運輸委員会 第3号
- 発言数
- 207 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/02/21
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若林正俊君。
○若林委員 一昨日行われました運輸大臣の所信表明に対しまして、自由民主党を代表して質問をいたします。 運輸行政は、陸海空にわたる輸送、観光、気象、海上の安全、治安等、その所掌する範囲は広く、その対象は、人間の体に例えれば動脈など循環器のような重要な役割を果たしております。三塚大臣はその所信表明で、国鉄改革、安全対策、港湾、空港、整備新幹線などの社会資本、海運、航空など広範な運輸行政全般に及び基本的な考えを述べておられます。 しかし、私に本日与えられました時間は一時間と限られておりますので、国鉄改革、整備新幹線を中心に航空行政と安全対策について、運輸大臣、国鉄総裁など御当局に基本的な考え方を御質問いたします。答弁の方も簡潔にお願いをいたします。 まず、国鉄改革について伺います。 改めて申すまでもなく、破産ともいうべき経営危機に直面している国鉄の事業を立て直すために、五十八年六月に国鉄再建監理委員会が発足し、二年有余に及ぶ真剣な、熱心な御検討の結果、昨年七月に民営・分割を骨格とした国鉄改革に関する意見書が提出されました。この意見書の提出に当たり監理委員会は、「変革の苦しみを乗り越えて国鉄の過去を清算し、将来にわたり鉄道の役割を十分に果たし得る体制を確立して、百年の歴史を有する国民的財産を健全な姿で次の世代に引き渡すことが我々の世代の責務である」と述べておられます。 政府はこの意見書を受けて、昨年十月十一日に「国鉄改革のための基本的方針について」十二月十二日には「国鉄余剰人員雇用対策の基本方針」を閣議決定し、六十一年度の予算案において、六十二年四月から六つの鉄道会社と一つの貨物会社による事業が発足することを前提として諸対策を盛り込んでいるわけであります。 昭和六十年度において実質的な赤字額は、単年度で二兆三千億、毎日、一日六十三億円近くの赤字が増加している現状を考えますと、国鉄改革は一刻も猶予は許されないのであります。このようなときに、運輸政策のベテランであり、国鉄の事業に対する深い愛情と理解、政治家としての使命感を持って国鉄改革に熱心に取り組んでこられた三塚大臣を運輸大臣に迎え、国民は大きな期待を寄せているのであります。 そこで、運輸大臣にお伺いいたしますが、国鉄改革関連の法案はいつごろ国会に提出される予定でありますか。
○三塚国務大臣 過分な御激励、御評価をちょうだいいたしまして恐縮をいたしますと同時に、気を引き締めて全力を尽くしてまいるつもりであります。格段の御鞭撻をまずお願いを申し上げる次第であります。 ただいま若林委員の国鉄改革にかけます分析、まことに同感でございます。さような観点で欠落をいたした部分を埋めながら、同時に公社制度の持つ欠陥を是正し、なお画一的な運営から脱しまして、真の鉄道再生を目指すという意味で、法案を準備させていただいておるわけでありますが、まず関係法案八つと言われております用地方税法、固定資産税等にかかわる問題については自治省提出と聞いておりますが、九本あるわけでありますけれども、運輸省所管の八法案のうち、暫定緊急措置法は既に御案内のように提出をさせていただきました。予算関連でありますので、そういうことでありますが、一括法、それから鉄道事業法は、省庁との協議等がございまして、一般法案締め切り日の三月十四日ぎりぎりまで相なるかな、できるだけ若干の余裕を持って国会に提出をさせていただきたい、こういうことで最後の努力をいたしております。 他の旅客法、貨物法を初め新幹線機構法等五つの法律につきましては、今月中に何とか成案を得て提出をいたしたいということで、鋭意最後の努力をいたしておるところであります、
○若林委員 先ほど申し上げましたように、国鉄改革を先に延ばすことは、それだけ国民負担を増大させることになるわけであります。国鉄改革関連法案が国会に提案されましたら、すべての党派が全力を挙げて最優先で法案審議に取り組み、できるだけ早期に結論を出さなければならないと思うのであります。政府の提案する内容に異論があろうとも、その重要性、緊急性を考えるならば、この問題を政治の駆け引きの材料としたりするようなことがあってはなりません。国民も重大な関心を持っていますから、関係法案の提案がありましたら、異論をお持ちの党派の方々も直ちに土俵に上がって、その内容の当否について審議に入るべきだと思いますので、委員長に特段の御努力をお願い申し上げる次第であります。 国鉄改革の中身につきましては、近く始まるでありましょう法案の審議の場で詳しくお聞きいたしますけれども、その前提として、基本的な問題について幾つか御質問をいたします。 御承知のとおり、昭和三十九年に国鉄が赤字を出して以来、国鉄の経営再建の努力は続けられてきましたし、昭和四十四年から幾たびか立法措置も講じて再建計画をつくり、この問題に取り組んでまいりました。にもかかわらず、すべて失敗に終わり、病状は次第に悪化して、今日のような瀕死の状態になり、今回の大手術を要するに至ったわけであります。 そこで、このように過去失敗を繰り返し、経営破綻に至った根本的な原因は何だとお考えでありますか、運輸大臣にその認識をまず伺っておきたいと思います。
○三塚国務大臣 国鉄改革は、大変国民的な課題でありまして、お一人お一人の国民の皆さんも、この改革をどのように進めるかということについて非常な関心を持っておるところでありまして、私からいたしますと、なぜかく相なったのであろうかということにつきましては、若林委員が質疑の中でポイントを申されたわけでございますけれども、私自身の認識は、やはり公共企業体、公社制度というものが、現在の社会経済状況に対応し切れなかったところに一つの問題があると言えると思うのです。 親方日の丸とよく言われます。これは国鉄労使だけではございませんで、地方団体を含め、各地域を含め、ある意味ですべての分野が公共企業体というものに対する認識がさようなことであったのではないだろうかという指摘も、なるほどなというふうにうなずけるものがございます。さような意味で、みずからの努力の中で切り開いていくという気迫が薄いということが、他の交通企業との競争で勝ち残れるということの形になりませんでしたことは残念なことだと思いますし、さらにまた、公共企業体ということの中で、多くの点において国会、政府の関与にかかわっておりますところが余りにも多かった結果、やろうといたしましても、機動的なことがなかなかでき得なかったということもそうでありましょう。 さらには、事業範囲が鉄道事業ということに限られておりまして、なかなか他の事業のように多角的な経営ができ得ない、こういうこともありましたでしょうし、また最大の問題として挙げなければなりませんのは、運賃決定の時期が絶えずおくれてまいりましたことなども端的に認めざるを得ないし、また設備投資の問題も、やはりこれは認めざるを得ない。 また、構造的欠損と絶えず運輸委員会において指摘をされた問題に対しても、なかなか的確に対応ができなかった、したのでありますが、一こまおくれであったということも率直に認めざるを得ない。 もう一つは、本来企業がピンチになりましたときには、労使協調の中で行われなければなりませんことが、大変残念ながら労使の対立ということがありまして、そのことがうまいこと前に進まなかったということを私ども認めざるを得ないし、そういう意味で正常な労使というものが期待されることは当然であろうと思っております。
○若林委員 国鉄総裁の方はどのような御認識をお持ちでございましょうか。
○杉浦説明員 過去におきまして何回も再建計画を実施いたしました。財政破綻の原因等につきましていろいろと研究をし、対策を練ってまいったわけでございます。いろいろな要因が考えられますが、何といいましても、世の中、経済社会の激変の中に国鉄の交通事業としての役割がどうしてもおくれがちであり、なおかつ、またそれに対応できなかったというところが最大の問題点であったと思います。 なぜできなかったかという分析も過去においてやっておりますが、何といいましても、国鉄の管理者あるいは組合というような労使ともどもの対応が何よりも大事であったわけでございますが、そうした点でも欠けるところがあったと反省しているところでございます。また政府あるいは政治の場におきましていろいろと御検討いただいたわけでございますが、その辺も突っ込みが足らなかったという点もあったかと思います。 今回、監理委員会の方向によりまして、いわば従来の基本的な問題の中核にメスを入れられたと思うわけでございまして、なぜ時代に即応できなかったかという根本原因にメスを入れられた結果、現在の公共企業体という仕組みそのものが時代に合わなくなったという判断がなされたわけでございまして、我々は、今まで何回も努力してきた、いわば基本的な問題をここに見出すことができたと考えるわけでございまして、今後そうした点に十分配慮しながら、新しい改革の道を進んでまいりたいと思うところでございます。
○若林委員 国鉄改革のためには、今お話がありました親方日の丸の意識から脱却をして、社会経済情勢の変化に即応した経営体制、それには公共企業体の経営方式から会社組織による民営方式に切りかえた方がいい、こういう基本的認識につながると思うのであります。また、このことについてはかなりの程度国民的合意ができ上がっているように思うのですけれども、さて、監理委員会では、それとあわせまして分割を提案いたしているわけであります。この分割についてはなお異論もあるようであります。 そこで、専売公社でありますとか電電公社でありますとか、公共企業体から民営化の方向に既に先行をしております組織が全国一社制という形をとったのに対して、国鉄についてはなぜ分割せざるを得ないということになりますのか、その理由を簡潔にわかりやすく御説明いただきたいと思います。
○三塚国務大臣 簡潔と言われますと、この点は逆説的な言い方の方が正解かなと思うのでありますが、民営についてはほぼ合意が得られておる、しかし分割はどうだろうか、こういうことなんでありますが、全国画一的な経営の失敗が今日の破局をもたらしたわけでございまして、だといたしますと、今までのレールの上からの経営改革だけでは基本的な改革には相ならぬのではないだろうか、こういうことであります。経営規模というのは適正規模がございまして、大きい企業といえども七万程度とよく言われます。大体二万ないし三万が会社としての最高の機構がな、こう言われてもおるわけでありまして、それが適正規模でありますればあるほど経営戦略が末端にまで行き届き、機動的に対応できるであろう、こういう意味でそんなことも言われると思います。監理委員会の中でも、二十八管理局案というものを下地にした議論も行われたことを聞いておりますし、また七分割案、本州四分割案という有力な意見も最終までにあったというふうにも聞いておるわけであります。私どももそれらを見ながら、同時に答申を受けて、政府としてどうあるべきかということで検討いたしました結果、やはり分割をしてまいりますことの方が、ここまで参りました鉄道の再生のためには必要なことであると思いまして、この案を支持し、その方向の中で改革案を今最終の調整をいたしておるということであります。
○若林委員 私は、やはり事業は人の行うものだ、こういう観点に立っておりまして、そこに働く人たちの管理の適正化、適正規模といったような観点の大臣の御説明が今あったわけであります。電電公社などにつきましては、そのほか、事業自身が実質的に非常に独占的でありまして、他との競争関係が現時点においてはそれほど大きくない、しかも事業の中心が装置産業とでも申しますか、装置がベースになっているのに比しまして、鉄道は大変に地域化しておりまして、そしてまた他の交通手段との競争も激しくなってきております。それにかてて加えて、何としても安全を管理するというような点からも人が中心であるという意味から、私は、他の公共企業体の場合と違った検討がなされてしかるべきでありますし、またそのような方向で結論が出されたと理解をいたしているわけであります。 分割によります種々の疑問が出されております。ダイヤ編成上の問題とか料金体系などの問題、これらは法案審議の過程でまた詳しくお聞きしたいと思います。 そこで、国鉄事業の再建のかぎは余剰人員対策と債務の処理にある、このように思われるわけでありますが、ここでは余剰人員対策につきまして、特に公的部門への採用が円滑に計画的に進められるかどうか、この点に多くの関心といいますか注目が集まっているところであります。そこで、その進みぐあいを事務当局からお伺いしておきたいと思います。
○中島(眞)政府委員 国鉄余剰人員雇用対策本部の事務局長でございます。 ただいまの公的部門におきます採用の進捗状況について御報告申し上げます。 御指摘のとおり、国鉄余剰人員対策の推進に当たりまして、国を初めとする公的部門が進んでその雇用の場の確保を図る必要がございます。このため、昨年十二月に閣議決定いたしました基本方針でも、昭和六十一年度におきまして、国家公務員につきましては、各省庁がその採用数の一〇%以上を国鉄職員から採用するということを決めております。総務庁を中心といたしまして、各省庁と鋭意折衝を進めておりまして、現在まで、例えば運輸省におきましては昭和六十年度を含めましで二百二十八人、それから郵政省が六十一年度で五百七十人程度、労働省が六十一年度で七十九人といったような数が決まってまいっております。そういうことで、六十一年度分につきましての国家公務員の採用については、おおむね目標数を達成できる見通しとなっております。また特殊法人等につきましては、雇用促進事業団、労働福祉事業団、帝都高速度交通営団等から六十一年度から六十五年度初めまでの五年間ということで採用数が出てまいっておりまして、国と特殊法人等の合計が現在二千三百人近くとなっております。また地方公共団体につきましては、自治省の方で鋭意各都道府県と折衝をしてもらいまして、例えば北海道の三百八十人、宮城県の二百人、仙台市の六十人、東京都の特別区の二百人を含めまして千四百五十人等の数字が出てまいっております。いずれも六十一年度から六十五年度初めまでということを対象にしました人数でございますが、地方公共団体の合計は約三千五百人に達しておりまして、以上、国、特殊法人と合計いたしますと、公的部門で約五千八百人という数字になっております。
○若林委員 予想しておりましたよりも、各公的機関の努力の姿勢は大変にでき上がってきているように受けとめさせていただいております。 国鉄再建、改革問題については、なお質問が残っておりますが、伺うところによりますと、大臣、予算委員会との関係でお立ちになられるそうでありますので、先に行かせていただいて、整備新幹線の問題についてお伺いしたいと思います。 おくれた地域、日の当たらない地域に活力を与え、そして光を当てるために、北陸新幹線など整備新幹線の沿線地域の人たちは、子供や孫たちの将来を思い、地域社会の活性化、地域経済の停滞からの脱出のために新幹線の早期着工を熱望してまいりました。それにこたえるのが政治だと思います。 三塚運輸大臣は、自由民主党の整備新幹線特別委員長として、また政務調査会長代理として、このことには特段積極的に御努力をいただいてまいりました。昨年八月二十二日、政府と自民党との間で合意が成立し、工事実施計画の認可申請が出され、駅周辺環境整備事業が実施できるようになりましたことは、経済社会の発展におくれをとってきた地域にも前途に光が見えたという思いで大変に喜んでおります。御努力に心から御礼を申し上げます。 しかし、この工事実施計画の認可がなければ本格的な着工はできないわけであります。六十一年度予算で北陸新幹線の建設については鉄道建設公団に五十億円の予算が計上されておりますが、これを使用することができないわけであります。この工事実施計画の認可は、財源問題、国鉄分割後における建設主体、運営のあり方、並行在来線の廃止等の具体的内容などについて、政府と自民党で構成する整備新幹線財源問題等検討委員会の結論が得られた段階でなければ出せないことになっているわけでありますが、その結論はいつごろを目途に出される予定でありますでしょうか。 さらに、あわせてその中に含まれていることでありますが、この整備新幹線の建設主体について、三塚大臣はかねて鉄道建設公団と国鉄の技術陣営とを合体した新しい特別法人のようなものを考えておられたように理解をいたしております。昨日報道された日本鉄道建設技術株式会社構想というのは、当局側から出たのではないと思いますけれども、そのことも含めまして、整備新幹線の建設主体のあり方につきまして大臣のお考えを聞かせていただければありがたいと思います。
○三塚国務大臣 整備新幹線に対する国民の期待の大なることは、私も若林先生同様、政治家として骨身にしみておるところでありますし、鉄道再生という今日の事態におきまして、他の交通手段と競争し、二十二世紀はおろか二十三世紀に向けても生き残れる交通手段は新幹線をおいてほかにないであろう、こういうふうに思います。 しかし、膨大な資金を要するものでありますから、国鉄改革がこのように軌条に乗ってきておるさなか国鉄の負担においてこれを建設せしめることはできない。言うなれば、ナショナルプロジェクトとして、これを格上げすることにより行ってまいる。これがまさに四全総、三全総を受ける四全総の国家計画にも合致するのではないだろうかというもろもろの総合判断の中で、これは政治として取り組むべきものである、こういうことで、党におきまして当時から、ここにおられる加藤先生を初め各部会長の皆さん方、また野党の皆さんから、直接ではございませんが、間接に御激励などもちょうだいをいたし、本問題に取り組んでまいり、財源問題等検討委員会が設置をされまして、鋭意今その作業に入っておるわけでありますが、いつごろまでかと、こういうことでありますと、政治日程は国会の御協力を賜りまして進むということでありますと、六十二年四月、分割・民営化ということがスタートを切るわけでありますから、そうだといたしますと、それに合わせて進めるというのが政治論として、また行政という運び方からいいましても正しい行き方ではないだろうか。そういたしますれば、運輸大臣としての受けとめ方は、何とか年内に方向づけが行われるように努力をしていかなければなりませんし、最小限、困難な問題を控えておりましても、年度末までには財源等検討委員会におきまして明確な方向を明示していかなければならぬ問題だと思います。 それと関連をいたしまして、技術集団でありますが、これは自由民主党におきまして非常に御熱心に御勉強をいただいております。その大要をお聞かせいただくということで、これまた財源等検討委員会の重要な課題でございます。私も政務調査会におりました当時、諸先輩、また国鉄関係に御造詣の深い各党の先生方からの御意向などの総合集約として、この技術というものは、日本の文明開化、日本の近代化を進めてきた最大のものである、これを分割・民営化の中で散逸せしめてはならぬだろう、一つの集団として取りまとめてまいりますことが今後の近代化のためにも、また交通という点からいいましても、また国際的に日米鉄道会議、各党の御参加をいただいて、あるわけでありますが、こういう問題、あるいはリニアモーターというまさにそういう問題等も含めまして、これを生み出した技術をきっちり担保といいますか、制度化いたしてまいりますことが国益にかなうし、国民の期待に沿うことになるのではないだろうか、こういうことの御見識を賜りながら、私どもこれを取り扱ってきたわけでございますが、ただいま自由民主党の方で真剣な御論議をいただいておるわけでありまして、その結論を私どもはじっと見詰めており、それを受けとめさせていただきまして、運輸大臣としてまたやらなければならぬことはしっかりと進めさせていただかなければならぬ、このように思っておるところであります。
○若林委員 さすが運輸政策、鉄道に理解の深い大臣の御答弁でありました。ただ。いささか詰めのテンポが緩やかであることがやや不満であります。新しい建設主体の問題につきましては、当然六十二年度の予算とかかわるわけでありますので、八月の概算要求の段階には運輸省側の予算要求として正式に持ち出せるようになお一層の御努力をいただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。 それでは、整備新幹線の問題はこの程度にさせていただいて、また国鉄の再建問題に移ります。大臣、どうぞお引き取りください。 国鉄の改革問題に戻るわけでありますが、企業経営の基本は、先ほども大臣からお話がありましたように、労使関係にあると思います。国鉄経営も、かつてマル生問題で当局が挫折をし、労使関係が崩壊していったという苦い経験を持っていると私は受けとめております。 杉浦総裁は、新年度早々に労使共同宣言を提案し、これに対して鉄労、勤労、全施労は直ちに同意をして、連名で協定を結んだと聞いておりますが、残念ながら国労は依然として受諾を拒否しているようであります。内容的に見ますと、まことに当たり前のことがお互いの間で合意されているように思うわけでありまして、もっと早くこのようなことが行われてほしかったと思うのでありますが、現在の国鉄の危機的状況でこのような宣言が出されたということは、大変に意義のあることだと思います。運輸政務次官、この共同宣言提案をどのように評価しておられますか。
○亀井(静)政府委員 国鉄問題に大変造詣の深い若林先生の、的確な御指摘をいただきながらの御質問をいただいたわけでございます。 労使の共同宣言は労使間で取り決める問題ではあると思いますけれども、国鉄再建に当たりましては、やはり労使間における共通の認識、また信頼関係が基本になると思います。そういう面では、国鉄当局がそういうことを醸成していくための真剣な努力を続けていただいておるということに対して、我々としては大変敬意を払っておるわけでありますし、また期待もいたしておるわけでございます。 以上でございます。
○若林委員 杉浦総裁は本当に労使関係の問題につきまして頑張っていただいていると思います。国労は、関連企業への国鉄職員の派遣についても、また希望調書などについても、内部的にかなり法外とも言えるような行動があるように聞いております。雇用安定協定の再締結の問題を含めまして労使関係はお互いの自主的な問題でありますので、国鉄当局は外部からのとかくの圧力などに動かされることなく、使用者側としての自覚と責任、見識を持って対処してもらいたい、このように思うのであります。また労使の具体的な問題につきましては、国会における政党レベルの問題にできるだけしないような配慮が必要ではないか、このように思うわけでありますが、国鉄総裁の率直なお考えを聞かせていただきたいと思います。
○杉浦説明員 国鉄改革をめぐるいろいろな問題は大変な難局を迎えておるわけでございますが、そうした余剰人員その他の重要問題を解決するに当たりましても、やはり国鉄が労使ともどもこうした難局に一致協力して対処することがぜひとも必要であると思うわけでございます。 そういう意味におきまして、常日ごろ各組合と本当にざっくばらんで話をしたいというふうに持ちかけ、また提案を申し上げているところでございます。また、特に昨年来、雇用安定協約の問題をめぐりましていろいろと議論を展開をしておるところでございますが、残念ながら国労との間では、その見解の一致点が見出せないままに雇用安定協約が締結をされない状態になっておることはまことに遺憾でございます。 本年の初頭におきまして、労使共同宣言という提案をいたしました。この趣旨は、この大変な国鉄改革の問題に当たりまして、特に余剰人員対策の実行に当たりまして、労使の壁を超えまして、労使一体として一生懸命経営の努力をするということを国民の皆様方に広く示す必要があるというふうに考えたからでありまして、当局側から組合に提案をさせていただきました。 三組合は直ちに趣旨を了解していただきまして締結をいたしましたが、これも国労と意見が合致せず、現在に至るも労使共同宣言の締結は見ておりません。私どもは、この中身は大変重要な基礎的な、我々のなすべき考え方であると同時に、今先生がおっしゃいましたように、社会常識から見ましてまことに当然といいますか、守るべき我々の責務を申し上げたつもりでございますが、なお、こうした中身につきまして、今後も国労の諸君と粘り強くお話し合いを続け、我々の考えているところを理解してもらうように、今後とも努力をしてまいりたいというふうに思うところでございます。
