運輸委員会 第15号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/05/16
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関山信之君。
○関山委員 今、委員長が法律の表題を読み上げたわけでありますが、大変ややこしい法律のようでありまして、私も中身の理解に大変手間取った部分がございますけれども、最初に、この法律が今回改正されます経緯のようなものについて伺っておきたいと思うわけです。 御説明によれば、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約、MARPOL条約に関する七八年の議定書にそれぞれ組み込まれていた順番が、リベリアの受諾撤回によって順番が変更されることになったということなんでありますが、既に参議院先議で御議論がありますので、リベリアが事務的な瑕疵でもって撤回したという程度のことは、私も承知はいたしておるわけでありますけれども、その背景になったものがどのような事情があったのか、まず、その辺のところおわかりでしたらお聞かせをいただきたいと思います。
○栗林政府委員 ただいま先生おっしゃいましたような、リベリアが受諾を撤回したというのが今度この法律案をお願いした直接の契機でございます。先生おっしゃいましたように、いきさつといたしましては、千九百七十八年の議定書につきまして、既に五十八年に法律改正をお願いして成立させていただいておったわけでございますが、その後、リベリアが国内的な手続の瑕疵によって、これを撤回したいということを申し出た。リベリアにおきましては、この条約批准については、上院の助言と承認が必要だということになっておるそうでございます。問題の附属書のⅢ、これは容器入りの有害物質でございます。それから附属書のⅣ、これは汚水でございます。それから附属書のⅤ、これは廃物でございますが、これらについては、実は上院において承認が得られていなかったにもかかわらず、この附属書Ⅲ、Ⅳ、Vを含む批准書をIMO、国際海事機関の事務局に寄託してしまったという国内的な手続ミスによるものである、したがって、受諾の撤回は、このような手続上の瑕疵を修正するためのものであるということをリベリアはIMO事務局に対して説明しておるそうでございまして、それについてIMO、国際海事機関の事務局といたしましては、各国にこの旨を連絡して意見を求めた経緯がございますけれども、そういったことを、仮にそれは受け入れられないというような雰囲気になりますと、リベリアが本来この条約にも加入しないというような、そういう強い態度もあったようでございまして、それはむしろマイナスである、そういう手続上のミスであれば、受け入れなければならないということで決まったようでございます。 そんな経緯でございますので、私どももそれに合わせて今度の法律改正をお願いしたというようなことでございます。
○関山委員 そうしますと、リベリアの附属書Ⅲ、Ⅳ、Vに対する、手続上は瑕疵であったとしても、これに対する拒否の意向というのはかなり強かったというふうに今御説明を伺っておいてよろしいでしょうか。
○栗林政府委員 私ども聞いておりますところでは、一たんそういった条約の受諾をいたしまして撤回をするということは、余り例のないことのようでございます。そうでございますけれども、今申し上げましたような事情で、手続上のミスであるということを強く言われたということで、各国ともそれはやむを得ないということの結論になったというふうに聞いております。
○関山委員 ところで、これはリベリアが直接の契機になりましたが、世界の船腹量の半分以上を占めております主要十カ国のうち、このリベリア以外にも、イギリス、アメリカ、そしてソ連、中国といったようなかなり大きな国がこの附属書、今申し上げたⅢ、Ⅳ、Vについて依然批准をしていないという状況があるようでありますけれども、これらの国において批准ができないという事情がおわかりでしたらお聞かせをいただきたいと思いますし、今後の見通し等につきましてもあわせお伺いをいたしたいと存じます。
○栗林政府委員 確かに、船腹量の多い上位十カ国ぐらいを見ましても、その十カ国といいますのは、今先生がおっしゃられたような国々、一番多いのがリベリアでございますが、リベリア、パナマ、日本、ギリシャ、ソ連、アメリカ、ノルウェー、中国、イギリス、イタリアといったようなところでございます。そのすべてが今の海洋汚染の七八年議定書には締約国とはなっておりまして、附属書のⅠ、油の分と、それから附属書のⅡ、ばら積みの有害液体物質の規制につきましては、これは一応批准はしておるわけでございます。 ただ、問題のⅢ、Ⅳ、Vについては、現在のところ、リベリア、ソ連、アメリカ、中国、イギリスというところが批准しておりません。ノルウェーについては附属書のⅣを批准してないということでございます。 ところで、今先生おっしゃいましたこれらの国国が批准してない事情というものは、外国の国内のことでございますので、必ずしもはっきりはしないのでございますけれども、私どもいろいろ聞いておりますところを申し上げますと、例えばアメリカにおきましては、附属書のⅣ、これは汚水でございます。それからV、廃物、ごみでございますが、これにつきましては、対象船舶が商船だけでなくて一般のプレジャーボートも含まれる。アメリカあたりで大小のプレジャーボートが非常に発達しておりますが、そういったものも含まれるということで、批准のための国内的なコンセンサスを得るのに時間がかかっているというようなことを聞いております。またイギリスも同様な事情がある模様でございます。それからソ連とかリベリアなどにつきましては、これは必ずしも事情がはっきりしないのでございますけれども、各附属書の発効の見通し、相当大きな船腹量を持っております国々の動向といいますか、そういうものをにらんでおるのではないかというふうに考えられます。 また、批准しておらない国々のこれからの批准の見通してございますが、実はIMO、国際海事機関におきましても、附属書のⅢ、Ⅳ、Vの早期発効につきましてはいろいろと努力をいたしておりまして、早期発効を促すための精力的な検討なり働きかけが行われております。まだ具体的にいつというようなところまでは行ってないと思いますが、我が国といたしましても、IMOの場で各附属書が早期に発効するようにできるだけ努力してまいりたいというふうに考えております。
○関山委員 いずれにいたしましても、これは後ほどの議論とも絡むもので、今回この問題に対するパナマの対応は、いずれの附属書も批准をしているということでございますけれども、きょう仲田さんお見えでございますけれども、便宜置籍船の問題について従来からいろいろな角度から議論もされておるのですが、改めてちょっと伺ったこともなかったものですから、いわゆるリベリア、パナマの便宜置籍船と呼ばれるものの中における日本支配船の船腹量の実態というものは一体いかほどのものなのか。それからリベリア、パナマにおける日本以外の事実上の支配国というのは、国籍の実態はどういうふうになっておるのかということを、この機会に改めて、どんな状況でも把握されているかということも私わからないのですけれども、お聞かせをいただきたいと思います。
○仲田政府委員 リベリア及びパナマの船舶は、船舶の登録要件がほかより緩やかだということでふえてきたわけですが、この実態はいろいろ国際的な場でも議論され実態の把握に努めているところでございますが、その実質的な船主がだれなんだ、どこの国籍なんだというようなことを判定するのは事実上は非常に困難であるということでございます。 ただ、我が国の海運企業が運航している外国船のうち、日本の商船隊というものに組み込まれている外国船のうち、いわゆる仕組み船とかチャーターバック船というものは、そのほとんどが便宜置籍国であるリベリアまたはパナマに登録されているということは事実でございます。 その数を定航の大手六社、今まで中核六社と言っておりましたが、この六社について調査した結果によりますと、昭和六十年の年央で約百十隻、トン数で二百七十万総トンということになっております。内訳で申しますと、リベリアが約六十隻百八十万総トン、パナマが五十隻九十万総トンということになっております。 それで、それ以外どういう国で成り立っているかということは、この辺は私どもちょっとわかりかねますが、UNCTADの資料によりますと、便宜置籍船の量、この定義も非常に難しいと思うのですが、これが約二億二百万重量トンぐらいはあるのではないか。ということは、世界の船腹量の中でおよそ三〇%は、この便宜置籍船で占められているということであるかと思います。日本のほかに可能性があるものとしては、もちろんアメリカ、イギリス、それから最近はノルウェーが便宜置籍船をふやそうという方向にあるようでございます。 大体、便宜置籍船についてわかっていることは、今程度のことでございまして、なかなかその実態の把握に苦慮しているというところでございます。
○関山委員 外国のことまではさておくとしても、日本船が、今中核六社とおっしゃったわけですけれども、百十隻という数字は、改めて伺ってそんなものなのかなという気がするわけですね。私も確たる資料というのがなかなかないものですから、今おっしゃっているのがどういうところでお調べになったのか、運輸省できちっと中核六社に調査なすって確かめられた数字なのかどうか、それとも別な団体で調べた数字なのかわかりませんが、この前、東京湾横断道の議論をいたしましたときに、前に海上保安庁にいらっしゃった田尻さんの書物など拝見をしておりましても、ここではやはり千百隻ぐらいのことを数字として上げておられるわけですね。田尻さんの場合は素人でもないわけでしょうから、それなりの根拠がおありになっての数字じゃないかと思うのですが、ちょっと違いが大き過ぎますが、その辺はどうなんでしょうか。
○仲田政府委員 一つは、便宜置籍船の定義にもよりますでしょうし、またもともと便宜置籍というそういう技術的な操作をしたわけでございますから、大手の会社、これは大体申告ベースで、今の数字は各社から調べたという数字でございますが、またその会社が日本の中に子会社をつくって、そこからまたというようなのが入っているかとか入らないかとか、そういう点で非常に紛らわしい点があると思います。 しかし、今先生が御指摘になったような約千隻という数字、これはいろいろなことから日本とかかわりがあるというのですが、支配しているかどうかは別として。そういうことで、最大限でとらえるとそんな数字であるという話は私も伺ったことがございます。ただ、その内容がどんな形でつながってきているのか、その点については明らかではないということで、先ほど申し上げたおよそ百十隻、これは確かに大手六社ときちんとつながっている仕組み船であるということは申し上げられると思います。
