文教委員会 第1号
- 発言数
- 244 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/11/21
会議録
○委員長(林寛子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十八日、小西博行君が委員を辞任され、その補欠として関嘉彦君が選任されました。 —————————————
○委員長(林寛子君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会におきましては、今期国会開会中、教育、文化及び学術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林寛子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(林寛子君) それでは、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。 先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。 まず、新潟班から御報告を願います。柳川君。
○柳川覺治君 去る十月二日から四日までの三日間、私ども第一班は新潟県に派遣されましたので、その調査結果の概要を御報告申し上げます。 第一班の派遣委員は、林寛子委員長、粕谷照美理事、世耕政隆委員、久保亘委員、高桑栄松委員と私、柳川覺治でございます。 まず一日目は、長岡技術科学大学を訪問し、齋藤進六学長からこの大学についての概況説明を受けた後、粒子ビーム工学センター技術開発センター等の施設を視察いたしました。御承知のようにこの大学は、実践的な技術の開発のための教育研究を主眼とし、高等専門学校の卒業者を多く受け入れ、大学院教育に重点を置く工学系の大学であります。したがいましてこのような設置目的を達成するため、大学と産業界が協力し合う教育研究体制、すなわち「産学協同システム」がこの大学の大きな特色となっております。この産学協同研究を担当していますのが、さきに挙げました同大学の技術開発センターであります。同センターは設置されてから四年目を迎えていますが、その間三つの産学協同プロジェクトを成功させ、そのうちの二つが企業で実用化されるに至っているということであります。特に東洋曹達工業と共同で開発した「モザイク荷電膜」は世界的に注目される業績とのことであります。目下進行中のプロジェクトは九つを数えております。学長によれば、欧米諸国ではこのような産学協同研究はかなり一般化しているが、我が国ではやっと緒についたばかりである。我が国で産学官の協力という場合、官、すなわち行政側の対応がおくれがちであるように思われる。したがって政治、すなわち国会から行政へぜひ積極的な働きかけを行ってほしい、当面特に必要なことは人物交流の促進であるということでありました。 次に上越市に向かい、同じく新構想大学の一つである上越教育大学を訪ねました。ここでは辰野千壽学長から同大学の概況について説明を受けた後、図書館、大学会館等の学内施設を視察し、人文棟の屋上からキャンパスの全景を眺望しながら学生宿舎や体育施設について説明を受けました。本大学も創設間もない大学でありまして、本年三月に第一回の卒業生を送り出したばかりであります。学部は初等教員養成課程一つでありますが、本大学の主要な設置目的は小・中学校の現場の先生方に高度の学習と研究の機会を提供するということでありましたから、そのための課程として大学院が置かれています。大学院は二年の修士課程でありますが、昭和五十八年四月から学生を受け入れております。 このように新しい大学でありますので、幾つかの問題や課題があるとのことでございます。学長によりますと、問題の一つは、この大学は教師としての人間形成を特に重視するところから、初等教員養成課程の入学者の選抜につきましては、高校からの推薦者を優遇するということにし、入学定員二百人の四分の一に当たる五十人をそれに充てるようにしている。ところが高校が実際に推薦してくる者の多くは、大学が期待しているような質の高い学生ではなく、入学試験を受ければ落ちるぐらいの低いレベルの者が多い。なぜかというと、優秀な学生は入学試験で当然合格するので、その下のレベルの学生を推薦することによって、その高校の合格者数をふやし、評価を高めようとするからであります。これでは大学としても、高校に対して強い不信感を持たざるを得ないということであります。いま一つ重要な問題は、大学院の定員三百人のうち二百人を現場の教員で充てる構想が、現場からの志願者が少ないために十分に進展していないことであります。現在この二百人の定員の充足率は六、七割くらいということであります。理由として考えられますことは、現場の先生方に大学院の教育研究の意義がまだ十分にわかってもらえていないといったこともありますが、何といっても各都道府県の財政事情がよくないため、派遣する教員数が少ないことが一番大きな理由のようであるということでした。今後この点についての解決策、例えば自費入学者を休職扱いにするといったことも検討されてはどうかといった意見もあるとのことでありました。最後に学長は、同大学の今後の課題として、幼稚園・養護学校の設置と大学院博士課程の設置の二つを挙げ、私どもに協力を要請されました。 二日目は、まず新潟県庁において君健男知事と有磯邦男教育長より県勢と教育概況の説明があった後、要望を受けました。教育長の説明の中で挙げられました同県の教育の問題点の幾つかを簡単に御報告いたしておきたいと思います。 第一に、本県には僻地校が多く、本年五月一日現在小学校の三二%、中学校の一九%が僻地校に指定されているとのことであります。 第二に、学校施設の整備が立ちおくれており、昨年五月一日現在木造校舎の保有率が小学校で二四%、中学校で二八%と全国平均をかなり下回っているとのことです。 第三に、本県の高校、大学等への進学率は低く、高校は全国順位十三位の九四%になりましたが、大学等への進学率は全国順位四十六位の一九%にすぎない状況にあるとのことです。 第四に、高校卒業者の就職状況を見ますと、その三分の二が県内で就職しております。近年高速交通体系の整備によりましてIC関連産業等の進出が著しいので、高校における職業教育の見直しが要請されてきているとのことです。 第五に、全国的に問題となっています青少年非行、いじめ等は本県でも見られるところとなっています。最近の特徴としては、女子の性非行が特に高校生を中心に増加してきていること、登校拒否、いじめも徐々に顕在化してきたこと等が挙げられました。 県教育の問題点について以上のような指摘があった後、次のような要望がありました。 第一、公立学校施設整備事業の促進について当県は全国屈指の学校数を有し、かつその木造保有率が高いため、危険建物が多く、特に豪雪、過疎現象により、建物の耐雪化、適正規模を図る必要がある。 これら地域特性に対処しながら、教育水準の向上と施設整備を促進するため、公立学校施設整備事業を充実し、次の措置を講じられたい。 一、公立学校施設整備事業枠の確保 二、危険建物耐力度点数の引き上げ措置の制度化 三、大規模改修費補助制度の県立学校への適用 第二、国立少年自然の家の早期建設について中頸城郡妙高村大洞原地区に設置が決定されている「国立少年自然の家」を早期に建設されるよう格別の配慮をされたい。 要望の内容は以上であります。 次に県庁を辞した私どもは、進学指導とスポーツ等の部活動との両立て注目されています県立新潟南高等学校を訪問いたしました。校長から同校の教育の特色等についての説明を受けた後、校内施設、特にボクシング部の格技場や体育館等を中心に見学いたしました。 続いて明治六年創立の古い歴史を持つ新潟市立新潟小学校を訪問しました。まず校長の案内で授業参観を行い、その後新潟市教育長より市の教育概況について説明を受け、次いで私どもは二つのグループに分かれ、それぞれ二年と五年のクラスで子供たちと一緒に学校給食をごちそうになりました。 以上の視察を終えた後、佐渡へ向かいました。佐渡では史跡名勝等の文化財や天然記念物の保護の状況を中心に調査いたしました。 まず順徳天皇ゆかりの黒木御所跡を訪れ、国指定の重要文化財「木造聖観音立像」を見学しました。次いで国指定の史跡佐渡金山遺跡を訪ねました。 最終日の三日目は、佐渡国分寺跡、県指定の妙宣寺五重塔、県立トキ保護センター、本間家能舞台等の視察を行いました。全く駆け足の視察ではありましたが、佐渡には京都の古い文化と結びついた長い歴史があり、島という地理的条件も加わり、他所では見られないすぐれた文化財が多く残されています。今後ともその保護に努めることの必要性を改めて認識した次第であります。 以上が私ども新潟班の調査の概要であります。今回の調査結果が今後の本委員会の審議、ひいては国の諸施策に反映されることを願うとともに、この場をかりまして、視察先の関係者の方々に改めてお礼を申し上げます。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(林寛子君) ありがとうございました。 次に、山口班の御報告を願います。杉山君。
○杉山令肇君 去る十月二日から四日までの三日間、私ども第二班は山口県に派遣されましたので、その調査結果の概要を御報告申し上げます。 第二班の派遣委員は、吉川春子理事、仲川幸男委員、高木健太郎委員と私、杉山令肇でございます。 まず、調査いたしました施設等の概略について御説明いたします。 一日目は、山口県庁において、中村恒易副知事、高山治教育長等より県全般の教育行財政の状況と今後の施策について説明・要望を受けた後、「ルーベンス」展を開催している県立美術館を訪れ、日本初公開の絵画に魅了されるとともに、県民の美術への関心の高さに驚かされました。次にも利家を初めとする県内の古文書、県政発足以来の行政文書等の収集、保存、閲覧を行っている山口県文書館を視察し、文書館の設立経緯、役割及び資料の保存方法等について説明を受けましたが、保存中の古文書の傷みが進んでいるものの、予算の制約からその補修がなかなかはかどらない悩みが述べられました。最後に国宝に指定されている瑠璃光寺の五重塔を視察しました。 二日目は、明治維新の人材を多く輩出した地である萩市を訪れ、国の史跡である松下村塾、吉田松陰の幽囚の旧宅、新城跡、重要文化財の菊屋家住宅、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている堀内地区、我が国屈指の焼き物である萩焼窯元を視察し、文化財の保存状況等を調査してまいりました。次に開校百年の歴史を持つ萩市立明倫小学校を訪れました。本校は藩学明倫館の学風と吉田松陰の精神を取り入れた教育を特徴としておりますが、ちょうど吉田松陰の思想・活動を考察する授業を参観することができました。その後、ランチルームで生徒と共に学校給食を試食したほか、校内の史跡を視察してきました。次に訪れた精神薄弱児を対象とする山口大学教育学部附属養護学校では、入学希望者が年々増加してきていること、卒業生の職場開拓が難しいことなどの説明を受けました。次いで山口大学へ赴き、粟屋和彦学長より、地方における高等教育機関が果たす役割等の説明を受けた後、経済学部商品資料陳列室の商品資料を見学しましたが、その収蔵点数の多さと多種多様にわたっていることに目を見張りました。 最終日の三日目は、国の特別天然記念物に指定されている秋吉台と秋芳洞を、またその自然を多数の資料によって解説している秋芳町立秋吉台科学博物館を視察しましたが、私どもは偉大な自然の力にただただ驚嘆するばかりでありました。最後に普通・職業科連携校である県立宇部西高等学校を訪れ、LL教室での話学演習や造園施工実習を参観した後、セミナーハウスの利用状況などの説明を受けました。 以上、調査箇所の概略を申し上げましたが、次に現地で強調された問題、要望等について御報告申し上げます。 まず、山口県からは、六項目の要望等を受けました。 第一点は、私学助成についてであります。昭和五十八年度以降、私立高等学校等への国庫補助や地方交付税の財政措置が厳しくなったため、地方財政や私学の運営に重大な影響が生じているとのことであります。教育水準の向上、父母負担の軽減、学校経営の健全化のため、公費助成の充実強化に対する強い要望がありました。なお、本県は公立高校への進学志向が強い中で、二五・六%の生徒が私学へ通っていますが、昭和六十五年度以降の生徒急減期を迎えるに当たり、私学側より公私間の生徒収容比率の見直しが求められていて、これが今後の大きな問題であるという説明がありました。 第二点は、山口大学の整備充実についてであります。山口大学は、県内の高等教育機関の中核として、時代に対応する学術研究、技術者養成、地方文化の振興、地域の要請に応じた調査研究の推進などについて県民から強く期待されております。このため、大学院工学研究科博士課程の新設、工学部機械工学科及び生産機械工学科の改組、教育学部教育実践研究指導センターの設立、獣医学部及び法学部の設置並びに教育研究用施設設備の整備充実に対する要望がありました。なお、これらの要望事項は、山口大学の要望でもあるということでした。私どもも地方における大学が教育、学術及び文化の中心的役割を果たすことを考えると、今後一層の地方大学の整備充実を図る必要があると痛感いたしました。 第三点は、義務教育費国庫負担制度の堅持についてであります。義務教育費国庫負担制度が義務教育の無償の精神に基づく教育の機会均等とその水準の維持向上を図るために実施されたことを考えると、自治体の財政力により差がつくことは問題であるとの指摘がなされ、同制度の現行水準の堅持について要望がございました。 第四点は、学級編制及び教職員定数の改善についてであります。県内の少年非行は増加の傾向にあり、また中途退学者も漸増の傾向にあるとのことです。このため、これら学校教育をめぐる諸問題の解決には、学習指導、生徒指導等児童・生徒一人一人に対し、きめ細かな行き届いた指導を行うことが緊急の課題であるので、ぜひ義務教育諸学校の第五次学級編制及び教職員定数改善計画の早期実現と高等学校の第四次学級編制及び教職員定数改善計画の推進をお願いしたいとのことでした。 第五点は、公立文教施設等の整備促進についてであります。県内の小中学校における木造建物保有割合は全国比の二・五倍にも及び、そのうちの危険建物の保有割合も前年に比べ増加している状況であります。また、県立高等学校の校舎敷地は基準面積の約二分の一の充足率でしかなく、さらに今後の中学校卒業者の急激な増加に対応するため、施設設備の整備が急務であるとのことであります。このため、学校施設の木造危険建物改築基準点数の緩和措置の恒久化、高等学校新増設に対する補助制度の継続・拡充、小中学校用地取得費補助の継続・拡充を行うとともに、今後とも公立学校施設、社会教育施設、体育・スポーツ施設及び文化施設の整備促進に必要な国庫補助事業量を確保されたいとのことでありました。 第六点は、国立第十二少年自然の家の設置についてであります。県民の社会教育に対する要求は強く、県でも少年自然の家、青年の家及び野外活動センター等青少年教育施設の整備に積極的に取り組んでおりますが、いずれの施設も小規模であるため、県民の要求に必ずしも十分にこたえていないというのが現状であります。このため、これら施設の中枢的役割を果たす国立第十二少年自然の家の早期完成が必要であるということでした。 次に、山口県文書館からは文書館法の早期制定について要望がありました。欧米諸国を初め大多数の国々は文化施設の設立、運営のために、図書館法、博物館法及び文書館法を制定しておりますが、我が国では文書館法だけがまだ制定されておりません。現在、開館予定も含めて十六の県立文書館及び類似施設がありますが、各施設での貴重な資料の保存方法、運営等がまちまちであります。このため早期に法律を制定することにより、統一的な国の基準を定めるとともに、施設設備の充実、専門職員の養成と資質の向上等を図る必要があるとの説明を受けました。 最後に山口大学からは、昭和初期以来の歴史と実績を有する経済学部附属施設東亜経済研究所について、その資料を学内外の研究に広く利用できるよう内容を充実するため、独立した研究機関としての経済学部附属東亜経済文献資料センターに改組することを認められたいと要望されました。また、明治三十八年の山口高等商業学校の開学と同時に商品学の教育・研究用に収集を始め、その後年々整備を進めた七千点に及ぶ商品資料の現陳列室での収蔵展示は限界に達しており、さらに今後第二次大戦以降、特に高度成長期の商品資料の内容を飛躍的に充実する計画もあるので、別棟の商品館を建設してもらいたいと要望されました。 以上、現地で指摘された問題点や要望等について御報告をいたしましたが、この調査結果が、今後、本委員会の審議、ひいては国の諸施策に反映されることを切に願うとともに、この場をかりて視察先の関係者の方々に改めてお礼を申し上げます。 以上御報告申し上げます。
○委員長(林寛子君) ありがとうございました。 これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。 —————————————
○委員長(林寛子君) では、次に教育文化及び学術に関する調査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 まず登校拒否児と精神病院の問題について伺います。 去る十一月十日放送のTBSテレビ「報道特集登校拒否児をなぜ精神病院に」を私は見まして大変ショックを受けました。私は今精神障害者の人権問題を国会で集中的に取り上げていますだけに、大人の問題から子供の問題へと移りつつあるこの人権問題というようなことで本当に驚きました。 そこで、まず文部省に伺いますが、この登校拒否をしている児童生徒の人数ですが、これは五十年度から五十九年度までどのように数字であらわれていますか、報告していただきたい。
○政府委員(高石邦男君) これは昭和五十九年度の調査でございますが、学校嫌いを理由として通算五十日以上長期欠席した者の数は小学生三千九百七十七人、中学生二万六千二百十五人でございます。これに対して昭和五十年度では小学生二千八百三十人、中学生七千七百四人となっているわけでございます。
○本岡昭次君 大変な増加ぶりであります。大臣、よく聞いていただきたいと思うんですが、私は先日、東京世田谷区にある都立梅ケ丘精神病院を視察をしてきました一人であります。この病院は十八歳までの子供の精神病の専門病院であります。中学生や高校生で登校拒否をしている生徒が登校拒否症という精神症としての病名のもとに、二重三重にかぎのかかった厳重な閉鎖病棟に入院生活をしている様子を私は見てきました。この病院では、五十九年度に男子三十三人、女子十六人、計四十九人が入院をしています。その数は精神分裂病に次いで多い入院数であることに驚きました。外来の患者でも八十七人と他の症状よりも一番多く登校拒否の子供を扱っております。 それで私はこの病院長に登校拒否症とか登校拒否児の問題について一時間近くにわたって話し合いました。この病院長の話では次のようなことであります。この病院では昭和三十五年ごろから登校拒否児というのを私たちは診てきました。ところが、ここ十年、もう大変これがふえてきています。そしてこの登校拒否というのはどういうことか。これは学校へ行きたいが行けない子供のことであると。自分の意思でおれはきょうはサボるんだとかいう、私たちは昔そういうサボリというようなことをよくやりましたけれども、そういうことじゃなくて、行きたくて仕方がないんだけれども行けないという、広い意味でこれはノイローゼ。そして私たちは登校拒否症と名づけている一種の神経症というふうに見ているんだという。それでこの初期の登校拒否という行動は、子供が親や学校に助けてくれという救助信号を発しているというんですね。ところが、それを親や学校がこれを見過ごしてしまう。それがわからない。そしてだんだんとこの症状が悪くなっていくんだと言って顔を曇らせておられました。そしてその登校拒否症になる原因として、まず家庭では父親不在という状態がある。私なんかまさに子供にとっては父親不在の典型的な人間だと思うんですが、この父親がいても父親不在のような状態が今社会の中で蔓延しているわけです。それで学校はやっぱし基本的に問題があるとおっしゃっていました。それは今問題になっている学校における子供への締めつけ、それから体罰、こういうことがやはり大きな原因だとおっしゃっていました。しかし、こうした登校拒否症というのが出てくるのは日本とアメリカに特徴的な症状なようで、結局、社会のひずみが生み出す社会病ではないかというふうに結論づけられたんであります。 そこで、なぜ家庭が父親不在のような状態になるのか、それから、また、なぜ学校で子供への締めつけが強まり、連日新聞に出ているような体罰というふうなことがなくならないのかという社会的背景というものをはっきりとさした上で早急に学校の条件整備なりあるいは学校教育、社会教育、家庭教育といった一つの教育のトータルの分野の中で根本的な改善策を打ち出していかなければ、この登校拒否児をどんどんと精神病院に送り込まなければならないというふうなことが直れば大変だと、私はこの梅ケ丘病院を見て感じたんですがね、文部大臣、今の私の話を聞いてどういうふうにお感じになりましたか。
○国務大臣(松永光君) 登校拒否、いわゆる学校が嫌いになって学校に行かないようになった生徒の数、先ほど高石局長が言いましたように、中学生について言えば昭和五十年七千七百四名であったのが今日では中学生だけで二万六千二百十五、何と十年間に三・五倍にふえておるわけであります。その原因、その背景、これは種々さまざまなものがあろうと思いますけれども、今、先生御指摘の父親不在の家庭の問題に象徴されるような、幼児期からの子供の養育がどういうふうになされたかということも一つの問題点であろうと思います。もちろん学校において、教師による体罰等が行われて、それが原因であるとするならば、これは学校の教師の側の大きな責任であるわけでありまして、学校というところで体罰が許されてはならぬところであります。 ただ、学校の場合に規律等がやや厳しくなってきている学校もありますけれども、個々の学校について言えば、どうも学校の中の規律が弛緩をして、そして学校の教育の場にふさわしいような条件がなかなかそろわない。それをどう解決するかということから、学校の先生たちがいろんなことを研究されて、やはり基本的な生活行動、態度、その他も、これはやはりある程度厳しくやらなければ学校の中の秩序が保てないというようなことから、学校の中の規律等を厳しくやってきた学校もあるようであります。学校においては、何も好きこのんでそういう厳しさをもってきたんじゃなくして、大体の場合の話でございますが、学校の中が整然たる授業ができない、こういったことを解決するための一つの方法として規律等を厳しくしたという学校もあるようであります。 いずれにせよ登校拒否の中学生が十年間に三・五倍にもなったというのはゆゆしき問題であると思いますので、その原因、背景等をさらに詳細に調査をし、その対応策を考えて、速やかにこうした問題の解決に十分な力を注いでいかにゃならぬというふうに考えておるところでございます。
○本岡昭次君 今、大臣の答弁にあった、学校における厳しさ、厳しい教育ということが一体何なのかということは、また別の機会に私は学校の現場の実態に基づいてまたひとつ議論をさしていただきます。 きょうはもっと具体的な問題でひとつ論議をしてみたいと思います。先ほど言いましたように、TBSの「報道特集」にも関連させながら具体的な問題を四つ出してみます。 まず、中学三年の少女Aさんの事例です。このAさんは、卒業式の一週間前に両親が学校に呼び出されて、あなたの子供は卒業式に来て暴れるといけないから精神病院に入れてくれというふうに校長が申し渡したというんです。両親は困惑しました。それはそうでしょう、びっくりしますよね。それでも校長の言うことだからと言って学校の紹介した精神病院にこのAさんを連れて行く。Aさんは卒業式に出たいと院長に頼んだが、院長はだめだと言って拒否する。そうすると、当然学校へ行かしてくれと言ってその病院の中で暴れる。そうすると三人の看護士に押さえつけられて注射を打たれ、その上に懲罰として電気ショックというのをばっとかけられる。そういう状態になっている。卒業式が終わったら退院させられる。学校へ行けと言う。こういうことになればこの子供はまともに育ちませんわね。この子供はおかげで大変な非行に走るようになったと言われています。 そこで、文部省にお尋ねするんですが、このような保安処分のようなことをする権限が校長にあるのかどうか、まず伺います。
○政府委員(高石邦男君) 義務教育の小中学校の子供に対しては懲戒処分としての停学や退学はできないのでございます。ただし、一定の条件がある場合に、学校の秩序を維持し、他の児童生徒の教育を受ける権利を保障するため、当該児童生徒の出席停止を命ずることができるようになっているわけでございます。したがいまして、事例のようなケースが出席停止という形で行われておれば、教育委員会またはその委任を受けた校長の権限としてなし得るわけでございますが、そうでない懲戒処分的な形のものであればそれはできないのでございます。
○本岡昭次君 この場合はどうなりますか。
○政府委員(高石邦男君) テレビ報道の内容について具体的な内容を承知しておりませんので、この事件についてどうかという判断をここで申し上げることはできませんので、その事例についてもう少し我々も客観的な事実を調査した上でどうかという見解を固めなければならないと思っております。
○本岡昭次君 校長が両親を呼んで精神病院へ行けと、卒業式が済んだら出てこい。一体、精神病院を何と心得ておるかということに僕はなると思うんですよね。こういう認識、感覚、これは一般的に見て校長の判断として正しくないと言えるんじゃないですか。
○政府委員(高石邦男君) 先ほども申し上げましたように、テレビで報道された事実関係をもう少し客観的にとらえて判断をしないと、ただそこでのやりとり、いきさつだけでここで御返事申し上げるのは軽率かと思います。
○本岡昭次君 一例だけでやっていると時間がありませんから、全体をトータルでまた論議さしていただきます。 厚生省に伺いますが、精神病院がこのような予防拘禁のようなことをやってもいいのかということなんですね。そして病気でないわけですよ。卒業式のときに暴れたらいかぬから預かっておいてくれと。そういう子供を預かってそして電気ショックをかけてそして黙らせるというふうなことはどう考えてもわからない。私は精神病院というのはここまでおかしくなってしまったのかと、こう思うんですがね。私は今精神病院の改革のために一生懸命やっているんですが、どうですか、厚生省。
○説明員(小林秀資君) 精神病院は医療と保護のために入院の必要な精神障害者について医師の診断のもとに入院させる医療機関でありまして、精神衛生法上の精神障害者以外の方は決して強制的に入院されるものではないわけでございます。 今の事例ですと、当該生徒個人の入院時の症状等については承知しておりませんので、また医学的な判断でもありますのでコメントは差し控えさしていただきますけれども、一般的にいえば、精神障害者でない患者が閉鎖病棟への入院の必要性がないにもかかわらず医師が入院の判断を行うということは考えられないと、こう思っております。
○本岡昭次君 次に、中学二年生のB君の事例を申し上げます。 このB君は髪型をいろいろ変えたり個性的な生徒、学校の先ほどの規律とかということから絶えずはみ出していく生徒のようですね。私もはみ出した生徒のうちの一人だったんですが。ある日突然校長に学校に来なくてもいいと言われた、そして学校に来なくてもいいと言われたら、これは遊ばな仕方がないわけです。昼も夜も遊ぶ。そこで補導されたと。そして父親は困って警察の知人に相談したら、今のうちに精神病院へ入れて治した方がいいと、こうなるんです。そしてこのB君は精神病院に連れて行かれる。そこで何と三十日間も保護室へ入れられてしまった。保護室というのは皆さん実際見てこられたことのない人は的確な認識ができないと思うんですが、これは大変なところなんですね。こんなところに三日も入っておったらどうしようもなくなるところへ三十日間も、私はいろんなところの保護室を見てきましたけれども、入っている。 それで、文部省に伺いますけれども、B君のように校長が生徒の登校を拒否して、生徒が登校拒否症を起こしたんじゃないんですよ。校長が来るなと言って、そして精神病院に入院させられる。精神病院では当然その子供の勉強を、学習を保障するというふうな状態に一般のところありません。そうすると、このB君のような生徒の教育権保障ですね、これは一体どうなるんですかね。校長が一方的にこの子の教育権を奪ってしまうということをやっているんですが、先ほどあなたそういうことをやる権限は校長にはあるんだと、こういうふうな話でもありましたけれども、このB君のような場合、これを文部省どう考えますか。
○政府委員(高石邦男君) 具体的な事件についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますと、出席停止をするに当たりましては学校においてまず事前に十分な指導を行った上でこれを適用するということを指導しているわけでございます。しかも、その出席停止期間中も保護者と緊密な連携をとりながら児童、生徒の教育的な指導が行われるようにというような配慮を加えた上で出席停止の措置をとるようにという指導をしているわけでございます。したがいまして、学校ないしは教育委員会が子供の出席停止を行う場合には、先ほど申し上げたような慎重な対応の上で、しかも子供の教育についての配慮を十分加えた上で対応するようにという指導をしているわけでございます。
○本岡昭次君 これは当然ですね。だけれども、この子のように教育施設もない一般の大人の精神病院に入れられますと、そこはもう完全に遮断されてしまうんです。そして子供の人権問題、それから親といえども子供のそうした基本的な生きていく権利なり、あるいは子供が勉強する、学習する、教育を受ける権利を剥奪することはできない、こう思うんですが、もちろん文部省がその事例を詳しく調べた上ではないけれども、一般論としてこういうふうなことは普通はあり得ないことだと思うんですが、あなたどう思いますか。
○政府委員(高石邦男君) 出席停止の取り扱いについての指導通達も出しているわけでございまして、先ほど申し上げたような配慮を加えた上で出席停止の措置をとるようにという内容になっているわけでございます。したがいまして、一般論として申し上げれば、子供が親ないしは学校ないしは第三者機関の適切な管理下に置かれて出席停止の対応がとられていくことが適当であろうと思っております。
