P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
103回国会参議院1985/11/14

法務委員会 第1号

発言数
12
登壇者
4
会派数
3
開催日
1985/11/14

会議録

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る六月二十四日、小山一平君及び大川清幸君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君及び私、二宮文造が選任されました。  また本日、石本茂君、河本嘉久蔵君及び安井謙君が委員を辞任され、その補欠として竹山裕君、松岡満寿男君及び出口廣光君が選任されました。     —————————————

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) 議事に先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げます。  二宮でございます。去る六月二十四日、法務委員長に選任されて以来、皆様にはごあいさつを申し上げる機会も得られず、大変恐縮に存じております。微力ではございますけれども、理事、委員の皆様方の御協力をいただきまして、また御指導をいただきまして委員長の職責を全うしてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)     —————————————

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきまして、検察及び裁判の運営等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) 去る九月三十日から十月三日まで当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。  それでは、御報告を願います。寺田熊雄君。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 去る九月三十日から十月三日までの四日間、二宮文造委員長、小島静馬理事、飯田忠雄理事、橋本教委員、柳澤錬造委員、中山千夏委員と私、寺田熊雄の七名は、検察及び裁判の運営等に関する調査の一環として、最近における司法行政及び法務行政に関する実情等につき調査のため、宮城県、山形県及び福島県の東北三県に行ってまいりました。  派遣日程の第一日目は、仙台高等裁判所において、仙台高等裁判所、仙台高等検察庁、仙台地方裁判所、仙台家庭裁判所、仙台地方検察庁、仙台法務局、仙台矯正管区、東北地方更生保護委員会及び仙台入国管理局の各機関から管内概況につき説明を聞き、懇談を行い、第二日目は、宮城刑務所及び仙台拘置支所の実情を視察し、第三日目は、山形地方裁判所において、山形地方裁判所、山形家庭裁判所、山形地方検察庁、山形地方法務局、山形刑務所、山形少年鑑別所及び山形保護観察所の各機関から管内概況につき説明を聞き、懇談を行った後、山形刑務所の実情を視察し、最終日の第四日目は、福島家庭裁判所において、福島地方裁判所、福島家庭裁判所、福島地方検察庁、福島地方法務局、福島刑務所、福島少年鑑別所及び福島保護観察所の各機関から管内概況につき説明を聞き、懇談を行った次第であります。  今回の委員派遣におきましては、第一に司法行政及び法務行政に関する管内概況、第二に裁判所及び法務省関係の庁舎施設及び宿舎の営繕状況、第三に委員会に対する要望事項及びその他参考になる事項を主要な調査項目とするものであり、以下その概要を御報告いたします。  まず第一に、司法行政及び法務行政に関する管内概況についてであります。  裁判所関係では、仙台高等裁判所においては昭和五十七年から同五十九年までの三年間の民事・行政事件の処理状況は、新受件数、既済件数ともに漸増の傾向にあり、また同高等裁判所管内の地方裁判所及び簡易裁判所の民事・行政事件、家庭裁判所の家事審判事件については、昭和五十八年度に地方裁判所の訴訟事件の事物管轄が改正された影響が出てまいりまして、簡易裁判所の訴訟事件数の増大が特徴的であります。一方、刑事事件につきましては、仙台高等裁判所及びその管内の地方裁判所、簡易裁判所の事件数及び家庭裁判所の少年事件数は、新受、既済とも多少の増減はあるものの、横ばいの状態であります。  次に、検察庁関係につきましては、仙台、山形、福島各地検等仙台高等検察庁管内における昭和五十七年度から五十九年度にかけての被疑者の受理件数は年間約三十万件から三十三万件を上下しており、このうち不起訴件数は二万件から二万五千件の間であります。起訴件数のうち公判請求は昭和五十七年度が九千四百件であり、それが五十九年度には九千九百件となり、また略式命令請求も十五万件から十七万件に迫る状況であり、他は未済であります。  次に、法務局関係でありますが、今回の委員派遣において調査の対象となった仙台法務局、山形地方法務局、福島地方法務局についてほぼ共通して問題となっている点は、登記事務関係における登記事件数が依然として高水準にあり、しかも高度な専門的知識を必要とする困難な事件の増加であります。これに対して登記事務に従事する職員の事務負担は限界を超え、このままの事態が経過するときには国民の信頼と行政需要にこたえることが困難となり、このことは不動産取引面においても公共事業の推進の面においても支障を来すばかりでなく、職員の健康管理上からも憂慮すべき状態であるとの説明がありました。このため、登記の事務量に見合う増員の措置をとることが急務であると考えられるのでありますが、本年七月一日から登記特別会計が導入されたことなどを契機として、当面は各登記所において登記事務処理体制の充実整備を図り、行政サービスの向上に並み並みならぬ努力が続けられている現状を認識させられた次第であります。  