科学技術委員会 第15号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/05/08
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び関晴正君外五名提出、原子力基本法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小澤克介君。
○小澤(克)委員 再度質問の機会を与えていただきましたことを感謝いたします。 冒頭に、さきに八木委員の方から問題提起がありまして、政令への委任事項が極めて多いということでその内容を文書で明らかにしてほしい旨の要求がありましたところ、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の政令、府令等について」という文書が当委員会に提出されております。これにつきまして、これを議事録に残す意味で、科学技術庁当局からこの朗読をお願いしたい、かように考えます。
○辻政府委員 大変長文にわたりますし、時間がかかりますが、これはいかが取り計らいましょうか。
○大久保委員長 タイトルだけ読んでください。
○辻政府委員 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の政令、府令等について」。
○小澤(克)委員 それでは、何らか議事録に載るように、参照掲載という形でしょうか、そのようなお取り計らいを願いたいと思います。
○大久保委員長 それでは、ただいまの資料につきましては、参照掲載をさせていただきます。
○小澤(克)委員 それでは、今の文書も含めまして、法案について質疑をいたしたいと思います。 まず最初にお尋ねしたいのですが、本法案では、発生者における安全管理責任とそれから廃棄事業者における責任との関係が甚だ不明確ではないか、かように思うわけでございます。 そこでお尋ねするのですが、まず、従来の原子力事業者の代表例として原子炉設置者を例としてお伺いしたいと思うのです。原子炉設置者において廃棄物を廃棄事業者に引き渡してその廃棄をゆだねる場合、その場合にも法三十五条二項あるいはこれを受けた法五十八条の二の適用があるのでしょうか、この点をまず明らかにしていただきたいと思います。
○辻政府委員 原子炉設置者に対する規制の関係の章の規定に第三十五条というものがありまして、これは「保安のために講ずべき措置」という規定でございます。この第二項を読みますと、「原子炉設置者及び外国原子力船運航者は、核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物を原子炉施設を設置した工場又は事業所の外において廃棄する場合においては、総理府令で定めるところにより、保安のために必要な措置を講じなければならない。」こういう規定がございます。私どもは、この規定における「総理府令で定めるところによりこという総理府令におきまして、放射性廃棄物を廃棄事業者に引き渡す場合においては内閣総理大臣の許可を受けた廃棄事業者に限りこれを引き渡してよいこと、並びに、それに引き渡すために必要な保安上の措置につきまして府令を定めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○小澤(克)委員 そうしますと、観念的には、みずから廃棄を行う場合に限らず、廃棄事業者に委託して廃棄をする場合にもこの三十五条二項の適用は一たんあり、その上でこの総理府令を適宜振り分けまして、原子炉設置者によって行うべきところとそれからこれを引き受けた廃棄事業者が行うべきところを規定する、こういうことになりますか。
○辻政府委員 そのようなつもりでおります。
○小澤(克)委員 どうして法案に、例えば廃棄物の処理及び清掃に関する法律のように委託についてのあるべき姿を法文上明らかにしなかったのでしょうか。
○辻政府委員 この三十五条の規定は今回の法律改正の対象になっていない部分でございますが、現行のこの三十五条二項の規定によりまして総理府令でこれを定めることにより的確に対応できるものと私ども考えておるために、法案改正の必要はないというふうに考えておるわけでございます。
○小澤(克)委員 廃棄物処理法については、十二条の四項に「事業者は、その産業廃棄物の処分を他人に委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。」という規定が法文上あるわけでございます。ところがこの三十五条の二項においては、発生者とこれを委託を受ける者とのやりとりの過程における安全規制について、法文上は何も書いてない。すべて総理府令にゆだねている。総理府令で適宜振り分けるということになるわけです。それでは、この法律上は発生者の責任とこれを委託を受けた者との責任の振り分けが何ら出ていない、すべて総理府令に委任するということになりまして、今回の法案提出の趣旨の安全管理の責任を明確にするという趣旨には全くもとるものではないか、かように考えますが、いかがでしょうか。
○辻政府委員 原子炉等規制法は安全確保に関する規定であると申し上げても過言でないと存じますが、その規定の仕方については、それぞれの核燃料物質の移動に応じまして、それを利用するところの事業者をそれぞれ規定していくという法体系をとっておりますので、原子炉設置者、これは具体的に廃棄物の発生者になるわけでございますが、廃棄物の発生者である原子炉設置者には原子炉設置者に対する規制のところで規制をし、廃棄業者につきましては今回法律を改正して廃棄の事業を立てて、そこのところで規制をする。これは全体の原子炉等規制法の構成からして、このように分けて規定を置くということが最も適当な流れであろうというのが私どもの考えでございます。したがいまして、三十五条の総理府令でただいま申し上げましたような規定を整備することによりまして、発生者たる原子炉設置者の法的責任ということを明確に定めることができるというふうに考えているところでございます。
○小澤(克)委員 全く納得できない答えでございますね。法文上これを発生者はどこまでをなすべきか、受けた者はどこからをなすべきか、それをまず振り分けて、その上で各省令あるいは政令に委任をするということでないと、その肝心の振り分けを、発生者の責任に帰属するところと委託を受けた者の責任に帰属するその境界をすべて総理府令に委任するということでは、これは法文上は責任帰属が明らかでないということになるわけです。今おっしゃったような趣旨であれば、すなわち各事業者の責任を明らかにする、各事業者の責任ごとにその安全規制をするという趣旨であればなおさらのこと、委託をするならする場合にどこまでが発生者の責任であるのか、明らかにすべきでしょう、法文上。なぜそれを総理府令に委任するのか。これは私は欠陥法案だと思いますがね。
○辻政府委員 これは法律の基本的骨格といいますか、構成の仕方によるものだと私は思うわけでございまして、原子炉等規制法は、核物質の移動に応じてその核物質を管理する音ごとに規制をやるという体系をとっておりますので、私どもこういう法律構成にするのが最も適当ではないかというふうに考えていたわけでございまして、その辺の発生者と廃棄事業者の関係につきましてはこの総理府令できちっと書いていく。むしろこの総理府令は発生者である原子炉設置者に対する規制しか及びませんので、その点、廃棄事業者の方の責任は新しくできる五十一条の二の関係の規定によって明確にするわけでございます。したがいまして、その辺の責任関係につきましては非常に明らかになっているというふうに私は思うのでございます。
○小澤(克)委員 核燃料物質あるいはこれによって汚染されたもの等も含めまして、その移動によって規制していくのであれば、引き渡し前と引き渡し後を分けて規制するのが、まさに今安全局長の言った趣旨からすれば当然ではないかと思うわけです。具体的に言いますと、原子炉設置者を例にとりますと、三十五条の二項、それからこれを受けた五十八条の二による内閣総理大臣の確認と、今度の改正部分であります五十一条の六の一項、二、項等は重なり合うわけですね。具体的に言いますと、埋設事業について、五十一条の六の一項はその施設面、同二項は埋設物及びその容器等について総理府令において規制することを前提としております。一方、三十五条二項、これを受けた五十八条の二も同様、埋設に関して、その施設及び埋設物あるいはその容器等も総理府令で規制の対象となる。こういうふうに重複しているわけですよ。どちらででも総理府令で適宜これを振り分けることができる。これはまさに責任の明確化に反するわけですよ。総理府令によってどちらにでもできるわけです。法律からすれば、どちらの総理府令にゆだねてもいいということになります。 それから、廃棄物の管理事業に関しては、改正案の五十一条の七ないし十、ここで施設面についてこれまた総理府令等で規制することになっております。他方、三十五条二項あるいは五十八条の二においても規制できる。ここでも重なり合うわけです。これはまさに責任の一元化に反する規定になっているわけですよ。これは実際にどういうふうに振り分ける予定なんでしょうか。
○辻政府委員 私どもは、三十五条二項におきまして低レベルの廃棄物、個別にやってまいりたいと思いますが、低レベルの廃棄物につきまして申し上げますと、三十五条二項におきましては低レベル固化体にするまでの原子炉設置者のやるべきことについて規定をいたしまして、これが廃棄事業者のところに参りました際に、五十一条の二の方の規定によりまして廃棄事業者が内閣総理大臣の確認を受けてこれを引き取るという形に総理府令を規定していこうというふうに考えているわけでございます。五十八条の二につきましては、確認の規定があるわけでございますけれども、これは、三十五条二項において定めますところの総理府令の基準に合っているかどうかということについて内閣総理大臣の確認を受けろということでありまして、この確認をかける範囲については特に書いてないわけでございまして、書いてないというか、「総理府令で定めるところによりこということでゆだねられているわけでございます。五十一条の二において内閣総理大臣の確認を受ける低レベル廃棄物につきましては五十八条の二の総理府令の方では取り上げないということで、五十八条の二の確認規定の中では、五十八条の二の確認は受けなくてもよろしいというふうに総理府令の方で規定するつもりでございます。五十八条の二につきましては、無拘束限界値以下のものを事業所外において処分しようというケースが考えられます。ただいまは低レベルのことについて話しておるわけでございますが、その場合には五十八条の二によって内閣総理大臣の確認を行うという形で低レベルについては処理してまいりたいと思っておるわけでございます。
