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104回国会衆議院1986/04/22

科学技術委員会 第11号

発言数
356
登壇者
14
会派数
5
開催日
1986/04/22

会議録

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び関晴正君外五名提出、原子力基本法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  政府及び提出者より、順次趣旨の説明を聴取いたします。河野国務大臣。     ―――――――――――――  核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関   する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。  この法律案は、大別して二つの内容から成っております。  第一は、放射性廃棄物の廃棄の事業に関する規制の創設であります。  エネルギー資源に乏しい我が国にとって、石油にかわるエネルギー源としての原子力の重要性は極めて大きなものがあります。原子力の研究開発に乗り出してから約三十年が経過し、今や原子力は我が国の主要なエネルギー源の一つとして、確固たる地位を占めるに至っております。しかし、一方、原子力の開発利用の進展に対応し、原子力活動に伴って生ずる放射性廃棄物の処理処分を適切かつ確実に行うことが、原子力の開発利用を着実に進めていく上で極めて重要な課題となっております。  このため、原子力委員会及び原子力安全委員会におきまして、かねてより精力的な検討が行われてきたところでありますが、昨年十月には、放射性廃棄物の処理処分のあり方及びその安全規制の基本的考え方について提言がなされたところであります。  また、現在、青森県におきまして、各原子力施設に保管されている低レベル放射性廃棄物を集中的に処分する計画や、海外に委託した使用済み燃料の再処理に伴って生ずる放射性廃棄物を受け入れ貯蔵する計画が、まさに具体化してきていることは御高承のとおりであります。  この法律案におきましては、原子力両委員会の提言を踏まえ、放射性廃棄物の処理処分に対する安全規制に万全を期すため、放射性廃棄物の廃棄の事業に関する規制を新たに設けることとした次第でございます。  第二は、原子力施設の検査体制等の充実であります。  原子力の開発利用の進展に伴い、原子力施設の建設も増加してまいりましたが、特に今後は、高速増殖炉等の新型原子炉の建設や、濃縮施設、再処理施設等の核燃料サイクル諸施設の建設が本格化することが目前に迫っております。また、あわせて、核燃料物質の運搬等の増加にも対応する必要がございます。  このような状況に対応し、適時に厳格かつ入念な検査等を実施し、原子力利用の安全を確保していくことが求められております。  このため、これらの検査等のうち、基準が明確で手法も確立しているものにつきましては、国の厳格な指導監督のもとに検査等を行う中立公正な機関を活用することにより、検査等の体制の充実を図ることとした次第でございます。  以上、本法案を提出いたします理由につきまして御説明申し上げました。  次に、本法案の要旨を述べさせていただきます。  第一に、放射性廃棄物の廃棄の事業に関する規制につきましては、放射性廃棄物を埋設の方法により最終的に処分する廃棄物埋設の事業や、放射性廃棄物を最終的な処分がされるまでの間管理する等の廃棄物管理の事業を行おうとする者は、それぞれ内閣総理大臣の許可を受けなければならないことといたします。内閣総理大臣は、その許可を行うに際しては、慎重な安全審査を行うとともに、原子力委員会及び原子力安全委員会の意見を聞き、これを十分に尊重して許可を行わなければならないことといたしております。  また、廃棄物埋設の事業の許可を受けた者に対しては、埋設しようとする廃棄物及びその廃棄物埋設施設が技術上の基準に適合することにつき内閣総理大臣の確認を受けなければならないこととし、廃棄物管理の事業の許可を受けた者に対しては、廃棄物管理施設について、その建設に先立って設計及び工事の方法につき内閣総理大臣の認可を受け、かつ、使用前に内閣総理大臣の検査に合格することを義務づけることとする等の規制を行うことといたしております。  なお、廃棄事業者を原子力損害の賠償に関する法律上の原子力事業者と位置づけ、廃棄の事業に係る原子力損害賠償責任を一元的に負わせることといたします。  第二に、原子力施設の検査体制等の充実につきましては、原子力施設の検査業務のうち、その基準が明確で、手法も確立されている溶接検査について、国の指定する中立公正な検査機関が行えるようにすみとともに、核燃料物質等の運搬の際の確認、放射性廃棄物に関する確認の業務のうち定型的な業務につきましても、同様に国の指定する中立公正な確認機関が行えるようにすることといたします。また、指定機関の指定基準、指定機関に対する監督等につきまして所要の規定を整備することといたしております。  以上、この法律案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 関晴正君。     ―――――――――――――  原子力基本法及び核原料物質、核燃料物質及び   原子炉の規制に関する法律の一部を改正する   法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

関晴正日本社会党・護憲共同

○関議員 原子力基本法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申し上げます。  私は、日本社会党・護憲共同を代表しまして、ただいま議題となりました原子力基本法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  多くの国民が心配する中で、近年強引につくられてきた原子力発電所の稼動によって、多量の放射性廃物が生み出されていますが、それらを無謀にも敷地外に持ち出し、遠く運搬して安易に廃棄しようとする動きが急になっております。しかも、そのために廃棄事業者なるものが設けられ、安全確保、損害賠償の発生者責任が免責されかねない事態になっております。国が厳格に実施すべき検査等を民間機関に代行させることによって、安全性の確保が犠牲にされようともしております。  使用済み核燃料再処理施設については、パイロットプラントでさえ事故続きで、根本的な解決は不能な実情であるにもかかわらず、その四倍もの規模の商業施設を建設するという危険きわまりない計画が強行されようとしております。  しかし、これらの動きは、次のような点から重大な誤りであります。  第一に、放射性廃物こそは最も厳格な管理を要する有害で処分困難な廃物であって、発生者責任の原則を厳格に貫く必要があります。  第二に、それゆえにまた、安易に敷地外へ持ち出して、運搬したり、廃棄処分したりすることが許される性質のものではなく、あくまでも発生者みずからが発生敷地内において、恒久的に回収可能な状態で管理貯蔵すべきものであります。  第三に、使用済み核燃料は特に高いレベルの放射能を内蔵しており、これを切断して相当な量の放射能を大気中や排水中に放散しながら大規模に再処理するのは、セラフイールドを見るまでもなく非常に有害であります。しかも、再処理によって抽出されるプルトニウムは、低濃縮ウランに比べて余りにも高くつき、それを使用する高速増殖炉の発電コストも、およそ経済性は成り立ち得ないほど高くつくことが、フランスの大型実証炉において最近改めて実証されたところであります。  アメリカでは、既に再処理工場の建設計画が中止され、使用済み燃料が再処理されぬままで長期貯蔵され始めております。イギリスでも、セラフイールドの実態を調査した下院の環境問題委員会は、建設中の再処理工場を含め、再処理の必要性そのものを再検討するよう求める報告書を提出しております。  特に日本の国民にとって、水産物はたんぱく源等としてかけがえのないものであり、これが放射能によって汚染されることは、何としても防がなくてはなりません。  以上がこの法律案を提案した理由であります。  次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。  その第一は、原子力基本法において、「月内」の中に、放射性廃物(使用済み核燃料を含む)の発生者の保管責任を明確にすることによって、放射性廃物による災害の防止を図ることを明記いたしました。  第二は、同法の「原子炉の管理」に「放射性廃物の発生者の管理・保管責任」を加え、放射性廃物は発生者みずからの責任において、安全の確保のための管理の可能な状態で、十分な保安措置を講じつつ、恒久的に保管しなければならないことといたしております。  第三に、再処理事業の廃止に伴って無意味となる高速増殖炉及び新型転換炉等の開発並びにそのための動力炉・核燃料開発事業団は、原子力基本法から削除することといたしました。  さらに具体的には、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律において、次のような改正を行うことといたしております。  第一に、製錬、加工、原子炉の設置、運転、核燃料物質の使用等の各事業者等は、放射性廃物をその発生する工場または事業所内に設置された廃物保管施設において、安全の確保のための管理の可能な状態で、恒久的に保管しなければならないことといたしました。  第二に、各事業者等は、放射性廃物の保管について、総理府令、通産省令で定める技術上の基準に従って保安のために必要な措置を講じなければならないものといたしました。  第三に、内閣総理大臣及び通産大臣は、放射性廃物の保管に関する措置が前項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、各事業者等に対し、放射性廃物保管施設の使用の停止、改造、修理または移転(当該工場または事業所内の移転に限る。)、保管の方法の指定その他保安のための必要な措置を命ずることができることといたしました。  第四に、外国原子力船運航者も、日本の領海内において放射性廃物をその船内から持ち出しまたは廃棄してはならないことといたしました。  第五に、再処理については、研究のみにとどめ、事業はしてはならないことといたしました。  第六に、各事業者は放射性廃物の保管の委託をしてはならないことといたしました。  第七に、言うまでもなく、海洋への廃棄も、引き続きしてはならないことといたしております。  第八に、国は、生活環境に対する放射能の影響を防止するための措置を適正に実施するため、各事業者等の施設周辺の大気、水質及び土壌について、放射線に関する監視及び測定を行わなければならないことといたしております。  最後に、動力炉・核燃料開発事業団は廃止することとし、必要な研究部分は日本原子力研究所に引き継ぐことといたしました。  以上、この法律案の提案理由及びその内容について御説明申し上げました。御審議の上、速やかに御可決あらんことを切望いたします。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 これにて両案の趣旨説明は終わりました。     ―――――――――――――