○関山委員 今申し上げた参考書の中では、これは何年がちょっとはっきりしませんが、千百五十六隻という数字がありますね。便宜置籍船の問題は過去にいろいろな議論の経緯があると思いますけれども、とりわけきょうの主題とはかかわりがありませんので、そこで長く議論しているつもりもありませんが、船腹過剰の問題なども従来当委員会でも議論のあるところでありますし、どうなんでしょうか。この辺の実態の調査を一遍きちんとしていただくということくらいはあってもいいのではないでしょうか。これをどう扱っていくかの政策論議はまた別の問題でありますけれども、実態の数字さえも百隻から千百隻というのでは、対応が全然違ってきますし、判断も違ってくるわけですから、その辺についてはいかがでしょうか。実態調査というものをおやりになるということは、大臣、いかがですか。
○三塚国務大臣 便宜置籍船は、それぞれの船会社が有効適切で効果的な、また経営の安定という意味で考案したまさに便益だと思うのであります。そういう意味で、今仲田局長が言われたとおり、入り組んでいる感じはそのとおりだと思うのです。しかし、海運国日本でありますし、この実態はどういうことなのか、調査方法はいろいろあろうと思います。やはり政府として、運輸省としてその実態をこれからきちっと把握するということは、御指摘のとおり極めて大事なことだと思いますが、その方法がなかなか、頑張っていろいろやってくれているわけですが、捕捉しがたいところがあります。若干時間をおかしいただきながら、その実態に迫るということで取り組まさせていただきたいと思っております。
○関山委員 ぜひひとつそうお願いしたいと思います。 たまたまパナマの方が批准をしておりますからいいのですけれども、リベリアが契機になったということもございまして、今そのことについて多少触れました。 それから、この条文をなぜ組みかえなければならなかったかということの御説明は一通りは聞いているのですが、ちょっと簡単におっしゃっていただけますか。
○栗林政府委員 法律がどうもわかりにくいような条文の書き方になっておりまして、いろいろ御迷惑をかけておるわけでございますけれども、簡単に御説明いたしますと、五十八年の法改正をまずお願いいたしました。これは海洋汚染の条約を実行するためにお願いしたわけでございますが、その際の法律の仕組みとして、この条約に発効時期の異なる五つの附属書がございます。その附属書がそれぞれそのときの各国の批准の状況からいいまして発効する順序が大体確定をいたしておったわけでございます。それで、それに合わせて海洋汚染防止のこの法律の一部を改正するという柱を五つ立てまして、それぞれ第一条から第二条、第三条、第四条、第五条ということで、その実施の順序に合わせて法律をつくりまして、段階的に改正していくというやり方をとったわけでございます。 なぜそういうやり方をしたかという話になってくるわけでございますが、これは各附属書に係る改正がそれぞれ相当広範囲にわたっております。かつ、相互に関連していくということもございます。したがいまして、まず先に発効いたします附属書の実施のために改正した条文を、その後に発効する附属書の実施のために再び改正するというようなことが出てくるわけでございまして、やむを得ずそういう立法形式を採用したものでございます。 それによりますと、ばら積みの有害液体物質の規制に係る条文は、五十八年の法律では第五条ということになっておりますが、それが先ほど来申し上げておりますように、その後の事情で順序が変わってしまいまして、第二条から四条までの改正規定の前に第五条の改正規定を実施しなければならないということになりました。実際には第二条から四条までの改正が既に行われているということを前提にして条文が構成されておりましたので、今度の実施順序の変更で、このままにしておきますと、立法技術の問題とも絡んでまいりますけれども、実際上改正が不可能であったり意味が不明であったりという問題がいろいろ生じてまいります。したがいまして、第五条の規定を第二条から第四条までの改正規定に先立って実施するということで、それを先に持ってまいりまして、順序の組みかえをやったということでございまして、立法技術的な問題も非常にあるのでございますが、やむを得なかった経緯がございますので、その辺をよろしく御理解いただきたいと思うのでございます。
○関山委員 立法技術上の問題だということは理解ができるのですが、リベリアの受諾撤回の理由あるいはその他の未批准国の事情などを伺ったこととも絡むのですけれども、本来、条約あるいは附属書の中身から言えば、その重要度に従って番号が振られている、Ⅰが油でⅡがばら積みの有害物質でⅢが容器入りでⅣがというふうに。そう理解していいのではないか。それをⅡを後ろへ持っていってⅢ、Ⅳ、Vを前に持ってきたということは、当初IMOの方でどんな判断や事情があったのか。これはある意味では正常に戻ったみたいな感じがしないわけでもないわけでして、その辺の事情がもしおわかりであればお聞かせいただきたいということが一つ。 それから、昨年の十二月にIMOが議定書Ⅰ、通報制度について、いわゆる容器入りの有害物質の方は、附属書の方は発効してないけれども、通報制度のみについては繰り上げ実施を決めたということのようでありますし、また附属書Ⅱの中身も改正しておりますけれども、IMOがこういう一連の改正をやったということの背景にはどんな事情があったのか、これもお聞かせいただければと思います。
○栗林政府委員 最初の御質問は、附属書の順番に沿って実施されていくのが普通ではないか、それが附属書のⅡが一番最後ということになっておったのはどういう事情があるのかという御質問だと思いますが、私ども聞いておりますところでは、附属書のⅠとⅡは特にこの条約の中核的な部分をなすものでございますので一括して批准するという建前になっておる、そういうやり方になっておりまして、Ⅲ、Ⅳ、Vについては、選択附属書と申しますか、確かにそれぞれ選択的に批准ができるということになっておるわけでございます。 曲とばら積みの有害液体物質は一体としてできるだけ早くやろうということはあったわけでございますが、油の方は既に相当程度の規制も行われておりますし、それをできるだけ強化していこうということでございましたけれども、ばら積みの有害液体物質については、何しろ新しい規制でございます。しかも、規制の内容が非常に厳しい――これはもちろん有害度に応じた規制でございますけれども、非常に厳しい上に船舶の設備とかいったことの義務づけもございます。そのほか具体的な準備などで相当の時間がかかる。そういった準備のために各国が直ちに批准しにくい事情があるというようなこともございました。油の場合には、各国が批准いたしまして発効要件に達しましたら一年後に発効するということになっておるわけでございますけれども、有害液体物質の場合は、既に最初から、七八年の議定書におきましては、そういった時期からさらに三年間の猶予期間を置く、あるいはその国際会議において決めますそれ以降の日から実施する、こういった規定になっておりまして、そういう意味で、附属書のⅡの実施時期が附属書のⅢ、Ⅳ、Vに比べて遅くなるという見通しが五十八年ごろには立っておった、こういう事情でございます。 したがって、重要性が少なくて遅くなったというよりは、そういう準備などのために国際的な合意ができておって遅くなっておった。それがリベリアのそういったことがございまして、附属書のⅢ、Ⅳ、Vの方が今度は遅くなって、Ⅱの方は逆に、その三年プラス半年という時期が過ぎようとしております。そういうことで、確定期日を決めてこれをやろう、したがって、附属書のⅠの次はⅡ、それからⅢ、Ⅳ、Vをやってくれ、こういう事情になったということでございます。 もう一つ、昨年の十二月に附属書のⅡと議定書のⅠの改正がございましたが、その事情をちょっと申し上げます、 まず附属書のⅡ、ばら積みの有害液体物質の規制でございますが、これの改正が二、三ございます。 一つは、対象物質の拡大でございます。これは最近の化学工業の発展等に伴いまして、新しい化学物質がいろいろ出てまいっております。そういうものについて対象を広げていこうということであります。 それから、公害防止の技術がいろいろと進歩してまいっておりますので、規制方法を改善合理化していこうということ。 それからもう一つは、規制の実効を高めるための有害液体物質の記録簿の保存期間を、従来二年ということで決めておりましたものを三年にしようということが最近検討されまして、昨年の四月の会議でそういった改正案がほぼ固まって、十二月の会議で採択されたということ。 そういったことも含めて国内法の整備を行わなければならない、こういう事情になったというのが経緯でございます。
○関山委員 経緯についてずっとお伺いして、何となく状況がわかってきました。 この法律を改正しなければならなくなった附属書の実施時期の変更の問題というのは、つまりIMOが当初Ⅲ、Ⅳ、Vの批准についてはかなり楽観的な見方をしていた。三年間のばら積み有物害質の猶予期間のうちぐらいにはみんな発効するだろうと思った。これが事実上そうならなくなってしまったということに尽きるわけですかね。
○栗林政府委員 その点につきましては、IMOを初め各国が、単に見通しというよりは、五十八年におきましては、附属書のⅢとVにつきましては発効要件、つまり国の数にいたしまして十五カ国、それから世界の総船腹量の五〇%以上、そういった要件を既に満たしておりました。それから附属書のⅣについてもほぼそれに近い状態にあった。発効要件を満たした後一年で発効することになっておりますので、そちらの方が先に来て、附属書のⅢの方は少なくとも三年間の猶予期間がございますので、その方が後になる、こういうことで事情としてはほぼ確定しておったというような状況だったと思います。
○関山委員 それはつまりリベリアが批准をするということを前提にしてですね。それ以上の事情を詰めて伺っても事の本質とは余りかかわりなさそうでありますから、経緯についてはこの辺でやめておきます。 ところで、当面の附属書Ⅱのばら積みの有害物質の関係について若干お尋ねをしておきたいと思います。 当面、我が国においてこの附属書Ⅱの規制対象になる船腹量、ロイド統計によりますと、ケミカルオイルというのとケミカルタンカーというのと二通りに分けておりますが、事務局の御説明では、日本ではケミカルタンカーとケミカルオイルとは一緒にして丸めて数字を、こう言っておりますから、その前提でお聞かせをいただきたいと思うのですけれども、対象隻数、船腹量はどの程度あるのか。世界に占めるシェアというのはどの程度のものか。まず、そこからお聞かせいただきたい。
○栗林政府委員 附属書Ⅱの規制対象船舶でございますが、我が国のこう。いったケミカルタンカー、規制はすべてのケミカルタンカーにかかるわけでございますけれども、その隻数は昭和六十年末において約六百隻でございます。それからトン数では約四十五万総トンでございます。これは先生今おっしゃいましたように、オイルタンカーとの兼用船というものも含んだ数字でございます。
○関山委員 なお、これはスポット的にオイルタンカーが利用されるというケースは、こういう数字の外側にあるというふうに理解しておいた方がよろしゅうございましょうか。
○栗林政府委員 御承知のように、ケミカルの中にも非常に油に近いものもございます。したがって、オイルタンカーでケミカルも時には運ぶといったようなものも、この六百隻の中に入っているというふうに御理解いただきたいと思います。