○若林委員 労使双方、基本的な点ではお互い信頼で結びついていかなければ成り立たないわけであります。お互い納得できますように粘り強い御努力をお願い申し上げておきたいと思います。 六十二年四月一日から新しい組織体制に切りかえたい、このような方針のもとに作業が進められているわけでありますが、このような切りかえがうまくいくかどうか。その準備を考えますと、職員あるいは資産、債務のそれぞれの事業体への帰属を具体的に決定していくなど、気の遠くなるような膨大な作業量が必要になってくると思います。そのようなことを念頭に置きながら、運輸省当局のそのための今後のスケジュールについて、こんなことでぎりぎりやれるのじゃないかというようなことをお示しいただければ幸いであります。
○亀井(静)政府委員 現在、鋭憲法案の作成をやっておるわけでございますが、三月上旬までにすべての法案を国会の方に提出し、今国会において、諸先生方の御指導と御尽力をいただきまして、これをぜひとも成立させていただきたい。でなければ、今後のスケジュールが非常に厳しいものになってこようか、このように考えております。よろしくお願いを申し上げます。
○若林委員 本当に一つ一つの不動産を含む諸財産を確認し、登記を要するものは登記手続までも下して、それを新しい会社に引き継ぐ、また職員につきましても、その生活、職場の諸条件を考慮しながらその帰属を決めると同時に、今までの官庁会計などの官庁事務になれています皆さん方を企業会計のシステムの中でこれを理解するように持っていく、その教育訓練等々考えますと、本当に大変な作業であろうと思うのであります。ぜひともそのような作業が円滑に進められ、そしてスムーズに新しい体制に切りかえられますように、一日も早く法案を提出いただき、そしてまた十分なる審議をすることができますようにお願いをしておきたいと思います。 さて、国鉄関係の最後の質問でありますが、先日も私の地元の篠ノ井駅構内で、常識では考えられないような不注意から列車事故がありまして、乗客多数が負傷をいたしました。国鉄改革が問題になってから職場規律などは大分改善されてきているように思います。しかし、まだまだ不注意などによる事故は後を絶ちません。安全の確保は輸送機関の絶対の使命であります。国民が注目している時期でもありますから、事故防止、安全確保のためには、念には念を入れて、労使一体になって取り組んでいただきたいと思います。このことにつきまして国鉄総裁の決意のほどを伺っておきたいと思います。
○杉浦説明員 輸送の安全確保という問題は、輸送に携まる者の極めて基本的な命題であると思います。従来から国鉄は安全問題に大変力を入れてきたわけでございますが、こうした改革の時期に当たりまして、一層そうした安全の必要性を痛感をいたしておるところでございます。現場の日常の、職員の毎日毎日の気の配り方、安全に対する考え方、これが基本でございますし、特にまた、こうした改革の時期におきまして、いろんな心の動揺が安全面に万が一及ぼすことがあっては絶対にいかぬことでございますし、また合理化を徹底する際におきましても、十分に安全面の配慮をする必要があろうと思います。また大分削られてきましたが、工事面での投資の面におきましても、安全投資に重点を置くというような、物心両面からのいろいろな角度におきまして、安全最重点ということで今後とも万全を期してまいりたいというふうに思うところでございます。
○若林委員 安全確保は国民の鉄道に対する信頼の最も基本的なところでありまして、信頼を失った国鉄事業というのは、どのような改革をいたしましても成り立たないわけでございますので、なお一層の御努力、御配慮をお願いをしておきたいと思います。 国鉄改革に関しましては、以上で質問を終わります。 次に、航空行政について伺いたいと思います。 航空輸送は戦後一貫して急速に発展を遂げ、現在においては高速輸送の主要な担い手として位置づけられるに至ったわけであります。今や航空機の時代を迎えたとさえ言えると思います。昭和五十九年度の輸送実績を見ますと、国際線千六百七十万人、国内線四千四百七十万人となっており、これは昭和四十年当時、およそ二十年前の状態と比べまして、国際線で約十五倍、国内線で約九倍と極めて大きな伸びになっております。今後二十一世紀に向かって、我が国経済社会の国際化の進展、国民所得の向上、高速志向の高まりなどを背景にいたしますと、航空の役割はさらに拡大していくものと予想されるのであります。 このような航空輸送需要の増大に対応して、従来から空港の整備が進められてきているわけでありますが、まだその整備は十分と言えない状況であります。特に国際、国内航空の基幹空港であります新東京国際空港及び大阪国際空港は既に利用の限界に達しつつありますことから、今後我が国の国際交流の分野で十分にその役割を果たし、また国内地方空港との関係での十分なネットワークを組んで国民のニーズにこたえていくためには、まず、この東京圏、大阪圏の空港の整備を早急に進める必要があると考えられるわけであります。 また、空の時代を迎えるに至り、こうした大型空港のみでなく、地方の空港にとってもさらに整備を促進していくことが重要であります。私の地元、長野県におきましても、従来から松本空港のジェット化の要望が強く出されております。ぜひとも整備をしてもらいたいと考えているわけでありますが、将来にわたってコミューター空港の活用を含め、国内空港の健全なネットワークを育て、国民の航空に対する期待にこたえていくためには、その基盤となる地方空港の整備をさらに促進していく必要があります。 こうした中で、空港整備の基本計画たる現行第四次の空港整備五カ年計画の達成率は、いろいろな理由があったと思いますけれども、本年度末で約六六%と大変低い水準だと予想されております。昭和六十一年度からは新たに第五次の空港整備五カ年計画をスタートすることとし、近く閣議了解があるように聞いておりますけれども、今後はこの新計画を強力に推進して、空港の整備を進め、国民の期待にこたえてもらいたい、このように思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○亀井(静)政府委員 御指摘のように、まさに今は空の足というのが非常に重要になっておるわけでありまして、運輸省といたしまして、第五次空港整備計画を現在策定中でございまして、一兆九千二百億に上る計画を今検討しておるわけでございますが、この中身といたしましては、一つは先生御指摘のような東京新空港の、これはまだB滑走路、C滑走路が完成いたしておりません、この整備。また関西空港の建設、また東京国際空港のさらに整備拡張の問題、さらに長野県においても大変なそういう熱心な運動もあるようでございますけれども、地方空港の整備拡充というのが今後の大きな課題であろう、このように考えておりますので、今運輸省といたしましては全力を挙げて取り組んでおります。
○若林委員 次に、航空の安全問題に触れたいと思います。一たん事故が起きますと、多数の痛ましい死傷者を生じまして、社会的影響が極めて大きい航空輸送におきましては、今さら申すまでもなく安全の確保が何よりも前提であります。行政の立場からも最も基本的な課題であると思いますけれども、運輸省はこの立場から安全対策には最大限の努力を傾注するように関係者を指導してこられたと思いますけれども、記憶も生々しい昨年、日本航空一二三便ボーイング747SR型機の事故、五百二十名もの多数の犠牲を生んだわけであります。 運輸省は、事故後、再発防止のために種々の措置を講じてきておりまして、六十一年度からは航空機整備の審査のための組織体制も充実したと聞いております。日本航空も事故後、運輸省の指導にこたえて、安全運航のための諸施策を積極的に実施しているようでありますが、最近、日本航空所有の同型機ボーイング747SR型を総点検した結果、多数の亀裂が発見されたと報じられております。今や中長距離の都市間輸送において必須の公共輸送機関、国民の足ともなっております航空輸送の安全に不安が広がっているのではないかと心配しているわけであります。この総点検において発見されました、多数の亀裂がある、こういうようなことに対しまして、運輸省の事故防止の対策、ごく簡潔に事務当局の方から御説明をいただきたいと思います。
○大島(士)政府委員 ただいま先生御指摘のように、航空の安全確保については私どもも日ごろから最大限の努力を傾注しているところでございます。 ただいま御指摘ありましたボーイング747型機の機首構造の亀裂につきましては、実は私ども、昨年の九月、日本航空に対して使用回数の多いボーイングSR機の一斉点検というものを命じております。その結果、日本航空の四機のSRについてかなりの亀裂が発見されました。これを製造国である米国の方に通報いたしまして、根本的な技術的対応を図るよう求めたところでございます。これらを背景といたしまして、最近、一月末あるいは二月の中旬にアメリカ政府よりボーイング747の構造点検を含む技術対応策が出されたところでございまして、私どもといたしましては、これらの対策を踏まえ、日本のジャンボジェットに直ちにこれを適用するというようなことを図りながら、ジャンボジェット機の安全確保に今後とも努めてまいりたいと考えているところでございます。
○若林委員 事故後の点検で発見されましたこのような欠陥につきまして、国民は大変不安を持って受けとめております。現実に利用者数の減少あるいは伸びの停滞といったようなことが見られているわけであります。一日も早く信頼が回復できますように万全の措置を講じていただきたいと思います。 次に、航空政策のことでありますが、その見直しが急ピッチで進められております。運政審の航空部会は昨年の十二月に画期的な中間答申を出しまして、競争原理の導入の考え方を明らかにいたしております。時間がありませんので、論議は別の機会に譲ることといたしますが、この本答申はいつごろ出される予定で詰めが進められておりますか、伺っておきたいと思います。
○亀井(静)政府委員 これにつきましては、一応五、六月ごろをめどにいたしております。
○若林委員 日米航空協定の見直し協議が三月から始まることになっているわけでありますが、航空政策の見直しの方向等を念頭に置き、また日米間の航空権益の不平等、不均衡の是正は、我々日本国民が一貫して主張し続けてきた問題であります。なかなか経緯がございます。直ちに是正されることは難しいわけでありますが、粘り強く頑張っていただきたい、このように思います。 そこで、この三月に行われます協議の主な事項はどういうことでありますか、お伺いしておきたいと思います。
○亀井(静)政府委員 一月の日米協議に基づきまして、日米航空協定の包括的な見直しを三月からやるということでございまして、その主な点は、まず第一は、日本貨物航空の便数制限の撤廃の問題が一つございます。もう一つは、シカゴヘの貨物便の問題等、これは路線面での機会均等の確保の問題。それからもう一つは、これは以遠権の現在の不平等、これを是正をしていくという、大体三つが大きな課題になろうか、このように考えております。
○若林委員 大変な交渉でありますが、ひとつ国益を守るために頑張っていただきたいと思います。 次に、ホテル、旅館の防災問題について意見を申し述べていきたいと思います。 二月十一日未明、静岡県熱川温泉大東館の別館で火災がありました。多数の泊まり客が亡くなられたのであります。犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈りいたすわけでございますが、何ともやるせない思いでございます。歴代運輸大臣は、その所信表明で必ず、これは運輸のことでありますが、観光も含めまして、安全を第一にと決意を述べられておりますし、また大きなホテル、旅館事故があると、いつも二度とこのようなことがないようにしたいと申してきたわけであります。しかし、現実にはホテル、旅館の大きな火災事故は後を絶ちません。事故があるたびに、施設などのハードの規則を強化したり、取り締まりの徹底を期するといったようなことが行われてくるわけでありますが、こういうことだけでは私は事故はなくならないと思うのであります。 今回の事故が木造三階であったというようなことから、報道の中には、薪の中で寝ているようなものだといったような無責任な報道もございました。木造だから危険なんだというふうにただ単に決めつけてしまったのでは、これは問題だと思うのであります。これらの事故の大部分は、施設などの不備もさることながら、経営管理面での不注意、配慮の欠如などによって犠牲を大きくしているように思われてなりません。結局、経営者の責任の自覚、日ごろの従業員の心構え、訓練など心の問題、言うなれば、行政面でいえばソフトの面での指導が必要なんだ、このように痛感するわけであります。 このような事故があると、いつもホテル、旅館に対する行政、かかわり合いのあります行政庁が幾つにも分かれているということに当惑するわけであります。縦割り行政でありますが、建築基準につきましては建設省、消防面の指導については消防庁、そして旅館業法というのを所管しておりますのが厚生省、働く立場あるいはまた取り締まりの立場等々労働省や警察というのもかかわってまいります。運輸省が包括的に、言うなれば観光行政を所管しているという立場から、この業界指導に当たっておられるわけでありますが、何か隔靴掻痒であります。業界に対しまして一片の通達を出して、しっかりやれ、こう言って末端の経営者レベルの通知に終わっている嫌いはないか。もう少し末端経営者レベルヘの行政指導が十分に行われる必要があるのではないか。何か運輸省のこの観光行政が中途半端であるように思えてならないのであります。大変難しい問題でありますが、ハードの面の施設等の改善措置につきましては、既に政府機関による融資の制度などもあるわけでありまして、この辺を十分PRしながら、同時に、業界の皆さん方がもっとわかりやすくマニュアルなどを通じて研修、講習など徹底をしていくような指導が必要ではないかと思うのであります。 木造建築物については、ホテル、旅館というわけじゃありませんが、木材需要の拡大という意味で、建築基準法の見直しを初めとして、我々国産材の活用というのを進めているわけでありまして、何か木造のこれら施設が大変危険であるといったような立場から取り締まりの強化にいたずらに走ることがないように心がけていただきたい、このように思うのであります。御要望でありますけれども、何かお答えいただけるようでありましたら、観光行政の面からお答えをいただきたいと思います。
○仲田政府委員 先生の御指摘、まことにポイントを突いた、現在の観光行政から見る安全対策の非常な弱点を指摘されたということで、私どもも十分気をつけたいと思っております。 今までのホテル、旅館等の安全対策は、実は国際観光ホテル整備法というものに基づきまして、特にハードの面の安全ということに重点が置かれがちであったということ、これも間違いないと思いますが、この基準法令に従いまして、運輸省は厳格なチェックを行ってきたところでございます。また業界団体等を通じまして、ハードの面のみならず、防火体制、それから避難誘導体制、そういうようなことを常日ごろから徹底していただくように指導もしてきたつもりでございますが、今回の事故にかんがみまして、運輸省といたしましても、これからの安全対策としてこれだけでは不十分であるということを十分感じておりますので、これら団体を通じての指導ということはもちろんでございますが、今御指摘のあったような、単なるハード面の対応ではなくて、ソフト面における対応、経営の管理者に対してどういうことを要請するか、要望するか、指導するか、また研修というものはどういう効果があるか、こういう面も含めまして、関係の団体の能力というものを活用して、これからの対応策を考えていきたいと思っております。 また同時に、御指摘のように関係行政機関、いろいろ分かれておりますが、これらの行政機関と十分連絡を図りながら、適切な措置を図るべく積極的に対応を考えていきたいと考えております。ひとつよろしくお願いします。
○若林委員 もう時間が参りました。最後に一つだけお伺いしておきたいわけでありますが、運輸省は先般、行政機構の改革を断行いたしました。そして従来の許認可、免許規制行政から、社会情勢の変化に即応し得るような政策官庁への脱皮の努力を続けておられるわけであります。その努力は敬意を表するわけでありますけれども、どうしても運輸事業につきましては、その性格上、免許、許認可などの規制が多いわけであります。これらについては、行政改革の推進として既に昨年立法措置等も講じられているわけでありますけれども、法律事項に及ばない行政運営面におきまして、さらに規制の緩和を極力図り、可能な限り自由な領域を広げて、そして業界内部の競争を前提としながらも、秩序ある運輸事業が進められますような視点に立ちまして、さらに一層の規制緩和を進めていただきたいと思うわけでありますが、運輸省としては、ただいまどのような体制で、どのような基本的な考え方で対処しておられますか、お伺いしておきたいと思います。
○亀井(静)政府委員 先生御指摘のように、国民生活が大変変化をしてきておりますし、交通体系もまた大変な変貌を遂げておるわけでありますので、そういう事態に即応した許認可事務はどうあるべきかということにつきまして、運輸省の中におきましても検討委員会を設けまして、個々具体的にこれについて大幅な見直しを現在やっておるところでございますし、また行革審から御指摘をいただきました点につきましては、もう既に着実に改善をいたしておるところでございます。 今後とも先生御指摘のように、国民生活の利便、または生活向上のために許認可権というのがあるわけでございますから、そういう観点から鋭意見直してまいりたい、このように考えております。
○若林委員 終わります。
○山下委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時十四分休憩 ――――◇――――― 午前十一時十八分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。吉原米治君。
○吉原委員 十九日の大臣の所信表明について、各般にわたっての所信表明でございますから、きょう私は主として三塚運輸大臣に国鉄問題に絞って御質問を申し上げます。その他の部門については同僚議員に譲ることにいたします。 まず三塚大臣、最初にお尋ねをしたいのですが、あなたが大臣になられた就任直後、昨年の十二月二十九日の報道によりますと、就任直後の記者会見で「最後には大ばくちも」という大きな見出しになって新聞報道がなされておるわけでございまして、私も実はどきっとしてこの記事を読んだわけでございます。よく読んでみますと、「六十二年四月の国鉄分割民営化実施化まで時間は限られているが、よく想を練って、初めはゆっくりであろうと最後には大ばくちが必要かもしれない」、こういう発言の記事が載っておるわけでございますが、この「大ばくちが必要かもしれない」という意味は一体どういうことを考えておられるのか。考えようによってみれば、実に無責任な発言のようにもとれるし、どういうふうにこれは大臣の真意を受けとめたらいいのか、お答え願いたい。
○三塚国務大臣 当時の記事、これを見ているわけですけれども、私もこれを見まして実はけげんに思ったわけです。こういう表現をしたことないんです。ですから各紙は書いておりません。これは朝日さんがこういう見出しをつけられたようでありますが、三分か四分程度の短い会見でありますが、実は会見のときのビデオをとってありました。いただいたものを私自身もう一度見ました。こんなことは一言もありません。非常に重大なことでありますので、誠心誠意このことに努めさせていただきたい、こう申し上げておるわけであります。ですから、このくだりはどういうくだりのことなのかわかりません。わかりませんが、仮にも日本を代表するマスコミでもありますから、こういう見出しをつけられるような私の言動がどこかにあったのかな。あそこの短い中でどうもこういう表現は私の記憶には全くないと、これはここで断言できることであります。あえて言いますれば、大変なことですねと、何人か、また次の予定地に移るまでの間記者さんがついてこられて、お聞きをいただいている間に申し上げたことは、本当に大変なことです、国民各位の御理解を得なければならないし、時間が限られている中でこのことに取り組むことは容易ならざることでありまして、もうこれは無心に淡々と誠心誠意努めてまいる以外にないのではないだろうか、このように思う、格段の御鞭撻をちょうだいいたしたい、この趣旨で一貫をしておるわけでありまして、私自身もこの記事を見ましたときに、あれっという感じは正直いたしました。しかしながら、あえて体全体からそういう感じをその記者さんが受けられたとすれば、私自身この改革にかけます政治家としての考え方というのは、国家国民のためにきちっと進めさせていただくことが正解だな、また国鉄マンにとりましても正解だな、こう考えております。かねがねの私自身のそういう思想なり行動というものをその記者さんが読み取ってさようにお書きいただいたのかなとも、実は善意に――ここのところは善意であります。善意に解釈する以外に、言葉として実は私自身ここに申し上げますことはございません。
○吉原委員 そうしますと、その前段に書いてある記事でございますが、「国家国民にとって最大の課題。必要があれば、組合との交渉にも私自身が先頭に立って訴えたい」というくだりがあるんですが、これは発言された記憶があみのですか。
○三塚国務大臣 この点は、労使の問題というのは解決の基本前提でありますので、当然それは申し上げました。
○吉原委員 都合のいいことは言った、都合の悪いと思われるようなものは言った覚えがない、こういうことでございます。私はそれ以上言いませんけれども、ただ記者の皆さんが全然根も葉もないことを書くはずはないんで、これに似通ったことを三塚大臣は発言されただろう、言葉はそのとおりではなくても、そのように受けとめられる発言があったのではないかと私は想像するわけです。あなたならそのくらいのことは言いかねぬ。 ところで大臣、「初めはゆっくりであろうと」というのは、恐らく慎重審議をやろうという意味だろうと思うのです。最後の土壇場になって大ばくちが必要だというのは、これは大臣らしくない発言だと思うのですが、それに似通ったことを考えていらっしゃるのかどうなのか。つまり六十二年の四月を目前に控えて、これから慎重審議が進められていくだろうと思うのですが、土壇場になって大ばくちというのは、まあ想像できるのは、法案が少々生煮えの状況であっても、強行採決などのようなことを考えておるのかな、こんな予測も実は立つわけでございますが、その点はいかがですか。
○三塚国務大臣 私は政府の側でありまして、法案を提出することが私の最大の責任であります。提出をいたしました以上、国会、同時に運輸委員会の委員長初め理事、委員各位の御協議によってこれは進められることでありまして、私自身とすれば、先ほども答弁させていただきましたとおり、法案提出日までにはお出しをさせていただく、これもまた責任かと思って全力を尽くしておるわけでございます。その後ひとつ格段の御協議をいただきたい、この姿勢だけでございまして、私の側から、今、吉原委員言われますように、いろいろなことをどうだこうだと言うことは毫末も考えておりません。