○小澤(克)委員 なかなかすぐには理解しにくい点があるのですけれども、今のお話ですと、低レベルに関して言えば、固形化する、その固形化されたもの自体、それから入れ物でしょうか、例えばドラム缶、その健全性等については、三十五条二項及びこれを受けた五十八条の二によって安全規制をし、廃棄事業者に引き渡された後は今度の五十一条の六によって規制をする、こういうことだろうと思います。そうしますと、例えば固形化物あるいはその入れ物であるドラム缶等については、一たんこの五十八条の二によって内閣総理大臣の確認を受けた上で廃棄業者に引き渡す、こういうことになるわけでしょうか。
○辻政府委員 埋設の場合の廃棄事業者に引き渡す場合でございますが、三十五条の二項においては確認を受けないわけでございます。これは、ここにおいては原子炉設置者については固化体を総理府令で定める一定の基準に従ってつくりなさいというところまでの規定を置いておこうということが私どもの考えでございます。確認は新しくできる五十一条の六の方で、今度は廃棄事業者の方が品物を受け取った後において、あるいは受け取る際に、内閣総理大臣の確認の申請をして確認を受けるという形を考えております。
○小澤(克)委員 そうなりますと、今度の法案では廃棄事業者に責任を一元化する、これによって明確化するということでございますが、固形化の過程あるいはドラム缶ですか、容器の健全性等に欠陥があった場合は、そのために廃棄事業者に引き渡した後に何らかの放射能による障害が発生した場合は、その責任の所在というのは結局どうなるわけですか。
○辻政府委員 原子炉設置者が総理府令に違反しまして不適正な弱い廃棄物をつくったとか、そういったような事態が起こりましたときは、この三十五条第二項の規定の違反ということに相なろうと考えております。
○小澤(克)委員 その結果、廃棄事業者の手に渡った後何らかの公衆に対する障害等が出た場合に、だれがどう補償するわけですか。
○辻政府委員 原子力の損害賠償については別の原子力損害賠償法の方の規定にかかってくるわけでございまして、地元住民がこれによって仮に万が一被害を受けたといたしますと、地元住民に対する賠償責任は、原賠法の今回の改正によりまして廃棄事業者が原子力事業者になるわけでございますからして、原因のいかんを問わず、新しくできる廃棄事業者が地元住民に対して損害賠償の責任を受けるわけでございます。 そこでしからば廃棄事業者は、本来その廃棄物が非常に愚かったものであるということでございますが、これにつきましてもしそのことがはっきりとするということであって、それが原子炉設置者の故意によるものであるということであれば、廃棄事業者は原子炉設置者に対して求償してコンペンセーションをすることができるという形になっておるわけでございまして、いずれにいたしましても地元住民の方々に対する損害賠償は一元的に廃棄事業者が負うということになります。その間の求償の問題につきましては、これは廃棄事業者と原子炉設置者との間の協議で定められるということになるわけでございます。
○小澤(克)委員 そうなりますかね。原賠法の三条の解釈上、持ち込んだ発生者の方に責任がある。その廃棄物のつくり方あるいは入れ物に瑕疵があった、そして預かった者はこれを適正に預かっていたというときには、第三条の解釈上はやはり発生者の方の責任ということになりませんか。どうして一元的に廃棄事業者の責任になるのでしょうか。
○辻政府委員 今回の法律改正によりまして第三条の改正をいたしまして第三条に廃棄事業者を入れるわけでございますから、地元住民に対する損害賠償の観点からいたしますれば廃棄事業者が原子力事業者に相なりまして、地元住民に対しては廃棄事業者が一元的に責任を負うというふうになるように今回の改正案を提案しているわけでございます。
○小澤(克)委員 今度の原賠法についての改正では、事業者を独立の責任主体として入れたというだけですよ。原賠法三条はそのままです。いいですか。「原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、」となっています。そうしますと、発生者の責任の範囲内に起因して結果的に損害を与えたときには、第三条の解釈からすれば、これはやはり発生者の方になりませんか。どうして時間的に廃棄事業者の方に移った以降は廃棄事業者の一元的な責任になるのですか。第三条は、これは原因主義ですよ。
○辻政府委員 言葉足らずでございましたが、今回の法改正は第二条を改正しているわけでございます。第三条の「原子炉の運転等の際こというふうに書いてありますこの「原子炉の運転等」につきまして、今回第二条を改正いたしまして「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の廃棄」ということで、「原子炉の運転等の際このこの「運転等」の中に「廃棄」というのを入れたわけでございまして、これによって運転等の際に生じたものについて廃棄事業者の責任が集中するということでございます。
○小澤(克)委員 そうはなりませんよ。いいですか。「当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、」ですよ。いいですか。原因者が負担するのですよ。そうでしょう。時間的に廃棄事業者のもとに移った後であっても原因が発生者の方にあったら、原賠法三条の解釈からすればやはり発生者の責任でしょう。全然明確化されないじゃないですか。おかしいですよ。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 原賠法第三条には「原子炉の運転等の際、」と書いてございます。「当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者」です。したがいまして、「原子炉の運転等」というのには、今回の改正によりまして二条で「汚染された物の廃棄」というのが入っておるわけでございます。ですから、廃棄の際その廃棄によって原子力損害を与えたときは、廃棄にかかわる原子力事業者がその損害を賠償する責に任ずる、こういうぐあいに解釈しております。
○小澤(克)委員 それじゃ、廃棄事業者の方には特段瑕疵がなかった、発生者の方における固化体の過程やその入れ物に瑕疵があったという場合に、これが廃棄事業者の事業によって原子力損害を与えたという解釈ができますか。できませんでしょう。
○中村(守)政府委員 原賠法におきましては、過失があったら損害の賠償の責に応ずるということじゃございませんで、過失の有無にかかわらず損害の賠償の責に応ずる、こういうことになっております。
○小澤(克)委員 この程度のことは理解しておいてくださいよ。過失の問題と因果関係の問題は別ですよ。因果関係のことを言っているのですよ。過失というのは落ち度のことですよ。答えてください、もう一遍。そんないいかげんな答えがあるか。因果関係と過失の区別もできないのか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 従来から原賠法では、例えば原子炉施設において事故がありましても、その原因が第三者の故意、過失等によって起こった場合でもその原子炉設置者が損害の賠償の責に応じて、直接の原因となった人、その原因のもとになった人が事業者以外の者であるときは、その者に対して損害賠償の請求はいわゆる民法上の請求として行うということでございまして、原賠法の責任はあくまでも当該事業者が過失の有無のいかんを問わず責に応ずるというのが原賠法の建前であります。
○小澤(克)委員 違いますよ。無過失責任というのは違いますよ。因果関係までは被害者の方で立証するのですよ。それでその過失、落ち度の有無については問わない。これが無過失責任ですよ。いいですか。発生者の側に原因があってそこから損害が生じた場合、どうして廃棄事業者の責任になるのですか。ならぬでしょう。
○中村(守)政府委員 損害が生じたのは、あくまでも廃棄の事業として行っている間に生じたものでございます。その遠因はそこに運び込む前の段階にあったかもしれませんが、損害が生じましたのは廃棄の事業を行っている問に生じたものでございますから、原賠法の解釈としては当該廃棄事業者が賠償の責に応ずる、こういうことでございます。
○小澤(克)委員 運転の時間じゃないのですよ。原因なんですよ、原賠法三条は。原因を与えた者が損害を賠償するのですよ、過失の有無にかかわらず。だめですよ、それじゃ。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 原賠法は、被害者が挙証の義務を全然負わないで、被害者救済の観点からその事業者に過失の有無を問わず一元化している。これはまさに被害者を救済するという根本の上に立つ、これがこの原賠法の基本になっているわけでございまして、先生の御解釈は私どもとしてはとっていないわけでございます。
○小澤(克)委員 相変わらず過失の問題と因果関係の問題を混同した答えになっています。それじゃ納得できません。だめです、それじゃ。こんなことで私の質問時間が削られるのは、とても私は容認できないです。きちんと統一解釈を出してください。 それで、今のように総理府令の規定によって、発生者の責任にもなし得るし、それの引き渡しを受けた廃棄事業者の責任にもなし得る、重なっている場合があるということを指摘しましたが、逆に管理に関しては、五十一条の七ないし十で規制しているのは施設面だけです。そうしますと、管理の方は主として高レベルになろうかと思いますので高レベルで聞きますが、高レベル廃棄物そのもの、ガラス固化体ならガラス固化体そのものの健全性あるいはその入れ物、キャニスターの健全性、これはどこでどう法律上はチェックすることになるわけですか。