○関山委員 それから、この取扱対象の有害液体物質なんですけれども、これはA、B、C、Dという四ランクに分類をされて、それぞれ区分けがされておるようであります。A、B、C、Dがどういう基準で区分けをされているのか。その前提として、我が国における取り扱いの国内、国外それぞれの量がどの程度あるのかということを少し御説明をいただきたい。
○栗林政府委員 ばら積み有害液体物質の国内におきます輸送量は、これは全国内航タンカー海運組合の調査でございますが、五十九年度で二千百七十万トン、六十年度におきましてもほぼ似たような数字でございまして、二千二百万トンというふうに推計をされております。 それから、国外の関連でございますが、輸出入の量を日本化学工業品輸出組合が推計いたしておりますが、これによりますと、六十年には輸出が七百六十万トン、輸入量が七百三十三万トンというふうになっております。 それから、先生今おっしゃいました有害液体物質は、AからDまで分類がされておるわけでございますが、その分類の指針と申しますか、一つの基準といったものは、A類というものは、蓄積性の高いもの、魚類等に対する毒性の高いものといった基準でございます。それからB類は、蓄積性のあるもの、魚類等に対する毒性の中程度のもの、海産食物を汚染するおそれのあるもの、それからC類は、魚類等に対しわずかな毒性のあるもの、D類は、魚類等に対しほとんど毒性のないもの、高い生物化学的酸素要求量、BODを有し、沈殿して海底を覆うものといったような指針を設けまして、それによって分類をして、それぞれ規制をかける、こういうことになっておるわけでございます。
○関山委員 今のその分類別に従って、先ほどの扱い量はそれぞれどの程度のシェアといいますか比率を持っているのか、それもお聞かせいただきたい。
○栗林政府委員 我が国で取り扱われております有害液体物質のA、B、C、Dの分類別の割合でございますが、この数字は海上保安庁が五十九年に行いました主要港湾における取扱量の調査から推計したものでございますけれども、A類が二%程度の割合、それからB類が一九%、C類が六七劣、D類が一二%ということでございまして、まあC類が非常に多いということでございます。
○関山委員 それから、先ほどちょっと御説明がありましたが、昨年の十二月の改正で、この有害物質の対象が拡大をされたというお話がございました。この拡大された部分は、全体でどの程度の種類があるのかもちょっとお聞かせをいただきたいのですが、どの程度の拡大があったのかですね。その拡大が我が国にどのような影響を持つのか、その辺のところも、もしおわかりになればお聞かせをいただきたい。
○栗林政府委員 昨年の十二月の改正前におきましては、対象とされる有害である物質が約百八十の種類の物質でございました。それから一方、海洋汚染上無害とされる物質は四十六物質であったわけでございますが、先日の附属書Ⅱの改正では、新しい物質が化学工業の発展によっていろいろつくられてきたというふうな事情もございまして、非常にこの対象物質がふえておりまして、有害とされる物質については約四百九十物質、それから無害とされる物質については約九十物質ということに拡大をされてきております。 なお、これによるわが国の海運界への影響ということはいろいろございますが、やはり構造、設備などについて規制もございます。それに対応できるように指導し、やっておるところでございますので、格別の大きな問題はないのではないかというふうに思っております。
○関山委員 そうしますと、三百近い拡大があったということですね。 それからもう一つ。これはまあ取り扱いの物質の対象量という意味じゃないのですけれども、たまたま先般私、国鉄の貨物の関係の調査で小名浜へ参りまして、そこでふと気がついたのですけれども、事態がこういうまだはっきりしないことでありますから、そうきちっとしたお答えがいただけるとも思わないのですけれども、国鉄の貨物の合理化によって内航海運にかなり影響が出てくるんじゃないだろうかという感じもするのです。その辺のところは、今の段階でどうということはなかなか言えないかもしれませんが、御判断があればお聞かせをいただきたいと思います。
○武石政府委員 国鉄の運んでおります危険物等についての輸送が今後どうなるかということは、国鉄のダイヤ改正がことしの十一月に行われまして、それ以後、実態が表面化してくると考えておるところでございますが、内航海運業の輸送力というのは非常に大きゅうございますので、一船単位で運ぶような形での、それほどの大量のものがあるわけではなくて、むしろ細かい、ロットの小さいものがたくさん運ばれているということで、直接に内航へ大量の、特に有害液体物質を中心とした物資が転移してくるということはちょっと考えられないのではなかろうか、そう考えております。 内航海運業自体といたしましては、有害液体物質に関する規制が施行されますと、特に内航業界というのは非常に不況な状態にもございますので、今後厳しい排出規制とか構造、設備規制というものを受けることになりますので、ある程度の影響は免れないというところであるわけでございます。さらにまた検査を受けなければならないというような負担もあるわけでございます。 ただ、この問題は、条約上は、既存の内航タンカー、八三年の七月以前に建造されたタンカーという定義がなされておりますが、それにつきまして約十年間、正確には十年間を超えますけれども、猶予期間が設けられておりまして、六十九年の六月までは既存のタンカーについては適用がないということでございます。これは我が国のこういう内航タンカー等の耐用年数が十一年ということになっておりますので、それだけの猶予期間があれば、それらの現存していたタンカーというものはほとんど退役してしまうだろうということが前提で出された数字でございまして、これは私どもと内航業界、それからIMOとの間での緊密な連絡の結果、そういう形での猶予期間というものが設けられたという経緯がございます。それ以後のタンカーの建造につきましては、運輸省といたしましては、条約採択時前後から内航業界に対して必要な情報を提供すると同時に、これらの基準に該当するような構造のものとするようにという指導を行ってきた経緯がございます。このために、現実にはほとんどのタンカーの構造、設備は、この猶予期間が切れる時点では附属書の規制内容に適合するということになるし、そういう意味で非常に大きな影響はないであろう、何とか内航業界としては対応できるということを業界からも確認しておるところでございます。 そういう意味で、運航する上での、例えば有害液体物質を運び上げて、タンクを洗浄した後の液を処理設備にくみ上げるといいますか、ストリッピングといいますか、そこへ投入して処理をするための時間とか、そういう面での運航上の負担は生ずるわけでございますが、これらについても、こういう製品というのは現実にはほとんどが企業の物資でございますので、相手の工場の中に処理設備があるのがほとんどでございます。そういうようなこともありまして、過大な負担にはならないであろう。またこれらの荷主もそういう点については十分考慮した上で対応するということでございますので、全般的な内航海運における不況というものの影響はあるにいたしましても、特に過大な影響はないという見通しに立っております。
○関山委員 かなり先へ進んで御説明があったんですが、ちょっとその前に規制の内容についてお聞きしたいんです。排出規制、排出防止設備の設置、構造の技術基準、防止管理者の選任、未査定液体物質の届け出、設備の検査と、これは調査室がおつくりになった説明の中に書かれている事柄なんですが、これだけではイメージがはっきりつかめないのです。イメージといいますか、私ども知識がないものですから、現実に見てないものですからわからない部分があるのです。今の御説明の中で問題は、特に内航船舶への主として経済的な負担というものを考慮した猶予措置というのがあって、その面では心配ない、その面で心配ないといいますか、逆な意味で、法律の本来の趣旨からすれば、それは心配ないというよりは心配しなければならないわけですな。 そこで、ちょっとお伺いしたいのですが、今の御説明で、船体そのものの構造の技術基準を変えなさい、これは今六百隻ある対象船舶、内航が約五百、外航関係が百というふうに事務当局から御説明をいただいておりますけれども、いずれにしても、この猶予期間、その他国際条約の附属書の規定の中で、現存船舶については、構造の技術基準については、それを全うするための船舶の改造その他の手だては一切要らない、要らないというか事実上しなくていいということになっているんですね。まずそれだけ先に確かめさせてください。
○武石政府委員 既存船につきましては、必要がないということになっております。
○関山委員 そうしますと、問題はその排出防止設備の設置の関係ですが、これについてはどうなんでしょうか。外航船舶については、それが既に担保されているといいますか設置されている、内航は千六百総トン以下と、大体そこでカバーされるんだそうでございますけれども、それぞれの対象船舶について排出防止設備、この排出防止設備というのもいろいろあるようですけれども、こういうものは現存する船についてどの程度の状況にあるのか、その説明をいただけませんか。
○間野政府委員 先生御質問の有害液体物質の排出の防止でございますけれども、船体構造と排出防止設備ということで、構造と設備と両方で規制しております。それで構造の方は、万一座礁ですとか衝突等があったときに、大量の有害物質が海洋に放出されないように、その危険物の度合いに応じまして、貨物倉の外板からの位置であるとかあるいは区画の数であるとか、そういった船体構造を規制しておるわけでございまして……(関山委員「それはいじらないというんでしょう」と呼ぶ)はい、それについては、現存船については猶予されております。 それから、有害液体物質の排出防止設備の方ですけれども、これは有効ストリッピング装置であるとか洗浄装置とか換気装置とかいろいろございますが、これらは設備でございますので、一応すべての船に義務づけられます。ただ、距岸十二海里以内では一切の排出が禁止されておりますので、距岸十二海里以内だけを航行する船舶については、これらの設備も必要ないということになります。
○関山委員 そうしますと、それぞれ外航、内航について実態はとり程度なのかというのはおわかりになりませんか。
○間野政府委員 これらの設備は通常の荷役の際にも非常に価値のあるものでございますので、実質的には既に設備しておるというふうに考えております。(関山委員「内航についてもですか」と呼ぶ)はい。 〔委員長退席、津島委員長代理着席〕
