科学技術委員会 第7号
- 発言数
- 180 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/04/10
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、研究交流促進法案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。河野国務大臣。 ————————————— 研究交流促進法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○河野国務大臣 研究交流促進法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 資源に乏しい我が国が、科学技術の振興にその立国の基盤を求めることが不可欠であることは申すまでもありません。特に、創造性豊かな科学技術の振興が重要な政策課題となっており、この点で国の果たすべき役割が大きいこともあって、国の研究に対する期待はますます増大しております。 一方、今日、研究が高度化するにつれて多分野にまたがる研究が多くなっており、国の研究の促進に当たっては、研究組織の枠を超えた研究交流を積極的に推進し、資金、人材等の研究資源の効率的かつ効果的な活用を図ることが極めて重要となっております。 国の研究は一般行政事務と異なる特質を有しておりますが、これについても公務員制度、財産管理制度等の一般原則によって律せられるため、国の研究に関する交流の促進を図る上での条件が十分整っているとは言えない状況にあります。 このような状況を踏まえ、昨年七月、臨時行政改革推進審議会が取りまとめた行政改革の推進方策に関する答申では、国立の試験研究機関及び大学と民間等との間の研究交流を円滑に促進する上で必要な諸制度の整備、改善に努めるよう求めております。 本法律案は、以上にかんがみ、国の研究に関し国以外の者との交流を促進するために必要な法制上の新たな措置について定めることにより、国の研究の効率的推進を図ることを目的とするものであり、以下の事項をその内容といたしております。 第一は、試験研究機関等において研究に従事する研究公務員に外国人を任用できるようにすることであります。 第二は、研究公務員に職務専念義務の免除による学会等への出席の道を開くことであります。 第三は、国の委託研究及び国と国以外の者との共同研究の効率的推進のため、研究公務員を休職により当該研究の相手方である民間企業等の研究に従事させる場合、退職手当上の不利益をなくすことであります。 第四は、国の受託研究の成果から生まれた特許権等に関する取り扱いを改善することであります。 第五は、外国政府等との共同研究の成果から生まれた特許権等について、当該外国政府等に対し無償または廉価による使用を認めることができるようにするとともに、外国政府等との共同研究の実施に伴い生ずる当該外国政府等に対する損害賠償の請求権を放棄できるようにすることであります。 第六は、研究交流の促進を図るため特に必要がある場合で、試験研究機関等が行っている研究と密接な関連を有し、その推進が特に有益であると認められる試験研究を行う者に対し、試験研究機関等の施設を廉価で使用させることができるようにすることであります。 第七は、国は、本法律案により、国の研究に関し国際的な交流を促進するに当たっては、条約その他の国際約束を誠実に履行すべき義務並びに国際的な平和及び安全の維持について特別の配慮を払うものとすることであります。 これらの措置を講ずることにより、国の研究に関し研究交流が促進され、研究がこれまで以上に効率的、効果的に進められるものと確信しております。 以上、本法律案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○大久保委員長 これにて趣旨説明の聴取は終わりました。 —————————————
○大久保委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平沼赳夫君。
○平沼委員 ただいま河野国務大臣から、提案理由の趣旨説明をお伺いをいたしました。私どもといたしましても当法案の重要性を認識をしているところでございまして、これから科学技術立国という前提に立った場合に、研究交流を促進するということは我が国にとっても不可欠なことでございます。そういうことでその趣旨には賛成をいたすところでございますけれども、今の大臣の提案理由の趣旨説明に関しまして若干質問をさせていただきたいと思います。 まず、先ほど大臣から御説明がございました本法案の提案の理由によれば、本法案は、行革審の答申を踏まえ、国立の試験研究機関及び大学と民間等との研究交流を円滑に促進する上で必要な法制上の新たな措置について定めるもの、こういうことでございますけれども、まず大臣にお聞きしたいのは、研究交流の促進を必要とする背景について所管の大臣としてどのような認識をお持ちか、その辺の御説明を承りたいと思います。
○河野国務大臣 科学技術を所管する人間といたしまして、昨今の状況について御説山を申し上げたいと思います。 今日、バイオテクノロジーでございますとかメカトロニクスなど、境界領域あるいは多分野の協力を要する領域での科学技術が著しく発展してきております。また、基礎研究から応用研究、開発へと至る期間が非常に短縮する傾向にございまして、基礎、応用、開発が相互に強く影響し合うようになってきているというような状況でございます。さらにまた、さまざまな領域と申しますか、異なる発想の導入によります創造性の発揮が必要だ、こう言われているのでございます。 こうした時期の研究動向は、国の研究の効率的推進を図るために、研究組織の枠を超えた研究交流を積極的に推進することが不可欠だ、こう考えております。先生も御承知のとおり、国際的な交流による新たな研究の成果を上げているものが世界的にはたくさんございますし、また、新たなさまざまな研究領域を超えての研究体制が成果を上げているという例も大変多うございます。こうしたことを考えまして、今回の交流促進法を皆様に御審議を願うことにしたわけでございます。
○平沼委員 次に、研究交流の現状と問題点について若干お尋ねをさせていただきたいと思うわけでありますけれども、今回の法的措置をしなければならないこういった背景には、現行では研究交流を促進していく上でいろいろ不都合がある、こういうことだと思います。研究交流といえば、研究者の交流、国と民間等との間の共同研究の実施等、いろいろ考えられるわけでありますが、国が関与する研究交流の現状は一体どのようになっているのか、また、そこでの問題点とこれへの法制上の措置を含めた対応策を、この際大臣から承りたいと思います。
○河野国務大臣 研究交流につきまして、さまざまな問題がございます。例えば研究交流と申しますと、研究者、人間の交流ということが一つございます。また、交流といいますか、いわゆる研究集会への参加という問題もございます。あるいはまた、国以外の研究機関と共同して行う研究の実施あるいは研究施設の相互利用、研究情報の提供、こういったことについて研究交流を私どもが考え、それをテーマとして以下問題点を超えようと努力をいたしておるわけでございますが、その詳細につきまして、若干担当局長から御説明をさせていただきたいと思います。
○長柄政府委員 産学官の交流あるいは外国との共同研究を盛んにしなければいかぬということはかねてより言われていることでございますが、いろいろ問題がございまして、実情はさほど盛んではないというのが現状でございます。 その問題点について若干申し上げたいと思いますけれども、一つは外国人の任用でございます。当然の法理というものがございまして、国立研究所の普通の研究員には外国人を採用することができるわけでございますけれども、例えば研究部長とか研究室長、こういう方々には外国人を任用することは現在のところできないということもございまして、新しく任用できる道を開こうと考えたものでございます。 それから、研究集会といいますといわゆるいろいろな学会への参加でございますけれども、現在のところ公務で参加する、または休暇をとって参加するというふうな方法があるのでございますが、職務に非常に密接ないろいろな学会等に参加する場合には、これを休暇扱いにしないで、職務専念義務を免除して、いわば準公務というふうな扱いをして、いろいろな研究者が学会に参加し、研究交流が盛んになるような措置を講じていきたいと考えている次第でございます。 また、国の研究者が研究組合等に身柄を一時的に移して、そして共同研究、委託研究を行う場合に、従来でございますと研究休職という制度がございます。ただこの場合には、退職手当を計算する際に、出向期間につきましては半分しか在職期間の勘定に入れてもらえないという不都合がございました。そういうものを半分ではなくて一〇〇%通算するようにというふうなことによって、研究公務員の方が民間等へ出向し、また帰ってくるという道を開こうと考えております。 また共同研究と申しますか、国と国以外の者の受託研究の場合に、特許権の扱い等に問題がございます。この点についても改善を図っていきたいと考えている次第でございます。 そのほか、国際共同研究を進めます場合、日本の一般のルールと欧米諸国のルールが違うというふうな点がございまして、国際的な共同研究に加入しようとする場合に法制上いろいろな問題がございました。例えば特許権の扱いとか損害賠償請求権の扱い、こういう点について問題がございました。それを今回の法律では、欧米の一般慣行と同じような特例を設けることによって国際的な共同研究を盛んにしよう、こう考えている次第でございます。 そのほかいろいろ問題がございますが、我々といたしましては例えば予算の問題、運用基準の緩和等によってできる問題は別途努力する。これに加えて、今回法律によりましていろいろな特例措置を設けていただきまして、従来隘路となっていました点を除去しようというふうに考えているものでございます。
○平沼委員 今局長から、私が細かく聞こうかなと思っていた各条項について大体お話をいただいたわけでございまして、今までいろいろ研究交流をする上で研究者自体不都合があったところを今度のこういう法律によって是正をしていこう、こういうことの取り組みに関しては、私ども非常に評価をさせていただきたいと思うわけであります。 さらに質問を続けさせていただきますと、さきに決定をいたしました科学技術政策大綱では、国の重要研究分野としては基礎的・先導的な分野を重点にする、こういうふうに定めているわけであります。したがって、本法案で促進をしようとする研究交流の促進に当たっても、こういった立場から基礎的・先導的な分野を特定して研究交流の促進を行おう、こういうことを明記すべきだと考えるわけでございますけれども、この辺について所管大臣としてどういうふうに考えられているか、御答弁をいただきたいと思います。
○河野国務大臣 先生御指摘のとおり、今私どもが考えます重点と申しますか、これから特に力を入れてやっていかなければならないのは、基礎研究でございます。しかし、今御審議をいただいておりますこの法律案は、むしろもっと一般的なすべての分野にまたがる問題、そしてその問題の中のすべての研究を推進する上で極めて隘路となっているものをまず一般的に解決しておこうということがこの法律のねらいでございまして、先生が御指摘になりましたような、私どもがこれから力を入れていかなければならない基礎研究の分野などに対するインセンティブは、この法律ではなくて、別の作業でそうしたところにインセンティブをかけていくということを考えたい。この法律はまずは一般的な問題解決、一般的なというか、すべてにまたがる特別な問題となっているものをまず乗り越えよう、こういうのが法律のねらいでございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○平沼委員 次に、一部の報道、例えばここにありますけれども、こういった社説なんかにも出ていることでございますが、一部の報道によりますと、本法案の検討に際して、最初はその対象に防衛庁を含めていなかった、最終段階で防衛庁の研究職もこれに入れていく、こういうことになったやに報道もされておりますけれども、果たしてこれが事実かどうか、その辺に関して確認をさせていただきたいと思います。
○長柄政府委員 お答え申し上げます。 研究交流促進法案は、当初から研究を行っております国の研究機関に従事しておられます研究者の方を幅広く対象とするという考え方でいろいろ検討を行ってまいったわけでございまして、いろいろ議論がございますけれども、最終的には提案中の法案の形に落ちついたものでございます。法案の検討の際は、いつでもそうでございますけれども、いろいろなアイデアがございまして、これを議論するのが通例でございます。 今回の法案におきましても、身分法につきまして、防衛庁の職員の方は特別職でございます。それから、その他の省庁の研究者の方は一般職である。この両方の研究者の方々を同一の法律で扱うのが適当かどうかというようなことも議論したのは事実でございます。これは、防衛庁の研究者につきまして研究交流が不必要だというふうな意味では全くございませんで、他の一般の省庁の研究者と同様の扱いをすべきことは当然でございますが、立法技術上一つの法律でやるか別の法律でやるかというふうなことを検討されたことは事実でございます。結論としては、一つの法律でやった方がいいという結論になったわけでございます。
○平沼委員 ある新聞の社説によりますと、防衛庁の研究者を含めるということは、日本が戦後三十年にわたって維持してきた平和利用に限るという研究開発上の原則及びその利点を放棄することになる、そういう危険性を秘めているのだ、こういうような社説が出ておりまして、私もそれを読んだわけでございます。こういう社説が出ますと、一般の国民がこの法律ができることによって非常に不安を覚えるということもなきにしもあらずでございますので、その辺はっきりした明確な御見解で、そういうことはないのだということを御当局の方からこの際明確に答弁をしていただきたい、こういうふうに思います。