○吉原委員 法案提出者側でございますから、恐らくそれはそうするなんというお答えはないだろうと思っておりましたが、そのとおりでございます。だけれども、言ってみれば百数十年も続いた国鉄を大改革するわけでございますから、法案が出ましたらひとつじっくり慎重に検討させていただきたい。したがって大臣も、この問題についてはひとつ慎重にお取り扱いを願いたいと思います。それだけを申し上げて次に進みます。 次は、今日、運輸省並びに国鉄が予定されておる法案が国会の審議を経てさも成立したかのような考え方で、実は各局そういう方向で事が進められておる。我々立法府の側からいいますと、法律も決まってないのに、やあ余剰人員だ、あるいは分割に備えてのいろいろな施策が先行しておる、本当に苦々しい思いで実は見ておるわけでございますが、これは言ってみれば国会軽視であるわけでございまして、一体、その衝に当たっておられる責任者の運輸大臣としては、今やっておられるこの法案が成立したという前提に立ったやり方についてはどんな考え方を持っていらっしゃるか。今、運輸省並びに国鉄自身がいろいろやっていらっしゃいますけれども、そういうやり方が一体許されていいものなのかどうなのか、その辺の考え方を最初に聞かせていただきたい。
○三塚国務大臣 本件につきましては、七月に答申が出され、法律の趣旨に基づき、政府はこれを尊重しということで、内閣がこの基本方針を決めたわけであります。その後、余剰人員対策についての閣議決定。御案内のように、さらに一月に相なりましてから長期債務についての閣議決定というのが行われてまいりました。この余剰人員、長期債務という大前提、二つの問題は、やはり法律を提出いたすということを決定をいたし、既に監理委員会の答申を最大限尊重をするということで、六十二年四月、分割・民営体としてスタートを切らさせていただくという政府方針も決めたわけでございますから、この法律提出に先立ちまして、基本的な方向を内閣として取り決めてまいりますことが、国会審議に対しまして親切であろうと思うし、内閣としての取り組み姿勢とすれば当然であろう、こういうことで、余剰人員及び長期債務について政府の方針を明確にさせていただいた、こういうことでございます。 特に余剰人員の問題につきましては、お一人お一人の生活に直接影響いたします問題でありますだけに、六十二年四月といいましても、法律が制定直後、これは国会のことに相なるわけでありますから、運輸大臣あるいは内閣といたしますれば、今国会で何としても成立をさせていただきたい。このことを提案をいたしますと、また改めて御懇請を申し上げ、御審議をお願いするわけでありますが、国会でありますので、このことは国会の御判断にお任せする以外にないわけであります。そういうもろもろのことを、お互い政治家ですからおわかりいただけると思うのでありますが、考えてみました場合に、この対策が手おくれに相なるということで、公的部門三万人という問題が、また一万人という問題がアウトになって、お一人でも路頭に迷うことに相なりましては、政治、政府としての責任を果たしたことに相ならぬな、こういうことで、それはもう既成事実を進めておるというおしかりは万々承知の上で、実はそのことは許されるぎりぎりの問題であろう、また内閣としてさようなことは当然やらなければならぬことかな、こういうことで取り組ませていただいておりますということを御理解を賜りたい、こう思うのであります。
○吉原委員 これは残念ながら、三塚大臣と私の考え方は多少、多少というよりも大幅にそこら辺が違うわけでございまして、あなたは、この予定しておる法案が今国会で通過させてもらえるだろう、あるいはもらいたいという願望のもとにいろいろ今意見を言われましたけれども、それは気持ちとしては理解できるのですが、それがそうだからといって事前の、あるいは先行したと思われる余剰人員対策などについては、いささか国会軽視、こういうことを言わざるを得ないと思うわけでございます。ここですれ違いの論議をしておってもいたし方がございませんので、それはそれとして、後ほどまた同僚議員が質問をすると思いますので、譲りたいと思います。 二つ目に、これも実は新聞の記事でございますが、二月十一日の日経の朝刊に出ておるわけでございまして、「国鉄分割後の安全体制 検査機関を設立」、こういう見出しで出ておるわけでございます。従来、国鉄の内規によってそれぞれ安全体制は自主的に、定期検査は工場に入れて検査をする、毎日といいますか、四十八時間ごとにそれぞれ検査係が車両の点検等をやって安全対策は講じてきたわけでございますが、予測されるそれこそ民営・分割後に新たにこういった検査機構をつくるということは、言ってみれば分割・民営で要員を削減しておいて、その後にまたこういった検査機関をつくる。非常にむだなことのように思いますし、この必要が一体あるとするなら、あるとするならというよりも、むしろ安全対策は交通運輸事業にとっては欠かせない課題でございますから、少なくとも今の国鉄が持っております安全対策要員、こういうものはそのまま存置すべきだと思っておるわけでございますが、大臣の考え方を聞かしていただきたい。
○棚橋(泰)政府委員 今回の国鉄改革によりまして新しくできます事業体は、将来的には私鉄と同様の立場に置くということを考えておるわけでございます。そういう意味で、現在私鉄を規制しております地方鉄道法というものを全面的に改正をいたしまして、鉄道事業法というような形で、この新しい民営会社と私鉄と全部ひっくるめました鉄道事業としての法体系というのを考えておるわけでございます。 御承知のように、現在、私鉄に対しましては国からそれなりの監督規定がございまして、いろいろな問題についての検査等を行っておるわけでございます。したがいまして、そういう意味での国の鉄道事業に対するいろいろな検査というものについてどういうふうにするかということを考えていかなければならないわけでございまして、それについては、現在法案の中で検討中でございまして、一部新聞に報道されたような結論をまだ得ておるという問題ではございません。 ただ、先生御指摘のような、国鉄が現在自分で行っております検査、これは私鉄も自社で行っておるわけでございまして、そういう検査体制というようなものに云々というようなことというふうにお受け取りをいただいておるようでございますが、そういう意味ではございませんで、国が鉄道事業を監督する立場におきます検査その他のあり方というものについては、私鉄並みの体制ということで検討を進めておるということでございます。
○吉原委員 いや、私が言っておるのは、むだなことを繰り返すことに相なるのじゃないかという点で言っておるわけでございまして、私鉄と同様の検査体制をつくる、これは当然のことでございまして、私鉄だろうと国鉄だろうと安全機関を設置するということは当然のことでございます。 ただ、私が言いたいのは、民営・分割で大幅に要員を削減をしておいて、そうしてまた新たに民営・分割後こういった機構をつくる。むだを繰り返すことになるのではないか、あるいはまた民営・分割に伴って余分なことをせざるを得ないのじゃないか、今ある検査機構そのままでいいじゃないか、こういうふうに直感をしたものですから、そういう疑問が起きたわけでございまして、今棚橋さんがおっしゃったようなことであるなら、それはそれで私はむだなことだと思うし、民営・分割がいたずらにこのようなむだなことをさせていく、そういう意味で分割・民営というのは、国鉄を再建さすための手段としては余り感心できない、こういう考え方であることを申し上げておきます。 次に、三番目に整備新幹線、今話もあったようでございますが、整備新幹線のための鉄建公団を中心にした日本鉄道建設技術会社、仮称でございますが、こういうものをつくって、これからの整備新幹線に対応したいということが、これまたことしの二月二十日の朝日の記事にも載せておるわけでございまして、しかも、この第三セクターでやるとおっしゃっておる会社は、建設国債の発行で財源を賄う公共事業方式をまた再度採用したい、こういうことのようでございますが、この鉄建公団を主体にした鉄道建設技術会社と、予測される分割会社の中で、既存の新幹線保有会社、俗にリース会社と言っておるのですが、その会社と、分割後つくろうとしておるこういう技術集団、この関係は一体どういう関係になるのか。あくまでも別個の会社であって関係ない、こうおっしゃるのか、日本鉄道建設技術会社というのは、建設国債、つまり借金によって公共事業、つまり整備新幹線を建設していくというやり方は、従来国鉄がやってきた方法、手段、そういうものと全く同じ発想に立っておるわけでございまして、再び今日の国鉄のようなことに相なるのじゃなかろうかという危惧を抱かざるを得ないわけでございますが、この会社と新幹線リース会社との関係、あるいは特に新幹線保有会社は三十年たった後、債務の返済が終わったらそれぞれの関係会社に施設を譲渡するということになっておるけれども、特に鉄道建設技術会社との関係については、あくまでも別個な会社であって、これが将来にわたって統合するなどというふうなことはよもやないだろうな、こう思っておるわけでございますが、その点は確認してよろしゅうございますか、大臣。
○棚橋(泰)政府委員 新しい技術集団という会社構想のお考え方につきましては、先ほど若林委員の御質問に対して大臣がお答え申し上げたとおりでございます。一方、新幹線保有機構というふうに仮称しておりますが、それは現在ございます新幹線を一括して保有して貸し付けるという監理委員会の御意見に従って今立法化を進めておるものでございます。したがいまして、その間には当面関係はないと考えております。
○吉原委員 当面は関係ないけれども、将来にわたってどうかという点を尋ねておるのです。特にこの会社は、建設国債などという、言ってみれば借金で鉄道を建設していくという発想に立ってできるもののように新聞報道では理解するわけです。そうなってくると、また将来にわたって小型の、従来やってきたような国鉄のようなものがまたできてくるのではないか、こんな危惧がするものだから、あくまでもそれは技術集団であって、リース機構といいますかリース会社とはあくまでも別個なものである。当面じゃないのですよ、私が聞いておるのは。――当面はそれはそうでしょう。将来にわたって、これは別個なものだというふうに確認してよろしゅうございますか。
○棚橋(泰)政府委員 新しい技術集団の会社の構想と申しますものは、先ほど大臣がお答え申し上げましたようなことでございまして、ただ成案を得ておるというような問題ではございません。 一方、改革関連法案というのは間もなく御提出を申し上げるというものでございまして、その意味では関係がないということを申し上げたわけでございます。 将来の問題につきましては、私まだ判断をできる立場にはございません。
○吉原委員 一番心配をしている点については、まだその考え方はまとまっておらぬという御答弁でございまして、私の質問に的確に答えておらないわけでございますから、問題点として指摘だけをして、次に進みたいと思います。
○三塚国務大臣 お答えを申し上げますが、建設国債で借金を、ということは、新会社がまた国鉄にという御懸念を表明されておりますが、それはございません。そのことは当路で御作業をいただいていることに対しましてもよく私からお願いを申し上げておることでありますし、また今までの運輸委員会の論議を通じましても、また党の大変な御論議の中におきましても、再び鉄道再生の足を引っ張るようなことで新幹線をつくる、また従前方式の、そちらにやらせて、政治決定をしてやらせるということはしない。ですから、国家プロジェクトとして決定をする以上は、財源方式は、党で既に決めておりますのは公共事業方式であります。いわゆる国債、まさにそれは政府発行であります。政府の責任の償還部分であります。そして地方の一割程度と、こういうことでお願いを申し上げるということでございますから、その点は新しい技術集団の御構想が最終的に構築されるまでの間にさらに明確に相なってまいる。この点だけは御心配していただきませんようにという意味で今立たさしていただいた。私自身の持つ基本方針、そういうふうに統合の案が来るであろうと御期待をいたしておりますし、そういうことであります。
○吉原委員 三塚大臣の、心配は要らぬということでございますから、一応それを信じて、心配をせずにしばらくの間いきたいと思いますから。先はわかりませんよ。 次に質問したい点は、今回の監理委員会の答申、まるまる閣議で御決定になっていらっしゃるようでございますが、私は、これから時間の関係で全部にわたってはできませんけれども、少なくとも一、二の問題をとらまえて考える限り、この答申は極めてずさんなものだ、こういう指摘をせざるを得ないわけでございまして、過般、二月三日でございましたが、衆議院の予算委員会、我が党田邊質問で土地の問題が問題になっておりました。私も関心を持って、いろいろ予定されておる地域の実勢単価というものも調べさしていただいたわけでございますが、二千六百ヘクタールでもって五兆八千億の財源をつくり出す、私は、何といいますか、土地の実勢単価と計画をされておる単価とでは大きな開きがある、こういう点に実は疑問を持っておる一人でございます。 そこで、汐留、新宿等々の七百八十六ヘクタールで二兆五千九百億、そういう数字が出されておりますが、政府が考えておるところの土地の売却、合計でもって五兆八千億という数字が、先ほど言いましたように出されておりますが、これは正しいものであるかどうなのか。仮にこの五兆八千億という数字が二倍あるいは三倍になった場合には、国民負担十六兆七千億という数字が言われておりますが、これが大幅に減ってくるのは当たり前の話じゃないかと思っておるわけでありますが、ここら辺は、国民負担に回すという十六兆七千億というのは、確固不動な数字ではない、土地の売却によって大きくこれが縮小される可能性を持った数字だというふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○棚橋(泰)政府委員 さきに閣議決定いたしました政府の方針におきましても、この五兆八千億にできる限り上乗せを図る、そして十六兆七千億の国民負担を極力低減する、こういうことを決めております。したがいまして、そういう意味で五兆八千億に極力上乗せを図り、十六兆七千億を極力少なくする、こういうことは当然のことと考えております。
○吉原委員 そうすると、答申が指摘をしておりました、この二千六百ヘクタール、五兆八千億というのは、唯一最善の方策だというふうな表現でもって示された数字は、二千六百ヘクタールイコール五兆八千億ということでなくて、二千六百ヘクタールは五兆八千億をはるかに上回る数字であるということから判断をいたしましても、基本的な数字がこの辺で狂ってくることになるわけでございまして、これは私は聞いた話でございますが、自民党の国鉄長期債務特別委員会の小此木委員長の発言の中にも、十兆円近くの用地売却収入が見込めるはずだ、記者会見でもそんな発言があったやに聞いております。 そういうことからいたしまして、先ほど棚橋さんお答えになった、十六兆七千億という国民負担は努力の結果大幅に縮小される、固定された数字ではないということをもう一回ひとつ確認をしておきますから、御異議がなかったら異議がないでいいです。
○棚橋(泰)政府委員 私は大幅にとかそういう言葉は使ってはいないつもりでございますが、できる限りの上乗せを図るというのが政府の閣議決定でございます。 なお、再建監理委員会の答申には「少なくとも面積二千六百ヘクタール程度、昭和六十二年度価額で五・八兆円程度と推計している。」「少なくとも」ということでございます。さらにその後で「国鉄用地は分割・民営化の実施に際して長期債務等を処理するための重要な財源となるものであるので、政府及び国鉄においては、今後新経営形態移行までの間に更に、国鉄用地の実態把握を行い、売却可能な用地の生み出しに努める必要がある。」ということでございまして、その意味では閣議決定の線と監理委員会の御意見とは一致をしておるというふうに考えております。
○吉原委員 十六兆七千億という国民負担分は、大幅という表現は使わないけれども、極力、できる限り減らしていく、こういう御発言がございましたから、私はそれに期待をするわけでございますが、ことほどさように監理委員会がずさんな、無責任など私は言いたいわけでございますが、こういう数字を国民負担に回すという安易な考え方で出された答申については賛成することはできない。政府はもっともっとひとつこの数字を小さくしていく努力をやるべきじゃないか。少なくとも五兆八千億の土地売却収入が仮に二十二兆五千億になったら、国民負担はゼロになるという勘定になります。大臣、この計算がわかりますかな。 説明いたしますと、長期債務が二十五兆九千億、それからマイナスすること五兆八千億、株式の売却で〇・六兆円、六千億ですね。さらにマイナスすることの新幹線保有主体からの収入二兆八千億、これを引きました残りが十六兆七千億という計算になるわけです。したがって、当初監理委員会の答申が出しております二千六百ヘクタールの五兆八千億が、仮に二十二兆五千億に売れたと仮定すれば――売れる可能性は私はあると思う、後ほどまた説明をいたしますが三十二兆五千億で売れれば国民負担はゼロになりますが、その計算方式で間違いございませんか。
○三塚国務大臣 間違いございません。さように相なりますればそうなるわけでございまして、ただ、今棚橋総括審議官が言われましたとおり、二千六百ヘクタール、五兆八千億程度、さらに上回るよう努力しなければならぬ、こういうことでいたしておるわけでありまして、小此木自由民主党長期債務特別委員長が会見で言われたことの御引用がありましたが、真意がどういうことなのか、よく私も定かではございませんけれども、監理委員会におきましては、五兆八千億の積み上げは、二千六百ヘクタールのそれぞれの膨大な箇所数を積み上げてまいりまして積算をいたした額で、正確を期したつもりである、こういう御報告だけはいただいておるわけでございまして、よって予算委員会でも多賀谷先生の御質問でお答えをさせていただいたわけでありますが、法案を御提出いたし、御審議をいただくまでには、全体の二千六百ヘクタールの箇所数はすべてお出しをさせていただきます。そういう中で御審議をいただきますれば明確になるのではないだろうか。 ただ、価格の点は、これは公開入札を原則といたすわけですから、談合等、また価格形成によろしくない影響を与えてはなりませんし、貴重な国民財産でありますものですから、これが適正に売られてまいりますために価格だけは御勘弁をいただく、こういうことでありますので、私が聞き及んでいる範囲では、吉原委員が言われますように、その額が十兆にもなり、そして二十二兆にもなるというようには全然聞いておりません。
○吉原委員 三塚大臣は頭のいい大臣ですから、私は監理委員会の皆さんがもっともらしい数字を並べても、それをうのみにされるような大臣ではないと見ておるわけでございまして、特にこの監理委員会は、汐留とか新鶴見とか新宿、武蔵野、大宮、梅田北、湊町、笹島等々の貨物跡地七百八十七・八ヘクタール、これで二兆七千三百億で売却するという答申の中身になっておるわけでございまして、これは多少の単価のでこぼこはあるでしょうけれども、平均いたしますと、大体坪百十四万ぐらいになります。ところが実際に新宿南口の貨物跡地の実勢単価を見てみますと、ここ一つだけで実は坪七千万円、こういう実勢価格が出てきておるわけでございまして、そういう意味では約六十倍も実勢価格と監理委員会の出した数字とは開きがあるわけでございまして、そういう意味で、五兆八千億が十兆円以上にもなるだろうと言われておりますけれども、私はさらにさらにこの額は上がってくるものだというふうに理解をしたために、先ほど言いましたような、国民負担はゼロになるじゃないか、またそういう方向でひとつ努力をすべきだ、こういう点を指摘したわけでございます。 そういう意味からいって監理委員会の出した土地売却の数字というのはなかなか信用できない、もっと計算を綿密にやり直すべきではないか。そういう意味では、今の段階ではどういう基本で金額をはじき出されたかわかりませんけれども、余りにも実勢価格を無視した、意識的であるとさえも言いたいような、そんな数字でございますので、ひとつ再度精査を願って、法案提出の段階ではまた細かく質問を行いますから、誤解のないような、疑惑を持たれないようなお答えができるようにしておいていただきたい、こう思います。 続いて、同じ監理委員会の答申の中で、実は新しい事業体、民間会社に、余りにも安い価額で国民の共有財産と言ってもいいそういう財産を事実上譲渡してしまうという中身になっておるわけでございます。昭和五十九年度末の長期債務は約二十二兆円、これを分類いたしますと、おおむね設備投資に十四兆円、運営資金の不足八兆円、こういうことに大別できると思いますが、このうち設備投資はほとんど借入金に依存してきたわけでございまして、その借入金に対します利子も七兆円を超えておるのではないかということが言われておるわけでございます。そういう意味では、国鉄当局は前年のように政府に増資の要求をしてきたけれども、これは一切聞いてもらえなかった。つまり政府の出資による設備投資でなくて借金による設備投資が続いてきて今日に至ったということが言えると思います。 特に、借金の借入利息、国鉄の借入金の明細を見てみますと、最高は九・二%という極めて高率な利息を払っていらっしゃる。そういう高い金利を実は払っておるわけでございまして、こういう高金利の借り入れについてはもっともっと整理をすべきではないか、こう考えますが、こういった九・二%という利率あるいはまた九から八、七%のところの金利が借入金の中に非常に多いわけでございます。この借入金利を低くするという努力は今日までされてきたのかどうなのか、やってみたけれどもなかなか無理だったということなのか、借入金の金利問題についてちょっと考え方を聞いておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 国鉄の借り入れは、主として国からの財政投融資、それから鉄道債券によっておるわけでございます。このうち鉄道債券は流通するものでございますので、金利の高い時点で発行いたしました鉄道債券を低利のものに借りかえるというには繰り上げ償還という手をとらなければいけませんが、債券の場合にはそれはなかなか難しゅうございます。それから財政投融資につきましても、これは資金運用部が郵貯等から借り入れておるわけでございまして、そういう意味では過去の高い金利のものは高い金利に連動しておるわけでございます。そのような観点から、金利が下がったからといってにわかにこれを低金利のものに切りかえるというのはなかなか難しいことでございます。 ただ、今回の改革に際しましては、先ほど来申し上げておりますように、国民負担をできるだけ軽減するというような意味から、旧国鉄に所属させます長期債務の返還につきましては、先ほど土地の売却はできるだけ上乗せを図ると申し上げましたが、もう一つ、低利の資金への借りかえについて検討するということを閣議決定の項目の中に入れておるわけでございまして、旧国鉄の返済の際に、国民負担を低くするために、低金利のものに極力切りかえることについては、今後政府の部内において検討が行われていくことになっております。
