは、むしろ逆に日米安保体制の基盤を揺るがすことにもなりかねないわけですよ、こういうむちゃくちゃな二十年間も強制使用するというやり方をしますと。そう思いませんか。
○風間説明員 先生からのせっかくの御質問でございますけれども、憲法二十九条三項にございますように、私有財産を公共の目的に使用できるという趣旨のものから、収用法の特別法として制定されているのが駐留軍用地特措法でございます。したがいまして、そういう特措法に基づきまして収用法の適用を受けながら補償額を算定するわけでございますので、先生今御質問されるような非常に不公正だとかそういうことではなくて適正な補償額、こういうふうに考えられる次第でございます。
○玉城委員 時間も参りましたので最後に申し上げますが、だれが考えましても、従来のように五年単位の強制使用というならわからないでもないですよ。それを来年から二〇〇七年、二十一世紀にまたがって強制的に使用しようということについては、暴挙としか言いようがない。これは明らかにそうです。しかも日米安保条約、さっきもお話がありましたとおりいろいろな国際情勢の変化、いわゆる十九世紀と二十世紀との時代も物すごく変わっているわけでしょう。二十世紀から二十一世紀にはどういう時代の展開がなされるかわからぬのに、そういう米軍用地については二十年間ずっと法的に確保しておこう、こういうことは暴挙としか言いようがないと思うんですね。
○風間説明員 今の先生の御質問でございますけれども、私ども本件の問題につきましては、日米安全保障体制が我が国の防衛の基本でございますし、極東の平和と安全に寄与しておりまして、日米両国においてその意義が高く評価されており、その地位は揺るぎない確固たるものとなっておるというふうに理解しております。日米両国とも安保条約を終了させるということは、今大臣からも御説明ございましたように、ないというふうに理解しております。したがって、米軍の駐留も相当長期にわたるものと考えられておりますし、その活動の基盤である施設、区域は、安定的に使用させなければならないと考えております。 しかし、未契約については鋭意契約の説得に努めておりますが、先生御承知のように、全体の〇・四%について当事者の同意がどうしても得られないということで、やむを得ず、施設、区域の安定的使用を図るために、駐留軍用地特措法による使用期間を二十年として裁決申請したものでございまして、先生おっしゃるように二十年は長いというふうには考えておらないわけでございまして、御理解いただきたいと思います。
○玉城委員 あなた方はそうしか言わないでしょうが、従来どおり五年というならわかるんですよ。それを二十年間というふうにぽんと、しかも二十一世紀にまたがる形でそういうふうにしようということについては、幾ら理解しようとしても理解できません。私は、こういう席で言うのはなんですけれども、こういう形で土地を、今の中曽根自民党政権が二十年間にわたってこの沖縄の土地を軍事基地として確保しようとしているのだということを、私は来月の参議院選挙で吹きまくりますよ。ですから、せめて五年とかそういう範囲で物事をやっていくなら理解しますが、今のような二十年という形では、とてもじゃないが理解できないということを申し上げて、質問を終わります。
○北川委員長 次に、渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 数日前に、南アフリカ政府軍によって南アフリカの近隣諸国、ジンバブエ、ザンビアあるいはボツワナ、そういうところに対する越境の攻撃が行われました。それでなくても、今までアパルトヘイトの政策に関連いたしまして大変頑迷な姿勢をとり続けている南アフリカ政府、そしてまた、そのことによる国内における非常な治安の悪化、国内対立、こういうものがあったわけでありますが、これが今度は周辺にまで広がっていく、こういう情勢が憂慮されるわけであります。 このような越境攻撃が南アフリカ政府で行われた、これに対して欧米諸国、あるいはまたアジア・アフリカ諸国の反応、さらには日本政府のとった姿勢というものについて、お尋ねをしたいと思います。