○関山委員 そうであれば、この法律が発効しても、船舶サイドからのこの有害物質についての設備については、当面とりたてて新しい手だては必要ないというふうに理解しておいてよろしいですね。 そこで、そうしますと、私も参議院段階での議論を少し読んでいるのですけれども、船舶整備公団の融資でどうするとかこうするとかというような話はもともとどういうことを前提にして議論なすっていたのでしょうか。 ちょっともう一遍言い方を変えますが、構造の技術基準というのは、特に八三年以前の船舶については、そういう規制が、インフォメーションがないわけですから、それ以前の船については猶予されるのは理屈はわかります。そういう船があるわけですから、これは猶予されるのはわかる。しかしまた同時に、構造そのものを変えるというのは、これは船舶を解撤せいというのと、スクラップせいというのと同じようなものでしょうから、少なくとも排出防止設備等の方は、まだ不十分な状態があって何らかの措置をしなければならない、したがって、そういう面でいろいろ資金の手当てなど御心配なすっているのかなと思ったのだけれども、今海上技術安全局長のお話では、もうその心配もないほどに内航船についても完備されているというふうにおっしゃっているのですが、本当にそれでいいのですか。
○武石政府委員 お答えいたします。 先ほどの御答弁でややそこの点の区分をして御説明しませんでしたので、多少訂正にわたるかもしれませんが、御説明させていただきたいと思います。 今言いました排出防止のための設備につきましては、金額的にも五十万からせいぜい二百万程度の、金額の必ずしも大きなものではないということでございます。それにつきましては、船舶整備公団の方で、既にそういう設備をするための資金という予算的な措置も講じておりまして、その枠の中で対処できるようなことをやっておるわけでございます。それから事業者によってはわざわざそういう資金融資を受けなくてもやれる事業者もございまして、先ほど間野局長から御答弁申し上げたような形で、広範にわたって影響があるというものではなくて、大半のものは満足しておる状況になっておる、こういうことでございます。
○関山委員 大半のものは満足している状況という御説明ですから、それはそれとして伺っておきましょう。 そこで、有害の液体物質が海を汚染するというのはどういう状況かということなんですけれども、これはタンカーなんかと違ってうっかり漏れるという、まあうっかり漏れるという言い方はおかしいかな、要するに、本来途中で捨てるとか投棄するとかという性格のものじゃないわけですから、結局船の積みおろしをやる隊とか、あるいは積み荷が変わるために船腹の洗浄をして、その洗浄した汚水をどうするとかという時点の問題、そういう状況の中での問題なんでしょう。どうなんでしょうか。私もよくわからないものですからね。これは排出を規制するというのは当たり前といいましょうか、それはそれなりに当然のことだと思うのですが、なおこういったさまざまな規制をかけて心配をしなければならないような段階というのは、一体どういう状況が想定をされているのでしょうか。
○栗林政府委員 有害液体物質といいましても、先生おっしゃるように、非常に価値のある貨物であるという場合も非常に多いわけでございまして、それを捨てるとか排出するということは通常考えられないことでございます。したがいまして、その貨物、有害ではありますが、そういう物質を港に着きまして陸揚げをいたしまして、その後タンクの中にそういうものがある程度残っております。これを洗浄いたしまして、その洗浄水を捨てるという場合があり得る。したがいまして、これは規制をかけ、陸上の受け入れ施設に揚げる。これは有害物質の有害度に応じた規制が若干違うのでございますけれども、それを陸揚げする、あるいはそれについて排出を規制する。さらに陸揚げいたしました後、そのタンクに水を張りまして、バラストとして航海をする、そういう段階において、また排出ということがどの程度の濃度のものなら、あるいはどういう海域ならよろしいかということを規制するというようなことを頭に置いていろいろな規制がなされているということでございます。
○関山委員 わかりました。 それで、これはこの前、港湾五カ年の法律の議論をいたしましたときにも同僚の左近議員からも若干触れられたことなんですが、今お話のありました洗浄をするというケースがかなり厳しくこれから取り締まられていかなければならないということになるのだろうと思います。その点での受け皿といいましょうか、受け入れの施設ですね。心配ないという当時の港湾局長の御答弁もあったのですが、この機会に改めてその辺の状況について御説明をいただいておきたいと思うのです。 一般的に心配ないと言われてみても、この数字を承ってみて二千百七十万トン、国内では有害液体物質がかなり動いているということになりますと、これは細かな港への出入りがかなりあるんじゃないかというふうにも想定されるのです。大きな港にはそれなりの施設は従来とも設置もされておるのでありましょうし、あるいはまたこういう物質を扱う企業のサイドにそういうものが準備されているというお答えになるのかもしれませんが、しかしなお、この時期にこういう新しい規制が加わって大丈夫なのかという意味で、改めて念を押しておきたいと思います。
○栗林政府委員 この有害液体物質の処理の問題でございますが、化学工場でありますとか産業廃棄物処理事業者、あるいは油に近いものもございますので廃油処理事業者、これらの人たちが持っております既存の施設がございます。この状況を見ますと、これは五十七年度の調査で数字が出ておりますが、産業廃棄物処理事業者の分が百二十九社でございまして、これの年間処理能力が三百万立方メートル程度である。船舶からの陸揚げ処理を要する推計は大体七万立方メートル程度であると考えられておりますが、それに対して相当大きい数字である。そのほか化学工場等が三十六事業所ございますし、廃油処理施設においても相当程度の処理が可能であるということで、全体としては処理能力としては大丈夫であろうというふうに考えております。 確かに先生おっしゃいますように、それでは具体的なケースについてそれぞれ大丈夫かということについては、私どももそういう問題についての認識はいたしておりまして、例えばある港に着いたときに、そこに適切に廃油処理施設があるかどうか。それからまた仮にありましても、それを例えばタンクローリーに積んでその施設に持っていくということがむしろ多いわけでございますから、そういうことができる場がうまくあるかどうか。それからまた荷役の時間の問題と船舶の運航の経済性の問題などの関連も出てくると思います。いろいろな具体的な問題はあり得るわけでございますので、実は私どもといたしましても、これは具体的には日本海難防止協会で連絡調整委員会をつくり、役所も入って石油化学工業の業界その他関係者といろいろ話し合いをしつつありますし、また今後とも海運業界、化学工業界などとも十分連絡をとりながら、関係省庁とも協力して、その条件の整備にぜひ努めてまいりたい、そういうふうに考えております。
○関山委員 わかりました。 時間もなくなりましたので、最後に海上保安庁の方へお伺いしたいと思うのですけれども、幾つかまとめてお尋ねをしておきたいと思います。 保安白書で、海洋汚染の発生の確認あるいは法律違反の案件に対する、何といいましょうか、捜査取り締まりの実態のような数字が出ているのですけれども、一つは監視取り締まりの体制。これは交通違反でいいますと、スピード違反でありますとかあるいは駐車違反なんというのは、これは統計上の数字と実態とはまるっきり違う。取り締まれば幾らでも件数が上がっていくという関係にあるのですけれども、保安庁の海の捜査の関係では、その辺の体制と実態との関係というのはどんなふうに我々が理解をしておけばよいのか。これはお役所としてはなかなか答えにくいところかもしれませんけれども、前提として、海の汚染の状況はそれほど進んでいないということも今あるわけですから、そこはひとつ気楽に、保安庁としては、体制がもう少しないとだめだとか、やはり今捕まえているより相当あるのじゃないかとかというようなことが実態としておありになるのであれば、その辺のところを少し率直にお聞かせいただきたい。 それから、船舶による油以外の汚染の内訳というのは、過去のデータとしてあるのですけれども、これの内訳はどんなものがあるのか。 それから、国内、国外の発生件数の船舶の内訳は、トータルとしてはわかるのですが、それぞれ発生の原因別に海難、故意、取扱不注意、この三つぐらいでそれぞれ内訳がどんなふうになっているか。そこらをひとつ取りまとめて簡単に御説明いただきたいと思います。
○岡田政府委員 初めに、有害液体物質についての海上保安庁の監視取り締まり体制のことでございますけれども、私どもといたしましては、いわゆる重点海域というものを想定いたしまして、巡視船艇、航空機によるいわゆる重点的な効率的な取り締まり体制をしいているところでございますけれども、さらに今後この規制が施行された場合には、また輸送実態等も勘案いたしまして、その実効を上げたい、かように考えております。 また、多少の技術開発も必要ではないだろうかと思っておりまして、監視取り締まりの方法について技術開発を進めておるところでございます。例えば巡視船艇に有害液体物質の検知装置というものを設けまして、これらの検知装置で、船艇が運航している間に海水を適宜くみ上げまして、そして幾つかのセンサーを通しまして、そのセンサーであらかじめ決めておきました濃度以上のものがあった場合には、直ちに警報が鳴ると同時に、自動的にそれを採取して、また自動的にその場所、時間等を記録する。そしてその上で、さらに陸上の試験研究機関によって精密な分析を行うというような手だても考えておるわけでございます。 また、港に停泊中のケミカルタンカー等につきましては、今後も適宜立入検査を行いまして、有害液体物質の記録簿等所要の書類、その記載についてよく実態を調べたい、かように考えておるところでございます。 それから、船舶からの海洋汚染の原因別のものでございますけれども、例えば昭和六十年におきまして油による海洋汚染を四百七十五件ほど私どもが確認しておるわけでございますけれども、そのうち海難によるものが百四十二件、それから取扱不注意によるものが百八十一件、また故意とみなされるものが百十六件、それからタンクでありますとかパイプでありますとか、そういう設備が破損したということによるものが十八件になっておる状況でございます。 それから、油以外の汚染の状況でございますけれども、これは昭和六十年におきまして、暦年でございますけれども、十六件ほどを確認しておるところでございます。