○吉原委員 私が九・二%の高金利だ、こう指摘したのは、今たまたまお答えの中にありましたように、鉄道債券のことでございます。これをもっと低金利のものに借りかえる方途があるなら積極的に努力をすべきじゃないか、こう思って指摘をした次第でございます。 特に、監理委員会の答申の中で、私がどうしても承知できないのは、事業用資産、これは鉄道業を進めていく限りどうしても売りっ放しにするというわけにはまいらない資産でございますが、この事業用資産を簿価で引き継ぐ、あるいは簿価で引き継いだものと連動して長期債務を新会社、新事業体が負担をするという答申の中身になっております。もちろん政府はこれを容認しておるわけでございまして、そういう意味では、昭和何年ごろ資産の評価をされた数字か私は承知をいたしておりませんが、少なくとも二十年、三十年前の簿価ではないか、こう見ておるわけでございます。そういった二、三十年前の評価に基づく土地、施設、それに見合った長期債務しか負わないというふうなことでは余りにも不当ではないか。国鉄の土地の簿価は五千七百八十五億にすぎないわけでございます。実勢価格でこれを見ますと、約百倍だと言われておるわけでございます。したがって、この長期債務の二十五兆四千億のうちで新事業体が引き継ぐものが八兆四千億、こういう数字を見てみますと、国鉄の土地の簿価が五千七百八十五億でございますから、五十七兆円の実質資産を引き継ぐ。五十七兆円の価値のある資産、施設を引き継いで、反対に債務を八兆四千億というのですから、大体六分の一から七分の一の債務を引き継ぐことになるわけです。私は、公共企業体で、従前のような事業体でやられるなら、それもやむを得ないのかなと思っておりますけれども、今度は株式会社にするという。言ってみれば簿記技術も変わってくると見なければならぬ。民間会社では、一方で借入金、借金があっても、一方でそれに相応する資産がある場合に、私はバランスシートがとれて健全経営だという分析をするわけでございますが、余りにもこれは資産の評価というものが低過ぎるのではないか、もっと実勢単価に近いところまで再評価をし直して、それにふさわしい債務を新事業体に引き継がせる、それがより公平なやり方ではないか。でないと、これは株式会社ですから、言ってみれば民間に国民共有の財産を余りにも低価額で譲り渡すということにつながるわけでございまして、この点についてひとつ大臣、お答え願いたい。
○棚橋(泰)政府委員 国鉄の改革の実施に当たりまして、新しい会社に引き継がせる資産というものについては、新しい評価でいくべきであるというのは、これはもう当然であるというふうに考えております。 ただ、今回の国鉄改革の実施というものの考え方と申しますものは、国民の共有財産である鉄道というものをよみがえらせて、これを健全な形にするということが国民の利益につながる、こういう感覚から出発しておるわけでございます。そういう観点から、この資産を引き継ぎますれば、それに見合った債務を引き継ぐわけでございますが、非常に過大な債務を引き継ぎますと、新しい会社は健全な形でスタートできない、こういうことになるわけでございます。 そこで、現在ございます資産のうち事業用のもの、これは簿価で引き継がせる。基本的に鉄道施設というものは、鉄道で使っているがゆえに価値のあるものでございますから、それは売却するとかそういうことの対象として考えるものではございませんから、それを現在あるままの簿価の形で引き継がせて、そしてそれに見合う債務を引き継がせる、そういう健全な形として出発させるということがすなわち国民の利益につながる、そういう形で今回のことを考えておるわけでございます。 なお、当面は国鉄の一〇〇%出資の会社でございますから、その株式は旧国鉄が引き継ぐ、すなわち国が持つわけでございますから、そういう意味で、そういう健全な会社をスタートさせるということは国民の利益、財産の保全ということには役立つ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吉原委員 それぐらいのことは百も承知で質問しておるのですが、私が言っておるのは、健全な経営体になる限り、それは引き継ぐ資産は簿価、簿価と言ったって二十年、三十年前の評価額でございますからうんと安いものに違いない。したがって、借金も少なくしてスタートすることがより望ましいでしょう。しかし、監理委員会は、この答申の中で指摘しておるように、言ってみれば民間会社では破産も同様の状況だ、こう指摘しておる。ところが、破産会社が会社更生法によって更生しようという場合には、常識的に考えて、持っておる資産をそれなりに評価をして、それにふさわしい借金をつけてやってこそ初めてバランスのとれた健全経営の企業体になる。そういう発想を私は今あなた方に御意見として申し上げておるので、資産も引き継ぐ、借金ももちろん少ないのにこしたことはないでしょう。しかし、民間企業というのは、繰り返し言いますけれども、国鉄は破産したのではないと言うけれども、破産状況から脱却するというのなら、そういう見方で見ることが正しいのではないか、こういう立場で私は今申し上げました。 若干時間が足らなくなりましたが、また同僚議員に二日目等々、あるいは法案が出てきた場合にはもっと細かく詰めたいと思いますから、この問題はこのぐらいにしておきます。 もう一つ聞いておかなければならぬのは、実は特定地方交通線の問題でございます。 第三次地交線は、この監理委員会の答申が出ますときにはまだ未決定でございましたから、第三次特定地方交通線は包含された形で再建監理委員会は試算をしておるわけでございまして、今第二次特定地方交通線は大半は協議中のものである。その場合に、来年の四月以降にずれ込んだ場合には、第二次線の協議中のものと、特に第三次の特定地方交通線の取り扱いは一体どうなるのか。五十五年につくりました再建法あるいは五十八年の監理委員会法、それぞれこの二つの法律は来年四月以降は廃棄されるべきものになるのですか、どうですか。この点ちょっと尋ねたい。
○棚橋(泰)政府委員 先生御質問の地方交通線の規定は、再建特別措置法というものに盛られておるわけでございます。この法律は、当然のことながら今回の改革では原則として廃止ということに進むべき法律でございます。それから臨時措置法の方は、再建監理委員会をつくりましたときの法律でございますが、この改革も昭和六十二年七月三十一日までに終わるものとするということが書いてございますから、そういう意味ではこの法律もいずれ廃止の方向に持っていくべき性格の法律だと考えております。 ただ、廃止いたしますといたしましても、地方交通線の規定、特に特定地方交通線の取り扱いにつきましては、現在協議会等が進行中でございます。このままで推移をいたしますと、二年間の協議期間が六十二年三月三十一日までに到来するというものもございます。また三次線の取り扱いもただいまのところまだ未定でございます。そういうような観点から、少なくともこの法律を廃止するといたしましても、その特定地方交通線にかかわる部分につきましては、何らかの経過措置を設けて、民営・分割後におきましてもある程度の処理というものが行えるようなことを考えなければいけないということで検討中でございます。
○吉原委員 私が心配しておるのは、来年四月以降この二次線の問題、協議中のものということになるわけでございますが、それは一体だれがどういうふうにして運行するのか、運行の責任はだれにあるのか、この点がただしたかったわけでございます。 時間が来ましたから、もう一問だけ参考のために聞いておきたいのですが、要員の算定基準というのを十八万三千人としておるわけでございまして、これはややこしい計算方式のようでございますが、回帰式とか称する公式で割り出されたようでございますが、我が党が資料要求して出してもらった計数で計算をいたしますと、十八万三千でなくて二十六万八千人という答えが出てきておるわけでございますが、そういう意味では、きょうはこの席ではいいのですが、こういう計算方式でございます、計数はこうでございますと、なぜ同じ公式を使って片や十八万三千人、我々が試算したところによると二十六万八千人という違った答えが出ておるのか、そこら辺がちょっと不可解でございますので、後でいいですから、私の方へ計算方式を明示していただきたい。
○棚橋(泰)政府委員 本件につきましては、予算委員会の質疑におきまして再建監理委員会の事務局次長が御答弁申し上げておるところでございます。 計算方式につきましては、既に衆参両院に基本的な考え方はお出しをしてございます。ただ、それに基づきまして社会党の方で御計算になったのとどうして食い違うかということにつきましては、大臣も御答弁申し上げましたように、双方のデータを突き合わせてみないとわからない点がございますので、その点については所要の突き合わせが必要ではないかと思っております。 それから、再建監理委員会の事務局の方がこの計算に使用いたしました膨大なデータにつきましては、これを整理いたしまして、いずれ御提示申し上げるということにいたしております。
○吉原委員 終わります。
○山下委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ――――◇――――― 午後二時四十八分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。関山信之君。
○関山委員 午前中の吉原議員の質問に引き続きまして、私は国鉄以外の問題について、大臣の所信表明にかかわって御質問したいと思います。 今も大臣をお待ちしながら、なかなか大臣の御発言が活発で、予算委員会の発言が長引いているのではないかという陰口がございましたが、所信表明を拝聴いたしておりまして、どうもやはりお役所の書いたものを読み上げておりますと、これはさっぱりおもしろくないわけですが、吉原議員の質問じゃありませんが、メモから離れて御発言がありますと、なかなか味のある御答弁もいただけそうでありますから、きょうはひとつぜひ本委員会でも大いに大臣御自身から御発言をいただいて、これからしばらくの運輸行政についての基本的なお考えを承っておきたいと思うのです。 私は最初に、総合交通政策と申しましょうか、あるいはもう少し狭めて総合交通体系というようなものでしょうか、この所信表明にはそういうものの考え方というのが出てこないわけなんですけれども、それだけにこの際承っておきたいと思うのです。 国鉄改革が大変大きな課題になっておるわけでありますけれども、私はかかる事態を招いたことの中には、国民の足の確保ということについて政府が確たる政策体系と申しましょうか、総合的な交通政策というものを持たなかったことに最大の原因があったのではないか。確かに政治的介入というのは随分とやられておるようでありますけれども、本当の意味で政策的な介入はなかったというふうな指摘をしている学者さえいるわけでありまして、ここのところについてお考えを承りたいのです。 政府は、八一年の運政審答申におきまして、「八〇年代における総合的な交通政策のあり方」の第一章第二節「交通における行政の役割」の中の「望ましい交通体系の形成に関する基本的考え方」という部分で、「各交通機関間の競争と利用者の自由な選好が反映されることを原則とすべき」という、いわば交通行政に対する原則的な立場が書かれておるわけでありまして、そういう考え方にのっとって今日まで政府の対応が進められてきているのでありましょうけれども、こういう立場に立ちますと、どうしてもやはり個別的、分散的で調和を欠く行政展開ということになってしまってきているんじゃないだろうか。しかも、この傾向は最近における規制緩和という流れが、もうまさに規制緩和シンドローム、民活シンドロームじゃありませんが、展開をしているわけでございまして、この流れの中で一層助長をされておりまして、特にこの交通、運輸のある分野では過当競争と不均等発展を一層拡大をさせようとしている感じがしてならないわけであります。 国鉄問題もいわばそういう大きな全体的な交通政策の中で位置づけてとらえなきゃならないと思うのですが、大臣はこの総合的な交通政策の確立というものについていかなるお考えをお持ちか。 それから、もう少し絞って一つの交通体系といったようなことについて言えば、交通体系を形づくる各種の輸送の各分野の役割分担、これは例えば運輸省でお出しになっておられます旅客地域流動調査というようなものを見ますと、各距離帯別の、それぞれモード別の交通量のシェアなんかが拝見できるわけですけれども、ここから言えば、自然な流れの中でこうなっているという現状なんですが、こういう現状をどう見るか、また将来はどうあるべきだというふうにお考えになっているのか、まずお伺いをいたしておきたいと思います。
○三塚国務大臣 総合交通政策というものは言われて久しいわけであります。全く御指摘のとおり、このことは整然と政策として取り上げられ、その政策が現実に実行されていくという調整が行われる、そしてバランスのとれた交通体系が確立をされていくということが望ましい、私もそのように実は思うわけであります。 それで、近時経済社会の中で交通手段の果たす役割が大変重要でありまして、特にその主たる戦略手段のようにも思います。新幹線あり、そして鉄道路線あり、道路あり、航空あり、そして港湾、こういうふうに多様な交通手段をどのように配置をするかということが、言うなれば交通政策の基本であり、もっと言えば国土総合計画の重要なポイントのように思います。 そういう中で、運輸政策として、また我が運輸委員会としてもどうあるべきかというこの議論はもっと高めていく必要があるようにも思いますし、そういう意味で合いみじくも触れられましたが、政府にそういう意味の交通政策の関与、あるいはそれの実行という点において欠ける点がなかったかということでありますと、欠ける点はなかったとは必ずしも私も自信を持って言い切れません。しかし、これからはやはりそういう戦略をきちっとやり抜くという、こういうことでまいりませんければ、まさにおくれていくということでありましょうし、そんな点が大変重要な政策であり、総合交通政策、そういうことでありますと、議会政治をやっておりますと、それぞれの地域の要望、これはエゴと言い切れない地域住民の要望、こういうものをどう取り入れていくのか、また県知事なり市町村、またそこの公職の皆様方の御要望をどのように取り入れていくかということは、まさに国会の使命であり、我が運輸委員会、また政府の役目かな、こんなふうに思い、この点ひとつ格段の御鞭撻を賜る中で、ともに進めていかなければならぬ重要な課題だというふうに受けとめております。
○関山委員 大変明確なお答えをいただいて結構なわけでありますが、問題はその手法なんでしょうが、それはちょっと後回しにさせていただきまして、先ほど申し上げましたモード別の交通量を見ましても、全般的に自動車の果たす役割がこの間ずっと急速に伸びてきている。今度の国鉄の問題をとらえましても、いわばモータリゼーションの進展というものが大きなファクターになっていることは否定できない。これはいろいろなところで議論をされていることなんでしょうが、もはや四千六百九十七万台、昭和四十五年、運政審答申の出る前年ですけれども、これを一〇〇として、もう既に五十九年で一九一という指数ですから倍になってしまっているわけです。このことについて運輸行政、交通政策という立場から余りにも野放し過ぎたのじゃないか、無防備過ぎたのじゃないか。これは言われてみれば、みんなそのとおりだとおっしゃるに違いないのですが、しかし、今やこの問題というのは、いわば一般国道においても延長四万キロのうち四三%が容量を超しているとか、もう大都市はおろか地方中核都市においても、私は新潟なんですが、もう十年も前に新潟の地方陸上交通審議会でおよそ十年たったら道路は満杯になってしまうだろうなんという報告なんかも出ておったことも記憶しておるのですけれども、そういうことを見ますと、もう既に客観的にも限界に来ている。だからそれでいいんだということにはならないわけでありますから、したがって、何らかのこの時点での政策的な規制というものがどこかで発言をされていかなければならない状況に来ているのじゃないだろうか。先ほどの総合交通体系という問題とかかわっても、やはりこの辺は何らかの意向というもの、意見というものを持たなければならない時期に来ているんじゃないか。この点につきまして大臣、いかがでございましょう。
○三塚国務大臣 まさにモータリゼーションの現代のポイントを突いた御質問だと思います。 自動車の増加率、それと道路整備、追いつきません。ですから、中都市にまでそういう混雑が起きてまいっておるわけであります。さらに鉄道の問題も、モータリゼーションとの調整というものがあるいは行うことが可能だといたしましたからば、もっと別な観点でこれが進んできたのではないかという御指摘も含まれておるのかな、こんなふうにも実は思うわけであります。 これは今後の交通政策の中で、特に大都市交通という点からいいますと重要な提言でありまして、私ども運輸政策を預かる者として、この点をどう考えるのかということがこれからオープンに議論をされていかなければならぬのかな。特にラッシュ時における都市圏における交通の混雑、それを救うものは鉄道あるいは地下鉄等々による以外にないわけでございますが、投下資本が莫大なものでございますから、遅々として進まない。そういう中でどうなるんだろうか。またいろいろと投資採算性の問題も出てくるでありましょうし、そういう点の中で規制措置が、時間的にあるいはあるエリアについて行うことが現法制の中で可能なのかどうかという問題もあるんだろうと思うのです。いや、法律は国会が制定をしていけばよろしいということであるのだとは思いますが、やはり憲法の自由権との関係の中でどうこれを進めるのかということなども濶達な論議の中でやらなければなりませんし、私自身も実はその問題意識は明確に持っておる一人であります。
○関山委員 ぜひひとつこの辺で、そういう議論が何らかの形で展開をできるようないわばリーダーシップを発揮をしていただいたらいかがかと思います。特に後ほど地域の交通体系のことなどに触れても、いろいろと地方における地域の総合交通体系の計画が出ておりますが、将来予測、新潟なんか将来予測を出しておるのですけれども、現状のままでいけば、これは黙っていて自動車をふやすしかない、そういうことが出ていますから、そことのかかわりで一体どうするのかというようなことは大変大きな問題になってくるんじゃないか。 それは横へ置いて、そこで交通体系全般についてのお考え方を承ったわけですけれども、一つは幹線交通の体系の整備についてでございまして、これも先ほど来の御議論の中にはもうあるのですが、整備新幹線と航空網、ここの整備について、さてこれは一体どういう方針で整合性を持たせていくのだろうか。私自身も余りよくわからない部分もたくさんあるのですけれども、それはただ単に交通体系をどうするかというだけのサイドではなくて、大臣の所信の第三で「運輸関係社会資本の整備」についてお触れになっていらっしゃるわけです。ここでは各分野における交通関連の社会資本の整備についてお書きになっていらっしゃるのですが、ここでも先ほど冒頭に御指摘を申し上げましたように、どうしても個別的といいましょうか、分散的とは申し上げませんけれども、個別的なんですね。ここらはもうかなり前から私ども社会党の立場としてはそれなりの提起もしておるわけでありまして、何分にも膨大な資本を必要とする陸海空の基盤整備、しかも今や財政的にはさまざまな隘路にぶつかっているということになれば、これはもういやでも応でも選択的、計画的な投資が求められている時代に入っているんじゃないか。どこに重点を置き、どういう順番で投資をしていくのか、そこまで考えてかからないと、今度の国鉄の中でもあれこれ議論をされるようなさまざまなむだが残ってしまうということになるんじゃないかということでありまして、我が党としては総合交通特別会計制度といったようなものを提起をいたしまして、法案の準備などいたしたりした経過もあるのですが、物の考え方としてこういうものを積極的にお取り上げになっていくということがあってもいいのじゃないか。今直ちにそう抜本的に体制を変えろといっても、役所のことですからなかなかそうもいかないでしょうけれども、少なくともそういういわば資本の投下の選択的、計画的な運用というものについてどういうお考えをお持ちになっているのか。整備新幹線、航空網等とのかかわりなどにつきましても、ひとつお伺いをいたしておきたいと存じます。
○栗林政府委員 交通機関の整備につきましては、利用者のニーズ、特に最近高速性志向が非常に高まってきておりますが、これに応じまして、航空とか新幹線の交通機関の特性を生かしつつそれらを有機的に組み合わせて、全体として効率的な交通体系となるようにその整備を図っていく、そして全国土にわたりまして高速交通サービスの地域間格差の解消を目指すといったような考え方も必要であろうと思っております。そういう意味で、全体的に鉄道、航空、それからさらには運輸省の所管でない分が多いわけですけれども、道路の問題といったようなことも含めて総合的に考えて、できるだけ効率的な投資を行っていくということが必要であるという認識で進めてきております。具体的には、例えば新幹線は中距離都市間旅客輸送に適する、あるいは航空は長距離輸送、海越え山越えの二都市間直行輸送に適するといったような特性を十分に考慮しながら現在も進めてきておるつもりでございます。ただ、それぞれの具体的な施設、整備のやり方というのは確かに制度的に若干違っている点もございます。そういった点は相互に調整をとりながら、それぞれの計画の中であるいは計画間の調整で進めてきておるわけでございます。今後、これから四全総の作業が既に始まりつつありますし、高速交通体系というものは一体いかにあるべきかということで、道路の問題あるいは新幹線の問題、航空の問題が全体として今議論がなされつつあります。その中で具体的にそれぞれ点検をして整備計画を進めていくといったようなことでやってまいりたいと思っております。
○関山委員 どうしても抽象的になりがちなんでしょうが、どうぞひとつそういう視点をお持ちいただいてぜひお考えをいただきたいと存じます。 今、幹線交通網のことを伺ったわけですが、もう一つは、地域における総合交通体系というものについてでございまして、これについては所信の第五でお触れになっている。これも非常に抽象的な文章になっておりますが、この第五の「地域交通政策の推進であります。地域交通は、」云々というのは、これは改めて今地交審の各県部会で作業を進めている計画のことを指しているんでしょうね。
○服部政府委員 原則的にはそうであると理解しておりますが、例えば先般、昨年の七月に運政審の答申をいただきました。東京圏における鉄道網整備に関する長期構想ということで御答申をいただきましたが、あれもまた別の意味で地域交通計画だというふうに理解いたしております。
○関山委員 そこで、どうでしょうか、服部さん。この作業状況、私どもの聞いている限りでは、答申を行ったのが三十、答申を作成中が十県、あと十県ぐらいで終わるというところまで来ておるのですが、この地交審の各県部会の答申を今後どのような政策措置を行っていくのか。これはもうそれぞれ個別に具体的な計画を持ってまとめられてきているわけでありますから、出しっ放し、言いっ放しというのでは何のためにやっているのかわからないということになりますし、先ほどの大臣の御答弁に従っても、この辺あたりがひとつベースになって基幹幹線網も組み立てられていくということになっていくんでありましょうが、その辺のところはどういう展開になっていくんでしょうか。
○服部政府委員 地変審におきます地域交通計画の策定の状況につきましては、ただいま先生御指摘のとおりの状況でございます。そういうふうにして作成されました各地域交通計画の中に盛り込まれたいろいろな施策をどういうふうな考え方でもって現実の場に展開していくのかというお尋ねであろうかと思いますが、これはもう当然のことでございますが、各地域におきます。そういった面の行政を担当しております私どもの出先機関であります地方運輸局におきまして、日常の業務を通じ、あるいは直接日常の業務を通じるという形以外にも、地域社会を構成いたします各般の、各層の関係の方々との対話、意思疎通を図りながら、これを地道に現実のものとして実現していく努力を積み重ねてもらうように私ども要請しているところであり、現にそういう方向での努力がなされているというふうに思います。 また、私ども運輸本省レベルにおきましても、そのことは常に念頭にあるわけでございまして、例えば都市交通の面におきましては、各種の地下鉄あるいは私鉄等の整備に対します助成措置の拡充でありますとかあるいは都市バスの復権を図るための施策でありますとか、あるいはローカル交通に関しましては、御承知の過疎バス路線に対します助成なり中小私鉄に対する助成なりといったものの拡充をできるだけ目指していって、そういった地域交通計画に盛り込まれました具体的な施策のバックアップをしてまいりたいと考えておるところでございます。