○三宅政府委員 まず各国の反応でございますが、アメリカは直ちにこれを強く非難しております。南アと近隣国との間で、国境の安全の努力が進行中にもかかわらず攻撃が行われたことは理解しがたく、遺憾である。それから英国も、同じく英連邦友邦国の主権侵犯を強く非難する。それからカナダも、同じような趣旨で強く非難しております。また国連事務総長も、国連憲章に違反するということで強く非難するというのが出ております。またソ連、エジプト各国も、いずれも同趣旨の非難の声明を出しております。 なお、日本政府といたしましては、昨日でございますが、外務報道官発表で、日本政府としてはこれは非常に遺憾であるということで、同時に、このようなことは繰り返してはならないということ、まして現在、この種のいろいろな努力が行われている最中にこういうことがあってはならない、あくまでもこの問題は十分平和的に解決してもらいたいという、外務報道官談話を出しております。 また同時に、私自身、きのう南アの総領事を呼びまして、このような日本政府の強い非難の態度を先方政府に伝えた次第でございます。
○渡辺(朗)委員 大臣にお尋ねしたいのですが、今のような姿勢というのは、私は安倍外交の基本的な姿勢の一つであろうと思いますが、そう理解してよろしゅうございますか。 確認をいたしますけれども、アパルトヘイト政策に対しては基本的にどういうお考えで、そしてまた、今回のような南ア政府のとった行動については、間髪を入れず談話を出されたということ、私は大変評価するものでありますが、こういう姿勢を今後とも堅持していくということを確認をさせていただきたいと思います。
○安倍国務大臣 我が国は、一貫してアパルトヘイトに対して、断固として反対の姿勢を堅持いたしております。そういう基本的な立場で南ア連邦とも国交を持っておらない、こういうことでございます。その他いろいろと制限措置をとっておるということでございますし、この日本のアパルトヘイトに対する反対措置というものは、日本の基本姿勢として今後とも継続してまいらなければならぬことである。これは我が国外交の基本であると考えております。 そういう観点から、今回の南アがとりましたああいう暴挙に対しましては、早速報道官談話をもって反駁をいたし、そして我が国の立場を世界に明らかにした、こういうことでございます。
○渡辺(朗)委員 アフリカの小国であろうともやはり独立主権を守るということに対しては、私は、安倍外交は基本的な姿勢を貫いていっていただきたいというふうに要望いたします。 さて、去る十二日でありますけれども、アメリカの雑誌によりますと、レーガン米大統領が第二次戦略兵器制限条約、いわゆるSALTⅡを廃棄するという決定をしたということが報道されておりますが、事実でしょうか、どうでしょうか、まずその事実の確認をさせていただきたい。
○中平政府委員 確かに「タイム」という雑誌に、そういう趣旨の記事が載っておったことを我我承知しておりますけれども、我々といたしましては、アメリカ政府がSALTⅡ条約の破棄の仮決定をしたということは承知しておりません。
○渡辺(朗)委員 そうすると、「タイム」の報道はミスリードするものであるのか、どうなんでしょうか。 それからまた、安倍大臣、サミットでそういう論議はあったのでしょうか、なかったのでしょうか。
○安倍国務大臣 サミットにつきましては、我が方として承知している限りは、アメリカからSALTⅡ破棄の仮決定が伝達されたとは承知していないわけであります。 なお、SALTⅡ遵守問題は、基本的に条約当事者である米国の問題でありますが、我が国として大きな関心を持っておりまして、従来より米国から緊密な協議を受けてきております。私も米国の特使等にお目にかかって、日本の立場を主張してまいったこともございます。
○渡辺(朗)委員 もう一遍ひとつ確認をさしていただきたいのですが、そうしますとSALTⅡを廃棄するという仮決定はなかったわけですね。そこら辺、確認をさしてください。
○安倍国務大臣 仮決定はないというふうに承知しております。我が国も、日米間でいろいろと緊密な連絡をとっておりますが、そういうことは聞いておりません。
○渡辺(朗)委員 そうしますと、それを信じたいと思いますが、これはサミットの前でございましたか、ロウニー大使が日本に来られたとき、そういう話はなかったわけでしょうか。安倍外相とお話し合いがされているわけでありますが、その点いかがでございましょう。
○中平政府委員 ロウニー大使がサミットの前に来られまして、安倍外務大臣とも話をされましたのですけれども、そのときはこのSALTⅡ遵守問題に関するバックグラウンドにつきまして日本側に説明したわけでございまして、そのときに日本側も、この問題に対する日本側の考え方をロウニー大使に申し上げたということでございます。