○辻政府委員 廃棄物管理事業の許可に際しましては、受け入れる廃棄物の性状及び量を特定いたしました上で、それを安全上支障なく管理できる施設を設置していることとしているかどうかを審査いたしますほか、建設の際には設工認、使用前検査により施設の安全性を確認いたしますとともに、管理中におきましても定期検査を実施するなど厳重な規制を行うというやり方をとっているわけでございます。 高レベルガラス固化体等我が国の再処理事業者等が発生されるものにつきましては、当該発生者の行う再処理事業等に対する規制によってその廃棄物の内容、処理方法等が規制されておりまして、特に問題はないと考えております。すなわち、再処理事業の方の規制によって高レベルガラス固化体については規制が行われておりまして、基準に適合するガラス固化体を廃棄事業者が受け入れるわけでございますので、それ以降については、廃棄物の管理事業については、施設面についての規制を行うことによりまして適正な管理が行い得るというふうに考えておるわけでございます。
○小澤(克)委員 そうしますと、高レベルについては発生者である再処理業者に対して高レベル廃棄物そのもの、あるいはその入れ物、キャニスターの健全性等については安全規制をする、そして管理の施設については廃棄事業者について安全規制をする、こういうふうに振り分けることになりますね。それでいいわけですか。
○辻政府委員 固化体をつくるまでは再処理工場、再処理事業者の方でつくるわけでございますから、そちらの方で規制を行うわけでございます。その固化体が管理事業者の方に引き渡された後においては、その固化体は基準に適合したものとして廃棄事業者が受け入れまして、廃棄事業者に対する規制ということでやっていこうということでございます。
○小澤(克)委員 しかし、廃棄事業者に対する安全規制は施設だけでしょう。物それ自体に対する規制は全然出てないですよ、五十一条の七から十までの間にできないじゃないですか。そんなことできませんよ。
○辻政府委員 固化体につきましては、再処理事業者の方で規制をすることによってきちっとした基準のものをやっておけばよろしい。あとはきちっとしたものが施設に運び込まれれば、それの廃棄物管理につきましては、周辺の施設をきちっと管理することによって安全規制が行われるという考え方でございます。
○小澤(克)委員 そうしますと、廃棄事業者のもとに持ち込まれた後も、その廃棄物そのもの、ガラス固化体ならガラス固化体あるいはキャニスターの健全性については、発生者に対する安全規制のその後の効果としてずっと規制がなされる、そして施設については廃棄事業者に対する安全管理、二つの安全規制が時間的にも重なることになりますね。これでは責任体系の明確化とは言えないでしょう。逆に不明確になりませんか。それじゃ、キャニスターに何か瑕疵があって漏れ出た、施設としては一応十分なものであったにもかかわらず予想外のキャニスターからの漏れがあって、結局環境を汚染したときはどういう責任になるのですか。
○辻政府委員 ただいま申し上げましたのは施設面についての安全規制でございますが、今回の改正によりまして、例えば五十一条の十六という規定がございます。「保安のために講ずべき措置」という規定がございまして、その第二項で「廃棄物管理事業者は、次の事項について、総理府令で定めるところにより、保安のために必要な措置を講じなければならない。」ということでございまして、ここに「廃棄物管理施設の保全」「廃棄物管理設備の操作」それから「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の運搬又は廃棄」、こういったようなことで廃棄物管理事業者に対する「保安のために講ずべき措置」を規定しておきますし、そのほか、五十一条の十八によりまして「保安規定」を定めて管理をやりなさいという規定を設けているわけでございまして、廃棄物が廃棄物管理事業者に引き渡された後におきましては、廃棄物管理事業者が責任を持って安全管理を行うということにするわけでございます。
○小澤(克)委員 おかしいですよ。五十一条の十六は「施設の保全」「設備の操作」となっているじゃないですか。物については何の規定もないですよ。そんな答弁じゃだめですよ。
○辻政府委員 ただいまの五十一条の十六の第二項第三号の「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の運搬又は廃棄」ということで「廃棄」という言葉がかかっておるわけでございますけれども、この「廃棄」ということの中で廃棄物を含めました「保安のために講ずべき措置」を規定していこうという考え方でございます。
○小澤(克)委員 違うでしょう。三号は廃棄事業、者のところで二次的に発生した廃棄物の問題ですよ。そうでしょう、この法案を読めば。
○辻政府委員 その問題ももちろん入ると思いますけれども、私ども、この三号はそういうふうに限定的に読む必要はなくて、保管を受けた高レベル廃棄物の廃棄についてもかぶっているという考え方でございます。
○小澤(克)委員 そうですか。三号の、「運搬」はともかくとして、「廃棄」というのは持ち込まれた廃棄物そのものの廃棄行為を指すのですか。そんなことにはならぬでしょう。これは明らかに事業所としての廃棄事業者において新たに発生した、二次的に発生した廃棄物の問題でしょう。他の体裁からしてもそうなりますよ。
○辻政府委員 一号、二号については廃棄物管理施設及び設備でございますが、三号につきましては、これは廃棄固化体を含めた廃棄物施設全体のソフトウエアといいますか、安全管理の問題を指しているわけでございます。
○小澤(克)委員 その解釈には大変疑問がありますけれども、いずれにしてもこの法案を読みますと、廃棄物そのものに関してのチェックは発生者のもとでなす、そして施設面のチェックを事業所において廃棄事業者が行う、こういう体系になるわけですよ。これでは責任の一元化あるいは明確化に一向にならぬ、こうしか読めないのですが、そうじゃありませんか。そうでしょう。
○辻政府委員 私ども必ずしもそう考えているわけではございませんで、廃棄物管理事業者について、施設面についていろいろな設工認、安全審査その他の事前の規制については、これは施設面に限られておりますけれども、ただいまの「保安のために講ずべき措置」ということで、受け入れた廃棄体等についての諸般の管理についても規制をしていこうということでございます。
○小澤(克)委員 海外返還の高レベル廃棄物については、その物自体あるいはその容器についての健全性は法文上どこでどうチェックすることになりますか。
○辻政府委員 返還廃棄物につきましては、その製作は英仏等で行われるわけでございますから、そこまでは原子炉等規制法の規制は及びません。したがいまして、返還廃棄物を日本に受け入れます場合には、先ほどの五十八条の二の内閣総理大臣の確認の規定によりまして確認を行うということを考えているわけでございます。 この返還廃棄物につきましては、仕様につきまして英仏等から十分な説明を受け、これに見合って十分な安全な施設を建設させ、受け入れるものでございまして、廃棄物の作製等につきましては英仏の規制当局の安全規制に従うこととなっておりまして、問題はないことと考えておるわけでございますけれども、廃棄物を作製するのが我が国の規制を直接受けない外国事業者であるということでございますので、規制に万全を期するために、先ほど申し上げましたような五十八条の二の事業所外廃棄の確認の一環といたしまして当該廃棄物についてのチェックを行うということを考えているわけでございます。
○小澤(克)委員 五十八条の二の確認を申請する主体はどこになりますか。
○辻政府委員 この返還廃棄物は、一たん再処理を委託しました原子炉設置者であります電力会社がこれを輸入した後に廃棄物管理事業者に引き渡すということになっておりますので、電気事業者が内閣総理大臣の確認の申請を行うことになろうかと考えております。
○小澤(克)委員 そうすると、海外返還物については、発生させた電気事業者が受け取って、したがってこれが発生者ということで五十八条の二の確認申請等をする、こういうことになるわけですか。しかし、どの電気事業者が委託したのがどの廃棄物になって戻ってくるかわからぬのじゃないでしょうか。
○辻政府委員 これは原子力事業者が英仏から新たに返還廃棄物を輸入することとなるわけでございますから、使用済み燃料を発送して英仏に委託をした人がアイデンティファイされないからといって特段問題はない。つまり、返還廃棄物を輸入した電力会社というものは特定されるわけですから、その輸入した電気事業者が総理大臣の確認を受ける一申請を行うわけでございます。
○小澤(克)委員 一方ではこれを委託した者のところに当然戻ってくるのだと言いつつ、他方では新たに輸入するのだから引き受けた者の責任だというのは矛盾しませんか。おかしいですよ。輸入するのですか、そもそも。(「わからぬじゃないか」と呼ぶ者あり)
○辻政府委員 少しもわからないわけではございませんで、これはやはり返還廃棄物を電力会社が輸入するわけでございまして、それが内閣総理大臣に対して確認申請を行えばよろしいというふうに考えております。
○小澤(克)委員 どうも返還されるものを輸入というのは、なかなか常識にはにわかに理解できないところがありますが、時間がございませんので……。 第五十一条の六に関して伺います。特に五十一条の六の二項ですけれども、ここで言う埋設の対象となる廃棄物がそもそも埋設の対象となり得るかどうか。すなわち、この五十一条の二の一項の政令で定めた物に該当するかどうかというカテゴリー上の適合性はどこでどうチェックすることになりますか。