○関山委員 これはまだ答申がそれぞれまとめられているという段階ですから、これからこれに基づいて何をどうしていくのかというところがはっきりしてこないといかぬと思うのです。例えばこの計画の実行の主体はどういうものをお考えになるのですか。そんなことをお聞きするのも、一方でこれだけの各県部会の議論がありながら、意外と自治体との連携が悪かったり、自治体には、そんなものがあるのか、地方交通審議会のそういう作業の実態があるのかというようなことさえも言われるような実態なんかもあったりするわけです。 そこで、そういう自治体との連携を横ににらみながら、一体この作業の主体はどこがやっていくのかということが一つ。それからせっかくここまで来ているのであれば、やはり幾つかモデル地域みたいなものを設けて、ぜひこの時期、一つの総合的な交通体系のモデル的なものをつくり上げていく。モデル的なという意味ではいろいろやっていらっしゃいまして、確かに新バスシステムであるとか、あるいは今お話がありましたように、過疎バスだとか離島航路だとか、いろいろな個別的な政策がないと言っているわけではないのでありまして、私が申し上げているのは、総合的な交通体系の形成に向けて、これをどう役立てていくのかということでありますから、その辺のところでどういう具体的な施策があるのか、今まだ直ちに手がつけられる段階でないとするならば、ぜひひとつモデル地域なんという問題はお考えをいただいたらいかがかと思いますが、いかがでしょう。
○服部政府委員 ただいまの先生のお尋ねは幾つかの点にわたったかと思いますけれども、まず、こうした地域交通計画に盛られましたいろいろな具体的な施策を展開する主体はだれであるのかというお話でございます。 ちょっとわき道にそれるかもしれませんが、この地域交通計画を策定いたしますのは、先生も御承知のとおり地方交通審議会でございまして、そのメンバーの中には関係の自治体の長も当然に入っております。それで、そういう方々の御意見もしっかり踏まえながら、こういう計画が策定されていくわけでございまして、例えば今たまたま私の手元に――これは北海道です。北海道道南地区における計画を持っておりますけれども、その中の基本的な物の考え方なり具体的な施策の中には、要するに、「地域の住民が自らの力で公共交通を維持していくという意識を持つことも重要な要素」である、そういうような観点から関係者が協調しまして、公共交通の維持に向かって努力をすべきであるというようなことも書かれておるわけでございます。しかし、現実にはそういった地域の交通を担当いたします各種の交通機関というのは、いわば私企業である各事業者によって経営されているところでございまして、私どもといたしましては、維持が困難なローカルの交通事業につきましては、いろいろな手法を通じましての助成策を強化拡充していくという方向での努力が何よりもまず肝心ではないかと思います。 それから、先生からモデル地区を設定してひとつやってみたらどうかという貴重な御指摘があったわけでございますが、この点につきましては、私ども早急に今の御提言を踏まえながら勉強をしてまいりたいというふうに考えます。
○関山委員 この問題は、いずれまた細かくお伺いするようにしたいと思いますが、大臣、この問題について、総合交通体系の問題はこれで終わりますけれども、従来の運政審あたりの発想に基づいて役所で対応しますと、最初申し上げましたように、行政の役割については効率性の確保、社会的公正の確保、この二つの面でやっていきますよ、これはこれでいいんです。それで効率性の確保については、あくまでも市場メカニズムの活用を原則として手段を選択をする、これも私は頭から競争原理そのものを否定するつもりはないのです。ないのですが、しかし、あくまでも公共的な役割というか公共的な立場というものを基本にしたいわば地域なら地域における総合的な交通政策の展開がなければ、やはり基本的には問題の解決ができないのではないだろうか。 こう考えますと、問題は、大臣、最初に総合的な交通体系の、あるいは交通政策の確立の必要性はお認めになっておるのだが、問題はやはり手法だろうと思うのでありまして、この問題についてもう一遍お考えを承って、この問題は終わりたいと思います。
○三塚国務大臣 市場原理と公共性、これは国鉄再建のテーマの中でお互いがじっと見詰め、どうこれを調整するか、こういうことで先生もともに苦労してまいったポイントであります。地方交通線のうちの特定地方交通線が具体的にこのテーマに沿った一つの選択として今その実施段階にあるわけでありまして、そういう中にありまして、公共性、地域の足の確保というのは政治の基本的なテーマであるわけであります。他に代替の交通手段がありません場合に、市場原理だけで、これをまた自由競争という原理だけでまいりますならば、交通手段がそこに立地することはあり得ないわけでございますから、それこそまさに政治という問題がそこに生ずるわけでありまして、社会的公正を実現をするという意味で、やはりこの問題については果敢に政治、行政は取り組んでいかなければならぬ分野であろう、そのように思います。 そういう点で、地域交通局が担当しております過疎バスでありますとか離島航路などというのは、行革という名のもとに切られていくということでありますと、まさにこれはアウトになるわけでありまして、こういうものはやはり手厚く守り育てていかなければならない、運輸行政というのはそういうものだなというふうに考えておるところであります。
○関山委員 それでは、次の問題に移りますが、次の問題は規制緩和と安全対策の問題についてでございまして、規制緩和は大分いろいろ議論してきているところですが、所信の中でも「運輸産業の活性化」ということに触れて規制の見直しが取り上げられているわけですけれども、この問題について一つだけ伺っておきたいと存じます。 昨年の十二月に一連の見直し措置が、政令、通達の見直しが行われたわけですが、今までの議論の経過の中でも、私どもとしては、いわば基本的に従来の規制の枠組みを超えるものじゃない、しかしさまざまな利用者のニーズの変化に沿って、それはそれなりに見直しをしなければならぬという範疇の中でのことというふうに承知をいたしておるわけでありますが、そういうふうに理解をしておいてよろしゅうございますね。
○栗林政府委員 昨年、行革審の答申もございましたし、その後閣議決定で具体的なスケジュールを決めまして、法律の改正をお願いしたりあるいは省令、通達などで昨年末までにいろいろな措置を講じたわけでございますが、その点、考え方として私ども持っておりますのは、確かに運輸事業につきましては、現在参入規制でございますとか運賃規制などの規制が行われておりますけれども、これらは利用者が必要な輸送サービスを安全かつ良好な状態で安定的、効率的に受けることができるようにするといった運輸行政の目的を達成するためのものでございまして、このような規制は今後とも何らかの形で必要なものであろうというふうには考えております。 しかし、一方におきまして、運輸事業が経済社会情勢の変化に対応して、利用者の利便を増進する良質なサービスの提供に積極的に取り組んでいけるようにするということ、それから国民負担の軽減等を図るため随時その見直しを行う必要があるという認識もいたしております。行革審の答申あるいは私どもの運輸省内部における検討委員会などにおける考え方につきましても、そういうことで理解をし、最近の規制の改善措置についても、このような趣旨から改正、改善を行っているところでございます。
○関山委員 具体的にお伺いしないとちょっとピントが外れるのかもしれませんが、例えば路線トラックが高速を走っていて、それと並行して走っている道路を走ることは、今までだめだったけれども今度はいいというようなことは、これは従来の規制の枠の中でのいわば当然の規制の見直しということなんでしょう。しかし、それでは東京-名古屋-新潟という路線があって、新潟に行くのに名古屋に寄らぬでも真っすぐ新潟に行ってもいいというのは、いわば従来の規制の枠組みを超えていく。例を挙げればそういう問題が一つありまして、運用上の問題にもいろいろたくさん出てきそうなものでありますから。しかし、今行われている規制の見直しというのは、前段申し上げたような、従来のそういう規制の枠組みの中で不合理や不適正なものを正していくという、枠組みの中での運用でしょうね。このことだけそうだとおっしゃっていただけば、それで結構なんです。
○栗林政府委員 少なくとも今まで、昨年末ぐらいまででございますが、私ども行ってきたものについては、基本的な枠組みを侵しているというものはないだろうと思います。今トラックの問題についてお話ございましたが、トラックについては事業区分の見直しその他中期的な課題として行革審から答申が出されております。これを具体的にどう扱っていくかというのは、実はこれからの問題でございます。これにつきましては、貨物流通局と私どもの方でいろいろ相談しながらやっていきたいと思っておりますが、いろいろな関係者がおられますので、十分御意見を聞きながら、時代の変化に即応したあるいは利用者のためにもなるような姿はどうであるべきかというようなことを議論していきたいというふうに思っております。
○関山委員 ちょっとくどいようですが、おっしゃったことの中で、それでいいのかもしれません。六十年十二月に出たものについては従来の枠組みを超えるものではない、これはよろしゅうございますね。
○栗林政府委員 私どもそのような理解ております。
○関山委員 それから、次は安全対策の問題なんです。 これは大臣の所信でも国鉄問題に次いで大きく取り上げられて決意のほどを示されているのですが、それはそれで結構なんですけれども、前大臣もいらっしゃるわけですが、日航機事故は、私は交通安全におりましたものですから、この間ずっとフォローしてきて、この間もう一遍議事録を読み直してみたのですね。従来も大きな事故が起こると、やはりそこで慌てて対策をというパターンが続いているのですが、しかし、今度の日航機の事故などを見ていますと、事故後の処理まで何か後追いだということなんですね。 二つの点でそのことが申し上げられるのですけれども、実は昨年八月十二日に事故が発生いたしまして、その後八月二十八日に交通安全対策特別委員会が開かれているのですよ。同僚議員の永井議員の質問を実は数日前に読み返してみたのですけれども、事故後のこの永井質問の中では、その後の展開、例えば隔壁に原因があるのじゃないかとかあるいは隔壁の問題はボルト一本でも大変なことになりますよとか、これだけの事故を起こしたのならすべての飛行機についてこの際一斉に点検したらいかがですかとか、八月の二十八日の段階で質問をしているわけですね。 これに対して、そこで十分なきちっとした答えが言葉としては出ているのですけれども、その後の展開を見ていますと、大変後追い、後追いになっている。事実、いわばボーイング社自身の発表によってボルトの問題が出てくる。あるいは先ほども触れられました最近の、機首の部分の亀裂の問題が出てくる。一つは、そういう永井質問との関係で見ましても、既にそういう問題が起きて、事故後の問題の処理をめぐってさえも積極的に対応していないのじゃないかということをつくづく感ずるのです。 それからもう一つは、それとの関連で、今申し上げましたような、ボーイング社の自発的ないわばこういう問題に対する態度というのでしょうか姿勢というのでしょうか、アメリカ航空局あたりの姿勢も含めてですけれども、こういうのを見ておりますと、私はむしろ運輸省あたりも非常に微妙な立場にあるのじゃないかと思うのですが、そこは逃げずに積極的に問題を指摘するぐらいの姿勢がないと、この種のものはいかぬのじゃないか。そこで一人二人傷がつく人が出るのはやむを得ない話ですけれども、しかしそんなことよりも何よりも、自浄能力じゃありませんけれども、そういうものがこの間の事故処理の過程でももっと出てきてよかったのじゃないかな、こう思うのですね。 例えば一つ例を挙げますと、日航があらかじめしりもち事故の点検についてミスがあったのじゃないかという指摘をして、当時は亀裂はなかったという日航の答弁があった。そして運輸省はその検査をしているのだが、仮にあったとしたら運輸省はそれなりの責任はとらなければなりませんよとこう言われて、その後大島さんは、「この点につきましては、日本航空のボーイング社に対する監督、検査にやや不十分な点があった」ということを言って逃げちゃうわけですね。これではやはりよくないのじゃないか。やはり事故の問題というのは、もう一つ運輸省自身の姿勢をお変えにならなければならないのじゃないかなという気がいたしますが、大臣、いかがでございますか。
○大島(士)政府委員 いろいろな点御指摘ございましたのですが、航空事故を予見するというのは大変難しいことでございまして……(関山委員「そんなことは聞いてない」と呼ぶ)私ども日ごろから安全運航を確保するため最大の努力をしているところでございます。ただいま御指摘の諸点につきましては、今回の事故後、直ちに日本全国を飛んでおりますジャンボジェットの後部胴体についての一斉点検をやり、それから日本航空の会社に対しても立入検査をやり、整備体制の強化、それからさらに……
○関山委員 大島さん、そういう答弁はいい。私はそういうことを聞いているのじゃないのだから。答弁はいいです。やめてください。そういうので時間を稼がれると困る。いいですか。 大臣、つまり私の聞いている意味は、そういうことをいろいろ御答弁なさるのだけれども、その事故後の処理でさえ後追いじゃないですかと。 そしてもう一つは、こういう事故に対する運輸省の姿勢というのは、もう一つ前に出た方がむしろ国民にとってわかりやすいし、運輸省に対する信頼の回復にもなるのじゃないですかと。
○三塚国務大臣 航空政策だけでなく、交通の基本は所信表明で申し上げました安全第一です。特に航空は絶対の安全ということだと思うのです。担当者からいうと、絶対というのはあり得ないのだというのは常識だそうでありますが、しかし、やはりそれを求めるのが本来の姿勢だという意味では、私は変わらないわけです。ただいまの御指摘も、起きてからいつもそのフォローアップの中で後追いではどうするんだ、後追いも後追いだ、そういう御指摘を受けるということはまさに残念なことでして、やはりこの体制は、そう言われぬようにやらなければならない。今度の事故にかんがみまして、改める点があるとすれば思い切ってやらなければならぬことだろう、このように思いますし、事故防御体制についても、ボーイング社がいろいろとあるようでありますが、それも果敢に指摘をするところは指摘をしなければなりませんし、こういうことで、やはり事故責任ということは、明確にこれをあからさまにすることにより、同時に自後の事故が起きませんためにも、責任体制というものは、これまた明確になされていかなければならぬというのはおっしゃるとおりであります。
○関山委員 事故調の藤冨事務局長がお見えでございますので、事故調はいつ結論をお出しになるつもりですか。
○藤冨説明員 お答え申し上げます。 昨年八月の日航機の墜落事故につきましては、事故発生以来、航空事故調査委員会において鋭意事故原因の究明に努めているところでございまして、発生以後四回にわたりまして経過報告も行ってきたところでございます。その後、機体残骸の詳細調査を進めますとともに、操縦室用の音声記録装置あるいは飛行記録装置の記録、関係者の口述等の事実をさらに調査、分析しているところでございますけれども、今後これらの知り得た事実をまとめまして、事実調査に関する報告書の案を作成いたします。これにつきまして関係者及び学識経験者の御意見を聞くために、この春にも聴聞会を開催するよう現在努力中でございます。この聴聞会の御意見を踏まえながら、委員会といたしまして、認定した事実及びさらに必要な試験研究の結果等を総合的に解析しながら、事故原因を究明していくという手順を踏むことになるわけでございます。 したがいまして、最終的な報告書の公表ということになりますと、過去の例から見ましてもかなりの日時を要するのではないかと思われますけれども、当委員会といたしましては、今回の事故に対する社会的関心の高さ等から、科学的かつ公正な調査によりまして、真の原因をできる限り早期に究明するよう全力を注いでいるというところでございますので、よろしく御理解を願いたいと存じます。
○関山委員 素人が言うほど事故原因の確定というのは簡単なものじゃないことはわかります。しかし、昨年の暮れ、皆さん方の経過報告の中でも隔壁の亀裂についてはもう認めているわけですね。そうしますと、それが即事故に結びつくかつかないかという議論になっていくとなかなか面倒で時間がかかってくる。しかし、この種のものは時間をかければわかるのですか。もうあらかた材料も集め終わって、これは国民の目から見ますと、残るものは残しても、ある時点で一定の判断を下すことの方がわかりやすいんじゃないですか。ずるずる時間だけ稼ぐことはいたずらに行政への不信を招くだけだと私は思う。皆さんの立場は運輸省とは違うでしょうけれども、いろいろなことをおもんぱかる立場もわかりますが、しかし、もう既に半年もたっているわけでありますし、しかも何もないというんじゃないんだ。亀裂の問題については中間の経過報告でも認めなすっている。この辺は、やはり皆さん方のこれまた姿勢の問題じゃないでしょうか。いつまで延ばし、いつまで時間がかかるつもりですか。もう少し具体的におっしゃってください。
○藤冨説明員 先生御承知とは存じますが、当航空事故調査委員会の事故調査につきましては、科学的に公正にというのが基本でございまして、また関係者、学識経験者の御意見も伺うという制度になっております。先ほど申されました、今までの経過報告でお示ししたバルクヘッドの破壊状況等につきましては、それぞれ部分的には現状を見ているわけでございますけれども、それの詳細な状況につきましては、その破壊のプロセスあるいは事故機がどういうような飛行状況をしたか、操縦性能がどう変わったかといったことにつきまして、やはりいま少し科学的な調査、試験研究を行いませんと原因の究明には立ち至れない。また私どもが知り得た事実につきましては、関係者、学識経験者にお示しした上で、これについて間違いがないかということもお伺いするということによって科学的公正さというものを担保していくということもございますので、その点の手続と申しますか、経過、経緯というものについては十分御理解いただきたいと存ずる次第でございます。
○関山委員 ですから、見通しどうですか。それからもう一つは、経過報告でも結構ですよ。学問的に、技術的に研究すべき部分はお残しになっても結構だけれども、尾翼の隔壁に亀裂があったという一つの事実認定があるわけですから、そのことに基づく一定の結論はお出しになれないのですか。
○藤冨説明員 隔壁の破壊によって垂直尾翼がさらに破壊するかというようなストーリーも一つの仮説としてはあるわけでございますけれども、航空事故の原因と申しますのは、幾つかの仮説をそれぞれ一つ一つ検討した上で真の原因を究明するという筋道を立てなければならないということでございますので、その点は御理解いただきたいということでございます。 さらに、先ほど申し上げましたように、スケジュールの問題といたしましては、事実調査に関する報告書の案が間もなくできるように努力をしておりますので、それができましたならば、皆さん方の御意見を伺う聴聞会をこの春にも開催したい。この聴聞会を開催いたしました後で、一体どの程度かかるかということは、過去の例を見ますと、事故発生以来最終報告までは二年前後を要しているのが通例でございますけれども、今回の場合はできるだけそれを短縮するような努力はいたしたいと考えているところでございます。
○関山委員 わかりました。それでは、その聴聞会の前に出る報告が一つの区切りだというふうに理解をしておいてよろしゅうございますね。 そこで、安全問題というのを規制緩和との関係で取り上げておりますのは、これはもう申し上げるまでもないことで、規制緩和が進むとこの面が緩んでは困るということを再三申し上げている観点からなんですが、一つだけ――これは時間がなくなってきましたので、また別の機会に承ることにしましょう。 それから、この規制緩和の流れと無関係だとは言えないと思うのですが、これは大臣にもそういう御認識が十分おありになると思うものですから、この際ぜひお尋ねしておきたいのは、労働時間の問題なんですね。規制を緩和して運輸事業の活性化をと、これはいいのですが、事実上、トラックでありますとかハイヤー、タクシーでありますとか、そういう部分は非常に零細な、いわばどう言ったらいいのでしょうか、運輸事業そのもの全体を一つの町に例えれば、もうスラム街みたいな状況になっちゃっているわけですね。労働時間の問題は、御承知のとおり全産業の中でも際立って高いわけでございまして、今労働省は二千時間切らなければと言っているのに、道路貨物運送では二千六百六十時間、道路旅客運送では二千四百五時間ですね。この数字は、道路貨物運送について言えば、二千六百六十時間というのは大企業中心のサンプルのようでございまして、中小の業者を集めた全ト協の調査によれば、路線大型が三千百五十六時間ですよ。そして区域大型が二千九百四十時間、集配三千時間、区域普通二千八百八時間と、これはまるきり世の中の状況に立ちおくれちゃっているわけですね。これは当働省の問題だなんというふうにおっしゃらずに、運輸行政のサイドからこれをどう考えるべきなのかということについて大臣の御見解を賜れればと思うのですが。
○三塚国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、運輸行政の基本は安全ということであります。ドライバーの安全もさることながら、同時に加害者に相なってまいるということはいかぬわけでありまして、さような点から労働基準法の決めております体制というものは基本的なものだと受けとめなければなりませんし、さような意味で、御指摘のように労働省の所管の問題だと決して私どもは思っておりません。運輸省として、適正な労働時間帯というものが行われますように、このことが事故防止の観点からも、また運輸業というものが近代物流の業種であるという形を確実に構築してまいる意味合いからいいましても大変大事なポイントでございまして、事故対策センターの指導もさることながら、運輸省全体としてやはり安全ということでこのことに取り組まさせていただきますと同時に、これは労働省はもとより警察庁、関係省庁とも連携をとりつつ、こんな問題に対応してまいらなければならぬ、このように思っておるところであります。
○関山委員 これは一運輸産業の問題というよりは、全産業的な雇用の問題ともかかわって、いわば実態的に言えば、最後に仕事がなくなればハンドルを持つというような、ほかにないといったような実態が地方にありますから、大臣のサイドだけでどうなるというものでもないのかもしれません。しかし、一方でそういう労働実態というものを許容しない姿勢がございませんと、絶えずそういうものを再生産していくのです。 規制緩和の問題なんかにしましても、本来固定資本が大きいものについてむしろ規制緩和なんという問題が影響を持つのでしょうけれども、むしろこういうちっぽけなところにばかり影響が行ってしまっているんじゃ何のための規制緩和が、こうなるわけでございまして、ぜひこの問題についても御任期中に一つのお考え方をおまとめいただければありがたいな、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○三塚国務大臣 一生懸命やらさせていただきます。