また、人権擁護関係におきましては、現在の複雑な世相を反映して、人権侵犯事件、人権相談事件が増加し、特に児童生徒間のいじめの問題は、法務局においても重要な人権事件として取り組み中であります。  次に、矯正施設関係でありますが、各刑務所ともに、それぞれ施設の運営方針を定め、これに基づき刑務作業及び被収容者の教育等を行っております。  宮城刑務所の施設運営方針には、綱紀の振粛、環境の整備、規律の厳正、作業の充実が掲げられ、山形刑務所では、処遇の充実として被収容者の処遇の個別化、職業訓練の充実、開放的処遇の充実、更生に資する処遇の開発導入を掲げ、福島刑務所では、厳正な規律秩序の維持、刑務作業協力事業部作業の充実向上等を掲げて、被収容者の社会復帰のための矯正教育が行われているのでありますが、被収容者の中には暴力団組員や覚せい剤・麻薬患者等が相当数を占めており、これらの者の改善更生は困難を極め、このため刑務所職員の日々の勤務は多大な負担を強いられているのが現状であります。  次に、地方更生保護委員会関係でありますが、同委員会の権限及び主要な所掌事務といたしましては、仮出獄及び仮出場の許可並びに仮出獄の取り消し、少年院からの仮退院及び退院の許可、仮出獄中の者の保護観察の停止並びに保護観察の停止の取り消し及び解除、刑の執行猶予中の者の保護観察の仮解除及び仮解除の取り消し等に加えて、管内の保護観察所事務の監督、保護司、更生保護会の監督等があります。  特に東北地方更生保護委員会の管内の保護観察事件の状況を申し上げますと、保護観察は一部の事件については専ら保護観察官が直接これに当たっておりますが、一般には保護観察官と保護司の協働態勢によって実施されており、協働態勢による保護観察は、開始当初保護観察官が本人に面接し、その生活歴、資質、環境等に関する諸要素を基礎に処遇方針を立て、保護司がこれに基づいて本人と適当な接触を保ちつつ指導監督と補導援護を継続し、保護観察官は保護司の報告等に基づいて、定期的または必要に応じ保護観察所に本人等の出頭を求め、あるいは現地に赴く尊して直接的に指導助言等に当たっております。  近時、保護観察事件は複雑多様化し、処遇困難な事案が多く、例えば山形保護観察所管内の保護観察官の一人当たりの担当事件数は約百四十件にも上っており、このため保護観察官の士気高揚及び処遇能力の向上がより一層必要であって、当保護観察所は月一回のケースカンファレンスのほかにも随時ケースカンファレンス等を行い、専門官としての積極的な意欲向上、適正かつ効果的な処遇のあり方についての研究を行っている現状であります。  以上の保護観察官に対する民間側の協力体制として、保護司及び更生保護会、連絡助成更生保護会、BBS会、更生保護婦人会等の各組織があり、保護対象者の更生援助、地域における非行・犯罪防止活動、更生保護会収容者に対する慰問、激励等に多大の御努力がなされておるのであります。  第二に、裁判所及び法務省関係の庁舎施設及び宿舎の営繕状況について申し上げます。  まず庁舎施設の営繕状況でありますが、裁判所及び検察庁の庁舎施設については逐次整備されてきており、さしあたって問題はないと思われますが、仙台法務局、山形地方法務局、福島地方法務局に共通して見られますことは、登記事件数の増大に伴う登記申請、閲覧等のための登記所利用者の激増、登記簿等関係簿冊の急増及び能率器具等の導入により、当局管内、出張所の事務室、車庫の狭隘化が問題となっております。  同様の問題は、東北地方更生保護委員会管内の更生保護官署の庁舎におきましても、取り扱い事件数の増加等に伴い、職員の増員配置による庁舎の狭隘化があり、この問題は行政執務能率を減退させ、国民に対する行政サービスの低下を来すものでありますから、その早急な改善が望まれるわけであります。  次に宿舎の営繕状況でありますが、特に山形地方法務局及び福島地方法務局の宿舎整備について問題があるように思われます。  山形の場合で申しますと、職員数に比較して宿舎戸数が少ないため、宿舎割り当てを受けられない職員は高額な家賃を支払い、また遠距離通勤を余儀なくされており、これは職員の経済的生活を圧迫しているばかりではなく、地方法務局全般の人事異動の円滑な遂行をも妨げているのが現状であります。  また、福島の場合は、奥会津及び浜通り地方のいわゆる僻地所在の出張所に勤務する職員のための宿舎の確保に苦慮している状況であります。  第三は、本委員会に対する要望事項及びその他参考になる事項についてでありますが、裁判所、検察庁、矯正管区、刑務所及び入国管理局等からは特段の要望事項はありませんでした。  一方、仙台法務局、山形地方法務局、福島地方法務局及び東北地方更正保護委員会からはもろもろの要望事項が出されております。それらをまとめてみますと、一、登記事務量の増大に対処する事務の改善、機械化は限界に来ており、このための法務局職員の増員の必要性、二、登記簿冊等関係簿冊の急増及び能率器具等の導入により狭隘化した庁舎施設の整備拡充、三、登記所職員の健康管理、事務能率向上、国民へのサービス向上のため庁舎への冷暖房設備及び融雪装置の整備充実、四、遠隔地の職員のための宿舎確保、五、庁舎の老朽狭隘化の解消を挙げることができます。  さて、以上今回の視察の概要を申し上げましたが、私ども親しく現地に臨み、関係部局の職員が法の維持、正義の実現のために日夜多大の御苦労を重ねておられることを改めて痛感した次第であります。なかんずく矯正関係の第一線の職務に携わっておられる方々には、さまざまな問題を抱えた受刑者等を対象に使命感を持って事に当たっておられるわけでありまして、厳正な規律が要求される職場であらゆる事態に対処すべく不断に心身を鍛錬されるとともに、受刑者等に人格的な働きかけをもってしてでもその改善更生、社会復帰を達成しようと、地道にかつ真摯に精励されている姿を見て、一同ひとしく感銘を深くした次第であります。  以上の派遣報告の詳細につきましては、本会議録末尾掲載方を委員長にお取り計らいくださいますようお願いいたしまして報告といたします。