○関山委員 時間がなくなってしまいましたので、最後に取りまとめてお尋ねをしておきたいと思いますが、あれこれ今数字を伺おうと思いましたのは、これだけ規制がかかってくれば、いろいろな意味で、故意、取扱不注意という部分は、いろいろな指導取り締まりの体制を強化していただくことによってかなり対応が進むだろうと思います。 問題は事故だと思うのですね。大きな汚染の状況というのは、結局は重大事故というものによって起こるというふうに考えなければならない。だとすれば、そちらの方のことをより一層強化をしていただかなければならぬだろうということなんでありまして、私は結論的にそれだけだというふうには申し上げませんけれども、一つは、やはりふくそう海域における船舶の総量規制というものについて少し検討してみてはどうかということを、この前、東京湾の横断道のところで大臣に御質問申し上げて、勉強もしてみたいという御答弁もいただいておるわけであります。改めてこのことは、この有害物質が今後趨勢としてますますふえるだろうというようなこともありますし、特に昨年の十二月段階で百八十から四百九十まで拡大されたというようなことになりますと、やはりその辺の心配が残ります。現におたくの方の白書によりましても、ケミカルタンカーの重大事故というのはかなり大きなものが報告されておるわけであります。しかも内容別にさまざまに影響度が違ってくるというようなことを考えますと、そういうところも含めて法体制の整備が必要ではないか。 もう一つは、STCW条約のことです。当初、便宜置籍船のことを伺っておるわけでありますけれども、外国船舶による衝突事故というのはかなり大きい。しかもこのリベリア、パナマ船のことを、外国のことを悪口言う気はありませんけれども、しかしかなり問題がこの重大事故と関連して介在するということは、従来から指摘をされておることでありまして、問題はこのSTCW条約に伴う監査権の発動というものについて、保安庁、そして運輸省当局に、それぞれこの国内の法律が実効を上げる体制というものをどのように今整備をされておるのか、実態等についてお聞かせをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○岡田政府委員 大きな海洋汚染は重大海難に伴って発生する可能性が大きいというような見地からの法体制のあり方についての御質問かというふうに理解をしたわけでございますけれども、御案内のとおり、私ども海上交通安全法というものを持っておりまして、いわゆる三大湾について種々の規制を図っておるわけでございます。これらによりまして、同法施行以前に比べますと、約三分の二に減少しているという相当な効果を上げておるところでございまして、私どもとしましては、現行関係法令の的確な運用あるいはこれに基づく強力な指導等によりまして、船舶交通の安全というものが十分確保されているのではないか、かように考えているところでございます。 御指摘の東京湾の入湾規制という問題でございますけれども、何にいたしましても背後に広大な生活圏を抱えておりまして、これに伴うあらゆる種類の輸送が必要とされる現状でございますが、法律の的確な運用、強力な行政指導によりまして安全の確保はできるのではないだろうかと考えておる次第でございますが、御指摘の問題点も踏まえまして、今後も航行安全対策を十分に進めてまいりたい、かように考えております。 それから、STCW条約に関連しまして、便宜置籍船に対する海上保安官の取り締まり体制の問題でございますけれども、例えば昭和六十年におきましては千四百八十一隻の船舶に対して検査を実施いたしまして、これに基づく船長に対する通告については二十六件であったという状況であります。今後とも所要の措置を強力に実施していきたい、かように考えております。
○間野政府委員 STCW条約に関する運輸省側の監査でございますけれども、船舶職員法によりまして船員の資格について監督いたしておりますのと、我が国の領海内等で重大な海難事故等があった場合に、船員法に基づく監査をやっております。 ただいま海上保安庁の方から実績についての数字がございましたが、我々の方でも大体同じような数の監査をやっておるということでございます。
○関山委員 終わります。
○津島委員長代理 石田幸四郎君。
○石田委員 私は、ただいま議題となっております本法案の前に、円高問題について若干お伺いをしたいわけでございます。 円高問題が各業界に深刻な影響を与えていることはお互いに熟知しておるわけでございますけれども、特に海運、造船業界は構造的不況と言われ、この円高問題によってさらに打撃が大きくなる、こういうふうに思われるわけでございます。 そこで、まず運輸省に、今一ドル百六十円台の為替相場が出ておるわけでございますけれども、仮に百六十円を想定した場合の業界の損失額というものについて御報告をいただきたい、こう思います。
○仲田政府委員 御指摘のように、外航海運は不況の中でまた円高ということで非常に打撃を受けております。全体の数字はまだ十分つかみ切っておりませんが、一ドル百六十円のレートということを前提にして、定期の大手六社合計で、六十一年度でおよそ六百二十億の差損があると考えております。これはもちろん純粋に為替によるもの、それから石油関係の値下げということも加味した上で六百二十億円という差損が出るということでございます。 それからなお、近海海運の関係、これも外貨建ての部分が非常に多うございますので、百六十円ということで仮定いたしますと、近海海運全体として一年間でおよそ三百八十億円ばかりの差損が出るという計算が一応できております。
○間野政府委員 造船業につきましては、いろいろ影響があるわけでございますけれども、仮に六十一年度一ドル百六十円というレートでございますと、はっきり計算できますのは、既にドル建てで契約しておる分について差損が発生するということでございまして、ドル建ての契約分についておおむね二百七十億円の差損が発生すると推定しております。
○石田委員 外航船の問題について少し伺いたいのですけれども、運賃が原油価格に連動する契約が多いと言われておるわけでございますが、原油が下がっておるわけでございますので、そういったものが機動的に働くというのが常識的な考え方ですけれども、海運業界はそうではないと言われております。そこら辺の特殊な事情についての説明をちょうだいいたしたい。
○仲田政府委員 海運業と荷主との契約形態はいろいろございまして、その形態によって石油の値下がりがそのまま海運業に留保し得る場合と、それがそのまま荷主の方に抜けていってしまう、千差万別でございますが、一つの例を定期船で申し上げますと、バンカーサーチャージという制度が通常ございます。これは石油バンカー代、これが上がった場合に、一方的に定期船同盟の方で余計に荷主さんからいただくという制度がございます。これはまた逆にも働くわけで、これが下がった場合には、自動的にその分減らす、そういうような、若干時間のずれがありますが、大部分の定期船同盟がそういう条項を持っておりますので、値下がり分のかなりの部分が荷主さんに還元されると考えてよろしいかと思います。 そのほかに、例えばタンカーの長期契約みたいな場合にでも、石油が上がった場合には、荷主の方で考慮する、またネゴして考慮する、その反対に下がった場合には、運賃を下げてもらう、そういうような条項が入っている場合が多うございまして、大体の場合、海運業そのものの中に値下がりの利益が留保されないで、荷主さんがその恩恵を受けていくというようなことが多いかと考えております。
○石田委員 造船のことで少し伺っておきたいのですけれども、大型船の場合、契約から引き渡しまで一、二年かかる。こういったことで、今までは一ドル二百二十円から二百四十円ぐらいで想定したものが、今日百六十円になってしまった、こういうような状態なのでございますけれども、前回の円高の場合と今回の円高の場合、今回は急激なわけですが、いずれにしても、二回強い円高を経験いたしておるわけでございますけれども、こういった為替相場の急激な変動に対処する方策というものは考えられないものなのか。将来の教訓として研究する余地があるのじゃないかと思いますので、その点を伺っておきたいと思うのです。
○間野政府委員 既に二回目の円高を経験するわけでございますけれども、前回の経験等も加味いたしまして、造船業界としてはできるだけ円建ての契約を結んでまいりました。ですから、輸出船の場合も、円建てで契約しておる限りドル安の影響を受けないのでありますけれども、ただ最近におきましては、新造船の需要自身が減っておりますこと、それから韓国の競争力が非常に伸びたというようなこともございまして、余り円建てに固執できないというようなのが現状でございます。したがって、今後はある程度ドル建ての契約がふえるかと思いますけれども、そういった場合にも、できるだけドル建ての借金を別にするというようなことで、ドル建てに対する為替リスクのヘッジを行いますとか、あるいはできるものならば、外国製品もできるだけ使用するというようなことも行いまして、何とかドルの為替リスクを回避するように努力していきたいというふうに考えております。
○石田委員 海運業界全般についてでございますけれども、これは円高問題と言うよりは、本質的な海運不況という問題があるわけでございますから、円高問題をとらえただけで対処できるような問題ではない、これはっとに言われておるわけでございます。しかし、いずれにしても、海運不況の構造的な問題をクリアできないまでも、何とか精査をして、少しでも構造的な問題までメスを入れていかなければならない、こういう事態に立ち至っておると思うのでございますけれども、大臣、今後運輸省としては、何か手だてを考えていらっしゃいますか。
○三塚国務大臣 今、局長から答弁をされた中に、また石田先生御指摘のように、今日構造的な不況の中にありまして、その上に急激な円高がダブルパンチの形で起きておる、こういうことであります。 これをどう打開するかということは、構造不況の分と急激な円高、これをセパレートして対策を立てるということで、海造審を中心に、本件に対する基本的な解決方法として何があるかということで御検討をいただいて、間もなく出てくるかな、こう思っておるわけであります。実は御審議をいただいて御可決いただきました外航船の解撤法案、これもまさにそこにねらいを据えたものでございます。そういう対策を一面とりながら、さらに構造改革は海造審の答申にうたわれてくるでありましょうし、その中で、とり得べき措置は、こういう時期でありますから、いろいろ出されましたならば、カルテルでありますとか、これに果敢に取り組まなければならぬ問題だなと思います。 それともう一つ、造船に対する利子であります。利子補給も含めてでございますが、開銀融資ということでやってまいったわけでございますが、三たびにわたる利下げが、現実にこちらの政府関係融資、制度融資に効いてきておりません。それは御案内のように、財投資金をベースにして、それを預け、受け入れました開発銀行その他政府関係金融機関がそれで融資をいたすわけでございますから、そういう点で、六・〇五%ということで、そこが精いっぱいの形になっておるわけであります。この利率を変えるということも一つかと思いますが、緊急に講ずるという意味におきましては、その利差を補てんをする、こういうことであるわけであります。しかし、これは補助金と同じでありますから、その点どうするのか。しかし、そんな程度で円高対策がきちっといくかというと、これはこの開発融資を受けている諸業種に向けて行う、こういうことでありますが、やはり打つべき手は打っていかなければいけないのではないだろうか、こういうことであります。 マクロ的に見ますと、かねがね本国会において御議論をいただいておりますように、内需喚起をどのようにやるのか、こういうことだと思うのです。これは財政出動をしないで民活を中心としてやる、こういう財政再建路線の中で考えられたことでありますし、緊急異常な状態で円高対策を講ずるということでありますならば、緊急異常な状態に対応することは、財政再建の基本方針を堅持しながらでもやり得るのではないだろうか。こういうことで、社会資本充実という点について、これをやらなければなりませんでしょうし、前倒しということであるわけでございますが、前倒しによって計画的に穴があく部分について思い切った措置が講じられなければならぬ。経済成長率は、政府見通しが四%、これが半分あるいはそれ以上下がるということでありますと、不況感がさらに深刻になってまいるわけでございますから、経済成長率は政府発表とおりぴしっとしていかなければならぬ。そのための下支え、また積極的に向かう方途は、これはやはり真剣に考慮し、これを前に取り組むべき問題かな、こんなふうに思い、先般も閣議でその問題提起をし、海運、造船の具体的なデータに基づきまして、不況業種でありますだけに、ダブルパンチであります、海運国家日本がこのことで追い込まれていくということは、政治として、政策として解消しなければならぬ、こういう趣旨のことを申し上げさせていただいたところであります。