○河野国務大臣 全く先生御指摘のとおりでございまして、この法案を成立させることが従来の考え方を変えるというようなことは全くございません。 新聞の社説だったと思いますけれども、私も拝見をいたしまして、どうも意味が多少よくわからない部分もございました。この法案が、今も局長が御答弁申し上げましたけれども、特定の研究を促進するということを目的としているのではなくて、国全体の研究を効率的に推進するために、国と国以外の者との間の研究交流を促進するということをこの法律で目指しているわけでございまして、今先生御指摘の、三十年間維持してきたものが変わるのじゃないかというような性質のものでは全くないことを私からも申し上げたいと思います。 なお、少し付言をさせていただきますが、私もこの法律を御提案するにつきまして、さっき申し上げましたようにすべての国の研究にこの法律がかぶるという点で考えたことが二つございます。一つは、今局長から御答弁を申し上げました防衛庁の特別職の部分をどうやって入れるかということでございます。もう一つは、せっかくこういう法律でございますから、文部省の国立大学もこの法律の中にすぽっと入ってくれると、全部をかぶすと、全部が同じ法律によって進めることができるということでございます。しかし、国立大学につきましては一部を除いて、その一部も今臨教審でいろいろ御討議があるようでございますが、むしろ国立大学の方は進んでおる、新たにこれで全部をかぶせるまでもなく、我々の方は進んでおる、こういう御意見でございまして、法律の姿からいうと全部すぽっとかぶった方が形がいいように思いましたけれども、しかし法制上は問題はない、こういうことでございまして、その部分が除かれております。 そして防衛庁の問題につきましても、今局長から御答弁申し上げましたように、研究に従事するという点に着目をすれば、全くそれは一般職、特別職を区別をするという必要はもちろんないわけでございまして、それをうまくこの法律に入れるというところで知恵が出てきた、こういうことであることをぜひ御理解をいただきたいと思います。
○平沼委員 今の大臣の御答弁を承って安心をしたわけでございますけれども、特別の研究に限ってやるのじゃない、この辺がちょっと明確でなかったためにこういった社説が出て、何か戦争のための研究にこの研究交流法が影響を与えて、そして平和に限るという大前提が損なわれるのじゃないか、何しろ大新聞の社説に出たことでございますから、こういうような危惧が国民の中にも広がるおそれがあります。したがいまして、科学技術庁としてもこの点は繰り返し国民に向かってよく説山をしていただいて、そして国民の中に惹起されるであろうそういう不安を取り除くように、ぜひ努力をしていただきたいなと要望として申し上げておく次第であります。 これにも関係いたしまして出てくる議論として、今のお答えで大体十分だと思うのですが、防衛庁を本法案の対象に入れることによって国立大学あるいは国立試験研究機関が防衛技術の研究に巻き込まれることになる、そういう意見も出ているわけでございまして、こういうこともやはり国民の中に不安を呼び起こすことにつながりますので、若干重複すると思いますけれども、このポイントについてもお答えをいただきたいと思います。
○長柄政府委員 防衛庁の研究所の方が、本法案の身分法関連でございますけれども、対象になったということによって、大学とか国立試験研究所が防衛技術の研究に巻き込まれるのじゃないかという懸念に対する指摘でございますが、本法案は国と民間企業、国と外国、こういう相手の研究交流をするためのいろいろな問題を除去しようという、そのための特例措置を盛り込んだものでございます。したがって、国の中のいろいろな機関の間の研究交流については、本法案では何ら規定してないのでございます。すなわち、国立試験研究所と例えば防衛庁の研究所または国立大学、この間の研究交流ということにつきましては、法律的には何ら特に大きな隘路はございません。そういうことで、今回の法律によって国立試験研究機関と国立大学または防衛庁との間の関係については何ら変更はございません。そういうことで、先生の御指摘のような懸念ということは従来と何ら変わらないということで、そういう懸念はないものというふうに考えております。
○平沼委員 私も法律案の要綱を読ましていただきまして、どうしてそういった解釈が出てくるのかなと実は疑問に思ったのですが、実際国民レベルではそういった法律案の要綱なんというものは読まないわけでありますし、また、法律が施行されてもその法律自体も余り読まないわけであります。ただ研究交流促進法が出る、それによっていわゆる軍事目的に集中的に突っ走る、ある新聞の社説なんかそこを明確に、これは軍事大国への道だということまで言い切っているわけでございまして、こういったマスコミ関係の誤解も解いて国民の皆さんに安心していただいて、そして科学技術立国という日本の国是でありますから、それが効率的に、そして非常に効果あらしめる、そういう形で推進されるための研究交流促進法だということを、繰り返しになりますけれども、ひとつぜひPRをしていただきたい。こういう誤解がありますと本当に生きるべき法律も生きなくなる、私はこういうふうに考えておりますので、この辺については特段の御配慮をお願いしたいと思うわけであります。 私、一時間の予定で時間をいただいておりましたけれども、きょうはぶっ続けということじゃなくて皆様方に御協力しなければいかぬ、こういうことで半分にさせていただきましたが、最後の御質問として特に大臣に質問をしたいのですが、研究交流の促進については本法案ですべてということではないと私は思います。今回提出の法案に関しては一歩前進、数歩前進ということですけれども、すべての研究交流というものを網羅し、カバーする、そういうものではないと思います。したがって、政府レベルで検討すべきことも今後いろいろな形で多いと思います。私は、今後ともこの研究交流というのは大胆に、弾力的にその運用措置を検討して、そしてその実施に努めていかなければいかぬ、今回の研究交流促進法はまさにその一里塚なんだ。諸外国に比べたってその辺のレベルというのはまだまだ道遠しである、こういう感も免れないわけでございまして、こういう私の考えに関して大臣はどういうお考えをお持ちか、その辺最後に大臣からお伺いをさしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○河野国務大臣 冒頭申し上げましたように、研究の交流を進めてまいります団的の中に、例えば国際的な外国との交流というのがございますけれども、外国の例などを聞いてみますと、もっともっと大胆に交流をしている。これは例えばヨーロッパの研究所などは地理的な条件も非常に恵まれておりまして、隣接国との間に車で行き来が簡単にできるというようなこともございましょうし、あるいは民族意識の背景にはその間の交流について非常にフランクな、自由なものもあるのかもしれませんが、私どもが今ここで御提案しておりますよりははるかに弾力性のある研究所も少なくないわけでございます。 今先生御指摘のとおり、私どもが御提案を申し上げております研究交流促進法は、まだまだ従来の隘路を何とか解決しようというだけであって、もっと大胆に研究交流の促進に向けて努力をしていく必要があると私も実は思っております。日本の国は、置かれた地理的条件あるいは言語上の問題とか、ヨーロッパ、アメリカの国々に比べれば研究交流の促進のためにはもっと努力をしなければならない問題もあるわけでございますから、客員教授の問題でございますとか、そうした点につきましてもさらに研究をいたしまして、本当の我々が目指している日本の研究レベルを上げるという成果を上げるために努力をしてまいりたい。今回御提案を申し上げました法律は、まだまだその最初の部分であるというふうにぜひ御理解をいただきたいと思いますと同時に、私どももこれから先も努力をしてまいりますということを申し上げて、御理解いただきたい。
○平沼委員 今大臣の御答弁を拝聴しまして、非常に力強い気持ちがいたしております。言うまでもないことでありますけれども、やはり研究交流を促進し、活発化させるということがこれからの日本の将来にとって大変重要なことであるわけでございまして、新しい研究交流促進法案を契機としてさらに研究交流が活発に行われる、そして日本の将来にとって一つの大きなこれが第一歩である、こういうことでお取り組みをいただきたいと思う次第でございます。 若干時間が余っておりますけれども、御協力の意味でこれをもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大久保委員長 小澤克介君。
○小澤(克)委員 本法案の審議に先立ちまして、本法案のような法案が提出されたということの意味合いに関連いたしまして、大臣に最初にお伺いしたいのですが、科学技術庁といいますと、とかく原子力庁というようなふうに受けとめられがちなわけでございます。科学技術庁設置法をひもとくまでもなく、本来関係行政機関の科学技術に関する事務の総合調整的な機能といいますか、そういう官庁でもあるというふうに私ども認識しているわけでございます。大臣としてそのような御認識で、今後ともそういう方針をお持ちなのかどうか、最初に御見解を賜りたいと思います。
○河野国務大臣 科学技術庁の任務に基づいて取りまとめを行ったということでございます。
○小澤(克)委員 そこで、この法案につきましていろいろ批判すべき点等もあろうかと思いますけれども、時間も一時間でございますし、今後の審議のための基礎的な事項についてとりあえずきょうはお伺いをしたいと思います。 そこで、まずこの法案において対象としている研究機関ですが、どのようなものが具体的な対象となり得るでしょうか。第二条で「政令で定める」というふうになっておりますが、どのようなものを予定しているのでしょうか。
○長柄政府委員 第二条で試験研究機関等の定義をしているわけでございますけれども、この第一項第一号では、いわゆる通常の国立試験研究機関ないし実際に研究をやっていらっしゃる大学校、こういうものを考えております。 第二号では、特別の機関に置かれます試験所、研究所ということでございまして、これにつきましては、通商産業省の工業技術院傘下にある試験研究機関、また防衛庁の技術研究本部にございます研究所、こういうものが対象になろうかと思います。 第三号でございますけれども、地方支分部局に置かれる試験所というふうなものでは、北海道開発庁北海道開発局の土木試験所等がございます。
○小澤(克)委員 第一号に該当するのは、およその数としてはどのぐらいのものを予定しているのでしょうか。また、主な代表的な研究機関等ありましたら、二、三挙げていただきますとありがたいのですけれども。
○長柄政府委員 第一号の試験研究機関に該当する機関といたしましては、これは最終的には政令で規定することになりますけれども、約六十五くらいというふうに考えておりまして、例えば科学技術庁でございますと航空宇宙技術研究所、金属材料技術研究所等、それから例えば農水省の農業生物資源研究所と運輸省の船舶技術研究所、こういうものがこの第一号に該当するものというふうに考えております。
○小澤(克)委員 既に一部お答えいただいたわけですけれども、防衛庁関係としてはどのような研究機関がこの法案の対象として予定されるのでしょうか。これは防衛庁にお答えいただきましょうか。どちらでも結構です。
○長柄政府委員 先ほど申し上げましたように、具体的な範囲につきましては政令で定めることになっておりますが、我々の考えておりますのは、防衛庁では、防衛庁の技術研究本部の研究所及び試験所、それから防衛大学校、防衛医科大学校、それから自衛隊中央病院の研究検査部を考えております。
○小澤(克)委員 機関について、大体対象について今お答えいただいたのですが、次は人の方です。二条の二項にほぼその対象が列挙されているわけですが、この中で、基本的には今お答えになった機関に勤める人ということになろうかと思いますが、この二項の二号の方の防衛庁の職員それから自衛官、これは具体的にはどういった方を予定しているのでしょうか。これも「政令で定める」となっておりますが。
○長柄政府委員 二号の方でございますと研究職、別表第七というのは研究職俸給表の適用を受ける方でございますが、防衛庁の技術研究本部の研究所に勤務されている研究職の方、ただしそれは一級を除くということでございます。それから別表第六、別表第八と申しますのは、教育職俸給表の適用ないし医療職俸給表の適用の方で実際に研究されている方。それから自衛官でございますけれども、これは防衛庁の研究所の中で研究をやっていらっしゃる自衛官の方がいらっしゃいます。一般の研究職と全く同じ業務に従事されている方を政令で指定することを考えております。
○小澤(克)委員 ちょっとその辺の実態が私どもよくわからないので、これはむしろ防衛庁の方にお答えいただきましょうか。自衛官、すなわち普通に言えば制服ということなんでしょうが、それで研究に従事している方というのはどういった研究をどのくらいの方がやっておられるのか、お願いいたします。
○小池説明員 お答えいたします。 防衛庁の技術研究本部の研究所、試験所におきまして文官の研究者と同じ性格の研究をやっております自衛官、人数といたしまして約百名ちょっとおりますが、そういう者たちでございます。あと、防衛大学校に理工系の教官をいたしておる者が数名おります。 以上でございます。
○小澤(克)委員 それでは、基礎的なことを次々に伺っていくことにいたしまして、次に、「外国人の研究公務員への任用」というのが第三条にあるわけですけれども、現時点で、現在の実績といいますか、外国人で日本の研究機関に勤めている方、どのくらいいらっしゃるのでしょうか。また、特に多いような代表的な機関等ありましたら挙げてください。
