科学技術特別委員会 第1号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1985/10/14
会議録
○八百板正君 ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。 本院規則第八十条により、年長のゆえをもちまして私が委員長の選任につきその議事を主宰いたします。 これより委員長の選任を行います。 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
○志村哲良君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。
○八百板正君 ただいまの志村君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八百板正君 御異議ないと認めます。 それでは、委員長に馬場富君を指名いたします。(拍手) ――――――――――――― 〔馬場富君委員長席に着く〕
○委員長(馬場富君) ただいま皆様方の御推挙によりまして、引き続き委員長の重責を担うことになりました。 甚だ微力ではございますが、委員各位の一段のお力添えを心からお願い申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(馬場富君) それでは、ただいまから理事の選任を行います。 本特別委員会の理事の数は四名でございます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(馬場富君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に古賀雷四郎君、志村哲良君、稲村稔夫君及び塩出啓典君を指名いたします。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(馬場富君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 第百二回国会閉会中、本委員会が行いました委員派遣について派遣委員の報告を聴取いたします。 まず、第一班の報告をお願いいたします。稲村君。
○稲村稔夫君 第一班について、その概要を御報告申し上げます。 派遣地は静岡県、愛知県及び岐阜県でありまして、派遣期間は九月二十四日から二十六日までの三日間であります。 派遣委員は、馬場委員長、古賀理事、長田委員、佐藤委員及び私の五名で太田委員が現地参加されました。 また、視察先は、中部電力株式会社浜岡原子力発電所、三菱重工業株式会社名古屋航空機製作所大江工場、川崎重工業株式会社岐阜工場、科学技術庁航空宇宙技術研究所岐阜飛行実験センター及び動力炉・核燃料開発事業団中部探鉱事務所であります。 以下、その概要について申し上げます。 中部電力株式会社浜岡原子力発電所では、会社側から説明を聴取した後、固体廃棄物貯蔵庫、一、二号機中央制御室、一号機原子炉建屋及び三号機建設現場を視察しました。 一、二号機は、既に営業運転を開始しており、その設備利用率は良好で、最近三年半の間、関係法令に基づく事故、故障はないとのことであります。 また、三号機は百十万キロワットで、昭和六十二年九月の営業運転開始に向けて、現在、原子炉格納容器や原子炉圧力容器の据えつけ等が行われ、総合進捗率約六四%で順調に建設が進められております。なお、原子炉の型式は、いずれも沸騰水型軽水炉であります。 低レベル固体廃棄物は、サイト内の貯蔵施設にドラム缶に収納し、保管されているのが現状でありまして、当発電所では、二つの貯蔵庫(貯蔵能力、ドラム缶四万二千本)に、三段積みで約三万本保管されております。専用のフォークリフトに積まれたドラム缶を、遠隔操作により所定の位置に自動的に運搬する方法を採用し、作業員の放射線被曝低減化に大きく寄与しているとのことであります。 また、一班十六名で編成する一、二号機中央制 御室の運転員が整然と配置された操作盤や周辺環境放射能等のメーターを監視しており、その運転員は専門の訓練センターで事故を想定した再訓練教育を受けるなど五十四年三月に発生したTMI事故を契機とした一連の安全確保重視策が着実に行われております。 なお、廃棄物の焼却やプラスチック固化処理、原子炉の寿命、耐震設計の配慮及び事故、故障等について質疑が行われました。 三菱重工業株式会社名古屋航空機製作所大江工場では、会社側から説明を聴取した後、NⅡ、HⅠロケットの製造部門及び研究部門を視察しました。 当工場は特にロケット部門において顕著な業績を持ち、NI及びNⅡロケットを開発し、十三個の人工衛星を打ち上げ、さらに大型化に向けてのHI及びHⅡロケットの開発を進めております。 NⅡ及びNⅠロケットの燃料タンクはアルミ合金で、その構造はアイソグリッドと呼ばれる一辺百二ミリメートルの正三角形の組み合わせになっており、これは約十三ミリメートルの板厚を削り出し加工により成型されます。