○関山委員 それでは最後に、国鉄からおいでいただいていますが、これはちょっと陳情質問みたいなものでございまして、先般、私の手元に私の出身県から「浮上式鉄道実験線の誘致に関する要望書」というのが参りまして、例のリニアモーターカーの問題なのですが、これは突如として持ち上がってきた話なものですから、私もゆっくり話を聞いている暇もなくて、きょうここの席で改めて――宮崎の開発実験が実用化実験の段階に今入りつつあるというような段階のようでありまして、これは私どもは認めたわけじゃないけれども、ちょうど六十二年の端境期にかかっているようなものでありますから、これから一体どんなふうな展開になっていくのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○坂田説明員 お答えします。 国鉄では現在、先生御指摘のように、宮崎の実験線で試験を鋭意行っております。この実験線は五十二年からスタートいたしまして、既に基礎研究は昭和三十七年からやっておりまして、五十九年度までに約三百十五億ぐらいの開発費をつぎ込んでおります。その後、先生御案内のように、昭和五十四年の十二月に無人で五百十七キロの試験が成功いたしました。さらに五十七年の九月にお客様を乗せたいわゆる有人試験に成功いたしたわけであります。 しかしながら、実用化するといたしますと、高速試験をやって編成の動的な問題等を解明する必要があるというようなことで、関係の御理解を得まして、今までの計画のテンポを速めまして、今年度約十二億ほど追加し、来年度の予算におきましても約十億ぐらい増額していただきまして、予算案には組み込んでいただきまして、この二年間で、現在は二両編成で三百キロぐらいしか出ませんが、それを四百四、五十キロぐらいまで上げられるようにしようではないかということで、現在電源が弱いものですから電源を強化いたします。それから現在走っておりますのは三両編成ということでございますけれども、お客様を乗せる車両としては、磁気シールドの問題とか車内の設備その他についても不十分でございますので、このプロトタイプの車両をつくりまして、少なくても六十年度、六十一年度で今申し上げたようなことの試験をやりまして、ある意味では単線の比較的短い区間での実用化が可能になるようなめどを今この計画では織り込んでおりまして、現段階で言いますと、大体実用化が八〇%ぐらいと思われておりますが、六十一年度末には少なくてもアクセス輸送というような面から見ますと九五%ぐらいの実用化のめどがつく見通しになっております。 したがいまして、将来何が残されるかといいますと、超高速は御存じのように五百キロから千キロぐらいの比較的長い区間を走るのに非常に有利という、航空機に比べてもエネルギーが二分の一で済むということでございますし、また地上から約百ミリぐらい浮いて走るものですから無騒音、騒音問題も非常に状況がよろしいということになっておりますし、またメンテナンスの面でも運行費の面でも、完成すれば比較的安いものができるのではないかということで、いわば将来をしょっている新しい鉄道システムではないかというふうに思っております。したがいまして、この研究につきましては、今度できる、想定されます財団法人であります研究所等の方で試験を継続して完成に近づけていくように努力したい、こういうふうに考えております。
○関山委員 いわゆる開発段階の実験は大体六十一年度でひとつ区切りがつく。そこでいわば実用化実験というのでしょうかモデル線というのでしょうか、そういうものは、今仮に国鉄の改革が進むということになりますと、一体どこが引き継ぐことになるのか。今のお話だと研究所が引き継ぐということでありますが、そこから先に向けて、そういうモデル線などについてもそこがそのまま引き継ぐということになるのでしょうか。それとも、例えば新潟が名のりを上げていますが、新潟でやりましょうということになれば、皆さん方が御予定になっている東日本旅客会社が引き継ぐということになるのですか。どういうことになるのですか。
○坂田説明員 財団の性格かがら見まして、このモデル線がたとえ数十キロということでございましても、千億以上の巨額な建設費を要するということで、試験は財団でやるといたしましても、とても財団がモデル線をつくってやるというところまでは至らないと思います。したがいまして、現段階ではまだモデル線については決まっていないというふうに申し上げたいと思っております。
○関山委員 これは運輸省の方はどこが担当になるのかわかりませんが、そうなりますと、この種の問題の扱いは運輸省に返ってくるということになりますかね。
○棚橋(泰)政府委員 新しい経営体が発足するに際しまして、研究所とか通信会社とかいろいろなところにいろいろなものを引き継がせるわけでございますが、その引き継ぎ方につきましては、現在具体案を作成中でございますので、もうちょっとお時間をいただきたいと思います。ただ、基本的には、先ほど技師長からお答え申し上げましたように、そういう事態になりますものですから、若干その工事費等に配慮をいたしまして、一応の区切りをつけるということまではやりたいということで対応いたしております。 なお、新しい実験線の問題とかいろいろの御要望等もございますが、そういうものも含めまして、ひとつ将来の問題として検討させていただきたいと思っております。
○関山委員 時間が参りましたので終わりますが、新潟は、三塚大臣一生懸命になっていらっしゃいますが、北陸新幹線と上越新幹線をつなぐ役割も将来果たさせよう、ついては二重投資も避けることになるじゃないかという大変いい構想で御陳情を申し上げておりますので、よろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。
○山下委員長 西中清君。
○西中委員 大臣の所信に対する質問ということでございますけれども、運輸行政全般にわたってさまざまな施策を御発表いただきました。きょうはそれに対する質問でありますけれども、私は国鉄改革、そして熱川のホテル火災、そして時間がございましたならば航空関係に絞って質問をいたしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。 そこで、国鉄の改革についてでございますけれども、言うまでもなく、これは毎年二兆円を超えるような大変な赤字を出している。巨額な累積赤字を抱えておる国鉄、これはどうしても改革をしなければならぬ、こういうことだと思うのです。それは当然と言えばまことに当然でございまして、このまま放置していいと考えている者はだれもいないと思います。我が党は既に五十七年四月に国鉄再建のための経営形態の民営化というものを目指して段階的に地域別特殊会社へ移行する方針を示しました。要するに、民営・分割の方向と経営の改善を図るための当面の緊急措置もあわせて発表いたしたわけであります。したがって、監理委員会の答申に示されました改革の方向、これは我が党の発表いたしました方針と基本的には共通しておるところが多いのではないかというふうに考えておるわけであります。 しかし、この答申を拝見いたしますと、やはり幾つかの問題が残されておりますし、また極めて不確定な要素も少なくないわけでございます。この大改革は、どちらにしても国民生活に直接かかわる大問題でありますから、改革によって利用者、国民に過大な負担を強いたり、また鉄道の持ちます公共的役割、こういったものが損なわれた、利便性、安全性等々に支障を生じるというようなことがあっては絶対相ならぬわけでありまして、その点では細かい配慮、慎重な対応が強く望まれるわけでございます。 いずれ法案が提出されましたならば、その段階で十分の論議をいたしたいと思いますけれども、きょうは総括的に伺っておきたいと思うのですが、その前に大臣、かねてからこの問題にかかわりを持たれて、今回のこの大改革に当たられるわけでありますから、それなりの御決意があると思うのでございますけれども、大臣そして国鉄総裁から、まず決意のほどを伺っておきたいと思います。
○三塚国務大臣 山下運輸大臣の後をお引き受けさせていただきまして、昨年七月の監理委員会答申、そして閣議決定ということ、それから、山下大臣のもとで余剰人員の問題まで実は御決定をちょうだいいたしました。そしていよいよ法案づくりが本格化する段階で運輸大臣を拝命いたしたということは、これは大変緊張いたしますと同時に、事柄が大変重大なものでございますし、百十四年の歴史に終止符を打ちまして、新しい会社にスタートするという大転換期に担当を命ぜられましたということについては、事柄の重大性に実は非常に緊張、責任を感じておる、こういうことでありまして、これをなし遂げてまいるわけでございますが、ひとり非力な私の負うところではございません。運輸省一丸となってこれに当たらなければなりませんし、同時に政府関係機関、法案作成を今やっておりますけれども、それぞれセクショナリズムの中で主張し、このことが前に進まぬということであってもなりません。そういうことをきちっとコンセンサスを得つつ取り進めなければならないと思っておりますし、そのことが私に与えられた役目がなと思います。 同時に、やはり何といっても国会の決定が最終なものでありますから、当運輸委員会を中心として深い御理解をいただきながら、また御審議をいただきながら、また御指導、御鞭撻を賜りながら、コンセンサスの集大成の中で本問題に取り組んでまいりたい、このように考えておるところであります。
○杉浦説明員 国鉄の現状は、改革が一日おくれますと、それだけ赤字が積み重なるという本当に大変な状況でございます。やはり法案の関係におきましても、一刻も早く当委員会の十分な御審議をいただきまして、改革の道が早く開けるようにぜひお願いを申し上げたいと思います。 国鉄といたしましても、具体的に当面をするいろいろな問題を解決していく心構えでございますが、何といいましても余剰人員の問題が私どもにとりましては非常に重大かつ深刻な問題でございます。関係方面の御支援、御協力を得ながら、私ども方々にお願いを申し上げて、今から準備をさせていただきたい。一人の職員も路頭に迷うことのないように措置をしたいという気持ちでいっぱいでございます。 その他、大変な改革でございますので、諸先生の御支援、御協力、御指導を仰ぎまして、一日も早く改革の道を進めさせていただきたいというふうに思う次第でございます。
○西中委員 絶対に失敗は許されない、こういう問題だろうと思うのです。ひとつ特段の御努力をお願いをしておきたいと思います。 そこで、具体的な問題、いろいろあるので迷うのですが、目の前にちらついていることだけを先にお聞きをしておきたいと思います。 一つは、よく長期債務が膨大だ膨大だということが言われるのですが、一体国鉄は資産はどれくらいあるのかということがよくわからない。これは非常に問題だと私は思うのです。やはり経営を再建するということになりますと、通常のやり方とすれば、負債は幾ら、資産は幾ら、これはもう当たり前のことでありまして、これがようわからないで長期債務の膨大さだけがうたわれるということは非常に不思議な話だなと、私どもいつも言っているわけでありますが、それを全部明らかにすることは、膨大な資産を持つ国鉄としては無理なのかもしれません。しかしながら、監理委員会が五兆八千億円という評価で非事業用用地を売却するようにという答申を出しておるわけでありますから、少なくとも非事業用用地だけはつかんでおるんだろうし、またそれくらいのことをやっているのが当然じゃないだろうかと私は思っておるのでございますが、この点はどうなんでしょう。新会社ということは、当然これは資産として新会社に移るものもあると思うのでありますけれども、その辺の土地の面積なりまた評価額というものはどの程度になっておるのか、伺っておきたいと思います。
○杉浦説明員 監理委員会の「意見」によりますと、非事業用用地をできるだけ生み出しまして、数字としましては五・八兆円、二千六百ヘクタールという目標といいますか、それ以上というふうになっておりますが、数字が出ております。私どもの方は、現在非常に多くの対象になっております土地の一つ一つを克明に検証いたしまして、非事業用用地と事業用用地の線引きを詰めておるところでございます。かなり詰まった段階であるわけでございますが、いましばらく時間を拝借しまして、これは明快に線を引きまして、新しい事業体、旧国鉄両方に振り分けをすることが必要になってまいりますので、いずれ明快になると思います。数字等につきまして、また政府の方とも相談しながら、審議の過程におきまして提出をさせていただきたいと思います。
○西中委員 国鉄は今そういう作業をなさっているということでございますけれども、法案を提出されるのは運輸省だと思うのです。運輸省はこの点についてどういう認識で現状はどうなっているか、聞いておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 今、国鉄総裁からお答えがございましたように、私どもでは、まず国鉄におきまして非事業用地と事業用地の区分けを具体的にやってもらっております。それに基づきましておおよその結論というものは間もなく出るだろうと思っております。 今後の作業といたしましては、具体的には、むしろ私どもの方といたしましては、新会社へ引き継ぐ保有資産というものを確定していく、これが大事であるというふうに思っております。法律を成立させていただきましたら運輸省に評価委員会というようなものを設けまして、新しい企業体にどの資産とどの資産をどういう評価で引き継ぐかということをまずはっきりして、それを計画の中で明定をいたしたいというふうに思っております。残余のものは旧国鉄に行くことになると思います。それがおおよそ国鉄で今仕分けしておられる非事業用地を含むという形になるだろう、こういうふうに考えております。
○西中委員 法律ができ上がってからという話でございますけれども、時間的にそうなるのかもしれませんが、新会社を設立するということは、その資産もはっきりと把握をし、そして経営が成り立つということがわかっておらなければだめな話であって、ちょっとこの話はちぐはぐじゃないかというふうに思うのです。そういう点では、例えば新会社の法案が出てきても財産が幾らあるのかもわからぬような話で議論せよという方が無理なのでありまして、できる限り早い時期に事業用地、非事業用地、そして新会社にはどの程度移るのか、こういった点について明快にされるべきであると思うわけでございます。 今、国鉄総裁は、御審議が始まったならば、そういう資料を政府と相談して出したいというお話でありましたけれども、おおよそいつごろをお考えになっているのかを伺っておきたいと思います。
○杉浦説明員 現在法案の最終の詰めが行われているというふうに思います。いずれ国会に提出をされることになると思いますし、また御審議をいただくことになると思います。そうした時期に合わせまして作業をやっているところでございます。
○西中委員 その種の資料をぜひきちっとお出しいただきたいことを要望いたしておきます。 次に、用地の売却についてでございますけれども、これも予算委員会でさまざま問題に相なりました。いずれにしても、国民共有の財産でございますから、この扱いというものは非常に慎重を要する問題だと思います。 そこで、政府は一月の末の閣議で、土地売却を監理委員会の試算よりできる限りふやすべきであるというように基本方針を確認されましたけれども、この売却される土地、運輸省では、五兆八千億という監理委員会の「意見」、これに対して別の試算なり何かなさっておるかどうか、伺っておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 まず監理委員会の御意見は、少なくとも五兆八千億、こういうふうになっております。したがいまして、それにさらに上乗せをするように政府においてやれ、こういう御意見でございます。 そこで、監理委員会がお出しになりました二千六百ヘクタール、五兆八千億というものが正確かどうかという問題につきましては、監理委員会はそれなりに周辺地価の動向、売却例、公示価格、さらには将来の見通し等の上でかなり綿密な積算をなさったと私ども承っております。したがいまして、その五兆八千億というものを私どもで具体的に現在検証するということよりは、先ほど国鉄総裁からお話がございましたように、それを参考にしながら、国鉄の方において独自に同じような土地の生み出しというものが可能かどうかということを検証する方が大事である、こういうふうに考えております。
○西中委員 それは国鉄でも結構だろうと思うのですけれども、いずれにしても、これは五兆八千億という計算で、最終的に国民の負担として返済しなければならないのは十六兆七千億というふうに答申では出ておるわけでありますから、国民の負担が重くなるのか軽くなるのかという非常に重要な問題でございます。 そこで、お伺いしたいのですけれども、この結果、五兆八千億として十六兆七千億円というこの負債はどういう形で返済をしていくというようにお考えになっておるのか伺っておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 閣議決定で明らかにいたしましたように、政府といたしましては、国鉄の新事業体が持っていく債務以外の債務につきましては、これを清算機関である旧国鉄に移しまして、そこにおいて将来の、今先生の御指摘のございました五兆八千億にどの程度上乗せして土地が売れるかという見通し、それから雇用対策を実施いたしますから、それに要する費用というものは、雇用対策は三年ということで予定しておりますので、それが現実にどのくらいかかるかという見通し、さらには国の歳入歳出の動向というようなものとあわせ考えて、旧国鉄において処理をするということでやりたい。その場合に、「最終的には、国において処理する。」、こういう方針を明らかにしておるところでございます。
○西中委員 そうしますと、五兆八千億というのは、何らかの時点で幾らで売却したいというような具体的な数字が出てくるのでしょうか。もしも出るとするならば、いつごろお出しになるおつもりか、伺っておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 旧国鉄におきましては、用地をただ売るわけではございませんで、できる限り付加価値を高めて売るということを考えております。したがいまして、現実にそれらの作業をやりまして、実績がある程度出ますと、将来的にほぼどの程度の収入が得られるかという見通しがつくのではないかと考えております。したがいまして、その期間、雇用対策が三年でございますけれども、おおよそその程度の期間をかければある程度のめどが出てくるというふうに考えまして、そういう期間を経たあたりで最終的な判断が下せるものだと考えております。
○西中委員 そこで、この国鉄用地の売却ということは何といっても公正でなければならない、そして透明でなければならない、私はそういうふうに考えておるわけでございます。我が党としても、基本政策でかねてより第三者機関の設置を述べてまいりましたけれども、先ごろ政府も用地売却や新事業体への引き継ぎを公正円滑にするため運輸省と旧国鉄に三つの機関を設ける方針を決めたというふうに伝えられておりますが、これは監理委員会にはなかった考えだと思うのですけれども、この国鉄用地は、特に国民の共有の財産ということですから、本当にそういった点で注意の上にも注意をしなければならない、こういうことだと思うのです。そこで、この三つの機関、新聞で見た限りではもう一つはっきりしませんが、どういうことをお考えになっておるのか、御説明をいただきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 新聞で三つの機関というふうに報道されておりますが、そのうち一つは、先ほどちょっと私が御答弁申し上げましたように、新しい経営形態に持ってまいります資産の評価、これは正確にやらなければいけないということで、これは法律に定めるところにより運輸省に評価委員会を置くということを考えております。恐らくそれを指しておるのではないかと思います。 用地に関しましては、そういう意味では二つの第三者機関というものを考えておりまして、一つは、この法律が成立いたしましたら運輸省に諮問機関のごときものを置きまして、ここにおいてできる限り多くの用地、非事業用用地を生み出すというためのお知恵を拝借するということで第三者機関を置くということが第一点でございます。 それからもう一つは、これを現実に旧国鉄に移しまして処分する際に、公正を期するというために第三者の意見を聞くということでございまして、これは旧国鉄、清算機関の方に何らかの形でそのような第三者機関を置きたい、かように考えております。
○西中委員 そうしますと、これは仮に法案が通って、来年新しい会社が発足する、その時点でおつくりになるということでございますか。
○棚橋(泰)政府委員 大臣も予算委員会で同じことを申し上げておりますけれども、一つは、運輸省に置くのは法律が成立後、運輸省において用地を生み出すということで置くという、もちろんその前からいろいろ知恵は出しておきますけれども、正式には法案が成立後そういうものを置きたい。それからもう一つは、旧国鉄、清算機関の方に置きまして、売却のための公正な御意見を承る、こういうことを予定しております。
○西中委員 次に、余剰人員対策について伺っておきたいと思います。 この対策は、いわば国鉄再建の最大のかぎの一つでございます。一歩間違えば、これは一つの社会不安とも言えるような事態を招きかねないと思うのでございます。この対策はどれほど進んでおるのかということは、非常に私たちも心配をいたしておるわけであります。現在、予算審議が行われているわけでありますけれども、まず移行を前に二万人の希望退職を募るということがあると思うのですね。これもやはり法案が通る前とはいえ、これはやっておられると思うのですが、これはどのくらい進んでおるものか、御説明をいただきたいと思います。
○中島(眞)政府委員 国鉄余剰人員雇用対策本部の事務局長でございます。 希望退職につきましては、今御指摘のとおり、再建監理委員会の答申を受けまして、六十二年四月に予定しております新事業体の発足前に、現国鉄の時代に二万人の希望退職を募集しようということを基本的に考えておりますが、それを実施するためには、退職時の特別給付金、基準内賃金の十カ月分でございますけれども、これを支給することを予定しておりまして、来年度の予算案にも計上しておりますし、これを実施するために必要な法的措置につきまして、六十一年度において講ずべき特別措置に関する法律の中でそれを入れまして、国会にお出ししているところでございます。したがいまして、具体的にこの希望退職を募集いたしますのは、その法律が通ってから、予算も成立してからということになるわけでございますが、基本的には今のように二万人を新会社発足前に希望退職で募集していくということでございます。
○西中委員 現状はどうなのか、反応といいますか、実際そういう二万人が可能かどうなのか、その辺の見通しを伺っておきたいと思うのです。 それと同時に四万一千人、これは旧国鉄ですか、ここにおいて訓練をし教育をしたという形で再就職、こういうことをやっていかなければならぬわけでありますけれども、これは国なり地方自治体なり特殊法人なりそれから国鉄の関連会社なり一般の民間企業の現状はどういうふうに受け入れ態勢が進んでおるのか、伺っておきたいと思います。