○長柄政府委員 国立試験研究機関については、外国人研究者を常勤の研究公務員として任用した実績はございません。 国立大学におきましては、これは文部省から聞いた数字でございますけれども、常勤職員としての教授、助教授で外国国籍を持っておられる方でございますが、これは六十一年、本年一月現在でございますけれども、教授、助教授が二十九名、また助手として採用された方が八十二名、合計約百十名の任用実績がございます。
○小澤(克)委員 現行の法令でも、試験研究にのみ従事する平の研究員であれば外国人の採用は特に妨げないのではないかというふうに認識しておりますが、現在では実績としては教育関係を除けば全くのゼロ、こういうことになるわけでしょうか。
○長柄政府委員 外国人の任用につきましては、国家公務員法上則文の禁止規定というものはございませんが、当然の法理というのが働いておりまして、これは公権力の行使または国家意思の形成に参画する官職には外国人は任用できないという法制局の見解がございます。 先生のただいま指摘されました一般の管理職ではない研究員については、公権力の行使または国家意思の形成に参画する度合いがほとんどないということから、これは外国人を採用してもいいという解釈でございますけれども、先ほど申し上げましたように、その実績というのはゼロでございます。
○小澤(克)委員 確認のために伺いますが、防衛庁関係の研究所でも外国人の任用というのは現在のところはないわけでしょうか。
○小池説明員 現在、全くございません。
○小澤(克)委員 現在、平の研究員としてもゼロであるということで、この法案で外国人をある程度の管理職まで含めて任用できるようにしよう、何か卒然とという感じを受けるのですが、実際にそういうニーズというものはかなりあるのでしょうか。いかがでしょう。
○長柄政府委員 この三月末に閣議で決定いたしました科学技術政策大綱におきましても、日本の科学技術というものを今後振興する上で非常に基礎的・先導的なものに重点を置こう、非常に基礎研究に重点を置こうということになっているわけでございますが、そういう基礎研究、非常に多分野にわたるような研究を進めるためには、いろいろな考え方、いろいろな文化なり風土なり違った価値観を持った方が一緒になって研究に従事する、そしていろいろディスカッションすることによって相互に触発されるということが期待されるわけでございまして、日本人だけではなくて、外国のいろいろな発想の異なった方も一緒になって仕事をするということはぜひ必要だというふうに考えております。 もう一点は、昨今の国際化時代でございますけれども、諸外国のいわゆる公的機関においては外国人をかなり採用しているわけでございますが、日本ではそれは閉じられている、特に管理職部門において閉じられているということで、これについての道を開こうというふうに考えたものでございます。
○小澤(克)委員 この第三条の読み方なんですけれども、これは国家公務員法の規定その他の法律の規定によって任命権を有する者が外国人を任用することができるということになるのですが、防衛庁関係の研究所も第三条は対象とすることになるのでしょうか。
○長柄政府委員 第三条の中で「前条第二項第二号に規定する者を除く。」ということになっておりまして、すなわち、防衛庁の職員給与法の適用を受けられる方はこの第三条からは除外してございます。
○小澤(克)委員 そうすると、私ちょっと読み方が不十分だったのですが、今の御説明によりますと、この法案によっても防衛庁関係の研究所に外国人が任用されるということは、特に管理職についではない、こういうことになるわけですね。
○長柄政府委員 そのとおりでございます。
○小澤(克)委員 そこで次ですが、第四条関係ですけれども、研究集会への参加の道を開くというのが第四条の趣旨だろうと思います。これは現状であれば、公務として出張扱い等で参加することは現在でもできるわけだろうと思いますが、特に「参加を承認」というのは具体的にはどういう取り扱いを考えているのでしょうか。
○長柄政府委員 今回の第四条でございますけれども、従来は、職務として参加する場合は出張ないし外勤ということで行っていたわけでございます。研究者というのは、その職務だけではなくて将来のこと、いろいろ自分の力をつけなければいかぬということで、いろいろな研究集会に参加して広く内外の人と交流すると同時に、自分の創造性涵養のために身につけなければいかぬという、本来そういう職務でございますけれども、そういう意味で、従来は休暇をとりまして国内ないしまた外国における国際学会に参加したというのを、今回は職務に非常に密接に関係するような場合で、しかも研究交流に非常に資するというふうな場合については、準公務と申しますか、職務専念義務を免除して、そしてその方がそれに参加できる。この場合、任命権者の方が行ってもいいかどうかという判断をするということでございまして、あくまでも本人がこういうしかじかの理由でこれにぜひ参加したいという申し出をされて、それを任命権者の方が承認するという手続になろうかと思います。
○小澤(克)委員 そうすると、休暇でもないし出張でもない、したがって有給ではありますが出張手当などは出ない、簡単に言えばこういうことでしょうか。
○長柄政府委員 職務専念義務の免除というのはそういう意味でございまして、休暇扱いにはしない、ただしいわゆる出張ではないというものでございます。
○小澤(克)委員 それで、ここで言う研究集会というのは、もちろん海外で行われるものも排除はしていないわけでしょうね。
○長柄政府委員 海外で開かれます学会への参加も考えております。
○小澤(克)委員 これまでの実績というのですか、こういうことは多かったのでしょうか。
○長柄政府委員 まず、海外で開かれる学会への参加の数字でございます。これは五十九年度の数字でございますけれども、国立試験研究機関の研究者の方の統計でございますが、出張によって外国の学会に参加された方が百八十人、それから休暇を使って参加された方が約二百九十人というのが実績でございます。 国内で開かれた学会への参加でございますけれども、出張という形で行かれた方が五十九年度で約六千五百人でございますが、自費で休暇をとって行かれた方については詳しい統計がございません。ただ、科学技術庁のある研究所だけに限って言いますと、出張で行かれた方が、これは国内でございますけれども約九十人、それから休暇で行かれた方が約九百人ということでございまして、大多数の方が休暇を使って学会へ参加されているというのが実態でございます。
○小澤(克)委員 学会等への参加の場合、特に海外の場合など旅費もかなり高くなります。それから参加費用それ自体取られることもあるわけですけれども、こういうのはもちろん職務専念義務の免除にすぎないわけですから、あとは自費でやれ、こういうことになるわけでしょうか。
○長柄政府委員 そのとおりでございます。
○小澤(克)委員 国内で、しかも近距離のような場合は、これまでも事実上そういうことは上司が承認するということで行われていたのじゃないかと思いますけれども、それは別に現行法でも法違反になるということじゃないのでしょう。その辺はどうなんでしょう。
○長柄政府委員 事実上そのような黙認というような形であったかも存じませんけれども、国家公務員は職務専念義務というものが課せられておりまして、職務以外のことで職場を離れてはいけないということでございますので、国内学会といえども、出張ではなくて参加する場合には休暇扱いになるというのがルールでございます。
○小澤(克)委員 その辺は、どこまでが職務であり、どこまでが職務に密接なものか、いわば弾力的な解釈の余地があるのじゃなかろうかと思います。 次に行きまして第五条関係ですが、国以外の者が国と共同して行う研究に関する規定でございます。この「国以外の者」というのは、典型的なのは民間の研究機関だろうと思いますが、そのほかにも、自治体であるとか国の機関に準ずるような特殊法人とか、その他一切合財この五条の対象としては含むことになりますね。
○長柄政府委員 「国以外の者」といいますのは、日本国の自然人、法人、地方自治体、それから外国の自然人、法人、公共的な団体及び政府並びに国際機関を指しております。
○小澤(克)委員 現在、国家公務員が国以外の者と共同して研究を行ている——国家公務員がというのでなくて、国の研究機関がと言った方がいいでしょう、国以外の者と共同して研究を行っている、あるいは国が何か委託をしているというのは、実績としてはどの程度あるのでしょうか。これはテーマの数え方にもよると思うのですが、大づかみな数字で結構です。
○長柄政府委員 国が国以外の者と委託研究契約を結んだり、共同研究契約を結んで研究をやっている件数、今手元に数字がございませんが、かなりの数の共同研究ないし委託研究が進んでいるものというふうに理解しております。ただいま手元に数字は持っておりませんが、どの研究所も少なくとも数件くらいの研究はやっております。国際的な共同研究の実績につきましては、六十年度に各省庁において実施されたプロジェクトというものは約六十課題が行われております。
○小澤(克)委員 特に防衛庁の方にきょう来ていただいておりますので伺いますが、防衛庁において、国以外の者と共同あるいは国以外の者に委託して研究を行っているというのは、テーマとしてどのくらい現在実績としてございますでしょう。
○小池説明員 防衛庁にも委託研究はございます。実績で申しますと、六十年度に九件ございます。六十一年度には七件を予定いたしております。 共同研究につきましては、このところないのですけれども、過去において一件だけ、PS1型の対潜飛行艇の研究開発をいたしましたときに、アメリカの支援を仰いだり、こちらから向こうに資料を提供したりというようなことがありまして、これも一種の共同研究であるというふうに解釈いたしております。それが一件あるだけでございます。
○小澤(克)委員 件数が九件とか七件とかいうオーダーでございますので、ひとつどういうテーマでやっているのか、全部言っていただけますでしょうか。
○小池説明員 まず六十年度の九件でございますが、航空機の諸元策定プログラム、試験用ファンの調査研究、気体爆薬に関する調査研究、艦艇流体雑音低減化の調査研究、戦闘機用統合電子戦システムの調査研究、制式規格の原図原案の作成、基礎素材新技術等の調査研究、技術情報処理の最適システムに関する調査研究、高圧空気装置の調査研究、以上が六十年度の分でございます。 六十一年度、これはまだ予定でございますが、低雑音プロペラの調査研究、艦艇流体雑音低減化の調査研究、投棄型電波妨害機の調査研究、基礎素材新技術の調査研究、制式規格の原図原案作成、滑走路の維持工法に関する調査研究、国内外の防衛関連技術の調査研究、以上でございます。
○小澤(克)委員 テーマの名前だけである程度想像はつくものもあれば、抽象的でさっぱりわからないものもあるわけですけれども、差し支えない範囲内で我々素人にももう少しわかるように、そしてまた、委託先についてもお答え願いたいのですが。
○小池説明員 まことにお恥ずかしい次第なんでございますが、中身の細部につきましては私もよく承知しておりませんで、どうも恐縮でございます。それから委託先につきましても、ただいまちょっと手元に資料がございませんで恐縮でございますが、民間の企業であると思われます。
○小澤(克)委員 十分な質問の打ち合わせができなかったという事情がございますので、やむを得ないと思いますが、これは大変重要な問題だと思っておりますので、今後また私、お時間をいただいて詳細を明らかにしていただく機会をぜひつくっていただきたいと思います。 それでは次に移りまして、第六条ですか、特許権あるいは実用新案権の一部を国以外の者に譲与することができるというのがこの趣旨でございますが、これは譲与というのがまずどういう意味合いなんでしょうか。無償譲渡、有償譲渡等を含む概念なんでしょうか。
○長柄政府委員 ここで言っております譲与は、無償譲渡でございます。
○小澤(克)委員 現行法下では、全くの無償で譲与するということは不可能なんでしょうか。あるいは、国といえどもだれかに何物かを譲与しても構わぬということになるのでしょうか。
○長柄政府委員 特許権というのは、国有財産法によりまして国の財産となっております。国の財産は正当なる対価なくして譲渡してはならないという一般原則がございまして、従来受託研究の場合、資金は、民間側と申しますか、国以外の者が負担したわけでございますけれども、その権利については、そのようなことからすべて国が権利を保有していたというものでございます。今回このような特例措置を設けることによって、全部ではございませんが一部を無償で譲渡できるような道を開くということでございます。 なお、受託と全く逆に委託の場合でございますが、委託の場合は、国が資金を負担したということから、その成果及び成果に伴う特許権については国が権利を持つということになっていまして、委託の場合も国が持つ、受託の場合も国が持つというのが従来の方法でございましたけれども、今回の特例措置が認められますと、受託の場合は、一部について相手方に無償譲渡できるということにするわけでございます。
○小澤(克)委員 これまでに国の機関での研究の成果として得られた特許について有償で譲渡するというようなことは、これはよく行われてきたことなんでしょうか。
○須田説明員 そういう道は開かれていますけれども、今ちょっと数はつかんでおりません。先ほど局長申しました委託によって、成果は一部、大蔵省も相手方に適正な対価で随意契約で売却できるという制度も昨年つくりましたので、そういう道は開かれております。