○石田委員 日本は、貿易立国の基本はそう簡単に崩すわけにいかないわけでございまして、何といっても、海運業界、造船業界全般を含めての構造不況から何とかして脱却しなければならない。内需喚起はもちろんのことでございますが、構造改革にもひとつメスを入れていただきたい。 そこで、海造審の答申はいつごろになりますか。本格的な議論はその後になると思いますが、いつごろになりましょうか。
○間野政府委員 六月中には答申をいただきたいと考えております。
○石田委員 この問題に関して、最後に一つだけ伺っておきたいのですが、特にこういうような構造不況でございますので、造船業界の方で人員の配転あるいは削減が現在進められておるわけでございます。国鉄問題も要員問題が大変な課題になっているのですけれども、造船業界においてもかなり深刻なんじゃないかと思うのですが、現在どのようなことが検討されているのか、現在の状況はどうか。要するに配転をしなければならない、人員削減はどのくらいと見込まれておるのか、そこら辺の状況がわかりましたら御報告をいただきたい。
○間野政府委員 現在、主要造船所と申しますか、五千トン以上の外航船を建造する造船所の新造船部門で六万人強の方々が働いておられると思うのですが、海運造船合理化審議会の需要見通しによりましても、例えば来年、再来年には、これが標準貨物船換算トンにいたしまして三百十万トンとか相当程度減るということが言われております。その状態でどれだけの人間が過剰になるか、いろいろ見方はあるかと思いますが、新造船の部門のみに限って言えば、現在の六万人のうち二万人くらいは余剰になるのではなかろうかというふうに言われております。それで各社とも現在のところ、社内の他部門へ配置転換するとかあるいは他の事業分野へ進出する、子会社をつくってそちらへ出すというようなことで、極力努力しておるところでございます。
○石田委員 では、この問題はまた答申が出てから本格的議論をするといたしまして、それでは、この法案の中身について若干お伺いをいたしたいと思います。 我が国として、五十八年六月に海洋汚染及び海上災害の防止に関しての議定書に加入をしたわけでございますが、いずれにしましても、我が国としてこの議定書に加入した以上、当然、海洋環境の保全に具体的に取り組んでいかなければならないわけでございます。 そこで、五十八年度を含め、六十一年度予算までの間にこれが予算面においてどのようになってきているのか、この点についてまず御説明をちょうだいいたしたいと思います。運輸省、環境庁両方からお答えをいただきたいと思います。
○栗林政府委員 それでは、まず運輸省の方から御説明いたしますが、運輸省におきます海洋環境保全関係の予算は、五十八年度が五十三億六千万円、五十九年度が六十八億八千万円、六十年度が六十七億二千万円、六十一年度は五十九億二千万円でございまして、年度によりまして、非常に伸びておる年と若干減っておる年などがございますが、これらは特に公共事業関係の具体的なプロジェクトが始まった、あるいは大体終わったといったような事情によるものでございまして、非常に厳しい財政事情の中ではございますけれども、事柄の重要性にもかんがみまして、仕事をやっていきます上に必要な予算は大体確保してきているのではないかというふうに考えております。
○西田説明員 お答え申し上げます。 環境庁における海洋環境保全対策予算といたしましては、海洋汚染対策規制基準設定調査費など三項目があります。昭和六十一年度で、これら合計九千六百七十一万五千円であります。最近の厳しい財政状況にあっても、ここ数年の推移を見てみますと、ほぼ横ばいの水準を維持しております。 これらの中でも、特に海洋汚染防止法に関連いたしましては、昭和六十年度から新たにMARPOL73/78条約への対応といたしまして、有害液体物質の排出規制に関する調査費といたしまして六十年度は一千百三十一万八千円、六十一年度は一千三百八十三万二千円を計上し、海洋汚染防止法の円滑な実施に備えてきているところであります。今後とも必要な予算の確保に努力してまいりたいと考えております。
○石田委員 この法案に関しては、主体が運輸省のように思うのでございますけれども、五十九年度が最高で、その後ちょっと落ちておる、財政全般との関連もあるのでしょうけれども。このように予算の厳しいときには、やはり重点項目というのがあるわけですね。そこら辺はどんなことに重点を置いてこの問題に対処してきたのか、また今後のそこら辺の重点項目は何なのか、お答えをいただきたい。
○栗林政府委員 確かに予算的にも非常に厳しい事情があるわけでございますので、私どもといたしましても、できるだけそれを効率的に使用する、重点的な配分をしながらやっていくということは心がけておるわけでございまして、従前より、また今後も含めまして重点として考えておりますのは、まず国際的な規制強化、先ほど来いろいろ御議論がございました海洋汚染防止の関係の条約などに対応した監視取り締まり体制の強化、あるいは排出油防除体制の整備といったようなことが一つの柱でございます。 それから、二番目が堆積汚泥の処理事業、港湾におきまする汚泥のしゅんせつ事業といったようなことを公共事業としてやっておりますが、こういったことが一つの柱でございます。 それから、港内ではございませんが、港外において、運輸省として直轄で海洋環境の整備事業というのをやっておりますが、具体的にはそういった海域における油とかごみの回収の事業、これを三番目の柱に考えております。 それから、第四番目が廃油処理施設の整備、これは具体的には補助ということになるわけでございますが、そういったものを重点に置きながら、そのほか船舶に対する立入検査とか講習会とかいろいろな啓蒙などの活動も含めて行っている、こういうところが主な点でございます。
○石田委員 それから、この法律が指定している有害物質は約五百種類と聞いておるのでございますけれども、油以外の問題で、今日、各国でこの有害物質によるところのいろいろな汚染の事例、そういうものはどのぐらいございますか。
○岡田政府委員 油以外の物質による汚染の外国の事例につきましては、当庁で把握している限りにおきましては、一九七六年の八月にアメリカのチェサピーク湾で約千六十トンの硫酸を積載したタンクバージが転覆して相当な被害が生じたという例を外国の例としては聞いております。 それから、我が国の場合について言及をいたしますと、海難等の事故以外で起きましたものとしましては、最近愛知県におきまして、ノニルフェノールというものの排出事例がございまして、これは昨年の十一月二十四日でございますけれども、伊勢湾の北部におきまして、ケミカルタンカーがノニルフェノールというものを運んできまして、揚げ荷をした後でタンクの洗浄を行いまして、そしてノニルフェノール約五百リットルを含む洗浄水約二百トンを排出いたしまして、愛知県の常滑市沿岸のノリの養殖施設に被害が発生いたしまして、私どもといたしましては、愛知県漁業調整規則違反として検挙して送致をしております。
○石田委員 それから、この五百種類に関してでございますけれども、現在、輸出入の関係で五百種類、これはほとんどいわゆる日本の港湾から出入りしているのか、そこら辺の状況はいかがですか。
○岡田政府委員 日本の港湾で取り扱っております。そのような物質は百七十種類と聞いております。
○石田委員 そうしますと、年々自然を守ろうという国民的な意思が、いずれにしても、陸上にしても海上にしても強くなってくる、こういうふうに思うわけでございまして、しかも化学物質というものはいろいろな形で、またさらに開発されてくる、こういう状況を考えますと、この五百種類という一つの枠を現在設けておるわけでございますが、今後見直しの必要もあるいは出てくるのかもしれないということを考えますと、何年か置きごとにこの一つの規制の枠に入れる種類の数を点検する必要があろうかと思うのですけれども、この見直しはどんなぐあいになっておりますか。
○栗林政府委員 確かに先生おっしゃいますように、化学工業が発達するとかいうことがございまして、新しい物質が出てまいります。それで今対象になっていないそういったものを実際に運ぶというケースも出てくるわけでございます。その場合には、私ども、この条約の中では、またいわゆる未査定物質といいますか査定されていない物質、まだ評価がなされていない物質ということでまず届け出をさせる。それに基づきましていろいろ検査をする、評価をする。実際にはすぐ運ぶということであれば、排出はさせないということで、排出を禁止するということで運ばせるということになるわけですが、その物質自体については、実際に評価をいたしまして、それからこれは我が国だけの問題ではございませんので、IMO、国際海事機関にそのデータを送る。そういたしますと、国際海事機関は各国にこれを連絡し、IMO、国際海事機関の専門的なグループがございますので、そこでこれを取り上げて、国際的に合意の得られる評価をいたしまして、有害物質の規制の対象となるところに加えていく、こういう手はずになって、これから事態の進展とともにいろいろ見直しというものはあるということでございます。
○石田委員 もう一つは監視体制、運輸省でも強化をしていらっしゃる。先ほどの議論を聞きましても、いろいろ科学的な監視体制の強化等のお話が出たわけでございますけれども、素朴な感じとしまして、事故が発生してからならば、これは今常滑沖の話が出ましたけれども、そういうような実態が出てくればすぐわかるわけですけれども、やはり抜き打ち的にいろいろと検査をしてみなければならぬというふうに思うわけです。そこら辺の事情が私ども素人にはわからないのですけれども、こういった点、運輸省の姿勢としてどんなことでやっていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
○岡田政府委員 このような事犯につきましては、その手口がますます巧妙化するという傾向があるわけでございまして、私どもも先ほど申し上げましたような汚染状況の検索についての海上保安庁独自の装置の開発等も行っておりますけれども、さらにあるいは航空機に夜間の監視装置というものを搭載しますとか、あるいは特に夜間におきます工場排水の採取分析等を行いまして、このような巧妙化する事犯に対して対処いたしておる現状でございます。