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。与謝野馨君。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 私どもは政府提案の規制法改正案に賛成でございますので、ただいま社会党より提出されました法案につきまして質疑をさしていただきたいと思います。  まず、関委員にお伺いをしたいのでございますけれども、現在の法案、大変複雑そうですけれども、実際は三つのポイント、すなわち、放射性廃棄物は事業所内で恒久的に保管することを義務づける、それから第二点は再処理事業を禁止する、また外国への再処理の委託も禁止する、第三は動燃事業団の廃止だ、この三点でしょうか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 ほぼ委員御指摘のとおりでございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 そこで、こういう法案を出したということは、社会党は原子力発電には賛成の態度を変更された、こういうことでございましょうか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 原子力発電そのものに対して、党の方針が変更したということではございません。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 私どもは社会党の内情はよくわかりませんが、社会党の関委員にお伺いしたいのですが、原子力発電所を建設する、原子力によって電気を供給するということについては今社会党の方針は変わっていない、原子力発電はあくまで反対だ、こういうことなんですが、これはイデオロギーの問題として御反対なんでしょうか、あるいは原子力発電所というのは安全でないということで御反対なんでしょうか、社会主義体制というのは原子力発電を持たない、こういうことなんでしょうか、その辺をちょっと詳しくお伺いしたいと思うのです。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関議員 私どもは、今の原子力発電所は研究の範囲内にとどめるべきだ、したがってこれは実用化するのには早い。その第一の理由は、安全性の確立が極めて不十分のままだ。特に廃棄物の処理処分に至っては、全然確立されていない。そういう確立されていないのにもかかわらず電力の発生だけはどんどんする、この乱暴なやり方というものはやはり改めてもらわなければならない。そういう意味においてあくまでもまだ研究の段階にとどめるべきものだ、こう思っておるところです。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 そうすると、ダウンストリームについての疑問があるから全体はやめるべきだ、こういう御主張のようですが、原子力発電所の技術、特に軽水炉は我々はもう実証済みの原子炉と考えておりますが、発電するところまでは構わない、こういうことですか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 ダウンストリーム、とりわけ再処理あるいは廃棄物の処理処分について全くめどが立っていないということが我が党の原子力についての政策の非常に大きな要素ではございますが、同時にまた、原子力発電そのものもいまだなお確立された技術ではない。最近では我が国においては特に稼働率が高いというようなことを喧伝している向きもございますが、例えば今後さらに時間が経過した場合に、中性子照射によって脆化されたものが円滑に動くかどうか、事故が起こりはしないか、あるいは廃炉はいかにするのかというような、極めて重大な問題が未解決のままとなっておりますので、原子力発電そのものについてもなお賛成することはできないというのが我が党の立場でございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 私どもは、石橋さんが標榜されるニュー社会党のもとでは原子力発電は容認されるというふうに思っていたわけでございますが、関先生初め社会党の中にも反原子力派というのがいっぱいおられまして、こういう方の議論が多分勝ったのだろうと思いますが、私も商工委員会に所属をしておりますが、商工委員会に所属の社会党の委員の方々は皆さん原子力発電に御賛成で、どんどんやれ、こういうことも言っておられるわけでございます。それで、党内で原子力発電は認めるべきだ、認めるべきでないという非常にホットな論争が行われたわけでございますが、皆様方の議論が勝ったポイントというのは一体どこでしょうか、関先生。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関議員 私どもの方の党内の問題については、これは党の方針が私が申し上げていることでありますので、他の方の言っているお話は、それはそれなりのお話でありまして、党機関の正規の方針というものでは私が申し上げたとおりであります。したがって、先ほど小澤委員からもお答えがありましたが、最終処理処分の問題が確立されていないということが第一の理由であると同時に、至るところの発電所からまたいろいろな事故が起こっておりまして、その事故の処理においてもそれぞれ問題があるわけです。ですから、私どもはあくまでもこれは普及して実用化して結構な条件下にあるとは思っていないわけであります。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 関先生初め社会党の方が御信奉になる社会主義諸国、とりわけソ連、中国では非常に熱心に原子力をやっておるわけです。そういう社会主義諸国の原子力発電所も極めて不完全なもの、不十分なもの、危険なもの、皆様方の御信奉される社会主義の国々のそういう施設も危険きわまりない、人類の敵だというふうにお考えですか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 他国の技術についてとやかく言うことは差し控えさせていただきたいと思います。  なお、先ほど与謝野委員がおっしゃいましたニュー社会党の新宣言では、東の諸国という表現をとりまして、これらの方向は我が党としてはとらないということを明確にしていることもつけ加えさせていただきます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 それでは小澤委員にお伺いしますが、他国の技術については云々しない、こうおっしゃるのですが、社会党のこの趣旨説明の中には他国の技術について云々している部分があるわけです。「アメリカでは、既に再処理工場の建設計画が中止され、使用済み燃料が再処理されぬままで長期貯蔵され始めております。」云々、これについては削除されますか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 委員御指摘の部分は、アメリカにおける政策を述べたものでございまして、技術そのものについてこれを評価したものとは違うかと思います。削除する必要はなかろうかと思います。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 政策というのは技術抜きに出てくるわけではなくて、一つの政策が決定する場合にはその背景となる技術というものがあるはずでございまして、政策こそまさに技術の反映だというふうに考えているわけでございます。政策だからここに引用する、技術だから引用しないという問題ではなくて、政策というのは技術の問題が存在するから政策として出てくるわけでございまして、先ほどの小澤委員の御答弁、他国の技術については云々しないということであるならば、社会党のこの趣旨説明の中からこの部分は除いていただきたいと思うのですが、御削除願えないでしょうか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 同じ答弁になって恐縮でございますが、この部分は、アメリカでは再処理工場の建設計画が中止された、これはカーター大統領などのワンススルー政策の結果であろうかと思います。技術の面もそれは当然要素となっているだろうと推測はいたしますが、経済性その他いろいろな要因を検討した上でかような政策が出たもの、こういうふうに思うわけでございます。繰り返しで恐縮でございますが、この部分を削除する必要はなかろうかと考えます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 ということは、再処理を日本では禁止する、再処理の委託を外国にすることも禁止するということは、技術の問題ではなくてむしろ経済性等の問題から社会党はそんなことはする必要はない、こういうことで法案を御提出になったわけですか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 簡単に言えば、両方にわたろうかと思います。技術的な条件が経済的条件を規定するということも当然ございます。技術面でも未完成であり、かつ経済的にも到底成り立たない。例えば最近、本年一月号のエネルギー関係の専門の雑誌に、電力中央研究所のエネルギー経済研究主任の方が、再処理については当面行うべきでない、プルトニウム利用の経済性は当面出ないということをはっきり提案をしている、こういう事情もございます。また、三月二十八日と記憶しますが、通産省から出されました総合エネルギー調査会原子力部会の報告書によりましても、高速増殖炉の実用化はかなり遠のいた、しばらくは軽水炉時代が続くであろうという報告となっております。私どもは、先ほど申し上げたとおり、軽水炉についてもこれを認めるという立場ではございませんが、業界あるいは官庁の一部等でも再処理については見直そうという機運が出ていることを、この際指摘しておきたいと思います。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 軽水炉を認めない、転換炉も認めない、ましてや高速炉は認めない、こういうことです。転換炉と高速炉についての御反対の理由は、どうも経済性がとても達成できそうもない、こういうことのようですが、それならば、こんな難しい法律を出すよりは、原子力発電所禁止法あるいは原子力発電所を廃棄せよという法律を社会党はお出しになった方が社会党の立場を明確にされるのではないかと私は思うのですが、関先生、いかがですか。――たまには関先生に答えさせてください。趣旨説明をしたのだから、関先生やってくださいよ。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 関委員には後で御答弁いただくことにいたしまして、私が若干先に申し上げたいと思います。  委員御指摘のとおり、原子力発電そのものを禁止する法案を出すということが、我が党のとっている政策からすればあるいはむしろ整合性を持つかもしれません。ただ、私どもは原子力政策として、軽水炉も含めた原子力発電は容認しないという政策をとっておりますが、しかし現実に軽水炉が稼働し、そのために廃棄物が日々刻々生じているというこの事実は目をつぶるわけにはいきません。また、我が党の政策が近い将来に我が国の政策となることを私は熱望しておりますが、その間にもなお廃棄物が日々刻々排出することは事実としてあるわけでございます。このような事実に立脚いたしますと、今回政府から出されました廃棄物を対象とした原子炉等規制法の提案を機会に、我が党としてこの廃棄物についてどうするかという立場から対案を出すということは、決して我が党の政策とも矛盾しないし、また我が党の委員長が提唱されている、反対するときには必ず対案を出すという一つの姿勢にも適合するかと、かように考えます。  あとは関委員から直接お答えいただきます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 結構です。  そうすると、病気でいえば根治療法ではなくて対症療法を考えている、こういうことですな。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 御指摘のとおりでございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 そうすると、いずれかの日に私どもは社会党が原子力発電所禁止法という法律を出してくださることをぜひ御期待を申し上げたいと思うわけです。  何か今の小澤委員のお話を聞いておりますと、石橋委員長が言っております自衛隊違憲・合法論という話を聞いているような錯覚に陥るのですが、その点はいかがですか。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関議員 自衛隊については違憲である、違憲であるものが合法であるわけがない、だがしかし、国会において議決されているものである以上、これを解決していくには法的手続が必要であるという意味で石橋委員長のお話があったかと思います。  今与謝野委員の御質問のことなんですが、私どもは、これはサイト内の中ですべて処理する。そういうことができなくなったからひとつ他の地点にその場所を求めよう、これが政府から提案されている法案の内容であるわけです。しかも、その発生者の義務、責任というものを薄めてしまう、あったものをなくしてしまう。そういうようなことでこの法案を眺めるときに、このまま通したならば大変なことになる。そこで、この法案を少なくとも最小限度にとどめ得る範囲内で対案を出すことが必要であろう、そういうところから出発して対案を出したわけです。  与謝野委員がおっしゃるように、しからば原子力発電所禁止法案でも出したらどうだ。私どもとしては、禁止法案を出す出さないにかかわらず、やがてサイト内にあふれ出るようになれば自然と休止せざるを得ないであろう、そうなった場合どうするんだということもまた、党の政策の中には当然あるわけであります。だからといって、今にわかに与謝野委員がおっしゃるような禁止法案まで出せ、出そうというところまでには至っていないわけです。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 社会党の支持者並びに党の政策に忠実であらんとすれば、関先生の今のお話を敷衍してまいりますと、これ以上やっていくとどんどん廃棄物の量がふえてあふれちゃう、日本国じゅうは廃棄物で埋まっちゃうぞということであれば、社会党に良心があるとすれば、むしろ今こんな法案を出すくらいなら原子力発電所そのものを禁止して、国民は電気で大変不自由するし、電力料金も上がるけれども、むしろ原子力発電所を禁止するという法案を出した方が皆様方の党の政策に忠実であるし、なおかつ社会党を長く支持してきた支持者に対して、党としてあるいは社会党の構成員として忠実であり、公正なことをされているということにはなりませんか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 委員御指摘のようなお考えも十分成り立とうかと思います。自由民主党が賛成していただける成立の見通しがあるならば、早速にも提出したいと考えるわけでございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 法案というのは、別に成立しそうだから出すとか成立しそうでないから出さないとかという問題ではなくて、皆様方は議員立法の権限があって、国民の要望あるいは皆様方の党の政策を支持する方々の声を国会で反映させるためには、やはりそういうものを出す必要があるんじゃないですか。それはこの国会の歴史の中で、この科学技術委員会でも原子力発電は反対だ反対だと言いながら、原子力発電そのものをやめろという法案を皆様方の党が出したことは一度もない。むしろ枝葉末節、対症療法について延々と我々は議論を聞かされた。その議論を断ち切るためには、一度はそういう法案を通っても通らなくともこの科学技術委員会の場に出して、各党でそれを討論の対象にさせていただきたいと私どもは熱望しますが、いかがですか。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関議員 与謝野委員の御提言、御意見、これについては私どもも十分耳を傾けて検討させていただきたいと思います。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 関委員もそちら側の席に座られると模範的な政府的な答弁をされますので、何か拍子抜けがするわけです。もう少しばしばし本音を言っていただけるんじゃないかなと私は期待をしておりましたが、やや落胆を今しているわけでございます。  そこで、社会党の中でこういう議論があったと伺っておりますけれども、ひとつそれについて評価をしていただきたいのです。今後の原子力発電所の建設はだめだ、しかし今既に稼働している原子力発電所については、これは現に存在しているし、急にやめろと言ってもやめられるものでもない、現に立派に動いている、発電単価も非常に安い、これだけは認めてあげよう、そういう議論が社会党の中である時期非常に有力だったというふうに伺っていますが、そういう議論についてはどういうふうに思われますか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 党内でどのような議論があったか、ここで申し上げるのもいかがかと思います。それについては差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、今おっしゃったような議論が仮にあるとすれば、既にあるものと将来建設するものと何か飛躍的な質的な違いがあれば別でございますが、ほぼ同様の延長線上の技術に立つものであれば、これを区別する合理的な理由はないだろうと私としては考える次第でございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 我が党内でもそうなんですけれども、少数意見が多数意見を制するという場合があるのです。少数意見の人が非常に大きな声を出して相当騒ぎ立てるものですから、多数の人がまあそれほどうるさく言うのであればとりあえず目をつぶっておこう、こういうことで私は外から見ていますと、石橋さんの率いるニュー社会党は原子力発電所を認めるべきだという方向に動いているというふうに私は思っているわけですが、科学技術委員会にお出ましになる方に限って言えば、大変に強硬に反対でございますので、社会党の大勢は原子力発電所反対だというふうに考えておきます。  ところで、原子力をやらなくなると、エネルギーをほかに求めないといけなくなるわけですね。現に原子力発電というのは全国民の使用する電力の二六%を供給している。将来、所要電力量が高度成長期のようにそう急にふえていくわけではありませんけれども、それでも必要な電力は漸増していく、そういう状況の中で、仮に社会党のおっしゃるように原子力発電はこれからやらないということであれば、これにかわり得る最も有望なエネルギー源というのは」一体何でしょう。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 まず最初に申し上げておきたいことは、我が社会党内でいろいろ議論があったということの御指摘がありましたが、極めて民主的にさきの党大会で日本社会党の中期エネルギー政策というものが採択をされているわけでございます。声が大きい云々というような御指摘は当たらないだろうかと思います。  次に、社会党の政策につきまして、じゃ原発がなければどうなんだという御質問の趣旨だろうと思いますが、これについては、今私が述べました中期エネルギー政策に余すところなく記載されております。これを全部読み上げればいいわけですけれども、かいつまんでお話をいたしますと、まず第一に、ごく最近の、昨年あるいは一昨年等の電力需要の最盛期をとりましても、原発がなくてもなお十分賄い得るだけの発電設備があるということが指摘してございます。  それからいま一つは、最近特に石油価格が非常に安くなってきておりまして、原発がコスト的に必ずしも有利ではないということも、これは種々報道されているところでございます。また、新聞の社説等でも原油の過剰が特にアジア地域において深刻化しているというようなことから、石油の消費量を急激に減らすということはかえって世界経済にいろいろな問題を起こすというふうな指摘もあるところでございます。当面は石油が直ちに枯渇するということはありませんし、それから、これは先ほどから申し上げている社会党の中期エネルギー政策に指摘しておりますとおり、石油あるいは天然ガスあるいは石炭、そういった化石資源を非常に効率的に使う新しい技術がいろいろと登場しておりまして、実用が間近になっている。一方で、社会経済構造の変化によりまして電力需要が伸びが非常に少なくなっておりますし、将来予測では、場合によっては絶対量として減ることもあり得るという経済学者の指摘もある。このようなことから、原発がなくても十分に賄い得るということになります。とりわけ期待できるのは、燃料電池技術の急速な進展でございます。なお、その後には太陽光発電等についても有望であるというふうに考えております。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 社会党の政審に私は文句をつける気はありませんけれども、そういう立派な中期エネルギー計画とか展望等をつくる場合は、もう少し数字を計算してやっていただかないとおかしくなっちゃうのじゃないかと思うのです。例えば燃料電池といっても、燃料電池は末端で使用するときの形態でありまして、燃料電池をつくるためにはまたエネルギーが必要だ、こういうことなんです。社会党さんがおっしゃっているのは、せいぜい日本国民にこの五年ぐらいのエネルギーを保証するというだけの話で、我が日本は悠久で、これから百年も二百年も、また千年も二千年も日本列島の上で生活をしなければならないわけでして、化石燃料だけに頼っていくということは、日本人の英知には反しているのではないかと思うわけです。  現在は確かに小澤委員御指摘のように石油がややだぶつきぎみで、それに伴いまして価格も下落している。これは私は事実だと思うのですが、長期的には石油資源というのは有限の資源でございまして、それを使い切った後は一体社会党さんはどうするのか。それじゃアメリカに行って石炭を買おう、オーストラリアに行って石炭を買おうとするのか。いや、そんなことはない、化石燃料は幾らでもあるのだ、二百年でも五百年でももつのだということであれば今の社会党さんのお話は承っておきますが、化石燃料はしょせん地下に眠っている地下資源ですから、使えばなくなっちゃうということは明白なんですね。その後について社会党さんは一体国民にどういう責任のある公約を示しているのか、その点についてお伺いしたい。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 化石資源が本質的に有限であることは、委員御指摘のとおりでございます。しかし、例えば石炭等に関しましては、今後数百年の需要を賄い得るだけの埋蔵量があるというふうに言われております。産業革命以後石炭の利用が始まってわずか百年でございます。今後社会変動がどのようになるか、百年、二百年のタームで今ここで議論をし、明確なビジョンを示せというのはいささか無理であろうかと考えます。  なお、ウラン燃料等につきましても、これもまた有限であることもこの際御指摘しておきたいと思います。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 ですから、ウラン資源が有限だというふうに考えるところが社会党の間違いなんじゃないかなと私は思うわけです。ウラン資源というのは、小澤委員はよく勉強されているので御存じだと思いますが、海中から採取すれば四十億トン、これはもう何十万年使ったってなくならないほどのウラン資源は地球上に存在するわけですよ。石炭、石炭とおっしゃるのですけれども、日本国内の石炭というのは、深くなり過ぎて振れない、大変コストの高いものだ。そういう場合は、石炭とおっしゃるけれども、石炭をどこから買うのか。そういう問題が一つ。  それから、石炭をたくさんたけばSOx、NOxの問題も当然あるし、発電所で石炭を燃やした燃えかすの問題も出てくる。それで、社会党さんは石炭火力発電所の反対運動は多分地方ではやっておられないと思うのですが、やっておるというふうにも聞いておるので、その辺ちょっとお伺いしたいわけです。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 まず、海中には何十億トンのウラン資源があるではないかという御指摘でございますが、海中に広く拡散している物質を集めるということは、これは大変なエネルギーを要することでございます。これはエントロピー増大の法則という、委員当然御存じでしょう、熱エネルギーの第二法則からいたしまして、これは恐らくエネルギーのバランスシートからすればつり合いが合わないだろうというふうに考えられます。  それから、石炭を燃すことによっていろいろな問題があるではないかという御指摘でございますが、石炭については、これをガス化した上でSOx、NOxを取り除いて用いるという技術が急速に進展をしております。ガス化複合発電技術などというものが進展していることは御存じのとおりだろうと思います。  なお、石炭の場合にもアッシュの問題があることも委員御指摘のとおりでございますが、何といいましても石炭は我々人類が百年、二百年親しんできたものでございまして、核分裂生成物などのように煮ても焼いても食えない死の灰とは、おのずからその取り扱いの間には大きな違いがあろうか、こう考えております。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 小澤委員もせっかくエントロピーなんという難しい言葉を使われるのでしたら、死の灰なんという非科学的な概念の言葉を最後に申されるというのは、ややがっかりするわけでございますよ。  それで、石炭は百年、二百年と親しんできたからいいんだということであれば、原子力発電所も百年か二百年親しめば社会党さんは認めてくださるわけですか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 原子力開発は三十年の歴史があるわけでございますが、廃棄物、――死の灰という言葉が余り科学的でないという御指摘でございますので、核分裂生成物というふうに言った方がいいのかもしれませんが、この処理処分については一向にめどが立っていない。いまだなれ親しんでいるとは言えないし、今後もこれの処理処分の方途が見つかるということは、現在の予測からすれば考えられないだろう、このように認識しております。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 そこで次に、社会党さんが提案されている法案は、再処理を禁止する。再処理は国内で禁止するばかりでなくて、フランスやイギリスに持っていって再処理することも禁止する。なぜ禁止するのか、提案理由の中にもございましたけれども、それをもう少しわかりやすい言葉で御説明をいただきたいと思うのです。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 提案理由で非常にわかりやすく書いてあるかと私どもは承知しておりますが、技術的に確立していない、諸外国での再処理工場からは非常に高濃度の放射性廃棄物が垂れ流しとなり、非常に大きな問題となっていることは、報道等で既に皆さん御承知のとおりだろうと思います。また、再処理によってプルトニウムを抽出しても経済的に全く引き合わない。アメリカでは既に再処理及び高速増殖炉の開発は中止しておりますし、フランスにおきましては、最近スーパーフェニックスが臨界に達しましたが、何らかの技術的なブレークスルーがない限りコスト的に引き合うことはないという判断から、次のスーパーフェニックスⅡについてはしばらく見合わせる方針だというふうに報道されております。したがいまして、今放射能を垂れ流しにしながら再処理を行ってもほとんど意味がなかろう。そうであれば、よほどの技術的なブレークスルーでもない限りは禁ずるということが最も賢明な政策判断であろう、さようなポリシーからこの法案を提出したわけでございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 そうすると、社会党は原子力発電所の建設そのものには必ずしも反対しない、再処理にも必ずしも反対をしない、何か技術的なプレークスル「があれば賛成なんだ、こういうことなんですな。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 私どもは、原子力の研究についてまで否定したことは一度もございません。私どもが指摘している再処理技術の未確立、危険性、それから経済的にも全く引き合わない、このような現在の状況下でこれに反対せざるを得ない。また、最初にちょっとおっしゃいましたが、原子炉につきましても、これも繰り返しになりますけれども、いまだ技術的に完成されたものでないという認識から反対をしている、こういうことでございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 研究というのはいろいろな段階があると思うのですけれども、紙の上の研究だけは賛成だ、こういうことですか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 紙の上に限るという合理的な理由はなかろうかと思います。ただ、研究からいろいろ実証、さらに商業規模と順次開発をしていく過程で、環境等へ大きい影響を与える、あるいは社会的に大きな混乱を引き起こす、かような段階に踏み込む研究は、どこまでが研究でどこからが開発か、その線引きは難しいところでございますが、そのようなものは反対をする、こういうことでございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 再処理を禁止するということに社会党の案ではなっているのですが、使用済み燃料というのは、ウランの濃縮度は下がっていますけれども、減損ウランは現に存在しますし、これは経済的価値がある。それからプルトニウムを当面大量に燃やす計画はないにいたしましても、プルトニウムは転換炉あるいは高速増殖炉の貴重な燃料として、我が国国民の財産になるものであるわけです。こういうものを全面的に放棄しよう、使用済み燃料は再処理しないでそういうものは取り出さない、これは永久に放棄してしまう、こういう政策ですか、関先生。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関議員 再処理工場は何を目的にするのか。再処理工場の目的というのは、プルトニウムを取り出すこと、減損ウランを取り出すこと、その中でなかんずくプルトニウムを取り出して高速増殖炉に使うとかあるいは新型転換炉に使うとかいう計画があるわけですが、諸外国を見まして、こういうものを使って効率が上がっているのか、経済性があるのかということになると、いずれの国もその危険度といい、その貢献度といい、検討してみるときに、出てくるものはすべて被害だけじゃないか、放射性廃棄物のまき散らしになってしまうのではないだろうか、こういうことから、経済的にいっても安全上からいっても、この施設をつくるということについては今や意義を失ってきたものだ。そういう例をアメリカに見、イギリスに見、またフランスに見るときに、我が日本もまた同様の轍を踏むことは誤りだ。したがって、こんなことに多額の金をかけ、核燃料サイクルというものはたいた以上の燃料が出てくるのだというようなまやかし、ごまかし、そういうのにつられてついていって賛成していった、たどり着く結果というものは、これは我が国のためにはちっともならない。そういうことを展望しますときに、これはもうすべきことではないじゃないか。そういう観点から立つと、これを利用しての諸事業というものも必然的にギブアップしていくしかないであろう。  こういうことからも、諸国の先例も見つつ我が国独自の風土、地質、土地条件等とも勘案すれば、いよいよこの必要性はない。そういうものならば一刻も早くこれを事業化することはやめて、せいぜい研究の段階にとどめておいていいだろう、これまで否定するわけにはいかない、こういう考えてあります。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 政策判断といたしましては今、関委員が言ったとおりでございますが、なお一点補足いたしますと、本社会党案においては使用済み燃料を放棄するということではございませんで、永久保管ということであることをつけ加えさせていただきます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 関先生のお話ですと、減損ウランも抽出されるプルトニウムも経済的価値がないものだという御認識ですけれども、私はそうではないと思っておりますよ。  それから、イギリス、フランス、アメリカの例を出されて、それぞれの国みんな再処理が嫌になっちゃった、こういう話ですけれども、カーター大統領の時代のアメリカの原子力政策は現時点ではアメリカ国内では間違っていた、クリンチリバーを放棄し、一連のカーター大統領のもとでの原子力政策は誤っていた、そのためにアメリカの原子力政策が何十年とおくれたという反省がされているのでして、関先生の御認識とはやや私は違うと思うのです。  それからもう一つは、再処理をやると放射性廃棄物がまき散らされるという話なんですけれども、再処理をするということは、核分裂生成物という小澤先生おっしゃった言葉を引用させていただきますと、それをとにかくまき散らすのではなくて、一カ所に集めて固めちゃおう、こういう話なので、認識としては大分違うんだと思うのです。まき散らすというのは一体どういう言葉なんだろうか。これは関先生が青森県に行ってちょっとアジ演説をぶってやろう、これは使ってもいいと思うのですよ、その言葉は。だけれども、まき散らすというのはアジ演説で使う言葉であって、科学技術委員会で使う言葉ではないと私は思っているのです。まき散らすのではないのです。一カ所に固めるという話なんですよ。それはアジ演説で、けしからぬ、放射性物質のまき散らしだ、これは大いにやっても結構ですよ。だけれども、その表現は科学的ではない。それはどうですか、関先生。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関議員 まき散らすというのは、拡散するという意味で申し上げました。それで、サイト内において廃棄物を処理処分するという方針でおるならばいいけれども、どうしたって遠隔地に再処理工場をつくっていく。しかも、その再処理工場というのはひとり青森県だけにとどまるものではない。そういう展望に立つと、方針としてはもっとつくっていくことに進んでいくでしょう。そういう意味からいきますと、全国に拡散されていくことになるじゃないですか。  しかも、あなたは今キャニスターにまとめておさめるのだと言うけれども、まとめておさめ切れる性質のものになっていくのかどうか、そして長期間保管することが可能であるのかどうか、これにも幾多の疑問があるわけですよ。それに、ここには超ウランが発生しできますよ。この超ウランの始末というのはどうなるのか。これは長い長い半減期を持っている元素、廃棄物ばかりですから始末に困る。こういうものは低レベルの中にも入らない、高レベルの中にも入らない。低と高の中におさめるのだというのだけれども、そのおさめようもまた、なしですよ。まさにまき散らされていってわからないままになってしまうのではないかということが現状の姿でしょう。それで今政府も悩んでいるのでしょう。そういう意味で、わかりやすい言葉からいけば、日本国じゅうに超ウランがまき散らされるようなことになるのじゃないだろうか、私はそういう心配を多分に持っているわけなんです。そういう点についての危険性は、何と表現してもいいくらいの危険性があるのだという御認識はしてもらわなければならないと思っています。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 まき散らすとは拡散のことだ、こう言うのですね。こういう答弁というのは、卵とはエッグのことだというのと同じ答弁で、何もおっしゃってないのですよ、関先生。日本全国にまき散らす、これはアジ演説はいいですよ。だけれども、再処理をするというのは、使用済み燃料を一カ所に集めて、被覆をはいで、減損ウランとプルトニウムと放射性廃棄物を分ける作業を再処理というのですから、まき散らすという話でアジっていただくのは困るのですね。これはまき散らすのじゃないですから。それはどうですか。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関議員 まき散らすというのは、私は先ほど拡散すると申し上げました。つまり、国内の四方八方に廃棄物の処理が進められて取り組まれていくわけですから、そういう意味で申し上げたわけです。何か特別悪く受け取ったようですけれども、そうでなくしていただきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 若干補足をさせていただきます。  委員御承知のとおり、再処理の過程におきましては、ジルコニウムのチューブに被覆されている使用済み燃料を切断する、そして硝酸で溶かす、これはかなりの高い温度と圧力でございます。そしていろいろ化学的な方法で成分を分けて最終的にはガラス固化をしよう、こういうプロセスでございますので、固体物といいますか、これは液体の形ですけれども、これをガラス固化するという意味ではある意味で集めるという表現に当たろうかと思いますが、そのプロセスにおいて、気体それから液体の放射性物質の空中等への、あるいは水中等への拡散は極めて大きなものがあります。東海のパイロットプラントでさえ、大型原発一年分の気体等の放射性廃棄物の排出量をほぼ一日で排出してしまう、このように言われております。なお、イギリス・セラフィールドの実例におきまして、アイリッシュ海が大変汚染をした。イギリスの下院の環境問題委員会がこのことを指摘して、再処理を行うことの当否まで含めて再検討するということが報道されていることも御存じのとおりだろうと思います。  以上のような次第で、ガラス固化をするそのプロセスにおいては、拡散と言ってもまき散らすと言っても決して不当ではない実態があるということを指摘しておきたいと思います。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 科学技術庁原子力局長にお伺いしたいのですけれども、今小澤委員は、再処理工場をつくると、再処理工場から出てくる水にはいっぱい放射性物質が入っている、再処理工場の煙突から出てくる気体には放射性物質がいっぱい入ってくる、放射性物質をそこらじゅうにまき散らして海も汚染をされる、空気も汚染をされる、こういう話ですけれども、私はそんな話は聞いたことはないのですが、局長、どうですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  再処理工場の再処理の過程におきまして、ガスとか液体の中に放射性物質がまじり込むということは事実でございますが、再処理工場からそういったものが水の中に溶け込んだ形で海水の中に出る、あるいは煙突から大気中に放散するということにつきましては、これは許容濃度の範囲内で、ちゃんと安全に規制された範囲内で放出す谷ものでございまして、人間が管理した状態で放出する。それで周辺の皆様方には御迷惑をかけない、そういうことでやっておりますので、言われる意味で何か無制限にやたらに周辺にちらかって、周辺の方に御迷惑をかけるというような印象を与えるようなまき散らすという言葉とは、ちょっと違う概念ではないかと思っております。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 時間がないので次の質問に移りますけれども、今原子力発電所内に、現に低レベルの廃棄物のドラム缶は立派な倉庫をつくって積んであるわけですよ。今度電力会社共同で青森県にもうちょっと大きな倉庫をつくって、少し余分なドラム缶はそこに運び込んで保管しよう、こういうことなわけです。これがだめだというのですね、社会党の案は。だめな理由がよくわからない。  まず技術の問題からお伺いしますけれども、発電所の中の倉庫に入れた状態と、今度青森県に同じ倉庫をつくって保管をした場合、技術的に安全上の差は出てくるのか。ですから、社会党がおっしゃっているのは、技術的に安全性の差があるからもとの原子力発電所に置いておけというのか、いや技術は全く一緒だ、安全性も大して変わりはないということなのか、その点をちょっとはっきりしてください。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 現在低レベル放射性廃棄物は、原子力各施設の廃棄物保管建屋に管理貯蔵しているという状況でございます。私どもが認識しているところでは、日本原燃産業が予定している、あるいは今度の法案で埋設事業の対象となる廃棄の形態は、これを地下に埋設するということでございます。これは同じだということは言えない。全く管理の形態が違うという認識でございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 私が伺っているのは、形態が違うというのは、安全性あるいは技術上全く違うものというふうに認識されているのですか、より不安全になるということですか。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 地上の建屋に保管管理をしている状況と地下に埋設をした状況とでは、明らかな違いがあろうと思います。地下水が影響を受ける、あるいはドラム缶等が何らか棄損をして内容物が漏れ出した場合にその回収が困難である、その他いろいろな違いがございまして、私どもはこの埋設を埋め捨てというふうに表現しておりますが、その危険度において全く違う、こう認識をしているわけでございます。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 私が考えていた青森県の計画と社会党が認識されている計画とはちょっと違うのですよ。社会党の今のお話だと、青森県は別に建屋をつくらなくて、ブルドーザーで穴を掘って、その中にドラム缶をほうり込んで、土を埋め返して、それが埋設だ、こう言うのです。私は、原子力発電所と同じぐらい立派な鉄筋コンクリートの構造物をつくって、その中に保管するというふうに認識しているのですが、局長、どうですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 与謝野委員御指摘のように、現在発電所の構内におきまして、ドラム缶に詰めた状態で安全な倉庫の中に入れておるわけでございまして、この状態では、そこに入っているドラム缶の中のものは必ずしもセメント固化されるとかいろいろな形できちっと固化されたものばかりでなくて、いろいろなものも入っております。一方、今下北で計画されておりますものは、与謝野委員御指摘のように、地下に十分に強固な鉄筋コンクリート製のピットをつくります。このピットというのは、地上で言えばいわば建物に相当するようなものでございます。しかも、ドラム缶と申しましても、これは発電所にあるものとは違います。違いますというか、その中の一部にはそういうものがございますが、セメントでちゃんと固化したという形できちっとしたものを持ち込みまして、その施設の上にふたをし、土を設ける、こういうことでございまして、我々の感覚から申しますならば、現在の発電所にあるよりも十分に対等ないしはそれ以上でございます。  それから、埋め込んでそのままほっぽらかしにするわけではございません。先ほど小澤先生の方から、何か水がびしゃびしゃ入るような感じのお話もございましたし、後で何かあったときに取り戻せないというようなお話がございましたが、そういうことはございません。それから、当然のことながら環境のモニタリングはいたします。ですから、まさにそういうことはないと思いますが、万々一のことに備えて環境のモニタリングは行いますし、その結果として内部に異常が出れば、浅い地中に埋めるわけでございますので、そういう意味での掘り戻しとか、そういったことが人為的に不可能ということではございません。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 低レベルと申しましても、原子力発電所をやった最初から必要以上と申しますか、初期の段階ではやむを得ないことだったのですが、不必要なものまで低レベルの範囲内におさめて、これを処分して保管してきたという歴史があるわけです。私は、原子力発電所のサイト内に低レベルの入ったドラム缶を貯蔵しようが青森県に持っていこうが、技術上、安全上全く差異はない、場所が違うだけだというふうに実は考えておりまして、社会党さんの案には賛成しがたいものがあるわけです。  最後の、動燃事業団を廃止する、これは大変トラスチックな御提案で、よくぞ社会党の正式の御提案として動燃の廃止というのが出てきたと私は思うのです。動燃を廃止してとにかく原子力研究所一に吸収させる、こういう案ですな。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどの御質問に若干触れさせていただきたいと思います。  地上の建屋に常にまさに目に見える形で保管管理するのと、地下に埋めて見えない状態にしてしまう、ここには大きな違いがあろうかと考えます。  それから、ただいまの御質問でございますが、御指摘のとおり、本法案では動燃事業団は廃止するということになっております。その理由といたしましては、動燃事業団法による動燃の業務の範囲が、高速増殖炉あるいは新型転換炉に関する開発、また、これに付随してこれらの業務に関する核燃料物質の開発及びこれに必要な研究を行う、それから再処理を行う、こういったことが最も重要な業務となっておりまして、これに付随して、若干あと核燃料物質の生産及び保有等が業務とされている。そうしますと、本法案では再処理を禁ずるということでございますので、これを前提とする高速増殖炉あるいは新型転換炉の開発ということも意味がなくなる。そうであれば、その他の若干の業務は残りますけれども、しかし動燃をして動燃たらしめている最も主要な業務がなくなるということから、これを廃止せざるを得ないという一つのポリシーとなったわけでございます。  なお、本法案では附則にただ一条「廃止する。」と規定しているだけでございまして、これのみによって廃止されるわけではございません。動燃事業団法等が残りますので、これをいかにするかということは本法案とは別に、例えばそこに働く従業員の方の再配置等について手厚い保護を加えることが必要でございますし、それから、これまでに得られた知見、成果について、見るべきものについてはしかるべく、例えば原子力研究所等に引き継ぐという十分な手だてを講じた別の法を提出しなければならぬ、このように考えております。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 動燃を廃止するというのは、日本の原子力政策の一大転換なんですね。附則一条でそう軽々にやっていただくのは困ると私は思うのですよ。大体、動燃ができるときの附帯決議というのは、小澤先生お読みになったことはあるでしょうか。これは社会党も賛成した附帯決議で、動燃には立派な研究をやってもらおうという附帯決議があるのですよ。もし必要ならコピーを差し上げます。社会党は原子力の研究はやっていいというのですよ。原子力の研究はやっていい。動燃も原子力の研究をやっていいというのですが、研究だけれども、社会党が気に入らないからその研究をやっていけないという話なんですね、今の話は。研究はいいというのですから。原子力というのは、あらゆる分野の研究をしないと原子力発電というのは成立しないのですから、動燃がやっている研究は認めるのが当然ですよ。  それと同時に、手厚い保護などと小澤先生はおっしゃいますけれども、動燃を廃止したら、そのわずかな部分は原子力研究所に引き継がせるというのですが、ほとんど動燃が解体してしまうのですから、何百人という人が失業するわけですよ。手厚い保護というのは一体どういう話なんですか、動燃を廃止した場合。手厚い保護というのは、退職金でも余計やろうというのか、再就職を世話しようというのか、一体どういう話なんですか。それは、ばさっと首を切ってしまうという話ですか。大体社会党は、中小企業の関連法案を通すときも、いろんな法案を通すときには雇用の確保ということを附帯決議に入れろとか、そういうことをいっぱい言うのですよ。だけれども、この法案に関しては、労働者の敵として法案を出されたわけですな。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)議員 動燃を廃止するなどとんでもないという御見解でございます。御見解として承りたいと思いますが、まさに動燃設置の法案可決以後の状況の変化等から、再処理はもはや必要ない、したがって、再処理を前提とする技術開発ももはや必要ないという政策判断、そういうポリシーに立った法案である以上、動燃についてはこれを廃止せざるを得ないという一つの決断をしたわけでございます。けしからぬとおっしゃいますが、まさにそれこそがこの法案のポリシーである、逆にそういうふうに申し上げるしかないわけでございます。  なお、社会党が労働者の敵か、これはとんでもないことでございまして、動燃に結集しているすぐれた技術者あるいはそこで働いている方々の能力が今後とも生かされるよう、十分な措置を講ずることは当然である。主としてやはり原研へ統合するということになろうか、かように考えております。