○小澤(克)委員 委託した場合も受託した場合も両方全部国の特許になるというのは、考えてみたら大変虫のいい話なんですけれども、恐らく法制度がそういうふうになっているのでしょうが、国が委託を受けたということで費用は国以外の者が持った場合に、正当な対価というところで、費用は国以外の者が持ったのだからそのことを加味して対価を適宜定めるというようなことは、これまでの運用としてはやはりできないのでしょうか、どうなんでしょうか。
○長柄政府委員 国が受託研究を契約いたします際、そのかかったコストを全額いただくというのが原則になっております。そういうことでございまして、その特許権を国が持つからその分だけ割引して受託研究費を減らすというようなことはとっておりません。
○小澤(克)委員 いや、そうじゃなくて、国が国以外の者から委託を受けて何らかの研究を行い、特許権を取得した、しかしその費用は国以外の者が負担しているという場合に、それじゃ取得した特許権をその費用を負担した者に有償で譲渡しましょう、しかしその場合の対価を定めるについて、実質研究費をもらっているのだからそのことを加味して正当な対価を定めればいいではないかというような扱いは、これまではできなかったわけでしょうか。あるいは、そういう実績というのはないのでしょうか。
○吉村説明員 御指摘の点は、通常常識的に考えればごもっともな御意見だと思いますが、現在の国有財産法の立て方が、一たん国の財産となったものは法令の根拠なしに無償または廉価で他の人に譲ってはならない、こういう原則がございます。現在の国有財産法自体がそういった事態を十分頭に入れてつくられたかどうかという問題もございまして、御指摘のような運用は現下の法制のもとではできないというのが現状でございます。
○小澤(克)委員 大体六条の趣旨はわかりました。 それで、ここでは条文上はあらわれてないのですが、今の御説明の趣旨からすれば、無償で譲渡する先というのは現実に研究資金を負担した者に限られる、こういう解釈、運用になりますでしょうか。
○長柄政府委員 そのとおりでございます。
○小澤(克)委員 そうであれば法文上もそれを明記した方がいいのではないかと思うのですが、これは特にその点を条文上はあらわさなかったのは何か理由があるのでしょうか。
○吉村説明員 第六条をごらんいただきますと「国は、国以外の者から委託を受けて行なった研究の成果に係る国有の特許権又は実用新案権の一部を、政令で定めるところにより、当該国以外の者に譲与することができる。」と書いてございまして、非常にわかりにくい言葉でございますが、この「当該」というところで相手を特定しておるという意味でございます。
○小澤(克)委員 国以外の者から委託を受ける場合は必ず研究費を徴収するという扱いなんでしょうか。
○須田説明員 おっしゃるとおりでございます。そういう扱いでございます。
○小澤(克)委員 それでは次に移りまして第七条でございますが、この条文を拝見しますと、「外国の公共的団体又は国際機関と共同して行つた研究の成果に係る国有の特許権」等について、「これらの者その他の政令で定める者」となっておりまして、共同研究を行った相手の機関には必ずしも限らないように読めるのですが、これはどういう趣旨なんでしょうか。
○吉村説明員 第七条に基づきまして国同士が共同研究をやります場合に、当然実施をする中にいろいろな企業体とか民間の法人とかいったものが入ることがあるわけでございまして、全体として共同研究をやるということになる場合が多いわけでございますが、そういった場合には国だけではなくて、そういうところに参加をした民間の法人についても同じ扱いが必要であろう。ただそういう場合には国が、この法人については廉価使用をさせてほしいという話があれば、そういった法人についても認めるといった趣旨のことをここに書いておるわけでございます。
○小澤(克)委員 それでもう一つ。私の不勉強で恐縮なんですけれども、国が外国もしくは外国の公共的団体または国際機関と共同して研究を行って、そしてその特許については国が取得するというのは、どういったメカニズムといいますか、そういうことになるのでしょうか。
○長柄政府委員 ヨーロッパ、アメリカで行われます政府間の国際共同研究の場合でございますけれども、共同研究によって特許権が生まれたというような場合に、その特許権の許諾に当たって無償または廉価に認め合うのが通例になっています。 これをもう少し日本の特殊法人の場合で申し上げますと、特殊法人というのは国有財産法なり財政法の直接の適用を受けませんので、こういう無償ないし廉価ということは可能でございますけれども、日本の研究者が例えばアメリカに行きまして、アメリカ人と一緒にアメリカの設備を使って研究をやったというようなケースに特許権が出た。その場合に日本人が発明したというふうな場合は、一つの例でございますけれども、日本国における特許権は日本側が持つ、アメリカにおける特許権はアメリカが持つ、第三国における特許権はアメリカが持つ。ただし、米国ないし第三国における無償実施権を日本が持つ、日本国における無償の通常実施権はアメリカが持つというのが通例になっております。 そういうことで、日本国においては日本側が特許権を持つわけでございますけれども、アメリカは無償の通常実施権を持つということが普通の国際的なルールになっております。そういう意味で、現在の財政法の建前から日本の権利を、今の例ではアメリカでございますけれども、無償で許諾するということは不可能でございます。そういう臓路を打開するためにこの条項が設けられたものでございます。
○小澤(克)委員 今の御説明でなかなか複雑な決まり方をするようでございますが、何か条約に基づいてそういう特許権の帰属というのが決まるわけなんでしょうか。
○長柄政府委員 条約ではございませんで、欧米諸国の考え方は、共同研究をやる場合は一心同体といいますか、あなたのものはおれのもの、おれのものはあなたのもの、一つのものだということでお互いに無償ないし廉価でやり合うということによって、相互に平等に扱うというのが通例になっております。そういう枠の中に日本が入ろうといたしますと、日本はそうでございませんで、有償が原則になっておるということでなかなか入れないということで、今回の法律案では国際共同研究に参加する場合に限って、世界一般を支配しています慣行に日本も従うということにしたわけでございます。
○小澤(克)委員 ちょっと理解しにくくて申しわけないのですが、私がお尋ねしているのは、第七条では共同して研究を行って国が特許権を取得するというのが、どうしてそういうことになるのかがわからないものですから。先ほどの御説明がそういうことだったのだろうと思うのですけれども、それが条約か何かに基づいてそうなるのか、仕組みを教えていただきたいのです。
○吉村説明員 国際間で共同研究をやります場合にどういう形で特許権を取得し合うかというのは、条約があるわけではございませんで、そのときの交渉事でございます。ただ、欧米人の発想としては、お互いに利用させることが当然であるという発想がございまして、そういう違った発想のところに日本が入っていくというごとになりますと、そういう発想に事実上合わせざるを得ないということでございます。条約があってそういうことが一般的に決められているものではございませんで、あくまでもケース・バイ・ケースのそういった約束事の一つということでございます。
○小澤(克)委員 それで、現実にこれまでに外国の機関と共同研究をして、その成果について国が特許を取得したというようなことは、実績といいますか、実例があるわけでしょうか。
○長柄政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、無償とか廉価でお互いに許諾し合うというのが向こうのルールでございまして、こういう条項の入るような国際共同研究には日本の国の研究所は参加できないということがございます。情報交換とか人物交換とかいうふうに特許の発生しないような共同研究はかなりございますけれども、非常に大がかりな研究で特許が生まれて、その特許の配分をどうするかというふうなことを規定するような契約はなかなか結べなかったというのが実情でございまして、私の記憶では国有の特許になったというものはないというふうに考えております。 ただ特殊法人の場合は、例えば日本原子力研究所とかこういうところは、既に無償許諾ということでいろいろな契約を縮んでいまして、かなりの特許権を日本側も取得し、また相手方も取得したものというふうに理解しております。
○小澤(克)委員 そうするとこの第七条は、現在のやり方で何らか国が特許権を取得してしまったということを前提としてこういう規定をするのではなくて、今後の研究等についてお互いに無償で使い合うことを前提に特許権の帰属を決め合うような、そういうことを予想し、これを可能にしよう、こういうことですか。
○長柄政府委員 そのとおりでございます。
○小澤(克)委員 わかりました。 次に移ります。第八条関係でございますが、これは損害賠償請求権の放棄という規定でございますが、現在までに共同研究等で現実に損害賠償などの問題が生じたということがございますでしょうか。
○長柄政府委員 国際共同研究におきまして、日本の国立共同研究所と外国の研究機関の共同研究によって損害賠償請求問題が起きたということは、私は承知しておりません。ただ、この損害賠償請求権をお互いに放棄しないと共同研究に入れてくれないというようなケースはございました。
○小澤(克)委員 そうすると、そのケースでは共同研究を断念した、こういうことになるわけでしょうか。そういうのがどんなテーマでどのくらいこれまでありましたでしょうか。
○長柄政府委員 例えばNASAが今計画しております宇宙基地計画の予備設計段階に関する協力でございますけれども、これにつきましては相互に損害賠償請求権を放棄し合うというのが大前提になっておりまして、ヨーロッパ諸国それからカナダはこの約束、こういう条項でいいということになっているのでございますが、日本の宇宙開発事業団が入ります場合は、これは特殊法人でございますのでこのような条件で参加することは可能でございますが、国立研究所が参加しようとした場合に、その条項が国内法に触れるということで参加できなかったケースはございます。
○小澤(克)委員 これは念のために伺いますが、この第八条はあくまでも国が請求権を持つ場合にそれを放棄するという趣旨で、外国の研究に参加をした当該の公務員それ自体の、その個人の持つ請求権、これはこの第八条の規定するところは全く別問題、こういうことになりましょうか。
○吉村説明員 御指摘のとおりでございまして、これは国と国の間の権利義務の関係を決めたものでございますので、それ以外の者が持つ請求権についてまで言及はしていないわけでございます。
○小澤(克)委員 そうすると、その公務員としては公務上の災害ですから当然日本国に対しては請求をする。日本国がそれを、その災害が外国の研究機関の責任であった場合に求償することになるわけですが、その求償権が放棄される、したがって公務員個人にとっては特段の不利益はない、こう理解してよろしいでしょうか。
○吉村説明員 御指摘のとおりでございます。国が先方に持つ請求権及び求償権を放棄するということでございまして、ただいま御指摘がございました点は、八条の第二号におきまして明文で書いておるということでございます。
○小澤(克)委員 次に、第九条「国有施設の使用」に関して伺いますが、現時点で、国の施設を国以外の者の利用に供するというようなことは、実績としてかなり多いわけでしょうか。
○長柄政府委員 最近五カ年間におきまして国有の研究施設を外部の方が使用された実績でございますけれども、主要な省庁について調査した結果によりますと、約七十の施設において外部の方が利用されたケースがございます。 それで、これを利用されます場合、適正な対価と申しますか、一般としては、フルコストをいただいてその使用を許可しているわけでございます。
○小澤(克)委員 防衛庁に伺いますが、防衛庁関係の研究機関で、その施設を国以外の者に使用させた実績というのはこれまでございますでしょうか。
○小池説明員 九条に該当するような例は、現在までのところございません。
○小澤(克)委員 九条によりますと、利用した者が「施設を使用して得た記録、資料その他の研究の結果を当該機関に政令で定める条件で提供することを」約束することが条件になっているわけですけれども、これは具体的にはどういうことなんでしょうか。すべてを提供することを予定しているわけでしょうか。
○吉村説明員 具体的には政令で定めることになるわけでございますが、私どもの頭の中にございますのは、こういったケースが適用されるのは、非常に大きな設備、多額の経費を要するために民間に設置できないような設備の使用の場合にそういうことが行われるであろう、しかもその設備の使用の目的というのは試験データの取得ということが中心ではなかろうか、そういった試験データを取得された場合には、そのデータが国にとっても非常に役に立つので、そういったデータをいただくということを条件にして廉価使用の道を開きたいという趣旨でございます。
○小澤(克)委員 ここで得た成果といいますか、知見、資料等は、提供を受けた以上、国の方で独占的に利用するということまでは予定はしてないわけでしょうか。
○吉村説明員 そういう形で得たデータそのものが直ちに主業所有権とかいったものにつながるということは考えておりませんで、むしろ、そういうデータを使って国の研究を効率的にやると申しますか、国で試験をする身がわりと申しましょうか、そういう形で国の研究を効率的にやれるということになるわけでございまして、そういう形でございますので、国は国の研究の中で有効に活用していくということが目的でございます。 独占的な使用ということにつきましては、私どもちょっと御質問の趣旨をはかりかねます。
○小澤(克)委員 平たく言いますと、要するに民間の方が国の研究機関等でいろいろな施設を使って研究をした、その結果、貴重なデータ等が得られた、あるいは新しい知見が得られたというようなときに、それを国にも提供するけれども、コピー等をとって持ち帰って、民間の企業なりなんなりの研究にも役立てる、こういうことは別段この九条では妨げないといいますか、政令で定める条件というのは、そういうことも予定した条項なんでしょうか。