○本岡昭次君 もう少し的確に答えてほしいね。こういうことはあり得ないということですよ、あなたの今の答弁を別の角度から見れば。私もこんなことはあり得ないと思うんです。 それからもう一人、次の今度はC君の場合を言います。 この子供も登校拒否のことで学校に呼ばれてそれで学校へ行きますと、学校は教育センターへ相談に行けとこう言います。教育センターに相談に行きました。教育センターは精神病院に行って診てもらえとこう言う。それで病院に行ったところ、この精神科の医者が君は病気でないから全く入院の必要はないと言って断った。そして、その子供はまた教育センターに行って、私は病気でないから入院の必要はないと言われたと、こう言うと、今度は教育センターが、いや君は絶対入院すべきだと、こう言って今度は一緒についていって病院側を説得して、そして入院をさせてしまった、こう言うのですね、教育センターの職員がついていって。そして子供はショックを受けて自殺を図ったけれども、それは未遂に終わった。再びその子供は登校したけれども、学校も担任の教師も生徒もC君というのを、そういう状況が知れわたりますから、みんなが無視して申し合わせたように口もきかず、結局このC君は学校へ行く意欲を失ってしまって、登校拒否というふうな状態にまた入ってしまった、こういうことなんですが、文部省、この教育センターというのは精神病の診断ができるところですか、私はできないと思うんです。しかも教育センターの責任と権限においてこのようなことができるとすれば、子供の人権上これはゆゆしきことだと思うんですが、文部省の考えはいかがですか。
○政府委員(高石邦男君) 教育センターは都道府県または市町村に置かれているわけでございますが、その目的は教育内容の指導方法の研究や教員の研修または教育相談、こういうことをやるために置かれているわけでございます。したがいまして、それぞれの県、市町村によって内容が画一的でございませんのでいろいろ差があるわけでございます。例えば、いじめのような教育相談を受けるような窓口がある教育センターではそういうことが相談に対応できるような職員が配置されている場合もございましょうし、また、医学的な相談も受け入れるということであれば医者等をそこに配置する、いろんな形で教育センターの設置の形態はあるわけでございます。 したがいまして、一概にここまでが教育センターの仕事で、これ以上が教育センターの仕事でないということを断定することは非常に難しいわけでございます。 しかしながら、子供の登校拒否等の問題につきましては、まず学校が基本的に適切な対応をとることが必要でございますし、学校ないしは子供から相談を受けて、教育センターが一定の指導、助言、援助を行う場合にも、あくまで子供の立場に立って対応していくことが必要でございます。したがいまして、自分の判断で非常に難しい、もっと専門的な機関に相談して指導、助言を受けた方がいいというような場合にはそういう病院等への相談をアドバイスするということも一方においては出てくるかと思います。 そういうことで、その事件の内容に即してこれがどうかというお答えはできませんが、そういうそれぞれの段階、それぞれの内容に応じて対応が異なってくるわけでございますが、あくまで子供の立場に立った対応をしていかなければならないと思っております。
○本岡昭次君 子供の立場に立った対応ということになれば、この教育センターのやったことは全く子供の人権を侵害もしているし、それから精神病院が入院する必要のないと言って拒否したものをまた改めて連れていって、どんな説得をしたのか知らぬが、無理やり入院させてしまうというようなことは、これはもう許されぬことですよ。あなたはそういうことをはっきりそこで事例をつかんでおられないから言わないけれども、そういうことになります。 そして厚生省、拒否した者を無理やりに連れていく教育センターも悪いけれども、医者の立場で入院の必要がないと言ったものを、また説得されたからそれを入れるなんというのはこれはもう不見識な話だと思うし、精神衛生法上も重大な疑義がある、こう思うんです。こういう精神病院の対応ということが通常あると思いますか。
○説明員(小林秀資君) 今先生がお挙げになりました事例で、医療上必要がないのに精神病院に入れてしまうというようなことがあるのかということでございますけれども、実態があるのかどうかということを今即断できませんけれども、私の方としては精神病院というのはもともと精神症状のある方、いわゆる精神障害のある方を入れる病院でございますので、そういうことはあってはならないし、そういうことがあるということならば重大な問題だと考えておるわけでございます。
○本岡昭次君 極めてこれは重大な問題なんです。そういうことで一つ一つ問題にしたいんですが、全部言ってしまってからどうするかということをちょっと意見として言わしていただきます。 それで最後に、高校生のD君のケースなんですが、このD君も登校拒否の生徒で、そして学校の先生の紹介で関東地方にあるT大学の精神科に診てもらうことになりました。その結果、S県の精神病院に入院をせよということになったんです。そして、初め思春期の子供たちがいる思春期病棟に入るところを、大人の精神病棟に入れられてしまったもので、D君はこんなところからはすぐ出なければと看護婦や担当医に会わせてくれと頼んだ、しかし全然取り合ってくれないので暴れてしまう、結局、暴れるとこれはすぐ注射、あるいはまたいすに手足を縄で縛られて六時間も七時間も身動きのできないような状態にして懲罰をやる、こういうことがあったようです。やがてこの思春期病棟に移ったんですが、担当医は一週間に一回や二回しか回診に来ないし、治療らしいものは何も受けなかった、ただ薬を飲まされただけであった、親にも会わせてもらえなかった。三カ月後外泊があって、親にこういう状態だということを話したところ、親が納得して病院とかけ合って退院をさせたそうです。このD君のケースは文部省が「生徒の健全育成をめぐる諸問題−登校拒否問題を中心に−」ということで昭和五十八年十二月に出しておられる冊子の作成に対して非常に協力された精神科医がかかわっておられる精神病院の実態であったようであります。それで、まずその方は、登校拒否児というふうな子供はやっぱり精神病院へ入れてショック的に療法をした方が早く治るんだというふうなことの主張をされておられる方のようでありますが、私はそういう主張には納得できないんであります。それで、このD君は言っています。なぜ精神病院でなければならないのか、学校の先生と家庭で一体となってやっていけば解決できるのではなかったかと言っていますし、D君は今退院後、自分を温かく見守ってきてくれた親に感謝しつつ、これからのことに明かりが見えてきたようだと、将来に対する希望を今語っております。 文部大臣、この登校拒否の児童生徒をこうして安易に、どういうんですか、学校それから教育センターのような相談所、そして精神病院というふうに安易にそういう対応をしていくということだけは厳に戒めるように指導すべきだと思うんです。さっきも局長も、やはり子供の人権なり子供が勉強するというそういう立場を守ってやらなければいかぬということを再々言われているんですが、しかし現実にはそうでない対応が行われております。それはここに書かれてあることに僕は原因があると思うんです。これを読むと、登校拒否の問題の書き方がこういうふうになっているんですよ。「一般的には、生徒本人に登校拒否の下地とも言える登校拒否を起こしやすい性格傾向ができており、」と、こういうところからスタートするんですよ。それでまず本人の性格傾向を見よと言って、その子供が生まれてからどうなったかという、そこのところをまず見詰めよと、それから家庭はどうであったかということをやれと、それから次は学校だと、こう言うんですね。しかし、現に学校に子供が来て問題を起こしたときに、子供の生育歴から性格がどうのこうのというところから問題を解きほぐしていくやり方で、それで結局性格的に問題があるんだと、だから児童相談所へ行きなさい、そして、そうするとそこはああちょっとおかしいんじゃないか、病院だと、こうなるんです。そこには学校というものが存在しなくなるんですよね。学校の中で学んでいる子供たちがそういう状態のときに、まず学校が主体的に受けとめて、先ほども局長も言っているように教育的にどうするかという立場にこの本からはいかない。すっと精神病院へ流れていくように、そこへ安易に学校が対応をしていくような記述にずっとなっているんです。僕は、これにすべて責任があると思いませんが、やはりそうした文部省の考え方の中にも原因があるような気がして仕方がないんです。したがって、文部大臣、やはり学校で登校拒否が起こっているんですから、だからまず学校というところで教育的にその子供に対してどうするかという、そこの対応からスタートさしていって、そして、本当の病気の子供はそれは仕方がないにしても、安易にそういうルートをずっと敷いて流していくという形だけはやめさせてもらいたいと思うんです。どうですか、この辺。
○国務大臣(松永光君) 登校拒否の問題も、その他学校における問題行動というのは学校において起こっている問題でございますから、第一義的には学校がその責任において教育的な配慮を持って適切な対応をすべきであるということは申すまでもありません。ただその子供をよりよい状態に直していくためには、これは突然その人は学校に来るようになったんじゃないのでございまして、生まれてから長年家庭で育てられ、幼児期を家庭で過ごし、小学校を経過してそして中学校、高等学校とこうなっていくわけでありまして、そこでそれまでの生育歴ですか、あるいはその間に形成されたその人の性格、こういったものもやはり十分調べて、それも考えながら教育的な措置をしなきゃならぬというふうに思っております。この委員会にも著名なお医者さんいらっしゃるわけでありますけれども、ほかの病気の治療の場合にもやっぱり過去どういうことがあったか、どういう健康状態であったか、過去を調べて、それから現在の症状といいますか、現在の状態に対する的確な対応策は立てていただいているんだというふうに思いますが、教育の場合も、学校に起こっている問題でありますから、繰り返して申し上げますけれども、学校で適切な対応をしなきゃならぬわけです。その適切な対応をするためにはその子供の歴史というものもやはり調べることも必要な場合が多いんじゃなかろうかというふうに思うわけでありまして、とにかく児童生徒はそれぞれが異なった状況のもとに育ってくる、また異なった性格も持っておる、だから、その子供に最もふさわしい対応の仕方をしなきゃならぬ、そうして初めて教育的な効果は上がるというふうに私は考えるわけでありまして、今、先生がおっしゃったようにすぐあれだというふうなことは僕はまずないんだろうと思うんでございますけれども、ほかのことはせずにすぐ病院だなどというのは普通はないことだというふうに思うんでございます。
○本岡昭次君 いや普通にあるんじゃなくて、私はこうありましたということを時間をかけて四つの例ですけれどもやったんですがね。だから、私が大臣にお願いしているのは、安易にという言葉を使っているんですよね。安易に学校、それから相談所、病院というふうなルートの中で子供を送り込んでいくというふうな、こういうことは厳に戒めるようにしてほしいと、こう言っているんです。これはいいですわね、私の考えと大臣のお考え、どうですか。
○国務大臣(松永光君) 個々の事例の場合にはその背景、原因、それから実情、こういったものを正確に知らないというと軽々しくコメントできないわけであります。一般論として申し上げれば、先ほど高石局長も申し上げましたように、保護者ともよく相談をし、それからまたその子供の性格や、その他の子供の特性等も十分見た上で親切な教育的な配慮を加えた対応をするのが当然のことであるというふうに思います。
○本岡昭次君 くどいようですが、非常に大事なことなんでね。今、私が挙げた四つの事例というのは事実なんですよね。だから、ここでは公表できないからその子供の人権にかかわる問題もある、プライバシーの問題がありますから、私はA君、B君、C君とこう抽象的に言っているんですが、一つ一つは具体的に現に今日起きた事例なんですよ。現にその子供も現在そこにいるわけなんです。その精神病院もあるわけです。だから、私は、ここにこのように安易に、現に病気でない子供が精神病院にすっと送り込まれて、あるときは卒業式に出て暴れるからちょっとそこへ行っておけといって出された子供なり、あるいはまた登校拒否しておるのは、そんなもの精神病院に行って診てもらえといってそこへ入ってしまったとか、あるいは病気でもないのに教育センターが強制的に送り込んだとか、そういうふうなものがここに四件挙がっている。だから、このことは一般的、抽象的なことじゃないんですよ。具体的なことなんですよ。 それで、ここに行われたことは、私が言っているように安易にそういう形で精神病院——厚生省は精神衛生法上そんなことはあり得ない、こう言う。あり得ないことが現に今起こっているんですよね。そこのところを私は重要な問題として言っているので、文部省としては、当然、安易にそういうようなことはしてはならぬと、学校の中でまず基本的にその子供の問題の解決に全力を注ぐべきだということを文部大臣が言えなくてどうするんですか。
○国務大臣(松永光君) 先生は事実を確かめた上での御発言だと思いますよ。しかし、私はその関係者から直接話を聞いたことはございませんし、そういう行動をとられた校長先生やあるいは教育センターの関係者からの話も聞いたわけではありませんので、個々の具体的な例についてこうであったということは言える立場でありません。しかし一般論として言えば、それだけの理由もないのに、今、先生の御指摘のことから言えば、場合によっては不法監禁に近いような状態にすら考えられるわけでありまして、そういうことがあるとは考えられないわけでありますし、もしあるならばそれはあってはならぬことだというふうに思うわけであります。
○本岡昭次君 そこで、この問題の最後ですが、私は少なくともこの未成年者ですね、十八歳未満、児童福祉法に該当する未成年者の精神病院入院というのは、これはもう慎重の上にも慎重を期して、やはり僕は最後の手段だと、こう思うんですよ。だから、そのためには学校とか教育委員会から独立したやはり第三者機関、できれば家庭裁判所というふうなところでもって最終的な判断を得て、そしてその子供の人権をだれがどのようにそれでは精神病院に入っているときに保障するのか。あるいはまた、その子供の教育権ですね、学習権をそれではどのようにして保障するのか。また、その子供が病院を出た後、その子供の救済措置、勉強を受ける機会というものの救済措置をどうするのか、こういうことをきちっとやった上で、私は入院しなければならない子供は入院させるべきだと、こう思うんですよね。だから、やはりそういうふうな慎重な対応を私は求めたい、こう思うんです。文部大臣、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 児童福祉法にも条文がきちっとあると思いますけれども、未成年者を教育する権利とそれから教育する責務、それから養育する権利とその責務、これは第一義的には親にありますよね、保護者にありますよね。したがいまして、精神病院に入れるなどという場合にも、当然のことながら保護者の同意というのが必要なわけであります、親の同意というのが。したがいまして、親の同意なしに今先生の御指摘のような中学生や高校生について精神病院に強制的に入院させられたなどということは考えられないことであります。
○本岡昭次君 私の提案として今言いましたこと、また会議録にも出ると思うので、ひとつ後日論議をさしていただきます。 それでは、次の問題に入ります。 次に、三重県に学園本部のある日生学園における、同じく生徒の人権、学習保障の問題をお伺いをいたします。 日生学園三年生のA君という場合を申し上げます。これは、ことしの九月上旬に日生学園の寮の中で次のようなリンチを受けたんですね。室内の二段ベッドの近くで、うつ伏せに寝かされて両手両足を抑えられて、五、六人の人間に、そして身動きできなくなったところをパイプいすを首の後ろへばんとたたきつける。そのほか、みんなに腰をけられる、ほうきで頭をたたかれるなど、一時間にわたりこの子はリンチを受けたんですね。そして、この子供は夏休み前にも殴られて左目の上を三針も縫うけがをした。それで、最初は腰が痛くて病院で治療を受けていたんですが、そのうちに首が前へ下がっていく感じがしたり、体が前へ傾いていくという。それで大変だと思って、十月十四日浜松市内の病院で検査したら、首のここがパイプいすでなぐられたことで捻挫をしている、骨折に近い捻挫だと診断をされてその場で入院をした。その子供は十一月下旬退院予定であるんですが、本人は学校へ帰りたくない。学校へ帰れば次はもう殺されてしまう、何遍も何遍もリンチを受けていますから。それで助けてほしいといって訴えてきている。退院すれば学校へ行かなければならないので退院したくない。家へ帰りたくない。ちょっと考えられへんことがここにあります。それで、私はこの子供はやはり三年生ですから、学園に戻って勉強して卒業しなければならない、こう思います。しかし、学校へ戻れと言っても戻らない、殺されてしまうというのですよ。そうすると、その場合どうしたらいいかということなんですね。やはりA君が無事に退院して、その退院というのは間がないんです、十一月の二十六日と私は聞いているんですが。何とか日生学園がそうした集団リンチというふうなものをなくして、そして明るい学園にして、このA君がそこで結局勉強して卒業していくことを何としても僕は保証をしてやらなければならない、こう思うんですね。それで、このような子供一人も救えない我々であっては大変だと思う。文部省、何とか責任を持ってこの子供が退院したら学校へ帰って、そして、そこで卒業するまでずっと勉強できる保証を与えてやってもらえませんかね。直接私学を管轄しているのは文部省でないことを百も承知の上で、私はその文部省にお願いをしているんですが、いかがですか。
○政府委員(高石邦男君) 日生学園の問題についてはいろいろ既に報道されているような内容、そして我々の県からの報告でもいろんな暴力事件等の問題がございますので、この適正な是正ということを願っているわけでございます。県といたしましてもこの問題を重視いたしまして、学校に対してかなり強力な指導を今展開中でございます。したがいまして、今御指摘のような内容を含めまして適正な教育環境になるよう、一日も早く正しい姿で教育が展開されるように指導してまいりたいと思います。
○本岡昭次君 ちょっとこれ、文部大臣、ひとつ文部大臣個人としてもお考えを聞かしていただきたいのです。私も議員個人として今思っている。十一月二十六日、退院する時期が追ってきているんですが、この子供が果たして学校へ帰るのか帰らないのか。そんなのたった一人の人間の問題じゃないかというふうに言えない問題だと私は思うんですね。だから、私はこのA君の教育権というものを保障してやりたい。学校へ戻っても、このやろうといってまた周りからリンチを受けられないような状態をきちっと保証して卒業させてやりたいと思うんですが、これどうですか。文部省とか文部大臣自身のお力でこのA君が十一月二十六日退院して、その子供をきちっと守って卒業させてやるようなことはできないんですか、これもう体質、日生学園はそれこそ密室で何が行われても仕方がないと、たかが一人のことじゃないかということになるのかどうかということですね。何とか文部大臣の力でこの子供が退院できて、その学校でちゃんと勉強できるようにしてやってください。
○国務大臣(松永光君) その子供が中学生か高校生かよくわかりませんでしたが……
○本岡昭次君 高校生です。
○国務大臣(松永光君) 高校生の場合で言えば正規に入学手続をとって、そして在学している生徒であると思われるわけでありますが、その生徒が復学といいますか、学校に通って勉強しようと思うのにとてもじゃないが勉強ができないような、そういう他の生徒からの暴行、強迫、そういったものがあるような状態は許されないことでございます。もちろん教師による体罰は法律によって禁止されているところでもありますので、これも許されないところであります。したがいまして、そういう不当、違法な状態が排除されて、そしてその子供がその高等学校に通学をして、あるいはこれは寄宿舎に入るのでしょうかな、そこで高等学校の教育が受けられるような状態に、それが普通の状態でございますが、普通の状態に早くなるようにしなければならぬというふうに思うわけでありますが、直接的にはその学校、私立学校でございますから、所轄しておる三重県が今強力にその点についての指導措置をしているようでありますので、我々としてもその指導措置を見守りながら随時連絡をいたしまして、そして適切な教育環境が回復されるように今後とも努力をしていきたいと考えております。
○本岡昭次君 そうすると、僕は抽象的なことを言っているんじゃない。このA君という子供が学校へちゃんと帰って勉強できるようにしてやってくれというのですが、そうしたらそれはあれですか、高石局長がもう大丈夫ですから帰らせなさいと言うまでこの子は病院に得たしておいたらいいんですか。それとも、十一月二十六日さっと帰れば再び集団リンチを受けて殺されるというふうなことを言っているような状態から解放されるのですか。私はこの子供に答えを出してやらなければいかぬ、この子供に。
○政府委員(高石邦男君) この学校にはいろんな形の暴力事件がございまして、退学したいのに退学せられないと、それでひどい目に遭って脱走したいというようなことで助けを求める、そういうようなケースもございますし、今の話は逆で、行きたいからちゃんと行けるような条件を整備しろというようなことでございますので、とにかくその子供の実態そして内容をよく精査いたしまして、そしてその子がベストであるという方向での対応をすることが必要であろうと思います。したがいまして、その子供が本当に学校に帰って勉強したいというような熱意がございますれば、学校もそういう前提で当然受け入れていくでございましょうし、その中における暴力事件その他があればそれを排除していくというようなことは当然やるべきことであろうと思います。したがいまして、今の内容につきましてもそういう教育的な配慮によってその子供の最もペストな道が歩けるような対応をせられるよう指導してまいりたいと思います。
○本岡昭次君 ここで名前は、そんなのは言えませんから、後でそうしたら高石局長のところにきちっとこういう子供だと言っていきますから、あなたの責任で、ひとつその子供が学校に復学して無事卒業するまで保証人になってくださいね。よろしいですね。そのくらいのこと、一人の子供を守れぬようなことではどうしようもないんですからね、文部省。そうでしょう。現にいるんですから。私はうそを言っているんじゃない、事実を言っているんですから、これは。
○政府委員(高石邦男君) 私は直接決定権を持っておりませんが、その子供が最もいい方法で今後そのコースをとれるような指導を的確にしてまいりたいと思っております。
○本岡昭次君 ありがとう。そうして一人の子供を救っていただければ、後はおのずからうまくいくと思うんです。 ここでだらだらと読むのは時間の空費だと思って、文部省に三重県の人権擁護委員会へ救済申し立てをしている五件の中身はお渡しをしましたから、よく読んでいただいておると思います。それからまた時計台から飛びおりて自殺をした多田武秀君、もうこれは故人ですから名前を言いますが、この子供が自殺するまでどのように苦しんだか、みんなのリンチを受けて。それでも学校へ学校へと通った。しかし最後は結局死ななければならなかったという、本当に私涙が出るんです、親の手記を読んでおったら。なぜだれもこの子供を守ってやれなかったのかという思いでいっぱいなんですが、これも文部大臣に事前に渡しておきました。ひとつ文部大臣、この日生学園の問題は直接は三重県の所轄ですからそこが責任を持つことなんですが、しかしその中身は余りにもひどいので、あえて国会の場で私たちも取り上げているんですが、特にこれからの調査の問題と、それからそういう状態をどうしてなくしていくかという問題、私もちょっと提案をしたいと思うんですが、文部大臣、その手記を読んでいただいた感想、それから文部省として、先ほどの話でも調査すると言っていただいておりますからいいと思うんですが、そこらのところでちょっと答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 教育の場においてこのお母さんの手紙にあるようなことがあったということでありますが、これはまことに遺憾なことであり、特に自殺をした生徒についてはまことに痛ましい限りであります。私はこれを読みまして特に感じましたことは、これによりますと、五月になって初めて帰省をした、その子供が、そのときにお母さんに言った言葉として、お母さん、日生は僕やお母さんの考えていた日生学園とは全然違うよと、こういったことをお母さんに訴えておるようであります。恐らくこの生徒もお母さんも日生学園というのは普通の高等学校よりも何かいろんな省勤労体験をうんとやらせるとか、あるいはそういう日生学園としての独特の教育方針あるいは教育活動があるのでしょう、そこでその学校に行ってみるかというわけでこの子供は行ったと思われるわけでありますが、それが帰ってきて全然違うよというふうにお母さんに言ったというふうなところとか、あるいは、八月になってうちに帰ってきてそして四十度近い熱を出したのでありますが、ところが病院に入って、そのときに突然夜中に大声を出す、そして助けて助けてと、こういったことを言っておったということでありまして、この子供の受けたショックがいかに大きかったかということがこれでよく私どもにも理解ができるわけであります。そして最後に、自殺をされたのが二十六日のようでありますが、その前々日の二十四日にお母さんとの連絡がとれて、お母さんが迎えに行くよと、こうなったわけですわな。そうしたら、それから間もなくして学校の方から、いや来ぬでもいい、問題はないからというふうなやりとりがあったその翌々日の自殺のようでありまして、済んだことではありますけれどもかえってその点が惜しまれてならないわけでありまして、そのときお母さんが迎えに行っておったならばなあと、この子供は自殺をせぬで済んだのにというふうに私は読み取ったわけであります。 いずれにせよ、こういうことが起こったということはまことに遺憾なことであり、本人にとってはまことに痛ましいことでありますし、またお母さんもどれほどか心を痛めていらっしゃることであろうというふうに思うわけでありまして、日生学園の問題、これは先ほど高石局長も答えましたし私も申し上げましたけれども、学校の場にあってはならぬような状態があることでありますので、速やかにその改善措置がなされるように私どもとしてはできる限りの努力をしていきたいと考えているところでございます。
○本岡昭次君 日生学園被害者の会の訴えの一つに、若杉塾という奇々怪々なものもあります。若杉塾というのは、昭和五十九年三月まで第二高校の教頭をしておられた若杉茂樹という先生が、昭和五十九年四月より第一高校に移ってそこで女生徒に対する暴行事件を起こして学校をやめざるを得なくなった。その後生活のためかどうか知りませんが経営した塾であります。だから若杉塾という名前がついております。この塾は、一日一万円の学費を払って、そして八日間頑張ったら日生学園に復学をさせてやるという仕組みの中で日生学園を中途退学した子供を引き受けて、そして経営、運営をしていたというんですね。その資料はそこに渡しましたね。領収証というような資料を渡しましたが、どう考えても理解ができない。そして、一たん退学させておいて、戻ってくるときには五十万円の復学のための金を払わなければならぬということは、それはまた別の問題かもしらぬけれども、一たん退学させた子供を、自分のところの教員であって、それがそういう不祥事件を起こしてやめた人のつくっておる塾へ送り込んで、そこで一日一万円で八日間辛抱したらまたどこかへ復学さしてやるという、こんなことはいかに私学といえども僕は許されぬと思うんですね。その若杉氏が一年後今度は第二高校のサッカーコーチということで、学園本部の広報室長として無事に学校へまた戻ってくるんですよ、職員として。こういうでたらめなこと。それで、何人の一体中途退学者がこの若杉塾を経由して学校に復学したのかということをぜひとも調べてほしいんです。資料として渡してあるそのA君というのは八日間そこで頑張って無事に戻ったんです。ところが学校に戻ってまた物すごいリンチを受けて、おまえはけしからぬやつじゃないか、一たん退学してまた戻ってきたといって教師と生徒の暴力を受けて、そして退学してしまった。何のために八万円使うて復学したかわからぬ。もう一人の子は一日で参ってしまって、これはとんでもないとこうへ来たということで一日でやめてしまう。ところが五十万円の復学の金を先に払い込んでおったものですから、若杉塾から五十万円は返しますと言って返してきておる領収証をそこへ証拠として渡しておりますが、そういうことをやっているんで、私は文部省にぜひともこの若杉塾の実態を調査してほしいと。一体何人の子供がそこで、そういうルートの中で退学、復学というようなことをやったのか。また、こういうようなことを許していく体質、この重要な問題。やはりこんなことになると私立学校の存続の問題にもかかわってくるんじゃないかと思うんですが、ぜひともこの若杉塾の実態を調べていただきたい。これは五十九年、去年のことでありますから文部省にやる気があれば調べられることだと思います。
○政府委員(高石邦男君) これは現在は既にないようでございますが、こういうものが過去にあったことは事実のようでございます。したがいまして、三重県に対してもこの内容についての報告をお願いしているわけでございますけれども、三重県としてはまだその実態を十分に把握してないという状況でございますから引き続き三重県に対して督促してまいりたいと思います。