また、燃料タンクの内部溶接はコンピューター制御によりまして自動的に円周方向の溶接が実施されているなど、品質管理に十分な配慮がなされております。 HⅠロケットの開発では、我が国初の液体酸素、液体水素エンジンや慣性誘導装置など数々の先端技術が投入されており、またHⅡロケットの開発では自主技術により国際競争にも十分対応できる性能を持つ我が国初めての純国産ロケットを総力を挙げて取り組んでおります。 なお、プレス加工と削り出し加工の得失、接着層のフェールセーフと金属疲労及び溶接の熱影臀部の脆弱化対策等について質疑が行われました。 川崎重工業株式会社岐阜工場では、会社側から説明を聴取した後、低騒音STOL実験機「飛鳥」を視察しました。 「飛鳥」は、我が国の航空技術の粋を結集して開発が進められている純国産機であります。新しく開発された技術すなわちエンジンを主翼上面の前方に置き、主翼周りの空気の流れと一緒にエンジン排気も下向きに曲げる方式である高揚力技術など数多く組み込まれております。現在、初飛行を真近に控えてエンジン性能テストなど必要な地上試験が順調に進められております。 なお、燃料経済性、輸送機開発に向けて解決すべき課題等について質疑が行われました。 科学技術庁航空宇宙技術研究所岐阜飛行実験センターは、低騒音STOL実験機「飛鳥」の飛行実験業務を行うため、川崎重工業株式会社岐阜工場に隣接する防衛庁航空自衛隊岐阜飛行場の一画に本年六月に開設され、職員九名が常駐しております。 「飛鳥」の飛行実験は近く行われる初飛行に引き続き、六十三年度まで、総飛行回数二百四十のフライトが計画されております。試験空域は、当センターから南東方向百から百五十キロメートルの志摩半島沖で、計測項目約二百五十点のデータはテレメーターで当センターに受信されますが、必要に応じ三重県志摩の中継基地が活用されます。受信データは、実時間データ処理が行われ、コンピューターグラフィックを取り入れた機体運動表示装置や、エンジン運転監視装置などにより、安全監視が行われております。 飛行実験を通して、飛行関連データを蓄積し、新技術を実証することにより、将来のSTOL輸送機の開発において我が国が世界のトップに立つことになり、その成果が期待されております。 なお、飛行実験の意義、初飛行の時期等について質疑が行われました。 次に、動力炉・核燃料開発事業団中部探鉱事務所では、事業団から説明を聴取した後、ウラン探鉱ボーリング作業及び東濃鉱山調査坑を利用したインプレースリーチング試験を視察しました。 原子力発電計画推進に必要なウラン資源の安定確保を図るため、カナダ、オーストラリア及びアフリカ諸国を三大開発拠点と位置づけ、これらの国々へ毎年二十名以上の調査員を派遣し、ウラン探査を進めております。 また、我が国最大規模の東濃鉱山において、インプレースリーチング技術の開発試験を五十六年から実施しており、現在まで六回の試験で、ウラン約二十五キログラムを回収しています。この技術は、ウラン鉱床に薬剤等を圧入し、溶解したウランを回収するという方法で、米国で一部実施されております。この方法の利点は、自然環境保護、公害防止、作業員の放射線被曝低減が図られるということであります。 なお、リモートセンシング技術のウラン探鉱への利用方法及びインプレースリーチング試験の実情等について質疑が行われました。 以上が調査の概要でありますが、今回の調査に当たりまして御協力を賜りました関係者の方々に感謝の意を表しまして報告を終わります。 以上です。
○委員長(馬場富君) 次に、第二班の報告をお願いします。志村君。
○志村哲良君 第二班について、その概要を御報告申し上げます。 派遣地は島根県、鳥取県及び岡山県で、派遣期間は九月二十四日から二十六日までの三日間、派遣委員は塩出理事、八百板委員及び私の三名であります。 また、視察先は中国電力株式会社島根原子力発電所、島根大学本部及び農学部附属本庄総合農場、動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所、株式会社林原生物化学研究所本社及び藤崎研究所であります。 以下、調査の概要について申し上げます。 中国電力株式会社島根原子力発電所では、概況説明の後、中央制御室、管理区域の原子炉建屋、タービン室及び二号機の建設現場等を視察いたしました。同発電所は島根県鹿島町にあり、中国地方で唯一の原子力発電所であります。 一号機は、国産第一号機であり、国産化率は九三%、沸騰水型で、電気出力は四十六万キロワット、昭和四十九年三月に営業運転を開始しております。設備利用率は、営業運転を始めてから本年八月末までの累計で七〇・七%であり、高率を達成しております。同機での燃料棒の故障等は営業運転開始以来、一度もなかったとのことであります。 また、同発電所では、一号機に隣接して二号機が建設中であり、建屋工事と並行して原子炉格納容器の据えつけ工事が行われており、工事は最盛期に入っていました。