○吉村説明員 お尋ねの件は、民間側がみずからの研究を国の施設を使ってやりたいということでございますから、その成果は当然のことながら民間に属するわけでございます。ただ、国としては、研究交流という観点から、国の研究にもそのデータ等が非常に役に立つときには、いただくかわりに廉価の使用を認めるということでございますので、そのデータの使用は、本来的にはその試験をされる民間側に権利といいましょうか、そういうものはある、国もあわせてそのデータを国の研究や効率的な推進のために使わしていただく、こういう趣旨でございます。
○小澤(克)委員 最後にお尋ねしますが、本件は、国と国以外の者というのを主として対象とした法案のようでございますが、国の機関相互の間では研究交流というのは、防衛庁とその他との問題も含めて、現在いろいろ活発に行われているのでしょうか。
○長柄政府委員 必ずしも国の機関の相互間で活発に研究交流が行われているとは考えておりません。組織の壁と申しますか、各研究所ごとの望みたいなものがございましてなかなかうまくいかないということで、実は科学技術庁の科学技術振興調整費等によりましては、各省庁間、大学、民間も含めてでございますけれども、そういう相互研究と申しますか、共同研究のようなものを大いに援助するということで、調整費のプロジェクト等では省庁間の枠を超えて研究が進められているということでございます。各省庁間、研究所間の法的な隘路というのは特にないのでございますけれども、運用上、実質上いろいろうまくいってないということで、我々としては、その間の壁と申しますか、そういうことについてはできるだけ早く取り払って、その壁が少なくなるように努力してまいりたい、こう考えております。
○小澤(克)委員 終わります。
○大久保委員長 遠藤和良君。
○遠藤委員 先ほど大臣から本法案に対する提案理由の説明をお聞きしたわけでございますが、重ねてで恐縮でございますが、本法案の意図するもの、あるいはまた、今この時期に提案された理由を明確にお聞きしたいと思います。 そしてまた、重ねて、大臣が研究交流に抱いているお考えに対して本法案がどの程度満足できるものであるか、本法案のできばえと申したら失礼でございますが、百点満点で何点ぐらいの感覚でいらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○河野国務大臣 先ほども提案理由の説明等で申し上げましたけれども、科学技術の振興を図っていく上でとりわけ重要視しなければならないポイントは創造性ではないか、こんなふうにも考えているわけでございますが、そうしたことを考えますと、異なった分野の人たちの交流というものは極めて重要になってくるのではないかというふうに思われます。しかし、そうしたことが行われるような状況に今なっているかどうかというと、多少心配もございます。 こういう例は適当かどうかわかりませんが、筑波に研究学園都市ができまして大変多くの研究機関が集まっておりますけれども、ああいう場所に多くの研究機関、これは民間も国の研究機関もそうでございますが、せっかく国際的にも恐らくそう多くないであろう大きな規模でああいうところに研究機関が集まっている。ああいうところに一つに集まっていることのねらいあるいはそのメリットは何かというと、そこで交流が活発に行われるということが一つのメリットだろうと思うのですけれども、私、先般視察をしてまいりましたが、私が思っているほどに研究交流というものが筑波学園都市の中でも行われていない。これは非常に残念なことでございます。 交流センターなどという機関をつくりまして、施設をつくりまして、そこで研究そのものでなくても、例えば趣味の音楽であってもいい、その他趣味に絡んだ人間の交流が行われるということでも私は意味があるのじゃないかと思いますが、交流センターなどへ行ってみましても、必ずしも非常に積極的に交流が行われているというふうにも思えなかったわけでございます。あそこだけを見て全体をはかるということはどうかと思いますけれども、印象としてはそういう印象を持ちました。私は、国内においてもそうでございますが、国際的には、今小澤先生の御質問の中でも御答弁を局長からいたしましたけれども、外国との習慣の違い、考え方の違い等もありまして、なかなか壁は厚うございます。そういうものを越えていく何かきっかけをつくる、あるいは制度をつくっていくということは必要だ、こう考えておるわけでございます。 先生の今の御質問の中に、なぜこの時期にという御質問がございました。先生も御承知のとおり、この研究交流促進につきましては、数年前からこうしたものをつくりたいというふうに考えていた向きがございまして、科学技術庁でも努力をした跡が、私、科学技術庁に参りますと、ございます。しかし話を聞いてみますと、その当時にはなかなか国の制度、例えば財産管理制度でございますとか、人事院の制度でございますとか、国の制度の根幹に触れる部分がこの法律にはございますので、過去何回かトライしたけれども成功しなかった。しかし、行革審を初めとするいろいろな考え方が国民に支持されてきまして、やっとその壁を越える手がかりができたということで、昨年来急ピッチにこの作業を進めて、理解を得ることができて、今回提案をすることになったということのようでございます。 また、この法案のできばえはという御質問でございますが、このできばえにつきましては、委員会の先生方に後ほど点数をつけていただきたい。私どもがこの時期合意を得て提案をするこの法律といたしましては、事務当局は相当に頑張って法律をつくる努力をいたした、こう私は評価をいたしておりますが、全体の点数については、どうぞひとつ先生方で御採点をいただきたいと思います。
○遠藤委員 できばえでございますけれども、立法府の私たちといたしましては、この法案を一読いたしまして、法律は十一条でございますが、「政令で定める」という文言が十五ありますね。これはどうも細かいことはみんな行政府の方でやるんだということで何か逃げていらっしゃいまして、立法府としては、言葉は悪いのですけれども、これは甚だざる法的、そういう印象を受けるわけでございます。この十五項目の「政令で定める」というところを明確にしていただかないと審議できないのではないかという印象を受けますが、いかがでございますか。
○長柄政府委員 この法案は、公務員制度や財産管理制度についての特例を設けるということでございまして、その特例の範囲をはっきり決めなければいかぬ、また、その特例を適用するに当たっての手続を決めなければいかぬというふうなことから、「政令で定める」という項目が十五項目あるわけでございますが、この法案におきましては、法律で手当てすべき基本的事項は法律ではっきり明定し、運用細目については政令で規定するということでございまして、その点を御理解願いたいと思います。
○遠藤委員 時間がございませんので、ここで一々十五項目全部明確にしてもらいたいとは言いませんけれども、二、三明確にしていただきたいところがございます。 まず第六条関係でございますけれども、これは「国の受託研究の成果に係る特許権等の譲与」の問題でございますが、先ほども小澤委員がおっしゃいましたけれども、ここに「国は、国以外の者から委託を受けて行った研究の成果に係る国有の特許権」等の「一部を、政令で定めるところにより、当該国以外の者に譲与することができる。」こうありますが、この「政令で定める」というのはどういうことを意図されておりますか。
○吉村説明員 政令として現在考えておりますのは、二部」と書いてございますので、その「一部」というのはどの程度にすべきかということを決めたいというふうに思っているわけでございます。
○遠藤委員 今までは、国から民間にお願いする委託研究の場合、あるいは民間から国にお願いする受託研究の場合も、ともに特許権は国にあったわけでございますね。今度法律で、受託研究については民間に出資をお願いしているわけでございますから、その特許権の一部を民間にも譲与する、こういうことになろうかと思いますけれども、それは例えばどういうふうに判断をして、その一部を譲与する形になるわけですか。 〔委員長退席、塚原委員長代理着席〕
○吉村説明員 私どもが考えておりますのは、資金を負担した方と、そういう研究をして発明をした研究者が属する国でございますが、両者の共有にしたいと思っているわけでございまして、その共有の割合は、先ほど申し上げました政令で決めようということでございます。それで、個別に、研究のテーマごとにどうこうといったことを決めるという意図ではございませんで、一律に、研究費を全額負担していただく方に対してどの程度の持ち分の割合をお渡しをするかということを政令で決めたいということを考えておるわけでございます。
○遠藤委員 それから第九条の「国有施設の使用」の関係でございますが、ここにも「政令で定める」というのが二カ所ございますね。これはどういうことを考えていますか。
○吉村説明員 国有施設の廉価使用につきましては、既に法律によります前例というのがございまして、そこにおきましても政令に委任をしているという部分があるわけでございまして、そういったものと特段別のことを考えておるわけではございません。 内容的に申し上げますと、政令におきましては、廉価で使用させる施設というのはどういうものにするかという施設を政令で定めたい。それから国有施設を廉価で使用させます場合に、どの程度安く使用をさせるかといったことをこの政令で決めたいというふうに思っております。
○遠藤委員 第九条の中に「当該研究の効率的推進に特に有益である研究を行う者に対し、」云々とあるわけでございますが、特に有益であると判断をするのはだれですか。
○吉村説明員 先ほどの答弁で一つ落としましたので、補足をさせていただきますと、もう一つ、政令は二本ございまして、後段の政令では、国有の試験研究施設の使用を通じて、施設を貸す側の国の研究所と借りる側の民間の研究所の間で研究に関する交流が図られるような条件を規定をするということを考えでございます。具体的には、先方が取得をいたしましたデータを無償で国に提供するということがその内容でございます。 〔塚原委員長代理退席、矢追委員長代理着席〕 それから、ただいまお尋ねがございましただれが判断をするかということでございますが、形の上では国有財産法上の建前になりまして、それを最終的に責任を持つ各省、各庁の長といったことになるかと思いますが、実際上はその中身をよく御存じの研究所長さんが判断をされるというふうになると考えております。
○遠藤委員 この法律の題は研究交流促進法という名前がついておるわけでございますが、読んでおりますと、どうも国の研究公務員の方が民間に行く場合、あるいは共同研究を行う場合の、ある意味では優遇法という感触があるわけですね。交流というのは、行き来がございまして初めて交流でありまして、民間の方から言わすと、国の研究機関を自由に利用できるということが交流の大きいメリットになるわけですね。それを国の方ばかりこういうふうにやりますよというのでは何か片手落ちのような感じがするわけでございますが、もう少し民間が国の機関を通して自由に研究を行えるような配慮というものはどういうふうになっておるのでしょうか。
○長柄政府委員 先生の御指摘は二つあろうかと思いますが、一つは人の交流かと思います。 国の研究者が国以外の研究機関に移っていろいろ研究したりするところで、法律的にいろいろな国家公務員法上問題がございまして、そこの問題を今回の法律で解消しようということでございます。国の研究者が外に出ていけるようにしようということが今回の身分法上の手当てでございますが、一方、民間企業の研究者の方が国の研究所に来て一緒になって働くということにつきましては、特に大きな法律的な制約があるわけではございませんで、例えば客員研究員制度とかいろいろな制度がございまして、そういう制度を充実させるということでその逆の場合は手当てができるということで、法律上は国の研究者についてのみ規定したわけでございます。 もう一点、民間の方々が国の施設をもっともっと自由に使ったらどうかという御指摘かと思いますけれども、従来から国の研究施設には日本に一個しかないような非常に特殊なものもございます。そういうことで、研究所側の業務に特に支障のない限り、あいている時間があれば御利用いただくということで来てまいりました。ただ、その際、使用の料金でございますけれども、かかったコストをいただくということで民間にも開放してきたわけでございますが、これにつきましても、必ずしも十分周知徹底しているとは限りませんので、今後どういう研究所のどういう施設があり、それの利用についてはこういう条件でございますというふうな情報を、科学技術庁が中心になりまして、各省庁の協力を得ましてPRと申しますか、その周知徹底を図り、民間の方々が国の施設を御利用になる際の便宜を図っていきたい、こう考えていも次第でございます。