○渡辺(朗)委員 それでは、そのようなアメリカ側の仮決定というのはなかったということで幾らか安心をいたしました。というのは、やはり核軍縮問題というのは、私ども日本国民にとっては大変重大な問題であり、関心事であります。それだけに、近々ソ連にも行かれる安倍外相、SALTⅡの遵守ということをアメリカ側が考えているということを踏まえての対ソ交渉をしていただきたいというふうに私は思うわけであります。 特に私は、ソ連に行かれる場合に、もう一つ安倍外相の胸のうちを聞かしていただきたい点があります。 それは、どちらかというと、今までは米ソ間というのは大変厳しい情勢だと私は見ておりましたのですが、大臣はどのような現状認識のもとにソ連に行かれるのでしょうか。最近のいろいろな文章や何かを見ておりまして、核実験の問題にいたしましても、あるいは核軍縮の問題にいたしましても、ソ連の方からかなりの宣伝攻勢というようなものを私どもは耳にし、あるいは受け取っております。しかし、チェルノブイル事故が起こったときから、いささか風向きが変わってきたのではないかという感じもいたします。むしろ、国際協調の方に大きく踏み出す可能性が出たのではないかという個人的な印象を私は受けるのですが、大臣、訪ソされる今日の時点においての米ソ関係、どのような御認識であるのか、ひとつ胸のうちを聞かしていただいて、だから行くんだというふうにお教えをいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 米ソ関係につきましては、私率直に申し上げますと、昨年の第一回の米ソ首脳会談が開かれたときは米ソ関係、非常に明るい雰囲気というものが出たように思いますし、世界的にも非常に期待が持たれたわけでございますが、その後の軍縮交渉、特に核軍縮交渉、軍備管理交渉等の推移を見ますと、なかなか両方の隔たりが依然として大きくて、この協議が難航するという状況が続いたわけでございます。そういう中で、ゴルバチョフ書記長、レーガン大統領、それぞれ具体的な提案等も打ち出すという中で第二回会談が準備をされる。しかし、残念ながらアメリカのリビア攻撃等もあって、準備会談であるところの米ソの外相会談がキャンセルになるというふうなこともあって、第二回会談の見通しがまだはっきりついておりません。 しかし、今米ソ両国とも、この第二回会談は行いたいという基本的立場に変わりはないと私は思っております。その点は、サミットでもいろいろと意見の交換もしたわけでございますが、その基本は変わってないんじゃないか。ですから、これからどういうことになっていくか、具体的な準備が始まる状況を見てみなきゃわかりませんが、第二回会談は行われるであろうと思いますし、またこれは行われなければならない、日本としてもこれはぜひとも推進したい、こういうふうに考えております。 また、チェルノブイル事故が起こって、御承知のようにサミットでも声明を出すということに相なりましたし、またソ連側にもいろいろと反省も出ておるようでございますが、とにかくこれは人類全体の問題として国際協力を進めようということについては、私は米ソ間あるいは東西間においても合意が出てくるんじゃないだろうか、こういうふうに思っておりますし、これもまたぜひとも進めなければならない大きな課題であろう、こういうふうに思っておりますが、全体的に見れば、当初第一回会談が行われた直後のような非常に一挙に緊張緩和して、そして軍縮問題を初めとしていろいろな問題がどんどん解決していく、地域問題も解決していくというふうな状況には、ちょっと陰りが差しているように私は思うわけであります。 しかし、米ソ両国ともやはり第二回首脳会談を開こう、そして緊張を緩和していく、軍縮を進めなきゃならぬという基本的な姿勢には変化はないように思いますから、そういう意味では私は決して今の状況というのは悪い状況ではない。そういう中で、いわゆる西側の国として最近においては私が初めて今度訪ソを行うことになっておりますので、今度の訪ソはそういう意味においても米ソ間の問題あるいは東西間の問題、世界情勢等、率直に話し合う上においても非常に意味のある訪ソではないだろうか、こういうふうに考えております。