与謝野馨自由民主党・新自由国民連合

○与謝野委員 これで質問を終わりますけれども、社会党には附則一条でなくて、この国会中に動燃をどうやって廃止するのか、それから動燃を廃止したことによって生ずる余剰人員、優秀な研究員をどうやって配置転換するかという案をぜひ御提示をいただきたいと思うわけです。  以上、質問を終わります。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 八木昇君。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 私は、まず冒頭に長官にお伺いしたいと思うのですが、長官、もともと原子力発電というものは人類がこれまで経験したことがないのでありますけれども、核分裂によって、物によっては半減期に何百万年、何千万年というものまでも含む大量の放射性物質を発生させる装置でございます。特に放射性廃棄物の処理処分というものについて、私どもは当初からその点を指摘してきたわけでございますが、あらかじめ決定的な方策が確立されないまま原子力発電はどんどん発足をして、今や大変な原発の数にもなっておるわけでございます。殊に日本の地理的条件のもとにおいて、放射性廃棄物の処理処分の問題は、もうまさしく大問題ですね。これは徹底的に十分な日時をかけ、研究を重ね、広く各方面の意見に照らして対処されるべきものだと考えております。しかも、この取り扱いについては法律においてぴしっと明記されなければなりません。まずこの点についての長官の根本認識を伺いたい。  次に、そのような重大な問題でありますから、我が国の現行の法体系は、核分裂をさせて営利を得ておる電力会社と放射性廃棄物を発生させた者が、当然でございますが、その処理処分の責めを負うという法体系になっておる。しかるに、今ここに提案されておる法律案は、今後は埋設処分ができる、地中に埋めることができる、業者にやらせることができるという、これまでの法体系を根本から覆すものです。重大提案ですね。これは、委員会の審議としてそうあらなければなりませんが、政府としてもこの法案が民主的に、しかもあらゆる面で十分に公開され、時間も十分にかけて、また、現地調査等ももちろん行わなければなりませんし、十分に審議されることに政府としても異議はないというか、当然のことと考えておると思うのでありますけれども、まず冒頭にこの二点をお伺いいたします。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 国際的に見まして、化石エネルギーに依存をすることにどのくらいの期待がかけられるかということで、それぞれの国がそれぞれの判断をしているところでございますが、多くのエネルギーを消費する国々、そしてみずからが十分なエネルギー資源を持たない諸国におきましては、いずれも原子力を一つのエネルギーとして活用しようということで、技術の開発のために相当な重点を置いていることは委員御承知のとおりでございます。欧米いずれの国を見ましても、原子力エネルギーの開発利用については多くの力を注いできておるわけでございまして、もうかなり十分な時間と研究をそれに費やしてきていると判断をいたしております。  我が国におきましても、原子力の研究に直接かかわり合ってから三十年、あるいは原子力発電にかかわり合ってから二十年近い歳月がたっておりまして、その間に得られた知見の蓄積は相当なものだと思いますと同時に、さらに我々はこの原子力の開発利用について確実にすべての段階が行われるよう技術的にも解明をし、開発をし続けてきておりまして、我が国の技術も進んでおると同時に諸外国の技術も進み、いわゆる原子力先進国と言われる国々におきましては相当な実績が積み重ねられていることも承知いたしておるわけでございます。  処理処分等につきましても、例えばアメリカでございますとかヨーロッパの幾つかの国々では、既にその実績もございます。こうした実績あるいは技術研究成果等も十分に踏まえまして、我が国におきましても技術の開発が進められておるところでございます。こうした考え方を、さらに一層技術を積み上げると同時に、技術によって問題を解決していきたいと考えておるわけでございます。  また、この法律の御審議に当たりましては、冒頭お願いを申し上げましたとおり十分御審議をいただきまして、ぜひ速やかに御賛成をいただきたいと考えておる次第でございます。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 ただいまのような答弁ですが、極めて抽象的で私は理解しがたいのでありますけれども、私は先週この科学技術委員会が金曜日にありましてからすぐ選挙区の方に帰りまして、町会議員選挙の応援等をやっておったのですが、質疑せよというので慌ただしく九州からきのうこっちへ飛んで戻りました。  この法案について質疑せよというのですが、私は直截に申し上げますと、この法律案は法律の体をなしておりません。この法案は、今後放射性廃棄物の陸地埋設処分ができるとか、あるいはそれらを埋設事業者あるいは廃棄物管理事業者等を設けて、そしてそれにやらせるとかという非常に重大な、先ほど申しましたように一これまでの法体系の根本を覆す法律案であるにもかかわらず、長官お考えになってもそうでございましょう、肝心のところはすべて政令、総理府令で定める、そういうふうになっておりますね。この法律は、廃棄の事業について総理大臣の許可を受けなければならないとか、あるいは廃棄物の埋設を行う場合内閣総理大臣の確認を受けなければならないとか、廃棄物管理施設については、工事に着手する前に内閣総理大臣の認可を受けなければならないとかが書いてあるだけでしょう。そんなものは法律ですか。わざわざ許可とか確認とか認可とか、その意味合いもよくわかりませんがね。技術的な規制法、しかも放射能という恐るべき危険物質にかかわる技術的な規制法は、具体的に明確な法の条文規定がなければ法律じゃありません。     〔委員長退席、矢追委員長代理着席〕  大体あなた、この法律を読んで一体どういう具体的な物質を埋設するというのですか。そうして何は埋設できないというのですか。低レベル廃棄物とか高レベル廃棄物とか、それをどうするこうするというようなことを口頭では言っておりますけれども、高レベル廃棄物は埋設しないのですか、しかもそれは永久にしないのですか。一番肝心かなめのところは何にも書いておらぬじゃないですか。そんな法律が一体どこにあるか。法律のどこを読めば、これは規制法ですから、どれがどのように規制されるということがわかるのですか。大体、法律にも何もない放射性廃棄物の埋設事業をやる会社が早々と去年の三月にどうしてできるのですか、原燃産業などという会社が。そうして埋設する地点までおよそ決めておるなどということで、どうしてこの法案の審議ができるか。できっこないじゃないですか、根本的に。どうなんです。私はできませんよ。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 お答え申し上げます。  この原子炉等規制法は原子力の利用に関する諸般の法的な手続を定めておりまして、ただいま先生御指摘のような技術的な内容につきましては、政令あるいは府令において定めております。  この法律は、先生御承知のように製錬の事業、加工の事業あるいは原子炉の設置に関する仕事、それから再処理に関する事業、いずれも規制することになっておりますが、ただいま申し上げましたように諸般の許認可関係のことの基本を定めている法律でございまして、具体的にその運用につきましては、かなり高度な、技術的な問題が含まれておりますので、これらについては政令、府令等に委任している体系をとっておるわけでございます。したがいまして、今回の改正法案におきましても、政令、府令等に委任する事項が幾つかあるわけでございますけれども、これらはいずれも手続を規定するものとか技術基準を定めるものなどでございまして、技術基準に関しましては、純粋に科学的見地に立ちました極めて専門的な検討を十分に行いました上で、客観的に定められるべきものでありますところから、政令あるいは府令によってこれを定めることとしたものでございます。政府といたしましては、これらの技術基準等の制定に当たりましては、必要に応じ原子力安全委員会、放射線審議会等に御意見を伺いつつ慎重に検討を進め、安全性の確保に万全を期していく所存でございます。  重複いたしますが、こういった諸般の規制をやっていくに当たりまして、特に原子力安全委員会が設置をされておりまして、これらの規制の技術的な事項についての検討を進めておりまして、私ども諸般の行政を進めていくに当たりましては、原子力安全委員会の意見を聞きながら進めてきているところでございます。  先ほど、廃棄物の埋設の対象となるようなものが決められていないではないかという点を特に御指摘になりましたけれども、このことにつきましても、政令で放射性廃棄物の範囲は定めることといたしております。この政令は放射性廃棄物の範囲を決めるものでございますが、これは安全かつ確実に廃棄物埋設を行うことができるという観点から、先ほど申し上げましたように技術的な検討をベースにして客観的に定められるということでございますので、政令で決めることと提案したものでございます。私どもといたしましては、原子力安全委員会等における十分な科学的検討を踏まえまして、安全性が十分に確保されるようにこの範囲を定めるものでございますけれども、この改正案では、さらにこの点につきましては、先生おっしゃるとおり特に重要事項でございますので、五十一条の二第三項の規定を設けまして、事前に原子力両委員会の意見を聞き、これを十分に尊重してやるということにいたしておるわけでございまして、これによりまして、万が一にも不適切な範囲を政令で定めることとならないよう、格別の配慮を行っているところでございます。  なお、今回の法改正の御審議に当たりましては、これら政、府令といたしましてどのような定め方をしようとしているかにつきましては、私どもの考え方を十分に御説明させていただきたい、かように思っている次第でございます。  なお、後段の御質問の原燃産業等の設立の問題につきましては、原子力局長の方から答弁がございます。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  原燃産業という会社が設立されまして、各発電所から出ます低レベルの廃棄物のいわゆる最終貯蔵を行うということを事業として行いたいという形で、濃縮の事業もございますが、そういったものと合わせて原燃産業という会社が設立されたわけでございます。  この廃棄物の最終貯蔵という問題につきましては、発生者である電気事業者が各発電所になにするよりも、やはり集中してまとめて最終貯蔵することが効率的であろうということで、いわば共同事業という認識のもとに始めたものでございまして、現行法の上から申しますれば、その場合には電気事業者のいわば下請的な仕事ということになりましょうし、今御提案している改正法によりますれば直接の安全管理の責任を有する事業主体、こういう形になるわけでございます。  法の改正ということと事業以前の問題といたしまして、現在立地上の調査とか、そういったことが行われておるわけでございますが、いずれにいたしましても、実際にこれが具体的な建設工事だとか、そういったような段階に入ってきますれば、当然ながらこの規制法の対象になるわけでございまして、その場合、現行法のままでございますれば、いわば電気事業者の共同事業という形でこの原燃産業は下請という形になりまして、直接法の規制を受けるのは電気事業者という形になるわけでございます。御提案しております改正法を成立させていただければ、それが今度は直接規制法の対象となって安全上のいろいろな手続その他を原燃産業が行う、こういう形になるわけでございます。そういう状況でございまして、いずれにしろその安全確保については、我々としては法のもとに厳重にしていく所存でございます。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 この辺のところでそんなに時間をとるつもりはありませんが、後の答弁の方から言いますけれども、そんな答弁はごまかしですよ。原燃産業の会社の定款もちゃんととっております。それから、ここに原燃産業の会社自体の案内パンフレットも持っております。電力会社がやる仕事の委託を受けるとかなんとかいうのではありません。ちゃんと書いてあるでしょう、「事業目的、低レベル放射性廃棄物の最終貯蔵」。ともかくそういうことをじゃんじゃんやっておいて、そうして後追いで法案をこの国会にかけて、そして国会議員に審議しろなどということがどうして承服できますか。  それからまた前の点に少し戻りますけれども、安全局長が答弁をしておりましたが、全然それは了承できない。何のことやらさっぱりわからないですよ、この法律案は、具体的には。  そこで長官、これは数えてみられましたか。私はざっと、科学技術庁が出しておりますところの今度のこの法律案の要綱によって見ましたが、そんなに数多くもない条文の今度の法案ですが、政令、省令によるというのが、これは総理府令でございましょうが、あるいは運輸省令というのがあるかもしれないが、十三ですよ、十三。私も長い間国会に出ておりますが、最近一番重要な部分を政令に持っていくというような傾向がどんどんふえておるということは極めて遺憾だとは思っておりますけれども、こんなひどいのはないですよ。科学技術庁の局長その他そこにおられるけれども、私は局長あたりが科学技術庁に入ったか入らぬかくらいのときから、三十一年前から代議士をしておるんだ。こんな法律案を出して審議しろと言うのですか。答弁してくださいよ。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 法律にはさまざまなつくり方がありますし、法律の性質もいろいろあろうかと思います。現在御審議をいただいておりますこの法律は、先ほど安全局長から御答弁を申し上げましたように、科学技術的な見地に立ちまして十分安全な基準を定めようという作業も並行して行われるわけでございまして、政令とか府令にそれをゆだねる部分がどうしても入ってきてしまう部分はあると私も思います。  先生丹念に数を数えられて御質問でございまして、政令が少し多過ぎるじゃないか、府令にゆだねて審議がなかなかしにくいじゃないか、こういう御指摘でございますけれども、この法律によりまして大きな手続のやり方を定めて、その手続の詳細については政令、府令で定める、こういう仕組みになっております。これは、先ほど関先生御提案になりました社会党提案のものの中にも府令にゆだねる部分というのはやはり入っておるわけでございまして、立法技術上そういう部分もやむを得ない部分としてあるということもぜひ御理解をいただきたいと思います。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 私は、これは出直してもらわなければ……(発言する者あり)理事さん、野党の諸君だってそうでしょう。質疑なんかできませんよ、国会の権威のためにも。これは全然法律案になってない。  それでは伺いますが、法律案を閣議にかけるときは、政令の要綱というようなものは当然法律案に添付するというか、それは出しておるのでしょうな。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 法律案を閣議に出す段階では、政令、府令案というものはできておらないというのが通常の手続でございまして、そういうものを出さなければ閣議を通らないというものではございません。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 少なくとも要綱、そういうものは提出するでしょう。それも提出せずに、大臣連中はこの条文を見てよく内容がわかりますな。わかるわけがないでしょう、主要な部分は全部政令に譲っておるんだから。これは出さないのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 閣議の段階では、要綱も出しません。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 そうすると、それは口頭で説明するのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 必要に応じて口頭で説明することはございます。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 全部肝心なところは政令になっておる、あるいは総理府令ということになっておる。政令というものは通常、法律で大体の基本的なことは条文化されておって、それに基づいてつくる、こういうことになるわけだからおおよその見当がつくけれども、これは見当もつかない。全然つかないでしょう。  五十一条の二の第一項のところに「政令で定める」云々となっておりますね。これはどういうものを埋設処分するのか、どういうものは埋設処分にしないのか、その区分けはどういうふうにするのか。また、法律には高レベルとも低レベルとも一言もないのです。高レベルのものは一体どうするのか。そういう一番肝心のところが法律の条文に書いてなければ規制法にはならない。このままであれば、いつ何とき政府が、高レベル廃棄物でも勝手にどんどん地中に埋めるということができるわけでしょう。少なくとも十三の政令あるいは府省令の概要があらかじめここに提示されていなければ、法案審議はできないですよ。それで私はそれをきのう要求した。ナシのつぶてだ。今現在うんともすんとも言ってこない。  それでちょっと委員長にお伺いをいたしますが、それでなくては私は質疑をやるわけにいかぬ、こう考えるのですが、どうですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほど申し上げましたように、この規制法によりましては基本的な許認可の手続の枠組みを定めまして、具体的な技術的な内容につきましては政令、府令を定めているものでございます。こういった技術的な法律におきましては、政令、府令あるいは省令等に制定をゆだねている部分が非常に多いのは、先ほど大臣が申し上げましたように通常のことでございまして、この法律以外の法律におきましても非常に多く見られるところのものでございます。  先ほど御指摘の廃棄物の埋設の関係につきましては、低レベル廃棄物を埋設の対象物としようということを私ども考えておりまして、この法律が成立いたしますれば、この法律の規定によりまして政令を定め、そうしてこれの規制を実行に移していくという考え方でやっているわけでございます。そして、先ほども申し上げましたように、埋設をすることができる低レベル廃棄物の範囲につきましては、原子力安全委員会に諮問をいたしまして、その意見を聞いた上で政令を定める、かように定めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。また、埋設可能なもの以外のものにつきましては、廃棄物の管理の事業という方で規制を定めていくことを考えておるわけでございます。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 これは委員長も当然お読みになっているのですが、枠組みがどこに条文化されておりますか。枠組みがどこに条文化されておるの、これ。高レベルの廃棄物は埋設するのですか、しないのですか。低レベルといっても、それをこういう事業者にどういう具体的な種類のものを埋設させ、そうでないものは埋設はさせない、あるいはどうするのか、何にもないでしょう。枠組みがどこにあるのです。そんなものを我々に審議しろというのですか。そうして、政令の要綱も示さないで審議しろというのですか。この法というものはそこなんですから、そこを審議するのだから。枠組みがどこにあるかね、これは。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほど私が枠組みと申し上げましたのは、低レベル廃棄物あるいは高レベル廃棄物の埋設あるいは管理というようなものを業とする場合には、内閣総理大臣の認可を受けてしなければならないというような、そういった枠組みを申し上げたわけでございまして……(八木委員「高レベルという言葉がどこに書いてあるか」と呼ぶ善その定義につきましては、御指摘のように政令によりましてこれを定めるということでございます。  高レベルの処分につきましては、私どもの方針といたしましては、現在その処分の具体的形態について検討が進められている段階でございまして、また、その推移を見ながら安全規制のあり方についても検討する考えでございまして、その方針が定まるまでは高レベル廃棄物の最終処分は認めないという方針をとってまいりたいと思います。したがいまして、高レベル放射性廃棄物の処分につきましては、現在事業所内外いずれにおきましても、再処理業者の廃棄に関する規制、これは法律の四十八条でございますが、これによりましてこれを認めないことといたしておりますし、また、今回の改正で設けられます廃棄物埋設の事業の対象を定めます規定、これは五十一条の二の第一項第一号でございますが、それにおきまして現在高レベル廃棄物を定める考えはないわけでございまして、そういうことによって高レベル廃棄物の最終処分は認めない方針をとってまいるという考えでございます。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 これはもう答弁になっておりませんね。地中埋設をすることもできるということは、条文に出ていますよ。そして、それは電力会社、発生者でない者にやらせることもできるということは出ておりますよ。だけれども、あなたはこれまで一貫して、科学技術特別委員会時代、私が委員長をしている時代に科学技術庁は何と言ってきたか。何としても我が国においては海洋投棄という処分をしなければなりません。そのために、館山沖等々で相当前から実験廃棄等をやってきておる。そうでしょう。地中処分は我が国においては不適当であるという根底があり、したがって法律でも政令でもこれまでそんなものはないのです。海洋投棄というのが総理府令のところにちょっとあるだけでしょう。それを変えようという。具体的にどう変えるかのこれっぽっちの姿すら見せていないじゃないですか、この法律案は。内閣に任せろ、科学技術庁に任せろ、今後高レベルだろうが何だろうが、それの処理処分についてはおれたちがやるという法律案でしょう。そんなものが法律案ですか。だから、答弁のしようがないはずなんだ。  それならばあなた、国会も必要なければ法律も必要ないじゃないですか。そこの条文、それを審議しなければならぬのだ。あなたたちは要綱すらも示さないで、口頭でどんな答弁をしたって、そんなものは答弁にすぎない。法律の条文上明らかじゃないじゃないですか。具体的にどういう政令を出すかもわからない。その政令は、また改正していくかもわからないでしょう。ですから、もうこの法案に限っては審議のしようがないと私は言っているのですよ。その政令について内容を一つ一つ聞いてください、答弁いたしますとあなたが言ったって、今の五十一条の二の第一項にかかわる部分だけだって、こういう重大問題ですから、そこの部分の質問だけで一時間や二時間じゃ済みませんよ。さらにもう一歩譲歩してみましょう。少なくとも今考えておる政令やあるいは府省令の大体の骨子といいますか、そういうふうなものをメモで出すことはできるでしょう。なければ審議できませんよ。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 我が国の原子力開発の政策の進め方の問題に関連してまいると思いますが、これは原子力委員会の基本政策に従って諸般の行政を進めておるところでございまして、また安全規制につきましては、原子力安全委員会というものを国会の法律によりましてつくらせていただき、その線のもとで行政を、原子力開発利用を進めていくというフレームワークになっておるわけでございます。この政策の一環といたしまして、原子力委員会は従前から、廃棄物の廃棄につきましては海洋投棄並びに陸地処分を並行して行うということを一貫した規制として進めてきているわけでございます。特に昨年十月、原子力委員会及び原子力安全委員会におきまして陸地処分の方策についての方針が示され、これが両委員会の決定になり、かつは安全委員会もその安全規制の考え方についての報告をまとめて、これを決定しておるわけでございまして、私どもその線に沿って行政を進めていくということでございます。  この原子炉等規制法は、そういった政策を進めるに当たりまして、安全規制をどういうふうにやったらできるかという法的根拠を定める法律でございます。したがいまして、そういった法律根拠が諸般の許認可等の規定が定められることによって定められますので、そういったものを運用してまいるということでございまして、法律でございますからそう細かい問題についてまでは決めておりませんで、細かい問題につきましては政令あるいは府令等で定めるという枠組みにしているわけでございます。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 全然了解できません。委員長、私が言っていることがおかしいですか。おかしくないと思いますよ。いろいろなことをあなたたちはもう印刷物でも出しているし、我々にもあなたたちはいろいろ話をしますよ。高レベルの廃棄物については埋設というようなことは考えておりません、そう言いますね、あなたたちは。そのような内容の文書等も出しておりますね。そしてまた、高レベルのその問題については国の責任においてやるように考えておりますということを言いますね。それから低レベルについてはかくかくしかじか、このように考えておりますなどと言いますね。だけれども、何の保証もないじゃないですか。法律のどこに書いてあるのか。何でもできる、これは。法治国家というのを今さら大上段に振りかぶって言うつもりはないけれども、法治国家じゃないじゃないか。総理大臣の認可を受けろ、あとは全部おれたちに任せろ、おれたちが思うようにやるという、そういう法律案なんというのが一体どこにある。  長官、あなたはどう思いますか。さあ無拘束限界値というようなものを設けるとかへったくれとか、それは重大問題だ。何にもわけがわからぬじゃないか、この法律は。全部あなたたちが独断でやるのか。そうでしょう、この法律案はそうでしょう。そうじゃないですか。それで、メモであっても、それはあなたは手分けしてやれば何時間もかからない。考えがあるんだから、あなたたちは。メモであっても、科学技術庁の方から提出されれば、それは一つの権威あるものとなる。少なくともそれを出さなければ今後の審議ができない、こう私は言っているのですが、委員長に一言それを出せと言ってもらえば、これは出さなければならぬのだから、そうしてくださいよ。一言言ってくださいよ。  今のようなことですから、これでは私は質問ができない。理事会でその点を含めて、今のメモの問題等やってください。お願いします。まだ中身に入ろうにも入れないんだ、私は全然中身を質問してないんだけれども。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員長代理 八木君の申し出の件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。  この際、暫時休憩いたします。     午前十一時五十四分休憩      ――――◇―――――     午後三時十一分開議

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、政府より発言を求められておりますので、これを許します。辻原子力安全局長。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 今回の廃棄の事業に関する原子炉等規制法改正法案は、昨年十月の原子力委員会及び原子力安全委員会の報告に基づいて立案したものでございます。  原子力両委員会の放射性廃棄物の処理処分に関する考え方は、次の二点にあります。一、低レベル放射性廃棄物については、浅地層埋設による最終的な処分を認めることとする。二、高レベル放射性廃棄物等については、最終的な処分のための研究開発を推進することとする。  今回の改正法案では、これに基づいて廃棄の事業を二つに区分しています。一、低レベル放射性廃棄物を対象とした廃棄物埋設事業。二、高レベル放射性廃棄物等を対象とした廃棄物管理事業。  廃棄物埋設事業の対象となる廃棄物については、既に原子力安全委員会の報告に明らかにされているように、同委員会の検討により定められる濃度上限値に達しない、レベルの低いもののみに限定されています。この報告では、同時に無拘束限界値も定めることとしています。  したがって、埋設できる廃棄物の範囲は原子力安全委員会の検討結果いかんによるものであります。改正法では、政府が第五十一条の二第一項第一号の政令を立案するときは、原子力安全委員会の意見を聞かなければならないこととして、政令で定める放射能濃度の範囲に制限をかけています。また、廃棄事業を原子力の開発利用の観点からチェックするため、原子力委員会の意見も聞かねばならないこととなっています。  無拘束限界値及びこれらから導かれる濃度上限値は、今夏以降、多数の核種を対象として定められるものであり、法律の文案に盛り込むことは極めて困難であります。  いずれにせよ、これらは政令に委任せざるを得ない性質のものでありますが、政令に委任したと言いつつも、改正案策定の基礎となった原子力両委員会報告及び政令立案段階の原子力両委員会への諮問に拘束されている以上、行政庁の恣意により一方的に定められるものではないことは明らかであります。  なお、内閣総理大臣は、原子力基本法により、原子力委員会及び原子力安全委員会の意見を十分尊重しなければならないこととされていることは繰り返すまでもないところであり、また、両委員会の報告は広く一般に公開されているものであります。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 質疑を続行いたします。八木昇君。(八木委員「要綱を出さなければ質疑続行できない。それは理事会で協議となっている」と呼び、その他発言する者あり)八木委員に申し上げます。この政府の今の発言が八木委員の質疑に十分に答えられているのか答えられていないのか、発言席で御発言を願いたいと思います。八木昇君。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 私が休憩前に言いましたことは、法律になってないじゃないか、これは。幾つかの条文が書いてあるが、総理大臣の許可を得なければならぬとか確認を得なければならぬと書いてあるだけだ。何を一体確認を得るのか、一体何の許可を受けなければならぬのであるか。何にもないじゃないか。政令に定めるところにより許可を受けなければならぬ。全部政令。じゃ、一体その許可を受けようとする人たちは、どういうような廃棄物についてどういう処分をしたいという一定の基本的な柱というものが、政令よりはやや抽象的でも、そういうものが書かれているならば別だけれども、これじゃ全然法律になっておらぬじゃないか。そこで、特に今度のこれなんかは法律の条文を読んだだけでは、廃棄業者がどういう処分をするのか一つもわからないのです。いかなる法律案も閣議決定の際には、政令や省令というならそれの要綱というのが当然出ているだろう、出されているはずだと言ったら、いやそういうものはありませんと言う。だけれども、僕は確かめておるんだ。事務次官会議には必ずぴしゃっと出ているでしょう。だから、あるのだから、なくたってあなたたちの考えはもうちゃんとあるというのなら、それはもうわけもなく出せる。そうでないと法案審議にならない。だから、それを一体出すのか出さぬのか。出さぬようなら質疑続行できぬぞと僕が言ったことについて、委員長はそれは理事会で協議しますと言ったのだから、協議してくれよ。出せないなら出せないと言ってくれよ。(発言する者あり)