○遠藤委員 国の研究機関の公開といいますか、企業に利用していただくという考え方は大賛成でございますが、そのときひとつ留意をしていただきたいといいますか、配慮していただきたいことがございます。 それは、この法律を読んでおりますと、この法律で恩恵を受けるのはだれかといいますと、要するに国の研究公務員の方々とハイレベルの研究所を持つ大企業の方々ではないかなという印象が浮かぶわけでございますが、今ベンチャービジネスと言われる方々がありますね。資本は非常に小さいのだけれども、中小企業の方々、しかし研究の中身というのは大変先端を行くというベンチャービジネス、あるいは研究の中身が大変価値のあるものである、こういう方々に特に国立の研究機関、試験機関等を十分に活用できる道をお開きになる、こういう配慮をぜひしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○河野国務大臣 先生の御指摘はよく理解できます。大企業とか中小企業とかという場合には、資本金の大きさとか売り上げ高とか、あるいは人間が何人おるかということで一つの概念をつくる場合が多うございますけれども、御案内のとおり研究とか技術開発とかというものは、そうした概念よりも研究のレベル、技術のレベルがどうかということが問題でございます。お話のように、そうスケールは大きくないけれども非常に質の高い研究を行っているという企業、あるいは民間の研究機関というものもたくさんあるわけでございまして、そうした点に着目をしてやっていくということが重要だというふうに思います。 研究者は、お互いにどこにどんな研究施設があるか、どの研究施設がどのくらいのレベルのものを持っておるかということはかなりよく知ってはおるわけでございますけれども、この上ともこうした考え方を周知徹底させる、どこにどういうものがあるかということもよく御案内申し上げるという点は、努力をしていかなければならないというふうに思っております。 〔矢追委員長代理退席、委員長着席〕
○遠藤委員 大変大臣に前向きの御答弁をいただきまして、恐縮をいたしております。 特に、先ほど確認いたしましたように、研究の中身が特に有益であるというふうに判断されるのは実質的には研究所の所長さんであると伺いましたが、その判断の基準として、どうしても大企業、今までの経験がございますので、そちらの方に経験的に判断をされる場合があると思うのですけれども、私は研究というのは、大臣もおっしゃったようにやはり研究そのものが大事でございまして、企業の大小とか研究員の方とか、そういうこととは関係なく、研究の中身がよければ小さな民間の企業であってもどんどんと国の研究機関を使わしていく、こういう配慮をぜひお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 次の問題でございますが、いわゆる研究交流ということで懸念されることは、国家の研究公務員の方が、例えば軍事の共同研究、こういうふうに携わっていきまして、軍事でございますから国家機密の網にかぶせられるわけですね。そうしますと、研究交流を促進するという名目は大変いいわけですが、国民の目の見えないところでどんどんと軍事の研究が進む、こういう心配が起こるわけでございますが、この研究交流促進法の中を見ますと、研究交流に対して平和の目的に限るという文言がないのですね。どうして平和の目的に限るという文言がないのか、ここが大変不思議な感じがいたすわけでございますが、このところはどういうふうに理解していますか。
○長柄政府委員 本法案は、従来からそれぞれの行政目的に応じまして各省庁がやってきました研究につきまして、産学官及び外国との交流を進める際、公務員制度とか財産管理制度等について法制上の隘路がございました。こういう点を解消しようというものでございまして、本法案によって基礎研究を促進するとか、平和、非平和研究を促進するとか、材料研究を促進するというふうに、特定の分野を推進するということを意図して作成をしたものではございませんで、一般的に研究交流を促進する上での特例措置を設けたものでございます。 それから、先生が冒頭申されました国家機密との関係でございますけれども、本法案は国と国以外の者との間の交流を促進することを目的としておりまして、国の研究機関相互間の交流を促進するということについては特に対象としていない。といいますのは、例えば具体的に申しますと、防衛庁の研究所と他の省庁の研究所、また国立大学というふうなことの間の交流についての特例措置を設けるというふうなことは、本法案では何ら規定しておりません。そういう意味では、先生がおっしゃいました点につきましては、この法案の制定によりまして従来と何ら変わる点はございません。
○遠藤委員 例えばこういうことが想定されると思うのですが、防衛庁とある民間会社が共同研究をしておる、そこに第三者の国立の研究所の機関の方が入って一緒に研究をする。こうなると、防衛庁とは直接国立の研究所との間の共同研究はありませんけれども、企業を通して、企業を媒介して一つの軍事研究が進むということは十分懸念されるのではないですか。
○長柄政府委員 防衛庁とある特定企業が、軍事と申しますか、防衛技術に関する研究をやっている場合に、第三の研究所の研究者の方がそれに参加するかどうかということかと思いますが、これは第三者である研究所の任命権者の方が判断すべき問題でございまして、参加させるかどうか、その際それぞれの省庁、例えば通産省とか科学技術庁でもようございますが、その省庁の研究目的というのはそれぞれの省庁の設置法によりまして任務がおのずから決まっております。そういう意味で、各省庁の持っております任務とか、各省庁にとってその研究に参加することが有意義であるのかどうか、いろいろな面からの検討があってそれぞれの任命権者の方が判定されるわけでございます。この点につきましても従来から研究休職等によって参加の道はあったわけでございまして、今回その点で変わりましたのは、退職金の通算の場合に、従来期間通算の場合二分の一が二分の二になったということでございまして、基本的には何ら大きな変更はないもの、こう考えております。
○遠藤委員 確認をしておきたいのですけれども、防衛庁がある企業と共同研究をやっておる、それに対して第三者の国の、通産省でも文部省でもあるいは科学技術庁でも結構でございますが、そこの研究機関の研究員が一緒のプロジェクトで研究をするということはできないのですか、できるのですか。ここのところを明確にしてもらいたいと思います。
○長柄政府委員 参加することは法律的にはできますが、その参加させるかどうかという判断は、所属します研究者の任命権者が握っているということでございます。
○遠藤委員 そうすると、やはり平和目的に限るということを書いていただかないと、大変失礼な言い方でございますが、法律的には参加できるわけでございますから、例えば科学技術庁所管の研究者が軍事研究に参加しておる、こういうことも十分法律的には可能なわけですね。
○吉村説明員 防衛庁と各省庁の間の共同研究ということは、理行法制上は何ら制約はないわけでございますが、各省庁はそれぞれ設置法の範囲内で研究をやるということになっておりますので、その限りにおいての制約が出ておるわけでございます。それらの関係につきましては、今回の法案の提出によって何ら変わるものではないというふうに理解をいたしております。
○遠藤委員 十分にわからない点もありますけれども、やはり研究交流は平和目的に限るというのが日本の科学技術の大前提であるような気がするわけでございます。ですから、ダブって明記することになるかもわかりませんけれども、この法案でもそういう趣旨を明確にすべきではないかな、こういうふうに私は思うわけでございます。 それから、今度は逆に研究公務員の方々の立場でございますが、共同研究することによりまして企業秘密とか、今言った軍事研究であれば国家機密、軍事機密の網をかぶせられて、研究公務員というのは自由な立場で研究ができる立場にもかかわらず、こういう研究に参加することによって自由が束縛されるという懸念もあるわけですね。この辺はどのようにお考えになっておりますか。
○長柄政府委員 企業機密について申し上げますと、例えば国と民間企業とが共同研究します場合、従来から特許権とか実用新案権の出願をするまではお互いに成果を公開しないというルールでやってきておるのが通例でございまして、この点については従来と何ら変わるところはないと考えております。 それから軍事機密、国家機密の件でございますけれども、先ほど申し上げましたように、今回の法律は国の機関相互間の研究交流を対象としておりません。したがって、例えば防衛庁と他の省庁の研究所の間の共同研究について何ら規定するものはないので、この法案によって御指摘のような問題は改めて発生するということは考えておりません。
○遠藤委員 きょうはせっかく文部省にもおいで願っておりますので、最後に文部省に確認をさせていただきますけれども、この交流促進法が実施されますと、日本の国立研究機関に外国人の研究者がたくさんおいでになる、また役職にもつかれて共同研究をされる、こういうことがどんどん出てくると思います。その場合に、例えば外国人の研究者から日本の大学に学位を取りたいという申請がもしあった場合は、日本の大学は例えば論文だけでの学位授与ということは考えられないのでしょうか。やはり学部に入って、博士課程を修了した者でないと博士号を授与しないという規定になるのでしょうか。ちょっと確認をさせていただきます。
○雨宮説明員 我が国の学位制度におきましては、先生御案内のように博士と修士の二種類があるわけでございます。いずれも博士課程または修士課程を修了した者に授与するものとされているわけでございますが、特にそのうちの博士の学位につきましては、学位規則の第五条でいわゆる論文博士という制度が定められておるわけでございまして、大学院の博士課程を修了した者と同等以上の学力があると認められた者については、論文博士が授与され得ることになっておるわけでございます。したがいまして、今先生お尋ねのように、正規の課程を経ないでも博士の学位を授与できる方途は講じられておるということでございます。
○遠藤委員 それは外国人にも同じように適用されるということですね。
○雨宮説明員 そのとおりでございます。
○遠藤委員 時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いしたいのですが、この研究交流促進法案というのは土俵づくりのような印象を受けるわけでございまして、この土俵が十分に運用されるかどうかというのは今後の課題になると思いますが、この法案の取りまとめに当たられました科学技術庁として、いわゆる運用の手引のようなものをおつくりになって、この研究交流促進法案がまさに平和の目的に対して研究が進む、交流が進むというふうな形を整えられてはいかがかなと思いますけれども、その辺の大臣の御決意を最後に伺いまして、質問を終わりたいと思います。
○河野国務大臣 先生からいろいろ御注意をいただきました。先ほど来局長御答弁申し上げましたように、それぞれの研究機関はそれぞれの目的を持って研究を今までもしてまいりました。それぞれ隘路を持ちながらも相当な努力をしてこられたわけでございますが、今回のこの法律は、そうした各研究機関が持っている隘路を取り除くというためにつくってある法律でございますから、まだまだ不十分な点も多かろうと思いますけれども、まずは今最も隘路となっている部分をこれで乗り越えよう、こう考えたものだと御理解をいただきたいと思います。 さらに、先生から御指摘がございました、この法律が成立をさしていただいた暁には、この法律が十分に活用されるようなガイドブックと申しましょうか、手引書と申しましょうか、そういったものもぜひつくらせていただいて、十分に国の研究施設も活用されるふうに、あるいはまた国際的にも十分な研究者の交流ができますように、努力をいたしたいと考えております。
○遠藤委員 どうもありがとうございました。
○大久保委員長 小川泰君。
○小川(泰)委員 今、私の前の質問者、それぞれいろんな立場で御発言がありましたので、できるだけダブらぬようにして、質問を端的に申し上げたいと思うのです。 もとよりこの法律をつくろうという意味合いは、私どもも非常に賛成をしている一人であります。むしろ、なぜ今までこんな配慮がされなかったかというくらいの気持ちに立つものです。これが一つ。もう一つは、科学技術の一般質問等でも、私、再三何回かにわたって申し上げているのですが、こういう法律全体をひっくるめて、何のために科学技術というものがあるのかという前提に立ては、当然のように戦争とか人類にその科学技術が逆に向かってくるというふうなことはだれも期待しませんし、やってはならないことだ、こういう前提に立っておりますので、あえてその辺は触れることを避けたい、こういうふうに思います。 そこで、今度出されようとする法律の内容について、一つ一つ御質問申し上げたいと思うのです。 まず第一、外国人の任用についてという意味合いはよくわかるのですが、どうなんでしょう、ちょっと僕は留守にしておったものですから、前の質問者にお答えがあったのかわかりませんが、あくまで、外国に広げようという場合にすべて相手の国があるわけです。こちらがこういう態度をとれば、相手の国もそれにちなんで素直にこっちに向かつて同じような態度をとる、こういう関係でこういう法律は見なければいけないのではないかなというふうに思いますので、そういう条件といいますか、そういう環境というものはどこまで認識され、精査されておるのか、ちょっと伺いたいと思うのです。
○河野国務大臣 まず一般論として申し上げたいと思いますが、研究者の交流というのは、それぞれの分野で研究者にとって興味のある研究が高いレベルで行われているということが大事だろうと思うのです。これはいろいろな研究の交流のあり方があると思いますけれども、まず一番最初に頭に浮かんでまいりますのは、あの国にこういう分野で進んだ研究がある、こういうことがあれば研究者としては大いに意欲がわいて、その国あるいはその研究機関に行って研究をしてみたい、こういうことになるわけでございまして、日本の国も戦後四十年、科学技術の分野で、すべての分野とは決して申しませんけれども、特定の分野では世界の最先端を行く技術開発が行われてきておるということを考えますれば、国際的にも、日本へ行ってみたい、日本のこういう研究機関に行ってみたい、こういう意欲がわいてきているであろう、こう考えるわけでございます。 また、先生御指摘のとおり、今度は逆に日本の研究者にとりましても、あの国のこの研究機関に行って研究をしてみたい、こういう意欲を持っている研究者も少なくありません。そうしたものが制度上の附路でやりとりができないということが一番残念なことでございますから、そこをクリアできるようにしようとしているわけでございます。また、それ以外にも、例えば生活慣習の違いとかあるいは所得の違いとか、まだまだ越えなければならないものもあろうかと思いますが、まず研究者にとっては、私、前段申し上げたようなことが大前提ではないだろうかというふうに思いまして、機が熟してきた、こう考える次第でございます。