○本岡昭次君 日生学園語録というのがあります。その中に、三年生は殿様、二年は家来、一年生は奴隷というのがあるようです。私も寮生活の経験があるので先輩に随分今で言ういじめのようなことはありましたけれども、それはそれなりに楽しいこともたくさんありました。ところがこの学校ではこういうことで……。 ところが、最近では生徒の間で、あと一人だれかが死んだらこの学園はつぶれるというふうなうわさが流れて、それでとうとうそのうわさの中である父親が、どうもそのターゲットはおれの息子かもしれないと言ってその子供を中退させたという悲劇まで事実起こっておる。その親が被害者の会のところへそのことを訴えて、何とかしてくれというんですね。あと一人だれか殺されたら、ということはだれか殺さにゃいかぬわけですよ、そうしたらこの日生学園はつぶれて我々は解放される、こういう何とも考えられないような状況に今あるんです、現にこれ。それで、学校側は殴って生徒を指導しろと言ってやっているから教師は殴る。また、その先生自身も親の参観日のときにここのいわゆる副学長から、教師が理事者に子供や親の前で殴られるというふうなことも起こっておるんです。私はだからこういう学校なんで当然三重県が補助金をストップしたのは無理ないと思うんです、留保したのは。八月から改善勧告を出していきながら依然としてこの日生学園は守っていないという状態です。随分だと思います。だから日生学園に対して補助金をストップしたんですが、私はストップした三重県の態度は当然だと思うし、今のままではこれはストップし続けなきゃいかぬのじゃないかと思うんです、一次も二次も。 それで私の考えを申し述べておくんですが、そこの学校には三千人からの子供が勉強しているんですから学校がつぶれるようなことがあっては大変であります。だから、やっぱり一日も早く体質改善をして暴力的体質を改革して、三千何人の子供がきちっと学べるような学校にしてやるということが私たちの目的にあるわけなんですね。そのためには、いろんなもう言いたくない、聞きたくないような事例を私はここであえて言っているんです。 それで私は、次の四点のことをぜひとも文部省から三重県にきちっと指導するようにして、その上で補助金をやっぱり出して、一日も早く学校を正常な状態に戻すようにという指導をやってもらいたい。 まず一つは、今まで何遍も言っておるこの暴力行為に対して理事会と教職員がやはり自己批判を徹底的にしなきゃいかぬと思います。それは口頭でなく、やっぱり文書できちっと自己批判をして、そして責任の所在を明確にする、何よりもこれが必要であると思います。 それから二番目に、こういう学校の状態というのは必ず経営する理事者側と子供を教える教学側ですね、これがもう混沌となってしまっているところにあるので、やっぱり理事側と教学側を相対的に独立させて、そして学園の民主化というものをきちっと図らせなければならぬ、これが二つであります。 それから三つ目に、教職員の待遇改善というものをやらせなきゃいかぬと思います。随分ひどい教職員の待遇のようであります。全寮制でありますから二十四時間勤務という形の中で、私学ですから一定の水準はあろうかと思うんですが、私の聞くところによると、それを随分下回った形でここの教職員は働いているようで、やはり一般の私学の水準の待遇改善をさせなければいけないと思います。またそのためにも補助金が出ていると私は思います。 それから四点目に、寮生活を者やっておりますから生徒の人権をどう守るかと。寮生活であってもやはり、その子供は外出することもできない、手紙もどんどんと開封させられてしまうという、私は精神病院問題をいろいろ取り組んできたんですが、それよりもまだひどい寮の密室性、閉鎖性、そういうふうなものがあるようなんですね。いかに全寮制であっても、生徒が寮から自由に学校に出て、市民生活と接触する場というものを持たせるということでなければいけないんじゃないかと思いますが、要するに基本は生徒の人権を、寮における人権をどう保障してやるのか。 この四点を日生学園にきちっと指導をさせて、その上で一日も早く留保している補助金を出して学校の正常な運営を図るべきだと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(國分正明君) ただいま幾つか御指摘がございましたが、御案内のとおり、補助金の交付、あるいは当該私学日生学園に対する所轄は三重県でやっておるわけでございまして、基本的には三重県当局が対応すべきことであろうかと思っております。 三重県当局につきましては、先ほど来大臣等から御答弁がございますように、事態を大変憂慮いたしまして原因の究明、あるいは学校管理体制の見直し等について積極的に現在指導をしているわけでございまして、当面、御指摘がございましたように第一次の補助金の交付を保留するということにしているわけでございますが、指導の結果、学校側の対応を見て最終的に経常処理金を支出するかどうかという判断をいたしたいというふうに聞いているわけでございます。私どもといたしましても、私学のことでございますから、もちろん先ほど来の改善すべきことを指導するのは当然でございますが、例えば理事会のあり方と教学のあり方等々の問題は私学自身が本来考えるべき等のことで限界もございますけれども、今後とも私どもとしまして県における指導を見守りつつ適切な対応をしてまいりたい、かように考えております。
○本岡昭次君 先ほど言ったように、緊急を要する問題もたくさんあるし、年内というのは難しいと思いますが、しかし、やる気があればこれはあなた、理事と教員が一丸となってやれば僕は年内にでも解決できる問題だと思うんですよね。ただいたずらに先送りしていくということはこの学校のためにもよくないと思うんです。できるだけ早く改善して——来年の入試があるんでしょう。この学校にも子供が来なきゃいかぬ。卒業もしていくんですよ。だから私は、そんな悠長なことじゃなくて、やっぱり年内に先ほど言ったようなことをきちっと解決せよということでもってもっと学校のために、子供のためにやらぬと、学校の対応を見ていると、何かもう隠して隠して何とかこのままうまくこの状態をしのげたらということにきゅうきゅうとしておるような状態のようなんですね。ますます問題が起こってくる。さっきから言っているように、だれかもう一人死んだらもうだめになってしまうのではないかというような物騒な話が出るような状態なんですから、ひとつ文部省の方も、直接はできないにしても、三重県の指導を通して少なくとも年内にはこの問題の決着をつけろというふうな形のものをやっていかなければ、もし私の心配しているようなことが起こったときは、これは大変ですよ。私は国士館大学の問題を論議したときにそういう危険を文教で言ったんですが、案の定あそこも理事が一人刺されて死にましたね。そういう状況というものをやっぱり先に見てとってきちっと対応するのが僕は文教行政だと思うので、ひとつこれは年内にこの問題は決着がつくような、直接でないけれども、三重県に対する指導をひとつぜひともお願いしたいというふうに要望しておきます。
○政府委員(國分正明君) 三重県当局におきましても文書あるいは口頭等で積極的な指導をしているわけでございますが、その基本姿勢は早急に改善措置をとるようにということでございますので、一刻も早い改善がなされるよう私どもとしても指導してまいりたい、かように考えております。
○本岡昭次君 今の私の趣旨はよく文部大臣も御理解いただいたと思いますので、日生学園のこの問題の解決にひとつ御尽力いただきたいという要望を申し上げておきます。 それでは、次の問題に移ります。国立大学の受験機会の複数化の問題について、一、二伺っておきます。 今、教育改革が求めている重要な課題として、点数至上主義の受験競争のとどまるところのない結果、それによって高等学校、中学校、そして小学校へと教育のゆがみがずっと進んでいっている、それをどう改善をするのかという重要な点があると考えますし、臨教審もそこのところは的確に指摘をしております。そこで、今回の国立大学の受験機会の複数化の問題もそうした観点に立ってやらなければならぬと思います。世上こういろいろ言われているように、最近は私学の方にどんどんと学力の高い者が流れていくから、何とか国立大学に学力の高い者をかき集めるための方法として複数の機会をつくろうじゃないかというふうなことであってはならぬと私は思います。そこで、国立大学の受験機会の複数化について国立大学協会の入試改善特別委員会の委員長である沢田京大学長は「「実質的意義を持つ複数化」をはかるため」「「バランスのとれたグループ化をはかる必要がある」」と御説明をされています。私、新聞で見ました。そして、「旧七帝大など大規模・総合大学の前期・後期分散も「今後論議する」」ということも新聞は報道をしております。私は、先ほど申し上げましたような教育改革の要請に大学がこたえていくために、何といっても、ここに東大卒業の方もたくさんおられるんじゃないかと思うんですが、受験競争のやっぱり頂点は東大にあることは間違いない。ピラミッドの頂点にあります。だから、東大をまず後期グループに——後期にしちゃえば、皆後期に並んで一緒やと言う人もありますが、東大をまず後期にということの判断をまず最初に出せば、おのずから後は「「実質的意義を持つ複数化」」というようなものができるんではないかという素人考えを持っているんです。文部大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 大学入学試験のあり方の問題でございますが、大学入学試験というのは、先生よく御承知のとおり、基本的には各大学が自分の大学の教育研究を、教育を受けるにふさわしい、あるいは研究に関与するのがふさわしい、そういう学力の水準を持っているかどうか等々を中心にしてテストをするというのが入学試験であるわけであります。そして、大学の入学定員とそれから希望者とのバランスからいって、一定水準に達しておるとしても、希望者が多ければ結局は競争して、そしていい点をとった、総合的な意味で最もふさわしいという者から順次入学を許可していくというのが大学の入学試験の基本的なあり方でありますし、そしてそういう競争がある場合には、能力を持っている人、努力を持っている人が最終的には合格するという形になるわけでありまして、その意味では大学の入学試験の競争というものをこれは認めなきゃならぬわけでありまして、しかもそれは各大学が自主的にやることであります。 ただ、しかし、受験生の立場からすれば受験の機会が数多くある、チャレンジする機会が多くあるということが極めて望ましいことなんでありまして、そういう意味で私どもは臨時教育審議会の答申にもあったことでありますし、ぜひひとつ受験機会の複数化、希望者が幾つかの大学を受験ができる、チャレンジする機会がふえるということを実現したいということで努力をしてきたわけであります。そうして、私立大学の場合は、御承知のとおり各大学がばらばらにやりますから、何回もチャンスはあるわけでありますけれども、国立大学の場合は現在一回こっきりであるわけであります。 そこで、国立大学につきまして入学試験の複数化ということを基本的には各大学が自主的に決めることではありますけれども、臨教審の答申にもありますし、また社会的に大きな影響もあることでありますから、そういう点を考えまして大学側に私どもの方でしばしばかつ強く複数化を早く実行するようにということでお願いをしてきたわけでありますが、そのこともございまして、国立大学の学長さんたちで構成されておる協会で受験機会の複数化についていろいろな検討をしていただきまして、結論的に言えば、複数化をするならば実質的に意味のある複数化にしなきゃならぬ。それはそうでございましょう。わずか数個の大学だけが別の機会というのでは実質的な意味がありませんから、そこで実質的に意味のあるような複数化がなされるようにと。そうして、じゃどういうふうに分けるか等はそれぞれの大学の考え方もあるでしょうから、十分各大学が協議をして、そうしてグループに分かれる。それからもう一つは、第二次募集というのもやってもよろしいというようなことが主たる内容で国立大学の意見がまとまったわけでありまして、今後はその方針に基づいて各大学が協議して決められるわけでありますが、それが先ほどのお話にありますように実質上意味のあるような複数化、そうして受験する側に早くなされることが望ましいわけでありますから、できることならば、大学側でも決めてあることでございますけれども、来年の四月ごろまでにはそうしたことが決まるようになれば極めて結構なことでありますので、そうなるように私どもとしては今後とも大学側に働きかけをしていきたい、こういうように考えておるところでございます。
○本岡昭次君 長々と答弁をいただき、経過を報告していただいたんですが、私は、東大を後期グループにやるとかいう具体的な対応がなければ、実質的な意義を持つ複数化ということにならぬじゃないか、まず東大をどうするかということを先に決めて、さあ皆さんは後やりなさいと、そのくらいの指導性を文部省が持ってはどうかと言っているんですよ。 それから複数化を決定する時期ですが、四月末までとこうおっしゃっていましたが、やっぱり三月末、学年度末が三月でしょう、四月に入ればみんな三年生になってしまうんですよね。やはり三月末までに、たった一月のことでもこれは決めさせるべきじゃないですかね。何でこの四月末でなければ決められぬのか。こういう重大な問題ですから、受験生の立場を考えたらやはり三月末、これがぎりぎりだと僕は思うんですがね。そういうふうにして受験生の立場を考えたときには、これは急がせるべきだと、こう思います。一言だけそれについての考え方を。時間ないから一言だけでいいです。
○政府委員(大崎仁君) 重大な入試の変更の場合にはできるだけ早く予告をするということが受験生のためであるということで、私どもこれまでも大学関係者とは話をしておるわけでございます。この問題につきましても、もちろん早ければ早いほどいいわけでございますが、ただ問題の性質上、受験生のいわば機会がふえるということで受験生にとっては明らかに有利な改革でもございますので、他の変革に比べましてある程度具体案の決定がおくれましても、しかし一年でも早くということで現在こういう結果になっておるという次第でございます。
○本岡昭次君 できるだけこれは三月までということで急がしていただくように要望しておきます。 それでは次に同和教育の問題について伺います。 同和対策審議会答申から二十年たちました。同和対策事業特別措置法について地域改善対策特別措置法と国の責任において部落解放の取り組みがずっと進められてきました。しかし、この地域改善対策特別措置法の期限をあと二年とした現在、教育の分野では高等学校と進学奨励費補助事業や同和教育推進など幾つか改善が見られています。しかし、私はなお今後に多くの課題を残していると考えるんですが、文部大臣、一言で言いまして教育の分野において部落差別をなくするということについて国の責務はもう大体果たしたとお考えですか、それともまだ残っているというふうにお考えですか。お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 文部省の関係についていえば残っているものがあると思っておりますので、六十一年度の予算要求にいたしましても、ほかの項目等については減額をせざるを得ないのが非常に多いわけでありますけれども、高等学校進学奨励費の問題とかあるいは社会教育関係での啓発指導関係予算等につきましては増の要求を実はいたしておるところであります。
○本岡昭次君 昨年の十二月十二日、文部省の肝いりで設置された教員養成大学である兵庫教育大学において部落差別事件が起こっているのは御存じだと思います。トイレの中に赤のマジックで同和教育などやめてしまえ、部落民は死んでしまえという部落差別の落書き事件が発生しています。それで、もう文部大臣も特に御存じだと思うんですが、部落差別の意識というものは、こういう差別落書きをした者はだれなのか、した者が悪いというふうなことではなくて、個人の意識を超えて社会的な差別意識として存在していることがやっぱり重要な問題なんですね。だから教育の分野における啓発ということが非常に大事だと、こうなっているんです。だから、この落書きをした者が一体だれなのかという追求でなくて、こうした差別事件として差別意識が表面化してくるこの兵庫教育大学は一体何を今までやってきたのかという問題の追求が非常に私は必要だと、こう考えています。また、教員養成の大学で、同和教育もかなりやっているといっているところで起こってきたんでありますからね。私も行って調べたらかなりやっております。やっていてもなおかつ出る、この根深さという問題に私たちが目を向けなければならぬと思います。 したがって、個々の問題はここで論議しませんが、先ほど教育の分野で部落差別の問題に対するかかわりはもう終わったのか残っているのかという質問を端的にしましたけれども、文部大臣は残っているから来年の予算の中にも高等学校等の進学奨励費補助なんかをちゃんとつけているとおっしゃいました。しかし教育の中身の中でもこういう状態があるんですからね。私はこの部落差別という問題に対する取り組みは、地域改善事業特別措置法というものがあと二年しかないんですけれども、それが終わったらもう一斉に全国の教員養成の大学の中でも同和教育をやらなくてもいい、各学校はもう一斉にそれを引き揚げてもいいというふうなことにはならないという一つの典型的な問題がここに起こったんではないかと、こういうふうに見ているんですが、個々の問題じゃなしに今私が言いましたような観点について文部省なり文部大臣のひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(大崎仁君) 文部省といたしましては、従来から大学、また特に教員養成に当たっております大学等につきまして憲法、教育基本法の精神にのっとりまして同和問題に対して十分理解を深め適切な対応を行うように要請をしてまいったところでございます。なお、御指摘のような事件ということが完全に後を絶たないということはまことに遺憾でございまして、私どもとしても引き続き大学に対しての要請というものを続けてまいりたいと思っておるところでございます。
○本岡昭次君 いや、私は一番質問をして聞きたかったのは、地域改善事業特別措置法というのがあと二年足らずで終わるわけです、その法律の有効期限は。だから、その期間内同和教育をやれば、それが終わったらもうしなくてもいいというふうなことにはならないという事実がそういうところにもあらわれているんではないかということをそこで私は言ったわけなんですが、その点についてどうですか。
○政府委員(大崎仁君) 先ほど申し上げましたように、年々そういう非常に遺憾な事件が数件起きつつあるという事態は非常に遺憾なことでございますので、対策事業法期間中であるなしにかかわらず我々としては努力を続けなければならないと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(松永光君) 私は、世の中で一番憎むべきものは差別であり、あるいは不公正さであり、私は、人間として正しく生きていく上で最も大事なことは不公平を憎む、差別を憎む、これが私は人間として正しく生きていくための基本的な道徳律でなきゃならぬというふうに思っております。したがいまして、これは教育大学だけじゃなくして、もうそれこそ教育のあらゆる場で不公正はいかぬ、差別はいかぬ、人間すべて平等であるという考え方で教育をして、そういう物の考え方が児童・生徒の段階から子供の心の中に定着するような教育をしていかにゃならぬというふうに思っております。
○本岡昭次君 兵庫教育大学の問題に関連してその附属小学校の問題についてちょっとお尋ねをしておきます。 この兵庫教育大学ができるときに附属小のあり方について私は随分この文教委員会で論議をいたしました。兵庫教育大学附属小の児童数は四月一日現在六百二十四名であります。そのうちこの附属小学校がある社町内から児童が四百十名もその附属小に通っています。パーセントにして実に六五%の子供が社町内の児童ということになっております。それで一方、社町内の公立小学校の児童数は千三百六十九名であります。したがって、社町内の児童数全体のうちの二四%の子供が今度は附属小学校へ行っているというふうなことでありまして、私は大変な状況が社町内の公立小学校に起こりつつあると見ています。その中でも特にひどいのが社小学校区内の新一年生で、社小学校というところへ八十七名が入って、六十一名が附属に行くというんですね。今までだったら百四十八名という子供が全部社小学校へ行っておったわけですよね。その中で八十七名が社小学校、附属へ六十一名が行く。また、その学校が設置されている米田小学校区でありますと、新一年生は米田小学校へは十六名、附属小学校へは十三名と、こうなるんですね。このそれぞれ四〇%を超えている子供がその本来行くべき公立学校から附属へ行くということがここに起こっているんです。附属小学校は一学級四十人で三学級、一学年百二十人をどうしても入学させにゃいかぬということで子供を集めできます。だから、附属と公立が新一年生のいわゆる取り合いみたいなことがそこに起こっているんですね。それで最後は附属小学校の方が百二十人満杯にするという結果に終わっているんです。それで、私は社町内の公立学校の児童数がどのように減少しても、こんなこと私たち国立の知ったことではないというふうな思い上がった考えは許されないと思うんです。このまま進めば来年、再来年と今言いました社小学校とか米田小学校では附属小学校へ行く子供の方が多くなって、その本来行くべき公立学校に行く子供の方が少なくなるという事態になったときに公立学校の存在自身が僕は危うくなってくるんではないかと、こう思うんですが、文部省の見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(大崎仁君) 附属学校、教員養成学部、大学等の附属学校につきましては、大学の実践的、実証的な研究、あるいは学生の教育実習等の教育の場として不可欠な、重要な学校でございますが、しかし御指摘のように、当然地域の公立学校あるいは地域社会との協力、連携のもとに、ともども充実、発展をしていくということが基本でなければならないというふうに考えておるわけでございます。 同校につきましても、設置当初から地元の教育委員会とも御相談をしながら、通学区域、時間を通常の学校より拡大をする、あるいは入試に当たりましては原則抽せんによって入学を決定するとかいうような配慮をこれまでも払っておるわけでございますが、御指摘のような事態ということも生じつつあるということでもございますので、大学あるいは附属学校関係者に対しまして、より一層地域の関係者と緊密な連携、協議を行うように私どもとしても促してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○本岡昭次君 文部大臣も聞いておいていただきたいんですが、それで、この地元地域では六年間たったんですよね、そして何が起こったか。勉強のよくできる子は附属、強勉できないのは公立校ということに色分けされ始めた。こんなことは地元の常識になっている。一つの小さい村で、附属へ行く子供、公立と、こうなっている。それで附属の子供は、わしら附属へ行っておるんやと、そして公立の子に、あほ、ぼけ、これは関西の言葉ですがね、こういうことで、おまえらあほやないか、ぼけやないかと、こうやる。それで、よいことをするのはみんな附属の子で、悪いのはみんな公立の学校やと。問題起こったら、それは公立やと、こうなる。 それで、あるときに学校の中で生徒の暴力事件が起こった。それは社町内の学校でと、こう書いたもんやから、みんな公立学校で起こったと思うたんやね。ところが、それは附属中学校で起こっておる、大変な。ところが、そこには附属と書かぬ、新聞は、今度は。そやからどこの学校やということになったようなんですね。 だからそういう、何か先ほど差別を憎むと文部大臣おっしゃっていただきましたけれども、私が一番心配したようなことが今ここに起こっているんです。そして、結局子供や地域住民の連帯感が薄れていくんですよね。そして差別意識が助長をされていっております。私は、当初からこうなることを心配しました。そしてこういうことも言いました。国立が栄えて公立が滅びるということになるぞと、このままいったら。やっぱり歴史と伝統を持って長い間地域の教育に携わって多くの人材を輩出さしてきた公立学校なんですよ。これに対して後から来た国立学校がそこのけ、そこのけと言ってその地域の教育を混乱させるというようなことは、どうも私は我慢がならぬのであります。 そこで一体どうしたらいいかということですが、もともとそんな田舎に附属をつくったということが私はだめだと言ったんですよ。大都会ならそれは一つの地域から一人二人抜けていったって何にも地域に問題起こらぬけれども、過疎地域、農村地域に附属の学校をつくった、それでその地域では附属が一番大きな規模の学校になりよるんです。だから、私は最初がやっぱり間違っていたと思うんですが、さりとて今ある、六年も経過した学校ですから、これをどうするかという問題で、やっぱり何とか知恵を出し合って、公立もうまいこといきよる、附属もうまいこといくというふうにせぬとちょっと大変じゃないか。何らかの歯どめというんですかね、文部省も乗り出した形での対応が必要ではないかと私は思っているんです。地元でもいろいろやるんですけれども、なかなからちが明かぬらしい。文部大臣、私の今、話を聞いていただいて、何とかせにゃいかぬと思われたと思うんですが、ひとつ見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 私は、国立大学の附属小学校に子供を遠いところから通わせている親をたくさん知っておりますけれども、この親御さんはどんな物の考え方をしているのかなと私は不思議に思っておりました。 それは何かというと、ややともすれば附属小学校に行っている子供が、いつの間にか自分はエリートだとか、自分は特別いい学校に行ったんだという意識をはなから持つような状態で小学校、中学校時代を送ったならば、その人間は大人になってどうなるだろうか、私はそう考えておりました。でございますから、いろいろ言う人もおりましたけれども、私は附属小学校や附属中学校には子供ははなからやらない、みんなと同じように小学校時代は送るべきだ、雑草の中にもまれて初めてたくましい人間になる、私はそういう考え方で子供の教育はやったわけでありますが、しかし一般的にはどうも附属の小学校というのはいいうちの子が行くとか、いい子供が行くとかいうふうに誤解をしているように私は思われます。(「事実そうなんです。」と呼ぶ者あり)いや、私はそうあっちゃいかぬと思っておるものですから。しかも附属の小学校、附属中学校というのは、ある意味では実験学校みたいなところもあるわけでありますから、そこにあこがれを持つとか、いっぱいおるというのはノーマルじゃないというふうに私は思っております。 しかし、今そちらから不規則発言がありましたように、実際はそうでないような状態もある。そこへもってきて小さい町の場合には、今先生の御指摘のようなことがあるということは甚だいかぬことであると思いますので、これはいろいろ考えてみなきゃいかぬなというふうに思うわけであります。 もっとも、当初からそういったことを考慮して、普通は通学時間等を考えて、余り遠くからは小学生通わせるのは無理なんでありますけれども、この附属小学校の場合には通学時間がかかってもよろしいというわけで通学区域の拡大をして、そしていろんなところから来られるようには配慮しているようでありますけれども、それでもなおかつ先生御指摘のようなことが起こっておるということでありますので、これはさらに工夫をして、先ほど局長がお答えいたしましたように、附属もそれから公立学校の方もともども発展をしていかなきゃならぬわけでありますから、そういう見地からいろんなことをこれは研究していかなきゃならぬというふうに思った次第でございます。
○本岡昭次君 ぜひ今文部大臣がおっしゃったような観点で、地元との対応を急いでいただきたいと思います。 最後に、今、国鉄の分割・民営の問題が国民的な大論議になっているということです。したがって、文教委員会でこの問題を論議するとすれば、子供たちの通学というふうな問題に直接かかわってくると思います。そういう点で一、二、質問をしておきたいと思います。 国鉄は、公共交通の使命から、通学あるいは身体障害者の運賃割引について特別の措置を講じてきています。しかしながら、国鉄財政の危機の深化に伴って、通学、身体障害者等に対する特別措置、いわゆる運賃上の公共負担について軽減措置を講ずることが国会においてもたびたび論議されて、最近では五十八年五月十二日の参議院運輸委員会においては、「運賃上の公共負担等に関する問題」ということで「政府においても、自らその解決に努め、適切な措置を講ずること。」という決議が行われていたところでありますが、こうした決議はこれは五十年の国鉄諮問委員会の提言以来、衆参の運輸委員会あるいは閣議においても何回となく決議、決定されてきているんですが、文部大臣として、子供の通学をしていることに対する割引のこの公共負担というふうなものを国鉄が全部しょい込んできた、それを何とかせにゃいかぬじゃないかという決議が何遍も行われても結局何も具体化されていないということですね。それで、結果として昭和二十四年から五十五年までで七千四百二十七億円というものを負担し、五十六年で五百七十三億円、五十七年で五百二十七億円など、合計八千九百七十二億円に上るというふうに言われている。これだけの公共負担を国鉄が一方にやっていることについて、政府は何とかしなければならない、何とかしなければならないと言いながらとうとう何もやらないで今日まで来てしまったという、僕はこれは怠慢だと思うんですが、この点について、文部大臣はどういう見解をお持ちですか。
○政府委員(大崎仁君) 通学定期等の割引にかかわる公共負担等の問題につきまして、関係各省で寄り合いまして、国鉄公共負担軽減対策検討会議というものを昭和五十五年以来設けて、討議を進めておるところでございますが、公共負担の範囲というものをどう考えるか、あるいはその場合にどこがそれを負担することが適当であるかというような問題等、種々解決すべき問題がございまして、現在のところ結論を得るには至っていないというのが現状でございます。
○本岡昭次君 怠慢そのものだと思うんですが、結局、そうしたことの積み重ねが国鉄を分割・民営ということに追い込んでいくということでありますから、やっぱり政府の責任というものをこの分野でも僕ははっきりさせてもらわなきゃいかぬと思います。きょうはもう時間がありませんから指摘だけにおいておきますが、次の機会ではぜひこの問題を論議させていただきたいと思います。 それから、具体的に国鉄の分割・民営とかあるいは赤字線を廃止するとかいう問題でどういうことが起こるかということを文部大臣としてしかと認識しておいていただきたい。 一つの例を兵庫県にとってみたいと思います。兵庫県で鍛冶屋線という一つの路線がありまして、これは第三次の廃止線になっています。この鍛冶屋線では通学定期で通っている子供が年間通して、結局、回数ですが四十三万七百二十人。それから普通乗車で、切符を買って通うのが延べ四十二万一千三百二十九人。通勤定期が二十五万三千五百二十八人であります。 これを一見してわかることは、この鍛冶屋線というのは通学定期の者が一番多くて、結局、学生の通学の一つの足になっているということが言えるんであります。生徒や学生の通学上の極めて重要な役割を果たしているんですが、これが廃止路線になっているんですね。これが廃止になった場合に、一体そこに通っている子供たちはどういう交通機関を利用するのかということです。そこにバスがあるからバスに乗ればいいじゃないかということになるんですが、バスの値段と比べてみますと、西脇−鍛冶屋という間で国鉄では一カ月の定期が四千六百八十円。ところが、並走しているバスは一万四千四百円、三・五倍も値段が高いわけですね。 だから、要するに父母負担というものが一つの赤字路線廃止ということによって増額するということが直接的に起こります。また、同じように加古川線とか、播但線とか姫新線あるいは宮津線、こうした地方の交通線というのはほとんどがこういう生徒学生の通学の比重が非常に高いところでありまして、この地方交通線の廃止とか国鉄の分割・民営がもたらす地域の教育条件の変化、それが悪い方向へ変化していくということについて、やはり文部省としてもそれぞれの各地域に対して子供たちのいわゆる通学という問題にかかわって、あるいは父母負担という問題にかかわってどういう状態が起こるのかという問題を克明に僕は調査をする必要があると思うし、文部大臣としてはそういう観点から国鉄の分割・民営とかあるいは赤字線であるから廃止するという問題について、子供の教育権保障という観点から論議をぜひしていただきたいということを強く私は思うんであります。その点について文部大臣のお考えを聞きましてきょうの質問は終わりたいと思います。 なお最後に、修学旅行というようなものが今までどおりできるのかどうかということも僕は一つの疑問に思っておりますので、その点もひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 路線の廃止の問題につきましては所管でありませんので、そのこと自体については述べる立場にありませんけれども、しかし路線廃止に伴う中学生や高校生等の通学条件が悪くならぬようなことは十分配慮していかにゃならぬことだと考えております。そういうことで文部省としては従来から路線が廃止された場合の代替通学手段の確保、それから通学費の軽減等について適切な配慮がなされるように関係当局に要望をしておるところでありますけれども、今後ともそういう点については十分配慮して努力をしていきたいと考えております。