○辻政府委員 まず最初には、先般来問題となっておりました五十一条の二の政令でございますが、埋設ができる廃棄物の範囲というものが政令で定められるわけでございます。そこで、まず第一義的には、廃棄事業者がこの低レベル廃棄物を引き受ける際に、その物がこの埋設に適合しているものであるかどうかはチェックするわけでございますが、国側といたしましては、五十一条の六の二項の確認によってこれをチェックしようということを考えているわけでございます。
○小澤(克)委員 しかし、五十一条の六の二項は、技術上の基準に適合するか否かをチェックするわけでしょう。そもそもこの法令上の基準に当たるか否か、これはこのチェック事項じゃないでしょう。すなわち、埋設事業の対象となるかどうかをまずチェックして、そして運び込まれたものについてさらに技術上の基準に適合するかどうかをチェックする、こういうことになるわけじゃないですか。だから、最初の法令上の基準に当たるかどうかはどこでどうチェックするかと聞いているわけです。
○辻政府委員 先ほどの五十一条の二の政令を受けまして、法に定められた基準を踏まえまして、「総理府令で定める技術上の基準」というところで、その基準の中に政令で定められるような濃度基準の範囲内におさまっているかどうかということが書かれるわけでございますからして、その基準に合っているかどうかをチェックするということに相なるわけでございます。
○小澤(克)委員 技術上の基準と政令に合っているかどうかというカテゴリー上の基準とを一回でチェックするなんということはおかしいんじゃないかと思います。 大変不十分だと思いますけれども、次に五十一条の二の三項についてお尋ねします。 これは、第一項一号に限って、二号を入れなかったのはどういうことからでしょうか。
○辻政府委員 失礼いたしました。御質問の趣旨がよくとれかねましたので……。
○小澤(克)委員 五十一条の二の三項でございます。「内閣総理大臣、通商産業大臣及び運輸大臣は、」云々とありますね。「第一項第一号の政令」の制定または改廃の立案をしようとするときは原子力委員会、安全委員会の意見を聞かなければならない、このことです。この第一号に限って第二号の管理の事業の方の政令については含めなかったのはなぜかと間いているわけです。
○辻政府委員 第五十一条の二第一項第一号の政令につきましては、埋設という方法による最終処分を認める廃棄物の範囲を定めるということになりますので、安全かつ確実にこれを行い得る廃棄物としてどのような範囲を定めるかは、原子力の開発利用及びこれに伴う安全確保の観点から極めて重要な判断を要するということで、原子力両委員会の意見を聞くこととして、私どもが政令を制定する場合にいささかでも遺漏がないようということで、念のためにこういった制度といたしたいということでございます。 これに対しまして第二号の政令につきましては、単に現段階で考え得る最終処分の前に行われる管理及び処理の方法のうち、廃棄の事業の対象となるものを具体的に規定するにすぎませんので、この点については特に両委員会の御判断を聞かなくても我々政府レベルで十分定められるというふうに考えまして、これを諮問の対象にはしておらないのでございます。
○小澤(克)委員 そこでこの三項ですけれども、内閣総理大臣、科学技術庁、これは総理府に含むから当然だろうと思いますが、通産大臣、運輸大臣を含めたのはどういう趣旨からでしょうか。なお、厚生大臣は入っていないわけですけれども、国民の保健等について責任を持つ厚生大臣を、閣議の構成員ではありますけれども、事前の立案段階で入れなかったのはどういう理由からでしょうか。さらにもう一つ、環境庁長官はいかに関与するのでしょうか。
○辻政府委員 これは政令でございますから、結果的には閣議にかかりますので、全省庁の大臣の合意が要ることには相なりますけれども、ここで特に通産大臣及び運輸大臣を加えまして所管大臣としたわけは、五十一条の二の第一項第一号の政令は、廃棄物埋設の事業の許可を要する範囲を定めますと同時に、埋設の方法による最終的な処分を行い得る廃棄物の範囲を定める意味を持っておるものでございまして、このことはひとり内閣総理大臣所管の試験研究炉や研究開発段階炉及び核燃料施設から発生する廃棄物のみならず、通産大臣所管の実用発電用原子炉、あるいはこれはまだ現実のものとしてはございませんけれども、運輸大臣所管の実用舶用炉から発生する廃棄物、それの処理処分のあり方をも左右するものであるという観点から、三大臣がこの政令の立案に当たるということといたしたわけでございます。
○小澤(克)委員 きょう通産省の方にも来ていただいていると思いますので伺いたいのですが、今度の法案によっても、実用発電炉を持つ電気事業者がみずからの施設にみずから廃棄を行う場合は、いかに反復継続して行おうと今度の廃棄事業の対象にはならない、こういうことのようでございます。それからもう一つは、五十一条の二の一項一号に該当しないいわゆる無拘束限界値以下については、これまた廃棄事業の対象にならないということのようでございます。そうすると、電気事業者がみずから廃棄用地を手当でいたしまして、そしてそこにおいて廃棄事業をやる場合は、たとえ飛び地であってもこの廃棄事業の対象にならないのかどうか、そこはいかがでしょうか。
○辻政府委員 例えばある電力会社が自分固有の廃棄物の埋設を自分の事業所からはるか離れた場所に自分でやりたい、こういうケースであろうかと思いますが、その場合には、私ども、当該電気事業者が廃棄事業者の許可を受けて行うということを予想しておるわけでございます。
○小澤(克)委員 無拘束限界値以下の場合はどうなりますか。
○辻政府委員 無拘束限界値以下の場合は、五十八条の二による確認を電気事業者が受けて行うということにいたしたいと思っております。
○小澤(克)委員 飛び地といいましてもいろいろあると思うのですが、従来の原子力施設の隣地に拡張して、そこに廃棄を行うような場合はどうなりますでしょう。
○辻政府委員 これはケース・バイ・ケースの判断になろうかと思いますけれども、例えば先生御指摘のように、道路を隔てた隣のところに敷地を広げまして、そこのところで原子力事業者がみずから廃棄をやるというような場合には、三十五条の第一項の方で規制するという考え方もあろうかと思います。その場合には、廃棄事業者の管理が本体の事業との関連においてどういうぐあいに行われるかというあたりをいろいろ検討いたしまして、単独で廃棄事業を受けた方がいいと判断する場合であればそういうふうにするし、また、電気事業者のままで三十五条の第一項の方でやった方がいいという判断ができるような構成であればその方向で規制をするという、実際具体的ケースが起こった場合に考えるべき問題であろうというふうに考えておるわけでございます。
○小澤(克)委員 同僚の委員の御了解を得まして、若干、時間が来ましたけれども……。
○大久保委員長 それは持ち時間の中での配分ですか。
○小澤(克)委員 そういうことです。 今の同じ質問ですけれども、通産省の方も同意見でしょうか。飛び地についてはすべて五十八条の二による、こういうことでお間違いないですね。
○上村説明員 先ほどの安全局長の御答弁を基本的な方向と理解しておりますが、当面そういう実態がまだ具体化ないし予定されておりませんので、そういう実態が具体的日程に上がってきた段階で、ケース・バイ・ケースで原子力委員会あるいは安全委員会の基本的考え方を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
○小澤(克)委員 それじゃ困るわけですよ。この法案の解釈として両省庁きちんと一致してないと困るわけです。科技庁のお答えになったのと全く同じかどうか。すなわち、道路一本隔てたような場合は、単一の管理が及ぶという場合は例えば三十五条一項による、単一の管理が及ばないような飛び地の場合は三十五条の二項であり五十八条の二である、こういうふうに伺ってよろしいでしょうか。
○上村説明員 先ほどの安全局長の御答弁に沿った理解をいたしております。飛び地といいましても、距離的にいろいろなケースがあり得るわけでございます。その辺は実態を勘案してケース・バイ・ケースでどちらで適用するか判断をする、こういうことを申し上げておるわけでございます。考え方は安全局長の御答弁のとおりでございます。
○小澤(克)委員 念のため伺いますが、科技庁の方も今の通産の御答弁、一言一旬そのままでよろしいですか。
○辻政府委員 同じでございます。全体的に総合的に勘案して、個々具体的に判断すべきことというふうに考えております。
○小澤(克)委員 今の問題及び先ほどお尋ねしました五十一条の二の三項の立案に際して通産大臣が関与するということに関連いたしまして、通産省と科学技術庁との間で覚書が交わされているということが二、三の新聞に報道されておりますが、これは事実でしょうか。
○辻政府委員 事実でございます。
○小澤(克)委員 これはこの法案の解釈にも重要な影響を与えるかと思いますのでぜひ御提出を願いたいということで、せんだってから提出要求しているのですが、今に至るも出てきません。これはどうして出ないのでしょうか。
○辻政府委員 省庁間、行政当局におきまして覚書がいろいろな形で交換される場合があるわけでございますが、今回の覚書は、法案作成の過程におきまして、核燃料サイクル三事業におきます役割分担等につきまして両省庁間の折衝の結果を取りまとめたものでございまして、今回の法案に関する内容のものはただいま御審議いただいておりますものの中にすべて含まれておるわけでございます。また、法案作成に当たっての中間的な取りまとめということでの両省庁の相談の結果でございます覚書を提出いたしますと、これはまだ行政庁としての最終的な意思決定ではないわけでございますので、何かと誤解を招くこともあるかと存じますので、覚書の提出については御容赦をお願いいたしたいと思います。