○小川(泰)委員 これは外国人任用の条章にもかかわるし、その後から出てきます国際共同研究にかかわって、例えば特許権の問題であるとかあるいは賠償の問題であるとかという条章にもまたがってかかってくる問題だと私は思っておりますので、外国人の任用の場合には、今大臣お答えになったような双務的な意欲に燃えて交換をしよう、大いに結構だというふうに思います。 同時に、この国際共同研究という分野にわたりますと、ちょっとお触れになったように、随分とその国々の歴史とかあるいは慣習とか、多分に異なる面が介在するわけです。事この問題だけにかかわらず、ややもすると、それなるがゆえに日本なら日本の物差しではかってなるほどというものが、逆に向こうの物差しに当てがってみるとはてなというようなことがあらゆる分野でしばしば起こってくるということが、昨今国際時代になってくると多いわけであります。ぜひその辺の配慮というものが、たまたまこれは新しく法律をつくるわけですから、幾つか皆さんも御研究願って想定されてはおると思いますけれども、大変これは融通無碍といいますか、千変万化といいますか、幅においても奥行きにおいても、また時間においてもこれから変化してくる、こういうふうに私はこの種のものをとっておるわけでありまして、そういうものにどんなふうに対応なさろうとしていらっしゃるのか。とりわけ、これは例えてありますが、貿易摩擦の問題一つとりましても、こっちはいいと思っても向こうは違うよというようなことで、ちょっとおかしいじゃないかみたいなことがだんだん雪だるま式にいく、このこともこれはあり得るわけです。 私の本音を言わしていただきますと、こういう国際的なものをやるときには、基準とかなんとかというのを余りぎすぎすつくり過ぎてしまって、ここの関門を通らなければだめだ、ここをやらなければだめだということがその目的を逆に阻害するということが往々にしてあるものですから、できればそういうことがないようにしたいな。しかしそれはそれとしても、原則をそのことによって曲げてはいけない、こういう運用がこれから私は大変大事になってくるのではないかという気持ちがあるものですから、そういうものに対応するお考えをひとつこの際まとめて披瀝願いたいな、こう思います。
○長柄政府委員 国際共同研究にしろ国際交流にしろ、とにかくお互いに理解し合うところからスタートするものだというふうに考えております。それぞれの国、それぞれの地域におきましては固有の文化なり風土なり慣習、それぞれの価値観というものがございまして、お互いにそれを認め合う、理解し合うということが非常に大事だと思います。 それで、研究者につきまして、先ほどからの答弁でもございましたが、例えば国際的な学会に参加するというふうな場合でも、外因人の研究者が何を考えているか、どういう発想を持っているか、また自分の論文がその国際的な学会でどう評価されるか、どう批判されるかというようなことで、国際的な舞台でいろいろ批判され、国際的な間で一緒になってディスカッションするというのが非常に重要でございます。単に国内の学会とか国内のサークルだけでお互いに認め合っているというふうなことになりますと、考えが非常に画一的になりがちだということで、できるだけ開かれた体制に持っていきたい、こう考えている次第でございます。 それから、国際的な研究開発を展開する上での基準等について御指摘ございましたが、確かに従来の日本の制度、慣習というのは、日本にとって幾らの利益があるかということを中心にいろいろな制度ができているのだと思います。国内だけでございましたらそれでもいくわけでございますけれども、国際的にはやはり自分の利益ということと相手方に対する利益、便益ということをバランスして物を考えなければいかぬということで、そういう観点に立って基準、運用、こういうことを考え直さなければいかぬということで今回法律を提案させていただいておりますけれども、別途例えば運用、基準の緩和とかそういうことについても、科学技術庁が中心になって、各省庁も入っていただいて、基準の緩和ないし各省庁統一のとれた形に持っていきたい、こう考えている次第でございます。
○小川(泰)委員 これは考え方のやりとりですから、なかなか幅のあるもので詰めにくい問題とは思いますが、私の気持ちは、こういう国際的な問題、とりわけ科学技術の研究とかお互いのいわば創造性というものを出し合ってつくり上げていこう、もうこういう時代になります。そういう場合に、一般の国のありさまという場合には、まず日本なら日本の利益とか国益というものが一つありますね。それも全部失うようなことではいけないのだけれども、とりわけ日本のようにいわば憲法で戦争はしませんよという特異な宣言をし、原爆の洗礼を受けたりして、もう二度とやりませんぞというような国柄の持ち味というものを私はこういう部面から出していっていいのではないか。 そのためには、一つのフレームワークを自分の利益のために設けるのではなくて、逆に相手にどれだけ日本の技術なりそういうものが役立てられるかという点では、少々の粋を超えても振る舞っていくことが逆にいい結果を日本にもたらすのではないか、こんな感じでいろいろなものを取り決めるときにしていく必要がある時代を迎えた、私はこう思います。この基準とかあるいは手引をつくられるとか、これから閣議等で運用の一つのマップをつくられるとか、いろいろございましょうが、そういう発想で御検討いただきたいなというふうに私は思うのですが、いかがでしょう。
○河野国務大臣 例えばスウェーデンにある平和研究所なんというのを見ましても、これは小川先生恐らく御認識だと思いますけれども、もう全くスウェーデンのためにある研究所ではございません。国際的な平和のためにある研究所ということが非常にはっきりしているように思います。したがって、あの平和研究所の中の国籍別に構成員などを見ると、スウェーデンの人は決して多くない。むしろ世界各国の人が来てあそこで研究をするというふうになっていたと私たしか記憶しておりますが、どうも日本はまだそこまで進んでいないようでございまして、少なくとも管理者はだめ、何はだめ、かにはだめ、全体の半分を超えてはだめとか三割程度でなければいけないとか、まだまだ国際的な発想、感覚というところまでは達していないというのが現状でございます。 これから国際的な役割を担っていかなければいけないということになれば、こうしたものをもっともっと我々が理解し、そうした方向に歩を進めていかなければいけない。私は正直言って直ちにそこまでいけるというふうにも考えておりませんけれども、少なくとも研究の成果は国際的な人類の財産というような発想でこれからやっていかなければならない時代に来ているだろうと考えておりまして、まだまだささやかな前進でございますけれども、研究交流の中におきます国際的な研究集会への参加とか研究者の海外出張でありますとか、あるいは海外からの外国人の研究者の受け入れとか、そういう面で少しずつ前進をさせていきたいというふうに考えているわけでございます。
○小川(泰)委員 これ以上この問題についてのやりとりは差し控えさせていただきますが、遅きに失したと思うくらいの部面でも、せっかく今窓を開こうとなさっておるわけでございます。最初が肝心でございますので、そういう方向をしっかり踏まえて、さはさりながら現実的にできるところから一歩一歩と積み上げていくということが私は大事だと思いますから、あえてそういう質問を申し上げさせていただいたので、今後の運営の秒とか、さらに拡大発展を御期待申し上げます。 次の質問なんですが、前者も触れられておりましたけれども、これは極めてリアルな質問になるのですが、研究集会への参加とかあるいは民間への出向とかということに当たりまして、出ていく方々に本当にやる気を起こさせる、これが一番大事だと思うのです。今民間の間で、先ほど来この法律の提案の幾つかの条件の中に——今、テンポが速いのです。そして、いろいろな複合性の中から新しいものが見つけられていくということをあえて求め合って競争を働かせている、こういう時代なものですから、今申し上げたようなところに参加なさっていく方々が肩身の狭い思いをしたり、後ろを振り向かなければなかなか前へ進めないとか、外国へ行ったとき横を見ないとなかなかどうもと、こういうことは私はできるだけ取っ払ってやりたい。でき上がった結果に対しては別の物差しできちっと政治配慮していけばいいのでありまして、そこヘノーハウといいますか、知恵というか、創造性というものができるだけ自由にできるような、そういうもののためにこれはあり得るなというふうに私は思っております。 さはさりながら、いろいろ出張旅費規定だとか、この部分は出張旅費は出しませんよとか、この部分はどうだとか、予算上の関係、いろいろあるのでしょう。そういうものは余り野方図にやってはいけませんけれども、もう大づかみに、目的はここだと言ったらどんどん広げていってやって、むしろもっとやれよと言うぐらいのバックグラウンドを与えてやらないと、せっかくこういうものをつくりましても、びびる可能性というものを持つのじゃないかというふうに私は思いますので、そういうものに対する参加あるいは出向に対して今ある規定でさばき得ないようなものも出てくると思いますが、そういう拡大性を持って補完してやるというふうな考えが必要だ、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○長柄政府委員 研究交流のために外部の機関に参加されるとか出向されるというような方が、常に後ろを見たり横を見ないと安心しておれないというふうな環境というのは非常にまずいのでございまして、今回の法律でそのことを特に手当てしているわけでございませんが、何といいましても今後国立研究所が基礎研究、独創的な研究を中心に移していくというためには、非常に創造性があり熱意があるような方が伸び伸びと自分の主体性を維持しながら、ある範囲内で自由に、自主的に研究を進めていく、こういう環境をつくらないといかぬというふうに考えております。 それで、実は現在科学技術会議の中で、国立研究所の中長期的あり方ということで、活性化をねらいとして国立研究所の組織運用をどう改善するか、その研究者の方の創造性を抑えているような、ディスカレッジするような要素は何なのか、そういうものはやはり取り除こう。これはなかなか難しい点がございます、いろいろ歴史もございますけれども、そういうディスカレッジするようなものを取り除きまして、研究者の方が喜んで研究業務に本当に没頭できるというような環境をぜひつくっていきたい、こう考えている次第でございまして、科学技術会議でも今検討をやっておりますが、できるだけ早く結論を出して、そしてそれを実行に移していきたい。そういうものと今回の法律とが相まって初めて実効が生まれるというふうに考えております。
○小川(泰)委員 これこそ出る国、向こうへ行く国、それによって随分違ってきますから、うんと弾力的な対応をしていただきたいと思いますが、その考え方が、逆に外国の人が日本へ来るという場合に、向こうは向こうなりに自由にやってくれよと言ってきたとしても、受け口の方が逆向きに余り枠をはめたりどうのこうのと言っても、これはいけないんだなというふうに思いますので、そういうものをお考えいただくときには、出る場合、受ける場合、両々相まってぜひ前広に検討していただきたいなというふうに私は思います。今お答えの中にあった検討中のものもできるだけ急がれまして、できるところから実施に移していただきたいな、こういうふうに思っておりますので、どのくらいをめどにして検討されますか。
○長柄政府委員 非常に難しい問題が数多く含まれております。明治以来のいろいろなしこりといいますか、伝統、そういうものがございまして、すべて取っ払うというのは容易ではないと思いますが、我々としては一年半以内には結論を出したい、こう考えております。 それから、先ほど先生おっしゃいましたが、日本から出ていく場合もそうでございますが、外国の方を日本に呼ぶという場合にも、日本のしきたりの中で本当に外国の方が喜んで研究していただく、これについてもまた難しい問題がございまして、こういう点も十分検討したい、こう考えております。
○小川(泰)委員 最後に、一つだけですが、今ずっと私、こうやりとり申し上げておりますけれども、要するに、全体の流れは守ろう、どうしてもそういう方向に行きがちな風潮が今あるものですから、この種のものはむしろそれを打ち破りながら前へ進む、こういう風潮をぜひ長官、新しい発想でぐんぐん引っ張っていっていただきたいなという願望が強いものですから、そういう立場でいろいろ御質問させていただきました。 とりわけ、大事をとるために大勢の先輩が明治以来やってきたことも、いい面もありましょうが、あるいはそれが逆に障害になるというふうなことが判断できたら、少々はね返ってきても、うん、ここはひとつ割り切ろうというときはすぱっと割り切るくらいの大胆な発想でこの種のもののリードをぜひしていただきたいなと私は思っておりますので、こんな質問を申し上げた次第です。 お答えあるなしにかかわらず、私の質問をこれで終わらしていただきたいと思います。
○河野国務大臣 御指摘、十分胸におさめながら、しっかりとやらしていただきたいと思っております。ありがとうございました。
○大久保委員長 山原健二郎君。