○石田委員 伺っていて、そこら辺がよくわからないのです。一般国民にはそういった答弁だけではなかなかわからないわけでございまして、例えば航空機による監視、そういったものが定期的にどういう形になっているのか。あるいはそういった海運の状況の中でいろいろな国の船が入ってくるわけでございますから、そこら辺のところが十分監視できる体制になっておるのかどうか、そこら辺も伺いたいと思うのです。 〔津島委員長代理退席、委員長着席〕
○岡田政府委員 航空機によります夜間の監視取り締まりということを申し上げましたのは、私ども特殊なごく低空で長時間飛ぶのに適切な航空機を二機ほど持っておりまして、東京及び広島に置きまして、東京湾あるいは瀬戸内海における汚染状況の監視を行っておるところでございます。 また、外国船舶につきましては、当然そのような監視の一環としてこれを見張るということのほかに、入港時におきまして海上保安庁法に基づく立入検査権を行使いたしまして、その法定帳簿等の記載状況等をよく調査し、事犯の未然防止に努めたいと考えております。
○石田委員 それでは、もう時間もありませんので、まとめて海難救助体制について少し伺っておきたいと思うのです。 捜索救助条約に基づいて、日本の責任海域というのは、ハワイとの中間まで約千二百海里というふうに言われておるわけでございます。こうした広域の哨戒体制をとるために、海上保安庁はどのような整備を今後目標としてやっていかれるのか。 例えば、高速で航続距離の長い船艇の整備も必要でございましょうし、ヘリコプターによるところの巡視といったものも必要であろうと思うわけでございます。あるいは専門の長距離捜索救助のための飛行機といったものも必要ではないかと考えておるわけでございます。これは国際的な義務でもございますので、そういった問題について着着と準備を進めていかなければならない。その問題についてひとつ伺いたい。 もう一つは、人工衛星を使っての捜索救難システム、これは極めて精度の高いものだと言われているのですけれども、我が国はこれに対してどのような方針で今後進まれるのか、そこら辺の問題についてあわせてお伺いをいたしておきたいと思います。
○岡田政府委員 何と申しましても、海難救助につきましては、遭難状況を迅速的確に把握するということが第一の要件でございまして、私どもといたしましては、全国二十三カ所の海岸局で常時聴守を行うと同時に、全国二十四カ所の救難用方位測定局によりまして、その方位を測定する体制というものを整えておるわけでございます。 さらに、昨年の十月からは船位通報制度というものをおかげさまで運用することができまして、これによりまして、申告のあった船をベースとしておりますけれども、太平洋上におきまするいろいろな船の時々刻々の所在というものがわかるわけでございますので、それによりまして、最寄りの船に救助に向かうようお願いするという民間の善意の活用ということについても、制度が目下充実しつつあるという状況でございます。 しかしながら、何といたしましても、私どもみずからの力を充実するということが大事なわけでございまして、私どもはいわゆるヘリコプター搭載型の巡視船と航空機というものを中心といたしまして、機動的な海難救助体制を整備したいということで現実に進めておるわけでございます。おかげさまで現在、ヘリコプター二機搭載型巡視船一隻がございますが、さらに追加の一隻、二隻目を現在予算が認められて進行中でございます。そのほかにヘリコプター一機搭載型巡視船も七隻を既に準備してあるところでございます。なお、今後ともこれらの増強をしなければならないものと考えております。 飛行機のことがあったわけでございますけれども、私どもといたしましては、現在の私どもの持っている航空機は、現場における約二時間半くらいの捜索活動というものを前提といたしますと、五百海里というところが出動の限界でございます。したがいまして、これらについて間に合わないという場合につきましては、防衛庁でありますとか、あるいはアメリカのコーストガードヘの出動要請等を行って、いわゆる空からの捜索救助についても万全を期しておるところでございます。 最後に、人工衛星を利用した海難救助システムの問題でございますけれども、おっしゃいましたように、現在、IMOにおきまして、電波技術というものを大幅に導入いたしました海上遭難安全通信制度というものを、大体一九九〇年ごろを実用化のめどとして検討が進められておるわけでございますけれども、この中で、人工衛星を利用いたしまして、遠距離の遭難情報というものを迅速に伝達し、直ちにその位置がわかるというようなシステムが検討されておるところでございます。私どもといたしましても、IMOにおけるこのような検討状況等を見ながら、その状況に合わせて適切に対処していきたい、かように考えております。
○石田委員 もう一点だけ。 現在の状況は、海上保安庁としては大体五百海里前後である、それ以外のものは防衛庁あるいは米軍に依頼する以外にないというお話でございますけれども、将来は千二百海里まで、そこら辺のことをカバーできる長距離の捜索救難機というものを予定しているのですか、考えているのですか。
○岡田政府委員 一般的に申しまして、能力はあればあるほどよいわけでございます。私どももいろいろと内部的に検討は進めておりますけれども、昨今の厳しい財政事情等もございまして、まず何を重点にさしあたって整備していくか、このような文脈の中でこの問題についても考えていきたい、このように考えております。
○石田委員 終わります。
○山下委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 時間が十七分ということで非常に短うございますので、端的にお尋ねをいたします。またできるだけ簡明にお答えをいただきたいというふうに思います。 今、国際的に環境保全をするということは非常に重大な問題であり、海洋汚染を防止をするということも非常に大切な課題であろうかと思います。そこで今回の法案でありますが、世界有数の船舶保有国でありますリベリアが、73/78MALPOL条約の批准に際して、附属書の一部、Ⅲ、Ⅳ、Vの受諾を撤回をしたということとかかわって本法案が今審議されるということであります。 そこで、リベリアがその受諾を撤回した理由といいましょうか、それについてはIMOなどいろいろ説明があった。先ほどもそのことでお尋ねがあったわけでありますけれども、そのリベリアの国会、上院ですか、その手続上に問題があった、それで撤回をした、これではどうも私ども納得できかねるというのが実態だと思うのです。もう既に撤回をして三年たちます。国内での手続をまだやっていないということも含めまして納得できないわけでありますが、このリベリアが附属書のⅢ、Ⅳ、Vの受諾を撤回をした背景について、もう少しうがった運輸省の認識をお尋ねをしたいと思います。
○栗林政府委員 リベリアがこの附属書のⅢ、Ⅳ、Vの受諾を撤回したということは、今先生もおっしゃいましたように、国内的な手続上の瑕疵である、これを修正するためであるというふうに、これはリベリアがIMO、国際海事機関に対して正式にそういう説明をしておるわけでありまして、私どもといたしまして、さらにそれ以上のことを憶測するということはできないわけでございますが、その後もリベリアは現在またこれを受諾はしておりません。しかし、それはリベリアだけではなくて、ほかの相当量の船舶を有しております国も幾つかは受諾をしてないわけでございまして、そういうところの状況を見ながら検討しているのではないかというふうに考えております。
○辻(第)委員 リベリアというのは世界の船腹保有量の一四・八%ですか、世界第一位ですね。またその大部分がいわゆる便宜置籍船ということですね。ロイド統計によりますと、便宜置籍船というのは世界総船舶量の三〇%、そのうちリベリアが第一位、パナマが第二位で、合わせますと八〇%、こういうことですね。また海運局の統計によりますと、日本商船の外国用船はリベリア、パナマが八割だということですね。それからUNCTAD事務局の調査では、便宜置籍船の受益船主国として日本は隻数では世界一だ。一五・六%。重量トンではアメリカ、香港、ギリシャに続いて第四位、一〇・七%、こういうふうな数値が出されております。便宜置籍船というものの定義といいましょうか、非常に複雑で数字としてあらわしにくいものかもわかりませんけれども、一応このような数字が出されているというのが実態だと思います。 このように見てまいりますと、リベリアの便宜置籍船、そしてその便宜置籍船を通じての日本というような関係で見てまいりますと、大変深い関係がある、私はこのように考えるわけであります。 そこで、運輸省の海運局の編で「日本海運の現況」というのが昭和五十七年七月二十日付で出されておりますね。この中で、「従来、便宜置籍船問題として国際的に討議されてきたことは、いわゆる便宜置籍船と称せられる船舶に、安全、海洋汚染、船員の労働条件等の面で問題のあるものが多いという点であったが、」こういうふうに書いてありますね。あとその他「IMCO、ILO等において統一的基準を条約等で設け、その実施を図ることによって解決に努めており、最近では、SOLAS条約やSTCW条約等も発効をみせている。」こういうふうに後の方にその対応がされているということも書いているわけでありますが、安全というのは海洋汚染に非常に関係がありますね。海難あるいは事故が起こりますと、海洋汚染につながるわけでありますから、そういうことを中心に、船員の労働条件のところまで申しますと大変なにでございますが、安全、海洋汚染と便宜置籍船との関係について、運輸省は現在時点でどのような認識をされているのか、お答えをいただきたいと思います。
○栗林政府委員 今、先生おっしゃいました便宜置籍船問題と海洋汚染問題といいますか、そういった関連ということでございますけれども、私どもといたしましては、海洋汚染の問題というのは、各国が協調して対策を講じていかなければならない問題だという考えを持っておりますし、また条約もそういうことで採択されてきているわけでございます。したがいまして、今の条約では、各加盟国においては、自国の港に入港する船舶は、非加盟国の船舶でありましても、条約の基準に基づき監督を行うというような規定になっております。したがいまして、この結果、いわゆる便宜置籍国と称せられている国も含めて各国は、自国の船舶について円滑な運航を確保するためには、こういう海洋汚染防止関係の条約に加入する必要があるという状況になってきております。 実際にリベリア、パナマといった便宜置籍国でありましても、この条約には既に加入しておるわけでございまして、確かにリベリアなどは今回の撤回で附属書のⅢ、Ⅳ、Vについてはまだ入っていないわけでございますけれども、曲とかばら積みの有害液体物質の規制については国際条約に従ってやっているということで、便宜置籍国といわれるもの以外の大きな海運国の状況等もにらみ合わせてみますと、便宜置籍船問題が直ちに海洋汚染問題の解決の妨げになっているというふうには必ずしも考えられないと思っております。
○辻(第)委員 それでは「便宜置籍船と称せられる船舶に、安全、海洋汚染、船員の労働条件等の面で問題のあるものが多い」という認識でありますが、この点については運輸省はどのように……。