○小澤(克)委員 この法案ができた結果、両省庁の権限等が決まるわけですよ。そうでしょう。この法案について今盛り込まれているとおっしゃった。この法案が国民代表である議会をパスして初めて両省庁の権限等が決まるわけです。あるいはさらに基本的には、各行政庁の権限というのは国家行政組織法以下の組織法によって決まるわけです。これはもちろん国民代表の議会が関与して決めるわけです。そういうものなしに、両省庁でいわば暴力団が縄張りについて手打ちをするように覚書をつくって、両方で判こを押し合った、こんなことがあってはならぬことですよ。これは法案審議にも必要ですし、それから国会の重要な役割である行政庁に対する監督権の行使、この両面から絶対必要だと思いますので、これはぜひ提出をしていただきたい。委員長、お願いいたします。
○辻政府委員 両省庁の権限はもちろん法律に基づいて決められるものでございますから、設置法その他によりまして両省庁の権限は明らかにわかっているわけでございます。しかし今回の場合には、法律を立案しようという段階でどういうふうにしようかということを両省庁で相談して、今回の政府原案をつくるに当たっての合意事項でございまして、その結果を今国会にこの法案として提出しているわけでございます。したがいまして、この法案がどういう形で採決されるかによりまして、もちろんそちらの方が優先して決まるものでございますから、そういうふうに御理解をいただきたいと思うのでございます。
○小澤(克)委員 五十一条の二の三項には内閣総理大臣、通産大臣、まあ運輸大臣もありますが、これらが立案をして政令を定めるとなっているわけですよ。わざわざ通産大臣が出ているわけです。この解釈、運用がどうなるかということを見るためにも、事前の両省庁間の合意というのは絶対必要です。この法案の今後の解釈、運用の内容となるわけですから。それから、先ほど申したとおり、これは国会における行政庁に対する監督権の行使といたしましても絶対出していただきたい。ぜひ委員長、これを委員会に提出するようにお願いいたします。これを出していただかなければ、私としてはこのまま質問というわけにはいきません。
○辻政府委員 両省庁間の覚書というものは、先ほど私申し上げたようなものでございますので、本文を御提出するということについては御容赦いただきたいと思います。もし覚書の趣旨、内容、概要について説明せよというのであれば、御説明はさせていただきたいと思います。
○小澤(克)委員 だめです。都合のいいところだけ説明されてもだめなんですよ。いいですか。二つの新聞に出ているのですよ。どこかの新聞がこっそり抜いたというのじゃないのです。マスコミに出ているのです。国民代表の議会に出せないわけがないでしょう。これを出さなければ私としては質問を終わることはできません。出してください。
○辻政府委員 私ども新聞に決して出したつもりはないのでございまして、どういうわけで新聞に報道されたのかわかりませんけれども、本文そのものにつきましてはただいま申し上げましたようなことでございますので、提出については差し控えさしていただきたいと思います。
○小澤(克)委員 だめですよ。化学工業日報の六十一年一月二十一日号、電気新聞の六十一年一月十六日号、両方出ておりますよ、覚書が取り交わされたと。内容まで書いてあります、概略が。だめです。これを出してくれなければ、私質問を終わりません。これは留保させていただきます。
○大久保委員長 答弁ありませんか。
○辻政府委員 概要については御説明させていただきますが、本文についてはどうか御容赦いただきたいと思います。
○大久保委員長 小澤委員にお尋ねしますけれども、ただいまの御質疑の内容は、科学技術庁と通産省との間で交わされた覚書を本委員会に提出をせよ、こういうお申し出でございますね。辻原子力安全局長の御答弁は、省庁間の覚書が国会に提出された前例はない、ついては提出はできない、ただ、覚書の要旨といいますかについて説明をせよということであれば、説明はできる、こういうことですか。――小澤委員にお尋ねいたしますが、その覚書そのものの実体が必要なのか、覚書の内容の概況が必要なのか、どちらでしょうか。
○小澤(克)委員 これは、都合のいいところだけ説明を受けても困りますので、全文提出をお願いいたします。
○大久保委員長 全文の覚書の概況が、覚書そのものでなく……。
○小澤(克)委員 そのもの、コピーで結構ですからぜひ提出を願いたいと思います。
○大久保委員長 そのものについては国会に提出した先例はない、こういうことを言っておりますけれども……(発言する者あり)
○小澤(克)委員 先例は私知りませんが、提出を求める理由としては、改正案の五十一条の二の三項の解釈としてこれが重要な意味を持つということと、それから国会における各行政庁に対する監督権限の行使としても、国民の知らないところで、先ほども言葉は悪いのですが、暴力団の縄張りについての手打ちのようなことがあって覚書ができているということは、これは重要な問題だろうと思いますので、ぜひ提出を願いたい。それがなければ私としてはこの質問を終わることができない、こういうことでございます。(発言する者あり)
○大久保委員長 暫時休憩いたします。 午前十一時二十三分休憩 ――――◇――――― 午前十一時三十分開議
○大久保委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 政府から発言を求められておりますので、これを許します。辻原子力安全局長。
○辻政府委員 覚書の要旨を御説明申し上げます。 「一、核燃料関連三事業の両省庁の役割分担について」でございますが、「①核燃料関連三事業(加工(濃縮を含む)、再処理、低レベル放射性廃棄物最終貯蔵)に……。
○大久保委員長 これは全部朗読する必要ありますか。――では、資料を小澤委員に御提出を願いたいと思います。
○辻政府委員 では、この趣旨についての資料を提出させていただきます。
○大久保委員長 小澤克介君。
○小澤(克)委員 今「覚書の趣旨について」というものを交付を受けましたので、私の質問時間がもう既に他の委員の方まで食い込んでおりますので、ここで一たん私の質問を終わりたいと思います。 ただ、委員会にぜひお願いしたいのは、今新たにこういうものが出てきましたので、これに基づいた質問の時間を若干今までの枠とは別にぜひいただけたらということを強く要望いたしまして、一応質問を終わります。
○大久保委員長 八木昇君。
○八木委員 今ちょっと議事の状態がこういう状態ですから、質疑応答をしていたのじゃ到底これは時間もとりますので、あと理事会等で御協議を願いたいと思います。我が党議員からも出していただくようにお願いをいたします。 それで、おととい私が質問をいたしましたのは、この法案の一番重要な点について質疑をしたわけであります。すなわち、もう各発電研に数十万本廃棄物がドラム缶詰めになっておるわけですね。その中身について、それぞれの核種、それの線量あるいは放射能濃度、こういうものがわかっておるのか、特にいわゆるアルファ線、トランスウランあるいはベータ線について、これらが一切わからなければ区分けができないじゃないか、これは埋設できる、これは埋設できないというふうにできないじゃないか、だからその一覧表を出せ、そうしなければ審議できない、こう言ったわけです。難しいことを言っているわけじゃないです。当たり前のことを言っているわけです。ところが、それは出しません。それならば、少なくとも昭和五十一年に美浜一号炉で起きたところのあの大きな事故がある。そのときの廃棄物には必ずトランスウランが入っておるわけだから、そのときのものについては出せるかと言ったらば、お出ししますということだった。 きのう私が帰った後、夜、私の部屋のボックスにこれがほうり込んでありました、美浜一号炉のものについて。ところが、これを見ましても、ないわけですね。要するに、そのうちのいわゆる破損したところの燃料体等についてはピノト内に保管をしておるとか、あるいはウラノ等が付着した樹脂はまた貯蔵タンクに保管されておる。しかし残りの分については、濃縮廃液あるいはフィルター、それらはドラム缶にもう固化をいたしました。したがって未確認量、未回収ウランの量は二百七十g・Uでございますというだけのものなんですね。ですから、実際にそれらはもう計量されておるのかどうか、計量されておるならその資料を全部出せ、美浜一号炉に関するもののみならす四十数万本全部について、こう言っているわけてす。それを今即刻出せますか、お出しにならなかった。出せないならば審議はできないということだけを一方的に私申し上げて、終わります。
○大久保委員長 この際、両案審査のため、参考人各位から御者・見を聴取いたします。 御出席願います参考人は、動力炉 核燃料開発事業団理事長林政義君、同理事植松邦彦君、同総務部長石塚彰君及び同環境資源部長渡辺昌介君であります。 質疑を続行いたします。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 余り時間か残っておりませんので、ます御要望申し上げておきたいと思いますが、各委員とも非常にこの審議についてまだまだただしたい点がある、あるいは審議の経過の上からいいましても、極めてどうも不十分な、未成執な答弁が多いというようなこともありますので、せひひとつこの際なお審議の時間をそれぞれお与えいたたくように、強くまずもって要望を申し上げておきたい、このように思う次第であります。 そこで、時間もないから端的にお伺いをしたいというふうに思うのですか、長官、いろいろ問題の多い法案で、私どもも極めて不満が多いのでありますが、この機会にひとつ、殊に私ども幌延等の経験からいってただしておきたいというふうに思いますのは、これら埋設であるとかあるいは管理、貯蔵等についてその施設を設置する場合、常に問題なのは地元の理解と協力、その同意といいますか、これか重大な問題であることはもう長官も肝に銘じてお考えになっているに違いない、こういうぐあいに思うわけです。しかもそれはアメリカの八二年政策法等を見ましても、こういう点については十分な配慮がそれぞれなされているわけです。大臣、どうですか。幌延の問題のときにもいろいろ大臣の意見は聞いたか、地元の理解と協力、この種の施設設置の場合の地元の同意といいますか、これらについてどのようにお考えになっておられるか。