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 静粛に願います。(八木委員「出すのか出さないのか」と呼び、その他発言する者あり)科学技術庁にお尋ねをいたしますが、先ほどの八木委員の質疑に対しての回答としてこの発言要旨を今述べられたのでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 私はそのつもりで申し上げました。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 八木委員の御発言はその要旨に答えてないという御意見でありますけれども、その点について重ねて御発言を願いたいと思います。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほどからるる御質問ございましたが、法律制定の段階では政令あるいは府令の要綱はまだできていないものでございます。  なお、先ほど御発言申し上げましたように、これらの内容につきまして、基本的に低レベルあるいは高レベルという点については、原子力委員会及び原子力安全委員会において決まっておりますけれども、その具体的定義といいますか、具体的数字につきましてはただいま原子力安全委員会で検討中でございますので、今の段階でその資料を提出するわけにはまいりません。近くそういうものがまとまって出てくるということでございます。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 それでは法案審議にならぬじゃないですか。  あなた、今私が指摘したところの政令という部分についてのみちょっと言いますよ。これはどういう廃棄物を、すなわちここで処理すべき廃棄物の種類というものを示すものでしょう、この政令は。そういうわけだろうと思う。読んでよく意味がわからないけれども、要するにそういうことのようですよ。そうすると、そんなものはまだ決まっておりません、固まっておりません、したがって出しませんなどということで法律案の審議ができますか。これは一番肝心かなめのところでしょう。要するに、埋設の事業の対象となる廃棄物の種類をこの政令が書くのでしょう。それで、本来ならば、こういうような考え、こういうようなものについては埋設の対象とする、こういうものは対象としないというおおよその、やや抽象的でも政令とは違うから、法律の条文で書いていなければ、それは法律にならないと僕は言っているのですよ、しかも肝心かなめのところだから。  しかしそれを百歩譲ったとしても、ここに書いてある政令でどういう政令になりますということがわからなければ、どだいこの法律案の審議にならぬじゃないかと言っているのですよ。大きな声を出したりしましたけれども、これは私の気持ちとしては憤慨にたえぬからそう言っているのですよ。だから百歩譲って、要綱というか、そういう政令のおおよその骨子というものを書いたものを出せと言っているのですよ。政令はいつでも変えられるから。あなたたちがここで答弁したって、事情がその後若干変わりました、その後いろいろと検討しました結果こうなりましたと、あなた、政令ではどうなるかわからぬじゃないか、条文に一切書いていないから、全部政令に任じてあるから。だから、それを出せと言っているのですよ。出せるのか出せないのか。出せないようなら私は審議はようやらぬ、こう言っているのですよ。一つも答えないじゃないか。  そして、僕も我が党の国対の責任者に確かめてきた。大体事務次官会議あたりに、これだけたくさん国会に出る法律案の政令部分については何らの書類も出ずに、法律の条文だけを示して事務次官会議などというものは終わるものかと言ったら、そうじゃないんだ、それはちゃんと政令要綱というものが出る。閣議の場合には出ないのかと言ったら、それははっきりわからぬけれどもということだった。しかし、事実がどうであれ、それがなくては審議にならぬじゃないですか、あなた、まだ固まっておりませんから出せませんなどというようなことでは。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 ただいまの埋設の事業の対象に定める廃棄物を政令で定める、政令に委任する規定を設けることについては、法律の規定のつくり方としましてはそれほど奇異なっくり方ではなく、通常の規定の方法であろうかと思います。政令は、私どもの案では、この法律の施行は成立後六カ月以内ということにしておりますので、それまでの期間に政令を閣議で定めまして公布をいたしますので、この政令と法律とをあわせ見ることによりまして、事業者はどういう申請ができるかということをはっきりと知ることができるわけでございます。そういう意味で、このような規定ぶりは特に奇異であるとは私ども感じていないところでございます。  なお、ただいま政令は次官会議において要綱が通常出るというお話でございましたが、これは私どもの理解するところでは通常は出ないものでございまして、法律案だけが次官会議、閣議を通っていくということでございます。  なお、この埋設することができる範囲につきましては全く決まっていないわけではございませんで、先ほどの原子力安全委員会あるいは原子力委員会の決まりのように、低レベル廃棄物を対象としているものでございます。その範囲といたしましては具体的にどの程度の濃度のものにするかということは、ただいま原子力安全委員会で検討しているところでございまして、これは近く数字が委員会において決定されてくるものでございます。放射能の濃度は、一つは、廃棄物埋設の対象とすることができます濃度の上限値として定められる値以下であることと、それから放射性物質として拘束する必要のある濃度下限値以上であることを廃棄物の性状に応じて定めるという考え方でございまして、その数字を今検討しているところでございます。  この基本的考え方につきましては、先般来の一般質疑のときにも御質問に答えて私御説明申し上げましたけれども、国際的にも検討が進められておりまして、このいわゆる濃度下限値、無拘束限界値の問題につきましては、その結果我々が被曝線量が増加する、その被曝線量の増加が年間一ミリレム以下になるように、そういうように濃度下限値を決めるべきであるということは既に国際的なコンセンサスができておりますし、そういうものを濃度下限値に定める作業を今原子力安全委員会で進めているところなのでございまして、こういう国際的なベースに基づきまして具体的な数字を決めていくという考え方でございます。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 大臣、私が言っていることはおかしいですか、局長もそうですが。あなた、こうなっているのでしょう。大体、放射性廃棄物を地下に埋設して永久処分するという。これは大変な問題なんだ。一体それが許されるのかどうかという問題は、この法案審議の最大ポイントですよ。しかも、その埋設をするという対象物は一体何なのか。埋設をする廃棄物の種類、これは法律に書いてありませんね。一切政令任せである。それでもって審議しろとあなたたちは言っているのでしょう。そうすると、埋設の事業の対象となるものの中には高レベルの廃棄物もあるかもわからないでしょう。高レベルの廃棄物は埋設の対象にしないなんて、この法律のどこの条文にもありませんね。  そうすると、放射性廃棄物を埋設、永久処分すること自体重大問題であるのに、その埋設する放射性廃棄物の種類について、これが高レベルをも埋設をすることができるという法律だとするならば、これは大変な問題ですよ。いやそうじゃない、そっちの方はやりません。そして、そっちの方は埋設にしろあるいは一定期間の保管にしろ、どこがやるかわけがわからない。国がやるのか、あるいは発生者がやるのか。  そして、じゃ低レベルのものだけ埋設すると言うけれども、低レベルと一口に言ったっていろいろあるわけなんだ。それから、大きな原発の事故があった場合にはあっちこっちの機器が相当の濃度の放射能汚染もされるし、原子力発電所を廃炉にするときに出てくるところのものもいろいろあるわけなんだ。低レベルしか埋設の対象にはしませんと言っても、もう埋設の対象にすらしなくてもいいものもあるというようなことをあなたたちは言ったりしている。それはどういうものなんだ。全部政令と言うのでしょう。そんな法律があるのかと私は言っているのですよ、余りにもなめているから。そしてしかも、その政令の骨子を出せないというのでしょう。あなた、ここで口でこう考えております、ああ考えておりますと言ったって、法律そのものは全部内閣と科学技術庁に任せるという法律でしょう、政令でやっているんだから。そんなばかな話があるのかと言っているのです。単純にどなり合いをしているわけじゃないよ。  だから、私が休憩前に言っていることは、出すのか出さぬのか、それで委員長から一言出せと言ってもらえれば有無を言わさず出さなければならぬのだからと、そう言いましたところ、暫時休憩をして理事会でということだったからその結果を私は待っていたら、何ともわからぬ答弁をして、おまえ質問しろ質問しろ。何という話ですか、それは。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 今の八木委員の質疑に対して、科学技術庁から答弁をいたさせたいと思います。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 だから、出せるか出せないかだ。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 今の質疑に対してちょっとお答えください。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 お答え申し上げます。  政令の要綱は今できておりませんので、今出せとおっしゃられても出すことはできません。ただ、先ほど申し上げましたように、この政令は政府の恣意によっていろいろ決められるものではなくて、原子力政策が原子力委員会の基本政策に沿って行われている、そういうことをベースとして考えていけば、政府の方で恣意的にこういう政令をつくれるという状況にないことは、先ほど御説明したとおりでございます。しかも、この政令につきましては、法律によりまして安全委員会に諮問した上で決める、原子力委員会にも諮問した上で決める、こういうふうに縛りをかけているわけでございますので、政府の恣意でいろいろなものを決めるというわけにはまいらないという状況になっていることを御説明させていただきたいと思うのでございます。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 八木委員の御質疑の内容は、この埋設の種類は政令にゆだねることになっておる、それは低レベルなのか高レベルなのか、こういうお尋ねであったかと思います。科学技術庁の御答弁は、政令は今はないので、その内容について今明言をすることはできないけれども、科学技術庁としては、それは低レベルの範囲であって、その濃度が今問題になっておる、この廃棄物の種類についてはあくまで原子力委員会や原子力安全委員会の報告に基づくものであって、その範囲を越えることはできない、こういうことでしょうか。  八木委員の質疑はそういうことでしょう。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 いや、質疑はそんなことを言っていないのですよ。今委員長が言われたようなことは、それは私は理由として言っているので、だからその資料を出しなさい、政令の大綱を。それで、政令の大綱が出せないのならば、少なくとも科学技術庁の今考えておる政令の考え方のメモでも出しなさい。そうしなければ、ここであなたたちが幾ら答弁したって、あなたたち自身、これは原子力委員会にもかけなければなりません、ああしなければなりませんと言っているでしょう。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 御意図はいろいろあるかと思いますけれども、今当面の御質疑の内容はそういうことでしょうか。今私が申し上げたようなことでしょうか、八木先生の今の御質疑の内容は。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 言いたいことは幾らもあるのですよ。例えばTRUの廃棄物は低レベルの中に入れておるのかどうかもわからないですね、これは測定できないものですから。それは理由はいろいろあるのですよ。ですけれども、ともかくそれを出さなければ話にならぬじゃないか、審議にならぬじゃないか。この政令の中身については今後また原子力委員会やその他にも誇らなければならぬし、それを何か文字にしたもので示すことはできないと言っておるでしょう。そんなことじゃ審議はできませんと言っておるのですよ。意味はわかるはずですよ。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 ですから、先ほど私が整理してお尋ねしました御質疑の内容でよろしいかとお尋ねしておるのです。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 聞いておる意味はそうです。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 それに対する科学技術庁の答弁も、私が申し上げたことでよろしいのでしょうか。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 今の委員長の整理で結構でございます。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 そうしますと、政令はまだ閣議決定もしていないし、事務次官レベルでもまだ協議された事実はない。ということは、政令はない。それならば科学技術庁としてどういう政令の内容になるであろうか、その科学技術庁の考え方のメモでもいいから提出をされたい、こういうことですか。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 そうなんです。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 考え方についてはるる御説明したいと思っていたのでございますが、メモとして出せということであれば、しばらく時間の御猶予をいただきたいと思います。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 それじゃ御提出をお願いしたいと思います。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 私は当然だと思いますよ。大体こういう決定的に重要なところを条文で  その政令は、こういうようなものに基づいてこれを政令で決めるというふうになっていないのですよ。一切、一〇〇%、無条件で、要するに埋設の対象となる廃棄物は政令で決める。そうでしょう。廃棄物埋設の対象となるものは政令で決める。そうしたら野放しでしょう。その政令は、高レベルのものも埋設してよろしいという政令になったって構わない、それから低レベルだけというような政令になっても構わない。どうなっても構わない。本条文では何にも書いてない。ばあんと政令でやれ、そういうようなものであってはならないのですよね、放射性廃棄物の埋設という問題については。しかし、ここで質疑応答をして、口頭で答えられたって、それは原子力委員会やその他にかけなければなりません。原子力委員会にかけて討議の余地はあっても、国会の委員会じゃもう全部任せろでしょう。それではどうにもならない。だから、少なくともそのメモを出してくれと言っているのです。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 八木先生もう承知でおっしゃっておられるのだろうと思いますけれども、政令は原子力安全委員会の意見を聞かなければならないということが条文の中に書いてあるわけでございまして、全く白紙委任とか、全く我々科学技術庁の恣意によってできるということではなくて、きちっと原子力安全委員会の意見を聞いてつくれ、あるいは原子力安全委員会に聞けということがはっきり書いてあるわけでございますから、その点はぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます、

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 科学技術庁にお願いいたしますけれども、先ほど私が整理をさせていただいたような内容であるならば、余り委員会質疑は中断したり何かする必要はないと思います。もう少し誤解のないように、質疑に対する要点だけを明確に御答弁願いたいと思います。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 そのメモが出ないうちにその政令について質問しろと言うのですか。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 そのメモは提出していただきますので、後でそのことについてはまた追って御質疑を続けていただきたいと思います。そのメモは出すと言っておりますから、そのメモが出たところでそのメモについての御質疑を続けていただきたい。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 すると、そのメモはいつ出しますか、大体の態度は決まっておるはずだから。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 次回の委員会までに出ますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 あしたじゅうにはまとめたいと思います。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 ちょっとくどいようですけれども、確かめます。今度の提出された法案の条文の中に、私の計算では十三ありますね、政令とそれから総理府令という。その十三についてですよ。それぞれについてですよ。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 御指摘の点については作成いたしたいと思いますが、ただ、先ほど申し上げましたように要綱までできているわけではございませんので、メモといいましても政令あるいは総理府令の定め方の考え方程度になることを御了承いただきたいと思います。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 それは見てからの判断ですよ。そんな抽象的なことを今私に了承しろなんと言ったって、了承できませんよ。  そこで、私はそういう点について聞きたいと思ったのですけれども、これは同僚議員も、各政令部分あるいは総理府令部分について逐次それぞれについて質問せざるを得なくなったわけですから、十分時間をかけてやると思います。  それで、きょうは私の持ち時間としては四時までということですから、別の問題を若干伺いたいと思います。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 各党にお諮りいたしますが、八木委員の質疑を五分延長させていただきたいと思います、持ち時間を。よろしいですか。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 そうしましょうか。私はもう一回質問の機会を与えてくれませんか。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 ここで打ち切りますか。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 きようはこれで打ち切って……。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 今私、各党にお諮りいたしましたけれども、きょうの質疑の時間は五分追加をさせていただきたいと思いますので、ただいまから四時五分までの二十分間を次回に留保していただきたいと思います。

八木昇日本社会党・護憲共同

○八木委員 たった二十分間じゃ、余り聞くことにならぬな。それなら二十分間別の問題をやろうか。一「保留して次回に」と呼ぶ者あり)じゃ、次回に回します。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 またその後の問題については党内でいろいろやりくりをしていただきまして、時間を追加するなり御検討願いたいと思います。  小澤克介君。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 原子炉等規制法の改正案について、引き続いてお尋ねをいたしたいと思います。  今も問題になっていたところでメモを出していただけるということのようですが、それに関連しまして、ちょっとこれはわかりにくいものですから明らかにしていただきたいのです。五十一条の二の一項の一号と二号ですが、これは私、単純に一号が低レベルで二号が高レベルに振り分けてあるのだろうと思っていたのですが、よく読むと、非常に文章表現がわかりにくいのですが、一号の方は政令で定めるもの、「政令で定める」というのは「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物」、ここにかかる。すなわち今八木先生がおっしゃっていたように、廃棄の対象たる核燃料物質の種類を政令で定めるものだ、こう理解できるだろうと思うのですが、二号の方は、これこれの「防止を目的とした管理その他の管理又は処理であって政令で定めるもの」と、規定の仕方が明らかに違っているのですね。二号の方は、これは管理または処理の形態について政令で定め限定する、こういうことになるのでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 現在、廃棄物管理の事業に該当する放射性廃棄物の管理または処理の方法で計画が具体化しておりますものとしましては、一つは原燃サービス株式会社が青森県六ケ所村において……(小澤(克)委員「そんなことを聞いていないじゃない、質問をよく聞いてよ」と呼ぶ)いや、これを逐次書いていくということでございますが、そういう貯蔵計画と、それから動燃事業団が北海道の幌延で計画している貯蔵工学センターの計画、こういうものがございまして、このように計画が具体化した管理または処理の方法を順次政令で定めていくという考え方でございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 最後のところだけがお聞きしたかったことなんですよね。つまり、ここで「政令で定める」というのは、管理または処理の方法について政令で決める、対象物についてここでは政令で特定することにはならぬわけですね。そういうことなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 そういった、例えば高レベルの固化体を貯蔵しておく方法というような形で定めていくわけでございますから、方法というよりは、やはり物とやり方と、両方で決めていくという形になろうかと思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 条文構造上そうならぬでしょう。これは、管理または処理の形態でしょう。  それでは端的に聞きますよ。ここの二号で言う「政令で定めるもの」という「もの」は一体何ですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 管理または処理でございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 そうすると結局、管理または処理の形態について政令で定める、こうなるわけでしょう。対象物についてはここでは全然定めるということになりませんよ、この条文構造上。高レベルに限るなんということは全然ここでは出てきませんよ。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 条文では「放射線による障害の防止を目的とした管理その他の管理又は処理であって政令で定めるもの」ということにしておりますので、この管理であって政令で定めるものということで、管理の方法と対象物とを定めていこうという考え方でございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 いいですか、五十一条の二は、次のような事業を行う者は許可を受けなければならぬ、その事業として一号と二号が書いてあって、そして「管理その他の管理又は処理であって政令で定めるもの」、政令で定めるところの管理または処理をする事業を行う場合には許可を得なければいかぬ、こういう構造ですよね。そうすると、管理または処理について政令で定める。対象物については政令で定めるということは全然出てこぬわけですよ。もしそうであれば、管理の対象とすべきものについて政令で定めるものということを、一号と同じような規定の仕方をすべきでしょう。それがないのですよ。だからこの一号と二号は、先ほどからあなた方の説明だと一号は低レベルで二号は高レベルだ、そんな振り分けになっていないのですよ。一号で何から何まで埋めることも、対象物として政令で定めればできるわけです。それから二号は、管理の形態について特定するわけですから、管理の形態さえ限定すればそこで何が管理されるか、対象物については限定されぬ、こうなるのですよ。そうじゃないのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 管理の形態というものはその管理するものによっていろいろ変わってくるわけでございまして、ここでは先ほど簡単のために第二号については高レベルとだけ申し上げましたけれども、これは高レベルだけではなくてTRU廃棄物等についてもこの規定の対象とするわけでございまして、高レベルの管理あるいはTRU廃棄物の管理、それぞれその物が違えば形態も変わってくるということで、これらを複合した形で政令で定めるということを考えております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 あなたがどう考えているか知りませんけれども、この条文構造からそう出てこない。管理の形態だけを政令で定めるとなっているのですよ。その対象物が何かということは全然出てこないのです。だから、今の説明では全く不十分なんです。そうでしょう。管理の形態を特定すればおのずから対象物も特定する、そういう趣旨をおっしゃりたいのでしょうけれども、それだったらなぜ対象物についても特定すると条文上書かないのですか。書けるわけでしょう。一番関心の深いところなんですから、先ほど八木先生がじゅんじゅんとおっしゃったとおり。一体国民にとって何が埋め捨てにされるのか、何がされないのか、一番重要なところなんですよ。もう少し何とかはっきりわかるような説明をしてくれませんか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほどから申し上げましたように、管理の形態がそれぞれ物によって違ってまいりますので、その管理するものにつきましてもこれは管理の一要素ということで政令で定めていくことにいたしておりまして、政令の中において御質問のようなことは明らかにいたしてまいりたいと思っております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 そうすると、この政令において単に管理の形態だけでなく、その管理の対象とする物についても限定する、こういうことですね。それからそれて、先ほど八木先生に提出することを約束されましたメモにもそのことはきちんと明示してくださいよ。いいですね。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 その概要については記載いたしたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 それでは、次に移ります。  いろいろ提案趣旨説明等読みますと、廃棄の事業を設けてその事業者を直接安全管理の対象とする、今度の法案のこのような体系が安全確保上適切であるという御趣旨というふうにお聞きいたしましたが、逆に現行法の体系ではどのような不適切な面があるのでしょうか、お答えください。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 現行の規制におきましては、廃棄物を原子力事業者が事業所外に廃棄いたします場合に、現行規制法の五十八条の二によりまして、事業所外廃棄の内閣総理大臣の確認を受ける、その確認は総理府令で定める基準によったものとしなければならないという規定になっておるわけでございます。  そこで、最近計画されております青森県六ケ所村におきます原燃産業あるいは原燃サービス等のプロジェクトを規制していくということを考えます場合に、そこの場所にはいろいろな電力会社から集中的に廃棄物が来るわけでございまして、それを実際にハンドリングいたしますのは原燃産業という会社でございます。そして、この会社は現行の規制法では何ら法律上の規制を受けることができないという位置づけになっております。そこでこういった安全規制を完全に実施し、かつは実際に放射性廃棄物を取り扱いますところの原燃産業会社に責任を持たせるということにしておきました方が安全規制がより的確に行われるというふうに考えた次第でございまして、この点については原子力委員会において昨年十月、報告が出ております。約一年間の議論を経まして、それがより適切であるという御意見をいただいておりますので、それを踏まえた考え方となっておるわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 質問をよく聞いてくださいよ。この法案の方がより適切だ、これはもう耳にたこができるほど聞いているのです。私が聞いたのは、それでは現行法ではどこが不適切なのかと聞いたのです。現行法ではどこが不適切なのか、それを言ってください。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほども申し上げましたように、実際に廃棄物の管理を行いますところの原燃産業が法律上の規制を受けないということによりまして、これがいいかげんな処理処分をしましても原子力規制法で直接規制することはできないというようなことが一つのデメリットとして考えられるということでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 原燃産業ができたときに、これは現行法下で設立されておるわけですからおかしいじゃないか、現行法に適合しないではないかという指摘を六十年三月二十六日の科学技術委員会で私はやっているのですよ。それに対して辻さん、あなた何と答えていますか。できると言っていましたよ。こう言っているのですよ。「現行法では廃棄物の発生者たる電気事業者等を規制の客体としてここでとらえておる、その仕組みのもとで責任を明確にして安全確保を図ることができる、そういったような形で規制していくことが必要であろうと考えておる」、できると言っているのですよ。一年たったら、今度はできない、どういうことですか。あの当時の法律で先に原燃産業ができてしまったから、できるとしか言いようがなかったのでしょう。今度はできないと言う。こんな矛盾したことを、あなた同じ人ですよ。あの当時もあなた安全局長だったのですが、よくそんなことが言えますね。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 昨年の委員会の御指摘の答弁については、私も確かにそう答えたわけでございますし、そのとき以外にもいろいろな委員会で同様な答弁をしていると思いますが、そのときにも私、具体的にいつの委員会で申し上げたかはつまびらかに覚えてはおりませんけれども、よりよい安全規制を求めて現在原子力委員会で検討中であるので、その検討結果をも含めてさらに検討してまいりたいということを申し上げたわけでございます。  現行法令のもと、つまり改正前の現行法令のもとで安全規制をするとするならば、五十八条の二の総理府令の改正をすることによって規制することはできるということは申し上げましたけれども、今度の改正案と前者を比較してみれば、今度の改正案の方がよりよいという考え方であるというのが私どもの考えでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 そう言うだろうと思ったのですけれども、そうしますと、どうなんですか。現行法下で低レベル廃棄物を集中管理する会社が設立されたということは、現行法のもとでは必ずしも適切な、十分な管理ができないということなんでしょう。今度の方がよりよいということになれば、現行法ではよりよくないということになるのですよ。より悪いということになるのですよ。そんなものの設立をそのまま黙過しておいて、私がおかしいじゃないかと言ったら、いやできますと言っておいて、今度はその既成の事実に合わせて法を改正しようとする。一体これはどういうことですか。日本の廃棄物をどうするかということはだれが決めるのですか。原燃産業が決めるのですか、電事連が決めるのですか、それとも国民代表である国会が決めるのですか。こんなことは許されぬと思いますよ。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  発電所のサイト外における最終貯蔵、こういう形態につきましては、五十八年七月の過程におきまして科技庁内の低レベル放射性廃棄物対策検討会その他でいろいろ検討してまいりまして、そういう方向が全体的な廃棄物の処理処分体制の上で望ましい形である、そういうことで関係方面ともいろいろ協議をし、原子力委員会にもお諮りをして、最終的には原子力委員会のお考えとしてもそういう方向で進めるのが適当ではないか、こういうことになったわけでございます。そういう流れの上に立って、会社を設立しましたのもまさに電気事業者がそのほとんどの出資をしているものでございまして、いわば電気事業者の共同部な事業として始められたわけでございます。  先ほど現行法令でどうか、こういうようなお話がございましたが、現行法令のままでやる場合には、この原燃産業というものがやります下請という形をとるわけでございますが、各発電所から持ってきますものにつきましては規制法の適用を受けるのはそれぞれの電気事業者でございますから、そういう意味ではそれぞれの電気事業者の責任の区分というものが明確になるような管理の仕方をしていかなければいけないというような格好になろうかと思います。そういう形になりますと、せっかく集中運営した中でより合理的な管理の仕方というものがしにくくなるというような実際の事業上の問題もございますし、その後原子力委員会でいろいろ御検討いただいた結果、そういうような集中貯蔵という形をとるならば、そこを管理する事業者に少なくとも安全上の管理の責任は直接負わせることがむしろ効率的ではないのか、こういうことになったわけでございまして、決して、その事業を原燃産業なり電気事業者が先行して政府なり原子力委員会が後追いしている、そういうことではないわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 集中処理する場合に各発生者の責任があいまいになるではないかということを指摘しましたら、あなた方は何と言ったのですか。ピットを分ける、あるいはドラム缶にマークを付する、そうやって峻別することができる、そう言っておるのですよ。今度は、やはりまずいから法案を改正します。こんなことで通ると思うのですか。  それでは端的に伺いますが、現行法下では、原燃産業が計画しているような集中処理処分施設というのはどうなんですか。まずいのでしょう。まずいからこの法案改正をやったのでしょう。現行法どおりではまずいのですか、まずくないのですか。十分安全管理ができるのですか、できないのですか。それを端的に答えてください。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 これは昨年も申し上げましたように、現行法でも安全規制はできるというふうに思います。しかしながら、先ほどもるる申し上げましたように、今度のように改正した方が安全規制としてはより適切であるというふうに考えておるわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 だから、一番最初に聞いたでしょう。現行法ではどこが不適切なのですか、そこをはっきり言ってください。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 やはり実際にハンドリングする原燃産業を直接規制することが現行法ではできない、あくまでも下請の立場であるというところがデメリットであろうかと思っております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 そういう不適切な面がある、そのことを看過しながら、現行法下で原燃産業が設立されたのをそのまま黙視していたのはどういうことですか。それで安全規制ができるのですか。おかしいじゃないですか。現行法では不適切である、直接ハンドリングをするところが責任を負う体制になっていないから不適切であると物申すべきでしょう。どうしてそれをしなかったのですか。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 小澤委員からの御質問が、どこが不適切だったか、こういうふうに御質問になるものですから、政府委員の答弁も、ここ、ここが不適切だ、こういう答えになっておりますが、不適切という言葉の使い方が少しまずいのじゃないか、不適切ではないかというふうに私は思います。  少なくとも昨年の時点においてはこうやることが一番合理的だ、こう考えて、しかしそれをさらに検討すると、もっと合理的な方法があるではないかということでございますから、法案を改正し、少しでも合理的な、あるいは少しでも確実な方法へと進んでいくことは悪いことではないというふうに御理解をいただきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 発想が逆だと思いますよ。現行法に適しない、より適切でないということは、何らかより不適切なんですよ。不適切な会社が設立された、そういうのはおかしい、現在の法律に必ずしも適合しないというのがそこから出てくる判断でしょう。ところが、そのことを私が指摘したら、いやできますと大見え切っておいて、今度はできたその会社に合わせてどうしたらより適切だろうかと検討して新しい方針を出していく、こんなことはあってはならないことでしょう。どうなんですか。既成事実に法律を合わせていくのですか。そういうことであれば、これは国会の権威に対する冒涜だと思いますよ。国会というものは、あなた方が勝手につくって通せばいいなんていうものじゃないのですよ。大体、通すなんていう言葉自体不遜なんですよ、立法するのは国会ですからね。あなた方は提案するだけなんですよ。できたものを押し通すみたいな、そんな考え方自体間違いなんですよ。どうなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほども大臣が申し上げましたように、言葉遣いがあるいは適切でなかったかもしれません。私が適切でない点と言うのは、やはり今度の改正案に比べればやや不適切である、今度の方がより適切であるという考え方で今回の提案をいたしておるわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 それはいいのですよ。だから、より適切にした。しかし、既にできた会社に合わせてより適切に法を改正するという、その発想自体が間違いだというのですよ。まず、そういうやり方は現行法ではまかりならぬよと言って、そして法案についてよく検討して、国民代表の議会で新しい廃棄物規制についての法案ができて、それじゃそれに適合するような会社を設立しましょう、これならわかりますよ。原燃産業は去年の三月に設立されて、そのままじゃないですか。定款を見ましたけれども、目的はそのまま維持されていますよ。その一私企業の目的に合わせて法律を改正しよう、そんな逆転した発想で安全規制ができるのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほど原子力局長からも申し上げましたように、今度の青森の電事連の計画というのは、やはり原子力委員会の基本的な方針に沿った、陸地処分を推進するという方策に沿った業界の具体的なプロジェクトのあらわれであろうかと思うわけでございまして、その実態に対応しまして、安全規制もよりよいものを求めて改正していくという方が私どもの態度として適切ではないかと考えておるわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 ちょっと待ってくださいよ。原燃産業が設立されるに当たって、原子力委員会等から一定の結論を出して、そのサゼスチョンに基づいて設立されたのですか。今のお話だとそんなふうになりますよ。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 原燃産業の設立につきましては、私ども科技庁、通産省、原子力関係者で、発電所の廃棄物の処理処分問題についてどういうあり方がいいのかということにつきましていろいろ検討をしてまいりまして、個々の発電所の廃棄物をむしろ集中的にサイト外に管理をするということが今後の処分形態として非常に望ましいのではないか、そういうことで、そういう方向で推進すべく行政官庁、電気事業者、そういったところで今後の具体策についていろいろ意見交換をしている中で、電気事業者が共同でそういう事業をやろう、こういうことになって具体化をしてきたわけでございまして、先ほども申しましたように、電気事業者がひとり先走りして私どもが後追い、そういうことでは決してないわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 今のお話だと、原子力委員会等でいろいろ検討して、そして一定の方針が出されて、それに基づいて原燃産業が設立されたというような、正確かどうかわかりませんが、恐らくそう言いたいのだろうと思いますけれども、六十年三月二十六日の当委員会で私が、各原発のサイトから持ち込まれるものを発生者の責任のままで、しかし事実上原燃産業が管理するということが一体実際に可能なんでしょうかと聞いたら、「今のところこの事業者の計画が具体的に明らかとなっておりませんので、今個別具体的にどうだと確定的なことを申し上げることはできないわけでございます」と言っていますよ。辻さん、あなたがそう言っているのですよ。一年たったら、原子力委員会等でいろいろ検討した結果に基づいてつくった。こんな矛盾したことをよく平気で言えますね。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 先ほど申しましたように、サイト外に各発電所からの廃棄物を集中的に貯蔵するという大きな方向について議論をし、その方向に向かって事業が具体化をしてきたということであるわけでございます。その設立について黙認したのはどうかと、こういうような御批判があるわけでございますが、私どもといたしましては、現行法規においてもそれなりに十分な安全の規制はできるわけでございまして、周辺の皆様に御迷惑をかけることのないようにはすることができる。ただ、責任の明確化その他で、実際の計画を進める段階で、例えばでございますが、ピットをそれぞれ別々に独立させなければならないとか、事業遂行上いろいろ手間暇はかかるわけでございます。  そういったことも総合的に勘案して、この集中貯蔵を今後とも推進していく上で法規制上もこの機会にいろいろと検討しようじゃないか。現行法規でもちろんきちんとした規制はできるけれども、よりよい体制がどうあるかということについて検討をして、その結果として今新しい改正法案という形で皆様にお示しし、御審議をいただいている次第でございまして、事情を御了承いただきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 原燃産業が集中処理を目的として設立される、もちろんそれだけじゃありませんけれども、設立される段階で、あなた方原子力規制当局はその事業内容等について細かく報告を受け、そして検討をし、サゼスチョンをしていたのですか。どうなんですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  原燃産業の設立並びにその計画につきましては、具体的に原子力の利用を推進する立場にございます原子力局が関係方面との接触に当たってまいっております。安全当局は、いわば許可の申請が出てきてから受けて立つというのが基本でございまして、そういう意味で具体的な計画の中に安全局が立ち入ってどうのこうのということではございませんで、そういった面での窓口は原子力局が当たっております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 だから辻安全局長は、今のところ事業者の計画は具体的にわかっていない、こう答えたわけですね。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 答弁をいたしました時点では、私どもも原燃産業の計画はいろいろ聞いていたわけでございます。ただ御質問のポイントは、具体的な、細かい廃棄物の安全管理を具体的にどうするのかという趣旨であったかと思うわけでございまして、その細かい問題につきましては、原燃産業もまだもくろみの段階であったわけでございますので、そこまで詰まっていないということで、現行法令下で規制できるとすればこんなことも考えられるということの前置きで、そういったような現状で細かいことまではまだ決まっていないという趣旨で、その前置きを申し上げたというのが私の答弁であったかと記憶しております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 そういううそを言ってはいけませんよ。私が聞いているのは、そんな具体的な、細かい技術的なことを聞いてはいませんよ。あなたの言うハンドリング、埋設事業ですか、埋設事業というのは今度の法案で初めて出た概念ですが、集中保管をする、管理をする会社と、法律上責任を負う責任主体とを分離する、そんなことが一体実際に可能なんですかという極めて抽象的な質問をしているのですよ。それに対して、事業者の計画が具体的に明らかになっていないから確定的には申し上げられない、こう言っているのですよ。ということは、原子力安全局は具体的な相談を受けないままに、原子力局の方でですか、相談を受けて、この現行法に必ずしも適合しないものの設立を許してしまった、こういうことになりますね、今のお話を伺っていると。そんなことで安全規制ができるのですかと先ほどから聞いているのです。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 現行法に適合しないようなものを認めたとか、サゼスチョンしなかったとかいうのは当たらないと思います。先ほどから申し上げましたように、現行法においても五十八条の二の規定を使いまして規制ができるということは、前国会でも申し上げましたとおりでございます。その場合には、やはり実際の規制客体は電力会社になるのであるから、それの安全規制をやるには何らかの工夫が要るであろうということは申し上げたわけでございますが、今度の原燃産業のプロジェクトというものが現行法の規制体系に全く合わないというふうには私ども考えていないわけでございまして、現行法でもできることはできる、しかし今度の改正案の方がより適切であろうということでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 現行法では必ずしも適切にと私は言いましたよ。  ついでに伺いますが、同じく科学技術委員会の六十年六月二十日に私が、この原燃産業及び原燃サービスのいわゆる原燃二社が当事者として地元自治体との間で立地への協力に関する基本協定書というのを結んだ、これについても問題にしたのですよ。安全について責任を負えない、責任主体でないところの会社が、あるいは原賠法上も賠償責任を負わないところの会社が安全等について地元と協定をし、あるいは原賠法についてまで原賠法に基づいて賠償しますみたいなことを文言として入れた、そういう協定書を結ぶのは全くのまやかしてはないか、空ではないか、できぬことを約束しているではないかという指摘をしたのです。このことについては、現在どう思いますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 現行法のもとにおける原燃産業の位置づけというのは、先ほど申し上げましたように下請にすぎないのでありますけれども、原燃産業といえども、電気事業者との契約のもとに放射性廃棄物の安全管理をきちっとやるということは、これは原子炉規制法ではございませんけれども、契約によって当然義務が出てくるわけでございますし、そういった事業をやる者が安全性についていろいろ配慮をし、かつ、その行為について地元と約束をするということは、特段いかぬことではないというふうに思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 いかぬなんて言っているのではなくて、責任のとりようがないでしょうと言っているのですよ。原賠法上の責任主体でない者が原賠法に基づいて賠償しますなんということを言うのはおかしいではないか、こういう指摘をしたのですよ。あなた方は何と言ったと思いますか。電事連が立会人として署名しているから、電事連を構成する各社はこの原燃二社の株主だから、それで担保できます、こういう説明をしたのですよ。そうしたら今度は法律を改正して、この協定書に合わせて、まさに原燃二社が安全上も責任を負い、原賠法上も責任を負うように変える。こんな既成事実に法律を合わせるなどという発想自体、私は立法府に対する冒涜だと思いますよ。そういうことになりませんか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 原燃産業なり原燃サービスが地元と協定を結んだわけでございますが、基本的に原燃産業について言いますれば、この廃棄物事業については発生者である電気事業者の委託を受けて行う、現行法で言えばそういう形になりまして、その責任は電力会社が有するわけでございまして、この廃棄事業に関してのみ言えば、いわば原燃産業はその代行機関であるわけでございます。したがいまして、法律上の責任は電気事業者にかかっておりますので、この原燃産業が窓口になって地元との交渉なり何なりする。それの実行をどう担保するかは、法律的にも電気事業者がきちんと担保せざるを得ない状況にもなっておりますので、私どもが前にそういうことを申し上げたということは、今でも、現行法であればそういう形であろうかと思います。  ただ、それを具体的にこういう形で始まった段階で、さらに法的な措置についてもよりよい形を求めて我々としては勉強をし、検討した結果、現在出している法案のような形になったわけでございますので、事情御了解をいただきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 到底了解できません。まず原燃二社ができた。しかもそれが空の、効力のない協定書を地元と結んだ。それを後からしりぬぐいをするような形でこの法案ができれば、まさにこの協定書が生きてくるわけですよ。効力のなかった契約が――種の契約でしょう、協定が後から追認されて効力が付与される、こんなことが世の中にありますか。無効な契約を結んでおいて、後で法律をそれに合わせて変えて無理やり有効にしてしまう、これがあなた方のやったことじゃないですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 先生のお説でございますが、私ども、原燃産業なりがいわば電気事業者の代行として地元との協定を結んだ、それが空であるということは毛頭思っておりません。この実行は十分に担保できる、実行の確保できる契約であるというぐあいに私ども考えておりますし、この法律の改正がなかったらそれが無効になる、そういうような性格のものではないと私どもは確信しております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 いや、そうは言っていませんよ。当事者としてこの協定を結んで、それが即有効だとは言っていないのですよ。言いようがないですよ。だって、原賠法上の責任主体じゃないのですから。  それで、あなたが何と言ったかということを読み上げましょうか。中村さん、あなたが言っているのですよ。   先ほど来申し上げておりますように、この協走を結ぶに当たりましては電気事業連合会、すなわち九電力の合議体の代表たる会長が立会人となっておりまして、この協定を結ぶにつきましては、電気事業者との間でも当然のことながら合意を得た上で結んでおるわけでございまして、その実行は十分担保できると思っております。 立会人がいるからこの協定が担保できる、辛うじてこういう説明をしたわけですよ。今度この法律によれば、原燃二社はまさに当事者としての責任を負える立場になるわけですよ。そのことを私は言っているのですよ。当事者能力のない者が当事者となっていたその協定を、後から法律を変えて当事者能力を与える、そんな無法なことがあっていいのでしょうか。これは立法府に対する冒涜ですよ。そうじゃありませんか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  たまたま先生今御引用なさった発言のところでございますが、この件につきましては、その前から一連の話の流れがございまして、この協定に電気事業連合会の会長が何で立会人になっているのかというような御議論がるるあって、そういう中での御答弁でございます。私ども、基本的には電気事業者が損害賠償法上の責任者にもなっておることでございますし、その代行機関である原燃産業が結んでいるそのあかしとして、いわばその立会人である、しかも九電力の会長、電気事業連合会の会長さんがはっきり立会人になっているじゃないですかという一つのあかしとして御説明をした、そういうぐあいに記憶しております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 全く違いますよ。その前の私の質問はこういうものですよ。「ですから、丁というのは原燃産業です。これは「万一原子力損害が発生した場合は、原子力損害の賠償に関する法律等に基づき厳正適切に対処する」」これがあの協定の中身なんですけれども、「これはできないことを言っておるのじゃないかと指摘しておるわけですよ。原賠法上の責任主体でないわけでしょう、少なくとも低レベル放射性廃棄物の集中処理施設については。」この質問に対して、先ほど読み上げたような中村さんの答えがあったわけですよ。全然違うでしょう。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 ただいまの先生のお説に対してお答え申しますが、議事録を盛んに引用されておられますので、私どもの方もちょっと議事録を読ませていただきます。「そういった協定を結ぶにつきましては、当然九電力会社とも話し合いまして、その実行が担保できるものとしてお約束するわけでございまして、御懸念のようなことはないかと思います」という形で御答弁も申し上げている。それで先生から、今電気事業者が担保すると言ったけれども、どこにそんな根拠があるのか、この協定に全然出てこないじゃないか、こういうことで立会人の話になっているわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 いや、だから私は、原賠法上の責任主体でない、そのことを指摘した質問に対して中村さん、あなたは、電事連が立会人になっているから担保されるんだと、こう答えたのですよ。これはいかにも苦しい答弁ですよ。そうしたら今度は法を改正して、こんな苦しい言い方をしなくても、これによってまさに原燃二社が当事者能力を後から付与されるわけですよ。私はこういう立法の経過、立法といいますか、法案提出の経過は余りにも無定見、先にできた会社に後から合わせる、これがこの法案の本質だということを先ほどから指摘しているわけです。こんな後追いの法案を出してきて、これでどうか通してください、これは立法府に対する冒涜だと私は思います。恐らく他の委員も、委員長も含めてそう思われるだろうと思います。  こればかりやっていますと時間がありませんので、きょうは厚生省の方にわざわざ来ていただいていますので、そちらの方を伺いたいと思います。通常の産業廃棄物について現在の法制度がどうなっているか、前に予算委員会でも厚生省の方に若干お尋ねしましたが、時間がありませんでしたので、きょう改めて教えていただきたいと思います。  ことしの三月二十八日の朝日新聞によりますと、プラスチック、乾電池、ガスボンベなどの処理の難しいごみについて製造の段階からメーカーを行政指導する、厚生省が指針づくりをする、こういう記事が出ております。この記事、突然示されたのでお困りかもしれませんが、恐らくこれは事実だろうと思います。この行政指導は法令上のどういう根拠に基づいてなさっておられるのか。もし必要ならこれを見せても結構ですよ。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 お答え申し上げます。  廃棄物の処理及び清掃に関する法律の三条の二項に「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行なうことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」という規定がございまして、これを受けての措置でございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 この三条は、今御指摘になりましたのは二項ですが、これは事業者が自分の事業活動によって生じたものが主として一般廃棄物になる場合に着目し、その事業者、発生原因をつくった者の責務を規定したものと私は理解します。それから三条の一項は、むしろ端的に「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」これは産業廃棄物を主眼に置いている。いずれにしても、一項と二項で第三条は発生者責任の原則を明らかにしたものだと理解いたしますが、そういう理解でよろしいでしょうか。有権解釈をされる立場でお答えいただきます。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 先生お見込みのとおりでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 廃棄物の処理及び清掃に関する法律について国会審議の過程を全部洗ってみましたけれども、発生者責任の原則ということが極めて重要な原則としてたびたび強調されているわけです。  全部読みますと多少時間がかかりますけれども、主なところを拾いますと、まず改正前の旧法が昭和四十五年に制定された際に、これは昭和四十五年十二月七日の衆議院社労委員会ですが、当時の内田常雄厚生大臣は「私は、今回廃棄物処理法案を提案するに至りましたその考え方には、六、七点の新しいファクターを入れたつもりで検討をいたしてまいりました。その第一は、規制を強化するということ、もちろんでございます。第二番目は、産業廃棄物などの処理につきましては事業者の責任を明確、強化ならしめるということでございます。」そして、中間省略いたしまして「第五原則は、言うまでもなく発生者責任主義の強化。」こうなっております。  それから浦田純一という厚生省環境衛生局長さんが、これは産業廃棄物を市町村の事務として廃棄事業をする場合に関しての流れの中でのお答えだと思いますが、「いずれにいたしましても、この産業廃棄物の処理に関しましては、終始一貫して事業者のほうの責任ということになるわけでございます。」こう答えておられる。それから同じ方ですが「この第九条」、この九条というのは実は修正されて、ちょっと条文が変わっていて九条ではなくなっているはずですが、「この第九条、あるいは第三条にも書いてございますが、第九条に掲げてありますように、事業者みずから処理しなければならないという、いわゆる事業者の責任は明確であると思います。」こういうふうに答弁しておられる。同じく「この法律全般を通じまして、産業廃棄物にかかも事業者の責任というものは明確であると考えております。」  全部読むと切りがありませんが、そんなふうに言っておられます。こういう法案制定当時の理解の仕方については、厚生省さん、現在も変わりはない、こうお聞きしてよろしいでしょうか。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 法律制定当時のお話を今先生おっしゃられたわけでございますが、制定当時のお話としましてはまさにそのとおりでございます。  それ以降、六価クロム等の事件がありまして、それを契機に五十一年に改正をいたしまして……