○渡辺(朗)委員 確かに今おっしゃったように、サミット後、西側の外務大臣が行かれる初めてのチャンスだと私は思いますし、そしてまた、五月中旬に予定されていた米ソ外相会談の中止というような事態もございましたし、それからまた、米ソの首脳会談の年内開催というのが確定されておらないようでございます。 大臣、私はここでもう一遍確認しますけれども、日本とソ連との間のいろいろな懸案事項もあるでしょうが、米ソ首脳会談の年内開催の時期を確定するようにということは強く要望される、そういうことはおやりになりますか、どうですか。
○安倍国務大臣 日本の立場から、やはり米ソのいわゆる緊張を緩和する、対話が進むということは、日本の立場というだけじゃなくて世界の立場からもこれは極めて重要であり、必要なことであろうと思います。そういう観点から、米ソ首脳会談が一日も早く実現することを心から念願し、日本のそうした念願を率直に表明をしてソ連側の努力を要請したい、こういうふうに思います。
○渡辺(朗)委員 時間が参りましたのでやめますが、御成功を祈ります。ありがとうございました。
○北川委員長 次に、田中美智子君。
○田中(美)委員 愛知県の刈谷市というところに依佐美基地があります。米軍の基地があります。送信所になっておりますけれども、ここには二百五十メートルの鉄塔が八本立っております。安倍さん、ちゃんと聞いていてください。これは超長波の送信所で、原潜に核の発射などを指示する通信の役割をしているというふうに言われているわけです。これのあり方というのは、日本無線株式会社がその土地を持っておりまして、それを防衛庁に貸して、そして防衛庁がそれを米軍に貸している、こういう形になっているわけです。 ここの第三号基のところで、十年前ですけれども、宇都秀樹ちゃんという小学校二年生八歳の男の子が、おじいちゃんが刈谷にいるものですから冬休みに遊びに来ておりまして――外相、ちゃんと聞いていていただきたい。その鉄塔の中に入りまして、三万ボルトの電流が通っておりますので、そこで死ぬという事件があったわけです。 早速、私は現場に行きまして見ましたら、フェンスも非常に低いですし、子供の足では網の中に足がちょうどよくひっかかって、私でもちょっと乗り越えられるというようなところです。その鉄塔の下のスカートというのが赤い色が塗ってありまして、何角形かになってまるでおとぎの家のような感じで、子供から見ますと、ちょっとその中に隠れんぼうで入ってみたいというふうな感じのものなわけです。それを見まして、すぐにフェンスを直させるというようなことはやったわけですけれども、そのときに、おじいちゃんが子供のお地蔵さんをそこにつくりたいという談話が新聞に載ったわけです。それで、全く知らない方ですが、東京の萩谷正彦さんという彫刻家がその新聞を読みまして、お地蔵さんをつくってくれたわけです。 それは五十一センチの子供のお地蔵さんで、手を合わせましてそのお地蔵さんが鉄塔の上を見ているような非常にかわいらしいお地蔵さんをつくってくれまして、そして私のところに、私も全く知らない方だったのですが、萩谷さんという方からの連絡がありまして、私の事務所から車でそのお地蔵さんをお連れしに伺ったわけです。そして、地元の方たちと一緒に、その三号基の下にこのお地蔵さんを据えるということをやりました。これは十年前のことなんですね。 ところが防衛庁も、安倍さんは御存じかどうかわかりませんが、この基地を大きくするという形でフェンスをぐっと外に開きまして、そこのお地蔵さんのところへ行かれないようにしていく。基地が大きくなるということについてもいろいろな問題がありますが、きょうは時間がありませんのでそのことには触れられないのですが、そのためにお地蔵さんを撤去するといううわさですか、防衛庁の意思ですか、それが刈谷市また愛知県の平和委員会、平和運動をしている人たちの耳に入りまして、今、非常に怒りと不安が起きているわけです、この秋にも撤去されるのではないかと。このお地蔵さんをつくられました萩谷さんも、「あの像はすでに私の手から離れて、地元と日本人の怒りの象徴みたいになっていますから、地元のみなさんの意向を無視して勝手なことをするのは許されない」と言っているわけです。このお地蔵さんは、だれが所有しているというふうにはなっていないわけなんですね。 それから、おじいちゃんもまだ住んでいらっしゃるわけですけれども、このおじいちゃんは新聞でこのように言っています。「ほんとは、家屋敷をおいてある宮崎へ帰りたい。でも、秀樹の地蔵がとんでもないところへもっていかれたら…。毎朝、窓をあけると、あの鉄塔がみえるんです。忘れようにも忘れられん。