二号機は、一号機と同じ沸騰水型で、電気出力は八十二万キロワット、国産化率は、ほぼ一〇〇%であり、昨年七月に着工し、六十四年二月に営業運転開始の予定で、本年九月末現在の工事進捗率は約二七%とのことでありました。 さらに、二号機は一号機の経験をもとに最新の技術を取り入れており、格納容器も作業性を考慮し、内容積を大きくしたマークⅠ改良型や新型八×八燃料及び被曝の低減対策等の新しい技術を採用しているとのことでありました。 なお、概況説明及び現場視察の際に、一号機の発電コスト、定期点検のあり方及び原子炉等に使用されている素材の改良点等につきまして活発な質疑応答が行われました。 次に、島根大学では、大学の沿革及び概況説明の後、農学部附属本庄総合農場を視察しました。同大学は、地域と一体となり研究教育活動を進めており、地域の大学として県内各地で公開講座を開催するとともに、国際交流も積極的に行っており、米国や中国の大学と姉妹大学協定を結び、教官や学生の交流を活発に行っております。 農学部附属本庄総合農場は、四十二年に設置され、四十九年七月にはコンピューター制御システムによる施設が完成しました。農家の労力軽減を目的として始められたこのコンピューター農場は、約八百平方メートルの大型温室二棟にコンピューターが設置されており、作業はほぼすべて機械が自動的に行っています。また、同農場は、農業の省力化に加え、太陽熱や風力の自然エネルギーを利用した脱石油農村エネルギーシステムに も取り組んでいます。新しい栽培技術とソーラーシステムを結合してマイコンで制御する高度生産温室では、トマトやブドウ収穫量を倍増する研究を行っています。 なお、産学官の連携による研究協力のあり方、科学研究費のあり方、自然エネルギー利用による農場の脱石油効果等につきまして活発な質疑応答が行われました。 次に、動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所では、概況説明の後、ウラン濃縮パイロットプラント、製錬転換パイロットプラント及び原型プラント造成現場等を視察しました。 同事業所では、国のプロジェクトである遠心分離法によるウラン濃縮の自主技術開発のため、五十七年三月から年間約五十トンSWU(分離作業単位)の能力を有する約七千台の遠心分離機のパイロットプラントの全面運転を開始しております。なお、五十七年十二月には、このプラントで生産された濃縮ウランは「ふげん」の燃料として実用に供されています。 さらに、官民協力のもと、同事業団は、同事業所でパイロットプラントに続く原型プラントの六十三年度運転開始を目標に土地造成工事を進めております。現在、土地造成工事は八〇%ほど完成したとのことであります。 また、同事業所は、我が国独自で開発したウラン製錬法である湿式一貫製錬法というウラン鉱石からイエローケーキを経ずに一挙に六弗化ウランの原料となる四弗化ウランを生産する一貫製錬技術を開発し、世界の注目を浴びてきました。 さらに、同事業所では、これに続けて六弗化ウランまで製錬転換する技術を開発し、その実用化技術を実証するため、五十七年三月に完成した製錬転換パイロットプラントで、鉱石及びイエローケーキを原料として六弗化ウラン転換試験を実施しております。 なお、我が国の海外におけるウラン資源探査の現状、濃縮ウランのコスト及びレーザー濃縮法等につきまして活発な質疑応答が行われました。 最後に、株式会社林原生物化学研究所では、概況説明の後、藤崎研究所及び細胞センターを視察しました。 同社は、四十五年九月、林原株式会社から微生物産業の創造を目指して研究部門が独立分離し、創立されました。同研究所における生命科学技術の特色は、ハムスターを利用したヒト細胞大量増殖技術という独創的な技術を駆使して、人体にとって有益な生理活性物質の発見、量産に努めていることであります。 同社は、五十四年十月には、ウイルス病治療薬や抗がん剤として大きな注目を浴びているインターフェロンの量産化の技術として、人間の培養細胞をハムスターの体内で増殖させる方法に成功し、五十六年四月にはインターフェロンの製薬化で国内製薬メーカー二社と業務提携を行っています。また、五十六年十一月にはがん破壊因子を発見、量産化し、さらに、五十七年十二月には腫瘍壊死因子の量産に成功しています。細胞センターは、本年四月に完成、がん細胞やウイルス等を取り扱うほか、細胞にウイルスを作用させて性質を変える実験等も行っているとのことであります。 なお、同社の研究開発体制、ウイルスやがん細胞等に対する安全性の確保対策及び細胞増殖法に植物細胞を使用しない理由等につきまして質疑がありました。 概要は以上でありますが、今回の調査に当たりまして御協力を賜りました関係者の方々に感謝の意を表しまして、報告を終わります。
○委員長(馬場富君) これをもって派遣委員の報告を終了いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十二分散会