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 それはまた聞きますから。  今既に一部お答えになろうかとされましたけれども、昭和五十一年に改正されているのですよね。このときの事情について伺いたいと思いますが、このとき、この改正案の提案理由に「最近における廃棄物の処理の実態にかんがみ、産業廃棄物の処理に関する事業者の責任を強化するほか、」云々と書かれております。したがって昭和五十一年の改正は、産業廃棄物の処理に関する事業者の責任を強化する改正であった、大枠としてはそういうことだ、こう理解してよろしいでしょうか。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 お説のとおりでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 そこで、この改正の際に旧法の十一条の一項というものが削除をされまして、そしてこれは四項がつけ加わって、「事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。」すなわちこれは結果的には新法の十二条になったわけですが、十二条四項が加わった、こういう改正があったわけです。  そこで、削除されたところの旧法の十一条、新法の十二条一項はこういう条文になっていたのですね。「事業者は、その産業廃棄物を自ら運搬し、若しくは処分し、又は産業廃棄物の処理を業として行なうことのできる者に運搬させ、若しくは処分させなければならない。」ただし書きがありますが、これが削除されたということは、どうなんでしょうか、事業者の責任を軽減するという趣旨が含まれていたのかどうか。そうではなくて、この五十一年の改正は、その理由にもありますとおり、事業者の責任を強化することが改正目的であった。ただし、単なる立法技術上の観点から旧法の十一条の一項が削除された。どちらなんでしょうか。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 むしろ事業者の責任を強化したものでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 大変明快なお答え、ありがたいと思います。  そうしますと、この旧法十一条の一項にありました「事業者は、その産業廃棄物を自ら運搬し、若しくは処分し、又は産業廃棄物の処理を業として行なうことのできる者に運搬させ、若しくは処分させなければならない。」という規定は、主として立法技術的な観点から削られたけれども、この趣旨は五十一年の改正において何ら変更はない、こう理解してよろしいでしょうね。  ここで特徴的なことは「運搬させ、若しくは処分させなければならない。」すなわち使役動詞の形で条文が書かれているわけですが、そう理解してよろしいでしょうか。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 処理業者への委託ということもできるわけでございますが、この点につきましては、旧法も改正後も変わりございません。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 昭和五十一年の改正時にも、発生者責任の原則ということはたびたび強調されております。せっかく調べましたから若干開陳したいと思いますけれども、五十一年五月十八日の衆議院の社会労働委員会で山下政府委員、これは山下眞臣厚生省環境衛生局水道環境部長さんだそうですが、「今度の法律、これは何に準拠して改正されましたか。」という問いに対して「やはり先ほど来先生がおっしゃっておられます事業者責任の原則、PPPの原則、これが根本にあると思います。」こうおっしゃっています。それから、同じ日に同じ政府委員が、「有害産業廃棄物に限らず、産業廃棄物につきましては、現行法におきまして明定されておりまして、第一次的には事業者、排出者が責任を持ってこれを処理しなければならぬ、こういうふうに規定がされておりますし、これは大原則であろうと思うわけでございます。しかしながら、それを補完する措置といたしまして、処理業者に委託して処理する場合も想定いたしております。」中間を省略しまして「基本的にまた第一次的には、排出事業者の責任によって処理する、これがこの法律を流れます基本精神に相なっております。」  それから、同じ日の同じ委員会でございますが、田中国務大臣、これは田中正巳当時の厚生大臣だと思いますが、「いまの問題は、私は、やはり産業廃棄物は、排出した事業者の責任であるという旗印を掲げておかなければいくまいというふうに思うわけであります。」こうはっきりおっしゃっていますし、同上方が「産業廃棄物について事業者責任という旗印をおろしてしまいますと、野放図もなくなることは、先生も御理解できるだろうと思います。」こうもおっしゃっています。また同じ方が「排出業者みずからの手によってやる責任があるのだということは、先生御存じだと思いますが、これは当然のことでございますし、また国際的にもOECDのプリンシプルもそうなっているわけであります。」こんなふうにたびたび発生者責任を強調して御答弁なさっているわけでございますが、このようなこの法律の理解については現在も変わらない、このようにお聞きしてよろしいでしょうか。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 いろいろ述べましたけれども、取りまとめますと、現行の廃棄物の処理及び清掃に関する法律においては、発生者責任原則というのは重大原則である。しかも、そのことは法文にも明定されている。しかも、具体的には三条でございますが、これが行政処分の根拠となっている。したがって、単なる訓示規定あるいは精神規定ということではなく、一定の実効力を持つ条文になっている、このようにお聞きをしてよろしいでしょうか。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 そのとおりでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 そこで、最後に厚生省に伺います。これが済んだらどうぞお帰りください。  本年の三月六日に科学技術庁が記者会見用に配付された文書と承知しておりますが、「放射性廃棄物の発生者責任について」という、これは作成名義が書いてない文書ですけれども、こういうものがございます。これは厚生省当局としてごらんになったことがありますか、あるいは事前に相談を受けたり、指導したことがあるかどうか、何らか関知しているかどうか、お聞きいたします。突然ですので、どうぞ見てください。

横田勇厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃棄物対策室長

○横田説明員 特段聞いてございません。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 どうぞお帰りください。御苦労さまでした。  科学技術庁に伺います。  今私が指摘した文書、これは科学技術庁が関与して作成されたものでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 発生者責任問題について、科学技術庁内の見解をまとめたものでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 これによりますと、廃棄物処理法と今般の原子炉等規制法の改正案との比較対照表がございます。これを作成するに当たっては、廃棄物処理法について有権的な解釈をなし得るところの厚生省には相談をされましたか、されませんでしたか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 これは私どもの作業ペーパーでございますので、特段厚生省に相談はいたしておりません。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 これで記者会見をし、記者に説明をした、こう伺ってよろしいでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 私どもの作業の検討状況を科学技術庁の記者クラブに御説明する際に、私どもの作業ペーパーとしてお配りいたしております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 先ほど指摘しましたこの比較表について細かく伺っていきます。お持ちですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 持っております。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 一番最初、廃棄物処理法についての対象範囲として「産業廃棄物の発生した後の処理処分について規制」と書いてありますが、これは何を根拠にこんなことを書かれたのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 原子炉等規制法との対比において、原子炉等規制法が核燃料物質の関連の原子力関係の諸活動について、原料の製錬から一貫して各事業業種別に規定しているということをやっているのに対しまして、廃棄物処理法の方はこういった特性を持っておるという考えでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 違うじゃないですか。廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、第三条、先ほど厚生省の方が指摘しましたが、第三条の二項には「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行なうことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」「物の製造、加工、販売等に際してこと書いてありますよ。どうしてこれが発生した後の処理処分について規制した法律だなどという断定をするのですか。こんな間違ったことを新聞記者に配ってミスリードした、とんでもないことですよ。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほど申し上げましたように私どもの作業ペーパーということでございまして、記述の仕方についてはあるいは厳密でない点がある点は御容赦いただきたいと思いますけれども、ここで私ども規制ということであれしましたのは、原子炉等規制法が、先ほど申し上げましたように各事業活動についてずっときめ細かい規制を行っているのに対して、産業廃棄物関係の一般産業については、先ほどのような一般的な規定があるだけで、具体的な許認可等の規制があるわけではないという趣旨で書いたものでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 だめですよ。作業何とか言いましたけれども、これであなた方は新聞記者に説明しているわけですよ。今度の改正案がいかに立派なものかといって、これで説明しているわけでしょう。それで、廃棄物の処理及び清掃に関する法律は廃棄物の発生した後についてしか規制してないなんて誤ったことを書いているわけですよ。あなた方はこの法律についての有権解釈の権限も何もないのに、いいかげんななまかじりの勉強で、これで新聞記者をミスリードしたわけです。これはだれが責任をとるのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 法案の検討状況の途中における説明用の資料でございますので、言葉の整理が必ずしも完全になっていないというふうなことは御容赦いただきたいと思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 容赦できませんよ。これであなた方は新聞記者に説明したのです。内部的な検討資料じゃないのですよ。新聞記者に説明しているのです、三月六日に。記者会見でこれを配って。だれが書いたのですか、こんなもの。  何か形式的なことを揚げ足取っているというふうに思われるかもしれませんので、もっと重大な誤りを指摘します。  次の項「廃棄物の処理処分についての安全確保責任」というところで、廃棄物処理法について、「処理処分の主体が負う。」と書いてありますね。これはどういう根拠でこんなことを書いたのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 廃棄物の発生者が自分で処理処分をいたす場合には発生者が責任を負い、また、これを廃棄事業者に引き渡す場合には廃棄事業者がその責任を負うという考えでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 廃棄物の処理及び清掃に関する法律はそうなっていませんよ。そんないいかげんなことを書いてはいけませんよ。  廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、委託することができる、これは確かに規定してあります。委託した場合に、委託した方、委託された方じゃなくて、受託者じゃなくて委託した方ですね、その責任がなくなる、専ら受託者が責任を負うなどということがどこに書いてあるのですか。むしろ、先ほどからの立法時の経過や何かからすれば、あるいは有権解釈権を持つ厚生省の見解からすれば、まさにその反対ですよ。立法技術上の理由によって削除された旧法第十一条の第一項には、事業者は「運搬させ、若しくは処分させなければならない。」使役動詞で書いてあるのですよ。これはむしろ発生者たる事業者の責任ということを明らかにしている条文ですよ。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 廃掃法の十二条の四項には、「事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。」ということで、二足の基準に従って産業廃棄物の処分を他人に委託することができるということとされておりまして、委託された後は産業廃棄物処理業者が安全規制の規制を受けるという形態になっているかと思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 前半は正しいけれども、後半は間違いです。五十点ですよ、あなたは。いいですか、委託した場合に受託者の方に責任が移るなんてどこに書いてありますか。書いてないですよ。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 廃掃法の十四条におきまして、「産業廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行なおうとする者は、当該業を行なおうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。」ということで、以下、諸般の産業廃棄物事業者の義務が書いてあるわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 十四条に業者についての規制がある、そのことが廃棄物を発生させた事業者の責任を免れさせる根拠になるのですか。そんな解釈はできませんでしょう。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほども申し上げましたように、これの有権解釈はおっしゃるとおり厚生省でございますので、このペーパーは厚生省に合い議をして決めたものでもございません。我々なりの考え方をまとめたものでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 さあ、厚生省に相談しないで明らかに間違った対照表をつくって、これで新聞記者会見をやってマスコミをミスリードしたわけですよ。この責任はどうするのですか。大臣、どうされますか。あなたの部下がこんなむちゃくちゃなことをやったのですよ。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 新聞記者会見のときにできるだけ丁寧に、親切に、いろいろな資料を出して御説明をするということはよくあることでございまして、科学技術庁でもこの法案の理解をできるだけ深めてほしいという気持ちで作業中の資料、メモ等についてもあえて御提示をしたものであろうと思うわけでございます。この作業の経過におきまして、科学技術庁の中で廃掃法との比較も一つの検討としてやってきたということも事実でございまして、その間の解釈でありますとか考え方でございますとか、さまざまな角度から議論をしたその中の作業中の一つのメモということであろうと考えます。そうしたものを、私は、これが唯一のオフィシャルな資料として御提示を申し上げたものではない、御参考までに作業中の、こういう作業もやりました、こういう考え方でもチェックをいたしました、こういうことで御提示をしたものではなかろうか、こう思います。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 理解を深めると言いましたが、これでは新聞記者さんに誤解を招くのですよ。ミスリードするわけですよ。  その次の項目、「発生者の責任」。廃棄物処理法について、「処理処分を自ら行うか、又は産業廃棄物処理業者へ委託して廃棄せしめる(安全確保上の責任は産業廃棄物処理業者へ)。」と書いてあります。明らかな間違いです。  さらにその次には「発生者責任の規定」という項目がありまして、廃棄物処理法について「この他にいわゆる精神規定として次の規定がある。」と言って先ほど指摘しました三条を摘示している。先ほどの厚生省の御答弁では、これに基づいて行政指導も行っているし、むしろこの法律を貫く基本原則である、そう言っているのですよ。  こんないいかげんな対照表をつくって新聞記者をミスリードする、こんなことは許されぬと私は思いますよ。どう責任をとるつもりなのか、明確に言ってください。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほどの「発生者の責任」の欄でございますが、産業廃棄物処理事業者へ委託して廃棄せしめる場合に、産業廃棄物処理業者が不適当なことをすれば産業廃棄物処理業者に罰則がかかるわけでございまして、それがさかのぼって発生者にかかるというふうにはなっておらないわけでございます。この辺の書き方があるいは詳細を欠き、精巧を欠く部分がある場合もあるかもしれませんが、基本的にはこういう体系になっているものというふうに理解しております。  また、その「精神規定として次の規定がある。」ということは、精神規定だから守る必要はないということではございませんで、罰則規定がついてない規定であるという程度の意味で書いてあるわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 罰則がないという。罰則が産業廃棄物処理業者について規定されているということから安全確保上の責任は産業廃棄物処理業者へ移るなどということが言えるのですか。刑事罰によって担保されているかされていないかということと責任主体がどこかということは全然別問題ですよ。  いいですか。委託をすれば受託者に責任が移るというのであれば、原燃産業について去年の国会であなた方が答えたのは全部うそになりますよ。だめですよ、こんなことで新聞記者をミスリードしたら。こんなうそをついてまでこの法案を通そう、とんでもないことじゃないですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 私どもの考えは先ほど申し上げましたようなことで、決してうそをついて法案を通そうという趣旨でつくったものではございませんで、発生者が産業廃棄物処理業者へ適正な品物を移したという場合には、それ以降の事故等についての責任はやはり産業廃棄物処理業者の方へ移るものであるというふうに理解しているわけでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 だから、そういう理解には根拠がないと言っているのですよ。「廃棄物の処理処分についての安全確保責任」について「処理処分の主体が負う。」これは委託した場合には受託者が負うという趣旨だと先ほどおっしゃいましたけれども、これはどうなんですか。行政法上あるいは民事上の責任はすべて受託者の側が負う、こういうふうに理解しておられるわけですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 私ども「安全確保上の責任」というのは民事上の問題ということで書いたわけではございませんで、廃棄物処理法における諸般の規制の客体が産業廃棄物処理業者へ移るということを書いたつもりでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 だから、そんなことはどこにも根拠がないわけですよ。委託すればすべて受託者の方に移ってしまう、事業者の方は責任を免れるなどということは、この法律の解釈からはどこからも出てこぬわけですよ。あなた方がおっしゃったのは、単なる罰則の担保が一方にしかない、このことだけでしょう。だめですよ、そういうことじゃ。  同じときにまいたものだと思いますが、「放射性廃棄物の処分に係る責任体制の明確化」という、これも作成名義のない文書です。これも科技庁で関与されて作成されたものでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 同様に、私どもの意図を説明します作業用ペーパーでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 そうしますと、これも記者会見で新聞記者にこれで説明したのだろうと思いますが、ここで、向かって左側、真ん中から分けた左側ですけれども、「地元住民」と書かれたすぐ左のところに「個別に安全協定」と書いてありますね。これはどういう意味ですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 これは、各電力との間にそれぞれ結ばなければならないであろうという趣旨のものでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 発生者たる各電力との間に個別に安全協定を結ばなければ、現行原子炉等規制法では安全協定としての十分な効力がない、こういう趣旨でしょうね。そうなりますと、最初に指摘しました原燃二社と地元自治体との間で結んだ基本協定書ですか、これは現行法には適しない。そうなりませんか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 御指摘の協定は立地に関するものでございまして、これは、いよいよ事業を始める場合に多分こういうふうになるであろうということを想像して書いたものでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 昨年の四月十八日に締結されたのは「原子燃料サイクル施設の立地への協力に関する基本協定書」、立地への協定書ですよ。違うでしょう。現行法によれば、個別に安全協定を結ばなければいかぬとみずから言っているじゃないですか。原燃二社が地元と協定を結んでもだめなんでしょう。そのことをみずから示しているじゃないですか。そういうことなんでしょう。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほどの先生御指摘の部分は、立地に関する協定であろうかと思います。私どもここで念頭に置いておりますのは、実際に事業が行われるようになった場合、通常地元住民との間に安全協定が結ばれるわけですが、現行のやり方ではこんなやり方になって、原子力損害賠償請求は個々の電力会社にしなければいかぬようになるであろうということを説明したものでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 何のことかわからぬですが、立地に関する協定と安全協定は別物だというのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 通常、原子炉施設等の運転が行われる前に安全協定が取り結ばれることになりますので、慣習的なものとしてここに安全協定という言葉を結んだものでございまして、先ほど先生の御指摘の立地協定とは――もちろん立地協定の中にいろいろ含んでおるとは思いますけれども、事業を始めるとなるとこういうことが考えられるということを説明したものでございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 あなたのおっしゃることがよくわからぬのですけれども、じゃ立地協定であれば個別に結ばなくてもいい、こういうことになりますか、現行法上では。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 私ども決してそういうことを申しているわけではございませんで、立地協定どこれとは無関係の話でございます。