○説明員(川崎孝夫君) 私ども、現在準備いたしております六十二年四月の分割・民営後の遠距離からの修学旅行についての御質問でございますけれども、御承知のとおり修学旅行につきましては、フルムーンパスとかそれらの全国的な企画商品と同様利用客の増加につながるということでございまして、私ども営業的に見て大変大事なものだと、こう考えております。それらにつきましては各会社で十分な協議調整を行ってよりよい商品づくりに努めていくということになると思いますが、具体的にまず修学旅行の新事業体発足時の運賃でございますけれども、運賃につきましては移行前のものをそのまま引き継ぐことを予定いたしておりまして、したがいまして、修学旅行にかかる団体割引などにつきましても移行前と変わることはないものと、このように現段階では考えております。 また、その後の割引制度につきましては、基本的にはそれぞれの分割されました旅客鉄道会社が市場の動向やあるいは私鉄やバスの同種の割引制度などを勘案しながら自主的に判断してまいることになると、そのように考えてございますけれども、過去の修学旅行制度等の沿革等を考え合わせますと、各会社ともおおむね同様の割引制度を引き継いでいくことになるのではないかと、そのように現段階では考えております。
○委員長(林寛子君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(林寛子君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 最初に、教育予算関係について伺います。 この五年間に、文部省の予算の実態というのは防衛費の突出に対して、伸び率も、それから全体に占める割合も極度に低下をしておりまして、私はこういう教育軽視の予算はまことにけしからぬことだというふうに考えているわけですが、本年度の概算要求はわずかに〇・〇三%、十五億円の増でしかないわけであります。いずれ本格的な予算の審議が始まると思いますけれども、ここで一つ、本年度の概算要求の人事院勧告の見込みと、実際に決定をした人事院勧告の伸び率、この差額が私の調査では千七百二十六億円ほどだというふうに思いますけれども、そこを明確にしていただくと同時に、この千七百二十六億円の財源をどのようにして捻出をしていくのかという、この大蔵折衝の態度、大蔵省のまた反応などというものをおわかりでしたら教えていただきたい。
○政府委員(阿部充夫君) ただいま突然のお尋ねで、担当の者が参っておりませんので、私からお答えをさせていただきます。 概算要求の時点で当該翌年度にかかわります人事院勧告によるベースアップ分がどれぐらいであるかということを見込みはいたしておりませんので、ベースアップ分というのはもともと概算要求時点では組み込んでないわけでございます。そして、先般人事院勧告どおりのベースアップを行うということが閣議の方針として決まったということもございますので、そのための経費の概数をはじいておりますが、非常に粗くはじいた数字で、先生がただいまおっしゃったぐらいの経費になるであろう、こういう見込みをいたしておるわけでございます。 なお、これを今後の予算編成の中でどういうふうに扱っていくかということにつきましては、まさにこれから財政当局等から一つの意向も示され、あるいは文部省の意見も申し述べて議論が進められていくということでございまして、現段階で方向ができ上がっておるということではないわけでございます。
○粕谷照美君 これはことしに限ったことではないと思うんですよね、今までもずっとそういうことで過ごしてきているわけですから。最終的に、私はこの概算要求プラス人件費として膨らませて大蔵省に要求をするのか、現状の中からどこか削って文部省はひねり出しなさい、こういうふうに言われているのか、その辺の状況を伺いたいと思っているんですが、全然まだ大蔵省交渉というのはやっていないんでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 担当政府委員がおりませんので、私もこれ以上詳しいことを承知しておりません。今、連絡をしておりますので、先生の御質問が終わるまでの間には担当官が参るようにいたしたいと思っております。
○粕谷照美君 今の問題は確かに事前通告していませんから、担当者が来ないというのもこれはやむを得ないことでありますけれども、でも、こういう大まかなことぐらいだったら答弁できるような態勢に私はしておいていただきたいというふうに思います。 それでは、本年度から教職員旅費と教材費が国庫負担の打ち切りによりまして国の補助がなくなって、地方交付税交付金にのみ単位費用に基づいて算定されることになった。その結果、市町村において影響が出ているのではないかと懸念されますけれども、これはどういうふうに考えておりますか。
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘にございましたように、今年度から教材費及び旅費につきまして一般財源化という措置をとったわけでございます。さきの国会での御審議の際にも粕谷先生からいろいろ御指摘をいただいたことを記憶をいたしておりますが、その後の全体の状況を現在調査をしている最中でございます。各都道府県を通じまして全市町村の対応の状況を把握したいということで現在調査中でございまして、まだ結果が集まっておらないという状況でございます。 しかし、前回の際にも御説明を申し上げましたように、文部省といたしましては一般財源化はしたけれども、一般財源化された単価と申しますか、積算の中身を尊重して、前年度に比して遜色のないような予算措置を講じてほしいということで、文書その他によりまして都道府県を通じて指導をしてまいっておりますので、その結果がいずれまとまる見込みでございますが、現段階ではまだ調査中でございます。
○粕谷照美君 その調査はいつごろまでにまとまり、そのやった調査が各市町村にきちんと生きるような条件になるという、そのぎりぎりの線はいつごろになりますか。
○政府委員(阿部充夫君) 先般、調査票を配ったところでございますので、私どもの見込みとしては十一月いっぱいまでに回答してほしいということで各市町村に連絡をいたしております。このときまでに完全に全部集まるかどうかということはございますけれども、この前後では大体全国の状況がわかることに相なろうかと思っております。なお、その状況を見まして著しくおかしいのではないかと思われるようなケースにつきましては、また個別に指導を繰り返すというようなことはいたしたいと思っております。
○粕谷照美君 私は、非常にこの調査というのは大事だと思いまして、先国会の中で質問をしたわけであります。三千幾つの調査をやるのは大変だ、こう確かに答えていらっしゃるわけですよね。私もこの三千幾つの市町村の全部の予算を出すということは非常に困難だというふうに思いますけれども、その中から幾つかピックアップしたっていいじゃないですかと、こう思っているんですけれども、それもやっておりませんでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) これは、こういうたぐいのものでございますので、ピックアップしてということで正確を期するというわけにもいかないだろうということもございます。前回の国会での御質問の際には、その短期間の間に資料を出せという御指摘かと思いまして、悉皆調査はなかなか無理だということを申し上げたわけでございますけれども、この時点になりましたので、現在文書によって悉皆調査をしているということで、より正確な資料を御報告できるようにしたいと考えておるところでございます。
○粕谷照美君 私もちょっと自分の県なんかを組合を通して調査してみました。また、よその県も幾つか調査をしてみたんですけれども、心配されている事実が出ているんですね。だから、早く調査をやっていただきたいと、こういうふうに思ったわけでありますが、例えば新潟県を見ますと、前年度の教材費に対して九〇%台だというところ——それ以上だというところも幾つかありますけれども、九〇%台というよりは八割台のところが一番多いようですね。それから、五〇%であるというのが十一市町村ありますし、それから四〇、三〇、二〇、中には一〇%なんというところがあるんですね。どういうふうに物を考えているんだろうか、もっと詳しい調査も今度は現地へ出かけていってしなければならないなというふうに考えております。それは学級増減の問題もありますし、そういうふうに思いますけれども、本当に大変な状況だというふうに思っております。 それで、ことしの四月二日の私のその問題に関連して、大臣はこういうふうに答弁していただいております。「今回の措置は心情的には国庫負担法から外れたわけでありますけれども、内容的には数%総額においては上回る財源が市町村に交付されるわけでありますから、そして将来とも我々は地方財政当局に対してこの分の財源措置を減らさないように、ふやすように一生懸命これからも働きかけてまいる、こういうことでございますので、私は教材が不足して教育水準が低下するなどということはないというふうに考えておるわけでございます。」。大臣の見通したというふうに思っておりますけれども、しかし減っているんですね、現実には。さらに、大臣は、「私は全国の市町村長さんたち、皆教育に熱心な方だと思っておりますし、たくさんの父兄がちゃんと見ていることでもありますから、したがいまして、教材費として積算された交付税交付金を他の用途に使っちまうなどということはあり得ないと。」、こういうふうにお答えをしておられます。私は、文部大臣が市町村長たちがみんな教育に熱心な方だと、こう思って信じていらっしゃるということは大変いいことだというふうに思いますけれども、しかし、余りにも善意の見方に過ぎるのではないだろうか、こういうふうに思っております。それと同時に、また父兄がちゃんと見ておると、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、しかしその父母が町や布や、そういうところの教育予算に、特に教材費がどうだというようなところに心を配るような今実態ではないというように考えておりますので、この調査というものはやっぱりなるべく急いで結論を出していくべきだ、そしてその結論に基づいて市町村を指導、助言しなければならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 先生がおっしゃいました数字がどの時点のものか私どもも承知をいたしておりませんが、確かに部分的にではございますけれども、今年度当初の段階でいろいろ問い合わせますと、かなり少ない計上しかしてないというケースが見られたわけでございます。こういったものにつきましては私どもも気がつく限り個別にも申し上げましたし、それから県を通じての指導等もしてまいりました。かなりのところがその後補正をするというお約束等をいただいたりしたケースもございます。そういう意味で私ども調査がこの時点になりましたのは、その後の補正の状況まで含めた上でどうなったかということを見てみたいということでやっておるわけでございまして、調査がまとまり次第、またその結果によりまして御質問等がございますればお答えも申し上げますし、また必要な地域、市町村等につきましてはさらに重ねて指導等を行って、適正な額が計上されるように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○粕谷照美君 私は、減額をしている自治体に指導をしていきたい、していきますとおっしゃるその言葉はわかるんですけれどもね。ひもつきでないんですよね。その場合にどういうふうにして指導をなさっていくのか。その態度はいかがですか。
○政府委員(阿部充夫君) 一般財源化をいたしました以上、ひもつきではないわけでございますので、それぞれの市町村が自主的にどうするかということを判断をするわけでございますけれども、かねて御存じのように、教材基準というものを設けまして、この程度の整備が必要だということでそれに向けてこれまで整備を進めてきたわけでございますから、その教材基準を文部省としては、各市町村が今後整備をするための参考基準として使ってほしいということも御連絡を申し上げてありますので、そういう点を十分勘案の上対処をしていただくようにお願いをしてまいりたい、かように思っております。 なお、従来でございますと、予算の補助ということでかなり国費からの補助とセットになっております関係上、毎年機械的にある金額を整備してくるということであったわけでございますけれども、今回一般財源化をされますと、例えばことしは学校の校舎建築に全力を注ごう、そして来年は教材整備の中身の方にいこうというような弾力的な対応も可能になってくるわけでございますし、個々のケース全部当たっておりませんのでわかりませんが、少なく計上しておるところでは、あるいはそういった事情とか、先ほど先生おっしゃいましたように、学級数が減ってきた事情であるとか、あるいは学校を統合するというような格好で隣の学校の分が、教材が全部こっちへ来たというようなケースとか、いろんなケースがあり得るんだろうと思っておりますので、画一的に前年度と必ず同じでなければいけないというようなつもりではないわけでございますが、それにいたしましても、教材基準という参考基準を念頭に置いて、しかも交付税上の必要な単価がちゃんとあるわけでございますので、そういうものを念頭に置いて適正な対応をしてほしいということを、これはきつくお願いと申しますか、指導してまいりたいと、かように思っております。
○粕谷照美君 その時期なんですけれどもね。各市町村なんか、十二月市会あたりで、そういう議会で調整をやるということが多いのじゃないかというふうに思うんですよね。年度末なんてやられても間に合わないわけですから、できれば十二月議会に補正を出せるような条件という、そういう時期に間に合わないですね、今度の調査、十一月いっぱいに出してくださいということであれば。どうでしょう。
○政府委員(阿部充夫君) 私どもの方も、ある程度各市町村の対応、考え方等が固まった時点での調査ということと、それから先生おっしゃるような時期との関係というようなことを考えまして、十一月いっぱいということを一つのめどにいたしまして、それが出てまいりますればすぐにそれに応じて各都道府県を通じて、この市町村についてさらに指導してほしいということは、資料が出てくればすぐ言えるわけでもございますので、そういったことを念頭に置きながらこの時点を考えたわけでございます。十二月にあるいは間に合わないというケースが出てくるかもしれませんし、また各市町村も財政の状況等がございますので、今から何かできるかどうかという問題もございましょうと思いますが、それにいたしましても、できる限りの努力をしたいと、こう思っておるところでございます。
○粕谷照美君 それでは次に、義務教育費の国庫負担の打ち切りについて伺います。 私どもが大蔵省あるいは自治省と時々教育予算について交渉してまいる中で、ちらちらと出てくるのが、とにかく人事院勧告で大幅な財源が必要になった、で、どこかを切ってもらわなければならない、だから教育予算のある部分を抑えるという、何というのですか、話が出てくるわけですね。それで、非常に気になっておりますのは、学校事務職員、それから栄養職員の国庫負担法外しを言っていることについて大変な危惧を持っているわけであります。教材費と同様にこれはもう大きな影響があるということは必至だというふうに思いますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 義務教育費国庫負担制度の問題につきましては、現在までのところ財政当局から正式にどうこうしてほしいという要請を受けておりませんので、この段階で文部省として申し上げるのはいかがであろうかと思うわけでございますが、ただ、先生も十分御案内のように、昨年、昭和六十年度の予算編成に際しまして、財政当局からこの問題についての幾つかの提案があったというような経緯もございますし、御指摘のような国の財政事情、人勧に絡む予算枠の確保の問題等々いろいろ難しい問題を抱えておりますので、そういった点が、いずれ何と申しますか、議論の種になるということはあり得ることだ、こう思っておるわけでございます。 御指摘の事務職員、栄養職員の問題につきましては、かねてから大臣からもいろいろな機会にお答え申し上げておりますように、文部省としては学校のやはり基幹的な職員である、こういうふうに考えているわけでございますので、問題が検討課題として取り上げられた場合にも、そういう精神を踏まえて適切に対応するという努力をいたしたいと思っているところでございます。
○粕谷照美君 大臣にお伺いをいたしますけれども、これからいよいよ本格的な折衝が始まるわけです。そのときの大臣の決意ですね、公立文教施設費、国立学校特別会計、ことしはどうしても大学の授業料を上げてもらわなければ困るなどと、こういうことも耳の中に入ってきますし、私学助成も抑え込まなきゃならないとか、そういう中で学校事務職員やそれから栄養職員の話が出てくるわけであります。どれも私たちは削ってもらっては困る、こういうふうに思いますけれども、今後の大臣の対応、御決意、そして私は頑張っていただきたいという気持ちを込めて質問をしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 私も、我々の側で提出をいたしました概算要求、いずれも必要欠くべからざる経費として概算要求をしておるわけであります。そういうところに、先ほど先生の御指摘のありましたように、約一千七百億というものがベースアップに伴う必要な経費として出てきておるわけでありまして、これをみんな大蔵省が見てくれればそれで済む話なんでありますけれども、今の財政状況ではそういうことはちょっと考えられない。とすればどういうふうな形で予算を取りまとめるか、本当に頭の痛い話なんでございます。 財政再建期間に入りましてから、最初のうちはどちらかというと、公立文教施設等相当もうできてきたものですから、そっちの方を少し、校舎とかあるいは体育館とかプールとかそういったものは一たんできればしばらくは必要ないわけでありますから、そこあたりのところである程度は調整できたわけでありますけれども、もうそこも限度に来ておりますので、どこでベースアップ分その他によって出てくる必要な経費を埋め合わせをしていくかということを考えますと、本当に頭の痛い思いでありますが、しかし、今先生御指摘の私学助成とかその他の必要な財源はぜひ確保しなきゃならぬ。 そしてまた、それ以上に大きな問題として出てきているのが、先生も御指摘になりました六十年度の予算編成のときに大蔵省から出てきた提案、これは事務職員や栄養職員のことはきちっと拒否をして、そして予算ができたわけでありますけれども、さて、その点についてどうなるのかなと、まだ正式に何も言ってきておりませんから我々の対応を言うわけにはまいりませんけれども、我々としては、今局長もお答えいたしましたように、事務職員や栄養職員というのは学校の基幹的な職員であるわけでありますから、これを義務教育費国庫負担制度から外すなどということは容易にできる話ではない、そういう基本的な考え方で大蔵省からのいろいろな話が来た場合には対応をして、そして何とか基幹的な職員についての人件費については国が二分の一を負担をするという現行制度を守っていくように、これは皆さん方の応援も場合によっては必要かと思うんでありますけれども、ぜひそういうことで予算の編成をできるようにやってまいりたいというふうにかたく決意をしておるわけでございます。
○粕谷照美君 この問題については拒否し通すと、断固として頑張り扱いでいくと、こういう文部大臣の決意だというふうにお伺いをいたしますが、それで間違いないですか。
○国務大臣(松永光君) 私は、守り抜くべくかたい決意を持って、これに対応しようとしておるわけであります。
○粕谷照美君 ことしの四十人学級の問題とも関連してくるわけであります。教育条件の整備充実、これやっぱり予算に関連いたしますので質問していくわけですが、その前にちょっと国際理科テストの報告を伺いたいと思うんです。 五十八年に行われた第二回の国際理科テストで、日本の小中高校生がかなりの好成績をおさめたということが国立教育研究所がまとめた分析でわかったと、こういうのですけれども、簡単にこの結論を報告していただけませんか。
○政府委員(高石邦男君) 五十八年五月に小学校約二百校の子供八千人を対象にし、中学校、高校も大体同じような枚数と人数を対象にして調査が行われたわけでございます。この国際調査は今回が二回目でありまして、昭和四十五年に一回行われております。 五十八年五月の調査結果によりますと、これは共通問題と選択問題とありますが、まず共通問題についての平均得点を申し上げますと、小学校の五年生は六四・三%、点数で言うと六十四・三と言っていいと思います。中学校が六七・四%、高等学校は物理、化学、生物、いろいろありますが、物理では八一%、化学では七九・九%、生物では六五%、地学は六二・〇%、それから文系五九・九%ということになっております。したがいまして、この点数はかなりいい成績であるということでございます。また、四十五年に行いました調査と五十八年に行いました調査で同じ内容の出題をしているのがございます。それとの比較を申し上げます。それとの比較で申し上げますと、まず小学校では、昭和四十五年の平均が六五・〇%、今回の調査が六四・四%、ほとんど変わらない。中学校では、前回が六二・四%、これが今回は六六・一%といって中学校の方は学力、正答率が高くなっていると、こういう状況でございます。
○粕谷照美君 点数はわかってるんです、御報告いただいた分も。世界のトップレベルだと、こういうことの報告だと思うんですね。また、今回も世界一じゃないかということになっているわけですけれども、しかし、その中の分析が問題があるんではないかという質問もあわせて、どういうふうな傾向、問題点があるかということの質問なんです。
○政府委員(高石邦男君) まず一つ今回の調査で言われておりますのは実験関係が十分でないということで、小中学校の一部に対して行われました実験テストでは、その達成率がペーパーテストによる平均点数の得点よりも低いという状況が出ているわけでございます。
○粕谷照美君 ペーパーテストよりも実験の方が低いというそのことは一体どこに原因があるというふうに文部省としては考えられるんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) これはまあいろんな理由があると思いますが、一つは学校における理科の授業の傾向が知識理解という点に重点が置かれているんじゃないか。 なお、この実験の結果が悪いといいましても他の国との比較でまた議論しないと正確な答えは出ないのでございます。他の国との比較が出ておりませんので、我が国の点数、ペーパーテストと実験との関係だけで論じておりますので、これはそこまでの正確な比較が出た上で論じないと客観的な論評にならないかと思います。 それからもう一つは、教員養成段階での理科の教師が具体的に十分な実験の経験を積んでいるかどうかという教員養成の段階における一つの教師養成の問題もあろうかと思うわけでございます。そういういろんな問題が重なり合っていると思っております。
○粕谷照美君 昨年の十二月に文部省が調査をしました保護者が支出した教育費というのがあるわけですけれども、その中で学校教育費では小学校全学年平均して四万七千九百十二円である、前年比一・三%増であると、こういうことが出ております。その支出項目、学用品・実験実習材料費というのが三〇・六%で、実習の材料費というのが随分父母負担になっているんですね。学校にそういう予算がないわけです。試験管壊されたらその試験管買うお金がない。アルコールで実験をしようと思ってもそのアルコールを買う教育予算がないという、こういう実態があるんですね。教材費そのものは箱物ばかりじゃなくてその教材を動かすという材料というものが非常に重要になってくるんで、私たちはこういう中で行われる理科の実験でありますから、確かに実習の点数がペーパーテストに比べてよくないんだろうなということは見ているんですけれども、日本教育新聞によりますと、大阪府の科学教育研究グループが「理科の実験・観察学年が進むほど減る」という報告をしております。 大体生物、これは中学校三年生になりますと半分やらない。その原因は一体何かといったら、専門的知識に不安があると、こういう分析をしているんですね。 私、そのことをこう聞きながら、見ながら、ああ、専門的知識に不安があると、そうしますと、臨教審が教員の資質欠如だと、こう言いながら、専門的知識、技能が不足しているなどと、こう挙げているんですけれども、臨教審のこのことについての批判は後でやるといたしまして、私もこの専門的知識に不安があるというのは当たり前のことだと思うんですよね。本当に広範なことを教えなきゃならないわけですから。特に小学校の先生なんて八教科教えなければならない。その八教科をやっていく中で、体育に出るときには洋服を着がえていかなきゃならない。御飯を食べるときにはまた洋服を着がえなきゃならない。そしてその後で実験をやるというとその実験の準備もしなければならない、後始末もしなければならない。こういう忙しい中でありますから、なかなか勉強ができないんですよね。それと同時に、化学反応などを実験しますと、時々爆発を起こしたりして子供が教室の中でけがをするというような事件もあったりして、実験というものを重苦しく感じる教師がいるということも事実だというふうに思うんです。そういう意味で、一クラスの人数というのはできるだけ少なくしていく、これはもう最高の私は文教行政の任務ではないかというふうに思っております。 きょう、机の上に配付されておりました「臨教審だより」の十一月号、一番新しいんですけれども、この臨教審のメンバーが海外の教育を調査に行っているわけです。そしてもうみんなびっくりして帰ってきているんですね。御存じだというふうに思っていたけれども、知っていてもなおかつ実際に見てきて、こんなにすばらしいのかということを驚いて報告をしています。 例えば溜さんなどはこういうことを言っています。フランスに行きました。「低学年は大切ということで、正教員の他にもう一人補助教員がついておりましたですね。体育の授業をちょっと見ましたが、二六人の児童に正教員の他に補助教員が一人。低学年の子どもの学力の確保、基礎基本の重視ということでしょうか、低学年には正教員の他に補助教員までつけているという力の入れようということを感じたわけです。」「読み書きの力の遅れている子ども二〇人に対し専門の教員が三人ついておりました」こうやってびっくりして帰ってきているんですね。 そんな条件の悪い中で理科の到達度国際テストがトップクラスだということは、いかに私は日本の教師は自分の身をすり減らして頑張っているか。そして日本の子供たちがどんなによく勉強しているかということのあらわれだと、こう思っているわけでありますが、その四十人学級の問題は、今文部省の要求としてはどんなふうに考えておりますか。
○政府委員(阿部充夫君) 御案内のように、四十人学級を含めまして第五次の定数改善計画、五十五年から六十六年度までということで約八万人の教員の増を図るという計画を進行さしておるわけでございます。 そういった中で、昭和六十年度におきましては、児童減少市町村のこれまで手のついてなかったすべての小学校について四十人学級を一挙に実現をするという措置を講じたところでございます。 昭和六十一年度の概算要求におきましては、小学校につきましては児童減少市町村以外の一般の市町村と申しますか、これの第一学年から手をつける。そして中学校につきましては、小学校の場合と同じように児童減少市町村とその他に分けまして、まずは児童減少市町村の方の第一学年から手をつけると、こういうところで概算要求を行っておるわけでございます。 これから児童生徒数が自然減で相当数減ってくるというような事情もございますので、そういった中でいろいろな財政状況あるいは臨時行政調査会の指摘とかいろいろあるわけでございますけれども、そういうことを踏まえながらも、計画達成年度である六十六年までに予定の計画を実施をしたいということで、来年度そのような概算要求を行っているところでございます。
○粕谷照美君 大蔵省が、児童の減少市町村以外にも四十人学級をという文部省の要求はあるけれども、それの着手については大変問題があるという報告をしているやに聞きますけれども、その辺はどのように受けとめていらっしゃいますか。
○政府委員(阿部充夫君) 夏の九月初めに概算要求を提出いたしまして、現在大蔵省といろいろ基礎データその他についての議論等重ねておるわけでございますが、もちろんこの問題についての大蔵側の正式の意思表示というのを受けておるわけではございません。したがいまして、現在大蔵省がどう考えているかということを申し上げられる段階にないわけでございますが、それにいたしましても、先ほど大臣からお答えがございましたように、国の財政事情が大変厳しい中でございますので、私どもとして、この計画がスムーズにずるずると実現するというふうに見るのは甘い見方だと思っております。 しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、それにいたしましても何とか実現を図りたいということで、先ほど申し上げました内容につきましての来年度分の概算要求を精力的にやっているというところでございます。