○中島(眞)政府委員 希望退職の二万人について、それがどの程度実現できるかという御質問でございますが、先ほど申し上げました希望退職の募集の際の特別給付金につきましては、基準内賃金の十カ月分ということにいたしておりますが、これまでの先例、例えば電電につきまして電話の自動化の際に希望退職を募集いたしまして、同じように特別給付金を支給した例がございます。同じく法的な措置を講じたわけでございますが、そのときに勤続五年以上の人については基準内賃金の十カ月分、五年未満の人については基準内賃金の八カ月分という例がございまして、この措置によりまして希望退職が効果的に推進できるということを考えておりますが、同時に、希望退職者について、さらに再就職を希望する人については十分その再就職のあっせん等について措置する必要がございますので、こういうことについても現在作成作業を進めております再就職促進のための法律の中でも、この希望退職者についても対象にしたような規定を入れるということで作業を進めているところでございます。 それから、清算機関であります旧国鉄に移行してからの四万一千人のいわゆる特別対策対象者についての雇用の場の確保の問題でございます。これは、全体といたしまして余剰人員六万一千人につきまして必要な雇用の場を確保しようということでございまして、現在のところでは六万一千人を前提といたしまして、その中で公的部門、国、地方公共団体、特殊法人等でございますが、これが三万人、それから国鉄の出資事業だとか構内営業事業者だとかあるいは業務委託会社とか、そういう関連企業におきまして約二万一千人、それから一般産業界におきまして一万人以上ということの採用目標数を掲げております。 そういうことで、昨年十二月十三日に「国鉄余剰人員雇用対策の基本方針について」というのを閣議決定いたしまして、その中におきまして、今申し上げた各分野ごとの雇用の場の確保について講ずべき措置のことを明らかにしております。例えば国家公務員につきましては、昭和六十一年度におきまして各省庁の採用数の一〇%以上を採用するとか、そういうことに始まりまして、それぞれの措置を決めているわけでございます。全体としての分野別の採用計画、これはいろいろ準備の都合もございますので、六十一年、本年の秋までに策定するということにいたしておりますが、いずれにしろ、この雇用の場の確保につきまして万全を期してまいりたいと思っております。具体的に、現に国、地方公共団体、特殊法人、それから一般産業界等からの申し出も順調に出てまいっております。また国鉄の関連企業二万一千人分につきましては、国鉄において先ほど申し上げたような会社八百六十五社に対して働きかけをいたしまして、この二万一千人は達成できるという見込みになっております。 以上でございます。
○西中委員 我々は新聞で途中の経過といいますか、そういった受け入れ先の人数等を聞いておるわけでありますけれども、正式な文書としてそういうものは見たことはないわけなんで、少なくとも法案提出の時点においては、どの程度進んだのかというような資料をぜひともちょうだいいたしたいと思っております。何といっても国鉄職員が雇用の場を完全に確保する、そしてその家族に生活の心配を与えない、こういうことは重大な問題でございますから、この審議の過程でもいろいろまたぜひ論議をいたしたいと思いますので、そういった資料を提出していただきたいと思いますが、できるでしょうか。
○中島(眞)政府委員 それぞれの時点におきましての進捗状況につきましては、御要望があれば資料として提出いたします。
○西中委員 ぜひ御提出をいただきたいと思います。 それから、予算委員会でも問題になっておりましたけれども、いわゆる就職が非常に困難だというのは北海道と九州の二地区だ、こういうことで関係者も御努力をいただいているとは思いますけれども、最終的にはやはりこの地域で就職することは困難な方が相当数出るのではないかということを私たちは危惧をいたしております。これについては何か特別の対策を政府なり国鉄なりはお考えなのかどうか、ありましたならば御説明をいただきたいと思います。 〔委員長退席、鹿野委員長代理着席〕
○三塚国務大臣 これは御案内のとおり、第一義的に御希望は、北海道一万三千人ほとんど北海道に就職したい、九州一万一千人ぜひここに就職したい、こういうことでありますが、公明党の近江先生の調査推計値、ほぼ妥当なものかなと思います。そういたしますと、なかなかのみ切れない、しかしそちらに行きたい、こういうギャップをどう埋めるかというのがこれから政府、特に雇用対策本部の重要な仕事になるのだろうと思うのであります。 実は、北海道知事との対談の中で強く要望されましたのは、全力を尽くして公務員グループに採用することについては努力をいたしますが、雇用の創出の場をぜひ北海道につくってほしい、これは政府・与党の仕事ではないだろうかという旨の御提言がございました。早速この件については、政府としてというよりも、経済政策、こういうような状況にありますので、党側にお願いを申し上げ、何かいい具体策をお考えいただけぬだろうかということで、今提示をいたしておるところでありますし、最終的にその辺のところもこれからの経済財政政策の枠組みの中で考えなければならぬのかな。これには万全を期するということがやはり大変大事なことだと思います。 大前提になりますが、三万人の公務員グループは何としても政治、政府の責任でありますから、これこそ石にかじりついても達成をしていくということでなければならぬわけであります。 そういう意味で、最終的には総裁ともお話をしなければならぬと思うのでありますが、広域的な配置もお願いをしていかなければならない。当然もうお考えいただいているのかな、こういうふうに思います。そういう点で何としても達成する、こういうことでいきたい。
○西中委員 ぜひこの点は政府挙げての強力な取り組みをしていただいて、でき得る限り、やはり何といってもそれは自分の希望する地域でということをかなえてあげるということが前提になっていなければならないのではないかと思っております。 そこで、次は地方交通線についてちょっと伺っておきたいのです。 民営化ということになりますと、地方のローカル線は切り捨てられるのじゃないかというのが地方の方々の大きな心配でございます。経営の改善と効率化ということをおもんぱかるばかりに――路線を維持するということ、これは新会社にとっての使命とならなきゃならない。そうでなければ大変な地方の不安につながるわけでございますから、実は期待もいたしているところでございます。しかし、切られてしまえばそれで終わりじゃないかという非常に心配な面が多いわけでございますが、何らかの形でその路線は維持するということになるのか、それはすべて新会社に任すのだから仕方がないんだということになるのか、その辺、何か政府としての施策がありましたならばお伺いをしておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 特定地方交通線につきましては、監理委員会の御意見にもございますように、私どもこれについては既定の方針どおり法律に従った対策を進めていかなければならない、かように考えております。ただ、特定地方交通線対策、新しい経営形態の発足までに決着のつかないということもあろうかと思いますが、それにつきましては、何らかの経過措置を設けて既定方針どおり進めるべきだと考えております。 それから、その他の地方交通線でございますが、これは新しい経営形態に移すことになります。基本的には民営会社でございますから、それらの線の取り扱いにつきましては、新しい経営形態の判断にまつわけでございますが、いずれにいたしましても、今回の分割・民営は健全な会社をつくるということが主眼でございますので、そういう意味で、適正な経営努力をすれば地方交通線についてもこれを維持していくということが可能なような、そういう経営形態をつくっていきたい、こういうふうに思っております。
○西中委員 この民営化の中で、既に特定地方交通線の問題があって、その上で今度は民営だということになると、次はうちの番ではないだろうかという心配がローカルな地方ではあるわけでございますから、その辺のところは安心を与えるような施策を十分お考えいただきたい、このように要望をしておきたいと思います。 そこで、今先に御説明いただきましたけれども、特定地方交通線対策でございますが、一次、二次の対策はどういうように進んできたのか。今までの成果といいますか、実施状況を伺っておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 特定地方交通線は、御承知のように、現在一次線、二次線というふうに実施をしてきております。 第一次線につきましては、全体で四十線ございますけれども、協議を中断しております線が三線ございます。これは協議中に二千人を超えたとかラッシュ千人を超えたというものでございますが、それを除きましては、全部転換が終わるか転換が合意済みで準備中という形になっております。 それから、第二次地方交通線は三十一線ございますが、そのうち四線は俗に保留四線ということでスタートが若干おくれております。北海道の長大路線の四線でございまして、これは協議開始希望日その他おくらせた線でございます。その他の二十七線ございますが、そのうち現在までのところ中断線が三線ございます。そのほか現在までの時点で明らかに転換合意済みの線が約六線でございます。その他は現在協議中でございます。間もなく協議が調うであろうというような線も若干ございますが、それを含めまして協議中でございます。俗に保留四線というものはまだ協議会がスタートをしていない、こういう実態でございます。
○西中委員 第二次路線のうち二つの線は道路事情等で取り下げをいたしたようでございます。この事実を考えますと、やはり転換基準について問題があったのではないかという気持ちがしないでもないわけでありますが、今日まで転換基準に従っていろいろと協議をなさってきたわけでありますけれども、道路、気象、そういったもので、さらに今までの経験から照らして、この転換基準をもう一度見直す必要があるのじゃないかという気持ちもするわけですけれども、その点はいかがお考えでしょうか。
○棚橋(泰)政府委員 第二次線、国鉄から申請がありましたうちの岩泉線と名松線という二つにつきましては、運輸省で道路事情その他を調査をいたしましたところ、転換基準から見て無理がある、こういうことで国鉄に再考を促した、こういうことになっております。ただ、それは転換基準がおかしかったということではなくて、その適用の仕方というものの判断においての問題だったというふうに考えております。したがいまして、代替の道路が整備されていること、その他の転換の基準と申しますか選定の基準と申し良すか、そういうものにつきましては、私どもそれなりに従来どおりの考え方で進んでいきたいというふうに思っております。
○西中委員 それから、先ほども御説明いただきましたが、一次関係で三線、二次関係で三線、六線区の地方協議会が中断をいたしておるということでございます。これは存続したいということで、地元の皆さん方が大変な御努力をいただいたために廃止基準をクリアした、こういうことだと思うのですね。協議期間は二年間ということでございますけれども、これが中断をしておるということになりますと、一体これは民営・分割に動いていく中でどういうことになるのか、少し御説明をいただきたいと思います。この辺も、二年間の協議が中断して、将来はどちらの方にどういう形で存続していくのか、廃止になっていくのか、その辺がよくわからないと思うのですが、御説明をお願いします。
○棚橋(泰)政府委員 協議期間中に中断事由が生じました場合には、中断をいたしまして、その期間は協議期間に算入しない、こういう考え方で従来から処理をしてきております。 民営・分割に伴いまして、その取り扱いはどうなるかということでございますが、中断事由がいつまで続くかというのは、これはまた定期的に検証をしておるわけでございます。そういう県もございまして、その取り扱いにつきましては、一般に協議が行われている線というものと特段差をつけて考える必要はなく、ただその協議期間が中断しておって、二年の期間の中に算入しないという考え方でやるという点については、新しい経営形態との関係においては余り大きな考え方の相違はないと思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、全体として特定地方交通線対策が六十二年四月一日までに終わらないということは考えられると思います。その際の取り扱いについては、何らかの経過規定というものを法律上考えざるを得ない、かように考えております。
○西中委員 わかりました。 それでは次に、分割の問題についてでありますけれども、我が党は北海道、四国、九州の三つの地域は鉄道の公的使命と採算上の問題から国の助成等が必要な地域であるというように考えておるわけでございます。しかし、本州の分割については、一つがいいのか、二つがいいのか、三つがいいのか、それ以外に何か方法があるのか、いろいろと検討をいたしておるところでございますが、いずれにしても、それぞれの理由づけは、一つでも理由はつくような気もするし、二つでもつくような気がする、三つでもつく、それぞれ理由はあるというように思っております。例えば企業の適正な規模はということになれば、ある程度数多く割った方がいいのじゃないかということになると思うのです。輸送効率という点からいけば一本の方がいいのじゃないか、こういうことも言えると思うのですね。今後論議を待って結論を出しますけれども、当然政府としては監理委員会の本州三分割をやはり法案にされると思うのですが、三つはなぜ適切なのか、御説明をいただきたいと思います。
○三塚国務大臣 これは最終の収支計算、旅客の流動の実態、それから本州は借財を背負いながらスタートを切るわけでございますが、運賃が均衡をし、同時に新幹線運営がうまくいく既に償却が終わる東海道と、これからスタートをいたします東北・上越と条件がまるっきり違います。そういう総合判断の中で三分割かな、こういうことで答申が出た。私どももそれをにらみ、いろいろ検討をしてみました結果、三分割というふうに判断をいたしたわけでありますが、その間、お聞き及びかと思うのでありますが、八万九千という東日本の地域が巨大過ぎるのではないかという意見がございまして、常磐線区を含み千葉県、関東の一部を独立せしめた四分割案というのも一つの有力な案として議論の対象でございました。私も党の政調に当時おりましたものですから、そういう意味でお呼び出しを受けて議論をした経過などがございます。そういう中で、やはり新幹線線区できっちりと分類をする、そしてお客の流動が地域内で完結をするということを目指すという意味で、それぞれの線区を今の管理局別の運営の中でこれを積み上げてまいりますと、ただいま法案作成に盛り込もうといたしております三分割ということになるのです。 二分割案というのも一つ御見にありますことも聞いておるわけでありますが、二分割でありますと、御案内のとおり、大阪で東と西なのか、東京で東と西なのか、名古屋で東と西なのかといういろいろと難しい問題と、地域的な流動の完結度という問題もございまして大変御無理があるのかなと。しかし、またそれぞれ各党は最終的に御対案をお出しいただくと思うのでありますが、その際に、また御議論をさせていただきますればと存じます。
○西中委員 これに関連して一つだけ伺っておきたいのですが、私たちたくさん資料をいただくわけでありますけれども、監理委員会の経営見通しの中で営業収入が、北海道、四国、九州の三つ、これが途中から修正といいますか変更されておるわけでありますけれども、これはどういうことでこういうことになったのか、伺っておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 先生の御指摘の、途中で修正されたというのがどういう意味かちょっと理解できないわけでございますが、北海道と四国につきましては、途中で連絡船が廃止になりますので、その点について若干途中で修正が行われるということになっておりますが、九州につきましては、先生の御質問のような点はちょっと心当たりがございません。
○西中委員 数字を申し上げますと、九州は千三百四十八億の収入、こういうふうに伺っておったのですが、この資料では、これはどちらも監理委員会から来ているのですけれども、千八十一億、こうなっておるわけですね。四国が四百三十億が三百八億。それから北海道が千二百七十九億が八百六十八億、こういうふうになっておるのですが、どれが正しい数字なのか、確認をしておきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 わかりました。 それは鉄道部門のみの収支と関連事業も含みました収支と二つ出ておりまして、五カ年の方はたしか監理委員会が後でお出しをしておると思いますが、これの方は鉄道部門だけの収支でございまして、前に出しました六十二年度の収支は、たしか関連事業を含めた収支であった、かように思っております。
○西中委員 そうすると、本州部分は変化がないのはどういうことなんですか。
○棚橋(泰)政府委員 監理委員会が参っておりませんので、どの資料とどの資料がちょっとわかりませんので、後刻調べましてお答えを申し上げます。
○西中委員 それはまた改めて御質問をいたすとして、次は熱川温泉の火災について伺っておきたいと思います。 去る二月十一日未明に起きた熱川温泉のホテル火災において宿泊客、従業員二十四名の方々が焼死されました。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、御遺族、関係者に対して哀悼の意を表する次第であります。 事故の報に接しまして、また再びの感を強く抱いたのは私だけではないと思うのですが、過去やはり大きな事故としては、五十五年の川治プリンスホテル、五十七年のホテル・ニュージャパン、そして五十八年の蔵王観光ホテル等々、そのたびに防火対策というものが叫ばれ、避難誘導体制等が問われてまいりました。それでも繰り返されておるわけで、ある面で言えばやり切れないという思いをするわけでございます。 そこで消防庁に、簡単で結構でございますけれども、事故の経緯、原因、なぜ多くの犠牲者が出たのか、御報告をいただきたいと思います。
○長谷川説明員 東伊豆消防本部から消防庁に報告されましたところの概要を申し上げます。 まず第一に、原因でございますが、現在、現地におきまして調査中でございます。またなぜ多くの死者が出たか、その要因などにつきましてもあわせて現在調査中でございます。 なお、出火日時、覚知日時などにつきましては、既にいろいろ報道されておりますが、二月十一日、時分などにつきましても、こういう点は調査中でございます。 それから、消防が覚知して現場到着した時分につきましていろいろ話が出ておりますが、消防の報告によりますと、当日、二月十一日の二時十一分に消防機関に一一九番通報が入っておりまして、消防隊が現地到着いたしましたのは二時十七分となっております。その後活動いたしまして、同日の六時五十分に鎮火しておりますが、先生ただいま御指摘のように、死者二十四人を出す大事故に至ってしまったということでございます。
○西中委員 今回の火災ですけれども、このホテルは政府登録ホテル、国際観光ホテルでございます。この国際観光ホテルは、ホテルとしての施設、接客サービスなどが整備され、すぐれたホテルとしての格がなければ指定登録されないというふうに聞いております。それゆえにまた税制上、融資上の優遇措置も受けることができるわけでございます。ホテル・ニュージャパンも政府観光ホテルでございました。 今回の事故の後、運輸省は国際観光旅館連盟など業界六団体に非常の際の避難体制などの徹底に関し通達をお出しになりました。また今回の事故を起こしたホテルと同じような二階建て以上の木造建築の六百三十一軒の業者に、建物の構造、避難誘導体制について等の返事を、建物の構造については二月二十八日まで、そして避難誘導体制については三月十四日までに、運輸省に報告するように指示をしておられますが、これはどういう内容になっておるのか、伺っておきたいと思います。簡単に説明してください。
○仲田政府委員 御指摘のように、今回の火災事故に当たりまして、すぐその直後、二月十二日にホテル、旅館団体等に対しまして通達を二つ出しております。 一つは、傘下会員が宿泊客への避難方法等の案内を徹底せよということ、その二番目が、消防施設、警報設備等の整備に留意すべきである、三番目に、警報伝達体制の確立、四番目に、特に夜間におきまして避難誘導体制というものをはっきりさせ、かつ巡回の警備を励行してほしい、こういうような具体的な内容を持った通達を出しまして、防火体制及び避難誘導体制の一層の徹底を図るように指導をした次第でございます。 二本目の通達は、これは今回の火災事故が木造の多階建てという旅館に発生したということにかんがみまして、この木造の旅館ということに特に重点を置きまして、そこの防火体制及び避難誘導体制の点検、五項目につきまして、特に従業員のこういう安全体制への対応ということを重点といたしまして、それぞれの旅館がこれを点検を行い、かつ必要な改善事項というものの報告を求めているところでございます。
○西中委員 時間が参りまして、もうあと聞けないわけでありますけれども、私の言いたいのは、そういう通達を火災のたびにお出しになっておる、それがどこまで生かされておるのかなという感じがしないわけではないわけでありまして、これは運輸省だけじゃなくて、消防庁その他多くの役所が関連をして防火というものの対策を立てていかなければならぬわけでありますし、それだけの処置ができるわけでありますけれども、先ほど日航の事故についておっしゃっておったように、受け身で後追いでということであっては、やはりこれも後また続いていくようなことになるんじゃないか。運輸省としては、国際観光ホテル整備法の条項の中でも、もう一歩踏み込んで防災施設等を点検するというところまで手を伸ばしていかれてもおかしくないんじゃないかというふうに私は思っております。 これは御返事いただきませんけれども、そういった点で大臣、この問題はこういうように通達を出せば済むという問題ではありませんので、もう一度関係閣僚で、この種の問題についてもっと前向きの姿勢で体制を整えてやっていくというようにひとつ御相談をいただくような、そういう音頭をとっていただくようなことはできないものか、伺っておきたいと思います。
○三塚国務大臣 ニュージャパン以来本当に大変なことでありまして、事故防止というのがやはり大変大事なポイントでありますので、御指摘の点につきまして官房長官なり関係閣僚と協議を進める、そういうことについて機会を見て私から切り出すということで進めてまいるつもりであります。
○西中委員 ぜひお願いをいたしたいと思います。 それからもう一つ、昨年十一月八日付で運輸省では国際運輸・観光局長名で「ホテル・旅館における年末年始の安全総点検について」という文書を関係業者に送付され、自主点検の実施を行わせたようであります。これについての回答は二月十五日となっているのでありますけれども、その少し前に火事が出たということでございますが、大東館はこの回答を運輸省に寄せておりますでしょうか、どうでしょうか。
○仲田政府委員 二月十五日がちょうど期限でございますので、まだおくれているところもあると思いますが、大東館がこれに今まで回答を寄せているというふうにはまだ聞いておりません。
○西中委員 それは確かですか。出しておりませんか。十五日までの期限がありますけれども、これも後日またもう一度いろいろと議論をいたしたいと思いますけれども、これに添付物として、「適」マークの対象となっているホテルは、表示マークの交付書の写し、対象外のホテル、旅館については、最新の査察結果通知書または消防法令適合通知書の写し等を添付するようになっておるようでございます。この中身も今度の事故と照らし合わせてまだまだ問題があるのではないかという気もしないわけではございません。そのことを一応申し上げて、時間でございますので、終わりたいと思います。 以上です。
○鹿野委員長代理 河村勝君。
○河村委員 関西空港の漁業補償のことをちょっと聞きたいと思っております。 一日も早い着工を期待されている関西空港が漁業補償で行き詰まって、いつ着工できるのか見通しが立たない状況で、非常に残念なことであります。いろいろな経過がありましょうが、現段階で漁業補償の解決の見通しはどうですか、大臣はまだ御存じないのですか。