小澤克介日本社会党・護憲共同

○小澤(克)委員 全然よくわかりません。時間が来ましたので、これで一応終わらせていただきます。  こういう不正確なものを出して記者会見で新聞記者をミスリードする。私は責任重大だと思いますよ。きょうはもう時間が来ましたからこれでやめますけれども、これでおしまいだなどと思わないでください。終わります。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 法案の具体的な問題等については、また同僚議員から改めて細かい問題は聞かしていただきますが、私は基本的な問題と今まで議論されておりました問題のポイントだけを、きょうは時間も三十分でございますので、質問をしたいと思います。ひとつ簡単明瞭にお答え願いたいと思います。  最初に、原子力発電の将来展望でございますが、現在、原発の設備は全発電源の中で一四%も占めてきております。さらに、発電電力量においては火力を抜いて第一位になってきております。しかも、七十年度には発電設備が二三%になると言われております。原発をこれからどう考えていかれるのかといいますのは、原発に対してはかなり反対も強うございますし、もう一つの問題といたしましては、現在の軽水炉発電というのは、安全性、経済性の問題はさておきましても、出力の調整が難しい。要するに小回りがきかない。しかも、放射性廃棄物を生み出す問題、特に故障の際には百万キロワットのオーダーで発電がストップする、こういうことがあるわけでして、余り原子力発電にウエートを置き過ぎた場合はいろいろな問題が出てくると思います。  そこで、政府はこの原子力発電のピークというものはどこまでを考えておられるのか、お示しください。     〔委員長退席、塚原委員長代理着席〕

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 先生の御質問は、電力系統の構成の中で原子力発電は一体どのくらいまでの割合を占めるようになるのであろうか、こういう御質問であろうかと思います。  まず現状におきましては、我が国の電源構成から申しますと、発電設備で一六%程度でございまして、七十年度におきまして四千八百万キロワットの原子力発電所を運転開始させようということで今鋭意努力しておりますが、その時点においても二三%でございます。ベースロードという意味からいいましても、四〇%とかそういったところまでも十分にいくわけでございますし、今後原子力発電の将来としましては負荷変動に対応する技術開発も当然行われるわけでございまして、今の段階で原子力発電はどこが限界である、そういうところまで政府としていっておりません。今一六%という段階で、七十年度にも二三%でございますので、まだ原子力発電をもっともっと伸ばしていかなければいけないという時期にあるわけでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 私としては、原子力発電に反対の立場ではございません。基本的には賛成でございますが、仰せまだまだ国民の理解も完全に得られていない状況ですし、さらにこれから二十一世紀を展望した場合は、新しいいわゆるクリーンエネルギーというものの開発もかなり急ピッチで進んでおりますし、また進めていかなければならぬわけでして、何でもかでも原子力にまだ頼っていくという姿勢は果たしていかがなものなのか、これは先ほど私が指摘したとおりでございますので、今後一番近い将来実用性もあり、可能性としてかなり強力な武器としては燃料電池を私は考えております。それからその次は太陽エネルギーを考えておるわけですが、その点はいかがですか。

仲井眞弘多通商産業省工業技術院総務部総括研究開発官

○仲井眞説明員 お答えいたします。  通産省といたしましては、原子力以外の石油代替エネルギーとして新エネルギーの技術開発を推進するために、昭和四十九年にサンシャイン計画というのをスタートさせております。太陽エネルギー、地熱エネルギー、石炭エネルギー等々の分野を研究開発しているところでございます。また一方で省エネルギー技術開発の推進につきましても、昭和五十二年にムーンライト計画という名前でスタートをいたしまして、先生おっしゃいました燃料電池の発電技術を中心といたしましてガスタービン、電力貯蔵システム等々の研究開発を進めているところでございます。  昭和六十一年度の予算が両方合わせまして約五百五十三億円、昨年度よりわずかでございますが、一%くらい増加させて研究に取り組んでいるところでございます。  以上でございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 私が聞いているのは、これからどういうふうに変わっていくか。まず、火力発電も公害等考えますとこれ以上の建設もなかなか難しい。といって石炭も、先ほどもちょっと議論が出ておりましたが、これも余りエースになりにくいのじゃないか。そうなりますと、今言った燃料電池とか太陽エネルギーということになってくるわけですが、それが今後経済成長率、それからさらに省エネルギーといいますか、例えばバイオの研究等が進んでまいりますと、そう電力を使わなくてもいろいろな農業というものができるような時代も来るわけです。  そういうことを考えまして、ただ一つずつのエネルギーがこれだけ要るから原子力がどうのこうの、こういうのじゃなくて、そういう総合的なエネルギーの需給バランスというのをどう考えていくか、もうぼつぼつそういった指針というものはある程度出せてもいいんじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。