○粕谷照美君 この配置改善の人数、この辺を抑え込まれるんではないかという心配ももう一つ私には今の局長の答弁を伺って出てまいりました。 それで、さっきからの教育条件の話になりますけれども、「臨教審だより」の十月号に「教員の資質向上について」というので四人の方が対談をしていらっしゃるわけです。 その中で曾野さんがこういうふうに言っているんですね。「素人の質問ですけれども、研修というのは一年か、一年に何日か、数年に何日があるという。研修で人間が向上するものかという疑問があります。私はそういうのを信じられない。」、研修で人間が向上するというのを信じられないと、こういうお話をする中で、途中でこんな話もしています。 先生方にもやはり勉強していただくには、一年に数日の研修なんかでなく、継続した勉強時間が必要だと思うのですね。しかしそれを妨げているのは恐らく先生方にお時間がおありにならないということじゃないかと思う。私はやはり人間にふさわしい状況を作ってさしあげるということが必要で、要求だけしてそういうことがかなえられないようなみじめな精神的、物質的、時間的な状況に置いておくというのはすごくいけないと思う。そういうことの改善の余地というのは可能でしょうか。こういう質問をしていらっしゃるんですね。 吉本さんは、「今の状況ではちょっと無理かと思いますね。たとえば恐らく取り上げられると思いますが、四〇人学級という問題もあります。それから教師が週休二日という状況になればかなりいいんですが、」と、こんな話をしていらっしゃるんですね。問題意識は持っていらっしゃるけれども、結局のところ財政の問題になってくるんです。 大蔵大臣に対して私は、四十人学級の実現の最低、三年間ストップさせられてきたんですから、計画は実現させていただかなけりゃならないし、配置の改善もそれと絡んで努力をしてもらわなければならないと思っているんですが、文部大臣の御決意をお伺いいたします。
○国務大臣(松永光君) そもそも四十人学級の、着手をしたときもこれはもうえらい実は騒ぎであったわけであります。私もその当時は党の政調副会長があるいは政調の審議委員か、そういう立場にあったわけでありますけれども、私どもの先輩、同僚、本当に結束してこれはやるべきだということで、あれは三役折衝まで行ったぐらいの大騒動を巻き起こして、そして実行に着手した、こういう経緯があるわけであります。したがいまして、そういう決意を持ってスタートさせた四十人学級の問題でございますので、財政状況の厳しいことはわからぬわけではありませんけれども、この達成年度、昭和六十六年度までには計画全体が実施されるように私はかたい決意を持ってこれの予算編成に当たりたいというふうに決意をしておる次第でございます。
○粕谷照美君 この四十人学級という問題に絡まりますけれども、世界的に学級規模というのはどんな状況になっておりますのでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 小学校のケースで申し上げますと、全世界というわけではございませんが、一学級当たりの平均的な児童数でございますけれども、イギリスの場合に二十六人、フランス二十三人、西ドイツ二十四人とかいうようなぐあいでございますが、それに対しまして日本の現状は平均値で三十三名ということでございます。 なお、各国によりましてこの学級編制とか教員の手当ての仕方等がそれぞれ違うわけでございますので、専任教員一人当たりの児童生徒数ということでカウントをしてみますと、差は大分縮まってくるんでございますけれども、イギリス二十二人、フランス二十四人、西ドイツが約二十人、アメリカが二十一人くらいに対して、日本は二十五人ということでまあ若干劣っているという程度になろうかと思っております。
○粕谷照美君 その平均ということについての考え方を伺いたいんですけれども、確かに僻地なんかへ行きますと子供三人に一人とか、子供一人に先生が二人なんというのがあるわけですね。そういうところと、四十五人持っている、こういうものを足して割ったこの平均が二十五人だという、そういう数字というのは意味があるものなんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) おっしゃるような問題は確かにあろうかと思います。ただ、これは諸外国と比較をいたします場合に、諸外国もやっぱり僻地があったり何かいろいろするんだろうと思いますので、同じような数値で比較するためにはこれしか方法がないのでこういう比較をしているということでございます。確かに、先生おっしゃるように、そういうものの平均というのがどれだけ意味があるかといいますと、問題がないわけではないと思っております。
○粕谷照美君 私は、二十五人で大体世界に匹敵する人数だからよく頑張っているんだという物の考え方はやっぱりまずいんじゃないかと思いますね。一クラスの人数が最高何人であるか、それが私は教育条件だというふうに考えているわけであります。 最近、ヨーロッパ諸国も随分財政困難になりまして、政府は公立の学校というよりは私立の学校に補助金を出して、そうして政府の使うお金をなるべく少なくしたい、こういうのがヨーロッパ各国の教員組合の悩みでもあるわけであります。 ところが、やっぱり国民の側に言わせれば、公立の一クラス三十人限度とか二十五人が上限だというような、そんな教育条件ではとてもうちの子供はついていかれない、もっとお金を出せば私学の一クラス十五人の編制のところにやれるというので、そういうところに通わせる親がふえてきていると、こういうふうに話をしているのですね。そういう意味では、私は文部省が平均で数字を出していくという考え方に立たないで、編制基準というものできちんと出していただくように要望したいというふうに思っています。いかがでしょうか、文部大臣。
○国務大臣(松永光君) 私は、一学級当たり生徒数の実態、それから基準、こういったものは先ほど局長が御答弁したとおりでありますが、問題のポイントはどこにあるかというと、一つは諸外国との比較の問題もありますが、結局は、それに要する経費というものは国民の税金の負担になってくるわけであります。 私は諸外国との比較とともに、もう一つ、財政当局等と話をする場合には、よく人によっては日本の音との比較をするものですから、日本の音との比較はそれは社会情勢が変わってきておる。というのは、昔はある意味では家庭における訓練というものが進んでおった、今は残念ながら核家庭がふえてきたということ、その他もありまして、小学校に入るまでの間の家庭における訓練が率直に言って前よりも非常に劣っていると。そういう状況下で適切な教育をしていくためには、昔は多かったかもしれぬけれども、今はそういう変化があるのであるから昔よりもうんと減らさなければ望ましい水準の教育ができないのだと、こういったことも私は四十人学級実現のための予算を確保する場合の論点にしなきゃならぬというふうに思っておりまして、そういう議論も実はしておるわけであります。そういうことでありますので、あらゆる四十人学級実現のための理論づけをして、その必要性を強調して計画どおり実現するように努力をしてまいる所存でございます。
○粕谷照美君 今のところ四十人でありますけれども、まだまだこれはよくしていかなければならないというお考えの上に立っての文部大臣の今の御発言だというふうに思いまして、ぜひ頑張り抜いていただきたいと思います。 もう一つ、午前中に本岡委員の方からもいろいろな意見があり、質問があったわけですけれども、非常な校内暴力だとか非行だとか、いじめの問題で、やっぱり教師の目が行き届かないという物理的な条件があると思いますね。精神的な条件とかそういう教師自身の力というか、そういうものに関係する部分もありますけれども、物理的にそれが成り立たないものがあると思います。それはマンモス校の問題であると思います。 私は先日、東北のある民謡で有名な町へ行きまして、たまたま統合の中学校へ行きました。三校ある学校を一つにしましょう、こういうことだったんですけれども、一つの学校は、幾ら何でも統合して二十六キロも子供を通わせるわけにはいかないということで二つの学校を統合することになった。まあ、それは外から見ますとすばらしい建物でした。グラウンドの条件なんかも整っていて、本当にいいと思ったんですけれども、この統合をやるときに町の中が町長派と反町長派、統合を進める派と進めない派、真っ二つに分かれている。そうしますと、その分かれた親が家庭で新しく建つ学校の悪口を言うわけです。悪口を言って、あんな学校は柄だけ立派だ、外側だけ立派だけれども中がだめだと。こういうふうになりますと、子供たちがその学校を愛するという心を持たなくなってくるわけです。統合されて学校へ行ってから大変荒れるわけですね。昔のように小さな窓ガラスじゃなくて、今一枚割ってもウン万円というお金が飛んでしまう、もう大変なんだ、こういうふうに言っておりましたが、それでも適正規模の学校をつくるということは非常にいいことだというふうに思いますけれども、このマンモス校の解消のための努力というものは、ことし予算の中でどんなふうに見積もられておりますでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 私ども、当面の対象は三十一学級を超えるような学校をできるだけ解消していきたいというのが私どもの当面の目標でございまして、そのために従来から、特に人口急増市町村でそういうケースが多いということもございますので、人口急増市町村における学校の新設等に関しまして、過大規模校を解消するというようなケースについての建物の補助のほかに用地費の補助という特別の制度も設けて対応してきたわけでございます。人口が急増しております間はそれでもなかなか数が減ってこないで困っておったわけでございますけれども、子供の数がピークを過ぎてきたというようなことから、かなり減少をし始めてきていると思っておりまして、ただいま数字を手元に持っておりませんけれども、三十一学級を超えるものは現在大体千五百校ぐらい、こう見ております。二、三年前申し上げましたときは二千校という数字を申し上げておったわけでございますが、それで、それらのものが一、二年後には子供の数が減って適正規模に戻っていくという見込みのあるもの、あるいは既に学校の用地等を取得して新設校をつくるという計画ができ上がっているもの等々を除いてまいりますと、二百校余りぐらいの学校が用地の確保困難というようなこと、あるいは急増の地域でない場所にあるというようなことから、なかなか解消が難しいというようなケースが出てきておるわけでございまして、来年度の概算要求につきましては、その用地費補助制度が昭和六十年度をもって打ち切りになるという従来からの年次計画でやってきました関係上、そういう時期でもございますので、その用地費補助制度、急増地域における用地費補助制度をさらに期間を延長するということと、それに加えまして、急増地域以外であっても、いわゆるマンモス校を解消するための用地費補助、これを新たに加えるということで財政当局に要求をし、現在折衝をしているというところでございます。
○粕谷照美君 私はぜひそれは強い態度で臨んでいただきたいと思います。 今度、文部大臣表彰をもらうようでありますけれども、町田忠生中学校の校長先生ですね、この忠生中学校が二年間で学校再建の成果を非常に上げたということでございますが、確かに教職員が一致団結し、地域の人たちが本当に一生懸命に学校を再生させるために努力をしたということもありますけれども、この間に八二年度の事件が発生した当時の学校は三十六クラス、千四百五十人、約千五百人の生徒がいたわけでありますが、やがて二年後の八四年にはこれが新設校ができて分離されまして二十三クラスに減った、十三クラス減って、生徒は九百四十人、千人以内の学校になってきた。そして、教師と生徒との人間関係、教師と父母との指導面というものが大変徹底をし始めてきたという物理的な条件の整備が、校内の非行、暴力、子供たちの荒れというものを押さえ込んだということもありますので、これはぜひ用地費補助制度というものは残してほしい、こういうことで折衝していただきたいと思うわけです。大臣、いかがでしょう、これ。
○国務大臣(松永光君) 先ほど局長もお答えいたしましたように、過大規模校の解消、これは大体過大規模校があるところは人口急増地帯が大部分なんでありまして、したがって、過大規模校を解消するために学校を分離するとして、その場合に一番の負担になるのが用地費であるわけでありまして、用地取得についての国の補助制度、これはぜひ存続きしていくように努力をしていきたいと考えております。 それともう一つは、先生も御指摘になりましたように、地域の学校をいい学校にしていくためには、これは学校だけの、教師だけの努力ではなかなかうまくいかぬわけでありまして、やはり地域の父兄も地域の学校はみんなで力を合わせていい学校にしていこうということで協力してくれることが大事なことなんでありまして、学校側とそれから父母の側と双方の努力で私は学校はよくなっていくんじゃなかろうか、こういうふうに思っております。でか過ぎると、その点が何といいましょうか、でかいというと、割とその地域との関係も、どちらかというと薄れてくる。やっぱりある程度適正な規模の場合の方が学校とそれから父兄の側との関係もうまくいくという点も実はあろうかと思いますので、過大規模校の解消の問題については今後とも十分力を入れて努力をしてまいりたいと考えております。
○粕谷照美君 文部省は三十一学級以上がマンモス校だと、こういうことをおっしゃっておりますけれども、私はやっぱり二十五学級以上というのは、これはもう過大規模校だというふうな発想の転換をしていただきたい、中学校だったう。小学校だったら、もう十五学級以上、この解消に向けて努力をしていただきたい。適正な規模というのは小学校十八、中学校十五、この辺のところに目標を置かないと、三十ならよろしいとか二十九ならよろしいということには私はならないのではないか、こういう考え方を持っております。 一応教育予算に関連する質問はこの辺で終わりますが、先ほどの質問に対して答弁の方がいらっしゃったといいますからお願いします。
○政府委員(西崎清久君) 先生、冒頭の御質疑で、給与費の国庫負担に関連しましての財政当局との折衝プロセスという御指摘があったように伺っております。不在で失礼いたしました。 現在の状況を申し上げますと、会計課の段階、それから各局の事務レベルの段階で財政当局の担当官との折衝が進められておるわけでございます。したがいまして、義務教費の国庫負担金問題、特に人勧の実施に伴う給与増との関連で、具体的に財政当局の意見表示が正式にあるわけではございません。今後の課題といたしましては、先生御案内のように、来年度の予算大変に厳しいわけでございます。特に先ほど数字も出たようでございますが、千七百億余の人事院の勧告に伴う増をどういうふうに処理するか、大変大きな問題でございます。私どもとしましても、今後十分教育財政の問題として審議を尽くしていく、財政当局との間の折衝を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。いましばらく御容赦をいただきたいと思います。
○粕谷照美君 その問題で、さっき私は、ひねり出すんじゃなくて、プラスにして要求をしていくというふうに努力をお願いしたいと、こういうふうに言ったわけなんですけれども、大体他省庁と違って文部省というのは人間が主ですね、教育というのは。だから、その人件費というものはほかの省庁と並んで考えてもらっては困るというふうに思っているわけです。今までの経過というものは、感触というのはどんなふうな状況なんですか。
○政府委員(西崎清久君) 従来から人事院勧告に伴う給与費の増につきましては、確かに人勧は八月に出るわけでございますが、その取り扱いにつきましての政府の方針が固まりますのは秋以降の段階というのが例年の扱いでございます。したがいまして、八月末に概算要求を大蔵省に提出する際には、人勧増に伴う給与費の増は概算要求に織り込まないで提出するという扱いが慣例でございます。したがいまして、本年度もそういう従来の慣例に従いまして一概算要求は人勧増に伴う経費を予定しないで出しておるわけでございます。 そこで、来年度の予算折衝においてそれがどういうふうに固まってくるかということにつきましては、千七百億余が全部概算要求の別枠で載るとすればもちろんそれはハッピーでございますが、従来からの財政再建の経緯から考えますと、それはなかなか至難ではないか。そういたしますと、人件費、物件費を含めて人勧経費との関係をどういうふうに処理するかが焦点になるわけでございます。そのプロセスにおいて私どもは財政当局と教育予算の問題として十分真剣にこれに対処していかなければならない、こういうふうな気持ちではおるわけでございます。大変厳しいというのが実情でございます。
○粕谷照美君 その問題についてはわかりました。 それで、先ほどから言いましたように、とにかく先国会の中で非常に重点になったのは教材費外し、旅費外しですね。今度は学校事務職員とそれから栄養職員、これも国庫負担から外すなんというようなことは絶対に許せないんだという態度で文部大臣は頑張ると、こういうふうに先ほどおっしゃっていただきましたので、折衝に当たる官房長としてもぜひ頑張っていただきたい、こういうふうに思っております。
○政府委員(西崎清久君) 先ほど大臣がお答えした内容も私承知いたしておりますし、担当局長は助成局長でございますが、私ども官房といたしましても教育予算全体の姿の中での問題として、この問題につきましては十分真剣に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
○粕谷照美君 その問題は終わります。ありがとうございました。 次に、十一月六日、臨教審の総会が開かれまして、ひとつ臨教審として教育基本法の今日的解釈が必要であるという結論に達したという報道がありました。その後、衆議院の文教委員会で臨教審の会長及び委員の方々にこの質問があったように思いますけれども、私はこの第一次答申を見てみますと、「第二部本審議会の主要課題」の中の「二十一世紀に向けての教育の基本的な在り方」の第一テーマである「教育の目標」というところ、ずっとこつきまして、「教育基本法の精神が、今後の我が国の教育に生かされるよう、その正しい認識の確立に努める。」と、こう書いてありました。ここは非常に、すうっと読んでいきますと非常に当たり前のことだと思います。逆に言いますと、「正しい認識の確立に努める」ということになりますと、今まで確立していなかったのではないか、確立していないのに答申を出したということは一体どういうことなんだ、こういうことになろうかというふうに思います。 文部大臣、この「正しい認識の確立に努める」という臨教審の答申をどういう受けとめ方をしていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 私は次のように考えておるわけであります。 今次の教育改革は、教育基本法の精神にのっとって改革をする、そのための審議をお願いしておるのが臨時教育審議会でございます。したがいまして、臨時教育審議会において具体的な提言をなさる場合、あるいは具体的な提言をするための審議をなさる場合にも、教育基本法の精神にのっとって審議をしていただき、かつ提言をしていただかなければならぬというふうに思っております。恐らく臨時教育審議会の先生方もそういうお考えであるというふうに私は思っておるわけでありますが、その場合に、教育の目標等について、人格の完成を目指すというふうに教育基本法には明記されておるわけでありまして、この人格の完成という言葉は正確に言えばどういうふうに認識したらいいのだろうか、その正しい認識はどういうものであろうか、こういったことについて論議をなさる、勉強なさる、そしてそれについての正しい認識をなさった上で具体的な提言に関する論議をしよう、そして提言をしよう、こういうことで審議をなさっておるのではなかろうかというふうに私は思っておるわけでございます。
○粕谷照美君 人格の完成とはどういうことかと、こういうふうにこれから議論をするとおっしゃいましたね。これから議論をして具体的に提言をするというふうにおっしゃいますけれども、それだったら最初にいろんなことをまず正しい解釈をされまして、そして答申を出すなら別なんですよね。第一次答申やって、いよいよ基本答申に入ろうかというこのときになって改めて正しい解釈をするという、そこのところが私にはどうしてもわからないのでございます。 今まで教育基本法の解釈というのを文部省としてやったことはあるんでしょうか。
○政府委員(西崎清久君) 教育基本法の公定解釈というべきものにつきましては、昭和二十二年の五月に、当時の文部大臣高橋誠一郎大臣から訓令が出ておるわけでございます。大変簡単なものでございます。「教育基本法制定の要旨」という形で出ておりまして、この中で「人格の完成とは」ということについて文言がございます。一、二行でございますので、ちょっと読み上げさしていただきますと、「人格の完成とは、個人の価値と尊厳との認識に基き、人間の具えるあらゆる能力を、できるかぎり、しかも調和的に発展せしめることである。しかし、このことは、」云々として、国家社会云々とか、いろいろ後が続くわけでございますが、こういうものが一応文部省として正式に出した解釈と申し上げられるかと思います。
○粕谷照美君 そうしますと、その解釈というのは、昭和二十二年ですから随分古い話でございますね。その間全然なかった……。
○政府委員(西崎清久君) 文部省が訓令とかあるいは通達の形で流したものはございません。しかし、国会における大臣答弁とか、いろいろな機会にこの「人格の完成」につきましてお答えをしておる経緯はござざいます。例えば昭和三十一年でございましたか、臨時教育制度審議会設置法が国会で議論されましたときに、清瀬大臣がこの点などについて触れてお答えになったというふうなものも過去にあるわけでございまして、そういう意味で過去の議論はございますが、正式なものとしてはただいま申し上げたものが一つあるだけでございます。
○粕谷照美君 その訓令は簡単なんですね。大変基本法の解釈というのは難しいと思うんですね。それは本当におっしゃるように難しいと思います。 私、ここに昭和二十二年に文部省の調査局が第九十二帝国議会における予想質問答弁書、こんな質問があったらこういうふうに答えましょうなんていうのを持ってきているんですけれどもね。これも全般にわたった、詳しいというような、そんなものではないですね。質問があったらこう答弁しましょうというような割と形式的な解釈のように思いますから、これみんなが見て、ああそうか、基本法の解釈はこうだなんということにはならないというふうに思いますし、また「教育基本法の解説」というので文部省調査局長の辻田さんという方と東京大学の田中二郎さんという方が随分書かれまして、これは随分詳しいなと思いますけれども、でもこれは文部省のものではありませんとわざわざ断っていらっしゃるくらい大変気にしていらっしゃる私は解釈だというふうに思うわけであります。大臣は法律の専門家でございますから、ぜひお聞かせいただきたいと思いますけれども、法律の解釈というのはどんなところでどんなふうにして行われるものなんですか。
○国務大臣(松永光君) 最も有権的な解釈というのは裁判所の判例であろうと思います、一般の法律の場合には。
○粕谷照美君 そうすると、その内閣法制局の答弁とか解釈だとか、あるいは国会における大臣答弁というものも、これはやっぱり法律の解釈というふうに私は考えているわけですけれどもいかがですか。
○国務大臣(松永光君) 内閣の法制局の解釈というものは、内閣が行政を執行する場合には統一的な考え方で執行しなきゃならぬわけでありますので、行政府の責任ある解釈が法制局の解釈であろうというふうに思います。国会の場合にも、また国会は責任ある立法機関としての行動をしていくわけでありますから、その場合には国会にもあるいは法制局といいますか、それがあるわけでありまして、その意見を尊重して国会としては行動していくと、こういうことであろうかと思います。
○粕谷照美君 法律の解釈は、内閣がこうだと言ってもそうではないという解釈をする人たちもおります。現に四・一一裁判がきのう判決が出されましたけれどもね、あれに対してだって、その判決に対して違う解釈を持っている人もいるわけでありまして、私どももこの解釈についていろんなところで解釈が行われるということは構わないというふうに思いますけれども、この国会が承認をした人たちによってつくられている臨教審、その審議会において法律の解釈をするということと、文部省の解釈ということとの関連は一体どういうふうになるんでありましょうか。
○政府委員(西崎清久君) ただいま大臣からお答え申し上げましたとおり、法令の解釈につきましては最終的には裁判所、もっと申しますれば最高裁判所の判断が最終である、そして第一義的には法律を所管する各省庁が有権解釈をするのが第一でございます。 第二には、各省の有権解釈の上に内閣として解釈を統一する必要が出た場合には、内閣法制局が意見を取りまとめて内閣としての解釈を出すと、こういうふうな形になろうかと思うわけでございます。 したがいまして、教育基本法は文部省の所管でございますので、文部省、そしてその長である文部大臣が教育基本法の解釈を行う、これが第一義的な解釈というふうに私どもは考えておりまして、臨時教育審議会におきまして教育基本法についていろいろと勉強するというふうなお答えをしておられることは承知しておりますが、岡本会長もお答えの中に、決して自分たちが有権的な解釈を行おうとしているものではないというふうに衆議院でもお答えになっておりますので、まあ私どもとしては解釈論として政府側と臨教審側でそこを来すということはないというふうに理解をいたしております。
○粕谷照美君 いずれ二十六日の日に臨教審の質問が入りますから、そこでも明確にしたいと思いますけれども、しかし、新聞報道あるいは質問した方にちょっといろいろとお話を伺ってみますと、やはり岡本会長の御答弁と第一部会長の答弁は若干ではありますけれどもニュアンスが違う、そういうふうに判断せざるを得ないというんですね。で、臨教審の解釈というものは国会を上回る——上回ると言うとおかしいですね、この国会審議ないままに臨教審が解釈を出すということ自体、私は越権行為じゃないかと思いますけれども、いかがですか。勉強会をするというなら、それは話はわかります。
○政府委員(齋藤諦淳君) 岡本会長は、臨教審が基本法の精神にのっとっていかにそれを実現するかということを勉強していこうということであって、条文について法律解釈を示そうとするものではないと、そういうように衆議院で答えております。
○粕谷照美君 食い違いがありませんか、第一部会長天谷さんと。
○政府委員(齋藤諦淳君) 天谷さんが答えておられる趣旨は、私どもとしてはその教育基本法の規定が、先生のおっしゃるように非常に抽象的な面もあったりいたしますので、それが今日どういうように実現していくのか、そういうことを検討していきたい、そういう趣旨で今日的にどう読むかを検討したい、こういうように言っておられるものと、こう解釈しております。
○粕谷照美君 私は、この審議会が法律の解釈をやるということに対して大変心配しているんですよ。それは、この間の靖国懇の報告を受けて政府が行ったあの靖国神社の公式参拝、この実現ということになっているわけで、この教育基本法だって今までもう何回も何回も、とにかくこの教育基本法を廃止して、そして新しいものをつくらなければならないとか、特に昭和三十一年ですか、臨教審法案が提案されましたね。そのときだって大変な状況にあったわけでしょう。あの時代は清瀬文部大臣だったと思いますけれども、この清瀬さんが教育基本法の再検討の必要を挙げて、その改正の趣旨といいますか方向を次のように言っていらっしゃるわけです。 「第一の方向は教育目的に関する反省でございます。……今日反省してみますと、たとえば国家に対する忠誠ということがどこにもないのです、いかに民主国といえども、国を作っておる以上国に対する忠誠心を鼓吹すべきものであろうと思います。」また、「近親に関する親愛感」、こういうような方向での教育目的の変更をちゃんと国会の中でもう求めようとしていた。そういうことがあるものですから、そういうものに口実を与えるような解釈が行われ、そしてその行われた解釈を文部省が、あるいは内閣が受けとめて新しい法律にして出してくるんじゃないか、こういう心配もないわけじゃないんですよね。文部大臣、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 教育基本法の「教育の目的」として掲げてある「人格の完成」、その意味することについては、先ほど官房長の方から昭和二十二年五月三日の文部省訓令に基づいて御答弁申し上げたところでありますが、私はこの「人格の完成とは、個人の価値と尊厳」云々というこの文章は、私が終戦後、大学生になった間もないころむさぼるようにして読んだ河合栄治郎先生の本の中に書いてあるのとほぼ似たような文章と私は見るわけでありますが、私は「人格の完成」というのは、そういう本を読んでおりましたので、そういう意味だというふうに理解をいたしておりました。したがって、今清瀬先生の話が出ましたけれども、私自身はこの訓令にもありますように、「人間の具えるあらゆる能力を、できるかぎり、しかも調和的に発展せしめることである。しかし、」という、以下があるわけでありますが、「国家及び社会への義務と責任を軽視するものではない。」、これも河合先生の哲学の中にはそういうことがあるわけでありまして、そういうものだというふうに私は理解をいたしておりますので、教育基本法に書いてある「人格の完成」というのは。したがって、清瀬さんとは私は考え方少し違っているようでありますけれども、私の考え方はこの「教育基本法の制定の要旨について」の文部省の訓令と同じ考え方であります。 ただ、これは質問にないことであるかもしれませんが、天谷先生のおっしゃっている議論を私は傍聴したことがございますが、それは、四十年たって随分世の中が変わってきておる、今日考えてみるというとやや具体性の欠く訓令でございますので、どういうふうにこれは精神は理解すればいいのかというふうな点についての勉強をしていらっしゃるんじゃないかなというふうに思います。言われてみれば、具体的なことを言いますと、「人間の具えるあらゆる能力を、できるかぎり、しかも調和的に発展せしめる」という項目がありますね。そうすると最近になってきますというと、非常に、人間はそれぞれ個性が違うんだから、その個性をできるだけ伸ばすなどということと、それから人間の備えるあらゆる能力を調和的に発展させるということとの矛盾とか食い違いはないのか。それは個人個人全く能力が違う、性格も違うのであるから、その能力だけをぐんと伸ばすようなことはこれに、この精神とは食い違うことがないんだろうかな、そういう勉強も私はあるんじゃなかろうか、こう思うんでありまして、そういう点を考えますと、やはり教育基本法の精神というのは、今度は世の中が変わってきた今日具体的な事象に当てはめていきますというと、やはり勉強したいというお気持ちになられるのも無理からぬかな、これはまあ個人の物の考え方の問題でございますけれども、私自身はこのとおり理解をし、このとおり解釈をしておるわけであります。それは、私は三十七、八年前に河合さんの本を、ずっと前に読んでおりまして、それが頭に残っておったから、そのとおり解釈できたんじゃないかな、こう思うんでありますけれども、私はそのように考えるわけであります。