○山原委員 冒頭に委員長に、大変恐縮ですが、この委員会に法案が出たのは久しぶりでございます。しかも大変重要な中身を持っておりますし、法案そのものはわずか十条で構成されたものでありますけれども、先ほどからの質問の中にも出ておりますし、また河野長官も根幹にかかわるというような御発言もございましたように、法律というものは一度成立をすればひとり歩きもします。そういう意味で、この法案につきまして拙速はもちろん慎みまして、十分な審議をしていただきたいというのが私の見解です。 殊に、第十条が新しく入りましたので、これは外務省の条約関係も入ってまいりますし、また、研究機関は各省庁とも持っているわけですね。そういう点から考えまして、関係する省庁も多いわけですし、また、研究者の御意見などもお伺いもしたいと思います。そういう意味で、国会の中にもそれぞれ専門の委員会がございますから、これらの意見も聴取する等の慎重な審議をお願いしたいと思います。 また、私どもも、この法案の審議に当たりましては精力的に自分の持てる力を十分に発揮をして、この法案の中身を明らかにし、また、歯どめをかけるべき点は歯どめをかけていく、修正すべき点は修正していきたい、こういう考えでおるわけでございますが、大久保直彦委員長の御見解を最初に伺いたいのであります。
○大久保委員長 御趣旨はよく承りました。
○山原委員 この法案の二条の「定義」のところの話がありましたが、防衛庁が入ってきたわけですね。この点についてちょっと経過を見てみますと、これはいわゆる行革審の答申が出ましたときに、私の党の参議院の佐藤議員が参議院の科学技術委員会で、前の長官の竹内黎一さんに質問をいたしております。「産学官等の研究交流の促進」という行革審の答申のこの文句のもとで軍事研究の導入を図ろうということはないのだということを確認をしていいですねという質問に対しまして、竹内長官は、「いやしくも軍事研究にわたるものがないように、十分な注意はしてまいりたい」と答弁をされておるのでございます。ところが、今回「定義」の中に、第二条に防衛庁が入りまして、研究機関と制服組を含む研究員を入れてきたわけでございますが、これは明らかに軍事にわたる研究交流を公然と法的に認める結果になるのではないかと考えますと、竹内前科学技術庁長官の国会答弁にも反するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○長柄政府委員 今回提案いたしました研究交流促進法案は、国の研究機関が産学官等と研究交流を推進する上で法制上の腕路となっている点を除くことを目的としたものでございまして、国の研究機関として設立されました防衛庁の研究所についても、これを排除することにはしておりません。 一方、科学技術庁といたしましては、我が国全体の科学技術の振興を図ることを任務としておりまして、専ら防衛に用いられます技術、すなわち防衛技術の研究は防衛庁の所管でございます。科学技術庁は各省庁に共通な技術の研究開発等を行っておりまして、このような当庁の立場、性格というものは、本法案の内容いかんにかかわらず変わるものではないと考えております。科学技術庁といたしましては、今までどおり各省庁に共通な技術の研究開発を本法案を使って合理的に進めたいと考えており、その際、科学技術庁が進める産学官等の連携に軍事研究の推進を目的とすることは考えておりません。
○山原委員 防衛庁関係を入れたのは、あたかも法技術上のやむを得ない措置であって、防衛庁を除く積極的理由がないという御説明であったように思いますけれども、そういうことですか。
○長柄政府委員 この法案は、当初から国の研究所で研究していらっしゃる研究者を幅広く対象としたものとの考え方で検討して、提案中の法案に落ちついたものでございます。いろいろなアイデアがあって、特別職、防衛庁の研究所が特別職でございますが、それと通常の一般職の研究者と一つの法律で取り扱った方がいいか、別の法律がいいかという立法技術上の議論はしたことがございますけれども、結論として、防衛庁の研究者も他の省庁と同様に研究業務に従事しておられるということで、その交流を促進する意味で同一の法案で扱ったものでございます。
○山原委員 けさ、局長は、国の研究機関相互の研究交流、例えば防衛庁と他の国の研究機関との研究交流についてどうなるのかという質問に対して、必ずしも活発に行われているとは言えないので今後大いに壁を取り払っていきたいというふうにおっしゃっているが、間違いありませんか。
○長柄政府委員 私が答弁いたしましたのは、国の機関相互間の研究交流については、今回の法律では何の手当てもしてございませんという点が一つと、国の研究所相互間の研究交流というのは、特に法律上の大きな壁があるわけではございませんけれども、必ずしも盛んではないということで、これは大いに盛んにしたいということを述べたところでございます。 ただ、それぞれの研究所ないし省庁がどの研究所と協力するか、どういう点について協力ないし交流するかということは、それぞれの省庁の責任者がお決めになることでございまして、防衛庁と他の国立研究所の間の交流を盛んにするかどうかというのは、それぞれの省庁の判断でございます。
○山原委員 これは遠藤さんがお話に出しましたように、平和目的に限るという戦後日本の科学技術の研究における原則が何となく崩されていっているのですね。あなたの答弁を聞いておりましても、防衛庁と他の機関との壁を取り払い大いに交流すると言うなどは、重大な発言ですね。防衛庁を第二条の「定義」の中に入れたことにつきましても、防衛庁は特別職でありますし、一般職と同列に論じることはできない性質を持っているわけでしょう。身分や職務規定も国家公務員法ではなくて自衛隊法によって定められているわけでございますから、この法案の中にあえて防衛庁を入れなければならぬ理由は全くない、法技術の面から見ましてもそういう点は全くないと思うのです。この法案が成立する過程、第四次のたたき台ができていますが、それまでは入っていなかったわけですね。それが入ってきたということも、非常に問題を感じるわけでございます。さらに、それに加えて第十条の「配慮事項」が追加されたわけですね。 こういう経過を見ましても、法技術上の問題だけではなくて、本当の理由は、防衛庁関係を含めることを法律上明記することによって、軍事研究にわたる研究交流の促進に法的根拠を与え、また、第十条「配慮事項」を追加することによって、SDI研究協力を初めとする対米軍事技術協力の米側要請に応じていこうとする中曽根内閣の強い意向を示したものではないのかという強い疑義を持っているわけでございますが、この点についてはどうお考えですか、
○河野国務大臣 先生いろいろ御指摘でございますけれども、各研究所を持ちます省庁はそれぞれの設置法でその目的をきっちりと定めておるわけでございますから、それぞれの省庁はみずから持ちます設置法に基づいてその研究の目的の枠組みはおのずからある。したがって、先生御心配、御指摘がございましたけれども、そうした目的を超えた研究がやみくもに行われるということはあり得ないと私は考えます。 それから、第十条がSDI研究に絡むものではないか、そういうものを考えているのではないかという御指摘がございましたが、先ほど委員の御質問の中でもお答えいたしましたけれども、この法律は、我が国の研究のレベルを上げるためにその隘路を取り除こうとしてこの法律をつくるべくかねてから努力がなされてきたものでございまして、ここに来て急につくった法律でないことは先生も御承知のとおりだろうと思います。本来からいえば、数年前に法律案をつくって衆議院、参議院に御提案申し上げ、御審議をいただきたかったわけでございますが、政府内部におきます調整に時間がかかって今日までそれが延びてきてしまったということでございまして、今日トピックスで先生方いろいろ御議論いただいておりますが、そうした問題に合わせて急速つくったというものでないことをぜひ御理解いただきたいと思います。 詳細につきましては、事務当局からもう少し御説明をさせていただきたいと思います。
○山原委員 時間がわずかしかありませんので、今の点については私の方の見解をいずれ述べたいと思います。 今まで第十条は入ってなかったのです。平和と安全に関する条約の問題等はなかったのです。長く検討されてきて、そして最終段階で防衛庁の定義が入り、第十条が入る。恐らく閣議の段階で入ったのではなかろうか。これは詳しく知りませんけれども、そういう点から見まして、長く検討されてきたこと、また、それに対する研究者の一定の意向も反映されてきておったことは事実ですけれども、最終段階においてここが変わってきたことに対する危惧の念を申し上げているわけです。 そして、去る四月三日の参議院の科学技術委員会で計画局長は、この法案はあくまで研究交流の一般的ルールづくりのものであり、軍事研究など特定の研究を推進することを目的としたものではない、軍事研究をするかどうかは政策判断だとお答えになっておりますね。これは非常に重大な御発言だと思います。政策判断、いわゆる軍事研究をするかどうかは政策判断だということになりますと、時の内閣の性格によって随分変化が出てくる可能性もあるわけですね。この点について少し明らかにしていただきたいということが第一点。 次に現状ですけれども、今アメリカ国防総省が武器技術に転用する上で大きな関心を寄せております我が国の汎用技術部門の十六分野、これを見てみますと、ガリウム砒素装置、マイクロウェーブ集積回路、光ファイバー通信、ミリ波通信等々は、工技院など我が国の国立試験研究機関でも重点的に推進を図っているものであります。これは、前に私どもの工藤議員が通産省局長に対して質問したのに対する答弁として出てきております。 それともう一つは、今度ワインバーガー国防長官が来日しまして、加藤長官に対して、これは四月五日のことでありますが、二時間にわたる会談の中でSDI参加問題について発言をしております。日本が政府対政府の協定であれ、民間会社、大学、研究所の契約の形態であれ、SDIに参加することを歓迎したい、特に日本のような技術、学問水準の高い国の参加は極めて有意義だ、こういうふうに述べておりまして、大学、研究所のSDI参加の要請も来ているわけです。 これは、昨日私は海部文部大臣に対して、大学の性格からいい、また憲法の規定からいい、教育基本法の規定から申しまして、真理と平和を希求する人間の育成という日本の戦後大学の理念から申しまして、これはきっぱりと断るべきものであって、大学においていわゆる軍事研究に参加するなどということはもってのほかのことであるということを明確にしてほしいという質問をいたしたのでございますけれども、海部さんも何となく明らかにしないのですね。SDIの性格についてはまだ検討中である。相手はワインバーガー国防長官ですよ、こちらは加藤防衛庁長官、明らかに軍事的な側面をはっきり持っているわけですね。そのSDI、これを日本の大学に研究参加を要請するという事態の中で出てきている今度の研究交流法ということを考えますと、危惧の念を持つのが当然のことでございまして、これについて明確な答弁をいただかなければ、日本の戦後の科学技術の平和目的に限るということから次第次第に逸脱をしていき、禍根を千載に残す可能性を持つと思います。この点について、長官の御意見を承りたいのです。
○河野国務大臣 文部省の問題は私の所管ではございませんが、しかし国立大学におきましては、もう既に外国人の任用その他は法律としてでき上がっているところでございまして、このたびのSDI研究と国立大学との関係が云々されるのは少し時期的には違うのではないかというふうに——これはしかし私の所管ではございませんので、十分な御答弁を申し上げることは差し控えたいと思いますが、私ども科学技術庁といたしましては、先生御承知のとおり、国民経済の発展に寄与するため、科学技術に関する行政を総合的に推進するというのを任務といたしておるわけでございます。 このたび御提案を申し上げ、御審議をいただいておりますこの法律案は、それぞれの省庁が持っております研究所の研究を進めていく上で、それぞれ隘路になっている問題がある。しかも、その隘路になっている問題では共通した部分がある。そこで私どもが取りまとめ役と申しますか、そういう役割を担ってこの法案を提案しているわけでございまして、私は、今先生いろいろ御心配をいただいておりますが、この法律それ自体が特定の目的を持ったり、特定の目的を持つ研究のためにこの法律をつくっているものではないということだけは明確に申し上げたいと思います。
○山原委員 最後に、この十条「配慮事項」が入っておるわけですが、これは「国際的な交流を促進するに当たっては、条約その他の国際約束を誠実に履行すべき義務並びに国際的な平和及び安全の維持について特別の配慮を払うもの」こういうふうになっているわけでございます。この点がなぜここへ最終段階において入れられたのかということについて質問したいということと、もう一つ、この条約の中には日米安保条約も当然入っておると思いますが、そのように理解をしてよろしいのであろうかということをお伺いいたしたいと思います。
○長柄政府委員 この第十条の件でございますけれども、法案の政府部内における検討に当たりまして、当然のことながら広くいろいろな立場から検討したものでございまして、結論としてこの十条が入っているわけでございます。当初、研究交流を促進するための特別措置をどうするかというような特例措置を中心にいろいろ検討を進めてきたわけでございますが、この法案によりまして、今後、国と外国との国際的な研究交流の促進ということが非常に期待されるということに伴いまして、国として当然のことでございますが、条約等国際的に配慮すべきことを特記したわけでございます。(山原委員「安保条約は」と呼ぶ)この十条の「条約その他の国際約束」ということは、これは政府の結んでいます条約、約束すべて入りますので、安保条約等も当然これに含まれるわけでございますが、私どもでは、安保条約とこの研究交流とどういう関連があるかということは十分承知しておりません。
○山原委員 これで時間が来ましたので、終わります。
○大久保委員長 次回は、来る十五日火曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十八分散会 ————◇—————