関野弘幹資源エネルギー庁公益事業部開発課長

○関野説明員 今後の電気の供給につきましては、先ほどお話が出ております原子力発電というのがやはり供給の安定性あるいは経済性、大量供給性にすぐれた電源であるというふうに考えておりまして、今後ともベース供給力の中核としては原子力がその中核になるというふうに考えております。  先生御指摘の燃料電池あるいは風力、太陽光発電等の新発電技術につきましては、現在技術開発段階にございますので、当面は供給力として大きな量としての期待はできないというふうに私ども考えておりますが、将来、技術的にもあるいはまた経済的にも在来型の発電技術と競争し得るものといたしましては、燃料電池あるいは太陽光発電の実用化が期待されているわけでございます。こういう研究開発は、先ほど工業技術院からも答弁ありましたように、私どもは各節目ごとにその経済性見通し、供給可能量を総合的に判断して重点的、効率的に開発を進めていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。しかし、いずれにしましても電源供給の上では当面供給力としては多くは期待できないわけでございますので、燃料源の多様化あるいは供給の効率性という観点から、将来の多様化電源の一部として現在は積極的な技術開発を進めていく、そういう段階にございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 この問題、最後に長官、私は個人的な考えですけれども、原子力発電というのは中継ぎ投手と見ておるのです。やはりリリーフェースを早くつくらないといけない、こう思いますので、ここまで日本の科学技術も進んで大体の見通しはできるんじゃないかと私は思うのです。確かに研究段階であることは事実ですが、私も燃料電池をちょっと勉強しましたが、本当にもうすぐかなりできそうな感じを受けるわけですね。その点で国民に対して、原子力に理解を得る意味においてもそういった次の二十一世紀へ向けてのプランといいますか、それはやはりきちんと示す必要があると思うのですが、その点いかがですか。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 先生御指摘のとおり、現在原油が非常に安くなったという状況下で、こんなに原油が安いならもう余りほかのことを考えぬでも石油でいいじゃないかという議論がややもすれば出がちでございますけれども、むしろこういう時期にこそ次の場面、その次の場面というものをしっかり見据えていく姿勢というものは大事なんだろうというふうに思っておるわけでございます。  今先生おっしゃいましたように、私も、原子力というものは今少なくとも非常に重要なもので国民生活に不可欠な存在になっておりますけれども、次の場面、その次の場面というものをそれぞれ考えていって、それぞれに向いたエネルギーの使い方というものが考えられる時代が来るのだろうと思っております。まず現状では原子力に対します理解を深めていくということが必要でございますし、それと同時に、原子力の開発利用についてはさらに技術的にも高いレベルの研究開発をやっていかなければいけない。それは廃棄物についてもそうでございますし、その他の問題についてもそうだろうと思います。  しかし、それはそれといたしまして、今先生がおっしゃいましたように、原子力分野でないエネルギーの研究開発ということも十分考えていかなければならないわけでございまして、エネルギー研究開発基本計画というものが科学技術会議の答申に基づいてございまして、この計画によりますと、非原子力分野のエネルギーの研究開発につきましては、一つは、世界的に見て非常に埋蔵量等の多い石炭の利用を拡大するために石炭の液化、ガス化技術を進める、こういうことも書かれておりますが、と同時に、エネルギー密度が低く、現時点では地域的な利用に限定されるけれども、再生可能な自然エネルギーである太陽エネルギーでございますとか地熱エネルギーなどの研究開発を総合的に推進する必要がある、さらに、省エネルギーなどエネルギー有効利用技術についても研究をしていくべきだ、こういうふうに書かれているわけでございまして、こういった点に我々は大いに着目をしていく必要がある、こう考えておる次第でございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 それでは法案の問題に入りますが、私は小澤先生ほど法律の専門家ではございませんので、法律の詳しい内容等は先生ほどの議論はできないと思いますが、素朴な質問をしていきますので、的確に答えていただきたいのです。  まず、先ほど来ずっと議論されてきております発生者責任ですね。これは昭和六十一年三月四日の原子力委員会の決定の中に「原則的には、放射性廃棄物の発生者の責任であると考える。」とはっきり書いてあるわけですね。これを先ほど来の議論のように、法律の中ではうたっていない、あるいは発生者の責任がない、要するに業者の方の責任にしてしまう。この辺の原子力委員会の決定を無視されてきたのではないか、私はこう思うのですが、政府はこの言葉をどう受けとめているのですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 この法案の作成過程につきましては、先般来るる御説明申し上げておりますように、原子力委員会が昨年の十月に放射性廃棄物対策に関しての基本的な方針についての報告を出していただきまして、その結論に沿った法律改正をいたしたわけでございます。     〔塚原委員長代理退席、委員長着席〕 そうして、この国会に提案いたします前に原子力委員会にも政府原案を御説明申し上げまして委員会決定をいただいた。その委員会決定において先ほど先生御説明の委員会決定が付されたわけでございまして、原子力委員会決定というのはこの法律を踏まえた上でのプラスアルファの決定であるというふうにお考えいただきたいと思います。この法案は、原子力委員会の御了解をいただいた上での提案の法案でございます。  そこで、先ほど御指摘の産業廃棄物について発生者責任が明文で規定されている、それに対してこの法律には規定していない理由は何かという点でございますが、この点については、やはり廃棄物問題についての一般産業の状況と原子力の状況とで大きな違いがあるということが基本になっているわけでございます。原子炉等規制法に実体的な発生者責任の規定を置きますことについては、放射性廃棄物の処理処分に関する原子炉等規制法上の安全確保責任は、先ほど御指摘の昨年十月の原子力委員会、原子力安全委員会両委員会の提言を踏まえまして廃棄事業者に一元的に負わせる、これによりまして万全の安全確保を図るということとしておりまして、廃棄事業者へ廃棄物を引き渡しました後まで発生者に原子炉等規制法上の責任を残すことは、安全確保責任をあいまいにすることにつながるおそれもあり、適当でないというふうに考えて規定していないわけでございます。  また、発生者責任の原則につきましては、大気汚染の防止、水質汚濁の防止、廃棄物の処理処分等の環境保全対策全般に認められるものでありまして、この精神は環境保全の基本法である公害対策基本法第三条に規定されているところでありまして、この公害対策基本法第三条は放射性廃棄物の処理処分にも当然及ぶというものであろうというふうに考えておるわけでございます。  そこで、原子力活動に関する廃棄物問題の特性についてちょっと御説明申し上げたいと思いますが、原子炉等規制法は原子力活動全般にわたりまして規制するものでございまして、放射性廃棄物に関して申しますれば、その発生前から発生後の処理処分まで一貫して把握し規制をするものでございまして、実態的に諸般の許認可あるいは検査の行為によっていろいろなことをやってきているわけでございまして、この一環の中におきまして放射性廃棄物の性状、量等については明確に把握できる。その処理処分が困難となるような廃棄物の発生自体も抑制することができる。また、原子炉等規制法では核燃料物質等をできるだけ封じ込めることによりまして放射線による障害を防止することとしている。このことからもむやみに放射性廃棄物が発生することはそもそもないわけでございまして、したがって、このような具体的な実態的な規制が必ずしも行われておりません一般の産業廃棄物とでは発生状況そのものが異なっているということから、これらを同列に論じることは適当ではないのではないかという考えで、この発生者責任の規定を特段法定はしなかったわけでございます。  しかしながら、先般の原子力委員会決定によりまする発生者責任を原子力政策の基本として位置づけまして、今後諸般の法律の運用あるいは行政指導に生かしていきたいというふうに考えておるわけでございます。また、この原子力委員会決定を受けまして、電気事業連合会の会長も責任を持ってこの廃棄事業者への支援を行うということを明言しているわけでございまして、こういう面から今後とも発生者責任の原則が貫かれるような方向で諸般の指導を行ってまいりたい、かように考えているわけでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 これからもうちょっと簡単に答えてくださいね、長々と言われましたけれども。  先ほど原子力委員会の御了解を得てと言われましたけれども、これはもう明らかにクレームがついたのでしょう。違うのですか。前の報告に基づいて法律ができた、それの了解に行ったところが、やはり発生者責任というのは原則的にはあるんだ、それでクレームがつけられたのですから、それにこたえなければいけないのと違いますか。だから、先ほど電事連の方がちゃんとやりますとかいろいろくどくど言われましたけれども、やはり法律の中できちんとしていかないとこれはぐあいが悪いんじゃないですか。先ほど来ずっと社会党の先生方みんな聞いておられるのはもうその一点だと思いますが、いかがですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 御指摘の原子力委員会決定は、三月四日の原子力委員会決定でございまして、この委員会におきまして、私ども今日のこの法案の原案を御説明申し上げまして了承をいただいたわけでございまして、この委員会決定におきましても、この一部改正を行うことは適当であると考えるというふうな結論になっておりまして、この法案そのものについては原子力委員会の了承をいただいているわけでございます。  なお、この委員会決定のパラ二におきまして発生者責任の問題を原子力委員会は触れておりまして、「放射性廃棄物の処理処分が適切かつ確実に行われることに関しては、原則的には、放射性廃棄物の発生者の責任であると考える。」ということでございまして、これによりまして今後原子力政策の基本的な方針ということで位置づけるという考え方でございまして、決してこの法案について注文をつけたという筋合いのものではないわけでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 注文をつけた筋合いでないとおっしゃいますけれども、もちろんそれは、この法案を了承されたことは私も百も承知なんです。しかし、ここではっきりこういうことを言っていることは――先ほど一般ゴミとは違うということを、それは違うのは違いますし、これは法律で決まって違っているのですから。公害の基本法にもありますし、ほかの法律でも言われているわけです。しかし、ここでこういうことをきちんと言っているからには、ただ先ほどのような答弁ではこれにこたえてないと思うのですよ。長官、いかがですか。これに対してどうこたえるか。仮に法律で修正事項を加えるか、これは一番いいと思いますけれども、それが仮にできないとしたら政府としてはどういう施策でこれに対してぴしっとこたえていくか、これをお願いします。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 今局長から御答弁申し上げましたように、この法律案をつくりますために、原子力委員会の方針を踏まえ法律案を作成をいたしまして、原子力委員会の御了承もいただいたわけでございます。  そこで、先生御指摘のようにこの法律は極めて明確に廃棄の事業者というものを規定をして、その廃棄の事業者に責任を負わせる、これは明確にそこに責任を負わせるということをはっきり書いた法律でございます。そこで、原子力委員会ははっきり責任をそこに負わせると書いたけれども、しかし発生者責任というものもきちっとあることも忘れてはいかぬぞという指摘を原子力委員会はされたわけでございまして、私どもまたその指摘にこたえなければいかぬと思います。したがいまして、私自身科学技術庁の長官といたしまして電事連の責任者と会いまして、原子力委員会の指摘している発生者の責任というものもきちっと貫いてくださいよということを申しまして、それに対して電事連の会長から責任ある回答として、自分たちは発生者の責任というものをないがしろに、あいまいにするつもりはありません、これから先も廃棄の業を行う者に渡すに当たっても自分たちは責任をきちっと全ういたしますという電事連の会長としての決意の表明を私は受けております。  またさらに科学技術庁といたしましても、これから先もそうしたことを踏まえた指導をしていかなければならぬ。それはどういうことかというと、発生者から、例えば資金であるとかあるいは技術であるとか人であるとか、そういうものを、きちっと提供すべきものについては提供させて、確実かつ適切に廃棄の事業が行われるということのための行為をしていくということを指導していかなければならぬと心得ております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 ただ電事連の会長がその決意を言ったというだけでは、やはり国民は、ほかの問題ならいざ知らず、この原子力については非常に国民の皆さんは関心が高いですし、また批判も強いわけですから、何らかの手だてをもう少し具体的にお願いしたいと思います。これは、また今後の質疑の中でも出てくると思いますし、きょうは要望だけにとどめておきます。  次に、もう時間が余りないので、この埋設という言葉が出てきたのはいつからですか。今までの原子力委員会あるいは原子力安全委員会では、埋設という言葉が出てこないように思うのです。ただ、この三月四日の時点では埋設という言葉が報告の中に出てくるわけですが、いかがですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 原子力委員会は、廃棄物処理処分の方策といたしまして海洋投棄及び陸地処分を並行に進めるということを言っていたわけでございまして、この陸地処分の方法の一つとして埋設という言葉を出してきたわけでございます。この埋設の用語は、今度の法案を作成するに際して初めて案出したものでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 だから、それまでは、例えば廃坑の中などに入れたら適当ではないかとか、既にあるところへ、埋めるとは書いてない、そういうところで処分してはどうかということだった。この法律でこの埋設という言葉が出てきたわけでして、そういう点で、この問題ももうちょっと合意といいますか、納得をした――というのはなぜかといいますと、結局六ケ所村だと思うのですね。六ケ所村というのは穴を掘らなければだめなんですから。今まではそういうところまで余り考えていなかった、ところが六ケ所村が先に走り出してしまった、そういうことでまた後からこの埋設というようなことが出てきたのじゃないか、こう思うのですが、その点はいかがですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  埋設という概念は、従来から原子力委員会でも廃棄物の処分の問題として海洋投棄と陸地処分、こういうものを二つの柱にして低レベル廃棄物については処分を行うということでやってきまして、そのうちの陸地処分、これにつきましてはどういう形態を考えるかということは、過去におきましてもいろいろな研究でいわゆる地中処分というものを考えておったわけでございまして、そういう意味で従来から概念としてあるわけでございます。ただ、埋設という言葉を使ったのは今回の法律の改正に当たってそういう用語を使わしていただいたということで、土の中に埋めて処分するという概念は前々からあったわけでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 だけれども、前の報告では「蓋をして盛り土を行う方法が代表的である。また、同様のバリア機能を確保できる場合には、廃坑等の地下空洞を利用することも有効と考えられる。」わざわざ穴を掘ってそこへ埋めるとは一つも言っていないわけでして、そういった点で、恐らく今までは大体敷地内でおさまるという考え方が強かったのじゃないですか。これはもう非常に大変になってくる、多くなってくるからどこかへ処理しなければいかね、なかなかいいところがない、たまたま六ケ所村が出てきた、そういうことでまた後からつけた理屈じゃないか、こう思うのです。これはもうこれ以上聞きませんけれども、またこの問題はひとつ追ってやっていきたいと思います。  その次に、アメリカでは、この低レベル、高レベルの廃棄は法律でどうなっておりますか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 米国では、州が独自に州または州間協定により、その領域内で発生しました低レベル放射性廃棄物の処分場を確保する責任を有するということになりまして、州がその責任を有するという形になっております。そうして、州は立地の段階から運営まですべて民間企業にその業務を委託できるというやり方でございまして、どの範囲まで委託するかは、州によって事情が異なるという状況であると理解しております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 アメリカでは、今言われたように、低レベル放射性廃棄物政策法というのと、それから高レベルについてはまだ核廃棄物政策法というのに分けてやっているのですね。だから、さっきも議論が出ておりました低レベル、高レベル一緒くただとか、こっちは埋設をやる、こっちはまだしないのだとか、そういうことも、この法律はアメリカの場合の方がすっきり分かれておりまして、はらきりしているわけですね。日本の場合、これも要するにわからない、こういうことになりますので、むしろアメリカの州の方がきちんとして進んでいるのじゃないか、私はこう思うのですが、質問時間が余りありませんので、この問題は長官にお伺いして、きょうはこの程度で終わりたいと思います。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 アメリカで高レベルについての法規制がありますが、これは本格処分といいますか、それをねらいとしておる法律でございます。私ども、現在の段階では、高レベルの本格処分、最終処分と申しますか、これについては、まだ当分の間認めないという方針でございまして、高レベルについては管理施設に管理をするという方法でとどめているわけでございまして、この点に関連しまして、これらの安全規制を原子炉等規制法でやっていこうということでございます。将来本格処分の問題が出てきました場合、これは現在、原子力委員会で今後その実施体制について検討するということになっておりますので、その結果を踏まえまして、必要であればまたその関係の所要の法令の改正ということも必要になろうかと考えております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 それなら、そういうことがちゃんとしてからやったらどうですか。それでは間に合わぬのですか。まだ今のところでも、敷地内で何とかやっていけるわけでしょう、もう十年ぐらいは。だから早くその結論を出して、それこそアメリカのようにぴしっと分ける、あるいは本格処分はこういう法でやりますと、国民の合意も得てからやってもいいのじゃないですか。それをとにかく早くやらなければいかぬというので、既成事実だけどんどんつくって、会社も先にこしらえて、六ケ所村から幌延からやっていくから、反対をする人は疑いを持つし、納得しない人たちが出てくるのは当然だと思うのです。処分をして悪いとかいいとかいう議論は別にして、そういう手続、やり方、これが非常に言葉は悪いのですけれども、下手といいますか、もうちょっと国民の納得と合意を得るような手づるでやるべきだと私は思うのですね。そういう意味で、そんなに時間のかかる問題じゃないでしょう、高レベルの本格処分は。そんなに難しいですか。科学技術はこれだけ進んでいるのですよ。時間ですから、長官にお答え願って終わります。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 今先生御指摘の高レベル廃棄物につきましては、実は再処理した後、ガラス固化をしまして、三十年ないし五十年地上で熱が下がるのを待つということで、いわゆる管理状態が続くわけでございます。その後で地中に処分するわけでございます。最終的に地中に処分する技術につきましては、これは今、国際的にもいろいろ実験したり研究したりしておりまして、最終処分、具体的に今すぐ高レベルを処分できるかというと、そういう状況にはないわけでございまして、三十年ないし五十年は管理をしておく、こういう状態であるわけでございます。  アメリカで高レベル廃棄物政策法ということで、非常に最終処分地を急いで決めてやらなければならないということのもう一つ別な理由がございまして、これはアメリカの場合は、発電所から出てくる使用済み燃料をそのまま処分してしまおうという考え方があるわけで、日本の場合と違うわけでございます。発電所から出てくる使用済み燃料が、早く処分しないと発電所のプールからあふれてしまうという事情があるわけでございまして、そういったことからもアメリカの裁判所等の方から、そういう処分地等を早くきちっと決めてしなさいというようなこともあったりしまして、アメリカとしては急いでそういう政策をつくってやっておるわけです。  我が国では、処分につきましてはまだかなり先でございます。これはじっくりやはりいろいろ、それこそ周辺の皆さん方に千年、二千年先御迷惑をかけてはいけない話でございますから、きちっと研究して方策を詰めていくということで、処分地探しにつきましても、今後十年ぐらいをかけてまずどこか候補地を探し、その後でその候補地が適地であるかどうかも十分に吟味をして処分地を決めていこう、こういう段取りを考えておるわけでございます。そういう処分地を決めるというようなことにつきましては、アメリカの政策法というようなものも日本でも今後考えていかなければならないかという面はございますけれども、当面する問題は、低レベルの廃棄物の処分、それから高レベルに関しましては地上における貯蔵、保管、こういうことでございますので、現在のような法律を出させていただいておるわけでございます。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 今局長が御答弁申し上げましたが、先生御指摘の点も私どもはよく理解ができるところでございます。できるだけ早く明確な仕分けをつくって、国民だれしもが納得できるような状況をつくっていくということが重要かと存じますが、少なくとも現時点におきまして、私どもが考えているこのやり方をまずやらせていただきたい、こう考えておるわけでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追委員 終わります。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 小渕正義君。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 現在原子力発電が三十二基稼働して、大体二千四百五十万キロワットのエネルギーをつくり出しているわけでありますが、これらの廃棄物処理をめぐって今議論がいろいろされておるわけでありますが、問題は、やはり原子力というものの平和利用、そういうものを我々の生活の中で必要なものだとして受けとめて問題をいろいろ考えていくか、いやそれは絶対ため、そういうことは考えるべきじゃないという角度から問題をとらえていくかによって、根本的に違うわけでございます。そういう点でいろいろと、特にこれは物理的、化学的な問題が非常に専門的にあるわけでありますが、まず私は率直にお聞きしたいと思います。  低レベル廃棄物と言われているのは、専門的、数量的に表示がありますが、我々の人体に関係する部分として医学的にいろいろこういうものを使われているわけでありますが、そういうものとの比較の中で、大体低レベルと言われているものは一体具体的にどういうものなのか。例えば、原子力船「むつ」が当初試運転した途端に放射線がわずかに漏れた。ところが、当時は放射線が漏れたということで盛んにマスコミに騒がれた。しかも、そのとき放射線が漏れたその数量からいくならば、我々が医学的にレントゲン、エックス線を撮るときに使われる放射線の何分の一だった、こういうことがはっきり明らかになっておるわけでありますが、当時はそういうものが明らかにされないままに、何か大変だ、大変だということで、ああいうふうな形で原子力行政が一部かなり混乱してしまった、私はそういうふうに見るわけですね。そういう意味で、低レベル、低レベルと言われているのは、実際に今の私たちの社会生活の中で、人間的に、人体との関係では大体どの程度までのものを普通低レベルとしてここで言われているのか、その辺を少し具体的なものとしてひとつお示しいただきたいと思います。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 低レベル廃棄物と申しますと、原子力研究所等の構内から出てまいります洗浄廃液等の濃縮廃液であるとか、作業員等の衣類を焼却した灰であるとか、こういったものでありまして、放射能濃度が極めて低いものでございまして、さらにそれをドラム缶の中にセメントとまぜて固化をするという形のものでございます。物にもよりまして、どのくらいの放射能の量が入っているかということは一概に言えませんけれども、大部分のものは表面線量率が約数十ミリレム・パー・アワーという程度の数量でございます。放射線のレントゲン写真を一回撮れば百ミリレムということでございますから、ドラム缶の表面線量の二時間分が胸のレントゲン写真の大体一回に相当するという程度の線量のオーダーであるというふうに申し上げてよろしいかと思います。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 最後のところははっきりしなかったのですが、要するにドラム缶に収納されている放射能の二時間分が、私たちがエックス線をもし受けた場合のそれと匹敵するということですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 ドラム缶の表面に抱きつきまして二時間おる、そのときに受ける線量が胸のレントゲン写真を一回撮ったときと同じ程度の線量、その程度の強さの表面線量率を持っている固化体が多いということでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 要するに、ドラム缶に抱きついて二時間したときに受ける放射能の量が一回分のエックス線照射くらいのものだ、こういうことですね。低レベル、低レベルと言われているけれども、具体的に大体どういうものなのか、これは数量的な表示だけされておって、なかなかつかみにくい、理解しにくい面がありますので、そういう意味でお尋ねしたわけであります。  それで、この資料によりますと、低レベル廃棄物の処理について、イギリスとかフランス、西ドイツ、アメリカ、それぞれ出ていましたが、こういう低レベル廃棄物をサイト内にそれぞれ貯蔵している方式と、集中方式で貯蔵するやり方とが出ておるようであります。今申し上げた西ドイツ、アメリカ、イギリス、フランス等については、これで見るとそこらあたりがはっきりしませんが、サイト内でずっと貯蔵してやっているところと、できれば集中方式でやろうとしているところとは、各国大体どういう状態なのか。  それとあわせて、たしかこれはフランスではなかったかと思いますが、地下に埋没といいますか、苦いろいろ石炭その他を掘った古い休止した鉱山、そういう地下の中に埋没させて処理しているところもあるやに聞いておるのですが、その辺の実情について御説明いただきたいと思います。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 米国、フランス、西ドイツ、英国等の状況を御説明いたしますが、発電所のサイト内に廃棄物を一時的には保管しておりますが、最終処分もそこでやってしまうというようなところはございませんで、大体が発電所のサイトの外に持ち出しまして集中的な処分をしているというのが現状でございます。  アメリカにおきましても、商業用処分場として、現在ワシントン州、サウスカロライナ州、ネバダ州等にございます三カ所が運転中でございます。そのほか、DOE、エネルギー省が直接経営しているものもございます。  それからフランスにおきましては、ラマンシュというところに現在再処理工場がございますが、それと近く隣接したところに貯蔵センターをつくっておりまして、そこに地中埋設処分をいたしております。近く第二サイトを開設すべく現在準備中というぐあいに聞いております。  それから西ドイツにつきましては、アッセⅡというところの岩塩を取り出した跡の中に低レベルの廃棄物を処分する、そういうことでございます。ただ、これは一九七八年以降ライセンスが切れまして現在は停止中でございまして、新たに新処分場をコンラッドというところの鉄の廃坑、こういったところとか、ゴアレーベンというところの地下岩塩坑、こういったところに開設するということで準備を進めております。  それから英国におきましては、ドリッグ処分場というのを持っておりまして、そのほか、現在新たな埋設処分場を建設するという計画で用地を選定中であるというぐあいに聞いております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 この法案に関連する附属資料として出されたところによりますと、現在原子力発電設備は五十九年度で二千五十六万キロワット、昭和七十五年度、二〇〇〇年になると六千二百万キロワット、発電量に占める原子力発電の割合が二八%から三九%、約四〇%近くになろうとしている。そういう想定の中で低レベル廃棄物が大体どの程度になるのかということで、推定として百五十五万本、高レベルの分については現在二百本ぐらいのものが数千本から一万本というような資料が出ているわけでございます。これは、通産省が出しているエネルギー長期暫定需給見通しの中における原子力発電の割合の数値からいくと、ちょっと多いのではないかなという感じもするのですが、その点は間違いないかどうか。  それからあと一つ、最近エネルギー事情、石油事情が非常に変動していますが、将来的に見るならば、石油ショック以後のような状態にはもう戻らぬのじゃないかということで、改めてまた石油火力というものが見直されてくるような状況に来つつあると思うのです。そういうこととの兼ね合い等考えると、これはちょっと数字的にどうかなという感じもするのですが、その点について何か見解がございましたらお示しいただきたいと思います。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 先生御指摘の原子力発電所の計画でございますが、通産省の電気事業審議会の需給部会中間報告、昭和五十八年十一月でございますが、そこで取りまとめた計画の数字が七十年度四千八百万キロワットということでございまして、そのときの電力量にいたしますと二千八百五十億キロワットアワーで、全体の三五%という比率でございます。  なお、その際のデータといたしまして、参考的に七十五年度すなわち西暦二〇〇〇年の数字が参考として出されておりまして、これが六千二百万キロワットという先生御指摘の数字でございます。この数字に基づきまして、原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会で五十九年八月に出しました報告書を出すに当たりまして、いろいろこういった廃棄物の量を推定したわけでございまして、そういったところで推定した数字として、七十五年時点、西暦二〇〇〇年時点で約百五十五万本、こういう見込みを、数字を出したわけでございます。  原子力発電の開発計画につきましては、この七十年度四千八百万キロワットという目標に向かって今鋭意努力しておるわけでございまして、まだこの数字がどうのこうのという、見直しをしなければいけないとか、そういうような状況にはないというぐあいに承知しております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 先ほどからいろいろお聞きしておりましたこの低レベル廃棄物の処理について、今申し上げたような一つの推定として、現在エネルギーの関係の中で一応これくらいと見込まれているのですが、これからのこれらの処理技術の開発等考えた場合に、どうなんですか、こういうものがこれだけの量的なものにならないで、だんだん減量化してもう少し少なくなっていくという可能性については、現在の技術開発の水準から見て大体どのように考えられているのか。やはりまだまだ当分はちょっと難しいという状況なのか、こういった低レベル放射性物質の処理方法については、今の技術開発水準からいけば十年近くなるとかなり変わってくるように考えられるのかどうか、その辺についてはいかがですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  廃棄物につきましては、できるだけ発生量を少なくするにこしたことはないわけでございまして、そういう意味で、出る量を減らす、それから、出た廃棄物も容積的に減らしていくという努力が必要でございます。  そういうことで、可燃性のものについては、いわゆる焼却処分ということで灰にいたしまして、星ももとよりも百分の一とかといったオーダーに少なくしてしまうという努力。あるいは、液体の中に入っている放射性廃棄物等につきましては、できるだけその液体の量を減らすということで蒸発をさせてしまう。蒸発濃縮して乾燥させて量的にぐっと少なくする。あるいは、固形分の少ないようなものでございますと、イオン交換とか化学沈殿といったようなことで、極力出てくる保管しなければならない廃棄物の量の縮小を図ってきておるわけでございまして、これまでも相当な努力をしてきまして、原子力発電所の十年前から比べると、もう大幅に減ってきておるわけでございますが、さらにこれを減らそうということで、いろいろな努力もいたしております。  現在私どもも、補助金等交付する等で、こういう民間での知恵をいろいろ出して新しい技術を開発してもらうということでやっておりまして、例えば、有機性の難燃性のものにつきましては化学的に酸化分解する方法で量を少なくするとか、あるいは不燃性の固体廃棄物は、もう直接加熱溶融しまして石の塊みたいな形にしてしまうというような減容化の方法とか、こういったような技術の開発を積極的に進めておりまして、今後とも引き続き努力してまいる所存でございます。  そういうことで、先ほど申し上げました数字は、今後における械容化による廃棄物の量というものを一応織り込んだ形の数字でございます。ですから、それを織り込まない形でございますと、例えば、現在ドラム缶の数にして年間約六万本くらい出てくるものが、二〇〇〇年の時点になりますと、今のままで行きますと発電量も二倍半くらいにふえてまいりますから、そういった関係で二倍半くらいになる。そういったものが、今後の減容化技術の開発やら、開発された減容化技術の実用化ということでどんどん努力していくことを考えますと、二〇〇〇年時点でも現状とほぼ横ばいでいけるのじゃないか、そういう予測のもとに先ほどの数字を試算したような状況にございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 結局これは、そういういろいろな技術開発の状況の中で大体現状の横ばい状態でいけるという中で出た数字というわけですね。わかりました。  それで、これは「原子力委員会及び原子力安全委員会専門部会の報告の抜粋」の中で、「放射性廃棄物処理処分方策について(中間報告)」として、五十九年八月に「第一部 低レベル放射性廃棄物及び極低レベル放射性廃棄物の陸地処分方策について」ということで専門部会の一つのレポートが出ておるわけであります。この中で、お配りになった国会資料の中では三十七ページ、「放射能レベルによる区分」ということでここにいろいろ言われておりますが、要するに、「現在のところ法令上放射性廃棄物の放射能レベルについての区分がないため、極めて放射能レベルが低いものまで、全て、放射性廃棄物として扱われている。」こういうことがいろいろ書かれまして、そういうことから、「低レベル放射性廃棄物と極低レベル放射性廃棄物とを区分する「特別区分値」の概念、及び放射性廃棄物と放射性廃棄物として扱う必要のないものを区分する「一般区分値」の概念を設ける必要がある。」こういうことがいろいろ出ておりますが、このような概念というか、こういう区分がきちっと出てくるのは、現状の段階では見通しとしてはどういうふうになりますか。まだまだこれはこれからの問題で難しい問題なのかどうなのか、まだ数年先の話なのか、近いうちには大体そういうものが出される状況に来ているのか、その辺はいかがでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 言葉は少し変わりますが、同じ概念が原子力安全委員会で検討されておりまして、放射性廃棄物として扱う必要のないものを区分する値といたしまして、原子力安全委員会は無拘束限界値という言葉を使っております。すなわち、そのレベルより低くなればもはや放射性物質として特別扱いをする必要はないというレベルでございます。この数値につきましては現在原子力安全委員会で検討が進められておりまして、ことしの夏ごろまでには一応の線が出るというふうに作業が進められております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 そうしますと、そういうものが概念がきちっと出されてくれば、今処理されている低レベル放射性廃棄物としての中でもまた区分して、分類して、ドラム缶詰めしなければならぬようなものとそうでないものがおのずから区分されてくるということになろうかと思います。そうなった場合、どうなんですか、今までの状況の中で。数量的にはどの程度までそういうふうなことが可能なのかということについて、そこらあたりはまたどうなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 この無拘束限界値を決めたことで具体的に非常に大きな量として出てくるのは、やはり原子炉の廃炉のときの問題であろうかと思います。現在の段階においても先生おっしゃるような区分で無拘束限界値以下のものも出てはまいりますが、量全体としてはそれほど大きいものではないというふうに考えております。  この無拘束限界値を定めることが重要なのは、先ほどから言っております低レベル廃棄物の埋設処分をやります場合、二百年、三百年とたちますと低レベル廃棄物も非常に放射能レベルが低くなり、やがては無拘束限界値になる。その結果、埋立処分という概念が成立するものでございますので、そういう観点からも重要な数値でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 それで、話はちょっと戻りますけれども、先ほどから再々の議論の中で、言葉が不適切とかどうだとかいろいろやりとりがありましたが、要するに現行サイト内でそれぞれやっていいんじゃないかという議論があるわけですね。それに対して、なぜわざわざ一カ所に集中するのかということ、今回の場合はすべて一カ所に集中して管理し、後で処理していこうという考え方ですから、そういう意味でそういう一カ所集中方式がなぜいいのか、しなくてはいかぬのかというものが明快に出されていない感じがするのですね、先ほどからやりとりをしておって。  そういう意味で、確かに量的に収容能力があるかないか議論はありましょうけれども、今のままでもいいじゃないかという議論と、地下に入れること自身でかえって危険度というか、そういうものが加算されるんじゃないか、いろいろそういう見方が出ますから、一番いいのは今のままそこへ置いておいたらいいのじゃないかという議論も出てくるわけでありまして、そういう点からいきまして、なぜこのように一カ所集中方式をあえて採用しようとされているのか、一番大事なところについてもう少しはっきり皆さんにわかるようにひとつ御説明いただきたいと思います。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 この低レベル廃棄物の処理処分問題は、原子力発電に着手したとき以来の問題点でございます。現在は御指摘のように原子力発電所に低レベル廃棄物として廃棄物管理棟に保管されておるわけでございますが、これをやっている限りは廃棄物処理処分政策というものが成り立たない。いずれこの廃棄物処理棟は満杯になるわけでございますから、これの廃棄物をどこに持っていって処理するかということが多年の懸案になっていたわけでございます。しかもこの間におきまして、低レベル廃棄物の安全処分につきましては非常に長い間の研究が進められてきておるわけでございまして、そういった研究の成果の結果、十分に安全に埋立処分ができるという見通しが出てきたものでございますのでこういったプロジェクトが生まれてきた、かように理解しておるわけでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 次に移ります。  この資料の中に、高レベル廃液処理は現在これが一番好ましいということで、ガラス固化体方式が採用されているわけですね。しかし、この方式の中でも、何か専門的な用語で出ていますが、LFCM法が西ドイツとアメリカ、BNFL法はイギリス、AVM法はフランス、イギリス、こういうふうに、それぞれガラス固化方式の中でも物理的ないろいろやり方が違うのでしょうからこういう方式があるのでしょうが、こういう三つの方式が現在あるようでありますが、我が国はこのうちどれを採用してやろうとなさっているのか、そしてこの三つの何か大きな特徴点について、もしおわかりであれば御説明いただきたいと思います。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 先生御指摘のガラス固化体と申しますのは、これは低レベルの廃棄物とは別のものでございまして、再処理工場から出てまいります放射能のいっぱい入りました高レベルの廃液、これを現在動燃事業団等では廃液の状態で蓄えておるわけでございますが、これを千年、二千年、こういうぐあいに長期的にいずれ保管していかなければならないわけでございますので、そのためには安定した状態にしなければいけない。そういうことで、どういう方法が一番いいのかということで世界各国とも勉強いたしまして、ガラスの中に廃棄物を溶かし込んでそれで固めてしまうのが一番いいのではないか。これは、ガラスというものは非常に長期的に安定したものであるということと、それからガラスというのはいろいろな物質を非常に均一に中に閉じ込めるという性格があるわけでございますし、それからガラスの取り扱いというのは人類の歴史で非常に長い経験もございます。こういったことからガラスの固化体というものが使われておるわけでございます。  今先生御指摘の方式の違いというのは、これはガラスを溶かす――ガラスを溶かすといいますか、廃棄物とガラスの成分とを一緒にしてガラス状に溶かしてそれを固めるという手法であるわけでございますので、そのガラスを溶かすようなそういう状況にするための熱の加え方がいろいろあるわけでございます。それは、それぞれの国の技術開発での歴史的な経緯がありましてやっておるわけでございまして、日本では直接電熱式、ガラスの材料と廃液をまぜたものの中を、一種の電気を通すことができるものですから、そこに直接電気を通して、いわゆる電熱ヒーター、自分自身が電熱器になって温度が上がっていって溶けるということで、溶かしたものを連続的にキャニスターの中に埋め込む、こういう方式を日本としては開発いたしております。フランスの方は高周波加熱というような方法を使っておりまして、そういった熱の加え方に違いはありますけれども、使っている材料は棚珪酸ガラスという非常に化学的安定性にすぐれたガラスを各国使っておりまして、性能自体につきまして、加熱の方法によって性能が違うというような状況にはないのではないか、それほどの差があるというぐあいには私ども聞いておりません。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 こういうのが、原子力発電をやっているところでは国際的に非常に共通する問題だろうと思います。そういう意味で、こういう処理技術というものを含めて、国際協力的な関係の中でもっともっと研究開発をしていく、そういうことが現在行われておるのかどうか、その辺の状況について御説明いただきたいと思います。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 我が国のガラス固化に関する技術につきましては、アメリカ、西ドイツ等とも情報交換等の技術協力をいたしております。  それから、ガラス固化体はそういう意味ではある程度確立された技術でございますけれども、さらに、長期的にこういう高レベルの廃棄物を閉じ込めていくような技術といたしまして、実は岩のように固めてしまうという技術もあるわけでございます。これはシンロックと言っておりますけれども、そういったアイデアをオーストラリアの学者が出しておりまして、そういうことで日本の原子力研究所とオーストラリアの研究所との間で共同研究でこのシンロック法の開発などもやっております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 それでは次に移ります。  今度の原燃の新しい会社では、年間八百トンですか、こういう能力で再処理を行う計画が一応見込まれておりますが、これは将来的にはすべてここで高レベルの再処理を行うということで見込まれておるのかどうか。やはり一部まだ海外依存とかいうことであるのかどうか。我が国の国内で発生したものすべてをここで再処理できるということで見込まれた計画なのかどうか、その点はいかがですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 下北におきます再処理工場の建設につきましては、当面八百トンという処理能力でスタートするわけでございます。これは、将来の再処理需要と現在におきます再処理技術、国際的な技術水準、原燃サービスといたしましては世界で最新の技術を取り入れた形での新鋭工場を建設したいという意欲に燃えているわけでございまして、そういったことを総合的に勘案いたしましてまず八百トンという工場を建設するということでございますが、目標といたしましては、現在海外に委託しているものをなくして国内で再処理していこうというのが基本でございますので、この八百トンの後、さらにそういった使用済み燃料の再処理需要とかプルトニウムの利用状況とか、いろいろなものを勘案しながら次のステップの計画を考えていかなければならないわけでございます。基本的には国内での再処理を確立することがねらいでございますが、そういった観点に立ちながら、当面の下北での第一期の計画といたしましては八百トンという数字にしたわけでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 当面八百トン、将来的には国内で発生するものはすべて再処理できるような能力まで上げるということですが、そこらあたりについて、できれば将来的な、どういうふうになるという一つの大きな目安といいますか、そういうものも示さないと、なし崩し的に何か一回設備をするとそれが将来的にどんどん大きく膨らんでいくということでまたいろいろ議論のあれになるわけでありますが、少なくとも将来的にはこの程度だという一つのものが描かれておればそれなりに、またこれは確定じゃないでしょうけれども、一つの構想としては示すべきじゃないかと思います。その点はいかがですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 これは非常に長期的な計画でございますので、今後使用済み燃料の再処理というものにつきまして、それをどう進めていくかということも含めまして、今回原子力委員会で長期計画を見直そうという段階に来ておりまして、昨日も原子力委員会でこの専門部会の発足を決めたわけでございます。そういったところで、今後の長期的な展望のもとに、再処理工場の計画についても長期的な国全体としての展望を持ってまいりたい、さように考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 エネルギーの将来計画、その中に占める原子力をどの程度までとするか、いろいろそういうことが、まだ流動的な要素もありましょうから言えないかもしれませんが、大体少なくともこういう計画が、特にこれは初めての国内における計画ですから、できれば混乱しないためにも大方の一つの構想的なものだけは、どの程度のものだという一つの想定は大体成り立つと思いますので、いろいろな議論の混乱を避けるためにも、一つのそういうものが、もちろんこれは極めて流動的なものでございますが、いろいろな前提がありましょうからそういう前提をつけて、もしこういう条件のもとであればこれくらいのところが限度だろうというようなことでのそういうものを、ぜひひとつでき得れば示すようにしてほしいと思います。その点は、私の言っていることが無理なのかどうか、いかがですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  原子力開発は、いろいろ、需要にいたしましても長期の展望のもとにいたしませんと、にわかに泥縄で施設ができるわけでもございませんし、技術開発が完成するわけでもございません。長期的な展望のもとに進めるということでございますので、先生おっしゃいますように将来に向かっての展望というものは十分持った上で計画を進めていかなければならないと思っております。そういうことで、長期計画というものを原子力委員会としても五年ごとに見直しをしながら策定しているわけでございますので、そういった場で今後の長期展望というものはやってまいりたい。その八百トンの先はどうなのかということにつきまして、現在直ちにお答えし得る状況にないわけでございます。お許しいただきたいと思います。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 次へ移ります。高レベルの処分技術ですが、これはまだなかなか現在の段階では難しい状況だと思いますけれども、将来的にはどうなんですか。こういった高レベルを処分する技術については、やはり技術開発の中で将来的にかなり可能だというところまでいけるような状況にあるのかどうか。現在まだまだそういうものの予測すらできないという手探りの状況なのかどうか。そこら辺の状況についてひとつ御説明いただきたいと思います。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  高レベル廃棄物の処分方法につきましては、いろいろ学者の方も言われておりますけれども、例えば海洋底の下に埋めてしまうということにすれば、そのまま地球の奥底に持っていってくれるんじゃないかというようないろんなお話もございますけれども、私どもなり世界的に今実務レベルでいろいろ御検討いただいている中では、やはり陸地の安定した深地層、地表上から約数百メーターないし千メーターぐらいの地下の安定した地層の中に埋設をするということが一番現実的ではないかということで、それについてのいろいろな研究も進んでおります。  私ども日本側も参加している研究が幾つもあるわけでございますが、国際的にも研究が進んでおりますし、国内的にも原子力研究所を初めといたしましてそういった研究もいたしております。したがいまして、専門家の間では技術的には可能であるという見通しは得ておるわけでございますが、実際にどこの場所にそういう場所を選定するかとか、具体的にその放射能が再び人の世界に戻ってこないためにいろいろなバリアを人工的につけ加えてやるような必要もあるわけでございますし、そういったいろんなデータをこれから集めまして、考え方としてはわかっているわけでございますが、そういうデータを集めまして精緻な調査をした上で、しかも安全評価をした上で場所を決めていく、こういうことが必要かと思うわけでございまして、こういった事前のいろいろなデータの収集とか調査というものにまだまだちょっと時間がかかるという状況にあります。  日本の状況で申しますと、ここ十年ぐらいかけまして、今まで得られた知見で処分が可能と思われるような場所を全国的に探しまして、それらの候補地について具体的なボーリングその他の調査をしたりして処分地を決めていこうという考えを持っておるわけでございます。先ほど申しましたように高レベルガラス固化体は三十年ないし五十年、熱がまだ相当出ますので、その間は地上で保管しておくということでございますので、実際に処分をするというのは三十年ないし五十年先ということでございます。時間があると言えばあるわけでございますが、こういった安全性の確保という観点と、地球の深層に埋めて再び人間界に放射能が戻ってこないようにするということにつきましては緻密な調査研究が必要でございますので、十分時間をかけてやっていきたいと思いますので、決して三十年、五十年あるからのんびりやっているということではなくて、我々鋭意実現に向かいまして努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 それから、廃棄物の運搬の中で、容器の規制が一つきちっと出されておりますが、こういうものを運搬する場合の容器というものは大体どういうようなものが考えられるのか。かなり規制された一つの規格の中で印容器ということになりましょうが、ちょっと実感としてどういうものかわかりませんので、その辺について状況を説明いただきたいと思います。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 放射性廃棄物ももちろん放射性物質でございまして、これの運搬については諸般の規制がかかっております。基本的には、容器の構造、強度あるいは積みつけ方法その他が国際的な基準ができておりまして、IAEA、国際原子力機関がこれについての基準を定めているところでございまして、その基準に従った容器が用いられるわけでございます。  低レベル廃棄物の場合には、放射性といいましても非常に放射性が弱いわけでございまして、現在発電所でドラム缶に詰められているコンクリート固化体なりアスファルト固化体、それがそのまま輸送容器になるということでございます。  高レベル廃棄物につきましては、非常に大きな、我々キャスクと申しておりますが、巨大な茶筒に入れるわけでございまして、そのサイズ等は使用済み燃料の運搬のときの輸送用キャスクとほぼ似たような大きさのものでございます。厚い鋼板で筒をつくりまして、その中に鉛等の放射性物質を遮るライニングを入れて、その中に高レベル固化体を挿入する、こういったような容器がつくられておるわけでございまして、その容器の強度その他につきましては、先ほどの国際基準によって定められておるというものでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 その使用済み燃料の運搬のための容器、茶筒みたいなものが、かなりいろいろ材料的に規制された中ででき上がっているわけですけれども、それは国内でも大体生産可能な品物なんですか、それともこれは海外に依存しているのかどうか、その点はいかがですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 国内におきましても、二社ほどが生産をいたしております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 次に、これは検査業務の件で今回提案されておる内容についてちょっとお尋ねしますが、要するに検査業務が急増するということで、溶接検査というような定型的な業務については指定機関に任せるということでありますが、その指定機関として指定されるための条件は大体どういうものが考えられておるのか。  それから、その指定機関を今後一つとして見るのか、こういった指定機関というものは幾つかそういうものを指定してやらせるのかどうか、その点についての考え方をお尋ねいたします。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 指定機関といたしましては公益法人を考えておりまして、これにつきましては、必要な知識経験を有する検査員または確認員が一定数以上いること、その他経理的基礎、役員構成あるいは検査員の資格その他について諸般の監督規定を加えて監督をしてまいりたいと思っております。  どのくらい指定されるかということでございますが、現在のところ業務量等を勘案しまして、ほぼ一機関を指定すれば足りるというふうに考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 いや、その指定する場合、どういう要件を備えておかなければいかぬかということで、例えば溶接技術的なものについてはすべてそこの指定機関の中で業務を行わせるわけですから、そういう会社の構成とかなんとかじゃなしに、実際に指定機関の指定を受けるだけの要件として技術的その他、そういう分野の中でどういうもの等が考えられておるのか、その点についてお尋ねしておるわけです。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 いずれこれは申請が出てきた後でやることでございますけれども、現在のところ放射線安全技術センターという団体、これはRI関係のいろいろな施設につきましての安全検査の代行機関をやっているところでございますが、そういうところが現在申請をすべく準備をしているというふうに聞いておるわけでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 そうしますと、今のお話ですと、何とか安全センターですとか、そこを中心にして考えておるということですが、こういうことについてはただ理屈だけでは、理論的だけではいけないので、実務経験といいますか、やはりそういうものについて何らかの必要条件というものがなければいかぬと思う。そういう点で、これは非常に大事な仕事でございますから、もう少しそこらあたりの実務経験その他、いろいろ指定機関として指定を受けた人たちで構成する場合に、実際にそういう業務をやる人たちはどういう条件を備えた人たちにそういう業務をやらせるのか、そういうことの中身についてお尋ねしているわけでありますので、その点の状況をもう少しお聞かせいただきたいと思います。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 大事な検査を行うわけでございますから、検査員は非常に重要な資格要件となっておりまして、資格要件といたしまして大学等における機械工学あるいは原子力工学業務に関する学科を修めていること、あるいは原子力施設の工事、放射線管理等の実務または検査あるいは確認の実務に一定期間従事した経験を有するといったような基準を定めまして検査員の資格要件を決めることにしておりまして、このような基準に適合した実務能力のある検査員を選任することとし、その選任については科学技術庁長官の認可にかかわらしめるというやり方をとっていこうと考えておるわけでございます。  その他、指定機関に対しましては、先ほど申しましたが、こういった検査員を含めた技術的能力及び経理的基礎があること、そのような十分な能力を有する検査員が一定数以上あること等の基準に適合した者を指定するということにいたしますと同時に、その業務規定、検査のやり方でございますが、そういったようなものの規定についてもきちっと決めさせまして、これを国の認可にかかわらしめる、その他の監督規定をもって監督をしてまいるということを考えているわけでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 この溶接業務の検査については、民間の電力会社関係ではもう行われていることですから、そういうような目で見ればそう余り神経質にならぬでもいいかと思いますし、確かに今磁気探傷技術その他、そういった科学的な分野の中で判断ができるような技術はかなり開発されておりますが、やはり余り安易に検査員を任命されることについては問題がありますのでお尋ねしたわけでありますが、要するに最終的には科学技術庁長官がこの検査員はみんな任命するという任命制度であることには間違いがないわけですね。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 任命するのではございませんで、任命は団体の方でいたしますが、それについて国の認可を受けなければ検査員の任命をすることができない、こういう制度にいたしております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 要するに指定機関の認可をするかどうかということであって、検査員そのものにろいては認可された中でそういう業務を行うということですね。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 ただいま申し上げましたのは、個々の検査員の選任について認可にかかわらしめることにいたしております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 余りこんなことは考えたくないのですが、この指定機関の過失による事故が発生した場合、その責任としてはあり方はどのようになるのか。国としてはどの程度これらに国としての責任を負うことになるのか、その点はいかがですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 原子力施設の安全確保の責任は、施設の取り扱いに直接携わる者、すなわち原子力事業者が第一次的に負担するものでございまして、事故により原子力の損害が発生した場合には、原子力損害賠償法によりまして原子力事業者が賠償責任を負うということに相なります。指定機関は原子炉等規制法に基づきまして検査及び確認の業務を的確かつ公正に実施すべき責任を有することは当然のことでございますけれども、国も指定機関が的確かつ公正に業務を実施するように指導監督すべき責任を持っているわけでございます。指定機関の実施した検査及び確認に瑕疵があった場合には、国は指定機関に対しまして役員、検査員等に対する解任命令、必要な措置をとるべき命令等によりまして、的確かつ公正に業務が行われるよう指導監督してまいるということになります。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 要するに、国が指定した指定機関の検査業務の中における過失というか落ち度というかミスがあって事故が発生した場合にも、それはそこの電力会社が全体としてその事故に対しては責任を負うことになり、結果的には指定機関のそういう瑕疵といいますか、過失による、ミスによる事故については、今のお話は認可をただ取り消すか何か、そういう処置で終わる、こういうことなんですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 検査員自体の直接的な責任は、やはりおっしゃるとおりに検査を具体的に実施した者になるわけでございますけれども、国としては、そのようなことが起こらないように指導監督を行うわけでございます。その行政上の責任は極めて重いものでございまして、決して単なる一般的な監督責任にとどまるというわけではないと考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 それは理屈ですが、一つの考え方として当然だと思いますが、やはりお互い万遺憾なきを期してそれぞれ努力し、チェックし、いろいろの角度からチェックした中で予期せぬ事故が発生するということがあるわけですから、そういう意味で指定機関の代行する検査業務をダブルチェックするような機能というか、そういうものはやはり必要じゃないかと思います。そこらあたりについてのお考えは、これはすべて指定機関に代行させたならば指定機関の中でどういうチェック機能を持つか、それはそちらの方に任せるということで、それに対する指導的な何かアドバイスその他のものは国としては考えてないのかどうか、その辺はいかがですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 まず第一番目には、検査基準につきましては国が府令によりましてきちっとした検査基準をつくるわけでございまして、その線に沿った検査が行われるように業務規定に明記させまして、それを認可にかかわらしめるというやり方をとるわけでございます。そのほか、国といたしましても、この検査機関に対しまして立入検査その他により十分なチェックを行っていくことといたし、安全につきましては万遺漏なきように指導してまいるというふうに考えておるところでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 じゃ、時間が参りましたので最後に科技庁長官にお尋ね申し上げますが、今回のこの法案については、現在事業をやっている電力会社のそういった事故に対する発生責任、こういった処理の責任をすべて転嫁する内容だ、はっきり言いますとそういうような角度でこの法案は問題があるというマスコミの論調がかなり出ておったのです。現在の原子力法で言う発生責任については現在のそれぞれの電力会社は免れないのだということは言われておるにもかかわらず、すべてそういう責任を転嫁するというか、別会社に肩がわりさせてしまうんだということで、非常にいろいろ社説その他マスコミの中で出ておるのであります。こういう点については私も極めて残念だと思うのですけれども、科技庁長官として、ここらあたりが、法案の中身が何でそんなふうにいったのか、ちょっと私も非常に判断に苦しむのですが、そこらあたり科技庁長官としてはどのような見解をお持ちですか、その点をお尋ねして終わります。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 確かに先生御指摘のとおり、この法案を提案をいたしました後、新聞が社説などでいろいろな議論をなさっておられます。非常にいい案だと書いた新聞もございますし、今御指摘のように発生者責任があいまいではないかという御指摘を厳しくいただいたところもございます。私どもといたしましては、放射性廃棄物の処理処分が適切かつ確実に行われることに関しては原則的には発生者の責任であって、これは原子力委員会の決定にも明らかにされているとおり、原子力政策の基本としてそれは確立されているというふうに考えておるわけでございます。  社説が各紙出そろった直後でございますけれども、先ほども申し上げましたが、電気事業連合会の会長も、発生者として廃棄事業の実施期間中廃棄事業者に対し適切な支援を責任を持って行っていくということを明言をされたのも、この論説、社説等を見てのことではないかというふうに思うわけでございます。こうした電事連の会長の発表は、発生者である電気事業者が原子力委員会決定や新聞の論調の趣旨を十分考慮に入れて行ったものというふうに私は考えておりまして、科学技術庁としては今回の改正後も発生者責任の原則は十分明確なものとして位置づけられていかなければいけないというふうに考えております。新聞その他に対します私どもからの説明につきましても、先ほど来いろいろ御指摘もございますけれども、十分注意してこれからやっていきたい、こう考えておる次第でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 では、終わります。