○粕谷照美君 確かに四十年もたって解釈が昔のままであってよろしいということにはならないと思います。例えば男女共学なんかも、共学することができるじゃなくて、もう共学することが当たり前なんだという考え方に立っていないわけでありますから。だから私が言いたいのは、教育基本法あの前文、もう憲法にあるような前文がつけられている、教育憲法と言われるようなこの教育基本法なんですから、その精神にのっとってのこの解釈になるならまだ話がわかるんですけれども、それを乗り越えるというような解釈になったんではこれは大変なことになるなというふうに思っているわけであります。それはなぜかと言いますと、池田内閣のときの荒木文相は、教育委員長の合同総会のところで、教育基本法はいささか足りないところがありはしないか、こういうことをおっしゃっていらっしゃるわけです。これは一九六〇年の八月の九日の話であります。その十月の十五日の参議院文教委員会では、終戦直後の米軍の占領政策は日本をどのようにして立ち上がれないようにするかに根本目標があった、現行憲法はこのような考えのもとに草案を押しつけられたもので、この憲法に従ってさらに教育基本法がつくられた、したがって憲法も教育基本法も日本人の創意が盛られ、自由な意思が表現されているとは言えない、こういうことをおっしゃっていらっしゃるわけですね。先ほどから私は大臣のお話を伺いながら、大臣はこの教育基本法は立派な法律であるというお考えをお持ちになっていらっしゃるようでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 私は先ほどから申し上げているような解釈をいたしておりますので、その点清瀬先生や荒木先生とは少し違うわけであります。恐らく清瀬先生や荒木先生は、自分も一員である社会についての責任とか義務とかということが文章の上で教育基本法には書いてない、だから足らざる点があるというふうな理解だったかもしれませんが、私は人格の完成というのは、先ほど申し上げましたように個人の価値と尊厳の認識に基づいて人間の持っているあらゆる能力を最大限に伸ばしていく、こういう伸ばしかつ発展させることだというふうに解釈すると同時に、そのことは決して自分の属する国家、自分が構成員の一員である社会についての義務や責任などというものを軽視するものではない、自分の属する国家や自分も構成員の一員である社会について何ら責任を感じない、義務を果たさない、そういう人は決して人格の完成されたものとは言えないわけでありますから、そういうことで、私は偶然にもこの文部省訓令に書いてあると同じような物の考え方に立っておりますので、私はこの教育基本法があればよろしいというふうに考えておるわけでございます。
○粕谷照美君 大臣のお考えがわかりましたので、私は靖国神社の公式参拝の問題については幾つかの問題点を省きまして二、三お尋ねをいたします。 靖国懇の報告で、多数意見でありますけれども、何らかの方式で公式参拝を実施する方法を検討せよという、こういうときに配慮すべき事項として五つほど挙げているわけでありますね。その五項目の中で、直截に伺いたいと思いますのはまず二項目目でありますが、いわゆるA級戦犯とされた人々が合祀されていることは依然問題として残るものであることに留意せよと、こうあります。文部大臣は、この点についてはいかがお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(松永光君) ちょっと恐縮ですが、今最後のところ聞き落としましたので、そのポイントのところをもう一回恐縮ですが……。
○粕谷照美君 いわゆるA級戦犯とされた人々が合祀されていることは依然問題として残るものであることに留意せよと、こう書いてあるんですね、二項目目に。それどのように理解をしていらっしゃいますか。
○国務大臣(松永光君) 今お読みになったように理解するわけでありますが、ただ宗教法人たる靖国神社がどういう方を祭るか、合祀するか、こういったことはその宗教法人が自主的に決定することでありまして、政府の一員である私がいろいろ申し上げる立場に実はないわけであります。
○粕谷照美君 それは中曽根総理の御答弁と同じなんですがね、その留意せよというそこのところはいかがなもんですか。どのような留意を文部大臣としては払わなければならないというふうにお考えになっていらっしゃいますか。最近の中国の反日デモも経済問題だけではないというふうに私は思っているわけですよね。いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 今申したとおり、どなたをお祭りするか、どなたを合祀するかというのは宗教法人たる靖国神社が自主的に決定されることでありますから、したがってそのことに関連して政府の一員である私がいろいろ申す立場に実はないわけであります。ただ私は閣僚になる前も八月十五日、言うなれば終戦記念日に靖国神社にお参りをいたしておりました。これは国会議員として参っておったことになると思います。今度初めて国務大臣になっておったもんですからどうかなと、こう思っておったわけでありますが、しかし私どもの八月十五日にお参りしておった趣旨は、また目的は国のために亡くなられたいわゆる戦没者を追悼する、そして世界と日本の平和への決意をさらに新たにするという目的で、そういう趣旨で私は参っておったわけであります。今何もそういう趣旨、目的で参ったわけであります。
○粕谷照美君 私的にお参りされることについては私は当然だというふうに思っているんですよ、いろいろな関係がございますから。今公式参拝の話が問題になっているということを御理解いただいて、同じく留意事項の四番目に、閣僚等の信教の自由を侵すことのないよう十分配慮せよと、こうあります。官房長官の談話の最後のところにも、「各閣僚は、内閣総理大臣と気持ちを同じくして公式参拝に参加しようとする場合には、」云々と、こうありますね、同じような行動をとりなさいと。しかし、「従来どおり、私的資格で参拝することなども差し支えない。靖国神社へ参拝することは、憲法第二十条の信教の自由とも関係があるので、各閣僚自らの判断にまつべきものであり、」と、こういうふうになっております。文部大臣は公的資格で参拝をされましたでしょうか、私的な資格で参拝をされましたでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 従来私が靖国神社に参っておったのが純然たる私的と言えるのかどうか、国会議員であるという立場であったような気がするんです。国会議員の立場を離れた純然たる個人ではなかったような気がするわけでありますが、今回は国務大臣という立場でお参りをしたわけでありまして、ただよく私的だ、公的だという言葉を使いますけれども、国務大臣をしておりますというと、例えばちゃんと護衛もそばまでついてくるんですし、なかなかそういう点は私的と公的との区別はつけがたい面があると思いますが、いずれにせよ国務大臣という地位にある者として、しかしその趣旨、目的というものは戦没者の追悼、平和への決意を新たにするということでお参りをしたわけであります。なお、何かつけ加えられましたね、信教の自由を侵すものであっちゃならぬというようなことを。これは恐らくそれぞれの国務大臣が御自分の判断で参られるのであって、総理大臣と同じ気持ち、すなわち戦没者の追悼、平和への決意を新たにするという考え方であるならば、そういうことでお参りになってはどうかということであったんじゃなかろうかというふうに思うわけでありまして、個人個人の信教の自由を侵すものではないというふうな趣旨ではなかったかというふうに私は思うわけであります。
○粕谷照美君 ですけれども、今回のテレビなんかを見ておりますと、私はキリスト教だから行きませんと初めに言ってらっしゃったけれども、みんなぞろぞろと一緒に行くというから、じゃ私行きましょうと、こうお考えをお変えになった大臣もいらっしゃるわけでありまして、侵すものではないと言いながら本当はなかなかそういう実態にはなっていないんではないかというふうに思います。特に宗教行事のように二礼二拍手一礼によらない、これだから憲法違反ではないということについては意見がもう真っ二つに割れているわけであります。でも二礼二拍手一礼によらない抜刀礼だとか捧げ筒、最敬礼などの参拝方式があって儀式にかなった立派な参拝だ、こう言って神社本庁では機関紙を出しているわけですよね。だからこの公式参拝についても法律の解釈というのはもう本当に大変な問題がある。だからこそ今大臣が最終的には裁判だとおっしゃったから裁判で訴えましょうという動きが幾つかあるわけでありますね。この解釈がはっきり出たときがまた一つの私は重要な時期になるのではないか。なし崩しに公式参拝を黙って実行させていくということについては厳しい抗議をしていきたいというふうに思っております。 最後に、先日新聞にちょっと報道されたんですけれども、社会教育・スポーツ関係者の集いというのがあるんですけれども、これはどんな目的で行われたのでしょうか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 去る十一月十六日土曜日に行われました総理招待の社会教育・スポーツ関係者の集いでございますが、その趣旨は青少年の健全育成や国民の文化、スポーツの振興に果たす社会教育関係団体あるいはスポーツ団体の役割の重要性にかんがみまして、日ごろボランティア指導者として活躍している方々が一堂に集いまして、総理を囲んで活動の成果や意見を交換し、社会教育、スポーツ活動のますますの発展に資する、そういう趣旨を持って開催をいたしたものでございます。
○粕谷照美君 スポーツ、運動をやってらっしゃる方は自分も好きだというのはありますけれども、やっぱり健康を増進させなきゃならないとか、楽しませなきゃいけないとか、また子供たちにそういう団体行動を起こすような場所を与えおきゃいけないとかといって本当に努力をしていらっしゃる姿は私もよく見ておりますので、この集いをやること自体には問題がないというふうに思うんですけれども、何か随分スポーツ担当大臣の場所と総理大臣の県が非常に突出した参加状況になっているというのですけれども、これ割り当てがあったわけでしょう、各県何人ぐらい出しなさいなんて。それはどうなってるんですか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 社会教育関係団体につきましては全国的な組織でございます関係団体から推薦をしていただくということにいたしまして、そういう関係で近県の方々、東京都を中心にしまして近県の方々が数多く参加をしたということでございます。それからスポーツ関係につきましてはスポーツの表彰を受けられた方々を中心といたしまして各県から推薦をしていただいたという経緯でございますが、年度途中の時期でもございましたし、またこの集いは旅費等も用意いたしませんものでございますから、その場合でも近県を中心にお願いをするということにいたしたわけでございます。
○粕谷照美君 でも何か基準があるでしょう。例えば北海道四、沖縄三、鹿児島四なんて、こういうふうにありますよね。なるほど関東各県は余計ですけれども、今大変交通が非常によくなってますから、東北新幹線だとか上越新幹線なんて乗ってくれば簡単に来れるわけでありまして、その辺の数字がどうも異常でありますね。何で三重県なんてあんな遠いところに神奈川並みの二十も割り振っているんですか。恣意があったんでしょう。いかがですか。最初の枠がそうですね。
○政府委員(齊藤尚夫君) 先ほど御答弁申し上げましたように社会教育関係団体につきましては全国団体に推薦をお願いをいたしまして、したがいまして地域的な枠はございません。そういうことで対応しているわけでございます。
○粕谷照美君 地域的枠はございませんと言ったけれども、都道府県別推薦枠というので文部省から資料来ているじゃないですか、おかしいじゃないの。
○政府委員(齊藤尚夫君) これも先ほど御答弁いたしましたが、体育関係につきましては地域的な推薦枠を設けてお願いをいたしたわけでございます。
○粕谷照美君 しかしそれにしても、中央関係といえば東京が余計なのはこれは当然だというふうに思いますけれども、埼玉だけ何で三けたにもなってるんですか。これ文部大臣も幾つか頼むよと押し込められたんだと思いますよ。それはその程度の幾つかのことぐらいは私黙っていようと思いますけれども、何でこんな百十もよその県から突出していたかという問題なんです。特に埼玉はスポーツとか社会教育が他県に比べて非常に活躍をしていらっしゃるというのが見えたのではないかなと、こう思いながらも、しかし社会教育関係が五十五、スポーツ関係が五十五とぴたっと二つに割ったような数字というのは出てこないのね。これは私は大臣というよりも文部省自体に、あなたに私は文句を言いたいですよ。さっき大臣はえこひいきはいけない、差別はいけない、そういうものはもう絶対に許すことができないと、もう大きな声で議事録にも載っていらっしゃるんですよ。それなのにこんなえこひいきするということはやっぱり問題がありますね。そういうときは殿、御乱心と、こう言って抑えるのがあなた、ちゃんと役割じゃありませんか。そういう意味で以後これ注意をしていただきたい。それ起こったこといいですけれども、もう呼ばれなかったところが本当に残念だろうと思うんですね。それと合わせまして、この中で女性は一体どのくらい入っているのか、この辺も伺いたかったところでありますけれども、時間が来ましたので、文部大臣これについて一言ありましたらお答えいただいて、終わります。
○国務大臣(松永光君) 一部の新聞からもしかられたわけでありますけれども、実は先ほど局長が答弁いたしましたように、今回の催しは、今までは総理大臣官邸に有名な一流のスポーツ選手とかあるいは芸能人とか、そういった者はお招きをして、そして労をねぎらう、そしてあるいは激励するという催しがありましたが、今まで例えば青少年のスポーツ活動の直接指導をしているとか、あるいは社会教育団体の直接の世話役、リーダーとして汗を流しているとか、そういう人についてそういう総理官邸に招いて、そして慰労する、激励するということが今まではなかったわけであります。しかし、今日の日本の体育、スポーツの普及、発展、あるいは大事な社会教育活動等の面で会長とか何とか長とかという立場ではないけれども、実際第一線で汗を流して働いている人、これを慰労しあるいは激励するというのが非常に大事なことではないかということで総理にお招きをいただいて、そしてそこで慰労をし、かつ激励をしようということで今回の会合は持たれたわけであります。そして先生御指摘のとおりにやや埼玉県が多いわけでありますけれども、埼玉県の場合は、団体等でいきますというと、東京の中央団体に関係しておるけれども、実際は交通便利なところでありますし、住宅が割とそろっておるものですから埼玉住まいという人が相当多いです。したがって、そういう面の多さも実はあるわけでありますが、実は私は特にスポーツ関係でございましたが、名簿を見たときに、これはどうも表彰をもらっている、したがって会長さんではあるでしょう、しかし実際はほとんどやっていない。実際はこういう人が汗流して働いているんだという人を私は埼玉県に関することなら知っておるものですから、こういう人をお招きした方が実際は意味があるぞというわけで十数名か実はおねだりしたということが事実なんでありまして、ほかの県でもそれがわかっておればまたしたかもしれませんけれども、まず自分の気がついたところを指摘したということでありますので、そういうことで理屈は申し上げませんが、私が大臣しておったから結果的には少し埼玉県が多かったという面も実はあるわけでありますが、立派な人だけ追加さしてもらったつもりでございます。そういうことでありますので御理解を願いたいわけでございます。
○杉山令肇君 大臣に申し上げたいと思います。質問の前に、実はきょうの文教の理事会におきましてある理事さんから、午後長時間にわたる大臣の固定した姿勢ということは、生理現象の立場からも健康によくないのではないか、適当な便法はないかというような温かい御意見がございました。ルール上そういうのがございませんが、私の質問は当初文部省当局の御答弁で用をなすところがございますので、ひとつその辺を加味して御行動していただいたらどうかと思います。 それでは、お尋ねをさせていただきます。 近々非常に新聞紙上を通しまして、毎日のようにいじめの問題について事件が発生をいたしておりまして、大変心の痛む大事な問題であると思っております。しかも近年のいじめの傾向につきましては、何か非常に広範囲にわたっておりまして、陰湿になっていること、自殺、登校の拒否、中途退学者等深刻な結果となるなど、昔から一部で行われていたものとは質的にも違うように思うのであります。そこで、まずいじめの状況について各種の調査が行われているようですので、文部省は現状をどのように把握されているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 一昨年は実は校内暴力が非常に大きな問題になりまして、校内暴力関係の調査をやりまして、ここ一、二年の傾向を見ると、校内暴力はおかげさまで減少の傾向をたどってきているわけでございます。 そこで、いじめの実態というのは実はなかなか全体的な掌握は非常に難しいわけでございます。というのは、大人ないしは学校の教師の目に既にとらえられる段階に来ているものよりも、それ以前の段階の内容がかなり多いし、そこからいろんな問題が発生しているということでございます。しかしながら、こういういじめの問題をほっておくということはできませんので、今回緊急に指導部課長会議を招集いたしまして、全小中学校を対象にしてその問題の総点検をやろうということで、目下その実態把握に努めるという観点で調査を継続しております。十一月中にその報告をいただくということになっております。学校が知り得ているいじめの実態がどうであるかということがその調査結果によって大体出てくると思います。その調査結果をまたなければ正確なことを申し上げるわけにいきませんが、いじめもいろんな幅がありまして、いわゆるいたずら程度のものから暴力的な行為に及ぶ非常に幅広い内容を持っているわけであります。我々が問題にしておりますのは、単なるいたずら、昔からありましたそういういたずら程度のものじゃなくして、子供の心身、自殺に追い込むとか、そういうような非常に陰湿な、ないしは暴力的な行動まで含む、ないしは金銭の強要等を含むようないじめという問題についてはこれは早急に根絶に向けての努力をする必要があると、こういうふうに考えているところでございますので、具体的な計数はもう少したちますと全国調査が出てまいりますので、御報告ができるようになろうかと思います。
○杉山令肇君 校内暴力もいずめの問題にいたしましても大変複雑な背景があると思いますが、子供は大人をまねてくるわけでありますから、大人の姿勢、特に日々子供と接している親と教師の姿勢が大切でないかと思います。そしてお互いに努力をしなければなりませんが、公共機関としても協力をする必要が十二分にあると思います。つきましては、去る十一月の十五日、関係省庁の非行防止対策推進連絡会議が開かれ、各省庁間の連携強化を申し合わせたとのことでありますが、特に関係の深い総務庁、文部省、厚生省、法務省、警察庁から、現在までの概況と取り組み方についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) まず、文部省は六月に既にいじめの問題についての通達を出しておりまして、そして学校が注意すべきポイント、家庭において注意すべきポイント、教育委員会において注意すべきポイント、そういう具体的な点検のポイントを示しまして各指導したわけでございます。ところが、その後依然として新聞に報じられるような深刻な自殺等の事件が出てまいりまして、これは単なる指導、通達による指導だけでは十分でないという観点から、十月の二十五日に緊急に指導部課長会議を招集いたしまして、先ほど出した通達のポイントに即した現実の実態調査を指示したわけでございます。その指示が、十一月中に全体的な掌握ができるという状況になっているわけでございます。そういうような手を打っておりまして、いわば二度にわたる通達というような形での指導を行ってきているのが現状でございます。
○説明員(堀利雄君) お答えします。 児童のいじめ問題は、いろいろな原因が絡み合ってそういう結果をもたらしておるということは先生御指摘のとおりだと思います。また、登校拒否とか校内暴力、非行等の問題行動とも深い関連を持っておりますので、これが解決策は、児童を取り巻く関係者が協力し、連携して対処しなければ効果が上がらないということでございます。 厚生省としては、児童健全育成の観点から各種施策を実施しておりますが、特に児童のいじめ問題の緊急かつその重要性にかんがみ、児童相談活動の一層の充実を図るよう、このごろ総務庁と協議をいたしまして、十一月十五日付で各都道府県知事に対し通知したところであります。 その内容を申し上げますと、いじめ問題については、悩みを持つ児童にいかに手を差し伸べるかが重要な問題であることから、児童相談所、それから福祉事務所——福祉事務所の中に家庭児童相談室というのがございます。それらの相談機関が創意工夫をして効果的な対応を図るようにと。具体的に申し上げますと、例えば児童が悩みを訴えるためには電話相談等の方法が有効ですので、相談機関においては電話相談の活用を図るとか、またいじめ問題の相談については、児童福祉施設といたしまして、児童館、児童センター等の地域における遊び場を中心とした児童健全育成施設がございますので、これらの施設におきましての相談活動または健やかテレホン、若干でございますけれどもそういう施策をいたしておりますので、電話活用による積極的な相談活動。それから、いじめ問題についての認識を深めるために、児童向けまたは家庭向けに、いじめ問題解決のための事例や対処方法、相談機関等を紹介した啓発資料を配布するというような問題、それからまた、児童相談所におきましては巡回相談なんかも実施しておりますので、それらの場を活用し、また各種行事等を利用して、いじめ問題の認識を深めるとともに、それらについての住民からの相談ニーズに積極的にこたえること。それから、いじめ問題は非行、情緒障害とも深い関連を持っておりますので、これらの問題については、地域に養護施設とか情緒障害児短期治療施設というような児童福祉施設がございますが、そこらの職員は本当に専門的な知識、経験を持っておりますので、これらを活用して、例えば、研修会等に先生方とまじってそういう知識を披瀝して効果を上げるようにと。それからまた、児童健全育成の地域におきましては、児童相談所、福祉事務所は、その地域におきますボランティアの対応として民生児童委員または母親クラブというようなボランティアの活動がございますが、そういう地域組織も生かして対処するようにというようなことを内容とした通知を出して協力を仰いでおるところでございます。
○説明員(三宅雄一君) お答えいたします。 法務省の人権擁護機関といたしましては、いじめはまさに心身ともに健全に育成されるべき児童、生徒の人権にかかわる問題であるとの観点から、去る三月十二日付で、各法務局長、地方法務局長に対して、法務省人権擁護局長通達を発しまして、全国人権擁護委員とともに人権擁護機関がその解決に向けて積極的に取り組むよう指示しております。六月五、六日の両日には、法務局の人権擁護部長の会同を開きまして、具体的な取り組みについて協議をいたし、さらに九月二十日には、全国の法務局、地方法務局の人権擁護課長の会同を開きまして、効果的な対応策や取り組み上の問題点等について協議いたしました。この人権擁護課長会同の際、全国から持ち寄られたいじめの事象は、九月十八日現在、全国で合計八百七十七件でありました。その後、十一月十五日現在の件数を集計中でございますが、約一千五百件に増加するものと見込んでおります。 法務省としてのいじめの問題に対する取り組みについての基本的な考え方は、いじめは、いじめられる子供の人権を侵害する行為であり、その根底には、他人に対する思いやりの気持ちの欠如など、人権意識の立ちおくれがあると思われますので、人権擁護機関が組織を挙げて人権尊重の思想の啓発活動を積極的に展開し、いじめを生じさせる環境をなくすよう努めることでございます。 具体的には、いじめ問題に関する人権相談体制を強化して、表面化しにくい傾向にあるいじめに関する情報をもっと積極的に把握するよう努めるということで、いじめ電話相談の実施、こういうようなことをいたしております。また、いじめの情報を把握した場合の措置でございますが、いじめは主として学校において発生しているため、まず学校教育の問題として取り扱われることになると考えられますので、原則として学校当局に連絡して対応をお願いすることとし、必要に応じまして、保護者や当該地域での啓発活動を展開いたしております。法務省では、全国の各地域において、学校、教育委員会、PTA、保護司、BBS等の方たちで組織するいじめ問題対策協議会というよう組織をつくって、関係機関が力を合わせて、地域ぐるみでこの問題の解決に向けて取り組むよう積極的に働きかけているところでございます。 以上でございます。
○説明員(金沢章夫君) 総務庁青少年対策本部の方から御説明を申し上げます。 いじめ問題を初めといたします少年非行など青少年の問題行動につきましては、従来から関係省庁の局長レベルによります非行防止対策推進連絡会議などを開催いたしまして、関係省庁間で情報交換、協議などを行いまして、必要な連絡調整のもとに、各省庁それぞれの立場から鋭意対策を進めてきておるところでございます。 去る十一月十五日の非行防止対策推進連絡会議におきましては、最近いじめ等の青少年の問題行動が大変深刻な状態になってきているということに対応いたしまして、文部省を初め関係の各省庁が相互の連携を強化して関連の諸施策をさらに一層強力に推進していくということを申し合わせをしております。特に、都道府県と市町村の各段階におきましても、教育、警察、青少年対策などの関係部局及び法務局などの国の関係機関との間の連絡体制を整えまして、相談機関相互の連携であるとか、相談窓口の充実、広報など、各関係機関にまたがる問題につきまして必要な連絡調整をしながら総合的な対策を推進していく、また地域ぐるみで対策が推進されますように、学校警察連絡協議会であるとか、青少年育成市町村民会議など、地域における関係機関、関係団体の連携強化について申し合わせを行ったものでございます。 総務庁といたしましては、これを受けまして、直ちにその申し合わせ内容につきまして都道府県知事あてに通知をいたしまして、今後とも、関係省庁はもとよりでございますが、都道府県、市町村等において相互に連携を密にとりながら、諸施策が総合的に推進されるように必要な連絡調整を行いながら、この大変深刻な状態に立ち至っている問題について取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○説明員(根本芳雄君) いじめの問題につきましては、基本的には家庭、学校、地域社会が一体となって解決すべき問題だと、こういうふうに考えておりますけれども、本日も大きく報道されましたような痛ましいいじめに原因のあるような自殺事犯あるいはいじめにかかわる悪質な事件、こういうものが非常に頻発している、こういう現状を踏まえまして警察といたしましては、いじめをまず早期に発見して、自殺とか事件になる前にいじめが解消されるように未然防止、こういうことに努めでございます。それから、万一そういう事案が発生したときには、それぞれの事案に応じた適切な処理をする、こういうことに努めております。 もうちょっと具体的に申し上げますと、いわゆるそのいじめの未然防止、これを図るためには、まず広報、啓蒙活動をいたしまして、学校あるいは御両親にそういう実態を知っていただく、これが大事だろう、こういうことで先般九月にも、私どもが扱った事件を取りまとめまして公表させていただいた、こういうことでございます。さらに、今後、親としてどういうふうにしたらいいんだろうかとか、あるいは先生にはどういうところを気づいてもらったらいいだろうか、具体的に私どもが取り扱った中からそういったものを抽出してまた皆様方にもお知らせする、御両親方にもお知らせする、こういうことを考えております。それから、特に相談窓口がなかなか難しい。子供さんの四〇%は、だれも相談することもできないで自分がじっとしていたと、こんなこともございますので、ヤングテレホンだとか、あるいはいじめ相談コーナーとか、そういうものを設けまして、そういうところに率直に、手軽に相談できるようにと、こういうことで考えております。数字が手元にございませんけれども、こういうところを開設したようなところは非常に多くのいじめ相談が上がってきている、こういうふうに報告を受けております。 それから、当然のことですけれども、特にいじめが学校という場で発生する、これが非常に高い可能性を持っておるわけでございますので、特に学校と連絡をよくとりまして、さらに加えて各関係機関の皆さん方と適切な措置を考えてまいりたい。それからまた、私どもそういった未然防止とともに、子供がいい方に行くということが大事だろうと思いまして、警察官みずからが柔道や剣道を生徒に教える、こういうことにも積極的に今努めております。 こういった未然防止とともに、先ほど申し上げましたように、やはりそれではどうもだめだと、やっぱり傷害とか恐喝とか、あるいはひどいいじめ、法律に触れるような非常に重い悪質ないじめがございますので、こういったものについては、加害少年をしっかりと補導して直していく、それから、被害少年を早く保護して救出する、こういうことが大事だというふうに考えて、これに厳正に対処しよう、こういうふうに考えております。 以上でございます。