○河野国務大臣 この点につきましては五十嵐先生からかねてより御質疑もございましたし、当委員会で歴代長官か御答弁を申し上げてまいったところでございます。私も歴代長官の申し上げております考え方、そういったものに沿っていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。具体的にいろいろな地域等についての地元とのやりとりもございますが、これらにつきましては、それぞれケース バイ ケースで考えねはならぬところもあろうかと思いますけれども、基本的には従来の長官と同じ考え方で進めているところでございます。
○五十嵐委員 従来の長官と同じということでありますが、改めてひとつあなたののどから、河野長官としてのお答えをいただきたいと思います。
○河野国務大臣 立地に当たりましては地元の皆さんの理解と協力を得なければならぬ、こう考えておるところでございます。また、立地を決定いたします以前の段階で、適地であるかどうか、さまざまな調査等か行われるわけでございます。この調査は文献によります調査もございますし、現地におきます調査もあるわけでございますが、私どもはその当該地域に立地することか適当であるかどうかを判断しなければなりません。私どもも判断しなければならないと同時に、それぞれの地域の方々も判断をされるわけでこざいまして、その判断の材料を提供するということのための調査については、でき得る限りそれぞれの地域の方々の御協力、御理解をお願い申し上げたい、こう考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 地元の理解と協力を得てやりたい、得てやろう、こういう今のお話の場合の地元なんですか、これは当然考えられるのは該当の市町村あるいはその周辺の市町村、自治体、それからもちろん都道府県知事あるいは都道府県議会というようなものもあるかもしれませんが、公式にはそういうものか具体的に地元の同意あるいは地元の理解と協力というようなものの地元の意味ではないか、そういうふうに思われるのでありますが、それでよろしゅうございますか。
○河野国務大臣 地元というのかどの範囲でどういう機関がということについても、しばしばこの委員会でお尋ねがこざいまして、御客方を申し上げてきたところでございます。
○五十嵐委員 つまり、今私が言ったようなことで間違いはありませんか。
○河野国務大臣 先ほども申し上げましたが、立地に当たりましては、当該地域を初めとして、その周辺の方々の意思を集約するという意味におきまして、さらに広い範囲、例えば知事さんでございますとか、そういった方々の御理解が必要かと存じます。 少ししつこいようでございますが、私が重ねて申し上げておりますのは、それ以前の調査につきましては、例えば当該地域の地主さんでございますとか町長さんでございますとか、そういった面接的に関係のある方々の御理解というものが必要であろうというふうに考えておるわけでございまして、そこまで立地と同じに考えていいかどうかということにつきましては、私は少し考えを異にいたしております。
○五十嵐委員 今の調査の問題につきましては、私どもとかなり見解の差がある。これはまた改めてやりたいというふうに思いますが、きょうは動燃の林理事長さんもお見えいただいておりますが、大体今のような長官のお考えと変わりありませんか。
○林参考人 ただいま長官がお答え申し上げたとおりでごさいまして、立地については地元の御理解と御協力を得て進めることが基本であるというふうに考えております。 なお、立地に先立つ調査につきましても先ほどのとおりでこざいまして、地元の適切な御判断をいただくためにも、直接関係する地元関係者の御理解を得て調査に着手をさせていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○五十嵐委員 そこで、大臣、そういうことは今までも繰り返し御返事いただいている。そういうことであれば、これは法律に入れたらどうですか。これは今審議をしているわけですね。これは地元自治体の同意を得る、知事だとか該当の市町村、周辺の市町村、これら地元自治体の理解と協力を得るということを法律に明記すべきじゃないですか。大臣、いかがですか。
○河野国務大臣 私は、法律に書く必要はなかろうというふうに考えております。行政の責任者として、円満に事が運ぶためにさまさまな努力を私どもは繰り返してきたつもりでございます。法律に書いて、法律に書いてあるからということだけの理由で事を運ぶということよりも、責任者として十分責任を感じながら関係者の御理解をいただく努力をしていくということか必要なのではないかというふうに考えている次第でございます。
○五十嵐委員 そんなばかな話はないでしょう。それはいってもお答えとしては、今のように地元の理解と協力を得てやる。それはしかも該当の市町村あるいは周辺の自治体だとか、それらを包括する都道府県だというような話は一応いただいているわけですからね。トラブルのないように円満に進めていこうと今おっしゃったけれども、そういうことならなおさらこれは法律にきちっと明記をすべきことじゃないてすか。そうして、その意思を尊重しながら、それこそトラブルのないような考え方を進めていくのが僕は本当ではないかというふうに思うのですよ。それは、例えば発生者の責任の問題だって法律に載せてない。しかし、そういう気持ちでと言ったって、法律ができてしまえばそれなりに生きていくわけですから、必要なことはきちっと明記すべきで、地元の協力、同意というものは入れるべきでないですか、あるいはその手続等も。それはアメリカの政策法だって廃棄物に関してはきちっと入れているわけですからね。おかしいと思いますよ。どうですか。
○河野国務大臣 五十嵐先生もかつては行政の長として、行政の最高責任者として行政をやってこられた経験が十分おありでございます。恐らく先生の体験の中にも、法律に書いてあろうとなかろうと住民のためにいろいろと心を砕かれたことが多かったのではないかというふうに考えるわけでございます。すべてを法律に書いて、法律どおりきちっとやっていくというのも一つの考え方であろうかと思いますけれども、今御指摘のような問題についてはケース・バイ・ケース、さまざまな地域にさまざまなケースがあるということを考えますと、私どもの責任と判断において最良の道を選択をさせていただきたい、こう考える次第でございます。
○五十嵐委員 中村さん、盛んに出たがっているようだから、せっかくだから……。 八木委員の方から要求資料があって出されてきているわけでありますが、TRUの核種の非破壊測定の問題で「IAEAで検討している放射性廃棄物の陸地処分における規制免除できる放射能濃度」、これが資料として出されてきておるわけですが、ややこれに基づいてやろう、こういうことですか。
○辻政府委員 IAEAの数値も参考としながら、安全委員会でただいま検討中でございます。
○五十嵐委員 安全委員会の規制免除濃度範囲というのは、これを見ましてもアルファ放射体の場合には十のマイナス六乗マイクロキュリー・パー・グラム、こういうことになっているわけですね。これはおたくの方の資料ですよ。これを参考にしてやるということになれば、大体その前後の程度で判断をしていく、こういうことですか、基準としては。
○辻政府委員 先般来の討議で具体的な数値を示せという御質問が多々ございまして、それについては、安全委員会が国際的な基準の動向も踏まえつつ検討中であるという御答弁を申し上げました。それの関連で、IAEAではこういう数字をやっておる、この辺のところで安全委員会も決まるであろうということでございます。
○五十嵐委員 それではお伺いしますが、同様におたくの方から出された資料で、今アルファ廃棄物の核種の量やこの組成を測定するのに三つばかりの非破壊検査法を考えている。それはパッシブガンマ法、パッシブニュートロン法、アクティブニュートロン法、この三種類だ、こう言うのですね。それで若干の説明がこの資料には書かれてある。これは、検出限界はそれぞれどの程度になっているのですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 まず、パッシブガンマ法でございますが、およそ廃棄物一グラムにつきまして十マイクロキュリー程度、それからパッシブニュートロン法では、およそ廃棄物一グラムにつき〇・一マイクロキュリー程度、それからアクティブニュートロン法では、およそ廃棄物一グラムにつき〇・〇一マイクロキュリー程度、そのように聞いております。
○五十嵐委員 これは随分けたが違うのではないですか。これは先ほどお話しになったIAEAで検討している基準というものからいうと、はしたのけたではないのではないですか。随分違うのではないですか。
○辻政府委員 ただいま原子力局長の御説明しましたのは、アルファ固化体を外部から測定する場合の話を申しているわけでございまして、TRU廃棄物の確認のやり方についてはいろいろ考えていかなければならぬと思います。 今御説明しましたように、外からはかる方法については、現在規制値と比べて検出限界値がまだ高こうございますから、これは実用的ではないと思いまして、これはあくまで動燃等における研究開発段階の検査法であるというふうに理解しております。したがいまして、今後検査の面で、確認とかそういった面での実用的なやり方ということになれば、現状で採用できるのは実際に固化体に閉じ込めるものについての放射能分析をやっていくのが適当であろう、放射能分析であればピコキュリーオーダーまではかれるわけでございますから、そういったような方法が多分採用されることになるということでございます。
○五十嵐委員 これはやはり、なかなか納得のいかない話ですね。しかし、それを詰める時間も何もないわけですけれども。大体そんな非破壊の測定以外には、現実の問題としてはやりようがないことになるわけですし……。 それからTRUは、これは中村さんだな、先ほどちょっと資料を渡しておいたけれども、やはり高レベルと同じように約十万年くらい人間の生活圏から隔離してやらなければだめだというような論文がいろいろ出ていて、お手元に出したのは、この間文部省が金を出して調査させているのがありますね。その中で中島篤之助さんの論文によるものなんだけれども、大体そのくらいでそう違いはありませんか。