○仲田政府委員 便宜置籍船の問題と申しますのは、いわゆるサブスタンダード船の問題というふうに理解しているわけでございます。サブスタンダード船と申しますのは、今先生御指摘のような船舶の安全の問題、海洋汚染問題、それから船員の労働条件に関して望ましい基準を達成していないということでございます。しかしながら、IMO、国際海事機関の中で一つの統一的な基準をつくりまして、それを条約でもって定めて、この条約の締約国が、条約の締約国以外の船舶についても、この基準を満たすような有効な監視体制をとる、そういう義務を負っているわけでございます。これは便宜置籍船であると否とを問わず、加盟国、また非加盟国を問わず、日本としては義務を負っているわけでございまして、そういう形で安全性の向上を図るという努力が行われております。ですから、実態的に申し上げて、便宜置籍船であるかどうかということと安全が確保されているかどうかということを切り離してと申しますか、そういうことで、必ずしも便宜置籍船だから安全に問題があるという角度ではこの問題はとらえていない。一般的問題として、この問題の有効な対策として何があったらいいかという角度で考えているということでございます。
○辻(第)委員 やはり便宜置籍船というのは、安全の問題、それから海洋汚染の問題、船員の労働条件の面だけ取り上げてみましても、大変な問題を持っていると私は思うのです。すべてがすべてそうだとは言いませんけれども、非常に問題点が多いということだと思うのです。 それから、これを言いますと時間がなくなってしまうわけでありますが、今深刻な海運不況ですね。その一番大きな問題は船腹の過剰だ。これに便宜置籍船というのが大きくかかわってきた、日本もそれに大きくかかわってきたというような問題であろうと思いますね。私は去年の十一月に全日本海員組合が出されました「外航海運と日本船員」というのを読ませていただいたわけでありますが、極端に言えば、諸悪の根源は便宜置籍船だというような表現もあるわけですね。私もそれには賛成をする立場であります。そういうふうに見てまいりますと、きょうは海洋汚染の問題が中心であります。またそれにかかわって安全ということが、先ほど申しましたように関係があると思うわけでありますが、そういうきょうの中心的な課題も含めまして、総合的に便宜置籍船の問題にしかるべき対応をされることが極めて重大な問題である、このように考えるのですが、運輸省としていかがですか。
○仲田政府委員 便宜置籍船の問題につきましては、先ほど海運造船合理化審議会でも御審議をいただきまして、中間答申、さらに最終答申をいただいております。その中で、日本商船隊の今後のあり方といたしまして、日本の海運が生き延びていくためには、近代化船の増強ということを中核としながら、そのほかにも外国用船、単純用船もありますし、またいわゆる仕組み船というのもありますし、また便宜置籍船というのもあり得るでしょう。これはそれぞれ荷主のニーズというものに応じてそういうものを日本商船隊の中に組み込まざるを得ない、そういう結論をいただいたわけでございます。私どもは、そういう観点から日本商船隊の中にこれがはっきりと位置づけられることについては、それなりの意義を持ったものであるというふうに考えております。そういう中で、この便宜置籍船の問題を経済的な意味から取り扱っていきたい。 また、安全の問題、海洋汚染の問題につきましては、確かに歴史的に非常にこの便宜置籍船が劣悪であったということはございます。それで、ヨーロッパで問題を起こしたこともあるので、そういうことの反省を含めてIMOのこの基準に関する条約ができたわけでございまして、この方策、IMOの条約に従って各国が今監視体制をとりながら、安全面、海洋汚染防止面の向上を図っているということが実態でございまして、こういうような努力を続けていくのが最も適切なやり方ではないかと考えております。
○辻(第)委員 海洋汚染を本当に防止するために、世界有数の海運国である我が国がさらに積極的にMARPOL条約の批准が進むように御努力をいただきたいと強く要望して、もう一点お尋ねをいたします。 今回の改正で、附属書Ⅲによるばら積み有害液体物質の規制ということが行われる順番が早まったということでありますが、国内の内航ケミカルタンカーは大体五百隻とかあるいは六百隻というふうに私は聞いているわけであります。深刻な海運不況の中で、その経営は本当に大変な事態だと思うのですね。そこのところへ今度のなにで設備を改良しなくてはならないということが起こってくるということであります。これまでにやられているところもあるようですけれども、その設備を改良するあるいはもっと船体まで改良するというようなことも含まれるようでありますけれども、まあすべてじゃない、このごろは十年で大体なにをするそうでありますから、部分であろうかと思いますが、いずれにいたしましても、現状では大変に負担になるということで、その経営を圧迫しないいろいろな対策ですね、大部分が中小業者であるということでありますから、十分な対応をとっていただきたいというふうに考えるのですが、その対応についてお答えをいただきたい。
○武石政府委員 お答え申し上げます。 内航海運業界が不況下にあることは先生御指摘のとおりでございます。それから中小企業が非常に多いということも先生の御指摘のとおりでございます。有害液体物質に関する規制が施行されることによりまして、内航船舶がこれまでよりも厳しい排出規制を受けるとかあるいは構造、設備規制、さらにはそれに伴う検査の受検義務が生ずるというようなことで、条約上の負担があるわけでございますが、既存の内航タンカーにつきましては、特に構造面では約十年間の猶予期間を設けられております。その他のタンカーにつきましても、運輸省においては、条約採択時以来随時海運業界に対して必要な情報の提供を行うと同時に、指導を行ってきております。そのために、現実にはほとんどのタンカーについては、特に構造、設備に関しては附属書の規制内容に適合しておるという状況でございます。今回の施行によりまして、運航上の支障はそういう意味で特に生じないと考えております。 ただ、私どもといたしましても、内航が、先ほどもおっしゃいましたように、中小企業が非常に多いということにかんがみまして、これら有害液体物質を輸送するタンカーについての改造資金については、船舶整備公団の改造融資制度の対象とするということによりまして、資金の確保を図るというようなことをやっておりますし、さらにはそれに伴ういろいろな技術的な助言その他の援助を講じてきておるところでございます。 内航海運業界内部でも、業界でのいろいろな対策の中で、こういう点は配慮しておりまして、そういう点も含めて業界としては、これらの対応については十分対応できるという感触を私どもかなり前から得ておりまして、そこからはみ出てくるものにつきましては、できるだけ業界を指導しながら適切な対応をしてまいりたいと思います。
○辻(第)委員 終わります。
○山下委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○山下委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、参議院送付、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。三塚運輸大臣。
○三塚国務大臣 ただいまは海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の結果、御可決いただき、まことにありがとうございました。 審議の過程において御指摘のありました諸点につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。ありがとうございます。
○山下委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○山下委員長 次に、内閣提出、船舶安全法及び道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。三塚運輸大臣。 ――――――――――――― 船舶安全法及び道路運送車両法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○三塚国務大臣 ただいま議題となりました船舶安全法及び道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明いたします。 小型船舶につきましては、昭和四十年代からその隻数が増加し、小型船舶に係る事故が増加したことから、その堪航性を確保し人命の安全の保持を図るため、昭和四十八年の船舶安全法の一部改正により小型船舶についても検査を実施することとするとともに、昭和四十九年に当該検査事務を行う機関として小型船舶検査機構が設立されました。 また、軽自動車につきましては、昭和四十年代からその台数が増加し、軽自動車に係る事故等が増加したことから、軽自動車の安全を確保し軽自動車による公害を防止するため、昭和四十七年の道路運送車両法の一部改正により軽自動車についても検査を実施することとするとともに、同年当該検査事務を行う機関として軽自動車検査協会が設立されました。 以降、十数年にわたり、小型船舶及び軽自動車の検査は国民の間に定着するとともに、両法人の運営の基盤も安定してまいりました。 このような状況のもとに、臨時行政調査会答申におきまして、両法人について「経営基盤の安定化を図り、自立化の原則に従い民間法人化する」こととされております趣旨等に従い、政府出資金の返還、国の規制の整理合理化等の措置を講じ、もって、小型船舶及び軽自動車の検査の充実、両法人の経営の活性化等を図ることとして、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、小型船舶検査機構及び軽自動車検査協会の自立化及び活性化を図るため、両法人につきまして、政府からの出資金を返還することといたしております。 第二に、役員の選任方法につきまして、両法人の自主性を尊重するため理事長及び監事の選任方法を運輸大臣の任命制から認可制に改めることといたしております。 第三に、両法人に、その運営に関する重要事項を審議する機関として評議員会を設けることといたしております。 第四に、両法人の自立化及び活性化を図るため、資金計画の運輸大臣認可制を廃止する等国の規制を整理合理化することといたしております。 第五に、小型船舶に係る検査の合理化を図るため、新たに認定検査機関制度を設けることといたしております。 第六に、両法人につきまして、これらの改正に伴い、法人税法、地方税法等の税法における両法人に対する特例措置を整理合理化することといたしております。 なお、本法の施行につきましては、両法人について定款の変更等必要な準備を行った上でそれぞれ施行することといたしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○山下委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る二十日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十四分散会 ――――◇―――――