○杉山令肇君 各省庁、御苦労さまでした。 いじめの問題のみならず、青少年なら文部省だから他の省は余り積極的にしないという姿勢ではなくて、特に将来ある青少年はみんなの問題として各省庁間の縄張り的な考えを超えて御努力を今後ともお願いを申し上げたいと思います。 何といいましても、親と特に現場の教師が酌み取り、処理をしていかなければ、単に窓口ができましてもただ開いたというだけで問題の解決にはならないのではないかと思うのであります。 けさの新聞にも載っておりますように、「いじめ一一〇番 空回り」という見出しでございまして、「いじめ対策の切り札として、「教育一一〇番」などの相談窓口を新設したり、従来の窓口を強化する自治体が相次いでいるが、いじめられっ子やその親からは「訴える場が出来ること自体は歓迎するとしても、効果はそれほど期待出来ないのでは」と悲観的な見方も出始めている。文部省が六月末に、「学校や教委に相談窓口を」と通知を出したのを受けて、急ぎ開設したものの、「学校の先生によく相談しなさい」とアドバイスするのが精いっぱいだったり、子どもからの相談を受けつけない窓口もある。お役所仕事で、悩む子どもの心をどこまでくみ上げることが出来るのだろうか。」と疑問を投げかけております。 考えてみますと、有効に機能するためには、特に人材が大切ではないかと思うのでありますが、視野の広い方を幅広く求めていただくとともに、専門的な知識と訓練を経た人によって適切に援助が行われることが必要であると思いますが、現在どのようになっておりますか、文部省当局にお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のとおりでございまして、経験豊かな、専門的な知識を持った人が窓口の相談事業に当たることが大切であると思っております。 そこで、まず学校における窓口の開設でございますが、これは、自分の学校にはそういう事件はないというような安易な気持ちの学校がかなりありまして、したがいまして、学校にはそういう親たちの気持ち、子供たち自身からの苦情処理を受け付けるような窓口をいろんな方法を凝らしてつくっていくという学校における取り組みがまず出発点であろうと思います。 それから、学校だけではなくして各都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会または教育センター、そういうようなところにそういう窓口を設けて、学校には直接言いにくいけれども、直接市町村当局にそういう訴えができるような窓口の開設が必要であるということで指導してきているところでございます。ただ、現実的に、しからばそこに配置される職員が本当に的確な知識と経験を持っている者が配置される状況までに至っているかどうかにつきましては、まだ設置された早々でございますので、そういう点の充実は今後一層力を注いでいかなければならないと思っております。 それから第三には、教育委員会の所管関係だけでは十分な対応ができませんので、これは幅広いいろんな機関を使って相互に密接な連携をとっての対応が必要であろうと思います。先ほど来、各省庁からお話がありましたように、児童相談所、保健所、精神衛生センター、福祉事務所ないしは医療機関、警察、家庭裁判所、青少年補導センター、いろんなものがたくさんあるわけでございます。したがいまして、そういう省庁の所管するそれぞれの末端の機関が一斉にこの問題について横の連絡をとり合ってその対応に当たっていくということが緒についたばかりでございますので、これからその内容の充実を図っていかなければならないと思っております。
○杉山令肇君 今後、社会、経済等のあらゆる分野の急激な変化やら複雑な高度化、子供を取り巻く環境の変化、子供の発達状況の多様化と、それらに伴う学力、能力差の拡大、心身の発達のアンバランスの拡大などがますます進むことを考えますと、問題が多く発生してくることは避けがたいのではないかと思うのであります。親と教師が何といっても一番早く気がつき対応できればよいのでありますが、多様化している今日、親と一般教師だけに求めるのには無理があるのではないかと思うのであります。カウンセラーの養成を図りまして、中学、高等学校にもカウンセラーを置くことを検討すべき時期ではないかと思いますが、所見を伺いたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) それぞれの学校には生徒補導を担当する生徒主事がいるわけでございますが、その職員自身についての研修、これを文部省としては積極的に今後進めていきたいと思います。また、これは定数改善との絡みが生ずるわけでございますが、今後の定数改善に当たりまして、そういう生徒指導関係の面の充実、単なる教育面の充実、改善のための定数改善だけではなくして、こういう生徒補導関係の定数の充実ということも必要であろうと考えておるところでございます。
○杉山令肇君 その考え方をさらに延ばしてみますと、御承知のように現在高校生の中途退学者というのが、統計を承っておりますと、十一万余名と多きに達していると言われている状況下にあります。したがいまして、今の相談機関も助言、指導が得られるようにする方法とか、あるいはカウンセラーの利用によって一層効果的に中身を検討すべき配慮をすればより前進するのではないか。例えば、十一万余の中途退学者をいろいろと見ておりますと、高校の進路指導が誤ったという考え方から、専修学校等に進路変更して処理される子供もあります。また、一般就職へ就職をいたしまして落ちついている子もありましょうが、相当部分やはり無職で職がなくて、しかも場合によっては不良化の方向に走るという子供もあるようであります。 そういうことを考えますと、少しでも青少年の健全育成という立場から考えれば、そういう制度化の拡充、充実によってより効果的な面が出るのではないかと考えるわけでありますが、御検討をする余地はないのか、御所見を承りたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 御指摘はごもっともなことでございまして、そういう方向で今後検討してまいりたいと思います。
○杉山令肇君 近年、出生率の低下に伴いまして幼児の減少傾向が続いております。それと合わせまして、今まで文部省が指導強化してまいりました幼稚園の中で、残念ながら休廃園に追い込まれるものが若干見受けられるようになってきたと思っております。 また、一方では、園児の減少の関係から、園児の奪い合いの過熱化、また小学校教育の先取り過ぎ等、教育の方法、内容についていささかどうかと思われるような不適切さの教育内容もないではないように思うわけであります。 そのような深刻な事態が発生をしておりますが、この状況をどう把握されておるのかお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のように子供の数が少なくなっておりまして、通常は大体一学年の帯が二百方と言われていたのが、今や百五十万というように非常に減少している傾向でございます。したがいまして、一方において幼稚園の就園率は九四%、いわば満杯の状況にある。そうなりますと、どうしても絶対の子供の数が不足してまいります。そうしますと、従来それぞれの幼稚園で一定の経営規模を考え職員を採用して経営した幼稚園が、子供の数の減少によって非常に経営が難しい状況に追い込まれるという状況が発生してくるわけでございます。したがいまして、こういう状況というのは、ある意味においては子供の数の減少に伴うやむを得ざる一つの面があるわけでございます。しかし、一方においては、だからといって、今まで大変な御努力をいただいた、特に私立幼稚園等においては、この経営上の問題というのはゆるがせにできない問題を一方において抱えていることは事実でございます。したがいまして、今後は幼稚園自体がある意味において幼稚園の経営の合理化といいますか、そういう方向での努力、自己努力を一方においてされていかなければならないというふうに思うわけであります。 それから、もう一つは、三歳児、四歳児という年齢段階の子供たちは、まだ六歳児の子供のように九四%までの就園率を示してないということで、三歳児、四歳児の就園率を上げていくということによって、そういう面での早期の教育という効果もありますので、そういう面での幼児数の確保ということも今後努力されていかなければならないであろうと思います。しかしながら、そういう状態があるので子供を奪い合う、しかも幼稚園教育がそのためにゆがんでいくということは大変重要なことでございます。したがいまして、本来の幼児教育がしっかり行われるような形を維持しながら経営の安定ないしは経営の合理化、そういうものも一方において考えていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
○杉山令肇君 幼稚園の教育要領の改正について検討が行われていると聞いておりますが、それはできるだけ急いでいただくべきが適当ではないかと思いますが、今後の見通しについて御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 現在の幼稚園保育要領は、昭和三十九年につくられておりまして、既に二十年の歳月を経ているというようなことから、幼児教育の内容の見直しが必要であるということで、昭和五十九年の四月から、この幼稚園要領に関することを調査研究するための協力者会議を発足させたところでございます。現在、その幼児教育の実態がどうあるか等の調査研究を進めでいるところでございます。 ところで一方、ことしの九月から教育課程審議会の発足を見まして、幼稚園から高等学校までの教育内容全体の見直し作業に入っているわけでございます。したがいまして、そういう作業の中で、この教育課程審議会は約三年ぐらいかかると思いますが、その答申を得まして、具体的な保育内容の改定ということを考えていかなければならないと思っております。 特に今回の改訂に当たって重要な点は、幼稚園から高等学校までを見た一貫した教育制度ということを考える必要がある。従来は幼稚園と高等学校の部分は義務教育でないということで、小中学校の義務教育という範囲内で、国民が共通に身につけなければならない基礎、基本の教育は何かということで、いわば完結性を求めて教育の配列を考えたわけであります。しかし、先ほど申し上げましたように、幼稚園に行く子供が九四%に達している。しかも高等学校に行く子供も九四%に達しているということであれば、幼稚園から高等学校までの期間をとらえて発達段階に応じてどういう教育を展開するのが一番ベストであるかという観点での、今までにない審議になろうかと思います。そういう点で、今後の幼児教育のあり方については基本的な内容が今後教育課程審議会でも論じられていくと思うわけでございます。
○杉山令肇君 学校法人立の幼稚園の休廃園に追い込まれるという問題につきまして、学校法人化するときに大変厳しい選択に設置者は迫られたわけであります。個人の土地、建物の財産を学校法人に寄附をするということは非常な決断が要るわけでありまして、そのような経過をたどって、そしてこの園児の減少によって廃園に追い込まれる、こういうことでございまして、また悩みは大変深刻な面もあります。私の知っている園でも学校法人でありますが、子供が来なくなった、やむなく廃園ということでありますが、後の処理の問題につきまして立ち往生しているのが現状であります。どのようにすべきなのか。もちろん法のルールは決められておりますものの、現実にはなかなかそううまくそれに即応ができない、こういうことでございまして、このようなことにつきましてどのようなお考え方があるのか、対応の仕方があるのか、御意見があればひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(國分正明君) 御指摘のとおり、近年、園数全体としては微増しているわけでございますが、幼児数の減少に伴いまして学校法人立の幼稚園を含めまして休園あるいは廃園等の幼稚園がふえつつあるということは承知いたしております。ちなみに五十九年度で見てみますと、数字にわたって恐縮でございますが、五十九年度限りで休園いたしましたのが三十二国ございまして、うち学校法人立が八園、それから五十九年度限りで廃園いたしましたのが五十五園ございまして、うち学校法人立はございませんが、個人立、宗教法人立が多い。全体の数字としては廃園ないし休園が現在のところ個人立あるいは宗教法人立の方が多いわけでございますが、今後、学校法人立についても御指摘のような傾向が出てくることは十分考えられるわけでございます。これは教育上の問題として先ほど初中局長からお話がございましたようなことも懸念されますが、一方設置者の側におきましても、御指摘のとおり特に学校法人立の幼稚園の場合には財産を寄附したという理事長本人の場合もございますし、関係者にとりましても深刻な問題があろうかと思います。私学でございますから、基本的には私学自身の努力と責任においていろいろな経営努力をされることが必要であろうかと思いますが、行政的には各都道府県におきまして公私立幼稚園連絡協議会というものを設けているところがございます。これは主として設置認可に当たりまして地域の実情に即した幼稚園の整備ということを議論する場でございますが、今後とも例えばそういった場を利用いたしましてきめ細かな配慮のもとに該当の幼稚園についての指導あるいは相談にあずかるというふうなことで指導を進めでまいりたい、かように考えております。
○杉山令肇君 学法化志向園のことでお尋ねをいたします。 法人化をしていない幼稚園への補助金の返金問題、このことにつきましてその後どう取り扱われたのか、その経緯をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(國分正明君) 学法化しないいわゆる一〇二条園についてでございますが、その前に今日までどんな状況で学法化したかということを簡単に御報告させていただきたいと思います。 昭和六十年、本年三月末日現在で、いわゆる法律の規定に基づきまして学法化の義務を負っておりましたのが千九百七園ございました。うち七六%強に当たります千四百五十二園が学校法人化いたしております。それから、途中で廃園ないしは補助辞退というのが二二・三%の四百二十五園、それから最終的に最終年度まで補助金を受けながら、これは国庫補助ベースでございますが三十園、全体の一・六%という状況になっております。全体といたしましては振興助成法の趣旨に沿った学校法人化がかなり推進されたというふうに認識いたしております。ただいま御指摘の特に最終年度まで補助を受けておりました三十園につきまして、都道府県を通じましてどういう状況で学法化できなかったのかという調査をしたわけでございますが、これはいろんな要因が重なり合っておりまして、一つの理由で割り切ることは困難なのでございますが、全体の傾向といたしましては、先ほど来お話がございます幼児減少によります経営不安という全体的な背景のもとで、法人化について宗教法人あるいは家族等の同意が得られないというものがかなりございます。それからまた、園地の取得、借用につきまして地主との交渉が難航して所定の期限までに学法化ができなかったというようなものがございます。これらにつきましてはさきにもいろいろお尋ねがございましたが、経常費補助金の性格といたしまして期限内に学法化できなかったのは遺憾でございますけれども、結果として学法化できなかったものについての補助金について、これは毎年度の教職員の人件費あるいは教材費等として教育に還元されている経費でございますので、これについて補助金の返還を求めるということはなじまないのではないだろうかということで対応してきておりますが、しかし以後の補助金につきましては国庫補助金の対象外とする、あるいはまた引き続き学法化の義務は負うておるわけでございますので、期限後も引き続き学法化について指導するよう関係県を通じて指導しているところでございます。
○杉山令肇君 ただいまの御答弁で寄附金の返金問題はなじめないので云々という御答弁でありますけれども、ただここでいかに現場が、各都道府県の団体が悩み苦しんでいるかということに関連してちょっと質問を申し上げます。と申しますのは、率直に言いまして、まじめに法人化に努力した園が経営努力にもかかわらず休廃園に追い込まれた場合、法律に従いまして自己の財産としては戻ってこない、他の学校法人もしくは国または地方公共団体に寄附せなければならぬという制約の上に立っているわけでありますから、そういう片方では非常に苦しみ悩み苦労している園があるかと思いますと、一方では文部省の再三の指導にもかかわらず法人化をしなかった、そして補助金はもらい得であった、そして財産は自己財産でありますから傷がついていない、こういう結果が出ているわけでありますから、大変各県の現場では問題があるのであります。特に各県の私立幼稚園の連合会あたりの役員は、文部省の指導行政でありますから、各県の教育委員会と力を合わせまして団体の会合には積極的に法人化を進めたわけであります。法人化になんなさい、法人化にならなきゃだめなんだと、公共性を十分にひとつ条件を整備しなさいという指導強化に協力をしたわけであります。ところがだんだん園児が減ってさあ経営的危機が目の前になってまいります園では、今度は団体の役員なり県の教育委員会の担当者を恨むわけてあります。なぜ、ずるくやっておれば助かった、まじめにやったがために自分の財産はスタイルが変わってしまった、こういう問題に直面をいたしておるわけであります。時間がございませんが、そういうことでございまして、やはり信頼できる文教行政としてはもっといろいろと案を検討していただきまして、信頼が失われないような慎重な対処をすべきことではないかと思うのでありますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 先生の御説はまことにごもっともであると私は思っております。特に私立学校振興助成法の法律の規定を承知しておって、かつ学法になりますということで手を挙げて志向園になったその個人立等の幼稚園が、学法化しようと、なろうと思えばなれるのに、補助金だけをもらって後はドロンするなどということが平気でまかり通るということは、これは特に教育の関係する場でございますから甚だよろしくないことであるというふうに思います。しかも先生も御承知でございましょうが、私どもはは、それはよろしくないということで毅然たる態度で行動してきたわけでありますが、逆に逆恨みなどをされたり、あるいは一部においてはなに補助金もらった方がもらい得だぞなどという動きが見られたりしておったことも実はあるわけでありまして、そんなことはあるはずはないということで私どもがきちっとやるというと、別の機会、例えば選挙等の場合にあやつはけしからぬから落としてしまえなどという動きをした人も実はおるわけでありまして、甚だ遺憾なことであるというふうに私は思っております。個人的なことは別にいたしましてさようなことでありますから、今私学部長がお答えいたしましたようになかなか難しい問題ではありますけれども、これはこれでもらい得だったなどということがそのまままかり通るということはいかがなものであろうかというふうに私は思っております。したがいまして、先ほど部長が言いましたように直ちに国庫補助の対象外にしたわけでありますが、同時にまた、まだ存続しておる幼稚園でありますならば、学法化措置義務というものは残っておるわけでありますから、その点も県を通じて指導しなきゃならぬというふうに思っております。最終的にはどうすべきか、さらに研究をして、少なくとも教育に関係する現場でずるく立ち回った方が得したなどという結果で終わるということはどうも私としても了承しがたい点があるわけでありますので、今後ひとつさらに研究をしていきたいというふうに考えております。
○杉山令肇君 話が若干変わりますが、高等学校は昭和六十四年をピークにいたしまして、今度は生徒の減少期に入ってまいります。 先般、山口県に私ども委員派遣として出張をいたしてまいりました。山口県の教育長さんの説明によりますと、山口県では、私立と公立との比率でありますが、現在私立が二五・六%だとおっしゃいました。そして、減少期対策といたしまして二五・六%を移行するようなスタイルで何とか公私のバランスをとっていきたい。ところが、山口県の県民性は公立志向の県でありまして、果たしてそのような比率がうまく県民の理解を得られながらいけるかどうかということにおいて大きな問題点があるように思う。また、最悪のときには公立移管というようなことも検討の対象にしなければならないのではないかと、苦しみの説明でございました。 さて、文部省からいただきましたトータルを眺めておりますと、ただいま昭和六十年、高校生徒の数が五百十七万二千人。それが六十四年まで順次増加をいたしまして、六十四年には五百六十五万にふえます。それから減少期に入りまして、再び上昇の機会はないわけでありまして、これからが大変な問題に直面をすると思うのであります。そういうこの流れを見てみますと、来年から大学急増期ということで、文部省におかれましては臨時定員を拡大をされまして対応をするということであります。しかも、臨時定員につきましては、専任教員の補充という場合と、時によっては非常勤講師によって該当してもよろしいと、このような大学激変期に対する幅のある指導があるようであります。そういうことをいろいろと検討をいたしてみますると、六十四年になってさて大変だというわけにはまいらぬわけでありますから、ただいまから高校減少期対策という行政指導を適切に行っていただきたいと思います。これから発生する急増期に対する私学の役割も大きいものがあるとお認めをいただきたい。そして、ぜひともそのような将来展望に立って、各県への適切な行政指導を行っていただくべきでないかと考えるのであります。 したがいまして、どうか大学急増期対策ということで今御尽力をいただいておりますけれども、その次に来るものを見越してひとつ高等学校減少期対策を打ち出していただきたい。教員の問題はどうなのか、ふくれ上がったものを縮める方法としてはどうあるべきか。財政の面あるいは教員の生活保障もありますし、そういう面総合いたしまして適切な行政指導を期待をいたすものでございます。これについてひとつ文部省当局のお考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(國分正明君) 御指摘のとおり六十四年をピークといたしまして、以後高校生が、十五歳人口が減少していく、いわゆる減少期に入るわけでございます。先ほども幼稚園のところで申し上げましたが、もちろん最終的には私学でございますから、私学が基本的に中長期の展望に立って経営上の努力を行い、責任を負わなければならないわけでございますけれども、文部省におきましても、こういう事態が当然想定されましたので、昭和五十七年に通達を出しました。「公私立高等学校協議会の運営について」という通達でございますが、各都道府県に公私立の高等学校協議会を設けまして、その時点から今後の十五歳人口の動向を十分勘案した上で、そしてまた、公私立協調の立場から進学者の動向であるとかあるいは公私立学校の役割分担であるとか、あるいはまた公私立高等学校の配置計画あるいは入学定員等の問題について、公私立関係者あるいはまた行政関係者等が入って、いろいろ協議して適切な措置を講ずるように、こういう趣旨の指導をしたわけでございまして、各県におきましてもそれぞれの県の状況もございます。また、個々の学校につきますと、なかなか一律にいかない、それぞれの個々の事情があるわけでございます。御指摘のとおり教員の問題もございます、いろいろ問題もございますので、今後とも個々の県の、あるいはまた個々の学校の実情に応じた指導がなされるよう、またそれがきめ細かに行われるよう各県に対して指導してまいりたい、こんなふうに考えております。
○吉川春子君 まず最初に、公文書、古文書の収集、保存、閲覧について伺います。 当委員会が委員派遣で山口県を訪問し、文書館法制定の陳情を受けたことについては午前中の杉山理事の報告の中にあったとおりです。我が国の公文書、古文書の保存についてどういう手だてがとられているのか、文部省、総理府にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(齊藤尚夫君) 現在、各県に置かれております文書館が大体十四館ございます。それ以外のところでは実は図書館が主として図書、文献資料を収集して一般の利用に供するということになっておりますが、その機能の一つとして、行政資料あるいは郷土資料の収集ということも入っておりまして、そのような文書館のないところにつきましては、図書館に保存をし、利用に供するという形にするように指導をいたしておるところでございます。
○説明員(山田昭三君) 公文書館の保存の方法でございますが、公文書館としましては、各省から非常に重要な文書、公文書等をいただいておるわけでございますので、日ごろから非常に万全を期しておりますが、そのための措置といたしましては、受け入れますと、まず虫の害を防ぐために消毒といいますか……
○吉川春子君 技術的なことじゃなくていいんです。公文書をどういう方法でというのは技術的なことじゃなくて、公文書をどうやって保存しているんですか、どこの機関で保存して閲覧させているんですかということです。
○説明員(山田昭三君) 三十年たった永久保存の文書でございますが、それは各省から受け入れまして、公文書館で保存しております。
○吉川春子君 地方自治体の膨大な公文書の保存はどうなっておりましょうか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 先ほど申し上げましたが、主として歴史的な価値を有するような行政資料、郷土資料等につきましては主として県立の図書館、文書館のない場合についてはそういうところで保存をするというのが常態でございますが、現実に実施しております公文書、特に戦後の文書等につきましては、それぞれ文書課その他のところで保管をしているのが常態ではないかと考えます。
○吉川春子君 埼玉では県や関係者の努力によって八三年六月に文書館の新館が完成して、空調設備の完備した保存庫に二十七万余点の古文書、明治以降の膨大な行政文書が収集、保存されています。お話を伺いますと、関係者の方々の意欲的な資料の収集、分類、復元、保存、県民の日を挟んで特別展や講習会の開催など、文書館の果たす役割が地道ではあるが地域の文化に資するところが大であるという感がしました。中でも学校教育、社会教育で郷土出展の古文書や生の行政文書を取り入れている、そのために文書館として資料の提供や授業案への検討を行っていることなどは生きた教育をする上で非常に大切なことであるわけです。こういった文書館が今のお話では全国に十四しかない、あとは図書館で細々とやっているということですけれども、こういう実態についてちょっと好ましくないんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 古文書等を含めまして行政資料あるいは郷土資料の散逸を防ぐということは大変重要な課題であると考えておるわけでございます。そういう意味でその保存の方法というのを各自治体が的確に判断をされて対応されることが望ましいわけでございます。先ほども御説明いたしましたように、文書館等のないところにつきましては、そのような観点から図書館等にその保存をお願いするように指導をいたしているところでございます。
○吉川春子君 図書館での古文書、公文書の保存というのは本来の仕事ではないわけで、おっしゃるように非常に不十分なわけですね。現在、全国に文書館あるいは歴史館あるいは設立準備段階で二十ほどあるわけですけれども、文書館法といった法律がないためにいろいろな不都合があり、そういう中でもいろいろな自治体が頑張っているわけですが、文書館法の制定についてこれまで学術会議が何回か勧告を行ってきているわけですが、この勧告はどのように処理されているんでしょうか。
○政府委員(加戸守行君) 学術会議の方から勧告ございました中でも、特に古文書の関係につきましては、当文化庁といたしまして古文書の保存、活用という点に力を入れまして、昭和四十九年に文化財保護審議会の中にも古文書部会を新たに設けまして、古文書の指定、保存ということに力を尽くしている次第でございます。またそれとあわせまして、昭和四十七年には国庫補助事業といたしまして古文書の調査ということを全国的に実施いたしまして、現在そういった各地におきます歴史民俗資料館等におきまして古文書の保存、活用を図るような対応をしたような次第でございます。
○吉川春子君 文化的な価値があるものとか、文化庁が指定なさるものについてはいいんですけれども、それから外れる膨大な行政文書あるいは古文書があるわけで、そういうものを収集、保存するための文書館法を制定せよ、こういうのが学術会議の勧告なんですけれども、その点についてはどうでしょう。
○政府委員(齊藤尚夫君) この件につきましては、昭和五十六年に本委員会に請願が出されておりまして、文書館法の制定方の請願がございました。それに対する政府側の考え方でございますが、「地方公共団体における各種文書・記録類の保存等のための施設を設置することは、当該地方公共団体の自主的な判断により行うことが本来であると考えるが、国としても技術的な側面での指導、助言等必要に応じて協力する考えである。」、こういう考え方で現在進めているわけでございます。 現に各県に設けられております文書館でございますが、いろんなタイプがございます。一つは、今お話のございましたような、国立にもございますような公文書館のタイプのもの、行政文書を中心にしまして、行政資料だとか刊行物だとか、それを中心にしてその他の文献資料を集めているというもの、それからもう一つは、文書館タイプといいまして、これは主として民間の古文書、それから歴史的な価値のある行政文書等を収集して保存しているもの、それからもう一つが、いわば資料館タイプといいますか、主として歴史的価値を有する文書、これは行政的にも、それから民間のものでも両方含むわけでございますが、それに加えまして、民具であるとか美術工芸品等民俗資料なども一緒にしまして、それで資料館をつくっている、いろんなタイプがあるわけでございます。 文書館の性格をどのようにしていくかということによって法律的な考え方、位置づけも違ってまいりますし、またこれに対する各省の対応の仕方も、これに関連する省庁、非常に多いわけでございますが、対応の仕方も違ってまいるわけでございますので、そういう状況でございますので、文部省といたしましてはこの問題には慎重に対応するという考え方に立っているわけでございます。
○吉川春子君 今、民俗資料館とか文書館とかあるいは図書館とか公文書館とか、いろんな形でそれこそばらばらに対応しているわけで、そこから漏れるものもいっぱいあってそこが問題なんですが、もう一つは、古文書を保存、収集する上では、諸外国ではアーキビストと言って専門家がいるわけですね、図書館の司書に当たるようなものなんですが、それで本当に保存すべき文書か、あるいはもう廃棄していい文書かを判断したり、あるいは古文書なんかはぐしゃぐしゃになっていますから、そういうものをきちんとまた復元してきれいにして長い間保存できるようにする、こういう技術を兼ね備えたそういう人がどうしても必要なわけで、日本には法律がないからそういう専門職も制度として位置づけられてはいないわけなんですね。そういうことを考えますと、ぜひとも専門家を養成して、そういうものをきちんと保存できるような体制を整えていくということも法律をつくる上で非常に重要だというふうに思うわけです。日本は古文書の数は世界一と言っていいくらいたくさんある、しかも和紙ですからある程度保存もよくなされているわけだけれども、諸外国では文書館法というのが必ずあって、先進国と言わずとも、植民地であったような国までそういうものが備えられているのに、なぜ日本において文書館法というのが長年の関係者の努力によるにもかかわらず制定されないのか、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 大変難しい御質問でございますが、私ども現在の段階で考えますときには、文書館の法的な性格といいますか、先ほど申しましたように、公文書を中心として構成していくのか、それとも日本には古来からございますような大事な古文書を中心に考えていくのか、その辺の性格づけが必ずしも明確にならない実態があるわけでございまして、その性格づけのいかんによって、これを所管すべきあるいは共管ということになるかもしれませんが、省庁の対応が違ってくるわけでございまして、そういうことでこの問題は大変難しい課題だと考えているわけでございます。