○中村(守)政府委員 処分、いわゆる地中に埋設した後どの程度かということにつきましては、いろいろな核種によって非常に長い時間を要するものもありますから、一概に何年ということを今申し上げるあれでもございませんし、今後地層処分について、具体的な方策、あるいは具体的な方策をつくるためのいろいろなデータの研究というものを進めてまいるわけでございますので、今その論文の数字をそうだと言うわけにはまいらないと思います。
○五十嵐委員 しかし、とにかく十万年とかそういう単位で、超長期にわたって生活圏から隔離しなければだめだということなわけだ。それでTRUの場合には、今処理方法として我々も聞いているのは、それはアスファルト固化体にしてドラム缶に入れて処理をしているということになるわけだが、これは、廃棄事業者はその形態のものを管理、貯蔵する、こういうことになるわけですね。
○中村(守)政府委員 TRUの廃棄物につきましては、現在それぞれの事業所内に保管されておるわけでございまして、これをいわば廃棄事業者に引き渡してというような事態になりましたときには、現在我々が考えておりますのは、埋設という形はとらないでいわゆる管理をするということでございまして、TRUの最終処分につきましては、今後高レベル廃棄物の処分の研究とあわせまして、それらのもろもろのデータ等を勘案しつつ方策を決めていきたいと考えております。
○五十嵐委員 しかし、おかしいじゃないですか。向こう十万年も人間の生活圏から隔離しなければだめだ、いずれにしてもそういう処分をしていかなければだめなわけですね。そういう処分の必要なものの処理された形態がアスファルトの固化体でドラム缶に入れたもので、そんなに長期間人間社会から隔離して安全にそれを処分していく、そういう可能性はあるのですか。
○中村(守)政府委員 先生の御指摘は、現在アスファルト固化しているものを最終処分するときの方法を考えないでいいのか、こういうことでございますが、最終処分をするときにどういう方法をとるかということにつきましては、逆にそのアスファルト固化したものについては、必要であれば外側にまたどういうパッキングをするかとか、あるいは人工バリアをどういう形にするかとか、そういった方策で固めていくわけでございまして、当面のTRU廃棄物を、逆に言って、いいかげんな形で放置しておくわけではありませんので、安全な形に貯蔵をするということで現在そういうアスファルト固化処理等を行っておるものでございます。
○大久保委員長 五十嵐委員に申し上げますが、各党申し合わせの時間を大分超過しておりますので、質問をまとめていただきたいと存じます。
○五十嵐委員 今の御答弁ですが、それは納得いかないですよ、局長さん。何万年間も心配のないように長期にわたって処分とはいいながら、安全な管理をしていかなければだめだということなわけですね。それをドラム缶でアスファルトに固化された程度で、一体どのくらいの長期にわたってどんな処分をしていくのだかわかりもしないようなことを前提とした今の処理の形態だけで、問題がないのだなんというのはおかしいじゃないですか。 どんな問題があったってそれに合わせて処分の形態を将来考えていけばいいというのであれば、ガラス固化体にしたってTRUにしたって一般の低レベルにしたって、現在の処理の形態はどんなものだっていいということになってしまうでしょう。そうではなくて、やはり一つ一つ工学バリアの時点からいろいろなことを多重的に考えながら万全な安全を期していかなければだめだということは、あなた古いつでも言っていることでしょう。それは、今三万数千本も既にできているTRUのドラム缶に入ったものを一体どうするのですか。非常に無責任な話だと思いますよ。納得がいかないですよ。お答えをいただいて納得がいかなければ、私はちょっと休憩でもしてもらわなければしようがないと思いますよ。
○中村(守)政府委員 TRUの廃棄物のその最終の最終まで見通せなければ現状においてその取り扱いをどんな形にしろやってはいけないということは、ちょっと私ども理解しかねるところでございまして、現在貯蔵する形としてどういう形がいいのかということで、その一つの方法としてアスファルト固化処理をしておるのでございまして、最終処分については、アスファルト固化したものにつきましてその外側にどういうパックをするか等々につきまして、十分調査研究して安全の確実を期するということでございますので、何ら支障ないと考えております。
○五十嵐委員 全く納得がいかないですね。それはもう常識で考えても了解できるようなお答えではないというふうに思いますので、留保させていただきます。
○大久保委員長 これにて五十嵐広三君の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○大久保委員長 この際、お諮りいたします。 関晴正君外五名提出、原子力基本法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者全員から撤回の申し出があります。 これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大久保委員長 御異議なしと認めます。よって、撤回を許可することに決しました。 ―――――――――――――
○大久保委員長 内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がおりませんので、本案の質疑は終局いたします。 この際、本案に対し、日本社会党・護憲共同を代表して、小澤克介君提出に係る修正案が委員長の手元に提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。小澤克介君。 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関 する法律の一部を改正する法律案に対する修 正案 〔本号末尾に掲載〕
○小澤(克)委員 日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案についての修正案を提出いたします。 内容は次のとおりでございます。短いもので、全文を朗読いたします。 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 目次の改正規定中「目次中」の下に「・「第二条」を「-第二条」に、」を加える。 第一条の改正規定の次に次のように加える。 (放射性廃棄物の発生者の責務) 第一条の二原子力の研究、開発又は利用に関する事業を行う者は、その事業活動に伴って生じた放射性廃棄物を自らの責任において安全かつ適正に管理し、若しくは処理し、又は処分しなければならない。 提案趣旨の理由を御説明いたします。 本法案の審議の過程で、本法案においては発生者の責任が不明確である、のみならず、廃棄事業者に引き渡された以降は発生者の責任が免除される、こういう内容になっていることに関し、討論の過程で批判が集中したことは皆様御承知のとおりでございます。このことにかんがみ、発生者の責任を明確にする趣旨で第一条の二を加える。これが提案趣旨でございます。 なお、発生者責任の原則が厳重に守られるべきことに関しましては、昭和六十一年三月四日原子力委員会決定におきましても明記されておりますし、本法案が衆議院本会議に上程された際に、総理の御答弁としても、「放射性廃棄物の発生者である電気事業者は、その処理処分が確実に実施されるように、廃棄事業者に対し適切な支援を与えていくことが重要」であるという趣旨の御答弁をされておりますことからかんがみても、このような修正を本法案に付加することは極めて適切であろうかと考えるわけでございます。 委員各位の御賛同あらんことをお願いいたします。 以上で終わります。
○大久保委員長 以上で修正案の趣旨説明は終わりました。
○大久保委員長 これより討論に入ります。 原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。関晴正君。
○関委員 ただいま提案されました修正案の内容というものは、この委員会においてどの党も取り上げた一致した一つの内容だ、こう思います。と申しますのは、原子力発電所の主体者である電力会社がとにかく今日二五%を超えるほどの発電の現況に至っているということは、そういう放射性の廃棄物を間断なく出し続けてきた結果でもあるわけであります。そういうような放射性廃棄物の処理処分に当たってだれが責任者になるのかという場合、当然、発生者であるところの電力会社が負うべきものである。このことについては原子力委員会においても、そういうような負担の原則あるいは責任を負うべき原則は、いずれも汚染者負担の原則ともいうべきPPPの原則にのっとって進められておる。それをまた法の中にも当然適用すべきじゃないか。これについては理事者においてもお答えが、必ずしもそういう立法措置ができないわけでもない、入れようと思えば入れられないこともないんだ、こういうお答えもまたあったわけであります。そういう意味からいけば、発生者の責任というものを法律的に免除するのじゃなくて、やはり法律的にこれを確立しておかなければならない。それが最も望ましいものでありますし、国民から見ましても、廃棄物の処理処分の責任者というのは発生者である、これは国民常識でもあるし、また世界的常識でもある。それにかなった法律をつくるのがまた我々議会にある者の責任ではないだろうか、こう思います。 そういう点からいきますと、総理大臣もその要を子とされた御答弁も出ているわけですし、科学技術庁長官もまた、その質問について当然そうあるべきだと。問題は法的にするかしないかというだけの違いだ。精神的な規定においてこの法案をこのまま通してしまうというわけにはいきませんので、我が党としても、今のような修正案で明確に責任主体というものを確立する、それが大事なんじゃないだろうか。このことについては、公明党の皆さん方も、また民社党の皆さん方も、あるいはまた共産党の皆さん方も、自民党の皆さん方も、だれも異議のある内容ではない、もっともだ、こうお考えになっておられるのじゃないだろうか。そういう意味において、これだけはひとつ満場一致でこの案を通していただきたい。もっともだ、こういうことで御賛同いただきたいものだ、こう思います。 以上申し上げて、我が党の修正案に賛成の意を表するものであります。 終わります。