右半身黒コゲで、あおむいた顔はニコッと笑っているようでした」と言って、おじいちゃんは、あのお地蔵さんが取っ払われるならば自分は宮崎には帰らない、あくまでもそれを見守っているというふうに言っています。 母親の洋子さんは、この方は明石にいらっしゃるのですけれども、「国は事故の責任をとっていないのに、悔しいですね。絶対、いまあるところに置いといてもらいたい」、こういうふうに言っておられます。この「国は事故の責任をとっていない」ということは、八二年の名古屋地裁で、国の管理の手落ちを認めて、国に九百万円の支払いを命ずる判決が出ているのですが、これは今なお実行されていない、こういう状態にあるわけです。 それで、ぜひ外相に御協力をいただきたいわけですが、このお地蔵さんをそこに置いておいてほしいということをぜひお願いしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○芥川説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、依佐美通信所の第三鉄塔というものを囲むフェンスの外側に現在お地蔵様が置いてあるわけでございますが、本年度、防衛施設庁といたしましてはこのフェンスの改修工事を行う予定でございます。そうなりますと、先生御指摘のように、このお地蔵様の移設が必要となるわけでございますが、防衛施設庁といたしましては御遺族の意向も酌みまして、それからまた本件につきましては刈谷市からも要請が参っておりますので、私どもといたしましては米軍に対しまして、フェンス改修工事が完成いたしました後に新しいフェンスの外側にこのお地蔵様を移設するということで、米側に――確かに米側には施設、区域の管理権という問題はございますけれども、何とか先ほど申しましたような御遺族の意向を酌み、また刈谷市の要請を酌んで、米側も防衛施設庁の要請、申し入れに同意するように強く申し入れているところでございます。
○田中(美)委員 フェンスを外側にやるということは、お地蔵さんを移すということです。お地蔵さんは三号基の下にあるわけですから、すぐそばにあるわけですからね。 このお地蔵さんは、この十年間、私も一年に一遍も行っていないのですけれども、行くたびに帽子だとかよだれかけがいつも新品になっているのを不思議に思うのです。雨が降ったり日が照ったりして必ず古くなるはずなんですけれども、必ず取りかえられている。そして聞くところによりますと、みんなが次々と来ては帽子をとって頭をなでる。これによって、ただ子供たちの基地での危険を防ぐというのではなくて、子供全体の安全を守る。そして、秀樹ちゃんの冥福を祈るんだということで頭をなでるというので、私が持っていったときには白いお地蔵さんでしたけれども、日に焼けて本当に真っ黒になって、黒光りするようになっているのですね。 ですから近所のお寺さんなども、もうこれは思想、信条を超えるといいますか、そこの場に置いておかなければだめなんだと。それをフェンスをずっと外にやって遠くに置くということは、外にほうり出してしまうということですので、そういうことは許せない、こんなことになりますと非常に大きな反対運動が、単なる遺族だけでなく、地域だけでなく、日本国じゅうで起きるのではないかと言われているのです。 ですから、そういう考え方は間違っていると思うのですね。そういう点で、ぜひ外相の方から米軍の方にもまた防衛庁の方にも、そういう国民の感情を逆なでするようなことはけしからぬことじゃないかと思うのですけれども、その点は外相、どのようにお考えになるでしょうか。ぜひ御協力を願いたいと思います。
○安倍国務大臣 この件については、米軍もよく承知していると聞いておりますし、地元の住民の意向も十分踏まえながら防衛施設庁が今大変努力をしておられるようでありますが、防衛施設庁が中心となって米軍とも話し合いが行われる、こういうふうに承知しております。
○田中(美)委員 地元の意見を聞き入れながら、こう言っているわけならば、防衛庁はどうなのですか。地元の意見はそうではないのですよ。あなたが今おっしゃったように、フェンスの外にほうり出してしまう。ほうり出すという言葉は悪いかもしれませんけれども、事実上ほうり出すことですね。今置いた場所に置く、そしてそこへ通路なりなんなりしてちゃんとお参りができるようにするというのは、当たり前なんじゃないでしょうか。それが地元の要求です。そういう要求で交渉しているのですか、その点をお聞きします。