○吉川春子君 ちょっと大臣にお伺いします。 文教委員会でも以前にもこの問題が取り上げられまして、文部大臣も前向きに検討するというお答えをなさっているわけですが、要するに公文書であろうと古文書であろうと、それを責任を持って保存、収集、閲覧させるというこの窓口が今、非常にあいまいなわけなんです。私はぜひ文部省が中心になって、こういうものを今後の課題として法律制定ということとあわせてやっていただきたい。今きちんとしなければもう取り返しがつかないような状態で、散逸してしまうわけですからね。早急に手を打たなければならないと思うんですけれども、自治省にも伺いましたら、自治省は窓口もないし、答弁は勘弁してくれと言われましたけれども、そういう状態なものですから、ひとつ対応する役所だけでもはっきりと決めるように御尽力いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 国の行政に関する公文書その他の記録に関しましては、その保存、閲覧に供する施設等のために国立公文書館法というのができて、それに基づいて国立公文書館が設置され、そこで対処しておるわけであります。 問題は地方の分でありますけれども、これについて、地方のことでありますから地方自治との関係もあるわけでありまして、この事柄を大事にする県は県立の資料館あるいは古文書館等々をつくって、そして保存等が図られておるわけであります。 そこで、その地方の分について中央政府の側で法律をつくって何かするということをしろという御要望のようでございますが、結局これはなかなか難しい問題がある。それは、どの省庁が中心にやるか、非常に多岐にわたる問題でもありますので、これは文部省としてはまだこうするということを言う段階ではありませんで、なお慎重に対応しなければならないと考えているわけであります。ただ、地方の行政に関する文書その他でありましても、文化的な遺産である、あるいは学術上貴重な資料である、そういったものにつきましては必要に応じて助言等、技術的な協力その他で応援をしておるわけでございまして、歴史的、学術的に価値の高い古文書等についてはそういう措置で保存を図っておるところでございます。
○吉川春子君 ちょっと時間がないのでそれ以上突っ込めないのが残念です。 私、ここに一八七四年発刊の有機化学の本を持っているんですけれども、これちょっと大臣に見ていただきたいのですけれども、お願いします。(資料を手渡す) これは実は酸性紙を使ってあります。酸性紙は百年たたないうちにこのようにぼろぼろになってしまって、もう本としての価値がなくなってしまうわけなんですね。今、日本の和紙は千年以上もつんですけれども、明治の中期から使われ出した酸性紙はもう百年たつとそういうような状態になってしまう。ずっと明治の中期から今日に至るまで酸性紙でもっていろいろ公文書その他の文書が出されているわけですけれども、この対策を早急にやらないと、この間の文化的遺産も将来においては全くその姿を消してしまうという深刻な事態になるんです。この酸性紙の対策について、アメリカでは既に五千冊を一遍に酸を抜くような設備をこの秋から建設をいたしまして、八八年にはメリーランドで完成するということも聞いておりますが、今ある酸性紙の対策と、それからこれから出していく公文書その他については酸性紙ではなくて中性紙あるいはもっと長くもつ紙を使うというような問題について、至急検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(加戸守行君) 幸いなことに、日本古来の手すき和紙、非常に長持ちのするものでございまして、いわゆる古文書、歴史的あるいは芸術的価値の高いものにつきましては保存がかなりされているわけでございますし、また修復自体も和紙を使うという形で保存を行っております。ただ、現在の出版物、先生御指摘ございましたように酸性紙のものでございます。それが大部分でございます。そして将来そういったものがまた価値を持つ、あるいは保存されるべき必要性のあるもの、相当あるわけでございますが、そういった耐久性の点について問題があるという点につきましては既に製紙業界の方にも反省といいますか、それに対する取り組みの姿勢も見えているわけでございまして、中性紙による紙質の変化というようなことも進められているようでございます。所管といたしましては通商産業省の所管になるわけでございますが、そういう将来の記録保存といった趣旨からの観点に基づく対応というのを当方としても期待をしている次第でございます。
○吉川春子君 文書館等に関する質問はそれまでにいたします。 文部省は「児童生徒の問題行動の実態と文部省の施策について」というのを六十年の十月に発行されました。この文部省の調査によりますと、校内暴力の発生件数が全国的に大幅に減っているけれども、教師が一名死亡しているほか、対教師、生徒間暴力はどちらも傷害の程度が非常に重くなっているというふうに指摘していますが、このことについてどういうふうに理解したらよろしいんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) データは全体的に校内暴力は沈静化の傾向を示しておりますが、その中でも非常に重い暴力、傷害程度の重い暴力というのがパーセンテージとしては高い、しかし絶対数はそう変わらない、若干上がっている程度であるわけでございます。これは暴力の限界、それから陰湿な暴力、そういうものに起因すると思われまして、一つの限界が子供にもないしは教師自身にもわからないような状況になっている、こういうことだと思います。
○吉川春子君 やはりこの冊子の中で、都道府県、指定都市教育委員会の教育センター等における教育相談で、いじめに関する相談件数が前年度に比べて増加している、またその内容も深刻になっているとしています。校内暴力は減ったが、いじめはふえているという点についてはどのようにとらえたらいいんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) 校内暴力については緊急に一昨年以来、文部省初め教育界挙げてこの対応に努力して、関係者が大変な努力をしてきた結果、沈静化の方向にあるというふうに言えるかと思います。しかし、一方において、いじめ問題というのは以前からやっぱり存在していたと思いますし、計数的にはこういういじめ問題が報道されますと、学校側でもないしは社会の関心も高まってきますので、今までわからなかったのが顕在化していくというような傾向もあろうかと思います。 ただ、結果的にどういう推移をたどっているかというのは過去のデータと今回の調査とを比較しないと出てまいりませんけれども、いじめの実態調査というのは今までございませんので、今回悉皆調査を行う内容によって全貌が明らかになっていくと思っているわけでございます。
○吉川春子君 校内暴力については大変力を入れて対処したので減少した、今度いじめが明らかになってきたので、これに対して対処しているわけですけれども、このいじめについてもいろいろと対処して、数は減るかもしれない。そうした後に問題行動についてその次は何が出てくるのか、あるいはもう問題行動というのはそれ以上のものは出てこないとお考えですか。
○政府委員(高石邦男君) 人間関係の貧困さ、未成熟さ、それから出てくるいろんな問題が最近一連の行動でございます。したがいまして校内暴力、いじめ等のような、それに類するようなものが根絶するということは大変難しいわけでございますけれども、それに向かっての最大の努力をしなければなりません。その後に何が出てくるかというのは、ちょっと私はここで予測しかねますけれども、一般的に登校拒否がふえている傾向にございますので、そういう学校嫌いによる登校拒否、そういう問題が若干心配であると思っております。
○吉川春子君 児童生徒の問題行動が、校内暴力というような非常に見えやすいものからいじめというような見えにくい方向に移っていったように、いじめを仮に減らしたとしてもまた別の形で問題行動があらわれることになりはしないかと私は心配しています。その問題行動の発生する本当の原因を突きとめてそれを除かない限り、登校拒否、ノイローゼ、自殺など、形を変えてあらわれることは残念ながら予測できるわけです。一番肝心なこの原因についてこの資料では余り触れていない、したがって根本的な対策についても余り触れもれていないというのが私のこれを読ませていただいた感想です。 校内暴力等児童生徒間の問題行動の原因の背景について、文部省は六つの原因をこの中で挙げています。一、「家庭における親の養育態度」、二、「一般的な社会的風潮」、三、「マスメディアや青少年を取り巻く有害環境の影響」、四、「社会環境の急激な変化」、五、「学校における教師の協力体制や指導力の問題」、六、「社会における学歴偏重の考え方や、過度の受験競争の状況」、つまり家庭のしつけと社会の風潮と教師の指導が悪いんだ。文部省の責任というのは何もないんですね。
○国務大臣(松永光君) 非行とかいじめとか、そういった問題行動というものは、一方においてはそれを誘発するような要因があるわけです、常に。しかし、一方において青少年に自己抑制力が強ければそれは起こらない、こういう関係に実はなるわけでありまして、文部省として対応すべきことは、一方においては誘発要因を極力抑え込んでいってなくすことができれば根絶される、一方においては児童生徒の自己抑制力、すなわち他人を思いやりいたわる、そういう心を幼児期の時代からその子供に培っていく、あるいは他人の人権を侵害してはいけない、他人に暴力を振るっちゃいけない、そういう人間として当然守っていくべき規範、ルール、こういったものもできるだけ幼い段階からその子供に教え込んでいく、そうしてそういう良心を持った、誘惑があったとしてもその誘惑に乗って行動するのではなくして、それをみずから抑制していく、そういう能力を持った、精神力を持った人間を育てていく、これが大事なことなんでありまして、すなわち一方においては誘発要因を抑え、一方においては自己抑制力を強くしていく、そういったことをしていくことがこういう問題についての根本的な解決策であろう、こういうふうに考えておるわけであります。
○吉川春子君 じゃ、その誘発要因の一つについてお伺いしたいと思いますが、二十ページの表2−11に「学校規模別対教師暴力発生件数」というのが載っております。それによると、六学級以下では生徒一万人当たりの発生件数が一・一件、五十八年、三十七学級以上になると二・六件と倍以上にふえる、五十九年においても同じような数字になっていて、過大規模校で非常に暴力の発生件数が多いということになっていますけれども、この点からいってマンモス校を適正規模の学校に一日も早く変えていくということは、校内暴力の発生を防止するという意味からも非常に重要じゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(高石邦男君) 確かに学校の規模が大きいと校内暴力の発生が一般的にふえているという傾向ありますけれども、必ずしもそうも言えない点がありまして、例えば二十五学級から三十学級というのは一・二でございますし、十九学級から二十四学級は一・六ということでございまして、大規模学校と校内暴力を密接な関連結びつけて議論するのは適当ではなかろうと思います。その学校の置かれている地域の状態、その学校における教育の取り組み、そういう問題から出てくると思うわけであります。しかしながら、大規模校においては一般的に先生方の子供たちに対する掌握というのが非常に難しいというので、校内暴力の問題を解消するという観点よりも、教育全体の効果を上げていくという観点で大規模校の解消というのは政策として展開しているところでございます。
○吉川春子君 まさに、教師が一人一人の子供を掌握しにくいとか、あるいは教師が一致してそういう問題に当たれないような、職員室がばらばらになっているとか、いろんな問題がやはりこういうものに一つの原因を与えているということは言えるんじゃないでしょうか。 それで、日本青少年研究所の調査、五十三ページによりますと、「いじめられたことのある生徒、いじめたことのある生徒とも、「学校生活が楽しくない者」、「成績が下位の者」ほど割合が高くなっている。」というふうに指摘しているわけです。これを見ても、いじめられた子は被害者、いじめた子は加害者という図式じゃなくて、双方の子供とも今の教育あるいは社会的な環境の中の犠牲者という意識で対処していかなくてはならないのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(松永光君) 具体的ないじめ行為に関する限りは、いじめられた人が被害者であり、いじめた人が加害者であります。このことだけはきちっとしておかなければなりません。その意味で、いじめられた子の救済を敏速にやる、いじめた加害者については二度とそういう加害行為をしないようにきちっと指導していく、この基本だけははっきりさせておかなければなりません。いじめた人を被害者というのは、そこまで育つまでの間に十分な心の教育が必ずしも受けられていなかった、その意味においては被害者であるかもしれません。しかし、具体的ないじめというその行動を見る限りは、だれが被害者でありだれが加害者であるか、この基本だけはきちっとさしておかぬというと適切な指導はできないというふうに私は思うんであります。
○吉川春子君 私は、今の大臣の答弁を聞いて非常に悲しい思いをしました。非常な陰湿ないじめを子供たちがやる。そのいじめた方の子を持つ母親、父親も非常に悩んでいるんですね。あんなかわいい子がどうしてそんなことをやるんだろうか、いつの間にそういうことになってしまったんだろうか。この傷は非常に深いものがあるし、やはり子供たちもその友達を平然とそういう形でいじめられるというところに育ってしまったということは、刑法的な意味でその責任を問うかという意味ではなくて、教育者の立場としては、やはり教育をもう少しきちんと行き届かせて、学校も楽しい、授業もわかる、こういうところに持っていったならば、そういう子はそういう形のいじめはしなかっただろうということを思うときに、やはりこれは両方とも今の教育の問題として解決していかなければならない、子供たちにとってはやはり両方とも教育の被害者なんだという立場が必要なのではなかろうか。このことは、意見というか、世界観の問題かもしれませんので、そのことだけ指摘しておきたいと思うんです。 それで、登校拒否の項で学校基本調査によると、中学校の長欠児童の原因は、五十九年度で学校嫌いが五五・九%、病気の三一・三%を大きく上回っているんですね。このことを見ても、学校を楽しくして学校嫌いをなくすということがこういった問題行動の条件を少なくする上で必要なのではありませんか。
○政府委員(高石邦男君) 先ほどの大臣の御答弁に若干補足しますと、結局大人が悪いということだと思うんです。そういう子供を家庭の中において、ないしは社会の中において、学校の中において育てているとすれば、大人が十分な育て方をしていないという意味では、教育というよりももっと広い意味において大人全体が考えていかなければならないということだと思います。 それから、こういう要因があるからいじめになってもやむを得ないんだという発想は非常にまずいと思います。やっぱり世の中は変化していくわけでございますから、そしていろんな誘惑の多いものがたくさん発生していく世の中でございますから、そういうものに対応していく免疫と申しますか、それに対抗していく力、そういうものが子供自身の乳幼児期からしっかり育てられないとうまくいかないと思うわけでございます。そういう意味においては、大人社会全体が反省していかなきゃならないというふうに理解するわけでございます。 学校嫌いの問題も、確かに授業の展開について、学校は授業を中心として非常にいろいろなものを教えるわけでございますので、何となくついていけない、だから登校拒否だと。昔の子供はそれは学校が嫌であろうと何であろうと、やはり歯を食いしばってでも学校に行って、人に迷惑をかけないという子供もかなりいたわけでございまして、非常にそれを短絡的に、学校嫌いだからそういうふうに子供が衝動的に動いていくのを、それを追っかけて対応するということは、本質的ないじめの問題を解決する道ではなかろうというふうに思うわけでございます。
○吉川春子君 学校は本来楽しいところであるし、勉強というのはわかるまで教えてもらえるところなわけで、実際問題そういうことになってないということは、いじめの問題とかその他の問題抜きにしても、これはもう教育行政あるいはその他で対応しなければならない問題だということは基本的にあると思うんです。その上に立って、さらにやはりいじめの問題や校内暴力の問題の子供を追跡調査すると、そういうような学校に対して十分満足していない子供にそういう問題行動を起こす傾向がより多く発見されるということもあるわけだから、やはり教育条件の整備ということは非常に重要な問題だと思うんですけれども、こういういじめとか、その他問題行動をなくす上で、教育条件の整備ということについては文部省はどうお考えですか。
○国務大臣(松永光君) 教育条件の整備につきましては、これからも着実に我々は、大事なことでありますから、努力をしてまいります。ただ問題は、先ほど局長も言いましたように、教育条件が悪いから、あるいは大人が悪いからということで子供のなした、その子供でも幼児じゃないわけでありますから、中学生、高校生、その子供のしたことは許される、悪いのはあっちだというふうな発想では、心身ともに健康な人間は育ってこない。もちろん私は弁護士でありますから、人を弁護する場合には、必ず外的な誘発要因を挙げて、そして弁護することもありますが、しかし最終的には、この人はみずからの行ったことを悪いことがわかっている、そしてもう二度とこれはしないという決意をしておる、最終的な弁護はそこにいかぬというと弁護にはなりません。問題行動を起こした子供につきましても、今まで行き届いたしつけ、教育というものを幼児期から中学生になるまでの間、必ずしも十分受けられなかった、そういう意味では被害者なんだ、それはわかります。わかりますが、その子供が二度と人を殴る、人をいじめる、人を傷つける、そういったことをしないような人間として育っていくためには、その人自身に、その人がした行為は悪かったんだ、道徳的に悪をしたんだということをきちっとわからせて、その上で二度とそういう行いはしないような内的抑制力を持った人間にしていくということが基本的に大事なことなんであります。
○吉川春子君 「児童生徒のいじめの問題に関する指導の充実について」という初中局長の各県教委などにあてた通知の中で、「児童生徒の指導に当たっては、」「いやしくも、学校教育法第十一条により禁止されている体罰が行われることのないよう留意すること。」としています。愛のむちなどといって教師の体罰を肯定する見解に一つの結論を出したものと私は受けとめておりますが、特に体罰が体育の授業やクラブ活動で行われているわけですが、こういう体育、クラブ活動も含めて体罰というものをきっぱりと禁止したものというふうに受けとめてよろしいわけですね。
○政府委員(高石邦男君) 体育の授業であろうと普通の授業であろうとを問わず、教師は体罰を加えてならないと、こういう趣旨でございます。
○吉川春子君 NHKのテレビで体罰問題の特集をしていたときに、ある教師が、体罰が習慣化している、子供にいろいろ聞いて指導するのは時間がかかるが、体罰を使えば二、三分でけりがつく、こういうふうに語っているのを聞いて私はぐさりと胸を刺されたような気がしました。教師になるような人は子供が好きで、教育熱心で、最初から子供を殴って、思いのままに支配してやろうなんて考える人は教師には本来なっていないんですね。そういう心優しいというか、愛すべき集団であるはずの教師がなぜ体罰に走るのかということについて深く考えてみる必要があると思うんですけれども、私たちももちろんどういう理由があるにしろ体罰というのはもう絶対否定だと、こういう立場なんです。 そこで、先生が今非常に忙しいということを私はいろんな先生から話を聞くんですけれども、例えば埼玉県で小中学校の先生の授業の持ち時間数を県教組が調査したんですが、小学校では二千二百八十一人に調査して、平均が二十六・四時間、中学校が二千六十五人に調査して二十時間、過当なりですね、というふうになっているんですが、この授業をするに当たっての教材研究というのは一時間当たりどれぐらいとるんでしょうか。とったらよろしいんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) 人それぞれによりまして、また経験年数によって違うと思いますので、一概に何時間ということは言えないと思います。
○吉川春子君 しかし、まるっきり教材研究をしないで授業に臨むということはできないわけですから一授業時間掛ける一時間か何時間がわかりませんけれども、教材研究の時間が要るわけですね。授業と教材研究だけでもかなり手いっぱいな状態でありますけれども、そのほか答案の採点、学級通信の作成、会議、集会、クラブ活動、清掃指導などに追いまくられていて、家庭への仕事の持ち帰りというのが非常にふえていると。八割ぐらいの先生は家庭へ仕事を持ち帰っているということも実態として報告されています。また、これもやはり埼教組の調査なんですけれども、先生の健康破壊ということが非常に進んでいると。そこまでいかなくても、疲れ切っているという状態が報告されているわけなんですね。こういうことを見ますと、こういう状態ではいじめが行われていてもなかなか発見できない。それから、いじめが発生しても、そういうものについてなかなか対応できないというふうに思うんですけれども、こういう教師の忙しさということについてどうお考えでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) 教師が本来の職務を自覚いたしまして、家に帰って勉強するということは当然あり得ると思うんです。そういう学習まで忙しいということを言われれば、ほかの商売でもいっぱいありまして、夜夜中まで仕事をすることはたくさんあるわけでございます。したがいまして、一般的に先生方の勤務条件というのは戦後、今日まで改善に改善を重ねられているわけでございます。施設、設備も大変よくなってきているわけでございます。それにもかかわらず、いじめという問題が発生するということは、やっぱりそういう勤務条件の改善だとか、そういうものとか学校の条件をよくすればいいというものではないと、もっと根の深いものであると、そういう認識をしているわけでございます。
○吉川春子君 局長の発言は教育現場の実態を知らなさ過ぎるというふうに思います。昔の子供と違って、今の子供たちを指導するのがどれだけ大変かと。ベテランの先生が定年になる前にもう疲れ果ててやめていくという実態も文部省が御存じないというはずはないと思うんですね。 先生を忙しくしている問題の一つに研究指定校があります。文部省は学校の問題行動に関する懇談会の提案に基づいて、六十年度から生徒指導総合推進校の指定ということを、各都道府県一校で四十七校指定しているわけですけれども、五十九年度の研究指定校、文部省からいただいた資料で、これ全部じゃないようなんですけれども、十四テーマで千百三十五校、埼玉県が指定しているものが九十二校、埼玉県の中の一つの市、例えば熊谷市などでは小学校十九校のうち八校、十二校のうち六校が研究指定校になっているわけですね。埼玉県教組のこれも調査によると、七百校で調査したところ、指定校は小学校の三分の一、中学校は三〇%、こういう実態にあるわけなんです。だからもう研究研究で追いまくられて、そのほかいろんな研修とか何年度研修とかいろいろなものがあるわけですから、そういう中で非常に忙しいという実態が、これは埼玉県をたまたま私が住んでいるので例にとったんですけれども、千葉県はもっとひどいんですよね。そういう実態で、これは余りにも忙し過ぎるのじゃないかというふうに思うんですけれども、これもやはり当然のこととお考えですか。
○政府委員(高石邦男君) 教育行政が現場に密着して、しかも現場のデータを積み上げていろんなことを考え、改革を考えていかなきゃならぬというのは、多くの方から指摘を受けているところでございます。そういう観点で実は教育現場の研究指定校をやって、貴重な今後の改善のためのデータを得ているわけであります。また、ある学校における貴重な実践研究というのが他の学校で非常に利用され活用されるというプラスアルファもあるので、そういう研究校を指定しております。実態としては希望校がかなり多いわけでございまして、希望校にむしろこたえられないというのが我々の実態でございます。 また、研究校にもよりますけれども、そういう研究をお願いする場合には教員の過配というような対応も一面において考えながら、そういう教育現場における条件も考えながら研究を進めているということでございまして、研究校が多いという、だからやめろという議論にはちょっと納得しかねるわけでございます。
○吉川春子君 大変研究指定校の希望が多いということでしたが、「過去三年間に研究指定校になった学校の決定の経過」という資料があります。「A、教職員の多数が反対であったが、管理職の一方的おしつけて決まった」というところが四五・三%、「反対する者、賛成する者で意見がまとまらず教職員の多数決で決めた」というのが七・七%、これは中学です。それから「教職員の多数が、子どもたちにとって有益なので受けるべきだとして、多数決などによらないで自主的に受け入れることに決めた」、これが一八・八%なんですね。 希望が多いという実態はこういうことなわけなんですけれども、教育公務員特例法の提案理由説明で辻田政府委員がこのように言っています。「教育公務員がその職責を遂行するためには、当然研究と修養に努めなければならないのでありますが、それは単に教育に従事しておる者の義務としてのみでなく、権利としても研修をなし得るような機会を持たなければなりませんので、従来単に自発的に行っておりましたが、これを法の根拠のもとに行うことができるようにいたした」と言っているんですけれども、研修というのは教員の義務というよりは権利であるし、これは自主的に受け入れるものだと、そういう立場は今日でも変わりないわけですね。
○政府委員(高石邦男君) 研修についていろんな考え方がございますが、研修の公の金で公の時間内に教職員に研修をお願いするのは、あくまでその職務遂行に関連して有益であるという判定をするから研修をお願いするわけでございます。したがいまして、それ以外に自分でそういうものに関係なく自分の好きなものを勉強するというような研修もあろうと思います。少なくとも公の研修を実施する場合には、任命権者の一つの承認とか計画とか、そういうもとにおいて実施されなければ学校の秩序ある運営はできないのでございます。したがいまして、そういうような研修と、それから自分が自分の自発的な計画に基づいて行う研修、この二面性があると思うわけでございまして、一つの立場だけの研修しかないというふうには思っていないのでございます。
○吉川春子君 重ねて伺いますが、文部省がその研究指定校という形で県へ委嘱状かなんか知りませんが出しますが、これはやはり現場の教職員が受け入れると、そういう現場の合意のもとに受け入れられることが好もしいわけですね。
○政府委員(高石邦男君) まず研究指定校をやる場合にどういう学校に指定をするかというのは、指定のいろいろな条件があって、例えばこういう地域でこういう置かれている学校で研究をしてもらいたいというふうにしないとデータが出ないので、希望校の学校だけを指定したのではこれは客観的なデータが出ない。そういう意味で県の教育委員会が一定の調整をしながら研究指定校を決めていくわけであります。最終的には学校の管理運営の責任者は校長でございますので、校長の責任と判断においてそれは決める。ただし、校長がその責任と判断で決める際に職員の意向をも十分にしんしゃくしながら対応していくということが通常の研究指定校の経過であろうと思います。
○吉川春子君 もちろん、その研究指定校としてふさわしいかどうかという判断は文部省がするんでしょうけれども、受け入れる側にとってはそれは任意だと、校長も含めて任意だと、そういうことなんですか。
○政府委員(高石邦男君) 法律的にどうかということであれば、校長の意思決定によってその研究指定校になるかどうかというのが決定されるということでございます。
○吉川春子君 校長はいろいろの思惑があるでしょうから、なるべく研究指定校になりたいと思うと思うんですけれども、現場の教師にとっては非常に忙しいしそういうことは困る、そういうような多数意見があっても、最後は校長の職務命令のような形で受け入れられてしまうというのが先ほど示した数字にも如実にあらわれていると思います。 それで、もう時間がなくなりましたので、日の丸・君が代の問題は通告しておいたんですができませんが、いじめとかさまざまな問題行動が学校で起こっている。それに対応するのはやはり教師なんですね。教師がそういう問題について子供の悩みを聞き、問題が発生しないように未然に防ぎ、あるいは発生したときにはそういうものに対してきちんと対応していく。そのためには、どこでいじめが起こっているのかいないのかわからないほど忙しかったり、わかっていても手も打てないほど忙しかったり、こういう状態のもとでは本当に今日のこういう問題について対応できない。だから、そういう意味で私はもっと教師にそれこそゆとりの教育ができるような条件を与えるべきじゃないか、そのことを強く思います。 それからもう一つは、日の丸・君が代というような問題を一方的に現場の教師あるいは校長に強制させて文部省が行政指導してやらせる、こういうようなことをやる限り、現場で一致して団結して物事に当たれ、問題行動解決のためにせよと言っても、それはもう職場の民主主義を破壊するようなことを文部省がやるわけですから、そういう職場実態が一致団結してできるようなことにならないわけなんですよね。だから私は、文部省がこの時期こういうものを出されたということは、この問題について取り組まなきゃならない問題意識のあらわれだと受けとめますけれども、そういう意味でやっぱり本当に原因をつかみ、そしてそれに対応できるような学校現場の条件、そういうものをつくっていかなければならないんじゃないか。これは御返事は要りませんけれども、そのことを指摘して質問を終わります。
○委員長(林寛子君) 本日の調査はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(林寛子君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化及び学術に関する調査のうち、臨時教育審議会における審議状況に関する件について、来る十一月二十六日の委員会に臨時教育審議会会長岡本道雄君、同審議会第一部会長天谷直弘君及び同審議会第四部会長飯島宗一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林寛子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十九分散会 —————・—————