○山田(隆)政府委員 現在におきます関西空港の漁業補償の見通してございますが、既に新聞等に出ておりますけれども、昨年以来、関西国際空港株式会社と大阪府の漁業組合との間で補償交渉が進められておるところでございます。現在、会社が提示しております補償の金額と漁業組合側が要望しております金額との間に大幅な隔たりがあるところでございます。会社といたしましては、非常に精力的に組合の関係者と折衝しておるところでございますが、現在のところ、率直に申し上げまして、まだ見通しは立っておりません。 ただ、私どもといたしましては、当初の関西国際空港株式会社の計画といたしましては、今年度末に着工したいという計画でございましたのが、漁業補償の関係である程度おくれざるを得ないということになるわけでございまして、最終的な空港の完成時期を考えますと、一日も早く妥結を図りたいということで、会社を督励して交渉妥結に向けて努力させていきたい、かように考えております。
○河村委員 私はこの交渉の経過をずっとたどってみまして、交渉の相手である大阪府の漁連の態度もひどいものでありますけれども、同時に会社側の態度も非常に無原則、そのために余計交渉をこじらせている面がある、私はそう思うのです。 公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というのがあるそうですね。昭和三十七年六月の閣議決定になっておる。それに基づいて計算をした、こう言うのだけれども、会社側の提示額、これは一体何を、どういう要素を基準にして計算してあるのですか。
○山田(隆)政府委員 会社の提示額につきましては、ただいま先生おっしゃいましたような公共用地の取得に伴う損失補償基準にのっとって計算をいたしておりまして、この補償額の算定の基礎といたしましては、漁業者の漁獲高、収益率、これは漁獲高から経費を引いたものでございます、どれくらいの利益が上がっているかという収益率。それから依存度率。これはこの対象としております漁業組合の操業区域が大阪湾全般にわたっておるわけでございますが、そのうち、当該空港の建設にかかわる地域においてどれだけ依存しているかということ、これが依存度率でございます。それからあと資本還元率というものがございまして、この埋め立てによって減ります利益というものを、今後毎年利子で上げていくということにいたしますと、元金相当額として幾らくらい要るかというようなこと等を算定して出したものでございます。
○河村委員 今いろいろな数字が出ましたけれども、もしそういう基準があるのであれば、会社側の提示額がそうやたらと変わるはずのものではない。交渉事だから、それは若干の修正はあってもおかしくはないが、大臣、ちょっと聞いてください。最初の提示額が百二十一億円。その次が百六十億円。その次が二百五億円だ。イーファン、リャンファン。こういうのは一体信じられますか。ちょっと感想をまず聞きたいと思う。
○三塚国務大臣 こういう提示というのはいろいろ算定基準もあるのだと思うのでありますが、何となく上積みをしていくというケースは、交渉をまとめる観点からいって余りいいスタイルではないと私は思っております。
○河村委員 交渉をまとめるために積み上げることはありますよ。だけれども、倍になってしまうというのは、一定の基準がありながら、これは一体どういうことなんですか。私が一番びっくりしたのはこういうことなんです。 さっき説明のあった依存度率というもの、空港をつくることによって大阪湾の中で影響を受ける地域は何%かというのが一番主体ですね。これも相当ゆとりを持って見た提案が一番最初になされておるけれども、それが七%。それがその次に出された提案では二〇%に広がるわけだ。その次が二四%に広がる。同じものですよ、同じ飛行場。それで消滅補償区域あるいは影響補償区域、多少影響を受ける地域と、かなり幅の広い面積をとっておって、その範囲は一定しているにもかかわらず、最初の七%が二四%になるというのは三倍になっているのだが、これはどういうわけだ。
○山田(隆)政府委員 ただいま先生のおっしゃいました七%でございますけれども、これは要するに、空港の対象区域の面積が大阪湾の漁場のうちの大体七%になることかと思います。依存度率を計算する場合には、必ずしも面積比でなくて、当該区域でもって全体の漁獲量のどれくらいを占めるかということが算定の基準になるわけでございます。農林水産関係の算定方法は非常に難しいわけでございまして、一応補償基準要綱によって一定の算出の方法は決められておりますけれども、ある程度の幅は認められるわけでございます。当初会社が算定いたしましたのは、依存度率は二〇%でございまして、最終的に漁業組合側といろいろ話をいたしまして、ある程度漁業組合側の言い分も聞きまして二四%まで引き上げてきた、こういう経緯でございます。
○河村委員 それは魚のたくさんいるところといないところとあるでしょうけれども、しかし関西空港がつくられているところというのは、これは別段、空港ができればあるいはそこに逆に魚が集まってくるかもしれないけれども、もともと沖合であって、魚がたくさんとれるところでも何でもない。魚はむしろ島とか半島とかがあるところの方にいるのであって、これが特に多いというわけではないので、平均でとっておけば絶対に間違いのないところでしょう。そうじゃありませんか。
○山田(隆)政府委員 確かにおっしゃるように、依存率がどれくらいかということは、実際の算定方法としては非常に難しいことではなかろうかと思うのですが、私どもいろいろ調査したのを聞いたところでは、やはり沿岸の方が比較的漁獲高が高いように聞いております。泉州沖の空港は、御承知のように沿岸から五キロのところにございます。したがいまして、面積比で出すよりは、依存率はかなり高くなるのではなかろうかと思います。 これは漁業組合の方の主張でございますけれども、依存率が高いということにつきましては、産卵場であるとか繁殖場であるとか飼育場としての漁場価値が高いということも主張されておりまして、確かにおっしゃるとおり、漁業補償交渉は非常に難しいわけでございまして、そういう相手との交渉の過程で、相手の言い分のある程度考えられるものにつきましては、それを取り入れていくということで、このような数字になったわけでございます。
○河村委員 この地域で漁民が漁獲をしているのは、漁業権を持っているわけじゃありませんね。一般の自由海域、これに対する補償というのは、公有水面だからすべてこういうところは補償しなければならないという、そういう原則があるのですか。
○山田(隆)政府委員 おっしゃるとおり、この海域の漁業というものは許可漁業並びに自由漁業でございます。最初に申し上げました公共用地の取得に伴う損失補償基準の中には、漁業権漁業のほかに、許可漁業とか自由漁業であっても、漁場において反復継続して営んでいることなど、当該漁業の利益が社会通念上権利と認められる程度にまで成熟しているものについては補償の対象とするということになっておりまして、今回の許可漁業あるいは自由漁業につきましても、補償の対象になるというふうに考えております。
○河村委員 漁民の同意がなければ、埋め立て免許の申請を出しても大阪府で認可をしないと大阪府知事が言っておるというのは事実ですか。
○山田(隆)政府委員 まず、漁業権者の同意がなければ埋め立ての申請ができないかどうかということでございますけれども、一応法律的には必ずしもその同意は要件にはならないかと思います。 ただ、これまで行政指導としては、漁業権者あるいは許可漁業者を含めまして申し上げるわけでございますけれども、補償対象となる漁業者の同意を得てやっているというのが今までの経緯でございます。 それから、ただいま御質問のございました、大阪府知事が同意がなければ埋め立て免許をしないと言っているということにつきましては、私どもそういうことを聞いてはおりませんけれども、ただ、今まで会社側といたしましても、関係の漁業者に対しましては、同意を得てこの事業に取りかかりたいという姿勢で臨んでおります。
○河村委員 聞くところによると、漁連側は三百七十二億というのを主張しているそうですが、その算定の根拠は、依存率が三〇%、これはちょっと信じられませんね。それから収益率が六〇%。まさかこんなものをのむわけじゃないと思うけれども、この主張についてはあなた方はどう思いますか。
○山田(隆)政府委員 先生おっしゃいましたとおり、漁業組合側の要求は三百七十二・六億円というふうに聞いております。ただ、このうち一番大きな違いと申しますのが、純粋の漁業補償でなくて、工事をいたします場合に土運船等による被害が出るおそれがございます。この被害補償として漁業組合側は七十二億円ということを言っております。 一方、会社側は、土運船とか作業船等によってもし被害が生じた場合には、それぞれのその被害を生じさせた事業主体が補償すべきであるという基本的な考え方に立っておりまして、会社としてはそういう心配があるかもしれないということで心配料というようなことで三億円だけ計上しておる、ここが大きな違いでございます。 それから、ただいまおっしゃられました収益率等につきましては、確かに漁業組合側の主張というのはかなり高い数字を示しておりまして、会社といたしましては、これまで精いっぱい、いろいろな事情を勘案いたしまして、先ほど申し上げました二百五億というような数字を出しておるわけでございまして、この金額を基準にしてあくまでも交渉に臨みたい、かように考えております。
○河村委員 土地の場合には土地収用法のようなものがありますね。こういう海についてはそういうものはないのですか。
○山田(隆)政府委員 許可漁業につきましてはそのようなものはございません。
○河村委員 同時に、埋め立てをしてはいけないという法律的な条件もないのでしょう。どうなんですか。
○山田(隆)政府委員 埋め立てをやってはいけないという法律的な規定はないと思っております。ただ、実際の問題として、これまですべての埋め立てにつきまして、許可漁業も含めて漁業者の同意を得ておりますし、また実際に同意を得ないで仮に工事をした場合に、相当混乱を生ずるおそれがございますので、私どもとしては、やはり同意を得てやっていくべきである、かように考えております。
○河村委員 例えば内金を払っておいて、それであとは実際とれだけ収益があるかというのは、これは税務署で調べればすぐわかるわけですね。こんなに収益があるはずのものではないと私は思うので、そういう方法をとってやるということは考えられないのですか。
○山田(隆)政府委員 今おっしゃられましたような一応ある程度の金額を一たん払っておいて、あと実際に被害があった場合に精算をするというような方法も一つの考え方としてはあり得るのではなかろうかと考えます。
○河村委員 具体的にそういう方法を考えているというわけではなくて、ただ考え得るというだけですか。これから一体どういう交渉をやるつもりですか。
○山田(隆)政府委員 やはり交渉は相手のあることでございますので、相手とこれから話し合いをいたしまして、今先生おっしゃられた方法で相手の理解が得られる場合には、こういうことは当然考えられる、かように考えております。
○河村委員 大臣、今お聞きのようなことで、漁業補償というのは、原子力船「むつ」の例などもあって、何回も言うように、全然基礎も何もないようなお金が振りまかれる例もあって悪くしていることは確かでありますけれども、しかし、こういう例をつくりますと、ほかに影響するのですよ、海だけではなくて陸にも。ごね得の例をつくると、それは公共用地の取得は大変ですよ。ですから、会社のことだと言うけれども、しかし、これは運輸省が全然知らぬで会社がやっているはずがないと僕は思う。必ず一々相談に来てやっているに相違ないのです。民間も参加しているけれども、国費でしょう。国のお金だととかく気楽にがさ上げをしたりするけれども、それじゃいけないので、大事な時期に差しかかっていますから、ひとつ自分の目で見て、自分の頭で判断をしてやってください。いかがですか。
○三塚国務大臣 基本的におっしゃるとおりであります。二百五億最終的に提示に相なったわけでございますが、今航空局長と河村先生のやりとりの中で、それなりの理屈で積み上げて、これが精いっぱいです、こういうことのようですし、私も竹内社長から、これが精いっぱいで、これ以上到底出せるものではありません、これですべてを勘案をしてぜひスムーズに物事を進めたい、こういうことであります。 こういうことでありますと、漁連の要求と差が余りにもあり過ぎるわけてありますが、本件が解決されませんければ前に進まないわけであります。そういう意味で、私も重大な関心を持っておりますし、来週にでも大阪の知事さんに東京においでをいただきまして、本問題について自治体として、また誘致に主導的な府県として、泉州沖空港建設について主体的な役割を大阪の知事が果たしてこられたわけでありますから、率直な話し合いをして、ぜひ御努力をいただかなければならぬだろうと思っております。国会が、予算委員会、運輸委員会というように、このように開かれておりますからなかなか日程がとれず大阪に参れませんけれども、来週来ていただく。その後、目で確かめろということであるわけですから、機会を見て大阪に行くなりしまして、やはりこういうことが整然と、国民の目から見ても、なるほどこの要求は正解である、こういうことで行われてまいりませんと、すべての公共事業がこういう問題でお互いが期待可能性のようなことでずるずると行くことは決してよいことではない、こう思っておりますので、拳々服膺してひとつ取り進めさせていただきます。
○河村委員 ひとつ頑張って合理的な、後へ悔いを残さないような結末をつけてください。お願いをします。 次に、ユナイテッド航空乗り入れ後の状況と、これからの日米航空交渉のことをちょっと伺います。 ユナイテッド航空の日本乗り入れについては、筋違いの圧力がかかってああいう結末になって、運輸大臣も不本意なところがあるだろうと思いますが、しかし、これは時間もありませんし、私説をここで今議論しても仕方がありません。一体こうして乗り入れを拒否、拒否でもないけれども、条件をつけて交渉していた我が方の主張の根拠、向こうの乗り入れられるんだという根拠、これは航空協定上一体どういうことなんですか。
○仲田政府委員 ユナイテッド航空の方の乗り入れられるという根拠、向こうが主張いたしました条約上の根拠を申し上げますと、それは、終戦後早々パンアメリカン航空が、御承知のように既に日本とアメリカの間をやっていたわけでございます。このパンアメリカン航空が持っている権益、日本まで今まで三十三便やっておりまして、さらに以遠の都市にも相当の便数を飛ばしておりましたが、この権益をそのまま承継したいということで、私法上の取引としてパンアメリカンの路線をユナイテッド航空が買収をしたわけでございます。これ自身は何ら行政上の行為があったわけではございませんが、そういう事実をもとにいたしまして、アメリカの運輸省に申請をし、パンアメリカン航空の権益、路線を私は取得したから、これを認めてほしいということを申し出まして、それが昨年の暮れ近く、最終的には米国の大統領の許可によりまして、アメリカの行政当局によって認められたということでございます。これが日米航空協定上どうなるかという一つの評価と申しますか、解釈がございます。アメリカが主張いたしましたのは、パンアメリカン航空が当然の権利として持っていたものだから、それを拡張するというわけでもないし、また新たなものをつけ加えるというものでもないので、これを権利としてそのままユナイテッド航空に受け継ぐのである、したがって航空協定上は問題がないというのが向こうの主張でございました。 私どものこれに対する考え方と申しますのは、そうはいいましても、ユナイテッド航空はおよそパンアメリカンの倍近くの規模がございます。それから国内におきましても、非常に張りめぐらされた航空網というものを持っております。こういうような事態に着目いたしまして、単に承継というだけでは、これはそのままオーケーをするわけにはいかない。それの実態的関係、今までもユナイテッド航空は国内の非常に強大な航空網を利用してダンピングをするとか、それに近いような運賃を導入する、そういうような動きがございましたので、その辺はこれからどういうような姿勢で営業を行うのか、またこれが航空協定上日本の、相手国の航空企業に対して不当な影響を与えてはならないということが明文をもって規定されておりますので、ユナイテッド航空が入ってきたということを仮定した場合、そういう条文に違反しないかどうか、こういう面の事実的な確認の問題がございました。もしもそういうようなおそれがあるものならば、それなりの措置をとり、両方の合意によってこれを処置したいということが我々の基本的な態度であったわけでございます。 しかしながら、この交渉におきましては、このユナイテッド航空の個別的な問題だけではございませんで、それ以外、従来私どもがアメリカに対して主張してまいりました日米間の航空権益の不均衡の問題、これを基礎といたしまして、具体的な問題といたしましては、先般免許をアメリカからもらいましたけれども、六便という便数制限をつけられたNCAの運航制限の解除、さらにはシカゴへの貨物便の日本側からの乗り入れ、また以遠権における不平等の是正、こういうようなことをあわせてこの際に相手との交渉の場に乗っけた、そういうことでございます。
○河村委員 向こうの根拠も薄弱かもしれないけれども、こっちの主張も余り条約的な根拠はないということなんですね。だから、結末は仕方がないけれども、実際、その後ユナイテッド航空が就航して以後の便数その他の状況というのはどういうふうになっていますか。
○仲田政府委員 ユナイテッド航空は二月十二日に就航いたしましたが、便数の関係、若干詳しくなりますが、御説明申し上げますと……(河村委員「簡単でいいです、時間がないから」と呼ぶ)簡単でよろしいですか。――日米間で五十三便就航いたしております。これはパンアメリカンが三十三便でございましたが、機材が小さい機材を使っておりますので、輸送力としては大体四%の増と考えていただいていいと思います。 それから、以遠区間につきましては二十五便、東京から八都市に抜けております。二十五便はパンアメリカンの就航していたのと同数でございます。輸送力で申しますと、約二六%の減と考えていただいてよろしいかと思います。営業成績につきましては、まだ入ったばかりでございますので、今のところまだ十分な把握をしておりません。
○河村委員 この乗り入れを認める際に、今後の日米航空交渉についての合意がなされたと聞いておりますが、その内容はどういうことですか。
○仲田政府委員 この乗り入れに関連いたしまして、今後の日米間の包括的な問題を協議するという約束を米側はいたしました。日取りといたしましては、三月三日の週より始めて本年中に合意に達するように双方が努力する。この場におきまして、私どもは日米の総合的な不均衡の是正に向けて強く主張をしていきたいと考えております。
○河村委員 米側がそういう日程つきの交渉に応じるようになったというのは、ちょうど日ソ交渉みたいな話になるけれども、不平等関係ありということは向こうが認めた、そういうことになるのですか。
○仲田政府委員 米側は、これは御承知のとおり、今まで日米間には不均衡はないという立場をとっております。したがいまして、これは不均衡があるというのを認めたわけではございませんが、米側としても、やはり日米航空関係の中で、また新しい動き、新しい要求というものを考えております。そういうものを一つのテーブルに乗っけて日本と相談しようということでございますから、お互いのこれからの要求をぶつけ合い、そこで妥協するということをねらったのでございまして、必ずしも不平等の存在を認めたということではございません。
○河村委員 今まで以遠権、それから乗り入れ地点について非常な不平等があるということをたびたび聞いておるのですけれども、実際当たってみますと、以遠権といっても、アメリカの方は日本経由で台湾へ行ったり中国へ行ったり、近所にいっぱいありますから利益が大いにあるけれども、日本の場合はアメリカ経由でヨーロッパへ行くといっても、これは権利を持っておっても棄権をしておるし、南米はそれほどの魅力がないということになりますと、不平等かもしれないけれども、実質的には存外それほどでもない。 それから、乗り入れ地点も、乗り入れ地点を当たってみると、これから向こうに乗り入れしたいというのは、そう幾つもどうもありそうにない。だから余り不平等の観念論をやっても仕方がないので、もうちょっとこれとこれだけ片づけばいいというようなところを見定めて、それで交渉をして、交渉をしたからには、これはもう断じて譲らぬという方がはるかに実質的な解決になりそうな感じがいたしますが、いかがです。
○仲田政府委員 航空交渉をやります際に、その基礎的な理論的な面、私どもは日米間で不平等はあるという立場をとっておりますが、そういう面を非常に強く主張し、それに回執するということは非常に大切でございます。 また同時に、河村先生御指摘のように、一体何が本当に欲しいのか、こっちが欲しいのか、また向こうが欲しいのか、それがこちらにこたえるのか、そういう冷静なまた一つの評価なり判断も必要かと思います。私どもは、現実にはその両方の面を使い分けながら、昨年の四月に合意をいたしました暫定合意と申しますのも、向こうも三路線くらい開きたい、日本の方もこれからのアメリカとの競争に当たっては、単数制に閉じ込められていたのではうまくいかないんじゃなかろうか、こういうような両方の考え方を一緒にいたしまして、ああいうような具体的な新路線三路線の開設ということが決まったものでございまして、いろいろ交渉でございますので、その面は使い分けながらやっていきたいと考えております。
○河村委員 かつて英国がアメリカに対して交渉がなかなか進行しなくて、決裂して航空協定を破棄したことがありますね。あれの結末はどうなりました。
○仲田政府委員 かなり前のことでございますが、もう本当に航空協定の効力がなくなるその日まで航空交渉が続きまして、それでいわゆるバーミューダⅡというのができて、これは極めて理論的な面は両方ともさておき、原則の問題は解決をつけずに、その両方の実際的な面だけをどことどこの路線を開設したいか、何社にしたいか、輸送力に対してはどういう規制をやるかというようなものを現実的な妥協の中で一つの新しい協定をつくった、そういうふうに理解をいたしております。
○河村委員 そうすると、破棄しておいて交渉して大体その目的を達した、こういうことですね。どうです、大臣、日本もその手をやってみたら。
○三塚国務大臣 大変ユニークな提案でありますが、今仲田局長が言われましたとおり、三月上旬、包括交渉に入ります。今度の交渉の最大の項目はNCAを六便を九便にまずしていただく、こういうことで全力投球をすることにいたしておりますし、今回のUAの乗り入れについての最終協定をいたしましたのも、その確たる感触を持って、時間的なタイムラグはございますけれども本件に臨む、こういうことで取り進んでおりますので、そこをもう少しお見守りをいただきたい、こう思っております。
○河村委員 自分の都合でこれでやめますが、一つこの航空交渉で気に食わないのは、アメリカは貿易関係では日本の市場開放、自由化をもっぱら要求しておいて、この空に関する限りは向こうが猛烈に閉鎖的なんですね。だから、それにもかかわらず貿易摩擦の関係の取引でのまされる、ユナイテッド航空の乗り入れをのまされたというのは、本当はまことにつじつまが合わないんでよくないことだと思いますが、まあしかしそういう時勢でもあるんで、日本の立場も非常に強く出ていいはずでありますから、ひとつ新大臣に馬力をかけてやってほしい、最後にお願いをしておきます。 これで終わります。
○三塚国務大臣 最後に河村先生に決意を申し上げておきます。 まさにアメリカだからといって要求されることを一々のんでおりましたのでは、我が国は独立国ではございません。全く御案内のとおりであります。よって、三月上旬に始まる包括交渉のNCAの要求は最小限でありますから、これはしかと確保してまいらなければなりませんし、そういう点で私は不退転の決意を持っておりますので、それがのんでもらえぬというのであれば、日米対等、パートナーシップなどというものはあり得ない。私は運輸大臣としてそういう決意で臨む、こういうことであります。
○鹿野委員長代理 次回は、来る二十六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十分散会