○大久保委員長 塚原俊平君。
○塚原委員 私は、自由民主党・新角由国民連合を代表いたしまして、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について賛成、社会党提出の修正案に反対の討論をいたします。 原子力は、エネルギー資源に乏しい我が国にとって、主要なエネルギー源の一つとして、今や確固たる地位を占めるに至っております。今後ともその開発利用の推進を図ることが必要であると考えておりますが、同時に、発生する放射性廃棄物の処理処分を適切かつ確実に行っていくことが極めて重要であります。 このため、御高承のとおり青森県六ケ所村において放射性廃棄物の処理処分を行う計画も具体化してきておりますが、安全規制面におきましても、このような処理処分に対する規制を万全に行う必要があります。今回の法律改正は、原子力委員会及び原子力安全委員会の提言を踏まえ、放射性廃棄物の廃棄の事業に関する規制を創設するものであり、これにより放射性廃棄物の処理処分に対し万全の安全規制が行い得るものと期待するものであります。 なお、放射性廃棄物の発生者の責任につきましては、この法律に明示するまでもなく原子力政策の基本として位置づけられているものであり、我が国の原子力利用を進めていく上で従うべき原則であると考えます。 発生者の責務に関する規定を追加する旨の修正案が提出されましたが、かえって処理処分に関する安全確保の責任の主体が不明確となり、規制が困難になるおそれがあると考えます。また、原子力損害賠償法上の無過失損害賠償責任の一元化の考え方とも相入れないものであると考えます。 以上、原案賛成、修正案に反対の討論を終わります。
○大久保委員長 山原健二郎君。
○山原委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、政府提出、原子炉等規制法一部改正案に反対する討論を行います。 第一の理由は、埋設処分可能な放射能濃度上限値や無拘束限界値など本改正案の根幹にかかわる重要事項が丸ごと政令等にゆだねられており、埋設の事業及び管理の事業に関する規制の対象が何たるかさえ、法律上何ら明示されていない欠陥法案だということであります。 しかも、重大なことは、濃度上限値や無拘束限界値をどうするかは原子力安全委員会等で検討中のものであり、その案さえ出されていません。結局、何が規制の対象となり、どういうものが放射性廃棄物として扱う必要がないのかという、改正案の最重要点についての科学的検討を抜きに、法律の枠組みづくりだけを先行させようとするものであります。科学的、専門的事項に関する審議は国会では必要ないと言わんばかりのこのやり方は、断じて容認できないものであります。 このことは同時に、原子力の研究開発利用の上でとりわけ考慮されなければならない社会的合意づくりを困難にすることでもあります。科学的な検討結果すら明示されないもとで、放射能の減衰に応じて管理軽減を図る本改正案の制度によって、放射性廃棄物の安易なすそ切りが行われたり、管理のルーズ化につながるのではないかという懸念が国民の間に出てくるのは当然であります。その心配はないと説得する材料を持ち合わせていないのであります。しかも、放射性廃棄物施設の立地について、関係住民や自治体等の意向を民主的に反映させるための手続規制が全く考えられていません。これではパブリックアクセプタンス、社会的合意など望むべくもないと言わなければなりません。反対する二つ目の理由がここにあります。 第三に重大な問題点は、放射性廃棄物の安全確保の法的責任を民間廃棄事業者にゆだねるという点であります。放射性廃棄物の処分は、極めて長い時間を要する事業であるということにとどまらず、一たび事故が発生すれば人的にも物的にも大きな損失をもたらす危険性を持つ事業でもあります。したがって、これは国など公共機関のもとで進められるべき性格の事業であって、民間業者などに任せられるものでないことを強調しておきます。放射性廃棄物の最終的処分を国、公共機関にゆだねる場合でも、発生者責任の原則に基づき、廃棄体の内容や健全性についての適正な処理及び費用負担などについて、発生者たる事業者が責任を持つのは当然であります。 この点で、発生者責任の原則が法律上明確になっていないのは重大であり、これを条文に明記することとした修正案の修正部分自体は道理あるものだと考えるものでございまして、賛意を表するものであります。同時に、これはごく限られた修正措置であって、政府原案全体を修正するものではないという点もあわせて指摘しておきます。 この他、溶接検査等の検査代行制度については、再処理工場などで溶接部分に起因した重大なトラブルが相次いで発生していること等を考えれば、定型化した業務だとして代行させることは安易だと考えるものであります。 以上、本改正案の主要な問題点を挙げましたが、全体として、たまる一方の放射性廃棄物を簡易な方法で廃棄しようとする電力会社の要求に沿ったものであり、青森県六ケ所村や北海道幌延町で進められようとしているずさんな放射性廃棄物の最終処分あるいは貯蔵計画を推進するてことされる危険性を指摘せざるを得ません。ソ連原発事故の発生などによって、原子力の開発利用に関する施策がこのままでいいのかという大きな問題提起がなされている今日の局面で、さまざまな問題点を抱えた本改正案については十分かつ慎重な審議が必要であり、未解明の重要な部分を残したままの決着では多くの国民を納得させるものではないということを最後に申し述べ、さらに審議を重ねられんことの要求を強く持っていることを申し上げまして、私の反対討論を終わります。
○大久保委員長 遠藤和良君。
○遠藤委員 私は、公明党・国民会議を代表しまして、本法案に対し賛成の討論をするものであります。 我が党は、世界のエネルギー情勢にかんがみ、原子力の平和利用である原子力発電は必要であるとの見解をとるものであります。ただし、危険な放射能を内包するものとして、その安全性の確立には極めて厳しい立場を貫いております。 現在、我が国においては原子力発電が総発電量の二六%に達し、石油火力を抜いて第一位のシェアを占めており、国民生活に大きな影響を持つに至っております。そうした中で、最近ソ連のチェルノブイル原子力発電所で発生した事故は史上最悪のものと推定され、ヨーロッパの各国はもちろんのこと、八千キロも離れた我が国にも微量ながら異常な放射能が検出されるなど、国の内外に原子力発電に対する大きな不安感が高まっております。政府は、これを対岸の火事のように眺めるのではなく、他山の石としてますます安全性の確立に努力すべきであることを要望するものであります。 さて、放射性廃棄物の処理処分は、原子力発電を行う以上避けて通れない問題であります。この点は我が党としても理解しておりますが、原子力と不幸な出会いをした我が国の国民感情を考えると、国民の皆さんが強い不安感を抱くことは当然であります。政府は、国民の理解と納得を得るため、その技術の確立に格段の努力をすべきことを強く要望するものであります。 ところで、廃棄事業者を創設する本法案の審議を通じて我が党が常に憂慮してきたことは、廃棄事業者に第一義的に責任を負わせることによって発生者の責任が免責されるのではないかということでありました。つまり、発生者責任の原則が崩されるのではないかという心配であります。 そこで、我が党は、 一、政府は、本年三月四日の原子力委員会の決定を踏まえ、放射性廃棄物の処理処分は、原則的には発生者の責任であることを常に念頭に置いて本法に基づく行政処分その他本法の運用を行うこと。 二、政府は、放射性廃棄物の発生者に対し、廃棄事業者が行う事業に要する費用の負担及び廃棄事業者への適切な支援を確実に行うよう厳重に指導すること。 三、廃棄事業所の立地に当たっては、住民及び生活環境への影響等に最大の考慮を払いつつ、地元の理解と協力を得るよう努めること。 四、政府は、放射性廃棄物の運搬及び廃棄事業の実施中における安全の確保のため、厳格な指導監督を続けること。 五、政府は、埋設による最終的な処分を行うことが可能な低レベル放射性廃棄物の範囲についての政令を定めるに当たっては、原子力委員会及び原子力安全委員会の意見を守って、安全性の確保に遺漏なきことを期すること。 六、政府は、高レベル放射性廃棄物の処理処分に関する調査研究を強力に推進し、安全な処理処分技術の早急な確立を図ること等を強く要望し、本法案に賛成するものであります。 なお、社会党から提出された修正案につきましては、その考え方は高く評価できるものでありますが、放射性廃棄物なかんずく高レベル廃棄物の取り扱い等に関しましては今後の議論にまつべき点が多いと存じますので、今にわかには賛成しがたいことを申し添えます。
○大久保委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○大久保委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、小澤克介君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大久保委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大久保委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○大久保委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十二分散会 ――――◇―――――