○芥川説明員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、現在お地蔵様が置いてありますところはフェンスの外にあるわけでございまして、私どもとしては、このフェンスを改修することによって新しいフェンスの外に、すなわちそのフェンスに隣接して置くように米側に要請しているところでございます。
○田中(美)委員 それが間違っていると言うのですね。フェンスを改修するというのは、そのフェンスをつくり直すから、それをつくり直す間だけちょっとずらしておいて、またそこへ置くと言うならわかるのです。そのフェンスを取っ払って遠くに、大きくするわけじゃないですか。だから、お地蔵さんはずっと遠くに出ていくのですよ。そういうことで交渉するというのは、地元の要求とは違うじゃないですか。地元の要求は、今は三号基のすぐ下ですよ。フェンスは三号基のすぐ横にくっついているのです。そこにあるわけですから、ここにフェンスがあれば、それが三号基ですね。これぐらいのところにフェンスがあるのです。こっちにお地蔵さんがあるのです。このフェンスをずっと向こうへ持っていって、その向こうにお地蔵さんを動かすということは、地元のお寺さんでも反対していることですよ、市役所も反対していますよ、市民も反対していることです。それは防衛庁の考え方でしょう。地元の要求を聞いてと、今外相は言っているじゃないですか。
○芥川説明員 繰り返しになりますけれども、現在の鉄塔とフェンスの関係でございますが、鉄塔とフェンスとの間には現在十五メートルほどの間隔があるわけでございます。現在お地蔵様は、そのフェンスの外に隣接して置かれているわけでございます。 今度、私どもが計画しておりますところの改修工事というのは、この塔とフェンスの間隔を二十一メートルほどに延ばそうということにしているわけでございます。したがいまして、その新しいフェンスの外に隣接してお地蔵様を置きたいと考えております。
○田中(美)委員 これで終わりにしますが、それは防衛庁の考え方であって、地元の考えとは全く違う。今のところを絶対に動かしてはならないというのが地元、遺族の考えですし、おじいちゃんは絶対に動かせないようにするために、それまで宮崎に帰らないとまで言っているわけですね。外相は地元の意向を酌んで米軍と話し合えと言うのに、防衛庁は防衛庁だけの考え方で米軍と交渉している、そこには非常に意見の相違があると私は思います。 時間が来ましたので、そういうことは絶対に許さないという強い抗議を申し上げて、私の質問を終わります。 ――――◇―――――
○北川委員長 次に、請願の審査に入ります。 今国会、本委員会に付託されました請願は百九十七件であります。 本日の請願印程を一括して議題といたします。 まず、請願の審査方法についてお諮りいたします。 各請願の趣旨につきましては、請願文書表によりまして既に御承知のことと存じます。また、先刻の理事会におきまして慎重に御検討いただきましたので、この際、各請願についての紹介議員よりの説明等は省略し、直ちに採否の決定をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 採決いたします。 本日の請願日程中、第三八ないし第四九、第六〇ないし第七二、第九九、第一〇〇、第一〇八及び第一三一の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔〔異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○北川委員長 この際、御報告いたします。 今国会、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり八件であります。 ――――◇―――――
○北川委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 国際情勢に関する件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託され、その審査のため委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間及び派遣地等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会