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) どうもありがとうございました。  ただいまの報告に関し、法務省及び最高裁判所側から発言を求められておりますので、これを許します、嶋崎法務大臣。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議法務大臣

○国務大臣(嶋崎均君) 委員の各位には平素から法務行政の運営につき格別の御尽力をいただき、まことに感謝を申し上げておる次第でございます。  このたびは宮城県外三県の法務省所轄各所を御視察いただき、ただいま寺田委員からその結果についての御報告を拝聴いたしました次第でございます。その中で特に法務省職員に対する温かい御理解と激励の言葉をいただきまして、心からありがたく存ずる次第でございます。私も、御報告された種々の問題につきましてはある程度承知をしているところであります。今後とも必要な措置を講じてまいりたいと、こう考えておるような次第でございます。御承知のように、来年度の予算の編成も極めて厳しい情勢の中にあるわけでありますが、ただいま御指摘をいただきましたいろんな問題点、特に施設の充実とかあるいは増員といったような問題につきましても、今後できる限りの工夫、努力を重ねましてその実現に向けて努力してまいる所存でありますので、引き続き御協力と御支援を心からお願いを申し上げる次第でございます。  ありがとうございました。

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) 山口最高裁判所事務総局総務局長。

山口繁最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(山口繁君) 法務委員会の皆様方には平素裁判所の実情につきまして深い御理解をいただいておりまして、ありがたく存じております。このたびは親しく仙台、福島、山形の裁判所を御視察いただきまして、まことに御苦労さまに存じております。  ただいまは寺田委員から詳細な御報告と種々の御指摘をいただきまして、私ども十分承らせていただいた次第でございます。御指摘にございましたように、これらの裁判所にありましては、事件の増加する中で、裁判官を初め職員一同、適正迅速な裁判の実現のため努めてまいっているところでございます。私ども司法行政の衝に当たる者といたしましては、今後御指摘の点も含めまして地元の実情を十分把握し、裁判事務の一層の円滑な運営ができますように努めてまいりたいと考えている次第でございます。今後とも一層の御理解をお願い申し上げます。     —————————————

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) お諮りいたします。  ただいまの寺田君による口頭報告のほか、別途詳細な文書報告が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二宮文造公明党・国民会議

○委員長(二宮文造君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