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私の質問は、先ほどの八木先生の質問と全く同じなんです。そのことを通告してありましたので、先ほどの話で明日メモといいますか、一定の資料が出るということですから、そのことについては一応触れますが、新たな質問をしなければちょっと時間を消化できないということになりましたので、質問の通告をしておりません。だから、お答えになれる範囲でお答えになっていただきたいと思います。  まず、ちょっと先ほどの質問に確認をしたいのですが、放射性廃棄物について、一般的に高レベル、低レベルあるいは最近は極低レベルという言い方もありますが、これらを区分する基準値、それは国際的に合意されたものあるいは国内的に法令という形で合意されたものがあるかどうか、この点を最初に確認をしておきたいのです。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 放射性廃棄物をその放射能濃度によりまして高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物に一律に区分して定義しますことは、必ずしも実際的ではございませんで、処分の方法を前提にして発生源の概念と放射能濃度の概念による区分が考えられているところでございます。  国際的な定義といたしましては、海洋処分に関連いたしまして、ロンドン条約に基づきまして国際原子力機関、IAEAにおきまして単位重量当たり、トン当たりでございますけれども、単位重量当たりの二足値以上の放射能濃度の廃棄物を、海洋投棄を禁止すべき高レベル放射性廃棄物ということで定義をいたしております。これは、我が国の原子炉等規制法に基づく海洋投棄の基準にも取り入れられているわけでございます。  アメリカの法制におきましては、核廃棄物政策法において高レベル放射性廃棄物を発生源の概念で定義をいたしております。また、低レベル放射性廃棄物政策法によりまして低レベル放射性廃棄物を、高レベル放射性廃棄物、超ウラン廃棄物、使用済み燃料または副産物質に分類されない放射性廃棄物、この三つのカテゴリーに分けて定義をいたしております。さらに陸地処分、施設における処分、これは浅地層におきます埋設処分、これの処分可能な低レベル放射性廃棄物として、一定濃度以下の廃棄物を認めておるわけでございます。  そういったぐあいで、国際的にもいろいろまちまちで、統一的なものがあるわけではございませんけれども、またこういった定義も、我々がふだん使っております低レベル、高レベル、これはむしろ高レベルと言ったら端的に言えば再処理工場からの核分裂生成物の分離物質というのを高レベルと一般常識的に言いますが、こういったような概念とは少しく異なっている、法規制の目的に応じて適宜決めていくという状況でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いろいろまちまち、また考え方としては存在をしても、濃度として確定したものはないというのが実態だろうと思います。そういう点が明確になっていないということになりますと、いろいろ疑問が出てくるわけでございまして、まず、この法案で出されております廃棄の事業というものを創設をして、それを二種類の事業に区別するとなっているわけですね。すなわち廃棄物埋設の事業、それから廃棄物管理の事業、埋設と管理というわけで、一般には低レベルは埋設、高レベルは管理の事業の対象となるわけですが、低レベルと高レベルの仕切り、その区分、これが国際的にも国内的にも明確になっていない現状のもとで、これは埋設、こちらは管理という区分ができるのかということです。これはもう、けさほどからの質問の中で出たわけでございますが、この点がどうしても残るわけでございまして、この点についてはどういうふうにお考えになっているのでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先ほどからいろいろ御質問等に対してお答え申してきたわけでございますけれども、この低レベル廃棄物あるいは高レベル廃棄物の区分を  高レベル廃棄物と言うのは適当ではないかと思いますが、今度は埋設をすることができるような範囲の放射能レベルについて定義を設けようということを考えているわけでございまして、これが先ほど来の原子力安全委員会に諮問をしてその意見を聞いて定める数字でございます。こういうものにつきましては、既に国際的にも議論されておりますし、基本的なアイデアというのはできているわけでございまして、さらに具体的な数字につきましては、先ほど申し上げましたようにただいま原子力安全委員会で検討中でございまして、近くまとめられるということでございますので、それがまとまりました段階で政令に明示することによってはっきりさせるということを考えておるわけでございます。  また、それ以外の廃棄物につきましては、これは埋設は適当ということではございませんので、高レベル廃棄物を含めまして、廃棄物管理ということで埋設は認めない、堅牢な施設内に管理しておくという方法をとらせるわけでございますが、これにつきましても同じく政令によりまして具体的にどういうものであるということを明らかにしていくという考え方でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 結局、けさ来の答弁によりますと、政令その他にゆだねるということになると思うのですね。その点については先ほどメモが出るということですから、私はそれが出ましてからこの問題についても質問をしたいと思っております。  このことに関しまして、この次の質問に大変入りにくいのですけれども、質問に入る前に、東京大学の塩野宏教授の「核燃料サイクルと法規制」という本があります。原子力法制に関する解説書というのは、原子炉等規制法に関する逐条解説書がないと同じように、余り一般には出されていないと言われております。これはそういう意味では貴重な本だと思っておりますが、その中で塩野さんはこういうふうに書いておられます。これは三ページですけれども、「第三に、制定法が整備されているとはいっても、そのことは、法律のレベルで規制内容が明らかになっていることを示すものではない。実質的には、法律よりも下位の法規」すなわち政令以下でしょうかね。布告あるいは告示といったものだと思いますが、「法律よりも下位の法規で、実体的、手続的要件が定められているのである。」「これは、対象が国会の制定法で細部まで規律することになじまないところの技術にかかる分野であることを反映している。」ここからですが、「しかし、その技術のあり方が、まさに、安全性の確保と密接に関係しており、それはまた、政策問題にも反映するのである。その意味で、技術的専門的という理由で、漫然と委任立法方式にゆだねておいてよいかどうか一各国に共通する原子力法制の基本問題の一つがここにあるといってよい。」こういうふうにおっしゃっておられます。  これについて感想を伺いたいのですが、これはすなわち、すぐれて技術的、専門的事項のあり方が安全性の確保と密接に関連をしている、この点が他の法制と同列に論じられない原子力法制の重要な特質であるということを強調いたしまして、漫然と委任方式にゆだねてよいかという問題を提起しておると思うのでございます。この点は大変重要な問題意識だと思うのですが、その意味で、私が今読み上げました――通告してないのですから、突然申し上げて答弁しにくいかもしれませんが、お読みになっておられると思いますが、どういう感想をお持ちでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 まさに先生御指摘のように、原子力に関する安全規制の内容というものはかなり高度に技術的なものでありまして、法律で細かい数値を規定するのには最もなじみにくい分野であろうかと思っております。したがいまして、私どもの原子炉等規制法につきましても、所要の具体的な数字については政令あるいは府令によって定めているわけでございますけれども、これは何も原子炉等規制法に限ったわけではございませんで、こういった技術的規制の法令の中においては、政令あるいは府令において細かい技術的な基準は定めるのが通常であろうというふうに私は考えておる次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 きょうここで論議されていることは、今の文章を見てもわかりますように、率直に言って我々のような素人でなくて原子力法制のいわゆる法律専門家がそういう問題を提起しておるということを考えましたときに、私は河野長官にも、この塩野教授が指摘しておる問題については当然心しておかなければならない重要な指摘だと思うのでございますけれども、この点についての御見解を伺っておきたいと思うのです。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 今局長から御答弁申し上げましたように、原子力行政の中で安全にかかわる問題は極めて重要でございます。そしてその安全を維持、確保いたしますために、原子力政策上、原子力委員会あるいは原子力安全委員会、こういうところに日本の最もレベルの高い人材を配置して、そうした人たちの適切な考え方、作業等を十分に承りながら原子力行政というものはやってきているわけでございます。  けさほど来の御審議の中でもいろいろ御討議をさせていただきましたけれども、今回の法律の中で書かせていただいている部分の中に、原子力委員会あるいは原子力安全委員会の意見に基づいて決められるべきものが多数ある。さらに、この法律の一部改正自体が原子力委員会あるいは原子力安全委員会の考え方に基づいてなされたものだということをぜひ御理解をいただきたい、私どももそうした姿勢でこれから先もやってまいりたいと思っておるわけであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私が申し上げておりますのは、専門的、技術的な事項をすべて法律事項にせよということを申し上げているわけではありません。けれども、何が埋設事業の対象となるのか、どういう放射能濃度以下のものは放射性廃棄物として扱う必要がないのか、これは廃棄の事業に関する規制を新設する場合の根幹の問題だろうと思います。だから、けさほど来、あのような鋭い、または厳しい指摘がなされているわけでございますから、この点については、原子力安全局長いろいろ御答弁なさいましたけれども、廃棄の事業に関する規制を今新設しようとする場合、この根幹についての認識を、本当に確固たるものを持っていただきたい。何が埋設であり、何を管理するのかというこの区分の問題、あるいは一定の放射能濃度以下のものは放射性廃棄物として扱う必要がないというこの規定をするわけですから、その点は非常に重要な問題として認識をしていくべきだと思うのですが、その点はよろしいですか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 先生御指摘の事項は非常に重要事項であるということは私どもも認識しておるわけでございまして、これが原子力以外の分野であったらどうであろうかと考えますと、やはりこれについては政令あるいはそういったたぐいの規定にゆだねられることになるのではないかというように感じております。原子力の場合にはその面が特殊でございまして、先ほど大臣も申し上げましたように、諸般の安全規制に関連いたしましてわざわざ原子力委員会という組織をつくりまして厳重なダブルチェックをする、これは単なる個々の許認可だけではなくて、基準についても安全委員会がチェックをするという制度をとっておるのが他の分野と違って念の入っているところでございますし、私ども、この数値が重要であることを認識いたしましたので、この政令を定める場合には、法律によりまして、安全委員会の意見を聞いた上でなければ、勝手に政府がつくるわけにいかないという規定をわざわざ置いた。そこのところは、このポイントは重要であるということを認識しているからでございまして、この点、どうか御理解をいただきたいと思うのでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 また、八木委員に資料が提出されました場合に、私どもも拝見をさせていただきまして、この問題についての質問は後で日を改めていたしたいと思います。  もう一つの大きな問題として、手続規制の問題でございます。  放射性廃棄物にかかわる施設を設置しようとする際に、当該地域の自治体あるいは住民の意向を聴取し、反映するための法令上の手続というものは定められるのでございましょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 その件につきましては、今回の法令上の手続としては入っておりません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 原発の場合は別の法令上の枠組みによりまして、電源開発促進法、こういう法令上の枠組みがあるわけですね。それは全く不十分な内容だと私たちは思っておりますけれども、しかし、若干の規定はここにあるわけです。廃棄物施設については、そういう手続規制はない。また、今の段階ではお考えになっていないというわけですが、こうした手続規制が原子炉等規制法にはなじまないのか、あるいはなじまないというなら、別建ての法令が手続規制として定められるべきだと私は思いますが、この点はいかがでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 原子炉等規制法に関して申し上げますれば、ほかの各種施設についてもそのような規定は存在しておりませんし、廃棄物に関連してだけ特別にそういう規定を設けるのはなじまないというふうに考えております。私ども、安全規制を規制法のもとに進めていく場合には、原子力施設については公開ヒアリング等によりまして地元住民の意見を聴取していくことを考えておるわけでございますが、これらの問題につきましても今後検討をしてまいりたいと考えておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 廃棄物施設について、法令上そういうことを担保する必要があるだろうと私は思います。知事だけでなくて、関係自治体とその住民の意向をきちっと反映するような仕組みがぜひ必要だと思うのですよ。  そういう点からお尋ねをしておるわけでございますが、また塩野教授の本を引用して恐縮ですけれども、「核燃料サイクルと手続規制」という項でこういうふうに書いております。「各国においても、手続的規制に留意しつつある点が注目される。とりわけ、従来、一般には、必ずしも英米的な行政手続に親しんでいないとされてきた、西ドイツ、さらに、フランスにおいても、施設規制の一環として、手続的規制にも意が払われていることに注意する必要がある。」というふうに述べております。  また、昨日、アメリカの核廃棄物政策法をいただきましたが、これは多分高レベル廃棄物に関する政策法だと思いますが、米国では、低レベル放射性廃棄物に関する法律もたしか一九八〇年ごろできたと記憶しておるわけでございます。これらの法律では手続規制はどうなっているか、おわかりでしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 この点につきましては、州がこの実施責任を負う、そしてこれを第三者の使用ということで民間企業に委託するというふうになっております。また、その安全規制につきましては、NRC、米国原子力規制委員会が規制の権限を有するというような形になっておると承知しております。  今、手元にそれ以上の詳細の資料がございませんので、この程度で御勘弁願いたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 アメリカの場合はそういうことだと思いますが、これは通告してない質問をしていますから御答弁もやりにくいと思いますが、質問の方も実はしんどいのですよ。  イギリスの場合、こちらから言いますが、都市農村計画法による規制によって原子力施設に関する手続規制が定められているというふうに聞いておりますが、そういうことは御承知でしょうか。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 たまたま手元の資料に農村計画法というのが載ってはおりますけれども、この資料では詳細のことは書いてございませんので、ただいま御答弁できるほど知識を持っておりません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 フランスにおいても意見聴取の手続というのがございまして、県知事や地域住民の意見を書面で聴取するシステムが定められておると聞いております。  西ドイツについては詳しくはわかりませんが、塩野教授の書かれていることから推測をしますと、西ドイツの場合も手続規制に意が払われているという表現がございまして、こうした国際的動向から見ましても、放射性廃棄物にかかわる施設についても、自治体や住民の意向が民主的な形で反映されるシステムが法令上つくられるべきだと私は思うのです。こういう施設をつくる場合には地域住民の意向というものを反映をしていく、これは大事な国の施策として、方針としてあるのが正しいのであって、それをあえて除外する必要も全くなければ、これは当然法令上の措置としてつくられるべきだというふうに思うわけです。これは私の主張でありますけれども、これについてのお考えを伺いたいのです。

辻栄一科学技術庁原子力安全局長

○辻政府委員 諸外国におきましてこういった手続が具体的にどういうふうに規制されているか、今御質問にお答えできる資料を持っておりませんけれども、これまでの話の中で、ドイツやフランスにおいても先生御指摘のように公開ヒアリング制度等があるということは聞いておりますし、実際行われておるようでございます。ただ、規制法におきましてそういった規定をつくるということは、規制法ではやはりなじみにくいという面もございますが、しかしながら、今度の青森県の立地状況等を見ておりますと、実際問題として、県知事が県内各方面の意見を慎重に聞きながら御決定をされて受諾をされているというふうに見ておるわけでございまして、こういったことが法律では規定がございませんけれども、実質的に行われているものと理解しております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 ここのところがいつでも、原子力政策、国の政策と住民の離反あるいは住民の反撃、こういうものが起こるわけですね。そういう点を国の政策としてきちんと持つということが、私は本当に大事だと思うのです。そういう意味で申し上げておるわけでございまして、ああ何だ、地域の少数の人間が反対しておるとか、あるいは何らかの会で多数で決めたとか、それでもう押し切ってやるんだというようなことが随所にあるわけですから、新たにこのような廃棄物処理施設をつくるという場合には、このことは当然しっかりと定めておくことが必要ではないのかということを申し上げているわけでして、この点についての長官の御発言を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

河野洋平自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○河野国務大臣 具体的なことを申し上げていいのかどうかわかりませんが、六ケ所村の問題について、仮に例示として申し上げるとするならば、例えば電源三法をそこに適用するかしないかというような議論があることを考えれば、廃棄の事業につきましても、他の原子力発電の施設その他と同じような考え方をするということも一つの考え方であろうというふうには思うわけでございます。  先生、法律に書いたらどうだという御意見と伺いましたけれども、それも一つの考え方でございますが、願わくはよき慣行をつくっていくということがいいのではないか。地元の方々の御意見をどういう形で集約をするのか、当該地域の長なのか、あるいは知事なのか、どういう形か、ここではっきり申し上げるわけにはいきませんけれども、とにかく、何かの形でよき慣行をつくることもまた必要ではないかと考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 最後に今の長官の御発言を承ったわけですが、国際的にはそういう方向に向かっているという意味で申し上げまして、私はこの問題についてはさらに質問したいと思います。  ただ、一定の場所につくる場合には、例えば五キロ以内の住民の声は聞くのだという規制の国もあるわけですから、その点については十分に参考にする必要があると思います。このことを申し上げて、質問を終わります。     ―――――――――――――

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び関晴正君外五名提出、原子力基本法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の両案審査のため、四月二十四日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大久保直彦公明党・国民会議

○大久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、明後二十四日木曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時二十四分散会      ――――◇―――――

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